第052回国会 予算委員会 第1号
昭和四十一年十一月十日(木曜日)
   午前十時三十二分開会
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   委員の異動
 八月八日
    辞任         補欠選任
     瓜生  清君     向井 長年君
 八月三十日
    辞任         補欠選任
     佐多 忠隆君     藤原 道子君
 八月三十一日
    辞任         補欠選任
     藤原 道子君     佐多 忠隆君
     稲葉 誠一君     中村 波男君
 九月二十九日
    辞任         補欠選任
     小林  武君     北村  暢君
 九月三十日
    辞任         補欠選任
     柳田桃太郎君     熊谷太三郎君
     中村 波男君     稲葉 誠一君
     鈴木  強君     竹田 現照君
 十月四日
    辞任         補欠選任
     熊谷太三郎君     柳田桃太郎君
 十月十一日
    辞任         補欠選任
     竹田 現照君     小林  武君
     渡辺 勘吉君     鈴木  強君
 十月十四日
    辞任         補欠選任
     小平 芳平君     黒柳  明君
 十月二十六日
    辞任         補欠選任
     黒柳  明君     小平 芳平君
 十一月一日
    辞任         補欠選任
     市川 房枝君     石本  茂君
 十一月四日
    辞任         補欠選任
     塩見 俊二君     木暮武太夫君
 十一月五日
    辞任         補欠選任
     春日 正一君     岩間 正男君
 十一月七日
    辞任         補欠選任
     亀田 得治君     山本伊三郎君
 十一月九日
    辞任         補欠選任
     小平 芳平君     黒柳  明君
 十一月十日
    辞任         補欠選任
     松野 孝一君     八木 一郎君
     林  虎雄君     藤田  進君
     宮崎 正義君     北條 雋八君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         石原幹市郎君
    理 事
                大谷藤之助君
                白井  勇君
                西田 信一君
                北村  暢君
                小林  武君
                鈴木 一弘君
    委 員
                青柳 秀夫君
                赤間 文三君
                井川 伊平君
                植竹 春彦君
                大谷 贇雄君
                梶原 茂嘉君
                北畠 教真君
                小山邦太郎君
                木暮武太夫君
                古池 信三君
                西郷吉之助君
                櫻井 志郎君
                杉原 荒太君
                日高 広為君
                平島 敏夫君
                船田  譲君
                増原 恵吉君
                八木 一郎君
                柳田桃太郎君
                吉武 恵市君
                稲葉 誠一君
                木村禧八郎君
                佐多 忠隆君
                鈴木  強君
                田中寿美子君
                羽生 三七君
                藤田  進君
                藤田藤太郎君
                村田 秀三君
                矢山 有作君
                山本伊三郎君
                黒柳  明君
                多田 省吾君
                北條 雋八君
                向井 長年君
                岩間 正男君
                石本  茂君
   国務大臣
       内閣総理大臣   佐藤 榮作君
       法 務 大 臣  石井光次郎君
       大 蔵 大 臣  福田 赳夫君
       文 部 大 臣  有田 喜一君
       厚 生 大 臣  鈴木 善幸君
       通商産業大臣   三木 武夫君
       運 輸 大 臣  藤枝 泉介君
       郵 政 大 臣  新谷寅三郎君
       労 働 大 臣  山手 満男君
       建 設 大 臣 橋本登美三郎君
       自 治 大 臣  塩見 俊二君
       国 務 大 臣  愛知 揆一君
       国 務 大 臣  上林山榮吉君
       国 務 大 臣  田中 茂穂君
       国 務 大 臣  前尾繁三郎君
       国 務 大 臣  森   清君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        水谷 国一君
   説明員
       内閣法制局長官  高辻 正巳君
       人事院総裁    佐藤 達夫君
       総理府総務副長
       官        上村千一郎君
       防衛庁長官官房
       長        海原  治君
       防衛庁人事局長  宍戸 基男君
       防衛庁経理局長  大村 筆雄君
       外務政務次官   田中 榮一君
       大蔵省国有財産
       局長       松永  勇君
       国税庁長官    泉 美之松君
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  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○予算の執行状況に関する調査
○派遣委員の報告に関する件
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○委員長(石原幹市郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 十一月一日、市川房枝君が辞任され、その補欠として石本茂君が選任され、同月四日、塩見俊二君が辞任され、その補欠として木暮武太夫君が選任され、同月五日、春日正一君が辞任され、その補欠として岩間正男君が選任され、同月七日、亀田得治君が辞任され、その補欠として山本伊三郎君が選任され、昨日、小平芳平君が辞任され、その補欠として黒柳明君が選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(石原幹市郎君) 次に、理事の補欠互選についておはかりいたします。
 委員の異動に伴い理事が欠員になっておりまするので、その補欠互選を行ないます。
 互選は投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に北村暢君、小林武君を指名いたします。
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○委員長(石原幹市郎君) 次に、予算の執行状況に関する調査を議題といたします。
 本調査に関しましては、先般来、委員長及び理事打合会を開き、その運営について協議を行ないましたので、その要旨について御報告いたします。
 調査は本日一日といたしまして、その質疑の総時間は百三十分とし、各党派への割り当ては、自由民主党及び社会党はそれぞれ五十分、公明党十五分、民主社会党、共産党及び第二院クラブはそれぞれ五分とし、うち総理大臣に対する総括質疑時間は、自由民主党及び社会党はそれぞれ二十五分、公明党八分、民主社会党、共産党及び第二院クラブはそれぞれ三分といたしました。
 質疑順位は、まず総理大臣に対する総括質疑につきましては、社会党、自由民主党、社会党、自由民主党、公明党、民主社会党、共産党、第二院クラブの順とし、次いで他の国務大臣に対する質疑につきましても、同様の順で行なうことといたしました。
 以上御報告いたしましたとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 それでは、これより質疑を行ないます。木村禧八郎君。
○小林武君 議事進行について。衆議院の予算委員会で、公党の道義、綱紀の問題について、総理大臣から所信の表明が冒頭においてなされたわけであります。しかるに、この参議院の場合はそれがなされないのは、いかなる理由なのか。これは国会ばかりでなく、日本全体においてこの問題については重大な関心を持っているし、このことを明らかにしない限りにおいては、政治不信が国民の中に起こるというような重大なやはり問題をかかえていると私は思う。その際において、参議院を特別にそういう扱いをしたことについては、はなはだ私は納得ができない。まず総理の所信表明があってしかるべきだと思うが、どうでありますか。
○委員長(石原幹市郎君) 佐藤内閣総理大臣。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの議事進行についての御意見、しごくごもっともだと思います。私は、衆参両院を区別する考えは毛頭ございません。ただ、この問題は相当時間がたっておりますので、特に本会議の席上で説明するような所信表明とは違いますので、あるいは委員会のほうで、むしろそういうことは必要なしとお考えじゃないだろうか。ことに衆議院で話をし、また北海道で一日内閣をやり、さらにその後、記者会見等もいたしておりますので、その点はいかがと思いまして、実は遠慮していたのでございます。で、直ちに質問に入っていただければたいへん私はいいと、かように思いましたが、ただいまのようなお話で、皆さんが御要望なさるなら、ただいま手先にございますから、衆議院でいたしたとおりをこの際も発言さしていただきます。
○小林武君 ちょっと、総理大臣としてのことばとは私は思われないのですね。この問題は、いかにも何か古いことであって、現在その日本の国会の中における、あるいは政党の問題として、重大な問題でないというような御認識であるならば、これはたいへんな私は間違いだと思うのです。しかも、衆議院でやったからよかろうというような考え方は、これは妥当でない。参議院においても同様なことが行なわれるべきだと私は考える。これは要求があったから、それじゃひとつやりましょうかというようなその総理大臣のおことばは、私は納得いかないのです。そういう立場ではなくて、衆議院においてもその所信を明らかにした。問題は、私は、ある意味では進展しているとも言えるのであります。国民の疑惑はますます深まったとも私は考えられる。そういう際において、総理大臣は、機会をとらえてですよ、機会をできるだけよけいとらえて、そうして所信を表明されるのが当然ではありませんか。そういう立場でやってください。まあ、そういうものをおまえらやれというからやるというようなお話だったら、これは私はお受けするわけにいかぬと思う。
○大谷藤之助君 ただいまの問題については、その必要があれば、当然理事会においてこれは検討され、あるいは提案されるべき問題でありますけれども、その必要がない今日の時点において、議題になっておりません。すみやかにひとつ予定のとおり議事進行をお願いいたします。
○鈴木強君 ただいま大谷理事の御発言もありましたが、私は、小林委員のおっしゃるように、私自身も、当然この予算委員会において総理の所言の御表明が、どういう形にせい、あると思っておりました。しかし、それがないということは、むしろおかしいのであって、理事会がそのことについて論議をしたならば別でありますが、むしろ、理事会としてそういうことについてあらかじめ話し合いをするというのも一つの方法であったと思いますが、それはもう過去のことですから、ですから、私は、ここで委員の立場でさっきから議事進行の発言を――ちょっと聞いてください。大谷さん、そこで、総理の言い方が少しおかしいのですね。しかも、私の気に食わないのは、一カ月前に衆議院でやったと同じものをやると、こうおっしゃる。冗談じゃありませんよ。あなたは五日の日に、少なくとも一日内閣を開催されて、札幌において御所信の表明をなされたでしょう。そうでしょう。ですから、その間の時の動き、情勢の変化は当然あります。そういうものに即応した御所信をお述べいただくことが、私は適当だと思いますから、もし理事会で御相談がないならば、この委員会をひとつ休憩にして、直ちに理事会を開いて、ここで新たな観点に立ってのひとつ総理の御所信がまとまるまで、休憩してください。
○委員長(石原幹市郎君) 委員長からちょっと申し上げますが、先ほどもちょっと発言ありましたように、きょうの委員会の開催につきましては三回、たしか三回ぐらいだったと思いますが、理事会を開いて、ずっと協議をして、本朝も先刻理事会を開いて、この委員会に臨んだわけでありまするが、そこでは、きょう打ち合わせのとおりに進行するということになっておりましたので、まあ、できれば、理事会の申し合わせですから、一応理事会の申し合わせを尊重していただいて、木村禧八郎君の質疑に入って、そして、木村禧八郎君からいろいろ総理の姿勢についておただし願って、その間で進行していったらどうかと、かように私は思うのでございますが、いかがでございましょうか。
   〔「賛成」「委員長」と呼ぶ者あり、その他発
   言する者多し〕
○委員長(石原幹市郎君) これで終わりまして、木村禧八郎君……。(「委員長、委員長」と呼ぶ者あり)小林君。
○小林武君 あなた、そういうこと、混乱させてはいかぬよ。そういう問題について、総理はむしろ積極的にやるべきじゃないですか。これは理事会に出るとか出ないとかの問題ではありませんよ。われわれは、そういうことは当然あるべきものだと考えておる。問題の取り扱いを議論するのですか、いまここで。委員長はそういう立場でなく、ひとつ総理もやろうと言っているのだから、やるべきだと思います。
○委員長(石原幹市郎君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(石原幹市郎君) 速記をつけて。
 木村禧八郎君。(「入る前に一度」「進行進行」と呼ぶ者あり)始めてからやりましょう。木村禧八郎君を指名しましたから、質問をちょっと始まってから。(「その前に」と呼ぶ者あり)いま理事会の申し合わせで、木村禧八郎君を指名したんですから、木村禧八郎君。(「ちゃんとけじめをつけてやれ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)――木村禧八郎君。
○木村禧八郎君 議事進行。ただいま問題になりましたように、衆議院では総理が所信表明を行ないましたので、鈴木議員が言われましたように、新しい事態に即して総理の所信を、あらためて参議院の予算委員会で、質問に入る前に伺いたいと思います。
○委員長(石原幹市郎君) 内閣総理大臣。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、政局を担当いたしまして以来、国民の信頼を得るということが最も大事なことだ、かように思いまして、まず、国民とともに歩む清潔な政治、こういうことを念願してまいりました。このことは、しばしばお話を申し上げておりますので、私の政治の姿勢そのものについては、ただいまの民主政治のもとにおいて、十分理解していただいたと思います。ところが、最近に至りまして、公党の一計に綱紀の問題につき、あるいはその他、何かと国民から疑惑、不信を招くような事柄が次々起こりました。ことに、私は残念に思っておる次第であります。政局を担当する者といたしまして、国民に対してほんとうに相すまない、かように考えております。
 そういう意味で、この原因をいろいろ探求しておりますと、ただいま当面する問題も、もちろん、私が総理あるいは総裁として、責任をとるべき問題でもございますが、同時にまた、長い間の、積年の病弊だ、かように見受けるものもあるのであります。私が最も心配しておりますのは、もしも、政治に対する国民の信頼というものが薄らぐ、こういうようなことがあれば、それはゆゆしい問題だと思います。今日、どうしてもこの国民の政治に対する信頼を取り戻さなければならない、これが私に課せられた責任だとも思います。
 私はかような立場に立ちまして、今日までの政治の経過を静かに見守っておりますし、過去におきまして、幾多の事績も私はあげてまいったと思います。しかし、今日当面しておる問題としての、たとえば物価の問題であるとか、あるいは社会開発の問題であるとか、こういうものがようやくこれからだと、こういうように、その基礎固めができたように、また、方向づけができたように思ってはおりますけれども、ただいまのように政治以前の問題で、たいへんな苦しい立場に立ち至っております。したがって、そういう意味から、私の責任をとれ、こういうようなきびしいお話も、御意見もございます。そういう点について、私は謙虚にこれらの批判、また、全体、多数の方々の意見というものに謙虚に耳を傾けているつもりであります。
 私は、こういう際こそ、この国民の不信を回復するということをまず第一に考え、そのためには、責任政党である自由民主党、この体質の改善をはかる、これがなによりも大事だと思いますし、また、今日起こっております幾つかの問題を見まする際に、政治に金のかかっている、こういう点にもメスを入れなければならないと思います。そういう意味で、選挙制度審議会等にかけております問題も、十分審議を尽くして、そして、その答申を得た上は、これを真剣に、皆様の御協力も得て、これを法制化する、こういうような態度で、金のかからない政治に踏み切るべきだ、かように思っておるような次第であります。
 しかし、何といたしましても、私どもの自由民主党が政局をまかされておるのでありますので、まず、みずからがその体質を改善することが最も大事なことである、国民に対してなすべき事柄だ、かように思って、ただいま清瀬一郎君に、粛党のいろいろの具体的な事柄について検討もさしておりますし、また、かつて三木答申というもので、すでに近代化等の答申を得ておりますので、これらの具体的な方向への努力もするつもりでございます。また、外部の機関、選挙制度審議会等にもはかりまして、これらの答申を待って、積極的に体質の改善、同時にまた、国民の信頼をかち得るように努力してまいるつもりでございます。私はかような考え方をただいましております。十二月一日に、自由民主党では総裁公選をいたしますが、私は、引き続いて政局を担当し、ただいまのような観点に立って、その責任を果たしていく、こういうことをただいま考えている次第であります。この点では、私は、私が信任を受ければ、今後まず人事の刷新をいたしまして、そして国民の要望にこたえる、その態度をはっきりさせたい、かように思っておるような次第であります。
○鈴木強君 質問に入る前に、これはちょっと議事進行を許してください。
 私は、先ほど委員長が御報告しました際に質問をしたかったのですが、次に議事が進みましたから、ここで質問いたしますが、実は総理大臣、御病気で御静養中だったわけです。きょうは御出席がどうなるかということは、私どもは前から心配しておったのでありますが、おいでになるということで、十分御意見を承われると、こう思っておったのであります。ただいま御所信を伺いましても、非常にお元気でけっこうです。そうしてさっきの話ですと、総理大臣は先に何か時間で帰らなければならない、理事会の御報告ですけれども、私はちょっとわからない。愛知官房長官にも御所見を承りたいのですが、あなたが六日の記者会見の際も、この委員会の運営について、佐藤首相はこれに出席することになる。今度は病気がなおったことだし、十分時間をかけて野党の質問に答えることになろう、こう言われておる。御病気であれば、これはやむを得ません。私どもよくわかります。お元気であるなら、私は、ぜひあなたのおっしゃったように、きょうは一日出ていただいて、われわれの質問に十分答えていただきたい、これは私は一番大事ではないかと思うのでございますが、もしそういう御所信を記者会見で発表されて、総理の健康状態が悪くなって、きょう途中で時間を切って帰らなければならぬということであれば、病気のことですから、何ともいたし方ございませんが、総理の御判断としては大丈夫と思ったのでしょう。私は、あなたのそういう記者会見があったから、十分きょうは出ていただけると思ってきた。そうすると理事会では、十二時半には帰られるのだということですが、それでは、質問するほうも非常にやりにくいし、困るわけです。これはどういうわけですか。
○委員長(石原幹市郎君) 愛知官房長官。
○国務大臣(愛知揆一君) きょうの参議院の予算委員会の件につきましては、理事会の累次のお打ち合わせを私も十分承知いたしておるつもりでございます。で、それに従いまして、総理としての日程を組んでございますので、十二時半には何とかひとつごかんべんをいただきたい、さような日程を組んでおるわけでございます。しかし、どうしてもあとに残りますような時間がございますれば、これは行事が済みましてからでも、御相談には乗れると思いますけれども、理事会のお申し合わせは、十二時半までに済ませるということでございましたから、さような前提に立って日程を組んでおるわけであります。
○委員長(石原幹市郎君) 委員長からも申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、三回、四回にわたって理事会を開き、先刻、委員会でこういう順序で取り運んでよろしいかということをおはかりいたしまして、皆さま方から御異議ないということで、委員会の審議に入っておるわけでございまするから、委員会で先ほど御異議ないということで入ったわけでございまするから、一応木村君の質疑を続行してもらいたいと思うのです。
○小林武君 議事進行。いや、あなたの、順序をきめたのはいい。だけれども、ぼくは理事会で言ったように、総理大臣が病気だから、ぼくらは、そう、それは納得しましょうと、こう言った。ところが、官房長官は、病気でないと、こう言っておる。元気だと、こう言うならば、日程上の都合ならば、ぼくらのほうはぺてんにかけられたことになる。こんなこと承服できるということになりますか。おかしい。
○大谷藤之助君 その問題について、両三度にわたって理事会において十二分に検討をされて、理由は病気であるからということでなく、病後であって、政局多端のこの際に、なるべく大事をとってもらって、ひとつ、そういう点においては審議も大いに協力してもらって、時間もひとつ、それにこたえられるように、午後のあるいは一時半から二時ころまでに、前半は総理の場にかかる、あとは一般質問ということで、病後で大事をとってもらうということにおいて、理事会で皆さん方も賛同されてきまったのですから、その点の問題があるなら、内輪でひとつ理事からよく了承してもらいたい。
○委員長(石原幹市郎君) どうでございましょうか。木村君に御進行願いたいと思います。
○小林武君 それはおかしいよ。
○委員長(石原幹市郎君) おかしくありません。理事会と委員会で決議しておるのですから。
○小林武君 決議は決議でも、話が違うじゃないか。きのうぼくは、事務局を通して、委員長を通して、総理の健康状態は一体どうなんだと言った。健康状態が悪いというならば、前のとおりでよろしいけれども、そうでなければ、これは終日やってもらいたいということを申し入れておるじゃありませんか。(「病後で大事をとっているのだ」と呼ぶ者あり)病後で大事をとるとか何とかということは、理屈にならぬじゃないか。
○委員長(石原幹市郎君) 小林君も理事で出て、理事会に参画を願っておるのですから、ここで…。
○小林武君 だけれど、そういう理事のものの言い方が、ぼくは納得がいかない。総理の健康上にまだ不安があるから、それで一体時間を詰めてくれというなら納得する。それが何だ、いまの話は。三回やったからということが何か条件になるか、おかしいじゃないか。
○委員長(石原幹市郎君) そうじゃありません。三回もやって、病後であるとか、いろいろのことをだんだん御説明して、積み重ねてきて今日にきて、きょう委員会で皆さまの御承認を得て、この委員会が始まっておるわけでありますから、だから、ぼくは、木村君に質疑を進行していただきたいと思うのです。また、質疑の過程でいろいろ何があれば、そのつど御発言を願っていただきたい。とにかく鈴木君も、あなた、次にじゅうぶん持っておられるのですから、そのときにやることにしていただいて、木村禧八郎君、進行してください。木村君、木村禧八郎君。
○木村禧八郎君 先ほど総理から、最近の政治腐敗、いわゆる黒い霧、これについての責任について話がありました。責任を痛感し、また、具体的に対処すると言われましたが、まず、私は、総理の責任について質問いたします。
 特に佐藤内閣になりましてから、これまで国会で明るみに出されましたような一連の政治腐敗あるいは政界、財界、官界をおおう黒い霧を通じまして、国家財政及び地方財政が紊乱の極に達していることは、周知のとおりであります。この点については、あとで具体的に質問いたします。しかも、中小零細企業の倒産は戦後の最高に達し、物価の値上がりのため、国民の約五割の人たちの生活が、前年より苦しくなっているという調査があります。住宅難あるいは宅地難のために、悪質不動産業者に泣かされている人が激増している。こういうような状況のもとで、国民生活を無視し、あるいはじゅうりんするような政治腐敗が横行し、その上、この黒い霧が佐藤体制と関係があると批判した藤山企画庁長官が、佐藤総理大臣のいわゆる指揮権発動によってやめさせられるという、こういう事態にありますので、国民の政治に対する不信、というより、むしろ政治に対する怒り、侮べつはその頂に達しております。わが国民主政治に重大な汚点を残し、危機をもたらすに至りました。こうした事態に対する佐藤総理大臣の責任は重大であると私は思っております。まずこの責任をどう考えるか。
 特に佐藤内閣は、四十一年度から安易な財源調達方法であるところの公債発行に踏み切ったのであります。したがいまして、こういう事態を放任しておけば、安易な公債発行による財源調達によりまして、ますます国家財政、地方財政を通じまして、紊乱は一そうひどくなると思う。特にそういう点から、私は、こういう事態を一日もゆるがせにすることができないのであります。したがって、総理大臣の責任について、具体的に、また、どういうふうに責任をおとりになるか、まず、この点を伺うのであります。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま木村君から、現時点における私の責任を明らかにしろというお話であります。木村君は、その立場は違いますが、おそらく、佐藤内閣が当面した経済の状態に対して、ただいまも公債政策について言われましたが、これは、佐藤内閣ができました際のわが国の経済界の実情はよく御承知だと思います。私は、公債発行の是非は、結果から御判断をいただきたいと思う。ただいまは経済の不況の克服、これはようやくできて、軌道に乗ってきた、かように言い得ると思います。この点では、木村君はその道の大家ですから、おそらく御承知であろうと思います。私とあるいは表現のしかたは違っても、この過去一年間に非常なる変わり方を示しておる、これは御了承いただけるんじゃないかと思います。
 また、ただいま、中小企業の倒産、これを例に出されて、これが政治以前の事件と関係があるかのように言われます。しかし、これまた、非常に中小企業の倒産件数の多いこと、これは御指摘のとおりであります。しかし、その多くは、いわゆる経済構造のもたらしたものである、かように見るものも相当あるのではないかと思います。私は、最近、この中小企業倒産について、各方面の批判がやや落ちついてきたように思います。しかし、件数は依然として非常に多いと、それはやはり、その原因がはっきりし、そしてまた、中小企業倒産に対する救済等、それぞれの適切な方途を講じておると、こういうことでございまして、そういう意味から批判が、ややその声が小さくなったのじゃないかと、かようにも思います。
 ただ、いま御指摘になりました中央、地方を通じて財政が紊乱しているじゃないか、あれは私たいへんな問題だと思います。この財政の紊乱、これを正すこと、これは先ほど来言われております政治以前の問題として、いろいろ原因を起こしておるんではないだろうかと、かように思います。私は、いわゆるその財政が中央、地方を通じて紊乱と、かようにまでは申しませんけれども、さように私は考えませんけれども、しかし、やや財政の面において、国民の努力そのものが、りっぱに成果をあげるように使われておると、はたして言い切れるかどうか、私も疑問なきを得ないのであります。こういう点が、いわゆる政治不在あるいは政治不信、そういうものをかもし出しておる、こういうところが、冒頭に御指摘になりましたように、あるいは綱紀の紊乱につながるのじゃないだろうか、あるいはまた、どこか最も大事なことを忘れておるのではないだろうか、かように私は思うのでありまして、そういう意味で、先ほど来、冒頭に申し上げましたように、私はその責任を重大に感じております。しかも、この重大に責任を強く感じており、国民に対して相すまないと、かように申しておりますのも、ただひとり、わが党のため、あるいは私個人と、こういうことではなくて、ひいては、わが国の民主政治そのものに対しても、これはたいへんな重大な危機――危機とまでは申しませんが、重大な影響を持つものだと、かように思って、私は、その責任を痛感しておるような次第であります。
 ただ、その責任を痛感すればするほど、何としても、この政治を正していかなきゃならない、姿勢を正していくこと、これは、こん身の勇をふるって、そうしてこの問題にぶつかっていかなければならない、かように私は思っておるのでありまして、私が別にその地位に便便としておるわけではございません。私は、重大であるがゆえに、一そうこれを正して、そうして、もとを正して、今後のりっぱな成績をあげるように、そうして国民から不信を招くようなことのないようにいたしたいと、かように思っておる次第であります。
○木村禧八郎君 総理は、この中小企業の倒産とか、あるいは物価値上げ、国民生活の困難と、それが政治腐敗の問題と関係ないように言われましたが、これまで総理は、日本経済は世界にまれに見る成長をしたと、技術は進歩したが、そのもとで人間性が失われてきたから、それを取り戻す政治をやるというのが、あなたの最大の使命であると言われたのでしょうが、そうでしょう。そこで、あなたはいま、何か責任を回避するようなことでありましたが、この責任を明らかにするためには、そうした腐敗の状態を明らかにすることですね。具体的に明らかにすること、そうしてそれに対して具体的にどう対処するか、こういうことが大切です。
 ですから、私はまずその次に伺いたいのは、総理が積年の病弊を根絶したいと言われました。具体的に積年の病弊とは何であるか、まず、これを明らかにしなければ、これを一掃、根絶するための対策は立たないわけです。ですから、積年の病弊とは、一体具体的に何であるか、どういうふうに総理はこれを認識されているか、その問題意識について具体的に御答弁を願いたい。そうしなければ、具体策は出てまいりません。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま積年の病弊とは一体何を言っているかと、こういうお尋ねであります。また、同時に、具体的に問題を剔抉しなければいけない、こういうお話であります。その具体的に剔抉するほうから申しますと、ただいま問題になっております共和製糖事件、これにつきましては、農林省におきまして、これを事態を明確にし、状態を国会に報告する考え方で、ただいま積極的に調査をいたしております。また、いわゆるバナナ事件、これまた私は、その具体的な内容もよくわかりませんので、これも所管省におきまして、具体的にこの問題を明確にするつもりでございます。
 で、私は、ただ、この際申し上げたいのは、いわゆる精神論をぶつわけではございませんが、やや私どもの今日までの戦後の経済の動向なり、また政治のあり方等を見まして、戦後において非常にやや狂ってきたんじゃないだろうか。率直に申しますが、どこかに重大な点を忘れてきたんじゃないだろうかと、こういうことを言わざるを得ないように思うのであります。最近の中央、地方を通じての政治のあり方、ことに地方議会なぞにつきましてもたいへんな批判が強く出ております。これはやはり経済繁栄に非常に急いだ、そういう意味から、精神的なものをどこかに忘れてきたんじゃないだろうか、こういうような感じがしてならないのであります。こういう点が今後明確になり、そうしてこれらと真剣に取り組んでいくならば、経済的な発展をした日本国民でありますから、この程度の事柄は克服し得るんだと、かように思います。私自身から申しましても、いろいろ私生活の問題についてもいろいろな批判を受けておりますが、私自身はそういう点ではよほど気をつけたつもりでございます。しかし、公私混淆、これがこの程度は許されるだろう、こういうようなことで、ずるずるべったりになったのが救済のできないような羽目におちいったのではないだろうか、かように思います。いわゆる積年の病根は各種、各方面にわたっておりますので、これは簡単に一朝一夕に直ちになおるとは思いません。いわゆる片一方でリーダーシップ、指導力も必要だろうと思います。関係の方々の全体の反省、これが非常に必要なんではないだろうかと思います。私はただいま自由民主党のそのものが、いわゆる責任政党として、また政局を担当しておる政党として、党員全体がこの積年の病弊の根絶を期そうとただいま立ち上がっております。これを私、総裁としてみまして、全体のこの盛り上がりが、必ずただいま当面する困難なものを克服することができる、かように思い、また、克服しなければならないと、かように思ってただいま取り組んでおるような次第であります。
○木村禧八郎君 ただいま伺いましたが、総理の現在の病弊に対する御認識は非常に不十分です。具体的に明らかにされて言われているのは、共和製糖の問題、バナナ事件だけであって、私はこの病弊のよって起こる具体的な原因に五つあると思います。これに対して具体的な今後措置を講じなければ、私は病弊は根絶できないと思います。これから具体的に聞いてまいります。
 その第一、それは政治資金の名のもとに、自民党の幹部、総理大臣はじめ各省大臣が、合法的、非合法的にたくさんの脱税を行なっていることです。これに対する国民の不満、批判は非常に大きいものがあります。これをはっきりさせなきゃだめです、合法的、非合法的に。
 第二は、国民の税金が、大臣のお国入りと称する選挙工作や、あるいは海外の観光旅行など私利私欲の食いものにしていることです。すなわち、国民の血税に対する認識が足りない。これが第二であります。いわゆる国民の財産に対する認識は、私の財産に対するよりももっとえりを正して、きびしい態度をとらなければならないんです。これがやはり粛正の一つの根本の私は課題だと思うんです。
 第三、補助金とか助成金、官僚が不当にこれをむだに使っているんであります。これは具体的に私は事実をあげてあとで質問いたします。
 第四、国民の零細な政府への蓄積資金ですね、あるいは郵便貯金とか、あるいは社会保険の掛け金とか、そういうものは財政投融資資金になるんですけれども、これが一部の財界人、政界人の利益のために不当に融資されて使用されていることであります。これも具体的に日本住宅公団の例をあげましてあとで追及いたします。
 第五番目、国有財産が国有林野の例を見ますように、営利会社のために不当にこれが安値で交換され、払い下げている事実であります。つまり、税金の大幅の脱税の問題、非合法あるいは合法。国民の税金の使い方あるいは国有財産あるいは資金ですよ。これが極度に紊乱しているのです。ここに私は腐敗の根本の原因がある。この五つを私はこの病弊の根本原因と思いますが、総理はこれに対してどうお考えですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま具体的にあげられました問題、これらの問題について私もたいへん、どこかに忘れられたものがある、かように申しました。そういうことを痛感せざるを得ないと思います。
 で、ただいままず第一に、税の問題を言われました。これは別に大蔵当局が行き過ぎるような激励のおことばだとは思いませんが、とにかく税の申告について――いまは申告制度をとっておりますが、この申告がいわゆる良心に基づいての申告がはたしてなされておるかどうか、これは十分私ども考えなければならないと思います。これはやはり良心を取り返すこと、ここがいまの申告制度が生きるかどうかの問題だと思いますので、そういう意味で、さらに注意をしたいと思います。
 また、第二の、税金でいわゆる国費がむだに使われていないか、こういう御指摘であります。いわゆる公私混淆の問題がここにあるわけであります。いわゆる李下に冠を正さずという、そういう気持ちで、今日党紀委員会なども結論を出しておるようであります。自民党におきましては、特にその点を注意するつもりでございます。いわゆる税金のむだづかい、公私混淆をしないということを十分気をつけてまいるつもでおります。ただ、弁解するわけじゃありませんが、どこからどこまでが公であり、どこからどこまでが私的か、たいへん実は困る問題もあるのでございますので、観念的には非常にわかりいい公私混同はいかぬということでありますけれども、これは実態について私どもがこれから判断していかなきゃならない問題だと思います。
 第三の問題の、補助金等の使い方、一部官界についての御注意でございますが、私はただいまも綱紀の問題は、公務員あるいは官界におきましても、これを厳正にしなきゃならないということ、ただいま何といいましても政党政治家、これがまず綱紀、みずからの身を正していく、それによって初めて官界も引き締まってくるのだ、かような考え方をいたしております。しかし、行政の面、とうとい税の結集であるもの、財政が、これが官僚の一部の考え方で使われることのないよう、ここでは綱紀を正していくということをいたしたいと思いまます。
 また、零細な資金、いわゆる郵便貯金その他のものが特別一部の業界に使われておりはしないか、こういうお話でありますが、この点では皆さま方からかねてからしばしば注意されておるのでありますので、私は漸次、この零細な国民の資金が、本来の目的に使われつつある、そういう方向に向かいつつある、かようにお答えすることができると思います。
 最後に、国有財産の処分についてのお話でございます。国有財産は国民のためにはこれは適正に管理され、適正な価格で処分されてこそ初めて国民の利益と合致するのであります。しかし、私は最近国有林野その他の処分について非常な問題が起こっておりますので、この内閣では、この払い下げについては、ひとつ万やむを得ないものと、こういうものに限ることにして、この払い下げはしばらく見合わしたらどうか、こういうことを実は事務当局に指示しておるのであります。ことに、国有林野の場合におきまして、どうしても払い下げをしなきゃならないというものは別でありますけれども、民有に移して、そうして国有林野が本来の目的以外に使われる、たいへん乱れたような感がいたすということは、これはたいへんなことだと思いますので、国有の所有権を移すことについてはこれはしない。これは移するようなことのないように、むしろ使用権で問題が処理できるような処置を考えたらどうか、こういうことを国有林野については特に指図しておるような次第であります。私は、いずれにいたしましても、国有財産の処理、これについては、適正な管理がされ、適正な価格で処理されることは言うまでもないのでありまして、そのための各種強力な機関、審議会等もあるのでありますが、大体、いま譲渡しなきゃならないというような場合は非常に少ないと思いますので、この国有財産の処分はひとつ厳正に取り締まっていく、かような考え方でございます。
 お尋ねになりました事柄について私の所感を交えて申し上げたのでありますが、私は、これ以外にも幾つもあるのであります。そういう事柄をとにかく正していかなければならない、かように申しておるのであります。
○木村禧八郎君 抽象論としては、ともかく、これまで何回もただいまのようなお話があったわけです。ですから、抽象論では問題の解決になりませんから、私は具体的に質問いたします。こうした病弊について、いわゆる佐藤体制というものはその源になっておると藤山長官は言われましたが、この黒い霧、この政治腐敗等が、佐藤体制、佐藤総理大臣になってから特に問題は大きくなっていますが、佐藤体制がその源になっていると藤山長官は言われましたが、あなたはどうお考えですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、いわゆる積年の病弊が私になりまして明るみに出てきたと思います。たとえば、いわゆる田中彰治事件、これが出てまいりまして、そうして田中彰治事件がいま厳正な批判、国民からきびしい批判を受ける、そういう状態になり、初めてこれが正しい方向に私どもはいくのじゃなかろうかと思います、結論が出て。だから、この佐藤内閣のときにこういう問題が起きた、こういう問題が起きたと言われますけれども、その事態、そういうものの事件のそのもとは体一いつか。これもやっぱり考えていただいて、私は今日こういうものが出て、そうして佐藤内閣はむしろこういう病弊を積極的に剔抉しているのだ、かように見ていただくことが望ましい、また事実に合うのではないか、かように思います。
○木村禧八郎君 私は、まず第一に、造船疑獄は、それは佐藤総理大臣は関係があったのであります。これがまず第一に黒い霧を醸成した初めだと思う。だから、佐藤総理大臣は腐敗をもたらした、黒い霧をつくり出した元祖である。元祖です。いかがですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) どうも黒い霧の元祖はおそれ入りますが、ただいまの造船疑獄の問題は、当時からいろいろ批判も受け、私自身に関する限りにおいては、十分反省をいたしておるような次第でございますので、どうも「元祖」だけはこれからおつかいにならないようにお願いしておきます。
○木村禧八郎君 私は、昭和二十八年に初めてこの造船疑獄の問題を取り上げた。御承知のとおりでしょう。当時私は労農党にいまして、小さい政党でしたから、これは大きく取り上げられませんでした。それから一年たって大きな問題になったことは御承知のとおりでしょう。私は、ですから、造船疑獄の問題については詳しく調べてあるのであります。これを明らかにしなかったから、指揮権の発動でうやむやにしてしまったから、その後においても黒い霧が依然としてなくならない。あなたは元祖じゃありませんか、元祖。もう一度。
○国務大臣(佐藤榮作君) いわゆるただいま指揮権発動云々言われましたが、私は指揮権発動に関係ございませんから、それも返上しておきます。
○木村禧八郎君 そういう責任のがれの言い方がね、間違いですよ。もしあなた、指揮権発動関係なかったら、吉田あの当時の総理にも及んだのですよ。それで総理大臣に伺います。この内閣の閣僚の中に、造船疑獄でやはり疑い持たれた閣僚がおるのですよ。そういう閣僚がおるのですから、ますます佐藤体制が黒い霧に関係あるといわれる。いかがですか。また、そういう人をあなたはやめさせるべきですよ。今度具体的にはあなたは病根を根絶すると言われているのでしょう。それができなければ、あなたはいつまでたっても病根根絶できません。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、造船疑獄云々の際にみずから取り調べを受け、また、その事態がどういうものであるか、当時の調査で検察当局もよく知っておると思います。最後に私は起訴されましたが、いわゆる政治資金規正法違反でございます。したがいまして、いわゆるもうそのときに黒い霧はきれいに晴れたと、かように私は思っておりますので、ただいま木村君は首を振られますが、私はこの問題はもうすでに霧は晴れている。ただいま、その当時の関係者がいるのだと、かようなお話でございますが、私自身が関係者と言われるなら、これは当時取り調べを受けた本人でございますから、これは承認いたしますけれど、その他にはないはずでございます。
○木村禧八郎君 それは、指揮権を発動しましたから、実は明らかにならなくなってしまった。それが黒い霧ですよ。それじゃあ具体的に言いましょう。
 有田喜一文部大臣は、当時海運総局長官ですよ。私はあれを非常に調べました。あなたが十三億の補助金を――そうでしょう、外航船舶助成の補助、これを百六十七億にあなたふやしたのです。赤坂の料亭「中川」に行ったり、あるいは「蝶々」というところに行ったり、これはみんな検事の調書があるのであります。あなたが一番の推進役、それが文部大臣。期待される人間像をそういうようなことでこれから具体的に実施しなければならない。だから、期待されざるそういう文部大臣がおられていいのであるか。これはもし弁明がありましたら、あなたの名誉に関することですから、十分私はここで弁明をお伺いします。私は記録をここに持っているのですから。ただ疑わしいことは私は申しません。あなたが金をもらったということが一部で報道されています。しかしそれは、あとであなたは金はもらわないようになったようにも書いてありますから、その点は十分にあなた弁明されてけっこうであります。しかし、そういう疑いを持たれたのでしょう。あの当時の新聞ごらんなさい、総理。その他ですね、まだ石井法務大臣、あなたは運輸大臣ですよ。外航船舶の割り当てについてのああいう不祥事件をつくったあなたは責任があるのですよ。それは贈収賄には責任ありませんけれども、政治的に責任がある。あるいは、失礼ですが、福田大蔵大臣は、これは昭和電工の問題があったわけです。
 そうしますとね、これは国民にやはり佐藤体制に黒い霧の源があると疑われてもしょうがないじゃありませんか。こういう点をやっぱりはっきりさせる必要があるのであります。総理いかがですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) いまの問題でたいへん大事な点は木村君は言われない。有田君が収賄したとは言わない。しかし、有田君が当時の海運総局長官であり、予算的な非常な増額をしたと、こういうお話をされておりますが、これは私は、助成金等が非常に多額に出たそのことは有田君も承認するだろうと思います。戦後のわが国の海運行政、これを再建するために国家的な援助をした。それをただいま黒い霧だと言われた。これは私は、有田君ならずとも、国民は木村君のその御意見には賛成しないのではなかろうか、ややことばが過ぎたのじゃないだろうかと思います。私はそういう事態そのものを否認はしませんけれども、問題はやっぱり、それで収賄した、こういう事実があれば、それはけしからぬことです。しかし、国家産業である海運業界を立て直した。むしろ功績じゃないでしょうか。だから、そういう意味でこれがやっぱり事態を見ていただかないと、積極的にこういう事柄、当面する問題、産業界の苦境を救うというようなことはできなくなるのではないか。私どもが大臣として、あるいは行政機関として、ただいま全部のものを見て、そうして不幸な者はないだろうか、もっと積極的に伸ばすことはできないだろうか、かように考えております。ただいま当面しておる問題に石炭産業があります。石炭産業に対して今日これをほうっておいてはいかぬ。国家は何かしなければならない。これはおそらくたいへんな援助をするようになるでしょう、だからそういう場合に、これを直ちに黒い霧、こういうもので見ることがはたして合うでしょうかどうでしょうか。私は、組合の諸君からも、炭労の諸君からも、石炭産業をぜひ救済してくれと積極的に呼びかけられております。私は、問題は、こういう事柄がもしも権力的な立場で行なわれたり、あるいは収賄をしたり、あるいは今後に悪因縁をつくったり、そうしたらそれはたいへんだ。それはただいま御指摘になるように、そういうものを黒い霧だといわれても、これはしかたがないと思いますが、しかし、政治を進めていく、あるいは経済の立て直しをする、そういう場合に思い切った措置をとる。天地神明に誓って恥じないような堂々たる態度をとれるのじゃないかと思います。したがって、私はただいま、有田君がいずれ発言するだろうと思いますし、有田君や石井君の発言を待たずして、ただいまのお尋ねに私はっきりお答えするような次第であります。
○国務大臣(有田喜一君) いまの御質問につきましてお答えいたします。
 私が海運、造船の戦後の立て直しのため努力したことは事実であります。しかし、その間において、あたかも業界から金をもらったと言わんばかりのおことばがありましたが、そういう事実は絶対にございません。何を根拠にそういうことを言われるか、私はこういう神聖なる委員会の場において、そういう事実もないことをそれらしく言われることは実に心外千万です。
○木村禧八郎君 私は、佐藤総理大臣の認識について驚いたのです。検事側の調書によると、有田喜一氏は、麻布の料亭「蝶々」やあるいは赤坂の料亭「中川」に出入りして、業界の人とあなた協議しているのですよ、はっきり出ているのです。そういうことは疑惑を含まれる黒い霧の原因になるのですよ。いいんですか、そういうことをして、そういうことが問題じゃありませんか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま公私混同、あるいは、いわゆる料亭を使うとか、こういう事柄は、いろいろ誤解を受けますから、そういうことはしない。いまホテルを使うことすら、いろいろの疑惑を持たれる、こういう意味で、今日私どもは、粛党という問題に取り組みました場合に、そういう点もひとつ気をつけようじゃないか、かように実は申しておるような次第でございます。
 過去の問題についての御批判は、これは謙虚に伺っておきます。しかし、これから私ども努力しておること、その点をひとつ十分見ていただきたいと思います。
○木村禧八郎君 私は、まだ具体的な問題について三つ四つありますが、時間の関係上次に伺いますのは、国有林野につきまして、総理にひとつ資料を、時間がございませんから見てください。これはもう非常に不当に安く払い下げられておる。それは要点を簡単に申しますと、斎藤静岡県知事がトンネルになって、そして静岡県の国有林野を不当に交換をしたんです、県有財産と。そして伊豆観光開発会社に非常に安く払い下げた。約一億三千八百万円ぐらいで払い下げて、伊豆観光はもと国有林を担保にして約十一億、書いてありますように金を借りてんです。それが長期信用銀行から四億、農林中金から二億八千万円、興銀から一億、日本不動産銀行から一億、駿河銀行から一億五千万円、東京信用金庫から七千五十万円、清水銀行から六千万円。こういう銀行は、その伊豆観光開発会社はあそこにゴルフ場をつくっているのです。入会金六十万ですよ。これは歓楽の施設です、遊興施設、こういうことが一体許されていいのでありますか。総理はこういう国有林野の払い下げについては慎重を期すると言いましたが、こういう事実があるのです。私は具体的に調査したのであります。これは静岡県会でも問題になりました。また、国会の決算委員会で取り上げたりしましたけれども、調査不十分でまだ取り上げられなかったのを私は具体的に調査しました。責任を持って――私は詳細な資料があります。これに対して総理はどういうふうに処理されますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) これはひとつ十分取り調べてみたいと思います。ただいま言えることはただそれだけでございます。一般的な問題として、私は国有林野の払い下げ、これは確かに問題があると思いますので、地域的に、遠く地方やなんか国有林野が七割だと言われておる、ほとんど民有のものがない。そういうところは財産の配分から申しましても、さぞ民間は困るだろう、かように思いますが、しかし、国有林野の払い下げをめぐりまして幾つも不幸な事態が起きておりますので、地方団体程度に払い下げることは、これはやむを得ないように思うが、さらに民間に移すことは、これはひとつ、しばらくやらないと、かようにしてくれ、こういうことを実は指図しておるのでありますし、また、一ぺん払い下げたものをさらに次に転売すると、こういうような場合にいろいろ問題を起こしますので、その公共団体から、他へ転売するというようなことがあれば、その際は国有に返す、こういうような処置をとるようにぜひしてくれ、こういうことを実は申しておるのであります。幾つも過去の例につきまして私も納得のいかないものにぶつかっております。しかし、これがすべて処分済みであったりいたすと、これを救済するような方法はなかなかないのであります。しかし、ただいまお話しになりました伊豆観光の問題については十分私どもも取り調べてもらいたい、かように思います。
○木村禧八郎君 時間がありません。これは他の機会にまたこまかく具体的に私は聞きます。
 次に伺うのは、二千万円の例の献金問題です。これは大津、田中の総理の秘書官を通じて国税庁の所得税課長に総理は伝えたそうですが、どういうふうにそれは伝えられたか、まず伺いたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) この二千万円は、私のふところから出た金ではございません、それだけをはっきり申し上げまして、この二千万円事件に対するお答えといたしておきます。
○木村禧八郎君 そうしますと、総理は、総理の名前を利用されたということになりますね。
○国務大臣(佐藤榮作君) 問題が起きてからいろいろ党のほうで調べてみますると私の名前を使った、かように申しております。
○木村禧八郎君 総理は札幌の記者会見で、私を含め政治に携わる者が公私の別を厳重にし、いやしくも国民から一点の疑惑も持たれぬよう党の刷新をはかる、こういうことを言っております。それについては疑惑を持たれますが、あなたはあなたの名前を利用した、そうした点について、あなたは自民党の総裁でもあるのですから、これは徹底的に調査して、それは処分されるお考えはありませんか。
○国務大臣(佐藤榮作君) これは、どうも自民党と申しますか、その総裁というのが自民党の経理を全部知っておるわけではございません。また、そういうことで責任者が私の名前を使うこともございます。今後はあまり気楽に使わないようにと注意はいたしますが、しかし、この問題は私の金でなかったことだけ、それだけははっきり申し上げて明確にしておきたいと思います。私のふところから出た金でない、これははっきりしておきます。
○木村禧八郎君 じゃ、虚偽の申告である、これは官報にはっきり出ていますよ、あなたが二千万円は、お認めになりますか。
○説明員(高辻正巳君) お答え申し上げます。
 政治資金規正法の解釈問題になりますので、この問題が出ましてから、私どももそういう観点から実は関心を持ったことは当然でございまして、規正法上いかなる関係になるかということを調べましたところによれば、同法の二十四条ないし二十五条、「左の各号に掲げる行為をした者」というのに、「虚偽の記入をしたとき」というのがございます。したがって、これは政治資金規正法をごらんになればわかりますが、二十四条にせよ、二十五条にせよ、現に当該行為をした者ということになっておりますが、そういう者につきましては、形式的には虚偽の記入をしたときとなればこの条文に当たるということがあろうかと思います。ただ、私どもは詳しいことは存じませんが、こういうような取り扱いをしている多くの例、これは自民党に限らず、党一般として行なわれているようなことがあるようでございますので、もしそうであるとすれば、情状において酌量するとかそういうものは出てこようと思いますけれども、形式的には二十四条なり、二十五条なりの問題には当たるだろうということはいえそうに思います。ただし、申し上げますが、これは当該行為をしたものということに法律の上では相なっております。
○木村禧八郎君 そうしますと、政治資金規正法二十五条によると、虚偽の申告をした場合、「五年以下の禁錮又は五千円以上十万円以下の罰金」です。
 それから総理は、政党の代表者が会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠ったときは、五万円以下の罰金に処せられる、あなたは罰金に処せられるのですよ、これが明らかになれば。この点についてはいかがですか。これはやはり厳正にやらなければいけないと思うのです。いかがですか。
○説明員(高辻正巳君) 御指摘の条文でございますが、二十五条の二項でございます。代表者がその会計責任者の選任、監督について相当の注意を怠ったときは、ということになっておりますが、この政治資金規正法上の規定によりまして、正規に提出をされ、正規に受理をされている届け書きを見てみますと、党の代表者なり会計の責任者としては同一の人物が実はなっておりまして、こういう関係から申しまして、この二十五条の二項が総裁みずからの出る幕として出るような関係になっておらないようでございます。それは届け出自身を見れば、そういう代表者であり会計責任者であり、そういうものを同じ人物によって兼ねておるといいますか、そういう届け書きが提出をされ、受理されておるわけでございます。したがって、ただいまの場合は総裁が出ることにはならぬのじゃないかというふうに考えております。(「それじゃ、だれなんだ」「自民党の責任者はだれなんだ」と呼ぶ者あり)それはただいま申し上げるように、政治資金規正法の二十五条、そのままを私は申し上げておりますが、二十五条をもう少し詳しく申し上げれば、代表者が会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠ったとき、ということになっておることは御存じのとおりでございます。しこうして、この法律の第六条によりますと、第六条には、代表者なり会計責任者なりを選任して、そうしてそれを自治大臣に届け出なければならぬということになっております。これはどこの党も同じだと思いますが、この届け出が自治大臣に出され、自治大臣がこれを正当に受理しておる。その届け書きによって、代表者がだれであり、会計責任者がだれである、こういうことにもなるわけでございますが、その同一人は私の知るところではいずれも幹事長がなっておられるように聞いております。幹事長がそれに当たっていられるように聞いております。いずれにしても、いまの問題は、だれがなっているかじゃなくて、代表者とそれから会計責任者、それが分かれている場合には、実はこの規定が、形式的に見てみればわかりますように、働くわけでございますが、同じ人物でございますので、この二項の規定が働く余地はないのじゃないかというふうに申し上げたわけでございます。
○委員長(石原幹市郎君) 木村君、ちょっと念のために申し上げますが、あなたの総理に対する総括質疑の割り当て時間は終了しておりますから、念のために申し上げます。
○木村禧八郎君 二千万円は総理がこれは献金したんじゃない。じゃ、その内容は、だれがしたか、明らかにしてもらいたい。それが一つ。
 それから総理は政治講座とか政治研究会から昨年約十億の収入があるのです。この内容を明らかにしなければ これが脱税になっているんですよ。それは合法的脱税です。政治資金規正法によりまして十億の金は税金を納めなくていい。こういうことを改正するあなたは考えはないか。これを変えなければ、六百四十万円であなたは暮らせるはずがない、総理大臣が。他に十億ある、これが税金をのがれておる、合法的に。これを直さなければだめだと思うのです。この点一つ。
 もう一つ最後に伺います。日本住宅公団が大阪において四億五千万円ぐらいの光明池の土地を十四億七千万円で買っておる。どうですか。こういう住宅公団が不当なことをやっておる。これはさっき言いますように、財政投融資の資金を住宅公団がこのように不当に使ってよろしいのですか。だから家賃が高くなるのでしょう。この問題は私は具体的な材料がございますが、時間がございませんから、あとで私はこれは質問しますが、もう一つ最後に、厚生省で本年度七千万円環境衛生関係で補助金を出しておる。この補助金が、使ってはいけない人件費に使われておる。これに対してまた非常にずさんな経理をやっておるのです。どうですか、数え上げれば切りがない。まだまだたくさんありますけれども、私の時間になりましたから、以上私が質問した点につきまして具体的に御答弁願いたい、抽象論でなくて。
○国務大臣(佐藤榮作君) だだいまの私の後援会といいますか、いろいろ届け出をした問題についてお話がございました。この種の事柄をとにかくなくしようということが一つの問題でございます。いわゆる派閥解消ということが党内では叫ばれておりますし、また、党献金を一本化しよう、これが私どもの今日の目標でございます。ただ、いまの状況はなかなか直ちにそこにもいきかねるような実情でございます。まことに残念でございます。また、選挙制度審議会等におきましても、この金のかからないような制度にする、そういう立場からやはり政治資金の集め方を個人にしたらどうか。会社や組合、そういうものは一切やめるようにしたらどうか、個人に限る、こういうことにしたらよくなるのじゃないかということで、これは自由民主党におきましてもまた社会党においても、いろいろ研究しておられることだと思います。しかし、今日の実情はなかなか一足飛びにそういうものが実現できない実情であります。過去におきまして国会においてしばしばこれらの点を審議されました。それぞれの党におきましても、やや理想というものと現実とのかけ離れがありますので、実現は困難だと、かように私は記憶しております。しかし、私どもは今後、政界の浄化をはかろう、そうして粛正をはかろうというと、この問題に真剣に取り組まなければならないのだと思います。わが党におきましては、いわゆる三木答申なるものが出ております。この三木答申は、ただいま、これも三年前だと思いますが、これがやはり派閥解消また政治資金の集め方について、たいへん節の立った話をしております。しかし、なかなかいま申し上げるように、私が率直に今日までの非を御披露いたしましたように、ただいままでそれが実現しておらない、まことに残念に思います。
 また、その他の問題についてではございますが、その他の問題は別といたしまして、この問題は清瀬君の委員会でもただいま結論を急いでおるようであります。おそらく派閥解消、同時にまた政治資金は党一本化しよう、こういう方向に進むのじゃないだろうか、かように思います。そういう答申が出まして、さらに党員全体の協力を得て積極的に自民党がほんとうに新しい党として立ち直るようにいたしたいものだと思います。ただ、いま申し上げるように、実情と一つの目標、その間に非常に大きなギャップがある。それを率直に認めざるを得ないのが今日の実情でございます。
 第二の問題で、その他の厚生省の問題、これなどはしばしば決算委員会等におきましても、予算の実施あるいはことに補助金の使い方等について注意を受けております。こういう機会に重ねてお話がございました。それぞれの担当官といたしまして十分今後自粛することだろう、かように思います。
 ただいまの土地の、大阪の光明池とおっしゃいましたが、これは私は存じませんので、答弁を差し控えます。
○木村禧八郎君 最後に答弁一つしていない点がありますから、それで終わります。それはあなた、十億についてですよ、あなたの。これは収支を明らかにする意思がないか、これをやらなければ、あなた、どんなことを言われても、まず隗から始めなければだめですよ、隗から。あなた公表する御意思があるかどうか。あなた自身の十億の政治講座、政経研究会の内容の収支を明らかにする、これができなければだめだと思うのです。まずそれから始めるべきだと思うのです、隗から。みずからやるとあなた言われたでしょう。
 最後に、臨時国会はいつごろ開かれるか、これを質問いたしまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私に関する政治資金のほうは、これは自治省に届出をしておりますので、それで明確になっているんじゃないか、かように思いますが、さらに何か御注文がおありですか。要求されているものは、そのとおりやっておると、かように記憶しております。
 また、いま臨時国会のお話がございますが、いろいろ新聞紙上等では伝えておりますけれども、できるだけ早く開催したいと、せっかくただいま予算の財源、その他をいろいろ見て、最後的な段階にできるだけ早く開くように大蔵当局に話をしておるような次第であります。この機会にはっきりしたことを申上げかねることをまことに残念に思います。
○藤田進君 関連。総理にお伺いいたしますが、院内におけるいわゆる野党四派連合いたしまして、国対委員長が八日にも官房長官にお会いいたしまして、諸般の緊急課題があり、もし追加補正予算の計数整理等に時間がかかれば、これは開会いたして、その過程で取り急ぎ提案をしていただくということも添えて、無理のない要求であり、一方、憲法上定足数をそろえた正規の要求もいたしております。これに対して、官房長官は、衆議院の議運におきまして、十一月二十五日ごろ予定していたが、二十日ごろに召集するというニュアンスもすでに出されております。ところが早いものは昨日の夕刊、あるいは今朝の新聞をごらんになればおわかりのように、いま御指摘の新聞、その他言われましたのもそのことだと思うが、これにはかなり具体的に、自由民主党の現職である佐々木国会対策委員長の発言として、それぞれ一斉に各紙が伝えております。それによれば、今月、十一月三十日に召集し、自由民主党の総裁選挙が一日にあるので五日に開会式を行なう。三週間。通常国会の日にちまでが出ております。さらにこのことは佐藤総理、幹事長等のすでに了解済みであるということもつけ加えられております。私ども立法府にいる両院の議員といたしましても、当面の課題であると同時に、それぞれの政務日程というものが必要であります。召集をお出しになり、これに応じますためには、それなりの早い機会に腹づもりが必要でもあります。ところが一方、かように報道されているにかかわらず、今日この段階で御答弁を賜わりますと、一向にまだきめてもいなければ、知らぬということでは、政治姿勢の問題としても、この報道が全くでたらめのものである、根拠のないものであるならば、このことをはっきりしていただきたい。そうでないとすれば、この際もっと親切に、内々の話し合いではこうなっているとか、閣議の了承が必要なものとすれば、それはいつごろどうしようと思うとか、それは一方的に総理なりその側近だけが知るべきものではない。明確にしていただかなければ困る。報道がかようにしさいにされている。これが事実無根のものであればはっきりしてもらいたい。私はそうでないと思う。もっと内容について懇切に、明快に事実を明らかにしていただきたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) 重ねてお答えをいたします。私はいま記事そのものがどうこうということを申しておるわけじゃありません。おそらく記事は佐々木君の名前が出ておりますから、その佐々木君のお話からああいう記事ができたのだろうと思います。記事を責めるつもりはございません。しかし、藤田君も御承知のように、国会の召集は政府がきめることでございます。いわゆる責任の地位にある人だ、こうは実は言いかねる。これは政府が、たとえば官房長官がどう言った、あるいは総理自身がどう言った、こういうことでしたら、これは一つの問題だと思いますけれども、もちろん政府も与党の考え方を無視したり、あるいは国会対策の考え方を無視して、この召集の日をきめるような暴挙はいたしませんけれども、しかし、まず第一に何と言っても予算、補正予算を出す、その財源がちゃんと計数整理ができ、そして準備がちゃんとできた、こういうところでなければこれは臨時国会を開くわけにいかないのであります。ですからその点私はいまの記事がどうこうとは申しません。また、ただいまそういう記事が出たのはこれは先走ったとかなんとか申すわけではありません。ただいまこの席において、予算委員会において私が申し上げておりますように、まだ政府自身計数整理もできておらない。ただ皆さんのほうからしばしば言われるように、早く開け、早く開けと言っておられるのですから、政府もできるだけ早く開くように、どうせ開かなければならないのですから、できるだけ早く開くように計数整理を急いでいる。かような段階でございます。ただその点を誤解のないようにはっきり申し上げておきます。
○藤田進君 それでは引きさがるわけにいかない。
○委員長(石原幹市郎君) それじゃもう一回で。
○藤田進君 もう一回や二回で――答弁次第ですよ。これは総理、あれほど天下の有力紙が伝えていて、しかも国対委員長がこれを発言している。議院制内閣である、そんなことをここで一々申し上げるまでもない。幸いに予算委員会が開かれ、総理の出席があるわけですから、いまの御答弁を聞きますと、新聞の報道は否定もせず肯定もせず、まだきめていない、計数云々、こういうことなんです。それではことばを変えて聞きますが、三十日、いま報道されているこの日に開くことについては、計数整理が間に合わないのですか、間に合うのですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 間に合うか間に合わないか、ただいま大蔵大臣にも聞いておりますが、大蔵大臣もただいま整理中でございますと、かように答えておりますので、したがいまして、その先走ることが実は困るのです。だからもう皆さんのお気持ちはよくわかりますから、それを無視するような考え方はございませんので、政府はまじめに考えているということを重ねてお答えをいたしておきます。
○委員長(石原幹市郎君) 木村君の総理大臣に対する質疑は終了いたしました。まだ鈴木君の機会がありますから、鈴木強君の機会がありますから、その機会に、大体関連はこの程度で、理事会その他でも申し合わせしておりますから。
    ―――――――――――――
○委員長(石原幹市郎君) 鈴木強君。
○鈴木強君 ただいま臨時国会の召集について総理から御答弁がございましたが、けさほどの新聞を拝見しましても大体いまわが党の委員から指摘されましたように、三十日召集、こういうことできまっているのじゃないですか。総理は決定と、こう言えないのですが、新聞も内定と書いてありますからね。そういう腹づもりのことは間違いないでしょう。まあこの際ざっくばらんに言っていただいたほうがいいのじゃないでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ずばりと申し上げますと、先ほどのとおりでございます。これは私はできるだけ早く開きたいと、かように思いますけれども、この段階でいついつ開くと、こういうことを申し上げるのはまだやや心配でございます。したがいまして、私は正直に申し上げたものですから、この程度にひとつ。(「委員長、関連」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
○藤田進君 じゃあ、鈴木君のときにということで。
○委員長(石原幹市郎君) いいですか鈴木君、質疑者、いいですか。――鈴木君。
○鈴木強君 それでは、これは総理の時間でたいへん恐縮ですが、官房長官はそれらしいことをやはり六日の記者会見のときに記事にちょっとなっておったと思うんですが、あなたは当面の推進者ですから、取りまとめだと思いますから、どう思いますか、内定してるんでしょう。
○国務大臣(愛知揆一君) 一部の新聞に私が何か言ったように伝えられておりましたが、さような事実はございません。私は臨時国会の召集の時期については、ただいま総理から非常に詳細にお答えをいたしましたとおりでございます。そのワク以外のことば、私は申すはずもございません。
○藤田進君 委員長、関連。
○委員長(石原幹市郎君) 鈴木君がいまこの問題を中心にやってるんだから、どうもあまり関連と思われませんね。鈴木君、いいですか。――それじゃ藤田君。まあ、本論だからね。
○藤田進君 本論ですよ。
 この予算委員会で四会派が質問しようというのに、一時間ですか、六十分しか出てこない。ですから、臨時国会を開いてというのも当然必要な話です。そこで官房長官。いま詳細に御答弁になったと――詳細に答弁してないじゃないですか、何も。それはまた臨時国会でやることにして、それじゃ総理にお伺いしますが、佐々木国対委員長が発言したことは御承知であることはわかりました。総理も了承済みだということは事実に反するかどうか、これが一つです。
 それから、三十日について、これは何も否定も肯定もしてないんだけれども、そんなあいまいな答弁じゃ困るんですよ。そんな事実があったのかないのか。これはお互いに議員としても腹づもりがあるんです。選挙区に帰って国会報告もやっておる。その他のわれわれ野党が臨時国会に備えてのいろいろな調査、研究もそのピッチを合わしていかなければなりません、充実させるためには。ですから、総理が了解済みだという点、これは事実かどうか。それから、そういう三十日説、この点について、事実があったのかなかったのか。新聞の記事いかんはあとで触れることにして、この二点をまず。
○国務大臣(佐藤榮作君) こういう事柄は、いつまでも時間を取りましてもしかたがないことだろうと思いますから、私も率直に、実は正直に申し上げておるのです。で、ただいま新聞等に出ておりますが、皆さんからの強い御要望も出ておりますから、どうしてもできるだけ早く開こうじゃないか、言い得ることは、月内に開こうじゃないかと、こういうことははっきりしておるわけであります。しかし、それが何日になると、こういうわけのものではないと、したがいまして、大蔵当局もそういう意味で準備を急いでおられるというのが現状でございますから、ひとつその程度で納得していただきたい、かように思います。
○藤田進君 二つあったでしょう。もう一つ、総理も了承している…。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまのもう一つのほうは、ただいまのでいいかと思ったのですが、先ほども申しましたように、幾ら政府がきめることだと申しましても、与党の国会対策と相談なしにきめるわけにはいかない。したがいまして、相談が全然ないかというと、相談は適当にしております。そうして、ただいま申し上げるように、月内には必ず開くと、かようなことを申しておる。
○鈴木強君 それでは、会期はまだお話しいただかないのですが、提出される予定議案は何です。
○国務大臣(愛知揆一君) 御案内のように、人事院勧告に対する政府の態度は決定いたしておりますので、これを中心にする予算の補正が必要である。それから若干の災害対策等も必要であるかと考えておりますが、そのほかにはあまりたいした法律案等は提出する予定はございません。しかし、それらにつきましてもさらに十分に検討いたしたいと考えております。
○鈴木強君 人事院勧告については、九月から実施するということですか。
○国務大臣(愛知揆一君) その点は、先般の閣議決定のとおりに予算を組みたいと考えております。
○鈴木強君 総理大臣、なぜ勧告は完全に実施できないのでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) いろいろ苦心をいたしたのでありますが、この財源等につきましても、中央、地方を通じいろいろ苦心した結果、ようやく九月実施と、こういうことにきまったのであります。これは、どこまでも今日の財政状態、それからただいまのような結論が出たと、かように御了承いただきたいと思います。
○鈴木強君 私は、完全に実施しなかったということは非常に残念に思うのです。この歴史は、もうすでに何回か申し上げておりますので、くどくは申しませんが、公務員諸君にストライキ権にかわるものとして、いわゆる代償として人事院が設けられ、その勧告を政府は尊重する、こういうたてまえになっておるわけです。ところが、政府は発足以来今日まで、たった一度でも完全に実施したことがない。不完全実施であります。それがあたりまえのようになっているところに、われわれは非常にこの政府のやり方に対して不満を持つわけであります。それは、五年に一ぺん、七年に一ぺん、国家財政上できない、こういうことはわかります、しかし、これがもうあたりまえだという考え方になっておるということは、非常に私はいけないことだと思うのであります。労使関係の正常化からいたしましても、まずいことだと思うのでありますが、こういう制度について、もう少し抜本的に、ストライキ権を返してやるとか、あるいは国家公務員法を改正して、公共企業体の仲裁のように、出た勧告に政府は拘束されると、こういうようなこととか、何かこの際考えていただかないと、やっぱり国家公務員諸君は耐えられないと思うのですね。その点ひとつ総理から伺いたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) 人事院勧告は、政府はこれを尊重するとしばしば言いながら、その金額自身は人事院勧告どおりではございますが、実施の時期等においてこれを実施しておらない、こういうことで、政府もずいぶんこの点では苦心をしておるのであります。私は、ずっと長く十月実施で来たものが九月になった、これは一つの完全実施への方向を示したものではないかと思いますが、しかし、どうも制度そのもの、その実施の時期と勧告の時期、これが、勧告の時期がはたして予算編成上適当なりやどうか等の議論もありますので、まあ、将来の問題としてこういう事柄をひとつ研究してみようじゃないかという話もありますが、特に昨年来の私どもが当面しておる国内の情勢、これは経済不況克服の問題であります。同時に、物価安定への私どもの努力でありますが、こういう二つが重なり合い、同時にまた、財源等におきましても十分のものがないと、こういうような実情から、ことしも九月実施にいたしたのであります。私は、一部では九月実施だって財源が十分ないじゃないか、こういう議論もございましたけれども、これはしかし、何としても、どこからでもひとつくふうして捻出して、九月実施はすべきじゃないかということで、非常に政府も苦心したのでございます。これらの点は鈴木君もよく御了承だと思いますが、しかし、何といたしましても、人事院勧告が五月からの実施と、こういうことになっているのに、これは九月から実施ということで、政府自身も非常に苦労し、同時に、諸君に同情しておるということを御了承いただきたい。
○小林武君 関連。ただいまの鈴木委員の質問に関連してお尋ねいたしますが、これは申し上げるまでもないことですけれども、昭和三十五年に五月実施ということが、特にこの人事院勧告に入ったわけです。その前はなるべく時期的に早くやれという式のものであった。しかし、そういうことでは、なかなか五月実施とか四月実施とかいうことができないわけですから、人事院としては五月実施ということを打ち出したのは、この期限を守るということの意味で出たものとわれわれは了承しているのです。そこで、五月実施をしないということ、これは、尊重尊重とおっしゃるけれども、尊重じゃないと思うのです。労働者の基本的な権利というものを、結局、人事院という代償機関を置いてやったからにはこの五月実施をやらないということになるとどうなんですか。憲法二十八条の労働者の基本的権利の代償機関として一体憲法に合っているのかどうか、合憲であるかどうかという問題さえ出てくると思うのです。その点について総理大臣が苦心したとかなんとかの問題じゃないのです。苦心したとか配慮したとかいうものがあったのは当然だと私は思う。そういう問題じゃない。いま鈴木委員からも言われておるように、もうそういうことであるならば、とにかく国家公務員法、地方公務員法を変えてひとつ考えたらどうかという意見が出たが、そこだと思うのです。どうなんですか。二十八条のらち外だとは思っていらっしゃらないのでしょう、公務員といえども。ですから、実施しないということは憲法違反だと、こう言われてもしかたがないでしょう。だから、その点どう考えているのですか。あなたのほうこそ違法行為をやっておると私は思っておるのです。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま、とにかく五月実施、これを人事院は勧告した。しかし、現実の問題としては、どうしても九月から実施以外にはできないというのがいまの実情でございます。ただいま憲法違反というお話がございましたけれども、憲法違反だと私は思いません。
○小林武君 おかしい。理由を言ってもらいましょう。私はその理由を聞いておるのだ。どうですか。――あなた、答弁するの、また。
○説明員(高辻正巳君) 私、実は総理に申し上げておりました関係もございまして、その理由については私が責任を負ってお答え申し上げます。
 憲法二十八条は、御指摘のとおりに、勤労者の団体交渉権とかいろんないわゆる基本権を保障いたしておりますが、これは典型的にはむろん労使の一般の関係における勤労者を代表的に言っていることが明らかでございます。むろん、公務員やあるいは公共企業体の職員等がそれぞれ勤労者たる面を持っておることも確かでございますけれども、これもきわめてラフに言えばそのとおりでございますが、しかし、それぞれの特異の性格を持っている面もございます。しばしば公務員について引用されるのは憲法十五条でございますが、まあ、そういうところから申しまして特異の性格を持っておる。したがって、公務員については一般の労使関係とは違う関係に立っておるわけであります。しかし、おっしゃいますように、憲法の精神というものはやはり生かすべきだというようなことは当然ございますので、国家公務員法等の規定によっていわゆる代償措置というものがとられておることも事実でございます。しかし、そういうような性格のものでありますためにそういう措置がとられておるということは、やはり憲法上認められておる範囲のものと理解することができもし、また同時に、最高裁等でもそういうような観点からの趣旨を述べております。したがって、いまも総理がおっしゃいましたように、人事院の勧告の趣旨を尊重してやるというのはこれは当然だと思いますが、しかし、そのとおりにやらなかったら、たとえば時期が一月おくれた、二月おくれた、これは程度問題になりましょうが、そういうことがあったからといって、直ちに憲法二十八条に違反することにはならないと思うとおっしゃったのでございますが、そういう意味で、二十八条に直接に違反するというのはこれはオーバーな言い方ではないか。憲法二十八条に違反するというような問題よりも、やはり、そういう観点からする政府の態度としてどうすべきであるかというような政策的な問題あるいは当否の問題、そういう問題として、慎重にといいますか、誠実に考えていくべき問題ではないかと思います。
○小林武君 もう一つ。
○委員長(石原幹市郎君) どうでしょう、もう二問だ。あとは進行の過程でやられたらどうですか。――じゃあ、これで終わり。
○小林武君 一点だけ。
 長官にお尋ねしますが、二十八条の労働者の基本的な権利、これは代償機関を置くということによってあなたのほうでは合憲だと思っておるのじゃないですか、二十八条にある程度制限を加えるということは。そうでしょう。そうしたら、勧告が実施されないということになったら、これは代償機関としての意味がなくなりますから、そうなった場合には二十八条に違反するということにはなりませんか。いわゆる合憲だということを言われないじゃないですか。あなた、やっぱり法律家なら法律家らしく論理的に言ってもらいたい。とにかく金がないという話は総理大臣から聞いた。金がないというようなことで二十八条がかってにどうこうされるということはたいへんでしょう。二十八条ばかりじゃないです。国民の権利というようなものは、金がないとか政府の都合でどうとかいうようなことは言われないですよ。あなた、そこをはっきりしなければたいへんなんですよ。人事院総裁も、だから、今度の場合、五月実施がされなかったら私は重大なことだと思っている、こう言っておる。そうでしょう。最高裁の今度の判決だって、一体二十八条の公務員がらち外だなんてだれが言っていますか。一つも言っていないじゃないですか。もっとはっきり言ってください。
○説明員(高辻正巳君) 私申し上げたのに、二十八条の公務員はらち外であるというようなことは、私は申しておらないのでございます。私が申し上げた趣旨は、憲法二十八条の勤労者――公務員といえども勤労者の面があることは確かでございますが、しかし、一般の民間における企業における勤労者と同じようなふうにはとられなくても、それは憲法のたてまえからいっても、許されるということを申し上げたわけでございます。その点は、私がくどくどさらに申し上げるまでもなく、皆さん御承知のことではないかと私は思います。
 代償機関の点でございますが、確かに、いま申し上げたような勤労者的観点からやはり基本権の問題を無視できないということで代償機関が設けられているわけでございますが、私が申し上げたいのは、その勧告の中に何月からとあった場合に、その月からやらなかったからといって直ちに憲法に違反するというふうにおっしゃいますものですから、それは少し考え方がなにじゃないか、もし、そういう点については人事院総裁のお考えも先ほど御議論がありましたが、人事院総裁がはたして憲法違反と思っておられるかどうか、これは私にはわかりませんが、私はそういうようなふうにはお考えになっていないのじゃないかというふうに思います。これは私実はわざわざそういうことを無理に申し上げているわけではなくて、いままでの判例等に照らしてもそうであろうというような考え方から率直に申し上げておるつもりでございます。
○鈴木強君 高辻論法というのは、政策を加味した話であって、純然たる法律論じゃないんです。これはしかし時間がないからあらためてまたやります。
 総理にお願いしておきたいのは、とにかく国家公務員の場合は一年間民間賃金よりおくれているという点がありますね、その上に四カ月ネグられるわけですから、やはり公務員諸君の立場というものは非常に苦しいと思う。ですから、そこをやっぱり考えてやりませんといけないと思うんです。ですから、ストライキ権を取られているから、人事院がかわって出した勧告は完全にやってくれ、これを守ってくれというのがいまの国家公務員諸君のお気持ちでしょう。そういう陳情をやれば、なおさら弾圧するわけでしょう。それで自分は法律違反をしておきながら、それに対してはいまのようなへ理屈をつけてのがれるということは、そういうことがいけないという、これは法律論じゃなくて実体論として、労働問題として取り上げてやってもらいたい。それで私は九月実施に不満なんですから、ひとつ、勧告どおりまだきまっていないようだから、やってくださいよ。完全実施ということにしてやってもらいたいということを私は強く要望しておきます。
 その次に簡単に伺います。田中彰治君をなぜ除名できなかったんですか。(「総裁即決でやれ」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、ちょうど那須の御用邸へ出かける汽車の中で田中彰治君の逮捕の話が出た、そうしてその際に、これはすぐ党において除名すべきだ、こういうことを実は申しました。そうして、これが自民党の党側によりまして党紀委員会にかけなければならぬ。党紀委員会が当時まだできていなかった。ちょうど内閣改造の直後でございます。そういう意味で、その土曜日が月曜日になり、月曜日が火曜日になった。こういうことで時期を逸してやや納得のいかないような状態になったと当時のことを記憶しておるわけなんですが、私は、いま総裁即決でやれというやじが飛んでおりますが、ただいまのような身分に関する問題は、やはり党則に基づいて、そうして処理するのが本来の筋だと、かように思っております。また、本人からその際に自民党を離党するという届けがありました。そういうことで党の除名がおくれて離党届けを受理した、かようなことになっております。離党した者を今度除名するというのはややおかしいという問題であります。いずれにいたしましても、この問題をめぐりましてただいまのようなお尋ねを受けたのでございます。あるいは一部で、てきぱきしていないじゃないかというような批判もありました。今後そういう点については十分注意してまいるつもりであります。また、衆議院自体におきまして、これは衆議院から議員を除籍ですか、とにかく議員をやめさすという措置がとられた。これはただいまの党の処置とはまた別でございます。これは各党で話し合った結果やられたと、かように考えております。
○鈴木強君 これは、まあ宇宙時代に近代化された自民党が党紀委員会を持っていなかったということは、これはまことにお粗末で、近代化に遠いですね。しかし、これはもう非常にわれわれから見ると、総理の確固たる信念がおありになればできるはずですから、非常に残念だと私は思う。
 その次に、上林山、松野両大臣ですね、この不祥事件に対する責任は、これは不問に付してしまったんですか、それとも、総理がまだ預かっているんですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、上林山君並びに松野君等が批判を受けた事柄につきまして、十分両大臣とも責任を感じておる点はあるようでございます。直ちにこれをやめさすかどうか、こういうことは、これはまた別の問題だと思います。責任を痛感して、そうしてりっぱな政治をする、りっぱな御奉公をする、かような決意、このほうが私はむしろこういう批判にこたえるゆえんだ、かように私はただいま考えております。
○鈴木強君 特に上林山長官の場合には自衛隊の統率者でもありますし、特に百二十三万一千円という国税を、血税を使って悪質な選挙運動をやった。これはもう公私混同なんというものではないと思います。しかも懲役三年の実刑を受けた久保という人が秘書の名義で乗っておったということは、これはもう言語道断、常識外の話だと思います。荒舩さんもやめましたけれども、これも悪いんですよ。しかし、考え方によると、荒舩事件よりもなお私は上林山氏のほうが悪いと思う。それをあなたが切れないということは納得できない。これは国民が一番いま知りたいところですから、どうぞ答えてください。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまお答えいたしましたように、やはりその責任を果たすようなりっぱな長官になるという決意をただいま披瀝しておりますので、しばらく実績を見ていただきたいと思います。
○鈴木強君 実際は切りたいのだけれども、やっぱり党内事情で切れない、だから、この次の改造のときに切ると、こういうことじゃないですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) いろいろの名案をお授けくださいまして、ありがとうございました。
○鈴木強君 久保俊広氏の保釈決定と身元引き受け人の氏名と同人の保釈決定書と嘆願書、これをすでに要求されたんですが、出さないんですね。これはどうして出さないんですか。
○国務大臣(愛知揆一君) 衆議院の内閣委員会等におきましてさような御要求がありましたので、法務省を通じて裁判所のほうに手続をいたしましたが、裁判所のほうから提出がないわけでございますので、その事情を御了承いただきたいと思います。
○鈴木強君 これは委員会で、少なくも委員長の発言によってあれは出すことになったんですから、委員会の決定と思っていいんですね。国会から要求されたものを出さぬということはおかしい。皆さんがうしろから圧力をかけているんじゃないんですか、そんなものを出したらまずいというんで。もし上林山長官が署名してないなら、出したらいいじゃないですか。出したらすぐ晴れるんだ、そうでないということは。出さないということになると、これはやはり押しておるということになるんですね。どうなんです。圧力をかけたんじゃないですか。
○国務大臣(愛知揆一君) これは圧力というようなことはあり得ないことでございまして、むしろ、裁判所と国会あるいは政府との三者の関係になるわけでございまして、裁判所の判断によって出せないということでありますれば、これは一応いたしかたないことじゃないかと思います。それから、内容については、これは署名を上林山大臣がしているというようなことは絶対ないと確信いたしております。
○鈴木強君 私はまだいろいろあるんですが、時間がありませんから、次に移ります。
 そこでお伺いしますが、有田文部大臣の秘書官の中に、選挙違反に問われて、懲役一年、執行猶予三年の判決を言い渡された方が任命されておる、これは事実ですか。
○国務大臣(有田喜一君) 私の秘書官のうちにそういうのがおることは事実であります。しかし、その問題は昭和三十五年の選挙のときであります。彼はいま執行猶予中でございまするが、非常に改悛の情明らかであります。その後三十八年の選挙がありましたが、もちろん、そういうことには何らの関係もなく、彼は非常に慎んでおります。かような意味において、彼はいま非常に熱心にやっております。過去の事実のあったことはありましたが、私は、彼の平素の行状にかんがみまして適当な秘書官であると思って起用したのでありますが、もし世の指弾を受けるような行為があるとするなれば、これは大いに考えなくちゃならぬ、かように考えております。
○鈴木強君 なるほど、三十五年のあなたの選挙のときに大量の違反者が出まして、その際にこの藤原三郎君も取り調べを受けました。三十五年の十二月十五日に逮捕、勾留されたんですね。昨年の九月十日に神戸地裁の柏原支部で判決が出たわけです。こういうことをあなた知っているんでしょう。少なくとも大臣の秘書官には――特に文部大臣でありますしね、そういう汚れた、問題のある人を任用するということは、言われたからというような、世の批判がというようなことをおっしゃっているが、そこの感覚がまことにわれわれ承服できない。そんな答弁ないですよ。(「造船疑獄はどうだ」と呼ぶ者あり)
○委員長(石原幹市郎君) 静粛に願います。
○国務大臣(有田喜一君) 秘書官は私は特別職であると思っております。彼が再び選挙違反を犯すような行動があるなればともかくでありますが、改悛の情が明らかでありまして、私が一番彼をよく知っておりますから、私はさようなおそれはないと、こう信じまして、秘書官に起用しておる。造船疑獄云々ということでありますが、造船疑獄の問題は、前に申したとおり、そういうことでもって、ありもせぬことをもっともらしくされることは、まことに遺憾千万であります。よく慎んでいただきたい。
○鈴木強君 文部大臣は国家公務員法三十八条の二号を御存じですか。
○国務大臣(有田喜一君) 私は法律のことはあまり詳しく存じておりません。そこで法制局長官をして答弁させます。
○説明員(高辻正巳君) ちょっといまこれを改めるひまがございませんが、たしか三十八条は一般職国家公務員の欠格条項が規定してあったと思います。(「読んでくれ」と呼ぶ者あり)ただいま申し上げましたように、確かに欠格条項でございまして、第三十八条「左の各号の一に該当する者は、人事院規則の定める場合を除くの外、官職に就く能力を有しない。」。その中に、「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者」というのがございます。一応読ませていただきました。(「該当するじゃないか」と呼ぶ者あり)
○山本伊三郎君 関連。すでに明らかになったので、私からもいろいろ言う必要ないと思います。特別職は、基準においては相当幅を持っておるけれども、執行猶予中の者を秘書官、しかも大臣の秘書官に置くというようなことは、法律上の問題はもちろんのこと、政治上の問題、特に総理が綱紀粛正を叫んでおるときに、こういう者を置いておくということについては、私はきょう初めてこれをここで知ったのでありますが、内閣委員会でもこの問題については非常に厳格にいろいろ論議をされた問題です。しかも、大臣の秘書官の中にそういう方がおられるということは、これはゆゆしき問題ですから、総理からこの点を特に御答弁願いたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) いろいろお話、また御意見もございました。文部大臣が、これはりっぱな人で、前非を悔いている、かように申しておりますから、これはただいまのお話がある前のことだろう。お尋ね並びに御意見を聞いて、また、私自身もこれは善処すべき問題である、かように思いますので、しばらく時間をかしていただきたい。
○鈴木強君 いまのお話がありましたけれども、少なくとも、ことに文部大臣は教育の立場におる方ですね。したがって、この方が「期待される人間像」をつくるというようなことについては、国民は首をかしげますよ。そして、逆に日教組に対するああいった強がりの姿勢をとってやってみたところでこれは始まらぬと思うのですね。これは総理として、そんないまのようななまやさしいことじゃなくて、それこそ出処進退を明らかにして問題を明らかにするということが必要なんだから、もっとはっきりあなたの考え方を伺いたいと思うのですが、どうでしょう。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまお答えしたことでたいへんはっきりしたことのように思います。総理としてたいへんはっきりしたお答えをしたのでございますので、しばらく時間をかしていただきたい。
○鈴木強君 特にけさの新聞を見ますと、名古屋で大阪の大手前高等学校の大橋君という学生が黒い霧に怒りを感じて自殺したという記事を私は見ました。文部大臣がそんなことをやっているからですよ。あんた、そんないいかげんなことではだめですよ、断固たる措置をとらなければ。
○国務大臣(佐藤榮作君) 御意見は伺っておきます。
○委員長(石原幹市郎君) 鈴木君に念のため申し上げますが、持ち時間終了しておりますから。よろしいか。
○鈴木強君 しばらく相談してくれるのですか。相談して答えてくれるのでしょう。
○国務大臣(佐藤榮作君) 相談する問題ではございません。総理自身が善処すると先ほどからお答えしておるのです。
○鈴木強君 いまここで待ってくれということでしょう。それをはっきりしてください。待ってくれと言うから、私は待っている。
○国務大臣(佐藤榮作君) そういう意味じゃございません。私が善処するとはっきりお答えしておりますから、しばらく時間をかしてくださいと、かように申し上げております。これが答弁であります。
○委員長(石原幹市郎君) ちょっと速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(石原幹市郎君) 速記をつけて。
○鈴木強君 また重ねて文部大臣のことなんです。あなたが任命した前の中村文部大臣の、これも非常に問題ございましてね。自分の名義で公団と入居の契約をして、そうして、おまけに人にそれをまた貸しているのですな。要するに、公団の不正入居という問題が出ている。これは私は、今日の住宅事情等にかんがみて、事もあろうに文部大臣が、そういうことを昭和三十三年以来やっておったということは許すことができないと思うのです。総理はそのことを知っておりますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) これは最近新聞等に出て初めて私も知ったのであります。ただいま鈴木君が御指摘のように、住宅事情等から見ましてたいへんゆゆしい問題だと、かように思っております。したがいまして、これは公団等で事後処置をとったようでありますから、御了承をいただきたいと思います。
○委員長(石原幹市郎君) 法制局長官からちょっと補足的な答弁をするそうでございますから。
○説明員(高辻正巳君) 先ほど、国家公務員法の三十八条を読めとおっしゃったものですから私はお読みいたしたわけでございますが、誤解があるといけませんので、後の関連質問の方から明瞭なお尋ねが同時にそのすぐあとでありましたからおわかりのことと思いますが、むろん、国家公務員法の規定は一般職に対する規定でありまして、特別職に対する規定ではないということだけつけ加えさせていただきたいと思います。
○委員長(石原幹市郎君) 鈴木君の……。
○鈴木強君 ちょっと待ってください。
○委員長(石原幹市郎君) あなた、もう一問とさっき言われたからそれでもう終わったと思って…。
○鈴木強君 この問題も、少なくとも二代続いて、事もあろうに文部大臣がこういうことをやっているということは恥ずかしくないですかね、これは。申しわけないと思わぬですかね。ですから、そういう立場に立てば、私は、このことは非常に国民は怒り心頭に発していると思うのですね。すみやかな措置を、総理としてこれについてやるのですか、やらないのですか。
 それからもう一つ、私は、総裁公選の問題なんかもいろいろあるようですけれども、私は前尾国務大臣にひとつ伺っておきたいのは、あなたは現在の時局に処するお考えをお持ちになっていると思うのです。総裁公選まで至る、当面この政治の危機、政治の不信というものをどういうふうにしていったらよろしいかですね。自民党の大ものですから、私は一応この際伺っておきたいと思います。
 それからもう一つ、いまの有田文部大臣の問題にも関連して、選挙の乱れがやはりこういう結果を生むわけでありますから、私は、願くば、総理もお考えになっていると思いますが、第一次から第四次まで答申された選挙制度審議会もございますね。その中で未解決になっております、たとえば政治資金規正法の改正の問題とか、連座制の強化、あるいは高級公務員の立候補の制限の問題であるとか、いろいろむずかしい点があるでしょうけれどもが、ぜひこれを、あなたの言われるように正しい選挙をやるという立場に立っていくならば、ひとつこの次の国会に改正案を出して公職選挙法の改正をやって、そうして次の選挙をやる、こういうふうなことをはっきりここで言っていただけませんでしょうか。その三つを質問して終わります。
○国務大臣(佐藤榮作君) 第一の中村君の名義使用の問題、これはもう公団で処置済みでございます。これからやるのじゃございません。処置済み、整理済みでございます。(「政治的責任の問題は」と呼ぶ者あり)これはそういう意味で、こういう事柄が行なわれることはとにかくどっちにしてもよろしくないことなんであります。なかなか規則どおりに守られていない。こういう点でやはり政治家がみずから正していく、こういうことでなきゃならないと思います。いろいろのうわさもまた生んでおりますから、こういう問題もまだ、事柄が出たら問題になるが、事柄が出ないでそのままになってるものもまだまだあるんじゃないかと思う。そういう点をやはり正していかなきゃならないと思っております。
 それから、いまの最後の選挙制度の改正の問題であります。私は第五次選挙制度審議会が発足するにあたりまして、高橋会長ともいろいろ話をしたのでありますが、私は、最近の政界の汚濁、これに関連しまして浄化をはかろうとすれば、どうしても選挙制度と真剣に取り組まなきゃいかぬ。これはたいへんそれぞれがきれいな話をしておりますが、いざこれの改正に取り組もうとすると、それぞれの党にそれぞれの理由がありまして、なかなか案がまとまりかねるのであります。先ほども私は現状等について率直に皆さまに御披露いたしました。これは正しいことだ、ぜひこれをやらなきゃならないが、現状はなかなか、資金にしても会社から集めざるを得ない実情にある、まことに情けないということを申しました。選挙制度の改正にいたしましても、第四次までに答申を得ましたもののうち、それぞれ取り上げればりっぱな浄化の方向へ一歩でも二歩でも前進しただろうと思うにかかわらず、それがあるいは憲法の問題であるとか、あるいは何がどうしたとかいうようなことでなかなか実現しないのでありますが、こういう点はお互いにひとつ過去の問題と絶縁して、新しいりっぱな民主政治をつくるのだ、こういう意味で、責任ある自由民主党はもちろんのことでありますが、国会で法制化しなければならない問題が非常に多いのでありますから、各党の御協力をぜひとも得たい、かように考えます。こういう点で、自民党自身が当の責任政党でありますから、率先してそういう具体案と取り組んでまいりますから、御批判はいろいろ受ける。しかし、同時に、建設的に今後どういうふうにしたらいいか、これをひとつ各党とも真剣に考えていただきたい、かように思います。
○鈴木強君 次の国会に出すつもりでいますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 次の国会に出すつもり――これはいまの第五次の答申が出てまいりませんと、過去のものについての、私どもが取り組んでいくということ、これも真剣に党の選挙制度委員会あたりで取り組んでいますから、これを具体化するにつきましては各党とも事前に十分に連絡したい、こういうふうに思います。いずれにいたしましても、第五次の審議会が出てまいりますから、答申を得てこれと真剣に取り組んでいくということを重ねてつけ加えておきます。
○国務大臣(前尾繁三郎君) この時局は非常に重大であることの認識につきましては、十分、まあ他の人に劣らない認識を持っているつもりでございますが、具体的な問題につきましては、これは党内の問題でありますので、この際私がここで私見を申し上げることは差し控えたいと思います。
○委員長(石原幹市郎君) 鈴木君の総理大臣に対する質疑は終了いたしました。
 これにて、午後二時まで休憩いたします。
   午後零時四十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十二分開会
○委員長(石原幹市郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 先刻、松野孝一君、林虎雄君、宮崎正義君が辞任され、その補欠として八木一郎君。藤田進君、北条雋八が選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(石原幹市郎君) 午前に引き続き質疑を行ないます。鈴木一弘君。
○鈴木一弘君 総理は去る五日の日でございますか、札幌の記者会見で話したときも、またいまの、所信を述べられたときにも、黒い霧は佐藤体制がもたらしたものとは思わない、いわゆる長年の病弊がもたらしたものであるということを言われて、これに対して謙虚に取り組みたい、こういうように述べられておるわけでございますけれども、まず第一に、この佐藤体制のもたらしたものでないと、こうおっしゃっているのは、私は責任回避じゃないか、というのは佐藤総理の前の池田総理との間の総裁公選の際に、うわさによれば、非常に巨額の金が動いた、こういうことがうわさされている。あるいは先ほどもございましたように、造船疑獄以来やはり佐藤体制そのものというものに病弊があるというふうに考えられる。そうすると、全く佐藤体制がもたらしたものでないということをおっしゃるけれども、これは全くの責任回避ではないか、国民の側からすれば、先ほどは総理はもうすでに造船疑獄に対する黒い霧というものは晴れた、こういうように仰せでありますけれども、もっとはっきりと、すっきりした形で言っていただかないと、総理の名誉に関する問題でもありますし、国民の側にとっても非常にその点は明らかにしてほしい。やはり佐藤体制に原因があるのではないかと、だれも見ているわけでありますので、その点についてまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 鈴木君のお尋ねの点、あるいは私がつかみ得ないかわかりませんが、私は造船汚職の場合、いわゆる収賄というような問題はない。政治資金規正法違反、これで私が起訴されたと、こういうことを申し上げ、そしてもうすでにそれについての反省は十分しておりますので、もう黒い霧はこれに関してはなくなった、かように申し上げたのであります。
 また、最近の幾つもの事例が問題になっておりますが、それについて、たとえば、田中彰治事件、これなどは私のときの問題ではないのです。こういう引き起こした問題からそういうお話をしました。しかし、今日公私混同といいますか、公私の区別がはっきりしてないじゃないか、こういうようなことは、私自身この内閣におきましてそういう事態が起きておるのであります。これはいわゆる積年の病弊、そういうものがもたらしたとは言えるかもわかりませんが、事件自身とすれば、この内閣においてそういうことも起きたのでございます。したがいまして、私自身は謙虚に、ただいまの批判を受けて、そして反省をしておる。私は責任を回避する、あるいは責任のがれをする、そういう考えは毛頭ございません。この点だけは十分理解をしていただきたい、かように思います。
○鈴木一弘君 先ほども御答弁を伺っておりますと、長年の病弊に対しての取り組み方でありますけれども、その取り組み方については、まず粛党が問題であるというように話された、いろいろな答申も出てくることであろうから、それに忠実にやりたいと言われたわけでありますけれども、さらにそれ以上に、きれいな選挙のことも言われたのですけれども、総理自身、はっきり言えば、自民党自体が、この長年の病弊ということになれば、もう党全体に政権を担当するというような資格というものが失われてきているんじゃないか、そういう点をほんとうに反省しなければならないのじゃないかと思うのでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま反省をしているから、自民党自身が浄化を要求されておる、そういうことを考えると、自民党自身に政権を担当する資格なしと こういう結論を下されたようでありますが、私はさようには思いません。私は、ただいま政治以前の問題について政界を浄化すること、また党の構造改善、こういうことで真剣に取り組むつもりでございますが、政権を担当する云々、これに直接つながっておる、かように私は思わないのであります。私は、そうじゃなくて、むしろ自民党自身が責任を果たす、これは今日までの病弊とも取り組むが、今後のあり方につきましても、あすへの期待にもこたえる、これが政党として、また政治家として当然なすべきことだ、かように思いますので、りっぱな政治をすることによって国民の政治不信を一掃していく、こういうことでなければならない、かように私は思っておる次第であります。
○鈴木一弘君 いま、今後もりっぱな政治をするように、現在の党を改善していかなければならぬというお話があったわけでありますけれども、先日も、記者会見の際には、総裁公選、これをも政権担当ということになれば、人事を刷新して粛党を重大決意で行なう、こういうことを言われておるわけです。ところが、いまの内閣でありますけれども、八月に改造された内閣は、あの内閣を改造したときに、総理御自身が人心一新ということをうたって出発された。ところが、すでに人心一新と言ってからわずか三カ月間でありますけれども、三人の閣僚が公私混同でもって非難されている、そのうちの一人は更迭のやむなきに至っておる。また、そのほかに藤山さんは閣外に去るというような状況である。そうすると、三カ月でもうすでに人心一新をして事に当たっていきたいといわれた内閣が破綻しているじゃないか。このように、三カ月でもはや破綻したという内閣は佐藤内閣をもって私は初めてとするというふうに思うわけでございますけれども、総理はこの責任を一体どうお感じになっていらっしゃいますか。国民は期待をして新しい内閣に対しては持ったと思う。ところが、三カ月もたたぬうちにこういう事件が起きて、しかも二人はいなくなる、非難されているのが三人であるということでは、これは大きな問題だろうと思う。その責任はどうお考えになって、どうおとりになろうとするのか。
○国務大臣(佐藤榮作君) けさほどからも、そういう意味で、私の期待に反した今日の状況でございます。そういう意味で、私も責任まことに重大だ、真剣に考えなければならない。このためにも私が一そう身を正し、そうして政局と取り組んで、そうしてりっぱな政治をしていかなければならぬ、かように私はほんとうに痛感している次第であります。
○鈴木一弘君 いまの総理の答弁から伺っても、八月人事のときには、私は国民とともに進む政治を行なう、それを信条として国民の要望に常に耳を傾けていきたい、こういうふうに話されている。また広く世論を聞いて、施政にあやまりなきを期したいということをはっきりと述べられておるわけでありますが、まあいろいろな不祥事件が重なって、世論調査では二六・二%というのが、「毎日」に出ていたと思いますが、ところがこれが世上聞くところでは、一七%程度の支持率であった。しかしまあそれを直したというような説までも流れておりますが、怪情報かもしれませんが、こういう世論から見れば、世論に耳を傾ける、また世論をよく聞く、こういう総理の姿勢からすれば、当然内閣というのは、有言実行して事に当たるというようにおっしゃっていらっしゃったわけでありますから、世論のほうが支持率が下がっていれば、内閣は総辞職しなければならぬ、そうでなければ有言不実行ということになるのでありまするが、それはどうでありましょう。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私は先ほど来答えるように、私どもの責任を果たしていくということ、その立場からりっぱな政治をすること、そうして国民の期待にこたえること、これがわれわれの責任だ、かように思っております。ただいま鈴木君から辞職すべきじゃないか、こういう御意見が出ておりますが、遺憾ながらその説には私賛成いたしません。
○鈴木一弘君 国民の声に耳を傾ける、国民とともに進むということになれば、国民がはっきり要求しているのは世論調査のとおりなんです。これはそういう責任をもっていくべきがほんとうだと思う。
 時間もありませんから、次の問題に移っていきますけれども、ほんとうに総理が粛党の実をあげるとか、えりを正すとかということを言っていらっしゃるわけでありますから、もしそういうことによって、正しく自民党自体も政権担当の政党としてよくやっていこうということであれば、私は実行の実をあげてもらいたい。その一つの例として取り上げたいんですが、先日も共和製糖問題でもって重政誠之氏から参議院の決算委員会に出席して発言したいという申し入れがあったが、これは衆参両院議長がとめて、そのためにそれに対して野党のほうから、そういう申し出があるならば当然出席すべきだということを言ったわけでありますけれども、自民党がこれを拒否したわけであります、はっきり言えば。総裁としてえりを正す、粛党に実をあげるというように発言しているならば、これは拒否する理由がないと思うのでありますが、なぜなのでありますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私は重政君が委員会に出てはっきりしたいと、こういう話をしたということを聞きました。しかし、同時に、議長があずかってこの問題を同時にいかに処理するか、こういうこともいま研究中だ、かように伺っておるのであります。私は党自身がこういう問題にタッチはしない、これだけははっきり申し上げておきます。議長自身が衆参両院の議院の問題でございますから、そういう意味でなかなか先例等もないことだし、この点について検討しておられるのだ、かように私考えております。ただ自民党が断わったと、かようにはお考えにならないようにお願いしておきます。
○鈴木一弘君 いま先例がない、あるいは自民党が拒否した覚えがないというけれども、実際にまあ決算の理事会等へ行けば自民党側のほうで先例がないということで拒否しておるわけであります。本人からの申し出がありながら拒否している。先例はないというお話でありますけれども、議員がほかの議院の委員会に出席しているのはその前例があるわけであります。たとえば、第十九回国会の衆議院の行政監察特別委員会というのが昭和二十九年に開かれております。そのときに参議院議員の大谷瑩潤氏が出席して証言に立っている。そういう先例はあるわけです。先例があれば当然本人の名誉にも関する問題でありましょう。自民党自体の問題にもなるでしょう。となれば、当然要求されれば出していいのではないか、そういう例をつくって、国民の前にはっきりと党自体、自局党もえりを正している、総理も積極的だ、そういう姿勢を示すべきじゃなかったのですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私はこの問題は先ほど、議長においていろいろ検討しておるということで十分ではないかと思いますが、私自身がとやかく言う筋のものではないように思います。
○鈴木一弘君 ただ、参議院においては、はっきり申し上げれば、決算委員会の理事会において自民党が拒否をしている。だから、総裁の佐藤総理にお伺いしておるわけです。だから、答弁すべき筋合いでないというのは私はおかしいと思うので、重ねてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) どうも私自身が総理、総裁としてお答えする筋じゃないように思います。どこまでも参議院において処理される問題のように思いますので、その辺で一体どういうことになっていますか、こちらの理事諸公の方々と……。その辺の事情は私つまびらかにしておりません。私自身、総裁としてさような指図をしておらないことだけはっきり申し上げておきます。
○鈴木一弘君 最終的には自民党としての姿勢、あるいはやった行ないについての責任は総裁にあると思われるのでありますが、自民党側として呑めないといわれたんですから、これは総裁に責任があると思う。出先の理事云々ということであれば、これは責任回避です。それははっきりしていただかなきゃならぬと思う。えりを正すといわれたらえりを正すようになさらなければ、国民の疑念は取れないじゃないですか、どうなんでしょうか、非常にくどいようでございますけれども、重ねて……。
○国務大臣(佐藤榮作君) どうも同じ答弁をしてまことに相済みませんが、先ほど来お答えしたように私考えております。
○鈴木一弘君 これはある新聞によったわけでありますが、四十年度に自民党の国会対策費の支出状況というのがここに出ておる。これを見ますというと、日韓条約のときには七千万か八千万円ぐらいの国会対策費が中野四郎、あるいは田中角栄というように、国会対策委員長や幹事長の手に渡されておりますけれども、私どもが見て不思議に思うのは、国会に国会対策費がどうして必要なのかということです。いま一つは、国民の側からすると、なぜそんな巨額の金を使わなければならないのか不思議でたまらない。そういう点からも大きな疑惑というものが持たれている。その国会対策費はどういうふうにお使いになったのか、この点は総理、国民の前に明らかにしていかれる必要があると思うのでありますけれども、どうでございましょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど私の二千万円の党献金の問題でもお答えいたしましたが、党の経理また並びにその処理等は、実は私つまびらかにいたしておりません。これは総裁の責任だと、かように形式論で簡単にお話になりましても、私自身答えられない問題でございますからお許しを得たいと思います。
○鈴木一弘君 それは総裁でありますから、こまかい点までは云々でしょうけれども、私の言っているのは、国民がそういう点について非常に疑惑を持つだろう。ですから、これを新聞紙上なり何かに、この六千万円はこういうふうに使われたと、この三千万円はこういうふうに使われたということを公表する御用意はありませんかということです。そういう指図はできないかということです。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまの鈴木君の御意見は、よく党の経理を担当しておる者に話しまして、十分考えさすようにいたします。
○委員長(石原幹市郎君) 念のために申し上げます。持ち時間が来ておりますから……。
○鈴木一弘君 きれいな選挙を総理は行ないたいと、まあこういうことから、選挙制度の改正ということをお考えになって、先ほどからの答弁でも、第五次選挙制度審議会ではその答申を尊重したいというふうなことをいわれておりますが、その中に、世論の動向を見きわめて勇断をもって当たる、こういうふうにいわれておる。その選挙制度審議会の答申に対して勇断をもって当たるというんですけれども、十月二十九日に高橋雄豺氏と総理が会見した際に、第五次審議会では、衆議院の区制改正に重点を置く、そういうことに意見の一致を見て、それをそのように総理が小選挙区制に対する積極的な面が出たので、消極的なので不満を持っていた同志が勇気百倍だ、こういうふうにいって委員の再任を受けた、こういうふうに新聞には報道されているわけですけれども、こういうことから考えると、総理はその勇断をもって当たるという決意は、衆議院の区制改正、いわゆる小選挙区制への決意、こういうことになるんじゃないでしょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 選挙制度審議会が発足し、また、ただいまいわれるように、区制の問題が中心をなし、各党で非常な関心を持っておられます。私は区制の問題ももちろん一つのポイントだ、かように思いますが、それよりも、やはり金のかからない選挙をどうしたらいいか。これはほんとうに真剣に考えるべきじゃないか、かように思いまして、高橋君には、これから審議会がどういう答申をされるのか、それを待つ以外にない、過去の四次までのもので、答申されて実施ができておらないもの、その中には金のかからないようなことを示唆されたようなものも幾つもある、そういう問題をやっぱり党とし、政府としても真剣にひとつ取り上げたいと思う、だから、どうか在来の、答申を幾らしても政府はそれを取り上げてくれない、だからもう委員はごめんだ、こういう考え方を持たれないで、ひとつ熱心に、国政を正す、こういう意味からも、金のかからない正常な、明朗な選挙ができるようにひとつ審議をしてください、私はそれまで答申を待って、答申を得ましたら、これはひとつ勇断をもって答申を実施するようにあらゆる努力をしましょう。こういうお話をいたしました。しかし、これはどこまでも抽象的な話でありまして、具体的に何々をしなさい、かようなことは私指図しておりません。だからこの点では誤解のないように願いたいと思います。
 また、委員の方々も、ただいま各党がこういう選挙制度についてどういうような考え方を持っているか、どういうように考えているか等も十分念頭に置いて、これから審議されて、そうして答申を書かれるのでありますから、全然白紙で、他の四党の考え方を全然念頭に置かないで、そうして案をつくられるというようなことはございません。ただいまの小選挙区そうものにいたしても、わが党の中におきましても、これは一本にまとまっておるようないまの状況ではございませんので、そういう点では、これはひとつ第三者である審議会の委員の方々の審議に待つ。そうして、その答申があった後に、どういうように政府がそれと取り組むか。そうしてさらにそれを法制化される場合に、国会においてどういうように各党が審議するか、これをひとつ見守っていただきたい。ただいま区別に踏み切ったというようなことは、私たいへん迷惑でございます。もし新聞でさように伝えておりましても、この点では明確に申し上げておきますが、私どもはこの審議会が進むその際に、事前に当方の意見を言うという、そういう軽率な態度は厳に慎しんでおるわけでございますから、どうか誤解のないようにお願したい。
○鈴木一弘君 一つだけいまのに関連してお伺いします。私はそれより具体的に今度行なわれるであろうといわれる総選挙について特例法を設けたらいかがか。というのは、たとえばこれは千葉の一区でありますが、一区は九十三万の有権者があって定員が四名、千葉の三区は四十五万の有権者があって定員が五名です。こういうのこそ改めて、むしろここでもって特例法をもって定員を十名なり十五名増加させるということをおやりになったほうがいいのではないかと思うのでありますが、そういうお考えはないかどうか、これを伺って総理への質問を終わります。
○国務大臣(佐藤榮作君) いま特例法を設けて選挙をやれというお話ですが、結論から申せば、私はさような考え方を持っておりません。ただいま選挙制度審議会で最近、衆議院の東京都を初めその他の都市の定員等を是正しました。これより以上に突き進んでさらにやる考えは、これは不適当ではないだろうか。また審議会もさような答申をまだ出しておりませんから、これはせっかくそういう具体的な御提案でございますが、私自身直接にさような考え方は持っておらないということを申し上げておきます。
○多田省吾君 関連しまして二つお尋ねいたします。
 一つは、総理は十月七日東大病院から田中幹事長に党紀粛正というような意味で、政党法を研究するように指示したとか新聞等に報道されております。もしそうだとすれば、この前からいろいろいわれておりますように、政党法というものは韓国とアルゼンチンの二カ国しか実施されていない。またその他イタリア等二十九カ国は憲法に政党を論及しておりますけれども、西ドイツさえまだ政党法を制定していない状況であります。憲法二十一条の結社の自由にも違反するような事柄ではないかといわれております。これは一つには総理の思いつきではないか、あるいは責任回避ではないか、あるいは小選挙区比例代表制に踏み切る一つの前提ではないかというような報道がなされております。これに対する総理の明確なお答えをいただきたい。
 それからもう一点は世間一般には、また自民党は、金のかからない選挙というものは小選挙区制であるというような流し方をしておる向きもあります。しかしながら、十二回、十三回の国会総選挙あるいは十四回、十五回の総選挙の結果、大選挙区制よりも小選挙区制のほうが、その当時の日銀の物価換算においても一・五倍ほど金がかかる。あるいはある新聞の報道によりますと、自民党星島二郎氏が大正年間の原内閣時代の小選挙区制をみずから体験しておりまして、小選挙区制はかえって金がかかる、また競争が激しくなって、はなはだ遺憾とすべきである。金がかかるということからいえば、小選挙区制のほうが金がかかる。これが一般の事実上の日本の選挙の姿でございます。そういった事態を総理はどう考えられるか。
 それからもう一点は、総理は勇断をもって金のかからない選挙にしようと思うといっておられますけれども、先ほどのお話によりますと、今度の臨時国会に選挙法の改正案を出さない、そうして第五次選挙制度審議会にまかせて答申が出てから考えたいといっておりますけれども、第一次第二次の選挙制度審議会において、すでに高級公務員の立候補制限あるいは罰則強化、連座制の強化、さらには政治資金規正法の改正、そういった答申というものが出されて、国民は多くそれを待ち望んでおる。この前の岐阜県における参議院の選挙特別委員会の視察においても、ほとんどの公聴人が政治資金規正法を改正して政治献金は個人のみによって、あるいは会社、法人、団体等の政治献金はとめるべきだ、それが政治の根本悪だということを民間の代表はみんな力説しておるわけでございます。ほんとうに勇断をもって金のかからない選挙にしようというならば、そういった区制以外の問題で、幾らでも臨時国会に政府は出せると思う。なぜそれを出さないのか。それを出さないとすれば、国民はまた総理の思いつきだろう、責任回避だろう、そのように感ずるわけです。それに対する総理の明確なお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) まず、政党法を研究しておる、かように申しましたが、別に私は責任回避、そういう意味でこれを申したり、あるいは思いつきで、かような問題を取り上げたわけではございません。政党法あるいは国会法等々、さらに改善を要する問題があると、かように思いますので、十分いまから検討すること、これはいいことじゃないかと、かように私は思います。それじゃ、どこをどういうようにただいまやるのかとか、あるいは政党法はどんなにつくるのか、かようにお尋ねがありましても、ただいまそういうことを持っておるわけではございません。検討すべきじゃないかということで、さような指図をしたわけであります。
 第二の小選挙区については、先ほど来鈴木君との質疑でこれ、明確になったとお考えがいただけるんじゃないかと思います。私は具体的な問題をただいま提案しておるわけではありません。これはやはり審議会におきまして十分御審議を願うべき筋のもんだと思います。
 第三点の政治資金そのものについてのお話でございますが、これは私もただいまのお話のように、政治資金、これの取り扱い方、さらにもっと掘り下げて進むべきじゃないかと、これが午前中の質疑応答でもその点に触れたと思います。ただ、私が申し上げたのは、現状はそう簡単にきれい一方でもないんですということを申し上げた。そうしてその実情に即した方向でこの問題と取り組むべきじゃないかということを申しましたので、さように御了承いただきたいと思います。
 高級公務員の立候補の問題については、これもすでに国会におきまして、衆参両院において非常に議論された、憲法上の問題あるいは取り扱い上の問題で議論があった。したがって、これが直接ではありませんが、間接的に、いわゆる地位利用、そういうことも厳禁することによって一応この問題を解決さしたように思います。これはもう各党でそういうことが議論されたんだと思います。しかし、なお今後ともこういう問題はさらに突き進んで研究すべき問題ではないかと思います。
 政治資金そのもののお話も、先ほど来言われる個人献金、会社献金あるいは組合献金、これは一切やめたら、かように言われることは、これは理論的には私も首肯できますけれども、現状は必ずしもさようなわけにいかないということを申し添えておきます。
○委員長(石原幹市郎君) 鈴木君の総理大臣に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○委員長(石原幹市郎君) 次に、向井長年君。
○向井長年君 総理にお尋ねいたしますが、十二月一日に自民党の大会をやって、その後直ちに内閣改造するというようなことを言われておりますが、これはさようですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 十二月一日、自由民主党は党大会をいたしまして総裁をきめることでございます。私自身は引き続いて政局を担当することをはっきりいたしておりますが、いずれにいたしましても、党大会が済まないことには次に進めない状況であります。で、私、この前札幌でお答えいたしましたのは、こういう情勢のもとにおいて国民が、具体的に政界の浄化に手をつけたと申しますか、そういう態度を示した、こういうものはやっぱり総裁公選後にはっきりするのじゃないか、かように思いますので、これを申し上げたのであります。そういう意味から、やっぱり清潔な、清浄な、清新はつらつたる人事をすることが国民がほんとうに浄化に乗り出した、こういうことを感ずるゆえんじゃないだろうか、かように思っておる次第であります。
○向井長年君 ちょうど三カ月ほど前に佐藤内閣が改造されて、りっぱな大臣方を任命された。それを、少なくともその後三カ月たつかたたぬ間に、改造しようとするのは、適格者がいないと、こういうように判断されておるのですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 必ずしもそう簡単な結論ではございません。いろいろ私は皆信頼しておる各大臣だと、かように思っております。なかなか世間的にはいろいろのお話が出ておるようであります。こういう点が気がつかなかったのか、そういうようなおしかりを受けるかわかりませんが、私在来の考え方で、まずこの程度といいますか、りっぱな人たちが期待に沿う――そのポストについて期待に沿ってくれる、かように期待いたしたのでありますけれども、ただいま各方面からの批判を受けますと、さらにお互いに十分反省すべきじゃないか、かようにただいま思っております。
○向井長年君 しからばなぜそういう国民の批判を受ける大臣をやめさせないのですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) これは御意見でございますが、私が先ほど来申しますように、ただいまこの大臣を更迭さす適当な時期じゃない、かように思っております。
○向井長年君 これはやはり佐藤内閣の、総理の責任ですね。したがって、そうなればやはり総辞職か、総辞職しなければ、その問題を国民に信を問う、こういう立場からやはり解散、こういうかっこうが正しい憲政の常道ではないか、こう思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま解散というお話が出ましたが、私は解散する考えというよりも、解散をただいま考える時期でない、かように実は思っておるわけですが、国民からいろいろの批判が出ておりますが、それにこたえるには、まず体質の改善だとか、政界の浄化、それがされないで、解散するのでは、これはどうも筋が違っていやしないか、かように思いますので、まず私に課せられた責任、それを果たす意味におきましても、体質の改善並びに政界の浄化に乗り出す、こういうことをただいま考えておる次第でありまして、それが私がいま解散は考えておらない、かように申しておるのは、その私の気持ちを率直に申し上げておるわけであります。
○向井長年君 党大会後に内閣改造をやろうということですが、しからばやはり内閣改造の意義というものはどういうことなんですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま申し上げましたように、私どもりっぱな、自信を持って内閣をつくりましても、なかなか世間では納得してくれないものがあります。そういう意味から、あるいは政治に対する信頼感が薄らぐんじゃないか、これはたいへんなことでございます。きょうも所信を説明いたしましたように、もしも政治に対する国民の信頼がだんだん薄らぐというと、これはたいへんゆゆしいことでございます。これは一党一内閣の問題ではない、民主政治の今後のあり方といたしまして、これは重大なことだと思います。そういう意味で、私はやはり謙虚に世の批判を聞き、そういう意味で反省をしていく、これが今後の私どもの態度であります。これはいずれ総裁公選が終わった後に、これは形の上において国民に示すべきである、かようにただいま思っている次第であります。
○向井長年君 総理は中華民国の曾文渓事件、私はあえて事件と言いますが、この問題を御存じですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま向井君からお尋ねがあるということでございましたが、ただいまの曾文渓ダム建設についてのお話は私は知りません。
○向井長年君 知っている大臣答えてください。建設大臣、大蔵大臣、通産大臣、外務大臣。
○説明員(田中榮一君) 政務次官からお答え申し上げます。曾文渓ダムの件につきましては、昨年の四月二十六日に日華両国の合意に基づきまして円借款契約が成立いたしまして、総額一億五千万ドルの借款が成立いたしました。その内容の一部といたしまして、曾文溪のダムの建設が中に取り入れられたわけでございます。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 曾文溪事件は承知しておりませんが、曾文渓ダムについては関係者の一人といたしまして協議にあずかっております。これは向井先生も御承知だろうと思います。昨年の四月の二十六日に日華間の合意に基づき成立いたしまして、一億五千万ドルの円借款の対象プロジェクトとして取り上げられたものであります。この工事をやるにあたりまして必要な設計及び監督を行なうコンサルタントについて、中華民国政府が本年二月に日本工営を選定して、目下当社とコンサルタントの契約の交渉を行なっておる現状であります。
○向井長年君 この問題をめぐって台湾政府あるいは台湾の国会の中でどういう問題が起きているか御存じですか。
○国務大臣(橋本登美三郎君) そういうようなことにつきましては、建設省としては承知いたしておりません。
○向井長年君 官房長官答えてください。知っているでしょう。時間がないから私は言わない。
○国務大臣(愛知揆一君) 私も詳細は承知いたしておりません。
○説明員(田中榮一君) 台湾の、中華民国の国内のことでございますから、私どもも詳しいことは存じておりませんが、このコンサルタントを選定するにつきまして、中華民国側のほうから、日本側としてどのような適当なコンサルタントがあるか、よいものがあるならばぜひ推薦してほしいと、こういう話がございまして、関係省協議いたしました結果、日本工営と電発の二社を選定いたしまして、この二社ならばコンサルタントとしてきわめて適当なものである、こういうことで推薦をいたしたのでございます。その結果、中華民国政府におかれましては、両社の内容等を十二分に検討いたしました結果、前者の日本工営のほうを選定いたしまして、ただいまこのほうにコンサルタント契約を締結をしようということで、近くおそらく契約が成立するのじゃないかと考えておりまするが、まだ具体的に契約が成立したというところまでは至っておらない状態でございます。
○向井長年君 これは少なくとも日本政府にそれを求めてきたのでしょう、中華民国政府から。したがって、政府が責任持ってこれのコンサルタントを推薦をしたのでしょう、違うのですか。
○説明員(田中榮一君) お答えいたします。そのとおりでございまして、中華民国側としましては、円借款の関係がございますので、コンサルタントとして、日本側として最も適当なものを推薦してほしいと、こういうことで、政府としましてはこの二社が最も適当であると、特に日本工営につきましては、相当海外工事の経験を持った会社でございます。それからまた電発につきましては、電源開発につきまして技術的にもいろいろの面から相当経験豊富な会社でございますので、この二つが最も適当であろうと、こういうところをもって、責任を持って推薦をしたわけでございます。
○向井長年君 推薦をしたにもかかわらず、いまなぜ台湾でそれが問題になって――ただいま日本に来ておるでしょう、台湾政府から、それはどういうわけで問題になっておるのですか、内容は。これは総理知らぬと言うのおかしいのだな。
○説明員(田中榮一君) この点につきましては、私どもも、台湾政府の内部のことでございますから、詳しくは存じておりませんが、もちろん台湾政府としましては、十分に両社の内容を検討いたしました結果、日本工営が最も適当であると、そういうような関係から私は選定をされたものと考えております。
○向井長年君 この問題に対して、自民党の有力幹部が介在しておる、こういうことが言われておるのですよ。これは総理御存じですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど来申しましたように、全然知りません。
○向井長年君 この十一月号の「財界」に出ておりました。「財界」の裏のほうに出ていますよ。――どなたも知りませんか、どの大臣も。関係大臣――。
○委員長(石原幹市郎君) 質問を続けてください。――向井委員、問題点をあげて質問をしてもらわぬと……。
○向井長年君 そんなものあげておったら質問できないでしょう、三分で何が質問できますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) いま「財界」の編集後記を見せていただきました。私も初めて見たのでありまして、事態については全然存じ上げませんので、私とにかく「財界」の記事そのものを批評する資格がございませんから、またそういう事態そのものについて、先ほど来申しましたように、曾文渓事件、これは私は知らない、このことをはっきり申しておきます。
○向井長年君 総理。しかし、こういう総理、総裁が、自民党の大幹部が、こういう疑わしいかっこうで出されている問題を、しかも現在台湾政府においては問題になっている。いま日本にもこの問題の解決方に来ておるのですが――私は知っている。知っているけれども、私は時間がないから言いませんが、そういう形を総理が全然知らぬというかっこうでは私は無責任だと思うのですよ。少なくとも台湾政府が日本政府にそれを求めてきていると思うのだな。そういう問題について、私はおそらく、総理じゃなくとも、関係大臣は詳細に知っていると思うのだ。なぜそれを言えないのですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) まあ総理は何でも知っていなければならないのだと思いますが、実は知らないことが多いのです。したがいまして、各省大臣からも報告を聞いておりませんし、また各省大臣も知らないようでございます。どの程度に台湾国民政府から来た人が連絡をしておるのか、これ私わかりません。ただ「財界」そのものにそういう記事が出ておりますから、それは十分私も取り調べることにいたします。ただいま私自身がこの問題を知らない、これに間違いございませんので、その点は御了承いただきたい。そうして、この「財界」の記事をいま読ましていただいたんですから、これを不問にしないで、これはやはり「財界」もよく取り調べる、かようにいたしたいと思いますので、御了承願います。
○向井長年君 大体日本政府が、技術すべてがりっぱな業者と申しますか、それを二つ推薦して、選択するのは台湾政府の自由でございますけれども、そういう中で、しかも入札と申しますか、価額の問題があるわけですが、こういう問題で自民党のいわゆる大幹部がそれを曲げて一方に引っぱった事実があるわけなんですが、それがいま問題となって、その価額の協定ができないんじゃないですか、現在。そういう状態になっていることは、これはやはり私は、その党の中という問題もあわせて、政府の責任でもあると、こういう立場から総理にただいま質問いたしました。時間がないから私は具体的な問題は将来に残しますけれども、しかしながら、この国際的な日韓問題、あるいはインドネシアの、あるいはまた中華民国の経済援助、こういう問題にまつわる一連のいろいろなうわさがあるわけなんだ。こういう問題は、国内の諸問題とあわせて、総理はえりを正し、この問題を徹底的に調査し、解決しなければならぬ問題じゃないか、こう私は思うわけなんです。どう考えられますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまその私の所信を申しましたので、この編集後記――「財界」に出ておりますこの記事、またそれにつながる事件そのものも十分調査したい、かように思います。
○委員長(石原幹市郎君) 向井君の総理大臣に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○委員長(石原幹市郎君) 次に岩間正男君。
○岩間正男君 佐藤総理は、続出するこのたびの一連の汚職問題について、綱紀の粛正とかえりを正すとか言っていますが、一体汚職続出の根源をどのようにつかんでいるか。安保体制下における高度経済成長政策という人民収奪の、そうして大資本擁護の反人民的な政策、これが一つ、さらにもう一つは、歴代の自民党政府の中に根強く巣くっている責任回避、責任不在の考え方が、今日のどうにもならない汚職を拡大生産している根源ではないかと思うのですが、これについて総理の見解を聞きたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) けさほど社会党の諸君からもいろいろお尋ねがございました。また、ただいまは民社、公明党の諸君からもお尋ねがございました。もうその際に私が明確に申し上げたとおりでございまして、ただいま責任回避する、そういう考えはございません。私自身が政局を担当する総理といたしまして、政界の浄化に一そうの熱意を持って取り組む、これ以外にない、かように思います。
○岩間正男君 それでは、責任をあくまで重んずるというのですが、そうすれば、造船疑獄の張本人としてのあなたの責任というものは今日も続いているのですが、それについてどういう責任を感じているか。先ほどの質問もありましたから、関連してお聞きをいたします。
○国務大臣(佐藤榮作君) 造船疑獄についてはけさほどもお尋ねございましたが、明快に私はお答えしたとおりでございます。もう重ねてお答えはしません。
○岩間正男君 あなたは、午前中の質問の中で、あれは自分は関係がないというようなことを言われたが、ほんとうですか。指揮権発動の問題に関係はないというようなことを言われている。
○国務大臣(佐藤榮作君) 指揮権の発動については私は関係がないということをはっきり申しました。
○岩間正男君 関係がないという意味は、あなたは指揮権を発動させた当人ではない、しかし指揮権発動の対象であったということは事実でしょう、これは明白だと思うのですね。あなたは当時造船疑獄の問題で、これは利子補給法案の修正成立、同予算措置などを含めた謝礼として日本自由党に入った二千数百万の裏献金に、当時の自民党幹事長としてのあなたに、これは第三者収賄の容疑を問われた。その後の検察陣のきびしい追及がなされましたが、昭和二十九年の四月二十日に吉田自民党政府が検察首脳会議に対して佐藤逮捕の延長を申し入れた。翌二十一日犬養法相の指揮権発動が行なわれた。そうして理由書まではっきり書いてある。理由書として、佐藤榮作氏の逮捕請求許可の請訓については、事実の法律的性格、重要法案の審議にかんがみて、本件が特別例外的事情あるものと認めて、別途指示するまで暫時逮捕延期をして云々と、こういう理由にならないまことに権力の不当な圧力によって検察陣の追及というのはそらされた。そういう事態があって、今日事態は糊塗されてそのままずっと残されている。この世道人心に与えた悪影響というものははかり知れないものがあると思う。たとえば松野労相、上林山防衛庁長官、こういうところは全くこれをまねしているのです。今日こういうきたないところまで追い込んでいるのが現状ではないか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私が指揮権発動に関係がないということは明らかに申し上げます。指揮権を発動させた、そういうことに私が関係がないということであります。それは、指揮権が発動された結果私自身が恩恵を受けた、かように言われれば、そのとおりかもしれませんが。だから、その関係がなかったということは、私自身が指揮権発動させた、そういうことでないことをよく御了承いただきたいと思います。やはりこの問題は、当時私も訴追を受けております。私自身が、政治資金規正法違反、こういうことで訴追を受け、そうして裁判進行中であったということは、私の記憶にもなお新たな点があります。しかし、いわゆる汚職、いわゆる収賄したとか、こういうものでないことははっきり申し得るのであります。私は天地神明に誓って、そういう汚職、収賄、かようなことはないということをはっきりこの機会に申し上げておきます。
○委員長(石原幹市郎君) 岩間君、時間が来ておりますから、そのつもりでやってください。
○岩間正男君 このやり方は、まことにあなた自身がはっきりされました。指揮権発動の対象であったということははっきりした。だから、指揮権発動そのものがされなかったら今日の事態が非常に大きく変わっておったということをだれでも言っている。国民は非常にこれを大きな問題として今日考えております。世論に聞いてください。たとえば石垣綾子氏がそういうような発言をやっている。佐藤総理のこれは黒い霧の続出の大もとをただせば、造船疑獄の張本人佐藤首相自身に大きな責任があります、こういうことをはっきり言っている。また、秋田のある高校の教諭も同じようなことを言って教室で子供たちにこの話をしてやると、みんなそれではえりを正すと言い放って、それ以上進まないというふうに言っている。あなたは青少年の教育ということをよく言うけれども、子供たちさえ痛烈にこのことを批判しているのが今日の現状です。こういう点から考えれば、私は、粛党とか、えりを正すとか、粛正とか言っていますが、これははっきり今日あなた自身がこの問題に対処することが必要だと思う。国民は、よごれ切った手で、黒い手で政界が浄化されるなどということは毛頭期待してないのですよ。またできもしないです。黒い霧を粛正する最もいいことは、佐藤さん、あなたやめることだ、佐藤内閣が退陣することだ、責任を負って国民の前に罪を謝して退陣するのが最大の今日の粛党である、このことを肝に銘ずべきですよ。あなたはいろいろ言をそらして予定のコースを延ばし、そうして今度の臨時国会の野党側の激烈な数回の要求に対しても、あなたの党大会を基本にして、あくまでこれを基本にして、そうして日程を組んでいる。臨時国会は当然切り離してあくまでやるべきであったと思うのです。ところが、それをやらないでしょう。私はそういう点から言えば、佐藤内閣ははっきり国会をすぐに開き、そうして国民の前にこれを明らかにし、そうして徹底的に私はこの罪を国民の前に明らかにすることによって国会を解散する、佐藤内閣は総退陣する、これが今日国民のだれでもが望んでいる声だ。この声を聞かないで、あなたは世論とかなんとか言っていますけれども、これは私は話にならないと思う。この点が一つ。この点はっきりさしてもらいたい。
 もう一つの問題は、この黒い霧の問題と関連して黒い手の問題がある。これは、わが党の第十回大会が品川の公民館で開かれた。十月の二十四日から開かれた。ここで二回盗聴器が発見された。
○委員長(石原幹市郎君) 岩間君、全部の時間が超過しております、これでやめてください。
○岩間正男君 これについて私は抗議を当時やったわけです。私は抗議団長としてあなたに二回も抗議書をやった。ですから、その結果は見ているだろうけれども、この実態は、こういう問題は、よく見てください。これはここに本物は持ってこない、本物は持ってこないが、この前のように、取り上げて警察がやってしまう。警察がこういうことをやっているのですね。元凶だということが今日明らかです。あるいは公安調査庁が元凶です。よく見てください。これは実物大よりも四分の一だけれども、こういう実態のものを今日やっている。これについての責任をはっきりさしてください。
○委員長(石原幹市郎君) これでやめてください。
○岩間正男君 この二つ答弁してください。
○国務大臣(佐藤榮作君) 総辞職、解散、これはいたしません。共産党の要求どおりにはなりません。はっきり申し上げておきます。
 第二は、この問題でありますが、これは一体だれがやったか全然わからないですけれども、私は案外調べてみたら内輪にこういう犯人がいるのかもわからない。あまりこれは警察の責任だと言われないほうがいいんじゃないですか。
○委員長(石原幹市郎君) 岩間君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○委員長(石原幹市郎君) 次に、石本茂君。
○石本茂君 総理にお伺いいたしますが、総理は先般ご病気で、短い期間でいらっしゃいましたが、東京大学病院にお入りになっておりました。その短い期間を通しまして特段の配慮のある診療あるいは看護があったかと思うのでございますけれども、お感じになったこともあろうかと存じますが、私がお伺いしたいと存じますのは、日本の現在の医療機関は病気を見るところでございますか、それとも病人を見るところでございましょうか、その辺の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) どうも病気を見るところか病人を見るところかと言われる――どういうお尋ねかと思いますが、お尋ねがあれば、両方見るところだと、かようにお答えする以外にありません。しかし、私自身入院いたしまして、そうしてみずから治療を受けまして、私が総理であった、そういう立場であるいは他の患者よりも手厚いことであったかもわかりません。また、私自身が入りました部屋も、特に一番いい部屋だと、こういうことであります。私は退院した際にそういうことをつくづく感じたのであります。先生方はたいへん進んでいる、いまの学問もこれはよほど進んでいる、かように思いますが、施設はいかにも古いじゃないか、これはどうも大蔵大臣にもやはりもう少し施設自身も直していかなければならぬのじゃないかというような話を、これは私の体験から理解してそういうことを申し上げたのであります。ことに、大体病気がなおりまして、そうして各部屋を一巡いたし、視察いたしました。それからもやはり、施設がもう少し近代的なものが揃って初めて病院らしくなるのじゃないか、こういうところで先生方が働き、研究されている、ほんとうに頭が下がるような思いですということを率直に申したのであります。さらに、あるいは石本君からも医療制度そのものについてのいろいろな御意見があろうかと思います。私自身も、病気になりまして、ただいまのような感じをいたしました、こう率直に御披露するわけであります。ただそう簡単にすべてがそれではよくなるのかとかように申しましても、早急に短期間に整備されるとは思いません。やはり順次整備する方向で進むべきじゃないかと、かように思っております。
○石本茂君 ただいま総理は、病気をなおすところであると同時に、病人をなおすところだとおっしゃってくださいまして、私は心から満足するものでございます。と申しますのは、多くの国民の皆さんが御病気になりますと、せめて病気になったときぐらい、安心していい治療も受けたいし、いい療養生活もしたいと思っていてくださいます。ところが、現在の医療現場といいますのは、東京大学病院は日本でも有数のいい病院でございます。あれよりもっともっと悪いものがほとんどでございますが、そのような悪い設備の状態の中で、しかも診療報酬が非常に妥当性を欠いているといいますか、病気をなおすための診療報酬基準はございますが、病人をなおすための診療報酬基準というものは私はないように思っております。そういうところで、しかも保険制度のもたらしました隘路がございます。かたがた医療機関の管理運営そのものが、御承知いただいておりますように、まあ何十年前かわかりませんような方式をとっております。そこで働きます医師あるいは看護婦その他の医療従事者は、非常に困難と戦いながら、しかも私どもは人間の命を守る人だという自覚の中で、精一ぱい献身的な努力を続けながら、一人一人の犠性において現在仕事をしております。こうしたもろもろの情勢を考えますときに、一体どこにどのような手をつけてくださいましたら、日本の医療が、そうして御病人が、満足というわけにまいりませんが、ある程度納得をして療養していただけるかということを考えるわけでございます。特に私が申し上げたいと思いまするのは、御病人というのは入院をされますと非常にわがままです。できないことをしてほしいと言われます。ところが医療に従事する者の側から申しますと、病気になられたときこそがまんをして、そうしてこのすべて整っておりません医療機関の実態と医療従事者の気持ちに合わせていただきたいと、もう何ともおかしなことが出てきておりまして、毎日毎日いくさのようなかっこうで、病人ともけんかをしたくありませんが、ときには言い合いもしなければならない。三日ほど前の夜のテレビでございましたが、看護婦は訴えるということで、患者さんが死んでおられましても知らないでおりまして、言いたくはございません、国民の皆さまに聞かしたくはありませんが、これが現状だと私は信じております。こういう時点におきまして、いま総理は、設備の改善をしたいと、するべきだとおっしゃっていただいて、ありがたいのでございますが、設備だけではとても追いつかないものがございますので、特に医療政策につきまして、どのような点に最も重点的にお力を今後入れていただけますのか、現在また厚生当局のほうにおいて考慮していただいておりますが、総理の御立場で、どのようなところへどうしていこうか、医療従事者の満足ではございません、国民皆さまの幸いのために、私はそのことをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) 先ほど私が最もわかりいい施設の整備の話をいたしました。しかし、同時に、ただいま御指摘になりますように、涙ぐましい医療従事者の献身的な活動というものに対してはたして報いるようになっているかどうか、これが一つの問題だと考えます。これは東大病院におきましてもそういう点を感じたのでありますが、さらに私がその感を深くいたしましたのは、札幌で整肢病院、これら身体障害者の病院を見ますと、あの不幸な小児たちを看護し、あるいはこれからいろいろ手当てをしていく、それらの方のほんとうに愛に基づいてのあの献身的な努力、これがどうも報いられておらない、こういう点もあるのでございます。ことに数が足らない原因は、やっぱり手当の問題だと、かようにも言われております。こういう点にもさらに私どもは注意していかなければならぬのじゃないかと思っております。医療制度そのものにつきましても、各保険制度の間の格差が相当ございますから、そういう格差がないようにしなければならないと思います。しかし、こういう点も、まだ時間をかけて順次いろいろ格差をなくしていこうということでありたいと思います。私は専門的なことはわかりませんが、私がみずから視察し、みずから体験した、それで率直な感じを申し上げた次第でございます。
 以上のような点を今後の医療制度の問題として取り組んでいくべきじゃないか、かように思っております。
○委員長(石原幹市郎君) 念のために申し上げます。時間が上回っております。
○石本茂君 最後に一つだけお願いしたいのでございますが、私は、国民の福祉の問題が出ますたびに、その根本的な要素であります一つは、医療の完全化だといつも思っております。これはけちくさい女の考えでございますし、特にそういう道を歩いてきた者の考えかもわかりませんが、広大な無縁なことをいくら言ってみましても、足元にある諸問題の解決しないままに何の福祉が一体あるでしょうか、いつもそれを思うわけでございますが、どうか地味で日の目を当てにくい場所であるかと存じます医療問題につきましては、特段の配慮を今後ぜひしてくださることをお願いいたしまして、私は質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(石原幹市郎君) 石本君の総理大臣に対する質疑は終了いたしました。総理大臣終わりました。
    ―――――――――――――
○委員長(石原幹市郎君) 引き続き各国務大臣に対する質疑を行ないます。木村禧八郎君。
○木村禧八郎君 まず大蔵大臣に伺いたいのですが、先ほど大蔵大臣も、私の総理に対しての質問で、これをお聞きいただいたと思うのです。政治腐敗の問題とか、あるいは黒い霧の問題、その根源は、私は財政の面からとらえて、先ほど、大体五つ原因があるじゃないか。
 一つは、税金について合法的、非合法的な非常に大きな脱税が行なわれている、ことに政治家への寄付についてはそうですよ。たとえば佐藤総理十億――これは政治講座と政治研究会といいまして十億収入があるんですよ。あるのだけれども、その中で届けるのは寄付だけです。寄付については届けがあります。寄付以外にはどこから入ったかわからぬ。十億の金が課税の対象になっていないのです。それは政治資金規正法に問題があるのです。しかし、事実そういう巨額の金が税金がかからない。これを国民が知ったらどうなります。この問題一つありますね。税金の問題が、合法的、非合法的にのがれている問題。
 それから国民の血税に対してのことに大臣における考え方が、これは非常に慎重を欠いている。お国入りすれば国民の税金を使うのです。お国入り制度なんてやめるべきですよ。財政の面から考えて質問しているのです。道義的な問題もありますけれども。そんなことは、たとえば国家公務員のさっきのあれを、五月に実施すべきを九月に延ばしているでしょう、それだけ財源がないと言いながら、むだなお国入りに――お国入りって何です、あれは選挙工作でしょう、そういうむだな金を使っている。あるいは海外の観光旅行、大臣が国民の税金をむだに使っている。その他非常な冗費がたくさんあるわけです。これをもっと根本的に私は洗い直してみる必要があると思うのです。
 それから第三が、補助金、あるいは助成金、これも使い方が乱脈ですよ。これは具体的にあとで質問します。
 それから第四番目が、財政投融資資金、これがまた、たとえば日本住宅公団が不当に高い土地を買って、あるいはその他の財政投融資資金のこの使い方をもっとこまかく調べたらずいぶんむだをやっている。中小業者、零細業者が倒産、資金で困っている、そういう場合、もっとこれをほんとうによく運用していけば、中小業者、零細業者に金融できるのです。そういう面。
 それから国有財産の非常な不当な譲渡とか交換を第一にしぼって私は質問したいわけです。
 大蔵大臣として、特に公債発行の段階になりますと、財源が安易に調達できることになるのですから、こういう面についてこれまでと違った姿勢で取り組まなければいけないと思うのですよ。だから大蔵大臣として、根本的に今後の国家財政、地方財政の運営の問題、あるいは制度的にもこれを是正しなければならぬ問題がある。こういう汚職、腐敗、あるいは不正、不当支出、そういう問題とも関連して、この際国家財政、地方財政を通じての根本的な財政の運用のしかた、立て直し、これをやる必要がある。これをやらなければ、財政規模が大きいとか小さいとか、そんな問題じゃないでしょう。重大な問題、今後のですよ。これについて大蔵大臣のはっきりした所信を伺い、それで制度的にも直すべきものは直すと――さっきの政治資金なんかにつきましては、これは法律を改正しても大蔵大臣がそういった脱税をなくすと、そのくらいの意気込みが必要ではないかと思うのです。まずこの点について伺います。
○国務大臣(福田赳夫君) 木村さんの御意見は、基本的には私も同感でございます。私は常々、大事な国民の税を使う、これは一銭一厘もむだづかいしてはならない、こういう心がまえでやっているつもりでございますが、特に公債を発行している、こういう際におきましては、厳正に取っ組まなければならぬ、そういうふうに考えまして、四十二年度の予算の編成にあたりましては、減額要求調書を各省から提出を求める、こういうようなことをいたしておきますなど、そういう方向の努力をいたしておるわけです。ちょうど四十二年度予算の編成、したがってこの機会はいい機会でありまして、国費の有効な使用、効率的な使用、こういうことにつきましては特段な努力をいたしたい、かように考えております。
○木村禧八郎君 抽象的でなく、具体的に何かそういう考え方につきまして検討している、御意見があるなら聞かしてください。抽象論でなく、抽象論はもうわかっておるのです。
○国務大臣(福田赳夫君) 政治資金の問題につきましては、いま脱税だというようなお話がありますが、あれはそういうでき方になっておるわけです、政治資金規正法というものはそういうでき方になっておる。そこに問題があるかどうか、こういう点につきましては、ずいぶん国会でも議論のあるところであります。それから、それに関連しまして交際費の扱いをどうするかというような問題もありまして、そういう問題もあわせて検討したい、かように思っております。
○木村禧八郎君 次に、じゃあ具体的に自治大臣に伺いますが、さっき、政治資金規正法違反の問題ですが、あれについて、佐藤総理の二千万円献金は、総理があれをやった事実がないのです、ただ名義を貸した。それならば、自民党のほうにだれからあれは出た金であるかということを明らかにする必要があるのです。それは自治大臣、責任者としてそういうことを明らかにさせる必要がありますよ。ここに出してもらいたい、これを資料として。出せるかどうか。
○国務大臣(塩見俊二君) お答え申し上げます。
 政治資金規正法に関しまして、いまの法律のたてまえからいたしまして、自治省といたしましては、報告を徴取するということになっておりまして、そうしてその事実の内容を、正確であるかどうかという内容を調査するということにつきましては、これは誓約書でもって正しい報告をするのだということが掲げられ、そしていまの政党の自主的な良識によって判断を願いたいというたてまえになっておりまして、具体的な事実であるかどうかということの各支出の項目ごとにあるいは収入の項目ごとに実態を調査するというようなたてまえにはいまなっておりませんで、御了承いただきます。
○木村禧八郎君 虚偽であるかないか、虚偽の報告であるかないかを何で判定するのですか。それから、総理が自分が献金したのじゃないと言うのは、何を証拠にして総理が自分で献金したのじゃないという、証拠を私は出さなければそれはわからない。証拠を出してください。それだから、その証拠としては、総理の献金じゃなくて、どっからこういう金が入ったのだということが立証されなければ、総理が献金したことになり、総理が課税をのがれたということにもなりますよ。それを証明してください。証拠がない以上は、そうなりますよ。
○国務大臣(塩見俊二君) ただいまお答えを申し上げたとおりでございまして、かりに事実に相違しておると、そういう記載がなされたというような事実が別の方法で明らかになる、あるいは党の自主的な計算の結果等によりましてそういうふうな結果が明らかになれば、これは、自治省といたしましては、事実に異なった報告をしているということで、選管を通じまして新たに報告を徴してこれを公表すると、こういうふうな、いまの政治資金規正法のたてまえはそういうふうになっておるわけでありまして、自治省が積極的にこの事実に相違するかどうかということは調査をするということにはいまなっておりませんので、御了承いただきます。
○木村禧八郎君 明らかであるかないかは官報を見ればわかるでしょう。ここにちゃんと書いてあるでしょう、官報に。佐藤榮作東京都世田谷区で二千万円、これが党本部に献金になった、官報ですよ。ところが、総理がそうじゃないと言う、自分が献金しているのじゃないと言っているのでしょう。明らかにこれは偽りじゃありませんか。佐藤さんの名前使っているのじゃないですか。そうじゃないと言うなら、だれが献金したのですか。それを調べなさいと言うのです。そうじゃなければ、総理が献金したことになるのでしょう。そうでしょう、これを見ると。はっきり言いなさい。
○国務大臣(塩見俊二君) ただいまお答え申し上げましたとおり、確かに官報には佐藤榮作という名前でもって二千万円の寄付をしたということは事実が載っておりまして、最近総理が自分のふところから出たのじゃないというような事柄が明らかになってまいったわけであります。したがいまして、私どもといたしましては、そういうふうな事実を基礎にしてあらためて報告を徴収する、こういうふうな結果になろうと思います。
○木村禧八郎君 その結果、虚偽の申告になりますよ、虚偽の。ただし、二十五条に罰則があるわけでしょう。それは適用になるでしょう。
○国務大臣(塩見俊二君) お答えを申し上げたいと思います。確かに、事実に相違する申告であるということは、これは事実であろうと思うのであります。しかしながら、この政治資金規正法による罰則の適用になるかどうか、こういった問題につきましては、やはりいまの解釈といたしましては、こういったような事実に相違した記載、これについて犯意があるのかどうかという、あるいは過失の問題があるかどうかといったような問題等もありまして、直ちにこれがそのままストレートで罰則が適用されるというふうには考えておりません。
○木村禧八郎君 二十五条一項に「虚偽の記入をした者」というので、犯意があるとかないとか、そんなことは書いておりませんよ。それからもう一つ、二十五条の二項は、政党の代表者が会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠ったときは五万円以下の罰金に処すと、二つ問題があるわけですよ。その点について、この事実が明らかになったら、その罰則を適用しなければおかしいでしょう。それで、政府自体がこういう法律を尊重しないということになったらどうなりますか、明らかにしてください。
 それから二千万円のことですが、これをだれが献金したか、佐藤さん以外のを出すべきです。国会で要求します。
○国務大臣(塩見俊二君) ただいまもお答えを申し上げたとおりでございますが、なお責任者とか代表者とか主幹者とかいうような規定があるわけでありますが、いま申し上げましたとおり、この問題の解釈はやはり刑事訴訟法の規定に従って解釈すべき問題だと思うわけでありまして、この刑事訴訟法の前提からいたしましても、やはり犯意とか過失とかいう問題がこれに当然付随してくる問題でありますし、したがって私どもは直ちにこれが罰則にそのまま触れるというふうには解釈をいたしておりません。
○北村暢君 関連。ただいまの問題は、政治資金規正法による自治省に対する報告は明らかに虚偽の報告をしているということがここで明らかになったのでありますから、その明らかになった段階における自治省の措置として一体どういう措置をとるのか、これをはっきりさせていただきたい。
○国務大臣(塩見俊二君) 自治省のとるべき措置として考えられますのは、ただいま申し上げましたとおり、事実に違反した報告であるという事実が明らかになったということになりますと、東京選管委員会を通じまして、そうしてその佐藤榮作という名前以外にこのお金がどういうことから出たのだという事実を新たに報告を出させまして、そうしてこれを公示をすると、こういう結果になると思います。
○北村暢君 問題は、佐藤榮作さんが実際ふところから出したのではないということにはっきりなった。しかも報告は佐藤榮作で出ている。だから、自治省はほかの報告を出し直させればそれで済むという問題ではない。そういう指導をすべき筋ではない。どこから出たかということをはっきりあなたは検討、調査をするということにならなければならないのじゃないですか、そうじゃないですか。そのほうが先でしょう。
○国務大臣(塩見俊二君) これも冒頭に申し上げましたとおり、いまの政治資金規正法の立法が妥当であるかどうかということとは別問題といたしまして、いまの政治資金規正法のたてまえからいたしますと、自治省としてはその内容の調査を、あの広範な内容等にわたりまして内容の調査を一一やるのだというようなたてまえではなくて、やはりその政党というものを信頼申し上げまして、そうして誓約書を取り、そして政党が良識的な報告を出しておいていただいているというようなたてまえであの政治資金規正法ができておるわけでありまして、具体的なその内容のどこから出たかということは、これは私は党の問題だと考えるのであります。
○北村暢君 いまのようなことだったならば、罰則はあったって、罰則を適用するチャンスというものはないですよ。間違っていれば出し直させるというようなことをやって処理するということになれば、一体どういうときに罰則を適用するのですか。間違っていたからといって出し直すじゃ、罰則をきめておる意義がないじゃないですか。いかなるときに罰則を適用するのですか。
○国務大臣(塩見俊二君) この問題につきましては、非常に法律的な解釈なので、あとで法制局長官からも補足をしていただきたいと考えるわけでありますが、やはり私は罰則の適用というのは刑事訴訟法の原則に従って行なわれるべきものだと考えるわけでありまして、したがって、あるいはその問題について告発等のような事柄が起こるというようなことになれば、もちろんこれは罰則の適用について調査し、かつしかるべき機関が調査をし、そしてこれが法の執行に当たることになろうと思います。
○木村禧八郎君 一般論を聞いているのじゃないです。具体的に佐藤総理大臣の二千万円のこの問題を聞いているのです。泉国税庁長官は衆議院における大蔵委員会での答弁で、その二千万円のことは自民党の経理担当者に聞けと、そういうふうに言われたというのですね。そこで、自民党の経理担当者、これは当時の幹事長、三木通産大臣ですね。二千万円が佐藤さんでなければ、だれですか。その内容を明らかに発表してもらいたいです。
○国務大臣(三木武夫君) 私は、一昨年の七月から六月まで幹事長で、党運営の責任者であったわけであります。しかし、実際に自民党で金銭を扱ったのは西村経理局長であります。実際は――これはそのままに申し上げたほうがいいと思いますが、そういうことで、そのことは私は承知をしないのであります、その処置について。報告のときは私はかわっていたのでありまして、その事実はよく承知をしないのですが、政党でいろいろ民間の浄財などを総裁あるいは党の幹部の名前で一括してそうして届け出をしたような例は私はほかにもあるというような記憶をいたしております。
○木村禧八郎君 そんなことを聞いているのではないのですよ。二千万円の内容を聞いているのですよ。発表しなさい。発表できるかできないか。
○国務大臣(三木武夫君) それは、当時それを扱いました経理局長からこれは発表していいものだと私は思います。
○木村禧八郎君 それでは発表してください。それで、またここでやめるとうやむやになってしまうから、発表してくださいよ。経理局長を呼んで発表してください、発表していいと言われたのですから。
○北村暢君 関連。この問題は、先ほどの理事会でも、その党の経理局長か経理部長か知りませんけれども、参考人として呼んでもらいたいとこう言ったときに、そのときの経理局長というのは事務的な手続はやるけれども、報告は三木幹事長が報告をしているので、責任者はあくまでも三木幹事長である、したがって経理局長云々は参考人として呼ぶ必要がない、そういうことで、三木幹事長が答弁するということで了承している。したがって、今度はその責任者である本人がそういう答弁をされたのでは、これは理事会の打ち合わせにも違いますし、すみやかにこれは経理局長なり何なりから聞いて、責任者である三木さん自身がここで答弁をしていただきたい。
○委員長(石原幹市郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(石原幹市郎君) 速記をつけて。
○国務大臣(三木武夫君) 実際に扱いました経理局長の西村君に、いまその模様を詳細に問い合わしております。その返答が来れば、お答えをいたします。で、これをあとに回して、ほかの質問をおやりくだされば非常にありがたいと思います。
○委員長(石原幹市郎君) 木村君の質疑に対する答弁は暫時保留いたしまして、次の質問者に入りたいと思います。
    ―――――――――――――
○委員長(石原幹市郎君) 鈴木強君。
○鈴木強君 防衛庁長官にお尋ねをいたしますが、あなたは先般アメリカに招待をされて行ったのでありますが、その際、アメリカで、先方の軍需関係の会社にはお立ち寄りになりませんでしたでしょうか。
○国務大臣(上林山榮吉君) お答えいたします。そういうことは全然ございません。
○鈴木強君 あなたの旅行日程を拝見しますと、当初、メキシコを経由して十月二十六日に帰国することになっておりましたが、問題が発生をして、二十三日に、三日間切り上げて帰ってきております。で、そのメキシコの日程の中に、在留邦人との懇談をするという目的で三日間滞留されることになっておりましたが、だれに、どういう目的で会う御予定だったんですか。
○国務大臣(上林山榮吉君) ただいまの質問の前に、軍需会社なり、そういうところに立ち寄った覚えはないかと、こういう御質問だと了解したので、そういう事実は全然ございませんとはっきり申し上げたわけですが、最初の予定の中に、メキシコではなくしてロスアンゼルスで、在留日本人の方々とお会いしたい、というよりも、在留邦人として多数の人が行っておりますし、鹿児島県人の方々もたくさん行っておりまして、ぜひひとつお会いしたいと、向こうのほうでそういう御意図があったわけでございますけれども、これは日程を繰り上げて帰った関係で、全然そういうことはございません。
○鈴木強君 これはアメリカの招待ですから、旅費や何かは、費用一切はアメリカが持ってくれたんですか。
○国務大臣(上林山榮吉君) お答えいたします。民間機などを使ったもの以外は、全部アメリカの負担でございます。
○鈴木強君 そうすると、民間機を使ったのは、防衛庁長官として、国費支弁になっているわけですか。
○国務大臣(上林山榮吉君) 事務当局からお答えさせます。
○説明員(大村筆雄君) お答えいたします。アメリカの招待でございますので、アメリカの国内を除きましては国費支弁でございます。
○鈴木強君 いや、防衛庁長官のおっしゃったのですと、民間機を使ったのは、アメリカで民間機を使ったのはなにか自分で持った――民間機を除いたものだと、こう言いましたね。これはどうなんですか、もう少しはっきり……。
○国務大臣(上林山榮吉君) 向こうに滞在中は、向こうの飛行機を使ったし、経費は全部向こうの経費ですが、アメリカに行くまでの往復の民間機、これは国費支弁ではないかと思っておるわけです。
○説明員(海原治君) ただいま長官と経理局長が申しましたことを総合いたしますと、米国政府の招待は、米国国内における旅行は全部これは向こう持ちでございます。しかし、米国に至るまでの間、これは日本政府負担でございます。で、大臣が言われました、民間機と申されますのは、羽田から米国までの行きと、アメリカから今度帰ってきます帰り……。
○鈴木強君 米国のどこまで行ったんですか。
○説明員(海原治君) 米国の太平洋岸でございます。そこまでの旅行は、これは日本政府側の負担、従来からそうなっております。
○鈴木強君 まあロスアンゼルスかメキシコかわかりませんが、在留邦人との懇談も予定をされている、ここに上林山長官の一こまが出ておると思うのでありますが、これはいままでいろいろやっておりますから、私は重複を避けたいと思います。
 それで、先般、自衛隊記念日の観閲式でございますか、ございましたね。あなたは長官として御出席になっておりまして、私はテレビで、画面にあなたが閲兵されている姿を見たのでありますが、あそこの壇上に登って自衛隊をながめたときに、あなたの気持ちはどんなだったですか。
○国務大臣(上林山榮吉君) どういう気持ちかというお尋ねでございますが、私は平常と変わらない気持で、はっきり、この観閲がよく終わるようにと、こういう念願で見詰めておりました。
○鈴木強君 私はあなたの御良識について疑いを持つのでありますが、少なくとも自衛隊の指揮官として規律を重んじ、信賞必罰の精神によってやろうという、あなたが御抱負を持っておられたにもかかわらず、先般来国会で追及をされておりますような不祥事件が起きまして、その中における観閲式でありますから、心の中に何か反省をし、感じたことがあったのじゃないか、かように思ってお伺いしたのであります。私はたまたま、当日の八時半から九時のテレビのニュースを見ておりますと、これは直接、録音で入っておるわけでありますから、隊員の方々、あるいは家族の方々のなまの声が放送されました。その中に、たいへん失礼ですが、長官ははたして防衛庁の長官として適格であるかどうか、疑いたい。それからまた、ある人は、私たちはこういう長官をいただいて恥ずかしい。また、ある自衛隊の家族は、自分の子供を自衛隊に入れておるのだが、ほんとうに恥ずかしくってしようがない。こういうことがなまで録音されておりました。これは放送法上、テープは保管することになっておりますから、こういう趣旨のものがございます。これは十二チャンネルから、八時半から放送されたのでありますから、間違いありません。そういう感想が率直に述べられておる。私はその気持ちが、あなたにどう映っておったか。もう少し私は厳重に反省をし、その気持ちを持ってあそこに臨まれておると思っておったのでありますが、平常と何ら変わりない、こういうお話を聞きまして、まことにもう、私からしますと、何といいますか、がく然とするというか、もう少しあなたにはそういう気持ちもおありかと思ったのでありますが、残念に思います。
 そういう、隊内にあるあなたの言動に対する批判、あるいは場合によりますと激しい攻撃になるかもしらぬ。若い諸君が自衛隊の任務をわきまえて、苦しい私は訓練を続けておると思うのでありますね。そういう人から見て、ほんとうにうちのおやじはりっぱなものだと言い得るような姿があったのでしょうか。もう少し私は、あなたの率直な気持ちを承りたい、こう思うんですが、いかがです。
○国務大臣(上林山榮吉君) お答えいたします。観閲式を見てどう思ったかという、きわめて率直な御意見でございましたので、私は、きょうの観閲式がりっぱに終わってくれればいいという念願をしておりました、こう申し上げたわけでございますが、御指摘のように、いろいろな御批評もあるかと思います。また、反面、非常に激励をしてくださる電報や、あるいははがきなど、たくさんございますが、それはそれといたしまして、私の心境をと、こういうふうにおっしゃれば、私は最初はこれは、自衛隊の鹿屋あるいは国分の視察をするということ、そのついでに県庁なり県警の本部なり、市町村役場なりを訪問したい、こういう程度のことを事務当局に連絡して、そうして行ったわけでございますが、そういうことから、部分的に確かに配慮の足りなかった点もあると思っております。けれども、おっしゃるように、一から十までそういう事情でなかった。私の心境も最初からそういう考え方ではなかった。しかし、結果から見て反省をし、あるいは配慮の足りなかった点がある、こういうふうに思っているのは事実であります。
 ただ私は、そういう立場から、ただいまの御指摘の質問に答えたかどうかわかりませんけれども、私の考え方はそうでございます。この程度にしておきたいと思います。
○鈴木強君 まあ、いろいろ人間は見方、考え方があるでしょうから、あるいはがんばれという激励をした方もあるかも、それはわかりません。しかし、一般常識的に考えまして、国民の素朴な感情といいますか、常識からいいますと、これはあなた悪いことをしたんじゃないか。長官としてもう少し慎重にやったらどうか、そういう点の配意というのが欠けておったんじゃないかという、私はあなたに対する気持ちでなければならぬと思う。それが私はあなたに対するほんとうの忠言だと思う。それを何か、しっかりがんばれよというから自分のやったことが間違っていないのだというような錯覚を起こしましてものを考えるところに問題がある。お互いにその地位になりますと、とかく人間というのは安易な道に流れやすいものです。ですから一般常識的に考えることが、あなたにとっては常識でないかもしれない。われわれはそういうことをずいぶん感じますよ。あなたのおっしゃっていることが、われわれ一般の凡人から考えてみて非常に非常識だと思っても、あなたにとっては非常識でないというふうに感ずることがたくさんありますよ、私はきょうは予算委員会でもありますし、総理の御出席もいただいて、もう少し、繰り返しになるかもしれませんが、所信をただしたいと思いましたが、聞くところによりますと、長官も御都合もあるようでありますから、私もちょっと戦意が鈍っておりますので、きょうはこの程度にいたしておきますが、最後に、税の確定申告につきまして、あなたは衆議院のほうでもお答えになっておりますが、昭和三十七年以降は確定申告は一切やっておらぬ。これはあなた御確認になりますか。
○国務大臣(上林山榮吉君) 衆議院で御指摘を受けましたので、自分でもそれぞれ静かに考えてみ、あるいは調査もしてみました。あるいはまた秘書に対してもよく聞いてみましたら、国会の歳費の係あるいは税務署、こういう方面ともよく問い合わせて何回かやっておるようでございますが、そういう意味合いから言って、いま御指摘のように、もちろん申告はしなくてもいいという指導を、その程度のことならいいということを秘書が指導を受けております。そういう関係でございまするので、おっしゃる意思がどこにあるかわかりませんが、いわゆる新聞などに書かれているように、脱税などというそういう考えをもって私は何らいたしておりません。これはひとつそういうふうにすなおに受け取っていただきたいと思います。
○鈴木強君 まあ、これだけですからひとつがまんしてください。その程度ならしなくてもいいという、そのことが抽象論ですからわかりませんが、少なくとも私どもは、三千円原稿料をもらいましても、それは税を引いて税務署のほうに申告が行きますからね、こちらでやらなくてもわかるわけですよね。そういうものは全部確定申告をやることになっているわけですね。ですからそういう点から言って、どうもあなたのおっしゃることがわからないし、むしろそれはいいのだといって奨励するようなアドバイスをするような人がおったというのは、それはどこで言ったんですか。そういう点をもう少し明確にしておいていただきたい。
○国務大臣(上林山榮吉君) それは、収入があるのをその程度ならば申告しないでもいいという意味じゃなくて、五万円ですか、それに達するようなものは全然ございませんので、そういうことになったわけでございます。いわゆる税法上から言ってそれをしなくてもよろしい、こういうふうに指導を受けた、こういうことでございます。
○鈴木強君 税務署からそう言ったんですか。事務当局から言ったんですか。だれが言ったのですか。
○国務大臣(上林山榮吉君) これは私は、君らは確定申告をしてくれたかとこう聞いたときに、これは国会の歳費の係あるいは担当の税務署、こういうようなところにときどき電話をかけたり、あるいはそういうところに行っていろんな話を聞いたそうでございます。その上から言って収入がないのであるから歳費以外、あるいはそういうような意味で収入がないのであるからそれは申告はしないでもいいと、こういうふうに指導を受けた。こういうことでございます。
○鈴木強君 泉国税庁長官おられると思いますが、この税金の問題につきまして、さっきも木村委員がおっしゃっているように、非常に問題があるところですから、ひとつどういうふうな御相談を受けて、どういうお答えになったのか、非常に抽象論でわかりませんので、ちょっとわれわれには理解しにくい。したがって、その点は御調査をなすって後ほどになると思いますが、報告を、その資料をいただけますか。
○説明員(泉美之松君) お答えいたします。所得税法第百二十一条第一項第一号の規定によりますと、給与所得者は給与所得以外の他の所得が五万円以下であるときには確定申告を提出しなくてもいいと、こういう規定になっております。したがって、もし国会議員の方が歳費以外に五万円以下の所得しかない、こういうような場合には申告しなくてもいい、こういうことになります。ただ上林山防衛庁長官の所得税のことにつきまして、何かそういうふうな御趣旨のおことばがございましたりで、私税務署のほうに問い合わせましたが、秘書の方が来られたけれども、別段そういう話はなかったと、こういうことでございました。
○鈴木強君 長官どうですか。ないというのにあなたは聞いたけれども――聞いたんだと、その辺どうなんですか。
○国務大臣(上林山榮吉君) 私は秘書が言ったままを申し上げているわけですが、同時に秘書の話によりますと、その係が変わっているようでもあるという話でございました。それはもし御不審でございますれば――これは私はほんとうにすなおに申し上げておりますから、私の加治という秘書にどうぞ聞いてみてください。これでひとつ御了解願えればけっこうだと思います。
 私は確定申告をしてくれたかと、こういうふうに頼んだところが、これは歳費の係ですね、国会の、歳費の係のところでも、相談したら、いま国税庁のほうで言われたようなああいう趣旨を言われたので、ほかに収入はございませんので、そういうふうに指導を受けていままでやってきておるわけでございます。
 それから税務署のほうののも係というものが三年も四年もずっと同じ係におられるかどうか、これはよくわかりませんが、私の秘書はそういうふうに私に正直に言ってくれております。
○鈴木強君 まあ、何か長官のお話を聞いていると、あなたまかせで非常にみずから責任取ろうというような気持ちがないんですね。だからそういうことは、これは私は友人としても言っておきたいんですけれども、こういう点はやはりあなたの政治生命の中に、防衛庁長官としての姿勢の中に、どうも薄いんじゃないですか。もうちょとき然たる態度でみずからの、やっぱり自分で大事なことをやらないと、人まかせだと問題が起きますよ。これは私はそう申します。あとの答弁は要りません。けっこうです。質問をこれで終わります、あなたのほうは。
 それからその次に、行政管理庁長官にお尋ねをしたいんでありますが、本年の七月二十二日に山梨県の甲府市を襲いました集中豪雨の原因ですね、行政機関の災害対策等の調査結果を先般山梨行政監察局がまとめまして、関係者に、これは口頭で勧告をされたのか文書で勧告をされたのか、おそらく文書だと思いますが、勧告なさっておりますが、これをめぐりまして、勧告を受けた市側のほうから指摘事項に対する異議が出ているのですね。こういう事件がございましたが、長官はよく内容を御存じでございましょうか。そしてそのいきさつについてまず御説明願いたい。
○国務大臣(田中茂穂君) いまお尋ねの七月二十二日に、甲府市を中心といたしました集中豪雨、これが案外被害者が非常に多かったものでございますから、山梨の地区の行政監察局が、水防体制が完備しておったかどうか、あるいはまた、防災体制が完備しておったかどうか、その後の、自後の措置がいかがであったかという点につきまして調査をいたしました。その調査の結果を甲府市長並びに関係町村に勧告と申しますか、注意をしたことは事実でございます。その結果、甲府市長と地方の行政監察局との間にはその注意が、了解がついたのでございますけれども、その間、監察局長が地元の報道関係に発表いたしましたのが、どうもことば足らずで、非常に甲府市長の感情を害したという話を聞いております。しかしながら、その話は完全に了解がつきまして、そうしてことば足らずであった点をその地区の行政監察局長が釈明をいたしまして、この問題は解決をいたしたというふうに私は報告を受けております。
○鈴木強君 あなたのおっしゃいましたように、私も当時の地方新聞をここに持っておりますが、行政監察局の勧告に対して非常に憤激をいたしましたのが水防関係を担当している消防団ですね。もう、はっぴを脱いでやめたというような一幕もあったのですね。ですからこれらについては、長官のお話で相互に理解がついたということですから、まあ結果的に見ると私はいいと思いますが、しかし、少なくともそういうことがありましたことについては、勧告の伝達をどういう方法でやったか私わかりませんが、あるいは記者の皆さんに発表する場合の発表のしかたがどうだったかわかりませんが、少なくとも全然問題がなければ監察局長が釈明をし、新聞によりますと陳謝――「行監局長が陳謝」「甲府豪雨災害監察」「ズサンな事実調べ」、こういうふうに指摘をされておるわけですから、そこにはやはり多少のそういった、事務的なことかもしれませんが、もう少し双方の理解を深めるようなことが必要ではなかったんでしょうか。ですから勧告そのものが、なるほどおれたちは足りなかったのだ、よくしてきてくれた、これは済まなかった、今度はひとつやろうというような気持ちになるような勧告でないと、行政監察局はただあげ足をとっていくというものじゃないのでございましょう。お互いに自分のやっていることは気がつかないものですから、そういう意味において監察局がよく指導してやるということが当然である。ですから、そういう意味において私は考えますときに、やはりやり方に対する批判は多少あったんじゃないですか。どうですか。
○国務大臣(田中茂穂君) その問題になりましたのは三つほどあるわけでございます。それは水防資材が指定された倉庫に十分用意されてなかった、それが一つ。それと締め切り工事が非常におくれたということ、それと、たき出しが非常におくれたんじゃないかというような点が少し市の側に言わせれば、あるいは消防団側に言わせれば、他の倉庫に水防資材は十分整備しておったんだ、たき出しも迅速にしたんだというところに一つのトラブルが起こったやに聞いております。しかしながら、いま鈴木委員が御指摘なさったように、行政監察はあくまでも謙虚な態度で、住民のためになるように各関係官庁、役所に善導するのがこれが行政管理庁のつとめでございまするから、何も高飛車に出るということは、これは大いにつつしむべきことだと私は考えております。でございまするから、さっそく私は山梨の行政監察局長を呼びまして、今後そういうことのないように、昨日も全国の監察局長会議を開きまして、行政管理庁というのは、とにかく他の省に、住民のためになる行政指導を各省に善導しなければならぬのだから、みずから姿勢を正し、峻厳にしてしかも謙虚な態度で行政監察に臨むように、重ねて注意いたしておいた次第でございます。今後ともなお一そう善導いたしたいと考えております。
○鈴木強君 次に、人事院勧告についてお尋ねしたいのでありますが、人事院の総裁は、今回の政府の九月実施について不満を持っておられると思いますが、御所見を伺いたいと思います。
○説明員(佐藤達夫君) 不満を持っておるかというお尋ねでございまするけれども、これはもうわれわれの立場としては当然のことでございます。はなはだ残念に思っておることは当然のことでございます。申し上げるまでもございませんし、過去十数回の勧告を顧みて、完全に実施されたというケースはほとんどない。したがって、私どもとしては、ぜひとも完全実施の方向へ持っていきますようにということで、ことにことしの場合は、率も一般の予想に反して低い率でございます。財源としても去年とそうたいして変わらない財政状況から見ましても、ことしはだいじょうぶだろうという希望を持ちながら、一生懸命にできるだけの努力はしたつもりでございますけれども、残念ながら、少なくとも閣議決定の段階においては御承知のような状態で、まことに残念なことだと思っております。
○鈴木強君 給与担当大臣にお願いいたします。
○説明員(上村千一郎君) 総務副長官の上村でございまするが、私からお答えをさしていただきたいと思います。
 実は、人事院勧告が八月の十二日に政府並びに国会に提出されました。それで給与担当の所管機関といたしまして、直ちに関係の五人委員会が開催され、ことしは特に経済企画庁長官もお入りになりまして、いわゆる六人委員会ということで、その後慎重に討議をされたわけであります。総理府のほうといたしましては、ぜひこの人事院勧告の完全実施というような方向で、いろいろと努力もしたわけでございまするけれどもが、財政その他の事情いろいろございまして、十月の十四日に、九月より実施するということになった次第でございます。
○鈴木強君 それに対してどう思うかということです。
○説明員(上村千一郎君) 実は給与を担当いたしておる者といたしましては残念に存じておるわけでございますが、しかし、財源の問題その他で実は……(「その他とは何だ、その他とは。」と呼ぶ者あり)その他と申しまするのは、主として財源の問題に帰するわけでございますが、九月より実施ということに相なった次第でございます。
○鈴木強君 官房長官がお見えになりましたが、総理に私けさ、午前中にお尋ねしましたが、長官おられましたから非常に私の気持ちはわかっておられると思う。不満であるし、何とかしなきゃならぬ。その方法についてあなたのお考えをひとつ聞かしてください。
○国務大臣(愛知揆一君) 政府が十月の十二日かに決定をいたしましたそこに至るまでの経過は、いまお聞き取りのとおりでございます。私も実は何とか、これは先ほどもいろいろの点から御議論がございまして傾聴しておるわけでございますが、問題はこの実施のいま時期の問題でございますので、従来もいろいろの議論が戦わされたように私も承っておるのでありますけれども、ひとつあらためて人事院の勧告と、それから予算の編成と、これをぴったり一致させることができれば非常にありがたいことではないか、そういう方向に今後前向きに検討いたしたい。これはそう申しましても四十二年度からすぐにそうなるというのにはあまりに問題が大き過ぎるように思います。また、過去におけるいろいろの経過や考え方の根本に触れることでもあろうかと思いますので、まず私どもとしては、政府はもちろんでございますが、与党のいろいろの意見も聞き、また、人事院のいろいろの考え方も十分聞きまして、何とかひとつこれを一致するように、いつも毎年毎年、実施の時期について論議が続くようでは、私は公務員諸君にもたいへん御迷惑だと思います。また、政府としてもたいへんこれは苦労が多いわけでございますから、何とかしたいという気持ちを、誠意を持ってひとつ具体化してみたい、こういうふうな気持ちを持っておるわけでございます。
○鈴木強君 なかなかこれは決着がつかないと思いますが、まあ時間がありませんからきょうはこの程度にしておきます。
 それから自治大臣にお尋ねしますが、地方公務員の給与改定については国家公務員に準じてもちろんおやりになると思いますが、その際、財源措置については、ことしは政府から特別の措置をしないでやれるというようなごとき見解を自治省はお持ちのようですが、その方針についてひとつ伺いたい。
○国務大臣(塩見俊二君) ただいま鈴木委員から特別の財政措置をしなくてもいいんだというような見解を自治省が持っておるというふうにお伺いをしたわけでございまするが、私どもは実はそういうふうには考えておるわけではございません。ただ、今後の地方財政から考えまして、何と申しましてもことしの交付税の増加、あるいは地方税の自然増収というこの金額の問題がこれは決定するわけでございます。したがって、現在の時点におきましては、ことしの法人税を中心とする自然増収が一体どの程度になるか、これが相当巨額なものになれば、あるいは特別の措置を講じなくてもいいかもしれぬと思いまするが、しかしながら、いまその点につきましては明確なことはまだ約束できないわけでありまして、したがって、実は十月十四日の閣議決定の際におきましても、この地方財政の現状からいたしまして、地方の固有の財源でもって給与の増加分をまかなうことは困難であると、何らかの措置を講じてもらいたいということで、これは大蔵省とも御相談を申し上げまして、閣議の決定の中にもこの財源については地方財政の現状を考慮して適切な措置を講ずるものとするという閣議に一項入っているわけでありまして、そういったような自然増収なり、交付税の増加なりというものでまかない切らないというような場合には、さらに適切なる措置を講ずることに努力をいたしたいと思います。
○鈴木強君 その点わかりました。
 それから選挙制度の改正について午前中ちょっと伺いましたが、官房長官と塩見さんの間では、第一次から四次までの具体的なさっき申し上げた規正法の改正、あるいは高級公務員の立候補の問題ですね、それからありましたね、そういうふうな点を今度どういうふうにしようというのですか、何か意見が一致して出すというふうに聞いているのです、国会へ。
○国務大臣(愛知揆一君) これは自治大臣から詳しく御説明をお聞き取り願いたいと思いますが、ちょうどいい機会でございますから、一言申し上げるのでありますが、第五次の選挙制度審議会の委員の構成が先ほど決定いたしまして、発表いたしました。原則的に第四次の委員の方がほとんど全員そろって委員を御承諾いただきました。そういう関係もございますので、これからできるだけすみやかに発足をいたしたいと考えておりますが、そこでどういうふうな諮問をし、どういうふうな運営にするかということは、これから委員会を中心にして十分政府とも御相談をして進めていっていただきたい、かように考えておりますが、この考え方等については、私と塩見担当大臣との間には全然意見が一致しておるわけでございますから、担当大臣からお聞き取り願いたいと思います。
○鈴木強君 お願いします、連座制の問題も含めて。
○国務大臣(塩見俊二君) ただいま官房長官からも御説明申し上げたとおり、選挙制度の改正の問題につきましては、第五次の選挙制度審議会を発足させることになりまして、来週からでもこの会を開きたいと思っておるわけでございます。この選挙制度の改正の問題につきましての基本的の考え方につきましては、すでに総理大臣からあるいは衆議院の予算委員会の席上、あるいは北海道の一日内閣のとき等におきまして明らかにされておるところでございますが、私から重ねて申し上げますると、選挙区制はじめその他現在の選挙制度というものが相当改善を要する点が多々あるということは、ひとしく国民の認めるところであると思うわけでありまして、したがって、第五次の選挙制度審議会におきましては、そういったような規制をはじめ、その他諸般の基本的な問題につきまして御審議を願って、その結論が出次第、あるいはこれを立法化し、国会において御審議をいただく、そしてその場合には答申を尊重して、そうしてこれを政府としては実行に移す。もちろん国会というものがございますので、国会で御審議を願うわけでございまするが、政府の決心としては、この答申を尊重して実現をするということにいたしておるわけであります。なお、第一次から第二次、主として第一次、第二次でございまするが、第三次、第四次までの間に答申がなされておるわけであります。それでその答申をなされた分につきましては、一部は実行されており、あるいはまた、実行された場合におきましても、政府が提案した場合におきましても、あるいは国会においてこれが修正されておる、あるいはまた、まだこれに手を触れていないというようないろいろの問題があるわけでございまするが、こういったようなすでに答申のいただいたその分につきましても、さらに再検討いたしまして、可能なるもの、そしてできるものというようなものを検討いたしまして、そうしてそういった問題の中からもできるものはこれを実現をするというふうな方向で今後進めてまいりたいと考えておるわけであります。
○鈴木強君 具体的にその三つ、四つの問題については、政府としては次あたりの国会に出したいという気持ちでやっておるのですか。その決意のほどはどうですか。あまりむずかしいことを考えるとだめですから。
○国務大臣(塩見俊二君) この前も私は公職選挙制度特別委員会でお尋ねをいただいたわけでございまするが、この次の予定される臨時国会が一体どれくらいの期間になるか、いつからかということは明確ではございませんが、しかし、相当通常国会の関係から見ましても短期な臨時国会ではないかと思うわけであります。そうして、しかもその時期までの時間が非常に少ないというような関係もございますし、なおかつ、重要問題は大部分第五次の選挙制度審議会におきましてこれを取り上げて審議をするというような、第四次選挙制度審議会の答申で申し送りになっておるというような状況もございますので、この臨時国会におきましては、なかなか新しく提案をして、特に与野党の合意点に達しないような提案をしましても、それはなかなか通過することは困難であろう、したがって、この臨時国会には選挙制度の改正の法律を提案するということはほとんど困難に近いのではないかと、こういうふうな御答弁を申し上げたわけでありまするが、今日でもそのとおりに考えておる次第でございます。
○鈴木強君 もっとき然たる態度でできないのですか。
○国務大臣(塩見俊二君) 総理もき然たる態度で、答申をいただいたらこれを尊重して実現に移すというき然たる態度を表明をいたしておるところでございまするし、私もこの選挙制度に取り組む限りはき然たる態度で実現せしむべく努力をしてまいりたいと思います。
○鈴木強君 塩見さん、次の選挙に間に合わせるようにやってくれますかという具体的なそのことのき然たる態度です、過去の問題について、連座制とか。
○国務大臣(塩見俊二君) 臨時国会ですか。
○鈴木強君 ええ、なるべく近い機会に……。
○国務大臣(塩見俊二君) ただいま申し上げましたとおり、連座制の問題でありますとか、先ほど来問題になりました政治資金規正の問題、あるいは規制の問題等それぞれ非常に重要な大きな問題でありまして、これが直ちにこの臨時国会に立案をし、臨時国会を通過せしめるというような立場から考えますと、なかなかこれは困難ではないかと思いますし、また、選挙制度審議会も発足したばかりでございまして、この選挙制度審議会にこれらの問題を取り上げようというところになっておりますし、したがって、抜本的な改正を、このあるいは今月の末などと言われている臨時国会、あるいは二週間とか三週間とか言われておる臨時国会でこれが実現をするということは、これは私は重ねて申し上げますとおりほとんど不可能な、困難なことではないかと考えております。
○鈴木強君 最後に私は二つ、官房長官、大蔵大臣に伺いたいと思いますが、私はきょうは少し財政の見通し等についてもお伺いしたがったのでありますが、時間がありませんから特に当面の物価問題で、たとえば消費者米価の問題、たばこの値上げですね、酒の値上げ、そういったものが非常に国民の関心になっておりますから、大臣としてはこれをどういうふうにしようとしておりますのか、これをお伺いしたい。
 それから官房長官に対しましては、一つは国会解散の時期の問題でありますが、あなたと橋本、保利、それから田中幹事長四者の会見を持たれて、その結果、十二月解散ということに大体意見が一致して、これを総理に進言したのかどうかわかりませんが、そうしたらえらくおこられたというようなぐあいで、あなた方の考え方は雲散霧消したのですか。やはり十二月解散というそういう線についてはいまも官房長官としてはそうお考えでしょうか。
 それからもう一つですね、われわれ聞きたいのは、藤山経済企画庁長官がおやめになったのでありますが、一日内閣の前の日に、綾部、小澤両氏が記者会見をいたしておりますが、その際「藤山氏はまだ正式に総裁選挙に出馬の意思表示をしていないのに、“指揮権発動”(ひ免権発動)にもひとしい形で辞任を強要することは憤慨にたえない。」こういう趣旨の記者会見をしておりますが、このいきさつはどうだったのですか。
 それからもう一つは、綱紀の紊乱についてこれを粛正してもらいたい。私はけさほどからいろいろ言っておりますが、特に官界における問題を一つ取り上げてみましても、たとえばわいろを贈って工事の予定額を聞き出し、そうして業者間で談合して、たらい回しして落札業者を選んでおったとか、これは先般の中央卸売市場における施設の新築改築をめぐる汚職事件であります。こういった事件が残念ながら次々とあとを断っておらない。それからせんだって外務省が、こともあろうに、アラビア半島の市場調査団長に小林章君の選挙違反で先般やめられた専売の坂田総裁を外務省顧問に任命して、そうしてこれを派遣しようとした。しかし、これは長官がやめなさいという同省に対する取り消しをしてきたので、これはやまったので、これは非常に賢明な措置だと私は思います。さらに共和製糖グループに対しての過剰融資問題で、国会で非常に重要な参考人の一人になっておった農林漁業金融公庫の大沢総裁を……。
○委員長(石原幹市郎君) 鈴木君、時間がだいぶ超過しております。
○鈴木強君 FAOの政府代表として派遣する、これもやめましたけれども……。これでやめますけれども、こういった一連の私は綱紀の紊乱は一体どういうわけですか。これはやはり政府としてもう少しきびしい粛正の方法について具体的な措置を私はとっていただきたいと思うのですがね、どうなさっておりますか、これで終わります。
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十二年度予算につきましては、これから本格的な編成作業にかかるわけであります。その前提といたしまして、来年の経済は一体どうなるか、それでまあ来年度の予算のスケールもきまってくる、こういうことになると思います。そういう状態下において租税収入が一体どういうような状態になるか、これをつぶさに見てみなければならないわけです。そういうきめられたスケールに対し、租税収入が足りない場合があるかもしれません。その対策としてどういうことをするか。これがまた物価問題に関連のある米価の問題でありますとか、そういう問題と関連をいたしてくるわけです。これはそういう前提となる諸問題を突きとめてみないと結論は実は出ないのです。特に米の問題につきましては、これはどうしても物価に非常に影響のある問題ですから、そういう角度からも考えなければならぬ。それからもう一つは、国民の生計費の状況、これも考えなければいかぬ。しかし同時に、いまの生産者米価が上がった。それをそのままで放置しておきますと千億以上の財源を必要とする、こういうような状態にもなる。そういう点をいろいろ検討いたしまして、総予算の編成の重要な柱として方針をきめていきたい、かように考えております。まだ予断をいたしておりません。
○鈴木強君 あとたばこと酒は。
○国務大臣(福田赳夫君) たばこと酒につきましても同様でありますが、酒につきましては酒米が上がった。その関係で中小の醸造家が非常に困っているのです。それで販売価格を上げたいと、こういう要請があります。しかし、物価問題が非常に重要な段階でありますので、政府には統制権はありません、ありませんけれども、業者にお願いいたしまして、いましばらく待っていただきたいのだがと、こういう申し入れをいたしておるのです。業者のほうでもおそらく、まあ政府のそういう物価対策への配慮、こういうことを考慮いたしまして、協力してくれるんじゃないか、かように考えている次第でございます。
○鈴木強君 たばこを上げないということは言えないでしょう。言えますか。
○国務大臣(福田赳夫君) ただいまの段階では米も上がった、たばこも上がったということになりますと、いろいろ物価対策上も重要なことになりますので、非常に慎重にそういう問題は考えたい、かように考えております。御了承願います。
○国務大臣(愛知揆一君) まず解散の問題でございますが、いわゆる四者会談というようなことについてお尋ねをいただきまして、たいへん恐縮に存ずるわけでありますが、解散というようなことをそういったような私的な会合で指示すべきことではございません。解散につきましては、先ほど来総理も触れておられますけれども、総理が考えられることであり、あるいはしたがって、また総理が言われていること以外に私から申し上げることはございません。
○鈴木強君 箝口令しかれていますか。
○国務大臣(愛知揆一君) いや、事柄の性質が私はそういうものであると思います。
 それから指揮権発動云々、これもまた、たいへん恐縮なお尋ねでございますが、藤山氏が辞表を出した、退任をされたということが事実なんでありまして、それに至る経過などをここでいろいろと申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
 それから綱紀粛正の問題でありますが、これはもうおことばのとおりで、いわゆるたるんでいるという感じが私も率直にすると思います。したがって、少し神経質過ぎるぐらいに私としてはいろいろの起こりました問題については処理をしておるつもりでございます。今朝御指摘のあった問題等につきましても、直ちに適切な処理をすることにいたしました。しかし、これは起こってくる事態に対する処理のことであって、どうしてこういう事態になっているかと、こういうお尋ねでございますが、この点は総理もいろいろの点から言っておられますように、いわば長年にわたる積弊である、病根は非常に深いと思いますので、そういう点についてはまず政治みずからの姿勢を正すことが何よりも先決である。しかし同時に、公務員その他の綱紀の粛正につきましても、できるだけ厳粛にこういう世論のさなかにありましたときに、むしろこういう時期を活用してと言っては語弊があるかもしれませんが、厳正な処理をしてまいりたいと固く決心をいたしておるわけでございます。
○委員長(石原幹市郎君) 鈴木君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○委員長(石原幹市郎君) 次に鈴木一弘君。
○鈴木一弘君 初めに大蔵大臣にお願いしたいのですが、いわゆる政治献金と言いますか、その政党に対する寄付金、こういうものについてこれを何とか浄化させていかなければ、そうしなければいつまでたってもいわゆる政界の黒い霧であるとか、あるいは業者との結びつきというものは消えてこないわけですが、それに対して法人税法の第三十七条に、寄付金についての損金算入限度額というものが入っております。現在は大体資本金の千分の二・五、あるいは所得金の二・五と、所得金の百分の二・五の合計額の半分、それまでは寄付金の損金算入ができるということになっておるわけです。それがはっきり言えばいわゆる政治献金となってあらわれたり、いわゆるまた黒い霧のうわさの根源になりかねない。そこで、そういうのを断ち切るということから考えていっても、法人税法のこの項目についてはすべて損金算入を認めない、こういうような改正をしなければならないと思うのですが、これについて前向きの態度はどうおとりになっていますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 現行法におきましては、政治資金もそれから交際費も一緒にある基準のもとに損金算入を認めている。こういうことになっておるのですが、その基準につきまして、昨年改正の御審議を願い、改正案をただいま実施しているところなんです。それがどういう弊害を伴っているかという問題、そういう問題もよく考えて政治資金の問題なんかもからみますからひとつ研究してみたいというので、大蔵省といたしましては検討をいたしております。前向きでこの問題と取り組んでいく。かように御了承願います。
○鈴木一弘君 いまの前向きで研究しているということですが、方向はどうなるのですか。損金算入の限度額を引き下げるとか、あるいは認めないとか、そういう方向に動くということですか。
○国務大臣(福田赳夫君) まあ交際費、接待費、政治資金、これは一緒の問題でございますので、これが全部なくなるという、損金算入がなくなると、こういうことはなかなかむずかしい問題じゃないかと思うのです。その基準を一体修正するかどうか、こういうことが当面の問題じゃないか、かように考えております。
○鈴木一弘君 私は交際費の問題じゃなくて、三十七条というものは寄付金の損金算入の金額なんですから、その寄付金についての御答弁をお願いしたい。その損金算入額があるから、限度額があるから、そのために一社でもって何億という金が自由に寄付できる、それが一つの政治献金の大きな黒い霧をつくる原因になっているんじゃないか。このパイプを細くするなり、あるいは厳重に監査ができるようにするなり、査察ができるようにするなり、また、堂々と公開されるようにするなり、そういうことを考える必要がないか、そういう改正は考えていないのか。
○国務大臣(福田赳夫君) 御趣旨の点はよくわかるんです。政治資金問題をいろいろ検討していくという際の一つの着眼点はそこにあると、こういうふうに思います。これは政治資金の問題でありまして、非常に考え方の重要な問題でありまするが、私は前向きで取り組みたいと、こういう考えをとっていると、かようにひとつ御了承願います。
○鈴木一弘君 くどいようですが、前向きというのは、そういう不正のおかしなことがないように持っていきたいと、こういうことですか。
○国務大臣(福田赳夫君) これは政治資金の本質問題になりまして、いま政治資金というものがどういうふうに観念され、どういうふうに評価されているかと、こういうような問題、これはいろいろの議論があるわけでございます。私は、いまの法制のたてまえで必ずしも不正があると、こうばかり論ずるわけにもいかぬ、しかし、弊害面もあることは率直に認めなきゃならぬ、そういうようなことを総合勘案いたしまして、そういう面で適正化、税の面で適正化する道がありますれば前向きで検討していきたい、かような気持ちでございます。
○鈴木一弘君 例の個人献金以外は認めないと、こういうことが一時答申されようとしたときに、そんなことをしたらば選挙に落ちるじゃないかということが自民党の某議員からかなり言われたわけです。ほんとうを言えば、アメリカのように政党の近代化を考えていくなら、そういう個人献金以外は認めないと、会社、団体の献金は一切認めないというふうになってるんです。だから、その趣旨から考えれば、きれいな選挙をやっていきたい、きれいな政治姿勢を確立しようというんであれば、当然、法人税における寄付金の損金算入も、いわゆる社会福祉団体とか、学校法人とか、そういうもの以外を認めないというのがほんとうだと思う。私立学校に対しての寄付等については、はっきり言えば個人の場合でも損金算入を認めてくれないわけですけれども、そういうものこそほんとうは認めるべきであって、こういうようなものについては厳重に、いまの前向きということだけじゃなくてやるべきじゃないですか、それが一つです。
 それからいま一つは、選挙に関する収入に対して、いわゆる政治献金ということで選挙に関する収入には税金がかからないことになっている。ですが、いつが選挙なのかわからない、選挙の三年前であっても、そのときの寄付が選挙に関するものであればいいということであってはならないんで、これはいわゆる選挙に関する期日、期限というものをきちっと限定をするなり、あるいは切ってしまうなりというようなふうに考えることはできないのですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 国税庁長官からお答えいたします。
○説明員(泉美之松君) お答えをいたします。お話しのように、現在、所得税法及び法人税法の非課税、相続税法の非課税規定におきまして、「公職の候補者が選挙連動に関し」受け入れた金銭、物品その他ということになっておりまして、「選挙連動に関し」というのは一体いつからいつまでかということが明確でございません。まあ、常識的には選挙期間中が入ることは明らかでありますが、しかし、選挙期間中だけであるかどうかということになりますと、実情からいたしますと、選挙期間中だけということは酷な場合が出てまいります。そういった点と、それから、現在は届け出だけすればいいということになっておりまするので、収入だけ届け出て実際その支出が少なくても収入分だけ非課税という形になっております。そういった点からいたしまして、私ども、現行法にはいろいろ問題があると考えましていろいろ検討しなければならぬと思っております。
○鈴木一弘君 いま長官の説明はわかりましたが、大臣としてはおそらく指図をされたりしなきゃならぬでしょう、作業するについて。どういう方向でやりますか。
○国務大臣(福田赳夫君) これは長い間議論を残されて、なかなか解決のつかないままに今日に至っている問題でありまするが、こういう際でありまするので、あらためて検討をいたします。
○鈴木一弘君 上林山長官にちょっとお伺いしたいのですが、あなたがあのお国入り問題でだいぶ世間を騒がしたわけですけれども、今度は公私混同右へならえということで、これは東京新聞にかなり大きく出たわけですが、陸上自衛隊の警務隊長が民間のゴルフ会社に頼まれて自衛隊機を飛ばしたり、隊のガソリンをかってに私用に使ったりしている問題が明らかになっているわけですが、それについての経緯と、一体、そういうガソリンであるとかあるいは航空写真であるとか飛行機なんかをかってに利用されたり、個人がかってに自分の私用に使うことを自衛隊で許していらっしゃるのですか。やはりその責任は最終的には長官にあると思うんですが、その点で御答弁をいただきたい。
○国務大臣(上林山榮吉君) お答えいたします。ただいまの御質問は、昭和三十四年ないし昭和三十七年に起こったものが大部分でございますが、新聞に報道されております警務隊長の規律違反の内容を概略現時点において申し上げますと、知人に部隊撮影の航空写真を提供したとか、部隊の車両用の燃料を私用に使用したとか、部隊の後輩職員の債権取り立てに立ち会ったとかいうようなものでございますが、これは時日が経過をしておる点もございまして、現在の調査段階では不明確な点もありますし、いわれておる報道などと相違している点も一部あるようでございます。鋭意、厳正な調査を進めているところでございますが、その結果を待ちまして規律違反の事実が明白となれば、遺憾ながら厳重な処分を行ないたいと、こういうのが経過でございます。
○鈴木一弘君 事実のところもある、事実でないところもあるという話ですが、もっとこまかくはいまわかりませんか、事実のものと事実でないものという話があったけれども。
○国務大臣(上林山榮吉君) この問題については担当局長からお答えいたさせます。
○説明員(宍戸基男君) お答え申し上げます。いま大臣からお答え申し上げましたように、調査中でございまして、不明確な点もあるのでございますけれども、航空写真の撮影の件につきましては、昭和三十七年三月ごろでございますが、たまたま警務部隊の業務用に撮影した写真を知人に提供した事実はあるということまではわかっておりますが、警務隊長が知人の依頼を受けて、報道のように、ゴルフ場用地の写真撮影のために航空機を使用したかどうかにつきましては、関係者の陳述も食い違っておりまして、目下真相を調査中でございます。
 それから、ガソリンの使用の件につきましては、昭和四十年の四月ごろからことしの一月ごろにかけての事件でございますが、本人の供述によりますと、ガソリンの使用は前後数回にわたって延べ十数リットル、私用の車両に使用したという事実がございまして、その点は事実かという心証を得ておりますけれども、一部報道されましたように、給油伝票をごまかしたり、あるいは毎日の通勤用にすべて部隊のガソリンを使用したという程度までには至らないのじゃないかというふうにも感ぜられますが、この点も目下厳重に調査中でございます。
 それから、債権の取り立ての件でございますが、これは三十九年八月の事件でございますが、後輩の職員から依頼を受けまして、その職員の実兄に対する土地の売却代金の債権取り立ての交渉に立ち会った。その際に自分の身分を明らかにしたという事実が認められております。
 その他、目下厳重に調査中でございます。
○委員長(石原幹市郎君) 鈴木君、念のために申し上げます。時間が来ております。
○鈴木一弘君 防衛庁長官、こういう公私混同が、これはあなたが長官になる前のできごとだからと言うかもしれないけれども、実際こういうことを聞きますと、実にたよりない。ガソリンの管理もできていなければ、航空写真の管理もできていないようである。その上、うわさによれば、飛行機にも乗ったのじゃないかといわれておるし、身分をあかして、自衛隊の三佐だということでもって何かのあっせんに乗り出したりする。そういうことになると、これはどうしようもない。ただ綱紀を厳正にすると言うけれども、上が乱れなければ下が乱れてこんなことが出てくるわけはないと思うのです。そういう点で、一体、長官がこれから先、あなた自身を含めてどういうように処していかれるのか、それを伺いたいと思います。
○国務大臣(上林山榮吉君) この心境については、両院の各委員会において再三再四私が申し上げて御了解願っておるつもりでございましたけれども、さらに御質問でございますから、お答えいたします。
 もちろん、ただいまの事案について、私が就任前の問題だからといって私が責任の一切をのがれよう、こういう考えは持っておりません。
 なお、私の問題についていろいろと御批判をいただいておりますが、改めるべきは率直に改めていきたい。しかし、相当誤解をされている部分もありますし、中には、事実無根のことまで議場で論ぜられたという点などもございます。そういうことをよく勘案して、自分自身で改めるべきは反省して改めていく。しかし、今後私はそういうような決意で従来以上に精魂傾けて規律を正していきたい、自分の規律も正したい、こういう心境であります。
○委員長(石原幹市郎君) 鈴木君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○委員長(石原幹市郎君) 次に、向井長年君。
○向井長年君 大蔵大臣にお聞きしますが、国有財産法を今後改正する意思がございますか。いま非常に問題になっておりますが、この点をまずお聞きしたい。
○国務大臣(福田赳夫君) 国有財産の処置につきましていろいろ問題が提起されております。それらの問題は現在の国有財産法の運用でことごとく解決される、こういうふうに考えておりまして、ただいま法自体を改正する必要はなかろう、かような見解であります。
 なお、運用面におきましては、一般の国有財産につきましては、その評価の問題でありますとか売り払いの問題、あるいはこれに付する条件の問題、そういう問題をすでに適正に行なわれるように改革いたしております。
 また、特に最近問題になりました国有林野、これにつきましては交換の際の価額評価、こういうことにいろいろ問題がある、率直に問題があるように考えております。これにつきましては、交換の際の条件ですね、用途指定、特にその点につきまして再検討をする必要がある、こういうふうに考えております。今後できる限り適正な処分になるように、こういうふうに念願をいたしております。
○向井長年君 用途の規制、こういう問題も必要ではないかと思うんですね。それから、特に財政法の九条において適正価額、こういうことをいわれておりますね、適正価額というのはどういうものなんですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 適正の評価額といいますのは、これを売却する場合、これの隣地、あるいは隣地がないという場合には、社会一般の通念としてこれくらいであろうという価額そのものでなければならぬ、さように考えております。
○向井長年君 いま問題になっている高槻のいわゆる払い下げの問題については、この評価については適正と考えられますか。これは三千五百万円程度が一年数カ月の間に四十億の評価のような状態になっております。こういう問題、適正でございますか。
○国務大臣(福田赳夫君) これはいろいろ問題があるように思うんです、その点のことになりますと。これは改正を要する点がある。あの評価は、林野でありますが、林野のままでこれを評価いたしますとこういうことになる。ですから、用途の指定がついて、かりに林野のままでずっといくんだということになりますると、その価額評価は適正なんです。ところが、これが林野としてはそれだけの価値なものでありまするが、買い受けた人がこれを何か住宅地に転用するというような用途の変更をいたしますると、そこで価額がずっと上がってくる。こういうものでありまして、ああいうケースがありますので、この用途指定という問題について、これは厳格な態度をとらなければならぬのじゃないか、そういうふうに農林、大蔵両省で考えている最中でございます。
○向井長年君 それでこの点冒頭申し上げたように、やはり用途規制、そういうことについてのやはり改正というものが必要になってくるんじゃないか、この点については再検討いたしますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 用途指定は今度はつけたい、こういうふうに考えております。
○木村禧八郎君 今の点に関連しまして、用途指定、これについて先ほど私は伊豆観光開発会社の点について質問したのですが、静岡県におきましては、県が公共用に用いるとしてそれで林野を交換したわけです。ところが、県が伊豆観光にこれを譲渡したら、伊豆観光のほうは、その用途以外に、たとえば、ゴルフ場のほうに使ってしまった。この場合には、私は事務当局にいろいろ聞いたところが、それじゃいけないという規定がないんだそうですね。たとえば、地方自治体にこれを譲った、地方自治体が営利会社に譲ってしまって、営利会社が用途以外の娯楽施設のほうに使ったという場合には、これを規制する規定がないんだ、こういう話です。こういうことでは、一応、たとえば地方公共団体が偽って公共用に使うんだというので林野の交換をして、営利会社の娯楽施設のほうにこれを譲渡してしまった、こういう場合には一体どうなるのか。用途指定というものはどこまでを規制するのか、その点はっきり伺いたい。そうでなければ、この点改正する必要があるんじゃないかと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 林野庁のほうからお答えいたします。
○説明員(松永勇君) ただいまお話しになりました案件は、国有林野の処分で、林野庁から御答弁するのが至当かと思いますが、私の知っておる範囲でお答え申し上げたいと思います。
 現在まで林野庁において行なっております交換、これは交換につきまして用途指定をつけるということはいたしておりません。今後用途指定をつけるという場合にも、契約上これは用途指定をつける。すなわち、契約として用途指定の効力を持たせるということになると思いますが、本件の場合には用途指定をつけていない、また、従来の考え方としては、国が必要な土地を入手するために交換をするのである、したがって、渡すほうの土地については渡してしまって終わり、で、受けるほうの土地に重点を置いてものを考えておったわけであります。したがいまして、従来そういう用途指定をつけていなかったわけでございますが、しかし、最近のような事例から申しますと、交換で渡すものも国の財産の払い下げの一形態であるのではないかという御意見が非常に強くなっておるというふうに承っております。そういう観点から、交換として渡すものについても、売り払いに準じたような、必要によって用途指定を考えるべきではないかという御意見があります。先ほど大蔵大臣からもその趣旨のお答えがございました。そういう点で農林省当局も現在検討をいたしております。私のほうといたしましても、農林省と共同してそういう点の今後の解明、検討を続けてまいりたい、かように考えております。
○委員長(石原幹市郎君) 時間はもう終わっておりますから。
○向井長年君 時間がございませんから、その点は後日に譲りたいと思います。
 そこでもう一点お聞きしますが、これは自治大臣になるかと思いますが、いま非常に大きな問題になっているところの共和製糖グループの、いわゆるその中に新友会というのがありますね。新友会が政治献金をいたしております。これは特に個人に対する献金が相当の金が、しかも相当の人たちに、多くの人たちに献金されておる。こういう問題について自治省としてはどうつかんでおられるか、正式な届け出があるのか、この点をお聞きしたい。また、あるとするならば、発表できますか。この点をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(塩見俊二君) お答えします。自治省に対しましては、政治資金規正法によりまして具体的に届け出があっておるわけであります。そうして、この報告につきましては公開の形になっておるのでございます。したがって、これを見たいという方には公開をいたしておる次第でございまして、具体的に私がつかんでいるというわけではございませんが、その帳簿、書類は自治省にございますので、御了承願いたいと思います。
○委員長(石原幹市郎君) 時間は終わりました。
○向井長年君 それではこれで終わります。
 そこで、特にこの問題について先ほども答弁がございましたけれども、これは選挙中あるいは選挙以前ではなくて、平時のときにそういう個人に献金というか、されておる。これは政治献金という解釈をしておるのか、あるいは寄付行為であるのか、贈与であるのか、この点明らかに一つ答弁願いたいと思います。
○国務大臣(塩見俊二君) 政治資金規正法の規定のたてまえから寄付という形になっております。
○委員長(石原幹市郎君) 向井君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○委員長(石原幹市郎君) 次に、石本茂君。
○石本茂君 厚生大臣にお願いをしたいと思います。現在、医療法施行規則は昭和二十三年にできたものでございますが、この施行規則のもとに医療従事者が仕事をしております。特に十九条の四号と申しますのは、定員の基準の条文でございますが、これではとても現行の医療にはついていけないんでございますが、大臣、このことの改廃につきまして何かお考えでございましょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 看護要員の配置また定員の問題が実情に合っておるかどうか、それが看護の適正を確保できるかどうか、という問題は、医術、医学の進歩に即応して常に検討していくべきものだ、かように考えまして、いま医療法その他と関連をいたしまして、せっかく検討中でございます。
○石本茂君 その関連におきまして、現在病・産院等におられます赤ちゃんの数が非常に多いのでございますが、この新生児は全然患者でありませんためか、入院患者数に入っておりません。そういうことのために足りない人数をさらに足りなくしておりますので、これをなぜ入院数に入れることができないのか、あるいはする意思がありますのか、お伺いをいたします。
○国務大臣(鈴木善幸君) 最近産院で分べんいたします方が非常に多くなっています。したがって、新生児の看護の問題も非常にそのケースが多くなってきておるわけでありまして、その実情に合うように今後前向きで検討をいたしたいと考えます。
○石本茂君 これは変えるということで検討中でございますか。
 続きまして、話は変わりますが、保健所に勤務いたします保健婦が地域住民の健康管理に非常な責任を持って働いております。ところが、業務性格は違いますが、昭和四十年度から福祉関係におりますケースワーカーにつきましては二千五百円の特別手当が出ております。それから農林省管轄ではございますが、農林省の普及員でございますとか、生活普及員とか、改善指導員というものに対しましては本俸の一二%が国の補助、助成によりまして出ておるわけですが、これと同じように、保健婦の勤務につきましても特別手当のようなものを支給されないものかどうか、される意思がありますかどうか、お伺いします。
○国務大臣(鈴木善幸君) 保健所に勤務しております保健婦さん方の処遇の改善につきましては、四十一年度におきましても相当大幅な改善をいたしました。しかし、ただいま御指摘になりました特別手当の問題がまだ未解決でございます。四十二年度の予算編成にあたりましては、この問題につきましても十分配慮していきたいと考えております。
○石本茂君 もう一問お許しくださいませ。
 次に、文部大臣にお伺いしたいんでございますが、現在各種学校が全国八千校以上こえております。その中に看護学校が一千校をこえております。で、これらの学校の内容の充実化につきまして昨年答申書のようなものが出まして、それの実現方を期待しておりましたんですが、現在なおその結果につきましては何ら聞いておりませんけれども、このことにつきまして御見解を聞きたいということと、もう一つ、これら看護学校、あるいは大学もございます。高等学校もございます。その学校に働く教師の育成につきましては全然国家において考慮されておりませんのですが、このことにつきましてもお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(有田喜一君) 各種学校の看護関係、これは大学の医学部の附属病院の関係は除きまして、他の問題につきましては各種学校をもう少し系統立てて教育系統に入れるという考えで、いま検討しておる次第でございます。厚生省との関係がありまして、これをいま厚生省と折衝しながら最後の結論を得たいと、こういうことでいま検討中でございます。
 それから、看護婦の養成に対する教師の問題、これは非常に大事な問題でございます。これは御承知のように、本年は熊本の大学に教員の看護婦の養成科をつくりました。来年度は福島大学に同様のものをつくる、そういう計画でございますが、将来関東方面といいますか、東京以北の方面にもその種のものをだんだんつくりまして、それで計画的に教師の養成をやっていきたい、かように考えております。
○委員長(石原幹市郎君) 石本君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○委員長(石原幹市郎君) 先ほど保留されました大村禧八郎君の質問に対する三木国務大臣の答弁を求めます。
○国務大臣(三木武夫君) 木村禧八郎君の御質問にお答えをいたします。
 西村経理局長に事情をただしましたところ、二千万円の寄付は佐藤総裁自身の寄付ではなく、匿名の寄付その他一般の方々から自民党に寄せられた浄財を一括して佐藤総裁の名義で処理し、届け出をしたということでございます。このような処理のしかたは政党の取り扱い事例としても従来あるようでございます。
 以上、お答えといたします。
○木村禧八郎君 これは政治資金規正法に違反する内容です。政治資金規正法ですと、二十五条によりますと、政党につきましては、これは五百円以上については、これはみんな寄付者の住所、氏名を書かなければならぬことになっているのです。そうして、政党以外の協会その他の団体にあっては、寄付だけについては名前、住所を書かなければなりません。協会その他の団体は寄付以外のものについては、一括匿名とかそういうことでいいのですが、政党については、とにかく五百円以上は、これは住所、氏名ちゃんと記載しなきゃならぬのです。はっきりしていますよ。それをいまのようなお話では、これは二十五条違反のそういう内容です。なぜこれをいまお話のように、ただ匿名の浄財なんという、そんな記載のしかたはできないのですよ。どういたします、これは。内容をはっきり二千万円について……、何か匿名の浄財とかなんとか、そんなことで届け出ができるならば、これまで詳細にずっと政党については社会党だって、自民党だって五百円以上はずっと全部届け出てありますよ。記載してあるのです。そうして、どうして佐藤総裁の名前を使わなければならぬのです、いまのものに限ってだけは。そうして、いまのような御答弁をなぜしなきゃならぬのですか。
○国務大臣(三木武夫君) 私も幹事長はわりあい長くした政治家の一人ですが、従来いろいろな政党には零細な金も集まるし、そういうものをこれは私することのできない性質のものでありますから、そういうものを一括固めて、そうして総裁の名前にしたり、あるいは幹事長の名前になったりする場合もありますが、そういうことで届け出をしたような、そういう例は私あったと思います。これは単に自民党に限らず、ほかでもやはりそういうことで、いろいろな寄付が集まってくるんですね。これを届け出しないでどうにもならぬですから、そこでそれを一括して、だれかの、総裁であったりあるいは幹事長であったりした、あるいは政党の幹部である場合もある。そういう名義で一括して届け出をするというような場合には、これはいろいろ検討を要すると思いますが、従来の処置のしかたとしては、そういう処置のしかたはあるのではないかと思います。
○委員長(石原幹市郎君) あなたの時間は済んでいるわけですから。
○木村禧八郎君 実際明らかにすれば、いたずらに時間を使うわけじゃないのですよね。他の例等にもあるように言いますが、佐藤総裁が、自分が知らないと言うのですよ。そうでしょう。たとえばほかの政党にあっても、新聞に出ております河野密氏が、社会党について党に献金する、しかし、それは河野さんは承知しているんですよ。そうでしょう。佐藤さんは、自分は知らないと言うのだ。あずかり知らぬ。名義を借りたと言うのですよ。しかも、それは政治資金規正法によれば、五百円以上は住所、氏名についてはこれは記載しなければならないことになっているのです。これお読みになってごらんなさいよ、十分に。通産大臣は御承知のことでしょう。これは政治資金規正法に違反しているのです、これは。
 今度は自治大臣ですよ。こういう形で書きかえるのですか。こういう形で書きかえればそれでいいのですか。さっきは佐藤総理は、寄付したのじゃないと。今度は、佐藤総理じゃなく、いまお話しのように、匿名の篤志家の名前で記載すればいいのですか。それはできないです。政党については五百円以上、寄付もその他の収入も、全部住所、氏名を記載しなければならないのです。協会その他の団体は寄付だけでいい。しかし、そこにも問題はあるのですけれどもね。だから、どうします、この処理を。とにかくこの法律を守ってやるということになれば、いま三木通産大臣がお話になったような形で、今度は佐藤総理の寄付というものを書きかえるとしたら、これは二十五条違反であります。そういう書きかえはできないと思う。どういたします。五百円以下ならいいですよ。五百円以下が二千万円で……そんなに集まるはずがないのです、常識からいって。そうでしょう。そうしたら届け出ないといけませんよ、五百円以上でしたら。この点明らかにしてください。そうしなければこの問題解決しませんよ。こんなうやむやに過ごしてはいけない問題じゃないですか。はっきりしないといけない問題じゃないですか。
○説明員(高辻正巳君) ただいまいろいろな問題が出ておりますが、匿名の問題も一つの問題でございます。どうもこの法律を見ますと、いろいろむずかしい点が、率直に申し上げて、ございます。たとえば、まあこれ一つずつ申し上げないとおわかりいただけないと思いますから申し上げますが、第二十二条の第二項には、「選挙に関し、公職選挙法第二百一条第一項の寄附を受けてはならない。」という規定がございます。少しこまかくなって恐縮でございますが、これは実は匿名寄付の禁止をいたしております。
○木村禧八郎君 選挙でしょう。
○説明員(高辻正巳君) ええ、選挙に関して。
○木村禧八郎君 選挙について言っているのじゃないのです。
○説明員(高辻正巳君) したがって、そうでない場合には匿名の寄付というものはあり得るわけなんですね。そのあり得た場合に、一体いかなる名前でやるかということについて、法律上実は明確になっておらないこともございます。そういうようなこともあって、いまお話がありましたように、この匿名のものも合わせて、よくほかの関係についてもあるような例があるということでございますが、そういうようなところに準じてやっているということのようでございます。また、この法律については、第二十五条の第二項あたりをごらんになりますと、ただいまの問題で、直接ではございませんが、先ほどお触れになりましたが、二項の終わりには、「千円以上五万円以下の罰金に処することができる。」というような規定がございます。これなんかも、実は私ども見ますと、「罰金に処する」というのは普通でございますが、裁判所が犯罪にしたり、しなかったりというようなふうにも見える規定でございまして、これもまあ一つの例でございますが、この匿名の点についての御指摘でございましたが、匿名についてはこの政治資金規正法上許されないことではない。しかも、それについては他の条文で、五百円以上のものは氏名を届けろと、これは御指摘のとおりそう書いてございます。そういうものについては一体どうしたらいいのかということが、法律の上からは必ずしも明らかでない。そこで、しばしば言われておりますような取り扱い例というものが生じているのだろうと私は思いますが、大体お話の筋で申し上げたところでは、いまのような経緯でございます。
○木村禧八郎君 おかしいですよ。さっき選挙のときの二十二条とかなんとか言われましたが、九条をお読みになってごらんなさいよ。九条からどうしていまのような御説明が出てまいりますか。九条では、会計帳簿についてでありますが、「政党、協会その他の団体の会計責任者は、会計帳簿を備え、これに左の各号に掲げる事項を記載しなければならない。」、「政党にあつてはすべての寄附及びその他の収入」ですよ。「協会その他の団体にあつてはすべての寄附」、第二号、「前号の寄附をした者の氏名、住所及び職業並びに寄付の金額及び年月日」、ここまで書いてあるんです。これからどうして、匿名寄付という規定がどこにありますか。匿名じゃいけないってことでしょう。その氏名、住所でしょう。代表者の氏名、住所。どうしてそういう解釈が出るんです。おかしいですよ。
○説明員(高辻正巳君) おっしゃいますとおりに、この点は全くおっしゃるとおりでございますが、第九条にはそのように書いてございます。したがって、寄付がありましたら、寄付した者の氏名、住所及び職業とか、そういうようなものを一切書くようになっております。私が申し上げたのは、二十二条の二項を見ますと、選挙に関しては匿名の寄付はいけないということがありまして、それで、それは匿名を禁じておりますけれども、そうでない場合には匿名を必ずしも禁止しているようには見えない。そういうような匿名があった場合について、その処理を一体どうしたらいいのか、その点が問題ではなかろうかということを申し上げたわけです。で、むろん、匿名でないものについては、場合によって、そういう者の氏名等を明らかにしないでくれば、先ほど御質問がありましたような法律の二十四条、二十五条の問題が生じてくるということは確かでございます。
○木村禧八郎君 それはね、あなた、失礼だけれども、三百代言ですよ。そうでしょう。だって、あなたは、匿名匿名と、何条によって匿名の場合を想定するのですか。絶対あり得ないのですよ。さっき、選挙のことは別ですよ。そこでわれわれこういう疑いを持つのです。発表できないから、総理の名前を使って、一括寄付したのでしょう。したがって、その内容が明らかになれば、都合の悪い点があるからじゃないですか。何かやましい点があるのじゃないですか。発表できないような理由あるのじゃないですか。――それなら発表されたらどうです。匿名匿名と言いますけれど、明らかにされれば、われわれ納得します。明らかにできないところを見ると、何か発表できない、利権に関することとか、発表したら、これはおかしい、そういうことがあるから、佐藤総理の名前、名義を使って虚偽の申告をしたものじゃないですか。ここに黒い霧というものは、こういうところからくるのですよ。そうでしょう。ですから、三木通産大臣に私は申し上げる。西村英一氏によく相談されまして、そうしてもっとこれをよく九条に規定されるように、その人の金額、住所、氏名、これまで私は発表することを要求します。この法律に基づいて。
○説明員(高辻正巳君) たびたび恐縮でございますが、私が申し上げることだけをひとつ御理解いただきたいと思いますのは、この九条については、確かにそう書いてあるということは、私再三申し上げたとおりでございます。ところで、どうも二十二条の二項をごらんになりますと、選挙に関して匿名の寄付を受けてはいけない、政党は、ということがございますので、私どもの解釈の常套でございますが、反対解釈等を持ってまいりますと、選挙に関してでなければ、政党は匿名寄付を受けてもいいように見えるわけでございます。これは論理解釈といいますか、解釈の一つの方法でございますので、これは私か悪いのじゃなくて、そういう読み方があると、そういうものについては、一体どうするのであろうかということを申し上げておるわけであります。で、寄付の中身、これについては、私はむろん存じませんので、その点を申し上げているわけではございません。匿名の寄付について認めているか認めないかという点だけを、実はいま申し上げておるわけであります。
○国務大臣(三木武夫君) 私、一言申し上げたいのは、これは、二千万円が非常にいろいろ黒い霧だと、私はそうは思いません。自民党が、この大政党が、こういうふうな不正が党の経理にあるとは私は思わない。ただ、こういうことはあるのですね。私法人の中でも、自分の名前を出さないで寄付をする、相当金額の大きい人もあるし、よその党でも、実際はその人がしていないのに届け出する場合がいままである。私はその慣習がいいと言うのではない、将来検討していい課題だとは思いますよ。しかし、そういう形で、自分がやったのじゃないのに、いろんなそういう浄財を、集まったものを一括して処理するというようなやり方をやってきた例はあるわけです。そのことはいいと言うのではない。これはやはり将来検討したらいいとは思いますが、それならば、匿名で寄付することは一切いかぬのだということですね。自分はあまり政党へ寄付することを、名前を出してもらいたくないのだという人もあると思います。それが全部利権だというふうに私はとることには承服できない。しかし、そういう人もある、中には。いろんな大きな寄付でも、新聞の寄付欄なんかでも、やはりこれは名前を出さないでくれというのがありますから、だから、そういうことでこの点が、そういうことはあり得るので、これが直ちに利権政治に結びついておるというその論断には私は承服しかねる。しかし、このことがいろいろ不明朗な点を招くから、この問題はさらに法律上の不備に対しては検討を加えろということなら、私もやはりもっと何か政治資金規正法では明確にすることが必要な個所が多いと思います。しかし、そのことについては、そういうことを特にそれを隠さんならぬ必要もないわけですから、それは善意にお受け取り願いたいと思うのであります。
○木村禧八郎君 それじゃね、あなたはいま言われたが、その内容を発表しなければ疑いを受けるのですよ。だから疑いを、大政党でそんなことはあり得ないと、私もそれを期待します。それならば、なぜこれは発表できないのですか。発表できない理由を私はこう思うのです。個人、法人があると思うのです。そういう人が、これがわかったら税金をとられるから、そうでしょう。裏資金があるわけです。法人の場合は、泉長官に聞きます。はたしてこのお金の中で法人の寄付があったら、それは法人のさっきの損金算入で落としておるか、落としていないか、これが問題です。落としていなければ裏資金です。やみの収入であったことになるわけです。個人についてはやみの収入であって、もしわかったら税金をかけられるから、そこで明らかになっちゃ困るわけでしょう。本来ならば、法人なら当然明らかにすべきでしょう。そうすれば損金で落とせるでしょう。なぜやらないのです。そこにね、私は脱税の危険があるわけです。疑いがあるのです。だから単に法律上きちんとやるだけでなく、それは明らかになってごらんなさい。今度税務署のほうで行きますよ、そのうちへ。この収入はどっから得ましたと、法人の場合は損金で落としてある。ところが、いままで届け出ていないとしたら、どうします。そうでしょう。長官からも、この点は問題にならないと言えますか。そこで明らかにできないのですよ。一種の脱税なんです、これは。
 ですから通産大臣は、法律云々でなくて、大政党の自民党が疑いを受けるという声があるのでしたら、明らかにされたらどうです、これを。天下に明らかにされたらどうです。そうすれば解消するのです。はっきりとこれは解消します、わかりましたと。しかし、その結果によって、個人、法人について、はたしてそれが裏資金であるのか、ないのか、これはまた問題になる、新しい。しかし国税庁は、泉さんは、そこまで突きとめなければならない責任がありますよ、国税庁は。これはごまかしてはいけませんよ。そうでなかったら、あなたは脱税を認めることになりますから、この点についても国税庁長官、ひとつ御答弁願いたい。
 それから、通産大臣に御答弁願いたい。これは明らかにされるべきですよ。すれば何でもないのです。しかし、その結果また問題が起こりますけれども……。
○国務大臣(三木武夫君) これはやはり匿名で寄付したというのが、これは公表ということになれば、これはいろいろやっかいな――寄付者の意思というものもあって、やっかいですが、もし、そういう匿名以外のようなことは、これはやはりあるものについては何も明らかにしていい問題だと思いますが、匿名のことは、私がここでやりますというようなお約束はできない。それは、しかし、この問題は、私は、二千万円の金で自民党が利権というようなことは、そんなこととは私は考えていない。政党の名誉のためにも申し上げたい。しかしながら、やはり政治資金規正法というものは、私も長いこと幹事長をしまして、これはやっぱり不備ですよ。これはやっぱり検討を必要とする点があるということを感じました。しかし、いまこの問題に私がいろいろ不正があるように言われることに対しては承服をいたしかねる。
○木村禧八郎君 それではなぜ発表しないのですか。
○国務大臣(三木武夫君) そこで、その発表については、匿名というようなことで寄付されたような人の意思もございますし、これは私がこの場合で木村さんに、ここでやりますということを約束することはできませんが、そういう御議論のあったことは、経理局長に伝えましょう。
○木村禧八郎君 だって法律に違反するのですよ、そういうことでは。それでいいのですか。
○委員長(石原幹市郎君) どうでしょう、木村君、大体……。
○木村禧八郎君 国税庁長官。
○説明員(泉美之松君) お答えいたします。お話のとおり、個人または法人から政党に寄付いたしましたものが、法人の場合、寄付金の損金算入限度内の金額でございますれば、これは損金に落ちます。しかし、もし裏預金で出ておったという場合でございますと、これは寄付金を損金に算入する申告をしておりませんから、これは損金に落とすわけにはまいりません。それから、個人の場合におきましては、税金を払った後の金を寄付しているのならば問題はございませんけれども、税金を払わないで寄付をしているということになれば、これについて脱税の問題を生ずることになるわけでございます。
○木村禧八郎君 それを調査いたしますか、あなたのほうで。
○説明員(泉美之松君) お話のとおり、もちろんこれは調査しなければなりません。ただ、もし匿名ということでございますと、これはちょっと調査に困難を感ずるわけでございます。
○委員長(石原幹市郎君) 以上をもちまして、質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。
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○委員長(石原幹市郎君) 次に、派遣委員の報告に関する件を議題といたします。
 先般当委員会から、北海道及び九州方面に、二班に分かれ、委員派遣を行ないましたが、各班から委員長の手元に報告書が提出されておりますので、これを会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石原幹市郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後五時四十四分散会
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