第055回国会 産業公害及び交通対策特別委員会 第3号
昭和四十二年五月十七日(水曜日)
   午後一時三十八分開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         成瀬 幡治君
    理 事
                石井  桂君
                宮崎 正雄君
                大倉 精一君
                柳岡 秋夫君
                小平 芳平君
    委 員
                奥村 悦造君
                木村 睦男君
                黒木 利克君
                塩見 俊二君
                中津井 真君
                中野 文門君
                柳田桃太郎君
                大和 与一君
                戸田 菊雄君
                原田  立君
                瓜生  清君
                林   塩君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  大橋 武夫君
       国 務 大 臣  塚原 俊郎君
   政府委員
       総理大臣官房陸
       上交通安全調査
       室長       宮崎 清文君
       警察庁交通局長  鈴木 光一君
       厚生省医務局長  若松 栄一君
       運輸省自動車局
       長        原山 亮三君
       労働省労働基準
       局長       村上 茂利君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
       常任委員会専門
       員        小田橋貞寿君
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       建設省道路局次
       長        吉兼 三郎君
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  本日の会議に付した案件
○産業公害及び交通対策樹立に関する調査
 (交通対策に関する件)
    ―――――――――――――
○委員長(成瀬幡治君) ただいまから産業公害及び交通対策特別委員会を開会いたします。
 産業公害及び交通対策樹立に関する調査を議題とし、交通対策に関する件について調査を行ないます。
 まず、総理府総称長官から所信を聴取いたします。
○国務大臣(塚原俊郎君) 私は総務長官の塚原でございます。また私は、総理府に設置されておりまする交通対策本部の本部長もつとめております。このたび、参議院に新たに産業公害及び交通安全対策特別委員会が設けられ、交通安全に関する問題を特別に審査していただくこととなった次第でございますが、その審議が開始されるにあたり、交通安全対策に関する政府の方針を申し述べたいと存じます。
 御承知のとおり、わが国経済の成長に伴う輸送需要の増加は、ここ数年来、自動車台数の急激な増加をもたらし、これが交通事故発生の一つの大きな要因となり、交通事故による死傷者は逐年増加する傾向を示しております。昨年におきましても、政府と国民が一体となって努力いたしたにもかかわらず、交通事故による死者数が約一万三千九百名を数え、再び史上最高を記録するに至りましたことは、まことに憂慮にたえません。
 このような趨勢に対処いたしまして、政府は、さきの総理の施政方針演説において示されましたとおり、人命尊重、特に歩行者保護の見地から、交通安全対策を政府の最重点施策の一つに取り上げ、交通安全施設の整備、交通安全思想の普及徹底、安全運転の確保、交通秩序の確立、被害者救済対策の強化等の諸般の施策を積極的に推進いたしておるところであります。幸い、本年に入りましてからは、現在、交通事故による死者数は昨年同期に比べて約六%の減少を見ておりますけれども、反面、負傷者数は昨年同期の数を上回っておりまして、にわかに楽観を許さない状態でございますので、今後におきましても、交通安全対策の強化につきまして最大の努力を傾注する所存でございます。
 すなわち、まず第一に、交通安全施設の整備につきましては、昭和四十一年度を初年度とする交通安全施設等整備事業三カ年計画の実施にあたり、特に昭和四十二年度中に、歩道、横断歩道橋、ガードレール、信号機等の歩行者保護施設の大半を完成することを目標として、その事業の促進をはかる所存であります。
 第二に、交通安全思想の普及徹底につきましては、春秋二回の全国交通安全運動の実施、交通安全国民会議の開催、都道府県及び市町村における交通安全に関する地域総ぐるみ運動の推進、学校における交通安全教育の充実強化等、あらゆる手段及び機会を通じて、強力にこれを行なうことといたす所存であります。
 第三に、安全運転の確保につきましては、大型貨物自動車による交通事故の防止の徹底をはかるため、大型自動車の運転資格の引き上げ、運行記録計及び速度表示装置の取り付けの義務づけ等をはかるほか、現行の運行管理制度及び安全運転管理制度の充実強化をはかる所存でございます。
 また、悪質な交通違反をして重大な交通事故を起こした運転者に対する運転免許の効力の仮停止の制度を創設いたす考えであります。
 第四に、交通秩序の確立につきましては、当面、酒酔い運転、無免許運転等の交通暴力を排除するために強力な取り締まりを行なうほか、交通事故に伴う悪質な事犯が多発している実情にかんがみて、業務上過失致死傷罪等に対する罰則を強化いたす所存であります。
 第五に、被害者救済対策につきましては、救急自動車の整備増強及び救急業務実施市町村の拡大による救急搬送体制の整備、頭部外傷等、交通外傷を専門的に取り扱う救急医療センターの整備を中心とした救急医療体制の整備等を強力に進める所存であります。
 次に、損害賠償問題、更生問題等、交通事故被害者にかかわる諸般の問題に関する相談活動の充実強化をはかるため、都道府県、市町村等、公的機関による体系的な相談活動の積極化をはかることといたしております。
 また、自動車損害賠償責任保険の保険金額につきましては、その大幅な引き上げをはかるべく、現在大蔵、運輸等、関係各省間で検討を進めているところであります。
 以上のほか、政府は、当面の緊急対策として、大型貨物自動車による事故防止及び学童園児の事故防止の徹底をはかるとともに、最近における踏切事故発生状況にかんがみ、踏切事故防止に関する対策を強力に推進してまいりたいと考えております。
 以上、簡単でありますが、政府の交通安全施策の概要について申し述べまして、ごあいさつにかえる次第であります。
○委員長(成瀬幡治君) 質疑のある方は御発言を願います。
○大倉精一君 いま長官からいろいろ承りましたが、こうやっているうちにも事故がどんどん出てきておる。特にきょう正午のニュースには、千葉県におきまして、警官による無免許運転、これのために園児の中へ突っ込んで五名をけがさせた、こういう事故が起こっている。
 私は、まずお伺いしたいことは、やはり、交通事故防止の一番大きな問題は、運転免許ですね、運転免許を与えるというこの基本的な事項について検討を加える、これが非常に大事ではなかろうかと思っております。特に、運転手の適格者を判定をして免許を与えるということは、これはいろいろ困難な仕事かもしれませんけれども、適格者に運転免許を与える、こういうことが非常に大事だと思うのですけれども、こういう点について、警察庁ですか、担当者からひとつ現状並びに意見を聞きたい。
○政府委員(鈴木光一君) 運転免許の不適格者排除ということにつきましては、二つ考え方があると思いますが、不適格者の中に、いわゆる身体的な欠格条項に当てはまるものと、それからもう一つは、性格的に運転に不向きではないかというものと、二種類あると思います。
 それで、身体的な欠格事由に該当するものにつきましては、それぞれ免許を与える前に適性検査を行ないまして、ある程度のことはやっておりますが、いま若干問題になっております精神病者等の欠格事由に該当するものにつきましては、先般四月一日から医師の診断書を添えて免許を申請するという制度をとったわけでございます。
 それから性格的に運転に不向きではないかということ、これを排除する方策はないかということで、従来からわれわれも検討しておりました。専門家の意見も徴しまして、性格テストあるいは心理テストというものを三十分ないし一時間くらいで、免許を与える前にそういう試験はできないものかということで検討いたしまして、現在一つの案を持っておりますけれども、この案を試験にそのまま適用するということにつきましては、若干まだ問題が残っておりますので、事業所等の依頼によってやる場合もございますけれども、まだ、この試験制度にそれを取り入れるということにつきましては、なおさらに研究を進めたいと思っておる次第であります。
○大倉精一君 非常にむずかしい仕事かもしれませんけれども、そういう点について形の上だけやっても効果はないと思うのです。たまたまきょうの毎日新聞にも出ておりますけれども、精神異常者の検査については、これは不可能、だというような記事が出ております。特に、この取り扱いいかんによりましては人権にも関する重大な問題になるのではないかと思っております。新聞の見出しでも、簡単な問診でパスしてしまう、こういうことであり、さらにまた、専門医についても非常に不足である、こういうような状態でもって精神鑑定を医者の診断書で免許の参考にするということは、現段階においては非常に不可能ではないか、可能性がないのではないか、こう考えるが、どうお考えか。あるいはまた、いやたとえ一人でも発見すればいいのだということもどこかで言っておられたような気がしますけれども、たとえ一人でも発見するがために多くの人の人権にまで及ぼすような重大な結果が及んではたいへんだと思うのですよ。そういう点について、いかがですか。
○政府委員(鈴木光一君) あの問題につきましては、道路交通法の八十八条に規定がございまして、「次の各号のいずれかに該当する者に対しては、免許を与えない。」ということでいろいろ項目が書いてありますが、その中に、「精神病者、精神薄弱者、てんかん病者、目が見えない者、耳がきこえない者又は口がきけない者」、この者に対しては免許を与えてはならないという規定があるのでございます。それで、従来免許を与える際に、事前にこういう欠格者を発見するということにつきましては、なかなかむずかしい点がございますが、われわれ警察官がそれでもこれを発見するための努力をしておったわけでございます。
 数学的に申し上げますと、昭和四十一年中に警察において発見した精神病者等の疑いのある数は千二百三十四名ございましたが、このうち、専門医の診断を受けて、三百三十四名は免許の取り消し処分を受けておる次第でございます。
 大体、厚生省が発表しております数字によりますと、人口千人のうち十名くらいのものが精神病者あるいは精神薄弱者という数字になっております。この比率を免許取得者に当てはめてみますると、昭和四十一年の十二月末現在で、免許証の取得者の数が約二千三百万人ございますから、この数字をそのまま当てはめますと、そのうち、精神病者または精神薄弱者が二十三万人おるという計算になるわけでございます。しかし、実際には、そのうちの精神薄弱者につきましては免許試験でふるいにかけられますので、若干の数は減ると思いますが、こういう数字から推定いたしまして、かなりのものがやはり免許取得者の中にはおるんではないかということが考えられるわけでございます。そこで、この欠格事由に該当する者について、警察が事前にこれを排除するために、ある程度の努力をしておったわけでございまして、先ほど申し上げましたような数字の、微々たる数字ではございますけれども、発見をして事前に排除しておるという結果が出ておるわけでございます。
 そこで、われわれは、事前にこの欠格事由者を発見して排除する方法はないものかということで、いろいろ検討してみますると、これはやはり、当然、医師の診断、特に専門医の診断を受けて、精神病者等であるかないかということの判定を受ければ一番いいわけでございます。しかし、専門医というものが全国で三千二百名程度しかおりません。しかし、そこで専門医だけにこれをお願いするということはとうていできませんので、やはり精神病者等についての一般的な知識、医師としての知識を持っておられるはずであります一般の医者、医師の方々のほうが、警察官よりは、この精神病者等を発見するためには、よりよい技能と知識を持っておられることは当然であるという前提のもとに、事前に医師の診断書を添えて申請をするという方法を採用したわけでございます。なお、この方法を採用するにあたりましては、御承知のように、医師法、理容師法、調理士法、それから銃砲等の所持取締法、そういう比較的危険なものを使って、あるいは危険な仕事に携わるという職業につきまして、すでに、この免許なり許可なりを与える前に医師の診断書を添えて申請をするという制度をとっておりますので、その制度にならって、この制度を導入したわけでございます。
 一応の説明を終わりたいと思います。
○大倉精一君 厚生省の医務局長ですか、私は、いま鈴木さんのおっしゃった、そういう方法は悪いとは考えないんですよ。問題は、それが可能であるかどうかという、可能でなければ、むしろ弊害があるんじゃないかということを心配しておるわけでございます。そういう精神異常者の診断といいますかね、発見といいますか、そういうことは非常にむずかしいもんだと私は思うのですけれども、そういうような診断を、たとえば小児科なり産婦人科なり、そういうところでできるものかどうですかね。できるとすれば、いまの方法はけっこうだと思うのですけれども、まあ、警察よりも医学の知識があるという程度でもって精神異覚者は発見できるものかどうか、これはどんなもんですか。
○政府委員(若松栄一君) 精神病の診断というものは非常にむずかしいものでございまして、厳密に診断をするためには、場合によっては、十日、二週間という入院期間中に精密に検査をする、あるいはいろいろな機械的な検査もそれに加えていくというようなことで初めて診断のつく場合もしばしばございます。もちろん、非常に明らかな症状が出ていて、専門家が見て、ほとんど瞬間的にといっていいくらい短時間で診断できる場合もございます。しかし、大部分の場合は非常にむずかしい、特に、運転免許を受けようというような方々は、少なくとも一見してわかるような精神病者でないことは間違いないと思います。そういう意味で、非常にむずかしい診断を要する状態にある者に対する診断をしなければならないということでございますから、今度の場合のようなことは、的確な診断が全部やれるということはほとんど期待できないと思います。ただ、先ほども話がありましたように、医師、歯科医師、薬剤師、あるいは直接かみそりを持つような理容師あるいは銃砲刀剣類の所持の認可を受ける場合に、従来からそのような診断書を出させております。これは少なくとも、そういう明らかな者を除外するのみでなしに、そういう状態が起これば、当然またそういう免許が取り消されるということでもございます。そういう意味で、この制度によってすべてが完全に防止できるということはとうてい期待できませんが、ある程度の期待はできる。また、当然そういう精神病者にそういう免許を与えるべきではないという思想からいいましても、このような手続を経るということは、ある程度の効果が期待できるというふうに存じます。ただ、申しましたように、完全な診断をし、これによって精神障害者を完全にシャットアウトすることを期待できるかどうかということは、これはきわめて困難であるというふうに考えます。
○大倉精一君 まあ困難だと思いますね。そこで、精神病者であるにもかかわらず、小児科あるいは産婦人科、専門家でない医者が精神病者ではないという診断書を書いた場合に、この場合の責任はどこにあるのか。これはどなたですかね、御答弁は。
○政府委員(鈴木光一君) これは、医師の診断書を申請させまして公安委員会が免許を与えるわけでございます。あくまで公安委員会が免許を与えるわけでございますから、公安委員会の責任において与えるということになると思います。
○政府委員(若松栄一君) 診断書というものは、医師がその患者を診察いたしまして、そのときのいろいろな客観的な状態あるいは検査行為等から判定できる限度で診断をいたすわけでございます。したがって、普通の病気でございますと、現在ある病気に対して診断をいたしますので、そのときの状況を可能なる限り判定し、正しく診断する、その結果を診断書に書くということになります。精神障害の場合は、精神障害そのものが非常に浮動性のあるものでございます。たとえば、精神分裂症にしても、あるいは躁うつ病にしても、てんかんにしても、あるときには常人とほとんど変わりはない。あるときには非常に異常な状態を呈するということもございます。そういう意味で、特に精神病あるいは精神障害というものの診断は、ある時点の診断というものと、その人が長期にわたって同じような状態を続けるかどうかということについては、必ずしも診断書で判断できないわけでございます。そういう意味で、一般の疾病の診断と、精神病あるいは精神障害の診断というものは、相当な開きがあると思っております。
○大倉精一君 そうなると、きわめて無責任なことになりますよ。たとえば、そういうむずかしい問題がありますから、脳波の検査とか何とかやって、相当長期間にわたって診断しなければわからぬ状態なんですけれども、それを、適当に診断書を書いて公安委員会もこれによって免許を与えた。あとになって精神病患者ということがわかった。わかったけれども、あの時点ではよかったと、こうなってしまえば、一体、だれが責任を持つのですか。ここに一つの大きな問題があると思うのですがね。鈴木さん、どうですか。これは責任の所在がはっきりしませんね。そうなってくると、これは非常に害があるということになりはしないかと思うのですね。いかがですか、それは。
○政府委員(鈴木光一君) 厚生省のほうからも御説明がありましたように、医師の診断書は、「現時点においてはそういうことは認められない」というような形になると思いますので、それがずっと、精神病等の特殊性にかんがみまして、将来にわたっても診断ができるということでありますればけっこうでございますけれども、そういう特殊性にかんがみまして、そういう措置になることもやむを得ないというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○大倉精一君 考え方は、鈴木さん、けっこうですけれども、いま申し上げましたように、非常に危険が伴う。特にこれは、いまも流動性という表現もありましたけれども、そういう潜在的な病気でありまするから、であるから専門医が必要であり、詳細な検査が必要なんですね。だがそれはやれないという現状なんです。そこで、日本精神神経学会の理事さんである西尾友三郎さんがこう言っておいでになりますね。「この方法では全く効果がない。むしろ害がある」と、こう専門家が言っておいでになる。これが私は事実だと思うのですよ。「精神障害の病気の幅を全く無視しており、軽症者、回復した者までチェックしようという制度なので、そういう人たちは専門医から逃げ、治療も中断してしまう。」ということを専門医が言っているのですね。こういう弊害が確かにあると思うのですけれども、どうでしょうか。厚生省の方、こういう弊害はありますか。
○政府委員(若松栄一君) 精神病という病気は、本人も、あるいは近親者も、なるべく伏せておきたい、人に知られたくないというような病気でありますために、これを一般的に公表するとか、あるいは精神障害者であることを通報するとかいうような問題が起こります場合に、常にそういうような問題が出てまいります。先般、精神衛生法の改正の案が出ましたときにも、通報制度というようなものが行なわれると、かえってそれをおそれて患者が潜行する危険があるという意見も出てまいりました。そういうことから、現在なお一般的な機関による通報というものは行なわずに、むしろ専門家の間にお互いの必要な連絡を行なうことが適当であるという意見が出ております。しかし、今度の場合は、精神障害者それ自体を取り扱うのでなしに、一応健康、本人も少なくとも健康であると思っている者に対して何らかの検査をし、本人も気がつかないのに、もしも障害者であることが医師によって診断されだとすると、それは相当なプラスの効果ではないかと思います。そういう意味で、精神病者自体をこれからチェックしようとか、通報しようということと、少なくとも現在精神病者だと思っていない者に対する扱いとは、かなり違ってくるのではないかと思っております。
○大倉精一君 総理府総務長官にお伺いしますが、いまお聞きのとおりです。こういう問題をおやりになるについても、双方に連絡がなかったと思うのですがね。で、いまのあなたが主宰しておいでになる交通安全に対するそういう場で、やはりこういうぐあいに重要な問題をやろうといった場合に、厚生省と連絡するなり、何なりするなり、その可能性について検討するということをしなければならぬと思うのですけれども、そういう、これは各省庁の連絡が不十分だという一例、だと思うのですけれども、こういう点について長官はどういうぐあいに調整をしておいでになりますか。
○国務大臣(塚原俊郎君) ただいまの質疑応答の中に、いろいろ問題点があることも私も率直に認めます。同時に、最近、いま御指摘の点についてはマスコミ等の批判が激しいこともよく存じております。御質問の、各省間の連絡が不十分ではないかというお話、交通行政というものは非常に各省に分れておりまして、これを総合調整する立場にあるのが私たちの任務でありまして、私、就任以来、交通対策本部というものの会合をしょっちゅう開かせまして、できるだけ、いわゆるなわ張り争いというものをなくして総合調整の実をあげるよう監督してまいったのでありまするが、見るべきものはかなりあるとは存じまするが、しかし、御批判のような、まだ未調整のものが多いではないかということも、全然そんなものはないと断言できない点もあるわけでございます。
 それで、いまの精神病者に対する問題につきましては、昨年の十月、私の就任前でありまするが、の会議において問題となりまして、自後関係省、特に警察、厚生省――運輸省ももちろんそうでありまするが、を中心として協議も進められて、今日のような措置をとることになったわけであります。しかし、いま御指摘のような問題もありまするので、さらに引き続き……。これを全然やらぬということもまたどうかと思いまするし、あったほうがましではないかというような意見もありまするが、そういう中途はんぱな考えでは、相次ぐ事故に対する防止策としては、これはきわめて遺憾なものがあると存じまするから、交対本部におきまして、さらに各省との調整というものを強く打ち出させ、この問題と真剣に取り組むよう私は指導してまいりたいと考えております。
○大倉精一君 これは長官、いま私、問題点はたくさんありますけれども、精神病者の診断書、これ一点にしぼってお伺いしておるのですけれども、これは、冒頭申しましたように、悪くするというと人権にかかわる重大問題に発展します。いまの答弁で明らかになったことは、専門医以外のものでは発見が非常に困難だ。おそらく不可能に近いじゃないか。しかもその責任をどこが負うか全然わからない。責任がないのですね、はっきりいって。この当時はこうだった、こういうことであれば、免許を与える人には何の責任もない。お医者さんにも責任がない。そうなってくると、この制度はいいのか悪いのか、こういう再検討をしなければならぬ問題になってきますね。現に、新聞等の報道によりますると、ほんとの問診でもって、簡単にもう診断書が書かれておると思うのですね。しかも、そういう商売ができたというのです。商売が二軒も三軒もできてきた。あそこへ行ったらすぐやってくれるから、あそこへ行きなさいと、こういうぐあいに教えてくれる。そこへ行って名前さえ言えば、すぐ診断書ができてくる。こうなってくると、考え方はけっこうですが、むしろこれは弊害になると思うのですが、長官、どうですか。
○国務大臣(塚原俊郎君) 私も、けさの新聞でそういった事例を見て驚いたんですが、もちろん、これかいわゆる「員数」で扱われてみたり、さらにその間に不当な取引が行なわれるというようなことが増長したらば、これたいへんなことである。害あって益ないものではないかという議論も、私は成り立つと思うのであります。しかし、かといって、精神病者に全然調べないでかってに免許を与えていることはけしからぬという、一部の世論と申しますか、批判も非常に強いことも存じておりまするので、不完全ながら、こういったもの……。しかしながら、いま御指摘のような問題、また私が新聞記事で拝見したような問題がありまするだけに、これは早急にひとつ、実のあるものを――このまま、じゃやめてしまおうというわけに、これ、まいりませんもんですから、実のあるものを、ひとつ十分すみやかに検討させなければならぬ、このように考えております。
○大倉精一君 実のあるものは、二つよりないですよ、二つより。精神神経科の医者の診断書、日にちがかかっても、これをもらう。そうして、厚生省のほうでは、精神神経科の医者を今後早急に、早急にといったって、まあ年月はたつと思うのですけれども、養成をする、この二つよりないですね。二つよりない。ですから、いままでのような専門医以外の診断書ではいけない。そうしなければ、これは百害あって一利ない、こうなるんですが、そういうことは、いかがですか。これは厚生省じゃないよ。長官から、行政指導のことだから。
○国務大臣(塚原俊郎君) 大倉委員御指摘のとおりであると思いまするが、神経系統のお医者さんたちのいろいろな所見等も拝見いたしますると、そのために要する相当の日時というもの、これはやむを得ないのではないかという御批判もありまするが、いま直ちにこれをやるということは、相当各方面の御意見も聞かなければなりませんと思いますので、じゃ明日からこれをやるというようなお答えはできませんけれども、二つしかないと言われたあなたの御意見、非常に私は尊重すべきものであると思いますので、その方向に向かってひとつ、これはお医者さん方、まあ厚生省も関係あるし、警察も関係ありまするし、私のほうがイニシアチブをとりながらこの問題は検討し、また解決しなければならぬ、このように私は考えております。
○大倉精一君 まあ、これは根本的に検討をしていただきたい。私の意見としては、このままの状態で、のんべんだらりとこの制度を続けていくということは非常に害がある、こう私は考えておりまするので、やるならやるように、きちんとしたものをひとつ御検討願いたい。
 それからもう一つは、精神異常者もありますけれども、性格の異常者がありますね。特にいま東大あたりで、綿密にやったら性格異常者は八〇%以上あるんじゃないか、こういわれておりますが、そういうものに対しても何らかの注意をしなければならぬと思うのですけれども、そういう点については、鈴木さん、どうですかね。
○政府委員(鈴木光一君) その問題につきましては、先ほど冒頭に御説明申し上げましたように、性格の心理テストという制度で、粗暴性格者といったような者とか、運転に不適格な者といったものを排除する方法の発見に努力中でございます。
○大倉精一君 これは、私は経験ないからわかりませんけれども、運転免許をとるには相当長時間かかるんじゃないですか。教習所でもってですね。その教習所でやっておる間において、こういう性格的なものも観察するという、こういうことはやっていないんですか。
○政府委員(鈴木光一君) 現在は、そういうテストの方式を採用しておりません。ただ、問題になりますのは、いままでの開発された方式による研究の結果によりますと、大体まあ七〇%ないし八〇%は運転不適格者というものがそのテストにひっかかってくるであろう、しかし、そうでないものが二、三〇%含まれるということになりますと、やはり試験として採用することには問題が残りますので、それはさらに専門家と、よりよい方式の開発につとめまして、できればそれを試験制度として採用したいという方向に努力したいと思います。
○大倉精一君 ただ、その場合に、やっぱり人間が人間を判定するんですから、性格的なものを、これが非常に重大な問題だと思いますけれども、こういう運転免許試験といいますかね、実地試験といいますか、そういう訓練過程においてそういうものも観察をするという、こういうこともひとつ検討を加えてもらいたいと思う。そうでないと、まあ技術だけでは、いずれ運転というものは非常に危険な状態にあります。もっとも、これは免許を与えた後においてそういう問題が出るかもしれませんけれども、少なくとも教習過程においてそういう点を観察をするという、こういうこともあわせて御検討願いたいと思う。これは答弁要りませんから。
○大和与一君 関連でお願いしますが、統計的に、事故の内容は、私はやっぱり目が一番大事だと思うのです。視覚が、目が弱い、あるいは錯覚といいますかね、それが一つ。それから二番目は、やっぱりその精神状態とか、からだ。これは、事故があってみたら、てんかんであったとか、あるいは顔面神経痛がひどかったとか、あるいは性格異常とか、それからほんとうに薄ばかとか、こういう区別が一つある。それからもう一つは、やはり酒によるもの、睡眠不足、こういうふうにかりに三つに分けた場合に、いままでの統計によって、その三つの分け方は何%くらいになっているんですか。
○政府委員(鈴木光一君) いま手元に的確な資料を持ち合わしておりませんが、目の悪い者、耳の聞こえない者等につきましては、現在、適性検査ということで、警察自体が免許試験の際にそれを排除していくということになっております。残りました精神病等と、あるいは性格的に運転不適格に該当する者ということが問題として残ると思いますけれども、その点につきましては、先刻来御説明申し上げたとおりでございます。
○大和与一君 私は、これはやっぱり対策でも大事だと思いますから、この次までに、大体でいいから、そういう大まかな分け方、目のことと、それから肉体、精神ですね、それから酒その他と分けて出してもらいたいです。
 質問の第二は、運転免許をするときに、たとえば国鉄、私鉄などは、信号を非常に大事にしますから目なんかの検査はうんときびしいです。普通の採用の社員よりももう一つきびしい特別な検査をしています。それと同じだとは言わないけれども、同じにはまだやっていないけれども、しかし、その辺が相当甘いので、まあ車を動かしてうまくやってればあとは精神力で注意すればいい、こういうふうな気持ちがいままであったと考えていいだろうと思うけれども、あなた方はその点についてどのようにしょうと考えているのですか。もっと簡単に言えば、たとえば軌道運転者には特に目とか耳に対して特別のテストをしているんだが、それと同じことをしてもらえれば、ずいぶん私は事故がなくなると思うんだけれども、そういう考えはありませんか、こういう聞き方です。
○政府委員(鈴木光一君) 御指摘の目とか耳とかの適性試験につきましては、法律の規定を受けまして、総理府令でその適性試験の合格基準を設けているわけでございます。その中で、たとえば視力につきましては、大型自動車の免許につきましては、両眼で〇・八以上、かつ一眼でそれぞれ〇・五以上であること。それぞれ自動車の区別によってそういう規定がございます。それから色彩の識別能力につきましては、赤、青、黄色の識別ができなければだめだというような、それから深視力、聴力、運動能力といったようなことを、基準を設けまして試験を行なっておりますが、御指摘のように、この基準につきましては、なお検討いたしたいと思いますけれども、一応現在はその基準で行なっている次第でございます。
○大和与一君 そうすると、いまの軌道の運転者にやっておると同じような、目と耳について同じような試験をやっておるか、それだけ聞きたいと思うんです。そうでなかったら、やっぱりそれに近づけるか、同じにするということにすれば、私はずいぶん事故がなくなると思うんですがね。
 それから、私は具体的に相当いいかげんなことをやっているのを知っている。友だちなんか、そんなにちゃんとやってないのがうんといますよ。だから、試験を的確にやるのも大切だけれども、いまやっている試験の程度は、それと同じですか。
○政府委員(鈴木光一君) 適性試験としての合格基準は、先ほど説明したとおりでございます。それから各事業所におきまして、さらにそれを運転者として採用する際に、あるいは運転に使うかどうかということになりますと、さらに厳格な基準を設けられておることは承知しております。そのために、私どものほうで最近適性検査所というものを各都道府県の警察に付置しておりまして、先ほど申しました心理テスト、まだ十分ではございませんけれども、心理テストの問題、あるいはさらに目の深視力等につきまして検査をしてくれぬかということであれば、依頼に応じましてやっておる事例もございます。一応、いまの段階では、免許の合格基準としてはこの程度のものでいいのではないかという前提でやっておりますけれども、御指摘のことがありますので、なおほかの国鉄等の運転士、あるいは航空機等の運転士の適性検査がどうなっておるかといったようなこととの関連において、さらに検討したいと存じます。
○大和与一君 それでは最後ですが、そうしますと、いまたくさん起こっておる事故の大半は、そういうことは一応ちゃんと基準ができておるのだから、やはり本人の精神とか注意力というか、もうそれが悪いということに大体尽きますか。その対策をどうするかということになってくるのですか。
○政府委員(鈴木光一君) 事故の原因につきましては、いろいろな原因が錯綜いたしまして事故が起きておると私は思います。身体的なそういう欠格の事由に基づくものももちろんあると思いますけれども、道路の環境とか、安全思想の問題とか、いろいろなものがやはり重なり合っての原因だと思うのでございまして、身体的な問題だけで事故が起こったものかどうかという調査も十分なされておりませんし、するので、明確な御回答はできないのが残念でございますけれども、とにかく、事故の原因というのは非常に複雑であるということだけを御了承願いたいと思います。
○木村睦男君 関連で、簡単にお尋ねしたいのですが、交通事故防止のいまのお話の原因の中で、いろいろございましょう。それで、精神障害による事故も、パーセンテージは私は少ないと思うのですが、とにかくある。これをどうしても、防止できるものは防止していかなければいかぬということなんですが、そこで、今回交通局のほうでお考えになっておる精神障害者の診断書の問題、まあ、厚生省のほうのお話を聞いておると、また、新聞を見ますというと、非常に困難でもあり、また反面、弊害もあるというふうな話ですが、これを交通事故防止という大きな目的から考えて、この精神障害の問題をはっきり発見して、そしてそれの原因による交通事故を防止しなければいかぬということは非常に必要なことなんで、具体的な方法として、いままで警察と厚生省といろいろ議論せられてきたはずでございますから、厚生省のほうで、いろいろ難点はあるが、じゃこうしたらこの発見ができて運転免許の際に採用してもらえる一番いい方法があるのじゃないかというふうなことについて、前向きに考えられたことがあるかどうか、ちょっとお聞きしたい。
○政府委員(若松栄一君) この問題がこうして実施される以前におきまして、先ほどもお話がありましたように、警察庁当局と十分事前の打ち合わせはいたしました。しかし、話でおわかりになりますように、どうしても完ぺきなシステムをつくることができない。また、正確な診断のために精神科の専門医が適当であるということは間違いないことでございますが、そうかといって、現在、精神科の専門医というものは非常に数が少ないのでございます。したがって、すべて精神科の専門医の診断にゆだねるということは事実上不可能である。また一方、この診断を行ないます場合に、ある程度スクリーニングということが可能であろう。医学の専門家である一般的の医師、先ほど小児科、婦人科というような例も出ましたけれども、おそらく小児科、婦人科というように極端に言わなくても、一般的な内科医等がある程度見て、これは大体だいじょうぶそうだという見当をつけられるものと、これはどうもおかしいぞと見当のつくものがあったとすれば、これは一次的のスクリーニングにはなると思います。したがって、専門医に診断してもらうことは、それにこしたことはないけれども、多数を扱う場合には、まずスクリーニングという形で一般の医師の方に扱ってもらって、そうして多少これは精密な検査、専門的な検査を要するなと思われるようなものがあれば、それは専門医に回してもらうというような方法をとることが、現在の段階では一番妥当な方法ではないかというふうに考えます。
○木村睦男君 そうしますと、いまのような考え方で警察と厚生省とで一応話ができて、今回これでいこうということになったんですか。
○政府委員(鈴木光一君) ただいま厚生省のお話がありましたように、事前に私どものほうも厚生省と打ち合わせ、かつ、専門医の意見も聞いたのでございます。専門医の意見も聞き、それから日本医師会の了解も求めて、この制度を発足さしたのでございますけれども、発足後、専門医師のほうの方から、医師の学会のほうの組織を通じまして、いろいろ意見が述べられました。それで、今後この制度につきまして、厚生省もまじえて、精神神経学会も一緒になりまして、よりよい方式の開拓を検討しようじゃないかということでおります。その際に問題になっておりますのは、事前に発見する制度と、もう一つは、事故多発者等につきまして、事故をしょっちゅう起こしている者につきましては、これは当然私どものほうも専門医にこれを見てもらうということを考えておりますし、またその方法につきまして精神神経学会のほうとも十分連絡をとりながら、今後そのほうの開拓もやっていくが、この問題は専門医師だけではなかなかむずかしいということで、先ほど来説明しておりますように、やむを得ず、ある程度の知識を持たれております一般医の医師に見ていただくという次善の策であるわけであります。今後、厚生省ももちろん一緒になりまして、私どもと専門の医師の学会と十分協議を遂げまして、さらによい制度の開拓に努力するという方針を相談しておる次第でございます。
○木村睦男君 そこで、一つの提案なんですが、運転免許を受ける者全部にわたって医師の診断ということになりますと、いま厚生省のお話のように非常に困難である、また、どんな医者にでもということになると非常に欠陥もあるというふうなことなんで、それはそうだろうと思います。そこで、先ほど交通局長のお話の中に、事故多発するかどうかテストの方法がある、たしかこれは、ドイツかどっかで考えて、日本なんかでも私鉄の運転士あたりでやっておる、事故多発的な性格を持っておるかどうかということを発見するテストの方法がありますね。おそらくあのことだろうと思うんですが、この方法によっても、先ほどお話のとおり、これでもって法律上のきめ手にして、そのテストに合格しなければ運転免許はあげられないというのではいろいろ問題があるということで、それもごもっともだと思うんです。そこで、その事故多発のテストの結果によって、極端に悪い結果が出るのと、中くらいと、いろいろあるわけですが、一応そのテストは制度上やることにして、そうしてそのテストだけをきめ手にしないで、そのテストの結果極端に悪い者は非常に少ない、その少ない者だけを医師の診断にまかすというふうな方法でいけば、医者が少ないということもそう問題にならないし、また、精神障害による事故の未然の防止ということにも役に立つんじゃないかという感じがするのですが、そういう点については、どうですか。
○政府委員(鈴木光一君) ただいまの御意見、まことにけっこうな御意見だと思いますので、今後専門の学会との協議の場においてその御意見を十分反映いたしまして、さらに検討を進めたいと考えます。
○木村睦男君 まあ、当面の問題として、ぜひ当座の問題として、なるべく精神障害によるそういったものを早期に発見して、運転免許の段階においてチェックするということを、当面の方法として両方組み合わした方法でいい方法があれば私は考えていただきたいと思うのです。恒久策としては別途に関係省で考えていただいて、とにかく一日でも早く精神障害者を発見する、そうしてそれを原因とする事故をなくすということにぜひ努力をしていただきたいと思います。
○大倉精一君 次にお伺いしたいことは、事故が起こると運転手が悪いということで片づけられるわけなんですけれども、運転手の悪い背景には幾つか問題があるのですよ。特にきのうは、衆議院のほうでダンプカーの問題を取り上げられておったようでありますけれども、私は、変わった観点からこの問題をお伺いしたいと思うのだが、これは取引関係を調べなければいけないと思うのですね。ところが、砂利を採取するほうは建設省の所管であり、商売をするほうは通産省の所管であり、さらにまた、建築業者との売買等は、これはまた通産省の所管であり、それから、もぐり業者等については警察庁の所管だ、こういうことになっているのですね。ですから、ダンプカーというものが暴走する原因というものは、この砂利の採取、取引、この形の中に非常に大きな原因があると思うのですね。これは、長官、どういうふうに把握されておりますか。砂利採取業者の砂利の採取、建築業者との取引関係、こういう問題ですね。これはいかがでしょうか。
○国務大臣(塚原俊郎君) ダンプ業者の中には非常に零細企業者が多いので、かなりたたかれるような場合も多い。したがって、そこに労働基準法を無視したような暴走も行なわれるというふうに私は受け取っておりますが、きのうも、衆議院の委員会でも問題になりましたし、また、ダンプカーに対する問題――まあ、いろいろ原因はあるでしょうけれども、それが一番いま世論の関心事になっておるというようなことから、特にうちの交通対策本部の中にダンプカー等による事故防止という一つの専門部会を設けまして、いま御指摘になったような点、これまた各省にまたがっておりまするので、各省の関係の方のお集まりを願って、これは相当前向きで真剣にやっておるわけであります。いま冒頭に申しましたような、やはり零細企業者が多いために非常な無理があらわれておる。私は、これは率直に認めます。
○大倉精一君 まあ、前向きはけっこうなんですけれども、問題は非常に複雑で、むずかしいだろうと思うのです。それはしかし、やはりやってもらわなければならぬ。ダンプカー等ということは、ダンプカー、あるいはタンクローリー、陸送あるいはコンクリートミキサー、こういうものだろうと思うのですね。こういう業者は、おしなべて非常に無理な使い方をするのですね、運転手の使い方を。ですから、事故の相当の部分というのは居眠り運転。この前の猿投の事故、私は現場に行って見てまいりましたけれども、これも私は運転手が悪いとは思えなかった。つまり、うつつとした瞬間にあの事故が起こったのですね。そうして、あと子供を一生懸命めんどうを見て、非常に自分でも反省をしておった様子でありますけれども、事故は初めてであったようでありますけれども、これも、毎晩おそくまで使って、それを五時にたたき起こして使っておる。こういう事故であったのですね。それから西宮のタンクローリーの事故も、これまた居眠り運転です。ですから、こういう事故が起こるというと、原因は何だ何だといって警察もやかましくいって調べますけれども、背後にあるそういう労働条件というものを調査しないのですね。その労働条件の起こってくる原因というのは、そういう取引関係にある。たとえば、猿投の事故がありましたあとで、ダンプカーの積み荷の制限について非常にやかましい取り締まりが起こった。ダンプ業者は、これではとても商売にならぬからといって、建築屋さんに砂利の、あるいは石の値段を上げてくれ、こう言ったが、建築屋は上げなかった。上げなければもう供給せんぞというような問題も起こっておるのですね。こういうところにメスを入れないというと、私は、こういう問題は解決しないと思うのですね。これは長官だけでなく、各関係省の方に特に答弁を願いたいと思うのです。通産省、建設省、警察、こういうところにひとつお願いいたします。
○政府委員(鈴木光一君) 御指摘のように、ダンプカー等につきましては、運転者の責任だけを追及して事足りてはだめじゃないかという御意見があります。そのためには、いまの道交法の規定の中に、雇用者等におきまして、無免許運転を命じたり容認したり、あるいは酒酔い運転を命じたり容認したり、それから過労運転を命じたり容認したりという場合には、雇用者等につきましても責任を追及する規定があるのでございます。で、さらに今度の国会でお願いしております道路交通法の一部改正案の中に、積載制限違反を命じたり容認したりという場合にも雇用者等の責任を追及する規定をお願いしているわけでございますが、そういう雇用者等の責任を追及する規定を今後とも生かしまして、これを適用いたしまして、その背後関係も捜査していくということに警察としては努力してまいりたいと思っております。
○大倉精一君 通産、建設。
○委員長(成瀬幡治君) 建設省、だれか見えますか。
○説明員(吉兼三郎君) 私どものほうの関係では、特にダンプ対策といたしましては、建設業法という、建設業者の関係の法規がございますけれども、その建設業法の関係におきまして、主としてこういう事故を起こしますのが、大手業者の下請関係において間々ある例でございますので、そういう両方の関係から、下請条件等の合理化なり改善なり、そういった面につきましての一般的な指導監督というものを、業界等を通じて指導いたしておるわけでございます。
○大倉精一君 通産省はいないらしいのですけれども、まあ長官おいでになるから……。たとえば、ダンプといってもいろいろな形があると思うのだが、個人がダンプカーを持って、そうして自分で砂利採取場で砂利を買ってきて、それを建設業者に売り渡すという、こういう一匹オオカミもいるらしいのだが、そういうのは、一体どこで監督取り締まりをやるのですか。
○政府委員(宮崎清文君) 通産省がまだ来ておりませんので、私、総理府の陸上交通安全調査室長でございますが、私の承知しております限りのことを御答弁申し上げます。
 先生御指摘のように、砂利採取につきましては、砂利採取業と販売業とございます。それ以外に、砂利を輸送している業がございます。このうち、採取業につきましては一定の規制が行なわれておりますが、販売業につきましては、現在のところ、特別な規制は行なわれておりません。したがいまして、この実態の把握が非常に困難なわけでございますが、私たちの推定によりますと、ダンプカーを現在使用しておりますものの七、八割が非常に零細な販売業者であるか、あるいはいわゆる代車業といっております販売の下請をしながらこれを運搬している業者である。その中には、ただいま御指摘の一匹オオカミが相当数含まれておる、このように推定をいたしております。
○大倉精一君 これは運輸大臣にお伺いするのですけれども、この前ちょっと伺ったところによりまするというと、やみダンプ業者は一括して免許を与える、免許業者にすると、こういう運輸省の方針を承ったんですけれども、むしろ、そういう悪質業者は、営業停止というか、あるいは運行停止を命ずるというのが本筋じゃないかと思うんですけれども、そういうやみ業者を集めて免許を与えて営業行為をさせる、こういうことを聞いたんですけれども、その真相はどうなんですか。
○政府委員(原山亮三君) ダンプの輸送いたしまする車両は現在約十三万両ございまして、そのうち、営業者と申しますのは約一割程度しかございませんで、ほとんど九割程度は自家用である。しかも、その自家用のダンプ輸送のやり方が、先ほど総理府のほうからお答えになりましたように、いわゆる一匹オオカミ的なものでございまして、一人が月賦で一台ダンプを買う、それで砂利販売の下請のようなことをやるというようなことでございまして、その契約形態が、業務の下請なのか、あるいは自動車を賃貸借してその砂利販売業者の使用人になってやるかというふうな場合とか、いろいろございますので、そういうふうなものが業務の下請行為をやった場合においては、もちろん営業類似行為として道路運送法に違反するということで、それは当然法違反でございます。したがいまして、こういうふうな違反行為につきましては、猿投の事故以来、われわれのほうと警察のほうと協力いたしまして街頭取り締まり等をやってまいりまして、相当違反件数をあげておりますが、こういうふうなものが、取り締まりがきついために、結束してある一つの協同組合なりあるいは会社をつくってやるから免許をしてくれないかというふうな動きがございますので、われわれとしては、現在のような一匹オオカミが形式的に団結しただけでは免許をおろすわけにはまいらぬ、そういうふうなものが車両管理なり運行管理なり経営管理なり、そういう面において事故防止体制が十分にしかれているものについてのみ免許を考えてもいい、こういうふうな方針で指導してまいったわけでございます。
○大倉精一君 関連質問もあるようですから、長官にこの問題について注文をつけるんですけれども、未端の現象だけつかまえてもいけないんであって、いま申し上げたこの問題をひとつあなたのほうで取り上げて、早急に決着をつけないといけない。こういうのを野放しにしておいて、そうして組合をつくらせるんだ、なになにするんだと、こう言ってみても、これはどうにもなりません。法の不備があれば法を直す、こういうことにしまして、こういうダンプ業者、あるいはセメントの輸送、あるいは陸送、あるいはまたタンクローリー、こういうものの実態をひとつ把握してこれに決着をつけないというと、大型自動車の事故はなくならぬと思うんですが、長官、どうですか。各省にまたがっておりますから、あなたのほうの手で、こいつを早急にひとつ決着をつけるという方向に向かってやっていただくわけにはまいりませんか。
○国務大臣(塚原俊郎君) 大倉委員のその前のお話にありましたように、いわゆる零細業者、一匹オオカミ、さらには建設業者その他の関係者との間において妙な悪循環が行なわれつつあることは、実は私も承知いたしておりまして、非常に心配しております。いま、交通問題についてはずいぶん問題がありましようけれども、当面なさなければならないのはダンプに対する規制措置であるということは、これは一つの世論になっておると私は考えております。実は、繰り返すようでありますが、ダンプに対する専門部会もこの問題に一番ウエートを置いて、いま各省間の調整をはかり、警察だけではやれない面がある、あるいは運輸省のいままでの措置についてどうこうという、よそから見るといかにもなわ張り争いに見えるものもありましょうが、そういうものをなくしまして、この問題をすみやかに解決しなければならないと私は強く考えております。
○奥村悦造君 自動車局長にお尋ねいたしますが、自家用車と営業車との区別、たとえば白タクを検挙されるが、貨物輸送に対する自家用車と言えば、自分のところの製品を自分のところで運ぶことが自家用車である、こういうふうに考えておりますが、料金をもらったら、それは営業になるということではございませんか。ただいまお話しになっております一匹オオカミというものは、ほとんど運賃収入によってやっているものでございまして、バラスを買うて販売しているということは、これは名目だけでございまして、これが大きくなりますと、一匹オオカミが五台も六台もダンプカーを持ちまして運賃かせぎをやっている業者が多いのです。こういうことで、自家用車の申請をするときに、地方の道監におきまして、これが真に営業を行なうものであるか、または料金収入でやるものであるか、またバラス業者にいたしましては土場を持たなければ採取ができない規定になっている。そういうことで、自動車の新車を買い入れたときに、申請すればネコもしゃくしもだれにでも自家用のナンバーをお渡しになる。道路監理事務所が今日までにその自家用車が営業車であるかということを詳細に調査されれば、今日このようなダンプの問題が起きなかったと思うわけでございますが、そういう点はどういうふうに調査あるいは検挙されているのですか。
 私は滋賀県の者ですが、長年バラス採取組合の連合会長をいたしておった者でございます。そういうことで、私が聞いておりますと、現実とかけ離れた御答弁でございます。また建設省のほうにいろいろとお尋ねもいたします、これに関連いたしまして。それは、貨物自動車はダンプカーだけはさし板をとらしております、警察は。しかし、ほかのトラックにおきましては、大きな、トンネルを通れないような車体の車もございます。ダンプカーだけさし板をとらし、そうしてほかの大型トラックにおいてはそのままやっている。いろいろと、この問題につきまして手落ちがあるのじゃないかと私は考えるわけであります。また、建設業者におきましては名義貸しというのがございます。例をあげますと、大林組なら大林組の看板を車体に書いておりますが、現実には一匹オオカミがそれを持って、土を運んで料金かせぎをいたしている。こういうことで、私は、許可される点において、もう少し現実に調査をされて許可をされれば、こういう結果にならなかったかとも考えるわけでございます。
 また、さし板をおとらせになる。これで、立米でいえば九立米半あるいは十立米を積めておったのが、五立米しか積めない。そうなりますと、建設業者がそれと同じように仕事の速度が落ちてまいりますれば、むずかしい問題は起きないのでございますが、そうなってまいりますと、十三万台あるこの車が、二十六万台にならなければ需要に応じ切れないというようなことになってまいりまして、いろいろと交通安全対策をやられるが、車の数はどんどんふえてまいります。現在、いすゞ、日野、ふそう、この会社に新車を申し込みましても、三月たたないとわれわれの手に入らないわけであります。規制されればされるほど車が多くなってまいります。こういうことで、このダンプカーの許可の問題につきまして、能力があるのかないのかという点を十二分に調査をしなければ、私はこの問題は解決つかないと思う。また、さっきから一匹オオカミと申されますが、一匹オオカミが、たとえば人を殺します。そういたしますと、あの保険金額で話のできない場合がございます。そうすると、その一匹オオカミを雇っている方が、使っている方が、被害者に金を立てかえて払う。そういたしますと、早く償却しなければ一匹オオカミはやっていけないわけです。そういたしますと、スピードを出して、五回出るところを七回行って、早くそのなにを償却しなければならない。こういうことになりまして、いろいろな問題があるわけであります。
 それで、私は自動車局長にお尋ねいたしたいのは、自家用車と営業車、これは、普通貨物では白ナンバーのトラックで物を運んでおれば検挙されますが、ダンプカーは料金かせぎが多いわけです。ほとんど料金かせぎです。この料金かせぎであるかないか、この点をどういうふうにお調べになっておるか、そのお調べになっておる、それを詳細にお聞かせ願いたい。そういう点はやられたことはございませんか。たとえば、滋賀県におきまして、逢坂山の検問所がございますが、重量看貫は警察がいたしますが、この白ナンバーは料金を取って運んでおるのか運んでおらないのかということは警察はおやりにならない。それは、道監があすこに出張して、警察官に車をとめてもらってやっておるということで、一年に一回ぐらいおやりになっておりますが、そういう面はございませんか。こういうことで、私はダンプカーの規制、この問題につきましては、自動車局がもう少し慎重にこの白ナンバーを渡すということにされたら、こんなものは、ワイワイやかましく言わなくても私は解決がつくものだと思うわけです。私もダンプカーを現在七十台持っておりますので、一番よくわかるわけです。
 それで、一匹オオカミ、一匹オオカミと申されますが、この一匹オオカミが大きくなりますと、自動車の運転をしておった人が、たまたま金が入るもの、だからこれが五台、六台持ちまして、自分で運転しながら自家用車を持ってやる。こういうことで、ガソリン代は払えない、自動車の修理賃は払えない、また手形が落ちない、によってその車は引き揚げられる、こうして、滋賀県あたりにおきましては、不渡りを出しまして倒産して、あらゆるところに損害を与えております。こういうことも、自動車局が慎重に信用程度を調査されてやられなければ、こういう結果が経済界に及ぼす影響は非常に大きいものがございます。滋賀県あたりに参りますと、運転手が車を五台ぐらい持って、その自家用車のガソリン代は払わない、修理賃は払わない、そういたしておりますと、自動車の償却ができないということで、たくさん倒産するのが出ております。
 こういうことで、私は、このダンプカー対策につきまして一審重要な問題は、料金収入でやるものを自家用車と自動車局長はお認めになるのか。また、自分のところの製品、土場を持ってやる業者が、直接自分の計算で、自己計算で、これが何ぼ、立米何ぼということで運ぶのか、また一立米何ぼで運ばすのか、この点を自動車局長はどういうふうにお考えになっておるか、これが一番私は根本問題であると思います。また、いろいろな建設現場におきましても、この立米何ぼで運賃かせぎをやっておる一匹オオカミが多いわけです。これを自家用車か営業車かという問題で、ほかのトラックあるいは車につきましては取り締まりをやられるが、このダンプカーたけは営業と自家用との区別をはっきりとされておらないということが、この十三万台にのぼった原因だと、かよう私は考えるわけでございます。その点、自動車局長ははっきりと、自家用であるのか、営業用であるのか、また、許可をするにして、それがバラスを土場から買うて販売に行く資力があるのかないのか、そういうものを一々調査されて、その上で許可をされるなら話はわかるが、自動車販売店が申請書に判を押して持っていけば、だれでもその自動車の免許を与えているというところに私は欠陥があるのじゃなかろうかと、かよう考えますので、それで、局長は営業車と自家用車との区別をはっきりしていただきたいと、かよう考えるわけでございます。
○政府委員(原山亮三君) 営業車と自家用車の区別でございますが、営業車と申しますのは、他人の需要に応じて自動車を使用して旅客または貨物を輸送する、これが自動車運送事業といわれる営業用でございます。それ以外のものはいわゆる自家用、白ナンバーといっておりますが、ダンプの場合におきましては、他人の需要に応じて砂利等を運搬するものは、免許申請をしまして自動車運送事業の免許を受けておるものが、現在その十三万のうち約一割という実情でございます。それ以外のものの運送形態、販売形態というものは非常にまちまちでございまして、たとえば、販売業者の下請というような形でやるような場合は、確かにこれは営業類似行為として道路運送法に抵触するというようなことになろうと思いますが、それ以外に、販売業者の使用人として、自分の車を販売業者に貸すというような形でやるような場合も相当ございまして、実際街頭検査等でつかまった場合に、営業類似行為としてつかまえようとすると、そういうふうな販売業者の使用人であるというような形でもって逃げる。それから自家用の面でつかまえようとすれば、それはそうじゃないというようなことで、非常にその辺が複雑になっておりまして、その辺むずかしいのでございます。それから先ほど、そういう面の取り締まりか年に一回とかいうようなお話がございましたけれども、われわれのほうの実績では、昨年の暮れから最近の三月まででも、すでに全国で実施回数が五百二十九回も街頭監査をやっておりますし、それによる調査しました車両数が三万三千七百一両ございまして、違反摘発件数は、道路運送法違反で三千五百八件、道路運送車両法違反で九千六百九十四件というような数字も出ておりますし、営業用に対しまする臨店監査もそれぞれ行なっておるようなことでございまして、自家用車についてのナンバープレートの交付につきましては、現在自家用として成規の手続でもってナンバープレートの交付申請があった場合は、そういうふうな営業用かどうかという、そういう内容まで審査せずにナンバープレートは交付するというふうなたてまえになっておりますが、ダンプについてはそういうふうなことでは相当問題があるということで、先ほどから総理府からもお話がございましたように、ダンプ専門部会でそういうふうな自家用のダンプについての規制方法等につきまして現在鋭意関係省と御相談をしておるような次第でございます。
○委員長(成瀬幡治君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(成瀬幡治君) 速記を起こして。
○瓜生清君 総務長官に伺いますが、時間の制限があるようですから、一問に限定してお答え願いたいと思います。
 実は、私は同じような質問をこの委員会でこれで三回するわけですけれども、交通安全の連絡会議にしろ、産業公害の対策会議にしろ、政府の中で持たれるそういう各省庁にまたがる事項に関しましては、先ほども大倉委員から指摘されましたとおり、非常になわ張り争いが多いのじゃないかというふうにわれわれも見ておるわけです。で、長官は、先ほど漸次そういう傾向がなくなって、スムーズにいっておるというお話でございますが、私は必ずしもそうじゃないというふうに考えておるわけです。その証拠に、昨日たまたまテレビを見ておりましたところ、例の交通安全週間かなにかで、陸橋にたれ幕をするということについて、警察の意見と建設省の考え方とが対立しておるという、そういうことを報道しておりましたが、かりに、長官のおっしゃるとおり、そういうような会合がうまくいっておるとしても、それは各省庁のトップクラスの間ではそういうふうな方向に行きつつあるのかもわからないけれども、そういうような事態というものが、いわゆる下部機構にまでよく浸透していないのじゃないか、こういうふうな印象を強く受けるわけです。そこで、これからいままでの膨大なそういった組織というものを急に刷新強化するということは困難だろうと思いますけれども、ひとつ長官の、そういう調整役として今後どういう決意を持っておられるか、それを一つ、たけ伺いたいと思います。
○国務大臣(塚原俊郎君) 私の役所にありまする交通対策本部、これは、その会議は次官クラスをもって構成され、また、その幹事会は局長クラスをもって構成され、また、その下部に課長並びに係長クラスというふうに、できるだけ、いま御指摘になったように、上はわかっておるが下はわからぬというようなことをなくするために、私は就任以来、そういった会合をひんぱんに開かしておるわけであります。
 そこで、いまの陸橋の、警察と建設省のほうとの対立ということは、私はそう深くは考えておりませんでしたが、テレビではどう取り扱われたか、事実とすれば、はなはだ遺憾でありますが、私はもちろん民間人でありますので、役所のなわ張り争いというか、そういうことについては、まっこうから文句を言った一人でありますので、今度こういうポストにつきましてからは、うちの交通安全調査室長を通してこういう会議を開いておりまするが、強く私の考えも申し上げ、また関係者に対して、問題があったようなときは私が直接に上からこれの調整をつけるということをやってまいったつもりでございます。しかし、御指摘のような面も確かにまだあると存じまするが、私は、ほんとうに強い決意でこの総合調整の任に当たらなければ、この目の前の、いまこうやって申し上げているときにも痛ましい犠牲者ができるという、こういう大きな政治問題を解決することはできないと考えておりますので、いま御趣旨のようなことは私も強く考え、微力ではありまするが、この線に向かって今後できるだけの努力をいたす考えでございます。
○戸田菊雄君 いまの長官の話は、いろいろ聞いていますと、何か交通安全対策本部というものはできたけれども、それは各省のいわば縄ばり争いの調整機関のようなものだ、こういう印象を強くするわけであります。もっと交通安全の、やはりいま長官の言われましたように、こういう論議をやっておる中でもいま傷害事故が発生する、きわめて残酷な状態までいっておるわけであります。そういうものに対して、交通安全対策として、一体、安全のための基本政策とこれからどういうふうに取り組んでいくのか、その辺がはっきりしておるなら、お聞かせ願いたい。
○国務大臣(塚原俊郎君) 冒頭に、委員長から所信を表明する機会を与えられまして申し上げた中にも、その点は私強調いたしたつもりでございますが、私の考えといたしましては、日本の場合には歩行者に非常に犠牲者が多いという観点から、基本方針を四つの柱に置いておるわけであります。いわゆる道路等を含めた交通安全施設の整備の問題がまず第一。それから第二に、交通取り締まりの問題。それから第三に、交通のモラルと申しまするか、交通の道徳教育の問題――これを三つの柱。先ほど申しましたように、日本においては歩行者に非常に犠牲者が多いということで、その災害を受けた方に対する救済という、この四つの柱を基本線といたしまして、私はこの問題と取り組んでおるわけでございます。いま申されたような、決して各省の縄ばり争いを調整するだけではなくて、少なくとも今日許された機構は、こういう機構以外にはないという現実の面から考えて、この四つの柱を基本といたしまして、それぞれの関係各省との調整をはかりながら前向きに対策を考慮し、またこれを実行に移しておる次第でございます。
○戸田菊雄君 その四点の基本政策を示されたのですけれども、私はいまの基本政策では不備だと思うのです。確かにこの道路行政、施設整備、こういう問題については全く賛成です。私は少なくともいま交通災害が出ているというのは、一つは運転する側の運転者の生活保障がないということ、あとから具体的に質問をしてまいりたいと思うのですが、もう一つは何といっても道路行政だ。もう一つは医療体系と申しますか、さっきも大倉先生からいろいろと話をされましたけれども、災害の発生は、昨年の十二月ごろの統計によりますと、あとから質問をいたしますが、たしか四十二万人と記憶しておるのであります。このくらいの膨大な件数があるのだけれども、その災害の救済措置ということが全然なされていない。こういう問題についてはどう具体的に取り組んでいただいておるのか。ことに専門的な医療行政の神経外科医、こういったものが私の記憶では約百名ぐらいしかおらない。なおかつ、四十二万人の中で八割見当がほとんど頭部損傷ですから、専門的なお医者さんに見せれば、そういった傷害者というものは容易になおる。いまの医療形態ではなおるし、後遺症というものは発生しなくて済むといわれておるが、そういう対策ができておらない。こういう医療態様について、根本的にこの問題についての救済措置をやっていかなければならないと思うのです。もう一つは、やはり不幸にして災害が発生したという場合の補償態様というものを、どういうふうに政府は考えるか。たとえばある人は五十万で一個の生命が片づけられ、ある人は一千万円で一つの生命が片づけられる。こういった問題について、一体国の立場として、安全対策という立場から現行の補償態様というものについて、国がどういうように考えているか。そういうものが全体的に網羅されていない限り、交通安全対策にはならぬと考えておりますが、この点について長官はどういうふうに考えておられますか。
○国務大臣(塚原俊郎君) 御指摘の点もっともだと私は考えております。ことに頭部傷害その他救急対策と申しますか、これはほんとうに全精力を注がなければならない問題で、第四の柱をあえてつくりましたのも日本の特殊性であります。そこで四十一年度に計画をしました交通安全のための三カ年計画を二年に繰り上げて、横断歩道橋とか、ガードレール、だとか、信号機だとかいうものを二カ年に繰り上げてやるということももちろんでありますが、アフターケアの問題についても真剣に考えなければならないので、ただいま御審議を願っている四十二年度予算におきましては二百六十九億だったと思いますが、四十一年度と比較しまして八四%ぐらいの増加措置をとっておるのであります。もちろんその中には医療救急体制と申しますか、特に頭部の事故に対する救急措置、これはあとで専門的に厚生省のほうからでも御説明を願えればいいと思いますが、そのための措置は十分にとっておる次第でございます。
○政府委員(宮崎清文君) 補足して説明さしていただきます。
 ただいま御指摘の三点につきましては、実は長官が申しました四本の柱にすべてこれを含めて考えております。第一の問題は、いわゆる運行管理体制の問題あるいは安全運転管理の問題だと思われます。私たちは、非常に広い意味におきまして、先ほど長官は交通安全教育と申されましたが、交通安全運動――何と申しますか、安全運転の確保という見地から事業所におきまして、運行管理体制あるいは安全運転管理体制をさらに強化いたしまして、御指摘のように、運行管理が悪いために、運転者が過労その他によって事故を起こす、こういう点を防止してまいりたい。また現行の道路交通法その他におきましても、両罰規定というものがございまして、雇い主なり事業者なりが積極的にそういう違反をさせたような場合には、雇い主なり事業者も罰せられるというような体系になっておりますが、これらをあわせて考慮してまいりたいと思います。
 それから救急医療の問題でございますが、これは後ほど厚生省からも詳細な御説明があると思いますが、政府といたしましては、本年度以降これを交通安全施策のうちでも特に重点事項の一つとして取り上げまして、これは御承知のように脳神経外科を含含めました救急医療センターというものは、通説といたしまして人口百万人に一カ所が至当であるというふうに考えられておりますが、大体日本におきましても、人口が一億ございますので全国に百カ所程度の脳神経外科を含みました救急医療センターを設置すべく、昭和四十二年度予算におきましてはその初年度といたしまして約二億六千万程度の予算を計上いたしております。
 それから被害者の救済のもう一つの損害賠償の問題でございますが、これにつきましても先ほど長官の所信表明にもございましたように、現行の自動車損害賠償保障法に基づきます強制保険の金額を、死亡事故につきまして現行は百五十万円になっております。これはまだ確定はいたしておりませんが、少なくとも三百万円程度には引き上げたいということを目標にいたしまして、現在関係省庁で検討中でございます。
 なお、それ以外に、被害を受けられた方々が事故相談で非常にお困りになっていらっしゃる、こういう事例が非常に多うございますので、これは総理府におきまして補助金をとりまして、大体ことしの七月を目途として全国の都道府県にすべて都道府県の交通事故相談所を設置する、これに要します所要の経費を国が補助をいたす、こういうことを考えております。
○大倉精一君 長官は、時間がきたようですので、いずれまた続いていろいろ次の機会にもお尋ね申し上げますけれども、きょうの最後として、さっき長官は四つの柱と言われましたね、四つの柱。私は、この四つの柱というのはスリーE、それから救済救護ですか、つまり外国でやっているものの焼き直しみたいなものですね、これは。そのほかに大事なことは日本独得の商取引習慣があるのですよ。これにメスを入れなければならない。そうすることになると、交通対策本部長官というものは非常な政治力が要るということですよ、政治力が。あとで大橋大臣にもお伺いしますけれども、まず第一番に要員不足ですよ。取り締まりをやるといったって、青い腕章を巻いている者が一体何人ふえましたか、ふえておりませんよ。あるいはいま奥村君が言いましたけれども、一体陸運事務所の人間はどうなっておりますか、一向にふえていませんよ、そういうもので陸運行政をやれといったって無理です。そういうものを解決してもらわなければなりませんので、非常に大きな政治力が要る。こういうことで、長官、幸いにして相当のあれを持っておられるからいいと思うのですが、そういうつもりでひとつ取り組んでもらいたい。きょうのいままでずっと論議のありましたところの、たとえば砂利採取業者一つをとってみましても、その取引習慣というものにメスを入れなければならない。だから、五つの柱にして置かなければならぬ、四つの柱ではこれは外国の焼き直しです。そういう点について一つ特に御要望を申し上げておきたいと思います。これは答弁は要りません。
 そこで運輸大臣に、関連してお伺いいたしますけれども、いまちょっと触れましたように、交通事故対策に関連をして陸運行政というものに非常に大きなメスを加えなければなりませんけれども、その根本をなすものはやはり要員ですね。要員が非常に足りないのですけれども、これは大臣、どういうぐあいにお考えになっていますか。
○国務大臣(大橋武夫君) 先ほど来重要な交通安全の問題につきまして、委員の皆さま方の貴重な御意見を拝聴しながら、隣におりまする自動車局長ともいろいろ今後の対策を、会議中はなはだ失礼でございますが、私語の間に相談をいたしておったような次第でございます。何と申しましても、ダンプカーの取り締まりということにつきましては、これがちょうど運送業法と、それから自動車の取り締まりの関係との盲点にあるような状況にございまして、自家用車の看板、番号札を掲げておりまする関係上、運送業法によるところの厳格な取り締まりに服さしめるということができないうらみがございます。何とか、ダンプカーでありまする限りは、一般的な使用それ自体を許可制のもとに置くというような方法はないだろうかというので、かねてから一応、五トン以上の貨物自動車あるいはダンプカーを業務上所有しようとする場合においては、官庁の許可を受けなければならぬというような制度が、とれないものであろうかということを検討いたしておったのでございますが、さて、その許可官庁でございますが、一応警察はどうであるかということで、いろいろ警察方面とも相談をいたしておるのでございますが、警察としても営業の免許というような形に近い行政処分であるから、いまの警察としてははたしてそういう行政処分について適格性があるか。この点に問題があるということで、目下のところ交通対策本部の会合におきましても相談がまとまらないような次第でございます。まあ、そういう事情であるならばやむを得ないから、ダンプカーの使用については運輸省の許可を受けさせるというような制度でも立法措置によって新しくこしらえよう。こういうふうなこともいまここで話し合っておったようなわけでございますが、さような事態に相なりますると、何と申しましても必要なものは取り締まりの人員でございまして、これについて今後努力しなければならない。ぜひとも来年度においては取り締まり官の増員という問題を取り上げよう。こう考えるわけでございまして、ただいま総務長官ともここでその話をいたしまして、いろいろそういったような問題についてもひとつ御協力、お取り上げをいただきたいということをお願いし、ぜひやろうというようなことをここで陰ながら話し合っておったような次第でございます。
○大倉精一君 けっこうだと思うのですけれども、大臣、これはずいぶん前からの話ですよ、これはずっと前からの話です。これはやはり委員会の答弁ではどうもいいぐあいに答弁があるのですけれども、なかなか実現しない。こういうことですから、ぜひともこれはひとつ実現をお願いしたいと思います。
 それから、ダンプカーに限っていろいろ言われておりますけれども、さっきの奥村さんの言ったような形態は鉄鋼輸送、木材輸送にもあるのです。これは同様に、やっぱり検討を加えなければならないと思います、同様に。それは、さっき申しましたように、日本独特の形態がありますから、そういうものにひとつメスを加えていただかなければならない。これは鉄鋼なり木材につきましてもやってもらいたい。
 そこで、時間が私一人であれですが、労働省のほうから来ていただいておりますので、これに関連をしてお伺いしたいと思うのです。特に長距離トラック輸送ですね、労働者の労働事情といいますか、そういうものにつきましてILOの決定があるはずですね。それに基づいて、いまフランス、ドイツでは長距離輸送の運転者にカード式のものを持たせて、そして何時から何時までハンドルを持った、何時から何時まで休憩をした、何時から何時まで解放された。そういうものを持って歩かせておるのですね。そして、路面におけるところの交通取り締まりのときに、それを示させて、それによって一見して運行管理の内容がわかる、こういう制度をとっておるのですけれども、労働省、それを御存じあると思うのですけれども、そういう問題も検討をしてもらったらどうかと思って、きょうは来てもらったのですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(村上茂利君) 私、実は外国の制度をあまりつまびらかにいたしておりませんが、ILOの条約などを見ますると、わが国の場合と違いますことは、いわゆる実作業時間というものを考える、また運転時間という考え方を中心にして労働時間その他の規制をいたしておるようでございます。そこで、いま御指摘のような形で、この実際の運転時間なり、あるいは作業時間を把握すると、こういう手段もいろいろ考えられておるわけでございます。ところで、わが国の場合はどうかと申しますと、いわゆる労働時間というものが休憩時間との結びつきで労働時間と休憩時間、こういった形で扱われておりますので、その実作業の状態を的確にとらえまして、それで長距離運転などの場合に適正な労務管理なり規制を施すという措置が、実は十分でなかったように思うわけでございます。しかし、労働省といたしましては、昨年の春及び秋に相当大がかりな一斉監督指導を行ないまして、約一万の事業場につきまして相当徹底的な監督指導をいたしたつもりでございます。その結果、法違反の問題以外にかなり労務の実態を知り得たと私ども存じております。そこで、本年二月に通達を発しまして、労働時間等の改善基準を示したわけでございます。その中で作業時間という概念を入れまして、休憩と作業時間との判断をどうすべきか。そうして作業時間を中心にもっと厳格に扱うべきであると、こういう考え方を一応導入いたしまして、新年度からその方針でいま監督指導を行なっておるような次第でございます。その問題を考えますにつきましても、先生御指摘のように、実際何時間労働したかということがなかなか使用者側から把握しづらい、こういう問題がございまして、何らかの形で実作業時間を明確にさすということが、私どもの監督指導と関連いたしまして非常に重要な問題になってきておる。で、結局、使用者の手を離れて労働しておるわけでございますから、いつもその労働時間の問題になりますと労使の間できめ手がないと、こういうことからいたしましても、何らかの処置を考えなければならないと私どもいろいろ検討しておる次第でございます。
○大倉精一君 あなたの通達も一応内容は拝見しましたけれども、私は野放しにしておいたんでは、業者はそれをやらぬ、だろうと思います。それでいま申し上げましたカード式のことはまだ御存じないようですけれども、ILOの決定に基づいたその指導方法ですね、ドイツ、フランスにはこれがありまするから、ひとつぜひ参考にしていただきたい。これは運転中トラックに乗っておってハンドルを握るときにはちょっとこうしるしする、何時から何時まで、降りたら何時から何時まで。しょっちゅう携帯しておりますから、警察官が道路で免許証を見せろと言ったときにそれを一緒に見せる。そうすればすぐ一見して労働事情がわかると、こういうことをやっておりますから、ぜひひとつ御検討と研究を願いたいと思います。そこで、そういうぐあいにしないと、たとえば今度大型トラックにタコメーターを取りつけると言ってみたところが、そのタコメーターを一体だれが検討するか、こういう問題が出てきます。そういう問題もぜひひとつお願いしたいと思います。と同時に運輸省は、自分の免許した業者のことであるから、乗っかっておる労働者は労働省だ、おれのほうは関係ないわいと言わずに、やはり免許とそれを運転する労働条件というものとは一緒にして考えてもらわなければならぬと思うんですけれども、従来ややもすれば、そういうトラック運転手等の労働条件については、これは運輸省の関知したことではないというような、そういう態度をちらっと見ることがありますけれども、これはひとつ営業を免許する責任官署ですから、これを運行する、そういう労働条件については格段のひとつ関心を持って労働省と十分に連絡をとってやってもらいたいと思いますけれども、大臣、ひとつ御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(大橋武夫君) 従来から貨物運送事業の免許にあたりましては、この事業が円滑に運営されるようにということが前提で免許を与えておったわけでございまして、その趣旨は経営がうまくいくというだけではなく、労働条件等についても適正な条件が維持されて、社会に弊害を流すことが絶対にないと、こういう確信のもとに免許をいたしておったような次第であるわけでございます。ところが何ぶんにも、その後の自動車等の増加によりまして取締官等の人手不足を来たしまして、そうした関係上、労働関係等にまで監督の手が及ばなくなったということは、まことに申しわけない次第だと存ずるのでございますが、今後はそうした面をぜひ是正いたしてまいりたいと存じます。
○大倉精一君 最後になりますけれども、いまのお話ですね、これはぜひお願いしたい。特に営業免許をやる場合には労働条件も書いてあるはすですね。その免許労働条件を見ればりっぱなものだから確信を持って免許する。ところが免許したあと点検してないから、その後の事情がさっぱりわからぬというのが現状ではないかと思います。したがって免許した責任上、その後においてもその社員等の労働条件が守られておるかどうか点検する責任が私はあると思う。これはぜひお願いしたい。
 そこで総理府に、最後にお伺いしますけれども、交通安全基本法というものを出せという、こういう答申か何かあったはずですけれども、その後、交通安全基本法の作業はお進みになっておりますか。
○政府委員(宮崎清文君) 御承知のように交通問題につきましては、昭和三十九年、内閣総理大臣の諮問機関でございます交通基本問題調査会が答申を行なっております。この答申の中におきましても、たとえば交通基本法のような総合的、総括的な法律の立法を検討すべきであるということがあります。したがいまして自乗、総理府におきましてもこの基本法の問題は研究はいたしておりますが、ただどういう事項を盛った内容の法律にするか、その他いろいろ問題点も多うございますので、現在の段階におきましては関係省庁と集まりまして事務的な研究会を開いておる段階でございます。
○大倉精一君 もうすでに公害基本法案もできたようですけれども、この重大な問題になっている交通問題に対して基本法がいまだできないということは、これは怠慢のそしりを免れぬのじゃないかと思います。早急にこの交通安全基本法というものを準備をされて、そうして各省庁にわたっておるものを、きゅっと一本でもって締めくくっていくというような、そういう立法措置がなければ、いつまでやっていても、何々対策委員会をつくってもしょせんは寄り合い世帯、失礼な話であるけれども、総理府総務長官が一切されておっても、いうならば庶務課長みたいなものであって、これでやれと言う権限はないわけですから、そこで一本筋を通すためには基本法をつくらなければならぬ、これは非常に大事だと思います。きょうは長官おいでになりませんけれども、いかがでしょう、早急にこれはひとつおつくりになることはできませんか。
○政府委員(宮崎清文君) ただいまの御意見まことにごもっともであると思いますので、今後早急に検討いたしたいと思っております。ただ、おことばを返すわけではございませんが、実は交通につきましてはそれぞれ実体法がほとんどできておりまして、それとのかみ合わせをどうするか、いろいろな技術的な問題が非常にございますので、もうしばらく事務的のいろいろな検討の時間をお与えいただきたいと思います。
○大倉精一君 運輸大臣、ひとつこの交通問題の重要な部分を担当しておいでになる大臣ですから、いま私が申しましたように交通基本法をつくるについては、各省庁間のいろいろな錯綜したものがあろうかと思います、相当の政治力も要るかと思いますけれども、大臣として交通基本法を早急につくるという、こういう御努力をひとつ願いたいと思うのですけれども、御所見をひとつ伺っておきたいと思います。
○国務大臣(大橋武夫君) この現下当面いたしておりまする交通安全問題に対処いたしまするには、とうてい運輸省一省の力では足りないのでございまして、この問題につきましては各省が協力一致して当たろうという意味で、交通安全対策本部ができておるわけでございまするので、この安全本部での各省の相談を通じまして基本法をつくろうということに相なりましたならば、運輸省といたしましても、喜んでこれに御協力申し上げる決心でございます。
○瓜生清君 具体的な問題について二、三、各省庁に御質問したいと思います。
 まず、運輸大臣にお伺いしますが、たしか通運関係の中小企業に対しましては、これから育成の方向として中小工業と同じような施策を実行する、こういうふうな方針が打ち出されておると思うのです。そこで私考えますのに、そういうような行き方というものはけっこうだと思いますけれども、ただ普通の工場を合理化するようなわけにはいかないと思うのです。と言いますことは、かりに五台持っておるトラック業者が、十社協業化なりあるいは合併なりいたしまして、一社五十台という規模に拡大しましても、車庫だとか、あるいはまた人事管理の面だとか、そういうものについては合理化というものは可能でありましょうけれども、一たん自分の本拠地を飛び出しますと、一台の自動車に運転手、助手一名ずっというような、いわゆる労働集約的な面が非常に多いわけです。そこでそういうふうなことを考えますと、いわゆる一般中小工場のような協業化なり、あるいはまた単なる合併というようなことをしても、世上言われるような生産性の向上とか、あるいは競争力の培養とかいうことは、なかなかむずかしいと思うのですけれども、一体運輸省としてはたいへん困難な問題の中で、そういうものを処理される場合に一番重点を置かれるところはどこなのか、それを伺いたい。
○国務大臣(大橋武夫君) 非常に重要な問題でございまするが、従来からの経緯等もございまするので、まことに恐縮でございますが、政府委員から一応答えさしていただきます。
○政府委員(原山亮三君) トラック事業の近代化につきましては、中小企業近代化促進法の業種指定を受けまして、それに基づきまして昭和四十一年度を初年度といたします五カ年計画を策定いたしまして、大体四十五年度を目標に輸送の質を向上いたしますとともに、輸送経費の引き下げを、大体一〇%引き下げるという目標でやっております。それから現在、御指摘のとおりトラック事業というものは非常に零細事業が多い。その規模を一定の線にまで上げていく、適正規模に上げるという目標をつくりまして、現在すでに各陸運局で、大都会と中小の都市とはそれぞれ事情も違いますので、都市別の適正規模というものをつくりまして、現在進めておるような次第でございます。それから設備の近代化の問題もございまするので、荷役機械の合理化、近代化というふうなものも目標の一つに掲げまして、現在の労働集約的な事業を少しでも近代化してまいろうということで進めておるわけでございますが、御指摘のとおり協業化の問題につきましては、他の中小工業と違いまして、近代化は、コスト・ダウンの率というものがそれほど大きく期待できないという面もございますけれども、できるだけ輸送の質というものを向上いたしまして、時間をできるだけ短縮できるような方法、荷役の時間を短縮できるような方法というふうなこと、あるいは車両を現在よりも大型化いたしまして、輸送効率を上げるというふうな方法等で、極力近代化の線で四十五年度までに目標を達成するように指導いたしたいと考えておる次第でございます。
○瓜生清君 トラックの運送規模というようなもの――適正規模というようなものが設定できますか、その点一体どの程度のお考えでございますか。
○政府委員(原山亮三君) もちろん場所とか輸送の内容に従いまして、適正規模というものはおのずから異なることと思いますけれども、現在のトラック事業の規模別の比率と申しますか、それは十台以下というものが圧倒的に多うございまして、そういう面から非常に非能率の面、それから労働条件を悪化するというような面もございますので、そういうような面を少しでも上げることによって、規模の拡大によるメリットというものが出てくるのではないか。一般管理費のコスト・ダウン、単位あたりのコスト・ダウンというふうな問題もございますので、そういうふうな面で、三両とか五両とかいう零細企業というものは非常に非能率な面もございますので、やはりわれわれ現在、四十五年度を目標に一応掲げてございますのは、大体十万以上の都市くらいではやはり最低二十台くらいにすべきじゃなかろうか、こういうふうに考えております。
○瓜生清君 この問題は非常に私複雑な要素があると思います。たとえば現在の輸送業務を見ておりますと、こういう問題については大倉委員のように専門家じゃありませんけれども、たとえば高度成長に伴ってトラックのそういうふうな運輸面に占めるウエートというものは年々歳々増大していくと思うのですが、かりに一つの例をあげますと、大阪から東京に荷物を運んでくる、道路はりっぱになったけれども、そのトラックが都内に入ってくると交通麻痺の状態であるから、直接相手の工場なり事業場なり、あるいは倉庫なりに荷物を運んだのでは非常に輸送効率が上がらない。そこで大きな運輸業者としては、東京都内に入ってくるまでに、何といいますか、貨物のターミナルのようなものをつくっておく。政府もおそらく、そういうようなことをお考えになるでしょうけれども、現行の政府の施策というものを見ておると、そういったいわゆる大企業と称される運輸業者に対しては、何といいますか、適切なことばであるかどうかわかりませんけれども、やや有利なそういう対策というものを立てておられる。ところが中小の運輸業者には、そういうふうなものの利用状況というものがきわめて低い。一つの具体的な例を言うと、高速道路ができたけれども、それを利用する中小零細のトラックというものは少ないというようなことが、これは決算委員会の調査室の調べでも明らかにされておるのです。そういうことを考えますと、私は、よほど運輸省当局でいまお考えになっておる施策というものを思い切って、しかも短期間でやらないことには、ただ単にこのトラック業者だけじゃなしに、日本における特殊な現象としてどの産業でもそうですけれども、中小零細企業間の過当競争というものが産業秩序を乱したり、あるいはまた価格を撹乱したりしているわけです。で、ただ単にそういう中小の運輸業者だけを責めるわけにもいかないし、また政府のやり方というものがその点だけに限って手抜かりがあるわけじゃないですから、運輸当局の苦労の存するところもわからぬことじゃないけれども、何といっても、これからトラック輸送というものが近距離、長距離を問わず、国鉄の輸送にさえも侵食していくという状態の中にあるわけでありますから、私は、早急に運輸省として、いま申し上げましたような問題について抜本的な策というものを講じてもらいたい。ここで、どうだこうだということを論戦しておりましても、おそらく結論が出ないと思いますから、この問題はそういう強い希望意見を申し添えまして、今後の運輸省の出方というものを見守りたいと思うのです。
 これで運輸省関係は終わりますが、次に建設省、どなたか来ておられますか。
○委員長(成瀬幡治君) 建設省は、道路局次長が来ております。
○瓜生清君 この間も「警察の窓」という警察庁のPRのパンフレットをいただいたのですが、それによりますと、昭和四十一年度の年間における交通事故の発生状況の中で、死亡された方が一万三千九百四人という数字が出ておるわけです。いま私割り算してみますと、一日に約三十八人ずつ死んでおるという、そういう結論が出るわけです。そこで、その中で十五才以下の子供、それから六十才以上の老人といいますか、そういう方々の占める割合が全体の歩行者事故の中の五五%を占めておるという統計がここに明らかになっておるわけです。そこで建設省にお伺いしたいのは、たしか去年の四月だったと思いますけれども、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法というものができていると思うのです。その法律に基づいて昭和四十一年の七月に交通安全施設等整備事業三カ年計画というものが閣議決定されておるはずなんですが、それに基づいて建設省としては各地方自治体に対して具体的にどういうような行政指導をなさっておるのか、そのおもなものを二、三教えてもらいたいと思います。
○説明員(吉兼三郎君) 私どものほうは、交通安全対策の中で主として施設面を受け持っておるわけでございますが、交通安全施設に関しましては、公安委員会の関係もございますけれども、昨年交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法という特別立法を御制定いただいたわけであります。これによりまして、当面、交通安全施設として向こう三カ年間に私どものほうでいろいろ調査研究いたしました結果のデータに基づきまして、概略金にいたしまして六百億程度の事業費をもって緊急整備する必要があるというふうな考え方で緊急整備三カ年計画を策定いたしたわけであります。この交通安全施設の内容といたしましては、大きく分けまして二つに分類いたしております。第一のグループは、主として改築的事業でございます。それは歩道を新設いたしますとか、あるいは横断歩道橋をつくるとか、そういったたぐいのものでございます。それからもう一つのグループは、私どものほうでは道路の付属物といっておりますが、付属物の整備に類するものでございまして、道路照明灯でありますとか、あるいはガードレール、道路標識、そういったたぐいのものであります。こういうものを各工種別に分類いたしまして、建設省関係だけで申し上げますと、しめて五百六十億、警察関係の信号機等を入れると六百数億ございますが、それだけの事業を三カ年間に実施いたしますということの決定をみたのでありまして、本年はその第二年目ということで、特に昨今の、御指摘の歩行者に対する安全施設というものを緊急に整備しなければならないという観点から、このうち歩行者関係、歩行者の保護施設に関しますものは、大体大ざっぱにいって六、七割に該当するものと存じますが、この関係を最重点にいたしまして、この方面の施設整備につきましては三カ年を待たずに二カ年をもって大体の事業を完了するということで、繰り上げ実施をいたしてまいるという考え方で、目下実施をいたしておるのでございます。実施の方法といたしましては、各道路種別ごとに道路管理者がございまして、国道で国が管理いたしおるものにつきましては私どもはみずから出先機関を通じまして、また都道府県道ならば都道府県、市町村道ならば市町村、そういう各道路種別ごとに過去の交通事故の発生状況その他当該地域の道路の環境と申しますか、学校とか保育所とか幼稚園とか、そういった学童関係の面からいって整備をしなければいけないといったような、そういう観点から対象道路を指定いたしております。指定いたしましたその道路につきまして、いまいった事業を計画的に三カ年間で実施をいたす、こういう状況に相なっております。
○瓜生清君 そうしますと、いまの施設拡充計画の三カ年分の事業の中で、歩行関係というのは全期間を費やさずに二年ぐらいでやってしまおうと、こういうお考えでおやりになっているというふうに解釈していいわけですね。いまの御答弁によりますと、いわばその部分については全期間を待たずして完成させる、そういうおつもりでやっておられる、こういうことですね。
○説明員(吉兼三郎君) 大体そういうふうな目標であらかた二カ年でその関係の整備を終わる、こういう方針でいっております。
○瓜生清君 そこで、その問題に関連しまして、先般からときどき新聞、テレビ、ラジオ等マスコミを通じて、いわゆる歩道橋の設置に対して、その地域の閥店街その他で反対運動が強いためになかなか思うようにつくれない、こういう問題が起こっておると思うんです。そういうことに対して、建設省のいわゆる直轄のそういった工事については、今後どういうふうな手を強力に打っていかれるのか、対策を考えておられるのなら答えてもらいたいと思います。
○説明員(吉兼三郎君) 横断歩道橋を設置いたします際に、当該施設が道路の区域内で処理できますものもございますれば、あるいは歩道橋の足を区域外の民地にかけなければできないものとか、いろいろ態様はあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、繁華街等、商店街の中に設けますために、たまたま歩道橋が設置されます場所の地先が特定の商店に面し、そのために荷物の出し入れが不便になるとか、あるいは見通しが悪くなるとか、看板が見えなくなるとか、あるいは足の出し方によりましてはお客が減るとか、こういうふうなことからいろいろ苦情が出て、それが地元の一部の反対といったようなことで歩道橋の設置がおくれるということは過去に確かにあった事実でございます。現にそういった場所が、全国的に見ました場合かなりあるわけでございます。私どもは、この三カ年計画を昨年から実施いたしました当初におきましては、いずれにいたしましても、緊急に施設の整備を終わらなければならぬというようなことから、そういう問題があるところはあと回しにして、問題がないところから早く整備していく、こういうことで昨年から今日にまいったのでありますが、昨今そのためにみすみす痛ましい事故が発生した、横断歩道橋が地元が反対しているのでつくれなかったために事故が起きたという事例等も新聞に出ております。それで、私どもはまことにこれはおくればせでございましたが、こういうことじゃいかぬというので、昨日建設省といたしまして、緊急に関係方面、ことに大都市関係を中心といたしまして通達を出しまして、特に横断歩道橋に対して地元の関係で難航いたしておりますものにつきましては、緊急に実情を報告してもらいたい。それからその後の状況で計画を追加しなければならぬというものも、あわせて緊急に報告し、本省の指示を仰いでいただきたいという通達を出して、今月中にその状況を把握し、これに対して強い姿勢で歩道橋の設置の促進を――地元の協力も当然得なければならぬのでございますが、実施してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○瓜生清君 最後の質問をします、時間がきましたから。それは私は、いまの世論は、一口に言えば、きわめてむずかしい利害関係にありますけれども、露骨に言えば、商売が大事か、人の命が大事かという、そういうところまできていると思うのです。だから営業の自由というものは憲法で保障されているわけですから、これを剥奪するわけにいかないけれども、いまの交通禍というそういう問題が国民の批判を浴びておる際ですから、建設省はただ調査をしてというような従来のようなことではなしに、何とか強力な手を打って、こういうふうな痛ましい問題が続発しないようにひとつ格段の御配慮を願いたいと思うのです。
 そこで一審おしまいの質問なんですが、これはどこにお尋ねすればいいのかわからないけれども、まことにデリケートなことで聞くんですけれども、最近の事故の中で、砂利トラとか、大型トラックとか、そういうようなものが歩行者に大きな危害を加えている。そこで、これはまことに書生論ですけれども、そういうような、言いかえるならば、走る凶器とまで言われておるようなものの通行に対して、何らかの制限というものを当局は考えておられるのか。ということは、ああいうようなでかい車が全く交通の密度の高いところをわがもの顔で走っている。そういう状況をわれわれ見ると、ときたま用事でわれわれが自動車に乗って目的地へ向かうと、ああいうものがそばから寄ってくると、何か生命に恐怖感を感ずるようなこともときどきあるわけですね。そのことは私は冒頭に言いましたように、なかなかそういうことはできないのじゃないかと思うけれども、外国では一定の時間を限ってそういうものは通行を認めないとか、そういうあれがあると思うのです。そんなことを考えておられるのかどうか。いまは無理だけれども、将来これ以上に交通禍というものが拡大していけば、そこまで踏み切らざるを得ないというような構想があるのかどうか。一番しまいにそれだけ聞いておきます。
○政府委員(宮崎清文君) この点は警察、建設省、運輸省等にも関係がございますので、後ほどまた補足して御説明させていただきたいと思いますが、包括的に申し上げますと、現在は二つの面で規制を行なっておりまして、一つは道路交通法に基づきます交通の禁止、制限でございます。これはたとえば、先生御承知のように、東京、大阪等の大都市におきましては一定時間あるいは一定の道路で大型の通行制限をしております。また昨年来ダンプカーによりまして学童、園児等が多数死傷するという痛ましい事故が発生いたしましたので、昨年の末、交通対策本部で決定をいたしまして、幅員が六・五メートル未満で歩車道のない道路におきましては、原則として大型の通行を禁止する、また幅員が六・五メートル以上でございましても、住宅地であるとか、あるいは交通の状況その他によりまして、非常に危険があるところでは同じように大型の交通の制限、禁止を行なうということを警察のほうで決定いたしまして、目下各都道府県におきまして実施中の段階であると承知しております。また、建設省のほうにおきましては、道路法におきまして車両制限令という政令がございまして、これによりますと、その道路とそこを通ります車両との相関関係におきまして、一定の偏員の道路におきましては、一定以上の幅を持った車両は通行できないことになっております。この点につきましては、この車両制限令の実行の担保ということが問題になろうかと思われますが、これらの点につきましても現在鋭意努力しているところでございます。
○瓜生清君 規則があることは私もおぼろげに知っておりますけれども、守られているか、いないかということはまた別問題だと思うんです。そこで、警察も手不足だろうと思うけれども、一たんきめたことは、被害を伴わないような、そういう方向に沿って、これは厳重に監視をしてもらいたいと思う。私はそういうふうなことに、何といいますか、遭遇したことがたびたびあるので、あえてこういう質問をしているわけです。終わります。
○戸田菊雄君 これから質問していくんですが、端的に質問をいたします。
 きょう渡された「救急医療の現状、対策」というプリントの中に救急医療機関として三千五百カ所、これを整備をしていく、これは一体収容人員はどのくらいか、四十二年度で。そのことが一つ。
 それから、いまの傷害者に対する治療の、平均日数は一体どのくらいになっているのか、それが一つ。
 それから頭部損傷の割合はどのくらいであるか。
 それから脳神経外科の専門医は一体全国でどのくらいいるか、そのことが一つ。
 それから予算を見ますと、確かに昨年と比較し相当、ふえてはいるんですが、今年八億五千万ですか、去年は六千八百万ですか、わずかそのくらい。これで一体いまの交通傷害発生件数の割合からいって、どのくらい――急場しのぎだと思いますが、一体どのくらい総体的にそういうものに対する国家としての救護態勢ができるのか、これをひとつ聞きたいと思います。
 それから、もう一つは、建設省関係だと思いますが、この資料の中に「道路交通安全施設設置現況調」というのがございます。この中で一体、一級国道、二級国道と分かれているわけでありますが、この工作する場所が、それぞれ道路の中で、全国的にどのくらいの数であるのか、そのうちどのくらいいま整備をされているか、これがわかれば一つ。これをいま質問する前に聞いておきたい。
○政府委員(若松栄一君) 救急医療機関の整備の問題でございますが、現在約三千五百の救急医療機関があるということを申し上げてあるわけでございますが、これは救急医療機関を指定して、省令によりまして医療機関から、私のところでは救急医療を引き受けますという申し出を県知事にいたしまして、その医療機関を県知事が告示をするという方法をとっておりますので、その医療機関の数が三千五百という状況でございます。したがって、これを厚生省が特定の方針でもって整備するという対象になるわけではございません。原則的に申しまして、厚生省が計画的に整備をしてまいりますのは、数都道府県にわたるような範囲のものは厚生省と県が協議をしながら整備してまいります。一都道府県内の医療機関の体系についてはその都道府県で計画を立て整備をお願いしたい、大体こういう基本的な考え方をしております。したがって、主要ないわゆる脳神経外科センターと称するような高度の技術を用いますものは、これはそう多くはつくれませんので、これは国がある程度計画をして都道府県と協議をしながらやっていきましょう。これを大体先ほども話に出ましたように、人口百万程度に一カ所ぐらいが適切ではなかろうかということで、現在都道府県とも相談しながら個別の医療機関を検討しまして、百十一カ所程度を現在選定いたしております。これらのものについては国の助成等も合わせ、あるいは必要な整備についての融資等の便宜をはかりつつ、積極的に整備をしてまいりたい。そういう考え方でございます。この百十一カ所といいますのは――大体イギリスの救急医療対策委員会では、大体百五十万程度に一カ所という案を出しております。また脳神経外科の専門家の団体からは、現在のところ、脳神経外科の専門医の分布の状態等から見て、数十カ所程度がまず緊急であるという意見が出ております。私どもは、きわめて高度な脳神経外科の能力を持った人間だけでなしに、若干程度の下がる能力でも数多く分布することがまず緊急であるというたてまえから、脳神経外科医の専門団体の意見よりも大幅にふやしまして、百十一カ所という配備計画をいたしております。
 また次に、傷害の患者がどの程度の入院期間を要するかという問題でございますが、これはもうきわめて雑多でございまして、大部分の者は即日そのまま帰る、救急医療機関である程度の診断と救急医療の手当を受けて帰る。数十%のものが病院にどどまるというのが昨年行なわれました実態調査の結果等に出ております。その入院期間については実は正確には申し上げられませんことは、救急医療機関はいわゆる救急の段階だけをやって、そしてある程度救急の始末ができたら一般病院に回してしまうというものと、ある程度の治癒まで置くという医療機関とございます。したがって、これを一律に大体平均どのくらいかということは、なかなかめんどうな問題だと思いますので、ここで正確な数を申し上げることができないことは残念に思います。
 それから脳関係の障害がどのくらいであるかということでございますが、これも実は全国的な統計は、警察庁の関係で頭部損傷の程度がどのくらいであるかというのは、先ほどたしか警察庁の「警察の窓」、あの資料の中にあったかと思いますが、いま私ちょっと資料をさがしまして、どの程度かというのがはっきりわからないのですが、大体二五%程度から四〇%程度、これは傷害のとり方の標準によってこれも非常に違いまして、たとえば頭部を損傷したもの全部を勘定するという統計もありますし、主要部位であっても頭部が一審主要である、あるいは腹部が一番主要である。頭部もあるけれども腹部で計算するというような計算のしかたがありまして、そういう意味で全国の統計を一人の目で見た統計がございませんので、幅が広うございますが、二五%程度から四〇%程度というふうに御理解いただきたいと思います。
 なお、予算面で、現在の予算でどうかということでございますが、百十一カ所のいわゆる救急センターと称するような、頭部外傷を取り扱えるような、しかも二十四時間窓口をあけておくという医療機関の整備のために、ある程度助成をしようということでございまして、この中身は大部分が公的医療機関に充てようということでございます。というのは、二十四時間勤務をさせますと、相当の人員をふやさなければなりません。看護婦は三交代でございますので、三人ずつ詰めましても八時間ずつでありますと九人の看護婦をそのために置かなければならない。医者も二人ずつ交代させましても六人置かなければならないというようなことになります。現実には待機していてもいわゆるから振りといいますか、患者の来ないことも相当ございます。そういう意味で必ずしも採算という面から考えますと、非常に不利なものが多くなるわけでございます。そういう意味で、私どもとしてはできるだけ、こういうような特殊な任務は公的な医療機関に負荷したいということで、国立とか県立というようなものを主にして、これを選定いたしております。したがって、これらの医療機関の整備につきましても、それぞれ国が責任を持ってやる医療機関、県がやるもの、あるいは市がやるもの、いろいろございます。したがって、それらのものがそれぞれの財政事情等によりまして、一挙にやるか、あるいはことしやるか、来年やるか、あるいは三分の一ずつやるか、二年に分けてやるか、いろいろ計画がございますので、私どもが全体の数をこういうふうにというふうに区分して設定するわけにもちょっといきかねるところがございます。したがって、ある程度県を勧奨し、そうして申し入れを受けて、そこで協議をしながら助成をしていくという形をとっておりますので、今年度は第一年度でもございますし、必ずしも府県の心がまえもまだ十分にできておらない。したがって本年度は、まず国と都道府県で二億六千万円程度の予算で整備をやっていくこととしています。従来持っております予算に比べますと十倍以上になっているわけでございますが、そういう形で、結果は十分とは申しませんが、だんだんPRしながらこの額もふやしていきたい、そういうふうに考えております。
○説明員(吉兼三郎君) ちょっと先ほど、お尋ねの趣旨が私どもに聞き取れなかったのでございますが、どういう……。
○戸田菊雄君 この資料で、道路別の安全施設設置現況というのがありますが、現在全国的に何カ所――交錯する、横断個所ですね、道路と。交差点ですね、それがどのくらいあるかですね。
○説明員(吉兼三郎君) ちょっとただいまお尋ねの点は、これは手元に持ち合わせておりませんし、これは調べたものがありますかどうか、帰ってみて、もしございましたら後刻また先生のお手元までお届けしたいと思います。
○政府委員(若松栄一君) 一つ申し忘れまして恐縮でございますが、脳神経外科の専門医がどのくらいあるかというお話でございますが、どの程度の専門医がいるかということはなかなかむずかしゅうございますので、一応客観的に言えることで、国際脳神経外科学会の会員に入っておる方が日本で二百人程度、それから日本脳神経外科学会というのがございまして、その会員が約千八百名ございます。そうして脳神経外科という看板を出している医療機関の数は全国で二百六十五カ所ございます。なお大学において脳神経外科の講座を持ち、あるいは脳神経外科の研究施設というものを持って、脳神経外科の教授、助教授等がおり、そうして専門医を養成している施設、それが全国で十九大学ございます。
○戸田菊雄君 時間もありませんからお尋ねしますが、一つは、事故が多く出るんですけれども、この「警察の窓」、これによりますと四十一年度の死者が一万三千九百四名ですね。それから傷害者が五十一万七千七百七十五名、ざっと五十三万ぐらいの人が死、傷害件数として四十一年に出ている。私の記憶でいくなら、かつて日露戦争の傷害者が二十七万、またベトナムでもってあのような残虐な科学兵器を使って戦争をやっているわけですが、それの四十一年の死傷統計が私の記憶でいくと五十万人、最近だいぶふえてまいりましたけれども、そうしますと日本のいまの交通災害による傷害人数は五十三万人に近い、これはなまやさしいことでは私はないと思うのですね。その欠陥は、これは何といったって政治的欠陥だと私は思うのです。佐藤総理がいかに人命尊重どうのこうのと言ったって、現実にこういうひずみ、交通災害がどんどん出てきておる。ですから、ことに私は幼稚園の小さい子供さんとか児童――小学校の小さい子供さん、まだ注意力が発達しない、そういう人たちがダンプにやられた、どうのこうの、全く残酷だと思うのです。生き地獄だと思うのです。ですから、これはもう国をあげて――きょう残念ながら総務長官がおりませんから、いずれまた、あらためてやりますけれども、やはり早急に、緊急に抜本的対策をとっていかなければいけないと思うのです。そういう立場から、私は、ひとつ何といっても、この運転する側の人たちの生活を保証することだと思うのです。いまハイヤー、タクシー千台あたりで私は統計をとっておりますけれども、固定給というものがきわめて安いのです。一万六千円か一万八千円くらい。あとの五割――半分くらいは歩合給によってこの賃金制度が仕組まれているのです。ですから幾らこの法律で事故を出すな、スピード違反をするなといって締めつけてみても、片や運転する人たちは生活がかかっているのです。この態様をどうするかということ、こういう問題について、労働省おりますね。(「帰りました」と呼ぶ者あり)帰ってしまった、私は課長がいると聞いたが、じゃ局長のほうに……。そういう運転する側の人たちの賃金の問題、生活がかかっているのですから――うちへ帰れば子供さんがおるし、奥さんがいるのですから、どうしてもやはり無理をしてスピード違反をしてまでやらなければ生活が成り立たない。この賃金態様、これをひとつどうするか、これが一つであります。ことに、この長距離ダンプカーを運転して歩くような人たち、こういった人たちは深夜にわたってやるわけです。そうしますと、たとえば魚を積んで仙台を出発して東京市場に入るというときには、朝の五時前に入るのと、六時前に入るのと賃金が違うのです、歩合給が。ですから途中、夜も寝ないでスピードを出して運転をしていくというかっこうになるのですよ。この根源をどう除去するかが私は問題だと思うのです。これを根本的に打ち出せない限り、また幾ら取り締まりを強化したところで私は交通災害というものがなくならぬと思うのです。ですから、その賃金の改善策について一体どう考えるか、これが一つであります。
 それから、もう一つは、最近日通とかそういったものが大独占でありますから、この交通全体を支配するというかっこうであります。非常に経営者が巧妙になってまいりましたから請負制度でもって小運送業者を使っている。実際は日通から資本を出す、そうして何といいますか株の配当等で、適当に利潤をこっちはもらっておるのですよ、日通の側は、ところが小運送業者側は自分の零細資金でもって事業をやっているわけですから、運ぶ荷物が非常にコストが安いと、そういうところから採算が成り立たない。ですから無理に運転手を使うという管理体制になるのです。これはもう幾ら労働省がいまの陣容、体制でもってそれらを調べたって、これは表に出てこないものが一ぱいある。ですから、そういう面では労働省全体の監督も最良な指導体制に一そういう意味合いから、この要員をもっとふやしていくということも必要でありましょう。しかし一面、そういう小運送業者に対して、国家的な見地に立って事業が成り立つように、そういう危険負担行為というものに対して、どういう一体手厚い保護対策をとっているか、私は一つ問題があろうと思うのです。そういう問題について運輸省関係では、どういうふうにこの小運送業者の育成強化に対して対策を特っておるのか、この辺をひとつ聞かしてもらいたいと思います。
 それからもう一つは道路行政ですけれども、最近非常に高速道路等がひんぱんに建設をされてきた。たとえば東北関係についても東北縦貫道路というものがこれから建設をされ、スピードはもう百キロ以下にしてはだめだという、そういうことになって、なおかつ、そこを人が横断をしあるいは歩行しろという。ところが車が走ることだけで、道路はつくるけれども、人命を守るという立場で全然道路行政が考えられていない。そういうところに――いまこの「道路交通安全施設設置現況調」というものがありますけれども、あとからくっついていっているのですね。これが間に合わない。なぜ一体道路をつくるときにここを人を通すのだ、横断歩道にするというなら立体交差にして人と車は交錯をしない、こういう一体人命擁護の立場に立っての道路行政というものが考えられないのかどうか、ということなんです。これをやっぱり私はやらない限り、いつまでたってもその面からの事故防止というものはできないと思うのです。確かにここでいう照明灯あるいは標識の各種整備、信号機の整備、こういったものは当然あってしかるべきでありますから、この増殖なりあるいは今後の整備状況というものは、より進捗をさせなければいけないのですけれども、基本的には道路をつくるときに、そういう枝線に対するところの立体交差に対して、どういう仕組みで道路体制を管理をしていくのか、ここが私はやっぱり問題だろうと思うのです。少なくとも道路をつくるときに、この道路に対する、十年か二十年かたったら交通量がどのくらいになるか、あるいは物資の経済的な動きはどうなるか、産業編成はどうなっていくか、こういうことをあらかじめ想定をして、道路行政というものが、あるいは施設というものが設置をされていくのだろうと思うのです。それに見合ってやはり人命尊重という立場に立って十分その点を建設省で考えてもらいたいと思う。そういう一体対策があるのかどうか。ことに私は歩道橋については全く形式的だと思うのです。私はかつて――去年でありますが、ベトナムに行ってまいりました。非常にこの道路行政が人命尊重の立場に立ってやられておる。たとえばいま盛んに爆撃を受けておる紅河でありますけれども、ソンコイ川というここは約二キロくらいの長い鉄橋でありまするが、中央に鉄道が一本敷いてある。両方に自動車道路、そのわきは必ず歩道というものが設置をされておる。ことにこの歩道については、やはり日本みたいな形式的に約十センチの築堤でもって歩道と一般道路と区別しておるというような区分じゃない。自動車の運転手が誤って歩道に乗り上げて歩行者に傷害を与える、こういう危険性を一方的に食いとめるという設備になっておる。ですから、ほんとうに歩道というもので人命を守るということなら、この道路の築堤をやはり一尺なり二尺なりにして、自動車がそこにぶっ込んできてもこれはぶつからない、これくらい親切な人命擁護の道路行政というものがやはり本格的に考えられていいのじゃないか。そういうものがなされない限りこれは幾ら法律でもって取り締まりだけを強化したって、交通災害というものはなくならぬと思うのです。それはやっぱり国家の任務だと思うのです。いまの交通災害は、ですからすべて政治的欠陥ですよ、私から言わせれば。これをどう一体政治的に解決するか。年間予算五兆円もあるのでありますから八億五千万ばかりの交通安全対策でどうなりますか。ですから長官がいたら、もっとそういった問題について予算を増強して、何といっても人命尊重で――五十何万もやられておるのですから、このままいったら来年は百万です。その次は百五十万です。かつて大東亜戦争では三百万やられた。そういうものは近い将来にやられてしまう。ですから、きのう交通災害を受けた人の、傷害者の立場というもにのきょう自分がなるかもわからぬのですね。そのくらい深刻な状態なんであります。十分ひとつこの道路政策の面についても、抜本的に、私はそういう部面から検討し直していただきたい。そういう問題について一体建設省としては考えておるのかどうか。この辺ひとつ聞かしていただきたいと思います。
 それからもう一つは、この医療行政の問題です。いまおっしゃられましたように、確かに、このイギリスのようにした場合でも百幾ヵ所――交通災害がどのくらいあるかわかりませんけれども、結局私は、いまこの後遺症その他でもって交通災害を受けて一年くらいでぽっこりぽっこりいってしまう、こういう現象があることは、これはやっぱり私は専門医の適切なこういう診察によって治療を受ければ私は生命を落とさずして済むのが一ぱいあるのじゃないかと思うのです。そういう医療面が適切じゃないから後遺症というものが発生をしてくるのだ、少なくともいまの医学上からいけば、私はこういったものは解決できる医学情勢じゃないか、こういうふうに考えるのでありまするが、これをやっぱりもう少し、私は国の立場から保護政策の一端として増殖、もしくはいまの災害件数に見合うような医療体系というものを、やはりつくり上げる必要があるのではないか。ことに私の知る範囲では、大学の医学部に入ってお医者さんになってくるが、やはり金もうけ本位でいっています。いまは、もちろん資本主義社会でありますから、そういうことにならざるを得ないのでありますけれども、結局は外科とか内科にお客さんが一ぱいある、病人が一ぱいある、金もうけができる、これでいっておるのであります。ですから個々的なお医者さんや何かにまかせておったのではいけない。そうして脳神経外科専門医というものは増殖していかなければならない。そういうことの国家的な立場から一体どういう体制へ持っていくか、そのお医者さんに対する保障体制をどうするか、こういう問題を抜本的にやっていかなければ、単にお医者さんが出てくることだけ待っておったのでは、とてもだめだ。だから、そういう面についてやはり強力に国として、この医療行政の対策についても明確に災害を通じてひとつ立てていく必要があるのじゃないか。単に民間に対して、個人経営のお医者さんに対して一定の補助金を出せばそれで事が済む、こういう問題じゃないと思う。ですから、もう少しそういう点は積極的な取り組みを私はやってもらいたいと思う。その辺に対する将来の見通しなり、対策というものが一体あるのかどうか、この点が一つであります。
 それからもう一つは、やはり補償体制であります。一個の生命が、少なくとも金のあるなしにかかわらず、片方では五十万でぼつになってしまう、片方では一千万でぼつにされる、こういうことでは私は全く不公平だと思う。不幸にして命がなくなったというような場合、これはやはりでき得る限り国家の一定の基準に基づいて一定の補償というものをやるべきじゃないか、そして、なおかつ、残された家族の皆さんに対しては一体保護行政をどうするか、こういう問題についてもいろいろあるでありましょう。あるでありましょうけれども、こういう災害等に対しての一定の基準というものを、やはり補償体制としてつくる必要があるのじゃないか。少なくとも一個の生命が五十万であったり一千万であることは、私はとてもがまんができない。ですから、いろいろその会社が財産を売ったり、また田畑を売って、ある限り出しても二百万円しかなかった、あるいは人によっては一銭も支払う能力がない。こういう人は泣き寝入りというか、単なる傷害保険ですか、その程度の金額でがまんしなければならない。ですから、これに対して国として、そういう場合、災害をこうむった場合の一定の補償というものを、どういうところに置いたらいいか、それを差し示す、そして支払い能力のない者については国家が一定のめんどうを見る、こういうことでないと私はいけないと思う。こういう問題について一体どう厚生省では考えられておるか、この点についてひとつ質問したい。
○政府委員(宮崎清文君) 労働省がおりませんようですので、労働省の分を含めて所管のことにつきましてまずお答え申し上げます。
 労務管理なり運行管理が不適切なために、運転者の過労その他のことが事故の原因の一つになっておることは、御指摘のとおりであります。この点につきましては労働省、運輸省におきましてもいろいろ監督をしてまいったわけでありますが、特に先ほど来しばしば御説明申し上げておりますように、昨年後半期におきまして大型貨物自動車等におきます事故が頻発をいたしまして、その中の原因の一つとして、いま申し上げたような点が出てまいりましたので、労働省におきましては昨年末以来、事業所その他に立ち入り監督を強化いたしますとともに、そういう労研関係の改善、労務管理の改善に鋭意努力しておるところでございます。これは御承知と思いますが、同じく昨年の十一月には、労働省におきまして民間有識者約三百名を自動車労務改善推進員として委嘱いたしまして、これらの人々に具体的な、きめのこまかい対策の改善等をお願いしておるということもやっております。
 また、道路運送事業につきましては、後ほど運輸省から御説明があろうと思いますが、道路運送事業の中におきましても、特に中小企業におきまして従来そういう賃金その他の問題があったことは、御指摘のとおりであります。この点につきましても運輸省が中心となりまして、いろいろと改善対策を講じておるところでございます。
 それから、輸送のコストがたたかれているために非常に無理な運転をする。これは本日いろいろと各委員から御指摘になりましたダンプ事故の問題につきまして典型的な例としてあらわれております。しかしながら、そのよって来たる原因はいろいろ複雑でございますし、また非常にむずかしい問題でございますので、先ほど来しばしば総務長官、運輸大臣も御説明申し上げておりますように、現在総理府におきまして関係各省が集まりまして専門部会を設けまして、目下検討中でございます。何とかして抜本的に、この原因を除去するような対策を講じたいと努力しております。
 これに関連いたしまして、ダンプの問題が非常に緊急な問題でございますので、その問題が片づき次第、ただいま御指摘のあったような、その他の輸送関係の問題につきましても検討を加えてまいりたいと存じます。
 それから、交通安全政策に関する予算が非常に少ないじゃないかという御指摘でございます。もちろん私たちも、現在の今回の予算案に計上されております予算額で満足いたしておるわけでございませんが、先ほど総務長官も御説明申し上げましたように、昭和四十二年度におきましては総額約二百七十億の予算を計上しております。これは前年度に比べますと八四%の増加となっております。また、いま申し上げました二百七十億という予算額は一応私のほうにおきまして直接交通安全に関係ありと思われる予算額を拾い出したものでございます。それ以外にも、たとえて申しますと日本国有鉄道におきましては、踏切事故の防止その他に関連いたしまして約三百四十億の予算を計上しております。また、道路特別会計におきましては、道路の立体交差等に関しまして、これ以外にも約百七十億の予算を別途計上いたしております。これらを総計いたしますと約七百八十億くらいの予算が、昭和四十二年度におきましてはいわゆる交通安全対策に使われることになろうと思っております。したがいまして私たちといたしましては、これらの予算を最も効果的に、かつ早急に執行いたしまして、少しでも交通事故の防止をはかりたい、このように考えております。
 なお、それ以外の点につきましては、順次各省のほうから御説明をしていただきます。
○政府委員(若松栄一君) 救急医療体制の整備でございますが、御指摘もありましたように脳神経外科医というものは、急速に養成できるものでもございませんし、また何名の卒業生のうちの何名をその養成に割り当てるということも、事実上不可能でございます。したがって、これはやはり、大体世の中の需給の関係でおのずからそういう施設ができ、あるいは講座ができていって、世の中の要請にこたえていくという以外にないと考えておりますけれども、現に先ほど大学における脳神経外科の講座ないし施設が十九と申しましたけれども、これも最近数施設がふえておる状況でございまして、今年度新たに発足する講座が実は二講座含まれておるわけでございます。そういうことで専門家の養成という面も急速ではございませんが、時勢の要請にこたえまして着々やっておるということでございます。したがって、いわゆる中枢的なセンターというものは、そう急激にはふえません。したがって、これを十分に活用していくという体制が必要であろうと思います。そのために人口百万人に対して一カ所というようなものと、さらに下部の医療機関との結びつきを、どういうふうにうまくやっていくか、その連係をうまくやって活用していくという方法を考えなければなりません。したがって、そういう意味から一番末端の救急医療施設から、そのような仕組みを持っていかなければなりませんので、末端の開業医等を含めました三千五百の救急医療機関が、できるだけそれぞれの能力と、さらに上位の医療機関との結びつきをよくしていくという配慮をいたしまして、都道府県ごとに計画をさせ、さらに小地域ごとに地区の医師会等とも協力いたしまして、たとえば外科医が十数名おりますと日曜祭日の当番制をきめる、また救急医療といいますのは、傷害だけでなしに、たとえば赤ん坊が生まれるとか、あるいは子供が引きつけるというようなこともございますので、婦人科、小児科等の当番も日曜祭日等にはきめるというような形をとりまして、末端をできるだけ計画的に整備し、また、そういう医療機関で間に合わない場合にはどこの機関につなげる、また、そこで間に合わないものはどういうセンターにつなげるというような仕組みを、それぞれの地域ごとに考えていただいて、整備をしておるわけであります。これを実際に運用いたしますには、私どもは医療機関を担当いたしておりますけれども、救急搬送といいますか、患者を運ぶ体制が十分にこれと密着しなければなりません。現在のところ、救急搬送の体制は消防庁が担当いたしておりまして、おそらく何回か話が出ていると思いますが、人口十万以上の市がそれぞれ消防法による搬送義務を持っております。その搬送体制と医療機関との結びつきを十分円滑にいくような配慮を重ねて、その機能の円滑化をはかっておるわけであります。なお、死亡者等についての補償金あるいはお見舞金というようなものにつきましては、これは私ども直接担当いたしておりません。これは人権擁護なりあるいは民法上の補償の問題でございますので、残念ながら私ども直接関係いたしておりません。
○政府委員(原山亮三君) ハイヤー、タクシー及びトラック運送事業者の運転手の給与体系に関連いたしまして、固定給、能率給の問題でございますが、われわれといたしましては、従来から刺激的な給与体系というものについては慎しむべきであるというふうに、監督いたしてきたわけでございますが、そういうふうな能率給を全面的に廃止するというのは、たいへんこういう業態の性格上無理かと思いますけれども、著しく能率給の比率が高いものについては、監査の際にも是正を命じておりますし、これは労働省におかれても、最近自動車運送事業の運転手の労働条件の問題につきまして指導方針を出されましたし、運輸省といたしましても、労働省とよく協調して、これの実現について努力したいと考えております。
 それから、下請の零細トラック事業者の問題でございますが、先ほど来申し上げましたように、トラック事業の経営規模というものは非常に零細企業でありまして、現在九〇%近くが十両未満の零細企業であります。そういうような零細企業は、どうしても家内工業的などんぶり勘定で、経営収支も明らかでないというようなものも非常に多うございますので、そういう点を極力近代化の方向に向ける必要があるということで、先ほど申し上げたように、近代化のための業種指定におきまして四十五年度目標の五カ年計画で、いろいろな方面からそういう零細企業の近代化を促進してまいりたい、こういうふうに考えております。
○説明員(吉兼三郎君) 道路行政のあり方につきましても御批判をいただいたわけでありますが、率直に申し上げまして、先生の御指摘のようなことが今日までの道路行政であったかと思います。と申しますのは、わが国の道路は本格的な整備にとりかかってまいりましてわずか十数年でございます。それまでの間はおよそ日本の道路は前近代的なと申しますか、舗装の整備されていないような国道が全国至るところにあった、こういう状況にあったわけでありまして、したがいまして、過去十数年間、もっぱら車道の整備に追われてわれわれは今日までまいったというのが、実情ではなかろうかと思います。したがいまして、今日の車と道路との関係におきまして、非常に道路というもののあり方について、単本位ということではとてもこれは対処できない。やはり道路というものに対して歩行者保護というたてまえから対策を緊急に立て、整備を促進すべきであるということが数年前から叫ばれてまいりまして、昨年から、先般申し上げましたような緊急整備を促進するということに相なったわけであります。これは既存の道路につきまして、当面私どもが緊急に三カ年間で歩行者保護を中心といたしました安全施設を整備するということでありまして、新しくつくられております道路と改築、これは毎年々々並行してやっておるわけであります。バイパス等、そういうものにつきまして今後つくるものにつきましては、交通安全施設というものを十分考慮いたしました、そういうものを十分配備したようなもので道路を整備していきたいという考え方で数年来やってまいっております。でございますから、これから新しくできます道路につきましては、そういうふうな不備はございません。御指摘の縦貫道につきましては、これは初めからオール立体交差でございまして、そういう人と車の関係というようなものはないわけでございます。在来の道路につきましての三カ年計画も、今後の推移を見まして、その計画を改定し、整備の徹底をはかっていくということに相なろうかと思います。要は、御指摘のような姿勢でもってこれからの道路行政はやっていくというふうに私どもは現在考えておりますが、何ぶんとも大事業でございます。全国にわたるものでございまして、そう一朝一夕に整備できるものではございませんので、若干時日を要する。長い目でもってこの問題をひとつごらんいただきたいということでございます。
○政府委員(宮崎清文君) 先ほど、最後に御指摘になりました被害者に対する補償の問題でございますが、便宜上私から御答弁申し上げます。
 交通事故による被害者の補償を社会保障的に考えるか、あるいは保険のベースで考えるかは、非常にむつかしい大きな問題でございます。これにつきましては、いろいろ御意見があろうかと存じますが、現在のところ私たちといたしましては、交通事故が直接的には人の行為によって起こされているという観点から、これは一応保険でてん補いたそう、こういう考え方に立っております。したがいまして自動車損害賠償保障法に基づきます保険によりまして、少なくとも最低限度はこれによって補償し、その他の部分につきましては当事者間の話し合いなり、裁判によって解決をはかっていく、このように考えております。ただ最低限度の補償額につきましては、先ほど申し上げましたが、現在死亡事故につきまして百五十万でございまして、これは確かに非常に少額であるというところから、まだ確定はいたしておりませんが、大体死亡事故につきまして三百万程度を目途といたしまして、現在この限度額を引き上げるべく関係省庁において検討中でございます。なお、それ以上の点につきましては、たとえば任意保険に加入することを大いに行政指導として奨励するとか、いろいろな措置もとっておりますし、また訴訟その他によりまして損害賠償がなかなか確保できない場合につきましては、これも先ほど申し上げましたように、ことしの七月以降都道府県に公的な交通事故相談所を設けまして、法律的知識の乏しい方とか、あるいは貧困で訴訟ができないような方々に対して、関係機関とも十分連絡をとりながら、これらの方々の相談に応ずる。また必要に応じましては身体障害その他の問題も含めて、救済を考えていきたい、かように考えておる次第でございます。
○戸田菊雄君 最後に、三点ほどお伺いしておきたいと思うんですが、その一つは、私は基本的な交通災害防止策というものを当面緊急にやるんだと、取り締まりだけが最近先行して、それ一本でこの交通災害というものを防止しよう、こういう考え方自体が私は誤りだと思う。ですから、いまお話し申し上げましたようなものを、交通安全対策本部というものができているわけですから、鋭意努力をして十分な政策をひとつ確立する、これをお願いするわけですが、そこで問題はやはりこれは人命尊重上、許されないと思うんですが、非常に交通量が多いですから、取締官の何といいますか、身体の障害が最近非常に起きてきている。新聞なんかにも出たわけでありますが、排気ガスでもって三時間ぐらい勤務すると、何か酸素吸入でもって入れかえをしなければならない。そうしないと、から、だがもたないというんです。それは決して警察官ばかりではなくて、最近――政府はずるいですから、そういう点、結局、安全擁護というものを国民自体に全部転嫁している。ですから、朝小学校に行くときなど、学校近くに行くと、PTAの奥さん方が手分けをして、毎日々々だれだれと、全部半強制的になっているんですね。交通安全指導であるとか何とか、さもりっぱなことを言って、そういう安全思想の普及とかいうことを言っておりますが、結果はそこにいってしまっている。自分の子供さんはだれもかわいいですから児童を守らなければいけないとかで、結局、朝忙しいところを奥さん方がそれぞれ手分けをして、きょうはどなたしてとかいうことで何とかやっている。こういうものを政府は見て見ない振り。地方自治体でも同じです。こういうものに対するほんとうの手厚い保護政策というものがあってもいいんじゃないか、それは一ぱいあります。いまの交通安全管理者的な立場で奥さん方がやる。そういうものもあるし、あるいは地方自治体においては民生委員をたのんだって、相当膨大な仕事をさせながら、これは無償奉仕です。かりにあったとしても、温泉に一泊二日くらいお礼をするくらいです。こんなものはほんとうは全部行政機関がやるべき性格のものです。そういう問題については、私は非常に問題があると思う。やはりこういう問題に対する保護政策をもっとひとつ考えてもらっていいんじゃないか。そういうことで何日か立っていますと、いまの排気ガスやその他でもって体が侵されるという事態があるのです。それだけ真剣なんです。そういう問題についても、国としては何かの立法措置によって適切に守る体制をつくる、このことをひとつ御検討願いたい。
 それからもう一つは、こういう点は私は規制をしてもいいんじゃないか。確かに、これから社会が発展してくるのですから、それぞれ一介の給料取りといえども自動車を持つくらいになると思う。また、そうなっていかなけりゃならない。もっともっとふえてくると思うのですが、それに見合って生産がもっとふえていく、これもけっこうなことだと私は思う。しかし、これがバランスがとれていませんから、いまの交通災害だけが出てくるわけですけれども、こういう問題について、ことにスポーツカーなどというものを普通走らせていいのかどうかということなんですよ。たとえば都心部において、あのスポーツカーというのは若い青年がほんとうにスピードを味わうという、そういうものです。一体、そういうものを自由に発売されて、そして普通の都心部でも何でもものすごいスピードで走っていく、こういうことが一体いいものかどうか。これはスポーツカーに一定の競技場でもつくってやって、そういうところで妙味を味わわせるとか、スピード感を味わわせる、こういうことになってもいいんじゃないか。それを普通の自動車と同様に、直ちに一般の道路で、ものすごいスピードで、だれも見ていなければ、百キロ以上で走っているわけでしょう。そういうことが傷害を引き起こす一つの原因になっている。ですから、生産に対しても、道路行政その他全般の施策と相呼応して少し制限をしたらどうか。生産をするほうは、ばく大な金をかけて、よりスピードの出るような研究をして、エンジンを改良してつくっている。もっともっと車を大型化し、ないしはスポーツカーであるとか、いろいろなモデルを変えて、そうして売ることにきゅうきゅうとしている。こっちのほうでいま政府は取り締まっている。それでいいのかどうかということなんです。こういう問題についても、走らせて、そこから起こる事故、こういう問題だけにきゅうきゅうとしてやるのじゃなくて、この生産と道路整備、そういった問題を相対的に考えて、この問題についても一定の規制を加えるなら加える、こういう対策があってもいいんじゃないかと思うのです。そういう点について伺います。これで私は終わります。
○政府委員(宮崎清文君) 交通安全対策が交通取り締まりのみによって達成されるということではないという御指摘の点は、まことにごもっともでございまして、私どもといたしましても、先ほど総務長官も御説明申し上げましたように、大ざっぱに申しまして四本の柱を立てまして、それぞれの柱のバランスを保たせつつ、総合的に交通安全対策を推進してまいろうと、このように考えております。
 それから、交通警察官その他の障害の問題につきましては、後ほど警察庁のほうからお答えがあろうかと思いますが、スポーツカーの問題でございますが、その生産の問題につきましては、前からいろいろ御意見もございます。率直に申しまして、ただいまのところまで政府ではこの自動車の生産を直ちに抑制するという考えを持っておりません。スポーツカーでございますが、スピードをめちゃくちゃに出すという場合にこれを取り締まるのは、もっぱら道路交通法の問題でございまして、これはスポーツカーに限らず、スピード・オーバー等はスピード違反といたしまして厳重に取り締まっておるところでございます。ただ目的的に通行を制限いたしますことは、これは理屈としては一応考えられないわけでもございませんが、現実の問題といたしまして、どの車がもっぱらレジャーに使われる、どの車が社会的な効用を持っておる車であるかということを判断するのはむずかしいとか、いろいろな問題がございますので、いま直ちにどうこうするということは、いまちょっとはなはだ申し上げかねますが、将来の交通混雑緩和の一つの問題点といたしましては、検討させていただきたいと思います。
○政府委員(原山亮三君) 自動車の排気ガスの問題でございますが、この点につきましては昨年の国会でもいろいろと御指摘を受けましたので、昨年の九月から新型車につきましては、一酸化炭素の濃度を三%以下に押えるということにして、これはすでに規制が行なわれております。それから本年の九月からは、新型車以外でも新しくできた新造車全部につきまして、やはり一定のパーセント以下に押えるというふうな予定で進んでおります。
 それから現在使っております車――中古車でございますが、これにつきましては車種なり、それからその車種に応じて、走った距離等によっていろいろと有毒ガスの排気が変わってまいりますので、そういう車種別、距離別に排気ガスの排出量等を追跡調査いたしまして、その追跡調査の結果に基づきまして、現有車の整備基準をつくって、その有意ガスの排気量の基準をつくってまいりたい、こういうような方針でもって進んでまいりたいと思っております。
○戸田菊雄君 いまの一酸化炭素の三%の問題ですね、これはいつから実施するのでしょうか。
 もう一つ、たまたま東京駅なんかで夜おそく降りると、駐車場がありまして何台か車が並んでおりますが、あそこの自動車に乗るところまで歩いて来ると、頭へぴんとくるくらいなんですね。そのくらいの状態ですから、よほど放出されているのだと思う。だから、そういうところで働いている人はもちろんですが、それを都心全部にやられて――まあ、この資料でいうと、少なくとも、いまの東京都内においては道路を全部埋め尽くして、なお車が余るということでしょう。そういう状況ですね。そういうことからいえば相当問題になる。いずれこれは公害関係でやりますけれども、そういう問題について、三%で抑制されておるものは大体いまある車全部なのか、そういう割合はどのくらいか、その点をひとつ。
○政府委員(原山亮三君) 現在やっております規制は、昨年の衆議院の産業公害特別委員会のほうで御決議をいただいておりまして、その御決議の内容は、昨年の九月からモデル・チェーンジして新型になった車について三%以下に規制をしよう、それから、ことしの九月からはモデル・チェーンジしなくても新しくできる車については全部三%に押えよう。それから現在走っている現有車につきましては、先ほど申し上げましたように、車種別、走行キロ別に追跡調査をして、その結果に基づいて整備基準をつくって規制を考える、こういうような決議の内容になっておりますので、そういう決議の内容に従ってわれわれとしては規制を進めてまいりたい、かように考えております。
○大倉精一君 関連して、ちょっと注文をつけたいのですけれども、まあ三カ年計画だから少し待ってくれという話がありました。ありましたが、いつかの災害対策委員会で橋本大臣だったと思いますけれども、山が崩れるとか、あるいは山津波、そういう個所について何カ年計画というお話がありましたときに、とりあえず全国的に危険な個所を早急に調査してとりあえず措置したらどうか。こういう注文をつけましたが、さっそくやりましょうということでしたので、建設省のほうでおやりになっているはずです。そこで、警察庁、あるいは運輸省、総理府、全部関係あると思いますけれども、全国の危険な個所を早急に調査して、とりあえずの措置のできるところは、やったらどうですかね。たとえば、一、二の例を申し上げますと、東京でも交通が非常に頻繁なところをバスが通っておりますけれども、バスの停留所にみんな無防備でもって待っておる。これは本来ならば待合所をつくらなければならぬでしょうが、それをいまやれといっても無理でしょうから、そういう個所はいま両側に何かくいを立てるとか、何とかして、待合客をとりあえずの保護をする、あるいはまた全国の踏切の危険な場所は全部調べて、その場所にはとりあえずの保護をする、あるいは通行禁止にするとか何か措置をする、一、二の例をいえばこんなことなんですが、そういう措置を全国的に調査することはできませんか。
○政府委員(宮崎清文君) 交通安全施設の三カ年計画につきましては、その実施自体が緊急度の高いものから順次実施するということになっておると思いますが、特に都市におきましては、最近は緊急の問題になっております。学童、産児の道学、通園時における保護を急速にはかりたい。かような観点から、現在各市町村ごとに学童、園児の交通事故防止に関します協議会を設置させまして、極端に申しますと、小学校ごとにその子供たちが通う道がはたして安全であるかどうかを総点検させまして、危険な場所には必要な措置を講ずると、こういう方針をすでに決定しております。その調査が大体五月末に全国から集まってまいりますので、六月中ごろには大体見当がつくと思っております。踏切事故につきましても、過日の南海電車の大事故にかんがみまして、これも同じく都道府県単位に踏切道改善促進協議会を設けまして、危険度の高い踏切の総点検をいたしております。この結果につきましても同じく五月末に集計されることになっておりまして、同様に六月中旬以降には大体その結果が出てくると思っておりますので、それらの結果を参酌しつつ、緊急度の高いものから順次所要の措置を講じてまいりたいと、かように考えております。
○大倉精一君 私の言うのはそうではないのですよ、もっと簡単なものです。バスの待合所にトラックが突っ込むという例はちょいちょいあるのですが、血を流してからではおそいんですから、そういうところは至るところあるのですから、それを調べて、バスを待っている所の両方にガードレールとか何かを立てる、これをやらないとあぶないんですよ。いつも通るたびに痛感するのですが、ああいうのをほうっておいて三カ年計画といってもだめだ、橋梁でも、狭い橋でもって人間の通るのに非常に危険なところがある。たとえば愛知県で猿投町・尾張大橋、これは歩道橋をつくりましたけれども――何々計画でなければできないとしても、とりあえずのものはできると思うのですよ。できませんかね、これはできなければだめですよ。
○説明員(吉兼三郎君) 御指摘の点は先ほど来申し上げておりますように、三カ年計画で、たとえばバス停のあたりをガードレールとか、ガードフェンスで舗道と仕切るというような問題だと思いますが、私のほうでは、たとえばガードフェンスで三千八百キロメートル……。
○大倉精一君 ちょっと質問は違う、私の言ったのは、たとえばいまのバスの停留所あたりはバス会社にそういって、こういう施設をしなさいという行政指導をするのです。局長、そんなことはやれるのです。これからはバス路線を免許する場合に、そういう停留所の保安設備がなければ免許しないと、これは将来のことですが、現在通っているものを調べて、ここはあぶないからこういう保護措置をしなさいということを行政指導する、三カ年計画は別ですよ、それはできますよ。橋本大臣が山くずれを全部調査しまして、ここはあぶないと表示したのです。そういうことができなければ――どうですか、できませんか。
○説明員(吉兼三郎君) 先ほど宮崎室長から御答弁がありましたように、全国的な調査は、近々のうちに――その結果を見まして道路側でやらなければならぬものと、バス会社のほうでやらなければならぬものと調べの問題になろうかと思います。道路管理者の責任です。そういう点を見ました上のことではなかろうかと思います。
○大倉精一君 ぼくの質問の要旨がはっきりせんで、わからぬらしいですが、学童の通路であるとか、あるいは踏切、そういうようなものが指定され、調査されておりますけれども、私の言うのは、そうではなくて、東京都を歩いてごらんなさい、車は一ぱいあります。たとえば自由ケ丘のところ、非常に狭いところでこうやっている、非常に狭い道路で命がけでみんな歩いておる。そういうところを一方通行にするとか、そういうところを全国的に調べて、あまり金がかからぬから、とりあえず手の打てるものは打つと、これをやらなければしようがないじゃありませんか、どうですか、できないですか。
○政府委員(鈴木光一君) 道路の交通関係の整備は、時間がかかるという問題につきまして交通の規制で当面やっていくということにつきましては、私どもはどんどん施策を進めているわけでございまして、一方通行の道路を拡幅しなければいかぬという問題もございますけれども、現状一方通行をやる、あるいは大型車の通行どめをやる、踏切の問題では、踏切道の構造改善をしなければいかぬという問題もございます。この間の南海電車事件もそうでございますが、それは、それをやるまでにはやはり時間がかかりますので、そういうところにつきましては、大型車の通行どめをやるとか、あるいは自動車の通行どめを全部やってしまう、それは周囲の踏切道との関連も考えながらそういうことをやるべく、先ほど陸上交通安全調査室長が申しましたが、ああいう施策の一環といたしまして、緊急措置として、私どもが交通規制でそういう措置をしてまいる。時間がかかるという問題につきましては、交通規制を緊急の措置としてやるように指示をしております。
○大倉精一君 自動車局長ね、警察のほうと連絡をして、私のいま言ったことはあまりむずかしいことではないから、それをやらずに、道路で事故が起こったならば、やはり警察のほうにずっと調べてもらって、必要な個所は、あそこはこうしなさい、交通制限しなさい、こういう指示をして、少なくとも一つでも二つでも、とりあえずやれるものはやる、これが交通安全対策です。ですから何ヵ年計画と大きく言っておっても、三カ年待たなければできないですから、そういうものをぜひやっていただきたいのですが、どうですか。
○政府委員(原山亮三君) 先生の御指摘の点につきましては、警察のほうともよく連絡をとりまして対策を考えたいと思います。
○大倉精一君 やってください、たいしたことはないですから。
○委員長(成瀬幡治君) 本日の調査はこの程度とし、これにて散会いたします。
   午後四時五十八分散会