第055回国会 大蔵委員会 第11号
昭和四十二年五月二十五日(木曜日)
   午前十一時十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     須藤 五郎君     春日 正一君
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     春日 正一君     須藤 五郎君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
    二宮 文造君      白木義一郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         竹中 恒夫君
    理 事
                青柳 秀夫君
                植木 光教君
                藤田 正明君
                柴谷  要君
                中尾 辰義君
    委 員
                伊藤 五郎君
                大谷 贇雄君
                小林  章君
                西郷吉之助君
                塩見 俊二君
                徳永 正利君
                田中寿美子君
                戸田 菊雄君
                瓜生  清君
                須藤 五郎君
   政府委員
       大蔵政務次官   米田 正文君
       大蔵省主計局次
       長        岩尾  一君
       大蔵省関税局長  谷川  宏君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
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  本日の会議に付した案件
○関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○石炭対策特別会計法案(内閣提出、衆議院送付)
○税制簡素化のための国税通則法、酒税法等の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(竹中恒夫君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 本日、二宮文造君が委員を辞任され、その補欠として白木義一郎君が選任されました。
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○委員長(竹中恒夫君) 関税定率法等の一部を改正する法律案、石炭対策特別会計法案、税制簡素化のための国税通則法、酒税法等の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○柴谷要君 関税定率法の一部改正について質問をいたします。
 改正の要点は三点ほどあるんでございますが、その一つに簡易税率制度というものを設けられておる。この趣旨はどういう理由によって考えられておるのか、これがどういう役割りを果たすのか、これによって国民の得る利益はどうあるのか、こういう点についてひとつ説明を願いたいと思います。
○政府委員(谷川宏君) お手もとに配付してございます法律案の一四ページをごらんいただきますと、附表 簡易税率表というのがございますが、このように十の番号別に分類いたしまして、一から九までの品物を特掲し、十番目に「その他のもの」で二〇%の税率を規定したわけであります。ごらんをいただけばおわかりになりますように、それぞれの品物の下の税率が四〇%でありますとか、六〇%、五〇%というふうになっているわけであります。
 現在は、旅客または航空機あるいは船舶の乗り組み員が日本に入国いたしましたときに携帯輸入する貨物につきましては、一般の関税率が適用されておりますと同時に、その商品につきまして物品税等の消費税がかかります場合におきましては、関税のほかに物品税等についても税関におきまして計算をいたし、そして関税とあわせて物品税等の消費税を払っていただくことになっているわけでございます。関税率につきましては、その品目の数も非常に多うございますし、またその税率を一々旅客または乗り組み員がよく知っているというわけでもございませんので、入国をいたしますときに、関税及び物品税等の税額の申告に際しまして、いろいろ税関当局との間に紛争が起こったり、あるいはまた税率をよく知らないために、また課税になるかどうかということについての疑問をお持ちになっている方も中にはありまして、不正輸入の原因になっているというのが実情でございますが、大部分の方は正しく申告していただいておりますけれども、いまのような事情で、中にはそういうようなことも起こりがちでございますので、そういう不合理な状態を今回改めまして、簡易税率といたしまして、関税と物品税等の消費税を一本の税率に取りまとめまして、そして携帯輸入の過去の経験によりまして、携帯輸入の非常に多い物品につきましては、このように九つだけ特掲をいたしまして、その他のものにつきましては二〇%という税率で税金を納めていただくということにしたわけでございます。
 このようにいたしまして、旅客及び乗り組み員が入国に際しまして、関税及び物品税等の消費税を申告納税をしていただく場合に、非常に便利になりますと同時に、税関の通関の事務の迅速化ということを私どもモットーにして行政をやっておりますけれども、こういう制度によりまして、その税関行政の迅速化ということも一そう促進できる。それによりまして、国民の受ける利益が非常に多い。同時に、このような簡易な税率でございますから、申告も容易になる。同時に、国の立場といたしますと、関税及び物品税等の消費税の徴収、納付が確実に確保されるということも期待されるわけでございます。
 今後私どもは、この制度の周知徹底をはかりまして、一そう関税行政の迅速化あるいは的確な税金の納付ということを確保してまいりたい、かように考えております。
○柴谷要君 簡易税率制度の創設ということは、端的にいいますというと、通関の迅速化をはかるために、入国者の携帯品について関税及び国内消費税を統合した簡易税率を新設した、こういうふうに理解してよろしいのですか。そういう意味のものですか。
○政府委員(谷川宏君) そのとおりでございます。
○柴谷要君 そうしますと、具体的に一つの例でお尋ねしたいと思うのですが、たとえば時計のようなものを、どうも諸外国へ出るというといい時計があるということで、スイスあたりでやはり買いたくなって買ってくる、そういう場合に、自分の使うもの一つくらいはそれは黙って税関を通してくれるけれども、これを二つ、三つ買ってくる、こういうものに対して、簡易税率の手続をすれば認める、こういうことになるのですか。そういう点について、時計類はよろしいが、こういう品物はだめなんだ、こういう規定があると思うのですが、そういう点についてひとつお聞かせ願いたい。
○政府委員(谷川宏君) 旅客または乗り組み員が携帯輸入する物品につきまして、法律に基づきまして一定の免税の基準があるわけでございます。旅行期間の長短にもよりますが、私どもが外国へ行きまして、たとえば時計を買ってきて、一月くらいの旅行をして帰ってまいります場合には、あまり高価な時計ではだめでございますが、購入価格が三万円程度以下のものであれば、二個は免税の扱いになるという定めがございまして、そのものは免税扱いを受けるわけでございますが、それをこえて携帯輸入をする場合におきましては、そのこえた数量につきまして関税と物品税を国に納めなければならないわけでございますが、その場合に、従来は関税率と物品税率が違いまするので、それぞれ計算をして税金を算定し、そうしてそれによって税関に税金を納付することになっておったわけでありますが、簡易税率の適用をいたしますると、この法案の一七ページにございますように、時計につきましては、貴金属、貴石を用いたものとそうでないものとにおきましては物品税の税率の違いがございまするので、簡易税率も税率が違うわけでございます。貴金属等を用いた時計につきましては、この一七ページに書いてございますように、この課税価格に対しまして九五%の税率を適用いたしましてその税額を計算をして、それで税金を納めてもらえばよろしい。従来は関税が四〇%、それから物品税が四〇%で、それぞれ物品税は関税込みの価格に対してかかりますので、合計いたしますと九六%の関税率になったわけでございますが、それを端数を処理いたしまして、九五%という簡易税率を設けまして、これによりまして旅客の携帯輸入品についての税金の申告納税は非常に便利になるということでございます。
○柴谷要君 そうしますというと、この簡易税率制度というのを設けたということは、関税と消費税と両方かける計算をして税関でやっておると時間がかかる、旅客に迷惑がかかるということで、時間的に最も短く、便宜をはかるためにやる、ただし税率には何ら特典を与えるものじゃないのだ、従来と変わらない、こういうことですね。ですから、まあ端数ぐらいは切り捨てられたけれども、厳密に計算をすると両方取られているのだ、同じ額は取られる、こういうふうに考えていいわけですね。
○政府委員(谷川宏君) 大体先生のおっしゃるような趣旨でございますが、一番大きな特典は、この二〇ページの「その他のもの」というところに二〇%の簡易税率というのがございます。携帯輸入品は千差万別、いろいろなものがあるわけでございますが、そういうこまかいものは一々の税率が従来はなかなかわからなかったわけでございますが、この九つの項目以外のものについては、すべてこれは二〇%だということになっておりますので、この二〇%はものによりましてはだいぶ従来の関税率からいたしますると軽減になるというものも中にあるわけでございます。従来の平均は、九つの特掲したもの以外のもの、いろんなものがございますけれども、それの従来の過去の実績によりますところの平均の関税率は二五%程度でございますが、これを二〇%にいたしましたことによりまして、この携帯輸入品についての関税及び物品税等の消費税の担税率がある程度軽減される、これは非常な特典であるというふうに考えておるわけであります。
○柴谷要君 いまの簡易税率という問題についてはわかりましたから、次の質問に移りたいと思いますけれども、近く日本で万国博覧会が開かれることになりますが、これに対して保税展示場制度といいますか、これに対して何か特定な便宜を与える制度が考えられているようですが、一体どういうことなのか、その内容についてひとつ説明をしてもらいたい。
○政府委員(谷川宏君) 従来は国際見本市等が行なわれます場合におきましては、現行法のたてまえで、たとえば国際見本市に商品等を輸入いたしましてそこで展示をするという場合に、そういう商品は原則として、またその商品を持ってきた国に持ち返るのが通例でございまするので、日本に入ってまいります場合に関税を払うことなしに見本市に展示し、これを持ち返るという必要があったのでございますが、その場合に、現行法におきましては、保税倉庫という制度を利用してやっておったわけでございますが、保税倉庫の制度を利用いたします場合におきましても、いろいろな手続の規定が必要であったわけでございます。非常に不便な点もございましたので、今回この法律の改正によりまして、保税展示場という制度を設けまして、今回の万国博覧会に備えるとともに、国際見本市等の場合におきましても、その制度の活用がはかられるようにしたわけでございます。
 で、外国等におきましても、この種の施設が行なわれます場合におきましては、同様の関税の免税の措置を講じておりますので、そういう点をいろいろ研究いたしまして、国際見本市あるいは万国博覧会の施設に持ち込みますいろいろなものにつきましては、この保税展示場という制度が一番よろしかろうということで、この法案の二〇ページから二一ページ、二二ページにかけまして規定しておりますような、この保税展示場の制度を設けたわけでございます。
○柴谷要君 これは何ですか、簡単にいうと、保税制度の簡素合理化ということのたてまえですか。そういう意味でこういうことを考えられておるのですか。それとは別個に、万国博覧会独特のものとしてこういう制度をつくって、その期間だけやろうという考え方のものですか。
○政府委員(谷川宏君) 万国博覧会の場合だけでなくて、万国博覧会と同じように、国際見本市等その他これに類するものにこの保税展示場、この制度を利用できるようにいたしておるわけでございます。まず改正をいたしました主たるねらいは万国博覧会でございますけれども、それと同種類のいろいろな国際的な見本市等の場合においてもこれを活用できるような、法的な整備をはかったわけでございます。
○柴谷要君 こういうものを制度化してやるということになると、やはり税関の職員というものが必要になってくるわけですね。これはどのくらいの要員がこれに向けられるのか。それから、万国博覧会にはそういったために、何といいますか、庁舎とはいわないが、関係者を詰めさせる場所を設けるとか、そういった点はどうなんですか。その点をひとつ。
○政府委員(谷川宏君) 大阪の一九七〇年の万国博覧会は相当大規模でございますので、それに備えまして、この関税行政の面におきましても、相当の事務量が予定されるわけでございます。実際の開催の日以前におきまして、いろいろな施設を建設する場合の資材の持ち込みについての免税措置その他の問題もございまするので、開催前、開催中を通じましての最盛期におきましては、相当多くの職員が必要になろうと思いますので、目下詳細検討中でございますが、五、六十名くらいの職員をこの万国博覧会の関税行政事務に当たらせる必要があろうと思いますが、特に語学の問題もございまするし、適任者を目下養成しております。そうして、税関職員全体としての定員の増加はいろいろな関係で実現できませんので、全国の税関を通じまして仕事のやりくりを行ないまして、そうしてこの万国博覧会に際しての通関事務に支障がないように十分職員の適切な配置を行なうことを考えているわけであります。
○柴谷要君 確かに、国際的な問題があるだけに、ことに私は職員の苦労というものがいまから思いやられるのでありますが、まあひとつ手違いのないように万般打ち合わせをしていまからやっていただくように要望しておきます。
 それから次は、密輸した場合に、税関で発見すると、いままでは全部没収しておった。これを何とか改正しようというのが今度の一つの項目になっているのでありますが、密輸したようなものを多少でも有利に扱ってやろうというような改正の動きがどうして出てきたのか、それをひとつ聞かせていただきたい。
○政府委員(谷川宏君) 密輸を含めまして、関税逋脱というこの関税法違反が行なわれました場合におきまして、現在の法律のたてまえは、逋脱にかかるその物品は全部法律上没収しなければならないという規定になっているわけであります。いま御指摘のような悪質な密輸にかかるその物品につきましては、没収することも当然かと思いますが、それ以外に関税逋脱が行なわれますものといたしまして、たとえば海外旅行をして帰ってくる場合の旅客の携帯貨物についての関税逋脱という問題もあるわけであります。その場合におきましても、現在の法律では、たとえば時計を二、三個買い求めて家族のみやげとして持ってきたけれども、税率がわからない、あるいは免税の基準もあまりはっきりしないというようなことで、ポケットにしまい込んで税関を出ようとしたところを、つかまってしまった。たまたま申告していなかったために関税逋脱の犯罪を犯したということで調べられました場合におきましては、現在の法律におきましては、その物を全部没収すると同時に、関税の税金も取られ、また罰金も取られる。現物、犯罪物件を没収されて、税金のかわりに罰金を取られるわけでございます。その罰金も取られるということで、ほかの法律の規定に比べますると非常に過酷な状況にあるわけであります。
 また、不正申告の場合を考えてみますると、たとえばある輸入貨物全体が一億円の商品を輸入したという場合に、たまたま計算の違い等で十万円か二十万円計算の違いがあった、こういう場合におきましても、不正輸入申告ということで関税法違反になるわけでございます。その場合、たまたま課税標準価額が二、三十万円でございますから、税額はかりにそれの一割といたしますと、まあ二、三万円という不正申告の場合、それも関税の逋脱というようなことになりますが、そういう場合に一億円の商品全体を没収するということに法律上はなるわけでございます。
 そういうようなふぐあいな点がございましたので、これを改めまして、特定の場合におきましては必ず没収をしなければいけないけれども、その他の場合におきましては没収をしなくてもいい、そのかわり罰金を適正、的確に徴する。従来はとかくそういうような過酷な制度であるというようなことからいたしまして、行政上統一を欠き、また必ずしも適正に行なわれていなかったような弊害も中には出てまいりましたので、今後は制度を合理的にすると同時に、違反にかかるところの罰金の徴収等については厳格にこれを行なうことになるわけであります。
 また、先ほど触れましたように、特定の場合には没収する。その場合というのは、輸入が禁止されているもの、たとえば麻薬でありますとか拳銃、あるいは輸入の割り当てが行なわれておりますような物品、あるいは酒、たばこというような高関税品というものにつきましては、没収をするということは従来と同じような扱いをいたしますと同時に、こういう没収をする範囲を限定いたしますので、密輸に対する取り締まりの強化をはかることもこれによってできると考えております。
○柴谷要君 聞いておる私はよくわかるのだが、一般園長大衆にはわからないと思うので、例をもってお尋ねしたいと思います。
 実は最近、南鮮に渡る人が多い。朝鮮に行くとノリが非常に安い。日本人が行くと、町でどんどんノリを売りつけるらしいのです。特にデパートあたりに行くと、盛んにノリを売りつけるらしい。これはどんどん売っておるようだから、税関はすっすと通るかと思って一万枚買った、それは輸入制限があるとは知らないから。それを持って羽田におりた。そうすると、これは輸入制限があるのだ、一人二千枚まではいいけれども、それ以上はいかぬというので、没収された。その二千枚についても罰金かなんかかけられたのじゃないのですか。それで実はびっくりしたというような話を聞いたので、関税局にどうしたのだということを聞いたことがあるのだが、別にこれはどうにもならぬということで、それっきりになってしまった問題があるのですが、今度の改正によってそれはどうなるのか。その二千枚については黙って持って来られるのか、あと八千枚についてはどういうふうにやられるのか、これは具体的な事例だから、それについてお答え願いたい。
○政府委員(谷川宏君) 御指摘の問題は、先ほど御説明申しましたように、自由化をしていない物品につきましては、輸入制限貨物等という法律の用語の適用を受けることにいたしまして、没収すべき貨物になるわけでございますが、ただ、携帯輸入をする物品は、この没収すべき貨物の適用から除くということになっているわけであります。
 そこで、従来は携帯輸入をするノリの数量が通産大臣の命令できまっておったわけでありますので、それをこえたものにつきましては、これは割り当てを受けていないで輸入したということで、税関当局におきましては、輸入物品の管理令に基づくところの規定によりまして審査をして、そうして割り当て以上に持ってきたものにつきましてはこれは輸入ができない、輸入を許可することができないということで、そういう措置を講じたわけでございます。税関当局におきましては、通産大臣の定めるところの一定の輸入の制限数量の範囲内であるかどうかを確認をする義務があるわけでございまして、その一人一人のノリの携帯輸入をする数量が二千枚が適当であるかどうかという点については検討の必要があると思いますが、それが変わらない以上は、その携帯輸入のできる数量制限を越えたものにつきましては輸入を許可することができない。そういうことでそれを持ち込みができないわけでございますが、それを黙って荷物の中に入れて、あとで税関当局の検査、調査によりまして発見されたような場合におきましては、そのノリの制限数量を越えたものにつきましては、輸入ができないわけでございますから、それをもとの韓国に送り返すとか、そこの税関に置いておくとかというようなことをせざるを得ないということでございます。
○柴谷要君 次の戸田先生の御質問もありますから、はしょっていきたいと思うのですけれども、関税定率法の改正で一番問題になったのは、何といってもバナナを二年間にわたって五%、五%引き下げた、こういう問題が一番大きな問題になった。まあ、関心もこれは高かった。それだけにバナナというものが最近、何といいますか、ダイヤ的に取り扱われておる。まあこれはもうけが多いんでしょうな、だいぶ、国内に入ってきても。それだから、こういうふうに関心が高いんだと思うのですが、ある人は五%、五%ぐらいの引き下げじゃ足りない、もっと大幅に引き下げろという人がある。そうかと思えば、われわれのように、国内果樹を守るためには、あまり関税を引き下げてどんどんバナナなど売られたのでは、リンゴなり、ミカンなり、その他国内果樹産業に影響するから、ひとつ考えなければいかぬじゃないかという意見を持っている者もないではない。これに対して、一〇%二カ年で下げた場合に現在のバナナの輸入がどの程度上昇するのか、輸入がふえて国内果樹に対してどのくらいの影響を与えるのか、こういう点について一応の目算を立てておられるのかどうか、これをひとつお尋ねをしておきたい。
○政府委員(谷川宏君) 関税を下げることにつきましては、まあいろいろな影響等がございまするので、慎重に従来考えてきたわけでございますが、何と申しましても、七割という関税は非常に高い関税でございまして、ヨーロッパの諸国で一番高いところで二〇%、特に最近は後進国産の物品の関税につきまして全世界的にこれを軽減するというような動きもございまして、日本のバナナの関税がしょっちゅう国際的に問題となってまいっておること、御承知のとおりでございますが、この関税を五%下げることによりまして、末端の消費者価格も関税分だけが下がる理屈ではございまするけれども、現在バナナは自由化とはいいながら、台湾のバナナにつきましては、輸入の規制を、合理化をやっておるわけでございまするので、この輸入数量を相当大幅にふやすということになれば、バナナの価格も相当安くなると考えますけれども、一方、台湾のバナナの生産の状況等の関係もございまして、表面はそう大幅にこの輸入数量がふえると、極端にふえるというようなことはまあないと見込まれまするので、末端のバナナの価格が、そういま、関税を下げたからといいまして、大幅に下がるということにはなりません。したがって、国内のその他の果実に対する影響はそう心配することはないというふうに私ども考えておるわけでございます。
○柴谷要君 関税定率法の問題は以上で終わって、ただ一間だけ石炭対策特別会計法について質問したいと思います。一問だけ。この法律案が五月三十一日に通過をしなかったら、どういう結果が出てくるか、これについて……。
○政府委員(岩尾一君) お答えいたします。
 石炭特別会計は、会計法に書いてございますように、現在暫定予算中でございますが、もし一般会計予算が成立をいたしましたときには、暫定予算中に行なわれました債権債務その他全部一般会計に吸収する――一般会計といいますか、本予算に吸収するということを附則に書いております。したがいまして、この特別会計がかりに五月の三十一日に成立をいたしますというと、本予算のほうは二十八日には自然成立をするわけでございますから、そこで本予算が二十八日に成立をいたしましたときに、その期間中、暫定予算中の債権債務は全部本予算に吸収をされるわけでございまするけれども、今度は特別会計法がまだできていないという状態になるわけでございます。そういたしますと、本予算はできているけれども特別会計はできていないということで、支給ができない、経費の支出ができないという事態になるわけでございます。いわゆる二十八日から三十一日の問に歳出が行なえない。そうなりますと、先生も御承知のように、この対策の中にはいろいろ期間的に常時出ていくような歳出もございます。あるいはそのときどきに出すものもございますが、たとえば就職促進手当のように毎週払っておるというような金がございますので、そういう金が支払えなくなるというような状態に相なるかと思います。
○柴谷要君 私は実は理解を、六月一日からこれは発効と、こうあったものですから、五月の三十一日でいいんだと、こう思いましたが、なるほど予算が通過しますと暫定予算が吸収されてしまいます。この法律案が通っていないと失効するということですから、確かに二十八日、二十九日、三十日と、三日間は支払いができないわけですね。ですから、この法律案はどうしても予算と同時に国会を通過させる、こういうことが一番大事であるということですね。
 私は質問を終わります。
○戸田菊雄君 関税定率法の一部改正について二点ほど御質問いたします。
 その第一点は、この前もちょっと質問をいたしましたけれども、どうもこの前の回答では納得がいたしません。それは北ベトナムからパンフや写真が入ってまいりまして、それがこの間東京税関で差し押えられた。こういう問題については、これは税関としては取り押えた法的根拠、それをどこに置いているのか、それをひとつ。
○政府委員(谷川宏君) 関税定率法の二十一条の第一項第三号の規定によりまして、輸入禁制品であるという判断を下しまして輸入の許可をしなかったわけでございます。
○戸田菊雄君 どうも私はふに落ちないのですけれども、関税定率法の第二十一条一項三号というのは、「公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品」、こうなっておると思うんです。この一体項目のどこに該当するのか、それをじゃひとつ。
○政府委員(谷川宏君) この三号の「風俗を害すべき書籍」ということでございます。
○戸田菊雄君 その二十一条の一項三号の立法趣旨は、一体そういうところにあったのではないと思うんですね、私は。小なくとも、いま北ベトナムでああいう残酷な戦争が繰り返されておる。その実況というものを正しく日本の国民の皆さんに知っていただく、こういう立場でいわばパンフなり写真というものを取り寄せたわけです。こういういわばわいせつ的なエログロ、そういうものと映画やフィルム、こういうものとは私は全く性格を異にするのだと思うんです。そういうことを判断をするというと、多分に税関として政治的な判断でそれを先行さして取り押えをやったのではないかと考えるのですが、そういうことはないのかどうか。それから、どういうところでこの問題がこういう結果になったのか、いわばその個所ですね、そういう問題について質問いたします。
○政府委員(谷川宏君) いま仰せのような政治的な配慮ということは全然なかったわけでございます。で、「風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品」となっておりますが、この風俗を害すべきものという中には、わいせつもの以外に健全な常識のある人が一見してきわめて残酷である、見るのもいやだという感情を持つようなきわめて残虐性を持った写真等が入るというふうに従来解釈されてきておりまするし、また税関当局におきましても長年そういう解釈のもとに行政をやってきたわけでございます。その場合に私どもが政治的な偏見を持って判断をするということは、絶対これはやらないということでやっておるわけでございます。
 税関当局におきましては、そういう映画等の審査をする専門官を、たとえば東京税関の場合には課がありまして、その専門官が三人おる。横浜の場合には二人おる。それで、長年にわたりまして、客観的にその事物についてわいせつであるか、あるいはきわめて残虐であって、それが社会に害を流すものであるという即物的な判断ができる担当者を置いておるわけであります。
 もっとも、税関におきましてそういう判断をいたしまして、これがきわめて残虐なものであるということで二十一条第一項第三号に該当する物品であるという通知を申し上げるわけでございますが、その判断について異議があります場合におきましては、この法律の二十一条の二に規定しておりまするところの輸入映画等審議会、その審議会におきましては学識のある方々、委員十五名以内で組織することになっておりまするので、映画の評論家でありまするとか、あるいは新聞社の方でありまするとか、一般社会常識に最もすぐれた方々――女性の方も入っておりますが、そういう審議会におきまして慎重に審議して、その意見を税関長に答申するというたてまえをもちまして、一そう慎重な扱いをするということに三十六年以降なっておりますが、ことに最近戦争に関するいろいろなフィルム、図画等が入ってまいりまするので、私どもは通知を出しまして、この問題の処理にあたっては一そう慎重にやるように、また三十四年の衆議院の大蔵委員会におきましてこの問題がいろいろ議論されました結果、附帯決議がつけられまして、大蔵当局におきましては、この二十一条一項三号の風俗を害すべきものに該当するかどうかということを判断をする場合に、慎重の上にも慎重を期すように、過誤なきを期すべきであるという附帯決議をいただきまして、その後ほんとうに神経衰弱になるくらいに審議をして決定を下してまいったわけでありますが、今後とも一そう――今国会におきましても、衆議院あるいは参議院において論議がいたされておりまするので、その論議の経過あるいはその精神を十分に尊重いたしまして、一そう慎重にこれを処理をしたい、かように考えておるわけでございます。
○戸田菊雄君 非常に局長は、政治的に片寄らず慎重に、あるいは審議会というものがあってそういうところでいろいろな討議をしたりするといとことでありますが、大体ああいう――パンフとそのフィルムの内容を私は見ませんが、想定するに、最近ベトナム戦争に対する一連のそういう実況なり、あるいはいろいろな本が一ぱい出ておる。そういうものを読めば、いかにあの戦争でアメリカの残虐性というものが行なわれておるか。ことに婦女子に対する全く人道上許されない、そういうものも多くあるわけですね。そういう領域を私は出ていないだろうと思うのです。そういう実況を偽りなく、その写真なりあるいは書籍を持ってきたのだ。だから、それはいま世界的の焦点のベトナム戦争の記事でありますから、正しく私は国民に知らしていくというのが大事じゃないか。ですから、そういうものは関税定率法の二十一条で、いま言った風俗を害するといったような、いわばエログロ文化なり、そういうフィルムなどと同等視して、それでこれを押えるということは、私はやっぱり戦争に対する罪悪というものに対して、道義的にきわめて許されない、そういう政治行為である、政治的なベールでおおい隠そうというそういう一連の考え方、態度というものがあるのじゃないか。だから、私は、定率法の二十一条の一項三号を法律そのもので解釈するなら、この取り扱いは、取り押えるなんということになっていかないと、私はこういうように考えるのです。ですから、そういう面について、やはり反戦を呼びかけるとか、そういう実況を呼びかけるとか、そういうものを見せていく。かつて広島原爆に対する被害状況なんというものは、写真でどんどんやられた。最近またベトナムに行ってくる記者の皆さんが、いろいろ往復する人が多いのです。そういう人たちが持ってきて写真展とかなんとかをやっておる。そういうものと、ことさらいま日本国民に知らされておるそういうものとは、実態は違わないと思う。それをあえてこの時期に、いまアメリカがどんどん中立地帯へ進攻して、そうして北ベトナムまで進攻しようという状況が予想される。そしてなおかつ中部に抜けて戦争を全域に拡大しようというこういうきわめて切迫した情勢の中で、日本がこれに対する一つのそういう抑制策をとったということは、私はやっぱり世界的な国民の世論あるいは平和を熱望するそういうものと逆行した一つの政治行為じゃないか、こういうように判断するわけなんです。
 ですから、局長も、そういう問題については慎重にということでございますので、でき得れば、もう一度そういう問題について再検討していただいて、やはり国民の世論なり、不平を除き、国民が納得するように、そういう立場での正しい判断というものを私はやっていただきたい。そのことをひとつ要望しておきたいと思うんです。
 次に、バナナの関税率の引き下げの問題について、青森や岩手や、あるいは長野、日本国内で生産されるリンゴに対して相当な影響力というものが出てくると思う。こういう問題について、過日衆議院の農林水産委員会において果樹農業振興に関する件ということで、前書き、一、二、三、四項目にわたって一定の結論を見ているのですね。このことについて具体的に大蔵省としては予算の面でそういう態勢がとられたか。一つは学校給食に向けてリンゴを政府が責任をもって供給をする手はずを整える、こういうことが一つであります。もう一つは、台湾等との貿易協約を政府は責任をもって締結する、こう言っている。だから、こういった問題についてこの関税定率の実行前に、この約束をした衆議院の農林水産委員会、あるいは衆議院の大蔵委員会においても同じようなことが大体三項目について決定をされている、こういうことについて適切に大蔵省はそれらの対策をとったのかどうか、この点をひとつお聞かせ願いたい。
○政府委員(谷川宏君) 先ほどもお答え申し上げましたとおり、バナナの関税七割というのは、ほかの国の一番高いところで二割でございます。大部分外国では無税になっておるわけでございます。また、後進国の産品であるバナナ――後進国の産品の関税率を全世界的に下げるべきであるという世界の潮流から見ましても、七割という関税はいかにも高いから下げるべきであるということ、この点につきましては、関税審議会におきましても、数年来毎年問題になってきたところであるわけであります。しかし、一方、いまお話しのように、国内の果実への影響等も無視することはできませんので、私ども慎重な配慮のもとに、ことし五%、来年度五%、それも施行の期日は政令できめるということでおはかりしておるわけでございますが、そういうようなことで、関税の引き下げはこの程度のものであればぜひとも実行いたしたいということで法案も提出しておるわけでございます。
 ただいまの、国会の農林水産委員会あるいは衆議院の大蔵委員会におきますところの決議等の処理につきましても、私ども、国会の決議でございますから、十分に慎重にできるだけ実現化するような努力をしたいと考えておりますけれども、バナナとリンゴとの関係等についてはいろいろ議論のあるところでございますが、それはそれといたしまして、この附帯決議につきましては、政府としてもできるだけ実現への努力をしなければならないと考えておりますけれども、一つには、学校給食等、この問題につきましては、必ずしも予算との関係ではなしに、学校給食としてバナナを使うことができるかどうかという問題でもございまするので、文部知と十分連絡をとりまして努力をしたいと考えております。また、この台湾、中華民国に対しまして、リンゴの輸出をする場合におきまして、政府も本腰を入れて貿易交渉をすべきであるという御趣旨につきましては、全面的に私ども賛成でございまして、目下外務省を通じまして、あるいは通産省、農林省とも十分協力一致いたしまして、政府といたしましても、台湾、中華民国政府に対しまして、リンゴの輸出が一そうふえますよう貿易交渉をやってまいりたい、今後とも大いに努力をしたいというふうな考えでおるわけでございます。
○戸田菊雄君 この問題は非常に重要な問題である。いまのように、局長、この段階にきまして、これから十分努力をしてやっていきます、そういう返事では私は納得できない。ですから、これは農林大臣も了承し、権威ある農林水産委員会で、あるいは大蔵委員会で、こういうことでやりますということを明確にこの二点については決定しているわけですからね。そういうもののあとを受けて、いま参議院で関税定率の一部改正についてやられておるわけです。当然私はこれらの二項目については差しあたって必ず実施期日前にやる、このくらい参議院の段階で私は約束をしてもらいたい。そうでなければ、私はこの問題については了承しかねるわけです。その他についてはどうですか。
○政府委員(谷川宏君) 中華民国との貿易の問題は、相手のあることでございますので、私どもは全力をあげてリンゴの台湾への輸出について、これは民間ベースの取引ではございますけれども、政府も本腰を入れてやるということについては全く国会の先生方の御意見と同じでございまして、政府といたしましては、六月六日から台湾におきまして日本と中華民国との間の貿易交渉を行なう、特にリンゴの輸出の問題を中心議題といたしまして交渉する、その際、関税局におきましても課長を派遣するということにきめておるわけであります。ただ、台湾から日本への農産物の輸出の問題もあるわけでございます。ポンカンでありまするとか、またそういうようなものとの関係をどうするか、リンゴだけ買ってくれということでおさまるのかどうか、相手のあることでございまするので、努力はいたしますけれども、その結果どうなるか、いまからはっきり申し上げることができないことは、これは当然のことだと思いますが、そういうようなことでございますので、今後一そう努力をいたしまして、リンゴの需要がもっと拡大し、消費がふえ、また輸出がふえるように私どもも一そう努力をいたしたいと、こう考えておるわけであります。
○戸田菊雄君 この問題は、努力では私は了承しかねるのです。結局そういうことで、やるということに決定をされているのですから、当然大蔵省としてはきょう参議院のこの委員会に対しては、予算執行上、給食関係について、こういう措置を打ちました、あるいは貿易協定についてはいま具体的に外務省を通じてどういう段階まで進んでいる、こういう具体的なものが入ってこなければ、単に努力ないし前向きで、こう言われても、これは議院の決定に対する軽視じゃないかと思うのですね。
 それにもまして、やはりリンゴ主産地の岩手とか青森とか長野とか、こういったいわば農村地帯におきましては、これは真剣な問題なんですよ。ことに私は都市における果実消費の伸びと品目別割合というのがございますが、これは総理府の家計調査でとった資料であります。これによっても日本のリンゴというものは三十年に二五・五%であったものが、漸次減少の傾向を見ているのですが、三十一年には二五%、三十二年には三一・一%と若干上がっておりますが、三十三年になって二六・八%、三十四年は二二・七%、四十年には一四・四%まで下がっておる。こういう現況の中で、さらにこのバナナ関税引き下げに伴って大量にまた入ってくるということになれば、この押し合いがたいへんなことになると思う。ですから、いまリンゴを生産しておるこれらの人たちにとっては死活問題だと思う。だから、そういう実態というものを農林大臣も認めたから、あるいは衆議院の大蔵委員会でも大蔵大臣みずから認めたから、そういう決議というものを了承したんだと思う。
 それに対してですね、いま最終、大詰めの討議に入っているわけでありますから、当然大蔵省としては、それらに対する具体的措置がこうだと、こういうものを私は提案をするのが当然じゃないかと思うんですよ。ただ努力しますとか、前向きで善処します、こういうことでは、私はいけないんじゃないか。そういう点について、次官、大臣はいませんから、どういうお考えを持っているか、ひとつお聞かせを願いたい。
○政府委員(米田正文君) この問題は、バナナ問題は、各関係のところにおいて非常に御意見がいろいろ出ておられることも、大蔵省としてもよく承知をいたしており、衆議院の段階における審議においても大蔵省の意見を申し上げておるんですが、趣旨としては、バナナ関税の引き下げに伴うリンゴ対策というものについては十分検討をしてまいりますということはたびたび申し上げております。
 それで、ただ、いますぐそれをじゃどういう方法をいまきめたか、貿易協定はどうなったかという御質問になりますと、それはいまここで、解決の対策としてのお答えをできる段階にまでは行っておりません。いまも申し上げましたように、これから国会の御意見を十分尊重いたしてそれぞれの対策を講じてまいる、貿易折衝においてもそういう趣旨で今後進んでまいりたいということを申し上げておる次第でございますから、ひとつ十分この問題については大蔵省としても善処してまいるということを申し上げておる次第ですから、それでひとつ御了承をお願い申し上げたいと思います。
○柴谷要君 関連して。戸田委員がいま追及されている問題なんですがね、これは政務次官の答弁でも不満足ですよ。そこでね、注文つけておきたいと思う。あす審議を終わったとみなして――これは譲歩するんです。私のほうでだいぶ譲歩しまして、石炭対策特別会計法案と税制簡素化の法案を二つあしたあげようと思う。そのときには大臣に来てもらう。大臣に来てもらって、いま戸田委員が質問されたことを明確にお答えいただいた上で、納得いけば、これはそのときに考えようと思う、法律案をどうするかということを。だから、そのくらい大事な答弁があすの大臣の双肩にかかっているということを、政務次官、帰って伝えて、うまい答弁をするということを約束すれば、あした考えてもいいと、こう思っているんです。だから、いま戸田委員の納得するような答弁をしなきゃだめですよ。前向きでやりますとか、努力しますなんて、何のことだってみんなくっついているんだから。いいですか、それくらい大事なことなんだ。
 それから、一つは、附帯決議がつけられた中にも、附帯決議の中にも書かれているでしょう。ですから、その中で、附帯決議でさえ私は二、三質問して確認を取っておきたい問題があるから、大臣にあした質問しますけれどもね。その点は政務次官ではたいへんに荷が重いから、大臣に、あした明確に答えられるように、きょうひとつ連絡をとってね、戸田委員の質問にあした明確に答えられるように頼みますよ。
○政府委員(米田正文君) いまの御注文がございましたが、あす法案の採決のときには大臣に出席をしてもらう予定にいたしておりますから、そのときに御質問に対してお答えをするように私から連絡はいたしておきます。まあしかし、これは重ねて申し上げますが、今後の、貿易問題でございますから、相手のあることでもございますから、貿易問題等についてのそういう相手のあるということも十分ひとつお考え置き願いたいと思いますし、国内対策についての問題は、これは国内で今後関係の省庁の間で協議を進めてまいりたいと、こう思っておりますが、これは重ねて申し上げましたが、またあした大臣から御要望に応じて、御質問に対してお答えをいたしたいと思います。
○戸田菊雄君 まああしたそういうことで大臣出席の際に、いま柴谷先生のおっしゃられたようなことで、われわれとしては対処していきたいと思います。次官からも、大臣に対しては強くわれわれのそういう意向というものを伝達をして、あしたわれわれの期待ができるような方向でひとつ処置をしてもらいたい、こう思うのです。
 もう一つは、やはり日本のバナナ関税は非常に安くなってきたのですがね、日本のリンゴは、台湾に輸出をされると、台湾の関税は一七〇%ぐらい税金をかけているのですよ。だから、こういう状態からいくと、全く私はもう日本の場合は無防備に近いと思うのですね。それはもう台湾なんかそういうことでリンゴに対して高い関税をかける、こういう状態ですから、今後いわば販路を拡大して輸出を増大していくということになれば、そういうところにも相当な支障があると思う。ですから、そういう相関関係もやはり十分検討を加えていく必要があるのじゃないか、こういうふうに考える。
 それから、もう一つは、給食のいわば態勢をとるということになるのですが、そういう場合に、やはり保管個所といいますか、まあそういう冷蔵庫とかなんかという設備が当然必要になってくると思うのですね。ここまでやはり予算の範囲というものを配慮をなされて、この給食施設関係についてはぜひ御検討を願いたい。その点はどうですか。
○政府委員(岩尾一君) バナナ関税引き下げに伴いますリンゴの需要拡大のための行政といたしまして、消費拡大という意味で、給食に採用してはというお話でございますけれども、ただ、先生御承知のように、給食はこれは各義務教育の小学校あるいは中学校が、どういう品目を採用し、どういうふうにやるかということは、各学校の裁量でやっておるわけでございます。現在国のほうの予算措置として考えておりますのは、生活保護と同程度のいわゆる準要保護と申しますか、そういった低所得の家庭の児童に対しまして、その給食費を国と県とが半分ずつ出して無償でやっていくということをやっておりまして、それ以外にはたとえば小麦粉あるいはミルク等について若干の補助をやっておる程度でございまして、それから一般の給食施設等につきましても、これは給食全体の立場を考えまして、いろいろな厨房施設あるいは栄養士の配置等につきまして若干の配慮を加えておりますけれども、個々の品目等について補助をするというようなことはしていないわけでございます。そこで、実際上、いまいろいろお話がございましたけれども、給食に採用するというのは、文部大臣から、私の記憶では二、三年前にもこういう問題がございまして、なるべくリンゴを採用するようにというような通達が出ておるやに聞いておりますが、実際には各児童のカロリーあるいは父兄負担になりますから、リンゴを採用することによってどれだけ父兄負担がふえるかという意味での判断等をして、各義務教育の学校で採用されるわけでございます。政府としては、御趣旨に沿いまして、できるだけ採用してくれということをお願いをするというような立場に相なるかと思いますが、先生のおっしゃいますように、これに伴って直ちに何らかの予算措置あるいは何らかの措置をここで示せとおっしゃいましても、ちょっとなかなかむずかしい、こういうふうに思います。
○戸田菊雄君 まあ一応あした、そういうことで決着をされるから、そのときまた申し上げたいと思うのですけれども、いま次長がおっしゃられました内容について、わからないわけじゃありませんが、しかし、牛乳の場合は国が一定の補助施設をやっていると思いますよ。だから、そういう一端のケースがあるわけですからね、だから、学校給食においてリンゴを適用すると、こういうことになっていけば、当然の一定の補助支給率といいますか、そういうものを私は国で考えるのが当然じゃないか。またそこまで含めて、いわばこの農林水産委員会なり、あるいは大蔵委員会でおきめになられたことを政府は了承したのだろうと思います。ですから、そういうケースがあるのですから、その点はひとつぜひ御検討を願いたいと思います。現に、リンゴを給食に回している長野県なんかあるわけですね、実例としては。ですから、そういう一端のケースがあるわけですから、政府が本格的に取り組んでいくとすれば、その算定基準なり、そういうものはそこから出てくると思う。ですから、そういう点でぜひ御検討を願いたい。
○政府委員(岩尾一君) いまおことばがございましたが、ミルクはこれはいわゆる高度僻地の学校に対しまして無償で、むしろ栄養付加といいますか、そういう意味の体力増強の意味で補助している。小麦粉につきましては、全体のパンを、ある体系に従って食管会計から配給するたてまえ上、若干の、百グラム一円でございますけれども、そういう補助をいたしております。したがいまして、いまリンゴをもし給食に採用しろと。現に長野県等において採用されておる例もあるわけでございますが、現実に、たとえば私がいま申しましたミルクのような形で採用して、補助を出せというお話になりますと、これは文部省の給食委員会等において、いま盛んに検討いたしておりますので、どういうような栄養価のものをどういうふうに食わしたらいいのかということで、そういう意味でリンゴが、カロリーその他の点から、その審議会にパスをいたしませんと、なかなかそういうふうになっていくかどうかむずかしいと思います。
 まあ長野県等で行なわれておりますのは、原産地でございますし、価格もおそらく安いということで実際に採用されているかと思いますが、全国的にこれを採用し、しかもそれに対して補助金をつけろ、つけるのだというような趣旨で、私らは大蔵委員会あるいは農林水産委員会の附帯決議に賛成をしたわけではございません。実際の消費の拡大のために、なるべくリンゴを使っていただくようにするという意味での努力はいたします、そういう趣旨で各委員会の附帯決議については前向きで検討するということを実は申し上げた次第でございます。
○戸田菊雄君 いまの御答弁、一応了承するのですけれども、さっきも申しましたように、消費量というのは減少傾向にある。それからもう一つは、生産量は依然として変わらない。そこに危機感というものを農村地帯では持っているわけです。ですから、そういうものについては、これは当然国であたたかい保護政策をやっていただかないと、ことに農村も農業基本法実施以来撰択的拡大というものがとられて、非常に農村が果樹に力を入れた、そういうケースもあるわけですから、それがいまこの時点にきて、逆現象を見ているということになれば、当然政府の農村政策の基本の脆弱性がそうさせているのですから、それを刈り取る意味においても、私はもう少し真剣にこういった問題について取り組んで、そうして消費量というものが減少しない、やはり一定の生産量に見合う消費態勢がとれるように、そういう態勢でぜひひとつ、いま次長がおっしゃられたのでけっこうでありますけれども、要望しまして、私の質問を終わります。
○委員長(竹中恒夫君) 本日の審査はこの程度にいたします。次回は明日午前十時より開会いたします。
 それでは、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十三分散会