第055回国会 逓信委員会 第12号
昭和四十二年六月二十二日(木曜日)
   午前十一時十三分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         森中 守義君
    理 事
                植竹 春彦君
                寺尾  豊君
                西村 尚治君
                森  勝治君
    委 員
                古池 信三君
                郡  祐一君
                新谷寅三郎君
                鈴木  強君
                永岡 光治君
                光村 甚助君
                横川 正市君
                和泉  覚君
                石本  茂君
                鈴木 市藏君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  小林 武治君
   政府委員
       郵政政務次官   田澤 吉郎君
       郵政大臣官房長  竹下 一記君
       郵政省貯金局長  稲増 久義君
       郵政省簡易保険
       局長       武田  功君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        倉沢 岩雄君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       荒巻与四郎君
       大蔵省理財局資
       金課長      大蔵 公雄君
       郵政省簡易保険
       局次長      東城眞佐男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
○委員長(森中守義君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 初めに、理事打合会の決定について御報告いたします。
 本日の委員会においては、簡易生命保険法の一部を改正する法律案に対する質疑を行なうことになりましたので、御了承願います。
○委員長(森中守義君) 簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
○鈴木市藏君 簡易保険の今度の一部改正案というのは、事態はきわめて明らかな問題です。これ自身は、私たちとしても基本的には異論のない法案だというふうに思いますが、この機会に、簡保なるものの全貌をやっぱり明らかにしておく必要があると考えますので、その立場からひとつ質問したいと思います。
 きょうちょっと大臣が見えませんけれども、もし質問が大臣にわたるような場合でしたら、保留をさせていただきます。この全貌をつかむという観点から、本日は質問の関係もあって、大蔵省の関係の方にも来ていただいているはずだと思います。資金課長が来ないとぐあいが悪いので、ちょっと待ってください。
○委員長(森中守義君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
○委員長(森中守義君) 速記を起こして。
○鈴木市藏君 簡保の全貌を知るために、大蔵省関係に関する質問を二、三したいと思うのです。それを先にということでお待ちしていたわけです。
 で、この簡保のついでですけれども、郵便年金などの目標額、あるいは契約者貸し付けの総額といったような、こういう予定額の決定というものは一体どこで最終的にきめるものでしょうか。
○説明員(大蔵公雄君) お答えいたします。
 ただいま御質問のございました点に関しましては、最終的には郵政省が決定をいたすわけであります。
○鈴木市藏君 その決定に至る過程の中で大蔵省の査定というものはどういう位置づけを持つものでしょうか。
○説明員(大蔵公雄君) これは大蔵省の内部におきましては、主計局が査定をいたすわけであります。
○鈴木市藏君 これは大蔵省の主計局は、ちょっとことばは強いかもしれませんけれども、どういう権限あるいは権能を持って査定を行なうものでしょうか。
○説明員(大蔵公雄君) ただいまの御質問の点に関しまして、ちょっと理財局の資金課長の立場といたしましては、どういう権限で主計局が行なうのか、私存じません。
○委員長(森中守義君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(森中守義君) 速記を起こして。
○鈴木市藏君 そうすると、結局、この査定の問題に関しては権限がないということなんで、答弁者の権限ではないということですので、運用の面について、この簡保の資金は、これは大蔵省の資金運用部のほうにどのくらい入っているのでございますか、毎年。ただし、簡保資金ということばの中で言っているものは、一般的に言われているものと若干違って、つまり、内容を一々明らかにしておりませんので、その点、ひとつ誤解のないようにしていただきたいと思います。
○説明員(大蔵公雄君) ただいまの鈴木先生の御質問、おそらく、どの程度入っているかということは、どのくらい預託をされているかという意味でございますか。
○鈴木市藏君 そうです。
○説明員(大蔵公雄君) これは一年間を通しまして、それぞれ若干の上下がございますけれども、ただいま、四十二年三月現在におきまして、簡保から資金運用部に対して預託されております金額は一千四百三十七億でございます。
○鈴木市藏君 これは、財政投融資の数字の中にも出てきませんな、この数字は。これは名目として出てきている場所はどこですか。
○説明員(大蔵公雄君) ただいま私が申し上げましたのは、いわゆる簡保のほかに、一年以下の預託といたしまして、資金運用部に対して預託しております金額が四十二年三月末現在におきまして一千四百三十七億円と申し上げたわけでございまして、そのほかに、御承知のように、簡保資金に関しましては、分離運用されておりまして、財投の原資として今年度簡保資金が使われておりますのは、御承知のように、二千一百億になっております。これは、すでに資金運用部から引き出されまして、簡保資金のほうで運用しておるわけでございます。
○鈴木市藏君 課長、それを聞いているのじゃないのです。それは明細書が出ているからわかるのです。簡保資金として郵政大臣が運用すべきものは、これは明細書がちゃんと出ていますから、これはわかるのです。
 つまり、あなたのいま言った一千四百三十七億という預託金がどこにもないのですね。この昭和四十二年度の予算の説明の中でも、この財政投融資の項目の中にもないのですね。これはどういうわけかということを聞いているのです。
○説明員(大蔵公雄君) これは、年間におきまして出し入れが――預託されたり引き出されたりしております関係上、予算書その他どこにも出ておりません。
○鈴木市藏君 そうすると、こういう金の性質というものはどういうふうに理解したらよろしいでしょう。とにかく、年間を通じて一千四百三十七億という簡保の預託金が大蔵省の資金運用部にいま預託されているわけです。ところが、それは予算説明書あるいは財政投融資の内訳のどこを見ても出てこない。こういう金の性質というものは、どういうふうに私たちは理解したらよろしいでしょうな。
○説明員(大蔵公雄君) 先ほど申し上げましたように、簡保から預託されておりますいわゆる短期預託、一年以下の短期預託は、簡保から一ヵ月、三カ月あるいは一カ年と、それぞれいろいろな条件により、運用部に対して預託されておりますが、簡保のほうの必要に応じまして引き出される場合もあるわけでございますし、これはまた年末等に年末中小企業対策に私どものほうで使う場合もございますし、いわゆる長期の財政投融資計画の原資としては使われておりません関係上、どこにもあらわれてこないわけでございます。
○鈴木市藏君 そうすると、どこかほかに出ているところがあるのですか、これが正確に出ているところは。
○説明員(大蔵公雄君) 毎月、資金運用部月報というのが発表されておりまして、全体の中の一項目として、バランスとしては出ております。
○鈴木市藏君 そうすると、この預託金の、ほぼ一千四百五十億に近い預託金というものがどういう形で運用されて、どこの資金としてこれが運用されているかということは、一般にはわからないわけです。つまり、われわれ自身にはわからないわけです。要するに、一種の部内のやりくりというもの以外にはわからなくなっているのですね。全然これはわれわれどこを読んで見てもわからない。質問してみて、そういうものがある。しかし、それは財政投融資の中にも出てきていない、こういうことなんですが、こういうこと――ちょっと質問が前後いたしますが、この預託金なるものには一体、利子がつくのでございますか。
○説明員(大蔵公雄君) この簡保からの預託金は、先ほど申し上げましたように、一年もの以下三ヵ月もの、一ヵ月ものとあるわけでございますが、通常の資金運用部に対する一年もの以下の預託に対しましては、三分五厘でございますが、簡保からの預託につきましては、特利をつけて六分の金利をつけております。
○鈴木市藏君 そうすると、六分の利子をつけるということに、なりますと、相当、政府資金としては運用をよくやらないと、それだけのなかなか――おそらく、それは特例ですか。
○説明員(大蔵公雄君) そうです。
○鈴木市藏君 六分の利子をつけるということはたいへんなことだと思うのですね。ですから、かなりその運用においては、政府資金の、部内としては高利回りのところに運用しているはずだと思いますが、そういう金というのは若干の流動もあるし、あるいはまた、短期で引き出すといったような性質のものもあるでしょうけれども、やはり年間を通じて見ると、平均して千二百億ないし千四百億という金がずっと持続して預託されるわけですから、それはやっぱり金の性質から見て、要するに、国会に明らかにすべき数字の中において出てこなければならない性質を持った、そういう数字であるというふうに私たちは理解をいたしますが、その辺のところ、簡保のほうと大蔵省の低うと、両方からひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(大蔵公雄君) 先ほど来御説明いたしましたように、これは短期預託でございます関係上、年間を通じますと上下いたすわけでございます。たとえば昨年の、四十一年の五月には、短期の預託金が約六百億になっておりますし、先ほど申し上げました四十二年三月末現在千四百三十七億という数字は、五月末現在におきまして約一千二百億になっておるわけでございまして、時々上下をいたしておるわけでございます。これは御承知のように、私ども、資金運用部の資金運用に関しましては、学識経験者をもって在ります資金運用審議会の審議をお願いしているわけでございまして、この短期資金に関しましては、資金運用審議会に報告をいたしておるわけでございます。また、資金運用部の内部の資金に関しましては、毎月、資金運用部月報というものを公表いたしまして、明らかにしておるわけでございます。
○説明員(東城眞佐男君) 簡易保険の余裕金につきましては、これは資金運用部資金法によりまして、全額大蔵省の資金運用部のほうへ預託することになっております。
○鈴木市藏君 それはわかっているんですよ。つまり、預託することになっているというからこういうことになっているのでしょうけれども、この金が、この金額がどれほどであるかということをなぜ国会に報告すべき項目の中にないのかと言っているんですよ。要するに、これは運用しているんですよ。預託金といっても、いまも大蔵省で明らかにしたように、特例として六分の利子がつくのですから運用しているのです、運用していないというはずはないのです。ですから、当然大蔵省の資金運用部で運用しているんですよ。預託金といったって、金庫の中にしまっておくわけはないのですから、したがって、これを国会に明らかにする責任はあるのではないか。どこを見たって、書いていない、全然書いていない、それを質問しているのです。
○説明員(東城眞佐男君) 郵政大臣が管理運用するものは、積み立て金ということに限られておりまして、余裕金につきましては、大蔵省のほうへまかしてあるわけでございます。
○鈴木市藏君 まあそれはたてまえがそうなっているということですから、おたくのほうでそういうふうな答弁をするのはやむを得ないと思いますけれども、それはあとで大蔵省のほうに聞きますけれども、その運用している実態はどういうふうになっておりますか。六分の利子をつけるにふさわしい運用の実態はどうなっておりますか。
○説明員(大蔵公雄君) これは先ほど来御説明いたしましたように、上下いたしておりますけれども、私ども、この預託金の運用に関しましては、たとえば年末の中小企業の資金に対する短期の貸し付け金、あるいは地方団体における短期的な不足を補うための地方債の短期、こういったようなものに運用いたしております。
○鈴木市藏君 それならば、当然そういうところへ運用しているならば、その性格上、これは国会に明らかにしても差しつかえないように思われますが、この点いかがですか。
○説明員(大蔵公雄君) ただいま御説明いたしましたような、いわゆる中小短期であるとか、あるいは地方債短期というようなものは、あらかじめその年度幾らくらい必要であるかということを、予算作成当時等に予測することはきわめて困難なわけでございまして、私どもといたしましては、簡保からの余裕金と同様に、いろいろの政府関係財投各機関からの預託金を集めて統一運用をいたしておるわけでございまして、これをあらかじめ予測することは現実問題としては困難でございます。したがいまして、私どもの短期余裕金の運用につきましては、資金運用審議会に報告いたしておるわけでございます。
○鈴木市藏君 その資金運用審議会に報告をしたからといって、国会に報告の義務はないという根拠はどこにもないじゃないですか、それを聞いているんです。
○説明員(大蔵公雄君) 資金運用部資金法というのがございまして、それに基づいて国会に報告する義務は免ぜられているわけでございます。資金運用審議会に報告すれば足りることになっております。
○鈴木市藏君 そうすると、国会のほうでは必要に応じて、質問があればそれについては出す、こういうたてまえでございますか。
○説明員(大蔵公雄君) どのくらい余裕金が現在あってどういうふうになっているかという御質問があれば、それに対して御説明いたします。
○鈴木市藏君 では、このことに対するひとつ資料を私は要求したいと思います。これは委員長のほうからも、はっきりとひとつ念を押していただいて、預託金の運用を、やはり全貌を明らかにしていただく、そういう内容の資料をこの際要求したいと思います。委員長、念を押してください。
○委員長(森中守義君) 大蔵資金課長……。
○説明員(大蔵公雄君) 余裕金の全体としての資料でございますか。あるいは簡保の預託金でございますか。
○鈴木市藏君 簡保の預託金でけっこうです。
○説明員(大蔵公雄君) ただいま申し上げましたように、余裕金全体としての広域運用をやっております関係上、どの部分が簡保の余裕金からの運用であるかどうかという区別は非常にむずかしいわけでありまして、なかなか簡保の余裕金をどういうふうに運用をしているかということに関して、私ども正確な資料を作成することは非常に困難ではないかと考えております。
○鈴木市藏君 あなたはしかし、審議会に報告をすれば事足りる、それについて質問をして、その内容について資料の提出を要求すれば、それは困難だというふうな形で逃げているような印象を受けますよ。一体、そういうことを明らかにするのはどこの責任ですか。全体の立場から考えてみれば、当然国会でやる以外にないじゃないですか。ですから、そういうことになってくると、私たちは別にこんなものに特別なあれはないと思いますけれども、こうした性格の金額であるだけに、明細書として出てこない。要するに、国会の予算の説明書にも、財政投融資の説明書にも、大蔵省の資金運用部の内訳にも全然出てこないのですね。国会の目に通らないような、そういう性格の金になっているだけに、一体、全体の運用、その内訳がどうなっているかということを、どこでじゃ質問したらいいのですか。私はあとで質問しようと思っていることと関連いたしますから、この際、はっきりしておきたいと思いますが、この簡易保険には、加入者の、つまり意思決定の機関というものはないのですね。国会がかわってその加入者の意思決定の機関、かわってやるということはおかしいのですけれども、そういうことをやる以外にないのですよ。これが一つのよろしくない特徴なんですね、簡易保険の場合。とすれば、それを、少なくとも年間を通じて一千億以上の預託金の運用がどうなっているかということを国会が明らかにしようとするのに対して、その資料の提出もむずかしいということでは、私は非常にこれは不明朗な話だというように考えるが、この点、どうでしょう。とにかく、あなたのほうでももう一ぺんその点は答えていただく必要があると思うのです。簡保と大蔵省、両方から答えてください。
○説明員(東城眞佐男君) 簡易保険は国営事業でございますので、その制度及び運営につきましては、国会において審議が行なわれますので、国会の場を通じて第一次的に国民の意思が反映されております。なお、そのほかに、簡易保険加入者の会という、これは任意団体でありますが、これがつくられておりまして、加入者と事業との相互の意思の疎通をはかりまして、加入者の声を事業に反映しております。そのほか、資金の運用について申しますならば、これは郵政大臣が保険者として管理運用するということになっておりますが、この運用計画の策定にあたりましては、学識経験者によって構成された資金運用審議会の意見を求めて、その適正を期することになっております。それから加入者の意思の反映につきましては、現在郵政審議会もございます。これによりまして、その審議答申等によって生かされるという形になっております。
○説明員(大蔵公雄君) 簡保の長期預託の運用に関して資料を提出しろというお話でございましたけれども、先ほど申し上げましたように、資金運用部に対する預託に関しましては、毎月、資金運用部月報が発表されておるわけでございまして、全体といたしましての、どのくらい資金運用部に対して預託をされておりまして、それがどういうふうな形で運用されているということは、その中に明らかになっておるわけでございます。したがいまして、統一運用をされております関係上、簡保から預託されております金額に関してどこにどういうふうに振り向けられておるかということをその中から分離してこれを御説明することはできない、こういうことを申し上げておるわけであって、全体としての資金運用部の運用の内容に関しましては、明らかにされているわけでございます。
○鈴木市藏君 その全体についての運用というその性質も、大蔵省ではどういう性格のものとして考えておるのですか。それはやはり資金運用部資金の一部という性格で考えておられるわけですか。
○説明員(大蔵公雄君) 先ほど申し上げました資金運用部資金法に、資金運用部の資金は、要するに、確実であり、かつ有利な方法で運用し、これを公共の利益の増進に寄与せしめなくてはならないと第一条にございまして、この基本的な法律の目的に基づきまして私どもは運用いたしておるわけでございます。
○鈴木市藏君 あなた、端的に答えていただけばいいのですよ。それも、つまり、簡保の預託金も資金運用部資金としての性格を持ったものだ、イエスかノーかでけっこうですから。
○説明員(大蔵公雄君) 資金運用部資金の一部としての性格のものとして私どもは考えております。
○鈴木市藏君 それならば、資金運用部資金は当然財政投融資計画の中では原資見込みとして発表されるのですから、私はこの中でもやはり資金運用部資金として、簡保をはじめとするそのような預託金を明らかにする必要がある、そういう性格のものであるという、強いそういう意見を持っているのです。これについてはどうですか。
○説明員(大蔵公雄君) いわゆる財政投融資計画、予算書に載っております、予算の付属資料として載っております財政投融資計画は、いわゆる資金運用部資金のうちの長期運用が載っておるわけでございまして、短期の分は、短期運用は財政投融資計画の中には含まれておりません。
○委員長(森中守義君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(森中守義君) 速記を起こして。
○鈴木市藏君 ここのところは、これ以上はちょっと意見にわたりますし、水掛け論になりますが、私たちはそうすべき性質のものだというふうに考えております。これは、別に私は法律上の改正や何かをまたなくとも、大蔵省が進んで明らかにしようとすればできることの一つだということを考えております。そのために、このことに対しては、この辺のところで質問をやめておきます。
 さっき、ちょっと留保いたしました問題に戻りますけれども、荒巻さん、さっきちょっとあなたのおいでになる前に質問として留保いたしたのがあるのですが、それは、この保険契約、こういうものの査定ですね、査定を行なう場合、最終的には、これは郵政大臣が責任を持って決定すべきものだと思いますが、その郵政大臣の決定に至るまでの間に、大蔵省の査定といわれているものが非常に強い権限を持って示されてくるやに聞き及んでおります。これは事実としてそういうことがあるのかどうかということが一つと、もしあるとすれば、そういうつまり簡保年金の契約、そういったようなものに対して査定を行なう大蔵省の側の権限というものはどういう性質のものであるか、この二点を。
○説明員(荒巻与四郎君) 契約の募集目標の査定が行なわれるかどうかという御質問だと思います。保険契約の募集目標につきましては、予算の決定の際に、郵政省のほうから、いろいろな募集手当の額とか、そういういろいろの各種の経費にも影響がございますので、郵政省の案が私どもに示されますそういう際に、私どもといたしましては、妥当な額を郵政省と協議いたしまして設定するという作業はいたしております。それを査定と申せば査定であるかと思います。
 それから、そういう権限の性質ということでございますが、これはそういう各種の経費、それから財投原資等にも影響がございますので、大蔵省のほうで査定することができるというふうに考えておるわけでございます。
○鈴木市藏君 これは、さっきのような議論にわたることは避けますけれども、たとえば四十二年度の保険の目標は、郵政省の当初要求では五十三億、年金の場合は十一億であったと記憶しておりますが、大蔵省の査定では、保険の目標が四十八億、年金が十億と目標額を減らして査定してあるわけですが、これは一体どういう理由に基づくものですか。まあ、保険において五億ですね、年金において一億、大蔵省のほうの査定が少ない。
○説明員(荒巻与四郎君) その査定につきましては、最終的には郵政省と話をし、協議した結果、妥当な結果であるということできめているわけでございますが、この査定の際の考え方としましては、過去の募集の実績とか、あるいは現在における要員等の関係から募集能力の関係、そういうような点を勘案いたしまして、協議の結果、そういうふうに定めたわけでございます。保険については、四十年度においては、郵政省と協議してきめました目標に達しなかったような例もございます。四十一年度はこれを突破して好調であったというような事情もございまして、そういうような各種の事情を勘案いたしまして、四十二年度においてはお説のような額になると思います。
○鈴木市藏君 そういう場合に、いずれがイニシアチブを持つのですか。その目標額の最終的な設定をする場合の権限といいますか、実際上の力、影響力といいますか、それは郵政省と大蔵省とどっちなんですか。
○説明員(荒巻与四郎君) 最終的には両者協議でございますから、どちらと申し上げかねますけれども、大蔵省としては、郵政省の提案に対しまして、こういう額ではないかということは提案する、そういう意味においては郵政をリードするということはあります。
○鈴木市藏君 これに対して郵政のほうはどういう御見解でしょう。
○説明員(東城眞佐男君) 最初提案するのは私どものほうでありますが、その過程におきまして、予算編成の段階におきまして、両方必ずしもぴったりと意見が一致しない場合もあるわけであります。実際問題として、今回の場合におきましては、われわれの最初要求したよりも少し少なくなったということでございます。
○鈴木市藏君 私は、これは各省におけるところのきわめて実務的な問題が一つはあるのだろうと思いますが、つまり、こういう現場官庁を持っておられる郵政当局が下から積み上げてきた数字をもとにして年度目標を定めたときに、金のかかることで大蔵省が減らすということはよく聞くことですけれども、金を集める仕事に対して大蔵省のほうが減らすというような査定をしてきたという、その根拠はちょっとわかりかねるわけなんです。やはりこういうのは、この事業を責任を持って遂行していく郵政当局の目標額をそのまま認めても何ら大蔵省としては差しつかえないように考えますが、こういうように大蔵省のほうがむしろ郵政当局の設定した目標額よりも少ない目標額を示すその根拠というものについて、非常に疑問に思うわけです。つまり、いささか人の畑に足を突っ込み過ぎているような感じがするのですが、この点、大蔵省のほうとしては、どういうふうな見解でしょう。
○説明員(荒巻与四郎君) 目標は何も経費との関係がないのではないかというお説でございますけれども、やはりこれは募集手当とか、たとえば目標を上回った保険が募集できたというようなことになりますと、奨励手当とか、いろいろな経費に関係が出てくるわけでございまして、無関係ではないわけでございます。そういう関係で、大蔵省としても非常に関心を持っております。それともう一つは、財投の原資にもなる関係から、手がたく見ておくという必要もございますので、郵政省とよく話し合って最終的には両者で合意をする、こういうふうにやっておるのが実情でございます。
○鈴木市藏君 だから、ぼくはそこがおかしいと思っておるのですよ。目標額をそれだけ設定したから、その目標額に若干の経費がかかるからとか、そういうことは別に理由にならぬのじゃないかと思うのです。目標額を達成すれば、それに若干の必要な経費がかかるのは当然なことなんで、ですから、問題は、簡保を扱うそういう立場の省において下から積み上げられてきたそういうふうなものをやはり基本に置いて認めていくという立場がないと、しょっちゅう、何といいますか、金庫を握っておる、さいふのひもを握っておるという立場で大蔵省の査定がいつも優先をするということに在りかねまじき現状を生んでおるわけなんですけれども、これは私はできるだけおやめになったほうがいいというふうに思います。
 このことと関連をしてもう一つ聞くわけなんですが、たとえば郵便貯金の目標額でもそうなんです。郵政省のほうの目標額は五千八百億、大蔵省の査定では五千六百億ということで二百億もの差がある。だから、先ほど申し上げましたように、簡保の目標額でもしかり、郵便貯金でもしかり。それで、郵便貯金の場合でも、貸し付け制度、つまり、預金者に対する貸し付け制度の新設をやるということになると、大蔵省はこれについてはまかりならぬと言って反対をする、こういうふうに何か郵政省、それから郵便貯金、簡保全体を含めての逓信労働者が大蔵省の金集めの道具に使われているというような印象を非常に濃くするんですね、こういうやつ見ていきますと。やはり郵便貯金の目標額においても、簡保の目標額においても、そういうものについては郵政当局の積み上げてきた数字を基本とするという立場に立つ必要があるのではないかというように思っております。これはおそらく大臣にでも質問する以外には答弁のしょうがないものかとは思いますけれども、いつもこうして査定をされ減額をされていっておる。それで、新しく郵便貯金で今度預金者貸し付け制度なるものをつくろうとすると、大蔵省が待ったをかける、こういうふうなことで郵政事業の自主性というものがそこなわれるのではないかという印象を受けるので質問をしたわけです。事務当局として答えにくかったら、これはまた大臣が来たときにお答えしていただけばいいと思う性質のものでありますけれども、これを見ますと、そういう印象を受ける。もし事務当局答えられたら答えてください。大臣がいないんだから、政務次官からでもいい。
○政府委員(田澤吉郎君) ただいま鈴木委員からお話しの保険もしくは貯金に対する大蔵省の制約の問題でございますが、予算編成でございますから、大蔵省と両方で話を詰めております。事業収入でございますから、非常にかたく持っていくという意味においては、大蔵省と十分相談してまいらなければなら互い問題でございますが、私たちのほうとしては、でき得るだけ自主的な立場を予算編成の面ではとってきておるわけでございます。今後またそういう点はとってまいらなければならない、こういうふうに考えております。
 また、ただいまお話のありました郵便貯金の貸し付け制度の問題でございますが、これも預金者が非常に希望するところでございますので、今年度も予算編成の上において非常に要求したのでございますが、これはなかなか大蔵省の認めるところでございませんで、どうか鈴木委員も今後ひとつ御協力を願いたい、こう考える次第でございます。
○鈴木市藏君 政務次官がそう言うから私はやめようと思ったんですけれども、ちょっと聞きたいんですが、どうして大蔵省のほうでは預金者の貸し付け制度について反対なんですか。答えられますか。
○説明員(大蔵公雄君) 私ども、いわゆる郵便貯金と申しますのは、国民大衆の零細な預金の貯蓄のための制度である、それが本来の目的であって、貸し付け制度というものを導入するということは、郵便貯金制度そのものの本来の目的ではない、かように感じておりますと同時に、政府関係の貸し付け制度といたしましては、すでに御承知のように、国民金融公庫であるとか、中小企業金融公庫であるとか、そういったような中小関係金融機関がございまして、郵便貯金制度そのものの中におきましても、いわゆる普通の通常預金等は、必要なときにはいつでも引き出せるという制度があるわけでございまして、特に本来の目的が、いわゆる零細な貯蓄というところに目的がある郵便貯金の中に、新しく貸し付け制度というものを導入する必要はないというのが基本的な考えでございます。
○鈴木市藏君 これに対して、この制度の新設はいいんだ、この制度を新設すべきだという見解を持ったという郵政当局の説明をひとつ聞きたいのですが。
○政府委員(田澤吉郎君) 実は預金者の考え方というのは、国が経営をしているこういう貯金の問題に関しては、どうもサービスが悪い、今後どうしても、こういう貯金制度あるいは保険にしても、国営のものというのは、どうも民営のものよりもサービスがだんだん悪くなってまいります。そこで今回、四十二年度では、貯金に関しましては、貯金会舘をつくって、できるだけこれをサービスしょうとしておりますものの、これだけではやはりうまくまいりません。やはり預金者が意欲的に預金をしていくというためには、やはり貸し付け制度を与えてやることによって、初めてこの郵便貯金というものが非常に伸びていく、利用度が高くなるという点で、単に貯金のための郵便貯金だというような考え方から、現在、私は越えていると思うのでございます。そういう点が大蔵省の大きな間違いではなかろうか、こう思いますので、私たちは今後も十分この点に関しては強調しまして、大蔵省を説得するようにがんばっていきたい、こう思っておりますので、どうか鈴木先生、再度でございますが、御協力のほどをお願い申し上げる次第でございます。
○永岡光治君 関連で質問いたしますが、いま資金課長のほうの、郵便貯金制度の本質について、私どもは、零細な資金を集めることが目的なので、それを国家資金に運用するのだということで事足りると、こういうことなんですが、そこで郵政政務次官から、一つの郵政当局の見解が述べられたわけです。私は、貯金する人が希望するのであれば、なぜそれをして悪いのか、どういう支障があるのか、こういう支障があるからこれはだめなんだとか、こういうことがあるからだめなんだというのならわかるのですが、希望する者に対して、政府たるものが、それはいけないという単なる観念的なものでは、私はこれは了承できないと思うのです。国民としては、まして郵政当局に対する要望というのは、この貯金を、いま運用されている原資をできるだけたくさん集めるためには、貯金をたくさんしてもらわなければならないのだ。ところが、利用者はそれに対して意欲を欠く、そういうのであれば、おのずから大蔵省の考えている資金を集めること自体にも問題は私はあろうかと思うのです。ですから、預金者の希望を、つまり、国民の希望、国民にサービスするその希望をいれることは、私はできると思うのですけれども、それを否定する理由はどこにあるのですか。具体的に言ってもらいたいと思う。
○説明員(大蔵公雄君) 先ほど私御説明いたしましたように、郵便貯金本来の機能と申しますのは――郵便貯金制度の機能と申しますのは、いわゆる国民の貯蓄のための制度で遜るということは変わりないと思いますが、まあ、それに対して貸し付け制度をみんなが希望するからそれをいれる、これは確かに理論的には、これを希望するのであるからこれをいれるのだということも考えられるのでありますが、現実の問題といたしまして、最近新聞紙上等に非常に出ておりますが、郵便貯金の伸び率が、銀行その他の貯蓄の伸び率に比べまして、非常に伸び率が高い。したがっていま銀行筋の不満を私ども決しておそれるわけではございませんけれども、要するに、郵便貯金に非常に押されて銀行預金の伸びがないというふうな不満も一般的には最近あるわけでございますが、かりに郵便貯金をさらに伸ばすということは決して悪いことではないと私どもも思いますが、貸し付け機能を取り入れることによりまして、はたしてどの程度どういう効果があるかということに関しては、より慎重に考えなくてはならないと考えております。私どもといたしましては、貸し付け機能、政府関係機関の貸し付け制度そのものに関しましては、先ほども申しましたように、すでに政府関係の中小金融機関その他があるわけでございまして、本来貸し付けを目的とするものは、そのほうで仕事をやっていきたい。郵便貯金で集めましたものは、原資といたしまして、それを国民金融公庫なり、あるいは中小企業金融公庫なりの資金として回しまして、それを使っていただく。また、郵便貯金のほうにおきましても、通常預金という制度があるわけでございまして、これを、必要資金需要のある場合にはこれを自由に引き出して使えるという形態になっておりますので、現在の制度のままであっても、政府の立場といたしましては、十分に国民の要望に沿うだけの仕事がやっていけると、かように考えておる次第でございます。
○永岡光治君 政府はそう考えておるが、国民は、預金者は直接貸してもらったほうがいい。たとえば国民金融公庫、中小企業金融公庫、いろいろあるでしょう。しかし、それは余分な機関ですよ。預けておるところから借りるというのが原則です、どこの場合でも。それならば、民間の銀行から貸し付ける必要はないのです。国民金融公庫から借りなさい、こういうことになるわけですよ。そうでしょう。それで、国家が資金を運用するという方針について、貸し付けするということが支障になるのかならないのかということなんです。十分その目的は達せられると思うのです。この貸し付けすることによって、資金を集めることが困るのだ、減額することになるからして政府では困るのだという理由があれば別ですが、あなたがいま言っておる郵便貯金制度を設けた趣旨というものは生かされつつ、なおかつ利用者の利便をはかり得るということであれば、これを拒否する理由はどこにもない。むしろ、国民にサービスする政府の立場ということであれば、当然私はその要望に応じて差しつかえないのじゃないかと、こう思うのですが、こういう支障があるということがわからないのです。私は具体的にこういう支障があるじゃないかということを示していただきたいと思うのです。その具体的な支障のある理由がなくて、ただ、だめだだめだということでは、現実に貯金者が要望しておるのですから、国民にそれをなぜ否定するのかということなんです。
○説明員(大蔵公雄君) ただいま具体的にどういう支障があるかということに関しましては、私も不勉強でございまして、具体的にこういう支障があるということをお話し申し上げるわけにはまいりませんけれども、先ほど来申し上げましたような理由で、貸し付け機能を現在の郵便局が行なうということに関しましては、郵便局が本来貸し付けということに関しましては、いろいろの人員、経費その他いろいろな面も関係があると思います。しかし、そういった点に関して貸し付け機能をさらに取り入れていくべきかという点に関しては、もちろん検討をする必要があると考えておりますが、現在のところ、私どもの考え方といたしましては、現存の政府関係金融機関の貸し付け機能と、郵便局が持っております現在の郵便貯蓄制度、それからいわゆる一般の銀行が、民間の銀行が有している機能で、経済の運営において大きな誤りはないと、かように考えておる次第でございます。
○永岡光治君 いや、あなたそう考えておるけれども、貯金者はそうしてほしいと言っておるわけなんですよ。そのほしいということが、それはいけないのだという具体的な理由がなければ、それを否定することにはならないのじゃないですか。現在の組織で満足しないのだが、あなた方が満足したと認定しても。ところが、利用者は満足していない現実があるわけですよ。あなた方が満足しているという認識は誤りだということになる。それをどうあなた方は考えておるかということを言っておる。国民がそれでよろしいといえば別です。利用者がそれでよろしいといえば別だが、あなた方の認識が国民の認識を誤っているからいけないじゃないか。国民の認識は誤ったけれども、それに応ずるためにこういう支障があります、こういう問題があるのですということがわかれば、それは国会でも審議の対象になると思うのです。そういうことをやらずに、私どもそういう認識をしますという、その認識は誤った認識なんですから、あるいは現実にそのあなた方の認識が誤っているという観点に立つならば、当然これは改正すべきだと思うのですよ。そして、この問題は、きょうの、今日のこの席においての問題では私はないと思う。長い間の懸案だっただろうと思うのですが、そうだとするならば、何かそこに私あるのじゃないかと思うのですが、ただいまちょっとことばの端々に歯切れの悪い答弁がありましたけれども、郵政省にまかしたのではどうもうまくいかないのじゃないかという印象、そうとれるように私ども解釈するわけですが、そういうこと絶対にあり得ないと思うのです。同じ国家の公務員である大蔵省の職員が優秀で、郵政省の職員が優秀でないということは絶対にあり得ない。それであるならば、そういうような郵政省の役人を採用すればよろしいと思うのです。これはどうですか。
○説明員(大蔵公雄君) 決して私どもの立場といたしまして、郵政省は信用ができなくて、大蔵省が自分でやらなくてはならないというふうに考えているわけではございません。私どもといたしましては、やはり限られた資金の統一的な効果的な運用という点に関して、ある一つのところが責任を持ってこれに当たるのは、一番国として効率的であり効果的である、かように考えておるわけであります。
○光村甚助君 郵政省の貯金局をあなたのほうに取ったらどうですか、それはどういうふうに、なぜ取らないのですか。
○説明員(大蔵公雄君) ちょっと私の立場といたしまして、郵政省の貯金局を大蔵省が引き受けるとかなんとかいう御質問に対しては、ちょっとお答えする資格がございませんが、私ども、決して、郵政省は信用がおけないということは毛頭、つめのあかほども思っていないということをはっきり申し上げておきます。
○光村甚助君 私は、別に郵政省の下請じゃないのですけれども、あなたのほうの政務次官で、郵政省は貯金を、金を集めればいいのだ、運用はおれのほうでやるのだという暴言を吐いた政務次官がおるのです。あなた方自体も、何か特権階級というような頭で、郵政省あたりは、郵便局は金さえ集めればいいのだという考え方があるのじゃないですか。そういう考え方自体がやはり郵政省の連中を、ことばはちょっと悪いですが、頭からばかにしているということが言えるのです。郵政省の職員が一生懸命、あるいは冬の寒いときでも、夏の暑いときでも、しし営々として集めている、そこに少しでも運用さしてやるということになれば、ますます、あなた方が考えているように、貯蓄の増強ができるのです。私は、悪い例を引き費したが、金集めればいいのだ、運用はおれの方でやるのだという誤った考え方というものは、やっぱり直さなくちゃいけないと思うのですけれども、事業のためというのじゃなくて、さっきから永岡委員が言うように、国民のためになるのだから、郵政省の郵便局の窓口でやったって、何がふしぎがありますか。別に大蔵省が一元的に資金を運用しなければならぬという特権でもあるのかないのか、それを一ぺん聞かせていただきたい。
○説明員(大蔵公雄君) 私ども特権として、私どもが、私どもでなければ資金を運用できないと毛頭考えておりません。ただ、全体といたしまして資金を統一的に運用するほうが国として、より効果的であるというふうに考えているわけでございます。御承知のように、現在まあ、いわゆる政府保証債を発行いたしまして民間資金の助けをかりなくては財政投融資計画というようなものも組めないような現状でございまして、資金が非常に限られている、需要が非常に大きい。したがいまして、その限られた資金をもって膨大な需要をまかなうためには、やはり資金を統一的に運用せざるを得ない、これが現状ではないかと考えているわけでございます。
○永岡光治君 そのいまあなたが先ほど言った効率的運用というのは、わからぬわけではありませんが、それはそれで方法が私はあると思うのです。現にここにこの簡易保険の運用のための資金運用審議会というものもあるわけですから、それは効率的な運用をする一つの方法だろうと私は思うのです。問題は、その利用者が、あるいは貯金者が一番痛切に感じているのは、あなたはいま国民金融公庫その他を利用したらいいじゃないかとおっしゃるが、限られておりますよ、これは所在地が幾つありますか。山間僻地までこれは通じないのです。特にあなた方政府の方針としては、地域格差をなくし国民の利便をはかるというようなことは、これは当然の目標だろうと思うのです。そうするならば、全国に、各町村までほとんど行き渡っているというこの機関を利用するほうがよほど便利じゃないですか。そうして、これは国民が一番望んでいることじゃないですか。県庁の所在地とか、限られたところにある国民金融公庫をどうして利用する必要があるのですか。私はそういうことで考えましても、郵便局が貸し付けをしてもちっとも差しつかえない、こう思うのですが、これはどうですか。
○説明員(大蔵公雄君) 郵便局が契約者貸し付け制度を郵便貯金制度の中に導入をするという、制度の導入に関しましては、新しい制度の導入でございますから、十分にこれは検討をする必要があると思いますが、現在の私どもの認識といたしましては、先ほど誤った認識と言われましたけれども、私どもの考え方といたしましては、現在の郵便貯金のあり方といたしまして、現在のところ、現行制度でよろしいのではないかと、かように考えているわけでございますが、これは今後そういった国民の声として、契約者貸し付けの制度を郵便貯金制度の中に導入をすべしという声とともに検討していくべき問題だと考えます。
○鈴木強君 関連。いい機会ですから、ちょっと大蔵省にお尋ねしたいのですが、せんだって私は、朝日新聞でしたか、毎日新聞ですか、記事に、いま郵政省が郵便貯金を奨励し、その貯蓄奨励の一環として苦労されているのですが、最近私どものところにも送られてきましたが、パンフレットですね、貯蓄の奨励のための、これについて、ある財界の方の記事が載っておりましたが、これはもう郵政省は全く商売人になり切っちゃって、必要以上の奨励をやっている、あれは行き過ぎだ、そういう記事が載っておったのです。私はそれを見まして、ずいぶん郵便貯金というものに対して認識がない人だなあと直観的に思いました。おそらく、これは例の問題になりました、利息を下げるという問題ですね、この国会で。そうしますと、そういうことと関連があると思うのです。民間の貯金と郵便貯金との利息の問題、税金との関係ですね、ですから、そういう意味において、郵便貯金がいまやその額をふやしていくことに、貯蓄高をふやしていくことに民間はかなり抵抗を感じている。だから、われわれから言うならば、郵便貯金の奨励に対して妨害しようというような、ことばは悪いですけれども、そういう気持ちを含めて私はその記事が載ったように受け取ったのですが、これはとんでもない間違いでありまして、私ども、かつて郵便局で郵便貯金の奨励のために自分も苦労した経験があるのです。山の中まで入りまして、ほんとうに国家のためにと思って、夜も寝ずにおそくまで、よく時間外になったことを覚えております。そうして、いま郵便貯金というものが財政投融資の大きな財源として利用され、国家のために寄与していると思うのですね。そういう崇高な従業員の気持ちも知らないで、一方的な見解を述べる人がいるのですが、私はいまその記事を想定しながらあなたの話を承っているのですが、どうかすると、郵便貯金なり簡易保険のことについての理解というものが、大蔵省においても、やはりおれだけがその専門家なんだ、この運用については、というようなことが、ことばの端々に出てくるわけです。そういうことを聞いたときに、二十数万の職員が一体どういう感じを受けるかということは、よほどこれは慎重に考えてしゃべっていただきませんと、かちんとわれわれに来るんですけれどもね。ですから、そういうつもりはおそらくあなた方ないと私信じますけれどもね。どうかひとつ両々相まってこの事業が円滑に運営され、国家社会に貢献できるわけですから、何か変な感情を持たずに、あなたをはじめ大蔵省がひとつしてもらわぬとどうも困るわけですからね。私はその記事の関係もあったんで、そういうものに対して、あなた方はどういう感じを持たれるのか、それは当然郵便貯金の奨励のためにやるのはあたりまえでしょう、これは。そういう偏見を持って郵便貯金がふえることを肩入れするようなことは私はいけないと思うのですよ。その御見解をちょっと聞きたかったんです。
○説明員(大蔵公雄君) ただいまのお話に関しまして、私も全く同感でございまして、私どもといたしましては、ことしのいわゆる財政投融資、約二兆四千億近い財政投融資の規模に対して、五千六百億円という非常に大きな部分を郵便貯金に依存をしているわけでございます。したがいまして、私ども、第一線の郵便局の方々が、一生懸命貯金を集めていただくことに関しましては、非常に感謝をいたしておるわけでございますが、最近、お話の出ました新聞記事等は、結局、先ほどちょっと私申し上げましたが、郵便貯金の伸びが実は最近非常によろしい、それに対して銀行預金の伸びがそれに伴って伸びていないということ、それ自体で民間の銀行の人々は郵便貯金に対して非常に神経質になっている面がある、これは私ども決して何も心配をする必要はないので、郵便貯金として一生懸命預金を集めるというわれわれの政府職員としての義務を果たせばそれていいわけでございますが、御承知のように、今年七月から例の預金課税がされることに在りまして、それに対して、郵便貯金は免税である、無税であるという点に関して、銀行の人たちの立場とすれば、若干おもしろくないところがどうもあるようでございます。したがいまして、そういったようなことも潜在的にございまして、そのような記事となってあらわれていると思いますし、また、末端の、これは郵便局の一部でございますが、若干宣伝に関しまして行き過ぎと思いますようなことも現実問題としてないではなくて、たとえば宣伝の文書の中に、郵便貯金は秘密にできますとか、税務署にはわかりませんとか、そういったようなことが宣伝の文書の中にあったのも、一、二例外的にあったわけで、そういったようなことを非常に針小棒大に取り上げまして、そういったことを理由にそういうような発言をする財界の人たちもあったかと思います。しかしながら、私どもとしましては、そういったような行き過ぎた宣伝はもちろんやるべきではないと思いますけれども、当然われわれ公務員としてのやるべき郵便貯蓄の宣伝はなして一向差しつかえないわけであって、今後とも、私どもは郵政省とよく連絡をとりまして、郵便貯金の伸びに関しましては、できるだけこれを伸ばしていきたい、かように考えているわけでございます。
○鈴木強君 具体的に行き過ぎがあって、宣伝文がどうとか言うんだけれども、これはちょっとそのままにしておけないですから……。貯金局長はおりますね。そういう大蔵省が具体的に指摘をするようなことがあったんですか。これはそういうようなことをやっている事実を郵政省は知っていますか。
○政府委員(稲増久義君) そういうことがあるというふうなことを抽象的に聞いておりますが、われわれはそういうことまで宣伝するというようなことは指導をいたしておりませんので、具体的には存じておりません。
○鈴木強君 大蔵省はここの公の席でおっしゃるのですから、具体的な事実を持っておられると思いますが、これは後ほどひとつ私は拝見さしてもらいたいと思いますが、郵政省として、これはポスターか何かにあったのですか。具体的にそういう宣伝活動というものをやっておるようにぼくは思わないのですけれどもね。私のところにも送ってきましたけれどもね、拝見しました。まあ熱心にやっておるなあと思って拝見したのですけれどもね。あなたの言われるように、秘密に何とかいうのですか、もしそんなことが文書になっておったとして、それが行き過ぎかどうかということは、これはみんなが判断すればいいことですが、そういう点があるとすれば、これはまた一方では、郵便貯金のふえることをよろしく思わない連中がいるわけですからね、そういう人たちはそういうことを取り上げて言うかもしれません。そうなったら、どろ仕合いですよね。そういうことについて私は、郵政省ももしあるとすれば、十分な配慮をすると同時に、大蔵省として、そういう観点に立ってのいろいろな調整というやつは、これはある場合には、おそらくおやりになるかもしれませんけれどもね、所管はやはり郵政省なんですからね、そんなことを気づいたならば、こんな国会で御発言するよりも、郵政省にそういうような話をしましたか、具体的にこういうふうにしたほうがいいでしょうというお話をしましたか。
○説明員(大蔵公雄君) ただいま私が申し上げました点が、まあ具体的に実はポスターその他二、三私どものほうにまいりまして、それを見まして、郵政省のほうにも連絡をいたしまして、郵政省のほうでも、行き過ぎに関しては十分にまた末端に注意をしようということで、私どもとしましては、そういったようなポスターを持ってみえましても、できるだけ、いわゆる政府の立場といたしまして、若干の例外はあるいは誤りとしてあったかもしれないけれども、そんなことは改めるべきところはすぐに改めるのだから、そういったことをあまり表ざたにするべきではないのではないかということで、むしろ、民間のほうを納得させまして、この問題に関しましては、すでに民間側も納得をしておりまして、郵政省からもあらためて、そういった行き過ぎのないようにすでに手配がされておるはずだと思います。
○鈴木強君 これは貯金局長知らないと言うのですが、貯金局長はそういうことはないと言うのですがね。現に大蔵省でそういう連絡もしたらしいのですね。だから、もう少し具体的にいまここで一つ一つは、私、関連ですからね、時間がかかるようでしたら、また別途いきさつを伺ってもいいのですよ。
○政府委員(稲増久義君) まあ具体的に知らないと申しましたが、多くの窓口の中には、あるいは御指摘のような若干行き過ぎたようなPRがあったかもしれませんが、そういうことは会議のたびごと、あるいは奨励課長の書信等で年に一、二回注意を与えておるような次第であります。
○鈴木強君 だから、これは課長、根本的に、郵便貯金の奨励その他の制度から見て、行き過ぎたものか、あるいは、その仕事熱心のために多少宣伝効果として積極的にやったかという、その判断は私らには具体的にわかりませんがね、いずれ、その資料があったら見せてください。その上で、もしそれが法律違反であり、行き過ぎた規則違反だということであるならば、これはきびしく反省してもらわなければならぬと思うが、ただ、これはやはりお互いに少しでも一生懸命やろうということですから、このPRの時代に、できるだけひとつ取れるような宣伝をしようと、この宣伝の行き過ぎがあったかどうかということは、法律上これが許せるか許せないかという問題との関連がありますからね。まあ法律的に問題がないということであれば、これは多少の宣伝上の積極性というものがなければいけないわけですからね、その判断はいまつきません。ですから、きょうは私は具体的な資料の提出を求めて、あとからまたやりますけれども、そこらのやり方はまたむずかしいわけですから、おまえのほうではおかしなことをやっておるじゃないかということじゃなくて、よくそこのところは連絡し合って、民間の各位が、そういうひがんだ気持ちを持って郵便貯金をながめておるとするならば、これに対して積極的に大蔵省としても納得していただくようにせぬと、同じ官庁の中でどうもなわ張り争いや感情によってどろ仕合いがされるようなことになっては困るわけですから、そういう点で十分御注意をいただくことにして、いずれ資料等を拝見した上でやります。私、関連ですから、これだけにしておきます。
○説明員(大蔵公雄君) 私どもは、郵政省と一体となりまして、郵便貯金の増進に関しまして、努力を今後もしていきたいと思いますし、民間側のそういった郵便貯金に対する若干でも批判するような立場にあるものに対しましては、郵政省と同じ立場に立ってこれに対処していくつもりでございます。
○委員長(森中守義君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(森中守義君) 速記を起こして。
○永岡光治君 大臣も見えましたから、繰り返して言うこともどうかと思うのですけれども、大臣は多年の経験者ですから、釈迦に説法ですけれども、いま問題になっているのは、郵便貯金の郵政の貸し付け制度、郵政省で貸し付けするという、これをなぜやらないのかということがいま問題になって、いろいろ質問が展開されているのです。それで、私どもの立場としては、貯金の利用者、つまり、預金者というものは、やはりぜひ郵政省で貸し付け制度をひとつ実施してもらいたい、こういう声が非常に強いわけです。これは大臣も十分御認識になっていると思うのです。大蔵省側の見解は、それは本来の制度ではないではないか、こう言うわけですが、かりにそうであっても、いま国民がそういうことを要望するのであれば、そのことを実施してこういう支障があるという重大な支障があれば別ですが、支障がない限り、やるべきじゃないか。これは国民の世論に従うのが政府の方針ではないかということで、いま質問をしているのです。そして、その過程の中で、大蔵当局の答弁では、貸し付けというのは、何も郵便局が貸し付けしなくても、国民金融公庫とか中小企業金融公庫とか、いわゆる制度金融がいろいろあると。これはどこまでも制度金融ですね、皆さん御承知のとおり。ところが、私が言っているのは、この点を私もちょっと触れることを失念したわけですが、理解いただきたいと思うのは、保険の加入者が貸し付け制度を許されておるわけです。いいですか、保険の契約者は。同様に郵政で行なっている貯金利用者になぜ貸し付けができないのかということを言っている。そして国民がそのことを要望しているじゃないか。一般の金融機関の貸し付けと性質がおのずから違うでしょう。それならば、簡易保険の加入者でも、なぜ一般の金融機関を利用しないのかという理論がここに出てくるわけです。そうではなくして、簡易保険について貸し付け制度を認めたわけですから、必要があって認めたと私は思うのですから、そうであるならば、貯金になぜ認めないか、こういうことを言っているわけです。この点について、大臣並びに――私は課長ではどうかと思うのだけれども、少なくとも大蔵大臣来て答弁していただきたいのだけれども、きょうは代表という形でお二方見えておりますから、十分そのことを上司に反映さしてもらう意味で私ここで言っているのですが、いずれこの問題は、所管の大臣の出席を求めまして、私は追及してまいりたいと思うのですけれども、とりあえず、きょうのところは、そういう意味で私、質問しているわけです。御答弁いただきたい。
○国務大臣(小林武治君) これは逓信委員の各位も御承知のように、年々、郵政省で貸し付けをさしてもらいたいという予算の要求をいたしております。これは、大蔵省は資金のいわゆる統一運用と申しますか、そういうようなたてまえからして、容易にこれに賛成をされない。それで、毎年要求をしておりますが、そういう事情でこれが実現しておらない。いまお話しの簡易保険に比べれば、簡易保険は貸し付けも行なっている。また、加入者に対する還元という意味で、簡易保険事業団が保養センターとか、あるいは老人ホームとか、その他のいろいろの仕事をして、加入者に対して還元をしている。しかし、貯金は何もしておらないじゃないか、これは同じ募集に当たる者でありましても、郵便局で保険と貯金とは、従業員の意気込みも違う。自分らはただこれを募集して、一切がっさい大蔵省に入れている。そういうことで、何にも預金者に対する還元もなければ、従業員に対する何らの、報償と申してはなんでありますが、刺激剤がないということで、多年これは貯金従業員が非常に不満に思っていることは、これは当然であると思うのでありまして、それで、ようやく今年の予算においては、預金者なり、あるいは貯金従業員なりに多少の還元と、こういう意味で、初めて郵便貯金会館というものが今年認められたわけです。今年は、一度に二つもはというわけで、そう強くは預金者の貸し付けということを私も主張しなかったのですが、しかし、来年は私は極力これは主張せざるを得ない、こういうふうに思うので、私は何にでも貸し付けろというわけじゃありません、現に郵便貯金の中核をなしているのは定額貯金なんです。これは半年なり一年なりの期限がある。ところが、たとえば定額貯金でも、途中取りたい人も相当出ております。ところが、せっかく定額貯金にしても、取ってしまえは、利子の恩典も受けられない。こういう方には、定額貯金を担保として、その中の範囲内でお金の貸し付けができるならば、私は預金者も非常に有利でありますし、また、われわれ郵政省としても、貯金の増額ということについて、非常な大きな貢献ができる。こういうたてまえからして、せめて私は、きわめて確実な担保である定額貯金などについては、私はこれを貸し付けをある程度認めてもらいたい、こういうことが郵政省あげての強い希望である。それで、その旨の主張を今後強くする。保険はなぜこういうことができたかというと、また保険は五十年であって、したがって、これを、募集その他については、ある程度の還元もする、あるいは従業員に対する報償とかということができたが、何しろ郵便貯金というものは、百年前にできた。その当時そういうことは考えがなくて、そのままこれが引き継がれてきているものですから、いまのような非常な均衡のとれない状態が郵便局の中で二つ行なわれている、こういうことでありますので、私は貯金については、もうこの際の問題として、保険とまではいかなくても、ある程度の貸し付け、あるいは郵便貯金会館をもっと各郵政局管内全部につくる、こういうことぐらいは、当然われわれとしては主張すべきであるということを、ここではっきり私は申し上げておきます。
○説明員(大蔵公雄君) ただいまの簡保資金にはなぜ契約者貸し付けが認められて、郵便貯金には認められないかという御質問でありますが、簡保と申しますのは、いわば長期の資金で、長期の貯蓄でございまして、これを引きおろすためには、解約という手続をとらなくてはなりません。解約をいたしました場合には、これが不利になる、こういったようなことで、簡保の場合には、契約者貸し付けという制度が導入されておるわけであります。ただいま郵政大臣のお話がございましたように、定額貯金を担保としての契約者貸し付けという場合も、簡保と同様でございますが、簡保にはそれ以外に道はないわけでございますが、郵便貯金の場合には、定額貯金のほかに、いわゆる通常預金、通常貯金の制度もございまして、不時の資金需要に関しましては、いつでもこれを引き出して使うことができるという制度が併存しておるわけでございます。したがいまして、貯金の場合と保険の場合と、若干その点、簡保の場合には、そういう制度がほかにないのだ、郵便貯金の場合には、そういう制度も併存しておるのだということで、若干性格は違うかと思いますが、ただいま大臣からもお話がございましたように、郵政省のお立場として、さらに郵便貯金も伸ばすために契約者貸し付け制度というものをどうしても導入すべきであるという御意見のようでございますので、私どもといたしましても、十分にこの契約者貸し付け制度に関しましては検討してまいる必要があると考えております。ただし、先ほども申し上げましたように、現在、財政投融資の原資といたしまして、民間から相当多額の政保債、たとえば今年あたり五千億の政保債を発行いたしますことにより、財政投融資の原資をまかなっておる現状でございますので、いわゆる政府資金の統一運用という部分が非常に限られているという苦しさがございますので、その点、私どももあわせ考えまして、この問題に関しましては検討してまいらなくてはならないと考えておる次第でございます。
○鈴木市藏君 この問題は、資金課長のほうからも十分検討すると言われておりますが、これはぜひひとつ実現するようにしてもらいたいということを希望をもって、この点に関する質問を終わります。
 次は、大臣も来ましたので、大臣、あなたが来ない前に質問をしたのですが、はっきりしない点が一つあるのです。つまり、それは簡保の預託金です。先ほど大蔵省の説明によると、約一千四百五十億円前後の預託金がいわゆる前年度で推定をされておりましたのですが、この簡保の預託金の金の性質がよくわからないのですね。これは国会に提出される予算の中にも全然その数字が出てこないし、財政投融資の原資のところにも全然出ていない。金の性質はどういうものとして大蔵省は見ておるかといえば、やはりこれは資金運用部資金の一部として見ている、そういう性格の金として見ているということは言われましたのですが、数字がどこにも出てこない。幾ら予算書を引っぱり回しても、どこから見てもその数字が出てこない。非常にわかりやすいことばで言えば、一種の隠し金的な性格を持っているかのごとく印象を受けるのですが、この簡保の預託金をやはりはっきりと大蔵省資金運用部資金であるというふうにして予算書の中に明示して、やはり国会に進んで全貌を明らかにするという必要があるのではないかという先ほど質問をいたしまして、大蔵省の資金課長のほうからの答弁はいただきました。この点については、担当のひとつ責任者として大臣はどうお考えになっているか、との預託金の性格について、ひとつ御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(小林武治君) 保険局長から答弁いたさせます。
○政府委員(武田功君) ただいまのお尋ねは、私のほうで申しますと余裕金のことかと存じます。
 余裕金は現在のところ、資金運用部資金法によりまして、全部、「政府の特別会計の余裕金は、資金運用部への預託の方法による外、運用してはならない。」、こういう法律がございまして、これに基づきまして、そのつど出てまいりますところの余裕金を運用部のほうに預託しておるということでございますので、この点は、翌年になりますと積み立て金に入りますが、予算上は出てこない額でございます。
○鈴木市藏君 その点は、先ほど来からの質問でわかっているんですよ。しかし、これはやはりあれでしょう、利子の特例を受けて六分だったと記憶しておりますが、来るわけですから、当然その運用をしているわけですから、ですから、年間少なくとも千数百億円にのぼる金が運用されているにもかかわらず、全然予算書の中にも出てこないわけです。国会に説明する資料としての中に出てこないわけです。ですから、これを明らかにすべきではないかという質問なんです。これ、質問がなければ全然そのままわからないのです、性格が。
○政府委員(武田功君) その点は、いま申し上げましたような特別会計法全体のたてまえでございまして、私から御答弁申し上げるのは適当でないかもしれませんが、簡保といたしますと、この余裕金は受け払いの差といたしましてだんだんに出てきて、そうして、それをそのときに一時預託をする。本来、私どもの簡易保険事業としての主張としましては、それ自体、加入者から預かったものでございますから、したがって、私どものほうがやはり当初から全体の運用計画を立てて、そうして運用したいという希望は持っておりますけれども、現在の全体の特別会計のたてまえということからいきまして、先ほど申し上げました事情になっております。したがいまして、その受け払いの差額がだんだんに積み重なって、結果的には、年間一千四百何十億という形になりますので、この点は予算には計上しておらないわけでございます。
○鈴木市藏君 どうもそのからくりが説明を聞いてもよくわからないのです。私たちがわからないのですから、まあ、おそらく一般の国民はさらにわかりにくいだろうと思いますが、先ほど、その点について強い希望を言っておいたんですが、この預託金の運用はどうなっているかということについて知りたいから、要するに、資料として提出してもらいたいという要望を大蔵省のほうに出したわけですけれども、それもわからないと言う。いわば一種のどんぶり勘定のようなもので、そういうものは全部やっているのだから、簡保の預託金をどう運用しているかという全貌を大蔵省としてはわかりにくいという説明なんです。まいっちゃうんですよ、そこまで言われちゃうと、どうにも。そうすると、どういう形で運用をされているのか。とにかく利子が六分つくということだけはわかったけれども、運用についての細目はさっぱりわからぬ。しかも、これは国民からそういう形で契約をした金がここに集まってきているにもかかわらず、そういう状況である。
 それから、ついでにそのときに質問をしたんですけれども、簡保はつまり契約者の利益を守る、あるいは権利を守るという機関というものはないのですね、簡保の場合は。契約者会議とか代表者会議とかいうようなものは何にもないわけなんですから。ですから、結局、国会でやる以外にないのじゃないですか。あるいは任意団体か何かというようなものはあるでしょうけれども。つまり、簡保のそういった金がどういう運用の状況にあるかということをチェックする場所というのは国会以外にないのじゃないかという気がするので、そのこともあわせて先ほど質問をしたわけなんですけれども、こういう状況になっているということは、この簡保の全貌をつかむという必要から見て、非常に不明朗な、よくわけのわからないような話になったところなんです。この点は保険局長どうお考えですか。
○政府委員(武田功君) 前のお答えと重複するかもしれませんけれども、余裕金の点は、先ほど来申しますように、現在のたてまえがそうなっておりますので 私どものほうとしては、預託利子をもって運用するということで、これ、年間締めてみますと千四百何十何がし、これが翌年には積み立て金に編入されますので、これはそういうふうな形でもって私どもは承知しております。
 それから全体の運用計画でございますが、私どものほうの運用計画も、資金運用審議会に諮問しなければなりません。したがいまして、資金運用審議会の議を経まして計画を立てておりますので、この点でははっきりしております。また、今度は、その運用全体を含めまして簡易保険法上重要な問題、たとえば約款の改正とかということになりますと、法律で認められておりますところの郵政審議会に諮問をいたしまして、答申を受けております。またあるいは、その他のものは、任意的な団体かもしれませんけれども、私どものほうは、そういうわけで運用面につきましては明確にしておるつもりでございます。
○鈴木市藏君 ともかく、いずれにしても、その運用の全貌について、ひとつ資料を出していただけませんかな。わからないのです。
○政府委員(武田功君) 余裕金に関しましては、何回も申し上げたとおりでございます。
 それから全体の資金運用計画は、これはいままででもつくっておりますので、御提出いたします。
○鈴木市藏君 余裕金のほうなんです。
○委員長(森中守義君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
○委員長(森中守義君) 速記を起こして。
○鈴木市藏君 どんぶり勘定だから、全体としての運用というのはわかる。全体の運用でもけっこうですから、わかる範囲でひとつ教えてください。
 それから、私たちがこの問題で一つそれを追及していくめどは、郵便貯金とあわせまして、やはり開発銀行に対する融資が非常に多い。特にこの郵便貯金の場合は、五千六百億円の半分以上にわたるものが開発銀行と輸銀にいっているわけですが、特に開発銀行には千六百億いっている。そうすると、この開発銀行の最近の貸し付けの状況、開発銀行自体の状況を見てみると、容易ならぬ兵器産業、要するに軍需製品、ここに中心が置かれているということに非常に危惧を感ずるわけです。開発銀行から兵器産業への融資が急激に増加するという傾向を指摘しなければだめだというふうに思うのです。たとえば、三月十七日の新聞の報道によれば、四十二年度分については、二社へ相当額の防衛兵器製造で融資が行なわれたというような問題があって、大体開銀が一融資すれば民間は十融資すると言われているくらいに、兵器開発の面にこの零細な貯金もしくは掛け金等が流れていっているという事実が非常に重要なので、先ほど来から、その使途について明らかにする必要がある、これは郵便貯金が一番中心ですけれども、そういう意味で言っているわけであって、開発銀行が日本の兵器産業育成に非常に大きな役割りを占めているこの事実と、郵便貯金あるいは掛け金などがこういう開銀に融資されているということとの間に、非常に大きな矛盾を感ずるという点で、この融資先の問題をどうお考えになっているか、このことを質問をする伏線として、さっき問題として出しておったわけですが、それは簡保のほうはわかりました。ついでながら、郵便貯金で約一千六百億にわたる金がこの開銀に貸し出されているということについて、ちょっと大蔵省の見解を聞いてみたいと思います。
○説明員(大蔵公雄君) 先ほど申し上げましたように、資金運用部資金――財政投融資計画を作成するにあたりまして、資金運用部の資金、これは郵便貯金ももちろん大きな部分を占めているわけでございますが、この運用に関しましては、法律に基づきまして、安全確実であり、かつ公共の目的に沿うものに使わなくてはならないということになっておるわけでございます。御承知のように、今年度の財政投融資計画全体で二兆四千億で、そのうち一千六百億確かに開銀に回っておりますが、開銀の融資の非常に大きなものを占めますものは、いわゆる電力であるとか、地域開発であるとか、あるいは造船であるとか、そういうような種類のところに多くのものがいっておるわけであって、鈴木先生が御指摘になりますように、私どもといたしましては、兵器産業に対して非常に大きな部分のものが回っているとは考えておりません。私どもは法律の趣旨に従いまして、安全有利かつ公共の線に沿うものといったことで考えておるわけでございまして、財政投融資計画を作成いたしました場合に国会のほうにも提出いたしました、いわゆる使途別分類表によりましても、国民生活にいわゆる直接に関連のあるものに対しての融資は全体の運用の五三%を占めておるわけでございまして、その他ももちろん、大きな意味においては直結しているわけでございますが、財投のうち、基幹産業に対する融資は、四十一年度が全体の七・六%であったのに対して、四十二年度におきましては六・六%と、すなわち、むしろ減少の傾向にあるわけでございまして、国民生活に直結する部分の運用の比率としては、だんだんふえておる、こういう傾向になっております。
○鈴木市藏君 開銀の融資の中で占める比率が特別、兵器や何かに大きいということを言っておるわけじゃないのです。つまり、開銀がそういうものに融資をするという方向を打ち出したという点が非常に重要なんで、そこへ、いま言ったような財政投融資計画の中から一千六百億円、このほとんど大部分はやはり郵便貯金だと思いますが、それからいっておるということが、その性格が非常に重要視されなければならないということを言っておるわけなんです。開銀というこの銀行は、御承知のように、いわば見返り資金によって設立をされまして、私たちは、この開発銀行の性格はむしろアメリカ銀行の日本支店の性格を持っているというようにさえ思います。これは開銀の設立の当時のことを見ていただけばわかりますように、開銀のほとんど大部分の資本は、当時の見返り資金を基礎にしてつくられた銀行ですから、この銀行にこういうふうな零細な国民の預貯金が回っていくということについては、いろいろな意味で非常に危険であるというように考えております。また、原子力発電にも延べ払い融資を拡大するようなことも伝えられておりますが、こういったような規模と条件の融資を行なっている開銀に郵便貯金の金などが回っていくということは、どういうものであろうか、あまり適切な融資の方向先だというふうには考えられないので、この点をお聞きしているわけです。
○説明員(大蔵公雄君) 開銀の性格といたしましては、私どもは、開発銀行法にもございますように、いわゆる長期資金の供給を行なうことによって経済の再建及び産業の開発を促進するために、一般の金融機関が行なう金融を補完し、または奨励することを目的とする、こういう目的を持って設立されました政府関係金融機関でございまして、これに対して資金運用部資金が、開銀の必要といたしまするところの事業と計画を遂行するための必要資金を融資することが国益にもとるとは考えておりません。むしろ、日本の経済の再建のために、産業の開発を促進するために必要である、かように考えているわけであります。
○鈴木市藏君 ここは非常に重要な意見の分かれるところですから、これ以上、私は討論にわたりますから、開銀の融資先の問題については、この辺のところでとめておきたいと思います。
 最後に一つだけ聞いておいて、私の質問をやめたいと思いますので……
○委員長(森中守義君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
○委員長(森中守義君) 速記を起こして。
○鈴木市藏君 つまり、これはすでに説明になっているかどうか知りませんけれども、衆議院修正案ですね、これについての見解を聞いておいて、それで大臣に対する質問はこれでやめてけっこうです。
○国務大臣(小林武治君) 衆議院において修正をされておりますが、私どもは、これをやむを得ないもの、かように受け取っております。
○鈴木市藏君 保険局長のほうはどうですか。やむを得ないものという大臣の説明ですが、積極的にこれを推進していくというような立場にはお立ちになっておりませんか。
○政府委員(武田功君) 私どもといたしましても、ただいま大臣のお話しのとおりでございます。
○委員長(森中守義君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(森中守義君) 速記を起こして。
 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度といたします。
 次回は六月二十七日火曜日午前十時を予定し、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十六分散会