第055回国会 逓信委員会 第20号
昭和四十二年七月二十日(木曜日)
   午後三時十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 七月二十日
    辞任         補欠選任
     和泉  覚君     黒柳  明君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         森中 守義君
    理 事
                植竹 春彦君
                西村 尚治君
                森  勝治君
    委 員
                古池 信三君
                郡  祐一君
                白井  勇君
                新谷寅三郎君
                谷村 貞治君
                安井  謙君
                鈴木  強君
                永岡 光治君
                光村 甚助君
                横川 正市君
                和泉  覚君
                鈴木 市藏君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  小林 武治君
   政府委員
       郵政政務次官   田澤 吉郎君
       郵政大臣官房長  竹下 一記君
       郵政省電波監理
       局長       浅野 賢澄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        倉沢 岩雄君
   参考人
       日本放送協会会
       長        前田 義徳君
       日本放送協会副
       会長       小野 吉郎君
       日本放送協会技
       師長・専務理事  三熊 文雄君
       日本放送協会専
       務理事      赤城 正武君
       日本放送協会専
       務理事      野村 達治君
       日本放送協会専
       務理事      浅沼  博君
       日本放送協会理
       事        志賀 正信君
       日本放送協会理
       事        佐野 弘吉君
       日本放送協会総
       合企画室総務   野村 忠夫君
       日本放送協会放
       送業務局長    藤根井和夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農事放送電話の制度確立に関する請願(第一〇
 号)(第三九号)(第四五五号)
○簡易郵便局法改正に関する請願(第五三七号)
 (第五七四号)(第五九六号)(第五九七号)(第六
 〇一号)(第六〇二号)(第六〇三号)(第六二四
 号)(第六二五号)(第六二六号)(第六二七号)(第
 六三三号)(第六三四号)(第六三五号)(第六三六
 号)(第六三七号)(第六三八号)(第六三九号)(第
 七〇五号)(第七〇六号)(第七〇七号)(第七〇八
 号)(第七〇九号)(第七一〇号)(第七一一号)(第
 七一二号)(第七四八号)(第七四九号)(第七六三
 号)(第七六七号)(第七六八号)(第七六九号)(第
 七七〇号)(第七九六号)(第七九七号)(第七九八
 号)(第八〇六号)(第八〇八号)(第八〇九号)(第
 八一〇号)(第八一一号)(第八一二号)(第八一三
 号)(第八一八号)(第八一九号)(第八二二号)(第
 八二三号)(第八二四号)(第八二五号)(第八四二
 号)(第八四三号)(第八四四号)(第八五五号)(第
 八六四号)(第八六五号)(第八六六号)(第八六七
 号)(第八七一号)(第八八七号)(第八八九号)(第
 八九五号)(第九〇七号)(第九〇八号)(第九一
 五号)(第九一六号)(第九二八号)(第九三二号)
 (第九三三号)(第九八〇号)(第九八一号)(第九
 九四号)(第九九五号)(第九九六号)(第一〇〇三
 号)(第一〇〇四号)(第一〇〇五号)(第一〇二〇
 号)(第一〇三一号)(第一〇四〇号)(第一〇四四
 号)(第一〇四五号)(第一〇五九号)(第一〇八五
 号)(第一〇九二号)(第一二九〇号)(第一三三六
 号)(第一四〇一号)(第二〇三一号)(第二五三六
 号)(第二五三七号)(第二五三八号)(第二五三九
 号)(第二六一三号)(第二六一四号)(第二六一五
 号)(第二六二一号)(第二六八〇号)(第二七五八
 号)(第二七五九号)(第二七八四号)(第二七八五
 号)(第二七八六号)(第二七九八号)(第二七九九
 号)(第二八八二号)(第二八八三号)(第二八八四
 号)(第二九四七号)(第二九四八号)(第三〇二一
 号)(第三〇六四号)(第三〇六五号)(第三〇六六
 号)(第三〇六七号)(第三一二九号)(第三一三〇
 号)(第三一三一号)(第三一三二号)(第三一五九
 号)(第三一六〇号)(第三一六一号)(第三一六二
 号)(第三二〇八号)(第三二〇九号)(第三二一〇
 号)(第三二一一号)(第三二一二号)(第三二一八
 号)(第三二一九号)(第三二二〇号)(第三二四四
 号)(第三三三〇号)(第三三三一号)(第三四一六
 号)(第三四一七号)(第三四一八号)(第三四一九
 号)(第三四八三号)(第三四八四号)(第三四八五
 号)(第三四八六号)(第三四八七号)(第三四八八
 号)(第三四八九号)(第三四九〇号)(第三四九一
 号)(第三五九七号)(第三五九八号)(第三六二四
 号)(第三六三五号)(第三六三六号)(第三六三七
 号)(第三六三八号)(第三六三九号)(第三六八八
 号)(第三六八九号)(第三六九〇号)(第三六九一
 号)(第三七三八号)(第三七三九号)(第三七四〇
 号)(第三七七九号)(第三七八〇号)(第三七八一
 号)(第三七八二号)(第三七八三号)(第三八九〇
 号)(第三八九一号)(第三八九二号)(第三八九三
 号)(第三八九四号)(第四〇二四号)(第四〇二五
 号)(第四〇二六号)(第四〇二七号)(第四一〇六
 号)(第四一〇七号)(第四一〇八号)(第四一〇九
 号)(第四一一〇号)
○有線放送電話制度の確立に関する請願(第五三
 号)(第一〇八二号)
○長野県内に民間テレビ局増設に関する請願(第
 五四七号)(第六三二号)
○公共放送の中立性を守るための財政制度に関す
 る請願(第五七五号)
○岡山県内に民間テレビ放送局増設に関する請願
 (第一二七一号)
○大阪国際空港周辺住民のテレビ受信料減免に関
 する請願(第一四三〇号)(第一四三一号)(第一
 四三二号)(第一四三三号)(第一四三四号)(第一
 四三五号)(第一四三六号)(第一四三七号)(第一
 四三八号)(第一四三九号)
○戦傷病者に対する放送受信料免除に関する請願
 (第一四五〇号)
○集団住宅電話の単独加入電話への切換えに伴う
 補償問題に関する請願(第一七一一号)(第一七
 五九号)(第一九一三号)(第二〇七〇号)(第二〇
 七一号)(第二〇七二号)(第二三三三号)(第二四
 三九号)(第二六一二号)(第二七六〇号)
○有線放送電話に関する請願(第三六九六号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
○放送法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
    ―――――――――――――
○委員長(森中守義君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 初めに、理事打合会の結果について御報告いたします。
 本日の委員会においては、請願審査、継続調査要求及び閉会中の委員派遣承認要求を行なった後、放送法の一部を改正する法律案の質疑に入る予定でございます。御了承願います。
    ―――――――――――――
○委員長(森中守義君) まず、請願を議題といたします。
 本委員会に付託されました請願は、お手元の一覧表のとおり、二百十一件でございますが、便宜上、理事会において取り扱いを協議いたしましたので、理事会の打ち合わせに基づき、請願第一七一一号集団住宅電話の単独加入電話への切換えに伴う補償問題に関する請願外九件、請願第五四七号長野県内に民間テレビ局増設に関する請願外一件、請願第一二七一号岡山県内に民間テレビ放送局増設に関する請願、以上十三件の請願は、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、他は保留と決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木強君 ちょっと委員長、これは保留をした理由というのはわからないのですけれども、説明してもらえませんか。
○委員長(森中守義君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(森中守義君) 速記を起こして。
 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(森中守義君) 次に、継続調査要求についておはかりいたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森中守義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成及び提出の時期等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森中守義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(森中守義君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。
 今期国会閉会中、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のため、委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森中守義君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員の人選、派遣地、派遣期間等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森中守義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、本院規則第百八十条の二により議長に提出する委員派遣承認要求書の作成も、便宜、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森中守義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 ちょっと速記をとめて。
  〔午後三時十八分速記中止〕
  〔午後三時三十六分速記開始〕
○委員長(森中守義君) 速記を起こして。
 次に、放送法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 御質疑のある方は、順次御発言願います。
○鈴木強君 郵政大臣にお尋ねいたしますが、きのう新谷委員からも、今度の放送法の一部改正の法律案の、改正の趣旨について質問がございましたが、私もきのう伺っておりまして、公共放送のこれはもう根本的な基本に関することだと私は思いますから、そういう点で理解のまだできない点が幾つかありますから、最初にその点を大臣にお尋ねいたします。
 きのうも言っておりましたけれども、放送の普及発展の現況にかんがみ、ラジオ放送に限り受信することのできる設備を設置した者は受信契約を締結することを要しない、こういうことの理由の中に、あるいは、その普及率が九十何%とか、あるいは、その手数料が半分になってどうも効果がないとか、そういうような御趣旨でございましたが、どうもそれだけでは私には理解ができませんので、もう少しどこか改正する趣旨というものがなかったのでしょうか。
○政府委員(浅野賢澄君) きのう申し上げておりました点は、ただいまお話しのように、ラジオのカバレージにテレビのカバレージがほとんど近づきました点、それから、かねて当委員会におきましても、そういう事態になりました場合には乙受信料は廃止すべきである、こういった御意見、御判断、こういうものが一番のポイントになっております。したがいまして、要するに、これはNHKという公共放送を育ててまいりますために、それに必要とする経費を取る方法でありまして、その取り方を日本の全世帯ほとんどがテレビを持っておる、こういう事態になりました現在、当然ラジオも持っておりましょうし、テレビを一つの取り方の目標としまして、ラジオの分も全部取る、こういう形にしただけであります。ですから、公共負担という性質そのものも変わっておりませんし、ただし書きに、この案のようにつけ加えただけでございます。性質そのものは変わっておりません。
○鈴木強君 いろいろ申されるが、理論的にはっきりとわれわれが納得できるだけの解明ができないのですよ。できないはずなんです。このいきさつは、何回か言っておりますが、政治的に総理の発言から始まって今日に至っておるのですから、私はこの前のNHKの四十二年度予算の審議の際にもその点をお尋ねしてあるわけです。だから、すでにあのときに四十一万件、約二億四千七百万ですね、こういうものを、免除範囲を拡大しておやりになりましたあのときにも、従来の免除基準といいますか、そういう関連からして、いろいろな問題点があったわけですね。ですから、私たちは、いろいろ、基地周辺の問題を含めて、もっとやるならばやってもらいたいという、そういう意見も出したのだが、これは国家的な立場で考えていただかなければという会長の御説明がありました。それは一応おくとしても、すでに四十二年度は無理をして、この範囲を拡大して二億数千万の免除をしているわけですからね、それで大体効果を達していることと思う。これは要するに、総理の、十月からやる、あるいは四月からやるというような、そういう御発言もあって、しかし、考えてみたら、放送法があるから、放送法を変えない限りはできないということに気がついたので、やむを得ずそういう便法的な措置をとって総理の発言というものは政治的に解決したのですよ。そこで、四十三年の四月一日からやるということにして、小林郵政大臣は強引に放送法の改正ということに踏み切ってきたわけです。われわれはかねてから、電波法、放送法の改正については、臨時放送関係法制調査会の答申もあり、早くこの改正案を出すようにということで、大臣もそのつもりでやられたと思うのですが、結局、それができなくて、これだけ切り離してやってきた、こういう政治的なやはり経緯の中で私は今回の法改正がやられたと思うのですよ。ですから、これは監理局長が説明してみたって、大臣が説明してみたって、一つもわれわれ理論的に納得できるような解明はしてもらえないのは、そこにあるんですね。どうも私は、一国の総理がお述べになった発言ですから、それを担当の所管の大臣として一生懸命にやろうということは、これはわかりますけれども、もともと無理をした発言なんだから、だから、私は、そういう意味では、この法改正というのは非常に無理をしたものである、こう言わざるを得ない。
 それから私はNHKの基本の問題についても伺いますが、特にこの三月三十日のNHK予算の審議の際に、前田会長もこういうふうに述べておられますね、この私の質問に対して。いろいろ経緯を申し上げたのですが、その質問に対して、「将来の問題として、この放送法が存続する限り、私どもの存立はこの放送法に根拠があるのでありますから、唯一の根拠でございますので、私どもとしてはこの放送法の精神を守ってまいりたいと考えております。ただ放送法との法理論だけでなしに、先ほど申し上げましたテレビジョンの置局のいわゆるカバレージの拡大と実際上との問題、あるいは物価の騰勢あるいは経済社会の実情等勘案して、われわれの事業計画はどの方向に将来重点をおくべきか、その事業計画の重点施策と関連し、社会的に必要と思われる限度における聴取料の額を将来やはり第三次長期構想と関連して考えていくことは当然でありまして、その意味においては私どもは私ども独自の立場から、先ほど申し上げましたように第三次長期構想の確立と関連して、近い機会に、良識を集めた、内外の良識を集めた料金問題の特別の委員会を持ちたいということを私は考えているわけでございます。」、こういうふうにお述べになっているわけですが、当時また、どの程度まで免除したとき、もてるのか。おそらく第三次長期計画というものが考えられておるのだろうが、将来そういう問題等の関連で、一体それで上げなくて済むのか、あるいは、もっと下げるということになるのか、その点は一体どこまでもつのか、こういう質問をして、大体四十三年、四年くらいまでには、要するに、料金値上げというものはあまり考えずに、そういう計画を立ててやりたい、こういう趣旨のことも前段で述べられているわけです。ですから、私は、それが正しいのであって、そういう長期構想の中で十分検討した上で、受信料金というものをどうするかということを考えておきませんと、ただ、さっきも言ったような政治的な一つの流れの中でやられたのでは、われわれはまだ、将来第三次長期計画がどうなっていくかということは、協会の会長の基本方針ではわからないんですよ。私はそれを示していただきたい。そうして、なるほどこういう計画であるのだが、これだけの七億近いものをなくしても絶対自信が持てる、もし不幸にして何か情勢の変化があったときには、これは郵政大臣として責任持って、それらの計画について、財政投融資なり、あるいは放送債券なり、あるいはいろいろな意味において、協会の財政については責任を持つというような、そういうはっきりした言質がない限り、われわれ責任を持って、この公共放送の性格上から、ようございましたと言えぬのです。ただ、だれだってただになったほうがいいし、安いほうがいいのですから、これ賛成するのだが、しかし、経営基盤というものが料金によってまかなわれている以上は、その料金というものが一体だいじょうぶかどうかということを明確に皆さんがここで言ってくれなければ、やはりこれはわれわれとしては自信持っていけないということですよ。だから、私は、どう説明されてみてもなかなか理解がいかないというのはそこにあるのでして、普及率とカバージの問題については、おとついですか、大臣がごっちゃにしたような答弁をしたように思うのですが、私の調査では、サービスエリアの点からいうと、なるほどテレビは九五・五%、中波の第一が九九・七%、第二が九八・六%、FMが八七%ですが、普及率はテレビの場合にはまだ八〇・二%で、ラジオを含めても普及率は九〇・一%となっています。大臣はこの点を取っ違えていたように思う。いずれにしても、そういう八〇・二%程度の普及率でございますから、まだこれ約二〇%程度テレビを持っていない人がある。ですから、そういうところも考えてみると、もう少し慎重であってほしい。われわれは何とか安い料金でできないだろうかという気持ちはありますけれども、意見も出ておりますが、それならそれで、もう少しそういう点も整理して、われわれにお答えをいただかないと、なかなか納得ができないというのが実情ですよ。どうでしょうか。これ、カバレージの問題、あるいは普及率の問題、あるいは集金の問題等、集金の半分が手数料になるということで、それならば、集金の手数料というものがどういうふうな実態であるのか、これを合理化すればいまの半分か三分の一になる、あるいは、もっと減るのかどうなのか、そういう点についても具体的に検討してもらっているのでしょうかね。私はそういう点についても、もう少し自信のあるところを聞かしてほしいと思うのですね。
○国務大臣(小林武治君) この法律を出したいきさつについては非常な御理解があって、私どもけっこうだと思いますが、これはどういうふうに理解されることもけっこうであります。ただ、これを理論的にどうこうということになると、私もあまり頭がよくないから、あまりはなやかな理論などということはなかなか私には考えられない。しかし、要するに、こういうものはきめ方の問題であるのです。こういうふうにきめる、ああいうふうにきめるということで、なぜとならば、私は前に申したように、NHKを経営するに受信料でやるということにきめただけであって、税金でやっているところもあれば、放送そのものについては商業放送もある。日本ではこういう受信料をいただいて、そうして公共放送をやる、こういうことをこの法律によってきめた、したがって、放送法そのものによってNHKが存在しているということは、もうどなたも御承知のとおりでございます。さようなわけでございまして、私どもはむしろ、もっと卑近なことで、テレビもラジオも大体同じ程度になってきたのですから、わずか一%くらいのそういうめんどうなものを取らぬでも、もうNHKの財政そのものには大きな支障がない、こういうふうなことから出ておるので、いまの、徴収費がうんとかかるとか捕捉が非常に困難であるという、このこと自体が非常にめんどうな問題だ、さようなめんどうをせぬでも、もうテレビの聴視者からいただけば協会をやっていける、こういう何といいますか、概括的な見方からこれが出ておるのでありまして、理論としては非常にむずかしいと思いますが、要するに、これがなくても、ああいうめんどうなものをいただかぬでもやっていけると思う。また、NHKそのものの計画を見ましても、たとえば最初この五カ年計画をつくったときの数字と、それから実際にやってみたときの数字とをお比べになってみれば、よくおわかりになりますように、テレビなどは全くそれは異常な発達を、普及を来たしておるので、これは要するに、NHKとしては全然予期しないような非常なたくさんの収入が出てきたと、こう言うても差しつかえないのでありまして、それらに比べれば、このめんどうなラジオ受信料などはもう大きな影響もなくて済ませるんじゃないかと、こういうふうに私は考えておるのであります。したがって、いきさつはいま鈴木委員が申されたようなこともございますが、とにかく、そういうものはやめても、要するに、根本的にいうて経営にたいした支障を来たさないでやり得る、それから今後においても来たさないだろうと、こういうことを考えておるのでありますし、まして、もしこれがそのために非常にNHKの経営が困難になるということになれば、やはりこれは政府の責任でもございますから、財政投融資でも、いろいろな方法というものは十分これは考えられるので、さような心配をせぬでも、もうわれわれは責任が持てると、こういう立場から出ておるというふうにひとつ御了解願いたいと思います。
○鈴木強君 その点はわかりましたが、私はちょっと大臣ね、理屈っぽく言うけれども、日本にこの公共放送というものが発足をして今日までやってこられたのですが、その趣旨というのは、やはり放送法にも示されているように、何ごとにも右顧左べんすることなく、やはり受信者の立場に一立って、国民の立場に立って中立公正な報道をやっていくと、そういうためには、やはり受信料というものによってまかなうほうがよろしいだろうと、こういう趣旨から公共放送が生まれたと思うんですね。ですから、そういう公平な負担、公正な負担ですね、そういうものからいいますと、やはりその精神だけはどうしても貫いていく必要があるんじゃないかと、こういう気を私は持っているものですから、そもそも甲契約、乙契約というものが、やはりテレビとラジオと、大臣がおっしゃるように、どんどんテレビが発達してきた、だから、ラジオを持っている人、テレビを持っている人が大体こう同じになって、ラジオの料金払ったり、テレビの料金払ったりするのはたいへんだから、まあ五十円のを三十円ですけれども、三百三十円ですか、テレビ、ラジオのほうは。それからラジオの場合は五十円と、こういうふうに甲乙きめたわけですね。ですから、そういう趣旨からいうと、それぞれの立場においてやはり公共放送にみずから自信を持って、プライドを持って参画していると、こういう気持ちもあると思うんですよ。ですから、まあそうはいっても、生活困窮の方とか公共施設とかというものは、これはやはり減免をしなければならぬでしょうし、また、基地周辺の場合でもそういうことが出てきて、大臣の基準というものによってNHKが認可をもらって減免をやってきたわけですから、まあそういう趣旨からいって、私はいまここで、ラジオの受信料というものが甲契約の場合には払うんだが乙の契約だけよろしいと、しかも、その内容を見ると、生活困窮者でも何でもない、バーや喫茶店や、りっぱに商売をやって、ステレオを持ち込んでやっておる場合もあるわけですから、この人たちに対して、はたしてラジオの料金というものを免除することが全体の国民の気持ちとしてぴったりくるのかどうなのかということも私はやはり考えていく必要があると思うんですね。それからカーラジオにしてもそうです。三百万台という、こういう自動車が発達をして、これを捕捉することは困難だと言うんですけれども、私は、これはもうほんとうに陸運局その他とも連携をとりつつやったら、時間はかかるかもしらぬが、捕捉できないわけでもないと思うんですね。ですから、そんなことを考えてみると、まあ受信者として公共放送を自分たちのものだという、そういう気持ちでやっている。現に国際放送に対して四億なり七億なりの負担をNHKがやっておるわけです。で、政府は一億二、三千万の交付金を出しておりますが、こういう問題についてもやはりいろいろな受信者から見ると意見があると思うんです。一体、このラジオの番組編成、経営に対して、NHKがどの程度の金が一年間かかっているでしょうか。まあそういったものもやはり公平に分担していくという、そういうことがやはりこの公共放送の私は基本だと思いますからね。そういう問題があるものですから、私はここで、どうもその分だけですね、全部なくしちまうということは理論的に合わないような気がするものですから、そこらの点も、やはり将来の公共放送という関係で、公共企業体という基本の問題と関連をしてはっきりしておく必要があるだろう、こう思うから、少しくどいようですが、お伺いしているのです。
○政府委員(浅野賢澄君) 自動車の点から申し上げます。おっしゃいます点、まことにごもっともでありますが、自動車の点その他ありますが、自動車の場合に、とにかく二十五年ごろ取り始めましたころは、自動車は相当ぜいたくなものであった。一台二、三百万、少なくとも当時のお金で二、三百万、こういう時代でありました。法律上は、「受信設備を設置した者は、」と、こうなっております。「受信設備を設置した者は、」受信料をちょうだいいたしますと、こうなっておりまして、その具体的な取り方、内容につきましては、郵政大臣の認可によります受信規約によっておるわけでございます。といいますことは、そういう取る対象につきましては、時と時代によってやっぱり考え直していく。したがいまして、十数年前におきましては、世帯として見ました場合、とても自動車は一つの世帯内のものとは考えられない。独立のまあ世帯としてちょうだいしたほうがいい、こういう考えであったと思います。しかし、現在におきましては、もう自動車も大衆化しまして、月賦で買える時代になってまいりますと、むしろ、そういう特段の扱いをするほうが時代にそぐわなくなってきておる。こういうふうに考えられまして、自動車のほうはこの際やめるように。そうしてまいりますと、あとに残りますものはほとんどもうなくなってくるわけであります。まあやっぱりNHKという公共放送を育てていくことをまず考えることが一番、おっしゃいますように、大事でございます。その財政的な基盤が保てるならば、なるべく料金を取る方法も単純化すべきであるということで、とらえ方を変えたわけでございまして、その料金の対象その他は変わっていない、かように考えております。
○鈴木強君 いろいろまあ言うけれども、基本的に、NHKがラジオ受信料あるいはテレビ受信料によってまかなわれておると、そういう性格の基本の問題について、このことによっていささかも変わりはないのだと、そういうことは言えるでしょう。この点はどうなんですか、これは。
○国務大臣(小林武治君) 私は前にもお答えしましたが、変わりはないと、要するに、そういう一つの公共負担によって育てるなんということばはいまもうどうかと思います。維持発展させると、こういうことで、NHKはもうそういう時代でない。維持し発展をするには、いわゆるもうラジオの放送網はいろいろあるから、ラジオもテレビもいろいろある、こういうのをひっくるめて、要するに、NHKの放送受信料と、こういうふうに一本化していったらいいんじゃないかと、それがNHKの維持、経営の経費になるのだ、こういうことにしたいと思うわけです。
○鈴木強君 これは、その点わかりました。甲の場合には、テレビとラジオだけれども、実際にもうテレビ持っていればラジオはいいと、これはテレビで十分用事果たすものですからね。実際にはラジオ持っていない人いるのですよ、ラジオ要らぬという人が。そういう人たちは三百円のテレビ料だけで何とかしてくれと言うのだけれども、そういうのできるのでしょうか。できないでしょう、三百三十円だから、契約は。
○国務大臣(小林武治君) 私は、これはこういうふうに考えたいのです。その三百三十円を構成するときですね、あるいは甲乙と構成するときにはですね、ラジオが五十円で、ある程度ラジオも含まれて、テレビを持っておる方からも三百三十円をいただくと、こういうことになっていますが、今度はそれを一括して、とにかく、放送の受信料としては三百三十円ですと、こういうふうな、これはきめ方であった。だから、きめればいいんです。だからして、三百三十円のときは二十円なり三十円ラジオに入っていたと、そういう積み上げ方式はあったかもしれませんけれども、これからはそういうことにかかわりなく、放送受信料は三百三十円だと、こういうふうに観念したいと私は考えております。
○鈴木強君 それは、大臣そうおっしゃるけれども、甲をきめたときのいきさつがあるんです。ですから、甲というのは、テレビは三百円で、ラジオは五十円なんだが、テレビとラジオを持っている人は、二十円まけて三百三十円と、こういうふうにできているんですから、だから、ラジオを廃止するのならラジオの分だけなくしてくれ、そうすれば三百円で済むんじゃないか、三百三十円は納得できない。ラジオのほうはテレビの金で十分まかなっていけるんだということだったら、私はテレビしか見ませんから、ラジオは契約しません、テレビだけしか契約しませんから三百円にしてくれと、こういうことだったら、どうしますか。いま大臣のおっしゃるような観念でやろうと思っても、なかなか納得しないと思いますね。
○国務大臣(小林武治君) これは前にきめたときのことにこだわるから、そういう意見も出てきますが、しかし、これから放送受信料は三百三十円ですと、こういうふうに新しくきめる、こういうふうなことにひとつしたらどうか。それで、たとえば今度のラジオ料を取らないということについても、どうも前から、ラジオというものの免除は、負担力がないとか、あるいは社会福祉の問題だとか、こういうふうなことだけを考えてああいう免除基準をつくってきたから、これにとらわれて困る、そうじゃないのです。そういう社会政策的な意味じゃないのです。ラジオそのものはいただかないようにしょうと、こういうことで、前からの考え方は或る程度ここで変えていかなければならぬと。いまの三百三十円の問題も、積み上げるときはそうであるが、これから放送受信料というのは三百三十円にいたしますと、これは来年の予算をおきめになるときにおきめ願うわけです。そういうふうに私どもは考えております。
○鈴木強君 大臣がこだわるなと言ったって、みんなに聞いてみてくださいよ。受信者にラジオの料金を今度は取らなくなると、ただし、テレビを持っている人は別ですよと、こう言っているんだから、実際にはラジオを持っている人は免除になると、こういう宣伝ですから、じゃあ三百三十円といういきさつは、三百円がテレビだと、ラジオは五十円もらうところだが、二十円まけて三十円だと、こう言われたんだから、この際、おれのほうのラジオもまけてもらえないだろうかという気持ちをみんな持つわけですよ。ですから、大臣の言われることもわかりますが、そうであるのであれば、来年、とにかくテレビを持っている人たちが対象になるわけでしょう、そうでしょう。ラジオは、いうならば一応免除したようなかっこうになってしまうわけですね。そうすると、一応、これはどういう契約になるか知らぬけれども、契約した人たちは三百三十円払うんですよと、そういうことになっちゃうわけですよ。それならば、ひとつこの際、三百三十円ということについて、もう少し検討する必要があるんじゃないか。これは、会長が言われているように、何か料金問題に関する特別委員会をつくっておやりなると言うんですから、そういう委員会なりつくって検討してもらって、なるほどもっともだという回答を出してもらえば、国民は納得すると思いますが、大臣の言うようなことでは、少し乱暴過ぎる気がするんですよ。だから、その辺の理屈をうまくやってもらわぬと、なかなか受信者は、大臣のおっしゃるように、私はそう考えないと思いますがね。
○国務大臣(小林武治君) これは、鈴木さんのような議論が出てくるのは当然であります。当然であるが、しかし、これはもう、そういうふうにこれから納得してもらわにゃいかぬということで、実は、これは当然のことながら、ラジオの受信料はいつきまるかというと、法律の規定によれば、予算をおきめ願って、その予算の中にそれが入ってきて、そうして自然にきまると、こうなっておりますから、今度乙を廃止すれば、あるいは、いま私どもが言うように一本化する、放送受信料とかなんとかということで一本になる、そこでもって、予算の根拠となる、たとえば三百三十円というのは放送受信料一本だと、こういうことを今度これから国会で予算審議の際におきめを願わなければならぬ。で、いま鈴木さんがおっしゃるような疑問が出てくるということは、私はやはり当然だと思う。しかし、そうでなくて、今度は、放送受信料はこれ一本ですよと、こういう御理解を得るようなことをいろいろこれから考えなければならぬということは、お話のとおりでございます。したがって、また、いまの、それじゃ三百三十円が適当かという問題はやはりあり得る問題だと、かように考えます。
○鈴木強君 それなら私はよくわかるんですよ、大臣のおっしゃるように。ただし、その場合に、今度は協会の会長に、これは非常に大事なことだから、この際御意見を承っておいたほうがいいと思うのですが、あなたが言われるように、放送法を守っていく、放送法のたてまえはそのとおりだと思いますが、そのことを守っていくというのなら、あなたが非常に慎重に、しかも、将来を見通して言われている意見というものは、非常に大事なものだと思って、私はここに赤線を引いて持っているんですが、その中にある第三次長期計画というのが八月ごろできますね。それを基本にして来年度予算をきめるわけでしょう。その場合に、それとの関連において、近い機会に、良識を集めた料金問題の特別委員会、こういうものをつくって、今後の放送料の一本化問題について検討を進めていきたいという考え方を持っているわけですね。大臣も、あるいは三百三十円というものは変わるかもしらぬと、こういうことをおっしゃっていますね。私はそれは当然だと思うんですよ。ですから、その場合に、高くなるかどうかはこれは別としても、ここで私伺っておきたいのは、大臣のそういう基本的な思想があるわけですから当然ですが、協会におきましても、料金問題特別委員会等におきまして十分検討されて、来年度予算のときに、今度は、放送料というものは幾らでございますということにして国会の承認を求めるというように、筋書きとしてはならぬでしょうかね。その点はどうでしょう。
○参考人(前田義徳君) 私どもの立場でいいますと、全くおっしゃるとおりでございまして、私どもは前回、予算審議の際にも申し上げましたように、新しい情勢と申しますか、社会の発展に応ずる事業計画を長期的展望のもとに立て、その年度の事業計画を基礎にして収入を考える、したがいまして、繰り返すようでございますが、長期計画を立てた上で、現在の受信料の問題を、聴視者のすべての方々に御理解をいただけるような進め方で御理解をいただくという意味での特別の委員会をつくりたいと、こういう考え方を持っているわけでございます。
○鈴木強君 その点はややわかりました。そういうふうに問題を整理していただくと、受信者のほうも非常によくわかると思うのです。ですから、そこらの辺が、いままでのあれではわかりませんでしたが、その点よくわかりました。
 そこで、あとは具体的に、第三次五カ年計画の構想も、この前、会長から多少その骨子的なものが出ておりますから、なお私は突っ込んで、おそらく八項目か九項目になりますが、ずっときょうはお伺いしたいと思いますが、その前に、法律問題ですから、郵政省のほうに私はこういう点をもう一つ聞きたいのです。この前の予算委員会でも、私は未収金のことについて協会側に尋ねまして、佐野理事のほうからも御説明がございまして、たいへん苦労されておりますが、未収金も多い。中には意識的に不払いというようなことをやっておる人たちもあるようであります。そのよって来たる原因は、いろいろあるでしょうが、そういう実情にもかんがみまして、この際、放送法の一部を改正する法律案を御提出になる際に、全般的なことはあとでまた伺いますが、特に料金問題と関連して、前国会に提出されました自民党と社会党で意見を統一された改正案の中に、現在放送法三十二条に規定されております「受信契約及び受信料」という項目は非常に抽象的なんです。したがって、これをもう少し具体的に変えようというので改正案がまとまって、国会に提案されたのをわれわれも拝見しました。しかし、私はそれをずっと見ておりますと、このほうがずっとすっきりして非常にいいですね。たとえば、従来の場合は、協会と受信契約をしなければならないということであって、料金問題については第二項において「協会は、あらかじめ郵政大臣の認可を受けた基準によるのでなければ、前項本文の規定により契約を締結した者から徴収する受信料を免除してはならない。」、ここに初めて受信料ということばが出てきているのです。非常に抽象的であいまいだったのです。そこで改正案の中では明確に、協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会に受信料を支払わなければならない、ただし、放送の受信を目的としない受信設備を設置した者については、この限りでない。それから第二項目には、受信料の支払いの時期及び方法、受信料の徴収に関し必要な事項は協会が受信料規程で定める、協会がこの受信料規程を設定しようとするときは、あらかじめ郵政大臣の認可を受けなければならない、変更するときも同様だ、こういうふうな改正案になったんですね。ですから、私は、受信料に手をつけるようになったならば、どうしてここまでできなかったんだろうか、こういう疑問を持つのです。そうすれば、全体として出せないことは政府の重大責任です。今度の国会で電波放送法が出られないということは、せっかくその中を、総理の発言等もあって、郵政大臣が忠実にやられたんだろうと思います。そうであるならば、これは一緒になぜ改正しなかったんですか。おそらく、次の通常国会に出てくる場合に、もう一回三十二条をいじらなければならない、そんな非能率なことをやらなくてもよかったんじゃないですか、どうしてそこまで知恵が回らなかったんですか。
○国務大臣(小林武治君) この問題について、もしもきまった相談ができれば、当然これは入れてしかるべき問題である、しかし、ただ受信料の問題については、世間では事柄の公共性とか重要性からかんがみて、国会できめたらいいじゃないか、法律できめたらいいじゃないか、あるいは政府の認可をすることにしたらいいじゃないか、いろいろな議論があります。米価問題と同じような問題がこれにもあるわけです。そういうことについては、まだお互い政党間においても、あるいは政府間においても、きまった意見がまだない、したがって、これは後日に譲った、こういう問題であります。中には、法律で書いたらどうか、あるいは、いま言うように、政府の認可にしたらどうか、こういう議論も私は傾聴すべき議論だと思います。いずれまた、そこまでいくべきではないか、もう少し受信料についてはっきりと規定をすべきじゃないか、こういう意見もあった、こういうととは、いま検討しておって、まだ結論は出ないからして、やむを得ず、この際の改正においては後日に譲った、こういうことでありまして、お話のように、何らか処置をすべきである、かように考えております。
○鈴木強君 まあ経営委員会が予算をつくって、あなたのところへ持っていくのですから、この国会に来て、国会が最終的に承認を与える仕組みでございますから、実際に経営委員会がきめても、国会がだめだと言えばだめですから、私は両てんびんかけた一つのきめ方だと思うのです。ですから、ここまでワクをはめてあればいいのじゃないかと、ぼくは実はそういう気持ちなんですね。ですから、ことさらに国会がきめるとかなんとか、法律で、公衆電気通信法とか、あるいは国鉄法とか、ああいうふうにいろいろ問題との関連はわかりますが、せっかくこれは前回も大体意見が統一して、ここらは異議ないところなんです。もっと基本的な問題については、これは大臣仰せのように、いろいろ意見があるようでありますから困難だと思いますが、ここら辺については、意見の不統一ということはないのですから、三十二条におつけになるとすれば、そこまでもう一歩やれなかったものだろうかという疑念を持ったものですから伺ったんですがね、これは浅野さん、どうですかね、事務当局で……。
○政府委員(浅野賢澄君) 先ほど先生がお読みになられました三月の質疑応答、これを拝見いたしておりましても、受信料問題というのは、やはり根本的に検討を要する問題があるわけであります。大臣がただいま申し上げました点とともに、やはり次回の法律改正の場合には、やはりもう一度見直してみる必要がある、こういうことを考えております。
○鈴木強君 おかしいです。このいまの三十二条の改正で、受信料だけを免除していくということが、全廃していくという、そういう考え方というものは、これよりもっと大事でしょう、私に言わせれば。そうでしょう。ましてや、受信料を幾らにするということではないですから、要するに、受信料というものは、従来は「契約をしなければならない。」という抽象論です。やはり支払わなければならないと、こういうふうに明確に規定づける、国民も見ている限りは払うのだ、何だかんだ理屈を言って払わなかった、あるいは、どこかに行くえをくらまして意識的に滞納になった、そういう金が相当あるわけでしょう。ですから、これは、一つは、国民の道義の問題にあるかもしれませんが、法律的にはやはり明確にして、料金を払ってもらう、こういう義務づけをしようというのがあれだったのです。これは当然のことではないでしょうか。ですから、そういうことが、受信料をラジオだけなくするということになると、なおさら、一面、見ている人たちには、意識的にボイコットなんかやらないようにしていただくとか、あるいは良識を持って、やはり見たものは払っていくとか、そういうことを法律の姿勢としてやるべきではないかというのが考え方なんですが、これはあなた当然ですよ、何も問題にならない。むしろ、あなたの言う受信料のほうが問題です。問題のあるものをこっちに出しておいて、こういうことを一面つけてやらないということがおかしいのではないですか。罰則は、これはありませんから、支払わなければならないということにしても、どうということにしても、罰則規定はないのですから、ひとつ義務規定としてきちっと、従来よりも、受信料を払わなければならぬとはっきりしたほうがいいのではないかと、これはまとまった意見ですから、これはどこも文句をいうわけはないでしょうし、もし受信料、その受信料という全体の問題に関係して、将来、会長のおっしゃるように、特別の委員会までつくってやらなければならぬと、その規定がきまらないうちに、受信料だけ免除しようと出してくると、これこそもっと慎重にすべきです。そこは、さっきの質疑で完全に了解できませんけれども、考えてくれると言うから、大臣も来年受信料としてどうあるべきかということを基本的に検討するとおっしゃるから、一応わかったような気がしますが、そこら辺は近く検討するんだから、大臣だって、そういう点よく、せっかく出すなら、一緒にしたら三十二条は済むのです。また通常国会で出して、またやるでしょう、同じ条文を二回の国会にわたって。そういうみっともないことしなくて済むのです。気がつかなかったらつかなかったと率直に、気がつきませんでした、そうすべきであった、うまくいきませんでしたと言えばいいのです。
○国務大臣(小林武治君) 鈴木さんの御意見、しごくもっともで、われわれもそうすべきだったと思います。やはり多少の議論があって固まらなかったりして、ここへは入れなかったと、当面ごく卑近なものだけにとどめた、こういうことで、私は、お説はまことにごもっともであると考えます。
○鈴木強君 それから、いまFM実験放送をやられておりますね、NHKは。これについては、ラジオの必要経費ですね、大体百十五億、これは番組費、技術費、人件費、受信者関係費、管理費、これを入れまして、テレビ五百九十二億、ラジオ百十五億と。四十二年度予算においては、FMは百十五億のほうに入っているのでしょうか、必要経費はどの程度かかっているのでしょうか、これちょっとお伺いします。
○参考人(志賀正信君) ただいまの鈴木先生の御質問でございますが、約百十五億の音声放送の経費の中で、十一億五千万程度がFMの経費ということになっているわけでございます。
○鈴木強君 それからカラーのほうは、五百九十二億円の白黒、普通のテレビの放送経費として五百九十二億なんですが、カラーのほうが約三十一億ありますね、かかっているでしょう、カラー放送に。こういうのはテレビの五百九十二億とは別になるのですか、これは。
○参考人(志賀正信君) 五百九十一億のテレビの放送経費を御説明申し上げたのでございますが、この中で、カラーの三十一億というのは、建設費を含めまして三十一億というふうに御説明を申し上げたことがございまして、建設費が四十二年度におきましては約十三億程度がカラーの分というふうに御承知おき願いたいと思います。
○鈴木強君 私は、たとえばこのFM放送が、あとから大臣にまたお伺いしますが、何かもう本放送、本免許を、FMの免許をしようというような考え方も、大臣おありのようですけれども、その問題は、もちろんいまNHKがだいぶやっておりまして、さっき言ったように、八十何%ですか、八七%ものカバレージでやっているわけですから、相当NHKの場合普及していると思いますが、それに今度は、カラーテレビが、将来、白黒と同じ程度やるようになった場合に、これはたいへんな放送費というものがかかってくるのじゃないでしょうかね。そうすると、また、その料金の問題に戻ってくるのですけれども、たいへんなことになるような気がこの面だけでもするのですが、だいじょうぶですかね、大臣。ところが、FMが本放送になる、あるいはカラー放送がもっともっと多くなって、受信機、受信者もふえてきたというようなときに、一体、そういったものに対する料金なんかも論議になると思うのですが、そこらは、将来、FMも一切来年きめる放送料というものがきまればその中に入る、カラーが幾ら発達して幾ら番組が伸びても、その点はもうその中に入ってくるのだ、そういう考え方でいくものでしょうか。
○参考人(前田義徳君) この点に関しましては、数年前、前会長、阿部会長の時代にそのような御質問を当委員会においてもいただきまして、受信料の問題については、音声放送にFMという新しい放送が始まり、また、テレビジョン放送の中に、将来、カラー放送が実施される場合にも、少なくとも数年前のたてまえでは、われわれとしては、その当時の受信料を値上げする考えはないし、また同時に、それらの部門について特別の受信料を設定する考えもないということを申し上げております。で、この点については、私どもは、ことに会長としての私は、今日依然として同じような考え方を持っております。
○鈴木強君 それでは、その点はわかりました。
 協会の幾つかの質問をしたい中で、時間もあと一時間くらいですから十分できませんが、最初にお尋ねしたいのは、通信衛星の開発問題について、大臣にお尋ねしますが、すでに郵政省、電電、NHK、KDD、この四者で構成しております通信衛星放送連絡協議会、この技術委員会で衛星本体打ち上げのための具体的な対策というものができ上がったように聞いておるのですが、これはきまりましたか。
○政府委員(浅野賢澄君) 現在、御指摘の郵政省を中心といたしました四団体の協議会で取り運んでおります。国会その他各方面の御意向を体して、通信衛星の開発を一元化する必要がある、こういった面から、まず、きめておりますのは、一元化体制を打ち立てていく、それから、それによりまして一種類の通信衛星を打ち上げる、こういったことで、四十四年度完成を目標にただいま作業を進めております。ただし、これはロケット部門との関連もございまして、具体的な計画は科学技術庁並びに宇宙開発審議会と密接な連絡をとりつつ、現在、計画を進めておる段階でございます。
○鈴木強君 この技術委員会では、具体的な結論というのは一応出たわけでしょう。それがわかっておったら、知らしていただきたいと思います。
○政府委員(浅野賢澄君) 技術委員会では現在、当初の方針に従いまして、四十四年度中に打ち上げる衛星をつくりましょう、それはロケットとのかね合いから、中高度で、ある程度の大きさを持ったもの、百五十になりますか、二百になりますか、まだ、これは大きさはいま検討中でございます。それを第一段階といたしまして、それに引き続きまして静止衛星を進めてまいる、こういうふうに考えて、いま検討中でございます。
○鈴木強君 大体、衛星本体の重量は二百キロと聞いているのですが、それに間違いないでしょう。それから軌道は七千からないし一万、中高度ですね。それから打ち上げは昭和四十四年ですか、四十五年と違いますか。
○政府委員(浅野賢澄君) 四十四年度完成、四十五年度打ち上げ、こういうふうにいたしております。
 それから、いま申されました二百キロと申しますのは、アローアンスを二割見まして、大体そんなものでどうかというところで、目下、まだ打ち合わせ中でございまして、まだ決定いたしておりません。
○鈴木強君 そこで、宇宙開発の一元化構想というのは、ただ単に郵政省、NHK、国際電電、電電公社と、こういう四者のものではなくして、特に打ち上げロケットの開発ですね、これについてはやはり、科学技術庁あるいは文部省ですね、こういうところとの関連というのは考えなければならぬと思うのですね。ですから、宇宙開発審議会というのがあるわけですから、あそこがいま一元化問題でいろいろやっておられるが、なかなかうまくいかないのですね。いかぬでしょう。それで、私の知っている範囲においては、おそらく、ロケット開発の目標というもののテンポが非常におくれていますよ。だから、おたくのほうで四十四年に本体が完成して、四十五年に打ち上げる、こういう構想がそのままいけるとはちょっと思えないですよ。だから、もう少し郵政省も、大臣がそこらでひとつ連絡をとりつつ、科学技術庁なり、あるいは宇宙開発審議会というのがあるのですから、そういう審議会との連絡を密にしていただいて、もう少し積極的姿勢というものを出さぬといかぬように思うのです。これは、四十五年打ち上げというのは、四者の連絡協議会のほうで独自に打ち上げよう、こういう構想でしょう。打ち上げはあれですか、科学技術庁あるいは東大なんか、ロケットの打ち上げは向こうでやるのですか、そこのところかちょっと私はわかりませんから、ちょっと質問が不明確だったと思いますが、言いたいことは、ロケットの開発が非常におくれているから、その辺もひとつ十分考えながら、四者で協力できる点は、もっと積極的に協力していくとか、そういう姿勢をひとつつくってもらいたい。
○国務大臣(小林武治君) これは実は、ロケットと衛星とは一応切り離す。これを開発する途上においては、一応別々にやっていっても差しつかえない。お話のように、むしろ、いまおくれているのは、私どもの想像でも、ロケットの問題が非常に困難であって、四十五年にやれるかやれぬかということについては、必ずしも自信がないのじゃないか、こういうふうに思いますが、それでは、われわれのほうもそれに合わしてスローダウンすべきかというと、私はそうは考えない。こちらはやはり衛星そのものをつくることに大きな意義があって、そうしてロケットに乗せるということでありまして、われわれのほうは通信衛星そのものを開発しよう、ロケットもそれに合わせてもらいたい、それと調子を合わせてもらいたいということを注文をしているわけでありますが、そういう問題についての一元化はこれからの問題であって、いま自民党においても、政府においても、いろいろ考えておりますが、まだこれについて具体的の協議が行なわれておらない。新聞等で見れば、宇宙開発委員会をつくる、あるいは宇宙開発局をその事務局にする、あるいは特殊法人をつくるとか、いろいろなことが行なわれておりますが、まだ一つの成案としての協議の素材になっておらぬ、こういう状態でありますが、これはお説のように、われわれはまず通信衛星を開発する、しかし、ロケットがなければ意味がないということでありまするからして、両者は密接な連携を保ちつつやるということは当然であります。ただ、われわれのほうは、幸いに通信衛星としての四者がうまくまとまって仕事ができそうだ、これの期待に沿うようにひとつロケットもやってもらいたい、こういうふうなことにいまなっておるわけでございます。
○鈴木強君 これは前の上田電波監理局長が技術委員長になられておるわけですね。これはNHKのほうからも出られると思うのですが、とかく予算も各ばらばらに取っておる。これをもっというならば、積極的にどっかでまとめてやったら非常にいいじゃないかという気がするんですけれども、これはいま言ってもしょうがないことなんだな。実際の実行上において、研究途上における、これは郵政省だとか、あるいは電電だとか、そういうなわ張り根性はよもやないと思いますけれども、そういうことでなしに、要するに、総科学陣というか、科学陣を総動員して、そうして一体になってやっていただくことを強く望んでおきたいのですけれども、会長どうです、この連絡協議会ですね、技術委員会等を通じて、まああなたに前から非常に積極的に放送衛星の開発について意見を述べられているわけですが、いままでの経過の中で、大体協会のあなたが考えたような構想ですね、打ち上げロケットそのものはいまのような状況ですから一応おくとしても、研究開発についての協会の意見というものも十分に入ってうまくいっているんでしょうか、あなたの見通しのようにいっておりますか。
○国務大臣(小林武治君) そのことも私は一言申し上げておきたいのでありますが、予算はいま別々に成立しておるが、場合によっては、予算利用等についても交錯する場合もあり得る。お互いに研究テーマをきめれば、そういうこともあり得るぐらい密接な関係を持っていきたい、こういうふうに考えております。
○参考人(前田義徳君) ただいまの御質問につきまして、現状においては、私は、この協議会を通じての四者協力の範囲でNHK自体の研究もかなり成果をあげつつあるというように感じております。
○鈴木強君 浅野さんね、これは科学技術庁のほうには、あなたのほうから、さっき技術委員会で大体まとまった案について相談をしましたか。
○政府委員(浅野賢澄君) 科学技術庁との間ではきわめて密接に連絡いたしております。技術委員会にも出席してもらっておりますし、あちらの会議にも出ておりますし、常時相談しながら現在進めておる次第であります。技術委員会の状況を見ておりましても、回を重ねるごとに、非常に協調の度を増しておりまして、いままでの状況を見ておりますと、非常に順調にやっておると、かように考えております。
○鈴木強君 それは非常にけっこうですが、科学技術庁のほうでやっておりますロケット開発計画ですね、これは何か今月の中ごろには一応結論が出るようですね、見通しが言われておりますけれども、その点はどうなっておるんですか。
○政府委員(浅野賢澄君) その点を勘案しながら、いま通信衛星の大きさ、まあ最初に打ち上げます大きさ、高度を実はきめつつあるわけでありますが、大体科学技術庁のほうも一応のめどは立つようにやっているんじゃないかと考えております。
○鈴木強君 なお、この点はひとつ一元化の大方針を立てているわけですから、それに対して四者が、より――いま大臣のおっしゃったように、緊密にいっているわけですから、ひとつそのかたまりを、宇宙開発審議会もありますし、その中に持ち込んでいって、一元化の方向に積極的役割りを果たしていただくように、そうして、できるだけ目標が四十五年でありますならば、そこら辺には打ち上げられますように、東大がだいぶ失敗しておりますから、なお国民は疑心暗鬼になっておると思いますから、こういう点は政府自体がもっともっと熱心になってもらわなければ困るが、その点は大臣にひとつがんばってもらいたい、こういうふうに思います。
 それから、その次にお伺いしたいのは、沖縄の先島地区のテレビ置局の問題ですが、これについては、大体見通しとして――法案も通っておりますね、援助法案が。ですから、見通しとして、いつごろになったらテレビ局が開局できますか。
○国務大臣(小林武治君) いまの予定では、十一月完成で、十二月放送開始と、大体順調に進んでおるようでございます。
○鈴木強君 私ども、いま琉球立法院で沖縄地区の放送体系というものが変わるような法律改正がやられていると思うんですが、その中で、沖縄でも日本と同じように公共放送と民放の二本建てでいこうという、こういうふうな考えで、電波放送法の一部改正法案というものが審議されているように聞くんですがね。その内容については、それで間違いないでしょうかね。
○国務大臣(小林武治君) 沖縄ではいま民放局、二つ那覇にありますが、二つとも民放であること、今度の先島に対する施設を日本から寄贈をするならば、それは少なくとも公共用放送の形を向こうはとると、那覇の民放放送局についてもいまの公共放送体にこれを変えようと、こういうことでいま御相談に相なっております。しかし、もしその那覇木島のものがきまらぬでも、少なくとも先島地区のものは公共放送で受け入れると、こういうふうに聞いております。
○鈴木強君 そうしますと、NHKとの関連で問題が出てくると思いますが、新しく公共放送が誕生しますと、いまのOTVとRBCと二つの民放がそのまま存続して、新しく公共放送が生まれてくるのか、あるいは、いま二つある民放のうち、どっちかが公共放送として再スタートしていくのか、その点は私たちわかりませんが、もしかりに民放二つに、新しく公共放送ができまして三社でいくということになりますと、現在の沖縄との間のマイクロウエーブの回線の問題も出てくるでしょうし、それからもう一つは、いまNHKが向こうと提携して提供しているニュースとかその他の番組についてもちょっとおもむきが変わってくると思いますが、これに対する対策はどういうふうに進んでいるのかですね。
○国務大臣(小林武治君) いまの沖縄は、両方ともひとつ公共放送に改組しようと、こういう御計画のようであります。だから、一つの公共放送にしたいと……。
○鈴木強君 そうすると大臣、民放をなくして、この二つ、OTVとRBCを一本として、これを公共放送一本にしていくと、こういうことですか。そうしますと、これは一局にして、民放なくなっていく。昔の日本と同じような形態に戻ると思いますが、そうすると、もっと、より以上にNHKは、この公共放送との間に、ネットワークといいますか、番組提供というようなことについての配意をしなければならぬと思いますが、そういう準備は一体協会としてはどういうふうになさっておりますか。まだ法律が通らぬのだから、いま聞くのはどうかと思いますが、しかし、準備は、もう十一月にでき上がるそうでございますので、準備なさっておったら、いまどういう準備をなさっておるか、伺いたい。
○参考人(前田義徳君) 私どもの立場といたしましては、日本国政府と琉球政府との関係よりも、もっと間接的な立場に存在するわけです。したがいまして、いま郵政大臣が御説明になったような方向にいく場合においても、二つございますが、先島だけを公共放送にする、あるいは那覇の両局をも公共放送化する、いかなる場合にも、政府の指示並びに琉球政府の要望もしくは将来でき上がる公共放送、これの要望に沿い得る準備を整えておるということになると思います。
○鈴木強君 わかりました。その点ひとつ支障のないように、ぜひ体制をつくっていただきたいとお願いしておきます。
 それから最近、テレビ受信の場合のビル陰障害問題というのがだいぶ出ておるのですが、難視聴地域の解消とあわせて、これは新しくできた現象だと思いますが、こういうものについて、協会としてはどういう具体的な対策をとっておりますか。また、政府としては、法律的にある程度、三十六階のああいうのが出てきますと、これは電波の伝搬というものが非常に障害を受けてくると思うのですが、そういうものについては、ある程度、電電公社のマイクロウェーブの障害について、この前、電波法をちょっと変えましたが、ああいうふうなことが必要になってくるんじゃないかと思うのですが、そういうふうなことについて、郵政省の考え方と、それからNHKのほうで具体的に考えている点があったら、どういう点なのか、この機会に聞きたいと思っております。
○政府委員(浅野賢澄君) 三十六階のビルができ始めまして、ただいまの御意見のような問題が急に出てきたわけであります。現在までの状況でありますと、雑音防止対策協議会というのを設けまして、関係各団体集まってもらいまして、極力そういった雑音並びに電波障害の除去につとめてまいったわけであります。ただ、こういった超高層ビルが出てまいりますと、一そう根本的な対策が必要になるように考えております。したがいまして、雑音防止協議会にも、建設省、住宅公団、住宅協会、こういったものも今度は入ってもらいまして、現在対策の打ち合わせ中であります。ただ非常にむずかしい点は、日照権でありますとか、こういったものが外国におきましても非常に議論になっておるようでありますが、なかなかそういった権利を一つの権利として認めるという事態にはならないのではないか、電波障害につきましては、また別の角度から相互の協力という面で解決していく問題が多いようでございます。そういった面から、慎重に十分今後検討を進めてまいりたいと思っております。
○参考人(佐野弘吉君) ただいまの御質問にお答えいたします。
 御指摘のように、最近におきます高層ビルの建築ラッシュで、非常にビル陰と称します事象が起きてまいっております。たとえばNHKで取り扱いました件数で申し上げますと、三十九年にわずか九十三件でございましたものが、四十一年、昨年には四百五十三件、これによりまして受信改善をいたした件数が一万件になるわけでございますが、いずれにいたしましても、この現象が一種の社会的な公害問題という形になっていることは事実でございます。この電波障害というものを今日技術的に直ちに打開するということは困難でございまして、このビル陰で発生をいたしました受信障害をどのように改善をいたすかという、具体的な改善方法について、先ほど申し上げましたように、件数の増大というような形で、NHKが積極的に取り組んでいるわけでございます。これを解決します方法といたしまして、私ども、そのビルの屋上に共同のアンテナを用います、いわゆるアンテナ出力分配方式という形で解決するのが一つと、個別にアンテナを改善していくというやり方の二つで取り扱っております。この関係につきまして、実はしばしば、受信障害を受けます側について法的な保護がございませんので、建築主と受信者の間でトラブルが発生することが間々ございます。協会といたしましては、この間に立ちまして、円満に解決するように、お話がありますれば、あるいはお話がないまでも、そういう事象に積極的に仲介の労をとりまして、先ほど申し上げましたような技術的な改善をいたしているわけであります。今後、この間の解決と申しますか、建造物の障害につきましては、郵政省あるいは建設省など、関係方面に対して、その御検討をお願いいたし、かつ、ただいま電波監理局長が御発言なさいました雑音防止協議会というものの中に、郵政省並びにNHKが積極的に中核となってこの問題の解決に当たると同時に、最近におきまして、建設省からもこの会議にお加わりくださるというような方向に進んでいるわけでございます。
○鈴木強君 それは何でしょうか、いろいろ御苦労いただいておることはわかりましたが、実際にビルが建った場合すぐ影響が出てくる、そういうような場合には、その近くの人たちはすぐわかりますから、NHKなりどこかに、直してくれというような文句が来ると思いますが、しかし、そうでなくて、かなり距離が離れている場合でも、そういう影響がないとも限りませんが、そういうような場合には、一体これはどういうことなんだろうかというような疑問を持たれると思いますが、いろいろのケースがあると思いますが、まず、ものすごい苦情を言って、どうにもならぬような、そういうひどいものはないのでしょうね。東京あたりですと、ある程度画面がどうとかなるとか、そういう程度なんでしょう。
○参考人(佐野弘吉君) 先ほど来高層ビルで引例をいたしましたが、率直に申し上げまして、最近の電力事情の発展と申しますか、高架線、送電線の高架とか、あるいは鉄道、道路等の高架というようなことから障害が起きる、あるいは東京都内にもしばしば見受けられますゴルフの練習場の金網から障害が発するというような事象がございます。ただ、私ども、これを手がけまして、比較的相当の高層ビルでございましても、被害を受けます世帯の数は、平均して意外にわずかでございます。相当のビルでも、二、三十件、多くて百件ぐらいということで、やはりそのビルのすぐ周辺にあります建物が、いま申し上げたような数字として出てまいりますほかは、相当離れた地域でそういうような直接ビル陰というような形で出てくることはないように聞いております。
○鈴木強君 これはちょっとどういう原因かわからないのですが、せんだって静岡県の長岡に私行きまして、長岡の、あれは私鉄の駅から川を越して松城館というのがあります。そこへ私泊まったのです。ところが、そこは共同アンテナでやっているのですけれども、どうも私見ておって映像が全然だめなんですよ。聞いてみますと、共同アンテナでやっているのだけれども、そうなってしまって、電気屋さんに言うと、そのときだけちょっといいと言うのですね。帰っちゃうとまた悪くなると、そういうことを繰り返しているようなんですよ。私はそれはどういう影響かちょっとわかりませんでしたけれども、ちょっとそういう苦情を聞いたものですから、じゃまた機会があったら協会のほうに調べていただくように頼んであげましょうと言っておいたのですけれども、これはおそらく協会の補助金をもらって共同アンテナを引いているのだと思いますから、ひとつたいへんお忙しいでしょうけれども、何か機会がありましたら、ひとつ早急に調べていただきたい。松城館という旅館ですから、行けばわかります。そこで見ると非常に映像が悪いのですが、その点ひとつぜひ見てやってもらいたいと思いますが、どうでしょうか。
○参考人(佐野弘吉君) さっそく手配をいたして調査をいたしたいと思います。
○鈴木強君 私はまだまだ質問が続くのです。ずっと続くのですが、委員長からの何か御注意もありますし、委員会の御希望もあるでしょうから、私はこれで、最後に一つだけ伺ってやめますけれども、まだたいへんあるのですが、これは保留さしていただくことにして、もう一つだけでやめます。
 それは、電波・放送法が遺憾ながらこの国会に出てまいりませんでした。したがって、これは次の通常国会に出すような御方針なのか、とても郵政大臣としてはやってみたけれども荷が重過ぎてなかなか困難だ、したがって、次の国会に出すようにいま考えているが、なかなかそうもいかないというような消極論なのか、その辺をひとつ、あなたの手がけてこられました期間に御苦労されていると思いますから、お見通しをひとつ伺っておきたいと思います。そこで私は、この前も、そういう立場に立つと、大臣が最近新聞等に御発表になっておりますUHFの免許方針の問題にしても、FMの免許方針の問題にしても、いろいろ新聞紙上で伺いますが、法律改正がない中で、行政的に現行法によってやられておりますが、そういった基本的な問題については、きょうは時間がありませんから、私はそれは次に譲りますが、ただ心配になりますのは、民放二十五社が従来から相互乗り入れという方法で、新しい法律が改正されるまで  されてもそういう相互乗り入れの方法でやってもらいたいという強い陳情がありました。これはおそらく大臣のところにも最近いっていると思います。それから、そのほか従来から問題になっております北九州なり、あるいは大阪の民放四局の中継局をつくってもらいたいという陳情なんです。あるいは名古屋なり、そういうところがらいろいろ要請があると思いますが、聞くところによると、たとえば名古屋、静岡あたりはUによって免許を複数にしていく、こういうようなお話もちょっと聞くのですけれども、そうすると、二十五社の中で、それでは名古屋とか静岡というのは営業かせぎ高が何億以上のところになるのかどうか知りませんが、複数でやるとUで開局できるというような話もわれわれの耳に入ってくるのですけれども、やはり前回の最初のときの免許方針のときに、非常に行政上いろいろな問題があったことを私たちは知っているわけです。放送行政調査会の答申の中にもそのことが非常に強くうたってございまして、一歩間違いますととんでもないことが出てくると思います。それで、私はFMなりUHFの根本免許方針というものは、過去の苦い経験の中で、ほんとうに正しく冷静に放送としての使命が果たせるように、やはりガラス箱の中で免許方針をきめて、そうして、これを認可していくというようなことにならぬとやはりいけないと思うのですが、残念ながら、放送行政委員会というものが、法律改正が出てきませんとできませんので、現行法でやるとすれば、大臣権限ですよ。そうなりますと、やはりいろいろなそういったうわさというか、デマというか、私よくわかりませんが、最近かなり強く入ってきているのであります。次官や何かの更迭の問題もうわさに聞くのですが、盛んに一連の人事の問題ともいろいろ関連して話がありますけれども、私は、そういうことはうわさですから、うわさとして受けとめているだけですから、そういうことをここで言うのもどうかと思いますが、ただ、私も一応事業に関心を持っている一人として、そういうふうな動きもありますから、この際、大臣に根本的な免許方針というものをどういうふうにきめて、いつごろ、あなたがちょこちょこ言われるようなFMなりあるいはUHFというものの本免許ということをやっていくのか、それには、こういうふうにいくという基本線を、やはり国民の前に青写真を示してもらう必要があるように思います。それとも、それはやめて、放送法、電波法を次の国会に出して、それで通ったらやるというなら、これはまた次の将来のことですからいいのです。どうもそうでもなさそうですから、いままでの大臣の御説明を聞いておりますと。そこで、具体的に二十五社とか、従来から問題になっております点について、どういうふうな方針でいまおられるのか、その点だけきょうは承っておきたいと思います。
○国務大臣(小林武治君) これはごくかいつまんで申し上げれば、いまの放送法、電波法の提案については、積極的な意図を持っている、こういうことはまず申し上げておきます。しかし、持っているが、あとは国会の問題になるので、国会がうまく通るかどうかということも今後の問題でわれわれ予想できない。したがって、延びる場合も、これは国会審議の過程において必ずしもうまくいくかどうかわかりません。したがって、従来からいわゆる懸案と称されるようなものは、ひとつ現行法で処置をしたい、こういうふうに思っているが、しかし、要は、常識的に考えれば、やはりそういう根本的な法規を改正してからのほうがよかろうという意見もありますから、やるとしても、きわめて限局された範囲であるべきだ、こういうふうに考えております。しかし、民放自体については、御承知のように、何とか調査会からも、これは将来複数局にすべきだ、こういう意見が出ているし、私も将来の問題としては、やはりできるところから複数局になっていくべきであると思う、こういうことも考えております。それから、いまの乗り入れなどの問題は、この際はそう問題にならない、こういうふうに考えております。こういうことで大体おわかりかと思います。したがって、またやるのはいつかといえば、やはり十二月までには、年内にはと、こういうふうな程度のことを考えている、こういうことでございます。それから、それをやるについても、基本的なある程度の計画をつくって、将来もそれに準拠するようなものはつくるべきである、これは発表するせぬは別として、そういうものはつくらなければならぬ、こういうことも考えております。
○鈴木強君 もう少し私は失礼ですけれども伺っておきたいのです。十二月ごろ、年内だということはわかりました。
 そこで、FMとUHFと両方についてやろうとするのか、どうですか。
 それからもう一つは、Uの場合、相互乗り入れの問題はやらぬということはわかりましたが、しからば、二十五社、最低を見ますと単数局しかない二十五社が盛んに大臣にも陳情書を出していると思いますが、二十五の最低一放送局のある県の中で、幾つかの県というものは、やはりUの免許によって開局していく、複数化していくということになるのかどうか。これは答申にも最低二局ということはうたわれているわけですからいいと思いますが、そういう点については、どうなんですか、幾つかのところはやはりやるという方針なのかどうなのかですね。
○国務大臣(小林武治君) これは最終的に順次そういうのが聴視者の心からの要望であるから、そういう事態はやがて来ると思いまするし、また、今回の際も必ずしも一つも入らぬというふうなことは考えておりません。
 それからFMの問題も、これはもうすでに実験とかなんとかいっても、五年も七年もやっている、こういう状態は私はいつまでもおくべきではない。きのうも衆議院でも問題になったように、いつまで試行しているか、いつまで実用化試験をしているかということで、これにはおのずから常識的に、時間にも地域にも限度があろうと思う。そういう意味で、これらもやりたいということは考えているが、しかし、なかなか一緒にできるという問題でありません。しかし、少なくとも政府がこういうことをひとつ処置をしたいというふうなことで出発しなければ、いつまでたってもできないんですから、私はこれはやるべきである、こういうふうな考えを持っておるが、一緒にやり得るかどうかということになると、おのずからこれは物理的にも、いろいろな事務処理の関係からもできない場合もあるが、しかし、そういうつもりでひとつ仕事も進めなければならぬということでございます。
○鈴木強君 私は一つ希望しておきたいのは、免許の方針ですね、これは私はできればここで伺いたいんですが、時間がないようですから次に回しますけれども、この免許の方針というものをぴしっとつくって、これをやっぱり国民の前に早く示して、そうして今度のFM、UHFについてはこういう方針でいくのだということを広く国民に示して、チャンネルプランを立てて、FMについてもすべてそうですけれども、たとえば、私はもう四年くらい前の三月ごろ質問したら、桜の花の咲くころには免許すると言っておきながら、もう遠い四年も五年も過去の昔になっておりますよ。放置しておくということは、怠慢もはなはだしいと思うんです。それはいいですけれども、そういうことは積極的にやってもらっていいが、やり方が問題ですね。法律改正をするから、それまで待つんだと、われわれが一体どうしたんだと言ったら、いや法律改正ができるまでと言って、のがれてきたんです。法律改正ができないとするならば、もう従前の方針で措置して運営していく、しかし、あなたがやると言うんなら、それはそれでいいでしょう。やる場合に、三十三年ころの田中角榮さんころのようなことのないように、やはり私は国民にその青写真を示して、そうして広く周知する中で、この方針に基づいてやってもらいたい、こういうことを私は強く希望しておきます。だから、浅野さんのほうで事務的にやっておると思いますが、作業を進めていいと思います。そこで早く方針をきめて、国民の前に明らかにしてくださいよ。これだけ一つ約束できますか。
○国務大臣(小林武治君) これは方針なり基本計画はつくるべきだ、だから、いま申すように、発表するかどうかは別として、われわれはそれをつくって、それに将来にわたって準拠するようにしたい、こういうふうに考えております。
○鈴木強君 これじゃだめですよ。これはあとで続けます。これで終わります。
○委員長(森中守義君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は、本日はこの程度といたします。
 次回は明七月二十一日金曜日午前十時を予定し、本日はこれにて散会をいたします。
   午後五時三分散会
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