第058回国会 大蔵委員会 第11号
昭和四十三年四月四日(木曜日)
   午前十時三十八分開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         青柳 秀夫君
    理 事
                植木 光教君
                小林  章君
                西田 信一君
                柴谷  要君
                中尾 辰義君
    委 員
                青木 一男君
                伊藤 五郎君
                大竹平八郎君
                大谷 贇雄君
                藤田 正明君
                野上  元君
                野溝  勝君
                須藤 五郎君
   政府委員
       大蔵政務次官   二木 謙吾君
       大蔵省主計局次
       長        相沢 英之君
       大蔵省理財局長  鳩山威一郎君
       大蔵省理財局長  広瀬 駿二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
   説明員
       大蔵大臣官房調
       査企画課長    林  大造君
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  本日の会議に付した案件
○国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律
 案(内閣送付、予備審査)
○国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律
 案(第五十五回国会内閣提出、衆議院送付)(継続
 案件)
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○委員長(青柳秀夫君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。二木政務次官。
○政府委員(二木謙吾君) ただいま議題となりました国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及び概要を御説明申し上げます。
 今回この法律案を提案いたしましたのは、この特別会計に属する特別積み立て金引き当て資金の使用に関し、同引き当て資金は、当分の間、この会計から森林開発公団に対する出資を行なうために優先的に使用することができることとすることを目的とするものであります。
 現在、国有林野事業特別会計の国有林野事業勘定において損益計算上利益が生じたときは、その利益の二分の一を利益積み立て金に、残りの二分の一を特別積み立て金に積み立て、しかも、この特別積み立て金に見合う額は特別積み立て金引き当て資金として現金で保有することとされております。
 この特別積み立て金引き当て資金は、林業の振興その他の財源に充てるものとして一般会計に繰り入れる場合に限り使用できることとされ、毎年、予算の定めるところにより、一般会計への繰り入れが行なわれてきたのであります。
 ところで、森林開発公団が行なっている水源林造成事業は、保安林整備臨時措置法に基づく保安林整備計画の一環として行なっているものであり、このための所要財源は、従来この引き当て資金から一般会計に繰り入れられた財源をもとにして、一般会計からの出資によりまかなわれてきたのでありますが、同公団の行なう水源林造成事業のための所要資金を継続的、安定的に確保するため、この引き当て資金は、当分の間、まず、この会計から同公団へ直接出資するための財源として優先的に使用することとし、この使用の妨げとならない場合に限り、一般会計への繰り入れができることに改めようとするものであります。
 なお、引き当て資金を森林開発公団への出資に使用した場合には、これに見合う特別積み立て金の金額は、利益積み立て金に組みかえて整理することといたしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(青柳秀夫君) 次に、補足説明を聴取いたします。
○政府委員(相沢英之君) 国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を補足して御説明申し上げます。
 国有林野事業特別会計の特別積み立て金引き当て資金は、この資金が設けられた昭和三十六年度から四十二年度までの七年間に、同会計国有林野事業勘定の利益金から四百六億円を受け入れたのでありますが、このうち、同期間中に二百八十五億円を一般会計に繰り入れて使用いたしましたので、差し引き四十二年度末の残高は百二十一億円となっております。また、一般会計に繰り入れた金額は林業の振興のため使用されておりますが、このうち、百八十三億円は森林開発公団への出資に、残りは農林漁業金融公庫及び林業信用基金への出資、治山事業等に充てられております。
 次に、森林開発公団の行なう水源林造成事業は、同公団が分収造林特別措置法に基づく分収造林契約の当事者となり、水源涵養による利水の要請の強い地域のうち、急速、かつ、計画的に森林の造成を行なう必要があるものとして農林大臣が指定する地域内において、水源涵養保安林及びこの目的を兼ねる土砂流出または崩壊防備保安林等、公益性の強い森林の造成事業を行なうものであります。しかして、同公団が昭和三十六年度から昭和四十二年度までに造成した水源涵養林は十二万ヘクタールに達する見込みでありますが、その所要資金は、先ほど申し上げました百八十三億円の出資によってまかなってきたのであります。しかしながら、国有林野事業の現状からして、今後引き当て資金に従前のような増加を期待することは必ずしも容易でない状況でありますので、昭和四十三年度からは、長期的に見た場合の公団造林の収益性をも考慮し、新たに資金運用部資金の借り入れを行なうとともに、今回の改正により、引き当て資金は公団への出資に優先的に使用することとして水源林造成事業に必要な財源を確保することとしたのであります。
 なお、引き当て資金を公団への出資に使用しても余裕がある場合には、従来どおり林業の振興等に必要な範囲内において一般会計に繰り入れて使用できることとしております。
 以上の趣旨により、昭和四十三年度予算におきましては、引き当て資金から森林開発公団への出資三十三億円を国有林野事業特別会計の事業勘定の歳出に計上し、資金運用部資金の借り入れ十七億円と合わせて同公団の水源林造成事業を実施することとしているほか、林業の振興等に必要な経費の財源に充てるため、引き当て資金二十一億円を取りくずして一般会計に繰り入れることといたしておりますが、この金額は国有林野内臨時治山事業費の財源に充てるため、国有林野事業特別会計治山勘定に繰り入れることといたしております。この結果、引き当て資金は四十三年度に五十四億円減少することになりますが、同年度中に新たに約六十億円を受け入れる予定でありますので、年度末には約百三十億円になる見込みであります。
 以上、提案の理由を補足して御説明申し上げた次第でございます。何とぞよろしく御審議をお願い申し上げます。
○委員長(青柳秀夫君) 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
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○委員長(青柳秀夫君) 国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
○柴谷要君 国債整理基金特別会計法の一部改正法律案について二、三質疑をいたしたいと思います。
 まず、最初に、政府は四十三年度の国債発行額を六千四百億円として、歳入予算の国債依存度を四十二年度当初の一六・二%から一〇・九九%に引き下げたこととし、これをもって四十三年度の予算を景気抑制型であるとする有力な根拠としております。しかしながら、四十二年度の国債発行額は、当初予定の八千百億から、まず七月に決定した七百億円が削減をされ、さらに最終的には二百億前後が再減額される見通しとなっております。また、四十二年度の出納整理期間中に発行されるという三百億程度は、実質的には四十三年度に入ってからの四月に発行されるのでありますから、発行額の上では四十三年度は減額されたと認めるわけにいかないものだと思うのです。四十三年度は史上最高といわれる九千五百億円もの税の自然増収を見込みながら、実質減税に一切振り向けず、しかも、国債の削減にもこれを配分をしないで、歳出増のみに充てたことになると、このような性格を持った四十三年度予算は、はたして財政硬直化是正と景気抑制を旗じるしとするに足るものであるかどうか、特にこの点についてお尋ねをしておきたいと思うのであります。
○政府委員(相沢英之君) 公債の発行につきましては、この依存度を逐次引き下げるべきであるということは、これは過般の財政制度審議会の答申にもうたわれているところでございまして、数年後における目標といたしましては、財政規模の五%程度にまでできるだけすみやかに近づけるようにすべきであるという意見も述べられているわけでございます。大蔵省といたしましても、四十三年度の予算の編成に際しましては、内外における経済情勢等にもかんがみまして、この方針に従って、極力公債の規模の抑制につとめたわけでございまして、四十二年度の当初の公債依存度の一六・一%を四十三年度におきましては一〇・九%、これも同じように財政制度審議会の四十三年度の予算編成に関する答申にもございますように、一〇%台に落ちつけることに努力したわけでございます。この公債の依存度を押えるということは、歳出における需要が、財政硬直化の現状におきましてはきわめて強いものがあるわけでございまして、それを主として歳出の投資面においてこれを抑制するということをしなければならないわけであります。公共事業におきましても、それは例年の伸びを思い切って圧縮いたしまして、ことしの四十三年度は、これを対前年当初に対しまして六・九%、補正後に対しましては四・七%の伸びというような、きわめて抑制した増加率に押えましたのも、この公債発行額の圧縮ということと密接な関連があるわけでございます。そういった点におきまして公債発行額を極力押える努力を四十三年度の予算編成に関して行なったという点は御理解をいただきたいと思います。
○柴谷要君 三月二十二日付の新聞によりますと、四十三年度の国債発行は、上期に集中しないようにして、下期に重点を置くようにするという大蔵省、日銀、国債引き受け団等の決定が明らかにされております。四十一年度及び四十二年度の発行実績について言うと、いずれも上期に重点が置かれ、下期は発行額を少な目にしている。これは財政資金の収支による配分が考慮されたものと考えられるのでありますが、四十三年度においては、逆に下期に重点を置き、上期に景気刺激的要因をなるべく避けよう、こういった意図があらわれているようでありますが、重点を置いて発行しようとする下期の公債発行との関連についてまず伺いたい。
 また、下期には経済見通しが明るくなると考えておるのが、最近の国際経済の動向から見ると、とうていその見込みがないように考えられるのでありますが、この際、国際経済との関連から、わが国の国際収支の見通し、景気の先行きについて政府の見解を伺っておきたいと思います。
○政府委員(鳩山威一郎君) ただいま御質問にありました第一の点で、財政の国庫収支との関係から下期発行が多くなったのではおかしいのではないかという問題。それから、第二番目には、景気の見通し等の問題がございました。
 最初の問題から申し上げますと、過去四十一年度、四十二年度というものの実績をとりますと、確かに下期の発行額が非常に少なくなっておるわけでございます。これは一つは、四十一年度も四十二年度におきましても、やはり途中で実際の税収が予定より伸びるというようなことがありまして、下期でその発行額を減らしておるという事情があるのでございます。四十二年度の当初の計画といたしましては上下同額づつ発行いたしたい、こう考えておったのでありますが、御承知のように、昨年の七月に七百億減額するというような話がありまして、それから年末近くになりまして、ただいまおっしゃいましたように、さらに二百億減額できるのじゃないかというふうなことになりまして、結果においては、市中で発行いたします五千九百億円の国債発行につきましては、上期が三千四百億、下期が二千五百億、こういうような比率になっておるのでございます。で、来年の問題につきましては、国庫収支の状況からは、やはりおおむね上下同額づつ発行をいたしたいという考え方もあるのでありますが、上期がいずれにしても金融の引き締めが非常に定着するかどうかという、いわば勝負どころというようなこともございますので、上期につきましては心持ち減らすという程度の措置をとりたい。上期におきましては、四十二年度分の出納整理期間発行の三百億を含めまして、二千九百億から三千億というような規模の発行にいたしてまいりたい。下期はやはり三千百億程度の発行をいたしますと、年間六千億発行になるわけでありますが、景気の状況によりましては、さらにことしのズレの三百億というのがございますが、これが下期に金融情勢がよろしければそれも発行いたしたいわけでありますが、金融情勢が現在のような情勢でありますと、この三百億はさらに来年度の出納整理期間に発行いたしたいというような考え方を持っておる次第でございます。
 景気動向全般につきましては、現在の段階で確たることは申し上げにくいと思いますが、国際収支の面でも最近は明るい面がやや出てきたというような段階でございます。この金融引き締めが、下期には、あるいは年末とか年度末とか引き締め解除の時期がいわれておりますけれども、これは私ども確たることを申し上げる立場にございませんけれども、現在のところは、やはり上期がいろいろな意味で勝負の時期ではないかというようなことで、いろいろ金融当局、日銀等の御意見もいろいろ参考といたしまして、そのようなやや上期に重点を置いたような発行の態勢をとったということでございます。
○柴谷要君 第三問は、第五十五回国会から継続案件となっている国債整理基金特別会計法の一部改正、これは減債制度を確立し、国債に対する国民の信頼を得ようとする趣旨が認められる点でありますけれども、これも国債管理政策の一環であると見られる以上、その内容には多大な問題を含んでいると思うのです。定率繰り入れの基準がその見返り資産の耐用年数を長く見過ぎている、これらのことが多少問題になること。それから、償還計画の不備については国会でしばしば論議され、本委員会においても木村委員が強く指摘したところでありますけれども、これらの点はさてわいて、昨年来、国債の市場価格が低落をして、ついに発行条件の改定をせざるを得なくなった情勢に関連して質問をしておきたいのですが、公定歩合再引き上げ等による金融逼迫により債券投資に回り、資金のゆとりがなくなると、当然上場された国債の価格は低落をする。九十八円六十銭の発行価額の国債が九十八円を割るという事態が生じ、去る一月分の一般個人向けのものは三分の一が売れ残り、これにつれて政保債等の公社債がすべて売れ残る等、大幅値下がりを演じてきて、これに対する国債の量的調整ではついに事態を収拾し得られなくなり、発行条件改定という質的調整、いわば国債管理政策の転換のやむなきに至った、こういうふうに言えるわけです。このような事態が発生したことについて、わが国では公社債市場が未整備の状態であるからやむを得ないという考え方が一つにあります。未整備の状態においての国債の発行額がまず第一に問題にされねばならないのでありますが、原因を公社債市場の未整備に求めるならば、すでに四十年度末以来一兆五千億円にのぼる国債と多額の政保債が発行されている現状から見るときに、公社債市場の育成が早急に達成をされなければならない、こう考えます。公社債市場育成に対する政府の具体的な考え方、これをひとつ明らかに御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(広瀬駿二君) ただいま御指摘のように、公社債市場の問題はきわめて重要でございまして、最近におきます国債、政保債、事業債等、各種債券類の発行量は非常に大きくなっております。また、金融機関、個人、法人間の売買量の増加等も相当な数字にのぼっております現状にかんがみまして、公社債市場は、発行、流通、両面にわたりましてその整備が行なわれなければならないわけでございます。で、昨年来の金融引き締めに伴いまして発行価額と流通価額との間にかなりの乖離が生じまして、国債、政保債につきましては、先ほど来お話のございますように、発行量の調整、そして、また、発行条件の改定が行なわれたことは御指摘のとおりでございます。また、事業債につきましても、最近、三月の下旬に至りまして、発行会社、引き受け証券側、また、受託銀行側との間に話が大体つきまして、近く発行条件の改定が行なわれる予定でございます。今後とも、発行面につきましては、そのときどきの経済、金融情勢に応じまして発行量、発行条件等を調整する等の措置が必要であり、流通面では短期の金融調整の影響によって極端に市場が撹乱されることのないよう努力するとともに、証券会社のディーラー機能の強化並びにその裏づけとなります流通、金融の検討も必要かと存じております。
○野上元君 関連。先ほど景気見通しの問題について質問がありまして、それについて鳩山さんからお答えがあったようですが、私どもは新聞で見ておるわけですが、日本における景気の見通しについて各省それぞればらばらの意見が出ておるのです。たとえば大蔵省と日銀、これはもう大体一致した意見のようです。ところが、経済企画庁になるとまた違う。あるいは、また、通産省になると全く違うというように、非常にばらばらの景気見通しが出ておるわけなんです。これを部外者から見ると、結局政府には景気見通しはないということにもなるわけなんですが、少なくとも今日大蔵省がフィスカルポリシーをやられておるとするならば、一つの大きな景気調整についての役割りを果たされておるわけですね、財政が。ということになると、大蔵省独自の見解に基づいたフィスカルポリシーをやられておるのかどうか、あるいは景気見通しは大蔵省の見通しに基づいてやられておるのか、あるいは政府が一致した意見をもってこういう問題をやられておるのか、そういう点はどういうふうになっているんですか。どこでまとめて景気の見通しを出しておるのか。どうして新聞にはああいうふうにばらばらに景気見通しが出るんですか。
○説明員(林大造君) 経済の見通しにつきましては、経済企画庁が政府の中心になりまして、年の初めには毎年その年の経済の見通しと経済運営の基本的態度を決定しております。で、本年度につきましても、昭和四十三年度の経済見通しと経済運営の基本的態度ということで経済企画庁がその方針を閣議にかけまして閣議決定いたしました。閣議決定いたします段階におきましては、政府部内、関係各省とよく相談いたしまして、もちろん政府各省それぞれいろいろな見方があるわけでございますが、これはいろいろな見方があるのは当然なことでございまして、それをお互いによく議論し合い、煮詰めまして、そうしてこの閣議決定で四十三年度の経済の見通しと経済運営の基本的態度をきめるわけでございます。で、そのような年度の見通しを立てましたあとで、毎月経済の実勢を勘案いたしまして、実は本日四月四日でございますが、経済閣僚協議会におきましてその報告が経済企画庁から出ているわけでございますが、その月例の報告におきましては、やはり関係各省の事務当局が集まりまして議論を尽くしました結果が企画庁の公式見解として閣議に報告され発表されるわけでございます。で、したがいまして、ただいま御質問がございましたとおり、確かにフィスカルポリシーは、政策運営の当面の責任者は大蔵省でございますし、大蔵省はその判断に従ってフィスカルポリシーを運営するわけではございますけれども、その基礎になります経済の進行の基本的考え方につきましては関係各省と十分連絡をとりまして、また、日本銀行とも連絡をとりましてやっている次第でございます。
○野上元君 関連質問ですから、あまり長くは質問したくはないんですが、先ほど鳩山さんが言われた、景気の見通しに対する対策として四十三年度の上半期が一つの勝負どころである、こういうふうに言われたんですが、その勝負どころというのはどういう意味なんですか。
○政府委員(鳩山威一郎君) 先ほど四十三年度の上半期が非常に勝負どころと申し上げましたが、まあ非常な経済の諸条件が、予定しておりますような成長の安定路線に定着して乗るかどうか、そういう重大な時期になるのではなかろうかと、これがあるいはことしの一−三月がそういう時期になるんではないかということもいわれておりましたけれども、いろいろな意味で金融面から見ますと、一番金融が逼迫しそうな時期がやはり四−六に延びたのではないかというようなこともいわれておるので、主として金融面からいろいろいわれているところが上半期が非常に重要な点になるのではなかろうかというようなことでございます。で、国際収支の面からは、現在すでにいろいろなある程度の改善の徴候が見えてきております。ですから、そういう国際収支の点から言えば、そういった転換期にきているのではなかろうかという気がいたしますが、金融面から見ますと、どうも四−六の辺にいくのではないかというような感じがいたしまして、ばく然とそういうことを申し上げたわけでございます。
○野上元君 そうしますと、一言で言えば、あなた方が望んでおられるように、国際収支、あるいは財政金融、その他貿易等、全般的に見て、すべての条件が好調に向かう、いわゆる安定成長の軌道に乗るかどうかという勝負どころが大体上半期の重点だと、こういうふうに解釈してよろしいですか。
○政府委員(鳩山威一郎君) 私が申し上げましたのは、そのような意味で私の感じを申し上げたのです。
○野上元君 それから、もう一つ最後にお聞きしたいのですが、よく金融引き締めをやって効果があらわれた、あるいは金融をゆるめたために効果があらわれたという場合に、きょう金融を引き締めた、あるいは公定歩合を引き上げた、あるいは窓口規制を強化したということによってすぐ効果があらわれるものとも思いません。相当のタイムラグがあると思うのですが、いまちょうど好況に向かいつつあるとか、あるいは引き締めがきいてきたとかいうタイムラグというのは大体どれぐらいを見ておるのですか。
○説明員(林大造君) ただいまおっしゃいましたとおり、金融引き締めの何かの措置をとりましても、直ちにきくわけではございませんで、若干のタイムラグは常に計算に入れておかないといけないわけでございます。通常いわれておりますのは、半年ぐらいたつと効果が定着するというようなことがよくいわれておりますが、実は今回の措置をとりましたのが、公定歩合を最初に上げましたのが昨年の九月の初めでございます。それから第二回の公定歩合の引き上げをいたしましたのがことしの一月の初めでございます。ただいま鳩山理財局長から申し上げました、四十三年度の上半期に、何というか、そのきき目が定着するというのは、そこいら辺のことをにらみ合わせますと、大体そのころに効果がほんとうに浸透して定着する、タイムラグが経過した時期になるという感じで申し上げているわけでございます。
○柴谷要君 次ですけれども、四十二年度に一般会計から国債整理基金特別会計に繰り入れられる金額は、定率繰り入れ分を含めて、この改正案が成立することを前提に組まれているわけです。すでに四十二年度は経過をして出納整理期間に入っているのでありますが、この期間中に本案が成立すれば、本案による繰り入れがなされたものと見ることができるのか。年度経過後に法律が成立した場合の繰り入れについては、財政法上、会計法上の問題は生じないのか、これらについてひとつ御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(相沢英之君) 歳出の会計年度所属区分は、予算決算及び会計令の第二条に示されております。その第一項は通常の歳出に関する年度の所属区分でございまして、たとえば国債の元利、年金、恩給等のたぐいは、これは支払い期日の属する年度、それから給与とか旅費、手数料のたぐいは、その支給すべき事実の生じたときの属する年度、その他いろいろございますが、これの原則を第一項で定めております。第二項に「法令の規定により他の会計又は資金に繰り入れるべき経費は、前項の規定にかかわらず、その支出を計上した予算の属する会計年度の歳出として支出するものとする。」という規定がございます。国債整理基金特別会計への繰り入れば、まさにこの第二項にいう、法令の規定により他の会計に繰り入れるべき経費に該当するわけでございます。そして、ただいま御指摘の国債整理基金特別会計への繰り入れの金額は昭和四十二年度の予算に歳出として計上されているものでございます。したがいまして、この改正法案が成立いたしますれば、出納整理期間中でございますと、この歳出予算額は、当然に昭和四十二年度の歳出として支出することができるわけでございます。
○柴谷要君 まあそういう説明ならば、本案が出納整理期間中に成立をすれば間違いないというふうに解釈できますね。
 次ですけれども、四十二年度国債のうち、年度内の発行定額高を見ると、一千億が未発行となり、このうち五百億を資金運用部が引き受けることになっているようですが、運用部資金の余裕がそんなにあるのかないのか、これが一つ。
 もう一つは、国債残高の一・六%の定率の根拠を示してもらいたい。この二つをお伺いします。
○政府委員(鳩山威一郎君) ただいま御質問の第一の点につきまして私からお答えさせていただきます。運用部の原資につきましては、運用部の原資は、御存じのように、郵便貯金とか厚生年金等の預託金が主体を占めるわけでございますが、これらの預託金のうち、特に郵便貯金につきましては、一昨年の暮れごろから比較的伸びがよくなってまいりました。四十二年度について申し上げますと、三月の速報によりますと、四十二年度の四月から三月までで預託金の増加が七千九百五十億になりました。これは当初の財投計画策定時は五千六百億円を見込んでおったのでございます。二千三百五十億円程度の郵便貯金の増加があったわけでございます。これらの傾向は、すでに秋ごろからそういう傾向が出ていたのでありますが、結果的に対前年度の伸び率は三三%程度に伸びているのでございます。これらにつきまして、四十二年度の年末のいろいろな中小企業対策等に原資を一部使いましたが、今年度は、その国債の消化につきましては、やはり金融引き締めがとられたというような状況から、国債の金融機関等におきます引き受け額というものは相当減額しなければならないというような状況になりましたので、本年度はこういった資金運用部の余裕金をもちまして国債の肩がわりをいたしまして、そして政府保証債につきましても、やはり同様な意味でこの市中の負担を減らす必要が生じてまいりました。これら政府保証債の減額と国債の市中の引き受けの減額ということを行なったわけでございます。これらは主としてこの郵便貯金の自然増によってまかなわれた、こういうようなことになるわけでございます。
○政府委員(相沢英之君) 国債整理基金特別会計への定率繰り入れの、その定率の一・六%というものの根拠について申し上げます。前年度首の国債残高の一・六%という定率は、これは国債見合い資産の平均的な効用発揮期間というものを大体六十年と見まして、その一年間の償還所要額として六十分の一、約一・六%ということで算定したわけでございます。しからば、公債見合い資産の平均的な効用発揮期間の六十年というのが妥当かどうかということになるわけでございますが、これは公債見合い資産のうち、たとえば岸壁、堤防、防波堤等というようなものは、現在税法上の耐用年数で見ますと約五十年であり、また、鉄筋コンクリート造の住宅用、学校用、病院用の建物は六十年となっております。また、ダムに至っては八十年というふうになっております。それから国富統計や長期計画の基礎となる原単位計算のその基礎となる耐用年数といたしましては、従来から道路、港湾等は五十年を使用する例が多かったのでございます。したがいまして、こういういわゆる償却資産につきましては、大体常識的に見まして五十年ないし六十年と見ておけばよいのではないかと思います。それから、土地でございますが、これは永久資産でございますので、償却を考える必要はないのでありますが、まあかりにこれを百年というふうに見るとしますと、この公債見合い資産の中において、土地とか出資金も同様でございますが、こういう永久資産と見るべき資産が、過去の数値で見ますと、大体二割程度含まれております。四十一年度の予算でいいますと一八%になっております。したがいまして、これらを総合いたしますと、大体六十年というのがこの公債見合い資産の平均的な効用発揮期間になるのではないかと思われるわけであります。そこで、この平均的な効用発揮期間に見合って公債の継続的な償還を考えていけばよいということで、六十分の一イコール約一・六%というところの繰り入れの定率を算定したわけでございます。
○柴谷要君 政府は国債の償還期間を七年にしているにかかわらず、減債制度の立案にあたっては、国債を最終的に一般財源で償還すべき期間をそれよりもはるかに長い六十年というような期間を考えている。これは両者の間に矛盾はないのか、それとも、現在の七年という償還期限をもっと延長するという考え方はないのか、この点をひとつ伺いたいと思います。
○政府委員(相沢英之君) この七年という国償の償還期限と、それから、国債を最終的に一般財源で償還すべき期間としての六十年、この両者の間に矛盾はないのかという御質問でございますが、この国債の償還期限というものは、これは国が国債の保有者に対して償還を行なう期限でございますし、それから、六十年というのは、期間内にどういう財源によって償還していくかという、これは財源措置の観点からきめられている期間でございますので、この両者はそれぞれ、何と申しますか、違う観点からきめられておるわけでございます。で、国債の償還期限につきましては、これは国が国債保有者に対して償還を行なう期限でございますから、主として発行時における市中の状況、これは一般の事業債、国の金融債その他のものの条件とか、その他市中の状況によってきめられるものでございますので、現在のところは市中の慣行等考慮して、七年が適当であるということできめられているわけでございます。それから、六十年という点は、先ほども申し上げましたが、これは見合い資産のおおむねの耐用年数が六十年であるから、その六十年間に一般財源で償還すればよろしい、そういうことからその財源手当を年一・六%で入れればいいというふうに算定しておるわけでございます。
 そこで、この両者の年限の違いをそれでは現実にどういうふうに橋渡しするかということになりますと、これは国債整理基金特別会計法の第五条に規定されているところの借りかえの制度によっているわけでございます。つまり国債の保有者に対しましては七年間の満期で償還をしなければなりません。といって、その財源的な措置としては六十年間を予定している。したがいまして、その六十年に到達するまでは、毎七年ごとに借りかえ措置によってそれをつないでいく、こういうような考え方になっているわけであります。で、七年間を延ばすかどうかという点につきましては、これは現在の市中の慣行等を勘案しますとこの程度が適当であるというふうに考えているわけでありますので、その前提となる条件が変わってきますれば、さらにこれは検討すべきものというふうになるかと存じます。ちょっと所管外のことにわたるかもしれませんけれども。
○柴谷要君 それじゃ最後の質問ですが、三つありますから、三つをひとつ一ぺんに聞いてしまいますから、お答えいただいて、私の質問を終わりたいと思うんですが、定率繰り入れの対象とする国債と、対象から除外する国債とがあるという話ですが、その区別の基準は一体どういうものか、これが一つ。
 それから、二つ目は、四十年度債については、政府が昭和四十七年度に全額現金償還をするという約束をしている。四十年度債の償還財源については特別な繰り入れが必要になるのではないかと考えられますけれども、この点はどうなのか、これが二つ目。
 それから、三つ目は、新設される予算繰り入れに関する規定というものがあるそうだが、いかなる趣旨の規定なのか、この説明を伺いたい。
 以上三点を伺って、私の質問を終わります。
○政府委員(相沢英之君) 定率繰り入れの対象としない国債について先に御説明を申し上げます。
 定率繰り入れの対象となっていないのは特殊な性格を持っている国債でございまして、これには短期の資金繰りを目的とする大蔵省証券等の短期証券、それから、特定の相手方との間で具体的な条件を定めて借り入れる借り入れ金、それから、無期限要求払いという特殊な償還方式をとっておりますところのIMF等の国際機関に対する出資国債、それから、公債というよりは、実質的には年金証書の性格を持っております引き揚げ者交付金、あるいは農地報償の交付金、遺族国債、そういったような割賦償還方式の交付国債、これらはいずれも定率繰り入れの対象にするのにふさわしくないということで除外をしております。その他の一般の内国債及び外国債につきましては、これはこの定率繰り入れの対象としているわけでございます。
 それから、四十年債の償還につきましては、四十七年に全額現金で償還するということにしております。その財源措置につきましては、これは特にこの定率繰り入れと別個の制度を考えてはおりません。今度の一・六%の定率繰り入れによりまして今後どの程度償還資金が積み立てられるか、これは今後発行いたします公債の額の推移等にもかかる問題でございますので、どのようになりますか、これはなかなか予測が困難でございますが、もしその定率繰り入れで不足するようなことになりますれば、当然これは予算繰り入れによって対処するつもりでございます。定率繰り入れのほかに、剰余金の二分の一の繰り入れという制度も残っておりますし、また、定率及び剰余金の二分の一繰り入れ以外に、たとえば四十二年度の予算におきましては、別途五十億円の予算繰り入れも行なっております。したがいまして、これらの繰り入れをもってなお足らない場合には、四十七年度におきまして予算繰り入れで対処すれぱ十分ではないか、かように考えております。
 それから、新設されました予算繰り入れに関する規定についての御質問でございますが、新しい減債制度は、前にも申し上げましたが、前年度首の国債総額の百分の一・六の定率繰り入れ、これを基本といたしまして、一般会計の決算上の剰余金の二分の一を下らない額の繰り入れをもってこれを補完し、さらに必要に応じて予算措置による繰り入れを行なうという三つの柱から成り立っているわけでございます。これは大体前年度首の国債総額の百分の一・六と、それから、決算上の剰余金の二分の一の繰り入れをもって、大体長期的に見れば国債の償還財源には事欠かないということになるという推定をしているわけでございますが、各年度ごとの国債の償還高と、それから、そのときまでの国債整理基金特別会計における償還財源とは、必ずしもこれはある年度によってマッチしないことがございます。そういったギャップを埋める制度としてこの予算繰り入れの制度が考えられているわけでございます。
 なお、この規定は今回の改正法によって廃止されることになっております「国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例に関する法律」にも同様の趣旨の規定が置かれておりまして、それを今回この国債整理基金特別会計法の中に取り入れることといたしているわけでございます。
○柴谷要君 終わります。
○委員長(青柳秀夫君) 他に御発言はございませんか。――それでは、本案についての質疑は、本日はこの程度として、これにて散会いたします。
   午前十一時三十八分散会