第058回国会 運輸委員会 第12号
昭和四十三年四月十八日(木曜日)
   午後一時三十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     紅露 みつ君     井野 碩哉君
     北畠 教真君     天坊 裕彦君
     小平 芳平君     田代富士男君
     須藤 五郎君     岩間 正男君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     井野 碩哉君     山本  杉君
     江藤  智君     迫水 久常君
     森中 守義君     鈴木  強君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         谷口 慶吉君
    理 事
                岡本  悟君
                重政 庸徳君
                大倉 精一君
                木村美智男君
    委 員
                木村 睦男君
                河野 謙三君
                迫水 久常君
                沢田 一精君
                山本  杉君
                小酒井義男君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  中曽根康弘君
   政府委員
       運輸大臣官房長  町田  直君
       運輸省海運局長  堀  武夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       運輸省海運局次
       長        高林 康一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した件
○日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補
 給臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
○委員長(谷口慶吉君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 昨四月十七日、小平芳平君、紅露みつ君、北畠教真君、須藤五郎君が委員を辞任され、その補欠として田代富士男君、井野碩哉君、天坊裕彦君、岩間正男君がそれぞれ選任されました。
 また、本日、森中守義君、井野碩哉君が委員を辞任され、その補欠として鈴木強君、山本杉君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(谷口慶吉君) 日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
○岡本悟君 本法案につきましての質問をいたします前に、昨年六月六日ですか、スエズ運河が閉鎖されまして、国際海運に対しましても、あるいはわが国の外航海運に対しましても相当影響を及ぼしておるものと思うんですけれども、その状態をひとつ御説明願いたいと思うんです。
○政府委員(堀武夫君) 昨年の六月に中東動乱がありまして、それが海運にどのような影響を与えておるかという御質問でございますが、このスエズ運河は東西貿易の要路といたしまして、年間二万隻ぐらいの船舶が通行をいたしております。したがいまして、これが閉鎖になりますとどうしてもケープタウン回りということになるわけでございまして、したがいまして、中近東から欧州向けの距離というものは従来に比較いたしまして七〇%ぐらい遠くなります。それから日本――欧州間をとってみますとこれも三〇%ぐらいの距離が伸びることになります。したがいまして、それだけ船腹量の不足という現象が起こってくるわけでございます。それで船腹量の不足ということがありますので、当然そこに市況が上がってくると、需給関係が詰まってきますから、そういうことになるわけでございます。それでこの事態に対処するために、特に英国の石油会社が大量に船舶をかき集めました。このためにグレーン・タンカーなどがそっちのほうにかき集められましたような関係で、タンカー並びに不定期船、そういうところの市況に相当影響が起こった次第でございます。特にタンカーにつきましては、中東――欧州間ではその直前に比較しまして一ぺんに十倍ぐらいの運賃にはね上がるとか、あるいは中東――日本の場合におきましても直前の五倍ぐらいにはね上がると、こういうような運賃の現象があらわれたのであります。
 まず最初に、わが国の影響でありますが、定期船につきましては、これは迂回をいたしますので、それだけコスト・アップいたしますので、約一〇%のサーチャージ徴収ということでそのコスト・アップをカバーするということに相なりました。できるだけ航海日数を縮めるように能率をあげて、あるいは途中の港もできるだけ省略して運航するというようなことでできるだけ船腹の不足をカバーしていく、こういう方策を定期船ではとりました。
 不定期船につきましては、日本からスエズを通って直接欧州へ行くという輸送活動はわりと少ないのでありまして、そのために直接の影響は少なかったのであります。ところが、この不定期船に常時短期外国用船といたしまして八十万トンぐらいの船を外国から雇っておりますので、これもまあ短期六カ月未満の契約でありますので、それが切れたときにその船が高い運賃のところにいってしまうことを防ぐためには、その高い運賃を払わなければ日本の船主につなぎとめておくことはできないということになるわけでありますから、そういう面からの影響は受けたと言うことができます。
 それからタンカーにつきましては、わが国は現在九百万重量トンぐらいのタンカーを持っておりますが、そのうち大部分は長期契約でやっておりますので、このせっかくの運賃の値上がりというものをほとんどエンジョイできない、こういうことでございます。特に日本の石油の輸送につきましては七〇%が邦船――自分の船で運んで、それからあとの三〇%は外国用船ということになっておりますので、その三〇%の外国用船が期限が切れるときに、やはりこれをつなぎとめるためには高い運賃を払わなければならない、そういうことで外貨の支出がこの中東動乱の影響でおそらく二億ドルくらいよけい支払わざるを得ない状況になっているのではないか。本年度の国際収支は中東動乱の関係もありまして、予想よりも三億ドル近く赤字がよけいになるという見通しでありますから、その三億ドル全部がこの中東動乱というふうに見ることはできないと思いますが、二億ドルくらいはこの影響というふうに見ることができるのではなかろうかと思われます。
○岡本悟君 これは相当海運会社の採算に影響していると思うのですが、どうですか。
○政府委員(堀武夫君) それは事実だと思いますが、荷主のほうに負担がだいぶいくということになるのではないかと思います。
○岡本悟君 それではこの法律案について質疑をしたいと思うのですが、まず、きょうはごく概論的なことをお尋ねして、それから次回から個々の問題について深く掘り下げていきたいと思うのですが、最初に大臣、わが国の国際海運における地位と申しますか、戦前は世界第三位、世界の七洋をまたにかけて非常に活躍しておったのですが、戦後、二十三年間にわたってずいぶん努力してまいりましたけれども、御承知のように、依然として国際収支の上からみましても非常に大きなマイナスになっておりますし、四十一年度で五億九千万ドルの赤字でございますか、それから四十二年度の推定ではこれが八億五千万ドル近くになるだろう。さっきお話のありましたスエズの影響ももちろんございましょう。それにいたしましても、年々、国際収支の上におきまして海運収支というものが改善されるどころか、だんだん悪化しているような状態なんですね。それから一方、積み取り比率から見ましても、これと裏腹をなすわけですが、輸入につきましても、外国用船を含めてもなおかつ五〇%になっている。それから輸出については四〇%をはるかに上回っている。こういう状況なんで、特に大臣のごらんになっているところでは、端的に言って一体どこに最大の弱点があるのか。ずいぶん努力してきましたけれども、なかなかこの事態が改善できない。これについてどういうふうにごらんになっておりますか、ちょっとお聞かせいただきたい。
○国務大臣(中曽根康弘君) 端的に申し上げますと、やはり戦争に負けて戦時補償の打ち切りをやったとか、あるいは日本の海運再建というものに対して、当時の連合国あるいは占領政策というものが日本を海運国の競争者としてカムバックすることをおくらかそう、そういう考え方が私はあったと思います。そういうようなことと同時に、日本の政治家の海運に対する意識というものが薄くなって、国内のいろいろ鉱工業生産については非常に大きな関心を持ちましたけれども、海運というものに対する認識がそれほど多くなった。それから不幸にも造船疑獄というような問題が起きたために、政治家がそれに触れることをこわがるような空気があったりして、そういうようないろいろな不幸なファクターが重なり合って今日の事態が招かれているのだろうと思うのであります。幸い集約を始める前後からそれに対する認識が復活いたしましたが、まだまだあり得べき状態から見れば、国民の関心やあるいは政治家の認識というものは至らざるところはなはだ遠いものがあるように思うのであります。何といってもこの高度経済成長に伴う海運というものが表へ出てきておらぬわけであります。
 日本の貿易構造を見ますというと、まあ先進国型といいますか、そういう形になっておるので、海運の国際収支の赤というのは――まあ先進国になればほとんどの国が赤のようでありますが、避けられないファクターであるとも考えられます。しかし、それにしてもひど過ぎる、そういうのが現状だろうと思うのであります。特に日本の型は、輸入というもののボリュームが輸出のボリュームに対して十倍ぐらいの容量を占めておる。そういう基本的条件からして日本の国際収支を改善するということはなみなみならぬ努力を要する基本的、致命的条件があると思いますが、そういう面に対する政治家や日本国民全般の関心というものが非常に薄いように思います。戦争前は海軍というものが健在でありましたから、商船隊の建造ということについては非常に鋭敏な感覚を持っておったのでありますが、戦争に負けてからはそういうあと押しの力もなくなりまして、国会とか政党の力にたよる以外にはないわけなんですけれども、その国会や政党の中で関心を持つ層がきわめて薄いという状況がこういうことを招いたのだろうと私思います。われわれも政治家の一員として非常に責任を感じておるわけであります。
○岡本悟君 率直に言いまして、大臣、日本海運の、どう言いますか、将来について希望をお持ちでございましょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) この集約による再建というものが、私はわりあいに成功しつつあるように思うのであります。で、そういう努力を積み重ねていけば希望は確実にあると思っております。
○岡本悟君 海運局長ね、まあわが国の海運もこれからやはり国家的な助成をいろいろ考えていかなくちゃいかぬと思うのです。私は根本的にはそういう立場なのですが、そうかといって、たとえば先進海運国である英国とか、あるいはフランスとか西ドイツ、あるいはアメリカ、こういった国国もずいぶんあるいは建造補助、あるいは運航補助、あるいは利子補給、あるいは金融その他いろいろな面で大幅な国家助成をしておるわけですね。あなたがしばしば言うように、英国は建造補助をやっておる、二五%ですか、国から。二五%援助しておる。そうすると四はいつくると一ぱいただになる。そういう手厚い保護をしておるということなんですが、一体英国あたりは企業としての内部蓄積が相当手厚い。にもかかわらず国家は相当助成している。そうでなければちょっと太力打ちができないのかどうか。つまり日本と比べてみても資本の構成比率なんか見ましても英国の倣うがはるかにいいし、もちろん内部蓄積が非常に厚いということから当然出てくるわけなんですが、その上に非常に手厚い保護をする。そういうふうに国際的にこの海運については各国とも非常な助成をしておる。しかも一歩先んじて先方が企業の体質からいっては有利な条件を持っておる。それと競争をしていくということになるわけですね。そこでこの国際競争場裏におきまして各国とも無限に、オーバーな表現になりますけれども、無限に国家助成を拡大していかないといかぬというような状態になって、わが国の外航海運というものが国際海運の競争場裏においてこの程度でいけるものかどうかと私は非常に不審に思っておるのですけれどもね。つまり、もう一度繰り返しますけれども、英国とか、そういったものははるかにわが国よりも体質が強いはずなんです。なおかつ手厚い国家補助をやっている。そうまでして競争しなければ国際的に不利を招く、こういう状態であるのかどうか。逆に言えば、英国よりもっと条件が悪いわが国の海運企業に対しては、もっとはるかに手厚い保護を加えなければ太力打ちできないのじゃないかという心配、この点どうお考えですか。
○政府委員(堀武夫君) 英国の船会社というのは内部蓄積が日本に比較いたしますと非常に圧倒的にありながら、しかもそれに手厚い助成を受けておるということは事実でございます。 それで、キャッシュ・グラントという助成策を英国がやっておりますのは、これは投資振興法、たしかそういう名前がついておったと思いますが、これは一般産業についても投資をもっと盛んにするためにある程度の助成をしておるようであります。たしかほかの産業では二〇%と思います。海運だけが二五%、そういうふうに強めておるわけでございます。英国はよく斜陽と言われますが、そういう観点から、斜陽になってはいけないという観点から、おそらく全産業に対してそういう活力を与えるためにそういうような政策をとっておるものと思われます。しかしながら、特に海運に厚くしておるというところにわれわれの関心を持たなければならぬ問題があると思います。で、一般商品の輸出ということになりますと、直接助成というのは必ずガットのコードにひっかかってくる、あるいはOECDのコードにひっかかってきてなかなか商業貿易については直接助成というものは各国ともできがたい状況にあるわけであります。ところが、海運につきましてはそういうコードがございません、OECDにおきましても、ガットにおきましても。そのために各国とも海運については相当思い切った助成をするという傾向になりつつあるわけであります。このような傾向が進みますと、これはいわば海運における助成競争というようなかっこうになるおそれがあるわけであります。で、この点をやはり各国ともおそれまして、やはり先進海運国におきましては、OECDという場におきましていろいろと申し合わせをして、互いに調整しようという自己規制と申しますか、話し合いがだんだん行なわれつつあると思います。これは特に造船につきましても、造船産業部会というものを特につくりまして、船主負担金利五分五厘、これでいいかどうか、あるいは延べ払いの期間が八年であるがもっと縮まらぬかどうか、そういうような話し合い、それに関連いたしまして、国内造船に対するそういうような助成策についてもだんだんそういう話し合いが行なわれるような傾向になってきております。そういう面から見ますると、やはり各国ともそういう助成競争になってはいけないという意識は持っているのでございますので、これはそう心配するような事態にはならないのではないか、互いに話し合いながらスローダウンをしていくということになっていくんではないかというふうに考えます。日本だけ何というか一ぺんに突っかい棒をはずすと、そのギャップが大きくなるとまた問題である、そういう観点から、各国の動向を見ながら助成策というものは考えていくと、こういうことであるべきではないかと思います。
○岡本悟君 大ざっぱに言いまして、国際貿易量というものも、年々八%ですか、九%ですか伸びておりますね、それに見合っての船腹はふえておる。それからもう一つは、スエズ動乱というようなこと、それから最近では中近東の紛争によるスエズ運河の封鎖というような問題もありましたが、総じてこの間のニューデリーの国連貿易開発会議ですか、この状況を見ましても、発展途上国が特に海運につきましても自国貨自国船主義ですか、みずからの必要とする物資は、あるいは輸出する物資でもそうですけれども、自分の船でやる、自国の商船隊を拡充するという基本的な方針をとっておるわけですね。そうしますと、いままで、言うならば、広く国際海運市場に頼っておったものがそれぞれ自国船主義になっていく。そうすると、そうでなくても、スエズの問題を別にすれば、まあ余剰ぎみといいますか、過剰ぎみといいますか、足りないという状態ではない。そこへ持ってきてそういう自国船主義が出てくる。しかも陳腐化が非常に激しくて、しょっちゅう新陳代謝が行なわれておる。大型化あるいは技術革新、そういうことによって陳腐化された船というものがやはり海運市場に出てくる、国際市場に。だから、海運市況というものは、国際市況というものは必ずしも楽観を許さぬ。そういう面からいって、結局私考えるのは、根本的に体質を改善して強化しておかぬと、そういう必ずしもいい条件はございませんから、ここでふんどしを締め直して、将来の国際海運に対処するという考え方が根本的に必要だろうと思うんですがね、その点どうですか。
○政府委員(堀武夫君) ただいまの御意見、お説のとおりだと私も思います。それで、いま御心配の点は、特に船舶の供給圧力というものがだんだん大きくなるんではないか。一つは、発展途上国がおのおのの海運を持って出てくる。そうして今や荷物は自国貨自国船主義でもって食い込んでくる。また一方においてはスエズが開通される、あるいはさらに進んでは、ベトナムの終戦ということによって船腹が浮いてくる。そういうようないろいろな面からも船腹供給圧力というものが加わることは当然予想されると思います。で、第一の発展途上国の自国海運を持つという問題でございますが、これは各発展途上国とも自分の商船隊を持ちたいという願望は非常に強いものがございます。しかしながらこれには私は相当時間がかかるのではないか、かように考えております。もちろんそのように発展途上国が船を持って運ぶような段階になりますと、おのずからその国自体の産業も発展をいたすために開発されるでしょう。そうしますと、そこに新たなる輸送需要も加わるということが考えられます。船腹がふえるとともに、輸送需要もふえるということが当然考えられます。それからスエズの開通によりましても船腹量の過剰という問題が当然出てくるわけでございますが、すでにスエズを通る一番大きな船というのは、船腹量というものはやはりタンカーであると思います。油の輸送が一番あそこを通る率が多いわけでございますが、タンカーにつきましては、すでに大型化という合理化がどんどん進みまして、いまやスエズを通るような小さなタンカーではあまりもうからないというので、すでにそれをめぐりまして、スエズを通らない、通ることを当てにしないで、大きな船をつくっておるという状況でございますので、スエズに関係なく、この船腹供給圧力というものがあるというふうに考えられます。この点はやはりエネルギー革命と申しますか、そういうものに伴いまして各国の燃料消費量もどんどんふえておりますので、これもある程度輸送需要が見合ってくるのじゃないか。日本も四十一年くらいでは油は一億トンくらいの輸入をしておりますが、四十三年くらいになりますと一億五千万トンというふうにどんどん需要もふえていきます。そういう点からやはり供給と需要はある程度見合っていくという傾向も見のがすことはできません。それから、ベトナム終戦ということについて考えましても、いわゆる軍事輸送は終息を告げるかもしれませんが、かわって復興輸送というものも期待をできるのではないか。あれやこれや考えますと、心配をすれば切りがないという面もございますけれども、また一方いろいろな好材料というものもないわけではない、こういうように考えております。
○委員長(谷口慶吉君) ちょっと速記をとめて。
 〔速記中止〕
○委員長(谷口慶吉君) 速記をつけて。
○岡本悟君 大臣、これは茶飲み話といいますか、思いつき話になるのですけれども、この間どこかの会合で、マラッカ海峡の整備の問題ですが、改良の問題が日程にのぼっておったので、そのときに大臣が、近くインドネシアのスハルト大統領も来るので、この開さくといいますか、幅を広げたり――これは浅いのですか、マイナス二十メートル程度ですか、この問題をぜひともスハルト大統領にも協力を願いたい、そういう話をするつもりだというお話があったのですが、これは確かにわが国の外航船舶、特に中近東の油を運んでおりますタンカーにつきましては非常に大きな問題だと思うのです。で、実は、これはもちろん、当然整備につきましての国際的な協力のもとに進めていかれるのがいいと思うのですが、戦争前から日本の学識経験者の間では、タイの、マレー半島の北部の地域になりますか、あそこにクラ地峡というのがありまして、インド洋との非常に幅が狭いところがあるのです。そこのところの掘さくをして運河を開こうという計画が学識経験者の間に大いにあったわけです。これはもと運輸省の港湾局長をやっておりました天埜さん、参議院議員にも出ておられましたけれども、天埜さんが現に現地へ行って全部これは調査をされておりますが、そういう雄大な、東南アジアの開発に関連しますけれども、国際的にも大きなプロジェクトだと思うのですけれども、そういう雄大な構想と再び取っ組んでいただきたい、大臣は非常に気宇広大ですから。そういう問題についても、これはもちろん十分調査が必要でございましょうし、それからかりにやるにしても技術的にはたして可能であるのか、あるいは金をどうして調達するのか、いろんな問題があることは万々承知しておりますけれども、ぼつぼつそういう問題とも、マラッカ海峡の問題と合わせて今後の問題として御研究なさってもらいたい、このことをひとつ提言申し上げておきます。実は私もそう研究しておるわけではないので、そういうことを、いまスエズ運河がもうこの大型タンカーの通行にはたえ得ない、そのほかのことを考えなければいかぬという問題が海運局長からお話がありましたので、それにつけてマラッカ海峡のことを思い出したのですが、またそれに関連していまのクラ地峡の開さくの問題を思い出したわけです。ひとつ大臣のお耳にとめておいていただきたい。
○国務大臣(中曽根康弘君) いまのお話の二点の中で、まずマラッカ海峡の問題は、先般宮中の夜会でスハルト大統領と話し合う機会がありまして、立ち話でございましたけれども、直接私、本人にお願いいたしました。それで、実はこれは政府間海事機構で調査研究しようということについて各国は非常に関心を持っておる、特に日本はこの問題では非常に重大関心を持っているのであすこを調査して、海流とか水深とか、そうして灯台をつくるとか、あるいは浮標をつくるとか、あるいは開さくをするとか、そういう点についてはインドネシアには迷惑を全然かけません。灯台やその他合わせて自力でつくってもけっこうです。しかし日本だけでやるということはあまり適当でないからやはり国際協力でやるようにしたいと思う。シンガポールとマレーはすでに賛成したと自分は聞いている。インドネシアもぜひその線で御協力を願いたい。実は外務大臣を通じても話をしておりますとそう言ったら、スハルト大統領も国際協力でそういうことをやるなら賛成です。あなたの考えに賛成ですから言っておきましょう。そういうことを言ってくれまして、下のほうへ言ってくれたのではないかと私は思います。しかし外務大臣のところへどういうお話になっているかその後確認しておりません。ですから大統領は国際協力で特に自由世界の国がそういうことをやるということについては非常に歓迎しておるような様子でありましたから、努力すればできるのじゃないかと思います。
 それからもう一つの地峡の問題ですが、私もこの問題に実は大臣になる前から興味を持ちまして、河合良成先生が日本国土開発研究所というのをつくっております。私と根本君がめんどうを見ておりまして、そこで取り上げたわけです。そこで調査団を派遣しました。その結果、二つ候補地がありまして、北のわりあい狭いほうの地峡は山が高く岩石がかなりあってとてもこれは手ごわくてだめだろう、南のほうに湖を利用できる場所があるが、そこなら不可能ではない。それでやるにしてもあの原子力平和利用みたいな形でアメリカがパナマ運河でやろうとしているのを適用したらいいだろう、ただあの辺はタイとマレーの国境近くで国際関係がやや複雑であるので、日本とか単独ではなかなかむずかしい、やるならエカフェの問題にするとか、あるいは国連というようなそういうものを何とかうまく引きずり出してやるのが適当であるかもしれません。いろいろ採算を計算してみますと必ずしもペイしないではないような計算です。まだデザインの程度でありますから、的確な話ではありませんが、可能性は十分あるような話を私は聞いております。この間久留島秀三郎さんが私に会いたいというので、会いましたら、久留島さんはタイに非常に近くて、タイの総理大臣なんかと何かと非常に仲がいいらしいのです。それでタイはしかし自分のそういうところを出すことにはいまのところは渋っているようですね。それで一回断わったとか言っておりました。そこで久留島さんは非常にタイの総理大臣と仲がいいものですから、この問題を話したら、おまえがアレンジしてやるなら考えてもいいと言ったと、それで私のところにおいでになったのです。私も前から関心を持っているものですから、久留島さんのお手伝いなら何でもやりますよ。でき得べくんば国際的な問題に引っぱり出してやったらいいといいと思う。そういうことを申し上げておるのが現状でありまして、積極的な関心を持っているわけです。
○岡本悟君 どうもたいへんいいお話を承りまして感激しております。さすがは中曽根運輸大臣だなと思ったのでございますが、これはまあいまお話のように、戦前からわが国の有識者が目をつけておったところでありまして、方法としては確かに国際的な協力機構で進めていくのが私もいいと思っておりますが、ぜひとも御推進を願いたいと思います。
 大臣、あとは事務的な質問になりますから、どうぞ。
 そこで、利子補給法の一部改正法律案ですが、これはもともと、昭和三十八年にわが国の海運の再建整備をやろうというので、いわゆる海運二法が制定されまして、そのうちの一つの柱となっておる法律でございますが、したがって、この法案の審議に対する姿勢としては、一体この法律がねらっておるわが国の海運再建整備というものが、所期の目的のとおりに完遂できたのかどうか、所期の目的のように体質の改善を完了することができたのかどうか、まあ、このことから始めなければならぬと思うのですが、最初に一体三十八年にこの法律を制定したときに、自来五年かけて海運の再建整備が一応完了して、そしてその完了した時点においては、つまり来年の五月ですか四月ですか、そのころになると、一応再建整備が完了して、体質は完全に強化されて、国際海運の競争場裏において一本立ちできるのだ、こういうめどをその当時つけておったかどうか、実は私もその当時運輸省におったので、あまり大きなことを言えませんが、いまから振り返ってみて、どうであったのかということをこの際思い出してみたいと思うのです。
 非常に海運企業というものが戦争の痛手を受けまして、何としてもその日暮らしで、猛烈な国際競争にはたえ得ない体質を持っておったので、その体質を改善しよう。で、この経過から見ますと、先ほど大臣が言われましたように、わりあいこの再建整備はスムーズに進行しておる、こう客観的には見られておるわけですね。
 そこで、その最初のときに、一体そういうめどがあったのかどうか、とにかくやってみて、そのときの模様でまた次の手を考えるというふうに思っておったのかどうか、その点。
○政府委員(堀武夫君) 三十八年に再建整備法をつくった当時、五カ年間で日本海運が立ち直るめどがあったかどうか、これはおそらくその当時の空気といたしましては、あのままでほうっておけば、日本海運がつぶれるかもしれない、何とかしなければならない、それにはこうやるしか手がないのだというせっぱ詰まった段階ではなかったかと。そのために、二十二社もあったオペレーターを六社にしぼるという、非常に思い切った合併集約ということをやった。減増資、資産処分等、企業としては全く思い切った処置でございます。そういうよう友ことができたのも、そういう危機に直面しておったということのために、これしか方法がない。で、とにかく五年後完全に目的を達するかどうかわからぬけれども、これしか方法がないのだという清水の舞台から飛びおりるようなそういう気持ちじゃなかったかと、こう思われます。
 この再建整備法自体の目的は、法律的には償却不足というものを解消するということを直接の目的といたして翻ります。したがって、その償却不足の解消ということにつきましては、もうあと三十一億ばかり残っておりますが、これはもうあと一年でおそらく全部なくなると思います。そういう意味では完全に所期の目的を達することができるという見込みでございます。
 元本の延滞も、当時九百三十四億ございましたが、これも一昨年の九月期で百十八億まで滅っております。これももうあと一年でおそらくなくなるだろうという見通しでございます。この約定延滞の解消というのは、法律的には直接の再建整備計画の冒的ではございませんけれども、これも重要なファクターとして当然再建整備としては考えなければならぬ事項だと思います。こういうようなことは、何といいますか、非常に思い切ってやったことがこのような結果を生んだ。
 それと、さらに非常に環境に恵まれたということも一つあるのじゃないかと思います。と申しますのは、定期船運賃等の市況がわりとよかった、それでこの間にあまり大きなあらしかなかったというようなこともある程度言えるのじゃないか。もちろん企業自体の努力、それから政府のとった助成策、そういうものも相当効果的に響いておるというふうに考えております。
○岡本悟君 今度は高林次長にお伺いしますけれども、わが国の外航海運に対する国家助成といいますか、これは大きく分けて、三国間輸送に対する助成であるとか、あるいは開発銀行による融資であるとか、あるいは利子補給制度による助成、その他税制とかいろいろありますけれども、大きく言いまして三つあろうと思うのですが、この利子補給による国家助成の沿革について、この際ごく簡単でいいですが、述べてもらえませんか。
○説明員(高林康一君) 利子補給の沿革でございますけれども、利子補給は戦前からございました。法律といたしましては、昭和十四年にございました。これは戦後事実上空文になっておりまして、戦後の利子補給といたしましては、昭和二十八年に外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法という形で法律が制定されたわけでございます。これは当初は市中銀行に対する利子補給を規定しておったわけでございます。ところが、この市中銀行の利子補給のみならず、さらにその後は、同じ外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法という形でやはり昭和二十八年に改正がございまして、それについては、開発銀行の部分に対しても年三分五厘をこえる分については利子補給をするというふうになったわけでございます。ただ昭和二十九年になりましてからは、開発銀行に対する利子補給は、補助金等の臨時特例等に関する法律というもので開発銀行融資に関する利子補給は停止になっております。さらに市中銀行に対する利子補給は、昭和二十八年以降ずっとやっておりましたけれども、昭和三十二年以降におきましては、これはスエズ・ブームの影響等もございまして、事実上停止されておったわけでございます。結局その後、昭和三十五年に外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法が一部改正になりまして、またスエズ・ブームによりまして一時停止されておりましたところの利子補給が復活いたしまして、それからさらに昭和三十六年になりましてから、先ほど開発銀行の利子補給が、補助金の臨時特例に関する法律で停止になったと申しましたが、その間ずっと停止になっておりましたのを、三十六年に開発銀行の利子補給が復活いたしました。そこでただいま御審議をお願いしておりますところの、日本開発銀行に関する外航船建造融資利子補給臨時措置法が昭和三十六年にこれが制定されたわけでございます。この昭和三十六年の時代におきましては、利子補給率は年一分五厘、開銀の貸し出し標準金利が六分五厘でございますので、船主負担金利が五分になるように、一分五厘の利子補給をやったわけでございます。その後、昭和三十八年に海運再建整備法が制定され、それに伴いまして市中銀行に関しますところの利子補給法、それから開発銀行に関するところの利子補給法というものが海運再建整備の一環といたしましてさらに改正をされまして、開発銀行の分につきましては従来の一分五厘を二分五厘に利子補給をして、四分になるようにするというふうに、昭和三十八年に再建整備の一環といたしまして改正になったわけでございます。そのときに市中の分もそれぞれ利子補給率を上げるというようなことも実施されたわけでございます。開発銀行の分につきましては、それが現在の姿で、現在改正をお願いしておりますものが、昭和三十八年に改正実施されたというような経緯になっておる次第でございます。
○岡本悟君 そこでこの利子補給法による開発銀行に対する利子補給を、やはりもう一年再建整備が完了するまでは継続しなきゃならぬということなんですが、先ほど海運局長からもお話がありましたように、またこのいただいた資料によりましても、あらかた償却不足も一特に中核会社につきましては解消している、それから元本の約定延滞につきましても四十二年の九月末でゼロになっているわけですね、中核会社につきましては。そういう状況から見まして、再建整備は一応できたんだと、まあ体質も非常に強化された。だからこの時点においてもう継続する必要はないんだというふらな一部に説もあるんですが、この点はどういうふうに評価されておるか、海運局長の御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(堀武夫君) 先ほど申し上げましたように、再建整備計画の目標でありますところの償却不足の解消ということにつきましては、もうあと一カ年でおそらく目的を達するだろうと思われますが、ほんとうに体力というものがついているのかどうかという問題が一つございます。これはいろいろな財務比率を出してみますと、日本の中におけるほかの産業の平均、そういうものと比較いたしまし、まだ相当に懸隔がございます。もちろん外国の、たとえば英国のP・Oとかあるいはデンマークのメルスクとか、そういうような船会社と比較をいたしてみますと、これはもっとはなはだしい懸隔がございます。たとえば自己資本比率というものをとってみましても、日本の海運会社は一二・八%、これに対しまして先ほど申しました外国の有力会社等は六〇%、七〇%という、そういう自己資本比率を持っております。いま一二・八%の自己資本比率と言いましたが、これを日本国内の全産業の平均に比較いたしましても、全産業の平均が二二・七%でございますからそれに比較しても相当な差がある。その他のいろいろな財務比率と比較いたしましても相当に差がございます。そういう意味から日本海運は一応の再建整備の目的は達したと言えますが、その不況耐久力とか、あるいは世界の海運会社とどういう激烈な競争をしてもだいじょうぶだというような段階にはまだほど遠いのではないかという感じがいたします。
○岡本悟君 この体質が強化されてない、まだ十分でないというお話なんですが、それはなんですか。いま御指摘の財務比率ですね、たとえば自己資本比率が全産業の平均と比べても二分の一程度でしかないというよらなこと、そういうことで端的につかまえているわけなんですけれども、そのほかにいろんな角度から分析してみなければいかぬと思いますね。貴重な税金を使って私企業に対して補助を継続するわけなんですから、その点いろんな角度から見ていく必要があると思うのですけれども、いまの財務比率だけの問題でなしに、もっとほかの見方がありますか。
○政府委員(堀武夫君) 日本海運は日本経済の非常な急速な成長というものにマッチした海運でなければならないと思うのであります。いまの海運がまだ十分力がないとは申しましたけれども、もし船をこれで新たにつくらないでやっていくとすれば、どんどん体力ができていくだろうと思っております。しかし、それでは国民経済の要請にこたえることにはならないと思います。やはり日本海運としては日本経済の伸びにマッチした日本海運でなければならない。そのためにはやはり今後相当に大量建造というものを続けなければならない。そういうことをあわせ考えると、いまの体力ではいけない。やはり何らかの突っかい棒をしながらやっていかなければ大量建造を支えることができないだろう、そういう面からも海運に対する助成ということを考える必要があると思います。
○岡本悟君 そういたしますと、かりにこの法律を改正して一年間、海運再建整備期間と同じくするために一年間期間を延ばすといたしましてもやはりその後に問題は依然として残るわけですね。いまの海運局長のお話によれば。とすればまあ一年と言わないで、もう五年延ばして模様を見るとか、あるいはさらにその時点においてまたその後の対策を考えるとか、おそらく一年延期しただけでは問題の解決にならないと思うんですが、その点はどうなんですか。たとえば昨年ですか、海運造船合理化審議会に諮問を出されて、海運再建整備計画の終了を控えて当面する海運対策というものはどうだというふうな意味の諮問を出されておりまして、とりあえず一年この開銀に対する利子補給を延ばすべきだと、あとのことはあとのことで考えるんだというふうな、当面何だか改正法案に対するバックアップのためにのみ諮問したようなことになっているように受け取られるんですけれども、もっと前から大体この海運再建整備の推移というものは把握できておったわけですから、ただ一年延ばすというようなこそくな手段でなくして先を見通した手をお打ちにならぬと、つまり一年、もう一年延ばせば、海運再建整備がもう一年で完了するんだからそれと合わせればまあ大体いいんだというふうなことになってくるような感じがするんですね。したがって、まあ一部にはすでに配当も昨年の三月期に一部復活しているじゃないか、あるいは九月にはその残余のものも配当を始めて、少なくとも一中核会社については六社については全部配当を復活したと、こういうこともあるし、海運の再建はできて、もうテコ入れをする必要はないんだというふうな見方もあるわけなんですね。だから、むしろ私はこの時点においても海運再建整備の所期の目的は達成したけれども、しかし、体質の強化の問題は依然として残るし、国際海運の競争場裏において、日本海運はまだまだ体質を強化してわが国策の要請にこたえなきゃいかぬと、こういう方針が打ち出されてしかるべきではなかったかと思うんですね。つまり一年延期してみて、またその時点において考えるんだと、こういうふうな継続性のない政策のように受け取れるんですね。それはやっぱり先ほど申し上げたような、もういいんだと、再建整備はできたんだというふうなことになってくると思うんですね。だからこの改正法案に対する政府の考え方というものは先を見通した、何ですか、いろんな情勢を分析してからの上に立った改正ではないというふうにとられてもいたしかたない面もあると思うんですね。その点はどうなんですか。
○政府委員(堀武夫君) この法律の提案をわれわれが考えたときは、最初やはり恒久法の形で期限をつけないということを考えたのであります。それはこの開銀の利子補給法のほかにもう一つ市中銀行に対する利子補給があるわけです。これには期限がない、いわゆる恒久立法としてあるわけであります。それで実際にそれでは永久に利子補給をするのかどうか、その辺につきましてはその情勢を見て、法律はあっても財政措置をするかしないかによって必要なときにはつけるという措置はできるわけでございますので、われわれとしては法律制度としては恒久法として残したいと、こういう希望を事務当局としては持っておりました。ところが海運造船合理化審議会にいろいろ御議論を願ってみますと、いろいろ意見がございまして、それは永久というのはおかしいではないか、あるいは五年ではどうか、あるいは三年ではどうか、いろいろ議論がございました。結局落ちついたところはいまのような一年ということでございますが、この趣旨はとにかく再建整備ということでいままでやってきたのだから、それで一ぺんケリをつけようと、そうすると、もうあと一年再建整備期間というものが残っているではないか、それにまず合わすと。そうしてそこでもう一ぺん再建整備というものの決着をつけて、精算して、そうして次にいかにすべきかということを新しい総合的な立場から考えるべきではないか、こういう議論が優勢になりまして、それで結局こういう形になったのであります。それで審議の途中では、少なくとも今後一年といわず、あるいは当分の間は、利子補給ということ自体は少なくとも必要ではないかという気持ちは各委員さんの中にはみなございました。しかし、それにしても一応ケリをつけて、現行のままの利子補給はあともう一年ということでケリをつけて、そうして今度は再建ということじゃなしに、新たなる観点から新しい旗じるしのもとにスタートすべきではないか、こういうことに相なった次第でございます。
○委員長(谷口慶吉君) 速記をとめて。
 〔速記中止〕
○委員長(谷口慶吉君) 速記をつけて。
○小酒井義男君 資料を見ると、積み取り比率が輸出の場合三十九年度と四十年度で急激にダウンしていますね。この原因は何かということと、四十二年度は大体どういう傾向をたどっているのか伺いたい。
○政府委員(堀武夫君) お手元に配付してございます資料の三ページ、これを見ていきますと、輸出、輸入とも、三十三年度が一番高い積み取り比率を示しております。それ以後毎年ダウンしておりまして、そうして一番下の四十一年のところになって若干頭をもたげていると、こういう数字になっておるわけでございます。これはどう判断をすべきか、われわれこれの見方といたしましては、やはり三十三年まで努力をして一応は積み取り比率は上がったけども、それ以後の日本の経済の伸びに対しまして、邦船の船腹量の伸びがついていけなかった。輸送需要はどんどん伸びていく、日本の船腹量があまり伸びないで積み取り比率が下がっていったんではないか。そこで昭和三十九年から大量建造という段階に入りました。三十九年には百二十万トンの船をつくって、四十年には百八十万トンというふうに大量建造に入りました。この効果が四十一年になって要するにあらわれてきたんではないか。それで若干頭をもたげて、さらに四十二年、これは書いてございませんが、見込みではこの輸出の三六・九が四二・六になるであろうというふうに推定をいたしております。輸入のほうも四十一年の四七・三%が四十二年の見込みでは四八・八になる、こういうふうにようやく大量建造の効果が出てきたというふうな見方で私たちは見ております。
○小酒井義男君 それから船ですから目的地が違いますから、こちらの輸出品を持って行って帰りにそこからやはり輸入品を積み込んでくるというわけにはいかぬと思うんですけれども、現在の保有量で船舶がどのくらいの、まあ稼働率ですね、非常にむずかしい問題だと思うんですが、これはどうなんでしょう。
○説明員(高林康一君) 大体定期船の場合でございますと、いま御指摘のございましたように、主体がこちらから向こうへ行く場合でございます。まれには、たとえば北米航路でございますと、帰りにハンプトンローズの石炭を積んでくるというようなことはございます。この定期船の輸出の稼働率、これを日本の最終港で見ますと、大体航路によって、たとえば非常に悪い航路がございます。大体のところは九〇%以上は、いわゆるロードファクター、積載効率と申しますか、そういうふうに最近の状況におきましては、大体九〇%近くはそこで積載をしているというような状況でございます。ただ若干の航路、たとえば東南アジアの一部、あるいはアフリカ等の航路につきましては、その点は相当悪いものがございます。これはやはり日本の輸出自身が非常にまだ少ないという点があるのではないかと思います。それから定期船以外の専用船につきましては、これはもう完全に、いわばフルに、――これは残念ながら、むしろ往航のほうが逆にからになりまして、たとえば中近東へ行って、そして帰りに油を積むという専用船でございます場合、これは完全な満腹というような状況で現在走っておるという状況でございます。
○小酒井義男君 もう一つだけ。船腹の増強をやっていくのは、先ほど岡本さんが質問された点と、もう一つは私は国際収支にどういう役割りを果たすかという点が重要な問題点だと思います。そういう点で国際収支改善という点では成果をあげておるというふうに評価をされておるか、どうなんです。
○政府委員(堀武夫君) 運賃につきましては、約三十億ぐらいの運賃が日本の輸出入関係の貿易で支払われているわけでございます。そのうち十七億ぐらいが日本船に対して支払われております。それであとの十三億が外国船に対して支払われております。したがいまして、もし日本の船腹がなくて、全部外国船に運ばせたということになりますと、三十億まるまる外貨の支払いで出ていく、こういう勘定になるわけでございます。それでだんだん日本の船腹がふえていけば外国船に頼む量がだんだん減っていく、積み取り比率が上がっていきますれば、そういう意味でははっきりと国際収支に貢献しておるということが言えるのではないかと思います。
○委員長(谷口慶吉君) 速記をとめて。
 〔速記中止〕
○委員長(谷口慶吉君) 速記をつけて。
 委員の異動について報告いたします。
 本日、江藤智君が委員を辞任され、その補欠として迫水久常君が選任されました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十九分散会