第058回国会 逓信委員会 第11号
昭和四十三年四月十六日(火曜日)
   午前十時四十九分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         久保  等君
    理 事
                寺尾  豊君
                西村 尚治君
                松平 勇雄君
                森  勝治君
    委 員
                植竹 春彦君
                郡  祐一君
                白井  勇君
                新谷寅三郎君
                鈴木  強君
                永岡 光治君
                光村 甚助君
                和泉  覚君
                市川 房枝君
                鈴木 市藏君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  小林 武治君
   政府委員
       郵政政務次官   高橋清一郎君
       郵政大臣官房長  溝呂木 繁君
       郵政省郵務局長  曾山 克巳君
       郵政省電波監理
       局長       石川 忠夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        倉沢 岩雄君
   説明員
       日本電信電話公
       社理事施設局長  北原 安定君
   参考人
       日本放送協会技
       師長・専務理事  三熊 文雄君
       日本放送協会理
       事        川上 行蔵君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関
 する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○沖繩におけるテレビジョン放送に必要な設備の
 日本放送協会による設置及び無償貸付けに関す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
○委員長(久保等君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、理事会の協議の結果について御報告いたします。
 本日の委員会においては、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案の説明を聴取した後、沖繩におけるテレビジョン放送に必要な設備の日本放送協会による設置及び無償貸付けに関する法律案について、前回に引き続き質疑を行なうことになりましたので、御了承願います。
    ―――――――――――――
○委員長(久保等君) これより議事に入ります。
 郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、郵政大臣から本法律案に対する説明を聴取いたします。小林郵政大臣。
○国務大臣(小林武治君) ただいま議題となりました郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 郵便切手類及び収入印紙の売りさばき人に対して支払う現行の売りさばき手数料の率は、昭和四十一年四月に改正されて今日に至ったものでありますが、その後における労賃その他売りさばきに要する経費の増加等の状況にかんがみまして、適正なものに改めようとするものであります。
 改正内容は、売りさばき人の買い受け月額のうち、十万円をこえ二十万円以下の金額に対する手数料の率を百分の一・五から百分の二・五に、二十万円をこえ五十万円以下の金額に対する手数料の率を百分の一・五から百分の二に引き上げようとするものであります。これによりまして買い受け月額が十万円をこえ五十万円以下の売りさばき人はもちろん、それが五十万円をこえる売りさばき人につきましても買い受け月額のうち十万円をこえ五十万円以下の金額に対しましては手数料が増加することになるのであります。
 以上がこの法律案の提案理由であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(久保等君) 溝呂木官房長。
○政府委員(溝呂木繁君) 本法案につきましては、衆議院において施行月日が四月一日からとなっておりましたのを、「公布の日」からと改められました。
 なお、それに伴いまして、四月一日以後に売りさばき人が郵政省から買い受けた郵便切手類及び印紙に係る売りさばき手数料で、この法律の施行前に改正前の第七条の規定により支払われたものは、改正後の同条の規定による売りさばき手数料の内払いとみなすという措置が附則第二項に加えられました。
○委員長(久保等君) 本法律案に対する質疑は次回に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
○委員長(久保等君) 次に、沖繩におけるテレビジョン放送に必要な設備の日本放送協会による設置及び無償貸付けに関する法律案を議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
○鈴木強君 今回沖繩におけるテレビジョン放送の普及を援助するために、沖繩におけるテレビジョン放送に必要な設備の日本放送協会による設置及び無償貸付けに関する法律案というものが提案をされておりますが、最初にお尋ねいたしたいのは、沖繩のテレビジョン放送の普及援助については、御承知のとおり、昭和三十六年法律第四十五号ですね、これで立法措置がなされ、当時第三十八回国会において、沖繩における模範農場に必要な物品及び本邦と沖繩との間の電気通信に必要な電気通信設備の譲与に関する法律が提案をされ、たしか電電公社と琉球政府とそれから日本政府、この三者で費用を分担し合って、マイクロウェーブの設置をしたと思います。そこで、それに引き続いて、去年の国会は、宮古群島及び八重山群島におけるテレビジョン放送に必要な設備の譲与に関する法律というのが出てまいりまして、たしか七億円以上の援助をしていると思いますが、一体これは宮古群島及び八重山群島におけるテレビジョン放送に必要な設備は完全にでき上がっておるのですか。
○国務大臣(小林武治君) 完全にでき上がりまして、昨年の十二月から放送を実施しております。
○鈴木強君 従来は、立法例を見ましても、沖繩援助については財政法との関係で非常にむずかしい点があるものですから、特別な法律を起こしてやっていると思います。前回のすべての立法例を見ましても、これは国が、政府機関が、直接に援助をしておったわけですね。ところが、今回NHKがそれに肩がわりをしているということについては、どういうことなんでしょうか。
○国務大臣(小林武治君) 昨年十二月に始まった先島地区には、御承知のように、従来一切の放送というものが聴視不可能であったのでありまして、これをできるだけ早くひとつやってほしい、援助でもってやってほしいということで、沖繩の実情に対して政府ができるだけの便宜をはかるということで、われわれのほうは政府の援助資金で特別につくったのであります。
 それからいまお話しのように、沖繩に対するマイクロウエーブの沖繩の端局は、これは御承知のように府の援助でできた、こういうことになっておりまして、これは何でやらなければならない、こういうはっきりした標準が、基準があるわけではありません。今度はまた、沖繩に対して下り一回線マイクロウエーブができるのでありますが、この沖繩部分の負担は、これはことしは、今度は財政投融資でもってやる、こういうことにいたしておりますが、御承知のように、昭和四十三年度にも百数十億の沖繩援助資金というものを政府は予算化したのでありますが、これはやはり沖繩が何にこれを使うかということは、主として沖繩と日本政府との相談ででき上がったものでありまして、この援助資金をこの問題に振り向けるということは、不可能ではなかったのでありますが、沖繩がいろいろ施設の都合上、この援助のワクでは今度はなかなかまかない切れない、こういうことでありまして、いまの財政投融資を回したり、今回のこの法案のように、NHKにお願いしたり、こういうことになっているのでありまして、援助資金も財政投融資も、いずれも日本の税金から沖繩と内地との一体化のために支出されているのでありまして、今度はNHKでやるのはどういうわけかというと、端的に申せば、いまの財政投融資あるいは援助資金では間に合わない。これらのものを他にどうしても使用したいから、こういう方法をひとつぜひ考えてほしいということで、このほうは日本の聴視者の聴取料を原資とする資金ではあるが、沖繩の同胞に対する、――従来もNHKはある程度の援助、技術援助あるいは番組の援助等をしておりますからして、将来のことも考えて、この援助資金でまかない切れなかったこの部分を、ひとつNHKにお願いしようと、こういうことで、絶対的に何でやらなければならぬという基準はないのでありまして、まあ率直に申せば、全体の都合を考えて、こういうことになったということでございます。
○鈴木強君 従来、政府が援助してきたわけですね。ですから沖繩援助の一環であることは間違いないと思うわけです。ですから、百何十億かの四十三年度の沖繩援助予算を見積もったとき、私は、いまここで降ってわいてきた話ではないわけです。長い間の懸案であって、当然マイクロウエーブの建設、さらにOHKというものが向こうにできたようでありますから、そうなりますと、そういうことも出てくるでありましょうから、基本的に考えてみると、やはり沖繩援助額の中に、そういうものを積算して、そうして予算を組んでいくべきではなかったと思うのです。ですから、その辺が予算のほうと大臣おっしゃるけれども、予算の積算に対する政府の基本的な援助に対する考え方というか、後手をとっておったわけですか、それでもう予算編成してしまって、あとからそういう話がきて、どうにもならないから、まあいろいろ考えてみたけれども、NHKが同じような仕事をするのだからということでやらした、こういうふうにとれるわけですけれども、やはり基本的には政府が援助すべきだということは認めているわけですか。
○国務大臣(小林武治君) これもわれわれは初めからNHKと、こういうことでありません。何とか援助資金の中にこれを包含せしめてもらいたいと、相当強くいろいろの協議をいたしたのでありますが、沖繩側の都合においても、全体のワクの中へは結局入らなかった、こういうことでありますし、たまたま沖繩には昨年の十二月沖繩放送協会というのができて、ちょうど日本の放送協会と同じような公共放送ができて、その放送協会の施設であるので、将来のことも勘案すれば、必ずしも日本の聴視者もがまんのできないことではあるまい、こういうことで、援助資金でやるのが私はよいと思うが、ことしは入らなかった。したがって、必要ないまのマイクロウエーブの端局施設などは、今度はこれは財政投融資のほうに入っておる、こういうことでありまして、政府が援助するのが本筋であるが、この問題だけは、これはやっても必ずしもそう当を欠くものではあるまいと、こういうことであったのでございます。
○鈴木強君 まあ、やはり原則は原則としてはっきりしておいていただきたいから、私はそれを言うわけでして、本来、当然これは日本人でありますから、沖繩の人たちが内地と同じような放送を見ることができるようにするということは、これはもう当然のことですから、その点についてはみんな一致しているわけです。ただ、援助のしかたについて、従来の政府の態度を見ておると、やはり原則的に政府がこれを見ておった。ところが、今度はNHKがこれに肩がわりするということは、これは額が少ないですけれども、筋としては、やはりいまNHKの料金がああいうふうに変わったとき、そういう段階だけに、非常に聴視者から見ると、問題があるわけです。ですから、その点をはっきりしておいていただいて、将来そういう問題が出てきたときに同じようなことをやられても困るわけですから、私は念を押して、こう伺っているんです。その大原則というものを大臣が認めていただければ、私は今回はやむを得ずとった措置だというふうに理解したいわけです、その点は。
○国務大臣(小林武治君) これはもうお話しのとおり、政府の援助資金でやるのが本筋であったと、こういうふうに思いますし、今後もそういうふうな方針はひとつ守っていきたい、これはいまのような、来年の援助資金のワクの都合もあり、まあNHKがこれと同じ性質のOHKのためにこれを施設をすることは、必ずしも当を欠くものとは思わなかったので、こういうふうにしたが、お話しのように、趣旨は援助資金でやるほうが適当であろう、こういうふうに思います。
○鈴木強君 その点はわかりました。
 それからOHKという公共放送が沖繩にできたようですが、これは大体法制定の趣旨というものは、日本の放送法に大体同じようなものであると理解してよろしいですか、法律の趣旨について。
○国務大臣(小林武治君) そういうことでございます。
○鈴木強君 私は、非常に心配するのは、いま施政権はアメリカが持っているわけですから、おそらく高等弁務官の指揮下にすべての電波の割り当て使用権限というものがある。したがって、まあ放送の不偏不党だとか、あるいは中立の堅持だとか、そういったようなふうな問題に対して、はたして、言うならば米軍の駐留下における放送ですから、そういった点が非常に心配されるわけですよ。それから周波数の割り当て等についても、どういう波が割り当てになるかわかりませんけれども、将来の日本との関係で、たとえばVでやるのか、Uでやるのかわかりませんが、かりにUHFを使うということになりますと、将来は、それはUをいま大臣は十七カ所免許して、さらにまた残りのところは順次やるような記者会見をやっておりますが、Uもある程度の波はきまっているわけです。限られた波ですから、将来――沖繩でいまVをやっておるとすれば、そういう返還ということも政府の当然議題にのぼっているわけですから、Uの割り当て等についても考慮されているのかどうなのか、ちょっと私もこういうものはわかりませんから、とにかくアメリカが現実に駐留して、その施政権下にあるわけですから、そういった点を少し心配になりますから、日本の放送にあるような、不偏不党、あくまでも中立を堅持していくという、そういう報道の自由というものが完全に確保されるということに対する確信の問題と、それから電波の使用の問題ですね、この点をひとつ伺いたい。
○国務大臣(小林武治君) この問題は、現状においては、われわれいろいろ考えがあるとしても、ここでどうこうと、こう言う問題ではありません。今度のこの援助、NHKの貸与にいたしましても、沖繩では、政府も、弁務官も、みな御相談の上でこういう要望を出されたのでございますから、この問題そのものについては、もう十分御理解の上でできておる。ただ、これからの問題につきましては、私どもはここでいま云々すべきでない、こういうふうに思っております。
○鈴木強君 しかし、少なくとも日本政府が援助をしてやろうということでありますから、だから私はその点はあいまいにできないと思うのですよ。もちろん、現実に政治をやるのは高等弁務官ですからね。そこまで介入することに対する質問を私はしようとは思いませんが、少なくとも公共放送だからこそ、特別のこういった援助をするわけでしょう。その公共放送が、沖繩放送法というものに基づいて、放送の不偏不党、真実の――事実の報道ですね、放送による事実の表現ということ、これは日本の放送法にもありますが、そういったものが完全に実施されて、いわゆる公共放送としての使命を十分に果たし得る、こういう確信と自信がない限りは、私はこれは容認できないのですよ。ですから、その辺については、政府として政治的な判断もお持ちになっておるでしょうし、そういう意味において私は伺っているわけです。これは高等弁務官もお入りになり、また、法制定暫時のいきさつ等もおありでしょうからね、そういった点も含めてひとつ伺いたかったわけです。
○国務大臣(小林武治君) いま申すように、こちらでどうこうというふうな注文と申すか、そういうふうな段階でないし、われわれは沖繩放送法というものの表面にあらわれたものを見てやっておる、こういうことでございます。
○鈴木強君 これはたいへんむずかしいと思いますよ。むずかしいと思いますけれども、ただ、少なくとも、OHKというものは一体それじゃどういうことをしようとしてつくられ、どういう目的をもって今後やろうとするのかですね。こういった運営の問題とか、ちょっとそれを聞いてみないと、大臣のちょっとあいまいな、答弁できないということであれば、これはわれわれのほうも、はたしてOHKというものがもう公共放送としてその使命が完全に完遂できるのかどうかということに対して心配になるわけですよ。とにかく、米軍がおるということは間違いないわけですから、だから、そういうものに対して、まあ民主主義の発達したアメリカですからね。日本の報道の自由ということについては全面的にこれは認めるとぼくらも判断しているわけです。だから、何かあいまいもことしたようなことであるとすれば、われわれがいさぎよくここでよろしいという決断をすることがむずかしくなってくるわけですよ。ですから、その点、もう少し大臣としての確信のある御答弁をいただけないのですか。
○国務大臣(小林武治君) 沖繩放送法というものができて、そして公共放送をやると、これをわれわれは見て、これによって運営される、かように考えております。
○鈴木強君 だから、もう少し――まあ表現のしかたもあると思うのですが、放送法というものができて、それによってやられるということだけですか、あれは。だから、日本政府としては、この放送法に基づいてOHKというものが運営されていく場合に、少なくともその精神を体して、そしてりっぱに公共放送としての使命を果たすだけの自信と確信があって、このOHKというものが運営されていくという、そういう自信があるものでないと、ちょっとあいまいじゃないですかね。
○国務大臣(小林武治君) これはもう自信がないと言って――沖繩、琉球政府の放送法というのがありまして、これは日本の放送法と大体同じような、放送の不偏不党とかというような、いろいろのこういう制限がついておりますから、私どもはこれにあらわれた放送法の規定によって運営される、こういうことを信じて、この放送法が私ども適当な放送法であろうと、われわれから考えてもきわめて適切な放送法であろう、これによっておやりになる、こういうことでございます。
○鈴木強君 私どもも法律の全部をまだ読んで見ないんですけれども、たとえばこの沖繩放送協会の運営に対して、日本の場合は経営協議会があるわけですね。そういったものはこれはあるんですか。
○政府委員(石川忠夫君) 沖繩の放送協会におきましてもNHKにおけると同じように経営委員会がございます。
○鈴木強君 それから放送番組の審議会というのはあるのですか、どうなんですか。
○政府委員(石川忠夫君) ございます。
○鈴木強君 それから、そうすると協会の会長といいますかね、日本で言うならば。そういうものの選出はあれですか、経営委員は政府が任命する、会長は日本と同じように経営委員会の承認を得て政府が任命する、こういうふうになっているわけですか。
○政府委員(石川忠夫君) そのとおりでございます。
○鈴木強君 それから経営に対するチェックですね。これはNHKの監事的なシステムで国のまた会計検査院の検査を受けるというような、そういう点はどうなんですか。
○政府委員(石川忠夫君) いまお話のとおりでございます。
○鈴木強君 そうしますと、日本と同じように、
○HKの予算というものが沖繩の立法府に提出をされて承認をされていくと、それから料金については、日本では放送法をちょっと変えようとしておりましたね。そのときも出てきておったのだが、その辺も含まれたものになっておるのかどうなのか。現在先島のほうですでにやっているわけですね、宮古島のほうで。ですからその場合に、テレビの料金、それからラジオの料金、それはどの程度なんですか。
○政府委員(石川忠夫君) 受信料については、この今度の年度、七月から始まる年度の予算におきまして、日本の制度と同じでございますので、予算、資金、こういった計画が承認されることによりまして、受信料がきまる、こういうことになっておりますので、いまのところはっきり幾らだと、こういうことできまっているわけではございませんが、聞いているところによりますと、テレビは八十セント、こういうふうに聞いております。
○鈴木強君 そうですか。そうすると十一月から実際には放送は開始しているのだが、現在は受信料は取らないでやっていると、こういうことですか。
○政府委員(石川忠夫君) 来年の一月一日を目途に来年初めから受信料を徴収しよう、こういうふうになっております。
○鈴木強君 それからラジオはやはり無料にすることになるわけですか、テレビとラジオを持っている場合。日本の受信料形態と同じものなんですか。
○政府委員(石川忠夫君) いまのところ、ラジオについては具体的な計画がございませんので、テレビに比べて幾らかばく然としたことでございますが、十五セントということを聞いておりますが、そのとおりになるかならぬかはっきりちょっと確信がございません。
○鈴木強君 ですからこれは三億五千万円援助するわけですが、私はもう少し詳しく聞きたいのですよ。まあ会長とかあるいは経営委員の理事の人ですね。そういった人のリストなんかは、これはあとでひとつ資料としてぜひ出していただきたい、経緯も含めましてね。それから資本金等についても、一体どの程度の資本金になっておるのか。それでいままで、十一月からただでやっているわけですからね、相当のやはり月間の資本がかかると思うのですけれども、そういったものはいまのところは琉球政府が全部出しておるのかどうなのか、そういう点もひとつ明らかにしてもらいたいのです。
○政府委員(石川忠夫君) 協会の資本金は、沖繩放送法の十五条にございますように七十万ドルと、それから政府が協会に対して出資すると、当初二十万ドル払い込みまして、結局出資としては全額で五十万ドルというものを払い込むことになっておりまして、当面はこういった資金によりましてまかなっていくと、こういうことでございます。
○鈴木強君 一月幾らくらい……。いままでの、十一月から一番ごく最近までの収支はわかりますか、月々の収支。
○政府委員(石川忠夫君) つまびらかにいたしておりません。
○鈴木強君 これは三億五千万円も出すのだから、そういうことを国会で聞いてわからぬということでは、ちょっとこれは審議に困りますね。時間的にはわからないのですか。すぐきょうの午後にはわからないのですか、いまわからないのなら。
○政府委員(石川忠夫君) いずれ調べましてお答えいたします。
○鈴木強君 協会のほうの方も見えておりますが、協会のほうではわかっておりますか。
○参考人(川上行蔵君) 協会の資料ちょっと持ってまいりませんでしたので、あとですぐ用意いたします。
○国務大臣(小林武治君) 実は、これはまだ昨年の十二月末に初めて、先島だけ放送をして、そして料金なしに沖繩放送協会がこれを経営しておる、こういうことでありますから、まだそういうものはまとまっておりませんが、また照会してひとつお知らせいたします。
○参考人(川上行蔵君) 失礼いたしました。ございましたのでちょっと口頭で申し上げます。
 四十二年度予算といたしまして、四十二年七月一日から四十三年六月三十一日まで、収入が日本円で換算いたしまして四億四百六十四万円、そのうち政府出資金の受け入れが七千二百万円、それから借り入れ金が三億三千二百六十四万円、それから支出が、総額が四億四百六十四万円、内訳は事業共通費が五千三百六十五万円、放送費が三千二百九十四万円、それから施設建設費が三億七百二十四万円、それから予備費が一千八十万円、こういうような予算と了承いたしております。
○鈴木強君 私の聞いたのは、十二月から一、二、三、四月ですね。まあ三月くらいまでの月別の収支がおわかりかどうかということを知りたかったのです。それはないのでしょう。
○参考人(川上行蔵君) それはまだ聞いておりません。
○鈴木強君 それから先島のテレビ放送設備整備の予算措置というのは大体七億一千万円出しておるのですけれどもね。これだけで全部大臣、これは設備できたのでしょうか。それとも琉球政府のほうからかなりの持ち出しがあったのでしょうか、これは。
○国務大臣(小林武治君) これは持ち出しありません。
○鈴木強君 そうしますと、これらの設備については法律に基づいて七億一千七百四十六万円というものでぴちっと間に合ったという、それはわかりますがね、どういうところに何を使って、幾らどうなったかという、その経理の内容わかりますでしょうか。
○国務大臣(小林武治君) これは内閣所管の予算が成立して、郵政省が委任を受けて、そして工事の実施に当たっておりますから調べればわかります。
○鈴木強君 これはひとつぜひこういうのは収支決算といいますかね、そういうものの明細を出していただきたいと思うのです。一銭も違わなかったのですか、これは。
○政府委員(石川忠夫君) 一文も違わなかったかということになりますと、若干不用額があったように聞いておりますが、まあ大体論としては大臣がお答えしたとおり、調べて提出をいたしたいと思っております。
○鈴木強君 あとで少し私は宮古、石垣、西表等のテレビジョンはもう一回伺いますが、そこで今度NHKが無償貸し付けをするという三億五千万円の内容ですね、設備の。これをひとつ明らかに願いたい。
○参考人(三熊文雄君) 御承知のとおりOHK自体でやりまするものがありまして、それは局舎それから鉄塔の設備、空中線、これだけはOHKでやりまして、あとの局舎に入れます機械類は三億五千万円でやる予定でございます。
 その内訳を申し上げますと、送信設備で五KWテレビの送信装置一式、四千九百万円、それから録画送像・調整設備といたしまして、VTR一台、静止画送像装置二台、フィルム送像装置一式、テレビ主調整装置一式、以上合わせまして一億一千六十万円、それからスタジオ設備としてイメージオルシコンカメラ二台、映像、音声、照明設備等一式、これが四千四百八十万円、それから取材・現像、編集設備、この中には写真電送装置一式、現像機一台、プリンター一台、編集設備一式、一千六百七十万円、それから電源設備、工事費等といたしまして、受配電装置の一式、自家発電装置一式、工事費等含めまして一億二千八百九十万円、合わせまして三億五千万円、以上でございます。
○鈴木強君 OHKがやろうとしております局舎、それからアンテナ設備ですか、放送設備ですね。そういったものの概要はわかっておるんでしょうか。広さとか金額ですね、計画の。
○参考人(三熊文雄君) 金額についてははっきりはわからないんですが、一応概要といたしましては、送信所関係を申し上げますと、那覇市郊外豊見城というところに約四千坪の敷地を買ったそうでございます。そこへ鉄塔が高さ百六十五メーター、海抜二百三十三メーター程度の高さの鉄塔を置いて、空中線をそれへつける、六段一面、いろいろこまかい点もありますが、大体それでチャンネルが日本の第二チャンネルに相当するものをつけたいと、こういう程度に聞いています。
 それからあと送信所の施設としましては、大体面積が四メーターと十メーター平方で二階建てというものをつくりたいというように聞いておる次第でございます。
○鈴木強君 だからこういうものは大臣どうなんでしょうか。沖繩の琉球政府から日本政府に要請があったと思うんですが、OHKが今度は豊見城に局舎を建て、設備をやりたい、したがって、その規模はこういうようなものであって、こういうふうな概要だと、したがって、これだけのものはひとつOHKとしてやる、あるいはこれだけのものは琉球政府から援助をする、したがって、これだけのものを日本政府からひとつ援助してほしいといったような、そういう正式な公文書かどうかはわかりませんが、そういった要請というか、そういうものが当然きているわけでしょう。そうすればその概要というものはわかるわけで、その中で日本がやり得る範囲における援助をしようという、そういうことだと思うのですが、聞いておると、これらの基本の問題が少しよくわからないのですが、どうなんですか。
○国務大臣(小林武治君) これは向こう側からいま言うように、鉄塔、アンテナ、建物、土地そういうものは沖繩で用意をします。機械設備をお願いします、こういうことをわれわれのほうにも申し越されたのであります。したがって、その機械設備を入れる問題については、当然私どもはNHKのほうと沖繩の放送協会と打ち合わせができておるものと、かように考えておる次第であります。
○鈴木強君 それは抽象的な総括であって、やはりそれではどういう規模で局舎を建て、総体的な予算はどうなる、こういうような概括的なことくらいはやはり、知らなければならないでしょう。そういうものはどうなっているかということをお聞きしているわけです。
○国務大臣(小林武治君) これはNHKのほうが実際の工事等もおやりになりますから、入れものの問題、その他の関係がありますから、打ち合わせができていると思います。
○参考人(川上行蔵君) いまお話の計画は、ことしの一月に向こうのOHKのほうから公式文書で、第一次計画でこういうものをやりたい、という案がまいっております。その中で、中央局の建設ということにつきましては、テレビを、土地はこうする、建物はこうする、それから放送設備の中で、直接に番組を送信する設備三億五千万円をNHKがら援助してほしい、それから、それ以外の点もあわせまして計画書はまいっております。
○鈴木強君 そうすると、局舎の設計図だとかそういうものもあるのですか。
○参考人(川上行蔵君) 局舎の設計図その他につきましては、現在相談をいたしておりまして、私どものほうの技術部で打ち合わせをして援助をやっておりますので、ございます。
○鈴木強君 だからそういう大体、総坪数、どういうふうなスタイルか、そういうものもぜひ知りたいのです。だからひとつ差しつかえない限り資料として出してもらえますか。いま、時間がないから一もう少し聞きたかったんですが。
○参考人(川上行蔵君) お出しいたします。
○鈴木強君 大臣、さっきちょっと御答弁をいただけなかったのですが、いまUHFでアメリカのチャンネルを貸してもらってやっていると思いますがね、これはどうなんですか。Uを将来、沖繩返還の場合なんか、当然これは議題にのぼっているわけですから、そのときにはUについてはどういうふうな考え方かですがね。
○国務大臣(小林武治君) まだある程度先のことでございますが、返還になりましたら、電波は郵政省の所管になりますから、そこでもってあらためて割り当てをする。その際にはそうなると、そういうふうに思いますが、まだしばらく先のことでございますので、そういうゆとりはある、こういうふうに考えております。
○鈴木強君 ただ、もちろん筋はそうですが、はっきりしておきたいのは、いずれ返還されることは間違いないですね。その際に、Uを使ってしまって、沖繩に割り当てるのがないなどということのないように、沖繩に対する配慮をしておけますかということを念のために聞いておきたいのです。
○国務大臣(小林武治君) 十分に考慮しておくべき問題と思います。
○鈴木強君 考慮しておくべき問題だということは、ちゃんとそのことは沖繩に割り当られるようにいたしますということでいいのですか。
○国務大臣(小林武治君) 先ほどもそれはもう放送の継続とか、拡充とかそういう問題がありますから、当然そういうことは考えておかなければなりません。またそうできると思います。
○鈴木強君 それで協会のほうにちょっと。あなたのほうでやっているそうですから伺いますが、そうしますと、局舎や鉄塔の建設については、日本の協会の持っておる経験ですね、そういったものを十分参考として使ってほしい、一体、どういうふうにしたらいいだろうかという構想の段階で、大体、坪数としてはこんなところで、額としてはこの程度の金を使ってこの程度の局舎をつくりたいというようなそういう相談の段階なのか、もう少し先に進んで、およそのアウトラインというものはできておるのかどうか、そうしてその話は東京だけでは済みませんでしょう。たとえば現地へ行って、四千坪の土地を見つけたらしいのですけれども、そういった現地の実情も見なければならない。そうなりますと、協会からあるいは沖繩のほうに視察団といいますか、調査団といいますか、そういうものを出さなければならなくなると思いますね。一体そういう費用というのはこれはどうなんですか。沖繩援助の一環なんだが、三億五千万のほかにそういう金を使うのか。さっきもお話したとおり、これは経費に三億五千万かかっちゃったのだから、出張いたしました旅費とか人件費に要する金は出どころがないわけでしょう。これは郵政省がそういう金はめんどうをみるのでしょうか。この法律を提案してこれを実現するためにいろいろ東奔西走するための一体予算はどうなるのですか。
○政府委員(石川忠夫君) いままでも実は、九条によります技術援助として、実際問題としてこちらのNHKの職員が沖繩へ参る、あるいは沖繩から来られた職員の指導を行なう、こういうことを実際に実行しております。
○鈴木強君 それは一般論でわかりますけれども、この場合には特に法律を出して――財政法九条との関係でなかなかむずかしいものですから、単独立法を出しているわけでしょう。したがって、この場合の技術援助というのは違いますよ。だから、そういう金までNHKが負担していくということになると、これはやはり三億五千万円の中ではできないことでしょう。これは混同しているように私は思いますがね。
○国務大臣(小林武治君) いまたとえば人を派遣するとか技術援助とかでありますが、これ以上の負担を別に考えておるわけじゃありません。これ以外には考えておりません。
○鈴木強君 それならわかりますよ。そうすると、三億五千万円という設備をNHKが無償で一応つくって、ここに貸すわけでしょう。したがって、そういう間接的な管理費というのがかなりかかるんですよ。これは電電公社がやった場合でも、農林省が模範農場をつくった場合でもあるんですよ。そういったものはおそらく私は、一億なんぼかの予算のワクの中でやっていると思うわけなんです。だから三億五千万円の中でやり得るような予算を組まなければうそですよ。それを、今度はどの程度行くかわかりませんけれども、かなりの人が行かなければならないと思うんですね。どこの会社にするのか、あとから聞きますけれども、そうなりますと、かなりの人件費的な負担が出てくると私は思うんですよ。そういうものは政府が当然見るべきだと思うんですよ。そこまで協会にやらせるということになるとおかしいので、大臣のおっしゃったように、これ以上の技術援助という、一般的な技術援助というのはやらせないというのは私も賛成ですから、その辺の配慮というものはやっておく必要があると思うのです。
○国務大臣(小林武治君) 先ほどここで協会からお話になったように、工事費としても計上してありますから、むろん人が行っていろいろ工事の完成までのことが包含されておる。したがって、私どもとしては、このことのためにほかにNHKにこの上の負担をかけるということは考えておらぬ、こういうことでございます。もしそういうものがあれば、またこれから政府としても考えなければならぬと思います。
○鈴木強君 そうすると、逆に、電源設備の場合の工事費等と書いてありますね、一億二千万円。あと、録音とか送信設備、スタジオ設備、取材、現像、編集設備等について工事費がないのだが、NHKはその中に大臣のおっしゃったものは入れてありますか。
○参考人(三熊文雄君) その送信機その他の中には入っていないけれども、工事費自体の中に全部含まれています。しかも、その工事費は先島の場合内地の二五%を見たのですが、今回は二〇%だけ余分に工事費の中で含ましてあります。
○鈴木強君 そうすると、工事費の中の旅費ですね、日当。そういった費用は幾ら組んであるんですか。どのくらい行く予定ですか。
○参考人(三熊文雄君) こまかくそこまで見ていないのですが、いわゆる今回の場合は先島と同様に全部の機械設備を持って行きまして、そうしてそこに据えつけるというまで全体を見る予定にしております。したがって、先ほどのお話にありましたとおり、全体の機械設備のトータルの額の二〇%を考えております。いままでの先島の二五%でまかなえた点を考えますと、大体二〇%でそういう点もまかない得るだろうということで、トータル二〇%余分に考えておる次第でございます。
○鈴木強君 それではちょっと納得できませんから、ひとつもう少し、どの工事はどういうふうな人が行くのか、それから特に私は局舎の建設その他について現地の調査等の必要があると思うものですから、そこらに対してどうかということを心配しておるのですよ。それはそういうものも工事の中に入っているのですか、それは別でしょう。
○参考人(三熊文雄君) 済みませんでした。二五%ですから、まず初めにお断わりします。その工事費自体の内訳なんですが、ここに一応出ていますのは、中波妨害対策用フィルターというのがありまして、それと二五%、その両方合わせまして八千二百七十万円という額が出ていますので、先ほどの電源設備を除きますとそれが入るわけでございます。したがって、二五%がそういう経費、旅費その他を含まれておるわけでございます。
 それからもう一つの問題につきましては、一月の二十九日に向こうの技術の責任者が見えまして、いろいろとその建築、その他の内容については一応の話をいたしまして、しかも、その設計事務所が向こうの指名で内地の、こちらの建築事務所を使うという話なんで、それとわれわれのほうとが実際の問題としていろいろと話し合いはいたしてはおります。しかしながら、お話のとおり、一度見ないことには何とも、その場所自体の設計もできないと思いますので、近々非常に少ない人数で、しかも四日程度の出張で行ってみたい、こうは考えております。これらは先ほどの二五%の中でまかない得る、こう考えております。
○鈴木強君 その二五%の中でまかない得ると考えていると言いますけれども、それは筋違いじゃないですか。あなたのほうでは局舎までこの法律でめんどう見ようというのではないのでしょう、局舎までは。それはあくまでも相談に乗ってやるということなんですからね。やらなくていいものまで旅費を出して行くということは少し筋違いじゃないですか。それは大臣の言うように、郵政省から、政府から出してもらえばいい。そうでしょう。
○参考人(三熊文雄君) はなはだ言い方がまずかったと思うのですが、やはり局舎を見るというのでないと、現地に備えつけるためにはいろいろと現地との打ち合わせもありますし、同時に機械を置く場所その他の問題もあるものですから、そのとき行くので、同時にその点も検討してみたい、こういうことでございます。
○参考人(川上行蔵君) この施設は沖繩島に設置いたしまして向こうに引き渡すまでNHKの責任であるということになっておりますので、それまでの一切のあれが三億五千万円の中に入る、このように考えていま技師長のほうから申しましたその金額もその中に含まれておると、そのように考えております。
○鈴木強君 そうすると、言うならば技術援助をする部門の二五%というのが組んであるが、中には局舎の設計だとかそういったものもひとつ、ついでにやってやる、こういう意味ですね。
○参考人(三熊文雄君) そうであります。
○鈴木強君 で、この局舎の内地の請け負い業者がもうきまったようにいま伺ったのですが、そうなると、すでに設計は全部済んで見積もりも済んで、そうして入札をしたのじゃないですか。どうなんですか、この辺は。
○参考人(三熊文雄君) 設計業者自体はきまっておるようなんですが、われわれのところにはそれによって本体の、いわゆる建築の業者自体はまだきまったことを聞いていませんのです。したがって設計が終わりまして入札をして、そうしてその本体の実際の面ができるようになる、こう思うわけです。
○鈴木強君 その設計業者は内地の人がやはりやるんですか。
○参考人(三熊文雄君) 私の聞いていますのでは、沖繩大浜設計事務所というので、その人が東京の新設計事務所の社長を兼務しておられるので、東京でもって話し合いができるということを聞いています。
○鈴木強君 そうすると、大体この設備はいつごろに完全にでき上がってこれを沖繩に引き渡すのか、大体プログラムがわかっておりますか。
○参考人(三熊文雄君) スケジュールできております、一応の線は。OHK側の発注の建物その他は十二月完成でありまして、NHK側自体はその建物のできる途中におきまして放送機、その他を十二月の中ごろまでに一応工事完了の予定でございます。
○鈴木強君 放送開始は……。
○参考人(三熊文雄君) それで、放送の運用開始はいまの予定では十二月の二十二日運用開始の予定でもってそういうスケジュールをつくっています。
○鈴木強君 それから、送信設備以下録画調整設備、スタジオ設備、これは特にどこの会社の製品を使うようになるんですか。
○参考人(三熊文雄君) ただいま法案が通っていないものですから、われわれのほうとしましては、ただこういうものが必要であるというところまででありまして、法案が通りますれば、御承知のとおり入札によりましてNHKの場合と同じような方法で業者を決定する予定であります。
○鈴木強君 法案が通るまではそれじゃ全然話はしない、下打ち合わせも全然しておらぬと、こういうことですか。
○参考人(三熊文雄君) まだいたしておりません。
○鈴木強君 そうすると、たとえばVTRの一台ですけれども、静止画像の送像装置というものが二台ありますね。これはいまNHKで使っているのはどこのを使っているんですか。
○参考人(三熊文雄君) NHKは、いろいろの会社がありまして、たとえば一例を申し上げますと、VTRは芝電気、日本電気、そういうようなところを使っています。それからいまのお話のFSSにつきましては池上通信、芝電気、その他いろんなメーカーのを使っています。
○鈴木強君 それから、もちろんこれはVHFによる受像になると思いますけれども、将来のUの開発等が、大臣のお話もわかりましたので、いずれ沖繩でもUが入ってくると思いますね、そういう場合に受像機その他については全部いまのところはVでやるようにしておるのでございましょうかね。技術的にちょっとわかりませんから、しろうとの質問で恐縮ですけれども、将来Uに転用できるような配慮というものはこの設備すべて設置の場合にできないものなんでしょうかね。
○参考人(三熊文雄君) まず送信側はおっしゃるとおりVHFでございます。しかも周波数はまだはっきりいたしておらないのですが、御承知と思いますが、受像機自体を考えまして、向こうの沖繩で現在使われていますVHFはアメリカの割り当てによるVHFでございます。したがって、現在先島その他で使っています受像機はアメリカチャンネルに合わせてあります。したがって、たとえば今後UHFという問題が出ました場合には、日本と同じように、いわゆるコンバーターとかオールチャンネル受像機というものが今後伸びていくのではないか、こう考えています。
○鈴木強君 そうすると、アメリカバンドの場合はチャンネル幅は少し広いんですか。
○参考人(三熊文雄君) アメリカバンドは、御承知と思いますが、日本のチャンネルの下のほうのバンドが違います。というのは、八十八メガサイクルから百九メガサイクルまでというのがFMバンドになっています。日本では第一、第二、第三のところまで違うわけです。第四から大体周波数はアメリカと一緒です。そういうわけで、現在割り当てられています沖繩の周波数はアメリカのバンドで割り当てられていますから、受像機自体はいわゆるアメリカのバンドです。ただし、今回
○HKができました場合はどのバンドになるかちょっとはっきりしないのですが、もし日本のバンドの第二チャンネルというものを使うと仮定しますと、その中のコイルを少し変えなければならぬのでは、ないかという感じがいたしております。
○鈴木強君 そうなると、やはり受信者の立場から見ると非常に問題ですね。いまここでわれわれが三億五千万円承認しようというのに、まだチャンネルの割り当てについてはっきりしていないということじゃ困るわけですよ。特に周波数というのは、そう簡単に右から左に動かせるものじゃないんですからね。少なくとも琉球政府がこういった公共放送を初めて那覇地区にやろうというわけですから、その周波数の割り当てがどうなるかわからぬというようなそういうことじゃないんでしょう。要するに割り当てられることは間違いないと。しかしどのバンドが、どの辺がくるかということについては、まだはっきりしないのだが、割り当てはちゃんとするという約束はされておると思うのです。ですからその辺の問題と、それから、ちょっと受像機には幅があるようですから、それによって日本のいま使われておる受像機というものが向こうに入っていくと思いますけれども、その場合に簡単に直るものかどうか、そういった点もひとつ教えてもらいたい。
○参考人(三熊文雄君) 現在割り当てられておる予定の波自体の中でOHK自体が一応考えておるのは、日本の十二チャンネルとそれから第二チャンネル、これについては、一応沖繩政府自体の了承を得ておるようであります。そのうちで第二チャンネルになる可能性が強いということを聞いておるのですが、決定まで入っていないということも聞いております。しかしながら、いまのお話のように第二チャンネルになるのじゃないかと思います。
 それからもう一つ、受像機のほうにつきましては、そのために一応少しは改造しなければならぬ。それにつきましても、OHK巨体は改造費その他を考えておるようであります。
○鈴木強君 そうすると、個々の受信者には迷惑をかけないようにしてくれるということですか。
○参考人(三熊文雄君) 私のほうへきておりますものを見ますと、沖繩本島におきまして、もし第二チャンネルにした場合には六万三千台の受像機を改造する必要があるらしいので、そのうちまず一九六九年度には五千台を改造し、続いてあと改造するというような資料がまいっています。
○鈴木強君 しかし、六万三千台改造しなければならぬものがあって、五千台、一九六九年にやろうということになると、それはすぐ来年の十二月から放送を開始するわけでしょう。その場合に差しつかえがあるのですか、ないのですか。要するに向こうのバンドに合わせた受像機をつくらなければならぬわけですね。それをつくって送るということですか。そうしてそれを逐次変えていく、こういうことですか、ちょっとその辺わからない。
○参考人(三熊文雄君) 受信機は御承知のように回転してバンドを切りかえます。そのうちの不要になる――不要になるといって申しわけないのですが、向こうでは数がそう多くないわけですから、そのうち必要でない部分があるわけです。その中のコイルを取りかえるだけなのです。したがって、非常に金額的にすれば簡単に安くできるわけであります。
○鈴木強君 幾らですか。
○参考人(三熊文雄君) 大体一ドルくらいの予定でございます。したがって、一応予算としては五千台くらい見ておるようですが、向こうの都合で早くなるのじゃないかというように想像されます。
○鈴木強君 わかりました。
 それからこの設備が完了した場合に、沖繩本島におけるカバレージの問題ですね、そういったものも含めて伺いますが、それにはどうしてもマイクロウエーブの問題が出てくるので、きょうはたいへんお忙しいところ恐縮でしたが、電電公社も来ていただいておりますが、現在、電話が六十チャンネルでございましたかね、それからテレビがそのうち一チャンネルですか、何か使っておられるようですけれども、電電公社としては今後OHKが放送を開始するにあたって、何か郵政大臣も一チャンネル下り用のチャンネルをふやさなければならぬということを言いましたが、下りだけだったら半チャンネルで済むんじゃないですか。それはよくわかりませんけれども、ひとつ公社としてのこのOHKの放送開始に備えてのマイクロウエーブの増設といいますか、そういう計画はどうなっておりますかお伺いしたい。
○説明員(北原安定君) お答えいたします。二月の下旬に琉球電電から受託に対します意思を聞いてまいりました。自来この問題の調査を琉球電電の意向を体しつつやってまいっております。で、ただいまの御質問の、このOHKにNHKのナンバーワン、ナンバーツーを流すようにする、いずれかが切りかえて使うようにするためには、現在名瀬まで延びておりますNHKの回線を名瀬から沖繩まで延ばすことになるわけでございまして、ある意味では御指摘のとおり、下り回線を一システム完成すればよろしいわけでございます。で、ただいまその調査などをいたして、現在の設備でさらに八百メガサイクルの下り一回線の増設をすればいいという見通しに立って調査を終えておるわけでございます。
○鈴木強君 これは八百メガサイクルですか。
○説明員(北原安定君) 鹿児島の大浦から名瀬までは二千メガを使っておりますが、名瀬から那覇までの、多野といいますが、その間は八百を使っておるわけでございます。
○鈴木強君 そうしますと、それを一回線増設するためには特別の設備がやっぱり必要なんですか。その点はどうなんですか。
○説明員(北原安定君) もちろん回線をふやすわけでございますので設備が必要でございまして、沖繩関係の多野の無線中継所にこの下り回線を受けるための設備並びに首里までそれをマイクロ四千メガで送るための送受信装置、それからOHKの放送所までこれを持っていくための設備、そういうものがすべて新設されるわけでございます。
○鈴木強君 そうしますと、その増設のために必要な何といいますか、建設費といいますか、そういうものはどうなりますか。
○説明員(北原安定君) 先ほど申し上げましたように、二月に琉球電電から委託したいという正式文書を受けました。三月の終わりに受託の用意ありということを連絡をいたしておりまして、引き続きその委託したい内容の詳細が四月の上旬に琉球電電から当方に来ております。したがいまして、その内容をただいま検討をいたしておりまして、その検討が済み次第、四月の下旬に契約に持ち込みたいと考えておりまして、したがいまして、それに要する一切の経費は琉球電電側から受託して公社が行なう、こういうふうに考えておるわけでございます。
○鈴木強君 そうしますと、ことしの暮れに放送開始になるようですが、それまでには一回線の増設については電電公社のほうで責任を持って設置できると、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
○説明員(北原安定君) そのように努力いたしておるわけであります。
○鈴木強君 そこで、公社のほうはそれでけっこうです。どうもありがとうございました。
 この設備を貸与いたしまして、沖繩の皆さんが本土に近いようなテレビを見ることができると思いますが、そうなりますと大体どうでございましょうか。いま沖繩本島における総世帯数から見ての受信者数ですね、それからこの設備をやることによって、もう電波の届かないというところはなくなるかどうか、この点ひとつ伺いたいのです。
○政府委員(石川忠夫君) この沖繩局の建設によりまして、世帯数の九五%程度のカバレージになるのでございます。
○鈴木強君 もっと具体的に教えてもらいたいのですが、いま本島には何万世帯あって、現在見ている人が何人であって、カバレージのほうは。五%は残るというのですね、その残るところはどの辺ですか。
○政府委員(石川忠夫君) 本島における世帯数は十八万六千でございます。それで現在八二%、十五万二千台くらいテレビジョンが普及いたしております。今度の沖繩那覇局の建設によりまして、大体九五%までは見れるようになる、こういうことでございまして、なお残る場所は北の方の端の地区でございまして、これについては一局のサテライトをつくる計画になっております。
○鈴木強君 そうすると、サテライトはいつごろ設置するのかですね。
○政府委員(石川忠夫君) 那覇の本局を建設いたしまして直後やりたい、こういう意向のようでございます。
○鈴木強君 十二月二十二日には放送が開始するということですから、放送開始をしたときは五%は残るわけですね。だからそれを一体いつまでに五%を解消してやろうというような、そういう具体的な計画が、これは周波数との割り当てもありますし、民政府との関係もあるが、どういうような一応腹づもりになっているのかというのです、私の聞いておるのは。
○政府委員(石川忠夫君) 当初の計画では、実はこのサテライトも本局と同時につくっていこうという計画のようでございましたけれども、幾ぶんおくれまして、本年度中には土地だけは何とか確保しておきたいということでございまして、建設は来年になってから、できるだけ早い機会にやりたいと、こういうことでございます。
○鈴木強君 できるだけ早い機会というのは抽象的でわからないですよ。これは大体めどがあるでしょう、いつごろということは。
○政府委員(石川忠夫君) 本局の波を十二月二十二日ですか出してみまして、抽象的には一応こういうところが見えないであろうという難視聴地域はある程度わかっているのでありますが、具体的に難視聴地域が波を出してみますとわかってまいりますので、それによって受信点をはっきりきめてやっていきたい、こういうような考えのように聞いております。
○鈴木強君 私はまだだいぶ質問があるんですけれども、委員長から正午までということですから、ちょっとここで一応中断をしますけれども、最後にひとつ大臣に伺っておきたいことは、まあ民放がいま二局ですかありますね。これはいままでいわゆるコマーシャルベースで受信料なしでやっておったわけです。今回こういった公共放送が開設され、まあさっきのお話のようにはっきりはさまっておりませんが、いずれにしても受信料によって経営をしていこうという、いわゆるNHK方式でいくようでありますから、ちょっとこの点が日本と全く逆であって、日本はNHKというものが長い間ございました。ですから受信料によってラジオを聞き、またテレビを見るということについて比較的順応性があったと思うのですが、沖繩の場合には民放をただで見ておったわけですから、ここに公共放送が出た場合に、一体どういうふうな住民に感情を与えるかということが問題になると思うのですよ。ですから、いままではただで見られたのだけれども、OHKなんという法律をつくって公共放送をつくったために、われわれは受信料を払わなければならないのではないかという一面矛盾を持つのではないかと私は推察をするわけですよ。そういう国民の感情の中でおやりになるわけですから、OHKそのものがほんとうに沖繩の県民にああいい番組だ、なるほど
○HKというものは民放よりもだいぶ内容的にいいんだ、だからまあなんぼかの受信料を払っても見るに価するのだという、そういうふうなかっこうにならなければなかなか受信料を払う人がないと思うんですよ。そうなりますと経営が今後苦しくなるのではないか。したがって、そこには相当な苦心を必要とすると思うんです。私はここで三億五千万円の援助をすることについては大いに賛成でありますが、この三億五千万円というものがあとで見てよかったというふうにしてもらいたいと思うんです。せっかく出したんだけれども、これが縁がなかったということになるとこれはたいへんな問題でありますから、そういう点に対するひとつ国民の考え方もあると思いますので、この際大臣としての御所見を承っておきたいし、そのことによってただ単にOHKだけではなくて、民放のほかの局の方々もNHKが出ることによっていろいろな経営上の苦しい場面も出てくるかもしれませんしするけれども、そこはひとつそれぞれの経営者の皆さんの英知を働かせていただきまして、民放と公共放送というものが二つがお互いにいい面を出し合って、そして県民の福祉、文化の向上に寄与してもらいたい、こう私は心から願っておるわけです。ですから、どうかこの三億五千万円がほんとうに有効に使われるような配慮というものを最高限に私は日本政府としてやってほしい。こういうことをひとつお願いすると同時に、もう一つはやがて本土復帰ということが近い将来にあるわけですから、その際に、これからおやりになりますOHKの経営形態といいますか、あるいは放送体制といいますか、そういったものが将来日本に復帰した場合に、ちぐはぐにならないようなことにしておきませんと問題があると思うんです。私はこの前、この委員会でNHK予算のときに大臣から復帰に対してのOHKとNHKの問題については伺いましたので、私はあらためてきょうは伺いません。大臣の意図はわかりましたから伺いませんが、いずれにしても復帰後は二つが併存するということも、これはあり得ないわけでありまして、当然日本放送協会というものの中に私は自然的、発展的に入ってくるものだとも思います。したがって、そういう際に支障のないような体制をやはりつくっておくことも一面では大事なことだと思いますから、これらの点についてひとつ大臣にも特にお願いし、御所見を承っておきたいと思う。
 それから実は質問ができませんからNHKに少し資料を出してもらいたいのですが、現在まで民放とOHKに対して番組を提供しておりましたね。これをできればひとつこの一年間ぐらい、忙しいところ恐縮ですが、大体どういう番組を沖繩民放に対して提供しておったかということですね。そして、それについては全くただでやっているわけでもないと思いますね。ですからそういった、何と言いますか、貸し料と言いますか、そういったものがどの程度払われておったのかどうか、向こうから。そういったものについてひとつ後ほど資料をほしいのです。これはニュースとかあるいはドキュメンタリーものとか海外取材番組とか、ああいうものがありますから、おおよそのプログラムを全部というわけにいきませんから、大別していただいて、どの程度の本数が行っているか。これをひとつ資料で出していただきたいと思います。
○国務大臣(小林武治君) いま鈴木委員のお話になったことは、これはもう沖繩自身の問題として昨年十月この法律ができるまでにも沖繩においては相当な論議を尽くして、たとえばいまの民放を改組するようなことまでいろいろ論議のあったことを聞いておりますが、お話のようなことは沖繩自身の問題として、これはもう十分注意していただけるものと思うのでありますし、この国会の論議につきましても沖繩としては議事録もよくごらんになる、こういうように思うのでありまして、皆が期待するような運営を私どもも望んでおる、こういうことでございます。
○参考人(川上行蔵君) NHKは現在先方の民放局に四時間半の番組を提供しておりますので、リストにまとめまして資料を提出するようにいたします。
○鈴木市藏君 この間この問題が本委員会で取り上げられましたときに、事柄それ自身については私たちもこれは賛成するのにやぶさかでありませんが、ちょっと手続の問題、国内法その他の問題で若干解釈と言いますか、その不一致点があるかのように思われますので、この点をやはり統一しておかないと、放送法と今度の関係との間に疑義が生じて、これがまた将来によくない影響を与えるおそれがありますので、この点だけについて、時間もありませんことですから質問をひとつ集中的にしてみたいと思います。
 そこでこの間大臣がちょっとおられなかったのでお答えをいただきたいと思います点は、今回の沖繩放送協会が設立されたことについて、沖繩にこのような放送施設を無償提供する、貸し付けすることについてNHKがこれを行なうのが適切であると判断した根拠は一体どこにあるのか。この点をひとつお聞かせいただきたい。
○国務大臣(小林武治君) これは先ほども私が申し上げましたが、どこでやらなければならぬというしっかりした基準はありません。現在先島地区等においては、まだOHKがなかった際にとにかくそこに放送の受信ができるように、こういうことで政府が援助して、これをもとにして昨年暮から沖繩放送協会にこれをお願いしているということでありまして、先ほども私が申したのでありますが、マイクロウエーブの沖繩端局についても政府援助でやったこともありますし、また今度の増設の回線は政府援助の金が回りかねると、こういうことでこれは財政投融資でやってもらう、こういうことに一応きめております。したがって、沖繩に対する有数十億円の金の援助資金が回せるならここに回してよかったと私は思うのでありますが、沖繩と日本との相談の結果そこまで手が回りかねると、たまたま沖繩にはNHKと全く同性格なOHKができて、将来たとえば沖繩が返還される場合にもまたいろいろなことを考えなきゃならぬと、これらのことを考えて、NHKに援助をしてもらっても、私は必ずしも不適当だとは思わない、こういうことで、これを沖繩側の希望もあってNHKにやってもらうことになったと、こういうことでありまして、えらい正確な基準とか理由とかいうものはありません。これで願っても、そう適切を欠くものではないと、こういうことでお願いをしたと、こういうことでございます。
○鈴木市藏君 いまの大臣のお話は話としてはそれ自身わかりますが、つまりNHKの業務の性質、範囲を規定している放送法がございます。この放送法との関係において、このような形でNHKが施設を提供する、施設を貸与するということの持っている手続上のむずかしさですね。つまり解釈上どうもそこに不統一が生じてくるという点について、政府はどういうふうにお考えになりましたか、その点が一点ですね。
 それからもう一つお伺いしたいのは、政府は三億五千万円の金が沖繩援助の金の総額の中からは出せないので、NHKにこれをやってもらうのが適切であるというように考えたということを先ほど申されましたが、そうすると、三億五千万円の金の出し場所が、NHKにいわばこれをやらしたという理由になるのでしょうか。その辺のところはどうもはっきりしないように思いますが、重ねてひとつ御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(小林武治君) NHKは国内においてあまねく受信のできるような施設をしろと、こういう規定がありますが、もう一つは、海外の同胞に対しても国際放送等しておるのは御承知のとおりであります。それからしでいまの設計等も、技術援助等もできる、こういうことになっておりますが、沖繩島にこういう設施をするということは、いまの放送法の中でこれが規定されてはいない。したがって、臨時に特例をこれでつくると、こういうふうになっておるのであります。したがって、沖繩にもみな日本人の同胞がおる。その同胞に沖繩・内地一体化のための放送をできるだけ便宜をはかって、そうしていくと、こういう必要もあるのでありまして、前には日本政府が先島をつくった際には、沖繩には公共放送はなかった。したがって、まあこれは経営主体がどうなるか全然わからないときに、早くにとにかく放送をしたいということで、あれは政府が援助したが、たまたま昨年十月NHKとほとんど同じ性格の公共放送ができたからして、NHKがこういう形をとっても必ずしも不適当ではないと、こういうことでやったのでございます。で、これはなぜ政府援助でやらぬかと、私は政府援助でやることも相当な努力をしたが、これもできなかったと。しかし、たまたまとにかく沖繩放送協会というものが、こういう施設を新しくして、NHKの親類といってはどうかと思いますが、同じ性質のものがやるということで、これはむずかしく考えると、何か割り切ったようなことは言えません。政府援助でやっても差しつかえなかった、またやるような努力もしたことがある。だから、おまえお金が足りないから、ここへ持っていったんじゃないかと、こう言われれば、そういうこともありますが、しかし、そのことが、NHKにそれを願うことが適切でないということでお願いしなかったと、こういうことであります。
○鈴木市藏君 ですから、その辺のところは、言わんとしている政治的な意図というものはわかります。沖繩県民にという立場で私たちが協力するということ自身の事柄の本質はわかりますけれども、そのことが正しいから、目的が正しいからということで、手続がそれは大ざっぱで、それでというわけにはいきかねるのではないかという気がいたします。せっかくやはり国内法の中でも放送法がつくられてあるんですから、私は事放送法に関する限りは、放送電波に関する限りは、この放送法は憲法的な性格を持つ法律だというふうに思っているわけです。ですからこれをもし変えるとするならば、やはり放送法を全面的に改正するということが基本的なたてまえでなければならないにもかかわらず、こういう単立法をお出しになって、そしてなしくずし的に放送法の拡大解釈が政府の御都合によってできるかのような印象を与えることは、いささかどうかという気がいたします。ですから今度の法律がこれきまりますれば、この法律の持っている性格からして、これは現在の放送法の改正の法律だ、実質的には現在の放送法が一部改正されたものとしてこの法律が出てきた、こういうふうに解釈せざるを得ませんけれども、それでよろしゅうございますか。
○国務大臣(小林武治君) これは放送法の改正をやらなかったということは、いまおっしゃるようにこういうものはできるだけ限定をする。したがって、これは一時のこの施設のことをやるんだ、こういうふうにきまっておりますから、本法を変えるのは適当でない、これで終わりなんでございますから。そういうふうな限定された内容であるからして特別の立法にした、こういうことでありまして、これは継続、反復するなら放送法を変えてもいいじゃないか、こういうふうな問題が起こりますが、そうでなくこれに限るんだ、したがって、こういう特例法が出た、こういうことでございます。
○鈴木市藏君 つまり私の聞いておるのは、この特例法というのはそれ自身一人歩きするんですけれども、同時にそれはNHKの事業の性質、その範囲を規定した放送法にのっとりますると、どうしてもこれは放送法にプラスこの法律だ、こういうことになるんです。プラスこういう法律ができたんだ、だからこれは放送法の一部改正という解釈が当然出てくるんじゃありませんか、この法律の性格からいって。そういうふうに解釈してよろしゅうございますかと聞いておるんです。
○国務大臣(小林武治君) 一部改正と申しますか、とにかくNHKのなし得る仕事に、これが一つ、この仕事だけプラスになったと、そういうことです。
○鈴木市藏君 プラスになったんでしょう。加わったでしょう。だからそれは当然放送法には、このあなたの出されたこれを見ましても適用ということが書いてありますよね、事業の範囲の適用だ、九条各項の適用だということを言われておりますから、当然そうすればこれは放送法に付随する法律というか、放送法の範囲に一つ何かをプラスした法律というものとして、どうしてもそれは性格上、取り扱い上、この法律それ自身は、やっぱり放送法それ自身の改正ではないんだけれども、放送法を構成する法律の一部として、これはやはり認めざるを得ないんじゃないか、解釈上そうなるのではないか。この辺の解釈を統一してもらいたい。一番最初私が言った質問の趣旨はそういう点です。
○国務大臣(小林武治君) それでけっこうでございます。
○鈴木市藏君 それでけっこうだということで、これでちょっとNHKのほうにお聞きするんですが、この放送法の一部を改正するという実質上の性格を持つものとして、これが出されたことについて、NHKはこれをどういうふうに受けとめられたのか、この辺のところをひとつお聞かせ願いたい。
○参考人(川上行蔵君) 沖繩と日本とは法律体系が違いますし、また同時に将来、これが一体となるということも単なる予想でございます。確実な根拠があるわけではない。ただ、先ほど大臣がおっしゃいましたようないろいろな観点から、特に沖繩が同胞であるということ、しかも非常にNHKの番組を見たがっている。そのために、すでに今日まで現地の商業放送に数多くの番組を提供しているという事実、それから現地から今回要請があり、また、大臣からもそういう要請を受けたということ、いろんな条件を勘案いたしまして、しかも、いま大臣がおっしゃるような時限立法的であるということでもございましたので、今回、そういう予算の形におきまして提出いたしました。それで、もしかこの法案が認められれば、という条件がつきました形において、予算案を御承認いただいた、このように考えております。
○鈴木市藏君 この間のこの問題に対する質問では、NHKはむしろ自主的な立場で進んで沖繩にこのような援助を行なうことが正しいと考えたという御答弁でしたと思いますが、それで間違いございませんか。
○参考人(川上行蔵君) NHKの予算は、NHKが自主的に編成するというたてまえで今日までまいっておりますし、放送法上もそういうたてまえかと存じます。それで、かりにこの法案が先にできておりましても、NHKが、その作業におきましてあるいは自主的にこの予算を組まないという場合もあり得るかと思います。いまの場合は、先ほど申し上げましたような形において、自主的に予算を組みまして、そしてこの法案が通過しましたという条件つきで、これを認めたと、このように考えております。
○鈴木市藏君 その辺のところは、これから問題も起きますから、明らかにしておく必要があると思いますが、NHKが自主的できめたという、その判断の根拠になるものは何でしょうか。
○参考人(川上行蔵君) 先ほど申し上げましたように、沖繩現地の人々がみな同胞であり……
○鈴木市藏君 それは政府が言っているからいいです。NHKとしての自主的な判断をお聞きしたい。
○参考人(川上行蔵君) NHKとしては、予算編成は自主的にやるべきだというたてまえにおきまして、そういう前提条件を勘案いたしまして、自主的に組んで、それで提示したということでございます。
○鈴木市藏君 この辺のところが、私はNHKのいささか、放送法を堅持しなければならないNHKの立場としては、自主的ということばで解釈を統一されたと思いますが、問題を将来に残すんじゃないかというふうに思います。それはどういう点でそういうことになるかといえば、これは当然NHKのきめられた業務の――現在の法によってきめられた業務の範囲を越えることでありまするから、当然これはNHKがいかに自主的できめてもきめ切れる性質のものではないわけでございます。希望を表明するとか、そういう意見を持っているとかということは自由でありまするが、いやしくもNHKは、やっぱり放送法のたてまえからいって、法の範囲を越える問題をNHK肉身が自主的にきめるということは、一体これはどういうことなんですか。
○参考人(川上行蔵君) 先ほど申し上げましたように、法案が通過すればという条件を前提といたしまして、自主的にきめているということでございます。
○鈴木市藏君 そういうことというのは、できないんじゃないですか。これは仮定論になりますけれども、法案が通過すればということをあらかじめ想定して自主的にきめて、しかも、自分たちの業務の性質を規定している法律外のことを、NHKが自主的にきめるというのは越権ですよ。この辺のところは、どう考えてみましても、私は事柄の性質として、NHKとして自主的にきめたと、したがって、三億五千万円の金もNHKは自主的に予算としてきめているんだということを言い張るのは、これはいかがなものかと思いますが、それでほんとうによろしゅうございますか。
○参考人(川上行蔵君) けっこうでございます。
○鈴木市藏君 それならばお聞きしたいと思いますが、その自主的におきめになって、放送法が、いま大臣もその解釈でよろしいと言われました。つまり放送法の改正をする法律としてこれが出て、NHKの業務の範囲がそういうことで一部改正をされるという、そういう内容を持つ法律ですね、この法律は。そういうふうなものだということは、NHKにとっては、非常にこれは大きな一つの転機を画する問題でもあると思います。どうして、こういうふうな問題を提起された場合に、NHKはこれを広く皆にも聞き一NHKの経営そのものの本質は、やはり広範な国民多数の受信料をもとにして成り立っている、運営がそういうことから成り立っているものでありまするから、当然そこでお考えにならなければならない何ものかがあったはずであります。法に基づいてやる場合は差しつかえありませんけれども、法の範囲を越えてやろうという場合に、当然そこにはみずからを拘束するものを感じなければならないはずなんですが、その辺が少しも出てこないということはどういうわけですか。たとえば、これを何らかの形でNHKが世論に聞くなり、NHKとしてこの考え方を持つことにして、しかるべき機関によって討議をするなり、あるいは、できれば私は参考人の意見も聞いてやるとかいったような、そういう措置をとらずに内部だけで行なうことは、私は、問題の事柄からいって、政府の強い要請のもとでNHKがこれを引き受けたのだろうと想像いたしますけれども、そういうことを私が質問しても、そのとおりだとは答弁しないでしょうけれども、その自主性というものの範囲が、いかにも内部的に局限をされていて、それで法の範囲を越えることをきめることが自主的にできるのだというような、事柄の性質がいいからということだけでは、それは私は、ちょっとカバーするには不十分な御答弁ではないかというふうに思っているんです。
○参考人(川上行蔵君) 自主的にと申し上げましたのは、予算案を提出することを自主的にということでございまして、国会でこの予算を御審議いただきます際にも、沖繩に対する三億五千万円の援助が入っているということ、しかも、それは特別立法を国会で御審議いただいて、その経過を見、成立を見てから支出いたしますということを申し上げているのでございますので、その支出につきましては、決してわれわれが自主的に、かってにできるというたてまえで考えておりません。先ほど申し上げました自主的と申しますのは、予算案を提出することを自主的に検討した、そういうことでございますので、御了承願いたいと思います。
○鈴木市藏君 私は、ちょっとこれには問題があると思います。そうして、なぜそのことを私たちがはっきりしておかなければならないかというと、昨年の八月ですね、沖繩でこの放送法ができたときに、沖繩のマスコミの労働組合が、この放送法の制定に反対をしているんですよ。これはやはり十分に考えなければならないことだ。これは民放との関係があって、そうなのかということも想像できますけれども、沖繩のマスコミの労働組合が、この放送法の制定に反対しているということは、少なくとも現地の意見が、特にこうした業務に関係する労働組合がどういう見解を持っているかということは、少なくともわれわれはやはり知って、この法案を通過させるについて、見解を統一していく必要があるのではないかという気がするんです。その辺のところがわからないわけです。どういう理由でどういう反対論が行なわれたのかわからないので、私は、NHKなりあるいは政府のほうで内容がおわかりになっていたら、ぜひひとつ知らしていただきたいと思います。
○参考人(川上行蔵君) 昨年の八月、一種の単独立法という形で通過したそのいろんな社会的な、あるいは政治的なバックは、私はつまびらかにいたしておりませんが、今日NHKの番組がOHKによって全面的に受け入れられ、現地で放送されるということにつきましては、反対がない、むしろそれを歓迎される空気であるということを了承いたしておりました。それで、こういう形をまあ漸次とってきてまいっております。それで、先ほどもちょっと申し上げたかと思いますが、この三億五千万円の援助ということは、あくまでも現地の自主性を尊重する、あるいはいままでありました沖繩の放送秩序を乱さないということを十分に考えて援助してまいりたいと、このように考えております。
○鈴木市藏君 沖繩の放送秩序というのが、やっぱりこれ問題の一つなんですね。たとえば、いま沖繩と本土間のマイクロ回線というもの、及びその割り当てまで含めて全部アメリカ軍が握っているわけです。NHKの放送の番組まで握っていると思うんです、これは。そうすると、沖繩の放送の秩序というもの、あなたがおっしゃったこの秩序というのは、これを前提としていることですね。そう解釈してよろしゅうございますな。
○参考人(川上行蔵君) 秩序と申し上げましたことが少しむずかしくて、変な意味に解釈されますとあれなんでございますけれども、現地にございました商業放送二局の経営とか、あるいはそういう二局でやっておりました仕事のしかたということに異常な混乱を与えないようにという考え方でやっておるわけでございます。それからNHKの番組をどういう受け入れ方をいたすかしれませんけれども、現地のほうでは、現在NHKの番組を十三時間導入したい、このように申しております。しかも、それは数年後には十八時間をまあやりたいというように考えておりまして、その間の番組の選択その他につきましては、OHKが自主的にやるというようにも話を聞いております。
○鈴木市藏君 どうもこの辺のところは事情がつまびらかでないので、時間があれば、私はこの際沖繩の現地のしかるべき関係者を呼んで、非常にいい機会ですから、本委員会としても沖繩現地のなまの声を参考として聞くということは非常にいいと思うんです。その手続がとれるかどうか、法案成立の関係との間でですね。ひとつ委員長のほうで御勘案願いたいという希望を申しておきます。
 それから、これ妙なことをお聞きするようですが、この場合のNHKの無償の提供の性質というのは、投資と呼ばれる性質のものですか。
○参考人(川上行蔵君) 使用貸借−賃貸借に対応する使用貸借、このように考えております。
○鈴木市藏君 そうすると、それは今後NHKの出してくる予算費目の中のどういうところに該当することになるんですか。
○参考人(川上行蔵君) NHKの資産として減額が残存していく、このように考えております。
○鈴木市藏君 NHKも、今後幾らかの収入が、この提供によって、番組を提供することによって入ってくるわけですね。それはどのくらいでございましょうか。
○参考人(川上行蔵君) 番組の種類それから量によっていろいろ変わってまいりますけれども、いま一応試算をいたしておりますのは、約三千万円ぐらい使用料が入ってくる、このように考えております。
○鈴木市藏君 そうすると、それはNHKの収入の費目の中ではどういう項目になるのでございますか。
○参考人(川上行蔵君) 雑収入でございます。
○鈴木市藏君 それは雑収入という中で出てくるわけでございますね。そうすると、どういうのでしょうかね、そういうものの持つ性質というものは非常に特殊なものだとは思いますけれども、NHKの雑収入というものの中に他にもそういうケースがあるのでございましょうか。
○参考人(川上行蔵君) 海外各国へ番組をいろいろ提供いたしておりますが、それらのような聴取料以外の収入というものがそういうところへ入っておるわけでございます。
○鈴木市藏君 そうすると、その収入が雑収入で海外放送その他と同じような形で取り扱われるということになると、そういう面から見ると、やっぱりNHKの、今度のOHKというのですか……
○参考人(川上行蔵君) OHKです。
○鈴木市藏君 OHKに対する提供のしかたというのは、これは海外放送的なものに準ずるというのが、そういうものの性格だというふうに見てよろしゅうございますか。
○参考人(川上行蔵君) 先ほど申し上げましたように、幾ら同胞が大部分を占めておる国でございましても、異法域であるという形、違う企業体という形で、そのように考えております。
○鈴木市藏君 そうすると、海外放送の一部だと、こういうことですね。
○参考人(川上行蔵君) 海外提供の番組の一部、このように考えております。
○鈴木市藏君 この辺のところですね、つまり、だから結局海外放送の番組の一部提供ということと、先ほどから言っている、つまり自主性という問題の範囲の問題ですね、この辺のところは、後日問題が起きないようにぜひひとつ統一しておく必要があるというふうに思います。できれば、やはりそれはちゃんと雑収入でなくて予算費目の中に明示すべき性質のものだと思います。なぜかなれば、その雑収入というものは、海外放送というものから入ってくる収入などが含まれている点が多いかのように御答弁なさっているからです。これは非常に問題を起こすと思います。
 そこで、最後に一言だけ聞きたいと思いますが、NHKは、先ほどの答弁によりますると、十数時間にわたって番組を向こうへ送る、しかし、向こうの放送法のたてまえを見ますと、あくまでも番組の編成は自主的にきめるということを言っていますね、向こう自身で。そうすると放送はなまのままでいっても、向こうでカットをして適当に一やっぱり自主的に組みかえることができる、向こうの放送法によればそうなっているのですが、そういうふうなものとして解釈してよろしゅうございますか。
○参考人(川上行蔵君) 違う企業体でございまして、向こうが編成権を持っておりまして、提供をいたしましたものが、著作権法上のいろんな制約があるかと思いますが、それ以外の取捨選択というものはあくまでも先方にある、このように考えております。
○鈴木市藏君 そうすると、その自主的に向こうが編成をするというものの、こうこうこういうものであろうということの想定はつきますか。
○参考人(川上行蔵君) いずれ提供する時期がまいりましたら、かなり前に具体的にどの番組とどの番組ときまるかと思いますが、現在はまだそこまでは打ち合わせはできておりません。
○鈴木市藏君 つまり私たちがその辺のところで一つ懸念を持つことがあるのです。それは沖繩におけるところのアメリカ軍、あるいはいまの東南アジアにおけるアメリカ軍のやり方について、かなり日本のニュースというものはいま遠慮なく書いていると思いますが、あるいは放送していると思いますが、そういうものがチェックされるのじゃないかという気がしてならない。たとえば、きのうの新聞にもあったように、やはり国道をアメリカの弾丸を載せたトラックが突っ走っているなんというのは、非常に一つのやっぱり不安を呼ぶニュースですが、もしああいうふうなものがそのまま放送になっていっても、チェックされるのじゃないか。そういうことは考えられることでしょう。
○参考人(川上行蔵君) まだそういうこまかいこと打ち合わせしておりませんが、先方で一番要請しておりますのは、NHKのニュースを同時に中継してほしいということが中心になって、番組編成全体の打ち合わせが進むかと思います。
○鈴木市藏君 その辺のところを何とかなまのままでいけるというような一つの話し合いできめることなんでしょうけれども、確約というふうなものがないと、これは、事と次第によると、沖繩が戻ってくるのを早くするための施設になるのか、それともそうでないものになるのか、見当がつかなくなる危険さえありますよ。この沖繩の放送法の内容を見ますと、非常に主席の権限というのは強いですからね。番組の編成に対してさえも主席は介入できる、そういう解釈ができるのですよ、この放送法によれば。だから、それでその主席は当然アメリカの施政権者のもとにあるのですから、現在まだこれは沖繩におけるところのアメリカ軍の干渉、そういったようなものを呼び起こす道具に使われないという保障は私はどこにもないと思うのですよ。一番私たちが懸念する点はその辺のところです。それについては、NHKは何か検討したことはございますか。
○参考人(川上行蔵君) 現在も、商業放送でございますが、局にニュースを提供いたしておりますが、そういう問題があったということは聞いておりません。
○鈴木市藏君 これはまだ現に放送を開始していないから具体的な問題について出てこないということなんですか。
○参考人(川上行蔵君) 現在商業放送二局にニュース番組を提供いたしております。その実績で私たちはものが言えるだけでございまして、まだOHKのほうはこれからできる局なので、これは私たちの直接の仕事とまだつながりございませんので、そこのところは、今後御趣旨によりましてその面を固めていくということになるかと思います。
○鈴木市藏君 NHKのほうはそれでわかりました。電波監理局のほうはどうなんですか、その辺について。つまり、もう一度言いますよ。沖繩−本土間のマイクロ回線は、その割り当てを含めて全部アメリカ軍が握っているのですよ、現状は。これ事実を認めますか、まず第一に。
○政府委員(石川忠夫君) 私どもの所管でございませんので、何ともお答えのしようがございません。
○鈴木市藏君 どこの所管だとおっしゃるのですか。
○政府委員(石川忠夫君) 電電公社とそれから琉球電電とでございます。
○鈴木市藏君 語尾がはっきりしないからはっきりしてくださいよ。どこですか。確信がなければないでいいですよ。
○政府委員(石川忠夫君) これは所管でございませんので私が答弁する限りではございません。
○鈴木市藏君 しかし、向こうがマイクロ回線をどこが握っているかということをわからずして、それはおかしいじゃありませんか。あなた、さっき鈴木強委員の質問に対して、電電公社は答えていましたね。どうなんですか。電電公社のほうも知らないですか。日本の電波監理行政の責任者として、そんなことがわからないですか。どういうことなんですか、具体的に大臣にお聞きする、ちゃんと答えてください。そんなばかな話ないです。
○政府委員(石川忠夫君) 中身についてはわかりません。
○鈴木市藏君 それじゃ大臣、大臣も中身わかりませんか。
○国務大臣(小林武治君) わかりません。
○委員長(久保等君) ちょっと速記をとめて。
 〔速記中止〕
○委員長(久保等君) 速記を起こしてください。
○鈴木市藏君 そういう逃げ口上を言ったらだめなんだ。沖繩−本土間のマイクロ回線は、割り当てを含めて全部アメリカ軍が握っている事実を御承知ですかって質問しているのです。
○政府委員(石川忠夫君) 中身については承知いたしておりません。
○鈴木市藏君 中身を聞いているのじゃない。いま言ったことを聞いているのですよ。アメリカ軍が握っているということを御承知ですかって聞いているのです。
○政府委員(石川忠夫君) 承知いたしておりません。
○鈴木市藏君 承知していないのですか、ほんとうに。それはずいぶん怠慢な話じゃありませんか。沖繩と本土間におけるマイクロ回線はアメリカ軍が握っている、現に。NHKの番組の放送でさえ握っているのですよ。それは当然のことじゃないですか。現在アメリカの施政下に入っているということは、あなた認めざるを得ないじゃないですか。佐藤総理が、両三年のうちに日本に沖繩が戻ってくるということを言っているが、現在アメリカ軍の施政下にあるということ、それは認めますか。あたりまえのことじゃないですか。そんなあたりまえのことがどうして何かひっかかりがあるのですか。素直に答えられないのですかね。そんなばかな話ないですよ。
○政府委員(石川忠夫君) 先ほど来いろいろ問題がございますようですが、私どもは、沖繩のOHKの放送は、やはり琉球政府の定めました琉球における放送法によって行なわれていると、こういうふうに考えざるを得ないのでございまして、放送法によれば、やはり日本の放送法と同じように不偏不党、自律の保障ということによって表現の自由を確保すると、こういうことが大前提の第一条にうたわれているところでございまして、私どもは、これによって放送が行なわれている、かように信じるわけでございます。
○鈴木市藏君 それは信じているということであって、事実は知らないと言っているのですから、これ以上追及してもしようがありません。
 クリアリング・ハウスというものをアメリカ軍が設置をして、これを統制しているという事実ももちろん知らないでしょうな。はっきり答えてください。
○政府委員(石川忠夫君) 承知しておりません。
○鈴木市藏君 NHKいかがです。
○参考人(三熊文雄君) クリアリング・ハウスというのは、録画機を二台置きまして、回線が一回線しかないものですから、それに御承知のとおりNHKそれから民放二社、この三つがその一回線を使うわけです。そうしますと、一回線を三つ一度に使えないので録画しておくわけです。時間をきめまして録画する機械がそこへ二台置いてあります。これはNHKの施設を、あそこへNHKとしまして置いておる次第でございます。
○鈴木市藏君 つまり沖繩の労働組合のマスコミ会議が反対声明をした一節の中にこれがはっきり入っている。これで統制をされるから、われわれはこの放送法の制定にも反対であるということがいわれているのですよ。この辺のところが非常に重要な問題だと思うのです。つまりアメリカ軍が握っている。アメリカ軍はいま言ったようなクリアリング・ハウスの設置をして統制をしている。これで自由な放送が保障されるかということで、沖繩のマスコミ労働組合会議は反対声明を出しているのですよ。この辺の事情について御存じですかとお聞きしているのです。
○政府委員(石川忠夫君) 存じておりません。
○鈴木市藏君 こういう事実がありますから、事柄それ自身は私たちもわかります。沖繩県民にこういうようなことをしてやるということはいいことだと思います。こういう幾つもの問題点があるので、これを明らかにするというのは、この委員会の一つの任務ですから、明らかにするのは当然のことです。後日問題が起きたときに、全くノータッチで通過さしたというわけにはまいりませんので、しかるべく、その辺のところについては厳重に私たち自身が本質を見きわめるのは当然のことです。それに対して、実に電波監理局長の答弁なんというものはなっていない。これは何もこの委員会であなたを私は特別抗議するわけじゃございませんけれども、事こういう問題について、全く知らぬ存ぜぬ――ほんとうに知らないとするならば、私は、その行政の責任を果たしていないものといわざるを得ませんよ。政治的な配慮があって知らないというならば、ずいぶん不親切な話だというふうに思います。現在クリアリング・ハウスの問題については、NHKは答えておられる。電波監理局長は知らないと言っている。この事実をしっかりと速記録にとどめて、そういうことで一体電波行政を監督ができるのかどうか、どうです。
○政府委員(石川忠夫君) 十分努力をいたしているつもりでございます。
○鈴木市藏君 まあ私の質問これで終わります。
○委員長(久保等君) ほかに御発言もなければ、本日はこの程度にいたします。
 次回は、四月十八日木曜日午前十時開会予定とし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十二分散会
     ―――――・―――――