第061回国会 逓信委員会 第24号
昭和四十四年七月一日(火曜日)
   午前十時二十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         永岡 光治君
    理 事
                新谷寅三郎君
                西村 尚治君
                松平 勇雄君
                鈴木  強君
    委 員
                植竹 春彦君
                長田 裕二君
                古池 信三君
                郡  祐一君
                白井  勇君
                寺尾  豊君
                久保  等君
                野上  元君
                森  勝治君
                浅井  亨君
                北條  浩君
                村尾 重雄君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  河本 敏夫君
   政府委員
       郵政政務次官   木村 睦男君
       郵政大臣官房長  溝呂木 繁君
       電気通信監理官  浦川 親直君
       郵政省電波監理
       局長       石川 忠夫君
       自治省行政局選
       挙部長      皆川 迪夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        倉沢 岩雄君
   説明員
       自治省行政局選
       挙部管理課長   植弘 親民君
       会計検査院事務
       総局第五局長   小熊 孝次君
   参考人
       日本放送協会会
       長        前田 義徳君
       日本放送協会副
       会長       小野 吉郎君
       日本放送協会技
       師長・専務理事  野村 達治君
       日本放送協会専
       務理事      竹中 重敏君
       日本放送協会専
       務理事      川上 行蔵君
       日本放送協会専
       務理事      志賀 正信君
       日本放送協会専
       務理事      佐野 弘吉君
       日本放送協会経
       営企画室主幹   野村 忠夫君
       日本放送協会経
       理局長      池田 直和君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本放送協会昭和四十一年度財産目録、貸借対
 照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書
 (第五十八回国会内閣提出)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
○委員長(永岡光治君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 日本放送協会昭和四十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。
 本件に関し質疑のある方は順次発言願います。
○久保等君 昭和四十一年度のNHKの決算の質問に入ります前に、若干当面の通信放送衛星の問題についてお尋ねをしたいと思います。
 この六月の二十三日からワシントンで例の通信衛星の政府間会議のいわば準備会が開催せられておるようです。そういった情勢もありますので、通信衛星の問題について、まず最初にお伺いしたいと思うのです。先般、参議院を宇宙開発事業団法が通過をして成立を見たわけなんですが、これに関連して、当逓信委員会でも、この法案の審議の過程で連合審査会等が持たれて審議に参画をいたしましたが、宇宙通信、特に通信衛星の問題が当面の大きな問題にクローズアップしてきていると思います。具体的な計画としても、すでに先般のその審議の過程で明らかになりましたように、昭和四十六年度には、できれば電離層の観測衛星を打ち上げたい、あるいは昭和四十八年までにはできれば通信衛星を打ち上げたい、まあ、こういったような構想もあるようでありますが、今後の通信放送衛星のあり方の問題については、NHKはもちろんのことですが、郵政当局にしても、今後の基本方針等についてせっかく検討中だと思われます。そこで、目下開かれておりますワシントンにおける予備会議の模様等について、郵政当局のほうから最初にお伺いしたいと思います。
○政府委員(浦川親直君) ただいまお触れになりました六月二十三日から開かれております備準会議でございますが、参加国が三十六カ国、それからオブザーバー五カ国というふうになっております。で、七月十一日まで続けられる予定でございますが、作業の進捗状況が思わしくない。この分でいくと、十一月に本会議を開く予定でありますが、それに提出するドラフトというようなものも、今度の準備会議では若干危ぶまれるのではないかというような報告が来ております。そういたしますと、やはりその中間に、また準備会議というようなものをあるいは持たれるかもしれないというような状況でございまして、あまり現在まで進展を見ておりません。さような状況でございます。
○久保等君 非常に何か悲観的な模様のようですが、先般のこの委員会でも、あるいは連合審査の過程でも、各委員から異口同音に言われておりまする問題は、例の地域衛星を日本が将来打ち上げる余地を確保するという問題があります。そういった問題がおそらく中心になってなかなか先行ききわめて暗いような模様ではないかと思われるのですが、いま電気通信監理官の御説明、抽象的ですけれども、もう少し具体的な面で、各国の動きがどういう状況になっておるのか、そういった点もわかる範囲でひとつ御説明願いたいと思います。
○政府委員(浦川親直君) 今回の会議の模様でございますけれども、ただいま申し上げましたように、具体的にこういうことを議論したというような報告はまだまいっておりません。作業部会をどういうふうにつくるかという段階、手続をどうしようかというようなことをいま相談をしておるような状況であります。具体的な内容にまで入っておらないような報告になっております。
○久保等君 会議の持ち方、それからどういう問題等を中心にして相談するか、いまの御説明だと、入り口のところで何か非常に暗いような話なんですけれども、それだとすると、予定された期間内にどうも相談をし、ある程度次の正式の会議までの準備をすることに時間的に非常に無理があるということであるならば、期間をもう少し延長してやるというような手も考えられるでしょうが、いまの監理官の御説明では、そういった本論に入らないところで、今後の会議の持ち方等について時間をとっておるようなふうに受け取れるのですが、どこらに問題があるのか。先ほど私がお尋ねしておるように、まあ本質的というか、本論のところの問題について、きわめて先行き暗いという見通しなのか、まあ、そういったことは当初から予想されていることですから、いまさら別に驚くにはあたらないと思うんです。もうすでに一週間たって、なおかつその会議が本筋のところにいかないという点はどういうことなのか、まだ、一週間程度だから、いまのところは海のものとも山のものともわからぬという意味なら、それはそれなりにある程度わかるんです。だから、連絡が十分にこないからよく現地の模様がわからないという意味なのか、そこらのところをもう少しわかるようにひとつ御説明願いたいと思うんですが。
○政府委員(浦川親直君) まだ細部にわたって詳しい連絡はまいっておりません。ただいま申し上げましたように、今週末くらいにこの手続関係をどうするかというようなことが大体見通しがつくのじゃないかと思います。御承知のように、この準備会議では本会議に出すところの草案を出すわけでありますが、それも一つの草案では必ずしもなしに、各国の主張した草案を二つ、三つ含めて出すということで、ですから議論のやり方、あるいは草案のつくり方というようなことがあるいは議論されているのじゃないかと想像するわけでありますが、詳しいことはまだ入っておりません。
○久保等君 少しさっきの説明よりはわかったような気がするのですけれども、まあ、それなら、会議での問題点をどういったところに焦点を合わせて下準備をするかというような、手続や作業の問題について時間的な関係もあって、まだある程度準備そのものも具体化しないのだというように理解していいんですか。
○政府委員(浦川親直君) そのように思っております。
○久保等君 それならば、会議の行き先が見通しとして非常に悲観的だというような判断じゃないと思うんです。あくまでもおぜん立てをして、本会議の運営をスムーズにしようという意味で持たれた準備会議ですから、大いにフリー・トーキングというか、率直な、しかも、非公式な話をする機会でもあると思うんです。したがって、格式張った会議で発言がどうだとか、こうだとかいう以上に、準備というからには、オープンに、正式な会議だけではなしに、次へのそれこそ地ならしをあらゆる角度からやるべき準備会議だと思います。そうだとしたら、もう少し精力的に、多角的に、多面的に各国との接触をするとかいうような意味で、大いに活動すべきだと思うんですね。だから、そういう点で、もし本国というか、日本の政府のほうから指示を与える必要があるなら与える、あるいは連絡等も十分にとりながら会議を有効に進められるように努力すべきだと思います。それこそお手のものの通信を持っておってどうも連絡がないとか、連絡がとれぬとかということでうまくいかないのだということでは、それこそ紺屋の白ばかまのそしりを免かれないと思うのです。壁頭の監理官の御説明では若干私の受けた印象では、いま最後のほうで説明せられたようなことによって若干事情がわかりかけたような気もするのですけれども、暗いというような発言は情勢判断としては適当じゃないのじゃないかと思うのですが、どうですか。
○政府委員(浦川親直君) 見通しが暗いということではなしに、会議が十一日まででございますので、いまのところこの会議までには、全部の草案をまとめて書き上げるということは無理ではないかというような観測がされておるようです。そうしますと、もう一回九月ごろに開いたらよいのではないかというような情報も入っております。
○久保等君 今度やはり会議に臨むに当たっては、ある程度準備を日本側としてはする必要があるのじゃないかというようなことで、それぞれ関係者が集まって御相談にもなり、国内でのある程度方針なり、方向というものは相談したものを持って行かれたと思うのですが、いま言ったように、日数の面からきわめて無理だということなら、日数を延ばすこともいいでしょうし、それから九月ということなら、九月でもけっこうです。どうもいまの、手続的に予想以上に時間がたっておる、手間どっているという、そのどこらに予想以上に時間が手間どっているのか、連絡がどうもうまくないから、よくわからないという程度では、私もちょっと納得しかねます。一週間――当初から十一日までという予定で開催をしたのだろうと思うのですが、そうだとすれば、約二週間――二十日近い日程の中でどうしようかということで準備というか、開催をしたのだろうと思うのですが、もう少しそこらの、なぜ手続的に手間どっておるのか、その手続的というのはどういうことなのかわりませんか。
○政府委員(浦川親直君) まことに連絡が悪くて申しわけないのでございますが、現在、私どももちょっとその情報をつかんでおりません。
○久保等君 まことに知らないと言えば、質問のしようがないのだけれども、しかし、そういう知らないという態度では済まされない問題ではないですか。きわめて重要な将来の通信政策を根底から革新、変更しかねまじき通信衛星――放送衛星を含めてですが、そういう衛星の問題について、しかも、国会方面における意向も地域衛星の問題等については衆参両院を問わず、非常にやかましくまた言われておる問題ですし、そういう点では日本の国内の意向というものは完全に一致しておると思うのですが、そういう、いわば政府内外の強い方針なり、考え方というものがありながら、そういったものが何かできるだけ国際会議の中で軌道に乗せてわれわれの主張を理解してもらう方向に努力しなければならぬと思うのですが、そういうことで本年の三月に開かれたが休会になって、十一月からまた再開しようじゃないかという予定にすでになっておるわけです。その中間に開かれた今回の準備会議というものは非常にそういう点では大事な意義を私は持っておると思うのですけれども、もたもたして準備会議がスムーズに予定どおり進行しないということについて、その理由は何であるかと言えば、どうも理由はよくわからないということでは、どうも怠慢のそしりを免かれないと思うのです。このことについて、郵政大臣どんなふうにこの問題を見ておられるのか、大臣のひとつ御所見を承りたい。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほどお話のように、本会議は二月の下旬から三月にかけまして四週間にわたって開かれたのですが、なかなか意見がまとまりませんで、結局十一月まで本会議は延ばそうということで延期になりました。この春の本会議が事前工作準備が不十分のままに開かれましたので、成果があがらなかったというので、十一月の本会議前には何回も予備会議を開かれて、できるだけ準備体制を整えて臨もうじゃないかと、こういうことでこの春きまったわけです。その第一回の予備会議がいまお話しの六月二十三日から七月の十一日まで開かれると、こういうことでございますが、何ぶんにも参加者が先ほど監理官がお話いたしましたように三十六カ国出ておりまして、オブザーバーは五カ国、相当な数でございます。まだ十分な予備会議で成果があがったという報告は来ておりませんが、しかし、代表が出発いたします前に、十分作戦等も打ち合わせまして指示してございますので、そのうち何らかの報告が参ろうかと思います。ただ、当初からこの六月から七月にかけての予備会議だけではとても問題は解決しないのじゃないか。もう一回も二回も開かれる必要があるのじゃないか、こういう態勢でございますので、まだ会議が開かれまして一週間ばかりでございます。そういうところでございますので、十分な成果はあがっておらぬのではないか、こういうふうにわれわれも観測しておる次第でございます。
○久保等君 大臣のいまの御説明だと、多数の国々が集まって相談をしておる関係で、そう能率的に議事が進行するわけにもいかないというようなふうにもとれる御発言ですが、そのことは私もわかります。ただ、先ほど電気通信監理官の答弁だと、何か予想以上に情勢がどうも思わしくないというようにとれるような発言だったのですけれども、情勢判断として大臣はそういう一体判断をしておられるのかどうか、思った以上になかなかどうも情勢がきびしいというふうに判断しておるのか。いまの大臣の答弁の限りでは、多数の国々が集まってやっておることだし、そう思うように議事進行という形にならないのも若干やむを得ないというふうな、単に議事が多少非能率的というか、思ったほどに進捗状況が芳しくないという程度に理解していいのか。そこらのところは、やはり現在の情勢をどう見るか、一つのやはり重大な私はポイントだと思うのですが、その点については大臣、どんなふうにお考えですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほども申し上げましたように、なかなか問題点がたくさんございまして、予備会議を一回や二回開いただけではとてもまとまらぬ。もう何回も開く必要があるのじゃないか。しかも、十一月の本会議までには、あるいは予備会議でまとまらぬかもわからぬ。そういう場合には、十一月の本会議をもう一回延ばすかあるいはもう一回開いてまとまらなければ、第三回の本会議を開くなり、そういうこともしなければならぬのじゃないか、こういう見通しがあったぐらいでございますから、当初から、そんなに予備会議を開いて、一週間や十日で問題が煮詰まっていくということはとうてい考えていなかったわけでございます。したがいまして、まだ会議が開かれましてから、一週間ほどでございますから、これはもう予定のとおりでございまして、われわれも別に悲観もいたしておりませんし、驚いてもおりません。
○久保等君 大臣のそういう答弁なら理解できます。したがって、先ほど私申し上げたように、なかなかそれは各国、しかも、利害関係必ずしも一致しない今後の重大な問題をはらんでおりますだけに、できるだけ時間をかけ、できるだけ回数も重ねて、できるだけ準備会議としての任務といいますか、十分な成果をあげるようにつとめてもらいたいと思うのですが、そのことを当面の問題として、ぜひ大臣にも要望しておきたいと思うのですが、ただ、本年の三月以降休会に現在なっているわけなんですが、当委員会でも、何回か指摘されましたように、日本の考え方そのものについても、あらゆる機会を通じて各国に呼びかける、あるいはまた十分に理解を深めるような努力をすべきだということも指摘を申し上げたと思うのですが、本年の三月以降あまり日月はたっておりませんけれども、その後外交ルートなりあるいはその他通信関係者の間で、こういった問題について、具体的に何か対策といっては語弊がありますけれども、これに対するやはり行動をとられたのかどうか。若干でも何かそういった動きがあれば、御説明願いたいと思うのですが、これは電気通信監理官でけっこうです。
○政府委員(浦川親直君) 特別に二カ国同士で話し合うということはございませんでしたが、この五月のITU監理理事会に柏木監理官が出席いたしておりますが、こういう場面でも通信関係者が集まっておりますが、こういうところでも、そういうふうな話し合いあるいは日本の立場というようなものを――各国と相当接触しているというふうに聞いております。
○久保等君 これは大臣にぜひお願いしておきたいのですが、先ほど来申し上げておりまするように、もう少し積極的に日本の真意というものを理解をさせるような、やはり、私、努力は必要じゃないかと思うのですがね。これはいろいろな機会があるだろうと思うのです。何かこのインテルサットという形で、独占的な通信機構というものが固定化されていくことは、私は非常に問題があると思うのです。東南アジアの各国にしても、経済的な力の面、技術的な面等があって、ただ単に経済比較といったようなことが中心になってものごとを考えると思うのですけれども、やはりそれぞれ地域地域の特殊事情といいますか、各国各国のやはり利害関係のある問題ですし、特にアジアの通信衛星をどういう形で将来確保してまいるか、非常に大きな問題であろうと思います。それにあたって何かインテルサットの独占あるいは独壇場というような形になってまいりますことは、あまり好ましくないことだと思うのですが、そういうことについて、じっくり特に東南アジア近隣各国あるいは欧州方面と、接触をできるだけ深めてまいるという必要があるのじゃないかと思うのです。だから、そのことのためには特別に専門家等を派遣する――派遣するといっては大げさですが、何かの機会を利用して、十分にそうした場をつくって話し合いをするということを、積極的におやりになる必要があるのじゃないかと思う。たまたま恵まれた機会だけということじゃ不十分じゃないかというように考えるのです。あと十一月といっても、ほんのわずかしか実はないのですが、これは外務省当局あたりとも十分にそういった点の打ち合わせなりをする必要もあろうかと思うのですが、こういったことについて、何か具体的な大臣、お考え方ありますか。
○国務大臣(河本敏夫君) 会議のおもだった焦点は、インテルサットの構成をどうするかという問題と、御承知のように地域衛星を将来どうするかという問題、大体こういう問題点にしぼられているのじゃないかと考えております。
 いずれにいたしましても、七月の中旬には、代表団が帰ってまいりますので、予備会議の模様等を十分調べまして、いまお話しのように、必要ならば、各国の説得に当たるという方法も講じてみたいと思います。
○久保等君 この準備会議は会期が延長せられるということはないのですか。
○政府委員(浦川親直君) いまのところ延長ということは聞いておりません。あるいはそこの場で若干延長するということもあり得るかと思いますが、現在までには、そういうことを聞いておりません。むしろ九月ごろにもう一回やったらどうであろうというような声が出ているということの情報が入っております。
○久保等君 それじゃ、通信衛星の問題について、当面の国際会議の今後の運び方については、ひとつ研究というか、国内での意識統一を十分にはかり、スムーズに十一月の本会議が持てるように最大のひとつ御努力をこの機会に郵政大臣にもお願いをしておきたいと思います。
 それから今日通信衛星によって国際的なテレビの中継等が行なわれておるわけですが、先般この国際通信衛星による国際テレビの伝送料金の改定が行なわれたようですが、このことについて郵政当局のほうから御説明を願いたいと思います。
○政府委員(浦川親直君) 衛星中継によりますテレビジョン伝送につきましては、去る六月十八日国際電電の申請どおり、対米料金の値下げを認可いたしました。そのほかいままで料金が定められておらなかった地域につきましても認可をいたしました次第であります。これは御案内のような大容量のインテルサット三号系、これが打ち上がりましたので、在来はテレビを中継いたします場合には電話回線をサレンダーする、つまり、引き渡しを受ける。その料金を払っておりましたが、このたびこの三号系の衛星打ち上げによりまして、こういうことをしないで、テレビの常時伝送が可能となったということ。またインド洋に三号系衛星が、いま大体移動が終わりまして、ヨーロッパ方面、これのテレビ中継も近く可能となるというようにテレビの需要が増大してまいったというために、まあ少し値下げをしてもよろしいのではないか。
 それからこれの動機となりましたのは、すでにことしの初めにアメリカが大幅な値下げをいたしております。また欧米間、ヨーロッパ、アメリカ間におきましてヨーロッパ側も値下げをしておるというようなこともございまして、今回の値下げを申請してまいりまして、これを認可したという状況でございます。
○久保等君 その値下げ率等についてもひとつ御説明願いたいと思います。
○政府委員(浦川親直君) 日本側の、これは衛星までの料金でございますが、日本の基地から、基地と申しますか、東京なら東京から衛星までの料金、衛星からアメリカ、例えばアメリカ側ですと、アメリカ側の料金になりますが、その日本側の料金、従来は最初の十分間に白黒で千四百ドル、カラーで千七百五十ドルというふうにいたしておりました。これを新料金では一千百二十ドル、白黒、カラー込みにいたしまして、これは区別をつけませんで一千百二十ドル、したがいまして、白黒につきましては二〇%、カラーにつきましては三六%の減になっております。またビルマより東の東南アジア諸国、これにつきましては、大体現在の電話料金、その他が三分の二ぐらいということで、テレビ料金につきましても、これを適用いたしまして七百五十ドルというふうにしております。ちなみにアメリカ側のすでに値下げしております点につきまして申し上げますと、たとえばニューヨークでございますと、従来白黒が千八百二十五ドル、これが千四百ドルに、あるいはホノルルでございますと従来白黒千三百ドルが八百六十ドル、このように大体三〇%ないし五〇%近くという値下げを米国は二月ごろからいたしております。
○久保等君 日本側とアメリカ側との値下げの比率は違うのですか。日本側の料金が高いということになっておると思いますが、これはどういうところに理由があるのですか。
○政府委員(浦川親直君) これは地球局の経費というのは固定経費でございますが、もちろん、人件費等も若干ございますけれども、大きな部分を占めます固定経費が大部分を占めておりますからして、利用度数といいますか、利用が非常に多ければ割り安になるということが言えると思います。アメリカのほうは非常に利用度が多いというために値下げに踏み切ったのでございます。日本の場合も、それほどではございませんけれども、三号系衛星によっていつでも利用できるということで利用がふえるのではないかということで、これを見込んで若干値下げをした、こういう次第でございます。
○久保等君 値下げは今日まで何回行なわれましたか。
○政府委員(浦川親直君) 衛星の中継料につきましては、今回が初めてだと、記憶しております。
○久保等君 非常にアメリカ側の値下げの率は大幅にいわば、値下げされたようですが、日本の場合もいま説明を伺いますと、利用の頻度が高くなればなるほど、いま言った固定費なんかの面で割り安になるわけですから、将来、したがって利用度が高くなればもちろん値下げをする余地も出てくるのじゃないかという御説明だったのですが、そんなふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(浦川親直君) 大体五年くらいを見込みまして計算しておりますので、それが予想よりももっとその後ふえてまいるということになると、当然値下げということは考えられると思いますが、現在では、最初は当然、利用は少ない、だんだんふえてくるということで、最初は赤、あとは黒になるということで、五年分くらいでいま計算しております。将来、非常にふえれば当然、値下げも考えることができると思っております。
○久保等君 NHKのほうにお尋ねしたいと思うのですが、NHKでも、せっかく放送衛星の研究開発にたいへん努力をしておられる。この放送衛星の研究開発の現在の状況についてまずお伺いしたいと思います。
○参考人(野村達治君) お答えを申し上げます。
 NHKとしては、放送用の衛星につきましては、昭和四十一年から現在に至りますまで研究を進めておりますが、当初基礎的な問題を扱い、その後昨年から今後の放送用の衛星といたしまして幾つかの方式が考えられるわけでございますが、もちろん、用途は幾種類にもわたっておるわけでございます。
 一つは、直接放送する衛星でございますが、それからもう一つは、集団受信の衛星であるとか、さらには分配用の放送用の衛星になりまして、従来のインテルサットのやっております商業用の通信衛星と異なっております点は、受信地点がたくさんあるということにありますので、宇宙からくる電波の強さをかなり強くしまして、受信設備を簡単なものにするというところにあるわけでございますが、そういったことになりますと、電波としまして、従来インテルサットを使っております電波と同一帯を使うということがなかなかむずかしい問題がありますので、これにつきましては波長帯としまして、あるいはUHF帯の上のほうでありますとか、あるいはマイクロウエーブの短いものといったような別のところが考えられます。そういったものを使って国内なり、あるいは東南アジア諸国の地域衛星として使うといった場合に、どういったシステムが最もいいか、一体どれだけのチャンネルを持ってどういったアンテナの指向性で地域率をカバーするかといったようなことを現在検討を進めております。
○久保等君 現在まで昭和四十一年以来おやりになっておるようですが、この研究費、経費ですね、年度ごとに今日までどのぐらいになっておりますか、経費の面を御説明願いたいと思います。
○参考人(野村達治君) 四十一年度におきましては二億一千万円、それから四十二年度につきましては五億九千七百万円、四十三年度は四十四月の三月三十一日で締め切りまして四億二百万円になっております。
○久保等君 すでに通信衛星に関しては先ほどもちょっと触れましたが、開発事業団が発足を見ておる現段階で、ある程度、年次計画的なものを立てながら研究を進めておるんじゃないかと思うんですが、一応この放送衛星の一つのまとまった研究成果というもの、したがって、いずれ将来は打ち上げについては、開発事業団のほうでやるような段階を迎えるだろうと思うんですが、打ち上げまでの段階、研究段階というものはどの程度今後一応予定を持っておられるのか、四十八年に通信衛星を打ち上げようということがいわれておりますが、その通信衛星というものは、またどういう衛星なのかまだはっきりいたしておりません。しかし、放送衛星も昭和四十八年度ごろには打ち上げるとか、あるいは七〇年ぐらいには打ち上げるとかいろいろ計画が私はあるんだろうと思うんですが、今後の計画はどんなふうな計画になっておりますか。
○参考人(野村達治君) これは国の方針によって私きまると存じておりますが、私ども従来までの宇宙開発事業団のお話等を通じまして考えておりますことは、四十八年度に実験用の通信衛星がまず打ち上げられ、それに引き続きまして次の衛星が考えられるといったような段階だと考えておりまして、それに必要なシステムアプローチをいろいろ現在いたしております。それから、これに必要な基礎的な事項につきましては、衛星そのもの並びに地上の受信設備、あるいは使います電波はどういったものがいいかといったような点につきまして、基礎的な研究を現在進め、かなりな見通しを得ているわけでございます。
○久保等君 総合的にまとめるのは何といっても開発事業団のほうでまとめる。また、そのために開発事業団をつくったんだと思いますが、ただ、NHKの立場から研究いたされておるのは、放送衛星ということで研究をしておられると思うんですけれども、やはりNHKとしての放送衛星として現実に将来利用される、利用できるということを想定しながら研究をしておられると思うんですけれども、したがって、そのことの研究については、これは開発事業団なりあるいは科学技術庁といえども技術的な問題なんですから、やはり中心になってやられるのはNHKで当然お考えになり、研究せられるのだろうと思うのです。したがって、技術陣としていつごろぐらいまでに、この放送衛星というものの完成品をつくり上げようというおおよその、まあ何といいますか、時期を考えられながら研究しておられるのじゃないかと思うのですが、そういう時期的なことを判断しないでとにかくいろいろ基礎的なことを目下のところ研究しておられるという程度のことなんですか、どういうことなんですか。
○参考人(野村達治君) 現在のところでは、四十八年に引き続きまして、こういったものが実行の対象に上がるものというふうに考えておりますが、正確な点は、日本のロケット開発状況、あるいは外国でのロケットの状況その他によってだいぶ変わってまいるかと思っておりますが、現在のところ私どもがやっております、つまり郵政省が主宰しております通信衛星開発本部の仕事の一部としてやっておりますことを、並びに将来必要であろうと思われるような基礎的な事項につきまして進めておるわけでございまして、きわめて正確な時期については、ちょっと判断しかねる点もあるわけでございます。
○久保等君 それでは何ですか、NHKとしては、放送衛星としての星の一つの完成品といいますか、そのものをつくり上げるという構想のもとに研究をしておられるのじゃないのですか。
○参考人(野村達治君) テストモデルというような形では考えるべきだと思いますけれども、実際に打ち上げますものにつきましては、これはもちろん国としてやることでございまして、宇宙開発事業団にそういったことは委託してやるべきものだと考えております。
○久保等君 いや、私のお尋ねしているのは、現実に開発せられて星ができ上がった、まあこれを打ち上げるというような段階になれば、この前からも御説明をお聞きしている限りでは、そういう段階がくれば開発事業団に引き渡すというか、開発事業団のほうへやることになる。したがって、その段階では、出資という問題がきわめて具体的な問題として出てまいるのだろうと思うのですが、私がお尋ねしておるのは、その前段階の、その段階に至るまでの過程の、NHKでのこの放送衛星に関する研究の総体的なそのスケジュールというものをお尋ねしているわけなんですが、まあもちろんロケット技術の問題もありますし、また打ち上げた後の追跡技術の問題も、また、これたいへんな問題のようですが、そういった問題もありますから、もちろん関係者の間でいろいろ突き合わせをされるなりあるいは調整をされながら研究していかなきゃならないのですけれども、NHKだけの分担すべき分野というものは、私がいま申し上げたような放送衛星の完成品といいますか、放送衛星の、星そのものの完成品についてまでの研究は、NHKでおやりになるのじゃないですかという御質問をしておるわけです。その点について、どういう見解を持っておられますか。
○参考人(前田義徳君) ただいま野村技師長から御説明申し上げたとおりでございますが、私どもの立場を申し上げますと、先ほど野村技師長が指摘しましたように、昭和四十一年に研究を開始しまして、その年の予算は二億数千万円、で四十二年度に五億をこえる予算を組みました。ところが、四十三年度に逆に四億二百万円、それで、四十四年度においては、私の記憶ではおおよそ三億五、六千万円に縮小しております。と申しますことは、国の基本方針がまだきまっておりませんので、NHKだけが放送衛星という、まあ通信衛星から見ればきわめて特殊のものに相当の額を注ぎ込んでいくと、そうしてその結果がいついかなる形で利用されるかというまあ見当がついていないという環境の中では、私としては、基本研究は継続するけれども、やはり一定の限度をもってこれを継続すべきであるという考え方を持っているわけです。たとえば一般的にはまず電離層あるいは気象衛星というものが打ち上げられるのだという報道があり、続いて四十八年ごろには、通信衛星というような一般的なインフォメーションはございますけれども、その通信衛星というもの自体についてのいかなる形のものであるかということは全く未決定でございます。そういう環境の中で、いま申し上げましたように、四十二年度を頂点として、国がどう決定するかを待ちながら、しかし、基本研究は続けるという態度で、財政的に見ますと、逐次縮小しつつあるというのが私どもの考え方でございます。
○久保等君 郵政省のほうにお尋ねしたいと思うのですが、いまの会長のお話だと、むしろ総合的な開発状況ともにらみ合わせながらテンポをむしろ若干ゆるめるというようなことで、特に、これは郵政大臣の所管問題になりますが、基本方針をどうするか。いま会長のお話にありましたように、衛星そのものをどういう順序で一体打ち上げていくのか、あるいはまた、利用段階についても、どういうところから利用を始め、またそのための研究を重点的にやっていくか、いろいろ順序があろうかと思うのです。そういう順序も、いまお話がありましたように、放送衛星という問題になるとたいへんな問題があると思います。単に星だけの問題はなくて、受信側の問題、これは非常に一般の衛星と違った特殊な問題だと思いますし、非常に大きな問題であり、技術的にも困難な問題があろうかと思います。だから、あれこれ考えたときに、通信衛星といってもいろいろあるわけですが、どういう順序で衛星の開発を行なっていくか、またさらに活用を行なっていくかという問題も、もちろんいまのところきまっておるわけじゃないのですけれども、そこらあたりのことについて構想でもあれば、ひとつ御説明願いたいと思うのですが、大臣でなくてもけっこうですが、ひとつ御答弁願いたいと思うのです。
○政府委員(石川忠夫君) 申すまでもないことでございますが、国としての衛星開発の基本方針というのは、宇宙開発委員会のほうできまることになるわけでございますが、いままできまっておりますことは、先ほど来お話のありました電離層観測衛星、それから四十八年度に実験用通信衛星を上げる、こういうところまできまっているわけでございまして、その後については、具体的に何を何年度に上げるかということはいまだはっきりきまっておらないわけでございまして、ただ、この後になるであろうという、あるいは突如として技術開発が早まって、あるいはそれと並行してということがあるかもしれませんけれども、常識的に考えますと、その実験用通信衛星の後において、こういった放送衛星の開発に着手することになろうかと存じます。それが何年になるかということは非常にむずかしいところで、現在のところきまっておらぬわけでございます。
 さらに、放送衛星につきましては、先ほどお話がございましたとおり、通信衛星とはまた違った技術上の問題、特に、受信者との関係等におきまして、技術的ないろいろな問題もございまして、基礎的に十分いろいろ検討すべき、あるいは研究すべき問題が非常に多かろうと存じます。NHKが現在までやっておりますことは、先ほど説明がありましたような基礎的な研究としてやってきたところでありますし、今後もなお引き続いてやらなければならない問題が非常に多かろうと、かように考えているところでございます。
○久保等君 まあ、もう少し前向き、しかも積極的な私は姿勢が必要じゃないかと思うのです。もちろん形式的にいえば、方針は宇宙開発委員会のほうで決定することにはなっております。なっておりますが、一から万事開発委員会のほうでやれるシステムにはなっておらないし、また、日本の現状もなっておらないと思います。通信衛星とか、あるいは放送衛星という問題になってくれば、これはやはり何といってもモチはモチ屋で、郵政省が積極的に研究開発を進めていかなければ、いかに開発委員会のほうでスケジュールをつくってみたところで、具体的の問題として前進はしないと思います。したがって、そういう立場から、研究開発なら研究開発という段階で、具体的に一体いつごろまでにどういったところまで基礎的な研究をひとつ完了したいというような、やはり研究開発段階でのスケジュールがあってしかるべきだと思うのです。先ほどNHKの会長のお話を聞きますと、NHKで進めておる放送衛星の問題についても、むしろ年々歳々テンポを早め、積極的に進めるのじゃなくて、ある程度他との情勢等も見たときに、若干手をゆるめるくらいでないと、この全体的な動きから見ると、うまくないんじゃないかという判断もしておられるやに受け取れるような御答弁もあったと思うのです。もちろん、NHKは財政的にもおのずから限度がありますし、何もこの放送衛星に全力を集中してやれるような財政状態ではもちろんないわけですから、そういう財政的な制約はあるにいたしましても、しかし、先ほどのお話を聞けば、経理の面から言うならば、若干、昭和四十二年度をピークにして手かげんをしておるようにも受け取れるお話があったと思うんです。こういった点は、先ほど来お話がありまするように、郵政省の方針なり、具体的な日程等がある程度はっきりしないと、単に放送衛星だけの星の面の開発だけが出過ぎてみたところで、これが将来スムーズに活用できるということにはならぬと思います。そういった前提的なにらみをきかせながらコントロールをしていくのは、これは郵政省だと思うし、また方針をきめるのももちろんそうだと思うのです。したがって、この問題について、私はもう少し郵政省のほうでひとつ具体的なことについて積極的に取り組んでもらいたいという気がします。もちろん全体の形式的な決定は、それぞれの機関があるわけですし、すでに、開発委員会も発足をしておるわけですから、この開発委員会を十分に活用していかなきゃならぬと思うのですけれども、それまでに至る段階は、これは郵政省の重大な責任だと思いますし、任務だと思います。そういう立場から、放送衛星をたまたまこの場では取り上げてお尋ねをしておるわけなんですが、その他の通信衛星の問題についても、もちろん申し上げるまでもないと思いますが、そういったことについて、郵政大臣のこの面に対しての御見解を最後に承りたいと思うのですけれども。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど局長が答弁いたしましたように、いま国として開発が正式にきまっておりますのは、四十六年の電離層衛星、それから四十八年の実験用静止通信衛星、この二つがきまっておりまして、星そのものの開発をロケットの開発と歩調を合わせていま全力をあげ得るような体制がようやく今度できたわけでございます。それ以外の特殊な通信衛星といたしましては、気象衛星、あるいは航行衛星等につきましては運輸省のほうで御研究のようでございます。あるいはまた測地衛星、こういうものにつきましては建設省が中心になって御研究のようでございます。さらにまた先ほどの放送衛星につきましてはNHKが中心になって研究を郵政省と十分連絡をとりながら進めてまいったわけでございます。ただし、何ぶんにもロケットの開発が御承知のような状態でございます。そうして国が正式にきめました電離層と、それから実験用の通信衛星の開発計画が、これまた先ほど申し上げましたようなとおりでございまして、あるいはこの放送衛星の打ち上げなどについては、当然考えられるわけでございますが、そういうふうな国全体の開発計画から見ました場合には、あるいは四十八年度以降になるのではないかと、こういうふうに考えられるわけですね。そういうこともありますので、NHKのほうでも、若干そういうことを考慮しながら開発投資を今後考えておられるのではないかと思います。しかし、いずれにいたしましても、衛星あるいはまた特殊衛星の開発ということは、これはわが国の国際的な発言権を確保するという意味からも、非常に重大な意味を持っておりますし、さらにまた日本の科学技術全体の水準を高めていくという問題、さらにそれ以外に、実用として、どうしても使うような時代が来るであろう、それの準備もしなければならない、こういう点をいろいろ考えあわせますと、お話しのように、総合的にもっと研究を進めていく、こういう積極的な心がまえが必要でないかという御発言は十分了解できます。御趣旨を十分体しまして、今後とも宇宙開発の参考にさせていただきたいと存じます。
○久保等君 そうだとすれば、NHKでやっておられる放送衛星の基礎研究は、少なくとも当分続けていかれることになると思うのですが、開発事業団のほうに移行するという段階というものは、いまのところよほど先になるであろう、少なくとも通信衛星が打ち上げられた後において、さらにどういう段階になるかわかりませんが、いずれにしても、目下のところは何といいますか、その時期的な問題について予想することはできないという段階でしょうか、その点NHKのほうから御答弁願いたいと思います。
○参考人(野村達治君) 放送衛星そのものにつきましては、おっしゃるとおりのことかと存じますけれども、現在計画されております四十八年度に打ち上げます通信実験衛星の中にも、この放送用の衛星としまして使います波長帯を決定するためにはUHF帯でありますとか、あるいはマイクロウエーブ帯の短いもの、そういったところの電波を通信実験衛星から出すことにいたしております。したがいまして、これによりまして、どの程度の利用可能性力がUHF並びに短いほうのマイクロウエーブ帯においてできるかということがわかることになっておりまして、私どものほうで受け持っておりますものも、その中のUHF帯のものにつきましては、アンテナなりあるいは中継装置といったようなものを受け持っておりますので、これが事業団のほうに移ります段階では、私どものほうからも、必要なるデータを提供するというようなことになろうかと存じます。
○久保等君 それから四十一年度のNHKの業務報告を見ますと、この中に、番組の国際交換の問題も報告をせられております。文化の交流という立場から考えてみましても、番組の交換ということは非常に意義のある大事なことだと思うのですが、いろいろ世界放送連合の構想等もNHKの会長はお持ちになっておるようです。現実には、アジア放送連合だとかあるいはヨーロッパ放送連盟等ができて、番組の交換もきわめて積極的に行なわれておるようですが、その現状等について、最初に御説明をNHKのほうから願いたいと思うのですが。
○参考人(川上行蔵君) 番組の国際交換につきましては、三つほどの形をNHKとしては考えまして、その面でそれぞれに力を尽くしております。
 一つは、国際的な番組コンクールに参加すること、それがやはり番組をお互いに提供し合って、お互いの文化を交流し合ういい機会でございますから、そういう機会にできるだけ出品をする、あるいは逆にそういう出品の中のいいものを日本に紹介をするという形をとっております。
 それから第二番目に、NHKといたしましては、いろいろなコンクールをNHK自体で主催をいたしております。それは毎年秋に「日本賞」というものを、教育番組を中心とした国際コンクールを実施する、そういうような形で、NHKが国際コンクールというものに積極的に参加し、あるいはみずからこれを主催するという形でいたしております。
 それからその次には、番組を、お互いに国際的に提供し合うという形を考えておりますが、その方法は幾つかございますが、一つは、NHKの教育番組というものが、世界的に非常に高い評価を得ております。これが「日本賞」という国際コンクールを開くもとになったわけでございますけれども、それが非常に各方面に要求がございますので、NHKの教育番組の国際ライブラリーというものをNHKの中に設けておりまして、それを各国に提供するという形、それからもう、一つは、NHKが積極的に外国に、多少の営業意識も入れまして外国に番組を売り込むなりという形、NHK自体もあるいは日本の民放あたりも外国からいろんな映画を買っておられます。それと同じような考え方を、逆に、日本のNHKのいい番組を外国に売り込むという形で、NHKの外郭団体であるサービスセンターの中の一部門としてNHKインターナショナルというものをつくりまして、それを利用いたしまして、積極的に外国に売り出すという形を四十二年以来、積極的に実施をいたしております。
 それから第三番目に、番組の国際交換、こういう形がございます。これは特に東欧圏のように外貨の乏しい国であって、実施主体的になる番組を持っているというところにおきましては、番組を交換し合おうという形の提案がございます。にそういう国に対して、日本からも番組をこしらえまして、そして提供するという意味で、ニュースマガジンというような形で、ニュースを編集いたしまして、毎月そういう国々に日常的に提供をし合うという、あるいはそういう国々のいい音楽番組をラジオのほうで交換にもらう、こういう形で、一種のお互いの代替交換という形をとっております。そういうような三つの形で番組の国際交換というものを実施いたしております。それが現状でございます。
○久保等君 おおよその経費ですね、昭和四十一年度、四十二年度、四十三年度あたりでわかればお答え願いたいと思います。
○参考人(川上行蔵君) 四十一年度提供いたしました番組は、それはインターナショナルというような形での販売だけでございますが、およそ千五百五十三万円、それから四十二年度は少し少なくなっておりますが、五百二十七万円、それから四十三年度が積極的にインターナショナルを活動開始をいたしました年で、およそ二千五十九万円というのが販売の実績になっております。
○久保等君 この番組の国際交換は非常に私はいろんな意味で有意義な試みだと存じますし、特に国際的な文化の交流あるいはまたいい意味で、国際外交にも、お互いの国情の理解にも役立つという意味で非常にけっこうなことだと思うのですが、そういう点で、今後さらに積極的にこういった問題について取り組んでもらいたいと思います。
 それからテレビの宇宙中継が年々行なわれておるわけですが、テレビの宇宙中継、これまた四十一年度、それから四十二年度、四十三年度の実施状況について、回数なり、あるいはまた経費等の面から御説明願いたいと思います。
○参考人(川上行蔵君) 四十一年度の実施は約六回で三千二百八十八万円というのがその経費でございます。それから四十二年度あたりから次第にふえてまいりまして、四十二年度は二十七回実施いたしまして、その金額は一億二千九百万円という金額になっております。それから四十三年度は四十四回、そのほかに四十三年度の特殊事情といたしましてメキシコからオリンピックの中継がございましたので、これが三十一回、それを合わせましておよそ金額的に二億二千万円ほどになっております。
○久保等君 それからなお時間数はどの程度になっておりますか。
○参考人(川上行蔵君) 時間数につきましては、いま申し上げました回数が必ずしも一つ一つが一定いたしておりません。たとえばニュースの中の一コマであるとか、それからオリンピックのように一時間、二時間続いた場合とか、あるいは先般いたしました、昨年の十二月にいたしましたアポロ中継のように、夜の十一時から次の朝の二時半まで、三時間半の連続放送をする、そういうような形がありまして、ちょっと時間全体で見当つきませんが、四十三年度について申し上げますと、およそ四十四回の一般回数が、合わせまして二十時間ほど。それからオリンピック放送が三十時間だと、このように考えております。
○久保等君 それからさらに、カラーテレビの方式交換装置というものがNHKで開発をせられて、非常に今後の国際テレビ中継に画期的な意義をもたらすようなことになってまいっておるようですが、このことについて、まず最初に若干御説明をひとついただきたいと思います。
○参考人(野村達治君) NHKにおきましては、日本のテレビジョン方式と、それからヨーロッパテレビジョン方式、これが世界的に二つの大きなものでございますが、ヨーロッパから直接番組を中継し、あるいはテープを介しまして番組を交換して使用するといいますときには、向こうの方式が走査線が六百二十五本、毎秒の枚数だ五十枚、それから日本の方式は走査線数五百二十五本、毎秒の枚数が六十枚ということになっておるわけでございます。したがいまして、その間に大きな差がございますので、これを変換いたしまして、両者を同じものにするためには、かなり長い間の蓄積をいたしまして、そして順序を変えて、並べ変えるというようなことをいたすわけでございまして、本数につきましては、六百二十五本の場合には、六本に一本ずつ線を抜いていってしまうというようなことをいたします。それから毎秒五十枚の画面でございますので、それを六十枚の画面にするためには、もう一枚五回に一回ずつさらに枚数をふやすというようなことをいたしておるわけでございますが、これを電気の信号としまして蓄積をいたしまして、そしてそれを再度使用するというようなことをいたすわけでございます。それからなおそういったことで、四十一年には実験的にほぼ遅延線路の切りかえというような方法で白黒のテレビジョンについては十分やれることがわかりまして、これを用いまして、実際には四十二年の日本賞のVTRの番組交換には使っております。あるいは四十三年の初めには日本、豪州間の番組交換をいたしました際、豪州がヨーロッパ標準方式でありますために、これを使いまして、日本側ではヨーロッパの方式を日本方式に直して使ったわけでございます。
 なお、カラーテレビジョンにつきましては、これ以上に複雑なことは、白黒の信号以外、やはりカラーの信号も同じような始末をいたさなければなりませんことと、それから日本のカラーの標準方式はいわゆるNTSC方式と申しておりますが、ヨーロッパは二種類ございまして、パル方式とセカム方式でございます。もちろん、この両者の間の差はそう大きくございませんが、カラー信号につきましては、かなり厳密なことが要求されておりまして、なかなかむずかしい問題でありましたが、これにつきましても、同様な遅延線の切りかえ装置を使いまして、現在ではそれが行なわれるような段階になってきております。これによりまして、この七月にインド洋で働きますインテルサット三号を介しまして、ヨーロッパ、日本間の番組の交換に使用する考え方をいたしておるわけでございます。
○久保等君 この研究は、昭和四十一年ごろくらいから始めたように聞いておるんですが、これを初めて完成したのは、白黒の場合だと昨年の三月でしたかに完成したようですが、その間の研究費の年度別の金額をひとつお答え願えませんか。
○参考人(野村達治君) 四十年度には二千百万円でございます。四十一年度が二千三百万円、それから四十二年度は一億一千万円でございます。それから四十三年度は八千三百二十六万円でございます。これ総計いたしますと二億三千七百万円ということになっております。
○久保等君 欧州のテレビの日本への翻訳といいますか、日本に入れる場合のいま方式の変換の装置が完成したということですが、逆に日本から向こうにいく場合の問題については目下研究中のようにも聞いておるんですが、この問題についての御説明を願いたいと同時に、この方式そのものが日ならずして完成するんじゃないかと思われるんですけれども、その見通し等についてもお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(野村達治君) 比較的簡単な方法によりまして逆変換も可能なように考えております。そのための付加装置をことしの末にはつくり上げまして、来年の三月、日本の万博が始まりますときには、これを利用いたしまして、日本側からヨーロッパに、日本方式をヨーロッパ方式に変換しまして送り出すことができるように考えておるわけでございます。
○久保等君 聞くところによりますと、イギリスのBBCの技術は日本より若干早く完成をしたというようにも聞いておるんですが、技術的にはイギリスの技術と日本のこの技術と比較してどういう評価ができますか。もし違い等があれば、技術的な面の違いあるいは優劣等の問題があれば専門的な立場からちょっと野村専務からお答え願いたいと思いますが。
○参考人(野村達治君) 私どものほうがこの研究に取りかかりましたのは昭和四十年でございます。で、イギリス自身はその当時、イギリス国内におきまして四百五本のテレビジョンを使用しておりまして、それと並行して六百二十五本のものをやらなければならないということから、線数だけを変えるものをまず最初に研究をいたしておったわけでございます。私どものほうは、線数の変換という問題よりか、むしろ枚数の変換の問題のほうが一そうむずかしいものですから、そういうほうに最初に首を突っ込みまして、いろいろ進めてまいっておりまして、イギリスのBBC等ともいろいろな連絡をとっておりますが、私どもの基本的な特許というものは向こうも全部現在使っているような状況でございますので、できました結果は現在、この前のメキシコ・オリンピックの際に彼らが使いましたものも私どものほうが現在使っておりますものも、品質、中身につきましてほとんど同じような状況になっておるわけでございます。
○久保等君 まあ、研究開発はこういったきわめて具体的な成果もあげられておるようですし、今後ともぜひひとつ研究開発の面にも力を入れてやっていただきたいと思います。
 次に、若干決算の中身についてお尋ねしたいと思うんですが、最初にお尋ねしたい点は、受信契約者の数の問題なんですが、甲乙の受信契約について、昭和四十一年度ですが、この数をひとつ御説明を正確に願いたいと思うんですが。
○参考人(佐野弘吉君) 四十一年度におきまして契約甲、テレビジョンのほうでございますが、これは実績で申し上げます。年度初頭千八百十二万でスタートといたしまして、九十九万の増加をみまして千九百十一万で越年をいたしました。契約乙のほうは、これは御承知のようにラジオでございますが、これは年度初頭百四十七万でスタートいたしまして、当年度八万の増加をみて年度末百五十五万という数字で終わっております。
○久保等君 この「日本放送協会昭和四十一年度業務報告書」というのがありますが、これによりますと、いま御説明のあった受信契約者の甲乙それぞれについてだいぶ数字的に差があるのですが、この業務報告書というのはいつ現在ということなんですか。四十一年度初頭だとか、年度末とか書いてあるんですが、数字がだいぶ違うんですが、これはどういう関係ですか。
○参考人(志賀正信君) ただいま先生から御指摘のございました業務報告書の三十一ページに記載してございます数字は、有料と無料とを合わせました数字でございます。ただいま佐野専務からお答え申し上げましたのは、受信料の収入の対象になっております有料の数につきまして御説明をいたしましたので、有・無合わせました数字につきまして再度御説明を申し上げます。四十一年度の初頭におきましては、契約甲におきましては有料千八百十二万、無料が十万三千でございまして、合わせて千八百二十二万でございましたが、年度途中に加入及び廃止の増減がございまして、年度途中の増加数は有料におきましては、先ほど数字が出ました九十九万でございます。そのほかに、無料におきまして三万一千の増加でございまして、合わせまして百二万の増加でございまして、年度末には千八百二十二万から有・無合わせまして千九百二十四万までいっております。なお、これは契約甲のテレビジョン関係の契約者でございます。契約乙のラジオだけの関係につきましては、年度初頭におきまして有料が百四十七万八千でございまして、そのほかに契約乙の無料が八十八万三千ございまして、合わせて二百三十六万が四十一年度初頭の数字でございます。これに対しまして年度途中に加入、廃止の増減がございまして、有料におきましては、年度途中に八万の増加がございました。また一方、無料におきましては四万の減少がございまして、相殺いたしまして年度途中の移動は約四万の増ということになります。したがいまして、年度末には二百三十六万年度初頭の四万を加えまして二百四十万に年度末で、までになっております。
○久保等君 わかりました。そういった点ちょっと何かカッコでもして書いておいてもらうと非常によくわかると思うのですが、相当大きな数字の誤差があるものだから非常にとまどったのですけれども、いまの御説明でよくわかりました。何かこれから印刷等する際には、そういったことをちょっと気にとめてもらえれば非常に幸いだと思います。
 免除者の数が、いまのお話にもありましたように、相当の数にのぼっておるようです。ところで新規免除者あるいは従来免除しておったものを逆に免除を廃止するといったようなことが年度途中でいろいろたくさんあるわけなんですが、新規のことはわかるとして、その年度途中で、従来受信料を免除しておったものを廃止する、これはどういう事情で廃止されるものか。四十一年度について数字でひとつそれぞれの理由ごとに受信料の免除廃止について御説明願いたいと思います。
○参考人(佐野弘吉君) 先ほどは有料の数字を申し上げまして失礼いたしました。
 当該年度契約甲のほうは免除が五万ほどふえております。これは当然生活困窮者あるいは貧困な身体障害者なり視聴覚の障害者という方々が増加をいたしておりますことと、漸次この年度等でテレビジョンを持たれる方も低額所得者に普及しておるというようなこともあわせまして、この年度で五万ほど免除件数がふえました。いまお尋ねのポイントは逆に免除が減っておる点だろうと思います。これは契約乙のラジオのほうでございますが、別段他意はございませんでして、この年に非常にテレビが普及をいたしております関係で、有線放送の専用受信者が、これは免除になっておるわけでありますが、これらの方々が全国的に相当数テレビの契約に回りまして、テレビの契約のほうですと、受信機を備えますと、こちらのほうで契約をお願いするということになります関係で、契約乙のラジオのほうで免除の適用を受けていたこれら有線放送の受信者がそれから消えておって、四万件ほど四十一年度に減った、こういう事情でございます。
○久保等君 それから乙の受信料は年々非常に急激に減ってまいっておったと思うのですが、これは昭和四十一年に至って逆に八万ばかり受信者がふえたという数字が出ておるのですが、これはここ四十一年に至る数年間の傾向から見ると、変わった特色じゃないかと思うのですけれども、四十一年度の八万の乙の受信者の増加、これはどういう事情によるものか。それから、これがさらに四十二年度でどういうことになってきておるのか、乙受信料の問題についてひとつお尋ねしたいと思います。
○参考人(佐野弘吉君) 実は三十四年度以降テレビジョンが非常に急速に普及をいたしました関係上、それまでの契約乙の受信契約者が契約甲のほうの契約になだれ込みまして、逐年、契約乙の受信契約は相当大きな数字で減少をいたしてまいったわけでございます。ところが、ただいま御指摘のように、四十一年には逆にふえておる。八年ぶりで減少が食いとどまってふえたわけでございますが、実はその前後、いろいろ契約乙の問題につきまして国会等でも御意見を賜わりまして、特に契約乙の非世帯の分、端的に申しますと、カーラジオ、自動車に取りつけてありますラジオについて取り立てておらないではないかという御批判を受けまして、実はこの年度から一生懸命取るという算段を非常にいたしたわけでございます。その関係で当年度、実は三十二万ふえた分のうちの三十万がカーラジオでございまして、世帯契約の二十四万の減少を補って八万の逆に増加を見たと、こういうことでございます。ところが、一年たちました翌年度では、大体ラジオの契約そのもの、契約乙そのものをやめたらどうかというような御意見等も再び台頭いたしまして、実は私どもたいへんに内外の情勢に困惑をいたすところもございましたが、いずれにいたしましても、四十二年度におきましては免除の拡大というようなことも私ども積極的に考えまして、四十二年度の事業計画の編成に当たったのでございますが、非常に大ざっぱに申しまして、以上のような情勢もからみまして、四十二年度は、大体四十一年度の終わりの数字、百四、五十万、これは有料でございますが、その辺で四十二年度も推移して、そして四十二年度をもちまして契約乙は廃止するという推移を見たわけでございます。
○久保等君 いまカーラジオの問題が出たんですけれども、カーテレビも若干今日普及しておるんじゃないかと思うんですけれども、カーテレビの現状はどういうことになっておりますか、数字的にひとつ御説明願いたいと思うんです。
○参考人(佐野弘吉君) 実はカーラジオと同様にカーテレビも非常に普及するかという一時予測も持ちましたけれども、今日、オーナードライバーで自分のポータブルのテレビジョンのセットを持ち込む方は別といたしまして、タクシー、ハイヤー等、営業用ではさしたる増加を見ておりません。ただいま正確な数字を持ち合わしておりませんが、よほど以前に私への報告では、千台からあるいはそれをちょっと上回る程度でとどまっておるというふうに報告を受けております。ほとんどあまり契約は進捗はいたしておりません。また、事実あまり存在してないようでございます。
○久保等君 カーテレビのほうは、私も、今日非常に交通地獄だと言われる時代にあまり感心しないと思ったんですが、したがって、このほうは普及しないことをむしろ期待したいと思うんです。ただ、現実についておるとすれば、これは受信料をもらわなきゃなりませんから、その点ではひとつ漏れなく徴収をするようにしてもらいたいと思うんですが、ただ、ラジオと違ってテレビの場合は、テレビを見ておって、もし若干でも運転その他に影響があるというようなことになると重大な問題だと思いますし、したがって、ラジオとテレビとは車の場合についてはだいぶ性格が違うと思いますし、そういう点ではカーテレビはあまり歓迎しない。むしろついてないほうが、私は望ましいと思うんですが、かりに運転手が見ないにしても、何か急停車したような場合に、カーテレビと乗っておる人間がぶつかるとかなんとかというような問題もありましょうし、とにかくラジオと違って非常に問題があろうかと思います。いま約千台程度だということできわめて微々たる数字だと思うんですが、まあいずれにいたしましても、ラジオの問題については、四十一年度、先ほどの御説明でわかりましたけれども、従来の傾向と違った傾向が出ている点、不審に思ったものですからお尋ねしたのですが、けっこうです。
 これはきわめて愚問かもしれませんが、「昭和四十一年度財産目録、貸借対照表および損益計算書に関する資料」の中で、四ページですが、イとして「固定資産」というところに一覧表が出ておりますが、この一覧表の欄の中ほどのところに「当年度減少額」という区分で、建物二億九千二百万円、それから構築物、機械、器具什器、土地、建設仮勘定となっておりますが、これはどういう意味でしょうか。御説明願いたいと思います。
○参考人(志賀正信君) 昭和四十一年度の固定資産額の減少額、総額で十八億九千五百万円減少額として出ております。これはおよそ三つの理由からなっておりますが、一つは建物等の売却のために資産から落としましたものが九億五千七百万円でございます。それから除却をいたしますが――除却と申しますのは建物の建て直し等のために古い建物を取りこわしましたような場合には旧資産が減少いたします。あらためて新しい資産を計上いたすわけでございますが、そういう除却の関係が三億三千三百万円ございます。それから建設仮勘定から当該の建物なり、事務機械なりへの資産に組みかえましたものが五億八千六百万円ございます。この建設仮勘定と申しますのは、建物がまだ完成未済の場合には、年度末におきまして、建設仮勘定という処理をいたして決算をいたしますが、当年度になりまして、過去の年度の建設仮勘定の分が完成いたしました際には、それぞれ建物なり、機械なりに組みかえをいたします。建設仮勘定から減少いたすわけでございます。およそこの三つの理由から当年度の固定資産の減少額は十八億九千万円でございました。
○久保等君 わかりました。
 それから同じくいまの資料の説明の十五ページですが、十五ページに3の「収入支出決算表」という表がそこに出ていますが、その中に「予算額」、さらにその中に「予算総則に基づく増減額」というのがありまして、「六条予備費」、それから「七条増収額」、「十一条交付金」というようなふうになっておりますが、その中で六条予備費と七条増収額、これについて概略御説明を願いたいと同時に、あとで資料でひとつこの内訳についてどういうものが含まれているのか、できるだけ資料のほうでは詳細にお知らせを願いたいと思うんですが、それは後日早い機会に資料いただくとして、いま申し上げたこの六条予備費と七条増収額の各金額について概略の御説明を願いたいと思うんです。
○参考人(志賀正信君) 総則第六条の予備費の適用につきましては、当年度の予備費の予算は四億円でございましたが、これに対しまして二つの項目につきまして予備費の支出がございました。第一点は衆議院議員総選挙に伴いましての開票速報及びこれに伴っての世論調査の実施をいたしましたので、これは当初予算には予定していませんでしたために予備金から支出いたしましたが、まず八千八百五十万円でございます。それからもう一点は台風並びに集中豪雨等の天災によります全国の局舎等の被害でございまして、これの復旧経費が二千百五十七万円かかっております。高知県下の集中豪雨以下一年間に十三件にわたっておりますが、当年度の予備金はこの二つの項目からなっておりまして、合計いたしまして一億一千万円でございます。これが予備金の支出の状況でございます。
 それからもう一点の増収の関係につきましては、十一億四百八十七万円の増収がございまして、これの増収の出ました内容といたしましては受信料収入で六億四千百万円でございます。この六億四千百万円の生じました受信者の数の問題につきましては、先ほどお話が出ましたとおりでございます。
 それからもう一点は四億六千三百万円の雑収入の増収がございました。これは当初予定いたしました以上に資金の操作等にくふうをこらしました結果、銀行預金等の利息収入の増加及び竜土町の建物の国からの賃貸料の収入等がこの増収の中身になっておりますが、この二つをあわせまして十一億の増収がございました。これの使途につきましては、まず、受信契約者の増加に伴いまして、これらの契約収納の経費一億九百二十四万円を振り当てをいたしてございます。それから国会の附帯決議等の御趣旨にも沿いまして、この増収の中から長期借入金の返還に八億円の振り当てをいたしてございます。それから六千万円の設備の緊急改善をいたしてございます。これは名古屋、鹿児島の放送会館の改修でございます。なお、残りの一億九百五十万円につきましては、特別の給与の支給といたしまして、弾力条項を適用いたしまして、職員に一人当たり七千五百円、年間二回に分けまして全職員に均等に支給をいたしてございます。以上、増収の中から十億七千八百万円だけ振り当てまして、なお二千六百万円を一般剰余金として残しております。
 以上でございます。
○久保等君 それでは中身の点について、さらにひとつ詳細な項目といいますか、種目と、それからそれに対する金額、内訳として資料でお出し願いたいと思います。私のここでの質問は以上にとどめます。時間もきたようですから、このあたりで私質問を終わります。
○委員長(永岡光治君) 午後一時まで休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十七分開会
○委員長(永岡光治君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 参考人の出席要求についておはかりいたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のため、参考人として財団法人日本科学技術振興財団の役職員の出席を求め、意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(永岡光治君) 休憩前に引き続き、日本放送協会昭和四十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。
 本件に関し、質疑のある方は順次御発言願います。
○北條浩君 それでは私は、四十一年度の決算諸表につきまして若干御質問したいと思います。
 すでに他の委員からも、いままでにつきまして御質疑ありましたので、なるたけ重複しないように別の角度からお聞きしたいと思いますけれども、若干重複する点があるかもしれませんが、その点は御了承願います。
 午前中問題にもなっておりましたが、最初にお伺いしたい点は、受信契約並びに受信料の関係についてでありますけれども、四十一年度の乙契約がふえました経緯につきましては先ほどの御説明でわかりましたが、それとこの諸表によりますると、十ページには乙受信料が八億七千四百万、前年度に比べまして約七千七百万ばかり減になっております。契約台数が増加したにもかかわらず、受信料の料金収入がむしろ減っておるという点は、一体どういう関係になっておりますか、その点御説明願いたいと思います。
○参考人(志賀正信君) 先ほどお話が出ましたように、契約乙につきましては、八万の受信者の増加がございましたが、受信料収入につきましては、ただいまお話のような結果になっております。と申ますのは、四十年度におきましては、年度初頭に百八十一万の受信者がございましたが、年度途中に三十三万の減少がございまして、年度末には百四十七万の受信者に下がっております。したがいまして、四十年度にはおよそ年間を平均をいたしまして百六十四万の受信者から受信料をちょうだいしたことになります。次に、四十一年度には、前年度末の百四十七万に対しまして八万の増加がございましたが、年度末には百五十五万という数字になりましたが、年間を通じましては、百五十一万というような平均の数字になっております。四十年度には百六十四万ございましたが、前年度の漸増数が多かったために翌年度の増加が八方ございましたにもかかわらず、四十一年度には平均しまして百五十一万というふうに年間の収入の対象になります受信者の平均が四十年度よりも約十三万ばかり減少いたしております。この関係で乙の受信料といたしましては、年間の収入が減少したということでございまして、当時ラジオからテレビヘの契約の移行が非常に激しかったために、乙の契約が漸減の傾向になりましたが、たまたま四十一年度におきましては、自動車ラジオの契約の獲得に努力をいたしましたので、契約数につきましては上向きになりましたが、受信料収入としては、そのような状況でございます。
○北條浩君 その点は了解です。
 同じく契約台数についてですけれども、世帯数と、それからテレビの普通契約並びにカラー契約合計いたしました、いわゆる契約台数とのパーセントでありますけれども、全国平均どのくらいになっておりますか。そしてまた特に東京、これは最近の数字でどのくらいになっておりますか、その点をお願いしたいと思います。
○参考人(佐野弘吉君) 四十一年度におきましては、四十年十月の国政調査世帯数二千四百八万に対比いたしまして普通契約から当時の乙契約両方合算いたしまして契約率八九・八%ということでございます。
 まことに申しわけございませんが、東京都内におきます正確な数字をいま手持ちはいたしておりませんが、大体当時もただいまも東京都内はさして変りませんで、六七、八%から七〇%というところを前後して推移をいたしております。
○北條浩君 ここに四十三年度のたまたま数字がありますけれども、全国平均が八六・三%、それに対して東京が七五・九%という数字になっております。多いところでは埼玉県等が一〇〇%を越えておる。ずっと見まして、特に、東京都は実際にテレビの契約台数、ここに出ております数字よりもテレビの保有台数というのははるかに多いのじゃないか。全国平均を特に東京都が下回っておるという点はどういう原因に基づくものですか、その点の御説明を願いたいと思います。
○参考人(佐野弘吉君) いま東京都内の二十三区のわりあい低いほうの数字を申し上げましたが、ことに近年いわゆる都市のドーナツ化というようなことで、都心部から千葉なり埼玉なりの郊外に出る世帯が非常に多いということが特徴的でありますことと、同時にいわゆる単身世帯と申しまして、夫婦、お子さんというような複数家庭でなしに、商店その他で働いている独身者も一世帯というふうに、アパートの一室を借りましてもその計算に入ります関係で、そうした点から申しますれば、全国平均で一〇%から一一、二%がこの全世帯の中の単身世帯でございますが、東京都内二十三区におきましては二四、五%が単世帯ということになっておりますので、いわば分母が非常に契約の関係からいいますと、単世帯の占めておる比率からいって契約が非常に低目になっておる。こういう実情にあるわけでございます。
○北條浩君 先ほどカー・ラジオの話が出まして、特に三十数万台契約をしたという御報告がございましたけれども、たとえば東京都、ただいまの世帯構成が少なくなったという点もむろん一つの理由にはなりましょうけれども、その一面においては営業用のテレビでありますとか、それからホテルにせよ、または喫茶店その他の、一軒で相当多数のテレビが置いてあるところがあると思うわけです。そういったことが世帯構成に関する契約台数のパーセントが低い一因になっているんじゃないかと思いますけれども、その点いかがでしょう。
○参考人(佐野弘吉君) 率直に申しまして、一部御指摘のところもあろうかと思っております。したがいまして、ただいま御指摘の自動車、船舶等の移動体はもとより、ホテル、旅館、官庁、会社等世帯にあらざる要するに非世帯の契約につきましても、かなりの努力を払っておるつもりでございます。
 多少数字的に申し上げますれば、四十年におきまして、この非世帯の契約の総数、これをテレビジョンでお答えいたしますが、十一万七千五百というのが、四十一年になりまして十八万千二百、四十二年の年次に入りまして二十一万七千五百、四十三年十二月末で二十五万というふうに漸次非世帯の契約も伸ばしております。この中で大きいものは、四十三年度の数字で申し上げまして、ホテル、旅館等が十万八千五百、官公庁、会社等の十万四千というようなところが大きいものでございます。ただ、ホテル、旅館等につきましては、その部屋数と必ずしも設置台数が一致をいたしませんので、全国的に申しますれば、大体七〇%強の平均の契約をいただいておるという実情でございます。
○北條浩君 それでは、そういった問題につきましては、やはりNHKとしては、受信料収入が何といいましても主たる収入源でありますので税金とは性質はもちろん違いますけれども、全国あまねく報道するという立場からいたしましても、やはり現在契約台数につきましてまだまだ捕捉の行きかねておる点が残っているんじゃないか。その点につきましては、むしろ聴視者の側からいいますと、負担の公平を欠くのではないか、こういう点を感じますので、その点に対しましてNHKとしては、どのような配慮をされておりますか、あわせてお伺いしたいと思います。
○参考人(佐野弘吉君) まことに御指摘のとおりでございます。先ほど申し上げましたように、厚生省の人口問題研究所の推計によりましても、年々七十万くらいの世帯の増加がございます。したいがまして、私どもは、これらを契約の対象とし、かつ御指摘のように漏れがあると思惟される向きにつきまして、非常な努力を払いまして契約の獲得に励んでおります。数字的に申し上げますれば、昭和四十三年、ことし八十六万、四十二年にさかのぼりまして九十八万、四十一年にさかのぼりまして百万というように新規の契約増をはかっておりますし、今後も四十五年に八十三万、四十六年に八十万、四十七年七十八万というような契約の増加見込めを立てております。これらのために、私どもの擁しております全国の集金取り扱い者また専門の契約取り次ぎ員等がございますし、これらのものを特に大都市圏に広域運用をいたしまして、集中的に契約を獲得するという努力をいたしますほか、いろいろな意味で広範なPRをやりまして、これによりまして協会の財源確保はもとより、受信者の立場から見ましても、契約、新契約の不公平ということのないようにいたす点で、最大限の努力をいたしておるつもりでございます。
○北條浩君 それでは次に未収金についてでありますけれども、この点につきましても、ただいままでいろいろな質疑がございまして、若干重複するかもしれませんが、この当年度における受信料未収金、この説明書二ページに出ておりますが、この未収金八億八千百万円、それに対して欠損引き当て金が五億二千六百万円、こう出ておりますけれども、欠損引き当て金を立てる理由ですね。それからまたこれは当年度の未収額と出ておりますけれども、前年度の未収金、これに対しての処理はどうされておるのか。繰り越しが含まれておるのか、おらないのか、この点につきまして、最初にお伺いしたいと思います。
○参考人(志賀正信君) NHKの受信料の未収金の会計制度につきましてお尋ねがございましたので、御説明を申し上げたいと思います。ただいま決算書でごらんいただきました四十一年度末の受信料の未収金の総額は八億八千百万円でございます。これに対しまして五億二千六百万円の欠損引き当て金を四十一年度末に当時に損金に計上をして決算書にも計上をいたしております。この八億八千百万円につきましては、その後四十二年度に至りましてから、さらに取るべき収納額として追加調定と申しておりますが、三千七百万円の追加調定がございまして、合計九億一千百万円という額になっております。これに対しまして、四十二年度末までに四億四千六百万円を回収をいたしまして、最終的に一年後の四十二年度末には四億七千百万円の未収額が残っております。これと、先ほど申し述べましたが、前年度の四十一年度末にあらかじめ用意いたしました欠損引き当て金と相殺をいたしまして、なお五千四百万円の残額を生じております。このNHKの受信料の未収金の処理につきましては、四十一年度につきましては概要以上のようなとおりでございます。当年度の未収額につきましては、まず従来の経緯からおおよそ事故ものと申しますか、翌年度以降にわたってもまず収納には至らないというおおよその見込みが従来の慣習から立ってまいります。それを一応当年度の損金に計上いたしまして、見越し額として引き当て金を計上いたしまして、将来に備えるわけでございます。一年間経過をいたしまして、翌年度に入りましてなお未収金の回収に努力をいたします。四十二年度末までに四億四千万円の回収をいたしておりますが、なお年度末に至りましても、あと四億七千万円回収ができませんでした。これはおおよそ従来の経緯から、あらかじめ予定をいたしました引き当て金よりもやや下回った形で次の一年間は経過したわけでございます。NHKの場合には、この未収額は一年間だけ会計上はとどめおきまして、そして一年後に引き当て金と相殺をして決済をつけるという会計上の方式にいたしております。なお、部内の仕事の処理といたしましては、営業部門におきましては、一年を経過いたしましても、なお、協会の本来の債権でございますので、その問題の追及に努力をするわけでございますが、会計上からは、一年を期間といたしまして、一年後に引き当て金と相殺をして一応ケリをつけるという形をとっておりますので、ただいま先生からお尋ねのように、二年度目にはまたがらないように事実上いたしておるわけでございます。したがいまして、決算をやりますときには、当年度のものにつきまして引き当て金を立てまして、その引き当て金につきまして翌年度、一年後に整理をいたしまして、あらためてまた翌年度の新しい未収金につきまして別途計上をすると、こういう方式にいたしておりますので、決算書でごらんいただいておりますのは、当該決算年度の未収金ということで、前年度のものは一応処理をされた形になっておるわけでございます。なお、四十一年度引き当て金を計上いたしましたものにつきましては、四十二年度に約半分を回収しまして、未収金の残りと引き当て金とを相殺をいたしまして、実はやや予定よりも成績が上回ったために五千四百万の引き当て金の残がございまして、これは御承知かと思いますが、前年度に損金に落としたものでございますので、翌年度末におきましては、この残額は積み立て金のほうへ、いわゆる剰余金を修正をいたしまして、積み立て金の増加という決算の処理をいたすようにいたしてございます。以上でございます。
○北條浩君 非常にわかりにくいやり方なんですけれども、そうしますと、欠損引き当て金というのは、普通の会社の経理でいいますいわゆる貸し倒れ引き当て金とは性質が違うわけですね。むしろ一年以内で、不良債権に対しては一年間回収に努力するが、向こう一年間たって取れないものについては、そのときにむしろ債権を放棄してしまうと、それで帳面上から落としてしまう、こういうことですか。
○参考人(志賀正信君) 会計上は、一年後にはただいまお話のように会計帳簿からは始末をいたします。落としてしまいます。なお、債権としては未整理のものにつきましては、営業サイドのほうで再度追及をするようにいたして、部内処理はそういうふうにいたしてございますが、会計制度の上からは、発生した未収金を翌年度一年をもちまして一応帳簿上からは整理をいたしております。
○北條浩君 もう一回伺いますと、ここに欠損引き当て金が立っておりますけれども、それと見合った金額が関連経費の中で欠損償却として出ておりますね。現実にはこの時点において五億二千六百万をむしろ損金処理をしていると、こういうことじゃないでしょうか。わざわざ引き当て金を立てる理由が納得できないです。
○参考人(志賀正信君) ただいまお説のように、当年度損金処理をいたして関連経費から五億二千六百万を当年度の受信料からと申していいかと思いますが、控除いたしまして、それを一年後に整理をするために引き当て金を計上いたします。なお、一年間整理の努力をするという方式にいたしてございます。
○北條浩君 それでは一応帳簿上はそう処理するけれども、しかし、債権は放棄はしない。したがって、翌年度たってなおかつ未収金として残る分については、その回収に対する努力はずっと続けると、こういうふうに理解してよろしいんでしょうか。
○参考人(志賀正信君) さようでございます。
○北條浩君 そういたしますと、現実に四十一年度、先ほどの御説明であと四億七千一百万円が四十二年度末に何か残るわけですね。この回収努力をした結果はどうでありますか。それからまた四億七千一百万円の内訳が、先ほどいただきました資料によりますと、転居先不明等、これは二十万四千件で一億七千四百万円、さらに理解不足、非協力四万三千件、一億六千二百万円と、大部分の内容が転居先不明並びに理解不足、非協力と、こう書いてあるわけです。したがいまして、努力によっては相当回収できるんではないか、このように判断されますが、実際問題といたしまして、残った四億七千一百万円をその後どのような努力によってどのように回収したか、その点をお聞きしたいと思います。
○参考人(佐野弘吉君) 会計制度の上からただいま御説明がありましたように、四十二年度末で四億円強を落としまして、残金四億七千万円が未収、こういうことでございますが、このうちの転居先不明といまおっしゃられましたこの項目の一億七千万円というものは、私どもは、転居先が全く不明になりましてすでに契約が事実上いわばなくなっておるもの、あるいは収納のために訪門をいたしましても、機器が故障で破棄されておるというような幾つかの事例が、事実上私どもが受信料をいただきにまいりましても、いま言った状態で、協会と受信者との間に契約が不存在、存在しないというふうな見方をとらざるを得ないもの、それらが確認されましたので、したがって、これは請求権を放棄した。私どもは全体の受信料収入をはかる上でこの項目のところは請求権を控除する、請求権を放棄するというものに該当するものと思っております。したがいまして、私どもは部内的にはこれは事故ものだということで扱っておるわけです。残る理解不足、非協力、あるいは難視聴、航空騒音、経済上の理由等、これらが二億九千万円強、三億円ちょっと切れる。これらがいわば純粋に契約が存在していても支払う意思のないという形で私どもはこれが純粋な未収というふうに思うわけでございまして、これは経理措置の上からは消えておりますが、営業のサイドでは引き続きフォローをしていくという努力をいたしておりますが、翌々年度におきましては、先般もお答えいたしたかと思いますが、三、四百万円の回収のみにとどまりまして、いわば私どもからいいますれば、あまり良質でない受信者ということで取り立て不能におちいっている数字でございます。
○北條浩君 そうしますと、事実上はもう翌年度末でとれないものについては、ほとんど不良債権しか残らぬと、こういう現状でしょうか。
○参考人(佐野弘吉君) 一言でお答えしますれば、大体そういう傾向のものでございます。
○北條浩君 いずれにいたしましても、この未収金につきましては、普通の営業の感覚でいきますと、これは、一年くらいで放棄するということは、これはちょっと考えられないところですね。そういう不良の債権をかかえておるということは、これはどんなに品物を売っても金が取れなかったら何にもならないわけです。不良債権の処理ないしは契約に対する選択等ですね、これはもう万般の配慮をするのが営業の感覚としては当然だと思うわけです。しかも、帳面に残っておればさらに回収の努力はしますけれども、一たん帳面から落とされますと、これは回収する努力というものは大幅に減殺されるわけです。これは常識でいってそうだと思うわけです。いま御説明で、一言で言えばそうだとおっしゃいましたけれども、いずれにいたしましても金額が四億七千万円と、全体の収入から比べればたいした数字ではないとおっしゃるかもしれませんけれども、やはり四億からのばく大な金額は、それぞれ一軒一軒の契約金額に比べますと、これは決して小さいものじゃないと思うのですね。したがいまして、このただいまの会計処理上から私は伺いましたけれども、事実問題として、これだけの膨大な未収金を毎年かかえていくということは、やはり営業上からも、そのままで置いてはよくないのじゃないか、さらにくふう改善の余地があるのじゃないか、このように思うわけです。その点についていかがでしようか。
○参考人(佐野弘吉君) まことに御指摘のとおりでございます。ただ、ここで一部誤解があってはいけませんので申し上げたいと思いますが、残念ながら年々これらの未収が漸増の傾向にあることは事実でございます。で、ただ純粋のこれらの未収を会計制度の上で落としましても、私ども営業サイドといたしましては、全国の営業局長の責任者が引き続きいろいろの手だてを尽くしましてこの回収をフォローいたします。したがって、たとえば四十一年度のこの未収、支払わない者が四十二年度も引き続き同じ同一世帯だとは限らないわけでありまして、四十一年度の残りましたものを、ほとんど次年度回収をして、そうしてまた四十二年度に新たにまあ支払わない者が漸増するというようなことの、イタチごっこの若干回転がございます。したがって、これらの件数の中でも回収をしてもらう、引き続き回収をしてもらって消えておりますが、ただ社会的な傾向としては、また翌年度に同様な傾向のものがふえてまいりますので、数字としては減らないのでございますが、当該の対象としては変化があって、変化があるということは、当方では非常に回収を、その後も引き続いて支払いをしてもらうものも引き続きこの中にあるということで御理解を一部得たいと思います。
○北條浩君 それでは、この点につきましては内容わかりました。なお、私の申しました点につきまして、さらに一段の御努力の余地は多分にあろうかと思います。
 次に、この説明書によりますと、十九ページのところでありますが、損益計算書のところの説明がございます。事業収入七百五十二億三千万円に対し、事業支出は六百六十二億千三百七十八万円、資本支出充当七十二億二千九百八十六万円、カッコしまして説明がございます。固定資産充当二十億、放送債券償還のための積み立て二十三億、長期借り入れ金の返還十八億と放送債券償還十億二千八百万円、こういう説明がございますが、この資本支出充当七十二億というこの内容ですね、確かに数字は出ておりますけれども、どうしてこのような数字が出たのか、これがよくわかりませんので、最初にその点の御説明をお願いします。
○参考人(志賀正信君) 「資本支出充当」というような一般性のないことばを使用いたしておりますので、たいへんわかりにくいかと思いますが、一言に申しますと、受信料の中から資本費に回しておる分でございます。ただいま御質問がありましたように、まず、固定資産の充当金二十億と申しますのは、当年度の受信料の中から直接建設費の財源に振り当てたものでございまして、受信料を一般の事業費の損費に使うということでなしに、資本費のほうへ回して建設費の財源にいたしておりますので、これを固定資産の充当額というふうに称したわけでございます。それから、放送債券の償還のための積み立て金二十三億四千八百九十四万円と申しますのは、おおよそ七年ものの放送債券につきまして、当年度に償還期がまいりましたものが大部分でございますが、これにつきまして、当年度の償還額に対しまして、放送法の規定に基づきまして過去七年間に毎年十分の一づつ減債積み立てをいたしておりますが、なおそれで不足いたしますものにつきましては、当年度の償還を受信料から行なう必要があるわけでございまして、これが二十三億四千八百万円でございます。
 それから、「長期借入金の返還」といたしまして十八億五千二百九十二万円でございます。これは当初借り入れ金として、当年度借り入れ金の返還として予定をいたしておりましたものが十億五千二百万円でございましたものが、国会におきましての附帯決議の御趣旨にも沿いまして、当年度増収がございました分から八億だけ銀行への借り入れ金の償還に回したものが増加しておりまして、十億から十八億にふえてございます。これが長期借り入れ金の返還に回した分でございます。
 それから、なおそのほかに、放送債券の先ほど申し述べました二十三億につきましては、放送法の規定に従いまして、毎年度末の残高の十分の一づつ積み立てる方式の積み立て額の二十三億でございまして、その次にございます放送債券の償還金十億につきましては、当年度償還期がまいりましたもので、当年度に該当する減債積み立て金から積みおろしてまいりましたもので、なお、不足分につきましての十億を受信料から返還をいたしましたものでございます。以上合わせますと七十三億二千九百八十六万円になるわけでございますが、これが当年度の受信料収入及び雑収入等のいわゆる事業収入の中から資本費のほうへ回しました費用でございます。これを固定資産の充当金と称しております。
○北條浩君 この資料にいまの数字が出ておりますけれども、この数字といまの説明とはよく関連しません。この数字でわかるように説明してくれませんか。資本支出として数字が並んでおります。決算額のこの数字と、いまの内訳とは一目で見てもわからないですね。説明資料十六ページの長いほうです。これに資本支出の予算額、決算額がありますけれども、この決算額の内訳が出ておりますけれども、これといまの説明のありました数字とは数が合わないわけです。わかるようにもう一ぺん説明してください。
○参考人(志賀正信君) 資料として御提出いたしました横表の十六ページのほうにつきましてあらためて御説明を申し上げます。
 この十六ページは、当時、四十一年度の予算制度からその後改正になりまして、現在は資本収支と事業収支の二本立てに分けてございますので、さらにわかりやすくなりました関係から、この説明資料のほうは現在の方式で御説明をいたしてございますので、その点をつけ加えて申し上げたいと思います。
 十六ページの数字の「決算額」という欄が右から三行目にございます。この「決算額」の上から三段目のところに、「事業収支から受入れ」という項目がございまして、これが七十二億二千九百八十六万一千円とございます。これが、ただいま申し上げました事業収支のほうから、ここへ移行いたしましたものでございます。すなわち、受信料及び雑収入等の事業収入からこちらへ回ってまいりましたもので、これが資本支出の財源として下の欄に対応するわけでございますが、下の欄の「資本支出」のほうにつきましては、受信料収入から以外のものもここには一緒に入っておりますので、その点がたいへんわかりにくかったのじゃないかと思います。
 まず、この「資本支出」の、「決算額」の数字の下の欄に「建設費」百七十二億八千百万円とございます。これに対しましてはこのうちで二十億円を、この上の「事業収支から受入れ」という欄からここに財源として充てられておるわけでございます。
 それから「放送債券償還積立金繰入れ」の二十三億四千八百万円とございますが、これは全額当年度に自力で積み立てる必要がございますので、これは上の事業収支から受け入れました財源をここに充てているわけでございます。
 それからその次の「放送債券償還金」の三十四億九千万円というものがございますが、この中には、すでに過去に減債積み立て金として積み立てましたものを一たん引きおろしてまいりまして、これも上の段に会計、収入として掲げてございますが、引きおろしてまいりましたものと、当年度の受信料から出しましたものと合わせて三十四億九千万円を返還をいたしております。この三十四億のうち十億二千八百万円が当年度の受信料から出したものでございまして、すなわち上の七十二億から、これが財源になっております。
 それから一番下の「長期借入金返還金」の二十七億六千万円のうちで九億一千万円につきましては前期からの繰り越し剰余金を引き当てをいたしてございますので、これは事業収支からの受け入れには財源としては関係ございません。それを除きました十八億五千二百万円につきましては、上の七十二億を財源としておるものでございます。
 したがいまして、七十二億を事業収支から受け入れましたが、建設費の一部及び積み立て金の全額及び放送債券の償還金の減債資金から回しました分の不足分及び長期借り入れ金の返還金の大部分というものが、この七十二億を財源といたしております。
○北條浩君 いまの説明の中で、わからない点が二つあります。それは建設費総額百七十二億の中から、なぜ二十億だけを入れたのか。もう一つは、長期返還金二十七億のうちから、先ほど九億一千万だけは繰り越し金から充当したとおっしゃったけれども、どうして九億一千万という数字が出てきたのか、その根拠がわかりません。
○参考人(志賀正信君) 説明が多少足りのうございましたが、まず建設費の百七十二億円の中に二十億入れたと申し上げましたが、これはこの十六ページのごらんいただいております表の左側の「当初額」という欄がございます。これは国会で御承認をいただきました当時の欄でございまして、予算でございまして、その建設費は百八十億になっておりますが、このときに、予算で予定をいたしまして、受信料から当年度は二十億円をこの建設財源に使用するというふうに予算編成時にきめてございます。それが繰り越し等もございまして、百七十二億に若干減りましたが、この財源の一部に、予定どおり二十億円が当初から予定をされて、予算が編成されております。それから、もう一つの長期借り入れ金返還金の九億一千万について、いまつけ加えて申し上げましたが、これはちょうどこのページのまん中ごろに、八条前期繰り越し金という欄がございます。これは二十億三千六百万と一番上にございますが、この前期から繰り越しましたものを予算総則に基づきまして、この二十億三千六百万の中から、一つは建設費に十一億二千六百万を振り当てて使用いたしてございます。もう一点は、九億一千万を借り入れ金の返還に振り当ててございます。この前期繰り越し金と申しますのは、前年度剰余金等の原因によりますところのものでございまして、これは予算総則に従って、建設費の新設、改善または借り入れ金の返還にのみ使用するようになっておりますので、ここでは十一億を建設費に振り当てまして、九億一千万円を借り入れ金の返還に振り当てることといたしましたものでございます。
○北條浩君 そういたしますと、一応この数字の裏づけはわかりましたが、普通の常識で考えますと、これは事業収入七百五十二億、事業支出が六百六十二億ですから、差し引き約百億、これがいわゆる収益として残るわけです。ところが当期資産充当金といたしまして、いまるる御説明のあった総額七十二億というのは、差し引いて残りの十七億が当期剰余金、あたかも当期剰余金というのが利益金のような感じを与える項目になっております。実際問題としては、この収入から支出を引いた残額が、これが当然剰余金であり、利益金であり、普通の会社でありましたならば、これが税金の対象になるわけです。ところが、このNHKの決算によりますと、当然表示すべき金額は約百億の収益、これはやはり私ば明瞭に表示すべきが当然じゃないかと思うのです。それが当期資産充当金という名目において差し引かれて、そして剰余金というのが残る、しかし根拠をずっと伺ってみますと、これはいずれにしても、理由はこれはつけられましょうけれども、この表示のしかたそのものは私は問題があるんじゃないかと思うのです。したがいまして、ただいまも御説明がありましたが、借入金返還とかそれから放送債券の償還とか、これはそれぞれの理由もありましょう。しかし、事建設費につきましては、私は性格が違うと思うのですね。しかも、建設費を予算で二十億御承認を得ておりますとおっしゃっております。手続その他について私は問題にするつもりはありません。そのとおりやっておられると思います。ただし、NHKのこの会計の処理といいますか、決算のやり方といいますか、それそのものにむしろ問題があるんじゃないか、この点で私は御質問を申し上げているわけです。ですから普通、会社の経理でいいますと、差し引き百六億ですね。これがやはり剰余金として当然明示すべきである、このように私は考えるわけです。したがいまして、先ほど二十億というものがどうして出たのかと突っ込んでお聞きしたわけです。これは予算ですでにもう御承認済みであるということでありますけれども、その機構そのものが問題じゃないか、まあ逆に言いますと、当然この百六億という利益が計上されておる。しかし、それはむしろ十七億にしょうと思えば十七億になるし、それを七億にしょうと思えば七億になるわけです。建設費に繰り入れを二十億だから十七億になりますけれども、これを三十億計上すれば、資産充当が十億ふえますから、したがって、このやり方でいいますと当期剰余金は七億になってしまう。ですから、今期の決算は利益は七億でしかありませんでしたと言えると思うのですね。したがって、私のいまお聞きしている点は、二十億というものを出す根拠というものは、一体どこにあるのか。むしろ逆算して出てくるのではないか、こういうようなことは言えるのじゃないかと思うのです。この点について、ここにやり方、そのものに間違いがあるということじゃなくて、決算のしかたそのものに問題があるのじゃないか、むしろ決算というものは、正直に年間の収支のバランスを計算し、そして決算時点における財産の有無の状態を明らかにするのが決算書であります。当然です、これは。しかし、このNHKの決算についてはそうなっていない。だからこれは少くとも決算書じゃないのじゃないか。最終結論というものについては、多分に人為的な意思が働いて、そしてあたかも利益が十七億しかなかったというふうに表示されている。このように見られてもしかたがない。また、一々説明するのに非常にやっかいである。普通の常識で見て、これは十七億の利益だ、こういうふうにだれしも思うわけです。よく聞いてみるとそうじゃない、実は十億の利益だ、こういう決算のしかたは私は問題じゃないかと思いますので、いままでお尋ねをしていたわけです。ですから具体的にはこの建設費をどうして二十億にしたのかという根拠になってしまいますけれども、むしろNHKの決算、この決算の表示のしかたそのものに私は問題があると思うので、取り上げて御質問しているわけであります。この点につきましては、むしろ前田会長からの御意見を承りたい。
○参考人(前田義徳君) いま御指摘の二十億を建設費に繰り入れた問題につきましては、御記憶かと思いますが、第二次六カ年計画の計画自体を御説明申し上げたときに、当時の金融状況、またNHKが六年間にやるべき建設計画、それからまた社会経済の一般的状況から言って、当時六年間にその年度の事業収入、主として受信料の収入でございますが、それから年度別に幾ら繰り入れていくかという御審議もいただいたわけでございます。この年はちょうど、第二次六カ年計画の五年目になります、四十一年度は。それで第一年度、第二年度においては、それぞれ五十億を繰り入れております。だんだん減らしまして、第六年度目には、おそらく私の記憶では十億を繰り入れていると思います。これはちょうどその五年度目になります。長期計画に従って、基本的にも御承認をいただいておったわけでございまして、この二十億はその計画に従って、当年度四十一年度建設費に繰り入れるというたてまえであったわけでございます。
○北條浩君 それはよくわかります。
 私が問題にいたしますのは、ただいま申し上げましたように、決算書のたてまえと申しますのは、この事業収入から事業支出を引きまして、それでその残が当然収益であります。それから資本支出としてこれを差し引くこと自体に問題があるのではないかと思うわけです。ですから、いままでおやりになっていることにつきまして、疑義を差しはさむものではありませんけれども、やり方そのものを、なぜこういう特異の経理をなさるのか、ここに私は問題があるということを指摘していたわけです。この点についての御意見を承りたい。
○参考人(前田義徳君) NHKは御承知のように、放送法によって事業の運営を規定されております。さらに放送法と関連する施行細則その他との関連で決算の形式というものがきまっているわけでありますが、とりわけこの予算案を提示するにあたって、予算総則がかなり複雑な条件を付しているわけでございます。したがいまして、御指摘のとおり一般会社その他との経理の区分けはきわめて異なっておると思います。しかし、常識的に、先生が指摘された点は私も別に異論はございません。ただ、それらの生産向上の結果を聴視者の利益のためにこの項目においてそれを使っているということを実は明示しているわけでございまして、その点は株主に対する配当と異なって、聴視者への利益還元の方式であるということが実は申し上げられるかと思います。ただ、一般常識から見て、きわめて複雑な項目と称号を用いているという点については、今後関係方面ともお話し合いの上できるだけ常識的に簡単に理解できる方向に今後努力してまいりたいと、このように考えております。
○北條浩君 続いてお伺いしたいんですけれども、いわゆる決算の性格からいいまして、少なくとも建設費に充当した金額をそのまま経費であるごとくに落とすことは、私は問題がある。したがいまして、この会計原則からいいまして、こういう処理をすることは、私は大いに疑問があると思うんですね。ですから、その点をむしろこの際に抜本的にお考えになる意思はおありかどうか、むしろその点を私はあえて御提言をしているわけです。
○参考人(志賀正信君) 先ほど御説明を申し上げまして、少しことばが足りませんでしたが、ただいま会長から申し上げましたが、実は先生から御指摘のとおりの御意見もすでにございまして、四十二年度の決算からこれを改めるように郵政省の施行規則が改正になっております。で、四十二年度の決算から――いずれにいたしましても、固定資産充当金と当年度の剰余金は、先生のおっしゃるようにどちらも当年度のいわゆる利益でございまして、合わせまして九十億ということになりますが、その九十億は事業収入、事業支出の差ということになりますので、事業収支差金という表示を設けまして、一応この利益をまず出しまして、その内訳として、まず第一が固定資産へ充当したもの、第二が当期の剰余金というふうに二つに区分けをして、そのまとめの項目を一つつけ加える、こういう方式で先生の御趣旨のような改正が四十二年度から行なわれております。四十一年度におきましては、従来の方式によっておるのでございます。
○北條浩君 そういたしますと、この四十一年度の数字でいいますと、少なくとも営業上の収益は百六十億になるわけでありますが、これはNHKの私は料金に大いに関係してくると思うんです。先般も料金値上げの件につきまして問題になりました際に、将来テレビの普及がさらに進み、カラーテレビ等も普及するにつれて料金を値下げをする意思はおありかどうか、そういった点につきましてお尋ねをいたしました。で、そう簡単にはいかないというふうなお答えでございましたが、検討の余地はある。そういう含みのあるお答えでもございました。ここに大いに私は関係があると思うわけです。と申しますのは、このようにほんとうは営業上の収益であるにかかわらず、これから資本支出、いわゆる建設費等を差し引きました残高が利益だという考え方でありますと、非常にNHKの決算は利益が少ない。事実は営業収益というのは百億にのぼっているわけであります。したがいまして、大ざっぱな計算で言いますと、少なくとも百億というものは、年間の料金収入約七百億といたしますと七分の一に該当するような巨額であります。これだけの利益を現にNHKの決算に生じたわけであります。しかるにかかわらずいままでのやり方は、この料金収入のほうからむしろ建設費に多額の金が利用されて、これに対しまして少なくとも料金を定める場合には、営業上の損益計算による原価から算出するのが料金のたてまえであろうかと思います。先般の物価安定推進会議におきましても、中山伊知郎さんあたりの御意見も明確にその点御指摘をされております。少なくとも料金の中から建設費等は支出すべきものではない、むしろ他人資本からの導入によって建設は行なうべきであって、それに対する利息等は、これは当然料金の中には含まるべきでありますけれども、いやしくも原価計算の基礎になるべき収支の考え方がはっきりいたしませんと、料金体系に対する考え方と根本的に違ってくるのじゃないか、このように思うのであります。したがって、きわめて大ざっぱな計算でありますが、この時点で、すでに百億の収益がある。年間七百億の料金収入に対して七分の一ということは相当もうけ過ぎているのじゃないか。その分は料金値下げに充当していいんじゃないか、このように思うわけです。非常に荒っぽい計算でありますけれども、考え方を明確にするために申し上げますと、そういうことになるのじゃないか。十何億の利益がそうではなくて事実は百億である。そうなれば、その分は当然料金の値下げに回していいんじゃないか、このように私は考えるわけです。そういった点につきまして、いかがでしょうか、会長の御意見は。
○参考人(前田義徳君) きわめて純理論的には私も全く同感でございます。しかし、事業の性格と、その時点における、必要な時点における社会経済の情勢とはやはりかなり流動的な解釈も必要になってくるかと思います。御承知だと思いますが、第二次六カ年計画を設定した当時の、これは一種の当時は神武景気という傾向が非常に台頭したときでありまして、したがいまして、第二次六カ年計画の初年度においては平均一八%、実質、人によっては二一%というような賃上げの時代でもございました。かような時代の中で、NHKだけでは何ともなりませんけれども、いわゆる単に物価という問題だけでなしに、実在する環境の中から値上がりを防いでいく、いわゆるインフレ傾向をわれわれの範囲内で阻止していくという方法は、物価騰貴を押えるという結論的な、純理論との関係は、結果的には同じことになると思いますけれども、その過程の措置として、お説のとおり建設費は外部資金に頼ることが原則でございましたが、この年に限って、この時代から実はそういう意味で、その年の聴視料からもこれをまかなっていく。ただし、これは六カ年限りという実は一応の考え方を持ったわけでございます。で、その後、社会情勢、経済情勢は非常により何と申しますか深みを加えながら、必ずしも楽観すべき情勢でない。個人経済から見ると――国の経済全体から見ると非常に発展しておりますが、国の中の個人という点から見ると、御指摘のような問題が明らかに出てきているということは事実でございます。こういうときにあたって、私どもは皆さんの御理解をいただきながら、いわゆる前年度から一種の料金の改定を行なったわけでございます。これは第二次六カ年計画の結果をとらまえて、新しい状態に即応する料金の改定という方向に踏み切ったわけであります。そういう意味では、御指摘の点については、われわれの聴視料制度、あるいはまた、これと関連する事業計画、予算の編成にはきわめて敏感にその責任を感じております。ただ、値上げという点になりますと、これは日銀の統計におきましても、それからまた、料金改定の際きわめて顕著な、たとえば経済企画庁の御意見等、当時は値上げではないかという御印象が深かったと思いますが、今日、日録及び経済企画庁が発表している結果によりますと、この数年間で値下げを行なったのはNHKだけという数字が統計上出ております。私どもとしては、皆さんの御意見を承り、またわれわれの良心の上に立脚した、私どもとして経営責任を痛感しながら、実はそういう過程をたどってきておるのでございます。今日おそらく問題になるのは、こういう傾向の中で、カラー料金の契約が急激に増加するであろう。その際に、再び料金の問題はどうかというお気持ちとも関連しての御質問かと、まことにかってがましいのですが、拝察するわけでございますが、第二次六カ年計画後、われわれは第三次五カ年構想というものを立てております。これによってNHKは、聴視者のために、また非常に口幅ったい表現でございますが、社会のために尽くす責任の所在と方向は何かということを検討したわけでございます。難視聴の解消も、もちろんその一番大きな柱の一つでございますが、それと技術の発展と開発、それが国内的ばかりでなく、放送事業者という基盤の上に立って広く海外との関係を考えるときにも、われわれのなすべき方向は、おのずからその中で決定されてまいります。こういう環境の中で、しかしお説のように料金は安いほどいいのでございますから、これらをどう勘案しながら、聴視者に対する責任を果たしていくかという点で、私どもは今年度二年目になるわけでありますが、新しい料金体制をとり、その体制のもとにおいては、かなり激しい経済情勢の変化があっても五年間は持ちこたえ得るという確信のもとに、実は今年度予算も御審議をいただいたわけでございます。そういう意味で考えますと、非常に素朴なプラス・マイナスを考えますときに、五カ年計画の最終年度、昭和四十七年三月末までの私どもの第二次六カ年計画の聴視料体系と、現在の聴視料体系を比較いたしますと、従来の聴視料体系に比べて、少なくともこの五カ年間に実質二百億程度の事実上の値下げをしたことになると思います。ただし、新しい技術の開発、あるいは文化度の向上によって、カラー契約は当然ふえてまいりますが、その最終年度における差額は、私どもの素朴な計算では、現在のところまだ二年度目でございますが、昭和四十七年度末において、総額実質三十億の増収になるであろう、こういうことを実はひそかに考えております。ただし、一般社会情勢も、技術の世界も、聴視者の心理も、そのときに応じて変化するのは当然でございますので、私どもとしては、さらに明年度予算編成にあたってはもっと合理的で、そして聴視者のためになる方策を考えたい。そういう意味では、現行第二年度目になりますが、長期構想、五カ年計画も一部修正をするかもしれないというような気持ちで私どもは経営をいたしております。
○北條浩君 料金の値下げにつきましては、むろん一がいにこの決算書だけではできないことはよくわかります。またNHKの持たれる特殊な性格もよくわかります。しかし、私がいまあえて申し上げました点は、どこまでもこの決算諸表のあり方ですね、どうしてもこれは計算上の基礎になります。この点を私は取り上げたわけです。したがいまして、先ほどの御説明によりますと、この次年度からは建設費等は別に立てたと、こうおっしゃっておりますけれども、もう一歩突っ込みますと、長期借入金返還その他も、利息等はこれは経費でありますが、元金の償還までこの利益から差し引いて残高を計上するということはなおかつ私は疑義が残ります。したがって、一般の会計原則にのっとった計算のやり方をNHKとしてもおやりになって、その上で利益は幾らと明示をされて、しかる後にこの利益処分なり、その充当すべき明細等をお示しいただくのが私は順当じゃないか、どこまでも一般の経営と同じように明示をしていただきませんと、NHKだけが特殊の性格はわかりますが、この会計のやり方まで特殊なやり方ということは納得できませんので、建設費の点につきましては改められたことを伺いましたが、あえてそこまでなさった以上は、元金償還まで含めて計算されておりますけれども、これもやはり当然利益金から差し引くべきものではない、こう思います。したがって、そこまでもう一歩前進して、当然利益金は利益金として計上していただきたい、このように改めていただきたいと提言をする次第ですが、その点はいかがでしょうか。
○参考人(前田義徳君) いわゆる利益金の負債償還充当につきましては、この年度等におきましても、予算と関連して附帯決議の中にある項目でございます。しかしながら、その後当委員会の御方針も時代の変化に応じて変わってくると考えておりますので、原則的には私は反論申し上げる気持ちは毛頭ございません。ただ、放送法、これと関係する法規、それから当委員会の御意向、附帯決議等を尊重しながら、できるだけ常識的な線で数字をまとめたい、このように考えております。
○北條浩君 それでは、それは今後の問題といたしまして、もう一点伺いますが、このただいまの一六ページの表に前期繰り越し金四十六億三千百万円と計上しておりますが、この前期繰り越し金、この金額と、それから四十年度のこの決算諸表の繰り越し金とが合わないんですね。少なくとも期首と期末の残高合うのはあたりまえと思うのですけれども、これもNHKの特殊の経理のやり方かと思いますが、一々説明聞かなければわからないような経理では非常にまずいと思うのです。それとも私の見方が悪いのか、その辺を説明してください。
○参考人(志賀正信君) 十六ページの下から四行目にございます前期繰り越し金という表示で四十六億三千百万円を計上しておりますが、、これは資金の残高でございまして、事業収支、資本収支を含めまして前年度から持ち越しましたものがここに表示されております。
○北條浩君 それでは前年度の諸表の中で具体的に示してください。
○参考人(志賀正信君) 前年度のただいま四十年度のこまかい資料はございませんが、四十年度末におきまして、四十年度の資本収支、事業収支の総体の差額が翌年度に繰り越されますが、その額が四十六億三千百万円でございまして、そこに計上いたしましたとおりでございます。
○北條浩君 ここに前年度の対照表がありますけれども、そこには四十七億一千四十六万八千百十円と、こういう数字が出ておりますが、これといまの四十六億三千百八十九万八千円とは約七千八百万ばかりの差があるわけです。これはどうしてなんですか。
○参考人(志賀正信君) たいへんおそくなりましたが、四十年度末におきましては四十七億一千万円の当期繰り越し剰余金がございましたが、その後、先ほどもちょっとお話がありましたが、四十年度末におきまして未収受信料の欠損償却金に不足を生じましたので、その分の修正に引き当てております。その額が七千八百五十七万円でございます。ただいまお話しのような額でございます。それを控除いたしまして、四十一年度に持ち越しましたものが四十六億三千百八十九万八千円でございます。
○北條浩君 説明を聞けばわかりますけれども、決算書類というのは、そのくらいのことは説明せぬでもわかるように表示をしてもらわないと非常に困ると思うのですね。期首と期末が合うのは当然であって、これが合わなければ私ども疑問を持つわけなんです。説明を聞きますとわかりますけれども、だれが見ても説明抜きでわかるようにしていただくのが当然会計法の初歩だと思うのです。
○参考人(志賀正信君) ただいまお説のとおりだと思いますので、今後この十六ページのような資料をお出しいたしますときには、前年度との関連をつけまして、前期繰り越し金の金額に異同がございましたときには、その点を計上いたしますようにいたします。
○北條浩君 とにかく非常にNHKの経理のやり方は独特なもので、非常にわかりにくいわけです。少なくともこういう初歩的なことは明確にしていただいて、なおかつまた先ほど申しましたように、当然この収益の計算等も一般常識でわかるような表示をしていただかないと非常にまずいと思いますので、その点は締めくくりとして申し上げて、私の質問を終わります。
○村尾重雄君 私は審議の本筋と離れますが、一般問題についてお尋ねをしたいと思います。先般――先般といっても一週間前ですが、参議院派遣という形で沖繩を視察する機会を得ました。短期間でありましたが、私が逓信委員会の末席につらなっているという意識があったのか、かなりりっぱな局舎と鉄塔を見た等の関係から、政府関係者、政党の関係者、それから島民の人々や、とわわけ放送関係記者の方々から放送事業をいろいろとお聞きし、また見聞さしていただく機会を得ました。そこで私がまず感じたことは、あまりにも本土の放送事業と沖繩が格差があり過ぎるということであります。昨年、NHKの援助によりまして沖繩にも公共放送たるOHKが発足しまして、民放と現在二本立てとなっております。私は帰ってまいりましてから、沖繩の放送関係の援助がどうなっているかということを調べまして、五十八回国会で、私は関係しておりませんが、沖繩におけるテレビジョン放送に必要な設備の日本放送協会による設置及び無償貸付けに関する法律というのが成立しました。沖繩にテレビ放送の普及発展をはかるために、NHKは四十三年度に限り三億五千万円をもって那覇地区にテレビ放送施設を設置し、これを沖繩放送協会――OHKに無償で貸与することができることとした。なおOHKでは、先島地区の政府譲与によるものを含めて、一月一日から沖繩全島にテレビ放送を現在開始しておるようであります。しかしOHKの現状は、ラジオ放送は行なわず、唯一のテレビ放送も一チャンネルのみで、総合とか教育の区別もありません。もちろん現在政府やNHK当局においては沖繩の放送事業に対しても、単に三億五千万の金を含めた援助をしたということだけでなく、その後もいろいろと手を差し延べられておると思いますが、私の非常に浅い見聞ですが、必ずしも現状は十分でないということを感じたのであります。
 そこで、私は簡潔にお伺いしたいのですが、NHKにおかれましては、OHKや沖繩の民放に番組を提供されておると思いますが、その状況、すなわちOHK、民放にニュースその他の番組を何時間等の問題をひとつお聞かせいただきたいと思うのであります。
○参考人(川上行蔵君) 沖繩のほうに対しまして番組を提供いたしますその内容につきましては、四十三年の十二月二十一日に本島で、いま先生からお話がありましたように、OHKが全面的に発足をいたしました。それ以前におきまして、先島において、六時間のテレビ放送をいたしております。その番組は全面的にNHKが提供いたしております。それまでの、本島のほうでOHKができますまでの間に、すでに現地の商業放送に対しまして――沖繩テレビ及び琉球放送に対しまして、昨年の十二月二十一日まで四時間四十六分の番組を提供いたしましたのでございますから、現地の民放、沖繩テレビ、琉球放送はNHKの四時間四十六分のほかに本土のほうからの民放の番組を入れまして、番組を編成しておったわけでございます。その後十二月二十二日本島で放送局ができましたので、以後現在のところ本島及び先島に対しまして、OHKの放送に対しまして一日平均十時間三十分の番組を四十三年度中は提供いたしております。さらに四十四年度につきましては、OHKのほうに対しまして一日に十四時間五十二分、それから先島のほうに対しましては十二時間五十二分という番組を提供いたしております。それからOHKが全面的に放送いたしましたので、十二月二十二日以降現地の民放に対しましては、この四月まで約一時間十六分という番組を提供いたしておりましたけれども、それ以後OHKが全面的に発足いたしましたので、いま現地の民放のほうにテレビ番組は提供いたしておりません。それからラジオにつきましては、いままで一日約一時間四十九分の番組を提供いたしておりましたが、それは現在も引き続きまして二時間三分という時間で提供いたしております。それはラジオ沖繩とそれから琉球放送、この二社におよそラジオ沖繩が六〇%、琉球放送に四〇%、二時間三分のうち六〇%がラジオ沖繩、四〇%が琉球放送、そういう形で現在番組を提供いたしております。
○村尾重雄君 私から申し上げるまでもなく、沖繩は特別な立場に置かれております。また、わが国にとっても、非常に重要な問題であります。内地の民放や海外の放送機関に番組を提供する場合とはおのずから異なるわけだと思います。当然特別の考慮が払われてしかるべきであると思うのですが、その提供条件といいますか、対価がどうなっておるかということについてお聞かせいただければと思います。
○参考人(川上行蔵君) 現在沖繩放送に対しまして、OHKに対しまして提供いたしておりますのは、先ほど申し上げましたように、平均いたしまして十四時間でございますが、それに対しまして現地のOHKと相談をいたしまして、現地のほうもいろいろ原価計算あるいは沖繩の民政府、国会に対する説明、質疑応答から――ある程度受信料の原価を出す上からもむしろ取ってもらったほうがいいんだというので、ブランケットエリア方式という形におきまして、沖繩のOHKの収入の一〇%を納めてもらうという形で放送をいたす。なおそれ以前におきまして、商業放送に対しましてはおよそ一つの番組が、芸能番組で十五分のものであれば幾ら、あるいは六十分のものであれば幾らというような形において、それは諸外国あるいは国内の商業放送に提供するよりもはるかに安い料金でございましたけれども、そういう料金で提供しておりましたけれども、それよりもさらに安い金額、およそ国内で提供いたしております番組の五〇%程度のものを現地の商業放送からはいままではいただいておりました。
○村尾重雄君 五十八国会のこの援助法案が審議されましたときにも、委員の方がいろいろと御心配になり、触れられておった問題ですが、OHKはもとより、民放各社もNHKから番組を現在も提供されております。また向こうは受けているわけですが、その番組が重複するのではないかということなんですが、この点はスムーズにいっているんでしょうか。
○参考人(川上行蔵君) 昨年の十二月二十一日からOHKが開局いたしますにつきまして、その数カ月前から現地のほうで話し合いをしてもらいまして、NHKの番組はすべてOHKのほうに提供するという形でスムーズに移行をいたしました。ただ、先ほど申し上げましたように初め朝八時十五分の連続ドラマを商業放送のほうに提供しておりましたのを、期の途中で、十二月まで提供して一月から打ち切るということはまことにおかしいんで、それは引き続いて三月の終了まで提供いたしております。そういう形でございます。なお、学校放送も幾つかテレビ番組を提供しておりますが、それも年度の途中で切るのはおかしいので、三月の末まで引き続いて提供する、そういう形になっております。したがいまして、テレビの番組につきましては、重複はございません。
○村尾重雄君 仏つくって魂入れずということがございますが、私は、はなはだ沖繩におけるNHKが援助をされることについてかなりむずかしい条件だとか、事情のあることも、この五十八国会の速記録で知悉いたしました。また現地においても、かなりむずかしい問題が出ていることも話を伺ってきたんですが、私の伺いたいのは、いま申し上げましたように、せっかく援助計画を、さきには政府ベースにおいて先島地区においても七億何がしの援助計画、そのほかさかのぼれば援助計画をば長年にわたって実施されております。私のいま伺いたいことは、番組提供だとか、昨年五十八国会で成立した法案の援助等以外に、現在政府並びにNHKにおいては、ただいまお話にあった同じ番組提供以外にどういう援助をされておられるのか、伺いたいと思います。
  〔委員長退席、理事鈴木強君着席〕
○参考人(前田義徳君) 御承知のとおりでございまして、放送事業というものを中心にして沖繩とのこれまでの関係を振り返りますと、三段階に分かれております。まず、キャラウェー高等弁務官時代に、日本電信電話公社が中心になりまして、マイクロ回線一回線を本島と連絡するような措置を講じました。続いて日本政府が先島地区のテレビ設備を提供したわけであり、そして御指摘のOHKの設立に伴って、この相関関係は第三の時期に入ったということは言えると思います。
 第一期においては、NHKは沖繩の那覇に一種の番組提供のためのクリアリングハウスというものをアメリカ関係及び琉球政府の御理解をいただいて設置し、これを通じて従来沖繩放送が開始されるまで、沖繩における商業放送に番組を提供したわけでございます。昨年、それからまた政府の供与した先島地区についても、このクリアリングハウスを利用して番組を先島地区に送ったわけでございます。そうしてただいま御質問の焦点であるOHKの設立に伴っては、御承知のように、われわれが責任の基礎とする放送法は現在のところ日本国内にとどまるわけでございますので、特別立法をお願いして、それを基礎として三億五千万円を支出し、そうしてOHKの基礎的建設に寄与したほかに、ただいま川上専務から御説明申し上げたように、番組面でも一〇〇%の御協力を申し上げておるというのが現段階でございます。
  〔理事鈴木強君退席、委員長着席〕
そのほかに、たとえば営業体制の問題であるとか、いわゆる現地の番組制作との関係は、その番組制作に要する主たる人員とその設備、それからまたOHKの事業計画が実効をあげ得るような協力、御承知のように、沖繩は十数年にわたって商業放送がまずでき上がって、しかる後公共放送が昨年十二月二十一日以来発足したわけでありますから、料金制度による経営というものはかなり困難でございます。したがいまして、その経営についても、私どもは専門家を送って御協力申し上げておるというのが実情でございます。おそらく御承知の上で御質問になっているかと思いますが、OHKは最近私どもに対しましても、テレビのもう一波よりは、むしろFMのラジオ放送を開始したいという御意向が示されておりますので、これについては、私としてはまず経営基盤を確立することが先決ではないかという御意見を申し上げ、正しい将来構想のために、まあFMという形での全島ラジオ放送ネットのつくり方について、技術的調査という点で御協力を申し上げるという段階でございます。
○村尾重雄君 いまお話を伺って、私自身がお尋ねしたいという一点は、また、お伝えしたいと考えておった一点は済んだわけなんですが、私は現地の宮古島住民の方並びに宮古島、石垣島――先島地区の出身議員の人々と懇談申し上げましたときに、OHKの石垣島や宮古島のテレビ局は本島、いわゆる那覇から飛行便やあるいは船便で送られてくるビデオやフイルムを使用しているために、番組が相当おくれているという模様であります。そこで、先島地区の住民は中継用のマイクロ回線を本土の援助によって施設してもらいたいと要望しております。私は本島から遠く離れたこれらの地域の島民にとって、本土をはじめ世界の動きを即刻に知らせる方途を講ずることこそが必要であり、最も要望されているところだと思います。そこで政府にお尋ねするのでありますが、これら沖繩の現状や要望は十分に御承知いただいておることと思いますが、これらのいま地区の方々が要望される点等について、どう対策を講ぜられようとしておるのか、政府の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 沖繩の放送事業が本土と非常に格差があるということは、これは御指摘のとおりでございます。これまでもいろいろ質疑応答がございましたように、若干の援助はしてまいりました。しかし、まだまだ本土並みというところにはまいりません。そこで問題点の一つが、沖繩本島でFM放送をやりたい、こういう非常に強い希望があるということも承知をいたしております。いま、前田会長がお話しになったとおりです。それから教育放送も、現在総合放送と同じ放送帯の中に三時間ばかり時間を取りまして教育放送を細々やっておるという状態でございまして、これもまた別の一系列でやりたいと、こういう強い希望があるということも承知しております。さらにまたカラーテレビを見えるようにしてくれと、こういう要望もございますし、あるいはまたいま御指摘のように、先島地区のテレビがビデオまたはフィルムで行なわれておるので非常に不便である。だから、直接放送が見えるようにしてもらいたいという強い要望があるということもわれわれはよく承知をいたしております。そのために、先般来調査団を派遣をいたしまして、第一次の調査をしたところでございますが、これだけではまだ結論は出ておりませんので、引き続いて調査をしなければならぬと、こういうふうに考えております。いずれにいたしましても、ただいま申し上げましたように、いろいろな面での格差をできるだけ早く解消するようにわれわれも沖繩政府からの申し入れを待って、全面的に協力していく、こういう体制でございます。
 問題点の一つは、いまもちょっとお触れになりましたように、OHKがスタートしたばかりでございまして、経営がきわめて弱体である。経営の体裁をなしていないと。したがいまして、何事をやるにいたしましても、現在のOHKの経営のやり方をもう少し軌道に乗せるということが先決でなかろうかと、こういうふうに考えております。そういう点も総合的に判断をしながら全面的な協力を惜しむものではございません。
○村尾重雄君 私は最初から申し上げましたように、OHK放送のテレビチャンネル問題、これはすでに御発言あったように御承知のことでありますが、幸い、本年は政府におかれては待望の沖繩返還のめどがつきそうであります。本土との一体化を促進させるためにも、沖繩の放送体制を早急に本土並みにするということはいまお話があったようにきわめて私は有意義であろうと思います。この際、沖繩全島民が要望しておるNHKのサービスを本土並みにするため、テレビチャンネルとラジオ放送網をNHKの援助によって五十八国会で、NHKが建設されて、これを無償で貸与されたという形において、いろいろ困難があったことは、五十八国会の速記録を読ましていただきまして、つぶさに承知しておりますが、これを先に拝見いたしておりましたら、私が不勉強なものですから、見ておりませんでしたので、あるいは短期間でありましたが、沖繩の放送事業についても私から積極的に調査し、実情をつかむことができたと思ったのですが、これはあとの祭りになったのですが、あとで読ましていただいたのですが、ひとつ五十八国会で成立しましたこの法案がいろいろと、たとえば放送法に基づいてとか、あるいは受信者に対する受信料等の関係、いろいろの問題もございましょうが、国益の立場、国の政策というような立場、いろいろ考えたときに、なお昨年の審議のときにも非常に誠意を示され、また、委員の方々が満場一致で可決されておるような状態から見て、いま一歩積極的に援助計画というものをNHKがひとつ推進されてはどうかと思う。もう一度お願いいたします。
○参考人(前田義徳君) 御趣旨においては全く賛成でございます。私としては、NHKの会長としては、政治関係や法体制を乗り越えて沖繩人は日本人であるという感覚のもとに立ってあらゆる努力をいたしたいと考えております。ただ、そういう努力のしかたと関連して、やはり実情を把握することと、その関係で法体制の中でどのような隘路があるかということも私にとっては研究課題の一つかと考えております。しかしいずれにいたしましても、より積極的に領土の、あるいは施政権の政治的解決に、はるかに先がけてわれわれの同胞の一部であり、またNHKの放送番組が要望されておるという点では全く御同感の立場に立つわけでありますから、今後一そう努力いたしたい、このように考えております。
○村尾重雄君 せっかく御意見を伺ってまだ、少し追いかけて要望するようですけれども、私も朝のニュース、並びに八時十五分からの「信子とおばあちゃん」ですか、そういうような放送を見ておりまして、内地にいるのと変わらないことを直接に見て感じました。私は現状でもNHKが相当沖繩地区の報道関係につき、特にOHKに対して御協力いただいておることは感知するものですが、私は各委員から四十一年度またいま提案されている四十二年度の収支決算を見ましても、各委員の意見もおのずから御一緒であるように、非常にNHKの経営が健全である。もちろん、このことは運営者、経営者の経営よろしきを得た結果だとは存じますが、ともかく、ここ数年来、毎年二十億程度、まあ十七、八億となっておりますが、剰余金をば出しておられます。しかし、沖繩の援助計画については、条件等もおありのことだと思いますが、沖繩本土復帰の際は当然OHKの業務を引き継がれることとなりましょうし、したがって、OHKの現状の援助はいわば数年後というか、ここ二、三年間の先行き投資であり、このことも五十八国会のこの審議の中で、新谷委員その他の方から先行投資ということについて、当時の小林郵政大臣との間にいろいろお話があった模様であります。私は、いまNHKが沖繩の同胞に援助の手を差し伸べても、そのこと自体に異議を唱える人はそうあると思いません。おそらく国会関係においては賛意を表される方が積極的にあることと思うのであります。こういうような点から重ねて、OHKの援助について郵政大臣並びに前田会長に考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほども申し上げましたように、沖繩の放送事業で本土との格差を解消したいという非常に向こうの強い要望が出ております点は四点であったと思うんです。もちろん、この点につきましては琉球政府と連絡をとりながら、総理府とも打ち合わせいたしまして、できるだけの援助をしかもできるだけ早くする用意は十分ございます。ただ、先ほども申し上げましたように、NHKからも経営指導に何人か行っておられますけれども、まだ、OHKの経営自体が軌道に乗っておらぬわけです。ですから、経営主体の経営を軌道に乗せるということも何よりも重要だと思いますので、この点もあわせて協力していきたい、かように考えております。
○参考人(前田義徳君) 私どもの立場も全く郵政大臣と同じ立場にあるかと考えます。私どもの点から見ますと、沖繩側の御要望には一〇〇%応ずる覚悟で努力いたしております。ただ、簡単に申しまして、放送事業者として見ますと、二つの点をまず解消すべきであるという考え方を持っております。一つは、現在の沖繩と東京あるいは本土とを結ぶマイクロ回線は上り一回線というのが原則でございまして、予備回線はございますけれども、三つの放送局を持つ沖繩に対する施設としてはまだ不十分だと私は考えております。第二に、ただいま大臣が指摘されましたように、まあ三月三十一日までが、実は日本と違って七月から六月までが会計年度でございますが、その発足以来上半期の、あるいは年度的にいえば下半期になるかもしれませんが、この六月三十日までの経営経過というものを見ますと、予定の五〇%以下の地固めしかできていないという点で、私どもはむしろこちらに現在全力を注いで協力いたしております。したがいまして、グローバルな考え方としては全く同感であり、私どもの立場から見ますと、まず経営を確立させることが先決問題であるというので、当面ここに全力を注いでいるというように御理解いただきたいと思います。
○村尾重雄君 私、ぎごちない質問を数項重ねたのですが、私が、ここで申し述べたいと思ったことは、現地関係者からいろいろと話を伺っておりますおりに、実際の情勢を私は調査するだけの素養がなかったために十分なことをここで申し上げることができませんでしたが、事情については関係者は十分御承知だと思います。そこで、政府の援助計画というものが、ここ数年来急速に総理府の援助計画が予算が増額されてきたといっても、ようやく本年度は百五十億何がしだと聞いております。
 そういうような点から、ひとつ私は率直に今後のやはりテレビ放送が持つ、またラジオ放送が持つ重要な、沖繩諸島の本土返還をここ数年に控えて、重要な使命を持たれるNHKとして、今後積極的に本土並みに、内地の人たちと同じように、ひとつ放送の受信ができるように御努力いただきたいとお願いするだけであります。よろしくお願いしたいと思います。
 そこでいま一つ離島の問題でNHKにお尋ねするのですが、小笠原も御存じのごとく、六月二十六日で復帰満一周年を迎えたのであります。美濃部東京都知事も現地で一周年記念式に参列されて、いろいろ今後の小笠原の施政について意欲を発表されておりました。
 私はそこでお伺いしたいのですが、これらの地域における放送事情はどのようになっているのか、できるだけ早い機会にテレビのサービスをば提供されたいと思うのですが、いろいろ伺えば、距離の関係等なかなかむずかしい技術上の問題もある模様でありますが、現在NHKが九五%をこえる完備した放送を行なっておられる、なお残った五%についてもこれが解消するために御努力なさっておられると聞きますが、都会並びに山合い等の難視聴の問題もちろんこれも重要な問題ではありますが、それ以上たとえば鹿児島県だとか長崎県だとか北海道だとか東京都とか、かなり離島をかかえておりますこれらの県の離島について、当然NHKの基本的な使命としても十分にこれらの離島に住居なされる方々に対してもテレビ放送なりが、十分に私は見れるように措置されるということが使命だと、こう思うのです。実際どうなっているか、ひとつ現状伺いたいと思うのです。
○参考人(野村達治君) ただいまの離島に関する問題で、日本列島のごく近くにありますものにつきましては、全部の島につきましてかなりよくカバーできるように電波を出しており、中継所もつくっております。ただ、御指摘のございました小笠原につきましては、本土からちょうど千キロございまして、不幸にいたしまして、ここまで到達する電波が現在のところテレビジョンにつきましてはございません。したがいまして、われわれといたしましても、できるだけ早い機会に、定期船が月に一回というようなことでなく、もう少し多くなりました時期にある程度。パッケージのような形ででも番組を送りまして、あそこから電波を出すということを考えたいと思っておりますし、あるいは先ほどもちょっとお話がございました通信実験衛星のようなものが上がりました段階におきましては、そういったようなものを利用いたしましてこういったところにテレビのサービスをやるとかということも考えていきたいと思っておりますが、何ぶんにも番組を送る手段は、現在月一回の定期船しかございませんので、そういった意味で定期的な放送を行なう、テレビ放送を行なうということができないのは、はなはだ残念に思っておるところでございます。
○村尾重雄君 小笠原がかなり難れた距離に存在するということから、テレビ放送の現状が、非常に視聴が困難だということ、私も直接伺っております。何らかの方法において、今後の便船を通じて、島に住居される人たちに便宜をはからっていただきたいと思いますが、小笠原を除いてはどうなんですか。かなりの離島にいまだ十分テレビ放送の映像が届いておらないということはまだだいぶあるのですか。
○参考人(野村達治君) 本土から百キロないしは百五十キロの地点のところにおきましては、ほとんど全部の島について中継所が置かれておりまして、ないしは本土からも電波が行っておりまして、かなりよくカバーしているというふうに考えております。
○村尾重雄君 最後に、――最後だからつけ足しでお伺いするのじゃなしに、これはひとつなお真剣に取り組んでいただきたいことでありますが、それは基地並びに国際空港周辺のテレビの難視に対する受信料の減免問題についてであります。現在まで委員会があるごとにたびたび審議を伺っておりますと、NHKは受信者の事情はよくわかるが、本来加害者が救済すべきである、すなわち現在の一キロないし二キロの受信料半減ということでありますが、それ以上はできない、こうおっしゃりはしませんが、そういう態度であります。また、郵政大臣は、よく見えない、聞こえないものからは受信料を取るべきでないということをたびたびおっしゃっておられます。また、防衛施設庁では、NHKの免除に期待したいというようなことで、いわば基地並びに国際空港周辺のテレビ難視聴に対しては、三者とも三すくみの御意見をおっしゃっております。そこで、何をおいても根本的に技術の開発によって難視を一日も早く克服するより道がないと思いますので、そのことが急務であります。また、漸次そのことに御努力いただいているものと思います。どういうようになっているか、ひとつ関係者から御返事いただければ伺いたいのですが、私は、それまでその間の適正な減免処置を講ずることとして、それによって生ずる損失は、騒音、爆音を出す発生者が負担することとすべきでないかと思います。というのは、最近有線装置によって、かなり遠方から飛行場周辺の家庭にも映像が見えるような装置も進んでいると伺っております。しかし、爆音による障害というものは、なかなか、これは解消されそうもありません。イヤホーンをつけてどうのこうのということも一度聞いたこともありますが、現状を見ると、騒音を防止するというようなことはなかなかできません。私は、そういうようなことから、まず政府の見解を重ねて聞くのですが、そうしたことに対するこれが防音装置、防止の装置というものに積極的に取り組まれておると思いますが、その見解をひとつ承っておきます。
○国務大臣(河本敏夫君) 基地周辺でテレビがかりにいま見えない、また見えにくい、こういう場合には、これは原則的には見えないものからは料金をとるべきでない、見にくいものに対しては料金は減免すべきである、これはもう当然のことであろうと思います。ただ、その原因を除去したり、対策を立てたり、あるいはまた新しい研究によって見えやすくしたり、いろいろなことをしなければならぬと思いますが、これはおのずから、別個のことでございまして、それの対策として並行的に進めるべきである、こういうふうに考えております。
○村尾重雄君 騒音と飛行機の発着の映像に与える障害、いろいろ波が出たり何かするというのは、当事者は十分御承知だろうと思います。私は最近、防衛関係ではないのですが、伊丹国際空港の国内航路も非常に多くなっており、また最近国際航路の開発がなされてからそのよく見えない度数がふえていると思うのですが、いろいろと三者でそれを防止する機関だとか、いろいろ設置されているようでございますが、飛行機の発着から受ける映像の障害というようなものは目に余るものが周辺にはございます。単に半分受信料を免除したということでなくて、これが対策というものがなければならない。十分それの対策が進んでいるならばどの程度進んでいるという御答弁をいただきたいと思う。半額減免するよりほかに方途がないのかどうか。
○参考人(佐野弘吉君) 技術的に申し上げますと、十分とは言いがたい状況であります。いまの画像のくずれますフリッカー現象を除去するための専門のアンテナというものも一両年開発をいたしましたが、必ずしも十分にまだ行きわたっておりません。また受信機でも、騒音の度合いに応じまして音量が高くなったり、低くなったりという、いわゆる自動音量調整装置のついたテレビジョンというものも開発されておりますが、何分にも圧倒的にいわゆる爆音からくる受信の障害というものが強うございまして、いまのような技術的な開発を進めてはおりますが、十分これらを除去して御満足いただくという状況には至っておりません。
○村尾重雄君 いま一つ郵政大臣にお伺いしたいのですが、私先ほど、これらの障害は、公害問題とやはり関連するのでしょうが、障害について一体国際空港を除いて、基地におけるこれが防止するためにどういう措置が防衛施設庁で行なわれているのかということを聞きましたところ、参考資料を見せてもらったのですが、それによりますと、防衛施設庁の予算の中に、障害防止補助金、騒音防止補助金、民生安定助成補助金という各家庭への補助金もそうでありますが、その他道路改修補助金、あとは施設運営等関連補償費とかいうことで、百数十億のこうした障害の防止のための予算が防衛施設庁ではなされ、これが成立しているのであります。こういうふうな点から考えて、私はテレビの難視聴、これを防ぐために、単に一億というようなことでなしに、もっと三億とか五億とか支出されまして、このほうに使われまして、たとえば周辺の学校の防音施設をいま少し完備するとか、家庭の防音装置をもう少し完備するとか、こうしたことがやはりテレビの難視聴にも私は十分に関係してくると、こう思いますので、郵政関係としても、こうした金からということでなく、また、政府自身がやはり難視聴防衛のために思い切った五億なり、その他の予算を措置されることを私は望んでやまないのですが、これに対して大臣はどうお考えになるか。
○国務大臣(河本敏夫君) この防衛庁だけではなしに、私ども郵政省、NHK等も含めまして早急に検討していきたいと思います。
○参考人(前田義徳君) 郵政大臣の御答弁と関連しまして、前回の当委員会においても御同様な趣旨の御質問をいただきまして、私としては、今後この問題に真剣に取り組んでまいりたいというお答えを申し上げております。一般情勢のもとで、航空機の単に基地関係のみならず、航空機が巨大化するという傾向の中で、国際空港等については一応の原則を出しましたが、基地関係についても、私どもとしては聴視者の立場に立って、私は前進できる方策をできるだけ早く具体的に検討してまいりたいと、このように考えております。
○村尾重雄君 私はけっこうです。
○青島幸男君 まずNHKにお尋ねしますが、この損益計算書の内訳に、選挙放送関係交付金というのが収入の部にあるんですけれども、これはどういうかっこうで入ってきている金か、その内訳を説明していただきたい。
○参考人(志賀正信君) 四十一年度におきましては、衆議院の総選挙がたまたまございまして、自治省とのお約束によりまして候補者一人一回三千円の選挙放送に対する実費をちょうだいしたのでありまして、その収入であります。
○青島幸男君 そうなりますと、選挙放送にしても番組を制作するわけでございますから、スタジオ使用料とか、テープの使用料とか、そういう意味の実費として三千円自治省からもらったと、こういうことでよろしゅうございますか。
○参考人(志賀正信君) そのとおりでございます。
 なお、ちょっと申し落としましたが、県域放送の分につきましても実費をちょうだいいたしまして、その合わせましたものが計上されております。
○青島幸男君 そうすると、選挙のための放送が行なわれるとすれば、行なわれる分が空白で流れてしまうということはなく、当然予算上の処置としても、選挙の放送が行なわれるべきところにほかのレギュラーの番組が何か入っているはずです。それがなくなって、選挙の放送が行なわれるわけですから、その余った金の予算上の処置というのはどういうことになるんですか。
○参考人(川上行蔵君) 定時に放送をいたしておりました分の制作費が浮くということが、いま先生、おっしゃったような形で出てまいります。逆に東京とか、大阪とか、そういうところではやはりローカルで選挙放送を実施いたしております。しかし、地方ではやはり全中を受けるという形において、東京は二重の番組を制作をするということが多分にあるわけでございます。そういう意味において、選挙放送になった分が全部、NHKの特集したそういう番組制作費が浮いてくるという形にはならない、そういう点で計算が出てきております。こういうことに御了解いただきたいと思います。
○参考人(志賀正信君) 先ほど御説明を申し上げました際に、スタジオ使用料というふうにお尋ねでございまして、そのとおりでございますというふうにお答え申し上げましたが、訂正をさせていただきます。
 三千円の根拠になっておりますのは、職員の基準外労働賃金と、それから取材費、直接の選挙放送用の資材購入費及び回線の専用料、こういうものが主体でございます。
○青島幸男君 これで大体NHKさんの選挙放送に対する基本的な態度というものが一応伺えるんじゃないかという気がしてお伺いしたんですけど、これに関連しまして、今度また選挙法が改正されまして、テレビでも選挙放送が行なわれる、選挙のための放送が行なわれということになったということで、何か選挙のための放送、迷惑のものをNHKは押しつけられたというふうな感じに受け取ってらっしゃるんじゃないかというような気が一部するんですけど、NHKさんとしては、この選挙放送をどういう態度で行なっていこうとなさっているか、その基本的な態度をひとつ明確にしていただきたいと思います。
○参考人(前田義徳君) 私どもの責任として、現在の民主主義の政治という点から言えば、選挙こそその基礎になるものと考えております。したがいまして、率直に言って、私どもはこの選挙放送に全力を注ぐということがわれわれの責任である、このように考えております。
○青島幸男君 それでは自治省にもこの点を確かめておきたいんですけれども、どういう趣旨でテレビによる選挙放送を行なっていきたいのだということを明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(植弘親民君) 最近におけるテレビの国民に及ぼす影響といいますか、こういうものを考えまして、実は昨年の参議院選挙におきましても、公営で行ないます立ち会い演説をNHK、民放の御協力によりまして録画による中継放送をいたしました。三十二県で使用いたしましたが、これが非常に国民の御賛成を得まして好評であったように思われます。そういうようなことから、やはり新聞、ラジオといった媒体も大事でございますけれども、現在的には、最も大事なテレビをできるだけ選挙に利用いたしまして、候補者と有権者の間を近づけたいというような気持ちでございます。
○青島幸男君 テレビの放送というものを、伝達の手段としての考え方が非常に圧倒的で、映像の持っている効果というものがたいへん考えの中に入れられていないような気がしてしようがないのですけれども、たとえば、私がNHKがどの程度に熱意があるかということを言いましたのは、たとえば同じ政見放送を行なう場合でも、その映像の持つ意味からいいまして、どの程度のサイズで候補者の姿が映るかということなんかが、実に大きな問題になってくると思うんですけれども、そういう点について、どういう基本的な考えを持っていらっしゃるか、NHKにお尋ねいたします。
○参考人(川上行蔵君) いまお話がありました、映像をどういうような角度で映すか、あるいはどの程度の距離から映すかとか、大きさとかいうことは、いま現在、私どものほうで試案をつくりまして、すでに幾つかの形においてモデルの写真をつくっております。それで部内で検討いたしますと同時に、適当な機会には選管の方々にも見ていただいて、そういう第三者的な意見も、あるいはNHKの番組審議委員という方がおられますので、そういう方々に見ていただいて、いろんな角度から大いに御意見を聞くと同時に、私たちは、選挙放送ですから、やはり公平な立場ですべての方に十分に政見を述べていただくという角度で扱いたいという考え方を持っております。いま先生がおっしゃいましたように、映像が伝達するというのは、ラジオの場合におきますと、どうしても音声だけという人間の持つ一面的なあれでございますけれども、テレビですと姿も出てくる。それからその中に声も出てくると同時に、その声と姿との関係ということも、いろんな形において全人的な姿が出てまいります。それに対しまして十分に配慮をしながら、しかも、投票者の方々の判断の資に役立てよう、このように考えております。
○青島幸男君 自治省はこれから政令を起草されるわけでございましょうけれども、その際に、NHKのそういうテストケースみたいなものを十分に参考になさるわけでしょうけれども、自治省の見解としては、サイズとかあるいはバックとか服装についてはどんなふうな見解をいまのところ持っていらっしゃるか、ひとつ明らかにしていただきたい。
○説明員(植弘親民君) 政令をつくりまして、その政令によって実施規則を定めるつもりでございますが、そういう映像の大きさ、服装、小道具といったようなものにつきましては、やはりNHKなり、民放各社における放送倫理規程というようなものもございましょうし、通常の姿においてやっていただくのがいいだろう。そこらの実施細目は私らと相談していただきながら、やはり専門家の放送局側におまかせいたしたい気持ちで考えております。
○青島幸男君 そうなりますと、たとえばうしろに日の丸の旗を掲げるとか、あるいは日の丸の縫い取りのある服を着るとか、あるいは特異なめがねをかけるとか、一々規制するための服装のこまかな規定を設けなきゃならないという気がするんですが、その点どういうふうにお考えになっていますか。
○説明員(植弘親民君) 細部につきましては、もちろんこれは、一般にNHKなり民放各社で放送法に基づいてのテレビコードといいますか、そういうものによることが原則でございますので、通常の服装だとか、通常の状態、こういったものを想定いたします。たとえばバック等につきましても、現在公営でやっております立ち会い演説会、こういうもので選管が準備する、こういったようなものを一応参考にして御相談したらいいんじゃないか、このように考えております。
○青島幸男君 前田会長にお伺いしますが、たとえばある候補者が先祖伝来のよろいかぶとを着て出てきて、それが私の生き方と、私の政権を一番具現するものであると確信しておるということを言って出てきたとしますと、これに対処するに、どういう態度でお臨みになるか、お聞きしたいと思います。
○参考人(前田義徳君) そういう点を含めて各方向からの検討をしているという段階でございます。
○青島幸男君 私が、なぜこんなことを御質問するかと申しますと、たとえばある人気のグループサウンズが髪の毛の刈り方が非常にむさくるしいというだけで、花形番組から出演を排除されたというようなうわさを巷間聞いておりますが、そういうNHK的良心といいますか、NHK的な独断みたいなものが候補者の義主や主張をそこなうようなことがあると、この法律のたてまえからいって非常に問題が多い。そういうふうに考えるわけですから言うわけですけれども、その辺の事実から、たとえば長髪がむさくるしいという理由だけで番組から排除するというようなケースがいままでにあったように伺いますが、その点いかがですか。
○参考人(前田義徳君) そういうことはないと思います。それからまた、私がそういうことを指令したこともございません。少なくともある目標を持った番組に出ていただく方は、服装とか、そういう問題よりもまずわれわれが考えなければならないことは、その表現力なりあるいは歌なり、すべてのものがひいでておるかということがやはり問題点になると思います。しかし、これと選挙放送とは全く同じものであるということも申し上げられないかと思います。そういう意味で、選挙放送自体については、より一そう慎重に、どのような角度で、通常どういうふうにすることがより妥当であるかということを検討している最中であるということでございます。
○青島幸男君 自治省としては、同様の見解を持っておられるわけですか。
○説明員(植弘親民君) さようでございます。
○青島幸男君 選挙法の第百五十条の二に「他人の名誉を傷つけ若しくは善良な風俗を害し」とありますが、「善良な風俗を害し」ということは、歴史的な観点に立ちますと、いつも前衛は非難されるというようなことがありますし、たとえば自分の主義、主張を訴える一番手近かな方法は、ギターを持って歌を歌うことであるという考えを持った候補者がいたとしたら、これは自治省としてどういうふうに取り扱うおつもりですか。
○政府委員(皆川迪夫君) ここに「善良な風俗を害し」と書いてありますのは、きわめて社会常識からみて異例な場合のことを予想しておるわけでございます。非常に幅の広い概念だろうと思いますけれども、選挙放送は候補者の表現を十分にその場所において発揮させなければならないという趣旨のものでございますから、それを押えるということは、きわめて異例の場合を考えております。いまお話のありましたギターを持ち込むということは、善良の風俗という問題ではなくて、その放送の場合に、どういう物品を持ち出して一種の政見の説明の材料に使うか、そちらからの問題で、善良の風俗の問題にはならないと思います。
○青島幸男君 では、政見というのは一体どういうものだとお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(皆川迪夫君) まあ非常にはっきりこういうものが政見であるというのはむずかしいと思います。やはり国会議員の場合であれば、国会議員として国会に臨んでどういう政策を国政の上で実施していきたいか、こういう抽象的なものでありまして、具体的にどういうものが政見であるかといいますと、ちょっとお答えいたしかねます。
○青島幸男君 前田会長は、政見というものをどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○参考人(前田義徳君) 私は、きわめて常識的に、政見といいますから、政治的見識、もしくは政治的目標というように受け取っております。
○青島幸男君 私は、政見の発表というのは、ニュース解説とか、あるいは論説委員が論説を述べ立てることではなくて、主張を多くの人に理解してもらう、そうしてその上でこれを実行するというたてまえでやるのが政治家の見解である、これが政見だと確信するわけです。たとえばわれわれはこうやって日常生活をしておりますが、白いワイシャツを着て、ネクタイをし、背広を着ているというのが圧倒的、支配的服装でございます。これがいつの世でも正しいとは限りませんし、服装はどうでもよろしい、はっきりした政見があればよろしいという考え方もあるかと思いますが、そういう日常茶飯事から脱していかなければ、真に革新的な仕事はできない。そういう意味で、たとえば花森安治さんという方は背広を廃して女装していらっしゃる。そうしてスカートをはいた方に、あなたはスカートをはいているがゆえにNHKでは放送させないということがあるとしたらゆゆしき問題であると思いますが、この点いかがでしょう。
○参考人(前田義徳君) 仮定の問題についてはいろいろな御意見があるかと思います。おそらく一億をこえる日本の人口ですから、一億の見解があり得ると思います。しかし私どもとしては、政見放送ですから、ただいま申し上げましたようにきわめて常識的に、政見をその選挙民に徹底させるという意味だというように解釈いたしておりますから、特別のケースを中心に問題を考えないで、一般的常識に基づいて、われわれ放送事業者としては、その候補者の政見が、その選挙区のすべての選挙民に徹底するように放送することが任務である、このように考えております。
○青島幸男君 お説たいへんごもっともなので、そうであったとしたら、服装のいかんにとかくを言う筋合いのものではないということは確信するわけであります。正当と異端というようなものは、正しい説と他の説というものであって、これは真理と真理でないというものではないと思う。一つの真理に対する二つの見方、これが正説であるか、邪説であるかということは、そこに権力の介入みたいなことがあるからこそ、これは邪説として弾劾されるわけでありまして、地動説を唱えて処刑されたガリレオの例をもう一度この選挙放送の上でやることはたいへんゆゆしき問題であると考えます。ですからNHKとしては、どんな服装であろうと、どんな表現方法をとろうと、自由にとにかく政令で定められたものはやるのだという見解をお持ちになっておるほうが妥当だと私は考えます。
○参考人(前田義徳君) 私どもは、その服装に現在のところこだわっておりません。ただ、制服を着ていただくという考え方もございませんし、それからまた個々の候補者からまだ具体的にその時点にならないと御意見を伺う機会もないかと思います。したがいまして、私どもとしては、ただいま申し上げましたようにきわめて標準的、常識的な立場でものを考え、たとえばその服装その他とは別に、映像は鮮明でなければならない、その方の映像が全く他人のように見えるというようなことは、これは重大な問題だと思っております。そういう点で、一応の基礎的研究をしているというのが実情でございます。
○青島幸男君 先日の朝日に、自治省の意見として、内容は候補者まかせであるというふうに出ているように私は拝見したのですけれども、そうなりますと、候補者がかってにスタジオを使用してビデオどりをして、それを局に持ち込んで、きめられた時間内に放送するということも可能だと考えていらっしゃいますか。
○政府委員(皆川迪夫君) そういうことはいま考えておりません。
○青島幸男君 NHKとしては、政令でそういうことがきまった以上は、どうしても許可しなければならないことですけれども、いまの段階での見解としてけっこうですけれども、よそでかってにつくってきたものをオンエアするというお気持ちはおありでしょうか。
○参考人(川上行蔵君) 私たちは、候補者お一人だけのことを考えないで、あの時間帯の中で五人なら五人お出になる、その方々をやはり同様に考えていかなければいけないと思います。そういう意味で、お一人がよそから持ち込まれてきた画質が非常に悪いとかあるいは特異なものであるということになると、そのあとから出てきた方に非常に御迷惑になるという観点から、やはりNHKが責任を持って放送するという以上は、やはりNHKに来てとっていただいて、同じ技術的な条件のもとで出さしていただきたい、こういうふうな気持ちは持っております。
○青島幸男君 民放の各社ともいろいろ意見の交換などを自治省としては行なわれているはずでございますけれども、この自治省の皆川部長さんの発言ですと、ビデオどりでも各放送局の作業は非常にたいへんだから、NHKでやったものを流せばいいのじゃないかというお話ですけれども、たいへんなものではないわけですな、かってにつくってくれば。だったら、民放だったら一向にかまわないという見解をお持ちなんですか。
○政府委員(皆川迪夫君) 実は先ほど申し上げましたように、そういう場合は、いまは検討していないわけでございます。先ほどNHKのほうからもお話がありましたように、やはり全体として公的な放送ということでありますので、あまり極端な違いというものは、そういう施設をお持ちの方はいいかもしれませんが、やはりその辺にいろいろ問題があるのではないだろうか。この点は民放とこれについて打ち合わせする場合においてもよく研究していきたいと思います。
○青島幸男君 たとえば候補者が演説をビデオどりする場合に、担当するディレクターのセンスでかなり表現のしかたが違ってくるというようなことが映像効果の上で当然出てくるのですけれども、そうなると、自治省の見解では、内容はその候補者にまかせるけれども、相手に出てもらって対談をするというようなかっこうにしていただいては困る――しかし、内容をまかせるとなれば、たいへん有能なディレクターを連れていってビデオどりに立ち合わすとか、映像についての指図を与えるということは可能なんですか。
○政府委員(皆川迪夫君) これは放送は放送局の責任でございますから、一般的にはそういうことは考えられないと思います。
○青島幸男君 NHKの施設と機材を使ってビデオどりする際に、そういうブレーンが一緒に行くということはNHKの場合許されるんでしょうか。
○参考人(川上行蔵君) 先ほども申し上げましたように、すべての候補者の方、同じ条件のもとでやっていきたいというのが私どもの現在の基本的な考えなので、いまそういう意味で検討いたさせておりますので、いま先生がおっしゃったように一定の候補者がそれぞれ自分の対談の相手を連れてくる、あるいは特定のプロデューサーを連れてくるということは、むしろお断りしたほうがいいんじゃないかというふうに考えております。まだ結論には達しておりません。
○青島幸男君 しかし、平等に五分という時間が与えられていて、その時間内でいかに自分の主義や主張を多くの人にわからしむるかということは私は政治家としての一つの能力だと考えております。ですから、その五分の時間をどう使おうと、それは候補者の自由にまかせたほうが、選ぶ側もわりあいに選びやすいのじゃないか、あるいはその人の本質をつかみやすいんじゃないかと考えるわけですが、前田会長はこの点どういうふうにお考えになりますか。
○参考人(前田義徳君) この放送は、公職選挙法に基づく放送でございまして、われわれが自主的につくる番組とは根本的に異ると思います。したがいまして、われわれの側から見ますと、公平な取り扱いという点から申しますと、先ほど川上専務からお答えしたように一般的方式というものを考えるわけでございます。特殊のケースが起こり得ることに対しては想像にかたくないと思いますが、それらのすべてを通じて検討が終わっているというわけではございませんので、現在のところは、先ほど来申し上げているように、きわめて常識的にそのお人柄なり、その考え方を選挙民に徹底させることに放送事業者として最善を尽くすという方向で問題を考えているわけでございます。
○青島幸男君 先ほども会長は、選挙は民主主義の政治の根本であるからたいへん大事なものである、NHKとしては、法できめられた範囲内ではできる限り努力したいというお考えのようで、たいへんけっこうだと思うのですけれども、たった五分、NHK、民放の計で四回というのは、私としてはたいへん少ない数だと思うのです。実際問題としては、衆議院で関東地区だけでも二百人をオーバーする数の方々が立候補をする。この方々のすべてを一々克明にとって、何回か放送するということは、事実上NHKの放送を非常な時間を食ってしまうというようなことがあるかもしれない。だからといって、私は数を限ってはいけない。NHKの本来の使命からいって、選挙期間は一カ月なら一カ月あるわけですから、その間全部といわないまでも、まだまだ余裕があるように感じますけれども、その辺はどのような見解をお持ちでしょうか。
○参考人(川上行蔵君) 私たちもできるだけ多くの機会を提供したい、このように考えております。そういう意味におきましては、いまお話がありましたように、各地点、大電力圏以外のところにおいてはテレビで二回ということ、しかし、大電力圏におきましてはいろいろな関係上、何ぶんテレビの政見放送ということは初めての事実でございまして、しかも、その政見放送は公平に扱うということと同時に、間違いがあってはいけないということ。それからわれわれとしては、まず第一回の番組において、何よりも心を傾けて努力するという検討をいたそうと思っております。そういう意味におきまして、いろいろ御希望はございましょうけれども、間違いない形において、関東地区において二百五十名おそらく今度のテレビの関係ではなることになりますと、二百五十名に達する方々に機会を提供しなきゃいけません。そういう番組を短時間の間に、これは現在予想されますのは二週間前後の中だと思います。その中に、その時間帯を取っていくということは、なかなかそれ以上ふやすということはむずかしいのじゃないかというふうに考えます。もちろん、われわれはそれで満足するものではございません。いま申し上げましたような意味で、まず第一回はこれでやっていきたい、このように考えております。
○青島幸男君 後ほど政令できまることでもありますし、また、自治省のほうの管轄の比重が大きいんですけれども、電波行政の主務大臣として、大臣にお尋ねしておきたいのですけれども、本質的にこの五分間というものは、候補者にわりあい自由を与えたほうがいいんじゃないかというふうに私は思うわけですけれども、大臣のその辺のお考えを明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 今度の選挙放送は、立ち会い演説会の数を一歩減らして、これまで従前三十回のものを十回見当に減らして、そしてそのかわりにテレビによる政見放送をやる、こういうことで自治省のほうでお考えになったようでございます。したがいまして、まず第一にこの大電力圏つまり広域圏におきまして五分間二回というようなことは、従前の立ち会い演説会を二十分間行なわれておったというようなことを考慮いたしましても、非常に私は時間が少ない。しかも、その広域圏以外のところは、五分間四回ということのようでございますから、それと比べて不公平である、この点に私は最大の問題があろうと思います。しかも、広域圏におきましては、人口のおよそ半分、五千万が住んでおるわけでございますから、五千万の人が、他の五千万と非常な区別をされる、差別をされるということはこれは再検討すべきであると、こういうふうに考えております。
 第二は、その与えられた時間を自由に使っていいじゃないか、こういう御質問のように見受けられますが、これも先ほど来繰り返しいろいろ質疑応答がございましたように、やはり常識に従ってやるといいますか、立ち会い演説会のかわりにやるわけでございますから、そういうことも考慮しながらやるべきである。民主政治の一番の基礎が選挙であって、その選挙運動の一番の中心をなすであろうと思われるテレビ放送でございますから、そういう意味からも、私は国民の社会常識上考えられる形で行なわれるほうが望ましいと、こういうふうに考えます。
○青島幸男君 先ほどから服装とか、楽器を持ち込むとか、バックとか写し方の絵のサイズとかについてこまかくいろいろとしゃべってきたわけですけれども、私はきょう異端だといってつまはじきされたり何かしても、三年後には圧倒的多数になるかもしれない、あるいは十年後にはそれは異端ではなくなる。いま邪説といわれていても、十年後には正説となるということが当然あるわけですから、そういう前衛の出てくる部分みたいなものを排除してしまっては、人類の進歩も発展も全くないというたてまえから、おのずと選挙民は選ぶものであるという確信を持っておりますから、わりあい服装なんかの点についても自由に見てやるべきだという見解を持ってきたわけです。
 それから大臣は、最後には閣議決定というかっこうになるんですけれども、閣議決定の場に臨まれるわけですから、あらためてしつこいようですけれどもその辺のところをもう一度お伺いしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) この選挙放送の具体的な内容につきましては、自治省のほうで最終に政令をつくっておきめになると思うのです。もちろん、それに至るまでには、放送局とも十分なお打ち合わせがあろうかと思いますが、その内容ができましてそれを拝見しないことには、この段階で何とも申し上げかねる次第でございます。
○青島幸男君 あらためて自治省にお伺いしますけれども、この政令が決定的なものになるまでの手続上の問題ですけれども、どういう経過をたどって決定に至るかということをわりあいこまかくひとつ御説明をいただきたいんです。
○政府委員(皆川迪夫君) 何ぶんにも新しい制度で、しかも非常に技術的な問題が入ってまいりますので、まず実施を担当する各放送、民放なりNHKなりと十分いろんな場合を想定した協議をいたさなければならない。そうしまして、一応の事務的な判断を経まして、やり方の政令のみならず、実施細目等いろんなものについて案を立てまして、それからもう一つ、これはいままでお話になっていなかったかもしれませんが、国会の特別委員会でこの法案を可決する際に、やり方についてもよくひとつ相談をしてくれ、こういうお話を承っておるわけであります。私たちも、当然そういう性質のものであろうと思います。したがいまして、どういう形にするかまだはっきりしてはおりませんけれども、衆参両院の特別委員会にそのやり方をはかりまして、そしてこういう方法でいいんじゃないかということになったならば、これを政令化していきたい。一応の事務当局としての考え方がまとまりましても、心ずしもこれに固執する必要はなかろう、かように思っております。
○青島幸男君 政令が発効するというか、政令になるまでの経過というものはわかりました。いまのところ、まだどちらに伺っても決定的な結論は出ていないということを私伺って、きょうここでるる述べ立てたことが多少はその決定に何らかの意味でお手伝いができればこれはたいへんいいのじゃないかと私も思うのでありますけれども、いずれにしても、皆さま方はテレビにおける選挙、これが現代の風潮の一端をになっておるし、かく言う私も、テレビというものに携ったおかげで票が集まってここにいられるということもあるので、テレビというものの持つ影響力の大きさというものを非常にみずから痛感するわけであります。ですから大臣にもNHKにもあるいは自治省にもこれは扱い方によっては非常に重大な問題になるということを重々お含みおきの上、公平な形で、ほんとうの意味の民主主義の根底としての選挙が支障なく行なわれるための手段になることを心から皆さま方にお願いして、私の質問を終わります。
○委員長(永岡光治君) 他に御発言がなければ質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。!別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永岡光治君) 御異ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。日本放送協会昭和四十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書につきましては、これを是認すべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(永岡光治君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって是認すべきものと決定いたしました。なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(永岡光治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。別に御発言がなければ、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十八分散会
     ―――――・―――――