第063回国会 農林水産委員会 第18号
昭和四十五年五月十一日(月曜日)
   午前十時四十一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         園田 清充君
    理 事
                亀井 善彰君
                高橋雄之助君
                北村  暢君
                達田 龍彦君
                藤原 房雄君
    委 員
                青田源太郎君
                河口 陽一君
               久次米健太郎君
                小林 国司君
                櫻井 志郎君
                鈴木 省吾君
                田口長治郎君
                任田 新治君
                森 八三一君
                川村 清一君
                中村 波男君
                前川  旦君
                村田 秀三君
                沢田  実君
                向井 長年君
                河田 賢治君
   国務大臣
       農 林 大 臣  倉石 忠雄君
   政府委員
       農林政務次官   宮崎 正雄君
       農林大臣官房長  亀長 友義君
       農林省農政局長  池田 俊也君
       農林省畜産局長  太田 康二君
       食糧庁長官    森本  修君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○外国政府等に対する米穀の売渡しに関する暫定
 措置法案(内閣提出、衆議院送付)
○昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済
 組合法の規定による年金の額の改定に関する法
 律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
    ―――――――――――――
○委員長(園田清充君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 外国政府等に対する米穀の売渡しに関する暫定措置法案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
○北村暢君 ただいまの外国政府等に対する米穀の売渡しに関する暫定措置法案の直接の審議に入る前に、この法案を提出した目的の一つでもあると思われるのでありますが、この過剰米の対策の一つとして行なわれるようでありますから、それに関連して、まず最近の米の過剰の問題について若干前提となる問題でございまするので質問をしておきたいと思います。
 そこで、現在の米の、政府の需給の推移等についてお伺いいたしますが、四十五米穀年度における米の余剰の問題について、一応政府の資料等によりましても、ことしの十月末新しい米穀年度への持ち越しが大体九百六十三万三千トン予定せられておるようでございますが、これの持ち越し米の内容について若干御説明を願いたい。ということはこの古米の関係、この九百六十三万三千トンのうち、年度別の四十二年産の古々米と称するものはどのくらい、また古米七百二万二千トンということになっておりますが、この内訳が一体どういう内容のものが残るのか、この点をひとつ説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(森本修君) お尋ねは四十五米穀米年度末における米の在庫の内容、特に年産の状況だと思いますが、御指摘は精米で九百六十三万トンという御指摘がございました。私ちょっといま手元に持っております数字は、それを玄米にした数字でございますので、玄米ベースでお答えさしていただきます。玄米ベースにいたしますと、千百六十万トン程度の持ち越しになるわけでございますが、そのうち四十二年産米は百十二万トン、それから四十三年産米が二百六十九万トン、それから四十四年産米が三百九十二万トン、それから四十五年産米の早場の買い入れがございまして、それが持ち越しになりますから、二百八十八万トン程度が四十五年の十月のときには持ち越しと言いますか、在庫になる、そういう概略の内訳でございます。
○北村暢君 そこでお伺いいたしたいのは、四十二年産米百十二万トン、四十三年産二百六十九万トンという、これは相当の量でありますが、生産調整をやってかつこれだけの在庫を持っているということは、なかなかたいへんなことだろうと思うのですが、これの古米の処理方針、全部が、持ち越し用の全部がということではないのでしょうが、まあ平年度においても百万トンや二百万トンの持ち越しの数量というものがなければこれは需給の関係が円滑にできないわけでありますから、これが全部というわけではないのでしょうが、平年度で持ち越す正常な持ち越しを除いたもの、それの処理というものは今後何年間か続くのではないか、このように思いまするので、一体これだけの膨大な在庫量の今後の処理方針、これをお伺いしたいのでありますが、特にこの古古米等は、貯蔵間における有毒カビの発生の問題等が出てまいりまして、えさになることすらむずかしいというようなことが伝えられているわけでございますが、一体これだけの在庫を持つ古米の処理というものを、今後どういう方針でどのくらいかかってこの古米というものが処理されていくのか、これの方針なり、見通しなりを御説明願いたい。
○政府委員(森本修君) こういった在庫をかかえておりまして、そのうち、御指摘がございましたように、この在庫の中には通常の配給操作に今後向けていくべき数字の数量もございますし、また、適正なランニングストックといいますか、そういった性質のものも当然考慮されるということになるわけであります。したがいまして私どもとしましては、こういった在庫のうち、いわゆる過剰米といわるべき数量はほぼ七百万トン程度ではなかろうかというふうに思っておるのでございます。で、それについての処理の方針でありますが、もちろんこういった数量の中には古々米、新米なりといった数量も入っておりますから、今後、通常の米の需要の増大いかんによりまして、そういう数量も変わってくるといったような性質でございますから、私どもは海外に対する輸出でありますとかあるいは主食用その他、米の通常の需要の増進といったようなものもあわせて努力してまいるということで、極力こういった過剰米の数量といったようなものが減少してくることを期待いたしておるのでありますが、いずれにせよ、何百万トンという膨大な数量を特別の処理をしなければとうていはけないということは、これは事実であります。まず、どういう用途にこういったものを向けていくのかということは、従来からいろんな用途について御指摘がございます。あるいは原材料用といったような用途、従来、外米を使っておりましたような用途について、外米の輸入をとめることに伴って内地米を振りかえて使っていただくといったようなこともございましょうし、あるいは従来、米を使っていなかった工業用の分野について米を使っていくといったような、包括的に言えばさような分野もございます。それから、そういう形以外に、こういう膨大な数量でありますから、かなり大量にはけるといったような分野としては、飼料用といったようなことも想定されておるわけでございます。いろんな用途がございますし、また、新しい分野に米を入れるということになりますと、一体、そういった工業なりあるいは産業がどういう対応のしかたをするか、設備投資が新しく要るとか、要らないとか、あるいは従来使っておった原料に代替をするわけですから、そういう代替関係がスムーズにいくかどうか。また、たとえば国内産のイモとかでん粉とかいったようなものにも影響を及ぼす分野もあるわけでありますが、さようなものを極力避けながら、どうして使っていくんだといったような、きわめて新しい分野のことでありますから問題が多いわけであります。そういった観点から私どもとしては、きょう発足いたしますが、従来役所で整理をいたしましたものをよく学識経験者その他の方に見ていただきまして、大体どういう用途に使っていけば一番いいか。また、それを使うにはどういう手だてをして、どういうテンポで使っていくか、そうすると、需要の総量は、一体各分野についてどのくらいのことが見込まれるかといったようなことをずっと専門家に集まっていただきまして精査をして、こういった全体の数量について、今後の処理の用途とテンポを確定していきたいというのがいまの段階であります。で、そういったことに伴いまして、当然財政問題もある程度伴ってまいりますから、そういった数量なりあるいは処理のテンポなりに応じた財政処理の方途というものをどういうふうにしてまいるかということも、うらはらで詰めなければならない。そういうことを全部できるだけ早く詰めまして、全体についての処理のめどはつけたいというふうに思っておるわけです。ただ、そういうことを待っておりまして何もしないかということになりますと、大体、用途としてはいいではないかといわれるような、ただいま御審議をいただいておりますような米の海外への供与でありますとか、そういったようなことは、必要な限りできるだけ早く進めていきたい。また、用途を確定するため、試験的な売却を一部しないと、なかなか実効上、問題点がほぐせないというような問題もございますから、さようなものについては、できるだけいま検討の上であわせて試験的に売却も一部やってまいりたいという、こういう段階でございます。
○北村暢君 いま、これの七百万トンの過剰米の処理について、現在検討せられている問題について御報告がありましたけれども、検討の段階でまだはっきり言えないか知りませんが、とにかくいま説明したことでは非常に抽象的であり、七百万トンの過剰米がいつになったらこれ解決、処理できるのか、いまの御答弁では全く雲をつかむような状態のようですね。そこで、このいわゆる四十二年産の百十二万トンというものが、今年の十月の米穀年度の――四十五年の米穀年度においてすらまだ百十二万トンこれは在庫があるという、いまの説明ですが、これは四十二年なり四十三年の産米の在庫が約三百八十万トン余、あるわけですが、これの一体保管の状況はどうなっているか、これはもうつゆを三回も四回も越すということになれば、持っておるだけでこれは使いものに、えさにすらならなくなってしまうんじゃないかという問題が出てくる。たいへんな損害を引き起こすのではないかと、こう思われますが、一体この保管の状況はどうなっているのか。新しい新米とこれは古い米と入れかえて、古米をなるべく少なくするということで交換をしてやっておるのか。新米は新米で、この味の点からいってやはり年に消化していくと、こういうことをやっておるのか、そこら辺の管理のやり方を一体どうやっているのか。四十二年、四十三年の古々米が食用に耐え得るような形で管理されているかどうかというようなことについて、非常に技術的な問題であると思うんでありますが、どういう見通を持ってやっておられるのか、この点お伺いしておきたい。
○政府委員(森本修君) 管理のやり方でございますが、私どもとしましては、品質管理にはできるだけ細心の注意を払ってやるということで、現在やっております。したがいまして倉庫等にございますもの等につきましても、定期的に少なくとも一と月ごとくらいには全体を調査いたしましてカビなり虫害なりあるいは品質の低下なりといったことができるだけ防げるように努力をいたしております。薫蒸等も定期的あるいは臨時的にあぶないというふうな場合にはしばしばやっておるということで、現在保管しております四十二年産米についても、物理的に申し上げますならば食用にまだ供し得るというような品質状態であると私どもは思っております。しかし先ほど生産調整はどういうふうになっておるかというお話がありましたが、こういった年産別の米を各種持っておるわけでありますから、そういう米についてどういう売却の仕方をすればいいかということがまたひとつなかなかむずかしいところでございまして、最近まではできるだけまんべんなく各種の年産について食べていただくというような考え方で売却をいたしておったわけでありますが、もちろん古米、新米の比率は違いますけれども、そういう考え方でありましたけれども、こういう時代になりまして新米についてもあるいは古米についても膨大な数量を持っておる、また一方米についての需要の拡大といいますか、おいしいものをたくさん食べるようにしたほうが米の全体の需要については拡大になるのではないかというふうな意見も非常に有力にございましたので、私どもとしてはできるだけ新米から希望があれば優先的に食べていただくようなことでも差しつかえないじゃないかということで、新古米の比率もことしからは新米の配給比率を多くする、四月からは需要があれば全部新米でも売却をいたしますというふうに切りかえをしまして、できるだけ新しい年産のものから味の落ちないうちに、需要を喚起するという意味で売却をしつつある。そういうふうに切りかえをして売却をし管理しつつあるというのが実情であります。
○北村暢君 そうしますと古々米は先ほどの用途別のいろいろな利用方法研究をしてそうしてそういう方向に向けているという問題が解決しない限り残っていく問題ですね。したがってそういうことになりますと貯蔵方法においていま検査をしているということのようですが、一部に琵琶湖の湖底に沈めるとかという研究をやっておられるというようなことも新聞等で伺っているわけです。で冷温の貯蔵施設というのはどの程度あって、この収容能力がどのくらいあるのか。また琵琶湖の湖底の試験等においては非常に金がかかるということで実質的には、これなかなか実はむずかしいようでございます。そのような実際的な効果を何か陸上で湖の付近に簡易な倉庫をつくって、湖底の冷水をポンプアップして同じような効果を非常に安い経費でできるというようなことが研究されているというふうに聞いております。そういうような貯蔵方法等についてどのような考え方を持っておるのか、この点をひとつお伺いしたい。
○政府委員(森本修君) そういった長期の貯蔵をいたします際にできるだけ品質を落とさないという方法としては、現在いわゆる低温倉庫というのが実用に供されておるわけであります。私どもとしましては、政府倉庫でも低温のものを建てて、あるいは民間の倉庫についてもそういったものを普及するということで、ここ二、三年来農林漁業金融公庫から制度融資をいたしまして普及につとめるというふうなことでやってまいっております。現在大体それの収容力は百七十万トン程度という状況になっております。なお今後も若干ずつ増加をするという見通しであります。新たな貯蔵方法、たとえば琶琵湖の湖底に米を沈めて低温で貯蔵するといったようなこととか、あるいは洞窟に米を貯蔵したらどうか、現在いろいろな方法について試験をしております。琵琶湖の分は昨年やりましたけれども、御指摘がございますように、成功した種類の容器もありますが、また一部の容器については水漏れをするとか破損をするとかいったようなこともございまして、技術的にもなお多少検討しなければならぬという余地が残っております。またお話がありましたように、経済的にはそういったところへ持ち運びをする費用とか、あるいは袋に詰めるとか、上げたり下げたりする経費とか、いろいろな経費関係を算定いたしますと、先ほど言いましたように、低温倉庫を建てて貯蔵するよりはコスト高ではないかというふうな感じを持っております。最後に御指摘がございました、湖の水を簡易にポンプアップをして低温にするような方法、これも私ども御指摘を受けまして、そういう提案者から直接私どものほうの技術者が話を伺いまして打ち合わせをしておるところであります。
○北村暢君 いまの最後の非常に安く臨時の低温倉庫ができるという提案があるわけですが、これについてはまあ検討してみる、採用するかしないかについては今後検討されると、そういう提案があったというのにとどまらないで、検討されるということなんですか、どうですか。
○政府委員(森本修君) そういう提案者のほうと私どもの技術的な専門家とがいま打ち合わせをしておりまして、その結果いかんと、これは実用的になるというふうな見込みがつきますればもちろん私どものほうとしてはそれを取り上げて推進をしていくといいますか、そういう考えはあるわけでありますが、ただ、こういう状況でございますから倉庫問題がきわめて大事であるということで私ども検討しておりますが、一つむずかしい点は、何といいましても現在は米の在庫状況としては一番ピーク時である。こういう状況というのは、将来そう長期にわたって続くということは考えられない。いずれはそういうものは減少してきてノーマルな状態になるということを想定せざるを得ない。そこでそういった在庫のピーク時に合わして倉庫のキャパシティをふやしていいかどうかということが、政府倉庫の側におきましても、あるいは民間倉庫に対する指導の点においてもなかなかむずかしい点があります。そこいらの点もあわせて十分考え合わせていきたいというふうに思っておるわけであります。
○北村暢君 次に、政府は今年度の米の生産調整を実施中で、百五十万トンの生産調整をやる、こういうことなんですが、これの論議はずいぶんされましたから私は直接はいたしませんが、かりに政府のこの生産調整が期待どおりにいったとして大体現在の生産量が千四百万トン台に今日きておる。これは百五十万トン生産調整をして減産をしたとして百二十五万トン程度である。で、米の消費量がこれから消費拡大をするとしても、大体四十三年度で消費は逆に最近では減ってきておるわけでありまして百二十二万五千トン、大体そういうことのようです。ですから、この生産調整をやって、なおかつ、正常な形でいけば過剰米が出てくるんじゃないか、このように思われるのです。これは生産調整が百五十万トン確実にいったとしての話ですが、五十万トンのいわゆる農地の潰廃というものを考えて、これが成功するかしないかわかりませんから、そういうことで安全性を見ればはるかにまだ過剰米というものは出てくるような感じがいたしますが、この生産調整をやった後における四十六米穀年度における生産、消費の見通しというのは、政府は一体どういう見通しを持っておるのか。この政府の需給計画というのはどういう見込みなのか。この点をひとつお伺いいたしたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) 四十五年産米においていまお話しのようにおおむね百五十万トン生産調整が達成されました場合には、今後の需要の推移いかんにもよるわけでありますけれども、大体均衡のめどはついていくものと思っております。さらにまた、政府の需給につきましては、生産調整百五十万トンを前提として需給の試算をいたしておりますが、四十六米穀年度末の政府全体の在庫量は年度初めに比べてあまり大きな変動はないものと、このように観測いたしておるわけであります。
○北村暢君 そうしますと、四十六米穀年度の生産と消費、それから政府の需給計画、これを生産調整をやれば均衡がとれると、こういう目途でもってやっておるんだと、こういうことのようですが、技術的になりますから食糧庁長官に、政府の需給計画というのは買い入れと売り払いでいくのですが、生産と消費の関係と政府の需給計画は若干違うわけですね。これは自主流通米等の問題がありますし、さらに政府は等外米等を買い入れないということで、これは等外米は自由流通することになる、そういう問題を含めて私は政府の見方というものを聞いておきたい。
○政府委員(森本修君) 先ほど大臣からお答えがざいました四十六米穀年度、これは四十五年産を主として消費をする、まあ四十五年産の米に対応する年度であるかと思うのですが、買い入れのほうは四十五年産とそれから四十六年産の早場が出てまいりますので、多少年産別にはズレがございますけれども、約六百四十四万トン買い入れをする。それから需要のほうは、需要といいますか売却のほうは、自主流通米で消費をするものを除きまして、政府米の売却によって食べるというような性質の売却でありますが、そういうものでいきますと六百三十六万トンということになっておりまして、したがって当初在庫と期末の在庫を比較いたしますと、まあ、ほぼ在庫数量には変動はない。正確に申し上げますと、玄米でいきまして約七万ないし八万トンぐらいの在庫増にとどまるというような需給推算になっております。
○北村暢君 それは政府の需給関係からいけば約六万トンか七万トンの過剰という程度である。で、需給の均衡はとれる、こういうことのようですがね。しかしこれは自主流通米入っておりませんし、等外米を買わないというのは来年度も続けることになるでしょう。そういう面でいけば今年度が需要関係がこれは精米トンのようでございますが五百八十万トンちょっとですね。来年度は、来米穀年度は六百三十六万トンというのですが、これは玄米のようでありますから若干これは減ると思いますが、本年四十五年米穀年度よりは需要関係はふえるという見通しに立っておるようですが、この点はどうでしょう。
 それから供給関係では今年度は政府の買い入れが七百三十八万トンですね、四十五年度は七百三十八万トン買い入れているようです。それでこれが六百四十四万トンということは、生産調整をしたことによってこういう差が出てきた。こういう少なく買っていいということなんですか。それともこれは買い入れ制限をやるというたてまえに立ってこういうふうな数字が出されているのですか、どうでございましょう。
○政府委員(森本修君) まず買い入れの点でございますが、予算上は御案内のように六百五十万トンということになっております。これは生産調整が百五十万トン行なわれるということで、生産から買い入れ比率等を調整し、さらに自主流通米が百七十万トン達成をされるという前提でさような数字を計算いたしておりますから、私どもとしましては、所期どおり生産の調整が行なわれるということであれば、かような買い入れ数量に納まるものということで需給の推定をいたしておるわけでございます。
 それから需要の関係でございますが、需要の関係のほうは、四十五米穀年度とそれから四十六米穀年度では基本的に大きな差はないというような考えで、もちろん売却のほうには主食用もあれば、それから原材料用もあれば、あるいは輸出用に売却をするといったようなものもございますから、さようなものをひっくるめますと、四十五、四十六米穀年度間にはそう大きな変動はないというような見通しで計算をいたしておるわけでございます。
○北村暢君 この際需給の関係に関連してこの価格の問題をちょっとお伺いいたしておきますが、この生産者米価の算出の基礎というものは今年度は変える意思がないのかどうか。銘柄格差あるいは等級の整理を行なって等級間格差を拡大をする、こういうようなことが言われておるようでありますが、これについてどのような方針で対処するのか。
 それから四十五年度の予算米価では六百五十万トンで米価は据え置き、こういうことで予算では決定しておるわけでありますが、政府が据え置きをしたという根拠ですね、これを予算を検討する段階において、いかなる根拠に基づいて据え置きを決定したのか、この点を明らかにしていただきたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) 予算編成にあたりまして、ただいまの米の需給等諸般の事情を勘案いたしまして、米価の基準は変えない、動かさない、こういうことに一応方針をきめたわけであります。なおこれから具体的な米価につきましては米価審議会を経て決定をいたしたい、こういうふうに考えております。
○北村暢君 ただいまの大臣の答弁は、予算編成において米の需給状況を勘案して据え置きを決定したというのですが、こういうことだけでは米価審議会に提出する理由にはならないので、算出根拠について一体どういう方針で臨まれるのか。私先ほど申し上げました点について、いやそういうことはないのだ、従来と変わらないのだというのかどうなのか。もう米審も今月の末から来月開くというのですから、大体そういう方針はもう結論出ている時期であろうと思いますから、方針を聞いているのです。米価審議会にはかる方針を聞いておる、これをひとつ御答弁願いたい。
○政府委員(森本修君) 先ほど大臣からお答えがございましたように、米価決定に臨む政府の基本的な方針としましては、かような供給過剰の状態であるし、また一方におきましては、生産者団体、あるいは地方公共団体等から絶大な御協力を得ながら、生産調整を進めなければならぬ、また、先ほど来御質疑がございましたような米の需給なり、在庫の状況であるというような点からいけば、米の価格について生産を刺激するような価格をつくることは好ましくないということで、米価としては据え置きの方針でいきたいということになっているわけであります。ただ具体的な米価の決定にあたりましては、御指摘がございましたように、米価審議会にはかりまして、その議を経て政府で決定をするという手順になるわけでございますが、まだ、どういうふうな計数になるか、御承知のように従来の生産費の関係の資料でありますとか、あるいは物価なり、また労賃なりと言ったような諸材料が出そろいません。そういう関係から数字的にいまの段階ではまだ十分に精査をすることには、とり運びの時期になっておりません。したがいまして、どういうふうなやり方でやっていくのかという、詳細な点につきましては、まだ十分検討が進んでいないというのが率直な現在の段階の状態であります。
○北村暢君 詳細な点は決定していないというのは、そういうことは言えるかもしれませんがね。これだけ物価が上がっているから、生産費が下がるなんていうことば、とても考えられないことなんですね。考えられないのですが、据え置くというからには、据え置くだけの理由がなければならないわけです。したがって、私は内容がわからないのだけれども、政治的にこれは旧来の算出方式からやれば当然上げなければならないという結論が出るが、しかし、米の過剰な状態から言って、これは上げられない、据え置くと、こういうことになれば、これはあれでしょう、何か政治的な判断か、あるいは算定方式を変えなければ、これは理屈に合うように、今年度は据え置いてよろしいということにはならないのじゃないかと思うんですよね。どんなに常識的に考えたって、二年間連続米価据え置きというふうな形には、現在の物価の状況から言ったって、経済の環境から言ったってあり得ないことなんですね。したがって、何か方法を考えなければ上げなくてもいいという結論は簡単に出てこないのではないかという、あなた方も非常に苦労されるのじゃないかと思うんですよ、ここは。だから私はどういう方針で臨むのか、それをお伺いしている。
 さらに銘柄格差と等級の整理をやって等級間格差を拡大するというようなことを言われておるのだが、そういうことはやらないのですか、これは具体的にと質問しているのですからね、答えてもらわなければ困るんですよ。やらないならやらない、検討しているならいる、何らか答えてもらわなければ、一向あなた質問に答えておらんでしょう。この点をひとつ答えて下さい。
○政府委員(森本修君) こういう米の需給関係、消費者のほうから米の品質についての要請といいますか、さようなものが非常に強い時期でありますから、米価の決定ということに当たりましても、さような要請をいかに取り入れるかということは、私どもとしても従来から検討をしてきておるわけであります。
 で、実はやや専門的な問題もございますから、そういうことについて学識経験のある人にお集まりをいただきまして現在検討をしておりますが、中間的なその研究の段階でありますけれども、意見では、銘柄間の格差といったものは、政府の管理をする買い入れ、売り渡しといったようなものに直ちに導入をすることはなかなかむずかしい点があるというふうなまあ研究の大勢であるというふうに私どもは承知をいたしております。
 それから、等級間の問題は、これは御案内のように等級は物理的といいますか、客観的な材料でもちましてクラシファイをするというような品物でありますから、相当まあそういう客観的な材料もそろえ得るというようなことで、現在のような品質に対する要望の強い際であるから、等級間の格差は従来よりも拡大する方向で検討するのがよいのではないかと、かような御意見だと私どもは考えております。まあさような専門家の集まりの意見も十分尊重を私どもはしなければならない。まだもちろんさような段階でありますから、最終的に各方面と打ち合わせをして態度をきめておるというわけではございませんけれども、さような空気を十分尊重しながら、できるだけ早い機会に方針をきめなければならぬだろうというふうに思っております。
 なお、いずれにいたしましても、先ほど来申し上げましたようなことで、こういったことについても米価審議会の御審議を経るという手順になるわけでありますから、そういう手順を経た後に最終的な決定をするということは申し上げるまでもございません。
○北村暢君 米価の問題は、国会が終わりましてからの休会中にもこれはその時期になればもっと突っ込んだ論議が行なわれなければならないかと思いますから、きょうはこの程度にいたしておきます。
 そこで、法案の内容について若干質問をいたします。
 米の輸出の目的が、この過剰対策の一環として行なうのか。しかも今度のこの法律による長期の延べ払い方式というのは、海外援助の性格が非常に強いのではないかと思う。したがって、一体政府のこの法案を提出した目的は、過剰米対策なのか海外援助をやることなのか、この点のどちらに重点が置かれてこの法案を提出したのか。この点の見解を承っておきたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) 御存じのように、いまもここでお話しのありました米の需給事情は、大幅に援和いたしまして、過剰在庫が累増いたしておるわけでありますが、これに対処するためには、基本的には需要の拡大をはかるとともに、米の減産を進めて可及的すみやかに需給の均衡をはかる必要があることは申すまでもありませんが、需給の均衡が回復されるまでの間に発生する過剰米を処理する必要もございますので、輸出はその中の有効な一つの方法であると考えられるわけであります。
 そこでこれまでも御存じのように貸し付けその他の方法によりまして輸出を行なってまいったわけでありますが、今後とも輸出をさらに円滑に進めていくための輸出の方式を確立する必要がございますこと、またこの場合輸入国が主として開発途上国でございますために支払い条件を緩和する必要があることにもかんがみまして長期の延べ払いによる米穀の輸出を行なうことがいいと、まあこういう趣旨が目的でありますが、いまお話のございましたように、開発途上国に対する援助をするということがこの法律の直接的目的ではございませんが、長期延べ払いをやります結果といたしましていまのような国々に対して援助の効果をもたらすことは否定できないと思います。
○北村暢君 そうしますとあくまでもやはり過剰対策としてこれをやるんだ、したがって過剰問題が解決すれば当然この暫定措置法は実質的には廃止されるというような方向にいくであろう、このように理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(森本修君) まあこういったかなり長期の延べ払いということでございますから大臣からお答えがありましたように米の過剰状態を解消するための一つの有力な方策ということで考えておるわけであります。で、米が需給の均衡が回復されますればそう恒常的に日本の米を海外に輸出するといったような事態もまずないというふうな考えから私どもとしてはこの法案の趣旨はそういった米の過剰状態に対応するものというふうに考えております。
○北村暢君 第二点に、この延べ払いの条件についてお伺いをいたしますが、政令で定める利率を下らない利率による利息を付すると、こういうふうになっておりますが、どの程度の利率というのを予定をしているか、そしてまた輸出のつど農林大臣がこの利率を定めるということになっているようでありますが、相当これは大きな幅があって農林大臣の自由裁量でやる、まあこういうことなのか、そこら辺の事情を御説明願いたい。
○政府委員(森本修君) 政令で基本的なラインを出すということでございますが、それの考え方は私どもとしていま政府部内で打ち合わせをしておりますところは、いまアメリカのPL四八〇号――平和のための食糧法による利率がございます。これは御承知のように十年、主として据え置き期間に対応する年限でありますけれども、それは二%、それからそれ以上の期間の分は三%といったような利率になっております、三十年という長期のものにつきましては。それから二号にありますところの短期のものについては、やはりアメリカのCCCの輸出の場合の利率これが六・五%くらいになっております。まずそこらの線を基準にして政令段階の利率の決定をしたらどうかということでそういう方向で打ち合わせが進んでおります。
 具体的に個々の案件ごとに利率をどうするのか、相当幅があるのかというお話でありますけれども、もちろん具体的な案件ごとに利率をきめるというつもりではありますけれども、一国にこういう利率、一国に相当離れた利率というわけにもまいりませんから、ほぼ政令に定められましたような利率からそう遠く離れないといったようなところで具体的な案件ごとにきめていくことになろうかと思います。
○北村暢君 三番目に、延べ払いにいたしましても、また輸出価格にいたしましても、政府の買い入れ価格の、国際価格は約半値程度でありますから、当然輸出することによって食管会計の赤字要因が増大をする、こういう結果になるわけでありますが、
  〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
米の過剰対策であり、延べ払い等からいえば海外援助的な性格が非常に強くなるという点からいたしますというと、会計上の処理の問題については、私は政策的にこういう輸出をいたすのでありますから、当然赤字要因というのは一般会計が負担すべきでないか、このように思うのですが、しかし、これは食糧管理特別会計の中で行なわれる問題でありますから、どのように処理せられるのか、考え方を伺っておきたい。
○政府委員(森本修君) 現在まで、この前、資料説明のときに御説明申し上げましたけれども、各種の案件の輸出をいたしております。その輸出につきまして、たとえば四十四会計年度の補正等におきましても、それによって生じました食管会計の損失については、全体の一環として一般会計から補てんをされておるということであります。したがいまして、私どもとしてはこの法案による輸出による食管会計に生ずる赤字については他の赤字要因とあわせて一般会計から繰り入れが行なわれることになるだろうというふうに考えております。
○北村暢君 次に、輸出の見通しでありますが、資料等をいただいておりますから、大体の傾向はわかるわけなんでありますが、輸出の方法はどういう方法をとられるのか。国際穀物協定の食糧の援助等に関する規約もあるわけでありますが、これらとの関連において今後の輸出方法はどういう方法をとられるのか。
 それから延べ払い輸出という特別の方法をとるのでありますが、そのことによってどの程度の輸出が期待できるのか。それからそのことによって国内米の輸出の総量、これは四十五米穀年度では四十五万一千トンという計画になっておるようでありますが、四十六年度以降どの程度の輸出量が期待できるのか、こういう点についてお伺いいたします。
○政府委員(森本修君) 一般的に米の輸出の形はどうかということでございますが、もちろんこの法案が成立いたしますれば、かような長期の延べ払いということで輸出するものが一般的な輸出の形態になるというふうに思います。
 ただ御指摘がございましたいわゆるKR援助といったようなものについても、そういったことによる輸出も引き続いて行なわれるということがあります。
 それから前の国会で御審議をいただきました沖繩に対する米の輸出なり、あるいは沖繩援助に関する法律、ああいう法律によって海外に米を輸出されるといったようなものもございます。各種の方法をできるだけ有効に活用して、米全体の輸出について促進をはかっていきたいというのが私どもの考え方であります。
 それから第二点のこの法案による輸出の見込みはどうかという点でありますが、なかなかいま的確にかような性質のことでありますから、何トンの輸出の見込みを持っておるということは明言をするのがむずかしいのであります。海外の需給の関係も出てまいりましょうし、それから関係国との関係といったような、要するに相手国が日本米に対して需要をどの程度するかといったようなことも出てまいりますから、いまここで何トン輸出ができそうだということは、私ども数字的に言うことはむずかしい状況でありますが、先般も御説明しましたようなことで、ここ一年ほどの間に各種の方法を取り合わせまして、約八十万トン程度の海外への輸出ないしは供与が行なわれておる。また、こういう法案が幸い成立をいたしますれば、こういうこと自体が海外に対する輸出促進の一つの大きな材料になるわけでありますから、その輸出促進効果をいかに見込むかということにも相なるわけでありますが、すでに、この法案がもし幸い成立いたしますればこういった長期の延べ払いで輸出をお願いしたいといったような国も二、三あるというふうな状況であります。
○櫻井志郎君 関連して。そこまではよくわかりますが、ガット条項等の関係はどうなるのでありますか。つまり、国際価格で輸出するということになると、政府が十万くらい負担しなければならぬでしょうね。輸出するということになると国が補助する、このことがガット条項に引っかかって、非常にむずかしい問題じゃないかと思うんですがどうでしょうか。
○政府委員(森本修君) ガットでは、御承知のように、輸出補助金というのに非常に神経質になっているわけです。特に工業製品につきましては、輸出補助金はやめるというのが原則的な考え方であります。農産物については必ずしも工業製品ほど厳密な感じを持っておらないようであります。また、いま御指摘がございました日本のこういったケースについて、いかような取り扱いをすることに相なるかということでありますが、それについても私どもとしてはそれほど支障はないというふうに考えております。
○北村暢君 次に、先ほどもちょっと触れました国際価格がトン当たり約六万円程度でありますが、最近の米の国際入札の状況についてこれよりもはるかに低い価格で落札をしているということが新聞で報道されているようです。したがってその際における落札価格が現在の国際価格の六万円程度よりもはるかに低い約三万九千円前後でもって落札をしたということが伝えられているようです。したがって今後における輸出価格はどういう見通しを持っておられるのか。これはまあ国際競争に打ち勝っていかないと輸出はできないわけでありますが、この輸出価格の競争にどのような方法をもって対処していくのか、これの考え方についてお伺いをしておきたい。
○政府委員(森本修君) こういった長期の延払いの方法でありますから、必ずしも全部が全部国際入札で応札をするという方法だけではないと思います。アメリカのPL四八〇における輸出につきましてもさようなことでありますから、政府間の話し合いといいますか、そういう相対の話し合いというケースもかなり多いというふうに想定をしておりますが、そういう場合の価格は当然国際的なそのときどきの相場といいますか、価格水準で相手と話し合いをするということになろうかと思います。御指摘がございました国際入札、たとえば最近ペルー等で入札がありまして、日本の商社が参加をしたということでありますが、今年に入りましてからかなり米の国際価格、たとえばタイ米の輸出の建て値といったようなものは下がってきておりますから、最近まで言われておりましたような五万円とか六万円とかいうことでは、私どもも、日本側も入札に参加をいたしましたけれども、落ちないといったようなことであります。したがいまして、これは画一的にいまどういう方法でやるということは言い切れませんけれども、そういった国際的な相場をできるだけ正確に私どもはよくキャッチをして、入札等に参加する場合においても応札がしいいように政府側としても配慮をしていく必要があるのじゃないかというふうに考えております。
○北村暢君 最後に私は、米の輸出に当たって、いま食糧庁長官から説明のありましたペルーでの国際入札に日本も参加して不落であったという結果が出ているわけでありますが、その際に日本が輸出をしようとしたものが、古々米を輸出をするという意図であったようです。そこで、これは輸出をしてそのために、品質が悪いものを――まあ延べ払い方式だからということで古々米を輸出するということはいかがかと思う。特に国際信用の面から言ってもこれは海外援助という性格が非常に強いのでありますから、輸出先から喜ばれる輸出でなければならない、いかに過剰米対策といえども日本が食えないようなものを輸出したのじゃ、これは私は非常に問題があると思う。そういう面の配慮を十分やるべきでないかと思います。それと同時に、米の輸出国であるタイ、ビルマ、アメリカ等、ほかの国々との配慮が必要である、これは法案の中にもうたっておるわけでありますから当然のことと思うのでありますが、輸出先が未開発国であり、しかも競合している輸出国のタイ、ビルマ等は、これも先進工業国とは言えない国でありますから、しかも東南アジアに属する国なんでありますから、これらの国々との配慮というものも必要であるということからいって、私どもは逆にこの、開発輸入をやるというような形で東南アジアの各国に農産物の生産の開発をやっておるというような点からしても、
  〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
逆の形でいま日本が農産物を、米を輸出しようというのですから、環境からいってもだいぶ事情が違うと思います。そういうような点において、今後の輸出に当たっての輸出国への配慮、それから輸入する側における国民感情等を考えて、この米の輸出が輸出先の国々に不評判にならないようなことというものが十分配慮さるべきだと思うのです。そういう面についての見解をひとつお伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(森本修君) 品質の問題など、技術的な問題について私からお答えさしていただきます。
 御指摘がございましたように、対外的な関係でありますから私どもとしても十分さような点は注意をしなきゃならぬ、それが回り回ってやはり日本の輸出にも響いてくる、もちろん相手国側との外交的な関係とかあるいは国民感情といったようなものに反響するわけでありますから、十分注意をしなければならぬ、どういう年産の米を出すかということにつきましても従来から出しておりますものは別段私どものほうから押しつけをするというか、一方的にかようなものというふうなことを言っておるわけではありません。向こう側とよく打ち合わせをし、また向こう側もいろいろ注文をつけてくる、あるいは国によればそれぞれ倉庫まで行きましてこれがいい、あれがいいといったようなことを言うこともございます。さような需要者側の要望を十分聞きまして、お打ち合わせをして出していくというのが現在までの姿であります。これからもさような方針を踏襲していくことは言うまでもございません。したがいまして、向こうは新しい米がいいということであれば、そういうものを供給するということにやぶさかではもちろんないわけであります。
 それから、品質管理につきましては、たとえばパキスタンに米を十万トンばかり貸し付けをしたという際におきましても、私どもの係官を向こうに派遣をいたしまして、着いたものがどういう状況であるかというようなこと、あるいは向こう側の評価というものもよく調べております。それからインドネシア等に出す際におきましても、わざわざ船に係官なり専門家を乗せて、輸送途中における温度なり品質の状況はどうかというようなことも調べるということで、できるだけ御指摘がございました品質管理については最善を尽くしたいということでやりたいと思っております。
 それから対外的な関係国との関係でありますが、御案内のように、こういった長期の延べ払いの輸出ということになりますと、国際的には条件つきの輸出ということになるわけでありまして、EAO等においても、余剰処理原則というものが採択をされておりまして、関係国に対して十分協議をする、またあそこには特別にそのための委員会というものがありまして、そこへ通報するというふうなことになっておりますから、さような手続も当然私どもとしても踏んでまいるということになります。また、特に関係の深い開発途上国、特に東南アジアの国々に対しましては特別の配慮をしなければならぬということで、さらにきめのこまかい注意をしながらひとつ出していくということでいま考えておるわけでございます。
○中村波男君 中座をしておりまして、質問があったかもわかりませんが、食管法第七条で、韓国、パキスタン等へ貸し付けが行なわれておるわけですが、この貸し付けによって金利ですね、一年間食管で負担をしなければならぬわけでありまから、その金利がどれくらいになるか御報告を賜わりたいと思います。
○政府委員(森本修君) 大体食糧庁のほうの金利は単位当たりにしますと、トン当たりにしますと約一年間七千円ぐらいかかるということです。あと数量をかけますと全体の金額が出るわけでございます。
○中村波男君 これは昨年の予算委員会でも問題にしたわけでありますが、相当金利だけでも食管に大きな負担になっていくと思うんですよ。したがって、食管赤字というものがこの金利負担から累積していくわけですから、したがって、これは別途で経理すべきであるというのが私たちの主張であるわけでありますが、いまトン当たり七千円ですか、それをかければわかるという話でありますが、きょうというわけにもまいらぬと思いますので、あとからひとつ資料としてお出しをいただけたらと思うんですが……。
 それからもう一つお尋ねしておきたいと思うんですが、米の過剰過剰と言いまするけれども、実際問題、安定的な需給操作をするということになれば、一定量の繰り越しというのは必要だと思うわけです。したがって、政府は需給操作上、また食糧を安定的に供給する、たとえて言うなら、ここ三年間千四百万トン台の生産が上がっておりますが、しかし今後の推移として千四百万トンが完全に確保されるかどうか、また予期せざる災害が起きたときには減収ということもあり得るわけでありますが、しかし、いまのところ本年十月には八百万トンの古米が残されるというような見通しからいえば、一年や二年不作でもそれは支障はないと思いまするけれども、長い目で見る場合には、やはり一定の持ち越し量というというものがなければならぬと思うわけであります。そういう意味で繰り越し量というのはどれくらいを適正と政府は考えるのか、その点伺っておきたいと思います。
○政府委員(森本修君) 大体私どものほうで通常のあれとしまして、適正持ち越しというとちょっとことばが窮屈でございますけれども、月々の所要量の約二カ月程度くらいあれば、通常の需給操作という観点からいえば円滑にいくのではなかろうかというふうなことで、大体月々の所要量というのは五十万トンないし六十万トンというのが現在の状況でありますから、さような数量を持っていればまあ通学の需給操作には支障がないだろうというふうな感じであります。
○沢田実君 せんだっての委員会でお尋ねをしたのですが、まず最初に東京食糧事務所の不正事件容疑について、その後の経過を報告いただきたいと思います。
○政府委員(森本修君) 先般も御報告を申し上げましたが、
  〔委員長退席、理事高橋雄之助君着席〕
その後東京食糧事務所の関係のその状態は、まだ必ずしも明確な内容が判明をいたしません。私どもが何といいますか、調べるにいたしましても、関係者が当局のほうに勾留をされておる。またかなり膨大な資料がそちらのほうへ押収をされておるというふうなことでございますので、どういう状況であるかということは、この前御報告を申し上げた以降、それほど詳細に私どもでもまだわからないということでございます。
○沢田実君 前回事故米の数量をお尋ねいたしましたら御答弁がなかったわけですが、わかりましたら御答弁を伺いたいと思います。
○政府委員(森本修君) 従来事故米として私どもで整理をし、処分をいたしますところの数字は、四十四会計年度では千六十三トン、それから四十三会計年度では三百三十四トン。
○沢田実君 原材料用米というのはどのくらい――内地米なり輸入米なりあると思いますが、どの程度消費しておるものですか、お尋ねをしたいと思います。
  〔理事高橋雄之助君退席、委員長着席〕
○政府委員(森本修君) いままでの実績を申し上げますと、四十三米穀年度では内地米が六十八万トン、それから外米が約十七万トン、それから四十四米穀年度では、御案内のように、原材料用の大きな酒米でありますとかその他のものが自主流通米に回りましたから、内地米は約二十万トン、それから外米がこれも約十七万トン、ラウンドにいたしますと。さような数字でございます。
○沢田実君 これは全国の取り扱いの量でございますので、うち、東京食糧事務所の分というのを考えてみますと、そう多量でもないと思うわけですが、この事故の起きた原因が事故米にあったのか、原材料米にあったのか、その辺はおわかりにならないですか。
○政府委員(森本修君) 残念ながら私どものほうとしても、その点明確になっておりません。
○沢田実君 まあいろんな証拠書類もなくてわからないということでやむを得ないわけですが、もう一点、条件のいわゆる原因になったものが配給組織の欠陥によってそういうような事故を起こしたのか、あるいは人事管理上の欠陥があってそういう事件が起こったのか、その辺はどんなふうにお考えですか。
○政府委員(森本修君) 配給組織といいますか、広い意味の流通の形態について問題があったのかということでございますが、私どものほうとしても、従来からこういった食糧なりあるいは原材料なりの流通の体制といいますか、形といいますか、そういうことについてはかなり精査をしてやってまいりましたから、形そのものにそれほど問題があるというふうにも思っていないのでありますが、ただそういった定められたルートに従ってものが流れたかどうか、実態的な面については実態をよく精査をいたしませんと、その間の事情がよく明らかになってこないということでありまして、そこいらの点を私どもとしても今回の事件を契機にいたしまして、実態を詰めて今後改善することがあれば改善をしたいというような気持ちであります。
 それから人事管理上の問題は、まことに申しわけないのでありますけれども、東京事務所の職員が勾留をされておるというふうなことでございますから、今後私ども人事管理なりあるいは職員の綱紀の粛正なり適正化なりといったようなことについては、できるだけひとつ努力してやってまいりたいというのが現在の心境でございます。
○沢田実君 この問題で大臣にお尋ねをしたいわけですけれども、食糧事務所につとめている職員が、近所の方から見ておりますと、非常にいわゆる国家公務員としての給与の範囲を越えたような生活をしていらっしゃることがよくわかるというような人もいらっしゃるそうです。ですから、近所で一緒に住んでおりますと、やっぱり消費に相当ぜいたくがあるというようなことがすぐわかるわけです。私どもこうして組織体の責任者としていろいろな方々にお会いをしておりますと、家庭内の悩みとか、いろいろな事故等についてはすぐわかるものなんですが、同じ職場に働きながら、そういう部下といいますか人事管理が十分にできないというのでは、その辺に私は大きな問題があるんじゃないか、こういうふうに思うわけです。ですからこの事件を通じて、大いに綱紀の粛正をはからなくてはならない問題じゃないかと思いますが、その点についての大臣の御所信を承りたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) このたびの事件はまだ捜査中でございますので内容がはっきりいたしませんけれども、そういう疑いを受けて、私どもの東京事務所の者がああいう事件に関係いたしておる疑いを持たれるようになりましたことにつきましては、まことに申しわけないことであると強くおわびをいたさなければならないことであります。御指摘のように、広い範囲でございますけれども、私どもこういうことが将来起こりませんように、厳に綱紀の粛正につとめてまいりたい。そこで先ほど来お話のありました取引関係等につきましても、これからさらに、大事な仕事を扱っておるのでありますから、どういう形で、どういう経路で犯罪的事実が起きてきておるかという、そういうことについて深く掘り下げて検討いたしまして、再びこのようなことのないようにということを戒めてまいるつもりでございます。
○沢田実君 最近、古古米に毒カビがあるというようなことで、たいへん問題になっているようですが、しかしカビについては非常に多くの種類もございますし、中には薬になるカビもありますので、カビがあるからすぐ問題というわけではないとは思いますけれども、そのカビについて現在までわかりました範囲について御報告がいただければたいへん幸いだと思います。
○政府委員(森本修君) 私ども先ほどもお答えをいたしましたように、できるだけ品質の管理、カビの発生等については十分注意をしてきまして、一般的に申しますと、政府の管理米についてはカビの発生していることはきわめて少ないと、まずないというふうな感じを持っておるのであります。それからカビの毒性について種々問題にされておりまして、私どもも非常に腐心をしておるのでありますが、従来カビについて毒性が問題とされておりましたのはアスペルギルス・ヒベリエリというもの、それから黄変菌を出しますところの一連のカビというようなものは、私どものほうとしても四十三年、四十四年、二回にわたりまして政府の所有米を抽出をしてしかるべき専門の機関で調べたわけでありますが、その際には検出をされていないということでございます。ただ御指摘がございましたように、カビの種類も多種多様でございますし、それからまた医学の進歩なり、学問の進歩に伴っていろいろな見解が新しく提供されておるということで、ただいま申し上げましたような種類のカビ以外にも、最近問題とされておるものも幾らかあるわけであります。さようなものにつきまして、今後米の管理上あるいは売り渡し上いかように取り扱うべきであるかということは、やはり学問的な専門家の意見を聞きませんと、私どもとしても明確な見解が出てこないということで、実は本日厚生省並びにそういった方面についての特に学識経験の深い先生方にお集まりをいただきまして、さような問題について究明をし、今後いかような取り扱いをすればいいか十分御意見をお聞きをして今後の方針をきめたい、こういう考えでございます。
○沢田実君 新聞等を見ますと、古々米が全部毒カビがあって家畜用にも使えないような印象を与えるようなことが報じられておりますので、私は非常にそういう点を心配していま御質問いたしたわけですが、ただそのはえたカビが心配ないという話ですけれども、この前政府倉庫を見していただいたときも、カビがはえている古米もあったようです。ですから私はカビがはえているということは、現在保管中の米にもたくさんあると思うんです。ただ、その中で毒性のカビがどの倉庫に保管してある分から出てきたのかよくわかりませんけれども、特定の地方だけが特に心配なのか、あるいは全国の倉庫にわたって検査をしなくちゃならないような心配があるのかですね。あるいはまた、輸出ということが問題になりますが、そういうものは心配がないんならないという、いまお話のように、これからいろんな専門家の会議をおやりになるということですから、いままでわかった範囲はほんの一部分じゃないかと思うんですが、その点についてもう一度お尋ねしたいと思います。
○政府委員(森本修君) 先ほど申し上げましたように、従来毒性が問題になっておりましたものについて私ども調べまして、そういうものが検出されていなかったということでありますが、なお各種の御意見がございますから、いま専門家に集まっていただいて検討をしておるというところでありますが、一般的にいいまして、もちろん中には多量のものを保管しておるわけでありますから、カビが発生をしておるといったようなものもわずかではございますが、あることはあります。さようなものについては、処理の方法については直接間接口に入らないような、たとえば工業用のアルコールでございますとか、あるいはのり用の材料でありますとか、さようなものに処分をするということで従来もやってまいりました。将来もさような方針を踏襲するということには変わりはないわけでありますが、いずれにいたしましても、かようなことは学者の意見を尊重して私どもとしても処理をしなきゃならぬということで、早急にさような整理をして方針をきめるということであります。
 なお、輸出のものにつきましては古々米を出しましたのは大体は古米ということで、パキスタン等には先方が特に倉庫を見に参りまして、こういった水分の少ない米がいいんだというお話でさようなものを出しておりますが、いま申し上げましたように、特別に水分が少ない米である。また、精米にして出すということで、搗精の過程で表皮なりぬかがとれるというふうなことで、まずカビについての心配はない。特に現在積み出し中のものにつきましては早急にその保管倉庫から資料を求めまして、検定可能なものについては調査をいたしたのでありますが、さようなものについてもカビが発見されなかったということでありまして、輸出用のものについては私どもはまず心配がないということは言えるかと思います。
○沢田実君 次に余剰米のことをお尋ねしたいわけですが、先ほどの御答弁で四十二年産米百十二万トン、四十三年二百六十九万トン、四十四年三百九十二万トン、四十五年二百八十八万トンとお聞きをしたわけですが、合計をいたしますと玄米で一千百六十万トンというお話ですが、百万トンほど数が合わないんですけれども、私の聞き違いでしょうか。
○政府委員(森本修君) 先ほど申し上げましたのは四十二年産米で百十二万トン、ちょっと端数がございますけれども、四十三年産米で二百六十九万トン、それから四十四年産米で三百九十二万トン、それから四十五年産米で二百八十八万トンといったような数字でありますから、これを足しますと大体は……
○沢田実君 千六十一万トンにしかなりません。百万トン違います。
○政府委員(森本修君) 全体は千六十三万トンぐらいであるわけです。
○沢田実君 そうすると、玄米で千百六十万トンという在庫の数は間違いですか。
○政府委員(森本修君) それは千六十三万トンであります。
○沢田実君 はい、わかりました。
 それから倉庫のことをちょっとお尋ねしたいんですが、先だって政府の倉庫を視察に参りましたときに、いろいろと倉庫の状況等もお聞きしたわけですが、十二月末で大体千四百万トン倉庫に入っているというお話を承わりました。それで大体収容可能の倉庫の容量が幾らかとお聞きしましたら大体千四百万トンだと、これで一ぱい一ぱいのようなお話でございました。先ほどお話がございましたように、倉庫をこれ以上建てるということは政府としても、政府倉庫としてもお考えでございましょうけれども、地方の農協なら農協に倉庫を立てさせることは、先ほど長官からお話がございましたように、余った場合に一体どうするのか。余った場合を考えますと問題があるのではないか、こういうふうに思います。
 そこで、地方の農協においても若干の助成を国からもらうにしても、固定資産にそれだけ資金を投下するということは、将来の農協ということの運営を考えますときに問題もあるんじゃないか。おのずと先ほど長官がおっしゃったように、倉庫建設の限界というものもあるんじゃないかと、こう思います。で、倉庫が不足している、しかもこれ以上倉庫をつくった場合に将来いろいろな問題がある、こういうふうな現況ではないかと思いますので、そこでどういうふうに貯蔵するかということが問題になると思うんですが、低温倉庫のお話等もございましたが、それにもおのずと限界があろうと思います。そういうわけで、私はもみの貯蔵をもっと考えたらどうかというふうに思うわけです。
 ただ、もみ貯蔵で問題になりますのは、農家に貯蔵させる場合にはその米の代金をいつ払うかということが問題になります。あるいは農協等で保管する場合には、もみの買い入れということを考えていかなくちゃならぬことになります。それで、もみの貯蔵については岐阜の農業試験場なんかでいろいろ研究しているのも見てまいりましたが、非常に簡単な方法で屋根をつくって雨にさえあわなければだいじょうぶだというような研究の結果も出ているようです。そういう点を考えますと、私はもみの貯蔵ということが一番倉庫が不足している現在には大事な考え方じゃないか、こんなふうに思うのですが、もみ貯蔵については食糧庁ではお考えになっていらっしゃらないかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○政府委員(森本修君) 政府なりあるいは農協なり、そういうところでもみの貯蔵をするという問題と、それから農家自身にそういった形で貯蔵していただくという考え方と二つあろうかと思うんですが、そういうまとまった形で貯蔵をいたします際の問題は、何といいましても非常に容積がかさむものですから、保管の経済的な効率という点からいきますと必ずしも有利ではないんじゃないかというふうなことを私どもは従来から考えておったわけであります。また、農家の方に貯蔵していただくということにつきましては、もちろん昔は農家といいましても地主が倉を持っておるとか、あるいはそれぞれ貯蔵の施設というものがかなりある。またもみ貯蔵に耐えるような施設もあったわけでありますが、現在の状況では、必ずしもそれが各地通観をいたしますと、特殊な地帯におきましては、なおさようなものがかなり残っておるということが言われておりますけれども、まあ十分ではないといったようなことで、従来までは私どものほうで踏ん切りをつけて奨励をするというところまではいっておりません。昔は、長期貯蔵ということになりますと、もみの貯蔵ということで奨励をした、あるいは助成をした例がございます。まあそういうこともございますので、いままでのところは十分やっていないという状況であります。しかし、かような時期でありますから、保管のやり方について、いろんなこともやはり研究をし、取り組んでいかなきゃならぬということで、先ほど来ございました湖底の貯蔵でありますとか、あるいは洞窟でありますとか、そういうことをやっておりますが、もみの貯蔵についても私どもひとつ研究をしたいというふうに考えております。
○沢田実君 その湖底のことも金がかかる問題ですし、いろいろお話が出ております低温倉庫も金がかかります。いまもみ貯蔵について大量に貯蔵すれば非常に金がかかるということばがありましたが、大規模なカントリーエレベーター等を考えた場合に金がかかるのであって、私がいま申し上げているのは、農協なら農協で、屋根だけつけて網を二重にしただけで、それだけでも、雨ざらしに会うような状態ですけれども、もみ貯蔵はそれで十分なんだと、こういう研究の結果も出ているようですので、大いに研究をしていただきたいと、こう思うわけです。それから、そのときに問題になりますのは、もみで買い入れるということが問題になろうと思いますので、そういう点も御検討いただきたいと思います。
 それからいま問題になっておりますのは、計算の上では倉庫が満ぱいになるような米が入ってるわけですが、良質米の産地の倉庫、これは早く米が売れますので倉庫がからになってしまう。米の質の悪いほうといいますか、不評米の産地の倉庫はいつも一ぱい入っている。そのかわりその農協では倉庫収入が多いというふうな矛盾があるわけですが、そういうふうな点については、どんなふうにお考えでしょうか。
○政府委員(森本修君) まあ、米の管理なり売り方につきまして、やはり消費者の販売業者の選択というのは、かなり需要面で強くなってきておりますから、私どもとしては画一的にどこの産地の倉庫も一定割合で売却をしていくなり、運送をしていくなりというふうな形で操作をすることがなかなかむずかしくなってきております。したがいましていろんな関係から、若干運送にかける品物も地域別に差が出てまいりますし、したがってそのうらはらで、農協の倉庫等については、一方では長期に保管をされる、一方では早く出ていくといったようなことは、これはある程度やむを得ないというふうに考えております。ただ、そういった産地は、かなり米の主要な産地でありますから、新米が出てくればまた倉庫に入ってくるわけでありますから、まあ一時的なそういった地域別なアンバランスということは、ある程度はやむを得ないんじゃないかという感じを持っております。
○沢田実君 先ほどもいろいろ議論になりましたように、七百万トンからの過剰米を一体どうするかということで、需要の拡大についてはいろいろお考えのようですが、さらにひとつ提案といいますか、お尋ねをしたいわけですけれども、その一つに、飼料用、いわゆる動物のえさにしようということがいま問題になっております。ところが古々米というのは、非常に長い間保管しておりますから、一番倉庫料を食って一番高い米になります。その一番高い米をえさにするわけです。非常に国民感情として何となくもっといい方法がないかという感じを受けます。
 そこであとお尋ねをしたいのは、いま保管してあります米ですが、米の検査基準があって各等米にこのくらいの死米とか、くず米とかいうものが入ってもいいという現在の検査基準があるはずですが、その点を最初に伺って、次のお話に進みたいと思います。
○政府委員(森本修君) 検査基準の詳細でありますから、端的にこう申し上げるのは非常にむずかしいんですが、一等米から五等米といった形で、それぞれ検査の基準が違っております。一例を申し上げますれば……。
○沢田実君 三等米だけでけっこうです。
○政府委員(森本修君) 被害粒、死米、異種穀粒及び異物という欄がございますが、これの検査の最高の限度、これは三等米でありますれば一五%、それから四等米であれば二〇%、逆に二等米であれば一〇%というようなことで、検査基準が定められております。
○沢田実君 そういうような基準で三等米にしても一五%――一五%そのまま入っておるとは思いませんけれども、そういうものが入っていても三等米としていいわけですね。したがいまして、現在保管しております一千万トンの米の中には、相当数量の被害粒なりあるいは死米なりあるいはいろんなものが入っていると考えられるわけです。
 そこで、現在の全在庫数量のたとえば一〇%なら一〇%を米選機にかけて、米選機の下のくず米を取るというようなことをいたしますと、百万トンが出るわけです。それをえさにするということでありますと、米選機の下ですから、国民の感情としては非常に納得がいくような感じがいたします。ただ技術的にどうかというような問題があろうかと思いますが、同じえさにするにしても、倉庫料をかけて一番高い米をえさにする、毎年毎年順ぐり古い米をしまっておいては、一番高い米からえさにするというようなことではなしに、現在一千万トンのうち、百万トンなら百万トンを再選別してえさにするといったような、思い切った考えをなさることも、現在の七百万トンの手持ちを大きく減少する一つの方法ではないか、こんなふうに考えますが、そういう基本的な考え方について、大臣はどんなふうにお考えになりますか、お尋ねいたします。
○政府委員(森本修君) 技術的な問題でございますから、私からまずお答えさせていただきたいと思います。確かにさような発想なりあるいは御見解は一つの傾聴すべき御意見ではないかというふうに私ども思っております。またそういったことを従来から私どものほうに献策をされておられる方もおるわけでありまして、私どものほうでも研究をしておるところでありますが、何分にも各地の倉庫に大量のものがそれぞれ麻袋なりその他の容器に入って存在をしておるわけでありますから、それを選別するということになりますと、まあ一々そういう包装からあけまして、集めまして選別機にかけて選別するというような、かなり膨大なといいますか、作業になるわけであります。またしたがいまして、そういう関係から相当まあ手間賃といいますか、手間がかかるということが一つの問題であろうというふうに思います。
 それからまたそういう機械を、あり合わせのものでは済みませんから、新たに調達しなければならぬというふうな関係も出てまいります。そういう面でもかなりなコストといいますか、手間、コストがかかるというふうなことであります。さようなことでありますから、いま専門的な観点から十分研究をさせておりますけれども、技術的な点あるいは経済的な点、十分ひとつ研究をしてみないと、実行問題として可能であるかどうかということは、私どもとしてはいまの段階でちょっとふん切りがつかないということで、引き続きひとつ研究をさせていただきたいと思います。
○沢田実君 いま長官から技術的な面で答弁がございました。確かに選別についても何についても問題ありましょうし、それから、経済面を考えましても、いろいろ問題はあると思います。しかし、えさにつきましても、トン当たり十万円損することははっきりしているわけです。輸出をするにいたしましても、国際価格で、約半値で、しかも十年据え置き二十年の返還なんだから、これはもう取引の話ではございません。そういうことを考えますと、七百万トンの過剰米を何とかするということを考えますと、相当大がかりなこれは技術、若干無理があっても、経済的にどうあっても、勇断を持って処理しなくちゃ、七百万トンの処理は私はできないと思います。
 そういう意味で、米をおいしくすれば、まだ私は消費がふえると思います。ということは、現在、インスタントラーメンなどの売れ行きというものは相当なものです。パンに消費するというそういうものも、小麦の量で何かちょっと計算したのを見ますと、今年度の生産調整の目標である百五十万トン、それくらいのものを消費しているというようなふうにも聞いております。その点考えますと、まだまだ私は、お米の消費は、米をおいしくすればまだできる。そういうふうに思います。われわれの身近な体験からしても、たとえば、国会の食堂の非常にまずい米ですと、何となく食欲がありません。だけれども、おいしい米を買って自炊してたいてみますと、非常においしいですから、朝も食べて参ります。私個人の体験でもそういうわけで、お米をもっとおいしくするということはお米の消費をふやすことだと、こういうふうに思います。一割も米選しても精白すれば同じだという御意見もありますけれども、私は決してそうではない、こういうふうに思います。専門的な知識はございませんけれども、農家で生まれた私の勘からいっても、再米選することによって、もっとおいしい米を配給することは十分可能じゃないか。そういうふうに思いますので、勇断がなければ、こういうふうなことはできないと思います。大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいま技術的なお答えをいたしておりましたが、沢田さんの御意見、なかなか貴重な御意見でございまして、私どもも十分研究してまいりたいと思っております。
○沢田実君 次に、この法律に直接関係のあります米の輸出の問題になりますが、最近、いろいろ報ずるところによりますと、カナダでは、小麦が非常に余って、九割の休耕をやっておるというふうなことが報ぜられております。EEC諸国でも、農業の人口を半分にするというような思い切った政策が打ち出されているようなこともお聞きをいたします。そんなわけで、世界の相当の国々が農産物が過剰だというような状況でございますが、いまこの法案が通りますと、大体農林省としては、東南アジア方面になると思いますけれども、需給の関係で、いわゆるもっと輸出可能な国々が一体どのくらいあるのか。
 それからもう一つは、先ほどもお話がございましたが、日本から、こういう商業ベースを無視した海外援助的な輸出をやりますと、その国が買っている、他の東南アジアの生産国に対する影響が非常に大きい。この二つの問題があろうと思いますけれども、まず、東南アジア各国において、米が不足している国、まだどのくらい不足して、どんな状況であるか。そんな点も承りたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) この法案によります長期延べ払い輸出は、国際的にはいわゆる譲許条件つきの取引でございまして、通常の型の輸出をいたそうとするわけでございますが、しかし、このような譲許条件つきの取引でも、取引が通常の国際的な商業貿易に悪影響を及ぼすおそれがあるわけで、いまいろいろお話がございましたが、国際的には、御存じのように、FAOにおける農産物余剰処理原則等がありますわけでありますから、各国は、この処理が、正常な生産及び国際貿易のあり方を阻害しないように行なわれるようにつとめること、それから、その場合には関係第三国と協議することなどが、このFAOの余剰処理について定められておるところでございます。
 そこで、わが国といたしましても、この法案によります輸出を行なう場合には、通常の米の国際貿易を阻害することのないように配慮いたしますことはもちろんでございますが、FAOの余剰処理原則の手続にのっとって、関係第三国とも必要な協議を行なってまいるつもりであります。したがって、ただいま御審議を願っております本案による輸出が、一般的に国際的な非難の対象となるものではないと考えておるわけであります。
 それから、もう一つお尋ねの、どのような国を対象に考えておるかということでありますが、政府委員からお答えいたさせます。
○政府委員(森本修君) いま具体的にどこどこと言うわけにもまいりませんけれども、従来出してまいりましたのが、インドネシアでありますとか、あるいはパキスタンでありますとか、あるいは韓国でありますとか、そういう国々がございます。一般的に、最近の東南アジアにおける米の生産なり需給の関係というのを見ますと、確かに、いろいろな技術的な進歩、特に品種の改良でありますとか、あるいは肥料を多投するとか、そういう技術的なことによりましてかなり生産が増大をしてきておるという、これは一般的な傾向であろうと思います。しかしまた、需要の面では、人口がふえてくる、それから所得が上がってくる、経済状態がよくなるに従って需要も増大をするというようなことで、需給関係の長期的な見通しがどうなるかということはなかなかつかみにくい。いま転換期のような状況になっておるようでございます。生産の面でもそういう向上の傾向はありますけれども、新しい品種についてもなお大量性なりあるいは肥料を多く使うような場合に一体うまくいくのかどうかといったような、まだまだ安定的な見通しを立てるにはむずかしい時期であるというふうにいわれております。
 どういう国が不足しておるかというふうなお話しもございましたから、そういうふうに一般的に生産は向上し、需給関係が改善されつつある中におきましても、やはりインドネシア等におきましては、輸入が増加をしておるという状況、国によりますれば。それから御案内のように、インド等は従来からも相当大量の穀物を輸入する国であります。もちろん、その中には小麦も大量含まれておりますが、米も輸入をするというふうな関係で、需給関係が一般的に改善されつつある中にありましても、恒常的に米の輸入国というのはなお存在しております。また、一時的に、韓国でありますとか、たとえばパキスタンでありますとか、さような国は、一時的な作柄の関係で、輸入を要請してくるというふうなことであろうかと思います。
○沢田実君 それで、そのインドネシアなりパキスタンなりという国は、どこからいままで輸入しておったか、私もよくわかりませんけれども、おそらく同じ東南アジアの米の生産国から、タイ等から輸入しているのじゃないかと思います。あの辺へ行ってまいりますと、日本に対する輸出が――輸入過剰になっておりまして、日本にいろいろなものを買ってくれ買ってくれということが非常に多いわけです。その国が、せっかく輸出している国が、日本が安くやりますと、その国の輸出がとまってしまいます。そうなるとまた日本に対する感情というものも悪くなるのじゃないか。それで、そういうことをしてまで、わずか三十万トンぐらいの米を輸出しなければならないのかどうかということが、私は問題になるのじゃないかと思うわけなんです。
 そういう点を考えますとき、輸出も一つの過剰米の処理の方法ではございましょうけれども、十年間据え置き、二十年間で年賦で返還するなんという、普通考えられないようなことを考えておるわけでございますから、これは取引じゃない、先ほど来議論になっております海外援助になるのだろうと思いますが、それまでして米を何とかしようというなら、国内の消費者米価をもっと安くして、米の需要をふやすということを考えていただいたほうが、私はもっと米が減るのじゃないかと思います。大臣、もっと消費者米価を下げるというようなことはお考えになりませんか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 米審でまたいろいろ米の価格決定について御相談をいただきたいわけでありますが、ただいま政府はそういういろいろな御意見を拝聴いたしておりますけれども、いまのお尋ねのようなことを政府は考えておりません。
○委員長(園田清充君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(園田清充君) 速記を起こして。
○河田賢治君 だいぶ私が質問しようと思っていることも他の委員から質問が出ましたので、ごく問題を二、三の問題にしぼりたいと思います。
 御承知のように、ケネディ・ラウンドの援助、これが来年の六月に一応期限が終了するわけでありますが、この協定の問題について、やはり開発途上国あたりからの、これは延長してもらいたいという要請があるというようなことがちょっと新聞なんかにも出ておりますが、これは外務省の所管ではありまするが、農林省のサイドから見て、こういう穀物が、いまこの法案は別個としていま出ておりますが、こういう問題についての、一つのこの協定に対する延長、そういうことを考えられておるか。また、これによってどういう有利な点があるか、不利な点があるか、こういう問題についてひとつお尋ねしたいと思うのです。
○国務大臣(倉石忠雄君) 政府の方針といたしましては、ケネディ・ラウンドに決定されておる関税について、この実施の時期をなるべく繰り上げようという話は出ておりますけれども、ただいまお尋ねのような援助の件については何ら決定をいたしておらないわけであります。
○政府委員(森本修君) お尋ねは、ケネディ・ラウンドの一環として取りきめをされました穀物の取りきめ、特にその中の食糧援助規約の延長のお話だと思うのですが、これはまあ御指摘のように、来年の六月で協定上は切れるということになっております。になっておりますが、かようなものでありますから、一体、そういうふうなきまりどおりに打ち切られるのかどうかということは、きわめて今後の国際的な動きいかんにかかってくると思うのです。まあ情勢はどうかというお話しでありますが、まだ具体的な動きはありません。ただ、二、三の会合で、断片的に将来どうするのだろうといったようなことの意見が出たということは聞いておりますけれども、また延長の可能性をトするに足るような議論が、組織的に国際的に行なわれておるということは私ども聞いておりません。近くいろいろな会合が開かれるでしょうから、またさような機会にこういうものは固まってくるのじゃないかというふうに考えております。
○河田賢治君 この開発途上国に対して米を輸出する、あるいは援助というものが、長期的に見ますとやはり開発国がかなり第一次産業、特に農業なんかを中心にしてやっておりますが、こういうところに食糧のこういう形を進めると、いわば食糧の依存度というものは非常にその国にとっては強まるわけですね。したがいまして、われわれ先進国としましては、やはりそこの国の自立をはかるとか、できるだけ自主的にその国の産業がだんだんと第一次産業だけでなく、第二次産業――いわゆる工業やその他も順次高めていく、こういう方向が必要だと思うわけです。もちろんいま日本としましては、米が余っておる、何とか処理しなくちゃならぬということでこれが出たわけでありますが、しかし、一方におきましては、それでは日本の資本なんかが最近ここ、一九六八年から六九年にかけてのいろいろな新聞なんかの断片を拾いますと、相当米の生産なんかを東南アジアでやっておるわけです。これはちょっと拾ってみますと、たとえばインドネシアのスマトラ・ランポン地区とか、ここへ東芝、石川島播磨重工、日商、間組など十社によってトウモロコシの栽培、それから米が百万トン、こういうような生産の計画を立てて進出をしておる。第二に、住友商事、これは水田の開発。現地資本と合併して十万ヘクタール、これはジャカルタ郊外のパンカラン地区、こういうふうに出ております。それからまた、三井物産、三菱商事、石川島播磨重工など、二十五社の共同出資で設立された国際農業開発会社――資本金九千万円、これはマレーシアでの稲作の契約栽培、現地資本と協力。あるいは南ベトナムのメコンデルタ地帯での水田開発、農機具工場の設立等々。それからまた、丸紅飯田、富士銀行を中心とした三十社で組織した農業開発懇談会で、南ベトナムのダニダム周辺での稲作増産、こういうことがあがっております。それからまた、他の地域におきましても、他の農産物もありますが、たとえば近東イランでの日本工営を中心に、三井物産、丸紅飯田、伊藤忠などの商社協力で行なわれる稲作、綿花、牧草、こういうふうに相当日本の資本が現地で稲作経営をやる。もちろんその国の食糧を自給するという一応は形をとっておるかもしれませんけれども、しかしこういう大きな大会社まあ日本の米の問題にしましても二、三年前から米代は一万六千円にしろといって経済同友会その他が要求したこともあります。それに従って政府も大体米の米価据え置きをやっている。ところがこういうふうにして日本の国内でも米の問題についてはいろいろこういう大資本家が米価やあるいは日本の農業については発言しておるわけで、方針は出しておるわけです。ところが自分たち自身ではこういう海外へ出てそしてどんどんやっておる。そうしますと、こういう大資本家の経営に対して政府に対して相談して自給率はことしはこのくらいにします、あるいは日本からもこれを輸出したいと政府はいま考えているわけですが、こういう場合にこういう向こうで日本のいま輸出する米とまた向こうでつくる米とのいわば一応の競合関係ができるわけです。こういう点では御相談がありますか、また政府はそういう問題に対して多少の個別的な話し合いをするとかというような指導をされておりますか。この点をお聞きしたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) 各国の商社などがそれぞれの後進国に向かっていろいろな事業をやっておるようでありますが、政府はそういうことについてどの程度話を聞いておるか、私どもにははっきりいたしません。私どもについては特別の関係もございませんので、交渉は受けておらないわけでありますが、たてまえとしてはやっぱり低開発国がこれからどんどん自立経営をやってまいりたいということのために、いろいろな努力をすることはけっこうなことだと思いますが、現に、ことしもインドネシアに対して向こうから米のことについて、不足をいたしておりますので、要請もある。現在の段階におきましては、私どもとしては、米の輸出というものは十分考えられることでありますので、これはできるだけ早く、そういう処置をいたしたいと、こう思っておるわけであります。
○河田賢治君 もちろん農林者が行政的に日本の大商社に対してあるいは大資本に対してそういうことはできませんけれども、国の政策としていま米が余っておる。これをできるだけここ数年のうちに処理していきたいというのであれば、まあ価格の問題もあるでしょうし、また条件もあるでしょうけれども、できるだけこれを早くさばくことが当面の緊急の問題でしょう。そうすれば、日本の資本家が、もちろん農林省へそういう報告はしないでしょうけれども、こういうものは新聞にもずっと出ているわけですよ。また日本の業界ともいろんなまだ接触もあるでしょう。こういうことがあれば、やはり農林省としてもそういう有力に海外へ進出して、そして日本の食糧と競合する。日本の足らぬものをまずつくるならこれは話はわかりますが、そうでない場合にはできるだけこれをどうして処理するかということが農林省としても考えておられるわけですから、こういう場合にやはりこれらの資本家に対してそれらの調査をしたり、日本から一体受けられる条件があるのかないのか、そういうことも一応は調査してみるのが当然じゃないかと思うのですよ。何か農林省はそういうことは資本家のやっていることで、海外技術的に援助しているのだ、開発途上国が工業国になったりだんだん発展することを望んでおる。それはいいんです。しかし、そのやり方というものは、やはりいろんな手順というものがあると思うのですが、そういう点ではさっき大臣が言われた問題について、私はちょっと受け入れがたいものを持っておるわけです。全然海外にそういう日本の作物や競合するものについて何らの御相談もないわけですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) この間もインドネシアの農業協同組合の会長という方が見えまして、彼の話を聞いておったのでありますが、私どもといたしましては、わが国に必要な濃厚飼料、そういうものについては各国から買い入れておるわけでありますから、こういうことにつきまして価格と品質さえ引き合えば、これはわが国はなるべく手近かなところから買うことが非常にけっこうなことであるからというような話しがあったわけでありますが、もちろん各国ともやはりわが国が何を、どの程度買っておるかというふうなことを、よく承知いたして、研究いたしておるわけでありますから、そういうことについて、見当をつけて生産の計画をするであろうと思っております。私どものほうで必要なものはそういう意味で諸外国から買うことは少しもやぶさかでないのでありますから、そういうようなことについて計画をお立てになることはたいへんけっこうなことではないかと、こう思っておるわけであります。
○河田賢治君 私はもう具体的にここで例をあげて水田を、日本の資本家が外国で土地を耕やし、そこで水田をつくり、米をつくっておる、いま米の問題に限って私は言っているのです。一般的にいえば、別にそれは何も資本家がどういうことをしようと、これはまた別な問題でありますが、こういう場合に日本の資本家に対して米の生産なんかについてどういうふうな話し合いがなされているかということを私は伺っているのです。まあそれに対する明確な答弁がなければ、私はそれは一応これで打ち切ります。
 さらに貸し付けの条件について、――御承知のようにこの資料によりますと、韓国に対しては三十年、それから利率も出ておりますね。それから同質同量のものを返すというようないわゆる現物方式をとっておりますが、この条件というものは一応これはアメリカあたりの条件を日本が自主的に守っておやりになっているわけですか、それとも協定か何かで縛られた内容になるわけですか、貸し付けの条件ですね。期限とか利率というものは。
○政府委員(森本修君) この法律によりますところの条件は、先ほど来お答えを申し上げましたけれども、別段よそと、諸外国と相談をする、あるいは諸外国との一般的な協定があるというふうな性質のものではございませんが、われわれのほうでいろいろなことは参考にして日本が自主的にきめるということであると思います。
○河田賢治君 もちろん各国にこれは経済条件や金融条件等々によってこれはきまると思います。しかしいまそれには日本の国の農業者が、農家が政府の資金やいろいろな金融上の条件をつけられておる場合に、一番長いのが何年だと思います……。たとえば農林漁業金融公庫の資金制度では十年から償還期限が三十年ということになっていますね、二十年ですか……。三分五厘、八分二厘というふうに年利がなっております。一番長いので二十年ですね、三十年ですか――。それから開拓資金、これはもうなくなりましたから何ですけれども、こういう点で日本の農家に貸す場合の資金条件というものは、この韓国あたりへ貸しましたものから比べれば、非常にまだまだそういうあれにないわけです。韓国へ三十年間とか十年の据え置きというような条件は、日本の農家やあるいは漁業がこういう条件のもとにないわけですね。さっき自主的にきめられると申されましたが、国内でこういうふうに高い利子をとらなければならぬ、期間も短くしなければならぬ。けれども、外国に対してはどんどんと利子も安くもし、また期間も長期にわたる。一体これはどちらに重点を置いて、だれのためにやっているかという問題に私は帰着すると思う。自主的にやれるというならば、国際的に縛られるならばともかくも自主的に日本の政府がやれるというならば、やはり日本の農家、日本の漁業者、農林漁業金融公庫、これを利用する人に対してはできるだけ長期のもの、また安い利子、こういうものを、これは金融のいろいろな条件もありますけれども、そういう方向になって初めて、これは同等に外国に出すというならば話はわかりますけれども、こういうふうにしていわば貸し付けの条件というものはダンピング的な条件になっているわけです。国内には高くする、外国には日本よりも有利な条件にする、一体こういうことが政治上として、また農林省として正しいあり方だとお考えですか、どうですか。
○政府委員(森本修君) 国内におきます農林漁業金融公庫等の貸し付け条件につきましては、しばしばいろいろなところで問題になりまして随時改善をはかって今日まできているわけです。また別段、何といいますか、画一的にあらゆるものについてどういう条件でなければいかぬというふうなことではないわけでありまして、ごらんになっておられます資料によりましても、それぞれの資金の種類によりましてそれぞれ償還期限につき、あるいは金利につき必要なものをきめているというふうなことであります。したがいまして、もちろん国内の生産者に対する貸し付け条件についても、それぞれの状況に適応して適正な貸し付け条件をきめてきている。また、今後かようなものについても実態に即応しながら改善をはかっていくというのが私どもの考えであります。いま言われました国内のこういう公庫の金利と、輸出の際の取引上の金利なり貸し付け条件を直ちに比較されて長いとか、あるいは高いとかいうふうな観点で言われましたけれども、それはそれぞれやはり目的なり、あるいは形態なりが違うわけでありますから、ストレートにそれを直接的に比較をしてどうこうということは、理論としてはなかなか成立しにくいのではないかという感じがいたします。私どもとしましては、海外に対してかような条件をつけて出す、国内に対してかような条件で出す――国内に対して不当な取り扱いをしているというふうなつもりは決してございません。
○河田賢治君 そうは言われましたけれども、確かにそれは何もかにも一律ではありませんよ。しかし、たとえば沖繩では二十年でしょう。利子はつきませんよ。韓国は三十年ですね。それはやはり同じ日本人、沖繩は沖繩県人ですよ、いわば今日。そういうふうにして外国にもいろいろな条件はありますが、他の国とのいろいろな競争関係、協定関係というものもありますけれども、やはり日本が自主的にやれるものならばできる限り、日本の農民から見て、あんなに外国には安く貸せるのか、長期に貸せるのかというふうな感じを受けるに違いないんです。受けているんです。ですから、もっと安くしてくれという要求も出るわけです。ですから、そういう点で農林省がやはりこういうやり方が、いますぐこれを同じようにするということを私は言っているわけじゃありませんけれども、そういう方向を目ざして、諸外国に対する問題、また国内に対する問題でも方向はやはりきちんとしておきませんと、これはもういわば外国から言われれば言われるままにどんどんこういう貸し出しの条件がつくられちゃう、こういうふうに私たちは思うわけです。アメリカあたりの余剰農産物、こういう関係ではこれはずいぶんと長期にわたってさばくために資本の余裕もありますから、これは利率なんかずいぶんと安く出ているけれども、しかし、ほかの国でもどこでも同じ条件ではないわけですから、そういう点はやはり日本が日本の自主的な立場で、他の近隣諸国と友好を結ぶという点からも、できるだけいい条件をつくってあげることは必要なんですけれども、しかし、やはり国内のことに相当目を向けてやりませんと、私は国内におけるこういう外国との関係、肥料の問題でもそうですけれども、そういう関係で私は農林省はちょっと姿勢を正す必要があるだう、こういうふうに思うわけです。
 次に、もうあと一点だけです。沖繩への米の援助、売り渡し、これは昨年法律ができましてこれによって出しておられるわけですが、衆議院の農水委員会でことしの四月十六日、食糧庁の長官は、沖繩から要望があれはそれは十分こたえたいというようなお答えをなすっている。ところが昨年あたりから屋良主席は再三にわたって政府に対して八万トン、大体全量の援助を求めておったわけですね。ところがことしのこの援助は三万三千トンぐらいしかいっておりません。最近わが党の国会議員が沖繩へ参りまして、至るところでやはり日本の米はおいしいんだ。できるだけ日本の米を食いたい。どうもカリフォルニアやオーストラリアあたりの米はまずくて食えぬ。もちろん米のうまい、まずいの問題だけではありません。経済的な問題も伴いますけれども、しかしこういうふうにして沖繩から要望しておるわけですから、これはまた向こうのいろんな、いわばアメリカの統治下にありますから、いわばそれでいろんな産業も発展させるような方向もとらなければいけませんし、米の問題もいろんな問題も解決しなければなりませんけれども、しかし向こうで要請しておるわけですから、また食糧庁長官が、御要望があれば十分こたえたいと言っておられますけれども、これは実際にはまだこたえておられないわけですね。こういう点で琉球政府がアメリカの民政府と相談して承認を受ける、こういう場合にでも日本から積極的にアメリカの圧力をはねのけるような努力をこれまでされたことがあるのかどうか、その点をお聞きしたいと思うのです。
○政府委員(森本修君) 沖繩に対しまして日本米の輸出をする際に、数量について私どもは沖繩側から要望があれば十分それにこたえたいという御答弁を申し上げ、現在でもその方針に変わりはございません。もちろん沖繩側にしましても、琉球政府の意向、またそれを民政府と十分御相談になって正式には私どものほうに要請があるわけでありますから、さような過程においていかなる話し合いをされておるか、そこまで立ち入って私どもは十分伺っておりませんけれども、正式に沖繩側から要望がございますればできるだけそれにこたえたいという方針には変わりはありません。
○河田賢治君 じゃ琉球政府がアメリカ民政府と相談してもっとたくさん入れたいということになれば、先ほど来からの御答弁のように大体その要望にこたえてこれを果たしたいというお考えなんですね。――これでようございます。
○向井長年君 一点だけお聞きしますが、この法案の骨子は、大体外国へ日本米を売るということですが、売り渡しの問題ですが、これは政府直接の問題と、もう一点はその他の、というのはこれは業者だと思いますけれども、この二点に分れておりますが、これは重点をどっちに置いているのですか、重点を。政府が直接外国政府なりあるいはまたその他これに類するところに積極的にこれを売り出そう、こういうことであるならば、それに対する現在の見通しはどういうところに持っておるのか、あるいはそのベースはどれくらいの政府ベースをもって進もうとするのか、この点。それから民間の場合には、民間に委譲して民間がやるということになれば、これまたベースは民間ベースでやるのか、この点重点をどちらに持っておられるのでしょう。
○政府委員(森本修君) 重点と言われますとなかなかお答えはしにくいのですけれども、私どもはその法案をつくりました過程におきます考え方としましては、そういった非常に三十年といったような長期の延べ払いということであれば、相手側の政府にしてもかなり政策的な問題にもなりましょうから、政府間の当然話し合いになるのじゃないか、いままでのやりました感じでは、やはりそれがおもな輸出のルートになるということを想定しております。しかしそれだけではこういった輸出の円滑化をはかっていくにはなお不足するのではないか、やはりその間に商社の積極的な活動というものがあり、それが輸出に貢献するのであれば、そういった活動の余地を十分活用するということがまた一面必要ではないかということで、まあ数量からいいましても、おそらく第二号のものになれば、一つの取引単位としては第一号よりは小さいものになるのではないか、それから取引の形態としてもやや補完的になるのではないか、そういう感じを持っております。で、どれに重点を置くかと言われますと、なかなかむずかしいのですけれども、一号と二号の関係というのはさようなことであるというように私どもは思っております。したがいまして、第一号の政府間の話というのはかなり大きく評価をしなければなりませんから、私どもとしては早急に米の主要な輸入国でありますところの十四カ国に日本米のいろいろな解説したものを携え、また若干の見本ですね、加工したパーボイルドライスでありますとか、タフトライスでありますとか、さような日本米の加工したものも携えまして、また役所の職員の派遣をいたしまして、市場の調査ないしはPRといったようなことを積極的にやっていきたいと考えます。
○向井長年君 そうすると、重点はやはり政府が積極的に乗り出して売っていこうと、こういうことですね。したがって、これはただほしいというところに売るのだということじゃなくして、ぜひこれはこういう価格であるし、これだから買ってもらいたいという形の積極性をもって進むのか、あるいは日本米を、このくらいの値段であれば買いたいというなら、それじゃ売ろうとするのか、この積極性の問題があると思うのですが、いまの長官の答弁で結局、積極的にPRしつつ売り出すのだと、こういう答弁でございますが、しかし実際には民間委譲といいますか、言うなれば商社がこういうところに重点を持たれるような気がするのですよ、われわれが感ずるところは。だからその二つの問題を出しているけれども、実際は民間のほうでやってもらうと、あるいはまた、ほしい国があれば政府間でも売ってよろしい、こういうように悪く言えばおざなりのような感じがするのですが、そうではない、あくまでこの法案が通れば積極的に政府は政府間交渉をしつつ、いま言った十四カ国ですか、そういうところに乗り出して買ってもらうのだと、こういう積極性を持って進むのだと、こういうように解釈してよろしいのですね。そうすると民間の場合はどうなんですか、担保を取って三年間の問題となっているのですが、結局ベースはどうなんですか、価格、民間の場合ですね、どういう形で民間ベースで売られるのが政府間の問題と合わせてどういう価格になるか。
○政府委員(森本修君) 原則論としましては、政府ベースのものでありましても民間ベースのものでも国際価格に準拠してやっていきたいということであります。ただ個々のケースになりますと、それぞれ相手国の何といいますか、事情もありましょうから、あるいはどういう地域に売り出すといいますのは、御承知のように米の世界的に完全なマーケットというのは必ずしも成立していないわけでありますから、そういった輸出する地域によっても、多少価格については配慮を要する点もあろうかと思いますが、原則といたしましては国際価格に準拠して考えるということでございます。
○委員長(園田清充君) これにて午後三時まで休憩いたします。
   午後一時二十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時十二分開会
○委員長(園田清充君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 午前中審査をいたしました外国政府等に対する米穀の売渡しに関する暫定措置法案につきましては本日はこの程度にとどめておきます。
    ―――――――――――――
○委員長(園田清充君) 次に、昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
○達田龍彦君 提案のありました昭和四十四年度における農林漁業団体職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律の一部を改正する法律案につきまして若干質問をしたいと考えるわけであります。
 まず質問の第一点は、今回法律案の改定が提案をされておるわけでありますけれども、この年金額の、まず最初はアップの幅ですね、これは一体どの程度であるのか。それから今回アップされる理由は一体何なのか、それを具体的に御説明いただきたいと思います。
○政府委員(池田俊也君) 前年度既裁定年金のベースアップをしたわけでありますが、それに引き続きまして本年度さらに改定をいたしたいということでございますが、前年に比べます率といたしましては八・七五%の引き上げをする、こういうことでございます。八・七五%の引き上げをいたします理由といたしましては、一つは昨年以降物価の上昇がございます。それからそういうことがもちろん関係いたしておるわけでございますが、一方では公務員等につきましては給与の増額が行なわれているわけでございますので、そういう物価水準の上昇と、それから公務員給与の伸びというものを勘案いたしまして今回の改定をいたす、こういうことでございます。
○達田龍彦君 この点については衆議院の段階でもかなり論議をされているようであります。ただひとつ私がやはり問題に思うのは今回アップをされる理由として物価と賃金の引き上げということが大きな基準になっておるようでありますけれども、法のたてまえから言いますと、生活水準その他の経済変動があった場合というのが一条の二項にあるわけでありまして、そういう意味でのこの改定の基礎というものをそこに求めなければ私はいけないのではないか。物価指数あるいは賃金指数も当然でありますけれども、それだけでその改定を求めるということは法の精神からいって私は必ずしも十分ではないのではないか、こう思うのであります。その点についてどうお考えになっておるかただしておきたいと思います。
○政府委員(池田俊也君) 御指摘がございましたように、年金法の一条の二というところに、「国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合」改定をすると、こういう原則がうたってあるわけでございます。先ほど申し上げましたように物価の上昇と公務員給与を直接に勘案をいたしているわけでございますが、私どもの理解といたしましては、公務員給与の上昇ということにつきましては、これは当然それによりまして公務員の生活が改善をされると、こういうことを含んでいるというふうに理解をいたしておりまして、そういう意味で、生活水準だけをとらえているわけではございませんけれども、ここにも生活水準その他の諸事情ということでまあ一般的な経済事情ということを広く意味しているというふうに考えられますので、そういうような意味で直接的に公務員給与の上昇と、それから物価水準の上昇を勘案した、こういうふうに理解をいたしているわけでございます。
○達田龍彦君 ですからいま私が申し上げているのは、局長の答弁にも若干ありますけれども、この改定の基礎指数というのは物価指数それから賃金指数それから消費水準ということを勘案しなければならぬ。ところが今回出されている指数というのは物価指数と賃金指数のみである。これは私はやはり法の規定からいって趣旨に反するのではないかという気がするのでありますけれども、将来ともにこの法解釈というものをいまおっしゃられたような物価指数と賃金指数だけで基礎に求めていくのか、あるいは将来の経済変動あるいは他の年金等の関係あるいは国の財政事情、こういう、ものによっては経済指数というものを十分入れて将来の改定の中に考えていくのか、その点どうですか。
○政府委員(池田俊也君) これは確かに御指摘のように、一条の二に書いております中の非常に特定の事項を直接的な勘案事項にしたということでございまして、これ以外におきましてもやはりこういう年金額の改定をいたします場合の指標として適切なものが把握できるというようなことでございますならば、これはさらに広く経済事情を反映するような指標を選ぶのが私どもは本来よろしいのではないかというふうに考えているわけでございます。で、この問題につきましては非常に他のいろいろな年金制度にまたがる問題でございますし、影響するところが非常に多いわけでございますので、従来から政府の中で関係の省庁が集まりまして、それについての具体的な発動基準といいますか、そういったようなものとか、それに伴ういろいろな問題とか、そういうものを十分検討いたしまして何がしかの適正な結論を出そうと、こういうスケジュールにはなっておるわけでございます。ただなかなか問題がむずかしいものでございますから、いまに至るまで非常にはっきりした基準をきめるというところまでは至っておりませんけれども、私どもはやはり方向としては、お話のようにさらに適正な基準の把握ができるならば当然それは考えるべきであると考えております。
○達田龍彦君 私は回答としてはいまの回答では必ずしも満足できないのでありますけれども、将来の姿勢として、あるいは方向としては、そういう基準を求めて、それを基礎に当てはめていきたいという前向きのお考えもあるようでありますから、ぜひひとつ、そういう方向でこの問題には取り組んでいただきたいと、こう考えるわけであります。
 次に、こういう形で年金額の改定を毎年やられておるのでありますけれども、これはよくいままでの国会論議でも、こういう形をとらないで一定の率の改定があった場合については自動的にこれを上げると、いわゆるスライドの方式をとったらどうかというように論議をされているわけですけれども、実質的には私はそういう形をとっておるような気もするのでありますけれども、その考え方はそうではないという国会答弁を局長のほうでされているようでありますけれども、このスライド制というものがなぜ取り入れられないのかですね、どこに問題があり、どういう理由によるものなのか、この点ひとつ御説明をいただきたいと思うのであります。
○政府委員(池田俊也君) これは先ほど実はお答え申し上げたことに若干関係があるわけでございますけれども、どういう基準をとるのが一番よろしいかということについてのまだどうも統一的な見解の整理ができていない。何がしかのそういう非常に合理的な基準がはっきりいたしました場合には、そういう基準に従ってもう自動的に一定の引き上げ幅が計算できるようなことにすると非常に合理的なわけでございますけれども、どうもそこまで自信を持って、これならば、こういう方式で、いわゆるスライド原則でございますが、こういう方式で改定をするというところまで、どうも問題が煮詰まっておらないということで、従来横並びをいろいろ考えながら改定をやってきたわけでございます。で、農林年金の場合には御存じのとおりでございますが、この改定ということが非常に実はおくれておりまして、昨年度初めて裁定年金の改定をいたしたわけでございます。この場合に、改定いたしましたのは物価の上昇を勘案したということで、非常に一部の基準だけを配慮したということでございますが、今度の改定は、そのほかに公務員給与の改定も考えたということで、まあ何がしかの進歩はあったと思うわけでございますけれども、先ほど申し上げましたような非常に明確な基準まではまだ結論ができ上がってきておらない、こういうことでございます。
○達田龍彦君 そうしますと、このいわゆる年金のスライド制については、政府がいろいろ設けておる各種審議会でも勧告をされておりますし、それから衆参両院の審議の中でも、過去何回か、附帯決議として政府にその解決を迫っておるわけでありますけれども、一体、この勧告ないしは決議に対してどういうふうに対処をしようとしておるのかですね、それが一つ。
 それからもう一つは、こういうふうに今回法案の提出がなされておりますけれども、これがスライド制の方向に具体的に進んでいるということでこれを受け取っていいのかどうかですね。スライド制というものについて、一つ一つ積み上げて最終的にはそういう原則に持っていくというためにしているのか、それともそういう慣例が全然なくって、物価指数、賃金指数のみで改定をやろうとしているのか、その点どうですか。
○政府委員(池田俊也君) これは先ほど申し上げました公的年金制度調整連絡会議というのを各省庁で構成をいたしましていろいろ検討いたしておるわけでございまして、こういう場合の改定のルールにつきまして、具体的に少し詰めた議論をしようということで、そういうような意味では、私どもはやはりいまの御指摘のような決議に対しまして、かなり前向きに取り組んできておるというように理解いたしておるわけでございますが、まあこの問題は、御存じのようにそういう一つのテクニカルな問題と同時に、また一方では財政的な問題にも当然関連をいたすわけでございますので、ただいまのところにおきまして、将来そういう方向に必ずいくであろうということはちょっと申し上げにくいわけでございます。
○達田龍彦君 だから今回こういう改定をされるということは、そういうスライドの原則に一歩でも近づけるという意味合いも含めまして進められているのか。それとの関係なしに、いま申し上げた賃金指数、物価指数のみで問題を解決しようとするのか。先ほど説明のございましたように、私はこの生活水準というものも基礎の中に入れなければならぬ。それは前向きに対処したいというお考えが示されたわけでありますけれども、そういう情勢が出てまいったときには当然スライド原則というものを打ち立てるという考え方になるのか、その辺もう少し御説明いただきたいと思います。
○政府委員(池田俊也君) まあこの問題は、実は私どもも先ほど申し上げました連絡会議のメンバーでございますが、広く各省庁にわたっている問題でございますので、ちょっと私からそれについての、こういう方向であるということは申し上げにくいわけでございまして、ただ私どもが理解しているのは、やはりこういうような年金額の改定に関する調整規定というものが各年金法なりにあるわけでございます。それで、それを実施いたします場合の合理的な基準いかんというのが当面の問題になっておりまして、その合理的な基準が次第に煮詰まってまいりますれば、次第にそれはスライド原則に近づくのであろうと私どもは考えているわけでございます。ただ、いまも申し上げましたように財政問題、あるいは組合員の負担にも直接関係をいたすわけでございます、これは。そういうことでございますので、なかなか一律にスライド原則によりまして結論を出すというのはなかなかむずかしいのじゃないかということを私どもは実感としては持っておりますけれども、方向としては、極力それに近づいていくという方向でおります。
○達田龍彦君 そういう答弁を毎年やられているようでありますけれども、そういう段階を経て、そういう基準に達したいということでありますけれども、国会答弁をそういう形でしていくとするならば、少なくとも一つの前進のある回答が、ことしあたりは出てこなければならない。少なくとも具体的にはこういうふうにしたい、年度別にはこういうように持っていきたい、こういうものがないと単なる国会答弁に終わるのじゃないか。従来もそういう答弁をしながら全然私は前進のあとが見えないというように考えるのです。でありますから、ひとつそういうことであれば、少なくとも何年度にはこういう形で具体的に具体化したいというものがなければならないと思うのですが、その点どうですか。
○政府委員(池田俊也君) 先ほど申し上げましたように、関係各省庁が非常に多いわけでございますので、私どもだけでごうごうということは申し上げにくいわけでございまして、ただ農林年金につきましては先ほども御説明申し上げたように、逐次この規定の趣旨に従いまして改善を加えてきておるわけでございますので、私どもはやはりそういう全体的な見地からの何がしかの結論を得られるということについては全力をあげまして努力いたしたいと思いますが、具体的な、たとえば明年でございますとか二年先であるということは、ちょっと現段階では申し上げにくいわけでございます。
○達田龍彦君 非常に不十分でございますけれども、それ以上の答えは期待することは無理のようであります。さらに質問を進めたいと思います。
 それで、次は公的年金制度に対する国庫補助のあり方の問題でありますけれども、この農林共済年金は、私は必ずしも補助率は高い補助率が国から出されておるとは考えないのであります。むしろ非常に低位に置かれているのではないか、こういう理解をいたしておるのであります。また、当該団体からも補助率のアップの問題が強く要請をされておりますし、過去の衆参両院の附帯決議でもそのことは強く要請をされておるのであります。衆議院段階での論議の過程を見てまいりましても、大蔵省に対する予算確定の段階では、かなり前向きな方向で、しかも一六%、二〇%アップという形で大蔵省に要求をいたしながら、大蔵省がそれを認めなかったという経緯もあるようでありますけれども、いずれにしても、結果として現状のままに置かれておるということは非常に不満であり、不十分だと思うのです。
 そこで私は、この国庫補助の基本的な考え方、基本的な方針というものはどういう方針で臨まれておるのか、これをまずお伺いいたしたいのであります。それは、説明の中でも国庫補助というのは他の公的年金あるいはその他の年金との横の関係からこれがきめられているという均衡論だけが中心になっておるのでありまして、一体国庫補助というものはどういう考え方で補助すべきなのか。しかもその基準はどこに置くべきなのか、この基本的な考え方をただしておきたいと思うのです。どうですか。
○政府委員(池田俊也君) 非常にむずかしい御質問で、なかなか的確にお答えができないわけでございますが、やはり私どもは基本的には給付に対します組合員の掛け金の負担というものが、組合員の負担能力に比べてどういう状態になっているか、その負担が非常に多過ぎるということでございますと、これはいろいろもちろん問題があるわけでございますから、そういう負担に対しまして、国として必要な限度において負担をするというのが、ごく抽象的な言い方でございますが、考え方であるべきだと思うわけでございますけれども、現実的にはいまお話がございましたように、やはり他の年金制度とのバランス問題が中心になってきているのが事実でございます。たとえば厚生年金の場合には、これは御存じのように百分の二十でございます。で、農林年金の掛け金率につきましては、これはかなり高いわけでございますから、少なくとも厚生年金並みの補助率にしてほしいと、こういう要請が一方であるわけでございます。しからば百分の二十にしなければならないか、あるいは百分の十六でよろしいのかということになると、私は率直なところ言いまして、基礎になるような考え方のきめ手があるわけではないと思うわけでございます。先ほど申し上げました掛け金率の問題でございますとか、あるいはたとえば一人当たりの国庫負担額でございますとか、そういうものとのバランスを考えながら、適正なところに落ちつけるというのが現実であろうと思うわけでございます。そういうことで、従来私どもといたしましては、農林年金の掛け金率が非常に高いということに着目をいたしまして、国庫負担の増額の要求をいたしておりますけれども、他の年金制度とのバランスというようなことから、なかなか実現を見ないというのが現実でございますが、かくあらねばならないという基礎的な考え方というものを説明するというのは非常に実はむずかしいと思います。
○達田龍彦君 非常に不満足な回答でありまして、一体国庫補助の基準、基本的な考え方というものが、そういう考え方でいいのだろうかという大きな疑問をむしろ回答の中から受けるのです。私は特に農林年金の場合は非常に被保険者の掛け金が高いという事情もあります。しかも、国の補助金は、制度の内容は若干違うにいたしましても、厚生年金あるいは船員年金ですか、こういうものからすると非常に低率であるという状況にあるわけであります。したがって、国庫補助というのは単に制度間の給付内容の高い、低いということだけではなくて、被保険者の掛け金負担ということを十分考慮して補助というものはきめるべきではないかと私は思うのです。私は第一義的にはそういう方針を貫くべきであると考えております。そういう方向でやっていってこそはじめて年金の制度というものは生かされるのであります。でありますから、そういう意味でそういう考え方をもう少し補助金の基準の中に取り入れて、私は農林省の考え方として大蔵省にも強く要求すべきではないかと思うのであります。そういうことになりますと、農林漁業関係のこの共済に対する国庫補助というのは、当然率を高めなければならぬ、こういうことになるわけでありますから、そういう方向でひとつ考え方を十分きめて、今後の補助率アップの問題について対処していただきたいと思うのですが、どうですか、その点。
○政府委員(池田俊也君) 基礎的には私どももいまの御意見に別段異論があるわけではございませんで、考え方の筋としてはそうだろうと思います。ただ具体的な問題になりますと負担能力というものがなかなか判定しにくい、こういう問題がありますので、どうしても実際問題としては他の年金とのバランス論が前面に出てまいるのが実情でざいますけれども、考え方としては私どもは、お示しのような考え方で参りたいと思っております。
 それからもう一つ私どもはこの年金の補助率の問題を考える場合は、当然年金財政全体の問題を考えなければならないと思います。掛け金率の引き上げというのは、現在の掛け金が非常に高位にあるわけでございますから、これを上げるということは極力考えたくない、こういう気持ちを持っておるわけでございます。一方では制度改正を逐次いたしていかなければならない、こういう要請がございますので、そういたしますと、その制度改正による支出増をどういうふうにしてカバーしていくかという問題が一方では出てまいるわけでございまして、これは年金財政全般の内容をよく洗いまして、これは年金当局の一つの運用の問題でカバーできるとか、あるいはカバーの限度はどのくらいであるかということが一つ出てまいりますと、それが補助率の問題に一つはあるいはからんでまいるであろう、こういう感じは一方では持っておりますけれども、基礎的にはお話のような考え方でまいりたいと思います。
○達田龍彦君 もう一つお尋ねしておきますけれども、これは農林省の認識として、この本共済組合に対する国庫補助の状態というものは、他の共済制度やあるいは厚生年金、船員保険制度に対する国庫補助と対比してみて認識のし方として適当だとお思いになっているのか、それとも悪い、低い、あるいは高過ぎる、こうお思いになっているのか、その認識のし方はどうですか。
○政府委員(池田俊也君) これは対象組合員の給与水準の問題にからんでくる問題でございますので、一がいには言えないわけでございますが、各年金別に国庫負担一人当たりの額で比べてみますと、これはむしろかなり低いほうでございます。国共済あるいは厚生年金、私学等がよく対比をされるわけでございますが、そういうものの中では一番低位にございます。これは一つは、やはり対象組合員の給与水準の問題が相当大きく影響してきておりますので、一がいには申せませんが、負担額としては決してよろしくない、むしろかなり低いほうである、こういうふうに考えております。
○達田龍彦君 これはこういう数字がとられておるのかどうか、私もよくわからないのでありますけれども、この四十五年度における各制度の予算上の国庫補助額と被保険者一人当たりの補助額が明確になりますか、そういう資料がございますか。
○政府委員(池田俊也君) いま手元にあります資料では、これは私どもが内部的な整備という意味でつくった資料でございますので、若干ほかのほうの年金制度の把握が十分かどうかという問題もございますけれども、一人当たりの国庫負担額は手元にございます。それで若干申し上げますと、国共済の場合ちょっと年度の食い違いがあるようでございますが、大略申し上げますと、国庫負担が一人当たり六万五千円ぐらい、それに対しまして農林年金の場合は一人当たり三万五千円程度で、かなり低位にあるわけでございます。
○達田龍彦君 ひとつこの補助率のアップの問題については、いずれにいたしましても国庫補助を高めるようにさらに私は努力を要請しておきたい、こう思うわけであります。
 それからいまちょっとお触れになりました年金の改正は、三十四年発足以来第一次、第二次、第三次と三回も改正が行なわれておるのであります。そこで先ほどお触れになりました年金財政の今後の見通しの問題が若干懸念されるわけでありますけれども、この財源の確保を一体どうしていくのかということになるわけであります。先ほどの説明の中では、掛け金の引き上げは今後やる考えはないと、こういう御説明でございますけれども、そうなってまいりますと、改定によってアップをするわけでありますから、国の補助を高めるなり、あるいは掛け金の基金の運用をうまくやってその益金を高めると、こういう方途しかないのであります。そこで一体年金財政の今後の見通しを考えてまいりますと、だからといって、財源調整率の問題を後ほど触れたいと思うのでありますけれども、この調整費の問題についても、農林省が要求する額に対して大蔵省がきびしく査定をするという状況にありまして、一体そういう状況で今後改定されるであろうアップの財源にどう対処するかということについて非常に私は不安と疑念を持つのであります。まず第一点は、いま申し上げたように、今後掛け金は絶対引き上げないという方針をおとりになる考えのようでありますけれども、その点どうですか、まずお尋ねをしておきたいと思います。
○政府委員(池田俊也君) 私若干先ほどの答弁の中でまあ掛け金を引き上げたくないということを申し上げたわけでございますが、これはまあ未来永劫引き上げないという意味じゃもちろんございませんで、現在の掛け金率が非常に高いわけでございますから、私どもの努力の一つの目標といたしまして、まず掛け金は引き上げないという前提を置きまして、ほかのいろいろな運用の問題等を検討してまいりたいと、こういうことでございますが、今回の改正分それから前回の四十四年にかなり大幅な制度改正をいたしたわけでございまして、これが財源率にいたしますと合わせまして千分の五程度になるわけでございます。で、従来の財源率が千分の九十六でございますから、現在の財源率が千分の百一くらいになるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたようなことで掛け金率の引き上げは極力したくないと、しない方針でまいりたいと、こういうふうに置いておりますので、そういたしますと、残る問題といたしましては、財源調整費をどういうふうに確保してまいるかという問題と、それから年金の積み立て金の運用をどういうふうに有利にやっていくかと、そういう問題に集約されるわけでございます。
 で、この問題につきましては、私どもは当面基金のそういう問題、適当な財源調整費が確保され、また運用が適切でございますならば、当面運用が可能であるというふうに考えておるわけでございますが、いずれにいたしましてもこの問題は相当重要問題でございますので、私どももこれについてはさらに検討してまいりたいと、また農林年金当局におきましても、現在研究会をつくりまして、専門家の方々に集まっていただきまして、内容的にかなりこまかい点を洗っておるわけでございます。で、その結論が、私どもはことしじゅうには大体出ると思っておりますので、その結論を十分拝見いたしまして、また必要な措置を考えてまいりたいと、こういう気持ちでございます。
○達田龍彦君 これは、私はね、いまそういう結論待ちという御回答でございますけれどもね。この財源調整率、これはいままでの交付状況を見てまいりますと、四十二年度が四千万円ですか、四十三年六千万円、四十四年一億円ですね。今回は一億五千万、こういうことになっておるのであります。で、掛け金を上げない、それから運用益については必ずしも大きな期待はできないと私は見ておる。そうすると、当然この財源調整率を高めなければならぬと、ところが、この財源調整率の問題についても、今回大蔵省に対して予算の折衝段階で三億数千万円の要求を農林省は出しておるようであります。結果として一億五千万に押えられておる、こういう状況のようであります。したがって私は、非常にそういう点についてこの財源調整率そのものに対してもいろいろ問題ございますけれども、年金財政全体としてそういうものでやっていけるのかどうかですね、むしろ根本的には、掛け金を上げないということであるならば、財源調整率を高めるということよりも、基本的な国庫補助を高めるという方向で年金財政全体の健全性を保つべきではないか、私はこう思うのでありますけれども、むしろ考え方をそういう方向でまとめてみていかないと、財源調整率の補助程度では将来の保険制度全体の確立の立場からいっても不十分ではなかろうかと、こう思うのであります。そういう点の見通しはどうですか。
○政府委員(池田俊也君) 年金の財政ということからいえば御指摘のように、国庫補助の増額かあるいは財源調整費にいたしましても、これをもうちょっとはっきりした基準がきめられるならばその基準がきまるのが私どもも一番望ましいと思っているわけでございますが、従来の経過では御存じのように、他の年金制度とのいろんな均衡というような問題もございまして、増額はしてきておりますけれども、まだ確立した基準があるわけではないわけでございます。で、私ども予算農林省案を作成いたします段階では、たとえば現在の千分の九十六という掛け金率とそれから国共済の掛け金率との差額くらいを財源調整費としていただけたら、年金財政としては非常にやりよくなる、こういうことで、一つのそういう率から金額をはじきまして大蔵省と接触をいたしたわけでございますけれども、実現を見なかったわけでございます。そういうことを私どもも希望はいたしておりますが、政府全体としてはなかなか問題があるわけでございます。ただ、そういうことが一番望ましいわけでございますが、私どもがここ当面の年金財政全体をにらんで見ますと、掛け金率は据え置きにいたしまして、それから政府の補助率なりあるいは財源調整費というのが飛躍的に改善をされるということがかりにないという前提で計算をいたしましても、少なくとも、次の四十五年から次の再々計算期に入るわけでございますけれども、その期間を見た限りにおきましては、年金財政としてはこれを十分乗り切れるのではないだろうかというふうに私どもは考えております。
○達田龍彦君 まあ乗り切れるのではないかという、非常に、乗り切れますというのじゃなくて、乗り切れるのではないかという見通しでありまして、私はその回答の中から不安が残るのでありますけれども、十分この問題についてもさらに御検討をいただいて、前向きの解決をお願いしたいのであります。
 それからいま出てまいりました財源調整率の問題ですね。いままでの農林省の考え方、あるいは大蔵省との折衝過程を見てまいりますと、財源調整費あるいは財源調整率というものは、一定の基準があって、その基準に従って自動的にその額あるいは率がきめられるということではなくて、そのときの大蔵省の折衝によって、前年度の実績を勘案をしながら、ある程度の率、額がこれはきめられているという経過にあるようですね。私は、これはそういう、一見つかみ金的な性格のものであってはいけないのではないかと。むしろ制度全体の改善をしていくためには、これは一定の基準があって、その基準の基礎になるものが変動することによって、この基準に従って一定の率の額がきめられていくという性格を持つべきではないかと思うのです。そうしますと、これはいまの状態というのは不確定財源的な要素でありますけれども、確定財源的な要素になるわけでありますから、そういう方向を私はとるべきだと思うのでありますけれども、その点どうお考えになりますか。
○政府委員(池田俊也君) 年金財政の健全を確保するという見地から申し上げますなら、私どもはやはりできればそういう方向に持っていきたいということで、先ほども申し上げましたように、一つの、国共済との掛け金率の差という点に着目いたしまして、それを金額に換算したものを要求額として大蔵省といろいろ話し合いをしたわけでございますけれども、実現を見なかったわけでございまして、私どももできれば極力そういうふうにはいたしたいと、従来もそういうことでやってきておりますけれども、よそのバランスというようなことが常に言われまして、なかなか実現を見ていないわけでございます。しかし、財源調整費の額としては、かなり大幅に増加はいたしてきておりますので、その点は御理解をいただきたいと思うわけでございますが、方向としては、私どももでき得る限りその方向で進みたい、こういう気持ちでございます。
○達田龍彦君 そうしますと、いまの財源調整率、あるいは調整費というものは、一体農林省ではどういう性格のものだとお考えになっているのですか。
○政府委員(池田俊也君) これは非常にはっきりした定義があるわけではございませんけれども、要するに給付のための費用というものが将来次第に増高を来たしてくる。ところが、その増高を来たした分を、掛け金率にはね返らせまして、組合員の負担も仰いでカバーするということができますならば、これはよろしいわけでございますけれども、それが農林年金の場合等は、現実問題としてはそういう方法がとれませんので、したがいまして、そういうようなことにかわる措置といたしまして、国が組合に補助をする、こういうことになっておるわけでございまして、非常にはっきりした基準というようなものは、非常に、基準をきめるというようなことは比較的しにくいわけでございます。ただ私どもは、できればそういうふうにいたしたいということで、先ほど来御説明申し上げておりますような一つの考え方を打ち出しまして、従来努力をしておるわけでございます。
○達田龍彦君 そうしますと、いまの財源調整費というのは農林年金法第六十二条の二項にその根拠規定があるわけですが、私はそれがどういう性格のものであり、どういう意味合いのものか、どうも理解がむずかしいわけですね。いまの説明でも必ずしも納得のいく説明ではないのでありますけれども、年金制度における財政の健全化を維持するための、何というのですか、準備金的な性格のものだというような説明のようですけれども、そういうものであればむしろ、先ほど私が主張しましたように、その率と額が一定の基準を求め、その基準は一定の基礎が変動することによって自動的にその財源が確保されるという性格を持たないと、私は法の精神、あるいは年金財政の健全化、あるいは年金制度の制度の確立をはかる上からも必要ではないかと、こう思うのです。したがって、そういう方向が、基本的にはそういうことを考えなければならぬし、そういう方向で求めていきたいということでありますけれども、それができない最大の原因は一体何かという気持ちがいたすのでありますけれども、現在これは確定財源として位置づけられない最大の理由は一体何ですか。
○政府委員(池田俊也君) これは財務当局の考え方を私どもが推測する以外にないわけでございますけれども、私どものやはり一つの見方といたしましては、これをかりに率化をいたすということになりますと、これは先ほど来御議論がございました補助率の問題、補助率のアップというような問題に当然つながるわけでございます。でございますから、補助率のかりに百分の二十までの引き上げということを従来要求いたしておりますけれども、率的に現在百分の十六でございます補助率を、それ以上に増額をするということになるわけでございます。そういたしますと、たとえば他の年金制度とのバランス問題が出てくると、こういうことで財務当局としてはその点を非常に気にしていると、こういうことでございまして、率につながっていない額でございますならば、これはそういう直接的なつながりはございませんけれども、率が先にありまして、その率に従って金額がはじかれるということになりますと、そういう問題につながると、こういう点であろうと思います。
○達田龍彦君 これはいろいろ議論してみても、農林省だけでは問題の解決ができない。しかし、少なくとも農林省の考え方は、私が先ほど申し上げるような考え方で、さらに今後財政当局との十分努力をしていただきたいということを、これまた強く要請をいたしておきたいと思うんです。
 それからもう一つ重要な問題は、これまたいろいろと御論議があるところでありますけれども、いわゆる年金額の頭打ちの問題があるのであります。これは旧法と新法との関係があるわけでありまして、
  〔委員長退席、理事亀井善彰君着席〕
この前の改定によりまして――これは第三次改定だと思いますけれども、改定によりまして基礎給与を二割引き上げるということになったのでありますけれども、それによってもなおかつ制限規定が設けてありまして、この改定によって必ずしも恩恵にあずからなかった人たちが職員の中にかなりの数いらっしゃるわけでありまして、この点ぜひ改善を私はしなければならぬというふうに考えますけれども、こういう実態を十分農林省も御承知のはずでありますけれども、これの解決策についてどういうふうにお考えになっているか。それから制度としてこういうものを変えることはできないのか。できない理由は一体何なのか、御説明いただきたいと思います。
○政府委員(池田俊也君) これはどうも非常に理屈っぽいことを申し上げることになりますので、私どもも多少気がひける点がございますけれども、なぜその問題がなかなかできないかということは、一つは現在の農林漁業団体におきます給与制度の問題にからんでいるわけでございます。それで要するに国家公務員等でございますと、これは給与表というものが非常にはっきりしておるわけでございますけれども、団体の場合にはそれはばらばらでございます。で、そのばらばらでありますものを、どういうふうに農林年金で扱うかということになりますと、標準給与というものをきめまして、一定のやはり国家公務員のたとえば給与表みたいなものをつくりまして、現実の給与をそのどれかに当てはめていくわけでございます。そういうようなことにいたしておりまして、その給与表というものが、一番下は八千円から十五万円まであるわけでございますけれども、そういたしますと、要するに農林年金に関します限りでは、八千円から十五万円までがいわば組合員の給与であると、こういう扱いになるわけでございます。だから実際に、たとえばある団体で二十万円の給与をもらっている人も、農林年金が関与する限りにおきましては十五万円の給与という扱いになってしまうわけでございます。そういうようなことで標準給与以外の給与はあり得ないと、こういう一つの論理的な、まあ何といいますか、ロジックといいますか、そういうようなことで、これはどうしても頭打ちということをとらざるを得ないということが主たる理由でございます。もちろんそのほかに、たとえば国家公務員の場合におきましては、これは十五万円以上の給与がございますし、まあそういう人が相当いるわけでございますけれども、こういう方々につきましても、十五万円の頭打ちをいたしておるわけでございます。でございますから、それとのバランス等もあわせて考えまして、たとえば昭和四十四年の十一月以降でございますと、十五万円ということになっているわけでございますが、これ以上の給与ということを農林年金の事務の上で認めるというのは、非常にむずかしいと、こういうことでございます。
○達田龍彦君 これは私は、
  〔理事亀井善彰君退席、委員長着席〕
何だかこじつけの理屈でありまして、この標準給与というのをおきめになる、これはいろいろな職種、団体があるし、また給与体系がばらばらでありますから、そういう一つの尺度を求めるものをおきめになるということはわかるのです。でありますけれども、現実にその高い給与にある人がこの年金についてはその給付を受ける資格が私は当然出てくると思うのでありますから、それを一つの制限を設けて押えるというのは、私はやはりやり方としては、基本的なあり方としては間違いだと思うんですね。そのおもな理由は財源の問題なのか、それとも他の制度、団体との関係なのか。むしろ財源の問題があるから他の団体や共済がそういう形をとらざるを得なかったのか。しかし、まあ考えてみますと、それほどたくさんないのではないかという気がするのです。これは資料を持ちませんので、指摘できませんけれどもね。だから、それほど財政的な影響あるいは負担というのは、これを撤廃することによって大きな影響はないのではないかと、とするならば、その他に何か制度、基本的な問題としてそうしていかなければならない理由があるのか、その点もう少しわかれば詳しく御説明をいただきたいと思うのです。
○政府委員(池田俊也君) 私どもの理解では、これは財源の問題ではないと思います。財源的にはそれほど大きな額ではございません。該当者の数が全体からいたしますときわめてわずかな率でございますし、特に財源的にどうこうということではないと思います。一つは先ほど申し上げましたような制度としての考え方にうまくはまるかどうかということが一つと、それからもう一つは、やはり他の国共済、直接的には国共済等におきまして十五万円までの頭打ちという制度をとっておりますので、それを乗り越えて、それ以上の給与を基準にした年金が可能かどうか。で、これは国共済の場合の十五万円頭打ちという制度は、これはそれ以上の高給者につきまして年金制度としてそこまで見なければならないかどうか、かりに二十万円、二十五万円の人があるといたしまして、それを基礎にして年金額を支給するというところまで、生活の保障といいますか、そういうような点からいきますと、それはややそこまで見る必要はないのではないかという考え方が私どもあると思うわけでございますけれども、やはりこの農林年金の場合におきましても、そういう問題がからんでまいると思います。それと先ほど申し上げましたような農林年金における標準給与制の得失ということが同時にありまして、実現を見ていないわけでございます。
○達田龍彦君 そうすると、主たる原因が財政の問題よりも、むしろ社会保障制度の限界点をそこらに求めるべきであるというのがいまの考え方のように私は理解するのでありますけれども、その考え方、私は必ずしも当を得た考え方だとは思いません。ぜひこの問題についてはこの制限の撤去について十分なる今後努力をしていただきたい。まあ農林省の考え方が、いま申し上げたような十五万円の限度で社会保障的な性格のものでそれでいいんだというお考えであればこれは何をか言わんやでありますけれども、考え方としては制限の撤去ということは基本的に正しい、あるいはそうすべきだという考え方に立つならば、私はそういう方向でさらに努力をお願いいたしておきたいと思うわけであります。
 次に今度は、いろいろございますけれども、一わたりこの問題点だけは出して政府の見解をただしておきたいと思うのでありますけれども、この年金の最低保障の問題があるわけであります。
 まずお聞きをしておきたいことは、公的年金制度における最低保障というのは一体何を意味するのか、その意味するものとその役割りについてどういうお考えを持っておられるのか、まずお尋ねをしておきたいと思うのであります。
○政府委員(池田俊也君) まあ私どもは基本的な考え方といたしましては、やはり最低保障というのは、年金の本来の使命でございます所得の補てんによりまして生活水準を確保すると、こういう趣旨からいいますと、当然それの下限が最低保障額に当たるべきものであるというふうに考えておるわけでございます。ただ、現実には非常に低い最低保障額が従来ございまして、逐次改善はいたしてきておりますけれども、なお相当低いものが残されてきている。これはどういうことかといいますと、やはり財政的な問題が一つのネックになっておりまして、その改善がおくれていると、こういうことであろうと考えております。
○達田龍彦君 これは私はこの制度の中で一番年金制度としてはふさわしくない内容であると思うのですが、聞くところによると、この制度の二十年未満の遺族年金については年額一万九千円という最低保障額があるやに聞いておりますけれども、そういうものでは生活水準を維持することはとうてい困難であります。したがって、これは私は大幅に生活水準を維持するということであればアップするのは当然だと思うのでありまして、そういう点については十分今後この制度を生かすために、またこの年金の目的を達するためには、今後さらにこの問題については努力をいただきたいと思うのであります。
 さらにこの最低保障の問題については、公的年金制度の問題においても保障額が個々ばらばらになってる状態にあるわけですね。こういうばらばらにあるということは私は制度のあり方としては好ましくないのではないかと思うのです。できれば一つの基準をきめて統一した保障額をきめていく、そういうようにすべきではないかと思うのでありますけれども、その点最低保障額が統一できない主たる原因は何なのですか。
○政府委員(池田俊也君) これは他の年金制度の内容につきまして私ちょっと正確に申し上げることができるかどうか非常に疑問でございますので、まあ抽象的な考え方でお許しをいただきたいと思うわけでございますが、私どもも基本的にはそういうものは同じであるべきであろうと思います。ただこの問題は対象者の数等によりまして、ある年金におきましてはかりに対象者が非常に多いということになりますと、それは当然掛け金率、財源率にはね返るわけでございますから、組合員の負担につながってくる、こういう問題があるわけでございまして、そういうようなことで若干の異同があるように思いますけれども、農民年金の場合におきましては、大体従来の考え方は国共済を基準にいたしまして、国共済と同じような基準、水準は確保すると、こういう考え方にきているわけでございます。厚生年金でございますとか国民年金等は国共済よりやや低くなっているわけでございまして、その限りにおきましては私どもの農民年金の一般的な最低保障の額といたしましては国共済に準拠するというのが現実的にはよろしいのではないかと思いますけれども、なおその場合に国共済は当然恩給制度とのバランスを考えているわけでございまして、先ほどもお話のございましたような二十年未満の遺族年金の場合非常に少額になってきている。これが農民年金の場合だけでいきますならば、それほどの金額ではないと思いますけれども、恩給法の関係になりますと相当多額の財政負担が要るということが一つのネックになっているようでございます。そういう問題がございますが、私どもは方向としてはいまの二十年未満の遺族年金のその該当者は非常にお気の毒な状態であることはもう事実でございますので、ぜひ早い機会に改定をいたしたい、こういう気持ちでおります。
○達田龍彦君 それからこの最低保障の問題でもう一つは、同じ制度の中でその年金の発生時点によって最低保障額が相違するわけですね。特に既裁定保障額と新規裁定保障額というものは、新規の場合は高くて既裁定の場合は低いという相違点があるわけですね。これは私は制度としても非常に問題があるので、これは早急に一つの線にまとめるべきではないかと思うのです。それでそういう方向で努力をされているように見受けるのでありますけれども、まだ相違点があるわけですけれども、これは将来の方向としては逐次一つの最低保障にまとめていくというお考えなのか、将来ともにこの差というものはそのままにしていくというお考えなのか、その点どうですか。
○政府委員(池田俊也君) まあ新規裁定に比べまして既裁定のものが水準がやや下にあるわけでございますけれども、これは先ほど申し上げた問題と同じような性格の問題でございます。要するに新規裁定の線まで上げた場合にそれに伴う追加費用をだれが負担するか、こういう問題になるわけで、国ももちろん負担はいたしますけれども、現在の組合員にその負担がかかるのがたてまえになるわけでございます。そういう問題があるので若干おくれているわけでございますが、私どももやはりこれは方向としては同じにすべきものであるというふうに考えておりますので、これは年金財政全般をよく洗いましてその見通しをつけなければならないわけでございますけれども、方向としてはそういうふうに努力をしてまいりたい考えでございます。
○達田龍彦君 それから、これはできれば資料がほしいのでありますけれども、各公的年金制度の年金の種類別ごとの最低保障額の比較表を、これがもしありますれば、ここで説明けっこうですけれども、ひとつ資料を提出していただきたいと思いますがどうですか。
○政府委員(池田俊也君) いま手元にございませんので、さっそくに整理いたしまして御提出申し上げたいと思います。
○達田龍彦君 それから最後にこの余裕金の運用について若干質問をしておきたいと思うんでありますけれども、この余裕金の運用でありますけれども、農林年金の資金運用の範囲は、他の公的な年金との関係において運用範囲は同じなのか、それとも違った運用をされておるのか、その点どうですか。
○政府委員(池田俊也君) 大体はそう違わないと思うわけでございますけれども、若干の異同はございます。たとえば、非常に利率の高い運用方法といたしましては株式の取得というようなことがございますけれども、株式の取得は農林年金の場合にはまだ現在は認めておらないわけでございます。で、年金制度の中には一部、株式の取得を認めているものもございます。そういう程度のいろんな出入りはございますが、基礎的には大体は比較的類似した運用方法であろうと思います。
○達田龍彦君 これは衆議院段階でも御論議があっておるようでありまして、福祉的運用の実態を見てまいりますと、現在のところ全体としては一億数千万円の赤字をかかえておるという実態にあるようであります。これはまあ私は福祉的運用でありますから、短期でこれを見ることは必ずしも当を得てないという考え方に立ちますけれども、将来の、この種基金の性格から、運用にあたっては有効な運用をさらに検討し、配慮をされるように強く要請をしておきたいと思うんであります。
 最後に大臣にお尋ねをいたして、決意の表明をいただきたいのでありますけれども、先ほど来私がいろいろな観点で問題点の指摘をして、改善の要請をいたしておるわけであります。たとえば、先ほど申し上げましたように、国の補助率のアップの問題、あるいは最低保障額の引き上げの問題、あるいはこの頭打ちの問題、財源確保の問題、財源調整率の固定化の問題等々、今日この年金制度における問題点を私は指摘し、その政府の強い熱意と努力を要請をいたしておりますけれども、これらの全般の問題についてどう対処されるか、最後に大臣から決意の表明をお願いしたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) この年金につきましては、先ほど来、また衆議院でもずいぶんいろいろ御議論がございまして、私どもといたしましては、先ほども政府委員がお答えいたしておりましたが、なお、何と申しますか、いわゆる前向きで内容を充実してまいりたいと、こういうことで努力をしてまいるつもりでございます。
○前川旦君 お約束いたしました質問時間がたいへん短うございますので、簡潔に質問をしたいと思います。
 ただいまも達田委員から御指摘がありましたように、この改正内容にはいろいろ問題がございます。しかし、よりベターなものを求めて一歩ずつ前進する、そういう努力はたいへんこれは了といたしますが、たとえ制度がいろいろ整備されてきても、やはり給与が低ければ実際に給付される金額はたいへん低くなりまして、ほかと格差がつきます。でありますから、問題の解決の一つは、この給与水準をどうやって高めるかという面にあろうと思います。そこでまず、農林漁業団体職員の給与の状況を農林省は調査しておられますか、現実に把握しておられますか、農政局長にお伺いいたします。
○政府委員(池田俊也君) これは毎年農協につきましてはセンサスというものをやっておりまして、その中で給与水準につきましても把握をいたしております。それからさらに農林年金が業務資料として各組合員の給与というものは把握をいたしておりますので、そこからも出るわけでございます。
○前川旦君 その把握の結果給与水準についてどう判断をしておられますか、たとえば地方公務員の給与水準が一つの地方においてはめどになると思いますけれども、それとの格差についてどういうふうに把握していらっしゃいますか。
○政府委員(池田俊也君) これは農協の職員、農協をとりました場合の話でありますが、農協の職員とあるいは町村の職員というようなのを比較いたしてみますと、大体二割ぐらいやはり農協のほうが一般的には低いようでございます。これはいろいろな学歴とかその他が影響していると思いますけれども、あらわれました結果から見ればその程度低いわけでございます。それが県段階あるいは全国段階にいきますとややその格差が縮まってまいりまして、全国段階ではほぼ国家公務員に近い水準になっておりますけれども、町村段階ではその程度は低いわけでございます。
○前川旦君 大臣にお伺いいたしますが、いままでの農協につきましては、あるいは米の上にあぐらをかいたという批判も出てきたと思いますが、これからの農協というものはいままでのような形ではやっていけないのじゃないだろうか。たいへん農協をめぐる環境はきびしゅうございます。自由化のあらしの中で農家の生活と、それから経営を守っていく主体的な任務というものを農協が負っているのじゃないかと思いますが、大臣としてはこれからの農協にどんな姿を期待をされますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) いま御指摘のように、農業をめぐる諸情勢というのはたいへんな変転もございますし、またそれに引き続いて農協の将来の運営等についても著しい変化が生じてくるであろうと思います。このような情勢に対処いたしますために、農協としてはみずからやはり合併によって規模の拡大をはかるということもございますし、また管理運営体制の整備、それから役職員の責任の明確化等、内容とする事業経営の健全化または合理化等によりましてその体制を整備することが必要であると考えておりますが、とりわけ農協の立場としては営農指導の強化、あるいは集団的生産組織の助長など、農業生産に関する事業の強化をはかりますとともに、営農団地等の整備等を通じまして農業生産性の向上に大いに指導的役割りをとっていただきたい、そのようにして農家所得の増大につとめることが必要ではないか、農協としてもやはりこういう時代の変転に伴ってそのような考え方で進んでいただきたいと、こう思っておるわけであります。
○前川旦君 ただいまのような任務にたえていくには確かに機構の改革も必要でありましょうが、私はそれと同時に経営感覚を持った、あるいは協同組合意識に徹した優秀な人材を必要とする、これが一番基礎ではないかというふうに思いますが、大臣もそうお考えになりますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私もそういう点は同感でありまして、農業生産の近代化、それから農家所得の向上をはかりますためには、いまおっしゃったように既存の組織の上にあぐらをかいておったんではなかなか多くの農村の人々の御期待に沿うわけにいきませんので、したがって農協等の団体の活動に期待するところ非常に大きいわけでございまして、そのためには御指摘のように、新しい情勢に順応し得るような近代的な経営感覚を備えた優秀な人材を確保することが必要であろう、このように考えております。
○前川旦君 優秀な人材を集めるためにはいろいろたくさん方法があると思いますが、私はやはりまず給与水準を引き上げて待遇をよくするということ、これが一番基本であろうというふうに思いますが、大臣も同じようにお考えになられますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 待遇だけではどうかと思いますが、待遇ももちろん大事であろうと思います。
○前川旦君 農政局長にお伺いいたしますが、現実にこの農林団体、漁業団体の職員の給与が現実に低いということが明らかになっているわけなんですが、この給与水準を引き上げるために農林省としてはいままでどういう指導をしてこられましたですか。
○政府委員(池田俊也君) まあ私どもの立場といたしましては直接団体の給与水準をこうしろというような立場に実はないわけでございますけれども、先ほど来のいろいろ質疑応答の段階で明らかになりましたような観点から、特に弱小組合につきましてはこれはやはり経営基盤を強化していく必要がございますので、合併をひとつ促進をいたしましてそして経営基盤を強化する、それによりましてさらに職員の待遇等も改善ができるわけでございますから、そういうような方向で実は合併について、法律もございましたけれども、特に指導をしてまいったわけでございます。
○前川旦君 ただいまのお答えでは、経営基盤を高める、強くすることが回り回って給与水準を高めることである、直接やる立場にないから経営基礎を高めるということで努力されたということでありますが、私はやはりそれでは実効がなかなかあがるまいと思います。と申しますのは、たとえ経営基盤が確立してかなりな給与を払えるだけのものがあっても、それだけではないほかの要因で給与の上昇にブレーキがかかるという場合もございます。たとえば組合員の一部が無理解という場合もございましょうし、あるいはまた理事者の中に近代的な経営感覚を持ってない方もまたある場合もあると思います。そういうこともございますので、私は農林省のほうでやはりもっと直接的に、たとえば地方公務員のところまで引き上げようとか、そういったような何かのもう一つ強い指導、あるいは指示のようなものもあってしかるべきではないかと思いますが、その点いかがですか。
○政府委員(池田俊也君) これはまあ一般的な考え方といたしまして、現在の特に単協の給与水準が低いというのは事実でございますから、やはり少なくとも町村並みぐらいには持っていくのが望ましいであろうというふうに私どもも考えておるわけでございます。ただ、組合によりましていろいろな経営内容の差違もございますので、一律的になかなか指導がしにくいという面がございます。それで私どもとしてはやはり直接、役所が給与水準等につきまして指導をするというよりか、そういう任務を持つ団体といたしまして、これは農協中央会というようなものがあるわけですから、そういう農協中央会を通じまして、そういうものを指導してまいるのが千番よろしいのではないだろうか、確かに御指摘のようにまだ農村の一部には近代的なものの考え方が十分徹底していない。職員の給与を上げるとどうもどうだこうだというような一部の御意見もあるようでございますが、私どもはやはり給与の改善をするということは必要だと思いますので、従来中央会等ともいろいろそういう点は御連絡をいたしておりますけれども、そういう面ではさらによく将来の理想的な給与をつくり出すという意味で十分御連絡なり御指導なりをいたしたいと思います。
○前川旦君 農林省の指導として給与の改善をせよというような指導がありますと、これはたいへん給与改善のための大きなささえになりますので、ただいまの答弁でいいのですが、どうぞひとつその点の御努力を一そうお願いをしておきたいというふうに思います。
 次に農林漁業団体、これは農協が一番多いのでしょうが、労働基準法がはたして守られているかどうか、そういう調査をなさったことがございましたかございましたならばその結果はどうであったか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(池田俊也君) これはちょっと先でございますが、昭和四十一年の終わりだったと思いますが、過去五カ年間の労働基準法の順守の状況につきまして調査をいたしたことがございます。その概略の結果でございますが、労働基準監督署から労働基準法違反ということで指摘がありました県が、たしか二十七県であったと思いますが、かなり労働基準法違反というのが、そうした事態が多く指摘をされているわけでございます。内容的に見ますとやはり労働時間の点、それから休日の点というようなものが非常に多いわけでございまして、あと超過勤務に対しまして割り増し賃金の支払いが十分でなかったというようなことがございますが、どうもやはり農村、これはいわゆる農業というものが、なかなか農家の方が時間どおり仕事をするという習慣にないものでございますから、そういう意味で農協の職員がそれにおつき合いをせざるを得なかったという事態があるようでございますけれども、結果としてはかなり労働基準法違反という事実がたくさん出ておったのでございます。
○前川旦君 農林省が指導しております団体に法令違反が出るというのは、これはたいへん困ったことだというふうに思います。そして最近の状況をみて見ますと、たとえば貯金の獲得運動がずいぶん行なわれておりますが、あるいは共済の推進運動もずいぶん強化されておりますが、そのいずれもがどういうふうにやっているかというと、最近は兼業化していますから、主人が家におりません。そこで貯金を勧誘するのも、共済を推進するのも相手の出勤前に家へ行きなさい、それから相手がうちへ帰ってから家へ行きなさい、それ以外に効果的につかまえられない、やむを得ないことなんでしょうけれども、現実としてそうなってくると超勤はこれはますますふえる一方です。そのほかの日にも座談会もすべてこれは夜開かれておりますので、超勤の量はたいへんだと思うのですね。その超勤しながら超勤手当が十分に払えないということでは、これは幾ら協同組合意識にささえられているといっても、やはり長続きはしなくなって、魅力のない職場にどうしてもならざるを得ないと思います。ですから私はこの労働基準法に違反をしているというのはたいへん重大なことだと思うのですね。政府として、農林省としてその後、前の調査の結果を見て、追跡調査とかあるいはその後どういう指導をなさっていますか。私は再調査をやるなりあるいは追跡調査をやるなり労働基準法違反はやはりなくするという立場で取り組んでいただきたいというように思いますが、その点いかがですか。
○政府委員(池田俊也君) まあ先ほどの調査の結果によりましてはその後昭和四十三年でございますけれども、通達を府県を通じまして出しまして、それの是正に努力をするようにといういろんな面からの指導は実はいたしておるわけでございます。その内容といたしましては、要するに知事さんが、県が農協の検査をいたすわけでございますが、その際には同時にそういう点にも十分留意して法律が守られるような指導を十分するとか、あるいは講習会等を開きまして、特に労務管理についての講習会を開きましてそういうことの徹底を期するとか、それから一般的にはさらに経営基盤の強化をするというようなことで、いろんなそういう努力は実はいたしておるわけでございます。具体的な数字はございませんが、私どもが県等を通じまして承知しておる限りでは、かなり改善を見ておるという話は伺っておりますけれども、具体的な数字をつかんでおりませんので、これは早急に実は調査をいたしまして現状を把握したいと思っております。
○前川旦君 県の段階ではほとんどこれはなくなったと思うんですけれども、単共の段階ではまだこういう事例たくさんあると思います。最近のこの方々の労働組合の機関紙をちょっと見てみますと、春闘の成果としてあげている中に、超勤手当をかちとったことが今度の春闘の最大の成果である、こういうことが書いてありました。たいへんこれは前近代的といいますか、ちょうど労働基準法を守らすことが、守ってもらうことが春闘の成果だということはたいへん私はこれはひどいと思いますので、再調査をぜひやっていただいて、少なくとも農林省の手の届くところで法令違反だけはないように十分な努力をお願いをしたいと思います。ぜひ再調査を進めていただきたいと思います。
 次に、労働時間が最近延長する傾向にあります。たとえばスーパーマーケット化いたしますと、普通の一般の商店と同じような労働状態が出てまいります。そこで各地で労働時間の延長が問題になっているようであります。最近も岩手あるいは福島等で就業規則の改定の問題で労使の間でかなり紛争が起こっておるようであります。福島の高平、これは解決をしたそうでありますけれども、こういうようにだんだん労働時間が長くなっていく。先ほど大臣が言われましたように、これからの農協の使命を考えると、さらに過重な労働が職員にかかってくるようになるであろう。そのことはなるほど農協を守るという意味でやむを得ない面もあるかもしれません。しかし全国的な、あるいは全世界的な傾向として、労働時間は短縮をしていくんだという傾向に、一方ではいまあるはずなんですね。そのことと、労働時間がだんだん延長しつつある傾向がふえつつある。そこをどう調和するように指導されますか。
○政府委員(池田俊也君) 私どもの考え方といたしましては、やはり将来の方向は労働時間はむしろ短縮されるという方向が一般的な方向でございますから、農協の職員の場合に、勤務時間が逆に延長になるということは非常に方向としては好ましい方向とは申せないわけでございます。やはりそれに対しましては農協の事務の処理体制といううのがかなりおくれていると思うわけでございます。いろんな、そう大型な機械じゃなくても、比較的小型な機械で事務の合理化をはかるということができるわけでございますから、そういうようなものを極力導入いたしまして、職員の勤務時間の延長を避けるというようなことは当然必要であろうと思います。それからさらに、合併は進んではまいっておりますけれども、まだいろんな事情で合併ができていない組合もございますから、そういうものは合併をいたすことによりまして、やはり事務の合理化をはかっていくということが必要であろうと思うわけでございます。それから当然必要な職員の数を確定するということも私は当然必要なことでございますので、こういう点につきましても農協としては努力する必要があるのじゃないかと思います。
 なお、先ほどの労働基準法違反に関連いたすわけでありますが、私どもも労働基準法違反の事態を見まして、労働時間等がある程度一般産業の場合に比べてどうしても違反の率が多いというのは農村の事情としてやむを得ない気がいたしますが、割り増し賃金の支払いが行なわれていないとか、そういうことは先ほども御指摘がございましたように、われわれの常識ではちょっと考えにくい点がございますので、やむを得ず超勤をいたしましたときには、これは超勤手当というものを確実に支給する。こういう面からの労働基準法違反というのはぜひともなくしていきたいというふうに考えております。
○前川旦君 優秀な人材を集めるためには、やはり単に機構だけでなくて、その職員の待遇面、これは干渉にならない程度に、きめのこまかい指導をしていただきたいということを強く要望しておきます。
 そこで、大臣にお伺いいたしますが、先ほど達田委員の質問の中で、局長は共済の掛け金率九六%、これを動かさないように努力をするという答弁がございました。実務を担当していらっしゃる局長の立場としては努力するということでありましょうけれども、私はステーツマンとしての大臣にお伺いいたしますが、四十五年度には、今年ですね、再計算をやることになっているわけなんですが、この一番高い掛け金率は動かさない、こういうふうに大臣はっきりとおっしゃっていただくわけにはまいりませんか、ステーツマンとしての大臣にお伺いします。
○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほど達田さんに局長からお答えいたしましたのが農林省の考え方でございますので、どうぞ御了承願います。
○前川旦君 それでは四十五年度の再計算に臨んでの見通しとして、掛け金率は上げなくても乗り切れるのだという強い自信をお持ちですか、やり切れるという自信をお持ちですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 四十四年度及び今回の制度改正によりまして所要財源が若干増加いたしますけれども、これについては掛け金率を引き上げずに運用面で処理できるものと考えております。
○前川旦君 くどいようで申しわけありませんが、上がることはないと理解をいたします。それでよろしゅうございますね。
○国務大臣(倉石忠雄君) そのように私どもも考えております。
○藤原房雄君 いままでもいろいろお話が出ておりましたように、新しい日本農業を経営するといいますか、大きな役目をになっている団体職員の方々に対するこのたびの年金の問題でございますが、いまも前川委員からお話ございましたように、この団体職員の方々の給与水準とか身分の安定というのは非常に大事なことだと思うのです。
 私もなるべく重複を避けて二、三の点についてお聞きをしたいと思うのでありますが、何といいましても、いかなる職場にありましても、やはり魅力ある職場でなければならない。その魅力のある職場として、やはり第一にあげられることは給与ということが大きな問題になるだろうと思うのであります。いまも質問があったのでありますが、いろいろデータを見ますと、農林漁業団体の職員の方の給与は、ほかの職種に比べまして非常に低いということがデータの上にもはっきり出ているわけでありますが、これは一応平均した数値でこのような数が出ておるわけでありますので、やはりこの団体によりましては、いいところ、悪いところ、相当差があるのではないか、このように思うのであります。特に組合におきましては、いま合併助成法等によりまして大型化し、また安定した団体もあるようでありますが、弱小のところもあり、また漁業関係等については、非常に弱小のところもあるように聞いておるわけでありますが、平均的な数値では、そういうところはよく見定めることができない。こういうことから、平均的数値でさえもほかの業種から見て非常に低いわけでありますので、こういう弱小なところに対して、さらにまあ相当なてこ入れといいますか、指導といいますか、力を入れなければ魅力ある職場ということにはならないと、こう思うわけであります。この点についても、先ほど答弁があったようでありますが、よりよい職場ということに対して、政府の関与する関係はそんな大きなウエートはないと思うのでありますが、この点について今後どのような指導といいますか、力を入れようとしていらっしゃるかという、この点についてまず最初にお聞きしたいと思っております。
○政府委員(池田俊也君) 先ほど前川先生の御質問にもお答え申し上げたわけでございますが、やっぱり私どもは一般的には組合の、まあ経営基盤といいますか、要するに相当程度の、給与の支払いができるような組合にしなければいけないわけでございますから、そういうような点から見て非常に十分でない組合がなお残っているわけでございます。従来合併助成法を八年間やってまいりまして、当初の計画に比べますと、計画以上の成果をあげているわけでございますが、いろんな事情で合併ができないで、数百人、五百人とかあるいはそれ以下の組合員で、なお相当数の農協が残っているわけでございます。そういうものにつきましては、やはり今後万難を排しまして合併を推進しまして、そしてまず満足な経営ができるような組合にするというのが先決である。その上に立ちまして、やはり職員の待遇改善をすることによって、職員の勤労意欲を確保すると、こういうことが必要でございますので、これは役所がタッチできるところは主としてそういう面でございますので、そういうところをまず基礎にしてまいりたい。なおその上のいろんな給与水準の合理的な体系をつくるとかというようなことにつきましては、これは中央会等を通じまして、直接ではございませんが、中央会等を通じまして必要な御指導なりあるいは援助なりはしてまいりたい、こういう気持ちでございます。
○藤原房雄君 この経営問題も大きな問題だと思うのでありますが、いろいろお話を聞き及ぶところによりますというと、団体職員の方々の勤務といいますか、状態が、勤務年数が短いというような――長くつとめる方はもちろんおるわけですけれども、比較的短い、それは一つは女子職員というような、そういう構成もあると思うのでありますが、それからほかの職場に流出するという、こういうようなこともよく聞かれるのであります。先ほど申し上げましたように、安定的な、自分の職場に魅力を持って仕事に携わっていくことのできるように、いろんな面で考えなきゃならぬ問題があると思うのでありますが、このような勤務年数が比較的短いというようなことが言われておりますが、こういうことについては、政府としてはどのように認識していらっしゃいますでしょうか。
○政府委員(池田俊也君) まあそういう話を私どもも単協の場合ときどき伺うわけでございますが、これはやはり基本的には、その職場で非常に満足をして仕事ができるかどうか、こういうことが一つの分かれ目になるわけでございますので、農協の仕事としては、私どもは十分農村地帯の方方の職場としてはこれは適当な職場でございますから、職場自体に非常に不足があるわけではないと思うのです。ただ問題は、やはり待遇の問題あるいは勤務条件の問題等がいろいろ影響いたしまして、中には比較的短期で交代をする。こういうことがあるわけでございますが、特に今後農協といたしましては、私はやはり相当経験を積んだあるいは営農に相当な能力を持っている人たちあるいはまた事務面でも同じでございますけれども、そういう人を確保しませんと、農協の事業としては前向きの前進ができないわけでございますから、そういうような人につきましては、十分その仕事に相応した待遇ができるようにすべきであるというふうに考えております。
 なお農村の中で職員の待遇をそんなに上げる必要はないという、わりあいに古い考えを持っている方が一部にあるようでありますが、それは非常に誤りでございますから、いろんな県庁等がいろんな経営の指導等やっておるわけでございますから、そういうものを通じまして、ぜひそういう合理的な組合の管理ができるように私どもも御協力を申し上げたいと思っております。
○藤原房雄君 いろいろお聞きすることはございますが、この給与の低いその面のカバーといいますか、これをささえることによって、最低保障制度というものがあると思うのでありますが、勤続年数やまた給与水準とか、いろいろな条件のもとに農林年金が定められております。それで最低保障制度というのはそういう点ではこのような弱小なそしてまた非常にめぐまれないところにある方々のためには大事な制度だと思うのでありますが、この農林年金の発足当時からもちょっと経緯を見まするところ、厚生年金から分離して発足する目的には少なくとも厚生年金の最低を下回らないという配慮があってこの制度ができたと、こう聞いておるのでございますが、現在なおこの厚生年金と比較しまして、農林年金に不利な問題が二、三あるように聞いておるわけでありますが、こういう点について、どのように配慮をしていこうというお気持ちでいらっしゃるか、この点をお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(池田俊也君) 最低保障につきましては、まあ私どもも従来逐次改善をしてまいっておりますわけで、なお残っておる問題といたしましては、比較的短期の方の遺族年金としての最低保障、これが非常に低いわけでございます。そういう点につきましては、なかなかいろいろ農林年金だけでは片づかない問題がございますけれども、方向としては極力改善の方向に努力したいと考えるのでございますが、いま厚生年金資金関係でというお話でございましたが、これはあるいは既裁定の年金の最低保障を新規裁定のものと同じにと、こういう御趣旨かと思うわけでございますが、先ほど達田先生の御質問に対してお答え申し上げたわけでございますけれども、この問題はやはり費用の増高と関係をいたすわけでございますので、そういう点の問題はございますけれども、方向としては私どもも一応そういう方向がなるべく早い時期に実現をするように努力したいと思っております。
○藤原房雄君 それから衆議院で修正案が出ておる中にもあるんでありますが、また前回の衆議院における附帯事項の中にもございますが、「公益法人に対する本法の適用については、農林漁業団体および共済組合の事業の健全な運営が図られようその法人の性格、構成等を考慮し、適正な基準を設け、制度の整備改善を期すること。」、という附帯決議がございますが、今回もこの衆議院の修正案では団体法人の中央酪農会議が入ることになっておりますが、こういうものを適用の対象とする基準といいますか、こういうものについてはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(池田俊也君) そういう御決議をいただいているわけでございますが、実はなかなかむずかしい問題でございます。私どもがやはり基礎的な考え方といたしましては御存じのように、農林年金の適用団体といたしましては、特別法によります農林漁業団体、こういうことでございますので、厚生年金の体系との一つの仕訳のやり方としてはそういう考え方で従来まいっておるわけでございますけれども、昨年二団体が国会の段階で修正されまして適用団体になり、今回は衆議院で一団体が適用団体になるように修正がなされておるわけでございますが、合理的な基準を設けるというのは実は非常にむずかしいんでございます。私ども事務的にはずいぶんいろいろ検討いたしましたが、なかなか基準がきめかねるということで、政府提案といたしましては、そういうことに踏み切れなかったわけでございます。ただ一般的な考え方といたしましては、やはり特別法によります農林漁業団体に準ずるような団体、したがいまして、たとえば適用団体を構成員にする一般民法上の公益法人というようなことが一つの合理的な基準になるのではないだろうか、そういうふうに考え方としては現在考えておるわけでございます。
○河田賢治君 だいぶ質問がすでにされましたので、ほんの二、三点について伺いたいと思うんです。
 先ほど来、農協の職員あるいは漁業団体もそうでありますが、非常に給与が低い、あるいはまた労働基準法にも違反するようなことがしばしばある、現にそういうことも農協の労働組合員からは訴えられておりますが、先ほど局長の話でありますと、主としてこういう農協に従事している労働者は、いわばこの指導の監督は労働省にあるかのように、とは申されませんけれども、直接そういうところに対して、監督あるいは直接の指導を行なうことはないということをおっしゃられたんですが、大体そういう問題は労働省の仕事だとお考えなんですか。
○政府委員(池田俊也君) これは労働基準法の順守の問題ということになりますと、形式的には労働省の所管になると思います。ただ、労働省の所管でございますから、農林省としてはあまり関心はございませんと言うつもりは毛頭ないわけでございまして、これは先ほどもお答え申し上げましたように、従来もそういう調査もし、必要な指導も行なっているわけでございますし、今後もさらにそういう点で不足している点があれば、私どもとしてできる範囲の指導はしたいという考えでございます。
○河田賢治君 たとえば今日われわれがあまり賛成できないのでありますけれども、各地方ではいわゆる業者間の賃金協定というものをつくっておるのですね。それによりますと、たとえば印刷工がどうであるとか、あるいはまた繊維産業がどうであるとか、織物工とかメリヤス工とか、いろいろ小さな部門に分けて業者間協定をつくっております。これはある程度各地域におけるわれわれから見れば反対なんですけれども、非常に最低賃金の保障だということでやられておるのですね。ところが、それよりもはるかに劣った今日労働条件あるいは労働賃金にあるのが農協だと思うのです。そういう点でやはり農協の健全な発達というのはやはりその従業員をも少くとも最低の、労働基準法が守られる最低の世間並みのいわば労働者の給与も行なわれる、それで初めて私は農協がまず健全な農協としての第一歩を踏み出しているというふうに考えるわけですね。そういうところの指導は、農協全体を指導し、監督するのは農林省でありますし、それから中央会自身も法律上農協の健全な発達を指導するということが農協中央会の、農協法に書かれておる一つの問題になっておるわけですね。
 そうだとすると、やはり健全な農協の発達という点からいきますれば、一方に労働者をこき使う、あるいは虐使する、そうして他方において皆さん方もまく御存じのとおりでございますけれども、農協が大型合併になりますと、かなりの小都市でも非常にりっぱな会館を建てまして、そうして入りますとざっと入口にみなソファーが置いてあって、とてもお百姓さんがどろ足で入っていかれないような、そういう農協がかなりできつつある、しかも一方では農協の合併に反対だというので三、四百人の小さな農協で、自分のところはりっぱに運営ができるのだからといって、大きな合併に反対しておるところがあります。現実の農業の生産を、私は京都ですからお茶をやるとかミカン畑をつくるとかいうような、ですから、そういうところは農民と一緒になった気持ちで作業服を着たりしてやっておりますけれども、片方の大型合併農協になりますと、もう全く銀行か何かの出店のような感じを受けるようなものになっておる。とても農民と密着した形になっていない農協が非常にふえつつあります。
 そうしますと、やはりほんとうに農協が健全な発達をすれば、やはり世間並みの待遇を与えて、そうして労働基準法に違反しない最低のものを守っていくことが農協の私は存在する意義がそこにあると思うのです。ところがそれが守られていない。こういう点はやはり私は農林省が農協全体として指導するという立場から見るならば、やはりこの点は相当重視していただく必要があると思う。この前の農林水産委員会、衆議院あるいは参議院でも給与体系の問題ではもっと指導を強めてもらいたいという決議案も出ておりますが、今日やはり農協が、しかも非常に人材が集まらぬとか、一方ではまた二、三日前ですか、北海道の富良野ですか、あそこでは三億の金を使い込んだというような問題がしょっちゅう起こっております。ですから営々として働いている農協の事務職員あるいは技術職員、これらにしてそういう、いわば幹部の方が、どっちかというとそういう不正や、あるいはまた怠慢なやり方をやっているほうの部分が今日農業経営を、農協の経営においても非常に私は粗雑に行なわれているのじゃないかというふうに考えてわけです。そこで具体的にいま農業それから漁業等々は大体において業者の数がずっと減ってきております。しかしこの農協の年金の、要するに組合員というものは三十九年から四十三年まで約五万ほどふえているわけですね。これは非常にたくさん事業をやるようになったのでふえているのか、あるいはどういうふうな意味で――一方においては組合員が減ると、しかし組合のつまり職員がふえているというのは、どういうふうにこれはお考えになるわけですか。ちょっとこの辺説明していただきたいと思います。
○政府委員(池田俊也君) 御指摘のように組合員の数はかなりふえているわけでございますが、これの一般的なふえた理由の理解といたしましては、私どもは農協の事業が非常に事業量として拡大したと、いろんな経済事業あるいは信用事業を、それぞれどれをとらえてみましても相当事業量としては拡大をいたしております。それからまた新しい事業といたしましては、共済事業というようなものはこれは比較的歴史は新しいわけでございますけれども、こういうものも非常に急速に伸びている。それからこれは全体の事業量からするとそう大きくはないと思いますけれども、やはり農協としてはいろいろな営農指導等にもかなり力を入れている組合もございますし、要するにそういういろいろな事業量が拡大をいたしまして、その関係で職員が増加をいたした、そういうふうに私どもは理解をいたしております。
○河田賢治君 事業量がふえればもちろん人が必要なんですけれども、事業量が、まあこれは組合の大小にもよりますし、経済状態にもよりますけれども、やはりあるからといって一つ一つこれを拡大していったら、つまり、いわば独立採算をとったら採算に合わぬような状況のものがたくさん出るのじゃないかと思うのですね。そういう点で、私はやはり、こういう点でももっと農協の経営内容というものを十分、中央会自身もそうですし、また農林省あたりでもこういう問題についてもっと合理的に、先ほども計算機の話なんかも出ておりましたが、非常にこの農業経営をやっておるつまり農協の幹部諸君ですね、こういう人々の頭は比較的、全体として見ますれば経理についてもあまり明るくはないし、また非常に古い考えをもって運営されているわけです。ほんとうの民主的な意味での経営をやっている方は少ないわけです。こういうところの内容ですね、十分農林省としても検討して、そしてかなりこまかい点にまで、直接やるか、あるいはまた中央会を通じて――中央会にもずいぶんいろいろな機構がありますけれども、これもあまり十分な活用を私はしていないと思うのです。こういう点もわれわれは、皆さん方がもっと指導を強化していただく必要があると思うのです。
 最後に、たくさん問題が出ましたが、給与の問題、年金、いろいろな種類についての。ところが毎年のようにここで、委員会では決議案も出されたわけですね、決議が。たとえば国庫補助率を百分の二十に引き上げてくれとか、大臣さんは、けっこうです、ひとつ努力いたしますと言って、かなりあっさり引き受けられる。あるいは引き受けられても、おきまりのような、恒例のごあいさつに終わっているわけですね。いままでここでも、昨年は農林水産委員会でも決議がなされているわけですが、一体こういうものをどの程度真剣に受け取って、次の今度の国会にどういうように出すとかいうようなことをもうちょっとひとつお聞かせ願いたいと思うのです。そうでありませんと、これから決議をしましても、いつも毎年同じようなことを繰り返すのでは何の意味もありませんから……。
○政府委員(池田俊也君) まあいろいろ従来決議をちょうだいいたしまして、私ども農林省といたしまして、できる範囲の実は努力はいたしておるつもりでございますが、たとえば補助率の引き上げの問題、あるいはスライド制の問題等々につきましては、毎年大臣の最後の予算折衝の際に、大臣にお願いをいたしまして、最後の大臣折衝でもいろいろと大臣に御努力をいただいておるわけでございますが、なかなか他の年金制度とのかね合いがございまして、実現を見ていないわけでございまして、この点はまことに遺憾に存じておるところでございますけれども、これは当然今後とも私どもも努力するつもりでございます。
 なお、一々については申し上げることを省略させていただきますが、いろいろ御決議をちょうだいしたものにつきましては、私どもはやはりでき得る限りにおいての努力をしておるわけでございまして、たとえば最低保障額の問題等につきましても、一部ではございますが、今回引き上げをいたすということにいたしておるわけでございますし、それから既裁定年金の改定問題につきましても、昨年から一応ルールができ上がりまして、それまでは全く実現をしておらなかったものが既裁定年金のベースアップをするということになりましたし、内容としても先ほどもお答え申し上げたわけでございますが、物価だけでなしに公務員給与等も参酌するという方向に、やや十分ではございませんが、スライド制といわれているものに近づきつつあるわけでございます。
 それからややこまかい話ではございますが、たとえば漁業金融の範囲の拡大というようなことにつきましても、非常に事務的なことでございますので省略いたしますが、一部改善を見ておるわけでございます。
 まあ全体といたしましては、あるいは非常に不十分であるというおしかりをちょうだいいたすかとも思いますが、方向としては逐次努力をしておるということは御理解いただきたいと思います。
○河田賢治君 よくわかりました。そういう大蔵省との折衝等々もあるわけですが、そういう場合には、やはり述べられる場合にですね、大体引き受けましたと言うよりも、こういう問題でははっきりと、いま大蔵省のほうではこういう態度で出てきているから、なかなか難関はあるというようなことをもうちょっと具体的におっしゃったほうがいいんじゃないかと思うのですよ。そこでわれわれやはり大蔵委員会等で、そういう問題を打開するために農民あるいは農業協同組合等々の人々の利益のためにも奮闘しなければならないわけです。この農林水産だけでなく国会全体の問題としてそういう問題をとらえていくという、われわれ立場に立つわけですから、そういう点は明確に、こういう場合にはおっしゃっていただきたい、こう思うのです。
 以上をもって終わります。
○委員長(園田清充君) 他に御発言もなければ質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(園田清充君) 御異議ないと認めます。よって本案に対する質疑は終局いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十九分散会
     ―――――・―――――