第063回国会 運輸委員会 第4号
昭和四十五年三月十日(火曜日)
   午後一時十四分開会
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   委員の異動
 三月五日
    辞任         補欠選任
     市川 房枝君     山田  勇君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         温水 三郎君
    理 事
                岡本  悟君
                金丸 冨夫君
                谷口 慶吉君
                藤田  進君
    委 員
                木村 睦男君
                佐田 一郎君
                重政 庸徳君
                平島 敏夫君
                前田佳都男君
                渡辺一太郎君
                岡  三郎君
                鈴木  強君
                瀬谷 英行君
                三木 忠雄君
                山田  勇君
   国務大臣
       運 輸 大 臣 橋本登美三郎君
   政府委員
       運輸政務次官   山村新治郎君
       運輸省鉄道監督
       局長       町田  直君
       運輸省自動車局
       長        黒住 忠行君
       運輸省航空局長  手塚 良成君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       警察庁交通局交
       通指導課長    竹岡 勝美君
       労働省労働基準
       局監督課長    大坪健一郎君
       建設省都市局技
       術参事官     三宅 正夫君
       建設省道路局企
       画課長      井上  孝君
       日本国有鉄道副
       総裁       山田 明吉君
       日本国有鉄道常
       務理事      長浜 正雄君
       日本国有鉄道常
       務理事      一条 幸夫君
   参考人
       新東京国際空港
       公団総裁     今井 栄文君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○運輸事情等に関する調査
 (運輸行政の基本方針に関する件)
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○委員長(温水三郎君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について報告いたします。
 去る五日、市川房枝君が委員を辞任せられ、その補欠として山田勇君が委員に選任されました。
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○委員長(温水三郎君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 本日、新東京国際空港公団の運営に関する調査のため、新東京国際空港公団の役職員を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(温水三郎君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(温水三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(温水三郎君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 運輸行政の基本方針に関し、前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○鈴木強君 私は前回、ジャンボジェット機がいよいよあす五時に羽田に到着をするわけですが、その受け入れ体制の問題並びに千葉の新国際空港の問題について所見をただしたのでありますが、きょうは引き続いて若干の質問をさしていただきます。大臣の御出席の都合があるようですから、最初に新東京国際空港の用地問題についてお尋ねをしたいと思います。
 きょうはたいへん御多忙の中を公団の総裁以下理事の皆さまにおいでをいただきまして、たいへん恐縮に存じます。
 前回、私は、先般現地を実際に測量され、それに対するその後の経過等について伺ったのでありますが、きょうは総裁がいらしていただいておりますから、まず最初に新国際空港の建設の現況ですね、簡単でけっこうですからどういうところまで進んでおりますか、それを最初に承りたいと思います。
○参考人(今井栄文君) 用地につきましては、全体で一千六十ヘクタールの中で、第一期工事に予定いたしております約五百ヘクタールにつきましての九四%というものは、この一月末現在ですでに買収を終わっております。それから農民の方々が移る代替地につきましては、代替すべき民有地、国有地、県有地を合わせまして五百ヘクタール用意いたしたのでございますが、それの造成も御料牧場の残地に現在造成を進めておる状況で、他はすべて終了をいたし、農家が域内から代替地に現在移転を進めておる状況でございます。
 それから工事の準備といたしましては、諸材料になります砕石の輸送につきましては、主として茨城県の砕石を道路輸送いたします問題上、千葉県道並びに茨城県道の必要な部分につきまして拡幅改良工事をすでに完了いたしておりまして、全体で空港公団として約二十億近い金を投入いたしております。
 それから敷地の付近でございますが、成田の地先に十万平米の機材のストックヤードを現在建設中でございます。成田駅から鉄道で用地まで鉄道輸送の砕石、これは主として栃木県、山梨県あるいは東京都下三多摩、こういうところから持ってまいるのでございますけれども、この鉄道輸送のための専用線を現在建設中でございます。それから敷地内におきましては、工事のために必要な工事用道路、すでに十三キロの工事用道路を完成いたしまして、現在、排水のための排水幹線工事を発注いたしておる、こういう状況でございまして、私どもは四月からの本格的工事に対する準備をほとんど終わりつつあるというのが現状でございます。
○鈴木強君 ポイントの点がよくわかりませんから、一、二お尋ねしますが、まず、先般の実地測量の際に立ち入り測量できなかったところがございますね。何かこの前、航空局長に伺いましたら、上空から飛行機による撮影をしてあるので、これ以上さらに実地検査をする必要はないので、もうそれはやりません、そういう立場に立って千葉の土地収用委員会に土地の強制収用の裁決申請をしておりますですね。実際に航空写真だけで、測量をしなくても済むようなものなんでしょうか。
 それからもう一つは強制収用ということになりますと今後ともいろいろと地元との関係が出てくると思いますが、その点についてはわれわれはあくまでも地域の方々とよく話をしていただいて、聞くべき点は十分聞いてやっていただきたい、こういうことをいつも願っておるわけなんですが、そういう立場に立って、反対同盟の皆さんとはどういうふうになっておりますか。
 それから、私どももあそこに土地を所有しておるんですけれどもね、そういうものについては、まあ法のもとには平等だというので皆さんは強行的にやろうとするんでしょうけれども、そういう点に対する配慮というものは一体何かしたんでしょうか、どうでしょうか。全然配慮しないで、何か強引に収用委員会にかけたような気がするんですけれども、その辺をちょっと伺いたい。
○参考人(今井栄文君) 御承知のように、御指摘の一坪運動等に対する立ち入り調査を先月二月十九日に実施いたしたのでございます。これは全体で、いわゆる一坪運動、それから団結小屋並びに平和の塔というものを合わせまして全体で十一カ所でございます。十一カ所のうちで六カ所につきましては、特に反対される方々が付近におられないというふうな状況でございまして、十分完全なる調査を敷地並びに工作物について行なったわけでございます。残りの五カ所、一つは社会党の先生方の一坪運動でございます。これは私どもの観測では、主として労組の方々ではないかと思いますけれども、大ぜみの方々が調査をさせないということで最後まで、三時間余にわたって説得いたしたのでございますが、これが十分中へ入っての調査ができなかった。さらに他の四カ所は、三つは団結小屋でございます。これは敷地の周辺にくいを打ちまして、中に籠城するというふうな形で反対派並びに支援団体の方々がおられまして、これも周辺の敷地は測量いたしましたけれども、中の建物の中へは入れなかったというのが現状でございます。それからさらに平和の塔でございますが、平和の塔はやはり反対派の方々、これは主として共産党の方々だろうと思いますが、これらの方々が周辺を取り巻くというふうな情勢で、私どもは中へは入れない、きわめて簡易な測量で一応敷地の測量は終わったというふうに考えております。
 で、一方御指摘のように航空測量をあわせてヘリコプターによりまして全部行なったのでございますが、私どもとしては、その日の測量並びに航空測量のみをもってすべての資料が完備するというふうには考えておりませんで、実は御承知のようにもうすでに、公団は発足以来三年ばかりになりまして、私どもの用地並びに建設の職員は全部ほとんど連日のように中へ入っておるわけでございます。妨害とか、何か催しのある日以外でも中へ入って仕事をやっているんでありまして、十分平素の調査はいたしておるわけでございます。したがいまして、私どもとしては、当日あえて測量を最終的にまで行なおうとすればいろいろなトラブルが起こり、万一けが人でも出たらたいへんだということで、実は最終的にはどうしても説得に応じないという工作物につきましては、やむを得ずそういったようなトラブルを避ける意味で退避といいますか、私どもとしては一応退いたわけでございますが、しかしながら、これらの個所につきましては、先ほど申し上げましたように資料が整っておるわけでございます。で、先般千葉の土地収用委員会に申請を出しましたものは、まず第一次の完全に測量のできた六カ所についてでございまして、残りの五カ所につきましてはあらゆる資料を整備いたしまして、近く収用委員会にあわせて出すという、こういうことになっております。
 これが第一点でございますが、第二点は、先生がおっしゃいました反対派に対するいろいろな接触あるいはまた話し合いというふうなものはどうなっておるかという点でございますが、先生のおっしゃるとおり、私どもとしては農民の方々のお気持ちもよくわかりますし、それから現に土地を持っておられる農民の方々の反対に対しましては、実は今度の場合もあえて立ち入り調査等の措置を講じなかったわけでございまして、現在でもその説得に全力をあげておる状況でございます。今後もでき得る限り、最終的に工事がどうしても間に合わないという段階までは極力説得を続ける、こういうつもりでおるわけでございます。
 それから第三に、先生方のお持ちの一坪、いわゆる一坪運動でございますが、これは私もそばを通ったことがあるんでございますけれども、これは平たんな地域でございまして、特にあらためて十分はからなければわからないというふうな程度のものでは実はないのでございまして、やはり他の一坪運動の土地と同じように収用委員会に対して裁決の申請をいたす、かように考えております。
○鈴木強君 先般の現地測量の際に反対派の抵抗を避けてあえて測量をやらなかったという、その総裁の御配慮は私もたいへんよかったことだと思います。ただ、これによって問題が解決しておるのではなくて、依然としてこの反対をする人たちの気持ちは変わらないと思いますし、むしろまた強くなっておるかもわかりません。
 そこで、まあそれはそれとして、今後、前回と同じような態度でひとつぜひ納得ずくでやるようにお願いしたいと思うんですが、第一次土地収用委員会への裁決の申請はわかりましたが、第二次の場合は、そうしますと航空写真では十分な調査はできないということは総裁認めたわけですね、しかし、平素、わざわざ日をきめてやらないでも、平素の日に十分に現地をはかっておるので、その調査とあわせればもうこれ以上あそこを立ち入って実際に測量するということはやらなくてもいいというんですか。それともまだ航空写真では不十分であるので、航空測量はしたがってさらにもう一回やるというのか、その辺が一つ。
 それから、もしこれ以上やらないでいいということであるならば、第二次の裁決の申請というのは一体どういうふうに考えておるのか。そうして第一次、第二次あわして大体おおよそいつごろに結審をしてもらうように考えているのか。その点を伺いたいのです。
○参考人(今井栄文君) 第一の点でございますが、先般行ないました十一カ所につきまして、現地で十分な調査のできなかった五カ所につきまして、先生のおっしゃるように航空測量と従来の調査とをあわせて私どもとしては裁決申請書を提出するつもりでおりますので、再度調査をするということは全然考えておりません。
 それから、それではいつごろ第二の申請を出すかという点でございますが、おそらくこの一週間前後で第二次の残りました五カ所についての裁決申請も千葉の収用委員会に出せるというふうに考えております。
○鈴木強君 いつごろ、結審は。
○参考人(今井栄文君) 結審するといいますか千葉の土地収用委員会の裁決をいただきたいという私どもの強い希望は、少なくてもことしの五月ないし六月までには裁決をいただきたい、かように考えております。
○鈴木強君 その点はわかりました。まあ、ひとつぜひ慎重な配慮をさらにしていただきたいということを重ねてお願いしておきます。
 それから航空局長、あれですか、新国際空港公団に今度の新しい空港の建設を運輸省としては一任したわけですね。その際、施行工事あるいは事業計画、そういうものは運輸省で設計をして、それを空港公団に渡して、その設計に基づいて計画をしていくというものなんでしょうか、それとも設計、測量その他のものは全部公団にまかすという仕組みになっているんですか。
○政府委員(手塚良成君) 新空港の建設のしかたにつきましては、運輸大臣から基本計画というのを公団総裁に指示をいたします。この基本計画では、たとえば、滑走路が主滑走路として四千メートル一本、それから二千五百メートル一本、横風用滑走路三千二百メートル一本あるいは航空保安施設がこうこう、こういうもの、そういった骨子、全体の飛行場面積を千六十ヘクタール、こういった基本的なアイテムにつきましてこれを指示いたしまして、これに基づきまして具体的な工事実施計画というのを公団が作成いたします。その内容を運輸大臣として承認する。そういう過程を通りまして、いま承認された工事実施計画のもとで、公団が土地の買収から始まって工事を実施中、かような次第でございます。
○鈴木強君 そうしますと、実は空港の敷地問題にからんでのお尋ねですけれども、いまの基本計画を示して、公団がそれによって工事の実施計画をつくる、こういうことですが一実は誘導灯用地の買収がいま問題になっているようですからそれをお尋ねするわけですが、大体百十七ヘクタール、三つですか、滑走路に対して前とうしろにそういう必要性があったのだが、その用地の取得については、実は計画に当初なかったように聞いておるのですけれども、その辺は一体そうなのか、どうなのか、そうだとすれば、一体その計画の誤りというのは、どこにあるのですか。これはどこが責任を負うわけですか。
○政府委員(手塚良成君) 基本計画におきまして、いま御指摘の問題の内容は、次のようなことで指示がしてあるわけです。すなわち、航空保安施設の種類、「航空保安施設の種類は次のとおりとする。」こういうことで、その中の二で「次に掲げる航空灯火」という項があり、その中で飛行場の進入灯、こういうものをつけるということが指示をされております。そしてその指示に従いまして工事実施計画というのが出されまして、その工事実施計画の中に、いま御指摘の進入灯用地としての面積その他が出てまいって、それを承認しておる、こうなっております。
○鈴木強君 そうすると、この航空灯あるいは進入灯ですね、こういうことがこの保安施設の種類の中にいまあげられたのですが、誘導灯用地というのはそれとは別でしょう、航空灯とか進入灯ではないでしょう。進入灯というのは誘導灯になるわけですか。だからして、われわれが聞いているところでは、当初そういう計画がなくて、その後大急ぎでこの百十七ヘクタールの誘導灯用地というものを買わなければならなくなってきた。そのために当初の計画を変えなければならなくなった。そのためにいまてんやわんやしておる、この土地をどうして確保するかということで。そこには、あとから聞きますけれども、農民の人たちもまだおるようですからね。そういうような事業計画作成上の、設計上といいますか、この基本計画の中にそういうことが落ちていたのじゃないですか。そうじゃないのですか。
○政府委員(手塚良成君) いま私は進入灯だけをあげましたが、航空灯火というのには非常に種類がたくさんございます。いまおっしゃいました誘導路灯もありますし、飛行場灯台、そのほか風向灯、進入角指示灯、旋回灯、ずっと数がたくさんございまして、それらを全部指示してございますが、新聞紙上等で見られますように、誘導灯ということば、この誘導灯といいますのは、むしろこういった敷地を必要とするところではなしに、進入灯というのでこういった面積を常時必要とする、われわれ専門的な見地から考えますとそういう進入灯用地の問題ではないかと考えるわけでございます。誘導灯といいますと、これは誘導路灯つまり誘導路というのが滑走路のほかにあるわけです。その誘導路の周辺につけますランプを誘導路灯あるいは誘導灯と、こういうふうな言い方をしておりまして、これは飛行場の敷地の中のランプの問題でございます。飛行場の敷地から外に出る、滑走路に入ってくるために滑走路の近くへ来たらば、これは滑走路の先へつながっていきますよということを示す赤いランプがずっとついております。羽田の場合で言いますと、海の中にずっとついております。ああいったのがちょうど飛行場の敷地の外で、そうしてある一定の範囲のものの敷地を必要としまして、そこへつけられる内容で、正確に言いますと進入灯というものの用地の問題ではないかと思います。それも実は具体的に指示いたしております。
○鈴木強君 そうすると、私どもが知っております情報あるいは新聞等に出ております当初の事業計画の中に――いま局長がおっしゃったような羽田で言うならば海上にある進入を誘導してくるあかりですね。しかしそれは土地を買わなければいかぬでしょう。あそこは海の中ですからどういうふうにされたか知りませんけれども、この場合には滑走路本体のほかにそういう敷地が必要なわけです。ですから、名前はどういうものかわかりませんけれども、そうすると、そういうものが実際に当初から間違いなく――公団のほうでは百十七ヘクタールと言われておるのですけれども、それを買収する計画というのはあったのですか、今井総裁。
○参考人(今井栄文君) 最近の新聞にそういうふうな記事が載っておりました点に関連しての先生の御質問と思いますけれども、これはやや見出しがセンセーショナルに出ておりまして、中を読んでみますと、いまのいわゆる保安施設区域についての解説的な記事でございまして、別にどうということではございません。で、私ども、この誘導灯とございますけれども、いわゆる保安施設用地というふうにはっきり申し上げますが、これは進入灯並びにそれ以外の保安施設、たとえばILSのミドルマーカーであるとか、そういうものは敷地内に設置するわけでございますけれども、これは各滑走路について滑走路の先端から長さ千百メートル、幅三百メートルというものを買うというものは、もうすでに当初から、私どもは敷地の用地買収をするときからすでに地主さん方とは実はお話をいたしてきておるわけでございます。
 特に私どもが急ぎますのは、四千メーターの主滑走路の北と南というものにおいて保安施設用地を買うという問題でございます。で、これにつきましては運輸大臣から保安施設の事業計画についての認可をいただく前から、その敷地内の地主さん方とお話し合いをするときに、すでに保安施設用地についてのお話し合いも並行して進めておったわけでございます。というのは、四千メーター滑走路の北のほうにございます取香、駒井野地域というのは大きな地主さん方が非常に多いところでございまして、敷地内に用地を提供すると同時に保安施設用地にも用地を持っておられるという方が非常に多いのでございまして、これはもちろん当然、同時にお話は進めておるわけでございます。
 で、北のほうにつきましては、いま私が申し上げました滑走路先端から千百メーター、幅三百メーターの用地につきましてはほとんどすでに買収の話がついておるわけでございます。ただ、敷地内をまず買わなければならないというふうな、この用地買収のいわば順序の関係からいたしまして買収交渉は、あるいはまた契約の完了というふうな面で敷地内の用地に重点を置き、用地を確保した上で保安施設の用地に移る、こういうふうなことで、これは既定方針でございまして、すでに先ほど申し上げましたように、成田市の四千メートル滑走路の北の部分についてはほとんど多数の地主の方々とお話し合いがつきまして、三月の末にはすべて用地を買い得るというふうな見通しでございます。
 それからなお南のほうでございますが、南のほうは、御承知のように山武郡芝山町、これが中心になるわけでございまして、先生も御承知のように、反対同盟の根拠地になっておるわけです。特に滑走路の南に位します岩山地区、あるいはまた菱田地区というふうなところは非常に反対の強いところでございまして、ここにつきましては、保安施設用地というものの買収は必ずしも進んではおりません。進んではおりませんが、従来私どもがその反対の一番強いところに対して、一番意を用いて用地買収に努力をしてきておるわけでございます。で、現在岩山地区、あるいはまた菱田地区における従来の反対の方々のお気持ちが非常に変わってまいりました。で、これについて相当数の地主の方々が千葉県ならどこでもいいからひとつ農地を代がえしてほしいというふうなお話がございました。先般千葉県に行きまして、私からも知事さんにお願いいたしまして、千葉の市町村会の方々にも御相談をして、ぜひひとつ芝山町の反対の方々のための代がえ地をさがしてほしいとお願いして、いま千葉県が鋭意千葉県内において敷地を求めつつあるわけでございます。で、そういうことでございまして、私どもはこの南側の保安施設用地につきましても、ある程度時をかければ十分取得できるのではないか、かように考えておる次第でございます。
○鈴木強君 四千メートルの主滑走路の件はわかりました。南北いろいろ並行的に保安施設に必要な敷地の買収をやっておった。ただし、そうしますと、あと二つ残る滑走路ですね、これらの問題については、空港本体の敷地と、それから保安施設のための敷地、こういうものを分離しているのですか。いまやはり一緒にやっておられるということですか。必ずしもわれわれが聞いているのはそうではなくて、航空の敷地だけのほうにあなた方は力を入れて、そっちを忘れておった、そういうふうに聞くのですが、それは間違いですか。
○参考人(今井栄文君) これは全然間違いでございまして、私ども忘れておったなどということはとんでもないことだと思います。空港をつくります以上は、進入灯の用地というものは当然これはあるべきことでございまして、家を建てる場合に入り口があるのと同じことでございまして、私どもが設計する場合に当然そういう用地というものは頭に入れておったわけでございます。ただ、四千メートル滑走路ということを申し上げましたのは、これは第一期工事でまずつくらなければならないという点に重点があるわけでございまして、それ以外の滑走路予定地の先端に位する保安施設用地につきましても、すでに地主の方々から買収をしてほしいというふうな申し出がかねがねあるわけでございます。私どももできるだけやはり工事のタイミングと合わせて、住民の方の御希望によりまして、これを買い取るというつもりでおるわけでございます。従来でも、やはり敷地を買うときに、同一人の用地の場合に、敷地に近接した保安施設用地というものはあわせて従来も部分的には買っておるわけでございます。
○鈴木強君 そうしますと、こういう機会ですから、いい機会ですからはっきりしておいていただいて、もしこれは誤解があればそれを解かなければならぬと思うのですが、新聞にも載っておりますし、私もちょっと聞いたことですけれども、まあ、あなたがおっしゃるように空港をつくる場合に空港の敷地と並行して保安施設のための用地買収ということは、これは当然ですよ、こんなことは。それがどうも外から見てちぐはぐなかっこうに見えたのじゃないですか、ちぐはぐなかっこうに。ですから、あなた方のほうでは、最初からそういうことは当然事業計画の中に入れておったのだが、問題は、地元でも反対をされますし、いろいろとやり方もあったでしょう、したがって、はたから見ていると、そういう保安施設に必要な用地の買収についてはどうも後手後手になっておって、見方によってはそこらはちょっと忘れていた、と言うとことばは適切かどうか、これは表現のことですからあれですが、計画上にそういう点が漏れておったのではないかという危惧を持っていると思うのです。全然根も葉もないところに、私は東京の五大新聞も間違った記事を書くとは思わない。もしそうだとするならば、これはたいへん問題になることだと思いますけれども。ですから、そういう意味において、いろいろ苦心のあるお仕事ですから、なかなか平常の手段によってやれないことはわれわれもよく理解しております。したがって、皆さんの不手ぎわというか、やり方が、あるいは地主等から見てそういうような誤解を受けたのであって、実際に運輸大臣の基本計画を示されて、それに基づく実施計画の中にそういうことは当然入れておりました。ただ、やり方が四千メートルのところに多少集中しておった。あとの二つの点についてはどうもおくれておったので、そういうことで、はたから見て誤解を受けたのだろう、こういうふうに理解していいのか。
○参考人(今井栄文君) 先生の大体おっしゃるとおりだろうと思います。これはもう用地買収、特に空港敷地の買収に全力をあげておりましたし、保安施設用地というものは、面積からいいましてもそう大きなものではございません。したがって、空港敷地にまずケリをつけた上で、保安用地買収をしようというふうな仕事の段取りが、保安施設用地の買収が、敷地内用地の買収よりおくれたという点を指摘されたのだろうと思います。この点は私どもとしてはそういうふうな実は計画でまいっておりましたので、そういうふうな誤解を招いたのじゃないかと思いますが、ぜひそういう点をひとつ御了解を願いたいと思います。
○鈴木強君 それから最後にもう一つお尋ねしておきたいのですが、このいわゆる保安のために必要な敷地というのが、大体三本の両端ですね、六カ所百十七ヘクタールといわれているのですが、それでそこに土地を持っている農家は五十九戸あるように聞いているのですけれども、五十九戸の農家の方々は、そういたしますと全部了承をしているわけですね。私は明日現地へ行って見ようと思っているのです。全部オーケーしておりますね。あなたが言われた四千メートルの北のほうの千百メートルと、それから三百メートルですね、そこの農家の人たちはまあよくわかりました。大体了承されているように思うのですけれども、あなたのさっきの御説明ですと、もうみな農家の人は早く買ってくれということをいっているのですから、全部オーケーしているわけですね。この点だけ確認しておきたいのです。
○参考人(今井栄文君) 先生のおっしゃるように、保安施設用地というのは、三本の滑走路について六カ所あるわけでございます。先ほど私がお答え申し上げましたのは、四千メートル滑走路の北の部分、主として成田市の駒井野という地区でございますが、これらの地主の方はほとんど大部分了承して調印しておられる方々が多い。だから契約も、半分以上はすでに契約に調印しているという状況でございます。南のほうは芝山町でございますが、これは先ほど私が申し上げたように、非常に反対の大きいところでございまして、これらの方々に対しましては、現在県知事と協力して、土地を売っていただけるように、また、その敷地内に住んでおられる方々が代がえ地、あるいは代がえの宅地に移転できるようにということで、全力をあげて説得している。それからそれ以外にまだ横風用の三千二百メートルの滑走路の両端、東側の並行滑走路である二千五百メートルの両端と、こういうふうに四カ所残っているわけでございます。それについては、必ずしも全部了承を得たというふうに実は私どもも報告を受けておらないのでございます。ただ、先般、北側にあります成田の十余三地区の方々は、ほとんど住民の大多数の方々が、早くアプローチ地区を買っていただきたいという陳情を直接当局のほうに持ってきております。五十数戸と申しましたが、現在私どもが御了承を得ている四千メートル滑走路の北の駒井野地区の実際に実存する農家というものは非常に数が少のうございまして、五十数戸というふうな実際に人が住んでおられる地域というのは、非常に大きいところでは、やはり二千五百メートル滑走路の北側にある成田の十余三地区、これが国道五十一号線に沿っておりまして、商店街等もございますし、相当人家の多いところでございます。それともう一つは、これから私どもとして強力にいろいろ説得をしなければならない四千メートル滑走路の南側の芝山町、それの芝山地区等に人家が比較的あるのではないか、かように考えております。
○鈴木強君 それから、回りくどくなくていいですから、関係農家の戸数はこの百十七ヘクタールのうちで何戸になるのですか。そして四千メールルの滑走路の先端と末端の三十九ヘクタールの分は、北のほうはわかりましたが、いずれにしても何戸あって、そのうち何戸の人たちが了承をしておるかということですね。それをはっきりしてください。
○参考人(今井栄文君) 私どもの調査によりますと、保安施設用地の区分でございますけれども、建物は全体で五十五というふうなことになっております。大体において先生の御指摘の数字と同じだろうと思います。その中で四千メートル滑走路の北にある戸数は七戸でございます。それから南が三戸でございます。で、芝山が比較的多いのじゃないかと私思いましたが、資料によりますと、南のほうの芝山町では実際に農家の存在は三戸のようでございます。それから二千五百メートルの滑走路の先ほど私が申しました非常に戸数が多いのじゃないかというところは、なるほど戸数が多うございまして、これは成田の十余三地区でございますが、三十二戸ございます。それから南側が、これはやはり芝山町に入っておるわけでございますが、これが二千五百メートルのほうで五戸ございます。それから三千二百メートルの横風用滑走路につきましては、東のほうが四尺南のほう、これは南三里塚になりますが、それが四戸ということで、これを全部合わせますと五十五戸になるわけで、特に一番多いのが二千五百メートル滑走路の北にございます十余三の三十二戸、こういうのが多うございます。
 で、土地の筆数その他につきましては、もちろん戸数より非常に多うございまして、地主だけで家は外にあるという人が相当多いのでございますが、そういった方々について、先ほど申し上げましたように、四千メートル滑走路についてはほとんど大部分の了承を得ておる、こういう状況でございます。それから先ほど申し上げましたように、三十二戸所在する二千五百メートル滑走路の北のほうの十余三地区の方々が、この問早く買収その他適切な方途を講じてもらいたいという陳情をしてまいってきておるわけでございます。それ以外のところにつきましては、実は第二期工事にもなりますし、私どものほうとしても、これは職員の数あるいはまたその能力にも限度がございますので、全部について一律に同じように買収交渉をやるというぐあいに至っておりませんので、いまのところは約四千メートル滑走路に重点を置いてやっておるということで、それ以外の保安施設用地についてもできるだけ早く私どもとしては買収を進めていきたいというふうに考えております。
○鈴木強君 どうもお答えが少し長いのですね。そうすると、問題は、まだ話をしていない農家は幾らあるのですか。何戸あるのですか。
○参考人(今井栄文君) 先ほど申し上げましたように、私どもとしてはすべての農家に対して現在全部話をしておるわけではございません。それは何戸についてやっており、何戸についてやっておらないという具体的な資料はいまございませんので、そういった点は、分室の用地部のほうから資料を取りまして、先生のところへ後刻でも提出さしていただきます。
○鈴木強君 だからさっき一応結論的に私も申し上げて、確認をしておきたいのですけれども、そういうところにいろいろと疑義の念を持たれる私は原因があると思うんですね。だから、こういうことは、確かにむずかしいでしょうけれども、すでに来年の四月から開港しようというときですから、あらかじめそういう計画があるなら、その関係の方々にも、あらゆる手段を通じてお話をして、早くから買収の協力体制をつくってもらうということが、あなたの任務じゃないですか。それをいまになってどこをやっているか、調べなければわからないというのは、調べればいいのですが、残っていることは事実ですから、いろいろ御事情があると思いますので、私がここで結論的にどうだということは言えませんが、まずいのではないかと思うのです。ですから、そういう点も十分御注意をいただいて、もし計画漏れないとするならば、ひとつそのように進めてもらいたいと思います。
 それで、最後にもう一つ、総裁としていろいろ難事業ですから、御苦労もあると思いますが、来年の四月開港という大きな目標を持っておられると思うのですけれども、現在の工事の進行状態その他から見まして、はたして四月にできるかどうか、われわれもかなり危ぶむわけですが、その点の自信のほどはどうですか。
○参考人(今井栄文君) 先ほど申し上げましたように、資材の輸送関係、あるいはまた本体工事を始めるための敷地内の準備工事というものについて、現在全力をあげておるわけでございまして、私は四月からは滑走路については掘り割りから始めまして、いよいよ本格的な滑走路の造成工事、それからターミナルビルにつきましては、根切り、あるいは基礎くいというものから始めて、本格的なターミナルビルの建設工事を進めるつもりでございまして、それと並行いたしまして、御指摘の保安施設その他についても、全部発注を終わって、来年の四月には何としてでも飛行機を飛ばそうということで、私を中心にいたしまして、いま全力をあげて取り組んでいるわけでございます。私どもとしては何としてでもこれを完成して、現在の羽田の混雑状況を緩和しなければいかぬというのが、私どもの決意であり、覚悟でございます。
○鈴木強君 じゃこの件は以上でけっこうです。
 まだ大臣が見えていませんので、タクシーの問題はあと回しにしまして、短い時間で済むと思いますから、新幹線の運行状態についてお尋ねをしたいと思いますが、新しい幹線ができましてからいろいろ問題はあるようですが、しかし、国民の便益というものは非常に大きいものがあると思います。そういう意味で、新幹線をつくってよかったなあ、こうみんな思っていると思います。ただ、非常にスピードが早いしするので、安全の確保ということについて、非常に国民は心配をするわけです。ときどき雪が降って立往生したりということは、ひとつ外的な要因ですから、しかし、それを排除するためにいろいろなごくふうをされて、雪に弱い新幹線、これがだいぶ名誉を挽回したと思うんです。ところで、万国博覧会もいよいよ十四日開会になるわけでして、この万国博覧会の開会を契機として、また新幹線の利用というものの度合いが非常に高くなっていくと思うんです。そういうやさきに、特に私どもが心配する問題が出ておりますのでお伺いするわけですが、まず、新幹線の中に鉄橋は大阪まで幾らございましょうか。
○説明員(山田明吉君) 鉄橋の正確な数をちょっと資料を持っておりませんから、早速調べて御報告いたします。
○鈴木強君 これはあとで教えていただきたいと思いますが、そこで、鉄橋のいたみのひどいものが大井川鉄橋とか、江ノ尾鉄橋ほか十カ所ぐらいあるという話を聞くのですけれども、それは事実でございますか。
○説明員(山田明吉君) いま鈴木先生おっしゃいましたのは、最近新聞にいろいろ記事が出ておりますので、それの関連のお尋ねかと思いますが、結論的に申しまして、現在鉄橋といわず、線路といわず、運転上危険であると考えられるところはどこもございません。
○鈴木強君 そうですが。先般、路盤の欠陥が発見されて、目下三カ年で修理工事をやっているということですが、そういう条件もこれはじゃ、全然ないというように考えていいのですか。
○説明員(山田明吉君) 路盤につきましては、いま結論的に運転上危険であると思われるところはないと申しましたが、そのとおりでございまして、しからば全部百点満点の最良な状態がいつも続いているかと申しますと、これはもうその点の御指摘かと思いますが、ところによりましては噴泥と申しまして、レールの下からどろがふき上がってるようなところがございます。これはもう建設当時から非常に一番やはり悪いところでございまして、そういうところは常に手入れをしておかなければ百点満点にはならないわけでございまして、そういうところがあることは事実ございますし、また、そういうところは常にいろいろな、たとえば水抜きの工事をいたしますとか、あるいは砂を入れますとか、常時、毎日のように手入れをいたしておりますので、したがいまして、その状態において、現在走らせておる限りにおいては、危険だということはないわけでございます。
○鈴木強君 私の申し上げていることが、いま運行すること自体に何か突発な事故が起きるという、そういうふうにおとりになっていただくと多少誤解があるのでして、私の言っているのは、現在、現に運行している、りっぱにやっておられるわけですから、その点については国鉄をこれは国民が信頼をして、どこまでもだいじょうぶだと、一〇〇%の安心感の上に乗っていると思うのですがね。ただ、専門的に調べてみると、路盤の面あるいは鉄橋の橋脚、こういう面において、早く手当てをしないとあるいは危険の状態に入っていくかもしらぬ、そういうことを私は言っているわけです。ですから、そういう点についての、修理を必要とするような鉄橋あるいは路盤というのはどういうふうになっているかというふうに私の質問を受けとめて答弁していただきたいと思うのです。
○説明員(山田明吉君) ちょっと申しおくれましたが、先ほど橋梁の数が幾らかという御質問でございまして、新幹線で二千八百七十九カ所ございます、これは大小の橋梁を合わせまして。その延長キロが五十七キロでございます。
 それで、ただいま私の答弁、少しことばが足りなかった点もございまして御注意を受けましたのですが、具体的に例をあげて申しますと、先ほど具体的な御指摘がございました大井川の橋梁とか、それから江ノ尾の橋梁、これらは最近上流、下流におきまして砂利の採掘が行なわれましたために、開通当初の設計どおりの安全が保てないのじゃないかという危倶が出てまいったのは事実でございます。それで、そういう現実が起きましたので、これはさっそく橋梁のまわりにじゃかごなどを入れまして、いわゆる根固めの工事をいたしまして、そういう点でこれからもあるいはそのほかの橋梁で同じような現象が出ないということは私どもも断言できませんので、その点につきましては常時調査をいたしまして、そうして、手当てをしなければならないと思われるところは手当てをしているのが現状でございます。それから、橋梁でない一般の線路につきましても、ただいま申しましたように、どろをふき上げるとか、それから路盤が非常に軟弱であるというところを含めまして、定期的にマヤという――これは私どもの専門語でございますが、高速で走る検測車、検査測量する車でございますが、これを定期的に走らせまして、振動試験というものを行なっております。それで機械的にいろいろデータが出てまいりますので、それを参考にいたしまして、即刻手当てすべきところは手当てをいたしておる、そういうような状況でございます。
○鈴木強君 私はそういう方面の全くのしろうですから、技術関係のことはわかりませんけれども、いまおっしゃった大井川の場合は上流、下流の砂採取、それから橋脚のところがゆるんできて、このままだと安全性に対して疑義が出てきたので、さっそくじゃかごを入れたりしてやっているということですが、それは一つの他動的な原因がはっきり出ているわけですね。そのほか、たとえば江ノ尾鉄橋とか、そのほか十カ所くらいそういうふうな補強を要すべきところがあるのじゃないかといわれているのですが、一体、専門的に見て、ちょうど開通五カ年後ですね、したがって工事が、特別な事情変化によっての場合は別ですけれども、普通、自然に考えた場合には、こう早くいたみがくるということについてはやはり、専門的に見たらどうなんでしょうか。少し早いというふうにお考えなのか、これは当然というふうにお考えなのか、その辺よくわかりませんので、明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(山田明吉君) 私も、実は、その専門的な問題につきましてはしろうとでございますが、御承知のように開業いたしまして五年間たちまして、いままでの鉄道に出ない時速二百十キロという高速の運転をいたしておるのは事実でございます。車両それから線路、運転技術、あるいは安全の機械装置につきましては万全を期してやっているつもりでございますが、なお、お許しを得て補足的に、安全担当の一条常務理事が参っておりますので、説明をさせていただきたいと思います。
○説明員(一条幸夫君) ただいま副総裁が御答弁いたしましたようなことでございますが、注意をしなければならない状態になるのは早いのじゃないかというような御質問かと思います。私ども、先ほど副総裁が申し上げましたように、万全の注意をする体制で進んでおりまして、神経質過ぎるくらいであるべきであろうと思いまして、常に状態に注意いたしております。たとえば、いま御指摘のございました橋梁の問題につきましては、流れの状態というのが、たとえば大井川の場合には砂利、砂等の採取のために条件が変わってまいってきているというようなお話がございましたが、どの川につきましても少しづつではございますが、状態の変化というのはあり得るわけでございまして、そういう状態は常に注意をいたしております。それで橋脚の状態その他が悪い状態にならないように注意しております。
 それで今度、この十四日に開会になります万国博のちょうど前でございますが、新幹線が開業いたしまして五年余になりますので、線路の状態、もちろん土盛りの部分あるいは高架橋の部分、あるいはいまお話の出ております川にかかりました橋の部分等も含めまして状態を精密に詳細に点検をいたしまして、それから車両につきましても、現在まで使ってまいりました車両の状態、それから今度、万国博に対しまして、輸送対策といたしまして、従来の十二両編成を十六両編成にするというようなことで、車をふやしてまいりました。車両の整備状態、それから電源関係、あるいは信号関係等を含めましてのすべての電気設備の状態等を徹底的にチェックをいたしまして、総点検をいたしまして異常の有無を確認をし、注意すべきところは注意をする、直すべきところは直すということで、現在の状態では私どもその保持できます一番いい状態にあると考えております。
○鈴木強君 まあ専門的な点ですから、これ以上私も深くお尋ねをしてもよくわかりませんからとめますが、問題は、いま直接の危険性はないけれども、そのままにしておけないという、そういう個所があることは、これは明らかになったんですね。したがって、そのいたみのくる年限というものが実際専門的に見て、これは普通だと。特別の事情があるところは別ですけれども、そうでないところは五年くらいたつとそういうことは当然従来からやっておったのだというのか、少しいたみのくるのが早過ぎたということなのか、そこらを聞いているわけです。
○説明員(長浜正雄君) 私、土木の専門でございますので、私からお答えしたほうがいいと思うのですが、たとえばコンクリートの構造物のような場合に、本体などは非常にじょうぶなんでございます。しかし、その表面はどうしましてもへげるといいますか、そういうことが起こるんであります。したがいまして、大体に、鉄筋コンクリートといいまして中に鉄筋を入れるとか、あるいは鉄骨コンクリートは鉄骨を入れるとかして強度を持たせる。そのまわりをコンクリートで固める。そして、鉄筋がさびたりあるいは風雨にさらされるとこれは危険でございますので、その外側にそれのカバーをするコンクリートを巻くというようなことになっております。それがやはり場所によりまして、あるいは水のぐあいによりましてへげるというような状態がやはり起こることがございます。
 したがいまして、われわれとしては、そういう構造物に対しまして周期をきめまして検査をいたしまして、これは新幹線に限りませんで、在来の鉄道に関しましてもすべてのり面だとかあるいは橋梁だとか、あるいはトンネルの内部だとか、こういうものを全部検査をして輸送の安全を確保するということをいたしております。
 あるいはまた、さいぜん副総裁が御答弁申し上げました河川のせん掘というのが外的条件によって起こることがときどきございますので、それらをよく監視をしております。大水があったあとだとかあるいは前後で砂利の採取がどの程度だとか、そういうことを見ておる。あるいはまたのり面と申しまして、切り立ったところなどがございますが、こういうところは、その上で宅地造成が行なわれると、いままで木が植わっておったのが今度は裸になるというようなことになりますと一度に水が出るというようなことも考えられますので、そういう状況の変化というようなものも常々周囲に目を配っておる。そして、それが線路に影響がないということを確認いたしまして列車を通すというふうにやっておる次第でございます。
○鈴木強君 わかりました。
 そこでまあ路盤の欠陥といいますかね、表現がどうかは別として、路盤についても常時やはり補修、補強工作というものをしていただかなければいかぬと思うのですね。問題はその補修をする体制なんですけれどもね、幹線全体についてこれは二千八百七十九カ所もある、橋梁だけでそれだけあるというのですから、たいへんなことだと思いますけれどもね、そういうふうな体制というのは一体どういうふうになっているものですか。
○説明員(長浜正雄君) これは、新幹線だけを担当いたします新幹線支社というもので新幹線全体を担当させておりまして、その中で施設関係は施設関係の担当の部長がおります。現地にそれぞれ保線所というものを置きまして、担当の範囲を区切りまして、それを責任を持って見ております。そしてその下に保線支所というものを置きまして、それぞれ構造物の監視をするというふうにしておるわけであります。
○鈴木強君 よくわかりました、現状ですね、よく認識できました。国民も、新聞に出る、やはり心配になる、一体どうだろうかということを考えるわけですね。ですから、安全度はあくまでも、心配をしておると思いますけれども、万々一のことがありますとこれまた困るわけでありますから、そのためのふだんの補修巡回、こういうことをやっていただくわけですけれども、御苦労もあろうと思いますけれども、ひとつ万全の対策をとっていただきたいと思います。
 それからもう一つ、万国博の輸送対策というのはちょっと副総裁からお話があったと思うのですが、具体的に、かなり外国からも元首も見えますし、高官の方も見えるということですから、現在の国鉄におります公安官の方が列車内におけるそういう方々の警備をおやりになると思いますし、またそのほか、警察庁の協力を得て身辺の警備等をやられると思うのですが、何せ列車のことですし、東京駅を出る場合、名古屋にあるいは大阪に着いた場合等のそういう仕事はたいへんだと思いますけれども、輸送の問題とあわせてそういうふうな点の御配慮は十分にやられておると思いますから、簡単にひとつお話をしてもらいたい。
○説明員(山田明吉君) まことに適切な御注意を受けまして、私どもも警察当局と十分打ち合わせをいたしまして、警備には万全を期している次第でございます。
 なお、てまえみそになりますのでどうかと思いますが、京都に泊られる各国の元首クラスの方、道路が万一詰まったら困るということで京都から新大阪まで新幹線に乗せてもらいたいというようなお申し出もございまして、私どもそれほど新幹線が御信頼いただいていると喜んでおりますが、それに倍して、警備それからサービスについては万全を期するつもりでおります。
○鈴木強君 これで大体終わりますが、あとで私は国鉄の財政再建十カ年計画の基本について若干の質問をするつもりですから、そこでお尋ねをしたほうがいいと思うのですが、関連がありますのでちょっと伺っておきたいのですが、たとえば、新しく全国新幹線網建設ということが考えられているようですね。聞くところによると議員立法で提案をする、そうしてその内容は大まかに言って九千キロ、十一兆円以上の予算を投入すると、こういうような計画もあるようですが、その前にちょっと、これは四日か五日くらい前だったでしょうか、成田から鹿島のほうへ通ずる新幹線を建設するというようなお話がちょっとニュースに出ましたのですけれども、これの真偽のほどはどうなんでございましょうか。私はいきさつがわかりませんから、瀬谷委員もおられるので過去のいきさつはまた関連の質問が出ると思いますけれども、それだけ最初に聞いておきたいのです。
 これはほんとうにそういう計画をお持ちになって、この全国新幹線網の前にそういうことをおやりになるということかどうかですね、その辺を聞いておきたい。
○政府委員(町田直君) 全国新幹線鉄道網に関します法案につきましては、ただいま先生が御指摘のような考え方で進んでおるというふうに申し上げてよいのではないかと思います。
 ただ、現在、運輸大臣の諮問機関でございます鉄道建設審議会におきまして、前回、山陽新幹線の建設が問題になりましたときに、山陽新幹線以外の新幹線網についてはできるだけ早く法律をつくって、次の通常国会に間に合うように法律をつくって推進すべきであると、こういう決議がございました。その決議を受けまして、現在鉄道建設審議会が開かれておりまして、そこで今後の新幹線網、あるいはその法律についてどうすべきかということの御審議が行なわれている最中でございます。それがおそらく建設審議会として建議あるいは決議という形で出されるのではないかというふうに思います。
 それから成田の新幹線問題でございますが、成田につきましては成田と都心とを結びます交通機関としてどういうものを考えるべきかということがいろいろ議論がございました。運輸省といたしましては、もちろん道路が一つ――一つというか、道路がございます。鉄道といたしましては、現在私鉄で京成電鉄が成田と東京との、東京は上野でございますけれども、上野との、いま成田まで行っておりますが、その成田に行っているのを成田空港まで延ばすということの私鉄の申請をしておりまして、これにつきまして、申請を運輸省は認可いたしました。近くそれに対する建設が始まるという段階でございます。
 そのほかに、なお今後の航空需要等を見まして何らかの鉄道が必要ではないかということで検討している最中でございます。これにつきましては幾つかの考え方がございまして、一つは現在の総武線――成田に行っております国鉄の総武線をさらに成田空港まで延ばすと、こういう考え方が一つ、それから新しく東京から成田まで新幹線方式の非常に速い鉄道をつくる、こういう考え方でございます。それぞれ利害得失いろいろございます。また、財政――財源措置等もございますので、それにつきましてはいま検討している最中でございます。
 なおいま、先ほど申しました全国新幹線網というのが別途いろいろと審議をされておりますが、その中におきまして、成田へ新幹線を通すならば、それは常磐線の新幹線網というものを考えた場合に、その一環として考えるべきではないか、こういう御議論がございまして、それも含めまして運輸省としては現在検討中と、こういうことでございます。この全国新幹線網ができる前に、新幹線を成田に引くということを決定したということではございません。検討中ということでございます。
○瀬谷英行君 成田新幹線の問題について、ちょっと関連して質問したいのですが、運輸委員会で成田空港の問題をいろいろ論議をした際に、交通問題について私何回か質問した記憶があります。その際、成田空港ができたら、そこに新幹線をつくるという話があるんだが、どうなのかということを質問しましたら、国鉄総裁だったと思いますけれども、成田には新幹線はつくらないと、こういうふうに発言されたように私は記憶している。で、なぜかと言うと、京成電鉄と総武鉄道で間に合うという意味でした。だから、そのときに私は聞いたんですが、京成電鉄というけれども、京成電鉄というのは新空港に延長したとしても、東京はどこに出てくるかというと、西郷さんの銅像の下に出てくるわけですね。外国から飛行機で来たお客さんを、京成電鉄が西郷さんの銅像の下に運んで、あそこが東京の玄関口としてはたして適切であるかどうかということもあわせて聞いてみたんです。そうしましたら、まあ、この点についてのあまり明確な答えはなかったような気がいたします。要するに、道路の場合は約六十分で連絡できる。それから道路を主として、鉄道の場合は総武線を利用しても、快速電車を走らせれば、将来東京駅に入るんだからそれで間に合う、こういう意味の回答があったと記憶しております。で、当時は全然新幹線についての構想というものは考えていなかったというふうに聞いたわけであります。もし新幹線をつくるならば、成田と東京だけの新幹線で一体採算が合うのかどうか、こういうような問題がある。だから、またそれと同時に、東京のどこへ成田から新幹線を入れるか、こういう問題がある。現在の東京駅から成田まで延ばすのかどうか、もし、だとすれば、将来予想される上越新幹線等の始発駅との関係はどうなるのか、そういうことも聞いたわけなんです。ところが、全然それらについての答えは、つまり成田新幹線という考え方はないということだったから、まあこの問題もおのずからお答えはなったわけですね。何か今回は成田新幹線の構想を考えているというふうに聞き取れますので、その点をあらためて、検討中と言うけれども、それは建設をするという意味で検討されているのかどうか。特にその成田新幹線の場合は、それを延長して常磐新幹線ということになりますと、ちょうど新しい大臣の選挙区を通るようなことにもなりますし、そういうこともあわせてこれはちょうどいい機会だから、そっちのほうへひとつ大臣の最初の仕事としてやろうということもあってのことなのかどうか、まあ一緒にお伺いしたいと思います。
○政府委員(町田直君) 実は成田新幹線という考え方はだいぶ前からございました。特に北千葉ニュータウンという相当大きな新しい町が、ちょうどまあ成田と東京の間ぐらいにできるということもございまして、だいぶ前から実際上は検討しておったわけでございます。ただいま先生がおっしゃった、国鉄総裁でございますかどなたかがお答えになったということでございますが、まあ必ずしも今後永久に成田と東京を結ぶ、あるいはほかの、たとえば常磐新幹線の一環として成田を結ぶ新幹線を今後絶対考えないのだと、こういうことでは実はなかったのではないかというふうに私考えておりますが、当時からそういう考えでございまして、確かに御指摘のように、この前の国会でも、成田空港との関連におきまして新幹線問題ずいぶん御質問もございました。で、ただそのとき、いまでも実はそうでございますが、そのときにもいまお話しの総武線を成田まで、まあ総武線の複々線化もできますし、総武線を成田まで延ばして、そうして東京駅へ入ってくるという考え方が一つございました。これをやったほうがいいと、これをやるべきではないかという、こういう議論等がございましたものですから、そういうこととの関連で、おそらくとりあえずは新幹線というものは考えないというふうな御趣旨ではなかったかというふうに考えます。私がいま申し上げておりますのも、成田までの新幹線につきましては、まあすぐ取りかかるということであるかどうか、おそらく全国新幹線網の一環としてつくるということになりますれば、全国新幹線網がいつから具体的に着手されるかという問題もございますけれども、まあ若干の日時をおいたあとのことになるというふうに考えられるのではないかと思いますが、いずれにいたしましても、将来の問題として、この航空の目ざましい発展を考えますと、やはり将来の問題としてはいずれば成田と東京を結ぶ新幹線、あるいはそれに近いような非常に高速の鉄道をつくる必要があるのじゃないか、こういう趣旨で運輸省としては検討しておる次第でございます。したがいまして、とりあえずの問題と将来の問題というふうにあるいは分けられるかと思いますけれども、いずれにいたしましても、新幹線というものを何かつくる必要があるであろう、こういう趣旨で検討いたしておるというふうに御理解いただいてよろしいかと思います。
○鈴木強君 そうしますと、いずれ上野からいまの東北本線ですね、それに沿ったものと、あるいは常磐を通るものと新幹線が考えられると思いますね。その際に、東北はまあ別ですけれども、結局いま考えられている成田というのは、鹿島の建設との関係で、要するに、常磐線も成田を通ってずっと通るようにしようという一つの構想であるということですか。そういうふうに理解しておけばいいんで、まだきまったわけではないのですけれども、だから、そういうふうな路線も一応検討している段階だと、こういうふうに理解しておいていいですね。
○政府委員(町田直君) 大体そういうふうに理解していただいてよろしいのではないかと思います。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 先ほどちょっと何か瀬谷さんから私の関係の発言がありましたから、まあ弁解でもありませんし、釈明でもありませんが、成田新幹線の問題はかねてから検討中であることは、当委員会においても前からお話があったと思います。その先の問題は、もちろんまだ計画にも検討の中にも入っておりません。私の選挙区を通るといいますが、その新幹線が通るまで私が生きていられるかどうかわからぬような将来のことまで考えておりませんので、目下のところは成田から先の新幹線問題は検討の対象になっておらない、こういうことを御了承願います。
○瀬谷英行君 大臣の選挙区の問題ですけれども、別に気にする必要はないんです、これは。私は成田新幹線の話が出たけれども、この前の運輸委員会で、せっかく空港があそにできるとしても、そこまでの交通機関をどうするかということをだいぶやったことがあるんです。その際に、成田新幹線という構想があるとすれば、東京のどこから出るのか、それから上越新幹線やあるいは中央新幹線等との連絡はどうなのかということを聞いたことがあるのです。そうしたら、たしかその際、国鉄総裁だったと思いますけれども、成田に新幹線を走らせるという考え方はないというふうに、明確に否定をされたんです。否定された根拠というのは、総武線でもって間に合う、それから京成電鉄も来ると、こういう話だった。ところが京成電鉄というのは、東京の都心――上野ですから、都心じゃないと言えないこともないけれども、上野公園の下に出るわけだし、あまり適切だと思われないので、ちょっと私も疑問に思ったわけです。そうしたら鈴木さんから質問がありまして、最近、成田新幹線さらにそれを延長して鹿島のほうへ行く常磐新幹線の話があるんだが、それはどうかという質問になったわけです。で、たまたま大臣の出身が向こうのほうですから、考えようによりますと、成田新幹線という構想は、この前の委員会では否定をされたけれども、今度、橋本大臣の就任を祝ってというわけじゃないけれども、機会に成田新幹線を復活させて、さらにそれを鹿島のほうまで延ばして、常磐新幹線にしようというアイデアがこれは復活したのかなと、こういうふうにも受け取れるわけです。このことは別に悪いというわけじゃありませんよ、どこかに急行をとめるという話とちょっと違うのですから、これは悪いというわけじゃない。ただ、この前の委員会の話と、ちょっと最近の話とは違ってきておるし、さらにいまの鉄監局長の話だと、常磐新幹線の構想をも含めて検討しているということ、大臣のほうは成田から先のほうは考えていないということ、いまのお話だと。だから一体その点は検討中と言えば、考えていると言っても考えてないと言っても両方に通用しますけれどもね、両方に通用するだけじゃなくて、将来の構想として一体どうなのかという点は、やはりある程度明らかにできることじゃないかと思うので、この機会にお伺いしたいわけです。
○国務大臣(橋本登美三郎君) この成田新幹線の問題は、私自身もこの必要があるということは、ジャンボがこれから一日におそらく相当数――どれくらいになりますか、二、三年先になりますというと、毎日何十便というものが入ってくるのじゃなかろうか、おそらく二分間あるいは三分間おきに入ってくるということになりますと、相当のお客が入ってくるわけです。当分の間は、それは総武複々線を延長しただけでも間に合うかもしれません。しかし、五年なり十年先を考えますというと、これはとうていいまの総武線の複々線もしくは京成電車の乗り入れ、これだけで間に合うかといいますと、これはとうてい間に合わないのじゃないか。そういうような端的な事情から考えますというと、やはり空港までの新幹線はこれは絶対必要条件が出てくるのじゃないか。こういう意味で、限定した意味では将来何年先になりますか知りませんけれども、相当期間かかりましょう、新しい線でありますから、そういう期間を考えるというと、その時代にはやはり新幹線でなければ、その大量の人を輸送することは困難になろう、こういう意味でやはり空港までの新幹線というものは前向きで検討していきたい。ただ、それをはたしていわゆる常磐新幹線とあわせて検討すべきかどうかという問題は、もう一つの問題があると思いますが、とにかくとりあえず具体的に考えなくちゃならぬことは、成田空港に入ってくる毎日何万という人、そういうお客さんを運ぶ場合に、どうしても新幹線が将来は必要になってくるであろう、こういう意味で、その区間だけについては具体的に検討するべきものである、こういうように考えておるわけであります。
○鈴木強君 大臣と鉄監局長との間に――いまそちらで答弁されたですね、食い違いがそうするとないのですか、あるのですかね。検討中ということと、その先は考えておらぬということでは差があるので、そうすると食い違いですよ、これは明らかに。したがって、私は大臣が向こうの御出身だとか何だとか全然考えていないのです。これは純然たる一つの交通網として考えているので、たまたま成田を回るとすれば、これが利根川の架橋のこともあるでしょうし、路盤のこともあるでしょう、いろいろ専門的に考えてみなければいけないことであろうし、あそこまで行くからして、そうなるならばあれを常磐につなげるということも一つの案じゃないかと思うのです。それをあれだけを盲腸的にやはりもう一つつくるということはこれはおかしいので、そういう意味においてはいま検討中であるということにも取れるようにも思うのですけれども、大臣は何か話を全くそれは考えていないのだという、こういうふうにおっしゃるものですから、前の答弁との関連でそれをはっきりしておいてもらわないと困る。
○国務大臣(橋本登美三郎君) あるいは私のことばが足らぬかもしれませんが、御承知のように、新幹線網というものこれから何年か調査のためにかかると思います。四十五年度において五億一千万ですか、おそらくこれは一年や二年でそれだけのものは見当がつかないと思いますが、これは新幹線網という意味の新幹線とは違う、こういう意味です、私の言っているのは。新幹線網の意味の新幹線と成田の新幹線というのは、ある意味においては違う。もっと極端なことばで言うならば、大都市周辺線には、新幹線に準ずる新幹線がだんだんこれは必要になってくるんじゃないか、こういう意味も含めて、必ずしも――幹線鉄道としての新幹線網の中で考えるということになりますと、これはだいぶおくれます、そうなりますというと。そうじゃなくてやっぱり空港の輸送対策として新幹線網に準ずるものを考える、将来それが新幹線の中に繰り入れられるかどうかは別問題だと、この際はとにかく空港の輸送状況を、はたしていま言った複々線と京成電車だけで将来十年後まで問に合うだろうか、こういう問題から考えていく、こういう考え方で申し上げたわけであります。
○鈴木強君 これは少し論争になりますけれども、私は違うんですよ、大臣の考え方とは。要するに、たとえば九千キロ、十一兆以上の金を投じて今後日本に新幹線網というものをつくるにしても、それはおっしゃるように相当の金はかかるし、期間もかかるでしょう。だけれども、いまの全国の幹線自動車道ですね、この問題を一つ考えてみましても、やっぱり全体的な計画の中であるエリアを最初にやっていくわけですよ。たとえば、中央道の場合には、東京から富士吉田をとりあえずつくりましたね。今度はその先は赤石を越えて飯田に出る、それから東名にくっつくという、こういう路線を最初考えて、その後諏訪を通ることになりましたから大月から分かれるのです。これは分かれていくことになりましたけれども、非常に問題の線なんですよ、盲腸的な存在で。何のためにあそこまで延ばしたか、法律があとから変わったものですからこうなったのです。そういう意味で、私は、切り離しているとおっしゃるけれども、実際にはそれが将来の、いま考えられている新幹線網というものとの関連性なしにはできないと思うのです。それはこういう場合もあるかもしれませんけれども、やはり関連性を持ってつくるときにはやっておきませんとむだなことが出てくるかもしれません。ですから、極端にいえば、成田も盲腸的に何キロかの間に常磐線と並行して走って、そこから先は成田に入るということになるのか、あるいは成田から常磐に入っていくということになるのか、その辺を私はやはり十分に検討を加え研究を加えて、将来の幹線網との関連の中でやってもらわぬと困ると思うのです。私はそういう意味からして、にわかに、どこをどう通っていく、常磐線はどう通っていくかということは、ここではわかりません。何らかの関連性はあるのですからして、やはり局長が言われているような検討するということであればわかるのです。全然それはそれでもって切り離してくるんだと言われましても、ちょっとそういうわけにはいかぬということを申し上げたいわけです。この点は大臣わかっていただけると思うのです。そういう意味において関連性というのを私は申し上げておるわけです。どうでしょうか。
○国務大臣(橋本登美三郎君) いま鈴木さんがおっしゃった意味での関連性はあると思います。というのは、私はただ、手続上の問題にいたしますというと、いわゆる新幹線網の全国調査が終わってから、そこで敷設命令を出すということではとても間に合わない。ですからして、一応それとは切り離して、成田線までの新幹線というものは別の形で施工、敷設命令といいますか、そういうことを考えなくちゃいかぬのじゃないか。それが将来、鉄道新幹線網の場合に、それらとのつながりを考えるかどうかは先の問題であって、もしやるとするならば、私はやらなければ間に合わないだろう。そうなれば、これは切り離して、そこで一つの敷設命令を出す。そこまでできたけれども、将来、鉄道網を決定する場合に、何年先かわからぬけれども、そのときにやはりこれが利用されるかどうか、あるいはそういうことを初めから頭の中に置いて考えていくかどうかはありましょうけれども、ただ手続上の関係からいえば、切り離してやらないというと施工がおくれるのではないだろうか。こういう意味でありますから、間接といいましょうか、関連がないとは申しませんからして、そういう意味においては、鈴木さんの考え方もあるいは含んでいる、こう御理解願ってけっこうだと思います。
○鈴木強君 それで私は大体意識が通じたからいいんですけれども、結局、成田でとまってしまって、その先が連関がないということになりますと、たとえば、常磐から入ってくる場合も一回東京に来てまた入らなければならない。もしそれが常磐についていれば、北海道から来るのは成田の空港に直接行けますから、おりたお客さんは羽田に行かないで成田に行けるわけです。将来のふくそうを緩和するという意味からも役立つと思うのです。だから、孤立したかっこうでつくるということについては賛成できないんです、率直に言って。しかし、それは特殊事情もあるでしょうし、どうしてもそうしなければならぬということがあれば別です。一応一般的にそう考えておるので、もう一回、鉄監局長、あなたが検討中というのはぼくが言ったことにおいて検討中ですか、もう少し……。
○政府委員(町田直君) まず、大臣がおっしゃいましたように、実は全国新幹線網というのは運輸省としても具体的にいまのところ考えているわけじゃございませんし、先ほど御説明いたしましたように、鉄道建設審議会で現在御検討願っておる最中でございます。そこで網という形で具体的に、たとえば常磐新幹線とか東北新幹線とかいうものを運輸省としてどうしているということはないということを御理解いただきたいと思います。
 そこで、それじゃ成田の問題はどうかということになりますと、これは大臣がおっしゃいましたように、成田の交通の問題としては、これは成田の交通として非常に問題であるということで、成田の鉄道をどうするかということを運輸省でいま検討中でございます。その検討中の中には、新幹線というものを将来考えていかなければならないだろうというような趣旨で検討しているということでございます。その場合に、それじゃ一体成田でどういうふうにするという形で考えるのか、それとも将来もし何らかの新幹線網が考えられ、それが成田へ行く線と非常に方向的に近いということであれば、鈴木先生がおっしゃいましたように、その成田へ行く線が同時に一番近いところではおそらく常磐が、新幹線ができるとすれば常磐新幹線となるように思いますけれども、そういうところにさらにつながっていくということのほうが、それはいま先生がおっしゃいましたように幾つかの点で新幹線をそこでとめてしまうよりも有効じゃないか、こういう意味で、将来そういう形になるとすれば、そちらにそういうふうにしていくということも考えるべきじゃないかという趣旨で検討に入れているというふうに御理解いただければいいと思います。
○鈴木強君 よくわかりました。ただ、全国新幹線網建設は運輸省がやっていないことはぼくもよく知っていますし、議員立法でやっているんだが、それがまるっきり雲の上のことと理解されていては困るので、そういうことを頭に置きながら、その前に切り離してやる場合にはそれを絶えず考えながらやってもらわぬと困りますから、そういう点を私は申し上げているのです。
 それではこれはその辺にしまして、一番最初にやりたかったのですが、大臣ちょっと出席がおくれましたからあと回しにしましたが、実は三月一日から東京のタクシー料金が上がりました。しかし、この上げ方が非常に変則でして、御承知のように新メーターで走るやつと、それから旧メーターで走って新料金に換算するのと、それから値上げが認められなかったのと三つありまして、今回の値上げ後のタクシー運行についてはいろいろと問題が起きるだろう、こういうふうにわれわれも心配をしておったわけでございます。新聞紙上その他でいろいろと私ども聞いております。たとえば、警察関係でも特別にゆうべあたりも取り締まりをしていただいたようですし、陸運局のほうでもいろいろと対策を立てていただいているようですけれども、きょう私はもう少しこの委員会でその実態を教えていただきたいし、また、その対策について政府側のお考えも聞きたいと思いまして質問をするわけです。
 それで、実はタクシー近代化センターの会長さんにもおいでいただくように委員長を通じてお願いをしておきましたが、ちょっと緊急な用事もあって出られないようですから、きょうは御出席がなくて残念です。これはまたいずれあらためてお尋ねすることにしたいと思いますが、まず最初に、三月一日にどうして新しいメーターに、値上げをしたものが新しいメーターを取りつけることができなかったんでしょうか。何万台かわかりませんけれども、その認可をした台数、業者、そして、どうしてその新しいメーターに全部一斉に切りかえができなかったか、最初に承りたいのですが。
○政府委員(黒住忠行君) タクシーはメーターによって動くわけでございますが、メーターの検査には頭部検査と走行検査と二つございます。頭部検査は装着しないで検査をするわけでございますが、走行検査はその車に装着いたしまして検査をするわけでございます。それで現在、通産省の規定では、頭部検査終了後二十日以内に走行検査を受けなければならないというようになっております。走行検査の能力が従来一日四百五十台、いろいろ勉強していただきまして、一日、東京付近では六百台は可能ではないかというぐあいにいわれておるわけでございます。したがいまして、改定の前日に全部一斉に装着して、二十日間以内に検査を受けるということが不可能でございまして、検査の能力、それから一斉に三万台でございますから、それを全部とめまして装着するということはむずかしいということと、検査の、いま申し上げましたような物理的理由から、三月一日一斉には新メーターを装着することができないわけでございます。従来も大都市におきまして運賃改定をいたします場合には換算表でもって行なっております。前回につきましても、前々回につきましても車両数が相当膨大でございますので、換算表でもってやっております。なるべくすみやかに全車両に新しいメーターがつくように業者を督励いたしますと同時に、通産関係の検定所で仕事をやっていただく次第でございます。それでこの三月七日現在におきましては、一万一千二百二十三両の車に新メーターが装着をされております。
○鈴木強君 皆さんは自分のほうの現体制を基準にしてお答えをしていただくのですけれども、現在はそれでやむを得ないと思うのですが、私たち利用者から見るとどうも合点がいかないのは、たとえば、頭部検査をおやりになって、今度はその頭部検査をしたメーターを自動車に取りつけて、それから実際に走行検査をして合格したものを走らせる、こういうことだと思いますね。今日これだけの科学の時代になって、頭部検査と走行検査の関連をもう少し――頭部検査をしたのが走行検査の際にどの程度の不合格が出てくるのか私はこれはわかりませんけれども、その辺がもっと頭部検査のやり方について知恵を働かしてみれば、今度それは走行検査をしなければ太鼓判が押せないのだということでもないと思うのですね。ですから、その辺の頭部検査と走行検査の誤差というものがどのくらいいままで考えられているのですか。私が言うのは、そういうふうにして頭部検査でほとんど適格一〇〇%に近いということであれば、三万台に一ぺんにつけてしまえばいい。あと走行検査をやるのはつけてから二十日以内にやるのでしょう。頭部検査をやって、あとは二十間は走行検査をやらないで走っている。そういう一ぶには矛盾を認めながら、国民はそのために換算メーターで文句を言われて、なぐり合いが出てきたり、不愉快な思いをするなんというような、そんなことはもう少し早い機会にこれを納得できるような方向に切りかえるということはできないでしょうか。私はちょっと無責任なというか、これはほんとうに国民感情として私は申し上げておるわけです。いや、頭部検査の中に、実際にやってみて、相当の誤差があるから、これは危険性がうんと多いからやらざるを得ない。それじゃ、その誤差が起きるのに対して、どういう研究をし、どういう検討を加えて誤差をなくするための頭部検査をやったか。そういうふうなやはりよく国民が納得できる回答をしてもらわないと、これは困るのですよ。人が足りないからできなかった、そんなことじゃ納得できないです。
○政府委員(黒住忠行君) 頭部検査をやりまして、走行検査の不合格のものが、今回の新運賃を実施したものにつきましては、二%でございます。で、そのほかの三多摩地区のものであるとか、ハイヤーであるとか、同じ検定所で検査が行なわれれておるわけでございますけれども、それらの場合におきましては、八台に一台の割合で不合格があったというふうに聞いております。それで、本件は計量法に基づきまして、通産省の所管でございます。したがいまして、今回の運賃を改定いたします前に、前広にこの検定を促進していただく、その技術的方法等につきまして、十分本省とも、また出先の検定所ともお打ち合わせいたしまして、従来ならば三万両から三万五千両の車を検査をいたしますのに、四カ月ないし五カ月を要するということでございましたけれども、それを半分にスピードアップしていただくようにお願いいたしますと同時に、検定所のほうでも人員の手配その他について十分努力をしていただいたことになっておるわけでございまして、われわれといたしましては、直接の所管ではございませんけれども、利用者に対する迷惑というふうなこともございますから、ただいまのような措置をやっておりますと同時に、現在におきましても、早くメーター器を取りかえまして、業者がメーターのメーカーを督励いたしまして、早く取りかえて検査を受けるということ。それでもまた検査のやり方も、その検定所でいろいろ仕事を配分するというようないろいろな方法をやっていただいておるわけでございまして、それらと相まちまして、促進をしたいというふうに考えております。
○鈴木強君 また何かというと所管が違いますと、こう言うのですね。第二番目には。ぼくはこれが気に食わない。国民から見れば、通産省の関係であろうと、運輸省の関係であろうと、そんなことは役所の内部のことでやってもらえばいいと思うのです。したがって、八台に一台の不合格があるということは、確かに一〇〇%ではないわけですから、そういうたとえ一台でも危険性のある、誤差のあるものをつけて走らせるということはいかぬと思う。しかし、最初一万一千何ぼかつけたそうですけれども、頭部検査を済まして、そのあと二十日までに走行検査をしなきゃならぬ、こういう規定に一応なっていると思うのですね。だから、そういう立場にもし立ってやるとすれば、八台に一台の誤差のあるものが何日間か走っていますね。これは走行検査が済まない間は走っているわけでしょう。そんな、料金が適切に換算できないものをつけて走っているその規定がおかしいのだ。これは、そういうものが悪ければそれを直すようにしたらどうですか。そして、私は、大臣にも聞きたいのですけれども、料金値上げを三月一日にきちっとそろえてやらなくても、もしそういうことで国民の間にトラブルが起きるならば、たとえば百台持っている会社のうち順に何十台かというふうにして料金を新メーターに切りかえられたものからやるというような方法だっていいじゃないですか。もう、三月一日に値上げしますということをきめちゃって、それに無理に合わせているからそんなことになるのですよ。そんな、旧メーターをつけて換算して、九キロ以下だったとか以上だったとか、そんなことでもう換算でもって一々やられたって実感がわかない。だから、もう少し値上げのやり方についても考えていくと同時に、いまの規定、法規の中に実情にそぐわない点があればそれをそぐわせるようにする、それから技術的にもっと突っ込んで検討を加えて、そしてもっと誤差をなくして、一〇〇%なくするような研究を、これは通産省にも相呼応してやっていただく、そういうふうにして運輸行政というものの姿勢を正してもらわなければ、いつまでたったってこういうことが起きますよ。何か、既定の事実が、それがいいのだと思っておやりになっている、そうじゃなくて、やはり時代が進んでいく、いろいろな変化があるのですから、それに順応するところの政策を打ち出してやっていったらどうですか。いま規定がこうですから、こうだからと、そんないわゆる役人的な答弁というのは私は迷惑です。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 私も鈴木さんと同じような疑問を当初持っていたのであります。そこで、これは鈴木さんも私も多少電電公社の、電話のことについて知っておるものでありますから、したがって、メーターの合格検査が済めばだれがつけてもいいじゃないかと、そうしたらそんなに二カ月もかからぬで、一日というわけにいかぬだろうが、二、三日で済むのじゃないか、こういう、私としては疑問を出した、事情を知らないで疑問を出したわけであります。ところが、いろいろ聞いてみますというと、いま言ったように、頭部検査によって機械の合格といいますか、一応の検査をして、それを走らしてみないというとやっぱり車によって事情が違うからそこで正確なメーターが出てこない、そういう説明を聞きまして、どうもこれはちょっと電話とは事情が違うのだということで、そうであればこれはやむを得ない、そういう規定になっておるのですけれども、またそのほうが利用者に対して忠実である、こういう意見でありますからそれはやむを得ない。しかし三カ月も四カ月もかかることじゃ困ると、できるだけひとつ人員を臨時にふやしても最少限度の時間でもってこれを新メーターにかえるように、こういうことを指示しまして、予定のたぶん三分の一の期間がこれが終了することに努力をしてくれたわけであります。
 私、三月一日の日に、最初のメーターがついた料金改定の日に、私もタクシーに一人で乗ってみたのです。そのうち、二台が新メーターで三台が旧メーターでした。そこで、運転手に、どうも君らは不便じゃないかと、旧メーターで新料金をもらうのだけれども、たいへん不便じゃないだろうかと聞いたところが、その私の乗った運転手はたいへん親切でありまして、いや、そうたいしためんどうなことはありませんと、というのは、三十円を足せばいいのですと。これは、料金にして、まあ大体二千円以上の料金になる場合は多少狂ってきますけれども、それ以外の場合は、二千円以下は三十円だけ払ってもらえばいいのです。というのは、旧メーターの場合はアイドルタイムとかいうものが、あるいはいわゆる時間外といいますか、十一時以後の時間外割り増しということを取り入れないということで、そういうことで、その古いメーターを持っておった運転手は、なるべく早く新メーターに切りかえたいと思うけれども、なかなか自分の会社でもそうはできない。当初二割くらいだと言っておりましたが、そういう事情があるので、旧メーターで走る人はもちろんそれは損があります。しかし、旧メーターで走る場合においては、要するに最初の三十円の新料金だけを払うと、新メーターでなければいわゆるアイドルタイム、あるいは十一時以後のなには取れない、こういうふうに申し渡してあるものですからして、したがって、案外旧メーターにおいても混乱がなかった、しかし、結果的には混乱はなかったにせよ、新メーターでやったほうが収入がいいことは、これは間違いない。そういう意味では、できるだけ早く新メーターに切りかえるようにできるだけの便宜をはからえ、ということ指示して、大部分、相当数が今日では新メーターに切りわかってきておるわけでありますが、なお急がせて新メーターに切りかえるように努力したいと思っております。
○鈴木強君 今回は、すでに三月一日以降切りかえを済ませているわけです。これも私は、死んだ子の年を数えてみたってしょうがないわけですから、ただ、切りかえをうまくやってほしいということになる。ただ、根本的に疑問を持ったのは、大臣は自動車局長に聞いたら、最初そう思っていたけれども、どうもそうもいかぬとおっしゃるけど、そこのところが私にはまだわからないんです。もっとそこは追及すべきだと思うのです。現に八台に一台という不適格性というのは、出てきているわけですね。そうなれば、車種が同じ車種でタイヤの長さが多少違うとか、機械によっては違うかもしれません、構造が。特に最近は欠陥車なんというのがあるから多少違うと思いますけれども、とにかくくふうしていけば、一たん頭部検査をしたものをつけてしまう、ずっとつけてしまう、そうして逐次それをやっていくという方向にしてもいいし、また一料金値上げの時期をある程度段階をつけて、二十日くらいなら二十日間ぐらいの間をおいたっていいじゃないですか。三月一日から一斉にやらなきゃならぬということはないと思うわけですね。だから要は利用者とそれから運転する人たちの気持ちが合うようにしてほしいと思うのです。
 大臣の乗ったタクシーの運転手、それはいい人はたくさんいますからね。たくさんいる。悪いのはごく少ないんですよ。そういう者が悪いことをするからみんなが悪く言われるので、私たちも乗ってみてうんと親切な運転手さん、たくさんいますからね。そういう意味ではよくわかるし、また、大臣の顔を知っていればあんまり悪いこと言わぬかもしれない。これはちょっとわれわれと違うかからぬけれども、それは横の話なんですが、そういうことでもう少し私は、技術開発について検討する余地は残っていると思うんです。だから、あまり局長にそう言われたからってあきらめないで、またそれをやるのが大臣なんです。こうやってみろ、とにかく八台に八台が誤差のないようにやってみなさい、研究しなさい、この技術はあるはずだ。それを言うのが私は大臣のお仕事じゃないかと思うんですが、そういうふうにしてマンネリ化している行政の部分というものを少しでも前進をさして、こういう努力をし、こういう検討もし、これもやってみたけれども、なおかつだめでした。私がこういう質問をしたら、実は何年かにわたってこういう試験をいたしました、しかし、その一台の誤差というものは絶対に直らぬ、また、非常に何年も時間がかかります。したがって、原因の追及を、こういうふうなことをいま考えてやっておりますので、それが何年たちますれば、頭部検査だけでつけてもよろしゅうございますという、そういう前向きの答弁を私はしてほしいのです。何か法規がある、これは通産省の仕事だ、こういうかっこうで問題をそらされてしまうから進歩がない。だからして、私はそういう点を大臣から強く指導をしてほしいということを申し上げているんです。その点は同感でしょう。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 原則として同感であります。ただ、鈴木さんも御承知のように、電話の需要と違って、タクシーメーターの需要というものが、平生少ないのですね。したがって、当然これは技術開発、相当の金をかけて技術開発をするだけの意欲は、業者にないだろうと思うのです。しかしながら、今度は自動車研究所もできましたから、鈴木さんのおっしゃるような、その方面の技術開発を考えて一朝有事の際はさような措置を十分に考えていくべきものであろうと思います。
 特に私は情報産業というものに非常に興味をきたいと、かように考えております。
○鈴木強君 そこで納得しました。ひとつぜひさらに検討してほしいのです。
 それから、もう一つは労働条件が、運輸省が指示したところに達しないということで、これはまあ昨年来、労働省からの通達等もあって、特に労基法、就業規則の問題、労働省の通達二九による賃金改定の問題とか、いろいろ給与改善の問題を労使間で確認なさったとか、いろいろ指導をされている点は、私は喜んでおります。御苦労さんだと思いますけれども、問題は、そういうことが、この三月一日の認可に際して一つの条件になっているように思うのですね。労働基準局のほうで調査をしてみたところが、二九通達をなかなかやっておらぬ。したがって、おまえのところは労働条件改善されておらないから、あと回しにすると、こういうことだと思うのです。そこで、その台数と業者数は幾らあったか、いま残っているものですね。それから、先般労働省の基準局のほうで、労働省の御調査をなさったのですが、その三月一日に認可ができないという、監査の結果、到達をしたと思うのですが、それの概況、どういう点がだめだったのか、それから、ごく最近残された幾つかの業者について、さらに立ち入り検査をされておるようですが、その結果、どの程度の会社が二九通達を守って、そうして確認書を交換し、料金値上げをできるようなふうになっているのか、これは運輸労働両省から聞きたいのですけれども、この点を第二に聞きたいのです。
○政府委員(黒住忠行君) 東京都区内と、武蔵野、三鷹市を加えまして、タクシー総車両数は三万四千二百四両でございます。三月一日から運賃改定を実施いたしましたものが、個人タクシーを加えまして三万五百五十四両で、全体の八九・三%でございます。それで、三月一日に保留いたしましたものが六十八事業所でございまして、会社は六十二社でございますが、それの、その事業所に配れで、その保留されたものにつきましては、現在、労働基準局のほうで調査を願っております。
○鈴木強君 労働条件が改善されて、値上げがやれる見通しはどうなんですか、何社、何両ぐらい、いつごろ。
○説明員(大坪健一郎君) 私どものほうで、労働条件の実際の状況について事業所に立ち入り監督をいたしております。その結果が近々わかってまいりますので、わかりますれば直ちに運輸省のほに御連絡を申し上げるということになっております。その結果によって運輸省のほうで御判断を下されるということになっております。
○鈴木強君 労働省は何月何日にその立ち入り検査をして、何カ所をやって――近々わかるというのだから、もう検査は済んだのじゃないですか。
○説明員(大坪健一郎君) 先週の、三月の四日、五日、六日に立ち入り検査をいたしました。検査をいたしました事業所はただいま局長から御説明のありました六十二社、六十八事業所でございます。これは当該地域を管轄いたしております労働基準監督署のほうでただいま取りまとめを急いでおりますので、結論が東京労働基準局に出てまいりますのが今明日でございます。今明日あるいはあと一日ぐらいの間に、私どものほうに結果が出てまいると思います。
○鈴木強君 私はあらかじめ労働省のほうにもこういう質問を申し上げることを伝えておきましたね。ですから、手続的にはわかりました。三月四日、五日、六日の三日間やりまして、そのやったものを本省に、まあ進行中だと思いますから、わかりますけれども、おおよそのところですね、六十二社、六十八事業所の中で、かなり改善はされたかどうかというようなことの連絡もまだきていないわけですか。それで、もしわかっておりましたら、知らせてほしい、どうせわかることですから。
○説明員(大坪健一郎君) 私どものほうに概括的な報告は参っております。それによりますと、六十八事業所のうち二事業所がいまだ改善の結果を見ておりません。残りはほぼ改善されたということでございます。
○鈴木強君 わかりました。御苦労さまでした。
 それで、今度は運輸省は労働省からの検査の結果を了承した上で、すかさず料金値上げを認めるというような取り運びになるのでございますか。
○政府委員(黒住忠行君) 労働省のほうから正式に御通知をいただきましたならば、なるべく早く期日を指定したいと思っております。
○鈴木強君 わかりました。
 それでは警察庁のほうにちょっとお尋ねいたしますが、新しい料金になりまして、きょうで十日目になりますけれども、この間、乗車拒否の特に悪質の事件が起きていると報道されておりますが、今日まで大体警察のほうでつかんでおられます乗車拒否の件数、それから逮捕者、そのうち任意取り調べ、あるいは書類送検、始末書、こういうふうに大体分かれると思いますけれども、どの程度の件数があったものでしょうか、教えてほしいのです。
○説明員(竹岡勝美君) 警視庁からの報告に基づきますと、新しいメーターになりました三日一日以降の一週間と、その事前の一週間とを比べております。三月一日以降の一週間は、検挙二十件を含みます六十件を取り締まっております。この六十件のうち検挙二十件、そのうち逮捕一件でございます。始末書の徴取が三件、現場警告三十七件の計六十件。これは事前の一週間、検挙五十五件、逮捕四件を含みます、計八十五件に比べますと、特に悪質なものが減少しております。そういう状況でございます。
○鈴木強君 逮捕一ですか。一人しかなかったわけですね。
○説明員(竹岡勝美君) ええ。
○鈴木強君 それはどういうふうなのでございましたでしょうか。
○説明員(竹岡勝美君) これは詳しくは聞いておりません。一応まあ悪質ということであったと思いますが、詳しい内容は聞いておりません。
○鈴木強君 この乗車拒否件数についても、あるいは逮捕者についても、警察官が直接現場でつかんだ件数、あるいは申告者に基づく件数だと思いますから、そのほかになかなか人数も少なくて、要するに警察官の目をくぐって乗車拒否をしておるものが相当数にのぼっておると思うんですね。ですから、こういう点は行政上の問題として取り締まるのが一つと、それからもう一つはやはり道義上、人間としての常識として、そういうことのないようにという、やっぱり善導をすることが、指導することが大事だと思うんです。そこで警察庁は警察庁なりにそういうふうな御配慮をとられていると思いますが、そういうふうな特に警視庁として取り締まり上やっている方策がありましたら、これを伺いたい。
 それから、運輸省のほうでは運輸省として、東京旅客何とか協会というのがありますね、そういうところとも連絡をとり、あるいは各個々の事業所とも連絡をとって、乗者拒否のないようにという指導をされていると思いますがね、そういうものが一体料金改正に際して、どういうふうな形でやられたか、その点を両方から教えてほしいのですが。
○説明員(竹岡勝美君) 警視庁の場合は、この三月一日から特に万博で外人がたくさん来るというようなことで、乗車拒否の取り締まり体制を強化いたしております。管内の盛り場約十一署を重点的にしまして、各署の取り締まり体制を強化しますと同時に、警視庁の本庁におきましても、特別取り締まり班を七個班急増されておる状況でございます。しかし、先ほどの件数で申し上げましたとおり、この乗車拒否につきましては、やはり運転者もあるいはやむを得ないと申しますか、乗客のほうが相当無理を言うふうなこともございますし、すべてがすべて検挙ということじゃなくて、やはり現場警告という件数も先ほど申しましたように多うございます。実情に合った取り締まりをやっておるつもりでございます。
 それともう一つは、被害者側のこれは申告がなければならぬと、現場でわれわれが発見するよりも、むしろ被害者側からの訴えが多うございます。その被害者側の訴えをできるだけ簡単に被害者調書は簡単に一枚の紙で現場で取れるというような方式も採用して、取り締まり上の効果をあげたいと、このように考えております。
○政府委員(黒住忠行君) 乗車拒否等をなくするということは、業者としても当然の義務でございます。今回の運賃の改定後におきましては、一週間は千三百名の人間を各会社から供出させまして、これが現場の指導に当たり、あと新メーターが全部装着されますまでには五百名の者を街頭指導に出動さすというふうにいたしております。模様によりましてはこれを増強させたいと思っておりますが、さらに事前に、この運行管理者というのがございまして、これが運転手の直接の指導に当たる職員でございます。で、これの研修を協会にやらせまして、新しいメーターの点、それからその他客扱いの点につきまして運行管理者の研修をやり、それが現場に帰りまして運転手の指導をやるというふうなことにいたしております。それから一般の利用者の周知徹底のために、チラシであるとか立て看枚であるとか、そういうふうなものを用意して配布させました。
 さらにこの取り締まりの点でございますけれども、われわれは警視庁にも御協力を得まして、悪質な者がなおかつあれば、さらに取り締まりを十分にしていくというわけでございます。それからその他の諸施策につきましては、またこれは総合的に今後忍耐強く実行をしていきたいと思っております。
○鈴木強君 今度の料金値上げに対しては、さっき申し上げたような労働省の二九通達などの完全実施というか、そういう点も一つの条件になったと思うのですが、特にこれは乗車拒否というのはますます悪質化してきているようですから、これを撲滅するということも一つの大きなねらいだと思いますね。その根本は、やはり現在のタクシー業界の体質の中にひそんでいる、私は、いろいろな悪い要素があると思うのですよ。たとえば、従業員の待遇の問題にしてみても、われわれが聞いてみると、基本給というものが非常に安い。要するに、水揚げ高によって歩合給的な性格が非常に強いということですから、根本的にこの乗車拒否をなくすということは、それは法律上の取り締まりはそれとして、また大事なことでしょうけれども、もっと根本的な解決すべき問題がこれはあるのでないでしょうか。そういう点をやはりもっともっと追及をして、積極的な対策も立て、具体的に指導していくということのない限りは、この乗車拒否は私はなくならない気がするのですよ。一体どうなんでしょうか。立て看板かけて、まあいろいろ苦労されるのですね、そのなけなしの予算の中から。しかし、そういうものは馬耳東風ですね。見たって見ないふりをして、言われればこっちからこっちの耳に抜けていく、そういうふうなやはり風潮というものがあるのじゃないでしょうか。ですから、もっとの根本的な体質改善ということについて何を運輸省としては考えられているのか、そういう基本的な問題を少し伺っておかないと、どうも末端だけにこう議論がいってしまう。本質論というやつが少し忘れられているような気するのですよ。こういうものはどういうふうにメスを入れたらいいのですか。
○国務大臣(橋本登美三郎君) まあおっしゃるとおり料金改正だけで円滑なるタクシー行政が行なわれるとは考えておりません。それはただ一つの方策にすぎないと思います。根本的に言えば教育の問題にある。私は、このタクシー問題、交通事故問題に関連して、閣議でもって、ひとつ近代化といいますか、近代社会における自動車利用、いろいろ公害も発生をするし、その他の諸科学的なもの、こういうものは近代社会において欠くべからざる社会構成の一つになっておる。したがって、教育の場において、いわゆる交通道徳、公害道徳と言いますか、そういうものを正規の学科の一つとして考える、こういうことを考えませんというと、ただ左を歩け、右を歩けとか、青が出たら走るのだということだけでは私は交通教育とは言えない、技術教育かもしらぬけれども。そうじゃなくして、近代社会というものは、こういう機械とともにわれわれは生活をしていかなければならぬ、その機械とともに生活をするということになれば、人間自身もいわゆる機械に対する一つの考え方と言いますか、コンビネーションを組まなきゃならぬわけであります。そういう意味で、交通及び公害関係の教育というものを、ひとつ幼稚園から小学校、中学校を通じて学科として考える、教育の中身として考える、こういうことを考えてもらいたいということを文部大臣まで申し入れをしたわけであります。文部大臣もひとつ前向きで検討しようということでありますが、ただ今日では交通安全の教育をやっておりますと、こういうことでありまして、私は交通安全の教育を言うておるのではない、もちろんそれも必要だが、根本的にはいわゆる交通道徳あるいは公害道徳と言いますか、そういうもの、たとえば騒音は自分だってうるさいわけでありますが、しかし相手に与える騒音の影響、あるいは生活それ自体にしても近代社会においてはかなり機械的なものを使いますからして、それが相手に与える影響、そういう社会生活の上で必要な道徳教育というもの、こういうものをひとつ根本的に考えていかなければならぬだろう、こういうことを強く要請して、文部大臣も十分検討してひとつ実施の段階に移したい、かように言っておられました。これがまずバックボーンだろうと思う。バックグラウンドと言いますか、それといま鈴木さんからお話がありましたように、いわゆる企業体の持つ体質というものもこれは考えなくちやならぬ。たとえば、いわゆる一千台を持つ企業体もあるし、三十台を保有して、そうして管理体制を持っておる小企業、零細企業と思われるようなタクシー企業もある。もちろんこれは近代社会の資本主義社会では職業の自由、企業の自由がありますからして、少ないからおまえはいかぬということは言えませんけれども、しかしながら、これからの情報化社会においては、いわゆる機械化というものがかなりの面において活用されなければなりませんからして、したがって、小資本でこのような近代社会の中で重要な役割りを占めるタクシー業というものはなかなかむずかしいんじゃないか。もちろん私は企業合併をしろと言っておるのではありません。何らかの方法で共同組織とかあるいは共同仕事とかいうことによって、いわゆる管理費というものの節約をはかる、こういうものも一つの方法だろうと思うのです。まだ運転手それ自体につきましても、やはりただ運転技術だけで人間というものは相手にいわゆる理解されるものではない。もちろんこれはじょうずに運転することは必要でありますけれども、タクシー、ハイヤーの場合は人間対人間の関係でありますから、その間においてはいわゆるお互いに理解し合える接触関係、こういうことを考えていかなくちゃならぬ。そういう意味で、今度まあ四十五年度の予算で御審議願うタクシーの近代化センターと言いますか、この仕事の中でひとつ運転手の教育及び運転手に対する一つの何と言いましょうか、新しい資格――新しい資格ということばが妥当かどうか知りませんが、そこにいわゆる第二種運転手に対する登録制というか、そういうことによってよりよき運転手を育成していく。こういうこともあわせて考えていく。こういうような幾つかの問題、あるいは道路等の問題もございましょう。総合的な施策ができませんというと、いま申したような、いわゆるタクシー利用の関係における調和ある状態というものが出てくることがなかなかむずかしい。もちろんこれは人間すべてが性善でもなければ性悪でもありません。たまにはどうにもしようがないものもありますから、刑法でも厳罰があるわけでありますからして、どうしてもやむを得ない者は、これはやむを得ず警視庁なりあるいは行政処罰によって行なうよりほかありませんけれども、しかし原則はいま申したような総合的な施策によって円満ないわゆるタクシー行政というものが進められることが望ましい、またその方向で運輸省としては指導していきたいと、かように考えておるわけであります。
○岡三郎君 関連ですから簡単に伺いますが、いろいろと大臣から言われましたが、私はいまのタクシー行政の中で、根本問題は何かということは、運転手の質の増強と言っても、量が確保されなければこれは何ともならぬという現状にぶち当たっているのじゃないか。だから、第二種免許を持っている優良な運転手を増強するということによって悪循環が絶てると思うのですよ。いろいろなことを言う前に、それじゃ優良なる運転手をどう確保するのかということになるというと、そこにいろいろな施策が出てくると思うのですが、この点について真剣に考えておられると思うのです。しかし、おられるけれども、何ともならぬ。ということは過去においてはこういう問題が相当よかったということは、タクシー運転手の仕事の内容というものは激務で、最近における交通の渋滞とか、そういうものを受けて、これは非常な特殊な仕事になってきているということで、タクシーの中でこき使われているよりも、条件によればトラックなりダンプのほうに二種免許を持ってかわっていったほうが収入がいいとか、そういうようないろいろなさまざまの条件の交錯の中で、タクシー業界としてはどうして運転手を確保するのかというふうな問題にきりきり舞しているのですね。それで、一面においては車がふくそうし過ぎているから事故が非常にふえてきている。このタクシーの運転手をどう養成するかということの抜本策に手をつけない限り、私はむちゃな増車をしてもこれは意味がないし、そういうふうな過程の中において業界がなかなかよくなるとも思わない。だから、私は政府自体として、タクシーの運転手の養成ということについて抜本策をぜひ講じてもらいたいと思うのですがね。あとはいろいろとそこから派生してくるいろいろな副次的な原因が積み重なったりして複雑なる様相を呈してきていると思うのですが、ある程度の量を確保しておれば、これは違反だとかなんとかというものはある程度これを除去することの手段がとれるわけですよ。それがいまなかなかできない。こういう点どうなんですか、根本的にいっていろいろな問題があるにしても。
○国務大臣(橋本登美三郎君) いまおっしゃるように、やはり根本はそういうようなタクシー運転手をどう確保するかということだろうと思うのです。これはまあ業界の諸君に聞いてみましても、大手業者はやはり自分のところで養成をして、そしてこれを自分のところのタクシー運転手に使うということも考えているようであります。またやっているようであります。しかしながら、まあ私はこまかい事情はわかりませんけれども、その人たちの言うことによれば、そういうせっかく養成したものが今度は何か前渡金か何か出されまして、他に引き抜かれてしまうという心配もある。問題は、かつてのタクシー運転手というものは道路の渋滞等のことがありませんでしたものですからして、比較的スムーズに収入というものはあったのだろうと思います。したがって、いわゆる定期収入といいますか、生活収入というものが、数年前といいましょうか、十年前はタクシー運転手は他の職業に比してわりを食わなかった。したがって、ある意味において運転手になる人が希望してまいる。今日ではタクシー運転手の給料というものは他の職業に比べて必ずしもいいものではない。非常に神経を使い、労働をしているわりに必ずしもいいものではないということも一つの原因だろうと思います。いま運転手の免許証を持っている者は、私も詳しい数字は知りませんが、おそらく一千二、三百万、一千万をこえているだろうと思うのです。その中でいわゆる運転手を職業とする者、それはおそらく二百万ちょっとにすぎない。もちろん、そのうちの一部分がタクシー等の運転手であります。そういう運転免許証を持っているものは、もちろんこれはいろいろな意味でありますけれども、一千万以上こえておるにかかわらず、しかもタクシー運転手になるものが少ないということは、環境条件が必ずしもよくない。その環境条件を整備するためには、いろいろな方法があります。今回の値上げした料金の相当部分が運転手の待遇改善に向けられる、あるいはタクシー近代化センター等によっていわゆる人間教育等も兼ねてその方面の資質の向上をはかる、あるいは企業等に対して積極的に運輸省が企業の体質改善を指導する、こういういろいろな問題がありますけれども、根本はやはりタクシー運転手に魅力がないということじゃないか、こういうところに私は大きな原因があると思います。その魅力ある職業とするためにはどうすればいいかということをわれわれは考えていかなければなりません。同時にまた、個人タクシーを認可する場合におきましても、従来、普通タクシーの経験を相当期間要するというような考え方で選考してまいりましたが、私は必ずしもタクシー運転経験というだけでなくとも、あるいは一般の自動車経験がある年数に達すれば、別なことばで言えば、まあたいした仕事もなくておるような人も運転免許証を持っている者もあります、あるいは自家用車の人もある、あるいは普通の会社に使われておる人もある。こういう面等はもう少し資格を広げまして、そうしてタクシー運転手を、いまの仲間の中から行ったり来たりしているのじゃなくて、新しい事態からやっぱり広く求人層を広げる。同時にまた、できれば政府自身もそういうタクシー運転手の養成について、本年度は間に合いませんが、そういうことを考えなければならぬ時期に入ってきたのじゃないか、かようにも考えるわけであります。
○岡三郎君 ずいぶんと長い答弁あったのですが、要点は魅力がないことになってきたということに尽きると思うのです。いま教習所へ行っていろいろ運転手の免訴証を取っている。自動車学校自体にしてもだんだん免許取得が上がっていますね。やっぱり計画養成ということが一つあるとするならば、その将来の身分の問題、収入の問題等の関連ですから、だから、幾ら働いてみたって年配になれば働けなくなっちゃう、だから、そこへ個人タクシーが出てきていると思うのですが、入学試験と同じように試験をするとかあるいは推薦とか内申書にするとか、いろいろな問題があるけれども、労務管理の点からいって陸運局がむずかしいことを言わぬで、この問題については、これはいろんな問題がありますけれども、ある一定の年数になったらば営業所で推薦したものの何%まではこれは個人タクシーの運転手にする、何とかこの方向というものを打ち出す。とにかく運転手になる人は若いときは働けるけれども、年配になるとむずかしい。そうするといまの個人タクシーの免許は、違反が何とかかんとかいっていますが、これは事業所のいわゆる経営しているものから見れば、優良運転手か不良運転手かある程度わかるわけです。そういう優良運転手はいつでも門戸を開いていくというふうな形の将来の展望というものも持たしてやるとか、そういうふうな施策がひとつそこに伴わなければならぬと思うのですが、いろんなことを言ってみても、いまの状況では、いまのメーター料金を値上げしても物価のほうがどんどん先いっちゃいますから、当座はそれで何とかなるけれども、半年か一年たてば魅力が私はまたなくなってしまうと思う。だから、そういうふうな点でいろいろな施策があるにしても、いまの交通事故なんか見てみても、タクシーの運転手から聞いてみるというと、まじめな者ほど事故で苦労しておりますね。少々ぶつけられても働かなければならぬと思う。ところが、不良の人はむち打ち症になっていなくたって、むち打ち症になってどこかに入っちゃって金をもらっておる者もあるそうですよ。ところが、そうでない者は、少々からだにこたえてもやらなければならぬというふうな運転手個々の中においても問題がある。だから、私がそういうことを言ってもきりがないのですが、何とか優良運転手を確保するために、やはり運転手さんの待遇を改善するということと、将来に対して、運転するという仕事をやっていきながら、安定した、将来ある程度収入の見込みを持たしてやる。それは画一的な指導じゃなくてある程度、これは問題点がいろいろとありますよ、営業所だけにそういうことを持たせるということは。しかし少なくとも業界自体が率先してそういう優良運転手を求め、そうしてそういう人たちに将来の門戸を開くというような角度の中で、問題を処理していくためには、先ほど大臣が言ったように、ある程度事業体を一定規模において相当の待遇なりあるいは厚生施設なり、そういうものが完備していくという方向でなければ、これは私はならぬと思うのです。そういう面では、画一的にはいかぬとしても、ある程度の規模というものは、五十台なのか百台なのかといういろいろな面がありますけれども、こういうようになってくると、相当規模にある程度これは業界を再編成して、そうしてその中において事業所というものが責任を持って運転手を雇い、そうして政府の監督のもとに業界自体が国民に対して責任を持つというふうな形の基盤というものをどういうふうにつくるか、これを一方でやって、片一方においては積極的に個人タクシーというものをやはり開いていく。私は何といってもいまの事態の中で、個人タクシーのうまくない点は、個々に収入があがれば自由にうちに帰ってしまう、つまり公共の足という観念に立って見ると、かなり最近は情勢が違ってきておるとしても、やはり個人タクシーの相当の台数がふえてきたならば、早朝なり夜間に、そういうふうな個人タクシーの業界の中においても、全体の市民の足としての機能を発揮するというふうな、そういうふうな態勢というものを個人タクシーに私はつくらなければいかぬと思うのです。いずれにしても、いまの段階としては、一般の会社の優良運転手はずいぶんおることは認めます。しかし、全体的にいって、やはり個人タクシーのほうが乗っていて安心だということが市民にあるということは否定できないと思う。この両面をやはりある程度うまく運用して、そうして運転手自体をどういうふうにして確保するかという点について、ひとつ十分御検討願いたいと思う。
 これはもうわれわれが聞いてみても、支度料とかなんとかいって悪い運転手がぐるぐる回っている。これについてはもうどうともしがたい。だからもっと端的にいえば、個人タクシーではないけれども、一般の会社の中でもある程度運転手の少ないところにおいては、やはり一人一車制ということも真剣に考えてやっておるところもあるようですが、考えてみたらどうかと思う。いまのところは一車について二・幾人ですか。局長何人だっけね、いまの。
○政府委員(黒住忠行君) 二・四人です。
○岡三郎君 だからそういうことじゃなくて、不良運転手をずっと整理したら、ある会社においては一人一軍制で、自分の車についてはこの運転手が責任を持つ、しかし病気や何かがありますから、一人一人じゃだめだろうけれども、そういうふうな面についてもどこもかしこも二・四人を確保しなければいかぬといったって、臨時雇いとか、そういうふうなまた旅ものみたいな運転手が来てやっておるよりもよほどいいのじゃないかと思うのですけれども、局長どうですか。
○政府委員(黒住忠行君) 良質運転手が不足であるということも現実の姿でございまして、したがいまして、時と場所におきます需給のアンバランスを来たしておる。東京におきましては六四、五%という実車率を示しておるということは、車が足りないわけであります。車が足りないのは、運転手が不足しておる。その不足しておる運転手を確保するためには、先生がおっしゃいますように、魅力ある職場を提供しなければならぬということであります。今回計画いたしております近代化センターにおきましては、運転手を登録すると同時に、福利施設等を提供いたしまして明るい職場としたい。そうしてまた中小企業、いま御指摘のような中小企業が大多数でございますので、運転手の養成等につきましても不十分でございます。したがいまして、近代化センターでは、年間、たとえば、東京におきましては二千人を新規に養成をしたい。それから会社に新しく採用されました場合におきましては、研修ということをやらなきゃならぬことになっておりますので、中小企業の場合におきましてはこのセンターにおいても研修を行なうようにしたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから個人タクシーの件につきましては、良質個人タクシーを養成したいということで免許いたしておりますが、現在、東京におきましては約九千人は個人タクシーとなっております。ここ二、三カ月のうちには一万人になる。現在、個人タクシーの免許率は、申請に対しまして約八割でございまして、形式的にまずい点がない限りにおきましてはおおむね免許しておることになっております。それから免許いたしておりますものの六五%は、これはまあ月によって違いますけれども六五%程度はタクシー運転手でございます。業者のほうは、自分のほうで養成した者が個人のタクシーになるというふうなことを言っておりますけれども、われわれといたしましては、長年事業に携わったタクシーの運転手としてハンドルを持った者を優遇したいということと、それからまた先ほど大臣のお話がありましたように、タクシー運転手ではなくして一般の運転者としてハンドルをとっている人をタクシーのほうに来てもらうというふうなことで、最近におきましてもそれの審査の方法等につきまして改善をいたしたような次第ございます。要するに、タクシーの改善につきましては、われわれの取り締まりというふうなことだけでは改善できないわけでございまして、根本的には運転手を確保するということでございますので、われわれの行政の方向につきましてもそのように考えておりますし、今回の近代化センターの考えもその一端でございます。
○鈴木強君 まあ、これはそうここで、三十分や一時間話してもいい結論が出ることはないと思います。だから、すぐタクシー近代化センターが出てきますが、そのことも私はぜひ伺いたいと思っているんだが、この乗車拒否をするということは、結局いまのような歩合制でできるだけ水揚げをしなければお返りがこないということだろうと思うのです。人が足りない、教育問題、いろいろあると思うのです。だからして、事業者がほんとうに従業員を大事にする、そうして将来の生活の安定、社会保障についても、病気になった場合でもその会社が大事にその人をしていくという、その労働条件ですね、そういうものを出してやって、もうすぐそこまで百円で行っても快く行けて、生活、生計が立っていけるようなやっぱり待遇、労働条件というものを整備することが、私は何だかんだ言ったってそこだと思う。結局は乗車拒否はそこなんですから。ですから、そういう点について、まず事業経営者というものが頭の切りかえをしていただかなければだめなんです。私はきょうは、なぜ料金を値上げしなければならなかったか、たとえば、一つの社会にどれだけ運輸省が立ち入りをして経営を調査しているのか、そういう権限があるかどうか、この問題も含めて、ただ収支決算が出てきてこれだけの赤字でございます、だから、足りなければ社会は立っていきませんと、そんなことじゃないと思う。だから、もっと内容について私は掘り下げて一時間か一時間半これは詰めて伺いたいんですよ。料金値上げをする際の会社経営をどういうふうにつかんでいくか。そうしないと国民は納得しない。その中で一体利益はどうなっておって、その利益の配分は会社を大きくするために幾ら、生産をあげた労働者に幾ら還元するか、そうして全体としてペイするかペイしないか、そういうところまで徹底的に掘り下げて会社経営の内容についても追及しなければこれはいかぬと思う。そこまで残念ながら運輸省に行政的な権限があるとは私は思わぬ。だから、そこは一つの話し合いになるかもしれないが、しかし、こういうところまでやはりきびしく追及ができるようなことを前提にして料金値上げを考え、この問題をとらえていかないといかぬと思うんです。
 与えられた時間が非常に少ないので、質問者があと二人おるようですからあとに譲らなければならぬと思うんですが、あと十分ぐらいの間で私は質問を終わらしてもらいますが、ですから、大臣としてもぜひ個人タクシーをふやすというようなことも含めて、こういうところまでひとつタクシー行政というものについては思いをいたしていただいて、もっともっと抜本改正というものの対策を立ててほしいと思うんです。
 それで、タクシー近代化センターの問題にすべてことばがいってしまうんですが、このタクシー近代化センターについても私はあまりにも取っかかりが慎重さを欠いているような気がするんです。おっつけ法案が出てくるようでございますけれども、なぜ昨年十二月二十五日に陸運局長が認可をした財団法人東京タクシー近代化センターというものをつくらなければならなかったのか、その法律の関係で私はちょっと問題を持っているんです。しかも、二カ月以上たっておるんですけれども、最初からもたもたしてしまって、たいした活動もできないような状態にあると思うんです。私は定款やその他役員、収支メモも、多少資料をいただいて見ましたけれども、ほんとうにこの役員諸君が一体になって近代化センターを中心にして、運輸省が考えているような方途に向かってみんながやろうという気持ちにあるかといったら、残念ながらそうでないと私は判断せざるを得ないんです。したがって、まあいろいろ門がまえはしてみたけれども、実際に開店できない状態にある。それどころか、いろいろといや気がさしておるような人たちが出てきているようなこともうかがい知るわけです。理事の選任にしましても、やめる人が出てきたり、理事がきまらない、ということは一体どうなのか。それからこの計画についても、目標はなかなかいいですよ。ここに五つ並べておりまして、それぞれ近代化センターがねらっておるところの目標はいいんですけれども、しかし目標だけあったところで人と金がなければうまくいかない。その資金の調達についても、まだまだ二千万円ぐらいの基金でうまくいっていないようです。これは予算のほうでもいずれ私は伺いますけれどもが、財政投融資は切られてしまったということですから、なかなか皆さんが、法律を出してその法律にこれを切りかえて、少し法律効果を持たしてやろうというような、そういう点についても問題があるように私は思います。それから各運営資金について業者から、法人は一台三万円とか、個人は六千円とか、ハイヤーは一台九千六百円とか、こういうものを出さして、これを今度は義務的なものにしようというので法律改正もするようですね。現在陸運局長かなんかがそういうふうなものをきめて通達を出してやろうとしているんですが、これはなかなか集まらないでしょう。私はこういうことを実際、陸運局長が通達をもって業者に一これは半強制的にやらせるのかどうか知りませんが、そうではないと思うんですが、そういうことをすること自体もちょっと私は疑義がある。だからもっと、そういうことでなくて、国がやるわけですから、こんな強制的な、半強制的なようなことでなくして、もっとすなおに業界との話し合いでやらなければならぬことですから、もし業界の方が本気でやる気になれば、これはほんとうに自分たちのためにもなるし、のためにもなるということになったら金を出してくれると思う。そんな一人一台何ぼ出せと言わなくても出してくれると思う。そういうふうな金の集め方をしなければ、上から通達をもって、あなたのところは一台何ぼ出してくれということを言ってみたって、そんなものはかえって反発を感ずるだけであって、いい効果はおさめないと思う。だからして、そういうふうな点を思うときに、この近代化センターというのは私は前途多難、たいへんむずかしいことだと思います。しかしきょうは会長もお見えになっていただけませんでしたから、私はこの問題に対してはこういうふうに見ておりますから、いずれその法案の提案の際にはよく意見も申し上げてみたいと思いますが、ですからぜひ乗車拒否の問題について抜本的なひとつ対策を立ててほしい。こういうことを強く要望しておきます。
 それから、きょう警察庁のほうにもちょっと来ていただいておりますから、二、三、お尋ねをしておきますが、私は安全対策の関係できょう問題を取り上げておったわけです。一つは、警察庁にお尋ねしますけれども、交通反則金の問題ですね。これは現在未成年者には適用されておらないわけですけれども、いま現在、未成年者の交通事故というものは一年間どのくらいあるのでございましょうか。そして、今度新しくこういう方々の交通違反に対しては反則金制度というものを適用したらいいだろう、こういう意見もあるようです。しかし、これはまあ少年法との関係で非常にに問題があるところだと思いますが、現在警察庁のほうで、この問題についてどんな判断を持っておられかる。ちょっと相当高度な話ですから、課長さんでも、もし何でしたら別な機会でもいいですが、もしお答えができたらひとつお答えをしてもらいたい。
 もう一つ、街路における交通事故の問題ですけれども、自動車が非常にふえてまいりまして、われわれが非常に迷惑するのは無断駐車ですね。路上にこれが数限りなくあるわけですよ。したがって、こういうものをもう少し警察では取り締まってもらえないだろうかという気がします。人数も少ないですからたいへんでしょうけれども、まああれは火災のあった場合、消防自動車が入れないようなところがある、救急車が入れないようなところがあるのです。ですから、実際、運輸省に聞きますけれども、免許するときには車庫証明がないと認可しないわけでしょう。その車庫証明というのはどこにある車庫証明を持ってきてやってるのか知りませんけれども、私のところに他のナンバーのものが来てゆうゆうととまっているわけです。したがって、車庫証明は架空なもののような気もするのです、失礼かもしれませんけれども。だから、届け出するとき、認可するときに、実際その車庫に行って見ているのですか。そんなところまでやっていただいているのかどうか。そういう点もこの際ひとつ伺っておきたいのです。
 それからそこの赤坂離宮に行きますと、昔はパーキングメーターを置いてやっておったでしょう。最近はこれがなくなりました。交通が渋滞するからできなくなった。しかしまあパーキングできるような地帯をよく見つけるものですね。そこの赤坂離宮に行きますと、離宮のところなんかずっと並べてある。ああいうところなんかは、とめる人も何かうしろめたいような気持ちでとめていると思うのですね。むしろ思い切ってパーキングメーターを置いて堂々とやったらどうかと思うのです。それには管理の面で多少問題があるのかもしれませんんが、そういうような点もお考えになってひとつやっていただけないものだろうかということが一つですね。
 それから警視庁のほうは、四月に学童が入学になりますけれども、何かこの学童を守るという意味において、特別なこの対策というものを立てておられるかどうかですね。
 あと、建設省のほうでたくさん聞きたいのですけれどもきょうは省略しまして、日本の場合は、道路に歩道がないですね。この歩道をもう少しおつけになったらどうかと思うのです。現在全国に歩道をつけなければならないところはどのくらいあるものでしょうか。それから、現在どのくらいつけてあって、あと残ったところはどういうふうにしていくのか、その計画を示してもらいたい。
 それから歩道橋も同じです。どういうところにどういう程度に歩道橋を置かなければならぬか。見てみると、この歩道をつけたり、ガードレールをつけると、九九%まで現在の事故が減るということが、総理府陸上交通安全調査室においての調査研究の結果出ているのですね。ですから、これほど必要なものを、なぜつけてくれないのか、こういうようなことです。しかも、この予算等についても、何かいままでは国が補助しておったもを補助をしなくなっちゃって地方自治体にやらせるということになっているのですが、こういうことも私は非常に逆行する計画だと思うのですけれども、そういう点も含めてお答えをいただいて、あときょうは山田副総裁以下だいぶ来ていただきまして、私は再建計画の内容についていろいろただしかったのです。しかし、これは経済社会発展計画等いま進行中ですから、一体何を根拠にこういうものを立てようとするのか、その辺の根拠については多少、進行中ですからいずれ予算委員会でやることにいたします。
 ただ問題は、赤字線を廃止したり、あるいはローカル線の駅の無人化とか、あいは貨物駅で貨物の取り扱いを廃止しようというような、そういうものがすでに具体的に出ております。そしてこれは皆さんのほうから各県の知事とか町村のほうにまで話が伝わっております。そのために私の山梨県なんかでも大問題になっておりまして、十何日には知事以下が来て大臣以下に全部陳情することになっておりますが、たとえば中央線でも八つ、小海線で二つ、身延線で七つ、それから貨物の取り扱い廃止駅でも中央線が四つですね、それから小海線が三つ、それから身延線が五つ、このほかに静岡鉄道管理局管内のものが抜けておりますけれども、現に廃止するという動きが出ておる。これは根本からただしていきませんと、この結論だけ申し上げてもちょっと論理の飛躍になってしまって、ここで何とも言えないのですけれども、ただこういう現象がすでに出ておりまして、そのためにわれわれは相当の突き上げを受けておるわけでありますが、こういうものについてはもう少し国鉄経営全体の中から、こうすべきだということにして、まあしているのでしょうけれども、われわれ非常に迷惑を受けていることですから、そういう根拠とか計画とかそういうものも伺いたかったのですけれども、ちょっと時間がない。これを取り上げて私がけしからぬということを言うのには少し前段の論理がないものですからそれをやりませんが、きょうやるつもりである程度持ってきたのですけれども、それができませんから、そういう現象が起きておりますので、これらの陳情問題については、まだ、コンクリートしたものであるのかどうなのか、多少の幅はあるのかどうなのかそういう点だけひとつ承っておきたい。
 これで終わります。
○説明員(竹岡勝美君) 警察庁から、御質問ございました四点についてお答えしたいと思います。
 第一点の未成年の運転者の問題でございます。昨年一年間で未成年の運転者が交通事故を起こしましたのが約十万件でございます。これは全体の事故のうち大体一五%を占めております。しかし一方、未成年の運転者は昨年末で約百九十四万人おります。これは全体の二千四百七十八万人の運転者のち約八%を占めている。だから運転者の八%を占めている未成年が交通事故におきましては一五%を占めているということで、成人に比べてやはり事故率が高うございます。そういう意味で、また一方、未成年の運転者が年間六十万件交通違反を起こしましてわれわれに検挙されている。そういうことから年間六十万の少年が交通違反を起こしまして、とても量が多くて家庭裁判所でも十分にできない、とうてい量的にできない。そういう面から、少年の軽微の違反につきましては反則金適用ということで、反則金を取るということで反省を求めるという反則適用を、今回この国会に道交法改正の一つのポイントとして現在案を出すことにしております。これは少年の軽微な違反はおとな同様に反則金を取る、前歴のある悪質の者はこれは本則のほうでするということで、反則適用の線で道交法を適用する。
 第二点の駐車違反でございますが、この駐車違反は現在でも大体一日に東京で約十万台ぐらい駐車違反をしているのではないかということもいわれております。年間、毎年警察のほうも駐車違反には力を入れておりまして、去年も七十五万件ぐらい駐車違反を検挙しております。この駐車違反をもっと警察がやらなければいかぬのではないかというような目に余るような姿が見えております。この一つの悩みは、駐車違反には、たとえば荷物の積みおろし――車というものは走ると同時にとまって用をしなければ用をなさないということですから、法律では五分の荷物の積みおろしは認めておるということで、われわれは駐車違反もできない。それを検挙いたします場合は、一定時間、荷物の積みおろしかどうか、はからなければならぬという手間のかかることがございますので、そういう点で現在の外勤警察官に片手間と申しますか、やらせておるので十分能率があがないということがございます。それで四十五年度予算に、これに専従いたします交通巡視員というものを一応二千五百人、大蔵省のほうでは一応容認さしておりますが、これを新たに増強いたしまして、子供の交通事故の防止とあわせまして、この交通巡視員を大都市におきます駐車違反に専従させるということで成果をあげたいと思っております。と同時に、駐車違反で警察がやりましてもなかなか成果があがらないもう一つの理由は、紙のステッカーを張りましても出てこない、出てこないで逃げてしまうという問題がございます。これは現在、紙のステッカーというものを関西方面でやらせておりますが、そういう面で徹底的にやる。この面で、交通巡視員で違反者をのがさないということで一応取り締まりを強化してまいりたいと思います。ただ、われわれが考えますのは、先ほど申しましたように、われわれが駐車禁止規制を警察でかけました場合は、これは五分間の荷物の積みおろしが認められているけれども、それ以外は絶対認めない。一方、駐再禁止規制がかけてない場合は一日置いてはよいことになります。この中間段階がないわけなんです。せめて三十分くらいは置かしていいじゃないか、それ以上は置かさないというような物理的に車の短時間の駐車時間が何とかならないならば、それをカバーしようと思えばパーキングメーター方式しかないんじゃないかと思います。ある程度、路上に三十分置かす、そのかわり金を取るという方法が今後考えられる都市の駐車問題では一つのあるべき姿じゃないか、かように考えます。あるいは一方では、車の構造装置を考えていただきまして、三十分たてばバッテリーが上がってだめだというような、物理的に長時間駐車できないような自動車構造を考えていただくことも一つの方法でございますが、パーキングメーターにつきましては、われわれのほうの道路交通法改正案に取り組むべく案をつくったのでございますけれども、建設省の都市計画との問題もございます。パーキングメーターの問題もございますので、建設省のほうに至急この面を検討していただきたい。場合によれば、パーキングメーターの問題について、次の道交法改正に何らかの措置をとりたいと思っております。
 それから三番目の問題といたしましての車庫証明、実は証明は警察署長がやっておるのでございます。この車庫証明がときどきざる法だといわれておりますが、車庫証明の問題点は、一つはいわゆる大体人口十万以上の保管場所適用地域がございますが、その適用地域外で、私は保管場所を持っておるのだ、だから要らないという架空の保管場所をつくって逃げる手が一つございます。それからもう一つは保管場所をきめましても契約が一カ月間くらいの契約であとは知らない、あとのチェック法はございませんので、この二つの面で保管場所の証明が逃げられておるのでございます。これにつきましては、やはり自動車の保管場所の確保等に関する法律というものをもう少し考え直す必要があるのじゃないか。適用地域をあるいは全国的に広めてみるかあるいは保管場所をがっちりきめるか、こういう問題を抜本的に改正していきたいと思います。年間大体警察でも約三万件の違反を検挙しております。先般も兵庫県下では、ディーラーがほとんどこの車庫証明を持ってくるわけでありすが、ディーラーが結託いたしまして架空の保管場所をつくっておるということで二十件検挙したことがございます。そういう取り締まり件数がございますが、保管場所そのものに若干問題がございますので、これの改正をする必要があるということで検討しております。
 最後の、学童の関係でございますけれども、これは毎年新入学児童が入ります四月は、警察では全国的に新入学児童の交通安全運動を行なっております。ことしは特に春の交通安全運動を四月の十五日間、新入学児童が入りますときを選びまして全国交通安全運動をやります。警察自体は、子供の通学路約一万五千カ所を交通要路にして交通監視に当たることとしておりますけれども、特にことしは春の交通安全運動として展開したい、このように考えております。
 以上でございます。
○説明員(三宅正夫君) ただいま警察のほうからのお答えに関連いたしまして、道路の上にパーキングメーターをつけて有料駐車場にしたらどうか、この問題を検討したらどうか、こういう御質問でございます。結局、路上にパーキングメーターをつけまして有料駐車場にして、路上駐車場と申しておりますけれども、路上駐車場は、これは駐車場法によりまして駐車場整備地区というものをきめまして、その中に設置することになっておりますが、昭和三十八年当時、これは全国で約七千台分設置いたしました。しかし、その後道路の混雑あるいは路外駐車場がだんだん整備されてきたこと、あるいは路上駐車場のパーキングメーターの管理上にいろいろ問題がございまして、漸次減少いたしまして、現在ではその数が約千七百台分に減少しております。このような状態に対しまして、何か制度上のいろいろな問題もあるのではないかということでございまして、駐車場の整備の今後の方策につきまして、これは路上駐車場、路外駐車場含めまして、昨年十二月に建設大臣の諮問機関でございます都市計画中央審議会に諮問しており、根本的にその検討をお願いしておるわけでございます。大体ことしの六月ごろその答申が出る予定になっておりますが、その答申を待ちまして、駐車規制との関連を十分考慮した上で制度上の改正等所要の措置を講じてまいりたい、さように考えております。
○説明員(井上孝君) 歩道につきましてお答えをいたします。
 御承知のように、交通安全施設整備につきましては緊急措置法がございまして、三カ年計画を立てて整備を進めております。ただいまの三カ年計画は四十四年から四十六年でございます。おっしゃいますように、歩道の設置に最重点を置きまして、ほとんどの費用を歩道設置にかけるという計画でございます。三カ年で大体歩道を五千キロ、横断歩道橋を千二百カ所の計画でございます。
○説明員(山田明吉君) 国鉄再建計画の合理化に関する点において国鉄からお答えいたします。
 現在、国鉄で作業いたしておりますいわゆる合理化の計画は、昨年の通常国会で成立いたしました日本国有鉄道財政再建促進特別措置法、これに基づきまして、それが基礎になって行なっておる措置の一つでございまして、すでにもう御承知のようにこの法律に基づきまして、昨年の秋に、政府から国鉄再建の基本方針というものが示されたのですが、それに基づきまして国鉄が基本計画というものを策定いたしまして、これはことしに入りましての時点でございますが、運輸大臣の承認を受けて、そうしてこれから十年間かかって国鉄を再建していこうという運びになったわけでございますが、その中の一つとして、いわゆる私ども営業新体制と申しております、たとえば明治時代からの四キロ平均の駅の貨物扱いを集約していこう、あるいは駅の近代化によりまして、駅を停留所化していこうというような内容を持っておるものでございまして、これをやりますには何よりも利用者であります地元の国民の皆さん方の御了解がなければできません。それでその御了解を得る案を各鉄道管理局ごとに実情に合うような案をつくらせまして、そうしてそれをまずわれわれの原案として地元に示して、そして御了解を得る段階にいま入ったところでございます。先ほどの御質問にお答えになるかどうかわかりませんが、現状は以上でございます。
○鈴木強君 せっかくの副総裁の御答弁ですけれども、私はもう少し基準とか、よってきた由来を伺わなきゃいけないと思っているんですけれども、問題は、そうすると、一つの案をつくったわけですね。そして、地元の了解を得てということは、地元の了解をなくともやるということの了解なんですか。地元のほうでね、たとえば、私のほうの下部なんというのは、日本的に有名ということですな、信玄で。いまの風林火山の武田信玄の隠れ場のあるところの国民温泉、そこの貨物扱いを廃止するというのは、どこを押したら出てくるのかということが言えるわけですね。たとえば小海線の大泉とか清里というところは、いま高原野菜、キャベツですね、これを大量に生産しようとしておるところなんですよ。そういう地域の実情というものを十分考えて、納得できるような案と思えないですね、これは。何かもう少し地に着いた、実情に合った、これならやむを得ないというわれわれが見て案になっていないわけです。だからして、これはまだコンクリートされたものじゃないでしょう。こういう案を示して地元の反対を見て、反応によっては幾らか変えていくという弾力性はあるわけなんですか。
○説明員(山田明吉君) いま御指摘の具体的な駅でございますが、そういう地元にお話しするにも、私どもの案がございませんと、ただ合理化、合理化、御協力くださいじゃ話が進みませんので、それで一応いきさつを先ほど省略をいたしましたけれども、運輸省でも昨年、運輸大臣の諮問機関で国鉄財政再建会議というものをおつくりになりまして、そこでいろいろの議論をされたわけでございます。その議論の過程で、私ども自身としてとるべきものをとりまして、そうして地元に示す合理化の案をつくらしたわけでございます。それで、その時点でいろいろ議論いたしておりましたその後の状況の変化、あるいは私どもがいままで知らない地元のこれからの立地計画、そういうものが確かにあるだろうと思います。そういうものは、こちらでお示しした案について地元の御意見を十分伺って、いま先生が御指摘になりましたように、非常に非常識な点だったらこれはもちろん改めます。一応話をするたたき台と申しますか、私どもがこの程度やりたいという案をお示ししなければ話が進展いたしませんので、その意味で話し合いを進めたという段階でございます。
○鈴木強君 わかりました。これで終わります。ありがとうございました。
○三木忠雄君 それでは時間もだいぶたちましたので、私も大臣にきょうは基本的な問題だけを伺い、具体的な問題については次の委員会にいろいろ具体的に伺っていきたいと思うんです。
 最初に、自動車行政の問題について、特にタクシーの問題について伺いたいと思います。
 特に今回運賃値上げを認めた条件については、各新聞紙上等で拝見しておりますけれども、運賃値上げに踏み切った条件ですね、何を根拠にして、何を基本にして運賃の認可をしたか、この点について大臣から答弁願いたいと思います。
○国務大臣(橋本登美三郎君) タクシー免許の料金改定は満六カ年間据え置かれておったわけでございます。最近、御承知のように、一つには運転手の待遇改善の必要がある。これは同種類の職業に比べましても待遇は必ずしもよくない。第二は、企業体自体の体質も長期間にわたって料金改定が行なわれませんために悪化してきておる、そういうような事情がまず第一の事情であります。しかし問題は、物価等から考えて種々慎重なる態度をとりましたが、この程度のものであるなれば国民生活に大きな影響は与えないであろう、しかも社会的な調和の点から考えても必要と認めて、このような決定をいたしたわけであります。
○三木忠雄君 値上げを認めたわけでありますけれども、今後の改善策ですね。認可した以上は、この点、この点は具体的に実行すべき、こういうような点が大臣からもいろいろ通達なりあるいは行政指導が行なわれたのではないか。あるいは近代化センターの建設等のお話も聞いておるわけでありますけれども、具体的なその問題はどういうふうに展開をされていくようになっているんですか。
○国務大臣橋(橋本登美三郎君) 具体的なこまかい点は自動車局長から答えることにいたします。
 私は、ただいま申しましたように、やはり最近におけるタクシーの不評判の問題もあります。したがって、その一つは待遇の改善をする必要があるということで、料金の中の相当部分は運転手の待遇改善に充てるようにということを自動車局長からそれぞれ非公式にこれが指示を与えてまいっております。かつまた、この機会にいわゆる運転手の教育訓練あるいは養成等、タクシー近代化センター等によってこれを実行していきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
 内容等につきまして具体的な説明は自動車局長からお答えいたさせます。
○政府委員(黒住忠行君) 運賃の改定の場合におきましては、先ほども申し上げましたように、最近におきます人件費の高騰したがいまして、運転手の待遇改善という面を相当大きく重視しております。したがいまして、今回東京の場合におきましては、運賃改定の認可の事前におきまして労働組合と経営者のほうが確認書を交換いたしまして、運賃改定後においては待遇改善をやる、具体的にはこれらの点について改善をはかるというふうになっておりまして、それらの指導を行なっております。それからタクシー近代化センターに対する拠出をいたしまして業界の体質改善をはかる。それからサービスの改善という点につきましては、協会が中心になりまして街頭において運転手の指導その他の面を具体的に案を提出させました。役所といたしましては、なおかつ悪質な乗車拒否等ある場合におきましては、厳重な行政処分をするということを申し渡しております。さらに無線の増強等につきましても、これからやらすというふうな検討も指示していたしております。
 要するに運賃を改定した場合におきましては、当然これを労賃の改善にも充てなければならぬ、それから乗車拒否というものをなくさなければならぬというふうな姿勢を認識させまして、これからさらに厳重に監督指導をしていきたいと思っております。
○三木忠雄君 いまの問題二、三聞いておきたいんですけれども、今後の近代化センターの審議にあたって確認の意味を兼ねて聞いておきたいんですけれども、一つは、料金値上げの中で近代化センターに業界からあるいは個人タクシーから拠出金を出す、こういう問題については法人あるいは個人タクシーの各社、各人から契約書やあるいはまた誓約書等を取りかわした上での拠出制になっているかどうか、この点についてはどうですか。
○政府委員(黒住忠行君) 運賃改定の前におきまして、それらに拠出するということは労使の確認書にも書いております。それから運賃改定の場合におきまして、認可の条件といたしまして一定のものを拠出さすというふうに相なっております。で、現在一応案といたしましては法人一台について三万円、個人もこのセンターを利用することになっておりますが、しかしながら登録その他の関係なり、若干法人の運転手の場合とは利用の形態が違います。それらにつきまして勘案いたしまして、一応年間六千円ということで、これはセンター側とあるいは経営者側とも話し合いが進んでおります。申すまでもなく、センターには経営者側も労働組合の側も、そしてまた個人タクシーも、理事その他の役員に入ります。それから、将来諮問委員会等につきましても、それらの人たちとそれからさらに第三者の学識経験者が入って、みんなで運営してもらうということでございまして、金の点等は十分話し合いのもとに出していただくというふうになっております。
○三木忠雄君 話し合いの上において出すのですか。それとももう誓約書を出して、これを認めますというその条件で、タクシーの料金の値上げを了承したと、私はこのように聞いているのですけれども、この点はどうですか。
○政府委員(黒住忠行君) これは認可に際しての条件でございます。しかしながら、その実施につきましては、さらに円滑を期するために事前に十分話し合いをしまして、金額その他も詰めていった次第でございます。
○三木忠雄君 こまかなことは、私あと具体的な問題は次の近代化センターのときにいろいろまた聞きたいと思っておりますけれども、実際この問題については、話し合いじゃなしに、誓約書等を出して、協力しますという形をとったのですか。それとも今後話し合いを進めてやっていくのかどうか、この点をはっきりしてもらいたい。
○政府委員(黒住忠行君) それは労使の確認書につきましても、それらの点は触れております。さらに運賃の認可にあたりましては、その金を出すことを条件につけております。しかし、私が申し上げますのは、内容の実態としては円滑を期するために十分の話し合いを進めてきたというわけでございます。
○三木忠雄君 内容の円滑を期するため、――けっこうな話なのですけれども、実際に契約書はかわされてないのですね、そうすると、こういうことについては。
○政府委員(黒住忠行君) これは条件としてきまれば関係の事業者が拠出するわけでございます。そういうような関係につきましての詳細な点は、法律でもっていま案を検討中でございます。
○三木忠雄君 それでは次に、まあ運賃値上げをして運転手の待遇改善をはかると、これはけっこうな話なのです。そうしてもらいたいと私たちも思うのです。ところが、最初から値上げを認める条件でいろいろ許可したわけでありますけれども、ところが、運転手の待遇改善に必ず結びつけると、こういう保証は各会社との間にはこれはとられているでしょうか。その点はどうでしょうか。
○政府委員(黒住忠行君) 本件につきましては、非常に異例のことでございますけれども、事前に労働組合の団体とそれから協会、――東京の協会とが、協会長とが話し合いをしまして、さらに確認書を交換をして、運賃改定の場合においては待遇改善をすると、こういう点について待遇改善をするということの確認書が交換をされております。で、われわれといたしましても、それらを参考にいたしまして認可の仕事を進めた次第でございます。
○三木忠雄君 まあ老婆心ながら、おかしな話かもしれませんけれども、昨晩タクシーに乗ったのです。そうすると、運転手は待遇改善なんか一つもないよと、こういう口ぶりなのです。これは今後の問題として私は参考に申し上げておきますが、実際にタクシー料金は値上げになって、運転手の待遇改善になるのだという話は聞いているけれども、現実には一、二のタクシーに乗ってみたところでは、そうじゃないという声が、あるいは運転手にまで話が徹底していないのかどうかわかりませんけれども、やはりこれは今後の問題として体質改善、あるいは待遇改善のためと、こういう名目のもとに行なわれた以上は、やはり運転手のベースアップ、こういう点もしっかり行政監督をしていただきたい、これは要望であります。
 次に、乗車拒否回数の非常に以前から多かった会社が今回認可をされている、こういうふうに非常に不平、不満があるという話を私たちは伺っているわけでありますけれども、過去の乗車拒否回数の悪質であった、こういうふうな会社が、案外労働基準局の監査を受けずに認可されている、こういうふうな話なんですが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(黒住忠行君) 乗車拒否に対しましては、そのつど処分をやってきた次第でございます。今回の運賃改定につきまして、特に重点を置きましたのは、賃金の改定という面でございまして、したがいまして、閣僚協議会で今回の大都市の運賃改定の方針がきまったわけでございますが、その際におきまして、東京、大阪については認可の前に就業規則であるとか賃金規定であるとかいうふうな労働条件に関する労働基準法の関係の書類が、これは提出するときは、御承知のように、労働組合と合議のもとにきまるわけでございますが、それらが提出されたということを確認の後に認可するということが第一点でございます。
 さらに、東京、大阪につきましては、その提出されたものが実際にそのとおり行なわれているかどうかということを、監査によりまして労働監督署で確認をするということによって、さらに実施の期日も指定するというふうなやり方をしたわけでございまして、そういう面におきましては、特に労働条件の点について専門的に労働省にこの監査をしていただいたわけでございまして、それを中心にいたしまして認可あるいは指定をいたしたわけでございます。
 それから乗車拒否の点につきましては、従来相当処分を重ねてきておりましたが、まあこれの絶滅ということにつきましては、いまこれらのいろいろな方策と並行いたしまして今後絶滅を期していかねばならないということでございます。したがいまして、今回の認可、指定という場合におきましては、特に労働条件の改善ということを中心に処理した次第でございます。
○三木忠雄君 まあ労働省帰ってしまったので、労働省のほうから聞けませんけれども、運輸省のほうに労働省から、監査をしたいろいろな要点があると思うのですが、これは届いていますか。もしありましたら――なければ次の機会に労働省に伺いますけれども、全部の会社、事業所を監査したのではないと思うのです。抽出調査をしたのか、あるいはどういう点をねらってこの監査をし、監査をしなかった会社はどういう理由でやらなかったか、そういう観点が、労働省でははっきりしているのではないかと思うのですけれども、もしわかっていれば教えていただきたいと思います。
○政府委員(黒住忠行君) たとえば、東京におきましては、全部で五百五十事業所がございます。会社の数は三百五十でございますが、事業所といたしましては五百五十ございます。これにつきましては、労働省のほうで毎年監査をいたしておりまして、その中では良好な事業所とふだんから成績がよくない事業所とございます。そのあまり成績がよくない事業所と、それから後におきましていろいろ申告等がございまして、それらを加えたもの百八十三事業所、これは会社におきまして百五十七社でございますが、これについて労働省のほうで今回監査をしたわけでございまして、そのほかのものは従来の監査の結果からおおむね良好であるというふうに判定をされたようでございます。百八十三事業所を監査いたしました結果六十八事業所につきましては問題があるということで指摘されたわけでございます。したがいまして、この六十八事業所につきまして運賃改定の実施の期日の指定を保留をいたした次第でございます。
○三木忠雄君 念のために聞いておきたいのですけれども、この百五十七カ所監査するということについては、運輸省からの要請ですか、それとも労働省がふだんからの状況によってこの百五十七を労働省の意向で調査をしたのか、この点について。
○政府委員(黒住忠行君) 今回の労働条件の確認の措置につきましては、関係閣僚協議会で方針がきまった次第でございます。で、労働関係を労働省のほうで行なうということに相なっておりまして、それの監査の事業所の選択その他につきましてはすべて労働省のほうで行なわれた次第でございまして、運輸省のほうとしましては、労働の専門官署の報告によりまして処理をいたした次第でございます。
○三木忠雄君 大臣に伺いたいのですが、タクシーはこのように国民の間に大きな関心の的になっているわけでありますけれども、今後の計画ですね、タクシーの増車の問題について、いま法人タクシーのほうでは運転手が一台に対して二・四人がそろってないと、こういう話も聞くわけでありますが、法人タクシーの増車あるいは個人タクシーの増車、こういう問題については、今後の方針として運輸大臣はどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 個人タクシーの増車につきましては、相当数申請が出ております。これに対して急速に書類及び本人等の調査を済まして、できるだけ多くこれは許可する方針で、事務能力をあげてやっておるわけでありまして、この五月までには大体二千をこえるぐらいの処理はできると思います。ただまあ、個人タクシーを希望する者は大部分が法人タクシーの運転手が多いのであります。したがって、法人タクシーの諸君から言えば、どうも右から左に置きかえただけであって、実質上のいわゆる運転手の増量にはならない、というような意見を言うておる人もあります。あるいはそうであろうと思います。そういう意味におきまして、なるべくこの選考範囲を広げる、いわゆる自家用車の運転手であっても、あるいはそういうようなことが、経験はあるがそのような職業についたことはなくても、適正な者であればもう少し選考の範囲を広げてもいいんじゃないか、あるいは年齢等も、従来五十歳前後にしておりますが、これを六十歳前後ぐらい、十年ぐらいは健康な人であればこれを使うことができるであろうからして、その年齢の範囲も少し広げてはどうであろうかということで、その範囲の基準の広げ方をもあわせて、そうしてできるだけ個人タクシーの認可を進めていきたい。法人タクシーの場合になりますというと、先ほど申しましたように、なかなか人を得られない。したがって、今後法人タクシーからのいわゆる増車の希望があった場合は、十分にその事業体の内容を監査して、はたしてこの会社がそれだけの増車を認めるに足るかどうか、こういうところを十分に調査した上でなければこれは増車を認めない、一律に、申請があったから一割ずつふやしてやるとかいうような従来のような形式的なやり方は、これはやってはいけない、実質的に調査をした上で、そうし実質的に増車のできるものにこれを許す、こういう方針をとっていきたい。
 それから、先ほどいろいろ話がありました近代化センターに対する出資の問題ですが、これは一つには、私もいろいろ関係方面を調べてみますというと、法人会社にしましても、相当の金額を運転手養成にかけておるわけですね。しかしながら、それでは優良会社といいますか、大企業はある程度自分ではやれます。けれども、中小企業のタクシー業者になりますというと、そういうようないわゆる費用が――訓練の自家養成というものはなかなか困難である。こういうところも一つの原因でありまして、これを広く全般の業者の一体的な事業としてやるためには、政府がある程度肩を入れた法人組織によるところの近代化センター等で自動車運転手の養成もやっていこう、あるいはまた教育問題、あるいはできれば宿舎の問題等を考えていこう。こういうことからして、いわゆる十分に話し合いの上で、強制的じゃなく、十分に話し合いの上でもって、一台幾らという金額を定めて、近代化センターを通じてタクシーの近代化をはかろうと、こういうところに意図があったと理解いたします。以上、つけ加えて申し上げます。
○三木忠雄君 まあこれは私個人の意見なんですが、あまりこういうふうに乗車拒否が多くなってきますと、法人タクシーは運転手が足りないし、個人タクシーを法人タクシーぐらいまで持ち上げてくると――数ですね、いま三分の二と三分の一ぐらいの比率じゃないかと、大まかに言ってですね。これを半々ぐらいまで持っていって、増車分を個人タクシーで埋めるとか、こういうふうな考え方を持ってもいいんじゃないかと、こういうふうに私は考えるわけです。あるいはもう一歩進んで、タクシーの自由化ですね、もうタクシーは自由にやってよろしいと。まあ、これは極端な話かもしれませんけれども、それぐらい踏み切るまでの、まあ将来の計画としてですが、あまりこういうことがひどければ、あるいは銀座から六本木まで千円、二千円出さなきゃ動かないと、こういうふうな体質ではいつまでたってもこれは私は解決されないんではないかと思うんです。こういう問題について大臣は将来どうお考えになるか。あるいはタクシーの営業に対する運輸省の免許行政、これはやはり根本的に立て直すべきではないか、こういうふうに考えわけですが、この点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(橋本登美三郎君) タクシーというものは戦前は許可がなかったわけでありますからして、そういうことは私も考えたことがないことでもないのでありますけれども、ただ、最近いわゆる交通事故というものが激発してきております。しかも、その交通事故による損害賠償というものはたいへん多額になってきておる。今回、東京、大阪、特に大阪等でいわゆる外人を乗せて、万が一のことがあると会社がつぶれてしまうということで、いろいろな動きがございましたので、大蔵省当局とも話し合いまして、いわゆる臨時保険制度を考える、こういうことも考えておりますのでありまするが、そのような意味でもって保険金額がだんだんと高くなっていく。はたして個人の場合に、そういうような自賠保険で、五百万限度になりましたけれども、裁判訴訟によってはそれが千万となり、千五百万円となる場合もあり得るわけです。そういう賠償能力があるのかどうか。再保険制度をとるなり、あるいは協業組織をとるなりといういろいろ方法を考えれば、いわゆる個人タクシーをある程度ふやすことについては問題がないと思いますけれども、そのような一つの条件がありますので、いま三木さんがおっしゃるように、もう許可制等はなくしてもいいのじゃないかということまでには踏み切れないという事情もあるわけであります。
 それから認可制度について、いろいろ実際上非常に時間が長くかかるとか、あるいはその手続が非常に繁文褥礼である、一つの書類をつくるにしても三万とか五万とかかかるという苦情もあります。これはできるだけ簡便にすることが望ましい。特に許可だけでなく登録問題にいたしましても、登録というのは国の行為でありますからして、国の行為を避けるわけにはまいりませんが、しかしながら船のごときいわゆる検査にいたしましても、これを第三者に委任することができる、自動車の場合においても第三者に委任している量は相当に多いわけでありますが、私はこの登録問題も、少し検討してみなくちゃわかりませんけれども、いまのような手段で、自動車を買ってこれを登録するために非常な時間を要する、何日もかかるということではたいへん不便です。そういう意味で、これらをこまかく分析した上で、どれとどれとは民間に委託できるか、最小限度いわゆる国なり地方団体がやるべきものはどの点か、こういうこともこれから十分検討させた上で簡素化をはかりたい、かように考えております。
○三木忠雄君 私は次の委員会で自動車行政のことをお聞したいと思うのですが、資料要求を、お手数でしょうがお願いしたいと思うのです。
 第一点は、労働基準局が監査した事業所と、監査をしなかった事業所名を一覧にしていただきたいと思うのです。
 それから、二つ目には、三月一日に値上げをした事業所としなかった事業所の一覧ですね。
 三番目には、現在の法人会社のタクシーの保有車両数と運転手数ですね、これはチェックされたという話ですけれども、この資料をいただきたい。
 四番目には、乗車拒否で検挙されたタクシー会社の上位、いいほうではないんですけれどもそういう会社を、一年間で千七百九件あるそうですが、上から二位ぐらいでけっこうですから、今後の審議の参考にしたいと思いますので、お手数ですが、この点お願いいたしたいと思います。
 それでは、航空のほうで二、三伺いたいと思います。まあ航空行政については、運輸大臣の基本方針の中にも述べられておりますけれども、いよいよ「国際化の一そうの進展に伴い」、あるいはまた、「国際航空の役割りは、一そう重要の度を加える」と、こういうふうに運輸大臣も述べられているとおり、今後の国際化時代に即応する航空行政のこういうビジョンについて、大臣は具体的にどういうふうな手をお持ちであるかどうか、これについて伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 最近の飛行機による旅客輸送の量というものは、御承知のようにたいへんな量にのぼっております。おそらく昭和六十年代の予測といたしましては、航空の旅客数は、国内では四十三年度の約十四倍、十五倍に近いものに増大するのではないか、こういうふうに見ております。また、国際線では、大体十九倍から二十倍ということが予測されておるわけであります。こういう意味において、まあ一つは、一機における乗客数の数が非常に多くなる、あしたジャンボが初めて入るわけでありますが、それにしても一機でもって三百五十名、これは積んでくる。ここ二、三年後には大体五百名ないし五百五十名くらいを一機でもって運ぶということになりますというと、ほとんど同時に一飛行場に三機あるいは四機というものが着いてくることは二、三年のうちにそういう事態が生まれてくるわけであります。また、国内輸送にいたしましても、いわゆる従来の百人前後の旅客を運ぶんじゃなくて、やはりこのエアバス式のものが利用されることになるであろう、こういう点から見ますと、従来の航空政策といいますか、飛行場の配置あるいは設備等、これは従来の考え方ではとても間に合わない。しかしながら、そういいましても、一挙にそこまで伸びることはできないのでありますからして、したがって、本年度は、御承知のように特別会計制度を設置しまして、そうした時代に即応し得るような、まず体制を固めていく。そこで、運輸政策懇談会といいますか、この場において、将来の十五年、いまからいえば十五年になります、昭和六十年のビジョンといいますか、将来これらの発展を前提とした飛行場群のあり方はどうあるべきか、国内航空のあり方はどうあるべきか、あるいは国際飛行場というものはどの程度必要であろうかと、こういうことを、まず一つ見通しとして持つ必要があろう。その上に立って、初めていわゆる国際飛行場を、東京、大阪を中心にして、そのほかもありましょうけれども、何カ所を必要とするか、あるいは国内ローカル飛行場にいたしましても、そのようなジャンボ、エアバスが着くような飛行場はどことどこが考えられるか。その他のローカル飛行場にいたしましても、従来のような小さなものじゃありませんからして、そこらにいたしましても、滑走路は、従来考えておる千五百ないし二千メートルでいいかどうか。こういう問題も、大きくやはり検討を加えた上で、そうして抜本的な新し政策を立てる時期に入ってきておる。できれば本年度中なりにも、その政策の大体の策定をいたしたい、かように考えておるわけであります。
○三木忠雄君 基本方針にもあるとおり、対外航空交渉について、若干伺いたいと思うのですけれども、「対外航空交渉を通じてわが国国際航空路線網の整備をはかる」、こういうふうに大臣は言われておるわけでありますけれども、航空交渉に対する運輸大臣の姿勢といいますかね、問題について、また伺いたい。あるいはまた、本年予想される数々の航空交渉があると思うのです。その航究交渉の具体的な、行なわれる国との問題について、まあ幾ぶんは外交的な問題がありまして、公表できない分もあるかと思いますけれども、まあ、構想の一端を大臣にお聞かせ願いたいと思うのです。
○国務大臣(橋本登美三郎君) こまかい点は、航空局長から具体的な例はお答えしてもらいますが、いわゆる航空協定の原則は、ギブアンドテークでなければならぬわけです。こちらのほうに線をとりたいという場合は、わがほうも向こうの線をとるというのが原則でありますが、ただ、国によっては、こちらからちょうだいするようなところがない国があるわけでありますね。しかし、向こうさんからいえば、どうしても日本というものは、世界航空網の重要な拠点ですから、したがって、どうしても入りたい。しかし、わがほうからはどうも航空協定でそこに着陸することは好ましくない、経済的に見て、というところが出てくるわけであります。そういう点になりますというと、まだ他の条件があります。たとえば、貿易上の諸情勢によって、なるほど航空協定の上からいえば、テークすることはないけれども、他の貿易関係から見れば、テークすることがあるからして、あるいはやむを得なく、その交渉に応じ、協定を結ぶという場合もあり得るわけであります。そういうような事情がありますので、一がいにこちらが利益がなければ、航空上利益がなければ応じないという態度もとれない。かような意味で、ただ、しかしながら、日本の飛行場は御承知のように十分の面積を持っているわけではありませんので、相当の条件の制限があるわけでありまするが、しかし、原則として、日本は平和と自由を愛する国でありますからして、どの国とも仲よくしていくという線に沿うて、日本の飛行場のキャンパシティのある限りにおいては、できるだけ円満なる協定を続けていきたい。最近、二、三の問題ありますからして、この問題については航空局長から答弁させます。
○政府委員(手塚良成君) 協定の交渉の問題といたしまして、私どもですでに約束をして、今年、どうしてもやらなければならぬというのが、昨年続きました日米の交渉の延長線ということで、パシフィックケースにつながりましたアメリカと日本との間の路線の不平等性を是正する交渉。昨年の成果は、御承知のとおり、まあ大圏コースとサイパンコースのグアムをとりましたけれども、私どもの最も希望しておりますシカゴというものが、なお認められないという状態で、これをめぐって交渉をしたい。相手方のアメリカといたしましては、御承知のチャーター便というものの、日本のチャーター便をめぐっての交渉をしたい、こういうことで日米というのを考えております。
 さらには、今度三月二十八日、間もなくでございますが、シベリア路線自主運航ということを、日ソ間で双方でやるようになりました。昨年の二月にこの基本をきめましたときに、同時に、やはり続いて自主運航直後でハバロフスク路線問題を協議しよう、こういう約束がございました。この約束に基づいた日ソの交渉を、おそらくはこの四月、自主運航開始後の月くらいで始めなければならぬだろうというふうに考えております。
 そのほか、新聞紙上でもごらんのとおり、このシベリア路線の自主運航開始に伴いまして、従来北方経由のポーラーフライトをやっおりました各国が、やはりシベリア路線への切りかえを希望いたしまして、いわゆる協定上の協議条項というものを前提に、私どもへいろいろ協定開始の折衝をしているものがございます。日取りは固定はいたしておりませんが、そういった国として考えられますものに、ドイツやスイスやイタリア、こういうものが考えられております。
 さらに、アフリカから、東アフリカのケニヤ、ウガンダ、タンザニア、この三国で東アフリカ航空というものを持っておりますが、この東アフリカが日本と航空協定を新たに結びたい、こういうような申し入れもまいっております。
 このほか、突発的に、いま申し上げました協定条項を発動いたしまして、日本へ交渉を申し入れてくるものがあるかと思いますが、ただいま想定されますものは、以上のようなものでございます。
○三木忠雄君 ひとつ具体的な問題として、ことしの一月末にあったのですか、北欧三国との航空交渉ですね、この経過とその結論をお聞かせ願いたい。
○政府委員(手塚良成君) 北欧三国、航空会社ではSASでございますが、これとはただいまおっしゃいました本年一月、東京で交渉を行ないました。この交渉は過去四回やっておりまして、今回行ないましたのは五回目でございます。北欧三国が日本に求めましたもの、そして結果として認めることになりましたのは、要するにコペンハーゲンからシベリア経由東京までの路線ということでございます。その路線の必要性から、日本ヘコンサルテーションを申し込んできたというので始まった交渉でございます。交渉の結果といたしましては、日本としては、このモスクワ経由北欧三国内の地点、それからコペンハーゲンから以遠の路線、こういうものを日本は獲得する。北欧三国には、モスクワを経由してくる場合には東京までという、東京ストップという新路線を与える。ただ、これの開始の時期につきましては、北欧三国は来年、昭和四十六年三月二十八日、または、日本航空がモスクワ経由でコペンハーゲンの運航を開始する日のいずれか早い日ということで、要するに、日本といたしましては、シベリア開発の創業的利益といいますか、そういったものを一年は享受をしたいということから、向こうの切なる希望がございましたけれども、一年先に認めてやる、こういうことにいたしました。そのほか、向こうに対しましはて、いわゆる運輸権の制限というようなことをやりましう、モスクワから新しいお客を積み取るというようなことは認めないというような、運輸権の制限などを条件的にいろいろ付しております。当面、これは開始されることになれば、双方で週二便という便数を開始することになると思いますが、この二便を開始する場合には、現在北回りをやっております便数をその部分だけ削減する、こういうようなことで実施が行なわれことになるかと思います。
○三木忠雄君 この問題、これは今後の交渉のいろいろな問題点の例にもなるんじゃないかと思うのですけれども、聞くところによると、運輸省の意見と外務省の意見がずいぶん食い違っている。ついには、国際会議等の関係もあって、外務省の意見に押し切られてしまったというふうに伝えられておるわけです。こういうところのいきさつはどうなんですか。あるいは航空交渉でまた一つの条件に押しまくられて航空業界に不利な条件を結んでしまう、こういうようなことになっては、航空交渉の姿勢としては非常に運輸省側としては弱いんじゃないかと思うのですけれども、その点どうでしょう。
○政府委員(手塚良成君) この空の航空権益は、先ほど大臣からも御説明がありましたとおり、非常に日本の国益としては重要なものだと考えております。特に、東京あるいは大阪というポイントは、年々その価値が航空界におきましては向上してまいりまして、これを対象にする航空協定のギブ・アンド・テークでは非常に高いギブの内容になってきております。私どもはそういうことを意識しながら協定交渉に臨んでおるわけでございます。このSASとの交渉におきましては、いろいろ過去四回やりました複雑な経緯がございまして、協定の、四回やりましたこの四回の内容は、すべて法律問題といいますか、過去に結びました航空協定の内容の法律的な解釈論が非常にウエートの高いものになったのでございます。
 簡単に申し上げますと、要するにスカンジナビアから東京へ来る。その間に、当時、北方から回ってまいります場合にはアラスカの地点を通って日本へ入ってくる、こういうことになっておりましたが、この路線上の地点は「いずれかの又はすべての飛行に当って、当該指定航空企業の選択により省略することができる。」こういうことに協定上きめられておりました。この「省略することができる」という意味をめぐって非常に問題が多かった。つまり、これを省略すればシベリアを経由してでもまっすぐ来れるじゃないか、アンカレッジに必ずしもとまらなくてもよろしいのだ、こういう意味合いのことが議論になりました。私どもとしましては、この協定を結んだ当時、シベリア経由の自主運航というものは必ずしもできるという前提ではなかった。したがって、こういうふうな条文は直ちにモスクワを経由しても来れるのだという意味にはならないということを強く主張しておったわけですが、いろいろその他経緯がございまして、日本としましても、先ほど申し上げました交渉内容でございますと、将来長期的に見ました場合の日欧の航空路線として、やはりポイント的には非常にコペンハーゲンというものの価値はあるというふうに判断をし、そうしてその価値と東京とのバランス上、先ほど申し上げました運輸権の制限その他の問題でバランスをとるということにして、この際こういうのを結ぶということにしたわけでございます。必ずしも、おっしゃる外務省等に押されて、こういうふうになったということではございません。
○三木忠雄君 これは、ある新聞にこういうふうに書いてあります。「北欧はフィンランドとアイスランドを加えれば、国連では五票を持つ大事なお客さま、日本がこの際譲歩してもいいのではないか」こういうふうな外務省の見解が新聞に報道されています。私はこれは深く論及はしませんけれども、こういうふうな問題について、日本の運輸省と外務省と意見がばらばらだというのはみっともない話じゃないかと思います。あるいは今後の路線獲得、航空交渉等についても、やはり航空交渉ともなれば対外国との問題になるのですから、やはりわれわれ運輸委員会でも、こういう問題はある程度論議されていいのじゃないかという感じを受けるわけです。この問題については、今後のこういう航空交渉についてはこういう点で臨みたい、こういう運輸大臣から参考にでも意見を聞きたい、こういうふうに思うのですが、どうでしょう。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 三木さんの御意見、ごもっともであります。ただ、私個人の考え方からいいますと、とにかく日本という国は軍事力で立つ国じゃありませんからして、したがって、経済大国として、あるいは平和大国として立っためには、国際的な人的交流というものはできるだけ多く望むことが好ましいと思うんですね。その場合に、もちろんこれは日本の飛行場のキャパシティの問題もありますけれども、そういうことを一応別に考えるならば、原則としては、多くの国から飛行機が来て、人間を積んできて、日本において金を使ってもらう、また日本を知ってもらうということは決して悪いことじゃないのです。ただ、先ほども航空局長が説明しましたように、この前の協定の際の条文の解釈という点から、これはある程度お互いの間に、四回あるいは五回という折衝を重ねなければならなかった。これは一種の技術的な考え方で、われわれ政治家とすれば、もっと違った立場からこういうものを理解していってよろしいのではないか。ただ、日本とアメリカの場合は、御承知のように日本からもアメリカのほうに非常にたくさんの人が行く、アメリカからも日本にたくさんの人が来ます。これは非常にゴールデン・ラインといってもいい。日本−米国の航空路というのはそういう意味できわめて重要である。のみならず、日本もまたアメリカにできるだけ航空路を持たなければならない、持ちたい。向こうさんから見ると、やはり先に発展した国でありますから、日本に相当の既得権を持っているという点で、日本が、たとえばシカゴ乗り入れ等の問題で困難をきわめますので、非常にハンディキャップがある。これはある意味では不公平といえば不公平でありますが、これは結局は、十分にわれわれ全力を尽くして直していかなければならない。そういう意味において、運輸委員会の皆さんの十分なるお力もかりて、こうした利害問題については御意見等をよく聞きながら進めていきたい、かように考えております。
○三木忠雄君 具体的に、国際航空路線の整備、こう言われているわけでありますけれども、本年中、具体的に何か航空路の確保といいますか、こういう問題はありますか。
○政府委員(手塚良成君) 協定の相手方が先ほど申し上げましたようなことでございますので、いまのところシカゴということにつきまして全力をあげたいという計画を持っておりまして、あと、新しい路線を敷くか敷かないかということにつきましては、まだ必ずしも明白なものは持っておりません。
○三木忠雄君 時間もあまりないので、要点だけちょっと申し上げたいと思いますけれども、航空の再編成の問題ですね、先日も広島へ視察に行ったときに、東亜航空の問題をちょっと現地で意見を聞いたわけでありますけれども、全日空と東亜航空の合併の問題ですね、この経緯、あるいは今後の見通しについてお伺いいたしたいと思います。
 それからもう一つは、航空の再編成に伴って、全日空は東南アジア方面に不定期の航路を開設したいと、こういうような申請が出ているとかなんとか話を聞いたんですけれども、こういう問題について、今後運輸省としてどういうふうな対処をしていくか、この点を伺いたいと思います。
○政府委員(手塚良成君) まず、国内の、航空企業の集約の問題でございますが、そもそもの発想は、御承知のとおり航空企業というのは安全性を最優先させなければならない。そのためには航空企業の経営基盤が強化されておらなければならない。そして、企業が適正な運営、そういった意味における安全性の確保ということが十分に行なわれるという必要からこういった問題が出たわけでございます。御承知の昭和四十一年の大事故の連続におきましても、やはりそういった議論が非常に強い。経営基盤が弱いために、充実すべき要員の訓練、あるいは整備の人間の充実、そういったようなことができない。こういうようなことで、十一月二十日には閣議了解のもとに、航空企業の経営基盤の強化というような問題が閣議了解をいたされまして、それによりますと、ローカル線運営企業の関連企業への統合を促進する、こういう趣旨のことがうたわれたわけでございます。
 この趣旨に沿いまして、全日空といたしましては、すでに過去、中日本航空の定期部門というものを継承いたしました。それから、長崎航空というのが九州にございましたが、この定期部門を継承いたしまして、こういった集約化の方向を実現してきたわけでございます。また、日本国内航空におきましても、昭和四十六年の九月を目標に日本航空に合併をする、こういう約束がはっきりできておる。こういう姿でございまして、残りましたのが東亜航空と全日空の合併問題であったわけでございます。この合併につきまして、前大臣のとき以来非常に熱心に進められて、両者の間において熱心に進められたわけでございますが、最後のところ、合併比率の問題で膠着状態に一応相なったわけでございます。両者におきましては、合併をするという基本線はきわめて明白に表示をされております。東亜航空におきましては、過去においてはそういう文書も大臣のもとに提出されておるというような状態で、基本的にはやはりいま御説明申し上げてきましたような線から、そういった趣旨に賛成をいたしております。残りますのは、いま申し上げた具体的な合併比率という問題に相なっているわけでございます。
 私ども長期の航空の展望をいたしますときに先ほど大臣も申し上げましたように、やはり輸送の需要はますます著しく向上してくると思います。それをさばいていきますのには、やはり機材の大型化ということを当然行なわなければならないと思います。そういうためには、やはり非常な多額の資金を必要といたします。そしてまた、そういった飛行機あるいは今後の航空保安施設等は高度の技術革新が行なわれます関係上、これらの安全性の確保という問題につきましては、ますますその練度なり資金なりというものが十分でなければならないと考えるわけでございます。そういった意味で、やはり企業規模というのは相当大きなもので、経営基盤の強化されたものでなければならぬというふうに基本的には考える次第でございます。こういうような過程と現状、そうして先の見通しというようなことから、やはりこの集約化という問題については、従来の方針に従った方向でできるだけ合理的に進めていきたい、かように考えている次第でございます。
○三木忠雄君 全日空の東南アジア、どうですか。
○政府委員(手塚良成君) 全日空の東南アジアの問題につきまして、これは現在の段階におきましては、御承知の国内の輸送力という面におきまして、現状は非常に不十分であるように思います。万博対策ということで輸送力の増強をはかりますけれども、まだなお当分の間この輸送力は十分ではない。パイロットの面等を含めましても、なかなかこれをロードファクターによって理想的な六五ないし六〇というところまで持ってくるのにはたいへんだと思うのです。全日空はそもそもは国内を主にした使命を持っている航空会社と考えますので、まずやはりこういった国内で必要とするところの輸送力の増強を行なうという必要があるかと思います。
 ただ、国際的に考えます場合に、最近の国内競争の激烈な状態の中におきまして、ノンIATA、IATAでないメンバーによるところの国際輸送というものが、非常に特殊な意味を持ってくるということが、相当長期な展望におきまして考えられるわけでございます。日本航空は御承知のIATAメンバーでございます。したがって、このノンIATAのメンバーの果たします役目というものを十分考えますときに、全日空が近距離国際線の問題をいろいろ云々します内容が、ある意味では意味を持ってくるようにも思えるわけでございます。そういう関係で、本来の国内の輸送の大使命を果たす、そうして将来のノンIATAとしての活躍の要素を加味いたしまして、その両者のうまい両立が考えられます場合には、国際線についての検討を十分した上で、考えていきたい、かように考えております。
○三木忠雄君 答弁は簡単でけっこうでありますけれども、万博の海外からの受け入れ計画あるいは十分にもう消化できるのかどうか。特に空港の、あるいは大阪、あるいは羽田で十分にこの万博対策はできているのかどうか、この点について。
○政府委員(手塚良成君) 万博の受け入れにおきます空港の羽田の現状は、御承知のとおりで、非常に混雑をいたしております。滑走路も一本という現状でございますので、現状の離発着回数は一応現状においてすでに限界に近い状態であると考えます。したがいまして、この羽田におきましてはそこへ持ってジャンボというようなものも入ってくるというようなことなどもございまして、羽田においては、必ずしも円滑だとは言えないと思います。しかしこの万博で、従来のスケジュールよりも、チャーター便というので五百便くらいふえてくるかと予想しておりますが、こういったものを受け入れるについては、現状でやる以外にないわけでございますので、いろんな方法を総合いたしまして、この受け入れに万遺憾なきを期したい。たとえば、管制による誘導の方式などにつきましても、新しいレーダー方式をとる。すでに昨年末から実施をいたしておりますけれども、小型機などは、便宜近くの別な飛行場で離発着をしてもらう。あるいは、昨年もずいぶん問題になりました米軍のMACチャーター機などは、極力横田の飛行場等を使ってもらう。なおかつ、それでも問題があるかとも思いますので、先般来、米軍使用の厚木の飛行場等について、こういった一部のものの受け入れ方を現在要請をしておる。かようなことを総合いたしまして、この万博時の羽田の状態は、まずいけるのではなかろうかというふうに考えております。
 大阪のほうにつきましては、昨年の十二月に、従本一本でございました滑走路に、三千メーター滑走路を完成して二本になりました。二本になりました点で、これの輸送能力の限界というものが大幅に上がりまして、十四万五千回くらいの輸送能力増強になりましたので、新しくできましたターミナルビルと、その他エプロンそのほかの施設の完備と相まちまして、まず大阪サイドについては、問題なかろう、かように考えております。
 羽田、大阪両空港におきまして、万博については、まずまずというふうに考えております。
○三木忠雄君 厚木はこれは使わなくてもだいじょうぶですか。厚木を使うという話を聞いておるのですけれども、これは運輸省の計画がおくれたために、実際に厚木の飛行場の決定がおくれている、こう聞いているわけですけれどもね。
○政府委員(手塚良成君) 先ほどちょっと触れたつもりでおりましたが、やはり小型機あるいは国内線の一部あるいはチャーター機の一部あるいは飛行機の夜間停留、こういったものについて、羽田では不十分という面も考えられますので、厚木もできるだけ使いたい。こういうことで、非公式ではございますが、米軍と現在折衝中で、近く結論をみるかと考えております。
○三木忠雄君 これ以上深く言いたくないわけですけれども、厚木の飛行場を使う場合にしても、入国管理とか検疫とかあるいは税関、これが問題で、現在の羽田でも実際にうまくいかないのじゃないか、あるいはまた、各省間の連絡等についても、相当不十分な点が出てくるのではないか、こういうふうに考えられるわけですけれどもね。あるいはまた、将来の問題として、厚木飛行場を羽田の第二空港くらいに考えて、返還してもらうように運動したらどうか、こういうようにも考えるわけですが、大臣どうですか。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 今度臨時に厚木飛行場を使いたいというのは、まあ公に言っていいかどうかわかりませんが、ひとつの伏線として交渉を進めていく。一つ一つ実績を積み重ねたうえで、そうして、できれば早い機会に返還してもらいたいというような考え方も持っておるわけであります。また、いまお話しのように、税関等の設備その他から考えまして、国際飛行場として使うことはどうであろうかという問題がありますけれども、国内飛行場にいたしましても、これを使うことになればそれだけ羽田のキャパシティに余裕が出てくるわけでありますから、十分にこれは念頭に置いて進めてまいりたい。かように考えております。
○三木忠雄君 それでは最後に。
 ことしの予算で――来年度の予算ですか、二つの安全装置、約四十二億円ぐらいかかる。一つは、羽田空港の航空管制の自動化の問題、二番目には、安全装置の長距離レーダー。こういう問題が来年度の予算で認められなかった、削られているらしいですね。先進国の、すでに外国の国際空港では、こういうことは五年も前からすでに実施されているそうなんです。混雑する羽田の空の交通整理が、何か人間の手によってやられておる、そういう話をよく聞くわけでありますけれどもね、専門的なことはわかりませんけれども。こういうふうな安全装置については、やはり人命尊重という立場からも、こういうことこそ、まっ先に予算をつけるべきではないか。こういう問題が削られて、もし一機でも不幸なことがあったらこれはどうするか。四十二億円じゃかえられないじゃないか、こういうふうに私は思うのであります。特に、こういう空港なんかの航空行政等の問題については、案外地元とのつながりがない。こういうような関係からかしれませんけれども、非常になおざりにされている点が私は多いのじゃないかと思うのです。大蔵省のほうで金を出し渋っている点もずいぶんあると思いますけれども、人命尊重という、こういう問題については私は積極的に運動していかなければならぬ問題じゃないかと思うのですけれども、大臣この見通しはどうですかね。
○国務大臣(橋本登美三郎君) おっしゃるとおり、ことにこのスピード化の時代でありますから、できるだけ完全なる機械を備えて、そうして能率ある運航をすることが当然必要なことであります。予算獲得が十分できなかったことはまことに残念でありますが、しかし、予算獲得はできませんでしたが、羽田飛行場の整備については他の方法によってこれを解決する道がついておりますので、一応はこの問題は解決ができるという事務当局の見解もありまして、本年度の要求はがまんをせざるを得なかったわけであります。
 その内容については、航空局長から御説明申し上げます。
○政府委員(手塚良成君) 非常にありがたい御鞭撻を得まして、私ども、力の足りないのも反省いたすわけでございますが、いま大臣の申されましたように、管制の自動化につきましては、四十二年からその設置のための調査を継続している。初めての機会でございますので相当入念な調査期間が必要でございまして、ようやくまあ三年で、四十五年度からこれを実施をしたいというふうに考えておりましたが、予算のいろいろな経緯でだめになりましたが、そのかわりといたしまして、管制官の定員を十名増員を得たわけでございます。それで管制官の自分の手でやるか、それをある程度機械化するかという問題で、まず一年間は人力でこれをカバーする。だんだん離発着機数が通過機数を含めて多くなってまいりますので、四十六年以降これはぜひひとつ自動化を実施したい、かように考えております。
○三木忠雄君 もう一点だけ、航空行政じゃありませんけれども大臣がせっかくお見えになっておるので見解だけ伺っておきたいのですけれども、鉄道建設公団で新線建設をどんどん進めていくと。国鉄のほうでは、赤字を廃止しようと。こういう問題で、現在計画されているところがとまったりあるいはいいかげんなおざりにされて、運輸行政が一貫していないじゃないかと、こういうような批判を各所で受けているわけですね。こういう問題について、今後、鉄道建設公団は新線を建設すると、国鉄は赤字線を廃止しようと、こういうような問題に対する運輸大臣の見解はいかがでしょうか。
 この点だけお聞きして私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 赤字線廃止の問題は国鉄等においていろいろ議論はなされておるようであります。伝えられるところによりますというと、二千七百キロとかいうような相当の数が一応諮問委員会では検討の話題になり、しかし、運輸省当局のほうではその具体的な数字をわれわれは承知をいたしておりません。ただ、国鉄の考えるその方針については必ずしも私は賛成しない。ということは、もちろん長い間の期間でありますから、そういう支線等、あるいは何といいましょうか、行き詰まり線といいますか、一種の支線ですね、そういう問題は時代の変遷とともに、必ずしも鉄道でなくとも、かえって道路のほうが経済的にも有効であるという場合もあり得るだろうと思うのです。しかし、いま言われておるような線全体がはたしてそうであるかどうかということになりますというと、必ずしも、赤字であるからこれを廃さなければならないということにはならない。
 皆さんも御承知でありましょうが、ことに鈴木さんはその方面の専門家でありますが、御承知のとおり電電公社はかなり健全財政をもってやっております。しかし、その収入の大部分というものは東京、大阪等の大都市の収入であります。ほとんど全国のいわゆるローカル電話というものはすべて赤字であります。これもしかし、国家行政として国家が国土を総合的に開発するためには、プール計算としてそれを補っていくということを、やはりこれは国営事業といいますか、一種の国営事業でありますから、国鉄の場合においても当然それは考えなければならぬ。ただ、将来ともにこれが地域開発に役に立たない、道路にしたほうがもっと便利なんだというところまで、無理に、鉄道を敷いたからといって残さなくてもよろしい。したがって、一つ一つを十分に検討した上でこの問題は解決していく。かつまた、鉄建公団がこれから新線建設する場合においては、そういう点については十分検討を加える。そうして、いやしくも国民の血税でもあり、かつまた、国鉄等がこれからの負債にならぬような形において新線建設は考えていかなければならないのと同時に、原則としては新幹線網とは少し事情が違いますからして、必ずしも私は競合するとは考えませんけれども、新幹線網の問題も出てまいりますれば、新幹線の問題も一応これは考えつつ考えていかなければならぬ線もあるであろう。しかし、大部分は、これは原則的に一般鉄道でありますからして、あまり直接の影響はないのではないか。しかしながら、いずれにせよ慎重に、かつまた国土の総合開発、こういう観点から国営企業としての目的を達成していきたい、かように考えております。
○委員長(温水三郎君) 本件については、本日はこの程度にとどめて、散会いたします。
   午後五時二十一分散会
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