第063回国会 運輸委員会 第5号
昭和四十五年三月十二日(木曜日)
   午後一時三十一分開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         温水 三郎君
    理 事
                岡本  悟君
                金丸 冨夫君
                谷口 慶吉君
                藤田  進君
    委 員
                佐田 一郎君
                重政 庸徳君
                平島 敏夫君
                前田佳都男君
                岡  三郎君
                瀬谷 英行君
                三木 忠雄君
                山田  勇君
   国務大臣
       運 輸 大 臣 橋本登美三郎君
   政府委員
       運輸省船舶局長  佐藤美津雄君
       運輸省航空局長  手塚 良成君
       海上保安庁長官  河毛 一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       運輸大臣官房審
       議官       内村 信行君
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  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査
 (運輸行政の基本方針に関する件)
○港則法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
 き、海運局の支局の設置に関し承認を求めるの
 件(内閣提出)
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○委員長(温水三郎君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 前回に引き続き、運輸行政の基本方針に関する件について質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○瀬谷英行君 大臣がお見えになりましたので、先般の大臣の所信表明に対する若干の質問をさせていただきたいと存じます。
 きょう、鉄道建設審議会の全国新幹線網計画というのが新聞に出ておりましたし、先ごろの大臣の所信表明の中にも、全国的な幹線交通網の建設ということを述べておられます。この幹線交通網の問題でありますが、鉄道建設審議会できめた案によれば、総額十一兆三千億ということだそうであります。問題はこの財源のことなんですけれども、全国を新幹線で結ぶというアイデアについては決して反対する理由はございません。それはそれでけっこうだと思うのでありますけれども、問題はその裏づけになる財源です。十一兆といえばこれはたいへんな金額だと思うのでありますけれども、現在の国鉄の財政は、財政再建計画というものを立てて非常にやりくりをしているわけです、言うなれば。そのやりくりをしている国鉄が経営をすることになっている新幹線に対して国鉄に出資をさせるということになれば、在来線というものはほとんどほったらかしになるという心配をしなければ在りません。新幹線はできるけれども、在来線の超満員の通勤列車はなおざりにされるといったような現象を心配をせざるを得ないのでありますけれども、その点について一体政府として、そういったふつり合いな事態を招かないでなお新幹線網を建設するんだという腹案がおありになってのことなのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本登美三郎君) いま瀬谷委員からの御質問でありますが、御承知のように、昨日の鉄道建設審議会において、全国新幹線鉄道網の建設促進についての決議がなされた。この審議会は、御承知のように運輸大臣の諮問機関でありますので、私のところまでその決議が答申をされたわけであります。いまお話がありましたように、具体的な内容はまだ決議の内容としては決定はいたしておりませんが、別表で、御承知のような路線が列記されております。その上から見ますと、約九千キロ、十一兆何千億円というような金額に算定がされるわけでありますけれども、この新幹線網というものを何年間で完成するかということにつきましては、この決議も具体的には示してはおりません。世間でいわれるように、昭和六十年までにというようなことになりますと、これはたいへんな仕事になります。したがって、政府としては財源等ともにらみ合わせまして、これをどう処理していくかはこれからの問題になろうと思います。
 したがって、具体的にどういう区間があるかということは別にいたしまして、事実まだありませんからして、ただものの考え方、いまお話ありましたように、そういう膨大な金を国鉄財政の中から、あるいは鉄道建設公団ですか、この中から出すということになれば、在来線なり、あるいは従来予定されている新線建設等が実際上できなくなってしまうじゃないかというお話はごもっともでもあります。そこで、私のこれはものの考え方ですが、結局一部は国鉄がやり、一部は鉄建公団がやるということになると思いますけれども、そのいわゆる建設費関係は、一応会計上は、内容としては別個に考えるべき必要があろうというようにも考えますし、この処理は、これから財源等を考えます場合に、あるいは別個の措置を講じなければならぬのじゃなかろうか。というのは、新幹線に使わるべき財源が他のほうに回っても、これも困るわけでありますから、その点、これから検討を加えたいと思っております。
 ただ、原則的に申し上げますというと、いわゆるこの鉄建公団というものができましたのは、一つは、建設を促進する、こういう目的が一つあると思います。これは新幹線問題じゃなくして、在来線の新線の建設を促進するという一つの目的があると思います。しかし、もっと重要左問題は、最近これはなおざりにされているよう左傾向がありますけれども、もう一つ問題は、国鉄は全国のいわゆる輸送体系中の大宗をなすものである、したがって、独立採算の不可能な場所においても国の総合開発を行なう責任がある、こういう意味において、必ずしも経済線としては十分でない場合においても新線建設をやるべき使命を持っておる。で、そういう場合に、国鉄自身が独立採算制という制度を持たされておりますからして、したがって、初めからある程度赤字を相当の期間覚悟せざるを得ない、新線をやる場合に。その負担を国鉄にのみ負わせるという考え方はこれは無理ではあるまいか、独立採算制の目的という点から考えると。したがって、そのような線をこれはつくらないわけにはいきませんからして、そういう場合において、鉄建公団が国の大幅左出資なり、あるいは長期低利の財政投資を受けて、そこででき上がったものを、いわゆる国鉄にある程度今度は安く引き渡すことができるわけですね。そういう形によって、いわゆる地方開発をも行なうべき使命を鉄建公団は持っておる、こういう考え方を私はとるべきではないか。そういうことからして、ただ、鉄建公団ができてから日が浅いのでありまするからして、十分その性格の分離、国鉄の性格と鉄建公団が持つ性格というものが明確に区分されておらない。それがために行政監理委員会においては、どうも国鉄と同じようなことをするなれば二つのいわゆる組織は必要ないじゃないか、もし鉄建公団をほんとうに有効に使うのであるなれば、国は思い切ったいわゆる出資を行なう、助成措置を行なう、そういうことによって地方の開発に対しても役立たせるという性格を明確にすべきだろうというのが勧告の趣旨だろうと思うのであります。実際上の趣旨はそこにあると思います。
 そういう意味において、全国新幹線の場合におきましてもある程度採算に乗るような新幹線も――全国新幹線網の中でも、ある程度採算性の可能なものとあるいは準可能なものと、当分の間、相当長期間の間、新幹線網の一部においては赤字を続けざるを得ないけれども、国全体の総合的な開発を行なう、こういう意味ではこれはやっていかなければならない、こういうものに対しては国がある程度のめんどうを見なければ、実際上の絵にかいたもちに終わらざるを得ない。こういうような私は見解を持っております。したがって、新幹線網の工事が行なわれる場合、建設費というものはその観点から別個の財源を考えなければならぬ。そうして国鉄自身が行なうものはやはり従来どおり独立採算制としてこれを行なわしめていくという意味においては、会計的にはどういう扱い方をするかは別にいたしましても、実質的にはそのような考え方にはっきりと分けていかなければ、いまおっしゃるような在来線の復旧、改良、あるいは建設というものができなくなる心配がありますので、具体的にこれを決定していく場合においては、それらのことを十分勘案して、及び財源等も考えながら措置をいたしたい、かように考えております。
○瀬谷英行君 いま大臣から別個の財源というお話がありましたけれども、十一兆ということになると、これは途方もない金です。国鉄の収入は一年間で一兆なわけですから、ざっと。そうすると、十一兆というと十一年分の運輸収入全部を充てなければならぬということになる。これだけ国鉄に応分の負担をさせて新幹線を建設をさせるということは不可能に近いことになる。その財源をどうやってどこに求めるかということは、やはり新幹線のプランを示す以上は明らかにする必要があるんじゃないかと思うんですね。これだけの財源の裏づけをここに明らかにしないで、プランだけを立てるということはまさに絵にかいたもちであるし、あるいはもっと、これはぬか喜びをさせる、たとえばカラー写真に写したデコレーションケーキみたい左もので、色どりはあざやかだけれども、食うわけにはいかない、こういうことになるわけです。その財源について、十一兆の財源について、一体政府としてはどういう当てがあってのことなのか。当てなしにこういうプランを公表するというのは少し無責任になりはしないかという気がするので、その点についてお考えをお聞きしたいわけです。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 先ほど、最初申しましたように、この新幹線鉄道網という法案を出すことは、まだ――建議は、いわゆる諮問機関である鉄道建設審議会から、こういうことを政府はやったらよかろう、これが国土の価値のある総合開発になるんだという審議会のいわゆる意見であって、私どものほうがこういう建設、こういうような全国鉄道網をつくりたいからという諮問じゃないんです。積極的に建設審議会のほうで、これは野党もともに代表をお送りくださって、その審議会において、将来の日本のいわゆる総合開発というものは、その貨物及び旅客の将来の体系から考えてもこういうものが必要であろう、政府はこういうものを考え左さい、こういうことで決議されたものであります。それでありますから、その決議の内容の中でも、その財源については、これを行なう財源については、政府は関係方面と十分に協議して、その財源を求めるべしと、こういう決議であります。もちろん、政府はこの方針に対して、建設をせよという決議に対しては、原則として賛成であります。だがしかしながら、今年度の、四十五年度の予算で、五億一千万円、国鉄、鉄建公団及び政府・運輸省、これ合わせまして五億一千万円の調査費を計上いたしてありまするが、そういう将来必要であろうという前提に立って、五億一千万円の調査費をこの四十五年度の予算で御審議を願っておりますが、この結果に基づいて、実は財源等々も政府としては考えていきたい。こういう考えであったわけでありましたが、時代はどんどんと進化して生産は拡大されておる。まごまごしておったのじゃ間に合わない。ぜひひとつこういうことを運輸省は考えろ、政府は行なうべし、こういう決議をちょうだいいたしましたので、その決議に従って、われわれがこれから財源等を検討するということを考えていかなければならないと思っております。ただ、その財源をそんな検討すると言ってもしかたがないじゃ左いかという御意見もあろうと思いまするが、ただ具体的に、しからばこういう財源があると、こう一言に申し上げる程度に、きのう決議をちょうだいしたのでありますからして、その検討は進んでおりませんが、国鉄の収入を当てにするとか、あるいはそれによって元利を支払っていくというようなぐあいにはまいらない。したがって、やはりこれは政府としては衆知を集めて別個の財源を求め、一部は別個の財源を求めるなりあるいは一般会計からの出資を求めるなり、いろいろの方法を考えていかなければならぬと、かように考えております。
○瀬谷英行君 鉄道建設審議会のほうできめられたので、政府としてはあらためてこれから考えるという意味の御答弁なんですけれども、自民党のほうで、すでに選挙のときから新幹線の構想を刷りものにして宣伝していたわけですよ。先般も自民党からそういう計画があって、それを国会に示すという話があるのですから、政府として全然腹案がないということにはならないと思う。いままで何も考えていなかったということにはならぬと思うのです。これは自民党でもう計画しているわけですから、自民党でそういう案を出しているからこそ鉄道建設審議会でも、この趣旨については別に異存はないということで決議をされたことだろうと思う。だから、問題は、財源についてこれから衆知を集めてというふうにおっしゃいましたけれども、衆知を集めていたんでは十一兆という金は簡単に出てこないと思うのです。すでにある程度の目算があってのことではないかと、自民党といえどもこういう計画を立てる以上、それがないと、私は意味がないと思うのです。計画だけちらつかせたところで意味がないと思う。だから、その財源をどこに求めるか、どういう腹案かあるかということをあわせて示すのでなければ、この計画の実現性が危ぶまれてもしようがないわけですな。だから、すでにこういう案は、公式に発表になったのは、建設審議会のほうからの公式のほうは最近だとしても、政府としてあるいは党として、自民党としても、まあ考えを持っていなければならぬことだと思いますから、その点をお伺いしたわけなんです。これから検討するというだけでははなはだたよりないということなんです。
 それでもう一度念を押してお聞きしたいのですけれども、それじゃこの財源は、鉄道の、現在の国鉄のこの財政の中でやりくりするということではなくて、全く別個に財源を求める、つまり国鉄の新幹線以外の在来線の建設であるとか、改良であるとか、整備であるとか、これらの問題については、いささかも新幹線網のために犠牲になるという心配はないんだ、こういう考えに立っての新幹線の構想であるというふうに理解をしてよろしいのかどうか。ちょっと質問の形を変えますけれども、そういう点について大臣の見解を承りたいと思います。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 最初のほうの全く何も考えておらぬのかと言われますというと、政府としては、まだ具体的な問題はこれとして責任ある答弁はできませんけれども、御承知のように、いまお話があったように、党側においてこの問題はかなり前から進めておったようであります。その中の構想の一つによれば、はたして政府がこれを採用するかしないかはこれから検討しなければなりませんけれども、その中には、世にいうところの田中構想なるものもあります。それは高速道路、新幹線等に使うのだというのもあります。これも一つの考え方であろうと思います。あるいはまた、他に目的税的なものを考えるということも一つにあろうと思いますが、いずれにせよ、政府として具体的にこれを財源にするという段階には至っておらない。これからもちろん、調査が一年で完了して工事が始まるというなまやさしい問題でもありませんので、調査にも多少の年月はかかると思います。したがって、その間におけるやはりきちっとした実行計画というものを立てなければならぬと思いますからして、その際にはもちろん、財源をちゃんと裏づけとして皆さんの御審議を仰ぐことになろうと思います。
 第二の問題、在来線のほう、それからもう一つは、従来の国鉄の収入を全然財源にしないかというお話でありますが、全然これを財源の一つに加えないという意味ではありません。もちろん、これは国鉄がそれによって運営し、かつまた料金の収入を得るわけでありますから、でき上がったものは。でありますからして、国鉄の収入を全然財源に加えないということはありません。財源の一部である。ただ、いまお話がありましたように、新幹線を建設するために在来線を犠牲にするという考え方はとらない。在来線の改良あるいは新線計画等がありますからして、これらは支障なく進めるような措置を財政計画の上で立てなければならぬ、かように考えております。
○瀬谷英行君 鉄道の建設についてちょっと私も考えたんですけれども、道路の場合と鉄道の場合と、たとえば東海道新幹線と東名高速道路と、これは一時期競争していたよう左時期があった。土地の買収なんかも両方で競争をしてやるので、価格をつり上げていくといったような話を聞いたことがある。道路の建設と鉄道とは、使命においては、その利用する場合は自動車と鉄道というふうに違っておりますけれども、使命においては似ているわけです。だから、これを鉄道も道路も全然関係なく別々にやるということではなくて、道路と鉄道というものを有機的に一つの交通体系の中で考えて建設をしていくという方法もあるのじゃないかという気がするのです。いま、たとえば国道十七号線に沿ってバイパス道路をつくっております。このバイパス道路が四十メートルほど幅があるということなんですが、たとえば四十メートル幅があるとすれば、四十メートルのうち、まん中の十メートルを高架の鉄道にする。両側に十メートルずつ上り線、下り線の自動車道路をつける。さらにその外側に五メートルずつ歩道をつけるあるいは自転車道をつけるというふうにすれば、四十メートルの中に自動車道あるいは中央分離帯と兼ねて鉄道も両方できるわけです。こういうふうに利用していったほうが、同じ土地を買収するには経済効率がいいんじゃないかという気がするわけですが、実際は、鉄道は鉄道でどっかに土地を求め、道路は道路で別に土地を求めるということが今日行なわれています。しかも、買収の費用というものはたいへんな金額になるわけです。こういう不経済なことをやっておったのではなかなか進捗しないのじゃないか。道路網も鉄道網も、両方とも壁にぶつかって、思うようにいかないのじゃないかという気がするのですけれども、そういう点を総合的に一貫した交通体系の中で計画をするというふうな構想はないものかどうか。大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本登美三郎君) おっしゃるとおり、私もその点については配慮をしたいと考えております。せんだっても大蔵大臣それから経済企画庁長官、根本建設大臣等に申し入れをしまして、交通総合体系といいますかあるいは総合交通体系といいますか、さようなものを急速にお互いに検討をした上で、そうして少なくとも人間及び貨物の流通体系の円滑化をはかり、かつまた、経済的効力を発揮するような措置を講じようじゃないか、できれば今年中にでもその結論を得ようじゃないかという申し入れを正式にいたしまして、三大臣とも非常にしごく賛成であるからして、一応運輸省が主管庁といいますか、空、海鉄道と、こう持っておるものですから、主管庁としてひとつその協議を進めてほしい、こういう意向がありますので、私としてはできるだけ早い機会にそのようなことを考えてまいりたいと思います。
 いま具体的におっしゃいましたいわゆる交通道路の中に一緒に土地買収して、その中でひとつ新幹線も一部考えるというような経済的な措置を考えてはどうかという御意見、ごもっともであります。ただ、これを全部施行できるかどうかというと、地理的条件なりその他の条件がありますからして、必ずしも全部がそういうような方法でいくというわけにもまいるまいと思いまするが、場所、地域によってはそのような考え方を持ってもいいのではないか。私も技術的なことはわかりませんけれども、たとえば新幹線の騒音、振動というものが高速道路にどういう影響を与えるのか、あるいは立体交差はもちろん必要でありますから、その立体交差がしかも区間が新幹線の場合は長いですから、そういう点を考えて技術的に相当部分をそういうことができるかどうか、いろいろな問題があろうと思いまするが、その趣旨は私も賛成でありますので、計画を練る際には御意見等を入れて検討したい、かように考えております。
○瀬谷英行君 たとえば本州−四国間の橋も、鉄道、道路の併用橋を建設するために新しく公団を発足させることにしたい、こういうお話、これは大臣の所信表明の中にありましたけれども、橋なんかの場合、これは鉄道と道路を両方併用しろと、こういう構想です。で、この四国と本州との間に橋をかけるという問題なんですけれども、いま三カ所候補地があがって、それぞれが激烈な競争をしているわけです、うちのところが一番いいのだということで。それで私ども委員会で視察に行ってみても、視察した個所のどの部分も架橋について非常に熱心です。それで話を聞いてみると、どこももっともらしく聞こえるわけです。これも全国新幹線と同様に、そこらの川にかける橋とわけが違いますから、非常に大規模な橋になるわけです。相当ばく大な財源を必要とするのじゃないかという気がいたします。こういう海の上に橋をかけるといったような問題は、これも安上がりなことじゃないのですし、また安上がりにやろうとして手を抜かれたりすると、とんでもないことになりますから、相当に慎重にやらなければならないのじゃないかと、こういうように思うのでありますけれども、三カ所も一ぺんにやるということは、われわれの常識からしてもちょっと考えられない。当然こういう場合は、技術的にも経済的にもいろいろな観点から見て、おのずからここが一番早くできる、それから経済的にできる、技術的にも簡単であるといったような順位ができると思うのです。そういう順位を考えて架橋の問題には取り組むのがほんとうじゃないか。各地の顔を立てて総花式に、もしあっちもこっちも一斉にやるのだということになりますと、なかなか私はこれはできないと思うのですよ。橋ばかりは途中までできたって何にもならないのですからね。鉄道ならば山陽新幹線、岡山までできればそれは岡山までは利用できる、広島までできれば広島まで利用できるということがあるかもしれないけれども、橋ばっかりはそうもいかない。だから、そういう意味からすると、公団を新しく発足をさせるということなんですけれども、この四国−本州の架橋の問題は一体どのようにやろうとお考えになっておるか。能率的に経済的に考えておられるのか、あるいは、政治的に総花式にやろうとお考えになっておるのか。そろそろ、所信表明で明らかにされた以上、具体化しなきゃならない時期だと思うので、この機会に大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 今度の本四連絡橋公団ですかね、この法案はもう皆さんのもとで、これは建設委員会のほうで審議をやり、あるいは皆さんにも御審議を願うことになろうかと思いますが、予算措置として内容的に決定しましたのは、これだけの調査費はつけると。そこで、しかしながら、調査をするにしても、いわゆる内外といいますか、主として国内でしょうけれども、最も権威ある技術者を集めて十分な本格的調査をしなければならぬ。従来建設省、運輸省ではそれぞれの橋についてあるいは軌道について下調査といいますか、調査は進めてまいったわけであります。しかしながら、それだけではもちろん不十分であります。ということで、今回相当の額を乗せまして、そしてとりあえずこの公団のやるべき目的は実地調査並びに架橋に必要な技術開発を行なうと、こういうことでひとつ発足をさせようというような意見で今回公団が発足しました。もちろん、これはそれらが済めば当然工事をも、運営等も公団がやることになるわけではありますけれども、とりあえずはそのような目的で今回の予算がつけられておるわけであります。
 そこで、実地調査及びそれに必要な技術開発というものは、当然これは地理的条件あるいは気象、海象等の条件が違いますから、それぞれに同時に調査をしなければ、いずれが先にやるべきかどうかという問題は決定をいたさぬわけであります。でありますからして、来年度いま持ちました予算をもって、ただいま申しました実地調査、これは経済調査その他も含まれます、そういう調査と同時に条件の違う技術の開発ですね、条件が違いますからいろいろの技術が必要だろうと思います、その必要なる技術の開発、こういうことによって三ルートとも同時に、これが以上のような目的で着手をする。そこで、あるルートは二年か三年か知りませんが、その間に完全に技術的にも経済的にも可能であり、経済的にもどの程度のものであるかということのものが出てくる場合もありましょう。あるルートはそこまで技術的左問題でなお残っている点がある、こういうものもあると思います。そういうようなことに従って、たとえ本年三ルートとも実地調査及び技術開発についての調査をいたしましても、その実際上の実施はやはり前後が生ずるのではないか。その場合に、やはり前後は生ずるのでありますから、経費を使う場合においても必ずしも二重の不利益にはならないし、日本の経済、財政上の意味においても、必ずしも極端な負担を与えることにはならないのではないか。これは将来の問題ですが、さような意味で、少なくとも来年度については、いま申した実地調査及び技術開発というものは三ルートともにこれをやっていく、こういう方針で予算の審議をお願いすることに相なっているわけであります。
○瀬谷英行君 調査は三ルートとも同時に行なうということはわかりました。
 では、その調査の結果、各ルートでもっていろいろと優劣といいますか違いが出てくると思いますね。どのルートも同じ費用で同じ期間でできるという結論は出てこないと思う。そういうふうになった場合に、一体どういう順序でもってやろうとされるのか、その辺が問題だろうと思う。で、先ほども申し上げましたように、これは膨大左費用を要するわけでありますから、総花式に着工も同じようにということになりますと、これは四国に橋をかけるために国内の川の橋すらできなくなっちまうということになると、たいへんに迷惑なことになると思うんですね。何か一つ事に目標を置くと、そのことにだけすべて集中して他はなおざりにされるということがあってはならないと思う、特にこういう問題は。また地域的にも、これは党派の間の争いじゃなくて、地域の間の争いになるという可能性もあるという気がするわけです。だから、そういう場合に、一体どのようにして優先順位をきめるかということをちゃんとしておかないと、あとあとこれはやっかいな問題になりはしないかという気がいたしますもので、そういう具体化して着工するという段階においてはどのようにやられるつもりなのか、その点をお伺い
 したいと思います。
○国務大臣(橋本登美三郎君) ただいま申しましたように経済調査、将来の発展計画等のいわゆる実地調査というものと、技術開発等の調査ができまして、それによって結局着工順位がきまっていく、こういうふうに御理解願えればけっこうだと思います。
○藤田進君 関連して。
 運輸大臣、いまの点につきまして、先般の「運輸行政の基本方針について」という中では非常にはっきり実は言われて、書面でも配付されております。それは「また、これに関連して、青函連絡鉄道の建設を引き続き推進する一方、本州と四国との間に鉄道、道路の併用橋を建設するため、来年度新しく公団を発足させることといたしたい」と、こうきめられているわけで、私は、とすれば、今度の公団は、おのずからルートはきまってくるわけであります。これとの関連において、ひとつ明確にしておいていただきたい。
○国務大臣(橋本登美三郎君) いま読まれましたように、公団は三ルートともやるというたてまえであります。ただ着工は、技術開発、実地調査等に従って多少の時間というか、年月か知りませんけれども、狂いがくると思いますけれども、この公団は三つともやる公団である、こういうふうに御了解願いたい。
○藤田進君 それで、手元にあると思うんですが、このいわゆる基本方針のまま受け取りますと「鉄道、道路の併用橋を建設するため、来年度新しく公団を」と、こうなっておりますから、これは児島−坂出といいますか、あれが併用橋といわれているので、尾道−今治とか、あるいは明石−淡路島−鳴門、この関係ではこれはもうないということがはっきりする。技術的にも今日それは明確にいわれていると思うんです。特に、淡路−明石の場合には併用橋は無理だ、それから尾道−今治の場合も併用橋の計画はない。国鉄、運輸省とされては児島−坂出ということであるだけに、こういうふうに明確になりますと、三ルートともやるんだがまだいま検討中ということについては、若干ここに明確に文書でもあり、基本方針でもあるだけに、もしこちらの文書のほうが、先般言われたほうが若干誤解を与えるということであれば訂正していただくとか、どうしてもこのままでは、併用橋のために公団がつくられるということであればこれまたそれということで、その点ははっきりしていただきたいと思う、これとの関係
 で。
○国務大臣(橋本登美三郎君) これはまあ、ただいま申しましたように実地調査、技術開発等をやってみませんとどのルート、どのルートが併用橋が可能か不可能かという結論は出てまいりません。したがって、実施調査並びに技術開発等の研究が済んだ上で、これとこれとは併用橋が可能である――三つとも可能かもしれません。しかし、その場合において、経済的点から見てその必要はこれとこれ、あるいはこれという点が最終的な判断になるわけでありますから、ここで申し上げているのは、いわゆる四国と本州との間には鉄道、道路の併用橋をつくるんだと、幾つつくるかは別問題といたしまして、つくるんだと、こういう原則を示したものであります。
○藤田進君 となりますと、どうもくどいようですが、三つともいま検討中で、その結論が、あるルート一本ですね、それが最効率的である、技術的にもいい、等々の結論が出ますと、その併用橋からかかっていくということに、まあ国の帰結としては当然そうなるわけでございますね、そういうことでございますか。要するに併用橋をやるんだと、どこかはこれは今後の問題だか、鉄道との併用橋でないものはこの公団ではやらないんだというふうに、まあいろいろ伝えられておりますが、この際、そのほんとうのところを聞きたいんですが。
○国務大臣(橋本登美三郎君) ただいま申しましたように、実地調査、技術開発等の研究を待って、そこで初めて決定するということでありますからして、いまここでどれがどうという結論は、私も技術者でもありませんし、日本の最高権威を集めて、これは何年かかりますか、やるわけでありますが、その結論を待って決定をすると。ただし、必ず併用橋をつくるんだと、その中でですね、その方針には変わりはないと、こういうことであります。
○岡三郎君 関連して。
 大臣、まあ私自体もあそこの三本のルートを調査に行ったわけですが、具体的にそのときの認識は、児島−坂出間は鉄道併用橋だと、これは連絡船があるということです。それで、明石−鳴門のほうは実態的にはこれは無理ではないかということで、これはやるとすれば道路専門でいくんだというふうな、それから広島のほうから行くところの線も、これも併用橋ということよりも、四国−中国をつなげる道路という形でこれは推進するんだと、こういうふうな一つの常識論から、いま藤田さんのほうから、おのずから併用橋ということになると児島−坂出というものが浮かんでくるんではないかというふうにとられたと思うんです。だから、これはまあ運輸大臣の方針ですから、建設大臣のほうはどういうふうに書いているか知りませんがね、建設省のほうは、今度は道路を主体にして公団でつくるんだというふうに言っているかもわかりませんので、この新しく生まれてくる公団自体がまあ建設、運輸両省でこれは共管していくという形になっておりますから、双方見ないというとわかりませんが、いままでのいろいろな検討という中から生まれてきた一つの線というのは、併用ということになると児島−坂出ルートというのが、連絡船との関連もあってこれだというふうに思っていたわけです、われわれは。だから、検討する結果、どこにも併用橋をつくるんだというのは、これはちょっとオーバーじゃないかという感じがするんですが、これはどうなんですか。
○国務大臣(橋本登美三郎君) だから、技術開発――技術的に可能かどうかという問題がまず第一の前提です。その場合に、技術的に可能であるにかかわらず四国との間には併用橋一本でいいという結論も出ません。御承知のように、いま全国新幹線網というものを考えますというと、それに二十年、三十年という将来を考えるなれば、もし技術的に可能であれば何も一本でなくともいいという、二本も三本も要るかもしれぬ。ですから、この際一本でなければならぬという結論を出す必要はない。問題は技術的に可能かどうかという問題が先行する、かように答弁をしておるのであります。
○岡三郎君 そうすると、建設省の意向は別にして、運輸省自体としてはできれば三本併用橋にもしたいのだという意欲をここに表現したということになりますね。
○国務大臣(橋本登美三郎君) どうも少し私の言い分が足らないのかもしれませんが、ただ御承知のように、鉄道幹線網というか、鉄道網の考えが二つあります。一つは、一般鉄道網を考えておる、現実に大部分ができ上がってきておる。もう一つは、新幹線網というものを考えておる。ですから、そういう観点からいうなれば、将来は可能性があるならば、新幹線網と一般鉄道網というものができることが好ましいんですね。そうでしょう。四国には新幹線はなくてもいいというわけにはいきますまい。それとも、貨物を中心とする一般鉄道はなくてもいいということにはならない。ですから、技術的にいうならば、少なくとも二本は考えるべきである、運輸行政からいうならば。百年先、三百年先のことはさておきまして、ここ二、三十年のことを考えても、本土では一般鉄道網というものは八割どおりはできているでしょう、その上に新幹線網ということによって全国の均衡ある発展をやろうとしているでしょう。それだのに、四国だけは一般鉄道でよろしいというわけにはいかないのですね。しかし、一つの軌道の中を新幹線と一般鉄道は通れないのですから、どうしても別個にやらざるを得ない。問題は、そういうものがやれるような技術的な開発が可能かどうかという点は考えなければならぬ。しかし、その場合一体新幹線はどこを通るか、一般鉄道はどこを通るかということは、経済効果及び技術の上から具体的にこれから検討してまいる、こういうことでありまして、いま申したような、四国といえどもわれわれの愛すべき国土でありますから、そこだけは一般鉄道だけでよろしいのだというわけにはまいらない。
○藤田進君 この点は黙っておさまるとわかったようになりますから、関連ですからあらためてまたお伺いすることといたしますが、建設省は技術的には三ルートとも可能だということで、どこか知らないが、地点はというもう日程ではないのです。相当日程は進んでまいりまして、ルートもあるいは技術的な検討もあらましではあるが建設省も済ませて、すでに技術的に三ルートとも可能である、併用橋はどこ、ロード専用はどこだといったように、これも区別されているだけに、運輸大臣のこの所信表明というのは、若干掘り下げてみませんと真意がよくわかりませんわけで、私はまたあらためてやらしていただきたい。
○瀬谷英行君 昨日、ジャンボジェット機が羽田に来たわけですが、十年ぐらい前には、ああいう三百六十人も乗れるというような、とほうもない飛行機が羽田にあらわれるということを私どもはちょっと予想できませんでした。だとすると、これから先五年、十年後には、あのジャンボジェットよりもっと大きなものが出現をするという可能性がなくはない。そういう場合に、もっとも技術的に進んできて、騒音なりいろいろな公害なしにそういう大きな飛行機が出現をするかどうか、それはわかりませんけれども、現段階においては、ジャンボジェット機というのは相当な馬力を持っているわけです、馬力ということばが当てはまるかどうかわかりませんが。で、きのう私も羽田へ行って見てまいりましたし、いろいろ説明も聞いたんですけれども、うしろのほうでもろに、何ていうのですか、エンジンをかけられると、まごまごすると人が吹っ飛ぱされてしまうし、ものが吹き飛ばされてしまう、こういうことも聞きましたし、ジャンボジェット機のあとは乱気流が起きるので、ほかの飛行機はしばらくの間そのあとには入らないようにしなければならないということも聞いたんであります。こういう怪物があらわれてきたんでありますから、空港の整備というものがそれに伴わなければならないと思うのでありますが、空港の地理的な条件も相当考える必要があるのじゃないか。成田にいま空港を建設しようとしておりますけれども、成田のように周辺がやはり相当人の住んでいる土地であるということになると、将来ともいろいろと問題が起きはしないかという心配がございます。そういう観点からすると、空港は、まあ羽田がいいかどうかということにしてもいろいろ問題があるでしょうけれども、ああいうふうに海のへり、はたであって、海のほうから人ってこられる、海のほうに出ていくことができるというような地理的条件のほうが、将来、狭い日本のようなところではいいんじゃないかという気もするわけです。そうすると、成田の新空港、いまつくってはおりますけれども、これから先のことを考えてみた場合、ああいう内陸的な場所がはたして適地であるのかどうか相当問題があるのじゃないか。それから、羽田の空港なんかの場合は、成田の空港ができるのにまだ二年かかるとすれば、これからどんどんジャンボジェット機のような大型の飛行機が入ってくるというようなことになると、相当にこれは危険も伴うし、設備的にも拡張をしなければならない問題が緊急にあるのじゃないかという気がいたします。
 それらの点、つまりさしあたっての羽田空港の問題、それから将来の空港の地理的条件といったようなことを考えた場合に、はたして成田といったところで妥当であるかどうか。以上の二点について、大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 専門的には航空局長からお答え申し上げますが、まず第一に、御承知のように、大型機がだんだん増加してまいりまして、ジャンボのごときもの、これからの十年間といいますか二十年間といいますか、これからの間はジャンボ時代に入ると思います。しかも数がふえてくる。こういう意味で、飛行場は二つや三つでも足りなくなるのじゃないか。こういう意味では、もちろん、いまおっしゃったような、なおほかにも飛行場を求める必要がありはしないかという御意向については同感でございます。ただし、いまの成田港は、いまの計画でどうしてもこれは完成しませんというと、まずもう間に合わないということですね。それ以外にまだ飛行場が要るんだと思う。おそらく二十世紀末までにまあ工事を着手するという段階からいえば二つくらいでしょうが、少なくとももう一つくらいは二十世紀末くらいまでには完成しておく必要がありましょう。そうしてなお将来に向かって、二十一世紀に向かって工事を始める飛行場も出てくると思うのですね。そういう意味で、いわゆる成田空港を除いて他に求めるというようなことは不可能でありまして、いま成田空港は予定どおりいまの規模においてこれを完成しなければならぬ。ただ、これを私は大型機になるからして拡張しなければならぬかといえば、私自身の考え方は、拡張をする考えは持っておりません。というのは、一カ所でいわゆる収容し得る能力というものは大体限度があります。飛行場が大きければ大きいほど幾らでも飛行機を収容できるというわけにはまいりませんので、したがって、それよりは、五十キロ範囲内に幾つかの飛行場群を持つことのほうが適切である。そういう意味で、成田空港を広げる意思はありませんけれども、いま計画を立てた三百二十万坪の飛行場はできるだけ早く完成して、これが日本の国際空港に対する善処でなければならぬと、こう考えております。
○政府委員(手塚良成君) 飛行機の将来につきまして、問題は質と量との問題があると思うのです。で、いま大臣お話がございました量的な面といたしましては、この関東地域におきましては、将来のことを考えますと、成田の計画を完了いたしましてもなお不足を来たすのではないかということの予想もできるわけでございます。
 昨日まいりましたジャンボ、質の問題からいきますと、ああいった大型しかも高速化というようなことは、これまた今後の飛行機の趨勢であろうと考えます。大型につきましては、ジャンボがすでに五百人近くでございますので、なお、さらにこれが千人程度のものにもなるのはおそらく実現間違いなかろうと、その筋ではいわれております。高速大型のものにつきましては、御承知の四十八年ごろを目標にしました英仏共同のコンコード、さらにそのあと数年を経まして米国でのUSSST、こういうものが考えられております。で、これらのものにつきましては、たとえば騒音の問題あるいはソニックブームの問題、その他地上におきますブラストの問題、まあいろいろあるかと思いますが、そういった意味の公害ないし被害の防止の問題がございます。で、公害等につきましては、昨日のジャンボ等は先生も直接ごらんになりお聞きになったような調子で、前々申し上げてもおりましたけれども、まずまず現行のジェット程度の騒音ではなかろうかというふうに考えられた次第でございます。将来のジェットにつきましてはやはり現状程度にとどめようということは、世界各国特にメーカーに非常に強く要請をされておるところでございまして、ことしの二月に行なわれましたIOAOの国際会議におきましても、そういった方向を今後とっていこうということで、いわゆる騒音証明制度というようなものの採用がきめられておるわけです。ソニックブーム等につきましては、これは超音速機特有の問題でございまして、これまた、現在、アメリカのオクラホマ飛行場を中心にいろいろ検討をされております。機体構造的な問題、あるいは運航上の問題、そういうことによってこの被害を極力なくしよう、こういうことであります。
 成田の飛行場は、この超音速機を発着させるということを一つの目的として、四千メーター滑走路を持つ飛行場として建設されるわけでございますが、たまたまこの地理的条件からいたしましても非常に好位置にございまして、ソニックブームの影響は全くないと、かように考えられておる次第でございます。
    ―――――――――――――
○委員長(温水三郎君) 次に、港則法の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、海運局の支局の設置に関し承認を求めるの件の二案を便宜一括して議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○瀬谷英行君 大臣に質問をいたしますが、「特に、最近発生した本州東方海域における大型船の海難事故につきましては、すみやかにその原因の総合的な調査を進め、対策を確立してまいりたいと存じます。」というふうに先般述べられました。去年から、「ぼりばあ丸」が沈没し、「かりふおるにあ丸」が沈没した。こういう大型船が沈没をしておるわけであります。それは人命もかけがえのない損失でありますけれども、同時に、船も、五万トン、六万トンという船が荷物ごと沈んでしまうということは、これはたいへんな損失だろうと思うわけです。そういうことを考えますと、船が大型化するにつれて沈没の確率も高くなるということではしょうがないと思うのですね。こういう問題は、船の経済性といったようなことから構造上の弱さというものも出てくるのじゃないかというふうに、しろうと考えではありますが考えられます。それらの点がやはり究明されなければならぬと思うのでありますけれども、一体運輸省としては、どこが責任を持ってどういう方法でこの海難事故についての総合的な調査を進めて、これはいつごろまでに結論を出そうとしておられるのか。その点を大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 東方海域での引き続いての大型船の遭難、まことに遺憾千万に存じます。なくなられた方々に対して深く哀悼の意を表する次第であります。
 これにつきましては、いま瀬谷さんのおっしゃったとおり、人間の命を、人命尊重といいますか大事にするというためには、これはあらゆる努力を払わなければならないし、それが文明国家の一つの目的でもあります。そういうことで、その原因につきましては、海難審判庁で専門家によって目下調査が進められておるのでありますからして、ほんとうの真の原因というものは、いま私たちはここで何に原因があったか、船体の欠陥なのかあるいは海象その他操作にあったのか、いまここで具体的に私が原因を申し上げることができない状態でありますが、それはそれとして、真の原因究明は海難審判庁でやりますからして、それはその上でほんとうに本格的に調べてもらう。ことに「かりふおるにあ丸」の場合は生存者が多数おりますので、かなり私は原因探求の上では「ぼりばあ丸」よりは比較的に調査しいいのではなかろうか。しかし、本体が中に沈んでおりますから、なおめんどうな点がありましょうが、調べる上においてはかなりの便宜がはかられると思います。
 ただ、それはそれといたしまして、とにかく、同じ東方海域の一帯で大型船が一カ年に四隻沈んでおるという事実は見のがせないのでありますし、また、失った人命もまことにお気の毒にたえないのでありますから、そこで運輸省としては、臨時措置といたしまして、大型専用船海難特別調査委員会というものを設置いたしました。これは言うなれば運輸大臣の一つの諮問あるいは臨時調査委員会のような性格のものであります。法的なものではありません。その特別委員会に対して、非常に具体的な船体構造も含めて、造船工学の上から見まして、船体構造の点あるいはその他いろいろの点等を含めて、こういう問題を十分に調査してもらいたい。こういう調査依頼をすると同時に、一方運輸省といたしましては、現在の「ぼりばあ」型を除いた大型船、これに対して直ちに総点検を命じまして、三月一ぱいにはほとんど六〇%終わり、あと一、二カ月ぐらいのうちには全部の六十九隻の総点検、これは荷をおろしてそうして調べる。それによって、もしストレス等が起きている場合があれば、それに対しては仮借なく船主に対して補強方を命ずる。こういう措置のもとに現在総点検を実施中であります。この二つによって、海難審判庁の結論が出る前にでも予防措置を講じたい。かような方針で具体的に進めていっております。その調査会がどういう点を調べるかは、船舶局のほうから内容については御説明申し上げたいと存じますので、御了承願いたいと思います。
○委員長(温水三郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(温水三郎君) 速記を起こして。
○説明員(内村信行君) 「かりふおるにあ丸」遭難後の措置、調査、この点につきましては、いま大臣から御説明申し上げまして、なおそのいさいについて説明せよということでございますので御説明いたします。
 先ほどのお話の中で、総点検をやると同時に、総合調査をやるために、大型専用船海難特別調査委員会というものを設けてその調査に当たっておりますという話を大臣から申し上げました。それにつきましては、二月の二十日に第一回の特別調査委員会を開催いたしまして、その中では船体、気象・海象それから運航とこの三つの部会を設けまして、それぞれのところで専門的に調査をいたすというふうなことにいたしました。それから、次いで三月二日に第二回の特別調査委員会を開催いたしまして、そこで大体どういったような項目を調査項目としましょうかということでいろいろ議論が出たようでありまして、たとえて申し上げますと、海難当時の「かりふおるにあ丸」の運航状態がどうであったかとか、あるいは「かりふおるにあ丸」の海難当時、付近を航行中の他の船舶がどういうふうな運航状態をしておったであろうかということ、あるいは先ほど申し上げました点検対象船舶、それが十二月、一月、二月といったような冬季間にその当該海域におきましての運航状態はどうであったかというふうなことを調査する。あるいは役所のほうといたしましては、海上保安庁でいま巡視船を出しまして、当該海域についての海象を調査いたしておりますが、そういった事柄をさらに三月一ぱいまで継続してやることとしております。さらに、具体的に申し上げますと、海流観測、水温観測、波浪観測等を行なうわけであります。さらに、気象庁におきまして、当該海域における海象、気象等について、過去十年間の資料に基づき統計的調査解析を行なうこととしています。あとは、そのほか船体と波との相関関係、それがどういったようなことであるかということを調査しようということを大体調査項目として取り上げて、なお、その詳細を今後どういうふうに詰めるかという実施要領につきましては、先ほど申し上げました三つの部会においてこれを取り上げていくということにいたしました。その結果、三月九日に船体構造の部会、それから三月十日に運航部会、それから三月十一日に気象・海象部会等が開催されまして、そういったことについての検討をいましているという段階でございます。
○瀬谷英行君 船体構造、運航、海象それぞれの三専門部会を発足させて検討するということですが、それはどういうグループによってそれぞれの部会は構成をされているのですか、その点をお伺いしたい。
○説明員(内村信行君) その部会を申し上げます前に、本委員のほうから申し上げたほうがわかりやすいかと思いますが、構成メンバーとしては、学識経験者の方々を中心にいたしまして、それに官側も入るようにいたしまして、官民合同の一つの委員会というものをつくったわけであります。そういたしまして、さらにその下に専門委員をつくりまして、その専門委員と正員とが合同して各部会をつくるということになっております。したがいまして、その専門委員の中で、船体のほうの部会といたしましては寺沢先生、この方が部会長になられまして、そのほかの船体関係の方、それから、運航関係の方、こういった方々も加わりまして一つの構成をしている。それから運航関係のほうには浅井先生、これは東京商船大学の名誉教授でございますが、この人が部会長になられまして、その中に運航経験者とか、あるいは船体の方方もお入りになるということでやっております。船体といいますか、船体の運動性能に関する大学の先生、こういった方々がお入りになっております。それから、気象あるいは海象部会、そこは吉武現気象庁長官、これが部会長になりまして、その中に気象、波浪、そういったことの研究専門家、こういう方が入っております。大体こういうふうなことであります。
○瀬谷英行君 たとえば海事協会の支部長が「ぼりばあ丸」の構造上に弱さがあるのじゃないかという見解を述べているといったようなことがありましたが、この海事協会とかあるいは船主協会とかという団体のほかに、乗り組み員の船長であるとか機関長であるとか、こういう乗り組み員なんかの見解というのは反映されるようになっているのかどうか、その点はどうですか。
○説明員(内村信行君) いま御質問のありました乗り組み員でございますけれども、船の場合に最も責任を持って、技術関係から運航関係についても知識を持っておる方は船長さんであろうというふうに考えております。したがいまして、この本委員では石割さんという方が船長経験者でございます。さらに、その専門委員の中には、これは現在パイロットをやっている方でございますが、石田さんという方と山口さんという方がおられます。この方々はいずれも鉱石専用船の船長一年以上の、約一年ですかの経験の方でございまして、そういう方々によって十分に代表し得るというふうに考えています。
○瀬谷英行君 船長経験者なんというのは、なるべく大ぜいの船長経験者の話というものを実際に総合したほうがいいんじゃないかという気がするわけですがね。内部的な問題については、特にきょうは申し上げませんけれども、構造上の弱さというものを否定はできないんじゃないかという気がする、現実に沈んでいるんだから。そういう構造上の弱さというものを、技術的にはあれは間違いないんだということで済まされてしまうと、それは問題がうやむやになってしまうというおそれがある。だから、そういう意味では、構造上の問題は相当に、つまり経済性ということよりも人命尊重という立場に立って考えていく必要があると思うし、そのための指導というものは政府あるいは運輸省等において強く指導していく必要があるんじゃないか、こういう気がするわけです。よくたとえば公害関係の問題になると、通産省や厚生省の立場が違うといったような話も聞くわけでありますが、業者の立場に立って、利用者といいますか、乗り組み員の立場を考えないというようなことになると、この種の問題というものはあとを絶たないと思うのです。だから、そういう構造上の問題について、運輸省自体が指導的な立場をとっていく必要がありはしないかと思うのですが、その点は万全を期しておられるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(佐藤美津雄君) 運輸省としましては、いろいろな輸送機関がございまして、安全第一ということで従来やっております。もちろん船のほうもその趣旨で進んでおります。したがいまして、経済性を先にするというようなことは全然考えておりません。
 それから、こういう大型船は大体国際航海をいたしますが、国際航海をいたします船は大体船級を取るのが国際的な常識になっております。それで、この船級というのは、実はロイド船級協会から始まった非常に古い制度でございますが、国際的にもそれぞれの会議をもちまして十分に技術内容を検討しておる基準でございます。したがいまして、先ほども先生がおっしゃった海事協会の規則も国際的に認められた規則になっておるわけでございます。したがいまして、現在の段階では原因がはっきりしませんが、一応、欠陥的な問題ではないというふうに考えております。しかし、先ほど申し上げた大型専用船の特別部会で、特に船体構造部会がつくられまして、それでいろいろ問題点を摘出して、フランクに検討していくということにしております。
 いま一番問題になっておりますのは、やはり船首部の局部強度でなかろうか。ただ、強度も結局波との相関関係になりますので、どうしても波浪の状態も十分知りたいという先生方の意見でもございます。したがいまして、いまの段階では原因はわかりませんが、安全については十分に指導していくという立場には変わりはございません。
○瀬谷英行君 国際的にも基準等については間違っていないということなんでしょうけれども、現実には船は沈んでいるわけですね。これがたとえば戦争でもって潜水艦の雷撃によって沈んだとか、あるいは飛行機の爆撃によって沈んだとかいうことであれば話は別なんですけれども、この「ぼりばあ丸」にしても「かりふおるにあ丸」にしても、それから外国の船も沈んだようでありますが、これらの船は、そういう外的な要因というものは考えられないわけでしょう。たとえば、爆撃とか雷撃とかいったような要因あるいは流氷にぶつかったとか、こういうことが考えられないとすると、波浪によって船体の構造上のどこか欠陥をつかれて、そうして沈んだというふうにしか考えられないわけです。それは、推定する場合の沈没原因として構造上の弱点とか欠陥ということは考慮に入れられていないのかどうか、この点はどうなんですか。
○政府委員(佐藤美津雄君) 国際的な基準でございまして、これはあらゆる従来の経験、すなわち海象、気象の条件を想定して実はつくられておるわけでございます。したがいまして、今回もあらためて気象部会をつくり、あるいは運航部会もつくったというのも、実はそういういろいろ主面から総合的に考える必要があろう、もちろん、船体のほうも、また、そういうものと関連しまして十分検討していこう、こういうような立場から船体部会では懸命に検討しようと、こういうことにしているわけでございます。
○瀬谷英行君 大臣の所信表明の最後の結びが、一九七〇年代は高度の安全性の確立だ、そういうふうに言っておるわけです。ところが、実際には船は沈んでいるわけですね。そうすると、従来の国際的な基準というものでは間に合わないのではないかという疑問が当然生じていいのじゃないか、こう思うわけですね。たとえば隔壁の数にしても、この程度で間に合うという一つの基準によったかもしれないけれども、実際は間に合わなかったという事実があるわけです。そうなりますと、それらの基準についても再検討する必要が出てくるのじゃないか。高度の安全性という立場に立つならば、当然、沈没をしたということをあらゆる角度から、船は沈んでしまったんだから、ほんとうのことはわからないかもしれないけれども、あらゆる角度からの推定をして、この沈没原因を確かめる必要がある。また、強度をより確実なものにするために、国際的な基準についても再検討する必要があるのじゃないか。それらの指導をする立場に運輸省としてはあるのではないかという気がするわけであります。そういう点についてはどのようにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(佐藤美津雄君) 運輸省は、そういう点に対して指導する立場にございます。したがいまして、安全基準につきましては、先ほど申し上げましたように、徹底的に検討してみようということでございまして、実は技術基準というものは非常に簡単に、すぐ結果が出るということでございませんので、あらゆる条件を想定して検討を進めるということで、あるいは時間がかかるかもしれませんが、ほかとの、いわゆる運航部会、あるいは気象部会、そういうところから出てくるいろいろな結論と相関して検討を進める必要があると、こう考えております。
○瀬谷英行君 時間をかけている間にまたまた船が沈んだということではいかぬと思うのですよ。そういうことはあり得ることですからね。だから、海難審判庁でいろいろ審理が行なわれるということもあるでしょうけれども一それらの手続をいたずらに待っているということだけでもいけないと思うので、やはり運輸省としては技術的な調査というものを直接やってみる必要があるのじゃないかという気がするのです。
 ところが、きょうの新聞によりますと、三菱重工は三菱重工で、海事協会は海事協会でそれぞれが調査をやっているということなんです。これは会社がやることが悪いということではありませんけれども、運輸省としては、これはごく厳正な立場でもって調査を行なうという必要があるんじゃないかという気がするし、そのために特別調査委員会というものを設置したのかもしれませんけれども、技術的な問題はやはり限定をして、技術的な問題にしぼって独自で調査をやってみてもいいんじゃないかという気がするのです。こういう委員会というのは、いろいろな人が集まって論議するということになるから、どうしてもひまがかかるんじゃないかという気がするわけですが、しかし、事は人命に関する問題で、大きな日本の経済上の問題にかかわるということであれば、もっとストレートに技術的な調査をしていいんじゃないかという気がするのでありますけれども、その点はどうなんでしょう。
○政府委員(佐藤美津雄君) 大型船特別対策部会につきましては役所の委員会でございますが、先ほど先生のおっしゃったように、三菱の事故調査委員会もできましたし、それからもちろん、NKでも独自にやっております。そういうやっている成績というか、結果を持ち込んでいただいて、相当広くやる機関でございますので、先生のおっしゃっている趣旨に合っていると、こう考えます。
○瀬谷英行君 会社がやるのを悪いとは言いませんが、では運輸省自体がそういう調査なり実験なり、そういうものを行なう能力はないのかどうか、そういうスタッフは備えていないのかどうか、そういう点はどうなんでしょうか。
○政府委員(佐藤美津雄君) われわれのほうといたしましては、委員会を設けましたので、それの総括的な仕事をやっておるということでございます。それから、私のほうは、御存じのように、船舶検査をやっておりますので、そういう点から、これをやる機能もございます。しかし、広い立場から中立の委員の御任命をいただいて調査をするということになりましたので、そこに中心を置きましてやっていきたい、かように考えておるわけでございます。
 それから実船の試験がどうかというお話がございましたが、実はこの前の「ぼりばあ丸」事件のあとで、やはり造船技術審議会から建議がございまして、その中に実船試験もやるべしというのがありました。そして、九月の建議でございましたが、八月ごろから実は国際航海についている船二はいにつきましてすでに実施しております。そういうことで、この実施機関は、われわれの船舶研究所及び民間団体の造船研究協会、そういうところから専門家を寄せましていま調査をしているということでございまして、実際問題としては総力をあげてやっているという段階でございます。
○瀬谷英行君 構造上の問題についてはこのくらいにいたしまして、救難体制の問題についてお伺いしたいのですが、海上保安庁で、いま巡視船なり巡視艇の隻数なり総トン数の表をもらいましたが、港則法の適用港全部に対して、海上保安庁の巡視船あるいは巡視艇というものが全部間に合うような体制になっているのかどうか。今回、港則法の一部を改正する法律案の内容としては、新たに鹿島、内浦、合津、喜入、こういう港が適用を受けるようにしようということが趣旨のようでありますけれども、適用港が多くなるという以上は、この適用港に対して相当責任を持つ必要もあるのじゃないかという気がいたします。その適用港全部に対して、海上保安庁として目が行き届くようになっているのかどうか、また、その配置が行き届くようになっているのかどうか、こういう点についても保安庁長官のほうからお伺いしたいと思います。
○政府委員(河毛一郎君) 港則法が適用されます港は、私どもの体制の関連でございますが、このたびの法律改正によりましてお願いいたしております四港につきまして、まず申し上げます。
 鹿島港につきましては、四十五年度の予算案におきまして、ここに海上保安署と申します出先機関を一つ設ける、こういうことでございます。
 それから、喜入港につきましては分室を設けるということでございまして、いずれも巡視艇一隻ずつを配属する予定でございます。また、陸上関係にも必要な人間を配置する、こういうことでございます。
 それから、内浦及び合津港でございますが、これにつきましては、ほかにもこのような例が非常に多いわけでございますが、直接この港に部署を置くということをいたしませんで、内浦につきましては敦賀の海上保安部というのが隣接海域にございます。それからまた、合津につきましては三角海上保安部というのが隣接海域にございます。で、部署といたしましては、ここにこの二港を管轄させ、またそれぞれに所属しておる巡視船艇で港則法適用の仕事をやってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○瀬谷英行君 船舶の構造上の問題にも関連するのですけれども、大型船――タンカーにしてもあるいは鉱石船にしてもそうですけれども、ブリッジが船の後方にあって前方には死角ができるというのをちょっと読みましたのですけれども、こういう構造上の問題があると、港にこれから大型タンカーをはじめたくさんの大型船が出入りをする場合に、死角を持った大型船が小さな港にたくさん出入りをするということが今後の問題として考えられる。そうすると、衝突ということも考えなければならないし、タンカーの場合は、へたすると火災ということも考えなければならない。そういう場合に、巡視艇がたった一隻ぐらいあったのでは、これはなかなか行き届かないという気もするわけですけれども、消防能力を備えた船だとか、あるいは救難のための相当の足を備えた船だとかいうものも特に港則法の適用港には必要となってくるのじゃないかという気がいたしますので、それらの配備計画等についてどのように考えておられるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(河毛一郎君) 港内における船舶の大型化に伴います交通安全上あるいは災害上の問題に対して現在どのように対処いたしておるかということでございますが、まず、船の大型化あるいは数が非常に多くなるというような点につきましては、当然、港内における一方交通あるいはまた時間的な通行制限というようなことが艇その他の配備とは別の問題として必要でございます。この点につきましては、特に港則法の適用港の中でも、たとえば、この辺で申せば、京浜港なりその他の港のような、いわゆる特定港と申しております港は全国で六十五ぐらいございますが、このうち、そういった交通整理が非常に必要な港につきましては、信号所というものを置いております。この信号所によりまして、旗旒信号あるいは灯火信号によりまして船の出入りをきめますと同時に、その前提措置といたしまして、あらかじめ大型船に対して入港制限その他をやるというルールをきめております。
 それから具体的な現場における指導につきましては、大体、海上保安庁は、現在、いわゆる港内用の十五メートルあるいは二十三メートルと申しておりますが、このような船を約二百隻持っておりまして、それぞれ重点的に港に配置いたしまして、必要な巡視警戒を行なう、このようにいたしております。
 それから港内における油火災その他の問題は、まあ私どもとしても現在最も今後考えなければいかぬ大きな問題でございますが、これはただいままでのところ、二百トン型の大型の化学消防船、これを四十三年度から三年間、四十五年度までに三隻つくっていくということで、そのうち一隻はすでに東京湾に配属されております。それから二隻目は今月引き渡しを受けまして、これは伊勢湾四日市に配属いたします。それから、来年度の予算案に盛り込まれておりますものは、和歌山下津に配属いたしまして、それぞれわが国で一番大きな精製基地を持ち、また一番海上交通の激しいところに配属いたしまして、これは非常に大きな消防能力を持っております。今後の活躍を期待しておるわけでございます。
  〔委員長退席、理事岡本悟君着席〕
なお、そのほか、私どもが最近つくっております十五メートル型、これは本年度におきましては十五隻、それから来年度は十四隻建造いたしますが、このうち油関係の港に配属されるものは全部化学消防能力を持たしております。このような体制で今後さらに油火災に処してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○瀬谷英行君 救難体制の問題ですけれども、たとえば、大型船なんかの場合は、現在の海上保安庁の保有能力ではなかなかどうにもならぬのじゃないだろうかという気がいたしますけれども、飛行機、ヘリコプターですね、こういう面では現状はまあごくわずかしかないようでありますけれども、飛行機やヘリコプターといったようなものをもっと整備、充実する必要がありはしないかという気がいたします。
 それから船足の問題でありますけれども、これは技術的なことですからちょっと役に立つかどうかわかりませんけれども、水中翼船とかあるいはホーバークラフトとか、こういうかなり足の速いものが最近は出現をしたようですけれども、こういうものを海上保安庁
  〔理事岡本悟君退席、委員長着席〕
の中に取り入れるということは技術的に意味があることなのかどうなのか。これはしろうとで私わかりません。参考までにお伺いしたいと思います。
○政府委員(河毛一郎君) まず、船の関係につきましてお答え申し上げます。海上保安庁は、現在、遠距離海難に対処できる――ここで言っておりますのは、大体百五十海里以上の海難でございますが、船といたしましては、三百五十トン以上の船を大体四十八隻持っておりまして、これは遠距離海難に対処できる船でございますが、ただいま御指摘の速力の点でございます。これは、ここ数年間の間に建造されました、たとえば、二千トン型で申し上げますと、常用で二十ノット。それから九百トン型、千トン型で約十七ノット。三百五十トン型も最近のものはその程度のスピードを持っております。それから、その資料にもございますように、たとえば、四百五十トンなり二百七十トンあるいは七百トンという型は、私どもの初期の建造船でございまして、これはスピードが大体常用で約十一ノット程度でございまして、これは非常におそいということで、今後急速に大型化し、かつまた最近の船のように高速化していくということが必要でございますが、まあ大体私どもの船が一番大切なことは、常にそのようなスピードを保持できるということでございます。したがって、そういう点からいいますと、最近つくりました二十ノットあるいは十七ノット以上に、まあ船体の大きさの関係もございまして、急激にこれを技術的にもインプルーブするということは、ちょっと困難ではなかろうかと思います。
 そこで、先生のお話のございましたように、ホーバークラフトあるいはハイドロフォイルクラフト、水中翼船というようなものはどうかということでございますが、水中翼船につきましては、確かに非常に速いスピードを持っておりますが、結論を先に申し上げますと、私どもの海難救助用あるいは巡視、警戒用の船としては、非常に不向きではないかということでございます。というのはフォイルを持っておりまして、これが実際に救難作業なり警備作業をやるときに非常にじゃまになる。それからまた、係留方法についても非常にむずかしい問題があるということで、まず水中翼船を私どものいわゆる救難を主体とした業務に使用するということは、いまのところ考えておりません。それから、ホーバークラフトにつきましては、これはごく最近の開発でございまして、わが国においても一、二使用されているようでございますが、今日のところ、まだ、海上保安庁の船として十分自信を持って採用できるかどうかということについては、はっきり申し上げられないような状況でございます。
 それから航空機の問題でございますが、今度の「かりふおるにあ丸」の事件に照らしましても、特に中遠距離海難ということに関連して、航空機の重要性というものは非常に高いわけでございます。それに比しまして、私どもの現在の航空機による救難体制は非常に弱体でございまして、たとえば、二十四時間待機体制をとっていないというようなところがございます。したがって、当面の問題としては、海上自衛隊の派遣要請あるいはその他の協力をお願いいたしまして、とにかく、緊急に遭難現場に飛行機を持っていけるように協力体制を今後緊密にはかっていきたい。また、私ども自身の少数の飛行機ではございますが、これをもっと有効に活用できないかという点についても、いま鋭意検討中でございます。ただ、根本的にはやはり私どもの現在の航空体制というものが弱体であるということはいなめない事実でございますので、これにつきましては早急に検討をしたい、こういうことでございます。
 その次に、もう少し基本的な問題といたしまして、いわゆる海難救助機として、いまお話のございましたように、ヘリコプターというようなもの、特に大型ヘリコプターというようなものがどうであるか、あるいはまた、最近いろいろ問題になっております飛行艇というようなものがどうであるか、あるいはまた、航空機と船艇とのいわゆる海難救助における立体的な連係動作というものをどのように考えるかということは、私ども自身としてもまだ勉強しなければならない点が多数ございます。そこで、昭和四十五年度の予算で、海難救助の効率化に関する調査という予算をお願いいたしまして、金額は調査費でございますので百万円程度でございますが、この調査におきまして、いま私が申し上げましたようないろいろな点を基本的に検討いたしまして、その調査結果に基づいて今後の私どもの救難体制をつくり上げていきたい。このような考えでございます。よろしくお願いいたします。
○委員長(温水三郎君) 両案に対する質疑は、本日はこの程度にいたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後三時十分散会
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