第063回国会 運輸委員会 第10号
昭和四十五年四月二日(木曜日)
   午前十時二十分開会
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   委員の異動
 四月一日
    辞任         補欠選任
     鈴木  強君     加瀬  完君
 四月二日
    辞任         補欠選任
     渡辺一太郎君     山下 春江君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         温水 三郎君
    理 事
                金丸 冨夫君
                谷口 慶吉君
    委 員
                木村 睦男君
                河野 謙三君
                佐田 一郎君
                重政 庸徳君
                前田佳都男君
                山下 春江君
                岡  三郎君
                加瀬  完君
                瀬谷 英行君
                森中 守義君
                田代富士男君
                三木 忠雄君
                中村 正雄君
                山田  勇君
   国務大臣
       運輸大臣臨時代
       理        井出一太郎君
   政府委員
       内閣法制局第四
       部長       角田礼次郎君
       運輸省自動車局
       長        黒住 忠行君
       運輸省航空局長  手塚 良成君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       大蔵省理財局国
       有財産第一課長  市川廣太郎君
       大蔵省理財局鑑
       定参事官     三島 和夫君
       農林省農地局管
       理部長      小山 義夫君
   参考人
       新東京国際空港
       公団総裁     今井 栄文君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○自動車損害賠償保障法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
○委員長(温水三郎君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、鈴木強君が委員を辞任され、その補欠として加瀬完君が委員に選任せられました。
    ―――――――――――――
○委員長(温水三郎君) 新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○加瀬完君 運輸大臣いらっしゃいませんので運輸省にお答えをいただきますが、まず最初に、政府、または公団等の政府機関は、その業務施行にあたりまして法律、命令を順守していくべきだと当然考えてよろしいと思いますが、御異議ございませんね。
○政府委員(手塚良成君) 仰せのとおりだと思います。
○加瀬完君 それではさらに、いままで、国民に対する政治的な約束についても確実に政府の責任でお守りいただくと解釈してよろしゅうございますね。
○政府委員(手塚良成君) 地元の皆さんあるいは国民の皆さん全体にお約束したことは守らなければならないと考えております。
○加瀬完君 では必ず法律、命令は順守をする、政府の約束は破棄するようなことはないと確認をいたしまして、以下、本法案について伺います。
 きょうは主として下総御料牧場の交換について伺いますが、四十四年二月二十八日の衆議院の運輸委員会で今井総裁は、高根沢の用地取得費並びに全体の工事費の総額は大体二十二億です。下総は全体で四百町歩以上あるわけですが、その中で二十二億に相当する部分について建築交換をいたします。下総の面積がどの程度二十二億に見合うかという点は大蔵省の財理局で検討しております、こうお答えになりました。そうしてさらに下総御料牧場は四百三十九・七町歩あります。空港に必要な敷地は二百四十三町歩です。それに今後の見通しとしてアプローチ・ライトあるいは保安施設用地として御料牧場の残地で必要とする面積が八十一・二、それから代替地とする部分が百町歩です。国家公務員あるいは公団職員などの住宅予定地と記念公園として存置しようというものを含めて国が留保する予定面積が十五町歩です。したがって、これを合計いたしまして四百三十九・七町歩となります。こういうように答弁をいたしておりますが、間違いございませんね。
○参考人(今井栄文君) 間違いないです。
○加瀬完君 それでは、これから確認をしてまいりますが、空港に必要な敷地は二百四十三町歩ということですか。
○参考人(今井栄文君) 敷地内の面積はそのとおりでございます。
○加瀬完君 保安施設用地等が八十丁二町歩ということですね。
○参考人(今井栄文君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 これは御料牧場の残地を当てるということですか。
○参考人(今井栄文君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 代替地とする部分は九十七、約百町歩ということですね。
○参考人(今井栄文君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 空港予定地の敷地内と敷地外とに分けて、御料牧場の分布面積はどうなっておりますか。
○参考人(今井栄文君) おっしゃいますように、御料牧場の全体の面積は約四百三十九ヘクタールでございまして、その中で空港敷地になりますものが二百四十二・八ヘクタール、約二百四十三ヘクタールでございます。それから付帯施設用地、これが八十一・二ヘクタール、それから代替地として県有地と交換いたしますものが九十七・六ヘクタール、それから公園または住宅用地として国が保留いたしておりますものが十七・八ヘクタ一ル、こういうふうになっております。
○加瀬完君 高根沢の工事総額は二十二億、建築交換はこの二十二億に相当するものとして交換するということですね。
○参考人(今井栄文君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 それでは下総御料牧場の面積で二十
 二億に見合うものはどれですか、交換対象は。
○参考人(今井栄文君) これは若干敷地の中にかかりますけれども、代替地に当てる部分を主とい
 たしまして、全体で百七十二・七ヘクタール、こういうことになっております。
○加瀬完君 大蔵省に伺いますが、いまで言えば旧下総御料牧場になりますが、四百三十九・七ヘクタールが、敷地外の九十七ヘクタールを含めて百七十三ヘクタールは売り払い物件として提供をし、この価格が二十二億ということになりますか。
○説明員(市川廣太郎君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 十八ヘクタールは国有地のまま残し、それらを引き去った二百四十九ヘクタールを空港への現物出資ということになるわけですね。
○説明員(市川廣太郎君) 下総御料牧場用地のうち建築交換に当てますのが百七十二万七千平米、百七十二ヘクタールでございまして、出資対象予定が二百四十八万九千平米で、そのほかに十七万八千平米ございまして、これは現在国有財産のまま留保いたしております。
○加瀬完君 いや、このいま提案されている法案の内容によりますと、その残った二百四十九ヘクタールというのは、現物出資ということで国が公団に出資をするということになるんでしょう。
○説明員(市川廣太郎君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 少し公団の説明と食い違いがありますが、時間の関係でそれをここで詳しく申し述べることはやめるといたしまして、問題は百七十二・幾ら、概算して百七十三ヘクタールは売り払い物件に間違いございませんね。大蔵省から伺います。
○説明員(市川廣太郎君) 売り払い及び交換契約によりまして売り払いいたしました数量でございます。
○加瀬完君 そこをはっきりしていただかなければなりませんが、これは売り払い物件ではないんですか。この契約書をあとで説明をいたしますが、これによると乙が丙に売り払う物件という中に百七十二・七六ヘクタールというのがありますね。
○説明員(市川廣太郎君) この契約書の第二条に掲示してございます百七十二万七千平米でございます。
○加瀬完君 だれに売り払うんですか。売り払う相手方はだれですか。
○説明員(市川廣太郎君) 新東京国際空港公団でございます。
○加瀬完君 この百七十三ヘクタールのうちには農地がありますね。
○説明員(市川廣太郎君) 仰せのとおり農地がございます。
○加瀬完君 農地を含む土地を、農地を含まざる部分は別として農地法では禁じられております無資格者に売り払うことができますか。これは農林省にお答えを願います。
○説明員(小山義夫君) 農地法の関係では農林省令で例外規定を設けまして、新東京国際空港公団が取得することができる道を開いてございます。農地法上は差しつかえございません。
○加瀬完君 それは高根沢の新御料牧場の造成に限って農地の取得が許されておるのであって、他の代替地の農地造成まで公団に農地法のワクをゆるめてその権利を与えていますか。
○説明員(小山義夫君) 農林省令で規定をしてございますのは、下総の御料牧場にかわるものとしてというふうになってございますことは、そのとおりでございます。
○加瀬完君 ですから、旧下総御料牧場にかわるものとして、高根沢御料牧場を農地を含めて造成することを公団に許容しているわけですよ。それ以外に、たとえば農地を売り払って公団に提供をした農民に対する代替地の造成まで農地をつくっていいという権限を公団に持たしておるわけじゃないでしょう。そうでしょう。これは公団で答えてくれても、運輸省で答えてくれてもいいですよ。そうでしょう。代替地の造成の権限はありませんよ。――じゃもう一回説明しますからね。公団が農地関係で許容されている権限は、旧下総御料牧場のかわりに高根沢に新しい御料牧場をつくるというこのワクの中で、農地を造成してもいいという権限を与えられておりますけれども、それ以外に公団が公団の必要によってどっかに農地をつくったり、農地を取得したりするそういう権能は与えられておらない、こういうことでしょう。
○参考人(今井栄文君) おっしゃるように、その点は先生の言われるとおりでございます。
○加瀬完君 そこで重ねて大蔵省に伺いますが、空港公団が直接必要なものは敷地内の国有財産だと確認してよろしゅうございますね。空港公団が直接必要なものは、敷地内の国有財産、そういうことでしょう。
○説明員(市川廣太郎君) 空港建設のために直接必要なものという御質問でありますれば、そのとおりであるとお答えせざるを得ませんけれども、同時に、公団といたしましては、空港予定地内に所在する県有地がございます、その県有地を取得しなければならない、そういう要請がございましたので、片や県のほうが取得する必要があった代替農地対象部分でございますが、その部分を公団に国から譲渡いたしまして、公団と県とでこれを交換したという形になっております。
○加瀬完君 それはあとで触れますが、公団は高根沢の農地造成以外には農地を取得する権限はないわけでしょう。それを空港の敷地内の農地を取得するというなら空港のためということで理屈が合いますけれども、代替地その他の目的から空港敷地内でない他の地域に農地を取得する権限はない。これは公団の総裁がおっしゃっているとおりです。大蔵省はそれを譲渡したとおっしゃった。譲渡できない、農地を取得する権限のないものに譲渡をしたというやり方をしていることがおかしいんだと、私は指摘をしたいわけですよ。それはあとでおいおい詳しくきめてまいりますが、とにかく、公団が下総御料牧場を必要とするのは、空港敷地用として下総御料牧場を必要としたことは原則的には間違いがございませんね。そうすると、いま等価交換の対象物件が、土地については敷地内は七十六ヘクタールにしかすぎませんね。これはお認めになるでしょう。百七十三ヘクタールというけれども、九十七ヘクタールは外側ですから、空港の敷地として取得するものは、敷地内のものは七十六ヘクタール、こういうことになりますね。これは大蔵省に……。
○説明員(市川廣太郎君) 七十五・一ヘクタールでございます。
○加瀬完君 私の言っている七十六ヘクタールよりなお少ない。切り上げても七十六ヘクタール、詳しく言うと七十五・一ヘクタール。そうして九十七、何ヘクタールというものは、これは空港の敷地ではないですね。代替用地として交換の対象の中に入れられたと、こういうことですね。
○説明員(市川廣太郎君) 仰せのとおりでございます。
○加瀬完君 それで、あなたがいまおっしゃるように、これは公団に譲渡したというんですから、公団が取得することになったと認めていいですね。
○説明員(市川廣太郎君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 一体、農林省にまた聞きますけれども、農地を取得できないものに農地の取得を認めたということは、これはどういうことですか。
○説明員(小山義夫君) 公団が代替地を取得しますのは、御料牧場にかわるものの範囲に限定をされていることはそのとおりでございまして、それ以外の部分は公団が直接取得することは認められておりません。
○加瀬完君 ところが、いま大蔵省の言うのには、九十七ヘクタールについては公団に譲渡したと、こう言うのです。もう少し詳しく申し上げますと、空港敷地の中で七十六ヘクタール、詳しく言うと七十五・一ヘクタールしか今度は交換の対象の中に入れていないんですよ。それで二百四十九ヘクタールというものが現物出資ということで国が公団に提供するわけですよ。それで敷地対象として九十七ヘクタールは農地を持つことの不可能な公団に国は譲渡をするという形をとっているわけですよ。ややっこしく申しましたが、七十五ヘクタールしか飛行場の敷地の中では交換対象にしていない。しかも、必要ないかというと、二百四十九ヘクタールを必要としている。しかし、その二百四十九ヘクタールは交換の対象にしないで現物出資という形をとっている。それで飛行場には直接必要のない敷地内の九十七ヘクタールというものを、農地法によって取得を公団は禁じられているにもかかわらず、そういう権能がないにもかかわらず、これに国は譲渡をしたと、こういう形をとっているんです。だから、最初に、国や公団は法律を必ず守りますかと念を押した、守ります――守っていないじゃないか。そういうことになるでしょう。
○説明員(小山義夫君) 私、その国と公団との間の契約内容をつまびらかにはただいま承知しておりませんけれども、公団が取得をしたもののうち、空港の施設が建設されます部分については転用の手続があるわけでございまして、これは差しつかえないと思います。それ以外のものについては、農地法のもとで履行し得る道が開かれているように当時聞いておったのでありますけれども、その後どういう契約の条項になっておりますか、非常にこまかい契約条文まで現在私当たっておりませんので、どうなっているか、よくわかりませんけれども、県のほうにいくとすれば、県は農地の規制がはずれておりますので、県へ持っていかれる分については差しつかえないわけでございます。その辺のところが契約条項、どういうふうになっておりますか、私承知していないわけであります。
○加瀬完君 それはあなたのおっしゃるように、県が肩がわりするという形になっているんだけれども、その問題にはあとに触れます。
 これはとにかくいろいろのトリックで、結局農地法の違反というものをのがれているようなやり方をしているんだけれども、二つ問題がある。大蔵省にひとつ今日でなくてもけっこうですからはっきりしたお答えをいただきたいのは、敷地の中に二百四十九ヘクタールまだ公団は必要とするのに、それは交換の対象にしないで、外側の農地を取得するような方法をとったのは一体これは何だということが一つ。いいですか。二百四十九ヘクタールまだ足りないですよ、空港の敷地として。だから、その中で当然等価交換の対象を求むべきなのに、それはそのままにしといて、外側の九十七ヘクタールというものに対して交換の対象としたのはどういうわけかということが一つ。これは大蔵省にあとで御回答いただきたい。
 それから、敷地の中ではない外の九十七ヘクタールというものは、これは農地法に触れる問題の土地です。これを大蔵省は契約によって、いま御説明のように、取得できない公団に譲渡したと、こう言っている。そういう方法は農地法上許せるかどうか、そのお答えをいただきたい。そのお答えはあとでけっこうです。
 そこで、いま契約の問題が出ましたので……。百七十三ヘクタールと高根沢を交換をしたわけですね。交換契約担当官は、甲は宮内庁長官官房主計課長、乙は大蔵省の関東財務局長、丙は契約担当役今井総裁、こうなってますね。これは間違いありませんね。
○参考人(今井栄文君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 契約の対象は百七十三ヘクタール、契約者はいま申し上げた甲乙丙。それで、先ほど明らかになりましたのは、乙が丙に、大蔵省が公団に売り払う物件は百七十三ヘクタール、したがって、百七十三ヘクタールは売り払い物件の中に入っている、こう認定してよろしゅうございますね。
○説明員(市川廣太郎君) 仰せのとおりでございます。
○加瀬完君 そこで、公団と農地局に伺いますが、空港敷地を公団が取得することは当然でございますが、農地法に触れる敷地外を何ゆえに契約内容としなければならなかったのか。これは農地局とも話し合いがあったはずですよね。したがって、農地法に触れる敷地外の九十七ヘクタールというものを一体契約内容とすることに農林省としては何にも異存はなかったのか。また、公団に対しましては、取得できない農地を含めて契約を一体成立させたということはどういうことなのか。契約はどういう契約だって契約すれば成立しますよ。しかし、農地法で農地が取得できないということがわかっているものを一体契約内容に入れたのはどういうわけですか。
○説明員(市川廣太郎君) 代替農地の部分についてのことでございますが、現行農地法上は仰せのとおり、公団が農地の所有権を取得することはできないことになっております。ただ、契約締結の当時の情勢を申し上げますと、公団といたしましては農林省に対しまして特例措置を講じていただきたい、そのようなことのできる道を開いていただきたいということを要請いたしておりましたわけでございまして、私どもといたしましては、公団の置かれている特殊な位置それから空港建設の必要性、そういうことから勘案いたしまして、その要請が実現するのではなかろうかと考えておったわけであります。そういう情勢がありましたので、このような契約を締結いたしました。いたしましたけれども、いまのような、申し上げましたような特例措置が講じられない場合もあり得る、可能性としてはあり得るということを考えまして、契約上は第九条に特則というのを設けまして、そこの四項及び五項に特別な規定を入れまして、本物件の所有権が移転する相手方は原則として丙、すなわち公団であると、しかし公団がそのような特例措置を認められなかった場合には乙、すなわち財務局長の同意を得て丙が指定するもの、これは県を予定しておりましたけれども、県にその物件の所有権が移転するものであるということを特約として入れているわけでございまして、前段でいくか後段でいくか、いずれにいたしましてもどちらかの方法で所有権が移転するという形になりますれば違法問題にはならないという判断をいたしまして契約をいたしました次第でございます。
○加瀬完君 大蔵省が答えたから、農林省お答えいただかなくても筋はわかりました。しかし問題が二つあるわけですよ。それは、農地の取得ができない無権能者に農地を取得するという前提で契約を結ぶことははたして妥当かどうか。それからもう一点は、これは農地法では認められないということが大体予想できるので県に肩がわりをさせるということなんでしょう。それなら当然新しい問題が起こってまいりますよ。県有地と初めから交換するというのなら、国と県の間で、大蔵省と千葉県の間で交換をしてこれを公団が買い上げると、あるいは国が現物出資をするという方法をとったほうが妥当でしょう。
 あなた、事実関係よくわからないと思いますから、くどいようですが詳しく申し上げますと、敷地の中に県有地があるわけですね。これは公団にとって必要だ。それで、敷地の外に国有地があるわけですね。で、九十七町歩の敷地の外の国有地を公団にやって、その百町歩の県有地と中のものを交換をするということなんだけれども、初めから農地であるものは公団が取得できないんだから、なぜ、九十七町歩の外側と百町歩というものを国と県の間で交換をして国有地として公団にやるような方法をとらないのか。当然の筋というならばそれが正しいんじゃないですか。そういう方法をとらなかったのはどういうわけかという問題が起こってくる。しかし、これはあなたも農地を取得できないということは認めている。取得できない場合は県に肩がわりをさせるという御説明ですので、あとでまた細部にわたる質問をいたしますのでそのときお答えをいただければけっこうです。そこで、そうなってくると、高根沢の二十二億に見合うものは一体何だという問題が起こってくる。そうでしょう、九十七町歩というものは公団は取得できないわけですから。この契約によっても、あなたの説明の契約によっても、公団がこれを千葉県にやるという指示権というか指定権だけを持っているわけです。そうすると、二十二億というものは敷地の中の七十六ヘクタールだけなのか、外の九十七ヘクタールはその見合いの対象になっているのかどうか、この点はどうですか。
○説明員(市川廣太郎君) 代替予定部分の土地につきましては、契約をいたしましたあと、四十四年の七月でございますが、公団が千葉県と交換契約を結びまして、この土地を千葉県に渡し、千葉県から九十八・一ヘクタールの土地を、敷地内に県有林がございまして、それを取得するという形になっておりますので、何といいますか、国から渡されたものが間接的には空港敷地内の土地に形を変えまして公団の所有地ということになっているわけでございます。
○加瀬完君 県有地約百ヘクタール――九十七ヘクタールを交換するといっても、敷地外のこの九十七ヘクタールの所有権は公団には帰属しておらないでしょう。公団には帰属しておらないで、公団が持っているものは、この農地を含む区域九十七ヘクタールをだれに所有させるかという指定権だけです。そうすると、七十六町歩とこの指定権が二十二億に見合うものだという解釈をせざるを得ないでしょう、これはそういうことですか。
○説明員(市川廣太郎君) 県と公団との交換契約におきまして、公団が県に引き渡しましたものは何かということでございますが、これは契約上は公団が国から取得いたしました財産権ということになっております。先ほど引用させていただきました国と公団との当初の契約書の9条にもありましたように、前段でいきますれば所有権を公団が取得する。後段でいきました場合が一種の請求権でございますが、債権を公団が取得するという形になりまして、その所有権か債権かいずれかにしろ、とにかくその二つのものを総称いたしまして、財産権ということで表示いたしまして、公団と県が交換契約をいたしているわけでございます。
○加瀬完君 はい、わかりました。財産権として所有権をあなたのほうの御説明のワクで県にやるということになりますけれども、所有権はないわけですね、これは公団は。外の九十七ヘクタールについては所有権はありませんね、農地が大部分ですから。農地の所有権は公団にはないわけです。そうすると、だれに所有権を与えるかという指定権だけですよね、これは。千葉県なら千葉県にやるという指定権、そうすると指定権が財産権ということになるわけですね。そうすると、あなたのほうの大蔵省の他の課はここを反百十万円と評価をしておりますね。そうすると、九十七町歩ということになると、これは十一億ということになります。その他を省きますと、そうすると指定権が十一億ということになりますね。所有権のないものが財産権が成立しますか。あなた債権だと言う。しかし農地の場合は、農地を所有する権能のあるものは完全には所有権を有することになるわけでしょう。そういう意味で所有権は公団はない。そうすると、この農地については所有権はないけれども、一応譲渡をされたという形になっておるわけですから、これは一般民間に例をとれば、仮登記したようなものだ。そういうことで自分は農地を取得できないから登記できない。農地を取得できる権能のある県にこれを肩がわりさせるということになるわけですね。そうでしょう。そうすると、肩がわりさせる権利が十一億に当たるということになるわけですね。しかし、民間ならそういうすれすれの便法というものも許容されるかもしれませんが、公の機関が所有権も認められない前提に立っている土地について他の財産権を認めるという便法を講じなければならない必要がどこにあるか。こういう契約というものは、はなはだ不法とは言われないでしょう、契約上は成立しているのですから。しかし、妥当を欠く契約と言わざるを得ないと思う。
○説明員(市川廣太郎君) 反当たり百十万円で約十一億円というその評価につきましては、私つまびらかでございません。ございませんけれども、私どもが国と公団との契約におきまして、公団に譲渡した所有権ないし請求権というものは財産権としてはっきりした権利でございます。契約書の9条の5項にもそのようなことが書いてございまして、所有権の移転を請求する地位を有する公団――公団にそのような地位を与えているわけでございます。その対象物件が仰せのように九十七
 ヘクタールもあるわけでありますから、いまの評価額に対応する金額ということで、その請求権の対価はこれに対応する金額というものになるわけだと思います。
 御質問の後段でございますが、確かに仰せのとおり、このような回りくどい方法をとらないでもっと直截な方法によりまして契約できたじゃないかということなんでございますが、実は当時、先生仰せと同じような観点に立ちましてほかの契約方法を考えてみたわけでございます。こまかく申し上げるとちょっとこまか過ぎますので遠慮させていただきますが、そのほかに四つの契約方法を考えてみましたけれども、いずれの方法も、たとえば県の財政事情その他との関係からうまくいかない。残る方法としては、最善の方法はこれだということでこの契約方法を採用することにいたしました。しかも、この契約方法でいきますると、法律には積極的に抵触するような契約方法ではないということもございましたし、空港建設を一刻も早く行ないたいという要請に沿うことも必要でございましたので、あえてこの方法を採用したという事情でございますので、御了解いただきたいと思います。
○加瀬完君 了解できないですね、これは。そうすると請求権が十一億ということですよ。評価はそれぞれあっても十一億に当たるということ。しかし、事実は国有地と県有地が交換されるという形式をとるわけでしょう、公団の所有地と県有地が交換されるという形にはならないわけです。国有地と県有地が交換をされるという形をとるわけです。そうでしょう。あなたが譲渡、譲渡と言っているけれども、譲渡されたものは請求権。請求権だけで所有権は譲渡されておらないわけでありますから。しかし、国有財産の扱いで、所有権なり使用権なりをはっきり譲渡するというならいままでの慣例もございますが、所有権もない使用権もない、そういうものを請求権だけで十億か十一億に当たるようなそういう権限を与えたという契約の前例がございますか。私の調べた範囲においはてあまり聞かないのですけれども、往々にしてそういう方法がとられておりますか。
○説明員(市川廣太郎君) 大蔵省の財産を処分する場合の前例といたしましては、私の記憶する限りでは特に例がないと思います。思いますけれども、民間におきまして農地に関連いたしまして売買が行なわれるというときには、このような形式の契約、つまり物件ではございませんで、請求権を譲渡するという契約は行なわれているそうでございます。
○加瀬完君 民間契約と、国と公団の契約が同一であってよろしいということにはなっておらないわけですね。これはあとで触れようと思いましたが、いま出ましたから簡単に申し上げますが、国有財産法第二十九条「普通財産の売払をする場合は、当該財産を所管する各省各庁の長は、その買受人に対して用途並びにその用途に供しなければならない期日及び期間を指定しなければならない。ただし、政令で定める場合に該当するときは、この限りでない。」とありますね。で、今度は政令ではいろいろの項目が出ております。そうすると、この項目の中に該当するかどうかということになりますと、たとえば国有財産法施行令の第十六条の二の六項に「前各号に掲げる場合のほか、特別の事情があるため、用途並びにその用途に供しなければならない期日及び期間の指定を要しないものとして大蔵大臣が定める場合」と、こういうのに含ませる以外には含みようがないわけでしょうね。ただし、私契約の原則をそのまま公契約に適用することについては、営利法人と公益法人の権利能力は法的に区別されなければならない、こういう規定もありますね。公益法人は権利能力をきわめて厳格に限定しているというふうに民法の四十三条では読み取れるわけです。だから、公益法人であります公団が民間人と同じような契約をするということを許されておらないわけです。こういう点はしろうとの私でさえわかるんですから、大蔵当局としてわからないはずはないと思う、専門家として。どういうようにこの点を検討されたわけですか。公益法人が民間契約をそのまま準用するといいますか、適用する、同じケースをとるということは禁止されているわけですよ、民法においても。この点、どうですか。
○説明員(市川廣太郎君) 民法の規定はあまり詳しくありませんので、国の場合についてお答えいたしますと、国はもちろん公法人でございますが、国が普通財産を売り払いいたしますときには、国有財産法上特別の規定のある部分はその規定に従いますけれども、それ以外の広い部分につきましては私法原則に基づきまして契約をするというたてまえになっております。つまり普通財産の処分は行政処分ではなくて私法上の契約であるということでございます。
○加瀬完君 そうすると、ますますおかしい。これは甲乙丙で結んでいるわけでしょう。しかし実質的には丁がいるわけですね、千葉県というものが。そうすると形式上は丁が拒否する場合もありますね。丁が拒否した場合はこの契約というのが成立しないわけ。しかし千葉県はこの契約の中に入っていない。そうでしょう。丙と丁と契約ができて、それから甲乙丙で契約ができたというなら話は別だ。千葉県と公団の間で百町歩と九十七町歩と交換しましょうという契約ができておりますから、そこでひとつ国のほうとしても甲乙丙で契約を結んでください、そうすれば予約がありますからそのとおりにいきますということであれば、それは形式上は問題ない。内容はそうであっても、形式上は公団と千葉県の契約が結ばれた以前に甲乙丙の契約が結ばれているでしょう。こんなずさんな財産処分のやり方というのはありますか。この点はお認めにならざるを得ないでしょうな。千葉県と公団の間に何ら契約がないときに、宮内庁と関東財務局と公団総裁の間でこの国有財産売り払い購入契約書というものができたということは、これは認めるでしょう。これは事実ですから認めざるを得ないでしょう。
○説明員(市川廣太郎君) 形式的には、契約の文言の形式的な解釈上は、まさに先生のおっしゃるとおりでございます。ただ、事実関係を申し上げますと、千葉県が空港用地の買収に積極的に協力するという立場に当時ございまして、その空港敷地内の被買収者である農民の方に代替の農地を提供しなければならないという必要がございまして、大々的に農地を取得していたわけでありまして、国有地もぜひ入手したいということでございました。そういう事情もございましたので、事実上は千葉県がこのようなことを公団及び国のほうへお願いした場合には、これを拒否するということはないということが十分に想定できたわけでございます。
○加瀬完君 そういう内部事情の信憑性だけで契約が運ばれるということはあり得ないでしょう。もちろん内部事情の検討も当然でございますが、問題は、どういう事情の変化があろうとも、国が損害を与えられないというたてまえに立って国有財産の処分の契約というのは取り運ばれることでしょう。そういうことはないとしても、知事がかわるとか、議会で否決をするというような意思表示があった場合は、この契約は、これはできませんよ。そういう、全く大蔵省としてはどう考えてもうなずけないような契約内容になっているという点を私は第一に指摘をしなければなりません。こういうすっきりしない契約という方法をとらざるを得なかったのは、農林省が農地法というものを大幅に曲げなかったので、農地法をのがれるためにこういう契約をせざるを得なかったわけですね。しかし新しい問題もあるのです。公団が高根沢のような御料牧場をつくるというような内容が公団の業務範囲に入るかどうかという新しい問題もある。これは大蔵省に聞くことじゃありませんから別ですけれども、公団は、運輸大臣が所管をしているわけですね。運輸大臣の所管範囲に農地を取得するなんてありませんよ。そういう業務範囲の検討からいっても、農地であるものを公団に取得させるというような方法をとるべきでないというのは当然なことだと思う。
 その点をもう少しこれは詳しく言わざるを得ませんので伺いますがね、したがいまして、公団にかかる農地法の施行規則の改正は下総御料牧場の代替牧場の造成及び譲渡のみに範囲をきちんときめられておるのです。これは農林省認めますね。したがって、公団が無制限に農地の取得や造成を許容されているものではないと、当然認められますね。
○説明員(小山義夫君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 しかも、高根沢の造成は下総御料牧場が新空港敷地にかかるので、空港敷地を取得するために高根沢を造成、交換するという方法をとっているわけですね。公団総裁、そうじゃありませんか。
○参考人(今井栄文君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 新空港のための敷地として、下総御料牧場を提供してもらいたいということが前提なんですね。ところが、たびたび申し上げますように、いまの九十七町歩の代替地というのは空港敷地の外なんです。空港の敷地について交換させるというのならわかるけれども、空港の敷地でないところを交換させている。筋からいってもおかしい。交換物件は敷地外、これをおかしく感じなかったですか。大蔵省、どうして持って回ったような方法をとったのですか。
○説明員(市川廣太郎君) 空港建設のためには、公団といたしましては、空港予定地内に所在する県有林を取得する必要があります。一応県におきましても空港予定地内の農地所有者に代替地を提供するために空港予定地外にあります国有地を取得する必要がございましたので、種々検討いたしました結果、この代替地相当部分を建築交換の渡し財産ということに含んだものでございますが、先ほど説明を省略いたしましたけれども、このほかにもいろいろ方法が考えられまして検討してみたわけでございます。
 例を申し上げますと、まず代替地相当部分を空港予定地内の県有林と交換してしまう、そうすると国が空港予定地内の県有林を取得しますわけでございますので、それを公団に出資をするという方法もあったわけでございます。で、この方法は別の面で問題が出てきたわけでございますが、その問題点は国有財産法二十七条の交換の要件でございます「国又は公共団体において公共用、公用又は国の企業若しくは公益事業の用に供するため必要があるときは、」「交換することができる。」、で、これに違反する、国が公団に現物出資するために交換を行なうというようなことはこれに違反するおそれがあるという疑義が出てきましたので、この方法を採用することをやめた次第でございます。
 第二に検討いたしました……。
○加瀬完君 けっこうです。
○説明員(市川廣太郎君) よろしゅうございますか。
○加瀬完君 いいです。
 どんなに説明したって、だからこれでいいということにはならないわけですよ。農地を持ってない公団に農地である九十七町歩を譲渡するという前提に立ったわけですね。どう考えたってこれは妥当を欠くと言わざるを得ない。契約はよくったって契約内容は違法でしょう、これ。
 そこで今度は運輸省に伺いますが、まず法制局に伺いたいと思う。
 公団による農地取得行為は運輸大臣の監督になじむものと認められますか。
○政府委員(角田礼次郎君) ちょっと御質問の意味を取り違えてあるいは間違ったお答えをするかもしれませんが、公団としてはこの新東京国際空港を設置するという業務を持っておるわけです。その業務については、運輸大臣が当然監督をするわけだろうと思います。その業務達成のための手段として、いろいろ土地を取得したり建物を建てたりする、その土地を取得するなり建物を建てたりするという面におきましては、確かに運輸大臣がこのやり方がよいか悪いかという判断は当然やり得るのだろうと、そういう意味で監督になじむと思います。
○加瀬完君 公団法三十六条で、公団の監督は運輸大臣の専管でありますね。牧場用地の壊廃、さらにその上に新空港建設の事業をするというならば、お説のとおり、これは公団の業務内容になりましょう。新牧場用地の取得、造成事業が運輸大臣の監督になじむもので、その範囲においてはありましょうが、公団が規則第三条第七号に規定するような新牧場用地の取得、造成までを行なうことは、本来許されないか、少なくとも予想していなかったからこそ、監督権を運輸大臣の専管にしたわけでしょう。農地造成も公団がやれるということならば、これは農地造成ということならば、その専管事項ではなくて、これは農林大臣と合議しなければならないというようなことになったでありましょうのに、運輸大臣の専管事項としたということは、少なくとも農地の造成――飛行場をつくるために農地を買いたいということは別ですよ、飛行場と関係のないところに農地を造成したり、農地を取得するということは考えられなかったので、これは運輸大臣の専管ということにしたと解釈できませんか。
○政府委員(角田礼次郎君) ちょっとおことばを返すようでございますけれども、農地を造成すること自体を監督するとか、監督しないという問題ではなくて、公団がまず第一に新東京国際空港を設置するという業務目的を達成するために高根沢の牧場を造成するということがまずできるかどうか、という問題が第一にあるのだろうと思います。その点は、先ほどもちょっと触れましたけれども、これは法人の行為能力なり権利能力の問題としてしばしば問題になりますが、特殊法人の場合も同じだと思いますが、結局公団法二十条の解釈の問題だと思います。これは空港を設置するために必要な業務として、先ほど来やりとりがございましたように、高根沢の牧場をその手段として、いわば本来の業務を行なうために必要な業務として建設をする、ここまでは私は二十条の解釈から出てくるだろうと思います。
 その次に、今度は実際にそれを公団の業務としてやる面から見れば、運輸大臣が当然監督をするわけであります。ところが、それがたまたま農地であるということになりますと、いろいろ農地法の規制にひっかかってくるわけであります。その農地法の規制の面から見ますと、これは運輸大臣がむしろ何も権限はなくて、農林大臣が権限を持っておる。したがいまして、高根沢の場合は、たまたま例外としてああいう省令をつくったということなんです。むしろ実際上運輸大臣が農林大臣にいろいろお願いと申しますか、業務をしやすくするためにああいう省令をつくっていただきたいというようなことの連絡はおそらくあったのだろうとは思いますけれども、これは法律的にはもう全く農林大臣の権限事項で、農林大臣は省令を制定した。ところが、先ほど来のやりとりにあらわれておりますように、三里塚のほうはこれはそういう特例を認めてもらいたいと頼んだところが、農林大臣のほうの権限でこれは許さない――許さないと申しますか、特例をつくらないというふうにきめた。しかし公団法自体としては、これは別に関係のない問題だろうと思います。
○加瀬完君 いや、公団法自体関係がなくはないわけですね。公団法というのは、原則として、あなたがあとで説明になったように、農地の造成や何かはやるべきものではない、やれないという前提に立っておる。運輸大臣の専管事項であるならばそう解釈すべきだということはこれは当然でしょう。そこで、具体的に伺いますよ。運輸大臣は、二十一条によって、基本計画を定め、これを公団に指示するとあり、二十二条は、公団は、前条の基本計画に従い、かつ、航空法で定めるところにより、これを行なわなければならない、とありますが、これは法文のとおりですから、お認めいただけると思います。そこで、それを受けた公団法の施行令に、どこを見たって、農地または代替地を造成していいということはありますか。
○政府委員(角田礼次郎君) それはないと思いますが、ある一定の業務を執行する一つの団体がある場合に、その業務を執行するために必要かつ有益な行為は、おそらくその団体といいますか法人の業務範囲として一般社会通念上許されている範囲内のものであれば、これは当然できると思います。そして、それについては、それぞれ法律の規制がございますから、たとえば公団が家を建てるについては建築基準法という法律がありまして、建設大臣なり都道府県知事の監督といいますか、何といいますか、規制を受ける、これは当然だろうと思います。それぞれの業務を執行するについてはそれぞれの法律がまたございますから、その限りにおいては、それぞれの大臣の何といいますか、規制のもとに服する。ただし、公団の業務という面から見ると、そういうのが適当かどうかということは、これは運輸大臣が監督する。ところで、その業務として説明ができるかどうかということは、一番最初に申し上げましたように、それは二十条の解釈上できると思います。その点は三里塚の代替農地の建設というか、そういうものと高根沢の御料牧場の建設も全く性質的には同じじゃないかと思います。
○加瀬完君 あなたの説明納得できませんね。業務の範囲ということも第二十条にきめられておりますね。その一として、「新東京国際空港の設置及び管理を行なうこと。」、これは当然ですよね。それから、三として、「新東京国際空港の機能を確保するために必要な航空旅客及び航空貨物の取扱施設、航空機給油施設その他の施設で政令で定めるものの建設及び管理を行なうこと。」、そうすると、いまいろいろ問題になっている点は、政令で定めたものでなければ、業務範囲というわけにはまいりませんね。高根沢は政令で定めたものですから、これは業務範囲ということになってもいい。そうすると、ほかのことはどこから考えたって――ほかのことというのは、高根沢以外に農地を造成したり、代替地を造成したりすることは、業務範囲の中には認められておらないじゃないかと思う。これはそう解釈するのが常識でしょう。必要があれば、何でもやっていいといったら、一体法秩序は成り立ちますか。農林省には農林省の権限があります、農林省の農地法もかまわない、あるいは国有財産のいろいろ規定がありましょう、それもおかまいなしに、必要があったら法人同士の契約も契約すれば、両者の合意があれば、それは契約として成立するということで、公益法人が何でもやったら、一体行政組織というものは混乱をするでしょう。したがって、そういうことのないように公団のやるワクというのは、業務範囲というのはこれだけだと、運輸大臣の業務範囲というのはこれだけという規定があるでしょう。そのきめられた規定から見ても、どこへ農地をつくってもいい、どこへ代替地をつくってもいいということは、これは許されておらない。こう解釈するのが当然じゃないですか。空港の必要のためなら何でもやっていいという権限が公団にあるという、そんなばかな解釈は成り立ちませんよ。
○政府委員(角田礼次郎君) ちょっと私のことばが足りなかったと思いますが、高根沢はやってよろしいということをお認めになっていらっしゃるようでございます。それは二十条の三号の政令でやっているわけじゃありません。これはむしろ二十条の一号でやっているということでございます。そうしてそれが農地法の規制に引っかかるわけです、そのままでは。そこで、むしろ農地法の施行規則で、高根沢のためにああいう施行規則の改正をして、それを許したわけです。ということは、言いかえれば、先生の議論を裏切るようでたいへん恐縮ですけれども、二十条の一号で高根沢でやってよいということをむしろ農地法の施行規則である意味では認めておる、こういうわけです。それは農地法にひっかからないわけです。ところが、同じように、二十条の一号の業務の範囲に入るという意味におきましては、私は三里塚で代替農地を宮内庁のためにつくったと同じような意味で農民のためにつくるというのは、二十条の一号の解釈としてできるだろうと思う。ただし、二十条の一号は公団法二十条の解釈として申し上げているんで、先ほど来御指摘のように、農地法との関係においては施行規則も改正になっておりませんし、いろいろ問題があるということは、まさに先生御指摘のような議論、やりとりが行なわれている。したがいまして、私は、公団の業務としては二十条の一号で高根沢もできるだろうし、三里塚の農民のための代替地もおそらくできるだろう。それはなぜかというと、確かに代替農地を建設することができるとか、高根沢ができるということは二十条の一号には書いてございませんけれども、これは民法の公益法人でも、商法の会社でも、あるいは特殊法人でも同じでございますけれども、ある法人が主たる目的を達成するために必要かつ有益な行為で、社会通念上その目的を達成するための範囲内のものであれば、これは当然できるだろう。決して私は何でもできるというふうには申し上げたつもりはございません。
 それから、先ほど先生が御指摘になりましたけれども、一般の公益法人などに比べれば、特殊法人などの場合にはやや業務範囲の解釈についても厳密な解釈をすべきであるということを御指摘になりましたけれども、むろんそれはそのとおりだと思います。一般公益法人よりは確かに厳密な解釈をすべきだと思います。
○加瀬完君 業務範囲としてできるとしても、農地法なりその他の法令が業務範囲として行ない得る条件を整備しない限りはどうにもなりませんね。それでもとの農地法を見れば、農地法の精神からいっても、農業生産をあげないようなものに農地の造成というようなものをしたり、農地を取得させたりということは原則として禁じているわけですね。そういう性格と、同じく二十一条に「運輸大臣は、政令で定めるところにより、前条第一項第一号及び第二号の業務につき基本計画を定め、これを公団に指示するものとする。これを変更するときも、同様とする。」、業務の実施について、二十二条に「公団は、第二十条第一項第一号及び第二号の業務については、前条の基本計画に従い、かつ、航空法で定めるところにより、これを行なわなければならない。」と、大ワクがはめてありますからね。やはりこの大ワクの趣旨というものは尊重さるべきである。したがいまして、公団の農地の取得や造成が以上の法令の範囲から当然行なうべき業務であるという解釈は立たないのじゃないか、こういうように私は解するわけでありますが、間違っておりますか。
○政府委員(角田礼次郎君) 前段について、まず、お答えいたしますが、二十条の業務の範囲に入っておっても、それがかりに他の法令に違反する場合においては、それは公団の業務として行なった場合に違法になる、これはもう御指摘のとおりであります。
 その次に、二十一条、二十二条の基本計画なり、あるいは業務の実施についての規制でございますが、これについては、基本計画なり、あるいは業務、二十二条のほうは、ことに航空法のほうの関係でございますから、あまりこの場合には問題にならない。これはむしろ実際に飛行場をつくりましたあとのような問題で一それじゃ私はしろうとでありますから、やめますが、二十一条の基本計画のほうについては、むしろ基本計画の実体がどうなっているか私ちょっと存じませんけれども、かりにその中にこういうふうにやれということが指示されておるとすれば、それは当然運輸大臣の指示に従って公団はやらなきゃならない、これは法令に違反してはならないというのと同じ意味において指示に従ってやらなければならないということが言えると思います。
○加瀬完君 公団法というものは航空法というものが一つの基本になりまして、航空法で公団のいろいろのワクというものが相当制限されていますといいますか、前提の条件になっておるというように私どもは解するわけですよ。ですから、航空法というものを除いて公団の運営というものをするということはあり得ないと、その点は政府側も、公団が高根沢の造成をしながら代替地の造成をしないのはなぜかという衆議院の質問に対して、今井総裁も手塚局長もお答えになっておる。手塚局長のお答えを御披露いたしますと、――公団が下総御料牧場の代替牧場を造成するために農地を取得はしますが、この場合、施行規則三条の許可除外としましたのは、国である宮内庁がみずから牧場を造成する場合には農地取得の許可除外となりますが、公団が宮内庁にかわって牧場を造成するということなので、両者の関係はきわめて明確であるということから除外例を認められたわけであります。しかし一般的に公団が代替農地を取得するということについては、農地法のたてまえは不耕作者に農地取得を認めない大原則に立っていると理解をしております、こうお述べになっております。これはそのとおりでよろしゅうございますね、手塚さん。
○政府委員(手塚良成君) そのとおりでございます。
 ちょっと途中で失礼なんですけれども、現在金浦空港の、たいしたことではございませんが、一部ニュースとして御披露申し上げたいと思います。
 ただいま十一時、金浦空港の貴賓室で運輸大臣が記者会見をいたしまして、次のような声明を発表した。一つは、今回の事件で韓国側のとられた措置に感謝する。第二は、六時に金山大使、丁国防部長官が誠意をもって説得に当たったけれども、犯人は乗客の釈放を承諾せず、解決に至っていない。三、しかし人命の安全は保たれている。四、今後も引き続き説得を進める方針である。こういうことが記者会見で御披露されております。
 なお、少し時間がおくれましたが、九時に「よど」号をランウエーまたはタクシーウエーという説もありますようですが、これへ引き上げた。着陸しますときに、御承知と思いますが、ランウエーから前車輪がオーバーランをして前にはみ出しており、そのままでは離陸も動かすこともできないわけですが、これをタクシーウエーかランウエーへ引っ張り上げたということを九時にやっております。ただ、これには注釈がついておりまして、従来の状態ですと飛行機が傾斜をしておるという状態にありまして、中におられる方が非常に不快感がある、そこでそういった不快感をなくすために機体の位置を水平にするというために行なったものであって、発進等に備えるというためのものではない。この作業をやるについては犯人側も了承をしており、日韓のトップクラス了解のもとに行なわれたものと考えられる。なお、機内に錯乱状態の乗客が出たとの報道があるけれども、日航側は特にそういった連絡を受けていない、こういうところでございます。御披露いたします。
○加瀬完君 航空局長の説明によると、新御料牧場の公団による造成は、両者の関係がきわめて明確であるということで除外例を認めたと思うのでありますが、農地局、そのとおりですね。
○政府委員(角田礼次郎君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 両者がきわめて明確とはどんなことですか。
○政府委員(角田礼次郎君) 空港公団が高根沢で造成をいたしました牧場は宮内庁の御料牧場になる、そこのところが非常にはっきりしておる、こういうことでございます。
○加瀬完君 そうすると、旧御料牧場が空港敷地となるというので、これを交換のためということなんですね、明確ということは。
○政府委員(角田礼次郎君) 高根沢で空港公団が造成をした新御料牧場が宮内庁の御料牧場になる、こういうことでございます。
○加瀬完君 そうすると、その許容条件は、両者がきわめて明確ということであるので許容をしたと、その内容は高根沢で造成されている御料牧場は、これは宮内庁の御料牧場になるという所有者が明確であるから両者がきわめて明確だと、こういう御説明だとなると、それならば代替地の造成によって入る者は飛行場の敷地によって土地を失った者だということが明確であれば、その代替地の造成もまた公団に許してもいいという筋も成り立つように思いますが、どういうことになりますか。
○政府委員(角田礼次郎君) 国と公団との間で契約が締結されます以前に、公団側から私どものほうに特別の措置を講じてほしいという非常に強いお申し出があったことは事実でございます。また、公団側もその実現性について非常に多く期待しておられたことは私どもも折衝の過程で感じたわけでありますが、先般来先生御指摘のように、農地法の大体の全体を通じております原則としまして、みずから耕作しない者に農地の取得は認めないということになっておりますので、私どもとしては、例外的な場合を除いてはできるだけ代替地の取得は中間取得者には認めない。と申しますのは、代替地の取得というのはなかなか制度の仕組みの中に入っておりませんので、それがその計画どおり、おっしゃるとおり使われる、権利移転が行なわれるということの確認もなかなかむずかしいというのが一般的な私どもの悩みでございます。そういうこともございまして、公団側から特例措置を講じてほしい旨の申し出があったのでございますけれども、それをお受けすることができなかったわけでございます。そういうことで、高根沢につくりますときには、本来、国である宮内庁が造成をするものをたまたまそれにかわって空港公団がやるという関係でございますので、例外規定を開いたわけでございますけれども、三里塚のほうにはそういう特例を認めることができなかったという事情でございます。
○加瀬完君 この高根沢の御料牧場は公団がつくれなくても宮内庁でつくろうとすればできるわけですね。何も現物交換しなくたっていいわけですね。しかし空港によって土地を失う民地の代替地というものは自分でつくるわけにはいかないわけですね。土地が提供されて、同一条件の土地にするためには、相当のこれは農業改善事業か何かのワクの中に入れていろいろ工作をしてもらわなければ、いままで失った土地と同等のものを取得するという形にはならないわけですね。一体公団なり国なりが一番やらなければならないことは、宮内庁だけでやれる。御料牧場をつくることが一体先なのか、土地を失って路頭に迷うような者に生活のことは心配ありませんよという代替地をつくって提供することが先なのか。前後は論じられないとしても、少なくも土地を失なった人たちの代替地がなくてもあってもいいということには私はならないと思う。それなら農林省はなぜ、そういう便法を許すというならば、おたくのほうには機械化公団か何かがあるのですから、そういう国の施策として代替地の造成を根本的にやるという方法をとらなかったのか。あるいは運輸省なり公団なりはそういうようなやり方で、国の責任で代替地を造成するということをなぜしなかったか。非常に私は片手落ちだと思うのです。保護対策というのが全然ないのです、農民に対する保護対策というのが。それを農民の立場に立って一番保護しなければならない農林省も、案外その農民に対する対策というものを考えておらぬのです。いままでのいろいろな議論で、少なくもこの国有財産売り払い及び購入契約書という宮内庁と大蔵省と公団の間で取りかわされたものは、そのときの時点においては農地法違反の契約だということが明らかじゃないですか、農地法としては取得できないものを譲渡するという契約なのですから。そういうことを、便法を許しておきながら、どうして土地を失って路頭に迷わなければならない人たちの生活権の保障なり農業経営権の保障なりというものを責任を持ってやらないのか。これはひとつ運輸省にお伺いいたします。そういうことをやっているから反対がだんだん強くなってどうにもならないということになるわけです。どうですか、この点は。
○政府委員(手塚良成君) この新空港をつくりますについて代替地――土地を失われる農民の方に対する代替地というのが最大のポイントであるという点につきましては、私どももそのように考えております。ただ、先ほど来の御議論になりますが、いろいろ代替地造成につきましては関連した法律関係、あるいはその他従来の経緯、あるいは予算上の問題等々ございまして、それらを一本の筋できれいにさばくということが現実問題としてなかなかむずかしい。そこでいろいろ御指摘のような無理なことを何がしかやらざるを得ない。つまり空港の建設につきましてのタイムリミットもありますし、また、当時といたしましてはなかなか農民の皆さんの同意を得て買収するということは非常に困難である。そのためにやはり代替地の適地をある程度明示をしなければならない。また、その価格等についてもいろいろ問題があるというような現実問題との調整のことになりまして、いろいろ関係方面には御無理なお願いも申し上げたわけですが、現実問題はまあそういったことで、こういうような御指摘の無理なやり方を一部どうしてもとらざるを得なかったというのが事実でございまして、私ども代替地というものに対しては、やはり一番問題であり、現在の反対の皆さんの今後御協力を得る手だてといたしましても、やはりこれが一番の問題になおなっていくと考えますので、今後とも代替地問題、ややいままでの法的な筋その他におきましては無理があるかもわかりませんが、代替地そのものに対する公団における取り扱いというものは第一義的に考える、今後の反対運動の方の御協力もそういったところにポイントを置かなければならない、こう考えております。
○参考人(今井栄文君) 先ほど来の関係各省に対する先生の御質問につきまして、公団といたしまして、当時の実情について簡単に申し上げたいと思います。
 なぜ公団が代替地に関する部分を一応請求権の形で取得して、県と、県有地と交換するというふうな措置をとらざるを得なかったかという実態的な背景でございますけれども、これは公団発足後、先生のおっしゃるように、農民の代替地というものを何としても確保しなければならない。これは閣議決定の地元対策にも述べられておりますし、それから県知事としても県政上、敷地内の住民の代替地というものについて非常に関心を持っておられる。しかも、公団といたしましてもやはり敷地内の方々が安穏に移っていただく適地を提供するというということが空港建設を促進するということで、私どもと県との間には全く二人三脚のような形で仕事が進められてきたわけでございます。そこで私どもとしては、何としても代替地をお願いして国有財産のうちから百町歩程度のものを差し上げたい。県も県有地、特に従来御指摘のございました畜産試験場あるいはまた種鶏、種豚場というふうなものの施設を撤去してまで約百町歩を代替地として提供する。そこで公団としても、ぜひ政府にお願いをいたしまして、御料牧場の残地を公団が何らかの形で県にお渡しできるように、しかも敷地内には公団が当然取得を希望しておる県有地が約百町歩あるわけでございますので、御料牧場の残地につきましては一応公団がイニシアチブをとって県の敷地内の所有地と交換をしたい、こういうことで私どもが政府に御無理を実はお願いしたわけでございます。しかし、先ほど農林省並びに大蔵省からいろいろお話がございましたように、農林省といたしましては、農地法の大原則のたてまえ上、一般的な農地の取得を公団に認めるわけにはまいらぬ、それからまた大蔵省としても、国有財産の適正な処理という観点から合法的な措置を講じなければならないというふうなことで、私どもの御無理を現在の法理上のたてまえに合わせるというふうな形を実はとっていただいたわけでございます。私どものやりましたことは、それによって現在、先生も御承知のように、敷地内の方々が民有地並びに旧国有地、県有地に現在移って営農をし、かつまた家を新築されているという状況でございまして、特に私どもが高根沢の御料牧場の造成を急いだゆえんのものも、御料牧場残地約百町歩を代替地として農民の方々に造成をしてあげたい。しかも、その造成につきましても、農民に対する配分の点につきましても、これは県と公団で協議をしながらやってまいったわけでございまして、したがって、代替地として御料牧場残地というものを一応公団が権利を取得して県有地と交換するという形をぜひということで私どものほうでお願いいたした、こういうことでございますので、事情を御了承願いたいと思います。
○加瀬完君 そういう事情がおかしいというのですよ。公団が取得する範囲は空港の敷地内が先決条件ですね。ところが、敷地内の土地は国有地であるのにそのまま残しておいて、敷地外のところを取得をする方法をとったわけですね。それは農地でありますから公団は取得できませんから、結局請求権という形で千葉県にやったわけです。千葉県が空港に協力しているというのなら、千葉県独自で中の九十八町歩とか外の九十七町歩を交換させればすっきりするわけです。何も公団が一枚入ってややこしい持ち回りをして法律違反すれすれのようなことをやる必要はどこにもないのじゃないか、そういうことを言っているわけです。いずれにしても、この契約というものはこれは農地法違反です、明らかに。農地法違反みたいなものを公益法人である公団がなすべきことではないと私は申し上げているわけです。
 そこで確認をいたしますが、国有地のうち、空港敷地外は九十七ヘクタール、これは県有地と交換をするわけですね。しかもこれは代替地として造成をするわけですね。そうすると、造成はだれがするのですか。
○参考人(今井栄文君) これは私どもが県にお願いをいたしまして、県知事が造成をする、こういうたてまえをとっております。
○加瀬完君 所有権も県が持ち、造成も県がするということであるなら、なおさら代替地の責任も県に持たせて、県がその九十七町歩の旧敷地が一番いいというなら、それの交換を県独自でさせるほうが当然じゃないですか。
 そこで大蔵省に伺いますが、宅地、水田、畑、山林、雑地等の評価額は通常違っておりますね。
○説明員(三島和夫君) この敷地内の交換いたしました土地については、価額は宅地、畑、山林それぞれ価額は相違いたしております。
○加瀬完君 そうするとこの九十七町歩、旧御料牧場あとと県有地約百町歩、この状態は、土地の価額評価は同じですか。
○説明員(三島和夫君) 九十七町歩の国有地につきましては、私のほうではどの程度公団がお出しになったか、その区分は十分承知しておりません。
○加瀬完君 そうすると等価交換をしたわけですか。
○参考人(今井栄文君) 等価交換でございます。
 ただいま先生のおっしゃいますそれぞれの地目別の両者の相違と、それからその面積あるいは価額の評価について申し上げますと、代替地として提供いたしました御料牧場残地につきましては、宅地それから畑が比較的多うございまして、全体で、先ほどお話に出ましたように九十二ヘクタールというふうなことになっております。それから県有地のほうは宅地、畑地よりはむしろ山林のほうが比較的多いというふうなことで、全体の面積は約九十八ヘクタールとなっております。それからその等価交換でございますが、総体の金額といたしましては、十一億四千九百五十五万一千円ということでございます。
○加瀬完君 十一億四千九百万、私がさっき言った十一億と大体似たようなものだ。この県有地は、これはちっちゃな竹の林ですね、竹林ですね。代替地として提供されるものは相当いい畑ですよね。これが等価ですか。それがまず一つ。
 それからこの代替地は公団の所有じゃないわけですね。九十七町歩は請求権だけを持っている。請求権が十一億四千九百万ということですね。そんなべらぼうな話があるかと私は言いたいんですよ。所有権もないのに地価と請求権が同一、そういう常識が成り立ちますか。地価が十一億四千九百万、ここは等価交換というならば、所有権はないわけだから、その地価そのものが請求権の価額ということになっているわけでおかしいじゃないかと思うんですよ。
 それからもう一つ、これはもういま造成工事をしておりますね。この点はどうですか。
○参考人(今井栄文君) 造成工事もほとんど終わりに近づいております。
○加瀬完君 したがいまして、この法律が通らなくても、一体この契約書だけでそれが進められてよろしいということになっているんですか。
○参考人(今井栄文君) 先ほど先生からもお話がございましたように、空港敷地内につきましては、約四百三十ヘクタールという御料牧場のあと地があるわけでございます。そのごく一部がこの交換の対象になっておるわけでございます。この法律を通していただきまして、私どもはできるだけ早く空港敷地の中の本体の部分を国から出資していただきたい。こういうことでございまして、現在造成をやっておりますところはすでに交換をいたしました。私どもが請求権を取得した土地について県と交換をいたし、現在は県の所有地になっております。ですから、当然県としては造成する権利を持っているわけであります。
○加瀬完君 結局これは、法律の内容には入っていないわけですね、法律の内容には。それで今度の法律の内容は、結局公団が取得するのじゃなくて、公団の現物出費として二百七十何町歩を提供させるということなんですね。
○参考人(今井栄文君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 そうすると、国民の目には、正面に出されたものは、公団は空港の敷地が足りませんから、そこで金もありませんので国有財産を現物出費をしてもらうのだということだけが出てきているのですね。現物出費をしてもらわなければ土地の獲得ができないような状態の中で、何を好んで外側のほうに請求権だけで十一億四千九百万円という金を出す必要があるのかという問題を私は感ずる。敷地の中を早く確保したいということならわかるが、敷地の中の確保はあと回しにしておいて、現物出費ということで肩がわりさせておいて、公団の費用そのものは外側の買わなくてもいい九十七町歩に対する請求権だけで十一億四千九百万円払う。
  〔委員長退席、理事金丸冨夫君着席〕
若干意見になって恐縮ですが、それならば、すなおに十一億何千万円払わなくて、国と県で交換すれば十一億四千九百万円という金はほかのことに使える、公団の仕事の。そういう疑問を持ちますので、一応申し上げておきます。
 時間を急ぎますので農林省に伺いますが、農地法は、その耕作者みずからが所有することを最も適当であると認めて、耕作者の農地の取得を促進し、その権利を保護し、その他土地の農業上の利用関係を調整し、もって耕作者の地位の安定と農業生産力の増進とをはかるということを目的としているのだというふうに解釈してよろしゅうございますね。
○説明員(小山義夫君) 農地法第一条の目的にそのように記載されております。
○加瀬完君 そうすると、農地は耕作者みずからが所有することを最も適当であると認めておりますし、耕作者の農地の取得を促進し、その権利を保護するということは現在も変わっておりませんね。
○説明員(小山義夫君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 耕作者の地位の安定、農業生産力の増進ということは、いまでも重視されているのですか。
○説明員(小山義夫君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 そうすると、これらに対する違反またはそごということは、農林省としては好ましくないと今日においても認めておられるわけですね。
○説明員(小山義夫君) その第一条の目的に沿って各条文の規定がございます。その規定に違反するという場合には、それぞれの法律上の規定に従いまして措置をすることになっております。
  〔理事金丸冨夫君退席、委員長着席〕
○加瀬完君 違反をするだけではなくて、積極的に耕作者の地位の安定、あるいは農業生産力の増進ということが、農地法の大きなねらいでございましょう。ですから、農地法の適用といいますか、施行については、そういう目的に向かって進められるとこれは考えてよろしゅうございますね。
○説明員(小山義夫君) 農地法の各条文の規定はその趣旨、目的に沿って運用してまいるわけであります。
○加瀬完君 農地法の各条項だけではなくして、農地行政というものがそうあるべきだと考えていいでしょう。
○説明員(小山義夫君) もちろん、農地法を離れていろんな農地行政をやっております。それはそのような趣旨で行なわれることはまた当然でございます。
○加瀬完君 若干よそ道に入りますが、調整区域の設定、その他を見ても、一体農地法あるのかないのか、農地行政あるのかないのかという疑問を農民側は最近訴えていないわけでもありませんね。この三里塚の場合も同様のことが言われるわけです。いまいろいろ述べてきたように、どうも違法ではないかというような方法までして、その空港の建設は進められている。ところが、その空港敷地にいままで農業を営んでおった既成農地は完全になくなってしまうにもかかわらず、代替地というものが御料牧場の土地のような形ではつくられてはおらない。高根沢に御料牧場をそっくり持っていくほどの努力があるなら、国が責任を持って、ここだけの地域のものはここへそのまま移せますよと、構造改善も何も一〇〇%完了していい農地になりました、生産条件も上がりました、あなた方の地位の安定も当然期待できるでしょうというような工作をするならばまだしも、そういうことは全然やっておらない。こういう点を一体農林省はどう考えておるのか。これは農地局に伺ってもお気の毒なわけですけれども、既成農地の確保、あるいは農民の地位の安定というものについて限定しますよ、成田空港に対して被害農家がたくさんいる、そういう意味では。それらに対する対策というのが具体的にありますか、農林省に。
○説明員(小山義夫君) 代替地造成並びに提供の問題につきましては、御料牧場あと地だけではなくて、いろいろ県当局においても、あるいは公団においても御努力をいただいている模様でございますし、また農家の方々も農業を引き続いてやる方々だけではなくて、いろいろこの機会に他に職業を求める方も中にはあろうかと思います。そういうことで、非常に広範に間口の広いところで、総合的、計画的に調整をして行なわれることが一番農家のためにもうまくいくんではないか、こういう考え方で、運輸省並びに公団当局とも御相談をいたしまして、千葉県が中心になって代替地の問題はやっていただくということで、私どもも進めてきたわけでございますが、いろいろ御指摘のような問題がもしあるとすれば、私どもも農業行政やっておりますので、十分関係のところにも連絡をいたしまして、調整をしてまいりたいと思います。なお、先ほどから答弁の機会を逸しましたんでございますけれども、この空港と国との間で行なわれた契約が、農地法上違法であるとか、無効であるとかいう疑いがあるんじゃないかという御質問があるわけでございますけれども、特例措置は結果としては講じなかったわけでございますが、公団としては、その特例措置が講ぜられるという期待をお持ちになって契約を結ばれ、かつ万一その特例措置がとられなかった場合に備えて、指定する者に所有権を移すという道が開かれてあるわけでございますので、私どもといたしましては、農地法上違法だとかあるいは契約の履行が不可能である、そういう意味で無効になるような、そういう契約ではないというふうに考えております。
○加瀬完君 繰り返して恐縮ですが、無効ではありませんよ。契約ですから無効ではありませんが、最初、いまの御説明のとおり、農地法の、もう一つの高根沢と別のワク外にしてもらえるという予定で、農地法上は取得のできない公団に譲渡しようという過程を通ったわけですね。しかし、それは農地法が別ワクを設けない限りは、譲渡ということは不成功に終わる。それならば第二段として千葉県への譲り渡しをする請求権だけを保有しようという形をとったわけですね。ですから、いずれにしても農地法からは当然譲渡できないのです。疑義というものは初めから存在しておった。存在しているものを、なかなか農地法の改正なんということも困難な状態にあることがわかっているときに、一体取得できない者に譲渡する、そういう契約をして、譲渡をできない場合には、その土地をだれにやるかという請求権だけを十一億四千九百万に見合うものにしようなんという契約が妥当といえるかということを言っているわけです。契約は契約ですから成立します。しかし、一つのもぐりでしょう、これは。いまでも民間で農地を先買いをして、農地は耕作者でなければ取得できませんけれども、そうでない不動産屋が買って、あとになって転換手続をして、手続が終わってから登記をしたり、あるいは小面積にして宅地に変更したり、地目変更したりしていますが、これは農地法からみれば正しいことでもないし好まいことでもない。同じようなことを公益法人がやっておる。これを一体そのまま認めておって農地行政ができるかということを私は言っておるわけです。
 そこで、農地法施行規則第三条の七項は、公団の農地法上許容している対象としては、下総御料牧場の廃止に伴い高根沢御料牧場を新設するための農地等の取得に限定していると見ているようですね。
○説明員(小山義夫君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 そうすると、空港設置のためには、公団は農地や採草地でも無制限に取得できるということにはならないわけですね。
○説明員(小山義夫君) 無制限にはできません。
○加瀬完君 法制局に伺いますが、そうすると、こういう例外措置は厳格に規定され解釈されるべきものだと思いますが、どうですか。
○政府委員(角田礼次郎君) 一般的には、これは法律にそれぞれ例外措置が明記されて、そのほかにセービングクローズとしてその他省令で定める場合ということが書いてあるわけでございます。おそらく立法の趣旨としては、法律に明確に規定されているもの以外にどういう場合が出てくるか予想がつきがたいということで、こういうセービングクローズと申しますか、一般的な省令に対する委任規定を設けているのだと思います。したがいまして、それは法律の趣旨に従って例外的に認られるべきものでございますから、一般的な議論としては先生のおっしゃるとおりだと思います。解釈と言われましたけれども、これは省令をつくるわけでございますから、むしろ、省令をつくる態度として、一般的にはできるだけ厳格に考えるべきだろうと思います。
○加瀬完君 そうすると、超過取得といいますか、この規定のワクを越えるような超過取得、あるいはこの目的以外の目的にかかる取得というものは許可なくして絶対に許さるべきものではないと解してよろしいわけですね。
○説明員(小山義夫君) 所有権、あるいはその他の使用収益権を規定に反して取得する場合には、許可を得ないと農地法の規定で無効になるわけでございます。
○加瀬完君 そこで、法制局にも農林省にも伺いたいのですけれども、この規則第三条第七号の適用対象になるのは、現実には下総御料牧場ただ一つですよね。その代替地の取得、譲渡が終了すれば、同法の規定はもはや適用対象が存在しないものとなるわけですね。一回的なものであるし、過渡的な規定でありますね。そうすると、このような規定は必要があるとたびたび今度は使われることになりますよね。あのときやったのだからもう一回こういうことをやろう、そういう法のつくり方というものが、これは法制局の方にお答えいただきたいのですけれども、一体妥当なものだと考えられますか。法制定の技術として一回しか使わないものを、一回使ったらぱっとなくしてしまう、そういう例外規定をたくさんつくるということが好ましいことだという御見解に立てましょうか。
○政府委員(角田礼次郎君) 省令は法制局の審査を経ないで、いま初めて読みましたので、少し時間をかしていただきたいのですが、……。
 これは実体問題とも関係しますけれども、かりに高根沢の牧場を公団が造成をするという目的のためのみこの七号の規定が設けられたとすれば、一般的にはそういう場合は、用がなくなれば廃止をすべきである。ただ一つつけ加えて申し上げますが、そういうふうにその一回限りで廃止されるようなものは法律の上には書かないで、省令で、臨時、緊急に書いてすぐ廃止をするというのがむしろ立法技術としては、何といいますか、ある意味では好ましい方法だと――そうしませんと、一々すぐ廃止をするようなものを法律に書くというのは、非常に緊急と申しますか、用に合わない、あるいは臨時的なものを恒久的な農地法の原則の中に書くのはよくないというような考え方で、そういう意味では、省令にふさわしい実体を持っておるならば省令のほうがいいと思います。
○加瀬完君 結局法律ではきめられませんわね、こういうものを。きめられないわけではありませんが、きめることは妥当を欠きますよね。一回でぱっと改定するようなものを、だから政令にゆだねるということですけれども、政令にしても、法律の趣旨からすればこういうワク外というものは好ましいものではないわけですよね。そうしてそれが一回限りでもう要らなくなるというような政令を、特殊な事業をするために特殊な条件としてたびたびきめるようなことが通例になるということは好ましいことではないんじゃないかという意見も私はいかがですかと伺っているわけです。省令にたとえしたところで、なるほど恒久的なものならばいざ知らず、こういうものを省令という国民の手を離れたところで適当にきめられて適当に消されていくというようなことは、奨励すべきことではない。省令ではございますが奨励すべきことではないと思いますが、いかがですか。
○政府委員(角田礼次郎君) 一般論としては二つの考え方があると思います。確かに先生の御指摘になったように、国民の権利、義務にかかわる、あるいは農地行政の基本にかかわるようなものを省令でぱっとつくるようなことはよくないのじゃないかというお考えは、それは法律と政令との関係あるいは法律と省令との関係におきまして、私どもは常にそういう問題意識を持っておりますから、そういう点では御指摘のとおりだと思います。
 それから第二点としては、先ほども申し上げましたように、これは実体問題としては私はあまり存じませんけれども、結局は国のものになっていくわけです。国のものについては、農地法、御承知のように適用にならないわけでございます。そういう事実が非常に明確であるということであり、かつ、たった一回限りですぐなくなってしまう、また緊急の必要があったというような場合には、むしろこういうものこそ、そのことの妥当性いかん、内容の妥当性いかんはここで申し上げませんけれども、立法技術としては、むしろこういうものこそ省令にふさわしいのであって、恒久的に例外的に認めるようなものをもし省令でやるとすればそれはむしろおかしい、そういうのは法律ではっきり国会の御審議を経てやるべきであるという御議論のほうが、むしろ勝つのじゃないかと思います。
○加瀬完君 政令はその法律のワクを離れるわけにはいかぬですよ。また、しかも法律の趣旨というものは政令では尊重さるべきですよ。しかし、これは法律の趣旨からワク外になる問題なんですね。しかも、具体的事実としても、宮内庁がやれば宮内庁自身ができるものを、公団が肩がわりをしてつくるというそういう必要はないような内容なんですよ。そういうものを、法律の精神にはずれたような内容のものを政令として、しかもそれが一回限りというようなものをつくるということは、これは結局農林省が負けたということなんです。農林省が閣議の、なんですか、空港を急いでつくらなければならないというその決定事項というものにワクをはめられて、農林省がいやいやながらそういう便法をとったということが事実なんです。いずれにしても、もっと農林省も各省も、法律にはずれるような政令をつくるということには慎重な考慮を払っていただかなければならないと思うのです。農地法の目的をいまいろいろ御説明がありましたけれども、はずれているでしょう。耕作者でも何でもない、農民の生活の安定をする、地位の安定になるわけでもなければ、生活の確保になるわけでもないものを、宮内庁の御料牧場を公団が便法を用いてつくらなければならないという理由はどこにもないわけですよ。これはまた午後時間をいただければ、重ねてもう少し追及をいたします。
○森中守義君 ちょっと今井総裁に資料を一つ、二つお願いしたい。
 三里塚のカントリークラブ、これの総面積、それに対して公団として必要とする面積。それと、鑑定評価がすでに行なわれていると聞いているのですが、その鑑定書の写しなどがあればそれもいただきたい。評価額、それが一つ。
 それからいま一つは、政府出資あるいは公団債総額、四十五年の予算約六百億と、実施計画ができておるならばその内容。
 この二つのことはあとの質問に一つの中心になりますので、できるだけ早目に御提出をいただきたい。
○参考人(今井栄文君) いま森中先生から御要求のございました資料は、午後もし再開されますれば、それまでに用意して持ってまいりたいと思います。
 ただ、四十五年度の実施計画は、現在大蔵省と折衝中でございまして、計画自体としてはまだはっきり決定はいたしておりません。
○森中守義君 ちょっと乗っ取り事件で……。
 局長、さっきの御報告で大体現状の認識はできましたが、大臣あるいは政務次官などお歴々が出ていって、けさテレビ等の解説によれば、一切は運輸大臣に一任をしている、こういうことを木村官房副長官がしきりに言っているわけですね。ところが、先ほどの十一時の段階では、依然として乗客はおろさない、学生自体は北に飛ばせ、こういうことで全く歩み寄りというよりも進展がないんですよ。そこで新聞の論調等もきのう、きょうあたりはだいぶ変っていますよ。けさあたり、どなたでしたかね、航空専門家の御意見によれば、東洋的というのかあるいは日本的というのか、アプローチそれ自体が間違っている、したがって、外交サイドあるいは政治サイドからこういう問題の処理に当たろうとしていること自体に航空問題に対する現実的な解決の方法を見失っている、こういうかなり手きびしい意見が出ているんですね。中にいる者あるいはその家族、いわんやわれわれといえどもほんとうに限界ですよ。それで、大臣が行かれる前にはむろん閣議あるいは運輸省の省議も行なわれたでしょうが、どういうつもりで行っているんですか。また、へたをすると、きょうはこのままあそこにかん詰めですよ。どうするつもりです。それで、いろいろ私どもなりに得た情報もあります。板付を出たとき、あるいはその後の模様など、ここでそういうことを言うのがいいか悪いかかなり判断を必要としますから詳細に申し上げませんけれども、ここはひとつ日本航空自体の判断、かなり専門家もたくさんおられますから、私はやはり専門家の立場からやっていかないと、日韓という二国間の問題や、あるいは北を入れた三国間の問題、アメリカを入れた四国間の問題こういう外交的な問題で処理しようとしてもできないんじゃないですか。ですから、一見非常に丁重に、中に乗っている人は気の毒だ、何とか救い出さなければいかぬというように受け取れるけれども、やっていることは逆に歯どめになっている、そういう気がしてしようがないのです。いま航空局長にここまでエスカレートしてきたこういう問題をちょっと問いかけたり、あるいは解決の方法どうだということも多少無理なような気がしますがね。これはひとつ私のみならず、与党あるいは野党という立場を離れた運輸委員会としての私は切なる願望だというように受け取ってもらってもいいんじゃないか、まことに僭越ですが、そういうつもりで、午後もうちょっとそういう方向が一体どっちに向かおうとするのか、あくまでも従来の方針どおり乗員、乗客はおろせ、それならば立たせようという、そういうことをさらに繰り返して説得を継続して行こうとするかどうか、あるいは北に、入れたまま飛ばそうというのか、JALあたりはそのほうがいいと言っているらしいんです。ちっとも分別がつかない。だんだん、これは時間の空費じゃないかというような気もする。中に百十何名いるのですから、そういうようなことを真剣に考えなければならぬのではないかと思いますから、できるならば委員会再開の冒頭にでも、もう少し政府間の大体の動きは那辺にあるのか、あるいは現地との調整はどこまでいっているのか、そういうかなり中身に入れるような報告をいただきたい。これは一つの要請として申し上げておきたいと思います。
○政府委員(手塚良成君) いまの御要請の内容は非常に高度の内容でございますので、いまここで休憩の時間をいただいた問に御納得のいくような内容を聞き出せるか、またそちらの方向への意見具申がどうなるかということを明確にはお約束できないと思いますけれども、まあ御方針なりお考えは十分われわれも考え得ることでございますので、しかるべき方面に直ちに御要望をお伝えするということを申し上げたいと思います。
○委員長(温水三郎君) 暫時休憩いたします。
   午後零時二十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十五分開会
○委員長(温水三郎君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案の質疑を行ないます。
 手塚航空局長より発言を求められておりますので、これを許します。手塚航空局長。
○政府委員(手塚良成君) 午前中の会議の終わりに、森中先生よりの御質疑がございまして、金浦飛行場におけるいまの現状を、早急に人命を安全にするために飛び立ったらどうかという意味のアドバイスをいただいたわけで、帰りましてあちらこちら、その後の情勢を二、三聞いてみました。その後の情勢といたしましては、けさほど途中でちょっと申し上げましたような運輸大臣の現地における記者会見、それがまた二回行なわれたようで、そのときも大体同じような御意見を言っておられると、外務省筋からの正式な何らかの公電をと思って尋ねましたけれども、それもいま来ていない。なおまた、関係次官会議が催されたようですが、その問におきましても格別のことはなお決定をされておらないというような状態でございまして、なおやはりこういう状態から想定いたしますと、まだ説得につとめるというような状態に受け取れるわけでございます。ちょっとテレビで橋本大臣が言っておられるのを、また聞きでございましたけれども、犯人の連中がこまかい点で態度をやわらげておるように見受けられるので、現在の時点ではなお飛行を考えていない、というようなことを現地で運輸大臣は言っておられるようです。なお、先ほどの予算委員会で、外務大臣もこれに関連したようなお話をされておられるようでございますが、そういったような状態で、いまのところまだ確定したものはないようでございますし、先生のおっしゃいますような線で、私どもとしていまなし得ることは、ちょっと時間も短かったものですから、あまりいろいろ走り回るわけにもまいりません。一般的な情報として見ましたところ、午前中申し上げたような線とあまり大差がないという動きだけを感じてここに参ったのです。
○森中守義君 これは先日来事が事だけにあまり議論を委員会としては深めることなく、事態の推移を半ば期待を持ちながら見守ってきたのですけれども、しかし、ここまでくると、なるほど問題が問題なので、通例の行政問題を議論するようなわけにもいかぬことだけは、われわれもわかっておる。しかし、この状態でいくと、ほんとうにこれはだめだ、こういう結論になるのじゃないかと思うのです。たとえば日航がキャプテンのチェンジを要求しておる、こういう話にも相当時間がかかりますよ。したがって、いままでの推移をずっと見ておると、どちらかが譲歩しなければどうにもならぬ。それで昨晩――今朝あたりでも、ことばがやわらいできたから少し気分が変わってきたのじゃないかとか、そういう角度から見ていくということ自体がちょっと私は問題をあまりにも軽んじているのじゃないかという気がするのです。そういう問題じゃないと思うのですよ。そこで、ここでどうのこうのという議論を深めていくということは避けたいと思うのですけれども、ひとつ委員長のほうで、航空局長に、ちょっと舞台がほかのほうに移っておりますから無理なので、官房長官をここへ呼んでもらいましょう。やっぱりこれはこの委員会としても、予算は予算でやり、内閣は内閣でやるでしょうけれども、航空問題を主管する委員会として、ただ状況の説明を求める、事態の推移を見守るというだけでは私は済まぬと思う。そういう意味で、委員会の開会中にでも官房長官をひとつ呼んでほしい。それで官房長官を相手に話をいたしましょう。ひとつ理事会で検討していただきたいと思います。
○委員長(温水三郎君) 官房長官に都合を聞き合わせてみます。
○森中守義君 極力呼んでほしい。すぐ来るなら待っている。
○委員長(温水三郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(温水三郎君) 速記を起こして。
○加瀬完君 午前に引き続いて若干質問を重ねます。
 国と公団との契約内容について伺いますが、先ほどから出されておりまする問題点が公団総裁、農地局長、大蔵省国有財産第二課長のいままでの説明を承りますと、こういうことに了解してよろしゅうございますね。
 今井総裁――交換契約自体によって、公団がすでに所有権を取得したわけではありません。農民に対する代替地は、直接公団が取得したいわば請求権といいますか、そういうものに基づいて敷地内の県有地と直接交換をしていただく形をとりたい、かように考えております。「国有財産売払い及び購入契約書」四十四年三月三十一日、この売り払い物件の所有権の移転を請求する地位を有する丙、丙の請求により、その物件にかかる所有権を丙が乙の同意を得て指定する者に移転することができる。指定する者というのは千葉県という意味です。
 中野農地局長、公団が農地を取得できませんので、公団が乙である関東財務局の同意を得て、指定する者に移転するということになっています。その移転する先が、これは県がまとめて代替地を造成するということで、県が農地を取得するわけです。
 市川理財局国有財産第二課長――四十四年五月八日衆議院の内閣委員会で、土地の所有権は、契約によって、農地法上の一定の条件が成就した時点において公団側に移転するということに決定しています。農地法上の条件には二つあります。一つは、所有権を移転することを農地局で許可する。第二は、その許可がとれなかったとき、契約上所有権を公団あるいは公団の指定する第三者、この場合は県でありますが、県に直接移転する。そのことを公団側は国側に請求する権利を持っている。その権利を、契約によって公団側に付与したということです。したがって、右の二つのいずれかが成立するときに所有権が国から離れて、第一の場合は公団に、第二の場合は県に移転することになります。
 こうお述べになっておりますが、先ほどの御説明も、要約すればいま申し上げた点と同様であると認めてよろしゅうございますね。
○参考人(今井栄文君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
○説明員(市川廣太郎君) おっしゃるとおりでございます。
○加瀬完君 公団の権利は指定する者に移転させ得る権利ということになりますね。
○参考人(今井栄文君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 大蔵省は農地法上の一定の条件が成立した時点において公団側に移転するとして、その条件を二つあげておりますね。所有権移転を農地局で許可する場合、許可がとれないときは、県に所有権を直接移転することを公団が国側に請求する権利を持つ、その権利によりまして所有権が国から県に移転する場合、この契約はそのあとのほうで、許可がとれないので県に所有権を直接移転することを公団が国側に請求する形式をとったわけですね。
○説明員(市川廣太郎君) 契約上は二つのことが可能なように規定されております。実行上は先生おっしゃるように後段の形で、方式で実行されたということでございます。
○加瀬完君 ですから、本契約は、その権利を公団側に付与したという形で行なわれたわけですね。農地局は本契約の農地の所有権移転は許可できないと先ほどから御説明しておったわけですから、どうしてもあとのほうの方法をとらざるを得なかったということになるわけですね。そうすると、本契約は第三者の千葉県に権利を与える契約ということになりますね。
○説明員(市川廣太郎君) 私どもは公団にそのような権利を与えたわけでございまして、千葉県にこの契約によりまして権利を与えたわけではございません。
○加瀬完君 そうすると、契約の九条五項では、丙の指定する者に、とありますね。「乙は、第一項の売払物件の所有権の移転を請求する地位を有する丙の請求により、その物件に係る所有権を丙が乙の同意を経て指定する者に移転することができる。」こうありますね。
 六項では「第一項の部分売払物件に係る土地については、丙は、別に乙の定めるところに従い、前項の規定により丙が乙の同意を経て指定する者をして、これを農地又は採草放牧地として使用する者に処分させるよう措置しなければならない。」こうありますね。そうすると、六項では、所有権移転による丁に義務を負わせていることになりますか、そう認めてよろしいですか、これは法制局に伺います。
○政府委員(角田礼次郎君) そのお読みになりましたとおり、そのとおりだと思います。
○加瀬完君 そこで、この第九条六項の「これを農地又は採草放牧地として使用する者に処分させるよう措置しなければならない。」この該当者を千葉県と読みかえることもできますか。
○政府委員(角田礼次郎君) 契約の解釈の問題ですから、むしろ大蔵省なりのほうから御答弁申し上げたほうがいいと思いますが、これはおそらくその辺に多少含みという言い方が適当じゃないかもしれませんが、「使用する者に処分させるよう措置しなければならない。」ということであって、やはり直接その県をこの契約の当事者として出すわけにいかないために、公団の義務として、つまり丙というのは公団だと思いますが、公団が国の同意を経て指定する者、この現に使用する者に処分させるよう措置しなければならないのですから、義務者としては、主体としては丙で、直接には県は出てこないというように解されます。ただし、これは法律の条文として読んだ場合の解釈で、契約当事者の意思はむしろ大蔵省のほうからお答え願ったほうがよろしいかと思います。
○説明員(市川廣太郎君) 第六項は、県がこれを農地または採草放牧地として使用する農民にこの物件を処分するように、そのように丙、つまり公団は措置しなければならない、こういう規定でございます。
○加瀬完君 いま大蔵省の御説明のようにこれ読めますか、法制局。
○政府委員(角田礼次郎君) そのとおりのように読めます。私が先ほど申し上げたのもそういう意味でございます。
○加瀬完君 そう読めますかね。「農地又は採草放牧地として使用する者に処分させるよう措置しなければならない。」の「農地又は採草放牧地として使用する者」は農民ということですか、そうすると。
○政府委員(角田礼次郎君) そのとおりでございます。
○加瀬完君 この契約では、先ほどから、九条によりまして県に所有権を移転させるのだという御説明が大蔵省からあったわけですね。そうなってまいりますと、農民にやるというなら話はわかりますけれども、農民に一体公団がやれるかという問題は別としても、これは農民にやるということではなくて、一応県にやるということになるわけですね。そうすると、いま読んだ条文とはちょっとそのままイコールにならないんじゃないですか。
○政府委員(角田礼次郎君) ちょっと六項の意味でございますけれども、六項の意味は、直接その県をこの契約の当事者として義務づけることは、初めから契約の当事者になっていないわけですからできないわけですね。そこで、おそらく非常に苦心したのだろうと思いますけれども、前項の規定によって公団が乙の同意を経て指定する者、つまり県でございます、その県が農地なり採草放牧地として使用する者、そういう農民に処分させるように丙は措置をしなければならないという、そういうことを丙に義務づけて、それを五項と合わせて読んで、結局実体的には県が農民に代替地として提供しますというのですか、最終的にはそういう形になるようにしたのだろうと思います。
○加瀬完君 その点はわかりました。
 それでは、本契約におきましては、具体的には千葉県、この文言からいえば丁の位置がきわめて重大ということになりますね。換言すれば九条の四項、五項、六項がなければ契約の目的は達せられないということになりますので、この規定がなければこの三者は契約しなかったも同じことになりますね。そうなってまいりますと、丁の位置が契約の成立を左右するといっても過言ではなくなりますね。そう読んでよろしゅうございますか。
○政府委員(角田礼次郎君) 法律的には丁つまり県はここにあらわれておりませんから、まさにそのとおりだと思います。ただ、そういうことが実態上、何といいますか、話がついている。それを確保するために、何か県というものをこの契約の中に引きずり込みたいという気持ちは、おそらく先ほどいろいろな方式を大蔵省のほうが説明しておられましたけれども、そういう考え方もあったと思います。あったけれども、いろいろな事情でこれは三者契約になりまして、県を引きずり込むことができなかったのだろうと思います。そこで何か県との間のそういう実態的な話し合いというものを前提として県がそういう農民に代替地として提供するのだという仕組みというものをこの契約の中にあらわしたい、こういうことで非常に御指摘のようにむずかしい仕組みになっているのだと思います。
    ―――――――――――――
○委員長(温水三郎君) ただいま井出運輸大臣臨時代理が見えましたので、質疑の途中ではございますが、自動車損害賠償保障法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。
○国務大臣(井出一太郎君) ただいま議題となりました自動車損害賠償保障法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 最近におけるモータリゼーションの進展による自動車の普及は著しいものがあり、昭和四十四年末の車両数は千六百十七万両に達し、これとともに自動車による交通事故の発生も年々増加の一途をたどり、昭和四十四年には死傷者は実に九十八万三千人に及ぶという憂慮すべき事態に立ち至っております。
 自動車事故による被害者につきましては、すでに自動車損害賠償保障法によってこれを救済する方途を講じているのでありますが、本制度も発足以来十四年を経過しており、社会情勢の変化により再検討の必要が生じております。
 自動車損害賠償責任保険審議会におきましても昭和四十四年十月七日及び同三十一日の答申において、制度改善についての方向づけを行なっております。
 これらの情勢にかんがみまして、政府としましては、関係方面の意見の調整をはかりつつ、制度の改善につき鋭意検討を進めてまいりました結果、本法律案におきまして一次の諸点について規定を整備することにいたした次第であります。
 第一は、被害者救済の充実、自動車保有者の社会的責任の拡充等の見地から、自家保障制度を廃止しますとともに、国その他の適用除外の範囲を縮小することであります。
 第二は、責任保険が最低保障の確保を目的とするものであること等にかんがみまして、休業による損害にかかわる保険金等の支払いについて限度を設けることができるようにすることであります。
 第三は、事故車と無事故車との間の保険料負担の公平に資するため、自動車の運行によって他人を死亡させたときは、保険契約者に追加保険料を支払う義務を負わせることであります。
 第四は、農業協同組合等が行なう責任共済につきましても、本制度の円滑かつ適正な運営を期するとともに、本制度の社会保険的性格にかんがみ、責任保険について国が再保険しているのと同様に国がその六割を保険することであります。
 第五は、責任保険が強制保険であるという性格にかんがみまして、一両の自動車について重複する二以上の責任保険の契約が締結されている場合であっても支払われる保険金は一契約分と同様とすることであります。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(温水三郎君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
○委員長(温水三郎君) それでは再び公団法の質疑を行ないます。
○加瀬完君 そうすると、法制局に伺いますが、これは第三者のためにする契約ということになりますね。
○政府委員(角田礼次郎君) これは第三者のためにする契約という普通の概念から申しますと、ちょっと第三者である県というのが表面に出てきてないわけです。かつ、県が利益を受けるのか、あるいは権利義務の主体になるのか、そういうことが直接の契約の上では必ずしも出ておりませんから、普通の意味で当然にこれが第三者のためにする契約と解するべきかどうか、ちょっと私は疑問に思います。しかし、常識的にいえば、まさにおっしゃられるとおりだと思います。
○加瀬完君 これは二重契約しているわけですね。公団と県が契約をして、その契約に基づいて甲乙丙がまた契約をしたと、事実そうなっているかどうかわかりませんが、形式的にはそういう形になるわけですね。
 もう一回申しますと、公団と県に事前に契約があって、それを前提として宮内庁と大蔵省と公団の間で、ここでいえば甲乙丙でありますが、丙と丁の契約というものを前提として甲乙丙の契約が締結されたと、そういう形式になろうと思いますね。ですから、第三者のためにする契約という形式は整ってないかもしれませんけれども、内容としては第三者のためにする契約という内容を含んでいることは、これは認められますね。この点どうでしょうか。
○政府委員(角田礼次郎君) 契約書の解釈の問題でありますから、これはいろんな考え方があり得ると思いますけれども、事前に県と公団との間に話し合いが事実あったかどうかそれは知りませんけれども、公団と県の間で、例の県有林と代替農地に当てられるべき部分との交換といいますか、それを頭の中に前提としてこの三者が契約を結んだことは事実だろうと思います。また、それを、そうでなくては困るのでわざわざ六項のような規定を置いた。しかし、六項では直接県を引っぱり出すわけにいきませんので、公団の義務として、公団としてはそういう措置をしなければならない。言いかえれば、はっきり言いますと、あとで県と契約を結んで――あとでというのは不正確かもしれませんけれども、県との間で、県有林との交換によって代替農地を県に渡す、こういうことをやはり事実としては含んでいるということは先生のおっしゃるとおりであると思います。
○加瀬完君 大蔵省に伺いますが、公団でもけっこうですが、本契約は民法の五百三十七条によったものですか。
○説明員(市川廣太郎君) 第三者のためにする契約ということで締結をしたわけではございません。
○加瀬完君 すると、本契約における債務者は国ですか、公団ですか。
○説明員(市川廣太郎君) この契約は、国有財産の売り払いそれから購入と、二つのことを内容として含んでおります契約でございます。国有財産の購入について申しますれば、購入する者は甲、すなわち宮内庁であり、それを購入に対応するわけですから、売却する者は新東京国際空港公団でございます。それから売り払いにつきましては、この物件を売り払う者は関東財務局長、つまり乙であり、売り払いを受ける者は公団でございます。
○加瀬完君 しかし、この契約は売り払う者と買い取る者の間の契約だけではないわけですね。具体的に申し上げるならば、新東京国際空港公団が国有財産を買い取って、しかしその中には農地もあって、完全な所有権の取得ができないので、千葉県という第三者に対して県有地と交換をさせるという請求権を持つと、こういうことになるわけですね。ですから、乙と丙だけの関係ではなくて、丁というものがどうしたって前提になってくるわけです、この契約の内容は。そうすれば、これは五百三十七条に従わなけりゃおかしいじゃないですか、丁というものを除いてこの契約成り立たないですから。
○政府委員(角田礼次郎君) 法律問題に触れておりますので私から申し上げますが、先ほど私は、実質的には県の、第三者のためにする契約と常識的には言い得るだろうと申し上げましたけれども、法律的にはそう言えないと申し上げましたのは、公団は国に対してこの物件を県に渡すという請求権は持っております。しかし、県は第三者として当然にこの契約自体からは、おれによこせという契約上の権利義務を持ってないわけであります。そこで、第三者のためにする契約であれば、当然第三者である県はその当事者に対して、あの土地を、代替農地になる部分をおれによこせという法律上の権利を持っているはずであります。しかしこの契約のどこを見てもそれらしきものはございません。むしろそれは、これは別のやり方で千葉県と空港公団との間のほうの契約で、かわりに交換するときにあの代替農地の部分はおれによこせ、敷地内の県有林はあなたに渡すと、こういうことで権利義務が発生している。公団と宮内庁と大蔵省との間の最初の、いま問題になっております契約では、県というものは指定する者としてあらわれておりますけれども、県自体に何も権利を与えてない、そういう与えているような条文が見当たりませんので、私は第三者のためにする契約とは法律上厳密には言えないのじゃなかろうかと申し上げているわけであります。
○加瀬完君 そのとおりだと思うんです。だからおかしい。第三者に対する契約であれば、県が当然直接権利を取得する、県に直接権利を取得させる旨の合意が成立要件になりますね。そういうものは別にないわけです。内容としてはあっても形式の上にはない。そうであるにかかわらず、しかしこの契約では、これは第三者のためにする契約といいますか、の内容といいますか、そういう具体的な事実というのは、第三者のためにする契約内容をそのまま備えておる。しかしながら、第三者のためにする契約の前提条件というものは別にない。そうなってくると、これはまあ具体的には千葉県が引き受けるということだからいいようなものの、千葉県が引き受けなければならない義務はどこにもないわけですから、そうすると、契約としては非常に不確実なものだということになりませんか、甲、乙、丙の間の。甲と乙と丙の間の関係はかまいませんわね。しかし、乙と丙と、もう一つの丁というものが想定されるわけですけれども、大蔵省と公団と県というものとの間の契約はどこにもないわけですから、それがこの九条の内容のとおり行ない得るか行ない得ないかということは非常に不確かだ。そうすると、この契約そのものが非常に不確かなものだ。そういう契約を一体公益法人が、まして国が結んでよろしいかという、これは行政上の適、不適の問題が私は当然出てくる。この点はどうでしょう、法律的に見て。
○政府委員(角田礼次郎君) どうも法律論としましては、法規に違反しない限り契約はこれはできるわけでございますから、それが確実であるかどうかということは、やはり契約当事者の間の意思といいますか、周囲の条件その他から判断すべきものであって、確かに御指摘のように、県というものは権利もございませんし義務もないと言われれば、まさにそのとおりでございます。ただ、その周囲の条件あるいは三者が県との間の事実上のいろいろな合意というものをバックにして、おそらくこれは確実に履行されるということを前提として契約が結ばれたんだろうと思います。
○加瀬完君 ですから、法律的な形式解釈としてはそのとおりだと思うんです。しかし、これが私的に結ばれたものならば、契約が合法である限りは合法だということになりますけれども、公益法人や国の間で結ばれたものだとすると、一体そんな不確かな条件の中で契約をすることがはたして妥当かどうか。私は違法とは言いませんよ、妥当かどうかという問題が行政的な問題として残るのではないか、こういう私は意見を持っているわけです。そこで、本契約は、第三者たる県に直接権利を取得させる旨の合意を含んでいるとは読み取れませんか。
○政府委員(角田礼次郎君) この契約の上では、国なり公団が義務を負うという形になっております。その反射的に県がそこに引っぱり出されていることは、引用されていることは事実であります。しかし、この契約から直ちに県が第三者として権利を持ったりあるいは義務を負ったりするようには、私は、この契約の解釈からは出てこないような気がいたします。
○加瀬完君 「第一項の部分売払物件に係る土地については、丙は、別に乙の定めるところに従い、前項の規定により丙が乙の同意を経て指定する者をして、これを」云々とありますね、「指定する者を」という「者」が当然これはなければ、特に農地でありますから権利の移譲関係というのは成立しないわけですね。そうすれば、第三者というものが前提になっておるとこの条文の中でも読み取れませんか。
○政府委員(角田礼次郎君) 条文の中から、第三者である県が前提になっておるということは、これは御指摘のとおりだと思います。ただ、五項を見ますと、「乙は、」つまり国は「第一項の売払物件の所有権の移転を請求する地位を有する」つまり公団が請求した場合には「その物件に係る所有権を丙」つまり公団が「乙」国の「同意を経て指定する者に移転することができる。」という、そういうものが国の権能という形で書いてあるだけであります。逆に、第三者である県は当然そういう移転を請求する権利を持っておるという書き方をしていないわけです。現に契約当事者が甲、乙、丙だけで、丁、丁と申しますか、県は一つも出てこない。それではまだ心配だというので、この六項というのがさらに出てきて、その場合に県はそれを代替農地として取得、つまり使ってもらいたい。しかし、これも県は契約当事者でありませんから、県は必ずそれを農民に分配しないとは書けないわけです。そこでこういう苦心をしたんだろうと先ほど来申し上げたわけです。
○加瀬完君 そこで問題が出てくるわけです。一番最初に私がお尋ねしたように、大蔵省としても、農地の取得権を公団が持つということが一つの条件です。持てない、そういう場合には、農地を取得できる県に肩がわりをさせるという二段がまえにしているわけです。そうすると、ほんとうはこの契約の中に正式に丁として県が出てくるなり、あるいはこの契約を出す前提として形式的にきちんと丁と丙との契約ができておればいいんですけれども、できておらないわけですね。いまのあなたの御説明のようにいたしますと、五項にしても六項にしても「指定する者」という「者」がない場合は、この契約は成立しないわけですね、九十七ヘクタールの農地に関しては。そういうことになりましょう。これはお認めになりますか。
○政府委員(角田礼次郎君) 指定する者がない場合というのはどういう意味なのか、指定は公団が国の同意を受けさえずれば一方的に指定できるという意味では、指定する者がないはずはないわけです。ただ、その指定する者のほうがいやだといいますか、そういう、実際に今度は移転することができるといっても、おれのほうはもらわないと言えばだめなわけで、そういうものをもし先生がない場合というふうにおっしゃるならば、まさにそのとおりだと思います。
○加瀬完君 だからこれは午前中に申し上げましたとおり、事前に契約がきちんと丙と丁の間に結ばれておらなければ、千葉県がかりに要りませんと言われた場合は、この契約どうなるかという問題が出てくる。
 それはまあこの前に申しましたから、ここでは省きまして、とにかく農地は、九十七ヘクタールに関する農地は公団は取得できない。したがって、所有権も確保できないので、ただそこにあるものは請求権だけである。請求権で指定するものもいないということになれば、これはこの契約というのは非常に不確かなものになる。したがいまして、形式はどうであろうと、内容としては第三者の存在というものがなければ、これは契約の効果というのはあがらないわけです。そうなってくると、どうしたって丙と丁との契約ということが問題になってきざるを得ない。そこで、この契約書の三月三十一日の時点において公団と千葉県との間における契約はできておりましたか。
○参考人(今井栄文君) 協定書あるいは契約書という形ではございませんが、県知事から正式な公文書をもって、敷地内の県有地と御料牧場の残地とを交換したいということで、財務局あるいはまた大蔵省の関係当局にお願いしてほしいという明確な意思表示が公文書で参っております。これを受けてこういった契約書がだんだんでき上がってきた、こういうふうに考えております。ですから、したがいまして、先生の御心配になるような、指定する者がなくなるというふうなことは、県と私どもとの関係においては、その合意を前提としてつくったわけでございますので、私どもはそういう心配はしなかったわけです。
○加瀬完君 それはまあ解釈の問題でありますが、一体、交換をしたいという知事の意思表示が盛られた公文書だけで契約の前提としてよろしいものか、公文書が出たからといってこれ必ずしも受け入れをしなければならないという義務ということには、政治的には義務はあったって法律的な義務ということにならないでしょうからね。なぜ一体この契約の前にきちんと公団と県との契約が結ばれなかったのかどうか、結ぶ必要がないということにならないとして、公文書だけでこれ譲渡するわけにいかないでしょうから、いずれも契約するわけでしょう、その間の事情はどういうことなんですか。
○参考人(今井栄文君) 私は段取りといたしましては、むしろ県から御料牧場の残地というものを代替地として造成したいからほしいという意思表示があって、それからその意思表示に基づいて、公団としては大蔵省にお願いして、その残地を、一応これは農地は持てないことは先生御指摘のとおりでございますけれども、一応公団がその財産権を処分をし得る権能をいただいて、その以前にあった県知事の意思表示にお答えするということでこういう契約は結んだ、それからこの契約に基づいて正式に県とわれわれとの間でそれぞれの用地に交換契約を結ぶ、これが順序ではないか、ですから、その順序どおりやったというふうに私どもは考えております。
○加瀬完君 何も公団が中に入る必要はないでしょう。県にそういう意思表示があれば、県が国に対して敷地の中にある県有地と外にある国有地を代替地に提供したいので交換をしてもらいたいという手続を踏めばいいわけでしょう。公団のかかわるところではありませんわね。公共団体と国の間ですから、公団と何ら異なるところはないわけです。
○説明員(市川廣太郎君) 私ども一応は県に直接売り払いをいたすということも考えてみたわけでございますが、県のほうから、買うということになりますると、予算措置を至急に講じなければいかぬという問題が出てきて、その段階では不可能である、かんべんしてほしいという意思表示がありましたので、県を直接契約の対象にすることはやめたわけでございます。そういう経緯がございます。
○加瀬完君 いや買収するわけじゃない、交換するわけですから、事実は交換しているのでしょう。旧下総御料牧場の敷地、空港敷地の外側の九十七町歩というものと、空港敷地の中の百町歩というものは交換しているわけでしょう、県と国が。ただ、いまは公団というワンクッションおいて交換しているわけですね。そんなむだなことしなくたって、県が必要で、県に依頼をされて公団がいまのような契約をつくったというなら、そんな必要ないじゃないか、大蔵省と千葉県の間ですぐ交換をすればいいじゃないですか。
○説明員(市川廣太郎君) 先生のおっしゃいます方法でかりに県と国が交換したということになりますと、国が県有林を交換で受けまして、受けたものを後日公団に対して出資しなければいけないという形になります。
○加瀬完君 同じことでしょう。
○説明員(市川廣太郎君) で、出資するために交換を行なうという形になりますので、交換は先生御承知のように、国有財産法二十七条によりまして、国または地方公共団体におきまして、公共用、公用に供する場合でなければやってはいかぬということになっております。出資のための交換ということになりますと、いまの条項に該当するかどうか疑問なしとしないということで、その方法はとらなかったということでございます。
○加瀬完君 公団がほしいのは空港予定地のいわゆる敷地の中の土地なんですよね。そうでしょう。その中に百町歩弱県有地があるわけだ。これも当然空港の敷地になるわけだから、公団はほしい。いま問題になっている九十七町歩というのは敷地の外なんです。それで公団は敷地の外を取って、それから今度は敷地の中の県有地と交換をするという方法をとっているわけです。そういうことであるならば、その他国が二百七十何ヘクタールか現物出費しているわけだから、現物出費している中の九十七町歩でも何でも、その面積を公団にやって、それを高根沢の御料牧場つくった二十二億に見合うものとして、それはそれですっきりさしておいて、国のほうの意思で空港敷地のために県有地が要るんだから、この県有地の百町歩は国のほうによこせ、そのかわり千葉県のほうには外側で敷地としては要らない九十七町歩の国有地をやるという形をとったほうがすっきりとしているし、手数も省けるのじゃないないですか。結局千葉県がそういう方法をきらったのは、そうすると、竹やぶは竹やぶとして評価される百町歩、外の土地はいい土地だから等価交換で、九十七町歩と百町歩を等価交換というわけにはいかない。国のことだからうんと値切るだろう。そうすれば、損する。だから、公団はワンクッションおいて、持って回ったような形をとって等価交換ということをやった。そういうことで国有財産というものがいいくらいに扱われては困るのです。九十七町歩のところのほうがはるかに地味がいいのだから。そこは竹やぶですよ。だから、開墾したくても全然地味がやせておってどうにもならぬから、竹やぶのまま放置されておった。そういうところと地味の肥えているところを等価交換なんというばかなことをやる、一つのからくりに公団が使われている。県はそれで得しているのですよ。公団も県に顔を立てたことになるでしょう。しかし、一方何にも手当てされないその農地を取られる農民から見れば、何をやっているのだ、国と県と公団がぐるになっててまえたちのかってなことをやっている。おれたちのほうはどうしてくれるんだという不平が当然出てきますよ。あなた方のやっていることは、空港促進のために便法を考えたつもりだけれども、空港を遅滞させている一つの感情的原因をつくっていることになっている。それは行政的なことだから、大蔵省にとやかく言うわけにまいりません。あなたの御説明からしても、県有地と国有地を取りかえられないということはおかしいのです。空港の直接用地でもないところを二十二億に見合うものとして提供したということのほうがおかしい。公団は要らないのですよ。空港の外の九十七町歩は飛行場をつくるわけでも、公団住宅つくるわけでも何でもないのだから。そういうものを何で一体二十二億の見合いの内容としなければならないか、対象にしなければならないか。おかしいですよ。そもそもおかしいことをもとにしていろいろ契約をつくるから、それは専門家のつくることですから、形式的には違法じゃないのですよ。しかし内容から考えれば、どう考えたって筋の通らないことになりますよ。
 そこで、あらためてまた聞きますけれども、九十七ヘクタールの所有権は公団には帰属しないということは、これは認めていますね。この丙の請求権というものだけ認めているわけだけれども、所有権もないところに、さっきおっしゃったように十一億四千九百万というのに見合う請求権というものを与えているということは、これはどういうことですか。私どもはしろうとだからわからない。売買価格といいますか、土地価格が十一億四千九百万。だけれども、土地として売る権利というものは、公団は外側の九十七町歩についてはないわけですよ。しかし、この請求権があるから、これを県にやる、だれにやれという請求権を保有したわけです。だから、二十二億というもののうち十一億四千九百万というものはこの請求権だということになる、算術計算すると。国有財産の処理の上で請求権を十一億四千九百万に評価するということは、どういう算定によってそういう評価になったのか、そこは少し詳しく説明していただかないと、どう考えても私にはのみ込めない、お願いをいたします。
○森中守義君 議事進行。
○委員長(温水三郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(温水三郎君) 速記をつけて。
○説明員(市川廣太郎君) 土地の所有権自体の評価とその土地を支配する請求権の評価と同じに見ているのはおかしくはないかという質問だったと思いますが、私どもがその場合に債務者側でございまして、相手方である公団から見ますれば非常にこれは信用のある相手方である、必ず約束は守ってくれるはずだという立場にあるわけでございますから、私どもとしては所有権と請求権とこの場合は同じ評価額になってもいいはずだと考え、そのように公団側に主張をし、公団側はそれをいれてくれました。そういう実態がございますので評価額は同じになっておるということでございます。
 それから、けさほど来御説明しておりましたことで、ことば足らずのために先生に誤解を与えてしまった点がありますので、おわびかたがた補足的に御説明さしていただきますと、この契約の九条の特則によりまして、これに該当する土地の数量は九十七・六ヘクタールでございます。しかし、この中の全部が農地法の適用のある土地ではございません。農地法の適用がありますのは二十ヘクタール程度でございまして、そのものにつきましてそういう請求権というような問題は起こってこない。そのほかのものにつきましては請求権がございます。こういう状態でございまして、御理解をいただきたいと思います。
○加瀬完君 そうすると、その農地として請求権のみしか保有できないものは大体二十ヘクタール程度ということですね。それにしても、この辺の請求権は何によって生ずるのですか。
○説明員(市川廣太郎君) 本契約によって生ずるわけでございます。
○加瀬完君 契約によって生ずるわけですけれども、その契約によって生ずる根拠は何ですか。
○説明員(市川廣太郎君) 契約を締結いたします前提といたしまして、けさほど御説明いたしましたように、農地法上の特例措置を講ずるという可能性もなくはなかった。しかし、それは一〇〇%確実ということではなくて、結果的には不可能になったわけでございますけれども、そういう可能性もございまして、それが可能な場合には所有権がそのまま公団に移る、それから不可能な場合には請求権が移るということに法律的にはなりますので、そのように、契約上第九条の第四項と第五項に特別に規定しているわけでございます。
○加瀬完君 それにしても、売り払い物件百七十三ヘクタールということは、これは正しくありませんね。あなたの御説明によれば、少なくともこの中の二十ヘクタールというものは売り払うことのできないものも入っているわけですね。
○説明員(市川廣太郎君) 可能性といたしましては、売り払うこともできる場合があるということで契約いたしましたわけでございますので、間違っているということにはならないかと思います。
○加瀬完君 そういう可能性はあっても、可能性がなくなったわけでしょう。そうすれば、これは正しくないということになりませんか。
○説明員(市川廣太郎君) 私は、契約締結時点におきましての判断を申し上げているわけでございまして、その後、契約締結後に、先ほど申し上げました可能性がなくなったということでございますので、契約の第二条の書き方といたしましては、間違ってはいなかったと申し上げたわけでございます。
○加瀬完君 農地法上取得できない二十町歩というものを、二十ヘクタールというものを売り払いをするという前提で契約が結ばれているでしょう。正しく言うならば、二十ヘクタールを減らしたもの、農地だけを除いたものを売り払い物件として書くべきですよ。なぜならば、その当時、農地法は改正されておらないわけですから。それならば、その当時の現行法の規定にしたがって契約するのが当然でしょう。そういう点が非常にあいまいですよね、この点は。どうですか。
○説明員(市川廣太郎君) あいまいであることは確かだと思いますが、契約を締結いたしました当事者同士の間では、あいまいではなかった、はっきりと意思の合意があったということでございます。
○加瀬完君 その意思の合意はあったでしょう。しかし、それは農地法をほおかぶりして通そうという前提の意思の合意ですよね。そういうことを公益法人がやってよろしいか、国がやってよろしいかという問題をさっきから言っているわけです。
 そこで、先ほども申し述べましたけれども、私契約の原則をそのまま公契約に適用することに矛盾があるわけですね。これは、私契約の契約ですよ。しかし、公益法人としての契約とすれば、やっぱり若干当を得ない点を認めざるを得ないと思う、農地法に違反しているのですから、少なくも契約内容の一部……。そこで、営利法人と公益法人の権利能力は、法的にどう区別されているという前提に公団も大蔵省もお立ちになったのですか。同じだと思ったのですか。
○参考人(今井栄文君) 権利能力という点において営利法人あるいはまた公益法人というものについての考え方を明確に区別して売り払い契約を結んだわけではございませんし、それからまた新空港建設という仕事を内容とする法人格を持つ公団といたしましては、空港をつくるということが最も大きな使命でございますし、それからそれに付帯しまして、敷地の中の方々の行く場所もさがさなければならないということで、この契約につきましてはむしろ私どものほうからお願いをいたしまして、県知事の先ほどの要請もございましたし、お願いしてつくっていただいたものですが、問題は、形式の問題よりは、むしろ私どもとしては、先生の一番懸念される農民に対するその後の生活の安定、あるいは生計の確保というふうな面での考え方が最も強かったわけです。ですから、代替地を何としても、国有団地百町歩ほどは代替地に当てたいということで県有地との交換ということをお願いいたしたわけでございまして、したがって、先ほどから先生は、この御料牧場団地を取得するということについて県の希望ありやなしやというふうな点も若干論及されましたけれども、県自体としても何ら得になるわけではないんで、私どもと同じように、空港建設を進めていく上において、敷地内住民を何としても外に移らせるような代替地をつくらなければならないということでありまして、閣議決定の中でもって国自体が代替地を確保するということをはっきり約束しておりますし、したがって、県が代替地を取得し造成したことは間違いございませんが、公団自体は、県の代替地の取得、造成に要した事務費というものは、県に全部公団が支払いをいたしておるわけでございます。私の記憶では、いままで総額約千二百万円程度だったと思いますけれども、むしろ国にかわってと申しますか、空港建設のために必要な農民の移転先である代替地の造成ということは、公団側としても最大の関心事であります。したがいまして、代替地造成というものは県と公団とが協力してやるというたてまえで実はきておるわけでございます。それで、公団がこの契約によって所有権を県に移転するための請求権といいますか、一種の財産権でございますけれども、こういうものをいただいた、こういうことでございまして、実態的には、先生のおっしゃる農民の生活の確保あるいは生活の安定というものを主眼にして考えられたものです。したがって、いわゆる営利法人の営利追求ということではなくして、私どもとしてはあくまでも公的な、公の立場で今日まで来ているという点を御了解願いたいと思います。
○加瀬完君 幾つか問題がお答えの中にあるわけですよ。空港をつくるために公団が推進するというのはけっこうなことですよ、あなた方の立場としては。だから、法律、命令がどういうことであろうともそれは適当に解釈していいんだと、あるいは違法を行なってもいいんだということにもこれは当然なりませんね。御指摘のとおり、代替地は国が責任を持って行なうべきことですよね。公団は、空港をつくる事務というものは専管事項ではありましょうけれども、代替地をつくらなければならない義務も権能もないわけです。しかしながら、代替地がなければ空港の敷地は獲得できない。そうすれば国が責任を持って代替地の対策は立てるべきだ。県がやるべきものでもない。県はあくまでも協力なんですね。ところが、今井さんをかばうわけじゃないですけれども、空港建設に関する一切がっさいを全部公団に国は押しつけているわけですね。それをいい気になって、できもしないのに公団はみんな引き受けたようなかっこうになるから、こんなつじつまの合わないような結果を呈するようになると思う。今後も、公団のやる仕事と国がやらなければならない仕事というのを区切りをきちんとつけて、それぞれの責任を明確にしてもらわなければ困ると思う。あなた方の今度おやりになったこの契約というのが非常にあいまいだと、私契約で許されるからといって、私契約そのままのようなことをやっているように私には思われるわけですけれども、そこで法制局に伺いますけれども、こういうふうに解釈をしてはいけないわけですか。公益法人は権利能力をきわめて厳格に限定しておられるものだと、こういうたてまえであるというように解釈してはいけませんか。
○委員長(温水三郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、渡辺一太郎君が委員を辞任され、その補欠として山下春江君が選任されました。
○政府委員(角田礼次郎君) 法人にはそれぞれ根拠になる法律がございます。民法の公益法人もございますし、商法の株式会社もございますし、特殊法人、いわゆる公団のような公団法に基づく法人もございます。それぞれの法律で目的があり、また業務内容は定款で定めるとかあるいは法律で定めるということになっているわけです。特殊法人法の場合は、先ほど来問題になっておりますように、第二十条に空港公団の業務内容がきめられているわけです。そういうものの解釈にあたって、午前中も申し上げましたけれども、これは合理的な範囲内においてできるものはできるし、できないものはできないわけでございますけれども、特別に私法人に比べて法人の業務内容について厳密に解釈しろというような大原則があるとは思いません。あるとは思いませんけれども、私が午前中先生の御指摘のとおりだということを申し上げた気持ちは、やはり公法人というものについては一般的に厳密に解したほうがいいだろうと、こういうことは先生のおっしゃるとおりだというふうに申し上げたわけです。
○加瀬完君 この法人にかかる権利能力の解釈は、営利法人と公益法人では著しく差異があるでしょう。営利法人であるかどうかによって解釈を異にしているということはお認めになるでしょう。
○政府委員(角田礼次郎君) その営利法人――株式会社の例を申し上げますれば、当然定款にその業務範囲が書いてあるわけですね。そういう定款の書き方というものは、そういう株式会社の場合は結局自分たちがきめるわけでございます。株主総会の決議もむろん要るわけです。そこでつくり方としてはわりあい――法律ほど厳密な表現といいますか、そういうことをしないことは事実だろうと思うのです。一々株式会社の定款を改正するのがめんどうくさいからというのでわりあい広く書くというような意味において、そもそも書き方自体が国の特殊法人法などに比べますと厳密でないということがあり得ると思います。
 それからもう一点は、それじゃかりに書いてあった場合に、それの解釈のしかたとしては、その定款を越えた行為を会社がやっているかどうかというのは、やっぱり会社内部の問題として処理されるわけでございます。ところが特殊法人の場合には、これは国会の議決を経た法律できめられているわけでございますから、そういう場合にやはり見方としては、一般的に会社の内部できめられる定款の解釈よりは非常に厳密な態度でやるべきである、これだけのことは申し上げられます。
○加瀬完君 いまの御説明のとおり、公益法人というのは権利能力をきわめて厳格に規定されておるわけですよ。ところが、今度の公団丙と大蔵省乙との間の契約というものは全く私契約そのものですね。公益法人としての限定されたきびしさというのは何にもございませんよ。こういうような契約というものをしなくても済むのに、ことさら私契約みたいなことであとに問題を残したというのは、私は妥当を欠くと言わざるを得ないだろうと思う。といいますのは、公団が農地の取得あるいは造成を高根沢の御料牧場のようにするということや、あるいは請求権という怪しげなるもので所有権の移転のできないことをごまかすといったようなことは、空港を設置する業務あるいはその設置に付属する業務と厳密に言って言われないだろうと思うのですよ。くどいようですけれども、ここに空港敷地があって、これだけは公団として取得できない国有地があるわけですよ。これを公団が取得したいというならば話は別だが、これはそのままにおいて、その外側のほうの空港に関係のないところを取得しようとするのが午前中から述べておる契約ですね。公団本来の仕事は滑走路なりあるいはビルなりを建設するというのが専管業務なんですから、あるいは将来それに伴って従業員の宿舎とかあるいは修理の工場とか、こういうものをつくるというのは付属する業務になりましょうけれども、空港そのものでまだ未解決のものがあるのは、それは捨てておいて、外側の空港敷地でないところの国有地と高根沢の二十二億というものを見合わせようとすることは、これは業務に付属する業務という範囲には属さないと私は解釈をするわけですよ。そういう点、もっと本来の仕事というものを明確にしてもらわなければ困ると思う。代替地は、先ほど申し述べたとおり、国が責任を持って、御料牧場の代替地ではなくて、実際農地を失って経営権を喪失して生活に困るような、そういうむしろ空港による被害者ともいうべき住民の対策というものをどうするかということを真剣に考えていただかなければ問題の解決の本末を転倒していると思うのですよ。国が責任を持って代替地対策等はおやりいただけるかどうか、これはひとつ航空局長にお答えいただきます。
○政府委員(手塚良成君) 冒頭にも申し上げましたように、国が地元、その他につきましてお約束申し上げたことは完全に果たさなければならない。先ほど総裁からのお話にも出ておりますように、この代替地問題につきましては、地元対策ということで最も重要な内容をなしておるのであります。したがって、成田に位置を決定いたしました際に、公共事業としては異例ともいうべき地元対策ということを方針として政府できめたわけでございます。その中の重要な内容をなした一つでありますが、そういう意味におきまして、やはり政府の責任というのは十分この件については考えなければならないというふうに思っております。
 ただ、現実の処理問題といたしましては、先ほどいろいろ公団の使命の重点がどこにあるかという御議論があったわけですが、この土地の買収につきましては、やはり表と裏と言ってもいいぐらいな関連におきまして代替地というのは非常に重要だと、敷地内の方は代替地なくしてはまず移転不可能と言ってもいいような状態であろうと思うわけでして、そういう意味で、土地の買収、それの見合いの代替地、こういうふうな関係で一体となって進んでいかなければならないという内容をなすもので、そういう意味で公団においてこれを実施する。公団法の二十条の第一項の解釈云々の問題はございますけれども、まあその法律の解釈は、一応これは可能であるというたてまえになっておるかと思います。そういうことで、公団がこれを実施をする。しかし、農地法との関係等におきまして、先ほど来いろいろ御議論ありますように、なかなか現実問題として困難な問題に当面をするという事態がありました。そういうことで、先ほど来の契約なりあるいは所々に無理があるという事実は、私ども、いなめないと思います。しかし、いま申し上げましたような意味合いにおいて、この代替地というものに対する国の姿勢というものは、やはり国においてぜひ責任を持ってこれを完遂していかなければならぬ、かように考えております。
○加瀬完君 あとは保留します。
○森中守義君 加瀬委員が次回に留保されましたから、少し私も、時間の関係もありますし、おそらく質疑が終了するということは無理なような気がしますが、お尋ねしてみたいと思う。
 二千五百メートル滑走路の左端に当たる成田パブリックコース、これが買収交渉が終了したのかどうか。そこで、そのワク外になる残地はどうなっておるか。
 それと、県有地が、同じようにワク外に残地がだいぶあるようです。これはどういう処理をされているのか。
 それから四千メートル滑走路の手前のほうに三里塚カントリークラブがあります。これが買収が終了しているのかどうか。なおまた、ワク外になっている残地はどういうことになっているか。最初にそのあたりからひとつお答えをいただきたい。
○参考人(今井栄文君) まず、成田パブリックにつきましてのお答えをいたしたいと思いますが、成田。パブリックの用地にかかる部分は、これはクラブハウス等含めまして約三ホール程度でございます。残りの十五ホールはそのまま残るという形になるわけでございます。これは成田。パブリック側の希望によりまして、できれば、残る部分に若干の社有地もございますし、また新たにあの付近で周辺を若干買いまして、十八ホールの機能を回復してそのまま営業をしばらく続けたい、こういう御希望でございまして、これは昭和四十四年の一月でございましたか――交渉は四十三年の秋くらいに大体話が本格的にきまりかけておったのでございますけれども、四十四年の一月に買収交渉を終了いたしまして、約三ホール程度のものでございましたけれども、買収代金をお支払い申し上げた、こういうかっこうになっております。
 それから第二に御指摘の三里塚カントリークラブでございますが……。
○森中守義君 県有地……。
○参考人(今井栄文君) 県有地でございますが、県有地はやはり県が依然として県有地として保有いたしております。これを将来どういうふうな用途に使うか、まだ県とお話し合いはいたしておりませんけれども、県が現在県有地として保有しておるということでございます。
 それから第三の、房総興発の所有する三里塚カントリークラブでございますけれども、これはほとんど六割近いものが敷地の中に入ってくるわけでございまして、したがって、残りだけではとうていゴルフ場の機能回復はできないということでございますし、それからまた、その残った部分を、房総興発としてこれを利用するというふうな道もございません。そこで三里塚カントリークラブにつきましては、敷地にかかる部分の残地として、一括これを買い取っていただきたい、こういうお話でございまして、現在折衝をいたしておる、折衝も、やや最終的な段階に現在入ってきておる、こういうのが実情でございます。
○森中守義君 午前中に資料をお願いしたのですがね、鑑定評価の説明をちょっと、もう少し詳しくしてくれませんか。特に、カントリークラブの場合について。
○参考人(今井栄文君) 鑑定評価につきましては、お手元の資料にもございますように、日本不動産研究所、それからまた不動産銀行、あるいはまた中央信託銀行、こういうふうな比較的権威のある不動産鑑定業者に依頼いたしまして、ゴルフ場の鑑定をいたしたわけでございますが、これは私どもが依頼したのは昭和四十二年の九月、あるいはまた十月ごろではなかったかと思います。その当時の評価によりますと、大体一ヘクタール当たり百二十万ということでございまして、ここにもございますように平米約千二百円、こういうことになるわけでございます。ただ、詳しい鑑定書そのものを御提出申し上げることは、現在実はまだ三里塚カントリークラブとの間の交渉が継続中でございますので、大体、いま申し上げました成田パブリックの例によって御判断をいただきたいと、かように考えております。
○森中守義君 これは、その所有者がどなたであろうと、買収にかかろうという公団側にはさして影響はないといえばそれまでですが、私がいろいろ聞いてみると、最初の所有権者がだんだかわってきておるようですね。一番最初は丹沢善治とかという人が持っていた。その後、三井不動産にかわり、東洋興業にかわり、それで房総興発というんですけれども、これら一連の、所有権者が何回か移動したということはどういうことなんですか。それと、実際の買収交渉に入ってから、こういうように所有権者が次から次に移動していったというのであるのか、その辺の事情が、どうもすっきりしないので、その辺ひとつ、おわかりであれば……。
○参考人(今井栄文君) 先生が、所有権者がかわられたというふうにおっしゃいましたが、正確に申し上げますと、株主に移動があったというふうに御理解願いたいのです。というのは、房総興発株式会社という会社は、従来の法人格そのままで今日まで存続いたしておるわけでございまして、丹沢さんが、主としてこの会社の株を大半お持ちになっておったことは事実でございます。それからまた大成建設ですか、等も、相当な株を持っております。で、丹沢さんがおなくなりになって以後、丹沢さんの持っておられた株式を東洋高圧――現在は三井東圧と申しておりますが、東洋高圧に売却をいたしました。したがって、三井東圧がこの房総興発株式会社の最大の株主になっていると、こういう点は間違いはございません。しかし、このカントリークラブそのものが売買に出されたというふうなことではございませんので、その点御了解願いたいと思います。
○森中守義君 いまのように丹沢さんが故人になられて株主のシェアの移動があったと、これはまあそれでわかりますがね。いまの言われる東圧がどのくらい持っているんですか。それから、大成建設も相当持っていると、こういうことのようですが、大体主要株主のシェアはどういう比率になるんですか。
○参考人(今井栄文君) 先ほどお答え申し上げましたように、相当まとまった額の株式を所有しておられるのは、現在三井東圧でございますが、これがおそらく大体全株式の四割から五割の間であろうというふうに記憶いたしております。それから大成建設が一割五分から二割ぐらいの額ではなかったかと思いますが、あとは株主そのものは、多くの方々によって分散的に持たれておる、こういう状況でございます。
○森中守義君 そこで全体の面積が五十九・一ヘクタール、まあそのうちの空港敷地に必要な面積が二十八・二ヘクタール、これは先ほど来いろいろお話はあっておりますが、必要とする面積二十八・ニヘクタールだけ買おうとするのか、むろん、たてまえじゃそういうことなんでしょうね。そうすると残地面積の五十九・一については、会社のほうはどういう主張をしているんですか。いまにも話がまとまるようなことなんだけれども、そう簡単にいきますか。
○政府委員(今井栄文君) 会社側といたしましては、残された土地を利用する計画が全然ございません。あれだけの大きな部分が敷地の中に入ってしまいますと、空港に隣接する区域でもございますので、ゴルフ場を維持するのは不可能であるというふうな判断に立って、別に千葉県の市原市の地内に別途用地を買いまして、私どもの伺うところによると、南総カントリークラブというものをあちらに新たに代替ゴルフ場としてつくろうという計画で進んでおるようでございます。したがいまして、空港公団に対しましては、現在の三里塚カントリークラブの全敷地面積を買っていただきたい、こういうふうに申し出てまいっております。
○森中守義君 そうなりますと、大体空港の敷地面積の全体のあれは千六十ヘクタールというようにいままで言われてきましたね、このことが一つの基盤になって用地計画がつくられる、あるいは工事計画がつくられる。そうすると、不要である五十九・一ヘクタールというものは、会社側の主張である全面積を買ってほしいということになると、その部分が余分なことになりますね。それはどういう処理をしますか。
○参考人(今井栄文君) 私はここで正確な面積を申し上げるだけの資料を持っておりませんが、残りの部分につきましても、騒音立法によりまして、滑走路の横六百メートル、滑走路の末端から長さ二千メートルというものは申し出があれば買い取るという公団としての義務が負わされておるわけでございます。現に周辺においても四十町歩程度の騒音地区の買い取りを現在やっておるわけでございます。したがいまして、三里塚カントリークラブの残余の部分についても、若干その騒音地区にかかる部分はあるわけでございます。で、私どもは、その残地を買いました場合には、御承知のように三里塚カントリークラブの所在する区域はB地区と申しまして、将来の航空機の整備のための施設を全部つくる場所になっておるわけでございます。で、残地が残りましてもこれを十分活用するということは可能ではないかと考えております。私どもとしては、もし適法に用地が取得できるということであれば、そういった残地の利用計画というものはまた別途考えていかなければいけない、かように考えております。
○森中守義君 それで、もっと端的な言い方をしてほしいんですよ。五十九・一ヘクタール、これは買いたいと思っている――売却側は買ってほしいと、こう言っているんだから、要するにそれは買うのか買わぬのか、その辺、がもっとこうはっきりさせてもらいたいんですね。
○参考人(今井栄文君) 買う決意でおります。
○森中守義君 そうなりますと、これは五十九・一ヘクタールだというとかなりの金額になりますね。その分は敷地買収の予定経費の中ではどうなっているんですか。
○参考人(今井栄文君) 五十九ヘクタールというのはたしかゴルフ場の全面積ではないかと思いますが、したがいまして、半分以上は中へ入るわけでございます。従来ともに、私どもとしては用地費と別に騒音地域の買い取りについての経費も見ておりますし、それからまた、それ以外に残存地あるいはまた飛び地というふうなものも農家の方々から買っておるケースもあるわけでございまして、経理的な面においても特段の心配は要らない、かように考えております。
○森中守義君 これは、そうしますと、私のちょっといま数字の扱いも間違っておりましたが、確かに全部の面積が五十九・一ヘクタール、だから必要なものを差し引けば約三十一ヘクタールぐらいですね。で、その分は当初から予定されていたということなのかどうか、よくわかりませんが、これの付帯設備をする、あるいは将来さらに拡張しなければならぬという前提に立つものなのかどうなのか。それと、実際の資金繰りには、まあむろん六百億近い金の中からですから、全体の比率からいけば腰を抜かすほどの大金じゃないにしても、しかしさしずめどういう処理をされるのか。ただ買っておくと、買ってくれと言うから買っておいて、先に何か建てようという、つまりまあ先行取得という意味なのか、買えば買ったで役に立つという意味なのか、その辺はどうなんでしょうか。
○参考人(今井栄文君) 私どもは空港の敷地を絶対に拡張しないというたてまえでおります。で、地元の方々からも騒音区域、あるいはまた騒音区域に入らなくても従来の主たる農地と切り離せない残地、あるいはまた飛び地というふうなものは従来でもお買いいたしておるわけでございまして、三里塚カントリークラブの残地につきましても、これはやはり買って差し上げなければお気の毒ではないか、かように考えております。
 それから、その利用計画につきましては、まだ具体的なものは考えておりませんが、あの地域が大きな整備工場になるという計画でおりますので、したがって、部品倉庫であるとか、あるいは特車の置き場であるとか、いろいろ利用する道はあるし、そういう意味では公団側としても今後の整備地域の運営上。プラスになる、かように考えております。
○森中守義君 用途については一通り説明は了解できましたがね、さて、一歩進んでここで幾らぐらいで買ってほしいと言っているのか、幾らならば買おうというのか、まあ非常に実際問題として、そこまで私は触れたくないけれども、概念の問題としてかなり鑑定の評価、まあさらに買ってほしいという価格の差はあるのじゃないかと思う。それで、面積については希望どおり買おう、こういうことのようだが、そこであまりもんちゃくは起らぬでしょうかね。実際のその売買のコストについては相当隔たりがあったと仮定をした場合に、総裁が言われるように、できるだけすみやかな機会にこれがほんとうに決着がつくという自信があるのですか。で、もしそれがない場合に、総裁、あまりこう希望的な観測だけでものごとを処理されるとたいへんだと思うのです。これは四千メートルの端にがっぽりかかっているわけだから、たいへんですよ、もしその話がもつれてくれば。その辺はどうですか、折り合いつくような自信があるのですか。
○参考人(今井栄文君) 私は必ずしも楽観はいたしておりませんが、交渉が最終段階に入ったということだけは間違いなく申し上げられるので、いままでこの三里塚カントリークラブの買収交渉が非常に手間どっておるという点については、私ども政府機関としての公団の補償基準というものと、それからゴルフ場自体の新しい代替ゴルフ場をつくるというための資金というものとの関係で基本的な立場の食い違いがあるわけです。というのは、私どもは公共用地の取得につきましての閣議の決定に基づいて補償基準を持っておるわけですが、この補償基準のたてまえは、あくまでも現在の財産の価値を評価して、それに見合う金でもって買い取るというのがたてまえになっております。しかし、房総興発としては、別に自分は持ちたくもないのに空港に協力して別につくらにゃならぬ、最小限度十八ホール程度つくれるだけの金はひとつ何とかしてほしい、こういうことがあるわけです。で、私どもの補償は、かわりのものがつくれるというふうなたてまえで補償をしないことになっておりますので、できるだけ私どもとしてもゴルフ場のほうの立場もよくわかるので検討はいたしておりますけれども、いま言いましたような補償基準というもののたてまえ上、必ずしも向こうの言うほどのものはなかなか出てこないというのが現状でございます。そういうことで今日まで長くかかっておりますけれども、交渉自体がどういうふうな結末で妥結するか、いよいよ最終の段階にきておる、近日中に、そういった結論に基づいてわれわれとしては考え方をきめていかなければならぬというふうなところまできておるということだけを申し上げておきます。交渉の価格につきましては、現在そういう微妙な段階になっておりますので、こういう場で申し上げることは御遠慮させていただきたいと思います。
○森中守義君 私もさっき申し上げたように、そういうところまでは聞こうという意思はありません。だけれども、その一つのこれは意見ということになりますけれども、このカントリークラブの占めておる位置というのは、四千メートルの先端になるわけで、非常に大事な地点ですよ、これは。そういうことですね。そうなると、そのような農地等については、収用委員会に裁決申請を出された、むろん相手が違いますという、こういうことかもわからぬけれども、話はしかしいま進展をしてはいるけれども、最後の詰めというところまではいってはいない。一体どういうように展開をしていくのか、これもよくわからぬ。そういうことであれば、その余の地権者については収用の手続をとる、これら大企業についてはただ交渉で話を進めていくという、この辺の扱い方にやっぱりある種の抵抗を感じるのですよ。抵抗というよりも、どうも少しやり方が何か特殊な潜在的なものを持ち過ぎている、少し均てんを失っているのじゃないかというようなことが言えるのじゃないかという気がするのですね。それも、いま申し上げるように、いやいやそれは相手が相手だから、こっちは話はつきます、片一方話がつかぬからこういう手段をとったのだという、そういう総裁の腹の中にはあるかもわかりませんけれども、これを同じ所有権者、その人たちに公団がどういう措置をとったかという第三者的な見方からすると、やっぱりつり合いがとれていない。したがって、これはどうもへたすると、どこかに代替地を求めろ、しかも金がないからへたするとその代替地のほうが担保に入っている、あるいはこれを担保に入れているかわからない、そういう問題等をも当然予想される。そこで、あくまでもカントリークラブについては話し合いでまとめるということであって、その余の地権者にとった措置と同じように裁決申請をやってでも最終的にはやるという意思であるのか、その辺はどうですか。
○参考人(今井栄文君) まず第一に、その所在する区域が空港建設に非常に重要であるというふうな点について若干申し上げますが、カントリークラブの所在するところは、整備地区の南側に主として所在しておりまして、現在、私どもは第一期工事約五百ヘクタールについてすでに十三キロの工事用道路の建設を終わっております。それからなおさらに、排水幹線の工事の発注も全部終了いたしておるような現状でございまして、第一期工事としては、全部の整備設施をつくる意図は実はないわけであります。したがいまして、整備施設をつくるのに必要な部分というのはカントリークラブにあまりかからないというのが第一期工事では実情でございます。しかし、できるだけ早く取得したほうがよろしい。先般、私どもが立ち入り調査を行ないました一坪運動区域は、特に駒井野地区、北のほうでございますけれども、私どもが非常に大事な谷津田部分にわりあいに数が多うございまして、こういうところは早急に取得しなければ滑走路、誘導道路の工事に支障を来たすということでございます。ですが、先生おっしゃるように、空港全体としては、整備施設を完全につくり上げるためにはどうしてもやはりカントリークラブの土地が必要になりますので、私どもとしては極力折衝を重ねまして、最終段階にきている。しかし、最後の見通しがどうかという点になりますと、私どもとしても、できるだけ私どもが与えられました基準の範囲内で話がまとまればよろしいのでございますけれども、それ以上でなければどうしてもまとまらぬということになりますれば、場合によっては土地収用法というようなことも考えなければいけない。しかし、いまこういうことを言うべき段階ではないと思います。先ほど申し上げましたように、初めから三里塚のカントリークラブが空港建設に協力してまいっておりますし、現在最終の煮詰めの段階でございますので、私は円満に妥結するというところに希望をつないでおるわけでございます。
○森中守義君 これは五万分の一の地図だから、ちょっとどういうところで――その切れ目も大体わかりますがね、わかるけれども、やはりこの地図で観測する限り、かなり重要な地点を占めていますよ、この部分は。なるほど滑走路にはかかっていないけれども、ほんとうに先端のぎりぎりだから。そうなりますと、その裁決申請ということが、片一方は非常にゆるやかな交渉をする、片一方は強制措置を講ずるという、こう対比した場合、どう考えてみても、まあ少しくつり合いがとれてるとは思えないというような気がするんですね。だから、その辺のことを、まあ、これは次の機会もありますし、もうちょっと実際の、現場の写真等も、私、一回見てみたいと思うのですが、願わくは、そういうようにつり合いのとれないようなことをやったんでは、あとあとも、どうもまずいんじゃないかと思いますし、ぜひ、ひとつこの問題については、価格の問題等々も、まず一週間、十日で片づくものと思いませんからね、一度、まあ質問をこの点については留保しておきますけれども、重大な関心を持ってるという事実は、ひとつ認識をしておいてもらいたいと思う。
 それから、次には、ちょっと私も整理が十分できておりませんから、非常に質問の項目が方々になりまするけれども、公団法の二条の一項にこういうことが書いてある。「長期にわたっての航空輸送需要に対応することができるものであること。」、こういうんですね。それで、最初に調査費がついたのが、たしか三十七年だったでしょう。それからずっと年を数えてみると、早くも十年経過してます。そこで、先般来いろいろな航空評論家であるとか、あるいは航空当局の公式であったり、あるいは非公式の見解等からいけば、異常なスピードで需要が拡大する。特に国際需要については現在の十九倍ぐらいになるだろう、あるいは十四倍だったかもわかりませんがね。要するに、その異常に近いような需要予測ができると、こう言われているのですね。それで、この新東京国際空港の地点の設定あるいは規模の設定ということは、少なくとも今日のテンポで需要予測がもしとらえられるとするならば、少なくともこの公団法二条の条項にははまらなくなってくる。しかも、二期工事の完了した段階においてどうなるか、その点の予想というのはどう立てていくのですか。さっき総裁のお答えからいけば、もうふやさないんだと、この空港は拡張しないという方針を公団としてはお持ちのようなんですね。しかし、いやおうなしに拡張せざるを得ないということが、私は予想されると思う。成田をきめて十年たってるわけですからね。そういったようなことを考えると、一体長期にわたる空港の展望ということはどういうようになってるのか。ただ、もうきめられたことだから、予算がついた、つくればいいということであるのか、かなり将来にわたる見通しをお持ちなのか、その辺の、ひとつお考えを、航空局長おいでになっていますし、一緒に、ひとつあわせてお答え願っておきたいと思う。
○政府委員(手塚良成君) まず、この公団法にきめられております「長期にわたっての航空輸送需要に対応することができるものであること。」という、この長期と空港のキャパシティの問題でございますが、長期というのを、まあ何年と見るかということは、これはいろいろと見方があると思います。かねがねこの問題で一応の見通しということで申し上げておりますのは、この空港の処理能力という点で、まず、おおむね十年、共用開始後十年くらいは持つと、こういう見通しを立てておりまして、その程度であれば、これは一応ある意味での長期ということになるであろう、かような考え方を法案との関連においては考えております。
 ただ、現実の問題として、これが一体どういうふうになるであろうか。いま、需要の見通しで、先生非常に急激な伸びということをおっしゃいましたのですが、まさにそのとおりでございまして、最近の予想需要というのは、まことに著しい増勢をたどっておるし、またたどるであろうという、ある種の予測ができております。どの程度になるか、いま新しく五カ年計画をつくらんがために、実は省内に学識経験者もまじえまして、その検討をいま鋭意やっておる最中でございますが、その中に、いま先生のあげられましたような数字、内容も一部において言われております。そういたしました場合に、これが一体この空港の処理能力とどの程度の関係になるかということは、これは計数的に申し上げることはなかなか簡単にはまいらないかと思うのです。といいますのは、この飛行場の離発着回数については、いろいろなファクターが問題になりますが、なかんずく航空機の機材の大きさ、同じ百人の人間を運びますのに一機で運べるものと、四十人乗りですと二機半というような問題になりますので、そういった将来の機材の見通しといったようなものが相当関連をしてまいりますのみならず、前後いたしましたけれども、需要そのものについての見通し等におきましては、たとえば、運賃などというものを将来どう見るかということが、相当需要との関連には大きくなると思います。また、飛行機との関連におきまして、一番需要上問題になりますのは、新幹線あたりとの競合関係を、どういうふうに配分を考えるかという点なども、この需要予測においては問題になると考えます。そういうような二、三主要なものをあげまして、一応考えました場合に、まあ先生のおっしゃったような推移の需要が何がしか考えられるということでございまして、そういう点で、この将来の需要を全部成田と羽田でカバーできるかどうかということについては、ただいま冒頭申し上げました十年くらいの見通しについては、一応持っておりますが、それ以後の長期のものを考えてみます場合には、これでは十分ではなかろうと思います。先般、橋本運輸大臣も、関東エリアにおいては、非常に需要増が激しいので、空港群ということばを使われましたけれども、この羽田と成田の二つの空港だけをもってして将来の需要をカバーできなかろう、いわゆる第三、第四というような空港が必要になるのではないか、その時点については、これ相当長期の見通しで検討していかなければならぬだろう、こういうふうなことになっております。これも実は、いまの需要の前提から始まりまして、次の五カ年計画を立てる際に、はっきりさせようというふうに考えておるわけでありますが、いずれにいたしましても、この成田ができまして、それで二十年先、三十年先までだいじょうぶだということにはもちろんなりませんが、さればといって、これが二年、三年、五年で満ぱいということにはならない。まず十年程度は持つであろう、こういうような見通しを持っておるわけでございます。
○森中守義君 ちょっと少し余談になりますし、いま、事のついでみたいで悪いのですが、もう一回そういう問題については、少しくお尋ねしたこともあるのです。
 それでちょっと空港整備の問題で少し気になるのですが、いま大蔵委員会に例の基盤整備の特別会計問題が付託されておりますね。千百五十億の五カ年計画の総ワク、これで現在まで使われているのは幾らですか。残高がかなりあると私は思っておる。これも正確に当局のお持ちのものと符合するかどうかわかりませんが、私の調査では六百二十九億使われておるのですね。したがって、残額が五百二十一億ある。五五%使い四五%残っている。これは特別会計の固定財源として入れるのですか、あるいは六百二十九億使ったままで、あとは切られるのですか。どっちですか。
○政府委員(手塚良成君) 初めに、この千百五十億というただいまきまっております五カ年計画、この中には新空港は含まれないということが全体の前提になっております。で、現在までの千百五十億の進捗率でございますが、全体の千百五十億に対応いたしましては、パーセンテージで簡単に申し上げますと、三八%ということになります。これは計画年次四年でそういう状態でございますので、非常にこれは進捗率が悪いところでございますが、この千百五十億の中身といたしまして、百五十億というものは調整費という費目になっておりまして、具体的な対象空港対象事業というものが今後突発的に出るものを考えるというような意味合いで、いま現在対象になっておりません。そういった内容、あるいは地方、県等で単独にやる事業費というものがその中にたしか八十億程度入っておると思います。そういうものを除きまして、具体的に現在対象になっておる空港というものに見合う従来の金とその予算額との対比をいたしますと、いまの消化率が約六一・七%という状態になりまして、あと三百五十二億という金額がさらに消化をされなければ五カ年計画の完遂にはならないということになります。ただ、この三百五十億円というのは、四十六年度の問題になりますが、四十五年度の数字に比べますと、その約九〇%ぐらいになりますので、非常に予算額としても高額な伸び率でなければならぬ金額になります。しかし、私どもは、空港の現状、それから輸送需要の場大、著増に伴います飛行機の大型化をはかっていくからには、ぜひこういうものの予算額を獲得することにつとめなければならぬと思っておるわけでございます。大蔵省ともども、鋭意その完遂に努力をしたいということで進んでおります。
○森中守義君 局長、ちょっと私の質問の要旨がはっきりしなかったかもわかりませんが、要するに、いままでの五カ年計画というものは四十五年消滅をした。したがって、四十六年以降というものは新しい六カ年計画に切りかえるのか、どうなのか。切りかえるとすれば、千百五十億の中の残額というものは、もう全部ぱあになるのかどうなのか、こう聞いているのです。
○政府委員(手塚良成君) ちょっと御説明の焦点が狂ったかと思いますが、いまの五カ年計画は四十二年から始まっております。完了の時期が四十六年までかかるわけでございます。したがいまして、あと二年残っておる。四十五年度、四十六年度という二年があるわけです。それを基準にいたしまして、先ほど申し上げたわけで、いまの五カ年計画は四十六年度までに何とか消化をし、残った予算をつけるべく努力をしなければならないものなので、いまこの時期においてこれがぱあになっておるわけではございません。少なくとも四十六年度まではまず継続をさせなければならないと思っておりますが、先ほども申し上げましたように、あらためてまた需要の予測、それに伴う空港整備の新しい五カ年計画というものをつくるべくいま努力をしております。
 で、場合によって、これはいま想定でございますが、四十六年あたりは、いままでのものをいままでの金額で続けるかわりといいますか、それよりは早く、四十六年ぐらいから次の五カ年計画の実施に入るほうがあるいは適当ではないかとも考えられるわけで、そういう意味になりますと、先生のおっしゃる、いまの五カ年計画の一番最後の年度がぱあになるというような見方になるかとも思いますが、その辺を含めて新しい五カ年計画の策定を検討中である、かような意味でございます。
○森中守義君 わかりました。そうしますと、これは大蔵委員会でだいぶいろいろむずかしい議論をしているようですから、同じようなことをここで言ってもしようがないと思うのですけれども、これでまだまだ二年度残っておるということであれば、これに全力をあげなくちゃならぬということは当然でしょうけれども、あの特別会計それ自体に少し運輸関係では異論がある。それは、その固定財源というのがあくまでも着陸料だけだ。もし不足をした場合には借り入れ金という措置が講ぜられていて、何か初年度あたりは三十数億の運用部からの金が入るでしょう。それはどうなんですか。大蔵省との約束は、所定の計画をつくった予算の規模がこれこれである、それに対して着陸料がかりに二〇%のシェアしか占めないという場合に、残りの八〇%のうち何%を一般会計から見ようということであるのか、あるいは、金額借り入れ金でいけということであるのか、何かその辺の話でもしたことがあるのですか。
○政府委員(手塚良成君) いまの金額の割り振りの前段といたしまして、整備五カ年計画という内容の完遂につきまして、これは閣議決定をやっておる内容でございまして、先ほど来申し上げた進捗率が非常に低いという点について、しかも最終年度でいろいろ計算してみると、なかなか通常の財政事情においてはむずかしいような数字が残る、そういうようなことは閣議決定の趣旨に反するではないかというような御質問がずいぶん大蔵委員会でございましたです。財務当局ともどもに、大いに今後の努力をということで御説明申し上げたわけでございますが、いま先生のお話しになりますように、着陸料が特定財源になっておるほかは、借り入れ金として来年度は二十三億というのが一応借り入れの予定になっておりますが、それまでは、こまかい土地の借料その他を除きますと、全額を一般会計からの繰り入れ、こういうことになっております。そしてその繰り入れ額を幾らにきめていくかということにつきまして、これは一にこの五カ年計画の進捗に合わせて、足りない部分を一般会計から繰り入れをしていくということであって、毎年既定額幾らを入れるということについての確定額はきめておりません。
○森中守義君 その辺が特別会計の出発の非常に大事なところでして、本来ならば、確かにそういうおそれがないという大蔵省側の意見もあるでしょうけれども、やはり通行税等がこの中に入ってくると、だいぶこの財源は変わるのではないかというのは、しろうとでもわかる。それができなかったというところに、実は問題があるのですけれども、これは次の委員会あたりまででもけっこうですから、この五年間ぐらいの、着陸料として大体どのくらい国庫に入ってくるか、できるならば年率の上昇率ぐらい出してもらって、一ぺん資料で五年分ぐらい見せてもらいたいと思いますね。
 なお、こういう大綱的な問題についてはまた次の機会に譲りまして、もう一ぺん成田にちょっと返りたいのですが、五十八国会のときに、中曽根さんが木村委員の質問に答えて、例の軍用的な性格についてかなり論争があったようなことを記憶しているのですよ。そこで、そのときに、中曽根さんの答弁の要旨からいけば、地位協定というものがあるので、これは本質的に拒否し得ないのだと。しかしまあ運行上、極力、戦闘機ないしは爆撃機あるいはMACチャーター機等についても使われないように配慮をしたい、ということで当時答弁が終わっている。ところが、そもそも考えてみれば、成田で一つの反対運動の支柱といいますか、まあ大きな論争点になったのは、へたすると成田が軍事基地に使われるんじゃないかという、こういう危惧の念が非常に強かった。むろんこれはいま完全にそのことがぬぐい去られているかどうかということは、まだまだ私は確実な答えが出ていないと思うんですよ。そこで、これは一つの決定的なものというように受け取ってもらっては困るんですけれども、あの中曽根答弁をもう少しエスカレートしてみて、合同委員会に持ち出して、羽田もあるんだし、むろん羽田にもおりてもらわないほうがいいんですけれども、成田にはいかなることがあってもチャーター便についてもおりませんというようなその程度の取りきめあたりはできませんか。願わくは、私は一札取ってきてもらえれば、これにこしたことはないんですけれども、それくらいの配慮がこの際は成田についてとられてもいいんじゃないか。ただし、アメリカのほうが、いや羽田じゃだめだ、何としても日本の表玄関は成田だから、成田におりることに意義がある、こういう解釈を推し進めたら別ですが、おりて油を入れるという、そういう便宜的なものであるならば、成田はやっぱり私はMACチャーターもおりてもらっちゃ困る。それは合同委員会で一札取れるのかどうか。この辺私も、この法案の一つの最終段階における最大の問題点じゃないかと思うんですが、局長どうお考えになりますか。
○政府委員(手塚良成君) この問題は、先生もお触れになりましたように、前々大臣以来の非常に重要な問題になって、いろんな委員会でも御発言があった内容でございます。私どもは終始申し上げておりますように、成田は絶対に軍用基地としての使用はさせない、しない、かように言っておるわけです。ただ、法的に考えました場合には、先生も十分御承知の上のことですが、地位協定第五条というのが安保第六条からできておりまして、この第五条の趣旨そのままを法律的に解釈いたしますと、離陸着陸的なものについては、これは向こうがおりるといえば絶対にこれを拒否することはできないというようなたてまえになっておるわけです。ただ、前段申し上げましたように、また、いまの橋本運輸大臣も先般お答え申し上げました中で、行政的に、そういった地位協定上の権利は極力これを抑制する。離陸着陸のようなものが人道上の関係のものである場合には、これはある程度やむを得ないとしても、そういうものについても、特に羽田があるというような事態もあるわけですから、これはもう極力そういうものは抑制する。そしてまた、この抑制は単に行政措置であるということで、実際の法的根拠がないから弱いではないかというようなことに対しては、これはやはり高度の日米関係に関係したところの行政的な内容であって、基本的に、全体として成田が国際民間空港というたてまえでできたことに対して、そういう軍用基地という考え方を拒否しておるというのを、あえてやるようなことはさせない、しないであろうというようなお答えを申し上げておるわけで、これをいま先生の御質問では、さらにもう一歩進めて、合同委員会で一札取ったらどうだ、こういうお話ではなかったか、私どももできればそういうことは非常に望ましいと考えております。ただ、そういう方向をいまここで打ち出すかどうか、やるかどうかという点につきましては、あげてみるのも一つのやり方かと思いますが、全般的な米軍関係の基地の態様なり何なりが相当変わってきておるし、また変わるのではなかろうか。非常に卑近なところでは、万博という期間に一応限った申し入れをしておりますが、従来もこういう民間使用を拒否し続けてきた厚木の飛行場につきましても、現在万博期間中の羽田の混雑のために協力しようという見通しが立ってきております。なお、立川の飛行場が事実上飛行場として米軍が使わなくなってきているという事実もございます。また、羽田におけるMACチャーターの離着の回数というものも現実の姿として漸減しております。漸減というか、四十四年度は相当大幅に減ってきております。こういった事態がございますので、そのさなかに、直ちに合同委員会に出したのがいいかどうか、それを私どももよく検討してみたいと思いますし、この問題につきましては、多年の問題でありますので、十分検討した上で慎重に扱いたいというふうに考えております。先生の御指摘の内容については、私どもとしてはさらに検討を続けていきたい、かように思います。
○森中守義君 これは経過的に考えますと、MACチャーターが非常ににひんぱんにベトナムの関係で往復して、それでアメリカ自体が専有しているものでは間に合わない、それで羽田におりたのだ、そういう純粋な解釈をしたいですよ。これが他面、地位協定というものが現実に作用しているのだ、効果を持っているのだ、だから、へたなところにおりてこっそりやるよりも、日本の表玄関におりろということで、依然としてアメリカが制空権を握っているというか、あるいは地位協定というのはこんなものだという一種のデモンストレーションをやっているのか、そういう面が決してないとは言えない。もしそうだとするとたいへんなことだ。だから、確かに局長の言われるように、いまにわかにこの問題を具体的に外交ルートに乗せるとか、あるいは合同委員会に提起することがいいかどうかという判断はありましょう。ありましょうが、成田の本法案というものをいまここで決着をつけなければならぬ時期にきたとすると、やはりこの辺で一ペん整理する必要がある。そういう意味で、私はいま全面的に安保あるいは地位協定というものを一連のものとしてどうするということは、なるほど困難だと思いますが、しかし具体的な問題の一つとして、合同委員会にはかり得る権能を日本は持っておりますから、そういう意味では、成田については困るなら困る、明らかに商業空港としてやっていくのだという意思表明はできていいのじゃないか、それでできるならば一札持ってきてほしいと言っているのです。むろん、これはこれから何日も何十日も何カ月もこの法案は審議しなければならないから、そういう決着の段階まででけっこうですから、一ぺん合同委員会に話を通してもらいたいと思います。そうすると、ずいぶん成田に対する空港としての性格づけが変わってくると思います、そういう一札が取れれば、場合によってはだいぶにらまれるかもしれないが、こういう発言もあったというようなぐあいで持っていってごらんなさい。その程度の配慮があっていいのじゃないかと思います。ただアメリカに対する願望とか期待というだけでは困る、当然の権利として合同委員会に提起をする。こういうことで私は措置をしてもらいたいと思うのです。これはまた本物の大臣がおいでになったときに、まだ何カ月もかかると思いますけれども、そのときにいろいろお尋ねしたいと思います。
○委員長(温水三郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(温水三郎君) 速記をおこして
○森中守義君 いま大事な局面に来ておりますが、いま航空局長から速記がつかないで一通りのお話、ちょっと承りましたが、いま一度大臣代理として現状の最も正確なもの、しかも政府の方針をこの際ひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) たいへん御心配をかけておりますし、政府部内におきましてもこれは非常に憂慮しておることはお察しいただけることと存じます。そこで私も、どうも二役かけ持ちのような次第で、衆参両院を行ったり来たりしておりますようなわけで、おっしゃるような、一番時間的に最近の情報というところまでまだ心得ておらぬのでございます。けさほどあたりの様子は森中さんも先刻御承知だろうと思いますが、要は、一口に言いますと膠着状態みたいなことでございまして、相変わらずしんぼう強く説得を続けておる、こういうのがまだ現状のようであります。
 で、機内に閉じ込められました乗客の中には、健康の点心配な方もあるのでありまして、たとえば、狭心症の方には御要求の薬品が手渡された、こういうことは承知をいたしております。いずれにもせよ、橋本運輸大臣現地でさだめし苦心をされておると思いますが、現地の情勢を的確に判断をして、そうして最適の措置を講じていただく、こういうことを期待しつつわれわれも待機をしておる、これが現状でございます。
○森中守義君 たいへん気をもんでいることはお互い変わりませんし、いわんや大臣におかれてはなおさらのことでしょう。そこで、この委員会でも午前中もちょっと申し上げたのですが、事柄が事柄だけに、これをという意見の表明などは私どもは全然していないのですよ。言いかえれば、刻々と変化する事情をできるだけ早くしかも正確に知りたいというようなことで来ておるのですがね。しかし、ここまで来ると、もうすでに落日も近くどうにもならない、また今晩飛べるのかということになってきますと、やはりどうにもしようがないような、そういう気持ちになってくるんですね。いわんや、家族においても、きょうあたりテレビなどでも激しいそういう意見が出ているのですね。それで政府が橋本さんにどういう内容を託されたのか知る限りではありませんけれども、ここで学生の言い分を聞くのか、あるいは説得を続けるのかという、これが相当長時間たちながら平行線なんですね。それに、いまちょっと話題が出たわけですけれども、とにかくくたびれを待とうではないかというようなことでは、ちょっとこれは話にならぬ、そういうことでは。けさあたりは、テレビでは、どうも凶器を持った諸君のことばづかいが変わってきたから、多少軟化したんじゃないか、それを待つんだというような報道等も行なわれているんですね。しかし、おそらく、その説得が功を奏するということが一体いつの時点に予想されるかということになりますと、全く予想立ちませんよ。彼らは何か食い物や飲み物も飲んでいるらしい。機長はうしろから拳銃を突きつけられている、乗客は手を縛られているといったら、とてもじゃないが残酷過ぎますよ。ですから、私はその説得ということが逆におくらせているんじゃないか、こういうことじゃないでしょうか。そこで、韓国にいるということ自体が、おろさなければ立たせないぞ、こういう一種の条件的なものになっているようにも思うので、ここはひとつ政府と先方さんとの間に何か大局的な話ができないのか。むろん、その判断をただいま橋本さんに一任してあるということのようですが、緊急に協議されて、乗っけたまま平壌に、向こうも受け入れると言っておるようですから、それならば立たしたほうがかえっていいんじゃないか。きょう、おそらくきょうじゅうにはという期待を持ちながら待ったわけですが、きょうもこれはだめですね、こういう状態では。だから、結果的に説得ということがかえって時日をかしていると、こういう気がしてしかたがないんですがね。たとえ大臣の代行であったにしましても、ひとつ政府の首脳部とでも緊急に協議をされて、総理の訓令なら訓令でも出すようなことはできませんか。
○国務大臣(井出一太郎君) ここで私がしかとお答えするというわけにはまいりかねますけれども、当委員会においてただいま御趣旨のような御発言がありましたことは、これは私よくわかりましたから、政府首脳のほうに伝達いたしたいと思います。
○森中守義君 けさ各党の国対委員長会談が開かれたはずです。それで政府に強硬に申し入れる。いま何がどうかにがどうという段階ではない、とにかく学生の言い分をいれて飛ばせることが解決の道だということで、政府に強硬に申し入れようということが午前中に行なわれて、それが政府側に。おそらく大臣代理としておわかりになっていると思う。おそらく政府内部にもそういう空気はかなり強いんじゃないかと思うのですね。したがって、これはお一人でできる問題じゃないでしょうけれども、とにかく時間の問題ですよ。今晩は何とかしてもらわなければという、こういう期待と願望は国民全体の気待ちだと思うので、これは期待あっていいの悪いのと、そういう議論の段階ではないんじゃないですか。ですから私は、説得ということがかえって障害になっているようなことだとも思うので、実は官房長官にここに来てもらいたかったが、与党の理事の協議の結果あまりスムーズにいっていないようなので、ひとつぜひ大臣のほうからそういう取り計らいをしてもらいたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) いま承りました点、よく伝えることにいたします。
○瀬谷英行君 いまの森中さんの質問に関連して、私のほうからもお聞きしますが、先ほどのニュースでは、日航の松尾社長の談話の発表があって、いまの時間になっては、きょうじゅうによしんば平壌に飛ぶことを許可したとしても時間的には無理であるという意味の談話が発表された。しかし、二百キロぐらいで、あの飛行機で飛べば十五分か二十分で飛べる距離にあるということであって、しかもジャンボですら一時間半で整備を完了して出発させることができる、こういうふうに言われている。もっともこのジャンボはその話のとおりいっておらないのでありますけれども、しかし、給油であるとか整備であるとか、そういうことにそんなに何時間もかかるということは常識では考えられないんですね。となると、これは社長がきょうじゅうには無理だという発言も、それから現地でもってなお説得を続けるということも、いたずらに時間の引き延ばしの口実ではないかというふうにしか考えられないわけです。そうなりますと、飛行機の中に閉じ込められて二昼夜がまんをしていた乗客は、きょうがだめなら三昼夜がまんしななければならぬ。狭い座席にすわったっきりで、伝えられるところによると縛られて、それで食いものも食うことができない。用便なんか一体どういうふうにしてやっているのか、いろんなことが気になるわけでありますけれども、あの密室の中でそういう状態に置かれた乗客の身を考えてみると、いたずらに韓国のメンツのために犠牲にしていていいというものではないと思うのです。だから、これはやはり人道上の問題として、政府として当然早急に考えなきゃならない。小田原評定をやって、きょうは暗くなったからあした相談しようという問題じゃなかろうと思う。だから、もしも北朝鮮へ飛ぶということがどうしても韓国のメンツの上で困るというならば、もう一回福岡の空港へ戻ってこさせて、そこであらためて給油のし直しをして考えるという方法もあるでありましょうし、あるいは人質のうち特に状態の悪い人を何人かおろすというくらいでもって手を打ってもらうという一つの提案もあるでありましょうし、同じことを繰り返して、断わられるのを承知の上で同じことを繰り返して時間の浪費をするということよりも、そのくらいの進んだ話し合いをやるのが私は当然じゃないか。大臣から日航の社長まで韓国へ行って、なおかつ事態が少しも進展しないということになると、これはだれが考えても問題の壁は韓国の事情であるというふうにしか想像できないわけです。それならそのように、私は政府としてすみやかに対処すべきではないかという気がするのでありますけれども、大臣の見解としてはどういうものでしょうか。
○国務大臣(井出一太郎君) 日没が迫って飛行が不能であるとかというような技術的な問題は、私にはよくわかりかねることで、あるいは航空局長からお話があると思うのですが、いまおっしゃるような、何といってもこれは時間がとうとい段階だと思います。そうして御提案のような、何とか知恵をめぐらせて、もう少しこれを打開すべきではないか、この御趣旨はよく私わかります。おそらく現地も、あれやこれや現地のまた別な雰囲気の中でいろいろ考究はしておるものであろうかとも思うのでございますが、いまおっしゃいましたことも、先ほどの森中さんの御意見ともども私持ち帰って伝えたいと、こう思っております。
○委員長(温水三郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(温水三郎君) 速記をつけて。
 本案に対する質疑は、本日はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十二分散会