第063回国会 運輸委員会 第18号
昭和四十五年五月十三日(水曜日)
   午前十時十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     井川 伊平君     木村 睦男君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         温水 三郎君
    理 事
                岡本  悟君
                金丸 冨夫君
                谷口 慶吉君
                藤田  進君
    委 員
                木村 睦男君
                河野 謙三君
                佐田 一郎君
                重政 庸徳君
                平島 敏夫君
                前田佳都男君
                渡辺一太郎君
                岡  三郎君
                鈴木  強君
                瀬谷 英行君
                森中 守義君
                田代富士男君
                三木 忠雄君
                中村 正雄君
                山田  勇君
   衆議院議員
       発  議  者  大橋 武夫君
       発  議  者  細田 吉藏君
   国務大臣
       内閣総理大臣   佐藤 榮作君
       運 輸 大 臣 橋本登美三郎君
   政府委員
       警察庁警備局長  川島 広守君
       首都圏整備委員
       会事務局長    井上 義光君
       運輸省鉄道監督
       局長       町田  直君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  山口 真弘君
       海上保安庁次長  林  陽一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   衆議院法制局側
       第 三 部 長  河村 次郎君
   説明員
       日本国有鉄道総
       裁        磯崎  叡君
       日本国有鉄道常
       務理事      長浜 正雄君
   参考人
       日本鉄道建設公
       団総裁      篠原 武司君
       日本鉄道建設公
       団理事      増川 遼三君
       日本鉄道建設公
       団理事      石川  豊君
       交通評論家    角本 良平君
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  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査
 (旅客船ぷりんす強取事件に関する件)
○参考人の出席要求に関する件
○全国新幹線鉄道整備法案(衆議院提出)
○国鉄駅の無人化措置等に関する請願(第六号)
○都内港湾河川のしゅんせつ促進に関する請願
 (第四五号)
○地下鉄事業に対する国庫補助大幅引上げに関す
 る請願(第九一号)
○海上交通法の制定及び船舶職員法改正に関す
 る請願(第二六八号)(第七一四号)(第一一
 〇三号)(第一一六八号)(第一二二三号)
(第一二四三号)(第一三一四号)(第一三九八
 号)(第一七二四号)(第二七八八号)
○気象業務の整備拡充等に関する請願(第五四八
 号)(第一一二一号)(第一一九三号)(第一
 二〇九号)(第一二四四号)(第一二五八号)
 (第一二七〇号)(第一三〇三号)(第一三二
 〇号)(第一三三一号)(第一七〇四号)(第
 一七〇五号)(第一七〇六号)(第二〇五〇
 号)(第二七八九号)
○海難の絶滅に関する請願(第六九八号)
○国鉄相模線、東海道新幹線の交差点倉見駅に新
 幹線の新駅設置に関する請願(第一一六一号)
○千歳空港利用客の輸送体制整備に関する請願
 (第一八三七号)(第一八四九号)
○日本国有鉄道の経営合理化対策に関する請願
 (第二九五四号)(第三三三八号)
○北回り新幹線の建設促進に関する請願(第二九
 五五号)(第三三三九号)
○過疎地域におけるバス運行の確保等に関する請
 願(第二九五六号)(第三三四〇号)
○東京外郭環状線等の鉄道調査線への昇格及び敷
 設予定線への編入に関する請願(第三〇二九
 号)(第三〇四六号)(第三〇四七号)(第三
 〇四八号)(第三〇六八号)(第三一一六号)
 (第三一五六号)(第三二六〇号)(第三三二
 〇号)(第三四五八号)(第三五六九号)(第
 三七六九号)(第三八五〇号)(第四〇一八
 号)(第四〇五四号)(第四三一三号)
○東急地下鉄新玉川線駒沢駅設置に関する請願
 (第三〇九三号)(第三〇九四号)(第三一一
 七号)(第三一一八号)(第三一九〇号)(第
 三一九一号)(第三一九二号)(第三三〇九
 号)(第三三一〇号)(第四〇九三号)(第四
 〇九四号)(第四〇九五号)(第四一一四号)
 (第四一三八号)(第四一三九号)(第四一四
 〇号)(第四一四一号)(第四三〇八号)(第
 四三〇九号)(第四三一〇号)(第四三一一
 号)(第四三一二号)(第四三七〇号)
○タクシー業務適正化臨時措置法案反対等に関す
 る請願(第三六四九号)(第四三六五号)
○信南交通のバス路線の一部休止等に関する請願
 (第三九六九号)
○総野線国鉄新線建設予定線編入に関する請願
 (第四一五二号)
○留萌鉄道株式会社損失補償に関する請願(第四
 三六三号)
○東北、北海道新幹線鉄道の最優先着工に関する
 請願(第四三六四号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
○委員長(温水三郎君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 旅客船「ぷりんす」強取事件に関する件について橋本運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。橋本運輸大臣。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 委員各位は、けさの朝刊で御承知のように、昨日、瀬戸内海において、今度はシージャックといいますか、海上で船が乗っ取られる事件が起きたわけでございます。
 当初に、事件が一応解決いたしましたので――今朝の九時五十一分、犯人を広島桟橋の着岸地点において逮捕いたしました。ただ、どういう形で逮捕したかという詳しい情報は入っておりませんので、いずれ後刻、内容等については御報告する機会があろうと存じまするが、一応、犯人は、今朝の午前九時五十一分、広島桟橋に到着いたしました機会に、警察官によってこれが逮捕と、こういうことで、一応、事件は落着をいたしたわけであります。経過等はけさの新聞等で詳しく伝えられておりますので、繁雑を避けるためにそれらの点は省略をいたします。なお、文書で皆さんのところに経過は一応御報告申し上げましたので、時間の関係上それらを省略いたしまして、ただ運輸省として、海上における警察権は海上保安庁、すなわち運輸省の所管でありますので、どういう対策をとったかということについて御報告申し上げます。
 昨日、御承知のように、午後五時八分に、いわゆる広島県営桟橋において銃声を聞きましたので、直ちに広島県警本部から連絡がありましたために、第六管区海上保安本部係員がこれらを受け取りまして、直ちに海上保安庁としては人命救助の対策並びに犯人逮捕の対策を講じたわけであります。すなわち、所属巡視艇により該船の出港に備えまして厳重警戒に当たらせ、そして同時にまた、犯人の川藤に対しまして無益な抵抗はやめろと、こういうことで説得にこれつとめたわけであります。しかし、同船は午後五時三十分出港いたしまして、海上保安本部といたしましては、広島、呉、今治、松山各海上保安部及び広島航空基地に対して非常配備を発令するとともに、同本部に本部長を総指揮官とする対策本部を設置いたしました。また当初、広島海上保安部の巡視艇三隻をもって警戒体制をとりまして、犯人の乗りました船にある程度の間隔をおいて付き添いながら、該犯人の乗った船の行くえを常に把握しつつ、これまたヘリコプター一機をもって犯人の船を常に追跡をする。運輸省としての指示としては、とにかく人命救助が第一の目的であるからして、まず第一に、この犯人の奪取した船を、いわゆる瀬戸内海から外に出してはいけない、まずこれが第一。かつまた、川藤という犯人はすでにわかっておるのであるからして、若年のものであり、神経を刺激せざるよう適当な間隔をおいて、そうして犯人のいわゆる神経をいら立たせないような措置で、十分なる厳戒体制をとると同時に、また一方、海上保安庁でありますが、河毛海上保安庁長官を直ちに運輸省の飛行機をもって現地に急行せしめまして、この飛行機では警察庁から川島警備局長にも同行願い、こういうことで陸海警戒体制を厳重にしきまして、常に一元的な方針でこれを処理するように、こういうような措置を命じまして、昨日のうちに、午後八時――海上保安機が到着しましたのは九時ちょっと過ぎましたが、現地に到着をしまして、そこで事件の処理に当たらせたのであります。その間において、新聞でごらんのように、父親及び姉を下津井港から巡視艇に乗せまして、そして巡視艇から拡声器をもって犯人に説得をいたした。かような措置をとりまして、とにかく問題は乗客をおろすことであるということで、これはまあ新聞でごらんのように、昨夜のうちに三十七名ですか、三十余名、これをおろし、かつまた、売店の女子従業員二名及び練習生、見習い生二名、これを松山の港で、高浜桟橋でこれを下船せしめまして、そうしてまた犯人が言うとおり広島港方面に出発さしたわけであります。その間において、できるだけ犯人の説得につとめるようにということを指示いたしまして、無理な行動をとるな、とにかく瀬戸内海の中をぐるぐる歩いておれば何かの機会があるだろうということで、とにかく犯人が広島桟橋に着くことを要求いたしましたので、昨夜から広島方面に向けまして、午前八時五十一分に広島桟橋に近づきまして、その間に二、三の発砲等がありましたが、船長が下船しまして、会社側と打ち合わせ、その間において、陸海の警戒体制の中においての打ち合わせから、犯人を逮捕する結果を見たわけであります。
 一応、概略でありまするが、報告を申し上げます。
 この問題につきましては、御承知のように、ハイジャックの場合において航空法の一部改正の際及び関係刑法の改正の際に、飛行機の乗っ取りと同時に船の乗っ取りについても考えるべきではないか、こういう御意見もあり、運輸省当局といたしましても、旅客船の場合にもまた考える必要があろうということでありまして、いろいろ検討いたしましたが、期間が非常に短いために、船舶についての船長の権限あるいは船舶のいわゆる奪取についての刑法上の検討ということについては、飛行機以上に船の場合においては複雑な状態がありますので、短期間においてこれが結論を得ることはむずかしい、かように法務省関係からの御意見もあり、各方面の意見もありましたので、そこでいわゆる船の奪取に関しては、なお検討を加えた上で次の国会に提案をしようという関係各省の打ち合わせで統一的に結論を得ましたので、せんだっての刑法改正の上においては、この船の奪取に関しては一応除きまして、飛行機だけが刑法の改正になったわけであります。
 ただ、まあ今回の事件が新聞でもごらんのように、特別の背後問題は現在のところはない、そのように考えられております。一種の不良な青少年の非行事件でもあるようでありまするが、しかし、最近の世相からかんがみまして、かような事件が頻発することの心配もなきにしもあらずであります。したがって、刑法上の改正とともに、これは警察庁とも協議を進めておるわけでありまするが、主要ないわゆる客船の出るそうした波止場等においては、やはり今後は早急に警察官を常置する必要がありはしないか。同時にまた、現在のところでは、従来の船員法といいますか、の扱い方として沿岸航路もしくは近海航路もしくは遠洋航路等については、客船の乗客員の名簿を備えつけることになっております。しかし、瀬戸内海のような、あるいは沿海航路のような、ほんとうに近距離の場合には、これを義務的に命じておりません。これは業務上の繁雑、実際上の問題からいって困難な場合もある。しかし私は相当の時間、まあ数時間を要するような、たとえそれが内海であっても、かつまた数十名以上乗せるような客船である場合は、やはり一応の船客名簿を考える必要がありはしないか。今度のような事件におきましても、だれが乗っておるかわからぬということであっては対策上非常に困る。こういう意味において、法律的にこれを義務づけるか、あるいは省令等においてこれを明確にするか、いずれにせよ、やはりある一定数の旅客船に対しては船客名簿を備えつける、こういう必要があろうと思いますので、これらの検討を命じております。
 先ほどの、いわゆる重要な港といいましょうか、主要な客船の港については警察官の常駐をわれわれのほうから警察庁のほうにお願いをすると同時に、また、われわれといたしましては、ある程度のものに対しては、基準のきめ方もありますけれども、これらを検討の上、船客の名簿を整備させる、これが第二。
 第三には、また船長の権限だけ強化しても、実際上の問題として、犯人逮捕上の経験があるわけではありませんので、したがって、ある程度のものに対してはやはり海上保安官といいましょうか、ただ、予算の問題もあり、かつまた、人員の問題等もありますからして、これらの実施はなかなかむずかしいと思いますけれども、それらを含めてやっぱり検討する必要がある。最近の険悪なる思想といいましょうか、何か分裂したものの考え方の多いような者が出てくる時代には、必ずしも思想的な問題だけじゃなくて、別な意味においてそういうものが起こり得るので、ぜひひとつその点も検討してまいりたいと思います。
 以上、大体において経過の御説明、また同時に、われわれがとりました対策の概要を申し上げまして、御報告にかえる次第であります。
○藤田進君 飛行機乗っ取りに続きまして船舶乗っ取り、しかも、今度の場合は若干通常の精神状態とは思われない事情もあり、したがって、なおさら危険性も高いので、国民はすべて心配をしたと思いますが、御報告のように今朝逮捕されたとすれば、まあ一息というところであります。
 そこで、新幹線法案を今期末ぎりぎりで審議をしておるわけでありますが、このような大臣御報告もございまして、船舶乗っ取りについて若干の質疑は当然あろうかと思いますが、実は角本参考人にあと時間の都合でぜひということでございますから、とりあえず御報告に対する質疑はその間保留いたしまして進めさせていただきたいと思います。
 なお、いわゆる新幹線法案について昨日来審議を深めてまいりましたが、運輸大臣所管については、これは運輸大臣御出席でもございますし、別に支障はございませんが、その他財政資金関係については大蔵、あるいは新全総等の関連は企画庁長官、地方公共団体については自治大臣、交通一般についてなお建設大臣と、かなり広範にわたっております。加えて、自由民主党を中心とする御提案でもございますということで、会期末、時間もないこの機会に、いま申し上げた四大臣にそのまま代理者でなくて来ていただくということも、事実問題として困難であろうということで、実は昨日、委員会散会後、私のほうから与党には総理大臣の出席を、この際、総括して御答弁いただくという意味で御出席をお願いしておりますが、ぜひひとつ、きょうしかるべき時間に、ぜひ早い時間に御出席をすることを、ひとつ委員長等を通じて実現するようお願いをしておきたいと思います。
    ―――――――――――――
○委員長(温水三郎君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 全国新幹線鉄道整備法案の審査のため、本日、日本鉄道建設公団総裁篠原武司君、同理事増川遼三君、同理事石川豊君及び交通評論家角本良平君を参考人として出席を求め、意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(温水三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(温水三郎君) 全国新幹線鉄道整備法案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木強君 角本参考人、時間をお急ぎのようで恐縮ですけれども、若干質問させていただきます。
 きのう一問だけお尋ねをして閉会になったわけですけれど、きのうあなたの御意見を承っておりますと、国鉄再建十カ年計画というものが打ち出された段階ではありますが、実際にこの計画の内容を見た場合、非常に心配される点があるというので、一つは、競争相手の能力が小さかった時代は、ともかく独立採算が成り立つけれど、いまのように輸送体制というものが非常に高度化し多様化してきておる段階では、なかなか独立採算ということはむずかしいだろう、運賃だけにたよるということはむずかしい、こういうまあ答弁ですね。しかし、国鉄が果たすべき使命というのは、非常に公共的な立場が強うございますから、どうかすると採算ということを無視して公共性が主張される、そういうことからして、赤字経営というものが続いていくんだ。しかし、やらなければならない。特に過密対策としての都市近郊通勤対策ですね、昼間は電車がからっぽで朝晩はすし詰めだ、こういった現象の中で非常にむずかしい。したがって、出た赤字は国ないし地方自治体が補てんをしておる、これが世界の通例だ、こういうことから非常にむずかしいというように伺いました。
 そこでもっとはっきり私は伺いたいのは、国鉄公社になりましてから二十一年ですか、戦前から特別会計が施行されております。しかし、戦前、戦争を通じまして、国鉄が赤字になったことはそうなかったと思いますが、大体黒字で終始しました。そのために、逆に臨時軍事費などに黒字分は持っていかれてしまう、こういうふうな状態が続いたんですよ。ですから、私はその裏を返せば、もし国鉄が赤字経営の場合には、一般財政から国鉄に補てんしましょう、そのかわり黒字は出しなさい、こういう趣旨の特別会計だと思うんですね。これは郵政事業、昔の逓信事業なども同じような道をたどってきておるわけです。そこで、戦後、完全独立採算ということが押しつけられてきますと、確かに経営上黒字が続く場合はいいんですけれども、しかし、赤字を生じた場合にはそれを補てんする道がない。したがって、借金として残ってくる。いま二兆円の負債、さらに赤字累積が五千億とも六千億ともいわれて、そういうような借金を背負ってどうにもならない事態になっているわけです。たとえば、電電公社などを見ましても、電報というのは年間通じていま五百億から六百億の赤字ですよ。あの電報が「ハハシンダ」とか「チチキトク」とか公共性が強いために、採算性を全く無視して押しつけられている。しかし、電話の利用があるものですから、電話の黒字によってその五百億をまかなっているわけですね。ところが、実際にいま電話のほうは、二百七十万個も申し込んでもつかない電話があるわけです。もっと安くしてほしい、少なくとも申し込んだ電話はすぐつけてほしい、そういう一方には意見があります。ところが、実際には使わない電報の赤字に電話の料金が使われているということになると、電話の利用者から見ると不満があるわけですね。こういう点をやはり同じように一般会計から赤字は補てんすべきじゃないか、こういう意見をわれわれ持っているわけですね。したがって、どこの商売だって収支償わない商売やれといったって無理であって、収支償うというのが経営の原則ですね。だから、国の事業だから赤字でも、償わなくてもよろしいということにはならぬ。電電なんかはたまたま電話収入が順調にいっていますから、その五百億は補てんしているから何も出ないのですけれども、しかし、そういうのがあるのです、現実には。だからして、私はそういう点を角本さんがおつきになったと思うのです。だから、端的に言って、いまの独立採算制を取っ払って、もし独立採算制を施行するとしても、いまのような状態では赤字が必至なんですから、その赤字は国が補てんしてくれ、そうしなければ国鉄財政は再建できません、国鉄は再建できませんと、こういうことをはっきりあなたおっしゃったんじゃないでしょうか、そこを伺いたい。
○参考人(角本良平君) いまの御質問にお答え申し上げます。
 御指摘のような方向で進んできたと私も思いますが、その点についての私の考え方としましては、鉄道経営を考えますときに三つの条件があると思います。その一つは、電話の場合と違いまして設備料金という取り方が非常にむずかしいわけでございますので、初期におきましては他の公共事業よりもより大きく赤字が出やすいという性質でございます。東海道新幹線といえども最初の年は非常に苦しかったと思います。それから第二番目の条件は、いま御指摘のとおり、輸送構造の変化に基づきまして、全体としての採算が非常にとりにくくなってまいりました。しかしそれにもかかわらず、自動車の普及によりまして大都市の過密の地域において交通混雑を解消するために他の手段としての鉄道が使われている、それは赤字であってもつくらざるを得ない。それから第三番目の条件は、全国一律の運賃制度の弊害が次第にあらわれてきている。いま御質問の中に電報は電話によって補われているという点がございましたが、国鉄の場合には、たとえば東海道新幹線は百円の収入に対して六十円あまりのコストで済んでおる。その三十数円の黒字分が他の地域の赤字をささえるために回されております。
 以上三つの条件のためにいろいろな矛盾が起こってまいりまして、一つは、東海道新幹線は本来コストで考えればもっと利用されてしかるべきであり、しかるにもかかわらず、他の交通手段のほうがその区間だけのコスト主義で運賃を設定しますと、国民経済としては本来有利であるべき新幹線が利用されずに、他のものが利用されるといった矛盾が出てまいります。そこで、こうした矛盾をなくするためには、どうしてもこれからは幹線のものは幹線に返してやるといいますか、幹線の利用が増加するように幹線のコストを反映した運賃というものを考えてまいりまして、しかも、幹線で輸送力不足が起こらないように、幹線で出た黒字分を幹線に返してやるというふうなこと、これはいま電話につきましてまだ満たされていない部分がたくさんあるとかいうようなことが、同じように幹線の輸送力不足として起こっております。そこで、現在の国鉄全体を含めましての独立採算というものは非常にむずかしくなってきた。しかしながら、同時に、企業としての最高の能率を発揮していくためには、やはり独立採算でできる部門については独立採算という形をとり、再建できる部分については再建するという姿でいく。ただ、そのためにいろいろな条件を満たしていかなければいけない。
 その一つの大きな条件としては、昨日も申し上げました二万キロのうち一万キロ分で全体のわずかに一割しか運んでいない、こうした部分は自動車がなければ鉄道は絶対に必要でありましたでしょうが、自動車というすぐれた手段が出てきた以上は、もはや鉄道の使命は終わっている、そうした部分については身軽にしてやる。あるいはまた、鉄道の能力を、鉄道の施設としての能力を最高度に利用するために関連した仕事をさせていくというような形で、この部分ならば国鉄総裁が独立採算できるであろう、努力すれば再建できるであろうという部分を明確にして責任を持たせるというふうに考えまして、それ以外の部分については補償をする、これだけの事業計画で投資をすることが必要である、しかし、それによって数年間あるいは継続的に赤字が出るという部分については最初から国が補償するという約束のもとに投資計画をさせるというふうな体制に変えるべきではなかろうか。しばしば第一国鉄、第二国鉄というような議論もわれわれの中では出るわけでございますが、そうしたものの内容というのは、やはり総裁として責任を持てる部分については労使一体となって協力させる。それ以外の責任分野についてあまりにも過重な責任を国鉄総裁に負わせてはいけない。そういたしますと、かえって全体としての意欲がなくなってしまうというふうにおそれるわけでございます。
 で、私、西ヨーロッパの例で、イギリス、フランス、西ドイツ、いずれも国鉄でございまして、これらについては赤字を一括して補てんするという制度に変わってきておりますけれども、こうした制度はよくないと思います。やはり独立でできる部分については責任を持たす、そうでない部分については明確にして補てんする。その場合にもう一つ私が願いたいことは、国だけで補償する、補てんをするという体制でございますと、どうしても鉄道でなくてもいい部分までどうせ国が埋めるならば要求しようではないかという空気が地方からは抜けない。道路の例でございますが、国道のような場合でも地方が何分の一かは必ず負担するという体制になっておりますので、私は、たとえば、ある増強計画につきまして国は三分の一、あるいは三分の二、四分の三というふうに持ちましても、その残りの部分は、必ずある程度は地方が持つという体制にしたらどうだろうかというふうに思います。
 そこで、いま私が申し上げたような考え方でくみ上げてまいりますと、当然現在の国鉄法とか国鉄運賃法につきましても修正が必要になる、あるいは修正といわずに根本的な改革が必要になるのじゃなかろうか。現在の体制というのは、先ほど御指摘がありましたように二十一年前の体制でございます。二十一年前、われわれは数えるほどしか自動車を持っておりませんでした。それからまた、飛行機は民間航空としては全くなかった時代でございます。そうした時代の法体系をいままでずっと使ってまいりまして、一応その法体系のもとで国鉄再建計画がつくられておりますけれども、私は、そうした再建計画を包含しまして、もう少し広範に国鉄経営を考える法体系に脱皮すべきではなかろうかというふうに考えております。再来年になりますと、国鉄は百年祭を迎えるわけでございますが、私個人としましては、この百年の記念にぜひとも新しい国鉄の法律体系をつくるというふうに考えて、そろそろ準備してもいい段階ではなかろうかというふうに思っております。
○鈴木強君 非常に制度の根本にさかのぼる御発言もありまして、私も、いまの三公社が現在の公社法上ではその経営の衝に当たる総裁以下の役員の諸君の自主性というものは非常に薄いわけです。きょうは大臣もいらしゃいますけれども、大臣もそのほうは相当権威者だと私は思っているけれども、やはり公共企業体審議会というものからも二十九年、三十一年と二度も答申が出ておりまして、それはやはりいまのように予算上あるいは計画問題、すべてが国会にがんじがらめになっていることは、私はまずいと思うのです。ですから、もっとまかせるべきものはまかして、総裁にやらしてみる、公社に。そのかわり、責任はとってもらうというような、そういう体制に持っていかないといけない。そのためには、予算上においても、そういう制度に私は変えていくべきだと思いますし、あなたの言われる点は公企体審議会から二度答申があるのです。私はこれを歴代総理大臣にも毎年と言っていいくらい予算委員会でも迫っておりますが、その必要性は認めるが、検討するということで、今日までたなざらしになっている。だから、そういう基本の点が抜けておるのです。そこから出発しないと、いまの新幹線網というものを考えましても、何かまたこれは国鉄に負担がかかってくると私は思う。これはあなたが十カ年計画に対して非常に具体的に出した御意見ですから、私はほんとうは時間を一時間、二時間とりまして――いま国鉄がやっております、十年間に二度運賃を値上げする、六万人の職員を減らす、赤字ローカル線を廃止する、小さな駅を無人化して、あるいは小荷物とか手荷物の取り扱いを廃止するとかいう、要するにいまの内容を見ますと、合理化という名のもとにサービスをダウンするという面が出てくる。これは私は間違いだと思う。少なくとも、乗降客に対してサービスをアップするならいいけれども、ダウンするというような合理化というものは認められない。合理化するというのは、経営する人たちもそこに働く人たちも乗降客も、ともによくなるのが合理化です。どこかにそれをしわ寄せすることは、これはいけないということです。だからして、抜本的な国鉄法の改正というものをやった上でないと、十カ年計画というものは無理だと思います。土台を直さないでそこに家を建てるからがたがたしているのです。だからして、私はそういう点をあなたが指摘をされたことに非常に意を強うしました。
 それで、もう少し時間をとってもらって、あなたにぜひ伺いたいと思いますのは、十カ年計画に対する一つの対案ですから、これはできましたら、私はこの国鉄の二月に発表された再建計画に対するあなたの考え方、対案、対応策というものを、ぜひここで聞きたいわけだけれども、時間がないから文書でもけっこうです。一体これによってどの程度の削減ができ、二回運賃を上げることによってどういう黒字経営になっていくかということについての、あなたとしての考え方をぜひ教えていただきたいと思います。これはひとつたいへん恐縮ですけれども、あとで、できましたら資料などでお願いしたいと思うのです。費用がかかりましたら、私負担をしますから、ひとつぜひお願いをしたいと思います。
 それでもう一つ聞きたいのは――国鉄の財政再建を何とかバックアップしようというので鉄建公団というのができた。これは昭和三十九年二月の法律によってできたと思いますけれども、いま行政機構改革のほうからも、名ざしでもって、こういうものを廃止しろ、当初の目的にそぐわぬじゃないかという意見が出ております。これは大臣にも質問しましたが、まあ大臣は違った意味の発言をされておりましたけれども、いずれにしても、国鉄の出資が過半に達する現状では、新線建設による国鉄の負担を軽減するという設立の趣旨に合わない、存在意義が認められない、政府資金を飛躍的に増大してもらって、国鉄の負担を軽減しない限り、廃止すべきであるという端的な意見が出ているわけです。資本金を見ますと、大体八百七十二億のうち政府が三百十一億、国鉄が三百八十九億、現物出資、国鉄が百七十一億、これじゃ何のために鉄建公団をつくって、国鉄の財政再建に対して協力しようということかさっぱりわからない。だから、きょうは鉄建公団総裁が見えておりますけれども、私は、この前の鉄建公団の汚職の問題もあります、いろいろな問題を含めて、もっと姿勢を正して、当局としても設立の趣旨に合わなければそれを端的に政府に具申するとか、そういうことにならなければ、何だか政府の御用機関みたいなかっこうでおったのじゃしようがない。そういう中でこの新幹線をつくっても、土台の上に上がるかどうか心配するわけです。私は趣旨そのものは賛成ですから、賛成のためには、やはりそういう問題を明らかにしなければ、ただ絵にかいたもちみたいなものです。きのうもいろいろ瀬谷委員から質問がございまして、これから金のほうは考えるのでございます、八月ごろ、何か予算の編成期であるので、そのときに考えます――一体国鉄総裁、あなたのほうでは、これはこの十カ年計画の中で――この新幹線網という法律によらなければできないような国鉄なんですか。国鉄はすでに十カ年計画の中で、新幹線というものはどうつくっていくのかという構想を持っているのでしょう。すでに山陽をやっているじゃないですか。それに網をひっかぶせるようなこういうものを出すというのは、私は国鉄の意見というものを、国会で法律をつくって国鉄に押しつけるような、そういうような考え方にとれてしようがない。ですから、この十カ年計画と全国新幹線鉄道整備法による幹線網というものは、重複する点があるのですから、だから、必ずしも関係ないとはいえないでしょう。きのうは、何かこの十カ年計画とは別だというようなことを言われておったけれども、そんな、別じゃないと私は思うのです。そういう点も、やはり法律をつくるほうでもよく考えて、そごのないようにしておかなければいけないと思いますから、私はそれも伺おうと思うのです。
 最初角本さんから――鉄建公団を設けて、実際国鉄がプラスになっているのでしょうか。なっておるならば、こんな行政機構の面で廃止しろなんて、名ざしでいわれることはないと思いますが。
○委員長(温水三郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(温水三郎君) 速記を起こして。
○参考人(角本良平君) いまの鉄建公団のことにつきましては、私十分調べてまいりませんでしたので、お答えは非常に抽象的でしかございませんが、私としましては、国鉄の負担額がもっと少ない形で運営されることが、これからは望ましいと思います。
  〔委員長退席、理事金丸冨夫君着席〕
で、先ほど私が申し上げた趣旨から考えましても、むしろ、国鉄が負担しない形で、積極的に政府のほうからてこ入れをしていただく形で運営されるべきではなかろうかと思います。
 それから、新幹線と十カ年計画との関連におきましては、事実の問題としてはあとでお答えがあると思いますが、新幹線をつくれという機運が、十カ年計画のあと相前後して起こってきたといういきさつから考えまして、もう新幹線をつくらなければ交通体系として、特に大都市を中心にした交通体系としましての行き詰まり、国鉄の行き詰まりというものが当然出てくると思いますから、まあ再建計画にプラスして実行されるべきものではなかろうか、もし含めていなかったとすれば、当然プラスして行なわれるべきではなかろうかと思います。
○説明員(磯崎叡君) 私どもの再建計画とこの新幹線の法律との関係でございますが、私どものほうは、現在、再建計画の中では、三兆七千億で山陽新幹線の博多までの計画、あとは現在、新線の一部の複線電化、これをやっているわけです。すでに東北線、上越線、信越線、北陸線、あるいは九州ではことしの秋に鹿児島まで電化できますが、複線電化してもさらに輸送需要の強いところ、これはどうしても新幹線をつくっていきたい。これをさらに複々線にするということはよけい金がかかりますから、せっかくするならば新幹線にすべきだということで、当然、新幹線法案の具体化される順位につきましては、やはり輸送需要の高いところからそれをつくるべきだ。それは三兆七千億で現在、幹線の複線電化をやった上で、さらに輸送力が足らない分を、順位をきめて新幹線法案でもって新しい幹線をつくっていくというふうな順序でいきたい、こういうふうに考えております。ですから、三兆七千億の複線電化をやった上で、それの不足部分をこの新幹線をつくっていく……。
○鈴木強君 十カ年計画の中に入っているのですか。
○説明員(磯崎叡君) それは博多までしか入っておりません。
○鈴木強君 時間がありませんから、角本さん、私、これで終わりますけれども、そうすると、十カ年計画に博多までの分は入っているわけですから、新幹線のこれはあとから提案者に聞きたいのですけれども……。
 それからもう一つ、国鉄の経理の問題ですけれども、あなたは昭和二十八年、国鉄にいらっしゃったですか。
○参考人(角本良平君) おりました。
○鈴木強君 そうしますと、当初、国鉄会計制度上、黒字があった場合は、これは一般会計に繰り入れる、それから赤字が出た場合には、一般会計より繰り入れるというのが昭和二十八年まででしたね、国鉄公社発足以来。昭和二十八年の制度改正で、逆に、黒字があってもおまえのところで使ってよろしい、そのかわり赤字があっても国は見てやらないというふうに変わったのですね。情勢からすれば、国鉄の場合は逆ですね、この制度とは。あえてなぜこういうふうに国鉄の実態を無視した制度に二十八年に変わったのか。少なくとも公社が発足した当初から二十八年までよりも逆行するような制度改正がなぜ行なわれたか。あなたはどういう立場に二十八年おられましたかわかりませんが、そこらに一つの問題があるように思います。ですから、これは総裁ももう少し自主性を与えよという――労働問題一つとってみたって、団体交渉で有額回答ができない、あんたのところは。だから、団交やったようなかっこうで結局調停、公労委に持っていかなきゃならぬ、そんな禁治産者みたいなことで仕事できますか。労働問題一つ考えたって、公労法上はちゃんと団体交渉によって賃金をきめると書いてある。にもかかわらず、公社法によってそれを否認するような制度がある。そういう点については、あなたもっと勇気を持って制度の改正をはかるべきである。ましてや、こういう従来よりも改悪されるような制度上の、体系上の問題が出たら、これは体当たりでいくべきですよ。あなた方反対したんですか。
○説明員(磯崎叡君) 先生がおっしゃるのは、国鉄法の四十一条――これはよく知っておりますので答弁申し上げますが、あの当時は、さっき角本さんがおっしゃったように、非常に国鉄の独占性が強くて、財政状態が徐々によくなった。もうかったら国鉄がそのまま留保しておこうということで、四十一条の条文改正をやった、これが昭和二十八年。その後これが非常に効果を生みまして、昭和三十八年度末に、実に千五百億の累積黒字が出たわけです。それは全部設備投資に回っているということで、四十一条は四十一条なりの効果を約十二、三年間発揮したわけでございます。その後、自動車その他飛行機等の関係のために三十九年からもう急激に財政状態が悪くなった。わずか五、六年の間にそういうことでございました。それまで四十一条は非常に役に立った条文でございまして、現時点についてはいろいろ問題がございますが、これをつくりましたときは、そういう事情で非常に国鉄の財政状態が上向きのときであった。ですから、四十一条は四十一条なりの役目を果たしたというふうに私は思っております。
○鈴木強君 それは総裁ちょっと当たらないですよ。あなた方は十年、二十年先考えないで国鉄経営やっておるわけですか。そんな行き当たりばったりの考え方で国鉄経営やられてはかなわぬですよ。こういう制度を変えてそれによって手を縛られ、足を縛られ、どうにもならない状態に追い込まれている。そんな管理者じゃだめですよ。私はもっと、コンピューターの時代――その当時コンピューターがあったかどうか、十年前だからなかったかもしらぬけれども、もう少しあなた方は、何十万という人を持って、将来の国鉄はどうなるか、輸送体系はどうなるか、そのくらいのことが考えられなかったですか。それは抗弁ですよ。角本さん、あんたそういう点について率直に、もし何かあったら教えてください。
○参考人(角本良平君) 昭和二十八年の段階におきまして、昭和二十四年に国鉄法ができました当時よりも輸送力が回復してまいりまして、特に朝鮮動乱を過ぎたあとで国鉄の財政状態が徐々によくなってきておったということは事実でありまして、おそらく私の解釈としてはより独立性を強めるという方向で行なわれたと思います。しかしながら、いまから考えまして、われわれの感じといたしますと、民間航空が、すでにその当時発足して一、二年になっていたかと思います。あるいは二十八年に発足したかもしれませんが、そういった段階で、また、モータリゼーションというものに対して、あの当時はなかなか理解ができなかった、われわれ自身が外国の事情をよくわからなかった段階でございます。で、御指摘のように、その当時もっと賢明にやっておくべきであったと言われれば、私もその当時、国鉄の一員といたしましてまことに不明を恥ずるということになるわけでございます。しかしながら、大体われわれが外国の事情をよくわかるようになり、それから体験的にも理解できるようになりましたのが昭和三十年代からでございます。特に三十五年ころからよく理解できるようになった。そういった意味ではもっと早くにその後の情勢に応ずる方策を考えるべきではなかったか。しかし、いまからでも、一刻も早くやるべきであろうというふうに感じております。
  〔理事金丸冨夫君退席、委員長着席〕
○鈴木強君 提案者、新幹線の分はどうなっているか、山陽線の……。
○衆議院議員(細田吉藏君) 御案内と思いまするが、現在の東海道新幹線及び建設中の山陽新幹線は、鉄道敷設法にもよらないで、国鉄の在来線の増強という形で、国有鉄道法五十三条の認可によってすでに建設され、また建設中のものでございます。したがって、新幹線をつくってまいるのに、いまおことばにちょっとありましたが、絶対に法律がなきゃいかぬのかどうかということになりますると、これはいろいろ議論が存するところでございまして、いまの東海道新幹線、山陽新幹線は法律に基づかないで、国有鉄道法でやっているわけでございます。在来線の増強としてやっております。
 そこで、この法律をつくります際に私たちが考えましたことは、これは新全総――提案理由にもございましたように、新全国総合開発計画、これが一つの発足点になっておるわけでございまして、単に東海道、山陽という一つの線ではなくて、ネットワークをつくるということになりますと、日本の交通としては、かなり大きな変革をもたらすものでございますし、資本も多額に要する大きな事業でございますので、これはやはり法律で独立させてやることがいいのじゃないか、こう考えたのがこの法案を出した趣旨なんでございまして、絶対にこれがなきゃいかぬのかどうか、あるいは敷設法の改正ではいけないのかどうか、この点はいろいろと彼此検討、勘案した結果、これを出すことが妥当であると考えたわけでございます。
 それでは、これまでのものとの関係をどうするか。今度の法律は、ネットワークをつくるということをいっておるわけでございまして、現在の東海道新幹線並びに建設中の山陽新幹線は、もとよりネットワークの一番主軸になるものでございます。そこで、この法律の附則第二項によりまして、この法律の適用をさかのぼってと言っては恐縮ですが、通俗なことばで言えばそういうことでありますが、この法律による新幹線とすると、こういうことでございます。山陽新幹線につきましては、先ほど総裁から話がございましたが、現在の第三次長期計画の中に博多までのものは盛り込んである、しかしこれからのものについては盛り込まれておらない。大体お答えになっておるかどうかわかりませんが、そういうことでございます。
○瀬谷英行君 角本参考人にまだお聞きしたいことあるのですけれども、きょうは総理の出席もこれから予定されておりますし、長時間お引きとめするわけにいかない事情もあるようですから、先ほど鈴木さんから言われましたが、これからの国鉄のあり方、禁治産者的な現在の国鉄でいいのかどうかという問題と、それから全国新幹線という新たな問題提起、こういう前提に立って、日本の交通網あるいは国鉄の役割り、あるいは国土計画全般にわたると思うのでありますが、それらの問題について、なお言い足りない点がございましたら、できれば文書にまとめていただいて御提出願えないかどうか。もしできましたら、そういうふうにしてお願いをしてもらって、こちらの委員部のほうでまとめて、後々の討議の資料にしたいと思うのですが、どうでしょうか。
○参考人(角本良平君) たいへん光栄なお話でございます。まあ私もよく考えさせていただきまして、できるかどうか時間をいただきたいと思います。
○委員長(温水三郎君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
○委員長(温水三郎君) 速記起こして。
○藤田進君 先ほど運輸大臣から御報告がございましたが、その後、書類によりましてあらましは海上保安庁からの提出がございましたが、情報によりますと、犯人は撃たれて負傷をした、その上で逮捕されたともいわれております。海上保安庁呼んでおりますから、ひとつその後の詳しい御報告をこの際いただきたい。
○政府委員(林陽一君) 「ぷりんす」号がけさの八時五十四分に広島の県営桟橋に着岸いたしまして、犯人は銃を三丁持っておりまして、銃を陸に向けてかまえておりました。八時五十八分に犯人の父親がさらに説得を続けて、これに対して振り向きましたが、また一発発射いたしまして、巡視船「いぶき」には命中しましたけれども、被害はございませんでした。さらに九時に一発発射いたしまして、巡視船「たかなわ」に命中いたしました。その後も犯人は三丁の銃に弾丸を充てんしながら拳銃らしきものを取り出しまして、ポケットに入れたり出したりしておりました。それから九時十分に至りまして、「ぷりんす」の乗り組み員が一番下のデッキにおりますのが陸上から視認されました。「いぶき」から父親等が説得いたしておったわけでございますが、九時十三分に至りまして、これを一時中止いたしまして、それから十九分に至りまして船長と「ぷりんす」の乗り組み員一名が下船いたしまして、桟橋で瀬戸内海汽船の社長と談合いたしました。それからさらに九時四十七分に至りまして、広島の南警察署長の名をもちまして、十数回にわたりまして犯人に対しまして、川藤君に警告する、むだな抵抗はやめよ、銃を捨てて出てこいということを申し渡しました。警告をいたしますたびに、犯人は陸上に向かって発砲いたしました。九時五十分に至りまして、「ぷりんす」が後進しまして、桟橋から離れようといたしました。そのときに大阪府警察本部のライフルマン、射撃手が一発発射いたしまして、そのたまが犯人の腹部を貫通いたしまして、犯人はその場にくずれ折れるようにすわり込みました。同時に、警察官が「ぷりんす」に乗り込みまして、九時五十二分に逮捕いたしまして、さっそく救急車で病院に搬送いたしまして、手当てをいたしております。
 以上でございます。
○藤田進君 警察庁川島警備局長お見えですね。――今朝来の現地取材報道等を見ますと、全く事件発生以来手おくれ、手おくれで、結果的には死傷者を出さなかったけれども、相手がああいった精神分裂症と報道されておりますが、だとすれば、きわめて危険度の高い犯人であったと思うのであります。警察の措置について、この際お伺いしたい。
○政府委員(川島広守君) ただいま海上保安庁から御報告がございましたとおりでございまして、警察といたしましては昨日来、宇品を立ちまして、いわゆる松山観光港に着きました。海上保安庁と緊密な連絡をとりながら警備艇を出しまして、現地または愛媛県では県警本部長が指揮をとりまして、四国の管区機動隊等を集めまして総ぜい二百二十名の警察官で沿岸の警戒に当たったわけでございます。御案内のとおりに、犯人は常時ライフルをかまえまして、間断的ではございましたけれども、岸壁に向けて発射する、ないしは海上保安庁の警備艇あるいは警察の警備艇等に向かいましても発射をするというようなことが続きました。で、午前零時過ぎになりまして父親と姉が来られまして、これらの方々による説得も行なわれたわけでございます。当初のお話にもございましたように、本人の申し出は、要するに、注油をすれば乗客を安全におろすということでございましたので、現地で県警本部長と関係者協議の上、そのような犯人の申し出を受諾をしたわけでございます。その結果、乗客その他が安全に救出されたわけでございますけれども、その後は、警察側としましては、船がいずれの方向に向かうかつまびらかでございませんので、愛媛県はもちろんのこと、香川県警――四国四県につきましても体制をとる。さらにまた、中国各県及び近畿管区内の各県につきましても手配をしまして、それぞれの海港場におきまして必要な措置をとったわけでございます。
 それから最終的には、いま御答弁がございましたように、犯人がおおむね八時三十二分ごろに岸壁に着いたわけでございますけれども、ズレがあるかもしれませんが、私のほうで記憶しているのは、九時五十二分に、大阪府警から応援をいたしましたライフルの隊員ですが、五名でございますが、その五名が犯人に向けまして発射をいたしました。そうして逮捕をした次第でございます。
 ただいまお話がございましたのと若干重複がございますけれども、犯人に対しましては終始説得を続けたわけでございますけれども、警備艇に向かって発射をしたことはもちろん、父親と姉が説得いたしたのでございますが、これに向けましても発射をいたしております。そのようなことで、現場で指揮をとりました広島県警本部長は、事柄の緊急性を判断をいたしましていわゆる警職法七条によって今回の措置をとった次第でございます。
○藤田進君 どうも最近警察といい、あるいは刑務所といい、金嬉老には短刀が渡ったり、後ほど総理が見えますから、佐藤内閣の方針がどうなっておるのかはっきりしてもらわなければ困る。警察自体もこれはもう、自動車の奪取いわゆる自動車どろ、その辺から始まってついに広島に入り、そうして広島のキリンビール辺で逃亡し、その間手おくれ手おくれですね。特に全国の警察の態度というものを見ますと、全くなっていないです、最近。なぜなっていないか、これはもう時間があれば具体例をあげてみたいと思う。動かないですよ、第一、幾ら電話をかけたって。私自身も、五月二日にも経験しております、しかも広島で。車庫前に自動車をとめられ、どうにもならない。三日間で県下を回るつもりで出ようとするのだから、タクシーで行くというわけにはいかない。従来、裏通りに対するそういう取り締まりというものは、幾ら交番に電話かけたって出てこない。とても一々そんなことやっておれませんよという返事だから。これは事実調査してもらいたいと思います。全国的に、これは広島だけじゃないのです。それで、なぜこうなってきたか、その辺が――実は私のうちもどろぼうが入って、新聞にも少し出ましたけれども、全然、犯人捜査もろくにしないし、こういうことが悪の芽を育てているのです。きょうは国家公安委員長に来てもらいたいと思っていましたが、いま叙勲関係で来れないということですが、こんなことでものを軽視し、動くべきところに動かないという姿勢が、もうすでにこれで最近でも二十件の人質、こういった許しがたいものを出してきておるのです。警察の従来とってきたことについて、私はそういう評価をせざるを得ません。動かないのですから、全然来ないのですから。あれこれするうちに事態は推移してしまう。これは私自身が経験しています、五月二日に。したがって、警察に対する信頼度はほとんどなくなってきたといっていい。だから、ここに警察頼むに足らず、直接の暴力というものが発生してくる、こういうことになってくると思うのです。総理が見えたらこの点ははっきりしてもらいたいと思うが、警察の方針について、いま申し上げたことを含めて、どういう対処のしかたをしようとするのかお伺いしたい。
○政府委員(川島広守君) お尋ねにございましたように、先般の「よど」号の乗っ取り事件以来、これと同種の、いわば人質を背景にしての不法事案が模倣的に起こっておりますることは、ただいま御指摘のとおりでございます。事柄は、何よりも人命の尊重、人命の安全なる救出を第一義といたしませんければなりませんことは、これは申すまでもございません。今回の場合も、いま御指摘がございましたように、事柄は、一昨日の山口県における交通検問から端を発しまして、そこで警察官がナイフでもって胸部を刺され、これは格闘してナイフだけは奪い返したのでございますけれども、結果的に二名の者に逃走された。それがまたすぐ昨日、続いて広島県下で、ただいまお話がございましたように、山中に逃げておるという一一〇番がございまして、広島県警本部といたしましては、千名の警察官と六十台のパトカーを直ちに動員いたしまして、いわゆる緊急配備体制をとったのでございます。決してこれは弁解を申し上げるわけではございませんけれども、御理解をいただきたいと存じますのは、最近におけるこの種の事案、特に都市におけるこの種の事案につきましては、そのような犯行が起きました場合には直ちに緊急配備体制をとることになっております。現にとっておるわけでございますけれども、非常に道路が発達しておる。こういうふうなところにおきましては、すべての道路に、限られた警察官を配備いたすわけでございますので、全部が全部期待どおりに首尾よく配備できるということではございません。ちなみに統計的なことを申し上げますと、まあ県によって差はございますけれども、大体緊急配備をした結果、三〇%前後の検挙率を実はあげておるわけでございます。したがって、主要なる幹線道路でございますとか、あるいはまた県境の検問体制でございますとか、こういうところに重点を置いて配備をいたしておるわけでございます。したがって、将来の問題につきましても、先般の「よど」号の事件がございました後、この種のいわゆるシージャックとでも申しますか、この種の事件が起こる可能性も十分にあるということで、運輸省あるいは海上保安庁とも実はいろいろと打ち合わせ、研究を遂げてきておるわけでございますが、いずれにいたしましても、結果的にこのようなことも起こったのでございまして、いま御指摘ございましたように、警察官全体の士気が沈滞しているのではないかという御指摘でございますが、これにつきましては、警察庁といたしましても警察官の教養の責任を持っておるのでございまして、そのような意味合いで、特に若い青年警察官のモラルの向上、資質の向上のために懸命に実は努力いたしておるわけでございまして、ただいま御指摘がございましたような具体的な問題につきましても、さっそくに調査をいたし、また、それを参考にして、今後の警察官の指導教養のために一そう懸命の努力を尽くしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○藤田進君 総理、会期末でたいへんふくそうしておるところ、突然お呼びいたしまして恐縮でございます。本委員会は、御承知のように、議員提案になります、ことに自民党提案といわれている新幹線法案を審議いたしておりまして本日がいよいよ大詰めになってきております。審議を昨日来続けまして感じますことは、新幹線についての大きな要素の一つ財源問題あるいは着工等についてといったいわば運輸大臣所管のみでございますれば、総理の最も信頼の厚い橋本運輸大臣で十分でございますし、いままでのところ十分だったわけでございます。しかし、勢い建設は建設大臣、あるいは地方公共団体負担は自治大臣、財源問題大蔵大臣、新全国総合開発計画では企画庁長官と、それぞれ所管が分かれ、しかも大きなウエートを持っておりますために、本日それぞれ御出席いただく時間もございませんので、何といいましても総理に御苦労を願って、できればひとつ賛成して成立を見たい、こういうことで御苦労かけました。ただ、たまたま、御承知のように、日航機乗っ取りに続きまして、さらに凶悪な船の乗っ取り事件が出てまいりましたので、一、二この点についてお伺いをして、本論といいますか、新幹線に入りたいと思います。
 御出席までに運輸大臣からの報告を承わり、海上保安庁の文書その他説明による経過報告で、犯人が逮捕されたこともいま聞きました。そこで、いわゆるハイジャックについて二度と再び起こらないようにということであり、本院におきましても昨日来これに対応する法律の改正を見たわけでございます。参議院では、たまたま、本委員会にいます瀬谷議員から本会議の質問の際の船舶を入れるべきだという主張、あるいは鈴木委員からも予算委員会でその主張等がございましたが、本院て修正する時間的余裕もございませんので、原案どおり議決するということになりましたが、今後法体系としても、かかる海に空に陸にという、こういう三方面の事態に対処する必要があるのじゃなかろうか。これについて、会期末でございますかち、次国会あたりまでにぜひひとつ御再考願いたいし、具体案を出していただきたいように思います。
 それから第二は、諸般の国家機構の運営でございますが、いま警察庁の警備局長にもちょっと触れましたが、もう時間がないので簡潔に申し上げるから失礼な言い分もあるかと思いますが、国家機構の歯車が必ずしも十分に動いていないように思います。途中で歯車の歯が折れたりうまく回転していないように思うのです。これは経済においてしかり、あるいは警備保安についてしかり、その一つとしていまも指摘したのですが、動くべきところに機動的に出動もし対処すべきなのに、最近の警察というものは各県警察含めて動かないのです。私も五月二日に経験しましたし、私のうちもどろぼうが入るし、その後の事情もよくわかっていますが、これは私一人じゃありません。今度の場合でも、一般評は手おくれ手おれということなんですね。これはひとつ国家公安委員長等督励されて、もっとこういう犯罪の――検挙率をいま警備局長は言うけれども、国民が期待しているのは、検挙率を高めて成績をあげる、交通違反を心の中で期待をして陰に隠れていてこれを取っつかまえて、そうして成績をあげて月給を高くする、そういうところに国民の期待はないのです。私も毎日ここへ運転して来ていますが、よくわかるです、見ていて。いけません、こういうことは。もっと、犯罪の予防ですね、いまこそこの予防に対して力を入れるときだと私は思うです。これ、ひとつ、総理大臣、いま二点だけとりあえず申し上げて、お答えいただきたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) 会期末にこの重要法案について御審議をいただいておりますこと、まことに、私からもお礼を申し上げます。政府といたしましては、提案いたしました法案の成立を心から期しておりますので、こういう事柄にぜひ御協力を願いたいと、かように考えまして、厚くお礼申し上げます。
 ところで、ただいま二点についてお話でございましたが、日航機「よど」号事件から、空海陸等について、この種の犯罪の予防並びに対策について万全を期せという御注意がございました。どうも、十分の法制ができない、今回は間に合わないということで、たいへん御期待に沿わなかった。ただいまもお話しになりますように、次回までに必ず十分の整備をしろ、こういうお話でございますので、この点も、藤田君の御指摘になりましたように私どもも努力してまいる決意でございます。その意味で、これはどうか十分、国政の審議も閉会中といえどもございますから、皆さん方のりっぱな考えが私どもの立案の際に取り入れ得るように、御鞭撻、御支援を、また、御教授を願いたい、かようお願いしておきます。
 そうして、ただいまお話がありましたが、こういう問題が起こった場合に、一体、どうも国家機能としての万全を期しておらないんじゃないか、機能がどうも働いておらないと、こういうような御指摘、確かにございます。しかし、これはまあ最近の事柄でございますが、ことに個人の権利、これは何といっても尊重しなきゃならない。それと同時に、公の秩序を守る。二つの、ときには矛盾しがちな問題がございます。背反しがちな問題がございます。そういう点に問題ないように調和をはかっていく。なかなか、私は、警察当局にしても苦労があったろうと思います。こういう点も十分御理解をいただきたいと思います。
 私は、御指摘になりましたように、ただ単に検挙率をどうこうしたと、こういう問題ではなく、さらに、御指摘になりましたように、予防について積極的な態度で臨めと。ただいま私は別な観点から説明いたしましたが、予防ということにもっと力を入れてしかるべきではないか、こういうような御注意、これはまさしくそのとおりだと思います。今回の瀬戸内海で起きた問題なども、どうも、よく調べてみなければ、ただいま申し上げることはどうかと思いますが、とにかく常識のある行動とは思いません。狂人だと、かように言わざるを得ないだろうと思いますが、そういう者がやはり野放しにされておるようでは、お互いに安全な生活も営めない。こういう者が平素から十分監視されるように、そういうような環境をつくることが必要だろうと、かように私どもも思いますので、これらの点について、十分、御注意のありました点、よく心してまいりたいと、かように存じます。
○瀬谷英行君 今回、瀬戸内海で船の乗っ取り事件があったんですが、例の「よど」号の問題がありまして、あの問題の本会議での緊急質問の際、これはもう一カ月ほど前になるんですが、私は、総理並びに橋本運輸大臣も列席しておられましたが、その席で、飛行機の乗っ取りに関連をして、船舶の問題も考える必要があるのじゃないかということを質問した記憶があります。おそらく総理も覚えておられると思います。もうあれから一カ月以上たっているわけです。どろなわ式ということばがあるんですけれども、ハイジャックの場合は、まあ手おくれのどろなわみたいなものです。今回も、そのなわができ上がらないうちにまた今度は船の問題が出てきたのですね。こういうことは、非常に私は憂うべきことだと思うんですよ。こんな流行が、連鎖反応を生んでいったんじゃいけないと思うんです。それで、頭のいいやつは悪知恵を働かして飛行機を乗っ取る。頭の悪いやつは、ホテルの女中を人質にする。また今回、こういう問題が起きた。こういうことは何としても絶滅する必要があると思います。法的な措置というものは、間に合わなかったというのは、どういう理由によるかわかりませんけれども、当然、これは船のことも考えに入れるべきだと思うんです。そこで、会期末、きょうが最後というときに、これから、今度の国会で何をするといっても、もう間に合いませんけれども、総理としてはどういうことをすべきだというふうにお考えになっておるか。私どもが質問した問題に対して、具体的にお答えをいただくということが今回必要じゃないかと、こう思いますので、この空の問題並びに海の問題、それから、関連をして続発するおそれのあるこの種の問題を絶滅するための方策というものを、この機会にはっきりお示しをいただきたいと思うのです。
○国務大臣(佐藤榮作君) まあ空の場合、海の場合、あるいは陸の場合、それぞれ違っておると思います。でありますから、環境の相違から、それぞれのものを考えなきゃならないと思います。まあ、船の場合が、比較的に長い歴史を持っておりますから、わかりいいと思います。船長自身が警察権を持っている、これはやっぱり一つの行き方だろうと思います。この飛行機の場合も、そういうようなものであってほしいと思いますし、また、列車の場合には、瀬谷君御承知のように、鉄道公安職員が乗っておる、そういうことですが、とにかく警察権を持たない状況のもとにおいて、これらのものを取り締まっていくということは、たいへんむずかしいことだと思います。そうして、先ほど藤田君からもお話がありましたが、予防という、そういう措置、これはやはり、そういう危険な者がそういう機中に、飛行機に乗らないとか、あるいは乗船しないとか、とにかくそこが一つの関門でありますから、そこで防ぎ得るのではないか、かように思います。その意味におきましては、最近はずいぶん、持ちもの等の検査も、科学的な進んだ捜査方法がございますから、いわゆる個人の権利を拘束しなくて、どこからかわからないように検査の方法もあるのじゃないか。一々その個人に面接し、全部こうさわってみるというようなことまでしなくてもできることじゃないだろうかと、かようにも思いますので、それらの点を十分に考える。私は、ハイジャックの際に申しましたのは、どうも、このことによって非常にお客さんに御迷惑を与えるようになるかもわからないが、ひとつ、しんぼうしてください、全体の安全のためには、どうも、ごしんぼう願うという乙とはやむを得ないのじゃないかと。とにかく、危険人物を乗せないように事前の策を立てること、これが必要だと、かように思っております。私は、乗船の場合も、一応そういう処置をとられるのだと思っておりますが、なかなか、小さな、適当な船、まあ大きな船だと、非常にやかましい手続等があって、まず、これらの危険がない。あるいは、外国船だとなりますと、パスポートを提示するとかいうようなことで、犯人が、どうも、そういう点で外国の旅行には、まだそこまで力を伸ばすことができないようでございます。ただ、問題は、狂人であるというような場合だと、平素の日常生活自身について、やはり拘束せざるを得ないのじゃないだろうか。ここらに、精神病院も、ずいぶん施設もできておりますから、そういうものが、全体の利益のために使われるように、そういう意味ではやはり私人の権利をある程度拘束せざるを得ない、こういうことだと私は思っております。こういう点がそれぞれの方々にいわゆる非常な個人の迷惑を与えないで済むようなそういう仕組みでなされることが必要ではないだろうか、これはいま突然お尋ねがありましたので、私の頭に浮かんだこと、平素から考えながら、こういう問題が起こるたびに、いわゆる個人の権利と同時に公共の安全は必ず背反する、二律背反の形になって取り扱われるわけですが、そこらにうまく調和がはかれないだろうか、こういうことをいつも考えておりますので、特にその点について御説明申し上げたのです。ただいま申し上げたような点について、さらに私はもっとりこうな方法があるんじゃないだろうか、こういう点があればいろいろ教えていただきたい、かように思っておるような次第であります。
○鈴木強君 一つだけお尋ねしたいのですが、きのう参議院本会議において航空法が通りまして、藤田、瀬谷両委員から質問ありましたように、海のほうの取り締まりが抜けたまま通ってしまった。そしてきょうこういう事件が起きたことも、何かふしぎな因縁のように思うのでございますが、それだけに、もっともっとわれわれは、いままでやってきたことについてももう一回考え直す必要があると思います。そこで総理に伺いたいのは、先ほど御報告を聞きますと、九時五十分ですか犯人を逮捕したのでありますが、その逮捕のしかたは腹部貫通銃創で、ライフルの専門の人たちが射撃をしたということですね。私はけさの新聞を見まして、きのうの午後七時に、大阪府警のライフル銃のベテラン射手五人を海上自衛隊のヘリでもって現地へ輸送した、そういう記事を見ました。確かにハイジャック以上に凶悪な犯罪だと私は思います。ただしかし、私がこの腹部貫通銃創によって犯人を逮捕したということを聞いたときに、直感に感じたことは、目には目をというようなことをちょっと感じたのです。ですから、もう少し警察当局において犯人逮捕について考える余地はなかったかという点でございます。きょうの新聞は、一斉に、広島県警は川藤の大胆な行動に完全に振り回され、捜査は後手に回った、このため川藤はゆうゆうと汽船を乗っ取った、こういうふうに論評しております。その中を見ると、三つばかりありまして、一つは、警察のこういう取り締まりのやり方ですね、捜査のやり方に対する批判だと思いますが、これはひとつ警察のほうも聞いてもらいたいのです。一つは、きのうの午後二時過ぎに一一〇番で緊急配備の体制に入ったとき、川藤らが広島市内の東部にいるということで広島の東署を中心に警戒体制をとった。このために、同市内全体は空白状態になって、川藤は警官のピストルを奪い、人質の一人に同市中部の銃砲店近くまで車を運転させた。すぐにその車のナンバーがわかったのでありますから、もっと積極的に犯人追及の手は伸びなかったものかどうか、これに対する警察もお粗末だというのが一つ指摘されております。川藤が車で逃げてから約三十分間、川藤の行くえがわからなかった、こういう点が一つです。それから銃砲店に押し入ってから川藤は人質にした沖さんという人の車を乗り捨てたが、この車の発見がまたおくれている。そして川藤は同三時四十五分に同店を出て、そこで電車通りに出て、タクシーを拾って広島港の桟橋まで行って、何の検問も受けずにその桟橋に行ってしまった。そして五時少し前ピストルを撃っている男がいるという通報がありまして、さっそくそこにかけつけたけれども、そのときには川藤はすでに汽船に乗り込んでライフル銃を発射しておった。こういうふうな経過になっておるわけです。
 ですから、私は、いまもお話がありましたが、警察の皆さんもたいへんだと思います。これはいろいろな事件が起きておりますからたいへんだと思いますけれども、もう少し適切な捜査網がしけなかったものであろうかということですね。そういうことがあると同時に、犯人の逮捕についてもあらかじめライフルの射手を送って撃ち殺してやるぞという、そういう姿勢であったのではないかと懸念するわけですね。ですから、ハイジャックのときは国際的な舞台ですから相当日限もかかりましたけれども、もう少し何とかやる方法はなかったものだろうかということを私は感ずるものですから、この点についてはぜひ考え直してもらいたいと思う。そういう事情を私がここで言っておりますけれども、現地の実際の指揮している皆さんの気持ちというものと私は遊離しておるかもしれません。あるいは、実際は、現地はもっとそんなものじゃないということもわかりますけれども、直感的に感じたことは、私はどうもライフルで撃った、そして逮捕したというようなことはちょっと早いのじゃないかという気がするのですが。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 海上の事件は運輸大臣の責任でありますので、その点に関して私のほうから答弁いたします。なお、陸上における扱い方については川島警備局長から答弁させたいと存じます。
 私はきのうの夕刻、河毛海上保安庁長官を派遣する際に、犯人は異常神経の持ち主であり、幸いに一人であるということであるからして、まず第一に乗客を何とかおろすことを考えろ――それから間もなくライフルマンが五名、大阪府警から派遣されて行っている、こういう連絡を受けましたので、それに対しては、緊急全くやむを得ない以外はいわゆる使ってはいけない、ただし相手が、鈴木さんも御承知のようなライフルマンでありますからして、したがって、何をしでかすかわかりませんから、他のいわゆる人命に全く危険な状態にあった場合は、これはやむを得ない措置であるけれども、そのことは私は触れませんでしたが、いずれにせよ海上においては、とにかく海上を遊よくさせるということ、船を動かすということにして、一応犯人の神経をなだめるという方向で措置をしてもらいたい、したがって、いわゆる海上ではそれを使用することは原則としてやらないように、こういう指示を与えております。先ほど警備局長から報告がありましたように、親が説得している最中でもいわゆるライフルを撃ち込んで… 。
○委員長(温水三郎君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
○委員長(温水三郎君) 速記をつけて。
○国務大臣(佐藤榮作君) 鈴木君のいま御指摘になりますように、あとから考えますと、ああもしたらよかったろう、こうもしたらよかったろう、こういうのが私どもの知恵でございまして、そのために知恵を持ち寄っている、こういうことを申し上げているのであります。ところで、さっきも申しましたように、海上の事柄、これは運輸大臣の所管とは申しながら皆さん方のお知恵をどうしても拝借しなければなりませんし、航空機だけではなくて船についてもやはり対策は立てておかなきゃならないと思います。そこで、ただいまの川藤がどんなことになりますか、私もその結果につきましてはたいへん心配しておる。とにかく抵抗をとめるという、そういうことが最初に要求されることだと思います。そういうことを考えると、足を撃ってもあるいは手を撃ってもしかるべきじゃないのか、どうもやっぱりねらいがそこまではいかなかったのかと、やはり腹部銃創あるいは胸部貫通、いろいろいわれている、生命に関係するような重傷にもなるのじゃないか、そういう点では警官も十分注意はしたと、かように思いますけれども、どうもそう至近距離からは発砲できなかった、そういう点もあったろうと思います。その点は残念に思っております。こういう事柄も、やっぱり先ほど申しました私権の保護と公安といいますか、一般の安全とそういうものとが両立するその範囲が一体どこなのか、けしからぬから殺してもいいと、こういうような感情だけで行動すべきではないだろう、かように思いますので、これらの点も御注意がありましたように、これから後も十分注意したいと思います。陸上の犯人に対する対策なども、いわゆる警官は、通常拳銃を発砲する場合にはいきなり生命を断つということじゃない。やっぱり負傷さす、それも手あるいは足というようなところをねらっておる、かように聞いておりますから、やっぱりそういう方向が望ましいんではないか、かように思っております。
○岡三郎君 いまの点ですね、結局予防策というのが飛行機に比べて非常にむずかしいという点が一つあると思うんですがね。この点について、具体的に今度の場合については単独犯行に近い。途中一人を使ったということを言っておりますが、本人の行動である。しかし、これが計画的になされて数多く、たとえばハイジャックと同じように、九人なり十人なりというものが計画的に船を乗っ取って、そうしてよその国に亡命するとかいういろいろな事件というものを想定したときに、私は端的に言って、これに対する予防法というものを十分考慮すると同時に、これに対する対応策というものを緊急にやはりつくらにゃいかぬと思うんです。それで、先ほど橋本さんが言ったように、乗船名簿とかいろんな考え方があるらしいんですが、海のシージャックに対するむずかしいという点はどの程度まで検討されてきたのか。つまり、瀬谷君やその他の委員からいろいろ言われてきて、なるほど船ということを想定された。想定されたけれども実質的に言うとなかなか内容がむずかしい。総理の言うように、いい案があったら教えてくれと言ったって、そう簡単に教えられるものではないということになる。それは逃げ口上ではいかぬと思うんで、そういう点、私は、計画的に船を乗っ取って、そして外洋に出ていくというふうなことも十分想定されたと思うんです。こういうものに対する対応策というものをどの程度考えられてきたのか、どこがむずかしかったのか、その点を聞きたいと思います。
 それからもう一つは、いま言ったように、一人ならば撃ってもいいというけれども、乗客を乗せたままですよ、乗せたままに外洋に出ていくという場合においては、これは射撃の名手を派遣しても、これは成り立たないと思うんです。お客はおろさない、数が多ければ、やはりそれぞれの見張りを立てて計画的にやっていくということになれば、乗客は最後までおろさないということになれば、狙撃の名手を幾ら持っていっても、これは対応することにはならぬと思う。そういう点についてやはり十分に、事前における予防措置というものについてどの程度考えられてきたのか。それと同時に、最近ゲリラ行為が非常に多くなってきているということで、私は空の乗っ取り事件と同時に、空の草加次郎が出てくるのじゃないかという心配が一つある。いわゆる爆破、つまりスイスの飛行機が爆破された。端的に言って、いま直接的には日本にそういう危険性がないと思っておられるかもしれませんが、そういうふうな点について何らか予防的な措置というものは考えられておるのかどうか。これは事前にいろいろ空港においては検査する機能というものはかなりあるにしても、たとえば荷物の中において時限爆弾とか、そういうものが行なわれていった場合に、それを事前にチェックする方法というものを考究していく必要があるのではないか。私はあると思う。そういう点について、二点お答え願いたいと思う。
○国務大臣(佐藤榮作君) 外洋に出ていく船、これは船長は警察権を持っている。一応のかっこうはついておると思います。しかしながら、多数の乗客、これによって乗り取られる、今回の場合などは非常に少数であり、一人であった、こういうところでわりと対策は立てやすかったと思いますけれども、多数の場合だと、「よど」号事件と同じようなものが起こるだろう、こういうことはやはり考えていかなきゃならないと思います。ただ、海上の場合にも、船と申しましても大きい船から小さい船まである。いま問題は、瀬戸内海にある渡船程度のもの、いわゆるフェリーまでもいかない小型の船、こういうものが、これは十分に外洋――日本近海なら出ていける。また、密入国しておる諸君が使っておる小さな船、これは外洋を通って、日本海を通ってくる。その船は小さな船であります。しかし、そういうこともございますから、全然小さい船だから隣国に出ていかない、かような保証はどこにもない。やっぱりそこらにも一つの問題があると思います。いま言われますように、瀬戸内海の船は、これはどちらかといえばタクシーみたいなものでございまして、ほんとうに内海の相互対岸との交通は非常にひんぱんでございますから、そういう意味でこういうところのものは非常に軽微に扱われる、お客さんをどんどん吸収しておるというのがいまの実情だと思います。したがって、こういうところで非常な厳重な対策を立てることはなかなか容易ではないんではないか、かように私は思っております。したがって、いまの海上の船舶と一言には言いますけれども、大きい船あるいは小さな船、そこらの差異はあると思います。これを一つ考えていかなければならぬだろうと思います。ことに海上のタクシー、そういうものになれば一そう困難ではないかと思います。そこらにこの問題のむずかしさがあるんではないだろうか、かように思っております。
 また、第二の問題としての、航空機の爆破事件等が予想されるじゃないか、こういうことでございますが、ただいま持ち込みの荷物あるいは貨物室で送る荷物、その間にはせつ然と区別をしておる、こういうことでいわゆる持ち込みの荷物についての注意は十分はかられておる。しかし、いわゆる大型荷物が貨物室に運ばれてくる、そこらについて十分の注意がされておるか、こういう御注意でございますが、これはさらに私どももよく関係の会社にそれらの点について、これは検査も比較的可能な範囲でございますから、よく注意をするように申しつけておきたいものだと、かように思っております。これはたいへんこまかな御注意をいただいて、その点ではありがたく、なお一々私はこういうことも皆さん方から御指摘になることがやっぱり問題を大きくしないで済むゆえんではないだろうかと、かように思います。むずかしいことばかりが皆さんのお知恵を拝借することではございませんので、そういうような点がどうも抜かっておる、そういうのをあとで気がついた、こういうことにならないようにやっぱり注意することだと、かように思います。ありがとうございます。
○森中守義君 お時間がないそうですから ごく簡単に一問だけお尋ねします。
 事前抑制の完ぺきが期せられればこれにこしたことはありませんが、もし漏れて、たとえば「よど」号のように海外に逃亡する、こういう機動的あるいは広域的な犯罪が将来も全く予見されないことはないですよ。そこで、きのう航空法の審議の際に、国交未回復あるいは未承認国との間に政府間交渉あるいは民間交渉、このいずれかによって周辺各国といろいろ渡りをつけたらどうか、こういう実はお尋ねをしました。これに対して運輸大臣は、政府間交渉はなかなかむずかしいが、民間的なものにおいては極力これを実現をしたい、こういう実は答弁があったわけです。そこで、先般の外務委員会か何かであったと記憶しておりますが、在来、こういう国交未回復の国、未承認の国とは大使級会談等を予定しておったが、この際は外相会談等を用意したい、こういうことが総理あるいは外相のいずれからか答弁があったように記憶しております。したがって、こういう問題は、通商とか貿易とか、あるいは高度な政治問題とか、そういうものを抜きにして、たとえば北朝鮮あるいは中国、こういうわが国と国交のない国、承認していない国、こういう国との間に、総理のほうでは、民間ベースでなくて、政府間交渉によって特殊な取りきめを進めておいでになるお考えはありませんか。
○国務大臣(佐藤榮作君) まあ未承認国との交渉、これはたいへんむずかしいことでございます。ただいま御指摘になりましたような、政府間交渉ができるなら、未承認というような事態はもう解消できるはずでございます。ところが、なかなか解消できない。そこらに問題の原因がある。その原因の大小、あるいはよって来たるところ、それらの問題で未承認国との交渉は、千差万別にならざるを得ない、かように私は思います。ただいま申し上げるまでもなく、それぞれの民族が一国家を形成している、そうして二つの国家にはどうしても賛成はしない、そういう形でございまして、われわれが民族を代表する国家として承認をしている国が、実は朝鮮半島にもあるし、また中国の場合にもそういうものがございますから、したがって、その他のいわゆる力、政府、そういうものと交渉することは、非常に限られた範囲である、こういうことにならざるを得ないのであります。
 ただいま問題は航空協定、こういうようなことになりますと、これなどは万国共通なものでございますから、これはよほど限定せざるを得ない。しかしながら、一番どうしても最小限度必要において開始したいもの、これは郵便協定、これはもう通信の途絶はないように、そういう意味から郵便協定はどうしてもしたい。だからそういうものが、未承認国ではありましても、やはり人道的な立場からそういうものの交渉に取り組む、こういうことはすでに行なわれております。そうして特別な、輸送方法のないものについて、たとえば小包郵便などは、これは特別なルートを必要とするから、そういうものについては制限がございますけれども、封書やはがき等については、やはり経由地を可能ならしめる、こういうことが積み重ねのまず第一歩だろう。あるいは気象情報の交換、そういうことは、双方の利益にもなることだし、またこれは万国共通のものである。こういうようなことで、そういうような点が比較的考えられやすい問題である。また、その他のものにいたしましても、いま政府間では交渉はできないけれども、赤十字社というものを通じまして、万国赤十字、この人道的立場において活動している機関、ここを通じてさらに密接な積み重ねをやっていく、そうして双方が誤解やまたいわゆる認識を欠くというようなことのないように、両国の間の交流もしげくしていく、こういうことが必要ではないか、かように実は思っております。航空協定にいきなり飛びつきますと、ちょっと問題があるようでございますので、これはもう少しかかるように思っております。しかし、ただいま申し上げた最も楽な問題、そういう問題はぜひとも遂げたい、未承認国でありましてもやるべきである、かように存じます。
○藤田進君 いずれさらに再質問を要する状態だと思いますが、時間の関係上、新幹線法の内容について一、二お尋ねしたいと思います。
 議員提案になりますが、これは自由民主党を中心に御提案になっております。その中で、私は二つの点、一つは、法第十三条によれば、国が資金についての措置をとる、二項には、地方公共団体が資金的な援助を捻出する等々が書かれておりますが、しかし、地方公共団体の財政事情は御承知のとおり。したがって、国の資金的裏づけが非常に重要になります。これをどういうように措置なさるか。
 第二は、着工等について、九千キロあるいは四千二百キロ、諸説ございますが、どの説といいますか、規模で新幹線の着工全体を考えるべきか。また、その着工するにはおのずから同時全体というわけにはまいりません。ですから、着工にはおのずから順位があろうかと思います。これらについての総理のお考えをまずお伺いしたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) まず第一に資金の確保、これはこれから十分考えていかなければならないと思っております。私が申し上げるまでもなく、国鉄の財政状態、在来線だけではたいへんな赤字の状況でございます。また、特別線区によっては、どうしてもいろいろくふうをしても採算がとれない、そういう線区もございます。しかし、そういう線区はありながらも、交通機関として地方に与えている便益はすばらしく、高く評価しなければならない、かように思います。しかし、とにかく在来線それ自身の財政計画にただいま取り組んでおるはずでございます。皆さんの御審議を経たものでございます。やはりその在来線ではなくて、新幹線がこれからは一つの国鉄の代表的な形で発展するのじゃないだろうか。ことに高スピード、高安全性、しかもまた機械化されて省力化される、こういうような点にやはり重点を置いてこの新幹線をつくるべきではないだろうか、こういうところに考えが及ぶわけであります。
 この新幹線、全国にわたってそういう網をつくれ、こういうような話もございますが、しかしなかなか、一ぺんにそこまでやることはいかがかと思う。とにかく、必要なところから始めるべきではないだろうか。そうしてその始める際に、ただいま御指摘になりましたような、予算と十分にらみ合わせて、そうしてただ予算だけでは、どうしてもこういうような制度、新しいものが普及すること、これをおくらすほうのブレーキになりがちでございますから、積極的に国がめんどう見なければならない。こういうようなことで、積極的にこの制度の普及をはかろう、かようなねらいをしておる、かように私は理解しております。
 また、いままで日本国内で一般的にいわれておりますことは、国鉄にしろ何にしろ、どうも考え方が東京、大阪、ここが第一に考えられる。そちらにどうもすべての施設が集中するのではないか。まあ太平洋ベルト地帯と、かようにはいわれますが、どうも日本国の開発計画はそちらに重点が置かれ過ぎているのじゃないか。そうして一方で過密都市云々がいわれるけれども、こういうことをやっていては地方の者はたいへんめいわくをする。ことに目についておくれがあるのは東北地方だ、かようにもいわれております。あるいは九州地方もしかり、あるいはまた四国もしかり、かようにいわれております。あるいはさらに山陰、山陽、かように分ければ、藤田君も御承知のように、山陰地方は特におくれている。日本海沿岸は、山陰地方といわず全体として非常におくれている、かようなことが指摘されます。私は新幹線ができます場合に、少なくとも、この東海道ベルト地帯偏重だ、そういう行き方はやはり避けて、国土全体の総合開発計画、そういう基本にのっとって進めるべきではないだろうか、かように思いますので、ただいまもこの新幹線を考えるにしても、いきなり網は考えないにしても、いわゆる動脈的なものはできるだけ早く整備すべきじゃないだろうか、かように思う次第でございます。順次そういう基幹的なものができ上がる。さらにそれに肉がつき、さらに同時にその範囲がもっと拡大される、こういうことが望ましいのではないだろうか。またそういうことについての資金がどういうようになるか、そのつど計画はしてまいりますが、ただいま一応五十五兆円、その中に新幹線網が占める割合はどういうものか、そういうものを一応計画をしておくわけであります。しかし、この五十五兆円の中の新国土総合開発計画に占むる制度だけでは、やはり実施計画としては、ただいまのところただ目安程度であって不十分だろうと思います。もっと実施計画の際にさらに掘り下げて具体的なものをつくる、これが本来の考え方でございます。
○瀬谷英行君 端的にお伺いしますけれども、これはきまりますと十五年計画で十一兆三千億、こういうわけだ。そこで、国鉄財政は現在火の車であることはよくわかっていると思う。もし国鉄にこのまま新幹線計画をおっかぶせる、現在の制度のものをおっかぶせるということになると、火の車にガソリンをかけるようなことになり、これはとうていできない相談だろうと思う。そこで、国鉄の在来線もいま行き詰まっておるんですけれども、在来線の整備改良といったような、つまり輸送需要に合わせられるような国鉄の機能を果たすという仕事をそのまま全うしながら、新幹線は新幹線として別個に財源を求めるということができるのかどうか、総理として約束してもらえるのかどうか、その点をお聞きしたいと思う。その場合には財源はどこに求めるかということは、具体的な問題になります。昭和四十六年度予算に計上されることになると思う。昭和四十六年度予算では、一体どこに財源をどのくらい求めていくかということを明らかにする必要があると思うんですが、この新年度の新幹線の計画並びにその財源、それから在来線の問題、この二つについて総理からお答え願いたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) たいへんむずかしい問題をいま提起をされました。瀬谷君も、もう国鉄の内容はよく御承知のとおりだと思います。私はそれで助かるわけでもございませんが、在来線のあり方、これを一体どういうようにしたらいいか。これは採算がとれないからといって廃止説が一部にございますけれども、ただいま、先ほども申しましたように、この在来線が採算はとれなくとも、地方に果たしておる大きな役割り、それは見のがすことはできないし、またさらに建設が進んでもっと網を完成すれば、それは働きも変わってくるだろう、私はそれを期待いたしておりますので、そう簡単に廃止というような方向にはいかないだろう。ただ、いままでのようないわゆる国鉄自主採算、そういうような形ばかりでなしに、やはりものによりましては、もっと合理化して国の援助を必要とするものもある、こういうことも考えるべきじゃないだろうか。もう現に地下鉄などの建設については、国の援助が積極的に一歩を踏み出しておる。そういうことを考えると、もう私どものいた国鉄の時代と今日の国鉄とはよほど変わった。かように考え、またその方向であるべきだろうと私は思いますので、こういう点が在来線のあり方、こういうものに取り組む姿勢ではないか、かように私は思います。また新幹線にいたしましても、これはもういわゆる一般の予算だけで財源的な措置がとられるわけでもないだろう。ものによりましては国庫でやるものもあるし、同時にまた財投等でやるものもあるし、いずれにいたしましても資金的なものを十分なものを考えて、そうしてその際に何が適当かということをもっと掘り下げていただかなければ、今日この際、総理だから約束しろと、ただこれを言われても、私もいまから申し上げるわけにいかない。しかしこれだけ大きな事業ですから採算を度外視して、こういうわけにはまいりません。やはり中心をなすものは採算がとれなければならない、こういうことだと思っております。そういう意味でくふうを願いながら、またただいまのようにこれから中長距離の輸送、ことに通勤輸送等も近距離ではございますけれども、やはりスピードアップし、そして大量輸送の可能な方法、これはやはり新幹線以外にはないように思いますので、こういう点がこれから皆さんの納得のいくそういう方法で建設されること、これを望んでいる次第でございます。ただいま抽象的にばかり申してたいへん御不満だろうと思いますが、ただいま幹線のこの法律を提案したばかりでございますので、ただいまさらに突き進んでその財源はどうするか、こう言われましても、やや先ばしった議論のように思いますので、その点はお許しを得たいと思います。
○田代富士男君 与えられた時間が少ないですから実質的な審議はできないのじゃないかと思っておりますが、第一番に、ただいま「ぷりんす」の事件が問題に取り上げられました。ただいまのニュースによりますと、川藤は十一時二十五分に病院で死亡したということであります。いまこの事件を通じましていろいろ問題を提起されました。この問題について予防方法はないか。金嬉老の問題、赤軍派の問題、またただいまの川藤の問題でございますが、陸海空にわたりこのような事件が起きた。予防に力を入れるのも当然ですが、このような結果が起きたという以上は、何かそれに値する原因があるはずです。そのような結果だけを解決するのじゃなくて、そのものに至った近い原因もあるでしょう。しかし、近い原因とともに考えなくちゃならない問題は、そこに至る遠い原因もあるはずです。考えていけば、赤軍派の学生といい、川藤といい、みな戦後の、あるいは戦後に生まれてきた青年であります。このようなことを考えていきますと、よい種はよい苗となり、よい木に育っていきます。やはり家庭という問題がどうであったか。そのような非行少年に追いやるような家庭でなかったか。そういう問題で、もちろん私は教育の問題をここで強く取り上げるわけではありませんが、最近の教育面においてもそのような問題を、これこそ予防よりも、未然に本人自身の考えの中にそういう考えを植えつけていくというほうが、そういうどのような予防策よりももっと得策じゃないかと思うわけであります。そういう意味におきまして、それだけで解決できるものではありません。またそのような刑罰等もございます。しかし今回のこういう事件は、不法監禁は懲役三カ月から五年、脅迫の場合には二年という罰則がありますが、こういう罰則でいいものか。これを人質罪といった誘拐罪に準ずるものに考える段階にないのか。そういう点をまず一番最初にお尋ねしたいと思うわけなんです。
○国務大臣(佐藤榮作君) いま川藤の死んだということを御披露になりましたが、私はこれを知らなかったのですが、いずれにいたしましても、家庭の方がたいへんお気の毒なことだと思います。川藤のやったこと自身と、また人情としてつながる、たいへん間違った子供ほどかわいいものはない、かようにまで申しますから、そういう点では側隠の情禁じ得ないものがございます。したがって、ただいま家庭の教育云々をこの席で、川藤が死んだだけに、ただいま申し上げるとその川藤のおとうさんやおかあさんや先生、兄弟、これらの方々にもたいへんなショッキングな問題だと思いますので、それらについてただいま一応私からとやかく言うことを遠慮しますが、言われるように、教育の問題は一般にいわゆる非行少年といわず大事なことであります。ただそれだけのお話をして、それより以上深入りしない、こういうふうにいたしたいと思います。
 ところでただいまの刑罰の問題でございますが、私は刑罰が軽いとか重いとかいうよりも、ただいまのような狂人、いわゆる常識的な持ち主でない狂人の場合だと、普通刑法の適用はしないので、刑期自身も重いとか軽いとかいう問題でなくて、普通、裁判を受けないものである。これは常識でございますから、そういうことを考えると、狂人の場合についての養護施設、監護施設、このようなものにもっと力を入れなければならない、かように思いますし、また家庭の責任もそういう点において十分注意すべきであろうとかように思います。こういう事柄がどうも先ほども申し上げましたように、むずかしい時代になってきておりますだけに、なかなかむずかしいことだ。やはり個人の権利もさることながら、公共の秩序維持のために、やはりある程度個人の権利も拘束されるのだ、こういうことを前提に考えなければならぬ、そういう時代が来ているのではないかとかように思います。
○田代富士男君 新幹線問題に入りますが、国鉄では四十四年度を初年度といたしまして、十年間の再建計画のもとに進められております。いま全国を網羅する新幹線網の計画がされております。こういう一連のものを考えますと、将来の国鉄というものはいかにあるべきであるか、特に新長期経済計画のもとにあって、国鉄の十年間あるいは二十年先のビジョンはどうあらなくちゃならないか。
  〔委員長退席、理事岡本悟君着席〕
特に現在までは陸の王者といたしまして、輸送分野における国鉄の比重というものは非常に高いものでございます。しかし航空機あるいは道路、自動車、こういうすべての発達によりまして、その陸の王者、輸送の王者というそういう一面は入れかわりつつあると、このような斜陽論が一部に伝えられてまいりました。しかし、東海道新幹線ができまして、サンフランシスコにおきましても高速通勤鉄道等を計画する、ヨーロッパにおいても巻き返しのムードというものが盛り上げられてきております。こういうことを勘案いたしまして、将来日本の経済社会の発展に即応した十年後のビジョン、すなわち佐藤総理が最も力を入れていらっしゃる物価の安定、あるいは国民生活の向上、あるいは経済の効率化に寄与するところの国鉄というものはどのようにあるべきであるか、十年後のビジョンについてお願いしたい点が第一点でございます。
 第二点は、いま申し上げますように、このような交通問題一つ取り上げましても、これは国鉄だけでは解決できるものじゃない、総合交通体系のビジョンというものを考えた中にあって国鉄の問題はどうするべきかということが、肝心じゃないかと思うわけです。
  〔理事岡本悟君退席、委員長着席〕
 このように考えていきますと、航空業界におきましては、十五年間のビジョンが打ち出されまして、日本の主要都市を一時間ないし二時間で結ぼうという、こういうことを計画されております。またいま国鉄におきましては申し上げたとおりでございます。しかしここで考えなくちゃならない問題は特に陸の問題じゃないかと思います。もちろんこのような問題点を考えていくならば、国鉄の問題と同時に、自動車との競合の問題でございます。で、道路をよくしたための自動車の発達というものは、目ざましいものがありますとともに、これは両立して考えていかなくちゃならない。航空あるいは陸上の道路、国鉄あるいは今度は大量輸送の場合の船舶、それに伴う港湾の問題、こういう総合的な体系のビジョン、こういうものを生かしていかなくちゃならない場合に、問題点はそれぞれの行政所管が違うということが、発展の大きな妨げになっております。たとえば国鉄線路を敷かなくちゃならない、そこに道路を考えなくちゃならない、二重投資というものが見受けられる点も多々あります。こういうこともその土地にとってはプラスであるかわかりませんが、国家的立場から考えるならば、このようなもっとそれよりも優先的に考える点があるのじゃなかろうか、そういう面が考えられる点が第二点じゃないかと思います。
 第三点は、いま時間がありませんから省略いたしますが、別表にはそれぞれ全国を網羅した新幹線の予定図が記載されておりましたが、この別表を、第三条の条文の別表が変えられたそのいきさつについてもしお話を、総理のお考えのもとに変えられたということでございますから、どうして変えられたものであるのか。私の意見といたしましては、それは全国を新幹線で網羅していただいたら、これは地域開発にも寄与することは間違いがないと思いますが、走れば財源等の関係もあります、いまも話が出ていたとおり。だからとりあえず、ここも敷きたいここも敷きたいという、この法案が通りますれば、まず先着順の――幹線がきまると思いますが、そういう幹線がともすれば政治的判断のもとに敷かれるというような疑惑をもたらされないようにしてもらいたい。日本全体の地域開発を考えるならば、表日本、裏日本の二本の幹線網を敷く、そうしてその地域開発に寄与するところの幹線を敷くという三段がまえをした上で、その上で考えていくというような、そういうお考えはお持ちであるかどうか。時間がありませんからまとめてお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいまお話しになりますように、交通の総合対策、総合計画、これはどうしても進めていかなければなりません。これは一つだけで事足りるというものではございません。でありますから、今回も皆さんから御審議をいただいたように、今度の運輸政策審議会、ここでは総合交通政策を樹立すると、そういうことになったようでございます。これはたいへんけっこうなことだと思います。役所がそれぞれ別でございましても、一カ所責任を持つ官庁が出てくることが望ましい、かように思います。ただ、いま道路行政まで運輸省で持てと、こうは言われないのですから、いまの審議会で事足りるのではないかと、かように思います。
 そこでもう一つ、鉄道の場合にいろいろの競争相手がある。空には飛行機、陸上には自動車、また海上には船舶、そこで鉄道の使命はどうなるのかと、こういう話でございます。私はまあそういうことも必要だろうと思いますが、まず船の場合に、一時はもう海上輸送が全部でありました。しかしやはり貨物輸送の面では海上輸送は残らざるを得ない。旅客輸送、これはもう太平洋にも大西洋にもかつてのような豪華旅客船はなくなりました。そういうふうに変わりましたが、しかし貨物の大量輸送、これがどうしても船がまだ役立つ。事故は起こしておりますが、十万トンさらに二十万トンというような、いわゆる大きな船が使われております。ちょうど同じ鉄道の場合も、自動車と――やはりそういう点で自動車がまかなえないものがあるのではないか。いま東京でももうすでにそういう状態が起きております。都市集中化して、ある一定の時間になりますと自動車がはんらんしておる。ずいぶん相当大きな道はつくったつもりでありますが、その道ではまかない切れないようになる。それかといって道をどんどん広げるわけにもいかない。そうすると、やはり一定の地域には自動車の乗り入ればむしろ遠慮してもらって、やはりただいまのような通勤輸送、これは鉄道がまかなわざるを得ない、引き受けざるを得ない、そういう時代もくるのではないか。
 私はアメリカに行ってみて、ニューヨークなどはそういうような状態であります。あの金持ちのロックフェラーさんが私と会うときに、わざわざタクシーに乗って来られる。自家用車を持たないはずはない。しかし、タリータウンという郊外からニューヨークに通っておる。どうも、そうして自家用車を乗りつけてくると、そうすると、もうニューヨークの町は全体がそうなっていくと、すっかり交通は麻痺する、かようなことでありますから、あのロングアイランドに行ってみると、昔の日本の駅のようにいつでも自転車がどんどん駅の構内に置かれておりましたが、最近はロングアイランドでは自動車が置かれておる。そこまでは家庭から自動車で乗りつけてくるが、それから先は列車に乗って都市交通で市内に入る、こういうようなことになっておる。したがって、私、いまの自動車にもやはり限度がある。もうすでに私どももそういうことを感じつつある。また、さきに皆さん方からもお話が出ておるように、どうも自動車のもとではお互いの安全が確保されない。まずトラックを何とかしてくれ。だからトラックが走れるその時間帯は制限すべきじゃないか。夜、走らせたらどうか、あるいはトラックの走れない区域をつくったらどうか、こういうように制限の方向に向かっておられると思います。また、乗用車自身もそういう時期にきておるのではないだろうか、かように思います。また一方交通、あるいは右回り、Uターン禁止、いろいろ交通上の制限があらわれております。いまその程度で自動車は使われておりますが、それがもっとふえてまいりますと、不便になってどうにもならない。ちょうどわれわれが野球を見物に行くと、あとの帰りが自家用車が引き出せない、ああいうように都市そのものがなってきた。そういうようなことを考えますと、やはり鉄道の受け持つ範囲というものはあるように思います。
 交通機関の最も大事なことは、多量に、快適に、しかも安全なる輸送だと、こういうところにあるように思いますので、私は、現在のスピード並びに安全性から申しまして、特別な軌道を使っておるだけに、専用軌道を使っておるだけに、この鉄道のほうが安全であり、そうしてまたスピードも出せる、また正確でもある、こういうことが信頼のできる交通機関ではないだろうかと思います。そういう意味で、これから先のことはわかりませんけれども、いろいろくふうされて、ずいぶん変わっていくと思います。ただいま大型旅客機が太平洋を飛ぶようになりました。これなぞも一列車分それが飛んでおるような時代でございますから、もう旅客船の時代は過ぎたと、かように考えておりますが、しかし国内におきましてもそういう時代がこないわけでもないだろうと思います。私は、いまもっとスピードアップをしないことには、どうも交通機能を果たし得ないように思います。ことに太平洋岸と日本海とはずいぶん発展の状態が違っておる。また生活の状態も違う。しかしながら、これを飛行機で横断するのにはまず三十分あるいはせいぜい一時間、こういうように非常に短距離にあると思います。私東北地方を旅行いたしまして、東北の岩手から秋田に行くのに飛行機ならわずか三十分です。こういうような非常な近距離にありながら、どうしてこれが一体として開発できないのか、そこらに疑問を持たされているのでございます。しかし、航空機ばかりがいわゆる発展を促進するものでもございませんし、ここらにもひとつわれわれがくふうしなければならないと思う。そのためにも御指摘にありましたように、総合交通施策、これはもう絶対に必要だ、かように考えますので、御指摘になりました点は、いずれも私も賛成でございますし、またそういう方向で進みたいと思います。まだただいまの状態では、日本のこれから先の国内交通は非常に変わるだろうとは思いますけれども、ただいまのところ、まだまだ鉄道を必要とする範囲が広い。そういう意味で、ただいま必要な財源を確保したい、かように思っておる次第でございます。
 ただその場合に、いまもお話にありますように、裏日本と太平洋岸、この間を二つを並行した幹線が必要なんじゃないかということ、これも私首肯できますけれども、とにかく背骨になるようなもの自身すらない現状において、さらにその次の段階の二つのものを考える。そして肋骨をつくれ、こういうところまではちょっといきかねるわけです。まず第一は、一本筋を通すことだ。そのほうが先じゃないだろうか、かように思っておりますし、また、ものによりましては特別にくふうをし、そうして鉄道審議会でどういう線区を選ぶか、それを十分考えて緊急度等に相応するような対策を立てていきたいと思います。
 とにかく幹線道路、幹線鉄道をつくると、非常に多額な費用を要しますので、これが一地方に片寄って投資されることは、これは国費といたしましても、国費の使い方が非常に片寄る、こういうことにもなりかねないのでありますから、できるだけそういうものはまんべんなく使用できるように、そういうようなくふうをし、そういう計画を立てるべきだ、かように思っております。
○委員長(温水三郎君) 総理、御苦労さまでした。
○瀬谷英行君 ほんとうはきょうは建設大臣にもあわせて聞きたいと思ったのですが、きのう建設大臣のニュータウン構想、宅地開発、首都圏を中心として四十キロあるいは五十キロ以内にそういう構想を持っているという記事もありましたので質問しましたところ、首都圏整備委員会の担当者の話から、別にそういう構想はないということの答弁があったようであります。そこできょうは、首都圏整備委員会の事務局長にあらためて聞きたいと思うのですけれども、建設省関係の考え方というものは、首都圏整備委員会では別にまとめていないのかどうか。だとすると、首都圏整備委員会あるいは近畿圏整備本部というものは一体何をやっているのか、ということになると思うのでありますが、そういう新幹線なり通勤新幹線なり、要するに鉄道網の前提となるいろいろなタクシーなりあるいは港湾なり、そういう関連した問題について、どの程度の構想が練られておるのか、その点をお伺いしたい。
○政府委員(井上義光君) 首都圏整備の問題に関連いたしましてお答え申し上げます。
 首都圏整備計画は、首都圏整備法によりまして基本計画、それから東京の二十三区を中心とします既成市街地、あるいは五十キロ以内の近郊整備地帯、その他首都圏内の主要都市を中心とする都市開発区域につきまして、土地利用とその土地利用を実現するために必要な諸般の物的な施設の整備ということを中心にやっているわけでございます。したがいまして、御質問のございました大規模な住宅市街地の開発でありますとか、あるいは周辺地域におきます都市整備及び工業団地の計画とか、あるいは東京湾岸その他の地域における港湾施設の整備といったものにつきましても、関係省庁と相談いたしまして計画を策定いたしている次第でございます。
○瀬谷英行君 何ですか、さっぱりわからぬですがね。一体何をやっているのか、端的にいま何をやっているかということを聞きたいと思うのですけれども、首都圏整備委員会のそもそもの役割りは何かということじゃなくて――何もやっていなければ何もやっていない、これは看板だけだとあなたが言ったって、なじる気持ちはないのです。だからありていのまま私は言ってもらいたい。橋本運輸大臣のほうは、何か宅地開発の構想を立てているようだ。しかしその片方、一方で、運輸委員会の所管の問題としては新幹線網というものがある。こうなると、将来通勤新幹線を考えなければならぬのか。通勤新幹線を考えるにしても、この通勤地域はどうなるのか、そういう大もとの問題がはっきりしないことには議論が進まないという気がするから、私はいま何をやっているのかということをお聞きしたわけです。別に建設大臣のほうからそういう諮問もない、何もないと、また建設省のほうから何も話を聞いてなければない、というふうに言ってもらってけっこうなんです。
○政府委員(井上義光君) 昨日、私この委員会にまいりませんでしたが、昨日の御質問とも関連しまして、首都圏整備事業におきます住宅地の建設と関連します問題につきましてお答え申し上げます。
 実は根本建設大臣が御就任されましてから、住宅地開発に関しまして御指示もございましたし、私どもも、昨年に首都圏の近郊整備計画の地帯の住宅地の建設計画をつくりましたが、大臣からの御指示によりまして、この既成の中心市街地におきます就業の機会が非常に増大いたしますことと、それから近郊地帯におきます企業立地が非常に盛んであるということから、現在の五十キロ圏の二千百万という人口が、五十年には二千五百万程度になり、また六十年には二千八百万程度になるという想定から、やはり住宅地としまして、その間に必要な二百六十万戸のうち、百数十万戸は新しい宅地を開発する必要がある。そこでそのためには四万ヘクタール程度の宅地開発が必要でございますが、これを現在の鉄道でありますとか、既設の鉄道――国鉄、私鉄の沿線に求めます場合には、地価の関係でありますとか、そういった関係で非常に困難でございますので、現在鉄道がまだ利用が困難である、あるいは河川の改修、下水道の整備といった点が不備でございまして、こうした交通条件、土地条件の不便でありますそういった条件を克服することによりまして、住宅地として開発し得るところというものをある程度選定し、その上で執行権のある建設省、あるいは運輸省とも十分相談して計画を練るように、という指示がございまして、今後の人口想定なり、各都県における土地利用の構想といったものを勘案いたしまして、地区の選定につきまして調査をやっておる段階でございます。
 なお、この執行にあたりましては、私どもは調査官庁でございますので、それぞれ執行権のある官庁で行なわれますが、いずれにいたしましても鉄道の新線建設、あるいは既設線の延長といった問題にいたしましても、経営主体の問題でありますとか、あるいは河川改修、排水のための下水道の整備につきましても、国なり地方負担の問題あるいは土地取得の制度の問題あるいは新都市計画法によります調整区域の取り扱いといった問題もありますので、そういった点につきましても、なお今後検討いたしますが、私どもとしては現在河川改修、あるいは交通輸送条件が不備であるといった地域を選定をいたしまして、いま申し上げました四万ヘクタールのうちの相当部分が大規模な開発で実現できるようにということで、選定作業をやっておるわけでございます。
○瀬谷英行君 運輸大臣、運輸省と相談をしておるという話だったので、運輸省関係に聞きたいのですけれども、まずこのニュータウンがどういう形になるのか、そういうことが明らかにならないと、鉄道の建設計画というものは立たない。そういう宅地開発という問題と、それから建設、あるいは在来線の増強といったような問題について、運輸省として、建設省とすでに今日現在において具体的に連携して作業をやっているのかどうか、そういう点をまずお聞きしたいと思います。
○政府委員(町田直君) まず制度的に申しますと、新宅地ニュータウン等を開発する場合に、大体都市計画等を定めて、それによって行なう。こういうことになりますので、都市計画を定めます場合、建設大臣から運輸大臣に協議がある、こういう形になるわけでございます。そういう場合、私どもといたしましては、その新しいニュータウンに対して足がどうなるかという点を検討いたしまして、御協議に応じて御返事をする、こういう形になろうかと思います。ただそれは何と申しますか、大体ああいうニュータウンをつくろうときまった段階でそういうことになるわけでありまして、本質的にはもっと前に、こういうところにニュータウンをつくるについては鉄道をどうするかということを、一体となって検討する必要があるんじゃないか、こういうことを痛感いたしまして、一昨年だったと思いますが、運輸省と建設省の両者で協議会を持ちまして、宅地を開発する場合に鉄道との関係を十分協議してやろうじゃないかということで、何べんも会合をいたして相談し合っているというのが実情でございます。ただし、ただいまお話がございましたけれども、相手が私鉄等の場合には、必ずしも私鉄に対して、こういうニュータウンができるから建設しなさいと命令するわけにはまいりませんので、その辺のところは、行政指導の範囲で十分うまくいくようにということを勘案いたしながら話を進めているというのが実情でございます。
○瀬谷英行君 今日の私鉄が、それじゃ、ニュータウンを建設することによって、すぐに飛びついてくるかどうかということも問題だと思う。建設費が安ければ別ですけれども、建設費が安いとは思われない。キロ当たり十億も十何億もするということで、そろばんをはじいた場合、そう簡単にいろいろな、都心から何キロ以内のニュータウンに私鉄がどんどん鉄道を敷けるかどうか問題があるのですね。採算が合わなければ、私鉄の場合は敷かないということになるわけでしょう。採算に合わなくとも敷けと言って命令するわけにはいかないと思う、運輸省としても。そういう点は一体どうなのか、運輸省として計算してみれば、採算ベースがどれくらいかということはわかると思うのですけれども、まあ計算してみた結果、はたしてどうなのか、可能性としてはあるのかどうか、そういう点をお聞きしたいと思います。
○政府委員(町田直君) おっしゃるとおりでございまして、大体最近の事情で申しますと、新しい線を引いてニュータウンができますれば、そこの、そのニュータウンの規模にもよりましょうけれども、規模とそれからニュータウンから都心までの距離とか、そういうものによりましょうけれども、ペイをしないという事態のほうが最近では多いのではないか、こういうふうに私ども感じております。昨日も角本参考人からお話が出ましたけれども、大阪で泉北ニュータウンをつくります場合に、これを南海鉄道のあの辺は高野線等の分野と申しますか、でございますので、南海鉄道で泉北ニュータウンの足を考えたらどうかという話がございましたけれども、南海鉄道の私企業としての計算ではペイしないと、こういうことでございましたので、たまたま大阪開発株式会社という半公共的な会社が大阪にございまして、これに大阪府から出資をいたしまして、かなり安い費用で足をつくったと、こういうことがございます。いずれにいたしましても、そういうことでなかなか新しいニュータウンができました場合に、それに対して私鉄が線を引いてペイをしないという場合のほうが多うございます。したがいましてそういう点につきましても、今後の問題といたしましては、新しい線を引く場合に何らかの形で、もちろん低利融資ということは当然考えておりますけれども、その上にさらに何らかの形である程度政府が関与していくということを今後考えていかなければならないのではないか、というふうに考えておる次第でございます。
○瀬谷英行君 ある程度政府が関与していくということは、具体的には一体どうなのかという問題が一つ残るわけであります。
 そこで、今度は大臣にお聞きしたいと思うんですが、成田に空港をつくろうとしておる。この成田空港の問題ですが、昨日の角本参考人の話によれば、空港といえどもだんだんだんだん飛行機の利用回数が多くなり大型化するということになると、成田の空港をつくったからといって、それで十分間に合うかどうかわからぬということも言っておられます。さらに成田空港以外に別途に、たとえば九十九里浜につくるとか厚木の飛行場を返還してもらうとか、いろんな問題が出てくる可能性もあるだろうと思うんですね。そういう将来のことを考えてみた場合に、一体この空港との関連あるいはニュータウンとの関連で首都圏の姿をどういうふうに持っていったらいいか、という問題も出てくるでしょう。そういうことになってまいりますと、ますますこの首都圏を中心とする交通網あるいは宅地開発ということを総合的に行なう必要が出てくるだろうと思うんでありますが、その点、先ほどの首都圏整備委員会の事務局長にも聞いたんでありますが、建設省なり運輸省が相談をしてやるようになっておる、こういうことでありますが、具体的にはそういう相談はどこまで進んでやっておられるのか。まあ、いままでのことはともかくとして、今後大臣としてはどういうふうにして、この首都圏あるいは近畿圏の整備というものを実際に進めていくお考えであるのか。それから地価対策としてそれが実効をあげるということになり得るかどうか、こういう点もお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 先ほど総理大臣から答弁がありましたように、運輸政策審議会が今度の国会で成立を見ましたので、そこで本格的にはこの運輸政策審議会を十分に活用したいと思います。
 一応私の、運輸政策審議会の活用の中の、全部じゃありませんけれども、とりあえず考えてもらいたいことは、一つは中長距離の鉄道、これはまあ新幹線並びに一般鉄道も含みます。それと航空機、いわゆる空港の整備の問題また海運になりまするが、沿岸海運、内航海運、こういうものを、ひとつこれらをどういうぐあいに総合交通の体系の中で、及び自動車高速道路、これら四つのものを中心にしてどういうような総合交通体系を考えていくか。もう一つは、御質問の一つでありますが、中小距離及び大都市交通圏の問題、いわゆる首都圏、東京で言えば首都圏の問題、これらはお話しのように国際空港との連絡及び住宅集団、大規模の住宅、団地住宅、こういうもの並びにまた将来考えられる学園研究都市の、筑波だけでなく他にもこれは考えなければならぬと思います。そういうものを含めての内容としては中小距離といいますか、中距離のいわゆる交通網の体制、もちろんこれには鉄道及び地下鉄及び中距離バス、まあ都内においてはタクシー問題があるわけですが、こういう大都市交通圏の総合対策という問題、この二つを諮問事項として考えたい。こういう意味で空港の場合におきましても国際空港の場合におきましても、いまお話がありましたように今後二十年、三十年という長期展望を考えれば、成田空港だけで間に合うかどうか、おそらく間に合わない。そうなれば相当の距離になりましょうけれども、百キロ以内のところまでやはり国際空港を考えざるを得ないんじゃないか。まあ厚木空港等返してもらいましても、これは規模からいいましても、いわゆる国内空港等に使う以外には、国際空港にはどうであろうかと考えますから、これは一種の補助的な空港になると思います。そういうことを総合的に首都圏内にこういうものを張りつける、こういう内容を考えて首都圏内の交通体系はどういうふうにあるべきか。こういう諮問をしまして、これにはもちろん首都圏のほうにも協力を願い、同時に審議会の皆さんには道路関係者にも入ってもらう。かような総合的な対策を練って万全を期したいと、かように考えておる次第であります。
○瀬谷英行君 海上交通の安全性という立場から考えると、東京湾の中に大型タンカーがやたらと入ってくる。あらゆる船が京浜港あるいは千葉港を含めてあらゆる船が浦賀水道をひしめき合って通過する、こういうことは非常に好ましくない。だからむしろ外洋に面した地域に新たに港を設置するということのほうが、海上交通の安全性ということから言うと望ましいわけですね。そうなればたとえば鹿島港のような形でもって外洋に面した地域に港を建設をして、その港と都心とを道路なり鉄道でもって連絡をするという方法を考えるということが、今後相当必要になってくるんじゃないか、こういう気がするわけです。そういう考え方と首都圏なりあるいは近畿圏なりの考え方、過密過疎対策といったようなものを両方合わせて考えていく必要があるだろうし、それには運輸省だけの問題ではなくなってくるわけですね。ほかの各官庁とも連携がとれなければならなくなってくると思うのでありますが、そういう構想で今後計画を進めるというお考えは、大臣としてはお考えになるかどうか。
○国務大臣(橋本登美三郎君) いまお話しのとおりに、特に建設省関係が多いんですが、東京湾で言えば湾岸道路の問題があります。これをどの程度までこの交通体系の中に取り入れるかということがありますので、当然建設省とも十分な連絡をとってまいりたいと思います。特に東京湾内のいわゆる大型船の航行の問題ですが、せんだってこの委員会におきましても第三海堡がじゃまになるじゃないか。これを撤去する考えはないかということで、当委員会でも皆さんの中から注意が喚起されました。せんだって港湾局長を招致しまして、これらを含めてひとつ再整備を考えろということで――のみならず、この十万トン以上のタンカーは、私は湾内深くには入れるべきではないということからして、第三海堡の近くに大型のシーバースを設置して、そこからパイプラインで持っていくという考え方もひとつ検討してみろ、またお話しのように、鹿島港のような大型重要工業港湾は第一に考えるということも、これは当然考えなければなりませんが、東京湾内の海上整備、こういう面においてはさっそくに検討に着手するという方針を、最近決定をいたしたわけであります。
○瀬谷英行君 それで、今度は成田空港の問題と全国新幹線との関係なんですが、成田に空港をつくるから成田まで新幹線を入れるという問題が出てきているわけです。しかし、たとえば京成電鉄が成田空港との間を結ぶ線路の増強計画を立てて、そうして一時間でもって成田と東京を結ぶような構想でいまやっているわけなんだが、そこへ持ってきて国鉄が新たに新幹線を成田まで通すということになると、これは京成電鉄と競争関係になるのか、あるいはその京成電鉄のをつぶしてしまうというようなかっこうになるのか。ここに問題も出てくると思うのでありますけれども、そういう点から言うと、成田に新幹線を急いでつくるという必要性がはたしてあるのかどうか、こういう疑問も出てくるわけです。今日、国鉄には成田線というものがあるし、総武線というものがある。こういう在来線を使う、あるいは京成電鉄を使うということで、鉄道網のほうは間に合うのじゃないかなという気もするわけですが、これは将来計画を考えた場合には、成田からさらに鹿島のほうまで延ばして常磐新幹線のような形にするから成田新幹線というものを考えの中に入れるということなのか。一体、その辺は、大臣としてはどういうお考えなのかをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本登美三郎君) まだ確定的には、これから検討してみませんとはっきりした答えができませんけれども、ただ御承知のように、常磐線が複々線計画を進めて、四十七年度には取手までまいります、これは複々線計画。これは全く東京への通勤者を運ぶということが前提で、それだけの必要がある、こういうことからして常磐線は複々線工事を四十七年度までに完成する必要がある。こちらのほうは、御承知のように、成田――東京間において、非常に集団住宅が造成されつつあります。そういう意味におきまして、国鉄が将来、成田まで複々線が完成いたしましても、また京成電車が急行電車をつくりましても、これは当分の間はそれで間に合うかもしれませんが、はたして将来五年、十年先までになりましてから、十分これでもって輸送力が間に合うだろうかという問題は残ると思います。したがって、これらの点の需要予測等をこれから十分に検討した上で、いわゆるこの成田空港との間に新幹線の必要があるかどうかは、これから検討してみませんと、最後の判断はつきません。ただ、もしこの新幹線を考えるといたしましても、一種の支線の形で、たとえば常磐新幹線というものが考えられるといたしますれば、その支線の形で常磐新幹線のレールを利用するということになりはしないだろうか。ただ、鹿島港までこれを引っぱっていくかどうかという考え方は、目下のところ、私どもは鹿島港まで新幹線を持っていくという考え方は、まだ持っておりません。
○瀬谷英行君 それで、いまの大臣のお話だと、常磐線を取手まで複々線化するということだったのですが、今度は在来線と新幹線との関係なんですが、大臣もよく御存じだと思うのですけれども、国鉄の場合は、東海道関係はいま東海道新幹線ができているし、山陽新幹線も間もなくできる、博多までやがて完成するということは、もうすでにきまっているわけですよ。ところが東京から北のほうはまるっきり国が違うほど投げやりになっているわけです。上野の駅なんかが、まさに北と西との関係を象徴的にあらわしているという気がするのですが、上野の駅、いま工事をやっているからなおさらなんですけれども、非常な混乱をしております。混雑というよりも、常に混乱をしております。ああいう設備というのは、利用者のことを考えてみた場合には、いま程度の工事なんというのは、十五年ぐらい前にやらなきゃならぬはずのことなんです。だからいまやっておる程度の駅の改造工事は、でき上がったとしても焼け石に水だろうと思うのです。駅の設備が悪いだけじゃなくて、上野駅から発着をする列車の不便さかげんというのも、東海道と比較にならぬわけですね。だから、こういう在来線を一部取り上げてみても、非常におくれている点がある。もしこれが新幹線の構想によってさらに窮屈なワクがはめられて手が施されないということになると、実にみじめなことになると思うのですね。こういうことはこの鉄道のあり方としては、はなはだこれは遺憾なことじゃないか。少なくとも東京以西であろうと以北であろうと、同じように利用者の便宜を考えた措置を講ずる必要があるんじゃないか。これがもし新幹線の計画によってますますみじめな状態になるということであったのでは、これは利用者にしてみれば耐えられないことだろう。それはたとえば上野を利用するのは東北、上信越、常磐線、これらの東北地方から北海道、あるいは新潟方面、長野方面に至るまで全部ここに該当するわけなんでありますが、このような格差をどのように是正をしたらよろしいというふうにお考えになっておるのか、この点をお伺いしたいと思うのです。
○国務大臣(橋本登美三郎君) お話しのように、在来線の強化といいますか、交通体系をまずもって整備していくということが、当然のことでありますからして、したがって、新幹線によっていわゆる在来線の整備がおくれるようなことはやらないという方針で、財源措置等もあるいは工事能力等も考えていきたい。そこで東北新幹線というものは非常に要望も高いのですが、先ほど総理が申しましたように、東日本といいますか、東北地帯というのは、いわゆる西日本に比べれば非常におくれておる。こういう意味において開発的な意味と、また地域的な精神高揚といいますか、そういう面も考えつつ、やはり新幹線については考えていかなければならぬ。ただ問題は、終点の問題でありますが、これははたして東京駅に集中するのがいいのか、それとも、新幹線の場合ですが、やはり別個にこれを考えるべきか、こういう点についてはこれから検討しなければならぬと存じております。ただおっしゃるように、たとえば武蔵野線、いま工事を進めておるわけでありまするが、かようないわゆる近距離、あるいは一種の、半分は環状線的な役割りをしておりまするが、これらの鉄道は一刻も早く整備して大都市交通圏の整備をはかる、かように考えていきたいと思います。
○瀬谷英行君 今度は在来線の問題、現状について、これは国鉄総裁にも、ちょっとこまかくなりますがお伺いしたいと思うのですけれども、東海道新幹線というのは、なるほど確かに東京−大阪間を三時間十分で結ぶ、新たに東海道第二新幹線を建設すればもっと速くなる。将来は新しい方式でもって東京−大阪間を一時間で結ぶと、こういうふうに次々に新しい方策というものが打ち立てられているわけです。この点では輸送需要に対してあまりおくれをとらないように進んでいると思うのですね。ところが、東京を中心としてたとえば東京−上野間の連絡はどうかというと、三・六キロであるが、所要時間は八分くらいかかる。乗りかえには、たとえばこういう時刻表なんかにも、東京−上野間の乗りかえに要する時間は四十分間くらい見ておけと、こう書いてある。ところが同じ乗りかえ駅でも新大阪−大阪は三・八キロだから、大体東京−上野間と距離は同じだけれども、この間、時間を見ると四分で連絡するようになっておる。そんなにわれわれは大阪−新大阪の間を連絡するのに不便を感じないのです。ところが一方東京の場合には新宿との乗りかえは一〇・三キロで、約二十分間かかる。上野の場合も、それから総武線の場合も非常に時間がかかる。総武線は東京駅に乗り入れるという計画がいまあるから、遠からず解決をするでありましょうけれども、東北、上信越常磐線関係は、いまのままでいくとますますこれはひどいことになるのじゃないか、こういう気がいたします。だから少なくともせっかく新幹線ができても、この新幹線に乗るのに、中短距離の利用者が苦労するというような状態は、これは新幹線網の整備とは別個に解決をする必要があるのじゃないか、という気がするのです。こういう問題を、在来線の問題ではあるけれども、解決をする気がないのかどうか、こういう点、総裁にお伺いしたいと思います。
○説明員(磯崎叡君) 東北新幹線なりあるいは上越新幹線を考えた場合に一番問題になりますのは、東京都内の発着の問題であります。いろいろ考え方もございまして、たとえはいまの上野駅を使うとか、田端を使うとか、池袋を使う、いろいろ考え方がございますが、私どものほうでいろいろ検討いたしますと、東京都内に終点をつくるということは非常に金もかかり、むだである。できれば東京都内を、何といいますか、スルーで通り抜けるようなルートをつくるべきじゃないか、というような考えをいま大体持っております。したがって、いまの東海道新幹線はあそこでとまっておりますが、あれを東北につける場合、いまのままでつけるか、もう少し南のほうから地下へ持っていって、どっか田端かあの辺で顔を出す、いろいろな考え方があるわけでございますが、いずれにしましても、東京都内に終着駅をつくるということは、非常に輸送上も、また土地を獲得する上からいってもむだである、というふうな考え方を持っております。したがって、今後全国新幹線ができる場合に一番問題になる東京の終着駅につきましては、できるだけ東京を通過して、とまらないという意味じゃありませんが、東京でターミナルをつくらないで、南から北へ、北から南へ、あるいは東から西へというふうな直通のルートで新幹線を考えていきたいというのが、私どもの今後の新幹線計画についての考え方でございます。したがって、たとえば東北方面、あるいは上信越方面に行かれる方については、必ずしもいまの上野とか、田端とか、池袋とかから始発でない、むしろ都心の駅から発着するというふうなことも考えられるというふうに考えております。したがって私どもとしましては、できるだけ在来線の電車で新幹線相互の間の連絡をするということをやめたい。極端に申しますれば、東海道から東北へ抜けるとか、あるいは上信越から中央線へ抜けるとか、いろいろな考え方がございますが、そういうふうな考え方で、在来線の電車で新幹線相互を結ぶという考え方を、この際改めていきたい。そして新幹線相互の直通運転を考えるべきじゃないかというのがいまの考え方でございます。それによりまして、東京都内の道路の利用のしかたあるいは私どもの持っております土地の利用等につきましても、いまそれを頭に置きながら、いろいろなことを考えているわけでございまして、できるだけ在来線は通勤輸送、それから貨物輸送に、ちょうどいまの東海道でやっておりますように通勤、貨物に最重点を置くと申しますか、ほとんど通勤、貨物の専用鉄道にしたいというふうに考えておるわけでございます。
○瀬谷英行君 そうすると、山陽新幹線が完成すると、山陽新幹線に次いで考えられるのは、東北新幹線なり、上越新幹線ということになる、順序からいって。そういうふうにならなければならないでもしかたがないけれども、まさか東北新幹線、上越新幹線を抜きにして、稚内と札幌の間に新幹線をつくるということにはならないと思うのです。総理大臣も採算に乗らないような計画をやるわけにいかぬといま言っておられましたが、採算ということを考えてみると、現在の営業係数あるいは利用率ということを前提にして当然新幹線も考える。そうすると、いきおい東京から北のほうをどう結ぶかということになる。その場合に、上越新幹線も、東北新幹線も、あるいは成田新幹線も、全然別個の場所にターミナルをつくるということになると不便でしようがない。これはつくるならば、一カ所きめて、そこを中心にした基地、スタートということになると思うのですけれども、その考え方は具体的にはどういうふうに考えたらいいのか。特にその在来線との関係も含めて明らかにしてもらいたいと思うのです。
○説明員(磯崎叡君) 私の立場からこの法律ができた際にどれからやるべきかということは申し上げる筋でないので、これはこの法律に書いてございますとおり、いろいろ関係機関がございまして、そこで決定されることになると思います。しかしながら、もしたとえば東北がきまる、あるいは上信越がきまる、それと現在の東海道とどう結ぶべきかということは、私どもの仕事だと思います。いまわれわれのいろいろ考えておりますのは、結局東京都内になるべく終点をつくらない。たとえば東京都内に車庫をつくるということは、非常に金もかかるし場所もよけい取るということで、なるべく東京都内を通り抜けるようなルートを考えたい。しかし、もちろん駅をつくらないわけにいきませんので、いまの東京駅のほかにどこにつくるか、これもわれわれの口から申しますといろいろ問題になりますので、研究中でございますが、いろいろな東京の都心、副都心等を頭に置きながら、将来の新幹線を東京でうまく結びつけるという考え方でいきたいと思います。道路の下の利用のしかた、あるいは私どものほうの持っている土地の利用のしかた等を頭に置きまして、なるべく経費のかからぬように、大体地下で結ぶことになると思います。とても地上の工事はできませんので、大体地下で結ぶ以外には方法はないと思います。山手線の外側くらいから地下に入れまして地下で全部結ぶということになると思います。その意味で主要の道路につきましては、都のほうにも、建設省のほうにもお願いいたしまして、あけておいていただいておるところもございます。そういう意味でなるべくターミナルはつくらない。現在線を利用しないで新幹線相互の利用をできるようにしたいというふうに考えております。
○瀬谷英行君 まあ、場所はどこなんだというやぼなことは聞きませんけれども、しかしそういう方法でもって、たとえば地下を利用して東京をくぐり抜けるというような工事は、これは相当な難工事だし、金もかかるし、日にちもかかると思う。そうなると、いつごろでき上がるということになるのか。これは提案者のほうは十五年というふうに言っております。しかしスタートがはっきりしないと、先のほうだけつくったって意味がないのですから、昭和何年ごろに完成するという、これは純技術的にですよ。財源その他の問題は与党も責任を持つ、政府も工面をしてくれるというふうに考えて、その点はどのくらいになるか。これは全く技術的な問題ですから、その点をお伺いしたいと思うのです。
○説明員(長浜正雄君) 技術的な問題でございますので、私からかわりまして御答弁を申し上げますが、大体東海道新幹線の例、あるいは山陽新幹線の例を見ましても、金がきまりまして、工事に着工しましてから五、六年を要しております。ただ、都内の場合、あるいは用地買収の難易によりまして、これが五年に縮まり、あるいは四年に縮まる、こういうことになろうと思います。具体的にそれでは東京都内を地下でくぐりますときに期間がどれくらいかかるかということになりますと、通りますルートによりまして、いろいろ問題が出てこようかと思います。たとえば道路の下を通るというような場合は単にシールド工法によるということになろうと思いますけれども、支障物件その他に対する注入その他のむずかしい技術的な問題が少なかろうと思いますので、こういう場合には工期が四年くらいで竣工するのじゃないか、こういうふうに考えるのです。またこれを大きな建物の下を通らなければならぬというような場合になりますと、これに対する注入だとか、そういうことで相当事前の技術的な対策を必要といたしますので、この工期が延びるということになろうと思います。それから地下以外の地上に出ました場合、もちろん地下の場合も地下権というのがございますから同様でございますが、そういう土地の補償、買収そういう点に関しましては、これはまたその難易によりまして工期が延びたり縮んだりするわけでございます。大体五年くらいを標準として考えていいんじゃなかろうか、こういうふうに考えております。
○瀬谷英行君 いまの答弁によると、総裁の答弁とあわせて考えると、どっちみち東京から北の東北新幹線なり上越新幹線なり、あるいは成田新幹線をつくるにしても、地下を掘らなければならぬということで、地下鉄工事というのはかなり金がかかるわけです。キロ当たりどのくらいになるのかという計算も、おそらく提案者としてはしておかなければならぬと思うのですけれども、その点はどうでしょうか。
○説明員(長浜正雄君) キロ当たりも、大体山陽新幹線あるいは東海道新幹線の例をスライドいたしまして、大体キロ当たり全国的に見まして十一、二億というような見当で、いまの昭和四十四年ごろの価格で勘定しましてそのくらいの額は見ております。ただ、都内を通ります場合、全部トンネルになります。そういう場合そのトンネルのしかたが、道路の上から掘りますトンネルの場合と、それから完全に地下をもぐってしまいますモグラ方式のシールドのトンネルの場合とで、工事費もだいぶ変わってまいりますので、また深さによっても変わります、あるいはまた水があるなし、水圧のいかん、地質のいかんということで金に差異がございますので、全国的に平均しまして大体私たちは十二億くらいという見当をつけておるわけでございます。
○瀬谷英行君 地面の上といまの東京の地下鉄はだいぶ違うと思うのですよ。東京の場合はかなり地下鉄が走っていますからね。いま走っている地下鉄のまたその下を走らなければいけないことになるでしょう。そうすると、相当深い地下をもぐらなければいかぬモグラ方式、もぐらなければならないからモグラ方式というのかどうかわかりませんけれども、そういうかっこうになるから相当割り高になるのじゃないかという気がするわけですね。たとえば地上に出た場合と比較をして、埼玉県あたりに出た場合には何も畑の下をもぐる必要はないのですから、こういうところは地上を走ることになる。地上の場合のたとえばトンネルやら何やら障害物のない平面上の工費と、それから地下鉄でも特に深いところを掘らなければならないこれからの東京都の場合と比較をすると、キロ当たりの単価あるいはまたキロ当たりの工事日数というものはどういう差が出てくるのか、その点もお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(長浜正雄君) 概略申しまして、平地の場合の価格の標準に基づきまして、これをトンネルにしますと、普通のトンネルにしますと、約それの倍くらい、それから地下の、都内のシールドにしますと、またそれの倍ぐらいというような感じでよろしかろうと思います。
○瀬谷英行君 金額にしてちょっと、概算でいいですからね、都内を抜ける場合どのくらい、それから地面に出てからどのぐらいということで、たとえば百キロ、東京から百キロの宇都宮、とか、東北新幹線でいえば宇都宮とか、上越新幹線でいえば高崎、前橋とか、この辺までの工費は大体どのくらいででき上がるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○説明員(長浜正雄君) 大体都内のシールドで、キロ当たり三十億くらい、まあ深さによるのですが、三十億ないし四十億くらい、これは場所とかそういうことで、非常にはっきりした数字が出てまいりませんが、大体三十億ないし四十億くらい、こういうふうに見ておいていただければ間違いないかと思います。今度は地上に出ました場合には、これは用地代のいかんによりましていろいろ差異がございますので、用地代を除きまして、純粋の工事費だけにしますと、大体十億ぐらい、十億弱というようなことじゃなかろうか、こういうふうに考えられます。
○瀬谷英行君 提案者にお伺いしたいと思うのですけれどもね。提案者としては、まあおそらくこういう計算をされたことじゃないかと思うのです。その費用がどのくらいかかるか、日数がどのくらいかかるかということを計算をした上で、日本の将来の国土計画とも考え合わせて、どういうふうな形でもってこの新幹線計画を進めていくというお考えなのか。これ日本国じゅう一ぺんに着工するというわけにいかないと思うので、これはさしあたって東京を中心として考えていく必要があろうかと思うのですけれども、こういう点は、私は党利党略で自分の選挙区ばかり優先するということをやられたんでは、工事は進まないと思うのです。だから、厳密な意味で、日本の将来の交通体系を考えていけば、どういうふうにして工事を進めていったらよろしいというふうに考えておるのか。少なくとも、提案者といえども、その道の権威でもあるし、まんざらしらっぱくれてしろうとのような顔をしているわけじゃないと思います。その点を具体的にお聞かせ願いたいと思います。
○衆議院議員(細田吉藏君) 九千キロ云々というのは、まあきわめてマクロ的な計画のわけでございまして、いまおっしゃっておるような一線一線でどれぐらいな工事費がかかり、またどれぐらいな期間がかかるということをこまかく計算して積み上げたものではございません。ただ、いままでの経験から考えまして、財源、金の手当て、予算の手当てがつきますれば、工事の能力としては十分、昭和六十年までにこれぐらいのものは可能である、こういう見通しでやっておるわけでございます。それで、どういう順序でやるかということは、これは法律に書いてあるとおりでございまして、これから鉄道建設審議会で十分考えていただいて、運輸大臣がおきめをいただくということになっておるわけですが、何と申しましても、その際に、しらっぱくれるとか何とかということではございませんで、常識的にも、おっしゃっておりますように、また先ほど総理からの御答弁もあったんですが、輸送の需要、あるいは国民経済的効果の点、こういうところから見て、企業度の高いルートが先になるということは、これはもう当然であるし、またそうでなければならない、かように思うわけでございます。また一つの手がかりといたしましては、新全国総合開発計画における新幹線鉄道というのは、三段に分けて一応書いておるわけでございまして、第一部に書いてありますものがございますが、これは「仙台・福岡間」というふうにまあ言ってあるわけでございますが、それから、「日本海沿岸地帯と東京、大阪などの大都市および太平洋沿岸地帯を結ぶ高速道路、高速鉄道による根幹的な交通体系」を確立する、これだけは新全総の第一部にうたっておるわけでございますし、また第二部におきましても、一部は計画として、またさらに構想というようなことばを使っておりますが、分けて書いておるわけでございまして、大ざっぱに言うと三つに分けて書いてあると思うのでございます。こういうことも、今後、建設審議会で順序をきめられるときにやはり有力な一つの手がかりになるんじゃないか。これ以上に具体的に、どこが先になるかというようなことは、これはわれわれがとやかく申し上げる筋合いのものではない、まさしくこの法律の運用によってきめられるべきものである、かように存じておるわけでございます。
○瀬谷英行君 まあ、そのことばどおりにすなおに解釈したいと思うんですけれどもね。東海道新幹線ができるときに、岐阜の羽島というところに駅をこしらえた。これは大野伴睦さんの銅像が立っているというようなことで、相当圧力がかかったんじゃないかというふうに見られております。岐阜の羽島なんていうところは、東海道新幹線ができるまでだれも知らなかったと。で、議員提案だから、まあおれの選挙区へという式でもって、鉄道を建設する場合にいろんなことをやられて、新幹線がヘビが踊り踊ったようなかっこうに敷かれるということになってはまずかろうという気がするわけです。だから、あくまでも主要都市というものをなるべく最短距離を通って連絡をするという形でなければいかぬと思うんです。それから駅にしても、我田引水的に、我田引鉄になってしまって、とんでもないところに駅ができるというようなことがあってもまずかろうと思う。だれが考えてみても妥当だと思われるところに駅もでき、ルートもきまるということでなければいけないと思うんですがね。そういう点、まあ、しかるべき手続は踏むようになっておるから心配はないと思うのでありますけれども、しかし、そういうごく純粋に交通政策の面から配慮をして、これからこの新幹線網というものを推進していくということができるかどうか。岐阜羽島のような例は今後ないと考えてよろしいのかどうか。それから、たとえば山陽新幹線でも、山口県には四つ駅があります。総理大臣が出ているから山口県に四つということじゃなかろうとは思いますよ。とは思いますけれども、たとえば、利用しようとしても全然駅がないということになりますと、これはもう片手落ちになるんです。だから、駅をつくるにしても、やはり何か裏があるんじゃないかと思われるようなことがあってはいかぬと思うんですがね。そういう点ほどのようにお考えになっておるか、これも提案者にお伺いしたいと思うんです。
○衆議院議員(細田吉藏君) 新幹線の着工の順序なり、あるいは路線の経過地なり、あるいは駅の設置なりが不当に政治の力などによって動かされてはならない、これはもうお説のとおりでございます。特に、新幹線は日本列島を短時間で結ぼうというネットワークを主としておりますから、これは技術的に最短距離で結ばれるという性格のものでなければならないと思います。そういう点、おっしゃるとおりだと思います。
 そこで、実はたいへん、ただいまも前提になっておりますが、岐阜羽島駅のことは、私は実は関係者の一人でございますが、一般に誤解もあるようでございます。磯崎総裁がかつて予算委員会かどこかで発言されたこともあるようですが、何かこう非常に誤解がありますので、私この際明らかにしておきたいと思うんですが、大野伴睦先生がおっしゃってあの駅ができたわけでは必ずしもないわけでございまして、少しわけがあるのです。当初は、岐阜県知事あるいは大野伴睦先生、その他岐阜県選出の代議士の皆さんは、東海道新幹線は大垣、岐阜を通すべきである、こういう御意見だったわけでございます。人口のないところを汽車が通ってはだめじゃないか、大垣、岐阜という大きな人口があるんだから、これを結ぶべきであると、こういう御意見であったわけでございます。御主張はそういう御主張であります。岐阜へ回りますと、東海道は永久に十分ないし十五分長くかかる。つまり、先ほど申し上げた直線で結ばれないということになるわけであります。それから岐阜は、岐阜の駅の立体交差だけで、当時の計算されたもので百五十億円よけい金がかかる、こういうことなんで、私たちは大垣、岐阜を通ることに反対したわけです。そこで、それでは南のほうの直線の線でいこうというので、現在の線になったわけです。その際に、岐阜県には一つも駅がなくなってしまうわけなんで、岐阜の、用地買収も御協力願わなければならぬし、岐阜県にもたくさんの人口もある、新幹線利用の機会がないということになってしまうわけです。これは愛知県から、東京都から、ずっと、関係の県にはみんな一カ所、二カ所、三カ所というふうに駅ができます。岐阜だけは一つもなくなるということになる。こういうことなんでございまして、どこか、とにかくつくるということになると、それは岐阜羽島が一番よかろう、こういうことになりまして、話ができたというのが岐阜羽島駅ができた真相なんでございます。したがって、大野先生の御努力云々ということはもちろんあると思いますけれども、曲げるほうの側をむしろごしんぼういただいたというようなことでございます。したがって、これは私はむしろ、新幹線を今後やっていく上には、いい話ではないかというふうに実は考えておるわけでございますが、いろいろ、これには御意見もあると思います。しかし、これはよけいなことを申し上げましたが、第一番に申し上げたように、そういうことで、曲げないようにしていくのが絶対に必要である、かように考えます。
○藤田進君 まあ実際問題として財政の裏づけがありませんし、完全なものかどうか、法案自体にも問題はありますが、しかし、成立いたしますと、逐次それらを整えていくということになれば、いま瀬谷委員から心配のあるような問題も実はあるわけであります。ただ、私が関連をいたしまして質疑をし、お願い、要望したいのは、出身の議員なり、あるいは総理なり、有力な政治家ということの逆の面も実は出ております。ある内閣でしたが、広島県の呉市というところがありまして、そこに高等専門学校がいよいよきまって、地元でも、われわれ、いよいよきまったということでいましたところ、文部大臣以下知らないのに、いや、ゆうべほかへ行くことになりました、こういうことで、地元も、文部当局もあっけにとられた。いろいろ私も調べてみましたら、総裁選挙で話がつきまして、それで、あれの言うことを聞けば何票入るから、それじゃ、おれのところはというようなことでほかへ回ってしまった。こういうことは、もうこれは公然の秘密になってしまいました。そういう取引、つまり自分のところへ――いまの我田引鉄ですか、という場合もあるし、そういうことに使われて、今日、混迷する政界の中で、当然開発すべきにかかわらずということがあってもならないように思うのです。私は今度の場合、同時着工ということは、これはもう財政的にあり得ないことでありますから、事前、総合的に、投資効率を十分見た上でこれをやるということが必要だと思います。ですから、たまたま、これは山陰出身の鉄道、運輸、交通の専門家である細田、大橋両先生ですが、あまりそのことに気をとられますと、かえって逆に、りっぱな人格であるだけに、広島−松江間、これはやっぱりやるわけにいかぬわい、というようなことでは困るので、これらは全国で最初にかからなければならぬので――運輸大臣もうなずいておられるようですが、そういう勇気も必要なんじゃないだろうかということを、あわせて思うんですが、いかがでしょうか。お二人からひとつ。
○衆議院議員(大橋武夫君) いろいろ政治的な事情、あるいは担当者の個人的な都合で、こういう大きな問題が左右されるというようなうわさも聞きますが、私どもは、そういうふうなことはあってはならないし、また、そういうことをあらしめてはならないのがわれわれの使命である、こう考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○藤田進君 広島−松江あたりは、最初に取りかかるべきかどうか。
○衆議院議員(細田吉藏君) 先ほど申し上げました原則論をあくまでも堅持いたしまして、その原則論にどう当てはめるかということはこれからのことと思いますので、藤田先生の御意見はわからぬではございませんが、特にどうという具体的な線がございませんので、私この原則論だけにひとつさせていただきたいと思います。
○岡三郎君 私が初めにお聞きしたいのは、先ほどの総理の答弁にも、財源措置というものが固まっていない、あらかじめ想定しているかもわかりませんが、そういうふうな点で、いまにわかに緊急なる仕事としてこれをこの国会でぜひとも成立させなくてはいけないのかどうかという問題が依然として残っているわけです。こういうふうに会期が追っているところで、事、国の将来十年、十五年先の問題を総体的にやる、そういうふうな点について、新幹線を敷いてはならぬという意見ではないのです。ないんだが、いまの国家の情勢を見ているというと、非常に高度経済成長、経済成長といって全体的に前のめりのような形になってきて、あらゆる分野においてそういうふうな弊害が出てきている。そこにまた一つ十一兆幾らというふうな潜在的な高度経済成長に見合うような輸送網の完成ということを目ざす。ねらいはいいにしても全体において何かこう急ぎ過ぎているというか、何かこうあわただしい。だから、もっと端的に言うと、何かまた来年の参議院選挙のためにこれつくっているのか、地方選挙のためにつくっているのか、私は急がなければならぬわけというものを聞きたいのです、それをまず提案者に……。金もきまらぬのになぜ急ぐのか。
○衆議院議員(大橋武夫君) まことにごもっともな御質問でございますが、御承知のとおり、経済発展計画におきましても、今後数カ年の間に投ぜられるべき社会資本について、ある程度の見通しが立っておるわけでございます。しかし、今日の国の財政状態から見ますというと、こういうための財源措置というものがまだ十分にはできていない点があることは御承知のとおりでございます。しかし、どうしてもこういう計画をつくり、そしてそれを目標にして政治が進んでいくということになりますと、やはり今年から明年にかけましてどうしても具体的な財源措置というものが、特に社会資本のおくれておりまする交通関係について必要になってくるわけでございまして、私どもは、来年度予算の編成にあたりましては交通関係についての新しい財源措置をどうしてもやらなければならぬ時期である、こういうふうに考えておるのでございまして、その場合におきまして、やはり全国新幹線鉄道というものもこの経済発展計画の中で予想されておるのでございまするから、これに対する措置もやってもらわなければならぬ。その場合において、やはり一応の幹線網というものができておりまするならば、財源措置に対する要求も具体的になる。そういう点で、私は、この機会にこの法律を成文化しておくことが非常に適切な措置であるし、また、それがこの幹線鉄道を現実化する上からいっても早道である、こういうふうに考えて今国会に、会期が非常に切迫いたしましたが、あえて提案をいたした次第なのでございます。
○岡三郎君 まあいずれにしても、とにかくあらゆる施策を遂行する場合における財源措置、これはいままで国として、与野党を問わず、新しい施策の中において、物価騰貴の中で非常に苦しみ悩んできている、そういうふうな経済の背景というものを考えたときに、一体われわれはまず何をやるべきかということを考えるわけであります。そういった場合に、国の住宅というものは一体どうなっているのか、物価というものはどうなっているのか、そういう政治の根本的な、基本的な問題について国の大方針というものが出されているようで、実行計画というものはまことに国民の不信を買っている。こういうふうな経済的な、社会的な背景の中において、十一兆幾らかかる新幹線網というものの内容がまだ分明してないのに、ここで網をかけてこういうことをやるのだということは、非常にいまの政治全体の動きの中において飛び離れているような印象を強く持つわけです。つまり、新幹線をつくってはいけないということではなくして、国家の主要目的というものから考えてみて、いまこれを早急に財源措置が確立してない中においてこういうものを策定していかなければならぬという緊急度ですね、緊急性、これはいま大橋さんが言われたことで答弁は尽きると思うのですが、その答弁を聞いていても、いまなぜ今国会でこれを仕上げていかなければならぬか。もう少し財源的にもすべて煮詰めた中において、国家的な要請の中からこういう大事業というものを行なうのだということをやっていってもおそきに失することはないのではないかという気がどうしても抜け切れない。特にいまの工事をする場合において、いろいろとこの条文の中において制約事項というものが書いてあるにしても、土地対策そのもの自体がいろいろな工事をする場合において国家的に立法措置というものが十分なされておらない。ようやく建設省を通じて地価公示法というものができたけれども、それに対する取り扱い自体というものもなお検討する余地がある。もう少し網の目をこまかくして、これをどういうふうに運用していくかということについても、施策上についてはなお考慮すべき問題点が一ぱいある。そういう中において、ビジョンとして大きな問題をここに出してくる。しかし、それは上っ調子ではないのか。そこを流れている国民のほんとうの政治に対する願いというものが、一体この財源措置というものによってどういう制約を受けるのか。たとえば、新税をつくるにしても、他の財投の資金をここに持ってくるにしても、ひしめいているところの国民の要望に対して、一体これがどういう順序になっているのか。こういうふうな点を直感的に感ずるわけです。だから、私はいまの答弁の中において、こういう法律をつくって、つくった中において予算をこれから検討していくというのは逆じゃないか、さかさまじゃないか、そういう気がしてならないのであります。それはある程度煮詰めた中において自動車新税をつくるのならつくるのだ、その中で巷間いわれているようにトラックに幾らとか、あるいは乗用自動車について幾らだとか、これについても、それぞれの考え方があるにしても、新財源措置というものは一体どういう方向にいくのか。かりにもしも新財源措置というものがなされ得るならば、そういうような一般的な投資というものについて一体どういう順序にものをつくっていかなきゃならぬのかということについての内容がまだ納得できないわけです。私に言わせれば、鉄道も重要だけれども、いま国鉄自体にしても山陽新幹線をやっておられる。これは十年計画の中において福岡までやるのだ、次にやはりこの中から、福岡を完成したならば、たとえば次には高崎なり、東北の仙台なり、東北新幹線なり、先ほど言われた信越新幹線なり、具体的な計画の中においてこれをどうするのか。その財源措置をどうするのか。逐次具体的に検討する中において、その間に地価公示法とか土地対策とか、あらゆる面におけるところの総合的な施策というもの、特に国民が念願している物価とか住宅とかいう問題がどういうふうにりっぱにでき上がっていくのか。乗る人間の根本ができないで、乗ることばかり考えているということになっているんでは、これはさかさまではないのかという気が強くするわけです。したがって、私は新幹線をつくってはならぬと言っているのではないんで、財源的に見て、その財源の構想というものがどういうふうにこれから切り開かれていくのか、その点をお聞きしなければ私は納得できない。財源についてもう少し具体的に詳細に見通しをお聞きしたい。
○衆議院議員(細田吉藏君) 先ほどお尋ねになりました中で、選挙云々というふうなお話がございましたが、これは毛頭そういうことはございませんで、もともと発足のときから、岡委員御承知のように、鉄道建設審議会には超党派で、皆さん各党でお出になっておりまして、いろいろ御審議になって御決議がございましたようなわけでございまして、この法案も四党共同提案にいたしたいということを私どものほうも申しておるくらいでございますから、参議院云々ということはございません。
 それから、いまおっしゃいました点はまことにごもっともで、本法案の最も弱点とも考えられる財源の問題をおつきになっておるとも思います。財源の問題を考えて出すべきではないかということも一つの考え方であり、御見識だと思っておるわけでございます。われわれももとよりそのような議論もいたしたわけでございます。ただ緊急性というのはどういうところにあるかといいますると、実は道路につきましては、御承知のように、幹線道路について法案がございます。そこで、新しい道路五カ年計画というものを発足させよう、そのための財源を考えなければならぬというような時期にまいっております。したがって、道路と鉄道というものも合わせて、もっとさらにいいますと、海運も飛行機も合わせて、交通体系全体として一緒に考える必要がある、そういう意味でこの法案を今国会に提出することが妥当であると、かように考えたわけでございまして、絶対にこうでなければいかぬという理由はもちろんあるわけではございませんけれども、そういう意味で今国会に出すことが妥当性がある、緊急の必要がある、かように考えたわけでございます。財源につきましても、もちろん財源を考えて、しかる後、法案を出すことが本筋であろうかと思います。しかしながら、これはなかなか大きな問題でございますので、間に合わないといいましょうか、はっきり結論が出ておらない、こういうことなのであります。しかし、何も財源なしでやれる性格のものではございませんからもちろん考えなければいけませんが、もちろん、これは法律を議員提案をし、そしてこの国会でこの法律ができ上がるということによって、さらに財源の措置を促進する意味も含めて、私たちはこういうことにしたほうがいいんじゃないかと、率直に言いまして、さように考えたわけでございます。御意見の点はよくわかるんでございますが、私どもの考えはそういうことでございます。
 それから、住宅との関係、その他一般的な問題につきましては、計画の総合性がなければならぬことは、これはもう言うまでもないことでございますから、私どもは、十分これは政府としてさらに考えてもらわなければならぬ、かように考えておるわけでございまして、単に交通だけでなくて、住宅の問題、土地利用の問題、地価の問題物価の問題を総合的に考えていただかなければならぬ、かように思っております。
 もう一点だけちょっと申し上げておきますが、九千キロ云々という問題につきましては、どういうことだということでございますので、一応九千キロというのが建設審議会の御決議があるということで言っておるのでございまして、法律そのものには九千キロというものは何ら出ておりませんので、その点は今後きめてまいるというふうに初めの案からは変えましたので、その点は御承知をいただきたいと思います。
○岡三郎君 その別表を取ったということはかなり進歩したと思うのですよ。明治以来の法律で、いま鉄道建設公団も含めて、約束事をやっていることで一つのイメージを与えてしまうというと、時代の変化がどうであろうとも、これは既得権だ、約束事なんだ、世の中がどう変わろうとこの線は敷いてもらうということになってしまうのでは、これは動脈硬化もいいところです。いまの時代の変遷の中において別表を取るということは格段の進歩だと思います。ところが、別表をつくりたいというのは、人間ですからね、早く約束事をきめておいて、きめれば選挙民に対しては公約もできるし、非常に働きがいもあるということでそういうことになってしまうおそれが私はあると思うのです。現在の鉄道建設審議会自体にしても、総体的に見て、こういう大きな仕事をこれから諮問されていくということになれば、これはいま細田さんが言ったように、大橋さんが言ったようなきれいごとで済まない問題がこの中に出てくると私は思うのです。きれいごとであってはいかぬ、政治というものは。そういうことであるから、国のほうとして見れば財源措置が非常に大きな問題である、国家の規模からいっても。ということになれば、なるほど、大きければ大きいほど、ある程度、国民ないし議会というものが、そういう点については十分検討するということが土台になって、そういうものをやはりやろうならやろうということに踏み切るのが、それが常態であろうと思うのです。そういうふうなことを考えていった場合に、自動車新税ということを考えておられるのですか、提案者はどうなんですか。白紙状態でそれはいま煮詰まっていないから言えない、こういうことなんですか。もう少し具体的に提案する立場に立てば、これはもうすぐに施行されて少なくともこれが行なわれるということになれば、運輸大臣としては、この方向についてやはりどんどん仕事を進めていかなければならぬと思うのです。この点について、運輸大臣のほうにも、国鉄にも聞かなければならぬのですが、運輸大臣、この新税の問題について、巷間いろいろといわれておるわけです。自動車新税を取るということが昨年、田中角榮幹事長からも発表された。しかし、この問題は据え置かれて検討する。しかし、現実の問題の中において、いろいろといわれておりますが、自動車関係の中においては、道路をつくるというなら自動車というものがえらい影響を与えておるのだからしかたがないだろう。また、国鉄がそういう輸送機関全体に持っていくということはぐあいが悪いとか、いろいろな面がある。しかし私は、少なくともこの法案が通るということになるならば、内容的に財源というものをある程度つくらざるを得ない方向にこれは必然的に置かれてくると思うのです。そういった場合に対する運輸大臣として財源の見通しとか、そういう計画とかいうものを、どういうものをどういうふうに今後この法律がかりに通過した場合にお考えになっておるのか、この点をひとつお尋ねしておきたいと思います。
○国務大臣(橋本登美三郎君) この法案と、鉄道敷設法ですか、それとの違いはかなり本質的に違ったところがありまして、鉄道敷設法のほうになりますというと、別表を付しておりまして、全体の姿ができ上がって、それに従って国鉄が計画をつくってそれを運輸大臣の承認を経てやっていく、こういうたてまえになっております。ところが、この新幹線鉄道網法案は、基本計画はそのときそのときに運輸大臣が計画を決定しまして、そうしてこれを鉄道審議会の承認を経て、いわゆる正式の決定を見る。そこで決定を見た建設線の調査を運輸大臣がこれをきめる。国鉄あるいは鉄道建設公団に手渡す。そうして基本的計画で定めた建設の整備計画を運輸大臣がきめなければならない。運輸大臣は、今度は責任が重くなる。こういうぐあいに、従来の鉄道敷設法と違っておるのは別表がないばかりでなく、順序がだいぶ変わっております。したがって、運輸大臣としてはこれを決定し、整備計画を命じあるいは建設工事実施計画を決定する際には、何といっても財源の措置を考えていかなければならぬということであります。国鉄でありますというと、自分のところの収入はこうであるからして、この程度のものをいわゆる建設に回すことができる、こういう考え方ですが、そうでなくて、今度の場合は、運輸大臣がある意味においては全面的、とは言えないかもしれませんが、建設に関する予算措置を考えなければならぬ。この点が、いままでの鉄道敷設法と今度の整備法とは非常に違いがある。したがって、岡さんからお話がありましたように、運輸大臣は、この財源についてどう考えているかという質問も出てくるわけであります。
 もちろん、現段階において、いまこれとこれとが財源であると、こう明確に申しにくい点は相すまぬわけでありまするが、ただ、大蔵省におきましても、税制の根本的な改革をしなくちゃならぬ、時代の変遷に伴って、従来の税制のあり方でいいかどうかということも、目下検討を進めておるようであります。したがって、それらとの関係もありまして、あるいは党側で考えておるような自動車新税というあり方、こういうことも一つの問題点にはなるだろうと思います。それ以外に御承知のように、最近の、いわゆる将来の日本経済の見通しから見て、まあいろいろの、人によっては違いますけれども、新全総では、国民総生産は昭和六十年においては百三十兆円ないし百五十兆円と、こういう計算を出しておりますが、日本経済研究センターでは、約三百兆円という、かなり違った数字を出しております。これはまあ一つにはとらえ方の時点が違っております。一方の新全総は、四十年度のいわゆる国民総生産を基準として出しておる。それから日本経済研究センターのほうは、昭和四十三年度のいわゆる国民総生産を基準にして出しておる、こういう違いがありますからして、したがって、そのとり方が違いがありますから、だいぶ開きが出ておりまするが、しかし、少なくとも、大体において、新全総が考えておりまするように百三十兆か百五十兆程度ではない、おそらく二百兆円をこえるであろう。こういう面からいいますというと、国民所得におきましても、相当の増額が考えられる。そうなれば、いわゆる一般会計における増収の面といいますか、もちろん、これには社会資本の充実だけじゃなく、社会保障方面にも回さなければなりませんからして、その増収面を全部こういう方面に、社会資本の充実に向けるわけにはまいりませんけれども、従来考えておった環境関係すなわち福祉関係に回す増額の分あるいは社会資本に回す分も、これは変わってくると思います。こういう点もにらみ合わせまして、当然多角的に、いわゆる税制の改正の面から、いわゆる新財源といいますか、自動車新税のようなものも考える必要もあろうし、同時に、一般会計からの繰り入れということも考えられるでありましょうし、同時にまた、この法案の中にもありますように、地方公共団体がこれに対する助成をするというやり方も考えていく。こういう点を勘案いたしまして、したがって、運輸大臣が計画を決定する際は、それらを考慮に入れながら、いわゆる計画を決定する、こういうのでなければ、国鉄あるいは鉄建公団が、ただみずから財源をつくるわけにはまいりませんので、それらも考えてまいりますので、私は、この法案というものは、まあ、先ほど瀬谷委員からお話がありましたけれども、ある意味においては、そういう新しい税制改革への促進にもなり、また一方において、国鉄の財源計画に対して、別個の道でいけという、従来の新幹線のように国鉄の財政の中でまかなうんじゃないんだと、別個の金でまかなえと、こういう意味で、政府に対して一つのくさびを打ったという意味においては、なかなか将来に対して、有力なる皆さんの意向が反映されて、政府はまあ苦しいことになりますけれども、しかし、苦しくとも、これは一種の促進法でありますから、これが決定された以上は、これに沿うてわれわれは新幹線網に着手をしなければならぬ、かように考えておる次第であります。
○岡三郎君 まあ、この新幹線整備法は、税制の改正の推進役になるということじゃ、これまたたいへんなことになると思うんですがね。それは、一つの問題点はお聞きしたわけですが、さしあたって、この法案が通過した場合に、運輸大臣のほうとして、昭和四十六年度に対してどういうふうなことを考えておられるのですか。具体的に、計画的にこれが遂行されていくということになれば、当然、運輸省当局としてこれに対していろいろと手はずをきめて、議員提案もちろんけっこうですが、しかし、これだけの財源というものを考えたときに、将来のいろんな展望ということを考えたときに、運輸省自体として、こういうものに対して具体的な提案というものがなぜなされなかったのか、どうも運輸省では、これはあまりでか過ぎて、ちょっとぐあいが悪いから、議員提案にして、あとこちらのほうで引き受けてやるんだというような形になってきたような感じがするんですが、この点はどうです。それで、予算の裏づけということが基本問題として、ここに大きく登場してきておるということになれば、やはり政府の責任というものをそこに明確に、財源的に方向づけというものをされない限り、なかなか審議はむずかしいというふうに私は考えているんですが、いま橋本運輸大臣の言われた答弁の中においては、いろいろな税制の改正とか、経済の今後の発展、総合的に見て、そういう点については、大体確保できるんだというふうなニュアンスの御答弁ですが、しかし、かっちりと四十六年、四十七年のまず出発当初においてどう考えておられるか。そう考えてくるというと、やはり自動車新税の問題にぶっつかってくるのではないか。この点は、やはり自動車新税というものが片方にあって、そうしてこれにまあかかっていくことができるという、この方向ということが正しいんではないんですか、これはどうなんです、直截的に言って。
○国務大臣(橋本登美三郎君) まあこれは俗なことばで申しますというと、もし新幹線鉄道網がないというと、万が一、自動車新税のようなものができました際には、まだそっちのほうはできておらないのだから、自動車幹線網のほうができておるから、そっちに回したらいいだろうなんということにもいきかねないのであります。しかし、その意味において、そういうものがあるのだから、そういう国民所得がふえて税金がふえるなら、どうしてもこっちへ回してくれというには、いい足がかりになります、俗な言い方になりますが、もしありませんというと、これから法律を出しますと言いますと、これから出す法律なら、そんなに税金の割り当てはできないのだ、新税の割り当てはできないという危険もありますからして、非常な有効な法律である、こういう意味では、われわれ運輸省としては助かるわけであります。
 しからば、なぜそれなら運輸省がみずから出さないかという問題があります。ただ、私は、当初この委員会で申し上げましたように、大体、法律というものは、政策立法というものは、できればもう議員立法でいきたい。ただ、あまりに政府を拘束するといいますか、来年は百億出せというような拘束をすることは好ましくないけれども、国土総合開発といいますか、いま問題になっておりますのは過密地帯、過疎地帯の問題もあり、あるいは先ほど総理が申しましたように、西日本に片寄り過ぎておるんじゃないか、東日本方面は少しおろそかにされる、日本海も同様である、こういうものに対して国会がいわゆる全体をにらみ合わせて、そこで政策的な長期展望に立った立法はやはり議員立法でやるのが好ましいというのが、私、当初この委員会で申し上げたとおりであります。こういう意味におきまして、この種の法律が、皆さんのお力によってできれば、各党の提案であったほうがよろしいんですが、実際は各党の提案と同じようなものでありますからして、皆さんの御意見は十分に反映をされておるわけでありまするが、ただ、それならば来年度、われわれが具体的な財源を組めるかということにつきましては、まあ一つには、これから整備計画をつくり実施計画をつくる、こういう段取りになっております。したがって、昭和四十六年度には、この鉄道新幹線網に沿うた大規模な予算を組むだけの実際上の計画はむずかしいと思います。ただ、関連して考えられますことは、たとえば、いまつくっておりまする青函トンネルというものが在来線でやっております。これを新幹線の中へ入れるべきかどうかという問題は一つあります。あるいはまあ空港との間の新幹線をこれから検討の上、もし将来十年後においてあるいは数年後においてとうてい運び得ないということになれば、これらも常磐新幹線の一環として考えられる、あるいはまた、東北線等の問題が非常に混乱の状態にあるといえば、そういう問題についてはやはりもう着手の段階に――もちろん、着手といいましても膨大な予算を当初は必要とするわけではありませんので、いずれか四十六年度においては国の財政の許す範囲内において私は着手すべき時期である、かように考えております。
○岡三郎君 まあいろいろと御答弁があったわけですが、運輸大臣に端的に言いますがね。新幹線というのは大体――まあいろいろな案がありますがね、究極的にはやっぱり九千キロでとどまるとは思っていないと思うんですがね、これはどういうふうにお考えですか。具体的に言って、新幹線網というものをつくる場合において、通勤新幹線とか、そういうものは別ですよ、いわゆる現在ここで唱えられている新幹線整備という形でやっていく場合においては、やはり先ほど言われたように山陰から山陽へというふうな線も、どういうふうに考えられているかは別にして、国全体の新幹線網を考えたときに、別表ははずした、別表をはずすということは、硬直性を防止することにおいては非常に意味がある。しかし、逆に言うと、これは野放しですからね、これからどういうふうな形になっていくのか、これは新しい一つの審議の問題に十分なっていきますけれども、しかし、現実にこの法案がこれから通る場合において、新幹線の中における主要新幹線を大体どう考えているか、この点についてお伺いしたい。全然目見当でこれからじゃ話にならぬ。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 主要新幹線というのをどの辺まで申し上げたらよろしいか、全体の構想の上からやはり決定しなければならぬと思いますが、従来、党及び国鉄等で検討されております中で、どれを主要新幹線と言うかどうか議論があるところでありましょう。これとこれは主要新幹線だと言うと、そうでないところからおしかりを受けるかもしれませんからして、運輸大臣の立場にありますからそれは遠慮するとしまして、そこで党側でいろいろ計算しました九千キロ――最終的には九千キロ、国鉄で考えましたのが七千キロですが、経済企画庁等でやりましたのが云々とありますけれども、これはいずれも今後運輸大臣なり政府が計画を決定していく上においての重要な参考資料であります。先ほど岡さんから別表を取ったことはたいへんけっこうであるがというお話でありましたが、私たちも別表を取ってほしいという希望を申し上げたのは、これからの二十年、三十年といいましょうか、まあ党側としては昭和六十年をもって完成することを期待しておるんですね。日本の財政状態がそれを許せば、もちろんこれは十五年あるいは十年になる可能性もありましょうけれども、いまの力から見ればなかなかそうもまいりますまい。いずれにせよ、目途としてというお話でありますからして、そういう場合に、先ほど来お話がありましたように、たとえば、重要港湾も東京湾内に集結しないで、あるいは太平洋側なり日本海側なりに考えるべきではないか、こういうことになりますというと、やはり新幹線のあり方も多少部分的には変わってまいります。こういう意味において、やはり一応別表を取ったということは、私は将来の弾力的な運営が可能である、こういう意味でわれわれもこれを期待をいたしたわけであります。ただ、九千キロが多いか少ないかというのには今後の日本の経済拡大あるいは社会経済の発展等において、まあこれは将来ともに論議をする必要があろうと思いまするが、ただ、現在の鉄道敷設法、大正十一年だと思いますが、大正十一年に鉄道敷設法というものができまして、大正十一年に別表がつくられました。当時すでに約一万五千キロ以上が初めからきまったと思います。その後多少の追加がありまして、現在約一万七千キロのいわゆる別表がついておる、そのうち約九千キロがすでに建設をされたわけであります。まあ九千キロを建設するために過去も四十五年かかったわけであります。そういう点から見れば、新幹線がはたして二十年前後でできるかどうかという議論もありましょうけれども、その後における日本経済の力というものと過去の力とでは非常な相違がある。そういう意味においては、九千キロというものは膨大な計画のようではありますけれども、まあこの十年以来といいましょうか、日本の経済の力というものを考えるならば、やはり一応将来の全国を総合的に開発する、こういう観点から、最終的な目標を九千キロというところに置き、あるいは将来なお十年後にはもっと大きくなりましょうが、ここ二十年前後のところではその辺に目標を置くというのが大体私は妥当ではなかろうかと、かように考えておる次第でございます。
○岡三郎君 提案者にお尋ねいたしますがね。端的に言って、建設の場合において順序の問題が重要になってくると思うのですがね。十年、十五年、二十年という長期展望に立って建設していくということになれば、当然これに対する着工順序というものが非常に重要になってくると思うのです。思い返すと、瀬戸内海の横断橋をつくる場合においても非常にいろいろな陳情合戦というものがかなり多くあった。そういう形の中から三橋つくると、この予算がどういうふうにこれからなるか、まだつまびらかではないんですが、結局、全国新幹線鉄道を整備する、これは別表を取ったことはいいにしても、今度は別表がないからどういう順序で問題を展開していくかということについての基本原則がある程度確立していないというと私は混乱が起こると思うのです。そういうことから考えてみて、この提案理由説明の中に、いわゆる過密、過疎現象が深刻化してきている、で、これは過密、過疎地域における格差の是正という問題をある程度、ある程度というよりも相当注意深く考えておられるとも考えられますが、そういうふうな形になっていけば、まあ裏日本なら裏日本というものを急速にひとつ――いまの経済発展状況というものが限界にきている、過密の状態が限界にきているということになれば、その経済の効率という面を考えるだけではなくして、日本国土の平均的なやはり格差のない経済発展というものを考えていく場合においては、効率だけではいっていられないというふうな考え方も出てくるわけですが、そういう点について、過疎地域に対してこの新幹線というものをどういうふうに考えておられるのか、提案者にお尋ねしたいと思います。
○衆議院議員(細田吉藏君) すでに提案理由の冒頭にも明らかにいたしておりますように、過密、過疎現象が深刻化しておるので、これに対して、対応する一つの方策として新幹線鉄道は考えるのだ、こういうことになっておることはもう申し上げるまでもございません。で、ただ順序としてどういうものが先になるか云々というときに、まず過疎地帯を結ぶというようなことが先になるかどうかというようなことにつきましては、必ずしもこれは明白にいたしておるところではございません。これももちろん重要な要素として考えなければならぬということでございまして、私どもはあくまでも、新幹線の網を完成していきますについては、国民経済的に見て総合的に判断して先につける必要のあるところからやっていって逐次網を形成していく、こういうことがやはり常識的であり必要である。また、資本の効率も高い、国民経済的にも有効である。そういたしますと、やはり輸送の需給、国民経済的効果、こういう点から見て緊要度が高いものからというのが、私はかなりウエートが重く考えられる。そして、これとあわせて過密過疎の解消に役立つということがさらにつけ加わって順序をきめる、こういうことになると、これは国有鉄道を経営していくことにつながっていますから、経営の点から考えましても、そういうふうに考えていくべきであると、かように思っておるわけでございます。
○岡三郎君 運輸大臣にお尋ねいたしますが、常識的に見て、いま東海道から山陽にかけていきますね、福岡へ行って、福岡から鹿児島までの縦貫鉄道というものが一本考えられる。同時に、東京を起点にして東北新幹線という命題ですね、これは札幌まで通ずる青函トンネルというものを新幹線にかけていくということになるならば、これは東京から札幌までの一つの大きな動脈というものを考えていかなければならない。それと同時に、東京を起点とした裏日本への動脈というものが一本ここにある。大阪を起点にして裏日本、山陰地帯ですか、一本の動脈というものも考えなければならない。四国地域というものは新しい横断架橋が、道路なり併用橋がなされるということになれば、これはかなり面目を一新すると思う。とにかく普遍的に見て、緊急的に見て、東京、大阪の過密地域における輸送力の増強というものと、あわせて日本全土をどう結びつけるかということを考えたときに、とにかく、福岡から鹿児島までの一つの大きな線、それから、東京から札幌に至るところの大きな縦貫鉄道、それから、裏日本を結びつけるところの東京を起点にしたところの上越だとか信越だとか、あるいは大阪を起点にした山陰線とか、こういうようなことが考えられると思うんです。当初、裏日本をどう結びつけるかというふうな形のいろんな構想があると思うんですが、私は端的に言って、冒頭に返りますが、時間がないようで、協力する意味でも返りますが、効率をよくすると同時に、こういうような関係の中において新動脈をつくる。私の日ごろ過密地域に対する持論ですが、過密対策というものは、現在のままの経済の発展というものを放置したままでおいては、対策の立てようがない。もうこれは限界にきてしまう、限界にすでにきているんじゃないかということで、やっぱり国土のほんとうの、ことばだけではなくして、真実の総合発展、総合開発ということをにらまなければならぬじゃないか。そういうふうなことを考えていった場合に、いまの日本の都市集中、人口移動という問題を考えたときに、これを総合的に展開する意味において、新幹線というものが役に立つ。しかし、役に立つけれども、十年、十五年たって恩恵に浴するところと、五年間ぐらいでもって恩恵に浴するということでは、これは混乱が押し詰まっちゃってから切開手術をするという形にならざるを得ない。そういう意味において、予算、資金というものがある程度制約があるわけですから、これを効率的に国土総合開発という問題の観点からにらまれたときに、おのずからただいま言ったような一つの構想、そういうふうな考え方というものが妥当であるのかどうか、これはちょっと運輸大臣に聞きたいと思います。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 過疎、過密対策というものを加味して考えろということでしょうが、ごもっともだと思います。常識的に言いまして、原則的に言いまして、いま岡さんがおっしゃったようなものの考え方が基本になると、かように私も理解をしております。
○岡三郎君 そうすると、予算的に裏づけがまだ明確でない、ただ、橋本大臣が率直に言われたように、現在の状況下の中において、輸送網の遅滞というものがおくれればおくれるほど非常に問題があとを引くというふうな点で、いろいろと税制改正とかあるいは新税とか、いろんなものが検討されているいまのさなかに、ひとつこういうふうな施策を遂行していくんだというこの整備法というものができることが必要なんだという点についてはよくわかるような気がするわけです。ただ、問題はやはり議員提案であっても何の提案であっても、やはりある程度の具体的な骨格というものが提示されてきて、そこでこういう裏づけに対して国会が全面的にこれを推進するなら推進する、国自体もそうですが、国会自体が議員提案としてこれをひとつ積極的にやるのだというふうな形がやはり強く要請されなければならぬと思うのです。つまり計画は、ビジョンは国会で、政策としてはこれは展開された、しかしその裏づけの論議というのはこれは政府に一任の形で、国会としては不十分な論議に終わってしまっておる。これでは国会の役目というのは十分私は果たしたとは考えられない。そういう面でいまお尋ねしてきたわけですが、当初それほどの予算が要らぬということになれば、十分この年度間に四十六年度予算というものは検討されて、長期構想、いわゆる七〇年代という問題を通してこういう問題を検討していくというふうに考えるわけですから、その点について不満ですけれども、この点はひとつ提案者のほうも、この実行計画が十年、十五年と一口に言っても、もういまの時代の変貌というものは予測し切れないということになるならば、ある程度この予算というものについて十一兆とかいろいろなことを言われておるけれども、計画的に一体どの程度の資金を見ていけばいいのか。これはなぜかというと、いまの物価の高騰の中で、そうしてまたこういうものが発表されるというと、必然的に地価の値上がり機運というのが、要するに新しい大工事が始まるというふうなことから、全体的に物価の問題に対しても土地というものに対しても、非常に何というか影響が私は出てくるような心配も一面するわけです。そういうふうなことを考えていった場合に、自治体に金を出させるというふうなことも書いてありまするが、物価の騰貴という問題をながめていったときに、新幹線を敷設する場合においては地方公共団体の協力を得るということは当然ですね。地域住民の協力を得るということは当然だが、私はこれは提案者と大臣に聞きたいのですが、土地を取得するということが先行されなければならぬと思うのですが、こういう点について計画だけあって、長期の展望の上に立っていろいろと資金計画が練られるとしても、それが実行的にいうて非常にむずかしい状態になってくるような気もするわけなんです。ですから、そういう面について、土地の取得というものに対して、ここでは立ち入りしていろいろなことをすることができるということが書いてあります。ありまするけれども、そういう面についてはどういうふうに考えておられるのか。要するに、そのつどつど、こま切れ的に予算をつくって、そうして新税とかいろいろなものがあったにしても、そのつど、ことしは二千億とか三千億とかいう形で出していって、線ごとに予算ができたら土地を買っていって、着工していくという形をとっておられるのかどうか、こういう面についてのお考えがどうであるのか、ひとつお尋ねしたい。
○衆議院議員(細田吉藏君) 私どもの党といたしましても、この法律ができ上がったら、生みっぱなしでいいというふうには決して考えておらないわけでございます。残念ながら、法案提出までに財源の確たるめどがつかなかったということでございますので、引き続き、この財源の確保ということについては具体的に急速に、できるだけ早く私どもの党の意見もまとめ、政府にも与えたい、かように考えておるわけでございます。
 土地の取得についていま御意見がございました。全くむずかしい問題は土地の取得でございます。山陽新幹線の現在工事の実情を見ましても、土地の取得がきわめて困難である。そうして地下のトンネルの工事が非常に多くなってまいっておるわけでございますが、これにつきましては、いままでと同じような、あるいは現在山陽新幹線においてやっておるような取得方法でこれだけの大きなことができるかどうかという点については、根本的に考え直す必要があるのじゃなかろうか。若干私見もございますが、いずれにいたしましても、土地取得ということが非常に大きな問題、物価との関係におきましても、工事費が増高するという見地からいいましても大問題でございます。工事の坪数にももちろん関係します。そこでこれらにつきましては、こういう非常に大きなプロジェクトですから、新しい構想でこれは考えていかなければならぬのじゃないか。こういう点につきましても財源の問題とあわせて、今後私どものほうでも検討いたしてまいりたいと思っておりますし、各党もそれぞれお考えいただいて、何とか工事がスムーズにいくようなことをやっていかなければならぬのじゃないか、かように考えておる次第でございます。
○岡三郎君 私はここで運輸大臣に――建設大臣にも、総理にも言いたかったのですが、建設大臣もおりませんが、何といっても公共事業という問題について一番阻害になっているのは、土地問題です。土地対策です。これが最も日本のいまの政治の中においてはおくれている。ここまで押し迫ってきてしまうと、なかなかいい手はないといっても、少なくとも地価公示法というものができて、都市中心の地価を何とか抑制しようというふうな形になってきておるけれども、それに要する費用なんというものについては微々たるものだ。根本がなされてなくて、その上にでかい計画をやるというのですから、これは政治からいえば劣悪、愚弄なものだと、私は思うのです。むずかしいことはよくわかります。土地取得というものは口で言うほどそう簡単でないことはわかるにしても、かりにまあ先行取得というものをどの程度確立しなければならぬのか。つまり先買い権というものについては、国が公共的に国民のために仕事をするという場合において、そういうものを一体どういうふうに位置づけるのか。あるいは税制面の中において、土地を売る場合あるいは取得する場合、最近におけるように、税制の改正によって、億万長者が不動産関係の売買によってつくられてきているというふうな問題も現実的にあると思うのです。だから、この新幹線整備をする場合においても、住宅の問題ともかかわり合いがありまするが、土地取得という問題と土地対策、こういうものをひとつ政府全体として裏づけとしての事業としてこれを確立するということでなければ、いまの価格というもので想定した、いわゆる資金というものが五年足らずにまた変わってこざるを得ない。ましてや、もう十年たてば、いまの経済現象からいえば、予算というものが非常にくずれてしまうのではないか。そういうことを考えていった場合に、新幹線が着工し、政府のほうの資金がなかなか思うように追いつかないというふうな形になってくれば、国鉄全体に対する影響というものが私は出る心配があると思う。そういうふうな点で、土地の対策なりあるいは土地の先行取得なり、こういう問題についての裏づけというものを、運輸省自体が抜本的にひとつ大蔵省なり建設省と話をしてやらない限りにおいては、これは膨大な予算の上に、さらに水増しになってくるという心配がある。その点についての決意をお伺いしたい。
○国務大臣(橋本登美三郎君) お話のとおりに、最近の土地の高騰ぶりは、まあ目をみはるものがあるばかりでなく、はなはだ遺憾であります、公共事業を進める上において。そこで、今度の法律の中にもありまするが、これらの仕事については、地方公共団体の協力を得るということが一つありますのみならず、いまお話があったように、やはり土地の先取り、先買い権、これはまあ制度としてつくることを――鉄建公団のように建設を本来の業務とするようなところなどは、ある程度、三年なり五年なりの先を見越して土地を買う制度をひとつ考えてみたい。また一方において、地方の公共団体、県なりその他の団体に開発公社などがありますからして、それらの手を通じてそういうような土地の先買いをやってもらう。その場合には、まあ先買いで買っておくわけですから、その利子をどうするかという問題もあると思います。それらを含めて、やはり事業が行き詰まらないような方法として、それらの点を総合的に検討して、ぜひ実現したいと思っております。
○岡三郎君 それではもう一点。財政的に見て、国鉄財政全般から見て在来線に対する影響が絶対ないように、つまり現実の過密地域におけるところの輸送力の増強、こういう問題は、いい悪いは別にしても、完全にこの問題の打開ということがなされなければならない。しかし、国鉄の収入が減ってきている、あるいは思うように伸びていかない、そういうふうな中において、ややもすれば、やはり国鉄再建というふうな形で改良事業というものが遂行されていかなければならぬということの現状というものが出てくると私は心配するわけです。そういうふうな点で、国鉄の現在の十カ年計画というものを、ひとつ有終の美を飾らして、これを完全に遂行するということが明確になって、新幹線も別個の予算でやるというような形の、何というか、運輸大臣の決意というか、そういう点についてひとつ明確にお伺いしておきたい。つまり、在来線に対するいろいろな改良事業、あるいは輸送力の増強事業という問題について、将来の予算あるいは資金というものを展望して、いろいろな問題が出てくる心配が私はあると思うのです。その中においても、やはりそういうふうな面における仕事というものは、ひとつ修正をあまりしないで、当初の方針に沿ったところの遂行をわれわれは自信を持ってやるのだという形の決意をお伺いしたいのです。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 国鉄再建十カ年計画というのは、国鉄にとっても背水の陣でありますから、これはわれわれも極力守ってやらなければならぬという責任を感じます。したがって、国鉄の在来線の改良と整備について、新幹線が悪影響を及ぼさないように、全力を尽くしてこの点については財源措置を考えていきたい、こういうように考えております。
○岡三郎君 これで終わりますが、最終的に国鉄と鉄建公団と割り振ると言っておりますね。一体そういうふうな内訳というものをどう考えているのか。鉄建公団と国鉄でやらせるのだ。鉄建公団はほかのほうの仕事ももちろんあるわけですから、国鉄は国鉄としてあるわけですから、そういうものについて任務分担とか、そういうふうなものはあらかじめ想定しておりますか。
○政府委員(町田直君) まだ具体的に、どういう基準でどういうふうに分けるかということはきめておりませんけれども、この法律が成立いたしました段階で十分考えたいと思っております、ただ、やはり大体こういう非常に大きなプロジェクトでございますから、国鉄、鉄建公団の持っております技術、能力なり、そういうものの総力をあげてやるということが必要でございますので、そういう意味におきましては、両者で行なうということが必要ではないか。そこで、それじゃ具体的にということになりますと、いわば非常に鉄建公団として最も施行するのに適切である路線地域、それから国鉄が行なうのに適切である地域、こういうものがおのずからあり得ると思います。たとえば、非常に先ほどから御議論の出ました都心に近い駅付近、こういうようなものは国鉄が本来その施設を十分に持っておりますので、そういうものとの関連におきまして国鉄が考えたほうが適切なんではないか、こういうふうなこともございます。そういう点も十分勘案いたしまして、場合によりますと、一つの路線でも地域を限って両者で実施していただくということもあるのではないかというふうに考えている次第であります。
○森中守義君 昨年、国鉄の再建案を審議する際に、いまの陸、海、空というような交通政策というものを総合的にもう一回洗い直す必要がある、こういうことがこの委員会でも議論され、そこで、昨年提案されていた設置法の改正ですね、つまり、当時の原田運輸大臣は、長期にわたる総合的な交通政策の確立の必要があるから、設置法三十八条を変えて運輸政策審議会、こういうものをつくりたい、ここで全体を洗い直す、こういう答弁をしているのです。むろん、昨年設置法が成立しないで今回やっと成立を見たのですが、今回の、いま出されている議員立法という、そういう中身ではないのですけれども、大体構想としてどういうことなのか。いきなり新幹線の議員立法が出てくる。片や、国鉄は再建案を運輸省に示して大臣承認を求める。これはこれで進んでいる。しかも、片や、設置法三十八条、これによる政策審議会がいまから動き出そうとする。この辺に私は、交通政策の総合性ということが何かばらばら過ぎるのじゃないかというような気がしてしようがないんですね。だから、そういう意味では、今回出されている新幹線法案というものが時宜に適しているかどうか、かなり問題があるように思うんですよ。しかも、新全総との関係もにらみをつけなければいけない。中枢管理機能として仙台から福岡までを、この問題をどう扱うのかというようなことまでも、昨年はいろいろ議論の結果、すべては運輸政策審議会に全部集中して、その集約された中で一つの方向を出しますというのが、去年の実は政府側の答弁であったわけです。答弁は守られない、いきなり新幹線が出てくる、国鉄ははたして財政再建が十カ年計画にわたって見通しがあるのかないのか、その辺のことも明らかではない。政策審議会は動こうとしない。こういうことが、法案を審議する側にとりますと、何か政府においてひとつも一体的なものになっていないのじゃないか、こういう気がしてしようがないのですね。しかも、先ほど来いろいろ御意見があるように、磯崎総裁をはじめ国鉄の首脳者も今回のこの議員立法になかなか関心をお持ちになっている。しかし、背景はどうであろうと、表向きは、国鉄は無関係の法案ですよ、これは。無関係。実際の成案を得る過程ではいろいろ相談もあったでしょうけれども、本来なら、こういうのは国鉄なりあるいは運輸省から出るべき筋のものじゃないか、こういうような気もするのですね。ですから、運輸大臣、これはどうするんですか。次から次にぼんぼんと出されてくる。しかも、政策審議会というのは一人歩きをしたけれども中身はない。そのたびごとに、ああでもないこうでもないというのじゃ、ちょっと私は長期にわたる政策展望という点において欠けるのじゃないかというような気がするのですよ。それも、昨年、前大臣のとき、そういうお答えが出ておらなければいい。きちっと約束されている。海上交通、陸上交通、あるいは航空も、しかも国鉄も、全体的に洗い直すために政策審議会をつくります、これで集中、集約するという、こういう実は約束があったのですがね。その辺に私は、この新幹線は議員立法ですからそこまであなた方に言うのは少しどうかと思うんですけれども、政府側におけるそういう政策の一元化あるいは洗い直すべきこういうものをどういうふうに考えておられるか、これだけひとつお尋ねしておきたい。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 運輸政策審議会の仕事は、前大臣が申しましたように、運輸交通の長期にわたっての総合体系をまず考えていきたい、こういうところが主たるねらいではあるわけであります。しかし、それにいたしましても、すでに御承知のように、いわゆる自道車幹線道路網ですか、こういうものも議員立法で決定をされております。今回は新幹線鉄道網というものが御決定を願うことになるわけでありますが、言うなれば、それらのものがある意味においてはばらばらだとおしかりを受けるような状態であることは、私もこれを否定いたしません。しかしながら、ばらばらであるから、今日どうしても総合政策を立てなくちゃならぬという裏づけにもなるわけであります。
 そこで、今度の運輸政策審議会の委員の中には、道路関係のベテランの方にも審議委員に入ってもらいます。もちろん、航空関係の方にも入ってもらう、海運関係といいましょうか、そういうような交通に関係のあるベテランの方にはぜひこれに参加をしてもらうということで、鉄道、道路及び航空、港湾、こういう関係者を網羅したもので、そこでひとつ総合的なものを考えてもらう。この鉄道新幹線との関係ですが、もちろん、法律的にはこの点明確にはしておりませんけれども、一応運輸大臣が基本計画をつくるということになっておりますから、したがって、その全体の基本計画をつくるようなやり方をするか、部分的な基本計画をつくるか、実際の問題としては部分的な基本計画ということになるだろうと思うのですけれども、しかし、長期的な展望のもとに部分的な計画をつくるということになりましょう。そういう基本計画をつくった場合に、これは運輸大臣の諮問機関でありますから、したがって、そういうものも私は運輸政策審議会にかけていいのではないか。そういう総合体系を、やはり今後のものはその運輸政策審議会において大綱をだんだんと示してもらう。あるいは空港計画にいたしましても、これも今度は特別会計ということで、将来、空港の整備は必要であるというので特別会計になりましたから、これらの空港計画というものも、やはりこの審議会で全体の交通網の関係から見てどうあるべきか、こういうようなことも諮問をいたしたいと思っております。あるいは内航海運、これにつきましても、港の整備等を現状のものを整備するだけでいいのか、もちろんそれだけじゃ済みませんけれども、新しいいわゆる港湾を整備する場合も、こういう全体の陸上交通網との関係をにらみ合わせながら、ひとつ総合体系として、むだな社会資本の投資にならぬようなものの考え方をやっていく、こういうことをやっていきたいと思います。同時にまた、情報化社会の時代でありますから、これらの総合体系をどうして有機的に動かしていくか、システマタイズすることがどういう必要があるか、こういう点もやはり長期展望の上では考えていかなければならぬ。それから貨物にいたしましても、コンテナ化がどういうぐあいに進んでいくのか、あるいは旅客というものにどのくらい飛行機が利用され、あるいは新幹線が利用され、あるいは特急が利用されるか、こういうようないろいろの点を考える必要があると思いますので、その意味で運輸政策審議会の役割りはなお重要である、かように考えているわけであります。
○鈴木強君 いまの森中委員の御質問は私もぜひ伺いたかった点でありますが、きわめて、これから何十年先を見通しての計画だと思うわけです。ですから、高速自動車道の法律案が国会へ提案された当時の状況とは、私は違うと思います。少なくともあの法律に基づいて、高速自動車道がどんどんと建設されてまいります。と同時に、また航空面におきましても、長期見通しに立ってそれぞれの国内航路というものが決定をされてまいるわけですし、そういう中で、一体、国鉄がこういう新幹線をつくっていった場合に、総合的な日本の通信網、交通網というものとの関連でどういう位置づけになるかということを、私はもっと的確に把握して、いまわれわれが審議をする段階で、これらの見通しはどうかということが知りたいわけですけれども、その御説明がないわけです。いまコンピューターの時代ですから、一体、二十年先の国鉄の理想像というのはどうなっているのか、新全総との関係で過密、過疎の関係はどうなっているのか、あるいは日本の産業がどういうふうに位置づけされて、どこにどういうふうな産業都市が出ていくのか、こういうふうな幾つもの、われわれが納得できるような資料というのは出してほしいと思うわけですね。そういう点は、提案者はどう考えていますか。非常にわれわれは、その点について確信が持てないのですね、一つは。
○衆議院議員(細田吉藏君) この新幹線鉄道につきまして、いまおっしゃいまするように、こまかいところまで全部計算をして、その上でこれを出すということはもちろんいいことであるに違いございません。しかし、私どもこの法案を提案するに至りましたのは、もう少し大きく、何といいましょうか、マクロ的に見て、こういうものが日本の経済の全体の今後の伸びから見て必要なんだと、こういうことで、それでは大ざっぱ過ぎるじゃないかというおしかりを受けるかもしれませんが、そういう大局から見てこういうものが必要であると、新全総もこれは提唱しておるところでございますので、新全総の中には数字の裏づけはみんな出ておるわけですが、そういうことで新幹線というものは、いままでですと、ただ既設線路の増強として東海道新幹線が出た、さらに引き続いて山陽新幹線が出た、そこまででとまっておるわけでありまして、これからどうしようかということはいままでないわけでございます。そこで、そういうことではなくて、新幹線を網として、日本の交通機関の中に、いままでの東海道、山陽に加えて網としての新幹線というものを登場させよう、こういうのが結局この法案の一番大きな趣旨でございます。そういうことでございますので、いろいろ御不満な点はあると思います。私どももこまかくいろいろやらなければならぬと思いますが、そこで、そういう点もございますので、実はこの法案から付表等も除くと、最終的にはそういうことにいたしたわけでございまして、ことしも実は運輸省、国鉄、鉄建公団、それぞれ調査費もつけておりますが、これが通りました暁におきましては、政府におきましてこれの必要性、緊急度、そういうものにつきまして将来の経済の発展その他と見合って、またさらに道路なり、港湾なり、そういうものと見合って、どういうふうにすべきかということをいろいろやってもらいたいと、そういうことでございます。本来、これが出る前にそういうことがあってしかるべきじゃないかという御意見、わかりますが、現在そこまでいたしておらない。そういう趣旨でこの法案を提案いたしたわけでございます。今後そういう方向で、具体的に基本計画をきめるときにはかっちりしたものできめていく、そうしてそれの財源をどうするかというかっこうにいこう、こういうわけでございます。
○鈴木強君 私も一国の政治、経済、文化、産業、すべて通信あるいは交通にかかってくると思うのですよ。ですから、その政治的な立場をもってになう鉄道なり通信というものに先行投資をしていくということは、これは大事なことですから、そのことは私は否定しませんし、むしろ推進をしなければならぬことだと思っておりますから、この法律のねらうところは賛成なんです。賛成なんだが、いまもいろいろお話があるように、国鉄がいま非常に財政的に困難な立場に立っているときに、このような無理難題が出てきて、皆さんは十カ年計画には絶対に影響ないと、こう言えるのですか。そういう点をわれわれは心配するわけです。財政再建十カ年計画それ自体も、国鉄の内部にも、もうこれは非常にむずかしいという意見すらあるときですから、少なくともそういう重荷をさらに国鉄に負わしていったらどうなるかという、そういう実は心配も一つ私はあるわけですよ。だからして、もう少し政治的にもわれわれが納得のいく、国民も納得できるような形のものにしてほしいと思うのだけれども、しかし、細田代議士もおっしゃるように、それはやるべきことだけれどもなかなかできないと、今後基本計画なり整備計画なりあるいは実施計画の中でちゃんとやっていきたいということですから、これは一つろ過するところがありますからいいようなものですけれども、しかし、それにしても、もう少しわれわれは――国鉄再建十カ年計画の中で、たとえば赤字線をなくするとか、小さい駅を無人化するとか、手荷物、小荷物を扱わないとか、そういう問題が出てきているのですよ。そのためには、いまそういう関係の地域からは県会議員もあるいは知事も、市長も、市会議長も議員も、全部が超党派でけしからぬと言って、大陳情をいま展開しているじゃないですか。そういうやさきですから、われわれはなおさらそういう問題が大きな負担にならないかということを心配するわけです。だから、絶対その点は、提案者としてはしないのだということをはっきり明言できますか。
○衆議院議員(細田吉藏君) 先ほどもお答えしたのでございますが、国鉄の再建十カ年計画というのは、いま収入の減少なり経費の増大なりで非常に難航していることは鈴木先生御承知のとおりでございます。新幹線のこの問題がなくても難航している。先行きどうなるかということについて、非常にむずかしい問題に当面しておるというわけでございます。そういう状況でございますから、新幹線を新たに――山陽新幹線は別でごさいます、山陽新幹線は入っております――新たに新幹線を加えて、さらに十カ年計画の達成を悪くするということは考えられない。むしろ、この法律ができることによってより明確になって、在来の新幹線は十カ年計画には入っておると、これは別個に考えるのだということが、この法律ができることによってより明白になるとさえ私たちは考えておるわけでございます。ですから、新幹線を、山陽新幹線以外の新幹線を加えて、十カ年計画がそうでなくてもアップアップして、できるかできぬかまあ非常にむずかしいところに新幹線を入れてそれに影響を及ぼすがごときことはまあ絶対にしないし、また、できもしないのじゃないか。ですから、この法律をつくることによって、これは別に財源をちゃんとつくるということで、むしろ法律をつくっておくということが、在来のものに関係がなくなる、いままでのような、線増と同じようなかっこうでずるずると入ったんじゃ、かえって影響がある、こういうことも言い得るのではなかろうかと考えておるわけでございます。御趣旨のように、影響させない、こういうことでございます。
○鈴木強君 まああなたは自民党の代議士の一人でもあるわけですし、ですから、提案者としてもそういうき然たる態度を持っておられることはけっこうです。私はそれでぜひがんばってもらいたいと思うのですが、ただ、言うはやすく行なうはかたしですね。今後十年、二十年先には一体どうなるかということについて、お互い生ある者は、将来を論ずる場合によほど考えてしゃべっておかないと問題があると私は思うのです。そういう意味で、時代が変わっても人がかわってもこの計画は間違いなく進んでいくのだという、その保証をわれわれはつくっておかなければいけないと思うのですね。
 そこで、十二条の、これは条文でちょっとお尋ねしたいのですけれども、この新幹線は、建設の営業主体が国鉄と日本鉄道建設公団と、こうあるわけですね、あるいは委任を受けた者と。そこで、私は、この点は運輸大臣にも伺ったんですけれども、はっきりしておいていただきたい。行政監理委員会から荒木長官に対して、この鉄建公団というものは、出資が、国鉄が過半数に達するような現状で、新線建設に国鉄の負担を軽減するという趣旨でつくられたにかかわらず、現在までその趣旨がなされておらない、したがって、政府出資を飛躍的に増大して国鉄の負担を軽減しない限りは廃止しろという意見が出ておる。これは細田さんも御存じだと思う。そういう中で、一体、この鉄建公団への出資を見ても、さっき私も申し上げましたが、昭和四十四年十二月二十六日、私がいただいたこの資料によりますと、政府出資が三百十一億、国鉄の現金出資が三百八十九億、現物出資が百七十一億、ですから約五百五十億以上になっておるわけですね。一体、この九千キロ、十一兆というものをどういうふうに配分していくのか。さっき岡委員の御質問でまだはっきりお答えがないようですけれども、それはまあそれで今後やっていただくとしても、提案者として、おおよその比率ですね、九千キロのうちどの程度を国鉄が、どの程度を鉄建公団が、その他の委任を受けた者がどの程度をやるかというような一つの線は持っておられるものかどうか。
 それからもう一つは、あなたのいまの発言からいうと、今後国鉄に負担をかけないという立場に立てば、鉄建公団への出資というものはすべて国が出すと言うのですか、今後。そういうことが明言できますか。できれば、私はあなたの発言というものはりっぱに生きてくると思う。どうですか。
○衆議院議員(細田吉藏君) 鉄道建設公団について、まあ私が答弁することが適当かどうかわかりませんが、私の多少私見も入るかもしれませんが、鉄道建設公団の資金のうちで政府出資、つまり利息のつかない金で政府がめんどうを見ます金というものの比率がもっとふえなければ鉄道建設公団ができた趣旨がほんとうに生かされないと私ども率直に思っております。ただし、全部が全部そうでなければならないというふうには考えておりません。ということは、鉄道建設公団も、何といいましょうか、言い方が変ですが、いわゆる赤字線という名の線ではなくとも、現実に、すぐにではなくても収益が大いにあがる、国鉄黒字の部面になるというような線もあるわけでございます。また、幹線の増強、幹線の改良といいましょうか、あるいは輸送力増強になるというような線もあるわけでございます。そりいり点につきましては、これはやはり一つの利息のつく金で建設公団がやりましても、これは当然それでいいことであって、国有鉄道のほうはそれはプラスになる。しかし、全体としていいまして、いまの政府出資では建設公団のできた趣旨が十分に生かされておらない。この点は私ども毎年予算の編成のつど強く主張しておるところでございまして、さように考えております。しかし、全部が全部政府出資でなければいかぬというものではないと考えております。
○鈴木強君 私は全部出資を国がしなければならぬということを言っているわけじゃないんです。いま現在国が三百十一億やっておりますから、ですから、全部が全部国において出資をしなければいかぬ、国が全部出せと言っているわけでもない。比率を見ると、三百億対五百五十億というふうになっているから、これでは設立の趣旨には沿わないんじゃないか、だからこれは廃止しろという名ざしで勧告があるんですね、これは迫られているわけです。だから、少なくとも、現状よりも政府出資というものをどんどんふやして、そしてやらなければだめだ、これは四十四年のですから、多少数字は違うかもしれません、私は四十四年で言っているわけだ。いずれにしても、今後、国鉄出資をすぐ引き上げろということを私は言うわけじゃないんですよ。今後、少なくとも、この新幹線網を建設をしていく場合に、絶対数というものはやはり国鉄、国の出資を多くしてやらなければもう鉄建公団自体も廃止の運命にきているし、これは命を全うさせるにはどうしてもそういう措置をしなければならぬでしょう。もう廃止しろというものを使って新幹線をつくるというから、私はそれを聞いているわけです。廃止しなければならぬものなら、もっと金を出して生き生きとしてりっぱな仕事ができるような措置をやる、設立の目的に沿うような措置をやってもらって、それから鉄建公団がんばれと言わなければ、もうやめろというようなものがどうして協力できるんですか。そういり意味においてもっと私は考慮すべきであると思う、こういうふうに考えるんです。これは総裁が答弁すべきものじゃない、大臣から――この前、私、意見を言いましたけれども、国がもっと金を出さなければだめですよ。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 鈴木さんがおっしゃるとおり、行政監理委員会の勧告があります。もっともな勧告だと思うんですね。鉄建公団をつくったことは、安い鉄道を国鉄にやらして、そして独立採算制をやらせろ、こういうふうな非常に明快な意見であります。そこで、独立採算制ということをどう考えるかという問題もあります。たとえば日本は、数字によりますと、一人当たりの一キロの運賃は二円九十六銭、一キロトン当たりの貨物運賃が三円九十六銭、それと、日本と大体国情の似ているイタリアと比べますと、イタリアのほうは一人当たりの運賃一キロが四円十二銭、貨物が六円二銭であります。こういうような大体の運賃の差もあります。そこで、独立採算制を原則として国鉄に求める場合は、やはり国鉄が独立採算制のできるような適正な運賃が必要であるということ。もしそれが国家要請のもとにおいていろんな点で適正な料金ができない――たとえば適正料金というのが、いまでいうところの通勤料金は大体コストを四割切っておる、通学運賃に至ってはコストを七割ぐらい切っている。こういう状態はだれが負担するのだ、学校が負担するのか、あるいは地方公共団体、あるいは国が負担するのか、こういう問題もあります。あるいは赤字線廃止の問題もあります。この赤字線の廃止の問題が出ておりますが、地方の産業開発なり文化開発の責任は国鉄がとらなければいかぬのかどうか、あるいは地方公共団体が持つのか、あるいは国と一緒になって公共団体が地方の産業開発なり文化開発の責任を負うのか、国鉄が負うべき責任の問題であるのか、こういう問題があるわけです。そういういろいろの観点からやはりいろいろ考えて、いま競争原理に国鉄が立たされておるわけです。かつての国営時代とは違いまして、官営時代といいますか、省営時代と違いまして、企業体として独立採算制を求められておる。その独立採算制を求められておるなれば、いわゆる投下資本と、それに必要な経費とがアンバランスであってはいけないわけです。それはアンバランスの原因がどこにあるのか、いま言ったようないわゆる特別なコストを運賃なりそういうものによって無理じいされているなれば、それらはだれかが持たなければならぬ。国が持つか、地方の場合においては地方公共団体が持つか、そういうようないろいろな問題がかみ合わさっておるわけであります。こういう点から考えて、やはり独立採算制をきめるというのでなければならぬのでありますから、したがって、行政監理委員会の言っておることは、原則論として私は正しいと思います。
 そういう意味において、これは先ほど鈴木さんがおっしゃったように、四十四年度の実績に伴っておるわけでありますから、四十五年度におきましては、そういう観点からまあ十分じゃありませんけれども、初めて国鉄に対して本年度一般会計から百十五億円の金を出しております。これでも少ない。また、鉄道建設公団に対してもっとやはり国なり、あるいは地方公共団体なりが出資する道を考えなくちゃいかぬ、いまは国が出資しておりますけれども。いま言ったぐあいに、ほんとうの過疎地帯の文化の開発、産業開発というものは何も鉄建公団の責任じゃない、国、地方公共団体の責任である。こういうきめのこまかいものの考え方をしてやらないと、それはなかなか十カ年計画で――再建計画はやれるということで認めて、やらせるようにいたしますけれども、それにしても、その間においてそれらのことを考えなければ、あるいは従業員のいわゆる収入を押えつけてやっていくなんというわけにはいかない。やはり国鉄の従業員にいたしましても一般社会人でありますからして、適当なるペースアップも必要でありますからして、いやしくも全体のにらみ合わせから考えて、そのような施策をとってこそ初めて鉄道建設公団の意義もある。あまり強く言うと大蔵省にしかられるかもしれませんけれども、運輸大臣としてはそういう考え方のもとに強く推進していく、そういう強い決心を持っておるわけであります。
○鈴木強君 もう時間がないから私はこれで終わりますけれども、あなたは運輸大臣であると同時に国務大臣ですから、しかも、その設立の趣旨がそういうところにあった以上は、大蔵省が何と言おうと、やはり主管大臣としては当然、主張するのが正しいのでありまして、何もあっちを向いたりこっちを向いたりして遠慮する必要はない。これは設立の目的に反するようなことをやっておるから、自分がつくった死にかけている子にでっかい仕事をさせるというから聞いているので、そういう点をちゃんとはっきりして――なるほど、鉄建公団はいろいろな汚職があったりして、私もここで質問したわけですが、そういうことはそれとして、再びないようにしてもらう、そうして新幹線網の建設に大いに努力するというやはり体制をつくってやらなければだめだと思うのです。だから、そういう意味で私は伺ったので、いまの大臣の御発言もありますし、また、提案者も自民党の方ですから、与党ですから、そのときの政権をゆさぶれるわけだから、おそらくちゃんとしてくれるだろうということを期待しております。
 それからもう一つ、十二条の、他人の土地の立ち入りまたは一時使用のことですが、これは個人の固有の占有権とかあるいは所有権を侵害する面にわたるようなところが十二条にありまして、それには罰則まで書いてあるのですけれども、一番大事な立ち入りとかあるいは一時使用によって損失を受けるものに対する損失補償、この点が何を基準にしてやるのか、何とかを準用すると書いてあるわけですけれども、よくわかりませんから、一体この基準というのはだれがつくって、どういうものをおさしなのか、その点をひとつ明らかにしておいていただきたい。
○衆議院議員(細田吉藏君) たいへん恐縮ですが、法制局のほうから御答弁させていただきたいと思います。
○衆議院法制局参事(河村次郎君) 他人の土地の立ち入りまたは一時使用によりましてその土地の所有者または占有者に損失を与えた場合には、十二条の八項で、十一条の二項から四項までの規定を準用いたしまして損失補償の規定を置いているわけでございますが、これはたとえば、自分が使用しようという場合に、一時使用によってその妨げを受けるというような場合に、経済的な損失が生ずればそれを補償しようということでございまして、個々具体的にケース・バイ・ケースでございまして、その立ち入りとか一時使用によりまして経済的な損失が所有者または占有者に生ずれば、その通常生ずる損失を補償するという趣旨でございます。
○鈴木強君 それはわかっているんです。ただ補償の基準ですね。ケース・バイ・ケースというのだが、これはかなり一方的に、通知を場合によったらしなくても入ってもいいという強権発動みたいなものですからね。だから、個人の持っております固有の権利というものを侵害していく場合ですから、これは拒否権がないように書いてある。土地の取得とか使用については確かにむずかしい点があります、岡委員のおっしゃったように。ですから、私どももやはり公共的な施設であれば、むしろその住民の方々もそれを一応理解をして、支障ない限りは協力をしてほしいと、こう思います。しかし、時と場合によっては、こういう法律が出ておりますと、これをたてにして、大体お役人というのはやる癖があるから、何を言ってるんだというようなやはり態度にならぬとも限らない。ですから、私はそれをおそれるのですね。だから、普通の場合には、これでもうお互いに理解し合えば納得してもらえるようになると思うのですけれども、どうかすると、そういうような高圧的な態度に出てくるということになっては困るので、そういう場合にだれが一体、ケース・バイ・ケースであるけれども、損失補償の認定をやるのかということをはっきりとしてもらいたい。
○衆議院法制局参事(河村次郎君) ただいま申し上げましたが、損失補償につきましては十一条の二項から四項までの規定を準用いたしておるわけでございます。それで、原則といたしましては、建設主体とそれから損失を受けた者とが協議をいたしまして、どういう損失があったかということで協議がととのいますれば、そこで損失額がきまるわけでございます。それから協議がととのわない場合には、政令で定める手続によりまして、土地収用委員会に提訴いたしまして、その裁決によって補償額をきめてもらうということになっております。
○鈴木強君 わかりました。これで終わります。
○瀬谷英行君 鈴木さんの質問にちょっと関連するのですが、独立採算制についてちょっと疑念を持たれるようなことを先ほど言われましたが、提案者としては、国鉄の独立採算制というものをたてまえとするということであっては、財政再建十カ年計画も無理だし、新幹線も無理だと思う。だから、そういう点は全く新たな見地に立ってこの新幹線計画を進めるものである、独立採算制にはこだわらないのだというように確認してもよろしいですか、その点……。
○衆議院議員(細田吉藏君) 大体おっしゃることを私申し上げていると思いますが、ことばが少し違いますので、再建十カ年計画はこの新幹線の計画によってこれから新しくやる。山陽新幹線は別です。新しくやる新幹線によって影響させない、こういうことでございます。
○田代富士男君 昼食も抜いてやっていらっしゃるのですから、まことになんですが、できるだけ重複を省きまして、あと四点か五点だけ質問したいと思いますから、よろしくお願いいたします。
 午前中に、佐藤総理に将来の国鉄のビジョンについてお尋ねいたしましたが、もうちょっと具体的な問題をこちらから提供いたしまして、それに対してどのように取り組んでいかれるのか、その問題点をただしたいと思います。
 日本の経済社会の発展に即応いたしまして国鉄としてもいろいろ考えていらっしゃると思いますが、第一番目には貨物輸送の近代化、けさもちょっと出ておりましたが。第二番目の問題は都市間交通の問題。第三番目の問題は大都市の通勤対策でございます。この三つの点を取り上げまして今後どのように対処していくか、お聞かせ願いたいと思います。
○説明員(磯崎叡君) ただいま御質問の、今後の国鉄が分担すべき輸送における役割りは、まず第一に貨物輸送であります。これは最近、ごらんのとおりだいぶコンテナ化も進みまして、また、フレートライナー化も進んでまいりました。私どもといたしましては、船舶あるいはトラックとの協同輸送を円滑にいたしまして、なるべくコストの安い、しかも正確な輸送をしていきたいということを考えております。大体もう最低の線を出しまして、少し貨物輸送は上向きになりつつありますので、今後ともこの傾向を続けてまいりたいと思っております。輸送機具の整備あるいはターミナルの整備等について全力をあげてやってみたいと思います。
 それから、その次の都市間輸送でございますが、これはいま新幹線でやっておりますような方式によりまして、都市と都市の間をなるべく高速で結ぶということでございます。今後、山陽新幹線ができますれば、たとえば大阪−博多間を三時間か三時間半、あるいは、きょうの法案ができますれば、それぞれの地域につきまして、大体東京、大阪を中心として全国の主要都市から三時間、一日行動圏内で交通できるようにしたい。これが都市間輸送の目標でございます。
 それから第三番目の、大都市の通勤輸送は、もうすでに東京で、目の前でごらんになっておりますように、相当現在進捗いたしております。また、大阪のほうもかすかながらやっておりますが、これは今後私どもとしては約三兆七千億の中の六千億ぐらい使って、そして大都市通勤輸送をやっていきたいと思っております。大体軌道に乗って進んでおるつもりでございます。
○田代富士男君 いまの貨物輸送の近代化の問題ですが、いま安いコストに切りかえて現在では上向きの状態であると、まことにけっこうなことじゃないかと思いますが、ここで自動車との競合の問題も朝も申しておりましたが、何か運賃面で見ますと、五十キロまでの間は、近距離を除いたならば鉄道のほうがトラックよりもずっと安くなっている。ところが、いま上向きになったとおっしゃいますが、貨物全体の絶対量からするならば依然として料金が安いにもかかわらずどんどんと自動車に取られていっているという、この面に対して、いまコストを安くして上向きだと言われますけれども、それは過去の実績から上向いただけでございまして、貨物全体の実績からいったならば、これはまだそれだけではちょっと対策が足りないじゃないかと思うのですが、この点はいかがでございましょう。
○説明員(磯崎叡君) 確かに仰せのとおりでありまして、国の経済がこれほど伸びているのに、国鉄貨物輸送はそれほど伸びないという点は、これは施策の足らない点だと私思っております。ただ、運賃だけの面でなかなか競争できませんので、トラックにつきましては私どもの知らないようないろいろな事情がございまして、必ずしも民間運賃、料金どおりとはいってないようであります。また、からの便等につきましては相当安く行なわれているような事情で、運賃だけで競争することはなかなかむずかしい点もあり、しかし、やはり要するに速度とサービスということが第一だと思うのです。最近はトラックもやはり運転手の獲得難で現在相当私どものフレートライナーにトラックのほうから依頼がございまして、トラック貨物が現在東海道に乗っておるような実情もございます。しかし、全般として見ますれば、やはりトラック輸送の伸びが大きい。ことに自家用トラックの伸びが非常に大きいということに対しまして、もっときめのこまかい営業政策をやってまいりたいというふうに考えております。
○田代富士男君 それからまあ新幹線の問題が出ております。確かに東海道新幹線は国鉄斜陽論を一度に吹き飛ばしたような状態じゃないかと思います。いま山陽新幹線が博多まで建設されております。ところが、全国を網羅する新幹線網が達成された暁にはどうなるのかと、いまいろいろ問題が提起されておりますが、東海道新幹線が成功したから他の新幹線も成功すると、こういう甘い考えは当局はないと思うのですが、確かにいまの既設の国鉄の路線の営業係数からいきましても、東海道線は営業係数は黒でございますから、当然それに見合う東海道新幹線であるならば黒になりましょうし、あるいは岡山、広島を経まして福岡まで参ります新幹線も、これは山陽新幹線と現在の既設の山陽線と見合わしましても、これは黒になるのではないかという見通しですが、だから、今後日本の人口の移動といいますか、この人口の移動は都市部に対しまして約八〇%以上の移動が見込まれておる、こういうような予測がされます。で、この都市部に対しまして八〇%の移動がなされますと、その都市部というのが全国いろいろな都市部があります。今回の法案の中には、中核都市とかいろいろ出ております。中核都市の定義についてもいろいろ論議されております。こういう問題は省きますけれども、その八〇%都市部に集まる中で、そのうちの七〇%が東京中心あるいは横浜中心の京浜地方、それから名古屋中心の中京、それから大阪中心の京阪神、おもにこの辺に集中するということになりますれば、この新幹線を敷いた場合のまあ営業係数といいますか、こういう面の見通しというものがどの程度に立っていくのやら、いまのところでは、いまの既設線とは違うのだという提案者の細田さんからもいろいろ話があっておりますけれども、まだ見込みを立てろと言っても見込みが立たないかと思いますが、見込みが立たないでそういう計画を立てるわけにはいかないのですが、ほぼそういう見込みを現段階においてどのくらい見込んでいらっしゃいますか、おわかりになるならば、御説明をいただきたい。
○説明員(磯崎叡君) 東海道につきましては、いまのお話のとおり、非常に営業係数がよろしゅうございますが、これが岡山に延び、博多に延びますと多少落ちていく、これはお説のとおりでございます。
 問題は、今後この法律でもってつくってまいります新幹線がどの程度の営業係数かということが非常に大きな問題がございますが、一番よく考えられる二つ問題があると私は思います。一つは、利子の問題でございます。どのくらい利子のない金で、いわゆる先ほど来いろいろ拝聴いたしておりますが、たとえば税金とか、とにかく利子のない金でどのくらい建設していただけるか、これが第一点。もう一つは、いまのお話の中でありましたように、一体輸送の需要がどのくらいあるかという問題でございます。この二つの面から攻めてまいりますと、昨日、瀬谷先生に御答弁申し上げましたように、私のほうでは、四千キロ程度のものにつきましては、新幹線自体は大体三年ないし五年たてば黒になります。これは利子の問題に限らず、非常に省力化された鉄道でございますから、新幹線だけは黒になりますが、いまのお話のとおり在来線が赤になります。その在来線の赤を補てんする意味で、大体四千キロまでについては半分、利子の半分ないし三分の二、それぐらいを補給していただきたいと思いますが、もっと簡単に申しますれば、半分ないし三分の二ぐらいの利子のつかない金で建設させていただきますれば、四千キロぐらいは現在線の赤をカバーできるというふうな、これはきわめてラフな計算でございますがいたしております。それからあとにつきましては、いまのお話のとおり、今後どういうふうに人口が移動するか、どういうふうに産業が移動するか、ちょっと見当がつきませんので、いまのところ残りの半分につきましては、これは見当がむずかしゅうございます。初め着手するというこの四千キロぐらいにつきましては、大体半分ないし三分の二ぐらいの無利子の金ならば、現在線の赤をカバーできるというふうな計算をいたしております。
○田代富士男君 公団の篠原総裁にお尋ねいたしますが、総裁が三十二年ごろだったと思いますが、東海道新幹線のお話をなさったということを聞いております。これは総裁が初めてそれを言ったわけではなくて、東海道新幹線の考えは、後藤新平が六十年前に鉄道院総裁のころに東海道新幹線の話は出しておりましたのですが、その後立ち消えになりまして、実際に日の目を見たのがいまの篠原総裁、三十二年ごろだと思いますが、そのころには国鉄の当局といたしましてもまだそれを実施の段階にいかず、だれも耳を傾けなかったというようなことをお聞きしておりますが、そういう技術畑の総裁が、今度、公団の総裁として、いま磯崎総裁からも四千キロという一応のめどは出ておりますが、七千キロ、九千キロということになっておりますが、そういう三十二年ごろ、もう十数年前にも東海道新幹線を主張された篠原総裁として、いま自分はどうあるべきか、どれが一番妥当であるかとお思いであるか。総裁になる前となってからでは言い方もちょっと気をつけなければならないかと思うのですが、率直に、三十二年にそういう実績を残した人ですから、いかがでございましょうか、もう端的に、個人的な意見でもけっこうですから。
○参考人(篠原武司君) 私三十二年にお話しした時分には、新しい、つまり飛行機の技術者がだいぶおりましたので、そういうものを取り入れて新しい鉄道ができるのじゃないかということで言ったわけでございますが、そのときは、この中では一応北海道から九州までを一本通したいというような気持ちで考えておりましたのですが、その後、土木学会長になりましたときに、土木学会長としまして一つの国鉄の近代化といいますか、あすの鉄道というものはこうあるべきじゃないかというような立場で、ほんとうの学者的立場でもって公言をいたしましたのが全国新幹線網の初めなんでございますが、そのときは約四千キロ足らずぐらいのところを一応発表したわけでございますが、これはあくまでも私見でございまして、しかし、国鉄でその後、国鉄の案が示されまして、国鉄の案を一応検討した結果、公団としてもひとつ発表していいのではないかというような立場で、その後、公団案というものを試案としまして発表したわけでございますが、それは国鉄案を十分にしんしゃくした案でございます。まあそういうようなことで、全国を高速の鉄道で結ぶということはぜひ必要じゃないか、あすの鉄道はこれをやらなければとても生きていけないのじゃないかという気持ちで、やむにやまれずそういうようなことを発表したことはございます。しかし、現在自民党でお考えいただいております新幹線網というものは非常にけっこうなことで、こういう一応の網をかぶしていただきまして、これからどういう順序にどういう距離をやるかということは、今後、運輸省のほうで慎重に御検討いただくのだろうと思っております。そうして御指示いただくのだと思っておりますので、そのテンポ、それから、取り上げる問題に従いまして、国鉄があすの国鉄として生きていけるのじゃないかというふうに私どもはかたく信じておる次第でございます。
○田代富士男君 もっと建設的な御意見をお聞きしたかったのですが、現在の立場でありましたならばその範囲じゃないかと思いますが、そこでいま財源の問題等が出ておりました。これももう何回も繰り返されました。時間もありませんから重複することは避けたいと思いますが、佐藤総理にも私は質問いたしましたが、この交通問題は国鉄並びに自動車、道路と考えていかなくちゃならない場合、それぞれの所管が違うために、これはまとまりにくい面がある。まとまればスムーズにいくのじゃないかというようなことも、朝申し上げましたが、事実、各委員の方から、今回の法案は絵にかいたもちじゃないか、中身がないじゃないかということをたびたび言われておりますが、同じ交通に関係した問題でも、道路に関係いたしましては、道路整備緊急措置法だとか、高速自動車国道法というようなものは、財源の確保とかあるいは責任の個所というものがはっきり織り込まれているわけです。同じ、こういう交通問題に関係した法律一つを考えましても、このような建設省関係の法律とか、そういうものには、そういうものがちゃんと措置が講じられて、運輸省のこれに対しましては、そういうものが――いろいろいま理由を言われました、これ繰り返しませんけれども、どうしてこのような違いがあるのか。また、これをどうして急がねばならないのか。今後十五年間やっていこうというのに、何でこのように急がねばならないのか。急ぐために、ミスも出てくるんじゃないかと思うわけなんです。そういう意味におきまして、いまさっきもお話が出ておりましたけれども、橋本運輸大臣といたしまして、この点、どのようにお考えになっておるのか。道路に関係した法律の作成と同じくらいの、そこまでの準備ができてから皆さんに御検討願うというような――何でございますか、前三後一の方程式と申しますか、前に進むためには一歩うしろに下がって進む。シャクトリムシも、そのように、進むときには一歩退いて進む。おそいようであっても、それが、事前に、起きるであろう事故を防ぐことになりますし、そういう慎重さと申しましょうか、前三後一というたてまえで、まして、こういう新幹線というものは、大事な生命を預かる大事な機関でありますし、そういう慎重な配慮というものをもう一度お考えになるお気持ちはないのか。橋本運輸大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 御意見もわからぬことはありませんけれども、自動車幹線道路網につきましても、初めから全体的な財源を考えて始めたわけではありません。御承知のように、もちろんガソリン税等がありましたが、それは一般道路の問題でやったわけでございますが、これが幹線道路網につながっていったわけでございます。私は、ある意味においては、先ほど来篠原総裁が言われておりますように、新幹線を唱えてからもう十年にもなっておるわけですね。したがって、今日、新幹線網というものを皆さんのお力でおきめいただくことは、要するに、おそきに失したとは言わぬけれども、決して早いものでもないのではなかろうか。ことに、昭和六十年といいますか、いまや新全総のこれからの六年度におきましても、おそらく、昭和五十六年ですか、には、貨物の輸送量は現在の大体十倍ないし十二倍ぐらいになる。そうなりますると、現在の、道路でもって貨物を運ぶということは不可能であります。そういう意味においては、従来、鉄道というものは斜陽に属しておるといわれたのですが、私は、ほんとうの意味での鉄道の真価はこれから発揮されるんじゃないか。そういう意味で、今回のような鉄道網の建設法案が国会で皆さんのお力でできるということは、われわれを叱咤激励して、いよいよ出発せよという御命令だと思う。そういう意味において、大いに意義のある、また価値のある法案であり、私は決して早きに失していはしないと、皆さんから、スタートせよという号令を承ったと、こういう意味において、慎重に、財源等を考慮しながら、できるだけこれを現実の問題として実施に踏み切っていきたい、かように考えておるわけであります。
○田代富士男君 周囲から叱咤激励されて踏み切ったという、そういうお話でございますが、これはまことに言いにくいことでございますが、その財源の裏づけには自動車新税というようなものも考えられる。これも一つの問題が提起されておりますが、それに対して全員が注目しておりますし、おそらくこの中にも、その問題に対して意見を持っているお方がいらっしゃると思います。周囲から全部やれと言われてと言うけれども、周囲には、それには反対であるお方もいらっしゃるのじゃないかと思うわけです。そういうわけで、私は、そういう問題も解決しながらやっていただいたほうがけっこうじゃないかと思いますが、何回も繰り返されたことでございますから、これはこの程度でとどめておきたいと思いますが、一つは、新幹線の問題で、東海道新幹線は営業係数も上がっております。で、確かに、いまさっき、今後の新幹線問題はどうなのかということをお尋ねいたしたときにも、いま三、四年すればこういうふうになっていくと、間違いないということですが、現在、東海道新幹線ですら、もう頭打ちの状態になってきた。まあ最近、万博の影響によりまして上向きのようでもありますけれども、この実績からいきますれば、今後どうなるのか。試算によりますと、新幹線の採算というものは、現在の営業の売り上げの大体一割から二割が原価だというようなことをお聞きしておりますけれども、そういうことから考えていきますれば、いまさきに申し上げました、現在の東海道新幹線のケースから考えて、はたして、山陽新幹線、あるいは、いま論議されております東北新幹線であるとか、上越新幹線であるとか、常磐新幹線であるとか、そういうものが出されておりますけれども、こういう見通しについては、どの程度のものになるのか。もし聞かしていただけますれば提示していただきたいと思います。
○説明員(磯崎叡君) 一線別に申し上げるのは何でございますが、先ほど申しましたとおり、大体、問題は、利子のつかない金がどのくらいできるかということです。それからあとは、輸送需要がどのくらいあるかということでございますが、私どもの見方をもっていたしますれば、たとえば、東北とか、上越とか、あるいは日本海方面の一部、あるいは九州の一部というようなところは、そう営業上心配しないでいいというように考えます。ただ、北海道あるいは四国になりますと、青函トンネルを一体どのくらいの金でもって使わしていただけるのか、あるいは本・四の架橋ができましたときに、それにどのくらいの使用料を払うかという、その辺の問題でもって赤黒の区別が出てくると思います。まだきまっておりませんけれども、そういうことと関連いたしました上で検討してまいりたいと思います。篠原総裁が三十二年の計画を立てましたときの大体の推定といたしまして、四千キロくらいのものは新幹線自体としては十分やっていける、現在線に対する影響は、もっぱら貨物輸送なり何なりのそれだけ需要が起きてくれば、先ほどの前提を入れますれば、収支相償うものだというふうに考えております。
○田代富士男君 それで、いま、どこから着工されるかということはまだきまっていないし、第三条の別表を全部取りはずされた現在で、その問題に執着するわけではありませんけれども、あれは一応青写真として今後進められていかれるのじゃないかと思いますが、どこから着工するかわからないといいながら、先日の建設委員会で、橋本運輸大臣は、本・四架橋の問題のおりに、四国新幹線網は二本通るようになっておりましたが、岡山から高松を通りまして高知までいく新幹線、それから大阪、明石を経まして、淡路島、徳島を通りまして、松山を通って大分に抜けるあの新幹線の二本ありました。本・四架橋の工事のおりに、新幹線の工事は、大阪から淡路島、徳島を通って松山に行く、これに合わせて工事をやるのだというような意味の話をされた。岡山から高知へ入る新幹線に対しては、これはもう現在の既成線でいくのだ、そういう話だったということを聞いているのですけれども、それであるならば、もう第三条はあのような条文に変わったけれども、まだどこから始めるかわからないという段階におきましても、すでにそういうことが進められているのか。そういうことであるならば、私はいまちょっとお聞きしましたけれども、営業係数の高いところからかかるのか、あるいはどういうところから――地域開発を主眼点とした、「目的」のところにありますような、そういう精神からかかられるのか、そういう建設委員会で御答弁の最中に出た話につきまして、もう少し詳しく橋本運輸大臣から聞かしていただきたいと思います。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 私の申し上げましたことは、本・四架橋を併用橋として使う場合に、新幹線を通すのも、在来線を通すのも構造には変わりはない。したがって、将来、両方通す必要があるならば、両方通す場合においても、とにかく橋自身の構造を変える必要はない、こういうことを申し上げたので、これを早期着工するとか、何々から何線ということを申し上げたのじゃなくして、併用橋ということについての質問がありましたから、それは在来線と新幹線と、いわゆる構造の違いがあるかどうかという問題の質問もありましたから、それは関係はない、新幹線のほうがかえってある意味では軽いのであるからして、いまのところ敷設法では在来線が予定線として両方とも載っておる、であるからして、在来線としてつくられても新幹線を通すにおいては何ら差しつかえないという、こういう技術的に近い話を申し上げたのであり、その点はひとつ誤解のないようにお願いいたします。
○田代富士男君 わかりました。最後に、この新幹線の問題から考えまして、いま新幹線に大きな事故こそ起きておりませんけれども、全国にこれが網羅されていった場合、あるいは山陽新幹線、現在の東海道新幹線もでありますが、保安上の問題です。これは私は一番大事な問題じゃないかと思います。在来線では三河島、鶴見の二大事故がございます。現在、東海道新幹線あるいは山陽新幹線は事故はないのですが、これは在来線も含めまして、機関士の信号見間違いというようなこともあっちこっち事故が起きておりますけれども、特にその点は私が言うまでもなく、そういう保安対策というものに対しては力を入れていただいていると思いますが、生命の尊重といいますか、そういう面からも、これは目に見えない問題ですけれども、一番目に見えないところであればこそ、力を入れるべき点じゃないかと思いますが、どのように対処されるのか、その点お願いいたします。
○説明員(磯崎叡君) 実は保安の問題は私のほうの生命の問題でございます。東海道新幹線をつくりますときにも、非常に保安問題につきましては全精力を注ぎまして、国鉄の技術員の面目にかけても間違いがないようにということで電気、車両、土木、その他あらゆる工学のシステムエンジニアリングによりまして、今日のものをつくり上げた。その後おかげさまで、無事故で今日まで来ておりますが、やはりいろいろ問題は出ております。車両等につきましては、いますでに二百五十キロ走れる試作車をつくりまして、現在試運転中でございます。また、線路につきましても、カーブの半径を大きくいたしまして、カーブによる支障を少なくする。勾配も多少ゆるくするということによりまして、速度を上げることによりましても事故のないようにする。それから、できれば将来何と申しますか、いまのCTCをもう一歩進めたオートマティックにある程度できるようにするということも考えておりますし、まあいろいろな角度からあらゆる線路、車両、電気、総合技術によりまして、保安の確保は絶対つとめております。
 ただ、一番心配なのは、何と申しましても、最近の自動車の増加による踏切事故でございます。東海道、山陽は踏切は一切ございません。これがあるからこそ初めて高速運転を安心してやれていると思いますが、今後の新幹線もぜひその点だけは、踏切は一切つくらないということでまいりたいと思います。踏切だけはどうしても突発的に事故が起こりますので、これは踏切がないのが一番いいんでございますので、踏切は絶対つくらないといういままでの方針は続けてまいりたいと思っております。ただ、天災地変、ことに地震あるいは災害等につきまして、いまほとんど事前予知いたしまして、すぐ停電して、電気がとまるようになっておりますけれども、それらにつきましても、もっともっと最新式のものをつくっていきたいというふうに考えております。これは私どものあらゆる仕事の最重要な問題として、国鉄の面目にかけても保安問題は最重点でやってまいりたいということをはっきり申し上げておきたいと思います。
○田代富士男君 これは新聞にも出されたと思いますが、現在東海道新幹線の鉄橋がたくさんございますが、その中で大井川の鉄橋と江尾鉄橋、これはいずれも静岡県じゃないかと思います。この大井川の鉄橋、江尾川の鉄橋、そういう十カ所ほどが最近の調査によりまして、これが橋げたがゆらゆら動いている、そういうようなことが発見されたわけなんです。これは当初建設されたときには、大体百年くらいはびくともしないだろうと折り紙をつけられた鉄橋だそうでございますが、それがまだ新幹線始まって約五年でございます。それに思わないような、列車が通るたびに橋げたが上下にゆれることがわかった、これは乗客は乗っていてわかりません。こういうことは専門家でなくちゃわからない。また、これを隠そうと思えば隠すことができる。まして、在来線でしたらば百キロ前後です。現在百二十キロから百三十キロの――特急は百三十キロくらいになってきているかと思うのですけれども、その程度で、在来線はよかったのですけれども、新幹線は二百キロからそれをオーバーしようというこのときに、橋げたが通るたびにがたがたする、これはたいへんなことじゃないかと思います。これは事故が起きてからじゃおそい。こういう点に対しまして、これが一カ所でしたらばいざ知らず、大井川の鉄橋、江尾鉄橋、その他十カ所ほどある。これに対しまして、国鉄としてどういう対策を講じておられたのか。目に見えない、保安という目立たない存在ですけれども、そういうところに力を入れないで、大きい事故が起きてから、やれ、だれがどうだった、どうだったとか、そういう現実面だけでなくして、こういう未然に事故を起こすか起こさないかという、ここにあるのではないかと思います。こういう点に対しまして、どういう対策を講じられているのか、あるいはこういう面に対しまして、橋本運輸大臣といたしまして、こういうことをこのままにしておいてよいのかどうなのか。総裁並びに運輸大臣、両方からお尋ねしたいと思います。
○説明員(長浜正雄君) 若干技術的のことでございますので、私、技術担当の常務でございますので、お答えさせていただきます。
 橋梁の橋げたにつきまして、橋げたあるいは橋脚はどうしても列車が通りますと振動するわけでございまして、これは建設当初からやはり振動というものはどういうものにも付随するわけでございます。ただ、その振動が二百キロのハイスピードで走ったときに安全であるかどうか、限界のものであるかどうかということが一番問題でございます。われわれとしましては、こういう構造物につきましては、ものによりまして一年に一回あるいは五年に一回というように定期的に検査をしております。特に、最近のように河川の何といいますか、スコアされますことによりまして――砂利を取ったり、いろいろなことが原因だと思いますけれども、橋脚の回りが掘られることがございます。そうなりましたときには、在来と基礎の条件が変わってまいりますので、そういうときに橋脚の振動が大きくなる可能性が出てまいります。そういうことで、われわれとしては監視員を巡回させまして、そういう場合に備えて十分見ておるわけでございます。そういう場合には、直ちにいわゆる根固めと称します砂利を持っていくというような方法をとるようにしております。また、定期的に各橋梁につきまして、振動試験をいたしまして、十分事前の、先生からただいまいろいろ御注意いただきましたような事後でなく事前の調査によりまして、その振動の状況がどうなりつつあるかということを常に確認していきたい、そして一番の使命である安全度ということを守っていきたい、こういうふうに考えております。それで、河川のそういう橋脚がスコアされますことに対しましては、河川管理者のほうにもわれわれのほうからお願いし、その前にわれわれとしてはとりあえずじゃかごとかいうようなもので根固めをする、あるいはもっとコンクリートで根固めをするとか、そういういろいろな対策を講じまして絶対安全を期してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○国務大臣(橋本登美三郎君) ただいま長浜常務理事からお話がありましたように、国鉄としては十分に配慮をいたしておるようでございます。運輸省としては、監督官庁でありますからして、間違いのないように、厳重に監督を進めてまいりたいと考えております。
○田代富士男君 私はこの問題を――私も建築のことにはしろうとです。そこでこういうことを、ある程度研究されている人に尋ねてみました。こういうことが、まだ大きい事故が起きていないからよいものの、一体これはどこに原因があるのか、その人が私に教えてくれたことは、いろいろ専門的なことを言っておりましたが、端的に言いまして、一つは、設計段階での構造計算のミスがあるのじゃないか、これを第一番目に言っておりました。その人は、私もまだそういう設計図を見ておりませんから何とも言えませんけれども、考えられる点はその第一点だ。それから第二番目は、施工者の不備な点があるのじゃないか、建築当時。考えられることは、東海道新幹線は、ちょうどオリンピックが行なわれまして、世界に対するオリンピックのPRとともに東海道新幹線のPRも大いにやってまいりました。で、突貫工事でやったということは、これはごたぶんに漏れず御承知のとおりだと思うのです。この点の問題。それから三番目は、橋脚の沈下、移動、こういう問題ですね。これは当初思いもよらなかったいろんな突然変異が起きたと考えられる。
 この点の問題ですが、最初新幹線の一日の回数は六十本前後、現在はそれに倍する新幹線の車両が通っております。今後ますますそれよりもふえていく、減ることは考えられません、ふえていくことが考えられます。こういうことを考えていきますと、いま磯崎総裁は、地震のときには電源を切って未然に処理していくとおっしゃいますが、大地震が起きた場合に、普通の在来の列車と違いましてこの新幹線は事故が大きいのじゃないか。そうして日本は地震国です。こういう問題に対しても配慮を加えていらっしゃるか。大地震対策ですね。これが今度は山陽新幹線になりますと、現在岡山までの工事の最中ですが、山陽新幹線は東海道新幹線と違いましてトンネルが多い。さらに、このトンネルが多いという問題は、これまた別の面の心配がふりかかってくる。あれやこれやと考えていきますと、いま問題になっております新幹線網は、各地域特異性があります。だから、そういう点をよほど検討していかなかったならば、これはならない。そういう点で、いまさっきから再度慎重論を唱えている次第でございますが、結論は、ただ単なる、こういう原因じゃないかという問題で済まされる問題じゃありませんが、私なりにお聞きもし、調べた範囲内の三つの点でございますが、特に国鉄としても研究なさっていらっしゃる点でございますから、その点ちょっと聞かせていただきたいと思います。
○説明員(長浜正雄君) 設計いたしますときに列車回数の問題は当然考えるわけでございますけれども、これは列車回数が倍になりましてもやはり十年、二十年と、どうせ長年月もたさなければなりませんので、それほどいま土木の構造物に対しては大きな影響はないと思います。ただ、レールだとかあるいは軌道構造でございますとか、直接列車に当たる部分、これにつきましては、列車回数がふえることによりまして疲労度というものは早くなると思います。もちろん、構造物にも全然影響がないということではございませんけれども、その間に、レールからまくら木あるいは砂利というふうにだんだんと圧力が弱まってまいりますので影響度が少なくなる、こういうことでございます。それで、列車回数云々という点は、それほど影響は私は起こらないと思うのでございます。
 それから、コンクリートのいまの橋脚の沈下といいますか、まわりの砂利の沈下といいますか、それが減ってきたために橋脚があらわれてくる、こういう面につきましてはさいぜん御説明したとおりでございますが、それ以外に、コンクリートの表面が何といいますか、剥奪するというような場合がございます。これは何と申しましてもコンクリート工事でございますので表面を、外側を全部、巻く板といいますが、昔は木でつくりましたが、いまは鉄板で巻く板をつくりまして、コンクリートを打設いたしておりますけれども、鉄筋と表面との間の離れのぐあいその他によりまして、あるいはまた打つときの条件等によりまして、若干表面が剥奪する場合がございます。これはただ表面が剥奪するだけでございまして、構造物そのものの強度には心配ございませんで、そういう場合は、その部分をそのままにしておいてもよろしゅうございますし、あるいは、きたなくなると、それを補修するということをしてもちろん差しつかえないわけでございます。その他クラックが若干入るという場合がございます。このクラックも、ヘアクラックと称しまして、細い、目で見て見えるか見えない程度のヘアクラックが入る場合がございます。これは構造物の圧縮側と伸び側両方ございまして、伸び側に往々にして起こるわけでありますが、これが、片方が伸びたり縮んだり、圧縮側であったり伸び側であったり繰り返しの場合がございます。その場合にそういうヘアクラックが起こる場合がございますが、これは、コンクリートの構造物というのはプレッシャーに対しては非常に強いのでございますが、引っぱりの応力というのは、ゼロと言っては語弊がありますけれども、非常に小さい。それは鉄筋コンクリートでもつ。こういう構造物の基本になっておりますので、そういうヘアクラックができました場合も、ものによりましては注意しなければなりませんけれども、大体心配はない、こういうふうに見ております。
 ただ、われわれとしましては、さいぜん、総裁が申しましたように、事前に絶対安全を確保しなければなりませんので、幸い技術研究所に優秀な技術屋がたくさんおりますので、その連中をわずらわしましていろいろ調査をいたしまして、試験をいたしまして、その振動だとかあるいは沈下の状況その他を十分すでに調査をして安全の確保をはかっていっておるわけでございます。今後とも安全第一を考えてやっていきたい、こういうふうに考えております。
○田代富士男君 いま私も詳しいことは、これは専門家じゃないからわかりませんけれども、人命保持という問題点から今後とも検討してくださるよう重ねてお願いしておきます。
 それから、新幹線の場合は特に二百キロからのスピードを出しておりますから、毎晩、新幹線が終わりましたあとでも保守、保安をやっていただいておりますが、在来線の場合はとかく、いまさっきからも問題が出ておりますが、忘れがちであります。新幹線が二百キロからのスピードを出しておる、在来線の特急、急行もスピードアップしております。しかし、在来線の場合は、工夫だとか、そういう面は旧態依然たるものです、スピードが上がっても。この場合の保安ですが、線路保守、線路工夫の人たち、そういう人たちの意見を聞きましたところ、どういう意見を持っているか――最近は線路保守、線路工夫というものにはなり手がない、そういう声を聞きました。これはたいへんなことだ、このようになり手がないということは、やはりそういう点におきまして何かそれに見合うべき待遇の問題とか、そういう面に対する配慮がないのじゃないか。そのように、要するに生命保持という面から一番大事な第一線でそういう仕事をする人に、厚く待遇をしなくちゃならない人に対するそういう面の問題があるためになり手がない。だから、若い人もおりますが、平均年齢を全国的にとっていただいたらおわかりと思います、私がここで提示するまでもなく。こういう面におきまして、目に見えるところよりも、そういうところの配慮に対して力を注いでいただくのが国鉄の当局者であると同時に、運輸大臣じゃないかと思うんです。そういう一つの問題を提起をいたしまして、今後ともにひとつそういう面を留意していただきたいことを最後に質問して、私は終わりたいと思いますが、最後に、そういう点をどのように対処していくか大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(橋本登美三郎君) さような危険の個所が、もちろん発見される以前において、事前に十分な検査をいたしておるようでありまするが、なお、さような危険となるようなところについては厳密な検査をして、もちろん必要があれば補修工事をするということは当然国鉄の任務でありますから、十分さようにさせたいと思います。
 なお、労働力の充実という点は、かねてから国鉄総裁が考えておることでありますからして、最善の措置を講じて十分なる労働力の補充、かようにやってまいる所存でおります。
○鈴木強君 ちょっといまのに関連して。
 田代委員から、大井川ともう一つの鉄橋の具体的な例を出してお尋ねがあった。私もしばらく前に同じ質問をしているんです。それはやはり新幹線を利用する人たちがそういうふうな新聞が出ますと、非常に安全に対して心配をしておりますよ。だから私はこの前、提起したんです。そのときあなたは、絶対心配ないと、そういう答弁をしたんだけれども、いまはそれをしてないわけだ。そうすると、その後少し怪しくなったのかどうか、その点不安ですから、ちゃんと……。
○説明員(長浜正雄君) 非常に申しわけございません。絶対心配ないと、私この前申し上げましたし、いまも絶対心配ないように処置をしてございますので、御安心いただきたいと思います。
○委員長(温水三郎君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(温水三郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○藤田進君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました本法案に対して若干の意見、要望を付しまして賛成するものであります。
 本法案につきまして、一条ないし十八条を検討いたしますに、この重要性を考えますときに、会期末を控えての審議日程についてはまことに遺憾であり、短時日で、お互い委員としても十分審議を深めていくということが不可能であったと思います。しかしながら、他面これを考察いたしますと、現在、実定法社会で一体この新幹線法案なるものが必要なのかどうかという大乗的な見地からこれを見ますと、本会議かどこかで、新幹線をつくるんだという決議でいいものを、実際、つまりまあ叱咤激励というか鞭撻というか、そういったこれは色彩のものとも思えるわけであります。財政の裏づけあるいはこれが計画のアウトラインといったようなことは全然ないわけで、いわば中うつろであります。この法律がなかりせば新幹線といったようなものができないかといえば、すでに東海道新幹線あり、山陽新幹線ありであります。このようにまあ考えてみますと、一体何にこの法律の効果、作用を求めていくかということに立脚せざるを得ません。ただ、運輸省という法律担当官省からさらに他の省庁にわたっての舞台という点がある程度考えられると思われるわけでございますから、あえてこれに賛成をするということにもなろうかと思います。
 第二には、いわゆる高度成長経済といいますか、月に行くあるいは帰ってくる時代におきまして、何が一番おくれているかといえば、ことにわが国の場合、輸送経済という、今日この輸送というものが陸、海、空を通じて一番おくれているし、これが過密、過疎その他の大きな問題の格差を招来していると断定しても間違いでないと思うのであります。この点は、通信等は宇宙中継なり、御承知のとおりであります。こういう見地からいたしますれば、今日の輸送が単に新幹線、陸上のそれのみならず、空にあるいは海のラッシュにおいても見られるように、幾多問題を持っておりますから、その一つの一面として大量輸送の新幹線ということを早急に進めていくということは、これは必要であると思うわけでありますし
 そこで、以下若干の意見、希望を申し上げておきたいと思いますが、財源関係であります。本院調査機関の調査等見ましても、ことごとく自動車税に依存するという姿が出ております。これもいろいろ議論のあるところでありますから、自動車新税その他負担の過重というものは、現在ガソリン税が半額以上、五〇%をこすような状態の中で、世界の各国のその動向から見ても、自動車に課する負担としては、これ以上はかなり問題があろうかと思います。したがって、財源については十三条に政府の義務を義務づけておりますが、特に非生産的な部面の国家予算、累増しようとする予算がかなりの費目についてあるように思います。こういうものを総合的にやはりおくれた交通打開のために使うということ。
 さらに、消極面となりますが、ややもすると、いわゆる建設業者のふところをにぎわすということにとどまってしまうのが現状であります。過去の建設省なり運輸省のそれを見ましても、結局請負単価の増高ということに食われて、事業計画が前に進んでいかない。百キロが六十キロになり五十キロになってしまうという現状でありますから、こういう点もあわせてやはり財源の歳入に対する歳出として考えていただく。
 第三は、着工順位基準等であります。ことに着工についてはるる意見を付しての質疑がかわされましたが、いろいろな弊害が伴うわけであります。夢の新幹線網でなくて、現実の新幹線網を考えるときに、今後の着工基準というものは公にされ、そうしてこれが合理性を持つということが必要であろうと思いますから、さらに強調しておきたいと思います。なかんずく、これを契機に、過去もございましたように陳情政治の弊害、特に、自治大臣がおいでになりませんが、各地方公共団体は負担の過重は知りながらも、あるいは駅がつくかつかないかは将来の楽しみとして、これが路線誘致運動が相当活発に行なわれ、弊害を伴うように思いますから、政府におかれてはこういう方面を十分注意していただきたいと思います。
 次は、この用地その他の件ですが、これは質疑の中で言われておりますから、私はその点は繰り返しませんが、特に補償関係では、東海道新幹線でも見られたような無形物に対する補償、景色の景観を阻害したとかいったようなえたいのわからないようなものに対してまで金が出ている例も多々あります。かといって一方、当然補償すべきものについては実にきびしいといったような弊害がありますから、今後着実に実行するという段階になりますと、この点の特段な注意が必要であろうと思います。
 第四の要望としましては、事故と公害関係でありますが、これも時間がありませんから詳しく申し述べません。いま鈴木、田代委員からも指指されましたが、実は私ども社会党としてもいろいろ調査を進めておりますが、新幹線あるいは高速自動車道路、あるいは近代諸設備等についてはややコンピューターにたより過ぎの感が深いと思います。先般、関西電力のダムゲートの崩壊、そして死人まで出ましたが、これを追跡調査してみますと、やはり若いエンジニアがコンピューターにたより過ぎたためにロードがかかった場合の変形といったような予測していない未熟さがあったと私は思っております。現実にオーバーターンしたのですから、今度いまいろいろ問題になりました点は、首都高速道路にも見られたように絶対安全である、セーフティーファクターが三倍、四倍であるといいながらも、交通遮断してまで修理しなければならないというところに問題が実はあると思います。いま老化現象に対するファクターというものがなかったり、特にインパクトロードの強い新幹線では、こういう点がいま指摘された点であらわれている、常務理事はそう言うけれども、私は非常に心配を持っております。同時に、通過沿道に対する公害は、他のものよりもいわゆる交通公害、騒音公害としては大きなものがあると思いますので、これはやはり設計構造の段階で十分配慮していただきたいと思います。
 第五は、既設路線との競合その他の調整あるいは効率化といったこと、国鉄の再建といったことについては御答弁もございましたが、なおこの上とも一つ特段の御配慮をいただきたい。
 以上五つの意見、要望を付しまして、本案に賛成いたします。
○委員長(温水三郎君) 他に御発言もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(温水三郎君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 全国新幹線鉄道整備法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(温水三郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
○藤田進君 私はただいま可決されました全国新幹線鉄道整備法案に対して、自民、社会、公明、民社、第二院クラブの共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    全国新幹線鉄道整備法案に対する附帯決議案
  政府は、本法の施行にあたり、特に左の事項に留意し、万遺憾なきを期すべきである。
 一、新幹線鉄道の早期着工をはかり、その順位の決定に際しては鉄道輸送需要の動向、国土総合開発の重点的方向及び将来の輸送体系の形成を考慮し、特に過密・過疎等格差是正に役立つよう配慮すること。
 二、日本国有鉄道在来線の整備改良については新幹線網の計画とは別に万全を期すること。
 三、新幹線鉄道建設資金の調達に際しては、自動車に対する課徴金等特定のものに偏することなく、広く財源の調達の方途を講じ、その確保に特段の配慮をすること。
  右決議する。
 以上であります。
○委員長(温水三郎君) ただいま述べられました藤田君提出の附帯決議案を議題といたします。
 藤田君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(温水三郎君) 全会一致と認めます。よって、藤田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(温水三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。橋本運輸大臣。
○国務大臣(橋本登美三郎君) ただいま決議のありました事項につきましては、政府といたしましても十分に配慮いたしたいと存じます。ありがとうございます。
    ―――――――――――――
○委員長(温水三郎君) これより請願の審査を行ないます。
 第六号国鉄駅の無人化措置等に関する請願外八十二件を議題といたします。
 まず、専門員から請願の趣旨について説明を聴取いたします。
 速記とめて。
  〔速記中止〕
○委員長(温水三郎君) 速記起こして。
 これより請願について採決いたします。
 第六号国鉄駅の無人化措置等に関する請願外四十二件の請願は、いずれも願意おおむね妥当と認め、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものと決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(温水三郎君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたします。
 なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(温水三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(温水三郎君) 継続調査要求についておはかりいたします。
 運輸事情等に関する調査につきましては、閉会中もなお本調査を継続することとし、本院規則第五十三条により本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(温水三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(温水三郎君) 委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。
 運輸事情等に関する調査のため、閉会中、委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(温水三郎君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員の人選、派遣地、派遣期間等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(温水三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、議長に提出する委員派遣承認要求書の作成等も便宜委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(温水三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
 午後四時二十九分散会
     ―――――・―――――