第063回国会 交通安全対策特別委員会 第3号
昭和四十五年十一月十六日(月曜日)
   午前十時十一分開会
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  委員の異動
十一月十六日
    辞任         補欠選任
     奥村 悦造君     宮崎 正雄君
     永岡 光治君     小林  武君
     吉田忠三郎君     和田 静夫君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         鈴木  強君
    理 事
                鬼丸 勝之君
                千葉千代世君
                沢田  実君
    委 員
                宮崎 正雄君
                吉武 恵市君
                小林  武君
                小柳  勇君
                和田 静夫君
                田渕 哲也君
   国務大臣
       国 務 大 臣  山中 貞則君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       総理府総務副長
       官        湊  徹郎君
       内閣総理大臣官
       房交通安全対策
       室長       平川 幸藏君
       警察庁刑事局長  高松 敬治君
       警察庁交通局長  久保 卓也君
       法務省刑事局刑
       事課長      前田  宏君
       大蔵省銀行局保
       険部長      渡部  信君
       文部大臣官房調
       査課長      柴沼  晉君
       文部省大学学術
       局学生課長    齋藤寛治郎君
       厚生省社会局保
       護課長      宮嶋  剛君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部保
       安課長      森永 昌良君
       運輸省自動車局
       参事官      山上 孝史君
       運輸省自動車局
       整備部長     隅田  豊君
       運輸省航空局技
       術部長      金井  洋君
       日本国有鉄道理
       事        長浜 正雄君
   参考人
       財団法人交通遺
       児育英会専務理
       事        玉井 義臣君
       日本航空株式会
       社運航乗員部長  富田多喜雄君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○交通安全対策樹立に関する調査
 (交通遺児の育英等に関する件)
 (投下機雷の探索と撤去に関する件)
 (日航機の乱気流事故に関する件)
 (国鉄湯前線の列車事故に関する件)
 (自動車の構造上の欠陥等に関する件)
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○委員長(鈴木強君) ただいまから交通安全対策特別委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件について、おはかりいたします。
 交通安全対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、財団法人交通遺児育英会専務理事玉井義臣君及び日本航空株式会社運航乗員部長富田多喜雄君を参考人として御出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(鈴木強君) それでは参考人の皆さまに一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、たいへん御多忙の中を本委員会に御出席をいただきましてありがとうございました。後ほど委員の各位から御質疑があると存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、交通安全対策の樹立に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○千葉千代世君 私は、交通遺児奨学金を中心にこれに関連する諸問題について質問いたします。
 まず、玉井参考人にお尋ね申し上げます。私は、この八月発行されました交通遺児の作文集「天国にいるおとうさま」というのを拝見させていただきました。その前書きの中に、「子供にとって親の存在は絶対であり、親の死は世界の崩壊を意味する」、こういう著者の玉井さん、あなたのことばが言われておりますが、これは私は非常に心打たれたわけなんです。あの一冊の本の中におさめられた百三十六編は、夫をなくした妻の手記を含めて、何らたくらむこともなく無心に書かれておるわけなんです。そうであればあるほど私たちおとな、特に交通安全対策の当委員会の私どもにとっては、何かあいくちを突きつけられたように感じたわけです。おそらくこれは、この本をお読みになった方々が感ずるのは私一人ではないんじゃないかということを思ったわけです。つい先だっても、大阪の大阪城公園前の教育塔というのがございますが、その広場で教育祭というのが行なわれました。これは三十五回目ですが、その教育塔の中には教職員あるいは学童、生徒、学生たちの年間なくなった方々を合祀するお祭りであるわけです。ことしの合祀者が大体二百四十九柱あったわけですが、その約半数が交通遺児になった学童、生徒であるわけです。そうしますと、これに書かれたのはおとうさまやおかあさまがなくなって残された遺児の方の作文であるけれども、死んでしまった子供たちは何にも言えない。こういうふうに生き残った者も死んだ者も非常な悲嘆の中に投げ込まれているということを私は感じます。そういう点で、玉井参考人が交通遺児育英会の専務理事をなさっておられるので、その専務理事の立場からお答えいただきたいことが数点あるわけですが、いろいろ時間の制約もございますので、まとめてお答えいただくように、お答えいただく私の要請したい点だけちょっと申し上げてみたいと思うのです。
 第一番目には、交通遺児の実態はどうなっているのかという御存じの範囲、二番目は交通遺児育英会の現状、つまり育英会の資金、募金額とか募金状況とか、それから奨学金の給付状況、これは私方々の県で聞いてみますと、たいへん県でアンバランスがあるわけなんです。一つの県ではかなり多くなくなっていて、しかも生活保護それ以下の方が多いのに申し出が少ない。隣りの県では片方の県よりも被害者が少ないわりに申し出が多いとか、こういうふうにありますと、この原因はどこにあるかということを考えたわけなんです。そういう点についてお答えいただきたい。三番目には新聞でよく取り上げられておりましたが、大学生の募金運動なんです。募金運動について知っていらっしゃる範囲で答えていただきたい。それから交通遺児育英会が調査をなさっていらっしゃるわけですね、東大の大場先生、その他共同研究なさる方々が調査されたものを私は拝見したのですが、あの調査は育英会のほうで依頼なさったわけですが、依頼者の立場からあれで目的を達していられたのかどうか、私も内容を拝見いたしましたけれども、まあいろいろこれからしていただくためには、こういうことがあってもいいなあという観点もありましたし、総理府のほうにもあとで質問したいと思いますので、その点を答えていただきたいと思います。
○参考人(玉井義臣君) 第一点の交通遺児の実態でありますが、結論から申し上げますと、確実な全数的な実態の把握はないかと思います。いままで全国調査としましてあげられますものは、四十三年十一月に発表されました総理府の全国の小中学生を対象とした交通遺児の実数と生活状況に関するもの。それからもう一つの全国調査は、それをもとにいたしまして四分の一抽出をもってなされました、先ほど千葉先生御指摘の私ども委託いたしました東大の大場教室の調査。それから各府県で局部的な調査をいたされております。たとえば東京都あるいは静岡市における交通事故遺児を励ます会の調査。大阪における大阪弁護士会の調査。埼玉、新潟ほか約十県における社会福祉協議会の調査などであります。で、それらを総合しますと、私は次のようなことが言えるのではないかと思っております。
 まず、遺児の総数でありますが、これは先ほどの総理府調査におきまして、昭和四十三年五月一日現在の全国の小中学生約千四百五十万人の中で交通遺児が二万八千三百三十一人いたという事実がございます。これから推測しますと、それ以来二年半の歳月がたっておりますので、約三万人くらいにはなっているのじゃないかと思われます。そこで、私ども零歳から十八歳までの子供たちをここで交通遺児と見ました場合、約それの二倍、つまり未就学児六歳分と高校学齢分三歳分を加えまして、大体約二倍の六万人と見えるのがほぼ妥当じゃないかというふうに育英会では考えております。それから、そのうち父親をなくした者が、もろもろの調査で見ますところ約九〇%にのぼると思われます。つまり九〇%が母子家庭であると考えられます。
 次に生活状況でありますが、総理府調査によりますと、二万八千三百三十一人のうち生活保護を受けている世帯の子供が二千六百四十三人、全体の九・三%、修学援助を受けている子供が八千百六十八人、全体の二八・八%、つまりここであらわれております低所得者、つまり貧困階級は約三八・一%になっております。で、私どものほうでお願いしました東大の調査によりましても、そこから抽出した中で生活保護家庭が九・九%あったわけですが、この人たちについて見れば、事故前生活保護を受けていなかったけれども、事故によってその後生活が貧しくなって生活保護を受けた者が実に八七・四%、修学援助につきまして三五・四%の者について、事故後に受けるに至った者が八五・九%おります。なお、さらにその生活水準意識を調べましたところ、事故前には中の中ぐらいの生活であったと意識していた者が、事故後には中の下ないし下の生活に落ち込んだと訴えております。これが約七〇%ございます。で、埼玉の社会福祉協議会で調べました調査によりますと、生活保護世帯、住民税非課税、住民税均等割り世帯、これを一般に低所得者層としてとらえているようでありますが、その三つの階層のパーセンテージが六三・四%になっております。以上の生活調査を見ますと、大体六十数%が貧困層ではないかと見られます。つまり三人に二人の遺児は貧困におちいっているのではないかというふうに推測されます。
 で、東大の調査で、国、公共団体に対して何を望むかという要望を聞きましたところ、東大の先生のおまとめになったところによりますと、援助の強化については、援助を制度化してほしい、補償、裁判に関する相談所の設置、生活、教育、進学、就職などに関する相談所の設置、補償事務、裁判の簡素化、迅速化、補償の肩がわり機関の設置、交通遺児家庭専門の就職、内職の指導あっせん所の設置、税金の軽減、託児所の設置、奨学金の支給、児童手当の増額、生活保護の改善、学校における給食代の免除や制服の供与、住宅の供給、物価の安定、学校や区の勤労奉仕の免除、交通遺児家庭の農家に人手のあっせんなど、なお交通遺児育英制度のPRと簡素化を望んだ者もあったとされております。「交通事故遺児を励ます会」という勤労青年のボランティアグループが足で実態を調査いたしましたところによりますと、交通遺児家庭のほとんどでおかあさん方は子供たちの高校進学を強く願っていた。埼玉の調査でも、要望事項の第一順位に高校進学に対して学資援助をしてくれということを強く要望されております。
 千葉先生の御質問の第三点でございますが、東大の調査に対する私どもの感想を率直に申し上げますと、これは郵送方法としては非常に信頼性が高く評価されるものだと思います。しかし、何しろアンケートで七〇%くらいが回答をよこしておりませんので、おそらくこの中にかなり貧困層、つまり非常にもうそのアンケートにも答えたくないというような、心境の人たちがかなりいるのじゃないかと思われます。で、私はやはり交通遺児政策の立案になる実態を明らかにするために、国による面接の全数調査を期待したいと思っております。
 質問の第二点の育英会の現状でありますが、交通遺児育英会は御承知のとおり四十二年の三月、一青年のある新聞の投書欄へ出しました交通遺児を励まそうという運動がきっかけになって、世論の支持あるいは衆参における質疑、財界の支援などもありまして、四十四年五月二日、総理府、文部省の許可のもとに、道路における交通事故が原因で死亡した者または著しい後遺障害が存する者の子女等のうち、経済的理由によって修学が困難な者等に対し奨学金の貸与等を行ない、もって社会有用の人材を育成することを目的として、財団として発足を許されたわけでございます。具体的の事実につきましては、貧困な交通遺児及び準交通遺児に対して約四千人につき月額五千円を貸与して高等学校ないし高等専門学校に進学することを援助するということであります。ここで貧困といいますのは、保護者たちが「生活保護法第六条第二項に規定する要保護者またはこれに準ずる程度に困窮していると認められる者となるに至ったとき。」を申します。交通遺児ないし準交通遺児につきましては、保護者等が「道路における交通事故により死亡し、または自動車損害賠償保障法施行令(昭和三十年政令二八六号)別表に掲げる第一級、第二級または第三級の等級に該当する後遺障害が存するに至ったとき。」を申します。それからもう一つ前項の条件、つまり貧困な交通遺児及び準交通遺児で特に優秀な学生ないし交通問題を専攻する優秀な学生につきましては、大学または国立養護教諭養成所に進学するのに月額二万円を貸与することにしております。なお、ここで高校生採用の四千人という基準の根拠でありますが、私どもは中学三年生のときに私どものほうで高校進学の予約をとるわけでございますが、大体中学三年生に約四千人の交通遺児がいるんではないかと思われます。その四千人のうちの三分の二が貧困層であるとすれば約二千五百人ぐらいの援助期待者がいるというふうに解釈できるのでございますが、資金の都合その他もありまして、育英会では千三百人ぐらいを何とか援助したいというふうに考えてはじき出したものでございます。
 それから先ほどの事業を遂行していくためにはどのくらいの年間資金が必要になるかと申し上げますと、まず高等学校、高等専門学校に対する生徒の援助月額五千円、つまり年額六万円を四千人に貸与した場合二億四千万円の資金が必要になります。大学は同じく年間二十四万円を二百人に貸与しますると四千八百万円が必要になります。で、これに要します事務費を三千五百万円計上いたしますと、約三億二千五百万円のお金が年間必要になるという計算になっております。で、この三億二千万円余りを利息で運用するためには基金として四十億円が必要だということで、私どもは四十億円の募金計画を立てていま募金をやっております。四十億円の内訳は経済界から二十億円を期待しております。うち十億円は自動車工業会からすでに寄付をいただいております。残り十億を自動車を除く一般財界四十一業界に対していま要請中であります。若干その進捗状況を申し上げますと、ただいまのところ一般財界の十億円のうち鉄、電力、鉄鋼、信託の四業界三億四千五百万円が決定いたしておりますが、残る三十七業界はまだ非常に不透明な状態であり、かなり困難もあるかと予想されます。第二に公営の競技に対し十億円相当分を期待しておるのでございますが、公営競技では御承知のとおり競輪の日本自動車振興会、オートレースの日本小型自動車振興会、競艇の日本船舶振興会でございますが、まあ日本船舶振興会につきましては財団法人でありまして、基金として四十五年度五千万円をいただいております。競輪とオートレースにつきましては、四十五年度につきまして競輪のほうが三千八百四十万円、オートレースが八百万円を決定していただいております。それから募金の第三の分類でございますが、ここは広く国民の善意を集めたいということで、国民運動募金と銘打ちまして十億円を目標にただいま募金中であります。これは具体的に申しますと、警察署とか自動車教習所に募金箱人形を置きまして、ハンドル献金という名でドライバーから募金をする。それからせんだって秋の交通安全運動に学生たちがやってくれました学生運動募金、ライオンズ、ロータリー、商工会議所、青年会議所その他の団体、あるいは農協とか婦人団体などに募金の要請をしております。
 なお、最後になりましたが、政府のほうから年額二千万円の補助を四十五年、四十六年、四十七年について一応いただくことに決定していただいております。
 以上述べましたのが私どもの計画でございますが、ここでもう一度募金の進捗状況につきまして、ただいままでのものを集計いたしますと、財界でまず自動車工業会の十億円の募金決定、雑募金で八千六百万円、一般財界で入金分六千万円を含む三億四千五百万円の決定、公営競技で五千万円の決定入金、それから四千六百四十万円の決定がございます。国民募金では一億一千万円、政府のほうから四十五年度、四十六年度で四千万円をちょうだいいたしております。ただいまのところ入金分は十三億四千七百七十九万九百十九円でございます。決定分を含めますと、十六億九千三十八万五千九百十九円になっております。しかし、これからが四十億円までの道はかなり遠いものと考えております。
 それから御質問の第三点でございますが、学生募金につきましては、昨年夏青山大学と東京理科大学の二人の学生が夏休みを利用いたしまして、自動車で四十六都道府県全県で街頭募金をいたしました。これをきっかけに学生募金の声がかなり全国的に高まりまして、ことしの春秋田大学の大学祭で、大学祭の一環として全国の大学の自動車部に呼びかけましたところ、三十九大学の自動車部がこれに賛同しまして、五月十日全国的な募金が行なわれました。その秋田大学の大学祭のメンバー六人が東京で事務局を組みまして、今度は秋の交通安全運動に全国の大学に呼びかけたわけでございます。これは四百大学、一万人を目標に呼びかけたわけでございますが、その彼らの努力の結果、大学、短大、高専、看護学院その他四百七十五グループ、参加延べ人員九千四百八十一人、募金個所百九十八個所、募金額八百六十八万四千八百六十五円、これに自動車産業労働組合協議会四十万人労組のカンパ千三百万円が加わりまして、約二千二百万円くらいの募金をあげたわけでございます。考えますと、戦前戦後を通じ、大学の大半がこの社会運動に参加して全県で立ち上がったというところに、私はかなりの大きな功績を認めることができるんじゃないかと思います。非常に長くなって恐縮でございますが、その学生たちがなぜ募金をしたかにつきまして、全国の学生が集まりましたときに出しました声明文をもって、学生たちへの感謝の気持ちを代弁したいと思いますので、少々長くなりますが、恐縮ですがお許しくださいませ。「全国学生交通遺児育英募金運動基本姿勢。交通戦争という言葉を私達が自ら作り出してから長い年月がたちます。その間私達は一回もこの戦争に勝ってはおりません。しかし、少くともこれからの五十年、六十年は我々の時代であります。我々自身が生きて行かねばならない年月であります。その時代が様々な公害を始めとする文明の歪みによって汚れた世界であったとして、それの解決を責任のなすり合いによって怠ったとしたならば、それはとりもなおさず我々自身の破滅へとつながるであろうことは明白であります。十月六日から始まる四百大学、一万人の学生による交通遺児育英募金は零からの出発ではありました。しかし、私達はこの運動を大学から他の大学へ、大学から市民団体へと呼びかけ、単に交通遺児育英だけの問題にとどめず、交通公害を本質的に解消し、更に文明を我々若者自身、そして遺児達自身が強く生きる力へと発展させて行く事を念願とする。」
 こういうような声明文を採択いたしました。以上をもって質問の回答にかえます。
○千葉千代世君 たいへん詳しくお述べいただいてありがとうございました。
 そこで、私はもう一点だけ伺いたいのですが、あなたが交通遺児育英会の専務理事としての立場ではなくて、交通評論家でもいらっしゃるし、こういう点に非常に運動していらっしゃると伺いますが、問題点がずいぶんあるわけなんです。あなたはこの問題点の中で、今後どういう総合対策が必要といいますか、ほしいなとお考えになりますか。時間の関係ございますので恐縮ですが、一言でけっこうですが、お述べいただきたいと思います。
○参考人(玉井義臣君) 私の推測では、ただいま一時間に一人の割合で交通遺児が生まれているんではないかと思います。これはきわめてラフな試算でございますので若干の食い違いがあるかもしれませんが、交通事故統計、厚生省の統計なんかをからみ合わせますと、年間八千人余りの遺児が出ているように思われます。そうしましたときに、私は総合的な抜本的な対策が必要になるかと思います。
 遺児問題の最大の焦点は、やはり交通遺児が貧困化するところにあると思いますが、その貧困化を防ぐ方法として、私は補償体制の強化と、中高年齢のこの婦人の、いわば交通戦争未亡人の安定した職場の提供が考えられなくてはならないんじゃないかと思います。
 まず補償体制につきましてですが、東大の調査によりますと、全体のわずか四分の一しか損害賠償額の全額を受け取っていない。一割は約束をしたけれども一銭も取ってはいない。二割は、自損事故のために補償は全くゼロであるというような惨状です。ここで私は非常に高額な強制保険一本にいまの補償体制を変えなければいけないのじゃないかと思います。任意保険の普及率はきわめて低うございますし、強制保険の五百万円で十八年間の子供の生活、教育を見ていくことはかなり困難かと思います。
 もう一点は、交通遺児家庭について物価スライド方式による年金制度を新しく設ける必要があるのではないかと思います。いま五百万円を一度にもらうよりも、父親の所得の何%かを物価スライド方式で子供が成長するまでもらえるような方式をつくる必要があるのではないかと思います。
 それから母親の職場については、ほとんどの母親がパートとか内職とか、ろくな職業につかず、いまの東大調査におきましても、勤労月収はわずか三万一千円でございます。これではとても子供をかかえて生活できないと思います。職業訓練その他を国が施し、安定した職場につけてやることが抜本策として必要かと思います。
 それからもう一つは、精神面でのサポートであります。これは交通遺児だけではなく、親を失ったものに対するあたたかい励ましが学校の現場、あるいは広く社会でなされなければならないと思います。以上でございます。
○千葉千代世君 これに関連しまして、まず総理府にお尋ねいたします。
 年間大体二万人の交通事故死があって、そうした場合には、したがって遺児も出るわけなんですが、これは一説には八千人とか一万人とかいわれているわけですが、大体総理府ではそういう実態をどのようにおつかみになっておりますか、簡単でけっこうでございます。
    ―――――――――――――
○委員長(鈴木強君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日永岡光治君及び吉田忠三郎君が辞任され、その補欠として小林武君及び和田静夫君が選任されました。
    ―――――――――――――
○説明員(平川幸藏君) お答え申し上げます。
 正確に申し上げますと、交通遺児とはどの範囲をいうかということによりまして、だいぶ違ってくるかとは思いますけれども、実は総理府が昭和四十三年調査いたしました小中学校の遺児の実態から推測いたしまして、私のほうでは毎年約三千人の遺児が出ておると、こういうように推測しております。
○千葉千代世君 そこで、総理府としては、総合的な精密調査をする用意はないか、というのは、昭和四十三年の十二月二十日衆議院の交通安全対策特別委員会で決議があげられましたですね、御承知のとおりと思うのですが、その中に、修学資金の貸与の問題であるとか、あるいは法人の健全な事業活動を促進するため必要な助成措置について、こういうことが述べられているわけです。しかし、実態が明らかになっておりませんと、政策を立てますためにもそごを来たすわけです。これは言うまでもありませんけれども、すべての政策の基本がやはり実態調査にございますので、そういう観点から昭和四十三年の十二月二十日の決議以降実態調査を含めて政府はどのような対策をこれに沿ってなさったか。というのは、そのときに決意が示されておって、必ずこれに沿ってやると、四十四年一月三十一日の閣議で政府の方針として了承しているわけです。したがいまして、その対策というものを明らかにしていただきたい。
○説明員(平川幸藏君) 先生御指摘のとおりでございますが、実はあの決議の由来と申しますか、簡単に申し上げますと、当時交通遺児育英会設立の必要が相当叫ばれておったわけでございます。それについては実態が調査されていないということで、この決議に基づきまして、先ほど申し上げましたように、実はこれは文部省と共管の団体でございますけれども、一応総理府が調査いたしました結果二万八千人という数字と、それから生活保護の受給率といいますか、あるいは父親を失った率という程度の調査をいたしまして、その結果に基づきましてこの財団法人が設立されたわけでございます。それ以後この交通遺児自体につきましての実態調査は行なっておりませんが、実は総理府といたしましては、昭和四十四年に遺児を含めましていわゆる交通被災者の実態を、これは全国的に実施したわけでございますが、約九千八百人につきまして実施しております。御承知のように、総理府の所管といたしましては総合調整でございますから、ある特定の領域だけを調査する権限もございませんし、実は能力もない、そういうことで相互に関連する部分につきましては実は一体として調査するというのがわれわれの役目じゃないか、このように考えておりまして、昭和四十四年の被災者の調査は、たとえば救急搬送の問題でありますとか、あるいは医療保険の問題でありますとか、あるいは賠償の問題でございますとか、そういった被災者全般につきましての調査を実施しております。従来総理府の調査といたしましては、現在まで行ないましたのは、たとえば歩行者の調査でございますとか、自転車搭乗者の調査、あるいは来年行ないますドライバーの調査とか、全般的な領域につきましての調査を、各省にわたるような調査を実施していく、こういうような方針でございまして、交通遺児につきましての本来の生活実態につきましては、厚生省あたりで詳しく御調査願うのが適当かと、このように考えておるわけでございます。
○千葉千代世君 実態調査ですが、聞くところによりますと、厚生省がたしか実態調査の予算を持ち出して、これを大蔵省からけられたやに聞いているわけなんですが、そういう点で総理府としましては、やはり政府全体の方針として実施していくという、こういう観点から進めていただきたいと思うんです。具体的にはやはり今度の国会は公害国会といわれているように、公害の中の大きな比重を占めておるわけなんですが、そういう意味であちらとかこちらではなく、総合した対策が総理府にあるというならば、やはりそういう点でこれを明らかにしていただきたい。今後これを早急にやるかどうか聞かしていただきたい、やる意思があるかどうか、早急に。先ほどのは全体的な調査の中でこれを九千何百人やったわけですね、そうではなくて全体的に精密調査、総合的な精密調査です。
○説明員(平川幸藏君) 先ほど申し上げましたように、総理府の調査の内容あるいはやり方等につきましては限界がございます。そこで私のほうといたしまして、この交通遺児につきましては、先ほど玉井専務から言われましたように、実は目下第一報は出ておりますけれども、詳細な調査をこれからやるわけでございます。しかも第一回の調査は御承知のように玉井専務から言われましたように、郵送方法でやっております。これは来年、おそらく近い将来におきまして面接調査もやられるそうでございます。そういうことも考えておりますので、私のほうでは現在直ちにこれを実施するという用意はしておりません。したがいまして、そういう調査の結果等もよく見まして、われわれのほうでさらによく検討いたしたい、このように考えております。
○千葉千代世君 いま実態調査の件で述べられたんですが、非常に消極的だと思うんです。というのは非常に急がれているわけなんです。これは各小学校長とか各学校で調べたものも私は拝見いたしました。それから社会福祉協議会で調べたものも拝見いたしました。東大のも拝見いたしました。そうすると、集約いたしますと、いまあなたが述べられたように、やはり一番落ちているところは面接調査ですね。生活の実態とか苦しいことはなかなか浮き上がってこないんですね、郵送方法ですと。そういう意味で面接調査を重点とした精密調査を行なうということ、こういうふうにきちっととらえた予算要求その他をしていただきたい、こう思うのですが、その点いかがでしょうか。
○説明員(平川幸藏君) 先生も言われましたように、調査方法としましては面接調査をやりまして、たとえば強制保険とか、そういったものは何であるかということをよく説明した上でないと正確な回答は返ってこない。現にこの調査を見てみますと、無記という欄が非常に多いわけです。これはおわかりにならぬのじゃないかと思うのです。そういう点についての調査方法については先生のお説のとおりだと思います。しかし、この遺児の実態調査につきましては、私のところの分野でできない部分もかなりありますので、厚生省ともよく連絡いたしまして、その方法あるいはやり方等につきましては、よく検討しました上で進めてまいりたいと、このように考えております。
○千葉千代世君 次には、政府がもう少し財政的な援助をすべきではないか。具体的には、私二千万円というお金ですか、どういうところから出たのかと思って拝見したら、自動車賠償保険のあの中から出ていますね。われわれの一般の税金のそういう中から出ていないわけですね。そうすると、政府では痛くもかゆくもないのです。率直に言って二千万円でしょう、四十億ほしいというのに。これは交通遺児育英会が四十億ほしいというのに、政府が二千万円出して、先ほど述られた中に、昨年一昨年ともかく四千万円いただいたといってたいへん玉井理事が感謝していらっしゃるような気持ちでしたけれども、これは私ちょっといただけないのじゃないか。こういうことを私論争をしていけば長くなりますから、これは申し上げませんけれども、一般の募金額が十億円ということでしたね。十億円の中で、いまちょっと私メモしておったのですが、まあこれは非常に少ないですね、募金されている額が。そうしてみれば一般の募金にたよる、特に学生さんがあの純真な意気に燃えて、そうして一生懸命にわが身のこととしてやっていることは、これは私単なる称賛とか御苦労さまでは言い尽くせないものを含んでいると思う。そうした場合に、これを受けた政府としては二千万円、ことしも二千万円のつもりなんですか、その点をちょっと。
○説明員(平川幸藏君) お答えいたします。この金額につきましては、実は先ほど先生の指摘されましたように、自賠責保険特別会計のほうから出ております。で、二千万円を予定しております、今年も。
○千葉千代世君 まあ私これでけんかしていてもこれはしようがありませんけれどもね。私は端的に言って、一般の国民からの募金を十億ということをいわれているのですね。これはだてにはじいた数字じゃないと思うのです。私いろいろな書類を拝見しまして、四十億の募金目標ということを掲げて、先ほど私直接電話で申し上げました、育英会に。四十億で一体足りるのか、足りないとすれば将来の展望はどうなんだと聞いたら、とても足りないけれども、最小限初め三十億と思った、いろいろ考えていま四十億円最小限の最小限要るのだ。そうしていった場合に、文部省にも聞きたいのですが、高校に入るのに一体幾ら金がかかるのかと考えた場合に、いろいろ換算してみますと、将来どんなに少なくてもまだまだ五十億やそこら要るのじゃないかということを想像するわけです。そうすると、一般の国民の十億の募金というものを政府が肩がわりするという意思はないのかどうか。二千万円から十億というとちょっとあまりけたが違うので、ぼうっとするかもしれませんけれども、実際に国民が負担していくとなれば、十億ぐらいのものを持てないで、これは衆議院の特別対策委員会の決議を忠実に施行したとは私は言えないと思うのです。出るところはあるわけなんですね。そういうところ官房副長官どうですか。あなたは長官の代理ですから、政府の責任者として、総合対策の元締めですから、金についてやっぱり真剣になってもらわなければ、金がなければできないのです。その辺どうでしょう。
○説明員(湊徹郎君) 先ほどの御議論を拝聴しておりまして、お気持ちは私としてもよくわかるわけでありますが、御承知のように総理府といたしましては、たまたま自然災害に対する対策関係も管掌しておりますし、今度の国会の主役になるであろう公害関係、いずれにしろ原因が自然的な原因、あるいは社会的な原因、さまざまございますけれども、それによって生じたいわゆる被災者、それに対して全体としてどういうふうな措置をとるかということは、大きなやはり政府全体としての問題であろうと心得ております。で問題は、交通事故という原因によって生じた遺児、このお気の毒な方に対象を特別にきめて、それでもって処置をするということが全体の制度の上から言って、率直な話、自然災害による事故についても共済制度をつくれ、個人共済制度をつくれという数年来の主張がございまして、ことし初めて九月一日に調査をしていま集計中でございますが、そのほか火災による事故によって生じた遺児の方もいらっしゃる。あるいは病気によって生じた遺児の方もいらっしゃる。そういう方々を全般として社会保障政策のワクの中でさばいていくということで、現在御承知のように厚生省、あるいは奨学資金等に関しては文部省、それぞれの担当省の中で対策を立てておるというのが現況でございまして、したがって、そういう交通事故という原因によって生じた遺児の方だけに対して一般会計のほうから特定の金を政府が出す、こういうことはその根っこになるやはり制度というものを固め、具体的に政府は何をやるべきかということをきちっと体系的にまとめたそういう前提の上に立って一般会計から出す、こういうことならけっこうだろうと思いますけれど、率直な話、現在の実態はそういっていない。そこで一般会計から出しにくいものですから、自賠責の特別会計のほうからお願いをして出しておる。この出しておる金額も二千万ではございますけれども、しかしその前提として、さっき申しましたように全国の実態調査をやり、それをもとにして遺児育英会をつくり、そして財界その他に対する働きかけ等についても側面的に政府としてはいろいろ御協力を申し上げて、民間、社会一般の善意に期待しながら、そういう遺児の方に奨学制度という形でお報いしていく。それが筋としてよかろうという結論になってやっておるわけでございまして、二千万円というのはいわばそういう意味で誘い水、一種の制度をつくり、それを育てていくための誘い水と、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○千葉千代世君 とても理解できないですね、それは。よく政府の答弁の中で、一つの問題を出して、これを重点的にやっていこうとすると、こういうことは大事だからといってやろうとすると、それはこちらの関連があるから、いやそれはあちらの関連があるからといって、全体の中にそれが埋没してしまう。そんなことだったらいつまでたってもできないわけですね。いまおっしゃる気持ちわかります。私もよくわかりますけれども、あなたもよくわかるということで、二人の気持ちはわかっておっても、現実に困るのはどうにもならない。火災でなくなった子供はもちろんお気の毒ですけれども、数字的にどう把握しているかということをさっき申し上げたのはそのことなんです。交通遺児の激増は非常なものですよ。これは比率がぐんと違うわけなんですよ。何のために遺児の育英資金が設立されて、しかも財団法人で、それぞれ学生たちが西東飛んで回ってやっているんだということを考えたときにぴんときてもらわないと困る。政治の感覚というものはそういうことだと思うんです。そういう意味で考えた場合に、身体障害者の家庭でも困っているところが多いだとか、交通遺児だけが特別扱いができないとかという答弁は形式論に左右されてしまっている。端的に言えば、これは善意なサボタージュだと思うんです。やる気持ちはあるけれどもやらないという――いまあなたのおっしゃっていることは代弁しているはずなんです、長官を。たいへん申しわけない言い方ですけれども、そういう話であれば、この交通安全対策特別委員会を開いてもこれは進展しないと思うんです。二千万円ではまことに少ない、何とも申しわけない、十億は出せないけれども、せめてことしは、みみっちくてまことに申しわけないが、三億でも五億でも出そうという気持があるんですか、ないんですか。それが全然なくて、全体の会計となれば、一般会計の予備費という考え方ですね、これではまた問題が大きくなって、何のために税の増収についてああいう始末をしているのかということも言いたくなるのです。話はわき道にそれてしまいますが、全体の予備費はどうか。それを見ますと、災害があったときのために用意しなければならぬことがあるとか、それは政治ですから用意しなければならぬことがあるでしょう。しかしそういうふうにすべての答弁が出てくると、予算委員会でもそうですが、どうなるのですか。そういう中からこういう問題を抽出して、それに光を当て、焦点を当ててうんと交通公害に対してやる、これは一番底辺にある問題ですからね。さっき三人に二人も貧困だということを玉井さんはおっしゃった。三人に二人も貧困だ。文部省は――文部省の方来ていらっしゃいますか。あれでしょう、育英会は千五百円じゃないですか。調べてみたらどうでしょう。ついでに文部省と厚生省に簡単に答えてもらいたい。もう一ぺん話を戻しますけれども、文部省は現在高等学校に行くについて費用が一体どのくらいかかると考えているのか。公立では幾ら、私立では幾ら、地方自治体で持つのが幾ら、奨学金は千五百円でしょう。その千五百円でもって足りるのか、足りないのか。文部省は坂田さんのかわりにきていらっしゃるのでしょうから、その点で責任をもって答弁してください。何で文部省やっていますというようなことを官房副長官ともあろう者がぬけぬけと言うのですか。
○説明員(柴沼晉君) 公立の全日制高等学校に通うための私費負担額は――私費負担額と申しますのは、交通費とか、通学用品費とか、授業料とか、旅行費とか、そういうものに要する経費は昭和四十三年度で年間五万五千八百三十四円となっております。それに対して公費が負担している額というのは一人当たり年額九万四千五百三十九円ということになっております。
○千葉千代世君 ちょっとあとのほうをもう一ぺん。公用の連絡がありましたので失礼いたしました。
○説明員(柴沼晉君) いま調査課長が高等学校の私費負担と公費負担についてだけ申し上げたわけでありますが、私費負担につきましては、年額五万五千八百三十四円、それに対しまして公費として支出されておりますのが九万四千五百三十九円となっております。一応数字だけ御報告申し上げます。
○委員長(鈴木強君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(鈴木強君) 速記をつけて。
○千葉千代世君 それでは、高等学校に入るについて支度金がいろいろ要りますね。大体どのくらい要ると推定していますか。やっぱり四、五万から五、六万かかるということが私どもの調査の中で出ておりますけれども、どのくらいかかるのでしょう。
○説明員(柴沼晉君) 直接支度金というような形では取っておりませんで、学年段階別に取っておりますが、それを見ますと、中学校一年、三年、それから高等学校の一年の方が多くなってございます。
○千葉千代世君 それで交通遺児ですね、たとえばいまの問題は貧困家庭とか成績優秀なものとか、いろいろな点があるわけなんですが、奨学金については日本育英会のほうでやっているのは普通千五百円、支度金については生活保護の問題を含めて一万五千円でしょう。そうした場合に、総理府のほうでは文部省のほうでも育英資金のことを考えているのだということを言うのですが、文部省のほうではその一般の育英資金のほかに交通遺児の育英資金を考えていますか。それに関連した対策を立てているのですか。いないでしょう。
○説明員(齋藤寛治郎君) 日本育英会の趣旨は御存じのとおりでございまして、優秀な資質がありながら家庭の経済に恵まれないという趣旨で育英会が運営されておるわけでございますので、家庭の貧困ということと有能な資質を持っておるという両方の条件をかなえておる者は育英会の対象になる、そういう制度のたてまえになっておるわけであります。
○千葉千代世君 たてまえはそうだって、千五百円でしょう。
○説明員(齋藤寛治郎君) はい。
○千葉千代世君 それで総理府は文部省が育英資金については考えているようだからといって、それで納得できますかしら。私はそれは全然納得できないですね。しかし、これはいまここで論争の場合でもありませんし、育英会の全体の立場、大学、高等その他についての金額もあることですから、いますぐこれだけ上げろとは言えませんけれども、適用人員を見ても、育英資金がほしいなというほしい者に対してのパーセンテージはどのぐらいやっていますか。先ほど玉井さんのほうからもパーセンテージが出されたわけですが、そちらのほうの一般の……。
○説明員(齋藤寛治郎君) 金額のほうで申しますと、いま先生言われましたように、千五百円という数字になってございますが、私どものほうも育英会の制度の趣旨から考えまして、十分ではないということで今年度は増額の要求をしてございます。
○千葉千代世君 それからこの育英制度については、いわゆる日本育英会、それから各県で個別にやられているもの、それからたとえば何々財団とかというようなそういう特殊なものがある県もありますね。それを総計しますと、かなりございますけれども、やはり交通遺児というものは、もう全然これは車の責任とか、人間の責任とか、政治の貧困とかというそんな論議の余地のない非常に大事な問題なんです。今後はやはりそういう総合対策についても文部省はもっと積極的に参画していただきたいということと、それから次に厚生省に一、二伺っておきます。
 この育英の奨学金ですけれども、これを受け取った場合に、生活保護世帯についてはどういう関連を及ぼしますか。
○説明員(宮嶋剛君) 私、生活保護をやっております保護課長でございますが、生活保護につきましては、たてまえといたしまして、いろいろな収入があれば一応それを引いて、足りないところを補う、保護費で支給するというかっこうになっておりますけれども、実際問題としていろいろといただく方の中には性質によって引くことがどうも問題であろうというものもございまして、引かないものもございます。実はこの交通遺児育英会の仕事につきましても、交通遺児が置かれております特殊な家庭環境と申しますか、そういうものを考えまして、現行五千円奨学金が出るかっこうになっておりますけれども、それにつきましては、五千円いただいて高等学校にいかれるという場合につきましては、収入として認定しない、その奨学金をお使いになって高等学校へいっていただく。なお、その人の生活につきましては、もちろん一つのかまのめしを食っているおとうさん、おかあさんと一緒に生活保護をやるというしかけに今日はいたしております。
○千葉千代世君 これは国民年金とか母子年金支給などの調整に関係はないのですか。
○説明員(宮嶋剛君) 一般論で申し上げますと、拠出年金、すなわち厚生年金のたとえば養老年金とか、あるいは老齢年金とか、あるいは遺族年金とかというのは、いわば社会保障制度の中におきます所得保障の制度でございますので、そういうものを年金でいただかれるという場合には当然まず年金額がありますから、それで生活をやってもらい、足りないところを生活保護でめんどうをみるというかっこうになってまいります。ただ、そうは申しますものの、拠出年金以外の特殊の年金制度で、いわば国民年金の福祉年金という制度がございます。この福祉年金につきましてはいろいろ論議がございますけれども、いわばその人の日常生活の生活費を保障するというたてまえではございませんで、ねぎらいとか、その他のいろいろな意味のある制度でございますので、福祉年金につきましては実態的に、むき出しに申しますと、総額につきましてはこれは引かないというかっこうになっております。
○千葉千代世君 そういうのは、四十三年の十二月ですか、衆議院の交通対策特別委員会の決議を上げたあと、政府がこれを発表している中に、「総理府年内に財団設立」という新聞記事この古い新聞を切り抜いてきたのです。その中に、いま言われた、「この育英資金の基金の一部は、」云々とずっとあって、まず「免税を大蔵省と協議している。」とあって、「この場合、現在実施中の日本育英会の育英資金や母子福祉資金の貸付け、国民年金による母子年金の支給などとの調整が問題になる。」と、こう出ている。それで私いま伺っておりますと、そんな、心配はないということですね。ですから幾ら上げても、たとえば交通遺児育英会でいま五千円だけれども、もっと上げたいとした場合、それから日本育英会でも増額を考えている。そうした場合にはこれは全然関係なしでいいわけですね。
○説明員(宮嶋剛君) いまの御質問に関連しまして二つお答えしたいと思います。
 一つは、時間的な時系列の問題でありますけれども、実は四十二、三年当時は問題があったわけであります。と申しますのは、いわば私どもが生活保護でめんどうみているのは、まず教育費で申しますと、義務教育のところまで保障するという――健康で文化的な最低限度の生活保障が生活保護法でありますけれども、この任意でいかれる高校教育までは保障できないということがございまして、高校進学につきましては、この収支認定の面で若干きびしい面がございました、事実。そうは申しますものの、特に今日の段階で申しますと、高校進学率は国民の八〇%になっておるというふうなこういう進学状況でございますので、実は本年から私どものやり方を少し変えまして、かつてはこれをしぼっておったものを、奨学金をいただかれる場合には高校進学でもフリーになるというような、そういうふうに変えたわけであります。その点が一つでございます。
 それから、第二に、いま御指摘のございました金額については、幾ら上げてもいいのかというお話でございます。なかなかむずかしい御質問でございますけれども、私どもはこういう奨学金制度が方々でできますについては、おのずからそこで高校に要るお金をぎりぎりはじかれた上でそういう金額をお出しになるものと思います。で、そういうお金であれば、そのお金につきましては私どもが収入に列することは問題であろうと思います、一般論としまして。現状はいまのは五千円とか千五百円でございますか、その程度のお金であれば、先ほど文部省でお答えがございましたように、年間約六万円程度金がかかるというのは事実でございますから、しょうがないと思っております。今後額がふえまして、どうなるかということでございますけれども、私どもは奨学金の金額をきめるについて、おそらく全国平均的に見渡されて、要るであろう金を保障されるというそういう奨学金になるということであれば、われわれもそれを引くことは問題があろう、このように思います。
    ―――――――――――――
○委員長(鈴木強君) 途中ですが、委員の異動について御報告いたします。
 本日、奥村悦造君が委員を辞任されて、その補欠として宮崎正雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
○千葉千代世君 わかりました。
 厚生省を終わりまして、それから総理府の長官がいらしてから、先ほど官房副長官に質問したのがありますから、その三点お答えしていただくということで、私これで打ち切ります。
○田渕哲也君 それではまず玉井さんにお伺いしたいのですけれども、遺児の数が約三万人というふうに言われておりますが、実際、いまのところ奨学金を受けている人数が少ないのですね。先ほどのお話によりましても千二百人か三百人。これはやはり育英会の資金が足りないからこれは少なくせざるを得ないのか、あるいは育英会というものを知らない人がいて申し込みが少ないのか、その辺の事情を私承りたいと思います。
○参考人(玉井義臣君) 田渕先生御指摘の件でございますが、私どものほうでただいま奨学生として採用いたしておりますのは、四十四年度、つまり昨年五月二日に発足しまして、さっそく採用しました生徒がいま四百九十二人おります。この四月で新規に高校に入りました生徒が千二百二十五人おります。つまりこの両方を合わせますと千七百十七名私どものほうで考えております。一学年千三百名、三学年四千人に比べますと非常に少ないという御指摘かと思います。なお、参考までに申し上げますと、来年高校進学をしたいと、その際に奨学金を借りたいという生徒の予約をとりましたところ、千十七名現在のところ申し込みがきております。私ども考えますに、われわれがこの生徒の募集をします場合、方法としましては、中学あるいは高校に直接奨学生の募集を依頼する書類を一通ずつ送るということと、各県の教育委員会に、こういう書類を中学ないし高校に送ったけれど、よろしく教育委員会のほうで御配慮願いたいという別途の依頼だけでございます。何せ財団でございますので、ことばはどうかと思いますが、あまり強制力に似たような強い指示をできません。それですから、学校によりましては、非常に熱心なところは掲示をして、あるいは中学三年生の各クラスに漏れなく伝達して、育英会の奨学生を募集してくださるんでございますが、どうも各地であとからぼつぼつ出てくる奨学予約生の話を聞きますと、学校では聞いていなかったと、たまたまあとで新聞を読めば出てきたんだというようなことがかなりあるので、これはたいへん弱ったことだと考えているわけです。われわれのほうはもうPRの方法に限度がございますので、たいへんこれは文部省、教育委員会、学校に対してごめんどうをおかけするんでございますが、何せこういう社会情勢下でございますので、交通遺児のために積極的に募集していただく以外にちょっと手がないんじゃないかと思われます。
 それから他に理由として考えられますのは、ボーダーライン層でありますけれど、子供が学校でお金を借りたために肩身の狭い思いをするのでかわいそうということで、かなりしんぼうして育英資金を借りずに済ましているという家庭もあるかと思います。
 それから生活保護家庭に関して若干の統計をとってみたんですが、私どものほうで四十五年度、ことし高校に入学しました子供について、生活保護家庭だけの子供について見ますと、四〇%しか申し込んできておりません。これは分母を総理府の統計から出したんでございますが、四〇%ということは、ことしの全国の高校進学率が八二%くらいでございますから、私どものほうに関する限り、全国平均の半分しか申し込んできていないと、つまり五千円ではちょっと生活保護家庭ではきびしいんじゃないかというようなことを推測しております。以上でございます。
○田渕哲也君 それから先ほどのお話の中で、将来の資金調達の予定は四十億というお話聞いたんですが、この四十億集めるのになかなか御苦労だと思いますが、いまのところ大体いつごろになればこの四十億が調達できる見込みですか。
○参考人(玉井義臣君) 率直に申し上げまして、国民運動募金、つまり広く国民から善意を集めるという方式で十億を集めることは不可能だと思います。全国の二百都市で学生たちが十日間も立って集まったお金が九百万円ぐらいです。こういう努力が何年も何年も続けられるとはとうてい考えられませんし、やはりそういう方式を続けるということは無理があると思います。ですから、財界募金に関しましては自工会を除く一般財界の十億について、来年度中にまあ七割から八割くらいは何とかなるんじゃないかという、これは私の個人的見解でございますが、見通しを立てております。ギャンブルに関しましては、これは公営競技が未来永劫に続きますものですと、かなり私どもに対する御理解が深いものでございますから、十億円相当分の補助はあるんじゃないかと、これも若干希望的観測は入りますが、何とかなるように考えております。
○田渕哲也君 それから先ほどのお話と関連するわけですけれども、年間千三百人、これは千三百人にワクをしぼらざるを得ないということですか。ほんとはもっと広げたほうがいいんじゃないかと思いますが、これは資金の関係で千三百人ということにしているわけですか。
○参考人(玉井義臣君) 田渕先生御指摘のとおりでございます。先ほど千葉先生に対する答えで申し上げましたとおり、私の推測では大体一学年で、貧困層、ボーダーライン層を含めたもので二千五百人ぐらいの学資援助期待者がいると思います。千三百人といいますのはその半分ぐらいは何とかしたいということで、これは資金との関連で出た数字でございます。
○田渕哲也君 そうすると、資金さえたくさん集まるならば、これはやっぱり二千五百人めんどうを見たいという気持ちですか。
○参考人(玉井義臣君) 私どもとしましては、日ごろ交通遺児の家庭と接触をしておりまして、やはり世の中が八二%、東京、広島、大阪あたりになりましては九〇%をこえて高校進学がされている。事実上の義務教育だ。親として、父親が交通事故にあったがために高校に進学させられないということは、もうほんとうにつらいことだと言われております。私どものほうの永野重雄会長も、来たものに関しては、有資格者について断わることは相ならぬというふうな方針を私どもに下しております。
○田渕哲也君 自賠責の問題でちょっとお尋ねしたいのですが、運輸省はまだ見えていませんか。――大蔵省の保険部長にお伺いしたいと思いますけれども、先ほども玉井さんのお話の中に、根本的な解決策としては、やはり交通事故による貧困家庭というものをなくするようにしなければならない、それが根本的な問題だろうと思います。現在の自賠責制度で、一応死者に対しては五百万円という限度内で保険金が支給されるわけですけれども、やはりそれで救済できない分が出てくると思うんです。私はこの自賠責制度ができた基本的な理念というのは、やはり交通災害によってそういう困窮する人を救おうということじゃないかと思いますが、実際問題としては五百万円で十分な補償だとは思えない。したがってこの限度額を引き上げるということも検討しなければならないと思いますけれども、一面やっぱり交通事故を起こした人は自分の責任においてその補償をするというたてまえもあろうかと思います。ただ、問題はこの任意保険に加入しておる率が非常に低くて、裁判で補償額がきめられても、それを払えない人が一ぱいいる。そのあおりといいますか、しわ寄せが交通遺児の問題にもなってくるわけです。したがって私は自賠責制度の中で遺児救済という面を取り上げるべきではないかというふうに考えるわけです。具体的に申し上げますと、玉井さんのやっておられる育英会に関連しましても、現在自賠責の保険金、これは政府が日銀に預託しておる部分でも一千二百八十億円あります。その利息は年間四十六億円、これは四十五年度ですね。これは保険金の勘定ですけれども、政府保障勘定、ひき逃げとかそういうものに対する政府の保障分の勘定にも八十四億円の金がありますので、運用益が年間三億七千万円、現にある自賠責のお金だけでもこれだけ政府に金があるわけです。したがって先ほど一般会計からはなかなか出しにくいというお話もありましたけれども、私はもう少し自賠責の保険金なり保障勘定の運用を考えれば、遺児の救済ぐらいのことは十分できるんではないかと思いますが、この点についてもしお考えがあれば伺いたい。
○説明員(渡部信君) お答え申し上げます。先生御承知のことと思いますが、この自動車の強制保険というものはいわゆる強制保険でございます。したがって強制保険の性格から保険料というものは最小限にとどむべきだという考え方があるわけであります。保険料を最小限にとどめるということ、それに伴っていわゆる支払い保険金額も最低補償ということになるかと思います。そういう考え方で構成されておりますので、昨年の保険審議会においていわゆる保険金支払いの限度額の引き上げというときに五百万円ときまったわけでございますが、中には五百万円をこえてもっと大きな額をという、こういう考えを述べられた方々もおられましたが、最終的には最低補償というような観点から五百万円にきまったわけであります。したがって私どもはこの五百万で補償が十分であるというふうに考えておるわけではございませんが、最低補償であるというたてまえ上五百万円にきまったわけでございます。したがってこの五百万のほかに、場合によってはそれをこえるような補償をしなければならぬ事態も生ずるかと思いますが、それは個々具体的に加害者がそのこえた分を支払うべきである、負担すべきであるというふうにきまっておるわけでございます。先ほどの先生のお話の、この保険の内部において交通遺児に対する救済の手段を何とか考えるべきじゃなかろうか、こういうお話もございましたが、そういう考え方もあろうかと思いますが、先ほど申し上げたように、この保険の性格から、いままでの論議においてそのような議題はいまのところ載っておりません。しかしながら私どもは今後審議会を開きまして、そういう問題のありましたということをお伝えいたし、十分慎重に検討さしていただきたいと、こう考えておる次第でございます。
○委員長(鈴木強君) ちょっと速記とめてください。
  〔速記中止〕
○委員長(鈴木強君) 速記を起こしてください。
 それでは総理府総務長官が御出席ですから、質問を留保してありますので、最初に千葉委員から……。
○千葉千代世君 先ほど副長官のおいでのときに政府の答弁をお願いしておったのですが、退出されたわけです。次の三点について長官の御答弁をいただきたいと思っております。
 第一点は、交通遺児の実態調査、特に面接を軸とした精密な調査をする用意がありますかどうですかということ、これはぜひしていただきたいという要望を添えて。
 それから二番目は、政府の補助金が二千万円で、しかもこれが自賠責保険の中から出ているわけですから、交通遺児育英会のほうで一般の国民から十億円ほしいということを言われてすでに募金を開始しておりますが、これは非常に少なくてまだまとまっておりません。政府で二千万でなくて、少なくとも募金の肩がわり程度十億円ぐらい出す用意はないか、これが二番目。
 三番目は、政府として育英会のような財団を設立する用意はないか。というのは、四十三年の十二月の衆議院の決議のあとで、年内に財団設立ということを総理府で考えているようなことが、これは新聞情報ですからわかりませんが、図書館で切ってもらったのにそうあるわけなんです。ですから、そういう点についてまだその緒についていないようだし、ほかの財団、たとえば交通遺児育英会とか、そういうところだけにゆだねておって、そのままでいいのかどうかということなんです。そういう点について伺いたい。時間がないようですから、簡潔でけっこうでございます。
○国務大臣(山中貞則君) 交通遺児の問題は、街頭募金等をたいへんにぎやかにやるのですけれども、春にやりましたときも最終的には全国で集まりました金額が三百万足らずというようなことで、なかなか一般の人たちが自分自身のことであるというふうに遺族の方々との気持ちの間に少し断絶みたいなものがあるような気がいたしました。でありますから、あのようなテレビなんかにも出ますけれども、そのとき限りの問題でない、基本的なことを何か考えなければならない時代に、私たちは便利さ、快適さを追求するあまり、そういう自動車事故による遺児というものを、しかも一瞬にして、ことに働き手の人たちが運転する人が多いですから、日本人の平均寿命の伸びを引っ張るような理由の一つに中堅年齢層の人たちの交通事故による死亡なんということが大きな要素になって登場してまいりました。ここらで私たちやはりわが国におけるそういうような事態、またアメリカに何人当たり一台の数でおくれているとか何とか言いますけれども、その普及率等も人間居住可能面積の中の自動車の走り回る密度ということを考えますと、私たちは普及率の単なる統計の数字でない、その裏で起こる実態というものについて目をつぶってはならないし、ここらで何とか考えなければならないことが提起されておるように思っておるわけです。現在の実態調査については、たしか財団のほうで御調査を願っておると思いますが、これを国のどこで調査いたしますか、もちろん調査となれば委託その他の方法もありましょうし、直接の面接等もいろいろ手段がございましょうが、要するに正確な、単に何人当たり一人というような程度でない、遺児の生活の置かれた普遍的な環境はどういうものであるか、そういうようなもの等が、政策を引き出せるもとになるような調査がどうしても必要だと私も思います。でありますから、私も急遽呼ばれて参ったわけで、いまは公害の法案つくりで寧日なしということで、ちょっとすぐにどこでやるということも答弁いたしかねますが、これらの問題は交通遺児育英会等とも御相談をいたしまして、何らか実態をまず私たちは知るべきだということにおきましては、当然の政策の前提として考えてみたいと考えます。
 それから国のほうが自賠責からわずか二千万円しか出していない、これも事実であります。ただ現在個人災害については、今年の予算から初めて個人災害の共済というものが成り立つかどうか、こういうものを調査費を取りまして、いま災害の非常に多いような、台風その他のみんながひょっとするとあすはわが身かもしれぬと思っておるような風土のあるような県を選びまして、こういう個人共済がなじむかどうか、いつ自分の上に襲ってくるかもわからない不測の事態にみんながそのために掛け金をする制度と受け取れるか、民間の一般損保はこの分野まで手を広げることをちゅうちょしておりますし、要するに一般の財産、家庭の中の貴重な品物、そういうようなものにまで家財についての保険までやっと踏み切った段階でございますから、いまその調査というものの結果を私たちは個人災害というものの角度から制度というものができるかどうか、ことし予算をとっていま調査を開始しております。これらの点を勘案いたしますときに、交通遺児だけについては早くから問題が提起されつつありましたので、一般会計から出すことについては、ただいまのような個人災害の制度化すら問題がある、調査しておるところでありますし、その段階で交通遺児の問題は重大であるといっても、じゃその他の個人災害の問題については重大ではないのかという問題にもこたえなければなりません。しかし全部に何か財団をつくって支出するような国の体制もできておりませんので、したがって自賠責の関係と思われるそういう保険特別会計の中の支出という形で、いわば過渡的な措置をとっておると私も思います。しかしながらこれを基本的に法人の基礎財産というものをしっかりして、そして第三点で御質問になりましたような、できればそういう奨学金支給の財団というようなもの等も考えるよすがとするかどうか。これらの問題はやはり一つの研究課題であろうと思います。ことに奨学制度、奨学金支給の場合においては、交通遺児に普遍的に見られる現象というものが、突如として働き手を失い収入の道を断たれる、あるいは母子家庭になる、あるいは親子もろとも一家がなくって突然子供一人が取り残されて、残された人生を自分自身で歩こうにもどうにもならないという現状から見て、一方においては、大学、高校の進学率が八〇%をこえるという今日の事態でもありますので、それらのことを考えますと、どうしても社会全体の責任において私たちが何かを考えていかなければならぬということは間違いのない事実だと思います。しかしその十億円、直ちに一般会計から支出をするということについても、さらにまた奨学のための育英資金給付の財団をつくること等についても研究したいということで、私にしてはちょっと即答しない形の答弁で申しわけないのですけれども、要するに研究をさしていただきたい。ということは、何らかのめどをつけるための研究をさしてほしいということで、お許しを願いたいと思います。
○沢田実君 大臣、時間の都合があるそうでございますので、一点だけお尋ねをしたいと思います。大臣は、いまもおっしゃったように、臨時国会で公害が問題になりますので、そちらの大事な問題を担当していらっしゃるわけですが、そのほかにまた沖縄問題等、いま大事な問題だけ担当しておられます。ところが交通安全対策については、私はそれにも劣らない重大な問題だと、そう思っております。また長官が就任なさったときに、お年寄りや子供の死亡を半分にしたい、こういうような情熱を持って出発なさいましたし、毎回この交通安全対策委員会では、何とか交通事故をなくしたいということで努力をしておるわけですが、死者については全く減っておりません。ことしも去年の数を上回っておりますし、本年また一万七千を突破するのじゃないかというようなことが推定をされておる、非常に残念な現況であります。そこで、その交通事故をなくするためにいろんなことが議論されておるわけですが、まず道路をよくしようということで道路の五ヵ年計画、あるいはそれに対する交通安全施設をしようということで、警察庁においても来年度からそのための五ヵ年計画等を樹立いたしまして、来年度の予算要求については相当大幅な要求を計画しておられます。大臣もこの前それについては、断固予算を確保したい、こういうふうに答弁されておられるわけですが、その道路をよくし交通安全施設を十分に施しても、警察庁の見通しでは死者を大体五年後現在の半分にとどめたい。ですから、毎年増加しておりますので、五ヵ年後には相当の増加が見込まれるわけですけれども、現在の死者の半分にしたいというような考えのようであります。そういうようなことを考えますときに、私は交通安全対策の政治の基本的な考え方、その点について大臣に承るわけですが、いままで公害の問題につきましても、産業の発展のためには若干の公害はやむを得ないという考え方でやってきたおかげで、公害についてはどうしようもない現況になりまして、政府においてもこれはいけないということで、抜本的な公害に対する考え方を変えようということで、公害基本法から一切の法律を変えて公害を絶滅する体制に取り組んでおります。私はそれと同じように、これだけの道路をつくり、これだけの安全施設をつくれば、これぐらいの死亡はやむを得ないのだというような考え方ではたしていいのかどうか。私は交通事故死はゼロを目標にしていくことがわれわれ政治を担当する者の目標でなければならないのじゃないかということをしみじみ感ずるわけです。そこで、いままでいろんな計画、いろんな発表では、交通事故はもうゼロということは望み得ない、やむを得ないのだ、これは行政を担当するほうのいろいろな調査に基づくいろんな施策の範囲内では、私は交通事故をゼロにすることはできないのじゃないかと、こう思います。そこで、それを打ち破って根本的な交通安全対策の基本の考え方を樹立して、交通事故をゼロにしようというような何かをここで出していかなければならないのじゃないかと考えます。そこで、現在では車をつくることは幾らつくっても自由です。また使用についても自由に使用しております。道路はよくなっても車はそれ以上にたくさんできてまいります。こういう現状のままですと、先ほど申しておりますように、交通事故死をゼロにすることはとてもできないのではないかと、こう思うわけですが、そういう考え方を根本的に改めて自動車の使用制限、あるいはもう一歩進んで生産制限等まで考えても交通事故を断然ゼロにするというように、交通安全対策に対する基本的な政治の考え方を私は変えなくてはならぬじゃないかと痛感しているわけですが、大臣の所信を承りたいと思います。
○国務大臣(山中貞則君) 私さっき要らぬことあ申しまして、いま法案づくりに没頭しておるからと申しましたのは、現在のきょうあすの時点のことを言ったのであって、そちらのほうのみにいま重点を移しまして交通のほうをないがしろにしているということを申し上げたわけではないので御了承願いたいと思います。
 私の、政府として掲げました五十年までの歩行者の事故の半減、並びに自転車の歩行者に類する一番弱い立場の人たちの死亡事故を半減したいというのは、悲願であり、政治の目標として達成するための努力を怠ってはならぬと思いますし、その意味における効果は逐次出つつあると思います。しかし全体の死者というものは、それは御承知のとおり交通もますます快適になり、みんながますますマイカー族になって運転免許を取り始めますと、やはりあらゆる要素がからみ合って非常に重大事故、あるいは死亡その他の死傷者の数は非常に多い。自動車対自動車、自動車のみの事故というものがたいへんふえておる、このことを遺憾に思うわけです。そのためにはハンドルを握る人の問題としての飲酒運転禁止というものを徹底的にやろうという法律が皆さんの努力で実を実らせたことはすでに御承知のとおりであります。これの実施はいま厳に行なわれていると私は思っております。そこでそれらの問題を、今後交通事故というものはゼロにする方法はないかということでありましょう。しかしやはりどのような取り締まりをやっても、交通という事情の上に自動車というものが走っている以上は、やはり事故というものは絶滅を期することははなはだ困難だというふうに私は思いますが、これは努力するしないの問題とは別な話です。たとえば一ぺん私冗談言って笑われたのですが、バキュームカーと衝突してそこら中がたいへんなことになったということはどうも見たことがありませんし、あまり聞いたことがない。そこらにはあの車だけにはどうも衝突も接触もしたくないのだという運転者の心理というものがどこかにあるような気がしてならない。そうすると、やっぱりきょうは人の身あすはわが身という気持ちで、私がいつも言っておりますように、交通事故は加害者、被害者はある日突然ある時間にそういう立場に分かれるにすぎない。だから加害者も賠償を払うために自殺をしたりするような例もよく聞くのでありますけれども、このような不幸というものを私たちはやはり見逃してはいけないのだ。しかしながら、絶滅を期するための努力というものを一生懸命やってもそれはなかなかむずかしいことであろう。さしあたりは日本においても歩行者事故が五〇%近く、いわゆる走る凶器という実態でありましたものが、最近は三五、六%近く自動車自身もしくは自動車対自動車というような事故による死傷者がふえてまいりました。これなどはどうもアメリカ型の走る棺おけというような意味の自動車の姿になりつつあるのではないか。この点、非常に私たちが政策上死亡者を減らす上において、どうしても年率にすればふえていってしまう、こういうことが原因になっているのではないかと考えてたいへん残念に思っているわけであります。
 前置きが少し長くなりましたが、そこで自動車の生産を制限し、もしくは使用を制限するかという問題であります。これは私たいへんむずかしい問題であると思います。ということは、私たちみんなは自動車というものがあればそれだけ便利であるということも実際上日常生活の上からも、あるいはそれぞれの職業の分野からも、個人商店に至るまで知っております。その場合において、一定の規模以下のものは営業用として車を持ってはならぬ、あるいは一定の収入以下のものは、ましてや月賦等で車を買うようなことをしてはならぬ、隣のうちが自動車を買ったからというので置き場もないのに集団住宅あたりでは自動車をみんな持たなければ肩身が狭いというようなこと、そういうようなことで買うようなことはいかぬという、そういう制限もたいへんむずかしいでしょうし、一方自動車の生産の面というのは、これは押えることというのは、なかなか国策でございますから、輸出のほうにその五分の四を向けろ、国内販売は幾らにしなさいという命令もなかなかできかねますし、輸出というものは国内市場の底辺というものがあって初めて輸出というものが確保できることは弱電産業その他の示すとおりでございます。それらの現象が、しかし最近は自動車の問題とか、あるいは新しく予想される自動車に対する諸負担の問題、いろいろの問題が重なりまして、最近は公害問題等における自動車の動く排出源の規制の問題、アメリカその他に輸出している車はきびしい規制に耐えるために、日本の国内単価でいえば五万円ぐらいのバーナーとか、あるいはスクリーン等をつけたものを出しておきながら、国内においてはそういうものをつけないで、そして販売をしておる業者のあり方というような問題等もいろいろと議論されてまいりました。いずれ遠からずこれらの問題は、アメリカにおいてはニクソンの勧告しました一九八〇年までというのを一九七五年までというきびしい上院の全会一致の修正がなされておりまして、そのためにアメリカの自動車業界は、もし下院までこの上院修正どおりの内容で通るとすれば、おそらく一九七五年ないし七六年までには現在出しておる排気ガスの九〇%をカットすることを余儀なくされて、それ以外の車は市場に出ることができない、こういうたいへんきびしい目標が示されつつあるわけでございます。これはひとりアメリカのことのみならず、日本もやがてアメリカにそのような規制があって、日本の車もその規制の中で輸出をすることになるでありましょうが、国内においてもアメリカにおける規制よりもゆるい排気ガス等を排出しながら走る車を生産することは許さないという時期はごく近く私もくると思うわけであります。現在のところ直ちに立法措置をもって日本においてもそれらの自動車に対する規制をやるについてはもう少し議論が必要だと考えて、次の国会に公害対策の観点からの自動車そのものに対する規制法らしきものは出しませんけれども、遠からずこれは皆さま方と一緒になって議論をし、そして自動車を交通の問題から公害の問題という生命と環境を守る戦いの相手としてとらえていく時代は近いというふうに考えておりますので、これは党派を越えた問題としていろいろと御意見を交換したいと考えます。
○沢田実君 大臣、それまでの答弁はいままで聞いているわけです。いま突然そういうことを申し上げてすぐ答弁ということもこれは無理なことだと思いますが、需要は大事です。しかし需要のために人を殺していいか、これだけの死者を出してこれでいいのかどうかということも一つの問題ですし、それから人に被害を与えておきながらその補償もできないようなものが自由に車を持ってはたしていいのかどうか。この交通遺児の問題とか、あるいは賠償の問題等を考えますときに、人に迷惑をかけっぱなしで何の補償もできない人間が自動車を持っていいのかどうかということも私は重大な問題だと思うわけです。そういう点を抜本的に交通事故をなくすることについて、大臣もひとつお忙しいでしょうけれども、検討をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○委員長(鈴木強君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
○委員長(鈴木強君) 速記を起こしてください。
○小柳勇君 交通遺児の問題は室長に伺います。私は九月十一日に質問しました海底に沈んでおる残存機雷の掃海の問題で大臣にお伺いをいたします。
 それは、この前の委員会の中で答弁がありましたのは、残存機雷がいまの海上自衛隊ではもう探査能力がないという発言がありました。それでは日本は専守防衛の国であるけれども、いつ何どきまた夜間に機雷が敷設をされるかもわからぬ。それを掃海する機能がないということは防衛上問題であるから、中曽根長官とも相談して答弁したいというお話がありました。先般総理府の担当課長が見えまして、その後の処置についてお話がありました。具体的な処置としては、工事する場合、港のしゅんせつ作業や港湾作業の場合に探査個所を二十メートル幅を広げたい、それに要する費用は工事費に入れます。なお爆破した場合の保険の問題もありましたけれども、いま申し上げましたような日本の探査能力、掃海能力の問題は答弁がありませんでした。その点について中曽根長官とどのようなお話がありましたか、御答弁願いたい。
○国務大臣(山中貞則君) 中曽根長官がアメリカに行っておりますその間にも事務当局のほうにその事実を指摘いたしまして、中曽根長官が専守防衛、海峡防衛ということを言っておるやに自分も聞いておるけれども、この敷設水雷の磁気探査の能力を持っておる船は現在の計画の中でも将来の四次防の中でも全然考えていないらしいのだけれども、それでは一体夜陰にまぎれてどぼんどぼん落としていけば、実際上危険だというような場合において、そういう能力を持たないでいいのか。これは専守防衛という立場から見れば、そういうことがまず考えられなければならないのじゃないかという話をいたしました。事務当局ですから、直ちにノーという返事はございませんでしたが、後刻また中曽根長官がアメリカから帰りました後に、私は事務当局にそのような連絡をした旨を申しまして、今日まで関門海峡を中心にとってまいった措置並びに現状、それから先生の御質問になりましたこと等にも関係する問題点、こういうものの話をしまして、これは過去の第二次大戦のときのものであるが、しかし今後このようなことが日本の内地を撹乱するのに効果があるのだということで使われたら、原始的な過去の戦術、これは日本においては有効だということになりはしないかということで、中曽根君もそこまで知らなかったわけであります。すぐに調査をして返事をよこすということでありました。防衛庁の局長より、それは戦術的に実は要らないのですということが一つ。ということは専守防衛の場合であっても、そのような形の海底の土中に半分埋没したり、ころがっていたりするようなものは、あまり現在のところは私たちのほうとしては、国の防衛なり、あるいは民間の輸送物資の船が通るとき等について、そういう心配はあまり要らないのだということを戦術的に説明しておりました。これは私はよくわかりませんが、いま一つは、これが実は特許なのであって、いま日本の民間の企業が一社だけ持っておるというのは、たまたまその外国の特許を取得しておるということであって、これが国の名において、自衛隊だからといってすぐにわかりましたといって、大した船じゃないと思うのですが、磁気探査の能力を備えた小さな船でいいのですが、大した金額ではないにしても特許の問題があって、すぐに自分たちでかってにそれを組み入れるわけにはいかない。事実上不可能であります。したがって、関係各省の担当官会議の連絡できまりました範囲について、自衛隊の処理班は協力をいたしますから、四次防で磁気探査船を備えよという先生の御主張は、ひとつお許しをいただきたいということでございます。それ以上は専門家じゃございませんし、断わった理由にも理由がございましたので、しからばよかろうということで、一応防衛庁と私との話はそこで終わった形でございます。あとは先生のお手元に届きました打ち合わせの各省が一致いたしました要領によって今後処理することになろうかと思います。
○小柳勇君 この前私、これは運輸省からとりました資料、しかもそれは防衛庁の調査に基づく資料でありますが、四十年の十二月八日現在で残存機雷の数が五千百二十六発、それまでのいわゆる危険海域と目されたもの三万四千三百三十二平方キロのうち、掃海完了の地域が三万一千九百九平方キロ、したがって残存危険海域がなお二千四百二十三平方キロある。その残存危険海域には日本の重要な港があり、現在もそうであるという端数までついた数字がありましたものですから、問題にいたしました。しかも、関門海峡ではいましゅんせつ工事や港湾工事のたびにさんざん爆発事故が起こっておる。そういう具体的な事実の上に立って、あるいは資料の上に立って質問して、現在の機雷はもう沈底機雷であって、磁気探査以外にない。その磁気探査能力を持つものは日本では一社しかない。しかも民間の会社である。こういうことが私が質問した大きな理由ですが、いま長官からは特許の問題で探査機能を持った、磁気探査能力を持った船は買えない、つくれないということがわかりました。なお問題にしたいのは、先般の総理府の担当課長の話では、この残存機雷五千百二十六発は米軍からもらった資料であって、実際それだけ敷設したかどうかも実はあいまいなようですという発言がありました。これはたいへんなことでして、過去二十五年間の間この資料でこの前の答弁にありましたように、引き継ぎました自衛隊なり防衛庁などがその資料に基づいて作業をしてきたわけですね。運輸省は実際各港で建設しておりますが、その資料に基づいて残存機雷の探査をして工事にかかっておるわけですが、あの資料が実はあまり信用なりませんということになりますと、たいへんなことでありますが、私は論議する以上は、一応あの資料は、昭和四十年十二月八日の資料というものは米軍からもらったものであるけれども、信頼性あるものとしてかかっていきませんと、危険な事態が発生しやしないかと思うんですが、この前提については長官一体どうお考えでしょうか。
○国務大臣(山中貞則君) その前提の前の前提は、私も御苦労な男でして、何も私は敷設機雷の担当大臣でもありませんし、銚子沖のイペリットの問題も私は担当じゃないんですが、しかし、それぞれの心配されておる方が関係省に行ってみても、どこでも私のところではない、私のところではないと逃げるのでということを聞きました。しからば、私のほうが所管してやってみましょうということで自分から乗り出したことであります。でありますから、私のところで資料が整っていないというのは当然のことであります。私自身はそういう一地域であっても国民の不安というものがある場合において、政府はそれにこたえなければならぬ、その場合に各省が行政のなわ張りだけでもってせっかく皆さま方の相談に来られたことにこたえられないということはいけないことだと思いまして、総理府で政治の姿勢のあるべきことにおいて受けておるということでありますので、私の答弁の不徹底なところは実は当然な前提があるわけなんで、一生懸命やってはおりますから、お許しをいただきたいと思います。
 現在の敷設数量の推定ですけれども、これは全く大戦末期のことでありますから、それ自体そのものが米軍の投下したであろう数量というものを、これはまあ向こうが報告したものということをもとにしてやる以外に何らかの秩序立った統計手段も情報収集手段もなかったでありましょうし、あるいは投下したもの全部が海の底にあるものかどうか、陸上で破裂したものはなかったのか、陸上に埋没したものはなかったのか、それらのことを考えた場合に、数というものはやはり一応根拠としては、米軍飛行士が投下したと報告をした、アメリカの兵隊も相当サボっておりまして、現地まで行って投下したかどうかわからぬようなものもだいぶあって、爆弾なんかも途中でどこかほかのところに、関係ないところを爆撃して帰ったような例もあるわけでありますから、そこらのところがら考えますと、ますます信憑性はないわけですけれども、しかし、まあどこかによりどころを持った数字を持たなければなりませんから、そういうことで前提が不明確であることもいたし方のないことであると思いますが、現実にそのような事故が起こっておるわけであるから、その事故の起こっておるところについては、少なくとも何かそういう海底における工事等やらなければならない場合、そういう場合においては絶対安心なんだという措置を予算上もあるいはそういう執行時においても、国のほうがめんどうをみるということだけは、最低限度の要請にこたえる道であろうと考えて、各省担当官会議をやったわけであります。
○小柳勇君 長官の範囲内の答弁はわかりました。それで具体的に先般担当課長から私的には聞きましたけれども、記録に残したいので、当面とられた措置について御発表願います。資料を私もらっておりませんので。
○国務大臣(山中貞則君) 私から。
   残存機雷問題の対処方針
 政府は、今後、残存機雷問題について、下記により対処することとする。
    記一、 戦時中わが国周辺に敷設された機雷については、戦後、海上保安庁、防衛庁(海上自衛隊)等により、ほとんど全敷設海域にわたり掃海が行なわれている。その結果、今日においては、日本周辺海域は、戦時中の敷設機雷に関する限り、通常船舶が航行するについては危険がない状態になっていると認められる。
 一部に残された未掃海海域については、通常の船舶航行の安全に関してはほとんど問題ないと推定されるが、なお、地元との調整を図りつつ、防衛庁(海上自衛隊)が未掃海海域の掃海作業を行なう。二、 港湾工事によって海底を攪はんするような工事作業が行なわれる場合には残存機雷の爆発の危険が生ずることがあるので、運輸省港湾局、海上保安庁等は、機雷が残存すると推定される海域で行なわれるこのような工事の施行については、工事の施工に当たり確実に機雷の探査を行なうよう今後とも十分の指導を行なうものとする。当該事業を行なう企業者によって機雷の存在が確認された場合には、防衛庁(海上自衛隊)がその連絡を受けこれを除去する。
 この場合において、港湾工事の探査費用は、当該工事費に含められ、港湾法等に基づきその負担区分が定められているものであり、この取扱いを変更する必要はないと認められる。
 なお、国としては、港湾工事等に伴なって残存機雷の爆発事故が発生するおそれがあるような場合には、損害のてん補手段として船舶等に対する損害保険を活用するよう指導してきているが、今後とも、このような場合の工事の施行に当たっては、必ず付保措置がとられ、損害のてん補が十分行なわれるよう指導するものとする。以上でございます。
○小柳勇君 質問を終わります。
○委員長(鈴木強君) 長官、時間が多少おくれましたけれども、先ほどの御答弁でわれわれ委員会との間に、ちょっと提出法案について見解の相違があるように思うので明らかにしてもらいたい。
 それは公害関係の国会と言われておるんですけれども、われわれの道路交通安全という観点からいうと、要するに公害といわれる大気汚染、震動、騒音、こういったものについては、道交法の改正で出てくるというふうに判断しておるわけです。ですから、直接何々公害法という中には出てこないかもしれんが、交通公害という規定をつくって、道交法の内容を変えていこう、道交法の中から公害を排除していこう、そういう姿勢があると思うのです。ですから、さっき長官のおっしゃった交通関係については、今回は公害からはずしてある、そういう御趣旨のように伺ったんですが、ちょっと違いがありますから、私は午後から質疑をしようと思っておりますが、その辺だけひとつはっきりしておいていただきたい。
 それからたとえば東京都が行なったCOの濃度の検査にしても、国の基準と東京都と〇・五のパーセントが違いまして非常に混乱しておるわけです。ですからこういったものを、今回の公害基本法自体の姿勢を正す中で、地方自治体に権限を持たせるということであれば、この基準についてもひとつはっきりしていただかないと、実際に警察庁と東京都の間に混乱が起きちゃって、成果が期待できない。私も実情を見てきましたが、ああいう点はすみやかに法律改正以前に、おいても指導してもらいたいけれども、今後は法律改正のときにはっきりしてもらいたい。たいへん時間がおくれて恐縮ですが、この点一つだけ。
○国務大臣(山中貞則君) 私がさっき申し上げましたのはそのとおりなんですけれども、いわゆる私たちがいままで取り扱った事故対策としての交通対策という法律ではないんで、これは次の通常国会にまた前進した改正も検討中でありますが、いま御指摘のように大気汚染の原因となる排気ガスあるいは震動、それから騒音、こういうもの等について基準のきめ方がたいへん移動するものでありますからむずかしゅうございますけれども、公安委員会というものが機能的に働き、それを都道府県が測定、資料提供、要請等について行為を発揮できるようにすることによって実行可能であろうということで、提出法案の大体十五の法案の中にそれは入っておるわけであります。でありますから、公害国会に提出する公害関連法案の中で道交法の改正があるということでございます。
 第二点の、COの測定の場合に、〇・五%の違いがあったということでありますが、これは現時点においてはやはり私は国の基準に従ってほしいと思います。しかしながら今後改正する公害関係法令のあり方は全部都道府県知事にできるだけの権限を委任し、かつまた常時監視、測定等お願いをしておりますので、これからはそのような食い違いのないようなことになるだろうと思いますが、そのようなことの起こったことはたいへん遺憾なことだと思います。
○委員長(鈴木強君) どうもありがとうございました。
 じゃ沢田委員……ちょっと速記やめてください。
  〔速記中止〕
○委員長(鈴木強君) 起こしてください。田渕委員。
○田渕哲也君 実は交通遺児の問題に関連して、自賠責の問題で二、三お聞きしたいんですが、先ほどから玉井さんのほうから、十億円何とか政府で出してくれというような御要望があるわけですけれども、私はこの自賠責の中の政府保障事業の勘定がありますね。これが年々剰余金がふえてきておるわけです。これはまあ今後の見通しはどうなんですか、やはりずっとふえ続けるものですか。
○説明員(山上孝史君) ただいま御指摘の自賠責特別会計の保障勘定の剰余金につきましては、毎年若干ずつはふえていくことでございます。大体本年度が三億七千五百万、来年度は約四億近くなるかと思います。
○田渕哲也君 現在二千万円出している額は、これは補助金として出してるわけですか、出資金として出してるわけですか。
○説明員(山上孝史君) 御指摘の交通遺児修学補助事業といたしましては、保障勘定における運用益の使用の一環といたしまして、自動車交通事故防止対策費補助といたしまして、補助金として交付いたしております。
○田渕哲也君 これはまあこの保障勘定が年々余ってくるとすれば、出資金としてこれを振り向けるというようなことは考えられないんですか。
○説明員(山上孝史君) ただいままでは補助金として交付をさせていただいておりますけれども、今後の需要に応じましてそういう方法も一応検討の対象にはなるかと思います。現状のところでは補助事業として継続をいたしたいと思います。
  〔委員長退席、理事千葉千代世君着席〕
○田渕哲也君 それでは最後に関連して、この自賠責保険の運用の問題についてお尋ねしたいんですが、やはり現在の自賠責保険の制度というのは非常に大きな矛盾があるわけです。私はこの制度の運用よろしきを得るならば、交通遺児の問題でもこの中で十分消化できると思いますし、またそういうことまで自賠責保険の事業というものを広げていくべきではないかというふうに考えるわけですけれども、ただ、最近政府のほうでも保険料の値上げについては据え置きの方針を出されたというふうに聞いております。その理由は事故率が減ってきて、それほど赤字額――これから出る赤字額が多くならないという見通しがあったから据え置きだというふうに聞いておりますけれども、しかし事故率が減って据え置きだからこれでいいというのではなくて、保険制度自体が持っている矛盾点というのは何ら解決されていないと思います。たとえば前回の審議会でも答申が出ました医療費の適正化の問題、それからメリット、デメリット制の問題、あるいは免許証保険の問題、これについては全然進展を見ていないのが現状ではないか、確かにメリット、デメリット制では死亡の場合だけ追徴金を取るという一歩前進はいたしましたけれども。したがって、採算が何とかそれほど赤字が出ないからそれでいいわということではなくて、今後ともこの面について改善を進めてもらいたい。現在までの状況を簡単にお伺いして質問を終わりたいと思います。
○説明員(山上孝史君) 御指摘の医療費適正化の問題につきましては、現在までまず法令的な措置といたしましては、自動車損害賠償保障法の施行令、この改正を行ないまして、去る十月一日から施行しております。その中で七条に保険会社から請求者のほうに指定医療機関の診断書を提示させることができる道を開きました。それからさらに自動車損害賠償保障法の施行規則、これの改正によりまして、これも十月一日から施行しておりますが、請求者のほうから請求書には診療報酬明細書というものを添付させることにいたしております。以上が法的な措置でございます。
 それからさらに、この九月には救急医療病院の指定を公的医療機関がなるべく多く受けるようにしていただくために、所管しておられます厚生省にその要請をいたしました。これによりまして、公的医療機関が救急医療病院といたしまして医療行為をいたしますと、大体健保の単価が基準になっているようでありますので、それによって事実上医療費の鎮静化をはかるようにいたしたいということでございます。それからなお、これは大蔵省が直接所管されておりますけれども、保険会社のほうには自動車保険の料率算定会に医療の調査室というのを設けまして、医療費の請求につきましてチェックをするような仕組みをつくりました。
 以上四点でございますが、医療費の適正化の問題について措置をいたしてまいりました。なお、この問題につきましては、何といいましても医療費全般の問題でございますので、厚生省はじめ大蔵省、私ども、いろいろ関係各省よく緊密に連絡をとりながら総合的に手を打ってまいりたいと存じます。以上でございます。
○沢田実君 参考人の玉井先生に、たいへん時間がおそくなって恐縮でございますが、一点だけお伺いしたいと思います。
 厚生省関係についてはいろいろ考えておりましたが、千葉先生のほうから御質問が出ましたので省略きせていただきます。いろいろな問題について私どもがこれは十分検討し、一歩一歩前進していくことは当然必要なことでございますが、先ほど大臣にもちょっとお尋ねしましたように、交通安全対策に対する基本的な私どもの考え方を私どもは変える必要があるというふうに思っているわけですが、それと、財団法人交通遺児育英会専務理事の立場でなく、交通評論家という立場でそういう抜本策についての先生の御意見があれば承りたいと思います。
○参考人(玉井義臣君) 沢田先生のおことばではございますが、私交通事故対策に対してきわめて悲観的な主張をし続けている者の一人でございます。と申しますのは、自動車がこの世に生まれてからあまりにも多くの人を殺傷し過ぎております。しかも、そればかりではなく、排気ガス、騒音の問題がからみ、自動車自身の持つメリット、つまり運輸効率までも低下させている。もう私は自動車こそ諸悪の根源であるというような極端な考え方をしておりますので、沢田先生が御期待のお答えになるかどうかわかりませんが、アメリカに関して申しますれば、一八九九年にニューヨークで一人の事故死者が出ましてから今日まで百七十数万人の人が死んでおります。負傷者はおそらく五千万人をこえるのじゃないかと思われます。日本について申しましても、戦後だけでおそらく二十五万人をこえるはずでございます。これは厚生省統計、つまり二十四時間以降の死者も含めた数でございます。負傷者も五百万人をこえております。つまり自動車というものは非常に強力な破壊力、とてつもないばかでかい破壊力を持っていることが、自動車の属性でございまして、それが自由自在に走り回る、つまりドア・ツー・ドアである。破壊力だけを申しましても、小型乗用車が四十キロで走っていて、おとなとぶつかれば二千倍の破壊力を持っている。本質的に凶器であると考えるわけです。凶器がドア・ツー・ドアで動き回る。ドアの外に歩行者の施設があればいいんですが、日本の道路はほとんど歩行者保護の施設がありません。その証拠に老人と幼児が非常に多く死傷しているわけです。こういうふうに考えますと、私はやはり自動車の数を何らかの方法で減らしていく方向を見出したほうが事故防止の早道じゃないかというような、一見非常に消極的のように思われるかもしれませんが、まあ自動車を使ってきた七十何年の歴史を考えてみますと、そう考えざるを得ないと思うんです。先生が先ほど大臣に御質問なさいましたとおり、車の生産制限は一挙にできないと思いますが、使用制限、事実上の使用制限になるような方法を考えていくべきかと思います。たとえば賠償について、こういう非惨な交通遺児を貧困化させない程度の十分な補償能力を持った者しか走らせないとか、あるいは車庫を持っていない者に車を持つことを禁ずるとか、駐停車を厳重に規制するとか、まあ道路にいたしましても、道路をつくればいいじゃないかという考え方もございますが事実は、道路をつくれば車はそれにましてふえてくる。道路をつくることは事実上車をますます増すだけで、ほとんどその事故とか渋滞対策にならないと思うんです。そうしますと、私はやはり一方で車を持つことの、車からくるデメリットを持ってやらせる者に対してはきびしい規制をしていくべきだ。それによって車を減らす一方、やはり新しい総合的な交通体系を考えるべきじゃないか。そう簡単にその新しい自動車にもまさる交通機関があるとは考えられませんが、われわれは研究開発によって何らかそれに近い、あるいはそれ以上のものを今後求めていかなければならないんじゃないか。すでにアメリカではもう自動車を基本的には捨てにかかっております。新しい交通体系を目ざして、先生方、国の力で強力に長期的なプランを引いていただきたいと思います。
○理事(千葉千代世君) これにて玉井参考人に対する質疑を終わります。
 玉井参考人に一言お礼を申し上げます。
 本日は、御多忙中貴重な御意見等を拝聴いたし、まことにありがとうございました。この機会に厚くお礼申し上げます。
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○鈴木強君 たいへんお待たせをして恐縮でしたが、最初に乱気流による日航機の事故原因についてお尋ねしたいと思います。
 御承知のように日航ジェット機の乱気流による事故というのは、ボーイング727が八月の三十日に愛知県の上空で乱気流に巻き込まれ、十八人がけがをする事故が起きておりますが、きょう私が伺おうとするのは、十一月の二日、今月の二日に羽田に到着した二十時四十八分着の日航機DC8−62型、この飛行機が房総上空を航行中、乱気流に巻き込まれて、乗客乗員八人がけがをした、こういう事故が起きております。幸いけが人が少なくて、大きな事故にならなかったことは不幸中の幸いだと思いますが、しかしこの事故の原因を報道等によって伺っておりますと、当日航空気象台から、高度六千メートルから七千二百メートルにかけて乱気流のおそれがある、また、五千四百メートルから九千メートルには晴天乱気流のおそれがある、こういう注意予報が午後三時に出されておるわけでありますが、ところが、この予報を機長が受信しておらなかった、こういうふうに見られておりますが、これは非常に重大なことでありまして、航空気象の扱い方に対して、政府あるいは日航航空関係がどういうふうな扱いをされておるのか、ここに非常に国民は疑惑の念を持つわけです。
 そこできょうは、午後三時に航空気象台から乱気流の注意予報が出されておるのだが、その予報はなぜこの安達機長に届いてなかったのかということですね。それからもう一つ前段として、航空気象の扱い方ですけれども、気象台から出されたこの気象予報は、どういう系統をもって航行中の飛行機に伝達されておるのか。これは警察庁のほうでも業務上過失致傷の疑いで取り調べを安達機長からもしておるようでありますから、後ほど警察庁のほうからも伺いたいと思いますが、まずこの航空気象の伝達の方法、そうして当日安達機長にこの注意予報が伝わっておらなかったということなんだが、一体どういうところに欠陥があって伝えられなかったのか、この点を最初に説明してもらいたい。これは運輸省から最初に、航空気象というものがどういうふうな伝達系統をとっているかですね。
○説明員(金井洋君) 航空気象に関しましては、各空港あるいは中央の気象庁からの予報が出されるわけでございますけれども、ボルネットというものがございます。ボルネットというのは、毎時十分から十五分まで、次には四十分から四十五分まで、一時間に二回、一日計四十八回、これは東京、名古屋、大阪、福岡、三沢の飛行場の状況、気象状況、それと東京の飛行場の予報、こういうものをボルネットという形で放送してございます。これはHFという電波を使いまして航行中の航空機に達するようになっております。
 それから、次にはもう一つシグネット、これは非常に激しい擾乱があるというような場合には、当然航空気象台はこのシグネット予報を出します。シグネット予報を受理しますと、航空会社の運航管理者は、これは航空局の管制部でございますけれども、管制部に航行中の航空機に通報するよう依頼します。同時に航空局の中でも航空管制部にシグネット情報を航行中の航空機に流すよう指示します。
 それからもう一つは、これは飛行場周辺の気象状況につきまして、いま目的地を東京にした場合に、東京の飛行場の周辺はこういう状況であるということを、これは会社がVHFというものを使って、ある程度飛行場に近くなった航空機に対して情報を流しております。以上でございます。
○鈴木強君 当日、この放送で一つは放送する。もう一つはシグネットですか、これについては運航管理者に対して管制部を通じて要求する。そういう報道をちゃんとしてやる。それからまた直接そういうことをやるように指示すると、こういうわけですね。当日三時に出ておったこの航空気象予報ですね、これはどっちに当たるものですか。
○説明員(金井洋君) これは分け方といたしましては、シグネットではございません。ボルネットに相当するわけでございます。ボルネットというのは、先ほど申しました一時間に二回放送するという中に含まれておると思います。
○鈴木強君 そうすると、運航部長さんのほうに伺いますけれども、シグネット予報ではなかった。しかしボルネット予報というのは、毎時十分から十五分、四十分から四十五分、四六時中放送している。したがって、これを航行中の機長は聞く義務というものがあると思うのですね。ですから、平時そういうものを傍受しなければならぬですね、放送ですから。傍受の体制と、それからもう一つ、シグネットじゃなかったから直接管制部のほうから機長に対して通報しなかったというのですけれども、しかし、こういう乱気流がかなり具体的に発生するおそれがあるというものは、この扱い方について、もしこれが伝達されていないとすれば、ボルネットという予報の内容にもよりますけれども、問題があると思うのですけれども、こういうものは少なくとも重要な予報として当然に機長に知らすべきではないでしょうか。その辺のボルネットとシグネットの内容、取り扱いについても私は問題があると思うので、これは今後の問題としてやはり変える点があれば変えてもらいたいと思いますが、いずれにしても、この日どうしてボルネットという方法があるにもかかわらず機長が知らなかったということですから、もしそうでないとすれば私の質問が間違いですから、それは取り消しますけれども、現状われわれが把握しているところは、機長は知らなかったと、こういうわけですから、その辺どうなっているか、運航部長から伺いたい。
○参考人(富田多喜雄君) お答えいたします。
 私どもの飛行機が飛んでおります場合に、ボルネットにつきましては、これはただいま技術部長さんからお話がございましたように定時に放送されております。しかし、この内容は飛行場の天候あるいはある飛行場の予報というようなことで、途中の航路上については特にただいまのシグネットと申しますか、異常な気象状況というようなことで報告されるということはあまり聞いておりませんけれども、機長は必要に応じてこれは飛行中で聞いております。なお飛行機が出発する飛行計画をつくります場合には、もちろん一番新しい天気図等によりまして計画を立てるわけでございまして、その際にはその航路上の天気の配置、天候の状況、霧の状況等、気象台よりの通報によって機長に知らされております。なお当日も機長は百六十度――百七十度付近は気流の乱れがある、これは東京付近に霧が相当おおわれているというようなことは承知して出発しております。会社の場合ですけれども、ただいまのシグネット、これは異常の気象状態というようなものが気象台からテレタイプ等によって流される。あるいは飛んでいる飛行機から、その地域に、区域に異常な気象があったというようなことがあれば、会社の運航管理者がこれを機長に知らせております。
○鈴木強君 そうしますと、ホノルルからこれは羽田に向かっておった飛行機ですね。そうしますと、三時に発令された予報が皆さんの通信網を通じてホノルルに伝達され、ホノルルを出発する前に安達機長はこの予報を知っておった、こういうふうに受け取れるように伺ったのですが、そのとおりですか。
○参考人(富田多喜雄君) ただいま申し上げましたのは、ホノルルを出発する際には、ホノルルで発行されました天気図によってそのことを見てきたと申し上げたのでございまして、東京に到着の時刻には、もっと新しい天気図ができております。東京のほうとしましては、もしそういう天気図あるいは気象台からのシグネットというようなものが発行されている場合には、東京の管理者が機長に知らせる、こういうふうに申し上げたのです。
○鈴木強君 具体的にこの二日の日の場合に、機長はホノルルを出発する当時は、ホノルルの飛行場で出しておった予報を持っておったのですね。ですから、それが日本の三時に発行した予報であったかどうか、それはかりにそうであったとしても、それがまた東京に接近するに従って航空状態が変わってきたというときには、なおさらに機長に対して皆さんのほうから連絡をとってあるから機長は知っておった、こういうことですか。具体的にこの例で示してください。
○参考人(富田多喜雄君) この日にはディスパッチのほう、運航管理者のほうから特に機長に対しては報告をしておりません。ですから機長は新しい天気図によってそういう状態があるということは承知していなかったと思います。
○鈴木強君 新しいというけれども、じゃ具体的にはホノルルを出発するときに、午後三時に日本の航空気象台から発表された、先ほど私が申し上げた注意予報というものは、あなたのほうからホノルルにはちゃんと伝達されて、ホノルルを出発するときに、高度六千から七千二百、五千四百から九千の間に乱気流のおそれがある、そういう具体的な気象台の発表した報道を持って乗られたのかどうか。
○参考人(富田多喜雄君) ホノルルを出発する際はホノルルで発行されたものを見、またそれを持って乗っております。
○鈴木強君 そうすると、三時に日本の航空気象台から発表されたものは持ってなかったのですね。
○参考人(富田多喜雄君) 持っておりません。
○鈴木強君 そうすると、飛行機がホノルルを離陸して東京に進行中いまあなたが申し述べられたような連絡を、三時の気象についてなぜ機長にしなかったのでしょうか。
○参考人(富田多喜雄君) 会社には運航管理者、私どもディスパッチャーと申しておりますが、おりまして、これが飛航の管理という面で機長と同じように担当しているわけでございまして、このディスパッチャーが天候に関する情報、これらを収集あるいはその検討というようなことをしまして、その判断によって、これが航行の安全に影響するというようなことがある場合にはこれを即時機長に報告するというようなふうになっておりまして、当日の天候の場合に、天気図の上でここに雲があって、その雲の中に入ると中程度のゆれがあるというような記載がございましたけれども、その付近を飛行した飛行機からの報告によって、そういう異常なゆれというようなものがなかったという報告を受けておりましたので、特に異常気象というようなことでないと判断しまして、そのときには通報いたしておりませんでした。
○鈴木強君 それはきわめて重大な問題を皆さんは無視しておったと私は言わなければならない。それは少なくとも日本の政府機関である航空気象台から、さっき申し上げたような注意報、予報が発せられたことは間違いない。したがって、こういう予報を機長に伝えなかったのは、飛行機がその前に飛んで、その飛行機の情報を聞いたら雲がないというから伝えなかったというのであって、そうすると航行の安全に支障があるないの問題との関連で、少なくとも予報というものを無視したこと、そういうところにたまたま乱気流が起きてそこで八人の人たちがけがをしたというそういう事故が起きたのじゃないですか。この責任は一体だれが負うわけですか。皆さんは忠実に日本の気象予報というものを扱っていない。これはとんでもない間違いじゃないですか。
○参考人(富田多喜雄君) ただいま前にもお答えしましたけれども、運航管理者は、最新の気象情報を収集いたしましてその全体を検討し、もちろんこの場合にシグネットというような形式で気象台から予報しており、また異常な気象状況が飛んでいる飛行機から報告されたというような場合には、その区域を飛行する飛行機には報告あるいはそこをよけるというような勧告を出しますけれども、そうでない場合には、デスパッチがそれを総合判断いたしまして、それを機長に通知するかしないかというようなことをしております。
○鈴木強君 ですから、その点についてはこれは今後運輸省にもはっきりさしてもらわなければならぬと思いますけれども、少なくも航行中の飛行機が安全を確保するという場合にはまず第一番に気象状況でしょう、これは。したがって、それがボルネットであるかシグネットであるかは別として、航空気象というものが重大な要素になるわけですから、その気象状況の中に乱気流のおそれがあるというような予報が出ておるにかかわらず、この扱い方がただ運航管理者の判断によってやられるということはもってのほかです。ですから、最悪の最悪の場合のための努力をして、なおかつ起きる事故というものは不可抗力と考えられるかもしれませんが、今度の場合それをしていないでしょう、皆さんは現実には。その前に一機か二機か知らぬが、飛んだけれども雲はなかったというけれども、それはやはりDC8−62型というものは乱気流の中に巻き込まれて現に事故を起こしているじゃないですか。ですから、気象台は気象台として科学的なデータをもとにしてやっているわけですから、そういう予報が出たらそれに忠実に従ってやっていく。どういう予報であっても少なくも機長が知らないというようなことはないようにする。しかもさっき、ボルネットの場合ですけれども、一時間に五分間ずつ十分、これはもう東京、名古屋、福岡、三沢の状況を報告しているわけですから、そういうものも一つの予報として義務的に機長がこれをキャッチしなければならぬとか、そういうふうなことまでちゃんと義務づけなければいかぬと私は思う。船舶の場合にはやっぱり一時間に二回はどういうことがあっても五〇〇KCにダイヤルを合わせて聞くことになっている。それほど厳重にしてある。ですからして、もしそれがそうなっていないとすれば、航空気象の扱い方については大いに再検討してもらいたい。だから日本航空としても、これは少なくともそういう予報があったにかかわらずそれを伝えなかったために機長は知らなかったでしょう。もし知っておれば、機長としてすぐこれは乱気流に入るかどうかということで、ベルトを着用してくださいと機内に放送が行なわれるが、あのときはそのサービスがなかった。便所に行った人が急に天井に頭をぶつけた。報道によるとそういうことになっている。ですから、全くベルト着用も何もないままにもろに乱気流に入ったのじゃないですか。これは注意が足りないからですよ。そんなことで大事な人命を扱う、しかも航空機にとっては絶対必要な気象の扱い方について日航としてまことに不注意である。これは制度上について運航規程というものがありますから、これは不備があったら直してもらいたい。これは大臣にもあとで言うし、きょう来ている担当の方にも言いますけれども、もう少しそういう扱い方について反省をする気持ちはないですか。国民から見るとべらぼうですよ。こんな防げる事故があっても防げない。ベルトを着用しておったらもう少し事故が少なかったかもしれない。そういうことで、いかにずさんなやり方であったかということについてはわれわれ非常に不満を持つわけですよ。いかがですか。
○参考人(富田多喜雄君) この飛行機の場合にも、降下を始めまして、そのおり始めたころに少しゆれましたので、機長はシートベルトをつけてくださいというサインを出しまして、それに対して客室乗務員はアナウンスをしまして、大体それから数分たったあとで非常に激しい気流にあった。たまたまトイレットに行っておられた人と、客室乗務員でお客さんのベルトの状況を見ていたもの等がけがをしたというのが実情でございます。
○鈴木強君 反省はしていないのですか、扱い方について。
○参考人(富田多喜雄君) 私どもとしましては、今後こういうことがないようにしていくという面では、もちろんこういう運輸事業をいたしておる者の責任としまして、この点は十分気をつけていきたいと思います。しかし、いまのような飛行というものをやっておりますと、もちろん予報を知ってできるだけの情報を集めて飛行計画を立て飛行を実施しておるわけでございますけれども、まあそのうちの雲に入っての擾乱乱気流というものは、レーダー等の発達によりまして相当これを回避することができるというところでございますけれども、晴天の際の乱気流というものにつきまして、それを検出する方法を目下開発中でございますけれども、まだ決定的なものがございません。そういたしますと、そういう気流に入った場合に、いままでの実情から見ましても、お客さんにベルトをつけておいていただくというのが一番これをよく避ける方法としては適当な方法であるという点で、私どものほうでもいろいろシートベルトをつけていただく決定の方法等について、客室乗務員に、どういうふうな方法でやったのが一番いいのかという点では検討を進め、ただいまも方法についてはいろいろ変えてやっておりまして、それが一番安全にいくのではないかというところでございまして、鋭意いろいろ検討をいたしまして、そういうことのないようにしていきたいと思っております。
○鈴木強君 どうもあなたは運航部長という立場にあるわけですから、飛行の安全、乗員の問題については一番権威のあるものだと思うのですね。まあ役員ではないようですから、経営の責任の問題についてのことも私は触れたいと思いますけれども、きょうはその点はやめますけれども、少なくとも運航乗員部長という立場にあるならば、予報が出ておるにかかわらず、しかもいまお話がありましたけれども、晴天乱気流の問題についても特に気象台は出しているのですよ、これは。積乱雲の場合のほかに晴天乱気流というものをあわせて出しているわけですから、天気のときにはわからない、そのとおりでしょう。だから気象台が予報出している、出始めたらその気象を信頼したらどうですか。しかも大事な気象が機長に到達しなかったということは、明らかに気象の取り扱い方に対する不備ですよ、これは。したがって、深くこうべを下げて、負傷された八名の方々に心から遺憾の意を表して、できるだけその人たちに対しての全快を一日も早くするように手厚い措置をとってもらうと、そういうことをあなたは心の底から感じてますか。言われてもなおかつぴんと私に響くようなお答えがない。そんなことではだめですよ、これは。もう少し責任のある立場ですから、今後は絶対にどういう予報でも知らせるようにして、われわれがせっかく国民の立場で国会で取り上げた問題です。もう少し謙虚に聞く耳持たないですか。どうも少しあなたの答弁は、幸いに八名の方々で済みましたけれども、重傷を負ったカリフォルニア州在住の寺本鈴子さん、この方の病状はどうなっているか私わかりませんけれども、八名の方が重軽傷を負っていることは間違いないのです。乱気流についてはまだ原因不明で富士山のあの乱気流のときだってあのままになっているじゃないですか。だから晴天乱気流というのはよっぽど注意してもらわなければ困るんですよ。しかも気象台から予報が出てないなら私はやむを得なかったと思うんですけれども、出ているにかかわらずその予報が機長に伝わってないということはもってのほかですよ。これは管理者の責任じゃないですか。もう一回あなたの基本姿勢を聞きたいですよ、私は。
○参考人(富田多喜雄君) その点につきましては、私どもも常日ごろ運送業にタッチしておりまして、安全第一というものをわが社のモットーにしております。今後こういうことがないように私どももできる限りの努力をしていきたいと思います。
○鈴木強君 運輸省のほうにぜひ検討してほしいですけれどもね、たとえばボルネットの放送の分についても、どこまで電波が到達するか、出力がどのくらいあるのか私はよくわかりませんが、これは別としても、到達する範囲内において飛行機が航行中は機長はこの五分間の情報について必ずキャッチをする、こういう義務規定をはっきりしてもらいたい。それからもう一つは気象の扱いについて、どういう気象であろうと、二つ、三つとルートをつくるのはいいでしょう。しかしどのルートか必ず機長に航空予報というものが到達するような方法も運航規程の中に同時に義務づけてほしいと思うんですよ。これは運輸大臣が認可をして各航空会社が運航規程というのをつくっているわけですから、その中にもしいまのような点がないとすれば、これは不備ですよ。なくてもやるのがあたりまえなので、なければやっぱり運航規程にありませんから、こういって逃げられる。少なくとも航空気象の扱い方についてもう少し義務的な傍受というかあるいは受信というか、そういう立場に立ってひとつ再検討してほしい。それいかがですか。
○説明員(金井洋君) 再検討いたします。
○鈴木強君 まあひとつこれは局長なりあるいは大臣なりにもよく伝えてくださいよ。そうして運航規程の中の不備はできるだけ早く改正をして、せっかくの気象が間違いなく伝達できるように、くどいようですけれどもそういうふうな手続をとってください。それで次の委員会までにひとつ、私またどういう措置をとられたか伺いますから、早急にひとつやってください。いいですね。もう一回念を押しておきます。
○説明員(金井洋君) 早急に検討して、次の委員会までにお答えできるようにいたします。
○鈴木強君 まあまだこの十二日に全日空が大阪空港でもって翼をぽっきり折られたという、ローディングブリッジの問題もありますし、それから羽田空港のB滑路の延長によって周辺の格納庫が法律違反になってしまうという建物がある。これを取り除かなければ滑走路ができてもこれは使えないことになる。こういう点がありますけれども、きょうは時間の関係でこれだけにします。
 次に国鉄の事故の問題でお尋ねします。きのう、まあ日曜日でちょうど七五三の日に当たったわけですが、われわれも熊本の湯前線の貨物列車の暴走による事故の問題についてはたいへんショックを受けました。まあけさの新聞を見ますと、各社とも一斉に大々的に報道をしておりますが、どうもこう内容を見ますと、まことに基礎的な安全対策について、国民から見ると何をしているのだということですね、こういうふうなところに原因があったように思います。それできょうはこの問題についてぜひ伺いたいと思いますが、ちょっと委員長ね、警察庁のほうに私一つこの問題の前に聞くことがありましたけれども、ちょっと失念しましたから、刑事局長にちょっと伺いたいのです。
 さっきの羽田の飛行機の問題でたいへん失礼しましたが、取り調べをいたした警察庁としては、この原因その他についていまどういうふうに判断をされておるのか、この点だけ一つ伺いたいのです。
○説明員(高松敬治君) 十一月二日の事故が発生いたしまして、すぐに警視庁としては空港警察署に警視庁の捜査一課の係員を応援せしめまして、現在十五名でこの事件の捜査をやっております。事故の原因の究明と刑事責任の有無というのが私どもの捜査の一応の中心でございますが、これにつきましては、いまだ明確にその結論を出すには至っていないようでございます。現在まで機長、副操縦士、スチュワーデス、乗客、気象それから管制塔の関係者から事情を聴取して、実況見分を行なって、そしてこれについての結論を急いでいるという状態でございます。したがってまだ明確な結論は出ておりません。
○鈴木強君 まあいろいろ取り調べ中のことですから、深くお尋ねするのは失礼だと思いますけれども、少なくともいまお聞き取りのようなことは当局からも述べられているわけですし、これはまあ航行の安全ということからすればきわめて重大な問題でありますから、ひとつ結論を出すまでには申すまでもなくその慎重な御配慮をいただくと思いますけれども、非常に原因の究明しにくいような事件でもありますけれども、それだけに科学的ないろいろなことも勘案され、現在の運航規程等の問題も十分勘案されて、ひとつ厳正な結論を出していただくようにお願いしたいと思います。大体時期はどのくらいに結論が出るような見通しでしょうか。
○説明員(高松敬治君) 一応の事情聴取がいま終わった段階で、これからいろいろな議論、それからいろいろな御意見というものを突き合わせていって結論を出していくというような段階になっておると思いますが、具体的にいつごろそれができるだろうかというのは、まだ警視庁としてもはっきりしためどは持ってないようでございます。仰せのように非常に技術的な問題がたくさん入ってまいります、それから科学的な問題もいろいろ入ってまいりますし、私どもとしてはこれは慎重にひとつ捜査を進めてまいりたい、かように考えており、ちょっと期日の点はいま大体いつごろというところまでめどが立っていないような状況でございます。
○鈴木強君 わかりました。
 それじゃ前後して恐縮でしたが、湯前線の昨日の事故の現況について、原因について現状をひとつ報告を国鉄からしてもらいたい。
○説明員(森永昌良君) 昨日熊本県下の国鉄湯前線におきまして、貨物の入れかえ作業中のミスによりまして、たいへん大きな事故を引き起こしましたことに対しまして、心からおわびを申し上げます。ただいま概要を説明しろという御指示でございますので、お配りいたしました資料に基づいて御説明してまいりたいと思います。
 発生いたしましたのは昨日の九時四十七分でございます。場所は湯前線の多良木駅と東免田駅の間でございます。ぶつかりましたのは、逸走いたしました貨車二両、それとぶつけられましたほうが気動車の六二三Dの三両編成のディーゼル列車でございます。けがをなさった方は七十五名、うち旅客の方が七十四名、職員一名でございます。うち重傷は一名、五十歳の女性の方でございまして、残りの方七十四名はいずれも軽傷でございます。現在入院加療中の方、旅客の方七名及び気動車の運転士一名、合計八名でございます。
 原因はあとにいたしまして、概況から先に御説明申し上げます。湯前線の終点の湯前駅の一番線に定時に到着いたしました貨車三七一列車、これの牽引機関車は、引っぱってまいりました貨車六両をもちまして安全側線に一度引き上げまして、次に三番線に留置しておりました貨車十四両と連結しようとしましたところ、連結したショックで、多良木方といいますと、いままで自分がやってきたほう、後のほうでございますが、そっち側におりました貨車二両が連結がしてなかったために動き始めまして、転轍機を割り出して、そのまま本線を走ってまいりました。入れかえを監視中の駅長がこれに気がつきまして、追いかけましたが及ばないということがわかりましたので、駅の本屋に戻りまして、隣の多良木駅に通報いたしまして、停止手配を依頼いたしております。一方通報を受けました多良木の駅長は、接近してまいります気動車のほうに対しましては、場内信号機に赤を現示させまして機外に停車させまして、一方逸走いたしてまいります貨車のほうに対しましては、ぶつかることを防ぎますために、別の番線でございます二番線に入り込むように進路構成をしようと思ったんでございますが、間に合いませんで、とうとう一番線をそのまま貨車二両は時速六十キロで突っ切って衝突したわけでございます。このために衝撃によりまして、先ほど御説明しましたとおり七十五名の方がけがをされたわけでございます。熊本の管理局は、現地に直ちに復旧対策本部を設けまして、負傷者を多良木の町立病院に収容、手当をいたしまして、一方現場のほうは復旧につとめまして、十三時五十五分復旧いたしております。これが概況でございます。
 次に、原因について御説明申し上げますと、その後調査いたしました結果、現在一部の職員は警察のほうに逮捕されているようでございますので、最終的な答えはまだ出ておりませんが、一応いまの段階で推定できますことは四つの原因がございます。まず一つは、機関車を留置中、貨車に連結いたしましたが、最後のほうの二両の分と三両目との間の貨車の連結器が連結されていなかった。これが一つの原因でございます。これは当然確認をしなきゃならない仕事を怠っていたわけでございます。次に二番目に、機関車を連結したあとゆるめなければならない貨車のブレーキを、連結する前にブレーキをゆるめてしまっていた。これが原因の二つでございます。三番目に、こういう入れかえ作業をいたします場合に、万一こういう逸走事故が起こることを防ぎますために、入れかえ作業を行ないます三番線につきましては、鉄製の車輪どめというのを線路の上に備えつけることになっておったんでございますが、それをこの日早期にはずしてしまった。これが三番目の原因でございます。この三つのミスが重なりまして逸走したわけでございますが、逸走したあとにつきましても、もう少し早く隣の駅に通報いたしておりますれば、この種の事故は防げたのではないかというところを四番目に書いてございます。
 以上のように、非常にミスが重なりまして大きな事故を起こしたわけでございますが、この種車両逸走事故につきましては、昨年十一月の終わりにも、北海道士幌線のほうで同じような事故が起きまして、この際全国の要注意個所につきまして大幅な実態調査を行ないまして、鉄製の車輪どめ、逸走注意警標、いろいろな保安設備の整備をはかっておりまして、今年の三月までに完全に終わっております。本年度もさらに事故防止の重点目標の一つとして取り上げまして、またさらに今月は全社をあげて運転事故防止月間として、幹部が現地に出向いて現在事故防止を督励いたしている最中に、こういう大きな事故を起こしましたことにつきまして、私どもは大きな衝撃を受けている次第でございます。この種事故の防止につきましては、入れかえ作業時におけるこの基本的な手順の厳守が第一でございまして、また万一逸走した場合におきましても、線区の実情に合った機敏な措置をとって、衝突に至らないまでに防ぐという手順がいろいろあるわけでございますが、これらにつきましていろいろ検討を要する点が出てまいりましたので、この機会にあらためて物心両面からする総点検を至急いたしまして、この種事故の絶滅を期したいと考えております。
 ちょっと長くなりましたが、事故の概要並びに私どものとりました措置について御報告申し上げました。
○鈴木強君 これは熊本――九州総局というのですか、湯前線はこれは熊本鉄道管理局に所属しているわけですね。ここではいまお話のように今月の一日から二十五日までの間事故防止運動中であったわけです。しかも湯前駅の構内は千分の二・五というふうな下り勾配のところであるわけですね。当然そういう点を配慮すれば、いまお話のありましたようにブレーキ等は厳格にかけておかなければいけないのに、それがかけておらなかった。だから最初に連結作業をする前に、連結機がうまくとまっているかどうかということを確認をしなければならない。それから引き込み線に客貨車が待機している場合には、万一を考えてお話のように客貨車から少し離れたレールに鉄製の歯どめをして万一の暴走に備えるということになっておった。にもかかわらず、その措置がとられておらなかった。全く事故防止運動中にかかわらず、その安全性というものについて一番初歩的なものがこの際守られていなかったということは、いかに国鉄が本気でやっているといっても、全く国民に対しては申し開きのできない原因ではないでしょうか。もう少し、あるいはだれが見てもこれはやむを得なかったということであれば、また国民も寛大な気持ちになると思いますが、いまお話のように北海道の事件以来、こういう問題については特に神経をとがらせているわけでありまして、まことに遺憾だと思います。そこで事故防止の問題について、いまお話のようにもう少し早く責任者が多良木にそれを通報しておれば、入れかえ作業をやっておれば構内の事故で済んでいるわけでありますが、ディーゼルカーにぶつかった。しかもまた七五三のお祝いでごった返す中にぶつかったということは、これはどうしても事故の原因を追及するときに納得できない点であります。それからほんとうに本気でやっているかどうかということについては疑問を持っているわけでしょう。そういう事故が起きなければいいですが、起きた場合には、やはりそういうことを言われてもやむを得ない。これは形式的な事故防止運動じゃないか。このくらいのことは関係者のところで徹底してこの防止運動に立ち上がらなければ何のために防止運動をするのです。一体職員に対して、あるいは管理職に対してどういう基礎的な教育といいますか、訓練をしてその防止運動に入ったのですか。具体的に示してもらいたい。
○説明員(長浜正雄君) このたび湯前駅で起こりました事故につきましての概要並びに原因について、いま運輸省のほうから御答弁いただきましたけれども、全くそのとおりでございます。今回の事故につきましては、先生から御指摘あるまでもなく、全く取り扱いの誤まりでございまして、それによりまして負傷されました方々はもちろんのこと、国民一般の皆さんに対して非常に申しわけのないことをいたしましたことを深くお詫び申し上げる次第であります。確かにこの車両逸走の事故は非常にこわい事故でございますので、こういうことが起こらないようにということで前々から気をつけておったのでありますが、特に昨年来全国の駅を全部点検いたしまして、そのうち危険であると思います駅千ヵ所余りにつきましては、こういう処置をとりました。鉄製の歯どめとか、あるいは入れかえ作業方法を厳重に規定するというような方法、そういう方法をとりましてやってまいったんでございますけれども、全く今回の事故は、ほんとうにそれらせっかくやりましたことを全部それをはずしてしまっておる。まず連結しなかった。それからせっかくきめました車輪どめをはずしてしまったというところにございます。また、作業ダイヤにつきましても、そういうことではなはだ不十分なところがあったということを深く私たちも反省しておるわけでございます。たまたまいま先生お話ございましたように、今月の初めから事故防止の月間運動をやっておりまして、これらにつきましては、われわれのほうからも幹部が現地にそれぞれ各所に分担して回りまして、具体的にその作業ダイヤをどういう作業ダイヤでつくっておるか、その作業ダイヤどおりにほんとうに実行しておるかどうかというような点、またきめた作業ダイヤがほんとにやり得るようなダイヤになっておるかどうかというような点、ほんとうに具体的なその作業方法まで十分見てくる。そして現場の人たちの話も聞いて、絶対に事故が起こらないようなくふうをするということを主眼にして現地へ出しておるわけでございまして、現在もずいぶん地方に回っておりますけれども、その最中にこういう足元からくずれるような事故を起こしまして、まことに私たちとしましても、なお一そうこれはどういうところにあるのかということをまた深く反省して、これに対する処置を講ぜなきゃいかぬということで、われわれも深く反省しておる次第でございまして、今後こういうことの起こらないようにどう現地を指導し、みんなの気持ちを引き締め、そして作業ダイヤどおりにやらせるという基本的な事故防止の初歩の第一段階、これを絶対に守らせるということを厳重に今後やっていきたいというふうに覚悟をきめておる次第でございます。
○鈴木強君 これはもう第一義的には国鉄当局に責任があるわけでして、これを監督する運輸省ともどもこれは責任があるわけですけれども、第一義的には国鉄が何といっても姿勢を正していかなきゃならぬと思います。それで本社のほうからも職員を派遣しておられるというんでしょう。具体的に熊本鉄道監理局の中でダイヤの状況とかあるいは安全運転、作業方法についてどういうふうな事故防止運動に入る前に職員に対して指導をやったかということですよ。だから、この事故の原因というのは、指導をやろうもやる前もない。全く幼稚園に入ったらまず先生におじぎすることから教えると同じそのことからやられてないということであって、何としてもわれれれには納得できないわけですよ。だからして、もう少し私は、意地悪でなくて、今後の問題としてももう少し中央から行った方がどういう防止運動に入る前に指示をされたのか、内容はどういうものをやったのか、当時の具体的なひとつ指導方針といいますか、国鉄当局のそういう基本的な問題についてもぜひあとでもう少し調べていただいて、資料として出してもらいたいと思います。
 それから事後処理の問題も非常に大事であって、かなり二両もこういうふうに走ってしまったものですから、助役さんがあとを追かけてかなり行った。そのために、四、五分間ぐらい時間をとられた。その間に電話をしたらあるいは間に合ったかもしれぬということもあるわけですから、この事故の発生に対してどういう措置をとるかという臨機応変の判断力というものに問題があると思うんですよ。だから二重にこの事故が防げなかったということになると思うのです。この辺についてももう少しくふうをして、管理者に対する事故防止の姿勢というものをやってほしいと思うのです。それは個々人の能力の点もあるだろうし、機転がきく者きかない者という点もあるだろうし、当事者は当事者としてベストを尽くしたのだから、それが一番ベストだと思ってやったのだろうと思うけれども、客観的にみると、それはとんでもないことであって、もう少し適切な措置がなぜとれなかったかということを考えるのです。これはどなたも臨機応変の措置はその場においてはむずかしいと思いますけれども、そういうことは平素から訓練をすることが必要だと思います。そういう指導もぜひやってほしいと思います。それに対する考え方と、それからもう一つは、行楽客が九十一人が負傷したという記事もありますし、いろいろ負傷者の数についてもちょっと食い違いがあるのだけれども、おたくのほうの七十五名は旅客七十四名、気の毒ですけれども気動車の運転士さん一名、計七十五名という数字で、九十一名という数字と違っているが、これは何時何分現在の報告ですか。また、これは何人の中で何人負傷したのですか。その点が明らかだったら答弁してもらいたいと思います。
○説明員(長浜正雄君) 前段の鈴木先生から御指示のありました具体的な現地の指導その他につきまして、実はさっそく昨日運転局長から現地の管理局長に、また全国の管理局長あてに注意を喚起いたしまして、そうしてこの種の事故の具体的な留置車のブレーキの緊締の確認のしかた、あるいは歯どめ、という車輪をとめるやつですね、そういうものの使い方、そういうものがほんとうにうまくいっているかどうか、あるいは車両の入れかえをするときに突放は禁止しているが、ほんとうにそういうふうにやっているか、あるいは手押し入れかえの作業の方法についてまた再検討して気をつけろということをさっそく昨日指示を出したところでございます。しかし、なお一そういま先生からの御指摘のございました点につきまして、平素の訓練、指導、あるいは事後措置の訓練、それらにつきまして、なお一そうわれわれとしても努力をするつもりでございます。
 それから第二段の事故のことは運輸省のほうから御答弁があるそうでございますから。
○説明員(森永昌良君) 先生御指摘の負傷者の数でございますが、国鉄の七十五名の数字はけさ九時までに報告を受けた数字でございます。それから九十三名の方がお客さまとしてお乗りになっていたことも明らかになっておりまして、若干新聞報道との差は、ヨーチン等を若干つけただけの人が入っていた。われわれのほうで数に入れましたのは、病院の先生のほうで治療を要すると判断をされた方だけがのっておりますので、若干の差が出ております。
○鈴木強君 負傷者に対しては原則として国鉄側がその治療費を出す、そういうふうに理解していいですか。
○説明員(長浜正雄君) そのとおりでございます。
○鈴木強君 それでは次に欠陥車問題の、その後の当局の御調査の状況について伺いたいのですが、九月十一日のこの委員会で自動車の欠陥問題が取り上げられました。その際ユーザーユニオンのほうから問題として提起されたホンダN360の安定性、欠陥事故数件について再調査方をわれわれも当局にお願いいたしました。その節山中総務長官もこれを了承いたしまして、法務大臣にもよくその旨を伝えるということを約束をされております。きょうひとつ警察当局とそれから検察当局からホンダN360が起こした事故の原因というものが、どうも車自体の欠陥ではなくして、運転者の運転未熟とか、要するに運転者のほうの責に帰すべきものであるという結論が多く出されているというふうに考えるのですが、それに対してそうではないという考え方がユーザーから出ているのでありまして、したがって、もう一回再調査をしてほしいという意見が強く出ておりました。最初にそのことについてぜひわかっている範囲でお知らせをいただきたいと思います。
○説明員(久保卓也君) この前の委員会で調査をするということを申し上げておりますが、そのときに問題になりましたユーザーユニオンから九十数件でしたか、欠陥事故があるということで新聞その他に報道しているのがありましたが、それを受けまして、私どももユーザーユニオンのほうにそのデータをほしいと申しましたが、ユーザーユニオンのほうからは今日に至るまで提出はございません。したがいまして、この九十数件の前のユーザーユニオンからわれわれのほうに連絡がありました新聞等にも出たものがありますが、その分、これは十四件でありますが、この十四件の中で車体構造上問題であるというふうにわれわれが判断したものが六件、それからこれと別個に高速道路について調査をいたしたわけでありますが、これはこの前に申し上げてありますけれども、その件数が二十六件でありましたが、この二十六件の事故の中でやはり明確に自動車の構造に問題があるのではなくてほかに問題があるというように判断がされたものもありますので、このうちの二十件、さらにこの後に各県に報告を求めまして、問題になるかもしれないと思われるものの報告を求めたところ、七件出てまいりました。以上合計三十三件でありますが、これについて事故関係の資料を本庁に問い合わせまして、詳細に事務当局で検討いたしてもらいました。しかしながら、この三十三件として一応疑問のある件数の中で、やはり運転者が急にハンドルを切った、これは前から車が来たのでびっくりして急にハンドルを切った、あるいは同じような状況で急にブレーキを踏んだというふうに、明らかに運転者に事故の原因があると認められるものが大部分でありますので、それらを除きまして、おそらく十件以内の数字で、これは自動車構造上問題があるかもしれない――問題があるというふうに断定はできませんが、私どもの手元にある各県で調べました資料の中では断定はできませんけれども、一応疑いがあるということで十件以内の数字をいま確定を急いでおりますが、その程度の数字でもって運輸省のほうに具体的に技術的な検討をお願いしたいというふうに考えておる段階であります。
○説明員(前田宏君) ただいま問題にされておりますホンダN360に関します検察庁の調査状況をお答えいたしますが、具体的な事件といたしましては、本年の八月の二十四日付で東京地検に対しまして、殺人、同未遂という罪名で告訴事件、告訴が出されております。その告訴に従いまして検察庁におきましては、その告訴の内容になっております具体的な、昭和四十五年七月一日の京都の山科付近におきまする事故、これを中心といたしまして当時の事故状況を調べる、あるいはさらに進んでその事故がいわゆる欠陥車によるものであるかどうかという点も含めまして、権威の方に鑑定をお願いしており、その他運輸省なり関係の向きのほうについていろいろと事情を伺っておるというような状況でございまして、なお鑑定等につきましては、若干日時を要するように聞いておる次第でございます。
○鈴木強君 久保局長、この前の委員会以後にさらにわれわれが入手した資料によりますと、五十八件のN360の構造上の欠陥であろうと思われるものによる事故が起きておるのですが、その点は御存じないでしょうか。
○説明員(久保卓也君) 五十数件とおっしゃるのがどの数字だかわかりませんが、ただいま申し上げましたように、ユーザーユニオンには資料の提供は求めたのですけれども、提出いたしません。したがいまして、警察の持っておる資料の範囲内で調査をいたしたと、こういうことであります。
○鈴木強君 いや、そうではなくて、五十八件の個々の問題は別として、その後N360の構造上の欠陥によるものというふうに考えられる事故が起きているのですが、私たちの資料ですと五十八件あるのです。そういうことは交通局のほうでは御存じないでしょうかどうですかということを聞いているのです。
○説明員(久保卓也君) この前申し上げました三十三件の後に各県から参ったのが、新たに参ったのが七件ありますが、おっしゃいますような資料を私ども手に持っておりません。
○鈴木強君 検察庁のほうはいかがですか。その後、これはいまのお話ですと二十四日ですか、地検に告訴をした事件があるそうですけれども、この二十四日というのは何月二十四日でしょうか。最近さらに五十八件の問題が告訴されていませんでしょうか。
○説明員(前田宏君) 先ほど申しましたのは、本年の八月の二十四日付の告訴のことでございます。先ほどちょっと申し落としましたけれども、その事件の捜査にからみまして、同種のN360に関する事故についても全国の各検察庁に照会いたしまして、調査の対象にすべきものがあるかどうかというようなことは検討いたしておりますけれども、いまおっしゃいましたようなその後の新しい事故というものがこの中に入っているのか入っていないのか、やや明確ではございません。
○鈴木強君 これはもうすでに事件として終わったものもあるわけですし、そういう意味から言うと、再捜査なり再調査というのはたいへん至難なことだと思います。しかし、ひとつぜひ今後も警察当局と検察当局に御苦労でもこの事件の追及をしてほしいということを強く私はお願いをしておきます。
 それからいまのお話の中に、検察のほうもそうですし、警察のほうもそうですが、運輸省のほうに対してこの技術的な問題についていろいろと要望ないし連絡をされているようなんです。この自動車の安全確保のための基準というものは型式認定の際にも当然きびしくやられると思いますけれども、一体この安全基準というものについて、保安基準というものについて、はたして現状でいいのかどうなのか、こういう点も非常に問題になると思うのです。私は九月十日に衆議院の運輸委員会で橋本運輸大臣が、運輸省の型式認定の審査、これは型式認定の審査というのは車のサイズとか最高速度、ブレーキなどの保安基準というものがあって、これに適合しているかどうかということを調べることだそうですが、この型式認定の審査には技術的に不備の点があるということを大臣が認められたのですね。この欠陥車問題に大臣としては真剣に取り組もうとする意欲を示されたものだと思うのですが、その際に、たとえば軽乗用車の最高速度については八十キロ程度に押えたいということを九月の十日に大臣は言っているのですよ。こういった本来軽自動車というものが百キロも百二十キロもスピードを出すところに無理がある。だから、せめて大臣がこういう点は押えたいという考え方を国会を通じて述べられているわけですから、これらについても運輸省としてはさっそく検討をする価値があると思いますね。こういうものについて一体どういうふうにされたか。それから型式認定の審査についても技術的に問題がある、不備な点があるということを大臣が述べているのですから、その不備な点があるというのはどこなのか、検討されましたか。これは運輸省から。
○説明員(隅田豊君) ただいま御指摘の保安基準の問題でございますが、現在の技術のレベルの限界と申しますか、そういうものを含めまして現在の保安基準が必ずしも百点満点のものでないことは事実でございます。特に問題になっております高速時の操縦性、安定性というような問題になりますと、現在の保安基準はまだまだきめ切れておりません。そのきめ切れておらないということは、技術的に未解決の点が非常にございまして、保安基準として何と申しますか、基準としてつくり上げることができないでいるのが現状でございます。私たちとしては、研究所あるいは学会等を通じまして、いかにしてそういうものをつくるかということをいまいろいろと検討中の段階でございます。
 それから後段の八十キロの問題ですが、これも大臣がそういう国会で意思を表明されましたものを受けまして、現在私たちといたしまして、それをどういうふうに具体的な問題として実現するかということでいろいろ検討中でございますが、まだ結論まで申し上げる段階ではございません。
○鈴木強君 この安全性というものについては、私は非常にむずかしいですけれども、理解できないのは、たとえば型式認定の際に、その車の性能が保安基準に対して間違いないというその証明をするわけでしょう。しかしその証明をする場合に、メーカーさんが保安に対する安全性というものについてはあらゆる角度から研究をされ、確認をされていると思うのですけれども、その安全性に対する確認をされたデータというものについてはわれわれはよくわからないわけですよ、何せ二万個も部品を使って車ができあがっているわけですから。だからテスト段階においていかに性能がすぐれておっても、安全性において問題がないといっても、実際上でき上がった車は、その車一台一台をスピードを出し、いろんなテストをするわけにいかぬのですから、結局モデルケースとしてやった安全性に対するテストというものが即、売られるときにはそれを確認した上でできてくる。しかしそれは二万個の部品によってでき上がっておる。だからして極端に言えば、でき上がったものをユーザーが安全性に対して確認をする資格があるのです。だからたとえば二十万台なり百万台つくった中に、部品一つ狂ってもそのために安全性に対する問題が起きてくるということが出てくるのですよ。それほどむずかしい問題ですね。ですから運輸省として型式認定をする場合に一体安全性について、たとえば具体的にサーキットに行って各メーカーの安全性に対する、公開しているかどうかは知りませんけれども、こういった部面、十分に共同的に研究されて確認されているものかどうなのか、メーカーがつくったその基準を信用してやっているものか、その辺がわれわれにはよくわからぬわけですよ。だからこの前も本田さんも日産さんもトヨタさんも来られて、われわれはそういう立場から必ずしも安全性について、絶対間違いがないという考え方はいいんだけれども、しかし具体的に事故が起きて、それがあるいは構造上の欠陥ではないだろうかという疑問が出たら、それに対してすなおに対応策を考えて追求をしていくという姿勢がなければだめだということを私は申し上げたのですがね。ところが、何かもう構造上のミスじゃないのだという考え方で絶対的な、アブソルートとか、絶対という上に立って問題を考えておるから食い違いが出てかみ合いが出てこないのですよ。だからして、検察のほうでも警察のほうでもそういうような点をいろいろ捜査段階でやるのだけれども、時間もたっている、その当時の状況もだんだん時間がたてば薄らいでくる。そういう中で非常にむずかしいのです。むずかしいと思うけれども、確かに技術的な問題があるだろうという、たとえ数件でもそういうものが出てきたとすれば、これは運輸省としてはもう重大な問題ですからね。もっともっと総動員をしてもそれに対する対応策を考えてほしいと私は思うのですね。ですからもう少しこの欠陥の追及については本腰を入れてやってほしいと思います。私は国会のほうも、これはとても一時間や二時間の問題で欠陥車の最終的な追及をすることは無理だと思いますから、私はあとで理事の皆さんと御相談をして、できれば欠陥車対策小委員会のようなものをこの委員会にもつくって、そして少数の方々で真剣に考えてみたいと思います。これは決してメーカーの、ためにする宣伝をするとかということでなくて、やがてモータリゼーションの時代になり、さっき沢田委員からもお話がございましたが、われわれは少なくとも絶対事故をなくするという立場に立たなければ、この問題も何も論ずるわけにいかない。そういう基本姿勢の上に立って初めて論ぜられるのであって、それなくしてただ現象面だけ追うような問題であっては絶対いけないと思う。ですから、絶対的にモータリーゼーションの中で事故をなくするというには、そのために日本の各社とも安全性についての追求をし、技術の開発をして、そして少なくとも構造上のミスということによって事故の起こらないように、そういう積極的な姿勢をとらなければいけないと私は思います。そういう考え方を持っておりますので、そこできょうは時間もきておりますから、これ以上私は申し上げるわけにいきませんけれども、しかし軽自動車というものは、本来十年前にもうスピードを落として、そして裏かどから裏かどに小回りのきくというのが特性であったわけですから、それが百キロも百二十キロも突っ走っては、どこかに問題が起きますよ。しかし技術が開発されて、絶対だいじょうぶだというならいいですけれども、そういう意味でひとつ安全性の問題についてやりたいと思いますけれども、運輸省としてももう少し、たとえば八十キロの問題もそうですよ。何か警報、オートアラームでもって八十キロになったらピーと鳴って、運転者に注意を喚起すればいいという考え方もあるようですけれども、そんなものは本末を間違っていますよ。だから大臣の言っているのも私は八十キロくらいに落としたいということだと思いますから、それをオートアラームだけで注意を喚起するというだけでは、これは大臣の意思と質問者の意思と合っていないし、われわれもここでも申し上げたが、八十キロにもう軽はやったらどうか、しかし絶対に安全性について間違いない、スピード、高速問題についてもそういうことがみなが理解できるならいいですよ。そういう前提はもちろんあるのですけれども、現状では制限する必要があると思うのです。そういうことから、できることからおやりになったらどうでしょうか。非常に私は長くしゃべり過ぎましたけれども、ぜひ運輸省に注意を喚起し、この基準についても本腰でやってもらいたい。大臣にもひとつ十分説明しておいてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(隅田豊君) 私どももできるだけ前向きにこの安全基準の問題について取り組んでいくつもりでございます。技術的な問題が非常にからんでおりますので、研究所その他の強力なバックアップを得ながら進めていきたいと思います。
○鈴木強君 それから資料を私はひとつぜひお願いしたいと思います。
 それはホンダN360について、先般十月二十八日に株主の一人の福岡市美野島一の二二の一四久保寿三さんという方から、本田技研の本田社長と藤沢武夫副社長の二人を販売合戦を水増しするため、同じ車を二重に登録したり、架空の届け出をしている、その数は実に四千台と推定されているわけです。そういうことで東京地検に告発された事件があります。きょう私は陸運局長を呼んでお伺いしようと思いましたけれども、今日の時間の中では無理ですから、こういう告発が出ておりますので、最近のこの自動車販売の状況等も、欠陥車以来どうなっているのか伺いたかったのですが、それができませんから、次回に譲りますが、この告訴状によると、二重登録にあたって、にせの軽自動車譲渡証明書とか、軽自動車の販売確認書をつくって、それを所轄の陸運事務所長に新規の届け出と思い込ませて、不実の軽自動車届出済証を発行させたことになり、その罪は公正証書原本不実記載に当たるものでありますから、具体的には車体番号まで知っておりますけれども、時間がないから申し上げませんけれども、ひとつこの地検に告発されて問題になっておるのは、陸運事務所がちょろまかされたというような点がありますから、こういうことが事実であるのかどうなのか。十月ですね、十月に入って、できれば九月でもけっこうですが、九月ないし十月の各陸運事務所に登録したホンダの登録台数と、そういうふうな水増しのための登録が実際やられておるのかどうか。これらの資料がほしいのですから、ぜひ運輸省の方から陸運局長に連絡をとって、できるだけ早くこの資料を出してもらいたい。こういうことをお願いしたいと思います。この点よろしゅうございますか。
○説明員(隅田豊君) 九月、十月の全部の一覧表ということは、事務的におそらく無理だと思いますので、実態をできるだけ調べまして、資料を提出したいと思います。
○理事(千葉千代世君) いつごろできますか。
○説明員(隅田豊君) 後ほどもう一ぺん連絡をさせていただきますが、ちょっと日にちをかしていただかなければ……。
○鈴木強君 それからもう一つ、ジャックの十一月号というのをお読みになりましたでしょうか。読んでいなければ読んでいただいて、ここにホンダN360の四大クレームというものが、実際に本田の販売店員である方から告白が出されて、それが載っております。その中に、それとの関連で一つこの点も調べてもらいたいのですが、輸出の車と国内の車のサスペンションの仕様の違いについて、もし図面で提出していただければ出してもらいたい。それからもう一つは国内車の設計変更の回数というものが記録されていると思いますから、その回数を知らしてもらいたい。それからSFのクレーム処理台帳というのがありますが、その台帳の中で作業要領書というのがありますけれども、その中に共通しているクレームのついたような問題を統計的にしていただいて、ぜひ資料として出してもらいたいと思います。これもぜひ運輸省のほうでやってもらいたいと思います。できるだけ早くお願いしたいと思います。
○説明員(隅田豊君) 先ほどの国内車の設計変更資料、それから国内車のサスペンションの輸出車との違い、これは図面を私たちが入手できるかどうかはちょっとわかりませんけれども、調べることは可能だと思います。
 それからクレーム台帳その他のことは、いまのところどういうものがありますか、いままで私たちがタッチしたことはございませんので、調べた上で御返事をさしていただきたいと思います。
○理事(千葉千代世君) 非常に大事な資料ですから、鈴木委員だけではなく、委員全般に資料をください。
○鈴木強君 それから、これはもう時間の関係でだいぶおくれていますから、また、さっき申し上げたような委員会の運営の中でやっていただければそうしたいと私は思いますので、長期のかまえでひとつ取っ組んでいきたいと思いますから、協力してもらいたいと思います。
 それから最後に、先ほど交通公害の問題については道交法の改正で出すということを大臣がはっきりおっしゃいましたし、内容についても要領をいただきましたから、これはきょうはもうやめることにいたします。いずれまた臨時国会になってからいろいろ伺いたいと思います。
 それから、これは交通局長にちょっと伺いたいのですけれども、東京都のほうから――大阪とか名古屋も入っていいですけれども、大都市における交通規制の強化ということについてはいろいろ道交法上の問題があるし、国民の間でも非常に疑問があると思うのですけれども、しかしさっき沢田委員もおっしゃったように、どうしても交通事故をなくすということになると、相当思い切った規制もやはり必要になってくると私は思うのですね。したがって、そういう立場に立って先般山中総務長官が交通対策本部長として閣議で一応了承を得た――東京都における交通規制強化と輸送体系の整備という考え方が了承されているように思うのです。これは具体的に警察庁のほうでおやりになっていると思うのです、警視庁と連絡をとって。そこで、たとえばバスの専用道路とか、お買いもの道路とか、いろいろ逐次やっていただいておりますけれども、大型車の規制とか、都心への乗用車の乗り入れの禁止とか、パーキング問題とか、いろいろあると思いますけれども、どうもわれわれは、道交法も変えました、駐車違反は厳罰に処することになりました、それから巡視員制度も設けてお手伝いしてもらうということになりましたと、いろいろ対処して御苦労していただいているのですけれども、依然として事故車あるいは負傷者というものがだんだんだんだん増大するわけですね。われわれの近くでもそうですけれども、違法駐車されている車がさっぱり処理できない。一時レッカー車を持ち込んで、テレビや新聞で報道したときには多少きき目があったようですが、その後そういう報告もない。機動隊もちょっといま仕事がひまのようですから、大いに使ってそういうこともやっていただけるように聞いておったのですけれども、どうも足踏み状態になってしまっているような気がするのです。ですから、制度を幾ら変えてみましてもなかなかうまくいかない。一体これはどこに原因があるのか。こういうことを国民は非常にふしぎに思うのです。だからせめて東京都なら東京都という交通に対する規制を強化するなら強化する、そうしてまた輸送体系というものをどうしたらよいかということについては抜本的に考えて、その中でもう庶民がいま困っている問題、狭い所に何日も何日もその車が運行もしないでとまっている、あるいはナンバープレートもないようなものがわれわれの近くにも何日も何日も放置されている。これでは違法駐車に対する取り締まりをやるといっても、どうもうまくいかんのですね。地域の人から見ると、何をしているんだということになるのです。ですから、どうしてそういう点がうまく進まないんでしょうか。きょうは時間もあまりせんけれども、おおよそのところをひとつぜひ局長から伺いたいと思うのですけれども……。
○説明員(久保卓也君) 交通の事故防止のためにあらゆることをして、そのために交通事故がものすごく減少するということは非常にあり得ないことだと思います。これはどういう政治であれ行政であれ、事故防止を完全に成功させた国、地域はなかろうと思います。しかしながら、いまのあり方というものは異常でございますので、これをもっと大幅に減らすということは私は十分可能であると思います。
 そこで、ちょっと恐縮でありますが、数字を二、三御披露したいと思いますけれども、死亡事故は一昨年の対前年比が伸び率で四・六%ありました。四・六%ふえた。昨年は一昨年に比べて一四%ふえた。たいへんふえましたが、ことしは十月末までで四・四%の増であると思います。したがいまして、一応鈍化しておるというかっこうであります。死亡事故はそうでありますが、負傷者の事故を見ますと、一昨年の対前年は二二%ふえておりました。昨年は一六%ふえております。昨年の対一昨年に対するふえ方は一六%であります。ことしの十月末までの伸び方が一・一%であります。したがいまして、事故対策のためには一つ二つの大きな対策ということではありませんで、あらゆることをやろうとしております。それがやはりある程度の何といいますか、成果を見つつあるわけで、私ども各県に参りまして警察本部長あるいは署長の話を聞きますと、非常に一生懸命やっております。私はいまの交通量の増加、それから道路の舗装の伸び、そういう点から見ますると、いまのような数字というものはやはり各県の警察のみならず、関係者の非常な努力の成果であろうというふうに評価しております。しかしながら、これで満足すべきではありませんで、私ども再々申し上げておりますように、歩行者と自転車事故の死亡を半減させる、あるいはでき得べくんば全体の死亡事故を半減させるということを目標にしながら、再々御説明申し上げたような道路管理施設五ヵ年計画ということで大きな投資をしなければ、これはいろいろの規制その他を伴いましても、金を投じなければやはり事故は非常に大幅に減るということにはならない。ですから安全防止のために何千億の金を投資していただければ、私は事故も半減することはそう長い将来の問題ではなかろうというふうに確信しております。
○鈴木強君 まあ御苦労されていることはわれわれもよく理解をしているわけですけれども、現実に、さっきも申し上げたような違法駐車の問題にしてもなかなか国民がなるほどうまくいっているというようなところまではいっていないと思います、特に都会の場合。たとえばCOなんかも長官に聞きましたけれども、国の基準で五・五%、東京都が五%ということで〇・五の差がある。そういうものが一方は都条例できめられている。一方は国の基準がある。実際に現地でやる警察の方と東京都の職員とではまちまちの基準で、一体こっちは五・五でパスしているやつをこっちがつかまえるということになると、非常におかしなかっこうが出てくるわけですが、これではまことにみっともない。これは今度の法律改正を契機に地方自治体に強く権限を持たせるという長官のお考え方で、調整すると言っておられますけれども、現実にそういう点一つ見ても何かしっくり国民の目には浮ばないわけですよ。ですから、たとえば違法駐車をなくすというなら、それだけでもレッカー車でどんどんどんどん引っぱっていくとか、そういうような措置はできないものでしょうか。これはお金を出せばと局長おっしゃるが、まさにそのとおりだと思います。人も足りないかもしらぬが、逐次どっかでやっているわけですか。東京都で計画的に二十三区、東京はどのくらいまでは違法駐車させないようにできたんですか。看板は交通安全協会が掲げている。この地区は違法駐車だから駐車できない。違法駐車はレッカー車で引っぱって行く。たとえば青山通りで取り締まりがあったときは、私たちが行って見ても左側は全然いなかった、車はいなかったです。最近行ってごらんなさい、どんどん駐車している。だから警察が取り締まっている間はちょっといいんだけれども、ちょっと向こうへ行けばこっちは前に戻ってきている。これも個々のユーザー、ドライバーのやっぱり良識に大いにかかるところがありますけれども、まあ取り締まりだけを責めてみたってこれはしかたがないんで、国民全体としての品位の問題、道徳の問題にもからむわけでありますから、一がいに交通当局が、警察当局が怠慢だとか何とかということは言えませんけれども、しかし取り締まりを平均してこうずっとやっているんでしょうか。そういうことはよく私たちもわかりませんで、世田谷はいつごろ来るということがわかっておると、あしたやられるんだな、とわかりますけれども、それがさっぱりわからんのです。そういう実情に対する認識というものを持たれるようにPRしていただきたい。
○説明員(久保卓也君) 駐車違反の取り締まりは、これは全国的に御要望が非常に高いものでありまして、これも各県は努力いたしております。昨年一年で六十万件の駐車違反の取り締まりをやっておりますが、ことしはおそらく五割増ぐらいになるだろうと思います。ところで、しかし私どもも、一般国民の希望になぜ沿えないかと申しますのは、結局街頭に出ている警察官が少ないからだということであります。昭和三十八、九年ごろであったと思いますけれども、交通係の警察官として一万人ふやしてもらいました。しかしながら、そののちに事故が急増しました関係上、街頭に警察官が出ているというよりも事故処理に非常に追われているというところに問題があるわけでして、事故処理に警察官がかかずらうために街頭に警察官が出ない。街頭に出なければまた事故がふえるという悪循環になっております。したがいまして、私どもの考えとすれば、交通係の警察官を二万人ふやしていただければ、先生のおっしゃったようなことができると思っております。ただし、現在はなるべくいわゆる省力化ということにつとめまして、それではなおかつこれだけはどうしてもできないという音を上げたところを示さないと、警察庁の内部でも、あるいは外へ要求する場合でもなかなか通りませんので、ことしと来年度は省力化ということにつとめたい。反面その省力化の一環としまして、装備の充実、装備によってある程度押していく。ただいまレッカー車の話もありましたが、ここに数字はありませんけれども、東京都でも、警視庁の中でもおそらく数台、十台足らずのレッカー車しかないと思います。来年度の予算で全国的に要求をいたしておりますけれども、これ自身もたとえば東京都でレッカー車で車を運んでいく場合、どこへ持っていくかという問題があります。アメリカでありますと、ごらんになりますように、車を引いていく場所があるのですけれども、都内ではこれがない、こういうような問題がございます。しかしそういうような問題も私どもは解決ができない問題ではないと思っております。要するにもう少し人手が街頭に出ないことにはだめだ。そこで交通巡視員をふやしていただきましたので、これが逐次活動できるんじゃないか、もう少し時日をかしていただきたいと思っております。
○鈴木強君 わかりました。機動隊員をお使いになるというお話もしておられたわけですから、とりあえず二万人あればできるということですが、なかなかそれも予算的な措置がとれないのが実情です。そこで機動隊も目的があるからむずかしいでしょうけれども、現にかなり出動させておりますし、そういう点も逐次情勢によって判断されて努力を願えればできる余地もあると思いますので、その点も御検討をお願いしたいと思います。
 それから新東海道線と東名高速の事故防止対策についても、安全性から見てもたいへん大事ですから伺いたいと思いますけれども、時間が予定よりも一時間もおくれましたので、これは次回に回すことにして、これで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○理事(千葉千代世君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十五分散会