第065回国会 本会議 第8号
昭和四十六年三月二十四日(水曜日)
   午前十時四分開議
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○議事日程 第八号
  昭和四十六年三月二十四日
   午前十時開議
 第一 国家公務員等の任命に関する件
 第二 児童手当法案(趣旨説明)
 第三 環境庁設置法案(趣旨説明)
 第四 所得に対する租税に関する二重課税の回
  避のための日本国とスイスとの間の条約の締
  結について承認を求めるの件
 第五 所得に対する租税に関する二重課税の回
  避及び脱税の防止のための日本国政府とシン
  ガポール共和国政府との間の条約の締結につ
  いて承認を求めるの件
 第六 千九百六十九年十一月十四日に東京で作
  成された万国郵便連合憲章の追加議定書、万
  国郵便連合一般規則、万国郵便条約及び関係
  諸約定の締結について承認を求めるの件
 第七 アジア=オセアニア郵便条約の締結につ
  いて承認を求めるの件
 第八 千九百五十四年の油による海水の汚濁の
  防止のための国際条約の改正の受諾について
  承認を求めるの件(衆議院送付)
 第九 油による汚染を伴う事故の場合における
  公海上の措置に関する国際条約の締結につい
  て承認を求めるの件(衆議院送付)
 第一〇 国際原子力機関憲章第六条の改正の受
  諾について承認を求めるの件(衆議院送付)
 第一一 在外公館に勤務する外務公務員の給与
  に関する法律の一部を改正する法律案(内閣
  提出、衆議院送付)
 第一二 消防法の一部を改正する法律案(内閣
  提出)
 第一三 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
 第一四 地方税法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第一五 視能訓練士法案(内閣提出)
 第一六 理学療法士及び作業療法士法の一部を
  改正する法律案(衆議院提出)
 第一七 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関
  する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
  衆議院送付)
 第一八 国民年金法等の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
 第一九 国会議員の選挙等の執行経費の基準に
  関する法律の一部を改正する法律案(内閣提
  出、衆議院送付)
 第二〇 選挙制度審議会設置法の一部を改正す
  る法律案(衆議院提出)
 第二一 外航船舶建造融資利子補給臨時措置法
  の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二二 踏切道改良促進法の一部を改正する法
  律案(内閣提出、衆議院送付)
 第二三 道路運送車両法及び自動車検査登録特
  別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出、
  衆議院送付)
 第二四 裁判所職員定員法の一部を改正する法
  律案(内閣提出、衆議院送付)
 第二五 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補
  給臨時措置法案(内閣提出、衆議院送付)
 第二六 建設業法の一部を改正する法律案(第
  六十三回国会内閣提出衆議院送付)
 第二七 沖繩における免許試験及び免許資格の
  特例に関する暫定措置法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
 第二八 家畜伝染病予防法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
 第二九 産炭地域振興臨時措置法等の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三〇 特定電子工業及び特定機械工業振興臨
  時措置法案(内閣提出、衆議院送付)
 第三一 中小企業信用保険法の一部を改正する
  法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三二 相続税法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第三三 入場税法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第三四 国際開発協会への加盟に伴う措置に関
  する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、
  衆議院送付)
 第三五 日本輸出入銀行法による貸付金の利息
  の特例等に関する法律案(内閣提出、衆議院
  送付)
 第三六 総理府設置法の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
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○本日の会議に付した案件
 一、議員派遣の件
 以下 議事日程のとおり
    ―――――――――――――
○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
 この際、おはかりいたします。
 来たる四月十二日から十八日までベネズエラのカラカスにおいて開催される列国議会同盟本年度春季会議に、本院から井野碩哉君、青柳秀夫君、北村暢君を派遣いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
     ―――――・―――――
○議長(重宗雄三君) 日程第一、国家公務員等の任命に関する件。
 内閣から、科学技術会議議員に兼重寛九郎君、杉野目晴貞君を、
 中央更生保護審査会委員に三田庸子君を、
 社会保険審査会委員に川嶋三郎君を、
 運輸審議会委員に鈴木清君を任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
 まず、科学技術会議議員、社会保険審査会委員の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、いずれも同意することに決しました。
     ─────・─────
○議長(重宗雄三君) 次に、中央更生保護審査会委員、運輸審議会委員の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって、全会一致をもって、いずれも同意することに決しました。
     ─────・─────
○議長(重宗雄三君) 日程第二、児童手当法案(趣旨説明)。
 本案について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者からその趣旨説明を求めます。内田厚生大臣  内田厚生大臣。
   〔国務大臣内田常雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(内田常雄君) 児童手当法案につきまして、その提出の趣旨を御説明申し上げます。
 御承知のように、児童手当制度は、わが国社会保障制度の中でいまだ実現を見ていない唯一の制度であり、次代の社会をになう児童の育成の場である家庭の生活を安定させ、児童の健全な育成と資質の向上をはかるためには、この制度の創設がかねてより懸案となっておりました。
 特に、今後において老齢化が予測されるわが国の人口構成を考えますとき、将来の高齢化社会をささえていくこととなる児童の健全な育成と資質の向上をはかりますことは、わが国が将来にわたって活力にあふれた社会として発展を続けていくために、今日においてとるべき緊急の課題といわなければなりません。
 政府といたしましては、このような観点から、わが国の国情に即応した児童手当制度を実現いたすべく、鋭意検討を続けてまいりましたが、このほど成案を得ましたので、この法律案を提出した次第であります。
 以下、法律案の内容の概略について御説明申し上げます。
 第一に、児童手当は、満十八歳未満の三人以上の児童を養育している者に対しまして、義務教育終了前の第三子以降の児童一人について月額三千円を支給することとしております。ただし、児童を養育している者の前年の所得がおおむね二百万円以上であるときは支給しないこととしております。
 第二に、児童手当の支給は市町村を通じて行なうこととし、児童手当の支給に要する費用は、被用者の児童については、事業主の拠出金十分の七、国庫負担十分の二、都道府県及び市町村負担十分の一をもって充て、農業従事者、その他の自営業者の児童につきましては、国庫負担三分の二、都道府県及び市町村負担三分の一をもって充てることといたしております。
 なお、公務員及び公共企業体の職員に対する児童手当については、国、地方公共団体または公共企業体が直接支給することとし、その費用は、それぞれ支給者において全額を負担することとしております。
 第三に、本制度の実施につきましては、その円滑な発足を期するため段階的にこれを行なうことといたしまして、当初はとりあえず、支給の対象となる児童の範囲を五歳未満の児童といたし、昭和四十八年度からはこれを十歳未満の児童にまで引き上げ、昭和四十九年度から義務教育終了前の児童に及ぼすこととしております。なお、昭和四十六年度においては明年一月分からその支給を開始することといたしております。
 以上をもって児童手当法案の趣旨の説明を終わります。(拍手)
○議長(重宗雄三君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。大橋和孝君。
   〔大橋和孝君登壇、拍手〕
○大橋和孝君 私は、日本社会党を代表して、ただいま提案されました児童手当法案に対しまして、総理大臣をはじめとし各関係大臣に若干の質問をいたします。
 まず、総理大臣にお尋ねいたします。佐藤総理は、その就任以来、児童手当の必要性を強調し、その制度創設をたび重ねて国民の前に明言しながら、今日まで制度発足をおくらせていたずらに国民の期待を裏切ってきたこと、また、衆参両院の社会労働委員会において、この児童手当制度早期実現に関して、過去十四回にも及ぶ附帯決議が行なわれていながら、今日まで制度発足を怠ってきたことに、一国の総理として、率直に責任を感じて陳謝の意を明らかにしていただきたいと思うのであります。
 そこで私は、まず、児童の置かれている環境について総理の御見解をお尋ねいたします。言うまでもなく、児童は次代をになうものとして、その健全な育成を最も必要とするものであります。このことは、昭和二十六年五月五日に定められた児童憲章に、「児童は、人として尊ばれる。児童は、社会の一員として重んぜられる。児童は、よい環境のなかで育てられる。」とうたわれており、また、昭和三十四年十一月二十日の国連総会における児童権利宣言の中でも、「人類は、児童に対し、最善のものを与える義務を負う」と明確にうたわれております。しかるに、今日わが国の児童の置かれている環境は、農村では出かせぎの親に残された子供、都会では共かせぎの両親に取り残されたかぎっ子、激増する交通事故の最大の犠牲者である交通遺児、公害や基地周辺の環境に恵まれない子供、公園、緑地など、スポーツあるいは健全なリクリエーションの施設を持たない子供、低俗な町の風俗によって悪影響を受けた非行少年など、都会はむろんのこと、農山漁村でさえも児童の置かれている環境はきわめて悪いことは衆目の一致するところであります。それがさきにあげた児童憲章や児童権利宣言の中身といかにかけ離れたものであるか、総理はお考えになられたことがおありでありましょうか。児童の置かれた環境を今日こそ一大勇断をもってすみやかに改善することこそ、刻下の急務であると思うのであります。このための具体的施策を打ち立ててこれを年次的に推進する、また、これに対して十分な財源を用意する、こうした考えこそ、総理の言われる「福祉なくして繁栄なし」というお考えに通ずるものと思うのでありますが、総理の明快、率直な御答弁をいただきたいと思うのであります。
 次に、法案の内容にわたりまして五、六点、厚生大臣に伺いたいと思うのであります。
 第一点は、社会保障制度審議会の答申が、この児童手当制度について、本制度は「極めて貧弱な内容」と述べております。大臣は衆議院の本会議において、小さく産んで大きく育てるということを言われたのでありますが、この児童手当法案は、いわばまだ未熟児であって、今後の育成は容易ではないのであります。昭和四十九年四月以降、完全実施後にはどのように充実をはかっていこうとお考えになっておられるのか、制度の将来の展望についてお尋ねをいたします。
 第二に、制度の立て方の問題であります。形式は一応単一の制度となっておりますが、内容は従来の社会保障制度の欠陥をそのまま露呈していると思うのであります。すなわち、児童手当に要する費用の負担において、被用者、被用者でない者、公務員と三つに分かれ、それぞれ負担割合が異なっており、拠出金の徴収もばらばらであります。社会保障制度として所得の再分配の機能を果たすならば、当然これをプール制とすべきではないかと思うのであります。
 第三点は、本制度の目的についてであります。本法案の目的が所得保障と児童の健全育成との観点を中心とした考え方になっておりますが、児童手当制度は、言うまでもなく多目的なものであり、政府はこれを二つの目的だけに限っていて、いずれが主目的かも明確ではありません。目的をこのように決定した理由は何なのか、この点についてお伺いをいたしたいと思うのであります。
 第四に、支給の対象についてであります。この児童手当は段階的に支給対象を拡大し、完全実施したとしても、十八歳未満児童数約三千万人に対してわずかに二百五十万人で、支給される者は十二人に対して一人の割合であります。児童手当制度を実施している世界六十二カ国の事例を見てみると、第一子以降が支給されている国は五十カ国で大半を占めております。第二子以降が支給対象となっている国が九カ国、第三子以降は、わずかに南アフリカ連邦、北ベトナムの二カ国だけであります。また、わが国の家族構成を見るときに、近年核家族化の著しい進行により、平均は子供二人であり、第三子を持つ世帯はきわめて少ないのであります。さきの児童手当懇談会の報告でも、「児童全体の健全育成あるいは雇用ないし賃金問題の見地を加味すれば、第一子から支給しなければ、趣旨が徹底しない。」と述べられておるのであります。児童手当制度は第一子以降から実施してこそ初めてその目的が達成されるのであります。イギリスの場合を例にあげるならば、イギリスでは、妻と第一子は賃金の中で見るということから、児童手当の支給は第二子以降となっているのであります。わが国が第三子以降とした根拠はいずれにあるのか、明らかにしていただきたいと思うのであります。また、あわせて、これを第一子あるいは第二子まで引き上げるお考えはないか、大臣の積極的な御答弁をいただきたいと思うのであります。
 次いで、本法案では、児童の定義を十八歳未満としておきながら、義務教育前の児童を支給対象としているのは何ゆえなのか。児童の定義を十八歳とするならば、当然、手当の支給対象も十八歳とすべきではないのか、この点につきましてもお尋ねいたしたいのであります。
 第五に、給付についてであります。本法案の手当額は三千円という低額であります。児童手当の額が低いということは、その目的を果たし得ないことも自明の理であります。昭和四十年以来、足かけ五年にわたってなされました厚生省の児童養育費調査のうち、四十二年の調査結果における養育費は、第三子で六千円となっております。その二分の一が支給額の積算根拠となっているようでありますけれども、実際に本法案が成立し、支給されるのは昭和四十七年の一月であります。現在のウナギ登り、天井知らずの物価高の中にあって、当然調査時点から実施時点までの五カ年間の物価の上昇を見なければならないと考えるのでありますが、これを三千円としたのはいかなる根拠によるものか。大都市大企業常用労働者、専業農家、中小都市常用労働者、いずれの世帯においても、児童養育費の家計に占める割合は、一子の場合はその約三割、二子は五割近くに達し、三子がいる家庭では、実に六割近くに膨張するという調査報告の結果も発表されております。こうしたことを考えるときに、今回の児童手当の額が三千円というのは、いかに低い額で、制度本来の趣旨に沿わないかということは明確であります。この点につきましても御見解を承りたいと思うのであります。
 第六に、所得制限についてであります。昨年、イギリス、フランス等の児童手当制度の実施状況を調査した児童手当審議会の児童手当調査団の報告によりますれば、イギリス政府には児童手当そのものについて所得制限を導入する考えはなく、また、労働組合会議  TUCなどでも、所得制限には絶対反対の態度であります。その所得制限に反対する理由として、第一には、高額所得者の児童についても、次代をになうにない手としてその育成を社会的に分担すべきであるということ、第二には、児童手当を必要とする者がかえって受給を好まなくなるということ、第三には、国民を二つの階層に分断することは適当でないということ、第四には、事務処理が複雑になるということなどがあげられていることはすでに御承知と思うのであります。こうした観点に立ちまして、児童手当審議会の答申では、その児童手当大綱に、所得制限は課さないことになっていたのであります。政府は、またも審議会の答申を無視して所得制限を入れたことは、いかなる理由に基づくものか、明快な御答弁をいただきたいのであります。
 ところで、その費用負担について、被用者の場合は、事業主の拠出が十分の七、国庫負担が十分の二、都道府県、市町村の負担はおのおの十分の一となっておりますが、この程度の公費負担の場合、従来の社会保険においては所得制限を課さないのが通例でありますが、今回の児童手当において、被用者の場合、拠出制についても所得制限を課するのは、何といっても理解できないところであります。この際、所得制限は撤廃すべきだと考えるのでありますが、御見解を承りたいのであります。
 次に、自治大臣に御質問をいたします。児童手当審議会における児童手当制度の大綱においては、被用者に対する児童手当の財源は事業主の拠出及び国の負担によるとしていたにもかかわりませず、本法案が国会に提出される段階で、都道府県、市町村の負担の加わった理由は何なのか。また将来、この児童手当を飛躍的に発展させなければならないことは言うまでもありませんが、この場合、地方財政を圧迫することになるのではないか、この点、自治大臣のお考えをお聞きしたいと思うのであります。
 最後に、大蔵大臣にお尋ねいたします。この児童手当の財源調達方式についてでありますが、世界六十二カ国の児童手当制度における財源調達方式は、大別して拠出制と無拠出制とのいずれかであります。しかるに、わが国の場合には、世界にも例を見ないところの拠出制と無拠出制とのいわゆる混合方式を採用し、しかも貧弱なものであります。かかる混合方式を採用した理由はどこにあるのか、この点についてお尋ねいたします。
 第二に、昭和四十九年、この児童手当を完全に実施した場合、事業主、都道府県、市町村の拠出金は四百七十億円となり、これに対して国庫負担は四百二十五億となります。本制度をさらに発展させるためには、当然、国庫負担の増加が必要となってまいります。将来、国庫負担を大幅に増加させる考えはないのか、御見解を承りたいのであります。
 以上で私の質問を終わりますが、長い間、佐藤内閣が国民に公約をしてきたこの児童手当制度が、今日このように国会に提出されて、その内容を見てみるならば、国民の多くの期待に反して、その内容はきわめて貧弱な、制度本来の趣旨にも合致しないものと言わざるを得ません。この児童手当制度が創設されれば、一応わが国の社会保障制度は出そろったわけでありますが、何一つとってみましても充実したものはないのが実情であります。その発展は遅々として進まないのも実情であります。
 総理をはじめ関係各大臣、このおくれた内容を持つわが国の社会保障制度の拡大充実について、今日この時点からほんとうに真剣に取り組んでいただきたいということを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
○国務大臣(佐藤榮作君) 大橋君にお答えいたしますが、お答えに入ります前に、まず、児童手当法の提案のたいへんおくれたということで御叱責をいただきました。謙虚に御意見を伺ったつもりでございますし、この上はどうか御審議、同時に御鞭撻を賜わりますように、よろしくお願いしたいと思います。
 そこで、私の基本的な考え方についてのお尋ねでございましたので、それについてお答えいたします。昨年の施政方針演説におきましても、「次代をになう青少年が、豊かな情操を持ち、近代生活にふさわしい倫理観と社会連帯感を備えた国民として育つことが何よりも大切」であることを訴えたのでありますが、その基礎を築くのは、肉体的にも精神的にも真に健康な児童を育成することにあると思います。児童福祉はそのような意味で国力の基本ともいうべきものであり、政府としても、児童福祉法を中心に母子福祉法、母子保健法、児童扶養手当法、特別児童扶養手当法など、数々の制度によって児童福祉の進展をはかってきたのであります。児童憲章や児童権利宣言の精神を尊重すべきことは、あらためて申すまでもありません。今後とも児童福祉の着実な向上をはかってまいる決意でございます。何とぞよろしくお願いいたします。
 以上、お答え申し上げます。
   〔国務大臣内田常雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(内田常雄君) 大橋先生からいろいろのお尋ねがございましたが、まず、この児童手当制度の目的についてでございますが、この目的は、これをどこに求めるかということにつきましては、いろいろの意見がお説のとおりございますが、今回の制度の創設にあたりましては、法律に述べましたように二つの目的を掲げた次第でございます。そのいずれを従としいずれを主とするかというようなことにつきましては、私は主従はつけかねる。この二つの目的とも多目的的な見地から重要であると、かように考えてこの制度を進め、かつ育ててまいりたいと考える次第でございます。
 また、この制度の今後における充実強化のことにつきまして、御意見を交えてのお尋ねでございますが、ただいま総理大臣からもお話がございましたように、児童手当制度をとにかく思い切ってこの四十六年度の終わりから実施に移すことに踏み切ったわけでございまして、現在といたしましては、この制度の創設を急ぐことが先決であると私は考えます。その今後における制度の改善、発展というようなことにつきましては、今後における経済の成長あるいはまた国民の生活水準、さらにこの児童手当に対する国民の意識の推移というようなものを総合的に考慮をいたしまして善処をしてまいりたい考えでございます。
 また、この制度の一元化と申しますか、被用者、あるいはまた自営業者、さらには公務員等にわたる一元化の問題についてのお尋ねがございましたが、この制度は私どもの気持ちでは、全国民を通じた一つの制度として打ち立ててございまして、被用者にいたしましても、自営業者あるいは公務員を問わず、その給付の内容、支給の要件等に差を設けてはございませんので、一元的にこの児童手当という制度を打ち立ててございます。ただ、いろいろの費用の負担、あるいは費用の徴収の便宜の方途を講じた点は御指摘のようなところもございますけれども、いずれにいたしましても、この制度は、全国民を単一の制度に包括して、私どもは支給をするもののたてまえでこれを創設をいたしておる点を御理解をいただきたいと存じます。
 それからこの児童手当の金額三千円につきましても、具体的な御意見でございましたけれども、私どもは、この三千円が多いとも少ないとも申しません。この金額をきめましたのは、児童の養育費の全部を児童手当をもってもとよりカバーしようとするものではなしに、その一部を軽減する、養育者の扶養義務を。そうしてこれを補てんをしていく、あるいは養育者の児童に対する養育の努力を援助しようと、こういう趣旨から一部を負担をする、一部を支弁をするということでこの制度を打ち立てて、当面三千円として出発いたしました。しかし、これにつきましては、これは特に私どもは児童審議会の御答申にはございませんでしたけれども、大蔵大臣ともよく打ち合わせをいたしまして、今後、国民の生活水準、その他諸事情に著しい変動がございました場合には、これらの金額につきまして特別の措置を加えていくという特別の規定をあとから挿入することにいたしました点に御留意をいただければ幸いでございます。
 次に、この児童手当を支給する対象となる児童の数、あるいは年齢でございますが、申すまでもなく、義務教育終了前の期間が子供の人間形成にとりまして最も重要な意味があると、こういうことに着目をいたしまして、支給の対象には、義務教育終了前の児童というものを対象といたしつつも、第三子以降ということにいたしました関係もございまして、一番上の子につきましては、義務教育学校を終了しても、なおかつ十八歳に上の子がなるまでは第三子以降の子供に対しては児童手当を支給することといたしまして、この点につきましても児童手当審議会の御答申に私どもは特別に拡張をする施策を加えたことも、大橋先生御承知のことと存ずるわけでございます。なお、この点につきましても、十分その点の御理解をいただきたいと存じます。
 それから所得制限の問題でございますが、所得制限はおおむね二百万円といたしますことは先ほども御説明申したとおりでございますが、所得制限を設けることは、今日の国民感情から申しまして、そうすべきであるという意見も現にございますし、また、先ほど来も述べたような趣旨の手当でございますので、この手当の限界効用と申しますか、各所得階層におけるこの支給金の効用というようなことにも十分着目をいたしまして、当面の出発を、御説明申し上げました法律のと一おりといたした次第を御理解をいただきとうございます。(拍手)
   〔国務大臣秋田大助君登壇、拍手〕
○国務大臣(秋田大助君) 今回、政府が提案をいたしております児童手当制度なるものは、お子さんの福祉ということを中心観念といたしました新しい社会保障制度でございます。しこうして、このお子さんの福祉に関する制度を推進をしていくということが、地域住民の福祉につながり、かつ、その基本であろうと存じております。新しい地方行政の目的とするその中心点の大きなものの一つは、地域住民の福祉でございますので、この点に着目いたしまして、今回の児童手当制度の維持のために要する経費の一部を国とともに地方団体も分任をいたすことによりまして、地方地域住民の一福祉に資したいと考えた次第でございます。
 なお、この制度を来年の一月から発足をいたしましてまいりますが、初年度はともかく、これが平年度におきましては相当の負担を地方公共団体に課することになりますので、これが財政措置といたしましては、地方交付税上の措置を強化いたしたい、もってこの制度の維持に資したい。しこうして、十分やっていけると考えております。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(福田赳夫君) 児童手当の財源調達方式についてでありますが、児童手当は、児童福祉的社会保障制度、その一環であるという理解をしております。したがいまして、第一次的には国が財政的責任を負う。そういうことから、被用者でないものに対する児童手当は、これは無拠出、全額公費負担、その公費の中では、六分の四を国が、六分の二を地方が、こういうふうにいたしました。ただ、諸外国でこれをやっているのを見て見ますると、これはどうも全額公費負担というとどうも硬直化の傾向が出てくる。そこで批判がずいぶん起こるのです。やめようかというような国さえも出てきておるようであります。そこでくふうをいたしまして、被用者に対するものは企業者において相当額を負担してもらう、こういうことを考えたわけでありまして、どうもこのほうが児童手当が長続きをするゆえんではあるまいか、かように考えた次第でございます。
 それから、今後国庫負担率を上げるかどうか、こういうようなお話でございますが、そういうようないきさつから、十分権衡をとりましてこの率をきめたわけでありますので、当面、ただいま国庫負担率を引き上げるというような考え方はいたしておりません。ただ三千円とか、そういうものにつきましては、今後の経済情勢、そういうものを見て十分また対処したいと、かように考えます。(拍手)
○議長(重宗雄三君) 柏原ヤス君。
   〔柏原ヤス君登壇、拍手〕
○柏原ヤス君 私は公明党を代表して、ただいま提案のありました児童手当法案に関し、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 児童手当については、すでに世界の六十二カ国が実施しているにもかかわらず、福祉国家を目ざすわが国が、今日までその制定を見なかったことは、まさしく政府の怠慢と言わざるを得ません。児童手当制度の制定は、豊かな暮しを願う国民的な強い要求であることは論を待たないところであります。
 わが党は、昭和四十三年の第五十八国会以来、独自の児童手当法案を毎国会提案し、すみやかな実現を政府に迫ったのもそのような理由からであります。ようやく児童手当が日の目を見ようとするわけでありますが、法案の内容にはまだ多くの不満を残しております。二十一世紀の日本の繁栄と栄光をになうのは現在の児童であります。ゆえに、去る昭和三十四年十一月二十日に児童権利宣言ができ、本院においては同年十二月十六日に支持の決議が行なわれました。この児童憲章、児童権利宣言を具現化することが児童福祉の強化につながるものであり、これが国の基本姿勢でなければならないと思いますが、総理並びに厚生大臣はいかがお考えでしょうか、その御所見を伺いたいのであります。
 次に、大蔵大臣にお尋ねします。
 新経済社会発展計画における国民所得に対する振替所得の比率は、昭和四十四年度五・二%を昭和五十年度までに二%引き上げることとしておりますが、今回の児童手当の創設によってこの比率は当然引き上げられなければならないと思いますが、どうお考えでしょうか。
 次に、厚生大臣にお伺いします。社会保障制度における児童手当の位置づけは、医療保険、年金とともに三本の柱になってまいります。昭和四十九年、第三子に対し完全実施された場合、第一子、第二子に対してどうされるのか、所得制限の緩和をされるのか、財源の負担割合はどうされるのか、明らかにしていただきたいと思います。
 次に、今回の児童手当制度は、社会保障制度審議会の答申が、「極めて貧弱なる内容」と述べているように、多くの問題点を内蔵しております。
 まず、本法案の目的は、所得保障と児童の健全育成、いわゆる児童福祉の二つの考え方を持っておりますが、わが党の法案にも明確なように、本来、児童福祉を中心に考えるべきであると思いますが、大臣の御所見はいかがでしょうか。
 さらに、本法の適用は十八歳未満を対象としておきながら、実際の支給にあたっては、義務教育終了前第三子以降で、しかも所得制限がかけられ、その上四十七年は五歳未満、四十八年度は十歳未満と段階的に実施し、昭和四十九年度で一応形を整えるという熱意のない、おざなりの姿勢であります。しかも、完全実施したときでさえ、児童手当が受けられる者はわずか十二人に一人であります。手当の額三千円は昭和四十二年の調査に基づいたものであって、その当時の第三子の養育費の二分の一ということでありました。昭和四十七年の一月の支給時点で見ますと、五年間の急激な物価の上昇を何ら考慮されていないのは国民の期待を欺くものであります。諸外国においては養育費の二分の一を国の責任において見ていることにかんがみて、この額は低過ぎるのであります。
 次に、自治大臣並びに厚生大臣に伺います。いま、児童手当制度実施中の地方公共団体は三百余りあります。それらのものと本法との関係はどうなるのでありましょうか。たとえば、併給されるのか、併給部分についての財源措置はどうなるのでしょうか。また、児童手当と特別児童扶養手当と児童扶養手当との関係は、将来併給していくのですか、あるいは法体系を整備して児童手当に取り入れていくのですか、どのように考えておられるのか、お尋ねします。
 次に、労働大臣にお伺いします。児童福祉を充実するためには、社会保障制度のみならず、諸施策の一そうの推進をはからねばならないと思います。中でも、企業における最低賃金制については標準家族方式で算定するのが妥当と思われますが、どのようにお考えですか。
 次に、産業構造、人口構造の変化で中高年齢層の雇用促進と労働力の流動化対策が緊急の課題となっていますが、政府はいかに対処されるのか、明確にしていただきたいのであります。
 最後に、厚生大臣にお尋ねします。今回の提案により、国民より強い要望のあった児童手当は不満足ながら実施されようとしております。しかし、わが国においては、まだ大きな社会問題として老人問題が未解決のままであります。確かに児童を健全に育成することは将来の老人対策の基盤にはなりますが、わが国の現状を見ると、早急に老人の総合福祉対策を講ずる必要があると思いますが、その対策及び年次計画を一お示し願いたいのであります。
 以上をもちまして私の質問は終わりますが、どうか一刻も早く国民の納得のできる児童手当が実施できるよう強く要望いたします。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
○国務大臣(佐藤榮作君) 柏原君にお答えいたします。
 社会党の大橋君同様、本案の提出がおそきに失したと、これまた御叱責を受けました。先ほど大橋君にお答えいたしましたように、この上とも御鞭撻賜わりますようお願いいたします。
 児童福祉についての基本的な考え方は、これまた社会党の大橋君にお答えいたしましたとおりでございます。心身ともに健全な児童を育成することこそ、現代を受け持つ私たちの最大の責務の一つであります。私は、児童を育てる家庭の安定と社会一般の環境の整備がそのために何よりも必要だと考えます。
 本日、提案いたしました児童手当法案は、皆さま方の御支援のもとにようやく誕生することとなったのでありますが、以上の目的のために大きく寄与するものであります。よろしく御審議のほどお願いいたします。(拍手)
   〔国務大臣内田常雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(内田常雄君) 児童福祉行政の根本精神と申しますか、基本的態度につきましては、柏原さんからもお説がございましたように、私どもは児童憲章とか、あるいは児童権利宣言、こういうものの精神を体しました児童福祉法にのっとりまして、子供たちが心身ともにすこやかに生まれ、かつこれを育成するために社会福祉あるいは社会保険の努力を続けることは正しいあり方だと考えます。そのためには、児童福祉法にもございますように、国はもとよりでございますが、地方公共団体あるいは国民のすべての方々のそれぞれの御協力を得てまいりまして、そして次代をになってまいる児童の健全育成、資質の向上、こういうことにつとめまして、わが国が長く将来にわたって活力にあふれた社会として発展し続けていくことを目標といたすものでございます。
 今回の児童手当につきましても、こういう考え方の一端を皆さま方の御協力によって実現し得たわけでございまして、厚生大臣の私といたしましては非常に意を強くさせていただきましてありがとうございました。
 なお、お尋ねのように、この児童手当が一応完成いたしますのは昭和四十九年からでございますが、その後につきましては、もちろん私どももその内容の拡充ということは考えてまいりたいと存じます。このことは先ほど大蔵大臣の御答弁にもあったとおりでございますが、いずれにいたしましても、とにかく児童手当制度というものを創設をいたしますことが、私は最大の急務と考えまして、今回この法律案を仕上げたわけでございます。したがいまして、今後のこれの充実、発展につきましては、これからの国民の生活水準、あるいは国の財政経済や国民の意識というようなものの推移に即しながら、私は努力して、その拡充をはかりたい考えでございます。
 また、この法律案の目的に関連いたしましてもお尋ねがございましたが、さらにまた、その目的に沿うこの法律案の内容でございますが、いろいろの点はございますけれども、私どもは他の社会保障制度との関連、また正直に申しますと、当面の財源措置というようなことも考えまして、今回のような内容のものにして一応出発をいたしたわけでありまして、現段階においては、まあいろいろの点はございますけれども、わが国の国情に即した妥当なものであると考えております。この今後の改善発展につきましては、先ほども申し述べましたように十分今後配慮をいたしてまいる所存でございます。
 また、これまで幾つかの公共団体が実施をされております児童手当、あるいはこれに類似する制度との関連でございますが、これらの地方公共団体のやってこられておりますものは、制度の中身も、また児童の対象、金額等もたいへん区々でございます。金額等には非常に少ないものもございますし、児童手当と申しますよりも、むしろ出産手当、分べん手当というような形のものもあるわけでございますことは御承知のとおりでございますので、今回、国が制度として始めましたこの児童手当とは、たてまえとしては一応別のたてまえであると私どもは考えておるところでございます。しかし、国が全国的に統一したこういう制度を創設することになりましたし、それは地域住民の福祉にも寄与することが期待されておりますので、こうした目的、趣旨が重複をいたしますものにつきましては、今回の国の一般的な制度に円滑に移行ができるように、私どもは関係公共団体とも打ち合わしてまいるのがよかろうと考えておる次第でございます。
 それから、似た手当としてよく間違えられます特別児童扶養手当、あるいは児童扶養手当と今回の児童手当との関連でございますが、児童扶養手当は、もう申すまでもなく、御主人と生別した母子家庭の置かれている社会的経済的状況に着目した手当でございますので、今回の児童手当とはもちろん違いますし、また、特別児童扶養手当、これはもう御承知のとおり、心身障害児童をかかえられる御家庭に、いわば一種の介護料的性格をもって支給されているものでございますので、これも児童手当とは別のものであると考えます。したがって、私どもは、今回の児童手当が設けられましても、これらの特別児童扶養手当あるいは児童扶養手当は併給をされてしかるべきものだと考えまして、そのようにいたしたいと考えております。
 それから児童福祉対策と並びまして非常に重要な老人対策がありますことは、もうお説のとおりでございまして、私どももこの老人対策につきましては、ひとり厚生省の施策としてばかりでなしに、政府全体の重点施策と考えて、今後一そうこれを推進拡充をいたしてまいる所存でございます。老人対策は総合的の見地から、年金などを含めました所得の施策、あるいは住居、医療、また、この生きがいとか、あるいはその働く場所、年をとっても就労の問題などもございまして、物心両面にわたりまして、幅広い施策を総合的かつ計画的にやってまいる必要がございまして、これにつきましては、幸い昨年末に中央社会福祉審議会からも総合的な御答申をいただいてございますので、その趣旨を尊重をいたしまして、今後大いに進めてまいるつもりでございます。厚生省におきましても、いろいろな点の所管が分かれておりますので、私は厚生省一本で、各方面から老人対策を進めますために、御承知のプロジェクトチームというものを先般厚生省の中に設けましたので、この面には御期待に沿い得るような努力を重ねてまいりたい所存でございますので、よろしくまた御指導をお願い申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(福田赳夫君) 今度の児童手当によりまして、振替所得比率がどう変わってくるかと、こういうお尋ねでございます。ことしの予算では、児童手当の支出所要額は五十六億円、こういうことでございます。しかし、これはまあ段階的実施の初年度でありまして、これは四十九年度に完全実施というか、最終段階になるわけであります。このときにおける給付総額が八百九十三億円になるのでございますが、これを新経済社会発展計画における年次計算、つまり国民所得が二二・九%で伸びていくという計算で四十九年の国民所得を計算いたしましてその比率を求めますと、約〇・一%という額になるわけであります。したがいまして、四十四年度において五・二%という振替所得比率、これが幾らかその程度はこの児童手当制度によって上がるわけでございまするけれども、これはこれだけ上がるというほどの率ではないのであります。まあしかし、それはそれといたしまして、児童手当以外の部面におきまして努力をいたしまして、この振替所得比率、これは新経済社会発展計画におきましては、四十四年度の五・二%というのを二%がた上げたいと、こう言っておりますので、その方向で努力をいたしていきたい、かように考えます。(拍手)
   〔国務大臣秋田大助君登壇、拍手〕
○国務大臣(秋田大助君) 今回の児童手当類似の手当を支給されております地方団体は、昨年、昭和四十五年の九月現在で二百八十一団体あるといわれております。今回提案いたしております児童手当制度が正式に制度化いたされますると、法のもとに児童に対する待遇措置というものは当然平等であるべきでございます。そこで、国の児童手当の統一的な運用をはかる必要があると考えますので、国の制度にひとつ地方団体も切りかえていただくよう指導をしてまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣野原正勝君登壇、拍手〕
○国務大臣(野原正勝君) わが国における最低賃金制において、標準家族を最低賃金の算定基礎にすべきだという意味合いの御質問でございますが、最低賃金法におきまして、最低賃金は、労働者の生計費、類似の労働者の賃金及び通常の事業の賃金の支払い能力等を考慮いたしまして定めておるのでありまして、具体的な決定に際しましても、すべて最低賃金審議会においてこれらの要素の総合的な検討が行なわれて決定を見るわけでございます。
 なお、現在の産業構造の変化に対応する中高年齢者の雇用促進、労働力の流動化に対する対策をお聞きでございますが、労働力需給の逼迫に伴いまして、中高年齢者の雇用事情は、従来に比べまして好転しておりますが、若年者に比べますると、まだまだその就職は容易ではないのでございまして、全体として労働力の産業間、職業間の流動も十分ではないわけでございます。このような情勢に対しまして、従来から職業紹介の強化、雇用情報の積極的な提供、職業訓練の拡充、職業転換給付金制度の充実、雇用促進住宅の建設など、広範囲にわたって対策を展開しておるところでありまして、今後とも中高年齢者を中心としまして、これらの対策の充実強化をはかり、企業における賃金雇用慣行の改善と相まって、中高年齢者の雇用の促進と労働力の流動化につとめてまいりたいと考えております。
 以上をもってお答えといたします。(拍手)
○議長(重宗雄三君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
     ―――――・―――――
○議長(重宗雄三君) 日程第三、環境庁設置法案(趣旨説明)。
 本案について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者からその趣旨説明を求めます。山中国務大臣。
   〔国務大臣山中貞則君登壇、拍手〕
○国務大臣(山中貞則君) 環境庁設置法案についてその趣旨を御説明いたします。
 国民の健康で文化的な生活を確保するために、公害を防止し、環境の保全をはかることは現下の緊要な課題であり、文化国家、福祉国家の完成への試金石でもあります。政府もかねてからこの上を重視し、さきの臨時国会において関係法制の抜本的な整備をはかるとともに、これに引き続き、今国会に提出した予算案等においても、公害防止を重点的施策として取り上げ、公害防止施策の拡充整備の裏づけとなる財政、金融、税制面について格段の配慮を払っているところであります。今回の環境庁設置の構想は、このような環境問題に取り組む政府の基本姿勢を確立し、今後この問題に思い切って効果的に対処できる行政機構の整備をはかろうとするものであります。
 まず、環境庁設置にあたっての基本的な考え方について申し上げます。
 第一に、今回新設しようとする環境庁においては、公害の防止にとどまらず、広く自然環境の保護及び整備を含む環境保全に関するすべての問題をその行政の対象とすることにしております。公害の防止や自然環境の保護及び整備の問題の重要性にかんがみ、これらをばらばらにではなく、全体として総合的に取り上げることが重要であると考えられますので、公害防止施策とあわせて自然公園行政等の自然保護施策をもその対象に含めることとしているのであります。
 第二に、これまで関係各省庁に分散していた各種基準の設定、監視測定取り締まり等の公害規制に関する権限をすべて環境庁に集中して行政の一元化をはかることとしていることであります。従来、公害規制の権限が多くの省庁に分れているため、責任の所在が不明確となり、その実施面でも統一性を欠き、不徹底となるおそれがある等の批判がありました点を改善し、今後、公害行政を強力に推進することを狙ったものであります。
 もっとも、下水道、廃油処理施設その他公害防止施設の整備などの問題は、関係各省の行政と密接に関連しているために、その事業の実施は従来どおり関係各省の所管としておりますが、環境庁は、現在の公害対策本部の機能を承継拡充して、広く、環境保全に関する基本的な政策の企画、立案、推進や予算面の調整を含む強力な総合調整機能を持つこととしておりますので、各省が一体となり、十分総合的、効果的な施策を推進していけるものと考えております。
 第三に、公害の防止に関する科学的な調査、研究の重要性にかんがみ、国立公害研究所を設け、従来必ずしも十分でなかった公害の人の健康及び生活環境に及ぼす影響の研究その他公害の防止に関する調査、研究等を行なうこととしております。
 次に、この法律案の内容の概略について御説明申し上げます。
 第一に、環境庁の所掌事務及び権限については、一般的事項として、環境の保全に関する基本的な政策の企画、立案及び推進、関係行政機関の環境の保全に関する事務の総合調整、関係行政機関の公害の防止並びに自然環境の保護及び整備に関する経費の見積もり方針の調整等を行ない、特にこれらに関する試験研究費などについては、環境庁に予算を一括計上し、これを適切な計画に従って関係各省に配分する方法を採用するなど、その総合調整機能の強化をはかっております。
 また、自然環境の保護及び整備に関する事項としては、自然公園法の施行、国立公園の公園事業の執行、鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律の施行等の事務を行なうこととしております。
 さらに、公害の防止に関する事項としては、公害防止計画の基本方針の指示及び計画の承認その他公害対策基本法に基づく内閣総理大臣の権限の行使につき内閣総理大臣を補佐するとともに、環境基準の設定に関する事務を行ない、さらに、大気汚染防止法、水質汚濁防止法その他の公害の防止に関する諸法律の施行、公害防止事業団の監督の事務などを行なうこととしております。
 第二に、環境庁の長は、環境庁長官とし、国務大臣をもって充てることしております。環境庁長官は、環境の保全をはかるため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提出及び説明を求め、さらに、重要事項について勧告を行なう権限を有するほか、特に内閣総理大臣に対し、内閣法第六条に基づく措置がとられるよう意見具申ができることとしております。
 第三に、環境庁の内部部局として、長官官房のほか、企画調整局、自然保護局、大気保全局及び水質保全局の四局を置くこととしております。
 第四に、環境庁に付属機関として、国立公害研究所及び公害研修所並びに中央公害対策審議会、自然公園審議会及び中央鳥獣審議会の三審議会を置くこととしております。
 第五に、環境庁の設置に伴い、内閣法及び各省庁設置法の改正その他関係法律の整理を行なうこととしております。
 最後に、環境庁は、昭和四十六年七月一日から発足するよう措置しておりますが、国立公害研究所及び公害研修所については、準備の都合上、一定の期間その設置をおくらせることとしております。
 以上が環境庁設置法案の趣旨でございます。(拍手)
○議長(重宗雄三君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。矢山有作君。
   〔矢山有作君登壇、拍手〕
○矢山有作君 私は日本社会党を代表し、ただいま提案のありました環境庁設置法案に対し質問をいたします。
 昨年の臨時国会において、公害対策基本法をはじめとする十四件の法律が成立し、おくればせながら、わが国の公害対策もようやくその第一歩を踏み出したのでありますが、今国会の冒頭明らかにされた石原産業の工場排水問題をはじめ、東邦亜鉛のカドミウム公害などに見られるごとく、行政官庁と企業の癒着公害が大きな問題になっております。これらの癒着公害にあらわれた特色は、専門家や研究家が公害の危険性ないしその発生を指摘すると、きまって、監督官庁は企業と一体になってそれを無視しようとし、データがあっても役所特有のマル秘扱いで公表をせず、住民運動が起こり、国民が騒ぎ出すと部分的な調査をやり、官庁の息のかかった御用学者などを集めた審議会をつくり、その結論は、直ちに人体に影響があるとは思われないと、おきまりの説明を繰り返します。ことに私は行政官庁と企業の密着し過ぎる姿を見るわけであります。すなわち、癒着公害であります。わが国の過去の公害がそうであり、今日発生しつつある公害についてもまたそうでありますが、こうした癒着公害は、日本の公害の一つのパターンになっていると言って過言ではありません。熊本県の水俣病についても、新潟県の第二水俣病についても、常に役所は大なり小なり癒着公害の役割りを果たして、企業の利益擁護の立場に立ってまいりました。このことは、わが国歴代の保守党内閣の官僚内閣の性格とも全く無関係であるとは言い切れないものがあると思うのであります。なぜなら、日本の官僚は問題解決をなるべく引き延ばし、ほとぼりをさまし、最小限度の措置しかとらない、いわば現状追認の習性を身につけているからであります。佐藤内閣もその例外ではございません。昨年、国民世論と住民を主体とした活発な公害告発が行なわれるまで、言を左右にしてその対策を引き延ばし、しかも、でき上がった公害対策十四法は、国民が強く要望した公害罪法は財界の圧力によりすっかり骨抜きになり、被害者救済の有効な措置をとらず、せいぜい有害物質の排出基準を最小限度引き上げたにとどまったのであります。今回提案された環境庁設置法案が、こうした癒着公害の根源を絶滅してくれるという保証はどこにもないように感じられ、へたをすると、癒着公害の屋上屋を重ねる危険すらあるのではないかと考えるのでありますが、内閣の心がまえや、役人の心がまえを説くのはすでに何回か聞きましたので、環境庁の設置が、こうした癒着公害を有効に防止できるという根拠を総理並びに総務長官から明確にしていただきたい。
 次に、環境庁の設置と公害防止上の諸問題をただしたいのであります。環境庁の設置は、形の上で公害行政の一歩前進という向きもありましょう。しかし、提案された本法案は、国民が期待していた環境庁の設置とは、だいぶ距離があることもまた否定できないところであります。そこで、まず本法案が公害問題をある程度生態学的な広い視野からとらえ、環境保全という理念をも盛り込んでいる点はそれなりに評価できるのでありますが、逆に環境庁の施策の重点が、肝心な公害対策そのものよりも、その焦点が自然保護というばく然としたものに傾き過ぎ、施策が焦点ぼけになったのではないでしょうか。所掌事務及び権限を定めた第四条を見ますと、「温泉に関する観光事業を指導育成し、これらに関する利用施設の整備改善を図る」とか、「景勝地及び休養地に関し、調査を行ない、これらの普及発達及び利用の増進を図る」とか、「温泉法の施行に関する事務を処理する」等々があるのでありますが、もちろんこれらが人間生活を快適に保つための環境保全の一つとなることを否定するものではありませんが、そうした分野までを含める前に、今日国民の健康をむしばんでいる公害、たとえば、食品公害、農薬公害、薬品公害等がなぜ取り上げられ、環境庁の所掌に入れられなかったのでありましょうか。国民が環境庁新設に期待していたのは、前に述べました癒着公害の根源の一つが縦割り行政の結果であることを国民はいやというほど知り尽くしておりますから、公害防止行政を新設の環境庁で、従来の縦割り行政の弊を一蹴し、一元的にやってくれるということではなかったかと思うのであります。環境庁の機構や機能の当初の構想が各省庁の抵抗によって大きく後退し、最も肝心な環境庁に移すべき行政分野を既存の役所に置いたまま、従来、担当の役所が軽視していた部門だけを環境庁に集め、これに自然保護の名をかぶせた感が強いのであります。これでは環境庁の業務としては優先順位を間違えており、このような政策選択を間違えた環境庁に国民は失望しております。環境庁の重点は公害対策にあったはずであり、これが出発点であります。なぜ食品公害、農薬公害、薬品公害等を環境庁の所掌事務になし得ないのか、本法案作成の責任者である総務長官と、さらに農林、厚生両大臣からは、移管することによってどんな弊害があるのか伺いたい。
 次に、第四条に掲げる環境庁の権限として、「環境の保全に関する事務の総合調整」の規定に関連してお伺いしたい。たとえば、食品公害、農薬公害はもちろんでありますが、そのほか、通産行政については電力、ガスなど、いわゆる公害を発生しやすい業種を管理監督しておる既存の行政官庁の仕事のうちで、ことに許可、認可事務を処理する場合の前提条件として、環境庁の承認を得ることがぜひ必要ではないかと存じますが、本法案では、この点が不明であります。この点どうなっているのか承りたいのと、もし許認可に関連して、環境庁の見解と監督官庁の見解とが相反した場合には、公害に前向きに取り組み、その解決をはかるという本法案の趣旨からして、当然、環境庁の見解が採用され、許認可は中止さるべきだと解するのでありますが、その保障は本法案の中に明記されておりません。この点は明記すべきだと思いますが、総理の見解を承りたい。
 さらに、環境庁は公害防止の企画調整官庁なのか、企画実施官庁なのか、その性格を伺いたいのであります。環境庁がもし企画調整官庁としての性格しか持たないというのであれば、この庁の命運ははっきりしております。なぜならば、わが国の官庁機構の中では、米国式の行政委員会的な官庁は必ず盲腸的役割りに終わっているからであります。行政管理庁、公正取引委員会、人事院、経済企画庁、みなしかりであります。行政管理庁が監察結果の勧告を各省庁に出しても、真剣に取り入れられることはほとんどなく、勧告倒れに終わるのが落ちであり、経企庁の存在もこれと五十歩百歩で、日本経済の動向に有効な力を発揮するのは、いつも経企庁ではなく、大蔵省であり、通産省であり、建設省等であります。こうした事実を考えた場合、環境庁が単に総合調整を主要な役目であるとするならば、これら官庁と同様の役割りしか果たし得ず、必ずや環境庁に寄せるささやかな国民の期待すら裏切るでありましょう。もし実施官庁としての役割りを果たさせようというのであれば、今回の法案では不可能でありましょう。環境庁に実施官庁的な性格を持たせるというのであれば、各省庁のいかなる分野までを実施することとなるのか、総務長官から明らかにしていただきたい。
 この環境庁は、何としても中途はんぱな新機構づくりと断ぜざるを得ません。イギリスの環境省が、住宅、運輸、土地問題までも含めた真に国民生活の快適な環境づくりをやっており、また、スウェーデンの環境保護庁しかりであります。そして先進国では、この種の役所は環境破壊に対処する明確なビジョンを国民の前に提示して、文化的にも豊かな明日の国民生活のあり方を明らかにしております。私は、わが国の場合にも、真に経済的、文化的に豊かな国民生活を築き上げるためには、環境破壊を食いとめ、自然保護をはかるという発想はやや消極的に過ぎるのではないかと存じます。もっと積極的に自然保護にプラス人間のしあわせのための自然環境の建設と開発に取り組むべきだと思います。環境庁を設けるからには、そうした環境建設、開発政策が大前提になくてはならないにもかかわらず、本法案中にそれがありません。そうした積極的意味を持った環境建設、開発政策の観点からは、全国総合開発計画はもちろん、住宅、道路等々の長期公共投資計画等、明日の国民の暮らしを考慮した各種の政府の建設計画の調整は環境庁の権限でないのでありましょうか。これら政府計画が自然環境破壊の有力な原因なのに、これを放置して、どうして真の人間生活に値する自然環境の建設、開発ができるのでしょうか。全総計画をはじめ、各種の長期公共投資計画と環境庁の業務のあり方について、総理、経企庁長官と総務長官の見解を承りたい。
 次に、公害被害者の救済と環境庁の関係について伺いたい。−わが国の公害対策の中で一番おくれているのが公害被害者の救済対策であることは、多くの人々から指摘されてきたところであります。現行のそれが不備なことは、厚生大臣もしばしば、「決して十分ではない、改正を考慮する」と言ってきたことでも明らかであります。公害病にかかった人たちの八割以上が入院、治療代筆の出費、収入減によって生活難におちいっていることは、昨年十二月十六日の朝日新聞の調査でも明らかにされたところであり、これらの人々が二重、三重の苦労を背負わされていることは政府も十分承知しているところであるにもかかわらず、なぜ今回新設の環境庁がこの業務を担当することにしなかったのか承りたい。
 さらに、公害によって農地の使えなくなった農民、工場排水によって漁業で生活できなくなった漁民諸君など、激増する公害によって、公害患者、被害者は広範囲にわたっておるのでありますが、なぜ環境庁の業務として救済対策に万全を期することにならなかったのでありましょうか。人間尊重を口にする佐藤内閣が新設する環境庁で、もし言行一致を考えるなら、当然、公害被害者救済をどう扱うかが、まず明白にされなければならないのであります。なぜ公害被害者救済を明確に規定し、掲げないのか、承りたい。さらに、公害被害者救済対策の今後の方針を厚生大臣からお示し願いたい。
 次に、先般、行政管理庁から改善勧告を受けた農薬公害について、なぜ有効な防止対策をとらなかったのか。農民の中には、BHCやエンドリン農薬の使用を奨励した農林省の措置を行政公害だと主張し、国に補償を求める声も強まっていると聞くのでありますが、その実情と政府の立場、今後の方針を承りたい。
 さらに、本法案第四条第二十二号の規定と、その製造認可権との関連及び農薬行政の今後の方針について農林大臣に伺いたい。
 最後に、厚生大臣に、薬品と環境庁の関係について伺います。かつて、不幸な奇形児問題を起こしたサリドマイド薬品、最近では、整腸剤キノホルム、頭痛薬アセトアニリド等が実は有害薬品ではないかと言われており、また、大衆保健薬が、その効能はほとんどないと言われております。昨今、米国のFDAは三百六十九種類もの有害ないしは無効の不良薬品を指摘しております。わが国では、現在十一万種類の薬品が販売されているそうですが、この米国並みの点検を行なえば、合格するのはたったの二千種類くらいしかないという学者もあるのであります。このように、わが国の薬品については、うそつき薬品、不良薬品による国民の健康をむしばむ薬品公害が横行していると言っても過言ではありません。この実情を考えると、環境庁の総合調整業務に薬品の安全性を加え、規定すべきだったと存じます。薬といえば厚生省の専売特許のように考えておられるようでありますが、過去の医薬行政は、この薬品公害に何らの有効な役割りを果たさなかったばかりか、一部には、医薬行政が隠れみのに使われたとの批判すらあるのであります。薬品公害防止の今後の方策並びに環境庁業務との調整について厚生大臣の所見を承りたいのであります。
 以上で私の質問を終わります。具体的かつ明快な御答弁を期待いたします。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
○国務大臣(佐藤榮作君) 矢山君にお答えいたします。
 石原産業あるいは東邦亜鉛、こういう事件について、公害に対する行政の姿勢には反省すべきものがあったことは、まことに遺憾であります。行政官庁と企業とが癒着する、いわゆる癒着公害ということばを使われましたが、このようなことがあってはならないことは、あらためて申すまでもありません。官庁として、公務員として、厳にえりを正すべきことは十分徹底し、今後そのような批判を受けることは絶対にないものと確信しております。
 公害に対する基本的な政府の姿勢は、最近における政府の具体的な取り組み方、法制の整備、公害予算の充実、こういった点で十分おくみ取りいただけるものと思います。今回、環境庁を設置して、公害行政を一元的に、かつ強力に推進しようとするのもそのあらわれであります。どうかこういう政府の姿勢を鞭撻していただきたい。そして公害問題に国民一致して取り組む、これが何より公害絶滅の有力な力となるものであると考えます。よろしく御支援のほどお願いいたします。
 次に、産業官庁の許認可についての御懸念でありましたが、産業官庁といえども公害の防止、これを重要な課題として第一義的に考えてまいりますので、まず御懸念の必要はないものと私は考えます。公害企業は社会的にも、また、国際的にも許されないという認識は、関係者一同に強く植えつけられつつあります。特に今回の法案においては、他の行政官庁の行なう処分について、環境保全に関する事務の総合調整、この観点から、必要があれば、環境庁が直接介入することがあり得るものと考えており、この場合、環境庁長官は、最終的には内閣総理大臣に対し、指揮監督権の発動につき意見具申をすることができることとしていることから見ましても、十分御意見に沿った解決が確保されるものと、かように考えております。
 最後に、環境庁は、国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するため、公害の防止をはじめ、自然環境の保護及び整備などの環境の保全に関する事務を遂行するとしても、新全国総合開発計画や道路、住宅等の長期公共投資と深いかかわり合いを持っていることは御指摘のとおりであります。この新全国総合開発計画や道路、住宅などの行政は、従来どおり、経済企画庁や建設省が担当することとしておりますが、環境庁は、以上の趣旨に基づき、環境保全の立場から、国土総合開発審議会、各種地域開発関係の審議会に参画するほか、都市計画法に基づく都市計画等に関して意見を述べることとするなど、環境庁の意向が十分反映できる道を開くこととしております。両者の有機的なつながりについては、政府全体の立場において十分留意してまいります。
 以上私からお答えいたしました。その他の点については、それぞれ所管大臣からお答えいたしますから、お聞き取りを願います。(拍手)
   〔国務大臣山中貞則君登壇、拍手〕
○国務大臣(山中貞則君) 官庁、企業の癒着問題は、ただいま総理からお話がございましたとおりでございます。提案理由の説明でも、法案趣旨の説明でも申し上げましたように、各種規制権限を全部一元化して環境庁に所管をいたしてまいりますので、今後末端の行政の分野においてそのようなことの起こらないように、きびしい態度でもって臨む姿勢ができ上っておるものと考えるわけでございます。
 第二点は、薬品、食品、農薬等についてのいわゆる薬品公害、食品公害、農薬公害等と、今日一応言われておるものをどうして取り入れなかったかという御質問でございます。これも議論をいたしたところでございますが、やはり公害対策基本法第二条にいわゆる典型公害が明示されておりますので、この典型公害の分野をまず所管をいたす。ことに食品、薬品等は、それぞれ公害の態様と異なりまして、その製品、食品そのものが直接に人の健康に影響を与える、被害を与えるものでございますから、もっと直截的な効果というか、被害のあらわれるものでありますので、これはやはり厚生省の薬事法、食品衛生法というようなもので、登録の許可から検査から全部一貫してやっていただく、このほうがより適切ではなかろうかと考え、先ほど申しましたように公害対策基本法第二条にいう典型公害をとらえて今回はまいりました。ただし、土壌汚染防止という問題について、今回は、新しく昨年の国会で公害対策として取り上げることにいたしましたので、農薬については、残留性農薬あるいは土壌残留農薬等について使用規制、登録の保留等の基準の設定等については環境庁が行なうということにいたしてございます。
 許認可の問題並びに全総計画等、公共投資に関する環境庁との関連は、総理からお答えがございましたとおりでございます。
 さらに、環境庁の基本的な性格は一体どこにあるのだ、どこまでしからば具体的な仕事ができるのだという意味の御質問がございましたが、これは全体的には企画調整や、あるいは実施の業務、両面を持つわけであります。たとえば、予算等の調整権能を持ちますし、ことに研究費等については、環境庁長官が一括して予算を要求して、これを計上し、各省に配分をするという姿勢をとるわけでありますが、一方において、大気や水質保全等の各種規制法については、完全に実施業務までを所管するわけでございます。
 さらに、これらのことに関連をして、総理からもちょっとお話があったのでありますが、各種の行政官庁に残された仕事が、公害の立場から、あるいは環境保全の見地から環境庁長官として黙視できないという場合の措置としては、まず協議を各省に求めるようにいたしてございますし、問題と思われる点については報告を求めるようにしてございます。さらに、その報告を求め、勧告を重要な問題についてできるようにいたしてございます。これでも、ほかの各省大臣とは相当権限が大きいわけでございますが、さらに、その勧告を受けました大臣は、それに対してとった措置を環境庁に報告しなければならないことになっておりますし、それに疑念があるという場合においては、総理からお話がありましたように、内閣法第六条によって定められた、閣議で決定された方針に基づいて各省庁の長たる大臣を指揮する総理大臣の権限の発動を要請する意見の申し出を行なうようにいたしてございますので、これらの環境保全、公害の規制の立場からは、非常に強力な官庁になり得るものと考えておるわけでありますし、それだけにわざわざ閣僚増員をしてまで専任の大臣を充てるところに、政府の決意のあり方をおくみ取りいただきたいと存じます。
 なお、具体的にどのような分野まで実施するのかというお尋ねでございましたので、少しこまかく申し上げますが、公害対策基本法を所管いたします。これは当然のことでありますが、大気汚染防止法、水質汚濁防止法、騒音規制法その他の公害対策の根幹となる法律について、その施行事務を含む一切の権限を環境庁に移管し、環境基準及び排出基準の設定、これに基づく監視、取り締まり権限のすべてを一元的に環境庁が掌握し、さらに廃棄物の最終処分基準、作物残留性農薬等の使用規制等も、環境庁の責任で一元的に処理することといたしております。下水道、廃油処理施設等は、これは公害防止事業の実施や、各省がその行政の一環として行なう調査指導等の業務ということと関連がございますので、関係各省の行政と切り離してその部分だけ行なうことに非常に困難な点があります。したがって、これは各省が引き続き所掌することが合理的であると一応考えておるわけでありますが、従来どおり各省庁の所管としておりますけれども、環境庁はこれらの事務についても、総合調整権限を当然先ほど申しましたとおり持つわけでありますから、各省施策の総合的な実施をはかっていくわけでございます。
 自然環境の保護については、自然公園法の施行、鳥獣保護行政の中核となる行政、これを環境庁みずからが所掌をいたします。
 さらに、森林計画や都市計画、あるいは文化財保護等のこれらに関連する各省の所管に属する関連行政については各省が行なう。たとえば、地域の指定、計画の策定等にあたっては環境庁長官に協議をさせるということになっておりますし、あるいは環境庁長官の意見を聞かなければならないというふうにいたしてございます。したがって、それらを審議いたします審議会にも、総理御答弁のように、環境庁からすべての関係審議会に参加をするということになっておりまして、自然保護の立場からあくまでも公害の撲滅に邁進する姿勢を貫いておるところでございます。(拍手)
   〔国務大臣倉石忠雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(倉石忠雄君) お答えいたします。
 農林省と環境庁の所掌のことにつきましては、ただいま総務長官からお話がございましたが、農薬は農業生産にとりまして欠くことのできない重要な資材でございますが、他面、農作物や土壌への残留または水質の汚濁を通じまして、人畜の健康をそこなうおそれがあるものでございますので、このような被害の発生を防止いたします観点から、農薬の登録を保留する場合に該当するかどうかの基準の設定、それから被害防止のため使用をきびしく規制する必要のある農薬の指定及びその使用基準の作成等については、環境庁の所掌事務といたしまして、農薬の安全かつ適正な使用の確保をはかることといたした次第であります。
 また、いわゆる食品公害の問題につきましては、人の健康の問題として、大気汚染、水質汚濁等に比べましてより直接的に影響を及ぼすものでございますし、したがって、その規制の仕組みも、食品衛生法等により保健衛生上の立場から、これも厚生省が強い規制を行なっておりますので、今後もこうした厚生行政と農林省の行ないます食品行政とが緊密な連係を保ってまいることによりまして、十分所期の行政効果が確保できるものと考えております。
 それから、農薬についてのお話がございました。で、御存じのとおり、先般、つい最近でございますが、農業資材審議会の答申もございましたし、この答申を尊重いたしまして、私どもは、農薬中にDDT及びBHCの全面的使用禁止を通達いたしました。ただし、BHCにつきましては、代替薬品ができますまで暫定的に林業にのみ使用することを当分認める――当分と申しましても、だいぶ近い間に代替物ができるようでありますから、これも原則として近く一切禁止されるはずであります。その他ドリン系のものにつきましても、御存じのとおりであります。
 それから次の質問でございますが、法第四条二十二号の規定と農薬製造認可権との関連についてお尋ねがありましたが、環境庁設置法第四条二十二号の規定によります農薬の登録保留基準の設定に関する事務とは、農薬の農作物や土壌への残留または水質の汚濁による人畜等に対する被害の防止のためのものでございまして、環境庁が定めるこのような基準に該当する場合には、農林省においても、その農薬の登録の保留、取り消し等を行なうこととなっております。
 それからもう一つ最後に、農薬行政の今後の方針についてお尋ねがございましたが、先般の国会において農薬取締法が改正されまして、農薬の安全性についての登録制度の改善、使用に伴いまして人畜等に被害を生ずるおそれのある農薬につきましての登録の取り消し、販売の制限または禁止、使用の規制等の措置が設けられました。その実施につきましては、その権限の一部が環境庁に移管されることとなっておりますが、農林省といたしましては、今後、環境庁と緊密な協力をいたしまして、これらの厳正な実施をはかってまいる決意でありますとともに、末端における防除体制の整備、農薬残留に関する調査研究及び天敵の利用等、総合防除法に関する研究等を一そう推進いたしまして、農薬による被害の防止に万全を期して、農業生産の安定をはかってまいりたいと考えております次第でございます。(拍手)
   〔国務大臣内田常雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(内田常雄君) 私は厚生大臣といたしまして、公害の問題にはいささか苦労もいたしてまいりましたので、今回の環境庁設置法の構想には、全面的に賛成、また協力をいたそうとするものでございまして、厚生省におけるその方面の機能は、あげてこれを環境庁に移管をいたそうと考えております。ことに、その対象は、汚染に対する対策ばかりではなしに、自然環境の保全といったような意味から、御承知のように、自然公園行政なども全部これを環境庁に移す、そこまでの決意をいたしております。
 ただ、お尋ねがございました薬品及び食品に関する行政は、いわゆる公衆衛生あるいは医療などとうらはらの課題でございまして、また、他のことばで申しますならば、保健衛生行政の一環と、こういうことにもなりまして、これは従来どおり厚生省が担当をいたしておることが私は適当と考えますので、薬品行政、食品行政というものは環境庁には持ってまいりません。
 また、お説がございましたが、薬品公害というのは、突き詰めてまいりますと、それは医薬品の副作用に関する危害と、こういうことになるわけでございまして、薬品の副作用というものは、その効能なり、効果なりとあわせて検討すべきものでございまして、いわゆる公害問題とは質が異なること、山中国務大臣からもいまお話がございましたとおりであると私は思います。したがいまして、環境庁にはこの行政は移しませんけれども、正しい薬事行政の遂行ということは、これは私は厚生大臣といたしましても、国民とともに私の最大の関心事といたすところでございまして、環境庁の設置とはかかわりなく、私は厚生行政における重要な課題として、今後もこのことにつきましては努力をいたす所在でございます。現にいま矢山さんが名前をあげられました薬品のうち、アセトアニリドというようなものは、今度の薬局方の改正におきましても、これを削除いたすことにいたしましたし、またスモン病との関連で問題が残っておりますキノホルムにつきましても、これはどうしても使わなければならない面の薬である分野もあるそうでございますので、全面削除はどうしてもできないということでございますので、日本薬局方にもこれを使う場合の限定を厳密につけろという指図を私がいたしまして、一般的にはキノホルムの使用販売というものは中止をいたしておりますこと、これは矢山さんも御存じのとおりであろうと存じます。その他、たくさんの現在ある医薬品につきましても、この再評価というものはぜひ私はいろいろの方法でやらせたいということを考えまして、そのために諮問委員会なども設けております。
 それから、これは直接医薬品の問題とは関係ございませんが、むしろ工業薬品といわれる種類のものが主でございますけれども、いわゆる毒物、劇物というものがございますが、そういうものの廃棄の基準というようなことになりますと、これは私は厚生省が単独にきめますよりも、環境庁が設置されます場合には、環境庁と十分打ち合わせまして、いわゆる公害の問題としてもこのことは取り上げてまいるのがよいと考えます。
 もう一点、お尋ね、あるいは御意見がございました公害にかかる健康被害の救済に対する問題でございますけれども、これは実は全部この問題の所管や政策は環境庁に厚生省から移すことにいたしております。矢山さんのお話を承っておりますと、この公害被害救済についての法律の施行なり、あるいは政策というものを厚生省に残しておくのはどういうわけかというふうなお尋ねであったようでございまして、あるいは私の聞き間違いであったかもわかりませんが、これは厚生省に残しません。今回の環境庁設置法の第四条の第二十六号というのがございまして、この条文によりまして、すべてこれは環境庁に移します。したがって、この健康被害にかかる特別措置の内容をどのように充実していくかというようなことも、今後は、環境庁の問題  もちろん政府全体の課題ではございましょうけれども、当面は環境庁が所管をされることになります。しかし、環境庁設置までの間におきましては、私ども厚生省でおあずかりをいたしますので、このことにつきましては、私が平素述べますように、実態に応じて、前向きの検討をいたすべきものはいたしたいと、こういう私は態度を保持してまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣佐藤一郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(佐藤一郎君) 御存じのように、新全国総合開発計画は、過度の重化学工業化といいますか、過度の高度成長、それによってもたらされた過度の都市集中、そういうことが御存じのような公害問題を惹起したということの認識に立ちまして、今後、過度の集中をできるだけ避けなければならない。そうして、いわば全国的な規模でもって国土の再編成、国土の再利用というものの計画を立てようと、こういうのが新全総の趣旨でございます。言いかえますと、結局あらゆる立地というものの理想的な姿というものを描いたわけです。で、今後住宅にいたしましても、あるいは工場にいたしましても、そうした立地ということが公害問題あるいは環境保全問題とうらはらをなすと、こういう深い関係にあるわけでございますから、私どもが新全総というものを具体的に、たとえば各種の長期建設計画等によって具体化していく過程におきましても、当然、環境庁の意見というものは非常に重要になってまいります。そういうことで、この全体のそうした今後の立地問題を審議する国土開発審議会にも、環境庁の職員に重要なメンバーとして入ってもらいまして、そうして検討をしていくと、こういうかまえになっております。また、その具体的な例としては、たとえばむつ、小川原湖のような大プロジェクトの建設のマスタープランをいまつくろうとしています。この際にも環境庁の意見というものは重要な参考になるわけでありまして、これはいわゆる今回の設置法の第六条の規定をまつまでもなく、その行政の運営において一体となってやってまいる。あるいはまた瀬戸内等における埋め立て工事、あるいは海岸の工事、あるいは河川の工事というようなものが非常に環境の保全に重要な役割りを持っておる。こういうことで、今後、御指摘のような長期計画の運営にあたりましては、十分環境庁の意見が入るものと、こういうふうにお考えくだすってけっこうであろうと思います。(拍手)
○議長(重宗雄三君) これにて質疑の通告者の発言は終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
     ―――――・―――――
○議長(重宗雄三君) 日程第四、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とスイスとの間の条約の締結について承認を求めるの件。
 日程第五、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の条約の締結について承認を求めるの件。
 日程第六、千九百六十九年十一月十四日に東京で作成された万国郵便連合憲章の追加議定書、万国郵便連合一般規則、万国郵便条約及び関係諸約定の締結について承認を求めるの件。
 日程第七、アジア=オセアニア郵便条約の締結について承認を求めるの件。
 日程第八、千九百五十四年の油による海水の汚濁の防止のための国際条約の改正の受諾について承認を求めるの件(衆議院送付)。
 日程第九、油による汚染を伴う事故の場合における公海上の措置に関する国際条約の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)。
 日程第十、国際原子力機関憲章第六条の改正の受諾について承認を求めるの件(衆議院送付)。
 日程第十一、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)。
 以上八件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。外務委員長松平勇雄君。
   〔松平勇雄君登壇、拍手〕
○松平勇雄君 ただいま議題となりました条約七件及び法律案一件につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告申し上げます。
   〔議長退席、副議長着席〕
 まず、二重課税の回避のためのスイスとの条約及びシンガポールとの条約は、わが国と相手国との間で、相手国にある支店等を通じて事業を行なう場合の利得に対する相手国の課税基準、船舶、航空機の運用利得に対する相手国の課税免除、配当、利子及び使用料に対する課税の減免等について定めるとともに、二重課税を排除する方法について規定したものでありまして、シンガポールとの条約は、昨年廃棄された旧条約にかわるものであります。
    ―――――――――――――
 次に、万国郵便連合関係の諸文書は、万国郵便連合の運営を改善し、料金率その他業務上の事項に変更を加えるため、現行の万国郵便連合憲章を改正し、また連合の一般規則、万国郵便条約等を修正更新するものであります。
 次に、アジア=オセアニア郵便条約は、アジア=オセアニア郵便連合の運営を改善するため、現行条約を修正更新するものであります。
    ―――――――――――――
 次に、海水油濁防止条約の改正は、近年タンカーが大型化し、船腹量が増大していること、またそれに伴って油濁事件が頻発している事実にかんがみ、現行条約による船舶からの油の排出に対する規制を一そう強化するため、一定のきびしい条件を満たす場合以外には、世界中のいかなる海域においても油または油性混合物の排出を禁止することを主たる内容とするものであります。
    ―――――――――――――
 次に、海水油濁公法条約は、先年、英仏海峡で座礁し、多量の油が流出して沿岸国に大きな被害を及ぼしたタンカー事故を契機として作成されたものでありまして、おもな内容は、タンカー等が海上で事故を起こした際、沿岸国が海洋の油汚染から生ずる重大な、かつ急迫した危険から自国民の利益を保護するため、必要な措置を公海においてとることができることを定めたものであります。
    ―――――――――――――
 次に、国際原子力機関憲章の改正は、国際原子力機関の理事国の数を増加させ、これによって原子力に関する技術先進国が増加している現状を反映させるとともに、理事国の選出が一そう公平な地理的配分の見地から行なわれるようにすることを内容とするものでありまして、この改正により、わが国は原子力技術の最先進国としての理事国となる可能性が考えられております。
    ―――――――――――――
 最後に、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、在外公館の名称及び位置を在外公館に勤務する外務公務員の給与とあわせて規定するとともに、ミュンヘン総領事館等、新設し、あるいは昇格させる在外公館について在勤手当の額を定め、さらに、一部公館について住居手当の限度額を引き上げようとするものであります。
 以上、八案件に関する委員会の審議の詳細は会議録によって御承知願います。
 採決の結果、条約はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定し、また、法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 まず、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とスイスとの間の条約の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の条約の締結について承認を求めるの件全部を問題に供します。両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、両件は承認することに決しました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 次に、千九百六十九年十一月十四日に東京で作成された万国郵便連合憲章の追加議定書、万国郵便連合一般規則、万国郵便条約及び関係諸約定の締結について承認を求めるの件、千九百五十四年の油による海水の汚濁の防止のための国際条約の改正の受諾について承認を求めるの件及び油による汚染を伴う事故の場合における公海上の措置に関する国際条約の締結について承認を求めるの件全部を問題に供します。三件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、三件は全会一致をもって承認することに決しました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 次に、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 次に、アジア=オセアニア郵便条約の締結について承認を求めるの件及び国際原子力機関憲章第六条の改正の受諾について承認を求めるの件全部を問題に供します。両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、両件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 日程第十二、消防法の一部を改正する法律案。
 日程第十三、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案。
  (いずれも内閣提出)
 日程第十四、地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)。
 以上三件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長若林正武君。
   〔若林正武君登壇、拍手〕
○若林正武君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
 まず、消防法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案は、最近における火災の実態にかんがみ、危険物の保安の確保をはかるため、危険物取扱者制度の整備、危険物の品目の追加及びその数量の合理化並びにタンクローリーによる危険物の移送の監視等の措置を講ずるとともに、旅館、中高層建築物等における防火管理の一そうの徹底をはかるため、消防機関がこれらの建築物等の関係者に対し防火管理者を定めるべきことを命ずることができることとすること等をおもな内容とするものであります。
 委員会における質疑の詳細は、会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論に入りましたが、別に発言もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案は、最近における銃砲並びに模造拳銃及び模造刀剣類を使用する犯罪の実態にかんがみ、ライフル銃の所持及び銃砲の保管に関する規制を強化し、さらに模造拳銃及び模造刀剣類の所持を制限するほか、産業用銃砲等に関する規制を合理化すること等をおもな内容とするものであります。
 委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局いたしましたところ、本法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び第二院クラブの各会派共同提案による修正案が提出されました。その要旨は、政府原案において、改正前の規定による許可を受けてライフル銃を所持している者については、ライフル銃の所持の許可基準に関する改正規定を適用しないこととしているのに対し、その適用しないこととする期間をこの法律施行の日から五年間とし、その後は、新法の厳格な基準のもとに新たに許可を受けなければならないこととするものであります。
 次いで、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、修正案並びに修正部分を除く原案は、いずれも全会一致をもって可決せられ、本法律案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、猟銃等の製造、販売及び所持等の取り締りについて抜本的対策を検討するとともに、狩猟用火薬類に対する規制をさらに強化すること、及び小口径ライフル銃による獣類の捕獲を禁止する措置を講ずること等を内容とする附帯決議を付することに決定いたしました。
    ―――――――――――――
 最後に、地方税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法律案は、地方税の住民負担の軽減及び合理化をはかるため、道府県民税及び市町村民税の各種所得控除の額並びに事業税の事業主控除の額の引き上げ、不動産所得税及び固定資産税等の非課税範囲の拡大、料理飲食等消費税及び電気ガス税の免税点の引き上げ等を行なうほか、市街化区域内の農地に対する固定資産税及び都市計画税について、税負担の激変緩和の措置を講じつつ、課税の適正化をはかるための所要の措置を講ずるとともに、狩猟免許税、入猟税、入湯税の税率の引き上げ、及び国民健康保険税の課税限度額の引き上げ、その他所要の規定の整備を行なおうとするものであります。
 委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論の後、採決の結果、本法律案は、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、住民税の課税最低限の引き上げに引き続きつとめること、並びに都市、特に大都市及びその周辺における税源の充実をはかること等を内容とする附帯決議を付することに決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 まず、消防法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 次に、地方税法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 次に、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって委員会修正どおり議決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 日程第十五、視能訓練士法案(内閣提出)。
 日程第十六、理学療法士及び作業療法士法の一部を改正する法律案(衆議院提出)。
 日程第十七、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案。
 日程第十八、国民年金法等の一部を改正する法律案。
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)。
 以上四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長林虎雄君。
   〔林虎雄君登壇、拍手〕
○林虎雄君 ただいま議題となりました四法律案について御報告いたします。
 まず、視能訓練士法案は、弱視、斜視等の矯正治療訓練を行なう視能訓練士の資格を創設するものであります。
    ―――――――――――――
 次に、理学療法士及び作業療法士法の一部を改正する法律案は、理学療法士及び作業療法士の受験資格に関する特例措置をさらに三年間延長するものであります。
 次に、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案は、健康管理手当り対象となる老齢者の範囲を六十歳以上に拡大するものであります。
    ―――――――――――――
 次に、国民年金法等の一部を改正する法律案は、各福祉年金、児童扶養手当及び特別児童扶養手当を、それぞれ月三百円増額すること、福祉年金と戦争公務による扶助料との併給を大幅に認めること、日常生活に著しい制限を受ける障害者に対する老齢福祉年金の支給開始年齢を六十五歳に引き下げることを内容とするものであります。
 以上四法律案の審議の経過は、委員会会議録により御承知願います。
 採決の結果、四法律案とも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。
 なお、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及び国民年金法等の一部を改正する法律案につきましては、各派を代表して小柳勇委員提出にかかる附帯決議案を全会一致をもって委員会決議とすることに決しました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 四案全部を問題に供します。四案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、四案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 日程第十九、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)。
 日程第二十、選挙制度審議会設置法の一部を改正する法律案(衆議院提出)。
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。公職選挙法改正に関する特別委員長永野鎮雄君。
  〔永野鎮雄君登壇、拍手〕
○永野鎮雄君 ただいま議題になりました二法律案について、公職選挙法改正に関する特別委員会における審査の経過及び結果について御報告いたします。
 まず、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、最近における公務員の給与改定、賃金及び物価の変動等を考慮して、国会議員の選挙等の執行のため、都道府県、市町村に交付する委託費の基準を引き上げようとするものでありまして、改定のおもなものは、超過勤務手当、人夫費、管理者立ち会い人の費用弁償額の単価引き上げ及び新たに入場券郵送費を交付することとしたことであります。
 特別委員会においては、地方団体における超過負担の解消、地域の特殊事情の補整等について質疑を行ないましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、先ほど申し上げました質疑の主問題について善処を要望する附帯決議を行ないました。
    ―――――――――――――
 次に、選挙制度審議会設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、最近における選挙制度審議会の調査審議事項が広範にわたっている実情にかんがみ、委員の任期を延長して二年とし、現在の審議会から実施しようとするものであります。
 委員会においては、審議会の運用、委員の構成等について質疑が行なわれましたが、詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、採決の結果、本案は全会一致をもって衆議院提出案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上報告を終わります。(拍手)
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 まず、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 次に、選挙制度審議会設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 日程第二十一、外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)。
 日程第二十二、踏切道改良促進法の一部を改正する法律案。
 日程第二十三、道路運送車両法及び自動車検査登録特別会計法の一部を改正する法律案。(いずれも内閣提出、衆議院送付)。
    ━━━━━━━━━━━━━
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長鬼丸勝之君。
   〔鬼丸勝之君登壇、拍手〕
○鬼丸勝之君 ただいま議題となりました三法案について、審査の経過及び結果を御報告いたします。
 まず、外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案は、各国造船事業間の競争条件を均等化しようとする最近の国際的動向にかんがみ、わが国の船主が、外国の造船業者に発注して外航船舶を建造する場合にも、政府は利子補給契約を結ぶことができるようにしようとするものであります。
    ―――――――――――――
 次に、踏切道改良促進法の一部を改正する法律案は、踏切道の交通量の増加等の現状にかんがみ、交通の事故防止と円滑化に寄与するため、本法により、改良すべき踏切道として指定することができる期間を、昭和四十六年度以降五カ年間延長しようとするものであります。
    ―――――――――――――
 最後に、道路運送車両法及び自動車検査登録特別会計法の一部を改正する法律案は、自動車数の激増に伴い自動車検査業務が著しく増加している現状にかんがみ、民間車検制度を一そう活用するため、指定整備事業としての指定の要件を改めるとともに、指定の事務に関する経理を自動車検査登録特別会計に移す等の措置を講じようとするものであります。
 委員会では、以上三法案につきそれぞれ熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終了し、採決の結果、外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案は多数をもって、他の二法案は全会一致をもって、いずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、道路運送車両法及び自動車検査登録特別会計法の一部を改正する法律案に対して附帯決議を行ないました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 まず、外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 次に、踏切道改良促進法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 次に、道路運送車両法及び自動車検査登録特別会計法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 日程第二十四、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長阿部憲一君。
   〔阿部憲一君登壇、拍手〕
○阿部憲一君 ただいま議題となりました裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について、法務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
 本法律案の要旨は、第一に、地方裁判所における特殊損害賠償事件の適正迅速な処理をはかるため、判事補の員数を十二人増加し、また、簡易裁判所における交通関係の業務上過失致死傷事件の増加に対処するため、簡易裁判所判事の員数を二人増加すること、第二に、地方裁判所及び簡易裁判所における事件の適正迅速な処理をはかるため、裁判所書記官及び裁判所事務官の員数を合計十九人増加すること等であります。
 委員会におきましては、裁判官の再任問題、特殊損害賠償訴訟事件の内訳とその訴訟促進、裁判所職員の現在の欠員とその補充対策、裁判応援のための補てん、宿日直問題等について熱心な質疑がありましたが、その詳細は会議録に譲ることにいたします。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、本法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 日程第二十五、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案(内閣提出、衆議院送付)。
 日程第二十六、建設業法の一部を改正する法律案(第六十三回国会内閣提出、衆議院送付)。
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。建設委員長田中一君。
   〔田中一君登壇、拍手〕
○田中一君 ただいま議題となりました二法案について、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。
 まず、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案について申し上げます。
 本法案の要旨は、第一に、農地所有者等が、農業協同組合等の資金の融資を受けて特定賃貸住宅を建設する場合に、政府が融資機関に対して利子補給金を支給することができること、第二に、特定賃貸住宅は、大都市及びその周辺の都市等の市街化区域内で、面積または住宅数等が一定の基準に適合するとともに、水田の宅地化に資すると認められる一団地に建設される住宅であること、第三に、利子補給の対象となる融資は利率年五・五%で、償還期間が二十五年以上であること、及び利子補給金は利率年三・五%をこえない範囲内で十年間融資機関に支給すること、第四に、特定賃貸住宅の家賃等について所要の規制を行なうほか、利子補給契約を結ぶことができるのは原則として昭和四十六年度以降五年間とすること等であります。
 本委員会における質疑の詳細は会議録によってご承知願います。
 質疑を終了、別に討論もなく、採決の結果、本法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、各派共同に係る附帯決議を付しております。
    ―――――――――――――
 次に、建設業法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本法案は、第六十三回国会で衆議院において修正議決され、本院において継続審査となり、第六十四回国会を経て今国会に継続されたものであります。
 そのおもな内容は、第一に、現行の登録制度を業種別の許可制度に改めたこと、さらに、一定金額以上の工事を下請に出す建設業者に対しては、特定建設業の制度を設けて許可の要件を加重することにしたこと、第二に、建設工事の請負契約の規定を整備し、注文者が不当に低い請負代金を定めること及び資材の購入を強制することの禁止等を定めたこと、第三に、下請負人の保護のため、元請負人に対して、下請負人からの意見の聴取を義務づけ、下請代金の支払いの遅延を禁止する等の措置を講じ、特定建設業者に対しては、特に重い義務を負わせたこと等であります。
 本委員会においては、参考人の意見を聴取する等、慎重な審査を行なったのでありますが、その質疑のおもなる点は、許可制に改正する理由、本法の適用除外工事の範囲、中小建設業及び建設コンサルタントの助成策、海外建設工事の育成、前払い金保証事業の現状、建設労働力の不足及び技能労働者に対する職業訓練のあり方等であります。
 その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたところ、自由民主党を代表して上田委員から所要の修正案が提出され、賛成討論が行なわれました。次いで、日本社会党を代表して松本賢一委員、公明党を代表して二宮委員、日本共産党を代表して春日委員から、それぞれ反対する旨の発言があり、採決の結果、本法案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 なお、各派共同にかかる附帯決議を付しております。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 まず、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 次に、建設業法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は委員会修正どおり議決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 日程第二十七、沖繩における免許試験及び免許資格の特例に関する暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。沖繩及び北方問題に関する特別委員長米田正文君。
   〔米田正文君登壇、拍手〕
○米田正文君 ただいま議題となりました沖繩における免許試験及び免許資格の特例に関する暫定措置法の一部を改正する法律案につきまして、沖繩及び北方問題に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
 本土と沖繩の各種免許資格の一体化をはかるために、すでに、第六十一回国会において所要の立法措置を講じたのでありますが、本案は、その際、措置しなかった免許資格のうち、沖繩の税関貨物取扱人となる資格を有する者及び選考により沖繩の測量士または測量士補の免許を受けることが認められた者に、それぞれ本邦の免許資格を付与するための措置等を講じようとするものであります。
 特別委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 三月十九日、質疑を終わり、討論に入りましたが、別に発言もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 日程第二十八、家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長河口陽一君。
   〔河口陽一君登壇、拍手〕
○河口陽一君 ただいま議題となりました法律案について、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 この法律案は、家畜の伝染性疾病対策の畜産振興に果たす役割りの重要性にかんがみ、家畜防疫の適正な運営をはかるため、主として家畜衛生上の技術的な見地から現行制度を整備しようとするものであります。
 委員会においては、防疫対策の現状と本法案との関係、畜産物の輸入と防疫、獣医師の農村定着化対策、畜産物の価格安定等について質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 続いて、杉原理事から七項目にわたる附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 日程第二十九、産炭地域振興臨時措置法等の一部を改正する法律案。
 日程第三十、特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法案。
 日程第三十一、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案。
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。商工委員長川上為治君。
   〔川上為治君登壇、拍手〕
○川上為治君 ただいま議題となりました三法案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、産炭地域振興臨時措置法等の一部を改正する法律案は、石炭対策の実施を推進する必要性がなお存続している実情にかんがみ、本年中に終期が到来する産炭地域振興臨時措置法の有効期間、電力用炭販売株式会社法の廃止期限及び臨時石炭本部と産炭地域振興審議会の存置期限を、それぞれ所要の期間延長しようとするものであります。
    ―――――――――――――
 次に、特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法案は、最近におけるシステム化、省力化の進展その他機械工業を取り巻く環境の変化に対処するため、従来、機械工業政策の柱となってきた機振法、電振法にかわり、特定電子工業及び特定機械工業の生産技術の向上及び生産の合理化を促進しようとするものであります。
    ―――――――――――――
 また、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案は、信用保険制度に新たな種類の公害防止保険の制度を創設するとともに、普通保険及び特別小口保険の付保限度額を、それぞれ千五百万円から二千万円、五十万円から八十万円に引き上げて、中小企業者に対する事業資金の融通を円滑にしようとするものであります。
 委員会におきましては、三法案について熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲ります。
 なお、産炭地域振興臨時措置法等の一部を改正する法律案は、石炭対策小委員会において質疑が行なわれました。
 三 法案の質疑を終わり、いずれも討論なく、順次採決の結果、三法案とも、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 まず、産炭地域振興臨時措置法等の一部を改正する法律案及び中小企業信用保険法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、両案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 次に、特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 日程第三十二、相続税法の一部を改正する法律案。
 日程第三十三、入場税法の一部を改正する法律案。
 日程第三十四、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案。
 日程第三十五、日本輸出入銀行法による貸付金の利息の特例等に関する法律案。
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長柴田栄君。
   〔柴田栄君登壇、拍手〕
○柴田栄君 ただいま議題となりました四法律案について申し上げます。
 まず、相続税法の一部を改正する法律案は、いわゆる妻の座優遇措置として、夫婦間の居住用不動産についての贈与税の課税最低限を、現行の一一百万円から四百万円に引き上げるため、贈与税の配偶者控除額を改正しております。
 また、相続税の遺産にかかる配偶者控除額も同様引き上げるとともに、相続人の取得する生命保険金及び死亡退職金の非課税限度額を引き上げる等の措置を講じております。
 なお、本法改正に伴う減税額は、昭和四十六年度約二十三億一千万円と見込まれております。
    ―――――――――――――
 次に、入場税法の一部を改正する法律案は、昭和三十七年以後据え置かれている入場税の免税点を競馬場、競輪場等を除く映画、演劇、音楽等一般の興行場への入場について、現行三十円から百円に引き上げるとともに、高等学校等の教員が引率する生徒等の団体の入場について入場税を課さないこととするほか、入場券制度の簡素化を行なおうとするものであります。
 なお、本法改正に伴う減税額は昭和四十六年度約四億五千万円と見込まれております。
    ―――――――――――――
 次に、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案は、国際開発協会での第三次増資決議に従い、わが国も、新たに邦貨換算五百十八億四千万円相当額の追加出資ができることとしております。
    ―――――――――――――
 次に、日本輸出入銀行法による貸付金の利息の特例等に関する法律案は、昭和四十五年四月に開催されたインドネシア債権国会議における合意に基づき、他の主要な債権国と協調して、インドネシアの中央銀行等の有する対日債務を救済するため、日本輸出入銀行が、インドネシアの中央銀行に対し、無利子で債権繰り延べ及び貸し付けを行なえるようにするほか、これらの手当てのため、政府は、日本輸出入銀行に対し、無利子の資金の貸し付けを行なうことができる等の措置を講じようとするものであります。
 委員会における四法律案の質疑は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終了し、討論なく、順次採決の結果、相続税法の一部を改正する法律案は全会一致、入場税法の一部を改正する法律案、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案及び日本輸出入銀行法による貸付金の利息の特例等に関する法律案は、多数をもって、それぞれ原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、日本輸出入銀行法による貸付金の利息の特例等に関する法律案に対し、中山委員より、自民党、社会党、公明党、民社党の四党共同の附帯決議案が提出され、多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 右御報告申し上げます。(拍手)
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 まず、相続税法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 次に、入場税法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 次に、国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 次に、日本輸出入銀行法による貸付金の利息の特例等に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
○副議長(安井謙君) 日程第三十六、総理府設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長田口長治郎君。
   〔田口長治郎君登壇、拍手〕
○田口長治郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法案の内容は、第一に、国の行政に関する公文書その他の記録の保存等を行なわせるため、総理府木府の附属機関として、国立公文書館を設置すること、第二に、現在、総理府に設置されている統計職員養成所を統計研修所に、また、海洋科学技術審議会を海洋開発審議会にそれぞれ改組することであります。
 委員会におきましては、国立公文書館の運営方針、統計職員養成所の改組の理由、海洋開発の今後のあり方並びに海洋汚染防止対策等について質疑が行なわれ、また、審査の参考に資するため、国立公文書館の建設状況も視察するなど慎重に審査いたしました。
 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告します。(拍手)
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十分散会