第065回国会 運輸委員会 第4号
昭和四十六年二月二十三日(火曜日)
   午後一時六分開会
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   委員の異動
 二月十八日
    辞任         補欠選任
     山崎 竜男君     赤間 文三君
     平島 敏夫君     井川 伊平君
 二月十九日
    辞任         補欠選任
     赤間 文三君     山崎 竜男君
     井川 伊平君     平島 敏夫君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         鬼丸 勝之君
    理 事
                金丸 冨夫君
                木村 睦男君
                山崎 竜男君
                大和 与一君
    委 員
                河野 謙三君
                重政 庸徳君
                温水 三郎君
                平島 敏夫君
                前田佳都男君
                瀬谷 英行君
                藤田  進君
                三木 忠雄君
   国務大臣
       運 輸 大 臣 橋本登美三郎君
   政府委員
       運輸大臣官房長  高林 康一君
       運輸省海運局長  鈴木 珊吉君
       運輸省船舶局長  田坂 鋭一君
       運輸省自動車局
       長        野村 一彦君
       運輸省航空局長  内村 信行君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   参考人
       新東京国際空港
       公団総裁     今井 栄文君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を
 改正する法律案(内閣提出)
○運輸事情等に関する調査
 (新東京国際空港問題に関する件)
 (団地マイクロバスの自主運行に関する件)
    ―――――――――――――
○委員長(鬼丸勝之君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 理事補欠選任についておはかりいたします。
 委員の異動に伴い、理事一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行ないます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鬼丸勝之君) 御異議ないと認めます。
 それでは理事に山崎竜男君を指名いたします。
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○委員長(鬼丸勝之君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 運輸事情等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として新東京国際空港公団の役職員の出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鬼丸勝之君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
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○委員長(鬼丸勝之君) 外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。橋本運輸大臣。
○国務大臣(橋本登美三郎君) ただいま議題となりました外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 経済協力開発機構の造船作業部会におきましては、かねてから、各国造船業間の競争条件を均等化して国際的な造船業の秩序ある発展をはかるべく話し合いが進められてまいりました。その結果、その第一歩といたしまして、一昨年、まず輸出船信用条件に関し船主負担の頭金、延べ払い金利等の統一がはかられたのでありますが、さらに、その後の話し合いの過程におきまして、輸出船信用条件の統一ということのほかに、自国船主が自国の造船業者に発注する場合にのみ助成を与えるという制限を行なっている場合は、その制限を廃して外国の造船業者に発注する場合にも同様の助成を与えることとし、各国造船業者が船舶の建造を平等に受注できるような状態にすることも必要であるとされ、各国はそのための国内措置をとるべきことが合意されました。
 この点につきましては、わが国も現行法の規定により、船主が国内の造船業者に発注する場合に限って計画造船の対象となり、利子補給が受けられるというたてまえになっておりますが、この際むしろ、計画造船の門戸を外国の造船業にも開放することが、わが国造船業が今後とも一世界のリーダーシップをとって国際的に協調しつつ発展を遂げていく上で望ましいと思われますので、経済協力開発機構における今回の合意にかんがみ、関係規定を改めて、船主が外国の造船業者に請け負わせて外航船舶を建造する場合にも一政府は利子補給契約を結ぶことができるようにするものであります。
 以上がこの法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(鬼丸勝之君) 本日は、本案に対する趣旨説明の聴取のみにとどめておきます。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(鬼丸勝之君) 速記をつけて。
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○委員長(鬼丸勝之君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○三木忠雄君 いま成田空港の問題で大臣から見解を伺いたいと思うのですが、まあ昨日から新聞、テレビ、あるいは現地においてもいろいろな報道をされて、私たちも非常に緊張感を持っているわけでありますが、私たちは何よりも不測の事態が起こらないように、このことを常に願うわけでありますが、現時点において運輸大臣がほんとうにこの問題をどう最終的に対処されていくか、そのことについて伺いたいと思います。
○国務大臣(橋本登美三郎君) 昨日、代執行が行なわれるべく、千葉県知事の代執行に対する措置が行なわれることになったわけでありますが、現地がなかなか緊張状態にあり、これを押して行なえば不測の事態も起きるということも考慮されて、そこで千葉県知事は午前二時半、代執行宣言に至らずしてまあこれを中止をいたしたわけであります。
 運輸省といたしましては、この国際空港なるものは、現在の航空事情から考えまして四十六年度中には供用開始に至りたいと一すでにこれは四十六年の四月の供用開始を目途として、従来皆さんの御審議を得て予算をちょうだいいたしてまいったのでありますけれども、なかなか現地の事情、無理を重ねることは好ましくありませんので、そこで約一カ年間の延期をせざるを得なくなったのであります。しかし、現下の情勢から考えるならば、この一カ年間の延期ということは、飛行機の状況から考えて、空港情勢から考えて非常に重要な問題ではありますけれども、ただ問題をいわゆる混乱におとしいれたくないので、空港公団の総裁に対しましても、また千葉県の知事さんにもお願いいたしまして、できるだけ積極的にひとつ話し合いを進めてほしいと、こういうことをやってまいったのですが、なかなかこの話し合いが今日に至るまで解決がつかない。そういうことからして、やむを得ず空港公団としては代執行をお願いせざるを得ない、かような状態のもとに、昨日いわゆる代執行の緒についたわけでありまするが、御承知のように、まあ代執行が完全に行ない得ない状態であります。
 ただ、この間、御承知のように三週間という期間を置きましたのは、無理に、いわゆる血を見てまでこれをやることは好ましくない、できればその三週間の間におきましても、一方においては代執行をやりますが、一方においては最善の話し合いを続けてもらいたい。反対される方々の中には、あるいは話し合いによって話し合いのつくものもあるでありましょうし、あるいはまた一部はなかなか話ができないかもしれません。その一部の強硬な諸君が自分の土地を愛するというその気持ちについては、私たちも心から理解もし、かつまた同情をする次第であります。しかし、御承知のように、世の中の進展というものは目ざましいものがあり、現状の変更もまたやむを得ざる場合があり得ることは、これは御了解願えると思います。
 しかし、条件等につきましては、いわゆるその土地を離れざるを得ない方々に対しては、政府としても、また公団としても、最善の措置は講じていきたい。あるいは、付近の人で反対しておる方もありまするが、いわゆる騒音等につきましても、現状でやれることはもちろん現状で十分いたしますが、将来ともにこの種の公害問題については積極的な措置を講じていかなければなりませんので、将来等をも考慮しながら、いわゆる反対なさる方々に対しても十分にひとつ話し合いを続けていくようにということを、代執行に際しましても、両建てでやってもらいたい、かつまた、いわゆる血を見るごときことはできるだけ避けてほしい、かようにお願いいたしておる次第であります。
○三木忠雄君 もう一問だけ……。
 運輸大臣といたしまして、この一坪運動の人たちと、実際にもう一度現場ででも話し合ってみられると、こういうふうなお考えはございませんか。
○国務大臣(橋本登美三郎君) なかなかその機会が得にくいようであります。前にそのようなお話がありました際に、そういう条件がつけられるならば、私は必ずしも話し合いをしないわけではない、こういうことでありましたが、なかなか条件の問題ではないので、もちろんこれは全体ではありますまい、一部の人たちはとにかくここに飛行場をつくってもらうことは反対だということがありまして、相手方を打診されましたが、要するに、飛行場建設のためにという前提での話し合いはなかなかむずかしい状態であります。したがって、今日の時点で私が出て話し合うことは非常にむずかしいのではないかと、かように考えております。
○三木忠雄君 じゃ公団の総裁に伺いますが、私たちのいろいろ聞き及んでいるところによると、公団側の今日までとってきた処置ですね、これに対して農民側の人たちは、非常に怒りを持っている、現実に、公団の人たちが調査に行くにしても、なかなか近寄れない、相互不信感が起こっているという問題については、やはり公団の今日までとってきた態度に対する私はいろいろな隘路があったのではないかと強く考えるわけでありますが、今日までいろいろ措置をされて手を打ってこられて、現時点において一番ネックになっていること、あるいは今後どういう態度で公団側はこの問題の処理に当たるかについて総裁の御意見を伺いたい。
○参考人(今井栄文君) ただいま御指摘のとおり、公団側の、従来の用地買収につきましての折衝の過程におきまして、必ずしも一〇〇%十分な措置がとられたというふうには私どもも一考えておりませんので、この点については深く反省をいたしたいと思います。
 ただ、空港公団ができましたのが昭和四十一年の七月でございますが、当時は、現地はほとんど全部の方々が反対であるというふうな雰囲気の中で用地買収交渉を始めたわけでございますが、その後、反対であった方々に対しまして、私どもとしては極力説得、あるいはまた、いま日本の置かれた現状等についての御理解をいただきまして、ほとんど大多数の方々が条件つき賛成ということで、すでに敷地を私ども一に提供していただいて、代替地に移っていただいておるのが現状でございます。したがいまして、現在、敷地の中の、ほんとうに農業で過ごしておられる方々の反対は、全体の一〇%足らずということでございまして、特にこの人たちも、私ども一が現在工事をやっております第一期工事区域以外の第二期工事区域の部分にほとんど大部分がおられるわけでございます。この点につきましては、先ほど先生からも御指摘がございましたとおり、まだ第二期工事につきましては相当、数年の余裕がございますので、私ども一としては熱心に説得を続けていきたい、かように考えております。もちろん、単にことばで説得するだけではなく、真に農業を愛する方々が外へ出て十分同じ面積で農業がやれるような農地を提供するということが基本になるわけでございまして、極力その線で努力をいたしたい、かように考えております。
 なお、今日、問題がなかなか解決がむずかしいという先ほどの大臣の御答弁もございましたが、私ども一の感じますところでは、反対同盟の内部におきまして、幾つかの反対の理由というものが錯綜しておるということだと思います。一つは、いま申し上げました敷地の中の一部反対しておられる農民の方々、これは真に農地を愛する、自分が開拓し、あるいはまた先祖から受け継いだ土地というものと離れたくないという方々、それからまた、空港の南側の芝山町、ここが反対同盟の相当強い力になっておりますが、これらの人たちは、敷地の中に土地を持つというよりはむしろ今後の飛行機の騒音というものに対する極度な不安を持っておられるという反対でございます。これが地元の方々の反対の大要でございますが、それ以外に、御承知のように新空港は軍事空港につながるという観点から相当強力な支援の学生あるいはまた支援団体等が入っておられまして、これらの方々は新空港に対して根本的にイデオロギー的に反対するという立場をとっておられるわけでございます。私どもが話し合いが一番しにくいという方々はこれらの人たちではないかというふうに実は考えておるのですが、こういうふうな方々とも、もし機会があれば極力それは話し合いを私どもとしてはやっていきたいという気持ちは変わりません。
○三木忠雄君 その周辺の騒音地区ですか、芝山地区ですか、そういう方面の人たちが相当反対をしておる。やはりこういう問題についても騒音の補償、こういう問題について具体的な提示がされていないのじゃないですか、あるいは納得されていないのじゃないか、こういう点をわれわれ承るわけなんですけれども、やはりこの周辺の人たちが非常に怒りを持っておるということは、説得が不十分じゃないか、あるいは説明が足りないのじゃないかと、こういう点が私たち強く聞かれるわけでありますが、この点についてはどうですか。
○参考人(今井栄文君) その辺について私どもとしては努力をしてまいったのですけれども、御指摘のように、なかなか十分私どもの趣旨が徹底していない点については、今後とも私どもとしてはさらに努力を重ねていきたいと思います。
 で、そういうふうな騒音区域に対しましては、成田の新空港については、他の空港と違って、政府においても騒音防止法の範囲を拡大いたしまして、滑走路の両端六百メーター、それから滑走路の末端から南北は二千メーターという範囲においてもし土地を譲っていただける方がおられたら、これは敷地内と全く同一の価格で買収いたします、それからまた宅地を移転される場合には移転の補償もいたしますということで実はまいっておるわけでございます。それからまた、学校等の防音につきましてはすでに一部を着手いたしておりますが、滑走路周辺の公共施設についての防音工事も行なうというふうにいたしておるわけでございますが、さらに千葉県におきましては、空港の南側、山武郡芝山町を中心にしまして今後のいろいろな開発計画、たとえば工場団地をつくるとかあるいは集団農業のための農地をつくる、共同施設をつくるとかあるいはまた学校施設をつくるとかいうふうな、あるいはまた道路をよくするというふうな、あらゆる住民の方々の今後の生活の向上のための施策を用意いたしまして、極力PRをいたしておるわけでございますが、何ぶんにも航空機騒音につきましての不安感というものがなかなかぬぐい切れないという状況でございます。
○三木忠雄君 きょうの新聞等を見ましても、千葉県知事の話等を総合しまして、代執行を手薄を見はからって何か強行していくという、こういうふうなことを放言しているわけでありますけれども、何か相手の出方を、その手薄を見はからって警察官を導入してそうしてやろうというふうなそういうやり方では、私は、惨事を招くような結果になってしまうのではないか。もっとやはりこの問題をもう少しじっくり柔軟路線で、もう一歩話し合う姿勢をつくるか、もう一歩公団側あるいは千葉県側と日ごろ連携をとって、その農民、学生とは違って農民の代表者、そういう人たちともう一度話し合ってみて、そしてどこまで歩み寄れるか、あるいはどういうふうな点を納得させられるか、この点の努力を尽くしてみる――どうしてもこの三週間以内にやってしまわなければ公団側としてどういうふうな問題が出てくるか、この点について承りたい。
○参考人(今井栄文君) 御指摘のように、私どもとしても今後努力を重ねていきたいと思いますが、代執行の期限を三週間という比較的長い期間に置きましたのも、先生のおっしゃるように、現地で事を早急に運んでトラブルを起こす、そのために不測な事態が起こるということを極力避ける意味で三週間というふうな長い期間をとったのでございますが、公団の立場で今後の工事上のスケジュールの観点からいって、裁決の出た六カ所について、今度代執行しなければというふうな点につきましては、御承知のように、北の谷地田部分に散在する一坪運動地でございまして、特に一部は滑走路にかかっておる、あるいはまた、滑走路の工事をやるためにぜひとも必要な滑走路の周辺の土地であるというふうなことから、私どもとしては、今年度中に供用開始まで持っていくためにはどうしてもこの谷地田部分の埋め立てから、それからまた舗装というふうなことによって滑走路を完全につくり上げるのに、ごくわずかな部分でございますけれども約七カ月ぐらいはかかるのではないか。そうしますと、かりに私どもがその部分についての埋め立てを始めまして地盤が安定いたしましたところで敷地造成をやり舗装をするというためにはどうしても七カ月ぐらいかかる。そうしますと、三月から数えましてやはり九月一ぱいぐらいは期間を要するのではないか。私どもの現在の目標では、滑走路は大体九月一ぱいに仕上げる、それで十月からは航空局による飛行検査を受ける、来年になりましたら飛行機が飛べるようにする、こういう目標でおりますので、何としてもいまの時点において滑走路北部の谷地田部分については用地を取得したい、かような事情にあるわけでございます。
○三木忠雄君 昨日ですか、ちょっと承ったのですが、滑走路の下に砂を入れるのではないか、何かそういうような点をいろいろ、工事の点をくふうをすればもう少し期間は短縮できる、その関係からもう少し柔軟に話し合いもしていいと、こういうふうな話を私聞いたのですけれども、その点はどうですか。
○参考人(今井栄文君) 私が七カ月かかると申しましたのは、いろいろな手を講じて七カ月ぐらいはかかるということでございまして、雨その他の関係からいって工事が遅延するというふうなことも考えますと、私どもとしては少なくとも六カ月ぐらいで仕上げるつもりでやらなければいけないのではないか。なお、山砂等で最初から処理しないで敷地の中の捨て土で埋め立てをするというようなことでいくと、当然、おっしゃるように時間がなおかかるわけでございまして、当初私どもの土木陣は約九カ月ぐらいかかるのではないかということを、私どもとしてはそんなに長くかけたのじゃしようがないということで極力工法的に圧縮さしたその結果が、大体現在のところ七ヵ月、こういうことになっておるわけでございます。
○三木忠雄君 それで、この大詰めにきた代執行ですね、地下壕に入っている人たちを実際に外に出さないでほんとうに工事を進めるような態勢に持っていける総裁、自信がありますか。もし、一人の犠牲者も出さないで、ほんとうにこの問題をスムーズにやっていくために、どういうふうに総裁として――あるいは九月供用開始、こういう問題に立ち至った現在において、総裁が今日までやってこられて、この問題を最終的にどういうふうにお考えになっておるか。
○参考人(今井栄文君) 今後一番問題になるのは、ざんごうを掘ってその中におられる方々の安全の問題であろうと思います。私どもとしても、もちろん、そういう方々が現在のままでざんごうにおられるということになりますと、工事は当然できないわけでございますので、何としてもやはり御退去をお願いするということにならざるを得ないと思います。しかしながら私どもとしては、これは私だけが考える問題ではございませんので、千葉県の関係者あるいはその他の関係者の方々とも十分に御相談をいたしまして、不測の事態にならないような方法で安全にお移し願うというふうな線で最大の努力を傾けたいと、かように考えております。
○三木忠雄君 そうしますと、その地下壕に入っている人たちが安全に出ない限りは、たとえ三週間の代執行期間が切れても強行はしないと、こういう方向で受け取ってよろしいですか。
○参考人(今井栄文君) 先ほどから申し上げておりますように、人命の安全は何としてもお守りしたいという決意でございます。
○委員長(鬼丸勝之君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
○委員長(鬼丸勝之君) 速記起こして。
○藤田進君 いま、わが国のみならず、世界におけるいろいろなできごとの中でも成田空港については非常な関心が高まり、この帰結、解決いかんでは、わが国における名誉という、そういったいわば、かなり大きくものを考えていいだけの価値のある事態になってきているように私は思います。
 そこで、お伺いいたしますが、あくまでも現段階におきましても、話し合いで解決する、そのための説得をはかるということでございますが、これ間違いありませんね。
○参考人(今井栄文君) その点については全くおっしゃるとおりでございまして、特に千葉県知事とも一その点についてお話し合いをいたしておるわけでございまして、手続上代執行は進めておりますけれども、並行いたしまして、できるだけ説得力のある調停者というものも中に立てまして、極力話し合いを進めておるというのが現状でございます。
○藤田進君 どうもおやりになっていることと実際の事態というものは必ずしも一致していないように私は思うです。現地の事情にうといからそうなるかといえば、いまの事態に立って、そうも私は受け取れません。しからば、説得ということになれば相手のあることですから、相手の立場というものを洞察しながら話し合い、説得を成功するということを到達点として目標にされるわけですが、しからば、具体的説得に値する条件といいますか、公団側あるいは県当局等を含めて、こういう態度を示し、かつ実行すれば反対している人たちも了承する、こういう一つのめどがないとすれば、これは議会において説得、話し合いという切り札が出てくるわけはないと私は思うです。しからば、その提示されようとする条件、具体的内容、これが提示の時期、調停者等の具体的人選、これら一連のものをまず御提示をいただきたい。
○参考人(今井栄文君) 先ほど私御答弁の中で申し上げましたが、敷地内の農民の方々の反対は、やはり農地を守るという強い反対でございまして、したがって、こういうふうな方々に対しましては、具体的にはりっぱな同一面積の代替地をということが基本になろうかと思います。それから、敷地内農家でなく騒音区域に所在される、特に山武郡芝山町の反対派の方々に対しては、騒音対策の面で私どもとして御希望を聞きながら、それをできるだけ実現していくという線で交渉をすべきではないか。それぞれ反対の立場においてやはりこちらから提示する提案も変わってくるわけだろうと思います。そういうふうな線で今後努力をいたしたい。
 なお、具体的な仲介者というふうな点でございますけれども、そういうような点は、いまの段階ではちょっと申し上げにくいように思いますので、御了承をお願いいたしたいと思います。
○藤田進君 それでは具体的に聞きますが、いま代執行という段階にまできまして、そうしてすでに昨日来の動きが始まり、一定の期間がある、こういう事態になっていて、なお代替地その他の対策、条件を提示すればこれはまあ何とかなるのだというところに私ども非常な不安を持つのであります。しかりとするならば、代替地なり騒音対策なり、それらの条件はつとに出されて、代執行前にそれらのことが可能か不可能かを明らかに、実地において実施されなければ、これは誠実な執行者として私は認めがたいと思うのです。しかし、この面に立ってなお説得ということであり、かつ代替地ということであれば、それに確信がありますか。その代替地はどこを、どのようなものを用意されるか、あるいはいま航空騒音公害というものも問題になっておりますが、特に今度の成田の場合は大型ジェット機等の発着も一むろんきびしいことでしょうし、といったことになれば、なかなか通常の対策では騒音の防止対策というものは困難のように思うのです。しかし、そうではないのだということであれば、代替地についてもっと具体的に……。
 それから調停者についても、いまもうすでに第二日目、きのうから。という時期に、ただ議会答弁で、だれかと言っておけばそのうちにというのじゃもう困ります。これははっきりしてもらいたいと思います。私の見通しでは、佐藤さんが乗り出してみてもとれなかなかかえって火に油を注ぐようなことじゃないでしょうか。富里、三里塚以来の状況にかんがみましても問題があるように思うのです。何の何がしかは別として、どういう段層というか、人なのか、まずそういう妙手、妙案があり、成功するということであれば、私もそれを考察してみたいと思うのです。
 以上三点についてお伺いします。
○参考人(今井栄文君) 私どもは直接調停者の方々とお話をいたしておるわけではございませんので、千葉県知事からのお話で承っておるわけでございますので、私一存でそういうふうな点について詳しい御紹介を申し上げることは差し控えさしていただきます。なお、どうしてもということであれば、別途また先生のお部屋へでもお伺いしてお話を申し上げたい、かように考えます。
 それからなお、代替地を具体的に用意してあるかというお話でございますが、おっしゃるように、代替地の問題についてもあるいはまた騒音対策につきましても、これはもう代執行以前において相当強い働きかけを実はいたしておるわけでございます。反対同盟の内部のいろいろな反対の理由というふうなものがありまして、なかなか一本にはまとまりきらぬという現状でございますので、話し合いといってもなかなか一本での話し合いということが非常にむずかしいという状況にあるということは御了解願えることであろうと思います。
 なお、代替地については、すでに私どもが用意して、現在未払い分で残っておる農地が六、七十町歩ございまして、すでにその中の耕作可能な三十町歩については造成を始めておるという状況でございます。
 それからなお、成田の近隣の多古町あるいは八日市場というふうなところへ、すでに十町歩、二十町歩単位で現在町村会を通じて県が代替地の用意をいたしておるわけでございまして、大体見通しがついたところでも三十町歩近いものが新しく手に入ったというふうに承っております。したがいまして、敷地の中の反対の農民の方々、これは先ほど申し上げましたように、第一期工事区域にはほとんどいらっしゃらないわけでございますけれども、第二期工事の区域でございまして、これはまだ時間的余裕もございますので、ゆっくりお話し合いをしてりっぱな代替農地を提供して移っていただくという努力を知事と一緒にやりたいと、かように考えております。
 それからなお、騒音対策でございますけれども、これも私どもがいろいろPRをやりましても末端までなかなか読んでいただけないというふうな問題もございまして、私どもの力の足らない点を痛感するわけでございますけれども、やはりこの点については、十分騒音の被害を軽減するようなあらゆる努力を私ども一としては試みて御了解を願うという線で交渉をやっていただくというつもりでおるわけでございます。
○藤田進君 いま言われた点は、代替地あるいは騒音に至っては特にもうたなざらしのもので、新しい提案は何もないように見受けます、実際。農民は特にあそこを開墾して、その固有の土地に対する非常に執着が強いと私は見ております。どこか極端にいえば県をかわってもいいとか、同じ県ならどこでもいいという単なる土地への奴隷というふうに見てとることは間違いだと思う。これはもっと新しい提案がない限り、私は、いま言われるように結論が導かれていかないように思うのです。
 そこでさらにお伺いをしておきますが、いま言われる代替地その他についてということに両者間の意見が県も介在しながら一致して、そして円満に話し合いがつき、代執行というあまり手荒なことをしないという論旨ではなくて、取り払うべきは取っ払い、強権発動は予定どおり遂行して、そしてそのあと何か苦情があれば代替地その他騒音はあとで考えようという、こういう二段論法のように思うのです、実際いまお答えを聞いて。私は、当初、三木委員の質疑等から、いまの事態を重大に見られて、何か説得に切りかえられたようにもニュアンスがあったものですから、それはけっこうなことだというふうに聞いて、私は、質疑を進めてみると、どうもそれはそれ、あと始末については代替地というふうに聞こえるのですが、強行措置はこれはもう逡巡なく――それは昨日なり、きょう、いまどうなっておりますか、まあ多少のピストン的戦術は加味しながらも予定の三週間でこれは遂行するんだと、問答無用、あとで文句があるんなら代替地なり騒音対策にいこうと、こういうふうに受け取れるんですよ、そうなんですか。そうじゃなくて、従来の方針が変わったんですか。
○参考人(今井栄文君) これは長い間の問題でございまして、現在私どもが立ち入り調査の事務を委託してやっております場所につきましては、すでに昨年の三月の三日に収用委員会に対して裁決の申請をいたしておるわけでございます。で、その裁決申請に対しまして裁決が出ましたのが昨年の十二月の二十六日。そこで、その裁決によって公団の権利取得、あるいはまた明け渡しの期限というものが一月の三十一日までというふうなことでございまして、私ども一としては、滑走路北部の谷地田の一坪運動地については、工事の都合からいえば去年の七月ごろ実は明け渡しを希望しておった土地でございます。しかし、その間もちろん私ども一話し合いをやり、県知事も二生懸命になって反対の説得に当たってまいったわけでございますけれども、ようやくぎりぎりの線で裁決が出たというふうなことでございまして、工事のスケジュール上から申しまして、私どもとしては、北方の谷地田部分の造成は何としてもこの三月中には始めたいというつもりでおるわけでございます。ですから、いままで何もやらなかったのではなくして、去年の三月に裁決の申請をいたしましてから約一年というもの私どもは一生懸命説得の努力をしてまいったわけでございます。で、もちろん、その間いろいろな方をお願いして反対同盟とのアプローチを試みておるわけでございますが、これはいまでもやはり並行して行なっておるということであって、一方で代執行をやり、その結果代替地というようなことで実はきておらなかったわけでございます。代替地問題という問題についても、あるいは騒音対策についても、もう従来から私どもとしては反対派の方々の御希望なり御意見を伺うように、直接あるいはまた間接的にいろいろ接触を試みてまいったわけでございます。
○藤田進君 あたかもパリ会談が持たれている最中に北爆が出てくるという作戦のように受け取れますが、これはほんとうの撃ち合いをやっている戦場における状態ですが、しかし、国内におけるこういう事態について、そのように並行して従来代替地その他のことできて、しかもいまだにその成果を見ないという状態で代執行ということになった。そしてしかもタイムリミットがある。こういうふうに聞けば、要するに、ここで御答弁になる説得なり話し合いというものは単なるカムフラージュにすぎない、こう私は見ます。そうじゃないでしょうか。これは期待可能性がありますか。血を見るかもしれない、人命を失うかもしれないという事態に立っておりますが、これは大げさでしょうか。
○参考人(今井栄文君) 私どもは、私どものいままでの説得の努力あるいはまた今後続けるであろう説得交渉というものをカムフラージュというふうには毛頭考えておりません。事実、私どもとしては、こういうふうなことで土地をいただくということはきわめて不本意でございます。ですから、その点はぜひひとつ御理解いただきたいと思います。
○藤田進君 わかりました。それは非常にけっこうなことでして、このまま機動隊を各県から結集されて、数においては圧倒するかもしれませんが、特殊なああいう地形なり事情もありいたしますから、そういう説得等で極力この事態の改善を見たいという真意があるように見えます。したがって、だとすれば、問答無用という姿は、昨日引き揚げられたのも、聞くところによると、どうも抵抗が強いと、こういうことであったようにも思いますから、したがって、いわゆる平和裏に、ああいった動員なしに、かりに動員してもゼスチュアに結果的には終わったというようなことになるように私は見受けますが、そのように期待してよろしゅうございますか。
○参考人(今井栄文君) 私どもも、先生のおっしゃるように事態が推移することを心から期待いたしておるわけでございます。
○藤田進君 あなたが期待されても、あなたは一方のかまえでおられるわけですから、それならばそのかまえという、姿勢についてはどうなのかということについてもわかったように思いますが、だれかがやるのを期待されるように言われますから、そこのところが私ども委員とは立場が違うわけです。そのようにやりますならやります、やりませんならやりません、そのどっちか立場をはっきりしていただきたいと思うんです。
○参考人(今井栄文君) まあ先ほど申し上げましたように、反対同盟の内部における反対の理由というものもいろいろありますし、グループもたくさんあるわけでございまして、一本になって私ども一と話し合いをしていただけるという機運が生まれるかどうかという点を実は懸念いたしておるところでございまして、ただ、それによってわれわれが話し合いの努力をしないとか、あるいはまた失望するということではない、そういう意味でございます。
○藤田進君 どうもわけがわからなくなったんですが、機動隊で一応排除しながら行くんですか、行かないんですか。これはもう始まっていますね、現地は。だから、先ほどの御説明をずっと要約すれば、これはゼスチャーでいろいろあるかもしれぬが、両者ともに、どうもいまの御答弁からみると、ああいう形での土地の取得はしたくない、けが人を出したくない、これはもう絶対のように聞こえる。だとすれば、そういうことなしにまたいける自信もあるように思います。一方、反対同盟の中の切りくずしを画策しているような、ことばをかえれば、これはあまりへたに手を出すと、こういう事態のときには逆効果です。私の参考意見として申し上げます。どうもはっきりしないのですね、大事なところです、これは。
○参考人(今井栄文君) 代執行権者は県知事でございまして、別に県知事が権者だから私自身が答弁があいまいだということではございませんで、すでに御承知のように、県知事も代執行につきましての令書の発送を去る十六日に行ないまして、代執行を二月二十二日から三月十四日までの三週間にやるという文書の送達をいたしておるわけでございます。で、裁判所におきましては、反対同盟からの異議の申し立てについての却下の決定が行なわれたわけでございまして、手続としては、現在進んでおると言わざるを得ないと思います。しかしながら、私どもとしては、先ほど先生のおっしゃったとおり、現地に不測の事態が起こらないように、なお並行して極力説得の努力を続けて円滑に事態が推移することを心から祈念するというふうに申し上げる以外にないと思います。
○藤田進君 くどいようですが、友納知事が単独に、あなたと無関係に代執行をやっているんじゃなくて、これは世間では明らかになっているわけですから、あなた御自身が、県知事のやることでわれ関せずということのように聞こえますが、そうあってはならぬと思います。私は、いま言われたことを十分ひとつ円満裏にという形で――それにしても具体的解決策がなければ、時期的に見ても、おそらく、いまの三月ないし九月といいますというと、困難性があるように思います。なお、委員長・理事間でいろいろ打ち合わせも一あったようですから、しからば、調停者その他の、明るい曙光を見るにふさわしい方策等については、これはどうしても堀り下げて聞きたいと思っております。必要があれば、さっそく知事もひとつ――これは所掌委員会ですから、ひとつ出席を求めたいと思っております。
 そこで、県当局と公団の間に食い違いがあるやに報道されております。すなわち、いわば横穴等にいる、そういった人たちを中心に、あるいはいろいろな反対同盟側の施設等々、そういうものまできれいに掃除して渡してもらいたいというのが公団の不退転の決意と案のように思われるのですが、どうなんですか。
○参考人(今井栄文君) たまたま新聞等でもそういうふうな報道がございまして、知事さんも若干懸念しておられたようなことがあったようでございます。代執行の範囲は一体どこまでだという場合に、先生もおっしゃるように、縦穴、横穴等におられる人々まで含むかどうかという問題があることは事実でございます。で、ただこれは明け渡しの裁決に明示いたしておりますが、立木その他一切の物件というふうになっておりまして、その限りにおいては、人は入らないということは間違いないと思います。ただ、穴の中にある物件というふうなものは放置しておいていいかどうかという問題は法律論として残ると思います。したがって、公団と県の間の意見の食い違いというよりは、むしろこれは私どもとしては、土地収用法の所管省である建設省、あるいはまた、法律問題について、国を代表して裁判等その他をやっていただける法務省というふうなところが、代執行というものはどこまでやれば終了するんだというふうな有権的な解釈を下し、その上で、その線まではやるということではないかと思います。
○藤田進君 それに対して、県、建設省がどう言っているか、簡略、明快にひとつ。
○参考人(今井栄文君) 建設省の意向はまだ承っておりませんですが、県としても御自身で恣意的におきめになるわけには実はまいらぬと思います。ですから、やはり県、建設省あるいは法務省というふうなところで代執行の範囲については早急に詰めるという問題ではないかと思います。
○藤田進君 どうもこういう事態で、その辺がまだ全然詰まっていないということは、いかに強権発動というものを急いだかというそしりを免れません。かえって、そのことが事態を深刻、悪化せしめているとも私は推察いたします。
 そこで、先ほどの態度等から見れば、出てこないんだが、どうも何といいますか、ある人は穴蔵と言うし、トンネル穴と言うし、そういうところにかなり食糧も搬入し、長期戦に備えて、といったようなことですね。反対同盟の代表の言を、直接ではございませんが、昨日来、報道を通じて聞きますと、かなりの決意だし、要するに、これを法律論としてやがて不退去罪だとか、そういったことを考えておる向きもあるようですが、いずれにせよ、完全に、工事――ブルドーザーが動いて、公団総裁ほかが考えているように、日程的にも、当時のプロセスから見ても、これが遂行を何ら支障なしに行なえるという状態には、どうもいまのままでは、ないように思う。だとすれば、少々死人が出ようが、どうしようが、もう至上命令で飛行場をつくるほうが絶対なんだというふうにも受け取れるわけですね。非常に地質も悪いし、なかなか容易でないように私は思うんです。こういう状態ですから、むしろ、あまり手荒なことをしてみたところで、天下に恥をさらすだけで、あと何ら工事進捗にプラスにはならないように思うんですが、さて、その辺は、公団の要望としては絶対に期限というものがあるんだからということで、県を督励しながら、穴蔵だろうがモグラだろうが顧みないでやっていくということになるのかどうか。いまから食い違いについては詰められるということですから、いつこれを詰めて、統一のものが出るんでしょうか、あわせてお伺いいたします。
○参考人(今井栄文君) 私どもの職員が県の受託業務で代執行に携わっておるわけでございますが、私どもは、人命がどうなろうと空港さえできればというような考えは毛頭持っておりません。やはり今回の代執行につきましても、人命がまず第一ということをはっきり申し上げたいと思います。
 それから、代執行の範囲はどこまでかということはいつ詰まるかという問題ですが、これは数日中に――数日というか、明日にでも私が関係のところへお伺いして、いろいろお話を伺うというようなことによって詰まるんじゃないかと思いますが、まあ一両日中には当然範囲をきめていかなければならぬと考えております。もちろん、代執行がどの範囲であるということと、私どもが業務上どうしてもあの土地で工事を将来しなくてはいかぬという問題とは、おのずからこれは別でございまして、私どもといたしましては、代執行の範囲いかんにかかわらず、代執行が終了いたしますれば、できるだけ早く工事にかからしていただくんでなければ、代執行自体も私どもにとってはあまり意味がないということになるわけであります。
○藤田進君 これはもう引き続き、毎日でも委員会を開いて聞かなければならぬようなことになって、あす統一した詰めが出ると言われれば、それも聞きたいわけですが、それほど簡単に出せるならば、きょう出席を予定されていたわけですから、どんな側面から立法府が聞いても明快な答弁ができるように、用意されるのが至当であったと私は思います。こういう食い違いのままで、あれだけ報道されていて、恥をやはり知りませんかね。実にそれはもう、建設省だの公団だの醜いです。あすを待たず私は要求いたしたいところですが、瀬谷先生がお待ちかねですから、私はひとまず下がりますが、劈頭申し上げましたように、この事態の収拾は決して私は容易だとは思っておりません。御苦労であることは重々承知しております。だからといって、ただ権力にものをいわせてということは、これは一つ三里塚の問題だけではなしに、わが国の民主主義なり、あるいはやがて他に関西第二空港なり、いろいろなことがいま持ち上がっているときでもありますだけに、どうかひとつ慎重の上にも慎重にやっていただきたいことを特に要望しておきます。
○瀬谷英行君 いままでの御答弁を伺った範囲では、公団の総裁は反対派の譲歩を期待をするというだけで、計画をするあるいは工事を進捗する立場とすれば、設計変更だとかあるいは計画変更の余地は全然ないように聞こえるわけです。で、現地では、たとえば、かつて蜂之巣城といったような問題がありましたけれども、ああいうような問題とは性格が全然違うと思うんですね。もう農民が主体になっておる。もちろんそれは学生も参加をしているようでありますけれども、農民がああいうふうな穴を掘って、それへ立てこもる、あるいは竹ぶすまをつくるなどというようなことは異常な事態ですからね。これを強行するということになると、いままでの御答弁では死傷者が出ないようにしておるということでありますけれども、それではいつまでたっても事態は解決できないんじゃないかという気がいたします。ここでやれるのかやれないのかという判断を下さなきゃならぬという気がいたしますが、公団側とすれば、やれるというふうに一つの見通しを持っておられるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○参考人(今井栄文君) 私どもとしては、先ほどから繰り返し申し上げておりますが、代執行によりまして――坪運動用地、これらの土地はほとんど農民の方々の生活に直接関係のないところでございまして、わずかな土地を多数の方が共有しておるというところでございます。で、こういうふうなところにつきましては、ぜひ早急に用地を取得したいということでございます。しかしながら、現在の反対運動が、御指摘のように横穴を掘りあるいは縦穴を掘って中へ人が入っておるというような状況でございますので、こういった方々のやはり人命というものはまず第一に尊重されなければならないと思います。だから、今後工事を施行していくということと、それらの方々に安全に御退出を願うというふうなことの一つのかね合いで仕事が進められていくだろうと思いますが、私どもとしては、全力をあげて不測の事態が起こらないように、なおかつ、円滑に代執行が行なわれますようにというのが念願でございます。
○瀬谷英行君 結局、いままでの質疑をまとめてみますとね、率直に言って、公団側とすれば、反対派の分裂とかあるいは何かを期待しているということになってしまうと思うんですね。つまり公団側としては、既定の計画は変えないということのように聞き取れるようです。それはもちろん、代替地とかそういったようなこまかな条件の問題はあります。しかし今日ではそういうテクニックの問題じゃなかろうと思います。そうすると、もはや設計変更とかあるいは計画変更の余地は全然ないのだ、既定方針どおりだということになるのかどうか。これがくずれないということになれば、話し合いの余地も何もない、その点はどうですか。
○参考人(今井栄文君) 実は、空港の基幹施設についての基本計画は政府から御指示をいただいておるわけでございまして、しかも、その政府の御指示による計画を私どもとしては骨子にして土地収用法の事業認定を受けておるわけでございまして、私どもの一存で計画を変えるということは、実際問題としてはできないのであります。
○瀬谷英行君 それでは政府側の答弁をお伺いしたい。
 公団とすれば、政府の方針にのっとってやっているのだということです。したがって、地元でもっていかなる話を持ってきても、いままでの方針を変えるわけにいかないということになると、政府としては地元と話し合いをする場合に、既定の計画にのっとった範囲内での話し合いならばするけれども、それ以外の、たとえば設計を変更するとかあるいは計画を変更するといったような話し合いはもう一切応じられないということになるのかどうか、その点を明らかにしてもらいたい。
○政府委員(内村信行君) 空港計画に変更の余地ありやいなや、こういう御質問でございます。この点につきましては、この成田の新空港の計画は相当練りに練ってつくったものでございますから、そう簡単に変えられるとは思っておりません。しかし、その内容によりまして、若干変更をしても本来の機能というものに支障がないという程度のものならば、私個人として考えますれば、あるいはそれも可能でございます。程度の問題かと思います。
○瀬谷英行君 そう簡単に変更できないとおっしゃいましたけれども、当初は、これは富里だったですね、当初の予定地は。富里が問題になって、そして閣議で今度は三里塚に変更になった、この辺は、われわれが見た感じでは簡単に変更したような感じがするわけです。だから、こういったような変更をいままでやってきておるわけですね。しかも、いま立てこもっている地域というものを見ますと、国有地、御料牧場であるとかあるいは県有地あるいはゴルフ場と、こういうところもありますけれども、こういうところだけではどうしても予定どおりには地形的にいかないようになっているんですね。そうすると、どうしても現在の立てこもっている人たちを排除しなければこの既定計画というものが実行できないようになっておる。それをいままでの御答弁では、何とか納得をしてもらいたい、それを期待をするという意味の御答弁だけなんです。だから、そうなると、何としてもこれは譲歩できないということは、言うことは聞けないということは、反対側からいった場合には一しかも死傷者を出さない、こういう方針だということになれば、いつまでたったってこれは工事は進捗しないということになるのではないか、それは議論の余地はないだろうと思うのであります。その場合、政府としては一体どうするつもりなんですか。
○政府委員(内村信行君) この空港の問題でございますけれども、私どもといたしましては、極力話し合いによって解決していくということを望んでおるわけであります。したがいまして、今度の反対という意見が、こうしてくれれば反対しない、こうこうしてくれれば譲るであろうとか、こういうふうないわゆる条件闘争であれば幾らでも話し合いの余地はあると思う。しかし、絶対反対である、ここに空港をつくるのは絶対反対である限りにおいては、絶対に立ちのかないということでは何とも話しようがないわけでありまして、そういうことになると、この空港そのものの位置を変えるということよりほかないわけであります。これは不可能ではないか、ということは、先ほど来お話し申し上げておりますように、今度の全体の千六十五ヘクタール、これは用地でありますけれども、その中で民有地は六百七十ヘクタールでございます。その中ですでに買収の済んだ五百八十四ヘクタール、これは率にしますと八七%であります。この一期工事について見ますと、二百八十二ヘクタールのうちの二百七十五ヘクタール、これは九八%であります。したがいまして、全体の民有地の所有者の中でほとんど大部分の方が賛成していただいている。ほんのわずかな方のためにこの場所を変えるというふうなことになると、これはしょせんどこに持っていっても空港はできないということにならざるを得ないわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、また公団といたしましてもそうでありますが、できるだけ話し合いをいたしましてこれまで日を重ねてきたわけであります。これで話し合いがつけばよかったのでございますけれども、どうしても話し合いがつかないということで、やむを得ずして代執行というふうに踏み切ったわけでございます。したがいまして、これが条件闘争にならざる限りこれを話し合いで解決するのは非常に困難だとは思っています。しかし、最後まで話し合いということはあきらめたわけではない。そこで、最後まで代執行の手続はとりながら、その反面、話し合いの場というものは広げておいて、どこまでも話し合いの解決がつく限りはそれにも努力しようと、こういうようなことでございますので、そういった真意をどうぞおくみ取りいただきたいと思います。
○瀬谷英行君 運輸大臣が関西の空港のことについて、これは海上埋め立てをして関西の空港はつくるのだ、こういうことを言っておられるわけです。それは今回の成田空港でもってこりたからということじゃないかと私は思うのです。そうでなければ、いろんな案があるのですから――淡路島を使って橋をかければいいとか、いろんな話が出ておりますからね。その海を埋め立てをするという方法を関西で考えるならば、この東京の国際空港だって初めから海岸を埋め立てたならばいいんじゃないのか、それは技術的に可能じゃないのかといったような論議は、何年か前に富里が問題になっておったときに、当時の運輸委員会でわれわれやった記憶がある。東京湾を埋め立ててつくったならばこんな問題は起きなかったのじゃないかと思うのです。関西でできることを、大阪湾でできることを東京湾でできないなんていう理屈はないと思うのです。そうすると、やはりこれは運輸大臣自身が失敗だったなというふうに内心思ってるのじゃないかというふうに私は推測するのです。
 で、将来の問題ですけれども、こういうことをやっておりますと、当面の問題として代執行が成功するというふうに思うかどうかですね。これは代執行をやって何とかしてものにしようと、いまされておりますけれども、それはちょっとわれわれが見るところ、これは代執行が成功する可能性はないと。なかったならば、これは鳴くまで待とうホトトギスじゃないけれども、気長に待ってもらう以外ないわけですね。地元の人が考え方を変えるまで待つほかない。それでもなおかつどうにもならなかったという場合には、これは空港の計画だけじゃなくて、空港に伴う道路の問題、あるいは新幹線の問題そういう問題も全部これは考えなければならぬことになってくるわけでしょう。その点は一体どのように処置をされるのか。どっちみち、空港が予定どおりできたって、新幹線なんかは間に合いっこないのですからね。だから、そういう点で関連事業等を考えたならば、その見込みは、ないものはないように、あるならあるように、そろそろいろんな場合に対処して考えておく必要があるんじゃないのですか、その点はどうですか。
○政府委員(内村信行君) 私どもといたしましては、何とかして成田空港が早くできるように万全の努力を尽くしたいと思います。
○藤田進君 この際私は、先ほど来の質疑応答を聞きまして、ぜひ委員長並びに理事間でも御協議をいただきたいと思いますが、多くの問題点が知事ないし建設大臣等にわたっておりますので、本委員会は早い機会に建設大臣、運輸大臣、それに公団総裁はもとより、当該県知事、それに国家公安委員長さらに警察庁長官、これらの御出席をいただきまして審議を深めていきたいと思います。
 本委員会は、いま本件に関する過去のいろいろな経過を調査してみますと、昭和四十一年五月十二日に、江藤委員長のとき、地元新国際空港関係の建設同盟連合会副会長の高木さん、これは賛成、と当時マークしてお呼びしております、同じく久保忠三さん、これは反対同盟副会長です、以下五名の直接関係しておられる同盟、賛否含めて、参考人として御出席をいただき、調査を進めております。その際に関係官省は出席をされております。すでに、四十一年五月十二日といいますと、およそ五年前ですが、事態はここまで五カ年の経過をみましたので、ぜひ国会、参議院運輸委員会として、この事態をこのまま黙過していくわけにもいきませんので、現地のなまなましい実情を調べつつ、円満なる、また有効な解決ができるように私どもとしても取り計らいたいと思いますので、委員長におかれても十分ひとつ御検討をいただき、これが実現をおはかりいただきたいと思います。
○委員長(鬼丸勝之君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(鬼丸勝之君) 速記を起こして。
 ただいまの藤田委員の申し出につきましては、後刻理事会において十分検討いたしたいと思います。
○瀬谷英行君 それでは、いま藤田委員から御提案がありましたが、問題は、これは法律論あるいは行政上のテクニックの問題ではない、こう思いますし、それから万一にも血を流すようなことになりますと、これはもう修羅場になってしまうと思うのです。もうどうにもこうにもならなくなる。したがって、このエキサイトしている段階でそういう修羅場になるような挑発的な行動をしないように厳に慎んでいただいて、このところは慎重を期していただきたいと同時に、審議の面におきましても、いま藤田さんから御提案がありましたように、いろいろな関係大臣等にも出席をしてもらいまして、じっくりとこの問題を取り上げることを委員長にも期待をいたしまして、一応この問題についての質問を終わりたいと思います。
○委員長(鬼丸勝之君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
○委員長(鬼丸勝之君) 速記を起こして。
 暫時休憩いたします。
   午後二時二十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時十二分開会
○委員長(鬼丸勝之君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
 理事会の結果について御報告申し上げます。
 ただいま成田問題につきまして今井公団総裁から、きょうの状況では不測の事態は起こらないとの説明がありました。
 先刻の藤田委員の発言につきましては、明日以後の事態の推移を見た上であらためて理事会を開き、善処いたしたいと思います。
 今井総裁から発言を求められておりますので、これを許します。今井総裁。
○参考人(今井栄文君) 本日の状況について御報告申し上げたいと思いますが、きょうは十一時十五分に代執行実施班を出すという指示が出まして、ただ、きょうは非常に天気が悪いので洞穴には一切手を触れない、不測の事態が発生しないようにという県当局の指示がございました。したがって、実施班も洞穴に近寄るというふうなことは本日はいたしておらないはずでございます。
 それから、なおその後の情報でございますが、一時十七分に、六つの地点のうち第一の地点でございますが、これは全く雑木地でございまして、横穴、縦穴等全然掘ってない部分でございますけれども、これについての作業、これは主として立ち木の伐採でございますけれども、作業を終わりまして、代執行者――県から公団に土地の引き渡しがあったという報告を受けております。
 それから、第二、第三となりますと、先ほど申し上げましたように、実際に洞穴が掘ってあるし、本日の天気でございますので、実施班のほうも、先ほどの県当局の指示にありましたように慎重に行動いたしておるというふうに確信いたしております。
 以上でございます。
○瀬谷英行君 総裁の発言は、不測の事態は起こらないということなんでありますけれども、これは仕事が知事に移っておりますので、起こらないということ、いわゆる推定ではなくて、起こさない、つまり政府の責任において不測の事態を起こさないという方針に徹してもらいたいと思うのであります。これは、大臣おりませんけれども、政府側にもその点をもう一度明確におっしゃっていただきたいと思います。
○政府委員(内村信行君) その方針でまいりたいと思います。
○瀬谷英行君 それじゃこの問題についての質問は終わります。
 鶴川団地におけるマイクロバスの自主運行の問題について質問いたしたいと思います。
 先般以来問題になっておりますが、鶴川団地では既設バスの運賃の値上げに反対をして、団地でもってバスを自主運行やっておるということなんでありますが、こういう例は他にいままであったのかどうか。それから、何が動機あるいはきっかけになってこのようなことが行なわれているのか。それから、その運行の実情ははたしてどういうふうに行なわれておるものか。だれが団地バスの責任者になっておるのか。そういう点について御説明願いたいと思います。
○政府委員(野村一彦君) お答えいたします。
 宅地開発等の増進に伴いまして、東京周辺のいわゆる団地と称する集団居住区が次々に造成されておりますが、その中でいわゆる自主運行――マイクロバス等によります自主運行というものがときおり行なわれておったわけでございますが、その中で一番長期的に行なっておりますのは、この鶴川地区でございます。
 鶴川地区の自主運行が起こりましたのは、直接の動機といたしましては、昨年の七月でございましたか、いわゆる団地住民の深夜の足を確保するという要望が前からあったわけでございます。そこで、東京陸運局といたしましては、現地の、現在バスを運行しております神奈川中央その他の関係の会社に話をしまして、結局、神奈川中央がその深夜バスの運行をやろうという計画をしておったわけでございますが、これが、深夜になりますと、特に片道輸送であって、駅から団地まで行ききりで、帰りの輸送がないということ、それからバス運行従業員等の夜間割り増し手当あるいは宿泊施設ということにコストがかかりますために、特別料金の深夜バスというものを実施したわけでございます。このときに、現地の住民の方の相当の方が深夜バス反対ということで、マイクロバスによる自主運行をされたわけであります。そこで、東京陸運局といたしましては、現地の住民の代表の方と話し合いをいたしました結果、そこに双方から歩み寄りが行なわれまして、普通バスの運行を十一時以前にやめておりましたのを十一時過ぎまでやる、現実には十一時十分まで普通のバスの深夜運行をやります、それから、それ以後におきましては、特別料金による深夜バスを運行するということで、一便運行をいたしております。これは当時、普通のバスの運賃が二十円、それから深夜のバスの運賃が六十円でございましたが、この六十円の場合に、団地の居住の方等が定期を持っておれば、それに四十円プラスすればいいということで、定期の通勤者の方には実質上四十円に値下げをした。それから普通バスの運行時間を繰り下げたということによりまして、団地の相当の部分の方はそれでもって、いわゆる認可された普通の深夜バスを利用されることになったわけでございますが、今年の一月末でございますか、武蔵相模地区のバスの運賃の改定が行なわれました。そのときに、神奈川中央並びに小田急バス――その付近を運行しておりますバス会社でございますが、これがほかの会社と同じように、従来一区二十円であったも一のを三十円に改定された。これが直接の動機だと思いますが、現地にバス値上げ反対の会というものが、鶴川地区の住民の方の一部にそういう会ができまして、そしてその会の方が、これは深夜ではありませんで、普通の日に、通勤あるいは通学の時間に運行をされておるわけでございます。
 その概要を申し上げますと、運行の責任者は鶴川バス値上げ反対の会という団体、もちろんこれは任意団体でございますが、そういう会でございます。それから使用している車は民間のレンタカー会社からのレンタカーを借りましてやっております。それから運転者は、これは東京運転代行会という会がございまして、そこの所属の運転者が三人くらいで交代で運転をしておるという状況でございます。利用方法は、正会員と準会員とありまして、正会員は月額千円で、正会員のメンバーになっております。準会員は乗車ごとに二十円のカンパを出すということで、そういう人は準会員だということで、いわゆる会員制ということで実施をいたしておるわけでございます。そこで、運行の回数でございますが、これは鶴川の団地六丁目から鶴川駅までの間でございまして、所要時間は約十分か十二分、実働時間は十三時間、運行回数はおおむね四十七回ということで運行をいたしております。
 それから御説明が前後しまして申しわけございませんが、基本的な要因といたしましては、私ども冒頭申し上げましたような、最近東京その他大都市の周辺における団地の急速な発達に伴いまして、住民の足を確保するために、いろいろバス路線網の再編成というようなことを現在行政指導をいたしておるわけでございます。たとえば通勤通学時を除いた昼間において、わりに閑散な都内の路線等を、できればこういう新興の住宅団地等に、同じ会社の路線であっても持っていくというようなことでもって輸送需要の実態に合った路線網の再編成をするように、それからまた、数社で重複しておるような路線におきましては話し合いをして、そして輸送需要にこたえながら、いわゆるオーバーラップしている部分を調整していくというようなことをやっていくことが必要であると考えまして、そういう行政指導をしておるわけでございます。現在までのところ、どちらかといいますと、住宅の急速な発達にそういう政策がついていけなかったということが一つの原因であろうかと思いますが、この点につきましては、現在、運輸政策審議会の都市交通部会等におきまして、大都市におけるバスのあり方という問題を論議いたしておりますので、早急にこの結論を得て、先ほど私が申し上げました大都市周辺におけるバスの問題につきまして抜本的な施策を講じたい、かように考えております。
○瀬谷英行君 自主運行という形でもってバスを運転をするということになると、既設のバスと自主運行バスとが競合して走るということになると思うのでありますけれども、その場合に、自主運行のほうのバスの運転者の給与であるとかあるいは労働条件であるとか、あるいは雇用契約、こういうものは一体どういうことになっておるのか。それから、こういう形態のバス運行の問題点としてはどういうことが考えられるのか、その点をお伺いしたい。
○政府委員(野村一彦君) 私ども、東京陸運局の担当者が課長以下現地に行きまして、そしてその反対の会の責任者その他の方と会いまして調査したところによりますと、先ほど申し上げましたように、運転者の方はこの団地の住民ではなくて、東京運転代行会、そういう団体がございまして、そこの運転代行会の運転資格を持った二、三人の方が交代をしながら行っているという状況でございます。したがいまして、その反対の会と運転代行会から派遣された運転者との間には雇用関係はございません。この運転者の方は運転代行会の所属という者でございまして、したがいまして、どういう賃金で、運転者の方がどこから給料をもらっているのか、あるいは代行会から何か手数料をもらっているのか、代行会に雇用されておるのか、そういう点につきましては、現在のところはっきりいたしませんが、要するに団地の方ではない。それから、代行会から指名といいますか、そういうかっこうで派遣をされておって、給料その他これに類するようなものは、団地のほうからはもらっているのかどうか、いまのところはっきりいたしません。
 労働の条件といたしましては、先ほど申し上げましたように、朝の六時十五分から――昼の十一時四十五分から十五時十分までの間を除きますと、非常に短いきざみで発車する自主運行時刻表というものを出しておりまして、朝の一番早いのが六時十五分、一番おそいのが二十一時五十九分というふうになっておりますので、往復運行回数が約四十七回、相当、労働の実態として見ればこれは問題のある労働条件ではないかと思います。
 それから、この自主運行のバスにつきましては、事実上及び法律上問題があると思います。
 まず法律上の問題について説明いたしますと、これは私ども、他人の需要に応じて自動車を用いまして、そして路線を定め、時刻を定めて定期的に乗り合いという方式で旅客の運送をやっておるものでございますから、道路運送法にいう、いわゆる一般乗り合い自動車運送事業ということになるわけでございまして、したがいまして、これは免許を得てその事業を行なわなければならないということで、法律上は道路運送法第四条のいわゆる無免許営業というふうに考えられるわけでございます。この点が法律的に私ども問題があるところだと思います。
 それから実態上の問題は、いまほど申し上げましたことをまとめて申し上げますと、第一に、運行責任の主体が明確ではございません。いわゆる反対の会というものがございますけれども、その反対の会というものは、責任者の名前はもちろんわかっておりますけれども、その会員が何名あって、どういう方なのかということがわかりませんし、会員とその責任者とのいわゆる管理監督の関係といいますか、そういうものが全然わかりません。ただ、団地に居住しているだろうと推定される方でありまして、それからまた、準会員と称する不特定多数の出入り常ならない方があるわけでございます。そういう意味で運行責任の主体が不明確である、これが第一点。それから第二点は、もし不幸にして事故等が起こりました場合に一体だれがその補償責任を持つかということにつきましていろいろ調査をいたしましたところ、その団地自治会なのか、あるいはレンタカーの会社なのか、運転者なのか、その辺が三者の話が時によりまた場合によって違いまして、私どもはもちろん反対の会の、会そのものといいますか、会長が責任を負うべきものだと思いますが、その辺が非常にあいまいでございます。それからその次は、こういう事業をやりました場合には、やはり運転者の労務管理面でも問題があります。
 そういう意味で、要するに私どもが一番憂慮するのは、もしこれで事故が起こった場合に一体だれが責任をとるのか、どう補償するのかというその責任体制、それから賠償能力、補償能力、運行管理等の体制が非常に不明確であるために、実際問題としてはたして安全運行が確保できるかどうか。したがいまして、先般、東京陸運局長から警告を発しまして、法律違反であるということ、それから法律違反もさることながら、とにかく安全運行という面から見て非常に懸念されるからすみやかにやめなさいという警告を発した次第でございます。
○瀬谷英行君 責任体制なり賠償能力という点について、これは何か内部的にきまりができておるのかどうか、その点はどうなんですか、調査をしてみましたか。
○政府委員(野村一彦君) 私ども、現地に東京陸運局の係官が調査に行きましたときに、反対の会としてはその運転者の人を雇用しておるんだということを申したわけでございますが、それでは雇用契約はどうなっていますか、具体的な雇用の条件はどうなっておりますかということを突っ込んで質問したわけでございますが、それについては、後ほどといいますか、それはあるんだけれども、後ほど説明すると言いながら、その具体的な雇用の条件なり雇用の契約というものは説明されておりません。そういう状況でございまして、それから賠償の件につきましても、これは反対の会と、それから運転代行会と両方に行きましたけれども、両方とも、どちらが賠償の責任の主体になるのかということについては、自分のほうだという確言を両方から得ていないという状況で、非常にその点が明確を欠いております。
○瀬谷英行君 運転代行会というのはどういう組織になっているのですか。
○政府委員(野村一彦君) 運転代行会といいますのは、これは私ども調べましたところでは、東京都の労働局に届け出まして、そして運転免許を持った方を何人かそのメンバーにして、そして役員が二人、事務員が三人、それから運転者としては専従の運転者が常時十人ほど、それからパートタイマーが五十人ほど、それから夜間のみのパートタイマーが百名、合計百六十名ぐらいの人がこのメンバーとして登録をされております。そして、こういうのは私ども労務供給業ではないかということで調べたわけでございますが、その点、私の所管ではございませんので専門的なことはわかりかねますが、私どもが調べた範囲では、東京都の労働局においては、これは人にかわって運転をするのだということで、そういう方がプールされておって、電話その他で要請があれば行って、その要請者の委任といいますか、委託を受けて運転をするということで、雇用関係ではないから、いわゆる労務供給業ではないということで、その限りにおきましては、いわゆる労務供給業としての不法な団体ではないようでございますが、そういう人にかわって運転をするという一つの新しい何といいますか、グループでございます。
○瀬谷英行君 何というのですか、ますらお派出夫会のような、そういう形のもので、そういう団体というのは現に相当数存在しているのですか。
○政府委員(野村一彦君) 私も正確な他の事例は存じませんが、この問題が起こりましていろいろ調査した限りでは――ほかにあるかと思いますが、東京都の労働局に正規に届け出まして、そこで認められたといいますか、正規に認められたものはこれが一番大きいと申しますか、大きいのではないかと思いますが、そのほか、どういう類似の団体があるかどうか、ただいまちょっと、私、調べがついておりません。
○瀬谷英行君 法律的には、こういうのは例がないということであればいろいろ問題があるのでしょうけれども、採算的にこんなことをやって合うのかどうかですね。この運転代行会がどういう形でもって金を受け取っているものだか、それから給与をどのようにして支払われて、あるいはその身分上の保障というようなものはどういうふうになっておるのか、そういう点ははっきりしているのですか。
○政府委員(野村一彦君) この運転代行会、私ども一が調査しましたところでは、結局、代行会に雇用契約書をもって雇用されているようでございます。そうして給与は料金の五〇%、交通費は料金の五%、計五五%ないし八〇%を払いまして、そうしてあとは代行会の会のほうに納めることになると思いますが、そういうことをやっておりまして、実はこの営業関係につきましては相当の、相当といいますか、民間の普通の会社あるいは事業所、そういうところと長期契約をして、そこに派遣をされて仕事をしているというケースもあるようでございます。それで入会金としては、このメンバーに採用されて、運転代行会のメンバーになる場合には、会費を三百円なら三百円ということで取るということになっておるようでございます。現在、鶴川団地との間でどういう契約になっておりますか、私どもの調査の時点では一日六千八百円、たしか鶴川の反対の会から支払いを受けるようになっておったようでございますが、現在の利用状況から見ますと、おそらく反対の会としては、その六千八百円を払うためには一日五、六百人乗らないと採算に乗らない、こういうように私どもとしては考えております。
○瀬谷英行君 大体現在どのくらい乗るか、わかりますか。
○政府委員(野村一彦君) 私どもの東京陸運局で調査いたしましたときには、二十九人乗りのバスに二十人以上は乗っておったように調査の結果なっております。
○瀬谷英行君 採算に合うのか合わないかということも問題ですが、採算に合わなかった場合にはやめてしまうということもあるのでしょうけれども、採算にもし合うとすれば続けるのかもしれませんが、警告を発したということでありますけれども、これから一体どうするつもりなのか、その点はどうなんでしょうか。
○政府委員(野村一彦君) 警告を発したわけでございますが、そのときには、代表者の方に東京陸運局においでを願って、東京陸運局長から警告書を発しまして、すみやかにやめるようにということを言ったわけでありますが、その際に、先方の方々は、われわれに警告を発したということについて抗議に来たのであって、警告文書は受け取らないということで、したがいまして、その場では交付できずに配達証明か何かで郵送をしたようでございます。で、その後、様子を聞いてみますと、時に運行をやめたり、時に運行したりして、非常に不定時に運行しているということでございますし、私ども、冒頭申し上げました安全性について非常に懸念されますので、東京陸運局からしばしば中止するようにという呼びかけ、これはあらゆる機会をとらえて呼びかけをしたいと思います。それと同時に、私どもは、その際にも、警告書にも書いてございますように、私どもの考えますような運行管理体制を明確にして、責任体制、経営体制を明確にして、そうして所定の申請をされるということであれば、私どもも一これは前向きに考えるのだと、何もそういうものをただやみくもに押えようとしているのではないということをよくお話ししたわけでありますが、現在までのところ、成規の手続をとってやるという空気も全然向こうの方にございません。なお当分こういうものにつきましてはやめるように勧告といいますか、警告を繰り返したいと思いますが、それでもやめない場合につきましては、よく東京陸運局長から事情を聴取いたしまして、また東京陸運局長の判断を尊重いたしまして、相当の処分をしなければならないと考えております。現段階では、まだ具体的に結論は、東京陸運局からの上申はございませんので、いま申し上げましたような態度でもうしばらく様子を見たいと思っております。
○瀬谷英行君 たとえば団地ができた、ところが団地と駅との間の交通機関が住民の要望があってもなかなか思うようにできないといったような場合、あるいは時間帯が非常に早いところ終わってしまって思うように利用ができないといったような場合に、既設のバス会社でなくとも、一応資本金だとかあるいは設備だとかあるいは要員だとか、そういった点をそろえて、それでバス運行ができるような条件がそろい、またかつ経営上もやっていけるといったような場合には、既設の業者にとらわれずに運輸省としてはこれを認可をするといったようなことはあり得るのか、あるいはまた、そういう例があるのかどうか、これをお伺いしたいと思います。
○政府委員(野村一彦君) 大都市周辺の深夜バスの輸送につきましては、まず私どもが現在やっておりますのは、私のほうから地方の陸運局長に対し、また各バス業界を通じまして、各バス事業者に対しまして次のようなことを指示いたしております。すなわち、他に大量輸送機関のないバス路線については、原則として鉄道の終電に接続する時刻までバス輸送を確保するようにつとめなさい、それが第一点でございます。第二点としては、その場合にはおおむね二十三時までは普通の路線バスの時間を延長をしなさい、これは相当の努力を要すると思いますが、できるだけそういうことをやりなさい、それから第三は、二十三時以降であって、通常のバス路線の時間延長ではコストから見て困難なものについては、さきに鶴川で申しましたような特別料金もやむを得ないではないか、しかしその場合も定期の所持者に対しては特別の配慮をしなさい、そういうことでございまして、極力こういうことで住民の足の確保につとめたいと思います。しかしながら、こういうふうなことをやりましてもなお住民の足が確保されないという場合に、いま先生おっしゃいましたような、法律で定める要件を具備した新しい申請があるということでありますれば、これに対しては十分審査の上、前向きに対処していくという方針でございます。現在までのところ、そういったいわゆる専門家と申しますか、本来の事業者でない方がこういうかっこうで申請をしているという点は現在までのところまだございません。
○瀬谷英行君 じゃ今後の問題としては、たとえばこの鶴川団地の場合警告を出したということでありますけれども、これはまあ成規の手順を経て、そして責任体制が明確になった場合は、これは運輸省としてもこれを正式に認可をするということはあり得るということなんですか。
○政府委員(野村一彦君) 責任体制が明確という御表現でございますが、私ども、道路運送法第六条の免許基準に該当するという場合には、これを免許するということにやぶさかではございません。ただ、場合は二つございまして、バス事業として第六条に基づく免許をするということと、それから、これは小規模の場合でございますが、自家用自動車の共同使用という第百条の規定がございますが、これに実態が合致する場合にはその方式でやるということもありますが、いずれにせよ、免許基準なり許可の基準から見まして、それに該当するものであればこれを認めるということにやぶさかではございません。
○委員長(鬼丸勝之君) 本日の調査はこの程度にとどめておきます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十四分散会