第065回国会 決算委員会 第3号
昭和四十六年二月十九日(金曜日)
   午前十時七分開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         森 元治郎君
    理 事
                初村瀧一郎君
                和田 鶴一君
                渡辺一太郎君
                和田 静夫君
                二宮 文造君
    委 員
                熊谷太三郎君
                佐田 一郎君
                田口長治郎君
                中山 太郎君
                長屋  茂君
                温水 三郎君
                前田佳都男君
                矢野  登君
                若林 正武君
                小林  武君
                沢田  実君
                村尾 重雄君
   政府委員
       人事院事務総局
       任用局長     岡田 勝二君
       総理府人事局長  宮崎 清文君
       文部大臣官房長  安嶋  彌君
       厚生大臣官房長  高木  玄君
       農林大臣官房長  太田 康二君
       建設大臣官房長  大津留 温君
       自治政務次官   大石 八治君
       自治大臣官房長  岸   昌君
       自治大臣官房参
       事官      佐々木喜久治君
       自治大臣官房会
       計課長      内山 鉄男君
       自治省行政局長  宮澤  弘君
       自治省行政局公
       務員部長     山本  明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤 忠雄君
   説明員
       防衛庁経理局施
       設課長      蔭山 昭二君
       大蔵大臣官房秘
       書課長      長岡  實君
       農林省農地局管
       理部長      堀川 春彦君
       農林省農地局建
       設部長      杉田 栄司君
       自治大臣官房総
       務課長      林  忠雄君
       会計検査院事務
       総局第一局長   中村 祐三君
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  本日の会議に付した案件
○昭和四十三年度一般会計歳入歳出決算、昭和四
 十三年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十三年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十三
 年度政府関係機関決算書(第六十三回国会提出)
○昭和四十三年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第六十三回国会提出)
○昭和四十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第六十三回国会提出)
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○委員長(森元治郎君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 昭和四十三年度決算外二件を議題といたします。
 本日は自治省の決算につきまして審査を行ないます。まず、自治省の決算の概要説明を聴取いたします。大石自治政務次官。
○政府委員(大石八治君) 昭和四十三年度における自治省所管の決算につきまして、概要を御説明申し上げます。
 一般会計の歳出決算につきましては、歳出予算現額は、当初予算額一兆一千三百八十六億六千九百三十万円余、予算補正追加額七百三十五億八千三百四万円、予算補正修正減少額五億六千二百九十七万円余、総理府所管から移しかえを受けた額一千百六十四万円余、前年度繰り越し額一億一千五百七十四万円余、予備費使用額二億百二万円余、合計一兆二千百二十億一千七百七十七万円余でありまして、これに対し、支出済み歳出額は一兆二千百十七億七千三百九十二万円余で、差額二億四千三百八十五万円余を生じましたが、この差額のうち翌年度繰り越し額は一千二百八十四万円余、不用額は二億三千百万円余であります。
 以下、支出済み歳出額のおもなものにつきまして、御説明を申し上げます。
 まず、地方交付税交付金でありますが、歳出予算現額は一兆一千六百五十九億二千四十一万円余、支出済み歳出額は一兆一千六百五十九億二千四十一万円余でありまして、全額支出済みであります。この経費は、昭和四十三年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額の合算額に過年度精算額を加算した額から、昭和四十三年度の特例措置による減額分を控除した額に相当する金額を、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れたものであります。
 次に、特別事業債償還交付金でありますが、歳出予算現額は九十億円、支出済み歳出額は九十億円でありまして、全額支出済みであります。この経費は、公共事業費等特定の事業費の財源に充てるため昭和四十一年度において特別に発行を許可された地方債の昭和四十三年度分の元利償還金のうち、普通交付税の交付を受ける地方団体分として算定ざれた額に相当する金額を、交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れたものであります。
 次に、奄美群島振興事業費でありますが、歳出予算現額は十六億六千三百六十八万円余、支出済歳出額は十六億六千三百六十万円余、不用額は八万円余となっております。この経費は、奄美群島の急速な復興をはかるため及び住民の生活の安定に資するため、同群島における主要産業の振興、公共土木施設の整備等の振興事業の実施に要する経費について補助するために要したものであります。
 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金でありますが、歳出予算現額は十九億円、支出済み歳出額は十九億円で、全部支出済みであります。この経費は、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し交付したものであります。
 次に、交通安全対策特別交付金でありますが、歳出予算現額は百二億三千六百三十六万円余、支出済み歳出額は百二億三千六百三十六万円余で、全額支出済みであります。この経費は、交通安全対策の一環として、反則金にかかる収入額に相当する金額を、道路交通安全施設の設置に要する費用に充てさせるため、都道府県及び市町村に対し、交通安全対策特別交付金として交付したものであります。
 次に、小災害地方債元利補給でありますが、歳出予算現額は十八億八千二百十万円余、支出済み歳出額は十八億七千二百一万円余、不用額は一千九万円余でありまして、この経費は、公共土木施設、農地等の小災害にかかる地方債の昭和四十三年度分の元利償還金の全部またはその一部に相当する額の元利補給金を関係地方公共団体に交付したものであります。不用額を生じましたのは、元利償還金が予定より少なかったため、これに対応する元利補給金を必要とすることが少なかったことによるものであります。
 次に、市町村民税臨時減税補てん債元利補給でありますが、歳出予算現額は九十八億七百五十四万円余、支出済み歳出額は九十八億六百七十六万円余、不用額は七十八万円余でありまして、この経費は、市町村民税の課税方式の統一等に伴う市町村民税の減収を補てんするために起こした地方債の昭和四十三年度分の元利償還金の三分の二に相当する額の元利補給金を関係市町村に交付したものであります。不用額を生じましたのは、元利償還金が予定より少なかったため、これに対応する元利補給金を必要とすることが少なかったことによるものであります。
 次に、地方公営企業再建債利子補給でありますが、歳出予算現額は十六億四千九百七十四万円余、支出済み歳出額は十六億四千九百六十三万円余、不用額は十万円余でありまして、この経費は、地方公営企業の財政再建を促進するため、再建企業を経営する地方公共団体が起こした財政再建債の利子の一部に相当する額の利子補給金を当該地方公共団体に交付したものであります。不用額を生じましたのは、利子の支払い額が予定より少なかったため、これに対応する利子補給金を必要とすることが少なかったことによるものであります。
 次に、参議院議員通常選挙費でありますが、歳出予算現額は五十億一千九百六十二万円余、支出済み歳出額は四十八億七千九百四十一万円余、不用額は一億四千二十一万円余となっておりまして、これは、昭和四十三年七月に執行されました参議院議員通常選挙に要した経費であります。不用額を生じましたのは、立候補者が予定より少左かったこと等によるものであります。次に、消防施設等整備費補助でありますが、歳出予算現額は十四億一千五百五十七万円余、支出済み歳出額は十四億六百八十六万円余、翌年度繰り越し額は八百九万円余、不用額は六十一万円余となっておりまして、この経費は、消防施設等の整備に要する経費の一部を関係地方公共団体に対し補助するために要したものであります。不用額を生じましたのは、補助事業費の精算の結果、消防施設等整備費補助金等を要することが少なかったためであります。
 以上が一般会計歳出決算の概要であります。
 次に、交付税及び譲与税配付金特別会計の決算につきましては、歳入予算額は当初予算額一兆二千九十一億一千四百二万円余、予算補正追加額七百三十五億八千三百四万円、合計一兆二千八百二十六億九千七百六万円余でありまして、これに対し、収納済み歳入額は一兆二千八百四十九億八千八百五十四万円余となっております。
 また、歳出予算現額は当初予算額一兆二千九十一億一千四百二万円余、予算補正追加額七百三十五億八千三百四万円、昭和四十三年度特別会計予算予算総則第十一条第一項第七号の規定による使用額十億四千五百九十七万円余、合計一兆二千八百三十七億四千三百三万円余でありまして、これに対し、支出済み歳出額は一兆二千百五十一億四千五百八十一万円余で、差額六百八十五億九千七百二十二万円余を生じますが、この差額のうち、翌年度繰り越し使用額は六百八十四億一千二百四十五万円余で、不用額は一億八千四百七十六万円余であります。
 支出済み歳出額のおもなものは、第一に、地方交付税交付金一兆一千百六十五億七百九十五万円余でありまして、これは、地方団体の基準財政需要額が基準財政収入額をこえる場合にその財源不足額に応じて必要な財源を、また災害復旧その他特別左財政需要等に対し必要な財源を、それぞれ地方公共団体に交付したものであります。
 第二に、地方譲与税譲与金七百九十六億百九十七万円余でありますが、これは、この会計の歳入となる地方道路税、石油ガス税及び特別とん税の収入額に相当する金額を、それぞれ地方道路譲与税譲与金、石油ガス譲与税譲与金及び特別とん税譲与税譲与金として関係地方公共団体に譲与したものであります。
 第三に、特別事業債償還交付金九十億円でありますが、これは、一般会計において申し上げましたように、特別事業債の昭和四十三年度分の元利償還金のうち、いわゆる交付団体分に相当する金額を、当該地方団体に交付したものであります。
 以上、昭和四十三年度自治省所管決算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○委員長(森元治郎君) 次に、自治省の決算検査の概要説明を聴取いたします。
○説明員(中村祐三君) 昭和四十三年度自治省の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○委員長(森元治郎君) それではこれより質疑に入ります。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
○和田静夫君 きょうは委託費等の問題と、それから三重県の、ミサイル基地建設に伴う問題、それから熊本県の河浦町における羊角湾地域開発計.画と漁業補償などをめぐる若干の疑問、それから直江津、高田の都市合併に伴う自治のあり方について順次質問をしたいと思います。
 委託費等の問題でありますが、自治省からいただきました資料に基づきますと、財団法人の地方財務協会関係が載っていないんです。この地方財務協会関係というのは、委託費の関係ではどういうことになりますか。
○政府委員(岸昌君) 地方財務協会に対しまして、自治省から国庫予算といたしまして委託費は支出いたしておりません。
○和田静夫君 そうしますと、自治省関係の資料の頒布等が一手に地方財務協会を通じて行なわれていますね、これは。
○政府委員(岸昌君) 地方財務協会は、地方公共団体を会員といたしまして設立されておるわけでございまして、そういう地方公共団体の会費を基礎にいたしまして、地方公共団体の共通の利益のためにそういう資料を頒布いたしておるわけでございます。自治省からそれを委託して、その結果として頒布いたしておるわけではございませんので、御了承いただきたいと思います。
○和田静夫君 そうしますと、地方財務協会と自治省の関係では、金銭上の関係は一つも生じていない、こういうふうに理解しておいてよろしいですか。
○政府委員(岸昌君) さようでございます。
○和田静夫君 もう一つだけお聞きをしますが、地方公務員制度研究会、あるいは財団法人国土計画協会、広域市町村圏振興計画策定協議会、社団法人世論科学協会などいろいろありますね。ここに支払われている金額の積算の基礎です、ひとつ教えていただきたい。同時に、社団法人世論科学協会とはどんな性格なものですか。
○政府委員(岸昌君) ただいま手元に積算の基礎に関する資料がございませんので、後刻御報告いたしたいと思います。
 左お、世論科学協会の定款その他につきましても、ただいま手元にございませんので、これも後ほど御報告申し上げたいと思いますが、これはここにございます調査研究の委託は、あるいは自治意識の実態調査の委託は、いずれも国の予算として認められました範囲内におきまして、それぞれその目的を達します土に最も適当な研究団体あるいは公益法人というものを検討いたしまして、その結果、その目的を達するのに適当と思われますものに委託をいたしておるわけでございます。これはそれぞれの本来的に別個の目的で存在いたしておる諸団体でございます。
○和田静夫君 優良自治団体を表彰するという制度は自治省ございますか。
○政府委員(宮澤弘君) 現在、格別そういう制度はございません。
○和田静夫君 そうすると決算書の中にあらわれています表彰費は自治団体等を表彰するものとは関係ございませんか。
○政府委員(宮澤弘君) あるいは、後ほど担当のほうからお答えをするのが適当かと思いますけれども、決算書におそらくあらわれておりますのは、たとえば優良な税務職員を表彰するというような、職員についての表彰の経費ではなかろうか、こういうふうに思います。
○和田静夫君 熊本県の天草郡の河原町長ですがね、実はこれ、たいへん左町長であります。一部の町民の間からは暗黒政治などということばさえ出てきているわけですが、その具体的な内容を、漁業補償問題左どの取り扱いとの関連で二、三お尋ねをしておきますが、河浦町長――河浦町のいわゆる町長の人事の管理面からまず尋ねます。公務員部長と最近地方行政委員会を通じて私は何度か意見の交換を行なっていますが、この問題以外でですね、あなたの考え方はよくわかっているつもりでいます。そこで、人事管理の問題についてことで再び議論をするつもりはありませんが、この町長の職員組合に対する前近代的な感覚、これはもうたいへんなものであります。まあ一つ一つ実例をあげますと切りがありませんが、そこに明確な法違反も出てきておりますので、まず一つは調査の約束をしてもらいたいと思います。それは、四十四年の七月、ここに職員組合が結成されました。すると、直ちに妨害に入って、四十四年の十二月十二日には町長みずからが組合脱退趣意書と脱退届け出用紙を全組合員に配付をして、そしてみずから出張所や保育所などに出向いていって脱退勧誘を行なっているのであります。そして、明白な給与上の差別を行なっております。そればかりじゃありません、一方では給与上の操作を通じた利益誘導、昨年十一月二十五日再選に伴って、町長の就任式において、組合活動が理由であることを明白にして二人の職員を不当に配置転換させた。自治省は、この河浦町の町長の人事管理について今日までお調べになった結果では、どのよう左判断をお下しになったか、まずお聞きしたいと思います。
○政府委員(山本明君) 河浦町の問題につきましては、脱退勧誘とかあるいは給与上の差別の問題というのは、実はただいま伺ったわけでございますが、昨日自治労の書記長が参りまして、昨年の十二月の二十八日に全町的な定期人事異動を発令をした、その際に元書記長の若杉というのと元財務部長の池田という二人を、出張所のほうに異動をしてしまった、これは労働組合活動をしておるから、有力な分子だからといって不当に配置転換をしてしまったのではないかということでお話が私のところにまいりまして、さっそく熊本県を通じましてその事実を調査をしたわけでございます。それによりますと、一月の十八日に若杉というのと池田というのが、町長あてに不利益処分の理由書の交付を要求をしたそうでございますけれども、町長は不利益処分ではないということで処分理由書の交付はしない、そこで、二月に入りまして自治労の幹部の方が町長と会いまして、そして本庁から出張所への今回の人事異動は不当であるから白紙撤回をしてくれということが一つと、それから従来から組合役員を異動させるときには事前に組合側と話し合うことになっておる慣例があるので、その慣例をやらなかったことは組合弾圧だと言って組合から要求をしたようでございます。それに対しまして町長は、すでに六カ月前から本庁、出先を含めて異動をするということを言っておるから、組合活動をしたからといって報復的にその異動をしたのではない。それから従来から組合役員異動の際には事前協議をするという慣行が組合はあると言うが、自分の町ではそういうものは存在しておらない。なお、二人は一年前に組合役員を辞任しておるので、自分は組合弾圧をやってるつもりはない。こういうような報告がまいったのでありますけれども、若干内容的にはいろいろ調査をしてみなければならない点があるわけでございます。それらと、ただいま御質問がありました脱退勧誘の動きだとかあるいは給与上の差別をして利益誘導をしたというふう主点につきましては、もう少し時間をかしていただきまして調査をしたい、このように考えております。
○和田静夫君 いまこの熊本県を通じてあがってきた報告というのは、ずいぶんわれわれが得ているところのものとは違うわけですね。公にたくさんの宣伝物が町長に対して出されていますから、これはそんな、何といいますか、事実無根のことを捏造をして町民に訴えるなどということが行なわれることはないはずでございますから、そういう意味で非常に非民主的な行政というものが行なわれている事実はたくさんあります。きょうはここではこれ以上深追いをいたしませんが、いまお約束になりましたように、調査をしていただいて、後刻その措置等についてお聞かせを願いたいし、同時に、私が述べたよう女形で事実が存在をしているという調査結果になった場合には、それらに対して具体的左行政指導等の措置を当然伴うと思うのですが、それをやってもらう。よろしいでしょうか。
○政府委員(山本明君) 先ほどもお答えいたしましたように、きのうからの話を聞いたわけでございますので、十分な調査はまだできておらぬわけでございます。十分左調査をいたしまして、もしそういう事実があるとするならば、われわれといたしましては十分な指導をしてまいりたい。そして労使間が正常な関係で運営がなされるようにいたしたい、このように考えております。
○和田静夫君 次に、同町と牛深市にまで及んでおります羊角湾の開拓事業をめぐる漁民その他に対する補償の問題、特にこの漁業補償の問題は、何か不正事件をさえ思わせるものがありますが、具体的に指摘をしながらお聞きをしたいと思います。
 まず、農林省から、羊角湾開拓事業の概要を説明してください。
○説明員(杉田栄司君) 羊角湾の開拓事業について御説明申し上げます。
 羊角湾の開拓事業と申しますのは、御承知のように、天草島は非常に小さい土地、いわゆる耕地と水の資源の乏しいところでございますので、山を開拓いたしまして主としてミカンを植栽し、なお既設の畑等もございますので、その畑等にもかんがい施設をつくり、そしてこの地帯はいわゆる常襲干ばつ地帯でございますので、そういう常襲干ばつを解消するために羊角湾の奥の一部を締め切りまして、二百三十八ヘクタールの淡水湖を造成をいたします。そしてここにできました水をいま申し上げましたミカン畑九百七十七ヘクタール、既設の畑三百十八ヘクタールにかんがいする。なお締め切りました淡水湖の一部百四十九ヘクタールに干拓地を造成するということが中角湾開拓事業の概要でございます。
○和田静夫君 羊角湾周辺のミカン園ですね、あのミカン園への入植の希望者が非常に悪いようですね。その状況は把握をされておりますか。
○説明員(杉田栄司君) 現在の開拓事業は昔の旧制度の開拓と違いまして、入植という方法をあまりとっておりませんので、いわゆる地元増反方式という形になっております。したがいまして、主として現在存在する農家が自分の樹園地をふやすという方向でミカンの果樹園を経営していくということになると思います。
○和田静夫君 いまの答弁は、かなり違っていませんか。
○説明員(杉田栄司君) 入植は、いま申し上げましたようにございません。
○和田静夫君 地域開発計画に基づいて干拓を行なう。そして農林省との関係では漁業補償等の問題、まあ後ほど触れますが、それとの関係で、そこを含んで当初はこれはおそらく水田等計画されたのだと思うのですがね。しかし、まあ農林省は見通しを誤って、減産対策に入っておりますから、急遽、イグサやら、あるいはレンコンやら、あるいはミカンやら、こういうことになってきた。したがって、どうしてもそこへのいわゆる入植希望者をつのらなければならないという結果――これは農林省の責任になるかどうかは別問題ですよ――そういう状態の中で、そこでもってミカン栽培に従事しようというそういう希望者というのはほとんどいない、こういう状態がずっと出ているでしょう。開発計画書見てみてもこの色塗りのところが全部ミカン畑ですわね。そういう事実については農林省は御存じありませんか。
○説明員(杉田栄司君) ミカンの新植が非常にふえまして生産量がふえておりますけれども、農業といたしましてはまだまだ成長する部門でございます。そしていま申し上げましたように、ミカンにつきましては増反でございますから、当然その自分の造成されました樹園地に出て耕作する、あるいは管理するということになるわけでございます。御承知のように、イグサ、レンコンというのは、主として低湿地、干たく地のほうでイグサ、レンコンをやるという計画になっております。これはもちろん当初は水田造成を計画した時代もございます。いまのような、今日のよう左情勢でございますので、それにかわる作物といたしまして非常に成長性のありますイグサ、レンコンが植えられるということになっておるわけであります。
○和田静夫君 ここの開拓パイロット事業が始まったのはいつですか。
○説明員(杉田栄司君) 四十三年に計画設計をやりまして、四十三年の十月にいわゆる樹園地のほうの造成を主とする農用地開発事業にかかっております。なお同時に、締め切り干拓のほうには翌年、四十四年の十月に着手しております。
○和田静夫君 この約十年前から始まって、それで、たとえばミカンについても町長は、まあさまざまの形で圧力をかけながら農民に対する強要をする、で、地質の適や不適なんてものを全然問題にしない、販路の問題についても労働力の問題についてもほとんどまあ無計画、無思想、こういう状態なんです。
 それで、昭和四十九年までにこの事業は終了をするわけですね。
○説明員(杉田栄司君) 御質問のとおり、四十九年に終了する予定でございます。
○和田静夫君 不動産屋がね、そこを買い占めたりするようなことはありませんでしょうね。
○説明員(杉田栄司君) 事業計画によって樹園地なりあるいはまた農地が造成を予定されておりすすところにつきましては、そういう不動産屋等によって買い占められるということはございません。
○和田静夫君 この事業によって淡水湖になろうとしている部分に、御存じのとおりあのパールナイロンという会社が廃液を流していますね。で、その部分の魚介類にはすでに非常な影響が出ています。住民は非常な不安を持っている、こういう状態になってきています。ここで水俣病の二の舞いを踏まないとだれも断言できない状態があらわれてきています。そこで、これはいま答弁ができれば答弁をしてもらいたいんですが、その実態はおわかりですか。
○説明員(杉田栄司君) 御質問のパールナイロンというのは初めてでございまして、お答えできないと思います。
○和田静夫君 それじゃこれは関係省庁に連絡をとって、早急にこの会社の廃液の成分、それから法規範順守の有無を調査をして、私にその結果を提示してもらいたいんです。よろしいですか。
○説明員(杉田栄司君) 関係方面に連絡をとりまして調査して御報告申し上げます。
○和田静夫君 そこで、この事業に伴ってなされた漁業補償、その金額、日時、対象別に明確にしてください。
○説明員(杉田栄司君) 漁業補償につきましては、四十二年末から被補償者との間に交渉を開始いたしまして、以来約二年にわたる交渉の結果、四十四年九月以降にそれぞれ補償交渉が妥結いたしまして、契約締結をし、補償金の支払いを行なっております。内容を申し上げますと、崎津漁業協同組合、これが一番大きい湾内の区画漁業並びに共同漁業権の被補償者になるわけでございますが、契約が四十四年九月十六日でございます。契約金額が六千七百一万五千円、支払いが四十四年九月三十日でございます。それから小島万市という人に対しまして、それはイワシの機船船引網の漁業者でございまして、四十四年十月二十日に契約をいたしまして六百五十九万四千円、これ友十月二十七日に支払っております。それから同様な内容でございますが、出崎鈴馬さんという弁に四十四年十月二十日に六百三十八万四千円の契約金額で一応契約いたしまして、十月二十七日に同金額を支払っております。同じく同じ内容で山下下弥五郎という方に、四十四年十月二十日に六百五十九万四千円の契約をし、二十七日に同金額を支払っております。同様の内容で小方光義さんという方にやはり十月二十日に三百三十六万三千円で契約をし、十月二十七日に同金額を払っております。それから真珠の養殖の関係で宮下忠男さんという方に四十四年十二月二十二日に契約をいたしまして、百三万八千円を十二月二十四日に支払っております。それから九州真珠有限会社というところに四十四年十二月二十二日に一千二百三十四万三千円の契約で十二月二十四日に同金額を支払っております。同様に真珠養殖業者でございます。それから田中正成さんという方に四十四年十月八日に八十一万九千三百円の契約をいたしまして、二十日に同金額を払っております。これは主として海運の関係でございます。それから河浦町の農業協同組合に四十四年九月十六日に五十四万九千五百円で契約をし、十月二十日に支払っております。これは施設物の関係でございます。同じく河浦町の建設業組合というのに四十四年九月十六日に三十九万一千三百円で契約し、二十日に支払っております。これは同様に施設物の関係でございます。それから田中学という方、採石業の方でございますが、四十四年九月十六日に二百二十八万七千円を契約し、十月二十日に同金額を払っております。合計いたしまして件数十一件で、契約金額一億七百三十七万八千百円をそれぞれ申し上げました日付で支払いをいたしております。
○和田静夫君 損失補償というのは原則としてまあ海岸管理者、この場合は農林省と、損失を受ける個人と協議をして、それに基づいてその個人に対してなされるものではないですか。
○説明員(杉田栄司君) それぞれその補償する物権の内容によるわけでございますけれども、たとえば共同漁業権等の権利者が漁業組合等になっている場合には、その組合に対して支払われますし、また、漁業に伴う個人の所有物、たとえば船とかあるいは網とかというようなものに対する補償はそれぞれ個人に対して支払われるというのが原則でございます。
○和田静夫君 この河浦町の場合の経過をちょっと調べてみたんです。そうしますと、四十四年の三月二十六日、崎津漁協の臨時総会で五千六百万の補償額で妥結をした。一千万以上の食い違い、いまのあれとこの妥結額と違うんですね。そして、しかもこれは町長立ち会いで、記名採決で投票をして百二十五対五十八で、直接漁場を失う者とそれ以外の者との区別なしの補償として、少数の直接関係者を多数で押し切った。直接関係者は反対なんです。ところが、その直接漁場を失う諸君は反対をしていて、それと関係がない多数でもって押し切っている。直接関係者は五十名なんですよ。そうすると、こういう個人の補償というものを多数決できめられますか。
○説明員(杉田栄司君) 最初の金額の違いのほうは、時津漁業協同組合に対する一応の総額は六千七百一万五千円でございまして、その中身といたしまして、組合に対するものが一千万百円、それから組合員に対するものが五千六百一万五千円ということでございまして、金額には差がないと思います。この補償金額に対しましてお説のように交渉をしたわけでございますが、その際に、一般に漁業補償の場合には非常に多数になりますので、漁業協同組合等の総会等でいろいろ内容も説明をし、議論もしていただきまして、そして国との間に適正な補償額を双方で歩み寄りまして、また国の算出基準がございますので、それらの理解を深めて納得を得て組合の総会等で議決をして補償に応ずるというようなことをきめるのが一般でございます。なお、もちろんこの中には個人補償に属するものがございますので、それを多数決の方式で組合総会等で押し切るには問題があるわけでございます。しかし、まあ組合でいろいろ議論をいただくということは非常に適当なことでございますので、いま申し上げましたように一般的にそういう方法がとられておるわけでございます。で、この問題につきましては、反対者が三十六名と聞いております。この三十六名の方々は、この組合の議決そのものについて無効であるという主張がなされておるということも聞いております。したがいまして、中には補償金の受け取りを拒否する方も出てきておるという事実があるということも聞いております。
○和田静夫君 私はここに四十四年十月十日付の崎津漁業協同組合員永野広田、増田弘、西田吉信、出崎浅雄、永野林、木浦秀市、山下保、青木済利から牛深警察署長殿あてのある一種の調査依頼書をいただきました。ちょっと簡単ですから読んでみます。「昭和四十四年七月六日河浦町崎津漁業協同組合は臨時総会を開催致しましたが、その時の議事録に別紙朱線の通り私共組合員の知らない組合長発言が記載されてあり、更にこれを一同異議なく承認したと記載されて居りますが、この一件により、私共漁民は大いに迷惑を受け、生活権をおびやかされて居りますので、誰が、何んの為にかかる不実記載をやったのか、又この不実記載の議事録を承知の上で複写して或る種の契約に行使した者は公文書偽造行使にならないのか、私共にとって重大なる事件でありますのでどうぞ厳重に御調べ下さい」、こうなっております。まあ結果的にこれはいま裁判所で争われているようです。農林省はこの事実は御存じですか。
○説明員(杉田栄司君) いまお読みいただきましたそのものは承知しておりませんけれども、そういう争いがあるということは承知しております。
○和田静夫君 農林省は何年何月現在から向こう何年の補償ということでこの額を計算をしたんですか。
○説明員(杉田栄司君) これは漁業権につきましては消滅補償でございますので、永久補償でございます。ただ、算出に際しましては、きめられた適当な期間を根拠にして算出するということをいたします。漁業権の補償としましては永久補償でございます。
○和田静夫君 永久補償ですが、試算をする場合に一定の年限の見通しを積算の基礎としてお持ちになっているんですか、この場合は。
○説明員(杉田栄司君) 当然償却というようなものも考えますので、算出の際には数字があるわけでございます。実際いま手元に資料を持ち合わせておりませんので、後ほど御報告したいと思います。
○和田静夫君 これは、じゃ、あとで教えてください。そこで、漁場を奪われる人、反対派ですけれども、これは補償額二十四万円。ところが四十三年の十二月に死亡した町長の親類の方、これは二十八万円、同じく四十三年の十二月に死亡した親類の人、町長とね、これは二十八万円、四十三年の一月に死亡した町長の親戚の人十一万円、転出廃業を昭和三十六年にしたこれも町長の親戚の方六万円、こういう額になっているんです。漁場を奪われる一番深刻な状態にある人が二十四万円ですね。二十四万円で比率的には非常に少ない状態が出ているんですが、これはどういうことですか。
○説明員(杉田栄司君) 個人補償に属するものかあるいは漁業権にかかわるものか、その点よくわからないんでございますけれども、漁業権にかかわるものだといたしますと、内部の配分につきましては一括組合に補償をいたしておりますので、国のほうでは支払われる段階について十分わからないわけでございます。個人補償につきましては、これはそれぞれ積算の根拠がございますので、それをもとに支払われておるというふうに考えております。ただ、いまお話しのございました詳しい内容につきましては、資料もございませんし、内容もまだ承知しておりませんので、出先機関等に依頼いたしまして内容を確かめたいと思います。
○和田静夫君 私の調査結果は申し上げたとおりです。お調べになって返答いただきたい。よろしいですか。
○説明員(杉田栄司君) 調べまして御報告申し上げます。
○和田静夫君 そこで、自治省にお尋ねをいたしますが、昭和四十四年七月七日に、このことに関して臨時町議会が開かれております。前日の漁協総会を受けて町議会が開かれたわけですが、そして町が銀行から一億三百万円を借り入れ、そして補償金を立てかえることを議決した。そのときの予算書を全部持っていますが、これは地財法違反になりませんか。
○政府委員(佐々木喜久治君) 私どもが報告を受けておりますのは、漁業補償に備えまして、その支払いの時期が若干のズレがある。そういうことで、この漁業補償に伴いまして次の漁業対策等に要するつなぎ資金として、漁業補償金の支払いが行なわれるまでこの被補償者のほうに必要な資金を貸し付けをするという趣旨で予算に計上し、その資金を銀行から借り入れをしてこの漁業権の被補償者に貸し付けをしたというふうに聞いております。
○和田静夫君 それじゃ聞きますがね、四十五年の一月になって町長が臨時町議会を招集をして、今度は補正を組んでおります。そのときの予算書によると、なかったものにしてくれということで、この一億三百万円をゼロにしている。それに伴って交際費まで補正しているわけです。こういう財政運営というのは一体あるんですかね。現に銀行からは金が借りられる、そして利子も払われているわけですね。そしてこれは町長の手元に帳簿上のつじつまを合わせることができるだけの金がだぶついていたことを立証していませんか。しかも町は、やはり補償を受けた、さっき言った九州真珠有限会社、一千二百三十四万三千円の補償を受けたこの会社から五百万円の寄付をもらっている。その金は農政局からもらったと収入役は明らかに証言をしているわけです。おかしいと思われませんか。
○政府委員(佐々木喜久治君) この件につきましては調査期間がわずかでございましたので、十分なことを調査するいとまがなかったのでございますけれども、私どもが県を通じ室して調査いたしましたところによりますと、最初御指摘ございましたように、この件につきましては四十四年の七月九日に予算並びに一時借り入れ金の議決をいたしました。被補償者に対する貸し付け金ということで予算計上をいたしておるのであります。したがいまして、そうした貸し付け金、そしてまたその財源としましては、貸し付け金の返還金というものがその財源になるわけでありますけれども、そうした予算措置によりまして、被補償者に対するいわばつなぎ融資としての資金貸し付けということは、法律上特段に問題はないのではないかというふうに考えております一そしてまた、この貸し付け金につきましては、七月十一日に肥後銀行から借り入れをいたしまして、九月ごろまでに漁協をはじめといたしまして被補償者に貸し付けをいたしました。そして国の補償金の支払いが九月三十日から開始されるに伴いまして、その貸し付け金が町に返還をされてまいりまして、十月二日に六千万円、十月二十七日に残りの四千万円というものが返還されまして、これが肥後銀行に返済をされていく、こういう形になっているのであります。
 ただ、その後四十五年の一月になりまして、予算書からこの関係の予算が落とされたということにつきましては、私どもどういう内容になっておるのか承知いたしておりませんので、その点につきましては後日調査の上お答えいたしたいと思います。
○和田静夫君 そうすると二十三日の地行までに、いまの調査できますか。
○政府委員(佐々木喜久治君) できるだけ間に合わせるように努力したいと思います。
○和田静夫君 そこで農林省、さっき多数決の問題でありましたが、経過的に、その議事録等が添付されて補償なんかをきめるときには折衝が行なわれますね、そうですが。
○説明員(杉田栄司君) 補償金を支払う際には、総会の議決が有効であったかどうかということが、やはり非常に一つの問題点でございますので、その内容を承知した上で、議事録等を見た上で、確認の上、支払うようにいたしております。
○和田静夫君 そうしますと、金額をきめられたときに、一億七百万円をこえる金額をきめられたときに、先ほど言ったような形の紛争状態がその議事録の中には明記をされていましたか。
○説明員(杉田栄司君) 議事録の内容を実は見ておりませんので、一般論を申し上げたわけでありますけれども、支払いに際しましては、おそらく議事録の内容並びに総会の模様、特に三十六名の反対者がおられたわけでありますから、その氏名等も承知の上で支払うことになっておると思いますけれども、もちろん支払い契約等に際しましては、県、市町村等の立ち会いというものも得て、いろいろな角度から検討の上支払われるというふうに思っております。
○和田静夫君 そのとき添付された議事録の写しは、資料でいただけますか。
○説明員(杉田栄司君) 至急河浦町のほうに問い合わせをいたしまして、入手次第お届けいたします。
○和田静夫君 この問題はここでやめておきますがね、それが出てから農林省関係のときにまたお伺いしますが、先ほど労使関係でちょっと言ったように、たいへんな町長なんです。それとの関係でまあまだ実は指摘をしなければならない部分がありますが、その公文書が偽造されている可能性が十分あるわけですから、なるべく急いで取り寄せていただきたい。
 自治省にお尋ねをしますが、三重県の白山町、防衛庁はナイキ基地を設置したいということから、昨年の九月二十四日、町議会の議長、副議長、町会議員十三名、それに議会事務局長と助役を自衛隊の飛行機で福岡県の基地に視察旅行をさした。そうして行橋市の京都館というところで、まあ芸者まじりの供応をした。そのことはさきの衆議院の予算委員会でも問題になって、佐藤総理と中曾根防衛庁長官も、ともども行き過ぎがあったということを認めて遺憾の意を表明したのでありますが、国がみずからの政策目標を遂行するために、直接こうした形で地方自治体の議員に働きかけるということ、これは自治省、どうですか、よくあることですか。
○政府委員(宮澤弘君) 私もあまり事情を承知はいたしておりませんけれども、ただいまの例で申し上げますならば、やはりわが国の防衛上いろいろな施設というものを適当なところにつくっていかなければならないという要請があるといたしますれば、そういう施設をつくります場合には、やはり地元の住民の納得と理解を得た上でつくる必要があるわけでありますから、そういう意味合いにおきまして防衛庁当局が、地方団体の住民の理解と協力を得るためにその協力を求めていくということは決して少ないことではなかろう、こういうふうに思っております。
○和田静夫君 いや、私の言っているのは、防衛庁が芸者まじりで供応した、しないという問題をいまここで深追いしようとは思いませんが、あとでまたその問題は事実の問題では聞きますが、いまよくあることだと言われるのですが、一方では町議会から旅費その他が払われている。ところが、それは全然手つかずでもって、自分の、議員や助役などのふところに入ってしまう。片一方では、自衛隊機でもって運ばれて行って、そうして供応を受けて帰ってくる。このことはよくあることですというふうな答弁で、行政局長、済みますか。
○政府委員(宮澤弘君) 私は、お尋ねの趣旨を多少誤解をしてお答えをしたようでございますが、私が申し上げましたのは、一般に基地をつくります際に、地元の住民の理解と協力を得るために働きかけをすることはあるだろうということを申し上げたわけでありますが、ただいまの具体的なお示しのように、もし旅費をもらっていながら、いわば防衛庁の飛行機を使って旅行をし、あるいは旅行の先で、まあ通常の社会通念上のつき合いというものはあってしかるべきだと私は思うのでございますけれども、いま御指摘のように、芸者でもあげてそういうふうなことが行なわれているというふうなことでございますれば、これははなはだ私は適当ではない、そういうことはあってはならないというふうに思っているわけでございます。
○和田静夫君 そこで、防衛庁にお尋ねをしますが、この予算委員会の質疑を通じて、金の使い方について行き過ぎがあったということが確認をされたようでありますが、防衛庁があの一行の接待のために京都館で消費をした金額は幾らですか。
○説明員(蔭山昭二君) 京都館におきましては宿泊をいたしておりますので、宿泊費を含めまして十二万程度でございます。
○和田静夫君 中曾根防衛庁長官は、両方で支払ったということを言っていらっしゃるわけですね。そうすると、これは町議会側で払った、あるいは町側で払った宿泊費、そういうものがあるわけですか。
○説明員(蔭山昭二君) 宿泊費は、それぞれ宿泊をいたした者が払いまして、もちろん白山町の関係者もそれぞれ払っております。この金額と、それから会食をやっておりますが、それに対しても白山町の方がそれぞれ負担をしておるものがございます。それをそれぞれ合わせますと、白山町側で払いましたものは約四万円弱になっております。
○和田静夫君 そうしますと、領収書どんなふうにしてとられておりますか。
○説明員(蔭山昭二君) 領収書につきましては、これは宿泊のほうは別といたしまして、いわゆる会食関係、それだけを一つ別に領収書をとりまして、あと宿泊はそれぞれ別個になっておるように思います。
○和田静夫君 もし両方で払ったとして、さきのような区分があるとするならば、八万六千七百七十円という領収書の防衛庁側の落とし方はどうなっているのですか。
○説明員(蔭山昭二君) この八万六千円の領収書につきましては、内容は岐阜基地のほうから会議費として四万、約半額を払っております。あとはそれぞれ白山町の関係者の分も含めて、いわゆる岐阜基地の関係者、それからこれに同行いたしました岐阜基地及び地方局の者、それからこれに参加をいたしましたあそこの地元の町その他から、それぞれ負担をいただいております。
○和田静夫君 領収書一本で、そうすると八万六千七百七十円という領収書に内訳をつけて、そうして処理をされているわけですか。
○説明員(蔭山昭二君) さようでございます。
○和田静夫君 そういう処理のしかたできますか。
○説明員(蔭山昭二君) これは当方から用意いたしましたものは、いわゆる会議費としての四万円程度でございまして、あとは当方では用意をいたしておりません。それぞれそこで金を集めまして、それで支払っている、後日いわゆる会議費等で支払いできるものは後日払っているということでございます。
○和田静夫君 検査院のほうですね、いまのような形の処理のしかたというのは、金額の多寡は別として、官庁の経理の処理の形式として通りますか。
○説明員(中村祐三君) 先にお断わり申し上げますが、御承知のように防衛庁の検査は第二局で担当しておりますので、具体的事例については、ちょっと何とも申し上げかねますが、突然の御質問でちょっと事実があまりはっきり私承知できませんが、再質問を願うようで非常に恐縮ですけれども、科目が違う支出を一本の領収書で経理するという事態でございますか。ちょっと事実が……。
○和田静夫君 言ってみれば、一定の金額の領収書がございますね、その領収書と処理をされる金額等は明確に違うわけです。違うものの内容説明をつけて処理をするという形の処理のしかたというのは、それで通りますか。
○説明員(中村祐三君) 原則といたしまして領収書は、これは国の場合に限らず、その支払った金額に相応する内容のものということになると思いますので、私もそういうような経理のしかたができるかできないか、ちょっと即答しかねるのでございますけれども、原則としては、そういうことはあり得ないというふうに私考えます。
○和田静夫君 これは防衛庁、答弁にごまかしがありませんか。
○説明員(蔭山昭二君) これは内容といたしましては、支払い金額は先ほど申しましたように十二万程度でございますが、当日支払っておりますのは四万五千円程度でございまして、それは宿泊料と会食費の一部、すなわち白山町の方に関するものと、それから岐阜基地なり局のほうから同行しておりますが、その者が支払ったものを当日支払った、そうしていわゆる岐阜基地のほうからの会議費が約四万円、あとは、先ほど申し上げましたよう表、それぞれの負担によりまして払っておる。そして残りの八万円程度は後日払っておる。こういうことになっております。
○和田静夫君 同行した担当官の名前は何というのですか。
○説明員(蔭山昭二君) 岐阜基地から二名、それから名古屋防衛施設局のほうから二名でございまして、名前は岐阜基地のほうが稲山一佐それから.川松三佐、それから局のほうからは久保という施設企画課長、それからもう一人はその補佐でございます。
○和田静夫君 領収書のあて先がいま言われた川松さんとそれから松川さん、しかも同行された方には松川さんという名前はない、いま言われたとおり。この二枚の領収書を発行させるなりした理由というのは何かありますか。
○説明員(蔭山昭二君) これは報告によりますと、もちろん当日用意いたしましたものは、金額としてはいま申し上げました宿泊料なり岐阜基地のほうで用意いたしたものでございまして、それ以上のものにつきましては、これはそれぞれ集めて、そして支払うということになりまして、二通りになったものと聞いております。
○和田静夫君 ここであまりひっかかりたくなかった。ほんとうは国有地の取り扱いの問題に、ナイキの基地の問題へ入ろうと思っていたのですがね、その二枚にされたその一方の領収書のあて先ですね、その名前をことさらに変えなければならない理由というのは、防衛庁、何かあるのですか。
○説明員(蔭山昭二君) それは名前がどう変わったかは私のほうは承知しておりませんが、処理といたしましては、岐阜基地のほうで用意いたしましたもの、それ以外のものはすべて、これはやはりそれだけの実際の支払い額というものは当然あるわけでございまして、その分をそれぞれその負担によりまして出すということで、そうした二枚の処理になったものというふうに聞いております。
○和田静夫君 くどいようですが、ことさらにあて先人の名前を実在しない人をつくって書かせる必要がなぜあるのだろうということを聞いているのです。いま二枚の領収書があるということを御存じなんだから、具体的に領収書がだれあてに出ているということは知らぬということにはならぬですが、すでにもう予算委員会なんかで問題になっているのですから、防衛庁として十分調査をされていると思うのです。
○説明員(蔭山昭二君) その点につきましては、私のほうも領収書が二つに分かれておるということは聞いております。それがどういうことで受け取りと申しますか、名前が変わっておるかということについては、まだ報告を聞いておりませんので、それは後日調べて報告いたします。
○和田静夫君 調べて、その結果返事をもらえるのですね。
 そこで防衛庁にもう一ぺんお尋ねをしますが、ナイキの基地の設置予定地、これはすでに買収済みと聞いていますが、それはほんとうですか。
○説明員(蔭山昭二君) 白山町におきましてはまず大部分の――これは二通りに分かれておりまして、私のほうで必要な部分についての第一の面の必要な土地は取得いたしております。第二の若干の土地がございますが、これはいま手続中でございます。
○和田静夫君 そのうち、白山町有地の買収費として町に支払った金額は幾らですか。
○説明員(蔭山昭二君) ただいま申し上げました第二部と申しましたが、その町有地の分につきましては、いま手続中でございます。まだ支払っておりません。
○和田静夫君 支払っていないと。支払っていないということは、まだおたくのものに、総理府のものに左っていないということですね。
○説明員(蔭山昭二君) まだそういう意味のはっきりした所有権と申しますか、それの登記等はまだでございます。
○和田静夫君 そうすると自治省、町有地を、すでに防衛庁はこうして立ち入り禁止で仕事しているのですよ。そうしたら防衛庁はこれは町の財産を盗んだわけですか。立ち入り禁止ですよ、あなた。
○説明員(蔭山昭二君) この点の町有地に関しましては、すでに同意書をいただきまして着工の承諾もとっておるわけでございます。
○和田静夫君 それはどうです、自治省、そういうことはできますか。
○政府委員(宮澤弘君) 私もいま初めて伺ったことでございますけれども、町として処分をする、防衛庁に売り払うという内部意思が決定をされている場合に、それを事前に使用をさせるということは、できないことではなかろうと思います。はたしてどういう手続でやりましたか、私は詳細は存じませんが。
○和田静夫君 それはしかしたいへんな答弁ですね。道路法との関係あるいは自治法九十六条との関係、そんなあなた無法が押し通っていっていいのですか。
○説明員(蔭山昭二君) 実は御指摘のおそらく施設予定地内にある町有地の点だろうと思いますが、その点につきましては、これはかつて農林省所管の開拓財産でございまして、現在、昨年の十二月に町のほうにこれが払い下げと申しますか無償の払い下げになった、これは現在町有地ということになっておりますが、道路法上の道路としての認定はなされておりません。もちろん供用開始も実はなされておらないわけでございます。で、私どもとしては、この町有地を取得する方針で現在手続を進めておりますが、いま申し上げましたよう左事情になっておりますので、私どもとしては、この点についての一時使用と申しますか、御承諾を受けて、現在進入路のほうの工事の準備をいたしておりますので、その面でこうしたような事情が一時的にあるのであろうというふうに考えております。
○和田静夫君 町道に立ち入り禁止なんですよ。道路法八条で、もしこの道路をこういう形にするのなら、廃道の議決をすることが必要なんでしょう。議会には何にもかかっておりません、町議会には。自治省、これは町当局の違法行為じゃありませんか。
○政府委員(宮澤弘君) いまの町道、道路法上の道路、これを一般に使わせないというようなことでございますれば、当然おっしゃいますように成規の手続が必要だと思います。
○和田静夫君 そういうことなんです。したがって防衛庁はすぐこの工事をおやめなさい。
○説明員(蔭山昭二君) 私どもの理解いたしておりますところでは、これは現在町道ということになっておらないところであるというふうに聞いております。
○和田静夫君 じゃこの登記、法務省津地方法務局白山出張所というのは、うその登記をやっておるのかな。
○説明員(蔭山昭二君) その点については事情を調べまして、さっそくもしさようなことで、お示しのようなところがございますれば、これは適切左処置をいたします。
○和田静夫君 適切な処置というのは、もうお調べにならなくても、自治省行政局長が御答弁になったように、道路法上は明確に違法行為です。したがって、きょう即刻仕事をとにかくストップしなさいよ。そして町民を通し左さいよ。イノシシ道で使い道がないというようなばかなことを言わずに。
○説明員(蔭山昭二君) さっそく御指摘のとおりかどうか、私のほうで調査をいたしまして、適切に処理いたしたいと思います。
○和田静夫君 それはもうそういうことでストップ。
 それからこの町有地の買収費、これは横に専門家おすわりなんですが、金額の多寡によっては議決を経ないわけにはいかないでしょう。そしてここは議決を必要としないよう左少額なもので取り引きができる筋合いのものじゃないですよ。したがって、もう額の算定を終わっているでしょう。幾らぐらいですか、防衛庁が示されている額は。
○説明員(蔭山昭二君) 当方としては、まだ基本計画を承認しておる段階でございまして、これは金額の問題につきましてはやはり財務局等との取得協議というものがございます。現在基本計画を承認した段階であり、実施計画を承認する段階で金額の面がはっきりするものでありますので、金額については確定的なことが申し上げられないのであります。
○和田静夫君 大体常識的にはどっちが提示するのです。町側がこの町道は幾らぐらいと見積もるのですか。あなたのほうが必要とするからこれぐらいでどうだと言い出すのですか。
○説明員(蔭山昭二君) ここの施設の場合はすでに私のほうで買収をした前例がございます。それも一つの有力な前例になるわけでございます。その他近傍類地の前例等を参考にいたしまして、やはりこの部分につきましての価値をある程度判断をいたしまして、それで町と折衝に入るということになります。
○和田静夫君 農林省にお尋ねしますが、それじゃ昨年の四十五年十二月五日に白山町にこれ序売ったときに幾らで売っていますか。
○説明員(堀川春彦君) お尋ねの土地は売り払い面積にいたしまして七千二十平米の土地のことかと存じますが、それの総売り払い金額は六万四千三百七円でございます。
○和田静夫君 全部で。
○説明員(堀川春彦君) 売り払い面積七千二十平米全部につきましてでございます。
○和田静夫君 ちょっとそれを確認します。出合の地番百八十四の二十六、二十七、二十八、それから天王の二百五十の百三十四、百三十五、百三十六、百三十七、百三十八、百三十九、百二十五、それのすべてで六万四千三百七円。
○説明員(堀川春彦君) いま申し上げました土地は出合百八十四の二十六、二十七、二十八並びに天王二百五十の百三十四、百三十五、百三十六、百二十七、百三十八、百三十九と百二十五、國見百七十五の三十七、三十九、四十、四十一でございます。
○和田静夫君 農林省の所有地、これの関係は防衛庁との関係ではどうなっておりますか。
○説明員(堀川春彦君) この土地は当時払い下げをいたしましてすでに町有地になっておるわけでございまして、防衛庁とは直接の関係はございません。
○和田静夫君 いま私が言っているのは、いまの地番のところじゃありませんよ、その他のところ。農林省の所有地があるでしょう。
○説明員(堀川春彦君) 防衛庁が軍用地に開拓地等を取得する場合におきましては、当農林省と協議がございますわけでございます。ここには、沿革を申しますと、昭和二十六年度に入植をいたしました開拓地があったわけでございますが、その後、過剰入植のために営農不振となり、三十八年までに離農援助を受けまして離農をしておるわけでございます。したがいまして、払い下げの時点におきまして、いわゆる開拓地といたしまして存在したということはございません。
○和田静夫君 存在した事実がないというのですか。
○説明員(堀川春彦君) 昭和二十六年度に九戸入植をした開拓地はあったわけでございますが、三十五年度、三十八年度にわたりまして営農不振の理由のために全戸離農援助を受けまして離農しまして、開拓地としてこれを使う、つまり農業上の利用としてこれを使うという見込みがなくなったわけでございます。
○和田静夫君 なくなったからどうかというのです。総理府に移管をされていないのはどういうことなんですか。
○説明員(堀川春彦君) 問題のその道路は、町の所有に属するものが先ほど申しました七千二十平米のうち六千八百六十二平米あったわけでございます。農地法の規定によりまして土地を農業上の利用の増進に供することが相当でない、あるいは自作農創設に供することが相当でない、つまり、開拓地として適当でないということにここがなりましたものですから、これはもと町有の土地でございますので、そのように不用地の認定をいたしますと、旧所有者に売り払うという農地法八十条の規定があるわけでございます。その規定に従い売り払いをいたしたわけでございます。
○和田静夫君 あなたのところは不動産業者に落としたでしょう、これを。あなたはことさらに町道のことばかりに話を持っていこうとしておりますがね。
○説明員(堀川春彦君) 不動産業者に売り払ったというお尋ねの趣旨がやや理解しがたい点があるわけですが、あるいはそのことを指すのでは左かろうかと推察するわけでございますけれども、先ほども申し上げましたとおり、三十八年までにそこの開拓農家は九戸営農不振のために離農いたしましたが、その際、その開拓農家の所有する土地は他の第三者に売却をいたしまして、そうして離農をいたしておるわけでございまして、そのことを指しているものとすれば、開拓者がこれは売却をいたしました。かようなことになるわけでございます。
○和田静夫君 農林省から大阪のある土木業者に、これは非常に政界の大ものがからんでおりますが、払い下げられた事実はないといま言われた一ですね、簡単に言えば。その辺答弁してください。
○説明員(堀川春彦君) 開拓農家の所有しております土地が、私どもといたしましては、大阪の山林業者と聞いておるわけでございますが、山林業者に開拓者から売却をされたというふうに聞いております。
○和田静夫君 それは開拓農地というのは、そういう形で、いまことさらに名前はあげませんが、不動産業者に落とされている心不自然じゃないですか。
○説明員(堀川春彦君) 私ども開拓行政をやりました立場で申しますと、せっかく国もいろいろと援助をいたしまして入植させ、そこで開拓営農がりっぱに成長いたしまして、そうして日本農業の先達になり得るような開拓地がそこでつくられることを衷心から願っておるわけでございますが、いろいろの自然的あるいは社会経済的条件によりまして、うまく営農がいかない、もくろみどおりいかないということもあるわけでございまして、したがいまして、そういう場合には私どもといたしましてはできる限り他に生計の立つように御援助を申し上げまして、そうしてそこの開拓地の整理をするという政策をいままで遂行してきたわけでございます。したがいまして一口にその開拓地がなくなってそこを農業と関係のない第三者が取得することがいいか悪いかということを申し上げるのは非常に困難でございますが、本件のような場合におきましては、開拓者の自後の新たな生活の設計を立てるためにやむを得ないことであったかと思うわけでございます。
○和田静夫君 昭和三十九年七月十日に――ポイントをはずされた答弁ばかりだから言うのですが――農林大臣赤城宗徳さんが、「開拓財産用途外貸付通知書」、「大阪府寝屋川市太聞五四八村上甚治郎殿」、「植林用地」、「国有財産の表示」、こういう形で落ちておるのでしょう、最初は。人ごとのようなことを言わずに、農林省がこういうようにして貸し付けたのでしょうが。
○説明員(堀川春彦君) 実はこの御質問が昨日通告されましたので、急遽地方農政局を通じて調査をさせておりますために、私どもこの開拓地がそのような用途外貸し付けを行ないまして売却をされたというふうには承知をいたしておらないわけでございますが、なお私どもも先生のお尋ねの点、承知をいままでしておりませんでしたので、調査をいたしまして御報告をいたしたいと思います。
○和田静夫君 質問をちゃんと良心的に事前に教えてあるのに、そんな調査調査と言われたのじゃ決算委員会にならぬのじゃないか。そうして知りませんなんと言ったって、これは公文書ですよ、これ。
○説明員(堀川春彦君) 勘違いがあってはいけませんので、再度調査をしたいと思います。現在、東海農政局を通じ登記所等にも当たりまして先ほど来御報告申し上げましたことが、事実として報告が不足であるということでございますれば、再度御報告を申し上げたいと存じます。
○和田静夫君 この自治省の決算はあがらないということになってしまいますよ。いつまでにやりますか。
○説明員(堀川春彦君) 来週の初めまでに明らかにいたしたいと思います。
○和田静夫君 ちょっと、そのいまのところの答弁があれしませんとこれ以上進みませんがね。
 自治省に伺いますが、先ほど冒頭、供応の問題をちょっと述べましたね。供応のよしあしの問題よりも国みずからが町当局に、いま指摘した道路法違反その他の問題もあるのですが、法令違反を促す、こういうようなことがまかり通っておるのですか。これは憲法九十九条との対応においてどのように一体考えますか。介在をしておる公務員が、国民のために憲法を尊重しなければならない義務を負っている公務員が、自治体に対して法令違反をとにかく促し続けてきた。しかも芸者などまであげて。こうなるわけです。
○政府委員(宮澤弘君) まず初めに法令違反の問題でございますが、先ほど来御議論がございますような、たとえば町村道につきまして成規の手続を経ないで公用を廃止をするような事態に、町当局をしてやらせるようなことをしているということでありますれば、それはたいへん重大な問題だと思います。当然、成規の手続を経た上でやるべきものはやらなければいけないと思います。
 あとの、後段におっしゃいました供応云々の問題でございますが、まあ通常の社会通念上の意見の交換と申しますか、懇談というようなことでございますれば、それをとやかく言う必要はなかろうと思いますが、お話のように、芸者でもあげて会合をしたというようなふうでございますれば、これはきわめて不適当だ、こういうふうに思っております。
○和田静夫君 防衛庁は、もう今後このような事例に見られるようなことは、佐藤総理も中曾根防衛庁長官も頭を下げているのだから、それでいいといえばそれまでだけれども、院が違いますから、今後こういうことは起こさないと……。
○説明員(蔭山昭二君) 私どもとしても地元からのこうした視察の申し出がありまして、まあいわゆる広報活動と申しますか、そういう点の協力は、これは続けなければ、これはやはり私どもの使命達成にも影響がありますので、やりますが、少なくとも社会通念上いかがかと思われるようなことは、今後一切戒めていくというふうに申し上げておきます。
○和田静夫君 自由町の諸君にやったこと、議員、理事者にやったことは、社会通念上はどうなんです。
○説明員(蔭山昭二君) これはやはり体験搭乗という形で基地の視察をいたすということは、これはやはりあり得ますし、また今後も事情の許す限り、問題のない限りやっていきたい。ただ、やはり現地の視察結果をいろいろお打ち合わせするというようなことで、宴会にわたるようなことは、これは絶対に今後避けたいと思います。
○和田静夫君 それじゃ防衛庁、とにかく先ほど約束されたように、道路法上の違反行為、これは本来なら自治省は――大臣お見えになっていないからあれですが――道路法七十五条に基づいて処分停止を知事に行政指導をされてしかるべきものだと思う。しかし防衛庁は、とにかく立ち入り禁止などというようなことについては、先ほどの解除の約束をほのめかされているわけですから、もしこれが解除されないということになれば、道路法七十五条に基づいての処分停止を知事に行政指導をされる前提をつけて、そのことを約束されますか。これは責任のある答弁をひとつ……。
○政府委員(大石八治君) 防衛庁の措置が続いていくだろうと思いますので、私ども、もしそれで事実お話のような点があって、しかもそういう措置がとられないということであれば、自治省としてもそれに応じての措置をとらなければならぬ、こういうふうに考えます。
○和田静夫君 それから高田、直江津問題に入りますが、実は前後してしまったものですから、あれですが、昨日ほんとうは自治大臣の所信表明に対する質問をしておいて、継続的にこの問題に触れたかったのですが、緊急を要しますからこの決算委員会の席上でやりますが、自治大臣の所信表明の中で、コミュニティーの形成というようなことについて述べられている。それについての理論的な展開等の見解は二十三日の質問を通じて行ないますが、ともあれ自治省がコミュニティーの形成ということを打ち出したことについては、私は一定の評価をしたい。といいますのは、コミュニティーというのは自治そのものでしょう。それは自治制度とイコールではありません。私は、地方自治行政の任にある者はこの制度の媒介的な側面を忘れてはならない、そう思うのです。それどころか、むしろ住民自治の視点から全般的な制度ながめていくということが、何にもまして、どんなことにもまして必要だと、そういう考え方に立って新潟の直江津、高田の合併問題を見てみると、直江津市議会は合併決議をしたあとで合併に反対する住民の意思でリコールされました。そのリコールは成立をした。しかるに、制度的には高田市議会の合併決議があるわけですし、直江津市のそれも生きているわけですね。そこでそれを受けて新潟県知事が両市の合併議決議案をとにかく県議会に上程しようとした。少なくとも住民の意思というものを起点に制度を活用していこうという視点に立つ限り、合併議決をした市議会がリコールをされたということの意味というものは、私は非常に重大だと思うのです。新潟県知事は十分にそのことを認識をして、少なくともリコール問題の決着がつくまでは県議会に合併議案の上程を差し控えるべきだ、そういうふうに思いますが、いかがですか。
○政府委員(宮澤弘君) ただいま和田委員の御質問で、リコールが成立したという御発言がございましたけれども、和田委員も御承知かと思いますが、現在署名の審査中でございます。なお、今後手続が進んでいくという段階でございます。そこで、そういう住民の直接の意思と議会の議決との関係についての御質問でございますが、ただいまおっしゃいましたように直江津、高田満市ともに議会の議決といたしましては成規の議決をいたしております。それに関して住民のほうからリコール運動が起こったという現実でございます。
 そこで、この問題をどういうふうに考えるかということでございますが、私どもも現在の制度から申しまして、市町村の議会の議決がございます、限り、それを受けまして知事が県議会の議決を経て処分をするという仕組みになっているわけでございます。そういう際に、このリコール問題が起こったということを十分考慮に入れて判断をしてほしいということは、新潟県の当局に私どもの考え方を伝えてあるわけでございます。
○和田静夫君 言ってみれば、おそらく審査の結果、直江津はリコール成立と見ておりますが、このリコール制度ができている、いわゆる本来的な自治の側面に照らしての意味合いは、単に議会制民主主義を直接制民主主義が補完をするなどというような機械的なものではなくて、自治の原則の上から考えてみて、住民の広範な層が町政なら町政そのものに参加をしていく、そういう本来の趣旨からいけば、リコールの結論というものがやっぱり尊重されていく形ででも私どもそのことを保障するような法改正というものを心がけるべきではないかとさえ思うのです。かつて自治法の改正を通じて、選挙が行なわれたときに前後六十日間、基本的な権利としてのリコール権を召し上げていってしまうような法律案を出された自治省ですから、なかなかそれはむずかしいかもしれませんが、私の言っていることは間違いでありましょうか。
○政府委員(宮澤弘君) 多少議論にわたることであろうと思いますが、私はやはり現在の地方自治制度のたてまえの基本は、議会制民主主義、間接民主主義であろうと思います。で、それを、やはりただいま和田委員も補完するとおっしゃいましたけれども、補完するような意味合いでリコールの制度があるというふうに考えるべきではなかろうかと、こういうふうに思っているわけでございます。ただいま和田委員のお示しのような改正をするかどうか、なおそれは検討をさしていただきたいと思いますけれども、私はいま現在の制度を変える必要があるとは、いまこの席では思っておりません。
○和田静夫君 その議論は、一応地方行政委員会で言わしてもらいますが、そこで、現実起こっている問題についで、新潟県知事に対しては、先ほど行政局長が前段述べられたような考え方でもって指導し続けられていく、そう理解しておいてよろしいのですか。
○政府委員(宮澤弘君) ただいま指導ということをおっしゃったわけでございますけれども、指導ということばが適当であるかどうかわかりませんが、先ほども申しましたように、成規の手続を経て県の段階に合併の申請がきているわけでございます。きているわけではございますけれども、同時に関係の市においてもリコール運動が起こっているわけでございますから、その辺を県議会としても、県知事といたしましても、十分勘案をして判断をすべきであるということを申しているわけでございます。
○委員長(森元治郎君) 午後一時に再開することとして、休憩いたします。
   午後零時三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時七分開会
  〔理事和田静夫君委員長席に着く〕
○理事(和田静夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 昭和四十三年度決算外二件を議題とし、休憩前に引き続き質疑を続行いたします。
 御質疑のある方は順次御発言願います。
○二宮文造君 毎年、人事院のほうから「営利企業への就職の承認に関する年次報告書」、あるいはそれが出たとき、またあるいは公社とか公団とか特殊法人とか、そういう政府関係機関へ高級公務員が天下りをするということで世間の批判を受けておるおりであります。私、きょうは地方自治体−都道府県庁に対して国のほうから――各省庁にまたがりますが、相当の、出向と称しております職員が出ておりますが、その実態についていろいろな問題点をあげてお伺いをしたいと思うわけであります。
 まず最初に、これは自治省からお願いしたいのですが、各省庁別に都道府県への出向者の人数は幾らになっていますか。これはもうそれぞれの役職がありますが、総数でけっこうでございます。
○政府委員(岸昌君) ただいまお尋ねがございました都道府県への出向の職員の数でございますが、実は初めにお断わり申し上げておか左ければならないことでございますが、この出向という概念が必ずしも明確ではございません。二十年も前に自治省で採用になりまして、たまたまある府県に参りましたまま、ずっとその府県に、府県の職員として、ほとんど固有の職員と変わらないような状態で勤務いたしておる者もかなりの数ございますし、どういう者をもって出向職員と見、どういう者をもって県固有の職員と見るかの区別が判然といたしておりませんので、多少数字につきましては異同があろうかと存じまするが、一応私どもが調べました数字、これは各省とも御連絡の上調製いたしました数字を御報告申し上げます。
 人事院が四名、総理府が一名、大蔵省が八名、文部省が三十四名、厚生省が六十四名、農林省が百三十四名、通商産業省が十七名、運輸省が六名、労働省が二十七名、建設省が五十六名、自治省が百七十六名と相なっております。
○二宮文造君 それでは今度は、やっぱりトータルでけっこうでございますが、役職別にそれがどういうふうな分布になっているか、お伺いしたい。
○政府委員(岸昌君) 役職といたしましては、副知事、出納長、これは通常三役といわれておりますが、部長並びに部長と同等の職にあります者、それから次長――こういう制度毎設けております府県とそうでない府県とありますが、一応次長並びにそれと同等の職にある者、それから課長職、こういうふうに区分をいたしますと、副知事、出納長が十一名、部長並びに同等の職にあります者が百四十六名、次長並びに同等の職にあります者が五十二名、課長が二百八十四名、課長と同等の職にあります者が三十四名、こういう数字に相なっております。
○二宮文造君 特にこの際、各省庁から個々に御連絡があったんですが、――こういう数字をあげておりますが、地方自治体から特に依頼をされてごあっせん申し上げた人数は含んでおりませんと、こういうふうに特におっしゃってきた省庁もあるわけです。建設省なんかそうなんですが、建設省はこのほかに、そういうあっせんといいますか、の人数が相当数いると思うんですが、これはあるかないか、あるいは大体実数、どれくらいいるか、おわかりだったらそれをお伺いしたい。
○政府委員(大津留温君) お尋ねの、建設省の職員が府県に行ったというのでなく、他の府県の職員をごあっせんしたという数でございますが、課長相当職以上で百八十二名おります。
○二宮文造君 繰り返して伺いますが、その百八十二名は全然建設省の仕事にはタッチしなかった方ですか。府県に採用されて、その府県にいた人を他府県にあっせんをしたと、こういうことでしょうか。私はそうではないんじゃないかと思うのですが、これは、この百八十二名、個々のいろいろなケースがありましょうが、かつて建設省の国家公務員であり、地方へ行き、そこにいて、それからまた依頼によってあっせんをしたと、そういう者も相当数含まれていると理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(大津留温君) 御指摘のような者もこの中には含まれております。
○二宮文造君 そうでしょう。実は自治省のほうから、こういう各省庁のをまとめていただいて、それで数字をいただきました。なお、しかし、数字だけではあまりはっきりしませんので、どうしても氏名がほしいということで私も再三お願いしたんですが、個人にわたることで差しつかえがあるので、ということで、あえてお願いはしませんで、私のほうで特別に調査をいたしました。そうしますと、各府県からあがってまいります人数が相当数実数と違ってまいります。これはいま言ったような事情もありますし、それからまた、先ほど自治省の方が、――かつては自治省にいたけれども、古い人で、そのまま地方自治体に定着をして、そうして職員としてあがってきた者も含まれております、と言うのですが、そういう意味で、はずれている者も相当数いるわけだと思うんですね。たとえば東京都の場合をとりますと、自治省からは二名しか部長相当職が行っていないわけですが、しかし都庁のほうから伺ってみますと、部長相当職というのは十名近くいるんです。こういうふうに食い違いが出ている。したがって、先ほど総計五百二十七名とおっしゃったことは――建設省の官房長がおっしゃったことでも百八十二名じゃなくて何名か追加されますし、またそういう意味で漏れているようなものもありまして、この五百二十七名というのは相当数上回るというふうに私は理解せざるを得ぬわけです。で、それは、その実数を突き合わせをしますと相当時間がかかりますし、各府県別にこうやってとりました、自治省のほうから言われた数字を上へあげまして、それと突き合わせて全国の都道府県全部とりました、その上でのお話でございます。ですから、相当に、自治省から出していただいた資料よりも、いわゆる天下りといいますか、そういう人数はふえると、こういうふうに理解をした上で進めてまいりたいと思います。かりに自治省の報告だけにしましても、部長相当職というのは大体全国で八百九十ぐらいあるそうです。したがって、ここへ出されてきた資料だけでも百四十六名となりますと約一六・二%、二割近い人数がそこに占められております。さらにまた、それに色のかかった人を加えますと、これもまた相当数にこの。パーセントは上がるんではないか、このように私は思います。なぜこういうふうな交流人事といいますか、出向人事といいますか、そういうものがなされるか、これはもう昨年、たしか地方行政委員会ですか、質問があったんですが、何か交流計画というものを各省庁でお持ちで、そうしてそれにのっとってこういう出向が計画されているんではないか、こう思うんですが、自治省あるいは建設それからまた農林と、この三つでけっこうですが、どういう計画、どういう配置でこういうことになるのか、まず総括的にお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(岸昌君) 自治省はその職責といたしまして、地方公共団体の職員の人事のあっせんをいたしておるわけでございますが、自治省がそういうあっせんをいたします前提といたしまして、職員を毎年採用しそのあっせんをいたすわけでございますが、この考え方は、自治省の職員を採用するということよりも、全国四十六の都道府県、さらに都市も含めまして多数の地方公共団体がございますが、その地方公共団体において必要といたしますところの職員を、地方団体にかわって、いわば共同で採用をし、それを必要とする地方公共団体に派遣をいたしておると申しますか、あっせんをいたしておると申しますか、そういう考え方で人事を行なっておるわけでございます。したがって、地方公共団体からの大体の毎年の需要というものを考慮いたしまして、それに見合う職員を採用し、また、そのつど地方公共団体から毎年あるいは四年の選挙を一つの区切りといたしまして、選挙のあとに相当数の職員についての需要がございますが、そういう需要というものを考慮いたしましてあっせんをいたしておる、そういう実情でございます。
○政府委員(大津留温君) 建設省の業務を担当する部課として、土木部あるいは建築部というのがございますが、これらの部局の部長または課長というものは土木の技術者あるいは建築の技術者というそれぞれの専門家でございます。こういう人は各府県では必ずしも適任者が得られるとは限らないというのが実情でございます。したがいまして、そういう専門家の方々を、全国にどういう方がおられるかを把握いたしておりまして、各府県からの御依頼に応じて適任者をごあっせんするということをいたしておるわけでございますが、これが適任者をそれぞれの業務につかせるという上から相当な要請があるんじゃないかというふうに考えております。
○政府委員(太田康二君) 農林省におきましても、各県におきます農林水産担当部局にかなりの課長以上の職員を出向いたしておるのでございますが、実際問題として出向計画というようなものを立てて出向させているというような実態ではないわけでございまして、ただいま建設省の官房長からもお話がございましたように、県の依頼に基づきまして出向させるという実態でございます。
○二宮文造君 厚生はどうですか。
○政府委員(高木玄君) 厚生省の場合も、建設省のお答えになりましたように、医師、薬剤師等の専門職種を地方に出しておる例が多いのでございまして、そういった専門の技術者というものはなかなか府県で得がたい場合がございますので、府県のほうからの御相談に応じまして責任者を出しておるという実態でございます。
○二宮文造君 自治省につきましては、また後ほど自治省だけについてお伺いをしたいと思うのですが、そのように――いま答弁わかりました。各府県の要望に基づいてごあっせんをし、出向をしていると、したがって、各省庁では特別にそういう交流の計画などは持ってないと、こういうことでございますが、これは私いまからお名前を呼びます。若干お名前を呼びますけれども、この中に顔見知りの方もおりますし、それから顔見知りでない方もおります。別に他意があって、その人の業績がどうだこうだということで名前をあげるわけではございませんので、これはひとつ…・・。たくさんあります。たくさんありますけれども、資料をいただくのもめんどうですし、各省庁で三人にしぼりまして、しかも現職、それからその前の人はだれだ、その人の前はだれだ、それぞれの発令年月日はいつだ、どこからどこへ行ったか、こういうことを各省庁で聞いてみたわけです。たとえば北海道の衛生部長をやっていらっしゃる佐分利輝彦さんという方は四十五年六月二日の発令で現職についておりますが、その前は厚生省の精神衛生課長であった。その前職の方は四十二年十月に発令になっている中尾仁一さんという方です。この方は静岡県の衛生部長をやっていらして北海道へ転任をされた。さらにどこへ行ったかというと、科学技術庁の科学審議官に出て行った。じゃあ、その前の人はどうだ、三十九年八月に村中俊明さんという方が発令になっておりますが、この人は新潟の衛生部長から北海道へ転任しております。じゃあ北海道を出てどこへ行ったかといいますと、厚生省の公衆衛生局長に転任している。それからまた千葉の山形さん、長野の津田さん、この場合も調べてみますと、同じように二年ないし一年半、中には一年という形でそれぞれ群馬県だとか島根県だとかあるいは高知県だとか、そういうところから転任をされております。やはりこれは何かそういうふう左土地の要請に基づいてあっせんをしたんであればそこへ定着すべきだ、たまたままずければその人は転任する場合もありましょうけれども、その後任の方はもう定着できないものだろうか、この方もまた二年何がしあるいは二年足らずで転任する。太田官房長うなずいておりますが、農林省も申し上げましょうか。農林省もそうですよ。たとえば青森の志村純さんという農林部長は四十五年十一月十六日の発令です。そして前の役職は農林省の国際経済課長、それから北海道の農林部長をやっておる。その前職の方は小笠原正男さんという方で、この方は四十三年六月十五日の発令です。農林省の大臣官房調査官から青森に転任をした。そして、どこへ行ったかといいますと、今度は青森の農林部長から林野庁の経済課長に転任している。その前の人はどうだというと、斉藤稔さんという方が四十年五月一日の発令、農林省農地局愛知用水公団監理官からの転任です。どこに行ったかといいますと、農林省の農地局総務課長に転任をされた。同じように建設もあります。この農林省の場合は吉井さんの例もとっております、山梨の。それから広島の大福さんの例もあげております。それから建設の場合は千葉県の土木部長の福崎浩さんという方、この人は四十四年八月十六日の発令、奈良の土木部長からの転任です。前任者は四十三年四月一日、約一年半前ですね、一年半前に三重県の土木部長から転任をしております。どこに行ったかというと、これは日本鋼管に出ております。その前の方、角坂仁忠さんという方は四十年一月十六日島根県の土木部長から千葉に転任している。そしてこの方は千葉県の北総開発局長になっております。まあ定着した形でしょう。こういう例はないのです。長野の小川さんの場合、島根の柴田さんの場合、これまた同じような経過をたどっております。
 それから、その次に、今度は自治省のほうもついでに申し上げておきますと、滋賀県の清水功という商工労働部長さん、これは自治省の大臣官房付兼調査官で、四十四年七月十日に現職に転任になっております。その前の人は大橋茂二郎さん、四十二年四月一日、自治省大臣官房総務課長補佐から転任です。どこへ行ったかといいますと、自治省の公務員第二課長に転任されている。その前職の方は白戸厚さんという方、これは四十年七月十六日、自治省大臣官房付調査官から滋賀のほうに転任し、そして出たのは静岡県の商工部長に出ておる。大阪の石川さん、奈良の紀埜さん、この場合もとっております。たくさんほかに例があるのですけれども、煩雑ですからそれぞれ各省三人の例をとりました。こういうことから見ますと、地元の要請という、また人材がない――地元の要請といり先ほどの説明は私は全部くずれるのじゃないか、こう思うのですが、いかがでしょう。代表して、おなじみの大津留さんいかがですか。
○政府委員(大津留温君) 実態は御指摘のとおりで、私どもこれを否定する意思はございません。そういう御指摘のような人事の交流をやることが公共団体自体にとってもプラスではなかろうかと私どもは考えているわけですが、ごあっせんした方が特定の県にやめるまでずっとおられるのが適当かどうか、こういう部長というポストでございますから、やはりそう長くやっておるべき性質のものでもないと思います。したがいまして、三年前後の期間で、しかるべき後任者があっせんせられるならば交代される、そしてまたその方にふさわしいところにごあっせんするということが県の知事さんの御意向とうまく合致いたしまして行なわれるならば、これは人の適任者を得るという観点から合理的なやり方ではなかろうかと考えております。
○二宮文造君 そんなことを言うと、各県の現職の部長さんがおこりますよ。部長というのは長いこととどまらぬほうがいい、本省からあっせんした人だけはとどまらないほうがいいんですか。地元で部長になっている人は、これはどうします。そんなことを言ったら、一年か二年でやめなければならないのじゃないですか。やめるほうが好ましいという言い方ではないですか。こういう事実がありますから、それを否定する何ものもないので、あっせんとか、また、そういうふうなことで苦しまぎれに答弁されたのだろう、内容がよくわかっておりますから、私はあえて深くは言いませんけれども、ひとつ苦しまぎれの答弁の言い方を、ほかに余波を引っぱるようなそういうことはやめていただきたいと思うのです。
 このように交流の計画はないといっても、昔の内務省の人事のように、やはり中央官庁の高級のいわゆる特進組の方々は定期的にこのように交流されている。これは私、自治体の側から言わしますと冒涜だと思うのです。これはかりにほしいから来てもらったならば、その土地の風土なりあるいはそういう気質になれたのですから、定着してもらいたい。あるいはそこで不始末を起こせば、知事在りあるいは人事委員会の権限にまかせて、その地方公共団体で譴責処分にするなり配置転換をするなり、いわゆる人事権の一切を県にまかすのならわかりますけれども、定期的に人を動かしてしまうというのは、これは私は自治体の冒涜だ。そのために、当然、長年その地元につとめていて、そして定期昇進ができる、そういう資格を持っていらっしゃる方がたくさんいるにもかかわらず、そういう人が上がれない、人事が停滞してしまう。そこにまた士気が上がらない、こういうふうな結果を引き出すのじゃないか。この交流、地方自治体に対する出向と称して、こういう定期的な、昔のような定期異動みたいな人事の配置は今後慎むほうがいいんではないか、慎むべきだ、こう私は指摘をして、次にまいりますが、同じように私ちょっと調べてみました。部長職だけを調べてみますと、各都道府県で部長、その部長相当職もいるでしょう、それはややこしいですからはねまして、部長だけで三名いる都道府県を調べてみました。中央から出ている人たちが五名以上いるところ、これは北海道、青森、岩手、その他二十八府県に及んでおります。これは先ほど私が指摘をしたように、地元の採用者にとっては、これほど頭にくる問題はないと思います。これはもう指摘をすることにとどめておきますが、特に新潟県は総務部長、衛生部長、商工労働部長、農林部長、農地部長、このように出向の国家公務員上がりの人に占められてしまっております。それから愛知県においては七名数えられます。それから大阪府においても六名数えられます。広島においても部長職だけに限って四名。それから香川県のような小さな県でも部長職だけに限って五名、総務部長、企画部長、経済労働部長、これは自治省出身です。この三名、それから厚生部長、土木部長、五名が占められている。こういうふうに二十八府県にわたって五名以上の部長がでんとすわって、これが定期異動に引っかかっている、こういう実態があることをまず申し述べておきたいと思うのです。これは答弁要りません。
 さらにもう一つ、これは部長とそれからその部に属する主要な課長、これを並べてみました。要するに部長が農林省出身であれば、その都道府県の農林部の主要な一課長はやっぱり中央から出ている人に占められてしまっている。たとえば青森県の場合は農林部長、土地改良課長、林務課長、このように占められております。それから総務部長、それから地方課長、文書課長、これは自治省関係で占められております。これは地方課長、文書課長といいますと、それぞれの県庁では主要左ポストです。これを自治省の出身の人で占められて、いわゆる権力関係ができ上がってしまっておる。これは各県にわたってつくり上げました。たとえば私地元のことですから香川県はよくわかりますが、香川県はこういう実態になっております。自治省関係だけを申し上げておきますと、総務部長が伊規須徳博さん、総務部次長が津田正さん、企画部長が原徳安さん、経済労働部長大林勝臣さん、要するに部長、次長で自治省出身が四名おります。その下に人事課主幹小滝敏之さん、それから広報文書課長に柘植さん、企画部の主幹に荻野さんという方、こういうふうに自治省出身の官僚がでんとすわっております。これは自分の省があがらないので納得して非常にほほんといって感心されていられますが、たとえばほかもありますよ。不公平になりますから各省あげておきますが、たとえば群馬県の場合は衛生民生部長が厚生省出身です。坂村堅太さんという人。そうして薬務課長が朝倉義臣さん、それから婦人児童課長が杉田嶺仙さんという方。それからまだありました。群馬県の土木部長は建設の関係です、小山謙三さん。そうしてそこには道路建設課長、計画課長、住宅課長、河川課長、砂防課長、全部これは建設で占めております。それからやはり特異左現象として、私なるほどなと思ったのですが、茨城がそうです。茨城県が、これは建設関係ですが、やはり鹿島港の開発の関係でしょうか、土木部長が下村肇さん、建設。開発部長が豊蔵一さん、建設。それからそこの課にいきますと、開発第一課長望月薫雄さん、道路建設課長大池晟也さん、鹿島開発第一課長藤原良一さん、こういう主要なポストがもう土木関係で建設に占められております。それから同じように千葉県もそうです。千葉県も土木部長の福崎浩さん、河港課長、計画課長、建築指導課長、宅地課長、これは建設省出身の方が占めております。それからまた、神奈川県も土木部長、建築部長が建設省出身、そうして道路建設課長、計画課長、開発指導課長、これが建設省出身で占められております。厚生省関係ももう例に待たず、先ほど申しました。農林省は、新潟県さすがに米どころ、新潟県はやはり農林人事が非常に強烈な印象を受けます。農林部長川田稔さん、農地部長竹内昭八さん、部長が二人農林関係でおります。そうして農政企画課長、水産課長、林政課長、ぴしっと農、水、林にわたって農林省が占めております。こういう中央から出向された官僚の方々でこういうポストを占め、しかもまた、部長、課長にわたる縦のラインができてしまいますと、これはどうしても私は、その都道府県で採用になった職員はもう昇進の機会――あるいは権力関係に何かへばりつくか、あるいは仕事をしないか、おせじを使うか、あるいはもう将来の昇進もあきらめるか、あるいはもうよく悪口をいわれております休まずおくれず働かずと、こういうことでやっていくか、いずれにしてもいい傾向ではないと思うのですがね。この点はいかがでしょうか。ひとつ総理府の人事局長さん、お見えになっておられますが、公務員制度の問題としてこういうふうな配置のしかたあるいは権力関係をつくり上げるであろうと思われるようなこういうやり方について、改革を要するとお考えになりますか。
○政府委員(宮崎清文君) 一般論といたしまして、国家公務員と地方公務員の間にいわゆる人事交流が行なわれる、それによって政府機関、地方公共団体がお互いに利益を受ける、プラスになるということであれば、それは必ずしも否定すべきことではないと考えております。ただ問題は、かりに御指摘のように、せっかく地方公共団体のほうから出てきてほしいと言って出ていった人が非常に短期間でかわる、あるいは――私はそういう事実はないと思うわけでございますが、何か中央の省庁の人事異動の都合でそれらの人をまた動かすと、こういうようなことがかりにあるといたしますと、そういった点の弊害は、せっかく両方が人事交流をやることによりましてプラスの面があるわけでございますが、それを否定するようなかっこうになりますので、そういうかりに弊害があるとすればそれは考えなければならない、このように考えております。
○二宮文造君 局長さんあるいはおくれて来られたかもわかりませんがね、私いま、もうごくわずかの例で、自治それから厚生、建設、農林と、この関係の部長さん三代にわたってこうですよというふうに説明をしたわけです。短期間で行なわれている。しかも、それはほんとうにもう定期異動式に行なわれているわけです。そんなことはないと思うというふうにおっしゃるけれども、定期異動式に行なわれている事実を私は指摘して、繁雑ですからそのおしゃべりは途中でやめましたけれども、あるんですよたくさん、あるけれども、三つだけにしぼったんです。しかも、もう一つ私言い足したいことは、三代に及んでやっているということは、そのポストは、地元の方では占められないという結果になっているんです。こういうふうな事実を踏まえた上で、短期間で動く、あるいは地元の人が上げられない、そういうふうなことを踏まえて、これは再検討する余地がありませんかと――なるほど皆さん国家公務員をやめて地方においでになる、本省へ帰るときは選考採用というかっこうで、人事院とも相談をして選考採用されるんでしょうけれども、そういう御都合で地方が動かされちゃたまらぬと言うんです。だから再検討すべきではないかと、こう申し上げるわけです。もう一度答弁いただきたい。
○政府委員(宮崎清文君) 各省庁から地方公共団体にいわゆる出ていく人々は、原則的にはそれぞれの地方公共団体の長、都道府県なら知事さん等の御異向によって、あるポストにこういう人がほしいんだがいないだろうかという形で出ていかれる場合が大多数であろうと思います。したがいまして、先ほど御指摘になりましたように、ポストに関係なく中央からしかるべき人物をよこしてほしいと、こういうことでございますと、そういう方が地方に定着されるのが筋ではなかろうかと思いますが、あるポストについて、そのポストに限定してその適任者を出してほしいと、こういうことでございますと、先ほどどちらかの省で御答弁がありましたように、そのポストにつくと、こういうことになるんではないかと思います。ただ問題は、先ほど申し上げましたように、それが非常に短期間であるということはやはり相手の地方公共団体にとりましても問題がございましょうし、それから特に地元の関係の方々等においても問題があるんじゃないか、したがってそれが非常に短期間であるかどうかということが一つのポイントになるんではなかろうかと思うわけです。
 それからもう一点でございますが、私は、実は各省庁の人事の実態と申しますか、実際のやり方をすべて承知しているわけではございませんが、やはり中央と申しますか、中央の各省庁と地方公共団体の人事交流につきましては、それぞれの人事の都合というものがいろいろございまして、あるときにまとめてやらざるを得ないという、こういう実情もあろうかと思います。したがって、たまたまその時期にそういう人事が行なわれるということから、結果として、先ほど御指摘のように、中央の意向で動くと、たらい回しというようなことになるのではないかと私理解しておりますが、すべてがすべてそういう考えでやっているとは私たち現在思っておりません。繰り返しますが、そういう弊害があるとすれば、その点は検討するにやぶさかでないと、こういう考えでおります。
○二宮文造君 短期間というのは、一体常識的にはどれが短期で、何が短期でないのですか、あなたの心証をお伺いしたい。短期間に動く、短期というのは一体どういうことなのですか。知事の任期は四年ですよ。衆議院議員の任期も四年です。参議院議員は六年です。短期というのは一体どうなんですか。
○政府委員(宮崎清文君) これはたいへんむずかしい御質問でございまして、一つには、人事のあっせんを希望された当該地方公共団体のいろいろな御事情があると思います。これによってその年数というものが長いか短いかということが一つはさまってくるのじゃないかと思いますが、中央省庁でも人事交流をいろいろやっておりますが、第一に申しますと、これはいろいろまた御批判があるかもしれませんが、私の承知しております限りにおきましては、中央省庁の間における人事交流は大体二、三年くらいが通常ではないだろうかと承知しております。
○二宮文造君 それは中央の交流でしょう。ところが、人事は全部地方の要請で、かっこうはそうなっているんです。どうぞ適当な人をごあっせん願いたいと、こう言ってきたと、各省庁ともそう答弁されるんです。要請をされて二年や一年半でかわるというのは、これは地方の都合じゃなくて中央の都合じゃありませんか。こういうやり方はまずいのじゃないですかと私は言うのです。――これは答弁要りません、もう何べんお答えになっても省庁に遠慮されて言われるのですから。私は、これは公務員制度の問題として、いわゆる任用とか、それから選考採用の問題として、これは直ちに検討されるべき問題だろうと思うのです。
 で、なお佐藤総理の威令といいますか、答弁がやっぱり守られませんね。先ほど私指摘をしました、昭和四十四年七月一日に、本院の地方行政委員会で和田委員のほうから、同じような問題で、例は違いますが指摘されて、佐藤総理はこう答えられているわけです。――はしょりまして、転々と動くというそういうふうな人事があってならない、このように思うと、事前によく話し合いができてないんじゃないか、あるいは「福岡県には上級職の試験に合格した者が七十名もいる、そういうのを追い越して若いのが出て行く、そういうのは不適当なことだと思います。」――これはあとで申し上げたいこと、それとひっくるめての総理の御答弁ですが、和田さんの質問は、転々と官吏が動いていく姿を追っかけて、そしてこれはよろしいか、こう答弁を求めたところが、それは、そういうことは困る、よろしくないと思う、これは佐藤総理がそう答弁している。にもかかわらず、その後の人事だけ見ても、島根の柴田さん、これは四十五年一月二十二日の人事、それから四十五年十一月、青森の志村さん、これは農林の人事。それからここにもあります。これは厚生の関係で、千葉県の山形さん、それから北海道の佐分利さん、これは四十五年六月二日、あるいは四十五年十二月二十二日と。こういうふうに、佐藤総理が、地方の実情に基づいて、これはよろしくないなあと答弁していることも、各省庁においては守られていないのです。これはひとつ、総体的にそういう公務員の制度の問題を扱う総理府としては、真剣に検討をしていただく必要がある、まずその実態をおつかみになることが必要であろうと思うのです。ですから、そういうふうな作業を進められるおつもりがあるかどうか、お伺いしたい。
○政府委員(宮崎清文君) 御指摘の点は、広い意味で公務員制度に関係してまいりますので、私のほうでそういう実態は今後十分に調査いたしたいと思います。
○二宮文造君 まあむずかしい法律論争は私したいと思いませんけれども、国家公務員法には公平の原則というのがございますし、また、その国家公務員法の公平の原則というものは、これはやはり地方公務員の中にも含まれるものだと思うのです。昔のように、内務省人事でぐるぐる動くんならこれはいいんですが、戦後、地方自治法というのができておりますし、地方には人事委員会がありますし、そういうことで、それらを含めて早急に私は是正すべき問題だろうと思うのです。
 ほかごとになりますけれども、地方公務員の犯罪、これは別に早急にふえたとは申しませんですけれども、国家公務員の場合は、昭和四十四年に検挙されたのが百四十六人に対しまして、地方公務員の場合は五百八十七人を記録しております。その中で、公文書偽造行使が二十三人、それから職権乱用が二名、それからわいろですね、贈った人も中にあるようですが、もらったばかりじゃない、贈収賄両方含めて四百二十九人、それから背任が二十八人、それから業務上横領が百五と、これは決して最近累増しているとは申しませんけれども、相当に上昇傾向にあります。これが人事関係のそういうものからきたとは言いませんけれども、何割かのそういう昇進の見込みがない――もう人間名誉欲がなければ今度は金ですから、そこへいっても金に動いてしまう、こういうふうな傾向もあるんではないか、このように思いますので、ひとつこの公務員制度の問題、中央からの出向という問題について、特に今後御考慮を願いたいと思うのですが、農林、建設、厚生、今後のあり方としてお伺いしたい。自治はあとでけっこうです。
○政府委員(太田康二君) 私のほうの、実は農林行政を担当しておるわけでございますが、その際やはり地方の実情等を十分承知しておくことが必要であるというようなことで、また地方の第一線におきまして行政経験を積むということもたいへん大事なことでございますので、まあ県知事さんのほうから依頼がございますれば、これにふさわしい人間を派遣いたしまして、まあ期間が短いというようなおしかりもあったわけでございますが、一定期間現地におきまする第一線の行政の勉強をさせるということも、その人間が将来また戻りまして仕事をする上にたいへん役に立つというようなことで、まあ両方の何と申しますか、考え方が一致したところに基づきまして県に出向させておるというような実態があるわけでございますが、先生御指摘のように問題もあるわけでございますので、今後そういった点につきましては十分検討いたしまして対処してまいりたい、かように考えております。
○政府委員(大津留温君) 御指摘の点は、人事管理上きわめて大事な点でございますので、具体的な改善策といたしましては、地方で育った方も適任者があればそういう部長、課長というポストに昇進する道をふさがないようにするということ、それから、こちらからごあっせんした方も短期間でまた他に異動するというようなことは極力避けるということ、いずれにしましても県の責任者の方と十分御相談の上、地方にもプラスになり、中央にもプラスになるということで人事指導をいたしたいというふうに考えます。
○政府委員(高木玄君) 厚生省の場合の例で申しますと、衛生部長は四十六県のうち、現在二十六人、厚生省の人が出ておるわけでございまして、残りの二十県は地元の方がなっておられるわけであります。したがいまして、地元に適任者がございますれば、そういう方が部長になるというのは当然でございまして、ごく最近におきましても大阪府の衛生部長は中央のほうにかわられました、後任は地元から、適任者がおりましたので、地元の方が衛生部長になっております。しかしながら、何と申しましても、医者である行政官というのが非常になかなかこれは得がたいのでございまして、したがいまして、各府県で適任者がない場合に、御相談にあずかりました場合には、これは地方の実情を勉強する意味でも、出かけられる方にはたいへん役立つことでございますので、適任者がなくて地元で得られないで、御相談があった場合には極力適任者をこちらからお送りするということで、あくまでそれは地方の要請に基づきまして話し合いで進めてまいりたい、かように考えております。しかしながら、先生御指摘のように、短期間でかえるとか、そういったような地方を無視したやり方は厳に慎むべきだと存じますので、御指摘の点については今後十分に配慮してまいりたいと考えます。
○二宮文造君 いま答弁をいただいた三人の方、はしなくも二人から、こういう答弁が出るであろうと私は想像しておった、地方の実務を勉強して帰って、行政を取り扱うのに非常に便利だから、その勉強にやるという意味のことも含めてというふうな答弁がありました。私は、もし国の行政の立場で地方へ勉強に行くのならば、数少ない府県の県税を食う必要はないと思う。これは、国の、いわゆる国家公務員の定員の中に入れて勉強させるならば勉強させるためにやればいい。よろしいか。国の行政の都合上、地方へやって、そうして地方の財政を食うということは、私は好ましくないと思います。地方自治体というのは、そういうためにあるのじゃないですから、やはり相変わらず地方が国の出先機関、こういう考え方がまだ中央各省庁にあるのじゃないか。これは、まずそこから頭を切りかえていかなければ、首長の選挙のときに、中央に直結する政治あるいは予算のときに、予算のぶんどり、またそういう世間で批判を招くようなことばが出てまいりますのも、結局そういうふうな仕組みをやっているから出てくるわけです。それを認めたような、認めさせたような発言なんですね。これは、私は、国の行政の立場で地方の実情を勉強する、これはあってしかるべきだと思います。その場合に、その俸給まで地方が持つ必要はない。これはていのいい国家公務員の定員外の予備軍を地方へ配置しているということにすぎないのじゃありませんか。それだけ――先ほど言いましたように、地方の自治体で採用された方々の希望をつぶしてしまっている、こういうかっこうになろうかと思います。これは、ほんとうにもう地方の自治というものが大体定着してきたのですから、それからまた、戦後の混乱期は別として、多数の優秀な方が地方で採用されているわけです、そうして、県の事務官として営々と勉強しているわけですから、その人たちを生かしていくという方向に変えるべきではないか、私はこのように思います。
 それで、自治省にお伺いしたいのですが、私、人事院の報告もらったのですが、自治省は、その人事院の四十四年度の公務員の任用状況調査報告、この中に、上級甲種の試験を受けて自治省に採用された人は一人もいませんね。これはどういうわけですか。選考採用の者が非常に多い。これは、いわゆる上級甲種を合格して人事院から採用予定者名簿を出されて、それでそれを受けた自治省はどうなさっているか。
○政府委員(岸昌君) 自治省は、最初にもお断わりいたしましたように、ほかの省庁と違っておりまして、国家公務員を人事院の試験の合格者からいただく、国家公務員としていただくということじゃなくて、地方公務員として地方公共団体へ出向させるべき者を採用しておる、そういう関係からいたしまして、ただいま御指摘のようなことになっておるのだと思います。
○二宮文造君 そうしますと、採用予定者名簿が人事院から出る、それを見て何人か採用したい、それで目ぼしい人をピックアップして――毎年二十人前後の採用予定者があると思うんですが、その人を、国家公務員の辞令は渡さないで、そのまま地方と話し合いをして地方の府県庁の職員として採用させると、こういう方式をとっているんですか。
○政府委員(岸昌君) 総務課長からお答えいたします。
○説明員(林忠雄君) おっしゃるような形をとっております。最初から府県と話し合いをして、それぞれの府県で採用していただく。なお、同時に自治省の身分をあわせて併任発令いたしまして、当初の三カ月間、自治大学において研修をしてからそれぞれの府県に赴任していただくと、こういう形をとっております。
○二宮文造君 そうしますと、各都道府県にも定員があると思うんですね。定員外になるんですか、定員内になるんですか、都道府県の。
○政府委員(岸昌君) 都道府県は定員内でございます。
○二宮文造君 じゃ、もし自治省のほうからそういいう配属がなければ、その都道府県は定員内で一名とか二名とかよけいに――よけいにといいますか、地元の者を採用して府県庁の中に定着できるわけですね。要するに、定員のワクを自治省から出向する人のために食われると都道府県での採用がそれだけ少なくなる、こういうかっこうになりますね。
○政府委員(岸昌君) まあ食われるとか食われないとかいうのは多少主観的な問題でございますが、先ほどもお断わり申し上げましたように、都道府県が採用したい職員を都道府県にかわりまして、一括してといいますか、一本で自治省がかわって採用いたしておる、こういう関係に相なるわけでございます。
○二宮文造君 都道府県知事が採用したいのを自治省が併任発令をして出す、こういうわけですね。採用したいでしょうか、都道府県が。三年たったら全部自治省に帰るんですよ、三年たったら。そうして再び帰ってこないんですよ。その県へ。この実態はどうしますか。それでも採用したいと県が言っていると言い張りますか。押し込んでいるんでしょう。
○政府委員(岸昌君) まあ特定の人間につきましては、再度同じ府県へ帰ってこないと、こういう関係もあろうかと存じますが、地方公務員全体として見ました場合に、やはりそういう形におきまして、これは各省との競争の中で地方公務員として自治省の試験を受け、それに合格をしてくると、こういう人でございますから、相当の人材が確保できるわけでございます。そういう人材を共同で確保いたしておきまして、将来各地方公共団体の公務員としてこれを採用していくということは、地方公務員全体といたしましても、その資質の向上に役立つものと考えております。
○二宮文造君 そうしますと、最初の答弁が食い違ってくるわけです。基本的左計画はないと、この交流に基本的な計画はないとおっしゃりながら、それはあなたのおっしゃる論法は、なるほど入ったその人はもう帰ってこないけれども、自治省で教育したほかの人間が行くから府県の要望は満たしていると、こういう言い方をされたいでしょうけれども、私は、そういう論法は成り立たない。もしその府県に、そこに一人入らなければ、府県の意思で地元の人間が採用できて地元で訓練をして、それでずっとその県庁の中で訓練をして優秀左人材に育て上げることができるわけです。その一人の機会を左くさせるわけです。府県としますと、そのほうがよっぽど使いやすいし、目ざした方向に伸ばさしたい。しかし、中央から、どんどんどんどん自治省から人がかわって来ますと、もう受け入れ態勢をつくるだけで、まあ事務的なものはあるいは進むかもしれませんけれども、要するに、その職場の空気を沈滞させたり、あるいは調和をなくしたり、あるいはエリート意識を起こさしたり、こういうことでかえってマイナスの面が各所に出ているということを御存じないでしょう。
 私、いまここで昭和三十九年組、この方のリストをつくってみました。で、二十人、昭和三十九年に採用になっております。この方は採用になると同時に自治大学で訓練を受けたのでしょう。ですけれども、それから各地方の地方課、税務課、文書課と、大体ほとんどが地方課であり、その一部が文書課、それから二人が税務課と、こういうかっこうで勤務をしております。そうして二年目には課がかわり、三年目にもまた課がかわり、そうして四年目には全員転任しております。全部自治省に吸い上げております。ただ例外が二人おります。一人は大阪府の総務部の財政課に行っております。その人が一人、もう一人は神奈川県の地方課に在籍のままフランスへ留学しております。それ以外の方は全部自治省に四十二年、四十三年と在籍をしております。そうして今度は四十四年になりますと、ごく例外を除きまして全員が今度は違った府県へまた出ております。そのときは大体課長、主幹というかっこうで出ております。大学を卒業して二十二歳ないし二十三歳、それから五年経過して二十七歳、八歳、それで主幹ないし課長として地方へ出ている。どうでしょう。そこに営々辛苦として二十年、二十五年と勤務した、あるいは同じような年ごろで、あるいはそれと五つ六つの違いでその地方へ入った人が、その間、課員としているわけです。わずかに見習いを五年やって課長として地方へ派遣する。もう課長ですよ。優秀かもわかりません。頭が切れるかもわかりません。語学がりっぱかもわかりません。しかし、地方事務官としての経歴とか業績とかいうものはまだまだ劣ります。この五年の段階では、口は達者かもしれません。理論的かもしれません。仕事は劣ります。そういう二十八歳、二十七歳の課長のもとで四十、四十五、四十八の職員が、どうでしょうか。職場の呼吸を合わせて仕事ができましょうか。私が申し上げたいのは、これは、こういうふうな配置のしかたはよろしくない。これはもう完全に見習いなんですから、自治省で採用なさればいい、自治省で採用なさって各府県に見習いにやればいいじゃないですか。自治省の予算で自治省の給与で、そうして参与なりあるいはまた顧問なり、いろいろな名前がありましょうけれども、そういうかっこうでやると、そうすればそれだけポストがあきますし、国が横暴するというような、そういうものは出てこないと思うんですがね。この点どうでしょうか。先ほどの答弁がだいぶこう違ってくると思うんですが、もっと前向きに答弁していただきたい。
○政府委員(岸昌君) 先ほど御指摘がありましたような、エリート意識を持ってほかの職員との調和をそこなうというようなことは、これは厳に戒めなければならないことでございますが、都道府県なり市町村の職員の中に、これは自治省から派遣するとしないとにかかわらず、採用の当初から将来の幹部職員として採用をいたしまして、一般の職員よりも昇任の期間が早くなる、そのかわり、それだけまた責任としても重大なる責任を自覚して責任ある地位につくと、こういう種類の公務員を設けると、こういう制度があってもよろしいのではなかろうか、かように考えておるわけでありまして、これは論議の存するところでございまして、一切同じ資格、同じ昇進の職員だけに統一すべきであるというのも確かに一つの御見解かとは存じますが、ただいま申しましたような、そういう幹部候補者として採用されました特殊な職員があるということも、これは公務員制度として許されるところではないかと存ずるわけであります。それが許されるといたしますならば、そういう地位に将来つくべき公務員を地方団体にかわって自治省が採用をいたしておるというのが私どもの考えでございまして、したがって、御指摘のように自治省の職員として、国家公務員として採用して、それを出向させるという考え方ではないわけでございます。
○二宮文造君 ちょっと、その自治省の考え方が私わからぬのですがね、自治省が採用になった国家公務員というのは国の行政のために採用されたのですか、地方団体のために採用されたのですか、その辺がはっきりしないと思うのです。自治省は地方団体の仕事をやっているのだから、そのための幹部職員を地方団体が養成するのは当然じゃないか、こういう論法なんですね、あなたの答弁は。これはおかしいじゃありませんか。自治省の仕事というのは国の行政でしょう。その国の行政の見習いを勉強させるのに、地方自治体の予算は食わなくてもいいじゃないか。国が出向させるのだから、国で採用して、国の予算で勉強するのはさせたらいいじゃないか、そして引き揚げて自治省でまた訓練をし、また地方へやるのなら、地方でまた見習いをさせればいいじゃないか、そして地方の実態をつかめばいいじゃないか、こういう考え方に戻れませんかと言うのです。再検討もする余地はありませんか。
○政府委員(岸昌君) 各省が先ほど来お答えに左っておりますのは、そういう形の公務員を各省で採用になってそれを地方へ出向させておられるわけでございますが、自治省といたしましては、最初にお断わりいたしましたような考え方で地方公共団体にかわって地方公務員の幹部候補者を採用いたしておるわけでございます。これは今日及び将来の地方行政を考えてまいります上に必要であると、こういう確信の上に立っておりますので、ただいまのところこれを改める考えはございません。
○二宮文造君 ただいまのところ改める考えはないでしょう。それは一朝にして私、くずれる問題ではないと思います。しかし、地方団体にかわって採用している、地方団体にかわって養成している、こういう考え方は成り立たないんじゃないかと思うのですが、どうでしょう。厳然と国家公務員と地方公務員とは違うのですよ。法律も違うのですよ。法律も違うし、また国家公務員は人事院ですし、地方公務員の場合は地方の人事委員会ですよ。制度も法律も違うのに、かわって養成をして、かわって使っている、かわって採用しているという、こういう論法は、あなたにしてみれば地方自治全体のことを言うわけです。私は香川県なら香川県、高知県なら高知県、おのおのの自治体としての立場からものを言った場合にはこういう論法ができませんか、こういうわけです。どうでしょう。
○政府委員(岸昌君) 法律的に申しますと、国家公務員は国家公務員法に基づきましてそれぞれ各省大臣が任命権者になっておる。地方公務員は地方公務員法に基づきましてそれぞれの地方団体の長その他の委員長が任命権者になっております。法律的にはまさに御指摘のとおりでございます。しかし、今日の地方行政なり地方自治の当面いたしておりまする問題、あるいは当面いたしておりますところの社会経済の諸情勢というものを考えてまいりました場合に、地方団体の職員は、特定のAならAという地方団体で採用されまして、採用されたときから終わるときまでその地方団体だけの経験しか持たないというような形の公務員だけでは、この急激に変わりつつあり、また全国的にナショナルミニマムを確保していかなければならない、こういう時代の地方行政がはたして適切に行なえるかどうか、やや問題があろうかと思うわけでございまして、いわゆる第三公務員論というような考え方もございますように、地方公共団体を越えて、また国と地方団体との間で双方の経験を持ちまして、広い視野から地方行政を担当していくところの公務員というものの存在というものは、私どもは必要と考えておるわけでございます。そういう公務員の採用を自治省が行なっておる、こういう考えでございます。
○二宮文造君 これ、どうも私の論法とあなたの論法と違うんです。私、そういうナショナルミニマムに立ったそういう公務員をつくっては悪いと言うんじゃないんです。必要でしょうと言うんです。それは国の行政として必要なんでしょう。地方自治全体の業績をあげるために、統括する国の立場として必要なんであって、これは国の行政であり、国の事務なんだから、そういうために養成する公務員は、国の費用で養成すればいいではありませんかと言うんです。たくさん官庁がありますけれども、自治省だけがいまのような形態をとっていくのはおかしい、これはどうしても納得ができないんですがね。そういう種類の公務員が要らないということじゃないんです。いてけっこうです。必要です。それは何のためかというと、国の事務のために必要なんですから、国費でもってやるべきじゃないか、府県の定員を食う必要はないじゃないか、こういう考え方なんですが、どうでしょう。
○政府委員(岸昌君) 私はただいま申しましたようなナショナルミニマムを考え、広い視野から行政を行ないます公務員は、国の立場において必要であるというよりも、地方団体の立場においても必要である、こういう前提に立っているわけであります。自治省だけがそういう公務員を採用するのはおかしいという御指摘でございますが、私はまさにそこに自治省というものの存在意義がある、各省はそれぞれ所管行政につきまして、いわゆる縦割りの行政を執行する立場にあるわけでございますが、それを地方団体全体の立場におきまして総合調整をいたしてまいりますのが自治省の使命でございますから、そういう意味におきまして、自治省だけが違っておるというところに、むしろ自治省の存在意義がある、かように理解をいたしておるわけでございます。
○二宮文造君 それじゃもう一度お伺いをしますが、私さっき三十九年組が三年目に全部本省に帰っている、こういうやり方は今後もお続けになる、さらに自治省で二年間訓練して地方の課長に出しておる、こういう従来のやり方は、このまま、地方にどのように悪弊を残そうと、あるいは地方の職員の希望の芽をつもうと、自治省の立場での配置のしかた、また自治省に呼び返しての教育のしかた、そうして出るときには課長として出すというシステムは相変わらず、このままの形式をおとりになるということですか。
○政府委員(岸昌君) 地方に悪弊を残そうと、地方団体の職員の希望の芽をつもうと、現行制度をあえて推し進めるというような考えはもちろんないわけでございまして、ただいま申しましたような地方公務員の存在というものが、地方団体におきましてもあるいは地方団体の首長におきましても十分認識をされておりまして、そういう経歴を経て、そういう能力を持ちました地方公務員を自分の府県、市町村にもよこしてもらいたい、こういう御要望に従いまして出向させてまいりたい、かように考えておるわけでございます。したがいまして、ただいま御指摘がございましたように、三年たてば自治省で引き揚げ、二年たてば課長として出す、そういう三年とか二年とかという数字は固定的なものではございませんわけでございます。地方団体の御都合等を十分考慮いたしまして弾力的に運用してまいりたいと考えております。
○二宮文造君 今度は別の資料をつくってみました。これは昭和三十年から昭和四十五年まで、各年次で自治省の採用予定者の中から一名だけこれは無作為に名前を出していただきまして、何番目かの成績で採用予定者になった方のその行く先をずっとたどったわけでございます。これは人事院からも御協力いただき、自治省からも出していただいた、こういうわけでございますが、三十年の友田さんという方は、三十年に入って、三十年に鹿児島の地方課で、三十一年が右に同じ、三十二年に広報文書課へかわって、三十三年が同じと、三十四年が憲法調査会、そして三十五年が憲法調査会、三十六年が山形県の地方課の次長、三十七年が山形県の母子福祉課長、三十八年が福岡県の企画室参事、三十九年が福岡県の水産課長、そこに四十年、四十一年といまして、それから四十一年に福岡県の土木管理課長になり、四十三年に地方課長になり、衆議院の法制局の補佐に帰って現職にいまいる。あるいは三十一年の士田栄作さんという方は、三十一年には富山の地方課、三十二年に富山の税務課、三十三年は右に同じ、三十四年は富山県の学校教育課、三十五年は自治省の財政課、六年、七年同じ、三十八年には奈良県の土木管理課長、三十九年は右に同じ、その次は、四十年には奈良県の財政課長、四十一年には経済企画庁へ帰っています。そして四十二年が右に同じ、四十二年が自治省の給与課補佐、四十四年が右に同じ、四十五年、現職は自治省の交付税課補佐。こういうふうにこのころは地方に四年いて二年帰って出ています。いまはちょっと短縮されて三年、二年のかっこうのようですが、先ほど、定期異動もない、地方の要請によるんだとおっしゃっていますが、無作為にこういう表をつくってみても、定期的に引き揚げ、定期的に出していくという事実は歴然としておりますし、三年たって二年自治省へ呼び返して、本省へ呼び返して二年たって地方の課長、そこに出していくという事実も全員にわたって歴然と出ております。これはもう予算関係や何かで中央の圧力で地方を屈しさせていると、定員の中に割り込んでいると、こう言わざるを得ないです。三十六年の杉原さんを見てもそうです。三十六年に奈良県の地方課、三十七年は地方課、三十八年は奈良県の財政課、三十九年は右に同じ、四十年は自治省の固定資産税課と、ここで吸い上げております。四十一年が右に同じ、四十二年――二年たった四十二年には秋田県の税務課長と、全部同じようなパターンで進んでいるじゃありませんか。これは出すほうはいいですよ、受けるほうはどういう気持ちになりますか。これはひとつ、答弁がしにくいだろうと思いますが、これはもう公務員制度、国家公務員の場合も、本省の場合も、私そういうことが言えると思うんです。
 で、こういう公務員制度の問題ですね、たとえばこういうふうな話を私も耳にしました。青田刈りをやるんですね、学校へ行って。そうして各省の人事担当者は成績のよい者を自分の役所に入れると、その役所の格が上がる。東大で何番のがおれのところに来た、こういうことで役所の格が上がるというので勧誘をするわけです。おれの省へ来い、おれの省に来たら課長になるのが早いぞと、あるいは先輩が枢要なポストを占めているから安心だよと、あるいは一流企業への天下りがおれのところはできるから、だから、将来にわたっておれの省のほうがいいぞ、あるいは一、二年で特定のポストに必ず一律に配置転換する、こういうふうな青田刈りの言辞を弄して、そうして採用をはかっている、こういうこともいわれております。意外なような顔もなさっておりますし、そうだそうだとうなずいている方も相当いますが、私は、ほんとうにこういうふうなやり方をしますと――なるほど日本の国は官僚天国です。官僚の方は優秀です。優秀ですけれども、反面、一握りの官僚のために、同じ職場につとめながら反体制のほうに追い込む場合もありますよ。もうそろそろ日本の国もここまで定着してきたんですから、いわゆる公務員法による公平の原則とか、あるいは勤務成績による昇進の道を開くと、要するに、入り口によって行きどまりがきまっているなんというような人事配置のしかたというのは前時代的だ、こう私は思うのですが、自治省どうでしょう、賛成できるところもあるし、できないところもあるでしょうけれども。
○政府委員(岸昌君) ただいまの御指摘は、地方公務員だけでなくて、公務員制度一般の御指摘であろうと思います。地方団体に限って申し上げますと、戦前の内務省から都道府県へ配置いたしておりました時代と、現在の新憲法下におきますところの時代とは非常に変わっておるわけでございまして、どういうポストにどういう職員を採るか、どこから採るかということは、地方団体の首長の判断にゆだねられておるわけでございます。したがいまして、入り口でもう昇進の道がきまっておるというような事態は、今日ではほとんどなくなっておるわけでございまして、都道府県の固有の採用の方が副知事なり総務部長になる、その他県内の枢要なポストを占めておられる例もあまたあるわけでございまして、したがいまして、そういう人と並んで、その中にどの程度の数の、先ほど申しましたよう左特殊の昇進期間を持っております幹部候補者を設けるかということは、地方団体の判断にゆだねられておるわけでございますので、そういう意味におきましては、ただいま御指摘のありましたよう左弊害はなくなっておる本のと私は考えております。
○二宮文造君 弊害がなくなれば、こういう問題はなくなるはずなんです。弊害があればこそ、私はこういうふうに指摘をせざるを得ないわけです。それで、あなた先ほど、地方には国家公務員のそういう上級試験を受けない方もどんどん出世していると、あたりまえです、そういう意味で地方に就職しているのですから。
 じゃ、お伺いしますがね、入り口によって行きどまりがきまっているという私の発言が足りないとしますと、的を射ていないというふうなことでしたからお伺いしますが、自治省の本省に課は幾つあります。
○政府委員(岸昌君) 二十一でございます。
○二宮文造君 そうして、その二十一で、上級職甲、この試験を受けないで課長になった方、何名います。
○政府委員(岸昌君) 現在二人でございます。
○二宮文造君 行きどまりになっている証拠ですね。局長になれば、もう最たるものなんだと思います。それだけ力が違うんだと、こうおっしゃるかもしれませんが、かりにいま一斉に実務試験してごらんなさい。私これも聞き覚えですからわかりませんが、GHQの連中が戦後外務省の役人の何かやったら、局長さんが一番点が悪かった、役職が下がるほど点数がよかった、高級公務員ほど点が悪かった。こういうことが――私、耳ですから、はっきり入っている、印象が深いんで言いますがね。ですから、ここでずいぶん耳にさからうようなことを言いました。言いましたけれども、これは公務員制度全般の問題でございます。そして、行革なんかで、臨調なんかで、ずいぶん公務員制度のあり方というものについて、前向きな答申が出されておりますけれども、これはほとんど採用されておりません。そこで、総括的に総理府の人事局長さんにお伺いしますが、先ほどの話の蒸し返しになりますが、いろいろ私問題を指摘いたしました。それは、国、地方にまたがる問題点も指摘しました。これはほんとうにまっ正面から取り組んで検討していただく必要がある。同じく人事院は任免について承認したり、あるいはまた相談にあずかったり、こういうことをなさるわけですが、人事院の任用局長さんですかお見えになっておりますが、私の先ほど来の質疑の中身から、任用という問題あるいはまた公務員の昇進の問題、これらについて所感を述べていただきたいと思います。まず総理府の人事局長から。
○政府委員(宮崎清文君) 国家公務員と地方公務員のいわゆる人事交流の問題でございますが、従来まで、私たちは、これは国と地方公共団体との完全な御了解のもとに円滑に行なわれていると理解いたしたわけでございます。しかしながら、先生いろいろ御指摘なさった点、もし御指摘のとおりであるといたしますと、今後弊害が起こることも考えられますので、これらの点は、さしあたりまして、関係省庁とよく連絡をとりまして、十分に調査いたしまして、その結果しかるべき方策を考えたいと思います。
○政府委員(岡田勝二君) いろいろ問題点の御指摘があったわけでございますが、採用制度の型といたしましては、国、地方それぞれ別個にやっておることは御承知のとおりでございます。これにつきましても、問題が全くないかと言いますれば、たいへん古い話で恐縮でございますが、二十九年か三十年の公務員制度調査会では、国、地方通じた一本の採用試験を考えたらどうかという答申もあったことはあるわけでございます。そういう問題も、いま御指摘の問題点ともいろいろ関あろうかと思います。
 それから、国家公務員が府県に出て勉強になるというお話について御指摘がございましたが、これは勉強だけしにいくわけではございませんで、仕事をして、それによって本人の勉強になるという意味では、どの公務員部内でも、あるいは民間でもそうだと思いますが、いわゆるジョブローテーション、いろいろ仕事をかえて本人に能力をつけていくということにも役立つという意味だろうと拝聴しておったわけでございますが、なお一部の、たとえば上級甲だけがどんどんいわゆる出世していって、その他の者が、もう先が見えているからいろいろ汚職を起こすとか、あるいは云々というお話がございました。実は、この問題非常にむずかしい問題でございます。つまり昇進の制度をどうするかということでございます。まあ、行き方としては、昇進について試験をする方法と選考でいく道がございます。学校出た人をすぐ採用する試験につきましては、だれも異存はないわけで、これは国の試験であろうと地方の試験であろうと受けてくれるわけですが、いざ一たん公務員部内の中に入ってまいりますと、いわば試験アレルギーというものを起こしておるわけでございます。で、一部府県では、臨時昇任試験であるとか、係長昇任試験であるとか、なさっておるところもございますが、これもみながみなスムーズにいっているわけではございませんで、新聞などで見ますと、いろいろ職員団体が反対して、ついに実施不可能になったということも新聞紙上で拝見しております。こういう昇任試験へのアレルギーというものは、国家公務員であろうと地方公務員であろうと存在することは事実であります。
 で、もう一つ、それじゃ昇任の場合に、選考でいく場合に何をもとに選考するかということになると、勤務成績在り、研修における成績なりというものが中心になってまいってこようかと思います。で、勤務成績ということになりますと、勤務評定にあらわれたものということに在りますと、また、勤務評定制度に対していろいろ反対をされたり、疑問を持たれたりということで、正直申し上げまして、私ども一般職の国家公務員の内部におきましても、この昇任制度をいかに持っていくか、現実のところ非常に苦慮しておる状況でござ.います。というふうな、いろいろな国、地方を通じての、いろいろの問題点の御指摘でございますけれども、いま私が申し上げましたことも、またいろいろ別の角度でございますので、たいへんむずかしい問題で、今後とも、地方公務員の面は私ども取り扱うところじゃございませんけれども、公務員の面といたしましては、国家公務員制度の中で何かさらに勉強して、いい道を考えたい、このように感じておる次第でございます。
○二宮文造君 文部省の官房長お見えで、文部省の具体的例を出しませんでしたけれども、たとえば教育委員会の内部の人事、これなんかもやはり問題に出していけば出てくるわけであります。ですから、これもひとつ、教育長あるいは教育次長、さらにまた社会教育主事だとか、それから教育委員会の総務課長だとか、そういうようなところのいわゆる権力抗争、そういうものが地方で行なわれておるような印象もするところがございます。ですから、今後の人事、そういうことについて賢明に処置をお願いしたいと思います。これは要望にとどめておきます。具体的に例はございますけれども、時間の関係で指摘をいたしません。
 それから、大蔵省の官房長に来ていただく予定が、官房長お見えにならないで、秘書課長が見えたんですが、これはいますぐの問題じゃなくて、いま自治省の方とやりとりをしましたけれども、また、いま人事院の方も地方の実情を勉強すると――これは悪いとは言えない。悪いとは言えないが、そのために、何度も言いますように、地方の定員を食うわけですから、こういうふうな見習い、採用早々に地方へ出すというような場合は、これはやはり国の給与、国の責任で地方へ配置するということも、まあ給与面になりますが、考慮すべきではないか、こう思うんですが、これは一足飛びに返事が出ないと思うんですが、秘書課長さんの心証をお伺いしたいと思います。
○説明員(長岡實君) 先ほど来、各省のお答えを伺っておったわけでございますけれども、自治省の場合といえども、単に勉強させるためということだけで地方公共団体に職員が出向いておるわけではないわけでございまして、いわば地方へ参りまして、地方の職員になり切って地方の仕事をすることが、結果論として、その人にとっては一つの重要な行政の経験を積む、それが勉強になるんだというふうに私は理解をしておるわけでございます。中で、特に、二宮先生が御指摘になりましたように、一般の場合と違って、大学を出て、まだ全く経験のない者が、中央で試験を受けて、それが各地方公共団体に配属をされた者について、同じような考え方で貫き通せるかどうかは、私もその実態をよく存じておりませんので、あまり断定的にお答えを申し上げる自信はございませんけれども、大蔵省の財政の立場から考えますれば、私どもはあくまで、地方公務員の身分を取得して地方公務員になって仕事をしておる者については、地方が負担をすべきであるというふうに考えておる次第でございます。
○二宮文造君 そういう答弁が返るだろうと思いました。地方の公務員になり切って仕事をしている、そうあるべきなんです。実態はそうじゃないんです。実態はそうじゃない。そこで調和を乱したり、問題を起こすから、私は何度も繰り返して申し上げるわけです。昔はでっち奉公というのがありまして、大体三年とか五年とか役に立たないんです、仕事にならないんです、じゃまになるんです。はっきり言います。ですから、ごらんなさい、最初に配置するのは全部地方課でしょう、文書課でしょう。責任あるポストで仕事はやってないんです、三年間は。ところが、県は県で、自分で採用したんならこれはそのままずっと県の職員で使えますから、親方は元手入れたってつまらなくないんです。ところが、このお弟子は三年たったらよそに行っちゃうのです。そういう身分、そういう仕事の内容。そういう身分の場合に、地方に財政を負担させることは、これは将来の問題として検討に値する問題ではないか、こう私は提案をしたわけです。もう一度答弁いただいて終わりにしたい。検討するとか、考慮するとか……。
○説明員(長岡實君) 先生の御質問の趣旨はよくわかるわけでございますが、これは先ほど来自治省の官房長が繰り返しお答えになっておられました、現在のいわゆる採用の仕組み自体の問題にかかわるわけでございまして、これは国家公務員と地方公務員の制度全体の問題でございます。そちらのほうの御検討が進みますれば、その結果の結論に応じた財政負担がおのずから生まれてくるであろう、かように考えます。
○理事(和田静夫君) では、他に御発言もないようですから、自治省の決算につきましてはこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時四十二分散会