第066回国会 逓信委員会 第2号
昭和四十六年七月二十四日(土曜日)
   午前十時四十五分開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         横川 正市君
    理 事
                森  勝治君
    委 員
                今泉 正二君
                植竹 春彦君
                長田 裕二君
                古池 信三君
                郡  祐一君
                迫水 久常君
                白井  勇君
                新谷寅三郎君
                塚田十一郎君
                鈴木  強君
                山田 徹一君
                木島 則夫君
                青島 幸男君
                松岡 克由君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  廣瀬 正雄君
   政府委員
       通商産業政務次
       官        林田悠紀夫君
       郵政政務次官   松山千惠子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       通商産業省重工
       業局電子政策課
       長        平松 守彦君
       郵政大臣官房長  森田 行正君
       郵政省電波監理
       局長       藤木  栄君
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  本日の会議に付した案件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
 関する調査
 (電算機の自由化に伴う問題に関する件)
 (通信政策等の長期展望に関する件)
 (沖繩のVOA放送に関連する国内法の整備に
 関する件)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
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○委員長(横川正市君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 質疑の申し出がございますので、これを許します。鈴木君。
○鈴木強君 最初にコンピューターの自由化の問題について通産の政務次官においでいだだいておりますから、お尋ねをしたいと思います。
 七月二十三日、きのうの新聞紙上に一斉にコンピューターの自由化の問題が報道されておりますが、私はこのニュースを見まして、一体日本の通産行政はどうなっておるのかという疑問を持ちました。その理由は、このコンピューターの自由化の問題は従来も国会においてしばしば論議になり、特に大型、中型のハードウエア、またソフトウエアの問題につきましては、残念ながら、アメリカから比べますとたいへん劣っております。特にソフトにつきましては、約十年のおくれがあるといわれております。したがって、このような状態の中で、いまコンピューターの自由化をいたしまするならば、国内のコンピューター業界に与える影響は非常に大きいものがあると思います。そういう意味で、私どもはこのコンピューターの自由化については非常に慎重な態度をとっていただくように政府にもたびたびお願いをいたしてまいりました。具体的には、ここに議事録を持ってまいりましたが、昨年の五月の六日、商工委員会におきまして、私は当時の宮澤通産大臣にこの問題の質問をいたしております。そのときも宮澤通産大臣は「ハードウエアにつきまして中型、大型等等は、これはわが国はまだ非常におくれております。ソフトウエアにつきましてはもとよりでございますから、それらのものについては自由化をする意思は、私はただいま持っておりません。」、こういうふうにはっきり答えておるのであります。そして、さらに、「このことは、実は先般両国間の貿易・資本の自由化のためにアメリカからミッションが参りました。ケンドールというような人、ほか何人かが参ったわけでありますが、その人たちに対しても、明確に、これはいわゆるハードコアとして自由化しないで日本は残しておく、そういうつもりであるということを実ははっきり申してございます。そういう方針でやってまいりたいと思っております。」、こういうふうにお答えをいただいております。さらに、本年の五月六日、公衆電気通信法の一部を改正する法律案の審議の際に、この委員会に宮澤通産大臣の出席をいただき同様な質問を私はいたしましたが、そのときにも、こういうふうに言っておりまして、先のあれと同じであります。「まだ最終的に政府部内で十分協議をいたしておりませんけれども、やはり私としては御指摘になりました当時考えておりましたことはただいまも考えておりますことと違っておりません。」、そういうふうにはっきりと御答弁をなさっております。さらに、参議院の本会議におきましても、佐藤総理大臣は同様な趣旨の御答弁をいたしておられるのでありますから、私たち国民は、よもやこのように早い時期にコンピューターの自由化をするなどということは考えておりませんでした。一体通産省としては、この委員会に、国会に約束をし、国民に約束をしたことをどうして簡単にひっくり返してしまうのか。政治のあり方としても、あるいは行政の筋からいっても私は納得ができない。なぜこのように早期に自由化に踏み切らねばならなかったのか、まずこの点を通産省のほうからお答えをいただきたいのであります。
○政府委員(林田悠紀夫君) 電子計算機産業につきましては、鈴木先生からおっしゃられるとおりでありまして、通産省といたしましても、その重要性を考えて非常に慎重な態度をとっておる次第でございます。特に七〇年代のわが国の産業ということを考えました場合に、社会発展の原動力になりまするのがこういう知識集約産業でございまして、その最も重要なものの一つが電子計算機産業であると存じております。したがって、これにつきましては、直ちに全面的に自由化するというようなことは考えていないような次第でございます。ただ最近、国際的に国際協調の気運というものが非常に高まってまいりまして、そういう観点を考えなければいけないとか、あるいはまた円対策といたしまして、外貨が大いにたまってくるというような事態に対応いたしまして、そういうことも考えながら、関係各方面の意見を十分に聞きまして、慎重に検討を進めてまいった次第でございます。
 それで実は、一昨日、御承知のとおり、通産省発表をいたしたのでございまするが、その要旨を簡単に申し上げさしてもらいますると、御承知のとおりでございまするが、第一に、資本自由化につきましては、電子計算機と情報処理産業をネガリストに残すことにいたしました。このうち電子計算機につきましては、三年後に自由化を行ないたいというように大体考えておるわけでございます。したがって、情報処理産業につきましては、なおネガリストで残していきたいということでございます。
 それから第二に、輸入自由化についてでございますが、残存輸入品目削減の一環といたしまして、たとえばカード読み取り機、あるいは紙テープ読み取り機、光学式文字読み取り機、ラインプリンターなど、周辺装置の大部分の自由化は行なわれまするが、本体及び同部品の自由化は行なわないということに考えておるわけでございます。そういうことで、原則としての本体の自由化は行なわないということを中心にいたしまして、周辺のもののある程度の自由化を考えてみたい、こういうような態度でございます。しかしながら、ごれによりまして、何とかして早く日本の電算機産業を確立しなければいかぬということでございまして、今回の資本及び輸入の自由化にあたりましては、わが国電算機産業に著しい被害がないように考えておるような次第でございます。
○鈴木強君 私は、いま政務次官のおっしゃった後段の、自由化の内容に入るまでに、従来の政治的な皆さんの約束、それから行政レベルにおいて考えておりました考え方、そういうものが急転したということですね。いま若干、外貨準備高が七十億ドルから八十億ドル、あるいは九十億ドルに近くなるというような、皆さんのほうからいえば予想もしなかったというかどうか、それはわかりませんが、いずれにしても、そういったような関連もあり、日米協調の点からそうせざるを得なかったんだ、こういうふうにも受け取れるのでございます。もちろん、沖繩の返還交渉なりあるいは米国内における経済の不況状況とか、いろいろな要素があると思いますが、それならそれで、この前にこう皆さんに約束をしたのはそのとおりでありますが、その後かくかくの情勢の変化がありまして、政府としては、この程度の自由化をせざるを得なかったのであります。そしてそのことによって国内のコンピューター業界に対するいろんな弊害が出るとすれば、それに対してはかくかくの措置をいたしまして万全の措置をとりましたというのが御答弁ではないですか。私、失礼にもこう答弁しろというようなことをあなたに申し上げるわけではありませんけれども、われわれはそういう筋を立てた説明をしていただけませんと、いままで皆さんが国民に対してうそを言っているんじゃないか。かりに自由化をやってもこれは最後でありますと、こう言っておきながら、それは全体の資本自由化あるいは輸入の自由化でないかもしれませんが、われわれに約束したことではないでしょう。それを破ってこういう措置をとられたことに対する不満を私は皆さんにぶつけているんです。だからそれに答えるべき率直な政府の態度を国民に向かって述べていただきたい。それから私は具体的に、皆さんのおきめになった内容についても若干疑問がありますからお尋ねをしたいと思います。政治的な責任はどうしてくれるのですか。
○政府委員(林田悠紀夫君) 率直に申し上げまして、これについて沖繩問題とか、そういうようなアメリカとの関係でどうということはないわけでございます。ただ、いまも申し上げましたように、国際的な協調の問題が非常に重要になってまいりまして、それでは全然何も自由化しないということでもどうだろうかということも考えられるわけでございます。しかし、電算機産業というものの重要性から考えまして、どうしてもこれをしっかり育てていかなければならぬ、だからそれを育てるということにある程度反しないぐらいの自由化を徐々にやっていきたいというような考え方を持っておるわけでございます。したがって、早くこの電算機産業を発展させまするために政府といたしましては十分な対策をやっていきたい。
 それで、まずその対策について申し上げさしていただきますると、電子計算機の技術開発を進めていかなければいかぬということが第一でございますから、その技術開発につきまして大いに助成をやっていきたい。現在六社あるわけでございまするが、そういうものを系統的にも考えまして、そうして、もっと強力にして技術をすみやかに開発をするような体制をつくり上げていきたい、こういうようなことを考えております。それからまた、現在の日本電子計算機株式会社に対しましては、これの活動が十分にできまするように財政資金の大幅の拡充をやってまいりたい。そういうようないろいろな対策を講じまして、今後ともわが国電子計算機産業の健全な発展に遺憾のないような措置をやっていきたい、かような非常に前向きな考え方でやっておるような次第でございます。
○鈴木強君 同僚議員である林田政務次官に私少ししつこいことを言うようにとられるとたいへん恐縮ですけれども、大臣においでいただいてぜひ私は大臣とやりたかったんです、この問題を本質的にもっと掘り下げて。現状の国際経済の中における今後の国際協調もあるでしょう。ところが、大臣が衆議院の商工委員会の関係でおいでにならないので、やむを得ず政務次官に出ていただいたわけです。しかし、おいでいただけば私は大臣と同じように政務次官を当然考えますし、運営上はそうなると思います。したがって、少しくどいかもしれませんが、聞いていただきたいんです。
 あなたのおっしゃっている、私どもから言えばかなり早目に従来の態度から切りかえたと私は認識しているわけです。それは認められますね。しからば、そういうことは私は一年、二年あるいは三年前でありますれば、多少情勢判断に対して政府の見通しの甘さ等はわかりますけれども、少なくとも本年五月この問題についてこの委員会で、昨年の商工委員会の再確認をしたばかりでありますよ。六月、七月――八月になっていませんね。そういう段階でなぜ――国際情勢あるいは国際協調という面からこうせざるを得なかったとおっしゃるんですけれども、それにはかなりの情勢変化がなければそういうふうには私たちには受け取れない。ですから、従来から国際情勢というのは変動していますから、こういう変動がありましてこうせざるを得なかったということが出ますれば、何も国民は、従来そう言っておったからけしからぬということじゃなくして、私も、これこれの事由でこうなったということが理解できれば、政府の措置もわかるわけですから、わかりましたと、それでは次にひとつこういう対策を立ててほしい、こういう点はどうしますかという質問ができるわけですけれどもね。ですからして、国際情勢の変化、協調ということは、従来から政府がおとりになった一貫した措置でもありますから、特にどういう変化があってこういうふうに時期を早めなければならなかったのか、そこのところを政務次官からお答えいただければ私は次に進みたいと思うのですが、いかがでございますか。これは責任がありますよ、国民に向かって。
○政府委員(林田悠紀夫君) 鈴木先生おっしゃるとおりだと思います。ただ、御承知のように、ことしの四月ごろから外貨蓄積が急増してまいりまして、特に対米輸出がそんなに伸びると思っていなかった。テレビとかあるいは自動車が非常に伸びてまいりまして、前年の同月比にいたしますと、一五〇%とかあるいは二〇〇%とか、そういうような倍にも伸びるというような状況もございまして、外貨は七十六億ドルに達すると、このままでいきましたらあるいは十月ごろ、あるいは年末には百億ドル以上になるのじゃないかというような重要な時期を迎えまして、何とかしてこの対策を立てなければいかぬというようなことで、八項目の対策を至急にやろうじゃないかということが打ち出されてまいりました。そういう非常に状況も変わってまいりまして、そういうことがこの契機にもなっておるということをひとつ御了承願いたいのであります。
○鈴木強君 総理大臣も先般の本会議場で、もちろん今度の国会ではありませんが、前の通常国会の終わりごろに、公衆電気通信法の改正の際に、はっきりと従来の線を確認していただいておるわけです。その総理がどうも報道によりますと、急にコンピューターの自由化ということを言い出した。今度の佐藤内閣を改造したあとすぐそういうような意見が出てまいりまして、要するに、総理の一声で田中通産大臣が業界をかなり説得していろいろな対策を立てながらこれをやったと、こういうふうに一般的には受け取っておるわけであります。ですから、いま、林田政務次官のおっしゃったような、最近における外貨準備高の異常な蓄積の増、これに対する円切り上げの問題、いろいろ出ていますね。そういう点私たちも知っているわけです。だけれども、どうも、そういうことがコンピューター部門にしわ寄せされて、全体の姿の中で、一体コンピューターはどういうウエートを持っているのかという、私はその辺がまだぼけていると思うのです。だから、弱い部門あるいはここをやったらどうかという、そういうところに、何か思いつきと言うと失礼ですけれども、しわ寄せがいったのではないかという一部危惧を持つわけですよ。そうではないと思いますが、そういう危惧すら持つのですから、全体の貿易自由化、資本の自由化の中でコンピューターの占める位置というのはどうなのか、全体の中で、これはどういうところまでやらなければならぬという、そういう構想をやはり国民の前に示して、従来私は国会でもこう答弁してきたけれども、これは見通しの甘さもあってたいへん申しわけなかった、しかし、どうしてもこういう理由でこうせざるを得なかったということを謙虚に国民の前に反省をする点は反省をして、そして政府の所信を明らかにすべきじゃないですか。そういう点が足りないですよ。ですから、何か政府の貿易、経済の、あるいは外交の不手ぎわから生じたそういった問題が一部のところにしわ寄せられたのじゃないかという危惧を持つのは当然ですよ。そうでなかったら、もっと国内の労働者の賃金も上げてやるとか準備高もあまり上がらないような方策を積極的にどうお考えになるか。その点はそのままにしておいて、ただ、それとのかね合いで自由化を推進していくというようなことは、これはできるだけ日本の輸出を押えて、輸入をふやそうということもございましょうけれども、それがただ単にコンピューターだけでなくて、残されたネガリストというものがあるわけですから、その中でコンピューターはここまでやらざるを得ないというような説明ができないものですか。そうすれば――やや、完全ではありませんね、これは。条件がついております。三年とか、本体とかいろいろありますから、なるほどその程度だったらこれは全体の中ではやむを得ないかと、そういう判断が私どもにもつくわけです。なかなかうまく御説明はできないのですか。
○政府委員(林田悠紀夫君) 鈴木先生は大専門家なものですから。まあこの電算機については本体について三年間はしないと、その三年間の間にIBMに対抗できるようなりっぱな機種をつくり上げる体制をつくり上げていきたい、しかる後に自由化を考えていきたい、それからソフトウエアにつきましては自由化はいたしませんというようなことで、非常に電算機産業というものを重要視いたしまして、そうしてやむを得ない点から自由化をしていこう、これは世界の協調の線に沿ってそれだけぐらいであればやらざるを得ないというようなことで十分業界ともいろいろ接触をいたしまして、いろいろ話し合いの結果、こういうようなことに落ち着いたということでございまして、ただ、外圧のみによってやっておるというようなことではないことを御了承願いたいのでございます。
○鈴木強君 なかなか私の質問に明確に答えていただけませんので理解はできません。ただ、時間も制約されておりますしするので、どうか田中大臣にも私の意見を伝えてほしいのです。そしてやはり国民が納得するような線でやっていただかないと、ただやっても結局国民から疑惑を持たれ、その効果がないということであってはいけませんので、そういう点、十分に伝えて、どうか国民の疑問に思っている点を私は代表してきょう申し上げておるつもりですから、それにこたえるべき措置を何らかの方法でおとりになってくださるようにひとつ伝えておいてほしいと思うのですよ。田中通産大臣は党の幹事長もされておって、いろいろ重要政策についても参画をされておると思いますから、どっかの大臣と違ってその経過を知らぬとか何とかいうことでは通りませんよ。これはやっぱり一国の総理なり大臣が責任を持って国会に御答弁になったことですから、その御答弁が生かされないというならその理由を、ちょっとくどいようですけれどもはっきりとすべきだというのが私のいま前段のあなたに対する質問の集中点である。これはどうも申しわけないということが出ているわけじゃないし、判断が甘かったということが出てくるわけじゃないし、どうもその点がもの足りないと率直に言って思っておるのです。これは私の気持ちとしてそう伝えておいてもらいたいと思うのです。
 それで若干御発表になっております自由化の案についてお尋ねしますが、たとえば資本の自由化の面で電算機関係でネガリストの業種は二つにしてごさいますね。ソフトとそれから電子計算機――これは電子計算機とそれから電子計算機制御自動機構の製造、販売、賃貸、それから部品――この中には電子計算機の集積回路(IC)も入っているのですか、こういうものも含めてですが、それから情報処理産業、これが二つ目ですね。それで最初の電子計算機あるいは電子計算機制御自動機構の製造、販売、賃貸等それからこの部品等、これは従来業界の皆さんは三年後に自由化するということでしょう、そうですね。ところが、われわれが業界から聞いている意見では、少なくとも五年間ぐらいはもうちゃんとしておいてもらわないと困るという意見があったように聞いておるわけです。三年ということになるとこれは二年間短縮した、こういう点ではこれは業界に不満があると思う。その二年間短縮したギャップをどういう点でカバーしようとするのですか。
○説明員(平松守彦君) 資本の自由化につきましては、電算機本体及び関連装置、部品を含めまして三年間は資本の自由化はしないわけでございまして、現在御存じのように世界最強といわれますIBMはすでに日本に上陸いたしておりまして、一〇〇%の子会社を日本に持ちまして、製造販売活動をいたしております。また、アメリカでは有力なコンピューターメーカーでございますユニバクという会社は現在日本の沖電気と合弁会社をつくってこれまた製造販売をいたしております。日本の全体の設置金額の半分はアメリカの電子計算機によって占められておるというのが現状でございます。通産省としてはこれを全面に、特にものの自由化をいたしますれば、現在の技術ギャップをそのままにしていま即時自由化すればこれはたいへんなことになるので、もののほうはいま期限も明示しないでこれから国際競争力をさらに培養してまいりたい、資本のほうにつきましては、大きなところは入っておりまして、三年たちましても、これから出てくるアメリカの企業というものはそれほど大きなシェアを持っているものではございません。しかしながら、やはりいろんな面で進んだ技術を持った企業もあるわけでございますが、いずれにしても、これは一〇〇%自由化じゃございませんで、五〇%までの自由化でございますから、必ず国内の企業と一緒になった合弁会社として出てくるわけで、その点は一〇〇%自由化ではない点を申し上げておきたいと思います。
 なお、この三年間にどういう対策を講ずるかということにつきましては、四十七年度の予算要求の大きな問題になっておりまして、現在鋭意検討中でございますが、特にことしの夏から販売を始めますIBMの三七〇というシリーズがございますが、まあ三・五世代といわれるコンピューターに対抗するために三年間に相当な額を技術開発補助金として出しまして、自由化をする暁にはそういう三・五世代の対抗機種が日本にできてくる、ユーザーにも御迷惑をかけない、こういう対策を講じてまいりたいと考えております。
○鈴木強君 まあ平松さんはその筋の専門家で、非常に私も尊敬しているんですけれども、三年後にしたということですね。その理由は何か特別にあるんですか。業界はたしか少なくも五年という意見を主張していたと思いますが、三年にしたというのは、まあ無理を言って三年に押し込んでしまったということだと思いますが、その理由はどこにありますか、三年後に自由化するということは。
○説明員(平松守彦君) 業界の五年というのも、まあ四、五年という感じでございまして、その辺はまあニュアンスがあるわけでございますけれども、大体アメリカが新しい機種を出しても、二、三年の間に日本の新しい機種が出てくる、若干のズレがございまして、三年という段階でいまの新しい対抗機種ができ上がる技術的な期間ということで考えたわけでございます。
○鈴木強君 それもあなたのおっしゃるようなことだけでは私はきめかねると思うんですよ。ですからかなりピッチを上げて急転して自由化した。しかし全部やりたいんだけれども、できるだけ徐徐にやりたいという、そういう政治的な配慮もあってなされたんだと思うので、あなたのように純技術的な立場に立って、それにかわるべき新しい機種が開発される、その間が大体三年なら三年と見てやったというならわかりますが、私は必ずしもあなたの考えるようなすなおな技術的な立場に立っての面だけではないと思うんですよ。だから伺ったんですが、これは政務次官、特段にこの政治的な配慮というのは、三年後に自由化するということについてはないわけですか。
○政府委員(林田悠紀夫君) 三年後については、まあ新しい機種ができる大体のめどを立てまして、そしてそれに十分な政府の援助をやっていく、だから三年ぐらいでいいだろうというようなことで、特に政治的なことはあまり考慮しておりません。
○鈴木強君 しかし、それは技術的な面になりますと、やっぱり業界のエンジニアもおりますから、ですからともかく通産省だけのペースでものを考えられては困るんですよ。だから三年なり、五年なりということを業界が主張してきたことは業界は業界としての計画もあるでしょうし、見通しも考えておやりになっておるわけですから、本来であればその業界の意向に沿ってやるのが正しいわけでしょう。もちろん、多少無理を言ってスピードを上げてもらうとか、あるいは縮めてもらうということはあるでございましょうが、まあ私たちがかなり専門的にいろいろと検討してみますと、どうもかなり無理を押しつけている、それが政治的な判断からきたんだ、ただ単に純技術的な面からだけではない、こういう私は考え方を持っておりますから伺っておるんで、これは見解の並列になるかわかりませんけれども、そういうことを私は言っているんで、これはひとつもう一つの耳でよく聞いておいてもらいたいと思うんですよ。これはいいです、私希望しておきますから。
 それからもう一つ、ソフトの作業の問題ですが、これはいつやるかはっきりしていないわけですが、これは従来国会で答弁された少なくとも考え方に準拠して資本の自由化については当分やらない、これははっきり言えますか。
○政府委員(林田悠紀夫君) ソフトウエアにつきましては、これは従来の考え方と変わっておりません、はっきり申し上げておきます。
○鈴木強君 この点については要望ですけれども十年以上のおくれを持っておりますから、あとから総体的に国の助成について伺いたいと思っておりますが、これは先ほどちょっと今後の援助について御説明がありましたが、その内容をよく聞いてみないとわからないんですが、思い切った国の援助をする必要があると思います。情報処理振興事業協会法というものができまして、これがやっと動き出した段階でありますから、これにもっと肉をつけ大きく育てていく必要があると思いますからその辺の政治的配慮をやりませんとなかなか所期の目的を達成することがむずかしかろうと思うんです。一方では情報化社会にどんどんスピードが早まっておりますから、少なくともわが国がそのスピードに追いつけないようなソフトの開発状況であっては非常に恥でおりますから、ぜひその点は考慮して政府の絶大なる強力なバック・アップ体制をつくってもらいたい。この点について林田政務次官からお答えいただきたい。
○政府委員(林田悠紀夫君) おっしゃいますように、このソフトウエアの開発につきましては政府としては十分な努力を尽す考えでございます。
○鈴木強君 その次に、輸入の自由化のことですけれども、先ほどの説明ですと周辺装置の大部分、これは四十五年度電算機関係輸入額の中で五割弱を占めるとなっておりますね、大体そんなところだと思います。それについて残存輸入制限品目削減の一環として自由化する、こういうことですが、四十五年度の輸入総額というのは、総輸入量というのは何百億になっているわけですか。
○説明員(平松守彦君) 四十五年歴年でコンピューター関係の輸入総額は約九百六十億円でございます。
○鈴木強君 その九百六十億のうち大部分というんですが、大体どの程度なんですか、この大部分というのは。
○説明員(平松守彦君) 周辺装置の一部を除きます分を自由化いたしますと、約五〇%弱になります。
○鈴木強君 それから本体の輸入自由化ということはこれはやらないわけですね、これは一体今後の見通しとしてはどうなんですか。
○説明員(平松守彦君) 本体自身は依然としてアメリカとの間に大きな技術ギャップがございますので、このギャップを埋まるめどが立つまでは時期は申し上げられないと思います。
○鈴木強君 この点はわかりました。
 したがって、そういうふうな自由化を部分的といいますか、一部といいますか、おやりになるわけですが、その対策として電算機対策特別会計をつくるということですが、この点間違いないんですか。その特別会計をつくることについてのお答えと、それからこの会計の財源は何をもって充てるのかということ、それからJECCに対しても相当の補助をするようになっておりますが、これらに対する援助はどうなるか、あるいは開銀融資の点で大幅に拡充するというんですが、その融資の大幅というのは大体どのくらいを考えておられるか。それから情報処理振興事業協会等に対する助成というのは一体どういうものを考えておるのか、あるいは電算機関係の税制の面について優遇措置をしてやるということを見ておりますけれども、これはどういう内容なのか、この点を教えてもらいたい。
○説明員(平松守彦君) 資本のほうも三年の時限をつけましてこれから自由化対策を進めるわけでございますし、また、周辺装置につきましては近く自由化をいたしますことを考えます。その間に電算機のアメリカとの間の技術ギャップをいかにして埋めるかというのが最大の問題でございます。この点に関しまして、三、五世代に対抗する機種の技術開発補助金及び周辺装置の技術開発補助金、こういったものを集中的に投入して技術を上げなければならぬということが問題でございます。アメリカは、御存じのように非常に大きな国防費またはアポロ計画等を行ないましたNASAによる政府の大量な民間に対する技術資金が流れておりまして、それをバックにしてアメリカのコンピューターは非常に伸びておるわけですが、日本はそれほど大きなプロジェクトもございませんが、あとうだけの大量の資金をこの分野に投入したいと考えております。そういったためには、やはり安定した財源を持った特別会計というのがいいのではなかろうかということでございまして、現在検討中でございまして、四十七年度予算の際に大蔵省と折衝をいたすわけでございまして、まだ現在は検討中の段階でございます。
 構想の内容といたしましては、電算機関係の輸入関税、現在コンピューターを輸入するときには一五%、周辺装置につきましては二五%の関税がかかりますので、その関税の増分を財源にいたします。試算いたしますと、四十七年度には七十億円、あとだんだんふえていくわけでございますが、そういった財源を特別会計の歳入にいたしまして、いまのような三・五世代とか、周辺装置の技術開発、それからJECCの問題についての拠出金と申しますか、そういったことを含めた会計をいま考えておるわけでございます。
 それから、JECC、日本電子計算機株式会社に対しましては、今年度補正を含めまして二百九十億円の開銀融資、財投がついておりますが、来年度は補正を含めまして五百億ないし六百億ぐらいの資金を確保いたしたいと考えております。
 情報処理振興事業協会は、先生方の御協力によりまして昨年から発足いたしましたけれども、この協会が民間に発注いたしますソフトウエアの委託開発費、これを来年は大幅に予算としては確保いたしたい、こういった点を考えております。
 税制につきましては、電算機の買い取り損失準備金でございますとか、固定資産税の軽減等、これまでやりました税制をさらに拡充してまいりたい、こういったことを全部そろえまして、自由化を進めていく上に遺憾なきを期したいと考えております。
○鈴木強君 大体わかりました。
 それで、官公庁の場合のコンピューターですね、これは政府の方針として、できるだけ一括買い上げの方向をとっていただくということが私は経済的に効果があると思いますので、そういう面の御配慮はしていただけると思いますが、それらも含めて自由化対策というものを考えておられるわけですか。
○説明員(平松守彦君) そういったことも考えまして来年度の予算要求に盛り込みたいと考えております。
○鈴木強君 では、この問題について、最後に政務次官にお尋ねいたしますが、私はいま日本のコンピューター産業というのは、いつも申し上げるのですが、群雄割拠的な様相を呈しておりまして、その中にIBMなりユニバクが入ってきておりますね。ですからして、何としてもいまの国内業界も大同団結ということは非常にむずかしいと思いますが、独禁法の関係もありますからむずかしいと思いますが、少なくとも体制を整備して、そしてヨーロッパで、不幸にもヨーロッパ民族がIBMに席巻されてひどい目にあったというような、そういうことをよもや日本は繰り返さないと思います、技術陣が非常に進んでおりますから。ですけれども、いまのようなまちまちの形で、やっぱりやっておられては、研究開発についても、かなり私はロスがあるように思います。これは何回も私は申し上げておるのですけれども、なかなかこれは相手のあることですから、政府の行政指導でむずかしい点もあると思いますけれども、この際は、ひとつよく話し合いをしていただいて、今回の自由化に対しても、業界の方々がかなり不満はあっても、新聞等によりますと、こういったいろんな対策を含めて、まあしぶしぶでありましょうが、やろうというような気持ちを持っておられるんじゃないかと、私は想像するのですけれども、ですからして、もう一歩業界の各社の体質改善なり内容の充実というような面を御指導いただいて、相手方に負けない体制をつくっていただくことがどうしても必要だと私は思います。そういう体制がはっきり国内的に確立されれば、ある程度自由化がまいりましても、そう私はおそるるに足らないと思うのであります。ところがいまの段階でどんどんと輸入がされてまいって、しかもこれを突破口にして、やがてまた次に拡大していくということになると思いますが、その時期なり方法なりということは、きわめて慎重にしていただかないと問題が起こると思います。ですからそういう点の配慮を、内閣こぞって、ただ単に通産だけでなくて、国としてやってほしい、こういうことを強く希望するんでございますが、これに対する御所見を承りたいと思います。
○政府委員(林田悠紀夫君) 私も鈴木先生のおっしゃることに全く同感でございます。現在六社がおのおのやっておるというようなことでは非常に力が弱い。どうしても強力な行政指導をいたしまして、おのおの会社のことでございまするから、政府がすべて言うとおりというわけにもいきませんけれども、とにかく行政指導によりまして強力な体制をつくり上げていく。そしてもう一刻も早くあのアメリカの巨大な電算機産業に対抗できるような体制をつくり上げていきたいと、そのために、もう全力を傾注する考え方でございまするので、今後とも御支援をお願い申し上げます。
○鈴木強君 それでは次に、通信行政問題研究会が、先般「通信行政の展望(要説)」というものを御発表になりました。私も非常に関心を持っております一人でございますが、内容を二度、三度読ましていただきました。しかし、この研究会の設立の動機ですね、それからその目的とするものは一体何なのかということに対して非常に疑問を持ちましたことが一つ。それからもう一つは、せっかく百名近いスタッフが自主的にお集まり願ったようでありまして、いろいろと討倫の素材を提供しておりますけれども、みずからも認めておるように十分論議を尽くしたとはいえないとか、なお見解の分かれるものもいくつかは残されているとか、こういうふうな、いわば中途はんぱなものをなぜ世間に発表したのかという疑問ですね。それから日本には公共企業体としての電電公社が厳然としてございます。私は公共企業体の法律案を提案いたしました当時は、残念ながら議席を持っておりません。昭和二十七年五月十三日、当時の参議院電気通信委員会の会議録というものを、もう一回あらためて私は読み直してみました。その際、委員長はわれわれの先輩の鈴木恭一先生でありました、この委員会の委員長は。それで平井太郎先生が大臣だったですかな……政務次官でございまして、平井先生が提案理由の説明をなさっておりますが、この流れる思想というのは、もちろん郵政省に通信政策を論議し決定するということに対しては、私は監督権限を持っておる大臣でありますから、あると思います。ただ、しかし、事業の経営の面におきましては、少なくとも電電公社の自主性を尊重して公共企業体という性格の中で仕事をやらせる、従来の国営国有のお役人の方式の経営ではなかなか日本の電信電話事業というものはうまくいかないということから、民間経営のよさを十分取り入れてやるという思想に立っていると思うのであります。ですからね、そうであるならば、通信行政的な面における郵政省のいろんな配慮はよくわかりますが。と同時に政策的な面につきましても、もちろん大臣の御所管でないと私は申しませんし、おやりになることはけっこうですし、むしろ若い人たちが非常に熱意を持って努力されたことは私も大いに評価しているんです。しておるが、残念ながらポイントにおいて少しぼけておる。しかも公共企業体の経営そのものに対して、あるいは政策そのものに対して、もし論議をするとするならば、もう少し幅を広げて、あるいは電電関係の諸君だとか、あるいは国際電電株式会社の諸君だとか、あるいは放送関係の諸君だとか、電波関係の諸君だとか、こういう幅広い各層にも働きかけをして、そうして一つの問題を討論するということは私は意義のあることだと思うのですけれども、どうもメンバーをよく伺っておりませんからわかりませんが、郵便はいま赤字で、先般も法律改正をして郵便料金を上げたところであります。ですから、むしろそのことをどうするかという郵政事業の公共企業体にしても、あれだけの熱意をもって進んだにもかかわらず、今日もたもたしてわれわれの前に出てこない。だから、むしろどうしてそういう点についてももっと突っ込んだ研究がなされないのか。電気通信あるいは放送電波に限ってのこういう研究会というのもこれはけっこうでしょうけれども、むしろ郵政本体の郵便、貯金、保険、年金、こういうものを含めておやりになったらなおよかったんではないかと、こう思うのです。
 ですから、この研究会というのは、郵政省がこういうものをつくって、ひとつおまえたちやってみろ、こういうことで省が認めてやったものか、あるいはだれかが音頭をとってやらしたものか、その辺はどういう経過になっておりますか。
○国務大臣(廣瀬正雄君) ただいま「通信行政の展望」という、先般郵政省の若い連中がつくりました資料につきまして広範なお尋ねがあったわけでございますが、このつくりました動機あるいは目的、また郵政省が公認してやらしたかというような趣旨の第一点のお尋ねがあったと思いますけれども、これは私ども郵政省に職を奉じておりますものは、絶えず事業の発展、向上、進展ということにつきましては熱意を込めて、情熱を燃やして研究をしていかなければならないということは当然のことだと思うわけでありまして、この「通信行政の展望」ができましたのは、私聞くところによりますと、まあ、そういうような情熱、熱意を持った若い連中、具体的に申しますと、課長補佐級の連中が約百名集まりまして、今後の主として通信政策――と申しますのは、今後情報化社会に移行してまいります通信政策、また国際化してまいります通信政策ということになりますれば、どうしても電気通信あるいは電波ということが主題になりますわけで、そういう問題を取り上げて、ひとつ真剣に討議してみよう、そして何かひとつまとめてみようということになりまして、これは自発的なそうした熱意が動いたものだと思うわけでございますが、それに当時の曽山郵政事務次官が非常に理解を持ちましてこれを激励いたしまして、そのようなまとめをいたしたというようなことが実態だと、かように考えております。
○鈴木強君 この参加した課長補佐クラスの百名の方の所属と、その氏名ですね。それから出身の学校等をひとつ資料として出していただきたいと思います。
 それから、大臣のおっしゃることは私も全面的に認めます。郵政省職員として職を奉じている以上、その職責を果たすために、日本の通信政策が今後いかにあるべきか。長期にわたるビジョンを立てて、そしてそれを早くから準備していくということは、これは私は当然のことであるし、いいことだと思っておりますが、ただ、私がどうもふしぎに思ったのは、それならば、郵便とか保険とか貯金とか、さっき申し上げたようなことについても、もっと真剣に考えてしかるべきではないだろうか。郵政審議会に諮問した公企体への移行の問題についても、何か頭のほうをぐっと上げてみたけれども、途中で引っ込めてしまって、省の中における意見というものも全く一致していると思えないような情勢もわれわれには見受けられる。したがって、郵政省所管のそういう政策、行政面あるいは政策面における全体の研究というものをあわせてやるという考え方に立てなかったんでしょうか。どうして通信行政問題に限ってこういうものを曽山君が理解をし督励をしてやらしたというそのことが片手落ちではないか。大臣就任前のことですから、ちょっとこれは官房長でも何でもいい、いきさつのわかる人から答えてもらいたい。
○説明員(森田行正君) お答え申し上げます。
 この電気通信関係のいろいろな問題は、近年特にデータ通信ですとか、CATVとか、宇宙通信とかいろいろな問題が急激に、またきわめて広範囲に発展してきておるものでございますので、そういうものをつかまえて、今後の発展の情勢を見て通信行政はいかにあるべきかということをつかまえるのが主眼でございまして、郵便、貯金、保険につきましても、もちろん郵政省の本体の事業でございますので、各部局でいろいろと一歩でも前進しようということでやっておりますが、電気通信のほうが急激であるという、これはまたいろいろ新しい態様が入ってきて大いに勉強する必要度が高かったものというふうに覚えております。
○鈴木強君 あなたは通信のほうが重要で、それは技術革新が激しいからと、こういう理屈だが、郵政だって同じでしょう、これは。郵政こそもっと合理化できる点は合理化し、機械化できる点は機械化してもっとスピードで間違いなく届くような郵便にしてほしい。これは私はほんとうにいやになるほど論議をしましたからここで繰り返しませんが、郵政事業といえどもいまや大きな危機にきておる。だからして、これをどうして経営的に、あるいは政策的にメスを入れていくかということを私はほんとうに真剣に若い諸君が考えてほしい問題だと思うのです。ですから、そういう点もやっておられるでしょうけれども、特にこういう通信行政問題研究会、この中の通信というのには郵政も入って、またここでおやりになるのかどうなのか。これは省が一体認めたものですか。曽山君が支援したというのだが、省はこういう自主的な研究会をつくって若い人たちがやることに対して深い理解を与えたのですか。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 省が認めたかどうかというお尋ねでございますが、こういうふうな研究をやれという辞令を出したわけでも何でもございませんけれども、曽山君が大いにやれと、けっこうなことだからということで了承を与えまして大いに鞭撻しましてやらしたということは事実でございます。
 それから、郵政というおことばでございますが、郵便についても通信の一つだがなぜやらぬかということでございますけれども、これにつきましても、昨年の暮れに郵政審議会に郵便事業の正常運営を確保するための方策に関する問題を諮問いたしまして、そういう答申も出ておりますので、特に郵便についてはこういうような資料もございますからそれで避けたということもあるんじゃないかと思っております。
○鈴木強君 それとはちょっと時点が違うし、展望が違いますね。やはりこれはおそらくはきょうあすのことではないでしょう。通信政策については、それはきょうあすのことも含まれると思いますけれども、七〇年代ないしは八〇年代の長期にわたるビジョンというものをつくろうとしておられたと思うのですよ。ですから、私はそのことはいいと言うのです。だから曽山君が激励したとかということで、何か聞いていると個人プレーというか、個人でこういう人たちが集まってかってにやったというと語弊がありますけれども、実質的に個人でやったというふうに聞こえるのです。ですから、こういう研究会をつくって、省として若手の諸君に大いに君たちも勉強して一つの何か問題を出してもらいたいということを省でやっているんじゃないですか。省としてやらないと、これは個人でかってにやったということになりますと、勤務時間中にやることがいいかどうか、あるいはそれに所要した経費をどうしたかということになりますよ、これは。だから私は、この研究会というのはやっぱり省がちゃんと認めて、あなた方どうぞやってくださいという形でやったらいいじゃないですか。なぜそういう――行政組織の面では、特にうるさい省の系統的な統一的な指揮命令系統というものがあるわけですからね。そういうものがあるにかかわらず、何かこれだけはらち外でもって、おいやれよ、やりましょうかといってかってに集まってやったような――かってというと語弊がありますけれども、その若い諸君の熱情を消すようなことは私は言いたくないんですよ。その諸君の熱情を大いに買っているのです。その人たちのやりいいようになぜやらないか。そのためには、郵政全体についてその諸君が熱意を持っておるとすれば、もっとそういう面を君たち勉強してみてくれということを大臣から言ったらいいじゃないですか。そういうふうにして堂々と所信を述べ、研究を重ねて、そして中間的にはこういうことになりましたと世論に発表する。それは最初からメンバーも多少幅を広げて、さっき申し上げたような関係の各位にも入っていただくとかいう配慮をしてもいいし、もしそれがだめならば省の諸君だけでもいいですよ、そしてある程度もう少し実のある煮詰まったものを出してもらわないと、論議は中途はんぱだ、意見は分かれておりました、こういうようなものを世間に出してこれを批判してくれと言ったって、これは意味ないですよ。
○国務大臣(廣瀬正雄君) これは先刻申しましたように、若い連中が数カ月かかりまして自主的に研究資料をつくったというように私どもは解釈いたしておりますわけでございまして、そこでいわばたたき台ということになりますわけでございまして、この間ああいうような発表をいたしましたのも、世間に訴えて世論を聞きたいというような考え方があったかと思いますわけでございます。そして、まあ公的なものに持ってまいりますにつきましては、たとえば私が考えておりますところは、私の諮問機関をつくりまして、これには主として外部の意見を、知識を集める、言論界あるいは学者、それから通信機の製作者、それからNHK、民放、電電公社、国際電電というような各方面の知識を集めて私の諮問機関にいたしまして、そしてこれをだんだん具体化していく、実際にやっていけるような形に持っていくというようなことにまとめ上げていきたいと、かように考えておりますわけでございます。
○鈴木強君 前大臣の当時におやりになったことでありますから、まあ大臣は責任はないとは言えないんだが、いま新しく就任されて新しい観点からアイディアを述べられましたね。それもけっこうですよ。そういうブレーントラスト的なものを大いに活用することもけっこうです。その際に、やはりただ単に経営者的な立場に立つ人だけではなくて、これはもう郵政省にも電波関係にも大体労働組合もありますわね。ですから、そういうふうな諸君の中にもかなりエキスパートがおりますから、ですからそういう方々なんかもやっぱりこれは率直に意見を聞くようなことをひとつあわせて考えて、いまの大臣の構想に私は賛成ですから、ひとつ慎重に御検討をしていただきたいと、こういうことをいま思うんですけれども、せっかく出たアイディアですから、その点はいかがですか。検討してみてくれますか。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 従業員の代表を、特にこういうようなことについてはいま具体的に考えておりませんけれども、広く人材を集め知識を集めるというようなことでまいりたいと思っております。
○鈴木強君 それはまあ職員の代表、労働組合の代表、まあいろいろ解釈はあるでしょうけれども、私はそういう強い意見を持っておりますから、そうおやりになったほうがなお経営に対するたいへん責任を持っていくというふうなことにもなるわけでして、ですから大いにその意見を聞くことは私はいいことだと思うんですよ。どうかすると、まだ日本では労働組合というと敵対関係にあるように考えておられるんですけれども、アメリカあたりのすぐれた労働運動を見ますと、やはり重大政策についてはILOなりALFなりCIOの幹部を呼んで、言うならば大統領が意見を聞くというところまで民主化されておりますよ。ですから、そういうことはあまり従来のあれにこだわらないで、新しいセンスで大臣はおやりになるようですから、これはくどいようですけれども、私は希望としてぜひそういう代表者もお入れになって意見を聞くようになさったほうがいいと、こういうことをひとつ大臣に申し上げておきます。
 それから、何か集まった諸君のせっかくの努力を、気合いを消すようなことになってはいけないと思いまして、その点は十分配慮しているのです。要するに、仕事のやりやすいような支援態勢といいますかね、そういうものを省としておつくりになったらどうですか。そうしてやはりやるならやるように、明確に性格づけて、テーマを与えて、そうして諸君に大いに検討してもらいたいというような形になるならば、一つのいき方だと思います。それから、具体的な内容も、何か私も何回か読んで見ましたから、いまここで申し上げようと思ったけれども時間もありませんから、いずれ休会中の国会か、その他において、郵政省が意図している、未熟なものであるけれども考えている点について私どもも意見があるですよ。ですから、一度これはそういう委員会でも委員長につくっていただいて、関係の研究会のメンバーはどうなっているか、メンバーも資料として出してください。それを見て、私たちは責任者の方々からよくお考えを伺って、そうしてわれわれとしてもその中に意見を入れていただくようなこともしてもらいたいと思うのです。ですから、その方法はどうであろうとも、われわれの意見もぜひ聞いてもらう機会を与えてもらいたいと思う。それから今後これをたたき台にして、各方面の意見をお聞きになるということですけれども、一体どういう方法でおやりになろうとしているのか、ここに研究会のメンバーがいないから……省が認めているものでもないし、自主的にやっているものだから、そこにわれわれは一番期待をするわけですからね。そういう意味で、「諸方面の見方もとり入れて練り直されることを期待したい。」と、この諸方面の見方を取り入れるのはどういう方法で取り入れていかれますか。
○国務大臣(廣瀬正雄君) これはただいまお答えいたしましたように、私の諮問機関をつくりまして相談相手といたしまして、各方面の委員を集めて、そうしていまの若い者の力作でありますこの展望を資料といたしましてだんだん研究を進めていく、若いものの政策なものですからどうも現実にそぐわないというような点も多々あるようでありますから、各方面の意見を聞いて具体的なものに仕上げていきたい、このように考えているわけです。これは先生方のおっしゃるように今後生かして何とかものにしたいという熱意を持って進みたいと思っております。
○鈴木強君 そうですが、私はちょっとそこのところがはっきりしなかったのですが、そうすると一応でき上がった、中途はんぱといえば中途はんぱですけれども、要説、展望というものを、今度大臣が引き継いで、そうしてさっき申されたような諮問機関的なものをつくって、そこでさらに練り上げていく、そういうことですか。
○国務大臣(廣瀬正雄君) そうです。
○鈴木強君 それはいつからやる予定ですか。
○国務大臣(廣瀬正雄君) ただいまその委員の構成を急いでおりますわけでございまして、できれば今月中に委員を選定いたしたいと思っておりますけれども、一応事務次官と打ち合わせしましたが、どうもその委員のうちに、現在数日前から事務次官に命じて人選を進めておりましたけれども、ただいまできております案では少し若さが足らないような気がいたしますから、そういうものも取り入れまして、そうしてとにかく通信事業に情熱を燃やして、りっぱなものに仕上げていこうというようなことでやりたいと思っておりますわけでございます。今月中には委員会をつくりたいという意図で、いま人選を進めているわけでございます。
○鈴木強君 そうですか。それじゃさっき私の申し上げた委員の選出の方法についても、まあもう一回さっきのことをここでお願いしておきますが、ただ非常に私は困ったことだと思うのは、この中にはおそらく将来の展望を含めたものもありますから、相当思い切った意見もありますし、そういう現在の政府がおとりになっている通信政策と全く相反するものも入っているのです。そうなりますと、われわれはいま現にある法律をもとにして通信行政を運営している。ところがこの内容を見ると、かなり思い切ったいまの政策からはみ出ていく面が出てきています。放送面におきましても、たとえば事業免許制をとるとか、監督権を強化するとか、一方にはそういうような面も出てきております。ですから、そうなりますといらぬ誤解を受けるだろうしするので、この扱いは私はまあこれは新聞にもかなり報道され論説にもなっていろいろ見方は出ておりますけれども、全部それを読ましていただきました。新聞関係の見方を見ましても、確かに進歩的な面もあるし、またそういう一面、その思想と相反するような面も出てきているではないか、こういう論評もある。私はそのとおりだと思う。ですからして、現状の通信行政なり通信政策と、これがぱっと出てきますと、もうあしたからそうなるようにとられる部面も出てくる、誤解を与える。これは一面では国会の承認を得て法律があります。それに準拠して通信政策をやっている。予算審議に出てくる事業計画なり施策というものがそのまま生かされてくる。そういう中で、何か百八十度転換するようなものが論議されてくると非常に問題がある。そこに中途はんぱな発表がどうして出てきたかということに対して私はちょっと疑問を持ったんですよ。ですからもう少し煮つめて、進めて十分な論議を尽くした。ですから見解が分かれているということじゃなくて、その分かれている見解を一本にし、十分論議を尽くした段階で私は世間に発表すべきだったらすべきで、こんな誤解を与えるようなものをどうして中途はんぱな段階で出したかということについても疑問を持つ。しかしこれは言ってもしかたないことです。問題は現行通信行政なり施策との裏はらというよりか、相反するようなものがどんどん出ておりますから、その辺については、もちろん今後の七十年なり八十年の長期展望に立ってものを考えていくということになればわかるのですけれども、しかしどうもそういうような点も、そうらしいなと思うところもあるし、そうでなくてすぐあしたからというものもあり、問題もあるし、ちょっと混同しているように思いますから、その扱い方についてはひとつ慎重にしてほしいと思うのです。まあ大いに民主主義の時代ですから、ある程度まとまったものを出して世間の批判を受け論議するというのもこれは一つのあり方ですから、私はそうけしからぬとかなんとかということは申し上げませんが、もう少しだれが見てもなるほどというような姿における扱い方をしてほしかった、こう思うわけです。ですからそうしてもらいたい。
○国務大臣(廣瀬正雄君) いまごらんになっておりますのは、あくまでさっき申し上げたようにたたき台でありまして、これを世間に発表いたしまして、皆さんの御意見を拝聴するというわけのものだというこれは先刻御説明いたしたとおりでございまして、しかもこれは現実に沿わない。いま先生のおっしゃる現実にマッチしないものがたくさんありますし、現実にそぐわないものがたくさんありますので、それを今度委員会をつくりまして、それをあれこれ勘案いたしまして現実的にさらに五歩、十歩先のものを考えてまいりたい、そうして委員会に諮問いたしまして、一応案をつくりまして、そうして皆さんあたりにおはかりいたしまして、そして認可ができるかできないかということを御相談申し上げまして、いよいよ実行に移すということになろうかと思っております。
○鈴木強君 いずれもう少しわれわれの意見を申し上げ、聞いていただく意味において、さっきちょっと申し上げたような委員会の運営については後ほど委員長に御検討いただくことにして、きょうはこの程度にとどめておきたいと思います。
 もう一つ関連をして。郵政本体のふだんの研究、二十年先、三十年先、一体どうなるのか。総合開発計画等の問題をからめてそういう御研究も大いにやったらいいじゃないでしょうか。いろいろと省の若手幹部の中にも将来どうなるかという郵政事業の進路に対して心配する人もあると思います。ですから、そういう諸君が一体勉強されてこうしたら郵政事業はほんとうに国民の信託にこたえていけるという真剣な私は考え方を持っておると思うのです。そういう若い人たちの意見を吸い上げるということは賛成であるけれども、やり方が問題であって、ですから、そういうふうな郵政本体のことについても、なおひとつ大臣として討論さして見るというようなこともやられたらどうですか。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 全く私は鈴木先生と同感でございまして、電波あるいは電気通信のほかに本来の郵便の問題もございますし、簡易保険の問題もございますし、郵便貯金の問題もございますし、こういうような各部門にわたりまして、将来のあり方、将来の構想、ビジョンというようなものも私はこれは部局長また若い課長連中の意見を聞いて、何かまとめておきたいという気持ちもいたしておるわけでございまして、御期待に沿いたい、かように考えます。
○鈴木強君 まあ、要は国民に何か郵政行政なり通信行政なり、あるいは郵便政策なり通信政策について変な感じを持たれないようにしてほしいんですよ、ほんとう言って。私は今度の研究会の持ち方についても、あとから見ると、大臣はそれを率直に自分が引き継いでやろうとおっしゃる。しかし、出てきた姿は自主的にやらしたのだ、やったんだ、中途はんぱだけれども、これをたたき台にしてやるのだというけれども、そのやり方自体がちょっとおかしいのですよ、率直に言って。なぜそういうことを通信行政に対してやらなかったか、それは技術革新が激しい時代の変遷に即応する通信政策をやらなければならぬということはわかるけれども、何かしらそこに私たちに理解のできないようなものが底流にあって、そしてこれが出てきたのじゃないか。これは自主的につくったのでごさいます、曽山次官が激励しました――中途はんぱなものでございます。今度はそれを大臣が引き継いで、これをたたき台にして皆さんの意見を聞くという継ぎ目が少し無理をして継いでいるように思う。ですからして、省が認めてやらせると問題があるから、おまえら自主的にやってみろとだれかが指示して出てきたものをあなたが引き継ぐ羽目になったのだとかんぐられてもしかたがないから、そういう何か疑惑を持たれるようなことはなくして、やっぱりそれをやることについては私は否定するわけではないから、やり方をもっと堂々とやって、それを場所に出してやるということを考えなければならぬのじゃないか、そういう点もぜひ今後の中で御注意をいただきたいと思います。これは私の要望として述べておきます。
 最後に、簡単に伺いますが、実は沖繩返還協定は、政府の御苦労もありまして、非常に問題を含んでおりますが、一応まとまったわけです。いずれ沖繩国会が開かれますから、その節、詳細な質問をしたいと思いますが、きょうは臨時国会に向けて私たちが準備するため若干知っておきたい点だけを伺っておきたいのですが、それはVOA放送、極東放送と二つ沖繩にあるわけですけれども、VOA放送については五年間の期限を区切って存置を認めたあと、もし移転ができない段階になったらさらに考えましょう、こういうことになっているわけですね。これは現行電波法との関連でどうなるかということがひとつ疑問です。それから極東放送についても同様のことが言えると思いますが、一体郵政省としては次の通常国会に対して、現行電波法をどういうふうにいじっていくのか、あるいは特例でいくのか、その辺わかりませんが、このVOA放送の存続に関して法的にはどういう措置をとられるのか、こういう点を伺っておきたいのです。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 電波法では、第五条で外国の場合、あるいは外国の法人は日本の国内で無線局を免許されないということになっておりますわけでございますが、また同じ電波法の第三条では条約に別段の定めがあります場合には、その規定に従うということになっておりますので、今回は沖繩返還協定の第八条でVOAは特に五ヵ年だけは継続的使用を認めるということがうたわれましたので、それを受けて、電波法のほうでも合法的に設備を認めていくことになるわけでございます。ただいま御指摘の電波法の特例措置が必要であるかどうかということについては、いまいろいろ検討中でございまして、あるいは必要になってくるかもしれませんけれども、表向きのたてまえから申しますと、いま私が説明したとおりでございます。特例法の制定につきましては、いまいろいろ研究中でございます。
○鈴木強君 研究中ということですけれども、いずれにしても、現行電波法が存続する限りは沖繩にVOAを存続させるということはできないという、そういう解釈でございましょう。ですから、それが現行電波法第五条に手をつけるか、あるいは従来の過去の実績に徴して特例法でいくか、いずれにしても法律の改正あるいは制定ということはやらなければならぬだろう、こういうふうに理解しておいていいですか。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 私の解釈では、五条でそういうことはできないことになっておりますけれども、VOAは外国政府でございますから、国務省でございますから、その点は日本ではちょっと許されないということになるわけでございますけれども、第三条で、別に条約でそういうことが規定されておればその規定に従うということになっておりまして、その条約というのが沖繩返還協定の第八条にVOAは五カ年継続して使用を認めるというふうにうたわれておりますから、それを受けて有効だということになるわけでございます。
○鈴木強君 そうすると、VOAというのはこれはアメリカの国務省でやっているものですね、沖繩にあるのは。どういう解釈ですか、その中継局という解釈で、電波の割り当てそのものはアメリカの電波を割り当てて使っておる、アメリカの軍の割り当てたものを使っているのだと思いますがね。詳しいことはよくわかりませんけれども、いずれにしても無線局の免許そのものは、いままでは沖繩にあるものはアメリカがやっておった。その電波はアメリカから出ておって中継するだけだから、これは電波法上の免許云々の第五条には抵触しないという解釈をとるのか、その点はどうなんですか。
○説明員(藤木栄君) VOA自体の性格は、先生おっしゃいますようにアメリカから送られてくる、これは無線で送られてくるわけでございますけれども、そのプログラムを沖繩のVOAで中継するという性格のものでございまして、そこで手を加えて電波を出すというものではございません。ただし沖繩のVOAから電波が出ているということは事実でございますから、これは明らかに無線局でございます。したがいまして、先ほど大臣もお答えになりましたように電波法に抵触するということになるわけでございます。したがいまして、その条約がなければもちろん電波法に抵触してできないわけでございますけれども、今度の沖繩返還協定すなわち条約と申してもよろしいと思いますが、その条約によりまして第五条は排除されるということになるわけでございます。しかし、そのほかの規定もございますわけでございますから、そういったものについてはおそらくその特別の措置ということをやらなければならないということで現在検討している、そういう段階でございます。
○鈴木強君 そうですが、ややわかりました。結局、沖繩返還協定に基づくVOA施設に関する協定というのがありますね、取りきめが。これの実施に伴う電波法の特例に関する法律というようなものをつくって出すということもあり得るでしょう。
○説明員(藤木栄君) まだ具体的にどういう名前になるかはっきりしておりませんけれども、いずれにしましても、法的に特別な措置をしなければならぬということはあるわけでございます。それについていま検討しているという段階でございます。
○鈴木強君 ですから五条の点でいくか、あるいは特例でいくか、いずれにしても、法律改正は次の国会に提案しなければならぬと私は解釈しているわけです。そう理解していいわけですね。
○説明員(藤木栄君) いまのところ私どもとしては電波法自体を改正するというつもりはございませんで、特別の措置で行ないたいというに考えております。
○鈴木強君 その点わかりました。
 それから、これはあとで審議の参考にしたいのですが、現行VOAの放送、出力とか、何か取りきめの中に全部入っているのですか。そういった、何カ国語でやって、エリアはどのくらいになっているのか、放送時間はどのくらいなのか、使用国語はどうなのか、こういうような点が郵政省で詳細にわかっておりましたらひとつ資料で出してもらいたいと思うのですが、その点のお願い、どうですか、いいですね。
○説明員(藤木栄君) こちら郵政省としましては詳細にわかっておりますので、後刻、資料として提出さしていただきます。
○鈴木強君 それから藤木さんね、もう一つは極東放送の解散ですね、これはどうなんですか、この措置は。
○説明員(藤木栄君) 現在極東放送というものが、これは米国の法人でございまして、沖繩で放送しているわけでございますが、英語と中国語と日本語と三つのことばで放送しているわけでございまして、いわば放送局が三つあるという状態でございます。そのうち中国語は、これはもう他に移すということがきまっております。残りの日本語と英語でございますが、日本語のほうは、これは衣がえをすれば日本の放送局として取り扱うということになろうかと思いますが、英語のほうは、私どもとしてはそのままでは認めるわけにはいかないわけでございますが、御存じのように、この前、返還協定に伴いまして外相書簡というものが発表されたわけでございますが、それに基づきまして極東放送の英語の部門につきましても、一応五年間継続を認めようというようなかっこうになっておるわけでございますので、この点につきましては、やはり特別措置のほうで法的に取り扱うということになるものと思っております。
○鈴木強君 特別措置というよりも、これはもうずばり日本の電波法第五条が適用されるのではないですか。その際、現在この局が使っている周波数ですね、この周波数は何メガか何キロサイクルか私よくわかりませんが、いずれにしてもアメリカが占領中に保有しておった、割り当てられた電波の中から使っているわけですね。そうすると、今度日本に返還される場合に、現行使用周波数というものは、日本に割り当てられた電波の割り当、ての中から供出しなければならぬことになると思いますが、即いまの割り当てられた周波数を日本の割り当てられた電波の中に入れてもらえるようになるわけですか。そしてその中から形式的に許可して使っていく、そういう手続をとるようになりますか。そうしないと周波数が少ない中で、ちょっと困るのじゃないですかね。
○説明員(藤木栄君) 周波数の点につきましては、もちろん現在はアメリカの籍で使われているというわけでございまして、また沖繩が日本に、返ってくれば、日本の電波として取り扱うということになるわけでございます。ただこの現在の日本の手持ちの中からということではなくして、これは電波というものはいわゆる国際的な通告をいたしまして、電気通信連合のほうに通告をいたしましてそこで登録されると初めて日本の電波ということになるわけでございまして、そういった手続は当然必要になってくるわけでございますが、まだその沖繩全体のチャンネルプランというものをつくっておりませんが、いま検討しておりますが、それによりましては、場合によっては周波数を変更するということもあるかもしれませんが、いずれにしても私どもとしては日本の電波として、この沖繩放送協会のほうもございますし、ほかの民間放送もございますし、米軍の電波もあるというような中で、合理的に使うという立場で、いずれチャンネルプランをつくりまして、それに従いまして電波を使っていく、そういうことになると思います。
○鈴木強君 大体チャンネルプランの問題もこれからまた洗い直さなければならぬ点が出てくると思いますが、沖繩からいまのOHKとか現存の民放あるいは公共放送含めて、そのほかに新しく放送局をつくるというような申請はないのでございましょうか、その点は出ておりませんか。
○説明員(藤木栄君) 私が聞いている限りにおきましては、そういう新しい申請はないようであります。少なくとも、中波につきましてはないものと思っております。
○鈴木強君 FMは……。
○説明員(藤木栄君) FMもいまのところはないようでございます。
○鈴木強君 将来中波なりFMのそういう免許が出てきた、申請が出てきた場合には当然国内と同じような扱いをするわけですから、もう一つ民放をふやしてくれということがないとは限りませんね。そういう需要に対して、申請に対してこたえるだけの電波の事情というのはいまよくなっているんですか、ぎりぎり一ぱいというのですか、余裕があるというのですか、チャンネルプラン上は。
○説明員(藤木栄君) 現在沖繩ではいわゆる公共放送には、テレビはいま沖繩放送協会は実施しておりますけれども、まだラジオのほうはやっていないわけでございまして、これからNHKが受け持つことになると思いますが、NHKがやるとすれば第一放送、第二放送ということもやらなければならない。すでに民間放送としては二つがございますし、そのほかにまだ米軍の放送もございますし、いまの極東放送もあるというわけで、電波事情としては非常に苦しい、こういう立場にある、こういうふうに考えております。ですから新しい申請があってもちょっと追加して許可するというようなことにはならないかと思っておりますが、まだ詳細な点はこれからでございますので、さらに検討さしていただきたいと思います。
○鈴木強君 もう時間がないから最後に要望しておきたいと思いますが、OHKのNHKへの吸収というか、統合といいますか、そういうふうな作業とかあるいは本土並みのテレビ、ラジオのサービスを提供するとすれば、現在のマイクロウェーブの中にまだまだ不自由なところがありますから、カラーを含めましてそういう点で万全な配意をいたし、次の私ども特別国会では微に入り細をうがった関係の質問をいたします。ですからしてその際までに大体の方向をわれわれにお示しできるようなひとつ最高の配慮をしておいていただきたい、そして復帰と同時に本土並みの通信サービスというものが、放送サービスが、あるいは郵便サービスができるようなことを目標にしてぜひがんばってもらいたい、それはすぐあすからというわけにはいかない点もあると思いますけれども、いまから準備しておかないとたいへんだと思いますから、そういう点の御配慮を大臣にぜひお願いをして、沖繩担当大臣等とも十分御連絡いただいてやっておいていただきたいと思います。特に電信電話関係になりますと、例の拡充法等も今度適用になりますから、債券負担等もしてもらわなければなりませんね。そういう点でよほどいまから周知徹底して理解しておいていただかないと、そのときになってから住民の反撃を食うと思います。ですから日本の現行制度を十分理解していただくようなことが電信だけではなくて、いろんな電通関係、電信関係、そういったものについても支障のないように、抜かりのないようにぜひひとつ御高配をいただきたいということを最後に大臣にお願いをし、所見があったら伺います。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 御趣旨を体して十分勉強いたしたいと思っております。
○委員長(横川正市君) 要求のありました資料については、提出をしていただけますね。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 提出いたすことにいたします。
○委員長(横川正市君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(横川正市君) 速記を起こして。
 他に御発言がなければ、本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
○委員長(横川正市君) 継続調査要求に関する件についておはかりいたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横川正市君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横川正市君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(横川正市君) 委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。今期国会閉会中、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のため、委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横川正市君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員の人選、派遣地、派遣期間等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横川正市君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、本院規則第百八十条の二により、議長に提出する委員派遣承認要求書の作成等も便宜委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(横川正市君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十五分散会