第067回国会 運輸委員会 第6号
昭和四十六年十二月七日(火曜日)
   午後一時三十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月三日
    辞任         補欠選任
     黒住 忠行君     菅野 儀作君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         木村 睦男君
    理 事
                鬼丸 勝之君
                山崎 竜男君
                森中 守義君
    委 員
                稲嶺 一郎君
                江藤  智君
                岡本  悟君
                平島 敏夫君
                小柳  勇君
                瀬谷 英行君
                三木 忠雄君
                田渕 哲也君
                山田  勇君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  丹羽喬四郎君
   政府委員
       防衛政務次官   野呂 恭一君
       環境政務次官   小澤 太郎君
       環境庁大気保全
       局長       山形 操六君
       運輸政務次官   佐藤 孝行君
       運輸大臣官房長  高林 康一君
       運輸省航空局長  内村 信行君
       海上保安庁長官  手塚 良成君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       防衛庁防衛局運
       用課長      福田 勝一君
       防衛施設庁施設
       部連絡調整官   平井 啓一君
       運輸省航空局技
       術部長      金井  洋君
       運輸省航空局首
       席安全監察官   泉  靖二君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査
 (新潟港外におけるタンカー座礁事故に関する
 件)
 (関西新空港の建設に関する件)
 (航空交通の安全等に関する件)
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○委員長(木村睦男君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る三日、黒住忠行君が委員を辞任され、その補欠として菅野儀作君が選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(木村睦男君) 運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○小柳勇君 新潟で座礁いたしました「ジュリアナ」号の、その後の、事件の経過について海上保安庁長官から御報告をお願いいたします。
○政府委員(手塚良成君) たいへん御心配をかけております「ジュリアナ」号事件、油流出のその後の経過を御説明申し上げます。
 船体が二つに割れまして、船尾のほうがその後徐々に岸に近づいてまいりまして、海岸線から沖に約百メートルに平行してテトラポッドがずっと入っておりますが、このテトラポッドの中心線から船尾の一番近いところは三十五メートル、遠いところが七十メートルというふうなところに接近をしてまいりました。船首部分は大体最初からいかりが入っておるもんですから、あまり移動は著しくはございませんが、これもやや岸壁には近づいております。そういう状態で、この船尾部分がテトラポッドのほうへさらにのし上げるということになりますと、船尾になお残っておると思われます残油約七千キロリットル、これが流出をするということになります。したがいまして、いままで流れました約三千五百、ないし、その後の流出量が加わって約六千キロリットルと考えておりますが、この油の除去以上に、私どもは船尾部分の衝突回避に全力をあげました。その結果、一昨日、いわゆるサルベージ業界でいうところの船固めということを完了をいたしました。つまり、海側に向かいまして船尾部分の前のほうと、あとのほうからそれぞれ四本のチェーンを出して四トンのいかりでとめる、陸岸にさらに同じ個所から二本ロープを出してとめる、こういう作業を完了をいたしました。したがいまして、よほどの強風が連続して吹かない限り、当面、一応衝突は回避され、これ以上の流出はなかろうというふうに推定をいたしております。いままで流れました流出部分についての除去という問題は、これは非常に範囲が、いろいろな意味の拡散がなされた結果非常に小範囲になってきております。いまの船尾部分から北東に向かいまして幅十メートル、長さ約八百メートルにわたりまして、われわれで言いますA、B、C、D、Eという五つの油の濃度の段階の三番目程度の、Cという油の流出の帯が一つございます。それからその中にいわゆるAという一番濃度が濃いと思われますのが一メートル幅で約二百メートルというのが中に含まれている、これはいずれも船尾部分からなお若干流出しているものがつながっている、かように見ております。それ以外に、目で見るとぎらぎらとするかといったようなのが、そういった帯状のものと海岸べりとの三角形の状態の中にはさまっているということでございまして、十二月の二日に一番範囲が拡大いたしましたが、その拡大した範囲からずっと縮まりまして、当初は岩船あたりまでも押し出しましたが、現在は、いま申し上げたような程度で、阿賀野川の流域から船尾にかけての間に皮膜状に、そういった程度の範囲にとどまっている、こういう状態でございます。
 これらの状態に対しまして私どもがいまやっております措置は、ただいま申し上げました船固めを一応完了いたしましたに伴いまして、中の油を抜き取るということに、いま、さらに続いて努力をいたしております。これをやるためには、船からワイヤーを引き出しまして、そのワイヤーにパイプをつり下げまして、そうしてその先をさらに地中に鉄管を埋めていって、その鉄管の先に港にバージを置いて、途中をポンプで押し出しながら中の油を抜き出す、こういうような作業になってまいるわけでございまして、きょうはそういったガイドロープの延長、瀬取り用ホースの設置、それからそういう抜き取りのために必要なコンプレッサーポンプ、そういうものの備えつけのための準備を進めている、こういったのが船尾部分に対する作業内容でございます。
 船首の部分につきましては、あまり動きがないわけですが、これもやはりロープでつなぎとめる必要がございますので、その作業を開始したいんですけれども、ただいま波が荒くて作業船が近寄れないという状態でございますので、もっぱら船尾部分に力を入れております。
 なお、こういった作業につきまして、海上自衛隊のヘリコプター、それから警察、消防、こういった方々にほとんど当初と変わらないくらいの資材、器材、人員というものを供給してもらって、これらの作業を協力一致で進めつつある、こういうような状態がその後の現状でございます。
○小柳勇君 拡散しております油の消去、除去はどのくらいまでかかるか。それから船尾部分の残油の処理はいつごろまでかかりますか。
○政府委員(手塚良成君) いま流れました油というものは、ただいま申し上げましたような状況でございまして、かたがた油の二次公害ということで現地の漁民の皆さん方も相当いろいろ御意見があって、できるだけ除去剤を使用することを控えてもらいたいというお話もあります。私どもは、その点については、かねがね使わないで済む場合はできるだけ使わない、こういうことで、火災の危険のある場合、それからいま申し上げたAという一番濃度の高いものが相当範囲に広がっておるという場合には使うという原則のもとにやって、まいりましたので、きょうはそういう意味で大体もう除去剤は使わない、中止をいたしております。そのかわりというとおかしいですが、そういう二次公害の全くないという吸着剤、これは開発途中で、これで絶対というものではございませんけれども、吸着剤を極力活用して、この濃度の高いやつを吸着性の高い物質に吸い取らせるということでいま進めております。ただ、これは能率の問題と吸着さした後のあと処理の問題、つまり、消去ということに非常に問題が多いわけです。しかしながら、その二次公害等の問題を考慮して、そういった措置で進めております。
 それから、中に残っております瀬取りでございますが、船尾七千トン、船首約九千トンと想定しておりますが、いま私が申し上げましたような瀬取りの準備が終了いたしますと、船首もそうですが、船尾につきましては、このポンプで揚げた場合に一時間約四〇トン、二十四時間の運転をいたしますと、九百六十トンで約千トンでございます。したがって、七千トンを二十四時間運転をいたしますと約一週間、こういうふうに想定されます。ただし、これはやはり気象の状態がもちろんございますが、私どもは、ただいま、これでもなおおそいかということに考えておりますので、こういったパイプなり装置なりをさらにもうワンセット、ダブルにつけられないかということで、その資材の収集とそういった技術上の諸点を本日検討をいたしております。
 それからもう一つは――ただいまのは陸上へ引き揚げるほうですが、反対側の海のほうへやはり瀬取りのバージをつけまして、そちら側からも抜くということを考えて、そういったバージその他をいま手配をしておりますが、手配はめどがついておりますが、この船を使うほうは、ただいましけ模様でちょっと使えないという状態でございます。この船が使えるようになりますと、その船の側では一時間に約百五十トン抜けますので、いまの陸上へ抜き取るやつの約四倍がいけるということになります。船首部分につきましては、これは完全に船から船へということになりまして、ただいま申し上げました一時間に約百五十トンというやり方になるかと思います。これも両船側から同時にやれば、なおその倍ということになるかと思います。いずれにいたしましても、いろいろサルベージの技術の点があるようでございまして、その許す限りにおいて最短時間で積み取りを終えたい、かようにいま努力をいたしております。
○小柳勇君 海上に拡散いたしました油が阿賀野川の流域付近まで拡散しておるようでありまするが、これがまた北上するような危険性はないのか、なぜこう縮まったのか、これはいかがですか。
○政府委員(手塚良成君) やはり一つは、実際に散布をいたしました除去剤の効果はあるかと思います、表面的には。それからもう一つは、やはり波というのは自然の拡散剤というふうにいわれておるようでありまして、これは波が強いということはいろいろ作業ができない、除去作業が進まない原因ではありますが、一方ではまた、これが油そのものをかき回すという効果があるようであります。そこで、この波が数日来非常に強かったということによって、だんだん濃度が薄れていったほうは、それにかき回されましてそれが四方に拡散をしていく、こういうことではなかろうかといま推定をいたしております。なお、水産界その他との関係がございますので、そういった方面についての調査ということもまた別途専門家をして詰めております。
○小柳勇君 サルベージの船首船尾の残油を抜き取る際に、火災などの危険性はございませんか。
○政府委員(手塚良成君) 火災は、御承知のとおり原油につきまして揮発性分があるという際に問題があるわけであります。ところが、現在吹いております風が、北西十メーターの風が吹いております。それで、これが全然なぎますと別でありますが、この風によって揮発の分がむしろ消去されるという状態になっておりまして、その意味で一つそういう問題がない条件がある。それ以外に、いろいろ使いますパイプ、ポンプその他は、すべてそういった防火の措置が特別に施されたものを使うということになっております。そのために、たとえば吸い上げるポンプなどといいまするのは、私もよく専門的にはわかりませんが、日本じゅうで五つくらいしかないというようなポンプを日本じゅうからかき集めて持っていって使っておるというような次第でございまして、この防火については最善の努力をいま払ってやっております。もし万一のことも考えまして、地元の消防等にも御協力願ってそういうふうな措置をとる。なお、周辺に船が近づいてはなりません、火気厳禁でございます。そういう措置もとっておるということで、まず私どもは、それは最大の注意を払いつつやっておるということでございます。
○小柳勇君 それから海上保安庁はヘリコプターを何機お持ちであるか。それから、それで現地の模様などを写真をとっておられるかどうか、あればそれをひとつお示しいただきたい。
○政府委員(手塚良成君) ヘリコプターはただいま現在十一機ございます。近くまた二機入り、来年の四月にさらに二機、合計四機ふえるということになります。ただ、このヘリコプターは、シコルスキー55というのが一番大きなヘリコプターになっておるのです。現在サルベージ作業について、実は海上自衛隊のバートルという飛行機をお願いして、協力してやつでいるわけであります。で、この作業の中で最も重たい機材、これを船上に運び込まなければなりませんが、それが約二・五トンというものがございます。コンプレッサーあるいはポンプが二・五トンというのがございまして、この二・五トンをつり下げられるというヘリコプターはこのバートル以外にないわけであります。私どものほうで持っておりますヘリコプターはこういう作業ができない。人を運ぶ、それ以外の、一トン程度かと思いますが、そういった程度のものなら運べますけれども、いま二・五トンという重量物は上げられないということでございますので、特に海上自衛隊に要請をして、そういった協力をお願いいたしておるという次第でございます。
○小柳勇君 ヘリコプターもまた将来必要でしょうから、ひとつ大臣と相談をして、大型なものをつくるとか、購入するとか、検討してください。
 それから向こうのリベリアの船会社及び荷主からわが国に対してどういうような措置をしておるか。たとえば、もう日本にまかしっきりでおるのか、あるいは向こうからも責任者が来ていろいろなことを相談しておるのかどうか、お話しを願います。
○政府委員(手塚良成君) この船の船主は台湾の船会社でございます。それからこの油を運んでまいりました荷主はシェル興産、シェルの会社であります。それから荷受けがシェル系でございますところの昭和石油、こういうことになっております。それで、この防除の責任の明白なのは、海洋汚染防止法によりまして船主でございます。そのほか、いま言った用船者あるいは地元の施設者、こういうものがある程度の協力の仕事があるということです。この船主は実はわれわれに、言うなれば非常にまかせておるというかっこうでございまして、東京にも支店の人が一人ぐらいしかいない非常に小さな規模でやっておるものですから、なかなか手が回らない。加えて、サルベージは民間の専門技術の深田というのに依頼をしておりますが、その深田サルベージとの関係も、極端に言いますと逃げ回るというような状態になっております。ただ、用船をいたしましたシェル興産がこれをカバーいたしております。シェル興産は私どもに、海上保安庁の指揮系統の中でできるだけの最善の努力をしてもらいたい、そのあとにおいての始末は全部やります、こういう話で進めております。まあシェル自体といたしましても独自の中和剤を持ってくる、あるいは先般、こういう面の技術者として専門の技術者を三名、現地に、われわれの協力者というかっこうで派遣をしてまいりました。ニューヨーク駐在の者、ロンドン駐在の者、アムステルダム駐在の者、三名を――こういう油流出防除の最高の技術者と向こうで称しておりますが、そういう者三名を派遣をしてまいりまして、われわれの対策本部のそばに一応待機させまして、いろいろアドバイスを受け、知恵をかりながら参考にしておる、かような状態でございます。昭和石油自体も、いろいろ必要な民間の小舟をチャーターしたり、あるいは空から除去剤を散布するに必要な小型のヘリコプターをチャーターする。さらに、いまのサルベージの関係の作業に入りまして、陸上のパイプからの噴出等、これはシェルと分担してやらせることにしておりますが、そういった面について、現場としては昭和石油がこれを全面的に引き受けながら進めておる、かような状態でございます。
○小柳勇君 船長が送検されたようでございますが、船長並びに船員のその後の動静について御報告願います。
○政府委員(手塚良成君) 船長は先般逮捕に踏み切って強制をいたしております。それ以外、調査につきましては、現在まで、被疑者及び参考人、延べ五十八人の取り調べを進めております。そのほか、先般、なかなか現物の船に近寄りがたかったわけでございますが、ここ二、三日の気象条件によりまして船の覆没状況の実況検分、それから船尾部の検証、所要の証拠物件の押収、そういったようなことをいま着々進め、参考人を含めて、その被疑者についての連日の尋問をやっておるというのが現状でございます。
  〔委員長退席、理事鬼丸勝之君着席〕
○小柳勇君 最後に、この事件にかんがみまして、各地方の海上保安本部なり、あるいは具体的なこのタンカー事件に対する措置として、どのような措置を全国的におとりになりましたか。
○政府委員(手塚良成君) ただいま現地には、日本海側から船を集約をいたしておりますので、そういった当面の船に対する手当てをしておりますが、今後、われわれがいままで言っておりました蓋然性の高い地域につきましては、従来やっておりました防除体制についてさらに一そうのいま再検討を命じ、中央でもやっておる。さらに、今度非常に効果を発揮しております大型タンカー事故対策委員会といいます地方別に置かれておる官民協力体制について、さらにこれの強化、その後の計画の打ち合わせ、さらにはそれに基づく訓練を実施しようかというようなところまでの話を進めさしております。具体的に資材等については、来年の予算措置等を待ってこれの強化をはからなければなりませんし、船挺等もその予算の結果によりまして、さらにそれをいかに配分をするかというようなことにつきましても目下慎重に検討を続けておるということでございます。
○小柳勇君 大臣に御決意を聞きます。一つは、現在のこの事故の収拾に対する大臣の決意と、それからこの種事故再発防止のためにどのようにお考えか、御見解をお聞きいたします。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの当面の事故の収拾でございますが、先ほど来、保安庁長官から申し述べましたとおり、早急に油の流出拡散の防止をいたしまして、これ以上油による被害を拡大しないよう最善の措置をとる。それがために、ただいま、大きく申しますると、わが国の持っているあらゆる機材、あらゆる手段を総動員いたしまして、早急に、ただいまの目的に基づきまして防除措置に当たるということが第一点でございます。それがために、私どもずっと連日それらの防止策につきましては、てこに落ち度があったということがないように万端配慮をいたして、ただいませっかくやっておる最中でございます。
 また、これによりまして影響を受けました沿岸の漁業者の救済の措置でございますが、これにつきましても農林省が中心となりまして、それの被害の救済につきまして――もちろんこの事故責任者が最後におきまして賠償の責任に任ずべきは当然でございます。また、先般も申し述べましたとおり、今日このタンカー事故によりまして、船主また石油業者がそれらの油流出による損害についてのおのおの保険に入っております。その保険額も百億以上の保険額に達しておる次第でございますので、それらにつきまして一応損害額に対しましては、保険の点におきまして心配ないと思いますが、そのつなぎといたしまして――年末も差し控えております、つなぎ融資その他の点につきましても、農林省が中心となってせっかくいま考究中でございます。
 また、恒久対策につきましては、先般の当委員会におきまして森中委員から、これはただに運輸省だけでなく、各省関連のあることであるから、内閣として取り上げてこれに対する対処をするようにというようなことでございました。私が閣議においてまた発言をするようにというような御発言がございました。それを受けまして、私、その翌日でございましたか、閣議におきましてこれらの事故報告とともに、各省の協力を要請するとともに、内閣の責任として、これからのタンカー事故対策は非常に重大な問題であるから、いついかなる場合におきまして不測の事故が起こるかわからないから、そのときの対策をいまから至急に樹立をするということを私が提言をいたしまして、総理はじめ各大臣これを了承した次第でございます。また、先般、衆議院の本会議におきましても、議員の質問におきまして、総理から、内閣としてもこれらの直久対策を十分やるというような答弁をいたしておる次第でございまして、私ども責任を持ちまして、タンカー輸送がますます増大しているときにおきまして不測の事故によりましていろいろの災害が起こりまして国民に不安を与えないような措置を、きつく、また強くとるつもりで決心をしておる次第でございますので、御了承を願いたいと思いますとともに、本日の閣議におきまして私は事後報告をいたしました際に、山中農林大臣代理から、漁業補償につきましても前向きにひとつ検討したいということを――これはまあ大蔵省との関係がございます、つなぎ融資の問題につきましても大蔵大臣につきまして発言がございました。私また、官房長官からぜひその点を頼むという発言をいたしまして、今日終わった次第でございます。誠心誠意この問題に当たるつもりでございますから、御了承願いたいと思う次第でございます。
○小柳勇君 質問終わります。
○森中守義君 全日空の墜落以来、この委員会であまり航空問題を調査しておりません。まあきょうはあまりに長い時間をとりませんけれども、少しお尋ねをしたいと思います。
 最近とやかく方々で問題になっている関西新空港の問題ですが、これは大体何年度ぐらいを供用開始にするというお考えなのか、まずそれからお尋ねします。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 五十三年度を目途といたしまして供用開始いたしたい、こう思っておる次第でございます。
○森中守義君 そこで、調査費がついた初年度は何年ですか、また、以来各年度ごとに幾らずつの調査費がついてるか。
○政府委員(内村信行君) まず昭和四十三年度に調査費百五十万がついております。それから四十四年度に七百万、四十五年度に一億六千五百万、四十六年度に四億でございます。
○森中守義君 先般、航空局から出された関西国際空港の概要という、つまりスケジュール表がありますね。この中に空港建設の必要性というものが概略的に述べられておる。そこで、この必要性からものを推理していった場合、しかも現在の非常にむずかしいいろいろな条件の中からですね、五十三年度が供用開始ということが絶対性のものであるのか、あるいはめどであるのか、その辺の見解を。
○政府委員(内村信行君) 実際にできる確実性があるかどうかというふうなことでございますと、これはめどと申し上げるよりしようがございません。それから、必要性から申しますと、むしろ五十三年度では、いまの伊丹が一ぱいになりますので、おそきに失すると、そういった意味ではぜひつくらなければならぬ、こういうことでございます。
○森中守義君 なかなかね、ベターなのかベストかという、その辺の判断がむずかしいんですがね。まあ最近各報道機関等でいわれてる問題もきることながら、どうもにわかにこの問題がクローズアップされてきた一つの背景に、四十七年度の概計の要求に何とかしてもぐり込みたい、まあこういう印象を非常に強く受ける。そこで、まあそれはある種の財政上の取りきめの問題もありましょうから、まあそれはとやかく言いませんがね、せんだって審議会に諮問をされ、しかも部会がつくられて、設置の必要があるという答えが出たようですね。そこで、まあ一つには、その審議会に諮問をされた内容はどういうものであるか、これをまず御披露願いたい。
○政府委員(内村信行君) 審議会に諮問した内容は、新関西空港の位置と規模についてという題目でございました。しかし、これにつきましては審議会の中でさらに議論が出まして、一体、位置と規模ということをいっているけれども、必要性については審議はしないのかという、こういう御質問がございましたが、それはそうではございませんので、必要性の有無についても御審議をいただくのですと、こういうふうに申し上げました。したがいまして、位置と規模も、それにつきましては必要かいなかということも審議の対象になる、こういうことでございます。
○森中守義君 ちょっといま私の受け方が少しおかしかったのですが、設置の必要があるかないかという限定された諮問ですか。
○政府委員(内村信行君) 諮問の内容は位置と規模についてでございます。したがいまして、これは非常に形式論的に解釈いたしますと、必要性はすでに踏み切ってしまって、どういう場所にどういう規模でつくったらいいかということについてのみの諮問であると取られやすい。しかし、そうではなくて、むしろこれは必要性があるかないか、必要性があるとすればそれはどこにどういうふうにつくったらいいか、こういう意味で御諮問申し上げているということを審議会で申し上げたわけでございます。
○森中守義君 諮問の論理からすれば一通りわかりますが、そこで構成メンバーをちょっと披露してください。
○政府委員(内村信行君) この構成メンバーといたしましては、航空審議会の委員の方々、これには、恒常的に委員である方々と、特に関西の新空港をつくるための部会を設置いたしましたので、そのために臨時に委員になっていただいた方々、両方ございます。
 そこで、恒常的に委員の方々につきましては、この空港の部会につきましては、日本空港ビルディングの秋山さん、それから毎日新聞社の莇さん、それから工学院大学の岡田先生、それから開銀の渡辺理事、それから読売新聞社の原四郎さん、それから日本航空の会長の松尾静磨さん、それから経済研究協会の稲葉秀三先生、それから私どもの運輸事務次官町田直。
 それから、さらに臨時委員につきましては、後ほど正確なメンバーを申し上げたいと思います。
 それから、そのほうに関係官庁といたしまして、総理府の近畿圏整備本部の次長、それから総理府の環境庁の事務次官、それから大蔵事務次官、農林省の水産庁長官、それから海上保安庁長官、気象庁長官、建設省の事務次官、自治省の事務次官、こういった方々を関係官庁の方々としてお迎えしております。
 それから、さらに地元の問題でございますけれども、地元の大阪府、それから兵庫県、神戸市、大阪市につきましては、これはぜひその委員として御出席願いたいということをお願いしたわけでございますけれども、お立場上ちょっと入るわけにいかないということがございまして、残念ながら委員にお願いできませんでしたが、しかし、ぜひ審議内容は聞いていただきたいということで、オブザーバーとして御出席いただきまして、その関係府県の方々が――事務当局の方々でございますけれども、審議会のつど御出席いただいております。
○森中守義君 順次お尋ねしますが、先ほど位置と規模というお話でしたが、明石沖、淡路島、それから阪和沖、それから泉南沖、岸和田沖、ポートアイランド、六甲沖、西宮沖、八カ所をあげられておりますね。これは諮問をする際のたたき台として出されたのか、それとも、すでに航空局のほうではこの八カ所が適地だと思う、この中から選択をしてほしい――これはいずれですか。
○政府委員(内村信行君) 審議会に諮問いたします前に、航空局のほうで大体これはと思うところを実行上調査いたしましたので、その調査いたしましたところにつきまして、こういうところを調査いたしましたが大体こんなふうでございましたということを御説明申し上げまして、一つの御判断の材料に供しておるわけでございます。
○森中守義君 そうしますと、これはもう一回、諮問書全体を資料で出してくれませんか、メンバーを。
○政府委員(内村信行君) 承知いたしました。
○森中守義君 そこで、これは大臣に対するお尋ねになりますが、いま航空局長の御説明からいきますと、当初なぜ地元を入れなかったのかずいぶん疑問があったんです。ところが、その相談をしたんだが、その要はない、したがって、あとはオブザーバーだと、こういうことなんですが、何かそこにやっぱり問題がもう発生していると思うんですよ。ですから、いかなることがあっても第二の成田にしない、言いかえるならば、成田の反省、成田の教訓というものを関西新空港の場合にどのようにして生かそうとするのか。これが私は技術的なことよりも何よりも、まず関西新空港を設置しようという大原則でなければならぬ。必要だからつくる、これだけでは関西新空港はできないと思うんですね。で、したがって、成田の教訓、反省というものを関西の場合にどうして生かそうとされるのか、その中身はどういうものなのか。おそらく大臣は諮問をされ、その必要性を痛感されての上でのことでしょうから、まあ当然そういうことが政治的な配慮の中にあってしかるべきだ、こう私思っていたんですが、どういうお考えでしょうか。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 最近の航空需要にかんがみまして、ことに東京、大阪、この方面の便数の増大、それに伴いまして空港の狭隘化、それに対しまして安全性が薄れるということは、いま非常な大きな問題でございます。
  〔理事鬼丸勝之君退席、委員長着席〕
また、ことに関西空港につきましては、もうすでに森中先生御承知のとおり、いまの伊丹の空港は非常に騒音その他の問題で地元でも非常な問題になっておりまして、また私ども航空の安全の確保を第一といたしまして航空行政をつかさどる必要からいたしましても、どうしても新しい、規模の大な国際空港が必要であるということは私ども確信をしておりまして、関西方面に、適当な地帯におきまして早急にひとつ空港を設けたいということに思っている次第でございます。しかしながら、これはやはり何と申しましても、地元の協力、地元のコンセンサスを得られなければこれはできるものじゃございません。私どもせっかく、東京羽田空港の今日の過密状態から見まして、成田の国際空港の設立に伴いましていろいろの努力をしているわけでございますが、いろいろの地元との間のコンセンサスの点につきまして、また、いろいろの取得の方面におきまして問題を起こしまして、これらの点につきましてどうしてもやはり地元の強い協力を必要とするということは言うまでもないことでございまして、先般から出しました成田におきまする設置上のいろいろの苦い経験を十分に反省をいたしますとともに、それらを踏まえまして、そうして関西の新空港の設立に当たっていきたい、こう思っている次第でございますので、あくまでも地元のコンセンサスの上に立ちまして空港建設に当たりたい、こういう基本的考えで私はただいま設置方を指示している次第でございます。
○森中守義君 概念としてはまあ当然なことでしょうけれども、そこで、いま運輸省でお考えになっているスケジュールからすれば、四十七年度に公団をつくりたい、こういう計画のようですが、当然これは立法措置によるわけでしょう。通常国会にその提案をされるのですか。
○政府委員(内村信行君) いま事務的にいろいろ詰めておりますが、できればそういうふうにいたしたいという希望でございます。
○森中守義君 大臣ね、それで、まあ成田の教訓、反省というものを具体的にどう受けとめていくのか。これをもう概念的でなくて、具体的にやっぱり中身に入る必要がありますよ。で、私はこれこそにわかづくりの考えでまことに恐縮ですがね、成田あるいはまあ私の熊本にも先年大騒動したことがあるのです。で、そういう多少の経験あるいは観測からいきますと、どうも成田の場合も公団にまかせっきり。むろん背景においては、公団と航空局との間にこまかな、いろいろなことも協議し、あるいは省が指導されていたと思うのですよ。表に出るのはほとんど公団。大臣あるいは航空局長というのはほとんど、成田の場合、表に出てこられたことがないのですね。ですから、公団がつくられるのはけっこう。けれども、運輸省としては所定の手続を踏み、財政の用意をした、さああとは公団でやりたまえ、日限はいつまでだ――こういうところに私は反省の一つがあげられていいんじゃないだろうか、こう思うのです。そこで、公団をつくればすべて公団の責任だというようになっても困りますしね。しかも、きめのこまかなところが、まあ公団が好むと好まざるとにかかわらずこれだけのものをあてがわれた、日限を切られた、いやでもおうでも無理をしなくてはならぬというのが、これが成田のそもそものすべり出しであり、経過ではなかったろうか。で、これは、私は熊本の場合も同じようなことが言えると思う。つまり、その関係の皆さん方が、航空産業、飛行機、飛行場に対し、しかもあらゆる国家的な見地からのたいへん程度の強い理解と認識があれば別ですよ。必ずしもそうじゃない。まず、すべり出しはその辺からいくべきじゃないですか。必要だからつくる、適当な対価で金は支払うというこの姿勢がやっぱりもつれをつくった最初の原因のように思われてしようがないのですね。だから私はね、今回の審議会あるいは部会であろうと、地元の代表がその要がないと言ったからオブザーバーで入れたという、このアクセルのそもそもの踏み方に少し無理がある。なぜ説得をして代表を入れないか。まあこれはあとの質問になりますけれども、すでに騒音の限界として運輸省は七十ホンを限度とする。片一方は六十。すでにもう十の差があるのですね。これはやっぱり将来の一つのネックになりますよ。しかも、ジャンボで調査をされたというのですけれども、その調査にまで参加できるような――七十か六十かということのですね。運輸省でこう結論を出したのでこれが正しいという押しつけ方では納得できないでしょうね。ですから、その辺のことが、まずやっぱり成田その余の空港のもちろん全部ではありませんよ。けれども典型的なものは成田ですから、成田で地元住民あるいは公団あるいは運輸省がなぜこう持ってこなかったのか。ここに住民の完全な理解と協力がなかった。それをただ必要性に迫られ、きめたことだからやると、こういう運輸省の姿勢に問題があったのじゃないか、あるいは公団にも問題があったのじゃないか、こう思うんです。まあ、これこそ私も概念の域を出ない、成田の教訓から関西をどうするかと、こういうことなんですけれども、まだほんのすべり出しに立っているだけのことですから、いまからでもおそくないと、もう一回原点に返って、少しくやり方を変えるという考えはお持ちではございませんか。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまの御指摘でございますが、率直に申しまして、私もそういうように思っておる次第でございます。やはり、何と申しましても、地元の協力を得る、地元も必要性を認識していただく、その上に立ちまして、初めてこれらの仕事は完成をする、しかも円満裏に完成をする、こう思っておる次第でございます。したがいまして、先ほど航空局長からそれに対しまして、必要性についても検討を追加したというのもその点にあったかと思う次第でございますが、また御指摘がございました、地元の代表者が入りにくいというような状況は、これはなかなか先行き容易なことではないと、私もそう思っておる次第でございます。それらの点につきましては、十分これからも間があることでございますので、よく事情と申しますか、必要性、またその点につきまして話し合いをしまして、そして私ら聞いておりますところによりますと、必ずしも地元の代表者が、それじゃ絶対困ると、いけないと、こう言っておるようにもとっていない次第でございます。いまお話にございました七十ホンがいいか六十ホンがいいかという問題でございます。これもまた、そのときにおけるところの便数の問題、度数の問題とホンの高低、それはなるべくないほうがいいと思う次第でございまして、音は低いほうがいいと思う次第でございますが、その頻発度というようなところにも関係があるかと、こういうふうにも思っておる次第でございます。私、先般の予算委員会でも答弁をいたしましたが、今回の関西空港は、少なくとも、ひとつ騒音公害のない空港をつくりたいということを申した次第でございまして、今回、二回もジャンボ機を飛ばしまして、地元の人々の感触を聞いているのも、その一つのあらわれでございます。将来とも、それら御指摘がございましたことを十分に踏まえまして、そして地元の協力を得ながら、ぜひその実現に向かってまいりたい、こういうふうに思っております。
 また、公団にまかせっきりじゃなかったかと、こういうことでございますが、御承知のとおり、運輸省の航空局におきましては人員も制限されております。むしろかゆいところに手が届かぬ。成田の場合におきましても問題がございまして、一々地元の人の説得その他につきましては、やはり公団がありまして、やってくれることでございますが、大局の問題につきましては、私が責任者でございますから、もちろん私が当たるつもりでございます。また、航空局長その他も当たります。さらに、公団だけにその責任をまかせ、ただうしろからそれの督励ばかりするということでなく、私も、先般就任いたしましたときからも地元の方とお話し合いがあればいつでも私は伺いますという話をした次第でございますが、まだその舞台に乗せてくれないと、こういうような状態でございまして、また成田市長と千葉県知事とも私、話し合いをしておりますが、そういう点で、成田の問題につきましても、騒音防止の点や何かにつきましては、地元の知事、成田の市長の意を受けまして、せっかくただいまいろいろな問題につきまして大蔵省とも折衝を続けているところでございますので、それらの点につきまして、新空港につきましても私どもは先頭に立ちまして、これらの難問題の解決に当たるという立場に立ちまして推進をしてまいりたい、こう思っておる次第でございます。
○政府委員(内村信行君) 先ほどの臨時委員のお名前がわかりましたので、もしお許しいただければ申し上げます。――まず、五十嵐寿一先生、これは東大の先生で、騒音の専門家でございます。それから全日空常務の江島さん、そうして港湾審議会の計画部会長の黒田さん、それから神戸海難防止研究会の理事小田さん、それから青山学院大学の高木さん、桃山学院大学長の竹内さん、それから神戸大学の工学部長田中さん、それから総合政策研究会の土屋清さん、それから朝日新聞の関西駐在の論説副主幹の浜崎さん、それから慶応大学の柳沢さん、以上十名の方でございます。
○森中守義君 今回の想定地点の八カ所のうち、淡路と阪和、もしこのいずれかになれば地権者との関係が出てきますね。あと海上の場合は地権者の関係じゃなく漁業補償ぐらいのものだというような安易さではやっぱり困ると思うのですよ。まず、そういうことでは進まないでしょうね。ですから、私は、できるならば公団という実施機関のほかに、しかも諮問機関のほかに、何か調整機関的なものをつくる、その調整機関の中に現地の代表等も相当数入ってもらうという、まあこういうこともこの際は考えられていいのじゃないか。ただ、いきなり実施機関をつくって、さあ公団やれ、日限はいつまでというやり方ではいよいよ問題がこじれてしまう、どうにもならぬ。そういう意味で、やはり諮問機関等とは別に、調整機関ということも必要になってくるんじゃないか、検討に値する問題だと私は思うのですが、どうお考えになりますか。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) ただいまのほんとうに貴重な御意見、私も同感でございまして、地元との協力体制、公団と地元、また運輸省との間に入ってどういうふうにして地元住民の意思をつかみ、また、こちらの意思もひとつ伝えていただいて互いに相寄ってやっていくという協力体制は、私はぜひ必要だと思っております。早急に考究することにいたしたいと思います。
○森中守義君 いまのことは検討されますね。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) はい。
○森中守義君 それから環境庁政務次官おいでになっていますか。――いままでお聞きのように、かなり騒音の問題が関西新空港の一つのネックになっています。したがって、環境庁という立場から関西新空港に対しても放置さるべきものじゃない、こう思うのですけれども、もうすでに検討はされておいでになりましょうか、どうお考えでしょうか。
○政府委員(小澤太郎君) 環境庁といたしましては、御指摘のとおり、航空機の騒音が地域住民の生活環境に非常に密接な関係がありますので、十分にこれは検討を加えたいと思います。で、先ほど航空局長から報告がありましたように、航空審議会の関西空港部会に私どもの事務次官を委員として出席せしめておりまして、環境庁の立場から強く発言をいたしておるという次第でございます。
○森中守義君 これはぜひひとつ環境庁におかれても重大な関心を払っていただきながら、すでに代表がお入りになっているということですから、おそらくそういう意見を開陳されていると思いますが、ぜひその立場において、地元との関係に十二分な配慮をすることをお願いしておきたいと思います。
 そこで運輸大臣、各商業紙がそれぞれの立場から関西新空港の問題に論説をあげている。いずれも一見に値します。その一々を御披露することは、すでにもう必要ないと思うんですが、大体言われんとするところは、そういう指摘をされている点に要約されているような気がしてしようがありません一ですから、これらのことも極力熟読吟味をされて、実際の実行の中に生かされていくように、強くこれは要望しておきたいと思います。
 それと、この問題は、関西空港の議論としてはきょうが始まりになりますので、自後そのつどこういう問題をこの委員会で扱っていくことになると思いますが、要するに成田の教訓、成田で何を学んだのか、このことをひとつ十二分に活用してもらうように大臣の政治的な配慮をお願いしたいと思います。それと、調整機関の問題につきましては、即刻ひとつ吟味をして、何ぶんの答えを出していただきたいと思います。
○委員長(木村睦男君) 環境庁けっこうです。
○森中守義君 それから次にお尋ねしたいのは、例のウォーニングエリア等々の問題です。――防衛庁見えていますか……。
 いま防衛庁の場合、大体米軍の空域、これをどう整理していくのか、自衛隊の空域をどうするのかというのが、例の全日空事件以後、すでに、再編成をするという、こういう問題に直面をしながら現在に至っていますが、その後の経過はどうなっていますか。
○政府委員(野呂恭一君) その後、いまいろいろ運輸当局との話し合いを進めておるという状況でございまして、御承知のとおり、日本の上空及び周辺の米軍の訓練のための制限空域は十四カ所でございます。自衛隊の訓練空域は十二カ所、合わせまして二十六カ所というものは現在そのままの状態でございます。
○森中守義君 全国で略称Rといわれる、略称Wといわれる、これは全部で何カ所ありますか。
○政府委員(野呂恭一君) 制限空域は二十六カ所、先ほど申したとおりでありますが、警告空域はいまございません。設定されておりません。
○森中守義君 私の調査が間違いなのかわかりませんが、警戒空域というものが十八カ所、制限空域というものが二十六カ所になっていると思いますが、間違いでしょうか。
○政府委員(野呂恭一君) 制限空域は二十六カ所です。それから警告空域は日本周辺には設定されていない、こういうわけでございます。
○森中守義君 二十六カ所……。制限空域は十八カ所じゃないですか、違いますか。
○政府委員(野呂恭一君) 違います。
○森中守義君 ちょっとそれじゃ二十六カ所の地名をあげてみてくれませんか。
○政府委員(野呂恭一君) じゃあ、運用課長からお答え申し上げます。
○説明員(福田勝一君) 先ほど政務次官が説明いたしましたように、制限空域、略称Rというものがわが国周辺上空に二十六カ所ございます。そのうち十四カ所が米軍の訓練のために画定されたものでございまして、十二カ所が自衛隊の訓練のために設定されたものでございます。それを申し上げたいと思います。
 まず、米軍の関係でございますけれども、これは私どものほうからお答えするのはどうかと思うんでございますが、これは御承知のように安保条約に基づきまして日米合同委員会を通じて、そこで決定されるというものでございますが、私どもが運輸省、外務省にお尋ねいたしまして承知いたしておるところを申し上げておきたいと思います。
 まず、R89、これは芦屋の対地訓練区域でございます。これは米軍のでございます。それから米軍の二番目といたしましては、R105、フォクストロット区域というものでございます。これは九州の西岸の五島列島南方というふうに承っております。次はR109、リマ区域でございます。これは九州東岸日向灘東方ということでございます。次がR111、デルタ区域、これは相模湾でございます。次がR114、富士マックナイア、これは山梨県富士吉田市及び南都留郡中野村ということでございます。次がR116、チャーリー区域、これは本州の東岸野島崎南東ということでございます。次がR120、これは水戸対地訓練区域でございます。これは茨城県那珂湊港北方というふうに承っております。次がR121、これは中部本州空戦訓練区域、本州東岸鹿島灘。それから次がR122、これは佐渡島空戦訓練区域、本州北西岸酒田港西方ということでございます。次がR129、北部本州空戦訓練区域、これは本州東岸八戸港南東方ということになっております。次がR130、これは三沢対地訓練区域でございます。本州東岸八戸港北方ということになっております。次がR134、九州空戦訓練区域、これは本州北西岸角島西方。次がR141、中部日本海空戦訓練区域でございまして、本州北西岸若狭湾北方ということでございます。
 なお、自衛隊、十二ヵ所ございますが、これも申し上げる必要ございますでしょうか。
○森中守義君 米軍のは。
○説明員(福田勝一君) 米軍のは、いま申し上げた分でございます。
○森中守義君 自衛隊のは。
○説明員(福田勝一君) はい。自衛隊について申し上げます。これはR91でございます。日出生台演習場でございます。これは大分県の玖珠郡玖珠町でございます。陸上になっております。次がR92、十文字演習場、これは大分県速見郡日出及び南端ということでございます。次がR96、日本原演習場、これは岡山県勝田郡勝北町及び奈義町にわたっております。次がR99、長池演習場、これは京都府久世郡城陽町でございます。次がR101、饗庭野演習場でございます。これは滋賀県高島郡今洲町新旭町及び安曇ノ川町でございます。次がR108でございます。大矢……。
○森中守義君 104というのは……。
○説明員(福田勝一君) 失礼しました、この104、先ほどちょっと申し落としまして。これは米軍のでございまして、どうも失礼いたしました。R104は米軍のほうにお入れいただきたいと思います。これはコルフエリア――ゴルフ区域ということになってございまして、九州西岸五島列島北方ということでございます。どうも失礼いたしました。
 次が108、大矢野原演習場でございます。これは熊本県上益城郡矢部町でございます。次がR119でございます。相馬ヶ原演習場でございます。これは群馬県群馬郡箕郷町及び北群馬郡桃井町、両方にまたがっております。次がR127、王城寺原演習場でございます。これは宮城県黒川郡大和町及び大衡町にまたがっております。次がR131、日高沖空戦訓練区域でございますが、これは北海道日高支庁静内沖でございます。次がR138、島松射撃場でございます。これは北海道千歳市北西ということでございます。次がR144、遠州灘空戦訓練区域でございます。これは本州南岸沖の浜松南方でございます。次がR152でございます。六ヶ所対空射場になっております。これは青森県上北郡六ケ所村でございます。
 以上が自衛隊の分でございます。
○森中守義君 そこで、自衛隊はこれをいま全部使っているんですか。
○説明員(福田勝一君) 自衛隊の訓練のために設定いたしましたレンジにつきましては、これは全部自衛隊が使っております。なお、米軍の制限空域でございますけれども、これは米軍が使用する権利を持っておるわけでございますが、その使用権の範囲内で、米軍と話し合いの上、使わしていただいておるということでございます。
○森中守義君 航空局長、いま防衛庁から個々のエリアについての説明がありましたがね、要するに、制限空域を別途検討するという事件当時の約束でしたね。で、こういったように依然として米軍が使っている。自衛隊も使っている。まあ一言で言うならば、あの事件以来、総理は、米軍にも協力させるし、米軍もそういう意思があるということでしたけれども、実際問題としてこれがやっぱり生きているということになると、全然その後の空域問題というのは処理されていない。まあ、こういうことになると私判断するんですが、どうなんですか。
○政府委員(内村信行君) まず全日空の衝突事故以後の話でございますけれども、私どもといたしましては、まず自衛隊との関係、そこで、その交通分離をどうするかということに最も重点を置きました。したがいまして、その場合には訓練空域というものを別個に設定する、航空路から離すということを考えまして、現在までに低高度につきまして九カ所と、高高度につきまして九カ所の訓練空域を設定いたしました。これはまだ防衛庁の御希望によりますと少なくて、どうも訓練が自由にできないということでございますけれども、まだ、民航の航空路の現状等からいたしますと、必ずしもそう十分な訓練空域を設定できませんので、現状といたしましては九カ所九カ所合計十八カ所の訓練空域が設定されております。それからさらに米軍のほうにつきましては、このレンジというものと直接関係ございませんけれども、たとえば横田空域といったものについて今後どういうふうにするか、あるいは横田空域の高度が、従来、上のほうには天井でございましたけれども、これを、ある程度、四万フィート前後でもって切るというふうなことでありますとか、あるいはいわゆるブルー14の高度が、従来、三万一千フィートぐらいでありましたのを二万八千フィートに変更いたしますとか、その上を自由に飛べるようにするとか、あるいは静浜から半径二十五マイル、こういった点の高度一万三千フィート以下が、従来、東京管制部の管轄であったのを一万五千フィートに上げるとか、そういったようなことをいろいろ米軍のほうとも交渉いたしまして、そういったものが、まだ結論は出ておりませんけれども、逐次、実を結びつつあるというふうなことをしているわけでございます。
○森中守義君 大体いつごろまでにその話はまとまるのですか。
 それと、いま、高高度及び低高度九カ所と言われましたね。空域名をちょっとあげてみてください。
○政府委員(内村信行君) 技術部長から御説明いたします。
○説明員(金井洋君) まず、低高度は、水戸の沖合い、これは番号でナンバーワンと言っておりますけれども、それから次に磐梯山の上空、次が宇都宮周辺、次が浜松、静浜を含む空域、次が若狭湾、それから岩国の北方、それから山口県の小月の北方、それから小月−岩国の間にもう一カ所、合計九カ所でございます。それから最後の九カ所目につきましては、若干、時期をおくらせて設定しております。当初八カ所で、次に一カ所追加いたしまして合計九カ所ということでございます。
 それから高高度は、まず最初に北海道上空、次に北海道から東北地方の西海岸−日本海です。それから佐渡の沖合い、次に浜松の沖合い、それから四国の土佐沖、それから長崎県の西海域、それから玄海灘の北方海域、それからもう一つ、高度を上げまして岩国の上空、それからもう一つ、青森県の三沢の沖合い、以上です。
○森中守義君 いまの説明からいうと、ほとんど整理されていないということだな。
 それと、これは新聞のまさか誤報だとも思いませんが、高高度訓練の空域は対島沖と岩国に限定をしたと、こういう報道が行なわれておる。これは十一月十七日の日付のものですがね。そして、対馬沖と岩国は、岩国のほうが十一月の二十二日から、それから対馬上空は十二月の十三日から、ただし、これは米軍と自衛隊との共用ということで防衛庁が発表したと、こうなっておるんですけれども、これは運輸省、知ってるんですか。
○説明員(泉靖二君) 訓練空域の設定で最も変わりましたのは、従来は米軍陸海空、自衛隊陸海空、それから民間航空、これがてんでんばらばらに訓練を実施いたしておりました。今度の訓練空域の第一のフィロソフィーは、それを統合して、訓練空域の中では、陸海空もそれから民間も、あるいは自衛隊も米軍も、一般航空交通の反復、継続して飛ぶエリアを避けて設定した一つの訓練空域の中で訓練をする、そういう考え方が最も従来と変わった点でございます。
 それから、先ほど御説明いたしました九つの空域は、制限空域ではございません。この空域は、あらかじめ調整すればだれでも使用できる、同様に、あらかじめ通知すれば通過することも可能です。それからさらに、雷雲などを避けて、急な操作をしなければならないときには、単に上空から通報するだけでこの空域を通過することもできる、そういう点が非常に前よりも進歩した点だと思います。
 それから、新聞記事でおっしゃいました対馬と岩国の件は、若干誤解が新聞社のほうにあったんではないかと思いますが、ただいま申し上げました自衛隊も米軍も共用するということを若干誤解して書いてあるんではないかと思います。訓練空域全部に回るようなフィロソフィーで統括されております。
○森中守義君 これは正確に言えば、読売の十一月十七日ですよ、記事は。防衛庁が米軍との間に合意に達したと、こういうふうにはっきり出ておる――対馬沖と岩国、二カ所ね。いま運輸省では、新聞の誤報じゃないかと、誤解でないかと、こういうことなんですが、どうなんですか。
○説明員(福田勝一君) 運輸省の監察官が答弁されたとおりでございまして、これは訓練空域というものと航空路というものを完全に分離する、そして分離された訓練空域において一連の訓練飛行をやる、その訓練空域を米軍等においても使いたい場合があるので、そういった場合には、一応その訓練空域については管理者をきめておきなさい――これは運輸省からの指示、サゼスチョンがございまして、合意に達しまして、そして一応、自衛隊の各出先の方面隊の司令官が管理者になっております。そういった管理者の了解を得ていただくならば、これは民間のジェット機等の高高度の訓練にもお使いいただけるようになっておりますし、また、米軍が使う場合にも、そういう申し入れがあった場合には、こちらのほうでどうぞということで、使っていただくということでございます。ただ、憶測でございますけれども、その新聞記事の書き方なんでございますけれども、現在、高高度の訓練空域を必要としている米軍機は、もっぱら岩国にある部隊だけである、したがって、主として使われるのは、どうしても岩国上空の高高度訓練空域と対馬沖の訓練空域というものをおもに使うようになるであろうという、そういう予測は立てられるわけでございますが、その予測をそういうふうに新聞は扱っておられるのではないかと私たちは推測するわけでございます。
○森中守義君 これは新聞記事を中心にものを言っちゃどうもどうかと思いますが、この新聞に関する限りは、全国で数カ所空域を持っているけれども、もはや岩国の海兵隊以外にないんだと、それで共用に踏み切ったし、日本の空を極力解放しようという米軍の配慮だと、こう書いてある。しかも、この記事によれば、防衛庁と米軍が合意をした、と。そこで、私の見解からいくならば、先ほどの議論に戻るけれども、二十六カ所ある中で実際どれだけが生きているのか、この記事からいくならば、もう岩国以外にない。なぜそれを開放しないのか、こういう問題に実は逆戻りしてくるんですよ。
 そこで、大体空域を設定する手段というのはどういうことですか。つまり、地位協定に基づいて合同委員会できめた、決定したことは、どこがどういう方法で、つまり、告示というのか、知らしめるんですか。総理府ですか。運輸省、防衛庁、どっちですか。
○説明員(福田勝一君) ちょっと前半の問題につきまして御説明申し上げたいと思いますけれども、二十六カ所の中の十四カ所の米軍のいわゆる略称R――制限空域と申しますのは、先ほどちょっと御説明申し上げたんでございますけれども、これは安保条約の目的にかんがみまして米軍の訓練、特にこれは実弾射撃を必要とするようなそういった訓練、そういう訓練を行なうために一定の空域を画定いたしまして、これは公海上等もあるわけでございますが、そういったものを画定いたしまして、そうして日本政府がこれを容認する。もちろん、先ほど申し上げましたように、日米合同委員会を通じて日本政府が容認する。そのRというところでは、実弾射撃等を伴うようなそういう訓練をやってよろしいと、こういう空域でございます。
 いま運輸省のほうから御説明がありました低高度の訓練空域と、それからまた高高度の訓練空域というのは、こういった実弾射撃等を訓練する空域とは全然別でございます。これはあくまでも訓練飛行をするナビゲーション飛行であるとか、あるいは若干の変化を伴う飛行とか、あるいは急激な変化を伴うような飛行、あるいはスーパー・ソニックというような、そういった訓練をやる空域でございます。これは、せんだっての七月三十日の事故にかんがみまして、航空路と完全に分離してやらなければ危険である、こういう御趣旨から、政府の御決定をいただいて、運輸省と協議して、運輸大臣が公示をして、そうしてきめていただくという空域でございます。
 その空域につきまして、先ほど申し上げましたように、これは米軍と防衛庁あるいは自衛隊が合意に達するという性質のものでございませんで、これはあくまでも運輸省と米軍との関係におきまして、もちろんそういった権限については防衛庁自体は何も持っておりませんので、これは運輸省がイニシアチブをとってやっていただく、運輸省のそういった御趣旨をちょうだいして、私どもとしては、米軍が使うときにも、民間航空が使う場合にも使わしてやってくれよということで、こういうわけで運輸省と防衛庁が合意しておる、運輸省のほうで、米軍なりあるいは民間航空とのそういったお話し合いはいたしておる、こういうことでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
○森中守義君 制限空域と訓練空域の定義はわかりました。そこで、米軍が依然として十四カ所、自衛隊十二カ所、こういう説明ですね。これは制限空域と訓練空域の定義上の相違はあっても、実弾射撃、戦技訓練は、ほぼ態様としてはそう区別つかぬのじゃないか、実際問題として。ですから、まだ十四カ所Rと称するものを米軍が権益は確保したが使っていない。これが問題なんですが、その辺はどうなんですか。これは施設庁のほうがむしろいいのか。まあ私の聞く範囲では、もうほとんどが使っていない、生きていないと、こういうことのようですが。
○説明員(平井啓一君) お答えいたします。
 先ほどからお話に出ていましたように、制限空域というものは、われわれ施設庁のほうの立場でいわゆる安保条約上の形で申しますと、海軍訓練空域と空軍関係の訓練空域ということで日米合意をしました地位協定上の付表に出た名称がございます。その名称に従って申し上げますと、まず海軍訓練区域というものが現在までに十三カ所ございましたが、先般十一月の二十六日の日米持ち回り合同委員会で海上訓練区域六カ所を米側から返還さすことで一応合意を見ました。なお、閣議決定等の手続を経て正式にその付表から落とすわけでございます。その中に、先ほど防衛庁の福田課長から御説明いたしましたR111のデルタ区域、これは所要の手続をとりますと、近く米軍に使用を認めている海軍の訓練区域からは落とすことになるわけでございます。その他五つの海軍訓練区域については制限空域が伴っておらないものでございます。その他の海軍訓練区域七カ所については現在のところ――いわゆるキロ海域と申します、場所は九十九里の沖あたりに当たりますが、この海域は現在使用を一応中止しておりますが、それ以外の、先ほど説明のありました104、105、109等は、米海軍で現状としては使用しておる状況でございます。
 それから空軍訓練空域は全部で八カ所ございます。空軍といいますのは航空機の訓練空域でございます。その八カ所は、先ほどはRのナンバーで説明がございましたが、まずいわゆる空対空の訓練空域をやっておりますものが五カ所、中部本州、中部日本海、九州、北部本州、佐渡島。この中で九州訓練空域は土、日を除きまして常時使用しておる現状でございます。それ以外の四カ所につきましては、昨年の十二月二十一日第十二回日米安保協議委員会で協議されました線で在日米空軍の日本国外への移駐の方針がきまりましたことに伴いまして、相当部分の、いわゆる空戦訓練を行ないます戦闘機部隊が移駐をいたしましたこと等に伴いまして、現在のところは空軍の使用頻度というものは非常に落ちてきております。このようになっております。
 それから空対地の訓練区域というものが三カ所ございます。芦屋対地訓練区域、それから……。
○森中守義君 それが89ですか。
○説明員(平井啓一君) R89でございます。
○森中守義君 空対地……。
○説明員(平井啓一君) 空対地でございます。
 それから水戸対地訓練区域、これは120でございます。それからあとは三沢でございます。三沢対地訓練区域が130、この三カ所が空対地でございます。この三カ所のうちで、御記憶におありかと思いますが、水戸につきましては、本年一月一日以降は米空軍は対地訓練を停止するという発表をいたしておりまして、その発表のとおり、現在ここの空対地の訓練は米軍としてはやめております。それから芦屋対地訓練区域につきましては米軍がまだときおり使用しております。それから三沢対地訓練区域につきましては、先ほど申し上げました、三沢におりました戦闘機部隊の国外移駐に伴いまして現在のところ使用は一時とまっておりますが、今後この訓練区域の扱いについてどうするかということについてはまだきまっておらない状況でございます。
 以上が施設庁の立場から申し上げます米軍の訓練空域の現状でございます。
○森中守義君 これは合同委員会を通じての話し合いでは表向きにはできないでしょうね、表向きには。けれども、実際生きているのか死んでいるのか、この辺の点検はできますか。
 それと、この前、楢崎質問――正式にまだ国会に持ち込まれていないのですが、R89の場合、これが返還されたワクの中に入っているのですか、板付のあれに入るのか、それはどうですか。
○説明員(平井啓一君) まず第一番目の御質問につきましては、生きているか死んでいるかというその判断の問題でございますが、われわれのほうといたしましては、現在使用しているか、一時使用が停止されているか、あるいは将来とも使わないか、こういうことが施設・区域の今後の扱いを判断する一つのものさしの当て方になろうかと思うわけでございます。現在のところ完全にこれは死んでいるというふうに判断できる訓練区域については、われわれのところはまだそれを確認する状態にはなってないと思っております。
 それから第二番目の御質問の芦屋対地射爆撃場につきましては、これはかつては板付におりました空軍が主として使っておりました対地射爆撃場でございますが、現在は、この射場の管理に関しましては岩国の航空隊のほうの使用する射場ということに切りかわっております。したがって現在も、これは施設からはずされたという形と申しますか、御質問のありました板付との一連という意味合いでは全然扱われておりません。
○森中守義君 それで第一の点検、確認の問題ですがね、これは現場に行ったわけではないので何とも私も極言の限りでない。やはり進んでこういうものは点検できるように、解放できるものは解放したほうが、こういう問題が問題ですからどうしても必要じゃないかというように思うんですよ。これはひとつ施設庁のほうの関係の向きと検討されて、できるだけ早急に解放すべきものは解放する、こういう措置をとってもらいたいと思う。
 それと、いまのR89の問題は、板付に米軍はいなくなったが岩国がこれに肩がわりした、こういう説明のようですけれども、これは岩国は岩国であるんじゃないですか、別に。何も芦屋まで来てやる必要はないんですよ。どういう必要性があるのかわかりませんけれども、特になぜそういうことを強調するかといえば、ちょうどそのルートのすぐ横っちょになっているようですね、この地図からいくと。しかも最初は二万二千フィートぐらいを一万一千フィートぐらいに落とした、これは事実ですか。それでもなおかつ、民間機のおりるのに非常に便利が悪い、便利が悪いというか、あぶない、こういうことがしきりに各方面からいわれている。ところが、これではたしか二万フィートになっているようですね。実際は二万二千フィートであったものが一万一千フィートに落とした、それが現在の状態だと私は聞いておるのです、事実かどうかわからぬけれどもね。しかし、航空路のすぐ横っちょにこういうエリアをとっておくということは物騒千万ですよ。おそらく玄海灘からいつもおりてきているようですが、どうしても急に高度を落とさなくちゃならぬ、こういうことで、パイロットの中でもしきりにこれの撤去、解放ということが叫ばれておるようです。これはなるほど板付とは別個のものだ、こう言われるけれども、岩国は岩国で持っておる。しかも、一般的に解放された、返還されたという認識に立っている芦屋の上空にこういうものを依然として設置するというのは、どう考えてみても納得できない。しかも、民間航空機に非常にこれによって障害を起こさしめる、こういう危険性があるわけです。そういうことに対してどうお考えですか。
○説明員(福田勝一君) 前半の御趣旨の点でございますけれども、この点につきましては、運輸省から申し入れがございまして、航空路を飛行する民間航空機の安全という見地から、民間機は二万二千フィート以上を飛ぶ、自衛隊機また米軍機は一万二千フィート以下を飛行するようにということで申し入れがございまして、それに基づきまして、取りきめに従いまして、現在自衛隊が使用する際には一万フィート以下というようなところへ大体とってございます。
○説明員(平井啓一君) 先ほどの御質問の中で、施設庁に関連する分についてお答え申し上げます。
 まず、一般的に使用頻度の非常に落ちているもの、あるいは落ちているがゆえに整理する可能性のあるという問題については、絶えずわれわれも現状を把握しながら日米間の検討を進めているわけでございます。特に、昨年の十二月の安保協議委員会で日米協議された線に基づいて、大きく在日米空軍の戦闘機部隊の国外への移駐という問題が現象面として起こってまいりました。そういった点を踏まえまして――日米合同委員会の中の施設特別委員会に海上演習場部会という部会がございます。日米両方の代表委員が出まして検討する部会でございます。その部会におきましても、こういう在日米軍の変動の状態にかんがみて空戦訓練空域というものの今後の取り扱いをどうするかという一応話し合いはしておりますが、たまたま八月に、航空交通安全緊急対策要綱でございますか、そういう閣議の決定がなされて、そういう姿の中で、もっと大きく米軍機なり自衛隊機なり民航機の日本の上空における、単に空戦訓練の空域だけの問題じゃなくて、その他の問題も含めた検討が行なわれる段階になりましたので、一応その中で総合的な検討をしていただく過程の中からわれわれの海上部会の問題も一つの解決の姿が出てくるんでなかろうか、そういうふうに考えておる次第でございます。
○森中守義君 運輸大臣と防衛庁政務次官、ただいまお聞きのように、全くその可能性のないという話でもないようです。つきましては、R89につきましては、著しく民間航空を阻害する、この事実は否定できませんので、すみやかにひとつ御相談をいただいて、米軍にこれはもうやめてくれと、撤去をすみやかに行なえるような、そういうことを検討願いたいと思う。
 それでちょっと、大臣お急ぎのようですから、もう一つ、大臣、特にまとめてお答え願いたいのですが、これはしばしばこの委員会で問題にしてきた例の日中間の航空路開設の問題です。十月二十七日の毎日新聞によれば、非常に積極的な姿勢で運輸大臣が日中間の問題に取り組まれる、こういうことであり、具体的には、さしずめ民間協定として、定期便がだめならば臨時便でもよろしかろうということで処理をしていきたい、こういうことが記事として出ておるようですが、間違いなくそういうようにお考えになっているかどうか。
 それと、具体的には、気象情報の交換のためには、場合によっては気象庁長官を中国に派遣してもよろしい、こういうことまでも談話の中に出ておるのでありますが、間違いありませんか。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 先ほどの米軍の制限空域と民間航空路の問題、これらにつきましては、御承知のとおり、全日空機と自衛隊機の接触以来、私ども安全の確保の点におきまして、いかにして民間航空路の安全を確保するかということにつきましては、専心力を入れておりまして、すでに先生御承知のとおり、内閣総理大臣が議長をしております交通安全対策会議の下部機関といたしまして航空交通管制連絡協議会というものを設けておりまして、そして総理府、防衛庁、運輸省、三者協議いたしまして、先ほどから航空局長、また技術部長からお答えいたしましたとおり、航空路と訓練空域とを完全に分離する、しかも、それも厳重なる安全の角度からこれを検討するということで、すでに防衛庁とも真剣な討議をいたしまして、先ほどお答えのとおりに、航空路につきまして九つの訓練空域をきめた次第でございまして、これの実施におきましても、はっきりICAOの規定にありますように、クラス1、クラス2の規定もありまして、あるいは七日、あるいは二十八日を猶予期間といたしましてNOTAMを発行してこれをやるということをただいませっかく実施しておるところでございます。
 また、先般申し上げましたとおり、米空軍につきましては、あるいは外務省を通じ、事務的には米空軍とわれわれの技術部とが接触をいたしまして、それらの趣旨におきまして、防衛庁も交えまして検討し、申し入れにつきましては申し入れておるところでございます。ただいま御指摘の問題も十分踏まえまして検討いたしまして、米軍と折衝するつもりでございます。
 それから中国に対する本邦の航空機の乗り入れの問題でございますが、これは先般、総理の今回の臨時国会におきまする所信表明におきましても、中国との国交正常化をはかることを第一義にし、そうして航空、あるいはまた通信、気象等につきましては、あらゆる機会を通じて積極的に接触の機会を持って、そして航空協定を結びたいということをはっきり言明している次第でございます。私ども、それを受けまして、今日のまだ国交正常化の過程ではございますが、正常化の一環といたしまして、できるだけ早く具体的にいろいろの取りきめの問題をきめたい、こういうふうに思っている次第でございます。先生御承知のとおり、前におきまして、韓国との間に、国交回復いたしませんでも協定で日韓の航空取りきめをした例もございます。そういうことでございますので、できますれば、やはり何と申しますか、首都間と申しますか、定期航空便の開設が望ましい次第でございますが、場合によりましては、不定期便のお互いの乗り入れからやるというような合意を得ましたならば、その方面からでもぜひ促進をしてまいりたい、こういうつもりで、せっかく今日、中国が国連代表部を国連に設けた次第でございますので、わが国の代表部との接触、あるいはまた適当な外交機関の接触、あるいは民間の関係の情報というものをキャッチいたしまして、向こうの意向も早急に取り入れまして、具体的にこの問題を前向きで処置していきたい、こういうふうに思っている次第でございます。
○政府委員(野呂恭一君) 芦屋の対地訓練空域の問題でございますが、すでに御承知のとおり、芦屋の射爆場、米軍に提供します施設・区域でございますが、その関係の制限空域、こういうことに相なっておりますが、この空域の使用にあたりましては、運輸省からは、航空路誌におきまして飛行制限の公示がなされておる。また、当空域は一般航空機の運航の空域とは分離されておりまして、民間航空の安全は確保されておるとは考えますけれども、今後、日米合同委員会の部会等に積極的に申し入れて、この問題について適当な処置をしていくよう大臣にも御趣旨の点をお伝え申し上げたい、かように考えます。
○森中守義君 これは一般原則論じゃなくて、固有の問題としてR89は処理してもらう、そういうふうに私は申し上げたし、認識をします、いまのお答えは。
 それと、大臣、気象庁長官の話はちょっと出しましたが、そこで、これは何も気象情報の交換ということに限らぬで、いま国連を舞台にしてという感触のお話でしたが、必ずしもそれにこだわることなく、すでに外務省でも代表を出そうかという、こういう情勢でもありますから、気象庁並びに航空局、ともに出してみたらどうですか、そういうことも含めて答弁を願っておきたい。
○国務大臣(丹羽喬四郎君) 気象庁長官を向こうの承諾を得れば派遣するということにつきましての答弁が漏れまして、申しわけない次第でございます。先年も、前気象庁長官でございます和達気象庁長官が、個人の資格ではございますが中国に参りまして、そうして気象情報についてのいろいろの状況がわかりまして、それ以来、日本の気象状況に非常に貢献をいたしました。そういうことがございますので、そういう点につきましては私は積極的に前向きの方向で進めてまいりたい、こう思っている次第でございます。
 また、いま御指摘がございました、さらに、政府間の交渉だけに限らず、あらゆる機会をとらえましてこの問題を促進してまいりたい、こう思っている次第でございます。
○森中守義君 航空局長、航空安全推進連絡会議というところから、これも俗称航空黒書というものが発表されましたが、これは大臣に申し入れが行なわれたと聞いておるのですけれども、ごらんになりましたか。
○政府委員(内村信行君) 私の承知しておりますのは、全運輸省労働組合のほうからいわゆる航空黒書その二と称するものが出ました。これにつきましては、先般、運輸省の組合のほうから、そのほか三項目ばかりの要求がありましたときに同時に出したかと存じます。
○森中守義君 私もきのうこれをちょうだいしまして、一見、一読すればするほど、なるほどその事実を痛感するのです。たとえば数日前の大分空港における管制塔と全日空機のあのもんちゃくも、せんじ詰めて言えばやっぱりその辺に問題があるようです。ですから、新しい計画を実施をされる、まあ将来の航空産業がどういう方向に発展をしていくのか、運輸省の予測は予測で出ていますが、少なくとも現状後退はしない、むしろ異常な速度で展開をされていくであろう。まあこのことも了承できるのですよ。ところが、ここでいわれている内容というものは、そういう状態に対応する管制体制は一体どうしてくれるのだ、こういうことが非常に深刻な問題なんですね。ですから、まああとは財政当局なりあるいは行管等との関係もありましょうけれども、管制対策というものにいま少し力点を置かないと、ふくらみはしたが危険が一ぱいということでは、これは将来非常に寒々しい気持ちになってしまうのですね。ですから、将来管制上の問題についてはよほど力を入れなくちゃならぬということが常に強調されておりますけれども、これは管制並びに乗員訓練、こういうものを含めて、どういう構想をお持ちなのか、一ぺん明らかにしてもらいたい。
○政府委員(内村信行君) ただいま先生御指摘のように、これからの航空というものは非常に大きな勢いをもって伸びていくだろうというふうに予想されます。そこで、その場合に一番重要なことは、やはり空の安全というものをいかにして担保していくかということが一番重要な問題であるというふうに思います。そのためにどうすればいいかということを考えますと、これはやっぱり二つの問題、一つは保安施設あるいは管制施設といった機器の自動化なり機械化なりそういった問題、もう一つはそれを扱う人間のトレーニング、どういうふうにしてそれを充足していくかというこの二つの問題がやはり基本にならざるを得ないというふうに考えます。そこで、その中でも最も重要なのは私は人ではないかというふうに考えます。と申しますのは、ある程度施設というものは金があればこれはできていくわけです。それで私ども、本年度からいわゆる空港整備特会というものをつくりまして、それは受益者負担制度でいこうというふうなことで踏み切りましたので、その財源というものは幸いにしてある程度は得られるのじゃないかというふうに考えます。したがいまして、その財源を用いてまいります場合に、保安施設の整備というようなことはある程度はできると思います。しかし問題は、それを運用しあるいは整備していく人の問題、これが一番大事でございまして、これはやはり一朝一夕に訓練してできるものではございません。したがいまして、管制官にいたしましても、相当なれてある程度のレーティングをとるまでにはやはり数年というものはかからざるを得ない、こういうことでございますので、一方におきまして、航空路監視レーダー等を大体昭和四十九年度中につくり上げるというふうなことにいたしまして、全国の航空路をレーダー網でカバーしようというふうに考えておりますが、一方それを運用する人間、これをやっぱりつくっていかなければならない、そういうことになりますと、やはりこれにつきましても約千数百人以上という人間がこの五カ年計画の中に必要であるということが実情でございます。したがいまして、そういう人のトレーニングをするために、従来は大体年間百名程度のコントローラー、いわゆる航空管制官というものを養成しておりましたけれども、よりその規模を増しまして百五十名、来年度以降はさらに年々百六十名程度の人間というものを養成してまいる。それによって管制官を補っていく。そのほかに、管制官のみならず管制通信官でありますとか、あるいは無線施設を運転してまいる、あるいは運用してまいる無線技術者、そういったものも必要でございますので、そういったような人もやはり養成してまいるというふうなことでございます。
 そこで、そういうふうな人の養成というものが、一つには定員の問題がございます。これは行政機構でございますので、定員というものをふやすのは非常にある意味では困難でございますが、これは何とかして皆さまのお力を拝借いたしましてこの定員を確保してまいりたいということ。それから定員を確保した上で実在員を確保していく、増員の問題、こういったことでそこを充足していこう。その中でもやはり重要なのが待遇の問題でございます。これはやはりどうしてもいまの行政官庁の役人の、公務員のベースというものは民間に比べて低からざるを得ない。特に技術者の場合におきましては、やはり待遇というものが民間と比べてやや見劣りするのではないかというのが率直に感じた私どもの感じでございます。そこで、やはり航空交通管制官あるいはその他の保安要員、交代要員、こういったものにつきましては、さらに手当を上げるというふうな方向で考えておりまして、今後とも、人事院その他につきましても、現在の航空交通管制官につきましては手当を三倍ぐらいにしてくれという要求をしておりますし、それから手当を支給する範囲につきましても、さらにいままでよりも以上に広げて全国の管制官について手当をつけてもらいたい、こういうふうなことをやっております。それから交代勤務者につきましても、従来なかったことについてやるということを要求しております。以上申し上げましたように、いまの管制官ないし保安要員につきましては、そういったような角度で充足をはかってまいりたいと思います。
 もう一つ御質問がございました航空乗員の問題でございます。航空乗員につきましては、やはり相当な人数がこれからの航空情勢を見ますと要るわけでございます。現在日本人が約千九百名ぐらい乗員がおります。これはパイロットそれから航空機関士あるいは航空士、これを含めた数でございます。約千九百名の日本人がおり、そのほかに約三百人ちょっとの外国人が雇用されております。そこで、昭和五十年ごろには、いまから予想いたしますと、大体三千人くらい、それから五十五年には四千八百人くらいのやはりこういった航空乗員というものが必要ではないかというふうに見込まれておるわけでございます。そこで、そういうふうな乗員を充足するためには、毎年大体パイロットだけでも六百名くらいのパイロットを養成していかなければならないというふうなことが大体私どもの考え方でございます。そこで、従来のパイロットにつきましては運輸省の中に航空大学というのがございます。この航空大学校というのがございまして、そこでもって乗員を養成すると同時に、あるいは防衛庁に委託するのでありますとか、あるいは防衛庁の割愛を受ける、あるいは航空会社が、それぞれの会社が自社で養成する、こういうふうな方法をとってまいりましたけれども、やはり今後もこういったような方向で、いろいろな手段がございますけれども、そのいろいろの手段を活用しながら全体として統一のある養成をはかってまいりたいというふうなことによって、大体年々六百名くらいの操縦士というものを養成してまいるということによって将来の航空乗員の業務をまかなうというのが大体の私どもの考え方でございます。
○森中守義君 できますならば、いま局長の言われた管制官の需給計画それからパイロットの需給計画、こういうものを現状でいいですから、何年度はどう、次年度はどう、大体五年間くらいのひとつ需給一覧表というものをつくってみませんか。出してください。ちょっとこれは資料としてお願いしたいんですよ。
 それで、これも新聞の報道ですが、YSの乗員計画をすでにとりやめて、そのために二十億の国費がむだになったというようなことがちらっと目にとまったことがある。これらも、もしそうだとすれば、一体何を目標にした訓練計画が行なわれているのか、たいへんな問題だと思うのですよ。それで、大体これから先のわが国の航空産業の発展の度合い、これをどういったように見ているかということが大体出る。すでに出ています。何年度は現在のシェアの何十%になるだろう、これに対応して大型を入れなければならない。まあ、いろいろありますね。肝心な要員関係というものは計画的に裏づけされていない。少なくとも私はそういう認識を持つのです。ですから、いま申し上げるように乗員の需給計画はどうする、管制はどうするという一連の需給計画というものをまとめてもらいたい。
 それからいま一つは、管制要員の処遇の問題ですけれども、調整額八%、それから手当が日額百円から二百五十円というようですね。これに対してパイロットは一時間千六百円、それと民間のパイロットが一時間三千円から四千円、どうもちょっとけた違いなんですね。それで、たとえば大分の事件なども内容を少し掘り下げていきますと、執務時間が何時から何時までときちんときまっている。ところが現状においてはそれが守れない、こういうわけです。これは実際問題として運用時間をきちんと守っているにかかわらず飛行機の到着がおくれる。最近、非常にダイヤが正確に守られておるという実情じゃないようですね。二十分、三十分、はなはだしきに至っては、特に羽田の場合には、国際線のごときは一時間ぐらい上空のほうでぶんぶん待たされることが決して少なくない。そうなると運用時間を守るべきかどうなのかという、こういう一つの根本的な問題にぶつかる。そこに管制要員がどうなるのか、つまり一口で言うならば、少ない定数でものすごく過密化した飛行機をさばいているにもかかわらず、手当は調整額が八%、しかも百円から二百五十円、飛行機に乗っている人は千六百円であり、四千円であるということになると、どう考えてみても理屈に合う話じゃないのですね。しかも、羽田の場合に管制官六十名だそうですね。六十名のうちにインターン的な人が約三十人、すぐに役に立たぬ。主幹、主任、それに残りの三十名近い人があのものすごいラッシュをさばいているということになりますと、これはやはり私どもここに目を向けなくちゃならぬという気になりますよ。ですから、前段の、人のことはどういう訓練計画、要員確保の計画をこれから持とうとされるのか、出していただいた際にもう少し詰めるようにいたしたいと思うのですが、さしずめ調整額あるいは手当の問題等は四十七年の予算の中あたりでも検討を加える必要があると思うのです。これはやはりそのくらいのことはすみやかに片づけていかないと、決してそのことが黒書のすべてであるとは思わないけれども、やはりその辺にありますよ。ですから、これはひとつ予算の時期にもなっておりますから、人の確保はもちろんのこと、処遇の改善というこの辺にぜひ力を入れてもらいたい、こう思う。少なくもこれはやはり百円、百五十円じゃどう考えてみても話になりませんね。特に一般公務員の場合も、超勤手当あたりも、人によって違いましょうが、四百円、四百五十円というのは、決して少なくありませんね。大体、いま平均が五百円ぐらになりはしませんか、一時間の超勤手当というものが。これと同一に見るべきかどうかわからぬけれども、少なくとも比較論からしてほお話にならない。これはひとつ政務次官おいでになりますから、航空局長からそういう相談があれば、財政当局に少し手をかしてやってくださいよ。何とか助けてもらわなければ困る。どうですか、お約束願えますか。
○政府委員(佐藤孝行君) 森中先生御指摘のとおり、私も、管制官の特殊手当が日額最高二百五十円、いまの物価指数から判断して、きわめて低い額じゃないだろうかと思う。先ほど来お話のあるように、パイロットの待遇の問題と比較すると、同じ人間が貨幣で判断した場合、あまりにも格差があり過ぎるじゃないか、かような考えを抱きます。したがいまして予算編成にあたっては、極力そういう方々に、金銭的において、その行為に報いられるならば、できるだけ多くの手当その他の待遇改善をしたいと、かように努力する考え方でございます。どうか側面からひとつ御支援をお願いしたいと思います。
○森中守義君 それじゃ、これで最後になりましたが、何か財政当局のほうでは、航空燃料税の新設をしたい、こういうことがやかましくいわれておりますが、運輸当局としては賛成ですか、反対ですか。それとも、今日の着陸料を値上げして、これに肩がわりしてもいいという、こういう意見等も出ているようですけれども、いずれを選択されましょうか。
○政府委員(佐藤孝行君) 先生御承知のとおり、航空機に使用される燃料はガソリンと灯油に分かれるわけです。ガソリンは主として小型機、灯油はジェット機が使用しているわけですが、ガソリンについては、揮発油税法において課税されることになっておりますが、航空事業育成の見地から、租税特別措置法によってこれは免税になっているのは先生御承知のとおりでございます。また灯油については非課税になっているのも先生御承知のとおりだろうと思います。今回、大蔵省から、ガソリン、灯油を含め航空燃料に新たに課税してその税収入をもろて航空施設の整備財源に充当したい、こういう申し出がございました。したがって、現行法でいうと、ガソリンについては免税の恩典を撤廃することになります。また灯油については新たに新規課税されるという二つの性格を帯びているものと考えます。運輸省においては、第二次空港整備五カ年計画において相当な額を航空会社にも負担させることになっております。さらにまた新たに燃料税を課するということは、現状の航空会社の経営状態から見て必ずしも適正なものだとは考えておりません。したがいまして、運輸省においても、航空会社等の責任者の方々とともに、どのような結論を出すべきか、現在検討中でございます。またあわせて着陸料の値上げ等の問題もございますので、これも含めて、将来のわが国の航空行政のあり方等も考えた上で結論を出したい、かように考えております。したがって、大蔵省に対してはいまだ回答いたしておりません。
 以上が現状でございます。
○委員長(木村睦男君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめておきます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十四分散会