第068回国会 社会労働委員会 第2号
昭和四十七年一月二十五日(火曜日)
   午前十一時一分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中村 英男君
    理 事
                鹿島 俊雄君
                高田 浩運君
                大橋 和孝君
                小平 芳平君
    委 員
                石本  茂君
                上田  稔君
                上原 正吉君
                川野辺 静君
                玉置 和郎君
                徳永 正利君
                橋本 繁蔵君
                山下 春江君
                須原 昭二君
                杉山善太郎君
                田中寿美子君
                和田 静夫君
                柏原 ヤス君
                高山 恒雄君
                小笠原貞子君
   国務大臣
       内閣総理大臣   佐藤 榮作君
       厚 生 大 臣  斎藤  昇君
       労 働 大 臣  原 健三郎君
       国 務 大 臣  竹下  登君
   政府委員
       内閣官房副長官  三原 朝雄君
       厚生大臣官房長  高木  玄君
       厚生省社会局長  加藤 威二君
       労働大臣官房長  道正 邦彦君
       労働省労政局長  石黒 拓爾君
       労働省職業安定
       局長       住  榮作君
       労働省職業訓練
       局長       渡邊 健二君
   事務局側
       叙任委員会専門
       員        中原 武夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○社会保障制度等に関する調査
 (老人福祉に関する原労働大臣の発言問題に関
 する件)
    ―――――――――――――
○委員長(中村英男君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 社会保障制度等に関する調査を行うこととし、老人福祉問題を議題といたします。
 去る十五日、洲本市における成人式において祝辞を述べられた原労働大臣の発言が今日問題になっております。
 本件に関し、まず同大臣の発言を求めます。原労働大臣。
○国務大臣(原健三郎君) 去る一月十五日、成人の日に、淡路島の成人式で行ないました老人施設についての私の発言は、私の本意ではなく、全く失言でございます。それゆえ全面的に取り消させていただきます。これは全く私の不徳のいたすところであり、まことに申しわけなく、心から陳謝申し上げます。
 特に老人施設の皆さまにたいへん失礼な言辞を述べ、御迷惑をおかけしましたことについては、まことに申しわけなく、私の発言を全面的に取り消すとともに、つつしんでおわび申し上げる次第であります。
 今後は私自身、自粛自戒、心を新たにして老人福祉や社会福祉につきいままで以上に尽力し、全力を傾ける決意であります。
 何とぞよろしく御了承賜わりますようお願い申し上げます。
○委員長(中村英男君) ちょっと速記を止めて。
  〔速記中止〕
○委員長(中村英男君) 速記を起こして。
 本件に関し、質疑のある方は、順次御発言を願います。
○大橋和孝君 一月の十五日、成人の日に兵庫県の洲本市民会館で開かれた成人式で、その来賓として原労働大臣が社会福祉施設に入っている老人に対してきわめてはずかしめるような発言をしたという、それについていま説明があったのでありますが、その問題に対して私は総理にひとつお尋ねをしたいと思うわけであります。
 あなたが総理に就任されまして以来、倉石農相とか荒舩運輸相、あるいはまた小林法相、西村防衛庁長官、そうしてまた、このたびの原労働大臣と、一国の内閣に連なる閣僚の方々が、それにふさわしくないような発言の連続であったわけであります。そのつど国民の世論の批判にあって、その職を辞されることで事をおさめてきたわけであります。特に問題なのは、国民の前に頭を下げて辞任しておきながら、一たんその職を離れてしまいますやいなや、さっそく今度は一転をして開き直って、そうして、事実を事実として言ったまでだとか、あるいはまた、そのあれは言うたってあたりまえだとかいうようなことをもって、非常な不穏当なことばを、また発言をしておられる。これはまさにひとり一個人では、あるいはまた一閣僚の問題では私はないと思います。佐藤内閣の体質の問題であろうと思われるわけでありまして、総理は一体、一国の閣僚がこうも次々とその職にあるまじき発言の連続の繰り返しという、こういう事態をどう考えておられるのでありましょうか。私はこの問題は非常に重大問題であり、特にこのたびの原労働大臣の発言の決着を一体総理はどうつけようと考えておられるのか、総理のその考えのほどを明確にしてもらいたいと思います。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま労働大臣の失言、あるいは失言というよりも暴言とでも申しますか、そういう意味合いの発言について釈明を求められ、また皆さんにも陳謝し、この委員会を通じて国民の皆さまにも陳謝したことと、かように私思いますが、佐藤内閣になりまして、どうも閣僚のうちから多数の失言者あるいは暴言者を出したということは、これはまことに私遺憾に思っております。また、今回の原君の発言につきましても、この機会に、この場を通じまして、国民の皆さんに、私、総理としても、これまたわが内閣からさような方を出したということはたいへん遺憾に思います。ことに施設に入っていらっしゃるいわゆる老人の方々、ことに長い間国家社会のために功績のある方々、これらの方々に対して不遜、失礼ととれるような発言があった。これはまことに私は遺憾に思いますので、この機会につつしんで私からも遺憾の意を表明したいと思います。
 ところで、ただいま言われますように、閣僚それぞれがそれぞれの立場においてどうも不謹慎な無責任な発言がされる、ただいま御指摘になりましたようでございますけれども、私この点は、責任の地位にある閣僚といたしまして、厳に戒めなければならないことだと、かように思います。
 一般の世相が、いわゆるやや最近言論の自由と、こういうようなこともございますけれども、しかし何と申しましても、責任の地位にある者はその言動は十分慎まなければならぬ、ことに責任の所在を明確にすることは何よりも必要だろう、かように私は思います。そういう意味から、ただいま原君はみずからその非を悟り、この場を通じて国民に陳謝したことだとかように私は思いますので、社労の各位におかれましても、十分この間の事情も御了承賜わりますよう、この機会に私からもお願いする次第でございます。
○大橋和孝君 いま申したように、原労働大臣の場合でも、その晩などには、あれは私の本心を言ったというようなことを記者にも発表された、また私は新聞の上でそういうことを見たわけでありますが、ほんとうの過失であったというようにとりたいわけでありますけれども、そういう発言が出ておる。私がいま先ほど指摘しましたように、やめられたあと、いままでの大臣の発言問題を見ましても、あと、あれは当然のことであったというふうなことをうそぶいて言っておるという態度、こういうことを見まして、総理大臣に私は申し上げたいのは、こういうことで、そこで頭を下げればいいということで終わっちゃ私はいけないと思うのでございます。ですから、そういう意味で、この問題に対しては相当き然たる態度をもって臨んでもらわなければ、今後こういうようなことがまだまだ続出するだろう、こういうようなことも考えられるわけであります。もう荒舩副議長のほうにも、きょうの新聞あたりを見ておりますと、相当その発言には失言があったというようなこと、きのうあたりからも騒がれておるわけであります。こういうことになりますと、今度は議長、副議長の座においてもそういうのがどんどんと出てくる。これは私はやはり、いままでの経過から見まして、そういう態度で、頭を下げたらあとはまた知らぬ顔で済ましておく、あれはむしろ正しかったのだというようなことで通るということに大きな問題があるわけでありますから、今度の原大臣の問題に対しましても、総理としてはしっかりと腹をきめた態度でこれに臨まれる必要があろうし、その所信を特に私は要望いたしておきたい。そういう意味でいまの質問をしたわけでありまして、その所信のほどをひとつ明らかにしておいてもらうことはどうしても総理としてはやってもらわなければならない、国民の前に示してもらわなければならない態度だと私は思うわけでありますから、その点について明快な御答弁を願いたい。
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま私、感じておる片りんについて触れましたが、とにかく責任の地位にある者はその言動を十分慎まなければならない、また発言したその内容につきまして、一体だれにその責任を負うのか、そのことを考えると、申すまでもなく国民に対して自分たち政治家の言動は責任を負うわけでありまして、そういう意味のことを十分わきまえなければ発言ができるものではないと思います。したがって、私は、こういう事柄について、この場は許されても国民ははたして了承してくださるかどうか、それらのことを考えると、ただいま大橋君の言われるように、後々までもみずから省みて、反省して、そうして、正していく。そういう姿勢でない限り、政治家としてのつとめはつとまらないだろうと、かように思う次第でございます。私は、ただその場限り、あるいはその場を何とか通り抜ければそれで済むのだ、こういうわけのものではないと思います。私は、よしこの委員会で御了承願いましても、国民多数の支持、それは得られないだろう、かように思いますので、われわれ政治家の発言は国民に責任を負うのだと、その立場に立ってわれわれの言動を十分慎んでいかなければならない、また責任のとれる発言をすべきだ、かように私は思う次第でございます。
○大橋和孝君 最後に、総理大臣に一言私の希望を申しておきたいと思うのです。
 それは、このように老人の問題が非常に重大なときである、こういうふうな発言があった。その後に、やはりこれから総理としては、それならば、今後の方針として、まだわれわれとしては十分な社会福祉に対して日本はおくれておって十分でないという観点から見ますと、やはりこういうようなことに対しては、何かの方法で、もっと社会福祉に対しての熱意のあるところを今後のいろいろな施策において反映をしていってもらいたい、こういうこともひとつ私は希望として申し上げて次の質問に移らしてもらいたいと思います。
 次に、私は厚生大臣に一言だけ尋ねてみたい。
 こういう問題がありましていろいろ考えてみますと、わが国の社会福祉の立ちおくれということは西欧先進国に比べますと十年から十五年おくれておる。今度はこの福祉に対して相当大きく力を入れるということで予算も取り組まれたと聞いておりますが、実際から見ればまだまだ足りないわけです。こういう点から考えて、こういう発言も出てきておるところでありますから、私は、四十七年度の予算の面を見ましても、今後ひとつ、総理にも先ほど強く要望をいたしましたとともに、厚生大臣としても、この問題に対しては、もっと具現的に総理と話し合いをつけて、そうして、予算の面で老人に対してもっと手厚い方法をあわせて行なおうという意思はあるのか。それでまた、それに対しまして、裏づけとして総理はどう考えられるか、こういうようなことをひとつあわせてお二人から聞いておきたい。
○国務大臣(斎藤昇君) 大橋委員の御意見のように、わが国の社会福祉は先進国に比べましてまだまだ相当おくれております。ことに日本の人口の老齢化が急速に進みましたので、これに対応する老人福祉はきわめて手薄いと考えております。来年度予算におきましては老人対策費は前年度の五〇%以上の強化を見ましたけれども、しかしこれでも決して十分ではございません。特に老人ホームでありますとか、あるいはまた孤独な老人に対する対策等も、まだまだ今後十分進めてまいらなければなりません。そういう意味合いにおきまして今後総理にもお願いをいたし、また予算の面その他あらゆる面におきまして努力をいたしてまいりたいと存じます。
 また労働省関係の仕事におきましても、中高年層、老人に対する施策も相当あるわけでありまするから、関係閣僚、労働大臣とも相談をいたしまして、十分満足のいくように果たしてまいらなければならない、かように思っております。
○国務大臣(佐藤榮作君) 政治の目標は、まあいろいろの表現のしかたがあると思いますけれども、私はかねてから国民福祉の向上をはかっていこう、これが一つの私どもの大きな目標であります。その目標の点から考えまして、やはり老人対策、これは最も力を入れるべき問題であります。私はことしの年賀状で特筆すべきことは、私のところへよこされた未知の方々からの、老人福祉対策、さらにまた子供の対策、そういうものをもっとしっかりやってくれと、そういう社会保障的な福祉的な施設の要望が非常に強い、これの関心が非常に深い。そういう際でありますだけに、実はこの原君の失言に対しては非常に私も困ったことだと、こういう意味で実は先ほど申したように陳謝している次第でございます。
 ところで、今回の四十七年度予算におきましては相当思い切った予算をつけたつもりでありますけれども、しかしながら、まだまだ日本の福祉行政、これは不十分だとしばしば指摘されております。この点では今後とも私は力を入れるべきことだと、ただいま斎藤君からもさような意味の発言がありました。皆さん方は専門でもありますから、日常この審議を通じて十分御意見を伺い、それらのものを取り入れ、そうして足らない福祉向上の面で実質的に十分の努力をいたしたい、かように思っておる次第であります。ことに孤老というような、いままでなかったことばがありますが、孤独な老人、こういう方々に対しましてはだれも国以外にはめんどうを見る方もないと思います。こういうことについても特に私は力をいたすべきだと、施設の十分なる拡充なり、また非常に老人としてのさびしがりと申しますか、そのさびしさを感じない、寂寥さを感じないようにあらゆる施設をすることが必要ではないか。ただ単に私は娯楽というような意味ではございません。やはり老人として何らか生きがいを感ずる、そこまではなくとも、その日その時間を過ごしていくことができる、そういうような施設がどうしてもほしい、かように思っておりますので、足らざる点はさらにわれわれは努力すべきだと、かように思っております。
 ただいま簡単にその一端を御披露いたしましたが、ただいまの世論がそういう方向に向かっておる際でありますし、またそういう意味で私どもも努力したいとせっかく考えておるやさきでありますだけに、たいへん国民に対して申しわけなく思っておるような次第でございます。
○大橋和孝君 原労働大臣に一言だけ時間がありませんからお尋ねいたします。
 これは政治家というものは、その進退は最終的には個人がきめるものだと、こういうふうに私は考えるわけでありますが、あなたはこのたびの言動についてどう考えて、どう責任をとられるのか、これをひとつお尋ねする。
 同時にもう一つお尋ねするのは、あなたの言行を改めて、今後の福祉行政を拡充する方向で努力すると言われているわけでありますが、一体具体的に何をするのか、これを端的に二つだけお答え願います。
○和田静夫君 答弁一緒に願います。
 一言だけお尋ねしますが、私は、たまたまあなたの発言のときに兵庫県にいた。したがって、一部始終をたいへん驚いて聞いてました。あなたは最初に記者会見でもって、御存じのとおり、日ごろ考えていたことを述べたまでだ、こう開き直ったわけです。ところが、兵庫県下におけるところの世論が非常な勢いで動いた。あなたの後援会の諸君も非常に困った。したがって、あなたを責めて、後ほど、いま言ったような態度に改めたわけであります。したがって、総理、認識が第一に違うのです。こういう意味で、私はみずから非を悟り国民に陳謝したと、総理は原さんのことを理解をされているが、そうではない。私はいまの関連で言うんだが、みずから非を悟り国民に陳謝したのならば、みずから非を悟り、この機会に労働大臣を辞任をされるのがしかるべきだ。同時に私は、西村さんが最近の講演会の席上で、防衛庁長官やめるの本意じゃなかった、野党の雲助的な、いわゆる院内のかけ引きの具に供されてしまったと開き直っていますよ、地元で。これはあのとき、やめたときの態度とまさに違っています。総理は西村責任を中心にしながら、自分の政治責任も時期を見て明らかにすると、衆議院予算委員会でわが党の細谷委員の質問に対して答えたはずであります。したがって、こう連続的に続いてきますと、私たちは信用するわけにはいきませんから、佐藤総理自身が今度の問題についてどのような責任をおとりになろうとしているのか、明らかにしてもらいたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) 各方面からきびしい御批判、御指摘があることを私も十分承知いたしております。今回の問題に関する私の責任は今後全力をあげて老人福祉対策の充実に努力することによって償ってまいっていきたいと考えております。
 それから、労働行政の面においても私のできる限りの力を尽くして、高年齢者の就職その他を積極的にやりたいと、いま施策を進めておるところであります。そのため、昭和四十七年度の予算におきまして、第一には、定年の延長に引き続き努力していきたいと思っております。第二には、中高年齢者の雇用率を制定する職種がございますが、その職種の範囲を拡大いたしていきたいと思っております。第三には、雇用奨励措置の改善を行なっていきたい。第四としては、特に来年度、昭和四十七年度予算におきましては、老人福祉対策の重要性にかんがみ、高年齢者に対する職業訓練制度を新たに創設することといたしております。そうして、この高齢者に対する職業訓練制度の創設に関係して、さらに関係方面とも接触を新たにして、各種の老人施設におられる方々の中で就職を希望される方々に対しては、職業訓練などを積極的に進めていって御期待に沿いたい、そして、これらの方々に償いになればありがたきしあわせであると存じておる次第であります。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私の責任は一体どうするのかと、こういうお尋ねでございます。先ほども私の所信の一端を御披露いたしました。私、内閣総理大臣として責任は国民に負ってるんだ、こういう意味で、私はその責任を果たしていくと、こういう立場でございます。事柄によりましてはあとで正すことによりまして、また重ねてさような間違いをしないことによって果たされる場合もあります。しかし、それだけで済まない場合もあるだろうと思います。そういう事柄は私自身がいろいろ考えて、みずから決すべきだと、かように私は思っております。ただいま西村前防衛庁長官のやめた後の発言について云々されておりますが、これなどはまさしく国民から批判を受ける趣旨のものではないかと、かように思っております。私はそういう意味でどういうふうにその責任をとるか、ここらに問題があるのではないかと、かように思っております。ただ、いま言われましたこと、あるいは御期待に沿うような答弁でないかわかりませんが、しかし、私自身みずから内閣の首班としての責任は十分感じておる次第でございます。それにはいまどうすると、こういうことを具体的に申し上げる段階ではございませんけれども、十分御指摘になりましたような点については反省もしており、またみずからもいろいろ考えていると、かように御理解をいただきたいと思います。
○和田静夫君 答弁漏れがある。原労働大臣はみずから非を悟っておやめになるのかどうか、質問に答えていない。
○国務大臣(原健三郎君) 私もその責任の重大性を痛感いたしております。そして今後自粛自戒、再びこういう失礼なことを繰り返すことのないよう尽力いたします。さらにまたその埋め合わせといたしましては、労働行政のみならず老人対策、社会福祉政策等についてできるだけ今後とも一そう尽力してその罪の償いをしていきたい、こういう決意でございます。
○小平芳平君 佐藤総理にお尋ねいたしますが、いま御指摘がありましたように、また御答弁がありましたように、この佐藤内閣の失言、暴言、放言、これが連続をしてきた。いま国民が求めているものは物価の安定であり、福祉の充実であり、不況からの脱出であり、特に先ほど来厚生大臣からも労働大臣からも述べられる福祉の問題につきましては百円、二百円福祉年金が上がるか上がらないか。百円上がるか上がらないか、千円が千百円になるかならないか、あるいは難病の方々が一万円の毎月の医療費の負担が国庫負担になるかならないか、そういうことに重大な関心を持って期待もし、注目もしているのが現状でございます。にもかかわらず、なぜこうした失言とか暴言が続くか。私は、総理は責任を感じているといわれますが、それがなぜ続くかということは、原点を忘れているからだと思うのです。この点については普通、原点に返れということはよくいわれますが、たとえば公害についていえば、公害の原点は被害者にある。被害者から出発するのが公害対策だというように考えた場合、老人福祉の原点は、老人の――先ほど総理が述べられた孤独の老人の生活あるいは老人ホームで生活をしていらっしゃるその方々、ここから出発しないところにこういうような老人福祉に対する脱線があると思うのです。私は、総理と労働大臣に端的にお伺いいたしますが、老人ホームへ行かれて、そして、じっくりとそうした孤独のお年寄りと話し合われたことがありますかどうか。その点いかがですか、まず。
○国務大臣(佐藤榮作君) 私は一回ございます。それは総理になりまして、いろいろ国内の諸施設を、団地をはじめ学校からまた老人ホームすべてを一巡いたしました。その際にただいま言われるような、みずから寝たきりの老人を見舞ったこともありますし――全然希望のない、ただいま申し上げたような寝たきりの老人、これをお見舞い申し上げ、あるいはまたみずからまだ働く力のある方、わずかながらにしても花を栽培し、あるいは蔬菜を栽培しておる、こういう現場も見ました。また、いわゆる有料老人ホーム、この施設も見て、ずいぶんまだまだ不十分だと、かように私自身感じた面もあります。これらの点は今回、対策によりまして、やや充実はいたしておりますけれども、まだまだ真の充実は思とわれない、かように思っております。
○国務大臣(原健三郎君) 私も過去においては老人ホーム等の施設に非常に関心を持ち、現に私の郷里の町に、淡路で数カ所あるうちでも一番大きな老人ホームを誘致して、かなりの施設を、運動して拡大強化してもらって今日に至っております。同じ町でございますので、ときどき訪問もし、慰めてあげたりすることもいたしております。またこの間、過般、宮崎県で一日内閣がありましたときにも、まっ先に老人ホームと勤労青少年ホームと両者を訪問して慰安申し上げたというようなこともいたしておる次第でございます。
○小平芳平君 佐藤総理は七年間に一回ですね。それから、学働大臣は老人ホームとは言っていないでしょう。あなたは養老院と言っているわけです。養老院がどうのこうのと言って、それが一月十五日です。一月十五日に養老院がどうこうと言って、それは取り消すと言われましたが、そのあとの記者会見の談話で、養老院というものは行きたくて行くところではない、あるいは、養老院というものはむやみやたらに建てるものではないのだ、こういう談話をしておりますが、その点はどうなんですか。
○国務大臣(原健三郎君) いろいろ申し上げますと、私の弁解になるし、言いわけにもなりますので、私はいままでの発言ことごとく失言でございまして、これを全面的に取り消し申し上げ、心から陳謝し、おわびをいたしたいと思う次第でございます。
○国務大臣(佐藤榮作君) 七年間に一ぺんだと、かように言われますが、私は一ぺんだけではございません。これだけははっきり申し上げておきます。昨年も広島に参りまして、いわゆる施設、そういうところにも参りました。一度ではなかった、かように御了承いただきたいと思います。
○小平芳平君 総理が一ぺんと言われましたから言っただけです。
 要するに、私が指摘したいことは、これは大臣として、総理として公式に訪問される、そのことを言っているのではないので、じっくりとお年寄りの生活、何を願っていらっしゃるか、何に困っていらっしゃるか、要すれば一昼夜寝泊まりして、そしてつぶさに御意見をお聞きする、これがないと言っているのです。これがないところに原点をはずれている福祉政策になってしまうのではないか、こういうことを私は述べているのです。第一、総理あるいは労働大臣は養老院、養老院と言っておりますが、養老院というものはいまありますか、日本の国に。そういう点すら踏みはずしているではありませんか。したがいまして、総理に伺いますが、労働大臣がそういうことを言われて、取り消します、陳謝します、おわびしますと、労働大臣も佐藤総理もそれだけ繰り返していらっしゃる。では、具体的に、先ほども委員の方々から御質問があったように、労働大臣が辞表を出されたら佐藤総理は、けっこうだ、それはもうやめたほうがいいと、もう一ぺん原点に戻って、そして第一あの取り消すと言われますけれども、労働大臣をやっていることがりっぱな人間なのか、老人ホームで、あるいは食うや食わずに公害の摘発をして公害闘争をやって人類の地球上の滅亡を防ごうということがりっぱなことなのか、そういう点ももう一ぺん私は原点に返るべきだということを申し上げているんです。したがって、総理としては、労働大臣がただ大臣やっているだけがりっぱなことじゃない。そういう原点に戻って出発しようというなら総理は賛成ですかどうか。
 それから、総理は盛んに、またきのうの衆議院社会労働委員会でも福祉政策を充実しますと盛んにおっしゃっておられますが、四十七年度予算もお変えになるわけですかどうですか。
 その二点についてお尋ねをいたしておきます。
○国務大臣(佐藤榮作君) いまその予算はまだ御審議をいただいておりませんし、まだ提出しておりません。したがって、これはもうすでにでき上がった、最終的に閣議を終えておりますから、提出だけの準備、それに追われておる、こういう段階でございます。
 そうして、その予算の中身につきましては、いずれ皆さま方に十分の御審議をいただく、そういう機会が与えられる。当然のことでありまして、そういう機会がありますから、ひとつその際にまた御意見も聞かしていただきたいし、またこれから将来の予算編成におきまして皆さん方の貴重な意見は必ず取り入れられる。かように私は了承しておるような次第であります。
 それから、また先ほど来、生き方はいろいろあるのではないかと、こういう御意見を交えてのお話でございまするが、私はただこの点については、小平君のおことばではございますけれども、私自身その御意見を十分心して承っておきます。これで私の気持ちは御了承願えるんではないかと、かように私は思っておる次第でございます。とにかく十分にわれわれの責任、これは閣僚であればあるだけにまことに重大でありますから、同じことを申すようでありますが、その言動は十分慎まなければならないし、またその批判は国民みずからが必ずこれについて批判なさることだ、かように私は考えております。それがただいまの民主主義の国家の当然のことでございますから、そういう意味の主権者は国民だと、こういう立場でわれわれも行動しなければならぬ、かように思っております。
 以上、お尋ねに対してお答えいたします。
○高山恒雄君 労働大臣は今回の洲本の成人式におきまして、老人に対する、全く無視した発言をされたわけですが、自分の本意でないと、これは先ほど謝意を述べられましたので、本意でなければ放言か失言かということになるわけですが、私はこうした問題の老人を無視した考え方というものは、やっぱり政府の一貫した老後に対する考え方というものがないんではないか、姿勢の問題だと考えざるを得ないのであります。特に、総理も御承知のように、いまの老人と申します方は明治、大正ですよ。日本の徴兵制度も大正十五年生まれで終わったのであります。したがって、こういう人たちは日本の当時の指導者の誤りから大きな犠牲をこうむっておる。戦争という犠牲をこうむっておる。夫をなくした人もありましょう、あるいは子供をなくした人もありましょう。私はそういう人が多数だと思うのです。そういう人たちが今日老後の生活をどうするかということを真剣に考えるなら、むしろ老人が感謝をするのではなくて、政府がいたわり、感謝をする気持ちでむしろ今後の対策を立てるべきじゃないか。この基本的な理念が私は政府に欠けておると、こう思うのです。したがって、先ほどから総理は、この問題に対しては、政府も十分なる責任を感ずるとおっしゃいますが、いままでの御質問にも出ましたように、あまりにも政府の指導部におられる方のこうした放言、失言が多過ぎる。国民を無視しておる。こうやっぱり断ぜざるを得ないわけですよ。したがって、私は総理としては、この責任をみずから反省するとおっしゃいますけれども、き然とした態度で、私は今後国民に対するいたわりと感謝の気持ちを逆に持ってもらうべきじゃないかということを主張したいのでありますが、総理の考え方をお聞きしたいと思うのです。
○国務大臣(佐藤榮作君) 高山君の御意見、私しごくごもっともだと、かように思います。別にただいまの御意見について、私も同感と、かように申し上げる以外にはございません。
○高山恒雄君 原大臣のお考えを伺います。
○国務大臣(原健三郎君) まことにお説のとおりでございまして、私も大いに自粛自戒、反省いたしまして、今後とも老人福祉のため、また私の関する労働行政でも高齢者のために積極的に十分配慮していきたい、そういう決意を新たにいたしておるところでございます。
○高山恒雄君 労働大臣にもう一つ申し上げたいと思うのですが、私は昨年、年の暮れに、これはまあ全委員の方がそうだと思いますが、いまの失対労務者から多くの手紙をいただいております。この人たちの大体の手紙の内容を見ますと、六十歳以上です。六十九歳、八歳という高年齢の方もおられます。そうして、大体現在の政府の考え方では地方自治体にまかせられておりますから、ある程度の賃金の格差はございますが、一日のつまり賃金が、わずかに八百円から九百五、六十円まで。一カ月働いて二万五千円。これは生活できないですよ。で、私が先ほど申しましたように、政府にそうした老人の方をいたわる気持ちがあるならば、パートタイマー以下の賃金で私は失対労務者を使うということはないのではないかというような気がしておるわけです。これは労働大臣の責任の範囲内の仕事なんです。私はこれらの問題も、もっと労働省あたりはこれに力を入れて、年齢構成が非常に老齢化しておることは労働省も常に発表されております。これもほんとうのやっぱり犠牲者と私は見てもいいと思うのですね。こういう人の立場こそ最低生活ができるような失対行政をやってやると、それは地域によって賃金は違いますよ。東京等においては千円以上のところもありましょう。けれども私はこういう基本的なやはり考え方を忘れておるところに放言が出、失言が出て国民に不安を与えておると言っても過言ではないと思うんですが、今後の施策の中に労働大臣はこうした問題をもっとウェートを置いて考え直す用意があるかどうか、ひとつお聞かせ願いたい。
○国務大臣(原健三郎君) 失対労務者にもう少し手厚い保護をやるべきであるというお説、まことにそのとおりで、賛成でございます。
 それで、このたびの予算編成につきましても、閣僚折衝の場まで持っていきましていろいろ折衝いたしまして、一三%アップまでこぎつけました。これはその他の関係もありまして、ここまでにしまして、大体平均千百三十四円から千二百八十二円の間に入っており、まだ十分でございませんが、これは毎年もうちょっと大幅に上げるように尽力するということをお約束申し上げます。
○高山恒雄君 終わります。
○小笠原貞子君 先ほどから伺っておりますと、まだ失言失言ということばをおっしゃっておりますけれども、失言というのじゃなくて、やっぱり本音をお出しになった。そういう意味では原さんたいへん正直な方だと私思うわけなんですけれども、単なる失言ではなくて、本音だからこそ、もう何人も何人も暴言を吐かれていらっしゃる。で、佐藤さんの先ほどの発言を伺いましても、たいへん遺憾でございます、責任は十分感じておりますと、こうおっしゃっておりますけれども、このことばも、私国会へ出ましてからわずかの時間しかありませんけれども、何度も伺いまして、耳にたこができるほど同じ御答弁でございます。それで、あまり同じ答弁をなさるものだから、いつでしたか、本会議で――近鉄の事故がございましたね。あのときも、こういう事故の続発でやっぱり同じように今後姿勢を改めてなんておっしゃるから、私がそれは毎回聞いている、口だけだと言ったら、佐藤さんはそのときに、いや口だけでも言ったほうがいいんだと御答弁になって、議場が大笑いになったことがございます。そういうわけですから、いま神妙な顔をなさって、責任を感じておりますと、こうおっしゃいましても、やっぱりそれはほんとうとして私は受け取れないわけなんです。この問題をきっかけに、やっぱり、なぜこんなに続々と閣僚の中からこういう発言が出るのだろうか、それは単なる失言などということばでは言えない本心があったからこそいろんな場面でいろんな人がいろんなときにこういうことを言ってくるのだ。その問題をはっきりさせなければ、ほんとうにこれからの行政を責任を持ってなさる佐藤さんとして、たいへんまたあとすぐおやめになればいいですけれども、もうちょっといらっしゃるとしますと、また何が出てくるかわかりません。そこで、この問題を契機として、なぜこういう問題が起きたのだろうか。これは佐藤内閣、そしてまた自民党の性格、姿勢というものについて問題があるんじゃないだろうか、そういう本質的な問題になってお考えになったか、またその辺で真剣にお話し合いになったか、その辺はいかがでございましょうか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 失言、暴言、これが自民党の本質ではないかと、かような御意見のようですが、またお尋ねのようですが、さようなことはございません。自民党はりっぱな国民政党であります。国民にそむく、さような考え方は持っておりません。非民主的な政党でないことをはっきり申し上げておきます。
○小笠原貞子君 はっきり申し上げますとおっしゃっても、事実が全く違うわけなんで、私が申し上げているわけなんです。
 それじゃ、やっぱりいままでのは単なる失言であって、これはちょっとした、あとしっかり口をつぐめとか、それから以後発言は注意しろとか、というようなことでやっていけると、そういうふうに思っていらっしゃるのですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 事柄によりまして簡単に済む場合と簡単に済まない場合がございます。これらの事柄は、主権者は国民であると、こういう立場で政治家は行動しなければならない。先ほども申したばかりであります。また国民から必ずきびしい批判も受けるし、またそういう意味で政治家の姿勢は国民から正させられる、かように私は理解しておるものであります。
○小笠原貞子君 国民からのきびしい批判があれば考えるという結果になりますね。今度の問題でも、初めこれだけ大きく問題にならないときに、原さんが佐藤さんのところへ行ったら、いや騒いでいるのは新聞だろうというようなことをおっしゃったということも私は記事で見ました。そういうことから考えますと、先ほどから責任の所在を明らかにする必要があるということをおっしゃったわけです。明らかにするというその中身で原君も釈明して、陳謝した、こういうふうにおっしゃっていますけれども、責任の所在を明らかにするということは具体的にどのように考えていらっしゃるんですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 具体的には、これは原君の失言、暴言でございますから原君が皆さま方に御了承を求める、あるいはまた国会の場を通じて国民に御理解を願う、こういうことでその陳謝をいたし、またそういう意味で、施設につきましても、またこれ間接ではありますがやはり原君のその失言をお許しを願っておる、こういうような状態であります。そういうことで具体的な処置がとられておる、かように私は理解しています。
○小笠原貞子君 それでは陳謝すれば具体的に責任はとった、こういうふうにおっしゃるわけですか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 陳謝も一つの方法だということを申しておるのであります。陳謝だけで事が全部済んだ、こういうことを申しておるわけではありません。事柄の性質によってそれはいろいろ形がある、こういうことを申しておるのです。
○小笠原貞子君 陳謝するのはあたりまえのことなんですよね。責任をとるというのは、ことばであやまって済むものじゃなくて、あやまることはもう当然のことなんです。これを済ましたあとどうするか、こういうことですね。
 そうしますと、先ほど原労働大臣も今後福祉のために一生懸命やるとか、労働行政で一生懸命やるとか言っていらっしゃるけれども、またそれは具体的にあとで、労働行政の担当の大臣としてたいへんなことを言っていらっしゃる。とてもこのまま続けていただくわけにいかない、こういうことで質問を続けさしていただきますけれども、あやまることは当然のことで、これは済んだ。大臣自身も総理自身も、この委員会だけで済まないと、こうおっしゃっていましたよね。そうすると、国民にほんとうに陳謝し、特にお年寄りの方におわびするということは、その方たちに具体的なものが出なければおわびにならないわけです。先ほどから予算の問題が出ました。予算はたいへん老人福祉にも大きくことしは前進した予算だ、こういうふうにおっしゃっていましたけれども、やはりこれは大きく前進した予算だ、福祉予算だといままで言い切っていかれますか。
○国務大臣(佐藤榮作君) 全部必ずしも皆さん方の御希望どおりと、かようには言いかねるかと思いますが、私ども自民党といたしましては、十二分に今回の予算は福祉向上の方向で予算を編成した、それだけの自信は持ってお答えはできます。これで事足りる、かように申すわけではありません。積極的な予算充実の方向で努力したそのあとは十分予算編成に出ておる、かように申し上げて差しつかえないかと思います。(「時間だ」と呼ぶ者あり)
○小笠原貞子君 時間だということなんですけれども、佐藤総理、もう時間はだめなんですか。ほんとうに国民に陳謝されると、責任を……。
○委員長(中村英男君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
○委員長(中村英男君) 速記をつけて。
○小笠原貞子君 これだけ大事な問題で質問をさせていただこうと思うのに、たいへん残念なんですが、それでは具体的に原さんのほうに問題をお伺いしたいと思いますが、先ほど労働行政で一生懸命やるとおっしゃいましたけれども、労働行政を一生懸命やれる資格はないと思うんです。それは、一月九日の午後一時から西宮の戎神社で、神社主催の恒例の演説会がございました。労働大臣奉納演説ということで。これもずいぶん続けられているわけですけれども、その中身で原さん、こうおっしゃってますね。野党がうるさいから沖繩は返還してやったのだ。日本の歴史の中で今日ほど労働者が金持ちになったことはない。賃金はアメリカと西ドイツに次いで三番目。労働者はもうかってもうかってしかたがない。また春闘でもうかる。七千円から一万円は上がり、大金持ちとなり、中産階級となる。こういう話をしていらっしゃいます。これはもちろん市の理事者の部長さんも聞いていますし、課長さんも三人聞いている。これは知らなかったと言えないので、具体的な問題になっているわけですね。きのう、竹下さん、衆議院のほうでも原労働大臣に対しては、労働行政の識見が高い、こういうふうにおっしゃっていたわけですけれども、識見が高いとおっしゃっているけれども、特に製造業者の賃金を見れば三番目どころじゃない、六番目になっているんですよ。全然これ違うわけです。いかにも労働者の賃金が世界的に高いような発言をしていらっしゃるし、また金持ちになった、なったとおっしゃっているけれども、一世帯の平均の貯蓄額というのは百三十八万円だ。しかも、借金をしているという人がたくさんいますし、またその貯蓄というのも不時の災害に備えての貯蓄である。決してほんとうに労働者が豊かになるどころか、この物価値上げの中でたいへん苦しい生活をさせられているわけです。そういう労働者の実態を知らないで、そうして、また事実に反するような、世界で三番目だというようなことを発言される学働大臣、これでほんとうに労働行政ができるものですか。私はこれは担当の労働大臣としてはまことに不適当だと思うわけですね。そういう意味で原さん今度の発言だけではなくて、専門の労働行政でも、こういう考えを持って今後一生懸命やられたらたまったものじゃないと思うのです。そういうこども私は原さんにしっかり考えていただいて、やはり具体的に、これから償いをしますなどというのじゃなくて、まず当然責任をとってもらいたい。また原さん個人ではなくて、これは内閣としての責任でもございますので、内閣として竹下長官、どういうふうに御責任をとろうとしていらっしゃるか、私はその点をはっきりさせていただきたいと思います。
○国務大臣(原健三郎君) 小笠原さんにお答えいたします。
 西宮で申し上げたことは、私は日本の、この前申し上げました――私は誠心誠意日本の勤労者のために努力いたしておるつもりであります。現にやってまいりました。それで、私の申し上げたのは、日本の労働者の賃金はだんだん上がってきつつあって、まことに御同慶にたえない、こういう趣旨であります。
 それから、賃金は、名目賃金を上げるだけではどうも豊かにならないから、これからは国際的水準に立って労働賃金を考え、次に考えるべきものは労働時間である。やはり、これは週休二日制などに向かっていくことがより労働者のしあわせになる。さらに労働福祉の面もある。私はこの三つを国際的水準に引き上げるために国際的な趨勢に向かっていくように今後とも尽力をしたい。こういう趣旨の発言をいたした次第であります。
○小笠原貞子君 事実と違います。
○委員長(中村英男君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四分散会