第068回国会 商工委員会 第11号
昭和四十七年五月十八日(木曜日)
   午前十時十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     中尾 辰義君     藤原 房雄君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     大谷藤之助君     小山邦太郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大森 久司君
    理 事
                川上 為治君
                剱木 亨弘君
                竹田 現照君
                藤井 恒男君
    委 員
                小山邦太郎君
                中山 太郎君
                矢野  登君
                山本敬三郎君
                阿具根 登君
                林  虎雄君
                原田  立君
               柴田利右エ門君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       国 務 大 臣  山中 貞則君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員長      谷村  裕君
       公正取引委員会
       事務局長     吉田 文剛君
       公正取引委員会
       事務局取引部長  熊田淳一郎君
       通商産業政務次
       官        林田悠紀夫君
       通商産業大臣官
       房参事官     増田  実君
       通商産業省企業
       局長       本田 早苗君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   参考人
       東京都立大学法
       学部教授     清水  誠君
       日本消費者連盟
       創立委員会代表
       委員       竹内 直一君
       全日本互助協会
       会長       小泉 忠蔵君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○割賦販売法の一部を改正する法律(内閣提出、
 衆議院送付)
○不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○沖繩派遣議員団の報告に関する件
    ―――――――――――――
○委員長(大森久司君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 割賦販売法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本法案について参考人の方々から御意見を承ることになっております。
 参考人として、東京都立大学法学部教授清水誠君、日本消費者連盟創立委員会代表委員竹内直一君、全日本互助協会会長小泉忠蔵君、以上三名の方の御出席を願っております。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は、ただいま本委員会で審査中の割賦販売法の一部を改正する法律案について、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を承り、もって本法案審査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 なお、参考人にはそれぞれ二十分程度の陳述をお願いし、その後委員からの質疑にお答えいただくことにしておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、まず清水参考人にお願いいたします。
○参考人(清水誠君) 御指名いただきました清水でございます。東京都立大学で民法を専攻しているものであります。民法の中でも信用の問題に関連する事柄に関心を持って研究しております関係で、昨年八月以来の割賦販売審議会における審議に専門委員として参加いたしましたので、そのような立場から今回提案されています法案についての私の見解を述べてみたいと存じます。
 資本主義経済の今日の段階におきましては、消費者信用が非常に拡大するということは、かなり必然性を持った現象として指摘されているところであります。その傾向は最近のわが国においても急速に進行しているのでありますが、この問題に関する先進国であるアメリカの例から見ましても、今後ますます飛躍的に、おそらく予想を上回る規模と速度でこの消費者信用の問題の重要性の増大、それに伴う法的問題の複雑、多様化が見られるのではないかと思います。そういう将来予想される、また現に一端の問題を生じつつある事態に備えまして、一般国民といいますか、消費者の立場を保護するための総合的な法制を整備することがぜひ必要だと私は考えます。私は本来なら、金融機関による消費者金融をも含め、また場合によっては信用とは関係のない、つまり割賦払いではない取引契約についての消費者保護をも含み、また不動産やサービスなど、広い対象範囲を含む消費者保護のための総合的な法制の体系化を考えるべきであろうと思います。これは決して消費者を甘やかすという意味においてではなくて、消費者の正当な権利の保護を厚くすることが今後の社会における社会正義の実現と保障につながるという意味においてであります。
 ところが、このような消費者保護法の体系化は容易なものではありません。やはり専門委員であります私の友人の東京大学の竹内昭夫教授は、アメリカの消費者信用保護法と統一消費者信用法典について研究しております第一人者でありますが、同君の教示によりますと、これらの立法のためには長期間の、また多くの人材と資金をつぎ込んだ研究と準備が必要であったとのことであります。割賦販売審議会におきましても、総合的立法の必要は各委員の間でほぼ異論なく承認されていたように思います。しかし、昨年八月の諮問以来の短い時間ではとても十分な検討ができるものではありませんでしたので、ことし一月二十八日に、当面割賦販売法改正というワク内で可能であり、かつ緊急に採用したほうがよいであろうと考えられる方策について結論をまとめ、答申したわけでございます。答申の中には、大綱のみ要望した点もありまして、これを具体的に条文化するのはたいへんな作業であったのではないかと思いますが、事務当局が御苦心されまして、答申の線によく沿った改正案を短期間に作成されましたことに、私は敬意を表するものであります。なお、答申に盛られていて今回の法案では実現していない若干の点、すなわち瑕疵担保責任に関する特約に対する制約の問題、表示義務を実効あらしめるための民事責任の問題などがございますが、これらの問題は割賦販売法のワク内ではかなり困難なことでありますので、今回取り上げられていないのはやむを得ないことと私は考えます。繰り返して申し上げますが、この法案によって改正された割賦販売法の内容では問題の根本的解決までにはまだまだ距離があるように思いますが、ともかく今日の段階で、従来は割賦販売営業の秩序づけ的な性格の強かった割賦販売法に消費者保護法としての目的と性格を明確に織り込みまして、その方向に向かっての大きな一歩を踏み出したものとして、今回の改正案を評価してよいのではないかと考える次第であります。
 次に、今回の改正案の内容の目ぼしい点について私の率直な意見を申し述べてみたいと思います。
 第一に、割賦販売契約締結に関連する公正の確保に関連する問題であります。私は、消費者が割賦販売条件について十分な知識と情報を持ち、それによって間違いのない判断の上で割賦購入契約を締結するということは、今後拡大する消費者信用取引の公正な発展のための基礎的条件であろうと考えます。その意味におきまして、今回の改正案が業者の割賦販売条件表示義務、書面交付義務を充実し、さらにこれらの規定を単なる訓示規定にとどめずに、違反に対する罰則を定めることによって励行せしめようとしていることは、きわめて適切な措置であろうと思います。特に、いわゆる実質年率の表示が義務づけられましたが、この実質年率のような観念が普及して、正しい用い方によって利用され、活用されるようになることが望ましいと考えられます。なお、これらの点に関して細目が通産省令にゆだねられている場合が多いことが注目をひきます。これは問題がかなり具体的な事柄にかかわっているためにやむを得ないと考えられますが、この点の運用が消費者保護という目的に十分沿うように、また実態を十分に把握して、目的実現にふさわしい方法を選択するという方向で行なわれることを望みたいと思います。この種の事柄は、ややもすると当局による取り締まりという感じを与えるものでありますが、そうならないように各方面の意見を十分に聞いて、どのように定めれば消費者に間違いのない的確な判断を下すための材料を十分に供給できるかという観点を用いて、慎重に検討していただきたいと思います。
 契約締結に関しましては、何といいましても、何らの理由を要しないで四日間の撤回解除権を認めるいわゆるクーリングオフの制度が注目がされます。これはわが国では初めて導入されるものでありまして、民法の契約の問題を考える上にもかなり大きな新しい問題を投ずることになるかと思います。民法的な原則からしますと、一人前の人間が意思表示をした以上、すなわち契約書にサインをした以上、それに拘束されるのがあたりまえではないかということになるのでありますが、そのような理屈が消費者取引、特に消費者信用取引、すなわち割賦取引には必ずしも妥当しないということは、諸外国におきましてもこの制度が採用されていることからみて、いまや明らかなことではないかと考えられます。そこで、この一定の熟慮期間をおいて契約意思を明確にさせるという制度は今日十分に存在理由があり、今回の改正でこの制度がスタートをいたしましたら、ぜひ順調に機能して定着していってもらいたいものだと考えるものでございます。そういう趣旨からしまして、私はこのターニングオフの制度は今後とも発展拡充の方向へ向かってほしいと願います。考えようによりますと、不動産などの価値の高いものの取引におけるほど熟慮期間は必要だというようにも考えられます。もちろん財貨の種類によって契約締結までの交渉経過にはそれぞれの特色がありますので、熟慮期間をどのように設定するかについて一がいにはいかない点もあるかと思いますが、そういう点を慎重に検討をしつつ、この制度の適用範囲をできるだけ拡大していくというのが今後の方向であるべきではないかと考える次第でございます。
 第二は、前払い式の場合におけるいわゆる前受け金の保全措置の強化を内容とする改正についてであります。
 これは、そもそも前払い式契約を結んだ消費者の債権を、業者倒産のような事態を生じた場合に、優先的に弁済を受けられるようにすることによって保護しようとする制度でありまして、民法でいう先取り特権の考えを出発点とするものであります。私は、この種の債権は放置しますと、最も無視されやすいものでありますので、このような保護を認め、さらにその保護を強化する十分な理由があると考えております。ただ、この優先弁済権を確保するための法制度というものはなかなかむずかしいものであります。たとえば、供託という方法が資金を固定させてしまうということは、一つの矛盾であります。また三分の一や二分の一という割合だけの保護でよいのかといった問題もあると思います。今回の改正案は、保護割合を高めることと保全措置の多様化ということで、供託、委託契約という手法を取り入れることを内容としたものであります。後者の点がややわかりにくい仕組みになっているという難点はあるかと思いますが、従来の内容に比べて一歩前進になっていると考えます。ただ、制度的にはまだまだくふうの余地はあるように私は思います。この種の制度は、各種の業法におきまして軒並みに存在いたしております。また、今後ますます増加し、複雑化していくと予想されますので、法務省あたりが中心になって、さらに全体的に整備された取引上の弱小債権者保護のための制度というものをくふうし、検討されることを望みたいと思います。
 第三は、今回の改正案による適用範囲の拡大についてであります。
 本改正案は、いわゆるローン提携販売や、友の会、互助会等をも本法の適用範囲に加え、これに本法の中の一定の規定を適用することにしているわけでありますが、私は、初めに述べました趣旨から申しまして、これは当然の方向であります。むしろ、さらに総合的見地から取引の全体を観察しまして、規制を要する取引を漏らさずに取り込み、包括的で均衝のとれた法的規制が行なわれるように、根本的な検討を加えることが必要ではないかと考えるものであります。
 前払式特定取引については、今回の改正で許可制になり、かつ、今回強化された前受金保全措置を直ちにかぶせることになるわけでありまして、酷な感じもあるかもしれません。しかし、この点は先ほども申しましたように、決して取り締まりのためというのではなく、あくまで消費者保護のための必要で、望ましい用意周到な措置なのだという趣旨に立てば了解できることではないかと考えます。その意味では、確かに冠婚葬祭互助会などには、他の物品の割賦販売とはいろいろな点で異なる特徴があると思いますので、そういう点を十分に考慮した運用がなされることが必要だと思います。消費者が不当な損害を受けることのないようにするのが今回の改正の趣旨だということを、監督庁も業者も十分に身に体して運用するからば、今回のこの改正案による適用範囲の拡大は、将来望ましくない事態が発生することを防ぐ上に大きな貢献を果たし得るものだと私は考えます。
 以上、主要な点についての意見を簡単に申し上げましたが、要するに、理想的な万全の法制ということからしますと、まだ不満足、不十分と考えられる点はいろいろあると思います。これだけでは足りないという時期がすぐにやってくると思います。これについてはこれからの検討をお願いしたいと思いますし、また割賦販売審議会でもこれから研究されることと思いますが、当面緊急に措置して消費者信用取引をあるべき方向において整序する――整理し、秩序づけるという意味におきまして、今回の改正案の内容は適切かつ妥当なものであると考えるものでございます。
 最後に、一点だけつけ加えさせていただきたいと思いますが、この問題の解決、前進のためには、どうしても賢明な消費者というものをつくっていかなければならないと思うことを申し上げたいと思います。
 立法は、そう申しては何ですが、必ずしも賢明ではない人が間々いるのだということを前提として行なわれなければならないものであります。では、立法すればそれですべてが片づくのか、すべての人がそれで保護されるのかといえば、そうではありません。端的な例が先ほどのクーリングオフでありますが、この制度は、一面において、告知の日以後四日を経過すると、契約意思が明確に確定するという意味合いを持ち得るものであります。従来の取引でも一たんサインしたけれども、そのあとでかけ合ってやめにしてもらうというような好意的処理がされたこともなくはなかったように思います。ところが、このクーリングオフが制度化されますと、四日経過後はむしろ動かしがたい契約意思が確定するということになってまいります。そのことを考えますと、消費者全体がこういう制度について十分に知識を持ちまして、これを適切に自分の権利を守るために運用していくということが必要でありまして、こういう権利を与えられましても、そのまま眠っていたのでは全く役に立たないことになるわけであります。
 また、たとえば実質年率につきましても、われわれ自身をも含めてでありますが、消費者が十分にその意味を理解して、これを有効な判断材料として活用していくということが必要なのであります。そうでなければ、いたずらに費用と手間を増すということになりかねないわけであります。その意味におきまして、今回の改正案のようなものにつきましては、国民に対する啓蒙、宣伝と申しますか、周知徹底ということが重要であり、肝心ではないかと考えるものでございます。もちろん消費者団体や通産省においても努力されるべきことでしょうが、国会におかれましても、この点についての特段の御留意をお願いしたいと考えるものでございます。
 簡単でございますが、私の考えの要点を申し上げましたので、足りない点につきましては、御質問いただいて補いたいと思います。
○委員長(大森久司君) ありがとうございました。
 次に、竹内参考人にお願いいたします。
○参考人(竹内直一君) 竹内でございます。
 今回の割賦販売法の改正、これは消費者保護を目的とした改正であるといわれておりますが、私たちは、なぜこういう法制が必要かという点について、消費者の立場から一言申し上げたいのですが、御承知のように、民法は契約自由の原則であると、契約の当事者が自由の意思で契約を結んだものはこれは必ず守るべきだと、それについてのルールが民法の規定でございますけれども、消費者とそれからプロである業者との契約、これは民法でいう対等の力を持った契約当事者の契約上のルールというものを機械的に当てはめますと、どうしても経済的な強者である企業、それと知識も持たない消費者との間にずいぶん力の差がございますから、民法の規定によって処理をいたしますと、どうしてもしろうとである消費者が負けてしまう。そういうことでもって、いままで消費者対企業のトラブルがずいぶんふえてまいったわけです。特に、それが割賦販売という取引形式において顕著に最近あらわれてきた。中でも非常に、いわゆる猛烈商法といわれている外資系の割賦業者、あるいは訪問販売業者といったものがあらゆる手を使って消費者から金をふんだくるというシステムで私たちのふところをねらうようになってきた。そういうような状況で、消費者保護のための取引規制の法制の整備が必要だということになってきたと思います。そういう趣旨で、今回の割賦販売法の改正は消費者保護のために一歩前進ということで私たちは評価をしたいのですけれども、しかし、問題点はあることはございます。
 その点について、お話を申し上げたいと思うんですが、私たち消費者が保護されるため、契約上のトラブルから守られるために、まず予防措置が一つございます。それから、契約を結んだ後消費者が被害を受けた場合の救済措置、まあこの二つに大きく分けることができるかと思います。そういう意味で、今回の割賦販売法の改正の中の四条の三、契約の申し込みの撤回の規定ですね、クーリングオフの規定、これは一種の予防措置だと思います。卑近なたとえを申しますと、縁台将棋で私たちが将棋のこまを置いたと、そうして相手方がまだ次の手を打たない前に、ちょいと待ってくれというわけでそれを引き揚げる。それに似た考えの制度だと思いますが、そういった契約の申し込みの撤回、これは消費者保護のために非常にけっこうな制度だと思うんですが、残念ながら、この法案で盛られておる、申し込みが撤回できると告げられた日から四日という日にちですね、これがいかにも短過ぎるんではないかという感じを持つわけです。これがあまりのんべんだらりといたしますと、取引の安全を害する、業者にとってははなはだ迷惑だと、これは当然なのですけれども、一方、私たち消費者の立場からいたしますと、四日というのは短過ぎる。といいますのは、これは書面でやるんだという規定になっておりますけれども、一般の消費者の方はものを書くということを非常におっくうがるものです。それから、たとえば御主人が出張している、そういった場合に、この四日ではカバーできない場合がかなり出てくるんじゃないか。ですから、幾ら短くても八日ぐらいは最小限度なくてはいけないんではないかというように思います。
 それから次に、今回の改正案では、クリーングオフの規定を適用しない商品の指定がある。政令でもってこれを適用しないものを指定することができるという規定がございますけれども、これについて先般、衆議院の連合審査の席上で通産大臣が、自動車はこれからはずすんだという発言をなさっているわけです。で、これは私たちは新聞で承知したんですけれども、自動車業界が非常にこういう制度を適用されると迷惑だということで、猛烈な反対をしたというニュースを得ているんですけれども、もし自動車がはずされますと、たとえばピアノ、そういったものが、自動車もピアノも大体同じじゃないか、契約を結ぶまでに何回か折衝が重ねられるものだというような主張をされまして、自動車を突破口にしてピアノもそうだと、次から次にいろんなものが入ってまいりますと、このせっかくのクーリングオフの制度が骨抜きになってしまうのではないか。その点を非常に心配するものです。ですから、むしろこの規定にありますように、交渉が相当長期にわたり行なわれることが通常の取引方法であるものというような規定が入っておりますけれども、はたして自動車の契約についてこういうことがいわれるのかどうかという点を問題にしなくてはいけないんだろうと思います。
 たとえば、非常に若い人が自動車だって衝動買いをすることはあり得るんです。そうして、おやじに言ったら、そんな金はやらないぞと言って、それじゃキャンセルだということもあり得るわけです。そんなことは例外的であるという場合であっても、やはりそういう場合に救えるような規定でなくてはいけないんではないか。もし、そういう相当長期間に折衝していながら最後のどたんばになってキャンセルするような買い手は、専門のセールスマンであれば見抜けるはずだと思うんです。そういういわば業者からすれば不まじめな消費者、そういった人たちを見分けるほどの鑑識力がないセールスマンというのはこれは失格ではないか。ですから、この規定はそういう力のないセールスマンを保護する規定になってしまうのではないかという意味で、こういう規定はなくてもいいんではないか。少なくとも消費者保護ということを言う限りにおいては、これは必要ない規定ではないかというように考えます。
 それから二番目に、今度は契約をしたあとで被害にかかったという場合に、この法律はどのような力を発揮できるかという問題に入りますが、そういう点で冒頭に申し上げましたように、最初から消費者をだますことを目的とした商法、これは私たちが取り扱った例の英語の百科事典のブリタニカ、ああいった式の商法に対してはこの法律は残念ながらきわめて無力であると申し上げざるを得ないのです。といいますことは、大体ああいう大学の教授でもなかなか読むのにむずかしいといった英語の百科事典を一般の商売人の方や、農家の方や、あるいは職人の家庭に、小さい子供さんの英語の勉強に役立つというようなことで売り込んで、現物が着いて初めてこれはだまされたということに気がつきまして、解約をしたいということを会社に申し出をしましても、やはりそれは本社にかけ合ってくれ、本社にまた電話いたしますと、いやそれは末端の営業所で扱うからそちらへかけ合ってくれというようなことで、あちこちたらい回しされているうちにどんどんと日にちが経過いたしまして、あれは月々の手形支払いですから、手形の期限がくるたびに泣く泣く金を払いつつ、解約したい、解約したいということで話しているうちにどんどんと日時が経過する、そして何かの都合で支払いがストップいたしますと、すぐ弁護士が乗り出してくるわけです。弁護士の名前で請求書が来る。それがだんだんときびしい表現になりまして、裁判するぞと、事実裁判をするわけです。それも、東京の人はまだいいのですが、九州の人、あるいは北海道の人でも全部東京の裁判所で裁判をやっちまう。ですから、それは大体欠席裁判です。そして、判決がありますと残金は即時払いだ、もうこれは期限の利益を失うということで、残金が十万円であっても十五万円であっても即時に払え。そういうものは払う余裕がございませんからそのままにしておきますと、今度は差し押えして、それから強制執行――強制執行というのは、私たち子供のころによく家財道具を表にほうり出されているのを見たことがございますけれども、いまの日本でそういうことはもう全然ないのだと思っておりましたが、現にあるわけです。主人が病気で寝ているのに、家財道具を全部古道具屋に売り飛ばす、非常に非人道的なことを平気でやっているわけです。そういうことで、すべて契約に違反したから当然の権利だということで、弁護士が全面的に活動してそういうところまでやってしまう、非常に私たちの立場からいたしますとめちゃくちゃなんですね。そして、これはだまされた契約なんだから、民法の九十六条によりますと詐欺による契約だから、これは取り消すことができるという条項がございますが、取り消すのだと言いましても今度は業者のほうは、かりにだまされたということであっても、その後一度、二度割賦金を払っているじゃないか、払い込んでいるじゃないかということになれば、それはその債務の一部または全部の履行ということで、民法第百二十五条によれば追認したことになるのだ、法定追認だというようなことで本人は追認したことになるのだから、法律上は金を返す義務はないのだというようなへ理屈をこねましてがんばっておるわけです。私たちは、多数の被害者が業者と折衝をしておるのを横で見ておりますと、いま申し上げましたようなへ理屈でもってがんばってくる。確かにいまの民法を機械的に適用すればそういうことが三百代言式に通るのかもしれません。しかし、私たちはこの契約全体を見た場合に、何といってもこれは信義誠実の原則に反しますし、権利の乱用ではないかという感じを強く持つのですけれども、残念ながらこれくらいの、二十万くらいの小額の係争事件では弁護士さんが本気でやってくれないわけです。そういうことのために消費者は泣き寝入りをしているというのが実態です。そのためにこれはもう自殺未遂が出たり、それからこれを苦にして非常に重い病気になったり、それから離婚にまでいったというのもございますし、月々の支払いのたんびに夫婦げんかが絶えない、これはもうそういうような形の悲劇が続出しているわけなんです。ですから、私たちはこういう事態をよく見まして、いまの民法の規定を消費者保護のためにフルに活用して消費者保護の目的が達せられるという法理論ができるものならば、それを明確にしていただきたいということなのです。これは私たちしろうとではわかりません、専門家によって十分に検討をしていただきたいということです。その結果、もしそれがどうしてもいまの民法では救済ができないのだ、カバーができないということがはっきりいたしますならば、これはやはり消費者保護の観点からいまの民法の契約法規を修正をした特別立法をしていただきたいということなんです。
 次に、これは今度の割賦販売法の改正案第四条についての問題ですが、契約条項の基準を通産大臣がおきめになるという規定があるわけですが、実は、いま私が申し上げたことを契約書の中にそれを具体的に書くように指導していただきたいということです。
 その第一点は、まずセールスマンが適当なことを言ってだますわけなんですけれども、よく消費者の人が苦情を会社に言ってまいりますと、会社では、そういう指導は一切しておりません、それはセールスマンがかってに言ったことですから責任は持てませんと、そのセールスマンは首を切りましたからというようなことで責任のがれをするわけです。ところが、やはり消費者にとっては、セールスマンというのは会社を代表しておるものである、これは当然なんです。ですから契約書に、セールスマンの行為については一切の責任は会社が負いますということをはっきり書かしておく。これは書かなくても法律的にはセールスマンは責任を負わなくちゃいけないのだろうと思いますが、それをはっきり契約書に書かせる。次には、詐欺に基づく契約である場合はいつでも無条件に代金を返しますと、言いかえれば、先ほど申し上げた法定追認というようなことを援用しない、無条件に取り消し及びそれに伴う賠償ですね、代金を返すということに応ずるということを契約ではっきり書かせる。それから、代金支払い請求訴訟の訴訟を提起する裁判所ですね、これを、一部の百科事典の割賦業者のように東京の地方裁判所だと最初からきめてしまう、そういう消費者にとって不利な特約条項は一切書かせない。その他消費者に不利な条項、いろいろございます。たとえば自動車の場合に、現品を受け取る場合に欠陥がないということで判こをついたならばあとで文句は言いませんというような特約をさせる。それから債権の取り立ての場合ですね、一定の手続に従って請求をするまでもなく直ちに差し押えができるとか、そういった特約条項をやっているのがあるのですけれども、そういうことは一切やらせないというような趣旨で契約書の基準をつくっていただきたいということです。それから、つけ加えるならば、強制執行の規制も法律に入れていただきたい。これはアメリカにその例があると聞いているんですが、先ほど申しましたように、これはもう権利の乱用だと思いますが、家財道具をすぐ押えて、それを売り飛ばしてしまうというような非人道的なやり方は、これは規制をしていただきたいということです。
 それから次に、法律の厳正を保つために取り締まりを厳重にしていただきたいということを申し上げたいんです。これは言うまでもなく、先ほど申しましたように、大体が詐欺を目的としたような取引、こういったものに対しては非常にきびしい制裁が行なわれないことには、幾ら法規だけが整備されても、これは絵にかいたもちのようになってしまうんではないかということです。で、業者がいろいろ不都合なことをやる、そういったような場合に、監督官庁が容赦なくそれを告発をする。それから、不都合なことをやっている事実があるならば、それを一般の消費者に絶えず公表する。そういうことによって消費者の注意を喚起するというようなことをぜひやっていただきたいということです。この外資系の割賦業者の取引については、通産省は過去二度にわたってきびしい通達を出しておいでになるんですけれども、大体が詐欺を目的とした業者というのは、そういう通達が出ましても最初から守る意思がない。これははっきりと私たちのところへ言ってきておるんですが、自分たちはもうこういうやり方をしないと食っていけないんだ、通産省の通達をまじめに守っていれば、もうめしのくい上げだということをはっきり言っているわけなんです。だから、通達を出したからそれでいいんだというようないままでのお役所仕事では非常に困るということなんです。ですから刑事訴訟法では、そういう違法の事実がわかったならば告発せよという規定があるわけなんで、監督官庁もそういう法律上の義務を十分に守っていただきたいということが一つ。
 それから、これはこの割賦販売法の所管官庁である通産省だけでなくて、こういった詐欺商法には必ず不当表示防止法違反、これが付随しているわけですが、私たちは、同時に公正取引委員会に不当表示ということでブリタニカにしても何にしても申告をしているんですけれども、公正取引委員会のほうではあまり積極的にこういった面での取り締まりをやっていただけない、非常に私たちは不満に思っておるわけです。だから、そういった点についても消費者保護のために公正取引委員会はもっと積極的に動いていただきたいということを希望したいわけです。
 それから、そういう取り締まりと並行いたしまして、個々のトラブル、苦情処理ですね、これについてお役所のほうがもっと積極的に介入をしていただきたい。まあいままでは民事事件というのは役所はノータッチなんだと。これは中央はもちろんですが、地方の最近できました消費者センター、ああいったところで苦情処理の窓口がございますけれども、そういうところへこういう問題を持ち込みましても、それは話し合ってくれ、あなたが判をついたんだから、あなたにも責任があるんだから、それは両者の話し合いでやってくれ、あるいは弁護士さんに頼んでやってもらうべきだというようなことでノータッチなんです。まあそれは行政というものは中立なので、どちらにも肩を持つわけにいかないということをおっしゃるんですけれども、法律でもって消費者保護のためにハンディキャップをつけるというような法制までができるならば、行政の運用においても消費者のほうに肩を持つ、弱い消費者の味方になるというのがほんとうの意味での公平な行政のあり方ではないかというように考えるわけで、いままではそういうものにノータッチであるといいましても、これからは消費者保護のために積極的に、こういう個々の苦情処理については介入をしていただきたい。まあ私たちがいま関係をしておるブリタニカの苦情処理につきましても、私たちはおととしブリタニカを詐欺罪でもって告発をしたわけですけれども、去年の十月、不起訴処分になりました。不起訴処分になったとたんに業者のほうは急に高姿勢になりまして、もう検察庁は詐欺ではないという判断をしたんだから代金は返さない、そういうような態度に出てきておるわけです。で、被害者のほうは非常にいま困っておるわけです。こういった点について、もっと役所は積極的に、ほんとうの意味での公平な措置は何なのかということを判断をしていただいて、業者のほうを指導していただきたいということを強く希望するわけです。
 それから終わりに、今回は割賦販売法の改正ですけれども、私たちがいろいろ苦情を受け付けて感じますことは、いわゆる訪問販売ですね、割賦でない訪問販売。たとえばお化粧品、それからけさの新聞に出ておりますが、アメリカ輸入の洗剤というやつ、あれはみんな訪問販売です。訪問販売ですが、割賦販売でないのでこの法律の規制からはずれておるわけです。そういった消費者のふところを家庭にまで入り込んでねらう、そういった商法を規制する法規がぜひ必要だ。これは割賦販売法に準じた考えでもって法的な規制が必要ではないかというように考えるわけで、これは訪問販売ばかりでなくて通信販売、そういったものも入るかと思いますが、そういう特殊の販売形態のものについて消費者保護の観点からぜひ規制の法規をつくっていただきたいということをお願いをしたいわけです。
 それから最後に、今回の国会で消費者保護のための立法が、おもなものが割賦販売法の改正案、それから景表法の改正案、それから食品衛生法の改正案、こういったものが出ておりまして、私たちは、消費者の立場から言えばそれぞれ十分ではないにしても、消費者保護ということを看板にして法改正がなされようとしている。ですから、問題はありますけれども一歩前進という意味で、こういった関係の法律案はぜひ一日も早く通していただきたい。そうして私たちがなお望んでおることは、次の機会にぜひそれを実現していただきたいということをお願いをいたします。
 それからもう一つは、繰り返しますけれども、こういった法律ができましても、あとは結局のところ行政官庁のほうの法の運用次第、この法律が生きるも死ぬるもその運用次第という意味におきまして、監督官庁がこの法律の目的、趣旨を十分にくみ取られて、いま私が申し上げたことを必ず実行していただくように、特にお願いをしておきます。
 以上です。
○委員長(大森久司君) ありがとうございました。
 次に、小泉参考人にお願いいたします。
○参考人(小泉忠蔵君) 私は、ただいま御紹介いただきました全日本互助協会会長の小泉忠蔵でございます。
 まず、意見を申し述べる前に冠婚葬祭互助会について、その概要を説明させていただきます。
 昔から冠婚葬祭には、一時に多額出費を要しますので、何とかくふうして安くりっぱにできる方法はないかと、だれもが悩んでいたものであります。そこで地域の住民が力をあわせて小額の出費をし、助け合うことにより人生の二大儀式をりっぱに、しかも安くできるように考え出した消費者同士の助け合いの組織が生まれました。これが互助会であります。純風美俗を維持することを目的に奉仕的に活動してきたのであります。ちょうど町内会の厚生部が自然発生的に大きくなったようなものでございます。
 以上のごとく利益を目的としない新生活運動の実践機関でありますから、ほとんど任意の団体組織で運営されていたのであります。これがなぜ今日のように大きくなり、数もふえてきたかと申しますと、これは消費者にたいへん役立ち、喜ばれて受け入れられ、地域住民の強い支持があったからにほかなりません。
 そこで、互助会のねらいでありますが、従来、婚礼の衣装とか、葬儀の祭壇はともに短時間借りるにすぎないのに、花嫁衣装は二万円から七万円、祭壇は五万円から二十万円も支払われていたのであります。不合理とは知りながら一生に一度のことだからとあきらめていたのであります。これは何とか改善できないものか、もしこれらの設備を共同の力で持ち、必要に応じ順次利用すればただみたいな費用で間に合うはずだ、この点に目をつけて合理的に運営されているのが互助会であります。ちょうど互助会が始まったころ、新生活運動が各地に起こりましたけれども、見るべき成果があがりませんでした。線路が敷かれ、客車も並びましたが、これを引っぱる機関車がなかったからであります。その機関車の役目を果たしたのが私ども互助会であると自負いたしておるのであります。
 さて、互助会の仕組みでございますが、以上の目的を達成するために会員制をとり、一定の掛け金を払い込むことにより、あらかじめ定められた規定の施設の利用と役務のサービスが受けられるシステムになっております。掛け金は小額で長期に払い込まれるのが特徴で、町内会費を払うような観念で払い込まれておるのであります。たとえば毎月百円掛け十年で完納、一口一万二千円とか、毎月三百円掛け五年払いで一口一万八千円といったぐあいで、その金額に従った花嫁衣装など婚礼のサービスとか、葬儀の祭壇がお棺等も含めてお飾りできるようになっておりまして、冠婚葬祭いずれにも利用できるのであります。大体市価と比較しますと、どちらの場合も掛け金の三倍ぐらいのサービスとなっております。安いのであります。現金の反対給付はありませんが、受益権は他に譲ることもできますし、利用するまで消滅いたしません。なぜこのように安くできるのか、それは消耗品が少なく、施設の利用がおもであるということでございます。高能率によるコストダウンが可能であったからであります。
 次に、互助会がこのように大きくなり、数もふえたけれども、過去二十五年にわたり義務不履行等の事故がなぜ起こらなかったかと申しますと、次のごとき安全性があったからだと思います。
 すなわち、第一に、社会の支持を受け常に繁栄し続けてきたこと、第二に、反対給付は、金銭債務ではなく施行債務であったこと、第三に、冠婚葬祭以外に利用させないので取りつけ騒ぎが起こらないこと、第四に、両儀式とも景気変動には強いこと、第五に、紙幣価値の変動に関係なく、施設さえあれば給付が可能であること等があげられるのであります。
 さて、ここで割賦販売法一部改正案について意見を申し述べさしていただきます。
 まず、一般的意見といたしまして、法により互助会を規制することには賛成であります。なぜならば、法改正の目的である消費者保護の姿勢こそ私ども従来守り続けてきた姿勢でありまして、これによりさらに多くの信頼がかち得られること、これが互助会の健全な発展につながるからであります。しかし、私ども互助会が一般割賦業と同一に取り扱われることには反対せざるを得ません。なぜならば、許可基準、あるいは改善命令の基準である財務諸比率等を従来のものをそのまま適用されますと、そのようなことはないとは思いますけれども、もしそうしますと、おそらく法施行後一年少しで七割から八割、次の基準日を過ぎればほとんど全部が法によりつぶされるおそれがあるからであります。互助会は、さきにも述べましたように商品を売らない、納期に定めがない、儀式の施行がおもであります。本質的に割賦販売業とは異なるので、どうもこの法律にはなじまない点が多いのであります。この点に十分留意され、他日独立立法をもって規制されることを望みます。やむを得ず差しあたり本法を適用するといたしましても、運用には十分留意され、いやしくも法のために互助会がつぶされ、加入者大衆に迷惑のかかることがないように措置されたいのであります。
 次に、具体的重点的意見を申し上げます。
 許可基準の中で、法人に限るとありますが、これには反対せざるを得ません。現在の互助会が株式等収益法人になるには、ちょうど婦人会が株式会社になったような違和感があります。また、財団法人になるにしても、みんなから集めたお金を会員以外のために使うという矛盾をどう解決するか、任意の団体を具体的にどうやって法人に移行するのか、会員の納得をどう取りつけるのか、法人にならなければ不許可とされた場合、一互助会平均二万五千という加入者に迷惑をかけることになる。角をためて牛を殺す結果にならないか等の心配をなくす処置をお願いしたいのであります。
 第二に、許可基準の純資産比率が百分の九十以上とありますが、現時点ではこれに合格する互助会は一五%しかございません。これは、昭和四十年以後に設立された互助会が全体の七一%もあり、創立日が浅く、拡大傾向中で赤字があるからであります。ですから、これを資産負債比率に改められたいのであります。
 理由といたしまして、互助会加入者の受ける給付の大部分は施設利用でありますから、加入者保護の見地からしても、資産負債比率でも十分健全性は検証できるからであります。もしこれが不可能ならば、政令で定める資産負債の計算について措置をし、その実効をはかられたいのであります。
 次に、改善命令基準について申し上げます。第一に、経常収支比率を緩和されたい。その理由として、開業当初または拡大傾向中は一般的にこの比率はよくないのが通例であります。それは先行投資があるからであります。互助会の特殊性からしてその傾向は一そう強いのです。ですから、十円の赤字を出しても募集活動禁止というのでは困ることになるからであります。
 次に、流動比率を大幅に緩和されたい。先述のごとく、互助会加入者の受ける給付は施設の利用が多いので、この施設に金がかかります。つまり、流動資産の必要性は少なく、施設こそ重要でありますので、商品を給付する割販業者と同一に規制することはナンセンスであります。
 次に、負債倍率、前受け金倍率の採用は排除されたい。理由といたしまして、これを適用されますと互助会の特性上、これに合格するものがほとんどないと思われるからであります。これでは、本法第一条第二項の趣旨にもとることになると思われます。他の財務比率でも、法律の目的は十分に達成されるからであります。
 次に、法人税法上の措置をはかられたいということであります。法人税法第六十二条を改正して、本法でいう特定取引についても、税法上の割賦販売基準が適用されるよう措置をされたいのであります。本法は前受金保全措置のみを考え、その対価と認められる未収利益についての措置が考えられていないので、このままでは未実現利益についても課税されることになるので、法人税法第六十二条改正により、特に特定取引にかかわる未実現利益に対する課税を繰り延べるよう措置をされたいのであります。
 次に、互助会の実態について申し上げます。
 全日本互助協会傘下の互助会が約百八十団体ございます。その六四%が任意の社団で、三六%が収益法人となっております。これも、やむを得ずよるべき法がないから収益法人となったのでありまして、本来互助会が収益法人になじまないものであることには変わりはなく、困難な問題をかかえております。このほかの未組織団体も含めますと約二百五十団体と推定されます。加入口数は一互助会平均約二万五千口ですから、全国で五百万以上と推定されます。設立時期は、昭和四十年以前のものは二九%、それ以後は七一%であります。年間の婚礼及び葬儀の施行状況は、一互助会平均婚礼は六百三十四組、葬儀は三百七十件で、全体では推定婚礼が十二万六千組、葬儀では七万四千件、いずれも全国の約一二%ということになります。
 以上は私どもの調査に基づくものでございますが、おそらく政府といえどもこれ以上の調査はないのではないかと思われます。いずれにしましても、綿密な調査に基づく立案が必要でありますのに、調査不足、資料不足のままでの法規制には、相当の危険が伴うことは確かであります。したがって、本法施行にあたっては運用に慎重を期され、無理のない運用ができますよう御配慮され、いやしくも法規制のため互助会がつぶされ、消費者大衆に迷惑がかかることのないよう、諸先生方の特段の御配慮を心からお願いいたしたいのであります。
 なお、経過措置として、十分な期間を考えていただくこと。同時に、本法運用にあたっては附帯決議等により血の通った運用ができますよう、特段の、特別の御配慮を賜わりたいのであります。
 以上申し上げまして、私の意見陳述を終わります。御清聴ありがとうございました。
○委員長(大森久司君) 以上で参考人の意見陳述は終わりました。
 これより参考人の方々に対し質疑を行ないますが、清水参考人には所用のため、十二時には退席したい旨の申し出がありますので、この際、御質疑がある方は清水参考人に対する質疑をまずおやり願い、次いで竹内、小泉両参考人に対し御質疑を続けていただきたいと存じます。
 参考人の方々に対して質疑のある方は順次御発言願います。
○竹田現照君 清水先生に一つお伺いいたしますけれども、先ほど竹内さんからもお話がありましたが、例のクーリングオフの問題ですけれども、四日間の解約猶予期間といいますか、これは私もちょっと短いような気がいたします。実は私の経験から見ますと、例の外国の百科事典というのはずいぶん議員の中にもひっかかった者がたくさんあるのですけれども、表面化していないだけなんです。これは現物が送られてこないと、見せられた物との対比ができないのですね。私が見せられたのは、一冊がたいへん見ていても楽しい、英語がわからなくてもいい。これが二十四巻というようなことでしたけれども、送られてくるものは全然それと似て非なるものなんです。ですから、四日間ということになりますと、むしろこれが確定をすることによって、そういった外資とりわけ外資系の会社に解約ができないという、消費者にとってははなはだ不利な面を確定する結果になるのじゃないか、なると私は思うのです。そういう意味で、先ほど竹内さんからも、少なくても八日間と、こういうことをおっしゃいましたが、先生、先ほどこの方法は発展、拡充の方向に向かってほしい、十分熟慮期間をおかれるようにというお話もございましたけれども、その点はこの法律をいろいろと御検討いただいた際にどういう方向であったのか、その点をまず一点お伺いをいたしたいと思います。
 それから、小泉さんからもいろいろ話がありましたが、例の友の会、互助会をこの法律で今度新たに規制をするわけでありますけれども、いま参考人の御意見もございましたが、通常の商品の割賦の問題と私はやはり趣を異にするような気がいたします。ミシンなり自動車なりというものは、これは買って自分のものになるわけでありますけれども、冠婚葬祭の場合はこれは施設の利用でありますから、必ずしも自分のものになるわけじゃなくて、衣装なり、あるいは祭壇等というものは、言ってみれば共有財産みたいなものなんですけれども、そういうものを一律にこの法律の中に織り込むように御意見を出された、その経緯等についてお聞きいたしたい。
 その二点について……。
○参考人(清水誠君) 第一点のクーリングオフの四日間という期間の点についてでございますが、割賦販売審議会の消費者保護部会でこの問題検討したわけでありますが、四日間という期間について確たる根拠があるのかと言われますと、それほどこの期間が最も適切であるという確信の上できめたものではなかったように思います。諸外国の例などを参考にしまして、これよりも長い例もあれば、短い例もございまして、四日というのはイギリス人の場合の例であります。まあ四日間ぐらいでいいのではないかという委員の方々の感じからこういう結論になったと思うのですが、ただ、いまお話の中に、現物を見てみないとわからないという問題が出ておりましたが、これはもちろん問題だと思います。問題だと思いますが、これはいわば別個の問題ではないかと私考えるのです。クーリングオフが認められますと、まず申し込みなり契約の締結をしてから現物が引き渡される場合もあるでしょうけれども、むしろ多くの場合はクーリングオフ期間が経過するまでは渡さないという取引になっていくと思います。渡してもいいわけですが、渡さない例が多いだろうと思うわけですね。ですから、今回の四日間というのは全く契約を締結するかどうかということについての熟慮期間でありまして、現物を見たら思い違いがあったというような問題はまた別個に検討されなければならない。これが最初に申しましたときに、割賦販売法のワク内では対処し切れない問題の一つとして考えていたものであるわけです。したがいまして、今回のクーリングオフは、従来は民法的にある一瞬の意思形成というものにすべてがかかっていたわけなんですが、四日間熟慮しろというふうに、契約意思の形成に慎重さを求めたという、そういう趣旨として理解すべきではないかと思うわけです。消費者保護のためにまだいろいろと保護の手法は考えられると思うのですが、この原案でまとめられましたようなやり方は、日本の現状から見て、一つの適当な手段ではなかろうかと私は考えるわけで、あるいはこの実績を見た上でまたさらに拡大の方向に手直しがなされるべきであるということになるのではないかと私、考えておる次第です。十分なお答えになったかわかりませんが……。
 次に第二点でありますが、私ども友の会、互助会の問題について、十分ではなかったと思いますが、いろいろ実情を聞かせていただきまして、すでにその問題のきざしのようなものが起きかけているということも伺ったわけです。その上での総合判断として、これについては規模もきわめて大きくなってまいりましたので、消費者保護のレールに乗せるということが適切な時期に立ち至ったと、そういう全体的な判断をとったわけです。もちろん御指摘のように、通常の割賦に対するいろいろの特殊性がありますので、その特殊性に合わせての消費者保護のための方策ということが必要だと思うのですけれども、審議会ではそういうこまかいところまでは実は検討は及びませんで、実情に合わせて、かりそめにも規制のためにかえって消費者といいますか、加入者といいますか、が迷惑を受けるという結果になったならば、それは目的に反することでありますので、そういうことにならないように運用するということが必要だと考えます。これでよろしいでしょうか。
○阿具根登君 清水先生に一点だけお伺いいたしますが、先ほど竹内参考人からも言われましたように、セールスマンと会社の関係はどう考えておられるかですね。確かに家庭の婦人だけおるところに、セールスを専門にしておる人が婦人に対していろいろな誘いをされて、それで契約するということが非常に多いと思います、男がいないのだから。ところが、それが違反した場合には、ほとんどの会社は責任持っておらないと私は見ていいと思います。極端な場合は、竹内さんから言われましたように、いや、あれはもううちにはおりません、このところにはおらぬと。そうした場合の会社の責任をどう考えておられるかですね。これはまあ割賦だからやむを得ぬと思うのですけれども、現金の場合は一体どういうふうにお考えになっておられるかですね。その点をお尋ねいたしたいと思いますのと、あとでけっこうですが、小泉さんにお尋ねいたしたいと思いますのは、互助会の結婚式の場合に、衣装と施設だけなのか、飲み食いからみやげまで一切やっておられるかどうか。ずいぶん変わってくると思いますので、それもひとつお伺いしたいと思います。
○参考人(清水誠君) セールスマンの問題ですが、この問題は審議会で検討はされましたが、今回の改正の中に織り込まれておらないわけです。セールスマンの行為につい会社が責任を負わないという事例をよく聞きまして、これは問題だと思いますが、私どもの民法の解釈論からしますと、それらの事例の多くの場合は、たとえ権限ないし代理権というものがなくとも、いわゆる表見代理という考え方によりまして、会社の名前を称して行なった行為の大部分については会社の責任を問い得るというのが現在の司法上の関係だと思います。会社と全く無関係に詐称したという場合は別ですが、会社のセールスマンであることが明らかである場合には、表見代理その他の理論で責任を追及できるんだと思うのです。ただ、先ほど竹内参考人が言われましたように、実際上は消費者の方々はそういう法律知識を持っているわけじゃありませんし、実際に弁護士のような強力な手段を利用できるわけじゃありませんので、逃げられるということになると思うのです。ですから、そういう点で消費者の強力な助けになるような方策をいろいろ通産省などで考えていただくことが必要だと思います。その中には立法上の措置までして、セールスマンについての規制ということを行なうことも考えられ、また必要だと思いますが、今回は以上のような論議をいたしましたが、割賦販売法の改正の中に織り込むにはまだ適切でないという判断で、今回の答申にも特には含まれていなかったんだと思います。
○原田立君 専門委員としておやりになられたということは御苦労さまでございます。
 いまのいろいろお伺いしていて、クーリングオフの制度、四日間のことについて、これ外国でもやっていると。で、イギリスは四日間でやっているのでそれを例にとったと、こういうことでございますけれども、私、しろうとで考えても、ちょっと四日間では短いじゃないかと。竹内参考人から八日間という話がありまして、そのくらいが妥当なんじゃないかと、こういうふうに思うわけです。専門委員の間の中でそういう長短についていろいろな御意見があったんだろうと思いますが、なぜ四日間ということに結論がつけられたのか、ちょっと理解がしにくいわけです。また、先生も四日間で妥当だともし思われるならば、その御意見をひとつお伺いしたい、それが一つ。
 それから、気になったのは、先ほど先生のお話の中に、今回の法改正ではまだ不満足である、すぐに変えるような状態になるだろうと、ただし、当面緊急にやるものとしては妥当だと思う、こういうふうな御意見があって、そうかなと、こう思うわけでありますけれども、何と申しましょうか、最初に出発点がおくれますと、こういう国会等の法律改正というのはもう非常に長引くものでして、なかなか改正というような面にまで進まないのが現実です。で、下賎なことわざでありますけれども、やっぱり最初が肝心で、思い切ったことをやっておかなければ、消費者保護のほんとうの精神にならないんじゃないかということをたいへん心配するわけなんです。先生の先ほどの御発言の中に、まだ不満足である、欠けるようにすぐなるだろうと、こういうふうな見通しでありながら、なおこれでいいというのはちょっと理解しにくいわけなんです。その欠けるようにすぐなるであろうと思われる点は一体どういうようなことなのか、どういうふうに改正したならばいいと思われるのか、そこら辺の御意見をお伺いしたい。
○参考人(清水誠君) 四日間の点でありますが、審議会の消費者保護部会には、どちらかといえば、こういった問題をふだん考えておられる方が多いので、私自身、法律を専門にしておりますので、自分たちの感覚だけできめてはいけないということは十分留意しながら検討したんですが、その場には主婦の団体の方も見えておられまして、そういう主婦関係団体の方の意見も十分にお聞きしながら、四日間という原案でよかろうかということを検討したわけですが、結局、これでいいのではないかという結論になったわけです。
 で、一つの問題は、この種の取引の実態というものを総合的にながめて、その中でどのあたりにどれだけの期間の熟慮期間をおくのが適切かということになるんです。先ほども触れましたが、大体クーリングオフの可能性のある期間というものは、商品の引き渡しがなされないだろうと予想されるわけです。そうしますと、あまり長くしますと、申し込みはしたんだけれども渡してもらえない。渡してほしいと言っても、解除権がある以上あぶなくて渡せない、こういうことになりますので、長過ぎるということに対する疑問もあると考えられるわけです。そういう意味での熟慮期間でありまして、あとでトラブルを生じた場合に、そのトラブルをどうするかということは、先ほど申しましたように、別個にまた検討しなければいけないというふうに考えるわけです。
 また、今回初めて採用することになるわけで、このクーリングオフという手法についても、いろいろな案があり得るわけでありまして、セールスマンに申し込み書を渡した、それから今度は業者のほうからセカンドコピーといわれる全く同じものの写しをまた買い主に送って確認を求める。そのときに解除権があることを告知するという方法も考えられますし、私などは、さらに念入りに、セカンドコピーを送って、これにもう一ぺんサインして業者に送り戻せば、そこで契約が成立するというところまでやってもいいんではないかという考えを持ったこともあるんですが、しかし、この点は机の上だけで考えてきめるわけにもいきませんで、取引の実情から考えて、あまりにも念入りな制度ということにも問題があるわけです。結局、この案に盛り込まれましたような四日間ということを中心とする手法が採用されたということになるわけで、私たちとしては、日本の現状からしますと、この程度が適切であろうという判断をとっているわけでございます。
 それから二番目の御質問ですが、やや言いわけがましくなりますが、この問題は、最初、割賦販売審議会に御諮問がありまして、で、割賦販売審議会というワク内で割賦販売法の改正という課題のもとに問題の検討をスタートしたわけでありますが、私は、今後問もなくこれでは不十分になるだろうと……。私、経済学の文献なども研究してみたんですが、消費者信用が飛躍的に拡大していくことは必然の勢いであるようでありますので、おそらく足りなくなるだろうと考えるわけです。それには割賦販売法というワクがやはりくずされなければいけないように、私個人の考えでありますが考えます。で、割賦に限らない消費者一般の売買取引に対する規制を考えなければいけないと思いますし、それから、目的物も割賦販売法で限定されておりますが、不動産のような建設省に関係のある事項も、また旅行業のような運輸省に関係のある事項も総合的に検討して、消費者保護のための体系的な立法まで考えておく必要があるだろうと考えるわけです。そういう趣旨で最初のことを申し上げたわけで、今回の措置としては、割賦販売法改正というワクに縛らざるを得ない。そういう意味では、今回の改正内容は緊急に必要であり、また適切なものであろうと考えたわけです。で、不十分であるという趣旨はいま申しましたような趣旨でありまして、割賦販売審議会自体、その存在自体の問題になりまして、私には判断つきかねますが、かなり広範な包括的な検討が必要であろうという考えでございます。
○山本敬三郎君 清水先生に三点お伺いしたいんですが、私も冠婚葬祭互助会の内容というのは、いま初めて詳しく聞いたわけです。もちろん詳しい実態についてはまだ何ですが、それから、もう一つは、私が理解をしている友の会というのは、資生堂友の会あるいは西友ストア友の会、こういうようなものではないかと、こう理解しているわけです。
 そうしますと、たとえばスーパーマーケットを経営している場合、消費組合のような形で経営しているスーパーと、それから企業なり販売業者が経営しているスーパーとある。同じスーパーであっても、私は質が違う。いま伺ったような互助会の内容だとすれば、これは国民の生活の知恵から出発したものだと言わざるを得ないし、一方は、企業サイドで、販売促進とかそういう目的のためにつくられるものだ。したがって、適用範囲の拡大に両者を同一に並列して考えること自体、一体、いいんだろうかどうだろうかという疑問を持つわけです。その前提として、審議会では、友の会とかあるいは互助会等の実態をかなりお調べになったことなんでしょうかどうでしょうかということ。もしも私がいましろうとなりに判断しているような、そういう違いがあるとしたら、やっぱしこれは並列で考えるべき性質のものではないんではなかろうか。したがって、法律の上では、拡大の面でともに規制の対象になるとしても、運用では大きく差異があってしかるべきではなかろうか、こういうような点をいま気がついたわけなんですが、それについてのお教えをいただきたいと思うんです。
○参考人(清水誠君) 審議会において十分調べたかという御質問につきましてですが、十分に調査、検討したということは、残念ですが、言えないように思います。消費者保護部会におきまして、関係者の方から実情や要望をお聞きしたということで、そのほかいろいろなデータを通産省のほうでお調べになったものを見せていただいたというようなものだったと思います。で、その上で、先ほども申し上げましたが、これを消費者保護の規制のレールに乗せたほうがよいという判断であのような答申になったわけでございます。
 若干意見を申し上げさしていただきたいと思うのですが、対象がサービス役務であるということでありますが、サービス役務であるからはずしてよい、消費者保護のための方策をとらないでよいと、こういうことにはならないのではないかと思います。そういう意味で、従来の耐久性消費財を対象としていたものを拡大したという点は妥当ではないかと思いますが、ただおっしゃるように、サービス役務であるための特殊性というものは確かにあると思いますので、特殊性にあわせた扱いということはぜひ必要であろうと私も思います。いまのお話の中に、サービス役務という中に生協的な要素と、それから場合によっては営業的な要素と、この中にやはりいろいろあるというお話がございましたが、今度の改正案は、これを業とする者を対象としての適用範囲拡大でございまして、その限りにおいてやはり実情にあわせてこの規制の中に取り入れるということは必要ではないかと考えるわけです。生協のような、私どもの用語で言いますと中間的法人とか、財団法人とかの公益目的で同種のことをなさるということであれば、また問題も変わってくると思うのですけれども、やはり業として営む限りにおいては、この時点において適切な規制のルートといいますか、レールに乗せるということが時期的な判断としても間違っていないのではないかというふうに考える次第です。
○山本敬三郎君 機能の違いということは審議会で議論されましたか。たとえば、友の会というのは比較的私は、企業サイドのイニシアチブによって行なわれていく――これは誤解かもしれない。互助会というのはそうではなしに、生活の知恵のような形から消費者が消費組合をつくるような形で出てきている、そういう違いはあるのでしょうか、ないのでしょうか。
○参考人(清水誠君) 先ほど申しました、あまり詳しくないのですが、そういう違いはあるように思います。特に、冠婚葬祭互助会のほうのスタートの事情にはそういう要素が非常にあったように思いますが、ただ、その規模が非常に大きくなってまいりまして、今後万一問題を生じた場合には非常に大きな問題になるだろうということで、そういう観点からしますと、レールに乗せる必要という意味では、違いはなくなってきたということではないかと考えております。
○藤井恒男君 これはさしあたっての問題とは別に、少し長期的な展望に立ってのお考えをお聞きしておきたいのだけれども、先生おっしゃるように、消費者保護というものが今後急速に伸びると同時に多様化していく、幅が広くなっていく。現在の法律それ自体は定型化された耐久性のものというふうにある程度限定されているわけだけれども、今後どのような形で消費者保護というのは進めていくか、予測がつかぬと思うのです。だから、定型化された商品の授受の一つの方法として割賦というものがあるけれども、それ以外の役務サービスというものがどんどん発展していくとするなら、現在のここに出されたようなこの割賦販売法というような法体系のもとでそれを盛り切れないのじゃないだろうか。そうなってくると、割賦という問題に限定せずに消費者信用という形における保護体系というものを洗い直す必要がある。それを一つの割賦という形で当面糊塗しようとするところに、元来無理があるように思うわけなんだけれども、いまの問題は、出された法案ですからともかくとして、せっかくの審議会などもあるわけなので、その辺どのような展望を持っておられるか、簡単でけっこうですけれども、お聞かせ願いたいと思います。
○参考人(清水誠君) 私、いまおっしゃったことに全く賛成でございまして、この問題についてはどういう体制で考えたらいいのか具体的にはわかりませんが、相当の立法準備のための研究体制というものをえて対処する必要があるように思います。少し飛ぶようですが、この問題の性質は、例の公害問題に類似しているところがあるように思います。消費者信用というものがもし拡大しますと、そこにはいまも御指摘ありましたように、金融機関からの消費者金融という形での進出がありますから、われわれ実務の発展を常々フォローしているつもりでも、予想もしていなかったような形態があらわれてきまして、まさにおっしゃるとおりの多様化が起こりつつあるのです。しばらく説明を聞いてみないと、どういう形でメーカーとディーラーと金融機関というものがからまっているかわからないという形態がすでにあらわれているわけです。そういう複雑な問題の中でどうしても消費者の利益というものが軽視されていくわけです。それに対しては必然的に消費者運動が起こらざるを得ないわけです。ですから、公害問題に対処する場合の従来にはなかったわれわれの心がけといいますか、考慮すべき事柄が同じような意味で消費者問題についてもあらわれているように思いますので、公害問題に取り組むと同じような意味で消費者信用、消費者信用に限らず消費者保護の全体にかかわる法体系というものを検討すべきではないかと考えます。
○須藤五郎君 清水先生にちょっとお尋ねしますが、先ほどから皆さんお聞きになっておりますが、割賦販売の価格ですね、一体無制限にしていいものか、その価格の制限というようなことは考慮する必要がないのか、私もまだわからないものですから、参考に伺いたいと思います。
 それから、熟慮期間が四日間ではまだ不足だというような御意見もありますが、熟慮期間というものをその価格によって長短をつける必要があるのかないのか。
 その二点についてお伺いしておきたいと思います。
○参考人(清水誠君) 割賦販売価格のことについてあまり考えたことがございませんので、十分お答えできませんが、一つは、この割賦販売契約条件について通産省のほうが監督されておりますので、それによってある程度の規制が行なわれているのではないかと思うのですが、それと利息制限法の関係からの、つまり現金販売価格と比較しての利息部分に対する制約というものがもう一つあるかと思います。今回の改正案の中では実質年率というのが新しい概念でございまして、手数料名義であろうと何であろうとこれを全部込めまして、消費者がどれだけの実質的な年にしてのパーセンテージを特に負担しなければならないかということを明示、表示させるように今回の改正案がなっております。もしこの方法が、実質年率という観念が、国民の間に十分に普及しましたら、かなりの効果をあげ得るんではないかと思うのです。こんなに高い年率で取られるくらいならやめておこうと、これが適切な判断材料になっていけばよいがというふうに考えているわけです。
 第二点の四日間の点でございますが、御指摘のように、商品の種類であるとか、それぞれの取引の特色によって、この制度は、あるいはこまかい点での手法を変えていく必要があるのかもしれないと思います。そのあたり十分な確信がないわけなんですが、つまり画一的にこれでよいという確信があるわけではないんですが、しかし、それではどのように区別したらいいかということについても名案が浮かびませんでしたので、今回の場合はこれでわが国初めてのクーリングオフ制度を発足させてみる、その上で業種とか商品の種類などによって、あるいは必要な手直しが問題になってくるのではないかと私考えます。
○須藤五郎君 私、かつてアメリカのシンクレアの小説を読みました。あのときに、外交員の甘言に迷わされて、勤労階級が家を買ったりあらゆるものを割賦販売で買ってしまって、それが払い切れなくなって、そしてもう生活が自滅してしまうというような、そういう結果が起こっている小説を読んだことがあるんですが、そういうことが起こらないようにすることは、もちろん買う本人ですね。買う本人の自覚そのものが必要だとは思うんですけれども、しかし、そういうことも起こりかねない条件があると思うんですね。金のない、一ぺんに払い切れないという人だけにやはりそういうものに魅力を感じて、そしてまあ高いものを、自分に買い切れぬような高いものについ乗っていく。高価なものになればなるほど四日間の熟慮ではやはり私、大きな損失が契約者にくるというおそれが起こると思うんですね。そういう点で高価なものほど熟慮期間というものをやはり長くしておく必要がありはしないかという、そういう感じが私はするんですよ。それじゃどれだけにしたらということも、私はまだ自分でも結論は出ておりませんけれども、そういう点でもしも教授にお考えがあるならば、参考までに伺っておきたいと思うわけなんですね。
○参考人(清水誠君) 私も、高価なものについては熟慮期間が長い必要があるという感じはいたします。ただ、先ほどから申し上げておりますように、これは単に四日間とか、クーリングオフということだけの問題ではないように、それは問題の一つであるように思うわけです。私、この問題を研究していて、今後どう推移するだろうか判断をしたいと思いまして、経済学者のものなどを読みますと、今後消費者金融というものは、特に、金融機関からの消費者金融への進出のために、規模は著しく拡大するということが予測されているわけです。ですからそういう意味では、いまから本格的な検討を進めておかなければいけないんではなかろうかと思います。今回の場合にも、金融機関がいろいろな形で消費者信用取引にからんできているわけなんですが、金融機関は別の所管ということでしょうか、全くノータッチという形になっております。そういったことを含めて総合的な検討をすることが大事でありまして、クーリングオフの四日間というのは、そういうものの一つとして、そういう手段を新しく導入して一歩を進めたというものではないかというふうに考えます。
○委員長(大森久司君) 清水参考人に一言申し上げます。
 本日は御多忙中のところ御出席いただき、また、貴重な御意見を拝聴させていただき、まことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
 引き続いて、竹内、小泉両参考人に対して御質疑のある方は御発言願いますが、先ほど小泉参考人に対しての御質疑が阿具根委員からありましたので、まず小泉参考人にお答えを願ってから、順次各委員の質疑をお願いいたします。
○参考人(小泉忠蔵君) ただいま御指摘にありました、婚礼の場合のサービス内容について申し上げます。
 男子の場合と女子の場合とあるわけでございまして、男子の場合は、挙式と私どもは言っておりますが、その内容は、神前で神主さんがおはらいをして、そうして三々九度の杯をさせて、誓詞を読ませます。それが一つと、それから記念写真をとらせます。それだけを挙式として先ほど申し上げました一万二千円の範囲でやる、一万八千円の範囲でやるというようなこと。それから女子の場合は、うちかけ衣装を無料で貸す、それから美容、着つけ、それと写真を出す。そういうことが根本的な内容でございまして、それから以下におきまして、御指摘がありましたように披露宴とか、そういうような場合があります。それはほとんど実費のようにしていただいております。そういうような仕組みになっております。
 以上でございます。
○竹田現照君 竹内さんにお伺いいたしますが、先ほど小泉さんからいろいろ互助会の立場からの御説明がありましたけれども、私ども実際に互助会を利用された方々の御意見をお聞きいたしたいと思いまして、そういった方を参考人にとも考えたのですけれども、なかなか選定がむずかしいんです。ですから、そういう意味で消費者団体としてこのものを利用して、何といいますか満足されたというか、不満があるというのか、掛け値とはだいぶ違ったというのか、そういうような点で意見が寄せられている面がございましたら、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
 それから冠婚葬祭というのは、これはどこまでやったらいいかというのは、限界がないものですね。十万円で上げていいのか百万円で上げていいのか。これはまあ葬式のような場合というのは、大体それぞれの立場、社会的地位、身分で、大体集まってくる香典で差し引きチョンになればうまくいったほうだというようなことがよく言われております。ですからそういうことで、それぞれの立場によってだいぶ違うわけですが、これは互助会の対象になる。たとえば婚礼の場合でも、このごろだんだんはでになってきましたので、一般の貸し衣装店などの衣装は一年も二年も着れるというようなものではないんだそうで、ずいぶん回転を早くしなければ利用者が満足しない。同じうちかけにしてもですね、赤いのばかりじゃなくて白無垢がどうだとかこうだとか、いろいろあるんだそうですけれども、そういう消費者に満足をさせるような形において互助会の設備というものが、月に百円であるとか五百円であるとか、それは何日も入ればいいんでしょうけれども、五百円の十口も入るということになると、これは必ずしも互助会の設立の目的とは一致しないような気がいたします。そういう会員に満足感を与えるというか、これだったらあまり恥ずかしくないことができたわいと、そういうような気持ちにさせられる点は互助会としてはどういうふうに取り計らっておられるのか、小泉さんにその点もあわせてお聞きいたしたいと思います。
○参考人(竹内直一君) いまのお尋ねの件につきまして、ここに一つ事例を持ってきておりますので必要なところだけ読み上げてみたいと思いますが、都内の主婦の方ですが、こういうことを書いてあります。「私も毎月百円という僅かな掛金というキャッチフレーズにうっかりひっかかり、何気なく申し込んだものの、いざお葬式という時に見本をみせられ、余りにお粗末なのでもう少し何とかと頼むと、それではということで、結局掛金の十倍以上の別途金を払わされてしまった一人である。又私の友人も、娘の結婚式にあたってつい掛金をしてしまった関係上そのお金を無駄にするのがおしいと、やはり高い別途金を出して気に入らないままに仕方なく互助会指定の会場で式をあげたが、全てがお粗末の上おまけに花嫁衣装も表だけのみせかけで裏がひどく、式場へついてつまんでいた着物をおろしたとたんしわくちゃで、花嫁さんはベソをかくし、仲人の私は大あわてにあわてて会場でアイロンをかける始末であった。勧誘員の言葉にひっかかり僅かな掛金だからとうっかり入る甘さを強く反省しあきらめていたが、このような低額掛金の勧誘にひっかかるのは私達庶民がほとんどである。」こういった苦情の手紙がきておるのを御紹介しておきます。
○参考人(小泉忠蔵君) ただいまのお話を聞きますと、非常に不合理なような話でございますが、互助会の中ではそういうのはほとんどないのではないかと思っております。ということは、私どもで扱っておりますのは、実例で申しますと、先ほど申し上げましたように、婚礼に際しては以上のようなことが規定されて、これ以上についてはこうなりますよという説明をしてあります。したがいまして、その中にまたそれぞれの地位の人、あるいは普通の庶民の人もあれば町会長さんあり、あるいは議員の人あり、会社の社長あり、いろいろな人があるわけです。したがって、規定以上のサービスをしてほしいというような場合には、こういう程度のものがありますということを備えておかないと、要するに、いい方々の加入者の保護者が出てこないというような立場から、私どもはやはりそういう人にはそういう人のような説明をして、ちゃんと了解を得た上で施行しているわけです。一つの例でいいますと、ここにはいま葬儀の場合のアンケート、私どもは年じゅうその月の、たとえば、先月のお葬儀の施行については今月アンケートを出します、お客さまに対して。そうして祭壇の場合とか、車の場合とか、いろいろのアンケートの用紙を出しまして、説明と変わりないかというような点、たとえば祭壇、霊柩車、バス、ハイヤー、写真、供花、そういうようなことでマルじるしをつけるようにアンケートを出します。そして、その次に今度は、葬儀が加入のときの話が正しかったか、間違っていたか。その次は、職員の態度が、取り扱いが、よかったか、普通であったか、悪かったか。それから四番として、人様にも紹介したいか、紹介したくないか。そういうような点でこういう無記名で返事をいただけるようなことにして「私どもだけがわかるように番号を付したアンケートをとります。そうすると、ほとんどがよかった、あるいは今後人に紹介して――三人ほど紹介したとか、あるいはぜひ互助会に加入さしていただきたいと、そういうようなものばかりでございまして、いまのような話はちょっとあまり聞いたこともないわけなんです。そういうのを聞きますると、私どもはさっそく職員を派遣しまして、原因はどこにあったかということを究明いたしまして、そして、あくまでも私どもは姿勢を正しくできるようにやっております。そういうようなことでございますので、これは参考資料でございますので、もしごらんになるならば見ていただきたいと思います。これは約一カ月問のものでございます。
 以上でございます。
○竹田現照君 私、小泉参考人にお尋ねしたのは、竹内さんのいまのお答えに反論をお尋ねしているわけじゃないのです。ですから、お聞きしたことにお答えいただきたいのですけれども、お葬式なり、結婚式なりについていろいろとだんだん豪華なというか、はでになっている。そういうことについて人間の、まあたとえば親なら親の葬式、少しはりっぱにしてやりたいとか、そういうこと、あるいはまた結婚式でも少しはきれいな衣装も着たいとか、そういうことで一般の葬儀屋さんなり、あるいは貸し衣装屋さん、あるいは会場等もそういう風潮に呼応するような設備の改廃をいろいろやられておられるわけですが、安かろう悪かろうでは会員も満足はしないと思うのですね。そういうことについて互助会というのは、どういうふうに会員の要望にこたえるように設備の改廃等について措置をとっておられるのか、そういうことをお尋ねしているわけです。
○参考人(小泉忠蔵君) はなはだ失礼いたしました。
 その設備につきましては、たとえばいまお話のありましたように、御指摘のありましたように、普通の会員の規定のものと、それから逐次一万円追加とか、二万円追加とか、三万円追加、五万円追加とか、そういうようなもの、約二十万円くらいの追加まで段階でそろえてございます。それで、説明に行った場合にそういう話をしまして、必要な人に応じてそういうものを使えるようにしてあります。しかも、その使えるものは一般の市価の半分ないし三分の一以下の料金でやれるようにしてあります。ということは、やはり新生活運動の一端とした姿でやるということでございますので値下げムードというようなことを主眼にしておると、はっきりとそういうことは申し上げるのであります。
○竹田現照君 そうすると、二十万くらいまでの段階と、こうおっしゃって、それが三分の一あるいは半分というと、二十万円というと六十万円ないし四十万円の設備が利用できると、こういうことになるわけですね。そうすると、一般の会員というのは当初一万八千円なり三万六千円なりでやれると思ったけれども、結果的には、あまり貧弱だから十万円のでやりたいと、こういうことになると、当初の互助会に対するイメージとは――利用の段階ではまあそれを御説明なさっていると、こういうおっしゃり方ですけれども、冠婚葬祭互助会というものはたとえば五十円結婚式、五十円で葬儀ができますというキャッチフレーズで当初発足をされているわけですね。それとはちょっと違った結果を招いているのではないかという気もするのですけれども、その点はどうなのか。
 それから掛け金ですけれども、婚礼のような場合は、まあ娘も年ごろになったから五年以内くらいに嫁に行くだろうと、そろそろ金も積み立てておかなければそのときに困るというようにある程度の目安がつきますけれども、葬式というのは、これ予定がつきませんから、加入して次の日に葬式になる場合もあります。それは互助会の場合は、約束に従って一回の百円の掛け金でも一万八千円の設備提供をせざるを得ないと思うのですね。これはまあ先行投資みたくなってしまいます。逆に、この五年間掛けた、まあ三年間掛けた。しかし、二十年間葬式にぶつからなかった。これはたいへんいいことですけれども、そうすると三万なら三万、掛け金というものは二十年間おたくの互助会の組織に掛けっぱなしですわな。そうすると、普通、定期預金ということになると、二十年間もしお葬式がなかったとすれば、三万掛けたとすれば、金利計算からいったって八万円以上になりますね。そういうときにもやはり三万円なら三万円のサービス提供、施設提供しかしないのか。そういうようなときには、大体二十年間も不幸がなかったのですから、だからそれなりに十万円なり十五万円の設備提供をなさるのか。そうでなければちょっと掛けっぱなしで、権利だけを預けておるけれども、三年間掛けた時点と二十年後の設備とでは、社会的にも経済的にもだいぶん事情が違ってきますから、二十年後の三万というのは、まるきりおかしな貧弱な設備になりかねないのですよ。そういう点はどうなさるのですか、ちょっとお伺いしておきたい。
○参考人(小泉忠蔵君) ただいまの点でお答え申し上げますが、私どもといたしましては、二十年先でも同じことであるということを結論として申し上げます。なぜならば、二十年たってまた施設や何かを改善しなきゃならない、そういう場合には二十年だけの、それだけの価値のあるものを皆さんにサービスする、そういうような形でございますので、私どもとしては二十年先でも同じものでやるということでございます。
○阿具根登君 付録の質問みたいな感じがするのですけれども、小泉さんに質問いたします。いま冠婚葬祭の細目を言われましたけれども、結婚する場合、そういう契約をして、その場所で相手もそれを了解して結婚してくれるならいいですけれども、静岡で結婚しようと思ったところが婿さんは北海道だったと、福岡で結婚しようと思ったところが婿さんは東京だったと、嫁さんが東京だったと、いや、もうそんなところで結婚するのはごめんだ、東京でやりたい、あるいは福岡でやりたい、北海道でやりたいという場合は、掛け金は全部キャンセルで、払い戻しになるのかどうか、その点一点お聞きしておきたいと思います。
○参考人(小泉忠蔵君) 私どもは、全国的に互助会が散在しております。ということは、そこの互助会がある場所であれば、私どもの互助会からたとえば仙台なら仙台の互助会へ移籍をさせまして、そうして向こうでやれるように、そういうような仕組みになっております。そういうようなことでございますから、そういう問題については、ただ、互助会がないところにのみは実費でお返しするようになります。あるいは品物を持っていっていただいて、そうして使っていただいて、すぐ持って帰ってもらうと、衣装なんかにはそういう形の利用ができます。そういうようなことで処置をとっております。
 それから、先ほど竹田先生のお問いのときに、何か釈然としていないようでございましたので申し上げますが、現在では私どもは、十年間はこのままでやるということになっておりますので、その十年先の場合には約四倍のサービスができるというような、同じ三万円でも四倍ぐらいのサービスができるというような形になっております。そういうことですから、その点ははっきりと申し上げたいと思います。
○阿具根登君 これでやめますがね。小泉参考人の話を最初聞いておったときには、これはこういうものに包含するのはまことにけしからぬと思ったのですが、いまの説明を聞いておれば答申が正しいのだと、私はこう思え出したわけなんです。なぜならば、結婚というものは相手がおるのです。何ぼあなた方がこの組織で結婚せいと言っても、相手のいろんな思惑があって、いやそこじゃない、ここでしなければならぬということが当然あると思うのです、私は。私も適齢期の子供を持っております。十数回私も仲人をしております。いろいろな事情があって、思うところで結婚できないのが多分にあるのです。そういう場合に、自分のところでどっか支店があるからそこでやれ、あるいはどこに自分の関係があるからやれとか、私は、それは結婚式には通らないと思うのです。そういうことをやられるなら、私は、やはりこういうものをつくって、それができなかった場合には掛け金は全部返してもらうようにしなければかわいそうだ。それは、あなた方の互助会としてはそれがいいでしょう。しかし、本人としては、全然別個の人が契約しているのです。二人が一緒にあなたのところに契約しておるなら、それは静岡に引っ越すなら静岡でやりなさい、東京であったら東京に連絡しますということはあるけれども、一人はあなたと契約しているけれども、一人は絶対契約していない。そうした場合にキャンセルできないというふうなことは、私は悲劇だと思うのですよ。そういうことを聞くと、どうもやはりこれは答申が正しいと思うのですが、いかがですか。それはどういうふうにお考えになりますか。
○参考人(小泉忠蔵君) ただいまの説明の中でことばが足りなかったと思います。それで誤解を招いたと思いますが、衣装を、たとえばだんなさんが仙台であってお嫁さんが東京の場合、その場合は先ほど申し上げましたように、衣装を持ち込めますということを申し上げました。ということは、気に入った衣装をお嫁さんに持っていっていただいてそうしてそちらで着ていただく、そういうような形であります。
○阿具根登君 もう議論になるからこれでやめますけれども、結婚式の場合、たとえば福岡から――、東京で結婚するのに福岡の衣装を借りて、東京まで持ってきてそうしてやるようなことはありません。これは結婚式場にちゃんと完備した衣装もあるし、そこにお化粧する人も何も一切ついておるのですよ。それをひっくるめてやっているわけなんですよ。だから私は、こういう契約をしておるから着物は着かえてきました、じゃ着せてください、お化粧してくださいといっても、そうはなかなかいかないのです。現実、私も仲人を十数回やっておりますから知っております。だから、それはなかなか困難だと思いますが、これ以上は意見の相違になりますから申し上げません。
○山本敬三郎君 私も同じような感じなんですけれども、先ほど新生活運動と結びつけて、その実践機関としてできてきたのだ、そうして消費者同士の助け合いの会、町内会の厚生部のような、それが自然発生的に大きくなった。ちょっと考えてみますと、未組織団体を入れて一団体二万五千口、全国で二百五十団体、これが約六百万でありますか、全世帯の四分の一以上をカバーするそういう団体だということ。しかもおたくの団体は、先ほど竹内さんが言われたような事例もあるということは、大きくなればそういう場合が当然出てくる。私は、そういう場合がないとは絶体言えないだろう。大体が町内会の厚生部のような性質のものだったら、一団体二万五千口ということになると性格が変わってくるのではなかろうか。第一に、おたくの全日本互助協会の中へ入っている団体が百八十団体だと、それでそのうち六四%は任意団体だとおっしゃる。その任意団体というのは、最初は幹部の方が集まって互助会をつくろうとおっしゃったのでしょうが、加入金がすぐ入ってくるわけでもないでしょう。そうすると、それは出資金を募るのですか、どうなるのですか。そういうような具体的な運営についてひとつ、最初からつくっていくときにどういうプロセスか。たとえば、三百人や四百人加入者があって月百円ずつ入れても、ケース二つ三つ出てくればこれはマイナスになるわけです。しかも、それは任意団体だということになりますと、やはりこれは、いまも私が言ったように、考えていたような性質のものとは質が変わってきたのではないかというふうに考えざるを得ないと思うのです。国民の四分の一をカバーしているとなると、これは非常に大きな影響を与えますし、一団体、一つが二万五千口ということになりますと、それは非常に任意団体なんかで済める状況ではなかろうと考えざるを得ないと思うのです。一体、最初に互助会をつくったときに入会金が一ぱいあるわけじゃない。ただし、入会希望を募るかもしらぬ、そういった場合の運用なんか一体どうされるのか。その資金というようなものはあるのか。二万五千口の団体なら、管理の人もおるに違いないのですよ。単にサービスする人だけじゃないわけですよね。そういうことを考えますと、やっぱぱりこれは当然、法の規制の中に入れるべき性質のものだ。しかも、基準をなるべくある程度のものにしていただかなければならぬし、また任意団体なんかであってはいけないというふうに考えざるを得ないような気がするのですが、どうでしょうか。
○参考人(小泉忠蔵君) 御指摘のとおりでございまして、私ども互助会は任意団体でございますけれども、その下にサービス会社として株式会社を設立しております。その会社のほうで施行して――互助会と提携しまして、契約をしまして、一件幾らで支払うというようなことでやっております。ですから、互助会そのものについてはいろいろ募集とか事務とか、そういう点に費用がかかりますから、そういう点については赤字が出てくるわけでございますけれども、そういうような処置をとっておりますので、そういう点については別にいままで問題はなかったわけであります。
○山本敬三郎君 わかりました。それではもうすでに最初におっしゃったような性質の機関から変質してきておるのですね、だいぶ。決して町内会の助け合いという段階ではすでになくなってきていると見なければなりませんね。わかりました。議論ではありませんからけっこうです。
○原田立君 竹内参考人にお伺いしたいのですけれども、先ほど竹内参考人は、クーリングオフについては八日間ぐらいが必要と思う、こういうお話でありました。学者のほうの先生方は、主婦団体の人たち等の意見も加えてまあ四日間ぐらいが適切だろう、こういうふうにしたと、こういうことなんですけれども、ちょっとそこいら辺のところ一体どういうことなのかなと。私は、竹内参考人が言うように八日間ぐらいは必要ではないか、こんなふうに考えている一人なんで。なおその意見をふえんしてもらいたいと思います。これが一つ。
 それから、今回のこの法律ができたその動機が、いわゆるブリタニカについて消費者保護という立場からこの法をつくると、こういう動機があったということを聞いております。ところで、先ほどのお話の中に、今回この法をつくったとしても、ああいう外国のものについては、ブリタニカ等についてはもう無力である、こういうきびしいお話がありました。一体どういうような点で無力なのかですね。
 また、これはあなたにお聞きするのはどうかと思うのでありますけれども、最近、判決がおりた後には、業者が高姿勢になってもう支払わない、、消費者が困っておる、こういうふうなお話もございましたけれども、そこいら辺、簡単でけっこうですけれども、もう少し掘り下げてお話し願いたい。
○参考人(竹内直一君) クーリングオフの四日の問題ですけれども、これは文書でやれということになっておりますですね。私たちが一般の消費者の方から苦情を受け付けます場合に、よく電話ではえらく気軽にかけてきます。ですけれども、私たちは電話だけでは困るので手紙で書いてくださいと言うのですが、一非常におっくうがるのです。一般の特に主婦の方はそういう文書を書きつけていない。そういうことが一点ございますことと、それからさっきも申しましたけれども、このごろは御主人はしょっちゅう出張する機会が多い、御主人の出張の間相談することもできない、そういうようなこともあれば、四日というのはあまりにも短くはないか、そういうことでございます。それから、割賦審議会には消費者の代表の人が入っている、そしてその人たちも四日でいいということであったというお話でありましたけれども、これは、私たち消費者団体の横の連絡が非常に密接にいっておれば、そういう個々の点についてお互いに相談し合う機会はあるかとも思いますけれども、残念ながらいまのところ、それほどの密接な連絡をすることもできない状態です。ですから、そういう欠点を取り除くために、特に一般の消費者に関係の深いような案件を審議会で議論なさる場合には、委員の人たちの意見だけできめてしまわないで、公聴会ですね、広く一般の人から意見を聞くということを必ずやっていただくようにすれば、いまお話のような問題はかなり防げるのではないかというように思います。
 それから、ブリタニカのように詐欺的な商法に対しては、この割賦販売法は無力だということを申し上げたのは、先ほども具体的に申しましたけれども、業者のほうは最初から消費者をだます目的で、あの手この手でやっておる。しかも、債権取り立てのためには、弁護士をフルに活用しまして、しろうとの消費者はもう赤子の手をねじるようなことでやられておる。先ほど申しましたが、その場合にすべて援用するのは民法の規定なんです。もう明治三十何年にできた民法の規定というものは、契約の当事者は対等である、しかも、契約自由の原則である、だからどんなに不平等の契約であろうと、判をついたものは責任を持たなければならないという前提で規定ができておりますから、これはいまの裁判にかけましてもどうしても不利なんです。そういう意味においていまの割賦販売法は、先ほども清水先生がおっしゃいましたけれども、ほとんどそれは触れていない、そういうことを申し上げたわけです。ですけれども、幸いこの四条で、契約の条項について通産大臣が基準をきめることができる。これを活用しまして、割賦業者に対して自発的に契約条項に消費者保護的な条項を入れさせる、そういう行政の運用でもっていまの法律の欠点をカバーするということがぜひ必要ではないかということなんです。
 それから、ブリタニカが不起訴になってから高姿勢になった、これはもう当然のことなんでして、起訴になるか不起訴になるか、その処分がわからない段階では非常に低姿勢でありました。そうして被害者に対しては金利もつけて、全額返しているのです。ところが、不起訴になったとたんに、自分たちは詐欺ではないということを公の機関が認定したのだから、自分たちは何も悪いことをしていないと、返す必要はないと。しかも、先ほども申しましたが、民法の規定によれば、かりにだましたとしても消費者の人は割賦金を払っているじゃないか、追認しているじゃないか、そういう法理論でもって対抗してくるわけです。そして、いまの裁判でいくなら絶対に負けませんというわけなんです。これにはしろうとの消費者はぐうの音も出ないわけです。
 以上です。
○委員長(大森久司君) 参考人に対する質疑はこの程度にいたします。
 参考人各位には、御多忙中、長時間にわたり御出席いただきまして、また、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。
    ―――――――――――――
○委員長(大森久司君) この際、委員の異動について報告いたします。
 昨十七日、中尾辰義君が委員を辞任され、その補欠として藤原房雄君が選任されました。
 また、本日、大谷藤之助君が委員を辞任され、その補欠として小山邦太郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(大森久司君) 不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。山中総理府総務長官。
○国務大臣(山中貞則君) ただいま議題となりました不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 不当景品類及び不当表示防止法が昭和三十七年に施行されて以来、すでに約十年を経過しましたが、この間において不当な景品類及び不当な表示による顧客の誘引を防止し、事業者の公正な競争秩序を維持、促進し、一般消費者の適正な商品選択に資することにかなりの効果をおさめてまいりました。
 しかしがら、不当な景品つき販売及び不当な表示は、事業者の日常活動から絶えず発生するおそれがあり、また、実際に不当景品類及び不当表示防止法に違反するこれらの行為は、年々増加してきております。
 他方、一般消費者の不当な景品類、あるいは不当な表示に関する関心は日ごとに高まり、各都道府県に対するこれらの違反行為についての消費者の苦情の申し立ても、また増加しております。
 しかるに、このように多発している不当な景品つき販売及び不当な表示について迅速に対処するには、現在の公正取引委員会の体制では必ずしも十全であるとは申せません。したがって、不当な景品類及び不当な表示に関する迅速かつ効果的な規制をはかるためには、公正取引委員会が、地域住民と密着した消費者行政を運営している都道府県知事と協力して不当景品類及び不当表示防止法の運用を行なうことができることといたす必要があると考えられますので、ここに本改正法案を提出いたした次第であります。
 次に、本改正法案の概要でございますが、第一に、不当な景品類の提供及び不当な表示について、その行為を取りやめるべきこと等を指示することができる権限を都道府県知事に委任するものとしたことであります。
 第二に、違反行為者が指示に従わないとき、その他必要があるときは、都道府県知事は、公正取引委員会に対し、違反行為について適当な措置をとるべきことを求めることができるものとしたことであります。
 第三に、指示権等の行使について必要な調査権を都道府県知事に委任するものとしたことであります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(大森久司君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 本法案に対する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
○委員長(大森久司君) この際、御報告いたします。
 沖縄国際海洋博覧会の準備状況を視察するための商工委員からなる議員派遣団は、去る五月七日から三日間の日程で沖縄の現地視察を行なってまいりました。
 なお、この調査報告につきましては、文書による報告書を議長に提出たしましたが、当委員会におきます報告につきましては、便宜、本日の委員会会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
○委員長(大森久司君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 次回は、五月二十三日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十三分散会
     ―――――・―――――