第068回国会 逓信委員会 第4号
昭和四十七年三月十六日(木曜日)
   午後二時二十六分開会
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   委員の異動
 三月十六日
    辞任         補欠選任
     山田 徹一君     塩出 啓典君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         杉山善太郎君
    理 事
                植竹 春彦君
                長田 裕二君
                古池 信三君
                森  勝治君
    委 員
                今泉 正二君
                郡  祐一君
                白井  勇君
                西村 尚治君
                松平 勇雄君
                鈴木  強君
                松本 賢一君
                塩出 啓典君
                木島 則夫君
                青島 幸男君
                松岡 克由君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  廣瀬 正雄君
   政府委員
       郵政大臣官房長  森田 行正君
       郵政省電波監理
       局長       藤木  栄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第二局長   柴崎 敏郎君
   参考人
       日本放送協会会
       長        前田 義徳君
       日本放送協会副
       会長       小野 吉郎君
       日本放送協会専
       務理事      竹中 重敏君
       日本放送協会専
       務理事      佐野 弘吉君
       日本放送協会専
       務理事      松浦 隼雄君
       日本放送協会専
       務理事      藤根井和夫君
       日本放送協会専
       務理事      野村 忠夫君
       日本放送協会理
       事        吉田 行範君
       日本放送協会理
       事        坂本 朝一君
       日本放送協会理
       事        斎藤  清君
       日本放送協会経
       理局長      堀場 仁徳君
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  本日の会議に付した案件
○日本放送協会昭和四十四年度財産目録、貸借対
 照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書
 (第六十五回国会提出)
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○委員長(杉山善太郎君) それでは、ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 本日、山田徹一君が委員を辞任され、その補欠として塩出啓典君が選任されました。
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○委員長(杉山善太郎君) 日本放送協会昭和四十四年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。
 前回に引き続き、これより質疑を行ないます。質疑のある方は御発言を願います。鈴木君。
○鈴木強君 決算の具体的な個々の質問に入ります前に、若干関連してお伺いをしておきたいと思いますが、その第一は、国民の長い間の念願でありました沖繩の復帰がいよいよ実現することになりまして、昨日、批准書の交換も行なわれたようでございます。そこで、現在沖繩にありますONKをNHKが継承することになるのでございますが、五月の十五日の復帰までもうあと二カ月足らずでありますが、この受け入れに対する万全の措置がいまなされておると思いますけれども、念のために、その状況を伺っておきたいと思います。
○参考人(小野吉郎君) お答え申し上げます。
 沖繩復帰に際しましては、法律上のいろいろな要請もございます。またNHKといたしましても、これを完全に吸収いたしまして、沖繩県民の長い御苦労と将来に向かっての期待にこたえることを本旨といたしまして、いろいろ計画を進めておるわけでございます。沖繩のOHKの現状は、そのままその権利義務並びにそれに従事しております職員すべてNHKが吸収することになっております。権利義務関係につきましては、三月十五日現在における決算が行なわれるわけでございますし、その決算の状況を見まして、あそこには政府出資という形のものもございますけれども、そういうものの残存したものがあれば、それはその際に解決をするということになっておりまして、また、決算の模様を見ませんとよくわかりませんですけれども、そういった措置を考えておりますし、また職員につきましては、現在約百十名おりますけれども、これがそのままNHK職員に吸収するということにいたしております。サービスの状況につきましては、沖繩の開発を促進し、沖繩の在来の御苦労に報いますために、本土に復帰いたしましたあと、政府施策の諸般の行政の措置の上におきましても、同様に本土並みの状態を実現することを目途としておりまして、NHKにおきましても、本土における放送と同一の状態にすみやかに整備することを基本の考えといたしておりまして、現在OHKではテレビ一波しか放送いたしておりません。また、その放送時間も本土における放送時間よりやや短いのでありますけれども、これを本土並みの放送時間にいたし、教育テレビが現在ございませんが、これは復帰の時点において同時に教育テレビも出し、また、ラジオ放送は全然行なっておりませんけれども、このラジオ放送につきましても一波、二波、中波の二波とFMがございますけれども、FMは現在の状況では、四十八年度にこれを本土並みに放送を開始する運びになっておりますが、中波の二波につきましては、復帰の年においてできるだけ早く本土並みのサービスができるような状況を考えております。そういったことで、局建設のために、所要の土地等の関係につきましても所要の措置を用意して取り進めておるわけでございまして、これらの措置によりまして、少なくとも、テレビについては五月十五日復帰のときにおいては、総合・教育二波がそろうと思います。またカラーの関係につきましても、できるだけ早く本土並みの放送をする用意をいたしておりますけれども、回線の関係が整備されますのが、大体年末ごろと考えられます。もちろん、復帰のときにおきまして、一波だけの下りのカラー回線はございますので、これはNHKと沖繩の商放との共用という形になりましょうけれども、その辺のところも話を詰めて商業放送で、あまり使われないような状況であれば、NHKの専用になるような形にあるいはなるかもわかりません。そのようなところも現在話を詰めている次第でございます。その他そういったような関係から本島につきましては、大体復帰の年に、本土並みのサービスが実現できる見通しがございます。その関係の諸般の必要な施設、必要な措置は講じておるわけでございます。また先島につきましては回線事情もございまして、完全に中継方式による同時放送ができますのは、かなり回線の整備される時期を待たなきゃなりませんけれども、いろいろな措置によりまして、先島につきましてもカラー放送も出し、またラジオの関係は沖繩の本島にそういう施設をつくれば、これは届くわけでございますので、ラジオ二波は明年度じゅうには沖繩本島と同様に整備されるというような状況に相なっておるわけでございます。
○鈴木強君 わかりました。最善の努力をされておるようですが、万々一受け入れに対して支障ないように、さらに御努力をお願いしたいと思います。なお、VOAとか、極東放送についても郵政のほうに伺いたいと思いますけれども、これはいずれまた予算の審議がありますから、これに譲りたいと思います。
 次に、最近私は、衆議院の逓信委員会におけるNHK予算の審議等の状況を拝見しておりまして、心配になる点がありますから、若干郵政大臣と会長にお尋ねしておきたいと思いますが、最近の報道なども含めてわれわれが心配するのは、どうも郵政省とNHKの間にしっくりいかない点があるのではないか、しっくりいかないというようなことでなく、むしろ非常に険悪な空気があるようにわれわれ感ずるのですが、非常に遺憾なことでありまして、少なくとも、放送法に基づく法人であるNHK、また設置法に基づいてこれを監督する郵政省、この間に、いろいろとこれは感情的なこともあるかもしれません。それから、公共企業体という性格を持っておるNHKですから、できるだけ政府や国会の干渉を排して、協会の自主性を尊重し、経営者諸君の良識をわれわれは信頼して、そして事業をやっていただくと、こういう仕組みになっておるわけです。われわれは三百十五円なり、四百六十五円の聴取料を払って、それによってNHKは経営をされておるものでありますから、国民にとってみると、国民一人一人は株主であります。その執行部が会長以下の皆さんだと思います。そうしてこれを監督するのが郵政大臣である。したがって、そういう立場から見ると、これ監督権ありといっても、その行使が非常にむずかしい。従来、私も十六年ばかり国会におりますけれども、かつてこういうふうなやりとりが国会でやられたということはないわけでありまして、特に今度の国会でわれわれが心配するような御発言が大臣なり会長の間から出るということは非常に遺憾であるし、また心配になるのであります。これがただ単に意見書の字句の表現だけに起因するのであれば、私はこんなものは問題ないと思います。しかし、もっとそこに深いいろんな思想的な問題、あるいは考え方の基本的な相違等があって、意見が出たとすれば、これは重大だと私は思うのであります。
 そこで、私は思うのですけれども、従来NHKの予算を編成する過程におきましては公式、非公式を問わず、郵政省の担当とNHKの担当がかなり煮詰めた話をして、それに基づいてつくられて郵政省に意見書が出されて国会に出てくる、こういう仕組みになっているわけですから、少なくとも今度の場合はかつて例を見ない沖繩の復帰という国家的な一つの行事の中で協会は協会として予算を組まなければならない。そうなりますと、いろいろ問題があるでしょう。しかし、その予算の組み立て方をどうするかということは、私は形式的なことだと思うのでありますね。それがどういうふうに組み立てられようが、その辺ぐらいのことは両者間で十分にこれを煮詰めるまでの間にお話し合いができて深い理解と納得の中にこの予算は組み立てられたものだと思うのであります。そして意見書の表現がこうとか、どうとかいうことになっていると思いますけれども、少なくとも、郵政省はこれを認めている立場にある、そうであるならば、何も角を突き合わせたような発言が出なくとも私はよろしいと思う。それだけに若干の根元の心配をわれわれするのであります。協会の設立趣旨というのは、いまも私が申し上げましたような趣旨でございますから、できるだけ協会の自主性を尊重してやっていただく、そのかわり国民の期待に沿えないようなことをやれば、会長以下やめていただくよりない。そういう仕組みでありますから、われわれもできるだけ協会に対してああだこうだというふうなこまかい点までの意見は差し控えておるわけです。ただ、多少国会審議が微に入り細にうがつことは、やはりこの機関しかもうとにかくチェックするところがないわけですから、われわれとしてはかなり突っ込んだ議論をいたしますけれども、基本は私はそこに置いて質疑をしているつもりであります。ですから、御両者ともそれぞれ御発言がその後あったそうでありまして、うまいことにいっているように聞いておりますけれども、私たちも参議院の立場から見ると、どうも少し引っかかるものですから、私も若干遅疑逡巡しましたけれども、やはり聞いておいたほうがよろしいという私は信念になりましたので、この機会にわれわれが心配するような郵政省、NHK間に異同があるかないか、あるとすればどういうところに問題があるのか、率直にわれわれも聞かしていただいて、われわれもまた意見を出したいと思います。
○国務大臣(廣瀬正雄君) ただいまは鈴木委員から郵政省を思い、また、NHKを思うたいへんな御愛情から忠告を含めましての御質問をいただいたわけでございますが、率直に申しまして、私個人の考えとしましては、また、郵政大臣といたしましての立場からいたしましても、感情の対立、また、両者間にみぞがあるというようなことは全くございません。これはもう御安心を願いたいと思っております。ただ、いろいろ世論を生じてまいっております理由は、今度私が昭和四十七年度のNHKの予算に対しまして、何ら感情は交えない、NHKの立場を尊重するという考えから、しかも監督官庁として責任のある地位でございますから、そういうような立場で法律に許されております意見書をつけたのでございますけれども、その意見書が最近十数年前例のない、「やむを得ないものと認める」というような、従来「適当と認める」というのが常套句であったようでございますけれども、それはそれなりの内容があったので、そういう意見をつけたと思いますけれども、私は今度の予算は従来と違って赤字が出ておりますので、これについてそのような見解を述べてNHKのお考えを促したわけでございまして、もちろん、監督官庁でございますけれども、NHKが国民を代表すると申しますか、そういうような立場で自主的な存在として放送事業をになっておられるということについては十分私は認識と敬意を払っておりますけれども、そういうような立場に干渉しようなんという考えは毛頭ありません。そうして、この予算書をつくるにいたしましても、監督官庁の郵政省と公共企業体の自主性を持ったNHKとの間には十分意思の疎通をはかりながら、何かと打ち合わせをいたしまして進めてまいったものだと、私は聞いておるわけです。とうとう最終的に意見の一致ができなかったので、これも仕事の上でございますから、双方立場がありますので、やむを得なかったと思うわけでございますが、何らその間、感情の疎通を欠くというようなことはなかったわけでございますが、私どもの立場からあのような意見書を添えるということにならざるを得なかったわけでございまして、御心配になるような事実は全くございません。その点は御安心をいただきたいと思っております。
○参考人(前田義徳君) ただいま郵政大臣がおっしゃったように、私としてもNHKを代表して感情的に郵政大臣にものを申したという事実はございません。私は、かねがね二十年以上郵政大臣の御交誼を賜わっており、その御人格についても、日常御生活についても、その政治家としての才能につきましても深い敬意を払っております。私どもは放送法の原則によって、私どもが自主的に予算を組むものという理解のもとに予算を編成いたしており、その間、大臣の御意見をおつけになる参考として事務的にかなり長期間にわたってわれわれの事務当局と郵政事務当局が検討を加えてきておるのでありますから、大臣は大臣の立場で御意見をつけることはしかるべきであり、NHKは直接国会に関係がございませんから、したがって、放送法は、閣議の決定として内閣からこの予算案を国会に提出するという意味での私は手続の一部であると了解しておりますので、特別に私は感情的な気持ちは毛頭ございません。したがって、私たちもここに出席する場合には、政府委員ではなくて参考人という形で出ているわけでございます。
 以上でございます。
○鈴木強君 まあ、日がたっておりますからね、お互いに言い過ぎた点は、反省をして悪かったと思えば悪かったという心境になればこれはけっこうなことなんだが、しかし、やはり一たん発言したということはこれは事実でございますからね。ですから、よほど自信と確信がない限りにおいては私はそういう発言をしないと思うんであります。あとであやまるようだったら初めから言わないほうがよろしいと私は思うんであります。まあ、別にあやまったということもないようですから、私も、もう少し衆議院段階の議事録等を詳細に拝見して、いずれまた予算の段階で多少私はこの問題で触れることにしたいと思っております。ですから、どうかいま御両者の率直な御意見の御発表のようであるならば、われわれも危惧はなくしますので、どうか両者が互いに相協力しつつわれわれの協会が日本の公共放送として国民の期待に沿えるような放送ができるようにこの上ともひとつがんばってほしいと思います。
 そこで大臣、もう一つあなたに伺っておきますが、いまの御所見で多少わかりましたけれども、実は放送法、電波法の改正についても私はあえてこの前の委員会であなたにお伺いしたのは、臨時放送関係法制調査会の答申がなされてすでに八年ですかね、なるわけですよ。その間たなざらしにして、ついに放送法、電波法の改正が答申どおりいかずにいまになっております。その間にいろんな情勢の変化もありまして、たとえば小林元郵政大臣のように、何を考えたか知らぬが、NHKの会長は政府の任命にするとかというようなことまで言い出して、どうかするとわれわれに、協会に対する監督権の強化を小林さんは考えているんじゃないかというような危惧すら抱かせることもあったんです。これはいろいろ私は長い年月の間にはあると思うんです。監督官庁と、それからそれに監督される立場からすれば、一方では、おれは監督しているんだという考え方があるでしょうし、一方は、公共放送で、おれのほうにほとんど実権をまかされているんだというようなやっぱり考え方があると思うんです。これはあって私はいいと思うんです。その両者がお互いにうまく調和するようにどこかで意見統一をし、意思統一をしていかなければならないわけですから、その調和のやり方が実は問題なんです。そういう点についてうまくやっていけば、私は現行の放送法でその点はいいと、こう思っているんです。最近いろいろと、政府の立場からすれば、マスコミというものが大きな力を持っているわけですから、これをできるだけ有利に使えるものなら使いたいという気持ちが出るのはこれは当然でしょう。内閣の予算を見ましても、総理府の広報室なんかの予算は膨大であります。これはもう政府の宣伝機関ですから一方的に政府の御都合がいいいろんな報道がなされるでしょう。しかし、NHKの場合はこれは違うのでありまして、そういう点で、まあ、大臣自体がどうしたとか、こうしたとかということは私は毛頭申しませんし、それは事実ないですから、ただそういう一連の流れの中に、協会に対する監督権の強化即それが放送法の改正というようにわれわれが結びつけられるようなやっぱり情勢がなかったわけではないんですよ。大臣、いまお話の中に若干意見触れられておりましたから安心はしますが、念のためにもう一度、これ以上NHKに対する監督権の強化というようなことはよもや考えておられないと思いますけれども、その点いかがですか。
○国務大臣(廣瀬正雄君) お話ございましたように、昭和三十九年に臨時放送関係法制調査会でございますか、そういうような調査会ができまして、その答申をいただいておりましたわけでございますが、それに基づきまして昭和四十一年度には第五十一国会に放送電波法の改正を出しましたわけでございますけれども、それが御承知のように不成立に終わって、審議未了になってしまったわけです。その後、郵政省としましては、放送法、電波法について調査検討は進めておりますわけでございますけれども、まことに申しわけないながら、今日まで成案を得ておりませんが、調査研究をやっておりますことはこれまた事実でございますけれども、放送・電波法は申すまでもなく、非常に人権に関する問題もございますし、たいへんむずかしい法律でございますから、慎重の上にも慎重、そして各方面の意見を十分拝承いたしまして、これならばというような成案を得なければ出しにくいわけでございます。そういうふうな事情もございまして、今回見送りということになっておりますけれども、しかし今後は、さらに精力的に検討を進めてまいるということの体制を固めておりますわけでありまして、御承知のように、党のほうでもいろいろ熱心にやってくださっておりますが、党は党で御研究を続けながらも、私どもは私どもで政府の立場がございますから、そういうことを考えながらやらなければならない、対処してまいらなければならないと思っておるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、郵政省がNHKを監督するというのは、総括的にすべてNHKのやることを監督するという意味のものではないのでありまして、法令に基づいてやるというようなことで、非常に限定されておりますことは御承知のところでございます。それで、いま御指摘のNHKに対する監督権を強化するんじゃなかろうかというお尋ねでございますけれども、これはどういう意味か存じませんけれども、具体的に御指摘がございませんが、私は、少なくともNHKの自主性を阻害するような考えであってはならない、こういうふうに郵政大臣といたしましては考えておりますわけでございます。
○鈴木強君 たとえば、会長はいま経営委員会が任命することになっているわけです。副会長は会長が経営委員会の同意を得て任命する、こういうことになっている。ところが、会長は政府が任命するというやり方がいいということを小林元郵政大臣は発言しておるんですね。だから、具体的にそういうふうにやはり会長を自分の意に沿う人を選ぼうとして政府が直接任命する、こういう点はこれはいけないんです。もっとも、NHKの会長選任は経営委員会ですから、経営委員に政府の都合のいい人たちだけをどんどん並べておけばそれで思うようにいくかもしれませんね。それはやり方の問題だけれども、運用上のことであって、基本的に会長を政府が任命するというようなことはこれは間違いでして、ある大臣なんかは会長は政府が任命できると思いまして、とんでもない発表をして恥をかいた大臣もおる。そういうふうな問題もありますから、私は具体的にはそういうことを言っているんです。そういうふうな改正はしませんですねというわけです。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 政府の考えております放送、電波法の改正案については、まだ具体的に発表という段階に至っておりませんけれども、少なくとも、政府がNHKの会長を任命するというようなことは考えておりません。このことだけははっきり申し上げておきます。
○鈴木強君 電波法・放送法の改正については時間もありませんので、また予算の際に、八年間近くもたなざらしにされてしまっているわけですから、また再審議をしてもらうような機会をつくるのかどうなのか、そういうことも含めて意見を出したいと思っているんですが、きょうはこれで終わっておきます。
 その次に、二月二十八日に日本の歴史以来かつてないようなきわめて遺憾な連合赤軍事件というのが南軽井沢で起こりました。それで、この日に、NHKは約十時間近く、九時間何十分の間、現場からのなま中継を放送いたしておるわけでありますが、たまたま当日は国会におきましては予算の総括質問がございまして、新聞のテレビ番組を見ると、その中継放送がやられるように組んでありました。ところが、そういう番組を全部キャンセルしまして、約十時間、九時間二十分ですか、長い間現場から中継をされた。このことに対して「週刊ポスト」を拝見しますと、三月十七日号に、「拝啓NHK前田会長殿」という書き出しで、「〃あさま山荘〃報道と国会中継はどちらが大事とお考えですか」という公開質問状が、放送評論家志賀信夫さんから出されております。引き続きまして、私、昨日熱海にちょっと参りまして、一昨日ですか、帰りぎわに「週刊ポスト」を買いましたら、その下のところに、「本誌3月17日号に、放送評論家。志賀信夫氏の前田義徳NHK会長宛公開質問状「〃あさま山荘〃報道と国会中継はどちらが大事とお考えですか」を掲載いたしました。その後、NHK側から今回の「質問状」には答えられない旨、申し出がありました。」、こう載っております。しかしこれで見ると、何か「新聞協会報」ですか、この中に定例記者会見で前田会長が御発言になったことも載っております。私は、当時ニクソンが訪中をされ、共同声明も発表されるというような、国内的あるいは国際的にも重要なニュースが放道されるような情勢であったと思うわけであります。まあ、いろいろ見方の問題ですから、それがよかったというのでNHKはおやりになったと思うのですが、放送法四十四条等に見ましても、やはり番組に対して調和をとらなければならないことになっておりますね。それから四十四条の四を見ますと、「協会が国内番組基準及び国内放送の放送番組の編集に関する基本計画を定め、又はこれを変更しようとするときは、会長は、中央審議会に諮問しなければならない。」ですから、そういうふうな判断を、国会の中継も取りやめて長時間のなま放送をするということを一体だれが最終的におきめになるのかですね。
 それから放送法四十四条の「調和を保つ」というような点からいたしましても、やはり国民が放送法上の疑義を持つことも当然でございます。したがって、志賀信夫さんはここに五つの題目を掲げて公開質問状を出しておりますので、まあ、これにお答えにならないという協会側の回答があったということですけれども、どうしてこれに答えないのですかということも、最初に会長からお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(前田義徳君) あの当日の模様は御指摘のとおりであります。
 放送法四十四条の四項については、これは原則的なたてまえであり、私どもはこれを厳守いたしております。ただ、あの当日の番組変更については私が最高責任者でございます。したがいまして、私の考え方では、放送法の原則に違反したものとは考えておりません。
 御承知のように、NHKはテレビジョンだけを取り上げてみましても、二波を使っているわけでありまして、その一日の放送時間数は三十六時間でございます。こういうことを申し上げるまでもなく、国民が非常な関心を持つ問題については、ことに台風、地震、災害等をお考えいただければ、そういう緊急時に国民の要望にこたえて放送時間を変更し、もしくは番組を変更することは、従来も常にお許しをいただいている点であります。ただ、この問題が災害その他と異なった放送であったという点で、社会的な印象を特に強めたと私は考えるわけでありますが、私はこういう問題と国会の重要審議というものに甲乙はつけておりません。ただ、当日の状況から私自身が判断いたしまして、一種の社会的災害でございますし、そして、一人の女性の人質が生きて助かるかどうかという問題を中心として、ああいう全く社会秩序を無視した集合の暴力行為に対していかなる結果になるかということは、これは当然国民全般がかなり深い関心を持っておられるものと私は判断いたしました。しかしながら、同時に、私としては国会を軽視することはいたしませんで、予定の録画はこれをとりまして、その問題の決着が明らかになった以後にこれを放送いたしております。私としては放送法の原則にも従い、同時に、社会的な非常に深刻な問題をとらえて全国民が心配しているという問題と、それから国会審議の対象が当日重要な問題であるということを深く考えながら、新聞と違いまして、同時に、両方を同じような形で伝えるわけにはいきませんので、時間の差をつけながら、この問題を処理したというのが私の考え方でございます。週刊ポストの問題については、その担当からお答え申し上げることになっております。
○参考人(佐野弘吉君) ただいま会長の編集上の見地に基づきましたお答えに加えまして、ただいま御指摘のございました週刊誌のこれに関する御批評の点についてお答えをいたしたいと思います。
 ただいま、御指摘の趣旨の根本には、せっかく会長あてのいわゆる公開質問状ともいうべきものに対して、むしろ、協会は積極的に回答を寄せるほうが好ましいではないかというお気持ちがあるやに当然察知いたしております。このことにつきましては、私どもにとりましても、これから先のこの種の問題の取り扱いにつきまして非常に参考になる御意見かと存じますが、また同時に、このある名前のあがりました批評家のこれに関する批評の中で、国会との関連を指摘された部分などにつきましては会長もお答えし、また、私自身も肯綮に値するところというふうには十分承知をいたしております。ただ、それぞれの新聞なり雑誌なりがそれぞれの編集権に基づきまして記事を取材し、作成し、編集するということは、思想なり、言論の自由ということで、これは保障されておるわけでございますが、前田会長あての公開質問状という形式につきましてとやかくは申すわけでもございませんが、私どもといたしましても、日本放送協会はそれぞれ近代経営組織として動いておりますので、一から十すべて会長あての公開状というようなことをそのつど受け入れておりますことにつきましては、これを反復する将来への最初の何といいますか、ならわしになるというようなこと、これはいささか形式論でございますので、しばらく置くといたしましても、私どもといたしましては、即刻週刊ポストの編集部にこの問題の取り扱いの意のあるところをお伝えすると同時に、ただ、いわゆる公開質問状への会長御自身の回答ということはこの際はいたしたくないというふうにお答えしたことは事実でございますし、ただいま御指摘のように、後日引き続き発行されました同誌の後日の号にまたこの続きが掲載された、一昨日ごらんになられたそれかと思います。内容につきましてとやかく申すことはせっかく協会に対する好意を含めての御批評と存じますので、あれこれ私はここでこれをまた批評するということは避けたいと存じます。ただ前段申し上げましたように、国会との関係で、これを論ぜられたことはまさしく肯綮に値するところかと存じます。ただ、少しく理屈を言うようでございますが、私どもも国会の状況いかんでは午前、午後にわたって必ずしも十時間には及びませんけれども、七時間なり八時間なりというふうに重要な国会中継をいたしたこともあるやに私は記憶をいたしておりますが、いずれにいたしましても年間を通して、NHKの全番組を通して均斉ある編成をいたすということはもとよりでございますが、やはりそのつど惹起されます社会的事態の報道的価値に基づいて、二十八日はこのような報道上の異例な措置ではございますけれど、十時間に及ぶ「あさま山荘」の中継をいたしたわけでございます。いずれも、全体の中におけるその日の喫緊の度合いという問題で、この放送の態度をきめておるかと存じます。ただ、先ほど申しましたように、このNHKに寄せられました批評に対するまた批評は私は避けたいと先ほど申し上げたのでございますが、率直に申しまして、この御意見の中で二、三の点につきまして私どもといたしましては少しくがえんじがたい、首肯しがたい点等もございまして、一応会長の名による回答というのは差し控えたと、こういう次第でございます。
○鈴木強君 佐野さんのお話を伺っておって、多少官僚的な、いわゆる官僚的という意味もいろいろあると思いますけれども、官僚的な考え方がうかがわれるんですね。これは私非常に残念に思います。NHKは視聴者の疑問にお答えしてと、わざわざその時間をとっていろんな番組の問題とか、放送技術の問題とか、わざわざ青木さんが毎週毎週これに答えているわけですね。ですから、株主から会社に対してこういう点は疑問があるがどうだという質問があるとき、これに答えるのは義務でしょう。これはあなたのように公式論で公開質問状が来て、それに対して一々答えていると問題があって手が回らぬというような意味のことだと思いますけれども、それはどのくらい公開質問状が出てくるか、それはよくわかりませんが、少なくとも、基本的には疑問に対して、NHKは番組の面においても、放送技術の面におきましても、いろいろな疑問に答えるのが協会の立場じゃないでしょうか。そういう方針が基本的にあるなら、形式にこだわらないで、もっと理解のある態度を、公開質問状じゃなくてもこの視聴者に対して与えるべきではないでしょうか。ただ国会を軽視したわけではない、どっちが重いということは考えておらぬとか、それはあなたの考え方、それはそれでいいけれども、放送権も持っているんですから、編集権も持っているんですからいいですけれども、もう少しものの考え方を変えてもらわないといけないと思うんです。だから、この五つの疑問点に対して私が一つ一つここで読み上げればいいけれども、時間の関係で読み上げませんけれども、あなたのほうも内容よく知っているはずだから、もう少し項目別に答えてください、私は国民にかわって聞きますよ。
○参考人(佐野弘吉君) お答えいたします。
 私が冒頭に申しましたように、これからのこの種の問題の取り扱いに参考になる御意見かと存じますと申し上げましたのは、まさにただいまこのことをお取り上げになられました御意図を察知いたしまして、私どもは将来協会に対するいろいろな意味での、あるいはあらゆる角度からの批判に対してどのように接遇していくか、接していくかということで一つの貴重な御意見を賜わる、また現に賜わっているということで、将来の参考に付したいと思っておることを申し上げたわけでございます。で、私、官僚的という意味で、この取り扱いが御批判、御叱責を承りましたけれども、その御叱責は御叱責といたしましても、私も非常に官僚的にものを処理するというふうに考えたわけではございません。実は率直に言いますと、非常にこの取り扱いに悩みまして、最終的な決断といたしまして先ほど御説明したような態度をとったことは事実でございます。ですから、もう一から十までてんとしてこれを省みないというような態度でこれに臨んだわけではさらさらございません。この寄稿せられたものを拝見し、そしてこれに対してどのような協会として態度をとるかということは、平素NHKが全国民を基盤としてその信頼と支持の上に成り立っていくという考え方を、同時にまた、協会の態度を一つのループラインのような形で国民に御理解願うという平素の活動の一つであることも事実でございまして、決してこれが平素考えております国民への理解を求める運動のらち外にあるとは当然考えておりませんで、したがいまして、これに対する取り扱いがやや官僚的ではないかということは、御批評は率直に承って将来のためにまたいろいろ考えたいと思います。ただ問題は、先ほど触れましたように、それぞれ雑誌等の編集権に基づく記事の作成のいたし方、編集のしかたでございますから、その点は御自由であり、協会はこれを甘受いたさなければなりませんが、ただ、私どもといたしましては、直接その筆者にお答えするという道を避けて、当該編集部のほうに私どものこの寄稿せられた内容に対する所見をお伝えいたして、しかるべくお取り扱いを願ったわけでございます。その結果が引き続いての号に一部記載されて、かつ新聞協会報に掲載されました会長の談話のほうをおとりになられて、それが次号かに載っておる次第でございます。で、内容につきましては、私先ほど申し上げましたように、相手方の放送評論家というお立場もあり、自由濶達に協会を御批評されておることでございますから、それは御自由であり、また同時に、十分私どもはその意見を承るにやぶさかではございませんが、ただ、所論の中で一、二の点は私どもとしては全く肯定しがたいというようなところもございまして、私が先ほど実はその取り扱いに悩んだというようなことがそれに関連をいたしておるのでございますが、その辺について、これを私どもの立場からあまりむきになって反論をするという方法を、よかったか悪かったかは別として、気持ちの上で避けたというようなところがあるわけでございます。
○鈴木強君 いまおっしゃったこの五つの中で、二、三ですか、一、二ですか、どうしても納得できない点がある、それはどこなんですか。
○参考人(佐野弘吉君) そのうち私の脳裏に浮かんでおります、たとえば、このような報道態度をとるということは、炭鉱等で事故があったときにそれをなぜしからばNHKは長期間その救出についてやらないかと、にわかに結びつけておられる点もあったかと記憶をいたしております。また同時に、このような放送をいたすことはいたずらに家庭内で子供たちに赤軍ごっこをまねさせるではないかというような御批評もございました。これらの点は私どもといたしましては、御批評は御批評としても、われわれのこの「あさま山荘」を中継いたしました報道の価値がこれによってにわかに減殺されるような引例のされ方をされることにつきしては、私どもといたしましては納得いたしがたいというような読後感を持ったわけでございます。
○鈴木強君 協会の、これは佐野さんの御意見か、協会の御意見かわかりませんが、大体わかりました。
 それで、私もこの公開質問状の内容について一〇〇%肯定する立場ではないんです。いろいろこれはありますけれども、こういう公開質問状方式というのは、これは民主主義の非常に進んだ諸外国の風習がこっちに入ってきたんですね。昔はこういう扱いはしなかったはずですね。ところが、最近では「拝啓、内閣総理大臣殿」といって総理大臣に出した公開質問状に対して官房長官がわざわざブラウン管の前に立ってその質問者に対して答えておる、懇切丁寧に。だから私はあなたが言うように、こういうものをやるなら、北海道の炭坑の生き埋め事件など中継をしなかったのはどうしたことかということがあれば、これはこれこれこういう理由でやりたいけれどもこうだというふうに答えてやるとか、あるいは家庭の同化力が悪い面で働いたところでは、子供が連合赤軍ごっこをして遊んで困ったという、これも事実だと思うんですね。よく笠谷がジャンプですか、やったら子供が高いところから飛びおりてけがをしたというようなことは事実あるんです。子供というのは何でも見てまねすることも事実ですよ。ということは、これは必ずしも間違ったことを言っているのではないんですね。それはそれとして、また違った面からの見方もあるでしょうし、考え方もあるんですから、そういう点はこれは親切丁寧に、方法はこれは何も週刊誌に公開質問状に対するお答えといって出してもいいし、出さなくとも、質問者に対して誤解があればそれを解くような親切丁寧な回答をすべきだと思うんですよ。また、基本的にはさっき会長のおっしゃったような、ここにも書いてありますけれども、「結果的にみればいろいろな批評、見方はあろうが、放送自体はよくやったと思う。定時番組をはずした長時間の生中継は、全国民が関心を持っており、当時の客観情勢から結果的に間違いなかったと考える。」というなら、そういうことを答えたらいいじゃないですか。記者会見でそういう発言がなされたのを新聞協会報で三月七日付けで載せて、それをここでいま引例されているわけですから、いずれにしても、そういう扱い方の問題についてもう少しくふうをしてやってほしいと思います。これが民間の会社のようにある特定の株主の金によってまかなわれておるのと違いまして、最初から申し上げるように、公共放送としてのNHKの立場からすれば、どんな疑問があってもこれに答えるような方法をとるべきではないですか。だからあなたのほうに「私たちのことば」というのがありますね、六時五十分から。あれだってだれかが放送する、そうすると、それに対して厚生省やその他がそれに答えておりますね、これは一つの公開質問状ですよ。だからそういう点もやっておられるのだから何もこれだけにこだわることはない、私が若干官僚的と申し上げたことばはそういうところにあるということを申し上げたんです。その点をさしたわけです。ですから、もう少しその扱いについて考えてほしいと思います。
○参考人(佐野弘吉君) だんだんと御意見承りまして民主的な社会の中における報道なり言論なりというものの取り扱いは、これが責任と自由を伴いますだけに非常にむずかしい問題であることをこの件も示しておるかと思います。私ども実はこの件の取り扱いは私の一存で決裁いたしまして、いま御批評承りましたような措置をとったわけでございますが、今後、協会が全受信者、全国民に対して協会を理解せしめるために、私は平素も根強くやっておるつもりでございますが、引き続きただいまの御意見等承りまして、粗漏のないように今後も措置をいたしたいと存じております。
○参考人(前田義徳君) 佐野専務のお答えと、鈴木先生の御質問の間に多少のスキップと申しますか、表現の中での行き違いがあったかと思います。佐野専務は週刊ポストに対してNHKの見解を伝えてあるわけです。そして、これがその公開状に対する見解であるということを伝えて、ただし、私自身がするのではなくて、会長にかわってNHKとしてその理由も説明してあるわけでございます。その点が少しぼけましたので、質疑の方向が多少ずれていったという印象を持ちましたので、はなはだおこがましいですが、補足さしていただきたいと思います。
○鈴木強君 会長の考え方は……。
○参考人(前田義徳君) 私は全く防備的な心理は持っておりませんし、私の人生の行き方は従来もそうでありましたが、そこでときどき波紋を起こしますが、全くの無手勝流ですから、必要があれば、私はどこにでも出てまいりますし、ことに聴視者との関係については私は何らの先入観を持っておりません。
○鈴木強君 それだけの包容力を持っておられるなら、会長あてだからというようなことを佐野さんが独断でおやりになったそうだけれども、もう少しこれに対する扱い方というものはあったと思うのです。どうも最初の試みのように私も聞きますから、ひとつ今回の公開質問状を契機にして、扱い方等についてもいま会長の言われたようなところを基本に置いて、それはそうですよ、やはりどこにでも出て行って協会の真意を伝えて、誤解があれば解いてもらうし、また協会側にもし万一落ち度があればそれはひとつ反省して直していくというのが当然の行き方であって、そういうことを私は基本に置いてやれば問題はないことだと思うのです。たまたま何か一つの意図を持って質問するような場合もあると思うのですよ。それはそれとして、またそれなりに論駁すればいいのです。言論は自由だし、なまの意見を発表することは、何ら憲法上から見たって問題ないことですから、ことに公共放送である協会としてはいろいろな批判に対して率直に見解を表明するということは当然のことです。そういうことをもたもたしているからこういう質問が国会に出てくるので、きわめてその辺残念だと思います。今後ぜひ再びこういうことが国会の中で取り上げられないようにやってもらいたいと思います。それはようございますね、会長。
○参考人(前田義徳君) 先生のおっしゃるとおり私の気持ちを述べたとおりで、おそらく佐野専務の場合は、私の同僚かつ部下として私のことを考え過ぎた結果の私に対する同情のあらわれの一つかと思いまして、この点は佐野君に今後遠慮なくやってくれということを申し上げますから御了解いただきたいと思います。
○鈴木強君 わかりました。
 それでは次に、具体的に決算の内容についてお尋ねいたしますが、まず、郵政大臣にお尋ねしますけれども、四十四年度の予算をわれわれが国会で承認を与えるときに附帯決議をつけました。その中の第一は、「UHFテレビジョン放送およびFM放送の現状にかんがみ、良質廉価な受像機および受信機の普及対策を積極的に推進すること。」とこういうふうになっております。これは、政府と日本放送協会に対してわれわれがお願いをしたことでございます。きのうの各東京紙を見ると、「株式会社日立製作所」、「日立家電販賣株式會社」が「お知らせ」ということで広告をしておるのですが、これはお知らせというよりもおわびかたがたのお知らせじゃないかと思いますが、せんだっての衆議院の物価対策特別委員会でリモコンの問題が取り上げられましたが、たまたまここに載っておる日立カラーテレビの「ポンパ」ですが、「昭和四十五年以前に発売いたしました、十九形カラーテレビのスイッチ付音声ボリューム部品に、きわめて少数ではございますが、発煙する事例がみうけられました。つきましては、左記の機種について、早急に部品の交換を実施させていただきたいと思います。」「現在、当社では巡回サービスを実施中でございます。すでに巡回したお宅の前記機種については部品交換も完了しておりますので、ご安心してご使用ください。」これはオールチャンネルだと思いますが、CN−610SU、CN−710CU、CN−770CU、CN−810LU、CN−72C、CTT−940L、CT−830L、こういう七つの記種についてスイッチ付音声ボリューム部品に火災を起こしたというのがある。そうしますと、どうも四十四年にわれわれが附帯決議をつけて通産省あるいはメーカーの皆さんとも十分に相談をして良質廉価な受像機及び受信機を普及するよう積極的にやってもらいたいという趣旨がどうも生かされていないように思われますけれども、郵政省としては具体的にこの決議をどういうふうに実施してきたか聞かしていただきたいと思います。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 四十四年度のNHKの予算の国会で付せられました附帯決議の第一の問題についてお尋ねがあったのでありますが、昭和四十四年度は、テレビジョン受像機の総出荷台数に占めるオールチャンネルテレビの比率が年度当初約四〇%でありましたが、年度末には約八五%に達したといわれております。この点に着目いたしまして郵政省といたしましては、NHK、民放連、電子機械工業会、全国電器小売商業組合連合会及び電波技術協会によって構成いたしておりますUHF普及推進会議を指導いたしまして、良質廉価なオールチャンネルテレビの普及につとめ、またオールチャンネルテレビに対する物品税控除の特例、これは課税標準から三千五百円控除するという問題でございますが、これにつきましても昭和四十四年度限りでありましたが、大蔵省と折衝いたしました結果、この特例をさらに一年間延長することとなりました。なお、補足的に局長からお答えいたさせます。
○政府委員(藤木栄君) 特に補足することはございません。
○鈴木強君 カラーテレビの二重価格制の問題なんかもその後出てまいりまして、いろいろ国民も迷惑し買い控え運動等も消費者団体が先頭に立ってやった経過もあるのですね。もちろん、この税制上における減免措置ですね。こういった問題も一つのこれは普及対策の大きな問題ですから、ことしからこれが元に戻りまして減免でなくなってくるんですけれども、もっと具体的にこれは大臣は、当時おられない人に聞くんでちょっと私も気の毒に思うのですが、引き継ぎがあるから伺うのですが、もっと担当局長からもう少しわれわれが納得できるような通産省に対しては、これこれこういうふうなことで何回お願いしてこうなったというような、われわれの納得できるような答弁をしてくださいよ。そんな抽象的な話じゃだめですよ。もっと、私はこの決算の締めくくりに対して具体的に聞いているのですから、もう少し答えてくださいよ。それは局長、補足することありませんということじゃなしに、最後にもう少しやっているなら、引き継ぎもあることだし、ちゃんと、ここで国民の前に明らかにしてくださいよ。
○政府委員(藤木栄君) 先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、このUHF普及推進協議会というものは、これは現在でもやっているわけでございますが、先ほど申し上げましたような各関係団体から構成しているものでございますが、これを通しましてこのUHF受像機の普及、そういうことを推進してまいっておるわけでございまして、これは、いわゆる中央のみならず大体私どもの各地方電波監理局がありますところには必ずこの協議会を置きまして、その場所場所におきまして受像機の普及推進をはかっているというのが一点でございます。それから、税制上の措置をとった。もちろんこれに対しましては、通産省には連絡をとりまして、残念ながら一年限り、一年間延長しただけでございますが、そういう措置もとったわけでございます。なお、現在におきましては、このオールチャンネルテレビというものは、生産の九〇%以上も生産されておりまして、相当な普及率を見ているのであろうと思っております。
○鈴木強君 私の聞いている半分しか答えてない。ここにあるように「良質廉価な受像機」と、そういう附帯決議をつけているのに、四十五年以前に発売した十五型カラーテレビがスイッチのところから発煙をして火事になったというのがある。そのほかにも、カラーテレビが燃え出して火事になったという例もあるんです。だから、そういう品質の改良とか、あるいは安くていいものをつくるという質的な問題については通産省が直接には監督官庁ですね。ですから、工業規格基準というものも最初なかったんですが、それがだんだん規格化されてきておりますことは私も知っておりますけれども、そういうせっかくわれわれ国民の意思が良質、廉価な受像機ということにあるんだから、これはただ普及だけやれと言うのじゃない。普及もやらなきゃならないが、要するにこういうものは、良質なもので安く買えるようにならなければ普及できたとは言えない、悪いものを売ろうとしたって買わないわけですから。少なくとも、そういう扱い上問題の起こらないようなしっかりとした基準を定めてやっていただくように、どういう交渉を通産省とやった、通産省は業者を集めてわれわれと一緒にやった、こういう具体的な回答がないと、私はあなたの怠慢だとも言えないわけだが、私の質問にちゃんと答えてください。半分だけでなくて。
○政府委員(藤木栄君) どうも答えが十分じゃなくて申しわけございませんでした。いわゆる良質という点につきましては、これは、メーカーのほうにつくってもらわなければならないわけでございますが、メーカーがつくる一つの基準といたしまして良質な受像機というものの基準を実はこの電波技術協会というところで、従来これはNHK、民放あるいは郵政省も入りまして、そういったところでメーカーとともにその基準をつくりまして、そしてこの普及につとめておるという状態でございます。
 特に先ほど申しましたUHFの普及推進協議会というところにおきまして先生の御趣旨に沿ったような良質で、しかも低廉なというものをメーカーにつくってもらいたいという要請はたびたびしておるわけでございますし、先ほど申し上げました基準といったところの問題につきましても、そういったところで十分検討しながら生産していただいている、そういう状態でございます。
○鈴木強君 どうもよくわからないですね。具体的に答えられないところを見ると、やっぱりよくやってない。だから、何月何日どういうふうにやったというのを、ひとつあとから資料として出してください、われわれにもわかるように。そうしないと納得できないです。時間がないから資料出してもらうことにして次に移ります。
○委員長(杉山善太郎君) 資料はようございますね。
○政府委員(藤木栄君) 資料はあとから提出いたします。
○鈴木強君 それから「難視聴地域の解消および受信障害防止対策を積極的に推進するとともに、すみやかに有線放送業務に関し適正な規制措置を講ずること。」、この後段のほうの「有線放送業務に関し適正な規制措置を講ずること。」、これは継続審査になっておる法案でありますから、これはいいです。一応努力したことを認めますが、前段の「難視聴地域の解消および受信障害防止対策を積極的に推進する」ということ、これはブースターやサテライト局を含めて電波割当上も小電力というものは協会だけでなくて電波監理局がその割当をしなければできない、これは当然であります。幸いにこの決算を見ると、四十五年度への繰り越しというものは比較的少なかった、ただし四十三年度から四十四年度への繰り越しが非常に多くて、私はこの委員会でかなり郵政省に文句言ったわけですが、そういうこともあったかどうかはわかりませんが、四十三年度は比較的繰り越し工事をやりながらうまくいっている、これは一つの進歩だと思って私はこの決算を拝見しました。
 そこで、当時この「受信障害防止対策」ということですね、「難視聴地域の解消および受信障害防止対策」、これは飛行場周辺、特に米軍の飛行場周辺とかあるいは新東海道線の沿線、こういったところ、その後いろいろ新しく鉄道等の近代化、高速化に伴う障害等も含めてどういうものをやりましたか。あるいは電力のパワーの増大、こういうようなこともやったと思うんですけれども、この概況をちょっと教えてもらいたい。
○政府委員(藤木栄君) 難視聴の解消及び受信障害防止対策というものにつきまして――テレビとラジオ両方あると思いますけれども、四十四年度におきましては、ラジオのほうにつきましては特に増力ということをいたしておりません。これは増力による解消ということはいたしておりません。これは昨年にこういうことをやったということでございますけれども、テレビにつきましてはいろいろこの中継場を増設する、NHKが総合、教育合わせて三百七十局、民放は二百十局ということでございますが、私どもとしましてはNHKに比べまして民放のほうがどうしてもおくれがちなものでございますから、あらゆる機会をとらえましてこの中継局をつくるように慫慂しておるわけでございます。また、この四十四年度におきましてはいわゆるNHKは、この前も御説明あったかと思いますけれども、僻地におきまするテレビの共同受信施設というものを設置してこの難視聴の解消につとめているという状態でございますが、そのほかに私どもとしましては、いわゆるこの受信障害の防止対策としましては郵政省が音頭をとりまして受信障害防止対策協議会というものをつくりまして、これはNHK、民放、メーカーあるいは電力会社といったところが全部、関係各団体が入っているわけでございますが、そういったところを中心といたしまして、たとえば自動車から出る雑音がございますが、これもテレビを妨害するので自動車雑音の防止対策をやりましたり、あるいは御指摘ございましたような建造物、いわゆる新幹線も含めました建造物によるテレビの難視対策ということを重点的に取り上げまして、この協議会を通して事業を行なったわけでございますが、自動車雑音につきましては、これはいわゆる法令上の雑音防止措置というものがとられたわけでございまして、これは電波法ではございませんで、通産のほうの車両の検査におきますところの雑音防止器というものを自動車に取りつけるということが講ぜられたわけでございます。
 なお、この建造物につきましては、従来申し上げておりますように、いわゆる障害発生原因者が責任をとってもらうという考え方を普及いたしまして、関係のたとえば東京都でございますと都の建築局でございますか、建築の関係者、あるいはそのほかの建築の団体、そういったところと連絡をとりまして、こういった建物あるいは建造物による障害というものは、その原因者が責任をもって解消すべきであるという考え方を相当PRいたしまして、まあ、社会的にそういった考え方が定着化されつつあるんではなかろうかと思っておるわけでございますが、現在では相当これが伸びておるわけでございますが、以上のようなことを四十四年度としまして実施したというわけでございます。
○鈴木強君 藤木局長、例のいろいろ問題になっておりましたが、米軍の飛行場周辺の電波障害に対しては、防衛庁も若干の負担をすることになりましたね。あれは昭和四十四年、この年だったんですか、次の年だったんですか、ちょっと私は記憶忘れたものですから。その前だったかな。
○政府委員(藤木栄君) 四十五年度からでございます。
○鈴木強君 それで、この点はまあまだ非常に不十分ですけれども、協会の方も多少エリアの点で考慮したりしていただいているんですけれども、なかなかまだ地域住民としては納得をしていないんですね。そういうことがNHKの受信料の不払いなんかにつながってまいったりしまして、非常にこれは難儀しておるんですけれどもね。もう少し大臣、この点はその後も努力をされておることも知っておりますけれども、政府内部でもう少しこの点を論議していただいて、できるだけ加害者負担という、そういう原則に立つならば、やはり防衛庁なり、政府がこれを負担するような方法で、もっと積極的に大臣としての努力をしていただきたいと思いますけれどもいかがですか。
○国務大臣(廣瀬正雄君) その問題につきましては、先刻の衆議院の逓信委員会でも、あなたのほうの堀委員から御指摘がございまして、まだ努力の余地があるようでございますので、十分関係官庁に対しまして折衝を重ねてまいりたいと、このように考えております。
○鈴木強君 それから今度「ひかりは西へ」で新幹線が岡山まで延びたわけです。この新幹線沿線の電波障害の現況はどうなんですか、ちょっと教えてください。
○参考人(吉田行範君) ただいま御質問いただきました件につきましては、国鉄と再三にわたって打ち合わせをいたしまして、岡山以西につきましてはその新幹線が全部完成するまでに、これらの沿線における障害の除去ということをやるように取りきめてございます。
○鈴木強君 新幹線七千キロ、全国に引くわけだが、それが完成してからやるんですか。いま引かれている岡山までのやつはどうなるんですか。ちょっとあなたのお答えが私には理解できないんですが、もう一回説明してください。
○参考人(吉田行範君) どうも失礼いたしました。岡山までにつきましても、ただいま申しましたように国鉄と十分打ち合わせいたしまして、万遺漏ないように処置いたしてございます。
○鈴木強君 どういう処置ですか。
○参考人(吉田行範君) たとえば、新幹線が通りますためにいろいろな障害が起こってまいりますが、その障害に応じまして特別のアンテナを立てるとか、あるいは共同受信施設をこしらえる、そういうそれぞれの理由に応じた方法を検討いたしました。なお、それにつきましての大体の世帯数は一万四千戸でございます。
○鈴木強君 費用はだれが負担するんですか。
○参考人(吉田行範君) 費用につきましては、大部分は国鉄が支弁いたします。私どもは技術調査あるいは設計あるいは技術の指導、そういうことをいたします。
○鈴木強君 幾らかかるのですか。
○参考人(吉田行範君) これはいまお尋ねのは、ただいまの状況でよろしゅうございますか。
○鈴木強君 はい。
○参考人(吉田行範君) ただいまの状況といたしましては、来年度予算に多分入っていると思いますが、六千万円程度計上しております。
○鈴木強君 そうすると、すわったままで悪いですが、大部分というのですね、六千万円でNHKが負担するのは技術指導とか、そういう面だけであって、金の持ち出しはないのですか。
○参考人(吉田行範君) いや、ただいま申しました六千万円というのは、そういう設計、調査あるいは技術指導、これはNHKの技術者の旅費も含みますけれども。
○鈴木強君 じゃ、そこまでは幾らかかって、国鉄が大部分かかって、NHKが幾らか、答えがおかしい。よくそこで打ち合わせてから答えてください。
○参考人(吉田行範君) 私どもはただいま申しましたように、予算的にはそういうふうに組んでおりますけれども、全部それぞれ工事をしてみませんと、まだはっきりしない部分がございます。私どもはその予算の範囲までは金を出す、そういう腹でいるわけでございます。
○鈴木強君 吉田さん、それはあなたの協会のやつ、わかりましたが、あなたがさっき大部分は国鉄が負担すると、NHKは技術設計とか指導とか監督とかそういうことをやる、その金は六千万円ですか、それはわかった。しかし、大部分の障害除去のための対策費というのは、国鉄が出してくれるというわけでしょう。その国鉄が負担する分は幾らなんだ。だから今回の岡山までの開通に伴って、幾らの障害除去対策費というのが必要で、そのうち国鉄が幾ら出して、NHKが幾ら出すと、こういうことを言ってくれなければわからないわけです。私の質問の答えにならないわけです。
○参考人(吉田行範君) どうも失礼いたしました。国鉄で総額どのくらい負担をするかということは私ども熟知しておりません。
○委員長(杉山善太郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(杉山善太郎君) 速記を起こして。
○参考人(小野吉郎君) 大体先ほど営業総局長からお答え申し上げましたような被害解消の件について、これに対します諸般の対策費、総計三億三千万円ぐらいはかかるようでございます。その比率におきましては、在来東海道新幹線等の、そういう意味ではNHKが原因者責任主義のそれが貫けないということで、できるだけ国鉄に持ってもらおうという交渉をいまいたしておりますが、この辺の比率の点についてはまだ確定にこれでいこうという、そういう線はまだきまっておらない状況で、いま折衝中でございます。
○鈴木強君 わかりました、きわめて明快ですわね。
 だから、できるだけ加害者負担の原則で、六千万円予算に組んであるそうだがね、できればそれを国鉄に出してもらいたい。NHKが経営がいよいよ苦しくなってくる。これはそうしてください、当然ですから。これは大臣もひとつ運輸大臣に談判してくれますか。
○国務大臣(廣瀬正雄君) よく事情を承りまして、努力しなければならないと考えております。
○鈴木強君 それで、もう一つNHKに伺いますが、四十四年度の貯蔵品の中に受信改善業務用物品というのが二百七十万五千円、これは受信障害防止器というように参考に書いてありますが、この二百七十万五千円というのはあれですか、受信障害防止器としてNHKがお買いになって――どういうものか私よくわかりませんからね、それも説明していただきたいんだが、これは四十四年度中に一体幾らこういう受信障害防止器というものを取りつけたか、わかりましたらその件数。そして、ここに二百七十万五千円というものが貯蔵品として四十五年度に繰り越されておるんですけれど、その二百七十万五千円というのは繰り越しなんかやらないで済めるような器材購入というものはできないものかどうかですね。倉の中に置いておくのももったいない話で、何かうまい調達の方法がないものなんでしょうか。それともこの貯蔵品の性格が、まあいままで伺っておりますから大体わかっておりますけれどもね、何かくふうする方法はないものでしょうか。額は少ないけれど、ちょっと私そう感じましたからね、伺いたいんです。
○参考人(斎藤清君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の受信障害防止器でございますが、これは電気掃除機でございますとか、電気ミキサーのモーターなどから雑音が発生いたしまして、ラジオ、FM、テレビおのおのの受信に障害を与える場合がございますが、この雑音の電波を防ぐための器材でございます。特殊な仕様を持っておりまして、三種類ほどのものがございますが、これを一定の仕様に基づきまして一時に多量に購入いたしますと比較的安く購入できるわけでございます。したがって、その安く購入いたしたもので、受信者なり、これに関係した人たちから御要望のありました場合にこれを受託をいたしましてその発生源の修理をいたします、その場合の資材に使うわけでございまして、昭和四十四年度の場合、NHKで取り扱いました件数は延べで七万七千五百五十二件ございます。なお、金額的には、四十三年度から四十四年度へ繰り越しましたものが四百四十八万ございまして、これを消費して、さらに当年度必要なものを購入して、その結果年度末におきまして御指摘のような二百万台の数字に相なったわけでございます。で、この防止器につきましては、現在まで特殊な仕様を持っておりますので継続いたしておりますが、最近の実情におきましてはほとんどその必要がなくなってきておりますので、四十六年度末ないしは四十七年度にはこのことは廃止できる見込みでございます。
○鈴木強君 三種類あるそうなんですが、これは電気掃除機とか洗たく機とか、そういう品物によってつけるものが違うわけですか。それから一個の単価は幾らであるのか。それから、これはNHKが買って修理のときにただで修理をして差し上げてしまうものか、一応立てかえ払いしておいて買っといてつけたときにその金をもらうように有償でやるのかどうなのか、その点はどうなんでしょう。
○参考人(斎藤清君) お答え申し上げます。
 型式にいろいろありますが、ただいまでございますと、たとえばC型というのがございまして、これにつきましては価格は百円前後のものでございます。それからF型というのがございまして、これはかなり大きな電気ドリルであるとか、そういうようなものに適用する。おのおの使途によって分けております。これが一番高いものは二千円程度であります。実際の御指摘の経費の点につきましては、その実費をいただくということで処理いたしてございます。
○鈴木強君 それで参考のために、二百七十万五千円を繰り越したのですけれども――こまかいから個数なんかはいいですけれども、四十五年度は総体で何万件で、どのくらいの修理をして差し上げたのですか。件数と金額でどのくらいになりますか。
○参考人(斎藤清君) お答え申し上げます。
 四十五年度の金額につきまして申し上げますと、四十五年度末の状況は前年度末よりも三十万減りまして二百四十万に相なっております。年間の処理件数は、同年度中の消費額の状況から推察いたしますと、ほぼ同じくらいの処理件数かと思われます。これは正式な統計を持ってきておりませんので、推定であります。
○鈴木強君 二百四十万件ですか。
○参考人(斎藤清君) 二百四十万円でございます。年度末の評価額でございますね。
○鈴木強君 そうしますと、二百七十万円繰り越して二百四十万円しか使わないということになると、繰り越したのは四十五年度に全部回ったということになる。それならば何も急いで買わなくて、もっとあとから買えばよかった。こんな繰り越しするような購入のしかたというのはまずいでしょう。
○参考人(斎藤清君) 先生御存じのとおり、当年度末のたなおろし高の状況が、年度中に何回転かいたしまして、そうして次々と何回か購入いたしまして、そして年度末に残ったものが出るわけでございます。そういう意味で、年度途中のことを私申し上げませんでしたので失礼をいたしましたけれども、年度末と年度末で比較して減らしていったということでございます。
○鈴木強君 それじゃ恐縮ですが、いま資料がそこにないとすれば、あとで四十五年度の額はどのくらいになるか、件数と額、ちょっと資料で出してくださいますか。
○参考人(斎藤清君) 後刻お届けしたいと思います。
○鈴木強君 これが毎年毎年予算の承認に際して、私たちは、難視聴地域の解消等の附帯決議をつけておりまして、たいへん困難な中に郵政、NHKが相協力してくふうされてかなりのカバレージがもう進んできておりますから、四十四年当時もたいへんな御苦労だったと思いますが、われわれの趣旨に沿って努力されたことを私は認めます。
 それから、最後に「日本放送協会は、経営の近代化をはかり職員の待遇改善に資すること。」というのがついておりますけれども、これは後ほど弾力条項の点でまた伺いますが、会長にひとつこれちょっとお伺いしておきたいのは、経営の近代化ということの趣旨が、いろいろ抽象的ですからどういうふうにおとりになったかわかりませんが、何と言ったって職員の勤労意欲というものがなければだめでございまして、ですから、この人事管理の面についても、あるいは待遇の面についても、広く言えば人事管理ですけれども、そういう点については絶えず日放労ともお話し合いをしておられるようですから、私たちもあえてここにこういう項を起こして経営努力もしていただいた以上は、それに報いるようやはり思い切ってやってほしい。まだ一般の新聞関係と比べてNHKのほうが優位に立っているとは思いません。したがって、できるだけ努力するところは努力してほしいと思うのですよ。最近NHKに行ってみると、鉛筆もこんな短くなったやつを使っておりまして、なるほど節約しているなということを私は感じたことがあるのですけれども、紙一枚に至るまで、経営努力の中で合理化で経営努力をして節約するものは節約をして、総則にあるような実績を積んでいただいていると思いますけれども、いまNHKの人員もそうふえない中で仕事はふえていくという状態の中で、会長として経営の基本、要するに人事管理を含めた経営の基本、特に私の伺いたいのは人事管理の面でどういうふうなやはり基本方針をもって職員の勤労意欲を盛り上げて努力していただくような考え方を持っておられるのか、この点を簡単でけっこうですから伺っておきたいと思います。
○参考人(前田義徳君) 四十四年度決算の面、これは長期構想からいいますと昭和三十五年度に発足をした、その経過が四十四年度の中にあらわれていると思いますが、基本的考え方は、まず第一に、私どもはわれわれの職員の学歴、その他経験年数からいって、昭和三十五年の段階においてはなはだ社会的に給与が低かったと、まずこれを高めなければいけないという方針と同時に、ただいま申し上げましたような職員構成の中で、やはり機械をもって置きかえられるものはすべて近代化の目標に沿った機械設備によって人手を省いていくという考え方をとったわけです。三十五年は、御承知のように、例の俗に所得倍増時代が始まる時期でございましたので、これは当時の郵政大臣の深い御理解をいただきまして、内閣の人たちともお会いしまして、結果としてこの年には最高三〇%、平均二三%の待遇改善を行ないました。これを土台として、私どもはいわゆる三十五年以降の社会の要請と放送の量、それからネットワークの傾向等を勘案いたしまして、私どもはいわゆる近代化のスタートを切ったわけです。この近代化のスタートは、昭和四十七年度予算の中で大体最終形態に移ってまいり、四十八年の夏ごろ、すなわち四十八年度予算で一応完成するという見通しでございます。当時の予想された最終形態における総人員の想定は、約一万五千五百を最低線として、まあ一万六千何がしという予想をしておったわけでありますが、その後、たとえばFM放送であるとか、新しい業務もふえてまいっております。したがって、近く御審議いただく四十七年度予算では、総人員はおおよそ一万六千五百から六百の間ということでございまして、この長い経過の中で、私どもは人事管理もその線に沿うて新たな構想を実行に移したわけであります。簡単にいいますと、十年前に、ですからおおよそ十年前ですから昭和三十七年には、いわゆる権限の問題、就業の制度について根本的な改正をいたしました。御承知のように、私どもの企業は単なる官庁制度の模倣では人間の、まあ何といいますか、言論報道機関としての士気を鼓舞するわけにはまいりません。したがって、この局長、あるいは局長を中心として部長、副部長に至るまで、固有の権限の制度を明らかにしたわけです。これによって管理体制を根本的に切りかえると同時に、私どもとしては、将来予想される社会の進展に応じて、やはり一週間の労働日数が減るであろうということをも考慮に入れて、これとの関連でも私どもは社会水準に合致する待遇改善を行ないたいという方針をとりまして、御審議いただく明年度予算の中では、人件費の総額は大体事業費の三二%に達する域までまいりました。昭和三十五年の改善によってかなり上昇いたしましたが、そのころの状態は、これは記憶でございますので正確な数字でないかもしれませんが、総予算に対して二二%前後だと考えております。それがまあ社会環境の影響もございますが、われわれの基本方針としても給与を改善すべきである。NHKの経営の基礎となるものは人間しかございません。番組の制作というものは人間の知能にたよるほか方法はないわけでございます。したがいまして、製作の手段については近代化し、製作の核となる人間の能力の開発との関係では待遇を社会水準に合わせていくという考え方でございます。この方針は今日依然として続けております。非常に簡単ですが、われわれの基本的考え方を年次を追って非常に簡単に申し述べた次第でございます。
○鈴木強君 私は、コンピューターを放送番組の作成に導入して、これはNHKが世界的にも初めてだと思いますが、そういうことによって経営の合理化、近代化をおやりになった。しかし、その成果というものは、おやりになってみてはたしてプラスであったのかマイナスであったのか。こういう点も中間的には伺ってまいりましたけれども、いま現在会長としては、あの導入が非常に増員面においてはどの程度の節約になり、番組編成上全体に――いまおっしゃるように、番組というのは人にたよるほかないわけですから、いろいろな資料とかデータについてはこれはコンピューターがやっているかもしれませんけれども、基本はやはり人間ですから、そういう人間が近代化されたコンピューターを操作して番組を編成する際に、まあこれはよかったと、いいものだ、便利なものだというふうに思っているのかどうなのか、若干私は疑問があるのですよ。そういう面で経営の近代化が増員問題にどういう程度の効果をあげてきているか、これが一つですね。
 それからもう一つは、会長のおっしゃる待遇改善ですけれども、これはやはりいわゆる管理者と言うべき人たちのことは私はまたそれなりの方針を会長持っておられると思いますけれども、最近報道局長ですか、辞職するというようなことも聞いておりますし、前には広報室長がちょっと好ましからざるような発言をして記者団からやられてやめたということもあるのですが、それはそれとして、管理者陣営の、管理職陣営の人事管理というのは、これまた一つの一般職と違った面のものがあっていいと思いますけれども、特に私がここで言いたいのは、一般職員の場合、限られたポストしかない。ですから、ポストにつかなければ管理職になれない。管理職になれなければ給与が上がらない。こういう給与体系というものは、私は問題があると思うのですよ。NHKのように分業化された人たち、エキスパートがそれぞれの部門においてやっておられる。アナウンサーの方なんというのは、まあ青木さんやいろいろな例もありますけれども、ほんとうにたいへんな仕事をやっているというようなことにやはり終わってしまわないで、やはり名アナウンサーであってもなかなか役職につけない、そういう点もあると思うのです。ポストが限られておるのですから、私は、そういうスーパー的な仕事をやる人たちはかりに管理職にならなくても、給与というものは部長課長と同じように上げてやる。そういうひとつの配慮がなければ全体を目ざすことはできないと思うのです。そういうふうな人事管理、あるいは給与体系上の問題について、これは私はいま自分がちょっと考えておったことを申し上げるわけですから、会長からそうしますというような回答を私もにわかにいただけると思いませんけれども、こういうこともひとつの私はアイデアだと思いますね。アメリカあたりのRCAなんか見ておりましても、課長にならなくてもいいのですね、スーパーとして課長だけの給料をくれるのですね。その技術を生かしてやっておられるわけですから、そういう制度をとって成功してますね。ですから私は、一面そういう問題も真剣に考えて職員の給与改善に資すべきであるし、人事管理に資すべきではないかという考え方を持っているものですから、ちょっと自分の意見を含めて申し上げたのですけれども、こういう考え方は会長はおありですか。
○参考人(前田義徳君) 第一点につきましては、概括的に申し上げますと、非常に成功していると思います。昭和三十五年に想定した場合、第一次五カ年計画の最終年度にはおそらく人員は、もし合理化といいますか、近代化をしなかったならば、一万八千ないし二万になっていたと思います。それが第一次五カ年計画の末期に一万五千余りであった、それが昭和四十七年度予算では一万六千五百であるという点は、これは非常に高い効率をあげたものだと私は考えます。おそらく今日、昭和三十五年にその近代化をスタートしなかったならば、現在の事業量から考えますと、また同じような仕事をし、しかも、その仕事の分量がNHKの三分の一程度しかないBBCを考えたときに、今日のNHKの職員の総数はおおよそ二万五千を必要としただろうと考えております。そういう意味では、私は、いろいろな見方もあるかもしれませんが、私自身としては非常な成績をあげているという考え方を持っております。
 第二点につきましては、私は、実は先生以上の方策を考えております。先生がおっしゃった程度の方策は、これは先ほどちょっと申し上げた十年前に私たちが制度の中に取り入れた制度でございます。しかし、この制度の運営は今日、依然として多少問題がございます。しかし、私がいま考えて、それぞれの担当に指示している問題は、NHKの機構と制度を根本的に改めることであります。その改め方は何かといえば、まあ、今年度も多少御質疑を受けたかとも思いますが、たとえば私は、本部の機能というものを前小限度に改めるべきだ、たとえば放送局のあり方、その系統にしても、中央局は廃止すべきだという考え方を持っております。ただ、中間的処置として地域本部という形に変えております。ただアメリカ式な方向でそれじゃ突っ切っていけるかというと、日本の慣習的伝統と申しますか、日本人的感覚はやはり実際の給与よりは位置に恋々としている心情がございます。課長よりたくさん金をもらっていても、あるいは収入がかりにあったとしても、課長という名前のほうがよろしいという気分が多分に現在の日本社会にはまだ残っている。この問題と現実の問題をどう組み合わせていくかというのが、新しい制度を検討する上での一つの問題点でございます。しかし私は、むろん、明年八月、放送センターの完成とともに――これは明後年度になりますが、根本的な機構の改廃をいたしたいと思っております。
 一例をとりますと、地方の県庁所在地の局を考えますと、聴視者と直接接触しているのはこの局であります。しかし、いままでの方式はたとえば、東京は本部であり、そのほかに中央局がある。したがって、その人員配置は局の位による配置であって、実際の仕事との関係は必ずしも密着していない。こういう意味で、私は、地方の、全国の県庁所在地の局に対等の権威を与える方法を考えたい、一例をあげますと。
 それから、東京を見ましても、たとえば教育局、報道局、いろいろな局がたくさんございますが、この局は全部廃止いたしたいと思います。番組の担当によって、一つの番組を深く掘り下げ、その番組を通じて、それの担当同僚が完全な知的能力を発揮できる一種のチーム制度をつくりたい、その中で私は、現在の位を中心とした考え方の地位を、仕事を中心とした人の、そのリーダーを基準として位を考えていきたい、こういうように考えておるわけです。はなはだ簡単ですが。
 ただ、アメリカ式にいかない。なぜかといえば、アメリカは、企業と労働者の関係は制度としても、慣習としても簡単に言えば、終身雇用という感覚はございません。しかも、アメリカの制度は実際生活と直結している制度でありますから、したがって、収入の多寡が問題であって、地位は問題でない、こういう感覚に日本社会が到達するまでには半世紀はかかるのではないか。それに到達する一つの経過措置として、少なくともNHKは聴視者に奉仕する意味で、いま申し上げたような構想を実現したいというように考えておるわけでございます。
○鈴木強君 もちろん、理想と現実というのはあるわけですから、だれだって、アメリカの人たちだって大統領になったほうがいいので、それから地方の知事になったほうがいいでしょうし、会社の社長になったほうがいい。どこの国でも社会的な地位を求めるのは当然です。だから、日本でもポストにつこうというのは、これはだれでも考えていることです。しかし、考えておってもつけない、限られたポストの中では。しかも、一面においては課長よりもむしろ、長い経験の中で実力を持っている、いろいろな経験を持っているという人たちというのが課長にならないがために待遇改善ができないということがあり、その人たちは不満を持っている。ですから思い切って課長と同じだけの待遇を同等の力のある人たちには与えてやる、そういうような形をやはりやりつつ、これは理想的には会長のおっしゃるように、何も課長にならなくても給料は課長よりもたくさんもらっているのだ、それで満足するという人もそれはたくさんいるでしょう、もちろん。アメリカにはもちろん、これは民主主義の歴史から見ましても、日本とアメリカは考え方は違いますけれども、それは私はわかっております。しかし、わかった上でなおかつ、そういう制度を、わかっておればこそ採用しなければ、なかなか円満な人事管理もできないだろうという気持ちがあるものですから申し上げたのですが、大体、いま会長のおっしゃることで私も同感ですが、ひとつNHKあたりからそういった見本を示してやったらどうですか。すでに方針としては採用されているわけですから、現実問題としてうまくそういう点も再調整していただいて、将来改組に向かって進んでいただきたい。
 それから、人事管理その他については大体、まだいろいろありますけれども、この程度にしておきましょう。
 それから次に、まず収入の面からちょっとお伺いしたいんですけれども、未収の点でございますけれども、四十四年度のこの報告を見ますと、統計的に見てもだんだんと未収金というのがふえていくように思うんですけれども、未収金をなくするための努力というものは一体どういうふうになされておるのか。また、その未収金がパーセンテージ的にふえていっているというのはどういうところに原因があるのか、その辺からひとつ聞かしていただきたいのです。
○参考人(小野吉郎君) 昭和四十四年度決算当時におきましては、大体未収欠損になりますものは〇・六%ぐらいの比率でございまして、ただ、それが、傾向といたしましては、少しずつではありまするけれども、漸次ふえる傾向にあることは否定できません。では、どうしてそういうふうな傾向が出るかと申しますと、これは完全に取り切れないんだというふうにはあるいは考えられないかもわかりませんが、その原因は、人口動態と申しますか、いわゆる住居の移転関係が主たる原因になっているようでございます。特にそれが最近になってから非常にはなはだしく、地域的には大都会になるほど非常にそういった傾向が激しい。在来そういった点を、できるだけ一〇〇%これを追求いたしますために、非常にめんどうな追跡調査をいたしておったわけでございます。しかし、それは今日の住民票等の整理の関係、区役所等の整理の関係、これも戸籍関係としては整理されておりましょうけれども、そういうことを的確に、転居等の関係、行き先がどこに行ったか、以上のことを把握するのには、はなはだしく不備な点もございます。そういう点をいろいろやりますと、かえって収入よりも多くの経費をかけなきゃならない。ひいては聴取料をお払いになる方々に対して負担の多いことになるような結果にもなります。そういうようなことで、そういったむだなことはできるだけよして、どこかに所在を移しておられるのでありますから、その所在によって契約を獲得するという努力をむしろ優先して考えるというように方針を改めてまいっております。まあ、そういったような面から当時として取れない。それは、もう転居して、おられないといったような原因が多いんでありますけれども、そういった意味合いにおける一つの傾向として、これはまあいろいろ都会が、非常に生活態様が複雑になればなるほど、こういったような現象は非常に起きがちであります。諸外国の例で見ましても、日本のそれは、四十四年当時ではまだ未収の欠損になりますものは〇・六%ぐらいでございますけれども、イギリスのBBCあたりではその傾向は非常に大きいようでございまして、大体八%近いものがそういった未収になっているようなことでありますし、あるいはフランス、イタリア等でも、日本の比率をはるかに凌駕しておるというのがいまの現状でございます。もちろん、これが一〇〇%取れることは理想でありますけれども、そのためには非常な――そういった今後の動態の変化によって生ずるというようなことから、それを追求することによって得られる収入よりもかえって多くの経費を要するということも非常に不経済でございますし、できるだけこれを縮めるような努力はいたしますけれども、傾向としては、ごくわずかでありますけれども、そういう増加の傾向にあるということは否定できません。問題は、原因がそういうことにあります限りにおいては、世帯世帯によって契約を獲得する努力を積極的に重点的にやっていくということが問題の解決の趣旨に沿うのではないか、かように考えております。
○鈴木強君 私の手元にある青表紙の「NHKとその経営」というのを拝見してみると(3)に受信料のことがありますね。それを見ますと、第二次六カ年計画の始まった三十七年度が九九・五%――これは受信料の収納状況ですね。三十八年度が九九・五%、三十九年度も九九・五%、それで四十年度が九九・七%で若干上がり、それから四十一年度が九九・八%になって〇・一%上がって、四十二年度には九八・六%になっております。一・四%の未収が出てきておる。それで四十三年からカラー、白黒の料金改正がありましたし、それで、四十六年はちょっとわからないと思いますが、四十三、四十四、四十五の収納状況というのは、小野副会長もおることですから、教えてくれませんか、その収納状況のパーセンテージを。
○参考人(斎藤清君) 四十三年からでよろしゅうございますか。
○鈴木強君 はい。
○参考人(斎藤清君) それでは四十三年度の受信料につきまして――これは先生御存じのとおり、翌年度末までずっと追跡いたします。したがいまして、四十三年度に決算いたしまして、四十四年度末に最終的に整理が行なわれます。――その時点におきましての収納率は九九・二四%でございます。四十四年度分について申し上げますと、四十四年度について、四十五年度末に最終的に整理いたしましたもので申し上げますと、九八・九五%でございます。逆に申しますと、これは一・〇五%がとれなかったということになります。四十五年度分につきましては、現在この三月末までをとっておるわけでありますが、この状態で見通しますと、四十四年度分の一・〇五%程度というふうに見込まれます。
○鈴木強君 そうすると、四十四、四十五というのは大体一%強になっておりますから、四十二年よりは若干いいですけれども、それ以外の年度から見ますとやっぱりダウンしておりますね。悪くなっておるのですよ。だから、副会長のおっしゃるように、住居の変更等によってどうしてもその追跡ができないというのもあるでしょう、これは。しかし、まあ赤軍みたいにアジトへ入っちゃえばこれはわからないかもしらぬけれども、普通は住民票もあるわけですから、それぞれどこに移転したかというようなことは、たいへんですが、確かに手数はかかると思いますが、やはり平等の負担をするという原則に立たないと、私はやっぱり、受信料は払うだけ損だという考え方にだんだんなったら、これはたいへんですからね、だからできるだけ追跡をして、何年かかってもやっぱりもらうものはもらうという姿勢は絶対くずさぬというしっかりした態度を一方に持ちながら、おっしゃるように新開拓をしていくのもこれは当然ですけれどもね、ですから欠損金を毎年何億というものを、三億なり四億なり予算上われわれ認めてきているわけですけれども、これもまあたとえば一年間やったけれどもだめだからすぐ欠損金で落としてしまえというのは、私はどうかと思うんですね。ですから三年なり四年なり、たいへんだけれども追求してみて、それは一年たってこれはどうしてもだめだというのは落としてもいいですけれども、そういうふうに執念深く、たいへんだけれども、やられる努力をやられてはどうかと思うんですね。
 集金方法別の視聴世帯というのを見ますと、大体、職員が集金するのが二二%、一般委託者が五五%、これが一番多いですね。あと郵政委託が一六%、口座振り込みが七%、四十三年度現在ですから、おそらく料金は銀行振替というのを盛んに宣伝しておりますからその後ふえておると思いますけれども、いずれにしても職員集金が二二%ということですから、ですから協会の職員自体でやるというのは非常に少ないわけでございますけれども、まあ、ここらもやや専門職的にならなきゃならぬと思いますし、それだけでは済まない、特殊部隊をつくって新しい受信者を開拓していくということも必要だし、カラーを聞いているけれども届け出をしない、白黒のままになっているとか、あるいは全然届け出しないで、ただで見ているような人もあるかもしれませんし、その探求は非常にむずかしいと思うのですが、最近は何かこういう探知機みたいなものでやればすぐカラーかどうかということはわかるそうですね。そういうこともいろいろくふうして改善しておられると思うのですけれども、いずれにしても一〇〇%納入は無理だとしても、それに近づける努力というものは簡単に私は捨ててもらっちゃ困ると思うのです。たいへんだけれども、それはやはり堅持して、あくまでも見た人は払ってもらう。めしを食ってただで逃げるというのと同じですから、そういう者は容赦せぬという態度はやはりはっきりしておかないと、他に影響すると思うのです。善良な人たちがばかを見ますからね。そういう点も配慮しつつ、新規開拓もお願いしたいと思うのです。会長、副会長もそういう趣旨だと私思いますけれども、若干、そういうところに労力をさくよりも、新天地を開拓したほうがいいのだというような私は印象を受けましたから、念のために申し上げておきますが、いま私が言ったような趣旨であればけっこうです。
○参考人(前田義徳君) 原則的には全く同様でございます。ただ、この数字が表明するその意味合いは、四十三年度は御承知のように、当時年間八十億の収入のあったラジオ料金をゼロにいたしました。したがって、四十三年度から四十四年度にかけて収納率はその意味で高くなっております。しかし、この時期から都市の集中といわゆる過密過疎の関係、都市の構造の膨大化、これによって、新産業政策との関連もあって、人口の移動はきわめて激烈になりました。こういう意味で、現在先ほど斎藤理事から申し上げたような四十五年度末の実績が出てくるわけでありますが、おそらく四十六年度においては、そういう社会情勢を踏まえますと、私自身の感触では、たとえば、カラーテレビジョンの不買運動とか、いろいろな問題があって、また、社会思想の混乱の一端を受け持つという場も出てきまして、これは数字をまとめなければわかりませんが、必ずしも上昇傾向にあるのではないような印象を、私は予感を持っております。しかしたてまえとして、私たちはいま鈴木先生が御指摘された原則を捨てたのではございません。ただ、こういう情勢の変化に応じてさらに知恵を出したいということを副会長を通じて申し上げたわけであります。
○鈴木強君 わかりました。
 それから不払いの中に、特に意識的に不払いをしておるというふうに協会側が一応認めておるのは、残念ですけれども、ございますか。あれば件数をちょっと知らしてください。
○参考人(吉田行範君) お答えいたします。
 それに先立ちまして、先ほど先生御質問がありました、二年で未収の聴視者を打ち切るというようなことはございません。これは経理上そういう操作をいたしておりますので、営業の立場からは五年も六年も追及しているわけでございまして、実際にそれによって若干の収入があるわけでございます。ただし、それは経理上は雑収入に入る、そういう形になっておりますので、一応申し上げます。
 それから、ただいま意識的にという御質問でございますが、いま私どものほうで、大体一年近く未収であるという人たちが十五万足らずございまして、先ほど副会長からもるる御説明申し上げましたように、その十五万足らずの焦げつきといいますか、その大部分は不在受信者でございます。そうして、それに次ぐものが先ほどもお話がありましたような航空騒音とか、あるいは都市難視とか、そういうことのためにあまり十分に見えない、聞こえないという理由がございます。で、ちなみにその不在でございますが、これは先ほどのこととも関連がありますのでちょっと補足いたしますが、私どもの調査で、全国で大体支払い能力を持っている、たとえば家庭の主婦とか、そういう方々で朝八時から夜九時までの不在率というのが二七%ございます。したがって、先ほど副会長が申しましたように、私どもの集金取り扱い者が参りましても、毎日参るわけにはまいりませんから、それでどうしてもつかまえにくい、つまり言いかえれば、いつ行ってもつかまらない。そういう方がそのうちの、ただいま申しました十五万足らずの大部分でございます。それから航空騒音とか、あるいは都市難視とか、そういうのを合わせて二万五千くらいでございます。ただいま先生が端的に御質問になりました、そういう意図的に払わないという方は、これも私どもの集金職員が参りまして、いろいろお話し合いをして、取っている実例もいろいろございますが、大体流動的でありますけれども、二千ないし三千というのが実態でございます。
○鈴木強君 結局その点はわかりました。そうしますと、雑収入に入ってくる金、何年かたって雑収入に入ってくるのはわかりますか、三十七年から四十五年まで、そこに数字ありますか、なければ資料で知らせていただきます。
○参考人(斎藤清君) おそれ入りますが、三十七年からという資料は持ち合わせておりませんので、最近の状態で申しますと、四十四年度の資料がございますので、四十四年度が二千三百三十二万円でございます。四十五年度が千五百万、かような数字になっております。
○鈴木強君 長いのは何年くらいですか、一番長いのは。
○参考人(斎藤清君) 先ほど営業担当から申し上げた意味合いは、契約の相手方が現実に存在いたしまして、なかなか会えない。こういうものについて、債権放棄をしないで、実際にお払い願えるような営業活動を続けているということでございまして、それが具体的に何年くらいの経過を経ているかということにつきましては、一件一件非常に状態が違うわけでございます。で、三年くらい前のものが入ってくるというような事例もございますし、決算年度からすぐ翌月また入ってくるというような場合がございます。大体はこれはまとまって入ってくる場合が多いのでございますので、それによって類推するしかないわけでございますが、ちょっと一番長いのはどれくらいかということについては、ただいまのところ、特定なものについて一番長いのはどれくらいかということについては調査がございませんので、御容赦願いたいと思います。
○鈴木強君 調査がございませんというのは、そこに資料はないのですか。雑収入として入ってくるので……。それがなかったら、いつ未納になったのが入ってきたということがわからないではないですか。調べてあるんだが、資料がないということですか。
○参考人(斎藤清君) お答えいたします。
 一件一件の現実の契約の原本を当たればわかるはずでございます。したがいまして、私、いま手元に持っていないという意味でございます。
 それから、なおどのくらい入ってくるかということについて、ただいま資料が届きましたので、過去のやつでわかっている限り申し上げます。昭和三十九年からわかっておりまして、わかっておると申しますか、手元に資料があるわけでございますが、三十九年の場合に五百二十万四千円、四十年度四百二十三万九千円、四十一年度九百三十九万七千円、四十二年度千五百三十六万七千円、四十三年度千八百三十一万六千円、そのあとが先ほど申し上げた四十四年度の二千三百万というふうに相なります。
○鈴木強君 これ時効消滅というのはどうなるの、いまの年数との関係がありますがね。
○参考人(前田義徳君) 私どもの受信契約は民法の原則に従っておりますので、その意味での時効は十年と考えております。
○鈴木強君 そうすると民法上の十年で消滅することになる――したがって、一番長いのは九年ぐらいのがあるかどうかですね。ですから、これが要するに、予算上は欠損金として落としていくわけですね。ですから十億あっても、そのうちの一年くらいたって予算が出てきますからね、そのときには決算上は幾らを欠損金として落として、これだけが未納金でございますといってそれが翌年にいくわけですね。そういう処置をとって、その中から幾ら取れる、それをその雑収入にほうり込んでいくというようなシステムだと思うんですね。ですから、予算、決算上はそういう措置でやむを得ないと私も思いますけれども、まあ、雑収入ということも若干そういう面から言うと問題があるように思いますけれども、事実上、処理上はやむを得ないと私も思います。あと三十七年、三十八年ですね、これについても資料としてほしいし、それから件数もちょっと教えてくれませんか。あとでけっこうですから、資料として、件数と、金額は大体わかりましたが、件数も教えてもらいたい。
 それで、特に不払いを意識している者が二千ないし三千ということですけれども、数は少なくても、これは非常に重大問題であると私は思うんです。ですから、あらゆる努力を尽くして不払いをなくして納めてもらうような措置をひとつ今後とも努力をしてもらいたいと思うんです。まあ、放送法上罰則規程というものはないんですからね。あくまでもその良識に待ってやるわけだし、協会がいい放送を流していけばみんながこれはいい放送だということになり喜んで出してくれるということになると思いますから、意識的に不払いするというのは何かいろいろの理由もあると思いますけれども、そういう点もよく話し合いをして、できるだけそういう方々がなくなるようにひとつしてもらいたいと思います。
 それから、四十四年度中にアナウンサーの養成訓練費としてお使いになりましたのは幾らぐらいありますか。
○参考人(斎藤清君) 手元にアナウンサーという形での資料を持ち合わせませんので、放送関係という意味合いで申しますとわかっておりますが、いかがいたしましょうか。
○鈴木強君 ちょっとこれに関連して、私は最近のアナウンサーの皆さんの表現の方法とか、そういう問題についてちょっと伺いたい点があるから聞いているんだけれども、四十四年度中に新規採用したアナウンサーの訓練ですね、こういうことをおやりになったんでしょうか。と同時に、すでにアナウンサーとして三年なり五年なり経験のある方々に対して再訓練的にそういうことをやっておられますか。
○参考人(斎藤清君) 研修関係は先生御指摘のとおり、新しく採用いたしました者の研修、これについては大幅に実施いたしました。さらに、ある程度専門的に伸びました人たちの技能を練摩する意味で専門的な研修を行なうこと、それから別な意味でコースをきめましてアナウンサーの職能研修を行なう、あるいはまた昇進というまあ先ほど来話が出ましたが、ある程度の職位が上がる場合には、その場合に必ず研修を行なうというようなシステムに相なっておりまして、その意味で、おのおのについて毎年行なうようになっております。四十四年度についてもそれは実施いたしております。
○鈴木強君 その費用はあとからわかりますか。
○参考人(斎藤清君) アナウンサー何人に対して何日やったかという件については後刻わかると思います。
○鈴木強君 新規の場合はほとんど採用した方々に対して訓練をされると思うんですね。それからあと、その専門研修というのはそれぞれの経験のある方々に対してさらに研修を深める、そういう意味でやっておると思いますから、そういう訓練実施別の金額というのははじき出せるでしょう、どうですか。
○参考人(坂本朝一君) いまここに詳細なデータを持ち合わせておりませんけれどもやっております。そして、それぞれ専門職でございますので、専門職の先輩が各地方に臨局して指導するという場合もございますし、東京へ集めて勉強するということもやっております。
○鈴木強君 会長はいまでも国語審議会のメンバーになっておりますか。
○参考人(前田義徳君) はなはだ不肖ですが、そのとおりでございます。
○鈴木強君 ここに私はたくさんのデータを持っているのですけれども、時間の関係もあるから省略しますけれども、ごく最近、たとえば、十三日の日のスタジオ一〇二で外国のお勝手道具の話をしておりましたときに、リンゴを「八つ裂き」にするということばを使っておりましたね、リンゴを「八つ裂き」にする。二回使いましたね。リンゴを「八つ裂き」にするというのは私は聞いたことがないけれども、 これはおそらく「八つ切り」と言うのじゃないかと思うのですが、念を入れて「八つ裂き」と二回言っているんですね。これはちょっとNHKのアナウンサーとしてどういう研修をしているのだろうか。NHK会長も国語審議会委員だし、「八つ裂き」ということばがあるのかどうかちょっと聞いてみたいと思ったんですが、どうですかね。
○参考人(前田義徳君) お説のとおり、私は、その番組を不幸にして見ておりませんでしたが、「八つ切り」の間違いだろうと思います。「八つ裂き」ということばは全く別の目的で使用されることばでございまして、国語審議会でもそういう場合に「八つ裂き」とは言わないだろうと思っております。よろしくお願いいたします。
○鈴木強君 それから、ちょっとこれは私は少し片寄ったんじゃないかというように思いましたのは、十五日のきのうの朝のスタジオ一〇二で上野の動物園の絵をかいた歴史的な絵でもって説明をしておりましたがね。これをずっと開園当時からかいた方と、それからアナウンサーの方の二人でずっと見ていきましたがね。ここはちょうど黒ヒョウが飛び出して大騒ぎになりました、ああそうでしたね、あのときはたいへんでしたねという話が出てやがて戦中に入って、そうして歴史の紹介の中で、戦時中になったらここをすっと飛ばしてしまって、それで最近のところへいってしまった。これは時間の関係でそうしたんじゃないかと思いましたけれどもね。戦時中には食べものがないものだから動物を殺しましたね。そういうのが私は、おそらく、その絵の中にあったと思うんですね。ところが、そこのところを飛ばしていってしまった。これは少し片寄ってるんじゃないかと、むしろ、そういうことは子供たちにも知らして、戦争のときにはこういうことがあったと、ああ戦争というのは弱ったものだというようなやっぱり印象を与えたほうが公平にいくと思うんです。まあ、そこのところを意識的に飛ばしたんじゃないと、時間が限られておりましたから、時間が迫ったからここはこう飛ばしたなと、私も思いましたけれども、見るほうから見ると誤解を受けるんですよ。ですから、ああいう番組は一通りできないならやらぬほうがいいんですよ。こま切れにやるなら。やっぱり公平にやらないと非常に誤解を受けますからね。こんなことをちょっと私は感じました。そのほか、固有名詞を間違ったり、字幕と音声のほうが食い違っておったりすることはかなりありますね。非常に忙しいデスクの皆さんと報道との関係ですから、御苦労なことはわかりますけれども、できるだけひとついま申し上げたような、八つ裂きするというようなことばは少なくともNHKのアナウンサーの口から出ないように、もっと私は引き締めてやってもらいたいと思うんです、かなづかいについても。そうしませんと信頼をなくしますよ。まあ、こういうふうな例が若干ありましたので、なお一そう、研修費はかかってもアナウンサーの皆さんに勉強していただくようにお願いしたいと思います。これは会長に特にお願いしておきます。
○参考人(前田義徳君) 全くごもっともだと思います。きのうのその番組は、私は、きのう八時に家を出て局に参りましたのであれですが、おそらく、時間の都合でこれは八時十一分に打ち切らなきゃなりませんので、そういう点でもって他意はなかろうと思いますが、御発言のように重大な憶測を生む問題でもございますので、一そう励んでまいりたい、このように思います。
○鈴木強君 私は、まあ家内と私で見ている限りにおいては注意して見ておりまして、いつ何月何日何時の放送にこういう間違ったことばを使ったとか、固有名詞を間違ったとか、全部記録してあるんですよ。これは参考に申し上げたんです。そういうふうに、お互いに気がついたときは注意し合って、そして、みっともないですからね、再びそういうことのないようにお互いにやりたいと思いますけれども、会長のいまの御発言でさらによろしくお願いします。
 それから、協会が財団法人放送番組センターに約三億円を四十四年度寄付金として出しておりますが、この寄付金の目的、寄付金が目的を達成するために使われたというふうに判断をしておりますか、どうですか。これはひとつ会計検査院のほうの方に一回伺いたいと思いますが、これはどうでございますか。
○説明員(柴崎敏郎君) 番組センター自体につきましては、私どものほうでは検査権限がございませんが、放送協会の出損金の効果という点にかんがみまして、その関連において概要については説明を受けておりますが、センターが現在やっております業務につきましては設立の趣旨のとおりにやっていると、このように考えております。
○鈴木強君 NHKのほうは三億円を寄付しておりますが、これはどういうように御利用なさっておるのでございますか。むしろとの金を出して、そうして民間放送の手助けをするというようなほうにウエートを置いているのか、どうなんですか。
○参考人(坂本朝一君) 私どものほうからは、放送番組センターに対しまして、あらかじめしかるべき番組を提供いたしております。それが昭和四十四年度におきましては年間百三十本、「あすをひらく」、あるいは「日本の美」というような教養番組を提供いたしております。
○鈴木強君 NHK自体でこれを活用するということはないんですか。
○参考人(坂本朝一君) 設立の趣旨から申しまして、一般放送事業者の用に供するという目的でございますので、私どものほうは番組を提供いたしている次第でございます。
○鈴木強君 大臣、これは大臣が認可をされた財団法人でございますが、現在四十四年度当時の放送番組センターの収支決算、事業の概要等については説明をしていただけますか。
○政府委員(藤木栄君) 四十四年度の放送番組センターの事業の概要は、いま一部NHKのほうからも御説明がありましたように、番組制作につきましては、自主番組の制作というのを四番組に二百八本、協賛番組としては二百八十五本、そのほか、いわゆる番組ライブラリーとして四十四年度内には在庫四百九十四本に対して八百二十本の貸し出しがございます。
 四十四年度の収支の関係から申し上げますと、いわゆる収入といたしまして、いまNHKから三億、そのほかに民間放送連盟から一億足らず、それ以外を含めまして合計収入としましては五億三千四十六万円という収入がございます。それに対しまして支出は同額でございますが、内容としましては、法人費として三千二百七十四万、事業費として三億六千百四十八万、予備費が百六十一万、その他収支余剰金が一億三千四百六十一万ということに相なっておるわけでございます。
○鈴木強君 大臣として、認可をした放送番組センターが所期の目的を達成するために大いにその役割りを果たしておるとお考えでしょうか。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 適当だと思います。相当実績をあげておると考えております。
○鈴木強君 どういう実績をあげたか、ちょっと例をあげて教えてください。
○政府委員(藤木栄君) 先ほど申しましたように、この番組の制作としまして相当な番組を制作いたしまして、それがそれぞれ民放各社で放映されている。あるいはまたこの放送のライブラリーからも先ほど申しましたような相当な使用実績があるといったようなことで、放送番組センターとしての目的である優秀な番組の制作、番組の内容の向上という問題に非常に役に立っているものだろうと思っております。
○鈴木強君 私はこれに対しては意見があります。ありますが、時間がちょっと制約されておりますから、予算のときにもう一度大臣の見解をただしたいと思います。
 それから、放送番組向上委員会というのがございますが、これは任意団体でございますか。たしかNHKからは四十四年度、どのくらいでしたか、百万くらいでございましたか、支出をされておると思うんですけれども、ちょっと金額を教えてくれませんか。
○政府委員(藤木栄君) 私のほうから申し上げます。
 四十六年度で申し上げますと、現在NHKから二千百万円、民間放送から千二百六十万円の寄付がございます。追加して申し上げますと、四十四年度はNHKが千百万、民放連が六百六十万、そういったところでございます。
○鈴木強君 大臣、この放送番組向上委員会というのは、きのう、おとついもちょっと大臣に私申し上げたんですけれども、池田総理の時代に、番組が非常に俗悪化したことからして放送番組懇談会といいますか最初は、そういうふうな名称で識者の皆さんに集まっていただいて、いろいろとその番組に対する御意見を徴して、この番組はこういうところがいい、いいところは推奨する。悪い点は、こういう点はどうかという点を指摘をして、まありっぱな番組をつくっていただくというような趣旨で始まったんです。その後幾つか変わりまして、ここへ落ちついているんですけれども、どうも放送界もそうですし、音頭を初めとった政府側のほうも、何か力を抜いてしまったようなかっこうで、いま放送番組向上委員会というのが細々と活動しているというように思うんです。私は、これの活用というのは、やり方によっては非常にいい成果を生むんで、もっと本腰を入れていくべきだと思うんです。せんだっても申したように、何か番組に対して問題があると、すぐ法的な規則ということを考えてみたり、警察権力が動いたりしてくる。それは間違いであって、やっぱり自主的に各放送局とも番組審議会というものを持っておるわけですから、その番組審議会の部内放送番組作成基準というものをちゃんとお持ちになっておるし、そういうものによってそれぞれ編集をされておるわけですから、そういうところとのタイアップの意味においても、この放送番組向上委員会というものをもっと活用し、活発にやればいいと私は思うんですよ。これがちょっとお目付役のようなものになると都合が悪いのかどうか知りませんが、どうも民放のほうを見ておると、金額の面でもそうですよね。NHKは千百万出しているのに、民放は六百六十万しか四十四年度出していないというような出資の中身から見てもわかるように、あまり積極的じゃないんです。これをもっともりと活用していくことによって番組をいいものにしていくということを、まず私は、当面全力を尽くしてやるべきだと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 私も全く同感でございまして、せんだってこの番組向上センターの会合に参りまして、私の意見を述べて大いに鞭撻をいたしたわけでございますけれども、もちろん、番組の向上ということについては法的に、あるいは行政指導によってその改善に当たるということは全く考えてはならないことだと思っておるわけでございます。したがって、まあわれわれは放送業者には絶えず自主的に大いに改善に御協力、御努力を願いたいということを申し上げておりますが、やっぱりそうしたことについては、それぞれの番組審議会というのが各放送業者には付設されておるわけでございますけれども、そういうような番組審議会のセンターとも申すべき、やっぱり何か中央の機関だということになりますと、この向上センターが一番有効的に考えられますわけでございまして、番組の放送内容につきましていろいろ国民の世論を聞くというようなことにつきましても、私は郵政省が聞いてはならない、役所が、政府がそういうようなことをやるべきではないと思っているので、そういうようなモニターをやりますならば、この番組向上のセンターあたりに大いにやっていただきたいという感じを持っておりますわけでありますが、センターというのが、この向上委員会というのが向上協議会の一翼としてやっておりますわけでございますが、この委員会に――センターとさっき申しましたのはちょっと間違いでございまして、委員会でございますが、委員会に大いに活動を期待いたしておりますわけでございます。モニターなんかにいたしましても、この委員会でやっていただくべきだと考えておりますわけでございまして、ただ資金的にどうも少ない、脆弱であるというように考えておりますわけでございまして、まあ、そういうモニター活動なんかも大いにやってもらいますためには資金が必要であるということは考えつつも、政府からそのような助成をするということになりますと、また、いろいろ放送業者の自主性を阻害するというようなことにもなりますわけでございますから、まあ、財界にでも少し呼びかけて御援助を願うというような方法でもありはせぬかというようなこともひそかに考えておりますが、そういうことも、いいことであるか悪いことであるか、これもまだ判断に迷っておりますわけであります。ただ御指摘のように、この向上委員会が将来大いに機能を発揮して、番組の向上に貢献をしてもらうというような存在といたしましては最もいい機関であるというように感じておりますことは先生と同感でございまして、しかも、その強化策についてはもう少し掘り下げて考えてみたいと、こういうふうに思っております。
○鈴木強君 問題は、われわれが放送番組を見ますと、特に夜間の十一時とか十二時になりましてメロドラマとかあるいはピンクみたいなものが流れているのを見ると、大体民放のほうが多いですね。ですから、それがいいとか悪いという判断はこれは見る人がすればいいんだということになるわけですが、原則的にそうだと思いますけれども、しかし、あまり度を過ぎると、国民からひんしゅくを買うということもあるので、その辺の調整をはかって、そして放送法に基づく番組基準というものに照らして慎重にここらを配慮していく必要があると私は思うんですよ。大臣がおっしゃるように、財界から金をもらってやるなんということはこれは私は反対ですよ。ですから、あくまでも民放の方々なんかがもう少しNHK以上にこれに金を出して、そして番組向上委員会を活用していくというような姿勢をとるような方法をやっぱり考えてもらわなきゃいかぬと思うんです。しかし、それは行政指導であまりやるとこれは批判を受けますし、あくまでも自主的に民放連の皆さん方にもやはり協力を得るようにやる必要があると思うんです。最近はテレビの局によっては多角経営をしまして、われわれから見ると、ちょっとどうかなと思うような経営も目につきますけれども、だけれども、そんなんだったらもっとこういうところにも少し寄付をしていただいて、そしてともにいい番組を、国民の教養を高めるような、文化の向上に役立つようなやはり番組を流すような、そういった番組の作成というものにもっと金を使ってもらいたいと私は思うんです。そういう意味において奮起を促すという、そういうことしかないと思うんですけれども、われわれも機会があればそういう点も出しているし、特に高田会長がやられておった当時、非常に成果をあげたんですよ。たとえば、夏季の児童向けの番組なんかについても、一つ一つ番組向上委員会が取り上げて、そしていろいろ、これはよかろう、これはこうしたらいいという建設的な意見を集約しまして、それを民放連のほうに渡して、民放連はそれを基礎にして、また、来年度の夏季の子供向けの番組とかあるいは夏は子供が家庭におりますから、一般番組についてもできるだけ刺激を避けるようなそういうような編集方針をとっていただいたりしたこともありまして、この委員会にも二、三回私は来ていただいて、委員の皆さんからも御意見を伺ったりして、非常にりっぱな活動をしていただいておったんです。それが途中から何かあぶなくなってしまいまして、いま細々とやっているんですけれども、どうも私たち見ておって、これに対してみんなで力をかして盛り立ててやる必要があるというような気持ちがあるものですから、どうもどこで問題をしぼってぶっつけていいかちょっと判断に迷うんですけれども、私たちも努力をいたします。ですから、大臣もそういう点では座談等の機会もあるでしょうから、国会でこういう意見があったということをひとつ披露していただいて、できるだけみんなでこういう体制をつくるようにやっていただきたいんです。
 それから、――大体五時半までに終わりたいと思いますが、質問を詳略さしていただきますが、教育番組、国際コンクールの費用の問題とか実施の方法、それからN響のアメリカ、カナダに派遣した旅費、その他の問題等についても省略いたします。なお、NHK学園の最近の経営についても少し伺いたかったんですが、これも省略いたします。
 それから、これはひとつ伺っておきますが、OHKに対してNHKがいままでテレビ放送に必要な送信設備等かなり援助をしておると思いますが、四十四年度に無償貸与した額は幾らぐらいになりますか。
 それから、一万四千六百八十五本に及ぶテレビ番組の提供をしたり、職員を派遣したりして協力しているようですが、これらの費用というのは一体どのくらいになっておるのか。
 それから、四十四年以前、四十三年度にもこういうことがおそらくやられていると思いますが、結論として、現在までOHKに対して協会としてはどのくらいの金を出して協力してきているか、これをちょっと教えていただきたい。
○参考人(斎藤清君) お答え申し上げます。
 沖繩放送協会に対する援助につきましては多角的にわたっておりまして、先生御指摘のとおり、番組あるいは人員によります援助、あるいは施設の貸与、各般にわたっております。で、最初に番組関係から申し上げますと、番組関係で四十四年度に実際上、番組を提供いたしましたのが年間一万四千六百八十五本でありますが、これに負担しますコストは一億一千五百万でありまして、具体的にはそのうちOHKに負担してもらいましたのが約二千百万でございます。したがいまして、NHKが実際に負担いたしました金額は九千四百四万三千円になっております。で、四十三年度末、すなわち、四十四年二月からこれを開始いたしておりまして、現在までをずっと通算いたしますと、四十三年、四十四年、四十五年、四十六年、この四年間にわたる経費の総額は三億三百四十一万というふうになっております。これが番組関係の提供にかかわる負担分でございます。
 それから施設関係は、先ほどお話のございましたように、特別の措置を講じまして三億五千万円の施設を現地につくりまして無償貸与いたしているわけでありまするが、これにつきましては、昭和四十三年度に工事をいたしまして四十四年度の三月に現場で完成して引き渡しをしてございます。経費といたしましては三億五千万円でございます。
 それから職員の派遣関係でございますが、職員の派遣につきましては、現地における放送関係、技術関係、営業関係、経営全体にかかわる分、これらを全部くるめまして四十四年度には八人、四十五年度にも同じく八人、四十六年度には四人行っております。で、この金額につきましては、四十四年度の経費は千五百五万円、四十五年度は千九百七万円、四十六年度は現在施行中で、途中でありますが、千三百六十一万でございます。
○鈴木強君 合計だと何ぼになりますか、総トータル。
○参考人(斎藤清君) 職員の派遣にかかわるものが延べ四千七百万円でございますので、三億五千万円の施設貸与と三億三百万円の番組関係と全部を合わせますと七億一千万ということに大体の数字としては相なります。
○鈴木強君 まあかなり、七億以上の援助を協会いままでやってきておるわけですから、沖繩放送協会が設立されて以来たいへんな援助をしていると私は思うのです。それで、これは結局全部向こうに無償で出したわけですから、今回のOHKの継承に対しては一たんこれは向こうに全部やってしまって、そして、向こうの琉球政府が出している資金と合計して、それから赤字が幾らあるか知らぬが、その赤字を相殺して、黒字になるか、あるいは赤字になるかわかりませんけれども、赤字になった場合には、これはNHKが出すと、黒字になった場合には、これは政府にやってしまうと、こういう処理になるわけですね。これはさっき副会長の小野さんがおっしゃったようなことですね。
○参考人(小野吉郎君) ただいま斎藤理事から申し上げましたうち、三億五千万円のそれは無償貸与となっておりますので、財産的には一応OHKの資産の分には計上されていないと思います。
○鈴木強君 三億五千万は……。
○参考人(小野吉郎君) そうです。それと番組関係の経費、あるいは人員派遣に伴うそれも、その年度限りで消えておりますので、残存の資産の中にはないのでございます。結局は復帰のときに決算をいたしました借方、貸方の差額によりまして、あるいは資産が何がしか残るか欠損になるかということでございますけれども、現在のところでは大体とんとんくらいではないだろうか、こういうように思いますけれども、それがあるとすれば、これは琉球政府のOHKに対する出資金、それが残存をしておるとまあ見られますので、そういった政府出資の形はNHKはこれは避けなければなりません。残存のそういうものがあるとするならば、NHKはそれを政府に支払うことによって政府出資の形は避けていこうということでございます。
○鈴木強君 わかりました。それはいずれ来年度復帰後の決算を見なければわからないですけれども、そのときにまたお尋ねします。
 それから、NHKで海外に特派員を派遣し支局を幾つか持っておるんですけれども、大まかにそういうための費用というのはどのくらいかかっておりますでしょうか。
○参考人(斎藤清君) お答え申し上げます。
 現在NHKが海外に四総局、二十支局持っておりまして、おのおの世界の主要な地域に、場所ごとに単数ないし複数の人間を置きまして、総体で四十七名が派遣されております。これは実際の番組の制作、あるいはニュースの取材、その他の必要な業務に携わっておるわけでありますが、これにかけております経費といたしましては、昭和四十四年度の場合、総額五億八千七百万円でございます。
○鈴木強君 会計検査院は、NHKの海外の総局あるいは支局の経費として五億八千万円程度の経費が支出されているのですけれども、こういう海外で支出されている予算の執行についていままで調査したことはあるのですか。そういうのを含めないで異議ありませんということですか。
○説明員(柴崎敏郎君) 現地に参りまして検査をしたという機会はいままでございませんが、書類に基づいてこれらの支局等についての経理についても見ております。それらを含めての決算の確認でございます。
○鈴木強君 これはひとつ検査院長とも相談してくれませんか。私は、外務省関係も大、公使館、領事館が海外にありますから、おそらく何年かに一ぺん、全部は見れないとしても、ある地域を限って実地に検査をしていただいていると思いますね。ですから、そういう際に、NHKの予算執行等についても、まあ、ついでというと悪いけれども、やっぱり見せていただくような機会をつくって実施検査ということもやるようにしていただきたいと思うのです。これはいま局長すぐようございますというわけにいかないでしょうから、これは懸案問題として、費用もかかることだしたいへんでしょうから、何かうまい方法を考えて書面と実地と少なくもできるような方法をとってもらいたいと思うのですが、どうですか。
○説明員(柴崎敏郎君) 先生のおっしゃいましたような線で検討さしていただきたいと思います。
○鈴木強君 それから、最後になりますが、予算総則の適用によって幾つかの支出をされているものがございますが、特に四十四年度は、資料を見ると五つございますね。その中で、全部を聞いていると時間がありませんから、三の予算総則第六条の規定による予備費の使用ですね。これの説明を見ると、台風、集中豪雨による被害復旧経費等が三億七千四百二十八万九千円、こうあるのですが、このほかに、このとしは経営委員の方がたしか更迭をされていると思うのですね。そういう費用とか、何かまだほかにあると思うのですけれども、これだけじゃないでしょう、等というのは何ですか。
○参考人(斎藤清君) お答え申し上げます。
 昭和四十四年度におきます予算総則第六条に基づく予備費の振り当ての内容でございますが、ただいま第一番目に御指摘の台風、集中豪雨等による被害施設の復旧及び地震対策関係がございます。これは六千三百九十八万九千円を振り当て使用いたしました。
 次に、衆議院議員の総選挙が行なわれましたので、これにつきまして開票即報並びに世論調査等を実施いたしまして、これらに要する経費として一億七百万円を使用いたしました。
 第三番目といたしましては、郵政委託事務運営経費につきまして、公務員給与改定に伴います単価の改定が行なわれまして、これらにつきましての経費の振り当て使用したものが一億二千四百万円でございます。
 その次に、当該年度におきまして厚生年金保険法の改正が行なわれまして、その部分につきまして事業主負担分の増加が必要になりましたので、これに使いました金が五千八百万でございます。
 最後に、経営委員会委員の退任に伴う慰労金につきましては二千百三十万円を振り当ててございます。
 以上合計いたしまして総体で三億七千四百二十八万九千円でございます。
○鈴木強君 私たちは、この決算をするときでもそうですけれども、予算をする場合でも協会のほうからもらう資料ではさっぱり内容がわからないのです。むだな質疑をしなければわからないというようなむだをつくっているように私は思うのですね。ですから私は、最初に申し上げているように、協会というのに自主性を与えて、協会にやってもらうというたてまえを堅持していきたいと思うのですけれども、ただ、われわれが予算を審議する便益的な方法として提案をしているので、できたらひとつこの次からそうしてほしいと思うのですけれども。款項それから目節ですね、予算上は款項になっている、これはこれでいいんです。ですから放送法上の、あるいは施行例上の規定に基づく予算の組み立てはそのままでいいですから、ただ便宜的にわれわれが審議するときに目ないしは、節までとはいいませんけれども、目ぐらいまではどういうものかということを知りたいわけです。そうすると非常に審議がよくわかるわけです。たとえば項が一、二、三、四、五、六、七、八、九、予備費を入れると十ですね。これをこまかに言うと給与、国内放送費、国際放送費、業務費、管理費、調査研究費、減価償却費、関連経費、資本支出へ繰り入れ、予備費と、こうなっております。資本支出へ繰り入れとか、予備費というのはわかりますが、あとの八つについては、もう少し目的なものについて項目別にこういう支出である、当初予算はこうで、予算総則上、これだけの増減をやった。増減額がこれだけあって、そして決算が幾らで予算残額は幾ら、こういうふうな資料をいただくと非常に審議がやりいいんですね。おそらく、会計検査院に聞けば私はよくわかると思うのですが、検査院だっておそらく款項だけでどんぶり勘定みたいになっているんですからなかなかわかりにくい、調べる場合に。ですから私は何か、目、節までとはいいませんけれども、目ぐらいまではひとつぜひ決算のときにはいま申し上げたような当初予算と、予算総則上の増減額と、それから決算額と予算残額、こういうふうなものを出していただくと非常にいいと思うのですけれども。こういう点を痛感するわけです。これはひとつ何とか、ことしは間に合わないですけれども、次の予算、決算からはそういうふうなものを出していただければ――われわれもわからぬからやっぱり聞かなければなりませんし、むだな時間というと語弊がありますが、時間をかけ過ぎてしまうような気がしますから、できるだけわれわれも協会を信頼しておまかせするわけですから、わかりさえすればそれで質問も何もないわけですからそういうふうにひとつしていただきたいわけです。これは会長、副会長、御相談なさってそうやっていただけませんか。
○参考人(前田義徳君) 私どもも承って全く同感でして、資料を整備いたしまして決算時にも御期待に沿い得る資料を出したいと思います。予算については、いま説明を聞きますと、一応そういう方向で資料がつくられているということでございます。
○鈴木強君 それじゃぜひ次からお願いしたいと思います。
 それから小野副会長、毎年私はあなたに申し上げて、会計検査院のほうからも去年ちょっと意見を私的に伺ったのですけれども、給与費と管理費というやつの使い分けですけれども、政府関係機関なんかをちょっと調べてみますと、給与費それから役員給与、それから諸手当というふうに項目が分かれておりまして、きわめてすっきりするのですけれども、協会の場合は、管理費の中に役職員の給与が入っているというようなことで、これは民間の財務会計の立て方もそうだということですから、私もできるだけ協会の自主性を尊重するという意味でこれでもいいと思うけれども、しかし実際には給与ですね、これはやっぱり。ですから、会長以下役職員の皆さんの給与その他も、役職員給与なら給与として掲げてもいいでしょうし、給与の中に総額としてぶち込んでいるんですけれども、そういう立て方をしてもらったほうがよりわかりやすいということを毎年繰り返して言ってきた。去年、会計検査院のほうも局長が、私的な考え方だけれども検討する価値があるというような趣旨のことを言われているんですが、何とかそういうふうな方法で予算の立て方はできないものでしょうか、どうでしょう。
○参考人(小野吉郎君) この問題については前から何度か御質問を受けておりますけれども、私どもいろいろ検討いたしました結果、やはりいろんな事情がございますし、一般の職員給与の中には入れないほうがいい、こういうようなことで別立てにいたしておるわけでございます。
○鈴木強君 だから、なお私はそれでもなかなか納得できないからことしも聞いておるわけです。検討する価値は私はあると思うんですよ。ですから、もう一回――あと政府の雇用促進事業団だとか、何とかそういうのがございますね。そういうのの予算調べたら……。政府機関のやつはさっき私ちょっと調べてみたんですが、そういうふうに明確に分けておりますから、一見予算を見たときにぱっとわかるわけです。ですから、さっき会長がおっしゃったように、四十七年度総額の三二%を給与費が占めるようになったというふうにおっしゃいましたが、そういう中には、おそらく管理費の中に役職員の方々のものも入れてのことだと私は思います。ですから、一目でぱっとわかるような方法がいいんで、なおひとつ検討してもらいたいと思うのです。
 会計検査院の局長どうですか、その後。あなたはかわられたんですが、前の局長から引き継ぎがあったと思うんだけれども、その点どうですか。
○説明員(柴崎敏郎君) 私どものほうといたしましては、検査上その内訳等につきましてははっきりと調査することができますので、検査上の支障はございませんけれども、一般的に企業会計原則などによりましても役員給与については別掲にする、こういうのが普通でございますので、そのようなふうにしていただくほろがよろしいのではなかろうか、これはあくまで私見でございますけれども、そのように考えております。
○鈴木強君 これは副会長、もう一回検討する余地がありませんか。
○参考人(小野吉郎君) なお検討いたすことにいたします。
○鈴木強君 もう一点、予算総則の弾力条項によって、増収のあった場合、それぞれ増額をして使っていただく、これもけっこうですけれども、ただ、われわれがいつもここで申し上げているように、増収があった場合には、できるだけ職員の待遇にも回してくれ、同時に、借金を持っているわけですから、長期、短期の負債をできるだけ早く解消していくというような趣旨から、その借金に当てていただきたいということを申し上げておりまして、たしか、私資料がここにありませんけれども、私の記憶では、ここ四、五年の間ずっと弾力条項が発動した場合には必ず返済資金に当てていただいていると思うのですが、ことしの場合には一銭も出していない。これは一体どうしたことかと思うのです。まあ、全体の予算額が少ないですから、そこまで回らなかったということだと思うのですけれども、まあしかし、何とかくふうして、たとえ少しでも返却するような方法をとれなかったものでございましょうか。その間の経過だけは聞いておきたいと思います。
○参考人(小野吉郎君) 在来この関係の増収の使い方につきましては、いろいろと毎年附帯決議をつけられたような事情もございます。また、郵政大臣の意見書にもその辺に触れての要望もございました。大体そういった大臣意見書あるいは当院での附帯決議の趣旨に沿いまして、そういった増収分は使っておるわけでございますけれども、四十四年度におきましては、何しろ全体の増収の額が少のうございますし、そういったような関係からいたしまして、借金返済のほうに回し得なかった、こういう事情でございますけれども、これは御趣旨のとおり、増収になりますのには増収になっただけの理由がございます。と申しますのは、これは受信料収入一本でございますから、あるいは予定よりも件数が伸びたということで、それに要する当然の経費が必要でございます。これをまっ先に当てますことは、総則にも規定があるとおりでございますから、これはどうしたって優先的につけなければなりません。なお、残余があれば、職員の待遇改善の点についても、附帯決議の御趣旨もございますし、そういう点も非常に尊重しながら使っておりますし、なお、協会財政の健全化をはかります上に借り入れ金の負担を弁済しておくと、こういうことも非常に重要でございますので、そういう基本精神におきましては、私どもその精神に沿うつもりでおりまして、これに背馳するような気持ちはちっとも持っておりませんけれども、四十四年、当該年度におきましては、増収額、その総体をにらみまして、いろいろそれらの諸要素、諸要求を勘案をいたしますと、残念ながら借り入れ金の返済には回し得なかったと、こういう事情でございます。将来ともその点につきましては、当然増収に至りますために、所要な業務を遂行するために必要である経費に充てますほか、あるいは職員の待遇改善、借り入れ金の返済、こういった面には大いに留意して、運用してまいりたいと思います。
○委員長(杉山善太郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山善太郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もなければ、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山善太郎君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 日本放送協会昭和四十四年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書につきましては、これを是認すべきものと議決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(杉山善太郎君) 全会一致と認めます。
 よって、本件は全会一致をもって是認すべきものと決定をいたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山善太郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれで散会いたします。
   午後五時三十八分散会