第068回国会 逓信委員会 第7号
昭和四十七年三月二十八日(火曜日)
   午前十時二十四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         杉山善太郎君
    理 事
                植竹 春彦君
                長田 裕二君
                古池 信三君
                森  勝治君
    委 員
                郡  祐一君
                迫水 久常君
                白井  勇君
                新谷寅三郎君
                西村 尚治君
                松平 勇雄君
                鈴木  強君
                松本 賢一君
                木島 則夫君
                青島 幸男君
                松岡 克由君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  廣瀬 正雄君
   政府委員
       郵政政務次官   松山千恵子君
       郵政大臣官房長  森田 行正君
       郵政省電波監理
       局長       藤木  栄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       厚生省社会局保
       護課長      藤森 昭一君
   参考人
       日本放送協会会
       長        前田 義徳君
       日本放送協会副
       会長       小野 吉郎君
       日本放送協会専
       務理事      竹中 重敏君
       日本放送協会専
       務理事      佐野 弘吉君
       日本放送協会専
       務理事      松浦 隼雄君
       日本放送協会専
       務理事      藤根井和夫君
       日本放送協会専
       務理事      野村 忠夫君
       日本放送協会理
       事        吉田 行範君
       日本放送協会理
       事        坂本 朝一君
       日本放送協会理
       事        斎藤  清君
       日本放送協会経
       理局長      堀場 仁徳君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認
 を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
○委員長(杉山善太郎君) それでは、ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 この際、参考人の出席要求に関する件について、おはかりをいたします。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、明後三十日午前十時に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山善太郎君) 御異議ないと認めます。
 なお、人選につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山善太郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(杉山善太郎君) それでは、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 前回に引き続き、これより質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。白井君。
○白井勇君 あらかじめお断わりいたしておきますが、私はすわったままやらしていただきますから、どうぞお答えもおすわりになったままひとつ御自由にお願い申し上げたいと思います。
 郵政事務当局にまず伺いたいと思うのでありますが、いまの中波ラジオでNHKのカバレージは九九%とかあるいは一〇〇%とかいうふうにいわれておりまするけれども、そのカバレージの中におきまして、混信によってラジオが聴取できないという地帯がまだあるように、私、思っておるのでございます。そういう地帯はどういう地帯が残っており、これの解消というものはいつごろ解消できるものか、その点をまず伺います。
○政府委員(藤木栄君) お答え申し上げます。
 現在、NHKの中波放送のカバレージというものは、昼間はほとんど一〇〇%であると存じておるわけでありますが、夜間、おっしゃいますように、混信のために聞こえなくなるというところが出てまいりまして、約八〇%程度にカバレージが低下しておると思っております。その混信のあるところというのは、主として日本海沿岸及び九州というところでございまして、こういうようなところでは放送局の近くでは聞こえるわけでございますが、少し離れますとなかなか聞きにくいというわけでございます。この原因は、御存じのように、外国からの電波による混信がおもでございまして、これは最終的にはいわゆる国際会議を開きまして、お互いに混信のないような割り当てを行なえば一番よろしいわけでございますけれども、御存じのような事情で、いまのところまだこの国際的な会議を開くというところまでいっておりません。したがいまして、私どもとしましては、混信と申しますのは、要するに、電波と電波の強さの比というものが強いか弱いかによってその混信が強いか弱いかということになりますので、私どものほうの、日本におきます中波の電力が強ければ、それだけ混信があっても聞こえなくなる地域が少なくなるということでございますので、先般、昨年でございますけれども、中波のチャンネルプランを修正いたしまして増力を行なったわけでございます。ただ、増力といってもむやみやたらに行なうわけにいきませんので、いろいろな国際情勢、それから国内におきまする問題、双方勘案いたしまして、ある程度の増力を行なっております。これでNHKにおきましては、第一につきましては札幌、大阪、東京、福岡という四つが三百キロに増力する。それから第二につきましては五百キロまで増力するということによりまして、相当な将来夜間におきまする放送の聴取が可能になるように措置をしたというわけでございます。NHKにおかれては、そのチャンネルプランに従って現在置局を進めておるという状態でございます。
 なお、中波以外に音声放送といたしましてはFMというのがございますが、これは外国からの電波というものはほとんど到達いたしませんので、混信なしの放送を聞くことができるというわけでございまして、NHKは現在約九四%程度までFMの置局を進めておるというようなことでございますので、中波のかわりに――まあそのままかわりになるとは申しませんけれども、音声放送としての役割りはそれによってもある程度達せられると、そういうように私どもは考えておるわけでございます。
○白井勇君 たいへん御親切なお答えで、私は結論だけをお聞きすればいいんです。どこにそういう地帯があって、それはいつになれば、そういう混信というのがなくなるかということを承ればいいんです。私の体験は去年の夏なんですけれども、島根県の石見の海岸地域、これは何も僻地とか離島とか何とかいうことじゃないんです。都市なんですね。そこでいまのお話のように、お昼は聞こえないというようなことじゃないんですね。朝五時からラジオは入らない、入ったってガーガーでどうにもならない、それはずっと一日そうなんです。私は一週間ぐらいそこにおったんですが、その町は大体そういうことらしいです。だから、そういうことがあるんですから、あの地帯というものは一体いつ解消するのか。あるいは九州は今度熊本にできまして解消するか知れませんが、解消できるのかできないのか、する気がないのか、あるいはいつになったら解消していくか、そういうはっきりしたことを承ればいいんです。くどくどしく御説明要らないんです。
○政府委員(藤木栄君) 具体的な置局につきましては、いまの島根県の点につきましてはちょっと私詳しいこと存じませんけれども、いずれにしましても、先ほど申しましたようなことで、混信がなくなるような措置は講じたわけでございます。
 それからもう一つ、先ほどちょっと申し上げました国際会議の件が一つあるわけでございまして、これは実は再来年一九七四年にこの国際会議を行なう予定でございまして、これがうまく行なうことができれば、その場合――そしていわゆる中華人民共和国あるいは北朝鮮といったところまで含めましてその国際会議を行なうことができまして、いわゆる世界的なチャンネルプランというものができますれば、おそらくそのときは混信がないような放送ができると思っておりますが、いずれにしましても、いまの国際情勢というものに左右されるわけでございますので、私ども的確にいつから混信がなくなるということを現在申し上げるわけにいかないと思いますけれども、少なくとも、NHKの第一、第二というもの、あるいはFMというものは十分に聞こえるように措置を進めておるわけでございますし、また、そのように思います。
○白井勇君 そうしますと、七四年に国際会議できまらなければ、それまではああいう地帯というものはずっと残っていくということなんですか。
○政府委員(藤木栄君) 個々の具体的な地帯で、実際に昼も夜も聞こえないというところがあるとすれば、暫定的にはいわゆる中継局を設置してもらって聞こえるようにすると、そういうことになると思います。
○白井勇君 私は、放送業務をやっている限りにおきましてまず考えなきゃならないことは、最小限度、せめてNHKのニュースぐらいはNHKのカバレージの範囲内であるならば、これは完全に聞こえるというような姿にすることがまず第一条件だと思うんです。
 どうも私郵政御当局にそういうことを申し上げてはなはだ恐縮なんだけれども、見ておりますと、それはU局がたくさんつきましたり、いろいろ何といいますか、持っていらっしゃる権益を与えて業者を喜ばせるようなことは非常に御熱心でありますけれども、国民のためにやっぱり考えるという点が何といいますか、もうちょっと積極的に意欲を燃やしてもらってもいいんじゃないかというような感じを私持つのです。これはやっぱり具体的に何とか解消するように、せめてNHKのニュースが聞こえるようにしていただきたい、これは熱望を申し上げておきます。
○政府委員(藤木栄君) 私どもとしましても、従来熱心にやってきたつもりでございますけれども、いま御指摘がございました点につきましてさらにNHKともよく協議をいたしまして十分聞こえるようにさらに努力をいたしたいと思います。
○白井勇君 幼稚園みたいな話でまことに恐縮なんですけれども、法律の第七条に、「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする。」というふうに放送協会の目的をうたわれておるわけでありまするけれども、この「あまねく」ということばはどういう意味かなというふうに思うんですがね。字引きをひいてみますと、「あまねく」ということばは広く行き渡るとかあるいは残りなく、残りないんだから残っているものがない、したがって、すべてであるというような考え方ね、それから広く行き渡っているという場合におきましては残っているものはあるということですね。二つの意味があると思うんですよ。この場合の「あまねく」ということばは郵政御当局はこれはどっちのほうに解していらっしゃいますか。
○政府委員(藤木栄君) 私どもといたしましては、この放送法第七条の「あまねく」ということばは、いまおっしゃいました残るところがなくと、そういうふうに解釈しております。
○白井勇君 そうしますと、この法律どおりやらなきゃならぬとなりますと、このごろ世帯二千六百何がしにふえたわけですね、二千六百何がしの全世帯残りなく全部これは聴取できるようにしなきゃならないと、こういう義務がNHKに課せられておるわけですね。
○政府委員(藤木栄君) おっしゃいますように、残るところがなくという意味は、結局山村僻地でありましてもNHKの放送が聴取可能になるように放送しなければならない、そういうふうに私ども解釈しておるわけでございます。
○白井勇君 今度四十七年度の予算につきまして郵政大臣から意見書が出まして、この意見書につきましてはいろいろ就任以来論議を尽くされておるようでありますが、これは私あらためてこの際は触れることを御遠慮申し上げたいと思うんですが、難視聴対策というものを積極的にやれというようなことが意見書にいつもついたと思うんですけれども、ことしは特にこれがないわけですな。その意味はこれは事務御当局ではどういう御判断ですか。
○政府委員(藤木栄君) 私ども確かにおっしゃいますように、難視聴地域の早期解消ということにつきまして要望していたわけでございますが、その気持ちは全然変わらないわけでございます。私どもとしては、特に触れているわけではございませんけれども、NHKの予算の説明にもございましたように、NHKとしても特に今回はこの難視聴の解消というのは重点的に考えておられるのでありまして、先ほど、放送法の七条の趣旨からいっても積極的に推進するというのはNHKとしても当然の責務であると考えているわけでございます。現在御存じのように、この四十七年度におきましては中継局が二百二十地区、それから共同受信施設千十施設を設置する、そういうことになっているわけでございまして、私どもとしましても放送法の七条の趣旨を生かすためにいろいろな中継局あるいは共同施設、こういったいろいろな方法で難視聴の解消をはかるということは一番大事なことであるというふうに考えているわけでございます。
○白井勇君 それじゃNHKさんに伺いますがね。その前にちょっと私のおそらく読み違えで、NHKさんから出ている、しかも、郵政省目を通しているわけですから間違いないだろうと思うんです。私見落としじゃないかと思うんですが、四十六年度末のテレビジョンのカバレージは一二ページが九六%になっており、二六ページには九七・六%になっておる。それから四十七年度末の有料契約者が白黒で八百二十七万六千というのが二四、五ページですね。それから今度は二ページには八百十三万という数字がありますね。これは私の見落としじゃないかと思うのですが、どちらがどうなのか、これはあとでもお調べ願いたいと思います。
 NHKの四十七年度の事業の重点というものは、いただきました資料等によりますると、四つばかりあると私は思っております。
 一つは、テレビ・ラジオ両放送というものの全国普及の早期達成ということが二つうたわれておる。
 それから二番目には、すぐれた放送の実施、これは裏を返して見ますれば、放送系統の性格を一そう明確にして、番組内容の向上刷新をはかることが二つである。
 三番目には、営業関係であって、国民に協会の事業というものの理解を求めて、受信契約の増加をはかる、まあ違ったことばでは、社会情勢の変化に即応した営業活動の推進をはかっていく、こういうのが三つ。
 それから、もう一つは、沖繩の地域におきます放送の拡充をはかる。
 この四つがあるようでありまするが、私は、きょう特にお尋ねを申し上げたいと思いますることは、第一番目の目標に掲げておりまするテレビ・ラジオ両放送の全国普及の早期達成、このことについてなんであります。
 現在、NHKさんにおきましては、一体難視聴地域というものの現状をどういうふうに把握していらっしゃるか。難視聴地域というのは、郵政省じゃああいうふうにおっしゃるわけですが、きょうはビル陰の難視聴というものを除きまして、そうでない場合の郵政省的考えに立ちまする難聴地域、これをどういうふうに全国的に把握していらして、どういうふうに解消していこう、こういうふうに考えていらっしゃるか。その概要をひとつお話しをいただきたい。
○参考人(松浦隼雄君) 都市難視を除きまして、いわゆるわれわれは全国放送番組の難視聴地域ということで申し上げます。
 全体といたしまして、現在四十六年度末で、難視聴世帯の数を六十二万世帯というふうに把握しております。これは全国難視でございます。それから、県別放送の番組についての難視聴世帯数、これは非常に複雑でございますけれども、概数十八万強というふうに把握しております。これに対する解消策といたしましては、先ほど電監局長からもお話がありましたように、四十七年度においては、既定のやり方、つまり、微小局の置局二百二十局、それから辺地の共同受信施設の建設千施設ということで、十四万六千以上の解消をはかるほか、新たに微小電力、従来よりももっと小さな電力で小地域をカバーしていくという方法、あるいは電波の番組を届ける届け方についての、もっと現在のVHF、UHFよりも高いSHFを利用して届けるという方法、あるいは現在のテレビジョンでいいますと、受信アンテナというものが比較的簡単な、あるいは弱い電波を強くするということに視点を置いておりますけれども、妨害電波を受けつけないというような受信アンテナを比較的低廉な価格で開発する。現在確定いたしておりまするのは、現在新しい方法として三つございますが、そのほかわれわれの技術的な総力をあげまして、こういう難視聴に対して、比較的ローコストで、ローコストでと申しますのは、結局は視聴者の負担を軽くするということが目的でございますが、そういうことで新しい方式も開発したいと考えております。五年間を見通しますと、もう確定いたしました方式、置局におきましては七百四十局以上、共同受信施設については四千六百施設以上を建設することによって、確実な数として四十六万世帯以上の改善をはかりたい、こういうふうに考えております。
○白井勇君 私、まず初めに伺いたいと思いますことは、いま全国で六十二万世帯ですか、地方区のものが十八万世帯というものを解消いたしますと、先ほど郵政御当局が考えておりまする残りなくやる、いまの二千六百世帯というものは全部カバレージの中に入ってしまう。だから難視聴世帯というものは、この六十二万と十八万を解消いたしますればなくなる、こういうふうに解せるのですか。
○参考人(松浦隼雄君) 先ほど私四十六万世帯と申しまして、現在でも難視が六十二万といいますと、その差はいまの考えている手段では解消できないということになります。この実態は十世帯あるいは二十世帯以下の固まりというところでございまして、一世帯当たりで現在できております手段で救済いたしますと、二十万円以上かかるという地域でございまして、これについて先ほど私が申し上げましたあらゆる技術的手段を開発いたしまして、解消をはかるという考えではやっておりますけれども、先ほど申し上げました七百四十局とか、四千六百施設の中ではこれはいまのところうまい方法がございません。
○白井勇君 そうしますと、今度の第四次長期構想に基づいて五十一年の終わりには、その四十六万は全部解消できると、こういうことなんですね。
○参考人(松浦隼雄君) そうでございます。
○白井勇君 私、山形なんですけれども、どうも私現場で調べてみますと、いまのNHKの方針に基づいて難視聴地帯を解消しなければならない個所数、これは二百残っているということですね。それだのに、四十六年度いわゆる共同受信施設という要するに難視聴地帯対策によって解消できる地帯というものは、そのうちの十六、七しか割り当てがないということです。そういたしますと十年以上これはかかるんですね。そういう実態からみますと、いまの松浦さんのお答えと、私はあまりにもけたが違うんじゃないかというような感じがいたしまして、どうもNHKさんの難視聴地帯の一体把握というものをどういうふうにやっていらっしゃるのか、わからなくなっちゃったんです。
○参考人(松浦隼雄君) 従来NHK山形の局その他で先生お問い合わせになって、そういうふうにお考えになるのもごもっともだと思います。それでわれわれが特に本年度従来のやっておりました中で、特に本年度難視聴の積極的解消ということを強調いたしまして重点事項にいたしましたゆえんのものは、いま先生御指摘のような実態があるということを、われわれの側でもさらに積極的に把握して対策を立てていこう。しかし、従来の置局、共聴という従来の線のままでは非常に経費のみならず、いろいろな意味で人手その他の手間を要する。そういうものをもっと簡素化していく手段の開発とあわせて、実態の把握をもっと深めていこうということが大きなねらいでございます。
 それで、いままでやっておりましたのは、全国を大体部落単位あるいは平均いたしますと、七十四世帯単位でございますが、そこの地域を全国を分けまして、そこの中における受信状況を、まあ年に何回かとりまして、それを集計いたしまして各地域の難視の状況を把握しておりましたんでございますけれども、それをさらに深めて、現在すでにやっておりますけれども、行政地域の字とか、その一つの小さい最低行政単位、これはわれわれがいままでやっておりました分け方と必ずしも合わない場合があるわけですが、そのほうが聴視者の方々との関係ではベターであるということで、そういう再編成もいたしまして現在やっておりますけれども、さらに続けていきますけれども、より的確に把握ということを考えております。で、その二百地点あるというそのことにつきましてはいろいろ分け方が、たとえば、共聴であります場合は、非常に具体的に、一軒一軒見て電波を利用いたします場合は、その利用できる波との関係がございますけれども、より大きな地域をカバーするということで、必ずしもここが難視だという地点の数え方についてはいろんな数え方がございますので、いろいろの、ここであれが分かれてくるわけでございますが、いずれにしろ、従来の方式以上にこまかい方法をとろうということで、来年度を起点として積極的に取り組もう、こういう考え方でございます。
○白井勇君 そうしますと従来NHKさんとしましては、私たち考えますれば、大体こういう基準でいった場合において、どのくらい難視聴地帯があるかということが、当然一つの本部の方針に基づいた計画でどう出てくるかというものを押えてあるんだと、私はこう想像しておったんですが、そして現場に行って、その本部の計画に基づいて難視聴地帯はいま何ぼあるんだと。その十とか五とか散在しておりますようなものはおそらく対象にならないでしょう。その基準に基づいていま申し上げたような話を私は聞いたわけですが、そうしますと、いまお話によりますと、それもまだはっきりしていないんで、これからだんだん固めていって、そしてまあ全国的に把握すると、こういう段取りになっておるんですか。
○参考人(松浦隼雄君) 私のことばが足りませんで、現在把握してないということではございません。より聴視者の側に立って把握のやり方を再編成しようということでございます。
○白井勇君 そうしますと、山形の、少なくも出先のほうは本部に対して非常に積極的に難視聴地帯については計画を持っていらっしゃると、こう解していくしかないんじゃないかと私は思うんですが。これはやっぱり私はNHKさんにされましては、やっぱり一つの基準があるものだと私は従来考えておりましたし、そういうやっぱり計画に基づいてこれはこうなるんだというようなことを、はっきりお示しをいただきませんというと、先ほどお話がありますとおりに、四十八万世帯というものは、これは五十一年に解消できる。あとはどうなるんだということにもなるわけですが、これはまたひとつゆっくりお話をお聞かせ願いたいと思います。山形におきましては、しょうがないものですから、県庁が助成措置を講じまして、共同受信施設につきましては一軒当たりに、ささやかな金ではありまするが、千円の補助を県費で出している。こういうことは一体あれなんですかな、奨励をすべきことなんですか。郵政御当局どうなんですか。
○政府委員(藤木栄君) 現在、このいわゆる共聴施設というものは各地で行なわれておりますけれども、その場合NHKのみならず、民放も一緒に聞きたいという要望が強くて、おそらく現在ある共聴施設でNHKだけを聞いているというところは少ないだろうと思います。そういう点におきまして、NHKがもちろん従来の方針で、幹線部分は設置されるということにしましても、民放のために、受信アンテナといったもの、増幅といったものは地元で負担しなければならないということになるわけでございますから、県あたりが積極的にそういうふうな補助をしていただくということは好ましいことだろうかと思います。
○白井勇君 四十七年度の難視聴対策について早期達成ということばを使っていらっしゃるわけですけれども、先ほど来お話しのありますとおりに、その早期達成ということは、少なくも、五十一年までは、先ほどの四十八万世帯ですか、これを解消するのだ、こういうことですね。
○参考人(松浦隼雄君) 先ほど申し上げました数字は、これから三年間で大部分を達成しようという意味で早期ということばが入っております。五十一年まで申しますれば、残りの二年の間に、先生御指摘の、さらにこまかい部分までやっていこうという気持ちでございます。
○白井勇君 それから、いただきました二二ページを見ますと、これは前にもちょっと伺ったことがあると思いまするが、調査研究費。私、これからお話ししますことは、沖繩を除いてお話を申し上げますが、そのおつもりでお聞きを願いたいと思います。調査研究費というものがあまりふえておりません。ほかのものが少なくとも一〇%以上ずつふえているわけですが、しかも、これをずっとみますと四十三年ごろからほとんど横ばいなんですね。これはどういうことになるのかなあと思っておるんです。私はこの点を非常に最近意外に感じておることがあるのですが、もともと私はNHKさんの技術水準、施設というものは世界一ぐらいのものであるのではないかと自慢をしておったのですが、ところが、最近NHKでお育てになって、いまでも放送界においては相当の力を持っていらっしゃる方の話によりますと、それはとんでもないことであって、機械器具にしたって、現場においてはアメリカもののほうがずっと精巧なものだ。むしろ、技術なりそういうものは進んでおるアメリカあたりからとって、そうしてやったほうがはるかに能率的なんだ。もっとはっきり言いますと、いまのNHKの実験とかなんとかいうものは、これはあってもなくても同じようなものでしょう、むしろあんなもの廃止しちゃって、いま申し上げたように、技術は全部向こうにおんぶしたほうがいいんですよと、こういうような話を私は聞かされたのですが、非常に私は心外でしたが、そこで、もう一ぺんいま申し上げたように、おたくの技術研究費というものを見てみますと、ほとんどこれは横ばいなんです。これではたしていいものであるかどうか、やっぱりこれは技術関係というものは電電ほどでないにいたしましても、相当私はやっぱり開発が大事だと思いますね。そういう事業だと私は思っております。御承知のとおり、電電なんかにおきましては、少なくも、収入の二割以上というものは技術関係に投入するという方針をきめているわけですね。ですから、四十六年度には二二・九%、四十七年度には二三・八%の、収入のそれだけのものを技術関係に投入しておる。それなのに、おたくはこういうことにさっぱり、姿から見ますと力が入っていないように思うのですが、これはどう解すればいいんですか、これは会長からひとつ。
○参考人(前田義徳君) 巷間いろいろな御批評もあるかと思いますが、結論的に申し上げれば、NHKの技術研究所は世界でただ一つの組織だと思っております。現実に放送事業者がそういったものを持っているところはほとんどどこにもないということを申し上げたいと思います。
 研究費が横ばいであるという点については、主として放送衛星の関係でございます。放送衛星は、私の記憶ですから多少数字を間違えるかもしれませんが、一番多い時期には二億をこえていたと思います。四十七年度御審議願う予算の中で、放送衛星の研究費は一ぺんに八千万に落ちております。そういうような点からいいますと、グローバルの数字ではあるいは横ばいだという印象をお持ちになるかもしれませんが、必ずしもそうではない。
 それからまた、戦後の経過をたどってみますと、戦後のNHKの技術研究所が果たした役割りは、その後各産業の復興によってある程度NHKだけが行なわなくてもいい部分が出てきたわけです。いろいろな業者の研究所が非常に内容が充実してまいりました。それでは、一体業績をどういうふうに判断するかという問題があるかと思いますが、現在NHKが持っている特許権ないし実用新案権その他を含めますと、これも私の記憶の数字でございますから後ほど訂正させていただくとして、約七百数十件になっているわけでございます。一番大きな例は、四年前の大統領選挙のときに、これはRCAを母体とするNBCが特に新しい軽便なカラーカメラの開発をNHKの技術研究所に委託しておる。これが開発されて、前回の大統領選挙はこのカメラによって、放送側から見れば、実施されているということでありますし、また、オリンピック用のいろいろな機器についても世界にないものをつくり出しているわけでございます。したがいまして、私としては、この部分に関する限り、やはりおほめいただいたように世界的な最高のレベルにあると考えております。
 ただ、いま申し上げたように、数字の上では放送衛星の開発について三分の一の予算しか組まなくてもよくなったという点と、その後産業の復興によって各メーカーが独自の研究所を持ち、それとの関連で研究の内容が変わりつつあるという点はありますが、私どもとしては、単なる技術研究所――御記憶と思いますが、基礎研究所までつくってあるわけでありまして、これも新しい組織でございます。昨年からは事実上総合開発の研究委員会をつくりました。これが今後どのような成果をあげていくかは、まだできたばかりでございますので、私としての見通しを申し上げる段階にございませんが、私どもとしては、技術研究所、放送文化研究所その他の研究を活発化することによって、やはり単にNHKの事業のみならず、業界全般に内外にわたって寄与していく使命がある、こう考えておりますので、御理解いただきたい。私どもは決してないがしろにしておらない。ただ、いま申し上げたように、結論的に言えば、環境が変わってきている。したがって、研究の内容が縮小された部分もある。これに対して新しい研究をどこに求めるかという基礎的方針の探索に当たっている。
 同時に、電電公社などは、御指摘になりましたが、収支予算一兆円をこえる組織でございます。われわれは、御承知のように、その十分の一以下の組織でございますので、聴視料を土台として行なっているという観点からすれば、私としてはやはり事業計画、予算の中では重要な部分を占めている、このように考えております。
○白井勇君 これは国内各産業におきましても研究所が整備し、そういうところの技術を使ったほうがいい、これはあり得ると思うのです。それにしたって、NHK自体においても開発しなければならぬものがやっぱりたくさんあると思う。いま放送衛星のお話がありましたけれども、これは年率の伸び率を見ますと、四十三年から四十四年には確かに五%伸びております。それから四十四年は、いまの放送衛星の関係もあり、九十三億円に下がちゃった。それから四十五年と六年を見ますと、今度はわずか一%しか伸びていない。ことしになりますと八百八十二万円ぐらいしかふえていないのですね。こういう姿というものは、まあ会長さんのお考えもありますけれども、やっぱりこれはどうかなという感じがするのです。そうして、なるほど仕事は同じことでしょうけれども、はなやかなようなところにパッと金はいきますけれども、こういう基礎的なものには、電電どおりにはいかなくても、大体収入の幾ら投資をしますというような処方箋をやはり固めておきませんと、どうしてもはなやかなほうにやっぱりいってしまうのじゃないかというような感じがするのです。そこらは十分御配慮中だと思いますが、今後ともよろしくお願いいたしたいと思います。
○委員長(杉山善太郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(杉山善太郎君) 速記を起こして。
 それでは、前田会長のいまの白井君の質問に対する答弁をお聞きしたいと思います。
○参考人(前田義徳君) 全く私も基本的に同感でございます。これをないがしろにしたり価値を低く評価することは、NHK自体にとっても、また日本の聴視者にとっても、産業界その他内外に影響するところが大きゅうございますので、われわれとしてはまず第一に、そういう考え方を持っておりませんし、今後ますますこれを充実さしてまいりたいと、このように考えております。
○委員長(杉山善太郎君) 都合により暫時休憩をいたします。
   午前十一時八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十六分開会
○委員長(杉山善太郎君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 白井君の質疑を続けます。白井君。
○白井勇君 二二ページの点につきまして、もうちょっとお尋ねをしたいと思うのでありますが、一般管理経費というものが前年度から見ますと、一割余り切っておりますね。人員もふえて事業もどんどんこれは拡大をしていくでありましょうが、放送それ自体の事業費というものはここに入っていないわけでありましょうけれども、一般管理費というものが、人がふえていき、いろんなことも増大していく経費の中で一割余りも切れるということは、ちょっと私たちは常識的に考えますと、想像つかないんですが、これはどういうことなんですか。
○参考人(斎藤清君) 先生御指摘のとおりでございまして、一般管理費につきまして、経費を切るというようなことにつきましては、内容的にはかなり困難な点が多うございます。すなわち、御指摘のように、いろいろ業務量全体がふえておりますので、それに対応いたしますような経費、あるいは職員の育成研修等にかかります経費、あるいはまた社会保険の事業主負担分というようなもの、そういうようなものにつきましては当然業務量の増に応じまして経費の増がございます。さらに、運賃の改定等の公共料金の値上げというものの影響等もこうむりますので、かなり困難な事情にはございますが、経営全体を最も合理的にコンパクトにやっていく意味合いにおきまして経費の削減につとめました結果、ただいま御指摘のような一億九千万ばかりの減ということを目標にいたしましてこれを実施していこうというような計らいにいたしたわけでございます。
○白井勇君 ですから、具体的に言って去年と四十七年度というものはどういうものが節約されるというふうになるのですか、具体的に言いますと。
○参考人(斎藤清君) お答えを申し上げます。
 たとえば事例で申し上げますと、協会の経営の効率化をはかりますために、十年以前からコンピューターの導入をいたしてございますが、このコンピューターにかかります消耗品のたぐい等がございます。これにつきましてその消耗品、まあたとえばコンピューターに使います用紙類、こういうものについてかなり技術的な進歩もございましたので、できるだけ安い形の仕様すなわち用紙類の設計のしかたをできるだけ単純にいたしましてこれを安くするとか、あるいはまた旅費等につきまして出張回数を減らしますとか、あるいはまた資料関係の作成の諸経費等が経営上かなり必要でございますが、これらについても用紙の紙質――紙の質でございます。紙質をできるだけ安いものに切りかえるとかあるいはまた資料の種類を、数を減らしていくとかさようなくふうを最大限にこらしまして経費の節減をはかろうという計画といたしたものでございます。
○白井勇君 それを大まかな項目でどれでどれだけ出てきて、どれでどれだけ減ったとかなんとかというの大まかなことないんですか。
○参考人(斎藤清君) ただいま申し上げました資料関係の作成等につきまして、大まかに申しましてほぼ四千五百万円の節減をいたすことといたしております。これは協会の全国にございますあらゆる機関で使っておりますすべての資料類の整理というような趣旨のものでございます。それから研修関係の考え方といたしまして、旧来全国で一カ所の研修所で全国から一カ所へ集めてやっておりましたものを、できるだけ現場研修という形で現地に少数の者が出向いて行って、いわば日常のオン・ザ・ジョブトレーニングという形のものに切りかえていって旅費を節減するというようなたぐいのものにつきまして、全体につきましてはほぼ四千万円程度の節減を考えております。さらに、一般の共通事務の関係で、車両の雇いあげ、たとえば部局長の送迎というようなことが過去において行なわれておりましたが、これを取りやめるというような、かなり抜本的にきつい措置を講じましてこれが経費の節減をはかるというようなことで、三千万円程度の節減が可能になる、こういうような形で、こまかい点を尽くして予算上ただいま申し上げたような一億九千万というふうにしたものでございます。
○白井勇君 私は全国歩いたわけじゃありませんからわかりませんけれども、地方に行ってもおたくの出先に聞きますと、去年の夏ころからでしょうか、非常に経費に四苦八苦しているらしいですね。いまのお話みたいなことに関連すれば、用紙とか鉛筆とかそういう消耗品の使い方にまで干渉されるということがあるんですね。今回は事業の運営には支障のないような姿になっているんですか、これで。
○参考人(斎藤清君) 昨年の夏以降非常に強い節減をやったことは事実でございまして、そのベースにのっとって来年度さらに強く節減をはかろうという予算内容になっておるわけでございますが、他方事業の直接的な経費については、できるだけ必要なものは確保するというような予算編成方針をとっておりまして、直接番組の制作あるいはまた技術の水準を落とさないという配慮は十分いたしたつもりでございます。
○白井勇君 たびたび私お聞きしているように思うんですが、四十八年度は受信料につきましては値上げをしないんだということを会長さんはじめ副会長さんもはっきりおっしゃっておるわけなんですね。ところが、受信料収入というものは申し上げるまでもなく年ごとに徴集率が減っておる。逆に事業支出というものはふえておるわけですね。そういった先ほどから私いろいろお尋ねしておりますとおりに、難視聴地域対策というものを郵政省は考えておりまするとおりに、漏れなく二千七百ですか、そのくらいの全世帯に聴視できるようにするということになりますと、これはもう今後ますますこれはその意味において金を食うのだ。それからまた一方、私、先ほど会長さんにもお願いしたわけですけれども、やはり大事なことは基礎研究的なこと、それからその利用方面につきましてのやはり技術開発というようなものがあるわけで、これも横ばいしている。それから経費はまあいまお話のようなことであって、去年の夏から節約を加えてきたものにさらに一割を減らすというようなことをやっておるわけです。それで一体はたして四十八年度というものは受信料というものを、上げることは国民何も希望しないと思うのですけれども、上げなくてもいいのだということをはっきりいまから言えるということは、その見通しが内容わからないせいか、ちょっと私のみ込めないのですがね、これはどういうふうに判断をすればいいんですか。
○参考人(前田義徳君) 御指摘のとおりに、NHKの聴視料というものは事業計画をもととしてそのつど国会でおきめ願うというたてまえだと思います。従来もその方針で私どもは御審議をお願いしているわけです。ただ、現在の情勢からいいまして、四十八年度が経済企画庁の経済白書が示している方向にかりにいくといたしましても、これは四十四年度から平均をとってみますと、今日まで物価の値上がりは三二%、その中での公共料金の位置というものは二〇%をこえている。そういう環境の中で、なお、かつ私どもが四十八年度までは何とかやっていけるという考え方になっておりますのは、御承知のように、この放送センターの総合計画が一応形の上で明年八月には完成する、その場合の、それが減価償却の基礎になるかどうかは別として、少なくとも、内幸町の処分と関連して四十八年度には百億から百五十億の間の処分すべき財産があると、こういう観点に立って検討いたしますと、少なくとも、私どもとしては四十八年度までは料金に手をつけなくてもよろしいという考え方を持つわけでございます。
○白井勇君 そうしますと、結局、現在の建物の処分によりまするもので百億か百五十億出るから四十八年は長期構想に基づきまする四十八年の事業計画をやっていってもこれは赤字にならぬ、聴視料を改定する必要はないのだと、こういうようなわけですな。
○参考人(前田義徳君) そのとおりでございます。
○白井勇君 受信料をいじるということは、いろいろ問題もありましょうけれども、私は、またいろいろ考えてみますと、受信料は一体高いものであるか安いものであるかということをいつも考えるのですけれども、カラーにして四百六十五円ですか、それに電燈代が二百円かそこそこのものでしょう。そうしますとまあ七百円くらいのものですね。それをいま新聞は、とにかく日経を読めば九百五十円、普通のものでもやはり九百円ですね。朝五時からラジオを聞き、六時から十二時までテレビを見ている。それで七百円ぐらいで済む、新聞は片一方九百円、九百五十円する。かりに受像機買いますれば、いろいろありましょうけれども、秋葉に行きますれば六万円ぐらいで買えますね。それを七、八年は使えると、こういうんですが、それは減価償却をやっているという考えをとってみたって、まあ月割りにしますれば七百円そこそこでしょう。そうしますと、買いかえのことを考えてみたって、せいぜい国民の負担というものは千三百円内外だと私は思うのですね。そうすると、まあ新聞二つにも当たらない、そういうようなことを考えてきますと、私は、ほんとうにこれは必ずしも高いもんではないように思うのですが、むしろやはり難視聴対策をすみやかにやってもらうとか、それから放送法の一条に言います、三つの原則ですね。それから四十四条の番組編集について、それから放送そのものについてのいろいろ規定がございます。ああいうことをほんとうに法律どおりやるということは、私はたいへんな仕事だろうと思うのです。だから、それはそれに携わる者も優秀な者でなきゃならんでしょうし、待遇もよくしなきゃならんでしょうし、やはりやるべきことをやるというたてまえをとりますれば、堂々とやはり料金において不足のものがありますれば、これはやはり国民に協力を得るという体制をとるのが筋じゃないかというように私は思うのですが、その辺の御感想はいかがですか。
○参考人(前田義徳君) 全く同感でございます。現在の聴視料というものを、いろいろな公共料金あるいは諸物価との比較をいたしますと、まことに私としても安いという印象を持ちます。それからまた、公の統計でも、NHKの料金は常に値下げの部に入っております。これは現在では二つ、三つあるようですが、いつもその値下げという点で統計の中に入っているのはNHKの料金だけでございます、公共料金として。そういう意味で、まあ私はNHKの料金を現在のサービスとその使命から比べて、それからまた実際の過去の実情と物価の関係から見ても、最低の料金であるというように考えております。しかし、これをただ安いから上げるということは、私としてはとりたくありません。単年度予算の御審議を願っているわけですが、その年度に何をやるか、その事業が国民の要望にこたえ得るものかどうかという点で、実は料金というものはある意味では毎年変わってもいいという放送法は制度になっているかと私は理解しているわけです。しかしながら、NHKの料金は、また同時に一応ガスとかあるいは電気とかあるいは電話とか、そういうものと比較されがちですが、NHKの料金と申しますのは、現在すでに御審議いただいております予算書でも、その対象となるものは白黒かカラーかは別として、かなり免除を入れれば二千四百万世帯に近いわけです。このことは、われわれの対象となる方々は貧富を問わず、それからいろいろな職業分野の階層を問わず、全国民的なものである、そういう意味で金持ちが持ちこたえられ、そうでない方には多少の問題が残るというような、簡単に言えば料金でございますから、ここ二、三年来の社会的動向等勘案しながら、NHKは最後までこの料金の問題については、できるだけ社会情勢あるいは社会経済の実情に即した奉仕をすべきであるというのが私の根本的考え方でございます。
○白井勇君 それで私、一番問題というものは、やはり未契約者をいかにして確保するかという問題が非常に大きな問題だと思うのです。いま徴収率というものは九九%でありましても、夫契約者というものをいかにして確保していくか。これにつきましては、御承知のとおり、相当な経費を投入されまして年ごとにふえているようであります。やっておられるわけでありますけれども、そういうものとあわせまして、都市はこれはむずかしいと思うのですけれども、地方になりますと、やはり地方にもっと密着をいたしました機関というものがあるわけです。たとえてみれば、農協とかあるいは郵便局――簡易郵便局とか特定郵便局とかがある。そういう地域に密着したもの、ああいうものを、ただ、おたくの何といいますか、回っております人だけではなしに、ああいう既設の地域に密着した人、機関を使っていくということが私は一つの方法として考えられるじゃなかろうかと思うんです、もう少し積極的に。局によりましては多少そういうものを入れて活用しているところもあるように私見ておりますが、もっと積極的に、全面的にそういうものを活用したら私はどうかと思うのですが、それはどうですか。
○参考人(吉田行範君) ただいま御指摘のとおり、社会態様と申しますか、いろいろ移動同世帯が激増し、不在世帯もふえる、あるいは低所得者の受像機の普及と、いろいろな実情が問題を含んでおりまして、未収対策ということにはわれわれはそういうことを十分に考慮しながら全力をあげて当たっているわけでございます。
 むろん、公平負担の原則ということを貫くために幾つかの手を打っているわけでございますが、ただいま先生の御指摘の農協関係あるいは郵便局の問題についてお答え申し上げますと、実は私どもも積極的に農協とタイアップして地方の収納あるいは契約関係を推進したいということでいろいろ検討してまいりましたし、具体的に開拓もやってまいりました。ただ実情といたしましては、農協関係ではNHKのそういう仕事を引き受けるために人手にいろいろ問題があるということが一点ございます。それからもう一点は、農協の所轄しております地域以外の受信者という方々のそういう問題をどうするかという問題がまた一つございます。それからさらにその農協関係の地区の中で、あとから申し上げます、先生もいま御指摘になりました郵政委託、その郵便委託の所轄に相わたると申しますか、両方とも入り込んでいるところがある。そういうふうなもろもろの問題がございまして、にわかにこの農協関係を推進することが簡単ではないというのが実情でございます。ただし、私どもはそれについて農協から一切手を引くとか、そういうつもりは全くございませんので、いま申し上げましたいろいろな実情を勘案しながら、なお、これは推進していきたい。ただ、私どもが初めに考えましたような姿勢では突進していけないというのが実情でございます。
 それから、これはいま先生御指摘になりましたし、またよく御承知のとおりで、郵便局関係につきましては、特定郵便局についてこれは郵政当局といろいろ打ち合わせをいたしまして、現在三千六百余りの特定郵便局にお願いいたしまして、そして私どものそういう集金並びに契約業務の委託をお願いしています。で、具体的な数字は、四十六年度で申し上げますと、集金のほうは三百二十二万件で、全契約数の一四%をお願いいたしております。それから契約のほうは三十二万件で、全取り次ぎ数の五%をお願いしているというのが実情でございます。
 さらに、この農協あるいは郵政委託のほかに私どもとしては、これもただいま御指摘がありましたように、電機商とか、あるいは電力会社の営業所とか、さらに、私どもでは団体委託と申しておりますが、婦人会とか自治会とか、そういうところへいろいろお願いして、できるだけむだを省いた契約、収納方法をとりたいということで現在実施しております。
○白井勇君 大体わかりましたけれども、これは地方によって事情が相当違うと思うのですね。いまお話の中にありました農協の範囲外とか何とかいうことは、農協のないところはないわけで、組合員になっていない者は員外取り扱いができるわけで、私が申し上げたのは、やはり受像機を持っておりながら契約しない人が多いわけです。そういうものはやはり農協でありまするならば、それぞれ部落には出先があるわけで、その人が話をすれば、まさかうそもつけないというような面がたくさんあるわけですよ。よく地方の事情を知っているようなものをうまく活用していくことがいいんじゃないか。農協も決しておたくの出先に御協力することをきらっておるわけじゃないんです。むしろ、NHKさんなんというのは、銀行の取り次ぎが多いのだ。だからこそ五分七厘の金融もできるわけでしょうけれども、何だか知らぬけれども、NHKさんというと、それはわれわれよりもむしろ銀行さんの仲間なんだという感覚を持っている地方もあるわけなんです。だから、これはやはりできるだけ、急にはいかないけれども、活用することをお考えになることが適当じゃないかと、私は思っております。
 それから、その次は、「昭和四十七年度国内放送番組編集の基本計画」というのを拝見したのでありますが、私はまことにこれはけっこうなことだと思っております。ただ、これがうたい文句に終わらないように、必ずやはり放送において実現するように強く望んでおきたいと思います。ただ一点、私お尋ねしたいと思いますることは、長期構想におきましてはローカル放送というものは県域を基本とし、その体系を再編成し、総合テレビジョンを重点としてカラー番組の拡充と広域化を進めると、うたっているのです。それから今度四十七年度のこのことにつきましては、「新しいローカル番組を視聴好適時間に地域の実情に応じて編成する。」というふうにあるのです。ローカル番組の広域化というのは、これはどういうことなんですか。
○参考人(坂本朝一君) 最近、御承知のように、地方の地域社会のいろいろな情報に対する要望が――従来はローカルと申しますと、県域、その県の情報というのは、最低限の要求として地域住民の方が要望しておったわけでございますけれども、最近のようないろいろな意味の経済情勢の発展その他から、もう少し広い、自分の県だけではなしに、あるいは隣り、あるいはもうちょっと広いというような、そういう情報を御要求になる傾向が強くなってきている状態でございます。したがいまして、県域を基本とするという考え方は変えておらないのでございますけれども、放送の編成の中で県域を越す、もう少し広い、全国とは言わないまでも、もう少し県域より広い情報が提供できるような、そういう編成体系をとりたい、こういう趣旨でございます。
○白井勇君 そうしますと、たとえば東北でいいますと、山形県ではローカル番組の時間をふやすことはあまりしないで、仙台で東北全体についてのローカル番組を流すような時間をふやしていく、こういうことですか、具体的にいうと。
○参考人(坂本朝一君) そういうことではございませんで、具体的な最近の例示をあげて申し上げますと、ついせんだって新潟沖でタンカーが座礁して油が流れたというような事故がございました。それは、第一報は全中で取り上げまして詳報いたしましたのですが、当然それを受けて新潟局が新潟県域のローカルでさらにそれを取り上げたわけでございます。従来はそこまでのところで一応この情報の処理というのが終わっているわけでございますが、最近の情勢から言いまして、当然それは日本海沿岸の各地に影響を及ぼす情報でございますので、それは新潟が中心になりまして、山形、秋田あるいは富山、金沢というような隣接局と出入り中継と申しますか、そういう手をとって、全中でもないし県域でもない、もう少し広域のという情報の編成をし合おうではないか。従来はNHKは、御承知のように、地方本部管区でいわゆる名古屋中部とか、東北とか、いう形でくくられておりましたけれども、起こりました事態によっては、それを越して編成をするという、そういう方向で考えるべきではないかということから起こった考え方でございます。
○白井勇君 わかったようでわからないのですけれども、私は法律でもローカル番組はやらなければならぬことになっているのですから、けっこうだと思うのですけれども、山形でもって山形のローカル番組を幾ら受けてみたって、それはニュースか何かは別としまして、山形県人でもそれほど喜ばない。やはり南の鹿児島の話、あるいは北海道の果ての話を聞かされるとか、あるいは海外取材番組みたいなものをどんどん流してもらうということのほうが、放送といたしましては好まれるように私は思うのですけれどもね。これはしかし、私はローカル番組としてそういう感じをちょっと持っているのですが、それはどうも広域といういまのお話のところ、どうもちょっとぴんとこないのですけれどもね。その原則は原則であるのですけれども、ローカル放送というものはその県域を基本としてやっていくのだという長期構想というのは、これは変わりないわけですか。
○参考人(坂本朝一君) いま申し上げましたように、あくまでもローカルの基本ベースとしては県域ということの考えの上に立つわけでございますけれども、最近のいろいろな社会情勢等から、もう少し広域化ということを考えていかなければいけないのではないかという考え方を入れ込んでいく、こういうことでございます。
○白井勇君 まあ、これはむずかしいことですね。
 それから話は違いますけれども、放送法の第四十四条第二項によりまする「協会は、公衆の要望を知るため、定期的に、科学的な世論調査を行い、且つ、その結果を公表しなければならない。」という、この規定に基づきまする定期的な科学的な世論調査というものは、いただきました資料によりますと、六六ページの(1)から(4)までですか。
○参考人(坂本朝一君) 御指摘のとおりでございます。(1)から(4)まででございます。
○白井勇君 それで従来、一体これにつきましていつどういうふうに調査をやって、それをどういうふうに公表をして、それをどういうふうに放送に活用しているのか、ちょっと概要を教えてください。
○参考人(坂本朝一君) 四十六年度の例で御説明申し上げますと、まず視聴率調査というのを四十六年度では全国向けで三回いたしました。五月と六月と十一月にいたしました。それから東京、札幌で冬季オリンピック時に視聴率調査をいたしました。それから意向調査というのを、六月と十一月に視聴率調査を実施いたしますのと並行していたします。これはどういう番組にどういう関心があったということを調査する内容でございます。それから同じくその意向調査を東京、札幌でオリンピックのときに実施いたしました。それからローカル調査といたしましては、長崎と愛知と埼玉で、それぞれ住民の意識調査を実施いたしました。それから、いわゆる世論調査というような形で、四十六年度におきましては日本人の国際感覚はどんなものであるかとか、あるいは余暇感というようなものについてどう考えているかというようなことを全国向けに二回いたしました。それが四十六年度に実施いたしました概要でございます。なおもう一つ、われわれとして忘れてならないのは、四十五年にいたしました生活時間調査、これは五年に一ぺんいたしております。この四十六年度に実施いたしましたいろいろな調査と、四十五年に実施いたしました生活時間調査の結果から、いま御審議いただいております予算の裏打ちになります来年度の編成計画にそれがなった、こういうことでございます。で、それぞれの調査につきましては、調査を実施いたしましたあと新聞社等に内容の発表をいたしておりますし、しかるべきところに御報告して、その利用に供している次第でございます。
○白井勇君 その新聞社とか、しかるべきところというのは、どういう段階まで公表できるのですか。
○参考人(坂本朝一君) 新聞社につきましては、私どものほうに記者クラブがございまして、そこで内容の発表をいたしております。それから一、二その内容につきましては、文研月報などに記載いたしまして、大学であるとか、あるいは一般の方の御要望があれば、それを差し上げるというような処置をとっております。
○白井勇君 それを今度活用します場合は、どういうふうに使われるのですか。
○参考人(坂本朝一君) 活用いたします具体的な例事を申し上げますと、たとえば来年度の編成の中で、新しく総合テレビで九時にニュースを――従来九時半に編成しておりましたニュースを九時に上げたというようなことにつきましては、実は基本になりますのは――生活時間調査の結果によりますと、国民の在宅率というのがだいぶ変化を来たしまして、午後七時の在宅率というのが、前回の四十年のときと比較いたしまして五%ぐらい低下しておるんです。そうしますと、実数にしてやはり四、五百万の方が午後七時には在宅してないと、四十年に比較して在宅してないというような結果が出てまいりました。これはいろんな、通勤事情、その他の事情もございましょうし、あるいはレジャー等の関係もあるんだろうと思いますが、そういうわけで、NHKの一日の総括ニュースでございます七時のニュースが見にくくなったというような実態がございます。かたがた意向調査によりますと、全体の六三%ぐらいの方はニュースを見たいという御希望が圧倒的に強うございます。したがいまして、その七時の在宅率の低下とニュースを見たいという国民の御要望とを一致させるためには、できるだけ早く、九時半でございましたものを、むしろ九時に上げて放送すべきではないかというような結論を出しまして、九時にニュースを上げたというようなことが具体的な例としては申し上げられるかと思います。
○白井勇君 ちょっとしたことなんですけれども、おたくのテレビなりラジオを聞いておりまして、あれはどうかなあとか、こうしたらいいじゃないかと、みな国民が感じを持ちますね。そういう場合におたくにそのことを伝える方法というものは、すぐNHKさんの各出先に電話をすれば、それは受けつけてもらって、それはこうですよというようなかっこうになっておるものか、そんな点は一々受けておったって、どうにもならないから全然相手にしないということになっておるのか、そこらあたりはどういうことですか。
○参考人(佐野弘吉君) ただいまの御質問の要点に端的にお答えをいたしますれば、その辺に万端の手ぬかりがないような措置をとっております。平常的には本部はじめ全国の六十八の放送局に相談室というものを設けまして、これは多少余談でございますが、年間三十数万件にわたる来局なり電話なり文書なりという形での問い合わせがございます。いま御発言の番組で、ある場合に火急に自分の意見を表明したいというようなことに備えましては、本部で申しますれば、部課長が年間三百六十五日を通じまして必ず宿直体制をとりまして、いかなる電話でもその宿直責任者の手元にくるという手はずと申しますか、措置をとっておりまして、ただ御承知のように、放送なりあるいはその他の技術に関します多岐にわたる問題等もございますが、これまた各局部において責任者が、日中は言うに及ばず、夜間、朝にかけてのそれらの責任をとるという意味での宿直の体制をとっておりますので、十分外部からの御意見に応じ得るということであり、また同時に、たとえば交換台においては、それらに対応してすぐ局所局所に電話をかけるというふうな訓練を平常いたしております。
○白井勇君 そういたしますと、その窓口が開いておるのは、電話の場合ですね、これはおたくのラジオは五時から始まるわけですが、何時から何時まで開いているのですか。やっぱり九時とかに始まって五時に終わるというのですか。やっぱり放送しておる限りにおいては窓口は開いておるのですか。
○参考人(佐野弘吉君) 開いております。いま御発言のようなことでお問い合わせ等がございましたら、われわれ管理職の間におきまして、十分責任者はどこの席におる、その責任者のところに外部からの問い合わせの電話は必ずすぐつなげるというふうな習慣づけで、きわめて明確になされております。
○白井勇君 最後に小さいことですけれどもね、おたくの放送見ておりますと、気象通報というのがありますね。あれが二とおりあるのです。おたくのアナウンサーがずっとやります場合と、それから今度天気図を示して何とかやります場合は、――何時、何時かはっきり私記憶しておりませんけれども、気象協会だれそれと出てきますね。ところがちょっと見ておりますと、NHKの施設を使って気象協会が気象通報をやっているというような感じをちょっと受けるのですがね。気象協会というものは何であろうかと、私ちょっと調べてみましたところが、まあそれは法律に基づく一つのはっきりした法人でありますね。しかし気象通報というものは、これは気象業務法というものがあって、気象庁がやることなんですね。そういう姿からいいますと、気象庁がこれをやらなければならないことですね。ことにいろいろな何と申しまするか、警報なんかの場合においては、おたくにも連絡をしなければならない義務までこれは業務法に義務づけられているのが気象庁です。そうしますと、普通のかっこうからいいますというと、NHKさんが気象庁にいて取材をして、そしてそれを放送するのがたてまえじゃなかろうかと思うのですがね。あれだけはひょっと気象協会が出てくるというのはどういう関係になっているのですか。
○参考人(坂本朝一君) 御指摘のとおり、気象通報というのは、気象業務法に基づきましてNHKが取材をして出すというたてまえになっておることに間違いないのでございまするけれども、ただ気象協会というのは、いま先生がおっしゃったような目的で設立されております法人でございまして、事業の内容に、解説、予報の提供を行なうことができるということになっておるわけでございますが、NHKの場合、気象通報の中身をNHKでもって適当にリライトするというようなことは許されておらないわけでございます。ただ、それを聴視者にわかりやすく表現し直すというのには、それだけの資格がある人にやってもらわなければできないという先生のおっしゃるような気象関係の法律等の関係もございまして、それで気象協会という公益法人の職員の方はそういう一定の資格を持っておられますので、そういう方に御出演いただいてそしてやっていただく。要するに、テレビの天気図の作成であるとか、そういうようなことにつきましては、私どものほうの職員で作成するというわけにまいりません。気象庁のほうはいわゆるデータを提供して、そのデータに基づいて天気図などをつくるということは気象協会の職員の方にやっていただいて、そして放送に使うと、こういう形になっておるわけでございます。したがいまして、単なる予報と申しますか、そういうものは、気象庁のほうから提供されました原稿をそのまま読むという形のものは、NHKの職員が現在もアナウンスしておるわけでございますけれども、いろいろ天気図をかいたりあるいは今後の天気図の変化などをコメントしたりなどというふうな演出を要求する場合には、それだけの資格のある方にやっていただくということになりまして、気象協会の職員の方にお願いしているというのが、御指摘のように、朝七時の前と、夕方の七時の前というようなところで実施しておるわけでございます。それで、その気象協会の職員の方々というのは、大体NHKに御出演願う場合には、気象協会の職員で十年以上の御経験があるということと、気象大学の普通科の御出身者であるということと、それから気象協会の主事もしくは副参事の身分を有する方というような方々の中から御選定をして御出演願っている、こういう次第でございます。
○白井勇君 気象業務法の第十三条によりますと、気象庁は一般の利用に適合する予報、警報をしなければならないのですよ。だから予報というものは天気図ももちろん必要でありましょうし、資材はもちろん全部気象庁が出さなければならないことになっているのですよ。それをあなたのほうへ持って来られて、あなたのほうで一般にやられるようにやれば済む筋合いのものだと私は思うのですよ。
○参考人(坂本朝一君) 気象庁のほうは、先生のおっしゃるようにデータを出しておるわけでございます。ただ、そのデータをそのままの形で私どものほうで扱いますには少しく専門的過ぎる、あるいはそれをいま申し上げましたように、天気図等に翻訳するというようなことにつきましては、それだけのまあ何と申しますか、経験なりキャリアなりがないとできないというような専門的な内容のものでございますので、それで気象協会の方に出演していただいて実施していただく、こういうことでございます。
○白井勇君 たいしたことでないから詳しくやるのも妙ですけれども、これはそうおっしゃってもあんなものはしろうとでもできるものですよ、ちょっとやれば。これをもしあなたのほうでできなければ、気象庁において、そういうものを要求すればいい筋合いのものだと思うのですね。私はなぜこんなことをお聞きするかと申しますと、かりにいまは気象だからいいということであなたたちはやっていらっしゃるが、あの姿というのは一体どこに責任体制があるかわからないのです。これはどこまでもNHKさんが責任をもってやるわけでしょうけれども、あの場面だけは気象協会がポッと入っておる。ほかの問題で何かそういうものがあった場合でも、NHKのたとえば施設を使ってやらなきゃならないような羽目にならないとも限らないのです。これはどうもそのあたりのことを考えますと、小さい問題ではあるけれども、非常に変な姿じゃないかと、こう私は思うものですからそれでお尋ねしているわけです。
○参考人(前田義徳君) 私から補足させていただきたいと思いますが、気象協会というのは、まあ簡単な考え方をいたしますと、あれは気象庁のサービス部門になるわけです。もちろん、これに報道機関も参加いたしております。したがいまして、いま坂本理事は実務面からお話し申し上げたわけですが、したがって、その業務法の関係で、あれは発展的にでき上がった気象庁のサービス特殊法人であるということが言えると思います。したがいまして最近、全国の方々が気象の変化に非常な関心を持っておられる。そういう事態と関連して、放送上の気象通報と申しますか、天気予報をも含めてもっと詳細なものが知りたいという御要望もあるわけです。そういう実情から気象庁の外郭団体としてでき上がったものが気象協会でございます。そういう意味で、私どもは聴視者の要望を満たすと同時に、法律的にも、その気象庁がつくった外郭団体でございますので、法律上の疑点はないというたてまえで、いままでなかった説明のしかたを気象庁にお願いするという原則にのっとって気象庁が気象協会にやらしていると、したがって、たてまえとしてはどこにもそごはないと思います。
 ではNHKがこれをどう扱うかということになりますと、これはやはり坂本理事から御説明を申し上げましたとおりに、われわれとしては出演者の一種類であるという形になるわけで、それで気象上の責任は気象庁が負います。しかし、放送上の責任はNHKが負うということになるわけでございます。
○白井勇君 いきさつは私もわからぬことはないのですけれども、ただ、気象庁で気象協会をして何々する、ということは実際の運営をやっていくだけであって、私は法律を調べると、そこはそんなことをやらなければならぬ理由は何もないわけですね。それならそれで私は、おたくのアナウンサーより、きょうの天気図は気象協会にお願いしますと、こういう一言が入ればつながってくると思うのですね。それが何もなくてポッと入ってくる。気象協会何のだれそれと。ほかのものはそんな放送はしませんよ。あれだけはポッとすぐ出ますからね、NHKの放送の中に。気象協会はどいう姿になっておるか、非常に不可解です。それだけの話です。
 私は、以上で終わります。
○鈴木強君 前回、経営全般に対する基本的な問題については質疑をいたしておりますから、きょうは少しこまかいことになりますが、お尋ねいたします。
 いまの白井委員の質疑に関連して私もちょっとお伺いしたいのでずが、もう一つラジオのほうで交通安全協会のだれだれということで、約二分間交通に関するニュースをやっておりますね。これもおそらくいまの気象通報と同じようなことではないかと思うのですね。ラジオとテレビと両方こういうシステムをとっておるわけですね。これはいまの気象協会に出演をしていただくのと同じような解釈でございますか。
○参考人(坂本朝一君) 御指摘のように、東京交通安全協会という財団法人の団体でございまして、そこで交通事故防止の思想であるとか、あるいは交通情報であるとかいうようなものをおもなる業務の目的として実施しておる団体でございますので、そこが警視庁の中にございます情報センターから情報を流す、それをNHKとして出演者としてお願いして放送に出しておる、こういう次第でございます。
○鈴木強君 いまの白井委員の質問も私が準備しておった質問なんですけれども、それで、日本気象協会に出演をしていただくのは一日に数回でしょう。あとは大体協会がやっておられるわけですね。ですから、どうして七時のときは、大体七時前に出ているようですけれども、どういうわけで七時のときはやって、あとのニュースはNHKのアナウンサーがやっているのですか。
○参考人(坂本朝一君) 朝の七時と夜の七時の前には天気図を出しまして、その天気図でいろいろ気象の変化とか状況の変わり方とかいうようなことをアドリブでコメントしてやる。したがいまして、時間も長うございますし、そういう演出上の観点から午後七時前と朝の七時前に気象協会の職員の方に御出演願ってやっていただいておるわけでございます。それ以外の時間帯につきましては、いわゆるストレートの予報をアナウンスメントする、朗読するという形で運営しておりますので、図面に従ってコメントするというようなことをいたしておりませんので、アナウンサーが朗読しておる次第でございます。
○鈴木強君 そうすると、天気図でやる場合にはちょっとNHKのアナウンサーではやるのに自信がないというのか、まずいというのですか。だからその分だけは気象協会に頼む、こういうことですか。アナウンサーにできるのだけれども、どういう事情かあって、やってもらっているのか、それはアナウンサーには荷が重いというのか、その点です。
○参考人(坂本朝一君) 要するに、そういう天気図についてコメントするというためには、先ほど申し上げましたような専門的なキャリアと知識のクレジットが必要であるという考え方から、気象協会の方はそういう専門家であるということから、私どものほうの職員はやらないというたてまえをとっておるわけです。
○鈴木強君 ちょっとそれはわからないですよ、おっしゃることがわれわれには、もう少し具体的な理由をあげてもらわないと。それならばあれですか、気象庁と気象協会というのはどういう関係にあるのですか。これは気象協会というのは公益法人か何か知りませんけれども、どういう関係にあるのでございますか。そうして、NHKでは出演する方々に対しては出演料というものをやはりお支払いするわけでしょう。これは交通安全協会の場合もそうだと思いますけれども、その辺はどうなんですか。
○参考人(坂本朝一君) 気象協会の性格につきましては、先ほど会長が御説明いたしましたように、気象庁の外郭団体として気象業務の思想の普及であるとか、あるいはその解説の提供であるとかということを事業目的として設立された団体でございまして、出演につきましては、その気象協会とNHKとの間に契約を結びまして、そして先生のおっしゃるように、その方々には出演料という形でお支払いできるような契約の形になって契約しておるわけでございます。
○鈴木強君 私は、白井委員もおっしゃっているように、NHKのアナウンサーは、言うならばどこのアナウンサーにも負けないだけの教養も訓練もしていただいているわけです。この前も、いろいろことば上の使い方なんかについては間違いもあったりするので、そういう点はさらに再教育なり、もっと突っ込んだ再訓練をやってほしいと私申し上げておきましたがね。少なくとも、天気図をコメントできないというようなアナウンサーは私はいないと思うんです。それができないならば、これは専門の気象協会に出演していただくということは筋としてはわかります。しかも、それはどの程度の出演料か明らかにしていただきたいのですけれども、払っておるということですから。もう少しわれわれにわかるような説明がないと、これは納得できません。だからこれはもう一つ再検討してほしいです。
○参考人(前田義徳君) 私から先ほど白井先生にお答え申し上げたように、非常にシンプルに図解を示すような御説明を申し上げると、気象協会は気象庁の、ある意味ではサービス部門としてでき上がった外郭団体で、気象庁の職員があらゆる問題を取り扱うこと、これはやっぱり気象庁の内部の問題としていろいろな規制があるかと思います。しかし、これは私どもの関するところではございません。しかし、少なくとも、最近の気象報道という点からいいますと、ただ三時間前に気象庁から取材した天気図でアナウンサーとして報道できる場は、これから曇りになるか雨になるか、あるいは台風情報、台風がどっかにあるという限度でありまして、それはある意味では長期予報の場合は別ですが、日常予報としては気象庁からの取材したものをアナウンサーがそれを伝えるという形になるわけです。ただいま申し上げた気象協会による報道というものは、これの幅をかなり広げたものでありまして、これは数日間にわたる、その専門家としての、まあ大衆通報と申しますか、これができるようになっており、この分野では単なる通報者としての可能性ばかりでなく、技術上の専門家としての資格を必要とするわけであります。したがいまして、従来なかった部門として、まあNHKがそれを聴視者のために取り入れるという形になったわけで、その原因は、朝うちを出るときに、まあこれは一つの例ですが、かさを持っていっていいのか、悪いのか、あるいはまたそのかさを持っていった結果が非常な大雨になるのかどうかというようなことと関連して、非常に要望の強かった部門でございまして、この部門については専門資格を持たなければ通報できないという意味で、われわれ利用者として、これはやはり必要とする、それから気象庁としては、これは気象庁長官にお聞きしなければわからぬことでございますが、私の想像では、気象庁の職員がすべての大衆要求にその時点でこたえることがかなりむずかしくなってきたということで、こういう中間機関をつくったと理解いたしております。
○鈴木強君 そういう会長の説明はさっき聞きましたけれどもね、なおわからないわけです。というのは、おっしゃるように専門的な、それは技術者ですから、天気図がどうなってどうなってということは、それはあるでしょう。ですから私は、たとえば台風が襲来して、アナウンサーがどこどこの気象台へ詰めて、そして、その気象台の予報課長さんと一刻一刻状況をやってくれますね、ああいうのは非常に私はけっこうだと思うのです。ああいうことは、それこそ非常事態に処する適切な措置だと思いますけれどもね。平生その天気図と、それからそれに付随する各地の予報ですね、それと温度がどうなるとかというようなことは、おそらくこれは気象協会がつくってあると思うのです。つくってあるものを、NHKがそのままお借りして放送すればいいじゃないですか。気象協会というのは気象庁のサービス部門である、これはわかりますよ。ですから、そういうものをNHKのアナウンサーがそのまま七時に、たとえば、六時五十分なら五十分、五十五分なら五十五分から五分間やるとすれば、それに間に合うような一番最近のデータをいただくわけでしょう。それは協会の人がそこでやるか、あるいはアナウンサーがやるかのことですから、その間に一時間も二時間も差があって、ギャップができるような運用上問題が出てくるなら、これはまあわかりますよ。いま通信の発達しているときですから、そう私は、気象庁の、かりに協会でつくったデータが放送されるまでの間にそんなに差がないと思いますがね。そういう意味においてどうしても気象協会がやらなければということですね。NHKがやれない、協会がやらなきゃならないという理由が明確にならないものですから、それで伺っているわけです。
○参考人(前田義徳君) 御理解いただきたいと思いますが、気象庁がああいう協会をつくった理由はどこにあるかという問題で、私は気象庁でなければわからぬかと思いますが、あの限度の気象通報をするためには、こういう資格者でなければならないということと、それからまたあの天気図にしても、まあその何といいますか、協会ができてからな無料ではないということなんです。これは、ですから気象庁の問題であって、NHKとしては聴視者に対するサービスを充実させるという点では、少なくとも、一日二回はあの気象協会の通報を使ったほうがよろしいという判断に立つわけでございます。
○鈴木強君 会長、これは純理論的な話をすれば何回やったって会長の程度の話じゃわかりませんよ。もう少し協会ができた、気象協会がなぜできたかという根源からもう少しさかのぼって見なければならぬと思います。しかし、私たちNHKのテレビやラジオを聞いている者からすれば、そういう疑義を持っている。いま白井先生の質疑もあったが、私もその点については前からそういう疑問を持っておったものですから、一度聞いてみょうがなと思ったわけです。それで、あれは無料で気象は分けなきゃならぬという法のたてまえがある。そこで、協会ができて今度はわれわれの受信料の中から幾らか金額がいっておりますけれども、その額が支払われているということでしょう。その額はもしいいものであればわかりますよ、そういうどうしてもここでやってもらわなければならぬということであればわれわれも理解しますが、しかし、その理由がなかなかよくわからぬから、その年間契約で何ぼかかるかわかりませんけれども、そういう金まで出してやってもらわなくても、アナウンサーの皆さんだってそういう専門的に勉強されているわけですから、そういう人たちを据えたらいいじゃないですか。まさかアナウンサーが、いまこの程度小学校の子供でも気象図なんというものは学校で教えておりますからね。みんな読んでますよ。そういうときですから、ましてやアナウンサーが気象予報くらいできないということは断じてないですよ。だからして、そこに疑問が起きるから聞いているわけです。
○参考人(前田義徳君) 繰り返すばかりですが、はなはだ相すみませんが、気象庁の簡単に言えば都合によるのではないかという点と、あの限度の説明をするためには資格が必要である。単なるニュースではないということですね。ですからまあこういうようなケースは御審議いただいているいろいろな予算項目の中でもほかの場でもあるわけです。たとえば、番組センターなどなぜ必要か、私どもは考えるわけですが、しかし、一般の番組向上のためにNHKが寄与することが必要である、こういうようなまあこれは何といいますか、実際上の問題としてお考えいただければまことに幸いだと思っておるわけです。よろしくお願いいたします。
○鈴木強君 それは会長、問題が広くなりますからまた話は別になるわけでして、当然協会が自前でやるのが筋ですよ。自前でやるよりもなおそういうことをやったほうが効率的、効果的であり、経営上からそのほうがいいという判断であれば、そこにまたいろんなこともやるのもけっこうでしょう。私がそのこと自体がいけないと言っているのは、気象庁が情報を提供する義務を負わされている、そういうものがあるんですが、そこから情報をもらってNHKのアナウンサーが、気象学をもっと勉強されて、少なくとも、七時にやっている天気図をコメントするくらいのことはできるでしょう。そういうことをやると、アナウンサーの全体の条件から言ってアナウンサーがうまくやれないんだと、アナウンサーのオペレーションがそういう具体的な例があって、しからばこうしたいんですということであれば、わかりますけれども、なかなかそういう点がはっきりせぬからわからぬと言っているわけです。論議は小さいようですけれども、やはり基本のところはそこにあるわけです。だから一般的な、おたくでやっているような出版協会だとか、外郭団体というのがいろいろありますね。ここでもいろいろできるだけ協会が独自でやったほうがいい、こういう方向でやっていただいているわけです。なおそれはやったほうが協会の経営上よろしいということで、われわれもまあ本来はやったほうがいいけれども、それも一つの方法だろうということで認めてきているわけですから。しかし、この問題は八さいようですけれども、疑問があればその疑問に答えて、われわれは何も問題はないのですが、どうも答弁がまずいというのじゃなくて、われわれの納得できるような答弁ですね、これがしてもらえないから私は何回もかかっているわけです。そういうことであまりやりたくないのですけれども、ですからもう一回十分に私ももう少し気象協会のほうの検討をしてみますよ。ですから、あなたのほうももう一度検討してみてくれませんか。
○参考人(前田義徳君) 気象協会ができたという場合の場の理論は、これは気象庁の問題だと思います。われわれとしてはまああれを一日二回利用したほうが聴視者のためであるという立場に立つわけで、これと関連して御質問いただいた第三の問題、アナウンサーに教育せいといいましても、まあ何と申しますか、アナウンサーを昔流で言えば気象専門の学校に入れて資格をとってもらうというところまでは至っていないという実情を勘案しながら、そういうものがあって、それがなおかつ聴視者の利用に供し得て、その結果がためになるならば、これを利用すべきであるという考えに立っておるわけでございます。
○鈴木強君 私もちょっと不勉強で、あすこで放送されている解説者がどういう気象の資格を持っているのか、あるいはそういう資格がないとそれができないのか、そういう点も若干不勉強の点がありますから今後やってみます。
 それから気象協会ができた意図、つくった意図、それからそこでやっているいまの経営の状況とか、NHKがどういうメリットがあるのか、そういう点も検討してみます。会長もあまりアナウンサーが、そういう教育することも無理だし自信がなさそうなことじゃなくて、私はそんなに大げさなことじゃなくて、日常ふだんにおいて訓練をされていればそれくらいのことはできると思うし、現にある程度気象庁の天気図のついたニュースだってやっていますよ、ほかの時間でも。たとえば、八時十何分の「繭子ひとり」の間にちょっと入っているとか、その他そういう天気図のついた解説だってしていますよ。なぜ朝七時、夜七時だけ協会に頼まなければならぬということ、ちょっとわからぬですね。ここで質問しておっても尽きないようですから、私もそういう意味で、もう少し再検討してみますが、協会のほうでももう少し考えてみてください。
○参考人(前田義徳君) 現状では協会のほうで考える余地はきわめて少ないと思いますが、発生的原因がどこにあって、どうしてそういう資格が必要になったかという問題はむしろ気象庁の関連問題だと思っております。しかし、御質問の趣旨は私たちにもわかりますので、今後一そう研究してみたい、こうお答え申し上げます。
○鈴木強君 それじゃ、念のために幾らぐらいの出演料を払っておりますか年間、これを教えてください。
○参考人(坂本朝一君) 個々のケースの出演料、毎回の出演料という形でお支払いをいたしておりませんで、月額幾らかという形で気象協会との間に契約をしておる、こういう次第でございます。
○鈴木強君 幾らですか。
○参考人(坂本朝一君) その月額の額にいたしましては、現状では二百三十二万六千円という形になっております。
○鈴木強君 まあ、それはまたいまの会長の御答弁もありますししますから、さらに検討することにいたします。
 それから、厚生省の方にお忙しいところをおいでいただきましたが、現在生活保護世帯の方々はカラーテレビの保有についてはきわめてきびしい制約を受けていると思いますね。で、私どもはかつてから――確かに生活保護を受けている方々は気の毒な方々ですね。したがって、テレビとか、ラジオとか、そのくらいのものは人に受像機をかりにもらったと、そういう場合には保有を認めてしかるべきではないか、こういう意見を出しておったわけですけれども、なかなかむずかしくて、もらったものはその分だけ保護費から差し引いてしまうとか、いろいろ問題があります。現在たしかカラーテレビの場合に普及率が七〇%以上になった場合には、保護世帯にも認めるという方針をとられているようですけれども、なお、われわれはこれをもっと拡大して、もっと皆さんにカラーテレビを見てもらうというような方法をとったらどうかということで意見を出しておったわけですけれども、厚生省のほうとしては、この基準を多少でも緩和するという方針をお持ちになっておりませんでしょうか。
○説明員(藤森昭一君) お答えを申し上げます。
 鈴木先生よく御承知のように、生活保護法には補足性の原則というのがございまして、保護を受けようとする者は自分の利用し得る資産、能力その他あらゆるものを活用して、なお生活が成り立たない場合に公的補助を受ける、こういうたてまえになっておるわけでございます。もちろんそうは言いましても、あらゆる資産を全部処理するということじゃありませんで、おのずから生活上必要な資産もございますし、それからまた国民生活の向上等に伴いまして認めていくべき資産もございます。今日までその範囲は、ただいま申し上げましたような趣旨から言いまして逐次広げてまいったわけでございます。
 お尋ねのカラーテレビにつきましては、御指摘のように、今日までこの保有を原則としては認めておらないわけでございますが、それはカラーテレビの今日までの普及率の問題であるとか、あるいはその処分価値の問題であるとか、地域的な均衡の問題等を考えまして、そういう取り扱いをしてきたわけでありますが、新年度から、ただいまお話しのございましたように、地域の普及率を考えまして、それとの均衡を失しない限りにおいてはその保有を認めていくという道を開きたい、こういうふうに考えております。
 なお、特に老人であるとか、身体障害者であるとか、長期療養者あるいは児童のいる世帯等におきましては、そうした地域の普及率、私どもはこれを七〇%というふうに考えておりますが、そういう普及率に関係なく、その保有が社会的に妥当であるというふうに認められる場合には、ただいまのような普及率に関係なくこれを認めていこう。つまり、そういったものを所持しながら生活保護を受けることを認めていく、こういう道を開きたいというふうに考えております。
○鈴木強君 そうすると、もう一回結論だけ、拡大する点を言っていただけますか、恐縮ですが。
○説明員(藤森昭一君) 二点ございます。
 一つは、カラーテレビの保有そのものを今日までは原則としては認めておりません。しかし、これは地域の普及率ということから見まして、その地域の普及率が七〇%をこえるような場合には、その一般の世帯についてもその保有を認めていってよろしいという道を開くのが一つでございます。
 それからもう一つは、こういう老人、身体障害者、長期療養者、または児童等のいる世帯が利用している場合で、その保有が社会的に妥当と認められるというような世帯につきましては、ただいまの地域的な普及率の関係を一応断ちまして、それとは無関係に保有を認めていくという道を開く、こういうことでございます。
○鈴木強君 それは非常に勇断をもってわれわれの意見をいれていただいて感謝にたえませんが、もう一つ、そうなりました場合に、大体あれでしょうか、生活保護世帯、まあ六十万程度でございますか、全国で。そうすると、どの程度の方がカラーテレビを保有できるというように一応つかんでおられますでしょうか。
○説明員(藤森昭一君) 今日まで保有を実のところ認めておりませんので、今回の措置をとりました場合に、どの程度の世帯がカラーテレビの保有を認められるかというお尋ねに端的にお答えはできませんけれども、たとえば、一般的なカラーテレビの普及率は、全国、全世帯で大体四十六年の末で六〇%程度に近づいているというふうに私どもは思っております。したがいまして、大都市等におきましてはその保有率はさらに高いというふうに見ております。地域的な差はございますけれども、大都市等においては普及率が高い。したがいまして、そういう場合には一般世帯にも認められる可能性が相当程度あるというふうに思うのが一点でございます。
 それから老人とか長期療養者等を考えてみますと、これは最近の被保護世帯の中で老人世帯というものは、大体三割程度に老人世帯がございます。その他障害者、母子等を入れますと、そのウエートは非常に高くなっております。そういう意味からいたしまして、私ども端的に何%ぐらいのものが保有を認められるかということについてはお答えできませんが、かなりのものが保有を認められるような状態になるのではないだろうか、かように考えております。
○鈴木強君 それで、ついでというとたいへん恐縮ですけれども、いらした機会ですから伺いたいのですけれども、生活保護世帯については、たとえば、一般の民間の生命保険あるいは簡易生命保険等もその契約をすることは認めておりませんね。これはやっぱりこのカラーテレビの保有拡大と同じような状態で、何かその手心を加えるようにいま考えておりますか。
○説明員(藤森昭一君) いまのお尋ねの生命保険でございますが、御指摘のように、今日まではそういった一種の金銭的な資産ということで、保護を受けるにあたりましては、これらのものをすべて解約いたしまして、その還付金を生活の維持に充てる、こういう取り扱いをしてまいりましたが、新年度から生命保険でありましても、この返戻金が少額である、それから保険金額であるとか、あるいは保険料額が地域の一般世帯との均衡を失しないというような場合に限りまして、私どもはその保険を継続しながら保護を受けるということができるような道を開きたい、かように考えております。
○鈴木強君 その返還金の額とか、あるいは保険料額が一般に比べてそう問題がないとかいうような、額そのものの幾らというようなことはおきめになっておるのですか。
○説明員(藤森昭一君) この点は地域的な均衡ということを申しましたが、具体的な地域というのは日本全国ではございませんで、生活保護法上の級地に分かれております。具体的にいいますと、市町村ないしは福祉事務所の管内、たとえば郡の単位というような、あるいは市の単位というような、そういった地域を一応考えておりますが、その地域における一般世帯の保険の契約状況等が、これはいろいろな統計から把握できますので、それらを各実施機関ごとに調査をいたしまして、そうして均衡を見てまいりたい、かように考えております。
○鈴木強君 そうすると、まだ調査をこれからしてきめるということですか。
○説明員(藤森昭一君) ただいまのような方針で新年度から臨むということは、すでに各都道府県あるいは市に連絡をしてございます。したがいまして、各地域ではただいまのような方針を具体的に実施していくために必要な調査はすでに行なっているというふうに考えます。
○鈴木強君 これは画一的でないわけですからむずかしいと思います。まあ、あとでまた簡易保険の契約金額のアップの法案が出ておりますから、それまでに一度できるだけ早くまとめておいていただいて、そのときまた伺うことにいたします。どうもありがとうございました。
 それで、協会のほうにこの問題に関連して伺いたいのですが、四十七年度の予算を拝見しますと、生活保護世帯というか、無料の契約の場合、カラーは約一千件の増になっております。年度初頭三千ですから、これが一千ふえて、年度末で四千。普通契約が年度初頭二十三万五千、四十七年度じゅうに一万九千件、年度末二十五万四千件。あと沖繩地方分として、四十七年度、カラー四千件増、それから普通契約の場合には、やっぱり四千件増、こうなっておりますが、この積算は、いま厚生省からお答えをいただいたように、保護世帯のカラーテレビ等の保有に対して制限が緩和されるという、そういうことを見越しておりますか、どうですか。
○参考人(吉田行範君) ただいまの問題でございますが、生活保護世帯のカラーの問題につきましては、実は私どもは、私どもはというより私は、二、三日前の新聞で知ったわけでございます。大体、先ほど御説明のあったような趣旨であったと記憶いたしますが、ただ、御承知のとおり、私どもは四十六年度において、生活保護世帯の全額免除を約十万五千、考えているわけでございます。それに対して、これはまあ大体例年ありますけれども、一割程度がそれがふえるということを見込んでおりますので、四十七年度は十一万五千程度に生活保護世帯の全免件数がふえるというふうになっておったかと思います。したがいまして、その範囲の中で、ただいま御説明がありました生活保護世帯の方がカラーをお持ちになっても、別に予算上の影響はないと思います。それから、たてまえといたしまして、厚生省がそういうふうにおきめになれば、当然私どもは全額免除にすべきだ、こういうふうに考えております。
○鈴木強君 まあ、それは受信料免除基準というのがありますね。これを変える必要は出てきますか。いま厚生省のお話ですと、普及率七〇%以上のところですね、それから老人、身体障害者、長期療養者、母子家庭、こういうものはどうなりますか、基準との関係で手心を加えることは必要ないですか。生活保護世帯は無料となっておりますから、いいわけですね。
○参考人(吉田行範君) お説のとおり変える必要はないと思います。
○鈴木強君 これは、もちろん協会としては無料のわけですから、受信料収入の中には何らはね返ってはこない。これはよくわかっておりますが、ただ契約者数の概算を、概算というか、ここに載せてありますからね。私の端的に聞きたいのは、この拡大によってすぐはね返ってくるわけでしょう。もし、あなた方がそういうことを事前に察知してやっていればいいんですが、そういうところを聞いているんですが。
○参考人(吉田行範君) これは、御指摘のとおり、若干は変わることがあり得ると思います。
○鈴木強君 私がいただいた資料がありますけれども、この資料、四十七年度の予算の編成時にワクが拡大していく、制限が緩和されていくということを承知しておったかどうかです。おらなければ、当然緩和されれば、この数よりかふえるでしょう。それを聞いているのです。
○参考人(吉田行範君) 先ほど申しましたように、私どもは約一割、それが拡大されるというふうに予測して、このカラーの問題とは関係ございませんけれども、そうして大体保護世帯の全免の範囲を十一万五千と見込んでおりますから、その範囲内であれば問題はなかろう、そういうふうに考えております。
○鈴木強君 かみ合わないな。これは小野副会長、あなた専門だから答えてください。私の問いにちっとも答えてないのだ。
○参考人(小野吉郎君) 私も詳細な点はつまびらかにいたしておりませんので、御満足できます御答弁になりますかどうか、自信ございませんが、ただいま吉田理事から御答弁申し上げましたように、生活保護世帯の増加があるであろうということを見込んで計上してございますので、ただいまのカラーテレビの保有の世帯が従来生活保護の対象になり得なかったというか、一定の基準に従いまして厚生省のほうでは生活保護世帯に認めよう、そういうような御方針で臨んでおられるようであります。その限度におきましてはふえるわけでございますけれども、その点は予算で積算を見積りました。四十七年度が四十六年度よりも生活保護世帯がふえるであろうということを見込んだ先ほどの吉田理事の答弁のとおりの数の中で消化し得るのではないか、そのように考えております。かりに消化できないにしても、基準上生活保護世帯は全免をいたしておりますので、これによって免除の対象になりますことには変わりがないわけでございます。
○鈴木強君 だから、早い話がもうそういうことをあらかじめ察知してふやしておきました、ですから、この四月一日からの制限緩和が行なわれましても、この予算に積算されている数には変わりありませんということ、それを言ってくれれば一番よくわかるのですが、そういうことでしょう。
○参考人(小野吉郎君) そのとおりであります。
○鈴木強君 そうなりますと、七割ということを前に知っておったとすれば、NHKの普及率というのは、いま各地方ごとにカラーの契約数というのはどうなりますか。厚生省あたりですと、東京、大阪、大都市は大体それにぶつかるだろう、こう言っておりますけれども、大まかに見てどうなりますか、七〇%こすところは。
○参考人(吉田行範君) ただいままでのところ七〇%をこしているところはございません。
○鈴木強君 七〇%を今年度こすであろう、そして、そのことをあらかじめ予測して十万五千を十一万五千にした。約一万ふやしているわけですね。そうすると、どことどこがふえているということですか。
○参考人(吉田行範君) ちょっと先ほど申し上げたとおりでございまして、十万五千を十一万五千にいたしましたことは、初めに申し上げましたように、そのカラーの問題については、二、三日前に新聞紙上で知ったわけでございます。ただし、一割増ということはいままでも例がございますので、おおむね予算は白黒において一割を増した。つまり、十一万五千を予算に組んであるということでございます。
○鈴木強君 白黒で十一万五千ですか。
○参考人(吉田行範君) 従来は全部が普通契約でございますから、その普通契約十万五千に一割上乗せいたしまして、十一万五千にした、そういうことでございます。
  〔委員長退席、理事森勝治君着席〕
○鈴木強君 そうしたら、これを教えてくれますか。年度頭初三万でございますね、カラーの無料が三万現在あるでしょう、三万のうち、この保護世帯というのはいままではカラーテレビは持てないのですから、少なくとも、この中にはカラーテレビ入ってない。そこで、今度ことし一千ふえるカラーが無料と書いてあるので、無料もいろいろ範囲がありますからね、基準の。この中に保護世帯は幾ら見ているんですか。
○参考人(吉田行範君) 私どものただいま実施しております、いわゆる全免並びに半免の中で、全免の中のカラー契約は三千でございます。そして、その中には保護世帯は入っておりません。
○鈴木強君 それはいいんだ。だから、ことし一千ふえているでしょう。その中に幾ら入っているんですか、生活保護世帯はあらかじめ想定してあなたは入れてあると言うんだから。
○参考人(吉田行範君) お答えいたします。二百四十考えてございます。
○鈴木強君 二百四十というのはどういうところの積算ですか。七〇%こしてないでしょう。
○参考人(吉田行範君) いや、その七〇%ということは、私どもはですから全然考慮してなかったわけでございます。
○鈴木強君 じゃ、何を考慮して生活保護世帯二百四十入れたんですか。
○参考人(吉田行範君) そういうことがあり得ると……。
○鈴木強君 それじゃ、あなた、この身体障害者とか母子世帯だとか入ったらふえるじゃないですか。ふやしてあるからそれで追っつくという答弁おかしいじゃないですか。つじつまが合わないんじゃないか、あなたがさっきから言っていることと。そんなでたらめな積算じゃないでしょう。
○参考人(吉田行範君) ちょっと失礼でございますが、御質問の意味がよくわかりかねるんですが……。
○理事(森勝治君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○理事(森勝治君) 速記をつけて。
○参考人(前田義徳君) 仰せのとおりでございまして、御審議いただいている予算書の中には、厚生省が四月一日から実施する方針のものは予測いたしておりません。したがって、明年度のカラー契約の予定契約数は四百万世帯になっているわけでございますが、これからの問題は、それが無料カラー契約との関係でどのぐらいの数字の移動があるかという問題に変わると思います。そして、それは四月以降の問題になるかと思います。
○鈴木強君 だから、いまの会長のことばで全部整理されたんだけれども、そうすると前に言ったのは、これはみんなうそを言ったことになるんだな、会長の前に答弁したのは。それはそう訂正しておいたほうがいいですよ。
○参考人(前田義徳君) 理解が足りなくて、したがって、答弁が混乱したことはまことに遺憾でございました。
○鈴木強君 議事の運営上、私も心外です。私の言っていることがわからないで、少なくも、速記をつけた公の席上で質問者の意図がわからないで答えるなんてばかなことはないです。だから私はかみ合わないと言ったんだから、そのときは委員長に善処方をお願いして、かみ合うようにしてくださいよ。あなた方も理事でしょう。何を質問者が言っているかわからないで答弁するなんて、そんなばかな話はないですよ。私は条理を尽くしてわかるように言っているんだけれどね、あなた方が聞き方が悪いだけだ。私はひとつも間違ったことを言っていないんだから、さっきから同じことを言っているんだから、だからあなた方、人が質問するときには、よく聞いていてもらってしないと行き違いが出るんですよ。
  〔理事森勝治君退席、委員長着席〕
○参考人(前田義徳君) まことに仰せのとおりで、これからそれぞれの担当に一そう注意してもらうように申し伝えます。
○鈴木強君 それから、厚生省の方にちょっとお伺いしますけれども、沖繩には、おたくで把握している生活保護世帯はどのくらいございますかわかりますか。
○説明員(藤森昭一君) 正確には記憶しておりませんが、沖繩県民約百万のうち、現在の人数で二万九千人というふうに記憶しております。
○鈴木強君 会長おっしゃったように、沖繩の分も普通契約の無料が四千件ふえることになっておりますけれども、おそらく生活保護世帯はこっちも入ってないと思いますからいろいろ御苦労でしょう。収入は関係ないし、契約はしなければならないというのでたいへんだと思いますけれども、せっかくの保護世帯に対するあたたかい施策が出てきたんですから、それを受けて、ごめんどうでもひとつ保護世帯についてはできるだけ親切に契約ができるようにお願いをしておきます。
 それから、時間がだんだん迫ってきましたから……。
 この前、私は経費の節減について資料をいただきました。それで、予算編成の段階において、NHKがたいへん努力されて各年度ごとに十数億の節約をしております。ことしは二十億と、この点は非常に多といたします。
 そこで、ちょっとそれに関連して伺いたいんですけれども、そういう予算編成時にたいへん努力をされて節減をし、さらに、実行段階において年度の間、何がしかのやっぱり節約をされていると思いますが、そういう額が四十三年以降、年度ごとにはどのくらいかわかりますか。
○参考人(斎藤清君) お答え申し上げます。
 昭和四十三年以降、年々節減、軽減の効率化というものに努力してまいっておりますが、四十三年度におきましてはほぼ十六億八千九百万円、四十四年度におきまして十七億八千九百万円。四十五年度におきまして十八億四千五百万円、四十六年度におきまして十五億九千四百万円、四十七年度につきましては先般来申し上げておりますように、ほぼ二十億でございますが、正確には二十一億二千万円というふうに見込んでございます。
○鈴木強君 これも私の言っていることよく聞いてくれてないのです。それは資料でいただきまして、たいへん編成時に努力をされていると思う。私の言っているのは、その予算がきまりまして、年間予算の実行段階で節約をされていますね、いろいろ苦労されて。その額が幾らですかと、こう聞いているわけです。
○参考人(斎藤清君) たいへん失礼申し上げました。各年度の実際上の節減結果が予算に対してどうであったかということについては、実際の事業結果につきましてはいろいろな要件が錯綜してございますので、微細な数字はちょっと申し上げにくいのでございますが、計画数字に対します実績ということを大きくつかみますと、ほぼ予定どおりが実施できたというふうに考えております。
○鈴木強君 どういったらいいんですかね。たとえば、四十七年度中継放送局その他施設の維持、運営経費の減等を含めまして十七億予算編成段階で節約をしましたね。そうすると、中継放送局その他の設備運営費というのは、十七億を引いた、節約をしたものででき上がっているわけですよ。それがたとえば二百億としましょう。きまった予算の二百億を年度内にさらに従業員の努力によって節約をするということが、例ですからね、――その他各費目にわたってみんなで努力して、そして既定経費、既定予算のうち、たとえ節約をして編成された既定経費をさらに努力していったという、その額がわかったら四十三年度教えてもらいたい、こういうことですが、わかりますか。質問のことがわかりますか。趣旨はわかるでしょう。これはみんなそれぞれ予算編成のときに皆さんが努力をされて、こういうふうに努力をされた、その上で管理費が幾らとか、放送費が幾らというふうに金額をはじくわけでしょう。その中で、さらに予算総則との関連もありますね。そういうことですよ。
○参考人(斎藤清君) 実際に決算という形で実績が出ておるわけでございますが、その意味におきましては、予定よりもやや余ったという実績もございます。しかし、その部分が四十三年度におきましてはほとんど予定と同じでございまして、予算と実行の結果につきまして大差ない結果があらわれておるわけでございます。四十四年度、四十五年度につきましても実行結果という意味におきましてほぼ同じ状況でございます。
○鈴木強君 予算総則第七条の二項ないしは八条ですね、これらに該当するようなものはわかりますか。そういうことを聞いているのですよ。「職員の能率向上による企業経営の改善によって、収入が予算額に比し増加し、」あるいは「経費を予定より節減したとき」、そういうことを言っているのです。これは従業員の大きな企業努力ですよ。努力によって節減されているはずだ。それがないということはないでしょう。
○参考人(斎藤清君) お答え申し上げます。
 七条二項の適用につきまして二つの要件がございます。これは先生御指摘のとおりでございまして、増収を得られた場合及び能率向上による節減による場合、この二つございます。そういう意味で、四十三年から四十七年までの期間中について申しますと、すべて増収の振り当てという形で特別の給与の支給をいたしてございます。
 なお、過去において全くその事例がなかったかということにつきましては、昭和二十年代におきまして、昭和二十九年、昭和三十年、それから昭和三十一年というふうな時点におきましては、節約によりますところの成果を特別の給与で支給したという事例はございます。
○鈴木強君 そうすると、この経費を予定より節減したということは四十三年以降はないということですね。増収の努力によって予定より予算に対して収入がふえたということはあるけれども、事前に、編成時に思い切った節約をしておるから、予算実行段階では非常にそういったものがはっきり出てこない、こういうことですね。しかし、びた一文節約しなかったということではないでしょう。やっぱり多少の、大体予算とんとんにいっているんだけれども、幾らか予算から見た場合には節約をした部面もあるでしょう。それはどうなんですか、決算上のやつは。ちょっといまここに資料がありませんからね。
○参考人(斎藤清君) 先ほど申し上げましたような自体でございまして、四十五年度までのことを申し上げまして四十六年度についてまだ触れておりませんでしたが、四十六年度につきましては、これは年度途中におきましてかなり強い節約を重ねて実行いたしております。ただ、現在まだ年度の最後の締めに至っておりませんけれども、いまの私どもの見込みとしてはある程度の節約額は出るだろう、予定よりも超過した節約額が出るだろうというふうに考えております。
○鈴木強君 これは、私もずっと節約額の推移を拝見しまして、さらにまた、新谷委員の質問に対するこまかい資料をいただきましたから午前中ずっと見てみましたけれども、確かに設備の近代化、技術革新、それによって要員を減らしていくとか、かなり効率的な運営をする中で節約をされておりますから、既定経費をさらに一年間節約をするということはむずかしいんだなということをもう一回認識したんですけれども、これは一般の建設費とか、そういうふうなものは物価高その他もあって、土地の取得であるとか、いろいろ問題があると思いますけれども、たとえば、消耗品的な紙とか鉛筆とかそういうものとか、あるいは平素使う交通の問題ですね、そういうふうな、何かしらまだ多少なりとも経費節約をできるような部面がないとも私は限らぬと思うんですよ。ですから、そういう面については思いをいたしていただいて、できるだけ、多少何ぼでも七条二項の発動ができるような形にできるならば、これはまた非常にけっこうなことだと思います。しかし、これはそう簡単に、観念的に言ってみたってむずかしいことですから、平素全職員がそういう心がまえで収入の増をはかると同時に、経費の節約についても思いをいたしていただいて、鉛筆一本、紙一枚も大事に使うというようなことを、いままでもやっていただいていると思いますけれども、なお、それを徹底していただいて節約に努力をしていただきたい、こういうふうに私は思うのです。これは会長からちょっと。
○参考人(前田義徳君) 私としても全く同感でございます。先ほど斎藤理事が述べた三十三年以前の事例の中では、私どもが辞令書を廃止したことがございます。これによって年間約一億を節約したことがございます。今日依然として普通の意味での辞令書というものはNHKにはございません。ただ、いろんな機械器具の、たとえばリコピーとか、そういうものの発達によって、また、そのリコピーに必要とする紙の質が非常にぜいたくになってきている、そういうような面まで実は考えまして節約の方針を立てているわけでございます。それから、四十三年以来四十五年までほとんどなかったということは、部門的にはあっても、全体的にはそれは他の部門をカバーする結果になったという意味がかなり強いかと思います。
 しかし、四十六年度は、四十七年度予算の編成にあたって、十月以降さらに詳細な検討をして節約の指示をしておりますので、今日以後さらにお説のとおり、われわれの仕事の密度を高めながら、必要なものには金を出すし、いかがかと思うものは、多少まあ外観的に酷じゃないかというところまでやっていきたいと、こういう精神でおります。
○鈴木強君 けっこうです。まあ、会長の言を信頼して、来年の決算に成果があがるようにわれわれもお願いしたいと思います。
 それから、雑収入で十五億七千五百四十九万三千円というものがございますが、この中に、すなわち、四十六年度決算の結果、次年度に繰り越しをする受信料の残ですね、未収の分、これは幾らになっておりますでしょうか。一応ここで見ているのは、雑収入の中に幾ら入っていますか。
○参考人(斎藤清君) 雑収入の内訳といたしまして、一般の利息収入以外に雑入金という用語でくくりまして、ある程度の金額を見込んでおるわけでございますが、ただいま御指摘の欠損年度受信料の回収といいますか、そういう意味合いのものにつきましては、四十七年度は二千万円を見込んでございます。
○鈴木強君 未収金の処理は、これは毎年伺うのですけれども、そうすると、この四十六年度末で未収金は幾らと大体想定していますか。
○参考人(斎藤清君) ただいまの御質問の趣は、四十六年度の受信料につきまして、四十六年度末の状況での数字でございましょうか。
○鈴木強君 そうです。末になってどの程度の未収が見込まれますか。
○参考人(斎藤清君) 四十六年度の受信料としてずっと取ってまいりまして、三月三十一日の状態で一応未収金として考えられます数字、これは現在のところまあ大体の推定でございますが、十八億四千八百万くらいになろうかと思います。
 で、これに対しまして、また、四月以降これを回収をはかっていくわけでございまして、それが四十七年末にその半分くらいというふうになっていくというようなふうに考えております。
○鈴木強君 そうすると、それは受信料のほうに全部入っていくようになるわけですか。そうですね。
○参考人(斎藤清君) さようでございます。
○鈴木強君 そうして、たとえば、十八億四千八百万円の未収金があるが、そのうち一年、二年、三年たって、何年も何年も追跡をしていくわけですね。そうして、しかしまあ、最終的にどうしても取れないというのが欠損金として落ちていくわけですけれども、この雑入金というのは、そうすると何年度の分になりますか。これは四十何年度分が、この二千万円というものが入ってくるわけですか。
○参考人(斎藤清君) 四十七年度におきまして、雑入金として整理されるべきものは、これよりも二年以上前のものということに相なります。したがいまして、四十五年度以前のものということでございます。
○鈴木強君 そうすると、二千万というのはやはり推定でございますか。あるいはもっと入ってくるかもわからぬ。そういう二千万よりも、雑収入の十五億七千五百四十九万三千円というものの収入が、予算額からふえた場合には、会計上どういうふうに処理しているのですか、この二千万を入れて、十五億というものができているわけでしょう。
○参考人(斎藤清君) お答え申し上げます。
 雑入金として整理いたします。ただいまの点につきましては、大体項目的に計画項目でございませんので、まあ、従来の実績を平均いたしました数値程度で、収入として見込んでおるわけでございます。御指摘のように、一つ一つの点につきまして、場合によりまして年度実施した結果におきまして、金額が移動する場合がございます。これにつきましては、内容的にいまの雑入金だけでも、数十項目の実はこまかいものがございまして、このおのおのについて収入が多くなったりあるいは減ったりそういう相殺的な形であらわれてまいります。大体、傾向としては、その総体で、予算とほぼ近い形で決算が出てくるというようなのが、最近の実情でございまして、場合によっては、いろいろな、たとえば、不用品を売るというようなことを、非常に強行いたしました場合には、少しふえるというような事例もあり得るということは申し上げられるかと思います。
○鈴木強君 大体、いままで雑入金は従来のまあ慣例といいますか、によって組んでおると思うのですが、それはあれですかね、間違いなくぴたっといままでの予算、決算上は合っていますか。それで、かりにそれよりか多くなった場合、それは決算上の処理をして予算上の額は全然変わらないわけでしょう。雑収入としての全体の額というのは変わらないわけでしょう。決算の場合、それだけ多かったということで、処理されていくわけですか。
○参考人(斎藤清君) さようでございます。
○鈴木強君 電波監理局長、四月三日からNHKの放送番組がかなり変わっていくようですけれども、特にラジオの第二放送ですね。これについては、何か放送の番組の編成とか、そういうものに対して、変更をするように聞いていましたけれども、ちょっと私、資料、ここのところにあったのですけれども、いまそれが見当たりませんけれども、どういうふうになっておりますか。第二放送、まあ第一でもいいです。第一、第二、FMですね、そういう番組編成に対して、何か変更が行なわれたのじゃないですか。
○政府委員(藤木栄君) いわゆる第二放送につきまして、従来娯楽放送という番組が少しあったわけでございますが、それをやめまして第一にまとめた、そういうことでございます。したがいまして、第二放送としましては、報道、教育、教養といったものが主体になっておる、そういうことでございます。
○鈴木強君 第一放送は、従来と変わりはないわけですか。
○政府委員(藤木栄君) 第一放送につきましては、放送事項については、従来と変わりはございません。
○鈴木強君 FMは。
○政府委員(藤木栄君) FMにつきましても変わりはないと聞いております。
○鈴木強君 何かこれは私も聞きかじったことですから、確かめておきたいのですが、NHKの場合、第一、第二とも大電力化の方向に進んでいるわけでしょう、三百キロから五百キロと。そうなりますと、できるだけ放送内容というものは、たとえば、ニュースにしても中央集約的な、電波の到達距離が、足が長くなりますからね、そういう意味ではできるだけ全国的な、画一的なニュースを流して、ローカル的なものは少なくしていくというようなそういう方針のように聞くんですけれども、これは郵政省の番組編成に対する基準の変更その他と関係なく、協会として独自におやりになるということなんですか。
○政府委員(藤木栄君) 郵政省といたしましては、放送事項というところで、その内容がどういうふうに変わるかということを具体的にとらえているわけでございます。
 先ほど御質問がございました第二放送の娯楽番組の廃止というものは、NHKからの申請によって受けつけておる、そういうふうに認可しておる、そういうかっこうになっておるわけでございます。
○鈴木強君 NHKのほうは、そうすると、東京標準放送局等、百四十一局の放送事項について郵政省から許可を得たんですが、端的にわかりやすく言うと、いままでの第一と第二、ラジオの場合ですね、これを従来のどこをどういうふうに第一に移しというような、そういうような簡単な、結論的なことだけでも聞かしてくれますか。
○参考人(坂本朝一君) 第一放送は従来と変わりございませんで、普遍的な娯楽、教育、教養、報道という形で実施いたしております。
 第二放送は、御指摘のように教育波的性格を強めていくという波の性格を明らかにするという意味から教育波的性格を強めていくということで、第二放送の中で一部編成しておりました娯楽的な邦楽番組を廃止するということでございますが、それで、したがいまして、本来ならば第二放送は教育波という言い方で徹底できるかと思うんでございますけれども、ただ、テレビジョンの教育テレビとのかね合いで申し上げますと、教育テレビジョンは教育番組を七五%以上、教養番組を一五五%以上というふうに条件がついておりますが、ラジオの第二放送の場合には、気象通報という報道番組を編成しなければならない特別な波の性格がございますので、教育番組七五%以上、教養番組一五%以上というふうに教育テレビジョンを規定いたしますような形で申請しかねるものでございますので、放送事項の変更ということでお願いして許可を得たわけでございますが、真意とするところは教育テレビと同じように教育番組を中心に将来持っていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○鈴木強君 この旧の放送事項の中にあった娯楽を目的とするというのは、大体放送番組の中での、全体の番組の中では何%ぐらいやっていたんでしょうか。
○参考人(坂本朝一君) これは、非常にわずかで、いまちょっと調べさせて御答弁いたしたいと思います。
○鈴木強君 大体でいいですよ。
○参考人(坂本朝一君) 大体の数字で申し上げますと、第二放送に編成いたしております娯楽番組というのは、もう数%、五%に満たないという形でございまして、そうして今回の改定によりまして、ラジオにおきましては、第一放送におきましては、報道番組が四二・七%、教育番組が一・四%、教養番組が三一・九%、娯楽番組が二四%ということでございます。
 それから、第二放送につきましては、報道番組が五・三%、教育番組が八一・〇%、教養番組が二二・七%という形でございます。したがいまして、第一と第二を総合した形でのパーセンテージというのがまた別に計算できるかとも思いますが、その点は、ちょっといまの時点でデータを持ち合わせておりませんので、御猶予願いたいと思います。
○鈴木強君 この放送事項の変更をした意図がどういうところにあったかお聞きしたかったわけですけれども、私は、これは私の意見も申し上げて、協会側の御意見も承っておきたいのですけれども、テレビ、ラジオとありますね。それで、テレビは白黒、カラーですね、Uもできましたが。それでラジオのほう第一、第二放送、FMとあるのですけれども、このコンビネーションをどういうふうにしていくかということはたいへん大事なことだと思います。最近どうかすると、テレビ、テレビという考え方が何事によらず先行しているように思いますけれども、むしろ、またラジオというものが見直されてきて、カーラジオなんか一時取るか取らないかで受信料が問題になって、結局いまNHKはラジオの受信料というのは全然取らないように受信料の変更をしたわけですけれども、最近の民放あたりのラジオを聞いておりましても、かなりNHKよりまさっておるような活発な、フレッシュな報道を、特に午前中あたりどんどんやっているようですね。けさも私は民放で船橋の衝突事故を聞きました。たしかNHKは、「スタジオ一〇二」の終わったあとの予告番組を若干やるところへニュースを入れまして、衝突したというのを聞きましたけれども、民放なんかでは交通なんかに対する報道、放送のために一台も、二台も、三台も、六台もラジオカーを飛ばして、空中にはヘリコプターを飛ばして、時々刻々に朝の交通の状況を視聴者に知らしている。そうすると、ある人は民放にすぐ電話をかけて、こういうところに事故が起こりましたと知らせてくる。そうすると、ヘリコプターが飛んでいって、その情報をそれぞれ国民に知らしてくれるというので、非常にラジオというものが見直されてきているし、どうもNHKよりもすぐれている面も最近はあるのではないかという気もするわけです。ですから、この際、協会としてテレビと同時にこのラジオの第一、第二放送ですね、こういうものに対して一つの画期的な編成がえというものをやるようなことをわれわれは期待をするわけなんですけれども、協会がすぐれているとか、すぐれていないとかいうのは私の主観ですから、私が一部を見て言うことですから、全体を見てと言われると困るんでありますけれども、そういう点ももしあるならば大いに私の意見を加味して、反省の上にさらにいいものをつくって、何も民放と競争せいということを言うわけではありませんけれども、協会は協会らしいことをしていただきたいということを、ラジオに対してせっかくの機会ですから、考え方を聞かしてほしい。
○参考人(前田義徳君) 御承知のようにNHKは、音声放送として三波を持っておるわけです。そして、中波については要するに外国からの混信という問題があり、したがって、数年来電力を強くする大電力主義という郵政省の御方針にもわれわれは一〇〇%の賛成をいたしまして今日に至っているわけです。したがって、中波につきましては全国同一番組というのが将来の眼目でございます。ただ、先ほど来坂本理事からも申し上げましたように、第二放送について明年度から、四月一日からそれを実施すると、第一放送については一部ローカル的なものが残ると、それも四十八年度には私としては清算いたしたいと、こう考えております。したがって、三波を有機的に使っていくというのが私どもの考え方でございます。したがって、ローカル放送の問題については、将来の問題として、県別なりあるいは地域別のローカルは、音声の場合、中心をFMに置かなければならなくなってくると私は思っておりますし、また、そうすべきだと考えております。
 ただいま御指摘の印象的な問題については、私も実は六時から放送を聞いておりました。しかし、NHKは七時前からこの放送をいたしております、ラジオにおきましても。ただ「一〇二」はひとつのニュースショーですからそれを繰り返した。ただ朝早い時間には非常に多数の重軽傷者が出たという報道はいたしておりますが、数字はまだその時分にはわかっておりませんでした。そこで、いまのような問題と関連して、それではNHKのラジオはどういう活動のしかたをするかといいますと、いまのような問題ばかりでなく、大衆性のあるものは、音楽的なものは自然FMによることになると思います、これはステレオをも含めて。それから、ラジオの第一放送が中心となっていまのような聴取者にこたえ得る新鮮な番組を織り込んでいくという形になるかと考えております。
○鈴木強君 そうすると、けさは私はラジオの民放を聞いて、それからテレビのほうをNHKに切りかえたもんですから、その間のNHKの活動、ラジオにおけるニュースの扱いについては、実は聞いておりませんでした。会長がお聞きになっておって七時前に流れたということですから――七時前ですか、あれ、たしか事故発生が七時何分じゃなかったかと思いますがね。その点はまあこれはいいですわ、お互い記憶のことですから、多少の差はあると思いますがね。そういうわけで、要するに、放送について特に朝の交通時なんかにはかなり、どこの線がすいているとかすいてないとか、事故が起きたとかということは出動する人にとってみると大事なことですからね、朝の足がどうなっているかということは。ですから、そういうものは一例ですけれども、取り扱いについても民放のほうが非常に、ああいう車を派遣しておってやるような状況見ておりますと、若干もの足りないという気がするわけですね。そういう点を感じを申し上げたんで、前段の私の話したことも、これは感じですからね、そういうふうに受け取っていただいて、ただ是正する点があるならば、朝の番組なんかでもこの際、ニュース、報道ですか、そういったものを拡充していただけるとすれば、そういう中でこなせればこなしてもらいたいという私は、希望を持っているもんですから申し上げたんです。
○参考人(坂本朝一君) 御指摘の点につきましては、私ども編成を担当いたしておりますものは全く同感でございまして、来たる四月の改定にあたりまして、ラジオの第一放送の午前七時から九時まで、現在はかなりスタティックな番組で、音楽レポートの鑑賞のような番組を放送しておりますが、それはFMに移しまして、七時から九時までの間、御指摘のように流動的な番組を編成することにいたしまして、交通情報なども随時編成するという体制を整えております。ただNHKの場合は、御承知のように全国放送がネットになるもんですから、交通情報の分量が過疎がございまして、東京のようなところでしたら五分でも十分でも情報があるわけでございますが、その間、地方の手当てをしなきゃならぬというような編成上の難点がございますが、これはネットを別に出しまして、いわゆる二波出しをいたしましてこの聴視者の要望に沿おうという決心をつけて実施いたしますので、四月以降の番組について御期待いただけたらというふうに思う次第でございます。
○鈴木強君 非常にけっこうです。そういう方針でやっていただければありがたいですね。
 それから、いま会長のおっしゃった将来の展望については、第一を全国同一番組にしてという考え方、第二は、この変更によってやる、第三はFMとかいうことで、音楽とか、そういうものでしょうけれども、しかし、ローカルニュースをどう扱うかというと、これまたたいへん問題になると思いますね。ですからそれぞれの地域へ行きますと、地方の県域放送、民放、NHKがあるわけですね。それがそれぞれの趣向をこらして放送していただいております。ですから県民から見ると、中央のニュースも聞きたいですけれども、むしろ、ローカルにどういう事件が起きたかということのほうが、もっと身近の問題として聞きたいニュースもあるわけですから、ですからそれをどういうふうにコンビネーションをされていくかということがたいへんむずかしいと思うのですね。ですから、FMが県域放送的な立場に立ってローカル的なものを流す、その中にニュースが流れ、解説が流れ、報道が流れていくということで、将来画一的にやろうと思いますけれども、第一、第二、FMとの三つの波のコンビネーションをどういうふうに切りかえていくかという点は非常にむずかしいと思います。少なくともローカル放送が途中で消えてしまうようなことのないように、これは万全な配意をしていただけることは当然と思いますけれども、われわれは必ずしも全国同一放送に、全部第一放送にするということについても、若干どうなのかなという気もします。これももっと検討してみないとはっきりした意見は申し述べられませんけれども、少なくともFMなり第二放送のほうがローカルの要望に期待できるという、そういう判断が名実ともにできる段階で、あるいは第一を全国的に画一放送にやるということもあり得るかと思いますけれども、その辺はもう少し、会長、硬直化しないで多少ローカル的なものが入ったっていいじゃないでしょうかね。それこそ、かりに五百キロワットの大電力になりましてパワーが上がっても、はたしてそれが全国、北海道から九州まで到達できるかどうか、そういうような伝達のこともあると思いますから、もう少し、将来展望としてはわかりましたけれども、実施なさるまでにはまだ何年かあると思いますからわれわれも検討してみます。ですから協会のほうも勉強していただいて、その点をはっきりデータでつかんでいただくようにお願いしておきます。
○参考人(前田義徳君) 全くお説のとおりでございまして、一応の五カ年構想という点から一つのやっぱり方向を考えておりますが、聴視者との関係では現実に即してこれを処理していく必要があると、このように考えております。
○鈴木強君 それから、たいへん御苦心をされて番組を作成されておられるのですけれども、ここに四十六年度の代表的テレビ番組の作成経費として資料をいただきました。それを見ますと、たとえば、いま人気になっている「繭子ひとり」ですね、これが一本四十六万五千円ですか、それから「新・平家物語」が四十五分もので一本当たり四百二十一万七千円、それから「大相撲」が百十分で百六十一万三千円と、こういうふうに、これは直接経費だけを資料として出していただいておりますけれども、私たちはもう少し内容について知りたいんです。まあ昔からNHKは薄謝協会だと言われた時代がありましたけれども、いまはそうでもないと思いますけれども、私はよくわかりません。あまり出演したこともないし、もらったこともないからわかりませんけれども、どうなんでしょう。この出演者に対する出演料というものはこれはなかなか公にするということはむずかしいのですか、会長。私はここでだれがどうということはお聞きしませんけれども、できたらもう少し出演者A、B、CクラスがあるならA、B、Cクラスでもけっこうですから、一回出た場合に、四十六万五千円というものの出演者に対する出演料というものはどういうようになっているかということは、資料としていただけないでしょうか。そういうことを知りたいんです。
○参考人(前田義徳君) この問題はなかなかデリケートなところがございまして、御参考にコンフィデンシャルなリポートは、個別に差し上げることができるかと思いますが、やはり放送事業界全般に及ぼす影響もございますし、著作権との関係もございますし、したがいまして、その明細な資料を当委員会に提出するということについては御寛容をお願い申し上げたいと、このように思っております。
○鈴木強君 それでは、それは別途いろいろお聞きすることもできると思いますからこの程度にとどめますけれども、概して、民放に比べてNHKの場合にはそう遜色はないというふうに見てよろしゅうございますか。それとも、民放より上回るというふうに見ていいか――これは資料がもらえませんから判断できませんけれども、そういう程度のことは言えるでしょう。薄謝協会というようなことはもういまは返上していると言えますか。
○参考人(前田義徳君) 二、三年前までは薄謝が中謝に変わっておったと思いますが、現在では大体、社会水準に達しているというようにお考えいただければ幸いだと思います。
○鈴木強君 これは私ももう一言聞きたいんですけれども、まあ会長の御意見もありますからまた別に譲りますけれども、たとえば大相撲を百十分やりますね。相撲というのは、民放が一時やっておったけれども、なくなりましたね、NHKがやっておるもんですから。非常に喜ばれていますね、NHKの相撲放送は。これはどうなんですか、放送権料というようなものを相撲協会に払う必要があるんですか。そういうものも含めて、百十分間で百六十一万三千円というものがつくられているんでしょうか。
○参考人(坂本朝一君) おっしゃるとおりでございます。
○鈴木強君 放送権料は幾らになりますか。幾ら払うんですか。
○参考人(坂本朝一君) その数字を大体逆算していただきますと、ある程度の予測がついていただけるのではないかと思いますが、大体、年間一億強ということになろうかと思います。
○鈴木強君 年間契約ですか。
○参考人(坂本朝一君) そうでございます。六場所契約でございます。
○鈴木強君 そうすると、そういう一億ぐらいの放送権料を払って、あとはカメラを写すNHKの職員の方、あるいは放送するアナウンサーの方とか、そういうふうな経費と見ていいわけですか。人件費というのはほかの項目にあるわけですから、直接経費の百六十一万三千円の中にはそういう人件費は入ってないが、カメラの減価償却費とか、そういうものが入るわけですか。
○参考人(坂本朝一君) いま申し上げましたのは、ここに記載しております費用の中には、相撲協会と契約いたします放送権料のほかに、当日御出演いただくゲストの出演者などがございます。そういう方々への謝礼は直接NHKのほうからお支払いいたしますし、それから中継車などを必要といたします場合の、いわば直接の中継録画費というような程度のものは、これは大した経費じゃございませんが、そういうものが含まれているわけでございます。
○鈴木強君 「私たちのことば」というのが朝ありますね。あれは幾らか上げましたか。去年は千円だと言いましたが、幾らか上げましたか、今年の予算では。
○参考人(坂本朝一君) 申しわけありません、ここに資料を持ち合わせておりませんので……。
○鈴木強君 それから「こんにちは奥さん」というのがありますね。あそこにときどき出演しますね、御家庭の奥さんとかなんとか、ああいう出演料はどのくらい出されるんですか。
○参考人(坂本朝一君) 正確な資料がいまここにございませんので、はっきりしたことは申し上げかねるのでございますが、大体足代を込めて五千円以内ということで処理しておるようでございます。
○鈴木強君 一人ですか……。まあそれも資料によっての正確な数字じゃないですね。あとでまたそれはひとつ資料で出していただきます。
 それでもう時間が十五分になりまして、私の時間が残り少なくなってしまったものですから、特に管理費について私は詳細にその内容を伺いたいと思ったんですけれども、時間がありませんからそれはまた次の機会に譲らしてもらいますが、ただ一つお願いをしておきたいのは、決算の場合も、予算の場合もそうですけれども、款、項、目、節とは言いませんけれども、もう少しわれわれにわかりいいような資料を予算編成時に出していただくように、これは何回もここで皆さんから言っておりますから、お願いをしておきたいと思います。
 それから最後に、大臣も御出席ですから一つだけ伺っておきますが、実は放送センターの土地取得の経緯の問題ですけれども、これは明日決算委員会がありますから、私はそこで大蔵省からさらに聞くことにいたしますから、きょうはひとつ会長いらっしゃるし、大臣もいらっしゃいますから、若干その点の経過について、もし私の質問に答えられたら大臣からも答えてもらいたいと思うんですが、まあ放送センターの土地取得については第一次、第二次と二回に分けてやりまして、第一次のほうは問題ありませんが、特に第二次の土地取得の問題についてはいろいろとまあ三大新聞とか五大新聞とか、そういうところで書いているわけではないのですけれども、いろいろ取りざたをして記事にもなっておりますから、この際誤解があるならば誤解を解くという意味で、ひとつ会長からも明確にお答えをしておいていただきたいと思います。
 私もできるだけ調べてみました。そうしますと、結論的に言って、これはどうも大蔵省側に問題の焦点があるように思いますから、その点を私はあす大蔵省に詰めてみたいと思うんです。これは第二次取得分のことですけれど、これは関東財務局から国有財産関東地方審議会の承認に基づいて、千葉市の稲毛海岸通りの土地と交換するよう指示がありまして、これを取得し交換に供することで契約をしております。交換に要する取得土地というのは五千八百七十七坪〇・九合、それから額は十三億六千三百十九万一千百円、坪単価は二十三万一千九百五十円、これは大蔵省の評価によるものです。要するに、NHKのあそこの放送センターの土地の第二次分の取得については、残念ながら大蔵省が千葉市の海岸通りの土地ですね、四万一千五百坪、これは十二億九千六百四万五千円です。この埋め立て地をNHKに一回買わして、そうしてそれとの等価交換で代々木の土地をNHKに登記がえしている、こういう事件なんですね。しかも、いろいろ調べてみますと、埋め立てをしてなんぼかかかった建設費を土地でもってある会社に支払っている、土地を提供しているのですね。その会社がまたある土地会社に売って、その土地会社が今度はNHKにこれを買ってもらったという経過になっているわけです。ですから、これが幸いにして――何か変な抵当に入っているとか、利権にからんで、いよいよ交換するときになって問題が起きるというような例がたくさんあります、そういうようなことがなかったことは私はよかったと思いますけれども、ですから、その辺、法律的に見た場合には国有財産関東地方審議会の承認を経て評価を大蔵省がして、それによってやっているようですから、私は、大蔵省に聞いた場合には、違法でないということを大蔵省は言うと思います。しかし、まあ協会側からしてみると、あそこの土地はどうしてもほしい。そういうことで、のどから手が出るほどほしい土地ですね。そういうことをいいことにしているというとあれですけれども、表現は適切でないかもしらぬが、稲毛の埋め立てした土地をわざわざNHKに買わして、そうしてそれを等価交換するというようなことは、これは法律的には違法でないとしても、少しやり方としては酷じゃないかと思うんですがね。ですから、協会はこうしなさいと言ったからおそらくやったんだろうと思いますが、やるほうの国もずいぶんひどいことをするものだと私は思うんです。あれを手放すならばなぜストレートに手放さないか。また、大蔵省がその海岸通りの土地をもし公務員の宿舎に使おうとするならば、それは最初からそこをお買いになればいいんですよ。わざわざNHKに買わして、そしてまたNHKが土地を買って、今度はその金でもって大蔵省は稲毛の土地を買うなんて、そんな複雑怪奇なことをやるべきでないと私は思うんですね。結論的にはそういう問題なんです。ですから、協会として当時のいきさつを四十年の十二月……一月二十日に登記をしておりまして、古い話ではありますけれど、私は、少なくともいろんな新聞等に記事が出ておりますから、それを見ると質問も受けるし、いろんな誤解もあるようですから、私は私なりにいろいろ調べてみました。その結果はさきに申し上げたようなとおりでございますけれども、これに対するひとつ会長なりあるいは大臣としての意見がありましたら表明をしておいていただきたいと思うんです。その上でまたあす決算のほうで私はやりたいと思います。
○参考人(前田義徳君) 御指摘のとおりでありまして、私どもは第二次の放送センター土地取得について適法な手続をいたしまして、その結果、その価格が決定し、私どもとしては全く何も考えておりません。ただ、行政的な面で、公務員宿舎をつくる問題と関連してそういう経過をたどったということは事実でございます。
○国務大臣(廣瀬正雄君) いま鈴木委員のお話を承りますと、経緯につきましてはなかなか複雑なようでございまして、ストレートでないようでございますが、大蔵省とNHKのことでございますからいかがわしい事実は全くなかったと確信をいたすわけでございまして、当時、郵政省のほうも御相談にあずかった様子もございませんので、詳しいことはわかりませんけれども、何か郵政省といたしまして大蔵省に申し入れるとか注意を喚起する必要がございますれば、御指摘によりましてそういうような努力をいたします。承ったところではまことに複雑ではございますけれども、別にこれという問題もないように推察いたしておりますわけでございます。
○鈴木強君 まあ御両所から伺いました。ですから、私は少なくとも協会の予算が会計検査院の承認を得ておりますしするから、会計検査院側に対しても私は自分で尽くせるだけはいろいろ聞いてみました。それで、ただ違法でないとしても少なくとも公共放送としてのNHKがその必要のために敷地を買収したいというときに、国はむしろ積極的にそれに対して協力をしてやるべきですよね。それをわざわざ稲毛の土地を買わして、そしてそれとの交換をさせるなんていうことは非常識ですよ。これは違法でなくても、こういうことをやるのは私は不見識だと思うんですよ。しかも、その買った土地のあとには公務員の宿舎を建てておる。それならば、なぜNHKに売ってその金で向こうを買わなかったんですか。ですからそういう点については、私はまあ協会は弱い立場にあったかどうかは知りませんが、そういう何もわざわざ手の込んだことをやらなくても、あすこをストレートに払い下げてもらえれば協会としては一番べターだったでしょう。それを手数のかかる、そういう登記代だってたいへんですよ。だから、郵政省は監督の立場にあり、予算も意見書をつけて国会に提案する大臣の立場もあるわけですから、これは政府側としてそういう酷なことをNHKにやらせることは私はけしからぬと思うんだね。と思うんですよ、行政的な面において。違法かどうかは、これはもう少し私は調べてみないと言えませんけれども、かなり知恵の入ったいろんな配慮をしながらやってますから、どう出てもこれは問題にならぬように配慮はしてあるようですよ。あるようですけれども、一般国民から見ると、なぜそんなことをしなければならなかったのか、どういう理由があったのか、それが、国民がなるほどそうしなければならなかったということがはっきりわかればそうかということになるのですが、大蔵省側も意見聞いておりませんから、あすその判定を私はいたしますけれども、いずれにしてもあまりいい買い方ではない。また機会があったら土地の取得等に対する大蔵省、特に財務当局というのですか、関係の土地の、国有地の扱い方等についてももっと慎重にやってほしいと私は思うのです。ですから、国務大臣として大臣もまた機会がちりましたら、そういうふうな誤解を招くような土地の取得はやめたほうがいいというぐらいの話はしておいていただきたいと思うのです。特に問題はNHKですからね、そういうふうに思います。
○国務大臣(廣瀬正雄君) おっしゃるとおりだと思います。公共放送のNHKのことでございますし、また、郵政省という役所のことでもありまして、郵政省とNHKとの関係は御指摘のとおりでございますから、郵政省のほうからお役に立つことがございましたならば、今後ひとつ御遠慮なく御注意いただきたいと、同じ役所同士なら話もしやすいということは事実だと思いますから、その点御理解いただきたいと思います。
○鈴木強君 会長、これだけは伺っておきたいのですが、会長としてもわざわざ稲毛の土地を買わされて、その土地とまたこっちと交換するなんていうことは、これはあまりいい方法じゃないと思われないですか。これは大蔵省のほうのやることですからやむを得ないと思うのです。あなたのほうの立場からすればそんなわずらわしいことではなくて、この金はきまっているわけですから、さっと出したら、準備しているわけですから一番よかった、ベターだったんでしょう。しかし、当時の事情からしても土地はどうしても早く買わなくてはならぬということで、やむを得ずやったんじゃないですか。
○参考人(前田義徳君) 全く初めての経験ですから、私どもの経験の中にはそういう方法はかつてなかったということでございます。したがいまして、戸惑いましたことも事実でございます。
○鈴木強君 これは私は、協会をかばうとか何とかそういうことでなくて、大蔵省のやり方がちょっと過ぎているように思うのです。これはまた私大蔵省あしたやりまして、その上でさらにまた大臣なり会長の御意見を伺うことがあるかもしれませんが、一応きょうは時間がきましたから、これはこれで終えておきます。
○委員長(杉山善太郎君) 次に、木島君の質問を許します。木島君。
○木島則夫君 まず、郵政大臣に伺いたいのですけれども、これは大臣に対する質問通告に入れておきませんでした。たいへん簡単なことですので、ひとつ政治的な配慮をお加えにならないでざっくばらんにお答え願いたいと思うのですが、大臣はどういう放送を好んでごらんになるか、民放とNHKとの比率というか、どちらを多くごらんになるか、まずその辺を伺いたい。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 実を申しますと、私自身こういう立場にありながら、ラジオはほとんど聞くことはございません。テレビはつとめて見たいと思っておりますけれども、なかなか見るチャンスがございませんで、そうですね、くたびれているとき見ますのは六チャンネルはよく見ますね。NHKの第三もまあ頭のさわやかなときは見ますけれども、六チャンネルが率直に申し上げまして多いと思っております。
○木島則夫君 疲れているときとおっしゃると、やわらかいものでございますか、深夜の。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 深夜の男女関係のきわめて濃厚なああいう場面はあまり好かないほうでございまして、また「歌のグランドショー」なんていう歌ばかりのショウもあまり好きませんで、まあ時代劇あたり私は好きでございますね。
○木島則夫君 そのことが別に問題だということではございませんで、私は大臣、日本の放送界のあるべき姿としましてNHKと民放とが、これができることなら同じ土俵の上に乗っかって、お互いに相補い合いながら日本の放送というものをバランスのとれた形で私は運行をしていきたい、運営をしていってもらいたいというふうに思うのですけれども、どうも最近ではそのバランスがはっきりくずれてきたように私は思うのですね。ということは、NHKがやはり巨大になり過ぎて、りっぱになり過ぎたという感じです。これは、特に最近民放の中で起こっておりますニュース制作部門を経営本体から切り離したり、外注に仰いだり、あるいは下請に回したりという傾向に、端的にこれは出ていると思うのですね。こういう傾向を大臣としてはどういうふうにごらんになって――アンバランスの形でNHKだけが何か大きくなっていく、これはあるいは私の感覚的なとらえ方かもしれませんけれども、こういう行き方をどういうふうに大臣はごらんになるか、この辺も率直に聞かしていただきたいのです。
○国務大臣(廣瀬正雄君) さきのお尋ねで一つ重要なことを落としておりました。それは、毎朝NHKでやっております八時十五分の「繭子ひとり」でございますか、これはよく見ます、これを落としておりました。つけ加えておきます。
 それから、いまの公共放送と一般放送業者の放送の関係でございますが、これは私はこういう形は公共と民放が、NHKと民放があるということは、これは非常に好ましい形だと思っておりますのですが、ただ、おっしゃるようにバランスをとるということですね、これもぜひそれでなければならないと思っておりますが、私自身はなるほどNHKも非常に巨大になっておりますけれども、民放もどんどんふえておりますし、ですから大体バランスがとれているのじゃないかというように、私自身は考えておりますわけでございます力
○木島則夫君 きょうはNHK予算についての関連質問ですから、私は放送全体の中で民放とNHK、NHKと民放との関連においていま民放を問題にしております。したがって、この問題についてはあんまり深く私はきょうは入りたくないのですけれども、いま大臣がおっしゃったことばの中に、民放の数も相当ふえているし、バランスがほどよく、とおっしゃったかどうかはわかりませんけれども、とれているのではないかというようなお答えでしたけれども、現状の認識ははっきり言ってそうなんでしょうか、私はそうじゃないと思います。数こそふえているけれども、民放同士の過当競争によって、あるべき姿からは私は逸脱をしているような心配をされる部分もたくさんある、そういう御認識はないか、これだけ、じゃ伺っておきます。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 民放が最近過当競争の現象を呈しておるというようなことは、いささかも心配ないことでございまして、と申しますのは、一つは経済の不況ということが最近非常に大きな要素をなしておるのじゃないかと思っております。これはごく最近の現象でございまして、それまでは大体民放というのは順調に育ってきたのじゃないかというように考えておりますわけでございますが、最近の経済不況になりますまではそう過当競争ということで困るというような状況ではなかったと、こういうように私は考えております。
○木島則夫君 この、民放の内部の問題については、きょうは私はもうこの程度に触れておきますけれども、いま大臣のお話から大体の認識の感触というようなものは私はとらえることができたのです。
 さて、NHKの予算にからんで私は御質問をしたいのですけれども、非常に大きくなった、そして前田構想というものがどんどん実現をしていく、そういうものは外目からもよくはっきりとわかるのですけれども、私も過去NHKに籍を置いた者としまして、きょうは相当端的に質問をさしていただきたい。いま、NHKの職員の中には何というか、危機意識を持った人たちが意外に多いということなんです。これはどういう意識かといいますと、NHKの経営の将来というものが一体どうなっていくのかということへの不安ですね。なるほど、ちょうだいした資料を拝見しておりますと、受信料もいままでは順調に伸びてまいりました。それから、給与費の事業支出の中に占める割合も最近でこそちょっとパーセンテージは上がってはおりますけれども、これも私は健全だと言って、数字の上で見る限り差しつかえはないと思います。しかし、カラー契約が千五百万をピークにして、それ以後は鈍化している、これはこの委員会でも再々お話が出たところです。収入がスロー・ダウンをして昭和四十八年に頭打ちになるということは、これもやはりはっきりしております。この時期に放送センターの総合計画が終わって、代々木の放送センターの拡張工事が一応完成をして二十四階建てのビルができる、それからちょっとおくれますけれども、四千人も入る非常に豪華な、御説明によるとカーネーギ・ホールを上回るような大ホールもできて、いよいよその前田構想というものが大きく羽ばたこうとしておるということは、私は外目にはよくわかるのですけれども、ここで問題になりますことは、一体、NHKの財政力というものがはたしてこれだけの大きな計画を消化していける余力を今後持ち続けていけるかどうかという、ここなんです。私の見方ですと、テレビの黄金時代というのは、オリンピックがあった三十年代に終わっているという見方です、これは私見です。テレビの受像機がこれほどまでに普及した今日、この黄金時代はもはや過ぎ去ったものとなりつつあるということに私は思いをいたすべきだ、そうなると、NHKの収入の伸び切った終着点ではやっぱり受信料の値上げをせざるを得ないのじゃないだろうかということになります。まことにきびしい頭打ちの状態が始まろうとする、以後、NHKを取り巻く客観情勢というものも非常にきびしくなってくる。つまり、情報産業というものも新しい領域に殺到をする時代が到来をするでしょうね、カセット時代、それからCATV、いろいろな形で出てきます。ですから、こういうものによってアンテナ媒体の放送事業というものが私は衰亡するなんということは言いませんけれども、色あせてくるということは、これは事実だろうと思います。要するに、客観情勢の変化は何か多少むずかしいことばを使いますれば、無限の可能性を持っていることになるはずです。ですから、NHKの財政力というものがこれからの膨大な長期計画を消化していける余力を持つためには私は近い将来値上げか、さもなくば徹底的な合理化、これ以外にないと思います。もしほかにおありになったらば、第三の道もあるということをひとつ聞かしていただきたい。一、二、三と分けまして、値上げをせざるを得ない状況ではないだろうか、これから先。いや、そんなことをしないで、徹底的な内部の合理化によってまだ将来しばらくはだいじょうぶだというのか、あるいは第三の道がありますか、どうですか、その辺お聞かせをいただきたい。
○参考人(前田義徳君) はなはだむずかしい御質問です。しかし、第一、第二、第三の御質問はNHKの将来にとっては相関的な関係に立つと思いますけれども、結論的にはしかし、御質問の順序に従ってお答え申し上げたいと思います。
 この、現在の御審議いただいている昭和四十七年度予算でのカラー契約の数というものは今後五カ年間の帰趨を見ますと、大体まだ五〇%ぐらいのものだということが言えると思います。五カ年構想でわれわれが考えている時代の日本は、契約可能の世帯数として三千三百万世帯があるわけです。それで、私どもの計画としては、そのうち二千四百万世帯がカラー契約者になるだろうという想定をいたしております。四十七年度計画の二倍強でございます。そういう点から申しますと、NHKの将来というものは、大ざっぱに言っていろいろな方がいろいろな面でお考えになるほど私は悲観的ではないという考え方を持つわけです。
 徹底的合理化につきましては、この計画を立てる当初から、まあ簡単なことばで言いますと、機械化をやっております。この機械化は日本の中ではもちろんのこと、放送事業者の中では一部イタリア放送協会等が聴視料の関係で、一部実施しておりましたが、全面的な機械化というのは世界で初めてでございます。この機械化の結果として、評価のしかたはいろいろあるかと思いますし、御批判の点も幾つかあるかと思いますが、少なくとも、昭和三十五年の第一次長期計画の計画の内容と今日の結果を考えますと、私どもは少なくとも第三次計画が――実は四十七年度は第五年目、最終年度になるわけですが、この時点に立って振り返ってみて、これはもう徹底的な基本的合理化を達成していると私は考えております。まあそれとの関連で、簡単に例を申し上げますと、私どもは第一次五カ年計画の終わりに、したがって、昭和三十五年から計算して五年目に、もしその機械化をしなかった場合の需要量の増加と人員の必要性を考えると、少なくとも三十五年に想定した機械化をしない場合の総人員は、一万八千五百名内外という想定をいたしております。機械化によって明年度予算の御審議でもお願いしているその人員は、現時点では一万六千五百名でございます。このことは明らかに昭和三十五年からスタートした機械化による合理化は相当な効果をあげている、私はそのように考えております。そういう意味では、少なくとも今後五カ年間を想定するときに、第一の問題と第二の問題は、かなり重要なポイントになるということを申し上げたいと思います。
 で、これと関連して個々の問題について御説明申し上げますと、放送センターの完成、特に御指摘になりましたホールですね、これとの関係はどうかという問題でございますが、あの計画は、御承知のように東京オリンピックを前にして、NHKの責任を果たすためには、当時の内幸町だけではできなかった。したがって、大蔵当局その他にもお願いして、第一回目の構想は、竜土町で一万五千坪の土地を獲得するということでした。で、これは一応大蔵省の承認を経ましたが、その後この土地には東大を中心とする生産科学の部門が入ってまいりまして、土地は半分に削られました。したがって、その後の方策として代々木の二万五千坪を獲得いたしたわけです。そういう環境は、しかし長期構想の中で消化するという考え方をその当時すでに持っておりまして、当時のオリンピックに利用されたすべての機器は、長期計画に基づいてNHKのネットワークを充実させる機器以外のものは一つもございません。したがって、オリンピック終了と同時にこれが全国に戻ってまいりまして、そして今日のネットワークの基礎をなしているわけでございます。で、この放送センターは、したがいまして、オリンピックから数えて十年ほど経過して明年八月にようやくでき上がろうとしている。ですからそういうスピードと社会的必要性と、NHKの昭和三十五年から発足した計画というものをあわせお考えいただければ、これは単なるアイデアの結果ではないということが御理解いただけるかと思います。
 それで、現在内幸町にあるホールは固定席六百席でございます。これに対して補助席を入れたマキシマムは八百席にすぎません。ところが、いろいろな公開番組を行ないましても、おそらく要望の十分の一にもこたえられないという実情でございます。もしNHKが国民のものであるならば、理想的には入りたいという方々を全部入れるべきだと、私はまあ純粋理論的には考えるわけですが、しかし、同時にこういうことはやはり計画との関係で財政的な可能性、建設的な可能性というものを考えなきゃならぬと思います。この点について最終決定は四千席でございます。問題はこれをどういうふうに使うかという問題にかかってくると思いますが、こういう点でも、NHKが全国的な組織であり、ただ一つのネットワークであり、そしてNHKが国民のものであるとするならば、技術的なマキシマムあるいは経済的なマキシマムの観点から、建設されるこれらのホールについても私は意義があるというように考えている次第でございます。
 そこで、問題はこれらのものができたときに、一体さらに合理化の可能性があるかどうかという現実の問題に戻ってまいります。これについては御承知のように、先ほど申し述べたことと関連して、東京オリンピックの時期から考えますと、一部ずつではありますけれども二重の費用がかかっているわけです。内幸町の本館は依然として残っており、したがって、ある部分は施設もダブるという部分もございますし、ことに局舎管理についてはダブる部分がはなはだ多いわけです。これが移転いたしますと、いま申し上げたような範囲のある程度のダブリはなくなる。それと同時に新館の技術的施設の問題がございますが、これはおおよそ九十億円がかかると思っております。そのうちの八十億円は減価償却費によるものでありまして、膨大な建物に比べて、機器を新しくする――これは第一には技術の進歩に応ずる機器を備える、あるいはスペースの問題と関連して多少のプラスが出るという点で、純粋の支出部分は減価償却費八十億円を除きますと十億内外のものになるわけでございます。これも、結局は最終合理化の目標をたどるものであるというように私は考えております。
 で、そういう関係で、少なくとも今後五カ年のわれわれの構想の最終年度の数字から逆算してまいりますと、少なくとも聴視料においては五カ年間に約六千三百億内外、これが見込まれるわけでございます。したがって、これでやっていけるかどうかという問題は、NHK以外の社会的経済状態がどのような変革を及ぼすかという問題と関連してまいるわけでございます。そういう意味で、われわれが当委員会でもしばしば申し上げましたように、少なくとも明年度はそういう予算を御審議願っておるんですが、四十八年度においても値上げの必要はないと。なぜかと申しますと、算術的に計算しましても、放送センターの完成によって内幸町の土地を売却することができます。その使い方が会計的な規則によってどういう項目に入るかは別として、財政がそれによってささえられることは明らかであります。したがって、問題は四十九年以降どうなるか。これらについても私どもは五十一年までの概算をいたしておりますれども、しかし、しばしば申し上げるように、神さまではございませんから、五年後まで予言するわけにはまいりません。しかし、心がまえとしてはできるだけ値上げを避けていく。その理由は、まあ三千三百万世帯が契約可能の世帯と考えた場合でも、NHKの支持層は単なる金持ちであるとか、支払い可能の人ばかりでなくて、全国的な庶民の支持の上に立つ経営でございますから、できれば、理論的にはきわめて安い値段ですけれども、これをふやすべきではないという考え方を持つからでございます。そういう意味で、私は少なくとも今後五カ年間の構想については、しばしば申し上げましたように、きわめて楽観的でございます。
 問題は新しい情報機器、あるいはいろいろな問題が出てくるわけです。御指摘のように、カセットであるとか、いろんな種類のものが出てまいります。これについては私の考え方は、そしておそらく私の同僚も支持してくださっている考え方は、われわれは機器のメーカーではないという一点でございます。問題はソフトウェアに利用価値をどれだけ加算していくかという問題だと思います。これについては、私どもは単に国内の需要ばかりでなく、海外の需要とも関連しまして、三年ほど、もう足かけ四年になりますか、一応サービスセンターの中にNHKインターナショナルというものをつくっております。これは最近のドルショックによって、ドルの購買力が下がったために、まあ今年度の下半期はかなりその収入が減っておりますけれども、それでもこの金額はかなりのものになっております。私としてはいわゆる番組の二次利用という点に、新しい情報化に備えるべきであるという考え方であります。したがって、私は現在のいろいろな議論に対して、カセットその他CATVもございますが、これらは私として申し上げるならば第三の企業であって、NHKがこれに混乱を起こさせてはならない企業であり、NHKはそれのソフトウエアの供給者でなければならないという考え方に立つわけです。この面で申しますと、われわれとしてはこの部門について新しい投資を行なうことは考えておりません。これを、この一線を守らないとNHKの放送法上の性格がきわめてぼやけてくるおそれもあり、ことに毎年御質問をいただき、議論の中心となる放送法七条の問題がきわめてぼやけてくるおそれがあると、私はこのように考えているわけです。こういうことを総合的に考えますと、NHKが巨大化したのは逆に大衆の要望がこれを求めている。今後の問題としては、その限界をどこに置くべきかという問題だと考えておりまして、これらについても鋭意考え方を検討しているわけでございます。
 以上のお答えによって、きわめて不十分だとは思いますが、私としては、NHKの前途は国民が現在な限り、いろいろ個々の問題は起こりますけれども、永遠の企業として、国民の企業として考える場合に前途は少しも悲観する必要はないという考え方を持っております。
○木島則夫君 構想として、会長のお立場としてのお話として私もよくわかるのですけれども、何といっても私は、NHKを取り巻くこれからの客観情勢というものは、まあいろいろなデータも、ここでこまごまとしたことはあげませんけれども、私は非常にきびしいと思います。ですから、いま会長がおっしゃったことは、私は多少楽観にすぎるような気がしてなりません。で、非常に端的に、イエス、ノーでお答えいただきたいのですけれども、NHKを取り巻く客観情勢次第によっては、四十九年度以降も上げないで済みそうだということですか。
  〔委員長退席、理事森勝治君着席〕
○参考人(前田義徳君) 政治情勢、経済情勢、社会的な目ざましい変革のない限りは、そういう方向でまいりたいという心組みは持っております。
○木島則夫君 この辺になりますと、時間をかけてもなかなか決定的なお話というか、お答えは得られないので、私は次に進みたいと思います。
 いま会長が、NHKの前途、これからのNHKというものの前途は、国民が健在であるならばNHKもまた洋々たるものであるというお話をされておりますけれども、それに水をさすようでたいへん申しわけないのですけれども、私もいろいろなNHK関係の友だちもおりますし、親しくしておる人もおります。NHK出身者としてあまりこういうことを言いたくないのですけれども、寄るとさわると――たとえば寮の奥さんだとか、特に管理部門の人たちというものはNHKの数字というものにきっと精通をしているのでしょうね、この聞も実はこういう話があった。何かいいところがあったら転職したいのだけれどと、こう言うのです。まあ特殊な人かもしれません。で、私は、どうしてそんなことを考えるのだと言ったらば、NHKを取り巻く情勢、将来の見通しに対して自分なりにやはり不安を感じている、これは私一人ではないのだ、そういう人たちが意外にNHKの寮の中で話し合いが行なわれているのだと言う。これは次元の低い話だから、そういうものは相手にしないというお気持ちが会長にきっとあるかもしれないけれども、やはり職員の家族なり職員の口からそういうことばが出るということは、やはり私は、経営者として一考しなければいけないという意味で、そういう声に対する現実の認識というものはおありでしょうか。
○参考人(前田義徳君) 非常に強く持っております。たとえば木島先生のお友だちが一つの寮のかたまりだとしても、そういうことをおっしゃるのについては二つの理由があるのじゃないかと、そう感じております。一つは、木島先生のように、NHKを離れてさらに偉大になられた、このことについての一つのあこがれがあるかと思います。それから、ここ数年来、いわゆる雑誌ジャーナリズム、それから新聞ジャーナリズムがNHKに対してあらゆる批判を加えておる、その批判の実態について非常な危惧感を持っておられる、この二つではないかと思います。
 で、全般的にいって、おそらくNHKの人員構成からいって、木島先生のような例は別として、やはり終身雇用という社会的慣行が最も固まっている企業の一つとしてはNHKが考えられるのじゃないか。ただ、いま申し上げたような、私のそんたくですが、二つの理由で精神的な動揺はあり得る。この精神的動揺をどういうふうな対処のしかたで歯どめをしていくかというのが、先ほど外の形を申し上げましたが、私がいま一番考えている中の問題なんです。これについては非常に簡単に申し上げますと、だれでもが責任を持ってどの場においても働ける環境をつくることが必要である、これが私の実は二、三年考えてきたことの結論であります。そのためには、放送センター移行と同時に新しい職制、新しい組織、これに切りかえていかなければならぬだろう。そして、だれでもが自分の分担する面でNHKの全貌を知り、NHKとの関係でその職場で生きがいを感じ得る制度をつくらなければいけないということを痛感いたしております。
○木島則夫君 だれでもがその職場で番組制作なりに参加ができて生きがいを感じるような職場にしていかなければならないと、私もまさにそのとおりだと思います。私も、ずいぶんもう昔になりますけれども、NHKでそういうことを、実は内部におりましたときにも痛感したことがございます。さっきのいろんな外的の事情、マスコミのいろんな影響はありますけれども、そういう危機意識というものがやはり職員の中にあると、これは一番こわいことは、番組制作の面、番組編成面などにもそれが出てこやしないかという心配ですね。いまのところ、私はNHKのテレビを見ている範囲では、そういうものは外部に出ておりません。さすがだと思います。やっぱり私は、NHKというところはある特殊なエリート意識を持った特殊なグループの人たちが無気力な人たちにかわって番組をささえている、そういう人たちがやはり健在だからだと言いたいのです。しかし、それに追いついていけない、いま会長がはしなくもおっしゃいましたが、全部の人たちが番組に参加し得ないということを私も現実に見ている。つまり教育局あたりでは、いまの時点では知りませんけれども、実際番組が大型化していくと、仕事にありつけない人がまわりの喫茶店でわりあいひまをつぶしていらっしゃるというような、そういう方がいらっしゃるということも私の耳に入ってまいります。だから、その辺の全部の職員の人たちが参加ができて、あるエリートの一部の人たちが番組づくりをしていく、そしてそれに追いついていけない人たちとの差がうんと離れてしまうというものができないうちに、私は早くそれを手当てをしないと、全体の問題として大きくそれが表面に出てくる心配があるものですから、いまそういうことを私は申し上げている。これは現場の放送部門担当の坂本理事にちょっとお伺いをしたいのでございますけれども、実際にそういう風潮というものは現場でいまございましょうか。
○参考人(坂本朝一君) 私は、木島先生の御指摘でございますけれども、確かに、現在の教育局に例をとれば、御指摘のように、一部の番組の大型化によるこの傾向はございますけれども、しかし、教育局の現在の職員の皆さんは、少なくとも、たとえば教育テレビの通信高校講座のようなじみな番組を御担当になっておる方も、私の承知している限りでは、熱意を熱やして日本の教育のために力になっているのだという自覚のもとに働いておられるというふうに確信しております。ただ番組づくりというものの実態を、こういうことを木島先生に申し上げるのはいささか釈迦に説法のきらいもございますけれども、多少、外観的にはぶらぶらしているかのごとく見えるところでも、それはそうでない、そこに一つの創造的な思考なり創造的なディスカッションなりが行なわれているという場合もございますので、まあ一がいに外観的なところの御指摘という点については私、必ずしもがえんじないのでございますが、現状では、そういうような弛緩した精神の職場ではないというふうに確信しております。
○木島則夫君 いま現場の担当の方をそういうふうに坂本理事からおっしゃっていただいて、私もたいへんに安心をいたしました。
 非常に具体的なことについて伺いたい。番組改定によって鈴木健二アナウンサー、「こんにちは奥さん」の担当者ですが、番組を離れますね。これには何か特別な理由がございますでしょうか。番組編成権とか、それから編集権というお立場上、お答えになりにくかったらばもちろんけっこうでございます。その範囲で、お差しつかえない範囲でちょっと聞かしていただきたい。
○参考人(坂本朝一君) 御承知のように、「こんにちは奥さん」を、発足以来、鈴木健二君が担当して今日に至っておるわけでございますが、たまたま来年はテレビ開始二十周年になりまして、そして来年の二月の一日がテレビ開始二十周年の記念日になるものですから、来年度の事業計画の中にテレビ開始二十周年にちなむ特別な番組企画を考えたいということから、教育局のほうでいろいろと考えました企画が、やはり海外取材をもとにいたしまして、そしてやや長期にわたって取材して番組化するという計画になりました。そして御承知のように、鈴木健二君は「七〇年代われらの世界」というような放送の特別番組の司会もしておりますので、教育局としては、この二十周年の記念番組の制作の担当にあたっては、鈴木健二君をおいてないのじゃないかというような意向がございました。たまたま「こんにちは奥さん」のほうも長年にわたって担当をいたしておりますので、この際は、またここで新たに新風を入れるという必要もあるのではないかというようなことから、われわれ協議いたしまして御承知のような形になった、こういうことでございます。
○木島則夫君 鈴木アナウンサーが番組をかわるとかかわらない、表面的な問題ではないのです。
 いまの御方針を伺って、私は私なりに、そうですがと納得をいたしましょう。実は世間ではいろいろな見方をいたします。私もいまのお話を伺う前に、実は鈴木さんに代表される――やはりエリート放送マンだと思います。非常に優秀なアナウン
 サーですね。アナウンスメントだけでなくて企画力から演出力から、やはり多岐にわたって才能を持っていらっしゃる放送マンとして非常に私はりっぱな人だと思います。ですから、六年もの長期にわたって同じ番組についておりますと、自分の担当分野であるアナウンスメントを越えまして、それにとどまらずに、やはり企画とか演出とか実施の面に才能をタッチさせていく、それが相当、六年もたつといろいろな方向に伸長をすると、こういうことを申し上げていいかどうか、NHKのセクションの壁にぶつかったのじゃないだろうか。NHKというところは、比較的セクショナリズムのはっきりしたところです。ですから、番組制作を管理するものがきちっとして、そういうもとにおいては仕事が細分化されて、アナウンサーはアナウンサーの領域を一応守っていないと、それはセクションを越えて立ち入ったということで、私は何かあったのではないかというような実は見方も一部私の中でしたのですけれども、いまのお話を伺って、そうではないということでございますね。
○参考人(坂本朝一君) 御指摘のようなことは全くございません。ただ、一言申し上げておきたいことは、NHKはセクショナリズムだという御指摘でございますが、そのセクショナリズムというようなことについては、会長から常々その壁を越さなければいい番組はできないという御指示もいただいておりますし、それからやはり番組づくりの中で各。ハートの方がその番組づくりに参加パートを持つということが非常に大きな生きがいを持つことだろうと思いますので、そういう面について、アナウンサーの方であってもやはり企画性があって企画があれば企画をしていただいてけっこうですし、演出上の御意見があればそれは言っていただいてけっこうである。ただ、最終的に責任をとるのは、それぞれの責任のところで責任をとるのだというところさえ明確にしておけば、プロセスにおいて、各パートの方がパートの分野を越えて御発言になっても、それは一向かまわぬということで現在指導しておりますので、鈴木健二君の交代に関しては御心配いただくような点は全くないということを申し上げたいと思います。
○木島則夫君 私は鈴木健二君個人に別にこだわっているのではございません。この点誤解をなさらないでいただきたいと思います。鈴木健二アナウンサーに代表される優秀な放送マンとしての才能が、もしセクショナリズムという壁によって十分に吸収され、発揮されていかなかったならば、国民的立場で放送をしているNHKの、私は合理化なりに損失を招くという意味で申し上げているのです。
 それから、これは会長に伺いたいのでありますけれども、多少飛躍した考え方になるかと思いますけれども、部局制というものが私は番組をつくっていく上で何か障害になっているような気がしてなりません。そういうものを将来、たとえば、いまはっきり私は頭の中に描かれておりませんけれども、プロダクション・チームとか、あるいはプロジェクト・チームというようなものがつくられて、そういう教育局とか、報道局とか、芸能局という部局制という壁は、どうなんでしょうか、将来、私は取り払われたほうがいいような気がいたしますのですが、そういう構想みたいなものは将来のNHKの合理化計画の中にお持ちでしょうか。その辺も、多少飛躍した私の考えであるならば、お許しをいただきたいのですが、伺っておきたいと思います。
○参考人(前田義徳君) 結論的に申し上げれば、私は木島先生よりももっと飛躍した考え方を持っておるのです。私が編成担当になりましてから、非常に痛感したのは、放送部門の中ではアナウンサーの地位です。これが単に声を出すことのアナウンサーという時代は終わっておる。したがって、アナウンサー・プロデューサーという考え方を昭和三十五年から持っているわけです。それから技術と放送部門についても、御承知のようにかなり伝統的なものの中から、現業、技術を放送総局に移していく。これはまだ、まあ私の立場で言わしていただくと、理想的な形にはなっておりません。しかし最近、私は営業と技術と番組制作の若い人々と話し合ったときに、番組をつくる人の発言よりも、現業、技術で番組の一部の一番大事な点をになっている技術者がより積極的な考え方を持っていたことを発見したわけです。私は非常にこのことがNHKの将来のためにいいと。それから営業関係でもそうなってきておりますね。若いグループは。ですから、私はこの前も決算の当委員会の御審議に関連して、鈴木先生からも同じような御質問をいただきました。私の最終目標は局を廃止することだ、一言で言いますと。ですから、たとえばあれは昨年でしたか、途中で中央局を廃止しようと。というのは、聴視者と直結する部門の最高責任者というのは中央局以下の各局長ですね。ところが、NHK四十七年の伝統の中では、いわゆる官庁組織的な組織が牢固として抜くべからざる基盤を持ってきている。で、このためにいわゆる位の高いのは全部東京に集まっている、地方で位の高いのは中央局だこういう考え方をまず一てきしなければならない。したがいまして、御検討願えればわかるかと思いますが、その前提として、放送総局のいわゆる各局長は昨年以来、同時に放送副総局長になってもらっております。このことは、将来の構想がどこにあるかを御判断願える一つの材料かと思っております。ただ四十七年の長い伝統を、まあ人間心理の上からスムーズに展開させて最終目標に達するまでにはいろいろな手間と、まあ簡単に言えば時間もかかると思います。しかし私はその最終目標を、先ほどの御質問の中で答えたように、まあ明年の夏ごろまでにはという考え方を持っているわけです。
○木島則夫君 NHKには暴力追放とか、それから健全プロの育成というような大前提がございますね、ワクがございます。あれはたしか昭和三十五年の春だったと思いますけれども、刃物やピストルが多く出てくるものは番組から自主的に追放しようじゃないかということで、ピストル、チャンバラ番組というものが自主的に廃止をされております。今日の残酷とか残虐ムードを何とも思わない風潮をつくり出したものとテレビというものを直線的に私は結びつけたくはないのですけれども、ややもすると、やはり売らんがためのエスカレーションというか、そういうものがテレビの、ということは民放も含めてという意味です、随所に出てきています。
 ここで再確認をしたいのでございますけれども、野村会長のお考えになりました暴力追放とか、刃物を追放するという、こういう姿勢というものは、前田会長が会長におつきになってからも全く変わっておりませんでしょうか。なぜ私がこういうことを申し上げるかというと、リアルな場面があの当時よりも少しふえてきたんじゃないか。たとえば「縦の木は残った」の中のリアルな場面とか、新・平家の中の場面とか、それから私の記憶がさだかでなければお許しをいただきたいのですけれども、ニュース報道の中で、ライフルに当たって、そこでぱたっと倒れるような場面、私の記憶に誤まりがあったらばお許しをいただきたいと思います、そういうものが、どうもあの当時よりも少し多くなってきたような気がしてならないのですけれども、暴力追放とか刃物、そういう残酷ムード、残虐ムードにつながるようなものが、前田会長の時代になって緩和されてきたんでしょうか。多少の変更が、ございますんでしょうか。その辺を確認さしていただきたい。
○参考人(前田義徳君) 昭和三十五年に野村会長の名前で暴力追放の原則を徹底した、そのときの補佐は私でございます。したがいまして、私が会長になってもこの原則は捨てておりません。ただ、当時われわれが例外的に認めたのが二つございます。その一つは、まあ芸術的なドラマ、そしてこれは史実と関連するものについてはミニマムは許容しなければならぬだろうという点です。それからニュースの面では、現実のいわゆるなまのニュースとしてその場に、まあ何といいますか、当たった場合には、その放送をやめるわけにはいかないかもしれない。ただ、印象的なあなたのお話については私も同感なんです。というのは、まあ私はいろいろな場面でときどき痛感し、理事会でも雑談的に申し上げているのですが、たとえば日曜日の「新・平家物語」ですね、まあその前もありましたけれども、ある程度は私は感慨無量であれを見たわけです、これでいいのかという。それが三十五年の原則の例外そのものになり得るかどうかという問題ですね。これはわれわれの間でも話し合ったわけです。こういう点については私としてはあらためて――まあ国会開会中で、われわれだけが会って話し合う時間が少ないものですから、妙な発言ですけれども、私はあらためてその基準のあり方について、坂本放送総局長も加えながら、全員でこの問題を考えていく必要があるということを感じております。
○木島則夫君 まあ公共放送という手前ですね、いろいろその返の価値基準をどこにおくか、これは非常にむずかしいと思います。ですから、どこにその接点を求めるかという、それはやはり私は見えない線であっていいと思います。しかし、私どもがこういう発言をしたからといって、すぐ何というか、意識をされたりということでなしに、やはりNHKが国民の声を十分にお聞きになりながらも、例外は例外としてきちっとやるんだという私は姿勢がほしいわけです、はっきり申し上げて。この姿勢がぐらぐらしておりますと、一体どうしたことなんだろうかという迷いにもつながってくるし、内部の職員に与える。影響も出てくる。ですから、そういうNHKのき然たる自主性があれば、それはそれなりに私はいいと思います。
  〔理事森勝治君退席、委員長着席〕
 それから、とれもまあ私が出す例というのはわりあいにたいへん具体的な問題で、個人のお名前をあげるんで多少誤解を招くおそれもなきにしもあらずなんですけれども、さっきの鈴木アナウンサーといい、今度お出しする鶴田浩二さんのお名前といい、別に私は個人的な関係ではございませんので、その辺をあらかじめ御了承いただいて、実は私が逓信委員になったということで――視聴者と前々からいろんな形でつながりを持っております。私は会合なんかに集まりまして、そこで政治の話も出たあとで、やはり私が長らくおりましたマスコミの話をする、そういうときに、ふだんNHKに言いたいこと、民放に言いたいこと、そういう話がやはりいろんな雑談の中で出てまいります。去年の紅白歌合戦に鶴田浩二さんが出なかったのは、なんでしょうか、逓信委員会でもそういうことを取り上げてくれるんですかと言うから、それは取り上げないわけじゃないけれど、そのことだけを表面的に取り上げるんじゃなくて、NHKの価値基準、選択基準というものをきちっと伺うという意味では一つの材料にはなるだろうというふうに私は申し上げたんです。これはやはり坂本理事に伺いたいのですけれども、選択の基準、これはたいへんむずかしいと思いますが、ちょっとお聞かせいただきたい。
○参考人(坂本朝一君) 御指摘のような点の選択の基準というのは、一般的に言えば、放送基準というのがございます。それで、たとえば先ほど御指摘の、暴力場面につきましても、会長も申しましたけれども、放送基準の芸能番組という項に、芸術作品の放送にあたっては、その芸術性を尊重し、良識をもって慎重に取り扱うというふうに、その基準の取り扱いが示されております。したがいまして、その芸術作品の放送にあたっては、芸術性は尊重するするんだけれども、良識をもって慎重に扱えという一つの歯どめがございますので、そのところの判断がなかなか、御指摘のように微妙だろうというふうに判断しております。
 それから、いわゆる一般に放送されて歌われております歌謡曲等につきましても、同じく番組基準をものさしにして、考査室というところで考査しているというのが現状でございまして、鶴田浩二氏のお歌いになっているものはNHKの放送では取り上げてないということではございません。これは、あのお歌いになっている歌は、放送禁止歌曲にはなってないんでございます。それで、たまたま教養番組として歌謡曲というようなものを取り上げます際には、あの歌は放送に乗っておるんでございます。ただ、いわゆる娯楽番組という形の中で取り上げます際にどうするかということは、やはりケース・バイ・ケースで判断するということになろうかと思いますので、そこら辺のところは、紅白歌合戦のような場合には、NHKはその出場歌手を選定するにあたりまして、諮問委員会みたいなものを開いて御意見も聞いている、そして結論としては慎重に取り扱ったということになろうかと思います。
○木島則夫君 それで御説明はいいんですけれども、ちょっと抽象的なんですね。ですから、もう少しそのケース・バイ・ケースというか、その辺をもうちょっと具体的に話していただけませんか。ケース・バイ・ケースというのはどういうことなんでしょうか。
○参考人(坂本朝一君) やはり放送いたします対象であるとか、あるいは放送いたします時間帯であるとか、そういういろいろな放送にあたっての諸条件の中でやはり考えるべきではないかというふうに考えております。
○木島則夫君 いや、私の聞いた人の話の理由の中に、たとえば右も左も、なんですか、まっ暗ですか、その辺私も正確にわかりませんけれども、右も左もまっ暗やみでございます、とかということですね。なぜそういうものが受けるかというと、いまの世の中が物価高であり、公害であり、人間疎外であり、そうして交通事故がある、きょうも交通事故がありましたね、そういう中でやりきれないんだと、だからあの歌の歌詞なり、あの歌の内容なりが決して前向きのものではないのだけれども、手近にあるんだとしてぱっと飛びつくんだと、これはやはり一般大衆の動向じゃないだろうか。そういう動向というものは、社会性を持った、やはり政治とつながったものなんだから、それをそのまま吸い上げることは、やはり歌は世につれという、そういう社会性を持ったりっぱな一つのテーマになるんじゃないだろうかという理由も言っていました。この点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 私、委員長から退席してよろしいというお許しをいただきましたが、その前にちょっと木島先生のさっきの冒頭の御質問に対しまして――ニュースですね、私は仕事柄よく一番興味を持ちまして朝晩、それから休日、これはNHKも民放も一番時間的に多く見ているようでございますから、このことをちょっと申し添えておきたいと思います。
○参考人(坂本朝一君)木島先生の御指摘については私も同感でございます。したがいまして、将来にわたってやはりそういう点、幅広く判断の基礎を持って考えていきたいというふうに思っております。
○木島則夫君 別にしつつこく申し上げるわけじゃないんですけれども、いま坂本理事が同感だとおっしゃったことは、将来そういう歌も、たとえばNHKの紅白歌合戦なり、そういうものに登場することにもなり得る可能性があるということですか。
 それから、やはりいまの視聴者がNHKに対して一つの不満なり欲求不満というものを持っているとするならば、もう少しやはり社会の現象なり底流なりというものに対して大胆に取り組んでもらえないだろうか、そういうものを吸い上げて反映をしていくことが、映像の中でそれを放映することが多様化したものを吸収していくことになるんじゃないかと、つまりそれが十分なる情報なりを一般の人たちに与えて国益につながるんではないだろうかという議論を、NHKのお立場もあろうかと思いますけれども、やはりこれは非常に大事だと思いますので、伺っておきたいと思います。
○参考人(前田義徳君) 私どものたてまえは、少なくとも社会性のあるものであって、番組の種類のいかんを問わず、そうしてそれが現在の現実の聴視者にこたえるものであるならば敢然として情熱を傾けていくべきだと思っておりますし、私もごく最近でも数回にわたってうちの若い同僚にその意思を表示をいたしております。ただ何といいますか、あの年末のあの問題については、いろいろな人がいろいろな角度から関心を持たれますね。したがって、それを一般的な議論としてその原則を打ち出すことは、たとえば先ほど坂本君は先生の御発言に対して共感を感じていると――共感を感じていてもなし得ない場合もあり得ると思います。しかし、御発言に対しては慎重にわれわれ自身の間でも考えながら、できるだけ公平な立場で人選その他もやってまいりたい、このように考えております。
○木島則夫君 もう一つ、その問題から飛躍さして、NHKに要望さしていただくならば、慎重、公平、中立、安全というものを期すあまり、あまりにも憶病になり過ぎてほしくないんだということです。といって何も大衆に人気があるからそれがそのまま電波に乗るということも無節操だろうと思います。ですから、その辺のバランス、かね合いだと私は思うんです。
○参考人(前田義徳君) 非常に消極的になるというのも非常な勇気を必要とすることです、まあほんとうのことを申し上げて。というのは、社会のある流れがあれをやるべきじゃないかというときに、やらないというのはよほどの勇気がないとこれもできません。しかし、私はそういう意味で申し上げるのじゃなくて、またそういう意味で先生の御発言を理解してはおりません。先生のおっしゃる、まあ一般的な原則のたてまえは私も理解できます。そういう意味では私は、NHKというものは元来毀誉褒貶の的となるのは当然であって、国民全体の機関ですから、国民は多様的な考え方、多角的な視野を持っておられる、その中で私どもはやはり私どもの姿勢を正してNHKの目標に向かって情熱を傾けるべきだと、こう考えております。したがって先生の御発言はきわめて示唆の多い御発言だと理解しております。その面についても私どもは同僚に勇気を出せと、こう言っておるわけですが、まあ勇気の出し方がおそかったか、早かったかというような問題もあるかと思いますが、原則については私どもは後退するものではないということだけは申し上げられると思います。
○木島則夫君 せんだって二十二日の放送記念日に「テレビの未来」という番組を放送なさいましたね。それは私は見ておりまして、あの中に、放送というものをたとえるならば、非常に憶病な巨象であるという表現を使っていたところがございます。まさに言い得て私は妙だと思います。いまNHKの価値基準ということが出たのですけれども、そのNHKの価値基準によりまして自主的に出演者を選択をして番組を制作してこれを編成をする、これは大いに勇気を持って慎重にということなんでしょうか、月並みに言いますと。これは大いにけっこうだと思います。
 ここで一つ私は、これから受信料の問題とからんで気がかりなことがあるのです。それはどういうことかと申しますと、民間放送がいわゆる視聴率という手かせによって拘束をされるあまり、本来のあるべき姿、制作者が目ざす姿からは妥協をしたり、あるいは傾斜をしたりする番組を送らざるを得ない、そういうことがあるのと同じように、どうでしょうか、いま受信料拒否の問題であるとか、受信料に対して風当たりが強くなっておるというような一般情勢を踏まえまして、受信料をたてにとって不当に番組に圧力をかけたり、出演依頼を強制をしたりというような事実はございませんでしょうか。
○参考人(前田義徳君) その後半の点では私はまだ聞いておりません。おそらくないと思います。しかし多少の方々がそういう体制の中で何かを考えておるということは想像できることだと思います。たとえばNHKを一番強く批判しておられる方、これは契約をさえ拒絶しておられる方です。しかしその数は幸いに、まあ、それにこたえなければなりませんが、NHK四十七年の歴史の中では、その部分はきわめて少数でございます。しかし私たちとしては、いかなる圧力にも屈しない放送でなければ放送法の精神は守れないという点では、あらゆる性格、あらゆる部分的ないろいろな動きに対して私どもはかなりの勇気を必要としているということは申し上げられると思います。
○木島則夫君 私もこの問題について、ただ、こういうことがあっては困りますという意味でいま申し上げております。私の手元にも詳しいデータがございませんけれども、ただこれは単なる風聞かもしれません。ある団体の催しの中継を断わったらば、何か不当な言いがかりがつけられた、そのために番組の中で操作が行なわれたのではないか――これは風聞ですから私もわかりません。というようなことがちらっと入ってまいりますので、念のためにもう一度、そういうことは事実は全くございませんでしょうし、これからもそういうものがあったらば断固としてはねつけるのだという前田会長の、何といいますか、ひとつ気持ちを聞かしていただきたい。もう一回確認さしていただきたい。
○参考人(前田義徳君) いまお話しのような、ある種の問題が起きたことは事実です。しかし、最終的に私はその責任者と会いまして、われわれの考え方を述べ、われわれも放送に値するものは放送するが、放送に値しないものは放送しない、その原則に立って了解はついたものと確信しておりますし、そういうことについてはわれわれが特に勇気を持つ必要があるというように感じております。
○木島則夫君 郵政大臣が御退出になりましたので、先ほどのNHKと民送の問題、これからの放送のあるべき姿についてもう一度確認をしたかったのでありますけれども、私の質問はこの辺で終わりたいと思います。
 さっきも私が、放送というものをたとえるならば、非常に憶病な巨象である。それは政府から免許をもらって、政府の免許によって事業が行なわれているのである。だから、いつもそこに制約があるのだということですね。非常に私は、これからの放送界の中にあって、NHKの進むべき方向、私が一番端的に申し上げたいことは、事業をどんどん計画を拡大をしていく、そしてとどのつまりは収支償わなくなって、国が介入してくるのではないだろうか、端的に言ってそういうことなんです。さっき、私は、NHKの中で危機意識を持っているということを申したことも、最終的にはそこにつながることですから、いままで紆余曲折、毀誉褒貶、先ほど会長のおことばにもございましたように、いろんな傷を過去に負っております。ですから、これからの日本の放送界の中で果たすべき役割り、NHKのあり方というのは、私は予算のこまかい数字はきょうは申し上げなかったけれども、たいへん大事だと思います。そういう意味で、ひとつ自主性に富んだすばらしい放送をしていただきたいということを――きょう私は理事の方にもほかの資料の御提出をお願いをした件がございますけれども、私はあまり微に入り細にわたることは、ここでは差し控えたいと思います。お役に立たないで、御用意いただいた方にはあらかじめごあいさつを申し上げたいと思います。最後に、その点だけもう一度、あるいは先ほどのリピートになるかもしれまれませんけれども伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○参考人(前田義徳君) 手続的に、放送事業を開始し、あるいは放送事業を継続をする場合、郵政大臣の波の免許がなければできないことは事実です。しかし、放送事業者は放送法によって守られているということを私どもは知らなければならないと思います。ことに、放送法の第一条、第三条は、放送事業者の、もって運営とかあるいは考え方の基礎となすべき条項だと思っております。その他各条項にいろいろな部分的な表現はございますけれども、放送法の精神は第一条と第三条にある。それからまた、現実の放送としては第二条の形が放送の形であるということに私としては徹底いたしたい。ですから、発生的にどういう経過をもって放送事業が始まるか、始まったあとの放送事業というものとは基礎となる法律が異なっておるということに、私はここにこの立法の精神があり、この立法の社会的意義があるということを確信しておる次第でございます。
○木島則夫君 これで私の質問を終わりたいと思います。表現の上で多少失礼な表現があった点があればお許しをいただいて、これで私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(杉山善太郎君) 次に、青島君の質疑をお願いします。青島君。
○青島幸男君 先日に引き続きまして、私はたいへんにUHFにこだわっているのでございますけれども、まだ幾つかの疑点が残っておりますので、これを解消するところからきょうも始めさしていただきたいと思います。
 前回の当委員会におきまして、私はNHKに対して、UHFの全面移行が可能であるか、経済的にあるいは技術的にその辺のところをお伺いしたい、こういう質問をいたしましたところ、五十一年を最終とする第四次計画というものも持っておるが、その最終年度になってもUHFへの全面移行ということは何ら考慮していないというような形でお答えをいただいたわけでして、また経済的には九百億から一千億円くらいのお金がかかるというお答えもいただきました。その先を聞き漏らしているわけでございまして、四十三年から始まりましたこのuターン計画、一応十年を目途としておりますけれども、この十年目に当たるのは五十三年になるわけです。会長からお答えいただきました五十一年から考えますと、あと二年しかないわけです。その二年の間にできるかできないかというお答えをまだいただいておりませんので、その辺私の理解が違っていましたら訂正いただきたいし、それからもし合っておりますれば、あと二年、つまり五十三年にuターンが可能であるかどうか、その辺の見通しを具体的にお答えいただきたいと思います。
○参考人(前田義徳君) 昭和四十三年にこの問題が国会で論議されました当時、私は具体的にということばは使いませんでしたが、国策が決定するならば、NHKはこれに協力するということを申し上げております。その後、具体的にその方針の内容を私どもは熟知いたしておりません。したがって、明年度予算はもとより五カ年構想の中では、この問題を除外していくということを申し上げました。第一次、第二次は私どもは長期計画と称しております。しかし、第三次以降私どもは構想と称しております。ですから、この五カ年間の中で、率直に答えますと、国会でもこれに理解を得られ、そして郵政当局におかれても国策として順序立ててこうするんだという場合があり得れば、五カ年構想を修正することもあり得ると思っておりますが、私どもはまだその事実を、どの程度まで具体化されているかということを存じ上げませんので、当面私どもとしては、五カ年構想をこの段階で修正する必要はないであろうということを考えておるわけです。
○青島幸男君 ということは、国策がはっきりしないから手だてが立たないんだという一面と、やってもできないのではなかろうかというたいへん絶望的なお気持ちを持っていらっしゃるというふうに私はかってに理解させていただきます。前回、九百億から一千億かかるUターンというものが、なかなか実現がむずかしいということをじゅんじゅんと大臣にもお話をいたしまして、その点大臣にも理解をいただけたと思うんですけれども、このままの状態でおりますと、なお問題が錯綜してくるので、大臣御在任中に何らかの形で明確にしておいていただきたいという要望を私は大臣に前回申し上げました。その後いろいろ御検討いただいたと思いますけれども、あらためましてこの問題につきまして大臣がどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、その点を伺いたいと思います。
○国務大臣(廣瀬正雄君) VからUへの切りかえはいろいろのむずかしい問題がございますけれども、その中でも特に経費の面でたいへんなことだということは大体事務当局から聞いておりましたけれども、具体的にはっきりした数字まで御教示を賜わりましたのは青島委員の御質問によってでございますが、NHKは切りかえに九百億かかる。その後、民放を調べましたところが、全体で七百億程度はかかるだろうというようなこともわかったわけでございまして、まあ、これはたいへんだというように痛感をいたしておるわけでございますが、事務当局の話によりますと、非常に経費を要することでもありますので、その他送信者の立場、受信者の立場等も考慮に入れまして、非常に重大な問題だというわけで、いろいろ与党の放送事業に特に関心を持っていらっしゃる先生方とも二十回と申しましたか、たいへんたびたびこの問題について御協議をいたしたそうでございますが、その御協議の結果、やっぱり既定の方針で切りかえることにしようという現在の方針のままのようでございますが、しかし私といたしましては、そういうことがはたして実際上できるかどうかということについて非常に疑念を持つに至っておるわけでございますから、非常に大きな問題で、いつ結論が出るかわかりませんけれども、少なくとも私の在任中に、あとの大臣がこの問題で御迷惑をこうむらないような意味におきましてもひとつ真剣に取り組んで、何とかもう少し実行しやすい結論を出すように努力してまいりたい。きょうの段階は、そういう方向で大いた検討、勉強したいという姿勢の程度でございますけれども、そういうように考えておりますことだけをはっきり申し上げておきます。
○青島幸男君 私は、率直に疑念を持たれたということをはっきりおっしゃってくださった大臣の真情に感謝いたしますし敬意を表します。この問題についてはっきりした見解をお示しになることが一番大切だということをもう一度要望しておきたいと思います。――大臣はどうぞお帰りになってけっこうです。
 一方、NHKのほうとしては、会長は国策であるというおことばを使われました。確かに二、三年来のこのNHKの予算の当委員会での審議で、再三私はその点前田会長にお尋ねしたんですけれども、国策がはっきりすれば私はその線でやるんだというお約束をいただきました。一方では、衆議院では、Uターンへ全面移行するために積極的な努力をすべきであるという趣旨の附帯決議を出しております。その附帯決議と、それから会長の、国策であるならばそのように努力すべきであるというおことばと、お約束と、それからその衆議院の附帯決議というものは何ら反映しないで何年か、三年間むだに費やしてきたことに対する会長の責任を私は追及したいと思いますが、その点いかがですか、お答えいただきたいと思います。
○参考人(前田義徳君) 衆議院の附帯決議は、われわれの理解するところによれば――よればでは不十分かもしれませんが、まあUV転換によって支障なきようにせよという意味だと思います。ところが、その前提となる国策が決定しておりませんので、私的な立場で見ておりますと、御検討にはなっておられるようですが、したがって、あの附帯決議については、まだ責任を果たす時期に来ていないというのが私の感じ取り方でございます。
○青島幸男君 いつも明確にお答えになる会長が、どうも、たいへん官僚的な御答弁のなさり方で、私はたいへん不満に思っておりますが、できないと思ったら、初めっから、これはできそうにないということを主体的に、主体性を持って明確にすべきが、私は、NHKの使命ではなかったか、かように存じておる次第でございますけれども、会長、その辺のところはどういう見通しを持ってこのuターンをお考えになっておられたか、その点のところをちょっとお伺いをしたいと思います。
○参考人(前田義徳君) なかなかデリケートな御質問でして、まあ、私は率直に言って、単にお金の問題ばかりでなしに、このことが、一体、国際的にもどういう影響を持つか、かなり重大な影響を持つことになると思うんです。そういう意味で、なかなか、方針としては当局がその方針のもとに御検討をされるわけでございますが、しかし、その結論にはかなりの時間を要するであろうという考え方を持っておるわけで、ただ、先ほどの木島先生の御質問にもありましたように、波の問題については、われわれは主導的な立場に立っていないわけです。そういう意味では、私は国策がそのように決定されるならば、これに従うべきであるという考え方を持っているわけで、現実の問題として、それがきわめて早急に結論を得られるというような予測はいたしておりません。
○青島幸男君 予測してないというのは、つまり、Uターンが可能であると考えていなかったというふうに解釈してよろしゅうございますか。
○参考人(前田義徳君) 多少違うと思います。というのは、原則的に言えば、国策としてそうするんだということが決定されれば、この問題はそれから取り組むべき問題であります。したがって、私どもは、それを実現する場合の幾つかの条件を申し入れておるわけです。したがいまして、先生のニュアンスとは多少異なるということは申し上げられると思います。
○青島幸男君 波の件になりますと、国が持っておる、少なくとも政府が持っておるわけですけれども、経営委員会の政府追随である、あるいはNHKの主体性のなさがこれをなし遂げたという感じもするんですが、一方では、Uターンを、現実の可能性をきちんと踏まえもしないで、うたい上げた当時の責任者が悪いといえば悪いけれども、それをあいまいな形で受けとめたNHKも私は悪いと思っております。その相互のあいまいさと強引さというものが今日の事態を出現しておるわけでして、いずれにいたしましても、そういうNHKの主体性のなさ、この問題は当然、経営委員会のほうでも十分に論議をされた問題だと思いますけれども、その実現性をはっきりと踏まえて、政府に進言するとか、あるいは、そのことはどうも考え直していただきたいというようなことをまっこうから言うだけの主体性を持ち合わせていない。放送法にきめられました国民の上に立つ重要な放送をゆがめてしまうというようなところまで結びついてしまうんではないかというような感じがいたします。それから、そういうところが、国民がわれわれのNHKなんだという認識を持たなくなっている一つの原因ではないかというような気がするんです。ですから、国民の一人、一人が、NHKはわれわれのためにあるんだと、われわれの一人、一人がきちっと支持していかなければ、われわれの放送はなくなるんだ、そういうような意識が国民に周知徹底していれば、不払いのような問題も起こるべくもないわけで、そういうNHKの体質というようなものが国民の間にかなりの不信を呼びさましているんではないかというような気がするんです。もし、そうでなければ、NHKのいままでのあり方は歴史的に考察いたしましても、政府のやることはどうもひより見的、思いつきであるし、そのうち政府のほうが反省するであろう、方針を変えるであろうということをあらかじめ予測してこうかつあるいは獪老な見識を持たれて、そのうち何とかなるだろうという認識でこられたとすれば、これまたたいへん国民を愚弄するものでもあるし、国会を愚弄するものであろうという考えを持ちますけれども、こういうふうな疑問を一般に抱かせてもしかたがないという、この現実の、この現時点の問題をやはり郵政当局に無理じいをしたという一つの悪がありますね。NHKにはそれをまっこうから批判あるいは進言するという立場をとらなかったというあいまいさが原因であろうと私は考えますけれども、藤木さんにも会長にも、この点について一言ずつでもお答えがいただけたらありがたいと思うのですけれども。
○参考人(前田義徳君) こうかつなところは全くございません。それは四十三年以来の当院の速記録を継続してお読みいただくと、こうかつさは全くございません。最近、先生の著書の中でも、この問題について議事録の抜粋がございます。あのとおりでございます。ただ、私たちはあの当時その困難性は指摘いたしました、経済的にも、それからまた聴視者との関係でも。ただ、私はあの当時は国際的な問題には言及いたしておりません。しかし、連絡という形で郵政当局と懇談を何回かいたしております。その際に私ども主張したのは、経済的にも、NHKの財政からいっても、聴視者との関係からいっても困難な問題である、それからまた同時に、NHKとしては、いわゆる民放を同時に切りかえない限り、これに応ずることは困難であるということも申し上げております。おそらく電監局長からこれに対応する御説明をいただけると思いますが、その意味でおそらく、これは私の守備範囲ではございませんが、電監当局におかれてもかなり長い年月にわたって研究に苦心を重ねておられると、このように私は推測いたしております。
○政府委員(藤木栄君) 郵政省としましては、先ほど大臣から御答弁申し上げたとおりでございますが、私どもとしましても四十三年以来方向だけ出しまして、具体的にどういうふうに切りかえていこうかということを世間にまだ公表してないという状態につきましては大いに責任を感じているわけでございます。ただ、問題は、この必要性ということにつきましてもいまも申しましたように、ことばは不足でございましたけれども、要するに、この移動無線というものがほかに通信の手段がないという点、しかもその移動無線で、この前、青島先生はタクシー無線というようなことをおっしゃいましたけれども、私ども考えておりますのはタクシー無線というようなものじゃなくて、あくまでも重要な、警察であるとか消防であるとか救急車であるとかあるいは船舶であるとかあるいは航空機であるとか、そういった、それなくしては重要な通信ができない、人命、財貨にかかわるというようなものに限りましての利用通信についての需要ということを考えた上でのVからUへの転換ということでございまして、これ自体の必要性につきましては私個人としましても必要であると感じております。ただ、具体的な一方の方針と計画というものにつきまして私どももいろいろ検討いたしております。経費の点もございますし、いろいろな点もある、あくまでも消費者に迷惑にならないようにするということがまず第一だということでNHKにお願いしまして、東京と大阪にUの実験局、現在、放送試験局という名前でございますが、そういったものを建設いただいて実際にUの電波を出していただいている、そして、それによりましていわゆるUの受像機の普及ということを現在はかっている、そういう状態でございます。私どもとしましては、先ほど大臣も申し上げましたように、できるだけ早い機会にその具体的な計画をつくりまして、円滑に移行ができるように努力したい、このように考えておるわけでございします。
○青島幸男君 どうもこれ以上それにこだわるのは悪往生ですから、私、考えられませんが、先ほど大臣からは、どうも五十三年を目途にする全面Uターンはたいへん疑問に思うと大臣も率直にお認めになりましたし、その点に対しては、私は繰り返して申し上げますけれども、大臣の御発言なさった勇気に対しては、たいへん敬意を表する次第です。この問題が明らかになりましたことで、私も長年このUターンにくっついてしつこく迫っておりました成果の幾つかを見ることができたという満足をたいへん得ましたので、この辺で質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○委員長(杉山善太郎君) 本件に対する本日の質問はこの程度にとどめます。
 本日はこれで散会いたします。
   午後六時二分散会
     ―――――・―――――