第068回国会 逓信委員会 第17号
昭和四十七年五月二十五日(木曜日)
   午後一時二十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     高橋 邦雄君     迫水 久常君
     塩出 啓典君     山田 徹一君
     高山 恒雄君     木島 則夫君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     山田 徹一君     塩出 啓典君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         杉山善太郎君
    理 事
                長田 裕二君
                古池 信三君
                森  勝治君
    委 員
                今泉 正二君
                郡  祐一君
                迫水 久常君
                白井  勇君
                新谷寅三郎君
                西村 尚治君
                松平 勇雄君
                鈴木  強君
                松本 賢一君
                塩出 啓典君
                木島 則夫君
                青島 幸男君
                松岡 克由君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  廣瀬 正雄君
   政府委員
       郵政大臣官房長  森田 行正君
       郵政省郵務局長  溝呂木 繁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       大蔵省主税局税
       制第二課長    渡辺 喜一君
       国税庁間税部消
       費税課長     西野 襄一君
       郵政大臣官房首
       席監察官     舘野  繁君
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  本日の会議に付した案件
○郵便切手類模造等取締法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○電話料金多摩格差是正等に関する請願(第四号)
○電話加入権質に関する臨時特例法の期限延長に
 関する請願(第七五八号)(第七五九号)(第七六
 〇号)(第一〇五八号)(第一〇五九号)(第一〇六
 〇号)(第一〇六一号)(第一〇六二号)(第一〇六
 三号)(第一〇六四号)(第一三六一号)(第一三六
 二号)(第一三六三号)
○新潟地方貯金局の継続存置に関する請願(第一
 四五九号)
○郵便貯金の預金者貸付制度の法制化に関する請
 願(第二三〇七号)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
○委員長(杉山善太郎君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 郵便切手類模造等取締法案を議題といたします。
 本案につきましては、すでに趣旨説明を聴取しておりますが、この際、郵政当局から補足説明をお願いします。溝呂木郵務局長。
○政府委員(溝呂木繁君) 郵便切手類模造等取締法案につきまして、若干の補足説明を申し上げます。
 最近、郵便切手類にまぎらわしい外観を有するものが百貨店等で広く販売されあるいは景品として頒布されております。これらは、東京、大阪等の業者数社において製造され、約十四種類ほどのものが相当数出回っている模様であります。中には迫真性の高いものも流布されておりますが、これらは裏面に参考品等の表示をしてあるため現行法では取り締まりが困難であります。すでにこれらのものが郵便料金納付のため使用されるという事実も生じており、このまま放置すれば郵便料金を免れる犯罪を誘発するおそれがあり、かつ、郵便切手類の信用の維持も害することともなります。
 現行法におきましては、行使の目的をもって郵便切手類を偽造したり、郵便切手類にまぎらわしい外観を有するものを故意に使用し不法に郵便料金を免れた場合は取り締まりの対象となりますが、単なるまぎらわしいものを製造、輸入、交付しただけでは取り締まることができない実情であります。
 郵便切手類と類似の収入印紙等につきましては印紙等模造取締法が制定されております。
 法案の内容といたしましては、郵政大臣等の発行する郵便切手類にまぎらわしい外観を有する物は製造、販売等をしてはならないものとすることとしておりますが、報道、教育、研究等を目的とするもので郵便事業に障害を及ぼすおそれのないもの及び郵便切手類の信用の維持を害するおそれのないもので郵政大臣が許可したものは製造、販売等しても差しつかえないこととしております。
 なお、罰則につきましては印紙等模造取締法を勘案して設定いたしました。
 以上、この法律案につきまして若干の補足説明を申し上げました。
 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
 なお、いま御説明いたしましたものにつきまして、お手元のほうに最近流布されている模造切手の現物がございますので、それを見ていただけば、いま私が御説明しましたことが裏づけられるものと思います。
○委員長(杉山善太郎君) それでは、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
○鈴木強君 この法律案に関連して、最初に、郵便切手を売るのにも、はがきを売るのにも、局舎をちゃんと整備しなければどうにもならぬことで、関連あるから伺いますが、実は、私の郷里の山梨県の甲府市の、甲府市にあります甲府郵便局ですけれども、これは鉄筋の二階建てでありまして、建てた当時は、確かにりっぱな建物だったと思いますけれども、いまは非常に狭隘でして、これは事業の運営にたいへん支障を来たしているように思います。年末期等の繁忙時には、何か別のところに、特別の仮庁舎をつくって、そこで仕事をするような状態でございますので、かねてから、この局舎の増改築ないしは新築、こういうことを郵政御当局のほうに、地元として強くお願いして、今日に至っておりますが、現在どういう状況になっておりますか。この改築あるいは新築の計画はどうなっておりますか、これを伺いたいと思いますが。
○政府委員(溝呂木繁君) 先生御指摘のとおり、甲府郵便局は、非常にいま狭隘でございまして、早急にこれを改善しなければならない、こういうことで、私ども鋭意検討を進めております。現に、四十七年度予算には、敷地を購入する予算が成立しております。ただいまあります甲府の敷地は、先生御承知のように、非常にいい場所でありますが、あそこで改築しようとすると、将来の郵便物の増加、そういうものを考えると、ちょっと現敷地では、無理ではないかということで、予算上では敷地の買収費が成立したわけでございます。しかし、なかなかそのかっこうの土地が甲府市内で見つかりませんで、いま一つ候補地が南のほうに出ております。しかし、ちょっと広すぎるのと、土地の形が悪いといいますか、等ございまして、私ども、全部要らないというような問題等がございまして、いろいろ折衝中でございます。もしその土地、または、ほかに私どもがほしい土地が入手できれば、早急に今後、建物の予算を四十八年度に要求いたしまして、早急に建物の新築をいたしたい、こういうふうに考えております。
○鈴木強君 四十七年度の敷地買収のための費用は幾らでございますか。
○政府委員(溝呂木繁君) 一応、金のほうはいろいろ積算の中に入ってきますので、面積は五千九百平米を予定しております。これは、まあいろいろ先生御存じのように、土地を買う場合に、値段の問題が表に出ますと、いろいろと交渉の問題がございますので、予算としては積算して一括入っておりますが、この土地のために幾らというのは、ちょっとここで申し上げることを遠慮さしていただきたいと思いますが、五千九百平米、一応予定として考えております。
○鈴木強君 それから、もし敷地がうまく手に入れば、四十八年から建物の、要するに、建設に着手したいということなんですが、どういう規模の局舎でございますか。その計画というものがありましたら教えてください。
○政府委員(溝呂木繁君) 現在まだ正確な業務計画ができておりませんが、大体あの地区ならば、現在の甲府の規模のまま新築する、いわゆる付近の郵便局を統合するとか、あるいは新たに普通の局を二つに分けるとか、そういったような計画はございません。いわゆる現在の甲府郵便局が持っている機能を、そのまま果たせるように、しかし、いま非常に狭いので、十分作業の能率があがるような広いものを考えております。
○鈴木強君 そうでなくて、建築の計画です。どの程度の予算をとって何階建てにするとか、そういうものはまだきまってないですな。
○政府委員(溝呂木繁君) 実はまだ、そこまではきまっておりません。と申しますのは、四十八年度予算で要求いたしますので、この八月ごろには、当然何平米くらいの建物を建てるということを計画を立てて、四十八年度概算要求に入れると、こういうことになりますので、実は、いろいろ東京郵政局のほうで検討してもらっておりますが、まだ、私どものところに、具体的な延坪数等は、あがってきておらないというのが実情でございます。
○鈴木強君 これはこういう建物は郵政本省でなくて、当該の郵政局が計画を立てて実施をするということになるんですか。
○政府委員(溝呂木繁君) まず地方の郵政局のほうからいろいろ計画を立てまして、そして本省のほうにあげてまいります。本省のほうで、全体的に予算要求するための順位等をきめて、予算要求をし、予算が通って、いよいよこれを設計及び請負いに出すという具体的には、一応大きさできめております。ちょっといま具体的な数字は忘れましたが、大きいものは本省設計の本省施工、それから、それより小さいものは、郵政局設計の郵政局施工というふうに、建物の規模によって分けてございます。
○鈴木強君 甲府はどうなりますか。
○政府委員(溝呂木繁君) これどのくらいの坪数になるかわかりませんが、このぐらいの大きさですと、いままでの例ですと、本省設計になる可能性が強いのではないかと考えております。
○鈴木強君 大臣、最近、郵政省御所管の現場の郵便局等の、まあ増改築、新築をしていただいておりますが、われわれ最近目に映るのは、従来の古ぼけた、ほんとうにきたない郵政の局舎というのが常識になっていた。それが、だんだんと近代的になりまして、まあよかったなという気持ちを持つわけです、非常に職員諸君も誇りを持てるようになるわけですから。この甲府の局は、いまお話のような経緯がございますし、それから、甲府は小さいといえども、県庁の所在地でございますし、するわけですから、ひとつ思い切って、敷地等も、五千九百平米だそうですが、はたして、これから何十年先を見通してやっておられるのかわかりませんけれども、郵便車の駐車場もなかなかないとか、あるいは局員の通勤用に使う自転車の置き場もない、というような状態が随所に出ておるし、甲府などは、非常にいまのところは、たいへんな状態ですね。ですからして、何とかまあ、現在金の使い方についていろいろあるかもしれませんけれども、しかし、これは長期の見通しに立って、思い切ったやっぱり広い敷地をつくって、そして相当二、三十年なり四十年なり五十年先まで見通したような、ひとつりっぱな計画を立ててほしいと思うんですよ。
 ですから、そういう方針を私は強く大臣に希望いたしますから、大胆としては、甲府のことについても――これはただ単に甲府、甲府と言っているから、セクトのように思われては困ると思いますけれども、そうじゃなくて、一般論としては、ひとつりっぱな局舎をつくってもらいたい。そのことがやっぱり業務運営全体に対する能率をよくして、国民に対するサービスをよくしていく、そういうことになると思いますから、ぜひ大臣におかれましても、従来も、その点は御留意いただいていると思いますけれども、なお一そうひとつお願いしたいと思いますけれども、いかがでございますか。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 先生申されておりますように、事業の運営から申しまして、また、能率の向上という点から申しまして、局舎がりっぱであるかないかということについては、非常に関係がありますわけでございまして、したがって、局舎の改善改築、新築等につきましては十分配慮し、努力いたしておりますわけでございます。御承知のように、幸いに新しい年度の予算は、前年度に比べますと、飛躍的に増加しておりますわけでございます。御趣旨の点もございますから、ひとり甲府の局ばかりでなく、全体の局舎の考え方といたしまして、そういうことを十分考慮する必要があると思いますので、そういう方向で処置してまいりたいと思っておりますわけでございます。
○鈴木強君 ではひとつそれはよろしくお願いいたします。
 それから、この前、松本委員からも御質疑があったようですが、私も、この前に大臣に伺いました、例の庶民金融のことですけれども、名前はいろいろとございましょうが、一応通俗的に庶民金融といっておりますものですが、一つだけ伺いたいのですが、結局、この前も、いろいろ私も大臣に意見を申し上げ、大臣も、確固たる御信念を披瀝されて、私たちは、郵便貯金の値下げと庶民金融が、客観的に見て、どうも取引になったのではないか、というような印象を受けないように、やってほしいということで、大臣もあの段階においては、はっきりとお答えをしていただいたわけですが、その後、どうも総理から、何か郵政審議会の議を経るというようなことで、郵便貯金の値下げの問題につきましては、やったらどうかというような御内意があって、どうも大臣も、その後、従来の初志貫徹ができなくなって、妥協したのではないかというような趣旨の、いろいろな情報が流れているわけですね。
 事情は、いろいろとあると思いますが、少なくとも、従来から大臣が主張されてきました、昨年来の主張というのは、郵便貯金の預貯金者からは、強く支持をされて、大臣を激励しておったと思います、それが、どうも、そういうような形に収拾したことは、非常に私は残念だと思います。
 それで、本来郵便貯金の利子を上げ下げするという権限は、固有の大臣の権限でございますね。この権限は、私は微動だもしない、こういうように判断しておりますけれども、その点はどうかということですね。
 それから、もう一つ、私たち社会党のほうも、きのういろいろ会議を持ちまして、相談もしたのですけれども、庶民金融を実施するということについては、従来から態度は変わっておりません。ただ、額の問題とか、いろいろの点で、私たち不満な点がありますから、そういう点は、いずれ審議の中で意見を出したいと思います。考え方は変わっておりませんけれども、どうも大臣が、そういうように利子を下げてはならないということが、せんだっても、日銀の理事がおっしゃっておったように、世界経済、要するに、現在の円対策を含めた新しい経済、そういう中から低金利政策を、国際的な観点からとらえて、日本の経済を刺激しなければならない。こういうようなことからして、いま木村経済企画庁長官が外国に出張されて、そのほうの会議に出ておられるのですけれども、いろいろ日本の立場もあって、そういうことからして、大臣はやむなく了承したというふうに思うのですけれども、少なくとも、金利引き下げと庶民金融制度との取引ということは、私は、ないことと確信しているのですけれども、どうもそういうようにとられる節があるのですから、その二つの点だけ、この際明確にしておいていただきたいと思います。
 そうしないと、われわれも、これからどういうふうに展開いたしますか、国会に提案され、審議する場合に、党の態度をきめかねている、この点がはっきりしないから。ですから、いい機会ですから伺っておきたいのです。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 庶民金融の創設と郵便貯金金利の引き下げの問題について、たいへんな御高配をいただきまして、御質問を賜ったわけでございますが、この問題につきましては、私、一両日前に、当委員会におきまして、松本委員にお答えもいたしたのでございまして、率直に私はきょう申し上げますが、ただいま新聞等でも報道されておりますように、庶民金融の創設と郵便貯金の金利の引き下げがからんで、取引の具に供されたように考えられるような、誤解を受けるような、書き方をいたしておるのでございますけれども、これは絶対にさようなことはございません。先日、自民党の、この庶民金融の問題につきまして、党内でも、ずいぶん、いろいろ沸騰いたしたのでございますけれども、その際に、政調会長があっせんの労をとられまして、いわゆる調停というものができまして、これを最終的には、総務会でのむことにはいたしたわけでございますけれども、その文面は、新聞に載っておりましたので、これによっても御承知をいただきますように、決して郵便貯金の金利の引き下げということが、交換条件として持ち出されておるものではなかったわけでございまして、庶民金融は庶民金融として党の方針をきめたわけでございます。
 実は、この政調会長のあっせんの間におきまして、一番、私どもが心痛いたしましたことは、ただいまお話がございましたように、もともと法律的に、また制度的に、郵便貯金の創始の当初から、はっきりいたしております郵便貯金制度、これは金利の問題等も含めて、それはもうそっくりそのまま、すべて郵政大臣の管理事項であるということにもかかわりませず、昨年の暮れに、私が郵便貯金の金利を引き下げないということでがんばりました、そういう事実をとらまえまして、日本の金融全体の運営からいたしまして、郵便貯金の金利の決定権も大蔵大臣の手に掌握すべきであると、こういうような案が一応調停案の中にうたわれておったのでございます。それといま一つは、郵便貯金は百五十万まで免税ということになっております。これは申告も何もしなくて税金を免れるということになっておりますわけでございますが、これがどうも文字どおり履行されていない、したがって郵便貯金におきましても免税は銀行預金と同様に申告制にすべきであると、そういうことを厳重に法定すべきであるというような一つの項目があったわけでございまして、そこで私はこの二つにつきましては、最も強く反対いたしました。
 第一番の問題のごとき、郵便貯金制度の根幹をゆるがすものであるから、こういうことをあくまで主張するということであれば、庶民金融というものは、私はとる必要はないということも強く主張いたしました。それから二番目の問題につきましても、これは、あたかも郵政省を罪人扱いにするような考え方だと、銀行預金だって無記名の預金があるじゃないかと、まあお互いに、その限度をわきまえて、その趣旨を実行するということは当然のことだけれども、しかし、いかにも最初から郵政省が、郵便局が、そのようなことをやっているように誤解いたしまして、申告制にしなければならないとか、あるいは法定しなければならないということは不届き千万だということを主張いたしたわけでございますが、その他幾つかの条項がございましたけれども、この二つにつきましては、特に強く主張いたしまして、その結果、第一の根本をゆるがすような金利の決定権を、大蔵大臣に移すという問題は、もちろん引っ込めてまいりました。そこで、そうした金利問題については、日本全体の金融に関係のあることだから、郵政大臣と大蔵大臣が協議するということになったわけでございます。これは、現在の法律でも、そのようなことになっておりますわけでございます。それを書面に書いただけだと私は思っておりますわけでございますが、これと、それからいまの税金の問題、これも申告するとか、あるいは法定するとかいうことは撤回いたしまして、これも、ひとつ厳重に守るように措置してもらいたい。行政措置を遺憾なくやってもらいたいというような文面に変わりまして、これをのむことにいたしましたわけでございます。
 ところが、この二つについて最後まで――自分の党のことを申して恐縮でございますけれども、総務会というのが党の最終的な決定機関、いわば党大会にかわる機関ということになっておりますが、そこで関係者が集まって、大いに論議して、最終的に、ただいま申しましたように、最初の調停案が変わりまして、私どもの、のめるようなことになりましたから、全体が了承して、これでいこうということになったにかかわりませず、大蔵省は、かってな解釈をいろいろいたしまして、さっきのさっきまで、いまの税金の問題――税金の問題につきましては、これはけさの段階で折れてまいりましたが、金融の一元化の問題につきましては、ほんとうに先刻まで、いろいろなことを申しまして、そのような約束を取りつける、同時に、法定にしなくても、そういうようなことを、覚え書きとして取りかわしておきたいというようなことを申しまして、頑強に抵抗して、納得してくれなかったわけでございますけれども、そこで、きょう重ねて政調会あるいは総務会で取り上げてもらうということに、党の関係はいたしまして、私も最後の決断をいたしまして、庶民金融は流れても、しかたがないということで、私みずから重大な決意をいたしまして、臨もうといたしておったわけでございますが、ところが、正しいことは通るものでございまして、さっきの政調会の段階で、やっと大蔵省がのむということになったらしゅうございます。
 そのようになるについては、けさからずいぶん、あちこちに手をとりまして大蔵省の非を鳴らして、これは、郵政省ばかりでなく、大蔵省は、どの省に対しましても、そんな信義を守らないと申しますか、かってなことを言い続けて困らせる省のようでございますが、郵政省の今度の問題についても、まさにそのような態度で臨んでまいりました。しかし、そうした不当な要求が通るはずはございません。すでに総務会で決定した事項でございますから、なんとか、これで妥結できそうだということになりますと、また新しいメンバーが加わってまいりまして、こわれるというようなことが五、六回重なりまして、きょうに及んだわけでございますけれども、やっと、さっき、きょう衆議院の逓信委員会に私出ておりますときに、連絡がございまして、午後になってやっとでございますけれども、どうやら政調会を通ったからということでございましたから、私もほっといたしておりますわけでございます。
 そういうような心痛の状況が、ここ四、五日間続いてまいったわけでございますが、そういうことになりまして、いま法律案の作成を法制局に急がせておりますわけでございまして、あしたが二十六日、国会の最終日でございます。そして幸いに閣議があることになっておりますので、閣議の了承を得るということになれば、これから先は議運の問題になりますけれども、国会に取り上げてもらわなくちゃならない、このように思っておりますわけでございます。
 また、提出の方法につきましても、私どもはこの問題は各党たいへん御支持をしてくださった問題でございますから、与党が中心となりましても実は議員提案で各党の提案がいいんじゃないか、共同提案ということが一番かっこうがいいんじゃないかということを考えまして、そういう主張をいたしましたし、また、法律案がこんなにおくれて国会に提出されるということになりますれば、政府提案でありますといろいろ心配な点がございます。あとで言及いたしますが、これは金利引き下げとからませているじゃないか、取引をやっているじゃないかというような、かんぐっての御質問もあろうかと思いますし、これが議員提案ということになりますれば、法案の問題は、つまり庶民金融の問題は、金利の問題であり、金利の問題は、私が一人で責任をとればいいわけでございますから、おのおの立場が違いますので、そういう点から申しましても、成立しやすいというように考えますわけでございます。
 しかも、各党共同提案ということになりますれば、質問もおのずからやわらいでこようかと思います。そういうことも考えて、ぜひ議員提案になさるべきだということを、調停案の段階におきまして、最初から主張してまいったのでございますけれども、事の内容が非常に重大であり、いわば郵便貯金制度の本質を、今度変革することになりますわけでございますから、そういうような理由を踏んまえて、ぜひ議員提案にせよということでございました私どもの希望に反しました結果になりまして、ただいま申しましたように、その立場からの、この法案の作成に、非常に苦慮して今日になっておりますわけでございます。
 そこでこれが閣議を通り――閣議を通ることは、私がおりますからこれは間違いなく通ると思いますけれども、国会の問題に、それから移るわけでございますけれども、したがいまして、ひとつぜひ、郵政省多年の悲願でございますから、皆さん方の超党派的な御協賛によりまして、ぜひすみやかに、この法案が成立しますように、これは、ほとんどの国民が、鈴木委員御承知のように、非常に待望いたしております制度の創設であるかと思いますわけでございますので、その内容につきましては、この前の委員会で、鈴木委員から御指摘ございましたような、まだいろいろな難点が私あろうかと思います。あろうかと思いますけれども、今度はそうした事業を創設するべく、たいへん骨を折ったわけでございまして、その辺の事情はひとつ御推察をいただきまして、ぜひ不満足ながらでも、今度のこういう制度ができますように格別な御協力をお願いしてやまない次第でございます。
 それから金利引き下げの問題でございますが、たまたま庶民金融の創設のための法律案の提出の時期と時を同じくいたしまして、大きな論議の的になりました問題でありますだけに、いろいろ取引をしたというように考えられても、これはしかたがない事情でございますけれども、決して、取引をしていないということは冒頭申し上げたとおりでございますが、私の郵便貯金に対する考え方はもうすでに御承知のように、しかも昨年の暮れがんばりまして、その後ずっとその信念を貫いてまいりましたように、銀行預金とは性質が違うんだという確信を持っているのでございます。銀行預金は大部分が会社の預金、短期で申しますと、七割までが会社の預金でございますし、長期を入れましても、五割程度までが会社の預金ということになっておりますが、郵便貯金は九割九分何厘というものまでが、個人の零細な集積の貯金でございまして、いわば銀行預金は産業資金であり、郵便貯金は国民の生活資金である、消費者の資金であるという信念で、ずっとやってまいったのでございますが、しかし最近、公定歩合の引き下げが、どうもまた重ねて行なわれそうだという心配が起こってまいりましたので、私も、自分だけの知恵だけでは足らないと思いまして、政府の中におきましては、経済企画庁長官の木村大臣とも時々相談してまいりましたが、この前の金利引き下げに反対しましたときにも、私の説を支持してくれたのは、長官であったわけであります。
 今度の問題につきましても、木村長官の考え方としては、ここしばらくは公定歩合の引き下げという問題は起こらないぞ、だから、したがって、これが、今度起こるということになれば、郵便貯金の金利引き下げも考えざるを得ないだろうというようなことでございました。しかも、公定歩合の引き下げもやる必要もない、預貯金の金利引き下げをやる必要はないというのは、日本銀行の総裁も言っているじゃないかということでありまして、私も、そういうことで安心をしておったわけでありますが、閣内におきましては、御承知であろうかと思いますが、二、三公定歩合の引き下げをやれ、また、預貯金の金利の引き下げをやれということを強く主張しておった閣僚もおったわけでありますが、しばらくは公定歩合の引き下げということにはならぬだろうという見通しを、木村大臣はつけてくれておったわけでありまして、私もそういうことをたよりにいたしておったわけでありますが、最近、御承知のように、急にこの問題が変わってまいりまして、急がなきゃならぬ、一日も急がなきゃならぬというような事態になっております。
 こういうような様子が見えてきました先だって、私なるべくいろんな人の意見を聞いたほうがよかろうと思いまして、学者、先生にも郵政省においで願って、いろいろ勉強さしてもらったのでありますが、こういう先生方いろいろ御意見も違った何かがあると思いまして、社会党の木村禧八郎先生においで願ったこともあります。学者の一人として木村先生は、あくまで下げる必要はないという御意見でございましたが、しかし、そういう説の人もあれば、いや、この際どうしても下げなければならぬぞという先生もおりまして、こちらのほうが多かったわけでございまして、それで私もいろいろ考えたんでございますが、ある程度は下げなくちゃならぬかなと思って、だんだんそういう気持ちに最近傾いてまいっておったわけであります。
 と申しますことは、昨年の暮れと違いまして、非常に景気浮揚というものが、ああいう公定歩合は、やったけれども、預貯金の金利を下げない、私が郵便貯金の金利を下げないということをがんばりまして、御承知のように、銀行預金も下げずに済んだわけでございまして、そして、今日になったわけでございますけれども、その後、こういうように景気が上がらないのは郵便貯金を下げなかったことに罪禍があるがごとき記事が新聞に載ったり、その後たびたびいたしたわけでございますけれども、しかし、私は必ずしもそうではないと思ってまいったわけでございますけれども、ところが下げなかったということが、やっぱり一つの何と申しますか、原因になったと申しますか、いまの景気がなかなか上がらない。しかも、外貨はどんどん滞留するばかりだということで、どうしても日本全体の経済、日本全体の金融という点から申しまして、郵便貯金を含めて、すべての預貯金の利子を下げざるを得ないという情勢が強くなったということは、一応私どもといたしまして考えなければならない。
 預貯金の利子が下がらなければ、景気浮揚の資金というものが思うように投入されない。つまり景気が上がってこない、景気が上がってこないということになれば、外国から資材を輸入するというようなことがないわけでございますから、つまり、外貨が現在たまっておりますものが流出するというようなこともないわけでございまして、景気の浮揚と外貨の滞留ということが非常に大きな関係を持っておることは、これは私が申し上げるまでもなく、先生先刻御承知のとおりでありますが、そういう日本全体の問題に関係しているということを、最近いささか考えるようなことになりまして、そのやさきに、内閣の方針がすべての金利を引き下げざるを得ないというようなことになったわけでございます。あくまでこの際がんばりまして、日本の経済に大きな支障をきたすということになれば、それがまた、回り回って、庶民の福祉にも関係してくるということを考えまして、ただいまでは御承知のように、金利は郵便貯金といえども、ある程度下げざるを得ないというように、私の気持がなっておりますわけでございますが、これは私の責任でございます。庶民金融とは何も関係のない問題でありますわけでございます。
 ただ、御承知のように、郵便貯金の金利の問題につきましては、郵政審議会というものにかけなければならぬことになっておりますわけでございますから、郵政審議会の御意思がどう決定するかわかりませんけれども、いろいろ問題があろうかと思うのでございまして、たとえば、銀行の預貯金を〇・五%引き下げるということになりましても、郵便貯金は〇・一%しか下げない、あるいは〇・二五%――つまり〇・五%の半分だというような点もあろうかと思います。また、時期につきましても、私は郵政審議会は、この月のうちに開きますという約束だけはいたしておりますけれども、その答申がいつ出ますやら、何かの機会には、これは西村委員あたり御承知だと思いますけれども、結論が郵政審議会で出ますのに、五カ月もかかったというようなことを聞いておりますけれども、今度は、そんなことではいかぬと思っておりますけれども、なるべく早く結論を出さなければいかぬと思っておりますけれども、郵政審議会にゆだねて結論を出していく。私の意図がこうであるというようなことは、現在のところ申し上げたつもりでございますが、すべて郵政審議会の御審議によりまして御答申をいただいて、その上で、私の決断をするという順序になろうかと思うわけでございます。郵便貯金の利子は一円だって下げちゃならないぞという鈴木委員の気持もよくわかるわけでございますけれども、私悩みに悩んだ結果、日本全体のそうしたことを考えますと、日本の郵便貯金だということを考えて、考慮しなければならないということを現在思っておりますわけでございます。
 しかし、今後もまだ私はがんばる余地も残っておりますわけでございますから、一応のワクははめられておりますわけでございますけれども、郵便貯金の、庶民の非常に貴重な預金であるということを考えまして、今後私なりに最善の努力を尽くしてまいりたい、こういうふうに思っておりますわけでございます。
○鈴木強君 二つの問題点の一つは、明確に切り離したということですから、非常にけっこうだと思いますが、これはおそらく今後もそういうふうな話が執拗に出てくるように思われますから、そういう分析の上に立って、いまから郵政省全体として対策を立てる必要があると私は思います。
 それから二番目のほうは、世界的な低金利政策に合わせて、日本の預貯金もその方向に行こう、こういうことは大体わかるわけですね。しかし、大臣おっしゃるように、郵便貯金というのが法律に定められているような趣旨で、いわゆる零細な庶民の人たちの汗とあぶらの中でためていくという零細な預金ですから、これを保護して、国民生活を安定するというところに目的があるわけですから、一般的な銀行の預貯金とは性格が異なっておるわけです。したがって、百五十万という最高限度もきめられておるわけですから、そういうものに対して除外するということは、私は当然のことだと思うんですね。
 幸いというか、大臣の気持の中に、利率の問題については多少なりとも、郵便貯金については考えたいという心情のようですから、それが一〇・一%になるか、〇・二%になるかわかりませんけれども、定期物、あるいは普通の預金といろいろ利率は変わっておりますけれども、少なくとも、その考え方は上げるべきではないという線に近づけるようにひとつがんばってもらいたいし、郵政審議会へも、そういう方針で諮問をしていただくようにお願いしたいわけです。これは時間があまりありませんから、関連的な質問ですから、この程度にとどめますけれども、大臣の御意思もわかりますけれども、ぜひいまの私の気持ちを体してやっていただきたいと思います。
○国務大臣(廣瀬正雄君) もう一言つけ加えて申し上げておきたいことは、私が一番心配しましたことは、庶民金融と郵便貯金の金利引き下げは、全然別個だということを、私どもきめておりますわけでございますが、しかし、さっき申し上げましたように、庶民金融について、大蔵省が先刻までねばられて、私のほうの庶民金融を、時間切れに持っていくというようなことでしたが、これはとうとうだめになった。しかし郵便貯金の金利引き下げの問題については、閣議でワクがはめられている、こちらはこちらでもって実行しなくちゃならぬということになりましたならば、こんなとんでもない話はないと私は思いました。
 そこで、幸いに庶民金融は発足ができるかと思っておりますけれども、いまの段階では、そういうことになりましたことは、申し上げたとおりでございますが、そこで、ほんとうに私もさっきまで、庶民金融がだめになれば、郵便貯金金利の引き下げも、閣議の決定がどうあろうと、私みずからはひとつ決意しなくちゃならぬということを考えたのでございますけれども、一方の道が開かれましたので、一方のほうの問題も、いまの御指示をいただきましたような趣旨を体して、十分努力していきたいと思っております。
 それといま一つは、郵便貯金をあくまでがんばりますと、そういう意味で、この前もがんばったじゃないか、今度もがんばったじゃないか、それで、日本の金利体系、が国の思うようなことにならなかった、国益に反したというようなことで、罪人呼ばわりをさらにされまして、やはり郵便貯金の金利の決定権は、大蔵大臣にゆだねなくちゃならぬじゃないか、というようなことになりますと、これはたいへんだという気持ちもあったわけでございますから、その辺もちょっと申し添えておきたいと思います。
 以上でございますが、御趣旨は十分わかりましたので、努力したいと思います。
○鈴木強君 私は端的に言ったら、取引をするということになったら、わずか十万円ですか、貸し付け額がね。こんなちゃちなもので郵便貯金利息と取引することはないので、そんなら庶民金融は要らないですよ。
 それから大臣心配していらっしゃるようですけれども、日本経済がここまで不況を長く続けて、底入れをしたとか、しないとかという論議が続いておる。そうして国際的に通貨の問題がああいう状態になって、円の切り上げですね。こういったことが、またやらなければならぬというような話の中で、何か郵便貯金が低金利であったから、日本経済がこういう状態になったかのごとき、とんでもない話です。これは今度の七項目の新しい施策を見ましても、もっと打つべき国際的、国内的に手がたくさんあったはずなんですね。それを打たないでおいて、日本経済がここまで、こうなったこの責任は、あたかも、郵便貯金の利子を下げなかったからというような、そんな話は通用するはずはないのでございまして、そこだけに集中をして大臣を攻撃することもおかしいし、それは、みずからの足らざるを忘れて、自分の都合のいいことを言う論であって、そんなものは、私は問題にする必要はないと思うのです。
 ですから、過程の中で大臣が非常な決意をして、ふところに辞表を持ってやられた態度は、私はりっぱだと思います。ですから、その点は敬意を表しますけれども、そんなにひけ目を感じて大臣がおたおたする必要は毛頭ない、そういうことだけははっきり申し上げておきたいと思います。ひとつ勇気を持ってやってください。
 それでは本題に入りますが、たいへん幼稚な質問でございますけれども、郵務局長お答えいただきたい。
 まず、万国郵便条約が制定されたのはいつでございましたか。
○政府委員(溝呂木繁君) 一番最近の改定は昨年の七月。
○鈴木強君 そうじゃない、条約が制定されたときです。
○政府委員(溝呂木繁君) 一八七四年でございます。
○鈴木強君 日本のやつを使ってくれ、一八七四年じゃなく。
○政府委員(溝呂木繁君) 明治七年。
○鈴木強君 何月何日。
○政府委員(溝呂木繁君) 十月の九日でございます。
○鈴木強君 明治七年十月九日ですか。
 それから日本がこの条約を批准をし、万国郵便連盟に加盟したのはいつですか。
○政府委員(溝呂木繁君) 明治十年でございます。
○鈴木強君 何月何日。
○政府委員(溝呂木繁君) 二月十九日でございます。
○鈴木強君 その次に、この万国郵便条約の第十一条の(d)項に、加盟国は模造、偽造の処罰に対する立法をしなくちゃならぬ、こういうことがうたわれておりますが、この項は、条約制定のときからあったのか、それともその後改正されたものか、この点はいかがですか。
○政府委員(溝呂木繁君) この十一条の条文は、明治二十四年に新しく入ったものでございます。
○鈴木強君 それでこの条約を受けて、日本政府は明治四十二年に省令第六十五号という規則をつくっていますね。これは、切手の模造、偽造の取り締まりを行なうことを法律でなくて省令できめられておりますね。これが昭和二十二年十二月三十一日まで有効であったわけです。したがって明治二十四年に条約第十一条の(d)項が改正になって、そしてそれを受けておそらく明治四十二年に省令ができたと思うのですが、二十四年から四十二年の間、一体これはなぜブランクになっておったか。
 それからもう一つは、昭和二十二年十二月三十一日でこの省令が失効しておりますが、三十一日まで有効で、ですから昭和二十三年一月一日から効力がないのですね。それで、当時、新しい憲法が制定されて、罰則はすべて法律ということになって、おそらく当然法律をつくりて、この省令を引き続いて生かしておくべきではなかったか、それがぽつんと切れて、今日またこの法律を出すということは、どうも納得がいかない。その間のいきさつはどういうわけになっておりますか。二十四年に改定されて、四十二年までの間それがなぜつくられなかったか。四十二年につくって、昭和二十二年に終わって、それがまた今日まで、ブランクになって、今日また法律を出すのは、どういう理由かということです。
○政府委員(溝呂木繁君) 万国郵便条約十一条の規定のしかたは、「加盟国の政府は、次の目的のために必要な処置をとること又はその措置を自国の立法機関に提議することを約束する。」というしかたになっております。したがいまして、一応加盟国は、この約束をするということで、何といいますか、法的に出さなければならない義務を持ったものではないというふうに考えております。したがいまして、明治二十四年にこの条項がウイーン大会議において提案されて創設されてから、明治四十二年にその省令ができるまでは、そういったやはりすぐにしなければならないという義務でなしに、約束ということで、国内の情勢を見ておったのではないかというふうに考えております。
 それから明治四十二年に省令でもって罰則規定等を設けてまいりましたが、いま先生御指摘のとおり、新憲法によって省令でもって罰則を設けることができなくなったために、これを新たに法律にするかどうかということが迫られたわけでございます。その当時としましては、なるべく被害といいますか、大きなそのことの弊害が、相当具体化しなければという気持ちがあったと思います。したがいまして、当時まだ模造につきましては、その弊害がなかったために、模造の部分については、これをやめて、しかし、この十一条でいっている偽造の部分は、郵便法八十四条に行使の目的をもって偽造した場合、あるいは偽造行使罪、こういうものは残っておりますが、この(d)項のほうの模造の部分については、昭和二十三年ころは必要ないというふうに判断して、現在まで至ったわけでございますが、御承知のように、最近、この偽造による取り締まりだけではできないような、いろいろの事態が生じてまいりましたので、今回模造も取り締まらざるを得なくなった、こういうことでございます。
○鈴木強君 これは古い話で、あなたの生まれない先の話だから、ちょっとあなたにいろいろ言うのも酷だと思うけれども、いま郵務局長の立場ですから、これはだれにも言うことできないから聞くけれども、明治二十四年に改定されて、四十二年に省令で、模造と偽造ですか、だから、模造だって当時取り締まらなきゃならぬ事情があったから模造も入れたわけですね、偽造も入れたわけですよ。少なくともその条約を入れて、そういう措置をしたわけだから、それが四十二年の十二月三十一日過ぎたら模造が必要なかったということであれば、なぜこの間で、この模造を必要とする省令をつくったのか、その理由が明らかにされなければ、これは支離滅裂なんですね。
○政府委員(溝呂木繁君) その当時の事情をつまびらかにいたしませんので、推定でございますが、大体戦前では、この取り締まり関係は、かなり予防的と申しますか、ある程度事業防衛というものを考えたときは、かなりの強い範囲でもって取り締まりをつくってきたという感じがいたします。したがいまして、万国郵便条約でもそういう約束をお互いにしているし、しかも、当時としては、とにかく模造まで取り締まっておくという考え方が強かったんではないかと思います。現に、模造によって起こった事態というものを私どもは承知しておりません、その当時。偽造罪というものは相当あったようでございますが、模造というものはなかった。
 しかし、一応模造まで取り締まっていくことによって、事業防衛の完全を期すという考え方で、戦前はずうっときたものと私は推定しております。しかし、戦後の時代になったときに、一応その問題が議論されたと思います。そして、偽造については、これは当然事業防衛上つくっておかなければなりませんが、模造については、その弊害があまり目に見えてない、また、そういう事態が起きてないということで取りやめたものというふうに推定しているわけでございます。
○鈴木強君 それは首尾一貫しないです。明治二十四年の当時でも模造はあまり問題なかった。しかし、これは事業防衛上の予防措置として模造というものを入れておいたんだと、戦後だって、事業防衛の立場からいつ模造があるかわからないし、条約にはそういうことも、それは義務規定ではないかもしれんが、やるようにということの約束になっておる。その約束の中に模造があるわけだから、それならば、昭和二十三年以降この模造というのも含めて予防措置として法律を起こすということが当然じゃないですか。ところが、あなたのほうは、偽造だけを郵便法八十四条に移しておる。そういうことはこれはちょっと納得できない。
 たとえば、この印紙の取り締まりについては、同様に大正五年に大蔵省令十八号で模造、偽造の取り締まりが行なわれるようになりまして、これは昭和二十二年の十二月十四日まで有効だった。新憲法になって、同様な立場に立った大蔵省は、少なくとも昭和二十二年の十二月十六日に収入印紙の印紙等模造取締法というのをつくって、そして、この模造を含めた偽造の取り締まりをずうっと続けてこられたわけです。私は、これは首尾一貫しておって、それは印紙というものが切手と違った性格を持つのかもしれませんよ。それにいたしましても、切手ににしたって、その額は別として、やはり予防的な措置をとるとすれば、大蔵と同じような措置を当然立法化するのがあたりまえじゃないですか。
 当時の政府が、一方は郵便法に移して模造は除外する、そういうことに今日までなっているから、どんどんと、模造が法律上問題がないからやっているわけですね。もし法律がつくられておったら、あらかじめ事前に、いままでなくても、取り締られていたはずですよ。それは怠慢だったのじゃないですか。それはあなたの法律に対する首尾一貫性がない。それから当初言っている方針から見て、どうもぐらついてきているわけですね。国会に、いいくらかげんの答弁したって、これは立法府としては承知できない。だから、もう少し自分たちのやってきたことについて、支離滅裂のところがあれば、大いに反省して、そして、われわれはこういう点で非常に申しわけないことをしたと、したがって、おそまきながら自分たちの施策が悪かったから、こういう模造がふえて、今日取り締まりをしなきゃならぬということは残念でございますが、ひとつよろしくお願いいたします、こういう趣旨の説明をするならわかる。それを何か自分たちの都合のいいように、ああ言うこう言うして、問題を前に進めようとしても、それは前に進まない。そこらはお互いに人間だし、あなたも過去のことだからよくわからないだろうけれども、あなた方の先輩がやったことだから、同罪として、陳謝するところは陳謝してやらなきゃ納得できないのですよ。
○政府委員(溝呂木繁君) 全く御指摘の点よくわかるわけでございまして、私どもとしましても、当時この模造等取締法ができておったならば、現在のような事態はなくて済んだと、そういう意味においては、当時つくっておいていただくことが望ましかったということは強く反省しております。しかし、いろいろの事情があってそうなったものと思いますので、いささかおくればせながら、ひとつ皆さん方の御賛同を得て何とかこの取り締まりをいたしたいと、こういうふうに考えたわけでございます。
○鈴木強君 これは、あなた方の先輩が、だらしがないからだ。だから、こういうことをあなた方は、しりぬぐいをさせられて国会でおこられている。いいつらの皮です。全くだらしがないですよ。法律の制定の経過を、しろうとだって、ちょっと勉強してみればわかるのです。ところが、大蔵省のほうは、これは大蔵省というのは、私はあまりほめたくないのだけれども、大蔵省は首尾一貫しているのだね。ちゃんと法律的に整備しておりますよ。これは大臣ね、いま郵務局長にえらい強く言っているのですけれども、実際に首尾一貫してないですよ。いまごろこんなものを――こんなものといっては悪いけれども、こんなものを出して、そして、われわれをごまかしたような答弁をして正当化しようったってだめですよ。大臣そう思うでしょう、聞いていて。あなた方の先輩がだらしがない、あなたの先輩というよりも郵政の先輩が。
○国務大臣(廣瀬正雄君) ただいま郵務局長がお答えしたとおりでございまして、どうも気のつき方がおそかったということは反省せざるを得ないと、このように考えております。ですから、今度こそはぜひひとつ成立させていただきたいと、こういうようにお願いしておく次第でございます。
○鈴木強君 郵務局長ね、これは明治四十二年から昭和二十二年十二月三十一日までの省令によって取り締まりができたわけだが、あなたはさっき何か統計があまりないようなことを言っているのですが、その間模造で問題になった件数というのはわかりますか、どのくらいだか。
○政府委員(溝呂木繁君) いま私どもの手元に、その当時の模造というものの記録はございませんので、ちょっとわかりかねるわけでございます。最近の模造は、ここ二、三年のものはございますが、当時の模造によるものは、どういうものがあったかということは、ちょっといま資料がございませんので、御答弁しかねるわけでございます。
○鈴木強君 これはいまあなた手元にないというの。いままで明治四十二年から昭和二十二年の末までに模造のために、省令によって、規則によって取り締まりを受けたことがあったかないか、いま手元にないけれども、調べてあるということか。それともそういうのはないということか。
○政府委員(溝呂木繁君) 戦前のそういう取り締まりに関する記録は存在してないということでございます。
○鈴木強君 それはちょっと無責任もはなはだしいですよ。少なくとも郵政省が焼けて、資料がどこか行ってしまったというのなら別だが、そうでない限りは、少なくとも、この省令六十五号による違反事件があったかないかの記録がないということはないでしょう。そんなばかなことがありますか、あんた。なかったのではないのか、あっても、それがわからないのか、その辺はっきりしてもらわなきゃ困るですよ。
○政府委員(溝呂木繁君) 監察のほうへ、いろいろいまお聞きしたんですが、そういう模造による犯罪記録というものが、わからなくなっていると、こういうことでございます。したがいまして、そういう事例があったか、なかったかということが、はっきりしないということでございます。
○鈴木強君 そんな話はないでしょう、あなた。あったか、なかったかわからない。その資料がないというのは、そんなばかな話はないんでね。これはどうなるんですか。もし違反があった場合には、刑事事件ではないですね。ですから、これは郵政の監察が取り調べに当たるわけですか。ですから、そういう記録がないというのは、それは職務怠慢だね。この法案出すのに対して、その間、模造の取り締まり省令があったけれど、それによって幾らの模造があったか、なかったか。それは、なければないで、けっこうなことだし、また、この模造というものの取り締まりが、予防措置としてとられておったから、やられたのかもしれませんね。しかし、現実に省令違反があったか、なかったかが、記録をとってないということは、これは職務怠慢だね。郵政省ってそんなお粗末なんですか。これはおかしいじゃないですか。そんな答弁じゃ納得できない。この法律を、少なくとも省令の違反事件があったか、なかったか、記録として何もないということは、これはおかしな話でね。だから、よく調べてごらんなさいよ。そうして、何か前へ進むような答弁しなきゃだめだ。
○政府委員(溝呂木繁君) どうも答弁が、しどろもどろで申しわけございませんでした。郵政監察が発足いたしましたのは、昭和二十四年でございますので、それから、いわゆる郵政監察官による犯罪捜査が行なわれまして、それからの分につきましては、当然、郵政監察の記録の中に入っておるわけでございますが、その当時は、そういった犯罪捜査が行なわれていた場所、そういったものについて、明確にいま承知できないものですから、そういう不明確な答弁をいたしたわけでございますが、何らかの形で調べれば、ある程度の推定はできようかと思いますので、いろいろ当時の取り締まりに当たった、そういったところにも連絡をとって、できるだけの調査をしてみたいというふうに思います。
○鈴木強君 まあ私が提案者の立場に立てば、少なくとも、そういう記録はあらかじめ整理して、そして国会に対して、責任のある答弁ができるように、なければない、あったら、こういう事件でこうなりました、こういう模造でございます、これが、すなわちこれからの法律の、当時の省令の精神にも合うし、これから新しい法律をつくる際の、われわれの重要な参考になるわけでありますから、その点は非常に私は遺憾に思います。しかし、それは、やってないということですから、職務怠慢ですから、一生懸命調べて、ひとつ国会に報告をしてもらいたいと思います。
 それでは、条約第十一条が二十四年に改定になりまして、日本政府が省令をつくった明治四十二年までに、この十一条に従って立法化をしておる、あるいは立法でなくても、いろいろと規制をしておった国は何カ国あるのか。それからその後、現在まで、万国郵便連合に加盟をしておる国の中で、この十一条を批准し、立法措置をし、あるいは規制措置をしておる国は幾らありますか。
○政府委員(溝呂木繁君) 私どもの手元に、現在の加盟国で、こういった万国郵便条約十一条の立法処置をとっている国は、フランス、西ドイツ、イギリス、アメリカ、スイス等の主要国で、法律をもって禁止または罰則を定めております。
○鈴木強君 明治四十二年、省令をつくるときにどうなんですか。
○政府委員(溝呂木繁君) 明治四十二年当時、どこの国がつくったかということはいま承知しておりません。現在この立法処置をとっている国をいま申し上げたわけでございます。
○鈴木強君 だから、四十二年に省令をつくるときには、十一条を受けてやってるんですから、その当時幾つの国がこういうふうな同様なことをしておったかということを聞いておるんです。
○政府委員(溝呂木繁君) 明治四十二年当時どこの国が立法処置をとったかということについては、いまその事実を明らかにしていないわけでございます。私どものほうでわかっていないわけでございます。
○鈴木強君 わかっていないと。明治四十二年にこういう措置をした国は何カ国か、郵便連合に聞けばすぐわかるわけだろう。あなた方がやってないだけでしょう。調査してないから答えられないということでしょう。本題を離れちゃだめですよ。
○政府委員(溝呂木繁君) お説のとおり、UPUの事務局に問い合わせておりませんので答弁できないわけでございます。
○鈴木強君 私の言うのは、二十四年に改定をされたものが、明治四十二年に日本政府が省令できめたんだから、それには加盟の各国がどういう状態になっているか、それで日本も、それについてどうするかくらいのことは、最低常識としてわからなければならないし、また、調べなければならないことですよ。調べればすぐわかることを調べてないんです。あなたは調べてわかりませんと言うんだけれども、私はそれを聞いているんだから、私の問いに答弁してください。調べてさっそくお答えするとか、そういうことにならなければだめでしょう。あなた、一方的に自分の考え方だけを言ってるんだ。私の質問に答えてない。そんな答弁ないよ。
○政府委員(溝呂木繁君) 一応UPUの事務局のほうに問い合わせてみますが、UPUのほうに、その当時の記録が残っておれば、それを聞かしてもらいましていたしますが、ただ、これが一々報告義務がUPUの事務局にございませんので、もしこれを聞くとすれば、UPUの事務局から各国に照会をしてもらうか、明治時代の当時のいきさつを、日本が各国にお聞きするか、これしかないと思います。とりあえず、UPUの事務局には、さっそくまず問い合わせてみたいと思います。
○鈴木強君 報告の義務があるかどうか、私はその点はわかりませんが、少なくともそれぞれの各国が十一条に基づいて立法措置をした場合、あるいは規制措置をした場合は、おのずからそれは事務局として把握しないということはないですよ。だから、あんたさっそく問い合わせて、郵政省の方が、どこか外務省の書記官か何かに行っているんでしょう。そういうことは一つの区切りなんだから、その当時、日本政府は、さっき私が最初にお伺いしたように、二十四年に改定されて、四十二年までブランクがあった、これは一体どういうわけなんだと、その間態勢がだんだん整備されて、あるいはこの国でもやったと、日本もやらなければならぬかとか、そういう客観的な情勢もあっただろうし、また、日本国内におけるこういう偽造の問題もとらえて、こういう省令をしたんでしょうから、客観的な、四十二年のときにどうして省令六十五号でやったのか、その間のブランクはどうしたんだと、そういうことを最初に伺ったんです。その間が、まだいろいろ条約が制定されてあと間もないのでと言うならば、情勢を見るということだったんでしょう。だから、情勢を見て四十二年に省令を出すのには、やはり何か一つのそこに、よりどころがあったでしょう、客観的な判断の中に。そういう場合には、一つは、やはり各国が、できるだけ立法措置をするというのが、これは加盟各国の義務でしょう。
 ですから、そういう意味において私は、郵政省が当時四十二年に省令を発するのには、それだけの国際的な視野も広めてやったんでしょうと、こういうことを前に置いて聞いているんだから、時間がないから、多少こう省略するわけですが、そういう意味です。したがって、ですから、さっそくこれは調べてみてくださいよ。
 それから、これはちょっと大蔵省の税制第二課長さんと消費税課長さんに来てもらっていますが、国税庁から。それで、いまあなたのほうでは、印紙に対しては、条約を受けて、ずっと終始一貫した方針をとってきていただいているんで、この点私は賢明だったと思います。感謝しますが、敬意を表しますけれども、それで、いろいろ郵政省のほうでは、お聞き取りのようなことで省令がつくられ、今度法律をつくろうというようなふうなんですが、この法律を、大蔵省で模造の取り締まりをしようとした立法の趣旨ですね。
 それからもう一つは、もしいまここに資料があったら、第一条の政府の発行する印紙、それから酒税法第五十一条による酒税証紙、砂糖の消費税法三十三条による砂糖消費税の証紙と同時に、同条二項による検印の印影ですね。それから四つ目は、物品税法第三十八条第一項による物品税証紙と同時に、同条三十九条一項にする表示検印の印影。それからトランプ類税法第二十条によるトランプ類税証紙。それから入場税法第二十条五項による検印の印影、こういうものの表示にまぎらわしい外観を有するもの、もしくは、これにまぎらわしい外観を有する印影、もしくは表示を生ずる器具を製造し、輸入し、販売し、頒布または使用してはいけないということになっていますが、大体こういう事件に該当する件数というものは、この私が申し上げましたような項目別に、どの程度の違反事件がありましたでしょうか、二つ伺いたいんですけれども。もし、こまかいのがわからなかったら、これは後ほど資料で出していただいて、けっこうです。
○説明員(渡辺喜一君) 印紙税の場合は、普通の税目と違いまして、税の納府は税務署等が関与しない状況で行なわれ、取引者間相互で印紙を購入して、課税文書に添付して、相手方に渡すということでもって納税が完結すると。税務署は、もし調査の必要があれば、事後に、当該文書を調査するというようなことになっておりますので、特に、印紙の場合は、偽造、変造、模造というようなことには神経を使ったんだろうと思います。そういうような関係で、従来、省令で取り締まっておりましたものを、新憲法の公布によって、罰則の伴う規則等は、すべて法律でなければいかぬということになりましたので、当然のこととして、そのまま法律に移行させたというのが実情であろうかと思います。
 違反の事例等につきましては、実は国税職員には、この関係の違反の摘発の権限は与えられておりませんで、これは、もっぱら司法警察職員によって行なわれるというようなことでございますから、警察庁のほうへいきませんと、過去の事例等は、はっきりわからないのであります。
 一応われわれが承知しておりますところでは、最近の事例としましては、昭和三十六年以降、四十年に一件事例があったということのようでございます。
○鈴木強君 そうすると、まあ警察のほうからまた資料を取り寄せますが、大体総じていうと、あまり直接的な違反事件というのはなかったというふうに理解していいわけですか。
○説明員(渡辺喜一君) 先生のおっしゃるとおりだろうと思います。
○鈴木強君 それでもう一つ伺いたいのは、第一条二項に、使用目的を定めて大蔵大臣の許可を受けたものを、その目的のために製造し、輸入し、販売し、頒布し、または使用する場合には、この取り締まりは適用は除外されるとこうなっておりますね、この大蔵大臣が使用目的を定めて許可をするということについて、何か許可方針といいますかね、一定の基準というものがございますか。
○説明員(西野襄一君) 印紙等模造取締法第一条第二項の違反に当たりましては、同条につきまして第一項に規定しております印紙等にまぎらわしい外観を有するものにつきまして、一応取り扱い基準を定めてございます。
 こまかな内容になりますが、「横十ミリメートル以上三十五ミリメートル以下、縦十五ミリメ−トル以上五十ミリメートル以下のもので、着色及び地紋模様又は印影等が、政府の発行する印紙等と一見して紛らわしい外観を有するもの」二番目といたしまして「印紙等の着色及び地紋模様と類似するもので、紙面の金額を邦字で表示するもの」三番目といたしまして「紙面に収入印紙、証紙又は税の文字を表示するもの」以上のような基準によりまして検討いたしております。
○鈴木強君 第一条にある酒税あるいは砂糖消費税ですね、物品税あるいはトランプ類税、入場税、こういうものとの関連で、それとまぎらわしいようなものは模造しちゃいかぬ、ただし大蔵大臣が特別に許可をした場合には、これはよろしいということになっておりますね。それがいまおっしゃったことですか。
○説明員(西野襄一君) さようでございます。
○鈴木強君 そうだとすると、現在まで製造し、輸入し、販売し、頒布し、または使用するという形で、大蔵大臣の認可を求めてきた件数というのは、どのくらいありますか、おわかりですか。
○説明員(西野襄一君) ただいま四十二年から四十六年まで最近五年間の件数につきまして申し上げますと、四十二年度が八件、四十三年度が三十四件、四十四年度が十四件、四十五年度が八件、四十六年度が十八件となっております。
○鈴木強君 恐縮ですがね。戦後、法律になってからでもけっこうですがね。その間、年次別に、どのくらいの件数があったか、これは資料であとから届けてくれませんか。
 昭和四十二年八件、四十三年三十四件、四十四年十四件、四十五年八件、四十六年十八件、いまおっしゃられたこの内容について、大体どういうふうなものであるか、その点もひとつちょっと教えてもらいたいのですが。
 それからたとえば、写真なんかで、こう印紙を撮影して、それを写真帳に張ってやるような、そういう複写的な、そういうものは認めているんですか。
○説明員(西野襄一君) まず、件数の点につきましては、調べまして提出いたしたいと思います。その点につきまして、四十六年度の事例でございますが、内訳につきまして、いま先生お尋ねでございますので申し上げますと、狩猟免許税・入猟税証紙が七件でございます。それから自動車取得税証紙が一件、都道府県収入証紙七件、市町村収入証紙が二件、その他中小企業団体法に基づく商工組合から出されたのが一件ございます。
 それから、写真でとったものにつきましては、申請の事例はございませんが、それが使用されるというような内容のものでないと思われますので、対象にはならない、こういうふうに考えております。
○鈴木強君 いまのは、どういう意味ですか。たとえば私が印紙を写真にとって、それを保存しておきたいということで、大臣に許可申請をしますね。そういう場合には、これは許可してくれないの。収入印紙の全部を写真にとって、自分のアルバムに載せておきたいという場合、写真にとってね。
○説明員(西野襄一君) 写真にとるものでございますので、ここの模造には該当いたしませんで、偽造とか変造ということになろうかと思います。
○鈴木強君 そうすると、この法律では、その面の取り締まりはできないということね。
○説明員(西野襄一君) 印紙等模造取締法の対象にはならない。
○鈴木強君 それから、いまお調べになっておった昭和四十六年の十八件の内訳をちょっと伺いましたが、これは概括的にわかればいいんです、あとで資料いただきますから。
 直接民間人として、民間の個人として許可申請したというよりも、法人とか、あるいは地方自治体とか、そういうのが多いわけですか、この許可を申請したというのは。その点どうですか。あとで資料でわかると思うんですが、概括的に。
○説明員(西野襄一君) 大部分、地方公共団体からのものでございます。
○鈴木強君 そうすると、若干わかったんですが、第一条の一項、二項ですね。それを総じて見る場合に、個人として、私がたとえばいま申し上げたような、具体的にこれを写真にとって、それを、アルバムにはさむとか、あるいはこれを友だちに分けてやると、無料で分けてやると、そういうことについては、この取締法の対象にならないの。これは個人の自由においてやって差しつかえない、こういうふうに理解をしてよろしゅうござんすね。
○説明員(西野襄一君) ただいまの御質問の点でございますが、別に印紙犯罪処罰法というのがございまして、偽造、変造等につきましての取り締まりの法規がございます。
○鈴木強君 それには、取り締まりにかかるの、これ。
○説明員(渡辺喜一君) 印紙犯罪処罰法は所管が警察のほうの所管でございます。これは行使の目的をもって偽造ないし変造するということでございますから、それを行使する目的が全然ないということがはっきり立証されるようなケースですと、おそらく該当しないということになるんではないかと思います。
○鈴木強君 ですから、そのことですよね。だから、私の言っているのは、無料で分けて、写真に張る、こういうことですわね。それはわかりました。処罰法にも、これの取り締まりにも該当したいと。
 もう一つ、極端な話ですけれども、一万円の収入印紙に「見本」と大きく書いて、そうして、あるいは原色原形といいますかね、寸法も色も全部同じというような、かりに、ものが出たと、これはまあ別に大臣の認可を得なくても、いま私が聞いた印紙の法律にも該当しない。いわゆる憲法上、出版とか、販売とか、頒布というのは、自由に認められておるわけですから、これは公共の福祉あるいはいま言った詐欺行為になるようなものとか、直接行使をして、そのことが個人的にも、あるいは国家的にも、損害を及ぼす、こういうのが法律の対象になっておりますが、そうでなくて、大きく「見本」と書いて、同じように印刷されたものが出回ってきた場合、そういう場合には、どうなんですか。いまと同じような解釈になりますか。
○説明員(西野襄一君) いま先生おっしゃいました内容のものが、収入印紙そのものでなくて、それに似た内容のもので、上に「見本」という文字が印刷されているという内容でございますと、やはりこの法律に申します「紛らわしい外観を有する物」と考えられると思います。
○鈴木強君 これはね。ちょっとまあ、まぎらわしいものと思われますと言うけれども、まぎらわしくないような表示をして――たとえば、こういうのがあるでしょう。これはよく医薬品なんか消費者をごまかすために、あるか、ないか、虫めがねで見なければわからないようなのをやっていますね。それから、たとえば、「見本」と書いて、大臣の認可をかりに得るというようなことがあったとしても、今度は、それをあとで、そこだけ、許可を受けるときは「見本」と書いておいて、あとはそこを消してやる場合がある。
 私はポッカレモンを七本ばかり準備させたことがありますがね。あのときもビタミンCが入って、三倍強化だ、なんて言って、厚生省の認可を取るわけですよ。それで食品衛生法上の栄養食品にされている。それをよく調べたら、クエン酸が入っていて、ごまかすという事件があったが、それと同じようなケースがあると私は思うんだが、だから、一面、個人の出版なり販売なり輸入の自由というのがあるかもしれないけれども、同時に一その点もひとつ考えておかないと、非常に問題があると思うので、いま私が設問したような例がある場合に、慎重を期さなければならぬと思うわけですね。
 ただ、私は、一面、やろうとする側から見れば、法律その他の勉強もして、はっきりと、ここで「見本」と大きく書いて出した場合に、これを認めないというわけにいかぬですよ、これは、まぎらわしくないということになれば。それはそうなんだが、あとの追跡ということがやはりまた法律的に許可したものについては、年に一ぺんか二へん追跡調査して、実際に許可したとおりにやられているか、やられてないかということも、やはりやっておかなければならぬと思う。そういう点も法律的に、もし無理だとすれば、行政指導の面で、はっきりしておくとか、そういうふうな第二の方策を、私はとっておく必要があると思うのですね。ですから、個人の自由のほうと、これを取り締まるほうと、許可するほうと、いろいろ見解が違うし、また、これが訴訟だの何だのと言って争われることも予想されるわけですから、そういう問題で、今後の運営とか、いろいろあると思うけれども、もうちょっとこの法律について、関係者で検討してもらいたいと思うのですよ。その点はおわかりでしょう、どうですか。
○説明員(西野襄一君) ただいまおっしゃいましたように、許可が得られればよろしいということでございます。その申請がありました場合に、それを許可するかどうかの審査のあり方につきまして、先生からいろいろ御指摘をいただきましたとおりでございまして、やはり法律の趣旨に従いまして、まぎらわしい外観を有するかどうかというようなこと、それから、それが一般の国民に真正な収入印紙と誤認されるおそれがないかどうか、その点につきましては、十分慎重に配慮する必要があろうかと思います。運営にあたりまして、一そう注意してまいりたいと思います。
○鈴木強君 これは運営の問題もおっしゃるとおり、ぜひ、留意していただくと同時に、法律にもやはり問題があるのです、これは。告訴して、これがやはり刑事事件として争われるという場合もあります。それは消費者の立場からすると、なかなかむずかしい点があります。だから、ある程度件数が多いか、少ないか、それもあると思いますけれども、やはりもう少し立法技術的にも検討を加える必要が私はあるように思うのです。だから、その点も含めて関係の皆さんでひとつ相談をしてみてくださいませんか。これは私の要望ですから、お答えはいいです。
 それから、ちょっと国対委員長会談がありまして失礼しますけれども、あと現在取締法で取り締まっているのは通貨、証券、紙幣、収入印紙、こういうものがございますが、いま私が大蔵省に収入印紙の取り締まり法について幾つかの質問をいたしましたが、そういうことは、すべてまた郵政省に対してもお尋ねしたいところなんです。そして、そのほかにも、たとえば、スタンプといいうようなものが、どうなるのか、それから郵便はがきは該当すると思いますが、第一条の、要するに「郵便切手その他郵便に関する料金を表わす証票に紛らわしい外観を有する物」と、こうなっていますからね。こういうものが具体的に一体何なのか、一つ一つ私は明確にしておかないと、あとで争いが起きたときに困ると思います。そういう点もちゃんとしておきたかったのです。
 それから、航空とか、簡易とか――はがきですね。それからその中に使用済みの切手はどうなのか、あるいは適用を廃止したものはどうなるのか、それから国際、国内の切手と言いますけれども、一体国際的には幾つの切手があって、どこの国では、どういう切手があり、そこの国のこの切手は、模造したか、しないかということは、この法律で取り締まる場合には、非常にむづかしい点があります。何十万点あるか私は聞きたかったのですけれども、それから、その切手を日本に取り寄せて写真にするか、あるいはいずれにしても、全世界で、万国条約加盟以来のを調べておいて、そして廃止になったのはいつか、それをやっておきませんと、この法律の適用はむずかしい。国内の場合には、郵政省発足以来ずっと調べればわかると思いますが、そういう点もどのくらい把握しておられるか私は聞きたかったのです。そうしないと、模造したか、しないかよくわからないのですから。
 そういうような、いろいろな実態についてもお伺いをしたかったし、それから現実に、販売をし、輸入をし、頒布をしている方々が、どの程度あるのか、現在の実態等も聞きたかったのです。これは幸い森委員が質問をさらにしていただけますから、そういう点に触れていただけると思いますので、私は以上、非常にいま時間がなくて、聞きたいことが聞けなくて残念ですけれども、これで私の質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○森勝治君 質問を始める前にお伺いしたいのですが、これはあれですか、この手元に来たのは、この切手類は何ですか、これは。原品原寸はだめ、見本と書いてありますが、何ですかこれは。本物の見本ですか、偽造の見本ですか。こういうことの提示のしかたですからね。これでは、この前、委員長ですか、松本さんですか、もっと親切にということを申し上げたようなことになるのですよ。これは本物があるわけですから、本物と同じものを、見本を――模造と本物を持ってきて、こうですと言わなければわからない。たとえば、これは偽造だという、じゃどこが違うのか、私ども、このものが、こっちが偽造か何か――本物とすでに見分けのつく者はいいですよ。たとえば、髪のわきが、これはちょっと薄っぽい。ところが、本物は、ここの色知っているからすぐわかるが、一般の人はわからぬ。ただ配れと言って配ってみたけれども、これはわからぬでしょう。当然これはやっぱり本物と見本の区別はここでちゃんと見せなければいかぬですよ、こういうものはね。
 どこから手に入れてきたか知らぬが、こういう偽造だか、何だか、たくさん配って、本物は一つも配らない。ちょっと持ってきてくれと言ったら、たった一枚持ってきた。それじゃだめだから、これと同じシートを持ってこいと、私は言ったのですが、やはり審議させるためには、そういう配慮をしていただかないと、ほかの委員からも、もろもろの注文が出るのですから、今後ひとつそういうことで配慮をしていただきたい。
 それから、ちょっといまのを、国税庁帰られましたが、ちょっと聞きたいのですが、郵政省は著作権と申しましょうか、意匠登録関係はどうしておるのですか、意匠登録は確保しているのですか。
○政府委員(溝呂木繁君) 現在は登録はいたしておりません。
○森勝治君 著作権はどうですか。
○政府委員(溝呂木繁君) ですから、著作権を登録してございません。ですから、第三者に対抗するときには、登録の問題がありますが、一応私どもに著作権のあるもの、それからあるいはないもの、そういうものはございますが、一応私どもに著作権が生じているものについて、登録を現在はいたしておらない、こういうことでございます。
○森勝治君 だから皆さんは意匠登録されればこういう法律は出さなくてもいいのじゃないですか。そのほうの検討はされましたか。意匠登録すれば同じものは市場に出てこないはずなんですからね。これはなぜ意匠登録をされないのです。そういう努力をなぜされないのです。少しも最善の努力はしないじゃないですか。まがいものばかり出るから、困るから、すぐ法律で国民を規制しようと考えているのじゃないですか。そういう点はどうです。
○政府委員(溝呂木繁君) 著作権等の問題につきましては一応検討したのでございますが、御承知のように、切手、特に、こういう問題が起こります特殊切手につきましては、著作権が私のほうの手元になくて、たとえば、ある名画なら名画、それを私のそこの著作権者の了解を得て切手にしている。そういった場合は、これは著作権上の保護を受けることは困難であるということと、それから一般的には著作権上の問題を強く出しますと、いわゆるここまでに至らない、模造といいますか、われわれの取り締まりの対象外のちゃちなものにまで、そのものが及ぶ、及ばないという問題もございまして、一応著作権については、強く登録までして、それを保護するということでなしにしたわけでございます。したがいまして、切手につきましては、著作権のほうから保護できるものもありますし、お説のように、それから、私どものほうで、完全に保護できないものもあるということでございますので、一応現在は登録をしてないということでございます。
○森勝治君 意匠登録できるでしょう。
○政府委員(溝呂木繁君) 意匠登録につきましても、郵政省で、私のほうで全部考案したといいますか、ものもありますし、外部の者に委託したものもございますので、意匠登録についても、著作権と同様な問題が生じようかと思います。もちろん、それを登録して、著作権と同様に登録すれば、ある部分については、この法律に近い、何といいますか、取り締まりといいますか、そのほうからの取り締まりは、かなり可能かと考えます。
○森勝治君 どうも失敬ですが、条例とか、規則とか、法律をつくることをお急ぎになって、肝心な、みずからの権益を守ろうとする努力に欠けておりますね。意匠登録という方法もあるんですから、意匠登録をすればいい。寸分違わないでしょう、これ。その前に郵政省で打つべき手があるでしょう。意匠登録しておけば、同じものができない、複製できないんですから、複製許さずですから、そういうことをしないでおかしいじゃないですか。当然まだ郵政省として配慮すべきことがたくさんあるでしょう。切手というわずかな部門であっても、法律に基づいて郵政省みずからが、自分たちのつくったものを守るという立場がたくさんおありでしょう。これをなおざりにしておるんじゃないですか。これでは羊頭を掲げて狗肉を売るたぐいだと言われても、いたし方がないんじゃないですか。犯罪の事犯が起きた、そのことのみを追いかけることにきゅうきゅうとして、遠きいにしえをたずねようとしておらないんじゃないですか、その辺どうです。十分意匠関係も御検討なさった結果、そうですか。
○政府委員(溝呂木繁君) 一応検討したわけでございます。もちろん、先生のおっしゃいますように、著作権あるいは意匠登録によって、私どものほうに著作権があるものについては、その部分について、かなりの部分について、そういう模造の弊害をある程度防止することは可能というふうに考えたわけでございますが、切手全体として、いわゆる著作権もなく、意匠登録もないというものについてまでには、やはり本法が必要というふうに考えたわけでございます。
○森勝治君 ないといっても、それは郵政省みずからが努力しなければ、自分の権利を守れないじゃないですか。
 それからもう一つ付言しますが、先ほど、切手を外注に出す、切手の意匠ですか、意匠とか、構図は、郵政省が全然タッチしないで、外部のものに出すかのごとき印象の発言をされていますが、従来われわれに対する説明は、郵政省みずからが企画立案して、郵政省の職員みずからが、こういう構図をつくると説明されておるわけでしょう。私は、この前、切手のことで質問した記憶がありますが、そうじゃないんですか。いまのは外部の人に外注に出して、今度記念切手を出します、アイデアを考えてくださいだけで、そのだれか専門家が書いてきたのを、そのままうのみにして印刷機にかけるんですか、そうじゃないんですか。何々の記念にちなんだものだと、何々百年、郵便百年なら百年にちなんだ、電信電話の百年にちなんだもので、郵政省が構図をまとめて、こうだと、そうして、こういうアイデアだから、こういうふうに書いてくれぬかと言って、絵かきに頼むんじゃないですか、そうでしょう。そうしたら、意匠登録はおのずから郵政省にあるんです。
 意匠登録、郵政省にない切手なんかありゃしないじゃないですか。もしあるとするならば、いま言ったように切手、適当なのを今度つくるから、切手の案をつくって持ってきてくださいといって、全然、民間にもう委任しっぱなしのやつだったら、局長が言われたような、そういうことがあり得ますけれども、われわれに説明された範囲では、絶対そういうことはあり得ない。
○政府委員(溝呂木繁君) 説明がいささか不十分であったかと思います。いわゆる意匠権のないものといいますと、いわゆる古美術などで、それをそのままデザイン化して、いわゆる私のほうでほとんど手を加えない。要するに、手を加えたものが多ければ意匠権、私のほうにくると思いますが、かなり、そのままのものがあるということです。それから、全然こちらが手をつけずにやったものはございません。それから外部にというのは、いろいろ模様、図案につきまして困りまして、そうして、たしか心臓病の関係でしたか、これを外部の人にデザインしてもらった。しかし、これは一応私どものほうで、ある程度手を入れて出しております。しかし、相当の部分、相手方のものが大部分であった場合は、意匠権が私どものほうにくるかどうかは、少し疑問があろうかと思います。
○森勝治君 そうすると、従来外部に頼んだときに、頼んだだけで適当な代価を払っても、著作権、意匠権というものはみんな制作者にあるんですか、郵政省ですか。契約はそんなにずさんなんですか。
○政府委員(溝呂木繁君) もとの原画を、私のほうで全部契約で買い取ってしまった場合は、私のほうにありますが、名画等で買い取れない、その現物を私ども手に入れられないで、しかも、それを切手の図案に使うといったような場合は、やはり著作権が向こうにあるというふうに考えておるわけでございます。
○森勝治君 ですから、著作権の向こうにあるものは、それをそっくり使ったとしても、日本郵便なら日本郵便なる文字を入れるんですから、新たなる構想のもとに意匠をきめるんですから、当然意匠登録しておけば意匠登録権が郵政省にあるわけでしょう。そうすれば、意匠登録したものは複製を許さずですから、自動的にこれはできっこないじゃないですか。そういう努力をなぜおやりにならないかと聞いているんですよ、私のほうは。
 いつもの質問の設定と違うから、あなた方は面くらっているんでしょう。森は、大上段から振りかぶって質問するだろうと思ったら、からめ手のほうから意匠登録が出たから、あなた方、面くらっているんだろうけれども、当然そういう努力をなぜやらなかったかと言っておる。やるべきじゃないですか。そうすれば、今度あわてて出さぬだっていいじゃないですか、意匠登録があれば。やってないから、これがどんどん同じような、寸分違わないのが出てきちゃうんじゃないですか。それが困るということになって――これ失敬ですが、たった一枚切って封書の上に張って出して、だれが見破れる人がありますか。知らずにスタンプ押してしまえば、髪の色のところなんか消えてしまう。スタンプのインクで消えたものは絶対発見できないじゃないですか、どうです。なぜ意匠登録、そういう努力をされないんです。当然そういうことは努力されてしかるべきじゃないですか。
○長田裕二君 ただいまの森委員の御質問に関連してあれですが、一つは、たとえば切手図鑑とか、あの切手の図案そのものをつくることは、大臣の許可がなければいかぬということに禁止してしまうと、一般的に国民的な立場から見て少し締め過ぎになる。そういうものはある程度はやっぱりあるほうがこれは切手趣味家ばかりでなしに、ある程度文化史というか、そういう面からも必要な面があるということから、そういうものをかなり自由にやらせなければならない。しかし、この料金減脱とか、何らかいわば偽造的な目的に使われる可能性はできるだけ防がなければならないというのが、この意匠登録なり何なりの措置をとらずに、しかも今度模造の禁止をする、そういう結論になったということになるんじゃないんですか。ぼくは、あまり意匠登録の効果なんかは十分知りませんけれども、森先生の御質問は確かに非常にごもっともなところなんで、ただし意匠登録なり何なりを全部やって押えると、少し別のほうの文化的な目的が、若干阻害されるおそれがある。そういうような感じがするのですけれども、どういうことですか。
○政府委員(溝呂木繁君) ただいま御指摘のように、意匠登録をすれば、たとえばネクタイピン、あるいはわれわれとして、まぎらわしくないもの、今回の法律で、まぎらわしくないものとして、取り締まりの対象外にしようとするものまでが、当然、意匠登録によって、何といいますか禁止されてくる、こういう意味があろうかと思います。したがいまして、確かに意匠登録していれば、われわれとして市販に流通してもかまわないというものまでが、だめになるという点はやはりあろうかと思います。
 ただ、そういうことをした上で、こういうものを許可するとか、ということの点についての研究が、不十分であるために、森先生の御質問に答えられなかった点、まことに申しわけなく思ったわけでございますが、その法の範囲についても、いま長田先生のおっしゃったとおり、やはり意匠登録をすれば、われわれとしても、流通してもかまわないというものまでが、だめになるという強い面があるということは、たしかでございます。
○森勝治君 私は、後段の話が合点がいかないのですよ。あまりこのことばかりやっていてはなりませんし、あなたのほうで、検討の不備な点も告白されたのですから、私は、その点は、もう少し検討していただきたいと、それを要請して、次の問題に移りたいと思うのです。
 この法案を出してきた目的は、一応説明にありましたが、これだけでは、どうものみ込めやせぬから、お伺いしたいのでありますが、にせ切手のはんらんによって、正常な郵便事業が阻害されるゆえをもって規制をするのですか、郵便切手趣味という、いわゆる趣味の世界ですね。趣味の世界の秩序を守るために規制をされるのですか、どちらですか。
○政府委員(溝呂木繁君) 本法案を提出いたしました理由は、まず第一には、こういったものが先ほど先生御指摘のように、張られて、いろいろ郵便法八十四条の偽造の罪にまで至る、あるいは八十三条の料金減脱の一つの態様をなすという問題でございます。それがなかなか、その段階で見きわめがつかずに、事実上使われてしまうということであれば、どうしても事業防衛といいますか、そういう関係上、模造品が製造され、販売されている段階から取り締まるというのが、第一義的かと思います。しかし、それだけではございませんで、最近いろいろ送金手段などにも、切手というものが使われております。そういったところに、こういった模造切手というものが入っているということであれば、やはりそれらの秩序を乱すことにもなりますし、一方、そういったものを取り締まれば、おのずから郵趣の世界の、秩序の維持ということにも、当然、結果的な効果があり得るということをねらいとしたものでございます。
○森勝治君 事業の損害を防ぐというならば、八十三条、八十四条で事足れりとするのじゃないですか。なぜ、事新たに、法律を制定しようとされているのですか。
○政府委員(溝呂木繁君) ただいま御説明しましたように、事業防衛とそれから先ほどいいましたいろいろ送金手段等に切手が使われている、そういった部門、そして、そういうものが出回ることによる切手の信用維持ということ、そしてそれがひいては郵趣界の秩序の維持に役立つ、こういうことでございます。
 それから、その次の事業防衛の一つの問題について、現在の八十三条、八十四条があれば、十分じゃないかという御指摘でございますが、先ほど御説明しましたように、先生も御指摘のように、この模造切手が張られて、郵便局へ出されますと、いまの郵便局の機構、機能では、まずそれを見出すことは、非常に困難であるということになりますので、やはり八十三条、八十四条に至る前に、この模造のものを取り締まらないことには、事業防衛が完全にできないという事態が昨今起きてきた、こういうことのために本法案を提出したわけでございます。
○森勝治君 ちょっと局長、お伺いしたいのですが、あなたの言われた後段の点、私も若干触れましたが、切手趣味は郵政省で奨励をしておるのですか、全く無縁のものですか。
○政府委員(溝呂木繁君) 私どもは特殊切手というものを国家的行事、そういったことに関連をして発行しているわけでございます。その限りにおいて健全な郵趣というものが育つことは、私どもとしてはやはり一端の責任はあろうかというふうに考えておりますが、ただ、そういった部門に取り締まりという関係で入っていくということについては、いろいろ問題があろうかということでございまして、いわゆる書画、骨とうに類してきた、その部門の問題になりますと、少し問題が広過ぎるわけで、やはりわれわれといたしましては、第一義的には事業の防衛といいますか、それと送金手段に使われておる、そういう使用目的の上から来る問題を掲げて、しかも郵趣の世界というものを、われわれも一端の責任がありますから、それらをも両方考えながら処していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○森勝治君 大臣、ちょっとお伺いいたします。
 いまの局長のお答えに関連して質問をするのでありますが、一体、郵便切手というものは、いかなる目的をもって発行するのでしょうか。あまり愚問で恐縮でありますが、いま局長のおことばで、どうも気になってしようがありませんから大臣にお伺いをするのです。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 郵便物の送達の料金だと、こういうふうに解釈いたしておりますわけでございます。
○森勝治君 郵務局長にお伺いしたいのだが、大臣はそういうお答えですね。私もそうだと思うのです。それであれば、郵趣の世界に対する責任は、郵政省が負う筋のものじゃないでしょう。もし郵政省が郵趣の世界に対する、郵趣の責任を、趣味の責任を負うということならば、いま大臣が明快に言った切手発行の目的から少し幅を広げたというか、拡大解釈したというか、ずれた、ということばは失敬でありますが――秀才のそろった郵政省のおやりになることですから、それは失礼でありますが、どうもそういう疑念があります。そうであれば、大臣の言われた線から非常に幅が広がってきた、郵便物を送達するときの手形として張るのではなくて、趣味の方々に供するために、郵便の本来の使命に提供するのじゃなくて、別の世界にある方々に提供するためにあるのだとおっしゃる、本来の郵便の目的の用に供するものばかりではないと、こうおっしゃるのですね。あなたは、言っておるのだよ。――大臣は明快に言っておるのですが、その違いはどういうことですか。
○政府委員(溝呂木繁君) 説明が不十分で申しわけございませんでした。当然、郵政省の切手は料金の前納の証として発行するものでございます。ただ、その切手の発行にあたって、従来ともある国家的行事、そういったもののときには、それに一つの敬意を表するといいますか、祝意を表するという意味において、そういった切手の発行をしたことがあるということでございます。そして、その切手はあくまでも郵便料金の前納の証であるという本義を逸脱するものではございません。ただ、そういう切手を発行いたしますので、そのことが郵趣の世界に、かなり大きなウエートを占めておりますので、その意味において、一端の責任を感じているというふうな意味でございます。
○森勝治君 私は、最近の郵政省の、いわゆる趣味の世界における指導というか、取り扱いというか、苦々しい思いをしているのですよ。これは、切手ブームと言われておるから、ある面では、需要と供給の関係でそうなるのはやむを得ないにしても、どうも射幸心をそそると、趣味の世界に生きることを、射幸心なんということは失敬でありますけれども、どうもそういう気がしてならぬのですよ。一年たてば倍になりますよ、十年たてば十倍になりますよという、どうもそういうやり方をしているような気がしてならぬわけです。もしそうだとするならば、大臣が明快に言われた切手発行の趣旨をそこねるおそれがありますから、この点は十分気をつけてもらわなければならぬと思うのです。
○政府委員(溝呂木繁君) 御指摘のように、いろいろ国家的行事があったときに、郵政省に一応その国家的あるいは国民的行事について、記念切手を発行してくれという要望が非常に強いわけでございます。世界各国そうしているわけでございます。しかし、それによって、おっしゃるように、射幸心をそそるというような、本義的でなく、むしろこの切手の目的があることは私ども遺憾でございます。
 したがいまして、いわゆる本来の郵趣というものの世界というものの、健全なあり方、そういったものについて、私どもも責任の一端を感じて、いろいろ外郭団体等に対して、そういう射幸心をあおる切手趣味でない、本来世界的に行なわれている切手趣味、そういうものにしていただいて、われわれとしても、先生のおっしゃるように、国家的、国民的行事について今後とも発行したいと思いますが、そういった弊害の生ずることのないように、十分戒めながら対処していきたいというふうに考えております。
○森勝治君 私は、そういう点がなくなれば、模造切手なんて、こんりんざいあらわれないものだと思います。
 それはさておきまして、この取り締まりということは、ある程度国民の自由を制限すると、こういうことになりますね。ですから、そうなりますと、憲法の十三条、二十一条、二十二条との関係が問題になるんです。そもそも国民の自由を制限するということになることは、明らかに公共の福祉に反するという事実が証明されなければ、これはなされないわけでありますから、特別法までつくって、そういう制限をしなければならぬという、具体的な弊害が、現実にどうあらわれておるのか、この点をお伺いしたい。
○政府委員(溝呂木繁君) 御指摘のとおり、こういう取り締まり法につきましては、十分その取り締まるだけの公共の福祉に害を及ぼすような事態が生ずることが必要かと思います。そこで、私どもといたしましては、現在までは郵便法八十三条、八十四条、いわゆる料金減脱、あるいは行使の目的をもって偽造という部分だけにとどまっておったわけでございますが、実は、最近(お手元に)先ほどいろいろ御指摘されました、そういった模造切手が出回りまして、まさにそういったものが郵便に張られて、私ども非常に困った事態が生じております。しかも、先ほど先生御指摘のように、それが張られている事実について、発見できない場合が相当あることも考えられます。このまま放置しておきますと、せっかく現在の郵便法八十三条、八十四条があっても、とてもそれの効果を発揮することができないという事態が考えられますので、今回この模造についても取り締まりたいということでございます。
 現に模造として私どもで発見したものだけでも、最近において三件、その事実がございます。
○森勝治君 どういう方法で発見されたか知りませんが、それではお伺いしたいのでありますが、たとえば、職員が郵便の配達等をしますと、はたして、その郵便物が的確に届いたかどうか、何時何分に届いたかということをよくやりますね。最近は忙しいから、あまりおやりにならぬ模様でありますが、さて、それでは、切手等を模造であるか、ないかということを、一年間に一日でも全国のどっかの局で具体的にそういう調査をなさったことがありますか。
○政府委員(溝呂木繁君) 現在の段階では、入ってきます郵便物の切手について、偽造、模造であるか、真正のものであるかということについて、特に調査したことはございません。ただ、一般的に、局員の目に、仕事の過程において触れているものについては、当然、料金減脱の問題等もありますので、たとえば十五円張るべきところを十円しかなかったとか、あるいは量目不足とか、そういった意味の関連において、切手でないようなものが張られていたり、ということについては、当然この仕事の過程において、それらを見ているわけでございますが、先生の御指摘のように、特に、そういう、何といいますか、期間なり、場所なりを設けて、郵便局の窓口で、一斉に模造であるか、真正のものであるかということの調査をしたことはございません。
○森勝治君 郵便法の八十三条、八十四条で処罰された例が、最近ありますか。
○説明員(舘野繁君) 八十三条、八十四条関係の事件でございますが、件数を申し上げますと、四十六年度におきまして、八十三条関係料金減脱が六十三件、それから八十四条の偽造行使関係では六件ございます。
○森勝治君 そういたしますと、模造だの、何かというのがあらわれて、困ったなというふうに、郵政の担当の皆さんがお思いになるのか、こういうものが、ちまたに出てきたゆえをもって、困ったとおっしゃるのですか。この模造切手がありますね。これが出てきたから困ったとおっしゃるのですか。
○政府委員(溝呂木繁君) 現実に、そういうものが張られた例が、最近において、二、三件あったということ。そうしてそれを見まして、これならば、張られたときに、われわれとしては、現在の業務の形態においては、まず発見はほとんど困難であろうという、両面から見まして、どうしてもこれは取り締まらなければならぬというふうに考えたわけでございます。
○森勝治君 そういたしますと、現象面で一、二そういう面があるから困るとおっしゃって、さて、じゃ実際そういうものが、その差し出す郵便物の中に、まざれ込んであるかどうかということは、ただの一ぺんも調査しないからわからない。わかったところが、いま監察官も言われましたが、微少だと、郵務局長は三件だとおっしゃる。そうなると、これは失敬でありますが、被害妄想の拡大ということで言われかねないのですが、どうですか。失敬な論理を用いて恐縮でありますか。
○政府委員(溝呂木繁君) 私ども事業を預かっている者から見ますと、少し被害妄想になっておるかどうかということですが、とにかく非常に困ったことだと、しかも、それが本来の郵趣の目的なり、そういうもののほうで、非常に大事なものであるならば――これは、また後ほど、もし御質問があればお答えしたいと思いますが、いろいろの方法があるわけでございまして、あえて本物に似通わせて、しかも、裏側に、参考品などと書いて、張ってしまえば、全く真正のものとわからないような形で出されたものについては、私どもとしましては、どうしてもそういうものの流通を禁止したい、こういうふうに考えたわけでございます。
○森勝治君 だけれども、実際被害は軽微でしょう。いまの取り扱いの説明を聞いていますと、どうも被害妄想にかかったのじゃないかと思うのですよ。相当被害が蔓延したというならいざ知らず、ごく微少な部門ですから、その辺は、どうも少しあなたのほうが頭がよ過ぎて、私のほうが、悪過ぎるものだから、どうもずれていて、理解に苦しんでいるのかもしれませんが、どうも郵政省、被害妄想で、実際の被害の額がわからぬ。ほんとうにあるかどうか、全国で調べたことも一ぺんもない。
 それで、ただ、こういうものが出てきたからたいへんだから改定しよう、こういう便宜主義であるのではないかと、こう邪推せざるを得ないのですよ。ですから、失敬なことを聞いているわけですが、そういうことはないですか。確たる根拠に基づいておっしゃっておるのですか。郵政省が、実際の被害もろくすっぽあらわれているわけじゃないのですが、あらわれていないけれども、被害があらわれては、たいへんだ。郵便物には張られていないけれども、郵趣の世界に、はんらんしては困るというのか。郵趣の世界の信用度を高めるために、――切手の信用度を高めるためとおっしゃっているのですよ。切手の信用度を高めるなんて、初めて聞いたのですよ。国家事業ですからね。切手の信用度が落ちましたか。十円の切手が八円になったことがありますか。ありはせぬでしょう。さっきあなたは、切手の信用度を高めるとおっしゃったものだから、切手の信用度が落っこった世界はないです。
 ただ、郵趣の世界で、たくさん郵政で発行すればあまり上がらないし、希少価値のものはぐんぐん上がるというだけの話であって、郵便切手の信用度なんか、ないですよ。十円は十円ですよ。そうでしょう。郵政省でそれじゃ信用度が高まったからといって、物価にスライドして、十円切手を百円にやったって、郵便局では、引き受けないでしょう、そうでしょう。それなら切手の信用価値が上がり下がりもないでしょう。趣味の世界ではあるでしょう。需要と供給のバランスの関係であるでしょうけれども、発行した郵便局のものが、何年たったって十円は十円じゃないんですか。二十年前に発行したって二十円は二十円でしょう。少しも変わりないんじゃないですか。
○政府委員(溝呂木繁君) まず前段の、ほとんど被害妄想と断ぜざるを得ないという御指摘でございますが、見つかっただけでも、そのものが三件あったということであり、現にそういう状態で張られていた場合、私どもの判断では、ほとんど発見されずに出回っていることも考えられる、これは確たる証拠はございません。しかし、そういう状態を野方図にしておくことについて、私どもとしては、何とか対処したいということでございます。ですから、現実の被害というと三件しかない、逆に言えば三件しか見つからないほど巧妙に張られる可能性もあるということを、おそれたわけでございます。
 それから、切手の信用度の問題でございますが、切手の信用の維持という言い方を申し上げたわけでございますが、これは、やはり本物に対して、にせものが相当はんらんいたしますと、当然その切手について、これは、にせものであるか、本物であるか、ということについて、国民の皆さまが、かなり神経をとがらせなきゃならない。ということは、本来ならば、切手を見れば、一にも二にも信用して、日本の――日本ばかりではございませんが、郵便切手というものに、信用が絶大にあった。しかし、最近それに似たものが出てきたとすると、そのほんものまで疑われるというような状態になることを、私、真正な切手の信用が落ちることを、おそれるというふうに申し上げたわけでございます。
○森勝治君 どうもその点が、正直言ってわからないんですよ。にせものが出回ると本物まで疑われると言う。だから言っているんですよ。郵便切手は、そもいかなる目的をもって発行するかと聞いているんですよ。あなたのお話をせんじ詰めれば、趣味の世界に生きる者の信用度のためにおやりになっているように、だんだんその谷間に落ち込んでいくような気がするのですよ。これは、私の受け取り方が悪いのですかしらん。かりに、こういうにせものが、はんらんしたと言っても、市場価値は関係ないでしょう。十円は十円なんだから、郵便局で扱う対象は、郵便局でなきゃだめなんですから、大臣の言われる、切手を本来の趣旨をもって生かす場合、横道にそれる場合は別ですよ。だけど、郵政の最近のやり方が、どうも趣味の世界に生きる人たちを助長するような、奨励するようなあり方でしょう。この点が私はいかぬと言うんですよ。
 だから、この点は、皆さんもしばしば、各委員からも指摘されているんですから、そういうことは、あおるようなことはできるだけ慎んでいただきたい。皆さんが御希望なら、どんどん発行してあげたらどうですか、といった意味のことを、各委員もしばしば言っているわけですね。
 そこで私は聞きたいのでありますが、あなたも先ほど言われた、まぎらわしい外観ですね。「紛らわしい外観を有する物」、これがこの提案された本法案の対象になるんですが、まぎらわしいか、まぎらわしくないかという、ものさしですね。これを国民の前に示さなきゃなりません。このものさしは、どうやってきめるんですか。
○政府委員(溝呂木繁君) まぎらわしい外観を有するかいなかの基準でございますが、当然、私ども、これを取り締まっていくためには、内規というものをつくって取り締まっていかなきゃならないというふうに考えております。その内規の基準といたしましては、先ほど印紙等についても、ちょっとその点の質疑応答がありましたが、一応、私どもといたしましても、まずは大きさでまぎらわしいか、まぎらわしくないかの判定をする基準をつくってみたいと考えております。
 二番目は、表示によってまぎらわしいか、まぎらわしくないかの判定基準をつくってみたいと思います。表示と申しますのは「日本郵便」あるいは二十円とか、いろいろ切手独得の意匠といいますか、表示がございます。そういったものがあるか、あるいはブルー・チップとか、最近いろいろの、ちょっと一見切手に見えるけれども、いわゆる切手でないという表示が、明らかに出ている例は、結核予防シールとか、そういったような表示によって考える一つの判断をしてみたいというふうに考えております。
 三番目は、素材によってまぎらわしいか、まぎらわしくないかを判断したいと思います。いわゆるせとものとか、ガラス器とか、そういった明らかに、もういわゆる真正な切手にまぎらわしくなるような素材でもって、これがつくられている場合は、一応まぎらわしくないものというふうに考えようと思っております。
 なお、それぞれの大きさとか、表示、素材、そういったものについての具体的なものは、これは日本の郵便切手もそうでございますが、外国の切手も非常に大きさ等がまちまちでございますので、それらを考えながら最大限をとって、その最大限に対して五〇%以上の大きさのものならば、まぎらわしくないとか、あるいは現在発行している小さい切手の場合は、その三分の二以下とか、そういったような形で内規をつくりまして、そうして当然こういうものを製造する人たちがおりますので、そういったところには当然連絡をとりながら、十分その辺の周知をいたしたいというふうに考えているわけでございます。
○森勝治君 明らかにまぎらわしいものですね。模造品としてわかるような表示がされているものは、これはもう対象外ですね。
○政府委員(溝呂木繁君) ただいま御説明いたしましたように、まぎらわしいか、まぎらわしくないかの基準は、大きさと、表示と、素材とによって判断したいというふうに考えているわけでございます。
○森勝治君 それでは、たとえば「日本郵便」という文字が入っていなければ対象外ですね。
○政府委員(溝呂木繁君) 問題は「日本郵便」というものが入ってないというだけでは、ちょっと問題があろうかと思います。「日本郵便」にかわる何か「日本何々」と、一見して「日本郵便」ではないが、「日本郵便」にまぎらわしいような表示がなされておったり、要するに、私どもとして、逆にこの、切手でないという積極的な表示のあるほうを、まぎらわしくないというふうにして、そうして、なお許可のほうで、それをまぎらわしいもののうち、私どものほうで、許可し得るものと判断したいというふうに考えております。
○森勝治君 ただ単に、切手だと規定づけることはちょっと早計じゃないですか。「日本郵便」と入って初めて郵便切手ですから、切手というのは、郵便切手ばかりが切手ではないんですから、その点、明確にしてもらわなければ困るんですよ。切手というのは、すべて郵便切手だとばかり思っちゃ困りますよ。「日本郵便」と入って初めて、郵便切手であることがわかるんですから、この「日本郵便」という名前を除いて、それまで対象だなんて、どこをつかんでそんなことを言うんですか。
○政府委員(溝呂木繁君) 「日本郵便」というものが、郵便切手には、必須の表示であることは御指摘のとおりです。ただ、一般的に「日本郵便」という字そのものが、非常に一見して、ほかの漢字「日本何便」といいますか、「郵」を使わないで、ほかの表示をされたときに、それが「日本郵便」とまぎらわしいような形態を備えてくれば、やはり私どものほうとして、これをまぎらわしいものとしたいということでございまして、善意の、全く切手をつくる意思のないものでしたら、当然「日本郵便」というものは全然表示しませんでしょうし、また、それにまぎらわしいような字句は使わないと思います。その点になりましたら、先生のおっしゃるとおり、まぎらわしくないということになりますが、なかなか世の中には、うまくやる人がおりまして、「日本郵便」でなければいいというと「日本何便」というふうに、ごまかして、それを入れる。そういうものをもやはり考えていく必要があろうかということでもってそういうことを申したわけでございます。
○森勝治君 おもちゃの世界には、ままありますね。そういうことがありますけれども、「日本郵便」というのは、郵便切手の固有の名称ですから、「日本郵便」を使わないものまで、「何便」と使ったって、それまで対象ということは、ちょっと私は行き過ぎるような気がするんです、これは。そうじゃないですか。
○政府委員(溝呂木繁君) 一見して「日本郵便」でないということが、あいまいなような形でもって、その「日本郵便」という字句がなければ、先生のおっしゃるとおりになると思いますが、なかなか「日本郵便」でなく、「日本郵便」に似たような字を書いて、そうして、それをうまく流通させる、そういうことをも心配して、少し心配し過ぎな答弁かと思いますが、答弁したわけでございます。
○森勝治君 ですから、そこまで神経をとがらせるなら、たとえば冒頭に質問いたしました意匠登録をおやりなさいよ。肝心な、やることをやらないで、そんな郵便切手でないものまで、郵便切手としてまぎらわしいと言って、そんな拡大解釈して取り締まる、どこにそういうことがありますか。そういうことは慎みなさいよ。
 「日本郵便」というふうにあるでしょう、完全に「日本郵便」と。こういうものを取り締まるなら、われわれは賛成だけれども、「日本郵便」と書いてないものまで、形――形態が同じだから取り締まるなんて、そんな法律つくられたら話にならぬですよ。私は、そもそも、この提案された法案は、賛成する立場でありますけれども、そんなに拡大解釈されたんじゃ考え直さなければなりませんよ。そんな取り締まりを拡大されたら困りますよ。切手というのは、いわゆる郵便切手ばかりが切手じゃないんです。あなた方は、郵便切手だけが切手だという固有名称と思われては困るんです。郵便切手という呼称を用いて初めて、郵便切手の性格があらわれてくるんですから、「日本郵便」という名前を入れない限りは郵便切手じゃないんですから、そんな拡大解釈されては困りますね。統一してくださいよ、待ってますから。いずれにせよ、そんな拡大解釈されては何もできやしません。
○政府委員(溝呂木繁君) 少し私が心配し過ぎて、たとえば私どもの検討課題において、日本ではなしに、「日本郵便」、本の一字を抜いたとか、そこのところまで考え過ぎたわけですが、いささか考え過ぎの感がございますので、明らかに「日本郵便」という表示が、明らかにない場合は、先生のおっしゃるとおり、まぎらわしくないものにしたいと思います。
○森勝治君 それでは、次に移ります。
 最近、週刊誌等で国内及び外国切手の紹介の記事がしばしば載りますね。この法案が通りますと、こういうものまで郵政大臣の許可がなければ掲載できなくなるんですか。あなたが幸い、いま訂正されたから、いいようなものの、さっきの拡大解釈をすると、そこまでなっちゃうんですが、その辺はどうですか。
○政府委員(溝呂木繁君) 問題は、その週刊誌等、その他に掲載されているものの大きさなり、あるいは素材なり、先ほどの表示の問題かと思います。それらが、やはり現行の郵便切手に類似しておれば、一応許可の対象となります。しかし、そういったものが、私どもとしては、一般のものとして、一般の切手として使われないものであるという判断がつけば、これは許可の対象にはなりませんが、一応まぎらわしいものの範疇には入ろうかと思います。
○森勝治君 たとえば古い切手で、骨とう的価値がありますね。何十年か昔の骨とう的価値で、高額のものであっても、現行郵便法の規定によっては、それは切手として通用できるしろものですね。こういうものを、原寸で週刊誌等に掲載した場合は、どうなります。
○政府委員(溝呂木繁君) 原寸大で、そのものを週刊誌に出せば、一応許可の対象になろうかと思います。許可するかしないかは、その紙質なり、そのものが、切りとられて、切手に張られないような状態になっておれば、許可したいというふうに考えておるわけでございます。
○森勝治君 そういうものは骨とう的価値として扱うのでしょうか、単に現行の郵便切手、通用する郵便切手としての扱いをされるのですか。
○政府委員(溝呂木繁君) 当然現在通用している切手にまぎらわしいかどうかということが、判断の基準になろうかと思います。
○森勝治君 いま骨とう的価値という表現を用いましたが、すでに、郵便切手として通用を廃止したもの、特に戦時中のものは追放しましたね。俗に追放切手と申しますが、こういうものを模造されたものも、この適用になるのですか、この法案から見れば。
○政府委員(溝呂木繁君) 問題は、通用を禁止した切手にまぎらわしいかどうかということでなしに、その通用を禁止した切手を模造したものが、現行の通用しているほうの切手にまぎらわしいか、まぎらわしくないかという判断になろうかと思います。したがいまして、通用を禁止した、それと全く同じようなものを模造した場合、それが現行の切手に似たようなものであれば、これは許可の対象になろうかと思いますが、もし、それが非常に、たとえば追放切手の中に、肖像切手みたいなものがあって、現行切手で肖像切手が出てきて、一見して、その肖像が似ているということになれば、一応まぎらわしいものとなって、許可の段階で、先生のおっしゃる現在通用している金額と申しますか、それの十円であるとか、二十円であるとかという金額、そういったものを考えながら許可の対象にするというふうに考えております。
○森勝治君 大臣にお伺いしたいのですが、現行の郵便切手が、発行額十円のものが五千円で取り引きされている、この現状をどうお考えですか。それで、郵便行政は正しいあり方だと思われますか。
○国務大臣(廣瀬正雄君) これは、骨とうの世界でございまして、私どものほうから何とも言えないわけでございますけれども、あまり好ましい姿ではないと思いますね。
○森勝治君 この郵便法八十四条の「行使」という表現と、この法案の中の、提案されている法案の中の「証票の用途に使用」という、この用語の違いは内容的にどう違うのですか。
○政府委員(溝呂木繁君) 郵便法八十四条のか「行使」と、本法の「証票の用途に使用」という表現でございますが、厳密に言いますと、この用途に使用のほうは、八十四条のいわゆる「行使」のほかに、八十四条のほうの「行使」はいわゆる郵便料金納付のために使用することだと思います。ところが、本法のほうの用途は、さらに先ほど言いましたように、切手を送金手段に使う、これも一応本法の中の「用途に使用」というものに入ろうかと思います。その程度の差でありまして、大部分は八十四条の「行使」と同等の内容というふうに考えます。
○森勝治君 先ほどもちょっと触れましたが、郵便法八十三条と八十四条に刑罰が定められているわけでありますが、さらにまた本法案によって、この罰則が適用されるということになりますと、一つの行為が二つ以上の刑罰規定に触れると、こういうことになりますね。その場合は、刑法五十四条の「想像的競合」に該当するかどうかという、そのことです。
○政府委員(溝呂木繁君) お説のとおり、今度の模造取締法案と、郵便法のほうの八十三条の料金減脱、あるいは八十四条の偽造罪、これについては、多くの場合、刑法五十四条の想像的競合になる場合が多かろうというふうに考えております。
○森勝治君 もし、善意の模造切手入手者ですかが、誤って――自分は作為的でなく、誤って郵便物の上に貼布して、これを郵便料金にかえた場合、いわば行使した場合、こういう場合には、刑法三十八条の規定によってこれは処罰を受けないものと、こう思うわけですが、その点はどうなりますか。
○政府委員(溝呂木繁君) お説のとおり、善意の入手者、いわゆる小学生とか、子供さんが、知らずに、そのものを入手して、知らずに、切手に張ってしまったというふうな場合には、当然、刑法第三十八条に、犯意なき者は罰せずということで、そういった場合は、犯罪の対象にならないというふうに考えております。
○森勝治君 先ほどもちょっと触れましたが、最近切手ブームというものが異常ですね。また、ここで熱が上がりましたね。こちらのほうを放任したままで、規制を強化するということになりますと、いま大臣からお答えいただきました、十円の切手が五千円も六千円もするのは好ましくないと、確かにそのとおりであります。好ましくないと大臣おっしゃっているのが、現実的に切手ブームがさらに助長される懸念がありますから、これ以上切手ブームを過熱させるわけにはまいらぬと思うのです。したがって、これを鎮静させるには一体どうしたらよいか、このことをお伺いしたい。
○政府委員(溝呂木繁君) 確かに過去におきまして一般の需要に対して、発行が非常に少なかったために、国民の皆さんに迷惑をかけた点があろうかと思います。そういったことのために、いろいろ御迷惑をかけていることは申しわけないということで、最近はある程度需要予測をしながら、それに対して、急に品切れにならないように、発行枚数をふやすという考え方で対処しております。現に、この間の切手趣味週間あたりは、五千万枚、二年くらい前まではせいぜい二千万枚くらいの発行でございましたが、今度の切手趣味週間等につきましては五千万枚ということで、相当思い切ったものを発行いたしますとともに、これは、私どもの言い方が不十分だったせいかもしれませんが、いわゆるシート買いという問題が途中から非常にはやりまして、昔は単片――一片、一片で趣味として買っておられた。その途中から、シート買いというものが始まったものだから、こういった需要に対する供給不足という形になったので、いわゆるシート買いというものは本来の切手趣味としては、ほんとうはどうかというようなことについて、いろいろの手では指導しているつもりでございますが、しかし、いずれにせよ、要望がある以上、それに応ずるだけの枚数を発行していくことが、その対処すべき処置かと思います。
○森勝治君 先般、郵便切手類の売りさばき所の開設の問題でも若干質問したことでありますが、これは、切手売りさばき所では、売りさばき人は、公平をもって売りさばかなければならぬ、こうなっていますが、これに違背して、特殊切手というものを、特定の人にだけ、分かち与えたというような具体的な事例はありますか。
○政府委員(溝呂木繁君) そういった事例は、私ども聞いておりませんが、ときどき、そういううわさが出るということで、なお厳重に注意しているところでございます。
○森勝治君 最近、小学生の間で、この切手熱というのが非常にはやってまいりまして、郵政が、今度新しい記念切手等発売の発表をいたしますと、子どもさんたちが、窓口にかけつける。かけつけたら、すでに売り切れてしまっていたという例が地方によく起きて、私どものところに、ときどきそういうことが言われてくるのでありますが、こういう姿を、郵政省はどう考えられるのですか。ですから、もしそういうことがしばしば繰り返されるとするならば、特殊切手も、従来のように、三千万枚とかなんとかという少数発行というよりも、もっと需要にこたえるような売り方をするならば、小学生が、十円の切手を、百円も二百円も出して買わぬでも済むんじゃないか。模造切手も、何かシートで百円もするのじゃないですか、これね。こういうばかげた買い方をしないで、子供たちに郵便の知識をそこで涵養させ、また郵便事業のあり方を理解させ、さらにまた、そういう趣味を伸ばすことができるんじゃないですか、その辺はどうです。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 郵便切手の健全な趣味は、けっこうだと思うのでございますけれども、先刻、森委員御指摘のように、このブームが過熱いたしますと、非常に好ましくない結果を生ずるわけでございますから、やはり郵政省といたしましても、根本的にその辺のことを考えまして、国民の需要にこたえていく、充足していくということが妥当でありますれば、そうした問題は起こってくる可能性が少なくなるわけでございますから、毎年発行数はふやしていっておりますようでございまして、需要の多そうな切手は、思い切って多数発行するというふうなことにでもいたしまして、そのようにあまりに過当な趣味の扇動と申しますか、というようなことはよろしくない、こういうように考えておりますわけでございます。
○森勝治君 国内ですでに発行された切手で、一番高額、高値を呼んでいるのはどの切手ですか。
○政府委員(溝呂木繁君) 最近、私どもの承知しているのでは、「月とかり」が一万四千円程度しているようでございます。
○森勝治君 それを発行して十年そこそこですね。
○政府委員(溝呂木繁君) 昭和二十三年に発行したものであります。
○森勝治君 たとえばオリンピックのときに発行いたしました切手は、いま幾らしていますか。
○政府委員(溝呂木繁君) 第十八回オリンピック大会のときですが、これは、ものによって違うようです。あるものは、国立競技場の模様のものは四十五円程度、それから代々木の体育館をデザインしたものが七十円と、もう一つのが百十円、それから九十円と、大体こういったような値段になっております。
○森勝治君 これらのものはほとんど切手帳に張られてしまったものでしょうか。それとも、すでに切手の使命を全うしたものでしょうか。その辺わかりませんか。切手発行のときに、一連の切手の行くえを追跡したことがありますか。
○政府委員(溝呂木繁君) 私ども非常にその点知りたいということで、いろいろ調査をしかけたことがございますが、御承知のように、かなり発行してから五年、十年というふうに張られている実態がございますので、その記念切手ごとに追跡することは事実上不可能ということであきらめております。ただ、だいぶ古い話でございますが、昭和三十四年に少し大々的に郵便局で調べたことがございますが、実は当時あまり切手ブームでなかったせいか、意外な数字が出まして、そのときは、大体ストック率が四〇%。しかしこれはあまりにもいまの現在の記念切手の発行及びその需要等から見ますと……。現在では、それどころじゃなくて、もうほとんど八、九〇%がストックされているんじゃないかという見方もされております。
 それと、御承知のように、そのときのデザインなり、それからその記念切手を発行した行事の国民への浸透度、そういったものによってかなり違うようでございます。かなりストックされてしまうものと、ぱっと張られて、たとえば料金別納という制度がございますが、あれにシートでもって郵便局に料金別納という形で出てきてしまうものもありまして、実のところ、それらが現段階において明確に把握できないことを実は残念に思っているわけであります。
○森勝治君 一度全国的にそういう調査をしてみる気がありませんか。そしてたとえば、いなかなんぞは、三十年前の切手をたまたま張って出す人があるそうでありますから、切手の流れを追跡してみることを、私は一度くらい、そういうのはやってみる必要があるんじゃないかと思うんです。そういうことをやりませんと、ただ空々漠々たる議論に終わり、抽象論議に傾いてしまうきらいがあるわけです。
 たとえば今度の問題を出しても具体的な被害はありませんと、被害軽微ならほっておいていいじゃないか。しかし、現実にそういうものが出ては困る、そういうことがないように切手の権威を高めよう、模造なんていうのはけしからぬと、――これは出るんですよ、出ますけれども。郵政当局みずからが、この切手ブームをあおるような傾向があると、私はこの前も指摘しましたが、そういう片方で、切手ブームをあおりながら……。切手ブームは冷却すれば模造なんて出てきやしないんですから、ですから、その点は十分配慮をしてもらわなければならぬと思うんです。
 特にこの際ですから申し上げておきますが、どうも世上、これら切手等は――これはうわさですからさだかではございません、さだかでないから、真偽のほどはここで申し上げるわけにまいりませんが、こういうことを言われておりますから、郵政当局にお伝えをするのでありますが、特に特殊切手の発行等については、何かある局によっては、局長はじめ先にとってしまって、残ったものを、窓口にひけらかすという、販売するんだと、こういう、邪推でよく私どもこういう電話が――買いにいって売り切れた、一時間もたたないのに売り切れたというのは、どう考えたって、この局には何枚なら何枚きているはずなので、一人一枚なんというようなことで並んでみたけれども、どうしても買えないと、こういうことでしばしばかかってくるのですが、それは何かの間違いでしょう、買えないのは間違いでしょうと言うと、そうすると、国会議員だから買ってくれと、こう言ってくるわけですね。これは全くありがた迷惑千万でございまして、どうかひとつ、それほど国民の皆さま方が期待を持たれている新しい切手であるならば、期待にこたえるように大量につくって、これは販売すればいいんじゃないですかね。しかし、私は、本来切手というものが郵便の用に供されずに、こういう形でいかれるのは、郵政省として、少なくとも奨励するがごとき印象を与えることは、つつしんでいただきたい。大臣が明快に言われたわけですから、切手は郵便の送達の目的をもってはられるわけですから、郵便切手は、だからそういう目的に立って、正しい本来の姿に返るように、そういう御指導をしていただきたい。
○政府委員(溝呂木繁君) 第一段の特定局等において、要するに、郵政職員が先にそれをとって、一般公衆への売りさばきが減るということは、全く言語道断でございます。また、戒めてもおりますが、なおそういううわさがあるということであれば、まことに申しわけありませんので、一そうそういった点については留意したいと思います。
 それから、要は、国民の需要に応じただけのものを発行すればそういった弊害も少なくなるわけでございますので、先ほど大臣から答弁いただきましたように、最近では相当の部数を極力発行するようにいたしております。
 それから、なお、そういったある意味では、ほんとうの郵政でない方面にまで、郵政省がそれをあおっているというような誤解を与えることのないよう留意いたしたいと思います。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 私もただいま森委員から御指摘の趣旨は、大賛成でございますわけでございまして、そういうような疑いを持たれるようなことのないように、厳に指導してまいりたいと、このように考えております。
○塩出啓典君 それでは、郵便切手類模造等取締法案について、二、三質問をしたいと思います。
 この法案は、公明党も非常に推進してきた法案であり、わが党の出した、考えておった考えと、通信の日付印の点が抜けておりますが、その点を除いては、内容においても大体同じような内容でございますので、とやかく言うのはどうかと思いますが、「郵政大臣又は外国政府の発行する郵便切手」とありますが、外国においては、たとえばイギリス等においては、これはイギリス政府ではなくて、郵政公社、アメリカも郵政公社ができておると聞いておるのですが、そういう外国政府の発行する切手というのは、郵政公社発行の切手はどうなんですか、その点。
○国務大臣(廣瀬正雄君) これはもちろん、郵便事業が公社で経営されているというようなことであれば、それも含んでおりますわけでございます。
○塩出啓典君 それは、いま郵政大臣が含むと言われましたけれども、これはやはりこの法律が施行されれば当然この法は法で生きるわけですけれども、そういう外国政府という意味の中に郵政公社も含まれるのだ、そういうのはやはりいろいろな法律的な常識から言ってもそういうような例がほかにもあるのかどうか。これはやはり郵政大臣の見解でこの法律が生きるのではなくて、これは法律界の常識というものがあるのじゃないかと思いますが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(溝呂木繁君) お説のとおり最近イギリス、アメリカが公社化いたしましたが、この点につきましてはいろいろ法制局とも議論しましたけれども、現段階での公社程度であれば外国政府というものに含まれるだろう、ただ将来どのような形のものが出てくるか、非常に政府という組織からはなれていくような公社というものがはっきり出てくると、その時点では少し法的表現としては考えなければならぬだろうが、現在特にアメリカなどははっきり一つの政府内の機関という見方をしている解釈もありますし、その辺の現在の現存する外国の公社については、まず外国政府の中に入れて問題ないだろうという解釈でございます。
○塩出啓典君 次に「郵便に関する料金を表わす証票」とありますけれども、この「郵便に関する料金を表わす証票」というのはこれは具体的にどういうものでございましょうか。
○政府委員(溝呂木繁君) これはいわゆる郵便切手、それから料額印面のついた郵便はがき――俗に言えばはがきでございます。それから郵便書簡、いわゆるミニレターとして過般いろいろ問題になりました郵便書簡、それに外国関係で出しております航空書簡、こういったものが「郵便切手その他郵便に関する料金を表わす証票」というふうに考えております。
○塩出啓典君 そこで「製造し、輸入し、販売し、若しくは頒布し」てはいけない、このようにあるわけですけれども、頒布というのは一体どういう意味なんですか、この頒布というのは。
○政府委員(溝呂木繁君) 販売というのはまあ読んで字のごとくでございますが、いわゆる無料で配布されるときにはやはり販売という概念に入りませんので、頒布という形でそれを補足しているということでございます。
○塩出啓典君 それでは頒布というのはただで配るのを頒布と、そう考えていいのですか。
○政府委員(溝呂木繁君) 要するに、代価を払わないでということになろうかと思います。たとえば景品としてそれを出すということになると、一応そういう場合は販売ではなしに頒布ということになるわけです。
○塩出啓典君 そうすると、これはこれを私がもらいますね。持って帰って、そしてこの法律が六カ月経過するわけですね。で、現在やはりこれは私だけでなく子どもたちもだいぶいろいろ持っていると思うのですね。うちの子どもは、そういうにせものは持っておりませんけれども、よその買っているのがいると思うのですよ。そういうのを友だちにやる。そうすると、厳密に言うとそういうのもこれは頒布の中に入って、それはもちろん商売ではなしに単なる……。まあこれをみんなに分けてやるとか、そういうのも厳密にいえばこの法の適用を受けることになりますかね、どうですかね、この点。
○政府委員(溝呂木繁君) 一応私ども頒布という概念の中には、不特定多数に配るという考え方を持っております。したがって、相手が三人ならばどう、五人ならばどうということになろうと思いますが、多くの場合そういう実態を見て、そこにいわゆる悪意がない場合などは、頒布という概念に入れないで処理しているのが実情じゃないかと思います。
○塩出啓典君 これもあなたの見解じゃ困るわけであって、頒分ということば自体がそういういわゆる法律の世界において不特定多数に配るのが頒布であって、友だち三人に配るのは頒布でないと、これはやはりそういう世界において客観的に通用していると見て間違いないわけですね。
○政府委員(溝呂木繁君) その点につきましては、関係の向きと協議した結果でございまして、頒布は、あくまでも不特定多数の人に無償で配布するという定義でございます。
○塩出啓典君 いまさっき、子供がこれをもし間違って――子供でも、おとなでも同じでございますが、まさかこれがにせものと知らずに張った場合は、これは犯意なき者は罰せずということで、罪にはならない。きのう私ども聞いたときには、使うと罰せられると、そういう御説明を聞いたものですから、もう一回、それははっきり間違いないんですかね。
○政府委員(溝呂木繁君) そういうものを郵便に張った段階においては、一応この本法の取り締まりの対象になる形ですが、しかしその人がそこで善意であったということが立証されれば、当然刑法三十八条で犯意なき者ということで、その者は罪の対象にならないということでございまして、それが立証されると――立証と言うと非常にむずかしくなりますが、そういうことが明らかにわかるような形ならば、まず罪にはならないというふうに考えております。
○塩出啓典君 それから、これによりますと、いわゆる外国政府の発行する郵便切手、本物を売買するのはいいですが、ところが、それに非常に似たにせものを製造し、輸入し、販売してはいけない。私たちも、あちこち外国なんか行きますと、切手を買ってくるわけですけれどもね。そういうものがにせものか、本物かというのは非常にむずかしいと思うんですけれども、じゃあ輸入する場合に、これが本物かにせものかということは非常に輸入する人も困ると思うんですけれどもね。そういう点で、そういう点をどうやって判断するのかね。
 それともう一つは、諸外国においても、わが国はいままではこういうのを売ってよかったわけですね。国によってはこういうものをまだ売ってもいい国があるのじゃないかと思うんですね。こういうものというのは、その国の切手に似せたものをつくってもいい国があると思うんですね。その辺諸外国の状況というのはどうなのか。これを日本だけがそうやっても、ほかの国がにせものをどんどん売ってもいいような状態であれば、買うときに、これは本物か、にせものかということが困ると思うんですね。その点はどうなんですか。
○政府委員(溝呂木繁君) まず第一点のほうでございますが、外国政府の発行するものを、日本でまぎらわしいものを製造したりなんかはいけなくなります。したがいまして、当然これは、この切手だけは、発行の際に、UPUの事務局に全部加盟国が送ることになっておりますので、そういったものを私のほうでも用意しておくというか、いろいろと索引等をつくっておいて、多くの場合、そういう業者の方は聞きに来られると思います。これはどこどこの、イエメンならイエメンという国のほんとの切手だろうかと――これはいつも問題になる国なんですが、そういうことを私のほうで御質問受ければ、その索引でもって、これはこうですと、こういう形にしようかと思います。それから、現実に変なものが出回っておれば、すぐ出回っておる状況を見て、これをUPUの索引から見て、これを調査して、これがだめなら注意し、だめなら取り締まる、こういうことになるかと思います。
 それから第二点の諸外国の状況でございますが、いま私の手元にありますのは、主要国の関係ですが、こういうものを取り締まっている国は、フランス、西ドイツ、イギリス、アメリカ、スイス等、大体主要国はこういうものを模造まで禁止しているのが実情でございます。それから小さい国になりますと、その辺まだ私ども十分調査ができておりませんが、先ほどの鈴木先生の御質問にもありますので、調べてみたいというふうに思っております。
○塩出啓典君 そうすると、UPUに世界各国から届け出ますね。これは、たとえば現在朝鮮民主主義人民共和国等はそれに入っていないわけですが、そういうところはどうなりますか。
○政府委員(溝呂木繁君) たぶんその場合はUPU事務局のほうに届けてないと思いますので、それは直接そこの国にお聞きする以外にないと思います。
○塩出啓典君 非常にややこしいですね、一々聞かなければならない。大体UPUに、切手のどういうものが届けられて、何年にどういったものが発行されたと、こういう資料は一年に何回か各国に配られて、日本政府の郵政省としても、そういう資料はちゃんとそろっているわけですね。
○政府委員(溝呂木繁君) 先ほど、ちょっと私の答弁間違っておりましたので、訂正さしていただきますが、UPUであらためてそれを加盟各国に配っておりますので、私のほうの博物館のほうに行けば、全部その現物が届いております。
○塩出啓典君 それに関連して、やはり非常にこれから朝鮮民主主義人民共和国とも交流が盛んになると思うのですけれども、私もこの間朝鮮に行って、朝鮮の切手を買って帰ってきたわけです。そういう点で、朝鮮民主主義人民共和国はUPUにいま加盟をしていないようでございます。わが国はいままで棄権をしてきたようですが、こういうのはやっぱり加盟をするようにしたほうが、私は、できるだけたくさん入ったほうがいいわけですから、わが国としても、そういう面においては郵政大臣としては加盟をさせるように努力をしたほうがいいんじゃないか、この点はどうなんでしょうかね。
○国務大臣(廣瀬正雄君) 中国の問題につきましては、御承知のように、棄権をいたしておるわけでございますけれども、北朝鮮の問題は今後の課題になりますわけでございます。まあ私も、通信事業でございますから、何と申しますか、人間相互間の意思の疎通をはかるというきわめて平和的な問題でございますので、たてまえとしましては、おっしゃること、よくわかるわけでございますが、ただ、こうした問題は一々外務省と相談をいたして今後の方針をきめておりますので、課題になりましたときにはそのようなことでやりたいと考えておりますわけでございます。
○塩出啓典君 ひとつこの点は郵政省の本来の趣旨を貫いていただきたい。郵政省が何かやると、今度の金融の問題でも、大蔵省は何だかんだ、それぞれ立場はあると思いますけれども、郵政省は郵政省の立場を貫いてやってもらいたいと思うんですよ。
 それから記念切手が、われわれもよく聞きますし、先ほどからも、そういう特殊切手ですね、これを買いに行って、売り切れだとか、朝早くから並ばなければならないとか、ところがいろいろ説明を聞いてみると、最近はたくさん発行しているから、そうじゃないんだと、もう発行してから何日かは残っているくらいなんだと、そういうようなお話もあるわけですけれども、これはどうなんですか。全国の局でそういうアンバランスがあるんじゃないかなとぼく思うんですけれどもね。そういう点で、各局の割り当てがどうなっておるのか。それともう一つは、全国に特殊切手を販売する、そういう各局において、もうその日に、たとえば一時間で売り切れた局もあるかもしれない、あるいは半日で売り切れた局もあるかもしれない、あるいは三、四日、一週間残ったところもあると、そういうようなところを郵政省もやっぱり調査をして、そうして十分な割り当ての数をやっぱり、いつもいつも機械的に頭からぱっぱっと割り当てるのじゃなしに、需要に応じて割り当てをして、ほしい人には売ったほうが、郵政省も赤字の時代に、得なんですから、そういうように全国的な調査等をやったことがあるのかどうかですね。もしやったとすれば、その結果はどうなんですか、それもお聞きしたいと思います。
○政府委員(溝呂木繁君) まず、おっしゃるとおり、これはたくさんわれわれとして発行することが第一要件に思いまして、今度の切手趣味週間も五千万枚発行したわけでございます。それからお尋ねの調査の件でございますが、現在サンプル調査をして集計中でございます。そのサンプル調査の結果いままでの配分等に相当問題があればこれを是正したいというふうに考えております。まだそのちょっと結果の集計ができておりませんので、でき次第そういう措置をしたいと思います。
 それからなお確かに郵便局の窓口で云々ということがありまして、一方東京中央郵便局の切手普及課で特別通信販売制度というのをやっておりまして、これはかなり私どもはPRしているつもりでございますが、現に切手趣味収集家のあたりでは、そこだけで七百万枚のものが通信販売制度ということにもなっておりますので、こういった制度を利用しながら、少しでも国民の皆さんに御迷惑かけないようにしたいというように考えております。
○塩出啓典君 サンプル調査やっているというのはそれはいつから、何月何日に発行された切手についていまやっているわけなんですか。
○政府委員(溝呂木繁君) 四十六年度発行の特殊切手を対象にして、これは全郵便局でなしに、これは主要局を対象に調査をしています。
○塩出啓典君 これはしかしサンプル調査じゃなしに全部やっても別にこまかい数字じゃなしに、一つの郵便局として、私の局では何日目に売り切れました、それはもうほんとうに一秒で済むことばですからね。それをぱっぱっと集計するくらいなことは簡単なことであって、サンプル調査じゃ結局そういう大体の動向はわかっても、大事なのはその局でやはり十分であるかどうかということのほうがぼくは大事なんじゃないかと思うんですが、そういう点でそういうサンプル調査なんていうことをしないで、そんなにお金もたくさんかかるわけじゃないんですから、全部の調査ぐらい……。サンプル調査やったというのはどういう理由なんですか。サンプルというのは大体何局をサンプルでいま調査しているんですか。
○政府委員(溝呂木繁君) 大体において、規模が大きいところは私どものほうも把握しておりますので、中局について二十数局をサンプル調査をしたわけでございます。
○塩出啓典君 二十数局をサンプル調査をして、しかも四十六年度発行の切手でしょう。それがまだデータがまとまらないというのは結局何もやってないということじゃないですか。何か、これでは二十数局のサンプル調査というのは、全国でじゃあ記念切手、特殊切手を売る局は何局ありますか。
○政府委員(溝呂木繁君) 郵便局といたしましては一万七千でございます。
○塩出啓典君 一万七千の局から二十局をサンプル調査して、こういうのは数理統計学的にいってもおよそナンセンスですよね。だから二十局なんていうのは、これはやったうちに入らないわけですよ。
○政府委員(溝呂木繁君) 説明が不十分でしたが、二十数局の、いわゆる親局といいますか、そこが当然また特定局に切手の現物を配分しておりますので、そのぶら下がり分も含めて二十数局ということで、二十数局というのが当然切手の配布ルートに基づきまして、子局といいますか、小さい無集配普通局等がそのルートに入っておりますので、その分もその二十数局の中に一緒に入って出てくると、こういうことでございます。
○塩出啓典君 いずれにしても、この問題は、あまり深くいたしませんけれども、いまごろになってやるというのは私は怠慢だと思うんですよ。私は、もういま話を聞いて、それは、そういうことすればいいじゃないかと、それはぼくの思いつきですから、私はしろうとなんですから――皆さんはやはりもう何十年とやってきて、そういうような、私ももう一年か二年前に、まだ井出郵政大臣のときにも、そういうことを質問したことがありますよ。
 だから、当然やはりそういう点には手が打たれていなければならない。そういう点で私は非常に切手販売についてもいまの答弁でわかるように、やはりそういう趣味の会は子供たちが多いのですから、そういう人たちに対する配慮というものが非常に足りなかった。そういう点は僕はやはり率直に認めて、そうして非常に郵便局一つ一つが各地方の郵便局に直結しておりますから一ほんとうに融通がきかないというのですかね。こっちが余ればこっちに回すとか、そういうのがもっとこう機動的なそういう配慮をして、ひとつそういう苦情が出ないように、これは衆議院の会議録を見ても、衆議院の委員の人もそういう記念切手が買えないという子供の例もあげているし、いま森先生もそういう質問がありましたし、先般、鳥取に参りましたときに、やはりちょうど私たちの党の事務所が郵便局の前にあるもんですから、いろいろ話を聞いてみると、やはり朝早くから並んでいないと買えない。そういうことで実態を早急に調査をしてそういうようなことのないように一刻も早く解決するように、それは単なる枚数をふやせばいいというのじゃない。要は適正にやはり配布していくということでなければならないと思うのです。そういう点ひとつ御検討をいただいてすみやかに手を打っていただきたい。これは、郵政大臣いかがですか。
○国務大臣(廣瀬正雄君) そうだと思います。十分気をつけてまいりたいと思っております。
○塩出啓典君 最後に、いわゆる切手売りさばき所というのはポストとの関係はどうなのか。われわれあちこち回りまして、やはり逓信委員でありますので、公衆電話とか、それからポストをつくってもらいたい、特に新しく団地ができた場合なかなかポストが近くにない。もちろんいろいろ話を聞くとポストを置くと、非常にそのポストのところをずっと集めて回らなければいかぬわけですから、一カ所何秒、そういうようなやはり時間的な関係もあって、なかなか思うようにはいかないようでございますがね。この売りさばき所がないために、ポストが設置できないというようなことをちょっと聞くことがあるのですけれども、これはあれでしょう、別にポストはポスト、売りさばき所がなくてもポストはポストだけで設置する場合もあるわけですね。
○政府委員(溝呂木繁君) 御指摘のとおり、ポストにつきましてはポストの一応配置基準という私ども内規を持っておりまして、それに基づいて設置しているわけでございまして、逆に売りさばき所のほうはポストのある場所にあとからつくられるという形になるわけでございます。
○塩出啓典君 そのポストの設置基準ですけれどもね、大体その設置基準というのはいまどうなっているのか。
 私がずっと前にもらった基準では、二百五十世帯以上で二百五十メーター、いろいろ基準があるようですが、ところが調べてみると、その基準に合ってもなかなかポストがつかないというそういうのはどうなんですか。やはり時代の変遷に伴い設置基準というものも、だからといって無制限にふやすということは定員の問題でもできないわけですから、ポストの配置というものも最もやはり市民の人の便利でもあり、また集める上でも効率がいいように、そういう点もっと機動的にやっていくべきじゃないかと思うのですがね。ところが、ポストを道のこっち側にあるのはあぶないから、こっちへ移動してくれというような、そういう問題でも、なかなかやれ広島の郵政局長の権限だとか、僕らの感じでは、何か権限が上のほうにあって、現地の局長にまかされていないような気がするのですが、そういう点はどうなんですか。
○政府委員(溝呂木繁君) まずお尋ねの第一点の郵便ポストの設置基準でございますが、一応、郵便区市内ですと二百五十メートル以上で、享便戸数が二百戸以上、それから郵便区市外地になりますと四百メートル以上で、二百戸以上、それがだんだん距離が延びるに従って、享便戸数が減っていってもいいという一応の基準がございます。
 それで問題は、こういう基準に対して私ども大体各地方からこれに該当するものが、どのくらいあるということの要望をもらいまして、それに対して予算要求をして、これを配っているということでございまして、そういった点について、かなりまだ、基準に達しながら、予算の関係、それからもう一つはポストを増置いたしますと、集配の関係で、何といいますか、集配キロ程が伸びてまいりまして、増員の問題が出てくる。それから請負自動車でやっている分については、請負の増額と、こういうポストの設置がいろいろな方面に発展していくために、基準に達しながら、十分にその基準どおりいかなかったという面があろうかと思いますが、これはせっかく基準がある以上、これに近づけていきたいというふうに考えております。
 それから、ポストの設置場所については、当該郵便局長の権限で、どこのどこに立てるということでございまして、これは当該郵便局長が、いま言いました基準に基づいて、この場所、この町角がいいとか、そこの現場の郵便局長の判断で設置するということになっているわけでございます。
○塩出啓典君 ポストはあれですか、私、前回、だいぶ前の逓信委員会でお聞きしたときに、製造がなかなか間に合わないと。私は、広島の郵政局なら広島の郵政局あたりにどかっと大量生産で在庫を置いて、さっと必要なところは置くとか、そういうふうにしてもらいたいということを要望したんですが、いま、つけるといって郵便局長言ったけれども、なかなかつかないという、そういう要望も広島市内からあるわけですが、つけると言ってもすぐつかない。こういうのですが、おそらくポストが東京のほうから送ってくるんじゃないかと思うんですけれども、各郵政局に郵便ポストの予備というのがちゃんとあるんですか、どうなんですか、いま。
○政府委員(溝呂木繁君) 一応、一年間の所要量を考えながら、調達して配付しますが、当然、郵政局なりで各郵便局に配分した以外に、少しぐらいの予備は持っているものと思います。
○塩出啓典君 そういう点、ひとつよく調査していただいて、やっぱり早くつくったほうが物価も安いわけですからね、郵政省もできれば少しぐらい予備をつくって、そして早くやっぱりつけることができるようにしていただきたいと思います。
 それと、最後に、いわゆる市内区域と市外区域ですね、市内であれば、いわゆる一日に二回ぐらい、市外のほうは一回。その基準を調べてみますと、配達局より四キロ以内であれば、これは市内だと、それから離れていると、これは市外だと。ところが非常に、たとえばこれは広島県呉市の焼山というところですが、焼山団地というのは、いま四千軒ぐらいで、あそこへどんどん建っているんですよ。どんどん大きくなっているわけです。ところが、ずっと下のほうに天応局というのがあるわけですが、その局から見ると、これは非常に離れているからということですね。考えてみれば、やっぱりだんだんいままで町の中心だったところが、非常に別なところに町の中心が移っていくわけですからね。まあそういうことを言いますと、ほんとうにいなかのほうの人間の少ないところでも局は二回配る。こっちのほうは、たくさん団地があって人数多いところは、ただ市外区域というだけで一回しか配らない。そういうわけで、非常に時代の推移に、いまの郵便集配運送計画規程なんというのは、昭和二十七年ですよ。二十年前にきまったものがずっと生きているわけですけれども、そういう点、もう少し時代の要請に合わせて、私は再検討すべきじゃないかと思うんですが、その点はどうなんですか。
○政府委員(溝呂木繁君) 御指摘のとおり、最近の都市形成、そういったものが私どもの設定している郵便市内、市外というものと様相を少しずつ異にしておることは私ども承知しております。そこで、郵便市内あるいは郵便市外ということの実質的な意味は、結局、いまのポストの設置とかあるいは郵便配達度数の問題に関連してくるということで、これは過般、井出構想等においては、やはり市内、市外ということは、集配、運送度数によって考えるのか、通信度によって考えるのか。住宅地区は一度にして商業地区は二度にするのか。そういった観点から考え直すべきだということが提案されまして、それはそれでやっておるわけでございます。したがいまして、当然、配達度数とか、そういうものがそっちのほうから解決されてくると、この市内地、市外地というものの意義がかなり違ってこようかと思います。その時点でごの市内地、市外地というものを考え直すということで、いま研究しておるわけでございますが、まだ結論が出ておりませんので、いまその結論を申し上げるわけにはいかないわけでございます。そういう研究はいたしておるわけでございます。
○塩出啓典君 いまのような問題もひとつ最後に郵政大臣に要請するわけですが、時代が変わってくれば、やはり十年前、二十年前とは都市の分布状態も変わってくるし、やっぱりそういう時代に合った郵便行政というものをしていかなければいけないと思うんですね。そういう点では、なかなか、いままでのところは、既得権益というものがたいへんな問題だと思うんですけれどもね。しかし、やはり常に大衆福祉全体観に立って、しかも最低の人員で最高の効率を発揮し、そうしてより多くの人にやっぱり喜んでもらえるような、そういう郵便行政でなければならないと思うんですけれども、そのようにひとつさらに努力をしていただきたい。そのことを要望して、質問を終わります。
○国務大臣(廣瀬正雄君) ただいまその問題につきまして郵務局長から御答弁いたしたわけでありますが、やっぱり私は通信力に重点を置くべきだと。いま非常に急速に都市形態が変わってまいっておりまして、通信力の変動があっておるわけでございますから、市内、市外ということにあまり拘泥されずに、通信力に重点を置いて、集配度数とかあるいはポストの増設であるとか、こういうことを考えていかなくちゃならないと、私はそういうように考えております。御期待に沿うように十分努力いたしたいと思います。
○委員長(杉山善太郎君) ほかに御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山善太郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もなければ、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山善太郎君) 御異議ないものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 郵便切手類模造等取締法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(杉山善太郎君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(杉山善太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
  〔委員長退席、理事森勝治君着席〕
○理事(森勝治君) 速記を起こしてください。
    ―――――――――――――
○理事(森勝治君) それでは次に請願の審査を行ないます。
 請願第四号電話料金多摩格差是正等に関する請願、外十五件の請願を一括して議題といたします。
 本委員会に付託されております十六件の請願につきましては、理事会におきまして慎重に検討いたしました結果、請願第二三〇七号郵便貯金の預金者貸付制度の法制化に関する請願は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものとし、他の十五件の請願につきましては、その決定を留保することにいたしました。
 理事会の申し合わせのとおり決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(森勝治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(森勝治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○理事(森勝治君) 次に、継続調査要求に関する件についておはかりいたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査につきましては、閉会の場合においてもなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(森勝治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成及び提出の時期につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(森勝治君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十五分散会
     ―――――・―――――