第068回国会 決算委員会 第5号
昭和四十七年三月十七日(金曜日)
   午前十時十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         足鹿  覺君
    理 事
                温水 三郎君
                渡辺一太郎君
                小谷  守君
                中尾 辰義君
                塚田 大願君
    委 員
                石本  茂君
                片山 正英君
                河口 陽一君
                小林 国司君
                二木 謙吾君
                細川 護煕君
                大橋 和孝君
                鶴園 哲夫君
                沢田  実君
                萩原幽香子君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  斎藤  昇君
       労 働 大 臣  塚原 俊郎君
       国 務 大 臣  江崎 真澄君
   政府委員
       防衛庁参事官   高瀬 忠雄君
       防衛庁参事官   岡太  直君
       防衛庁防衛局長  久保 卓也君
       防衛庁人事教育
       局長       江藤 淳雄君
       防衛庁衛生局長  鈴木 一男君
       防衛庁経理局長  田代 一正君
       防衛庁装備局長  黒部  穰君
       大蔵省理財局長  橋口  收君
       厚生政務次官   登坂重次郎君
       厚生大臣官房長  高木  玄君
       厚生省児童家庭
       局長       松下 廉蔵君
       厚生省年金局長  北川 力夫君
       社会保険庁年金
       保険部長     八木 哲夫君
       労働省婦人少年
       局長       高橋 展子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤 忠雄君
   説明員
       警察庁警備局参
       事官       斉藤 一郎君
       首都圏整備委員
       会事務局計画第
       一部長      北川 博正君
       大蔵省主計局主
       計官       吉岡 孝行君
       大蔵省主計局主
       計官       渡部 周治君
       文部省大学学術
       局審議官     犬丸  直君
       厚生大臣官房参
       事官       萩島 武夫君
       会計検査院事務
       総局第二局長   柴崎 敏郎君
       会計検査院事務
       総局第三局長   桜木 拳一君
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  本日の会議に付した案件
○昭和四十四年度一般会計歳入歳出決算、昭和四
 十四年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十四年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十四
 年度政府関係機関決算書(第六十五回国会内閣
 提出)
○昭和四十四年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第六十五回国会内閣提出)
○昭和四十四年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第六十五回国会内閣提出)
    ―――――――――――――
○委員長(足鹿覺君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 昭和四十四年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、防衛庁及び厚生省の決算につきまして審査を行ないます。
 この際、おはかりいたします。議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明はいずれもこれを省略して会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(足鹿覺君) 御異議ないと認めさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(足鹿覺君) それでは、これより質疑に入ります。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○小谷守君 防衛庁関係につきまして二つばかりの質問をいたしたいと思います。
 いま国民が防衛庁に対して抱いております心配は、一つは、過般来大きく問題になっておりますシビリアンコントロールがまっとうにいっておるかどうか、いま一つは、兵器の国産化がどんどん進んでおる、こういう中で産軍複合、自衛隊と防衛産業との癒着はないか、なれ合いはないか、大きく私はこの二つの点がいま国民の心配の点だと思うのであります。そこで私は、防衛庁と防衛産業との癒着の心配はないか、こういう点をきょうは主題にして二つばかりの点をお伺いしたいと思います。
 長官も御記憶にありますように、私はこの委員会におきまして十二月十七日に一つの質問をいたしました。それは、自衛艦「きくづき」、五十七億の国費を投じてつくった海上自衛隊の最新鋭艦といわれる「きくづき」、これが処女航海においてたいへんな故障を起こした。四十五年十月三十日と記憶しておりますが、インド洋において故障を起こした。そこで、これは三菱造船――三菱重工業長崎の造船所において建造したものでありますが、これは、その際私が指摘をいたしましたように、自動車で言うならば欠陥車である。その際私は詳しく申し上げたように、これはメーカーの重大な責任である、したがってこの修理はメーカーが当然負担すべきものであるということを申し上げ、御就任早々でありましたが、江崎長官も、そのとおりである、六千万もの修理費を負担することは誤りである、契約上瑕疵担保期間がたとえ一年間であっても、それを経過しておったとしても、そのような形式的なことは理由にはならぬ、強くメーカーの責任を追及する、こういう姿勢でこれを処理する、このようにこの委員会においてあなたは言明されたわけであります。
 そこで伺いたいのは、その後具体的にどのような措置をおとりになったか、「きくづき」の修理については具体的にどのような処理をお進めになったか、この点をまずお伺いいたします。
○国務大臣(江崎真澄君) 御質問の点は、非常に重要な点だと思います。私も、就任早々でしたが、これは今後十分折衝するということをお答えしたはっきり記憶を持っております。自来、装備局長に強くこのことを命じまして、三菱造船側といろいろ折衝に入っております。折衝の経過等については、詳しく装備局長から御答弁をさせたいと思います。
○政府委員(黒部穰君) 「きくづき」の機関の改装につきましては、先般の先生の御指摘もあったわけでございます。ところが、一方におきましてこの瑕疵担保期間はすでに経過しておりますこと、それからもともと故障を起こしましたエンジンにつきましては、わがほうで詳細なる強度計算をいたしまして、これでだいじょうぶということですでに承認を与えて製作さしたものでございます。したがいまして、欠陥自動車のような一般の商品を買うという場合と違いまして、わが防衛庁のほうで審査の上設計を承認いたして製作さしたエンジンでございます。
 なおい先ほど先生、処女航海で事故が起きたというような御指摘でございましたが、実は完成いたしましたのは四十三年の三月でございまして、事故が発生いたしましたのは四十五年十月三十一日でございます。この間一年有余にわたって何らの故障なく運転していたわけでございます。ともかくさようなことで、製作の代金を全額払わせるべきかどうかということも検討いたしたわけでございますが、瑕疵担保期間も経過しておりますし、わがほうとしては承認した設計であると、しかし会社側にももちろん道義的責任がある。この事故の原因は、実は事故が起きてから初めて、強度計算につきまして電子計算機にかけましたところ、共振によりますところの材料の疲労が出るということがわかったわけでございます。設計承認の段階では、さような計算はまだできなかったわけでございます。さようなことで、一応道義的責任ということで、所要経費の負担につきましては、約七千万円かかりますが、これを半額三千五百万円負担させる、つまり防衛庁のほうで三千五百万円負担するということで一月妥結いたしました。ただいま換装工事中でございます。
○小谷守君 いまあなた方の御答弁を伺っておりますと、二つの疑念がわいてまいります。その一つは、長官は昨年十二月十七日のこの委員会におきまして、ここに速記録がありますが、瑕疵担保の契約書もここにその契約書の写しがありますけれども、この瑕疵担保の一年間という期間――私はその際こういうふうに申し上げた。電気洗たく機や掃除機ではありませんよと、五十七億の血税を注いだたいへんな品物である、これに対して電気洗たく機並みの瑕疵担保にとらわれるような、そういうことではいけないということを申し上げましたら、江崎長官はこういうふうにおっしゃっている。「これは御指摘のとおりであります。しかも、保証期間が一年であるから、それをすでに経過したから知らぬなんという話は、これは巨額な、しかも特殊なものであるだけに、三菱側においてもそういう話は通用しないと思います。また、三菱がほんとうに技術を尊重するというのであるならば、その欠陥の原因が那辺にあるかということを追及することも」云々というふうに言われております。いま、したがって、瑕疵担保期間が、契約した一年の期間が過ぎているから強く出ることができなかったというふうなお答えは、十二月十七日の長官のこの委員会における御答弁と照らし合わせるときに、私はゆゆしい食言であると申し上げなくてはならぬと思う。この点についての御見解はいかがでありますか。
 さらに第二の疑点は、当時タービン翼の修理契約を三菱重工を相手に仮契約の段階におきましては六千百万円であったと記憶をしておるのであります。二、三カ月の間に一いや、あなたの言明によると、一月に本契約を締結したということでありますから、七千万円というのはどういうことでありますかわずか一月の間に一千万円も狂いが出るというのは、国民は納得できないと思います。そして、それを足して二で割って半分づつ負担をするのだというようなことは、ますます納得がいかない。こういう問題は、大岡さばきでは納得できません。まあまあ話では、納得できません。その辺を明確にお答え願いたいと思う。
○国務大臣(江崎真澄君) 私、確かにいま速記録に残っておりますようにお答えをいたしました。そこで、装備局長に対して、三菱側とは遠慮することはないから厳重に交渉しろということで、その交渉の結果が、御承知のとおり、いま七千万円の半額を先方がもつ。これはまあ全額ということでありましょうが、これがどうも商習慣上、この瑕疵担保期間というものが設けられ、また事実その間は何ら支障がなかったということもありますので、きびしく今後のことを戒めまして、そして折半をしたというのが実情でございます。
 それから第二点の、六千万円がなぜ七千万円になったかということは、これは数字的根拠がございますので、政府委員のほうから御答弁させたいと思います。
○政府委員(黒部穰君) 七千万円の内訳でございますが、七千万円のうち、タービンローターのほうは、これは先生御指摘のとおり六千百万円でございます。そのほかに、事故が起きたあとに、クラックの入った部分の羽を取り去っております。で、これの臨時修理費が八百二十万円。それから、このたびこのタービンローターを、エンジンを分解いたしまして換装するわけでございます。この分が百十一万七千円、合わせて七千三十一万七千円、かようになっております。
○小谷守君 私は、防衛庁長官のこういう問題、これは一自衛艦の修理に関する問題でありますけれども、事は重要な背景をはらんでおると思うのであります。したがって、ここで言明された方針、私は敬意を表してそれ以上の追及は申し上げませんでしたが、こういう問題については装備局長に指示したとかというふうなことで済むものではない。ここで言明された御趣旨のとおり、長官自身が三菱を呼びつけて交渉の正面に立って処理をされるという熱意が必要ではないか、こういうふうに思いますが、いかがでございますか。
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘のとおりであります。私も、装備局長に対しまして強く申しますると同時に、こういう問題は瑕疵担保期間が過ぎたからいいものではない、やはり将来の問題にもつながるから、十分こういう問題については今後とも責任を持って処理をするようにということをやはり会社側によく伝えておるつもりでございます。
○小谷守君 私は、十二月十七日のこの委員会においても申し上げたと思うのでありますが、この種の事故というものは不測の事故ではないということ、これは造船界の常識になっておるというふうに承知をしております。戦前「朝潮」という駆逐艦があったそうでありますが、旧海軍の時代に同様な事故を起こしておるというふうに承知をしておる。また戦後、同じ三菱の長崎造船所で建造した商船――三万トンクラスと聞いておりますが、三回同様な事故があったと承知をしております。造船界においては「きくづき」が今度受けたような損害はこれはもう古典的なミスと、こういうふうに専門家は言っている。この古典的と言われるミスをおかしたのは、どちらに責任があったのか。半分ずつ修理費を受け持とう、まあまあ話では、これは済まぬと思うのであります。責任を明確にしてもらいたいと思う。
○政府委員(黒部穰君) 事故を起こしましたのは「きくづき」、三十九年度の計画の自衛艦でございます。その前に、三十五年度に「あまつかぜ」というのをつくりました。これはやはり三万馬力のものでございまして、この場台は石川島播磨のGE型を採用いたしたわけでございます。次いで、三十八年度の計画自衛艦で「たかつき」というのがございまして、これは三菱でございますが、三菱の長崎ではなく、神戸でウエスチングハウス型を採用いたしまして、これはやはり三万馬力でございます。で、事故を起こしましたのは三十九年度の「きくづき」でございますが、これが同じ三菱ですが、長崎造船所でエッシャーウイス型を採用いたして、これも三万馬力にいたしたわけでございます。エッシャーウイス型といたしましてはこれがおそらく世界で最初の三万馬力のエンジンであったかと思いますが、かつてGE型あるいはウエスチングハウス型で高圧、高馬力のものが成功いたしておりますので、今回も、強度計算をいたしまして、当方でも承認の上、三万馬力を採用いたしたわけでございます。しかしながら、当時では計算し得ないような共振現象というものがあったわけでございます。で、先ほど御指摘の商船のお話でございますが、この「きくづき」で三万馬力を採用したあとに、一般の商船用に、三菱か長崎で、エッシャーウィス型を三万馬力にいたしまして、商船用に建造いたしております。これは、わがほうの事故発生よりも前の時点で事故が先生いたしております。私のほうの自衛艦は、領収の前に、海上での公式試験で、もちろんフル回転のフル運転をいたしまして、何ら故障を起こしていなかったわけでございます。その後、商船のほうへ採用いたしましたときに事故が起きていたわけでございまして、「きくづき」の場合は事故が起きずに一年半たった。で、いかなる事情で事故か、ある場合には起き、わがほうの場合には起きないかということで、問題があったわけなんですか、その後「きくづき」につきまして四十五年に事故が発生いたしました。電算機で種々の計算をいたしましたところ、いままで解明できなかった共振現象というものが解明できたと、こういう事情になっているわけでございます。先生、古典的な欠陥であるというふうな御指摘がございましたが、私のほうといたしましては、エッシャーウィス型について三万馬力まで大型化して技術的に問題ないと思ってやっておりましたが、やはりわれわれの知恵、当時の知識ではわからなかったような欠陥があったと、こういうことになるわけでございます。
○国務大臣(江崎真澄君) ちょっと補足して。
 あのとき御指摘になりましたように、瑕疵担保期間というものを場合によるというと延長すべきではないかという御提案もありましたので、私は、装備局長、それからまた三菱側に、よく相談をするようにということで、いろいろ話し合いをしてみたわけです。そうしますと、一般の商船、特に大きな何百億といったような巨大タンカー、こういったものも、やはり瑕疵担保期間というものは一年間なんです。あえてこれを二年にしろとかいう形でこう押しますと、どうも原価計算上やはりこれは船価を上げてくる、こういうことになる。これはもうあらゆる船がそういう商習慣になっておるということから、そこでまあ、これはやっぱりやむを得ぬのかなあと、ちょっと一年という点は、御指摘の、まさに簡単な商品と違って問題があるなあということで、いろいろ検討をさせてみたわけでありまするが、あらゆる船がそういう習慣になっておるということで、事を中途にやむというような形になったわけであります。非常に熱意を込めての御質問ですし、これはやはり私は重要な問題と思いまして、いろいろ検討をさせたことは事実であります。で、たまたま一年半を経過しておったその上の故障でありますが、やはり故障の原因からして、いや修理費は全部そっち持ちだでは通らないぞと、これはやはり会社側にも道義的責任を負ってもらおうということで、まあ話し合いの結果、折衝の結果がここに来たというわけですから、御了承を願いたいと思っております。
○小谷守君 長官が後段おっしゃった点は、私はあとで質問をしたいと思っておったところであります。商習慣もさることながら、いま国民の心配の集中しておる問題でありますから、常識的に考えて、電気洗たく機並みの担保期間で済む問題ではありませんぞ、これは。商法上、民法上、あるいはまた商慣習上、いろいろあると思います。あると思いますが、これは抜本的に強い姿勢でお考えを願わなければならぬ問題だと思っております。
 さらに、私は委員長に御要請をしたいと思いますが、この問題はどうしても納得ができません。私は、委員長はじめ委員各位の御了承を得て、造船の専門家を参考人として、招致して、この間の事情についてぜひこの決算委員会としてはメスを入れなければならぬと、このように存じますので、後刻委員長でそのようなお取り扱いをお願いをしたいと思います。
○委員長(足鹿覺君) 委員長としましては、理事会におはかりをいたしまして、小谷委員の御要望に対しましては対処いたします。
○小谷守君 ありがとうございます。これはどうしても解明をしなければならぬ重要な問題であろうと思います。
 加えて、いま装備局長は、事もなげに――十二月段階で、正確に申しますと、このタービン翼の修理契約、仮契約の段階においては、四十六年十一月二十日、六千百万円の契約をしておる。そうしてその後、私が十二月十七日にこの委員会でこの問題を取り上げてから、一月二十八日、この契約を更改して、七千二十万円という本契約にしておる。いまの説明では、付帯工事費を含んだら一千万円多くなりましたと、こういう御説明でありますが、およそ修理について付帯工事はつきものでありますから、そういうことはわかり切った話なんです。ここで御発表になる以上、そういうものを含めて六千百万円、こういうふうに私どもは了解しておったんです。ところが、急に――これはもう今度に限らぬ、ことばがきたないかもわかりませんが、防衛庁の常套的手法だ、さっと値上げをして、そうして足して二で割る。かさ上げをして割りますと、企業のほうの負担はたいへん少なくて済むでしょうけれども、しかし国費の負担はたいへんでしょうというような疑惑すら感ぜしめる金額であります。この点をもう一回正確におっしゃってください。
○政府委員(黒部穰君) 昨年十二月の委員会での説明が、あるいはことば不足で、誤解を招きましたのは、非常に申しわけなく思っておりますが、タービンローターの製作費は当時の見積もりどおり六千百万円でございます。で、その際から、まあ製作したあと、それをエンジンに入れ込むという仕事があるわけでございますが、この金額を申し上げておけばよかったわけでございます。なお、八百二十万円というのは、これは四十五年の事故発生のあと直ちに羽を何枚か取り去った工事費でございます。これもすでに当時からわかっていた金額でございます。あるいは、十二月の御説明のときに、さようなものも別途ございますということを申し上げておれば、一カ月の間に一千万円ふえたではないかというような誤解をお招きしないで済んだのではなかろうかと反省いたしております。
○小谷守君 この問題は、早い機会に参考人を招致して、この疑義の解明をいたしたいと思います。ただいま伺った御答弁によっては、私はむしろ疑問が深まるばかりであるというふうに率直に申し上げなくてはなりません。
 私は、時間がありませんので、第二の質問を申し上げたいと思います。兵器の国産化がどんどん進行する、ものすごい勢いで進行する、このことと関連をして、防衛庁と兵器産業との癒着、この度合いが進むのではないかというふうに、これが国民の心配の大きな焦点の一つであるというふうに劈頭申し上げましたが、防衛庁、自衛隊の高級幹部が退職後どんどんこの種の兵器産業の企業に向けて再就職をしておる。重役、部長、ないしは嘱託、こういうことで、かなりな人数に達しておると思いますが、人事局長おいでになっておりますね、防衛庁の制服の高級幹部がこれら営利法人に再就職をしておる実情はどういうことであるか、数字をあげて御説明を願いたい。加えて、防衛庁は、人事局長としては、この種のお世話をしておいでになりますか。仄聞するところによると、これらの企業に対して受注額に応じて再就職の引き受けを慫慂されておるというふうなことを、仄聞でありますが、私は漏れ聞くのでありますけれども、そういう事実があるかどうか。いずれにせよ、防衛庁があっせんをしておられるのどうか、こういう点をひとつお伺いしたい。
○政府委員(江藤淳雄君) 自衛隊の一佐以上でございますが、一佐以上で、昭和四十四年度から現在までの間約三年間の間に、民間会社のうち営利会社と申しますか――のほうへ就職しました者が、四十四年度が九十八名、四十五年度が七十七名、四十六年度が五十三名、計二百二十八名となっております。なお、これらの就職あっせんでございますが、これは私自身がすべてやっておるわけではございません。ほとんどの者は各関係、たとえば陸であれば陸上幕僚監部の第一部人事担当のほう、陸海空、あるいは調達実施本部、技術研究本部、おのおのその所属関係の人事担当のほうであっせんをいたしております。その際に受注額に応じてやっておるかどうかということでございますが、すべて人事担当の者がやっておりますので、必ずしもそういうようなことはないと思っております。
○小谷守君 ないと思っておりますというふうな、あなた担当者でしょう、そんな雲の上のような答弁をしてもらっては困る。大臣の答弁なら承りますが、実務を担当しておるあなたがそういう雲の上のような答弁をされることは不謹慎です。
 そこで、ここに概略の資料を私持っておりますが、行った先、行かれた人、こういう場所でありますから固有名詞は省略いたしましょう。私は、たとえば四十六年だけをとってみましても、将で十二名、将補で十名、一佐で三十一名、計五十三名。一佐以上で五十三名の人がこれらの関連産業に再就職をしておる。これがあたりまえのようなことになってきたのではありませんか。三十八年から四十六年までの通算をいたしますというと、たいへんな数です。六百三十八名になっております。一佐以上でこれらの関連産業に再就職された数はこういう数です。昨日も人事院が防衛庁以外の諸官庁の高級官僚の外郭団体その他に対する天下り人事を発表しておりましたが、それに劣らぬ状況であります。しかも、一番問題は、このようなことが続くならば、だれが見ても兵器産業、これらの企業との因縁が在職中からできてしまうというふうに推論せざるを得ないと思う。国民がそういう疑惑を持つことは当然だと思う。長官に伺いますが、このようにゆがんだ状況の進行を黙認されてよろしいかどうか。李下に冠を正さずということがございますが、こういうことでよろしゅうございますか、はっきり御答弁願いたい。
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点は、やはりきわめて問題のあるところだと思います。ただ、いま昭和三十八年から計算いたしますと六百三十八名というわけになりまするが、これは途中でどんどんまたやめていく者もありまするので、そんなには多くない。しかも、お手元の資料でわかりまするように、おおむね顧問であるとか嘱託であるというようなことで、その六百三十八名の約十年間の統計に見ましても、役員になった者はわずか十九名、四十六年ではゼロであります。そういう形がなぜ起こるのか、これは全く問題のあるところだと思います。それは、御承知のとおり、一佐は五十三歳が停年でございます。いまこういう時代になってまいりますと、一般の会社よりも停年が低い。二度のつとめをしなければならぬという場台に、まあ嘱託とか顧問とかという形でつながりのある会社に就職をする、好ましいこととは思いませんが、その点まことにどうも事情としては御賢察を賜わりたい点もあるわけでございます。ただ問題は、その会社を左右する役員というような任務にはこれは規則上つけないことにもなっております、相当年数を経てからでありませんと。また、こういうことが産軍癒着の因をなすのではないか、御心配のとおりであります。したがって、そういうことにならないように、こういう点は私どもは十分政治配慮をしていかなければならぬと思います。よく御指摘の点等々を注意いたしまして今後に処したいと思います。
○小谷守君 私は、役員であろうと、嘱託であろうと、退職後にこういうところにかりに捨てぶちであってもそれを期待するという、そこに問題があると思うのです。そういうことで兵器産業のいろんな欲求を現職中にチェックできないと思うのです。そこが一番問題なんですが、国民が心配しているのはそこです。ですから、これについては時間もありませんからこれ以上申し上げませんが、長官としては重大な決意をしてもらわなければならぬ。私はあらためてこの問題は重ねてこの決算の総括の際にもう一度話題にしたいと思います。加えて、上ばかりではないのです。いま自衛官の募集の現場においてはこういうことを言っておるのです。「自衛官の給与の手引き」というのがあります。四年たてば百八十万の貯金ができる。そうして、ここには文書に書いておりませんが、勧誘するときに必ずこういう――自衛隊をやめたら兵器産業のほうに就職の世話を責任を持っていたしますと、上から下までこんな調子じゃ困りますよ。この点について重ねて長官の決意を伺って質問を終わりたいと思います。シビリアンコントロールと同様に、この問題はいま自衛隊、防衛庁をおおっておる国民の重要な疑惑の点であるということをとくとお考え願いたい。
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点、慎重に考慮を要するところだと思います。ただ、若い隊員の場合は、これはもう一生の天職を求めるわけですから、自衛隊員としてまじめに勤務をいたしました以上、当然就職先をあっせんしてやるということは、これはやはり必要だと思います。また、自衛隊で鍛えられたということによって、会社あるいは工場等々で非常に歓迎をされるという向きもあるわけでありまして、これは必ずしも無理押しつけという形ではなくて、むしろ自衛官であった者を求めたいと、こういう希望も世間には相当強くあるわけでありまして、決して無理押しつけにならないように今後も指導をしてまいりたいと思います。
 上級幹部の件につきましては、どうもこれが若年停年制という、まことに事情気の毒な点もあるわけでありますが、やはり疑惑を招くようなところに配置するということは、これは行く本人も決してそんなに愉快なことではないでしょうし、今後大いに考えていく余地があろうかと思います。御指摘の点等は、十分注意をいたしまして、配慮したいと思います。
  〔委員長退席、理事小谷守君着席〕
○足鹿覺君 重要な問題でありますので、小谷委員の質問に関連して二、三お尋ねをいたしたいと思います。
 それは、先般来衆議院の予算委員会でも問題になっております、四次防の目玉航空機として三つの機種が問題になり、それに対する財政法に基づく後年度使用の議長凍結にまで発展をした経過があります。問題のT2、C1、RF4Eの三つの機種でありますが、関連でありますので、C1輸送機の問題についてだけきょうは伺いたいと思います。
 C1輸送機につきましては、昨年の四月の四次防防衛庁原案では、約三十機を装備する方針であった。四十七年度予算では十一機、これがこの間問題になった。発注が予定されておったわけでありますが、装備に関する予算は昭和四十一年度から四十五年度まで二百七十三億七千万円がすでに技術開発費として支出をされ、さらに四十六年度予算では装備の発注分として二機分五十九億七千一百万円が計上されております。
 年度別に申しまして、四十四年度決算の面から見ますと、四十四年度のC1に対する開発費は二十三億八千四百万円であります。この点間違いありませんか。――御答弁がひまが要るようですから、御調査になった上で御答弁願いたいと思います。その数字の確認はあとでけっこうです。
 そこで、まずお尋ねいたしたいのでありますが、C1の試作第一号機は四十五年の十一月に初飛行をいたし、試作第二号機とともにすでに防衛庁に納入され、実験航空隊で試験中と伝えられておりますが、その結果についてはどのように評価をされておりますか。
○政府委員(黒部穰君) 御指摘のとおり、試作一号機及び試作二号機につきまして、現在、航空自衛隊実験航空隊において技術試験並びに実用試験を実施中でございます。結果につきましてはまだ最終的なものはできておりませんが、ただいままで聞いておりますところによりますと、当初ねらいましたストール性、つまり短距離離着陸の性的でございますが、これにつきましては非常によい結果が出ております。かつまた、きわめて外国の輸送機に比べますと小型な――私どもは中型輸送機と申しておりますが、中型の輸送機でありながら効率よく荷物が積めるという点でも成功いたしておるかと思います。というようなことで、実は米軍も、昨年の十一月かと思いましたが、これの性能についてよく見たいということで、技術のチームが視察に参っておるような状態でございます。
○足鹿覺君 調査するところによりますと、四十六年度の発注の量産前期型三、四号機はすでに部品製作が始められているということでありますが、その点はいかがですか。
○政府委員(黒部穰君) 四十六年度予算が成立いたしましたあと本契約に入る前に、試作、製作の準備に取りかかれという旨の指示をいたしております。いたしております関係上、たとえばエンジンのようなものは、およそ二十二、三カ月生産いたし、こちらに持ってまいるというのは――実は
 エンジンはアメリカのプラット・アンド・ホイットニーの会社のエンジンを使うわけでございますが、これは早目に手配しておかなければならないということで、四十六年度当初にすでに米国の会社のほうへ発注いたし、現在生産いたしておる状況であります。かような、主としてエンジンが一番時間がかかるわけでございますが、そのようなものはすでに手配中である。本契約は、価格折衝を十分いたしまして、年度末にいたすということになっております。
○足鹿覺君 試験飛行中といわれるC1の性能につきましては、スピードを上げて最大速度八百二十キロに近づくと機体に振動が起こってとまらなくなるという欠陥が伝えられております。つまり、欠陥設計があったのではないか、かなり手直しが必要ともいわれておりますのに、部品の発注をし、すでに年度末も近づいておりますが、全部を正式契約をなさるということは、いささか当を失してはいないですか。
○国務大臣(江崎真澄君) これについては、新聞記事等にもありましたので、私も一体どういうことなんだということでいろいろ調査してみたわけであります。従来とも、技術試験というのは、でき上がったもののきわめてデリケートな部門の試験をする。それから実験航空隊というのは、もともと自衛隊にある機関でありまするので、いよいよ実用に供する面において支障はないかどうかということを自衛隊みずからの手でチェックするわけです。その間にもしいろいろ不備な点があれば、これは製作者側に責任を持って改良させる。で、航空機そのものはきょう注文してあすできる性質のものではありませんので、これは世界の商習慣といいまするか、世界の慣習上、まず実用試験機をつくって、そしてそれを飛ばせる、飛ばせた段階でよろしいということになれば、それで大体量産に入っていく、一方では技術試験や実用試験を厳重にしながら、いささかでも悪い点があれば改良をしていく、こういうことになっておるという説明を聞いて、私も了解をしたような次第でございます。
 詳細は政府委員のほうから答弁をさせます。
○政府委員(岡太直君) ただいまお話がございました、飛行試験中にトラブルがあるんじゃないかというお話がございましたので、御説明申し上げます。
 C1の飛行試験をやります際に、確かに高速飛行中に微少な振動がございました。これは非常に速いスピードを出すときに振動が起こるわけでございますが、現在のところ、これは強度上からいいましても、実用上からいっても、問題がございません。それで、乗りごこちその他に影響するんじゃないか、それからさらに速いスピードを出すときに困るんじゃないかということで、いろいろ検討してまいりました。それで、このことの対策といたしまして、胴体のうしろのほうに小さい整流板をつけたわけでございます。長さが約二メートル程度、高さが十センチ程度の整流板をつけましたところ、これは振動がぴたりととまりました。したがいまして、先ほど長官おっしゃいましたように、試験の最中にいろいろ飛行機のふぐあいを発見して直すというわけでございますが、これもその例でございまして、その小さな整流板をつけることによりまして振動がとまりましたので、この点は量産に際しても全然問題ないというように技術的な見通しを持っております。
○足鹿覺君 すでに三機の試作機が完成いたしまして、実験が行なわれておるわけなんです。各務原で行なわれておるわけなんです。スピードを上げて最大速度八百二十キロに近づくと機体に振動が起こってとまらないという重大な実験結果が出ておる。これに対して長官はけろりとした御答弁をなさっておりますが、装備品等の制式に関する訓令というものが昭和二十九年十一月三十日に出ておりますが、この訓令の第十五条ないしは第十六条、第十七条、この問題との関連において、このC1の設計ミスというか、性能に欠陥があるという点については、装備審議会等に報告をされ、また、長官は新聞記事で見たというお話でありますが、装備審議会はこの問題に対して不問に付し、長官の責任においてその原因の追求、改善が完全になされたかいなかということについて、いかような御処置をなさったのでありましょうか。いささか私はただいまの御答弁では満足がまいりません。
○国務大臣(江崎真澄君) 詳細は政府委員から御説明申し上げさせますが、すでに一応飛行試験を行ないまして、そして専門家――これは輸送機といえども、やはり命に関するものですから、欠陥があってはならぬわけであります。そこで、それぞれの専門家、航空自衛隊はもとより、技研その他の自衛隊の機関、製作者側がこれを見てよろしいということになって検収をしたのは、あとから申し上げますが、もう私が赴任前の相当以前にさかのぼるわけです。そこで、先ほど申し上げたような経緯で技術試験をやり、また実用試験をやって、念入りに、事実上の運航に差しつかえのないよう、またこれが大量生産の上に間違いのないようにということがずっと継続的にこの検収して飛ばしましてOKを出したときから始まっておるというのが実情でございます。
 それから、今度の問題については、私正直に申し上げて新聞で知ったんです。内部から協議があったわけじゃありませんから、こういうことがあっては困るじゃないか、こんなことはゆるがせにできぬなという私の質問に対して、次官以下装備局長等々から先ほど申し上げたような手順の説明があり、なるほどと、また、そのことについては決着がついたか、現在御答弁申し上げましたように、的確にチェックして決着をつけました、改めてまいることにしております、こういう答弁に接しましたので、私も了解をしたわけでございます。
○足鹿覺君 初めて実験飛行にかかってから一年や一年足らずで、何が何でも四次防に間に合わせなければならぬ、こういう点で制式の採用に無理があったのではないか、私どもはかように判断せざるを得ない。少なくともあなたは、長官、あなたが出された、あなたの先輩が出された訓令をまじめに御解釈になりますならば、当然、この欠陥機ができて世間を騒がしたことは御承知のとおりである。すでに、早ければ昭和四十八年には現地部隊に配属を計画しておると伝えられておる。それだけ重要な段階において、そのような制式採用上の規定をどのように御理解になり、実験の結果を装備審議会に諮問され、制式採用の可否をおきめになったのでありますか。そのおきめになりました月日、装備審議会にかけられたその内容その他詳細に御報告を願いたい。
○国務大臣(江崎真澄君) 時間の関係がありますから、政府委員のほうから答弁させます。
○政府委員(黒部穰君) ただいま装備品等の制式に関する訓令と航空機の採用との関連についてのお尋ねがございました。装備品等の制式に関する訓令は、実は部隊配備のための手続でございまして、部隊配備をするためには制式にした上でなさなければならない、ただし長官の承認を得たものは別である、かようなたてまえになっております。それで、航空機の場合は、これまで外国の供与機、米国からの供与機及びライセンスによって国産したもの、それからわが国自体で開発いたしましたものもございます。いずれも、制式という手続をとらずに、訓令に書いてございますが、やはり長官の承認という手続をとって部隊配備をいたすわけでございます。ところで問題は、この部隊配備の問題ではなくて、予算に計上して購入する手続をするのにこの装備審議会にかけてないのかというお尋ねかと思いまするが、これは従来ともかけていないわけです。さらにしからば、C1の場合で見ますと、第一号機は四十五年の十一月、第二号機は四十六年の一月に防衛庁で領収いたしております。失礼しました。十一月、一月と申しましたのは、これはいずれも初飛行でございます。納入は、四十六年の二月及び四十六年の三月にそれぞれ納入されております。で、これをわがほうの部隊で技術試験並びに実用試験をいたすわけでございます。航空機の場合は、昔と違いまして、開発の段階におきまして種々のシミュレーション試験をやります。つまり、地上において全く飛んでいる場合と同じような状態を再現させまして、これで種々の試験を積み重ねていくわけでございます。実際に初飛行させまして、今度はその成績がどの程度シミュレーション試験と違うのかという、その違いを見ていくわけでございます。したがいまして、昔の場合と違いまして、初飛行する前にすでに技術的な相当の確信を持って、それで飛ばすことによってそれを確認していくというような状態になっておるわけでございます。で、このために、大体まあ初飛行いたしまして、その後の結果がほぽ当初の計算された数値と似ているならば、成功したものであるというふうに考えるわけでございます。それならば、一年有余にわたって実用試験をいたしておるわけでございますが、これは主として部隊に配備する場合に、まずどういうふうな点に着目して常にチェックしていくか、それからどのような試験機を用いて、何回の飛行ごとに一回づつチェックをしていくというような、いわば手順書をもう一つ、操縦する場合にどのような手順が要るか、整備する場合にどのような手順が要るかという手順書を正確なものをつくりましてから部隊に配備いたすわけでございます。主としてこの目的のために長い期間にわたってデータを集めまして手順書をつくっていく、かような目的のために実用試験をやるわけでございます。したがいまして、採用するしないは、大体まあ初飛行を終わって若干のデータの入ったところでほぼ開発の所要の目的は成功しているかどうかという判定ができますので、その際に部内で種々の会議にかけまして、これは採用決定と、予算要求するというふうな意思決定が行なわれるわけでございます。
○足鹿覺君 関連でありますから、またこれは別の機会に詳細申し上げますが、今度の欠陥は二つあったようですね。一つは着陸するためにフラップを降ろすときに機体全体に振動が起こるもの、いま一つは一番最初の試験飛行をやったときに尾翼のかじがきき過ぎることが発見されたと伝えられている。そういう具体的な設計欠陥が、実験飛行、いわゆる試作段階において装備品等に対する制式に関する訓令の十五条ないし十六条には当然該当すべきものだと思う。特に十五条の「技術研究本部長は、細部設計、試作及び技術的試験の結果を長官に報告するとともに幕僚長に通報しなければならない。」ことになっている。以下、時間がありませんから条文を読むことを省略いたしますが、いろいろな機関にかけてやったとおっしゃいますが、このC1は一機が二十九億九千三百万円かかる。このC1が配属されると予定されておるという。ある市の予算は、年間予算が、来年度予算が二十五億二千万円しかない。いいですか、そういう高価なものですよ。一機が三十億もする。人口四万以上の都市の予算をはるかに上回るようなこういうものが、いわゆる実験段階で二つも故障が発見され、そしてこれをすでに部品は発注をしておる。もしこの間の予算委員会における予算の凍結、後年度予算負担の凍結が行なわれなかったならば、あなた方は発注しておるではありませんか。にもかかわらず、この訓令を出した当時の長官は木村篤太郎さんでありますが、防衛庁長官みずからが出した訓令をみずからじゅうりんしていいんでありますか。まさにこれは、四次防に間に合わせるために無理やりにこういうことをやった。私は、各務原の実験航空隊で、現地でこれを拝見いたしましたが、昨年の秋でありますが、実験が始まってから相当の日時がたっておるにもかかわらず、飛行機が離陸すると同時に、一機の案内機といいますか、あるいは付属機といいますか、そういうものがくっついて飛ぶのです。一体これはどういうわけだと聞いたら、これはまだ実験中だからそういう飛行機を従属して飛ばさなければ完全な実験が行なわれないという司令の説明でありました。そういう状態であるにもかかわらず、しかも欠陥が伝えられたのは本年の一月である。こういう一機三十億もする飛行機を十一機も注文をするのに、一体みずから出した訓令をみずから踏みにじる。これは、昨日も内閣委員会において、佐藤総理も遺憾の意を表明され、そういうものは当然装備審議会にかけるものであり、国防会議に、そのような航空機の高価なもの、そういう性格のものはかけるべきものであると言われたではありませんか。長官としては、いま私が指摘した問題に対して、どのような報告を受けられ、そうして装備上、制式上全く心配はないとして四十七年度予算要求をされ、しかも後年度負担を要求されたのでありますか。その点、あまりにも私どもを、国会というものの存在を無視したやり方ではないか。事務当局の、あるいは制服だけの独走に、あなた方シビリアンコントロールの中核体である内局は全く引きずられたかっこうではありませんか。いかように長官は御反省になっておりますか、伺いたい。
○国務大臣(江崎真澄君) 装備審議会については、さっき装備局長が申し上げたとおりでありまして、これは実験飛行を見まして、そしてあらゆる機関がこれでオーケーということになりますると、組織を通じまして、次官から私に、こういうものを採用していいかどうかという判断を求められます。もちろん、あらゆる機関を通じて合格ということになったものについては、私のところでもオーケーをするわけです。そして私から最高責任者である首相に報告をする、こういう手順になっております。装備審議会には、先ほど申し上げましたように、こういうものはかけない。制式を決定するときに――制式というのは、また専門語になるわけですが……。
○足鹿覺君 一連のものですよ、長官、十五、十六、十七条は。
○国務大臣(江崎真澄君) そのとき、部隊に配備するときにこの審議会を通る。そこで、航空機の場合は、その後技術試験をやり、実験飛行隊によるチェックをし、そこで悪い点があればどんどん改良をしていく、これがもう世界の航空界のやはり慣習というか、常識になっておるというわけで、その実験飛行で、飛んだ時点で、むろん自衛隊関係者のパイロットも乗るわけですし、技術関係がチェックするわけでありますから、これでよろしいということになれば――設計からあらゆるものまで改良を加えなければならぬなんというものであるならば、その段階で採用はきまらないわけです。そこで微細な、きわめてデリケートなあらゆる試験に耐える、その結果量産に入っていく。この量産の段階で、微細な点でも改むべきものは当然改めるようにしていく、これがいまの実験飛行隊におけるチェックであり、技術試験であるというように私は理解しておるわけであります。装備審議会につきましては、手落ちなくやっておるつもりでありますが、御疑問があれば、なお関係者から説明をいたさせます。
○足鹿覺君 C1について、あるいはT2、RF4E等が装備審議会にかけられた額、内容、その結果、その他詳細をあとで資料として御提出を要求いたします。願えますね。
○国務大臣(江崎真澄君) お出ししましよう。
○足鹿覺君 最後に、他の委員に御迷惑をかけてもいけませんから、これはまた日をあらためてやることにしまして……。つまり、いままで聞いておりますと、軽微な故障であったと、したがって手直し程度でこれは済んだと、こういう理解のようでありますが、そうしますと、一時、航空自衛隊のほうとしては、これは相当の大幅な設計変更が必要ではないかという懸念すらも出ておったと伝えられておる。そうしますと、いまの参事官の御答弁によりますと、きわめて軽微だと、二つの故障とも軽微である。そうすると、それは負担には関係はありませんね。発注の金額には異動はありませんね。
○政府委員(岡太直君) 先ほど振動の問題で御説明いたしましたので、今回は、先ほどありました、着陸時でしょうか、そのときふらつくという御指摘がございましたけれども、この技術的内容を御説明いたしたいと思います。
○足鹿覺君 そんなことはいいよ。内容はあとでいいから、設計変更の必要があるかないか、また発注金額に異動がないかということを聞いている。
○政府委員(岡太直君) それでは、異動はございません。
○足鹿覺君 要するに、私どもの持つ不安は、兵器産業のあり方、先ほど小谷委員からも艦船の建造をめぐって大きな疑問をこの委員会で発表され、長官もお聞きになったとおりであります。要するに、兵器産業のあり方に対して、C1のテスト飛行の結果から見ましても、ある特定会社だけに発注をする、こういうこと、あるいはまた、装備審議会を形式化して、自分らで一市の年間予算をはるかに上回る、このようなまるで月給取りが自家用の軽自動車を売買するような態度でやってもらっては困る。まことに軽率千万と言わざるを得ない。したがって、今後兵器産業のあり方の問題は別にさらに意見なり質疑を申し上げますが、発注に競争原理を導入されて、もう少し装備審議会の位置づけを明確にし、特定メーカーとの密着、これを自粛される。そうして今後、防衛産業との癒着問題がやかましいときに、人事の天下りやあるいはいろいろな点で問題の多いときに、このような事態を根本的に、具体的に改められる御所存がありますかどうか、長官の御見解を承って、きょうは関連でありますから、後日にこの問題は譲りたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(江崎真澄君) これは、御指摘でありますが、部内では慎重の上にも慎重を期しておるわけです。それはやはり、航空機の性格からいいまして、ただ簡単にこれが国産できるからという点でやっているわけではありません。しかし、お説のように、これは相当巨額なものですし、のみならず、国産技術を開発するとはいいながら、十分注意をしていく必要は、全く同感であります。ですから、今後にかけて十分ひとつ細心の注意を払うということで御了承を願いたい。
○足鹿覺君 さっきの答弁を保留した問題はどうですか。資料でもらえますか。
○政府委員(黒部穰君) 先ほど先生のおっしゃった数字は、ちょっと聞き取れない部分がございますので、重複するかもしれませんが、私から申し上げます。
 C1の開発費は、四十一年度の歳出では基本設計分といたしまして一億四千三百万円、それから四十二年度は細部設計といたしまして九億二千三百万円、それから四十三年度は試作といたしまして六十三億四百万円、合わせまして七十三億七千万円が四十三年度まででございます。四十六年度は五十九億七千百万円でございます。
○足鹿覺君 それから、いろいろな審議会に、いろいろな機関にかけたというお話ですが、そのいろいろなものには装備審議会を含んでおるのですか。
○政府委員(黒部穰君) C1を装備審議会にかけますのは、基本要目並びに基本設計は装備審議会にかけます。で、これは、装備審議会の専門部会では七回ほどかけております。七回ほど専門部会のほうで、そのほかに総合部会をやりまして、かつまた本審議会を二回ほど開催いたしてございます。それから、たとえば、先ほどの試験中における若干の軽微なふぐあいというものについては、口頭での報告がございました。なお、C1を採用すべきやいなやということにつきましては、最終的な決定をいたすのは、関係参事官会議というものを部内で何回かいたしております。この際に、特に米国のCmとの比較などもいたしました上でC1を採用ということにいたしたわけでございます。
  〔理事小谷守君退席、委員長着席〕
○沢田実君 本日の委員会におきましては、私二点だけ防衛庁にお尋ねいたしたいと思います。その一点は、貸与被服に関する問題でございます。もう一つは、未確認事項についてお尋ねをいたしたいと思います。
 まず最初の貸与被服に関する問題でございますが、これをごらんいただきたいのです、長官。こういう鋭利な刃物でばあっと切りまして、ある陸上自衛隊が駐とんをしております町のごみ焼却場にトラック一ぱい持ってくるわけですが、これが現物でございますが、その様子については写真がございます。これを見ていただきますが、これは一体どういうふうなことをおやりになっていらっしゃるのか、まずそれをお尋ねいたしたいと思います。
○政府委員(黒部穰君) 短ぐつにつきましては大体二年、半長靴につきましては二年ということでおおむね廃棄いたすことにしております。ただし、二年過ぎても使えるものはさらにそのまま使用するということにいたしてございます。
○沢田実君 こういうふうに廃棄をしている事実については御存じなのか。あるいは、こういうふうにして、こういう経過をたどって、全国的にこういうものは、いまおっしゃるように、二年なら二年過ぎれば廃棄処分にするのだというふうになっていくのか、その辺どうですか。
○政府委員(黒部穰君) 先ほど申し上げましたように、二年というのを一応耐用命数といたしておりますが、まだ使えるものについてはさらにそのまま使用するというたてまえにいたしてございます。
○沢田実君 使えなくなったものについては、いかが処分をいたしていらっしゃるわけですか。
○政府委員(黒部穰君) 全くの、何といいますか、廃棄でございます。
○沢田実君 そうしますと、この程度の品物は全く廃棄に属するものだというふうにお考えになりますか。
○政府委員(黒部穰君) 修理費がずいぶんかかるようなものの場合は、廃棄いたすことにしております。
○沢田実君 遠いところじゃおわかりにならぬでしょうから……。
○政府委員(黒部穰君) どうも突然のことなんで、本件が廃棄のためにわざわざ切ったものであるか、つまり再使用されないように、何といいますか、民間の人が再使用したりしてまぎらわしくないようにするためわざと切ったものであるか、あるいは何らかの事故のため切れたものであるのか、その点は私はわかりません。
○沢田実君 それでは、その具体的な問題については、後日調査の上御回答をいただくことにいたしまして、防衛庁職員給与法施行令というのを見ますと、一等陸曹等については、要するに一年間に二足貸与する――あなた二年間とおっしゃいましたけれども、私は階級によって違うんじゃないかと思いますが、一年間に半長靴を二足貸与するというふうに理解しておりますが、違いますか。
○政府委員(黒部穰君) そのとおりでございますが、先ほど私申し上げましたのは、靴の耐用命数を二年と定めておる、かようなことでございます。
○沢田実君 一年間に二足貸与するものを二年と定めるというのは、どういうことですか。一年間に一人二足貸与するのでしょう。一年間過ぎれば、二足は、その古いのを回収をして、あと新しいのを貸与するのじゃないですか。
○政府委員(黒部穰君) 貸与でございまして、隊員にくれているものではないわけでございます。ですから、隊でこの男に、まあ新しいか古いかわかりませんが、ともかく渡して二年使わす。二年使ったら大体は捨てる、廃棄すると、こういうことになっておるわけでございます。
○沢田実君 そうしますと、貸与する靴というのは古物なんですか。シャツも服もみんな古物ですか。
○政府委員(黒部穰君) 貸与でございますから、何も全部全員が新しいものを使用するとは限りません。
○沢田実君 そうしますと、ここに書いてあります十八種類のものが――一等陸曹等については十八種類であります、貸与の品物が。そうすると、これは本人が、たとえば二年なら二年勤務する場合、入隊しますね。そのとき貸与されるものは、新しいものやら、古いものやら、いろいろあるわけですよ。それは二年間使えば回収される。一年間過ぎればどうなるわけですか。一年間に二足貸与すると書いてあるのですよ。そうすると、一年間で古いのを回収して新しいのを貸与するのじゃないですか。一年間二足というのはどういう意味ですか。古いのを貸与しておいて、古いのを回収して、また古いのを貸与するのですか。
○政府委員(黒部穰君) 一年に二足じゃなくて、二年に二足の割りで計算しております。
○沢田実君 いまあなたは二年に二足だとおっしゃったが、二年に二足とどこに書いてありますしか。
○政府委員(黒部穰君) 予算上の措置であります。
○沢田実君 そうしますと、防衛庁職員給与法施行令に、年に二足貸与すると書いてありながら、予算の措置ができないので、一年ではなしに二年に二足ということをしておるわけですか。
○政府委員(黒部穰君) 規則のほうでは、一年に二足とは書いてないわけでございます。
○沢田実君 それでは、あなたはなぜいま一年に二足とおっしゃったのですか。最初には二年だとおっしゃった。私は一年に二足貸与でしょうと申し上げたら、そのとおりですとおっしゃった。その前のほうの支給のほうについては、支給被服については、六年に二組とか、あるいは一年に一個とかございますね。貸与のほうについては、一年にこれだけ貸与するということじゃないですか。そのことはあまりよくわからないようでございますので、ここでそんな議論をしておってもしかたありませんから、よくまた御研究なさった上でそれはけっこうでございますが、私は、貸与の一年間の期限が過ぎて回収したものを、一体どうなさっていらっしゃるのかお聞きしたい。
○政府委員(黒部穰君) どうも御質問の意味がよく私につかまえられないのですが、要するに、まあ規則では、冬服は何組渡しますか、それからくつは何足渡しますかということを書いているわけでございます。で、それはくれるわけじゃありませんので、そのものが、たとえば、どういうふうに御説明したらいいでしょうか。全体として、まだ使えるくつがあるならば、二年を経過してないくつがあるならば、それを隊員に貸しておくと、で、そのくつが二年経過していれば、まだ使える場合はまた別として、大体は廃棄にすると、こういうたてまえにしておるわけでございます。
○沢田実君 私は、一年に二足と書いてありますので、一年過ぎれば交代するんだろうと理解しておりました。ところが、あなたの御説明ですと、一年を過ぎようがどうしようが、まだ使えるものは使うのだ。
○政府委員(黒部穰君) 二年です。
○沢田実君 二年間ですね。二年間の限度があるから、二年間は使うのだと、こういうお話ですね。
○政府委員(黒部穰君) さようでございます。
○沢田実君 そうすると、いまごらんになったくつは、もう使えないのだと、もう二年過ぎたのだと、だから自衛隊のほうで廃棄したのだ、こういうものですか。
○政府委員(黒部穰君) さようでございます。二年過ぎたから使えないと、こういうことで、あるいは何らかの関係できずがついたので使えない。
○沢田実君 何らかの関係とおっしゃったけれども、全部切ってあるのですよ、鋭利な刃物で、トラックに一ぱい。たまたま私がその写真をとったのは一カ所でございますが、あなたの御説明のようですと、全国のおそらく陸上、海上、航空自衛隊、全部そうだろうと思います。そうしますと、どういうような方法で処分して、どんなふうになっているのか、そのことについては内局では掌握していらっしゃいますか。
○政府委員(黒部穰君) 私の部隊視察での印象では、むしろ被服などは、もう取りかえて廃棄にしてもいいというようなのを一生懸命つくろって使っているという感じでございます。
○沢田実君 そういうことを申し上げているのじゃないのです。自衛隊の被服はもっとよくしてもらいたいし、くつもいいのでけっこうです。それを悪くしろと私は申し上げているのじゃない。あなたが、二年という期限があって、それで廃棄をするとおっしゃっているから、それでは十七万なら十七万、まあ十八万もの定員はおりませんから、あるいは十六万何千かの隊員に対して、どれだけのくつを使って、どれだけ廃棄するのであるか、そういうことを掌握なさっていらっしゃるのですか。あるんでしたら、いますぐの説明はちょっと無理と思いますから、これは資料で出していただきたい。そうしますと、いまの品物は、そのくらいのものが、あなたのほうで数字を示していただけば、年間何十万足というそういうくつが、そういう程度で廃棄されると私は理解いたしますから、そういう資料を出していただけばけっこうです。
○政府委員(黒部穰君) くつの調達は、大体毎年陸の場合では十七万足、あるいは年度によって違います。十六万足程度。海上では二万足から三万足程度。航空自衛隊の場合は、これも年度によって違いますが、三万から四万ぐらいのものを購入いたしまして、大体毎年この程度のものが廃棄になっているわけでございます。
○沢田実君 そうしますと、年間これだけ使っているわけですから、順繰り順繰りになりますので、毎年二十五万足ぐらいのものが廃棄される。それはいまお見せしたその程度のものが二十五万足廃棄されるのだ、こう理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(黒部穰君) そのとおりでございます。
○沢田実君 いまごらんになったくつは、廃棄したほうがいいとお考えですか。それとも、私たちは、この給与施行令を改正して、どうせそれを廃棄するなら、支給してやったらどうか、こういうふうにしろうとなりに考えるのですが、まだまだはけそうなくつを年間二十五万足もなぜ捨てるんだろう、非常に素朴な疑問を私は感じます。そのことについては御意見はどうですか。
○政府委員(黒部穰君) 具体的なものでちょっと御質問されても、私も判断のしようないわけですが、まあ部隊の訓練等によりまして、あるいは油がつきますと底が少しふやけてくるとか、水漏れがしてくるとかというようなこともございましょうから、大体まあ二十三万から二十五万足程度のものを毎年度買っているわけでございまして、その程度のものが毎年どうしても順繰りに廃棄されていると……。
○国務大臣(江崎真澄君) お説は、私も承りまして、確かに参考になります。まあわれわれの目も実際くつにまで行き届いていなかったわけですが、おっしゃる意味は、要するに、廃棄するぐらいなら隊員にくれてやったらいいじゃないかと、そうすればそれなりにまた使いようがあるだろうと、こういうことを言っていらっしゃる。これは私、検討しましょう。これ、せっかくですから、ちょっと拝借していきまして、やはり装備局長としてもいますぐ詳細を知りませんでしょうが、その経路等々についても調べまして、何も切り裂いて捨てるぐらいならやったほうがいいじゃないか、これは私わかるような気がいたします。至急調査いたします。
○沢田実君 同じように、被服類等もいろいろあると思いますので、一例をくつにとったわけでございますので、装備局長がそこまで全部わかっていることは無理かもしれませんが、実情を見ていただいて、あるいはどんなふうになっているのかを見ていただいて、あるいはいまお見せした品物はたまたま特別な理由でそういうふうにされたならまた別ですが、あなたもそれをごらんになって、大体こんな程度のものが二十五万足も廃棄されるとおっしゃっているわけですから、それは活用を考えていただいたら私はいいと思います。こういうようなことについて、会計検査院いらっしゃいますか。このよう状態で廃棄されているわけですが、それについて調査なさったことがありますか、あるいは今後調査をおやりになりますか。
○説明員(柴崎敏郎君) 私どものほうでは被服等の検査もやっております。部隊等に参りました場合には、必ず点検をすると、こういうことにいたしております。ただ、いまのお話は、私もまだ報告を受けておりませんので、初めて聞いたことでございます。今後その点について十分検査をしてまいりたいと思います。
○沢田実君 会計検査院のお話、具体的ないまのくつの問題はともかくとして、要するに二年過ぎれば廃棄されるんだということは、あなた方としては御存じなんですか。
○説明員(柴崎敏郎君) その点は承知しております。
○沢田実君 承知しておって、あなた方の検査の段階では、これはむだだと、これはもう捨てるよりも支給したほうがいいんじゃないかというようなお考えには達しなかったわけですか。
○説明員(柴崎敏郎君) 実際に部隊等で検査した者の感想と申しますか、考え方としましては、二年経過しても使えるものは、先ほど当局のほうでも説明がありましたように、また修理をするなり何なりしてお使いになる、まあこういうことで、経済的にはやっておられる、こういうことで、まあわれわれはその点を先生のおっしゃるような目では見ていなかった、こういうわけでございます。
○沢田実君 大臣、これは私はやめようと思いましたが、また問題が出ました。二年なら二年で廃棄するとばかり……。会計検査院の調査の範囲では、二年過ぎても使えるものはまた修理して使っておるようだ、こういうお話ですが、これはもうけしからぬ話です。そんなに使う必要はない。二年なら二年とおっしゃっているので、きめているなら――これが特別に二年という期間が不適当なら別です、だけれども、いろんな状況で二年ときめたんなら、二年使ったら、それをもっと修理して使われなくたって、そんなくつぐらいしれたものなんですから、もっといいものをはかしてくださることは私はけっこうだと思う。むだに廃棄しないで隊員にやるとかいうことを申し上げているんであって、もう継ぎのあたったものやら皮のあたったものを自衛隊にはかせろなんということを申し上げているんじゃありません。また、特に自衛隊に誤解を受けますといけませんので申し上げておきますが、どうも公明党は自衛隊に反対しているというふうな、そういう理解をされると非常に困りますので、私はそういうことを申し上げているわけではありません。自衛官に対する給与はよくすべきです。しかし、そういうむだがなくなるように、こう思うわけですので、いまの会計検査院の答弁も含めて、ひとつ防衛庁のほうで御検討いただきたいと思います。
○国務大臣(江崎真澄君) 私は沢田さんの御趣旨はよくわかるつもりです。捨てるくらいならやれと、そのとおりですね。全く合理的な話で、何も鋭利な刃物で切り裂いて捨てる必要はないと思うのですな。特にまあわれわれ年輩の者はもったいないという感じがありますし、しかも、いまおっしゃるように、継ぎはぎでやれということじゃなくて、捨てるくらいなら個人にやったらいいじゃないか、また、それが農家の出身なら親元へ帰るときにそれを持っていって何か野らで働くのに役に立つかもしらぬ、これは私検討の余地が大いにあると思います。そして、年々ちゃんと隊員に見合う数だけを購入しておる以上、事実上破棄されているというのはどうも推察できます。ですから、御趣旨に沿うように、これはやはり検討したいと思います。よくわかりました。これは御好意ある御質問と受け取っております。
○沢田実君 それでは次に移りまして、未確認事項についてお尋ねをしたいわけですが、防衛庁のほうでは、いろんな事情がございまして、すでに代金は支払いながらいろいろな都合で納品がおくれているというようなものがたくさんあるようでございます。会計検査院のほうでは、二年ほど前まで、われわれに対する報告の中にそのことが記載されておったわけですが、四十四年度の決算においては記載はされておりません。しかし、私がいただきました資料によりますと、四十四年度においても約二百億近い金額がすでに支払われながら納品されてない、こういうようなことがあるようでございます。普通私どもの一般の取引等においては、あるいは地方自治体等においては、考えられないことでございます。これは防衛庁の特殊なことだというぐらいのことは承知をいたしておりますが、昭和四十一年度の警備艦の建造費、これについてこれだけ支払っておるけれども、これだけまだ納まっていないとか、いろんな、航空機の問題についてもこういう問題があるとかいうようなことが具体的にあるわけですが、数年にわたって品物がまだ納まらない、中には国内で払ったものもありましょうし、アメリカに払ったものもあろうかと思いますが、要するに、金を支払いながらまだ品物が入ってないという事情は一体どうなっているのか、そのことについて説明をいただきたいと思います。
○政府委員(黒部穰君) ただいまの御質問にお答えする前に、ちょっと先ほどの半長靴について、私の見たところによりますと、すでに底がいかれておりまして、くぎ打ちで底を補強している形跡がございます。したがいまして、表の皮のほうはまだじょうぶのように見えますが、底がすでにまいっているということで廃棄にしたものではないかと考えます。
 それから、ただいまの御質問の点でございますが、たとえば艦船の場合は五年の継続費で御承認いただいておりまして、契約いたしましてから完成するまで五年かかるわけでございます。で、これは財政法上の継続費ということで御承認いただきまして、毎年度、毎年度支出してまいるわけでございます。航空機の場合は、種類によって違いますが、まあ一番多いのは三年ないしは四年度の国庫債務負担行為で御承認をいただいているわけでございまして、これは、先ほどもちょっとC1につきまして御説明いたしましたように、部品の生産から始まりまして最後に組み立てるということになります関係上、どうしてもまあ三年ないしものによっては四年かかるということでございますので、最終的な精算ができないわけでございます。なお、このほかに未精算のものといたしまして御指摘を賜わっておりますのは、米国からの有償軍事援助でございます。FMSと略号で言っておりますが、米国の有償軍事援助の場合でございます。これは全額前払いというたてまえになっております関係上、前払いしながら品物がまだ着かない、精算がついてないではないかということで、よく御指摘を受けるわけでございます。その理由といたしましては、このFMSの制度は、日本とアメリカのみならず、アメリカが相互防衛援助協定を結んでいる各国にも同様の制度をしいているわけでございますが、これは米軍で米国の需要のほかに諸外国の分を一括して発注すると安くなる、あるいは米軍が現在在庫品を持っている、あるいは米国で秘密のものにつきまして米軍の手でなければ渡してもらえない、こういうようなものにつきまして有償軍事援助という制度で日本の場合は米軍から品物を買うという場合があるわけでございます。ところが、発注いたしましたところ、実は米軍に現在在庫がないと、米軍自体の需要あるいは諸外国の分と合わせてこれから発注してそれででき上がったら供給しましょうというようなケースがあるわけでございます。まあこういうことで、現実には契約し前金も払っておるというのに生産がおくれておるという事例が多いわけでございます。
○沢田実君 いまの御答弁で、抽象的にはそのとおりだと思うわけですが、もう少し具体的におっしゃっていただかないとわかりませんので、ひとつ事例をあげて御説明いただきたいわけですが、私の手元にありますこの資料は昭和四十五年の九月三十日現在での資料でございますが、その後のものはまだいただいておりませんので、四十五年の九月三十日現在で昭和四十一年度甲U型警備艦建造費というのについてどういうものが一体まだ納まってないのか、いつ注文してどうしてそんなに長くかかっているのか、これも有償軍事援助にかかるものと書いてありますが、アメリカに発注なさったものだろうと思うんですが、もう少し具体的な内容について納得のいくように御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(黒部穰君) 四十一年度甲U型警備艦は「ながつき」でございます。おそらくお尋ねの件はこれに載せる電波探知装置のことではないかと思いますが、あるいは間違っておりますればまた訂正いたしますが、もしこの電波探知装置の場合のお尋ねであるといたしますれば、これは「ながつき」に搭載予定で四十二年十月十四日に契約いたしております。当初見込みの時期は三十六カ月で四十五年十二月に納入されるものと期待しておりましたが、米国側の事情によりまして当初予定よりおくれまして、四十六年五月に米側が出荷になりまして、四十六年の七月末に入手いたしております。
 〔委員長退席、理事中尾辰義君着席〕
○沢田実君 ちょっと私お聞きしているのと内容が違うんでかみ合わないんですが、私がいま申し上げています四十五年の九月三十日現在の防衛庁の残高を見ますと、一千六百三十万三千六百八十円、こうなっておりまして、弾薬の購入代金と書いてあります。弾薬の購入代金として前払いしたもので未納入である。いまのは電波兵器というお話ですが、電波兵器や何か高度のものでしたら時間がかかるとか何か考えられますが、弾薬の購入代金で長い間かかっているというのは一体どういうわけですか。
○政府委員(黒部穰君) 艦船に載せます弾薬のうち口径の大きいものにつきましては、調達数量も少ない関係上、米国側から買っているものもございます。あるいはそのような事情ではないかと存じますが、直ちに調べて後ほど答弁さしていただきます。
○沢田実君 弾薬については、アメリカでなくちゃできない、まだ日本ではできないというような特殊なものがあるわけですか。
○政府委員(黒部穰君) 弾薬のうち五十四口径の五インチ砲の照明弾のようなものは、国内では調達数量が少ないものですから、米軍から買うというふうなことをやっております。
○沢田実君 それはアメリカでは何年もかからないと製造できないものですか。
○政府委員(黒部穰君) そのようなことはございません。そのようなことはございませんが、まあたまたま在庫があると非常に安く調達できるというような事情があることは、先ほども申し上げました。それからまた、弾薬を運ぶ場合には、通常の商船では運べないので、何かの便、たとえば米側の船がこちらへ来る場合に載せてもらうというようなこともございまして、船便を待つのに相当の時間を要するというような事情もございます。
○沢田実君 時間がありませんので私詳細をあげてあれしませんので、あなたも中途はんぱな答弁をなすっていますけれども、私はそんなものではないと思う。なぜなら、前の年度とこのいま申し上げた年度を比較してみますと相当に減っておりますので、防衛庁がその点について努力しておることはよくわかる。しかし、四十一年度がまだこうして残っているのは一体どういうわけなんだ。私は、四十一年度の甲型警備艦について、一千六百三十万も払ってあるけれどもこういうわけでまだこういう種類の弾薬が入ってこないからこんなになっているんだということをもう少し具体的におっしゃってくれなければ、あなたのお話ですと全然納得できない、それじゃ。船が特殊なものでなければ運べないなんという、そんなことはもうわかり切っているけれども、そんなこと三年も五年もかかるのですか。
○政府委員(黒部穰君) すべてそういうことわかり得るわけなんでございますが、本日は御質問がその点であるということを承知していなかったものですから、資料を用意しておりません。
○沢田実君 昨日お問い合わせがありましたので、私は未確認事項についてお尋ねをいたしたいと申し上げておきました。これは会計のほうでは未確認事項と言っているのですが、防衛庁のほうでことばが違っていれば通じなかったかもしれませんので、そんなことをここで議論しておってもやむを得ませんので、それについては後日また御回答をいただきたいと思いますが、大臣、こういうわけでこのアメリカの有償援助――金を払って何が援助だと言いたいんだけれども、あるいはさっきお話しのように特殊な高度の技術のもので日本ではできないからどうしてもアメリカから援助を受けなければならないということも、それは若干考えられないことはないと思いますけれども、ずっとお聞きをいたしますと、若干国内のを除きましても、私の概算では二百億近いほどの金を何年も払って、そうして現物が入ってこないというような、こういうやり方を続けなくちゃならないのか。日本とアメリカとの関係が、これほどこちらが頭を下げて行かなければならないのか。その辺の日米関係の、アメリカの軍と日本の自衛隊との関係というものは、こんなにまで、金を前に払って何年たっても品物こない、請求もできない、そんな関係にあるのが、私は非常に疑問です。この点について大臣のお考えを承りたいと思います。
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘のとおりであるとすれば、やっぱり私問題があると思います。これはひとつ十分調べまして、また御返事を申し上げたいと思っております。
○沢田実君 それでは、調べなくちゃわからないことばかり聞いておったんでは申しわけありませんので、調べていただかなくてもわかることをお聞きしたいのですが、昭和四十四年度の決算の説明、その中に防衛庁の関係のところがございます。四十四年度の決算の説明のところを見ますと、ページは一一二ページになりますが、お持ちになっていらっしゃいませんか。これは大蔵省の主計局から出ておりますけれども、原稿は防衛庁でつくっていらっしゃるはずですから、内容はおわかりだと思います。それを見ますと、時間がありませんから簡単に申し上げますと、要するに、支出済みの総額が記載されておりますが、その中に翌年度繰越額というのがございます。これは十二億四千百五十六万六千円、こういうような金額が掲載されてあります。それの説明がございます。その説明の中には、「翌年度繰越額は装備品等の輸入及びアメリカ合衆国からの有償供与品の引渡し並びに施設整備に関する計画又は用地の取得等に不測の日数を要したこと等」というふうな説明があります。ちゃんとここにアメリカ合衆国からの有償供与のためと書いてあります。四十五年度の同じ説明を見ますと、アメリカの有償供与のためだと書いてありません。同じように有償供与はこちらのほうにはあるようでございますが、なぜこういうふうに説明をお変えになったのか承りたいと思います。
  〔理事中尾辰義君退席、理事小谷守君着席〕
○政府委員(田代一正君) たしか、おっしゃるように、四十四年度は翌年度繰越額が合計で十二億ございますが、まあ施設整備費が一番多くて六億五千万円でございますが、その他に装備品等につきましてもございます。その中でFMSの関係が二億一千九百万ございます。そういうことで、特に四十四年につきましてはFMSの関係をあげたということかと思いますが、四十五年につきましてはこのFMSの関係が二千万ございます。そういうことで、非常にウエートが小さくなったということでもってそういう説明に変えたというぐあいに了解しております。
○沢田実君 そうしますと、私、先ほど来四十五年の九月三十日現在でいろいろ質問しましたが、これはもうその後の一年間で相当に変わっているんだ、ほとんどアメリカとの関係については納品されているのだと、こういうことですか。納品されていないのは二千万しかないのだと、こういうことですか。
○政府委員(田代一正君) ただいまおあげになりました支出済み歳出額と申しますのは、これは当年度の歳出予算で払ったと、それが払いが年度を越えたという分でございます。したがいまして、先ほどから問題になっておりましたFMSの関係で非常に納品がおくれているという問題とは違った問題かと思います。
○沢田実君 そうしますと、私が申し上げたのは、前からの継続で残っている分、いまあなたが御説明になったのは、四十五年度としては二千万しかそういうものには払っていないと、こういうことでございますね。
○政府委員(田代一正君) つまり、FMS関係で予算四十四年度の歳出では幾ら払おうか――支払いのほうですよ――と思いましたところが、それができなくて年度を越えて払ってしまったということですね、そういうことを私は申し上げております。払ったあとで物がいつ入るかということはまた別問題です。
○沢田実君 要するに、四十四年と四十五年を比較しますと、FMS関係の繰越額というものは非常に減ってきたのだ、だから説明には入ってないのだ、こういうことですね、そういうふうに理解をいたします。そして、それがちゃんと証明できるような、先ほど質問しました各項目についての具体的な数字をひとつ資料として御提出をいただきたいと思います。それからまたお尋ねをいたしたいと思います。
 次に、この問題について会計検査院にお尋ねをしたいのですが、私の手持ちの時間が過ぎましたので、簡単にお尋ねをいたしますが、要するに、二年前には未確認というものをちゃんと報告に出しておったわけですが、最近は出ておりません。その理由について御説明をいただきたい。
○説明員(柴崎敏郎君) 私どもが検査をいたしまして決算の確認をいたします場合に、たとえば防衛庁の艦船とか武器のようなものの購入について申しますと、前金払い、概算払い、こういう例が非常に多うございます。それで、従前は、それらのもので精算が済まないもの、これについて未確認ということで検査報告の末尾に掲示しておったわけでございます。その取り扱いを二年ほど前から変えたわけでございますが、その経緯は、従前、戦後防衛庁の創設当初の検査におきましては、艦船なり何なりそういった装備品につきましての検査が私どものほうとしましても非常に未経験で、未熟なところもございましたし、また新技術の導入といったような点もありまして、たとえば前金払いをいたす場合には、その前に契約があるわけでございますが、その契約の内容なり、あるいは前金払いという経費そのものの当否ということにつきましては、その後の実行なりといったものをずっとトレースで見ていきませんと、なかなか判断がつきかねる、こういったような面が実はございまして、そういう意味合いにおきまして、なお今後も、それらの契約の内容なり、前金払いにしたという事実、経緯そのものについても、今後当否を判断する余地を残しておこう、こういう意味で未確認ということで掲示をしていたわけでございます。その後、こういうことを申しますと、はなはだおこがましいのですが、私どものほうの検査の経験もだいぶ積んでまいりました。それから、いままでの検査の実績からいたしましても、それらのものを未確認に残しておきましても、それについて特に後日問題があったというようなこともなくなってまいりました。そういうような経緯を踏まえまして、二年ほど前に、ほかの役所と同じような扱いにしようということで、未確認という取り扱いを防衛庁についてもやめたわけでございます。しかし、やめましても、その後のたとえば納入とか、精算とか、そういうことについては従前と同じように引き続いて見ていく、こういう点は全く違いがございません。また、かりに前金払いなりあるいは契約の内容当初にさかのぼった点について何かの問題があった場合に、これはよくよくの場合でございますけれども、そういう場合には、私どもとしましては、年度をさかのぼって検査をするという権限を持っている、このように理解をしておりますので、他官庁と同じような取り扱いにして検査上支障がないであろう、こういうような趣旨からその取り扱いを変えたわけでございます。
○沢田実君 会計検査院としては、わからなくなるなんていうことは私は考えておりませんが、国会に対する報告書から削除なすったわけでしょう、だからどういう理由で国会に対する報告書を削ったかということなんですよ。あなたのような御説明ですと、いままではあとから納品された場合でもチェックせんならん問題だから書いておきました、いまは会計検査院のほうの体制ができたのでその要がなくなりましたと言われますが、あなたのほうはなくなったかもしれないけれども、こっちでは知りたい。特に、防衛庁のように数年間にわたってこういう問題があるということについては、国会としてのわれわれとしては知りたい。何十年やり続けてきたことをなぜおやめになったのか、もう一度検討して、この防衛庁の未確認事項については再度国会に対する報告書に記載する、こういうふうに御答弁いただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○説明員(柴崎敏郎君) この点は、実は私一存でもこの席でお答えいたしかねる問題でございますので、持ち帰って検討さしていただきたいと思いますが、先ほども申し上げましたように、この取り扱いは、他官庁と全く同じ扱いにしたと、こういうことで、別に他意のある取り扱いとは考えておりません。その点、御理解いただきたいと思います。
○沢田実君 あなたは他意がないとおっしゃるけれども、こっちは他意があると思っている。それで、ひとつ持ち帰って院長とも御相談いただいて、結論を出していただきたいと思います。
 それから、防衛庁長官、こういうわけでいろんな問題がございますが、会計検査院でも不当事項というのは防衛庁については一件も指摘していない。ほんとうに不当事項がないのかどうか、私は疑問です。あるいは、そこまで防衛庁のほうが技術が進んでしまって、会計検査院が追いつかないのかもしれませんけれども、しかし、私は、いつも問題になっておりますように、防衛庁の予算の執行については国民から疑惑を招かないようにしていただかなくちゃならぬと思います。時間の関係がございまして、ほんの一部の例をあげただけでございますが、どうかひとつ今後も、防衛庁の予算の執行についての――あるいはいろいろないま四次防問題をめぐっての問題がございますが、再三防衛庁長官としてのお考えをおっしゃっておりますけれども、特にきょうは決算としての問題でございますので、その点についての長官としての決意のほどを承って、私の質問を終わります。
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点は、私にとりましてもたいへん参考になります。十分慎重に対処いたします。
○理事(小谷守君) 午後一時再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三分開会
  〔理事小谷守君委員長席に着く〕
○理事(小谷守君) 委員会を再開いたします。
 昭和四十四年度決算外二件を議題とし、休憩前に引き続き質疑を続行いたします。御質疑のある方は順次御発言を願います。
○大橋和孝君 本日は、決算委員会の厚生省の部で、私は一応、最近新聞にも大きく取り上げられております厚生省の試験研究機関の移転の問題を中心にして、国の研究機関のあり方、あるいは将来の方向、位置づけなんかについて少し御意見を伺いたい。関係各省に質問したいと思います。
 まず第一番目に、厚生省から、現在問題となっているところの国立の予防衛生研究所、それから国立の公衆衛生院、国立の衛生試験所、国立の栄養研究所、この四機関につきまして、これを筑波の学園に持っていこうとしておるわけでありますが、そもそもこの発端から現在に至るまで、その経過をひとつ詳しく聞かしてもらいたい。今後の見通しについても詳しくお願いをしたいわけでありますが、これにつきましては、厚生省と、あるいは文部省、あるいはまた学園都市のいわゆる主都圏整備委員会、こういうところからひとつこれに触れて御報告願いたいと思うんです。
○政府委員(高木玄君) 厚生省関係の試験研究機関の筑波研究学園都市の移転問題につきましては、四十二年の閣議了解におきまして、移転の予定機関として、栄養研究所、予防衛生研究所、多摩研究所、がんセンターの一部という四つをあげておったのでございます。厚生省関係は、この移転計画が後期、つまり四十八年から五十二年までの後期に属しておりますので、当時この閣議了解になった機関等を中心に、また省内の科学技術参事官を中心に検討を進めてまいっておったのでございますが、いよいよ時期も切迫してまいりましたので、昨年十二月に省内に事務次官を長といたします筑波研究学園都市移転対策推進会議というものを設けまして、本格的な検討に乗り出したわけでございます。その際に、四十二年の閣議了解になっておりましたものも一応白紙に戻しまして、その後事態のいろいろ時間の経過等による変化もございますので、白紙に戻しまして、厚生省の全試験研究機関――全部で九つございますが――につきまして、あらためて筑波に移転する対象の試験研究機関としてどういうものを選ぶかというものを検討いたしたわけであります。その際、検討の基準といたしまして、まず今後研究を推進するにあたって広い敷地面積なり施設の整備を必要とする試験研究機関につきましては、筑波に移転することによって研究の強化をはかりたいという考え方が一つございます。それから第二番目に、既存の臨床機関の業務と一体化した運営が特に必要な研究機関は移転対象からはずす。この既存の臨床機関、特定疾病についての既存の臨床機関と一体的に業務を行なっておりまする研究機関と申しますのは、多摩研究所、それからがんセンター、精神衛生研究所、これらのものは移転の対象からはずすということを一つきめたわけであります。それからさらに、社会科学系統の試験研究機関は移転のメリットがございませんのでこれも除外するということで、人口問題研究所、病院管理研究所は移転の対象からはずしました。したがって、残る、先生先ほど申されました公衆衛生院、予防衛生研究所、栄養研究所、衛生試験所、この四つにつきまして一応移転の対象機関として考えるということで推進会議において検討し、また、それらの試験研究機関の長をはじめ、おもだった方々との懇談を重ねて検討してまいっておるというのが現状でございます。
○大橋和孝君 そういうことをきめるまでに、厚生省としては、非常に、一定の考え方を持っていなかったわけですね。どれを送るかということを非常にいままであいまいな態度をしておったということが、非常にいまとなっては大きな疑惑を持つ観点になってきているんじゃないか。なぜ、もっとマスタープランをしっかり持って、こういう問題の取り上げ方をしないのか。あとから私詳しくそういうことについて分析をして聞いていこうと思いますが、そもそもこの四機関をこちらへ移そうというときに、その研究者なりあるいは機関の長に対しては、もっとなぜ了解がいけるようなことを話さなかったのか。あなたのほうではこの研究機関をここに集めることによってどういうメリットを考えておるのか、デメリットのほうが多いのじゃないかと私は思うのですが、その点どうですか。
○政府委員(高木玄君) 確かに、当初四十二年に移転予定機関をきめた当時以後、この問題についての厚生省の検討が不十分であったという点は言えると思います。そこで、先ほど申しましたように、一応移転によってメリットが考えられるという四つの機関を選びまして、この移転のメリットというもの、あるいはデメリットというものをどう評価するかということで検討を進めてまいっておるわけであります。これらの研究機関がもし移転したとなりますと、筑波に厚生省の研究団地ができるわけでございますが、その場合に、たとえば実験動物の飼育、あるいは共同のコンピューターを導入した計算施設、あるいは共同の図書館、そういったものが厚生省の研究団地に持てるという点が非常に効率的でメリットもあり得るのじゃないか。また、現在試験研究機関の建物等を考えてみますと、たとえば予防衛生研究所にいたしましても、栄養研究所にいたしましても、施設が非常に老朽化いたしております。そういった諸施設の更新ができるという点が一つございます。もちろん、先生おっしゃるとおりに、デメリットもございます。それらのメリット、デメリットを比較して検討しておるという実情でございます。
○大橋和孝君 ちょっとここで大臣に伺っておきますが、この移転の問題に対しては、どうしても移転するという腹でありますか。それからまた、この研究者並びに機関あたりに対して一体意向を一むしろ中央のほうから、いわゆる厚生省のほうから命令的に移転をさすという考え方なのかどうか。その二点だけを簡単に聞いておいて、それからあと話を進めます。
○国務大臣(斎藤昇君) 筑波研究学園都市に研究機関を集中するということは、各研究機関相互の間に非常に便宜な、研究も進むということからの発想であろう、かように考えます。したがって、その発想に適合する限りにおいては、移転をするのが適当である。しかしながら、必ずしもそうでないという面については、よほど慎重な考慮を要する、かように考えております。いま申しましたように、したがって、科学技術の基礎研究に属するようなものは、他の関係省の研究機関とも関連が多いわけでありまするし、今後そういうものも拡張しなければならない、そういうものはどうしても行ったほうが将来を考えていいのじゃないか。ただ、日常的ないろいろな研究者が集まってやらなければならぬというような問題については、大いに考慮を要する。各研究機関の意見も慎重に聞いております。先般来からも聞いておりますので、これらの意見も聞いて、そしてやりたい。ただ、一般に言われているように、あそこへ行くと不便であるとか、あるいは子弟の教育にぐあいが悪いとか、こういうことはどこの分野にもあるわけでありますから、そういう理由では困りますよ。そうでなくて、研究そのものが進むか進まないかどうかということで判断をしていきたい、かように思っておるわけでございます。
○大橋和孝君 大臣のおことばの中で、まだいろいろ話を詰めなければならぬことは、またあとからお伺いいたします。
 官房長のほうにちょっとお話をするのですが、この移転の問題はあなたのほうでいろいろあれしておられるという御答弁ですが、これは一体いつごろまでにするんだという規定があるのですか。たとえばタイムリミットをきめると、こういうようなことは相当考えておられるのかどうなのか。それからまた、いままで非常にあいまいな態度をとってきたことが、非常に疑心暗鬼を生んでいるわけです。そういうことからいえば、いろいろな話し合いを主体に置いて、もう少しほんとうに研究者なり、あるいはまたその機関の長あたりがほんとうにこういうふうにやったほうがいいという気持ちにさせないと、私は根本的な問題からいって――大臣最後にお話聞こうと思うけれども、大事な研究というのはたいへんだろうと思うのですね。食品の問題だって、公害の問題だって、いろいろな問題があると思うんですよ。いま国民大衆は非常にこういう研究機関に対して期待を持っているので、もっとやってもらいたいと言っているのです。そういったことに対して、こんなことで、ほんとうにみんなの者になるほどという気持ちを持たしてやらなかったら、それは研究に対して大きなデメリットがあるわけです。何ぼ建物をりっぱにしたって、横の連絡がいいといったって、ほんとうにやる人がやりにくい状態にしておいたらだめなんだから、こういう研究機関というものは、ただ押しつけたような形ではできないわけなんですよ。それに、いままでずっと調べてみたけれども、いろいろなことをやって、一転、二転しているわけですね、中の決定なんかも。そしてこういうふうになってきましたというやり方なので、もう少し私は、こういうことをやるためには、少なくとも首都圏でやろうと考えておる整備に対して、どういう考え方でもってどうやっていくんだという根本的なものがはっきりしてなかったら、一番これがいろんなトラブルのもとになっていると私は思う。しかも、時間が迫ってきているからやらざるを得ぬというような押しつけ方では、ますます紛糾、また疑心暗鬼を生み出すものだと私は思うんだが、この点は十分ひとつ配慮をしてもらわなければいかぬということが前提になると思うのです。この点大臣どうですか。
○国務大臣(斎藤昇君) 大橋委員の御意見は、私はごもっともだと思っております。
 厚生省の移転計画は第二期のほうに入っておったものですから、したがって、いままではまあまあということで進んできたと思います。しかし、第二期も追ってまいりましたから、少なくとも今月中には基本的な態度だけはきめるということをしなければならない、かように思っております。しかし、実施は第二期になりますから少し延びますけれども、今月中に基本的な考え方をきめて、そして全体の計画のこともありますから進んでまいりたい、かように考えております。
○大橋和孝君 それじゃ、首都圏整備委員会のほうに少し御意見聞きたいと思うのですが、この委員会では、いわゆる筑波研究学園都市計画、こういうものについて、現在までにどのような程度でどの計画がどういうふうな形で進行してきているのか、特に厚生省の四機関移転についてはどう考えているのか、厚生省との交渉の状況も含めて、計画の進行状況がはっきりするように一ぺん説明してもらいたいと思うのです。青写真があったら、青写真を示してください。
○説明員(北川博正君) 建設推進の経緯でございますが、まず昭和四十二年の九月五日に研究学園都市の建設について閣議了解がございました。その閣議了解によりまして、研究学園都市に予定機関として三十六機関というものを決定したわけでございます。この建設移転機関の決定を踏まえまして、四十四年六月十三日、ここでどういう機関をいつまでに整備するかということをきめました。すなわち、四十四年六月十三日の閣議決定は、建設の期間を一期と二期に分けまして、昭和四十三年度を初年度といたしまして四十七年度までを第一期、四十七年度から五十二年度までを第二期といたしまして、この間に筑波研究学園都市の建設を実施するという決定がなされたわけでございます。
 それから、昭和四十五年の七月――実はこの研究学園都市に関しましては、各省庁の事務次官からなります筑波研究学園都市建設推進本部というのがございます、ここで実際的に、今後筑波研究学園都市に関します幾つかの建設計画、用地問題、あるいは移転問題等につきまして行政的な決定をいたしておるわけでございますが、この機関が、四十五年七月二十二日に、研究学園都市建設計画の大綱、公共公益事業等の整備計画の概要、それから移転予定機関等の移転計画の概要、この三つについて早急にきめましょうということをまず申し合わせたわけでございます。この申し合わせに基づきまして、四十六年二月十九日に、やはりこの推進本部におきまして、まず建設計画の大綱を決定いたしました。同時に、公共公益事業等の整備計画の概要をその日に決定したわけでございます。残ります移転計画の概要の決定でございますが、これはまだ移転機関全般についてきまっておりません。したがいまして、早急にこれを三月中、本年度内に極力きめたいというふうに考えておるわけでございます。なお、この移転計画の決定にあたりましては、各省の間で生活環境の問題点についていろいろときめていこうということで、まず最も問題になりました宿舎の問題、それから給与の問題、この解決を急いだわけでございます。これによりまして、四十六年の七月、公務員についての宿舎を、原則といたしまして、世帯者には三DK、それから主任研究者等につきましては三LDKというような貸与をすることを決定したわけでございます。なお、給与につきましては、八月十三日人事院勧告がございまして、筑波研究学園都市移転手当という新しい制度を設けることを勧告がありました。それに従いましてその給与法の改定を行ない、四十六年十二月に移転手当につきます人事院規則が定まったわけでございます。このように移転に関連します幾つかの問題を逐次処理しつつ今日に至っているわけでございますが、厚生省の問題につきましては、現在、四十二年の閣議決定におきます三十六機関、これに関連いたします各省庁の移転機関は、厚生省以外の各機関につきましては決定いたしました。その関係で、移転計画の概要をつくるにあたりましては、早急に厚生省の関係の移転機関をきめていただきたいという申し入れを行なっております。この申し入れに基づきまして、厚生省でも鋭意御検討中とのことでございます。この厚生省の移転機関が決定いたしますと、それに関連します移転計画の概要の策定が可能であろう、こう考えておる次第でございます。
○大橋和孝君 いまの話を聞いていると、おざなりのさらっとしたことを、進められたことを言うだけで、一体こういうことをやって、各機関をここへ収容しようとする整備委員会としては、どういうマスタープランと青写真を持ってやるのかどういう機関に対して一いまあなたのおっしゃっているのは、三十六機関を入れるというわけだが、三十六機関をどういうふうな規模で、どういうふうにして入れていくんだ、どういう将来展望があって、ここへ入れたらこれだけりっぱになる、あるいは人員はこれだけふえる、研究費はこれだけふえるという展望がなかったら――これは、こんなことを経過的に、事務的に進めてきたら、国民が聞いたらたいへんだと思うんです。こういうかってなものをきめてしまって、それでここへ行った機関がますますやりにくくなってしまったら、あなたのほうでいいかげんなものをつくってこれを当てはめていくということは、これは大きな罪悪になると思うんです。大きな国費を使用する上においてもたいへんな問題になるわけです。しかし、あなたはこれをきめて、こういう段階まで進めたからには、ここへ集める三十六機関にはかくかくしかじかのものをつくりますというプランがなければ私はいかぬと思うんです。それはどうですか、はっきりしてください。
○説明員(北川博正君) まず、その官庁の移転予定地でございますが、全体で千四百九十八ヘクタール――約千五百ヘクタールの用地を準備してございます。現在各機関の全体の現有面積が約四百四十ヘクタール程度だと思いますが、三倍強の用地を予定しておるわけでございます。
 なお、この筑波研究学園都市を住みよい都市にする意味におきまして、たとえば道路におきましても、東大通り線、西大通り線、あるいは土浦‐学園線、あるいは土浦‐野田線、主要な道路を考えております。なお、東京からと筑波学園との関連につきましては、現在常磐自動車道というものを計画しておりまして、本年から用地買収が考えられております。約四十四億の予算をもちまして、用地買収あるいは建設を来年度行なうという計画になっております。なお、それにつきましても、学園内の問題につきましても、たとえばいまの道路でございますが、東大通り、西大通りという線は、中心市街地間のところにおきましては幅約五十メートルという規模を考えております。その道路も、車線数が四車線、それから自転車道、あるいは歩行者道というような道路を考えて……。
○大橋和孝君 何かそういうふうなことで一ぺん私は詳しく聞こうと思ったが、時間が一時間しかないですから、この問題は資料を出してもらって――何メートルの道路もいい、もちろんやってもらわなければならぬが、いま私が言ったように、三十六機関をどういうふうなプランでおさめて、どういう計画で、また人員はどうして、そしてどういうりっぱなものにしていくという、そういう事柄が詳しくわかるように綿密な資料をひとつ私に出してください、いまあなたの考えておられる。これこれ、だからして私のほうはここへ三十六機関を集めるんですと、こういうことが言えるような、納得ができるような資料を出してください、できますね。
○説明員(北川博正君) わかりました。
 なお、施設計画につきましては、科学技術庁のほうにお願いして、各種施設計画は……。
○大橋和孝君 科学技術庁のほう、それは出ますか。
○理事(小谷守君) 科学技術庁は見えておりません。
○大橋和孝君 厚生省のほうの四機関について、とこへおさめられるというのは、首都圏整備計画の中でいろいろなプランを立てても、それがいまと同じような状況で四機関をここへ移したとしたらどういうふうなことになるというやつを、プランをひとつ詳しく書いたやつを資料として出してもらいたい、よろしいですね。
○政府委員(高木玄君) 厚生省の研究団地として割り当てを受けておりますのは十五万坪でございます。その十五万坪の中に、環境庁が現在新設を計画しておりまする公害研究所を入れるということで話が進んでおります。現在、公害研究所は、要求としては、十万坪の土地が要るのだという要求を出しているようでございますが、まだどの程度の敷地を要するか最終決定に至っていないようであります。
 で、厚生省につきましては、先ほど申しましたように、四機関につきまして、目下、移すかどうか、移転するかどうかの検討中でございまして、まだそういう具体的なプランを作成するところまでには至っておらないのが現状でございます。
○大橋和孝君 それじゃ、移すか移さないかということを決定するにしても、何か展望がなければ、その移そうという話にもならないと違いますか。それがまだ何にもわからなかったら――移そうとか移さないとかということのそれが議論の前提じゃないですか。それで、こういう観点からいって、少なくともあなたのほうが移すという観点で……。今月一ぱいでしょう、これ。そういう時点になって何にもなくて、それがまだわかりません、何にもありません、けれども移すのです、これでは話がちょっとおかしいじゃないですか。それからまた、いまあなたのほうの十五万坪のうち十万坪は環境庁のほうで使う、そうするとあと五万坪でしょう。いままでの四機関の要求があるのが五万坪ぐらいになるのと違いますか。それが二倍、三倍にもなりますか。そういうことから言いますと、もう少し将来を展望した計画の中でこれを移そうか移すまいかということを議論しなければ、そういうこと自身、あなた自身の答弁が、これは非常に不安なものを生みますよ、私の聞く側から聞けば。まだプランがないという。しかし、三月三十一日までに返事しなければいけない。タイムリミットがある。何にも考えてもいないのに、移そうと思います、そういうようなことでは、あなたのほうはほんとに怠慢だとは思いませんか、そういうやり方は。
○政府委員(高木玄君) 現在の四研究機関が現在使用いたしまする土地の総計は三万坪でございます。先ほど申しましたように、公害研究所十万坪とまだきまったわけではありません。これは、その環境庁の要求がそうなっているということで、これが七万坪になるか、何万坪になるか、まだきまったわけではございません。そして、私どもとしましては、試験研究機関の方と何度もお話し合いいたしまして、移った場合の青写真を共同して描いてみようじゃないか。たとえば、どういうような共同の利用施設をつくればいいかということを提案いたしまして、これは私どもだけが描いたのではしようがありませんので、試験研究機関の方々にも御参加願って、そういう青写真を描こうじゃないかということで話し合いをいたしておるのでございますが、その前に、入り口と申しますか、移るか移らぬかというところで、論議がそこのところでとまっているというのが現状でございまして、まだ試験研究機関の方々の御参加をいただいてそういう青写真を描くという段階に至っていないという意味でございます。したがいまして、科学技術参事官室のほうで描いた青写真というものはございますから、これは御提出できると思いますが、これには当該試験研究機関の方々の意見が入っておりませんので、この科学技術参事官室のほうでただつくったというだけの青写真でよろしければ提出できると思います。
○国務大臣(斎藤昇君) ただいま官房長がいままでの経過を申し上げましたが、いままでできておるものをお目にかけても、私は、いたずらに混乱するだけと、かように思います。したがいまして、月末までに基本方針をきめまして、そしてそれに基づいた、大ざっぱであるかもわかりませんが、青写真をきめたい、かように思います。したがって、いま、四機関全部であるか、一部であるかということをここで申し上げることは、いろいろな関係もありますし、私は必ずしも全部移さなければならぬとも考えておりません。先ほど申しましたように、基礎的なものとして、そこへ行ったほうが将来研究を進める上に非常によろしいというものをまずいたしたい、向こうへ行ってもかえってデメリットが多いというものについては取りやめるということも中に含めて考えたいと、かように考えておりますから、したがって、いままでできておったという青写真は、これはお目にかけても混乱するだけだろうと思いますから、御了承いただきたい。
○大橋和孝君 大臣がそれを示すことが非常に混乱するという御判断ならば、私はしいてそれを云云とは言いません。がしかし、少なくともこれは一つのたたき台になるわけだから、あなたのほうでその計画されたのはたたき台になるわけでしょうから、そういうことからして、私は、はっきりそういうものを示しながら話をしないと、何もやみくもの話じゃ、これはなかなか進まないだろうと思うのです。特に、私はついでに聞いておきたいのは、先ほどもだれかから説明があったように、ここでは推進会議というものをつくられたわけですね、次官がトップになって。そして、これは昨年の十二月に厚生省の中でおつくりになったようでありますけれども、その中にはこの機関の長も入っていないわけでしょう。それからまた、その研究者の代表なりだれかなりも、研究陣が加わっていないわけですね。なぜこれは加えないのですか。これは加えたほうがかえってスムーズにいくのじゃないですか。そして、お互いにほんとにそこで話をし合って、そして私は、よろしいということでみんなが納得できれば、これは相手が必ずしもあれじゃない、専門家ですからね。だから、特にそういう方々の意見をくまなかったら、内容のしっかりしたものにならぬわけですよ。そういう意味から考えたら、私は、この推進会議のただの弱点をさらけ出すばかりじゃなしに、やはりそういうようなことを討論する内容が必要だろうと思う。
 私は、大臣にことばを返すわけじゃありませんがね、それはリミットは今月一ぱいにきめられたと、それは話しておるのだといっても、いままでの話し方は、私の聞いた限りでは、組合のあたりでも、あるいはまたそういう研究者のあたりで横の連絡の会議なんかをつくっておられるようですね。そういうところあたりでも、初めはやっぱり柔軟な姿勢で、それがほんとにいいかどうかということで、必ずしも反対という気持じゃなしに参画しておられたわけですね。それを、あなたのほうの運営のしかたが比較的民主的ではなくて、自主性をおびやかすような形でおっかぶせていくものだから、そんなことをやられたら反対だと、こうなってくるのですよ。いままで私があちらこちらで聞いて調べた範囲内で、私の受けとめ方では、むしろ厚生省の運び方が、あるいはまた首都圏整備委員会の進め方が、そういうプランなりそのものをちゃんと示して、こういうふうにしてよくしていこうじゃないですかと、そうするためにはどうしたらよろしいか、あなた方の意見を聞こうじゃありませんかという、そういう民主的な運営がされず、いま私のほうはプランを持って進めているのだと言えば、厚生省でも、こうやって話を進めていかれるからには、何にもなしではないんで、やっぱりプランを持っておられた。そうなってくると、この間に大きなギャップができてくるのは私は当然じゃないかと思うのです。そういう意味で、これはひとつ、大切な問題です。私はやっぱり、四機関を加えてほんとうに民主的な話をして、みんな機関に働いている研究者あたりも、また厚生省でそれを見ておられる方も、あるいはまた首都圏でこういうことをやろうとして計画しておられる方々も、なるほどなあという、そういうところに達して初めていいわけなんで、そのタイムリミットを三月一ぱいというようなことをやるのは、私は非常によくないことだと思うのですが、その点どうですか。もっとそういうタイムリミットをはずしてしまってもう少し話し合うことに対しては、そう支障はないわけでしょう。いま大臣の話を聞くと、まだそこへ何機関を移すのかということもきめてないということなら、これからもっと話を進めて、ほんとうに行く人たちがそのほうがいいと思って行けるような形につくっていくほうが、私はこれからの移転がかえって早いのじゃないか、強引に押していけばよけい遅延するのじゃないかと思うのです。その点はどうですか。首都圏整備委員会のほうの考え方もだいぶ大きく影響しますし、厚生大臣のほうのお考え方も響くと思うのですが、その根本的なところをひとつ聞かしてください。
○国務大臣(斎藤昇君) 三月一ぱいと申しますのは、首都圏整備委員会のほうから、まあ三月一ばいに大体閣議でまとめたいということでございますから、それに間に合うようにいたしたいと、こう思っております。
 いまおっしゃいますように、推進会議の中に四機関が入っていなかったいきさつは、私はよく存じませんけれども、とにかく各機関の長の意見を十分聞く必要があるというので、各機関の長からそれぞれの意見を出してもらい、機関の長を一堂に集めて一日ゆっくり話を私自身聞きました、みんなと一緒に。それをもとにいたしまして、大体いま私どもの構想しておりますようなことなら、四機関もそれぞれなるほどということになってもらえるであろうという予想で進めております。したがって、ただ、さきにも申しましたように、家庭生活の上でどうだとかこうだとかいうことが先に立っては困ると、組合の人たちが来て移転反対というすわり込みをやったり、そんなことは困ると、ほんとうに将来の研究を進めていくという上においての功罪をよくひとつ検討しようということでいま進めておりますので、そういう意味で、しばらくお待ちをいただきたいと、こう申しておるわけであります。
○大橋和孝君 その機関長会議なんか、むしろ反対意見がまとまって文書が出ておるはずですね。あるいはまた、厚生省としては、この移転させる機関が、移転のビジョンを与えていないために、機関としてもなかなか非常にまとめることがしにくいという状態にも置かれておるわけですね。それからして、こういうことを考えると、私は、いままで、さっきもちょっと触れたみたいに、これがほんとうに移ることによっていいというものにならないとみんな行かぬわけですから、そういう意味では、もう少し話し方が足らぬと思うのです。いまごろになって、厚生省で考えておられる企画というか、ビジョンというものが、みながある程度了解をして、ああそれだったらなあという希望を持たせるようなものでなかったら、話し合いになってないわけですね。そういう意味では、私は問題がそこらにあるのじゃないかという感じがするんです。一月の十七日ですね、いまおっしゃいましたように、機関長を集めて話をしたり、何か資料なんかもお配りになってお話しになったと。ですから、これはその資料の中にも非常に問題点があるように私も思うわけです。それも見せてもらいました。この文書には、その提出された局の名前なんかも書いてないし、責任者も示されておりません。これはもう、私はやっぱり、これをやるのには企画室長なりだれなりの責任者の名前も出すべきであろうと思いますし、こういうこともされていない。これも私はちょっとおかしいと思う。また、この四機関への移転の協力要請を文書で示していないわけですね、さらっと話をされたばかりで。やはりこれは文書でちゃんと示して話してあげなければいかぬだろうと、いろいろ検討もしてみたいでしょうし。その移転する理由を明確にしていないように思うのですよ。これは、文書を見ますと、ちょっちょっと個条書きをして、非常に、何というか、抽象的なことばかりで、私はこれを読んでも、ほんとうにこれでいいのかどうかということが私にも判断がつかない、こういうような状態であるわけです。それで、その出したものに対しての意見も十分出させていないわけですね。これらの点も、私は一つの問題点があると思うのであります。また、この移転をしなさいということで、そのタイムリミットとして押しつけること自身も、私は非常に問題があると思う。ずっと考えてみますと、話し合いの中にも非常に問題があるわけですよ。これは、厚生省でも、首都圏整備の委員のほうでも、こういうことに対してはもっと根本的な話し合いを深めていく必要があると思うのですが、そういう点が欠けてると、私はこの問題一番変にこじれるのではないかと思います。この点について、ことに担当している人がそういうようなことをちゃんと自分の責任を明らかにして、こういうことをするのだという――だれが出しておるかわからないような話では話がわからぬわけですね。そういうことなんか、もう少しはっきりしてもらったらどうでしょうか。お考えどうですか。
○政府委員(高木玄君) 試験研究機関の幹部の方々とは、昨年末以来数度にわたり、推進会議のメンバーと一緒に御懇談願っておりますし、先ほど大臣からお話がございましたように、大臣にも試験研究機関の方々の御意見を十二分に聞いていただいております。いまお話のございました、局の名前も書いてないということでございましたが、その考え方は、おそらく推進会議としてつくったものをお配りした資料だろうと思います。いずれにいたしましても、この問題は、先生おっしゃるように、いろいろ問題をはらんでおりますし、私どもとしては、十分に話し合いの上、納得ずくで進めたいという基本の姿勢で今日まできたわけでございまして、試験研究機関側の意見も十分に聞いているというふうに私どもは思っております。
○大橋和孝君 思っておるどころじゃないのです。あなたがかってに思っているか知らぬけれども、全然そういうことになってない。なってないからこそこんなにトラブルが起きているわけで、非常におかしいと思う、いまの答弁は。というのは、こうなんですよ。厚生省を代表する大臣が、二月になって初めて研究所の代表と会われたわけです。いま厚生大臣が話をしたとおっしゃっているのがこれですね。そこでおっしゃっていたのは、この四機関が反対する理由を聞かしてほしいと、いろいろそう言われて――これは先ほどの大臣のお話でも、何か、生活条件が先に立ってはどうとか、雇用条件が先に立ってはどうとか、そういうことでございまして、それもわからぬことはないんですが、実際を言えば、この四機関では、すでに一月の段階で、それじゃ行けませんと、こう言って、反対の理由をちゃんと明らかにして文書で申し立てているでしょう、あなたのほうへ。そして、そういうものに対してあなたのほうの答えが足らないわけです。ことに、これは反対理由をちゃんと書いているわけですね。各研究機関は移転に伴って研究機能が低下しますということも言っている。計画の進行も非民主的にやられている、こういうことは研究者の意向を無視していることだからいけません、もっと民主的にやりなさいということも言っているわけですね。それから、生活権の侵害や不便さの助長ということになって研究者が非常に研究しにくい条件をつくっている、これは研究することに対してマイナスになるということも反対理由の中にあげているわけです。そのほか、こういうようなやり方ではもうほんとうに人材を失うんではないか。何とならば、医療機関の近くに研究所があるために、たとえば医者なんかもここにつとめやすい。もっと離されたところへ行ってしまったら、医者はそういう研究の土台がそこにあるために非常にやりにくくなるんじゃないか。あるいはまた、そのほかもろもろの人材を失うような心配も起こってくるんじゃないか。それらの現実を無視したところの計画、これがそういう影響を及ぼすんじゃないか、こういうふうなことも理由にあげておる。移転後の研究及び生活への不安――そこへ行くことがあなたのほうは一方的にいいと言っておられるけれども、いままでほかの親機関と一緒になってやっているほうがより便利であるというふうに考えられる点もあるし、また、そういうところへ行くためには、交通の関連から生活に対しても非常に不安があるんだと、こういうようなことを詳しくあげて、きめこまかな数字まで資料をもって示しているわけです。なぜ、これらの意見をもっと率直に受けとめて、これに対応することをしないのです。私は、それをどう受けとめておられるか、じゃあここでもう一ぺん聞き直しておきましょう。
○国務大臣(斎藤昇君) そういった抽象的ななにを私が聞き、見ましたので、もっと具体的にしてもらいたいと。ことに、最後におっしゃいました、一般的の生活が不便になるとか、家庭生活がどうであるとか、そういうことを言い出したらどこも行けやしないので、そういうことは、それはもうどの研究機関にも共通することであるから、ただ研究それ自身において非常に不便を来たすと。たとえば、ある研究機関――研究機関も同時に、何といいますか、講習会、あるいは職員の養成みたいなのをやっております。それをやるについて、たとえば厚生省はどの範囲からどの程度いままであれをしているか、自分のところだけではどの程度まかない切れないのか、また他の機関の、東京にある在住の機関の協力をどの程度得ているのか、
  〔理事小谷守君退席、委員長着席〕
また将来も得なければならぬのか、もっと具体的にしてもらいたい、そしてその数字を持ってきてくれということで、私は一日聞いたわけであります。幾らか具体的になってまいりました。したがって、それで、なるほどこれでは将来も本来の目的が達成できないであろうというものについては、その部分については考え直す必要があるんじゃないかということをいたしておるわけで、ただ抽象的に、行っては不便でございます、あるいは研究はできませんというだけではなく、なぜできないのか、もっと一々具体的の数字まで示してもらいたいということまで言って、そしてその数字まで出し、それをもとにして検討をいたしておる、こういうわけでございますので、よその機関が、行ってもよろしい、行ったほうがいいというのに、こちらは、行ったらかえって不便になる、できなくなるという。そういった具体的なものを持ちませんと……、私は、一時機能が低下をしても、将来は機能が発揮されるだろう、よくなるだろうというならば、断行すべきであると、かように考えております。しかし、永久によくならないというならば、それは考え直さなきゃならない、そういう考え方を持っておるわけでおります。
○大橋和孝君 ちょっと、大臣にことばを返すようですけれども、いまの整備委員のほうでは、十年ぐらいマイナスになるかもしれないということを言ったそうですね。そういうことになってくると、国民の側でそんなに大きなマイナスがあって、しかもこれを断行する場合に、将来のビジョンはいいと言っておっても、機関が十年の間マイナスになって、その間に、中には公害にあうとか、あるいはまた汚染が何だとか、いまいろいろな問題が一ぱいあるわけですね。PCBの測定についても、すぐやらなければならぬ。あるいはまた、ワクチンの問題だってあるでしょう。いろいろな問題がずっとあるときに、十年ぐらいはいいということばかり言って、そういうことが流されたとすれば、これは問題だと思うのですが、実際にそういうことを言ったと私も聞いているわけです。そういうようなことから、いろいろ問題が、トラブルが起きるわけなんです。私は、そこのところ――いまの大臣のお話、わからぬでもない。やはり将来よくなるのはいい。しかし、将来こういうふうによくなるよというビジョンを与えてやらなければ、みんなよくわからない。国民も理解できないと思う。いまのところでは、そういうビジョンも、省のほうではつくっておられるけれども、出してないというふうなことではいかぬわけで、少なくとも、こういうことをやるならば、厚生省ですから、こういうビジョシでいくんだよ、だからどうですか、いまのところは移転するために多少のマイナスはあっても、そのマイナスはかくかくこうこうして回復さしていくからりっぱになるんだよ、こういうふうにしようじゃないですか、研究費はこれだけ出しましょう、またあるいは研究の機関にはこういう設備も増大しましょうという、こういうことがなかったら、そういうことがあいまいにぼけてしまって、タイムリミットで三月、三月と言うと、何か押しつけられたような感じがする。私はこういうふうに理解しておるので、こういう点については特に考えてもらいたいと思います。
 それから、五万坪云々の問題も、大臣はまだきまってないとおっしゃっているんだから、こういう問題に対しては、おそらくこれは、将来の展望を考えたら、三万坪のものが五万坪になるとか、五万五千が六万坪になると、倍になるとか。ですから、そういうことを考えてみると、つくる上にももう少し構想を考えられるだろうし、地価のほうも考えられるだろうから、その面積ばかりが必ずしも私は問題じゃないと思いますけれども、しかし、そうしたものを含めての相当の将来の展望というものを計画を立ててもらわない限り、こういう問題は前向きしないような感じが私はします。
 それからもう一つ。この四機関が筑波に移転したとしたら、そのあとの跡地、こういうものはどういうふうにされる考えか。これは、大蔵省とか、首都圏、こういうところに重点を置いて聞きたいと思いますが、あわせて、厚生省の中にも別な考え方があったら聞かしてもらいたいし、それがどういうところに計画があって考えておられるのか、全然無計画なのか、その跡地の計画、これらも少し聞かしていただきたいし、それからこの敷地の問題も、もう少し、将来をどういうふうにするとか、あるいはまたこっちに置くことにあまり固執をしないという大臣の――多少問題によってはそういう考え方があるとおっしゃいますから、その跡地は、そういうことを含めてどういうふうになっておるか、ちょっと伺いたいと思います。
○説明員(北川博正君) 厚生省とは限りませんですが、現在、跡地計画については、理財局の国有財産関係でいろいろ、われわれも加わって検討しております。まあ大体、各省の都市内にございます跡地については、極力公園等をつくっていきたい。それに合わせまして市街地再開発等がなされました場合には、あるいは住宅をつくるというような計画にしてはどうかということで、検討中でございます。
○大橋和孝君 大蔵省どうですか。
○説明員(渡部周治君) 私、担当の者でございませんけれども、詳しく存じておりませんが、ただいま担当は理財局でございますが、厚生省の関係で申し上げますと、厚生省の研究機関につきましては、具体的にまだ移転計画がきまっておりませんので、われわれ予算係におきましても、まだどの機関がどう移るかという話を承っておりませんので、その跡地計画をどうするかというところまでの話を承っておりません。したがって、われわれ予算係といたしましても、そういう点につきましてまだ検討いたしておらないという段階でございます。
○大橋和孝君 じゃ、結局、跡地についてのことはあまり考えないで……。私はまた、いろいろあと地がですね、非常に利用効果があるので、また発展をさす上においてはよりいいものができると――よくこのごろ国立療養所あたりをやっておりますね、余分の土地を払い下げて整備をしていこうという考え方もあるので、私は、こういう四機関を入れることについては、あと地のほうで非常に有効に地価が高いために利用ができる、何かそういうことが考えられているかどうかということが聞きたかったのですが、そういうことはないと解釈していいわけですね、じゃそういうことにしておきます。
 それから、私はこの四十六年度の定員の合計が四機関で千百三十二人ぐらいであると聞いておりますが、この人たちを移転させたとして、この宿舎はどういうふうに考えておられるのか。それからまた、厚生省の、あるいはまた科学技術庁の参事官にちょっと聞きたいわけですが、この宿舎は定員の六割ぐらいしかつくらないということを何か言明されたとか聞いておりますが、それはほんとうでしょうか。
 それからまた、こういうことがあるとすると、やはり働いている人たちが向こうに行ってだいぶ奥に入るわけですから、こういう宿舎が六割ぐらいしか考えられていないというならば、あとの四割はだめになるのかという、そういう一つの疑義のもとになると思うんですが、先ほどは宿舎は考えているということでありますが、この点なんかはどうなるだろう。それからまた、同時に、ついでにここで申し上げたいと思うのでありますが、厚生職員労働組合とか、あるいは厚生省の試験所、研究機関の支部の連絡協議会ができております。これは組合関係の方々にアンケートを出しておられる。その結果を見せてもらって、これはたいへんだというふうに思ったわけなんです。これは、移住すれば職をやめるよりしようがないというのが三五・一%あるというんですね。それからまた、引き続いてつとめたいという人が三九・二%、いまのところでは何とも言えないというのが一八・九%、不明だというのが六・八%というようなアンケートが出ている。これは予研か何かでやられたらしいですが、こういうことになりますと、この国民の健康問題が盛んになって密接な関係にある研究所の機能が、非常に十分に果たされない。移転することによってたいへんなことが起こるんじゃないか、人の不足のときによけい不足になりはせぬかということを考えると、私はゆゆしい問題じゃないかと、こんなふうに思うんですが、そういう点はどういうふうに考えておられますか。
○説明員(北川博正君) 最初の宿舎の問題でございますが、われわれは、大蔵省とも相談いたしまして、希望する方には全員貸与する、全員公務員宿舎をつくるということにきまっております。
○大橋和孝君 ちょっと聞き落としたが……。
○説明員(北川博正君) 宿舎の件ですが、希望される公務員の方には全員に貸与するということにきまっております。
○大橋和孝君 六割というのは間違っているんでしょう。
○説明員(北川博正君) 六割というのは、私初耳でございます。
○大橋和孝君 国のこの研究機関は、やはり考えてみると、自主性を認めてあげるということ、それから民主的に運営をするということ、それからいろんなことを公開して話し合っていくということが原則でなければならぬと私は思うのでありますが、こういうことはいまさら言う必要がないことだが、今度の場合私は非常に欠けている点があると思うのです。ですから、この点は十分に考えてもらわなかったら、なかなか話は前向きしないと思うんですね。ことに、この移転問題については、二つの、自主的にやる、民主的に運営をするということに対して、私は大きな欠陥があると思うんです、いままでの間に。だからこういう不信が出てきたのではないかと思いますが、こういう研究という重要な問題を考えますと、私は、研究者の自主性だとか、運営に対して自主的にやる、こういう保証がないと、やはり研究する人はおちおちと研究できないとか、いろんな不安にかられるわけですね、じみな仕事なんだから。そういうことから見ますと、本来の研究をうまくやるためにも、こういうことをひとつ今度はこういう機会に一ぺん根本から考え直してもらう、こういうことで進めないと、私はこれがうまくいかぬように思うんですよ。これはひとつ大臣に特にお願いをして、いままででも大臣はそういう気持ちでやってもらっているんだろうけれども、いま申し上げたような形で、そういうことがちょっと欠けているわけです。受け取るほうはそう受け取っていない。だから、私、ここでもう一そう担当に当たられる方々に、そうした気持ちでもって、ひとつ自主的に、民主的に運営せられるように、こういうふうにやっていくんだよ、だからみんなも賛成しなさいという、こういうふうな形をもう少し徹底的に前へ出してもらわないと、厚生省でやられるプランがりっぱなものだからこれ聞かぬやつはおかしいじゃないかということじゃなくてやってもらいたいんです。ついては、この際、特に私は大臣の見解を聞いておきたいと思います。
○国務大臣(斎藤昇君) できるだけやはり研究機関の幹部の人たちが、これなら将来よくなる、こういうようにやっていこうというような気持ちを持って進めていけるように、今後も十分留意していきたいと、かように考えます。
○大橋和孝君 あまり時間がないので進ましていただきますが、この国の研究機関は各省庁にまたがって数多くあるわけでありますが、ことに大蔵省の関係の方もいらっしゃるからお尋ねしたいわけでございますが、これらの研究機関で行なわれている研究の成果というのは国民の生活にいま申したように非常に関係が深いわけでありますけれども、これからの健康だとか、あるいはまた安全性、そういうような面からいきますと非常に大事なことだということは言うに及びませんが、したがって、この国の研究機関、研究者に対する国民の考え方が、非常に期待が大きいわけであります。そういう意味で、やはり私は、こういう機関に対する姿勢を、いま大臣から承ったように、特に民主的にやるようにしてもらうわけでありますが、基本的な考え方、あるいは制度、これをささえるところの財源の保証も私は大事だと思うのです。先進諸国に比べてみますと、こういう研究の費用というものが非常にお粗末ですね。著しく水準が低いと言わなければならないんです。こういう点で、研究者一人当たりの庁費とか、あるいは研究費、それの全体の最近の伸び率、こういうようなものについてひとつ私は数字的に知りたいと思いますので、ひとつこれを明確なわれわれにわかるような表をつくっていただいて、こういうようなものをひとつ、厚生行政の中でこういうふうにして伸びておるのだ、あるいはまたどうやっておるのだということがはっきりわかるように、研究者一人についてのデータをいただきたいと思います。それからまた、諸外国との比較でありますけれども、研究費総額ではどうなっているのか、他の国なんかとの比較もしてもらいたい。それからまた、これは実情に当てはめたものでないとぐあい悪いわけですから――よく表を見ますと、全額でばっと書いてあります。その中にはほかの研究機関にも使われているものが合算されていてはいけないので、できるだけひとつ、こういう厚生省の研究機関でどういうふうになっているか、人件費はどうなって、運営費はどうなってという形で、いままでのやり方が手にとってわかるような形にしていただきたい、その要求をひとつお願いいたします。いいですな。
○説明員(渡部周治君) はい。
○大橋和孝君 私はこの国立衛生試験所の増員要求のいままで九年間の推移を書いたものをちょっともらって見てきたのですが、これは言うまでもなく、この国立衛生試験所というのは、先ほど私もちょっと触れましたように、医薬品の毒性を検査するとか、化粧品、公害、食品など、あるいはまた、食品に含まれているいろいろなPCBとか盛んに言われているところの検査、こういうようなものがほとんどここで行なわれているわけですから、最近のこの内部、外部の環境破壊の実体を検査する総元締めになっているという非常に重要な研究機関であることは御承知のとおりでありますけれども、この高度経済成長によっていろいろ公害も発生しております。あるいはまた、衛生試験所の仕事の量はこのごろ特にふえておることは、御承知のとおりだと思います。この飛躍的に増大しておるにかかわらず、人員の要求はどうなっておるのか、こういうふうに考えてみますと、やはり研究所によっては、この三カ年間に、一般の公務員の定員減で十五名というふうな減が押しつけられてきている。しかし、一方ではまた、この間うちの人事院の勧告でしたか、なんかでは、こういう重大な研究所に対してわずか四名くらいしかいないじゃないか、もっと人員をふやさなければこの研究に耐えられぬじゃないかという、また一方からの通達も出ておるようであります。こういうことになりますと、やはりこれは、非常にこういう重要な研究所に対しては、一方では全般のおつき合いの定員減が行なわれておるし、一方ではそれじゃ人員が足らな過ぎるからもっとそういう要望にこたえるためには人員をふやさなければならぬという勧告も出ている。こういう矛盾なことが実際に起こっているわけですね、現場を見てみますと。こういうことなんか、私は、厚生省の中でも非常に大きな問題であろうし、こういうことの状態ではたいへんじゃないか。また、大蔵省のほうでも、この人員の要求を、増員の要求をしてきているのに、査定はゼロにしている。こういうことを考えてみると、非常に私は矛盾だらけの方針であって、これは実際の要求からいったら逆行しているわけじゃないか。それから、これは非常に根本的にこういう問題は考え直さなければならぬと思うのですが、そういう点どういうふうに思いますか。
○政府委員(高木玄君) ただいまの大橋先生のお説、重々そのとおりだと思います。私どもも、試験研究機関の人員の充実につきましては、今後とも努力してまいりたいと思います。本年は――四十七年度におきましては、予防衛生研究所、衛生試験所、それぞれ三名ずつ、合計六名の増員をみておりますが、今後とも人員の充実について努力してまいりたいと思います。
○大橋和孝君 人員の要求がほんとうに徹底していけるという、これは先ほど申したようなプランがないから、していきますということだけじゃいかぬのじゃないか。やはり、厚生省の中ではそういう問題を詰めていただいて、将来のできるものをひとつくみ取ってもらいたいと思うのです。
 これは厚生省にちょっと聞いておきたいのですが、先ほどの四機関の研究体制でありますけれども、試験研究所の年間の計画なり、あるいはまた運営、研究テーマ、スタッフ、その財源、こういうものについて、これは研究所の研究者の意見を最大限に尊重して組み込んだ、こういうものでなければならぬわけでありますが、実際から言うと、科学技術庁あたりに要求されたテーマで、これこれのものの財源を、研究費をどうしてもらいたいという要求が出ても、厚生省の段階でそれをはずしたりしている面もあるわけですね、聞いてみると。こういうことになれば、やはりいまのような問題がとても起こってこないと思う。人員ばかりじゃなしに、研究の費用も非常にこれは浅薄になるわけですから、ちょうど大蔵省関係の方もいらっしゃいますから、こういう研究費が一体どういうふうに組み込まれているのか、こういうようなことに対して、これもひとつ資料としていただきたい。
 きょうは時間がもうなくなってまいりましたから、いろいろこういうことでここで聞きながら、いろいろ議論をしていきたいと思いますけれども、一ぺん資料をもらった上で、ひとつまた次の機会に、何らかの機会に申し上げたいと思います。ほんとうにお金の面がどういうふうにやられているか、研究所ごとに、またテーマごとにひとつこれも聞かしていただきたい。
 それから、もう一つ重ねて申しておきますけれども、ほんとうに民主的に運営することが大事なんですよ、これ。それが、ただ厚生省の段階で横へぱっとやられてしまうことは、実際その衝に当たっている方、非常にたいへんな問題だと思います。
 それから、もう一つ私はつけ加えて言いたいことは、このテーマに対する金というのは実に微々たるものですね。何十万というふうな程度で、いまごろじゃそんなことで何ができるかと思うような、たいへん金が少ない。私も先ほどちょっと主計官のほうにお願いしておきましたが、外国に比較して、一体こういうものに対してはどういうふうに組まれているかということを少し聞かしていただきたい、こういうふうに思います。
 それからもう一つ、これはちょっとおもむきを変えて特に私は聞いておきたいと思うんですが、公害国会でも、私は前に総理府に対して、あるいはまた厚生省に対して質問した――研究機関の資材の問題でありましたが、ほんとうにこの国立の予防衛生研究所なんかでは、実際使ってらっしゃるサルがあるわけですね。これは年間一千頭もここで使っていられるようでありますが、これはもっと、全体の、ほかの研究機関の中で調べてみますと、二千頭とか三千頭とかいるわけですね、このサル。これはなかなか、東南アジアあたりから調達しておられるけれども、WHOの勧告あたりでは、人工繁殖をしてその国でまかなえるものを考えなさいということのアドバイスも出ているはずなんです。こういうことから考えますと、この実験動物、サルもそうでございますが、特にまた言わなければならぬのは、無菌的な動物の育成機関ですね、これは研究に非常に大事だと思うんですね。こういうことから考えますと、早急にやっぱり私はつくる必要があるだろうと思うんです。具体的に、こういう問題について、一体どういうふうにいま厚生省のほうでは考えていらっしゃるのか、現在はどうしてまかなう状態になっているのか、こういうことも一つ聞きたいし、これはひとつ、文部省のほうにおいても、いろいろこういう研究機関にタッチしてらっしゃるわけです。こういうことで、研究機関に対する研究費を含めて、私は、文部省のほうでもひとつこういう問題も考えてもらわなければならないし、文部省がいま出してらっしゃる研究機関に対する研究費、こういうものも、私はまだ外国に比べると非常にお粗末のような感じがいたします。だからして、研究機関では、またほかのほうで費用を調達をして、そうしてこれを補っているというのは、これは文部省関係の研究機関にもあるわけでありますからして、そういう点も、これも何か研究機関のどこか一つをサンプルにしていただきまして、文部省関係でそういうふうにやられている資料をひとつおつくりいただきたい。これは厚生省のやっと比較する上において必要だと思いますから、二、三のやつを、ひとつ研究機関のそうした問題を出していただきたい、こういうふうにあわせてお願いをしておきたいと思います。
○政府委員(高木玄君) ただいま大橋先生の申されたとおり、試験研究機関の実験動物の問題は、きわめて重要でございまして、また、現在非常に弱い部門になっております。サルにつきましては、予防衛生研究所の村山支所で年間三百頭ぐらいのサルを使用していると思いますが、こういった実験動物の飼育等の問題の強化につきまして、今後その方向でただいま検討いたしているところでございます。
○大橋和孝君 この研究する動物の問題は、これは取りようによっては小さい問題のようですが、これは非常に大きな問題だと思うので、どうかひとつ、厚生省のほうでも、あるいはまた文部省のほうでも、特にそういうことを重視していただきたいと思います。それからもう一つ、その資料はいただけますね。
○説明員(犬丸直君) 文部省関係では、やはり大学関係、それからその他の研究機関におきまして、同じような問題があるわけでございまして、特に実験材料、無菌の動物を飼育するということは、非常に大事な問題でございまして、東大の医科学研究所、あるいは東大の医学部等には、かなりの設備を最近整備いたしまして、充実いたしてまいっております。それからまた、霊長類研究所というような研究所でございますが、そこでは、サルの問題につきまして、やはり同じようなことでやっております。後ほど資料を整えまして提出いたしたいと思います。
○大橋和孝君 それから、研究体制の問題でありますが、ことに、こうした研究機関は、基礎的な非常にじみなものでありますから、この研究体制が非常に問題になるんですが、私はここでお尋ねしたいのは、最近新聞で見てみましても、今年度の東大の医学部を卒業した人が、一人も基礎へ進む人がなかった。これは私は簡単なニュースだと思ってはおけないような問題じゃないかと思うのです。これを考えてみると、非常にこの基礎医学が重要なことは文部省もよく御承知のとおりでありましょうし、厚生省でも同じようなことだと思うのでありますけれども、こういうことを、医者が基礎のほうへ進まないということを、これはひとつ大きい問題と受けとめて、そうしてこれをどうすべきかということをひとつここら辺で考えていただかぬと、本来これが非常に大きな問題になるのじゃないかと思います。それで、厚生省なんかのいまの四機関なんかを見てみますと、国立の予防衛生研究所、いまのような非常な大きな使命を持ってやってらっしゃる。これは昭和二十五年には定員二百五十名のうちで医者が半分の百二十五名を占めておったわけですね。ところが、現在ではこれが、定員が五百四十八名になっておるけれども、わずか五十名しか医者がいない。これは医療制度の問題なり、あるいはまたいろんな問題も背景にはあるでありましょうけれども、こういう大事な研究機関に一生の研究を託して、非常に希望を持ってこういうところへ入ってこられる人が非常に多いということが、医学の進歩、あるいは国民の健康、あるいはまた快適な生活を国民に送らせる基礎的なことから考えて、一番の私は大事なことじゃないかと思うんです。こういうことに対して、一体どういうふうに文部省は考えておられるのか、厚生省のほうはどういうふうに考えていらっしゃるのか、こういう認識の持ち方がだいぶ影響するんではないかというふうに思うのと、それからまた、こういう研究者の身分、待遇について何らか相当研究をし、そういう方々がほんとうに何も考えることなしに研究に没頭できるような状態をつくるということが、私は非常に大事だと思うんです。先ほど大臣は、何か生活条件が先になるようでは話はできぬとおっしゃいましたけれども、それは大いなる間違いであって、こういう人たちがやっぱりそういう環境に置かれなかったらもうほかへ逃げていくことになるわけですから、こんな五百四十八名中の五十名というような現段階になっておっては、私は、前の二百五十名の百二十五名を占めておった割合からいえば非常に寒々しいものがあるんじゃないか、こういうふうに思います。ですから、ここのところの見解をちょっと大蔵省主計局の側からも、こういうものに何かしなきゃならぬというお気持ちを持っておられるのかということを伺いたいし、それから官房長あたりこれひとつ十分把握をしてもらわないと、今度の移転問題にも大きく影響するだろうと思いますので、あるいはまた委員会のほうもひとつこれは十分考えてもらわなきゃならぬ重大問題じゃないかというふうに思いますから、その点のお考えを聞いておきたいと思います。
○説明員(犬丸直君) 先に文部省からお答えいたします。
 私ども、基礎学術の振興ということは私どもの文部省の仕事の中の非常に大きな部分を占めておりまして、特に所管いたしております大学の教官、これは教育の仕事と同時に基礎学術の研究ということが非常に大きな使命となっておりますので、その待遇の改善につきましてはかねてから努力いたしているわけでございまして、特に、必ずしも、何と申しますか、研究の内容がいわゆる派手な分野でない基礎面につきましての研究者というものは、非常に多くの先生方は、研究自体の喜びと申しますか、研究というものが学界に認められる、また世界に認められるということの喜び、これをかてとして大いに研究に励んでおられるわけでございますけれども、私どもはそういうものだけに依存してわが国の学術の強化をはかるというのじゃいけないんでありまして、われわれとしてはできるだけ安んじて研究していただけるようにということであらゆる面で実は努力しているわけでございます。文部省に学術審議会という諮問機関がございますけれども、そこの中におきましても最近学術振興の基礎条件につきましての中間報告を出しておりますけれども、その中で研究者の待遇ということにつきましては非常に重点を置いて力説しているわけでございまして、非常に多方面の施策が必要だと思いますので、あらゆる面につきまして努力を重ねてまいりたいと思っておるわけでございます。
○説明員(萩島武夫君) 厚生省の試験研究を進める体制につきましても、従来からいろいろ問題もございましたので、一昨年から試験研究機関の長及び私どもも一緒に参加をいたしましてプロジェクトチームをつくりまして、研究推進体制のあり方ということで現在検討を進めておりますが、まだ細部、中央機構その他煮詰まっていない部分もございますけれども、これからの厚生省の果たす役割りのためにいい基盤をつくってまいりたいと考えております。特に、厚生省の主として担当する分野は、一般に研究の分類で申しますと応用研究の分野が非常に多うございまして、その応用研究の必要性から申しますと、それぞれの研究分野の先生方と、広いすそ野を持って、お互いに共同して、お互いにその境界領域も見詰めながらやっていくという広域的な研究体制が当然必要になってまいります。すべての先生方を全部研究所に付属していただくというわけにはまいりませんので、
  〔委員長退席、理事小谷守君着席〕
研究所の職員自身の生活の充実、あるいは研究費の増額、向上させると同時に、協力していただける先生方のチームワークにつきましても今後とも十分励んでまいりたいと考えております。
○大橋和孝君 ちょっと審議官にもう一つ重ねてお考えを聞いておきたいと思うのです。いままで話したように、この四機関の問題を、大臣もいまおっしゃったとおり、これからまだいろいろ話を詰めていくわけです。それからまた、そのためには機関の長あるいはまたその研究者の意向も含めていろいろと話し合いを進めると、そういうことを第一義的に持っていかないとうまくいかぬことに対しては、私の意見と同じように賛成してもらったかと思いますけれども、私はここで審議官にちょっとお願いしておきたいことは、あるいはまた、この研究機関が、ほんとうに第一線であなた方が話を進められる場合に、それを十分前に出すということをひとつ確約をしておいてもらいたいですね。
 それから、官房長にその点をひとつ考えてもらって、ごく短期間で話をきめようと思えば思うほど、やはり研究者なりあるいはまた機関の長なりも一緒に入った意見を尊重して、先ほど言ったように、民主的に、ある程度自主性を持たせながら話を進めるという態度で、しかもこういうビジョンでやると、こういうようなことでどうですかという、そういうふうな意見を取り入れるような形を十分前に出さなきゃいかぬと思うのですが、そういうことについて今後の交渉過程においてやるということをひとつ確約しておいていただきたいと思います。これは大臣もそう言っていましたから。
○政府委員(高木玄君) ただいま大橋先生の申されたように、そのような方向で今後とも努力いたします。
○大橋和孝君 増築とか、増員、こういうようなことはいま言ったように大事ですね。たとえば国立衛生研究所のようなところでも、いまいっぱい来るからたいへんですね。何か人事院でも増員しなきゃいかぬということを言っておられるわけです。いま四人ばかりじゃとてもだめじゃないかという勧告もあるわけですね。また一方では減らす勧告もあるようですが、話聞いてみたら、要求したときには八人に対して何人やら削ってしまっていまは四人となった、四人からまた一人ぐらい減らされて三人ぐらいになるというデータも聞いております。こういうようなことから考えますと、やっぱりこれは非常にたいへんな問題になっております。私は、いまのままであっても、少し話がおくれたとしても、やはり増築なり増員なりということは考えられると、いまの現在の敷地においても、こういうようなこともある程度安心を与えておかないと、もう向こうへ移らにゃやってもらえないとか、それにまず、だれかが言われたとか言われないとか言われているように、十年もブランクができますよというようなことになったら、これはまた研究者にしてみれば不安を与えるわけですよ。少なくとも、いまの段階でもそういうことをやる前向きの姿勢だけは失わないのだということを厚生省の中ではひとつ意思統一をしてもらって、話し合いの場で、私は、その人たちにも十分説得力のある、あるいはまた自主性なり民主的な考え方を尊重していくという立場で、そうしてまたビジョンを与えながらやっていくんだ、こういうような中にはそういうことも含めておいてもらいたいと思いますが、その点よろしいですね。
○政府委員(高木玄君) よくわかりました。
○理事(小谷守君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
○理事(小谷守君) 速記を起こして。
○塚田大願君 きょうは防衛庁への質問をしたいと思っておるわけでありますが、問題の経過を明らかにする意味におきまして、きょうは警察庁からも来てもらっておりますから、まず最初に警察庁に簡単にお尋ねしたいと思うのであります。
 昨年の十二月十四日から十六日にかけまして、愛知大学の名古屋校舎におきまして、一部の暴力学生が校舎を不当に占拠をいたしまして、学生会館の三階、四階、これにバリケードを築き封鎖をしたのでございます。そして、その間、火炎びんを投げる、あるいはいすや机を上から落とす、こういうふうにあばれまくりまして、相当多数の学生の負傷者も出た、こういう事件があったわけでございますが、これについて警察庁は知っておられましたかどうですか、お答え願いたいと思います。
○説明員(斉藤一郎君) ただいまお尋ねの愛知大学における紛争事案については、学費の値上げに関連して大学の中で紛争があったということを承知いたしております。
○塚田大願君 この大学を占拠いたしました暴力集団はどういう性質の集団でございましたか、それをお答え願いたいと思います。
○説明員(斉藤一郎君) ただいまもお答えしましたように、大学の中で、学費の値上げに関連して自治会の中で意見が分かれ、自治会の執行部あたりでちょっと意見の分かれができまして、そしてセクト争いになったというふうに伺っております。
○塚田大願君 たいへんあいまいな話で、警察庁ともあろうものがそんな程度のふうに理解しておるとは、まことに不可解な話であります。とにかく、火炎びんを投げる、あるいは多くの人を負傷させる。機動隊もそのとき出たはずであります。ですから、警察庁がもっと具体的にどういう集団であったかということをつかんでおるはずだと思うのですが、それをはっきり言ってもらいたいと思うのです。
○説明員(斉藤一郎君) 大学の中でいろいろただいま申し上げたように値上げをめぐって意見の分かれがあって、いわゆる内ゲバがあったようでございますが、このことについては、大学のほうにもたびたび私どものほうから協力方をお願いして、事態の実態把握に努力してまいったのでありますが、何ぶんもうひとつ大学の御協力が得られないのと、私どもの行動が大学の中へ及ばないということで、その実態を十分承知いたしておりません。
○塚田大願君 警察は、相当の予算を使ってこういった情報をつかみ、いろいろな角度から探っておると思うのでありますが、どうもいまの話を聞きますと、大学の協力を得られなかったのでさっぱりわからない、そんな無責任なことでは、私は治安の責任を持つことはできないのじゃないかと思う。たとえば、どろぼうがどこかに入った、そのどろぼうがだれであったかということを警察は当然追及しなければならない。大学を封鎖して火炎びんを投げた集団がどういう集団であったかということはわからなかったなどということは、今日の常識からいっても私は通らないと思うんです。しかしいま警察庁はあくまでそういうしらを切られるんですから、私のほうから紹介いたします。
 この集団は、いわゆる天下にその名をとどろかした革マル、いわゆる革命的マルクス主義者派という連中です。これは新聞でもいままでたびたび出てきた集団であります。それからもう一つは毛学戦という集団です。正確に申し上げますと、毛沢東思想学生戦線という集団です。この革マルと毛学戦、これが中心になって学園封鎖をやる、火炎びんを投げる、こういう事件です、特にこの毛学戦というあまり聞かない名前でありますけれども、とにかくやはりこの集団は毛沢東思想盲従の暴力集団と言われておるわけであります。せんだってあの残虐な殺人事件を起こしました連合赤軍も、同じ毛沢東思想盲従派であります。この毛学戦も同じそういう傾向の集団である。こういう関係を見ますならば、これはだれがやったかわからない、学生内部の内ゲバだろうというふうなことで済まされる問題ではないと思うんですが、この点はどうですか、もっと資料は正直に出していただきたいと思います。
  〔理事小谷守君退席、委員長着席〕
○説明員(斉藤一郎君) いま御指摘のように、学校の中でいろいろ紛争があって、過激な行為があったということでございましたので、私ども警察としても、暴力ざたがまかり通るようではまことに警察の責務上ぐあいが悪いということで、たびたび学校側にその状況などをお知らせいただくよう御協力をお願いしておるのでありますが、学校のほうの御協力がいただけないので、そのようなことがあったということ程度しかわかっておらないのでございます。
○塚田大願君 この事件が起きましたときに機動隊が派遣されておるのでありますが、これはどのくらいの数の機動隊が派遣されたんですか。
○説明員(斉藤一郎君) ただいまちょっと数、詳細に資料を持っておりませんが、先ほど御指摘のように、昨年の十二月十四日ごろから、愛知大学における派閥、値上げ問題をめぐる内ゲバがございましたので、そのつど警察としては必要に応じ機動隊を用意し、実は先般の入学試験のときなども機動隊を万一に備えて用意しておるという実情ではございます。
○塚田大願君 私の聞いたところによりますと、機動隊は数百人現場に派遣されております。そして、それぞれ学校の門を固めておったということでございます。それはもう当然のことでありましょうが、ところが、これだけの機動隊が派遣されて警備についているにもかかわらず、この学校に立てこもりました暴力集団は自由に学校の門から出入りしておった。食糧を運搬したり、火炎びんを運び込んだりして、相当自由に行動していたというのであります。しかも、十六日の夜おそく、彼らはついに学生から孤立いたしまして、みずから大学の東門から逃げ出したということであります。その数は大体四、五十人、まあ全体がそのぐらいしかいないのですから、全部が逃げ出した。その場合でも、警察機動隊が相当いたにもかかわらず、何らこれに対して規制を行なわなかった。彼らは自由に、ゲバ棒を持ち、鉄パイプを持ち、ヘルメットをかぶり、いわゆる彼らの言う完全武装して門から出ていったというのです。さらには、一人の黒ヘルメットをかぶった男が四人の人質をとって――一般学生です、学生の人質四人を連れてやっぱり東門から堂々と出ていった。その場合にも、機動隊は見て見ぬふりをして、これを見過ごしていたというのです。こんなことをして、一体警察は責任が持てるのですか、この暴力集団を野放しにしておいて。この点で、一体当時どうしてこういうふうに野放しにしたのか、見て見ぬふりをしたのか、なぜ規制をしなかったのか、それについてお答え願いたいと思うのです。
○説明員(斉藤一郎君) 学費値上げをめぐるいろんな紛争について、まず警察は、これは原則として大学側とそれから学生なり父兄の側の問題である、その間においていろいろ紛争がこじれまして警察ざた、暴力ざたになってまいるということになった場合には、大学の要請によって私どもが警察として果たすべき責任を果たさなければならない。また、非常に程度が険悪で、たとえば人命にかかわるとかというような事態を私どもが認知して、どうしてもこれは放置しておけないということになりますれば、大学の要請の有無にかかわらず、警察独自の立場で措置する場合もございますが、いずれにいたしましても、そもそも始まりは、大学の御協力を得、あるいは大学の要請によって入るということで、私どもの基本的な方針としております。
 それから、大学の外におきましては、これは大学の要請の有無にかかわらず、警察として本来果たすべきことは果たすということでございますが、食糧を運搬しておったというだけでは犯罪にならないし、黒ヘルをかぶっておったというだけではなかなか警察も扱いづらいという面がございますので、いずれにしても、関係の方々の御協力を得て十分目的を果たすようにしたいというふうに考えております。
○塚田大願君 いまの話ですと、大学の中にはかってに入れない、それはそのとおりです。しかしながら、事態が、火炎びんが飛んだり、いろいろ負傷者が出たり、こういうことは、警察も十分、わざわざ現場に機動隊を派遣しているのですから、少なくとも知っているはずです。そういう異常な状態の中で、こうして武装したまま食糧を搬入したり、あるいは怪しげな火炎びんを持ったりして出入りする、それに対して何ら規制しないということはどうしても考えられない。あるいは人質をとって、まあその人質がどういうふうな状態で、手足が縛られていたかどうかは私は知りませんけれども、とにかく人質なるものを四人も連れて出てくる。そういうものに対しても何らの検問もしない。大学の中に入らないにしても、出てくるときくらいは私は規制できるのではないか、なぜそれができなかったか。私はこれを単にいまここで古い警察庁のきずを取り上げてどうこう言うわけではございません。問題は、いま起きている連合赤軍のあの事件を見ますときに、こういうことが積み重って結局はああいうところにまでエスカレートしていったのだという観点から、やはりこういう個々の問題にしても、警察がもっとき然たる態度をもってその責任を負う姿勢でなければ、私はああいう問題はほんとうに根絶することはできないのじゃないか。いわゆる泳がせ政策ではだめだということです。この点は、きょう警察庁主体にしてやっているわけではございませんから、大体経過をいまお聞きしたわけでございますが、そこできょうの主人公であります防衛庁に私は質問したいと思うのであります。いまお聞きのとおりです、愛知大学の封鎖事件というのは。そこでお尋ねしたいのでありますが、いま申しました十二月十六日の夜、この暴力集団が大学から逃げ出しまして、その直後大学の学生自治会の会館のバリケードを排除したわけです。その際に、彼らが占拠をしておりました会館の四階――彼らは三階と四階を占拠しておったわけですが、この四階の映画研究会の部屋のロッカーからかん詰めが二つ出てきたというので、そのかん詰めを調べてみたら、これが自衛隊の専用の食糧であったということです。その点について私はお聞きするわけです。
 実は、ここにその現物をお借りしてきました。ここに二つございます。このかん詰めは、これはぜひきょうは長官にも確認してもらいたいと思うのですが、
  〔委員長退席、理事小谷守君着席〕
いま長官にも確認をしてもらっていますが、このかん詰めにどういう、ことが書いてあるか。この横っちょのまん中に桜のしるしがありまして、桜のまん中にQという英語の字が入っております。ナンバーは八九四〇‐〇一五‐二六八六‐五というかん詰めが一つ。これは、その下に「白飯かん詰・非常用」「一食分」と書いてある。「東京日本冷蔵KK」――これはメーカーの名前であります。そうして、その反対側には用途が書いてある。「「白飯かん詰」は行動出発前沸とう湯中に約二十五分間以上加熱しておけば通常三日間は開かんしてそのまま喫食できる。食前に温めればさらによい。」と、こういうふうに書いてある。そのほか、かん詰めの天井のほうにもいろいろマークがついている――IA、NRKA八一一七。この八一一七という番号はつまり製造月日のようでありますが、とにかくこれが一つ。それからもう一つは、同じ形でありますが、鳥めし――「鶏飯かん詰」と書いてございます。大体似たような番号、しるしは全部同じであります。同じく日本冷蔵の製造こういうふうに書いてある。これは、ただいま説明しましたように、会館四階の映画研究会の部屋から出てきたわけであります。この封鎖されたときの、この映画研究会の部屋――この映画研究会というのは、私ども聞いたところによりますと、いわゆる革マル派のシンパが非常に多いサークルだそうでありまして、先ほど申しました食糧を搬入した、この食糧の搬入係が大体このサークルのメンバーだったらしい。で、その部屋からこれが出てきた。このことにつきましては、大学当局も、その部屋から出たということを確認いたしました。これはもう事後に調べて、事後に出てきたわけでありますから、直ちに大学当局も確認をし、翌十七日には、このかん詰めを含めまして、火炎びんであるとか、鉄パイプとか、彼らが残していった武器類ですね、これを大学の中で展示をしておるんです、公然と学校は、こういうものを彼らが使っていたと。そして、また同時に、このかん詰めがどこのものだろうかということが最初はわからなかったそうであります。あるいは、どうも機動隊のものではないか、警察のものではないかというような疑いもあって、いろいろ調べたそうでありますが、その「日本冷蔵」という名前がございましたので、大学の生活協同組合が調べた。そうしたら、これは自衛隊専用の非常食である、自衛隊にしか納めていないものであると、こういうことがはっきりわかったわけであります。この二個以外に、ほかにあったかなかったかよくわかりません。とにかく、出てきたのは二個だというんです。あるいは、もっとほかにあったものがもう食べられてしまったかもしれない。それはわかりません。あるいは持ち去ったかもしれない。とにかく、残ったものがその二個だと、これが証拠品であります。
 さて、そこでお尋ねするんですが、ただいまごらんになりまして、防衛庁長官はじめ関係者、これが確かに自衛隊のかん詰めであるということを確認されますかどうか。
○政府委員(黒部穰君) まさにこれは、わがほう、防衛庁が調達いたしましたかん詰めと全く同じでございます。
○塚田大願君 同じということは、どうなんですか、ほかにもそういう同じようなものがどっかにつくられているということですか、それはどういう意味ですか。
○政府委員(黒部穰君) この表示のしかた、番号のつけ方から申しまして、防衛庁が調達したものであると思います。
○塚田大願君 わかりました。
 では、この種のかん詰めを防衛庁はどのぐらい年間購入されておるのか、それをお聞きいたします。
○政府委員(黒部穰君) その前に、自衛隊がなぜこういうものを買っているかということを簡単に申し上げたいと思いますが、非常食糧といたしまして、かん詰めあるいは乾パンのようなものを購入いたしております。この数量は、陸上自衛隊の場合には年間二十食分ということにいたしてございます。で、この白めしかん詰め、鶏飯かん詰め――鳥めしかん詰めの効用は、非常用の場合、これを、飲み水として使用できない汚染された水、どろ水のようなものでも、ともかく、これで沸騰さして、かん詰めのまま入れれば炊飯と同様の効果があるということで、非常用、災害用の場合に、非常に役立つわけでございます。この関係で、年間二十食分の非常用食糧を購入いたしますが、そのうち、白めしかん詰めにつきましては、年間六食分ずつ購入いたしております。
 そこで、全体を数量的に申し上げますと、白めしかん詰めにつきましては、四十二年度八十二万三千二百かん、四十三年度八十三万四百かん、四十四年度八十三万四百かん、四十五年度八十五万九千二百かんというようなものを購入いたしておるわけでございます。このほかに、鳥めしかん詰めてございますが、これは四十二年度は六十八万六千かん、それから四十三年度は六十九万二千かん、四十四年度六十九万二千かん、四十五年度七十一万六千かんということになっております。
 なお、このほかに、シイタケめしかん詰めがございます。これも数字を申し上げれば、四十二年度七十五万八千かん、四十三年度六十九万二千かん、四十四年度六十九万二千かん、四十五年度七十一万六千かん、かようなものを購入いたしております。
○塚田大願君 いまお聞きのとおり、相当な数量が購入されておると、金額も相当なものだと思うのでありますが、とにかく、こういうものが自衛隊に納められて、そうして、その用途は、いまおっしゃったような非常用だと、こういうような説明でありますが、では、こういうかん詰めが一般の防衛庁の職員とかあるいは隊員が自由に入手できるようになっておるのですか、どうでしょうか。
○政府委員(黒部穰君) まず、こういう品物が一般に売られているかどうかということでございますが、白めしかん詰めについては、何ら市販されてないようでございます。鳥めしかん詰めにつきましては、どこのメーカーか知りませんが、一般の市販品もございます。ただし、このかん詰めの表示などにつきましては、市販されているものと防衛庁で購入しているものとでは、完全に表示が違っております。
○塚田大願君 いや、私が聞いたのは、その表示のかん詰めが一般の人の手に渡るような、そういう状態にあるのかないのか、こうお聞きしたんです。
○政府委員(黒部穰君) この表示のものは、会社で同じようなマークのものを製造して他に市販していることは絶対ない模様でございます。
○塚田大願君 では、この種のかん詰めは、自衛隊においては、どのようにして日常管理されておるのでありましょうか。
○政府委員(黒部穰君) これは非常食糧でありますので、大体三年分持つということにいたしております。で、購入いたしまして、その年度は、補給処という補給関係の部隊がございますが、この補給処で保管をいたしまして、次年度に部隊に渡します。部隊では、約一年これを所有いたします。それで、製造されてから三年目に、次々と毎年、先ほど申し上げましたように、購入いたしますので、三年目からこれを処分してまいります。
 処分の方法といたしましては、まず、演習などの場合に、隊員の食事として支給いたします。なお、そのほかに、隊内の食事としてこれを支給することもございます。あるいは、その隊内の食事の点で、部外見学者が隊に見学に参ったというときは、有料で食事を出します。有料で食事を出す場合に、普通の調理した食事のかわりに鳥めしかん詰めなぞを出したというような場合もあるかとも思います。
○塚田大願君 一般の参観者に食事を出すということもあるというお話ですが、その場合にそのかん詰めをなまのままそのまま渡すんですか、それとも調理して渡すんですか。
○政府委員(黒部穰君) これは、隊のことでありますので、現実にどのようにして実際に部隊見学者にそういうものを支給、食事として供したかどうかという事実を全部調べたわけではございませんが、まあ言うなれば、これは一回は熱湯をもって燗をしたあと開かんして食事に供すというのが普通でございます。
○塚田大願君 当然そうだろうと思うんですね、常識的に考えて。さあ食べなさいと言ってかん詰め与えられても食べられっこないんですから、ですから、問題はそういうところになくて、こういったかん詰め自身、これがとにかく一般の手に渡るということは普通ではないということ、理解してよろしゅうございますね。
○政府委員(黒部穰君) そのとおりでございまして、普通は演習の際の食事で食べているわけでありますし、演習以外にも年間二十食分乾パンが入りますから二十食より減りますが、年間十五食程度のものはこのかん詰めの御飯を何かの場合に隊員が食べないと処分できないわけでありますが、隊内食としてあるいは食事しているということがあるわけです。しからば、何でそれが外部に出たかということで、実は愛知県の大学かどこかで見つかったということがありましたものですから、私のほうも多少調べたわけでございますけれども、部隊の者が貯蔵品を横流ししているという事実はございません。また、会社が同じマークのものを外部に売ったという形跡もございません。で、このかん詰めの、いま上の刻印を見ましたんですが、いずれも四十三年の生産、調達でございます。四十三年の一月に生産されたもので、二月ごろ防衛庁に入ったものでございます。で、このものであれば、つまり四十三年度に調達したものであれば、四十五年度中に演習あるいは隊内食として食べてしまうわけでございます。なぜこういうものが一般のところに出たか、おそらく大量には出ていないのではなかろうかそうしますと、演習食として支給した場台に、何らかの事情で隊員が、これは保存しておけるからということで、かばんの中に入れて、ほかのものを食べたか何かして、それを珍しいからと言って家族の者にでも見せて、あるいは渡したというようなことでもあったのではなかろうかというふうに、ルートとしてはせいぜいその辺のことしか考えられないわけでございます。あるいは、隊の見学に来たときに、食事のかわりに提供した。その場台に、開かんして渡すことが普通なんですが、あるいはかんを、かん切りをそのまま渡したために、二人で一つぐらい食べておなかが一ぱいになったから、一つはおみやげ用に持って帰ったというようなことも、あるいは考えられないことはないわけでありまして、そういうことで、私どもは調査不十分でございますが、ともかくこれが堂々と外に出ることが普通ではございません。非常にまれなケースとして、何らかの形で漏れていったのではなかろうかというふうに考えるわけでございます。
○塚田大願君 いま、局長はいろいろ推定をされて、何か探偵小説でも読むような感じで聞いたわけですけれども、しかし、それはあくまで推定であって、とにかく大量に流れたものでないだろうと言ったところで、とにかく現実にあなた方が出るはずがないものが現に出たという、そのルートが、あるいは演習や何かを通じてやったというようなことを言われておりますけれども、その他推定ならば幾らでも、どんな推定でもできるわけですね。自衛隊員が横流しをした、じかに倉庫のかぎをかっぱらって横流しをしたということもありましょう。あるいは暴力集団が倉庫の中に忍び込んでかっぱらったということもありましょう。いろいろのことが考えられますが、いまそういうことをわれわれは問題にしているのではなくて、とにかく外に出るべからざるものが外に出た。しかも、いま局長は、演習をやったときにまあ持って帰って家族に渡したろうなんていうことを――そんな規律なんですか、自衛隊というのは。演習のときに渡したものは自由に持ち帰ってもよろしいんだ、非常食だけれども、もしそういうことがあるとすれば、これは規律上の問題にもなるでしょう。あるいはだれかが倉庫に侵入してそれを持ち出したということになれば、これはこれでまた、自衛隊の中では一体どういうふうになっているんた、自由にどろぼうが出入りできるのかということにもなるでしょう。どっちにしろ、私はこの問題は非常に重大だと思うんですけれども、とにかく、事もあろうに暴力集団に自衛隊の食糧が渡っていた、私はむしろここに問題があると思うんですよ。一般の方が一つ持っていたと、宝のようにして持っていたというのとは違うんですよ。暴力集団が持って、そうしてそれがゲバの一つの武器になった、補給していたということなんでね。その辺で、やはり事の重大性から考えまして、防衛庁はまだ調査を十分していない、これは私は非常にやはり重大だと思うんです。なぜならば、三カ月たっているんですよ、ちょうど三ヵ月ですよ。十二月十六日です。ですから、その三ヵ月間あなた方は何をやっていたんだ、これはあまり問題にしていなかったのか、こういうことを聞きたいと思う。
○国務大臣(江崎真澄君) いろいろ承っておりましたが、これはどうなんでございましょう。これが二個出てきた、その暴力集団のあとの遺留品のわけですね。ですから、そう出るべきでないものが出たことは、やはり自衛隊から流れたということもありましょうし、あるいは日本冷蔵の製造工場との他の関係者から出るということだって推理をすれば私はあると思いますよ。それからもう一つ、こういう保存のきくものなら、食糧を運び出していくというなら、どうして持っていかないのでしょうね。保存がきくのですから。ですから、前からあったのかもしれない。それから、このあきかんが出ていったあとにうんと山ほどあったということですと、これは私はたいへんだと思うのです。どこから出てきたかということをよほど慎重に追及しなければならぬと思いまするが、保存のきく、しかも今後まだ使用にたえるものがそのまま残されておった、これを必ずしも自衛隊に結びつけるというのはちょっと無理があるように、じっと聞いておりまして思えるのです。自衛隊から流れなければ、かん詰め製造業者から、その職長だとか関係者から流れると、こういうこともないわけではないと思います。あきかんがそこにたくさんあったわけでしょうか、どうでしょうか、その辺をどうも私もつまびらかにしておりません。防衛庁のほうの調査では、そういう形跡はないというふうにわれわれ承知いたしております。そうだとすれば、その暴力集団とこのかん詰めの結びつきというものはそんなにはっきりと結びつくとは思えないのですが、いかがでしょう。
○塚田大願君 だからいま言ったのです。三カ月もたって、とにかくあなた方の食糧がそこから出たという事実、ここから出発して、あなた方は、もしあなた方の内部からそれが渡ったということになれば、これは重大な責任でしょう。だとすれば、あなた方それを徹底的に追及しなければならないはずですよ。にもかかわらず、三カ月たったいまこうして質問をしても、いや残留品を言うのはおかしい  それはおかしくはない、彼らは火炎びんから何からみんな置いていっているわけですから。それは暴力集団のものとは無関係だろうというふうに言うところに、私は基本的な考え方のズレがあると思うのですね。連合赤軍のことを考えればそうでしょう、だれもあんな事件が起こるなんて想像していなかったでしょう、警察庁もだれも。しかし、現実に起きたのです。だから、問題をのがれるのではなくて、とにかく自衛隊の食糧がそこから出たというからには、徹底的に私は責任を持って追及するのがほんとうの姿じゃないかと思う。それからまた、メーカーから流れたかもしれないなんというようなことを長官言うけれども、私はそういう責任を回避して問題を他へ稼すようなことを言っちゃいかぬと思うのですよ。とにかく、自衛隊のかん詰めだということはあなた方認めたのだから、だからやはり私はそこにむしろ非常に不可解に思うのです。なぜあなた方徹底的に追及しなかったのか、警察だってあるのだし、それは調べなさいよ。
○国務大臣(江崎真澄君) これは、装備局長隣におりまするが、十分に調べたということを言っておるわけです。それで、さっきのお話しのように、これはもう普通ならば三年目には常食にして食べる、そしてまた新しいのをだんだん保管分に充足していくと、こういうわけですから、少なくとも昨年の十二月という時点でも一年前のものになることは事実ですね。で、管理の経路というものはわからぬというわけですが、これが二個出てきたからということで直ちに自衛隊の不備ということになりましょうか。もちろん、二個でも一個でも外に漏れるということはけしからぬ、これはわかります。しかし、それが絶対製造業者から漏れない、これも私保証はないと思います。しかも、あきかんがいっぱいあった、これは大騒動です。しかし、その形跡は、現地に照会してみた調査の結果では、ないということもはっきりしているわけでありまするから、あまり疑う根拠は薄い、こういうふうにわれわれのほうでは認めたわけでございます。
○塚田大願君 まあ、防衛庁が全面的にこれを正面から取っ組んで、これはわれわれの責任だという立場をそう簡単におとりにならないだろうということは、私も想像いたします。しかしながら、やはり問題が問題であり、しかもいまの時世が時世だ、連合赤軍がああやってあばれまくっているような時世、しかも暴力集団が学校を占拠した、とにかく集団が、かりに二個であろうと持っていたということ自体、私はやはり深刻に受けとめなければいけないのじゃないか。そこに私は、政府や警察のいわゆるああいう暴力集団の泳がせ政策といいますか、その同情的な考え方というものがやはり今日だんだんああいう事件を呼び起こす結果になっておる、そういう意味で私はこの問題をあえて非常に重視して取り上げたわけであります。
 もう一つは、御承知のとおり、この問題は食糧の問題だけではないわけであります。ついこの間、参議院の地方行政委員会におきまして、わが党の河田委員が、あの赤軍派の幹部に猟銃が渡っていたではないか、そしてその猟銃が今度のあさま山荘から出てきたではないかという指摘をいたしました。れっきとした赤軍幹部に、しかも彼はかっぱらいの前科がある、その人物に猟銃の許可を警察が与えていたという事実も一つある。あるいは、羽田事件以来、いわゆる警察庁は協力費と称していろいろ資金も与えておった、これもしょっちゅう問題になるところです。ですから、金も何か渡す、銃も渡す、食糧も渡すということになったら、これは重大ですよ。ですから、私は、これはやはり政治的問題として取り上げなければならない、こういうふうに考えているわけです。まあこの問題だけできようは時間をつぶすわけにもいきませんから、最後にそういう問題で、やはり防衛庁、警察庁は責任を持ってこの問題を、単なる二個の問題だ、そして、あるいはメーカーから出たかもしれない、どこかから流れたかもしれないというふうに一言で見るのではなくて、もっと真剣に私は調査追及をしてもらいたいと思うのですが、どうでしょうか。
○説明員(斉藤一郎君) 先ほど来いろいろ御指摘がございまして、警察は暴力団に食糧を与え、鉄砲を与え、金をやって泳がせておるのではないかという御意見でございますが、警察としましてはこの過激暴力集団の取り締まりに全力をあげてやっておりまして、一例をあげますと、昭和四十二年十月から昨年の末までに全部で二万八千人の過激派の連中を検挙しております。この間に殉職した警察官が六名おります。先般も二名国民環視の中で壮烈な死亡を遂げました。そのほか負傷した警察官が一万八千余名おりまして、警察としては絶対にこういう者を泳がしておるということはございません。
 以上、お答え申し上げます。
○政府委員(黒部穰君) 愛知県で自衛隊のかん詰めが市内で出たということがございましたので、私どものほうであるいはもう少し詳細にその指摘された方――愛知県議会で指摘された方に御照会申し上げればよかったのでございますが、何個出たかもわかりませんので、警察のほうにも問い合わせましたところ、警察のほうではつかんでいないということでございましたので、調査が、したがいまして情報不十分な面がございました。しかしながら、一応そういう問題があったというところで、しからば町の中で自衛隊のかん詰めが何かられているようなことでもあるかどうかということで市内の調査もいたしました。それから、愛知県で問題が起きましたので、近辺の部隊、つまり守山、豊川、春日井の部隊においての受け払い簿を全部調べまして、その結果は、横流れとかあるいは不正な行為でかん詰めが市中に流れているというような事実はございませんでした。そうなりますと、結局、私が先ほど申し上げましたように、隊員に演習のとき渡した、あるいは隊食で渡した、食事させようと思って渡した、その場合に開かんしないで持っていた、あるいは、この辺の部隊ではないようですが、同じマークのかん詰めば全国の部隊に渡りますから、そうなりますと、どこの部隊でどういうふうな処置をしているかということは全部はわかりませんですが、あるいは帰省のときに一食は必ず渡すことになっておりますので、その一食分をかん詰めで渡したという部隊があるかもしれません。まあそういうことで、隊員の所持になったものが回り回ってあるいは学生のものに回っていったということも想像されなくはないわけでございますが、まことに、先ほど申し上げましたように、推理をするよりほかないわけでございます。もし大量に出ているというふうなことでもあれば、これは徹底的にまた再調査をいたさねばならないかと思っております。
○塚田大願君 先ほど午前中の質疑で、皮ぐつの廃棄の問題が出ましたが、その節長官は、そういうささいなものでも大切にするんだという哲学を一席述べられましたが、これは、たった二個だからといって、やはりこれは隊の規律からいっても、またいまのようなそういう集団に流れたという問題から見ましても、私は、これは重視して、やはりその点ははっきり追及していただく必要があるだろうと思うのです。
 それで、時間もありませんから、次にもう一つお聞きしたいと思うのです。
 次にお聞きしたい問題は、航空機C1及びT2の問題であります。午前中も、C1の問題については若干の質疑がございました。私も聞いておりましたけれども、主として午前中の質疑は、C1の一号機、二号機についての御質疑でございます。そこで私はここで、このC1並びにT2の三号機、四号機についてお尋ねしてみたいと思うのです、その予算や決算の問題について。
 そこで、まず一つは、このC1、T2の三号機、四号機について、それぞれその予算の計上、支出費目、金額、これをひとつお話し願いたい。
 それから二番目には、その生産状況、納入予定日、実用試験の予定、こういった運用、実際の運営面について、まずその実情をお知らせ願いたいと思います。
○国務大臣(江崎真澄君) 繰り返しを避ける意味で、政府委員に答弁させます。
○政府委員(黒部穰君) T2の三号機、四号機でございますが、これは四十五年度の国庫債務負担行為でございまして、金額は三号機、四号機二機で二十四億四千七百万円でございます。で、四十五年度に契約いたしまして、四十七年十一月までに領収することになっております。支払いにつきましては、四十五年度に二億五千四百万円を支払いました。四十六年度は六億五千三百万円支払う予定でございます。なお、四十七年の十一月末に、したがいまして現在製造中でございますが、十一月には領収できると思いますが、領収した後は実用試験に供するわけでございます。
○塚田大願君 いまのはT2だけですか。C1はどうなっています、C1の三号機、四号機。
○政府委員(黒部穰君) C1は、四十六年度の予算で御承認いただきまして、国庫債務負担行為でございますが、この金額は、先ほども申し上げましたように、五十九億七千百万円でございます。で、これは本年度中に契約いたすという段取りでございまして、生産期間がかなりかかります関係上、四十八年度に領収いたします。こちらのほうは、現在の一号機、二号機をもって技術試験並びに実用試験も終える予定でございますので、三号機、四号機は、試験ではなく、直ちに領収後は部隊配備に回す予定でございます。
○塚田大願君 いまのお話ですと、実用試験機として予定しておりますC1の三号機、四号機、これがまだ契約もされてない、これからようやく契約をして、生産の着手をする、納入の時期はずいぶん先だと、こういうことのお話のようでありましたし、それからもう一つは、この一号機、二号機で、この試作機で実用試験を行なう、こういうようなことをいまもおっしゃいましたが、先ほどもそのようにちょっとお聞きいたしました。一号機、二号機ができた、そして、それは試作機だけれども、実用試験もやって、そしてもう今年度から――四十七年度から実用機の購入をするのだということで予算を出されたわけですが、そしてその予算が、はしなくもああいった問題になった、こういう経過を経ているわけです。いまお話を聞きますと、一号機、二号機のこの試作機で実用試験もやるのだ、こうおっしゃっていますけれども、どうもその辺が私にはぴんとこないのです。と申しますのは、この防衛庁の装備品等の制式に関する訓令というのがございます。ここには、十五条では設計、試作及び技術的試験の問題が出ておる、それから十六条には実用試験の問題がある、十七条には制式の決定、十八条には制式の制定というように、非常に事こまかに慎重に装備に関する制式の法令は出ているわけです。ところが、いまおっしゃったこの十五条でいう試作機、この一号機、二号機でもう実用試験もやるのだ、だから今度はそのあとは実用機として購入するのだ、そして予算を出しましたというのは、そうすると、この法令は一体何のためにあるのでしょうか。私の理解によりますと、試作機をつくる、ここに法令にも書いてありますが、これは主として技術的な問題で、技術研究本部長が長官の命令でいろいろ設計もし、研究もやる、こういうことを規定している。十六条では実用試験のことをいっておる。これは、長官が今度は幕僚長に命じて、実際にその実用のテストをやり、むしろ責任を今度は幕僚長が負うようになる。その間、技術研究本部長であるとか、あるいは技術審議会ですか、いろいろな議を経て制式がきめられ、そして長官はさらに慎重にいろいろやって、最後に制式というものを決定する、こういうことになっている。そうしますとね、いま局長はごく簡単に十五条だけのことを言って、あとすっ飛ばしてもう実用機というところに来たんですが、この実用試験という規定は、じゃ何のためにこれがあるんでしょうか、この辺がどうしてもわからない。つまり、三号機、四号機は実用試験機として購入されたんじゃありませんか。
○政府委員(黒部穰君) まず事実関係から申しますと、三号機、四号機は、C1の場合は実用試験用ではございません。T2の場合は、輸送機よりも非常に高度の飛行機でございますので、技術試験、実用試験について試験項目が非常に多いということで、一号機、二号機のほかに、三号機、四号機は実用試験のために製作するということにいたしております。C1の場合は一号機、二号機の二機のみで十分である。したがいまして、三号機、四号機は本格的な量産に入る前の注文である
 というふうに考えております。
  〔理事小谷守君退席、委員長着席〕
 そこで、ただいま先生は制式の問題を御指摘になったわけでございますが、これについては、午前中の御質問にもお答え申し上げましたように、装備品等の制式に関する訓令によりますと、部隊の配備の前にある一定の装備品は制式にしなければならない、かようになっております。ただし、この訓令の第六条によりますと、「制式装備品等は、米国から供与を受ける場合、試験的に使用する場合及び長官の認めた場合のほか、制式を制定した後でなければ部隊の使用に供してはならない。」、かようになっております。従来すでにT1を開発し、PS1を開発してまいりましたが、あるいはライセンス生産により国産をしてまいりましたけれども、部隊配備の場合には、航空機に関しては、これは航空自衛隊のものも、陸上自衛隊の使う航空機も、海上自衛隊の使う航空機の場合も、航空機に関しては制式を制定という形式をとらず、常に長官承認というやはり訓令で認められております方法によって行なっております。
○塚田大願君 いまの御説明で、T2は三号機、四号機を実用試験機として使うが、しかし、C1は一号機、二号機だけでいい、こういう説明だったんですが、じゃかりにそれが正しいといたしましても、T2の場合三号機、四号機がまだ納入もされてない、実用試験もされてないという段階で、どうして四十七年度の予算の請求は行なわれたわけですか。
○政府委員(黒部穰君) これも午前中に御答弁を申し上げましたことの繰り返しになるわけでございますけれども、実用試験の意味は、部隊で使用する際に、操縦のところでどういう手順が必要であるか、整備の場合にどういう手順が必要であるか、一回飛んだたびごとにどこをチェックしろ、それから何回飛んだあとにどういう点をチェックして公開しろ、こういうような手順を、非常に分厚いものをつくりまして、部隊にそれを示すということにいたしまして、操縦の面並びに整備の面で遺憾なきを期するわけでございまして、このために、何時間ごとに大体こういう部品が早くいたみそうかどうかということまでデータを集めるのが実用試験でございます。したがいまして、これはむしろ実際に部隊へ入ったあとで問題を起こさないように整備するわけでございまして、量産に踏み切って、防衛庁として購入に踏み切るかどうかということにつきましては、それ以前の、あるいはいまの問題とは関係なくきめているわけでございまして、むしろ問題は、開発いたしまして、それがはたして所期の計画どおりの性能を具備し得るかどうかという点、それからはたしてそのコストが輸入品等と比べてどのようなものであろうかというような観点から、審査、検討を行なうわけでございます。で、それぞれC1並びにT2につきまして、部内の検討を経た上で、予算要求するというふうに決定したわけでございます。
○国務大臣(江崎真澄君) ちょっと補足いたしますが、これは、午前中の足鹿委員長の御質問、それから塚田さんのいまの御質問は、やはりその問題点だと思うんですね。で、私も、もともとがしろうとでございますから苦にしまして、この経過を見て、これは一体どういうことなんだと、同じ私は疑問を持って、装備局長はじめ内部部局のいろいろ意見を徴したわけです。そこで、いま繰り返しになりますから申し上げませんが、要するに、最後にきめるというときには、試験飛行で、これは設計、製作という長い過程を通って、そうして実際に飛んで、それには、製作者側も、また自衛隊からも、技本からも、これに乗って、そうしてこれでいいのか悪いのかということをしっかり検討するわけですね。したがいまして、あとの技術試験というのは、操縦上の、あるいは整備上の微細な点について試験を繰り返していく、そうしてもし何か不備な点があれば、それは量産体制に入ったところで一々チェックをし改めていく。それから実用試験においては、いま装備局長がやはり説明をいたしましたように、実際の操縦そのもののいろいろな規則から具体的な操縦の方法等々に及ぶまで、相当分厚い資料をつくる、こういうふうに説明されて、なるほどと。しかし、それはよく産軍癒着とかいろいろなことが言われるんだが、日本だけがとっておる方式なのか、いやとんでもない、これはアメリカにおいても、いまたとえば超音速機をイギリスとフランスの合弁で開発をいたしておりますが、諸外国においても同様なことが行なわれておる、したがって、設計から製作、そうして試験飛行、この試験飛行の段階でいいか悪いかということはもうわかりますと、この技術試験、実用試験というものは、もう一度振り出しに戻って設計変更しなければならぬなどという大それたものが何か原因として指摘されるようなことがあるなら、もともとそれはもう試験飛行のときにアウトになります、チェックされますと、こういうことで、私も了解をしておるような次第であります。したがって、足鹿委員長が午前中に指摘された、車輪格納の、風圧に耐えかねて何か微動が多いとか、いろいろな疑問があの当時新聞等でもあらわれておったようでありますが、これは午前中に説明しましたように、装置をして解決をした、こういう報告も正式に私受けておるようなわけでありまして、問題としては、私も同じような疑問を持って、部内で精査しました結果了解をしておるというのが実情でございます。
○塚田大願君 いまの防衛長官の御答弁もございましたし、確かに問題点であるという点については、これは一致するんだと思うんです。ただ、私どもも技術家ではありませんから、その詳細なことはなかなかわからない。とかく技術屋にごまかされやすい。そこで、文民統制の問題が出るかもしれません、制服とせびろ組の問題が出るかもしれませんけれども、とにかくこういうことは、私は、厳重に怪しければやはり怪しいなりにチェックしていかなければ、これは重大な問題になる、思わぬ問題が起きてくる可能性があると思うので、この点ではなおひとつ今後とも私どものほうもこの問題は追及してみたいと思うんです。
 そこで、この問題と関連をいたしまして、大蔵省にお尋ねするわけでありますが、いまお聞きのとおり、C1、T2の四十七年度の一般会計予算の中に、航空機購入費の概算見積り並びに国庫債務負担行為の要求がありますが、一体これはどういうふうに査定し、そして閣議で決定されたのか、その辺の経過を御説明願いたいと思うんです。
○説明員(吉岡孝行君) 四十七年度の、ただいまのT2なりC1の購入につきましては、午前中御説明があったかと思いますが、当面の練習機なり輸送機の減耗に見合う最小限の機数を調達するという前提で採用機数を算定し、そしてその単価等につきましては、ただいま議論になっておりました、この実用試験機等の契約の実績と、今後におけるいろいろ人件費なりそのほかの情勢等を勘案して査定したものでございます。
○塚田大願君 財政法の第二節「予算の作成」のところの第十八条に、「大蔵大臣は、前条の見積を検討して必要な調整を行い」云々と書いてございますが、いま言ったような論議をお聞きになればおわかりのように、いろいろ疑問点がある。にもかかわらず、はたしてこれで四十七年度のこの航空機購入費はほんとうに慎重に検討された上でされたのか、それとも防衛庁が言っていることだからまあ適当にやっておこうというようなことでおやりになったのか、その辺やはり、財政法の立場から見まして、国費を支出するのでありますから、大蔵大臣、大蔵省は慎重にも一慎重を期さなければならなかったと思うのですが、どうもその点も、私は大蔵省がどういうふうに考えていたのかよくわからないんですが、もう一回お答え願いたいと思います。
○説明員(吉岡孝行君) ただいまの点につきましては、もちろん、防衛庁の要求が出て以来、いろいろと各般の点にわたって防衛庁から説明を聞き、それで大蔵省としてもこういうふうにしようという納得した上で予算の査定を行なっているわけでございますから、慎重な検討を経てやっておるわけでございます。
○塚田大願君 もう時間がまいりましたから、最後の結論を申し上げたいと思うんですが、とにかくいろいろ答弁を聞いておりましても、やはりそこには疑問が残ります。
 そこで私が申し上げたいのは、要するに、技術上どうだこうだというふうな問題でなくて、この四十七年度の予算の概算要求というものはそもそも予算成立の概算要求の要件を、必要な条件を満たしていないのではないかと、いま申し上げましたように、三号機、四号機の実用試験機の問題、防衛庁の訓令にあるこの規定、それからまた大蔵省のこの財政法の規定、こういう点からいいまして、概算要求をするだけの必要な条件をこの予算は満たしてない。したがって、先般あの衆議院予算委員会で問題になりまして、手付金の二十九億でありましたか、いや二十七億でありましたかは削除された。しかし、国庫債務負担行為はそのまま凍結をされた。いつでも、凍結でありますから、解除されればこれは生きて返る。九百六億でありますか、膨大な金がそのまま生きて返ってくる、使われる。こういうことになりますと、やはり私は非常に重大な問題で、その節衆議院の予算委員会でいろいろ論議をされていたことは、皆さんも私も知っているところでありますが、とにかくあの場合には、国防会議の議を経てなかったとか、あるいは文民統制がどうだとか、いろいろ政治論が戦わされました。国防会議でもきまってない四次防がなぜ発足するのかということでとにかくチェックされた。しかし、いま私が申し上げるのは、そうい政治論ではないのです。実際にこの予算編成の必要な、つまりそれ以前の段階における必要な要件をこの場合には満たしてない。したがって、私は、この三機種の手付金を削除するだけではなくて、二十七億を削除するだけではなくて、この国庫債務負担行為の九百六億を全額やはり削除すべきものだと考えるわけでありますけれども、この点について防衛庁長官あるいは大蔵省の御見解をお聞きしたいと思うのです。
○国務大臣(江崎真澄君) これは、さっき大蔵省の主計官から答弁がありましたように、四次防というものは実際ないわけで、今後いま四十七年度の段階で発注をしませんと訓練上大きな支障を来たす、そういう見解に立って査定をされたものであります。それが四次防原案というかつて中曽根長官当時に発表されたものと混同されていろいろ疑義を生じたり議論になったわけでありますが、査定基準というものはもともと欠落分を更新するというたてまえで認められたものでありまするので、今後四次防が正式に制定せられ発足するという段階においては解除され、これが発注、契約という形になっていくことが今後の訓練上もぜひ望ましいと、こう私どもも考えておりまするので、この点については御了解を賜わりたいと思います。
○塚田大願君 大蔵省、どうですか。
○説明員(吉岡孝行君) ただいま防衛庁長官から御答弁がありましたように、四十七年度に要求しております機数は当面の減耗に見合う最小限のものを計上しておる、そういう趣旨であるわけですが、衆議院の段階におきましてもあのように議長ごあっせんが出た、四次防の主要項目の内容というものが確定した、それで衆議院議長の御確認を得た後に大蔵大臣としてはいわゆる実施計画の承認を行なうというふうになっているわけです。まあそういう手続でやっていくというふうに考えております。
○塚田大願君 いまお答えをいただきましたが、私はそのお答えには満足いたしません。そして、この問題は、やはり総理大臣にもたださなければならない重大な問題だと思いますので、これは次の機会に総理に答弁をお聞きしたいと思っています。
 これで私の質問を終わります。
○中尾辰義君 私は、年金の積み立て金の管理運営につきまして、大蔵省と厚生省にお伺いしたいと思います。二点ばかしお伺いします。最初の問題は運営の問題と、二番目は厚生年金事業団のことを厚生省財団法人の厚生団との関係につきましてお伺いします。
 この年金の積み立て金は、毎年毎年所得の増加に従いまして掛金も増大してまいりまして、四十五年度末には五兆円をこえておると、このように言われておりますが、この積み立て金は零細な保険料の集積であり、また将来の給付財源ともなるものでありますから、おのずから郵便貯金などとはその性質の異なる資金であると思います。このような運用の観点から見ますというと、年金の積み立て金というものをどのように運用していらっしゃるのか非常にこれは問題点が多いようでございますから、その点を逐次お伺いします。
 まず一番目に、年金の積み立て金の規模でございますけれども、これは四十四年度から、さらに四十七年、ことしの予算、さらに今後五年、十年の将来を見通してどのような推移を見込まれておるのか、その点からまずお答えを願いたいと思います。
○政府委員(北川力夫君) ただいまお話にございましたように、四十五年度末の実績から申しますと、厚生年金、国民年金合わせまして五兆一千四百七十三億でございます。四十六年度末の見込みは六兆三千九百八十三億円でございまして、四十七年度予算で見込まれております収支の残を加えますと、四十七年度末には七兆八千五百六十七億円というふうに見込まれております。なお、ただいま先生がおっしゃいました長い将来の見通しでございますけれども、この点につきましては、いろいろ歳入面につきましても、また給付の改善というふうな面につきましても、いろいろ動くファクターがございますので、いまの段階で明確なことは申し上げかねますけれども、前回、昭和四十四年に改正をいたしました際に財政再計算を行ないまして、そのときに保険料並びに保険給付の面で、そのときの状態をほぼ固定をいたしまして、将来を推計いたしますと、昭和九十年のころに大体四十四兆というふうな、そういう一応の見通しが出ております。ただし、これは、ただいま申し上げましたように、歳入面におきましてはベースアップ等も見込んでおりませんし、また給付の面におきましても給付の改善を見込んでおりませんので、そういったいわば静態計算でございますから、これにどういうふうな動態的なファクターを加味するかということは非常に重要な問題でもございますし、次の改正の際にその辺を十分に慎重に検討いたしまして見通しを立てたいと思っております。
○中尾辰義君 そこで、こういったような膨大な年金の積み立て金をあなた方はどのような基本的な方針によりまして運用をしていらっしゃるのか、年金積み立て金の特性をどのように考慮をしておるのか、その点ひとつお伺いします。
○政府委員(登坂重次郎君) 厚生年金は、御承知のとおり、勤労者の福祉増進を目的といたしまして、これに関する住宅とか、あるいは病院とか、なお生活環境を改善するための、そういう資金に運用しておるわけでございます。
○中尾辰義君 政務次官、もうちょっとあなたは親切に答えてくれないと、そのくらいのふわっとした答弁では、私はちょっと納得いきません。
 それではさらにお伺いしますけれども、これはちょっと古いのですけれども、古いといいましても、衆議院の社労委員会におきまして、これは附帯決議が三十四年の三月十九日に出ておるわけですが、これによりますと、「積立金の運用については、一部を資金運用部資金として運用するほか、一部は被保険者の利益の為に運用する方途を講じ、努めて被保険者にその利益が還元されるよう特段の配慮を加えること。」、このような附帯決議が出ておりますね。それから、これは大蔵省と厚生省の了解事項で、三十六年の一月には、「厚生年金還元融資及び国民年金特別融資は、それぞれの積立金の資金運用部預託増加額の二五%とする。」と、こういうふうに出ております。それで、私はこういったような観点から、最近におけるところの国民年金積み立て金の運用の面について若干の疑義があるから質問しておるのですから、それは政務次官おわかりでしょう、いま私が言ったことは。附帯決議と大蔵省と厚生省の了解事項。
○政府委員(登坂重次郎君) お答え申し上げます。
 一部厚生年金の還元融資となって、住宅、あるいは公共施設、病院、そういう厚生年金を納める者に対する見返りをなるべく大幅にしたいというのが私ども厚生省からの立場でございます。従来、そういう積み立て金の大部分、あるいは二五%という今日まで大蔵財政当局との話し合いがありまして、これは財政規模にもより、日本の経済の財政上のいままでの大蔵省との話し合い、そういうものがありまして、内規がありまして、今日財政投融資を通じまして地方の公共福祉のために還元されておったということは、いまお話しのとおり、そういう積み立て金のある一定の率を財政当局と話し合って地方に還元しているというわけでございます。
○中尾辰義君 それで、私のほうから申し上げてもよろしいけれども、この四十六年度並びに四十七年度、これはまあ予算になりますが、この還元融資の資金の配分、これはどういうふうになっていますかこれは大蔵省から、どっちでも。
○政府委員(北川力夫君) 四十六年度は、ただいまお話にございました当該年度の預託増加額の二五%にプラス五十億でございまして、全体のワクは二千九百四億でございます。それから四十七年度は、これまで預託金増加額の二五%相当額に百二十億をプラスいたしまして、なお百二十億の中に新しく船員保険の分の還元融資を含めてワクをきめております。それぞれその配分にあたりましては、もっぱら還元融資を扱っております財投機関であります年金福祉事業団に、住宅、あるいは療養施設、厚生福祉施設といったふうなものについて、四十六年度におきましては八百四十億、それから四十七年度におきましては八百五十億を配分をいたしております。その他、地方公共団体の特別地方債といたしまして、四十六年度には千五百七十五億、四十七年度には二千九十六億を予定をし、さらにその他、医療金融公庫、社会福祉事業振興会等その他のものにつきまして、四十六年度に四百八十七億、四十七年度に七百三十二億を配分し、または配分を予定している現状でございます。
○中尾辰義君 私が質問したいのは、先ほどの附帯決議、あるいは大蔵省、厚生省の了解事項によりまして、いまあなたが読み上げたその還元資金の配分のしかたにちょっと問題があるのじゃないか、それを聞いておるのですからね、私は。まあもう一ぺん私は確認の意味で言いますというと、還元融資資金の総額が、予算で言いましょう、四十七年度予算で三千六百七十八億、その中で年金福祉事業団が八百五十億ですね。これは住宅、療養、厚生福祉施設、こういうものをつくるための融資である。それから二番目の大きな柱が地方公共団体の特別地方債、これは二千九十六億、この中身も問題がある。それから三番目がその他。その他は、医療金融公庫、社会福祉事業振興会、国立病院特別会計、あるいは公害防止事業団と、まあこうなっております。これで、この中身を見まして問題点をお伺いしますけれども、この地方団体の特別地方債が二千九十六億でしょう。この中身を言いますというと、住宅が百八億、これは中小企業の従業員等に対するところの住宅建設の資金として融資をするということですね。病院が三百五十億、まあこれもよろしいと思うのです。厚生福祉施設でこれが三百五十三億、これもよろしいと思います。次に一般廃棄物処理、これは清掃事業ですね。つまりそういうものに三百七十八億、こう出ておりますよ。それから簡易水道が百二十八億、それから屠殺場二十三億、産業廃棄物処理十億、同和対策百五十億、下水道が二百四億、上水道が三百九十二億、これひっくるめて二千九十六億円、これ特別地方債でしょう。これ中身は、あなた、問題ありませんかそれが一点。第三番目の大きな柱、その他として七百三十二億。これは、医療金融公庫二百七十三億、社会福祉事業振興会八十四億、国立病院特別会計に六十一億、公害防止事業団三百十四億、こうなっておりますね。締めて三千六百七十八億です。それでこれは、厚生次官、中身の配分はどのようにお考えになりますか。
○政府委員(登坂重次郎君) 厚生年金の趣旨に沿ってあくまで厚生年金の支払い者に還元すべきが当然と思いまするが、今日、社会環境整備という、社会資本の立ちおくれもありまして、できるだけわれわれ生活の環境をよくするという、いわゆる大きい意味の社会資本の投資、こう心得ているわけでございます。
○中尾辰義君 ですけれども、先ほど私が言いますように、附帯決議、あるいは大蔵、厚生両省の了解事項としてあるのですからね。これ、あなた、たとえば屠殺場というような、二十三億、これが拠出年金の年金をかけた方にどういうことで還元されるのかですね。あるいは四番目の一般廃棄物三百七十八億、これ中身を見ますというと、これはし尿処理施設整備事業、ごみ処理施設整備事業、清掃運搬施設整備事業、こういうのが入っているのですよ。あるいはまた公害防止事業団三百十四億、この入っているのは、あなたどのようにお考えになるのですか、その点聞かしてください。
○政府委員(登坂重次郎君) 先生の御意見もごもっともと思いますが、今日生活環境整備という問題が、社会問題が非常に大きく取り上げられてまいりました関係上、これが対応策として、できるだけ可及的すみやかにこれらの問題を処理するということでそういう方面に使用されておると、かように存じます。
○中尾辰義君 そんなことはわかっておりますよ。環境保全のために使っているのだから間接的には関係あるのじゃないかと、そういうようなことでしょうけれども、大体そういう資金というものは、これは地方団体の一般地方債、あるいは一般会計からでもできるのじゃないですか公害防止事業団、屠殺場の費用など、あるいはごみ処理の費用、どんどん年金積み立て金のほうにだんだん浸透して、そうして肝心の年金をかけだそういう方に対するところの還元融資のものがこれだんだんと、成長率といいますかね、増加額が減っておる、こういうことでしょう。この点、もう少し私は検討しなければいかぬと思うのです。せっかく衆議院において附帯決議もつけられるし、大蔵、厚生大臣の間に了解事項としてなっているのですからね。その点、もう一ぺん答えてください。
○政府委員(登坂重次郎君) 仰せのとおり、社会福祉の強化という観点からいたしましても、当局としては将来年金のあり方についても基本的に検討しなければなりませんし、私のほうといたしましても、厚生省部内においては、将来、年金のあり方、年金の基金の運営のしかたというものについて、お説のような方向で目下検討を進めておるわけでございます。
○中尾辰義君 検討はいま始まったことではないんだ、これは。何年も前から検討されておるんです。財源の問題でそっちこっちだんだんだんだん浸入してきた、あなたを責めたってそれはおわかりにならぬかもしれませんが。
 大蔵省に聞きます。この点、いかがでしょうか。
○政府委員(橋口收君) 中尾先生のお尋ねの御趣旨は、御指摘がございましたように、屠殺場整備とか、同和対策、産業廃棄物処理等に対する資金の配分がふえているという点についてどういうふうに考えているかという、こういうお尋ねであろうかと思います。
 先ほどお示しがございましたように、昭和四十七年度の計画額は二千九十六億円でございますが、その中で年金福祉事業団が最も還元融資に適当な性格を備える機関でございます。これが先ほども数字のお示しがございましたように八百五十億円でございまして、昭和四十六年度に比べますとそう大きく伸びていないわけでございます。これはやはり経済の実態を反映いたしまして、年金福祉事業団に対する一般企業からの資金需要というものがやや停滞の傾向を示しております。そういう点を反映いたしまして、二千九十六億円の配分に際しまして、年金福祉事業団に対する資金需要が非常に強いというような場合には、これに対する配分の割合というものは向上してまいります。そういう事情が四十七年度の計画額の策定に際してはあったということでございます。
 そのほか同和対策とかあるいは産業廃棄物に対1する割合はふえているという御指摘でございますが、これは四十六年度は三つを合わせまして百二十一億円でございます。それが四十七年度は百八十三億でございます。割合は七・六%から八・八%ということで、やや向上はいたしておりますが、年金の資金増加事情を反映いたしまして、還元融資に対して努力いたしておりますが、先ほど申し上げましたような事業団に対する資金需要はそれほど強くない、こういう事情を反映いたしましてこういう姿になっているということが実情でございます。
○中尾辰義君 それならば、事業団に対するところの福祉施設の資金需要、これは申し込み件数、それから決定件数、申し込みの額と決定の額、これはあなた方のほうでわかっているでしょう。最近におけるデータ、ひとつ説明してくださいよ。
○政府委員(北川力夫君) 四十六年度の決定の状況を申し上げますと、住宅、療養施設並びに厚生福祉施設におきまして、住宅につきましては七百九十億、それから療養施設が五十五億、厚生福祉施設が九十五億、計九百四十億でございます。
○中尾辰義君 聞いている者がわかるように説明しなければだめです。
 申し込み件数が幾ら、決定件数が幾ら、それから金額は、これは金額に換算すると申し込みは幾ら、決定しているのが幾らと、こういうふうに言えばいいのです。皆さんおわかりになる。住宅、療養施設、そのほかたくさんありますけれども、これは厚生福祉施設、これを一貫して答弁してもらいたい。
○政府委員(北川力夫君) 四十五年度で申し込みは、住宅、療養、厚生合わせまして件数にいたしまして四千百二件、申し込み金額は千二百十七億二千五百万円でございます。これに対しまして決定いたしましたのは、件数にいたしまして三千二百件、決定金額は八百二十億円でございまして、決定率は六七・四%でございます。
○中尾辰義君 だから、それを住宅、療養施設、それから社会福祉施設と、こういうふうに分けて、いまおっしゃったようなことを説明してくださいよ。まず住宅から。
○政府委員(北川力夫君) 住宅で申しますと、件数が三千四百五十四件で九百六十四億、それから療養施設が七十九件で……。
○中尾辰義君 何べん私が言っているのですか。住宅関係は申し込みの件数が幾ら幾ら、その中であなたのほうで決定したのが幾ら、こう言えば、皆さんがわかるじゃないですか。金に直すと申し込みが幾ら、決定したのは幾ら、こういうふうに説明してください。
○政府委員(北川力夫君) 住宅につきましては、申し込み件数が三千四百五十四件で、決定いたしましたのが二千六百三十八件、決定率は七一%、それから療養施設は七十九件の申し込みに対しまして七十五件の決定でございまして八四・三%、厚生施設は五百六十九件、それから決定いたしましたのは二百八十九件で、四二・七%でございます。
○中尾辰義君 いまみたいに説明してくださいな。そうすると聞いているほうもよくわかる。
 これは理財局長へ、ただいまあなたは聞いておられたと思いますけれども、ずいぶん申し込みと決定がうんと違うじゃありませんか。さっきの答弁は、私はちょっと納得いかないような気がするのですね。
○政府委員(橋口收君) いま厚生省からお答えがございましたのは昭和四十五年度の件数でございまして、私が申し上げましたのは昭和四十六年度の現在の進行中の件数なり金額の見通しを申し上げたわけでございます。
 先ほど申し上げましたように、一般の企業からの住宅融資に対する需要が停滞の傾向にある、四十七年度も同じような状態が継続するということで、年金福祉事業団の全体としての資金需要が停滞をしているということを申し上げたわけでございます。
○中尾辰義君 そんなに決定と申し込みがそう縮まっておると私は思いませんが、まだまだ、住宅にいたしましても、そのほか社会福祉の施設にいたしましても、資金の需要は私はあると思うのですよ、いろいろと途中の問題もあるでしょうけれども。ですから、いずれにいたしましても、最初の趣旨が、やはり掛け金をかけた人たちに還元する、そこにあなた、楽しみがなければならぬのですよ。かける一方では、私は、金をもらうのは二十年も二十五年も先だ、その間利子も何もくれぬじゃないか、理屈を言えばこうなるのですよ。ですから、その点を私はいま強調して質問しているのですから、これをお願いします。あと、まだ大臣がおいでになってから再度確認をいたしますけれども、もう一つ質問がありますから、もう私はこれ以上責めません。よろしゅうございますな、政務次官。
 それと大事なことをちょっと忘れたのですが、いまの年金の運営につきまして、いろいろな、社会保険審議会、国民年金審議会、資金運用審議会、財政制度審議会、こういったようなところから、社会保険の積み立て金はこれをあげて基金制度のもとに管理運用するのが原則である、暫定的に資金運用部資金に繰り入れるとしても、特別勘定を設け他の資金と区別すべきである、これは何べんもこういったような意味のことを答申が出ておるわけですね。そのことについて、何ら政府のほうでは反応がなさそうですが、その点いかがですか。
○政府委員(北川力夫君) ただいまお話にございましたように、関係の審議会等からも、年金のファンドの運営につきましては、たとえば特別勘定の設置でございますとか、あるいは区分勘定でございますとか、そういった拠出者の資金であるということをより明確にするような運用をすべきであるという意見はたびたびちょうだいいたします。
 で、厚生省といたしましては、従来そういう線に従いまして財投計画の策定に当たりまして、理財当局との折衝等におきましても、そういう点をできるだけ実現をできるように折衝いたしておりますけれども、何ぶんにも財投計画の中の資金として一元的な管理運営をすることのほうがより資金効率を高めるというふうな考え方もございまして、現在までまだこの問題は決着がついておりません。しかしながら、私どもといたしましては、ただいま先生のお話もございましたように、だんだんと資金がふえてまいりますので、しかも被保険者の福祉還元というふうな見地からも、いまお話がございましたような線を何とか何らかの形でそういう方向に向かって努力をしてみたい、こういうことで現在も慎重に検討いたしておる段階でございます。
○中尾辰義君 大蔵省にちょっと。
○政府委員(橋口收君) これは、中尾先生よく御承知のように、いろんな経過がございます。
 昭和三十六年度に、いろんな経過を踏まえまして一つの協定、申し合わせができております。それに基づきまして、年金資金等につきましては、使途別分類表に別掲をいたして、年金資金の運用の実態を明らかにするようにつとめておるわけでございます。さらに、還元融資につきましても、年金資金の増加額の二五%相当額はより国民生活に密接な関係を持つ分野に配分をする、こういう原則で現在まで推移をいたしております。資金運用部資金としては、積み立て金をお預かりをいたしまして、六・五%の予定利回りを充足するような金利をお支払いをいたしております。また、ちょうだいいたしました資金につきましては、一元的、効率的な見地から、と同時に国民生活に密接な関係を持つ分野への配分ということを念頭に置いて処理をしてまいってきておりますので、私どもといたしましては、現在の取り扱いに特に不都合はないというふうに考えております。
○中尾辰義君 それは、あなたのほうはそうしたほうが融通がきくから、それがいいわけです。その点やはり、そういうような資金に対する運用の面において不足が出ているわけですから、せっかく二五%というようなワクをきめてもらった、あるいはそれをまたふやしてもらうというような意見もあるようですけれども、それを特別のワクに規定して、そしてさっきの話みたいに、下水だの、屠殺場だの、公害防止事業団だの、そういうものが入ってくるのも、そこで一応は、はっきり言えば、防げるわけですわな。そこで福祉施設のほうに非常に重点的に金が回っていくと、その点を私言っているわけです。これは時間がありませんので、もう一ぺんこれは検討してください。
 それからもう一つお伺いしますけれども、ここにパンフレットがありますけれども、財団法人厚生団、これは、「財団法人厚生団は、政府の委託により、これら福祉施設の実際の運営を行なうために設置された公益法人」であるというふうに出ておりますね。それで、本来であれば年金福祉事業団がやらなきゃならないようなもの、病院の経営、厚生年金会館の経営、あるいは老人ホームの経営、こういうものをやっておりますけれども、この厚生団というのは、これは法的根拠はどうなっているのか、一ぺんそれをひとつお願いします。
○政府委員(八木哲夫君) 財団法人厚生団につきましては、厚生年金保険が被保険者なりあるいは受給者の福祉を増進するというために福祉施設を設けることができるという厚生年金保険法の規定に基づきまして政府が福祉施設を設置するわけでございまするけれども、これの実際の経営につきまして、現在社会保険庁のほうから厚生団に経営を委託するというたてまえでやっておるわけでございます。
 なお、この法人につきましては、昭和十八年十一月に財団法人の厚生大臣の許可を得て設立されたものであるわけでございます。
○中尾辰義君 それではお伺いしたいことは、この厚生年金法によるところの福祉施設の管理運営はどうなっておるのか、それをひとつお願いします。
○政府委員(八木哲夫君) 厚生年金保険法に基づきます福祉施設につきましては、設置は国がいたすわけでございます。それから、経営につきましてはただいま申しました。それから、これは国有財産でございますので、国有財産としての管理につきましては国が行なっておるという状況でございます。
○中尾辰義君 私が聞いていますのは、いろいろなこの福祉施設、病院その他の福祉事業ですね、これは、厚生年金保険法、あるいは国民年金法、そのほか船員保険法におきまして、福祉事業団がやらなければならないようになっておるのでしょう。その辺いかがですか。
○政府委員(八木哲夫君) 先生御指摘の問題は、年金福祉事業団のほうの規定ではないかと思います。それから、厚生年金保険法の七十九条第二項の規定ではないかと思いますけれども、これは年金福祉事業団につきまして、業務の一つといたしまして、政令で指定いたしました福祉施設につきましては、年金福祉事業団が設置し、管理運営するという規定があるわけでございますけれども、ただいまのところ政令が指定されておりません。これは、年金福祉事業団につきましては、現在の業務の実態等から見まして、とうてい直接福祉施設を管理運営するというような実態ではないという点と、それから厚生団につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、昭和十八年以来厚生年金の福祉施設の運営をやっているわけでございまして、その意味からも、かなりの実績、豊富な経験等も持っておりますし、特に現在厚生団が施設の経営を行なうということについては、さしあたり支障がないというような点から、現在国が設置しました施設を厚生団に経営を委託しているというたてまえをとっている次第でございます。
○中尾辰義君 福祉事業団に管理する実態がないとあなたさっきおっしゃったが、それをもうちょっと具体的にどういうことなのか。
○政府委員(北川力夫君) ただいま年金部長から申し上げたとおりでございますが、先生御指摘の点は、年金福祉事業団法の第十七条に年金福祉事業団が行ないます業務が書いてあるわけでございます。
 その第一号にはいわゆる福祉施設の設置並びに運営、それから第二号にはそういったものに対するいわゆる還元融資という融資業務と、二つあるわけでございます。
 それで、この事業団の成立につきましては、この事業団法の審議等の経過から見まして、先生の御承知のように、いろいろな経過がございまして、この年金福祉事業団は、三十六年にスタートをいたします際に、当面いま申し上げました第十七条の第二号業務である還元融資業務ということを行なうことによってスタートしたわけでございます。で、まあその実態関係は、先ほどからいろいろ御議論もございましたが、当初の非常に小さな融資業務から、現在はその当時の約二十倍に相当するような大きな還元融資事業もやっておりまして、実際のところ手一ぱいのような状態でございます。一方、そうは申しましても、第一号に福祉施設の設置並びに運営という業務があるわけでございますけれども、この面は、ただいま年金部長からも申し上げましたが、すでにございます厚生団あるいは船員保険会等のそういった民法法人に、国有財産として設置をいたしました上で経営を委託するというふうな方式をとっておりまして、その方式が、現在までのところ、いろいろなところでいろいろな御指摘を受けておりますけれども、非常に円滑な運営をやっているというのが実情でございます。そういう面もございまして、おそらくはこの一号業務そのものを、法律に書いてある以上は、事業団みずからがやるべきであり、また実体法である厚生年金保険法あるいはまた船員保険法等の規定からいたしますと、現在厚生団あるいは船員保険会がやっております、受託をいたしております業務をこの事業団でやるべきであるという、こういうことになろうかと思いますけれども、実体がそういう関係でございますことと、また年金福祉事業団がいわゆる特殊法人でございまして、これだけの業務をこなしますためには、相当膨大な人員、あるいは能力、そういったものも必要でございますし、またどのような福祉施設を選んでやるべきかというふうな問題もございますし、そういう点もございまして、現在のところ、一応一号業務に相当する業務は厚生団等に委託をいたしまして、事業団はもっぱら融資の機関として機能をしている、これが現状でございます。
○中尾辰義君 あなたの説明を聞いていますと、要するに、事業団のほうは融資で手が一ばいである、片や厚生団のほうはまあ現在までどうにか円滑にやっておるじゃないか、それで別に差しつかえないというような意味合いの答弁のようですけれども、大体あなた、法律によってこういう福祉事業というものは年金事業団がやらなきゃならぬと書いてあるのですからね。その点がどうも私は納得いかないですよ。それなら法律つくらなければいいでしょう。国会においてこの法律を議決したものを、行政府のあなた方がやってないということは、これは法律を無視しておる、国会を軽視しておるようなことになる、やかましく言えば。形の上ではそうなるのですよ。まあ実情は、厚生団がやっているから、そうやかましく言わなくても、いまのところ円滑にいっているじゃないか、そういうことであなた方今日まで法律を無視してやってきておるわけです。これを解決しなければ、これはあなたしょっちゅう言われますよ、決算委員会でも、社労の委員会でも。ちょうど大臣もおいでになりましたが、あなたから答弁してください。その次大臣でけっこうです。
○政府委員(北川力夫君) ただいま御指摘のございましたように、法律の十七条には確かに一号業務と二号業務がございまして、現実には二号業務の融資業務だけは動いておりまして、一号業務は現在までのところまだ動いていないというのが実情でございます。
 そのまた経緯等につきましては、ただいま申し上げたとおりでございますが、仰せのとおり、この一号業務というものについてどういう形でこれをやっていくかという問題は、私は先ほど厚生団等で非常に円滑にやっているからそれでいいというふうには申し上げたつもりでもないのでございますけれども、そういう実態もございますし、かたがたまた、現在の事業団の業務能力と申しますか、そういった点を勘案いたしますと、さらにまた特殊法人の増員問題というふうな非常にシビアな現在の実情を考えますと、どういうかっこうでこれをやるかにつきましては、なお相当これは検討、研究を要する問題ではなかろうか確かに、おっしゃるとおり、書いてあるわけでございますから、やるのがたてまえでございますが、そういった現在的なむずかしさと、それから別途ある厚生福祉施設の運営の実態というものを考えまして、現状ではやむを得ないのではないか、このように考えておる次第でございます。
○中尾辰義君 大臣、私の質問の趣旨おわかりですか。
○国務大臣(斎藤昇君) 半分くらいわかりました。
○中尾辰義君 それじゃ、もう一ぺん申し上げます。要点だけです。
 この年金福祉事業団法によりますと、その第十七条一項には、その終わりのほうに、「老人福祉施設、療養施設その他の施設で政令で定めるものの設置及び運営を行なうこと。」、こう出ているのですよ。だから、本来であれば、老人ホームだの、いろいろな、年金の還元融資によって、会館だとか、そういうものは、これは年金事業団がやらなければならない、あるいは政令によって委託をするか、どちらかでしょう。これは、政令も出ていないし、法律どおりにもやっていない。それじゃ、この年金事業団という法律は、これは全くつくる必要がなかったのじゃないか。もう最初から厚生団にやらしておけばいいじゃないか、そういうことでしょう。その問題を今日まで長らく厚生省のほうでほったらかしてあるから、私は質問している。いかがですか、大臣。
○国務大臣(斎藤昇君) お尋ねは、事業団で直接やらないで厚生団に委託をしたような形になっているのは法律の趣旨に沿わないじゃないか、また実情も必ずしもよくはないのじゃないかというお尋ねだろうと思いますが、私も、これは委託方式をずっと続けているのがいいのかどうか、若干疑問に思いまして、いままでの経過等も事務当局に聞いたこともございます。いろいろいままでの理由はあったと思いますが、さらに、お話の点もございますから、ひとつ十分研究をしてみたいと、かように思います。
○中尾辰義君 あのね、とにかく検討ということばは非常に便利でしてね、もう何でも検討検討で言われると、質疑ができなくなっちゃうのですね。ですから、要するに、年金事業団でやるか、厚生団にやらせるならやらせるで、何らかのこの年金事業団の法律に基づく政令を出すなりやらなきゃならぬじゃないですかなぜそれが長年の間できないのか、政令を出して委託業務とすることがなぜできないのかただいまあなたは検討とおっしゃいましたが、これはずいぶん長い話ですよ、質問のたびに検討、検討と言ってきているのですからね。
 まあついでに申し上げますけれども、これは四十三年の四月二十三日の衆議院決算委員会のあれですけれども、これは伊部さんですか、当時の年金局長、いまは社会保険庁長官ですね――の答弁にこう出ておりますよ。「事業団発足以来一号業務が掲げられておるにかかわらず、実施がされていないという点は、確かに問題でございまして、明年度の財政再計算期におきましては、この問題につきまして早急に結論を出したい、かように考えております。」当時の年金局長はこういうような答弁をしているんですよ。ずるずる今日までこうなっているんですから、ですから大臣の見解を聞きたい、なぜできないのか。
○国務大臣(斎藤昇君) 事務当局が次から次へかわり、大臣がかわったりいたしまして、そんなことになっておるんじゃないかと、かように考えますから、私、十分いままでのいきさつ、また利害得失を考えまして、この国会中にこの委員会でなにがございましたら、こういう結論でございますということを申し上げたいと思います。
○中尾辰義君 まあ私のこれは勘ぐりで、非常にいやな発言か知りませんが、この厚生団には元厚生官僚がたくさん入っていらっしゃるんですな。一々名前は言いませんけれども、理事長、常務理事、理事、監事、こういったメンバーに、元厚生次官だとか、厚生省社会保険庁保険課長、あるいは国立療養所中野病院医師、要するに、いまの社会保険庁、厚生省の先輩が入っているでしょう。入って今日まで運営をしてきているわけです。そういう点で、ちょっと厚生省のほうでも政令等が出しにくいのではなかろうかあるいは、厚生年金事業団――事業団というのは事業をするところですよ。これはしてないんだ、これは。年金事業団で厚生団のやっている仕事を取り上げてやるということにはまた問題があるし、その辺いろいろと考えていらっしゃるだろうと思います。まあさらに悪く言いますと、事業団法によってそういうような福祉事業をやりますというと、あるいは定員のほうで規制を受ける、その他法律等によって縛られてしまうから、いまのままでいいじゃないかと、こういうような考え方も出てくるんですよ、これはほっときますと。そんな考えが出てくるというと、ますますけしからぬじゃないか、こんな意見がまた出てくるんで、この問題は、厚生大臣、、これはあんた、検討検討で何年ほっとくんですか。こういうような問題はすかっとしなきゃだめですね。そのために、あなた、やはり大臣という要職にあるんですから、大臣のさいはいによって決定する以外にありません。その点いかがです。
○国務大臣(斎藤昇君) それですから、この国会中に結論を出しまして、いまのようなやり方のほうがいいならいい、改めるほうがいいならいい、政令を直したほうがいいならいい、どちらかということをはっきりと御答弁申し上げるように、この国会中に結論を出したいということを御了承いただきたいと思います。
○中尾辰義君 いまのようなやり方がいいならいいって、いまのようなやり方に問題があるから私は言っているんですからね。今国会中にきちっとひとつ結論を出していただきたいと思います。
 それから、さっきの質問でありますけれども、結論だけ、大臣がお見えになりましたから御答弁をお願いしますけれども、要するに年金積み立て金の額が非常に膨大になってきている、まあ四十五年は五兆円ばかりですから。その年金積み立て金は、年金掛け金者に対して還元融資ということが考慮されておるわけです。そこで、ことしの予算の内容を見てみましても、公害事業団だとか、あるいは医療金融公庫ですか、あるいは屠殺場の費用だとか、あるいはし尿処理、ごみ処理、そういうようなところにこの年金積み立て金が運用されている、これは問題じゃないかと私はさっきから聞いているんですよ。ですから、この点、もう少し御考慮願って――と言いましても、これは大蔵省と厚生省の間に取りきめができているんですから、大体。ですから、厚生事業団並びに病院、住宅、そのほかの福祉施設、そういうものに私はしぼるべきだと思うんですよ。ほんとうは地方団体は一般地方債あるいは一般会計からやらなければならぬ分までどんどん食い込んでくる。あるいは、財投の二五%の分を除いた七五%の分でやるべきものをこっちのほうに食い込んでいるんですね。その辺にまた不満があるし、問題が出てきておりますので、もう一ぺん再検討して、ほんとうに年金掛け金者に対するところの施設、還元融資をやってもらいたいと、こういうことなんです。ところが、理財局長の話を聞きますと、住宅にしても、福祉施設にしても、資金の申し込みの需要が少ないじゃないかと、そういうことをおっしゃっているんですけれどもね。その実態、私、資料を持っておりませんので何とも言えませんが、四十五年ごろまではまだまだ資金需要のほうがずっと多かった。申し込みと決定、これは件数にしても、額にいたしましても、六〇から七〇、ひどいのは四〇何%という――急激に減るわけがないと私はさっきから思っておる。この資金の運用につきまして大臣の答弁をいただいて、それで終わります。
○国務大臣(斎藤昇君) 私も、この住宅や、病院、あるいは厚生施設、この需要が非常に多いにもかかわらず、これをうんと切って、そして生活環境の整備等のほうによけい回しているということであれば、これは大いに考えなければならないと、かように思いますが、今日の状況では大体需要を十分満たしておるとは申しませんが、その需要の充足率から考えまして、生活環境整備のほうによけい行き過ぎているというようには私は考えておらないわけでございますが、しかし、お話の点もございますので、十分さらに需要とそれから充足率という点を考えまして、そうして善処いたしたい。やはりこれは福祉施設は優先的に充足すべきだと、かように考えますから、そういう方向で検討いたしたいと考えます。
○中尾辰義君 理財局長、よろしいな。こっちがうすと言ったって、あなたのほうが言わなければだめなんだ。
○政府委員(橋口收君) 厚生大臣からお答えがあったとおりというふうに考えておりますが、よく厚生省と打ち合わせをいたしてみたいと思います。ただ、実態の認識につきましては、先ほど申し上げたようなことでございますから、さらによく実態について厚生省とも相談をいたしたいと思います。
○萩原幽香子君 時間が四十分くらいずれているようでございますね。よろしゅうございますか
○委員長(足鹿覺君) 五時半から予定があるでしょう。ですから、なるべくそれまでにお願いします。
○萩原幽香子君 やはり弱い女性のほうにしわ寄せがくるようでございますので、これはいたしかたございませんが、厚生大臣にお尋ねをいたします。
  〔委員長退席、理事小谷守君着席〕
 二十一世紀を背負って立つ者、こういう観点から、児童福祉対策について政府の基本的なお考えを承りたいと存じます。
○国務大臣(斎藤昇君) 基本的な考え方を一言でと突然言われましても戸惑うわけでございますが、私はやはり、児童は将来の国や社会を背負っていくわけでありますから、したがって、児童の福祉には十分厚くしなければならないと、かように考えます。まあ福祉の内容はいろいろありますが、まず何といっても健康の管理が第一であり、そして福祉が薄いために児童があるいはひがんだり、あるいはすくすくと成長ができないということであっては相ならない、そういう点を重視をいたしまして、そしてりっぱな児童を育てていくように満たすのが主眼ではなかろうかと、かように思います。
○萩原幽香子君 ことしは児童福祉法が制定されて二十五周年ということでございますけれども、児童福祉というものがはたしてほんとうに守られていると大臣はお考えでございましょうか。
○国務大臣(斎藤昇君) まだまだこれでもう十分とは申せませんが、年とともに充実をしてまいったと、かようにいま申し上げていいのではなかろうかと、かように思っております。
○萩原幽香子君 ことしは、その意味で、特に児童福祉に関して何か特別計画をされておりますでございましょうかもしそういうものがあれば、具体的にお示しをいただきたいと思います。
○国務大臣(斎藤昇君) 先ほども申しますように、次から次へとこの福祉のニードに応じて施策をいたしてまいっておりますが、ことしは二十五周年だから、二十五周年を記念をして、その記念事業として何かをやるという点は、私はまだ考えておりません。
○萩原幽香子君 社会一般の人たちが、児童福祉法というものがほんとうにあるということさえも知らないような人たちが多いのじゃないかと思うわけなんです。いま私たちの周囲を見回してみて、ほんとうに児童が守られていないということを強く感じさせられるわけでございますけれども、こういうことを契機にして、私はぜひ、この児童福祉法というものがある、そして社会一般の人たちはそれに沿ってこういうことを考えていかなければならないということを周知徹底させる必要があるのではないかと考えるわけでございますけれども、特別の計画がないということでございますならば、いたし方はございません。ぜひこれは、ことしはそういうことをひとつ考えていただきたかったということを大臣にひとつ不満を申し述べておきたいと思います。
 次いで、児童の健全育成対策についてどのようにお考えになっておりますか、承りたいと存じます。
○政府委員(松下廉蔵君) 児童の健全育成対策というお尋ねでございますが、広い意味で申しますと、先ほどから御指摘のように、児童の福祉対策全般が入るものだろうと考えるべきだろうと思いますけれども、特に心身障害児等を除きまして、一般の家庭の児童の健全育成対策という意味でお答えを申し上げたいと思います。
 大臣からも申し上げましたように、児童福祉の業務は最近世間の関心も高まりまして、法制定当初に比べまして格段に伸びてきていることは事実でございます。ただ反面、近年におきまして経済の発展に伴いますいろいろな社会生活の変化、核家族の増加、あるいは都市の過密化、農村の過疎化というようなことが影響いたしまして、児童の健全育成という面から申しますと、あるいは交通事故が増加し、あるいは遊び場が少ないというような影響もございまして、必ずしもいい環境と申せない点がございます。そういうような点を勘考いたしまして、その児童の健全な成長を遂げていくための障害となります問題を解決していかなければならない、そういう考え方で健全育成対策を進めてまいっております。四十七年度の対策といたしましても、まず健全な遊びの場を確保するという意味で、児童館であるとか児童遊園の整備をいたしますとか、あるいは、特に健全育成対象が一般の家庭の児童でございますから、なかなか行政措置だけで十分な配慮を行なえない面がございまして、どうしても地域におきます健全な組織活動、そういうものが入ってまいります。そういう地域の組織を促進いたしますための助成を行なう。あるいは、家庭児童、特に核家族が多くなりますと、育児に関する熱意が高まってまいりましたことと関連いたしまして、非常に家庭児童の相談業務が多くなってきております。既存の児童相談所だけでは受け切れないものもございまして、そのために、社会福祉事務所の中に全国で八百カ所ばかり家庭児童相談室という組織を設けまして、そこでも家庭児童のいろいろの相談を受け付けるという業務を行なっております。さらに、今年一月から発足いたしております児童手当の支給、これは単なる財政援助、金銭の支給だけでございませんで、一般の家庭におきます児童の健全育成に対して国家社会が責任を示すという意味におきまして、この健全育成の一つの大きな社会理念として活用してまいりたいということで周知徹底をはかってまいりたいと存じます。
○萩原幽香子君 ただいまのお答えをいただきましたわけでございますけれども、その一つ一つにつきましては私は私なりに意見を持っておるわけでございます。しかし、もう時間がございませすから、きょうはそのことについては深く追及はいたしませんけれども、いつかのときにこの問題についてはさらに突っ込んでお尋ねをしてまいりたいと思います。
 労働大臣がおいでいただきましたので、ちょっと順序が不同になるわけでございますけれども、労働大臣にお尋ねをいたしたいと存じます。
 このたび勤労婦人福祉法案が閣議決定を見たということでございますけれども、そういうものをおつくりになりました動機、根拠について承りたいと存じます。
○国務大臣(塚原俊郎君) 勤労婦人福祉法案は、過般閣議で決定を見まして、今国会に提案いたしました。日本人は、人口一億のうち働いている人が五千万、いわゆる雇用関係にある者は三千万、そのうち千百万が御婦人の方々であります。それで、数字で拝見いたしますると、平均年齢三十二才で、そうしてお子さんをお持ちの方が五二%と、非常に高い率を示しておるわけであります。こういう方々は、職場にあると同時に、お子さんを育てなければならぬ、また家庭も守らなければならない、こういう方々の福祉を守るためにはどうしてもこういう法律が必要であるという観点から提案をいたし、御審議をこれからお願いすることになったわけであります。
○萩原幽香子君 私もこの法案はちょっと見せていただいたわけでございます。で、いま大臣がおっしゃいますような観点で、あるいは根拠によっておつくりになったのだと考えますならば、この内容ではたしてそのおつくりになろうとした御意思が達成されるとお考えになるのでございましょうか。
○国務大臣(塚原俊郎君) これをつくりますまでには、いろいろの方の御意見も承り、特に婦人少年問題審議会の方、各方面からお集まりいただいておる方々でありますが、満場一致の御答申をいただいたわけでございます。その御答申に基づいてこの法律案がつくられたわけでございますが、中身が完全に満足なものであるということは私は言えない。いうならば、一つの訓示規定というか、精神的なものが確かにある。そういう面で裏づけになるものについて御批判があることは、十分承知いたしております。しかし、今日の社会、先ほど申しましたような婦人労働力の現状から見まして、この法案はベターである――決してベストではないが、ベターである、一歩前進であるという気持ちを私は持っております。
○萩原幽香子君 確かに、こういうものをおつくりになりましたことは、私も一歩前進だと思います。しかし、この内容では、雇い主の良心にまたなければならないのじゃないだろうかほんとうにこれは雇い主がやらないという気持ちであれば、この法案ができましても、それほど私はそんな勤労婦人たちが救われるというふうには考えられない、こういうことなんでございます。
 そこで、この内容を俗にいわゆる山吹き法案であるとかいったような悪口も出ているようでございますけれども、私は全部がそうだとは思いませんが、しかし、やはりもう少し実のあるものに改善していかなければならないことは、制定される前にそういう問題がもうすでに目に見えているということを私は考えるわけでございます。そういう観点に立ちまして、もしこういうものが今度制定されるといたしましても、これは漸次改善していかなければならないということを大臣はいまからもうすでにお考えになっていらっしゃるかどうか、その点を承っておきます。
○国務大臣(塚原俊郎君) 私も、法案を仕分けするような仕事をいままで国会対策という面でやっておりましたので、何でも法律でやるということについては実は苦言を呈しておった一人であります。ですから、いまの山吹きというおことばがどういう意味であるか、私も想像はつきます。まさにその一つに当たるものではないかということも言われておりました。しかし、婦人の労働力の現状から見て、私は、これは基本法的なものとして当然今日の段階では出されてしかるべきものである。また、その通過を願っておるものであります。それで、これを今後の推移に応じて手直しする意思ありやいなやということでありますが、これはあくまでも私自身は、基本法的なものであると考えておりまするから、この法案の改正をやろうとは思っておりません。しかし、いまの御批判のような点はたくさん出てくると思います。また、明年度の予算でどういうものが裏づけとなっていくか、そういうものについて関連法案として出さなければならない場面が必ずあると思っておりまするので、その際にそういったものを考慮したい。いまお尋ねの、この法案そのものについての改正は、基本法的な性格上、私はいたす考えはございません。
○萩原幽香子君 わかりました。ですけれども、大臣の勤労婦人に対する愛情の問題を考えるならば、必ず裏づけのできるようなものをぜひお考えをいただきたいと思います。この法案につきましては、また詳しくいろいろ私も申し述べさしていただき、また御意見も承りたいと考えますが、きょうはそういうことにつきましては避けさしていただきたいと存じます。大臣、たいへんお忙しいところ、まことにありがとうございました。
 それでは、続きまして、労働省のほうにお伺いをいたします。この婦人労働者のうち、いま子供のある家庭婦人の就労状況についてちょっとお話が出たわけでございますけれども、過去五年間の推移というものを一度お聞かせをいただきたいと存じます。特に、幼児期にある子供を持つ親の比率というものがどういうふうに変化しておりますか、承りたいと存じます。
○政府委員(高橋展子君) お尋ねの点でございますが、幼児を持つ勤労婦人の数の推移と申しますのは、これはなかなか把握が困難でございまして、的確な実数というものはお示しできないのでございます。で、大筋の動向として申し上げますと、まず既婚婦人でございますね、未婚者に対応する既婚婦人でございますが、その既婚婦人の職場進出というものが近年非常に目立った傾向でございます。その推移を申しますと、過去五年間で、たとえば昭和四十一年には、婦人労働力の中の、職場の婦人の中の四二%が既婚婦人でございます。それが四十五年には五二%となっております。したがいまして、五年前には四七%であったのが、五年間で五二%へと、五%の上昇が見られるわけでございまして、最近では、したがいまして、未婚である勤労婦人よりも既婚婦人のほうが多いという現象が初めて見られるわけでございます。これらの既婚婦人の中で子供を持つ方々の数をお尋ねでございますが、これが先ほど申し上げましたように把握がむずかしいのでございますが、私どもの調査等から推定しますと、いま申し上げた既婚婦人の二割強が学齢前の子供を持っていると、このように推計されるのでございます。でございますから、それぞれの時点におきましてその人数の実数等は変わってまいりますが、おおよそ、最近の例でいいますと、百万をやや上回る、このようなことに推定ができる、こういう状況でございます。
○萩原幽香子君 そのような、働く婦人の中で学齢前の子供を持つ親が多いということでございますけれども、これに対しまして労働省はどのような対策をお考えになっていらっしゃるのでございましょうか。
○政府委員(高橋展子君) このように子供を持つ婦人がふえてまいってきているという現状、また今後につきましても、いろいろな要因が働くでございましょうが、やはり減少するということもないであろうというような見通しに立ちまして、私どもとしましては、これらの勤労婦人が、育児責任等その家庭生活との調和というものをはかりつつ、能力を有効に生かしていけるような、そのような環境の整備というものをいたしたいと考えている次第でございまして、その一つの対策が、先ほど来お話の出ております勤労婦人福祉法でございます。
○萩原幽香子君 その家庭との、何といいますか、調和をはかる、これは非常に大事なことだろうかと思います。しかし、現状では、なかなかこれはむずかしい問題になってくるのじゃないかと思うわけでございますね。
 そこで、労働省としてもいろいろお考えいただかなければならないわけでございますが、厚生省にそれじゃその点でお伺いをいたしたいと思います。現在保育に欠ける子供の数というのは一体どのくらいでございましょうか。
○政府委員(松下廉蔵君) 昭和四十二年度で保育に欠ける児童の実態調査をいたしております。その時点におきまして約百四十八万でございます。それで、その後のいま労働省からも御説明のございました婦人勤労者の増加等を勘案いたしまして、大体昭和五十年末で百八十万程度の保育に欠ける児童があるものという推定をいたしております。
○萩原幽香子君 そのうち、それではどのくらいの幼児が保育所で保育を受けているわけでしょうか百八十五万と推定されます中で、いわゆる保育所で保育を受けている子どもというのは一体どのくらいございますでしょう。
○政府委員(松下廉蔵君) 昭和四十五年度末におきまして、正規の認可を受けております保育所の定員が、約百二十五万でございます。そのほかに、若干の僻地保育所、季節保育所、あるいは事業所内の保育所、あるいは児童館等におきまして、それに準ずる保育が行なわれているというふうに見ております。
○萩原幽香子君 それでは、その保育を受けられない幼児というものはどのような生活をしているとお考えでございましょうか、これは厚生大臣のほうからちょっとお伺いいたしたいと存じます。
○政府委員(松下廉蔵君) 便宜、実情につきまして私から申し上げたいと思います。現在におきまして、正規の認可保育所に入っております児童が約百二十五万ということは、先ほど申し上げたとおりでございますが、それ以外の保育に欠ける児童につきましては、たとえば児童館という施設がございます。これは比較的農村地域に多い施設でございますが、保育所というのは、その運営規模等から申しまして、大体最低三十人程度の乳幼児を単位といたしまして正規の認可保育所をつくっておりまして、それより児童の数が少ないというようなところにおきましては、一般の児童厚生施設であります児童館におきまして、児童指導員が幼児を集めまして保育所にかわる機能を果たしておるというような実態もあるわけでございます。
○萩原幽香子君 児童館のお話が出たんでございますけれども、私は姫路でございますが、児童館というものはございません。ですから、この保育に欠ける子供というものの実態を考えてみますと、これはまあ、数がそんなに多くないとお考えになっていらっしゃるかもしれませんけれども、この数から申しますとかなりな保育を受けられない幼児があるわけでございまして、その子供たちは、零歳から四歳、五歳までぐらいの子供が一人で生活しているというような実態が出ているわけでございます。そうしますと、零歳や一歳の子供が一人で生活をするというのは、一体どういう状態で生活をしているのかということにもなるわけでございます。また、あるところでは幼児のギャング集団ができている。保育所もなければ、幼稚園もない、そういう形の中で子供たちは、五歳を親分にして三歳、四歳が子分になってその地域を荒らし回るといったような状態の子供たちもあるわけでございますね。そういうことをやはり私は、十分厚生省としては認識をしていただかなければいけないのではないか先ほど私は、そういうこともございますので、一番初めに、一体児童福祉というものに対しての政府の基本姿勢というものを承ったわけでございますね。子供というものにほんとに健康で文化的な生活をさせなければならない義務があるわけでございましょう、国家といたしましては。ところが、そういうことができていない子供があるということについてそんなに深く認識をされていないということになりますと、私たちは、これは非常に大きな問題ではないかと考えるわけでございますね。そういう点はいかがでございましょう。やっぱり私は厚生大臣からこの点についてのお考えを承りたいと存じます。
○国務大臣(斎藤昇君) ちょっと、現状につきまして局長からもう少しお答えをした上で、私から答えさしていただきます。
○政府委員(松下廉蔵君) たいへん失礼いたしました。ちょっと今後の整備計画等について御説明を漏らしましたので、補足さしていただきたいと思います。
 いま先生から御指摘がありましたように、現在の保育所の数が要保育児童の数に及ばない、したがって、御指摘のような一部の児童につきましては、保育に欠けておるにもかかわらず十分な保育を受けられない状態にあるということは、先ほど数で申し上げましたように、私どもも十分承知しておるわけでございます。で、そういったことを解消いたしますためには、もちろん児童館等につきましても整備を促進いたしておりますが、やはり基本的には正規の認可保育所を十分に整備して、認可保育所におきまして保育を行なうということが原則でございまして、こういった点につきましては、すでに四十六年度からこの先ほど申し上げました数に対応いたしますだけの保育を行なうことができるような保育所の整備計画を進めておるところでございます。で、過去三年の昭和四十二年度からの実績をとってみましても、大体過去三年の間に、年間平均、個所数にして約六百五十ヵ所、定員にいたしまして七万二千人程度の増加を見ておるところでございまして、私どもといたしましては、来年度の社会福祉施設の整備の予算も前年度よりも相当増額して計上いたしております。また、年金融資等も活用いたしましてできるだけその充足をはかってまいりたい、そういう前提で保育に欠ける児童をなくすような対策を考えておる次第でございます。御説明がおくれまして失礼いたしました。
○萩原幽香子君 四十六年からこの保育所整備五カ年計画が始められたわけでございますね。そうしますと、五十年で大体その完成年度ということになるわけでございますね。そのときには、それはどういうことになるんでございましょうか。この保育に欠ける子供というのは大体救われるというふうな計画でございましょうか。
○政府委員(松下廉蔵君) おっしゃるとおりでございます。ただ、五十年度におきまして、先ほど申し上げましたように、約百八十五万人という児童が保育に欠けるという推定をいたしておりまして、これはその置かれておる環境によりまして保育に欠ける程度、あるいはその地域における人数等、いろいろとバリエーションもあるという前提のもとに、約百六十二、三万のところを正規の保育所でまかないまして、その他、先ほど申し上げました児童館等も含めまして、補完的な作用も含めて、百八十五万に達すると推定されます児童につきまして十分な保育が行なえるようにいたしたい、そういう計画で考えておる次第でございます。
○萩原幽香子君 保育所のこの配置状況、現在の配置状況はどうなっておりますでしょうか。たとえば過疎の地域、あるいは過密の地域、あるいはまた保育所と幼稚園との比率、均衡、こういったようなものをどのようにお考えになっていらっしゃいますのか、ちょっと承りたいと思います。
○政府委員(松下廉蔵君) 保育所の総数、個所数、あるいは定員につきましては、先ほど申し上げましたように、逐年、各市町村とも非常に御熱心でございまして、相当な増加を見ておるわけでございます。ただ、ただいま先生御指摘のように、保育所につきましては、地域によりまして相当のアンバランスがあるということはいなめない事実でございます。特に、最近人口移動が非常に激しい。都市におきましては核家族、したがって子供が多い。しかも、若い夫婦でございますから、共働きの関係等で保育に欠ける子供が多いということははっきりした傾向がございまして、それに対して保育所をつくるためのいろいろな客観的情勢が必ずしも整わないというような面もございまして、都会地におきまして、どちらかと申しますと、ただいま御指摘の点を比較いたしますと、幼稚園と保育口所と比べまして、幼稚園に比べて保育所が少ないというような傾向が見られるところはかなりあるわけでございます。
○萩原幽香子君 保育所の実態についてお尋ねをしようと思ったわけでございますけれども、最近、民間保育所の伸びが非常に悪いといわれますね。公立の保育所は、先ほどもお話がございましたように、各市町村ではかなりそういう保育所に対する認識も高まってきたということでございますが、まだこれなかなか足りない。姫路なんかでも、夜から並ばなければ保育所に入れないといったような実態もあるわけでございますね。ところが、民間保育所というものが、そういう公立のものができないから、それじゃ民間でということになればいいんですけれども、なかなかそれができない。そのできない理由というものをどういうふうにお考えでございましょうか民間保育所は非常に伸びが悪いわけでございますね、その理由でございます。
○政府委員(松下廉蔵君) 現在の数から申しますと、公立の保育所と民間の保育所との比率は、大体公立が六一%、民間が三九%の率でございまして、この点は、特に民間のほうが著しく増設が少ないという傾向は私どもあまり見られないように思っております。まあ、ずっと通じまして公立のほうが数が多いわけでございます。したがって、公立も非常に先生のお話のようにふえておりますが、民間もかなり設置されておるというふうに考えておるわけでございますが、特に民間の場合は、たとえば公益事業の益金の配分であるとか、あるいは年金福祉事業団の融資というような方法も含めまして、相当熱心に設置していただいておるように承知しております。
○萩原幽香子君 局長さん、そういうふうにおっしゃいますけれどもね、民間でこれから保育所をつくるということは非常にむずかしいことになってくると私は思うんです。と申しますのは、私自身が保育所をつくった人間でございますから、その点は非常によくわかるわけでございますね。そこでお尋ねをしたいのですが、これは大蔵省にお尋ねをしたいと思うのですが、六十人定員の保育所をつくる場合に一体どれぐらいの金が要るとお考えでございましょうか、承りたいと思います。
○説明員(渡部周治君) 手元に私のほうで四十五年の実績を調べました資料がございますが、それのデータによりますと、先生お尋ねの六十人程度の規模の保育所で現実の建築単価といたしまして、青森県でございますが、八百四十五万円、それから福井県のデータで八百九十万ということになっております。
○萩原幽香子君 それは、四十五年といえば、もうずいぶん昔の話というような感じがいたしますけれども、それで、八百四十五万とか、八百九十万とかいうのは、土地購入費というのはどうなっているんでございましょうか。
○説明員(渡部周治君) これは土地代は別でございまして、施設をつくる建築費の価格でございます。
○萩原幽香子君 これは、私のところで去年建てましたのでは、大体百人ぐらいは入れるというものを建てたからかもしれませんけれども、大体二千三百万要っております、土地購入費をのけまして。たんぼは私のうちのものを放出しましたから、それは入れずに、建物と施設設備を合わせまして二千三百万、そのときにちようど、国から百五十万と、県からその半額の七十五万、計二百二十五万ということになりますと、大体十分の一の費用をちょうだいしたと、こういうことになるわけでございますね。そういう状態でございますと、これから民間で保育所を建てるということは、これはなかなかむずかしいことになる。私が民間の保育所はこれからむずかしくなるでしょうと申し上げたのは、そういうことをさしているわけでございます。
 そこで、この土地購入費についての助成というものはどういうふうになっておりますでしょう。私のように土地があって建てるものはいいとしましても、土地から購入してかかるという場合でございますと、その土地購入費というものの助成はどういうふうになっておりますでしょうか、これちょっと承りたいと思います。
○政府委員(松下廉蔵君) 現在は、社会福祉施設全体を通じまして、国庫補助がなされますのは建設費、設備費でございまして、土地購入費に対する助成はいたしておりません。
○萩原幽香子君 そういうことでございますと、ますます建てることはむずかしくなる、こういうことでございますね。せめてその土地購入費につきましても、ある程度の助成をしていただくということは今後お考えになれますでしょうか、いかがでしょう。
○政府委員(松下廉蔵君) 土地の問題を含めまして、この保育所その他社会福祉施設の設置につきまして補助が非常に少ないではないか、もう少し増額すべきだという御要望があることは私どももよく承知いたしておりますし、大蔵省とも逐年お話し合いをいたしておるところでございますが、土地の問題につきましては、いま申し上げましたように、ごく特殊なものを除きましては、厚生省関係全般と申してよろしいかと思いますが、国庫補助といたしましては、設置について土地購入費までの手当ては一般的にいたしておらぬわけでございます。この点は特に、御承知のように、地域によりまして地価が非常に違うというような要素もああろうかと存じますが、それと、保育所の設置につきましては、いま先生実額をもって御指摘になりましたように、実は建築自体に対する補助額が非常に低うございます。法律で定められておる率よりだいぶ低くなっておりまして、この点は、先ほどからお話がありましたように、保育所の設置に対する御要望というものが非常に強うございまして、そのために、従来とかく予算の額よりも個所数をふやさなければならないというような、私どもといたしましても多少苦しい立場がございまして、また地方公共団体としてもそういう御要望が非常に強かったため、とかく単価を安く押えるというような傾向があったわけでございますが、こういった点は、御指摘のように、今後伸ばしていきます上に適当でございませんので、建設の単価等につきましては、ここ一両年かなりの引き上げをはかっておるところでございます。一挙に土地まではなかなかこれは実際問題として困難かと存じますが、建設の単価等につきましては、できるだけ努力いたしまして、実際の価格に対する応分の助成という形にまで早く追いつくことができるように努力いたしてまいりたいと考えております。
○萩原幽香子君 まあたいへん御好意のある御答弁だったわけでございますけれども、先ほど融資のお話が出たわけでございますね。たとえば社会福祉振興会から融資を受けるとかいったような問題があるわけでございますけれども、この融資を受けました際の利息の問題でございますね、これは母子福祉関係の貸し付け金の利息は一体どれくらいでございますか。
○政府委員(松下廉蔵君) 母子福祉法に基づきます母子福祉資金の貸し付けの利息でございますか。
○萩原幽香子君 はい。
○政府委員(松下廉蔵君) 三%でございますね。
○萩原幽香子君 これは同じゃはり福祉関係でございますから、やはり福祉振興会の利息も同率にしていただくというわけにはまいりませんでしょうか。この問題について、やはり法人のものをつくるのに対しまして、融資を受けて、それを返還、償還していくといったようなときに、その利息の問題というのは気になるわけでございますね。そういうことで、二年間は利息がないという形で償還をさせていただくことになります。ところが、それからは利息を込めての償還になりますから、かなりの額になってくるわけでございますね。そこでまあ、同じ福祉関係なら、振興会の利息も母子福祉関係への貸し付け金同様に三%にしていただいたらたいへんありがたいと思うわけでございますが、その点いかがでございましょう。
○政府委員(松下廉蔵君) まことにごもっともなお話でございまして、私どもも、この保育所その他の福祉施設、あるいは一般的に社会福祉施設をできるだけつくっていただくという立場から申しますと、社会福祉事業振興会の利率もできるだけ安いことが望ましいと考えております。また、融資の中には、老朽施設等に対しまして特殊な配慮をしておるものも若干あるわけでございますが、ただ、ただいま御指摘になりました母子福祉資金の貸し付けと多少形が異っておりますのは、母子福祉資金のほうは、一般会計から予算を出しまして都道府県に対して貸し付ける、その都道府県がそれに二分の一を付け加えまして特別会計を設けて、未亡人の方あるいは未亡人団体にお貸しするという形をとっておるわけでございます。ところが、社会福祉事業振興会の資金は、御承知のように、年金の積み立て金等でございまして、これは反面、受給権者のために一定の率を持ちまして運用していくという資金的な要請もあるわけでございます。そういった国家財政全般の中で、私どもといたしましては、理財局あるいは主計局のほうとも御相談いたしまして、また年金局のほうとも御相談いたしまして、御趣旨のような線に沿うように、できるだけ低い利率で融資ができますように努力してまいりたいと考えております。
○萩原幽香子君 ぜひそういうようにお願いをいたしたいと思うわけでございますが、無利息期間というのが二年でございますね、ただいまのところ。もし、同額にしていただきたいのですけれども、それができないような場合には、無利息の期間の二年というものをもう少し延長していただくとか、あるいは償還期間を延長していただくとか、そういったようなことになりますと、ある程度利息を安くしていただいたのと同じような効果をあらわすことができるのじゃないかというふうに考えます。そういうものの御研究をぜひひとつお願いを申し上げたい、かように考えるわけでございます。その点はいかがでございましょうか
○政府委員(松下廉蔵君) ごもっともな御提案でございますし、私どもも実現できればけっこうなことだと存じます。他局、他省の所管とも関係がございますので、できるだけそういう方向で相談をさせていただきたいと思います。
○萩原幽香子君 時間がなくなったわけでございますけれども、措置費の問題についてちょっとお尋ねをいたしたいと思います。措置費の内訳をお聞きすればよろしいのでございますけれども、時間がございませんから、きょうはこの措置費の通年制の問題についてお伺いをいたしたいと考えるわけでございます。たとえば、ことしの四月に二歳児として子供をお預かりいたします。二歳、三歳、四歳児というふうにお預かりをいたしました場合に、その子供の誕生日がきましたら、三歳の子供は四歳としての措置費になってくる、こういうことなんでございますね。これは非常にややこしいやり方でもございますし、また、保育所といたしましては、措置費というもので先生の給与をまかない、すべてのことをやっていくという段階で、そういうふうに子供が誕生日を迎えたから措置費が減ると、こういうことになりますことは、非常に苦しいことになるわけでございますね。そうでなくても民間保育所というのは非常に苦しい運営をしているわけでございますから、そういった形で措置費が子供の誕生日のたんびに減っていくといったようなことは、非常に困ることなんです。そういうことをなさる、通年制をおとりにならない理由というものは、一体どういうところにあるんでございましょうか。
○政府委員(松下廉蔵君) 御指摘のとおり、保育所を運営していただきますお立場から申しますと、途中で変わるということは、これは特にその該当年齢の子供が多い場合には職員の定数にも響いてくることでございまして、御苦労いただくことになるであろうということは、よくわかるわけでございます。ただ、この措置費の額は、御承知のように、一方で公費をもって支弁いたします額であると同時に、また徴収にも――これは全額徴収の方が主になるわけでございますが、影響するという性格を持っておりまして、その両面から考えなければならぬという要素も多少あろうかと思います。その辺はまあいろいろな考え方があると思いますが、現在三歳児につきまして通年制をとっていないという理由は、これは多少沿革的な理由もございまして、御承知のように、三歳未満児については、これは保母の定数が六対一から二十対一と格段に違います関係もありまして、通年制をとっておるわけでございます。ただ三歳児と四、五歳児につきましては、現在は二十対一と三十対一、以前には二十五対一と三十対一であったというようなことで、それともう一つは、三歳児を含めまして、三歳以下の児童の数が現在よりも少なかったというような事情もございまして、多少沿革的に通年制をとらなくても運営にあまり支障がないというような事情も正直に申し上げてあったようでございますが、現在は、定数も変わってきておりますし、また関係者の方の御努力によりまして三歳児の措置費も一時に比べて非常に多くなってきております。そういう点から考えまして、私どもといたしましても、こういったことについてはできるだけ実情に合う運用ができるように、今後できるだけすみやかに検討してまいりたいと、このように考えております。
○萩原幽香子君 これはぜひ通年制をとっていただきたいと思います。子供をたとえば四歳になったからといって組みかえをするわけにもまいりませんし、そういったような問題もございますから、やはりこれは四月に入って三月まではその三歳のところで、三歳児であった子供は三歳のところへ置いてやっていただくということが子供の上からも望ましいことでございましょうし、また運営をします者にとりましては、誕生日が来るたびにその報告をして変えなきゃならないといったようなことも、なかなかにわずらわしいことでございますから、こういった点をひとつ御配慮いただきまして、ぜひこの通年制の問題ではお考えをいただきたいと、こういうふうに考えるわけでございます。
 その次にお尋ねをしたいことでございますけれども、保母の問題なんですが、昨年開かれました全国社会福祉協議会保母の会というところで、ある保母さんがこういう発言をしておられるということでございます。幼維園に通っている子供が保育所に行っている子供をつかまえて、「君は保育園に行っているから遊んでやらないよ」と、こういうことを言ったと、そしてそのまた若いおかあさんたちが、「ここは貧乏人のいるところですよ」と、こういう話をしていることをしばしば聞いたと、涙を流しながらの報告であったと、こういうことを私は報告として聞いたわけでございますね。こういったようなことは、一体どこに原因があるとお考えでございましょうか。私は、この幼維園と保育所の問題、あるいはその保育所の中でも、公立の保育所と民間の保育所の問題、いろいろ格差があって、その中で育つ子供たちが受ける影響というものが非常に強いことを考えますときに、これはたいへん許せない問題だと考えたわけでございますけれども、こういうようなことになった、こういう偏見というものを持たせるような理由というものは、一体どこにあるのでございましょうかこの点を厚生省としてはどのように受けとめていらっしゃるか、承りたいと存じます。
○政府委員(松下廉蔵君) 実は私も、いまの話、報告を聞きまして、まことに残念であるし、そういうことがあってはならないものだというふうに考えたわけでございます。どういう理由という点はいろんな考え方があろうかと思いますが、私ども一応いろいろと中で話し合いましたのは、保育所は、御承知のように、児童福祉法が先ほどのお話のように二十五年前にできましたときから、まあその前から託児所という形であったわけでございますが、特に戦後二十二、三年――施行が二十三年からでございますが、戦後の混乱期におきまして、数の少ないそういう時期におきます保育所というのは、必然的にやはり生活がどうしても苦しいために働かなければならないというぎりぎりの生活をしておられるおかあさんの子供のために設けられたという要素が多かったようでございます、沿革的に見まして。それに対して、一方幼稚園は非常に数が少なかった。これは、戦前から戦後の一時期を通じて数が少なかったわけでございます。したがって、幼稚園に子供を通わせる、もちろん義務教育でございませんから、そういった家庭は一応かなり裕福な家庭というようなイメージがございまして、そういう考え方が、時代を経て、幼稚園、保育所ともに格段の普及を見てまいりました現時点においても、なお一部の方に残念ながら残っておるのではないかという感じを持っております。
 で、実情といたしましては、私どもで調査いたしましても、四分位階層に分けまして、第一四分位――比較的所得の少ない四分の一の方が保育所に入っておる率が二一%。それに対して、第四四分位――一番上のクラスでも一四%保育所に入っておる。保育所に入っておるということは、現在すでに幼稚園との間でいわゆる社会的地位というようなこととは何ら関係のない状態になっておりますことと、それからいまのお話、私ども伺いまして、実際にショックを受けまして、何人かの関係者の方に聞いてみたわけでございますが、私どもの聞きました限りでは、そういった考え方をとるのは現在ではもうごく一部の人じゃないだろうか。一般の社会的な通念としては、すでに保育所と幼稚園というのは、気持ちとしても非常に融合してきておるし、ただ地域的なアンバランスが先ほど申し上げたようにございますために、そういった意味で、ある地域では保育所に行く人が多い、ある地域では幼稚園に行く人が多いという程度のアンバランスが通常ではないか、そういうふうに聞いております。
 ただ、なお一部におきましてもそういう偏見があるということは、たいへん残念でございますので、私どもといたしましては、そういう社会的な偏見をなくします、そのためには、やはり保育所の内容をよくしなければいけませんので、それを中心として努力もしてきておりますし、今後も努力してまいりたいというふうに考えております。
○萩原幽香子君 時間が来ましたので、もうこれでやめたいと思いますけれども、いま一部の者とおっしゃいましたけれども、私はこれは決して一部の者ではないと思います。と申しますのは、これは保育所の保母さんはいつ研修をするのでございましょうか。研修の場というものがどうして持てるんでございましょうか。私は、幼稚園の先生たちは、短い時間で、あとの時間を研修に充てる。そして、みな集団で集まって研修の場を持てる。そういうことが保育所の場合にはほとんど不可能でございますね。ですから、これは定員の問題も考えていただかなければなりませんし、あるいは保育時間が、現状のままでいまの保育時間をまだもっと延ばしてくれといったような要望の出ているときでございますね。私は現状では決して延ばしてはいけないと思っております。そういう中で、だんだんと保育時間を長くしてほしいといったようなことがあり、そして保母さんの定員は決して増加にはなりません。そういう中で、保母さんたちは四苦八苦しながら勉強しなければならないのですけれども、集団で勉強する場を持てない。ところが、ある指導主事さんがある保育所の保母さんたちの研修の場で、ああ保育所の保母さんでも勉強するんですかといったようなことを指導主事が言ったという現実があるわけでございますね。それほど保育所というところは、ただけがをしないように遊ばせておいたらよろしいといったような考え方がまだまだ根強く残されているということを、私は考えていかなければならないと思うのです。しかも、この保育所と幼稚園を比べましたときに、いろいろむずかしさがございますから、施設、設備にいたしましても、やっぱり保育所は幼稚園並みにはいかないというところがございます。よく設備のできたところで、しかもしっかり勉強した保母さんに育てられるということは、やはりこのほうがよろしいと考える親があったって、私はふしぎではないと思うんです。それを何とか解消しない限り、この保育所と幼稚園との関係、そしてそこに学ぶ、そこでとにもかくにも育てられる子供というものに対して、私は非常に申しわけな、気持ちというものを持つわけでございますね。だから、そういう点を十分考えていただいて、これから私はもっと保母さんの問題について、あるいは勤務条件、労働条件、あるいは保母さんの給与の問題、あるいはこうした研究の問題、こういったことについては日を改めて十分私の意見も申し上げながら、研究をしていただきたいと思います。とにもかくにも、同じ二十一世紀を背負う子供たちを育てる場でありながら、片や幼稚園と、片や保育所というところでの差があり、また同じ保育所の中でも公立と私立の格差が大き過ぎる、こういったようなことではたしてよろしいのでしょうかと私は申し上げたいわけでございます。こういう児童福祉法二十五周年を迎えるにあたりまして、あらためてこの問題を十分お考えをいただきたい。これは私は、厚生大臣にこの御決意のほどを承って、質問を終わりたいと思います。
  〔理事小谷守君退席、委員長着席〕
○国務大臣(斎藤昇君) 児童保育の問題はまことに重大だと考えております。私、思うのでございますが、保育所を建てたい、その補助金をもらいたい。補助金も、先ほど局長が申しましたように、法律で定めているだけの金額にはなっていない、しかも需要を満たしていない。もう補助金をほしい、建てたいという市町村がないかというぐらいにまで早くなりたいと、こう思っております。これは一つ目標としてまいりたい。五カ年計画というのもちょっとほど遠いと私は思っておるのでありますが、まあこれからの日本の経済全体の成長計画にあわせて福祉、社会保障のあり方も考えるということになっておりますから、その中でできたらそういうテんポも速めてまいりたいと、かように考えまするし、また福祉施設、ことに保育所に働いている保母さん等の待遇の問題人数の問題というのも、私はおっしゃるとおりに思いますので、できるだけ努力をしてまいりたいと、かように思っております。
○萩原幽香子君 大蔵省にちょっとお願いいたします。
 いまの話、十分私は肝に銘じていただきたいと思います。この厚生省の、特に福祉の問題につきましては、大蔵省としても査定がややきびし過ぎるのではないか。福祉国家を建設するとおっしゃりながら、こういう社会福祉の面についてはなかなかきびしい査定しかやっていただけないというのでは、厚生省がどれほど力を入れていただいても、前進はむずかしい。ことに厚生省の方、どうぞひとつこの私が申し上げたことを肝に銘じてお帰りをいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○説明員(渡部周治君) 先生のお話、非常に実地の御体験に基づきまして切々たるお話でございました。十分私感銘を受けたわけでございます。今後とも厚生省とよく話し合いをいたしまして、保育対策の予算を充実いたしまして配慮いたしていきたいと思っております。
○委員長(足鹿覺君) 他に御発言もないようですから、防衛庁及び厚生省の決算につきましては、本日はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十五分散会
     ―――――・―――――