第071回国会 農林水産委員会 第21号
昭和四十八年七月六日(金曜日)
   午後一時十六分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         亀井 善彰君
    理 事
                園田 清充君
                初村滝一郎君
                工藤 良平君
                中村 波男君
                塩出 啓典君
    委 員
                梶木 又三君
                河口 陽一君
                小林 国司君
                佐藤  隆君
                田口長治郎君
                高橋雄之助君
                鍋島 直紹君
                温水 三郎君
                平泉  渉君
                堀本 宜実君
                足鹿  覺君
                杉原 一雄君
                辻  一彦君
                村田 秀三君
                吉田忠三郎君
                塚田 大願君
   国務大臣
       農 林 大 臣  櫻内 義雄君
   政府委員
       食糧庁長官    中野 和仁君
       水産庁長官    荒勝  巖君
       中小企業庁長官  莊   清君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
   説明員
       環境庁企画調整
       局公害保健課長  山本 宜正君
       環境庁大気保全
       局大気規制課長  石田  齋君
       環境庁水質保全
       局水質管理課長  山村 勝美君
       大蔵省銀行局特
       別金融課長    山田 幹人君
       厚生省環境衛生
       局乳肉衛生課長  岡部 祥治君
       厚生省医務局国
       立病院課長    佐分利輝彦君
       通商産業省化学
       工業局化学第一
       課長       高橋  清君
       運輸省港湾局技
       術参事官     大久保喜市君
       運輸省港湾局機
       材課公害対策室
       長        加藤 勝則君
       自治省財政局財
       政課長      土屋 佳照君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○派遣委員の報告
○農林水産政策に関する調査
 (有明海等における水銀等の汚染による漁業被
 害対策に関する件)
○連合審査会に関する件
    ―――――――――――――
○委員長(亀井善彰君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 先般、当委員会が水産業協同組合法の一部を改正する法律案の審査に資するため、委員派遣を行ないました。
 有明海等における水銀等の汚染による漁業被害の実情調査につきまして派遣委員から報告を聴取いたします。初村君。
○初村滝一郎君 去る六月三十日と七月一日の二日間、園田委員、辻委員、沢田委員、塚田委員、それに私、初村の五人は、熊本、福岡、長崎の三県で、有明海等の水銀等による漁業被害の実情を調査いたしてまいりました。詳細な報告は会議録の末尾に掲載させていただきたいと存じますので、ここでは時間の制約もあり、簡単な概況報告にとどめることを御了承願います。
 まず、調査日程ですが、第一日目は、熊本県庁、水俣市、宇土市で、熊本県知事をはじめ、関係者多数の方々から、現況の説明と要望等を聴取いたしました。また、宇土市では、日本合成化学工業熊本工場を視察いたしました。
 翌二日目は、大牟田市に行き、福岡県当局等関係者から事情を聴取するとともに、三井東圧化学大牟田工業所を視察いたしました。さらに、島原市に参り、長崎、佐賀両県知事等関係者多数から現状説明と陳情を受けました。
 これらの県では、五月末の第三水俣病発見の報道とともに、魚価の急落をみたのでありますが、それに続く水銀の暫定許容基準の設定、魚の安全献立表の厚生省発表と、その内容変更等が、これに追い打ちをかける形となり、魚価はまさに暴落状態を呈するに至ったのであります。このため、多数の漁業者が出荷停止に追い込まれたのであります。さらに、その影響は、漁業者だけにとどまらず、仲卸し、鮮魚商、行商、漁具商小型造船所、水産加工業、観光サービス業といった、魚と海に依存する度合いの高い職業に、広範囲にわたって及び、生活の道を奪われる人々を続出させている状況であります。この結果、現地では、汚染源企業の責任を追及する声とともに、国の公害対策についても、きわめてきびしい批判が出されるに至っております。
 なお、県、市、町等の地方自治体も、これが対策に鋭意取り組んでおりますが、財源の捻出等に苦慮している状況であります。
 私ども調査団の一行は、こうした情勢を視察した結果、国の力によって一日も早く救済することの必要性を、ひとしく痛感いたしたのであります。その具体的な対策については、現地で承わった陳情、要望書等に、言い尽されているように思いますので、共通する項目のうち、おもなものを次に要約いたします。
  一、総合的環境調査と汚染源の究明、国による医師団の派遣と住民の健康調査、魚介類検査の継続的実施体制の確立
  二、漁業者、流通業者、加工業者、観光業者等の経済的損失に対する補償、緊急融資等の救済策の樹立
  三、汚染水域における漁獲禁止や補償等に対する立法措置
  四、堆積汚泥や廃棄物の処理と汚染漁場の復旧
  五、第二次沿岸漁業構造改善事業の繰り上げ実施等の沿岸漁業の振興対策
  六、水俣病認定の迅速化、介護手当等の改善
  七、水俣病の研究・治療機関の設置
  八、水俣病の水俣という地名を冠した病名の変更による地元イメージの回復
  九、水銀排出工場の即時操業停止
  十、一般魚介類の安全PR
  十一、関係地方自治体に対する国の助成
 等であります。
 以上はなはだ簡単でございますが、御報告といたす次第でございます。
○委員長(亀井善彰君) ただいま報告されました詳細は、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じます。御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀井善彰君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ―――――――――――――
○委員長(亀井善彰君) 有明海等における水銀等の汚染による漁業被害対策に関する件を議題といたします。
 本件に対し質疑のある方は順次御発言を願います。
○園田清充君 ただいま初村団長が報告をいたしましたことをもとにして、私もその団員の一人としてつぶさに現地を視察をいたしてまいりましたので、この点について政府側から答弁を承りたいと思います。
 きょうは全国の漁業者危機突破大会というのが九段会館で開かれておりまして、私どもに、いわゆる漁民に海を返せ、同時に、われわれに生活の補償をしろという要求の大会が開かれておることは御承知だと思います。この東京に全国の漁業者が集まって、こうした大会を開かなければならない、その原点である水俣病――有明海、八代海、不知火海という三地域を中心として実は調査をいたしてまいりましたが、私どもは、この実情をまのあたりにして、関係者が非常に今日苦痛の中に、苦悩の中にあえいでいる姿をまのあたりにしてまいっております。そこで、きょうは各省庁にまず私は冒頭お願いをいたしておきたいことは、きのうから足鹿委員の質問、その他伺っておりますと、非常に事務的な答弁が多い。だから、レクチュアの段階でも私はお願いをいたしておきましたけれども、イエスかノーか、また現状はこうだけれども、私どもはこうしたいという、皆さん方の熱意あるひとつ御答弁を承りたいということを前段にひとつお願いを申し上げておきたいと思います。
 そこで、一体水俣病、水俣病と言うけれども、一般の人たちが、はたして水俣病なるものをどう理解をして今日対処しておられるのかという点。こういう初歩的な質問から実はさしていただきますけれども、まず水俣病というものが、テレビその他を通じて、あの急性患者の方々の痛々しい姿を全国民の人が見ていらっしゃる。そこで厚生省にまずお伺いをいたしたいのは、水俣病の症状というものがすべてああいうものであるのか。あるいは急性、慢性と分けて、一体普通の人が理解するにはどういう症状であるかということについて、ひとつ厚生省からまずお聞かせを願いたいと思います。
○説明員(山本宜正君) 現在私どものほうで被害者救済法を所管しておりますので、私のほうからお答えさせていただきます。
 水俣病につきましては、昭和四十五年の二月から、現在の公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法で指定をいたしまして、その指定をいたしましたときに、専門家の意見を伺いまして、それによって診断の基準というようなものを考えたわけでございますが、その内容といたしまして、いわゆる成人における水俣病というのは、口の回りのしびれに始まりまして、手足のしびれ、視野狭窄、運動失調というような特異な症状を示すものである。それはメチル水銀によって汚染された魚を多食することによって起こる疾病である。こういうぐあいに簡単に申し上げると申し上げられるかと思います。
○園田清充君 まあしろうとだからそれなら重ねてお聞きしますが、いまメチル水銀によって症状が発生をするというお答えでしたけれども、私どもがいろいろ仄聞するところによると、おっしゃったとおり、水俣病は水銀中毒によって発生をする。ただし、たとえばマグロ漁船に乗り込んでいるような人たちが、これは日に六百グラム、あるいは八百グラムのマグロを食っている。それが二十年あるいは三十年、船に乗っていても、水俣病の症状が起きてこない。だから、しろうとから考えると、じゃあ、水銀中毒ということだけれども、水銀だけで水俣病になるのかどうか。この辺、まあいまのようなことを一つの例として考えますと、しろうとには非常に理解に苦しむ点があるんで、この点をひとつわかりやすく説明を願いたいと思うのです。
○説明員(山本宜正君) 本来なれば医学の専門の方にお答えいただくのが適切かと思いますが、私の知っている範囲でお答えさせていただきます。
 一般的にいいまして、毒物による中毒というのは、その体内に入ります量によって症状が発現する、あるいは症状が発現しない、こういう差があるように私は理解しておるわけでございます。したがいまして、いま先生の例に出されました現在の悲惨な水俣病の患者さん、あるいは中には非常に症状の軽い方で認定された方もおりますが、これらの相違というのは、おそらくその方々が体内に取り込まれた水銀の量が違うということが一つあると思います。それからマグロの漁船員が大量に食べておるというお話でございますが、マグロの漁船員の場合には、おそらく絶えず食べるのではなしに、一応漁に行って帰ってくるというふうな、休止している時間もございますから、要するに、個人個人による影響の受け方の相違というものと、もう一つは毒物を体内に取り込む量の相違、それから同時に排せつという関係、それらの関係であの悲惨な症状が出てきたり、あるいはある程度の少ない量である場合には全く症状があらわれない。あるいは病気の程度にまでなっていない。こういうぐあいに私は理解しております。
○園田清充君 その辺の説明というのが非常にしろうとにはわかりにくいんです。おっしゃるとおりあなたが、量をよけいとり過ぎたら、それから、排せつが云々ということをおっしゃるけれども、いまマスコミその他が報じているのは、水銀中毒だ水銀中毒だと、こうやってる。確かに原点である水俣に行ってみますと、これはやはり水銀中毒だという患者の人たちがたくさん出ている。ところが、いま私が例をあげたように、マグロ漁船に乗っていて、これはやっぱりさしみをたくさん食ったり、さしみでなくても、マグロをたくさん食ったり、いろいろしている。だから、むしろ水銀の摂取量というのはかなり高いはず。にもかかわらず、全然出てこないとなると、今度はその過程において何かのものと、ほかのものとの、まあ中毒というから食い合わせとか、あるいはいろいろな問題が出てこなきやならないはずだと思うんです。ただ、それを水銀中毒だ水銀中毒だと、こうやっていらっしゃると同時に、受け取り方も、いまおっしゃった、私が言ったような受け取り方を一般の国民の人たちはしていると思う。だから、この辺をもう少しはっきりわかりやすく国民に理解を願うということか――私は、あとの質問があるからこれはただしておるんですけれども、必要ではないかという気がする。
 だから、この点については環境庁としてもひつつ研究になって、国民の皆さん方に、水俣病というのはこういうものだと、同時に、こういうことで症状が発生するんだという、いわゆる中毒、水銀単独のものかどうか、その辺のことをもう少し明確にわかりやすく私は説明を願いたいと思う。その辺の検討、研究をひとつお願いを申し上げておきます。
 次に、実は出身が私は熊本だけに、御同行願った委員の皆さん方も非常に御同情いただいたんですけれでも、熊本の連日新聞を見てみますと、中央の政界の記事は載っていなくとも、水俣病の記事が載っていないというのはこのごろないんです。まして原点である水俣市あたりにおいては、もう水俣病というと何か、ちょうど例にたとえると、これは例にならないかもしれないけれども、たとえば伝染病かなんかが蔓延をして、その中に自分が一人かからずに生きているような、いつかかるかというふうな、まあ錯覚といえば錯覚的な苦脳の中に、これは追い詰められておるというのが大体熊本県の実態でございます。
 そこで今日の、これは厚生省だと思いますけれども、医療機関のあり方について私はひとつお尋ねをして見たいと思うんです。それは、いま私どもしろうとには、水銀中毒だということも、ただ単なる水銀中毒ということでは理解しにくいように、一方、学者という人たちが言ったことには、信憑性という問題からすると、やはりしろうとはお医者さんの言うことだから何でも信じていくという傾向がございます。また私もひとつ信じたい。ところが熊本のたとえば熊本大学というのは、これは少なくとも水俣病では各大学のうちで最高の権威を持っている大学だと思います。その大学で次々に検診をなさっていらっしゃるんですが、ところが、この間大牟田在住の、これは名前を申し上げません。ある患者さんが、これは水俣病の疑いがあるということで診断を受けて、そこで熊本の某大学の助教授と立ち会いで九大がこれを検診をされた。ところが結果的には水俣病でないということ。それからもう一つ例をとりますと、山口県の南陽市の患者さんが熊本のある精神病院に来て、そして診断を受けられて、この病院長が水俣病の疑いがあるということで、これも全国的な報道をなされた。さっき申し上げるとおり、熊本県民というのはたとえば山口県で起きた病気でも、何か自分の身近なこれは病気のような気がして、その受けるショック、打撃というのは非常に大きい。同時に、こういうふうなことで、やれあの人は水俣病だったそうだ、疑いがあるそうだと、こうやっていたものが、あの大学ならばと信用していた大学が、他の大学との合同検診であれは違っていたということ。同時に、その間にたとえば漁業者が受ける被害、あるいは関連する企業、個人が受ける被害というのは非常に大きい。見てみますと、このごろは、行政機関のあなたたちがしり込みをして、いろいろなことを発表なさらぬのかどうか、現地にまかしていらっしゃるか、機関にまかしていらっしゃるのかしらないけれども、大学の先生たちがやたらにしゃべり過ぎて、しかもあとで間違いでしたと、こういう診断を出されることは、ぼくら地元にとってははなはだ迷惑なんですよ、これは。だから、もし間違ったときはそれなら――いま私ども現地に帰ると、何でおまえら国会議員をやっとるかと、何おれたちのためにしてくれたんだという、私どもは、ばり雑言を受けなきゃならないような状態なんです。こういう中でいまのような形で次々に発表されて、それが真実であった場合はいいんです。これはお医者さんには早期検診、早期発見という重大な学者としての、あるいは医者としての良心もあるでしょう。しかし一方、そのことによって深刻な打撃を受ける人が非常に多い。だから、とたんに魚の、たとえば山口県の南陽市の人が、いまの精神病院で、あなたは今度は、いま言うとおり疑いがありますよと言われると、これでも魚の売れ行きが悪くなる。ああ違っていたからといって、この人たちが、間違ったから補償をいたします、というようなことは言ってくれない。また、やろうとしますまい、やってくれとも言わない。
 だから、国民全体に恐怖を与えるような、こうした学会の発表等について、厚生省は一体どういう御指導をなさっているのか。もしあなたの――私はきょう申し上げたいけれども、発表の指導その他に誤りがあるとするならば、これは単に企業者負担の問題でなくして、行政庁の指導の誤りだということで、国も重大な責任を感じてもらいたいということなんです。だから、この点について厚生省はどうお考えになっているか、ひとつお答えを、願いたいと思う。
○説明員(佐分利輝彦君) 水俣病は地域が水俣の周辺とかあるいは新潟の周辺に限られておりますので、多くの学者とか臨床医はその経験とか学識をあまり持っておりません。そういう関係で従来からも、大学としては熊本大学、福岡大学、九州大学、それから新潟大学、こういったところが特に御熱心に研究とか診療を進めていらっしゃったわけでございますけれども、この病気の研究発表につきましては、そういった種々の大学研究機関、医療機関がそれぞれ研究なさいまして発表なさるというようなことによりまして、医学、医術も進歩いたしておりますので、学会のような自由な討議の場において、その研究業績を発表されて御討議をいただくということが望ましいのではないかと考えておる次第でございます。
○園田清充君 いまあなたがおっしゃったような、ただ望ましいでなくして、望ましければ指導してもらいたい、そういうふうに。ただ望ましいと厚生省が考えておられたって、迷惑するのはいまたとえば、これはあとでまた触れますけれども、漁民、あるいは関連する企業、個人が非常な迷惑をこうむっている。だから、学者の人たちがやはりみずから世間に公表したことに対しては責任を持つという前提があって私は初めて学者と言えると思う。だから、そういうことについてもう少し徹底したひとつ指導を厚生省としてはしていただきたいと思うんです。
 そこでひとつお願いをして、これができるかできないか検討をし、まあできるというなら非常に私としてはこれは喜ばしいことですけれども、いま私が申し上げたようなことで、できれば、国が機関指定をしてもらいたい。水俣病だと思う人はここへ行って検診を受けなさいという、指定医療機関を指定してもらいたい。それができるならば私が言っているような、世上の誤解あるいは心理的に世の中を混迷におとしいれるようなことが私はなくなってくると思う。したがって、いまのところ、いまの水俣病の段階では、まずとらなければならない措置というものは、この不安感をどう除去するかということが国民的な間にいろいろ投げかけている波紋の中からして大事だと思う。そういうことから考えると、厚生省としてこうした、これは環境庁の所管か厚生省の所管かわかりませんけれども、指定医療機関を、水俣病の検診医療機関を指定していただきたいと思うんだが、これに対する考え方をひとつお聞かせ願いたい。
○説明員(山本宜正君) 現在、先ほど申し上げましたように、健康に関する被害者の救済法の中でやはりこの水俣病の診断ということがあるわけでありまして、この認定のための診断というのは、たいへん技術的に現在むずかしいわけでございまして、専門の先生というのは熊本大学、新潟大学、そのほか二、三の大学に限られております。したがいまして、医療機関を指定して診断していただくということではなしに、認定のための最終判断というのは、非常な精密な検査をいたしまして――その精密な検査につきましては現在の救済法の事務費の中で検査費をみておりますが、非常に高度な検査をいたしまして、その結果を十人ぐらいの先生によります、大学の先生を主として構成いたします知事の任命する審査委員会で、非常に精密な議論をいたしまして診断をすると、こういうような方式をしているわけでございまして、機関を指定して診断をするという方式もございますが、その診断の高度な技術を要するということから、現在そのような形をしておりまして、いま先生がおっしゃるようなことを現在では考えておらないわけでございます。
○園田清充君 現行法規からいうと、あなたがおっしゃったようなことで地域指定が都道府県知事にゆだねられているようだし、そうなると、その地区内における、行政管轄圏内における知事が、そうした一つの機関というものに、ゆだねてやっておるんですが、ところが、いま私が前段として申し上げたようなことで、いま環境庁としては、むしろ厚生省よりも環境庁としては、水俣病で非常に世間が騒いでおる、困っておる。だから、あなたたちは、やっぱり私は、そういう考え方はございませんとおっしゃることがおかしいのであって、それではさっきのようなことを責任をもって、どっちかだけでも、絶対いまのような、過去にあったようなお医者さんがたの発表はいたさせませんということを、私お約束いただけるならば、あなたがそういう医療機関を指定いたしませんということを、そうですかということで引き下がりましょう。だから、どっちかにしてもらいたいと思うのだ。だから、厚生省と何か両方御相談になって、どっちをとるかを御返事願いたい。両方とも、片方も望ましくございませんと言う、片方は私どもはさような意思はございませんと言った以上、お医者さんが自分かってにいまのようなことをして、あとで間違いでしたということで、世間にかけた御迷惑というのはだれがしりぬぐいをしますか。それではかけた医者が、たとえば漁業者なら漁業者に、あるいは魚が売れゆきが悪くなったというような問題に対しては、その人たちが補償をするということを、私どもはそれで了承してよろしいか、そういうことの措置もありますということを了承してよろしいんですか、どっちなんです。
○説明員(山本宜正君) 現在起きております事象というのを考えてまいりますと、これは熊本大学の一部の先生方が研究的な態度でなされました結果として報告をされたと、ただ、これは熊本県知事が研究委託をしたわけでございますけれども。私、いまその機関指定のことに関しまして申し上げましたのは、認定をするための患者、これはもう法に基づく認定でございますし、そのための認定につきましては、機関を指定しておりませんけれども、実態といたしましては、熊本大学のそれぞれの専門の教室の先生方が、認定申請をされた患者さん方を精密にみまして、その結果を、認定審査委員会で判断をして水俣病と認定するわけでございます。現在、武内研究班が発表されましたケースは、これはこういった手続きを経た認定の患者ではない。こういうぐあいに御理解いただきたいと思いますし、現在の機関指制をとるということにつきましては、一、二の少数の先生方の判断にゆだねるということになるのではないかということでございますので、現在の方式をいま続けていこうと、こう実は考えているのでお答えしたわけでございます。
○園田清充君 あなたが言っていることと、私が言っていることと少し食い違いがあるようだけれども、私が言っているのは、たとえば、これは熊本だけの問題じゃないと思うのです、現状では。しかも、水産庁の長官がかけているから、私は農林水産委員会の一人として実は長官に同情をしているのだ、これは。ある意味では被害者だと思うのだ。だからそういう意味から考えて、あなたたちに私がお願いをしたいのは、水俣病の検診をなさると、検診をする機関というのを――ただ熊本大学の問題だけじゃないのだ。いま私が申し上げたように、瀬戸内海に属する問題が熊本に持ち込まれてきて、熊本でそういうふうな発表がなされる。しかも、それが大学なら大学へ行ってなされれば別ですよ。大学でいま武内研究班なら研究班の診断を得た結果によって、ああこれは疑いがあるとか、あるいは水俣病ですという認定がされるならば別だけれども、一町医者の精神病院に行って、そこで発表される。ところが発表されると、熊本ではそれがあたかも熊本で、病人が発生したかのごとき錯覚におちいって、魚の売れ行きも悪くなるし、いろいろな恐怖心というのが追い打ちをかけられるようなことになってくるのだ。だから、私は、国としていま全国的にこういう段階であるから、もし疑いがあるならば、東京大学でもよろしい、あるいは京都の大学でもよろしい、名古屋の大学でもよろしい、こういう医療機関を指定をするから、そこで診断を受けてくださいというふうな指定医療機関をおつくりになって、そうしてそこでもし疑いがあるというならば、あっしゃったとおり最高の権威たり得る機関にこのものの最後の認定をまかせる、ゆだねるということをおやりになってもよろしかろうと、こういうことです。だから、あなたにこれ以上私が言っても、あなたでは判断はつくまいから、前向きに検討させていただきますということだけを答弁をしてもらいたいと思う。研究もしませんというならまた私も追います、これは。
○説明員(山本宜正君) 少しお答えと違うかもしれませんが、現在、有明海周辺の地域の漁民を中心とする健康診断を計画して、すでに実施に入っております。また、徳山市周辺につきましても同様なことをいたしておりますが、これにつきましての最終判断は、権威ある先生方を数人の委員として構成いたしまして、その中で、判断をしていただく。これは、一応県の実施する調査でございますので、県がそれぞれの権威の先生を委嘱して、その中で判断をしていただく。その判断でも判断がつかないというような場合には、国のレベルでの診断、最終診断をするというような委員会を設けるべくいま準備をしているわけでございまして、これからのなされます地域の健康診断の最終的な判定につきましては、そのような手順を踏みまして権威のある結果を出したい、かように考えているわけでございます。
 なお、先生のおっしゃる意見につきましては、ひとつ地元の関係とも相談をして検討してまいりたいと、かように存じます。
○園田清充君 まあ、あんまり深追いしても何でしょうから……。
 そこで一つだけ、私は、これは不平ばかり言っているようだけれども、むしろきょう尋ねることは、住民サイドに立って尋ねることが自然だと、こう思うからお伺いをするのですけれども、たとえば同じ水銀の魚の含有量を調査されるのに――これはあなた方御存じになっているかどうかわかりません。わかりませんが、熊本で天草という島があるけれども、それが東シナ海に面して、全然これはいまの汚染の問題とは関係ない地域なんですけれども。ここの天草町に下田という温泉がある。そこの魚屋さんの魚を買って、大学の、これはだれとは申し上げませんが、調査をした結果、異常な高濃度の水銀を、その魚から発見しておる。そこでこれをそのまま、実は、さっき私が言うようなことで発表された。それで、あそこの魚もか、ということで、とたんにそこの魚も売れ行きが悪くなった。それで、県で、あわてて追跡調査をやってみた。魚屋の店頭に並んでいたやつを、これはここの魚、地の魚ですかと言うたら、やっぱり海岸べたですから、海岸だから、そこでとれた魚ということを言わないと売れないから、魚屋のおやじが、これは、ここでとれた魚ですよ、とやったから、その魚を持ってきて、そうして検査をして、そのまま今度は発表してしまった。そこで実は、ここの魚にこんな水銀濃度があるはずはないんだということだったのが、いまのようなことになった。それでよく調べてみると、熊本の市場に出た、ほかからとれた魚を、今度は持ってきて売っているやつを、地元の魚だなどと言ったから、その人はそのまま持って帰って、そうしていままでのような検査をやって発表して、何だ、あそこの魚もということで、とたんにそこの魚の売れ行きが悪くなったというのです。だから、これは環境庁で御指導なさるのか、むしろ私は厚生省で御指導なさるものだと思うのだけれども、これだけ世間が騒いでいるのだから、もう少しそういう研究陣もひとつ慎重に対処をしてもらいたいと思うのです。こういう事実を御存じですか、どうですか。――環境庁でもどっちでもいいのだけれども、知っているか、知らないか。もしあなたたちが知らないとすると、ぼくはあなたたちの行政というのはよほどどうかしていると思うのです。これは各新聞に報道されたことなんですよ。それがあなたたち中央におって知らないと、またそういう事実も今度は県から報告をしてこないということになるならば、あなたたちと府県との間の連絡というのが非常に私はおかしいような気がする。また、出先機関もそれぞれお持ちだと思う。御存じですか、どうですか。
○説明員(山本宜正君) 私のほうではその内容は存じておりません。
○説明員(佐分利輝彦君) 私どもはそのようなお話を聞いたことはございますが、詳しくは存じておりません。
○園田清充君 ひとっこれはじゃ確かめておいてください。というのは、いまのようなささいな間違いではあれ、それがいかに世間に与える影響が大きいかということ、また、そのためにいろいろなことでほかの人が迷惑しておるということ、こういうことをお考えいただいて、こういうことは特に慎重を期すようにひとつ御指導願いたいと思う。むしろ私が申し上げたことで、必要があるならば、新聞の切り抜きか、なにか持ってこいというなら、私の県の熊本事務所に御連絡願うと、いつでも厚生省に持ってくると思いますから。
 それから、やはりこれは環境庁だと思いますけれども、事前にひとつ大臣とも相談しておいてほしいということを注文つけておきましたが、やろうと思えば簡単なことだと思うのです。これは衆議院の三木大臣に対する質問で、大臣から、政府だけではきめかねると言われた問題です。学界の用語になっているということで。実は水俣病という病名を変更してほしいということなんです。これは、特に原点である水俣。あとで補償の問題についてあれこれ触れますけれども。行ってみると、水俣病というものに非常に深刻な打撃を受けていたのはただ水俣市民にとどまらず、いま熊本県全体の、県民の問題となっているわけでございまして、同時に、今回現地に行ってみまして、水俣市長から切々として訴えられたことは、何か水俣病というと、今度は、結婚あるいは就職の問題もこのことで非常にいろいろな人権問題が惹起しつつある。たとえばある学生が東京で下宿をさがしに行って、そして今度貸しましょうと言うので、荷物を持って引っ越した。そして、あなたはどこかと言うので、水俣ですと言ったら、お断りする、というような、悲惨な問題まで出ておるのだということを、現地で私どもは聞いてまいっておるわけでございます。
 そこで、衆議院における三木長官の御答弁では、これはもう世界の学術用語ということになっているので、なかなか変更は困難だということの御答弁があっているようでございますけれども、しかし、日本政府自体がこの病名をあすからこう変えるということを決意をしておやりになれば、私は何もむずかしい問題じゃないと思う。学界が、日本の政府がこう言ったから変えます、ということで、ついてくればそれでいいことだ。で、学界が、日本の政府のきめた病名を使うようにする、これはマスコミあたりだけでもけっこうです、私は。政府がきめた病名を使っていただくことができるなら、それだけでも熊本県民というのは非常に救われる。これはむずかしいようにお考えになるけれども、たとえばベトナムでも一時期には、新聞というのは、報道機関というのは、ベトコン、ベトコンとやっておった。ところが、ベトコンというのはけしからぬと、こういう抗議が出て、そして、南ベトナム民族解放戦線という呼称に変えた。だから、そうしたこともあるので、学者が使っているから私どもでは変えられませんなんということは、ぼくは、この熊本県民の苦悩というものをあなた方がどこまで感じていらっしゃるかということの、疑いを持たざるを得ない。それで、病名の変更は、政府の責任において、すみやかにいたしますという、実はきょうは答弁がほしいんです。私も皆さんと一緒に歩いて、そうして各地で、知事からも、現地の市長からも、あるいは議会の代表からも、水俣病という病名をひとつ変えてほしいということを強く実は要請を受けてまいっておる問題でございますので、ひとつ御答弁を願いたいと思います。
○説明員(山本宜正君) 私ども、いまのお尋ねにつきましては、上のほうとも御相談をしてお答えをするわけでございますが、先般、私どもの長官が、衆議院でお答えしたと全く同様に、これは御承知のように、熊本大学が研究をされた結果として「水俣病」という病名をつけまして医学界に発表した。したがいまして、わが国の学界におきましてもまた、国際学界におきましても、いまこの名前が使われているわけでありまして、学界の場におけるこの病名についての変更ということにつきましては、私ども行政が介入することはたいへんむずかしい。かように私は思うわけでございます。しかしながら、地元の市長そのほかから、この問題につきましてはたいへん強い要望があると私ども承っております。
 この問題につきまして行政の立場でできますことは、現在の健康被害の救済に関する特別措置法の中の政令の中で使用していることばでございますが、この使用していることばについてのこれを改める、こういった方向につきましては、ひとつ専門の先生方とも意見を交換いたしまして、してまいるというようなことを考えてまいりたい、かように存じております。
○園田清充君 あなたがおっしゃっていらっしゃることが、少し長官の答弁よりも、ぼくは前回より前向きになってきたような気がする。しかし、いまおっしゃっていることが、病名の変更というのは、学界、学界と。それなら、三木長官がこの前ああした答弁をなさって、学界とも相談をしてみるということだが、いまあなたも相談をしてみると、これでは一つも前進してないんだ。これはことばのあやだけだ。だから、もしあなたたちにほんとうに熊本県民の苦悩がわかるならば、三木長官の答弁を受けて、すぐあなたたちは、学界とこうした協議に入らなければならないはずだ。それが三木長官が衆議院で答弁してからどれだけたちますか、いま。それをいまごろここに出てさておいて。そういうことであるならば私どもも協議してみますということは、一体水俣病自体にあなたたちがどう取り組んでいただいているかという、皆さん方の姿勢さえ私は疑わざるを得ないことになるんだ。だから、きょうも、あなたのところでレクチャーに来たとき言っているんだよ。イエスかノーかはっきりできる人が出てこいと。おれは、何も大臣出てこいとか、政務次官出てこいと言わないと、しかし、その時点までには少なくとも明確な答弁ができる人を出してほしいということを私は言っておる。与党の私が、激しいことをあなたに言わなければならぬことは、私は非常に残念なんです。その残念なほど熊本県では、少なくともあの九州四県では、政府がもう少しすみやかに手を打ってほしいという願望と熱意があるのです。私どもがそれをひしひしと感ずるから、私はきょうは与党でありながら声を大にしてあなたに言いにくいことまで言っておる。それを、三木長官が答弁されたと同じような答弁をここでなさるのなら、これは私の最終質問までに、あなた、三木長官のところに行って相談をして、そうしてどう答弁するかきめてもらいたいと思う。それまでこれ預けます。
○辻一彦君 ちょっと関連して。いまので私も、先日、この調査団の一員として行きまして、熊本県、それから水俣市、宇土、大牟田、長崎等、各地で非常に切実な声を聞きました、この問題について。たとえば第十の水俣病も出かねないという今日の状況の中で、いつまでもこの業を水俣の市民が負わなくてはならないのか。いままで、訴訟問題が解決するまでは、がまんをしておったが、裁判がはっきりした以上は、これはぜひとも変えてほしいと、こういう非常に強い声がありました。
 また、これは笑えない話でありますが、水俣市の子供たちが、修学旅行で都会に行った。旅館を出たあと消毒をしたと、こういうことですね。これはもう非常に、ついていった先生や子供たちが、いきどおって帰ったということも聞きました。あるいはこの水俣市を通る、バスや列車で通る人が、ハンカチで顔を、鼻や口を押えて通るということ、水俣はこわいんだと。あるいは赤信号を無視して通過したドライバーをパトロールカーが止めて、なぜ赤信号を無視したかと言ったら、一日も早く水俣を離れたいと。こういうことが現実に起こっているということを見れば、いままで長い間この水俣病の名に苦しみ、さらにこれから長い間この業を背負って立つ水俣市民、あるいは九州あの関係、有明湾一帯の人たちのことを考えると、私は、いま園田委員の御質問のように、ぜひこれは人権上の問題として考えるべき問題だと、このように思います。環境庁いかがですか。
○説明員(山本宜正君) 私も、市長はじめいろいろの方々から同様なことを聞いておりまして、いまほどお答えいたしましたように、学術用語としての変更につきましては、これは学界の問題でして、できませんのですが、現在、私どもの特別措置法で、政令に使っていることばの変更ということにつきましては、ひとつやってまいりたい、こういうことでございます。先ほどおしかりを受けましたが、即刻この変更の問題につきまして、上とも相談をしてまいりたい、かように存じます。
○園田清充君 これは辻委員からもありましたが、まさに笑えぬ問題が現地で起きているわけなんです。たとえば修学旅行のバスが、さっきおっしゃったように、赤を今度は突っ切って走ったので、取り締まりに出ていたパトカーが、運転手を捕えて、向でおまえ赤で通ったかと言ったら、その乗せている子供さんに、水俣病がうつったら悪いと思いましたから、赤信号を無視して通りました、というのが、その運転手の警察の調書に出ているんですよ、これは。だから私は、ただ病名を変更するという、名前を変更することによって住民というものが気分的にでも明るさを取り戻すなら、変えてやるという誠意と努力が――金繰りの問題じゃないじゃないですか、これは何も。大蔵省引っ張ってきて銭出せとかなんとかいう問題じゃないんだ。環境庁というのは、そういうことから環境を改めていくのが、あなたのところの仕事だと思うのだ。三木長官が来られたら、園田君、君の言うとおり、おれはさっそく今度は、あしたでも会議やるぞという答弁をなさると思うんだ、ぼくは。だからあなたは、これは預けておくから、私の最後の答弁のときにひとつ電話でもいいから、園田というやろうがやかましくてしょうがないから、三木長官、どう返事をいたしましょうかということで相談をして、返事をしてもらいたい。
 それからもう一つは、いまの認定の迅速化。これはいろいろな問題と関連をいたしますけれども、水俣病の総合研究センターというか、いろいろ研究する問題、対策をとってもらわなければならない問題が残っているんですが、まあ私が仄聞するところでは、このセンターは熊本県につくろうということは大体環境庁の首脳部の間でもきめられておるようでございます。ただし、この前、三木長官が現地を見られたときに、これを水俣市の市民病院と一緒にするかどうかということですけれども、これは非常に狭いということで、長官もこれはちょっと場所が狭いなというようなこと、だから熊本県知事と相談の上、熊本県に設置をするということに、大体方針としてはさまっているそうでございますが、私が数々申し上げましたように、権威あるひとつ発表をしていただいて不安を除去するためにも、またいま非常に悲惨な病気にかかって、そして何とか早く学術的にこの治癒の方法がないものか、早くできてこないものかという患者の苦悩を考えると、これもできるならば、すみやかにひとつ設置の場所並びにそういうことを熊本県知事と御相談をいただきたいと、こう思います。これは大体、設置の場所を熊本県にしておるということでございますので、早急にひとつ相談をしていただきたいということをお願いを申し上げておきます。
 それから医師団の派遣の問題でございますけれども、これはいろいろ地元で問題も出ておるし、ひとつ権威ある医師団を派遣するように御検討を願いたいということでこれは要望といたしておきます。
 時間が非常に進んでまいりますから、そこできのう足鹿委員からも魚介類の検査体制の整備と強化ということが要望がございましたから、これについては水産庁長官からいろいろ答弁もあっておりますので、ひとつきのう御答弁があったように、すみやかにひとつ体制を整えていただきたいということを要望をいたしておきます。
 それからもう一つこれは、厚生省の問題に属するかもしれませんけれども、実は法のこれは盲点というか、手落ちと申しましょうか、水俣病の看護をして、二十日以上看護をしても一万円だと、ところがここで一万円という金額以上に問題なのは、家族が看護をした場合には、支給されないということ。ところが、あの急性の患者の、下の掃除から何からしなければならぬものを、他人にゆだねて、そうしてやっていらっしゃる方は非常に少ない。それで、その親御さんあたりがやって、そのために、手を取られてどうも仕事もできないと。そうして、これには全然支給をされないということで、実は現地で何とかこの問題はひとつ検討をしてほしいと、政府として検討してほしいという要望がございました。で、これはこっちへ帰ってきて調べてみると、今度の公害健康被害補償法案ですか、これで政令でいろいろお変えになるようですが、私はここで金額を二万にしてくれ、三万にしてくれという金額の問題、これはいろいろ法律が通らなければ皆さん方も言えないこともあるでしょうから、重ねて金額を幾らにしろということは私は申し上げません。これは十分配慮をしていただきたいということを御要望申し上げておきますが、ただ、いまのように家族にはやらないと、親が子供をめんどうを見るのは当たりまえじゃないかということだと思うのです。しかし水俣病の実態というのは、御承知のとおりのようなこと、他人にまかして看護のできるような病気ではございませんので、この点について何か家族が看護をした場合でも支給をするという前向きのひとつ、政令の中で検討を賜われば非常に幸いだと思うのですが、その意思があるかどうかをひとつ。
○説明員(山本宜正君) 新しい法案を御審議いただくことになっているわけでございますが、その中で、この問題を――地元の声として出ておりますのは十分伺っておりますので、ひとつ検討してまいりたいということでございますが、どういう形になりますか、私いま、すぐお答えはできませんけれども、十分検討さしていただきたいと思います。
○園田清充君 次は、これは厚生省、環境庁ばっかりあんまりやかましくいうても何ですから、これは運輸省の問題でしょうかね。水俣湾のヘドロ処理、それから八幡残滓プールというのがありますね。これも御承知だと思います。ところがこれが調べてみると、雨が降ると上から今度はあふれてそして流れていっている。それからコンクリが浅いからということで、どうも地下からまた流出をしておるというふうなことで、水俣現地では、非常に早期に、ひとつこれを何とか処理をしてもらいたいという強い要望です。
 そこで二つに分けてお尋ねをいたしますけれども、まず水俣湾のヘドロの処理の問題これはさっきから申し上げるように、一体水俣病ができてから、政府は何をしてくれたかという不満が非常に強い。あそこにいろいろ施設もございます。施設も、これは赤字を出して明水園という施設があるけれども、おそらくこれは厚生省の問題になると思うけれども、こういうものも月に二百万ないし三百万の赤字を出して経営をしておる。そういう状況の中で、自分たちで水俣病のいまわしさ、そういうものからのがれ出ようという自治体のもがきというものは非常に強い。ところがいまだに政府がほんとうに水俣病にあたたかい対策というものをどこで示してくれたかという現実というものが全然、水俣に出ていない。たとえば企業との補償交渉その他によって、いろいろな問題はこれは前進をしているかもしれない。しかし、なるほど政府さんがこれやってくれたぞという問題が、水俣市には行ってみると、残念ながらないんです。
 そこで、まず水俣市民の人たちが強く熱望いたしておることは、ひとつあのヘドロの処理を早くやってもらいたいと。ところが、これは環境庁で早くやれ早くやれということで、いろいろ運輸省にも督促をされておるようですが、いろいろ技術上の問題で、ああだ、こうだということで、皆さん方なかなか踏み切ってもらえない。だから、きょうはあなたに、運輸省に注文するんだけれども、ここでの仕事をおやめになったらどうか。現地に技術屋なり何なりを派遣をして、現地で――今度二五PPMというのは出たでしょう、きょう。だから、結論が出たら、あの水俣の現地に技術屋さんを派遣をして、現地でひとつ研究をさしてもらいたい。そうしたら、水俣の人たちが何を求めているかということがわかるのです。皆さん方が学問的な研究だ、技術屋がどうだということでやられることは、私は私なりにわかるんですよ。ところが、これは通常の場合の話であって、非常事態のときにこういうのんべんだらりとした皆さん方の態度というのは許されないんです。
 だから、あなたがたに何するのは、私がここで申し上げるのは、早期着工、これは年度内なんということはもう言いませんよ、私は。少なくともなるたけ早い時期にひとつ仮締め切りか、あるいは今度はこうしますということの発表ができるような措置をとってもらいたいということです。これはあなたから、今度は現地に人を、いまの研究陣を派遣する、どうだということは無理があると思われるなら、これは、何なら大臣でも何でも聞いていらっしゃい。とにかく、東京でいろいろお考えになっている感覚と、私が皆さん方とお会いすることと――私ともが行って現地で受ける感覚とは全然違うんです。私ども、政治家では、しろうとじゃないつもりだ。たとえば現地の災害の生々しさを、そのつど調査に行ってきて見ている。ところが、そうした悲惨さと何ら遜色のないようなのが現地の状態なんです。だから、ひとつあなたにお願いをしたいのは、いまのようなヘドロの処理について、水俣湾ヘドロ処理について期限をいつからやりますということを、私の前で、はっきりしてもらいたいと思う。
○説明員(大久保喜市君) 先生の御指摘、私どもも非常に深く責任を感じているわけでございますが、水俣港の汚泥処理対策、これにつきましては、これまでもお答え申し上げておりますように、いま、運輸省と環境庁が中心となりまして熊本県を全面的に指導、援助して実施計画を策定するということを現にやっておる次第でございます。それで、去る六月三十日に中央公害対策審議会の水質部会が開催されまして、水銀を含む底質の暫定除去基準がきめられました。三本環境庁長官に答申されたわけでございますが、また、環境庁ではこれに基づきまして、水銀汚染水域での汚泥を取り除く行政指針とするというように聞いておるわけでございますが、これによりますと、水俣港では、御承知のように、二五PPM以上の水銀を含有する汚泥が取り除かれなければならないということになっております。それで、これまで調査した結果で、おおむねその二五PPM以上の範囲というのがわかってきております。大体、水俣湾の面積百八十ヘクタールのうち、約三分の一の六十ヘクタール程度と算定いたしております。
 そこでこのように汚泥処理をすべき範囲が明らかとなりましたので、第四港湾建設局、これは運輸省の出先でございますが、これが、直接、県を指導いたしまして、具体的な実施計画の策定を行なうことといたしておりまして、実は、この四日――一昨日でございますが、県の土木部長さんと、それから第四港湾建設局の局長も具体的な案を持ってきてもらったわけでございます。そこでその案につきましていろいろ検討いたしまして、大体、封じ込めなければならない範囲の法線といいますか、締め切りの線の、ほぼこの程度までやればいいであろうという案まで一応固まりまして、しかし、持ってこられました原案そのとおりではございませんで、若干の修正する場所が出てまいりましたので、それを現在関係者がまだ東京にいるままで、いろいろとその手直しをやっている最中でございます。それで、このようにまず法線がきまり、それから具体的な施工方法でございますが、これにつきましては、やはり試験工事等、二次公害の発生のおそれのない方法をとらなければなりませんので、これにつきましてもいま準備中でございます。それでこういうような技術的な面からの作業は底質の除去基準がきまりましたことを契機といたしまして、われわれ関係者、総力をあげて、いま県を御指導申し上げておるわけでございます。
 で、その過程におきまして、先生から御指摘ございました人を派遣してという点でございますが、これにつきましてもまだ非公式ではございますけれども、県の土木部長から申し入れがありまして、これにつきましては、やはり何と申しましても、港湾の管理が熊本県でございますので、熊本県が実際にその具体的な実施計画を立て、それで施工するのが一番責任持ってやれることになりますので、その熊本県が技術的にどうしても技術者が足りないということであるならば、ひとつ国から出向させるということも考えましょうということを非公式ではございますが、お答え申し上げたわけでございます。そこで土木部長さんは県に帰りましたら、県で内部的にどういう形で、どういう人を、どこに受け入れるのが一番この問題解決に役に立つかということを、至急検討して、また、連絡をいただくというようなことに、現在のところ、なっておる次第でございます。
○園田清充君 私がなぜ現地に人をやって仕事をしてほしいということを申し上げるかというと、さっき、私どもがこれはみんなおこられてきたから、おこられてきたことをそのままあなたたちに説明しておるような形になっておるけれども、実はさっき言うとおり、現地では、国にいろいろなことをやってほしいということをもう十四年間要望し続けたけれども、何もしてくれないじゃないかという不平、不満が非常にある。だから、今度の場合にもこれだけ世間が騒いだから、だから私はあなたのところで人を出すといわれるならば、これは水俣の市長に私が話をして、市役所の一室をあけさしてでも事務室をつくらせますよ。そうしたら国からほんとうに人が来て仕事を始める準備をさしてくれたぞ、ということ、それがいかに水俣市の心に明るさを取り戻すかということなんです。だから、そういうことをひとつ環境庁にも言っているんだけれども――配慮をしつつ事務的に対処をしてほしいと思います。
 時間もないようですから、じゃあと一つ。いまのは、どっちかというと、加害者の側の方の代弁者ですけれども、今度は被害者の側の立場に立って、ひとつ大臣ほか水産庁長官並びに関連する各省庁のひとつ答弁をお願いをいたしたいと思います。
 まず水産庁長官、あなたに大体、いままで当委員会でいろいろ質疑がなされて、漁民に対しては天災融資法に準じて一戸五十万、年利三分ということで融資をし、同時に、この融資というものは七月から九月までの間に、いわゆる調査を終わって、そして汚染源というものが、どこであるかということを早い機会に明確にしたいと、そのときには、元利を含めてその加害者負担の原則によってそちらに切りかえていくんだ。こういう前提でいまの五十万の融資はやるんだというふうな御答弁があったと理解をいたしておりますが、それでよろしいですね。
○政府委員(荒勝巖君) 考え方としてはそのとおりでございます。
○園田清充君 そこで、私は、きょうは前段に、環境庁あるいは厚生省に尋ねたんですけれども、たとえば有明海の漁民の人たちがいま自主的に操業をやめていたい。魚をとっても売れない、こういう状況の中で、きょうは、さっき申し上げたとおり、危機突破大会をやっているんですが、非常に心配されることがあるんです、私は。何が心配かというと、さっきのようないわゆる調査研究をなさっていらっしゃる機関が、おれのところが最大の権威だと思っていらっしゃったのが、こっちの大学と合同でやると、これがさっきのように、患者が白になっている。そうすると、皆さん方がいまからこれは環境調査をおやりになって、もし白だという結論が出た場合には、加害者負担の原則であるPPPの原則というのは、これはこわれていくことになってくる。その場合には――いまのようなことを前提としてということを私どもは承っておるから、結果がそれであればよろしいけれども、もしもこれが白だという結論が出たならば、なんだ政府はこっちに肩がわりをしてやるから、生活資金だということで貸してくれたから、借りたのに、もしおれたちが払わなきゃならぬということになったら、これはえらいことになっちゃう。だからその場合には、これは当然政府としてやはりその辺のめんどうは政府が見ますという、私は腹がまえがなくては、また、そのことを明らかにしておいてもらわなければ、いま事務的に、さあ借りなさい、貸しましょうという御指導をなさっていらっしゃるけれども、借りる漁民側にとっては非常な不安があるのではないかという気がするわけです。それで、この点もし政治的な判断を要するならば大臣からでけっこうです。事務的に、いやそれは言われるとおり、今度はその何が、いまのような加害者負担の原則がこわれた場合は、これは政府でいたしますよ、という答弁ができるなら、長官からでもけっこうですから。どちらからでもけっこうです。
○政府委員(荒勝巖君) この間の閣議できめました融資につきまして、当然最後の条項で原因者が明らかになったときは、原因者負担の原則に基づきまして、元利が原因者に帰属すると、こういうふうに考えておるわけでございますが、ただいま御指摘のように、原因者が明確にならなかった場合はどうするかという問題は、明らかに問題として残っております。今回のこの天災融資法に準じた措置というだけに、これは法律論として十分その辺を詰めておりません。この問題は、いずれまた五年間の融資期間がございますので、五年間の間にその問題を詰めていったらどうかということが、大蔵財務当局と私との間では、議論として残されておりまして、それは今後とも検討さしていただきたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
○園田清充君 いま私も現状としては、これ以上あなた方として言えない立場であることも私なりには理解できますよ。しかし、今度は何か、漁民という立場からすると、一体これは返さなきゃならぬものか、もらいっ放しで――もらいっ放しというとおかしいけれども、いわゆる原因者負担で、元利を加えて、そしてそちらに払ってもらえるものであるかということについては、これは受け取り方が非常に違うのです。もし自分たちが払わなきゃならぬ金ならば、これは借りまいという気持ちもあるでしょう。利息をつけていまごろこれだけ苦しまれていて、何のために何するかというような気持ちもあるでしょうし、その辺が非常に大きな問題です。ところが、これはおっしゃるとおり、いまのようにたとえば黒か白か明確にできない段階で、一つの緊急なつなぎの措置としてされた政治的な配慮には私は心から敬意を表します。感謝もいたします。ただし、その最悪の事態を考えると、私どもなりにやはり心配をせざるを得ない。
 そこで、私は、ここでお願いを申し上げたいことは、さようなことの心配のないひとつ政治的な措置、配慮を、大臣ひとつ高度な政治的な立場において御配慮を願うということをお願いを申し上げておきたいと思います。これは答弁を求めることが現状では無理だという気がいたしますので、そういう大臣が強い将来に含みと配慮をなすっていただくということでひとつ理解をしておきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) これは少しく事情がございます。私どもは公害の原因というものを徹底的にこれを除去したい。ですから、このような方策をとる場合におきましても、あくまでも原因者を追及するという姿勢をくずしたくないんであります。したがって、最終的には原因者に元利とも負担をさせると、こういうことを強く主張をいたしておるのでございますが、ただいま長官からお答えをいたさせましたように、据え置き一年、融資全体で五年の期間がございます。そして、とりあえずの利息については、便法を講ずることも明らかにしておるのでございまして、この五年間の間に事態を必ず明白にすると、こういうことでございまして、最終的な処理につきましては、ただいま園田委員のおっしゃったようなことは十分われわれとしては頭に置いて処理をする考えでございます。
○園田清充君 それからもう一つ。将来の問題として、これは大臣ひとつ御研究、御検討を願いたいと思いますけれども、すでに党の政調あたりではいろいろな含みをもって御検討願っておるようでございますが、今日の企業の負担能力、これは、チッソ、日本合成、東洋高圧三社見て参りました。同時に、資本並びにいろいろなことを考えると、はたしてこの補償その他の措置に耐え得るかという問題も出てまいります。そこで、将来の問題としては、当然これは考えなきゃならぬのは、保険ないしは基金制度というようなものを頭に置きつつ――これは、企業です。そうしたことを頭に置きつつ対処していかなければならない問題だと、こういうふうにいま考えておりますので、おそらくそういうことも考えて、原因者が明確になれば、この原因者負担の原則にのっとって耐え得るような保険制度ないしは基金という制度を、まあ政府も応分な金を出すということでお考え、御検討をいただいておかないと、さっきの最悪の場合の問題と同じようなことが出てまいるということが懸念せられますので、ひとつこの点も御検討をお願いを申し上げておきたいと思います。これはさっきおっしゃったように、いまから補償交渉その他の問題で長い期間もかかりましょうし、十分政府としては、その間に対処できる、私は、御検討願う、研究願う期間がある、こう思っておりますので、十分ひとつ御検討賜わり、漁民が安んじて問題に取り組めるようにひとつ措置を賜わりたいと思います。連日漁業者の補償の問題についてはいろいろ問題が討議せられておりまして、非常に前向きにいろいろ御検討、対処していただいておりますし、ひとつこれを早く事務的に下におろして、そして漁業者がいまのような恩恵にあずかれる日を、期間を縮めていただくという事務的な努力をひとつお願いを申し上げておきたいと思います。
 そこで、次に関連する問題で、市場その他に水産物を取り扱う業者としての中小業者、企業者に対する二百万の融資の問題、これはすでに二十九日の閣議で御決定になっていただいておりますのでこの問題については触れません。これもすみやかにひとつ下に届くように措置をひとつお願いを申し上げたいと思います。
 それから、旅館関係とか、あるいは――これは後ほど初村委員からおそらく声涙ともに下るような御趣旨の質問がなされると思いますので、かつぎ屋さんの問題等には私は触れません。しかし、旅館関係を回ってみますと、非常に困られておる。まるで、かんこ鳥が鳴くような状態でございます。――これは大蔵省、おいでになっていますか。そこで、旅館関係の補償の問題は、これは企業負担の原則によって旅館関係といろいろお話し合いになると思うんですけれども、現状の問題としては、いろいろ借金をしておって借金が払えずに困っている。中には、たとえば政府機関である国際観光ホテルの融資を受けて――開発銀行ですか、こういうところから金を借りていらっしゃる方もあるようです。その他民間の金融機関からもお金を借りていらっしゃるんだけれども、その償環ができないと。お客さんが来ない、こういうことで、ひとまず現状は、人――お客さんが来るようなことに早く政府にしてもらいたい。同時に、政府がそういうことをやっていただいて、めどがついたら、お客さんが来たら、私どもは、無理は言わないと。ただしお客が来るまではこの償環をたな上げするようなことの措置をひとつ政府として御検討願えないかというようなことが、旅館関係者からの強い要望でもございます。
 それで、現地に行ってみますと、二つに分類ができると私は思うんです。それは、いわゆる直接被害を受けている旅館があります。たとえば熊本県の宇土半島あたりは、特殊干がただけに、貝掘りに来ていたのが、全然貝掘りに一人も来ない、海水浴のシーズンに入っても予約一人来ぬ、海岸に泳いでいる人が一人もいない、こういう全くお手上げの状態ですから、こういうところには、別途の何か融資の措置あるいはその他をお考えいただく。
 直接被害として、これは何らかの方途を考えなければなるまい。
 それから、たとえばよそから熊本に、旅館に来ることになっていたのが、どんどんキャンセルして、こういう状態ですというのは、これは間接的な被害だと思います。だから、その辺にも、御研究をいただいて、償環延期の――まあ補償の問題は、加害者負担の原則があるから、補償ということは私は、どうかという気がするんで、金融措置の上で何か救済の方途がとれないものか。これはひとつ大蔵省から御答弁を願いたいと思うんです。
○説明員(山田幹人君) お答えいたします。
 公庫の融資につきましては、借り受け人におきまして災害、経営破綻等の理由によりまして返済が困難になったという場合には、各政府機関とも、実情に応じまして、貸し付け期間の変更であるとか、元利金の支払い方法の変更など、必要と認められる方法をとることができるようになっております。
 今回の水銀、PCB等によります汚染被害者につきましても、この点は全く同様でございますけれども、私どもといたしまして、その点につきまして、特に配慮すべきものであるという趣旨を明らかにいたしますために、国民金融公庫につきましては、すでに文書でもって指導済みでございますし、その他の関係機関につきましても、関係方面とも協議して必要があれば同様に指導してまいりたいと考えております。
  〔委員長退席、理事初村滝一郎君着席〕
○園田清充君 それから、水産庁長官、これはあなたの所管に属するかどうかは、問題があるような気がするんですけれども。あるいは通産省ですか。漁具商ですね、魚の網だとかなんとかつくっている者、それから造船――船をつくっているところ、こういうところは、全然やっぱり漁網が売れないというようなことで、お手上げの状態になっておるんですが、あの二十九日の決定の――こういうところも、二百万の適用の範囲に入るんですか、どうですか、二十九日の閣議決定の。――通産省になるの。
○政府委員(荒勝巖君) この問題につきましては、漁具商なり造船事業所の点につきましては、通産省のほうであるいは御検討願っているのかとも思いますが、私たちのいま連絡を受けている段階におきましては、今回の融資の対象には一応含まれていないというふうに連絡を受けている次第でございます。
○園田清充君 現地に行ってみますとね、予約取り消しというか、これもさっきの旅館と同じようなことで、頼んでおいて、もう実は魚とるわけにはいかぬ、こういう状況だからせっかく頼んだけれどもということで、契約の解除がどんどんどんどん入ってきて、銀行から金借りてそしてやっていたのが、品物はつくったわ、引き取り手がない、解約になってどうにもならないという状況で、倒産寸前にあることは事実なんです、これは。そこで、この点については特にひとつ御検討をいただいて、何とか対処をしていただきたいと思います。
 現地では、いろいろ、ほかの関係者からもたくさん実は陳情を受けました。笑い話になるかもしれませんけれども、あんまさん、それから芸子さん、それからすし屋さん、こうういう人たちからも、一体おれたちをどうしてくれるんだということでいろいろ陳情を受けたんですが、あまりにも影響が大きいことで、私どもも実は返事に窮して帰ってきたわけです。あんまさんあたりはこれは人が来るまで、ひとつ芸子さんあたりもよそに行ってよそでかせいでもらうよりほか、手はなかろうじゃないかという気がしているんですけれども、だから、ここまで何とかしてくださいということは私どもも申し上げません。
 だが、水産関係では、長官、ひとつあなたのほうで明快な答弁を賜わりたいのは、実はノリが有明海でとれていることはもう御承知のとおりで、ところがこれが非常に売れ行きが悪くなっている。そこで、ノリなんというのは、もう熊本県で、実は調査の結果を聞いてきておるんです。聞いてきておるが、こういうことを、何枚食うたらよろしいぞとか、何枚食わなければよろしいぞとかということを言うと、かえって私は世間の人は不安がると思う。というのは、人間の能力においては消化できないのが限界だ。たとえがノリの場合には、数量で言うと、今度は千枚です。一千枚以上食わなければ問題は――。ところが、一千枚のノリなんて食えっこないんだ。だから、これは、ノリは絶対だいじょうぶだということでひとつ私は御答弁を願いたいと思うのです。
 何か、基準がどうだとかなんとか言うことは、かえって不安を助長すると思うのです。千枚とかなんとかというのは、人間で、一日ノリを千枚食えなんといったって、これは食えっこないことなんですから、だからあなたに求めるものは、そういうことの基準で説明するんでなくして、ノリは絶対安全でございますということの答弁をいただきたいのですけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(荒勝巖君) 今回のいろいろな厚生省なり環境庁との打ち合わせの中におきまして、およそノリが問題にはなったこともありませんでしたということだけ御報告申し上げたいと思います。
○園田清充君 問題にならないほど安全であるということだと思います、私は。これは、私どもも現地で聞いてきて、まあノリはこれはもう問題にならぬじゃないかということで受け取ってまいっておりますので。
 それから、あんまり時間もないから、じゃ、もう最後にしたいと思います。
 大臣、ひとつこれは最後に大臣から御答弁を願いたいと思うんですけれども、いま、どっちかというと、関係漁民というのは、こうしたことで非常に打ちひしがれたような気持ち、いわゆる農民が土地を奪われたと同じように、漁民が海を奪われたということで、あすからどうしていいのかという自分の方途に迷っておるというのが、私は今日の漁民の立場だと思います。
 そこで、この時点で一番また漁民が期待しておるのは何かというと、私は、水産行政に対する国の強い指導だと思います。そこで、こうした関係漁民の水産なら水産振興策と申しますか、漁業振興策と申しますか、こういうことについて、ひとつこの時点で、きょうだと私は申し上げませんけれども、農林省あるいは水産庁として、この心理的に大きな打撃を受けている漁民に新しいひとつ窓を開くような漁業の振興方策というものを示していただきたいと思います。
 たとえて申し上げますならば、いまの沿岸漁業から近海漁業へ、あるいは近海漁業から今度は許可漁業といいますか、遠洋漁業というか、そういうふうな漁業自体の零細漁業から次の段階への飛躍をなされるような、災いを転じて福となすような思い切った政策というものが、この時点における漁民の救いではないかという気がいたしますので、その点についてもし今日構想が煮詰まっていないとするならば、私は近い機会に水産庁等御指導になって、こういうことに対する大臣の高度な政治の指導性というものを発揮をしていただきたいし、まあきょうは大臣から気持ちだけひとつお聞かせを願っておきたいと思います。
 その前に、もう一つだけ自治省に注文なりお願いをしておきたいと思いますけれども、関係の県あるいは市町村で緊急な対策をいろいろ立ててやっておるわけです。ところが、どこも財源というのは御承知のとおり、まして過疎県である熊本県あるいは長崎県、あるいは福岡県の一部にしても決して財政豊かな市町村ではございません。そこで苦しい財源の中からやりくりをして、地方自治体としての取り組み方をなすっていらっしゃるのですが、これに対して非常にお手あげ状態なんです。そこで私は、何をどうしろとは言わない。十分現地の財政状況の苦悩に応じて、自治省としてはこの実態を把握をして、そして財源的なめんどうは十分見ますよということの、ひとつあなたに決意の御披瀝を願いたいと思うのです。
○説明員(土屋佳照君) 今回の水銀等の汚染対策としては、国においてもいろいろと検討されております。いま御指摘のとおり、地方団体においてもそれぞれの実態に応じていろいろと緊急の対策をとっておるわけでございます。たとえば漁民とか、漁業関連事業者に対するつなぎ融資等の問題もございます。これは先ほどからお話がございましたように、原因者負担等との関連もございますが、そういった対策をとって利子補給等するような場合は、私どもとしても、地方団体の負担については十分財政措置をするというようなことで、その他の全般の問題につきましても、財政状況等を十分勘案いたしまして、地方団体がこういった行政に対応できるような措置をとりたいと、かように考えております。
○国務大臣(櫻内義雄君) 今般の水銀等汚染に関連する有明海、八代海、不知火海の漁業の経営の皆さん方に甚大なる影響を与える、あるいはまたその関連の企業者に大きな影響を与えておるということは、ほんとうに深憂にたえないところでございます。
 そこで、きょういろいろの角度から御質問をちょうだいいたしましたが、第一には、ヘドロ処理などによる汚染された漁場の機能の回復に全力を注ぐべきである、このように思います。これらの施策につきましては、県当局とも密接な連絡の上で措置をとってまいりたいと思いまするが、ただいま御質問にもございましたように、さらにそこから始まりまして、積極的な前向きな施策をまた、同時にいたすべきであると思うのであります。御承知のように、現在、第二次沿岸漁業構造改善事業をやっておるのでございまして、熊本県にいたしましても、また、長崎県、福岡県、他の九州の諸県にいたしましても、これらの諸事業を大いにやってまいりまするとともに、お話のような転換の必要のある漁業者に対しましては、新たな漁船の建造のできるような資金的なお世話をするとか、さらに魚礁の設置とか、増養殖漁場の造成などの事業をも行ないまして、この有明海、八代海、不知火海の漁業者のために、今後の漁業振興に力を注いでまいりたいと思います。
○園田清充君 いま大臣から、最後にいま沈んでいる漁民に対する激励をいただいて、私は質問を終わろうと思いましたけれども、実はさっき預けてある病名の問題と、それから大蔵省からせっかくお見えになっていらっしゃるから、実はもう一つだけ、あなたにお伺いをしておきたい。
 それは私どもが大牟田の三井東洋高圧にまいりました。ところが、ここで水俣病は私どもに関係ございませんというふうなニュアンスの答弁を常務がなすったんで、そこでちょっとお待ちなさいということで、私どもからいろいろ反論を、あいさつの途中でやったんですけれども。ところが非常に不愉快なことが、そのあいさつよりもっと不愉快なことがある。それは、これだけ世間を騒がしておいて、だれに説明なさるのか、一体東洋高圧がどういうふうな政治的なあるいは対社会的な重役教育をなすっていらっしゃるか知らぬけれども、あの浄化装置をするのに二十五億かかりますとか、あるいは三十億かかりますよと――銭でできることならきょうやりなさいというのが視察をしたぼくらのいつわらざる心境なんです。だが、いかにも金がございません、だから、やいやい言われるけれども、というようなことの受け取り方であって、しかも、そのあいさつたるや、まことに世間を騒がしておきながら、原因者が明確でないから――いま関係がないといえば関係がないかもしれない。しかし農林水産委員会として、国会議員の私どもか調査に行ったのを前にして、うちは、水俣病に関係ございませんというあいさつは、僣超しごくだと思ったんだ、私は。そこで企業に――こういうことを漁民からの要請、要望、すみやかにいまのたれ流しをやめなさい、浄化装置をつくりなさいという要望に、企業に金がなければ、こういうことこそ、何かめんどうをみてやってほしいと思うのです。だから大蔵省で――これは返事は要りません。だから、そういう企業の姿勢自体に私ども非常な不満を持っている。漁民がおこるのはあたりまえだという受け取り方をしてきているのです。それで、そういう浄化施設その他について、何といいますか、公害除去施設の投資に対しては積極的にひとつこれは金を貸してやってやるような指導をしていただきたいということをあなたにお願いをしておきたいと思います。
○説明員(山本宜正君) ただいま連絡をとらしておりますが、まだ返事がありませんので、いましばらくお待ち願いたいと思います。
○園田清充君 じゃあ、あとでだれか様子を聞いて、ついででいいから……。
 質問を終わります。
○辻一彦君 私も初村団長一行の一員として、社会党を代表して有明湾一連の調査に行ってまいりました。前からこれを取り上げておりますが、私どもの福井県のPCB、そして今度の有明湾そのほかの水銀汚染の状況と、こういうことをじかに見て、また漁民の皆さんの直接の声を聞いて事態は私は非常に深刻なものがあると、こういうように強く感じたわけであります。すでに、いま園田委員からも詳しい質疑がありましたので、重複を避けて若干の質問を行ないたいと思います。
 第一は、この国民の健康――魚の安全基準、摂取の基準という点でありますが、若干最初に厚生省にお伺いをいたしたいと思います。この前、厚生大臣お見てになったということでありますが――ちょうど私ほかに出ておったんでありますが、十分御説明があったと思いますが、二転、三転。厚生省が魚の食べ方の基準を出しで、たった二日間の間に、三回も様子が変わるということは――これは消費者が消費をしてくれなければ魚が売れない。したがって市場から魚屋さん、一番最後に地元の漁民と、非常に大きな不安と憤りを与えたと思いますが、たった二日になぜ三転もせざるを得なかったか、ごく簡単に経過をちょっと知らしていただきたい。
○説明員(岡部祥治君) ただいま御指摘のように、今回、魚介類の水銀基準の設定に際しましては、こういう基準は、PPMでございますとか、あるいはミリグラムというようなことで、非常に内容がわかりにくいので、わかりやすくしてほしいという御要望が前からあったわけでございます。そのため、特に一般消費者にわかりやすくするために、具体的な例をあげて解説するという方法をとったわけでございます。その具体的な例といたしまして、たとえば、今回規制値をつくりました〇・三PPMというものがかりに、全魚介類がこの濃度まで水銀を含有しておるという仮定の上で計算いたしますと、たとえばアジが十二匹食べられますというようなつもりで解説をつくろうということで考えておったわけでございます。ところが、それが、その発表にあたりまして一部誤解を生じまして、こういうふうに限度ぎりぎりまで汚染しておる魚というものはあり得ないということでございますので、いろいろな批判を受けたわけでございます。したがいまして、その後、たとえば四十五年から四十七年度までのいわゆる環境汚染地域と見られますところの環境調査の結果の魚介類の平均値をとりますと、一応〇・〇八PPMという数値が出ておりますので、これでかりの計算をいたしますと、先ほどの〇・三と〇・〇八でございますので、約三・七倍というようなことになるというようなことが記事となったわけでございまして、たいへん誤解を受けまして、今後できる限りこういう誤解のないような手段を講じまして、さらに、すでにいろいろなかっこうでPRにつとめておるところでございます。
○辻一彦君 厚生省が親切に、わかりやすくと、こういうつもりでやられたものが裏目に出たという、私は、その御苦労はわかります。しかし、たとえばイカを一つ取り上げても、大体イカは、いまずっと山口県のほうから北のほうに、時期によってずうっと、シーズンによって移っておりますが、日本海に船で二十四時間ぐらい乗って行って、大和堆でとって帰る。こういうイカが多いんですが、これはまあ汚染されておったならば、〇・三PPMあったならば、一週間に二枚半しか食べられない。こういう取り上げ方はあまりにも実態を知らなかったんじゃないかという、こういう感じを非常に強く受けるんですが、あるいはまたスズキ、これもまた、残念ながら私の敦賀湾に問題になりましたが、全部いま汚染魚を一掃しております。これはまあ、敦賀湾の場合は一キロぐらいになっておりますが、魚の形といいますか、ところによっては一キロとか二キロはあると思いますが、これも十匹なら十キロ、二十キロ、それ以上は食べちゃいかぬという、こういうのは、私は、わかりやすくされた努力はわかりますが、実態にあまりうといんじゃないか、こういう感じがしますが、その点いかがですか。
○説明員(岡部祥治君) これは、わかりやすくするために、ということに主体を置きまして、それで、例といたしましては確かに不適当なものもあったかと思って、反省いたしております。と申しますのは、まあいろいろな魚がございますけれども、私どもといたしましては、大衆に親しまれた魚ということで選びまして、それでなおかつ、これはまだ試算の段階で未定稿だということでお示ししたものが誤解を招いたわけでございまして、十分反省をいたしまして、今後さらに実態に合うようなもの、また誤解のないようなものということでさらに十分検討いたしておる次第でございます。
○辻一彦君 参考に申し上げておきますが、こういう数字で、一箱千二百円しておったイカが四百円ぐらいに全部落ちて、福井県の魚は名古屋市場、大阪市場、神戸市場、京都市場で大きな低落が起きておる。これは厚生省だけの私はあれじゃない。全般的な魚に対する不安感がこうなったと思いますが、こういうやはり具体的な事実としてたいへんな問題が起きているということをひとつお忘れなく、それから十分わかりやすくやっていただきたい。
 そこで水銀について、魚の新しい摂取基準を齋藤厚生大臣は近く発表されると、こういうことを聞いておりましたが、そういう計画があるのか。あるとすれば、いつ出されるのか、この点いかがですか。
○説明員(岡部祥治君) 魚についての摂取基準ということではたいへん誤解を招きますので、今回つくりました水銀の規制値あるいは基準というものを御理解をいただくようなものということで現在検討中でございまして、またこれも内容によりましては、また、いろいろな誤解も招くということもありましてはと思いまして、いま慎重に検討しておる最中でございます。
○辻一彦君 妊産婦の場合ですね、これは詳しく言う必要はないんですが、水銀に非常に問題がありますが、妊産婦、乳幼児等の基準も今度新しく発表されるときに出される予定ですか。
○説明員(岡部祥治君) 乳幼児、妊産婦につきましての水銀の影響というものが、専門家会議でも十分に意見がまとまっておりませんので、そこいら御不安のないように、先ほど御指摘のありましたように、さらに私どもといたしましては、今後十分な科学的データをそろえまして、一般的の線というものも十分把握いたしまして、さらに乳幼児あるいは妊産婦の専門の先生方の御意見も聞きまして、誤解のないような指導というようなことができるようなものということを現在検討中でございます。
○辻一彦君 PCBについても六月五日の御答弁で、乳幼児や子供、妊産婦等を含めて新しい基準を出したいと、かなり近い期日であると、こういうような御答弁でありましたが、それはどうなっておりますか。
○説明員(岡部祥治君) 実はPCBにつきましても、食品衛生調査会の意見の中でそういう御意見もございました。それを受けまして、現在、多食者事例等について実態調査の結果をいままとめ中でございまして、それらの結果を踏まえまして、またこれも誤解のないような、新たな基準をつくるということではございませんで、こういう場合には、こういうような食生活が好ましいというようなことで、先般のこの水銀の発表に際しましていろいろ問題がございましたので、そこいらを踏まえまして、現在専門の学者の意見も聞きながら、さらにまた魚というものの専門家の意見を聞きながら慎重につくりたいと考えております。
○辻一彦君 まあ「あつものにこりて」といいますか、非常に慎重になられておるようですが、そういう意味の慎重さも必要と思いますから、十分検討してわかりやすくしてもらいたいと思います。
 そこで、いま、漁民の多く、あるいは魚屋さんにしましても、市場関係にしましても、とにかく売れる魚にしてほしい、こういう声が当然出ておるわけでありますが、そういう意味で流通ルートに乗っている魚の検査を厚生省は大規模にやられる計画と伺っておりますが、これは一体具体的にどういうようにしてやるのか、またその場合、その結果をどういう形で発表する考えなのか、この点お伺いしたい。
○説明員(岡部祥治君) 流通市場におきます魚介類の安全性ということは、これはやはりデータをもって示すべきであろうということで、特に重点といたしましては、問題水域の九水域に面接いたします生産市場の検査ということを第一義的に考えております。なお、念のために、流通市場におきます検査ということも、各都道府県におきまして強化するよう先般指示したところでございます。特に九水域に関しましては早急に生産地市場におきまして、検査ができる体制を現在当該都道府県と詰めておる最中でございます。
○辻一彦君 熊本県の場合、様子を聞きますと、水銀の測定器をかなり大量に手に入れて、県の公害研究所、試験場、あるいは水産試験場、また県下の保健所等にこれをずっと置いて、公害担当の要員を増員して、かなり大規模な検体検査をやる、こういう計画と知事が話しておりました。そして所要のいろんな経費を県単だけでも六億七千九百万から熊本県が組んでおりますが、水銀の検査器というのはかなり価格が高価であると思いますが、各県が県単でもってしてもやはりやらなければならない。こういう状態にありますが、これに対して厚生省は、この水銀の測定器等に対して助成するような考え方があるのかないのか、その点どうですか。
○説明員(岡部祥治君) ただいま御指摘の問題水域につきましては、検査器具等の整備ということを現在検討いたしまして早急に整備さしたいと考えております。
○辻一彦君 「整備さしたい」というのは、整備しなさいという通達で済ますのですか、具体的な財政というか予算措置を通して助成をして整備をさすのか、この点いかがですか。
○説明員(岡部祥治君) 特に緊急を要します十県に対しまして、検査器具等の補助につきまして現在当局と折衝中でございます。
○辻一彦君 どのぐらいの折衝をやっておるのですか。あまり簡単な説明じゃなしに、具体的にわかっておればもう少し詳しく伺いたい。
○説明員(岡部祥治君) 先ほど申し上げましたように、現在、九水域に面します各県の現在保有しておりますガスクロあるいは原子吸光装置というものに合わせまして、なお当該水域におきます漁獲量、検査量というものに合わせまして、現在当該県とただいま詰めておる最中でございます。
○辻一彦君 その九水域の各県は測定器をどのぐらい持っておりますか。
○説明員(岡部祥治君) ただいま詳細な資料を持ち合わせてございませんが、少なくとも、原子吸光法あるいは原子吸光法に基づきます水銀分析器、それからガスクロマトグラフィーを、少なくとも各一台ずつは現在持っております。
○辻一彦君 いま、魚をとにかく調べてくれという要求が非常に強いんですね。そんなもの一台くらいずつそろえておって間に合うはずはない。だから、各県の実態をすみやかに把握をして、いま交渉中、折衝中というのはけっこうでありますから、早急にこの数をふやして各県に持たして、こういう漁民や消費者の要望に最大限こたえるようにしていただきたい。この点いかがですか。
○説明員(岡部祥治君) 御指摘のとおり、その方向でいま最大の努力をしておるところでございます。
○辻一彦君 福岡県の水産局長からのお話を聞きますと、沿岸住民二万人の健康診断をやっている、こういうことの報告がありました。有明海の沿岸の住民は、各県ともそうであろうと思いますし、また私の福井県でも敦賀湾周辺における住民の健康診断に県が取り組んでいる。しかし一県で二万人の健康診断をやろうとすれば、これはかなりな経費とかいうようなものが伴うわけですが、こういうものに対しても、厚生省は何らかの助成と支援の手を差しのべる用意をしているのかどうか、この点いかがですか。
○説明員(山本宜正君) 私のほうで、これら環境汚染による健康調査の指導をしております。有明海に面します四県及び鹿児島県それから徳山市周辺等につきましては、現在その費用の助成について交渉しております。なお、そのほかの県につきましても、現在、私どものほうで、環境汚染による健康調査についての助成の費用を本年度から予算で計上しております。それを使用いたしまして、県に対する助成はしてまいりたい、かように考えております。
○辻一彦君 助成をするのは、具体的にどのくらい、どうするかということを、ちょっと言ってくれませんか。
○説明員(山本宜正君) 有明四県につきましては、それぞれ各県が、計画を練りまして、すでに調査を始めております。それから福井につきましては、現在まだ人数等私のほうに申し出ておりませんが、申し出ております県につきましては、それぞれ人数に応じました費用を負担さしていただきたい。まだ、最終的に金額等が詰まっておりませんので、いましばらく待っていただきたい、かように思っております。
○辻一彦君 こういうことは、住民、漁民の非常に強い声ですから、会議も大事ですが、早く具体的に経費あるいは数字等もきめて推進するようにぜひしてもらいたいと思います。
 それから次に、問題水域の調査ですが、これもとにかく汚染魚というので、これを明らかにするということは、第一、国民の健康、住民の健康のため、消費者のため大事でありますが、しかしまた、何でもない魚を全部一括して汚染魚にされて、そのために非常な混乱といいますか不安が出ているということも事実であると思います。そういう点で、心配のないところは、心配がないということをはっきりさすことも大事と思います。たとえば熊本県の知事は、問題水域になったので、調査が終わるまでは、結局熊本県の魚は、これで売れない状況になっていると、こういうように言って、このまま長い間ほうって置かれたのでは、熊本県の漁民は浮かばれないということを非常に率直に言っておりました。あるいは福岡県におきましても、漁協の代表が、一日も早くこの調査をやって、はっきりしてほしい、長い日はとても待てないと、非常な焦燥感にかられておった陳情がありました。それから長崎の知事も、あるいは漁連の代表も、県が知事名で、安全宣言をしても、もう消費者のほうは、あまり信用してくれなくて、きき目がない。どうしても国が科学的なデータに基づいた調査をやって、心配がないところは心配がないと、こういうようにしてもらわないと、いまの状態が変わっていかないと、とこういう声が切実にありました。そこでそういう実態の中で一日も早くこの調査をして、この汚染と、そうでないものをある程度明らかにする必要があると思いますが、この点について、これは水産庁でありますか、どういう計画で具体的にいつごろをめどにやる考えか。この点いかがですか。
○政府委員(荒勝巖君) これは、先般の環境庁中心の会議できまりましたので、この問題水域につきまして早急にもう現在各県に指示をいたしまして、全体で魚介類で約九千百五十検体、それから底質といいますか一部のヘドロ地帯を五十五検体、プランクトン約百四十一検体ということで、総計九千三百四十六検体につきまして各問題の地先につきましてもう調査を開始いたしております。
 で、早く――これは市場から魚をとってくるのではございませんで、問題の水域で現に泳いでおります魚をとってまいりますので、場合によっては、こちらの考えております魚がとれない日もありますが、もう早急に調査いたしまして、いち早く分析結果が出た地区から、できますれば早く発表いたしたいと、こういうふうに考えております。
○辻一彦君 できるだけ早くということですが、大体早いところはいつごろからになりますか。特にこの九州有明湾あたりは非常にその点、社会不安にひとしいものが私はあの周辺にあると思いますが、これを静めていくためにも急ぐことが大事だと思いますが、時期的なめどはいかがですか。
○政府委員(荒勝巖君) 特に九州の有明海が一番逆にいえば問題水域でございまして、白黒を早く明白にしなければならない地区でもございますが、また広範に問題が有明海全水域にまたがっておりますので、これは検体を非常に多数調査するということで、どちらかと申し上げますと、多少おくれるほうになるんではなかろうかと、こういうふうに考えている次第でございます。
○辻一彦君 この調査の必要な経費というもの、こういうものは国がやるのですか各県がやりますか、どうなんですか。
○政府委員(荒勝巖君) これは実は経費のことを全部固めておるひまがなかったものですから、実は見切り発車みたいな形で県に左記検体でお願いしておりますが、当然にこれは私たちのいまの考え方では全額国庫で調査をいたしたいと、こういうように考えている次第でございます。
○辻一彦君 そこで、この厚生省も検体検査をやって流通過程の魚を調べていまいると。水産庁のほうは、水域における泳いでいる、動いている魚を調べていると。これ、総合的に政府としてこういう調査結果をまとめて発表するのか。あるいは水産庁は水産庁、厚生省は厚生省、別々にやるのか。この点はいかがですか。
○政府委員(荒勝巖君) 環境庁中心の、全体としては環境調査という形でございますので、最終的には厚生省の分も、あるいは私たちのほうの分も、あるいは環境庁でお調べになった分も統合して発表ということになると思いますが、それまで待っておりますと、場合によっては非常に時間がかかるとも思いますので、できますれば、私のほうで調べたものが県別に出ますれば、それは当然厚生省なり環境庁と一緒に審議いたしまして、まあ白いものから、というふうに判定することができますれば、それだけ単独で発表ということもいま考えておりまして、当初はもう少し十分に総合調査を完了してという判断でございましたけれども、疫学的分析まで含めてという考え方もありましたけれども、この現在の魚の状況からいたしますと、そこまで待つわけにいかないということで、あるいは水産庁単独で発表さしていただくということもあり得るものと御理解願いたいと思います。
○辻一彦君 次に、汚染源企業の究明問題について若干伺いたいと思います。
 たとえばこの有明海で八代、水俣、ここではチッソが汚染源であるということはこれは明確であると思います。しかし、有明湾のほうで三井東洋高圧、あるいは日本合成化学と、こういうものは過去に使っていたが、そのメカニズムがなお明らかにされず、まだ明確でないと、こういうことを企業のほうは言っておりますね。で、現在漁民の声として、政府の責任でこの汚染源を一日も早く明らかにしてもらいたいと、こういう声が非常に強いわけなんです。で、たとえばこの日本合成化学が、われわれ排水溝のところを調査に行ったときに、これは立ち話でありますが、こういうことを言っていましたですね。上流のほうにもヘドロがあって、水銀が汚染している、これはどうも農薬ではないか。こういうことを言って、みずからの責任を免れようとするような、そういう言い方をしておったのが私、耳に入りましたが、こういう汚染源の企業の究明、確認ということは簡単ではないと思いますが、どういう方法でいつ、すみやかにこの汚染源を究明していく考えか、その用意はどうなのか、いかがですか。
○説明員(山村勝美君) 汚染原因の究明につきましては、有明、八代両海の環境総合調査の中でやっていくことといたしております。そのやり方は、まず工場の中でどれだけ使用され、どれだけ環境に出たかという、いわゆる水銀の収支調査をまずやる必要があろうかと思います。それから先ほど、先生御指摘の農薬原因説というのも多少ありまして、周辺の土壌調査をやることといたしております。その工場の周辺の土壌並びに水銀農薬をあまり使っていない山間の土壌も調べて、バックグラウンドと申しますか、そういうものも調べて総体的な農薬汚染の原因説を証明するとか、あるいは否定するとかいうようなことをいたしたいと考えております。さらにその排出された、工場から排出された水銀が底質に移行して、さらに河川の洪水時に流されて海に出ていくといったような底質の流動についても究明するというふうに考えております。
○辻一彦君 これはかなりいいかげんといっては悪いけれども、ゆっくりやっておれば、ずいぶん時間がかかると思うんですが、この汚染源を明確にしないと、農民、漁民もこの問題を持っていきようがない。こういうことで、非常ないらだちがありますが、かなり早い時期にこの点明確にできますか、有明海ついてはどうですか。
○説明員(山村勝美君) 水銀の調査につきましては、大体魚介類の調査と並行いたしまして、データは、できれば八月中に出すように、おそらくそれ以降になる部分もあろうかと思いますけれども、最終的に九月には一応の中間的でもいい、結論が出るような指示をいたしておりまして、ただ、底質の流動等につきましては、有明海の海床調査でありますとか、いろいろな別の調査も補測する必要があろうかと思いますので、その海床調査には、かなり年度末一ぱいかかるという見通しでありますので、完全な回答は得られないかもしれませんけれども、およそのめどは九月につくというふうに考えております。
○辻一彦君 現地ではなかなか九月まで待てないという、これは非常に強い漁民の声ですね。こうなれば実力行使でとめようじゃないかと、とにかく操業停止をした工場が、自分でとめたところがない。全部漁民の実力行使しかないのだという、こういう声が盛んに私聞こえましたが、この声に対しても、時期を極力早めて努力してもらいたいと思います。
 そこで、汚染企業で現に毒物を基準以下であっても排出をしていると、そういう企業の操業を停止せよという声が非常に強い。これは感情的にも非常に強いし、また無理からぬ考え方だと私は思います。熊本でも、漁民はとにかく自主規制で魚がとれない、いわば営業停止になっている。だけれども、出したほうの企業はまだ工場を動かしておるというのは、これはどうだと、こういう声がありましたし、あるいはこれは水俣の旅館の方々の代表でありますが、旅館で食中毒が起こればすぐ営業停止になって、何日間か何十日間か旅館業はとめられてしまう。われわれ旅館のほうはお客さんが来なくて、営業停止にひとしい状況。ところが、加害企業のほうはどんどん動いておるというのはどうしても理解ができないという、こういう声もありました。また、一昨日福井の漁民の大会においても、これは水島の漁民が、実力行使によって四つの工場の操業を停止さした例がありますが、政府や県が操業停止さすなどと言うけれども、実際こういう種の工場で、それをとめた例はあまりない。漁民が実力行使によってこれをとめたのがほとんどでないかと、こういう声がいま非常に私は強く出ておると思います。そこで、将来この規制をしていかなくちゃならないならば、規制をするまで、あるいは基準が私はいろいろとあると思うのですが、操業停止を考えるべきじゃないかと。たとえば大牟田の三井東洋高圧は、排出している工場の水銀の量とそれから現在の基準とはどういう関係になっているか、ちょっとこれをお伺いしたい。
○説明員(山村勝美君) 水質汚濁防止法に基づきます排水基準は、ある試験方法によりまして検出してはならないということになっておりまして、ただいまのところ、八代、有明両海につきましては、水銀を使っていないということでありますので、現時点では、もちろんそういう種類の排水は出ておりませんから、水質汚濁防止法から見ました排水基準違反はないものと考えております。
○辻一彦君 大牟田の三井東洋高圧は電解の苛性ソーダをやっておりますね。ここは〇・〇〇五PPMというように聞きましたが、これは違いますか。
○説明員(山村勝美君) ちょっと言い足りませんでしたが、水質汚濁防止法の総水銀に関する排水基準は検出されないということになっておりますけれども、正確に申しますと、ジチゾン吸光光度法という方法で検出してはならないということを法律で明定いたしておりまして、その信頼限界と申しますか、定量限界は〇・〇二PPMでございます。したがいまして、別の方法で、その後、分析技術も発達してまいりましたので、詳細な分析ができるようになりましたが、それによりますと、先生のおっしゃったような数字が出たものと思います。したがって、現行法では、その数字は検出していないという判断になるわけでございます。
○辻一彦君 漁民の皆さんは一生懸命ですから、こういう数字はよく聞いて、御存じなんですね、みんな。そうすれば、この単位が、私も専門じゃないから、どのくらいかということはなかなかわかりませんが、いずれにしても、〇・〇〇五PPMは大体排出している、こういうことですが、この現在の基準からいうと、それは基準以下だからどうにもならないということですか。
○説明員(山村勝美君) 水質汚濁防止法の立場からはそのとおりでございます。
○辻一彦君 それじゃその基準を早急に変える用意はあるんですか、どうですか。
○説明員(山村勝美君) これをきめましたのが四十五年でございますので、その後の分析技術の発達ということもございまして、それに対処するために、排水基準を見直していくという必要を痛感いたしておりまして、現在、中央公害対策審議会に諮問いたしまして検討をいたしておる段階でございます。
○辻一彦君 大体その数字はどのくらいに、基準としてめどをつけておりますか。
○説明員(山村勝美君) ただいままだ検討を始めたばかりで、私もあまりそういう分析のほうは詳しくございませんので、詳しい数字はいまのところ申し上げかねます。
○辻一彦君 ちょっと専門的に聞いた話では、現在の基準値の十分の一ぐらいになるんじゃないか、こういうことも聞いていますが、そういう見当は置かれておりませんか。
○説明員(山村勝美君) 現在JISのほうで原子吸光光度法という方法がございますが、これはその〇・〇二PPMのさらに十倍はるか下になっておるように記憶いたしております。
○辻一彦君 それになれば十分一ということですが、かりにその程度まで基準を下げるとすれば、現実にこの工場が出している水銀の排出というのは、基準にかかることになりますね。将来しかもそれはかなり早い時期にそういう基準を下げる考えがあるなら、現在この水銀を排出している工場がクローズドシステムをとるまでは操業を停止さすべきでないかと思いますが、どうですか。
○説明員(高橋清君) お答え申し上げます。
 排水につきましては、現行法との関係はただいま環境庁のほうから御説明申し上げた次第でございますし、また苛性ソーダ工業におきまして電解法をとっている限りは、水銀を使うということも事実でございます。したがいまして、去る第二回の水銀対策特別会議におきまして、さらに徹底するために、先ほど先生が御指摘の各電解工場におきまして水銀電極を使っておりますので、この電解槽の水を工場の中で完全に循環させまして、いわば工場の外にそういった排水を出さないというクローズドシステムを早急に各工場に対しまして工事を行なわせる、特に過般一応問題とされました九水域、これの中にいま御指摘の三井東圧の大牟田工場も入るわけでございますが、こういった工場につきましては年内にと。しかしながら、私どもといたしましては、三井東圧にさらにこういった面につきましては強く要請しておりまして、三井東圧は一日も早く、工場を調べておりますし、大体現在のところ、九月末ごろまでにはこのクローズドシステムの工事が完了すると申しております。したがいまして、私どもといたしましては、一日も早く関係工場に対しましてこのクローズドシステム工事を完了させまして、地域住民の方々の不安を取り除きたいと考えております。
○辻一彦君 九月末というのは、現地でも東洋高圧がそういうことを言っておりましたが、通産省、この水銀がこういう形で出て、あれだけ有明湾でこの問題が起きているとき、前に使って、いま出ていないというなら別として、現に排出されているとすれば、私は工場の操業停止ぐらいをやってもいいんじゃないかと思うんですが、この点どうお考えなんですか。
○説明員(高橋清君) お答え申し上げます。
 基本的には水銀を出さないことが全く必要でございますので、むしろそういった点からは隔膜法と申しますか、水銀を使用しない製造方法を当該工場に導入させるべきだというふうに考えまして、当面はクローズドシステムを一日も早く仕上げると、御指摘のように一応九月末と言っておりますが、これもどうしても若干は物理的にも時間がかかりますので、きょう、あすというわけにもいかぬと思いますが、いずれにしましても、当面の問題といたしましては、このクローズドシステムを、さらに抜本策としましては、これまた極力急ぎまして、隔膜法と申しますか、水銀を使用しない方法を採用させまして、漁民の方々を含めまして地域住民の方々の不安を取り除くように、今後とも一そう強力に指導いたしたいと思っております。
○辻一彦君 三井東洋高圧が九月末までにやれる――これは急がすべきであると思いますが、ところがほかの工場は年末とか、来年の九月とか言っているが、東洋高圧が九月末までにやれるのに、なぜほかの工場は来年一ぱいなんてそういうのんきなことを言っておるんですか、これも同じように早く強く行政指導によってやらすべきじゃないですか、いかがですか。
○説明員(高橋清君) 全く先生御指摘のとおりでございまして、これも実は関係工場、大工場もございますし、また若干の中小企業と申しますか、中規模の工場もございますし、そういったような意味合いから一応の目安といたしまして、問題の水域周辺の使用している工場につきましては、一応今年一ぱい、あるいは実は苛性ソーダ工業三十六社四十九工場ございます。したがいまして、一応その他のものにつきましては来年の九月ごろと言っておりますが、これは全くの、言ってみれば最終目標でございまして、私どもといたしましては、それぞれ一日も早く工事は完成させるべきだというふうに指導しております。
○辻一彦君 それでは通産省、東洋紡の岩国工場がPCBをKSKにいま切りかえておると思いますし、敦賀の東紡は六月末で切りかえたと大体なっておりますが、六月五日のこの本委員会で通産の答弁によって、早急に東紡岩国工場のPCBをKSKに切りかえさすように工事を早くやるように行政指導すると、こういう御答弁でありましたが、具体的にこれがどういう計画でどう進んでいるか、いかがですか。
○説明員(高橋清君) お答え申し上げます。
 関係の工場からは、転換は、これも一日も早くするというふうに当方としては連絡を受けております。
○辻一彦君 いや、そういう答弁ではだめですよ。六月の五日に東紡敦賀工場、岩国工場は、PCBで問題が起きて、一日も早くPCBをKSK三三〇に切りかえると、こういう問題がこの委員会で論議をされて、通産省は、行政指導によって一日も早く工事をやらすと、こういう答弁を当日通産代表はしているわけですよ。その後、一日も早くやりますというような、文書のあるいは口頭による通告だけを聞いて、それで済ましているようでは、とても、水銀のクローズドシステム化も、言われるように進むとは思われないけど、この点どうですか。
○説明員(高橋清君) お答え申し上げます。
 工事は現在進行中でございまして、これも今月中には完了するというふうに連絡を受けておりますが、さらに詳細につきましては、後ほどでも先生に御報告申し上げたいと思います。
○辻一彦君 六月五日では、十一月末でないとできないということだったんですが、今月中にできるというなら、言うなればかなり急いだということになりますが、じゃあ、それをひとつ、あとで資料をもって具体的に報告をいただきたいと思います。
 岩国工場は、この十一月の予定をそれだけ繰り上げたとすれば、私はかなり急いでおると思いますが、少なくとも、このクローズドシステム制を水銀の場合にも同様早急に急がして、強力な行政指導をやっていただきたい。
 きょうはちょっと、局長でも来てもらわないと、とてもこれは困るんだけど、いろいろな常任委員会の関係もありますからやむを得ませんが。あなた担当の課長ですから、決意を一度伺って、これは十分伝えていただきたいと思うんですが、ひとつ、どうぞ。
○説明員(高橋清君) 先生の御趣旨のほどは、帰りまして局長に十分伝えまして、通産省化学工業局といたしましても、関係企業に対しましては、一そう強力に実施の方向に向いまして努力したいと思っております。
○辻一彦君 佐賀県の知事から、いま、こういうPCBや、化学楽品、熱媒体等使う場合、代替品をいろいろといま使っておるのだが、それがまた新しい毒性をもって環境に影響を与えて、行政があとを迫うというようなことになっては困るので、十分事前に、かわるべき薬品といいますか、媒体等については検討して、安全を確認した上でやってもらいたい。こう言っておりますが、このKSK三三〇という熱媒体は、そういう意味で、かなり安全性が確認されて代替品になっておりますか、いかがですか。
○説明員(高橋清君) 先生御指摘のKSK三三〇につきましても、東京医科歯科大学の教授でございますが、そういった関係の専門の方々の御意見も徴しましたところ、その代替品につきましては、その安全性が確認されております。いずれにいたしましても、先生御指摘のようにPCBのまた二の舞いを繰り返すことではまことに遺憾でございますので、代替品の安全性の確認につきましても、十分気をつけたいと思っております。
○辻一彦君 しかし、聞くところでは、その安全性の確認なるものは、何か半年ほど実験をして、一応の、安全だというような結論を出していると聞いたんですが、その程度の安全性の確認ですか、いかがですか。
○説明員(高橋清君) ただいまお答えいたしましたとおり、亜急性毒性につきましては、いま御説明したとおりでございますが、さらにその化学工場から聞きましても、PCBよりもさらに安全である等々、こういったことが、専門家の意見によって確認した次第でございます。
 なお、これも詳細につきましては、いろいろこまかい説明もございますので、そういった別の資料もございますので、ひとつ詳細、先生に詳しく御説明申し上げたいと思います。
○辻一彦君 まあそれだけにかかっておれませんから、これは切り上げますが、
  〔理事初村滝一郎君退席、委員長着席〕
毒性二十五分の一ぐらいということは聞いておりますが、半年ぐらいいろんな実験をやって、それでもう毒性がないと言うのには、ちょっと簡単過ぎる。もうPCBの問題が問題になってから、ずいぶん私は長いと思うんですね。だから、かわるべきものならば、何年間か、かかって、十分な研究がされているべきはずなんですけど――なぜいまごろ、半年くらいの実験をやって、そうしてそのおくれというのは、一体どういう理由なんですか。
○説明員(高橋清君) 代替品につきましても、PCBの使用問題が問題となってきておりますところから、この問題につきましても、いろいろ私たちは、関係の専門家の意見も徴してまいりまして、確認に今日まで手を尽くした次第でございます。
○辻一彦君 あなたにこれ以上言っても無理と思いますけれども、大体、この代替品をやるなら、もっと――PCBはもうずいぶん長い間論議をされて問題になっておるわけですから、十分な実験があって、研究があってしかるべきだと思うんです。そういう意味で、通産省の、やっぱりこの公害行政の立ちおくれというか、おくれを私はどうも感じられますが、この点はひとつ十分考えてもらいたいと思います。
 そこで汚染源の問題は、第一は企業であり、第二はこのヘドロ、汚染魚と、こういうことになると思いますが、これは先ほどもだいぶ触れられましたから簡単にしますが、汚染魚をいま一掃する、こういうことで、問題水域ではいろいろやっておりますが、大体問題になるところでは、いつごろ汚染魚を一掃することができるか。水俣湾では電気網を張って遮断をして、魚が動かないようにしたいと言っておりますが、そういうことが可能なのか。一日も早くまずよごれた魚を一掃するということが大事だと思いますが、この見通しと、その推進の状況はいかがですか。
○政府委員(荒勝巖君) 水俣湾に電気網を設けまして、魚を一掃したい旨を県を通じまして私のほうへ打診があったわけでございますが、この電気網を使っての大がかりな実験データが私のほうにございませんので、こういった電気網のような高圧のものを使って、不測の事故ということも考えられますので、と申しますのは、水でございますので、どこまで、そういった伝導がいくかわかりませんので、私のほうといたしましては、これについては了承を与えるわけにはいかなかったと。むしろやはりよその省にお願いするようなかっこうになりますけれども、いち早く埋め立てをしていただきたいというのが私たちの希望でございます。
○辻一彦君 埋め立てが第一に大事だということはわかりますが、百八十ヘクタールというあの水俣湾を見ると、かなりな魚がいると思うんですが、これをやっぱり一掃するということもヘドロ対策とあわせて非常に大事だと思うんですが、敦賀湾では、小さいところですから、かなり二、三千メーターの網を張ってだいぶとっておりますが、ほかは放任しておるんですか。いろんな方法でやはり汚染魚を一掃しておるんですか。いかがですか。
○政府委員(荒勝巖君) このPCBのほうの調査結果を、一応先般発表いたしましたので、汚染地先並びに汚染魚の実態が多少明らかになった結果かと思いますが、対策につきましても相当いち早く県なり各企業との間の、あるいは漁民も含めての動きが急速に進んでおりまして、敦賀湾のほうはただいま御指摘のように、魚をどんどんとっていって、PCBの汚染度を薄めていくという行き方が一つとられております。それから、高砂のような兵庫県の一部では、港自身を埋め立ててしまって、近く矢板で封鎖するというふうに、企業と県との間で話が進んでおるようでございます。それからたとえば大分川の河口の天然ウナギが汚染されておりますが、これはいち早く企業と県とそれから建設省の間で河川のしゅんせつという形で、問題の汚染のヘドロを片づけるとかいうふうに、非常に事業が進んでおりますので、その先例にならいまして、水銀のほうにつきましても、汚染源なり汚染対策が明確になる過程で、そういった事業を進めてまいりたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
○辻一彦君 もう一つ。私たち、水俣湾の小高い丘の上に上がって、湾内を一望して思ったんですが、今日、日本のいろんな技術の水準からすれば、あの程度の港ならば、締め切って埋め立てをやろうと思えば、かなりな早い時間でもってやれるんじゃないかと。そういう点で、水俣の人たちは、いろんな国会議員や、いろんな調査団がたくさん来るけれど、具体的に何か一つでも着手をして、早く事実をもってあらわしてほしいと、こういうことを強く要望された。その中で安心できる第一は、やはり埋め立てのこの仕切りといいますか、そういうのを一つでもやってもらって、そこから着工されたということが水俣を安心をさし、市をよみがえす第一歩になると、こういう声でしたが、これらは急いで、むずかしさは私はあると思いますが、早い時期に着手することができないのかどうか、この点どうなんですか。
○政府委員(荒勝巖君) 水俣湾の封鎖については、関係各省の間での打ち合わせでも、早急にやはり埋め立てたほうがいいということは結論を得ておるようでございますが、問題は、その埋め立てによりまして、二次汚染をすることの危険性というものを非常に各省とも心配しておりまして、運輸省のほうにおかれましても、工事はできるにしても、二次汚染をしない方法によって工事をいたしたいということで非常に苦慮されておられるようでございまして、その見通しがつければ、運輸省のほうでも、すぐ地元に対していろいろな勧告ができるんではなかろうかと思いますが、これは運輸省のほうから聞いた話でございますので、私としましては、できるだけ早く二次汚染が起こらないような形で着工をお願いいたしたいと、こういうふうに希望している次第でございます。
○辻一彦君 これは早く、いずれにしても各省庁、力を合わせてぜひ着手をしてもらいたいと思います。
 そこで、急ぎますが、補償問題です。PPP原則というのは当然でありますが、有明海沿岸四県は三万一千戸の漁家がある。この三井東圧化学と日本合成化学ですか、十五億のつなぎ資金を出したということですが、一戸に割ると四万七千円から四万八千円、これでは一カ月の生活費に足りない、焼け石に水であると言っておりましたが、事態は私はこのように深刻であると思います。ところが、日本合成の会社は、排水口で、立ち話で、ようしていると、有明海の漁民の全部の補償をしていると会社はつぶれてしまうと、こういうことを口走っておりました。私は、事態はそこまで進むかもわからないと思います。原因者負担の原則は、企業がつぶれてもこの原則を貫徹するのかどうか、大臣この点どうですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) これは仮定の質問でございますので、ちょっとお答えがしにくいのであります。企業は、企業の一つの世の中に対する一方において、貢献度があると思うのであります。そこで、つぶれてもいい、徹底的な補償をせいというようなことを簡単に申し上げかねまするけれども、しかし、その原因者負担の原則ということを曲げるわけにはいかないわけであります。したがって、そういう場合に融資措置が必要であるならば、あるというようなことで、考慮を払う場合も出てくるかと思いまするが、つぶれてもかまわぬかどうかということについては、ちょっとお答えしにくいということを申し上げたいと思います。
○辻一彦君 むずかしい問題ですが、支払い能力を越えた場合に国は肩がわりをするかどうか、この点いかがですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) そういう場合の肩がわりは現在のこの際考えてはおりません。経営が持続でき、またその支払い能力を付与するというようなことについては、時と場合に考えなけりゃなりませんが、国がそれではそれを肩がわってよろしいんだというようなことについては、いまこの際は考えておりません。ただ、この点は私の農林省の所管を離れる要素もございまするので、本来言えば、よく検討をすると申し上げるべきでありましょう。しかし、私はあくまでも原因者負担の原則というたてまえから一応考えてお答えを申し上げておるわけであります。
○辻一彦君 私も、その原因者負担の原則はあくまで貫徹をしなくてはならない。言われるように、支払い能力があるように付与するというか、そういういろんな方法はあろうと思いますが、原則はやっぱりこれは曲げてはならぬと思います。しかし、直接の補償に乗らない地域が、実際は今度の場合に非常に多く出てくるのではないか。ということは、この有明海の沿岸の漁民のみならず、福岡県で言えば玄界灘、あるいは長崎で言えば五島のほうですね。周辺に同じような影響か広範に出ている。こういうことになれば、これを直接補償対象に、PPPの原則に乗るかどうか、なかなかむずかしい問題だと思いますが、そういう場合には、国のいろいろな対策が私は強力に必要になってくると思いますが、現地では特別立法等によってこの救済を考えてほしいという声が非常に強いと思いましたが、この点についてお考えになったことないですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 先般来申し上げておりますように、いま国のほうとしては、一応応急の措置を講ずる、その応急措置を講ずる一つとしての、つなぎ資金を、これを考えて実施をいたすことにしておるわけでございまするが、全体の事態、地域、地域の事態というものがその間に明白になってまいると思うのであります。そうして、それに伴って関係省庁との間で具体的にどう措置すべきかということの協議ができると、こう思います。現に、水銀等の対策の推進会議も設けておることでございまして、それらの会議を通じまして、事態に応じた対策を講じてまいりたいと、このように考える次第であります。
○辻一彦君 まあ事態は深刻と思いますから、これは動きをよく見て十分考えていただきたいと思います。そこで、いま融資の問題に触れられたんですが、これはたいへん大まかな数字ですが、ちょっと私が調べたものによると、長崎では、漁民世帯ですね、二万九千九百二十二、佐賀では五千、熊本約一万一千五百、福岡は約五千、こういうのが、大体、今度の対象にしてもらいたいと、こういうようなことに聞いておりますが、これを合わせますと、すでにこの四県の数だけで約五万漁家になります。そうすれば二百五十億の緊急融資は一件五十万とすれば、五万ないし五万五千ということでありましたから、有明海沿岸の四県の要求程度と、こういうことになりますが、これでは私はほかに中国、四国のほうですね、あるいはPCB汚染地域、全国に広範な地域に十分な対策が立たない。こういうふうに思いますが、この数を一体どういうように長官見ておられるか、いかがですか。
○政府委員(荒勝巖君) PCBなり水銀の問題が発生しました直後に、私たちのほうで、いろいろな試算をさしていただいたわけでございます。これは県とは一応関係なく私のほうの判断だけでやらしていただいたんですが、次から次へと問題が発生してまいりまして、被害者数の確定も実際問題としてはまだ最終確定はいたしておりません。ただ当初に計算いたしましたのは、汚染地区と思われます地先の周辺の漁協なり、それからそこの組合員の数を拾いまして計算いたしましたが、さらにそれだけでは片づかないということで、さらにその周辺の漁協といいますか、広範囲な形で拾い上げたんでございますが、いまの段階ではさらにそれが広がりまして、当該被害の原因者と思われる工場を含む水面に面した県の全漁民というふうに話が広がってきておりまして、これらにつきまして、ただいま県と事務的にこの被害者数を、多少ABCと申しますか、そういったふうにランク付けしながらこの問題を片づけてまいりたいというふうに考えておりまして、そういった被害者数なり、希望金額というものを県からいただきまして、これを早く事務的に片づく県から逐次融資を開いていきたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○辻一彦君 有明海の沿岸に五万の漁民、それはABCといろいろあると思います。数でいえば水産庁が予定した五万件という、その五万に大体達する形ですね。そうすれば、私は二百五十億という融資のワクでは、初めからおさまらぬだろうとこう申し上げておりましたが、事実これではとても足りない状況になりつつあるのじゃないか。特に私が思うのは今度九州でいろいろ聞いたのは、私たちを含めて政治の責任というか、政府の責任といいますか、政治の責任といえば私たちも含まれますが、非常にきびしく声がありました。それは水俣病がわかってからもう十四年もたっているじゃないか、その間に一体何をやってきたのか、こういう声がきびしくあったわけです。あるいは公害防止法ができたときにでも、少なくとも、徹底した対策をもう少し早くやってくれれば、今日これだけの悲劇と状況を招かなかっただろう、こういう声を聞いて、これは私たちもそういう声にはほんとうに聞かざるを得なかったのですが、そういう点を考えると、政府の高経済、高成長政策というこういう中で、公害企業のたれ流しを容認しておった責任は糾弾されてもやむを得ない。そう考えれば、いまこれだけ広範囲に及ぶところの漁民の不安とそしてその被害に対して、少なくとも、私はドルショック当時における繊維並みの救済対策を大胆にとるべきであると、これは一と月前にも申し上げましたが、あえてきのうも申し上げて、くどいようでありますが、そういう対策が必要でないか、こういうように思いますが、この点について融資幅をもっと大幅に引き上げて、これら漁民の声に、関連産業の声にこたえるべきだ、こう思いますが、大臣いかがですか、この点。
○国務大臣(櫻内義雄君) これはあくまでも緊急、応急の措置ということを申し上げておるのでございます。そして事態の推移に伴いまして、今回の事件が容易ならざるものである、こういうことで、環境庁長官を議長とする水銀等汚染対策推進会議を設けておるのでございまして、私は、いまとられておる措置は必ずしもそれが十分であるというような、そういう見地にあるのではないのでございまして、きょうもこうやっていろいろ御論議をちょうだいしておりまするが、それらをこの会議のほうに反映をいたしまして、なお種々協議をいたし、対策を講じてまいりたいと思います。
○辻一彦君 まあ事態の推移は、大臣もう六月五日ごろからだいぶ進んでまいって、数を見ても有明海沿岸だけで五万戸、もうそういう声がある。初め五万と予定しておったのが、そこだけでも一ぱいになってきた。これを考えれば、いま事態は私は大きく深刻な方向に進んでおると思いますが、その事態を踏まえて、もっと前進的にいまでも考えるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) これは事態が非常に動いておりまして、有明海水域の汚染の実情というものが、一方において原因者もだんだん明らかになりつつある。そうすると、この原因者のほうの当然責任が問われていくのでございまするから、したがって、そのほうで逐次解決を見る面も出てくるということになってくると思うのでありまするから、それらの推移を見ながら、なお足らざる面があれば足らざるように考えるというのがこれが順序ではないかと思っておるのであります。
○辻一彦君 しかし、先ほどの質疑を通して、二カ月ぐらいはまだ、その原因追究に、原因企業の追究にかかるそうですが、しかし現地の漁民の声は、融資をしてくれるなら九月までそんなに待っておれぬ。これは、もう出かせぎに行くしかないんだけれども、出かせぎに行くには、米代を払って行かなきゃならないんだから、融資がほしいんだ。こういうなまの声が切実にありますが、この原因者を究明して、そこからお金を取り立てて、それを渡していくという、時間的にかかる点を考えると、やはり私はつなぎという意味においても、もっと大胆に政府は取り組むべきであると思いますが、あえて、いかがですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) これは、表現はつなぎ融資ということでございますが、もうすでに十分御理解をちょうだいしておると思うのでありますが、緊急の措置として、しかもそのつなぎ、天災融資法に準ずるつなぎと、つなぎ融資とは申しておりまするが、それに対する裏づけの点も申し上げておるような次第でございまして、そして、ほんとうの意味における一応の応急措置をとりながら、事態を究明をいたしつつ、原因者負担の原則に基づく責任も追及しながら、ものごとを解決していく。しこうして、それがどうしても不十分であると、こういうことでありまするならば――それに対応する今回の異常事態に対しての、水銀等緊急対策推進会議を設けておるのでございまして、足らざる面があれば、それはそれで協議をし、具体化をいたしたいと、こういうふうに申し上げておる次第でございます。
○辻一彦君 事態はまだ私は、大きく動いていくと思いますから、十分積極的に政府の全般の機構の中でも考えてもらって、前向きに考えていただきたいと思います。
 そこで、最後に一つ。中小企業庁長官見えていますね。――お伺いしますが、関連産業の関係ですが、これは、もう各県、市場、魚屋さん、鮮魚商、観光業者、それから漁網、漁具の製造業者から、先ほどお話のありました加工業あるいはサービス業に至るまで、広範な影響を受けておる。
 特に、私は一つ御紹介しておきたいんですが、魚商です。魚を朝、市場で買って、それを持って歩く女の方、何十人か婦人の方が見えてこういうお話がありました。魚を持って魚商に行くと、つらの皮が厚い、きょうも水俣を持ってきたかと、こう言われる。売れずに魚を持って帰ると、学校へ行っている、高校へ行っている子供が、おかあさん、きょうも魚が売れなかったかと、こう言って二人で、あすの暮らしをどうするかと言って涙を流している。そういう暮らしが毎日続くんだと。こういう声を私は非常に聞いて、だいぶたくさん魚商の婦人の方がおられましたが、みんな涙をぬぐっておられているような状況にあったんですね。これを見ると、この魚の汚染の問題は広範な層にこの影響が私は及んでおると思います。
 そこで、時間がもう来ましたので、詳しく私申し上げませんが、市場関係、魚屋さん、鮮魚商あるいは観光旅館業あるいは加工業、この魚商を含めて広範な層に、これは中小企業庁、通産の関係でありますが、融資の対策を立てられておりますが、一体幾ら、総額をどのぐらい見ておられるのか、その点いかがですか。
○政府委員(莊清君) 現在、水産庁等通しまして各県の実情を至急に調査しておるところでございます。それが出そろいますれば金額がつかめるわけでございますが、私ども限りの一応の推定でございますけれども、魚屋さんその他の関連の業者の方で、この際の緊急融資としては百五十億程度のものはどうしても確保せにゃいくまいと、これは大づかみな推定の数字でございまして、申し上げましたとおり、実態調査の結果に基づきまして増減はあるわけでございますが、そういうふうに現在考えております。
○辻一彦君 中小企業庁は繊維の対策のとき総額幾らぐらいの経費を出されたか。いかがですか。
○政府委員(莊清君) 繊維の対策は、繊維の自主規制を強要された場合の融資でございまするが、これは約千二百億円の緊急融資を実施したわけでございます。
○辻一彦君 千二百億の緊急融資、それから織機の買い上げ等々含めると、当時、約二千億であったと、私、記憶しております。そうなると、これはどうも繊維関係が受けた打撃と、それから、この魚汚染に伴う打撃は、詳しくは比較してみなければなかなかわからないと思うけれども、その深刻さにおいてはこれに匹敵する私は社会状況じゃないかと思う。そういう点で、いま緊急融資おおむね百五十億ということでありますが、これも、ひとつ事態を十分つかんでもらって、そして、あえてこれにこだわらずに、繊維対策に当時出された私はワクを見ても、本格的なひとつ救済対策を融資の面でも中小企業関連産業にぜひこれから講じていただく、強力に考えていただきたいと思いますが、最後に一言いかがですか。
○政府委員(莊清君) 先生、お話ございましたように、繊維の場合には、日米協定で輸出量が今後長きにわたって制限されるということでございます。今回のは緊急のつなぎの融資ということでございますので、期間の問題もございまするが、考え方といたしましては、今後の実態をよく見まして、それに応じて必要な資金は必ず確保するというのが今回の場合においても当然の方針でございます。その精神で今後進めたいと考えております。
○辻一彦君 じゃ、もう少しお伺いしたいことがありますが、時間が参りましたからこれで終わりますが、大臣とそれから長官のほう、ぜひこれは漁業関連産業、非常に深刻であると思いますから、十分な努力をぜひいただきたいと思います。
 最後に、先ほど園田委員から私に確認しておいてくれということでありますが、あの件どうなっておりますか伺って終わりたいと思います。
○説明員(山本宜正君) 私、直接長官に連絡ができませんので、人を介して連絡したわけでございますが、現在の病名につきましては、一応委員の先生方の御意見を聞いてでないと改めることについてはむずかしいということでございまして、私ども、その委員会を、現在、人選を一通り終わりましたので早急に開いて、その上で検討さして御期待に沿えるような方向で処理してまいりたいと、かように存じます。
○辻一彦君 ちょっと、それで十分納得というわけにはいきませんが、現在の段階では、いまの御答弁ということで受けとめておきますから……。
○初村滝一郎君 先ほど来、有明海の現地調査のことについて園田委員から質問があったわけでありますが、私は、この問題について水産庁長官に、去る六月の二十六日に特別に質問をしたわけでございますが、実は国民が現在、魚に対する不安をいまだに持っておる、したがって、漁民は魚をとっていいのやら、悪いのやら判断に苦しむような事態であるので、私は、国民のまず不安を解消するということが一番先決であろう、かように考えるわけでございます。したがって、六月二十八日に当委員会に厚生大臣を呼びまして、厚生省が発表した親切みのあるあの献立であったけれども、国民はこれを逆に受けとめて非常に魚に対する不安を生じておるということで、それぞれの各党を代表して質問したわけでございまするが、厚生大臣はほんとうに申しわけなかったと、したがって、これが解消のためにあらゆる努力をしてPRをいたしましょうという約束をしたようでございますが、その後どういうふうな、具体的なPRを国民にしたのか、まず厚生省に伺いたいと思います。
○説明員(岡部祥治君) 先般、厚生大臣が御説明申し上げましたように、これらの誤解を解くために今回の基準の内容を消費者一般に理解しやすい方法でPRするということでございまして、これは先般のいわゆる献立表というものを手直しをしたのでは、さらに誤解を招きますので、これらにつきましては、現在どういうかっこうでリーフレットなり、パンフレットなりが適当であるかどうかということを検討中であります。また、すでに厚生大臣、あるいは上田教授等、その道の専門学者等が、テレビその他の報道機関を通じて誤解を解くためにこれらのPRにつとめておるところであります。
○初村滝一郎君 国民が魚を買わないのですよ、東京でも。したがって、たん白質源をとるためには、とうふを非常に買うておる。これが実際の実情なんです。それで、何よりも漁民は魚をとりたいのだから、とられるような仕組みにしてもらわなければ困るのです。で、農林大臣、このことについて、政府が、環境庁長官、厚生大臣、農林大臣、できれば総理大臣の名前を連ねて、大きな宣伝をして、ラジオでも、テレビでも、新聞でも広告をしてもらいたいと思うが、その気持ちがあるかどうか、大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいまの御質問にもございましたように、善意で厚生省の発表があったが、なかなかそれが国民心理の上から、そのように受け取られなかった。正しく報道され、正しく理解されるように常に配慮をしなければならないことだと思うんであります。現在、総理大臣以下、政府がお示しをいただきました案のような措置をとって、それで不安状況が解消のできるような、いろいろ要素が十分ととのっておるかどうか、こういうことを考えまするときに、私どもは、早急に、できれば全国的な調査をして、事態をはっきりさせる。しかし、そうもいかないから、一応過去の経緯でいろいろ問題点があったようなところを、優先調査をしようと、こういうことで、現にその調査のほうは非常に進行しておるわけでございます。この調査が終わったような段階が、私は一つの時期ではないかと思うんでありまするが、実はこれは初村委員から、非常にあまいとおしかりを受けるかもしれませんが、東京都のこの月曜日の調査の結果が発表されまして、現在、魚河岸に入っておる魚は白である。こういう発表がありました後の、毎日の魚価、あるいはせりの状況等を見ておりまするに、昨日来、大体常態に戻りつつあるように認識されるのであります。非常にこれはよかったということで、私は、機会があるごとに――汚染魚を長期に、持続的に摂取するということが問題であったので、農林省が食料を安定的に供給するその責任からいって、一つもいま不安のあるような事態はないんだということを繰り返し申してまいっておるわけでありまするが、ただいまの初村委員の御提案につきましては、できれば早急にそのような機会を得たいと思います。
○初村滝一郎君 いま大臣は、発表する以上は、正確な調査期間が必要である。したがって、調査の期間を待ってやりたいということであるが、また現在、東京の魚市場に、相当、情勢が好転したようなお話がありましたが、私は、けさ築地のマグロの状況を聞いたわけでございますが、マグロがよけいあるのです。あるのだけれども、小売り業者が取りに来ないという現状なんです。来ないということは、売れないから取りに来ないわけです。こういう事態を私は聞いた場合に、やはりそういう面をよく生産者の気持ちになって、やってもらわなければ、かりに、九月までに調査ができる場合に、その間のつなぎ融資というのは、相当ばく大なものになりはしないかと私は、かように心配するがあまり、また、漁民というものは、金を、補償をもらうなり、あるいは融資をしていただくというよりもまず、自分のからだで魚をとって、それを堂々と生業としていきたいという気持ちでありまするから、やはりその点を十分考慮して、できるだけ国民の不安というものを解消するように努力していただくことを希望申し上げます。
 それからいろいろ先ほど来、お話があったわけでございまするが、私どもが、やはり工場に行きますというと、漁民は休漁させられ、しかも企業は従来どおり操業を始めている。たとえば、先ほど来の大牟田の三井工業所、これは、先ほどの辻さんの排水基準と、私の聞いた基準とが、ちょっとずれております。私はこう聞いたのです。排水の基準は、〇・〇〇五と基準がきめられておるのだけれども、私の工場は〇・〇〇二であるので、何ら差しつかえはないというような御意見があったわけなんです。工場側の意見ですよ。ところが、私どもが排水口に行ってみますと、びっくりするような、濁った、しかもにおいのする排水を流しておるのです。それで、何で、私は、もう少し循環水をよけいまぜて、薄めて流さないのかというようなことを申し上げたのだけれども、九月までには何とかいたしたいと、〇・〇〇二水銀がまじっておるのですよ。それを基準が〇・〇〇五であるから二・五分の一でしよう。だから、工場はよろしいという解釈をしてやっている。だから、私は、やはりわれわれが見てでも、このぐらいはいいんじゃないかというような程度まででも下げるべきですよ。そうして循環水をどんどんまぜさして、漁民が安心して、まあこのくらいならいいだろう、影響もないということであれば、という納得のいくような姿勢を示していただきたい。こういうことで環境庁は、どういうふうに考えますか、この件について。
○説明員(山村勝美君) 水銀のような有害物質につきましては、これを一滴も外に出さないというのが原則であろうと考えます。しかしながら、現在のところ、たとえば排水の中に水銀が幾ら入っているかということを確認するある手法があって、それで排水基準違反、あるいはオーケーという判断ができるわけでございまして、そういう一つの試験方法、ある試験方法による判定というものが必要になってまいりますので、必然的に何らかの基準で比較判断していくということになっているのが現在の規制のしかたでございます。したがって、現在、先ほどもちょっと辻先生のほうにお答えいたしましたように、非常に検出限界の低いといいますか、高いといいますか、〇・〇二PPMというレベルのものしか試験ができない。それ以下のこまかい、低いものにつきましては、検出してこない、あるいは信用ならぬという判断でございまして、その試験方法を今後検討していく必要があるというふうに考えておるわけでございます。
○初村滝一郎君 その試験方法、そういういろいろな器具の関係から、まあ〇・〇二以下のものはされないというような答弁でございますけれど、やはり私どもは、国民が見た目でさえも害毒があるように見える、その自体がおかしいと思うんです。だから脱色するような薬を使ったり、あるいは循環水をどんどんよけい使えば薄まるんですよ。私は、しろうとであってもそう思うのです。だから、こういう点を十分工場側にも注意をしてもらいたい。私も申し上げたんです。そしたらまあ九月までにはできますからという答弁もあったようでございますがね。したがって、漁民は――工場は操業しているのに漁民は休漁しなきゃならない。なぜ悪いことをする人間が操業して、いいことをした人間が休まねばならないかという訴えを聞くわけですよ。そのとおりと私は思うんです。だからこういう点については、あくまでもきちっとしたことをやってもらわなければいけないと思いますが、工場をとめるまでの勇気があるかどうか、御答弁お願いいたしたいと思います。なければ、ないと、こういう理由で、させられないと、はっきりしてもらいたい。
○説明員(山村勝美君) 先生の御指摘の排水が、見た目に非常にきたないという要素でございますが、排水の中には、実はいろんなものが入っておりまして、先ほど水銀については一億の分の二というレベルで議論申し上げたのでございますけれども、おそらく外観が悪いというのは、その他の有機物でありますとか、あるいは色のついた、あるいは鉄分でありますとか、そういうものがまざって、そういう外観の悪いものが出ておるかと思います。ここで操業をとめるかどうかという議論につきましては、私どもといたしましては、水質汚濁防止法の運用によりまして、排水基準がきめてありますから、それに違反した場合には罰則を適用する、あるいは改善命令をする等の措置によって措置していくということになるわけでございます。
○初村滝一郎君 まあそういうことがあり得るということを期待して、このことにはその程度にとどめて、次に入ります。
 今回の調査に行ってみますと、農林大臣、関連業者が非常に多いんですよ。今度の閣議決定で天災融資法に準ずる措置――漁民並びに漁業協同組合等については、農中の金、あるいは信連の金等を使うようになっておりまするけれども、関連業者の多いことはびっくりするほどなんです。したがってこの関連業の拡大解釈、これは私はもう相当政府も困るだろう。私が聞いた範囲でも、仲卸業、小売業、行商、小型造船所、船舶機械類、漁具製氷、水産加工、観光業者、サービス業、あんま、もういろいろあるわけです。それをどの程度で引くか、私は非常にむずかしいと思うんだけれども。今回この二十九日の通産大臣の発表の、これを見ますとね、大体二百万までは一企業に貸す、五年以内の償還期限で貸す。しかも、金融機関は、国民金融公庫、中小企業金庫、商工中金、こういうものを指定しておるんだけれども、私は二百万程度でとどまる方もいらっしゃれば、あるいはそれ以上要求をするような方もいらっしゃる。その例を一、二申し上げてみますると、先ほど辻さんが申された魚商、これは熊本で訴えがあったわけですが、三十人の女の方が来られて、朝五時からかごに魚を入れて売って回る。期五時からですよ。それで子供さんが学校に行く前に一応朝の仕事をして帰ってくると、子供さんがかごの中を見て、おかあさんきょうも魚が売れませんでしたかという一声を聞かれたという、私どもの調査団は胸に打たれたんです。そういう方々はおそらく二百万以下の金融で済むでしょう。だから、これは協同組合とかいろいろ任意団体つくっておりませんけれども、やはりこの融資の条件として、市長か何かの証明書がつくということも聞いておりますが、そういう申請が出たならば、やはり対象として取り上げて貸していただきたい。これを強く要望したいと思う。したがって、この種の業種は、私は、有明海――福岡、熊本、長崎、佐賀、すべての県にあろうかと思う。だから、したがって、こういうものについては特別に融資をすみやかにやってもらいたいと思います。ぜひそういうことにしていただきたいと思います。
 そこで、ちょうど長崎の色市場の仲買いから聞いた話ですが、入荷する鮮魚の取り引きを停止するわけにいかない。したがって、買いささえて、凍結保管をして流通安定をはかってやった。それが六月三十日現在で二千百トンあるというのです、魚が二千百トン。その金額が四億九千万。四億九千万の品物を長崎の魚市場の仲買い業者は冷蔵庫に入れて買いささえておる。これがいつ売れるかわからないという。したがって、私はこういうものに対しても、長期、低利資金を貸してくれという陳情を受けた。これが二百万でできますか。二百万以下ということではできない。そこで、先ほど来中小企業庁長官の答弁では、暫定的、差しあたり、緊急ということでこれをしたんだがと、残余のことについてはいろいろあとでお話をするということであったので、こういうことについても、水産庁長官、特に魚市場に関係があるんだからして、十分気にとめていただいて――私どももお世話をいたしたいと思う。だから、こういうことを十分考慮して、融資の道をはかってもらえば幸いと思います。
 それから、島原市からこういう話もある。水産物の主要消費地である関東、関西の市場から出荷停止命令を食っておる。したがって、商売がされないという。それでまた、その方々は、漁民に対して網を買う金に手付を貸しておる。魚の前渡し代金を払っておる。船をつくるために造船所に金を渡しておる。だからして一企業あたりに最低千万ないし二千万の融資がほしい、こういう事実もあるわけです。だからして、私はやはりこういう方々についても十分考慮をいたしてもらいたいと思います。
 それから、さらに長崎県の有明海のずっと左の下のほうに橘湾というのがある。御存じでしょう。ところが、あの熊本と福岡の二つの工場で十五億の融資をしたでしょう、つなぎ融資を。橘湾を入れておらない。なぜ入れないかと私が聞いたら、その対象外ということではずされておる。ところが現在あなた方が、いま全国で九地区か指定している区があるでしょう。で、その区以外の区の方々はなお、巻きぞえを食って被害をこうむっておる。長崎県に八海区あるのですよ。八海区の魚が全部売れないということ、これは長崎県ばかりじゃない。熊本にしても、鹿児島にしても、福岡にしても、佐賀にしても、全部売れない。これをどうするのですか。ですから、私はこういう業者に対しても、ある程度の納得するような前向きの答弁をしてもらわなければ、もう漁民は騒動ですよ。こういう点について、長官はどのようにお考えなさいますか。お答弁をお願いします。
○政府委員(荒勝巖君) ただいま御指摘がありましたように、有明海あるいは不知火一帯、八代海など、第三水俣病を契機として漁民の方々が一番被害を受けられていることも私たち十分承知しておりまして、極力この有明海周辺の漁民の方々に対しましては、われわれといたしましては、つなぎ資金といたしまして融資を極力早く進めるようにということで、県をただいま督促いたしまして、話を進めている次第でございます。で、なお、ただいま御指摘になりました企業関係の方々につきましては、私たちのほうで県とも早急に連絡をとりまして、実情を十分御連絡願いまして、関係の中小企業庁のほうにも話をし、また財務当局とも話もしまして、この問題に対する姿勢をもう一度検討さしていただきたい、こういうふうに思っております。
○初村滝一郎君 それから、時間があとありませんから、この金融をする場合に、政府からも、ひもつきの融資だというふうに指令はいたしますけれども、担保をやれ、保証人を立てろと、非常にうるさいわけですね。私は、原因者負担という原則があるならば、やっぱりずぼらにせよとは言わないけれども、やはり貸し出しのしやすいように被害者には、してもらいたい。そしてまた、特に長崎の知事からは、三分の利子を無利息にするように、農林水産委員会で附帯決議をしてもらいたいというふうなこともあったのだけれども、まあそれは、私は皆さんとまだ、はかっておりませんけれども、やはり原因者負担であるならば、今日その方々から、被害者から三分の利息をとるというのは、これは酷と思うんですよ。これを何とか、これに対して政府は一応閣議決定のとおりに進むのだけれども、将来は必ず原因者負担にしてやるということだからということも、この前、長官から答弁をいただいたわけでございますが、このことについて、もう一ぺん借り入れの手続の問題と利息の問題について御答弁を願えれば幸いだと思います。
○政府委員(荒勝巖君) 今回の天災融資法に準じた措置につきましては、極力関係金融機関あるいは府県、市町村を通じまして、手続が簡素化し、被害の漁民の方々に融資が簡略にいくように、私のほうではなお至急努力してまいりたいというふうに考えております。それから、また、金利の問題につきましても、これはこの間の閣議の決定に従いまして、原因者が明確になった場合においては、この三分の金利も含めて、元利は、当然原因者の負担となるということにつきまして、先般お答えいたしましたが、そのとおりでございます。
○初村滝一郎君 そこでだ、この原因者が、企業が順調に進んで、毎年毎年何億、何十億ずっと金が支払われていけば、私は問題はないと思う。ところが、やっぱり企業ですからね、いつパンクするかわからない。それで、先ほども園田委員は公害基金制度を設けたらどうかと、こういうふうな考え方を述べられましたが、私もそれをつくる必要がありゃしないかというふうなことを考えるわけなんです。したがって、公害基金制度を設けて、やはりそれで、公害があればその基金でまかなうというような制度をつくれば、やはり国もそう心配する必要もないし、また被害者も安心していけるというふうに考えるわけなんです。このことについてどういうふうな考え方をしていくか。もし、それができないとするならば、それにかわるべく政府代位弁償制度ということを、これは先日も足鹿委員ですか、お話があったようでありますが、そういうものをつくって、安心して漁民あるいは関連業者が生きていけるような、安心して生活ができるような、静養ができるような方途を考える考えはないか、お尋ねをいたします。
○政府委員(荒勝巖君) これは昨日環境庁のほうからもお話がありましたが、この原因者負担の原則というものは、やはりただいまの時点におきましては一つの統一した原則的な見解でございまして、現時点におきましては、これでひとつ対処してまいりたいと、こういう考え方でございます。また、しかしながら、この原因者負担の原則ということにつきまして、今回のような非常な大きな広範囲な問題で、広範囲な形で問題が提起されていることにかんがみまして、これにつきましては、何らかの形で――もう少しただいま御指摘のような一つの基金制度というふうな問題等もいろいろございますので、これらにつきまして関係省庁、特に環境庁を中心といたしまして、われわれの間でもこれは議論をいたしておりますが、これを今後どういう形で提案するというか、結論を出すかということにつきましては、なお内部で慎重に議論さしていただきたいと、こういうふうに考えております。
○初村滝一郎君 いろいろと私は、約三十分の時間をもらって申し上げたわけでございますが、前段に申し上げましたとおりに、まず国民の魚に対する認識を改めて、従来どおり国民が魚を食べるようなPRその他を政府の責任においてやってもらいたい。そして漁民並びに関連事業者に対しては、万全の融資、補償、こういうものをやってもらうようなことを期待をいたしまして、私の質問を終わります。
○塩出啓典君 それでは、諸先輩からいろいろ質問がありまして時間も三十分でございますので、できるだけ重複を避けてお尋ねしたいと思います。
 今回こういう事態になったわけでありますが、厚生省が献立を発表した、そういうことで、やはり食べてもいい安全な魚まで非常に危険なように、そのために国民が魚を食わなくなったと、そういう要素も多分にあるということを思うのですけれどもね。厚生省はそれを認めてますか。やっぱりああいう献立発表したために売れ行きがとまってまことに申しわけないという気持ちがあるのかどうか。
○説明員(岡部祥治君) 発表のしかたにつきまして誤解を与えたことは、まことに申しわけないと思っております。
○塩出啓典君 先ほどからいろいろ漁民、それから関連産業等の被害の補償の問題が出てまいりましたけれども、そういう中にはPPPの原則からいっても、加害者がわからない。たとえば全然汚染した魚と関係のない魚を売っている一般の、そういう業者が受けた被害というものは、これは原因がわからないわけですね。だけど、それは何のために売れなくなったかというと、これはやはり厚生省の発表で売れなくなったわけですよ。そうしますと、PPPの原則からいえば、これは厚生省の責任ですよね。そういう点、厚生省はほんとに責任を感じているのかどうか。私は厚生大臣がまだ、のこのこといるというのがおかしいと思うのですよ。本来からいうならば、責任をとって辞職すべきだと思う。そういう点はやはり厚生大臣を選んだ田中内閣の責任だということになりますよね。その田中内閣を選んだ国民の責任ということになるかもしれませんが。いずれにしても、これはPPPの原則からいうならば、厚生省がこれは責任を持たなければならぬ。そういう点はどう考えていますか、厚生省のは。
○説明員(岡部祥治君) 基準の設定に伴いまして、ミリグラムでありますとか、マイクログラムでありますとか、PPMというようなものをわかりやすくしたつもりでございますが、これが十分に御理解を得られなかったことを残念に思っております。
○塩出啓典君 だから、厚生省の発表した内容は決して間違いじゃないわけですね。確かに、コンマ三PPMの魚をこれだけ食べればあれだと、しかし、それだけでは済まないわけですよね。だから、残念でございますということだけでは、まことに済まぬわけでございまして。あなたがそこで残念に思いますということで、それでは、ほんとうは問題は片づかないわけですよ。しかし、私がここでこういうことを言ってもそれで片づくわけじゃないわけです。そういう点はひとつ厚生大臣にもよく伝えて――やはり行政省のあり方というのは、非常に国民に対する影響も大きいわけですから、そのことをひとつあなたからもよく伝えてもらいたいと思うのですよ。それで結局いまさっきもありましたように、国民の皆さんに安全をPRする。これは私も、視察には沢田委員が参りまして、きょうは、沢田委員都合により質問できないので、私が陳情書も全部読ましてもらいましたけれども、早く魚が安心して食えるように安全性のPRをしてもらいたい。そのためには、いまの状態で幾ら県知事や厚生省がだいじょうぶだといっても、厚生省は特に前科がありまして、信用がありませんからそんなことをいっても逆に国民は不安に思う。そうなると、当然魚の測定のデータというものをつけて、科学的な裏づけをやらなければいけない。そういう点で、私は、これは環境庁か厚生省か知りませんけれども、まあ検査体制をこれから充実していくというその問題もありますが、緊急対策として、ともかく徹夜ででもやはりこの魚の測定をやって、そうして、ここの魚はこうだ、ここの魚はこうだ、だから、だいじょうぶなんだと、そういうことを早急にやるべきだと思いますけれども、徹夜ででもそういうデータをやっているのかどうか、その点どうですか。
○説明員(岡部祥治君) 御指摘のように、特に問題水域でございます九水域につきましては早急に、流通される魚についての検査ということは、私どものほうで早急に実施するように計画をしております。
○塩出啓典君 早急にというのは大体いつから始めて、いつ終わるんですか。
○説明員(岡部祥治君) 当該水域の魚類全般についての安全性ということにつきましては、広範な環境調査あるいは生物調査ということが必要でございます。これは環境庁を中心に別途実施中でございますが、とりあえず、問題水域からあがります生産地魚市場につきまして各県それぞれの実態がございますけれども、来週からでも、とりかかれるように、現在各県と詰めておる最中でございます。
○塩出啓典君 それは、えらいのんびりしていると思うのですけれども、先ほどから話がありましたように、そういう被害を受けた方々の、そういう切々たる話を、私は現地へは行きませんでしたけれども、ここで聞いておっても、ほんとうに現地の姿がわかるような気がするわけだ。それに対して、非常に厚生省が張本人、厚生省がそういう問題を起こしているのだから、来週からやるとかでは、これはやっぱりいろいろ準備の関係もあるかもしれぬ、ちょっとやっぱりのんびりし過ぎているようにぼくは思うのですけれども、どうなんですか、あなた。そう思いませんか。
○説明員(岡部祥治君) 現在、各県におきましても、それぞれ計画中でございまして、一部すでに実施の段階に入っておりますけれども、準備の整っていない府県に対しましては、来週から早々にとりかかるように現在各県とも協議中でございます。
○塩出啓典君 まあほんとうにのんびりした話で、これ以上質問してもあまり意味がないと思うのですけれども、これは、東京都が調査したわけでしょう。その結果は非常に安全だということですね。たとえばこういうデータでもどうなんですか。まあ新聞には載るわけですけれども、新聞はとっていない家庭もあるわけですから。それで、東京都の結果がこうなんだということをやっぱりチラシでも配って、各家庭に配るとか、やっぱりそういう科学的なデータをもとに、こうだからこうだということ、それぐらいのことは、厚生省がやっぱり東京都なりに指示をして、また援助なりしてやるとか、何らかの厚生省は一生懸命やっているのだというそういう姿を示せば――これはまあ厚生省金出せといっても金はないわけですから、どうせわれわれの税金しかないわけですから、やむを得ないにしても、やっぱり誠意を示すということは、ぼくは大事じゃないかと思うのですけれども、この点をひとつ検討してもらいたいと思うが、どうですか。
○説明員(岡部祥治君) ただいま御指摘のような各県のデータというものも早急に取り集めまして、先生御指摘のような方法を実施したいと考えております。
○委員長(亀井善彰君) この際、岡部乳肉衛生課長に伺いたいのですけれども、あなたのほうの役所の職場からあなたの乳肉衛生課長というのが、いま質問になっているような問題の答弁をされる主管庁ですか。
○説明員(岡部祥治君) 乳肉衛生課は、動物性食品の衛生に関することをやっております。
○塩出啓典君 それで各県の魚の調査も少しひとつ気合いを入れて、もうやはり測定の人たちもたいへんかもしれぬけれども、やっぱり実際に魚が売れなくて困っている人の苦労を思えば、徹夜ででもやるぐらいの、それぐらいひとつやってもらいたいと思うのです。このことを要望しておきたいと思うのですがね。
 それで魚の基準ですけれども、総水銀でコンマ四PPM、それからメチル水銀でコンマ三PPMと、そういう基準で献立をつくったわけですけれどもね。どうなんですか、献立をつくって調整しなければならぬような、そういう基準はつくるべきじゃなしに、食べたい人は食べる。ともかく安心して食べるだけの基準にもう少し下げて――一応その学者の方々がきめた基準というのは、そういう体重、これぐらいの人が、これだけ食べてだいじょうぶだという、そういうことを見込んでつくったわけですから、それはそれとしてやはり国民に安心して食べる魚を供給するためには、ぼくは安全基準というものを少し下げて、それ以上の魚はもう市場には出さない。食べたい人はもう献立なんて気にしないでたらふく食べなさいと、そういうようにしても差しつかえないのじゃないか。まあマグロのようなものは、これはやむを得ないにしても、そういう点考え方がちょっとおかしいのじゃないかと思うのですけれども。もっと基準をきびしくして――昔はみんなたらふく食べておったんですから、食べたい人は。そういう点は厚生省は検討の余地はないですか。――じゃ、これは水産庁長官にひとつ、あなた漁民の立場でね。
○政府委員(荒勝巖君) 私どものほうとしまして、早急にこの水銀の問題になっております地域につきましては調べまして、これは関係省庁と協議して白黒を明白にいたしまして発表する次第でございます。その結果、おそらくだんだん白く明白になってくる地区が多くなってまいりまして、そしてまた、ほかの地区の魚はそれほど汚染もされておりませんので――いわゆる漁獲汚染――まあ黒といいますか、汚染された地区が明確になれば、そこの地区は何らかの形で漁獲は制限される。それで漁獲が行なえる地区の魚はいい魚であるということになってまいりまして、したがいまして、市場に出回ってくる魚は全部白いということで、逐次この問題は私のほうの努力で調査さえ早くいたしますれば、早急に、ただいまお指摘のような形の安全な魚が食べられると、こういうふうになってくると思っております。
○塩出啓典君 これは厚生省に、いまのは要望しておきます。やはり基準は――それは、どうしても魚が全部よごれていて、よごれたやつしか食わなきゃたん白源がないというなら、これは〇・三PPMという、あるいは〇・四PPMという基準で食べるほうを制限しなきゃいかぬと思うんですけれども、全般的に見れば、これから公害対策を強固にして、そして将来の目標としては、国民は、魚が食べたい人は幾らでも食べても差しつかえない。そこまで持っていかなきゃならぬわけであって、そういう方向に魚の基準もこれは検討してもらいたい。これを厚生省、そしてまた、これはやはり水銀対策連絡会議の一つの方向としても、なければいけないと思うんですよ。そういう点で、これはその連絡会議において、農林大臣もひとつ責任ある閣僚の一人として、これを大いに検討してもらいたい。このことを要望したいんですが、簡単にひとつイエスかノーかで。
○国務大臣(櫻内義雄君) これは、環境庁長官の議長のもとに、農林省は水産庁長官が出席をしておりまするので、ただいまの御意見は、十分長官において踏まえて、協議に参加するものと思います。
○塩出啓典君 それからちょっと厚生省にお聞きしますが、マグロは非常に水銀が高いわけですね、一PPMとかですね。ところがこの前も委員会で、マグロは天然の汚染だからあまり問題がないんじゃないかいうことでしたが、マグロはやっぱり実際にわれわれが食べるときに、今週何ぼ食べたかと数えながら食べなきゃならぬものか、高くてもこれはだいじょうぶなのか、そういう科学的なデータというのはあるんですか、厚生省のほうに。
○説明員(岡部祥治君) 今回の規制値をつくりました主目的は、流通上の大部分を占めます国内産の魚介類につきまして汚染されたものを排除する、そうして汚染地の浄化をはかるということが一つの目的でございます。したがいまして、マグロ類につきましては自然のものでございますし、人工汚染の他の魚種とは違うという意味において適用を除外したわけでございます。それで私どもが普通に食べておる程度でございますれば、何ら支障はないということでございます。
○塩出啓典君 それは結局いままでの経験からそういうことなのか、何かこう研究の動物実験とかなんとか、そういうのがあるんですか。
○説明員(岡部祥治君) 通常の総攝取量というもの、それから現在まで、国民栄養調査等で調査いたしました結果のマグロの通常の攝取量というものがわかっておりますので、その結果、現在まで普通に食べておるものにつきましては、当然週間許容攝取量の中に含まれてくるという考え方でございます。
○塩出啓典君 結局、そういうものについての、厚生省としての非常に科学的な研究のデータは何もないわけですよね。また、いままでみな長年マグロを食ってきたんだから、特にマグロの船に乗っている人なんかよく食べているし、髪の毛には高く出ても病気にならなければだいじょうぶだろう、そういうような程度じゃないかと思うんですね。これは非常に私はそういうことでは、国民も厚生省をほんとうに信頼できないんじゃないかと思うんですね。
 それで、いわゆる熊本大学医学部が「十年後の水俣病に関する疫学的、臨床医学的ならびに病理学的研究」というのを発表しましたね。これはこの内容を見ますと、本件研究にあたり絶大な援助を与えられた熊本県知事及び関係職員、水俣市、そういうのには非常に感謝申し上げると書いてるんであって、厚生省に御協力に感謝申し上げるとは何も書いてないわけでありますが、この研究に対する費用とか、そういうものは、これは厚生省の委託においてやったのか、厚生省とは関係なしに熊本県の予算でやったものなのか、そのあたりどうなんですか、これは。
○説明員(山本宜正君) 四十六年度、四十七年度にわたりまして熊本県知事が委託研究として費用を出してしたもの、そういうぐあいに聞いております。国のほうの委託研究ではございません。
○塩出啓典君 まあこの水俣病ができ、それからいわゆる第二水俣病として新潟の昭和電工ですかね、そういうのが出ていると、そういうわけで、私はこの水銀の問題はもうすでに――現在のみならず、もうずっと以前から一熊本県の問題ではなく、それはやっぱり世界的にも大きな問題になっていることでございますが、そういう研究が熊本県だけでしか行なわれていないと、厚生省は全くこういうものに対して関心を示していないという、そういう姿勢が私たちは理解に苦しむわけなんですけど、それに対する厚生省の見解はどうなんですか。
○説明員(山本宜正君) 水俣病の研究につきましては、私いま手元に資料を持っておりませんので、正確に記憶しておりませんが、厚生省に公害部がありました当時から熊本大学あるいは水俣の市立病院の先生、あるいは新潟大学というようなところの先生にいろいろな形の研究はお願いしております。また聞き及びますところでは、文部省におきましても、研究の費用を支出して研究をしているということでございまして、その後、公害問題が厚生省から環境庁のほうに移管されました後も、いろいろな形での治療研究、そのほか原因の究明等の研究費は支出しております。正確な数字は私いま記憶しておりませんけれども、そういう経過でございまして、中でまた、別途熊本県が委託研究をいたしておる、こういうぐあいに聞いております。
○塩出啓典君 私は、不勉強かもしれませんが、そういう水俣病についての政府のやった研究の成果というものをあまりまだ聞いておりませんので、それをひとつ資料として――これはまあ熊本大学からもらいました。そういうようなものをひとつあとから資料として提出してもらいたいと思うんですよ。それお願いできますか。
○説明員(山本宜正君) 承知いたしました。できる限りで収集いたします。
○塩出啓典君 金出したからといって、その金が有効に使われていなければならぬわけですからね。これは、この内容というのは、正式にやはり厚生省としては認めているのかどうか、これに対する評価はどうなんですか。正式にきまっていないのかどうか。
○説明員(山本宜正君) 行政的な面でその成果を認めている、認めていないというのは、実は別な問題でございまして、あくまでも学問研究の報告として出されたもの、したがいまして学会の席でその問題は検討されてしかるべきだと思いますが、やはり新しい問題として、有明海周辺に水俣病に非常によく似た症状を持った患者が出ておるという問題提起をしておりますので、行政としては、それに対する解明をしなければならない。こういう立場で受けとめたわけでございまして、内容について、学問的にどうのこうのということは私ども申し上げることは差し控えさしていただきたい、かように存じております。
○塩出啓典君 はなはだ理解に苦しむわけでありますが、厚生省にお聞きしますが、先ほどから検査体制の点で、これから充実していくというお話でございました。非常に全くばく然とした抽象的な答弁で、われわれ理解に苦しむわけでありますが、端的に厚生省としては検査体制を、これはまあ水産庁も含んで、国としての検査体制におきまして、たとえば常時検査体制ですね。これがたとえば、何トンの魚について一サンプルの検査を、月に一回やるというのか、そのあたり、ただ、原子吸光装置の分析をふやすとか、そういうことでなしに、いま厚生省が目標としている、あるいは環境庁が目標としている検査体制というのは、具体的にどの程度までいくのか、たとえばある港には一日何トンの魚が入る、そういうところでは、一トンにつき一検体の検査を月に一回やるとか、そのあたりの目標がはっきり示されないで、ただ充実しますということだけでは、われわれとしても、全くちんぷんかんぶんで、わからないわけなんですけれども、厚生省はその点どうなっているんですか、どこまでやるんですか、検査体制は。
○説明員(岡部祥治君) 現在、特に緊急を要します九水域十県に対しまして、少なくとも月に最低十件、百検体以上を検査するという体制で、現在その不足の器具、あるいはその他につきまして、当該県と現在詰めておる最中でございます。
○塩出啓典君 これは、総額は、機械の購入費の補助とかそういうのは、厚生省としては予算幾らあるんですか、いま。どれだけ考えているんですか、それはまだこれからきめるんですか。補助率だけでもきまっているのかどうか、その点どうなんですか。
○説明員(岡部祥治君) まだ最終決定に至っておりません。
○塩出啓典君 これは、予備費か何か使ってやるのですか。
○説明員(岡部祥治君) 予備費を折衝中でございます。
○塩出啓典君 環境庁の健康診断の費用は、大体いま予算幾らあるのかどうか。それから、大体先ほどの答弁では非常に抽象的なんでありますが、一人当たりどれぐらいですか。その健康診断の費用は全部環境庁でみるのですか。
○説明員(山本宜正君) 健康診断につきまして、特に有明海沿岸の漁民を中心にした健康診断並びに現在不知火海で行なわれております一斉検診の拡大分につきましては、現在予備費で支出するということで要求をしているところでございます。総額につきましてまだ確定しておりませんが、私ども従来、本年度予算から、こういった不測の事態についての健康調査費用を定額の補助として組んでおりますが、それでは非常に足りませんので、予備費を要求する。こういうことでございまして、まだ最終的な決定を見ておりませんが、緊急事態でございますので、手厚い助成をしたい、こういうぐあいに私どもとしては考えております。
○塩出啓典君 山口県の徳山市、新南陽市も当然その中に入るわけですか、いまあなた言われたのに入っていなかったようですが。
○説明員(山本宜正君) 徳山湾周辺の問題も当然含めてございます。
○塩出啓典君 それから、通産省にお伺いしますが、水銀のいろいろ総点検をやっているわけでありますが、通産省の調査によって、水銀が何トン消費されて、それで行くえがわからない。そういうようなことで、むしろ通産省の調査というものが、住民に不安を与えている点があると思うんですけれどもね。通産省どういう調査やっているのか、いっその調査がまとまるのか。まだまとまらないのかどうか。いつまでにまとまるのか、その点はどうなんですか。
○説明員(高橋清君) お答え申し上げます。
 水銀を使用した工場、正確に申しますと、過去において水銀を使用した工場の中には、アセトアルデヒド関係の工場がございますが、これが八工場ございます。それから同様のやはり塩化ビニールモノマー・水銀を使いまして製造した工場、これも現在は大部分、一部生産を中止しておりますが、これは十九工場ございます。そのほか、現在水銀を使用して生産を続けておりますのが、電解ソーダ工業でございますが、これが四十九工場ございます。この七十六工場に対しまして先生御指摘のように、各工場の中におきます水銀の消費の実態につきまして、実はこれが大部分の工場が戦前からいろいろと操業を続けておりますので、その実態解明につきましては、場合によっては資料がすでに――戦争中といったような特殊な事情もございましたので、資料が散逸しておりましたり等々、実態の把握につきましては、非常に困難ではございますが、これはやはりできるだけ実態を解明すべき点もございますので、先月の初めから全国の通産局の担当官を各工場に出向かせまして、大体六月中に各工場を回らせている次第でございます。今月に入りまして、そういった出向きました担当者から本省のほうに報告を逐次受けつつある段階でございまして、さらに本省におきまして、こういった問題に関します専門的な見解等も参考にいたしまして、今月中にもこういった点につきまして取りまとめ、結果につきましては御報告申し上げたいと思います。かように存じます。
○塩出啓典君 それはひとつ早くまとめて資料として提出していただきたいと思うのです。それで、クローズドシステムに、来年の十月までにするというのですが、これは大体全部できますか。
○説明員(高橋清君) これにつきましては、ぜひやらなければならないことでございますので、通産省といたしましても、この電解ソーダ四十九工場に対しまして当方より通知を出しまして、必ず指定の期日までに工事を仕上げるように、さらに先ほど説明申し上げたとおりでございますが、これはあくまでも、おそくともということでございまして――できるだけ早くということを要請中でございます。加えまして問題となっております九水域の付近には、約十五工場ほどございますが、これにつきましては、特に一段の努力方を要請いたしまして、これもおそくとも本年末までには工事を終了するように強く行政指導している次第でございます。
○塩出啓典君 クローズドシステムにしても、いわゆる水銀マッドが発生しますね、これを結局どう処理するかということで、これは問題だと思うのです。マッドの処理によっては、工場によって、たとえば私参りました菱日水島工場等においては、マッドというのを屋外に何千トンも放置して、上にビニールかぶせているわけですね。またある工場によっては、これをコンクリートで固めている。ある工場においては、関東電化あたりではそれを下請にまかせて、どこにいっているかわからない。これでは結局クローズドシステムにしても、何にもならないと思うのですね。そういう点はどうなんですか。簡単にやってくださいよ、時間がありませんから、
○説明員(高橋清君) 先生御指摘のように、海水の面につきまして、いかに万全を期しましても、御指摘のようにマッドの面につきまして、やはりこれが続きますと、問題が生じますので、この点につきましても、私どもは当然関係業界に対しまして強く行政指導しているところでございますが、これにつきましては、先生御案内のように、たとえば純度の商い塩を使えば、それだけマッドが少なくなる方法とか、あるいはそれぞれ特殊な薬品を加えまして、マッド中の水銀の量を少なくするとか、あるいは特殊な工法を用いまして、マッドの出る量そのものを少なくするとか等々そういったような一連の手法、あるいは工法を講ずるように各工場に指導中でございます。加えまして、このマッドにつきましては、現在産業廃棄物法の対象となっておるわけでございますが、この法律のいわば条件に従いまして、言いかえますと、たとえばコンクリート等で固形化いたしまして、工場あるいはその他のところに埋め立てを行なう、あるいは海洋投棄を行なう、こういったような産業廃棄物の法律に従ってきちんと指導するように、排水の面とともにマッドにつきましても強く行政指導しておるところでございます。
○塩出啓典君 それで結局、たとえば三井東圧化学株式会社大牟田工業所では、今日まで七一・四トンの水銀を使っておる。排水に二・六トン、マッドその他六十八・八トンとなっておる。マッドというのは昔からいままでいろいろあるわけで、昔はマッドの水銀量が非常に高くて、いまはだいぶ減っているらしいのですけれども、そういうマッドの分折等もしなければ、実際に水銀がどこにいったかということはわからぬと思うのですけれどもね。そういうことをやってないわけでしょう、この調査なんというのは。書類調査だけじゃ何もならぬと思うのですよ。そういう点はどうなんですか。
○説明員(高橋清君) 御指摘の点につきましては、現在は書類調査でございますが、他方、環境庁を中心といたしまして現在、環境調査が進められておりますが、その環境調査におきましては、御指摘のようなマッド中の水銀の量の分折等も、実は若干費用等もかかりますけれども、環境庁等にお願いいたしまして費用の獲得等もお願いいたしたわけでございますが、環境庁が中心となって行ないます環境調査の一環で、御指摘のような調査もあわせ実施したいと思います。
○塩出啓典君 それをひとつ早く――通産省が調査しても、水銀が行くえ不明何トンなんて新聞に載ると、結局住民が不安に思うばかりなんですよ。だからやっぱりマッドには何トンで、どこに行っているんだと、そういうことを科学的にやらないと、調査がむしろ不安を増大することになると思うのですね。これはひとつ環境庁ともあわして早急にやってもらわなきゃいけないと思うのですよ。
 それから、いわゆる水銀の蒸気の問題ですけれども、蒸気でもだいぶ抜けていくわけですね。アメリカあたりは、一つの工場から一日に排出する水銀の蒸気はたとえば二千五百グラムだと、二キロ三百以上の水銀の蒸気を工場から出しちゃいかぬ、そういうような基準があるわけですが、日本は全然そういう蒸気についての、工場から注いでいる規制はないわけですけれども、そういうようなのをやっぱり当然やっていかなければいけないんじゃないかと思うのです。その点は環境庁はどう考えておりますか。
○説明員(石田齋君) お答え申し上げます。
 大気中の水銀に関しましては、現在、規制基準というのが設定されてございません。これは有害物質を大気中に排出する工場、事業場に対しては大気汚染防止法によりまして、カドミ、鉛、塩素ガス、こういうものにつきまして適用しておるわけでございます。今後、有害のおそれのある各種物質につきましては、早急に排出の実態、影響等につきまして調査、検討の上、効果的な規制を実施することとしておるわけでございますが、この水銀に関しましては、環境庁といたしまして、昭和四十七年度に、大気中におきます水銀の実態につきまして、一般環境大気、それから若干でございますが、工場の大気につきまして測定が非常にむずかしいものでございますので、測定技術の確立をはかりながら調査を進めてきたところでございます。
 この大気中の金属水銀はごく微量でございますので、分折、測定の方法がむずかしいわけでございますが、この測定結果によりますと、ゼロから〇・五マイクログラム・パー・立米というような範囲となっておりまして、現在、日本で労働衛生基準になっております五十マイクログラム・パー・立米の、自分の一以下ということでございます。
 まあ蒸気といたしまして金属水銀があるわけでございますが、これまで労働衛生の立場からの知見では、こういった低濃度では、摂取されても排せつが早く、長期にわたりまして蓄積毒性はあまりないと考えられておるわけでございますが、金属水銀に関しましてはこういった人体の摂取量あるいは排せつ量、半減期、こういったものについては十分正確に把握されておりません。したがいまして、大気汚染防止の立場から水銀の排出基準を検討する必要があろうかと、こう考えております。引き続き調査を進めまして、既存の各種文献等、これに基づきまして規制基準の設定について検討を進めたい、こう考えております。
○塩出啓典君 最後に通産省に。
 いわゆる隔膜法に全部移すと、そういうようなことをおっしゃっているわけですけどね。それは隔膜法になれば非常にいいわけですけれども、隔膜法になった場合はやっぱり苛性ソーダの品質の問題とか、いろいろそういう財界もかなり反対をしている意見もある。そういうことで、ただ、水銀問題になったからといって、おざなりの対策を立てたんではこれは何にもならぬと思うんですね。そういう点ほんとうに――まあこれはあなたに聞いてもわからぬかもしれぬけれども、とにかく隔膜法に全部切りかえることができるのかどうか。そういう点あなたに答えられる範囲で答えてもらいたいと思うんです。
 最後に農林大臣に。結局今回の漁業の被害につきましては、実際は、加害者の企業から原因がわかって補償を取れる面もありますけれども、まだまだそういうことでは解決できない非常に広範囲な漁業に対する打撃を与えたわけですね。そういうわけで、それに対してそれじゃ厚生省は金出せと言っても、そういうことはできないわけですから、だから、それにかわるべき一つの国の姿勢として、先ほど園田先生からも意見がありましたように、何らかのやはり抜本的な対策を立てて、たとえば、漁民の要望である海難救助体制に来年度においては特別な予算を組むとか、あるいは漁港の整備とか、そういうことにいままでの普通の伸びではなしに、格段のやっぱり予算を組んで、そうして日本の漁業がさらに振興し、漁民の人たちが喜んで操業できるように、そういうことを示していくことが、現段階まで立ち至った以上は、政府として私はできる一つの誠意ある対策じゃないかと思うんですね。これは何やったほうがいいということは、私よくわかりませんけれども、漁民のそういう要望にこたえて、個々のあれよりも漁業全体がやはり大きく前進していくような大幅な予算書を考えるべきではないか。そういう決意があるかどうか、これをお聞きして質問を終わりたいと思います。
○説明員(高橋清君) 御指摘のように、基本的には水銀を使わない隔膜法に転換するのが最善でございますが、先生御案内のように、隔膜法につきましては残念ながら現在までのところ、わが国には技術がございません。実はこれもやはり必要かと思いまして、通産省におきましても国産の技術に対しまして開発の補助金を出しておりますが、現段階ではまだ間に合わないような実情でございます。したがいまして、どうしても外国から技術導入をしなければいかぬような実情にございます。加えまして、これまた必要な電極等におきましても残念ながら外国の特許等の関係等もございまして、供給面にこれも制約がございます。加えまして、先ほど御指摘にございましたように、若干品質が劣っていますので、当然需要業界との話し合いが必要でございますが、これはやはり公害という問題の特殊性にかんがみまして、やはり需要業界を説得してそういったものを使ってもらうことも必要でございます。等々いろいろ制約条件がございますが、私どもといたしましては、やはり基本的には隔膜法への転換につきまして最大限の努力を払うべきだというふうに考えまして、過半の水銀対策会議におきましても、五十年九月末をともかくも一つの目標といたしまして、この目標に対しまして通産省なりあるいは関係業界も一丸となっていま申し上げましたような問題を一つずつ解明していきまして、ともかく極力転換する方向でいこうではないかというふうに決意をいたして、現在いろいろ準備に取りかかっているのが実情でございます。
○国務大臣(櫻内義雄君) 言うまでもないことでございますが、今回の水銀等の影響による漁業者の受けました打撃につきましては、一日もすみやかにそれらの問題の解消につとめるとともに、今後におきまして再び漁場汚染の事態の起きないような諸施策を講じ、さらには沿岸漁業の振興を積極的にはかりまして、漁業者の、また関連業者の皆さまに安心して企業に従事できまするとともに、重要な国民の動物性たんぱく質の確保につとめてまいりたいと思います。
○塚田大願君 私も今回の調査に参加をいたしまして、事態の深刻さについては、もう先ほどから具体的な事例がたくさん述べられましたので、繰り返す必要はないと思うのでありまするけれども、私どもが陳情を受けますと、とにかくそれはもう何と表現していいか、その地元の漁民の皆さん、関連業者の皆さんの不安、焦燥、怒り、これはちょっと表現のしょうがないのですね。特に漁民の皆さんというのは、たいへん口が荒いですから非常に激しいです。こういう陳情は、私もずいぶんいろいろいろんな機会で陳情もいただきましたけれども、今度の陳情は最も激しいものだ、深刻なものだったというふうに受けとめております。
 で、私はそういう陳情を受けまして感じましたのは、一番不安で私自身が心配しましたのは、やはりそういう不安とか焦燥、怒りというものが、結局は政治的不信につながっていく。いまの政府は何にもやってくれない、自民党も何をやっているんだ――これは初村さん、園田さんもいらっしゃるから率直に言うけれども、もう自民党さんを名指しで批判がされる。国会議員は何をやっているのだと。今度はわれわれのところにきます。この間も衆議院議員の調査団が調査に来た。しかし帰って国会で何を質問したか、議事録を見たけれども、たいしたことは出ていないじゃないか。相当深くやはり国会の動きも注目されておりまして、批判が出ました。そういう点から見まして、私は今度の調査に参加いたしまして、やはり政治の重さというもの、政治の責任の重さというもの、行政の責任の重さというものをほんとうに痛感してきたわけであります。
 そこで、私いろいろ政府に質問申し上げたいわけでありますが、きょうは環境庁長官もいらっしゃらないというようなことで、まことに残念ですが、私まず第一に聞きたいと思うのは、この事態の認識の問題、いま現状が、どんなふうな現状になっているかというこの現場の実情、あるいはこういう事態になった根本原因についての反省、こういうものをはたして政府は、お持ちなのかどうかということをまず第一にお聞きしたいわけであります。しかし、きょうもたくさん質問がありまして、答弁が行なわれましたが、みんな検討中である、調査中である、計画中であると、まあ大体こんなところでしょう。皆さん聞いていらっしゃった方は全部お感じになったと思うのだが、私もそう感じます。田中内閣は「決断と実行」という看板が出ていますけれども、決断と実行なんか、この場合少なくとも何にもないということを私は率直に申し上げることができるのじゃないか。たとえば今度の第三水俣の原因になりました日本合成、先ほどからいろいろ出ました三井東圧の場合もそうでありますけれども。とにかく日本合成の場合は、三十四年に熊大の有機水銀説が発表されまして、水俣病の原因というものがこの時点でわかったわけでありますが、その後もなおかつチッソと同じアセトアルデヒド工法で水銀をたれ流した。大体これを四十年ごろまでやっておったわけでありますね。六年も七年も平気で水銀をたれ流している。これを許しておったというこの政府の態度、あるいはチッソの場合でも、四十三年に公害が認定されて、それ以後今日まで五年間あの水俣湾の水銀の処理というものが全然行なわれようとしてなかった。今度たいへんあわてて、港湾のしゅんせつをどうするかなんという問題が運輸省で考えておられますけれども、一体こういう長い期間何をしていたんだという問題であります。
 あるいは、いまの質問にもございましたが、通産省が企業の水銀の処理状況をまだ正確に把握していない。こういう点を見ますと、結局政府の公害対策というものは、人体実験による公害対策ではないか。人体実験をして初めて対策を考えていく。つまり、水俣病などが出てこなければ、今度の第三水俣にしてもそうですが、これが出てこなければやはり対策というものは全く考えられていなかったというふうな現状ですね。こういう公害対策、人体実験、おそるべきことだと思うのですよ。そして初めて対策が考えられる。私は、ここに政府の公害に対する認識と反省がいかにあるべきかという問題をここであらためて私は質問したいのです。
 しかし、おそらくこれは課長やなんかにお聞きしても、これは無理のことでしょう。また閣僚としては農林大臣一人しかいらっしゃらないが、これも担当外だというふうなお話ですから、これはきょうはこの問題は保留しておきます。この次に機会がありましたら、環境庁長官に私は徹底的に聞いてみたい、こう思っています。
 それで、この問題については答弁をいただくのを保留しておきますが、まず最初に厚生省にお伺いします。
 あの例の暫定基準の問題ですが、先ほどからもいろいろ出ました〇・三PPMの基準。これはこの間この委員会で厚生大臣に私聞きました。この〇・三PPMというのはあまいのじゃないか、この基準では。そうしましたら、厚生大臣は、いや、これは専門家会議できめていただいた、アメリカなんかよりもきびしくしてありますと、こういうお答えでございました。時間がなくて、それ以上進みませんでしたが、しかし、この〇・三PPMというのはFAO、WHOの週間暫定摂取許容量の基準と同じですね。これはそうでしょう。しかし、この計算にいたしましても、計算どおりで正確にやればこれは〇・三PPMにならないのですよ。ほんとうは〇・二二三PPMですか、こういうことになるはずであります。ところが、厚生省は、この場合端数を切り上げた、そうして〇・三にしたんだと、こういう説明になっているわけであります。しかし考えてみれば、ほんとうに国民の健康ということを考えれば、つまり安全サイドで考えれば、これはむしろ切り上げるのではなくて、切り捨てなければならない。〇・二PPMでなければ理屈に合わないのです、ほんとうならば。〇・二二三PPMですが、これは端数を切り下げて、そうして〇・二PPMにするというのが、これが一般の国民の立場に立てば、当然常識的な処置だろうと思うのですけれども、そういうふうにならずに、反対に切り上げた。この辺はどうなんですか、厚生省。どういうふうにこの点は考えていらっしゃるのですか。
○説明員(岡部祥治君) この許容基準を設定するにあたりましては、御指摘のとおり、現在まで得られました最新の資料に基づきまして、まず週間許容摂取量というものを算定したわけでございます。この場合に、最近におきます水俣病の研究でございますとか、あるいは動物実験の結果、あるいはFAO、WHOの数値というものを検討いたしまして〇・一七ミリグラムということで決定いたしたわけでございます。そこで……。
○塚田大願君 こまかいことはわかっているから、結論だけ言いなさい。
○説明員(岡部祥治君) それで、魚介類の最大摂取量を見まして、理論的に計算いたしますと、メチル水銀といたしましては〇・二二三でございます。しかしながら、これは測定技術上の問題もございますので、実際の数値といたしましては、総水銀であらわすことが適当であるということになりまして、総水銀といたしまして〇・四PPMという数字を設定いたしたわけでございます。しかしながら、このメチル水銀と総水銀の量というものが必ずしも魚介類等につきまして一定いたしておりませんので、この第一関門といたしまして〇・四PPMで押えまして、それをこすものにつきまして、メチル水銀を測定するということにいたしたわけでございます。したがいまして、総水銀〇・四で押えますればメチル水銀が五割以下のものも十分押えられます。したがいまして、測定技術、メチル水銀の測定技術というものも勘案いたしまして、さらにメチル水銀といたしましては〇・三以下とするということにいたしたわけであります。
○塚田大願君 これはやはり決していまおっしゃった説明は、これは理論的ではないんですよ。まことに政治的だと判断してもいいんです。大体、日本国民が非常に水銀のあれが高いということは、これは魚を主食にしているだけにこれは常識になっておりますが、決してアメリカやFAOやWHOの基準を大体持ってきて、これで、これぐらいでいいだろうという適当な議は基準だと言わなければならないと思う。そこで、もしそうでないとおっしゃるならば、いわゆる日本人の体内の水銀による汚染状況を実際に調査なすったのかどうか、その点。そしてその上で基準をおきめになったのかどうか。そこをひとつ聞かしていただきたいと思います。
○説明員(岡部祥治君) 実際に日本人の体内の水銀量というものは測定いたしておりません。しかしながら、これらの議論の中におきましては、現在まで得られました、たとえば日本人の髪の毛の中の水銀量等々も十分検討いたしております。
○塚田大願君 どうもあまり自信のなさそうな答弁ですから、私これ以上質問しません。
 じゃ、もう一つ聞きますが、あの体内の水銀の半減期の問題ですね。これについては学界でもいろいろ説があります。七十日説あるいは二百三十日説いろいろあるんですが、学門的には、これは結論がついてないはずであります。ところが、政府は安易にも十日説を採用になった。これはまことに安易なやり方だと思うのでありますが、しかし、一応さしあたって暫定的に基準をきめなければならないということで、こういう処置をとられたのかもしれませんが、そこでひとり注文があるんです。せっかく厚生省も努力しておきめになったんだから、これを私は全然否定するつもりはありませんけれども、とにかくこれはあくまでも暫定基準だということですね。そして、これを絶対化するようなことは絶対に避けなければならないということです。もしそうなれば、非常に危険でありまして、これがもう〇・三PPMだが、これが絶対的な基準だということになりますと、これは逆に汚染を公認することになる。おそるべきことです。ですから、そういう意味で、この暫定基準であるということをあくまでも守っていただいて、もっとこれからも深い研究をしていただく必要がある。特に、最近PCBやカドミなどの複合汚染による相乗作用にということが問題になっておりまして、――まあ当然そうだろうと思うんですけれども。とにかくそういう事態であるだけに、この暫定の基準というものは、あくまでもその立場でひとつこれを運用していただく必要があると、これはひとつ注文としてつけておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○説明員(岡部祥治君) 学問的に生物学的半減期というものもまだ、学会等で議論が済んでございません。しかしながら、この委員会の中には、当該熊本大学の武内教授も入っていただきまして、当面議論が進みまして、御指摘のように、暫定的でも基準を示さなければならない時点でございますので、暫定基準として示したわけでございまして、したがいまして、私どもといたしましても、これまで水銀が認められるという量でございませんで、少なくとも衛生上の立場から申しますれば、人工汚染によります水銀量というものは、ゼロであるというのが当然でございます。したがいまして、これまで水銀量がいいというような運用ということは絶対に避けるつもりでございます。
 なお、暫定でございますので、新しい知見その他が得られますれば十分さらに検討し直すことにしております。
○塚田大願君 では、質問を通産省のほうに移したいと思いますが、先ほどからも問題になっておりますが、この公害企業の操業停止の問題であります。
 これは、きょう私、昼のテレビでありましたか、見ておりましたら、あのわれわれの行った水俣でも漁船があの水俣港を封鎖しておるニュースが飛び込んでまいりました。あっと驚きました。この漁民の実力行使というのは、水島やその他ではずいぶんありましたが、いままで水俣はなかった。ところが、きょうはとうとうそれが起きた。この事態を見ますと、やはりこの公害をたれ流している、あるいはたれ流した会社の責任の追及というものは、これは今日国民的な感情だろうと思うんですね。いいとか、悪いとか、やり方がうまいとか、へただとかいう問題でなくて、やっぱり国民感情として企業は操業をやめろと、おれたちも営業をやめているんだからおまえたちもやめるのはあたりまえじゃないかという、こういう感情の発露だろうと思うんですが、この点で先ほどからもずいぶん論議が出ました。
 ところが、環境庁、通産省に言わせれば、今日水質汚濁防止法の基準、汚濁防止法があるから、それ以下ならば、これはやむを得ないんだというふうな、いわば企業サイドの答弁しか出てこないんですけれども、なるほどこの三井東圧の場合には、先ほども出ましたが、私も現場で〇・〇〇五PPM出しているというふうに聞きました。なるほど基準は低い。低いけれども、とにかく出ていることは事実なんです。これをかりに水で薄めたって意味はないんです。どんどんこれは蓄積されるんですから、ヘドロの中に。ですから、とにかく流しているということをこれはとめさせなければ、これはやっぱりたいへんなことでしょう。いますでに汚染がどんどん進行しているんですから。だから、この有害物質を工場から一切その排出をとめるというのが、私は政治であり行政でなければならないんじゃないか。何か水質汚濁防止法があるからその基準以下ならばいいじゃないかというふうなこういう甘さが、私は今日のこの事態を生んだそもそもの原因ではないかというふうに考えるんです。ですから、漁民の実力行使というふうな、ああいう事態も生まれてくるわけなんで、こういうことを防ぐ意味でも、私はこの行政がもっとき然としているべきではないかと思います。
 それともう一つ、この問題を通産省にお聞きしたいんですが、私どもが三井東圧へ行きまして、先ほど初村さんからも出ましたけれども、排水溝、浄化槽、それから排水口も見ましたが、これはたいへんなもんですね。とてもそれは浄化されたなんていうものじゃありません。しかも漁民たちの皆さんこういうことを私どもに陳情しました。昼間はまだそれでも基準を守っているらしいけれども、夜流している気配がある、こういうことなんですね。夜間に、濃いやつを。これは大いにあり得ることなんですな。いままでもたくさん事例が他にあるんです。もうパルプ工場なんかの夜の煙なんかすごいですからね。これは大体われわれしろうとでもわかる。ですから、こういうPPMの場合でもそういうことは考えられるんですが、これに対する監視体制というものは一体どういうふうにしているのか。工場はそんなことしておりませんと言いました、聞きましたら。しかし、それは工場の話であって、実際に客観的にこれを押える措置あるいは監視する体制というものはないんです。この点で通産省はどういうふうにお考えになっておるかお聞きしたいと思います。
○説明員(高橋清君) お答え申し上げます。
 第一の点につきましては、御指摘のように水銀が工場外に出ずにということでございますが、そういった点につきまして先ほど来からるる御説明申し上げましたとおり、水銀電極が入っております電解槽の部分の水を工場の中で完全に巡回させて工場の外へ出ないようなクローズドシステムの工事を一日も早くするということで私どもは関係企業に要請しているところでございます。何ぶんにも若干のやはりどうしても工事には時間もかかりますので、私どもが一応関係工場多数ございますので、今年末とかあるいは来年の九月末と一応のこれは言ってはおりますが、これはあくまでも一番おそい場合の目標でございまして、ともかくも各工場とも全力をあげてやるようにとやっている次第でございます。一日も早くそういった工事をさせまして、地域住民の方々の不安を取り除くように私どもといたしましては強く要請しておるところでございます。
 それから第二の点でございますが、これにつきましても当然私どもは関係工場に要請しているわけでございますが、監督と申しますか、監視と申しますか、これは現在の法制のたてまえは水質汚濁防止法でございますが、これは環境庁のほうからむしろ都道府県のほうにそういった監督なり監視の仕事がまかされておる次第でございます。したがいまして、私どもといたしましては、そういった実際の監督なり監視に当たるそれぞれの局のものが十分監視をすることを期待している次第でございますが、通産省といたしましても、そういった法律の権限があるなしはこれは別にいたしまして、やはりそういった産業を所管しておる立場から、もしか先生御指摘のような点がございましたらまことに遺憾な次第でございますので、一そう手ぬかりのないように、そういった面につきましても関係企業に対しましてこれから強く要請していきたいと思っております。
○塚田大願君 環境庁どうですか、監視体制。
○説明員(山村勝美君) 夜間の排水の監視につきましては、現在のところ、将来の方向といたしましても、自動監視というようなものでやっていかなきゃいかぬというふうに考えておりますけれども、現在のところ、機器がまだ十分開発が進んでおりませんで、まだ試験設置をここ数年続けておるような状態でございますので、夜間については各県の監視の体制、人的なものも含めましてまだ十分でないということは先生の御指摘のとおりでございまして、問題の工場につきましては、なお県を督励して、そういう抜き打ち的な監視等もするよう指導したいとは思いますけれども、最終的にはそういう自動機器の開発、設置に期待せざるを得ないというふうに考えております。
○塚田大願君 どうも夜間の監視体制についてはたいへん心細い話ですし、それから第一の操業の停止の問題も、通産省は九月にクローズドシステムに切りかえると、確かに現場でも工場側はそう言っておりました。しかし、それなら九月までなぜ操業を停止できないのか、たった二、三カ月、そうすれば住民は非常に安心すると思うんですね。そのぐらいの一時的な操業停止ぐらいは、私はやっても当然ではないだろうかと。漁民の場合には自主規制までやっておるわけですね。必ずしも行政的に法令的によらなくてもそのぐらいの自主規制、自主的な操業規制があっても私はおかしくないと思うんだけれども、しかし工場側はあえてやらないとするならば行政の面で、そういう一時的な、九月まで、じゃ、クローズドシステムができるまでやめなさいと。少なくとも〇・〇〇五PPMであるとはいいながら現実に流しておる、それはもう社会的な不徳行為としてそういうことはやめるべきだという指導を私は、あってもいいと思うんですけれども、その辺はどうですか。もう一度お伺いしたいと思います。
○説明員(高橋清君) 先ほどお答え申し上げましたとおり、排水の面につきましては、現在、水質汚濁防止法という法律でもって政府といたしましては関係企業なり関係産業をいわば監督している次第でございまして、一応現在の法律にはこの基準が甘いとかどうかということは別の問題でございますが、一応これの基準を順守しておるというかっこうでございますので、通産省といたしまして、あるいは政府といたしましては一応停止ということはできないのじゃなかろうかと考えますが、繰り返しになって恐縮でございますが、しかしやはり基本的には不安を取り除くことが必要かと思います。そういった面で、ともかくも一日も早くクローズドシステム工事が完成するように要請しているところでございます。
○塚田大願君 それ、いまの答弁では実際に答弁にならないし、対策ではないと思うんですね。全くもう無対策ということだと思うんですね、いまお話しなら。いまの現実を――だから、最初私申し上げたように、現実をどんなふうに政府は認識されておるかということをあえてお尋ねしたんですけれども、こういう話をしたんですけれども、やはりそれだと、全く国民の立場というものを無視して単に企業サイドの立場しか考えてない。通産省というものは私はそういうもんじゃないだろうと思うんですがね、本来政府というものは。あくまでも国民全体に責任を持っていただくのが政府の責任であって、通産省といえども政府の一機構でありますから例外ではないだろうと思うんですけれども、どうもいまのお話ですとまことに不可解な話で、これじゃあ公害対策はいまの政府ではとても、それはできっこないぞという感をいよいよ深めるだけであります。しかしこれはまあ課長相手にここで言ってもしようありませんから次に農林大臣に、ひとつ農林省に移ります。
 先ほどから出ましたつなぎ融資の問題でありますけれども、これも先ほどから出ましたように、まあ融資融資といったって結局借金じゃないかと、現場の、現地の方々はそう言っておられました。なぜわれわれが借金をしょわなきやならないんだと。なるほど政府の説明によりますと、原因者負担の原則があるから原因者がはっきりすれば、元利ともに原因者に払わせるんだと、だから三分の利息も決して心配することはない。こういうふうな御説明なんですけれども、しかし先ほどから出ておりますように、原因者がわからなかったら一体どうなるんだ、こういうことです。ですから、きのうの委員会でも国の代位弁済ということが問題になりまして各省庁からもそれぞれ答弁がありました。やっぱりこれは特別立法などによって制度化していかなければ、これはもちろん農林省がやりますということにはならぬだろうと思うんですけれども、しかしやはり農林省としても積極的に前向きに問題を考える必要があるだろうと思うんです。なるほど農林省という立場から考えれば漁業権の問題もある、なかなかむずかしい、こういうことはあるだろうと思うんです。漁業法の関係がある。確かにそうですけれども、しかしそこまでいかなくとも、一時的な措置として汚染水域の漁獲を禁止して、国がこれを補償する。いまのように漁民の自主規制というふうな責任転嫁の立場ではなくて、やっぱり国の責任の立場で、一時的でも、そういう措置をとることができるのではないかと私は考えるんです。ところが、農林省はあくまでPPPの原則だということを固執されておるんですけれども、これではやはり私は、先ほどからいろいろ出ておりますけれども、いまの矛盾を解決できないだろうと思うんです。とにかく企業が出しておるその責任をなぜ、われわれが負わなければならないかという一般漁民の方々の不満、疑問、これはやっぱり解決できないだろうと思うんです。まあ原因者負担の原則だということを強調されるんだけれども、もちろんそれは一つの原則であります。しかし、原因者がわからないという場合だってあるわけでありますから、やはりそういう措置が必要だろう。
 私がこういうふうに申し上げますのは、論理的にもいまの措置というのは原因者負担の原則にむしろ反するのではないかと考えるからです。と申しますのは、たとえば、政府は八・五%の金利のうち五・五%を国と地方公共団体で負担するというのでしょう、その分は。そして残りの三%を漁民に払わせる、こういうことなんですが、もし原因者が判明して金利も全部負担させるというのだったら、最初から八・五%を負担させるようにしなければいけないじゃないですか。なぜ企業に対して五・五%だけ引いてやらなければならないのか、その理屈は合いませんよ。それからもう一つ、一年据え置き・五年償還というふうになっております。これもおかしいんですね。もし原因者負担という原則をあくまでも守られるならば、これは一年据え置き・五年償還ではなくて、原因者が判明するまでという期間にしなければおかしいことになるわけです。なぜ一年、五年ということにするのか。また、この融資は一体どこから出るのか。大体、系統資金でしょう。そうすると、この系統資金に対しては、国がやっぱり保証しなければならないはずです。こういう幾つかの点を考えますと、いまのつなぎ融資というのはやはりむしろ農林省がおっしゃる原因者負担の原則に反するのですけれども、そういう意味からいっても、この辺ですっきりそういう矛盾をなくするためにはやはり国の補償を前提にして汚染水域の漁獲を禁止する。一時的でもよろしい。もちろん立法ができれば一番いいでしょうけれども。そういう点ひとつ農林省に一考をわずらわしたいと思うんですけれども、どうでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 御意見は私としても大いに参考にいたしたいと思うのですが、おことばを返すわけじゃないんですが、国が補償するとこういうことになりますると、いまのこの事態が実際にどうなっておるのかという、その被害なり何なりが明白でなければ、税金をもってお願いをするのですから措置がしにくい。そうなってくると、それは相当な時日を要する。ことに今回のような場合は――何か地震があったとか、水害があったとかいうことなら、その被害を調べればわかる、ある時間的な関係でわかるが、こういうことでなくて、現に非常に流動的な状況にある。したがって、流動的な状況にあるのに、何か適当な措置がないかということで、天災融資法に準じた措置をしよう。そして、その措置の内容については、原因者負担の大原則に立っております。しかし、これは、それぞれのこの融資を受けられる方に、御迷惑のかからないようにくふうをしていることも申し上げておるわけでありまするし、また五年じゃおかしい、原因者を徹底的に追及するならいつまでもと、こう言われるのですが、一応それは五年を区切ってその間に、事態が明らかになったものは明らかになったようにするし、そしてそうでないものについては、その段階であらためて考えてみたい。これも、被害者の立場も当然考慮して考えよう、ということを一応私どもの方向としてはお示しを申し上げて、このつなぎ融資がいわゆる借金というようなことにならない、決して御心配にならないものであると、こういうことの御説明をしながらやっておるわけでございます。それで、一方におきましては、基本的な問題でありまするので、PCB汚染の実態につきましては、昨年の一般調査、ことしの精密調査をやり、そして今度の水銀汚染の問題については、第三水俣病を契機として国民の中に非常な不安を持っておる、こういうことであるので、全国調査をやるのであるけれども、しかし、事態が非常に緊迫しておるので、一応問題のある九地域を優先して、そして対応していこう。また同時に、水銀等の汚染対策推進会議を設けて、こうやって御論議を賜っておるものを逐一反映させ、措置をとりながらいこうと、こういう次第でございまするから、どうぞ何べんか皆さんからお尋ねをちょうだいしておりまするが、私どもの意のあるところを御理解をいただきたいと思うのであります。
○塚田大願君 もう時間ありませんからあと大臣にはもう一つだけいまのお話でお聞きしたいのですけれども、まあ大臣、意のあるところをくんでくれとおっしゃるのだが、たいへん回りくどくて、どうもすっきりしない、だからみんなが何回もくどく聞くことになると思うのですけれども。確かにさしあたっての当面の措置として、つなぎ融資をおきめになった、これはこれとしてけっこうだろうと思うのですが、ただ、このつなぎ融資をやっておけばいいんじゃないかと、まあそのうちに漁民は黙るだろう、泣く子をだますような措置としてお考えになるのじゃなくて、やはりこれをもう一歩前進させるべきだというのが私どもの考え方です。ですから、こういう非常に深刻な事態になっておる汚染の問題に対しては、やはり国の断固とした、き然とした立法措置、制度化というふうな方針が必要だろうと、こういうことでお尋ねをしているわけであります。
 そこで大臣に率直にひとつ大臣、お聞きしたいんですが、そうしますと、きのうもさんざん論議したんですが、制度化ということに対して大臣は別に反対だとおっしゃるわけではない。できればそういう方向が望ましいという点は少なくとも大臣は確認できるでしょうか。
○国務大臣(櫻内義雄君) これは環境庁長官がお答えするのが適切だと思うのでありまするが、身体の障害についての救済というものについては、すでに今回会で法案をお願いをしておるわけであります。問題は、その生業救済、財産救済のほうの問題でございます。それで、これにつきましては皆さんのほうからも、漁業関係であれば漁業救済基金のようなものを考えてみたらばどうか、こういうお話で、この点については、昨日来、環境庁のほうにおいても前向きの姿勢をとっておる。また農林省においては、水産庁長官から同趣旨のお答えを申し上げまして、これらの点については、今後、推進会議を中心にして検討してまいりたい。こういうことでございまするので、御質問の御趣旨に沿っておるつもりでございます。
○塚田大願君 じゃあ最後にせっかく運輸省来ていただいておりますので、簡単に一つだけひとつお聞きしたいと思うんです。
 あの水俣港湾の処置の問題ですけれども、いろいろ埋め立てであるとか、しゅんせつであるとかいう、いろんな方法も考えておられるようでありますけれども、私はあのところは、やはりまず必要なことは仮締め切りを、恋路島ですか、なんかを境にして、とにかく仮締め切りを早くやるということが私は一番先決問題じゃないか、その上に立ってさらに深く調査をし、埋め立てがいいか、しゅんせつがいいかということをきめるべきである。もちろんその場合には、地域住民の意向も十分聞いていただく、あるいはできれば民主的な浄化委員会のようなものを設けて、その意見も反映しながら処理をしていく。こういう処置が一番私は妥当ではないかと思うんですが、これが大体、九月――第二の問題ですが、期日としては九月ごろというふうなお話も聞くんですけれども、これでは、少しやっぱりおそ過ぎるんじゃないか、もっとなぜ早くできないのか、この辺について最後にひとつ運輸省の見解をお聞きして終わりたいと思います。
○説明員(加藤勝則君) 水俣湾の汚泥の処理につきましては、最近ようやく暫定除去基準が示されましたので、ようやく処理をすべき範囲がきまったわけでございます。この処理は、現在そういうことで実施計画を検討しているところでございますけれども、何ぶん二次公害を起こさないということが一番大切なことでございますので、できるだけ二次公害を起こさないような工法、試験工事をやったりなどして見つけていくということをしておりますが、それに時間がかかるわけでございます。御指摘のように、しゅんせつそのものができるかどうか、これが問題でございますが、できるとしても、できるだけ避けたほうが公害防止上はいいことじゃないかということで、御指摘のような、できるだけ広い範囲を締め切るというふうな方法で一応いま検討が進められております。で、こういった検討がやはり年内一ぱいくらいかかるのではないか。それからいま九月とおっしゃいましたのは事業者負担のほうの関係を大体そのころまでに固めていく、これは県の公害対策審議会の議を経て県知事がきめることでございますけれども、そういった事務的な作業を九月を目途にというふうなことで進めていくというふうに聞いております。大体以上です。
○委員長(亀井善彰君) たいへん異例でございますが、農林大臣以下各省庁の皆さんに委員長として意見を申し上げ、希望をいたします。と申しますのは、本問題に対しましての質疑は、先般来非常に真剣に行なわれ、特に当委員会からは現地に調査班を派遣し、そしてまた、調査の報告も了承いたしたわけであります。したがいまして、緊急かつ重大な問題であることはもう御承知のとおりであります。したがいまして、この問題に対しましては、特別に緊急の問題でございますから、農林大臣を中心として他の大臣にもお呼びかけを願いまして、そうしてこれが一日も早く解消するような道を講じていただくことを特に希望をいたしまして申し上げます。別にお返事はいただきません。
 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
○委員長(亀井善彰君) 次に、連合審査会に関する件についておはかりいたします。
 社会労働委員会に付託されております厚生年金保険法等の一部を改正する法律案(閣法第五一号)について、同委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀井善彰君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀井善彰君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時六分散会
     ―――――・―――――