第071回国会 逓信委員会 第6号
昭和四十八年三月二十九日(木曜日)
   午前十時十七分開会
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   委員の異動
 三月二十八日
    辞任         補欠選任
     鈴木  強君     上田  哲君
 三月二十九日
    辞任         補欠選任
     上田  哲君     鈴木  強君
     塩出 啓典君     山田 徹一君
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  出席者は左のとおり。
    委員長        茜ケ久保重光君
    理 事
                今泉 正二君
                古池 信三君
                塚田十一郎君
                森  勝治君
    委 員
                植竹 春彦君
                郡  祐一君
                迫水 久常君
                西村 尚治君
                松岡 克由君
                鈴木  強君
                松本 賢一君
                横川 正市君
                塩出 啓典君
                木島 則夫君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  久野 忠治君
   政府委員
       防衛施設庁次長  鶴崎  敏君
       郵政政務次官   鬼丸 勝之君
       郵政大臣官房長  廣瀬  弘君
       郵政省電波監理
       局長       齋藤 義郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹森 秋夫君
   説明員
       日本国有鉄道電
       気局長      尾関 雅則君
   参考人
       日本放送協会会
       長        前田 義徳君
       日本放送協会副
       会長       小野 吉郎君
       日本放送協会専
       務理事      藤島 克己君
       日本放送協会専
       務理事      竹中 重敏君
       日本放送協会専
       務理事      佐野 弘吉君
       日本放送協会専
       務理事      大村 三郎君
       日本放送協会専
       務理事      松浦 隼雄君
       日本放送協会専
       務理事      藤根井和夫君
       日本放送協会専
       務理事      野村 忠夫君
       日本放送協会理
       事        吉田 行範君
       日本放送協会理
       事        坂本 朝一君
       日本放送協会理
       事        斎藤  清君
       日本放送協会経
       理局長      堀場 仁徳君
    ―――――――――――――
 本日の会議に付した案件
○放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認
 を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(茜ケ久保重光君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十八日、鈴木強君が委員を辞任され、その補欠として上田哲君が選任されました。
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○委員長(茜ケ久保重光君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 前回に引き続き、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
○塩出啓典君 それでは、まず最初に、この日本放送協会の予算書でございますが、昨年の三月三十日の参議院逓信委員会の附帯決議におきまして、「国会に提出する協会の予算および決算関係書類については、国会の効率的審査に資するよう改善すること。」と、こういう附帯決議がなされているわけであります。これはNHKの予算書が項ぐらいしかなくて、それからあとのこまかい点については、政府のほかの予算に比べて、非常にわかりにくい、そういう趣旨でこういう附帯決議がなされたわけでございますが、それに対して、郵政省としてはどのように検討し、そしてまた今回の提出された予算書においてはどのように改善をされたのか、その点についてお聞きしたいと思います。
○政府委員(齋藤義郎君) 昨年の国会におきまして、NHKの収支予算それから決算関係の書類のつくり方を改善して、国会の効率的な審査に資するようにという御指摘をいただきましたので、郵政省といたしましては、NHKの財務状況を一そうわかりやすくするというたてまえから、放送法の施行規則を検討してまいりまして、去る一月十七日、施行規則を改正いたしまして、昭和四十八年度の収支予算から実施いたしておるわけでございます。
 なお、この改正につきましては、NHKが部外の経験者からなる財務制度調査会、こういうものを設けておりまして、検討した結論を得ておりますけれども、これについてNHKと十分意思の疎通をわれわれのほうではかりまして、決定を見た次第でございます。
 今回の改正によりまして、収支予算につきましては、事業収支及び資本収支という従来の二つの勘定の方式、これは利点がございますので、これは残しておきながら、事業収支予算には予測し得るすべての損益を記載するということにいたしまして、NHKの財務状況を判断しやすくいたしたのでございます。それと同時に、従来から「関連経費」という中に含まれておりました未収受信料欠損償却費、これを事業の周知に要する経費や受信契約・受信料収納に要する経費と一緒に「営業費」、こういう費目に入れましたし、また支払い利息等は「財務費」という項に入れるなどいたしまして、科目の設定や名称についてはわかりやすくしたものであります。
 なお、その他にも若干の問題が残されておりますので、引き続き検討を行なっておるという状況でございます。
○塩出啓典君 そうすると、今年度から、これからもそういうふうに新しい方式になっているわけですね。
○政府委員(齋藤義郎君) そういうことでございます。
○塩出啓典君 昨年の三月三十日の逓信委員会におきまして要望した点は、確かにこれは予算書を見ても項くらいしか書いてない、うしろのほうにはいろいろ書いてありますけれどもね。そういう点が非常に部分的にしか書いてない。そういう点でやはりもっとわかりやすくしたらどうか、そういうことで、わかりやすくということは、財政の専門家でないわれわれが見ても非常によくわかると、そのようにすべきではないかと思うのです。そういう点では、昨年と今年と比較しまして、われわれとしてはそれほど改善されたとは思えない。ひとつ具体的に、これについてこういう点をこういうぐあいにわかりやすくしたのだと、そのようなことについて説明してくれませんか。
○政府委員(齋藤義郎君) 四十七年の三月二十三日の逓信委員会のお話だと思いますが、その際、国の予算の程度に詳しい資料を拠出していただきたいというような趣旨の御発言をいただいておるわけでございますが、したがいまして資料につきましては、相当わかりやすい資料が、お手元に届いていると思うわけでございますが、ただ予算の項目につきましては、これをどの程度まで国会の審議の対象にするかということが問題の焦点でございまして、これはNHKの予算、事業計画等につきまして、国会あるいは政府がどの程度までタッチするかという問題が含まれるわけでございます。したがいまして資料の提出につきましては十分御審議がいただけるような資料を出さなきゃならぬ、こういうことでございますけれども、予算の立て方につきましては、現在のところは、先ほど申し上げましたような検討を重ねまして、その点についてはさわそく改善をしたと、ただ引き続き改善を要する点があると思われますので、引き続いて検討いたします。そういうことでございます。
○塩出啓典君 いま、あなたは国会の審議においてどこまでNHKの予算を明らかにするのか問題だと、そういう御発言でございますが、ということは、NHKの会長もやはりNHKはガラス張りだと言われたわけですね、だから、当然、これ以下は国会の審議にはかけないのだから明らかにする必要はないと、ここまでだけぐらいにしておけと、そういうような感じでは私は非常によろしくないんじゃないかと思うのですけれどもね。
○政府委員(齋藤義郎君) ことばが足らないわけでございまして非常に申しわけないですけれども、ここに書かれてあります積算の根拠は、資料によってひとつ十分御審議をいただくと、ただ国会が承認を与える予算の款項なり何なりは、どこまでやるべきかということとはおのずから違うだろうと思います。御審議をいただく資料は十分に詳細な資料をお出しすべきだと、こういうぐあいに考えるわけでございます。
○塩出啓典君 それでは、この点につきましては今後とも検討していただいて、これぐらいにとどめたいと思います。これはこれからのいろいろな質問の中でさらに詰めていきたいと思います。
 まず最初に、私は、難視地域の解消という問題で、これはNHKの会長にお聞きしたいのでございますが、今度の予算書を見ましても、NHKの方針の第一項目に「難視聴地域の積極的解消」と、「積極的」ということばが書いてあるわけですけれどもね、これは大体どういう意味でございますか、「積極的解消」というのをつけたというのは。
○参考人(前田義徳君) 当年度予算でも、第一の項目として難視解消という点を取り上げておりますが、その後の調査によりまして、いわゆるこれまでの観念の難視聴というものと社会的ないろいろな変化から来る難視聴というものが重なり合って、新しい形で増勢にあるということから、そのすべてを含めて、旧来の方式に頼るばかりでなく、さらに新しい方式を取り入れながら積極的に解消してまいりたいという意味でございます。
○塩出啓典君 今年度はテレビジョンの中継局を二百二十地区を完成して、百四十地区において着手をする、こういう内容ですけれども、これはどういう意味なんですか。二百二十地区において完成をする、百四十地区において着手をすると、これは二百二十地区というのは昨年から継続しているのが二百二十地区完成するという、その点はどうなんですかね。
○参考人(藤島克己君) 私からお答えいたします。
 二百二十地区完成と申しますのは、昨年から続いているものもございますけれども、今年度中に電波を出して運用開始できるものが二百二十。それから百四十地区というのは工事に着工いたしますし、いろいろ調査もいたしますけれども、本年度中に電波を出すことはむずかしかろう、つまりそれは来年度の初期に電波が出ることになろうかと思います。
○塩出啓典君 そうすると、去年も二面二十地区完成で、百四十地区着手になっておるわけですね。だから私は着手した数と完成した数というのはずっと長い目で見れば同じ数にならぬとおかしい。これはちょっとわからぬのですが、どういう意味ですか。
○参考人(藤島克己君) もちろん、おっしゃるように前からずっと連続しておりますから、本年度調査いたしまして着工になるものと、それから完成するものがございますが、この再四十が来年度に持ち越しまして、その百四十に来年度さらに新しく着工して完成するものが――二百二十と百四十の差ですから、八十局ばかりあるわけでございまして、ことしから持ち越すのが百四十、それからその当年度きりで着工、完成というのがこの場合は八十局ぐらいあるわけでございますので、そのように毎年ずっとこう流れておるものですから、どこか一カ所だけ区切って考えますと少しおかしなかっこうになりますけれども、いまの関係だけで申し上げますと、昨年度着工した百四十局が今年度に流れ込んできまして、その百四十局に今度は今年度だけで調査、着手、完成となるのが八十局、それが一緒になりまして二百二十局完成ということになる。そのほか、本年度はまた来年度のために百四十局の調査、それから建設着手をいたしまして、来年度の当初なるべく早く電波が出るように持っていくために百四十局の着工をいたすわけでございます。
○塩出啓典君 そうしますと、二百二十地区完成という中には、昨年度着工して完成する分と、そして今年着工して今年完成する分と、そういうことですね。そして百四十地区着手というのは、これはもうそれとは別個に来年度に持ち越すのが百四十だと、だから昨年度百四十着手したわけですから、今年二百二十のうち百四十というのは去年からの持ち越しの分で、八十というのは結局ことし着手してことし完成すると、そのほかにまた百四十というのは着手だけしで来年度にいくと、そのように判断していいわけですね。
○参考人(藤島克己君) おっしゃるとおりでございます。
○塩出啓典君 それで、この中継局とそれから共聴施設ですね、これが千余りの施設をつくる、そして十九万世帯の難視聴を解消すると、そのようにいっておるわけでありますが、これが四十八年度未完成した時点においては、大体、この難視世帯のいわゆるカバレージ度は何%ぐらいになるんですか。
○参考人(藤島克己君) 十九万世帯解消をいたします、ことしの予定では。それでそのほかに三万世帯が新しく難視の部分でふえてまいるわけでございます。差し引きますと十六万ぐらいしか解消になりませんので、昭和四十七年度末で申し上げますと、残存と申しますか、解消されていない全国難視の世帯数が百十七万世帯と私どもは推定いたしておるわけでございます。
○塩出啓典君 四十八年でしょう。
○参考人(藤島克己君) ただいま申し上げましたのは四十七年度末の数字でございまして、ちょっと失礼いたしましたけれども、四十八年度予算と関連いたしまして、四十八年度末は百一万でございます。
○塩出啓典君 いま三万世帯がふえたということは、これはどういうことなんですか。
○参考人(藤島克己君) これが最近の難視の実態が非常に従来と変わってきた一つの原因でございまして、言うなれば主として地方――中央都市の周辺にかなりの団地の造成が新しくできてまいりまして、そのうちの約一割ぐらいが従来とも電波が全く届いていなかった山陰とか、がけの下とか、そういうところへ新しい団地ができまして、当然のことながらそれはもう受からない。従来の計算でいきますと、そこはカバレージ度の中に入っていたわけでございますけれども、新しく山を削ってつくったアパートの部分は電波が届かないということになってまいりましたので、そういうものが約三万ぐらい新しい難視としてふえてきているということでございます。
○塩出啓典君 この百十七万世帯という数は、いわゆる辺地難視といいますか、そういう電波の届かない難視と、それからビル陰による難視とか、それから新幹線とかそういうのの難視とか、そういうのが全部含まれているんじゃないかと思うんですけれども、その内訳はどうなっていますか。
○参考人(藤島克己君) ただいま申し上げました四十八年度末百一万という難視の残りの数につきましては、いまの仰せのとおりの都市内のビルその他の構造物による難視の数、それから新幹線その他の鉄道障害による難視の数は含まれていないのでございます。
○塩出啓典君 そうしますと、昨年の三月二十三日の逓信委員会で小野副会長が私の質問に対して、昨年の予算書では、四十七年度の難視対策を完了した時点においては九七・六%のカバレージになると、そうして四十六年度末では六十二万世帯の難視、そういう世帯があって、昨年は十四万ですかね、十四万何ぼですから結局四十七万になると、そういう答弁されているわけですね、四十七万。そうするならば、当然、私たちの感じとしては三万ふえたにしても五十万。そうすると十九万改善するならば、当然これは三十万そこそこに減少していくんじゃないかと、NHKがやはり難視地域の積極的解消ということをうたっているだけあって非常にいい方向にきていると、そう思っておったところが、今回の予算書にはカバレージも書いてない。いまお話を承れば一挙に百十七万世帯にふえた。そういうことになりますと――しかも、これには都市難視とか鉄道障害は入っていないと、そういうことになりますと、結局昨年の答弁と違う。NHKのカバレージなんというのはよっぽどいいかげんな数字じゃないかなという、そういう感じがするんですけれども、その点はどうなんです。なぜふえたんです、これは。
○参考人(小野吉郎君) 前回の委員会で確かにそのような御答弁を申し上げております。この数字は、かなり前の時点におきまして百万をこえる難視がございまして、それを固定的にとらえまして、年々十五万なり十六万なり解消をいたします数を差っ引いた、それが次の年度末における難視の残存世帯、こういうのをずっと積み重ねてまいりますと、前回の時点におきましては六十二万ぐらいの難視世帯があると、そのうち改善をいたしますので、その十四万を引いたものが四十七年度末における難視世帯、このように申し上げておりました。しかし、これは非常に実態と離れておるではないかと、こういう御指摘も受けました。
 私どもも、やはり、流動してやまないいまの社会状態で固定的に難視世帯を把握することが非常に実情に沿わないということは、内々考えておりました。そういうことで、昨年予算の御承認を受けました直後から秋までに、全国の各機関、各職員を動員いたしまして、実態による調査を精密に遂げてまいりました。そうしますと、そういった流動する社会情勢の中で、難視地域に住宅の造成が行なわれるとか、あるいは在来主として白黒関係では問題がなかったのでございますけれども――今日、大体カラーと白黒の比率は七対三くらいになっておりますか、カラーのほうが多いわけでございますけれども、そういうカラー化の情勢の中におきまして、白黒ではよく受かるけれども、カラーでは画像が十分にいかない、あるいは色彩が十分に出ない、こういうような問題も新たに出てまいっております。そういうような動く状態の中で把握をいたしますと、大体、昨年の十月ごろの調査の結果では、従来の数をかなり上回る難視の実態がある、こういうことが明確になってまいりましたので、そういった実態に即応してこれに合致するような数を四十八年度においては明示をいたして、これに対して将来ふえるものはかえるように計算をし、解消すべきものは最大限解消していく、こういう努力をしていこう、こういうことでございます。
 前回の御答弁は、実情とはかけ離れたものでございます。しかし、意識的にうそをつこうという意味で申し上げたわけではございませんで、その点はいろいろ御迷惑をかけましたけれども、実態の調査の不十分というところに基づくことでございまして、この点はおわびを申し上げたいと思います。
○塩出啓典君 まあ昨年までの答弁は、そういうように故意にうそをついたわけじゃないけれども、結論的にはそういう間違った数字だったわけですね。
 実は、広島県の神石郡に私はしょっちゅう行くわけでありますが、あのあたりは非常に過疎地で、テレビも非常に見えないわけですね、実際言うと。これはNHKのほうから出していただいた資料でございますが、神石町というところは全世帯が千三百世帯ある、その中で全く見えないのが七百世帯もあるわけですね。あるいは三和町は千六百世帯のうち全く見えないのが四百世帯。豊松は六百七十のうち二百五十が全く見えない。そのほか広島県でありながら広島県のNHKが見えない、岡山しか見えない、そういうところもこれにだいぶあるわけですね。そういう点から考えますと、私たちとしても――神石町の場合は実に五〇%以上見えないところがあるわけです、実際は。また、それは今日までいろいろ努力はされているわけですけれども、実際はなかなか手は行き届かないわけですね。そういう点から考えて、私たちは、NHKが昨年まで九七・何%と、そういうカバレージはほんとうに実態をあらわしていないんじゃないか、ほんとうの難視世帯というのはどの程度か、非常に疑問を持っておったわけですけれどもね。
 今回、こういう数字がいま発表されたわけですけれども、これは、じゃ、かなり信頼していいと、そのように思っていいわけですか。
○参考人(小野吉郎君) この点につきましては、かなり精密な調査をいたしております。大体御信頼をいただいていい数字ではないかと思います。
 なお、将来三万ぐらいふえるであろう、変動する情勢の中でそのくらいふえるであろう、こう見込んでおりますけれども、これはいまの時点で大体そのように見込んでおりますが、宅地造成の促進の状況等によりましては、これも変化をすることでございましょう。何しろものごとを固定的につかまえ得ないのが、いま難視解消の非常な悩みでございます。そういった変動の情勢につきましては、今後適切にこれを把握するような努力もあわせ行なってまいりたいと思います。
○塩出啓典君 それで、この難視の実態というものは全国的にどうなっているのか。たとえば、この神石町のように五〇%以上も難視のような町村というのは全国でどの程度あるのか。われわれはやっぱりそういう、ただ全国一律に九十何%と言われてもそれではわからない。実際にどういう状態であるのか、そしてそれを今後改善していくには、いろいろなやっぱりむずかしい問題もあると思うんですけれどもね。そういうわけで、NHKとしては百十七万世帯の難視世帯があると、そういう結論を出したわけですけれども、その出すに至ったもとの資料ですね、これはやはり出していただけますか。
○参考人(藤島克己君) 御指摘のとおりでございまして、たいへんおわかりにくい説明をしているわけでございますが、いま仰せのとおり、従来カバレージということばで説明をいたしておりましたものですから、これはどちらかといえば、要するにテレビが始まって以来だんだん広がっていく、その広がりの割合がどのくらいかということで、言うならば送信側の電波の広がりを主として表現をしていた数字でございます。ところが、先ほど副会長が申しましたように、実際の聴視の実態はそのカバレージという数字とかなり食い違ってきて、見えるはずのところが見えない見えないという苦情がかなりございます。そういうことから推しても、これはいずれ訂正をしなければいかぬということで寄り寄り私どもも調査いたしておりましたし、国会の先生方からも委員会を通じてそういう御指摘も受けておりました。
 そこで、四十六年度末に私どものカラーテレビジョンの普及率がちょうど白黒を突破いたしましたので、それを機会に修正するのが適当ではなかろうかという判断に立ちまして、従来の調査と、四十七年度に入りましてから全国約四万点のサンプルポイントを設定いたしまして、それによって――ガバレージじゃございませんので、何郡の何町の何村には何カ所、何軒見えないうちがあるというようなことをサンプルポイントをもとにいたしまして詳細に調査いたしまして、その数字はございます。
 それから、そのほか、人口あるいは世帯の動態にいたしましても、普通の統計だけにたよりませずに、市町村の自治体に直接移動の状態を伺っております。
 もう一つ非常に変わった原因は、従来の六十二万と申しておりましたカバレージの外のほうの数字じゃなくて、カバレージの内側のほうの、言うなれば、ここは見えるはずだと言っていたところへ、先ほど申しましたような団地の造成とか、あるいはカラーテレビジョンによる画質不良というものが非常に出てまいりまして、そういうものにつきましては、私どもの調査員が直接普通の受信者の方が持っておられると同じような性能のカラーの受像機を持ってまいりまして、これをもとにいたしまして調査いたしました。
 今回の調査の特徴は、できるだけ受信者の側に立った数字を把握したいということが私どものたてまえでございましたので、そういうたてまえから推計いたしました数字がただいま申し上げたような数字でございます。多少の誤差はあるかもしれませんが、これはかなり御信用いただきたいと私どもは思っておるわけでございます。その数字につきまして、県別その他の資料は一応ございますので、後刻提出いたしたいと思います。
○塩出啓典君 やはり難視の解消というのをNHKとしても一番最大の項目にあげているわけですが、今回、きのうの委員会でも問題になりましたように、放送会館を売却いたしまして、百二十億何がしのあれをつくったと。われわれの気持ちとしては、そういうことも、もちろんやらぬよりはやったにこしたことはありませんけれども、やはりそういう難視世帯が非常に多い。そういうことであるならば、そういう難視のところはもう少しスピードアップするとか、そういうことを考えなければならないんじゃないかと思うんですが、中継局にいたしましてもまた共聴施設にしても昨年と同じですよね。今回、そういう特別収入があったことによって一段とそういう点に力を入れたと、そういう姿勢が私には全く見られない。これはどうですか、会長からお願いしたい。
○参考人(前田義徳君) ただいま申し上げたような環境の中で、これをどうスピードアップするかということについては、明年度の御審議いただいている事業計画とこれに関連する予算の中でも特別の措置を講じておりますが、大まかに申しますと、金だけでは処置できないという現実がございます。
 技術の開発であるとかあるいは特別の建設であるとか、これは物理的な問題でございまして、したがいまして百二十億文化基金を投じてもそれは持ち越すだけであって、事実上、これを目的のために昇華するという可能性には限度がございます。私どもとしては、したがいまして将来構想からいって、いわゆる地上におけるあらゆる努力の限界というものを考えながら、できれば放送衛星打ち上げによって一般的に問題を解決していく方向に目標を私としては置きたいというように考えているわけでございます。
○塩出啓典君 まあ確かに金だけではできない、技術者とかそういうような点があるわけで、根本的な解決はそういう地域衛星を打ち上げるという、そういう御趣旨はわかるんですが、それはどうなんですか、NHK会長の個人的な見解なのか。私は、当然、いま言った神石町のそういう過疎地帯における難視聴の解決ということは、非常にこれは部落もあちこち谷合いに散らばっておりますし、そういう点でいま言われた地域衛星というものをつくれば、そういう面のやはり研究は大いにやっていくべきじゃないかと思う。これはやはり会長の個人的な見解の域を早く出て、郵政省としてもあるいはNHKとしてもやっぱり本格的に取り組んでいくべきじゃないか、そう思うんですけれども、これは郵政大臣どうですか。
○国務大臣(久野忠治君) ただいまの御指摘、まことにごもっともだと思うんでございます。先ほど来の質疑応答を通じて明らかにされましたように、この難視聴には非常に複雑な事情が介在をしてきておるのでございます。ただいま御指摘のように、山間僻地におきまする過疎地帯における難視聴、これが従来まだたくさん残されておるわけでございます。それから最近に至りましては、都市部における高層建築物のいわゆるビル陰によりまする難視聴、それだけではなく、高圧線のための高い鉄塔それから新幹線、空港それから工場の高い煙突、こういうものによりまする難視聴、こういうような社会情勢の高度化と申しますか、変化に応じましていろいろ新しい難視聴地帯がいまできつつあるわけでございます。でありますから、この複雑になっておりまする難視聴の原因というものをまず突きとめる必要があるというふうに郵政省としては考えまして、今度四十八年度の予算編成の際に、調査会を設置しようということになりまして、その調査会の経費四百七十九万円、わずかではございますが、これを計上いたしまして、案として皆さんにただいま御審議をいただいておるような次第でございまして、幸いにしてこの予算案が成立をさしていただきまするならば、調査会によってこの原因を徹底的に究明をいたしまして、そして難視の解消、絶滅につとめたい、かように考えておるような次第でございます。
○塩出啓典君 郵政大臣のそういう趣旨はよくわかりました。私はそういう難視の調査をし、その解決としてやはり地域衛星というような構想をいま――きのうも委員会で会長も話され、きょうもお聞きしたわけですけれども、そういうことはいま会長は私としてはと言われたわけですけれども、私は、それは郵政省として、またNHKとして、やはり本格的に最大の力を入れてやっていくほうがむしろ全体の効率からいっても非常にいいんじゃないか。そういう点で郵政省としても積極的に推進をしてもらいたい。その点はどうですか。
○国務大臣(久野忠治君) 放送衛星の目的の一つには、やはり難視解消ということも含まれておると思うのであります。しかし、そのためには、私は技術者ではございませんので詳細のことは存じておりませんが、先日来の当委員会における質疑応答などをお聞きいたしておりましても、やはり受像機その他に相当多額の経費がかかるようでございます。でありますから、技術的に改良すべき点も多々あろうかと思うのでございまして、ただ放送衛星を打ち上げたから難視聴が全部これで解消できるんだということにはならないと私は思うわけでございます。
 しかしながら、やはり将来、技術の革新によりまして、これらの困難な問題を解決することは私は可能だと思うのでございます。でありますから、一日も早く放送衛星、ほかにもう一つ通信衛星がございますが、宇宙衛星を打ち上げまして、そして国民の皆さん、聴視者の皆さんのためにお報いをする、そういうことが必要ではなかろうか、かように考えまして、私たちといたしましては五十一年度を目途として開発研究を行なう、中容量のいわゆる通信衛星、放送衛星を打ち上げたいということで、四十八年度で予算要求をいたしたような次第でございます。この一部が認められたわけでございますが、ぜひこれの早期実現をはかりたい、そして難視聴解消にもこれがある程度実効があがるようにいたしたい、かように考えているような次第でございます。
○塩出啓典君 この予算の説明資料の中に「新方式の実用化」として二十施設ですね、これは「難視解消新方式の実用化および新技術開発」こういう項目が載っておりますが、これは難視解消にNHKとしてもいろいろ研究された一つの成果ではないかと思うんですが、これはどうなんですか、いままでのに比べて、どの程度前進しているものなのかですね。
○参考人(藤島克己君) お答えいたします。
 先ほどから申し上げておりますように、難視の実態が、都市周辺はともかくといたしまして、過疎地帯のほうへだんだん入ってまいりまして、一町村かりに九百世帯、六百世帯と申しましても、非常に広範囲にばらまかれておりますものですから、昔の状態ですとかなり稠密なところですから、一局建設いたしますと千五百世帯とか千世帯とか一ぺんにカバーできたわけですけれども、最近はそれがもう百世帯とか二百世帯とかずつカバーをしなければいけませんので、そのためには従来のような方式でやりますと非常に経費が高くつきまして、とても数多くやることはできませんわけですから、なるべく数をやるためには、もっとコストが安くて信頼度が高い通信方式なり共同聴視の方式を開発していかなければ、これから先の過疎地帯の難視解消には対処できないということでございまして、そういう意味で、たとえて申し上げますと、送信機がトランジスターラジオみたいなものになりまして、乾電池一つはめておくと半年ぐらいは動作するというような送信機ができれば一番よろしいのでございますけれども、いま私どもが言っているのはまだそこまでいっていないわけでありまして、形からいえば相当小さくはなっておりますけれども、やはり配電会社の電気を使ってやらにゃいけませんので、一世帯当り二万とか三万とかいう費用になっているわけでございますけれども、そういう意味で、新しくトランジスターラジオを使ったり、ICの回路を利用いたしたりいたしまして、相当小型でしかも非常に信頼度が高い、そうして単価の安い送信装置をいまつくっているのがここで「新方式」と申しているものの実態でございます。
 ただ、これは、これで完成ではございませんので、四十七年度来、全国八カ所で実際実験をやっておりますので、その実験の結果を見ながら今後もいろいろ直しながら完成に持っていきたい。これがよく完成いたしますと、かなりの部分四十八年度はそれを実用に供することができるのではなかろうかという見通しをもちまして、四十八年度に一部実用化の計画をあげたわけでございます。
 それから、共同受信といたしましても、まずそこへ来る電波が届いていないわけですから、その届かせる電波をつくるために、特殊な中継方式あるいは置局をいたしませんと、共同聴視をやるもとができないわけでございますので、そのためにはいろいろ、SHFと申しましてもっと高い周波数、波の中継装置を研究いたしたりもいたしております。
 その他、難視解消――実態が非常に分散をして過疎になってきた、あるいは都会のビル陰にいたしましても、一つのビル陰が百とか二百とかいう場合が多いものでございますから、そういうものに対処するために、先ほど最初に申し上げましたように、非常に信頼度が高くて、しかもコストが安くていけるような幾つかの方式をいま検討いたしておるのがいわゆる「新方式」と申しておる中に入っている方式でございます。
○塩出啓典君 ひとつこれは郵政大臣にも、やはり政府はそういう過疎対策特別措置法の趣旨からいっても、過疎地帯に通信、放送、道路、あらゆる面の利便をはかっていかなければならない責任があるわけですから、そういう点はひとつさらに努力をしていただきたい。これはNHKにも要望しておきます。
 それで、先ほど最初に質問しましたように、「積極的解消」ということをいっておる。私は、積極的解消というのは、積極的にNHKのほうからどんどん出かけていって、そうして難視地域を解消していく、そういう意味の積極的解消だと思っておるわけであります。ところが、そういう点から見ますと、まことにNHKの難視に対する姿勢というものは消極の一語に尽きると思うんですね。なかなか言うていかなきゃやってくれない。
 これは岡山県の神郷町ですか、神郷町の坂根というところ、四十世帯ぐらい見えない。そういうところもやはりNHKに要望して、ようやく昨年調査が始まった。そういうことで、もっとやはり積極的にやれる体制をつくるべきじゃないか。
 また、広島県の、いま山陽新幹線がどんどん伸びておりますが、福山ですね。福山は、御存じのように、あそこは福塩線、それから新幹線、それから山陽線、こういうのが二重高架になっている。非常に高いわけですね。そういうわけで、もうすでに建設の段階から、先般アンケート調査しましたところが、二百十二世帯のうち六十九世帯が被害が出ている。こういう問題も、地元ではそういう新幹線に対する公害を守る住民組織ができまして、テレビ、新聞ですね、NHKのテレビにもたびたびもう出ておるわけでありますが、そうやって大きく取り上げられておるわけです。
 そういう問題について、われわれからすれば、もうNHKとすれば、東海道新幹線、そういうような経験から当然こういうところにこうなればテレビに難視が起こるというようなことはわかっていると思うんですがね。そういうところを住民の方が組織をつくって、やいやい言っていかなければやってくれない。そういうことでは私は積極的な解消ということにならないと思うんですけれどね。そういう点、やはりNHKとしてはもっと積極的にやってもらいたい。そのためにはサービスカー等はもっとふやすべきだ。私が先般調査したんでは、大体、一県に一台のサービスカーしかない。今回、今年度は何台ふえているのか、これ見てわかりませんけれども、そういうサービスカーをふやすということも一つの方法だと思うんですけどね。そういう積極的な姿勢、私はそれを要望したいんです。
○国務大臣(久野忠治君) 新幹線の受信障害についての御指摘は、まことにごもっともだと思うんでございます。その原因等につきましては、やはり走行いたしまする列車あるいは高架橋、こういうものが原因のようでございまして、各地域に電波障害が起きておるわけでございます。
 東海道の新幹線を例にとってみますると、四十七年十二月末の調査の結果によりますと、約四万世帯が受信障害を起こしております。山陽新幹線では、四十八年末を推定いたしまして、これは約八千世帯、こういわれております。それから山陽新幹線が全線開通をいたしまする五十年度末までには二万二千世帯になる見込みである、こういわれておるわけでございます。
 郵政省といたしましては、原因者責任主義というたてまえをとっておるのでございますから、これは原因者たる国鉄の責任において共同受信施設を設置するというのが私は当然であろうと思うのでございます。ところが、現行におきましては、これは国鉄とNHKとの間で協議をせられまして、これは郵政省は関与いたしておりませんが、負担割合をきめて、この共同受信施設を設置しておられるわけでございます。東海道新幹線の場合は国鉄が八〇%、それからNHKが二〇%、山陽新幹線の場合は国鉄が八五%、NHKが一五%という割合で国鉄とNHKとの間で協議が成り立ちまして、共同受信施設を設置しておられるわけでございますが、現在の進行状況はまことに微々たるものでございまして、障害を起こしておられまする各世帯の満足でき得るようなものではないと私は存じます。
 これは蛇足でありまして、どうも皆さんにこのようなことを申し上げるのはいかがかと存じますが、先般、参議院の予算委員会においてもこの質問が出ました際に、私がこの割合を申し上げましたら、国鉄総裁が答弁に立ちまして、私のほうには御存じのとおり赤字が累積をして費用がございませんので、お金持ちである――そういう表現をいたしましたが、お金持ちであるNHKのほうで全部これは負担をして共同受信施設をつくっていただくようにしてほしいと思っております。私はこう聞いておりまして、まことに無責任な言動であると感じたような次第でございまして、委員会が終わりましてから、国鉄総裁にその点について難詰をいたしましたのでございますが、どうか現状ではそういうふうにさせていただきたいということを繰り返し繰り返し言っておるだけでございます。これは原因者責任主義と申しますか、原因者が負担するというたてまえがとられておりまするこのたてまえを自分自身がくずしておるわけでございます。たいへん私は遺憾に思うような次第でございます。
 今後、この新幹線にはやはり相当数の電波障害が起きることが予測されるわけでございます。これに対する措置はいかにすべきか、こういうような検討も、先ほども申し上げました調査会で十分検討をしていただきたい、かように考えておるような次第でございます。
○塩出啓典君 NHKのほうからひとつ。
○参考人(前田義徳君) ごもっともな御指摘だと思います。私どもにとりましても、難視対策を積極化することによって、いわゆる非常に功利的な表現ですが、収入の増加が期待されるわけですから、これは別に放送法七条の原則的解釈をするまでもなく、われわれの当然の経営指針でなければいけないと考えております。
 先ほど技師長から御説明を申し上げましたが、たとえば私は、五年前に、難視対策の方法として新たな技術開発を特命いたしました。これが今回試験的に行なわれているSHFの開発の結果の一つの措置でございます。また、今年度中、従来営業総局にあった難視解消本部というものを解消しまして、全協会的に難視解消本部というものをつくり、副会長を長として新たな調査を行なったわけで、その結果が先ほど来の説明の内容となっているわけでございます。
 その技術的な面につきましては、これはやはり研究の結果を待たなければなりませんが、しかし精神的な難視解消についての積極意欲の発揚はそれとは別の問題でありまして、従来のカバレージというのは送信側から考えて技術的に計算し得る電波を中心とするカバレージであり、今日の問題はそのカバレージの中で難視が起こっているという実情にあるわけでありますから、これは当然受信者側の立場に立って実際調査を行ない、それに対する対策をつくるべきだというのが私の考え方であります。ようやくNHKといたしましてもその方向で全協会が一つとなって行動を開始しているわけでございまして、そういう意味では、今後も一そう私としては同僚各位を激励しながらこの問題に体当たりで対処してまいりたいと、このように考えております。
○塩出啓典君 その御決意はよくわかるわけでありますが、先ほども申しましたように、たとえばサービスカーをふやすとか――サービスカーはことしの予算でふえているのかどうか。そしてまた、やはり先ほど会長が言われましたように、金だけでは解決できないそういう問題があると思うんですけれども、そうであるならば当然そういう方面の体制を強化して、やはり先ほど申しましたように、住民の申し出を待って動くんではなくして、もうそういう声の出る前に、専門的立場から見れば大体どこが見えないということはわかるわけですから、積極的に私はやってもらいたい。そのように要望をするわけですけれども、NHKとしてはそういう点は可能なのかどうかですね。
○参考人(藤島克己君) 最初にサービスカーの話が出ましたけれども、おっしゃるとおり各県一台ぐらいしかございませんので、まことに私申しわけないと思っておりますけれども、なかなかこれは急にふやすというわけにもいきませんものですから、なるべく機動的に運用するように、能率的な利用ということを推進しているわけでございますけれども、今後もいろいろ検討いたしまして、できるだけ御趣旨に沿うように努力はいたしたいと思っております。
 後段のほうの、各地点の難視について積極的にNHKのほうから手を伸ばせという御指摘につきましては、まことにそのとおりでございまして、いま御指摘の岡山県あるいは広島県の部分につきましても、私自身もその報告はよく聞いております。四十八年度の候補地の中にはその辺も入っておりますので、たぶん問題はなかろうかと思いますけれども、そのほかやはり全国各地に同様な地区がございまして、これ全部同時にというわけにもまいりませんので、なるべく重点的に程度のひどいところからという考え方が一つと、それからやはり先ほどもちょっと触れましたけれども、無線の電波が届いていなければ、まずいかにお金を積んでもできませんものですから、そういう置局のあるところ、次にはそういう置局が非常にやりやすいところ、そういう順序を経ませんと、幾ら予算を持っておってもなかなかどこそこのほうに共聴をやってくれというわけにはまいりません。
 それで広島県の場合でも、私が聞いておるあれでいきますと、帝釈峡というたいへんな渓谷がございまして、かなりの広い部分に、町村で申しますと一カ町村三百世帯という数字だそうでございますけれども、たいへん広い範囲に分布いたしておりますものですから、そこへ有線放送を普通のいままでの方式でやりますと、一世帯当たり二十数万かかるというような積算が一応出ております。それでも困りますので、四十七年度中にそこに一つ置局をいたしまして、親局から電波をつなぐことを昨年度やりました。今年度はその電波を先のほうへ――次の置局なりその豆局なり共聴かこうできるわけでございますので、地元の方からごらんになりますと、たいへん手ぬるいじゃないかという御批判もあろうかと思いますけれども、そういうプランもございますので、積極的に私どもも力を入れて努力はいたします。ひとつよろしく御理解をいただきたいと思います。
○塩出啓典君 ひとつそういう点は、さらに努力をしていただくことを要望する以外にないわけでありますが、それで国鉄にお伺いしますが、当局は四十八年度の国鉄の難視対策にはどれくらい予算を組んでいるのか。それと、先ほど申しました山陽新幹線のいわゆる福山等は大体国鉄でもつかんでいると思うのですけれども、これは大体いつごろできる見通しなのかですね。
○説明員(尾関雅則君) 新幹線によりますテレビ受信障害につきましては、先ほど郵政大臣からお話がございましたとおりのような実情になっております。
 ただいまの御質問の四十八年度、しからばどのくらいの予算を組んでおるかという御質問でございますが、現在国会で御審議中の予算が通過いたしまして関連の法案が通りますと、その前提で、東海道新幹線につきましては約六億、岡山――博多間につきましては三億の予算を組んでおります。それから福山につきましては一億八千万円で、すでに調査を開始しております。
○塩出啓典君 そうすると一NHKは鉄道の難視対策に三億四千六百万組んでいるわけですね、国鉄は九億ということになりますと、先ほど八五%と一五%、そういうことになりますと非常に国鉄のほうが予算が少ない。われわれとしても、これは本来からいえば、原因者負担ということからいえば一五%をNHKが負担するということも筋が通らないわけですけれども、これはしかし一応八五対一五ということできまったとすればこれはやむを得ないとしても、それにしてもNHKは三億四千六百万、国鉄は九億ということになりますと、大体八五対一五よりもNHKの負担のほうが高いように思いますが、その点はどうですか。
○説明員(尾関雅則君) ただいま私が申し上げましたのは、四十八年度の新たにつけた予算でございまして、四十七年度から継続をしてやっておる予算がそのほかにございます。それから東海道の比率は八〇%という事情も入っておるかと思います。
○塩出啓典君 ひとつ新幹線については、国鉄当局、NHKともよく相談をしていただいて、できるだけ早く手を打っていただきたい。このことを要望いたしたいと思います。
 それから都市難視の問題でございますが、大体都市難視の世帯は年々ふえていると聞いているわけですが、NHKとしては、全国において何世帯くらいあるのか、現在ですね。
○参考人(藤島克己君) 私どもが都市難視と呼んでいる範疇に入っているものは、要するにビルあるいは高層建造物による遮蔽とか反射の問題でございまして、それが昭和四十七年度末では、全国でいま申し上げました範疇に入る都市難視が約三十七万世帯でございます。
○塩出啓典君 都市難視の場合も当然これは原因者負担ということが原則だと思うのですね。今年度予算では二億三千三百万予算を組まれたのですが、これは何に使う予算ですか。
  〔委員長退席、理事塚田十一郎君着席〕
○参考人(藤島克己君) 仰せのとおり、全部、できることならば原因者負担で解決いたしたいわけでございますけれども、中には原因者がなかなかどれだかということがはっきりしないものが多うございます。特に小さいビル、それから反射等につきますと、いろんなビルが複合して妨害を及ぼしている場合が最近だんだんふえてまいりまして、そういうものにつきましてはなかなか原因者というものがはっきりいたしませんので、そういう場合には私どものほうでできるだけ技術指導をするとか、あるいは一部受信アンテナについて適当な援助をするとかいうようなことをいたしまして、そこの自治体自体がそういう共聴をやられることに対して手伝いをしているわけです。そういう技術援助とかあるいは技術指導とかいうものが大部分でございまして、原因者かはっきりしているものは、従来の形からいいますと、NHKも両者の間に入りましていろいろあっせんの話し合いをいたしまして、ほとんどが満足すべき状態で解決を現在はしております。
○参考人(松浦隼雄君) 二億三千三百万円は、個々の技術の指導ということで六万三千四百世帯の改善を予定しております。そのほか、いま技師長の申し上げました一般的な技術指導約五千地区、それから特別の改善措置といたしまして、原因者のはっきりしているもの及び原因者の不明なものも含めまして約八百八十地区というものを予定しております。これによって改善される総数を約十五万世帯というふうに予定してございます。
○塩出啓典君 そうすると、三十七万のうち十五万世帯は四十八年度に改善をできる見通しであると、そう判断していいわけですね。
○参考人(松浦隼雄君) 私がいま申しました十五万ということの中には軽微のものも入ってございます。したがいまして先ほど申し上げました三十七万というのは、まあかなり重症のものも入っておりますので、必ずしも三十七万から十五万を引くという単純計算ではまいらないわけでございます。それで大体三十七万の中の八万世帯ぐらいは解消していくということでございますが、同時にビルの建造というものが非常に急速に進んでおりますので、残念ながら同数あるいはそれ以上の都市内の難視がふえてくるということも予測しながら、あらゆる手を打っていこうという決心をしておるところでございます。
○塩出啓典君 いま三十七万と言われましたが、これは大体どの程度正確な数字なんですか。
○参考人(松浦隼雄君) これは都市構造の複雑化ということでございますので、非常に調査の把握が困難ということも率直に言うと申し上げられますが、この三十七万という数字をとりましたものはサンプル調査でございます。東京及び近畿、九州に至るまでの大都市の中におけるある地点を想定いたしまして取り上げまして、そこを実測調査をいたします。そうして大体、たとえば四階建てのようなビルが送信点との関係でこういう位置にあれば、その中でどういうような障害が起こるか、これがまたチャンネルによって違います。たとえば東京においてNHKのほうはいいけれども、そのほかの放送局のやつが悪い、あるいはその逆というようなこともございます。またある地点では、全く全チャンネルがだめというのもございます。私が調査困難だと申し上げましたのはそういう事態のほうでございまして、個々の数のことではございませんが、そういうことから、その地区の特性を引っぱり出しまして、それを全市に及ぼしたという部分の推定でございます。
 それから、ふえるほうの問題は、四階以上のビルがどういうふうに建っているかということもなかなか推定しがたいのでございますけれども、消防庁その他、これは建設省はもちろんでございますが、消防のほうから消防庁もそういう予測をやっております。そういういろいろなその関係のほうの資料を総合いたしまして、推定をいたしておるわけでございます。
○塩出啓典君 それで、さっき言われましたたくさんビルが建ってどれかはっきり原因のわからない、そういうのもあるというお話、それはどの程度あるんですか。
○参考人(松浦隼雄君) これも的確な数字は常に動いておりますので申し上げかねますけれども、私どもはそういうものに対しては特別対策という、まあ部内のことばでおそれ入りますが、特別対策ということをやりまして、もっと端的に申しますと、調査は一般的にもちろんNHKがやっておりますが、設計の援助並びに所要機材というようなものについても一部でございますがやって、住民のほうの方々と協力してやるというようなこと、原因者ということでなしに、その受信者の方々とNHKの間で協力して対策をとっているという例も多分にございます。
○塩出啓典君 それで、郵政大臣、やはり今後そういう原因がわからない場合が当然たくさん出てくるわけですね。ビルがたくさんできてくればどのビルが何%とか、そういうことで結局やはり住民の人がテレビを自由に見ることができるように、そういう点についてはこれは何らかの措置をすべきではないか。
 いま言ったように、どんどんビルができて原因がわからないのは全部NHKが負担する、そういうことでは非常に原因者負担というその原則をくずすことになりますですね。これからどんどんビルが建っていくならば、NHKとしてもこれはまた受信料を値上げしなければならないようになっちゃうと思うんですね。ビルを建てる人は当然力もある。その谷間に住んでいる庶民は力は弱い。そういうことで、いままであちこちで起こったそういうビルによる難視というものは、やはり住民がある程度団結して交渉して初めて解決をしているわけですね。それではやっぱりよくないと思うんですね。本来ならば、ちゃんとそういうビルを建てた場合には、何メートル以上のビルを持つ人は当然難視対策の責任を持つべきである、そういうことをはっきりとその責任をやはり法律の上にも明記すべきじゃないかと思うんですけどね。これは新聞で拝見したのでございますが、全国で二十四の自治体ではいろいろそういう点については地方自治体としての対策をすでに立てておる。そういう点から考えて、国としても検討すべきじゃないか、これはどうですか。
○国務大臣(久野忠治君) ただいまの御指摘の点は、まことに私はごもっともだと存じます。直ちに法令の改正に着手するということは私はまだ申し上げかねると存じますが、やはりそうした点等につきましても十分意を用いながら急に私は対策を立て、検討を始めなければならない、かように存ずるような次第でございます。
○塩出啓典君 これはもう昨年もやはり当委員会でも問題になったと思うんですね。たとえば何階以上のそういうビルには難視対策として幾分かの負担をさせるとかですね。そういうようなことは昨年から問題になっていることですから、私はやはり急ぐべきことじゃないかと思うんです。地方自治体でもすでにそういう必要をもってやっているわけですからね。そういう点でもう少し積極的にやるべきじゃないかと思うんです。大体、昨年の当委員会における答弁とあまり前進はしていないように思うんですが、その点はどうですか。
○国務大臣(久野忠治君) 御指摘のとおり、地方自治体の条例等の実態調査につきましてもよく承知いたしておるところでございます。でありますから、郵政省といたしましても法的に何らかの規制をすべきではないかという意見もあるわけでございます。また各方面にもそのような御指摘もあるわけでございますが、これに対してのまた反対の意見もあるわけでございます。まあいろいろ各方面に意見もあるわけでございますから、十分にこれらの御意見を早急に検討をいたしまして、そして処置を急ぎたいと、かように考えておるような次第でございます。
○塩出啓典君 大臣、まず実態調査をやっぱり詳細にぼくはやるべきだと思うんですね。先ほどサンプル調査で全国三十七万世帯という数字がございますが、これはかなりやはり詳細な実態調査をして、それで先手先手の手を打っていかないといけないと思うんです。そういう実態調査というものをNHKなりあるいは郵政省なりにおいてさらにこまかくやる、そういう考えはないのかどうか。
○国務大臣(久野忠治君) 先ほどNHKで数字の御報告等もございましたが、従来、難視聴に対する、受信障害等の実態調査につきましては、NHKが中心になっていろいろおやりをいただいておるわけでございます。しかし難視につきましては、これはNHKだけではなく民放にも難視は起きておる地域もあるんでございます。でございますから、この実態を調査するということは政府の責任においてやはりやるのが妥当ではないかというような意味で、今度四十八年度の新しい予算に調査会設置を要求をいたしたような次第でございまして、この調査会を通じて早急にひとつ実態調査を行なわせ結論を出させたい、かように考えておる次第でございます。
○塩出啓典君 その点もひとつ早急な対策を立てていただくよう要望しておきます。
 それからNHKにお聞きしますが、受信料の免除が四十七年度に比べて四十八年度は非常にふえておる。普通契約で二十二万六千が二十七万八千、カラー契約では三千が一万四千にふえている。急にふえているわけですが、これはどういうわけですかね。
○参考人(吉田行範君) いま御指摘の数の内容は、学校の免除数が大部分でございまして、そのほかに社会福祉施設がございます。
○塩出啓典君 これが四十八年度に急にふえたというのは、たとえばカラーの場合だと一万一千ふえているわけですね、三千が一万四千ですから四倍以上に急にふえているわけですが、これは結局いままで免除をすべきであったのを免除をしてなかったということですか。
  〔理事塚田十一郎君退席、委員長着席〕
○参考人(吉田行範君) お答えいたします。
 学校などで来年度非常に数がふえている中身といたしましては、NHKの学校放送などの利用率がふえたということもございますけれども、従来当然全免の教育施設として届け出をしなければならなかったのをしてなかったというのもございまして、そういうのがだんだんふえてまいっているわけでございます。
○塩出啓典君 だから結局いままで免除すべきであったのが、払っていたのが、四十八年度においては、趣旨を徹底して、免除をすべきところは免除をするように指導をしたと、いままでやってなかったのを四十八年度にやるということなんですね。
○参考人(吉田行範君) 若干補足させていただきます。
 そういうことでなくて、実態は免除であったわけでありますが、全免の届け出を学校が怠っていた、そういうことが非常に多いわけでございます。
○塩出啓典君 結局、前から免除しておったけれども免除の数に入ってなかったと、そういうことですね。
○参考人(吉田行範君) そういうことでございます。
○塩出啓典君 わかりました。
 最後に、沖繩の問題でございますが、沖繩の先島のいわゆるカラー化というのは、いつ実現するんですか。
○参考人(藤島克己君) すでにもう終わっております。
○塩出啓典君 それでいわゆる沖繩の離島ですね、その方面はまだ教育テレビがないわけであります。これはいつやりますか。
○参考人(藤島克己君) 御指摘のとおりでございまして、先島の方面につきましてはただいま航空機を利用しましてVTRを搬送して教育と総合混合の編成をして出しているわけでございますけれども、昭和五十一年ごろになりますと、これもあまりはっきりしたあれじゃございませんけれども、一応公社の海底ケーブルも開設するであろうというような予測もございますので、それが開設いたしませんと、現状ではいまの技術をもっていたしますと中継する手段方法がちょっと考えられない。放送衛星でも上がれば別でございますけれども、現状の技術をもっていたしますと、沖繩から海上三百キロの離島に対しましてテレビを中継する技術的なうまい方法が見つからないということがやらない原因でございまして、そのほか何か理由があっておくらしておるわけではもちろんございません。
○塩出啓典君 いまNHKの一波放送をしているわけですから、それを二つの波にして教育放送というものを早くやるべきだと、これは先般のNHKの沖繩関係のときにも私は申し上げたわけですけれども、やはり辺地における教育ということを考えるならば、カラー化もそれは大事かもしれないけれども、やはり教育放送というものをもっと充実さして、そしてやはり本土との教育のレベルの差というものをなくしていくためには、私は教育放送というものを早く実現すべきだと、これをこの前申し上げたわけですね。今回、NHKは百二十億で基金をつくりまして、全国の四千数百の学校にテレビを寄贈すると、これはテレビを寄贈するということも大事かもしれませんけれども、しかし放送法の趣旨からいえばやっぱりあまねく電波を徹底していくわけですから、むしろ今回のようなそういう特別収入があるならば、やはり沖繩の先島における放送、現在は一波しかないわけでありますが、教育放送というものを早くやるべきではないか、その時期をもう少し早くするように検討すべきじゃないかと、われわれから見れば、NHKは教育放送をふやしても受信料はふえないから、カラーにすればカラー料金でふえるからという非常に営業本位のほうで、カラー化も大事かもしれんけれども、むしろ教育放送をもっと早くつくるべきだ、今回の措置によって臨時収入があったんですから、むしろそういう方面にお金を使って教育放送の実現を早めるべきではないか、この点はどうですか。
○参考人(松浦隼雄君) 沖繩におきましては、テレビジョンはただいま一つの放送局しかございませんので、その全体の時間のうち十二時間を総合テレビ、四時間を教育テレビの番組を編成しております。したがって学校放送についてはほぼカバーしてございます。それからラジオについては第二放送がございますので当然全教育番組を送出してございます。
 独立教育放送局をつくっておらないということにつきましては、先ほど技師長が御説明したように、同時放送ができない、同時伝送ができないという点からサービス低下の点がございますが、たとえば南北大東島、これはまさに将来にわたってもケーブルを敷かれるという予測が全くつかないところでございますけれども、これは四十八年度において放送局を建設いたしまして、当初番組を送る方法が全くございませんので、これは飛行機便も先島ほど的確ではございませんので、時間はさらにずっと短く二時間程度になると思いますけれども、その中でやはり総合並びに教育の混合編成をやる。この問題につきましては、まさに放送衛星の利用ということを予定いたしませんと、全サービスはできないということでございますが、なお先島地区において地上にもう一つ送信所をつくりまして、教育番組をさらにふやすということについても検討してまいりたいというふうに考えております。
○塩出啓典君 それはいまの予定では、ちょっと私資料持っておりませんが、教育テレビを先島を二波にするというのは、私は五十一年の計画になっていると思うんですね。だからそれを五十一年なんて言わないで、五十一年というのはもうだいぶ先ですよ。だから今回のようなそういうNHKとしても財源的に余裕のできたそのときに、そういうのを検討して時期を早める考えはないか。
○参考人(前田義徳君) 財源のいかんを問わず早めるべきだと、御質問をいただいて、考えておりまして、なるべく早い機会に計画を再検討したい、このように思っております。
○青島幸男君 NHKの予算の審議にあたりまして、その前に、まず長年懸案の問題でもございますので、それからこの放送のあり方の基本的な形にも関係ございますから、その辺からお尋ねしたいと思うんです。
 UV転換というお話が四十二年に小林郵政大臣のときに閣議で出まして、それから歴代大臣をずうっと通じて廣瀬さんまで、私はこのあとを追って次々に質問を続けてまいりましたわけですが、その辺の事情は大臣もすでにお聞き取り及びのことと思っておりますけれども、四十七年の三月二十八日に、私、当委員会におきまして廣瀬郵政大臣に質問をいたしました際に、どうも諸般の事情から考えて、小林さんが当時言っておったように十年でUVを完全に転換してしまうということは非常にむずかしい、やることには疑念を持つに至ったという発言をなさっておいでになる。そこで、私は、その疑念を率直にお認めになったことにたいへん敬意を表したわけですけれども、その後、衆議院の委員会で二週間足らずしかたたない四月十三日に、そんなことは考えてないんだというような発言を続けてなさいました。私はこれはある種の食言ではないかとたいへん憤慨しておるわけですけれども、その辺のところも踏まえまして、久野郵政大臣はこのUV全面転換というものをどういうふうにお聞き及びになっているか、あるいはどうとらえているか、それからどう進めようとなさっているかという姿勢から、まずお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(久野忠治君) 郵政省におきましては、Uへの移行の円滑なる実施をはかるためには、さきに放送事業者との間に専門連絡会議を設けまして、UHFへの移行に伴う置局、関連経費等の問題について検討を行なってまいりましたが、具体的移行の計画、経費それから受信者対策等なお十分検討しなければならない点があると考えられますので、これらの点について、今後さらに検討を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○青島幸男君 十分に検討をお進めになるのはけっこうですけれども、当初十年ということで、その十年目が昭和五十三年に当たるわけでございます。もうすでに五年経過しているわけですけれども、一向にらちがあいてないという実情についてはどうお考えになりますか。これはあと五年で検討の結果できるんだという見解をお持ちでしょうか、それとも、これはやっぱりむずかしいという見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(久野忠治君) 検討されてまいりました内容については、政府委員よりお答えをさせます。
○政府委員(齋藤義郎君) 先ほど大臣がお答え申し上げたとおりでございますが、この具体的な移行計画、これは経費の面で相当多額の金がかかるわけでございます。それから技術的な検討もいたさなければならない、それから受信者の対策等も考えなければならない、ういうことで非常に大きな問題があるわけでございまして、まあ専門連絡会議を設けましていろいろな検討をしてまいりましたが、一つ一つ解決しなければならぬ問題がまだ十分検討され尽くされていないということでございます。いずれにいたしましても、この移行の計画は御指摘のように非常に大きな問題でありますので、関係各方面と十分連絡をとりまして、納得を得られる線でひとつ対処してまいりたい、こういうことでございます。
 したがいまして、現段階におきましては、早ければ早いほどよろしいとは思いますけれども、十年間ということに必ずしもとらわれておるわけではございません。
○青島幸男君 るる御説明をいただきまして、そのとおりなんですよ、これ。ですから、私は、当初、これはできっこないことをやろうとしているんだから無理だということを再三申し上げているわけですよ。で廣瀬さんもそれはたいへんむずかしいことだろうということをお認めになったわけですよ。九百億円から一千億円も金がかかって、それで技術的にも困難だ。大臣、先ほどから当委員会におきましても難視の問題がたいへん重大な問題で取り上げられておりますけれども、これはUにいたしますとまたふえるわけですよ、電波の足が短くなりますから。そうなりますとね、ほとんど地殻の変動に近いんではないかと思われるほど、年々ビルが建ったり橋がかかったりするわけですよ。そういうことを見ますと、Vでやっとカバレージを確保しておるという状態でありながら、まだまだ難視の問題が次から次へと出てきて解消できない。これをUにしたらどれだけお金がかかるのかわからないです。当初、私、当委員会にまだ来始めのころでございますけれども、もう底なしの井戸をスコップで砂で埋めるようなもので、これはとほうもない計画だからむずかしいと。五年たったらおそらく、いま郵政当局から御返事がありましたけれども、そういう結果になりますよということを御指摘していたわけですよ。それについて、いまだに一向にらちがあかないという実情ですね。
 先般、NHKにお伺いいたしましたところ、第四次計画というのをNHKでは持っておられまして、五十一年にこれが終了するということになっておる。その中にも、UV転換のことは五十一年ではとてもできないんだというお答えを先般いただいておる。もし、大臣があるいは郵政当局がまだ――この十年に決してこだわるわけてはないけれども、全面移行するんだということにこだわっておられるんでしたら、きっと何か根拠がおありだろうと思うのです。NHKのほうにすばらしい技術的開発でも行なわれまして、これが可能なんだというようなことがあればお伺いしたいと思いますけれど、会長、いま私が申し上げましたことに誤りがございましたら訂正していただきたいし、それから新しい可能性をお持ちだというんでしたら、またこれも御説明いただきたいと思います。
○参考人(前田義徳君) ただいまの先生の御発言については、私は特別の印象を持っておりません。それからまた、この問題について、NHKとして、特別のあるいは技術開発であるとか、あるいは聴視者を対象として特別の考えを持っているということも当面ございません。
○青島幸男君 そうすると、NHKの見解では、技術的あるいは経済的に五十三年ころまでに――私は十年とは必ずしも申しませんけれども、五十三年ごろまでにUV転換をするのが政府の意向だが、そのようにしてほしいという要求があってもできない、事実上できないというふうに理解してよろしゅうございますか。
○参考人(前田義徳君) そのいきさつは先生も御承知だと思いますが、かりに五年前の現状でまあUV転換をするという場合に、われわれが基礎的に計算したいわゆる送信者側の必要な費用というものは九百億円でございます。それは御承知のように過去五年間に消費者物価の値上がりは約三〇%であります。今後五年間にやはり現状から考えますと相当な値上がりがあり得る。それがまた五〇%ぐらいになるか三〇%でとまるか、これは私は予測はできませんけれども、少なくともかつて五年前に考えた九百億は、今後五年後には一千二百億から一千五百億の間になるだろうという予測は立ちます。このような状態で、国の方針がきまらないのに、NHK自体がその方針で経営を進めていくということは不可能でございます。
○青島幸男君 まさにそのとおりだと思います。これはもともとはどういうことかといえば、そのほうが便利だろうというので、小林郵政大臣のときに閣議了承というようなかっこうでスタートしたということに私はそもそも間違いがあると思いますけれども、九百億から一千億というのは三年前の計算、これから五年後になりまして千二百億――あと地が三日五十億て売れたということで実に重大な問題をかもしているわけですよ、それに三倍あるいは五倍する金をかけてVからUに転換をするということ、この辺をとらえてみましても、実にできもしないお約束を皆さん方延々繰り返していらっしゃるに違いないという見解を私は捨て切れないのですがね。大臣、この点について率直にひとつお考えを述べていただくわけにはまいりませんでしょうか。
○国務大臣(久野忠治君) 御趣旨の点は、私は理解のできるところでございます。でございますから、慎重に検討いたしてまいりたいと存じます。
○青島幸男君 けっこうでございます。それは私はここで大臣を責め立てるということよりも、国民の皆さんがその見解について御判断なさると思います。
 それで、このUVの問題は私が一方的に発言するというかっこうになりましたけれども、この現在のNHKのカバレージあるいは民放のカバレージ、それからそれを見ている一般の視聴者の皆さん、それもオールチャンネルを持つとかあるいはコンバーターを持つとかという大きな犠牲を払った上に成り立つわけで、これは個々の国民の意識の問題としては、いままでの経過からとらえて絶対に賛成できるところではないという確信があるから私はいままで申し上げたわけですけれども、今後ひとつこういう問題が――私これで終わりとは申しませんけれども、どっちかにはっきりしたほうがいいんではないかという見解は持っております。それをそういうかっこうで御検討いただきたいということをあらためて要望いたしておきます。
 それからCATVの問題に移りますけれども、国民福祉のために法制化をしようじゃないかということで法制化いたしまして、それが発効したわけでございますけれども、その後どういう形にCATVの問題が進んでいるかということを御説明いただきたいと思います。
○政府委員(齋藤義郎君) さきの国会で法律案を通していただきまして、その後所要の附則を制定いたしまして、ことしの一月一日から実施しておるわけでございますが、三月の二十三日現在における既設の設備の継続設置の申請、いままであるやつで新しい法律をもって許可をさらに受けなきゃならぬその申請が百三十七件参っております。しかしそのほとんどが、また法律にふなれな関係からか、記載事項等に不備な点がありまして、その補正を行なうのに時間がかかっておりまして、これはまだ一件も処理されておりません。しかし補正が行なわれました場合にはできるだけすみやかに処理をいたしたい、こういうぐあいに考えています。
○青島幸男君 実は、このCATV法案ができますときに、私は反対をいたしました。反対討論までもしたのですけれども、その趣旨をまたここであらためて申し上げる必要もございませんけれども、とにかく、ただケーブルを敷いて難視聴を救済するという一つの大目的があるわけで、しかし、そのケーブルが同時に自主放送並びに再送信に使えるという機能の上から、それを一括して法案でまとめて規制しよう、あるいは考えていこうとすることは間違いなんだという趣旨のことを私申し上げまして、実は、一本のケーブルにたくさんの可能性があるからそれをかまわずに使っていこうじゃないかという考えには反対だということを申し上げてきたわけです。ところが、政府のほうはたくさんの可能性を持っているんだからこれを大いに活用したほうがいいじゃないかという御趣旨であの法案を通したわけですけれどもね。
 ここに一つの実例があるのです。愛媛県に別子山という村がある。これは僻地なので難視聴地帯になっているわけですね、その難視聴を解消するためにNHKがケーブルを敷いたのだそうです。それで実際には聴視することは可能なんです。ところがここは僻地なものですから、子供さんたちが小学校に通うのに何里も歩かなければならないというようなことがありまして、しかしせっかく各戸にケーブルが敷いてあるのだから、学校に送信の施設を設ければ、子供たちは自宅にいてテレビの前で学校に行かずに授業が聞ける、だからそういうふうにしてほしいという要望をしたところが、郵政当局は、その当時、有線テレビ法案ができていないから他の目的に利用はできない、これは当然のことだと思うのです、そして断わったというのです。断わっていながら、その法案ができたのにもかかわらず、これに対してナシのつぶてであるということです。これについて報告を受けておりますか、あるいはそういう要望をお聞きになった事実があるかどうかということから、まずお尋ねしたいと思います。
○政府委員(齋藤義郎君) ただいま御指摘の愛媛県の別子山村の問題でございますけれども、これは現段階ではむしろ有線テレビジョン放送法の関係ではございませんで、有線電気通信法第十条ということで、施設の他人使用は原則として禁じられておる、この関係の法律の適用になるわけでございます。
○青島幸男君 そうすると、学校では有線テレビを行なうからという許可申請をいたしまして、許可がおりれば――目的その他を明確にして、法人でも何でもつくって許可を申請して、許可がおりれば、それは使用可能ということになるわけですか。
○政府委員(齋藤義郎君) この場所にはNHKの設置した二つの共同受信施設かあるようでありますけれども、この二つを合わせても二百六世帯にすぎないわけでありまして、したがいまして小規模施設になるわけでございます。有線テレビジョン放送としてはきわめて小規模な施設になるわけでございますが、有線電気通信法の第十条により、施設の他人使用というものは原則として禁じられております。これはいま申し上げたとおりでありますが、この場合におきましても、公益その他特別の事由がある場合であって、郵政大臣の許可を受けたときは他人に貸してもよいという一つの条項がまたつけられておるわけでございます。NHKから別子山村教育委員会での施設使用について許可を申請してきた場合には、はたしてこの例外規定によってこれを許可することが適当かどうかということは、計画の内容等詳細に検討してみないと、できる、できないということは一がいに申し上げるわけにはまいりません、こういうことでございます。
○青島幸男君 そうすると、例外のその細則によりまして、もしそれが大臣に許可を求めてよろしいということになれば、例外としてそれが学校向けの放送を行なうことも可能であるという解釈をしてよろしいわけですね。
○政府委員(齋藤義郎君) そのとおりでございます。
○青島幸男君 各地にこういう問題が起こってくると思うのですよ、大臣。それは北海道の山の中で、それこそ何里も歩かなければ行けない、あるいはクマが出るから学校は休みだというところもありますわね。そうすると、せっかく各家庭に線が引いてあるということで、それは難視聴対策のもとでもあるのだけれども、学校にちょっとした施設さえできれば、学校に行かないで子供たちが勉強できるのだということは望ましいことなんだ、むしろ法規にも大臣が御認可になればそれは可能なんだということがあれば、こういうことはどんどん認可していってもいいのではないかという気もいたします。でも私自身は、この法律ができたいまでも、そのケーブルの可能性をごっちゃに考えるということには不本意ですけれども、この教育の目的というようなことになりますと、大臣が前向きに御検討いただきたいという気持ちを私は持ちます。それについていかがお考えですか。
○国務大臣(久野忠治君) ただいま青鳥委員の具体的な実例を含めた御意見には私も同感でございまして、実際にそのような申請が行なわれた場合には十分検討をいたしたい、かように存ずる次第でございます。
○青島幸男君 それはお願いいたします。
 それから、受信障害の問題を先ほどから当委員会でも論じられておりますけれども、特に基地関係につきまして、責任者負担ということから防衛庁のほうに原因があるんだということで、防衛庁はその予算補助をするようになる、あるいは防衛施設庁がそういうことをすると、この問題はあとで番組介入になるおそれがあるんではなかろうかと、少なくとも国鉄が番組に介入するにしてもディスカバージャパンをやってくれというようなことで済むかもしれませんけれども、防衛庁あるいは防衛施設庁になりますと、国民の世論の上から申しましてもたいへん危惧をする方も多いし、事は重大になるんではなかろうかという気がするんですけれども、防衛施設庁なりあるいは防衛庁の全額損失補償にすべきであるという意見があるということも御承知でしょうし、それについてはどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(齋藤義郎君) 航空機による受信障害の問題でございますけれども、これは基地の関係につきましてはいろんな経緯がありまして、NHKの免除基準で対処してまいったわけでございます。その免除基準の半額免除でございますけれども、その半額の半額、つまり四分の一を防衛施設庁がNHKに金を出すというかっこうでございますけれども、本来の免除基準という考え方から申しますと、いろんな公共的な施設や学校や病院と、こういうようなところに免除するのがたてまえでございます。したがって、いろんな事情がありましたにしましても、むしろこれはNHKが免除基準でもってやるというのはどうかと、むしろいま御指摘のように直接に受信者に対して金をやるということのほうが合理性があるのではなかろうかと、こういう方向でやはり私たちも防衛施設庁といろいろ交渉している段階でございます。ただ民間航空機につきましては、これは各家庭に直接金を支払うというかっこうになっておりますので、同じ飛行機にいたしましても取り扱いが違うわけでございます。いずれにしましても、これを一本化する、同じような措置をとるという方向で検討を進めてまいりたいと、こう考えておるわけでございます。
○青島幸男君 これを申しますのは、実は防衛庁などが警備会社等を隠れみのにいたしまして、覆面で放送に関与しているんではなかろうかという危惧も一般にあるわけですね。そういうところから考えまして、防衛庁に対して一般国民の持つ懸念というものは非常に大きいというところから、たとえ受信障害があろうとも、防衛庁から何らかの形で金を受ける、あるいはそのことによって介入をされるんではなかろうかという危惧に至るのは当然ですし、たいへん敏感になっているところだと思います。ですからこの問題は、これは大臣の管轄の問題として言論弾圧とかそういうことに結びつかないような格段の配慮をしていただかないと国民の皆さん方に不安を与える部分が出てくるんではなかろうかということを、この面を特に明確に、責任負担なら責任負担なんだ、あるいはどういうふうな勘定をもって防衛庁あるいは防衛施設庁は支払いをしておるんだ、金を落としておるんだということを明確にして、国民の皆さん方に不安を与えないように、できれば損金取りというかっこうにするとか、あとで口を差しはさむというような余地が残らないようなかっこうで御検討を願いたいというようが気がしているのですけれども、この点を要望しておきます。いかがでしょうか。
○国務大臣(久野忠治君) 御要望の点まことにごもっともだと私は存じます。さような趣旨でもって指導をしていきたい、かように考えます。
○青島幸男君 続きまして、NHKの予算の問題に触れるわけですけれども、四十八年度の予算書をいただきまして、四十五、六、七、八年と歴史的に見まして、私一覧表をつくってみたのですけれども、職員の給与が一八%、一六%、一二%というふうに四十五、四十六、四十七、四十八という間に上昇が見られるわけです。しかしその給与の上昇率に比して、国内放送費というのがたいへん上昇率が低いというふうに私は感じます。職員の給与をお支払いになるのは一向にかまわないのですけれども、諸事物価値上かり――会長が消費者物価は三〇%の値上がりがあるのだということを先ほどおっしゃいましたが、ですから給与が上がるのは当然だけれども、それに比して国内放送費が上がらないというのはどういうことなんだろうかという疑問を私はたいへん抱くのですけれども、その辺を御説明いただきたいと思う。
○参考人(坂本朝一君) お答えいたします。
 職員の給与の上昇率と国内放送費の上昇率とを算術的に比較いたされますと、そういう御疑念も当然であろうかと思いますけれども、国内放送の持ちます何と申しますか、内容は、やはり職員のかかわりますところと、総体的に考えなければいけないのではないかというふうに思っております。国内放送費そのものは、御指摘のように、まあ上昇率でございますけれども、これについてはやはりかなり何と申しますか、できるだけむだなことを省いて、集中的に重点的に使うという考え方で番組の質の低下を来たさないという努力をいたしておる次第でございます。
○青島幸男君 たいへんにむずかしいお答えをいただいたのですけれども、よくわかりにくいのです。実に番組制作費については四十六年度、四十七年度の間で四・七%しか上がっていない。四十七年、四十八年の間は、番組制作費に限りますと三%しか上がっていないわけですよ。ということは、職員の給与は上がっているということは、物価の値上がりその他を見込んで上げていらっしゃるわけで、それはけっこうなんですけれども、番組をつくる側にいたしましても、たとえばフィルム番組をつくるにしましても、フィルムの値上がりあるいは現像費の値上がりということが当然あるわけで、それか三%、四%、いかにこれを効率的に運用したからといって、こんな上昇率でまかない切れるわけはないと私は思うのですけれども、いまの御説明では私はたいへん不満ですけれども、もうちょっと納得のいく御説明をしていただけませんか。
○参考人(斎藤清君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘の点でございますが、番組関係の具体的な増額の傾向、これにつきまして四十七年度から四十八年度につきまして増加率が三%である、これは御指摘のとおりでございます。ところでこの三%の内容を考えてみますと、まず四十七年度と四十八年度を比較いたしました場合に、四十七年度にはオリンピックの放送という特殊な、非常に大きな経費のかかるものがございました。これが七億円強ございます。これが四十八年度の番組関係の運用上は不要になりました。したがいまして総体の経費増額というものよりも、内容的に考えますと、この七億円が加わりまして総体の増加率は七・五%に該当いたします。三百六十五日間の番組を実際にやっていきます経費という意味合いで考えますと、七・五%に該当いたします。
 なお内容的な部分で、それではどめ部分がどうなっているかというようなこともありますが、たとえばただいま御指摘のございましたような意味で、番組の制作には、番組に出演なさる出演料とかいうようなものもございますが、それ以外に技術関係の経費であるとか、資材関係の経費であるとか、こういうものがたいへん多額を占めております。で、資材関係はどうかと申しますと、実はフィルムとか、あるいはVTRとか、かような分野の資材についてはむしろ値上がりがしていない、あるいはまた、昨年来のドルの問題等のあおりもありましてむしろ下がっておるというような状況がございます。このような環境がありまして、番組の直接的な制作の経費につきましては、この七・五%よりもさらに多くの増額が可能なようになっております。いわば番組を取り巻く付属的な諸経費、そういうようなもので節減をして、全体の構成をつくっておるという状況でございます。
○青島幸男君 よくわかるんです、お話は。しかし四十五年、四十六年度の間におきましても、職員給与の増額率は一八%あるのに、国内放送費は八・一%しか上昇していないわけです。ということは、その制作を取り巻く諸経費を節減なさっていらっしゃるということに、これは論点がいくんではなかろうかと思います。それは出演料、料あるいはその他の方々の給与が非常に悪いんではなかろうかというふうに考えるわけです。
 実際のところ、やっと四十七年になりまして、タレントさんの出演料の最低額も三千円から四千円に引き上げられた。四十五、四十六、四十七と最低出演料、一日三千円しか取れなかった、再三交渉の結果やっと上げてもらえたという実情も伺っております。ラジオの場合は二千五百円が三千円になって五百円上がったと、音楽家の場合は、一人で演奏する場合は別にいたしまして、楽団のメンバーとして加わる場合は一律三千円であるということ、こういうところに経費節減ということがもし行なわれているとしたら、こういう人たちの芸術的な意欲というものをいたくそぐではないかという感じがするわけですけれども、実際にですね、日本演奏家協会というんですか、そこが昨年は一〇〇%のアップ――一〇〇%といったって、三千円ですから六千円になるだけの話ですけれども、それを要求して紅白歌合戦の出演を拒否したという事実だってあるじゃありませんか。今度の代々木のセンターのこけら落としも全員で拒否してしまおうじゃないかというような動きがあるということも、私は聞いております。著作権協会の調べによりますと、最高三万円、幾晩もかかって本を書き上げて三万円、しかもこれは何回もできるもんじゃないですね。こういう方々の支払いを非常に合理化して、職員給与ばかりは一八%上がっておると、この辺に私は、たいへん、国民のためのNHKの内容充実に対するものと、うらはらな数字が出てきているんではなかろうかという実感がするわけですけれども、その辺の疑問につきまして、明確なお答えをいただきたいと思います。
○参考人(坂本朝一君) そういう点につきましては、われわれも鋭意改善に努力をしたいというふうに考えて、現在も、それら先生の御指摘の諸団体と交渉を進めておる次第でございます。
○青島幸男君 いまさらそういうことをおっしゃるんで、私はこの予算はほんとうに承認できない気がしてきますよ。いまどき、職安で調べましても、日雇い労務者を一日三千円以下で雇うことは不可能だそうです。NHKの番組に出まして、演奏いたしまして、みっともなくない演奏を、譜面を初見で見て、音を的確に出せるということになるためには、それなりの職業的な訓練あるいは芸術的な訓練が必要ですね。おそらく十年ぐらいは年期の入った人たちでしょう、楽士さんは。その人たち、うちへ帰って父親であり亭主である人が一日出てきて三千円。それで芸術的な意欲がわくかどうかということを、あらためてお考えいただきたいと思います。
 それで、国民のためになるNHKが国民のために放送しているんだということをおっしゃられるのはたいへん私は迷惑だ。職住が――職住と申しますのは、住むところと働くところはだんだん離れてまいりました、都市の状況から。大体NHKに出かけていって、演奏して、一時間、二時間拘束されたとしてもですね、三十男が一時間、二時間電車にゆられて出かけていって、演奏をして、帰ってきて一日三千円。食事をしてたばこの二箱も吸えばなくなっちゃう金ですよね。そういうまんま放置されておいた最低賃金、しかも一律そうなっているということに、私はたいへんな憤りを感ずるのです。
 それに引きかえて、職員のほうが一八%も上がっているということですよ。NHKの方々は職員とプロデューサーだけで番組ができているとお思いになっていらっしゃるわけですか。諸事物価高だと先ほどから申されておりますでしょう。そればかりじゃないでしょう。やっぱり紙代だって、大道具、小道具その他全部上がっているわけでしょう。それに対して、国内番組制作費が三%増だなんということで、国民のために番組の充実はかるのだなんておっしゃっていられることは、とても国民の納得するところではないと私は思いますけれども、会長どうでしょう、その辺のところを御説明いただけませんでしょうか。
○参考人(前田義徳君) 先ほど坂本総局長並びに斎藤理事からお答えを申し上げてあると存じますが、明年度予算の中では、そういう点についても配慮は加わっているということでございます。で、その点に立って担当理事が諸団体との交渉を始めているわけでございまして、その交渉の結果がどのぐらいの結果になるか、どのぐらいの金額になるかは、私は詳細に知っているわけではございませんが、しかし、御趣旨の点については、私はごもっともな御趣旨だと思いますので、なるべく円満に、われわれの考え方と出演者の方々との考え方が一致点に達し得るように、期待すると同時に、われわれのほうでも、御趣旨を体して交渉の方向について指示したいと、このように考えます。
○青島幸男君 その出演者たちの団体との交渉を、どういうふうに進めていくのかということを、私、伺ったんではなくて、そういう人たちを大事にしてほしいという趣旨のことを申し上げているわけです。ですから労使の間の妥結点を見出すというような考え方でお進めになるのじゃなくて、もう少し、実際に番組をつくるために従事している人たちにあたたかい手を差し伸べるという配慮があってしかるべきであろう。いまの会長のおことばの中からもそれがうかがえまして、私はそれで安心しましたけれども、でも、いままでの増率を歴史的に見まして、これがどういうことになるかということは、私はたいへん疑問に思います。ただ、会長もその方向で検討したいとおっしゃってくださるからそれでいいですけれどもね。
 たとえば、まあ放送には三つのおもだった柱がある。一つは娯楽を与えること、一つは報道すること、一つは教育することだといわれております。これからは教育する時代になるのではなかろうかということも、会長とお話し合いをしたこともございました。で、教育番組というものについても、もうちょっと重点的になさってもいいんではなかろうか、教育を大事にするNHKとしては。少なくとも学校放送の番組などで、十五分で制作費一万五千円なんという番組がありますね。そうすると、その作家に依頼したとしましても、作家の最低料金はラジオ二万二千円でしょう、三十分のスタンダード番組の料金。半額にしたとしても一万一千円ですよ。で、結局一万五千円の制作費の番組はどうすればできるのですか。
 それからもう一つ、これは重大な問題だと思うのですけれどもね。出演者の方々にNHKで交渉なさる場合に、これは教育番組なんだと、教育関係の番組だから銭が出ないんだよということを平気でおっしゃいますね。大河ドラマだの外国からおペラを呼んだりすることには圧倒的に金をかけることを何とも思わなくても、それで実際には、重点的に行なわなければならない制作の一つとしての教育の問題について、これ教育番組だから予算がないんだよというようなことを、平気で言える神経というのは、私はとても納得できないですね。この点についてはどうお考えになりますか。
○参考人(坂本朝一君) 御指摘のように、教育番組の性格上、総合等のドラマなどと比較いたしますれば、かなりシンプルな形態をとるということは、実態としてあろうかと思います。ただ、いま青島先生がおっしゃるように、教育番組だから安いんだというようなことで、もし出演者等に接するようなことがありましたら、それは反省しなければならぬというふうに思いますので、その点につきましては厳に戒めたいというふうに思います。
○青島幸男君 大体、芸術家は金のことをこまかく言うのはおかしいんだという神経が一般にありまして、だからこそ団体行動をもって使用者側と対決をするというようなかっこうは、いままであまりありませんでしたね。ところが、あまりにもそういうことがひどいんじゃないかというので、ふだんあまり金にこだわらないような芸術家の方々までも、団結して事に当たろうとなさっているということ、このことが実は問題だと思うのですよ。で、いま皆さんお聞きになったんでおわかりになろうと思うのですけれども、大の男が一人出かけていって三千円にしかならないというようなことでは、こけら落としに参加しないよというのも当然だと思うでしょう。こういうことを踏まえまして、前向きにひとつ検討していただきたいと思うのですけれども、中央はまだいいんです。中央はまだ仕事の数も多いかもしれませんね。でも地方へ参りますと、もっとひどいことになってやしまいかということは、これは想像にかたくないことでございます。それが日芸労というような形にもなってきたんでしょう。日芸労とNHKとの争いをもとにして小中陽太郎さんが書いた「王国の芸人たち」というタイトルの小説があります。この小説があまりにもNHKの内容を暴露するようなものであるので、NHKがこの出版を妨害したのではなかろうかという疑いを持つ人もおりまして、その方々がNHKに抗議をなさったというふうに私は聞いておりますが、抗議をなさったという事実は御存じですか。
○参考人(坂本朝一君) そういう文書をちょうだいいたしました。
○青島幸男君 私は、よもやNHKがそういうことで言論弾圧をみずから行なうというようなことは、私は絶対ないと信じます。信じますが、陰に事情があるわけですよ。その日芸労側の印刷物なんかも私、拝見しました。特にこれは、決定的にNHKの言論弾圧だという証拠もありません。私も知りません。そういうことを言うわけではないのですけれども、少なくともそういうことが問題になるというのは、そういう下地があったからではなかろうか。そういう人たちに、あまり手厚い態度で臨んでいなかったということが下地にあって、うらみつらみが重なって、ありもしない、あるいは全くNHKの側としては、そういう意図的にやったものでないのに、はたがかってに自粛をしたとかという結果もありまして、そういうことになったのじゃないかと、被害者意識を非常に持ちまして、抗議をなさるということがもしあったとしても、それはふだんからのNHKのあり方に、実は問題があるんではなかろうかというふうに、私は考えるわけですがね。その点どうとらえてらっしゃるのですか。
○参考人(坂本朝一君) いま先生の御指摘のように、確かに日芸労とNHKとの間に紛争はございました。しかし、その後中労委の調停等がございまして、昭和四十四年でございましたか、十二月に円満に和解をいたしまして、そして現在もそういう精神で交渉ごとを行なっておりまして、四十八年度の契約の基本的な問題につきましても、今週の初めに協会側と合意が成立いたしまして、現在、個人の派出出演契約者と具体的な契約の取りきめを進めておるという現状でございます。
○青島幸男君 それはあたたかい目をもって臨んでいただきたいということを、まず要望しておきますけれども、多少私、出版のことも承知しておるつもりです。そのこまかい実例は別に申しませんけれども、その問題になっております本が出版された出版社が、たまたまNHKが出版権を持っている帯作物を出版するという契約を取りかわそうとしておるというような状況のときに、NHKの気に入らないようなものを出すことは大きな契約を失うのではなかろうかと、かってに思っても、それはNHKの責任ではございませんけれども、かってに思ってもしかたがないことですね。それで、あるいは書店に、この本はあまり実は売りたくないのだとかってに言うかもしれません。しかし、そういう事実を、一応は巨大な組織ですから、そういう波及効果があるのではなかろうかという認識をお持ちになって、発言なんかについてもかなり神経をお使いになったほうがいいんではなかろうかという気はします。私はわからないことを申し上げているとは思いませんけれども、会長どうですか。
○参考人(前田義徳君) 私も、本日の朝刊で詳しいことを読みましたし、それからまた二、三の地点で、御質問の趣旨どおりのビラをまく行動をしたということも聞きました。しかし私の印象では、まあNHKはもちろん何もしておりませんし、私もあの本をもらいました、率直に言いまして。ただ従来の傾向を見ますと、NHKは御承知のように、一万六千五百名の職員がおりまして、その家族を加えると出版の対象としてはかなり大きなマーケットでございます。ここ二、三年間、ことに私の不徳のいたすところで、私を中心としてNHKはずいぶん攻撃されて、いろいろな種類の出版物が出ておりますが、私の印象では、そういう意味では、NHKを中心とする大マーケットが、ある意味ではもう興味を持たなくなってきているんじゃないかというような、実は私自身、印象も持っているわけですが、しかし、そういう面とは別に、われわれがさらに自粛していく、あるいは自戒していかなければならないという御示唆に対しては、私はこれを尊重いたしたいと、このように考えます。
○青島幸男君 そうだと思うのです。たとえば、象が全く無心に歩いても、ウサギを踏みつぶすことがあるわけですね。ましてやウサギやネズミが、つまらない比喩ですけれども、道をあけて通すような状態であれば問題はないわけですけれども、きばをむいているというような状態になると、どうしてもそこにトラブルが起こって、差別された、あるいは弾圧を受けたという認識が片一方に起こる。あるいはやった覚えはないといいながら、結果そういうことになってしまう。あるいは世間からそういう評判を立てられるというようなことからすれば、いま会長が率直に、これからは、そういう大きな組織でもあるから、そういうことに一そう自戒の念を持ってまいりたいというおことばをいただいたんで、私も安心いたしました。これから、大きな組織ですから、NHKが何とも思わなくても誤解を招くようなことになってはならない、まして国民のNHKが、言論の弾圧に手をかすというようなことがあってはならない、あるいはそういう疑いを持たれてもならない、そのようにひとつお願いをしたいと思うのです。
 日芸労の問題に端を発しまして、私申しますのは、放送にお金がかかるということは、結局は聴視料値上げに結びつくのだ、ということは国民のサービスにならない、何とか合理化をして、よい放送を安く上げて送りたいと、これは人情だと思います。それはけっこうなんですが、そういうふうな合理化の結果、放送の内容が中央集権的になることがあり得る。ですから、地方で制作する番組なんていうものが、だんだんと少なくなって、比重が中央に集まりますね。そのほうが経費が安いですから、確かに私は、民放はそうなることは当然だと思う。人口は都市に集中しておりますから、都市対象の番組をつくることが効率的です。都市を中心にいたしました文化が全国津々浦々に流れることになる、結果として。ということは、民放の各地方局も自主放送というようなものはあまりつくりたがらない。現状としてつくっておらないですね。中央キー局から来たものをそのまま流しておるという状態です。そうしますと、中央文化を対象としたものだけが地方の津々浦々にまで同じものが流れる。ということは、地方の文化というものを育成していこうというような結果には結びつかないわけですね。
 ところが、NHKの趣旨の中には、ローカルの文化もそれなりに育てていかなければいけないんだという、一つの使命があるわけです。NHKだからこそ利益追求ということでなくて、地方文化を育てるというようなことに役立つために、地方で番組をつくられたり、あるいは地方色豊かなものを発展させていこうという考え方があってしかるべきだと、私は思うんですけれども、その傾向が年々減ってきて、だんだん中央集権化してくる。中央でつくって流せばいいんだと、そういう感じになってくることは、文化の中央集権化につながることで、それはやがて過密過疎にもつながることだ。
 たとえば都市中心型の番組が始終放送されるとしますと、まあ団地に住んでいて、おとうさんがつとめていて、子供さんは学校へ行っている、電化されたお勝手があって、自動車を毎年買いかえる程度の豊かさがある、歩いていけるところにボーリング場があるというかっこうが、標準日本人のしあわせなんだ、しあわせな姿なんだというかっこうで日常送っておりますと、どうしても地方にいる方々は差別を受けた感じがするでしょうね。だからこそ若い者なんかはいなかにいるのはいやだ、東京へ行っちまおうというようなことが、過密過疎の原因になってくるんじゃなかろうか。それは日本国家百年の計にもとるんではなかろうか。NHKは、それにのっとって、それを助長するような放送をすることはいけないんだという認識を持っておりますけれども、これから地方の独特の文化を育てていこうという方向にないと、私は判断しますが、それについては、どうお考えになりますか。
○参考人(前田義徳君) もし先生に、そのような御印象を与えたとすれば、まことに遺憾だと思いますが、実際上は、私どもの方針は、御指摘のとおりでありまして、このためには、私は二つの原則を立てております。
 それは組織制度としてもこの問題を考えなければならない。それから第二は、実際番組の制作、先ほどから御指摘のありました番組制作費をふやしていくということ、そしてそれとの関連でローカル独特の番組をつくってもらうということだと思うのです。この点につきましては、当年度の予算を御審議いただく際にも、また明年度予算の、ただいま御審議中の予算の方針の中にも、この点ははっきりさせているつもりでございます。
 まず組織制度から申しますと、地方に権限を与えるという考え方でございます。これは、実は昭和三十六年から権限の再分配と申しますか、根本的な原則の改定をいたしまして、従来ですと、官庁的に、下にいくに従って権限が委譲されるという形でございますが、私どものほうは十二年前から固有の権限ということを中心にして中央と地方の関係をはっきりさせております。ことに四十七年度中には、御承知のように、いわゆる中央局というものと、その他県庁所在地、いわゆる地方の中心となる局との関係というものを新しい形にいたしております。従来ですと、何となく官庁的に中央局が下の局を監督するというような空気が長い歴史の中で固定化している感じを持ちましたので、そうでなくて、むしろ支援すべき立場にあるというような意味で、御承知のように、中央局という名称はすでに廃止しております。
 それから人事の関係におきましても、聴視者あるいは地域社会と直接の責任を持つ者は地方局長でございますから、地方局長の処遇と、それからこれは一応組織ですから、いろいろな階級もあるわけですが、これを最高に引き上げていく、こういう方向を実施中でございます。したがいまして、地方局長であっても、従来の考え方からいえば、中央局長あるいは本部局長と同じ、いわゆる特別職というものがどんどんふえてきているわけであります。
 このようにして、聴視者という関係から考えますと、東京が聴視者を全部相手にしている、あるいは関係があるというのではなくして、地方の局長が私と同じ立場に立って、その地域社会と密着し、いかなる判断をも即時に下し得る権限を与える、これが個有の権限であるという考え方であります。これは四十八年度の予算を御承認いただきますと、私どもとしては、明年度はいわゆる中央機能を、中心機能を放送センターに集めるという意味で、この点については、特に留意しなければならないという考え方で、さらに東京においてもいま申し上げたような考え方を実行してまいりたい。東京の各部局においても、これを実行するという考え方を持っております。これがただいま先生の御質問の点と関連して、第一に私どもが考えておる番組の問題との関連で、基本的に必要な問題であるというように考えておるわけでございます。
 それから今年度も同じ柱を立てておりますが、いわゆる波の性格による番組の質の向上ということをいっております。先ほど来、教育番組の問題について御質問いただいて、私も傾聴しておりましたが、要するに従来、テレビジョンで申しますと、総合テレビジョンと教育テレビジョンの間に相重複するような性格を持った番組がかなりございました。これは本年度の予算を御承認の際に申し上げたように、そういう重複はすべて一掃するという意味で、かなりの番組が教育テレビジョンから総合テレビジョンに移っております。これによって番組の制作費の使い方も同時にそういう意味での合理化をしておるわけでございまして、教育番組について単価が安いという考え方は私どもは持っておりません。と同様に、明年度におきましても、これは番組のスケジュール等をごらんいただきますとはっきりすると思うのでございますが、すでに今年度からただいま申し上げた原則に従ってテレビジョン等におきましても各地方局の制作を奨励いたしております。これが地域社会でかなりの共感を呼んでいただきまして、その優秀なものを逆に全中に乗せるという方向できております。明年度はさらにこれを推進させるという考え方でございます。たとえば沖繩等におきましても、沖繩の郷土芸能あるいは芸術その他を維持していくために、ないしはこれを発展させるために沖繩の郷土芸能の特別の時間を毎週かなり長時間にわたってとっております。したがいましてその時間はいわゆる東京から出す全国放送のワクから出ていくという処置までとっておりまして、御指摘の点については十分配慮してまいりたい。さらに先生の御印象のような事実がありとすれば、私どもとしてはその点についても特別の配慮と申しますか、施策をしてまいりたいというように考えております。
○青島幸男君 許された時間も来たようですけれども、結論的に、くどいようですが、もう一度要望の点などを申し上げますけれども、まずUV転換の問題ですけれども、きょう御答弁いただいたことは、それで私も了解しました。しかしこれはなお尾を引く問題ですし、これは実に各方面にわたって大きな影響のある問題ですから、この点についてどういうふうにしたらよかろうかと、態度をですね、できるものかできないものか、もう一度よく検討なさるとか、あるいは郵政省としてこのままの態度を持ち続けることがはたして人々を説得することに通じるかどうかということへの反省も含めまして、十分にお考えをいただきたいということを要望しておきたいと思います。
 それから、NHKのほうには、実際に番組をつくることに参加して、出演なさっている方々についての配慮を手厚くしていただきたい。予算上も当然反映してくるでしょう。私もずっと在任中フォローさせていただきたいと思います。見守ってまいりたいと思いますので、皆さん方のいまお約束になったことがどの程度実際に山演者の方々の上に反映するかということを私はたいへん興味深く拝見することにいたしたいと思います。その点は手厚くひとつ御配慮をいただきたいということと、それからもう一つ、最後に会長にお答えいただきました文化の中央集権化というようなことに通じるようにならない、地方文化を育成するという形があって初めて、地方の人はその土地に定着してその土地にいることを誇りに思えるというようにしていくことが実は一番正しいあり方だろうと思います。そういう点でお答えいただきました御趣旨は私もよく理解いたしました。方向もわかりましたので、その点はひとつ大いに力を注いでいただきたいと思います。
 以上、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○委員長(茜ケ久保重光君) ちょっと委員長から発言しますが、いろいろお聞きいたしましていろいろなことを感じましたが、いまの出演者のお礼の件ですか、私は附帯決議と思ったんですが、そうもいきませんので、ひとつその点は青島委員からも重ねて要望がありましたが、巷間いろいろなことが言われておりますけれども、ひとつ経費が非常にかさばるときでございますが、やっぱり放送の内容を充実して、国民にいいNHKといわれていくには、そういった面にもかなりの配慮をいただかなければならぬと思ますので、ひとつ格段の御配慮をお願いしたいと、特に委員長からも申し上げておきます。
○塚田十一郎君 いまの点に関連して。
 そういうものは近年どのくらい上げているのかどうなのか、その辺をちょっと聞かれないですか。たとえば物価、賃金の上がりぐあい、そういうものへの配慮のしかたがどうか。
○委員長(茜ケ久保重光君) ちょっといまの質問、答弁けっこうですから資料を――いままでの出していらっしゃるいわゆる何と申しますか、謝金と申しますか、そういったもの大まかでもいいですから、大体の現行の状態を資料として、ひとつ後刻当委員会に御提出を願います。
○塚田十一郎君 資料には、私がいま尋ねたような変化を――。
○委員長(茜ケ久保重光君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時四十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五十四分開会
○委員長(茜ケ久保重光君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、塩出啓典君が委員を辞任され、その補欠として山田徹一君が選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(茜ケ久保重光君) 休憩前に引き続き、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○森勝治君 質問のしんがりを承りましたものですから、できるだけ要点をよくして冗漫に流れることを防いでいきたいと心して質問したいと思います。
 特に一昨日、きのう、きょうと三日間にわたって当逓信委員会が開かれておるわけであります。NHK関係の皆さん方には、連日御繁多中たいへん御苦労さまでございますが、いましばらくひとつおつき合いをいただきたいと思うのです。
 私は、一昨日の一般質問の際にも指摘いたしましたように、坪当たり一千百万という超高値のこの取引というものは、よしんばそれが違法でないといたしましても、NHKという公共機関のたてまえからするならば、特に言論機関としては信頼を博しているNHKのことでありますから、世間のそれらの期待にこたえる、こういう行動をしていただくことが一番よかろうと思っておったわけでありますが、このあと地の問題については、残念ながら世論はそのさか目に出て、NHKを批判することごうごうたるものがあります。ある人は逐一その内容をつまびらかにした上の批判であり、ある者は伝聞による、ある者は風聞による批判でもありましたけれども、昨日の答弁等によりましても、会長は、NHKを激励する者もおるのだと、こう言っておりますけれども、NHKが俗にいう中正――世論の動向等を見きわめるときには、会長がなんと陳弁これつとめようとも、NHKがえりを正していただかなきゃならぬ問題を国民は率直につぶさに指摘をしておるものと私は考えます。したがって私はそういう点に立って先般数時間あと地問題のみを質問したんでありますが、締めくくりの意味におきまして、いましばらくこの問題について、予算との関連がありますから予算との関連性を持たせながら両々相まった質問を続けたいと思うのです。
 きのうの質問でもわかりましたように、与野党こぞってこの問題についてはNHKに反省を求めることばが非常にきびしいものであります。したがってこのように国民、市民の指弾を買った。NHKは指弾を買ってないと会長はおっしゃっておりますけれども、世間ではそうされてる。だからNHKの一般職員の諸君は非常に肩身の狭い思いをしている。会長ひとりこう然と気を吐いているように見受けるが、会長の陰にかくれた職員は非常に肩身の狭い思いをしているということを私は耳にするわけであります。しかし何といっても信頼されたNHKの、この信頼感というものをやはり早急に取り戻さなければならぬと思うのです。ところが、なるほど会長は各先生方の御質問ごもっともです、しかしと言って後段の点が自説を固持して譲らない数々の答弁の姿でありまして、その中で特に法的に違反がないし、ただ処分の時期が悪かったのだ、売却の値段というものは時価相場である、こう言っておられるわけでありますが、私はこれは一種のこじつけではないかというふうに申し上げておるんです。
 先般も、私が坪一千百万――はがき一枚当たり五万円ということは申しませんが、そうだそうでありますね。この坪一千百万と言ったら、会長は八百八十七万円ですというふうに訂正されましたが、私は一昨日も指摘いたしましたように、最近の土地の商取引というものは、地上物件というものは価格に入れてない取引、いわゆる地価のみの、土地の値段のみの取引というものが近年における土地の不動産取引の常道である、常識であるという指摘をしたところであります。ところで、NHKは売却収入の三百五十四億六千万円、これは放送センターの建設のための債務返済に百八十億円、そして放送文化基金に百二十億円、残余の五十四億六千万円は事業の安定化資金に充てる。さらに今後三年間は受信料を据え置くとして、これが国民に対する最も有効適切な還元施策であるというふうにしておる模様であります。したがって以下つぶさに私は売却収入の還元方策についてただしておきたいことがあります。
 その第一点は、放送センター建設にかかわる所要経費の総投入額は一体幾らになるのか。この点をお伺いしたい。
○参考人(斎藤清君) お答え申し上げます。
 放送センターの建設につきましては、工事を三期に分けましてやっております。昭和三十八年以来の工事でございまして、第一期、第二期、それから現在完工いたします総合整備というふうに相なるわけでありますが、その金額について申し上げますと、第一期関係が百三十三億三千百万円が投ぜられております。第二期につきましては昭和四十年から四十三年までの工事でございますが、六十八億一千万円でございます。第三期の総合整備につきましては百十五億円でございまして、全部を合わせますと三百十六億四千百万円の工事費でございます。
○森勝治君 私がいままでNHKさんの説明を聞いてまいりましたところによれば、放送センター建設のための総投入額は三百八十六億円、そういうふうに従来しばしば説明を受けておるように記憶をするわけでありますが、いまのお話だと三百十六億幾ら、約三百十七億円となると相当の隔たりがありますが、この説明の食い違いはどこから出たのですか、私の聞き違いでしょうか。
○参考人(斎藤清君) お答え申し上げます。
 私の説明が不足で、たいへん失礼を申し上げました。ただいま私が申し上げました三百十六億四千百万円、これは放送センターにかかわります土地の購入費及び建物と建物の付帯設備のみでございまして、ただいま御指摘のございましたものは、おそらく以前申し上げたと思いますが、中へ収容いたします放送設備、この関係が六十九億円かかってございます。この六十九億円という数字をただいま私が申し上げましたものに加えますと三百八十六億円ということになりまして、先生御指摘のような数字に相なります。
○森勝治君 それならば、そういう説明があってしかるべきではないですか。私が聞いたら訂正されたんでしょう、いま前の説明と違うわけですから。あなたが前段にお答えになった点にいまおっしゃった六十九億六千万円ですね、これを足せばやや三百十七億円になる、こういうことですね。それならば、そういうふうに修正をされたお答えをしていただかないと、私はばかの一つ覚えで、あなた方のいままでの説明をいつまでも覚えておりますからね、どうにも数字が合わないんですよ。ですから修正ならば修正、私の記憶違いならば記憶違いというふうにひとつ指摘をしてもらいたいのです。
○参考人(斎藤清君) 私の説明がたいへん間違っておりまして、総体のものを申さずに、土地、建物について申し上げましたので、失礼を申し上げました。
 最初の説明を修正さしていただきまして、総体といたしまして申し上げますと、土地、建物関係につきまして三百十六億四千万円、それから機械関係の一期、二期関係の投入額が六十九億円でございまして、そこまでを合わせたものが三百八十六億円ということに相なります。
○森勝治君 ですから申し上げているんですよ、あなたの言われる第一期の放送設備の三十三億三千万円ですか、それと第二期の三十六億三千万円、これを合わせた数字が三百十六億何がしになると、こういうことでしょう。
○参考人(斎藤清君) 機械を合わせた数字が三百八十六億円でございます。で、土地、建物について申し上げますと、三百十七億円ということに相なります。
○森勝治君 そうすると、あなたの説明はですね、従来われわれに当委員会でしばしば説明されたのを、今度は角度を変えて、放送設備費の第一期、第二期分のこの六十九億円何がしかというものは入れてないんだという説明に変わったということですね。この点を明らかにしてください、記憶が悪いものですから。
○参考人(斎藤清君) 私どもがお手元に差し出しましたものには放送センターの建設費三百十七億円と書いてございます。これは従来投入いたしました機械関係――中へ収容いたします機械関係、これについて計算を除外いたしたものでございます。
○森勝治君 いま、あなたが三百八十六億円という話をされましたが、これは第一期工事から総合整備までに約三百八十六億円投入していると、こういうことがありました。ところが、従来の説明は総合整備所要経費百十五億円は本部あと地の売却収入を充てると述べております。しかも、すでに霞が関分館の売却収入分三十七億円をもう返済に充てておるとするならば、残りは七十八億円ということになります。なのに、今度の新しいこの四十八年度の予算案では、百八十億円を放送センター建設のための債務償還に充当しているというこの提案は、これは一体どういうことなのか。この辺が私ども理解に苦しむのですよ。この点ひとつお答えいただきたい。
○参考人(斎藤清君) 放送センターの建設関係の工事費の内容でございますが、第一期、第二期に要しましたものは、建物と土地の関係で百三十億円と六十八億円で、合わせて百九十八億円ということを先ほど申し上げました。総合整備として、昭和四十五年以来四十七年に至る最後の工事関係が百十五億円でございまするので、合わせて土地、建物の総計が三百十六億円に相なるわけであります。したがいまして、この百十五億円というのは、三期工事の先生御指摘の総合整備部分でございます。当時、総合整備計画を立てました際のわれわれのほうの目標といたしましては、総合整備に要します百十五億円につきまして、その財源を霞が関分館と内幸町の会館、この土地建物の売却によってこれを充当いたしたいという考え方を持っておりまして、さような説明をいたしました。で現実に事態が推移いたしまして、今回売却という事態に立ちまして、その時分で考えてみますと、かなりわれわれが推定いたしました売却代金よりも多くの金額が得られるということに相なったわけでございます。そこでこのような事態を踏まえまして、全体的に考えまして、一期工事以来の放送センターに投入いたしました土地建物代金の総合計のうち、いままでに返還してございます金額が幾らあるかということを整理して考えてみますと、土地建物の関係の総体の所要経費が三百十六億四千万ございますので、このうち霞が関分館を三十七億円で昭和四十五年に売ってございますが、この分と、それから十年来の返還金の状況を整理いたしますと、九十九億五千万の返還済みという事態に相なりますので、合計、放送センターにかかわる返還済み額が百三十六億五千二百万、ほぼ百三十七億が返還済みであるという事態に相なります。そこで、建設費総額の三百十七億円から百三十七億円を差し引きますと、現実に放送センターに関係いたしました工事費の借り入れ額の残というものが出てまいります。その額が百八十億円ということに相なったわけでございます。
○森勝治君 いまのお話にもありましたように、予想外の売却収入があったんだから、債務償還に多くを充てる、まあそういう意味だろうと思いますが、この決定を何も私は否定して言っているわけじゃないんですよ、ただ問題があるんです。
 四十七年度末において約五百二十億という長期負債をかかているでしょう、そうですね。そういう五百二十億という長期負債をかかえておるにもかかわらず、百八十億円は全部放送センター関係の債務償還である、これによってセンター全体の建設費の債務は解消した、だから聴視者には全然迷惑をかけなかったという、このてまえがってな考え方にはどうしても私はついていけないんです。
 NHKはもともと御承知のように低利の金利で資金を調達しているわけですから、繰り上げ償還をするよりも、増収分はむしろ難視聴解消の促進に充てるようにしたほうがよいのではないかと私は思うのです。そして安定化資金をより多く充てて受信料の長期安定化をはかるべきが一番正しい運営のあり方だと私はこう考えて、いまことあげしたような質問をしたわけです。この点についてひとつお答えをいただきたい。
○参考人(前田義徳君) ただいまの先生の御質問は、私は十分理解いたしております。この借り入れ金の中には二種類ございまして、放送債券を発行して資金を集める方法とそれから長期借り入れ金によってまかなう分とがございます。これはいずれも数年来予算総則の原則をお認めいただいて、放送債券もしくは長期借り入れ金というように従来と異なった総則の条項になっているわけですが、これは金利関係の、いわゆる低金利下におけるNHKの確実な経営という点から御理解をいただいてそのようになっているわけであります。
 ただいま御指摘の点につきましては、放送債券について繰り上げ償還はいたしません。これはなぜかと申しますと、最近の放送債券というのは、金融機関あるいは証券会社が引き取る分よりもむしろ個人消化が非常に多くなっているからでございます。その意味では個人の利益を守るという意味で、今回は放送債券の繰り上げ償還は行なわないことにいたしまして、長期借り入れ金のほうを減らしていくという考え方をとったわけでございます。御審議いただいております明年度予算のその借り入れ金の部分では、したがって放送債券は現行どおりで、長期借り入れ金を減らすことによって今後の負債の総額は約三百二十億になっているかと記憶しておりますが、そのうち約百億が放送債券でございます。そういう見地に立って、私どもとしては、ただいま斎藤理事から御説明申し上げた方法を選んだわけでございまして、その点については御指摘のお気持ちも十分私どもとしては考えていたということを申し上げさせていただきたいと思います。
○森勝治君 御提案によれば、放送文化基金を設立して、これに百二十億を出捐する、こうなっていますが、じゃ、この金額というものをNHKの事業に当てはめたらどうなるかと申しますと、受信料の十数%に当たるわけですね。また本部あと地の売却収入の三分の一以上に当たる、約三分の一に充当する。しかもこの基金については、今後われわれ国会の審議権の対象外になってしまうのですから、その是非を判断するすべはこれからわれわれには閉ざされてしまう気がするのです。
 そういう点がありますから、塚田先生や鈴木先生から異口同音に、この文化基金というものの運営その他についてしばしば指摘をされたところであります。ですから、この点は若干重複するきらいがありますが、私どもの質問にとっては大事な点でございますから、あらためて考え方をお聞かせ願いたいのでありますが、この設立の趣旨、事業計画の内容、運営方針等について明確に示していただきたい。
○参考人(前田義徳君) 私どものNHKの考え方といたしましては、この財団法人は、民法第三十四条に基づく財団法人という原則をまず考えております。この原則に従いますと、民法三十九条は非常にはっきりしたやり方を私どもに示しております。
 すなわち簡単に申し上げますと、三十九条によって、三十四条に基づく財団法人の基金を拠出するNHKの活動目標を明らかにすること、したがってこの基金を出す主体がすべての幾つかの条件について、その態度を決定することを要求されております。しかも、この基金は民法総則の基本的解釈によって、これは一つの組織体であり、基金拠出者の意向を土台として運用さるべきものであるということが規定されております。したがいまして、私どもは、まず民法にのっとった基金をつくり上げたい。
 この考え方と現行放送法とのかかわり合いを考えますと、このような基本的見解、態度を事実上具体化するためには、放送法の九条二項の十によって、郵政大臣とのかかわり合いを持ってくるというのが私どもの基本的な考え方でございます。
○森勝治君 ちょっと変な質問になるかと思うんですが、ひがみ根性で質問するんじゃありゃしません。
 衆議院のほうには「「放送文化基金」の事業計画内容」というものを委員会に提出しておきながら、当委員会にはなぜこういう資料をわれわれに配ってくれないのですか。
 ですから、私のように、事業の内容がどうだ、運営方針はどうだという、貴重な時間をさいての質問をせざるを得ないんですがね。どういうわけですか。衆議院と参議院、ひがむわけじゃありませんよ。しかし、やはり当然そういう資料をお持ちなんですから、私のこれは衆議院から手に入れてきたのですけれども、これは郵政省ですか、NHKですか、どちらですか。やはりこういうものはどんどん参議院にも、いさぎよく審議してくれとおっしゃるならば、やはりどんどんわれわれにこういう資料を提示して、内容の解明に当たらしてくれたほうがむしろいいだろうと思うんですが、その点についてひとつ。
○参考人(前田義徳君) まことに失礼いたしました。衆議院においては資料の提出を要求されまして、当然その結果として、当院に対しましても資料を差し出すべきが常識だと思います。その点、千慮の一失ということで御寛容いただきたいと思います。
○委員長(茜ケ久保重光君) ちょっと委員長から申し上げますが、会長ね、それは簡単に言ってもらっては困るのです。事実は事実であるんですから、しかも重大な審議をしておるときに、そういう重要な資料を委員会に出さないというのは、これは千慮の一失じゃありませんよ、重大なミスですよ、放送協会の。こういう事実はやっぱり会長からはっきり釈明してください、謝罪を。
○参考人(前田義徳君) 私の用語がはなはだ注意を欠いておりました。私、NHKとしては、現在部数が適当にあるかどうか、さっそく提出することにいたします。
○委員長(茜ケ久保重光君) ちょっともう一ぺん。私の言っているのは、態度として、やはりそういった失態をあやまってもらいたい、当委員会に対して。そのことを私は言っている。部数の多少じゃありません。やはり会長として大きな不手ぎわです。森委員が衆参のケースをおっしゃったときに、そうじゃなくてこれはやっぱり失態ですから、委員会に対して、その点、釈明を謝罪の意味でやってもらいたい。これは委員長から要求いたします。
○参考人(前田義徳君) この失態については、まことに申しわけございませんでした。
○森勝治君 従来から、NHKは、放送全体の向上発展やあるいはまた国際協力を推進する、そういうたてまえから放送番組センターへの出捐あるいはまた研修生の受け入れ、技術供与などをしばしば行なってきているわけでありますが、これと今回誕生せんとする御提案のある基金財団の事業活動との関係は一体どうなるのか。またこの基金財団の業務執行は一体だれが当たるのか。つまり財団の理事者は設立者であるNHKみずからが当たるのか、他の第三者をもって運営をまかせるのか、この点もひとつお聞かせを願いたい。
○参考人(前田義徳君) 従来、たとえば御指摘になりました番組センターへの拠出、これも一応第九条二項の十号によって郵政大臣の認可を経て行なっております。その意味では認可の手続という点では多少重複することがあるかもしれませんが、今回私どもNHKが考えております財団法人は、九条に列記された事業のほかに、NHKが一般的に放送の番組、技術その他あらゆる面での向上発展に寄与し得る仕事をいたしたい。しかしこれを同時にNHKの内部的な機構を中心として行なうというよりは、これを特別の組織として行なうことが適当であるという考え方のもとに、先ほど申し上げたような基本的の態度の上に立って放送法上の処理をお願いするという考え方をとっているわけでありますが、実質的に民法第三十九条と総則の解釈によれば、これはやはりNHKが中心となって実際上行なわれている財団であるというように解釈しているわけでございます。
○森勝治君 この事業計画の内容を見、あなた方幹部の御説明を承っても、どこに真新しさというのがありますか。従来NHK自体がおやりになっていることと少しも変わらないじゃないですか。何も事新しく基金財団などといういかめしいものをつくらなくたって、従来NHKがやったことで事足れりとするんじゃないですか。資金が足りなければその部門に資金を投入すればいいんじゃないですか。
 私をもって言わしむれば、あと地問題の世間の批判を避けるために、あえて――とうかいなどということばは使いませんよ、くらますためなんということばは使いませんけれども、何かさももっともらしく百二十億をことあげして、これを社会還元するんだ、還元するんだと言うけれども、この事業内容を見たって従来やっていることで、僻地にテレビを贈ること、先日は電波局長がそんなことやってませんなんて言うが、数十年前からやっているでしょう、いろいろ。ラジオを贈ったりテレビを贈ったり、僻地学校にやっているでしょう。どこに変わりがあるのですか、一つも変わらないじゃないですか。
 いま会長の説明をお伺いすると、従来かねてからそういう基金財団をつくりたかったけれどもできなかったというふうに、やや受け取れない節もないわけじゃないんですけれどもね。この財団というのは、これは世間では唐突に起こったんだ、余った金の処理に困ってつくったんだ、でっち上げたんだと、こう言う。でっち上げたなんて表現使えば、NHKの諸君は、一生懸命国民のための放送に専心している方々にとっては、でっち上げなんてことばはふんまんかしらぬけれども、視聴者の側から見りゃ、そうだ、こじつけだと、こう素朴に言っているわけですから。この辺は見解の相違だからあきらめて聞いてくださいよ、いいですか。
 しかし、どこに変わりかあるのです、百二十億の基金財団つくって。従来NHKがやったことと少しも変わらないじゃないですか。これなら事新しく基金財団なんかつくって、ぎょうぎょうしくさももっともらしい立ち居ふるまいをしなくてもいいんじゃないですか。
○参考人(前田義徳君) 御指摘の御印象もあるかと思います。
 第(1)の、僻地の小学校、中学校というのは、御指摘のとおり、すでに十年余り前にその措置は大体完了している問題の一つでございます。社会福祉施設については、これは最近の傾向としてはNHKの歳末助け合い運動等の金額もかなりふえてまいりまして、これも中心的対象になるかどうかということは今後御検討をいただかなければならないと思っておりまするが、第(2)、第(3)、第(4)等につきましては、われわれが直接行なうことができない面にもかなりの効果を及ぼすものと考えております。
 で「都市等における混信、電波障害多発の状況にかんがみ、」云々としておりますのは、これは別にCATVに補助をするとかそういう問題ではございませんので、こういった分野における難視の解消に役立つ技術的な開発もしくは発明というようなものを広く求めるという考え方でございます。御承知のように、私どもが五年前から特別の指示を技術研究所にいたしまして、そして開発するのに約四年かかりまして、一例を申し上げれば、SHFの利用ということを昭和四十七年予算から御承認をいただいて一部実施をいたしておりますけれども、かような限度だけではNHKをはじめその他関係放送機関の難視解消には役立たないと、もっと広く知恵をさがさなければならないという意味での項目であります。
 それから第三番目の問題につきましては、あるいはいろいろな国際機構がありまして、郵政省と外務省との要請によって私どもは事実上協力申し上げておりますけれども、たとえばここ三年来問題になっておりますクアラルンプール――マレーシアにユネスコが開発途上国の技術、番組編成、管理等についての中央研修所をつくっており、それに対してマレーシア政府は総額のほとんど半分以上を出しており、ユネスコとしては、日本にも過去三年来協力を求めてきておりますが、これに協力する方法はいまのところ発見されておりません。わずかにNHKとしては大阪万博の結果としてつくられた基金に付して国際協力を要請しておりますけれども、この基金も今日まで最終決断はいたしておりません。私どもは関係各省にもお願いして、このマレーシアの問題に御協力願いたいと思っておりますけれども、いままでのところ、過去三年間非常な努力をいたしましたが、これはでき上がりません。これはほんの一例でございますが、そういう点にも役立たしていただきたいということを考えているわけであります。
 第4項目は、いまのような問題を中心として、技術の全国民的開発、その参加を求めるという意味で私どもが考えている項目でございます。
 全体を通じて、われわれとしては、この基金が事業を行なうという考え方は持っておらず、いろいろな御要望を検討させていただいて、どの程度の基金的援助をするかという限度に事業の能力を限定したいと、このように考えているわけでございます。
○森勝治君 会長が何と言われようとも、この事業計画の内容等を見ますと、従来NHKがやってきた事業内容と寸毫の隔たりもない、変わりばえがしない。ですから何と言おうとも、私はこの点は理解できない、従来の仕事を単にふやしただけですから。さも得々して国民に還元をするなどと大上段に美辞麗句を並べておりますけれども、そういうことはおやめになったほうがNHKらしいのではないかと思うのです。美辞麗句を並べて、あえてもっともらしい理屈をくっつけなさんなと申し上げたいんです、少しも変わらないんですから。いま会長が言われた事業計画の内容のその1、その(2)、その(3)、その(4)を見ましたって、従来やっていることと少しも変わりないんですから。この点はひとつあまりもっともらしいことは、なるべくこの際お互いに忙しいからだですから、避けてもらいたいですね。
 それで失敬でありますが、NHKの副会長以下の理事諸君にお願いがあるのです。なぜ会長にばかり答弁させるのですか。専門の担当の専務理事その他の理事諸君がおられるわけでしょう。あなた方はいつもそうだ。われわれの部会で質問しても会長ばかりに答弁させて、会長のそでの陰に隠れている。これはNHKの一番悪い癖です。なぜ胸を張って――あなた方は会長にはかりとろをかぶせないで、専担部門については堂々と、われわれが間違って意見をはいたら、食ってかかってきたらどうです、反論を展開したらどうです。それではいけませんよ。NHKは前田会長の独占物ではないんですから、みんなあなた方はNHKの協会のここにしるされた重役でずらりとおるんですから、専門部門はおるんですから、会長にばかりおんぶしないで――だから皆さんが育たないで、会長がいなければ右往左往するんですよ、失敬でありますが。その姿が会長がいたけだかになるとか、高姿勢だというわれわれの批判のことばになって因果はめぐる小車でそうなるんですよ。
 ですから、そういう意味でこれからの質問をできるだけ――会長がしゃべるからいいやといっておったんでは、NHKの将来のためによくありません。こんな憎まれ口はききたくないけれども、数日来見ておるといつもそうです。いまだけではありません。数年来みんなそうです。会長はべらべらしゃべっちゃう、皆さんは黙って聞いている、それではいかぬと思うんです。基本的な方針については会長、当然そうでしょう、NHKの面目をかけたような言論戦のときには堂々とおやりなさい。しかし専門的な問題につきましては、やっぱり専門分野の長がおるんですから、それらの方々で説明をされ解明をされるようにお願いをしておきます。
 そこで、郵政大臣にお伺いをするわけですが、私をもって言わしむるならば、この百二十億の財団というものは従来NHKがやってきたものと少しも事業内容――それは規模は資本が多いですから、拡大されることはこれはもう当然でありますけれども、中身は少しも変わらない。それを郵政大臣もさも鬼の首取ったように、何か新聞論調等いろいろ見ると、NHKを説得するとか何とかというので、勇んでうちを出たからにはなんてやってみたって、何も出ないで帰ってきたなんて書かれている始末でしょう。それで今度さもさも得々と、しごく文化基金はもっともだなんて書いてあるけれども、私はげすな人間ですから上品なことばはできません。しかし端的に私は私の考えをいま述べているわけですが、何もこんなこと新たに出さなくたって、従来のNHKのこの部門を拡大させりゃいいんじゃないですか。この点、大臣はどう思われますか。文化基金はあなた方がしごくもっともだとお認めになっているわけですから、企業努力をしなさいという勧告――勧告というか指導というか、そういう意見は意見書にほかの問題では出しておりますが、新しく財団をつくるということは大賛成と書いてあるんですね。だけど、これは別に新しいことじゃないんですよ、いままでやっていたことをやるだけですから。この点どうなんです、大臣。
○国務大臣(久野忠治君) 構想の内容につきましては、ただいま四項目にわたりまして会長からるる御説明があったわけでございます。しかしながら、事業計画なり、財団の構成なり、運営方法は今後設立準備委員会において審議確定をしていただきたいと、私はさように考えておるような次第でございまして、この内容等につきましてもいろいろと検討されるものである、かように考えます。
○森勝治君 大臣、この基金財団ができますとですね、NHKが従来行なってきた部門はこの基金財団に移譲されますね。そうなりますと、この事業が包括するものについては国会では審議の対象外になるわけです。あなたはこれをどうお考えですか。
○国務大臣(久野忠治君) 承認事項とはなりませんけれども、郵政省の、郵政大臣の所管事項として、御審議をいただくことになろうかと存ずる次第でございます。
○森勝治君 あなた方は法人を認めるんですから、監督官庁という権限はあるでしょう。国会はないんですよ、もう関係ないのですから。ここはしばしば皆さんがその点に深い思いをいたした質問をされているんでしょう、ここに問題があるんですよ、国会審議の対象でなくなるんですよ、この部門については。これを認めればNHKはこの事業についてはここで説明する必要もなくなっちゃう、それは別人格が行なうんですから、国会審議の対象とならぬことだというんです。だから、これをどう考えているんですか。あなた方は監督官庁の権限を振り回せばいいんですよ、われわれはこの財団のことはもうできないんですよ、それははるかかなたのできごとですから。間接的な表現を用いて質問する以外にないんですよ、直截的な質疑応答は続けることができないんですよ。皆さんがそれを言っているんです。基金の行くえの問題、使用の問題について皆さんが神経をとがらしているのはこの点にあるんです、大臣。
○国務大臣(久野忠治君) 先ほども私が申し上げましたように、国会の承認事項ではないわけでございます。しかし、財団法人を設立をいたしまする際にはやはり郵政大臣の認可を受けるわけでございまして、しかも郵政大臣の主管に属しまする公益法人でございますから、やはり郵政省の所管をいたしておりまする事業の一環として、皆さんに御審議をいただくことになろうかと私は思います。
○森勝治君 大臣、われわれに御審議といったって、これは国会の審議権の対象外のものになってしまうんですよ、いいですか。いまは審議権の対象の範囲ですが、この法人ができれば審議権の対象外ですよ。審議してもらうといったってできゃせぬじゃないですか。
○国務大臣(久野忠治君) 御指摘の点はよく理解できるところでございます。しかし何度も繰り返し申し上げて、くどいようでまことに申しわけございませんが、やはり郵政省の所管事項の一つとして、皆さんに御審議をいただくということになろうかと思う次第でございます。
○松岡克由君 佳境に入っているところで申し出てすみませんが、ちょっと一言だけ質問したいのです。
 もう土地は売っちまったんで、いまさら言ってもどうしようもないのですけれどもね、私はそのときに売るときの状態をこう黙って拝聴していましたら、まあ百五十億と、つまり金もうけではないのだと、NHKは。だから別に高く売る必要はないということを会長は言明してました。事実おっしゃいました。しかし、あまり高く売れることについては私も苦悩したと、はたしてこれでいいのかということを暗に言っていますわね。私はね、これしか手がないからこうやったんだというこの方法が、はたしてこれしか手がなかったのか。国民が納得する値段で売る方法があったと私は思います。安いところに売れと言っているのじゃないですよ。そういう方法を考えなかったのかどうか、これだけ頭脳が集まって。マージャンにおける満貫という制度がありますわね、一つのヒントですけれども。つまり高く売るしか方法がなかったのか。国民が納得し、そうして視聴者も納得し、こんな議論にならないような売る方法を考えなかったのかということを一言聞かしてくれませんか。
○参考人(前田義徳君) いろいろ考えましたが、これよりほかに方法はないとわれわれは判断したわけでございます。
○松岡克由君 もう一言伺いますがね、ところがね、これはとっぴな意見かもしれませんけれども、これは新聞に出ておりましたのですが、ある土地を、まあこれは都有でしたか国有でしたか、これを売るときに、俗な言い方ですけれども、ツエニーワンというぼくちがありましてね、二十一以上出るとだめになるというばくちがあるのです、まあ御存じないかもしれませんけれどもね。これはこの方法をとったんです。つまり百七十億なら百七十億ということをないしょにしておくわけですね。これ以上上がったのはだめだと、これに一番近いところに落とすという方法をとって、たいへんに好評を博して話題になった事実がここ一カ月くらい前にあるわけです。こういうような方法を、かりにですよ、それは法律的なかね合いからどうなっているか知りませんけれども、現に出ている事実を見ると、こういう方法をとってくれたら何のこともなかったんじゃないかと、この程度の頭脳もないのかと、これは歯がゆいのでございますがね。ちょっと一言。
○参考人(前田義徳君) NHKの場合は、御承知のとおり、公共企業体その他はこの土地にあまり、形の上では全然御関心がありませんでして、したがいまして最も信用できる十五の私的機関ですね、これに公開的でかつ競争的な入札をさせたわけですから、いまのような処置をとることは逆に今度は多くの問題を生ずることになるという判断をしたわけでございます。
○松岡克由君 けっこうでございます。
    ―――――――――――――
○委員長(茜ケ久保重光君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、上田哲君が委員を辞任され、その補欠として鈴木強君が選任されました。
    ―――――――――――――
○森勝治君 いまの点に関して重ねて質問をいたしますが、郵政大臣は、この意見書におきましても基金のあり方について言及をされているわけです。私はこの基金財団等は従来NHKのやっていた範疇だと、こう申し上げておるのでありますが、
  〔委員長退席、理事古池信三君着席〕
郵政大臣はもっともだということでこの新設をお認めになるという立場からいたしまして、私はそう思うのだが、このNHKの構想をどういう受けとめ方をされているのか。新しい広大な理想に基づくものなのか、NHKの事業でこういう財団ができなければやっていけないのか。従来どおりやってたのに、そこに資金を投入して事足りると私は思うのに、事新たに、あえてぎょうぎょうしくという表現を用います、口が悪いですから。ぎょうぎょうしくこういう法人等をつくらなくても、いままでやってきたことをできるはずです。しかし郵政大臣が基金財団の設置というものをお認めになったんだから、何かそこに意義というものを発見されたと私は思うのです。NHKの構想に共鳴された、こう思うのでありますので、その点についての見解をひとつわずらわしたい。
○国務大臣(久野忠治君) 私はそのようには考えていないのでございまして、この放送文化基金の設定につきましては、私自身この制度はおおむね妥当なものであるという考え方に立ちまして、認めたわけでございます。ただし、この運営にあたりましては十分留意をされたい、こういうふうにこの意見書の中で申し上げておるような次第でございまして、この放送文化基金が設けられたことにつきましては、私自身はこれを認めたような次第でございます。
○森勝治君 そうすると、別に新しさも何もなくて、ただやりたいからやらせようと、こういうことですね。安易に流れたという受け取り方をしてよろしいですね。やはり郵政大臣が所管の長として、この種の新設基金財団等を認可するときには、やっぱり社会的意義というものをそこに発見しなければ、これはそんなものを許すべきではないんです。私はそう思う、素朴な解釈で、理解で。私はそう思っている。ところが、これはNHKは従来やってきたんです、NHKの内部においてやってきたことですよ。いまさら基金財団等を設けなくたってできるはずです。ところが新たに基金財団を設けてやるということは、そこにやっぱり別な角度が、あるいはまた別な視野が展開されなければならぬのですよ。NHKの説明の中でも、あなたの説明の中でも、新機軸、構想というものは御披露になってないんですよ。NHKから出されてきたからただ認めたとおっしゃるだけだ、おおむね妥当と思うと。そういう通り一ぺんのお答えを聞いているんじゃないんです。郵政大臣の監督権限の事項に属することですから、かりそめにも事を安易に扱ってならぬと私は思うのです。NHKで事足りるとするならば、NHKという財団があるのに、また財団の上に財団をつくるということなんだ、私はそんな気がしてならぬのです。
 だから、別人格をもってこの事業の衝に当たらせようとするならば、やっぱりそこに社会的な意義というものが新たに派生をしてこなきゃならぬわけです。それがこの説明のどこにもないと私は申し上げている。だから、従来どおりだから事新たに新しい家をつくってそこへ住まなくたってよかろうという発言になるんですよ。大臣はどこに社会的意義、新しい構想というものをこの財団が持っておると思うんですか。社会的使命、財団の使命はどうです、同じでしょう、従来やったとおりでしょう、どこが違うんです。監督官庁としてどう考えるんです、それは。
○国務大臣(久野忠治君) ただいまの御意見も一つの考え方であろうと思うのであります。この基金の設定については、皆さんからいろいろの御意見を、私は委員会の席でもあるいはそうでない場所でもお伺いをいたしておる次第でございますが、私はこの放送文化基金という制度が設けられたのは、社会的に大きな意義があると存じておる次第でございます。なぜかと申し上げますれば、先般NHKの会長からも御説明がございましたように、この基金がこれのみで終わるわけではない、さらにこの百二十億という基金が将来いろいろの関係者の御協力によって大きな基金になって、そうしてこれが国民の皆さんにお報いすることができるようにしたいと、かような意見の開陳もございましたが、こうした点等につきましても私は同感でございまして、そういう意味から、この基金制度が設けられたのは一つの意義があると、私はかように考えておるような次第でございます。
○森勝治君 大臣、あげ足をとるわけでありませんが、あなたは将来に夢を託されるような話をされましたが、私はこのことについては現実論者です。ですから、いまNHKが当面している問題について申し上げているのでありまして、NHKが百二十億資金を出したから篤志家がもっと集まってくれるだろう――天に向いてあんパンが落っこってくるような話はこの際は避けていただきたいです。
 そこで、私はNHKにお伺いしたいのです。これはむしろ、先ほど私が指摘したとおりでありますから、専門の担当の方にお答えをいただきたい。御提案によりますと、五十五億円を安定化資金に充てることによって受信料は五十年まで据え置くことができる、こういうふうになっておる模様であります。すなわち、四十七年、四十八年度の経常収支の赤字分約二十億円を埋めて、残余の三十五億円で四十九年度、五十年度の収支の均衡を保持できるということになるならば、文化基金の百二十億や債務の繰り上げ償還をしなければ、なお相当の受信料を安定化させることができるのではないか、私はこう思うのですが、この点についてお答えいただきたい。
○参考人(小野吉郎君) ただいま森先生のお話のごとく、そういう仮定のもとに運営をいたしまするならば三年よりもはるかに長い期間にわたりまして受信料の改定をしないで済むという、方向はそのとおりだろうと思います。
○森勝治君 方向はそのとおりだとするならば、今度こういう措置をされたその理由は何ですか。
○参考人(小野吉郎君) 先ほど会長からもお答えを申し上げましたごとく、いろいろなこの使途につきましては意見もございました。森先生のただいま御指摘のような、主として着目点を将来の受信料の値上げをできるだけ長期にわたって回避するという意味合いの使途もございます。これまた非常に有意義な方法であろうと思います。また借金をすべて払える限りにおいて返しておく、こういうことも一つの方法でございます。そういうようなことと同時に、こういった放送文化基金を設定いたしまして、NHKの持っております放送界に対する貢献をいたしていきたい、こういうようなことも一つの大きな意義ある問題ではないか。
 かりに、これを社内に留保いたしましても、それがいろいろな面でむしろ本来の目的に沿わないような方面に流れるようなことがあっては、これはあるいはほんとうに財政の安定になることに役立たないおそれも出てくるわけでございます。それはともかく、そういうようなことは万ないでございましょう。料金をもって運営をいたしますならば、これを保留して将来の安定資金に使えば、できるだけ長く受信者には料金の形における負担の関係においては御迷惑をかけずに済む期間が長くなることは当然でございますけれども、と同時に、その方面はいろいろ収入の確保なり経費の節減なり、そういうことで、いまの激動する社会情勢の中での最大限の努力をいたしまして、できるだけ長く受信料の値上げを回避すると同時に、この基金の設定によりまして、将来有効なる一つの成果もあげていく道があるんじゃないか、こういうことを彼此勘案いたしまして、結局、一部の金によりまして渋谷の放送センターの建設に関係をいたします一期工事から三期工事を含めての残存の借金はみな返しておく、将来の安定資金のためにも――四十八年度分の沖繩関係によるいわゆる収支の不足分を解消することを除いても、四十九年度以降に約三十五億の金を安定資金として留保すると同時に、NHKが放送界に持っております責務を果たす上において――もちろん、これは放送法のNHKの業務の範囲を越えてやるわけにはまいりません。明らかに放送法には、第三十九条で、放送法第九条一項、二項並びに九条の二、これ以外に支出してはならない、とありますように、NHKの業務たり得るもの、現在業務であり、また将来業務たり得るものの範囲外には使用できないわけでございます。
 そういったような意味合いを、いろんな面を勘案いたしまして、これはもちろんNHKが直接担当すればやれないことはございませんけれども、NHKがNHKの顔を出してやるよりもこういった基金によりまして運営したほうがよりベターであろう。NHK固有のNHK内部の仕事は当然にNHKが行なうわけでございますけれども、広く放送界の進歩発展に貢献する活動につきましては、かえってNHKの顔を出さないで、こういった基金の存立によって、これによって運用をはかっていくことがいいんじゃないか。
 もちろん、ただいま考えております事項は過去においてNHKがやったことじゃないか、現在やろうと思えばやり得ることじゃないか、そのとおりでございます。ただ、九条二項は、現実にやり得る範囲を具体的に今日の段階で確定し得る分野の問題と、九条第二項の十号にあります将来の社会の変遷、放送界の発展に伴いまして必要が生じる事項、現在はまだ確定しておりませんけれども、それはやはり進歩、発展の過程において当然に果たしていかなきゃならぬ事項、こういうものもあるわけでございます。そういう将来の展望も交えまして、必要が起きれば郵政大臣に申請をすれば認可をいただけるでありましょう、そういうことを予定いたしまして、その範囲内の仕事をNHKの顔でなく、こういう基金の活用によって果たしていきたい。
 こういうような面で、いまの三段がまえ、一方には一部借金の返還、一部は将来の安定資金の確保並びにそのようなNHKの使命の達成、こういう三本立てで考えたような次第でございます。
○森勝治君 もっともらしい御意見を吐かれましたけれども、それならばそういうことをもっと数年前から勉強されておられればいいんですよ。
 私どもの質問等を通じましても、基金財団等を設けて、いままでおやりになっていたこの構想に示される数項目についての中身については、いまおっしゃるのは、こういう形が一番理想的だということをおっしゃっておられるんです。それならば、かねてからそういう提案、構想というものをお述べになるならば、いよいよやるんだなと理解できますけれども、そういうふうには受け取れないんですよ、私どもには。あなたもそういう説明をされたし、会長も前にそれらしきことを言っておりますが、しかし、それだけではちょっと失敬でありますが白々しい、こじつけた説明ではないかと邪推した受け取り方をせざるを得ないわけです。
 まあそれはさておきまして次の問題に移りますが、NHKは、昨年、第四次の長期構想を発表していますが、それによりますと、四十七年度から五十一年度までの五年間に、事業収入が六千二百五十四億七千万円、事業支出は六千五百六十二億七千万円、差し引き三百八億円の赤字、こういうふうに経営の基本構想の中ではなっています。しかし、私どもが同じように試算をして、この伸び率というものを年間七%ということにしまするならば、五年間の事業収入は六千四百億を出るわけです。それに今回の本部あと地の売却費の三百五十四億余を加えますと六千七百六十億前後に達しますから、五十一年度以降も現行の受信料で十分やっていけるものだと思われるのです。私はそう思うんです。したがって、これからの財政の見通しをどう見ておられるのか、私どもが収入を過分に見過ぎておるのか、その辺のところをひとつお聞かせを願いたい。
○参考人(小野吉郎君) ただいまも御指摘がございましたように、四十七年度を起点といたしまして、将来五カ年の――計画とは申しません、構想として、おおよその、あらましの見通しをつけました。それは御承知のとおり帳じりでは三百八億の赤字、これは構想としても計画化し得ないものでございます。そういう赤字をかかえては実際は事業は維持できないわけでございまして、そういった面は一応の構想でございましたけれども、時々刻々、そのときそのときの情勢によってこれを具体的に計画をし得るような努力をしなければならないと思います。今日の時点で申し上げますと、そういった三百八億の赤字をかかえてこれで完全に業務を果たしていこう、使命を果たしていこう、こういうようなことは非常に無理のあることでございますし、今日の時点におきまして、将来の構想を新たに考え直さなければなりません。
 それなら、何を目標に、将来三年間受信料に手をつけないで現行料金でやっていき、負担の過重を来たさないように努力するか、そういうような問題になろうかと思いますけれども、この関係は私どもの経営決意を表明いたしましたと同時に、ただ問題は決意だけではおさまりません。一定のやはり計数上の見通しもなければなりません。そういう点から見ますと、特別収入いわゆる会館の処分の問題は別といたしまして、いろいろ四十七年度以降の将来を推測いたしますと、四十七年度から四十八年度――御審議をいただいております四十八年度のそれにつきましては、受信料収入の伸びは七十五億でございます。もちろん沖繩の承継時における債務またその後に発生いたします帳じりの赤、こういったものを包括いたしまして、四十八年度にはこういった特別の収入の中から約二十億近いものを使って赤字を消す努力をいたしておりますけれども、そういった面を勘案いたしましても、それでは四十九年度以降はどうなるかと申しますと、現在のところでは、収入の確保も十分にはかっていき、また将来への三十四億何がしの安定資金もあんばいをいたしまして考えてみますと、四十九年度は、四十八年度に対しまして、約八十八億から九十億くらいの財源増が見込まれます。五十年度におきましても、四十九年度に対しまして、おおよそその見当に近い財源の増が見込まれるわけでございます。こういったやはり財源の状況の推移を見まして、もちろん財源のないところに計画はないわけでございますから、そういう範囲内に計画がおさまるかどうか、こういう面をマクロ的に見通してみました。そういたしますと、在来大体七、八十億の財源増によって事業を運営してまいっておりますけれども、八十八億から九十億、四十九年度、五十年度に安定資金をもあんばいをいたしまして可能である、こういう限界で申し上げますと、大体いけるのではないか。
 しかも、それには、そういう推移で支出の年々の推移を見ますと、パーセンテージとしては、いまの社会環境からいえば、企業の伸び率としてはそう高いものではございません、大体七%くらいの成長でございましょう。で、こういうことではたしておさまるかどうか、こういう面を考えてみますと、自然に努力をしないではなかなか推移できない問題でございますので、建設計画の見通しによりまして、おおよそ地方の会館につきましても五カ年計画の中にはまだ残ったものもございます。そういったような面につきましてはあるいは繰り延べをするとかいったようなことを考え、その他いろいろ設備、機器等の関係につきましても、その使用の隘路を十分に考えまして、寿命の延長をはかっていく、こういうことをいたしますと、大体将来向けに百二十三億くらいの建設費の圧縮ができる。そうなってみますと、これに関係いたしますあるいは減価償却の経費が要らなくなる、あるいは借金でそれをやった場合の支払い利息が不要になる。またそういうものを建てれば事実運用の経費が要るわけでございますけれども、そういう繰り延べによってそういうものが要らないというものがおよそ四十二億ぐらいは見込まれます。
 また、今回百八十億の債務を償還いたしますことによりまして、在来のそれよりも将来三年間で見ますと、七億円ぐらいの経費の節減をはかれそうでございます。その他あるいはいろんな経費の節減可能な限度、最大限の節減なりいろんな面を考慮し、また特に従来田村町と渋谷と本体が二つに分かれておりましたけれども、これが代々木に集中一元化されることによりまして、その間の経費が要らなくなります。そういうものを合わせまして四十二億ぐらいは節減可能である。合わせて合計いたしますと九十一億ぐらい、在来の構想のそれよりも経費を節減することが可能だと、そういうことを支出の中にあんばいをいたし、より一そうの合理化をはかることによりまして将来三年は現行料金で推移できると、こういうように判断をいたしております。
 五十一年度はどうなるかと、こういう問題もあろうかと思いますけれども、これはまだ先のことでございますし、現在、上げるとも上げないとも、こういうことは申しかねる段階でございますが、NHKの経営姿勢としては、大臣も御指摘になっておりますような、収入の確保により一そうつとめると同時に、経費の節減を一段と考慮いたしまして、できるだけ料金値上げの事態を回避してまいりたい、こういうような気持ちでおるわけでございます。
○森勝治君 向こう三年はだいじょうぶだと、こうおっしゃる、三年後は言明の限りでないと、こうお答えであります。だから私に言わしむるならば、三年後は値上げ論が必至になってくるのではないかと邪推せざるを得ないのであります。
 ところで、郵政大臣にお伺いするわけでありますが、郵政大臣は、この意見書の中の三項に、安定化資金を有効に活用するとともに、経営努力を重ねることによって、極力長期にわたって受信者の負担増を来たさないように、受信料の安定化をはかるべきである、こういう意味の要望、意見を付されておりますが、それでは一体、いまのお話にもありましたが、五十一年度以降の受信料というものはどういうことになるのか、展望をお聞かせ願いたい。
○国務大臣(久野忠治君) 私は、ただいま小野副会長並びに前田会長からも御説明がございましたように、事業安定化資金等の運用等によって向こう三年間は受信料の値上げをしないという報告を受けたわけでございます。その報告につきまして検討をいたしました結果、私といたしましては、さらに経営努力を重ねることと、もう一つは経費の節減、それから収入の確保、これに努力をして、そうして極力長期にわたって受信料の値上げをしないようにつとめるべきである、かように考えまして、そのような意見を付したような次第でございます。
○森勝治君 五十一年度以降の問題については触れておりませんでした。
 ですから、別な角度でお伺いいたしますが、私がことあげして読み上げた中にも「極力長期」ということばがあります。あなたのいま御答弁の中にも、はしなくも「極力長期」ということばが出ましたが、この「長期」というのを年数に、数であらわしたら一体何年がふさわしい表現になりますか。長期なんて抽象的ですよ。ですから何年ということ、めどがありますね、そのものずばりでひとつお聞かせ願いたい。
○国務大臣(久野忠治君) それは何年を長期というのか、この年限をお示しすることはいかがなものかと私は存ずるような次第でございまして、ここに書いてありまするとおり、「極力長期にわたって」ということでございまして、御理解のほどをいただきたいと存じます。
○森勝治君 大臣、この文字にこだわるわけではありませんが、「長期」という表現の上に「極力」ということばがあるんです。少なくとも「長期」ということばがこの種の場合に使われる場合には、二年や三年ではなかろうというのはごく社会常識だと思うのです。その上にまた「極力」とつくならば、これはもう向こう十年間ぐらいはたな上げにすべきだというのが「極力長期」ということばに置きかえて妥当だろうと、私は素朴に理解をするのです。これは後々国民の負担増にかかることですからね、極力、私は大臣から具体的にこの辺の見通しを引き出したいのです。したがって二年や三年では言わない、「長期」ということばはね。銀行だって長期信用貸し付けなんていうことになると十五年、二十五年、住宅ローンでも二十五年ありますからね。少なくとも十年から二十年くらいですね。二年、三年は短期になりますね。もちろん短期という範疇の中には、一日、二日、一ヵ月というのもあるんでしょうが、少なくともこの時点におけるこの「長期」というのは、二年や三年ということではないと私は思うのです。
 そこで、事務当局がこの表現を用いたのには、相当部内で御議論があったのだろうか。一体、この「極力長期」というのはどういう議論のもとにこのことばが生まれましたか。
  〔理事古池信三君退席、委員長着席〕
皆さまがこれを議論されたとき、電波監理局の中で、一体どの辺にめどを置くかという議論が当然なされたはずです。したがってどの辺に期間を置くかということで、ここで抽象的には「極力長期」という表現でぼかされておるわけで、ややその点では、年限的にはこの据え置きの点については後退しているわけだが、いずれにいたしましても議論をせずしてこのことばが簡単に安産をするはずはないと思いますので、齋藤局長から、ひとつこの点事務担当としてどういう議論をされたかお伺いをしたい。
○国務大臣(久野忠治君) ただいまの御指摘の点、まことに傾聴すべき御意見だと存じます。私はあえて「極力長期にわたって」という意見を意見書の中に付しましたゆえんのものは、やはりNHKの性格からいきまして、国民の皆さんの聴視料によって運営をされておりまする機関でございまするから、公的な性格を持っております機関であるだけに、やはりこの点を十分注意すべき必要があろう、かような意味で、私は、経費の節減その他収入の確保に努力さえすれば、必ずや「極力長期にわたって受信者の負担増をきたさないように」することはでき得るということを考えまして、このような意見を付したような次第でございます。
 その年限は、一体、五年なのか十年なのか十五年なのか二十年なのか、いろいろ具体的な数字のお示しがございましたが、私はこの数字をここで申し上げることはいかがかと存じますし、私自身もまだ、経費の節約と収入の確保の両面にわたっての努力の結果によって生まれてくるものでございますだけに、ここで年限を申し上げることは適切ではない、かように存じまして、年限を申し上げないような次第でございますので、どうかこの点を御理解をいただきたいと存ずる次第でございます。
○森勝治君 大臣、私はある程度の期間をあげて言ってるんですよ。「極力長期」というのは二年や三年の短期ではないでしょうと申し上げてるんですよ。いまのあなたの話を聞いてますと、失礼ですが、「極力長期」というこの表現を用いたのは観念の浪費のなせる産物だというお答えにしか受け取れないんですよ。さらにこれを平凡な表現をいたしますと、つじつまを合わせた――くやしかったら反論してください、いいかげんな文章だよ。私はあえて明快にそういうことを言う。「長期」などということばを使えば、当然そこで展望が開かれる。その「長期」とは何ぞや、「極力長期」ということは何ぞや、めどは三年か五年かあるいは十年かと、当然これは論議なされてしかるべきですよ。そういう論議をなされないで、何となくここの答弁さえ済めばという気持ちじゃ困るんですよ。これはNHKだって困るんですよ、物価は上がるんですから。経費節約にも限度がありますよ。白黒からカラーにかわるのも限度がある。有限ですよ、これは。限度があるんですから。物価がどんどん上がれば、やがてはたどるこの道なのですよ。それならば将来に対する展望でない。ここで「極力長期」というのが少なくとも五カ年は据え置けとか、「極力」なら向こう十カ年間ぐらいという見通しもなくして、こういう文章をかりそめにことあげされることは困るですよ、これはね。慎重にかまえられてるのはわかります。慎重にかまえてることはよくわかるけれども、それでは監督官庁としてNHKを指導する指導体制にあいまいさが残るんではないですか、大臣。
○国務大臣(久野忠治君) ただいまの御発言の点はよく理解のできるところでございます。しかしながら、先ほど来るる申し上げましてたいへん恐縮でございますが、私がこの「長期」の上に「極力」とつけましたゆえんものは、やはりこの裏づけになるものとして経費の節減と収入の確保の努力、こういうものが裏づけになるわけでございます。であるだけに、やはりこれに期限をつけるということはいかがなものかと、かように考えまして、この期間をつけなかったということでございますので、この点をひとつ御理解をいただきたいと思う次第でございます。
○森勝治君 御承知のように、受信料そのものの値上げはなされてないのです。しかし四十八年度末からカラー契約は全体の四分の三以上を占めることになってますから、五十年度末には山黒契約は非常に僅少となり、ほとんどがカラー契約となるだろうと思うのです。したがって視聴者にとりましては実質的には百三十五円の値上げということになりますね。従来白黒を持ってる者は、白黒の値下げで十五円下がりますけれども、白黒からカラーになりますと付加料金百五十円上がりますから、差し引き百三十五円の負担増ということです。ですからNHKが受信料の値上げはしないしないと言っているが、NHKの会計に入る金は――国民は負担か増加しているというこの現実の姿をわれわれはよく見きわめなきゃならぬと思うのですよ。白黒の時代はすでに去ったのですから、世をあげてカラー時代に移っているのですからね。その辺のことをよく考えてみなければならぬですよ。値上げしない、しないと言っても、家庭の主婦が払う毎月の額は上がっているのです。いま言ったように、差し引いたら百三十五円、白黒からカラーに移れば値上げされる。そうなればこれは相当な実質上の大幅な値上げということになるわけです。したがって、これは従来は白黒あるいはカラーというので案分比例で予算編成をしてきているわけですから、白黒がなくなってカラーだけになればNHKの台所は当然膨張してくるのはあたりまえです。そういう見地から、実質上の値上げを、実質上の負担を国民はしいられているというこの現実の姿というものをわれわれはもう一度あらためて見直さなければいかぬと思う。
 そういう観点から、受信料の値上げなどということは向こう三年間しませんと、思いがけない金が入ってきたからしませんなどという、火事場で焼けてしまったと思ったら何か出てきたような処理をするようなことで扱ってはならぬと思うのです。まだそういう扱いのことはどなたもされてないけれども、そういう扱いのしかたはされてはならぬと思うのです。しかし、このことについては私は初めから値上げ反対の考え方で終始一貫当委員会に参加をしてまいりましたが、今日以降もそういう考え方であります。しかし現実にいま申し上げたように、白黒からカラーに移るときに百三十五円の値上げということになりますから、したがって、私は、今日以降もNHKの台所は物価増ということもあるかもしれませんが、極力受信料の値上げなどということは避けてもらいたい。その努力を厳重にひとつ果たしてもらいたい。この点について、会長の考え方を聞かせていただきたい。
○参考人(前田義徳君) 結論的に申し上げれば、私としてはそのような気持ちを持っております。
 今回の料金の仕組みというものは、御承知のように、五年前に当委員会において御承認をいただいた仕組みでございます。当時、ラジオ料金、それとテレビ料金という形であったものをラジオ料金を完全にゼロにいたしまして、白黒テレビではございますが、自黒テレビを引き下げまして、新たに、非常に対象の少なかったカラー料金を白黒料金に比べて百五十円付加するという形をとってきたわけで、これが一般的社会的に、過去五年間の消費物価で申しますと、四十七年度末を加えれば約四〇%の増加でございますが、それからまた公共料金におきましても二〇%強の増加でございますけれども、これを過去五年間吸収し得たと思います。
 御指摘のように、現在御審議いただいております四十八年度予算におきましては、このカラー料金と白黒料金とを対象とする契約の比は、先生御自身も御指摘になりましたように、四分の三という方向に向かっているわけでございます。御指摘の非常に粗雑な第四次構想の基本的な数字を取り上げてみても、今日以後五十一年度末までに、おそらくこのカラー料金というものを中心にして考えますと二百二十億余りの聴視料の増が見込めるわけでございます。これと、いわゆる放送センターの完成により、私どもとしては機能集中の形で、しかも皆さんの御支持をいただいて過去数次の長期計画によって――一、二は残っておりますけれども、全国の放送会館も新しくすることができたという段階で、先ほど副会長が申し述べたような方策をとってまいりたいと考えておるわけでありますから、私どもとしては三年後に値上げするのだというたてまえでものごとを考えているわけではないということだけを御理解いただきたいと思います。
○森勝治君 カラーテレビの値上げは、いまお話にもありましたように、たぶん四十三年のころだと思うのです。あのときも私は会長に質問を申し上げたような気がするのですが、当時はまだ白黒のほうが多かったような気がするのでありますが、カラーの契約累増によってこの数字が逆転をする、すなわち視聴者がカラー中心に移行したときにはカラーの値下げをはかるべきではないか、考慮すべきではないかという設問をしたのであります。そのときに、会長は、値下げのことも考慮しなければならぬでしょう、そういうお答えをいただいたように記憶をいたしておるわけでありますが、昨今の話を総合いたしますと、カラーテレビの値下げなどということは、まさにこれは当時はそうだけれども、いまは背景が違うからといってお逃げになっておられるのではないかと思うのです。なるほど物価騰貴というものは日に夜をついで上がっております。しかしそれとまた同じようにNHKの聴視者も、契約者も累増――累増というよりも激増しているわけですから、その辺のことも当然配慮すべきではないかと思うのです。
 ただ、今日的段階で直ちに下げよというのはあるいはNHKに対して酷な発言かもしれませんけれども、当時のお約束等もあるし、いまの情勢から百二十億も他に金をいわば給するかっこうになるわけですから、それほどNHKに金がお余りになるならば、あなたの誓う、会長のおっしゃる国民のものだから国民に帰属させるんだということを端的に表現し、これを実行に移すことが即刻カラーテレビ料金を何がしか負担軽減をはかるのが国民に対する約束ごとを果たしたことになるのではないか、私はこう率直に質問をするわけですが、この点についてお答えをいただきたい。
○参考人(前田義徳君) 御指摘のように、五年前、四十三年に先生からそのような御意見を拝聴いたしております。私はそれをはっきりと記憶いたしております。私どもは、当時、先生の御質問との関連で、これはほかの場でもありましたけれども、カラー契約が総契約の九〇%を上回ることになった場合にはあらためてこの問題を考える時期が来るということを、先生に直接ではなかったかもしれませんが、申し上げたこともございます。したがいましてこの原則は私は今日依然として放棄いたしておりません。
 ただ、御承知のように、先ほどもちょっと数字を申し上げましたが、非常にその中身が変わってきている、経済価値が変わってきているということについては、前回の四十三年の御意見に対して、この価値が違ってきたという点は将来考慮に入れてみなければいけないではないかというような気がいたしております。しかし原則的なたてまえは今日依然としてくずしておりません。
○森勝治君 ところで三月十日の各紙の報道によりますと、二台持っている家庭からそれぞれ受信料を徴収するようにはかりたい、こういうことを記者会見で発表された模様でありますが、実は、率直に感想を述べますが、これを聞いて、当委員会の末席をけがす私は驚いたのです。かりそめにもNHKの予算が国会で審議されているときに、提案をされているときに、われわれに何も言わないでいきなり一方的にそういうことをやる。言論の自由ですから、何を発言されようと、放言されようと、それは個人の基本的人権かもしれません。しかし四十八年度の予算案を国会に出されておるときに、議会の外においてさような発言をされることにはどうも私は理解ができないのであります。あるいはこのことについては、私はこれをとがめだてするつもりで言っているわけではありませんが、この談話を契機といたしまして、私たちのところにはしばしば問い合わせがあるのです。それでなくてもNHKのあと地の問題をめぐって、御承知のように当時は上を下への大騒ぎでございましたから、またこの会長談話に火がついてまいりまして、迷惑はいたしませんけれども、私どもとしてもちょっと戸惑いを感じたのであります。しかしこれは何かやはり会長がおっしゃったのですから、作為的ではないと思うのです。まああなたは当意即妙ということであるいはおっしゃったかもしれませんが、昨今はこの点を何か訂正なさっているやに聞いておるわけですね。そうなると一体どういうことになるのか、会長の真意をいまはかりかねておりますので、この点について率直にひとつ考え方を、どうしてあの時期にああいう、失敬でありますが、物議をかもすような――それは会長としてはNHKを守る立場からの率直な御意見かもしれませんが、私どもNHKの予算を審議する立場にある者にとりましては、これはまさに唐突の発言としか受け取れませんので、その真意をわれわれが誤解しているならば、その誤解を解く意味もあって、ひとつ説明をしていただきたい。
○参考人(前田義徳君) 御指摘の問題は、私どもの記者クラブと月例記者会見をした際に、御質問をいただいた部分でありまして、私の説明は、先ほど先生と質疑応答いたしました四十三年の料金制度改定の際に、われわれの原案としてそのことも検討してみた、しかし今日ではそのような考えは持っていないという説明をしたわけでございます。
○参考人(小野吉郎君) その当時のいきさつにつきましてちょっと御説明を加えたいと思いますが、ただいま会長の発言されたとおりでございますけれども、協会がそのような問題を取り上げたわけではございません。
 衆議院の逓信委員会の予算審議のあとに、大臣は、現在の制度では罰則もないし、受信料の徴収が非常に困難だから、そういう意味の法律改正をしたい、会長はぴしぴしと取り立てる、こういうような一部新聞の記事がございました。それをめぐりまして記者諸君のほうから、あれはどういういきさつなんだ、こういう質問がございまして、まあ私が要らぬことを言わなきゃよかったのでございましょうけれども、あれはそういうようなことは全然ない、大臣もそのような御発言もしておられないし、会長もぴしぴし取り立てるというようなそんな高飛車なことは何ら出ていないのだ。
 どうしてそういう記事になるのか私は理解に苦しむけれども、それはやはり一つの問題点としては、衆議院の逓信委員会におきまして、将来情報化の時代を迎え、しかもそれがますます情報の重要な時代にNHKの果たす役割りは大きいのだ、その大きい使命を果たしていくためには、収入の根源である受信料のそれについては十分な注意と配意を下していかなければならない。そういう面について、あわせて負担の公平を考える意味から、はっきりした表現ではなかったかもわかりませんけれども、やはり二台持っても、三台持っても、一台でも同じ料金ではやはり不公平なんだ、そういった意味の負担の公平もはかりながら、収入の確保をはかるようなことが考えられぬのか、こういう御質疑があって、大臣は、それは非常に重要な問題だから、慎重に各方面の意見も聞いた上で検討をしたい、会長もそのような答弁をいたしております、そういうことであったのだということから、問題はえらくその方面に集中いたしまして、会長がいろいろいまもそういう意見は持っておらないと否定いたしましても、憶測は憶測を呼んで、そういうようなやりとりがあり、それがああいった記事になったわけでございまして、会長が現在そういうようなことを検討するとも、あるいはそういうような意図を持っておるというようなことも発言した形跡は毛頭ない。むしろそれは否定したわけでございますけれども、残念ながらあのような記事になりましたことはまことに遺憾に思います。
○森勝治君 ややわかりました。ただ、私は、やはり多くの皆さん、記者の諸君がそういう受け取り方をされたということは事実だろうと思うのです。言い回しが多少曲折があり、紆余がつきまとったかもしれませんが、そういう印象の発言をされた、全く架空なことはなかろうと思うのです。そういうことが世に出て会長の真意と違うことがもしあるとするならば、副会長以下きら星のごとく幹部が並んでおるのですから、誤解は解く努力をしなきゃならないですよ。会長が悪口を言われたからといって、そのまま見ておったんでしょう。そういうところに、ただでさえこのNHKのあと地をめぐって御承知のように上を下への大騒ぎをしていたんでしょう。そういうときの渦中における発言ですから、一波が万波を呼ぶということはもうそれは当然そうなるわけですから、補佐役の皆さんがそういうところの努力をして、誤解は解いてもらうような努力をしなければやっぱりいかぬと思うんです。私はそういうところがNHKがおさまり返っていると言われるゆえんだろうと思うんです。なるほど国会が審議をしているのですから、民放とは置かれている位置が違んでしょう、違うといってもNHKが独善をふるまうことを許しているわけじゃないのですから、そういうところは皆さんが誤解を解くように努力をしなければ、次から次へと混乱の糸がほぐれるどころではなくて、また混乱が増すことですから、このことはできるだけひとつ御努力を.願いたい。
 そこで、次に移りますが、御承知のように、受信料というものはNHKの唯一の経営財源であるわけですから、NHK自体この受信契約の維持、開拓あるいはまた受信料の収納等については格段の御努力をされているものと思うのです。第一線の諸君は日に夜をついで御努力になっていることを私どもはこの目で見ておりますけれども、しかし、さてそれではせっかく御努力をされているが、数字の上ではどうなっているかとなりますと、約一〇%も未契約と申しましょうか、まだ契約のされない、いわゆるNHKの台帳に載らないものがあるということがいわれておりますね。特に事業所等の、俗にいう非世帯の点についてはNHKは甘いと、こういうようなこともいわれているわけです。一昨日も若干このことについて触れましたが、意識的に未払いの片々の数字も副会長はてんでお話にならぬという意味のこと、ごくわずかだ、微少だという表現を用いられましたけれども、たとえいまは微少であっても、だんだんNHKのとりでがくずされていくおそれがあるわけです。今日のように都市の住宅増に相まって、転々という表現はどうかと思うのですが、住居を変える皆さんが多い。ですから、この把握ということは非常にたいへんな努力だろうけれども、この点をより一そう御努力をしていただかなきゃならぬわけです。
 そこで、いまの実際の受信契約の実態ですね、未契約はどのくらいあるか、この点をひとつ聞かせていただきたいんです。
○参考人(吉田行範君) お答えいたします。
 まず最初に、ただいま森先生の御質問の中で、受信契約の算出はどうやっているかということについてお答えいたします。
 私どもといたしましては、全国に営業の、何と申しますか、地域管理が全部配備されていまして、それらはきわめて経験豊かなベテランでありますけれども、そういう人たちの経験に基づいて、来年はどのくらいとれるかという見込み数を報告してもらいます。ただ、そういう現場の経験だけでなしに、あわせて現時点において過去からの増加の傾向を推計いたします。それから第三には、そういうことだけでなしに、外部の諸統計の資料によって、と申しますのは、厚生省の人口問題研究所の推計による世帯増でありますとか、あるいは経企庁の消費者動向調査でありますとか、あるいはNHKの世論調査所のテレビ所有世帯の調査など、あるいは電子機械工業会の出荷台数、そういう三つのものを勘案いたしまして、基礎的には考えるわけでございます。
 それを若干具体的に申し上げますと、四十八年度の増加目標、これは沖繩を当然含むわけでありますけれども、四十八年度末の全国世帯数は約三千百万、本土が三千八十万で沖繩が二十五万二千、これは厚生省の人口問題研究所の推計によるものと、それから琉球政府時代の長期経済開発計画、これらを合せまして推計したものでございます。で、この三千百万の世帯の中から生活保護世帯、そういう方々、いわゆる受信料の全額免除になる世帯百十三万を除いた世帯が有料契約の母体、そういうふうに考えるわけでございます。しかしながらこの有料契約の母体の中で、普通世帯つまり二人以上の普通世帯あるいは単身世帯それぞれに分けまして、NHKの放送世論調査所あるいは先ほど申しましたような経済企画庁などの調査によるテレビ所有率を乗じまして、所有世帯を二千七百十四万というふうに推計いたしたわけでございます。
 そこで初めに申しましたか、三千百万と二千七百万ということが数として出てまいるわけでありますけれども、先ほど申しました三つあるいは四つの条項を加味しながら、四十八年度については二百八十九万、これは本土におきましては二百八十五万、沖繩は四万でございますが、これを新規契約の増加として考えたわけでございまして、しかしながらまた一方、先ほど先生も御指摘がございましたように、現在の社会実態の中で二千四百万余りの既契約者の中から、転居先不明その他によって、一時的に契約を解除するという方々が大体二百二十五万と推定されるわけでございます。それを差し引きますと、四十八年度の総数の増加は、沖繩を含めて六十三万六千、そういうふうに考えるわけでございます。で、これは結果的には、テレビ所有世帯に対します契約率が九〇%ということに相なるわけであります。
 ただ、私どもの営業努力の実態といたしまして申し添えておきたいことは、この契約取り次ぎ業務というのは、ただいま申しましたような新規契約が二百八十万とるということのほかに、先ほども御指摘がございましたような普通契約からカラー契約への変更二百七十万というものを含むわけでありまして、したがって契約の取り次ぎ総量といたしましては五百九十九万という数が考えられるわけでございまして、これは過去の実績と対比いたしましても、私どもの営業努力の限度一ぱいのものだと、そういうふうに判断いたしております。
○森勝治君 いまの説明でもわかりますように、皆さんがたいへん把握に苦労なさっていること、これはまあ理解ができるわけでありますが、非世帯の契約可能対象の点については相当甘いのではないか、こういう印象をぬぐい切れません。ですから御努力されているということはわかりますけれども、いまことあげいたしました非世帯の契約可能対象のものについて、どういう方法でこれを掌握し、捕捉をしていくのか、その点についてお伺いしたい。
○参考人(吉田行範君) お答えいたします。
 ただいま御質問の非世帯契約につきましては、昨年度の国会においても森先生からいろいろ御質問を受けておりますし、私どももこれについてはきわめて実行上はむずかしい問題が幾つかあるわけでありますけれども、それを克服して、できるだけ御要望の線に沿い、われわれの営業努力といたしましても、営業活動の強化という面でこれを実態的にできるだけ把握したいという努力は継続してやっているわけでございます。
 で、ただいま御質問の、どういう方法で掌握しているかという御質問でございますので、ややこまかくて恐縮でありますけれども、具体的に申し上げたいと思います。
 御承知のとおり、事業所など非世帯というものは、船舶とかホテルとかあるいは会社、官庁というような非常に種々雑多なものが含まれておりますので、これらに対する営業活動というものもその対象別に考えざるを得ないわけでありまして、すべて画一的にやるというわけにはまいらないわけでございますが、具体的に若干例をあげて申し上げますと、われわれの営業現場といたしましては、むろん私どももいろいろハッパをかけ、陣頭指揮もしているわけでございますけれども、たとえばホテルや旅館につきましては、営業技術関係の職員が、旅館組合、そういうところとタイアップいたしまして受像機のいろんなめんどうを見たり、そういうことによって実態の把握に近づきたいという努力をしているわけでございます。それからまた官公署あるいは大きなホテルにつきましては、これは責任者にお会いすることがきわめてむずかしいわけでありますけれども、回数を重ねて、そこの支配人なりあるいはそういう契約の責任者、総務部長とか、そういう方でありますけれども、そういう方にお会いして、お会いする機会をできるだけ持つようにして、そして申し入れをいたします。それから船などにつきましては、船舶名簿を各局に配付いたしまして、それぞれの船主と交渉もいたします。ただし、船の場合は一定の場所にいるということが非常に少ないので、きわめて流動的であるために、かなり複雑なむずかしい手続が必要でありますけれども、そういうことを実行いたしております。それから会社等につきましては、商工業者名簿あるいは電話帳などからピックアップいたしまして勧奨状を送って返事をもらうようなこともやっております。きわめて、何といいますか、一般的なことを申し上げたわけでございますが、大体、そういうことの積み重ねの上で――実際に事業所にどのくらいテレビがあるかということを把握し得る客観的な材料がないものでありますから、こういうことによって実態に近づきたいという努力を重ねているわけでございます。
○森勝治君 昨年もこのことで、お話のように、質問をいたしました。たとえば非世帯の事業所等、特にホテル等につきましては、同じNHKの中でも北海道は比較的よくいっている模様だそうですね、そうでしょう。その半面、おひざ元の東京は全然だめだと聞いているわけです。もちろん、これは数も多いからでしょうね。何かホテルなんか全体の総数で十九万ということですから、これはたいへんでしょうけれども、地方局については、そういう北海道のようによくいっているところもあるけれども、片やだめだということになると、それは出先にまかせっ切りになっているような気がするんです。何も北海道の視聴者がこぞって申し出たわけでもないでしょう。北海道の諸君に聞くと、やはりそれはそれなりの苦労話を去年私ども現地に行って聞かされました。ですから北海道でおやりになってできることがなぜ他の地区でできないのか。これは一つのことを聞いて他を全部こうだと規定づけたような、あまりせっかちな表現をしてすみませんけれども、これはできるような気がするんでありますが、今後どうされますか。
○参考人(吉田行範君) この非世帯の問題は、先ほど申し上げましたようにきわめてむずかしいケースがありますし、へたなことをやりますとトラブルの原因にもなりますので、営業関係の管理職みずからこれに当たるように指示してございます。
 それから、ただいま森先生から東京のホテルは悪いじゃないかという御指摘がありましたが、悪いところはほかにはございますが、東京はそれほど悪くはございません。
○森勝治君 四十七年度の予算の際、未収受信料は欠損償却率を〇・六から〇・四%アップしたわけですね。これは受信料収納の実績によるものであると、こう補足されておられましたが、ところがさて四十八年度はそれが一・一に上昇し、欠損見越し額も十二億八千万というように大きな額に上がってきているんですね。したがって最近の受信料の収納状況はどうなっているのか。このままでいくと、だんだんとれなくなってしまうのじゃないかという――これは少し私の思い過ごしてあればけっこうなんですけれども、その点説明をいただきたい。
○参考人(斎藤清君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘のとおり、昨年度予算編成にあたりまして、昭和四十六年までの予算の数字を四十七年度からは直すということで、欠損償却率を、予算上の予定といたしまして、本土分につきまして一・〇%、沖繩関係は特殊な事情下での承継を受けますので三二%、全体の経費的な面から申しますと、総収入予定額に対して一・一%という予定を立てましてございます。
 これは、当時も御説明申し上げましたように、過去の実際の収納の実情の経緯というものに基づきまして、補正をいたしました。現在、そのようなものをもとにして実施をしておりますが、なかなか困難な事情もございます。何とかしてこの総合指数一・一%というところでとどめたいという努力を重ねまして、ほぼその前後の数字に今年度の末におきましても至るのではないかというふうに推定いたしておりまして、四十八年度の予算におきましては、四十七年度と同じ比率でございます一・一%で総体を見込んでございます。
 ただ、先生御指摘のとおり、欠損償却の額といたしましては、総体収入の予定額が七十五億円増加いたしますため、同じ比率の分だけが増加いたしまして、十二億八千万円の欠損償却見込み額ということに相なったわけでございます。
○森勝治君 沖繩の問題を若干この際聞いておきたいのです。
 この問題については沖特でも質問をしたところでありますが、御承知のように、沖繩については民放が先行したり、OHKのサービスの現状などから、契約率や収納率が非常にこちらに比べて低率であるわけです。また、このOHKの承継後は、本土並みにサービスを拡充しなければならないということになっておるけれども、受信料は特別料金、こういう事情もありますから、四十七年度の沖繩の経常収支は八億二千万円の赤字、こういうことになっておりましたが、一体どういう結果が出てくるのでしょうか。また、いまも低率と申し上げた受信契約、それから受信契約の開拓、収納関係は今後どのくらい改善されていく見込みなのか、お聞かせを願いたい。
○参考人(斎藤清君) お答え申し上げます。沖繩につきましては、先生御指摘のとおり、民放が先行したというような環境がございまして、その後OHKが発足いたしましてまだ数年というような状態におきましてNHKが承継をいたしたわけでございます。このような条件並びに電波のサービスが総合テレビ一波であったというような条件もございまして、かなり受信料制度の定着という点については十分ではないという状況がありました。並びにまた、新しく承継を受けました段階で一日も早く本土並みの放送サービスを提供しよう、これが昨年度の事業計画の重点になったわけでございまして、これは直ちに実行いたしまして、昨年秋までにラジオの放送二波、それからテレビジョンの教育テレビ並びにカラー化、このようなものを実施いたしまして、できるだけ早い時期に本土の状況に近づけるという措置を講じました。
 しかしながら、全体としての収支の状況という点につきましては、なかなかはかばかしい改善というところまではなおいっておりません。しかしながら、現在のところ、収入並びに支出の見通しを本年度末に向かって推定として出ておりますもので見ますと、収入面では、受信契約者の数におきまして承継時においてやや減っておりまして、契約総数が十四万五千、それからカラー契約については予想よりもはるかにふえまして四千件が二万件というふうに増加いたしました。それらの結果、収入面においては、予定いたしました三億六千万円が三億五千八百万程度でほぼとんとんという見込みでございます。並びに事業支出の面で申しますと、十一億八千万円の支出見込みを立てておったわけでございまして、収支の差が八億二千万、こういうふうになっておりましたが、事業支出の面におきましてはいろいろなくふう、努力をいたしまして、ほぼ八千万円程度の支出の減というものが見込まれます。
 したがいまして沖繩関係の収支としては、予定八億二千万という赤字が七億三千二百万のところまで一応改善できるという見込みが立ってございます。同時にまた、沖繩関係のみでなく、NHKに承継した以上は、NHKの財政全体の問題としてこれを扱っておりますので、本土におきます節減努力というようなものをあわせて行なっておりまして、総体の収支の赤字見込み八億二千万というものに対しましては、最終的には六億円程度というところまで改善できる見込みでございます。
○森勝治君 沖繩は、御承知のように、放送関係等は、沖繩の県民の皆さん方に、従来のこちらと同じような、いわゆる同等な受信をさせることはなかなかいま直ちに完ぺきなものをつくれといってもたいへんでしょうが、こういうときにこそNHKの存在意義がクローズアップされるときはないんでありますから、ひとつ今後とも、より一そうこの点については早くこちらと同じようになることができるよう、御努力を願いたいと思うのです。
 契約・収納等の問題についても、先ほどお伺いをしたところでありますが、皆さんの御努力にもかかわらず、収納率というものが九九%から九八・九%というように漸次低下をしているわけです。つまり受信料の未払い者が漸増ということになりますが、この未払い者の実態というもの、一体、承知で払わない者はどういう方々なのか、把握されておるならばお聞かせ願いたい。
○参考人(吉田行範君) お答えいたします。
 ただいま御質問の受信料の滞納契約者――契約者であってわりあいに受信料の支払いが焦げついているという方々は、一番最近の資料で、四十七年度の上半期、つまり九月末に三十二万九千でございます。
 その内訳は、航空騒音による難視聴三万五千、これが昨年に比べてかなり大幅にふえているわけでございます。その次は、新幹線その他の問題もございますが、受信障害等による難視聴、これが二万三千件でございます。それからいわゆるNHKの性格、そういうことに対する無理解ということが理由になっておりますのが五万六千件でございます。あとの二十万あまりは、これは経済的な理由とか、それから何と申しますか何べん伺っても面接不能である、つまり留守であるということの理由で――こういう方々は二十万余りありますけれども、払う意思があるかないか確かめられない、会えないわけですから。そういう方々を合わせまして三十二万九千件でございます。
○森勝治君 難視聴問題についてお伺いをしたいと思うのです。防衛施設庁の次長さん、申しわけありません、長い間お待たせしました。
 これから防衛施設庁関係の難視聴問題について若干お伺いしますが、その前に、郵政大臣に基本的な考え方をお聞かせ願いたいと思います。
 と申しますのは、難視聴の問題で話し合いのときに出てまいりますのは、いわゆる加害者という表現が正しいかどうかは別だが、難視聴を招来する原因者、いわば原因者負担の原則というものをもう一度この際はっきりしておく必要があると思うのです。どうも予算委員会等の論議の中身を聞きましても、郵政大臣はせっかく力説されて高邁な理想、方法をお述べになっておられますが、他の各省庁のおとり方が必ずしもそうでないような気がするわけですから、この際、当委員会におきまして、テレビ等の難視聴の問題については一体何が原則なのか、難視聴の解消のいわゆる原因者負担ということが政府の考え方で、これからもそのとおりやっていくかどうか、非常に重要なことでございますから、ひとつ心してお答えをいただきたい。
○国務大臣(久野忠治君) 難視聴の解消につきましては、原因者責任主義のたてまえをとっておるわけでございます。これは森委員御指摘のとおりでございます。
 で、この点につきましては、各所管庁にも関係の部分も多々あるわけでございます。こうした点等につきましても、事あるごとに私も力説をいたしまして御協力を呼びかけておるような次第でございます。しかし、この難視聴の中身の中には捕捉しがたい原因によるものもあるわけでございます。でございまするから、こういう事柄等につきましては、新しく、今度皆さんに御承認をいただきますれば、四十八年度の予算で調査会を設けまして、そうしてその原因を究明をしたい、こういう手配をいたしておるような次第でございます。ただいま各省庁についての理解が足りないというような御意見もございましたが、私は事あるごとに皆さんにこのことは力説をいたしまして、御協力を賜わるようにお話をいたしておるような次第でございます。
○森勝治君 大臣、率直にお伺いするんですが、原因者負担というこの原則は、郵政省やNHKだけがひとり思い込んでおることですか。田中内閣としては原因者負担というこの原則というものは背骨としてお持ちですか。
○国務大臣(久野忠治君) これは郵政省が従来とってまいりました指導方針でございます。
○森勝治君 指導方針というのは、郵政省の指導方針は田中内閣並びにその閣僚、またこれに準ずる者、各省の出先等はあなたのいまおっしゃったことをそのとおりと受けとめるわけですね。
○国務大臣(久野忠治君) 先ほども申し上げましたように、事あるごとに、機会あるごとにこの点を私は皆さんに理解が得られるよう力説をいたしておるような次第でございまして、各省庁並びに各関係者においては十分理解をしておいていただけるものと信じておるような次第でございます。
○森勝治君 そうすると、郵政省だけの思い過ごしですね、いまの段階は。これ大事なところですから、この点明快にしていただきたいのですよ。私どもは予算委員会等のあなたの発言を聞きましても、まさに敬服に値するところです。どんぴしゃりでおっしゃっておられるのだから、だからこれが政府の態度だと思ったら、肝心な専門委員会へ来たら今度はぐにゃぐにゃになってしまったんじゃ、背骨どこにありやなしやわからなくなりましたから、だから私はくどいような質問を何回も続けるのです。もう一回明快に原因者負担は郵政省の方針である、したがってこれが田中内閣の方針である、こういうように明快にしてください。
○国務大臣(久野忠治君) 先ほど来るる申し上げましたとおり、これは郵政省としての基本的な方針でございます。郵政省の方針であるということは、要するに田中内閣の方針であるというふうに御理解をいただいてしかるべきものであると存ずるような次第でございます。
○森勝治君 明快に打ち出されました。私もそうだろうと思うのです。
 したがってその線に沿って、次の質問に移りたいのですが、いまのお話にもありましたように、未払い者は難視聴の地域の方々が非常に多くなってきたということが指摘されております。したがって従来は基地周辺だけだったやつが、新幹線の沿線――いわゆる新幹線の騒音による難視聴の障害者が多くなってまいった模様であります。このことについては、私はかねてから、テレビが見えない、あるいは聞こえないというものから受信料を取るのは正しくない、そういう方々には免除を適切に行ないなさい。そしてその原因者すなわち――当時、私は加害者という表現を用いましたが、まあこれは狭義に解釈すれば加害者ということが正しいかどうか別といたしまして、原因者から損失を補償させるべきであるという主張を当委員会でも続けてまいりました。
 そこで防衛施設庁にお伺いをするわけでありますが、四十七年度の予算案の審議の際にもおいでいただきまして、この趣旨を繰り返し、基地周辺の免除による減収額は、予算補助ではなく、全額損失補償というたてまえで補てんすべきだと強く要望をしておきました。その際、これは善処するという御回答をいただいたのでありますが、その後、どういう措置をおとりになったか、お答えをいただきたい。
○政府委員(鶴崎敏君) ただいまの航空機騒音によるテレビの受信障害の問題につきましては、若干これまでの経過を簡単に御説明しますと、三十九年にNHKが自主的な立場で、飛行場の滑走路の両側一キロ、それから滑走路の前後の方向に対しては二キロの範囲内において、半額の免除の措置をとったわけでございます。それから四十五年になりまして、この区域の拡大をしまして、従来一キロ、二キロであったものを一キロ、五キロに拡大をした。その際、この拡大の部分につきましては、半額減額でございますか、その減額分の半分を国から補助する、それから残りの半額はNHK、こういうことに相なったわけでございます。それからさらに四十七年度、今年度は、従来NHKだけで負担しておりました一キロ、二キロの範囲内につきましても、その減免額の半分を国が補助するということに一歩前進をしたわけでございます。
 ところで、先生従来御主張のように、これは米軍機とかあるいは自衛隊機の発する騒音によって障害が起こるのであるから、原因者である国において減免額の全額を負担すべきである、こういう御主張をわれわれかねがね承っておりまして、四十八年度の予算要求におきましては、この減免額の全部を国で補助するということで大蔵省に要求をしまして、これが内示の段階で認められまして、したがいまして現在御審議いただいておる予算案としましては、この減免についてはすべて国が負担をする、こういう形に相なっております。
○森勝治君 大臣、お伺いしたいんです。あなたがお答えになりました原因者負担は郵政省の基本的考え方であり、田中内閣の考え方だと、あなたはそうお答えになっておるけれども、いま防衛施設庁のお答えを聞いてもわかりますように、「補助」という表現を用いておるのです。補助であってはならぬ、補償金ですから、当然それはそういうふうに項目を修正すべきだと思うのでありますけれども、このことについては、大臣、防衛施設庁と郵政省一つも話をしてない、郵政省の主張が全然通ってない。補助金じゃない、原因者負担だから、当然この辺はことあげあってしかるべきと思うのですが、なぜ郵政省は、大臣はそうおっしゃっているが、事務当局はそういうことをおやりにならないんですか。それではこれはまさに羊頭を揚げて狗肉を売るということばを私は用いたくありませんけれども、どうもその辺おかしいんですね。大蔵省から押し切られたんなら押し切られた、これはやむを得ないんですけれども、この辺はやっぱり終始一貫、郵政省の考え方ならば、そういう主張を省議で、あるいはまた他の機会でやっていただかなきゃ困るんであります。この点お答えをいただきたい。
○政府委員(齋藤義郎君) 基地周辺の受信料の免除につきましては、一番最初に国の予算の準備がなかったという事情もございまして、受信料の免除基準というものを適用して半額免除と、こうなったわけでございますけれども、考えてみますると、先生や御指摘のように、これは受信料免除基準で措置するのが適当かどうか非常に疑問があるわけでございまして、引き続いて御趣旨の線に沿うべく防衛施設庁と極力折衝をしたいと思います。
○森勝治君 ぜひやってください。これはもう損失補償というたてまえですから、補助金ではありません。ひとつその点はお願いいたします。そうでないと予算委員会でああいう発言が出てまいります。このことについては、この次の問題でその点について触れてみたいと思うんでありますが、名称はまあともかくといたしまして、この基地周辺の免除額が全額NHKに入ることになったこの努力、皆さんの努力、これはNHKも努力されるし、事務当局の電波監理局も御努力になったし、まあ施設庁もその点については度量を示された点、これは私は新たな事態の推移として評価をしておきたいと思うのです。
 そこで、国際空港のほうは、視聴者には百五十円を減額し、その減収分はNHKが航空公害防止協会から受け取る仕組みであると理解をしていたんでありますが、基地関係の変更に伴ってこちらの扱いのほうが変わったのかどうか、この点をお伺いしたい。
○参考人(吉田行範君) ただいま御質問の点は、基地並みに――基地並みにというのは変な表現でございますが、額において基地並みに変わることに相なりました。で、あわせて申し添えますと、若干件数が、全部で三万四千件の拡大の件数が認められた模様でございます。
○森勝治君 航空機騒音障害等につきましては、基地、民航ともに原因者主義というものが明らかになったわけであります。防衛施設庁は表面上は補助という名をいまの段階ではつけておりますけれども、これは早晩この問題が解決されるわけですから、少なくとも対防衛施設庁と郵政省の関係の中では原因者主義というものが、これはもう一貫したもの、今後もそうあるものと私は考えます。したがってこの方式というものを他の障害にも及ぼすことをするように郵政省では御努力をしてもらうとともに、さしむき航空機騒音の視聴者障害だけでも免除範囲というものを拡大して、未払い者を防止するという方向をとるべきではないかと思うのでありますが、この点どうですか。
○政府委員(齋藤義郎君) 民間の国際空港周辺の受信障害に対する措置でございますけれども、その基準は大体基地周辺というものと以たような基準に立っておるのでございまして、それからこれは四十八年度からは受信料の半額を交付すると、したがって取り扱いが基地と同じになると、こうお考え願ってけっこうだと思うのです。
○森勝治君 NHKもちょっと返事をしてください。
○参考人(吉田行範君) 先ほど申し上げたとおりでございます。基地並みに金額は改定されました。
○森勝治君 免除範囲を拡大して、未払い者を防止するという方向をとるべきでないかという主張をしているのですよ、設問が違うのです。
○参考人(吉田行範君) おっしゃるとおりだと思います。
○森勝治君 これは予算委員会にも出ましたが、最近、新幹線の鉄道網の拡充に伴いまして相当広範囲にわたって視聴障害というものが発生しているようでありますが、これについての対策をどうされておるか。これは電波監理局とNHKと両方からお伺いをしたいと思います。
○政府委員(齋藤義郎君) 御指摘の新幹線につきましては、走っておる列車あるいは高架橋、こういうもののためにテレビの受信障害が生じておりますけれども、その実態は、東海道新幹線では約四万世帯、それから、山陽新幹線では現存のところ約八千世帯が被害を受けておるわけでございます。それで山陽新幹線が全線開通いたしますと――これは昭和五十年度予定でございますが、さらに約二万二千世帯が増加する、こういう推定ございますが、これらの受信障害につきましては、原因者であるところの国鉄において共同受信施設を設置するということによって措置することといたしておりますが、なおNHKにおいても被害範囲の調査、施設の設計と、技術的な血で協力するということでございまして、郵政省といたしましては、この種の受信障害は、でき得べくんば、基本的には原因者である国鉄がすべて責任を特って処置すべきものであるという立場のもとに指導したい、こういうぐあいに考えております。
○参考人(吉田行範君) 新幹線の電波障害につきましては、NHKは、東海道新幹線においては四十年、四十一年に九千世帯の改善を、国鉄に技術協力をいたしまして改善いたしました。それから四十七年は約四千世帯の改善をいたします。なお山陽新幹線につきましては四十六年、四十七年の間に一万五千世帯を救済いたしました。それ以後につきましてはただいま電波監理局長が御説明になったとおりでありまして、NHKとしては、四十八年度に大体三万四千世帯を救済するために二億の予算を計上いたしております。
○森勝治君 大臣、先般の予算委員会の席上におきまして、国鉄の新幹線のもたらす電波障害の問題について質疑がかわされましたね。大臣も見解を述べておられますね。あの質疑の中に――これは断片的な国鉄側の発言を引用して、これが国鉄の態度だと言うのは、あるいは早合点かもしれませんけれども、私の受ける印象を率直に申し上げるんでありますが、国鉄総裁は、国鉄は貧乏だからそれはなかなか負担ができない、だから話し合いできめたいと、こういう表現をされているんですよ。大臣は原因者負担ですよと明快におっしゃっておられるけれども、国鉄側ではそう言っている。話し合いというのは、これはもう原因者負担ではないんですね。だから私は田中内閣はどうだ郵政省はどうだというわかり切ったことを聞いているわけですよ。国鉄の総裁すらもできないと、こう言っているんです。なるほど国鉄は赤字をかかえていることは事実であります。だからといって今度はそのことによって国鉄がその新幹線を走らせることによって電波網が乱れてきておること、特にラジオ、テレビ等について著しい騒音が伴って、これはなかなか難視聴が激増していることは事実でありますから、だから予算委員会等でもその問題が出されるわけでありますが、やっぱり郵政省が、大臣が予算委員会で明快に郵政省の考え方を示されたように、今後とも国鉄と話し合いをしてもらいたい。話し合いというものは原因者負担という背骨があるんですから。
 国鉄がやはり原因をつくったということになれば、あとは事務的にすらすらやれることでありますからそう議論が多岐に分かれることではありませんから、この際はこのことを――やがて東北新幹線、北陸新幹線その他たくさんできます。私の選挙区であります埼玉県には三つの新幹線ができますから、当然これは地域住民の、この難視聴の問題についてほうはいたる県民の世論がおそらく巻き起こるでありましょう。したがってそういうときに、まだ郵政省の腹がきまらぬようでは困りますから。私は何も私の選挙区ばかりじゃなくて、全国的な視野に立っての質問をしているつもりでありますから、そのことについて郵政省の態度をもう一度明快にしていただきたい。
○国務大臣(久野忠治君) 新幹線の電波障害の処置についての、私が発言をいたしました内容並びに国鉄総裁が発言をいたしました内容、ただいま御指摘のとおりでございます。
 で、これはけさほども御質問がございましてお答え申し上げたのでございますが、郵政省は関与いたしておりませんが、国鉄とNHKとの間の上で協議をせられました結果、それぞれの割合をもって相互に負担をするようにしておられるようでございます。これは現実的な処理だと私は思います。しかし、私は、国鉄総裁が国鉄は貧乏だから云々というような御発言がございましたので、そのあとですぐ私は国鉄総裁に会いまして、あのような発言を公の席上でなさることはまことに不謹慎きわまるものであると私は思います、どうか今後そのような発言はもちろんのことであるが、処置については国鉄が責任を持ってこれはしていただきたい、またすべきである、かように強力に申し入れをいたしたような次第でございます。
○森勝治君 あなたと国鉄総裁の委員の質問に答えてのやりとりが、ここに速記録を持ってきておりますが、あります。ですから、どうかひとつ郵政省はその考え方を貫いていただきたい。それでないと、お役所でさえ知らぬ存ぜぬ、金がないから払えぬ主義で国鉄総裁が言われたのじゃ、いわんや民間の場合はこれは事態収拾ができなくなってしまっている。それこそNHKに未契約者を捕捉しなさい、あるいは契約を開拓しなさいと言っても、これは単なる絵そらごとになるおそれがありますから、この点はひとつ郵政省としてき然たる態度をとっていただきたい。もちろん原因者負担だからといって、あたかも罪人視する、そういう処理のしかたというものは私は歓迎はいたしませんけれども、自分たちが社会にそういう迷惑をかければ、自分たちが迷惑の部分については刈り取るという社会的な道義心というものがなくなってしまっては暗やみになりますから、この点はひとつ重ねてお願いをいたします。
 特に、新幹線ばかりでなくて、自動車高速道路の問題、さらにまた新宿に見られるように顕著な高層ビルの建築の受信障害について、どう対策を立てておられるか。東京の例を申しますと、総理は高層建築にせいと言い、都民のしあわせのために高層建築はいやだと都知事は言う、皆さんお聞きのとおりであります。ところが高層建築が田中さんの言うとおりになったら、都内はビルの谷間で、それこそ難視聴続出であります。これではお話にならぬわけであります。したがってそういうときにこそ、郵政省がそういう立場からいたしましても、き然たる態度をとるべきだと思うのでありますから、これからそういう問題についてもどう行政的に処理されようとしているのか、また行政的に指導されようとしているのか、ことばをかえますと、これの指導官庁としての郵政省はいかにその役割りを分担しようとしているのか、この点についてお答えをいただきたい。
○国務大臣(久野忠治君) ただいまの御指摘の点は、まことに適切な御指摘でございまして、全く私は同感でございます。今後、郵政省といたしましては、先ほど来申し上げましたような趣旨にのっとりまして、厳重に処置をしていきたい、かように考えておるような次第でございます。
○政府委員(齋藤義郎君) ただいま御指摘の新宿のビル群の問題でございますけれども、これはビル側十一社とそれから受信障害を受ける方々との間に了解ができまして、ビル側がすべて共聴施設をつくり、それからそれを運営する費用を持つ、こういうところへこぎつけております。したがって、この場合には、先生のおっしゃる原因者責任主義というものが貫かれておるわけでございます。
○森勝治君 それは過去の経過をあなたがいま短いことばで表現されたのですよ。私の言うのは、たとえば新宿なんかで問題になっているという意味で申し上げたので、そのことばかり申し上げているのじゃないのです。高速自動車道路――自動車の高速による難視聴をどうするのだ、あるいはまた高層ビルなどによる人為的な受信障害というもの、いろいろ議論はしましたけれども、累増するビル障害等の問題について、これからどう対処されるか、将来のことについて聞いているのです。
○政府委員(齋藤義郎君) 都市の難視聴、これはいろいろ原因がございまして、ビルによる原因のはっきりした難視聴というものもありますれば、複合的な原因による難視聴、だれが加害者だかよくわからないというような難視聴、いろいろな実態があるわけでございますから、来年度、先ほども申し上げましたように調査会を設置して鋭意検討して、それでまず正確な実態の把握という事柄につとめたい、それからそれに対する技術的な救済の方法いかん、こういうことも問題にしてみたい。それからその救済方法を講ずる場合の財政的な負担をどうするか、だれか金を出すか――いまその原因者がわかっておるのは原因者責任主義ということでございますけれども、よくわからない複合的な原因によるものもあるわけでございますから、そういう点につきましてはどういう措置をとるのが適当か、こういうような経費負担の問題、それからあるいは法制的な面で何らかの措置をとる必要があるかないか、こういうような事柄を中心にして各方面の権威者をわずらわして早急に結論を持ちたい、その結論が出ました場合には、直ちにそれに従って措置を講じたい、こういうぐあいに考えております。
○森勝治君 NHKにお伺いいたしますが、この基金財団ができますと――またもとへ戻ったようになりますが、戻った質問をしているつもりじゃないんでありますが、基金財団ができますと、この財団の仕事としてこうありますね、従来これはNHKが同じことをやっておったわけですから、今度はこの財団が基金をもらってこれをやるわけですから、NHKの活動の分野はこれが消えるわけですね、こっちへ委託したかっこうというか、こちらの団体に頼んでやってもらうことになりますから、そういう理解でよろしいですか。基金財団が誕生の暁は、従来NHKがやったこの種のものについては即刻財団が受け持つと、分担制になるんだと、こういう理解でよろしいですか。
○参考人(藤島克己君) 御質問にお答えいたします。
 都市での建造物難視につきましては、御承知のとおり、たいへん最近ふえてまいりまして、一部、新宿その他の超高層ビルの反射による影響あるいはそのビル陰による影響等がかなり顕著にあらわれてまいりました。それにつきましては先ほどから説明がございましたように、NHKは基本的には原因者負担の原則というものを今後も推し進めて、原因になった人とそれから被害者の間へあっせんをいたしまして、技術的ないろんなお手伝いをいたしまして片づけるという方法をひとつやって今後も続けてまいります。
 ただ、問題は、非常に都市の難視の実態というものが複雑でございまして、簡単に電波をふやせば消えてしまうとか、あるいはCATVをやれば簡単になくなるというふうにもまいりませんので、どうしてもこのためには新しい方法をこれから検討してまいりませんと、本格的な解消にはならない。そういうたてまえから、先ほどの放送文化基金の中にも一部難視聴の問題が織り込んでございますけれども、これは本来は私どもの本来業務でございまして、その本来業務の中で技術研究所なりあるいは私どもの施設をやっておる部門なりあるいは営業の技術の部門が全部協力をいたしまして、新しいいろいろの解決方法について目下勘案し努力をいたしております。ただし、いま申し上げましたように、これは非常に複雑な形をとってまいりますので、私どもがやっておるからそれでいいと言っておるわけにもまいりませんので、主として受信者側の、たとえて申すならば受信安定の問題等において、その難視解消に役立つようなものを町の発明家なりいろんな方が検討されておるとすれば、そういう方々の研究成果も取り入れてまいりたい、私どものひとり相撲に終わらないようにしたいというたてまえから、そういう項目を設けてあるのでございます。
○森勝治君 ことばをかえて質問をしましょう。
 技師長、いいですか、聞いてくださいよ。従来NHKがこの種の仕事をやってきたものを基金財団という新しい法人に仕事をまかせるわけですから、いいですか、仕事をまかしちゃうんでしょう、そのことを聞いているんですよ。こう書いてあることを従来やってきたでしょう、皆さんが各部門で。
○参考人(藤島克己君) それはまかせてしまうという趣旨ではございませんです。町のそういうふうな創意くふうなり発明に対する知恵がもしございましたら、そういうものを助成して私どもの本来業務に取り入れてまいりたいという趣旨でございます。
○森勝治君 技師長、よく聞いてくれませんかな。私はいま難視聴の問題についてあなたに質問しているんですよ、だから難視聴の問題についてお答えをいただきたいんですよ。第(2)項を「難視聴解消」と銘打っておりますから、いいですか、新しい財団か誕生した暁には――難視聴解消という部門がありますから、従来、財団がなくても、NHKはこのことをやっていたんです。ところが、読みますよ、混乱してはなりませんから読みますが、「都市等における混信、電波障害多発の状況にかんがみ、受信障害防止施策の開発等に対し援助を行なう。」と、こう難視聴の問題でありますね。だから、いいですか、よく聞いてくださいよ、これは従来NHKのやってきたことを新しい財団に――たとえNHKが生もうと生むまいと、法人格を持つのですから、将来対等になります。多少ひけ目を感ずるでしょう、財団のほうが、NHKから金が出ていけば。しかし法的には対等です。この対等な法人格を持つ基金財団にNHKの仕事の一部を移管するから、こういう問題については将来NHKの事業の中の免責事項になるかならぬかということを聞いているんですよ、私は。いいですか、よくお答えください。
○参考人(藤島克己君) 結論的に申しますと、免責事項になるとは考えておりません。
 これは私どもの本来業務でございまして、そういうことに対する一部の開発等を援助いたしまして、その結果を私どもの難視解消の手段に使わしていただければ、たいへんぐあいがよろしいと考えているわけでございます。
○森勝治君 免責事項にならないということですね。
○参考人(藤島克己君) お説のとおりだと考えております。
○森勝治君 それでは会長にお伺いいたします。
 私は、これて三度――この基金財団は従来NHKがやっていたこととごうまつも隔たりがないということを三度これで指摘をすることになりますが、いまのお答えのように、難視の解消のために従来NHKがやっていたものを財団にやらせるわけです。従来、数々の法律のかせをNHKはしょっているわけです。使命感に燃えているNHKでありますから、ですからこういう財団をつくればこの事件については免責事項と、そういう深い配慮があって私はこの基金財団設置に踏み切ったものじゃないかという理解を持ったのですよ、皆さんの説明を聞いて。そうしたら、そうじゃないと免責事項じゃないんだと、ただやらせるだけだというなら、なおさら私が指摘したとおり基金財団とNHKと何ら変化はないんじゃないかと、変わりはないんじゃないかと、あらためてここで指摘せざるを得ないんですよ、そうでしょう、そう思いませんか、変わりないんでしょう。
○参考人(藤島克己君) おことばを返すようで恐縮でございますが、これに難視聴解消そのものをやらせるのじゃございませんので、難視聴の解消に役立つような一部の機器とか器材の開発がもし適当なのがあったら、それを援助して、私どもの本来の難視解消の業務にそれを利用さしていただきたいと、そういう趣旨で考えております。
○森勝治君 いや、おことばを返してくださってもいいですよ、それは返したことになるんです。
 「開発等」とあるんです。この団体にこういう仕事を頼んじゃうんだから、この部門ではNHKは関与しなくてもいいのかと聞いたら、免責事項ではないと言っているんでしょう。私は免責事項という表現を用いたのですよ。免責事項じゃないと、こういう対等の人格を有する財団がこの仕事をしても、NHKは難視聴を解消する責任というかせを法的にしょっているんだと、あなたはそう言っているんでしょう。私がたたみかけた、そうしたら開発だけだと言うんでしょう。
 たとえば、新宿のテレビだってNHKが金を出しているじゃないですか、そうでしょう。そういうのはもう出さなくなっちゃうんですか、それじゃ。じゃ、この件についてはNHKはもうやらないんですね、どうなんです。その辺これは明快にしなければ、新しい財団とNHKとなわ張り争いになるんじゃないですか。ひさしを貸しておもやを取られるというたぐいもあります。先哲はよく教えてくれました。ゆめこの団体がこうなるとは思いませんけれども、この種の、掲げたこの事業計画から見ると、NHKとある面では競合するんですよ。基金財団といういわば核が非常に大きくなれば、NHKを食いかねないんですよ、対等な人格ですからね。ですから、そういう立場にもやっぱり思いをめぐらしてみなければなりませんから、私はあえて――あなた方は専門家ですから愚問だ愚問だとおっしゃるかしらぬが、私にとっては大事な質問なんですよ、お答えをいただきたい。
○参考人(藤島克己君) 愚問だなどと決して思っておりません。たいへん大事なところをいまついていただいておりますので、私どもも十分慎重に考えてお返事をいたしておるわけでございます。
 放送法の七条を持ち出すまでもございませんで、難視聴の解消というのは私どもの基本的な業務でございます。したがって、これをほかの団体にやらせてNHKが免責をされるということはもちろんございません。そういうふうには考えておりませんので、ここで書いてあるのは、あくまでもそういうことが、先ほど申したように、非常に複雑な様相を呈してまいっておりますので、われわれはわれわれなりの努力はいたしておりますけれども、なお知恵の足らないところがあって、もっといい知恵を出して受信安定の開発などをもし町の発明家がやってくれるということがございましたら、そういうものにも援助をして、われわれの難視解消の努力の中へそれを取り込んでいきたい、そういう意味でそういう難視解消に役立つ施策の開発などについて援助をしたいと、そういうつもりで申し上げておるわけでございます。
○森勝治君 ですから、この放送文化基金なるものが援助をしたり、NHKみずからがまたおやりになることもあるんでしょう。それはもうないんですか、これ委託しちゃうから。
○参考人(藤島克己君) 私の説明がたいへんどうもへたなもんですから、よく意を尽くさないと思いますが、私どもは、いまも繰り返して申し上げましたように、ここをやったからうちはやらないというわけではもちろんございません、うちがやるのがたてまえでございますから。
 ただ、非常にいろんな形をとってまいりますので、われわれが考えつかないようなアイデアなり発明なりが町の一発明者にでももしできてきたら、それは町のだからおれたちは使わないというつもりじゃなくて、そういうものもあわせてわれわれの難視解消の設備として取り上げていきたい、そのためには若干の援助をしてやらなければ、それが実らないわけですから、これにやらしたから私どもがやらないということでは決してございません。
○森勝治君 NHKがやるのがたてまえだとおっしゃったね。ことばじりをつかまえるわけじゃないが、NHKがやるのがたてまえなら、NHK自体でおやりになればいいんですよ。世人の目を百二十億にくぎづけするような、こんな皮相な手段を弄さなくてもいいはずですよ。いいですか、本来あるべき姿に戻りゃいいんですよ、そうでしょう。
 あなた方は、失敬でありますが、たとえば――ほかの問題に移りますよ、「社会福祉施設に対するカラー受像機の贈呈」たいへん喜ばれていますね、これは。いいですか、今後NHK寄贈なんてありはしないでしょう、放送文化基金財団が寄付することになるでしょう。これから公共施設やそういう収容する施設には、NHK寄贈なんということばはなくなるんでしょう、そのためにこういう基金財団をつくったんでしょう、そうじゃないですか。
  〔委員長退席、理事古池信三君着席〕
○参考人(前田義徳君) 差し上げました資料の文章といいますか、これはかなり未熟なものでございます。最初に御指摘の第(2)項目「難視聴解消」という点につきましては、いかにも、この文章を見ますと、私自身も――はなはだ無責任の発言のようにお受け取りになるかもしれませんが、まだきわめて粗雑な表現をそのまま書いておると思います。
 私どもの真意としては、こういうような目的のためにNHKは当然業務として研究所も持っており、基礎科学研究所もあるわけでございますが、そして事業自体はNHKの本来業務ではございますけれども、さらに知識を広く求めて、NHKの本来業務にプラスできる知識の吸収のために、したがいまして最後のほう――たとえば「開発等」に関し、NHK以外の一般研究機関または個人の研究に研究資金の一部を援助するというような、具体的な表現の検討が今後必要になってくると思います。
 そういう意味では、いままでのこの資料の表現は、きわめて未熟な表現をそのまま書いておるという点で、いろんな意味で御理解を得ることが非常にむずかしいんじゃないかというように考えております。
○森勝治君 いま、いみじくも会長が告白をされました。このことを私流に裏返しをいたしますと、世論がうるさいものですから、急遽、基金財団というものをつくり上げて――ほんとうなら、このようなものが一カ月や二カ月で草案ができるものじゃないんですよ、これは。ですからもっと慎重にすべきだけれども、世論がわき立っておりますから、そのわき立つ世論から体をかわさんとしてつくったから――いま、あなたが告白されたから私はこれ以上追及はいたしませんが、こういうずさんなものができるんですよ。
 本米NHKがやることをやらんで、NHKと対等の人格を持つ法人にやらして、このことに関してはわれの責めすでに終わりたりとするのではないかと私が思うから、NHKの免責事項か何か、かせを着ているのか着てないのか――まあ着ると言うよりも、かせをはめられていると言うのが正しい表現でしょう、だから、あるいは私の質問の真意を別な角度で技師長はおっしゃったのかもしらぬけれども、私の乏しい知識では、新しく、対等の、NHKに対抗するこの種の法人ができるわけですから、この部門はNHKのいままでやっていた活動の分野から取り除くものだという理解なんですよ、私は。ところが、そうじゃないと、免責事項でありませんと、NHKもまたやるんですということになるから、それならば新しく財団なんかつくる必要は毛頭ないじゃないかと、こういう設問になってくるんです。おわかりになったでしょう。
 ですから、やはりNHKか新しい――まあ焦眉の急の間で考えついたことでしょうから、会長がやはり若干模索の域を出なかった、そしてこの事業計画内容の説明の中も若干ずさんだということを率直に言われたから、このことについては私はこれ以上追及いたしません。
 しかし、こういう当面をつくろうようなことは、私は先ほど言ったが、天下の人材を網羅するNHKとしてのあるまじき姿だということですよ。これはさっきも指摘したが、会長にばかりおんぶしているから、会長の陰に隠れているからこういうことになるんだ、そうでしょう。どんどん皆さんはこれで意見があるはずですよ。私の意見だって、何言ってんだという反論がくるだろうと期待して私は申し上げた。出るはずですよ、これは向こうに譲ったんじゃないんだと、われわれもこれをやるんですと。やるんですと言うと、こんな新しい財団なんかつくる必要ないじゃないかと言われるもんだから、皆さんは口にチャックをはめているだけでしょう。おやりになるんですよ、同じことを、皆さんは。必要とあらばNHKみずからが社会福祉施設にテレビをもやがて寄付することもあるんでしょう、この財団の名をもって寄付することもあるんでしょう、事業計画の内容を見れば。そうじゃないですか、どうですか。
 この「受像機の贈呈」というのは町村さんの範疇ですか、どなたですか、これは。専門の部分ひとつ、具体的に出ていますから。
○参考人(坂本朝一君) お答えいたします。
 特殊学校、養護学校等へカラーの受像機の贈呈をいたしております。四十七年度においては二十台贈呈をいたしております。それから辺地の小中学校へ白黒テレビの贈呈をいたしております。これは四十七年度は五台でございます。
○森勝治君 角度を変えて、さらに質問をしたいと思うのです。
 技師長は、いや手かせ足かせがあるからわれわれもこれをやるんだとおっしゃっておられる。しかし少なくとも基金財団が寄付をしたりすれば、同じことをまたNHKみずからがやることはないと思うのです。それはやっぱりおのずからこういうのができた以上は分担してやることになるだろうと思うのです。ならば、これらの事業というものは、従来NHKかやってきたが、今度はやらんでよくなるんじゃないか。したがってこの種の予算もNHKの今年の予算からもうこれを認めるという前提なら、この分を削ってもよいんじゃないか、こういう理論の展開になりますが、これは即刻そのままに置いておいて、四十八年度予算にまだNHKテレビをたくさん寄付する計画になっているでしょう。これも新財団をしてまたテレビを寄付するというのですね、この辺はどうなっているんです。会長は先ほどずさんだと、会長にしては全く断腸の思いで発言されたと思うから、私はあまり言わぬのですけれども、言わぬと言ってもこれだけ言っていれば同じですが、どうなっているんです、この辺は。委任したと言いながら、自分たちの予算案に入っているんですよ、削りますか、そんなことはしやせぬでしょう、わずかな金ですから。――いいです、会長は。会長は断腸の思いで発言された。これ以上、私はまないたに乗せるわけにはいかぬ。これは担当の専門部でお答えをいただきたい。
○参考人(藤島克己君) いままでの御発言十分身にしみて感得いたしました。
 ただ、いま御質問の点につきまして申し上げますと、これからこういう財団ができまして、それに該当するような外部の研究所なり、研究団体というものが私どもの希望しているようなテーマについて十分やってくれるというところを、もちろん私どもも心いたしますけれども、見つけた場合に、それに適当な額の援助をいたしたいということでございまして、それで私どものいままでやっている研究が全部そちらへ移っていって、私どもは何にもしなくても解決していくというふうには考えてはおりませんです。私どもは従来よりももっと力を入れて新しい技術の開発をいたしませんと、最近のような非常に複雑になってまいりました難視の解消というものはおそらくむずかしいだろう、かように考えておりますので、できることなら、それにプラスアルファの研究なり、施設なりというものがそういう外部から提供されればたいへんありがたい、それもあわせてわれわれの知恵の中へひとつ取り込まさせていただきたいという、俗にいえばそういう考え方の資金にいたしたいと思っております。
○森勝治君 藤島さん、今度はおことばを返すようですが、申し上げますよ。
 新しい団体ができても、同じことをまだNHKの本家でおやりになるということならば、ほかの委員も指摘しましたように、年間四千万という金を庶務費にかける必要はないじゃないかという考え方が生まれてくるんですよ。ですから新しい団体に委託する、させるものは、その部分はNHKは避けて通るように、両々相まって分担の範囲――ことばをかえますが、守備範囲というものはさだかになっていかなければならぬし、そういう説明があってしかるべきなのに、あちらもやればこちらもやると言うから、それなら本来あるべき姿に戻しなさい、そんなむだなことはしなさんなと、こう言いたいところです。しかし正直言って会長もああ言っておられますから、この点はこれ以上深追いはいたしません。
 しかし、どうも頭脳のコンピューターをもって任じている皆さんにしては、失敬でありますが、私が考えてもこういうことはしないと思うのです。もっとも私はできないかもしれない。しかしもう少し慎重な配慮で、これだけの遠大な計画を百二十億という膨大な予算を駆使してやるとするならば、もう少し時間的空間を持たなければ、りっぱなものはできませんぞと、私はあえてこの点を指摘しておきたいと思います。
 そこで、次へ移ります。この皆さんの説明資料によりますと、さっき藤島さんも若干触れられかけましたが、難視解消のための新方式を実用化させて、新方式を云々という、そこまで言ってやめられたわけですが、二十施設によってテストを行なう、こういうことになっている模様でありますが、この内容についていま少し詳しくひとつ御説明を承りたいとともに、利用対象というものは辺地だけなのか、それとも大都会におけるビル障害ですね、ビルの谷間、こういう問題についても配慮がなされているのかどうか、この点をお伺いしたい。
○参考人(藤島克己君) お答えいたします。
 ここにいわれておる新方式と申し上げておりますのは、幾つかある中の一つでございまして、主としてUHFのバンドを使った、出力で申しますと百ミリワットと申します非常に微電力の送信機のことでございます。
 と申しますのは、先ほどもちょっと触れたかと思いますけれども、これから先の難視解消というものは、従来と違いまして、電波を強いものを出すと、かえって難視がふえてまいります。したがって、ごく微電力の送信機というものが必要になってまいりまして、そういう点では従来の難視の改善に対する感覚と少し変わってまいります。したがって、それに対応できるようなごく微電力の、ただいま申し上げました出力が百ミリワットぐらいのUHFバンドの送信設備でございまして、実は昭和四十六年ぐらいまでにいろいろ研究としては進んでおりました。四十七年、昨年の暮れに電波監理局の許可をいただきまして、全国でいま八カ所ぐらいに実際設置をいたしまして、その安定度、有効度というものの実用化の試験をいたしておるところでございます。これがほぼ所期の目的を達しておりますので、できれば四十八年度にはさらにそれを拡張いたしまして、二十カ所ぐらいでやってみたいということになっておりまして、これは主として僻地の難視解消に使うのを目的として開発をいたしました。
 ところが、最近の東京その他のような超高層による難視につきましても、これを利用できないかと、もちろん検討いたしました。ただし、これはUHFでございますので、ほかの通信回線その他との混信の問題その他も多く考えられますので、そういう点でいきなりこれを都会に適用するということについては、なお若干の疑問を持っております。これにかわるべきいわゆる大都市の中心で使う新方式というものは、もう少し周波数の高い、言うならばSHFというバンドのほうへ持っていったものを開発して使うことが一番適当ではなかろうかという、いま結論になっておりますので、それのほうもあわせて研究所といたしますと開発を進めております。
 ただし、これで問題になりますのは、送信機の開発はどうにか軌道に乗っておりますけれども、一番問題なところは、普通の受像機にその電波を受けた場合に、ちょうどUHFの放送が始まりましたころ、地方でコンバーターというものを使ったことがございますけれども、あれに類するような要するにSHFコンバーターというものの開発が一つ必要でございまして、これが一般受像機につくわけですから、ただ性能的コンバーターでは困りまして、経済的にもあまり高価なものではなくて所期の目的を達するようなものを開発するということが一番難点でございます。それはそれでいま研究が進んでおります。
 ここへ提示いたしております新方式二十カ所というのは、先ほど当初申し上げましたUHFの再ミリワットの小型の送信機で、主として僻地の難視の解消に使いたいというふうに考えておるわけでございます。
○森勝治君 CAテレビというものが発展をしましても、その他の難視聴を解消する団体が幾つできましょうとも、鮮明な画像を国民に提供するというのがNHKに課せられた使命の重要な部分の一つでありますから、この点をぜひともお忘れなきようにしていただきたいのです。どうもあれやこれや、たとえば新宿のCAテレビのときも論争いたしましたが、あの種の会社ができると、NHKはちょっぴり金を出せばNHKの使命ここで終われりという感なきにしもあらずでありまして、そういうことではないんだということをひとつ肝に銘じて、今後とも難視聴解消に当たってもらいたいと思うのです。
 この難視解消というのも、いま申し上げたように、NHKにとっては重要な課題であると同時に、番組の向上対策もこれは欠かすことのできない大きな眼目の一つであります。私がこんなことを言うのは釈迦に説法でありますが、ところが国内放送には前年度のわずか二・七%だけしか上積みされてない。これが一体番組のいわゆる質的向上に寄与し得るかどうかということを考えますと、何も金で換算してこれでというわけにはまいらぬだろうけれども、どうもこの辺が心もとないのでありますが、もちろん二・七%増加という予算案を編成されたのですから、向こう一年間成算あってのこととは思いますけれども、この点についてお答えをいただきたい。
○参考人(坂本朝一君) いま先生の御指摘のように、四十八年度の国内放送費の増は七億九千八百七十六万八千円で、前年度に比して二・七%でございます。ただし前年度、四十七年度が御承知のようにミュンヘンのオリンピックその他特別の行事がございまして、平年にない特別の行事がございましたので、それらの関係のものを差し引きますと、その経費が約七億八千九百五十七万二千円という数字になるわけでございます。そして冒頭申し上げました四十七年度予算に対する増額の七億九千八百七十六万八千円の内訳として、番組関係費に五億七千八百四十二万四千円を充当いたしましたので、前年度との対比において十三億六千七百九十九万六千円というのが平年度との比較において増になったわけでございます。したがいまして平年度との対比では七・五%という増加になります。七・五%で十分かどうかということにつきましては御議論があろうかと思いまするけれども、鋭意この七・五%を重点的に使用いたしまして、番組の質の向上ということの使命を果たしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○森勝治君 これは物価指数等から比べて二・七の増加というのは妥当ですか。
 先ほど青島さんからもいろいろの御指摘がありましたね。日雇いでも云々という非常に真剣な発言がありましたね。薄謝協会を返上した模様でありますから、三百億も思いがけずぬれ手にアワですから――しゃれた発言をして恐縮でありますが、何か芝居のせりふもどきの発言をしてすみませんけれどもね。だから、おおばんぶるまいせいと言うんじゃないですよ。その辺のことをどう局内で議論をされたんでしょう、あなたの局内で。理事会にかける前にどういう議論をされたんでしょう。差しつかえなければひとつお答えをいただきたい。
○参考人(坂本朝一君) 確かに御指摘の点については、われわれも議論をいたしました。いたしましたけれども、結論といたしましては、この十三億六千七百九十九万六千円という増加の中でわれわれとしては努力しようということを話し合ったわけでございます。
○森勝治君 私は、予算の使い方について、先年、タクシーを三日も四日も遊ばしておるようなそういう雇い上げのかっこうはだめだという指摘、むだづかいをするなという指摘をいたしました。しかし何でもかんでも削減せよという意味で言ったんではないんです。必要なものにはどんどん金を使わなければ番組の向上が果たせないのではないか、こういう趣旨で言ったつもりなんですけれども、しかし、そういう趣旨が、私はこれは建設的な意見だというふうにみずから聞かして当時質問したつもりですけれども、それが逆に節約、節約というふうに傾いてしまったようにも漏れ承るのですが、これは私の聞き違いでしょうか。
○参考人(坂本朝一君) 節約というのは、やはり必要なものには十分配付し、できるだけむだを省くという意味とわれわれは解しまして、そういう趣旨で努力いたしておる次第でございます。
○森勝治君 昨年度に比較して二・七%で四十八年度の新機軸を出そうと御努力なさっている点、これは高く評価したいと思うのです。
 さて、それでは四十八年度の番組編成において、出しものと名ざしのできるものは何か、出しものの刷新としてNHKが堂々と発表できるものは何か、どこが従来と変わりばえがなくて、どこが新しい時代に対応した四十八年度の番組の編成なのか、概略でいいですからお聞かせをいただきたい。
○参考人(坂本朝一君) これは先ほど前田会長も御説明申し上げましたように、波の性格を明らかにしながら、番組の質の向上をはかるということの趣旨にのっとりまして、まず四十七年度におきましては、総合テレビの夜の九時台に一時間の報道アワーを設置いたしました。これにつきまして、世論調査その他の結論を見ますと、大体国民の、聴視者の方の四〇%以上がこの報道アワーの設置に賛同の意を表してくださっております。したがいまして、まず四十八年度の目玉商品の一つとしては、この九時から十時までの報道アワーの定着並びに内容の充実ということを考えたい、こういうふうに思っております。御承知のように、来年度はいろいろな意味で内外の諸問題が、重要な点がいろいろふくそうしておりますので、そういう問題はやはりこの報道アワーの充実ということが聴視者のサービスになるであろうというふうに確信しておるわけでございます。
 それから、それと呼応いたしまして、聴視者との結びつきをより一そう番組の中で考えていきたいということで、聴視者の参加いたしますテレビ討論会というような番組をつくりまして、できますれば月二回ぐらい、土曜日の夜十時ぐらいから放送したいということで準備を進めておる次第でございます。
  〔理事古池信三君退席、委員長着席〕.
 それから、子供の時間、大体NHKの子供の時間というのはやはり大きな使命をになっておりますので、子供の時間の充実、刷新ということで、六時台の番組編成をかなり大幅に変更をいたしました。
 それから、芸能娯楽番組といたしましては、ゴールデンアワーの八時台に、月曜日は、大阪の制作で放送文化賞を受賞いたしました茂木草介さんのオリジナルものを放送いたします。それから水曜日は、今回東京で放送文化賞を受賞されました小野田勇さんのオリジナルドラマを制作、放送する。この二つはかなり大きな刷新のポイントになるんではないか。なお土曜日の夜に一家そろって楽しめるという趣旨で、ワンマンショーであるとか、真打ち登場というような芸能番組の充実をはかりたい。
 それから、御承知のようにNHKホールが完成いたしますので、ホールには内外の芸術家、芸能家の場を提供するということでございますので、このホールを使いまして誕生いたします充実した番組を、日曜日の芸術劇場の時間に編成していくという考え方でございます。
 それから、もう一つ大きな点は、現在、御承知のように、世界的に文化遺産がかなりいろいろな意味でこわされたり、環境汚染等で破壊されたりいたしております現実がございますので、その世界的な遺跡あるいは文化美術、そういうものを、いまのところ世界の二十九カ国に取材班を派遣いたしまして、そして番組化したい。これは実際の番組として誕生いたしますのは四十九年の正月以降になろうかと思いますが、これはいま申し上げましたように世界的なかかわりの中で制作して出していきたいというふうに考えております。
 その他、教育テレビにおきましてはロシア語講座の誕生であるとか、あるいはラジオにおきましてはお年寄り、高年齢層にアピールするような、NHKが財産として保管しております往年の名人芸などの録音を駆使いたしまして、高年齢層の方々の慰安にも供したいというようなことを、大ざっぱに御説明すれば、考えておる次第でございます。
○森勝治君 番組の内容にはあまり立ち入りたくないと思うのでありますが、これから二つ、三つしろうとの私が受け取った感じについて質問をしてみたいと思うのです。
 先ほど、私は、天下の人材を網羅しているNHKという表現を用いました。世間もそう言っている模様でありますから、人呼んで優等生のグループということでありましょう。そのせいでもないかとは思いますけれども、NHKの画面には至って笑いが少ない。年じゅう渋い顔をしている私が笑いが少ないなんと言うのは、これは僭越さたの発言でありますけれども、どうもユーモアがちょっと足りないような、率直にそういう印象を受けるんです。この点はどうでしょう。
○参考人(坂本朝一君) 確かにNHKの番組全般にかたいという御批判、御指摘はいただいております。そういう点について、われわれもやはり健全な娯楽、健全な笑いを提供するのは公共放送としてのNHKの大きな使命の一つであるということで、鋭意努力いたしております。
 ちょっといま御紹介申し上げました、今回の総合テレビの八時台に誕生いたします茂木草介さんのものあるいは小野田勇さんのものは、そういう意味で御期待いただけるコメディタッチの楽しい明るい物語が展開されると思います。なお、土曜日の夜のワンマンショーであるとか、真打ち登場であるとかというような諸番組の中にも、当然そういう要素を大いに盛り込んでいきたいというふうに考えております。
○森勝治君 まあ民放がNHKに追いつけ、追い越せと競っておるときですから、多少民放の出しものに、心は奪われないにしても、目がそちらへいくのはこれはもうやむを得ないことだとは思うのだが、最近の出しもの等を見ますと、どうもNHKは劇にしてもその他にしても、民放を気にして編成をしておるような、これは私の錯覚でしょうかな、そういう印象を受けるんですが、どうですか、これは間違いですか。
○参考人(坂本朝一君) 御指摘でございますけれども、NHKといたしましては、やはりNHK本来の使命ということで、民放と視聴率を競うというような意味合いの気持ちは全くございません。その一つのあらわれといたしましては、たとえばゴールデンアワー中のゴールデンアワーである九時から十時までのところに報道アワーを設定する、あるいは七時半から八時までのところに教養番組を設定するというような編成自体のあり方からしましても、そういう点については御理解いただけるのではないかというふうに思います。
○松岡克由君 ちょっと関連いいですか。
 いま森先生の質問の出演の問題なんですけれどもね、往々にして社会に一家言がある、俗にいう文化人を含めた、わりと批判屋というのがいますね。名前を具体的にあげれば青島さんもそうだし、かく申す私も巨泉も前武も、こういった連中がほとんどNHKの画面に出てこない。これは事実出てこないというのは、使う要素がないからといえば一言もないんですけれども、私は、やっぱり民放て視聴率をかせいでいる――私も一〇%の視聴率をかせげる芸人だと思っていますけどね、そういうところに非常にNHK的な問題提起のない、一つの波紋がない、つまらない番組になってしまう部分がある。
 一例をあげると、もう数年前ですけれども、夜八時にチャンネルを合わせたら、九重佑三子が、おとなの時間です、八時半。皆さん、元気ですかあ――ばかばかしいですわね、ああいうのを見ていると。一家そろって楽しいテレビというのもキャッチフレーズの一つかもしれないけど、もっともっとそういった、たとえばNHKを離れた小中陽太郎、ああいったものの存在だってやっぱり社会的に波紋を投げかけていますからね、どんどん採用するだけの一つの用意を、やはり矛軟な頭を持ってしていただかないと、われわれの死活問題にもなるし、それプラス――やっぱりたいへんなこれは口に出さねどみんな思っていると思うのです。貞鳳さんも腹煮えくり返っているんじゃないかと思うんですがね、これはぼくの想像ですが。
 そういった面において広げていただくことを森先生の意見に関連して、一言ぼくはお願いしたいですが、その点についてひとつ坂本さんどうでしょうか。
○参考人(坂本朝一君) 松岡先生から思いもかけない御指摘をいただいたわけですが、私どもは全くそういう意味での何か差別と申しますか、そういうことを考えておりませんので、その点はひとつ御理解いただきたいと思います。
○森勝治君 そういう松岡さんの御批判もさもありなんと思うので、これを松岡さんの発言があったから言うわけでありません、私は全般論として申し上げてみたいと思いますが、何といっても国民のNHKですから、このNHKの舞台に出たい、NHKの電波を通じて自分の芸を競いたい、芸を志す者にとってはだれしも胸に抱くことだろうと思うのです。NHKは、芸能人なかんずく俳優、女優さん等を、いわゆる新人をよく起用して一人前に鍛えて世に送り出す、これはNHKでなければできない仕事の一つだろうと思うのですね、りっぱな芸能人を世に送り出すこと。だからといって、青島さんの話じゃないが、それで金一封でよかろうというわけにはまいらぬと思うので、やっぱりこういう点も――私も前にこの問題を発言したことがあります。そこで、私はこういう話を持ち出したついでといっては何ですが、この点をちょっと深く、間口広くじゃなく、深く掘り下げて発言をしてみたいのです。
 私どもがこうしてNHKの予算を審議いたします、しかし一流芸能人といわれる方がワンステージ幾らか、予算を審議するわれわれにはわからない。われわれに見せない。幾たびか私はこの点を出しなさいと主張したが、言を左右にして出さないとは言わないですね、きょうはだめですからごかんべんをとか言ってごまかしている。このからをNHKが破ることがなければ国民のNHKとしての存在はやがて薄れていくでしょう。何もギャラを公開する主義を私は持ちませんけれども、たとえば芸能局の芸能人に払う――これから金のことを若干聞きたいと思うんでありますが、ギャラについておおよそこのぐらい払ったと聞いているが、ある歌手のワンステージと他のワンステージとは違う。なるほど社会的な評価もあるでしょう。そういうものさしがNHKの中であるんですから、だからやはり談志さんのようなベテランときのうきょうのかけ出しとの違いはあるでしょう。あるから差は多少やむを得ないけれども、NHKの大切な予算案を審議するわれわれに何も公開せいとは言わないが、これを説明せずして、歳出根拠を説明せずして、何でNHKの的確な予算案の審議ができますか。どうですか、坂本さん、その点、私たちに早く通してください、早く通してくださいともみ手でこられたって迷惑千万です。あなた方はどう思いますか。これは個人の何らかに関するからということで、予算案は審議できないでしょう。紙一枚一厘からやるんでしょう、本来予算というものは。いままでわれわれはNHKの立場もあるだろうという温情の美徳と申しましょうか、そういう点でいやだというものに触れたがらなかった、触れなかったです、われわれは。しかしもうこの辺でNHKはこの委員会でそういうギャラの位置づけ、これをどういう方法できめるか。これからのことで物価が上がるからということでありますから、値段はまだ、これから出演させる俳優のこと女優のことはわからぬとするかもしらぬが、予算案を編成するとき、出しものをつくろうとするときには、ある劇団には幾ら、ある劇団には幾ら幾らという総体で、この劇は、たとえば「北の家族」が四月一日から放映されますね、これは総額幾らだと、この中の中心俳優、いわゆる売れっ子は幾らだというくらいのことは、これを説明せずして予算案なんか審議することはちゃんちゃらおかしい。明快に言っておく。
 ですから、こういう点はいま直ちに出せと言いません。あなた方はいまびっくりして、ドングリ目玉むいているときだから、いま直ちに出せとは言わぬが、この次からはそういう問題にも活眼を開かなければだめですぞという警告の意味で申し上げているんです。
○参考人(坂本朝一君) 御指摘の点につきましては、われわれも大いに勉強し、研究させていただきたいと思います。
○委員長(茜ケ久保重光君) 午前中に、委員長がこの点についての資料の要求をしましたね、わかってますね。
○参考人(坂本朝一君) はい。
○委員長(茜ケ久保重光君) だから、いまの森委員の発言に関連して、午前中の資料要求に対しては的確なものをなるべく早く出すように、一応注意を喚起しておきます。
○森勝治君 これは何も芸能関係といわず、NHK全体の問題として一言言っておきたいことは、優等生の集まりのせいか、何となく若さに欠けるところがあるような気がするんです。だからNHKのすみずみまで若さあふれるような活気をぜひとも会長注入してもらいたいのです。
 特に最近は、非常に一般職員の方は萎縮しておられる、このあと地問題の批判このかた。先般もそういう話、若干私もしてきました。国民がNHKに対して期待しているんですから、最大の期待をもって見ているんですから、期待があればこそ批判がつくのですから、この期待にこたえるNHKとして大をなしてもらわなければなりませんから、当然若さの活気あふれる、横溢するNHKをひとつつくってもらいたい。このことについてお約束をしていただきたい。
○参考人(前田義徳君) まことに当然な御発言だと思います。私どももこの点について目下どういう形にするかということをも含めて検討中でございまして、明年度早々、私としては、概括的に申し上げるならば、いままでのピラミッド型のビュロクラティックな形から水平的なわれわれのグループをつくってまいりたい。したがってわれわれの同僚の能力に応じていわゆる日照権と申しますか、日陰の場所をなくしていって、そうしてどの方々も自分の能力を発揮できる組織をまずつくりたい、このように考えております。
○森勝治君 会長、その点非常によいことを言ってくれました。従来、ややもすればNHKの中には職場に日陰があるといわれて、日陰に置かれた身の不自由をかこち顔される方が若干おったことは事実であります。しかし会長みずからがそういう御発言でありますから、私はこれからのNHKの仕事ぶり等には期待をしたいと思うのです。
 そこで、職員が全身を国民の放送に傾注しようとするためには、今日の段階におきましてはやはり経済的な問題を度外視してはこれを語ることはできません。昨日のお答えでありましたでしょうか、他の企業に比べてNHKの職員は遜色がない、こうおっしゃったのでありますが、一体、今日のNHKと比べ得る他の企業があるのでしょうか。どうも安易にことばをあやつられては困ると思うのです。NHKは特殊な職場でしょう、全般的に。他の企業に比較して遜色がないというこの表現というものはいかがなものであろうか。なるほど芸能部門なら民放と比較することはできます、しかしそれはNHKという巨大な象をもってするならば、しっぽの先ぐらいにしか当たらない。あるいはまた他の官公庁並みだということになれば、それは事務部門のことであるから、これもまた一分野にすぎない。他の企業体をもってして、そういう職場と比べて遜色がないということは言い得ないと思うのでありますが、白井さんの質問のときにお答えになった、私はあのときこのことについて関連質問をしたかったのでありますが、やがてきょうの私の時間をいただいたときにこのことを質問したいと思って、白井さんのときには関連質問をしなかったのでありますが、この点ひとつ明確にNHKの各誉のためにお答えいただきたい、答弁した方が。
○参考人(藤根井和夫君) あるいはことばが足りませんで先生の誤解を招いたことがあるといたしますれば、はたはだ残念でございます。
 昨日も申し上げましたように、私ども給与をきめるについては、公共企業としての職員の果たすべき責任とそれから能力、それにふさわしい処遇をいたしたいということが第一であるということを申し上げたわけです。それからさらに社会的な環境の進展と申しますか、物価その他の社会環境の進展、それからほかの給与の社会水準、これはほかの企業体の水準などが入るのでございますが、そういったものも一方で勘案していきたい。それからさらに経営的観点からも考えていくというようなことを申し上げたわけでございまして、決して他の企業を常に考え、それに合わせて、あるいはそれとの比較においてきめるということではございませんから、その点はひとつ御了解いただきたいと思います。
○森勝治君 私はこう思うのです。NHKがNHKカラーの番組を編成される、それのごとく職員の待遇の改善等にいたしましても、このNHKのカラーに合うような給与体系の再編こそ、私はしかるべきものと思うのです。いま公共企業体というおことばをいただきましたが、それは純然たる事務系統だけならば、なるほどそういうこともありましょうけれども、われわれは片やでNHKの出しものに対してきびしい批判をいたしますけれども、このきびしい批判にこたえるためには、やはりそれ相当の職員の血のにじむような画面の裏での涙があるはずだと思うんです。ところがいまの公共企業体の給与体系では、そういう画面の裏の涙をくみ取ってやる給与体系ではないはずです。ですから会長が常に世の中立をもって任じておられる、公正な立場の報道を旨とされてる会長のもとでのNHKの運営であるならば、その辺のことも十分勘案して、すみやかにNHKの体質にふさわしい給与体制の再編成あるいはまた体系の確立とでも申しましょうか、それがあってしかるべきと思うんです。この点ひとつ会長からお答えいただきたい。
○参考人(前田義徳君) まさに先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもとしては、おっしゃるような考え方で目下根本的な研究を命じております。これにつきましては、かねがね申し上げますように、いかに機械化が促進しても、自然科学が発達しても、NHKというものを中心にして考えますと、その自然科学の部分は補助的部分でありまして、番組制作の中心は人間であります。したがいまして人間を中心としての給与体制をつくり上げたい。
 たとえば昭和三十六年以来、私どもは今日の日本社会がやがて一週五日制になるであろうということは予想しておりました。したがいまして私どもはそれを目標にして、今年度はすでに隔週ですけれども五日制を実施しているわけであります。これからは、私の考え方としては、おそかれ早かれ一週五日制になるであろう。その場合に、日本の福祉政策とそれから社会経済の動向とを勘案して、いかなる今後の対策を立てるべきか。私は、日本社会が現内閣がおっしゃっているように、明年度がもし福祉初年度とするならば、これが急速に進展することを期待しているわけでございますが、そういう環境の中で、従来は企業が国にかわって福祉政策を企業内でとってきておる。この点の調整ができるとするならば、NHKという特別の企業の中で職員、私の同僚諸君の処遇の根本的問題が解明される時期が来る、そういうことも踏まえながら、給与体制あるいは退職金あるいは年金制度の再検討を私は命じておりまして、やがてその成果は皆さんに御批判いただける時期がそれほど遠くないというように感じております。
○森勝治君 わかりました。
 先ほども若干ギャラ等の問題についてちょっと触れましたが、芸術というものを金にかえる話をするのは、芸術に対するあるいは冒涜かもしれません。しかし今日のような高物価の中では、やはり水を飲んでいるだけでは生きていけないわけですから、当然正当な報酬というものができ、これが社会通念上、芸能界ではギャラという表現で呼ばれ、勤務時間に抱束を受ける労働者の側で給料という表現をもってなされることは御承知のとおりであります。
 そこで、これからお伺いしたいのは、たとえば著作権等の使用の認定ですね、幾らという認定、あるいはまた芸能人を出演させて、たとえばワンステージ幾らとかなんとかきめるのは、何か局内の内規といいましょうか、委員会といいますか、ランクをきめるときの何か会議とか、委員会とか、特別な構成のもとに行なわれているのでしょうか。
○鈴木強君 ちょっと関連して。
 さっきの会長のおっしゃったこれからのNHK職員の給与のあり方の問題ですが、当然なことと思いますけれども、念を押しておきたいのですが、給与は労働組合との団体交渉によってきまるわけですね。したがって、いまの会長の構想を実現するまでには、当然団体交渉によって煮詰めて、特に給与体系ということになりますと、かなりこれは労働側にも意見があると思います。その辺はもう間違いないと思いますけれども、念のために私は確認しておきたいのですが、当然団交というものの中でそれらの問題は解決をされていくということを前提としての御発言だと思いますが、その点をひとつお答え願っておきたいと思います。
○参考人(前田義徳君) そのとおりでございます。われわれの構想の実施に関しては、お説のとおりの手続を経て行なうということでございます。
○参考人(坂本朝一君) ただいま森先生の御指摘の点につきましては、放送の総局内に総局長を長といたします格づけ改定委員会という委員会を、各局長クラスをメンバーにいたしまして、構成いたしております。そして必要のつど、まあ大体年に一回ぐらいの形になりますけれども、必要のつど招集して――格づけの改定と申しますことは、そのお一人お一人の出演者の方へお支払いする、何と申しますか、ランクと申しますか、そういうものの改定の審議をいたしておるわけでございます。
○森勝治君 これちょっと専門家に笑われるかしれませんけれども、画面がクローズアップして、ぐっうと画面の外のわれわれの目に迫ってきますね、そしてまた下がりますね、あれはズームというのですか、何というのですか。
○参考人(藤島克己君) ズームイン、ズームアウトと申しております。
○森勝治君 そのことについて質問をしたいのでありますが、御承知のように、私はめがねをかけているんですね。私や私の仲間のめがねをかけたいわゆる近視眼を持つ者の印象として、画面がぐうっと出てきてさっと下がるのが何としても耐えられない受け方をするので、私はその出た画面を切っちゃうんですよ。これは非常に目に悪いのです。ですから、芸術的かおりがあるいは豊かなんでしょう。これは自分の目がわがままなのかしれませんが、目の悪い者も見ておるんですからね、なるべくこういうのは避けてもらいたいと思うのですが、これはまことに専門家にお伺いして恐縮ですが、劇を構成するときに、そういう遠近法をもってしなければ、すばらしい迫力のあるものが出ないのでしょうか。なるべくそれは避けてもらいたいのです、目を保護するために。NHKがこれをやっているというわけではないんです。たまたまいろいろのテレビで見受けますから、全般論としてお伺いをしておきたいと思います。
○参考人(坂本朝一君) 御承知のように、テレビの場合は映画と違いましてサイズが小そうございますので、したがって先生の御指摘のように、とかくアップサイズが多いという傾向が一般的には、御指摘のとおり、あるかと思います。ただアップが多いといっても、それは演出の手法なり何なりで、先生の目に悪影響を与えるような、そういうことにならないくふうが当然なされなければならないというふうに思いますので、現場にその点については十分注意したいと思います。
○森勝治君 それからもう一つ、画面の俳優さんたちのしぐさですが、しろうとがこれを言うのもどうかと思うのですが、私の受ける印象を言うのですが、たとえば「藍より青く」という劇映画――これは映画ですね、いわゆる芝居ではないわけですね。したがって映画というものであるならば、私流に解釈するならば、やはりわれわれの生活をさりげなく描き出す。さりげなくということばが誇張があれば別な表現を用いますが、したがってああいう画面を見ているときに、まさに舞台を見ているような印象を受けるような出しものであってはいけないのではないかと、こう素朴に思うのですが、この点はどうでしょうか。
○参考人(坂本朝一君) その点につきましては、必ずしも先生の御意見と一致するかどうかわかりませんけれども、まあ映画と舞台というのは演出上には確かに御指摘のような違いがございますけれども、あの場合にはテレビ劇と申しますか、そういう位置づけで、映画であるとか舞台であるとかという範疇で御理解いただかずに、テレビ劇、テレビ映画であるというような意味合いで、もう一つ別の世界と申しますか、そういう位置づけで御批判いただけるとありがたいかと思います。
○森勝治君 まああれやこれやお伺いをいたしたわけであります。そこで一般のテレビ――これまた私の受けた印象で、コマーシャル関係ですからNHKと関係ありません。大臣に、この際でありますので、二点ばかりお伺いするわけでありますが、民放がコマーシャルを入れるのは、これは自己防衛上当然だと思うのです。だからコマーシャルの数を幾ら入れてもよろしいのでありますが、劇映画を放送中に、特に最高潮の場面でぶすっと切っちゃって、さっと出るのですね。正直言って非常に不愉快な印象を受けるのですよ。その次何だとみんながかたずをのんで画面に集中しているのに、やあやあなんて別なコマーシャルが出てくるのです。これはやっぱりそのまま視聴者が集中しているんだから、確かに営業政策では効果があるかもしれませんが、やっぱり民放といえども私は公共性を多分に兼ね備えていると思っておりますから、何とかそういうようなものがあまりどぎつくわたらぬようにできないものかということが一点。
 それから、劇の終わろごろですね、終わらないうちに突然またコマーシャルが飛び出してくるのですよ。このコマーシャルが終わると、もう今度新たな出しものが映ってくる。前の画面最中に宣伝文句が浮かんでくることよりも、しり切れトンボというのは一番不愉快ですね。これは時間でやっているのですから、それはやっぱりスポンサーとの関係があるからいたしかたないでしょうが、こういうのは民放の皆さんと十分話し合いをできないものでしょうかね。大臣、どうでしょう、善処をしてくれませんか。
○国務大臣(久野忠治君) 全く含蓄のある御意見でございまして、私も同様の見解を持っております。放映されておりまする内容と全然違うコマーシャルが突然出てまいりますと、いままでのその視聴いたしておりました自分の感じをこわすことになる、これはもう当然のことでございます。そういうような機会はまだあまり持っておりませんけれども、でき得る限り民放の関係者とお会いするような機会があれば、そうした点等についても指摘をいたしたいと存じます。
 それから最後に、放映をいたしておりまする内容のものが全部まだ終わらないその直前に、コマーシャルが出てまいります。これもいま森先生御指摘のとおりでございます。私もたいへん不愉快に思っておる一人でございまして、こうした点等につきましても、十分注意をすると申しますかお互いに検討し直すように、機会があれば皆さんと懇談をいたしてみたいと、かように存ずるような次第でございます。
○委員長(茜ケ久保重光君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(茜ケ久保重光君) 速記をつけて。
○塚田十一郎君 私十分だけ時間をちょうだいいたしましたので、簡単にお尋ねしますから、簡単にお答えをいただきたいと思います。
 私、さっき前田会長が放送文化基金の事業計画の説明をなさっておったときに、第(3)項の「放送に関する国際協力」の点を説明なさっておったときに、この仕事は国でやる仕事ではないだろうかという感じをちょっと受けたのであります。と申しますのは「発展途上国の要請にこたえ、」とある。「放送に関する国際協力に対しても必要な援助を行なう。」とあるので、たとえば相手方が国で何か日本にこういうことを放送面で協力をしてもらえないか、こういうことをやってもらえないかと言ったときに、これはNHKの仕事だとすると、郵政大臣はうちの国ではそういう仕事は放送協会の仕事だから、そちらへ行ってくださいということになると思うのですが、これはかっこう悪いということはないでしょうか、この点ひとう。
○政府委員(齋藤義郎君) お説のような、お示しのような場合には、実は海外技術協力事業団というようなものが外務省にございまして、それで国が金を出してやる場合もあるわけでございますけれども、それでは必ずしも十分でない場合がございます。したがいまして従来もNHKに対してお願いをして技術者の講習というような事柄をお願いした事例がございます。
○塚田十一郎君 それはだからどこまでもNHKの仕事ではない、国の仕事を便宜NHKに頼んでおられたのでしょう。NHKの側からこういうことも私どものところでやるのですとおっしゃるべき仕事ではないと私は思うのです。その点どうですか。
○参考人(野村忠夫君) 私のほうからちょっと答えさせていただきます。
 電監局長から御説明がありましたように、外務省もしくは郵政省のそういう団体から私どもが外国の放送事業者の研修について委託を受けておりますが、これはやはり放送法上、九条二項の中の委託によって調査研究並びに研修をするという条項をもって、私どもの業務としてその業務をやらせていただいておるのであります。
○塚田十一郎君 九条二項が出ましたが、私はこの九条二項を読みまして、九条二項で放送法がNHKにこういう仕事ができますよと書いておるのは、国際放送を行なう――私はこれをすらっと読んで、要するに施設を備えて、そこから国際放送で外国の者が聞けるような放送をするということを私はNHKの業務としてきめておると思うのです。そんなに広範囲の仕事を、国際の問題に放送法がNHKに権限を与えておると私は了解しません。その点はどうですか。
○参考人(野村忠夫君) 先生の御指摘になりましたのは九条の二ということで、国際放送が本来業務としてNHKに課せられておることはお示しのとおりでございます。
 しかし、先ほど来申し上げましたように、九条二項の一号から九号までの業務の中で、これは私どもが制限的ではありますけれども、できる業務として例示されている項目でございます。で、その中の八でございます「委託により、放送及びその受信の進歩発達に寄与する調査研究、放送設備の設計その他の技術援助並びに放送に従事する者の養成を行うこと。」この項は、一見、国内の放送事業者に対する条項であるようにもとられますけれども、従来の解釈は、外国からの放送事業者に対しましても、外務省の委託を受けまして、この条項に従って私ども業務をお引き受けしているわけでございます。
○塚田十一郎君 これは野村参考人の解釈は誤りであります。
 なぜかというと、九条の二項のNHKができる業務は七条という大ワクがかかっておるのです。九条には、まず「協会は、第七条の目的を達成するため、左の業務を行う。」と、七条というのは何かというと「日本放送協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行う」と、外国のことは全然考えていないんです、これは。ただしかし、番組をつくるというようなことがあるから、国内の放送の仕事を行なう範囲で簡単にできる程度のことは、それは国際放送にも協力していいとある。これがあるからといって国際放送に何でもNHKが口を出せるなんていうことは、放送法のおよそ考えていないことだと思う。
 これは、ですから、私は郵政省に申し上げたい。郵政省は国でやるべき仕事をいままでNHKにあんまりまかせ過ぎた。それが惰性になって、NHKは、何ということなく、事放送に関することは国内であろうが国際問題であろうが、全部おれのほうでするんだという誤解が出ております。国際のことをやって悪いことはありませんが、私は、そういうものをやるときには、どこまでも郵政大臣からこの仕事はおまえのところでやってほしいと言われて委託を受けた場合であって、一般的に法律に根拠があって何でもできるという考え方は私は当たっていないと思うのです。
 時間がありませんから、すぐに結論を申し上げますが、もしも、私がいま申し上げるように、国際に関することは本来は郵政省がやるべき仕事で、国がやるべき仕事でNHKがやるべき仕事でないということになれば、この放送文化基金がやる仕事はほとんどなくなってしまうわけです。四つ羅列してありますが、カラーテレビ受像機を贈呈するということは、これは一度やればそう毎年毎年同じようにあるものじゃないと私は思う。そうすると、毎年ある仕事は(2)項と(4)項、これみんな研究助成ですね、研究開発の助成。一件百万ずつ助成しても、この放送文化基金をつくったために必要になるおよそ四千万円の金、それだけでも四十件の助成ができるのですよ。何で百二十億も出して、それで上がる利益が八億というのか六億というのか知りませんが、そのような金の出し場所をこしらえなければならないか。
 そこで、結論を申し上げる。私は、この放送文化基金が、いま申し上げるように、ほんとうの必要性が感じられないままにずらずらっとこれをつくったらば、おそらく放送文化基金は一年に六億ないし八億の金をどうして使うかに苦労されなければならない。そうなれば当然放漫な支出が出てくる。私は、そういう意味でも百二十億はたいへんな金ですよと、こういうように申しておるのです。もう時間がありませんから、質疑はこれで終わりますが、郵政大臣とNHK会長の御意見を伺います。
○国務大臣(久野忠治君) NHKが財団法人に百二十億円の出捐をする場合は、放送法第九条第二項第十号の規定により郵政大臣の認可を必要とするものでありますが、その際、郵政大臣としては、財団の行なう業務を放送法第九条第二項の業務に限定して明確にされたものを認可することといたしたいと存じます。
○参考人(前田義徳君) ただいま郵政大臣がその御方針を述べられましたから、これ以上私が申し上げる部分はないと思いますが、しかし感触を申し述べますと、先生の御発言は、この放送法に関する限り、私は理解できる御発言だと思います。
 ただし、この放送法は、ほかの問題をとらえてまことに失礼でございますが、日本が孤立していた時代の昭和二十五年にでき上がった放送法でございます。したがいましてその後三十四年その他、部分的修正はございましたけれども、われわれの立場から申しますと、たとえばアジア放送連合の結成とか、ヨーロッパ放送連合への参加とか、東ヨーロッパ放送連合への協力とか、アフリカ放送連合への協力とか、あるいは中南米放送機構への協力というような問題が出てまいりまして、これとの関連で、これは二十五年につくったときにも、御承知の九条二項第七号「放送番組及びその編集上必要な資料を第五十一条に規定する一般放送事業者の用に供し、又は外国の放送局に提供すること。」ができるというような条項が、事実上いまの国際環境の中で、NHKという放送事業者の周辺が非常に大きく変わってきているということも御理解いただきたいと思います。
 ただし、繰り返して申し上げますが、ただいま郵政大臣の御発言の方針に従うつもりでございます。
○委員長(茜ケ久保重光君) ちょっと速記をとめて。
  〔午後六時八分速記中止〕
  〔午後六時二十三分速記開始〕
○委員長(茜ケ久保重光君) 速記を開始して。
 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(茜ケ久保重光君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――特に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(茜ケ久保重光君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を問題に供します。
 本件を承認することに賛成の方の挙手をお願いいたします。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(茜ケ久保重光君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 森君から発言を求められておりますので、これを許します。森君。
○森勝治君 私は、この際、放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に関し、各党会派を代表して、次の附帯決議を付することを提案いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
   放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議(案)
  政府および日本放送協会は次の各項の実施に努めるべきである。
 一、放送法の精神にのつとり、放送による表現の自由を確保し、放送の不偏不党を堅持すること。
 一、受信契約の開拓、受信料収納の向上などいつそう積極的な経営努力をはらい、事業安定化資金の適切な活用と相まつて、極力長期にわたり受信者の負担増をきたさないよう努めること。
 一、テレビ難視の増大と発生原因の多様化にかんがみ、総合的な難視解消対策をさらに積極的に推進すること。
 一、放送文化基金の設立にあたつては、基金の設立者たる協会の目的と使命にかんがみ、有効かつ適切な運営を期するとともに、資金の使途については、その使用目的および金額の両面にわたつて放漫に流れることのないよう厳重に監督すること。
 一、放送番組の刷新充実に努めるとともに、番組の質的向上に直接関係する出演者の処遇についてさらに配意すること。
  右決議する。
 以上であります。
 これは、先般来の本委員会における審議の経過を踏まえて提案をいたしたものでありまして、各委員は十分御承知のことと存じますので、趣旨の説明はこの際省略をさせていただきます。何とぞ御賛同くださいますようお願いをいたします。
○委員長(茜ケ久保重光君) ただいま森君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(茜ケ久保重光君) 全会一致と認めます。よって、森君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの附帯決議に対し、久野郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。久野郵政大臣。
○国務大臣(久野忠治君) 本件に関しましては、連日にわたり慎重なる御審議の上、ただいま御承認いただきましたことを厚くお礼申し上げます。
 ただいまの附帯決議につきましては、政府といたしましても、今後の放送行政にあたりまして、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(茜ケ久保重光君) 前田日本放送協会会長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。前田参考人。
○参考人(前田義徳君) 当協会の昭和四十八年度の収支予算、事業計画及び資金計画に関しまして、連日非常に御熱心に誠意のこもった御審議の結果、全会一致をもって承認をいただきましたことは、まことにありがとうございます。
 なお、この際、NHKといたしましては、附帯決議の精神及びその事項そのものを今後の経営の基礎といたし、なおかつ、いろいろな御討議を通じて各委員から示されましたいろいろな御示唆、御教示を踏まえて、協会の経営に万全を期したいと考えております。
 ありがとうございました。
○委員長(茜ケ久保重光君) なお、審議報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(茜ケ久保重光君) 御異議ないと認めます。したがって、そのように決定いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
  午後六時二十八分散会