第071回国会 決算委員会 第16号
昭和四十八年九月十四日(金曜日)
   午後一時開会
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   委員の異動
 八月二十三日
    辞任         補欠選任
     塚田 大願君     渡辺  武君
 八月二十九日
    辞任         補欠選任
     渡辺  武君     塚田 大願君
 九月十日
    辞任         補欠選任
     君  健男君     岩動 道行君
 九月十二日
    辞任         補欠選任
     岩動 道行君     君  健男君
 九月十四日
    辞任         補欠選任
     斎藤 寿夫君     寺下 岩蔵君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田中寿美子君
    理 事
                片山 正英君
                世耕 政隆君
                小谷  守君
                黒柳  明君
                塚田 大願君
    委 員
                石本  茂君
                河本嘉久蔵君
                寺下 岩蔵君
                二木 謙吾君
                片岡 勝治君
                杉山善太郎君
                鈴木  力君
                鶴園 哲夫君
                藤原 道子君
                野末 和彦君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  愛知 揆一君
       厚 生 大 臣  齋藤 邦吉君
       郵 政 大 臣  久野 忠治君
       建 設 大 臣  金丸  信君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    江崎 真澄君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  山中 貞則君
   政府委員
       宮内庁次長    瓜生 順良君
       防衛庁経理局長  小田村四郎君
       防衛施設庁長官  高松 敬治君
       防衛施設庁施設
       部長       平井 啓一君
       大蔵省主計局次
       長        田中  敬君
       文部省管理局長  安嶋  彌君
       厚生省児童家庭
       局長       翁 久次郎君
       通商産業審議官  森口 八郎君
       郵政省郵務局長  石井多加三君
       建設大臣官房長  高橋 弘篤君
       建設大臣官房会
       計課長      森田 松仁君
       建設省計画局長  大塩洋一郎君
       自治省行政局選
       挙部長      土屋 佳照君
       自治省財政局長  松浦  功君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤 忠雄君
   説明員
       警察庁刑事局捜
       査第二課長    中平 和水君
       外務省中近東ア
       フリカ局外務参
       事官       中村 輝彦君
       会計検査院事務
       総局第一局長   高橋 保司君
       会計検査院事務
       総局第二局長   柴崎 敏郎君
       会計検査院事務
       総局第三局長   桜木 拳一君
   参考人
       日本道路公団理
       事        吉兼 三郎君
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○理事補欠選任の件
○昭和四十六年度一般会計歳入歳出決算、昭和四
 十六年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十六年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十六
 年度政府関係機関決算書(内閣提出)
○昭和四十六年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(内閣提出)
○昭和四十六年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (内閣提出)
○継続審査要求に関する件
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
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○委員長(田中寿美子君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、斎藤寿夫君が委員を辞任され、その補欠として寺下岩蔵君が選任されました。
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○委員長(田中寿美子君) 次に、八月二十三日の塚田君の委員異動に伴い、現在理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田中寿美子君) 御異議ないと認めます。
 それでは理事に塚田大願君を指名いたします。
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○委員長(田中寿美子君) 次に、昭和四十六年度決算外二件を議題とし、本日は総括質疑第一回を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○小谷守君 大蔵大臣、御苦労さまです。きょうから四十六年度の決算の審査に入るわけでありますが、まず、四十六年度というこの会計年度、これは多事な年であったと思います。日本の財政、経済にとって多難な年であったと思います。そこで、この会計年度を振り返って大蔵大臣はどういう反省をお持ちになっておるか、これを伺いたいんです。
 御承知のように、この年の八月十五日にはニクソンの新経済政策、俗に申しますドルショック、これによって大蔵当局もたいへんなろうばいぶりであったと思います。これに対する対応が正しかったのかどうか。その後引き続いてこれの対応策として、多額の公債の導入、公共事業の膨張、こういうことをおやりになりました。比喩が適切でないかもわかりませんけれども、あるときには解熱剤を飲ませ、あるときには睡眠薬を飲ませ、まあたいへんな、あれこれと対応策をとられたと思いますけれども、率直に申し上げてそのいずれもが失敗に終わったと、こう申し上げなくてはなりません。その後遺症が今日のとめどもないインフレの姿となって国民を苦しめておるのではないか。むしろあの時期に経済成長政策についてやはりスローダウンをしていく手がたい対応をとるべきではなかったか。私はこの会計年度を振り返って大蔵大臣はどういう反省をお持ちになるか。――と申し上げましても当時の大蔵大臣は水田さんですから、愛知さんに対しては少しお気の毒でありますけれども、役目柄いたし方ないと思うのであります。どういう反省を吐露されますか、お伺いをしたい。
○国務大臣(愛知揆一君) 小谷委員から四十六年当時の御批判をいただきまして、これは小谷さんだけでなくて、そういう御意見の方もいらっしゃることは私も承知いたしております。四十六年の八月十五日にいわゆるニクソンショックというものが突如として文字どおりショックが起こりましたことは御承知のとおりでございます。これはいわゆる円が固定相場制度、三百六十円ということでずっと長いこと経過していたあとに突如として起こったことであって、当時の当局としても国民全般としてもこれの対応ということについては非常な苦心をされ、あるいは心配されたところであると思います。そこで、初めての経験でもございますしいたしますので、あの当時としては、こうした事態に対応して、たまたまその当時は不況の時期でもあり、何としても国民経済に活力を与えて、いわば景気浮揚対策ということがあの当時としては最も望まれる方向であったと思います。
 そこで、財政上の点で見ますと、お話のように公債を相当増発する、公共事業費を相当増額するというような角度から補正予算が組まれた。そういったようなことが今日に後遺症を残しておるのではないかという点が中心の御質問の点であると思いますが、そこでまず事実を振り返って見ますと、四十六年度の一般会計の予算規模を決算べースで見ますと、前年度に対比した伸び率は一六・八%でありまして、これは三十六年度から四十五年度までの十年間の平均の伸び率とたまたま全く同額で一六・八%ということになっておりますので過度に大きなものではないと考えられるわけでございまして、その点から申しまして、四十六年度の予算というものが今日の財政、経済に大きな後遺症を残しているというふうには私は考えられないのでございますけれども、またその後の経過から申しまして、今日もなかなかたいへんな時期でございますので、やはり経済とか財政の運営はそのときどきの情勢に対応した機動的な運営というものが必要であると思いますので、あるときは下剤をかけ、あるときは睡眠薬を飲ませという比喩をおあげになりましたけれども、これも率直に言えば少し比喩としてもいささか手きびし過ぎるのではなかろうかと思いますが、適当な薬の調合、あんばいをいたしまして、そのときどきの情勢に対応するということが必要ではなかろうか。この四十六年度当時としてはそれなりに私は理解をされると、後遺症というものがかりにあるといたしましても、今日の時点におきましては、この事実に対して最善の道を今後とっていかなければならない。大体そんなふうに考えております。
○小谷守君 大臣としてもここで悪かったというふうに、そういう御感想をお述べになりにくいと思いますが、きょうは大臣はガットの閣僚会議で御多忙な中でありますから、いまのおことばに対する反論は別な機会に申し上げたいと思います。
 さて、私は最近の財政運用を拝見しておって何としても納得のいかぬ点があります。これを指摘して大臣の御所見を承わりたいと思いますが、それは四十八年度予算は本年四月には成立した。もう半年たっておるわけであります。ところが、末端に対してはこの配分もまだ行なわれてない点がある。私はこういう事実を発見して驚いておるんです。
 具体例を申し上げましょう。文化財建造物保存整備費であります、四十八年度の。十二億五千五百九十四万円余でありますが、そのうち、継続部分を除いて新規の事業については、大蔵省担当官が多忙であるということのために、また、それとの協議をしなくてはならぬということのために今日まで配分も行なわれてない。山陰、北陸、東北、十月末から十一月になれば雪が降るんです。下世話に、あとの半年寝て暮らすということがありますが、前の半年寝て暮らすような大蔵省の財政操作というものは何としても合点がいかない。まだ例をあげればあると思いますが、私は、たまたま小さい問題でありますけれども、おかしいんではないか。一たんきめた予算はそれぞれの省庁にまかせたらいいのではありませんか。それを、おそらく主計局だろうと思いますが、担当者がどこに幾ら配分するかというふうなことにまで干渉、関与していくというふうなことは大蔵省の権力化の姿ではありませんか。そういう点についてどうお考えになりますか。
○国務大臣(愛知揆一君) 予算の配分の問題でございますけれども、やり方といたしましては、予算が成立いたしまして国会の議決がありました場合は、歳入歳出予算、それから継続費の総ワクあるいは国庫債務負担行為の作成をして内閣に大蔵省から直ちに送付いたすわけでございます。で、内閣は直ちにこれを執行の責めに任ずべき各省各庁の長に対して配分いたしておるわけでございます。で、執行を早くしなければならないということはお説のとおりでございますが、具体的に申しますと、いま御指摘のありましたのは文化財の補助事業実施計画の承認作業の問題でございますが、これは例年に比べて御指摘のとおりおくれまして、この点は申しわけなく思っておりますが、事実関係を申しますと、文化財関係では防災対策が非常に必要でございます。たとえば、こまかいことになりますけれども、消火せんの設置のための取水工事というものがその基礎でございますが、それらを含めました文化財周辺の環境の整備、それからことしは特殊の状況でございますけれども、特殊の木材等の価格の高騰ということがございまして、文化財関係の特殊の資材の確保になかなか困難を来たしたわけでございます。そういう関係で個々の事業計画の検討とその処理について例年より若干おくれましたが、第一回分は件数にいたしまして二百二十三件、九月一日に第一回分を承認をいたしました。これをたとえば昨年の例と比べますと、第一回分が昨年に比べますると二カ月おくれまして、昨年はちょうどこの時期に第二回分の処理をいたしておりますから、昨年は五回にわたって処理をいたしておりますから、ひとっことしの場合はそういう特殊の事情があって第一回分が二カ月おくれましたが、これからひとつ努力を新たにいたしまして促進をいたしたいと考えております。
 それからなお時間の関係で申しますと大蔵省として各省庁から受け取りましてから、あとの処理は一週間ないし二週間ということを目標にいたしておりまして、できるだけすみやかに承認をするようにかねがね心がけておりますが、今回の場合は、いま申しましたような、具体的な処理組みがきまって、文化庁のほうからお申し入れがありまして、接受しましたときから七日間で承認をいたしておるようなわけでございますから、大蔵省が受け取りましてから承認の手続をとりますまでの期間は今後も早ければ一週間、おそくとも二週間以内にけりをつけるということでやってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○小谷守君 いまお答えの中にもありましたように、資材がどんどん値上がりするわけであります。まごまごしているうちにだんだん上がってくる。そういうことも考慮いたしますし、また工事にいたしましても、積雪地帯はもう雪が近いのです。半年もたってまだ配分もできていないというふうなことはたいへんな怠慢だと思うし、一々それに関与していかなければならぬという大蔵省の姿勢というものが、これは権力化です。こういう点は改めてもらわなければならぬと思います。
 次の問題です。どうしても最近の財政運用の姿を見て納得のいかぬ点、第二の問題は、これは大臣、いまあなた方のおやりになっていることは、これまた比喩で恐縮でありますが、人間のからだにたとえますと、上半身はりっぱな洋服をきて、流行を追ってまあハイカラな形をしておる。ところが腰から下はぼろぼろのズボンをはいて、靴もろくにはいていない、こういう姿のような気がしてならぬのです。すなわち、ある面では大金持ちのようなふるまいをする、ある面ではさかさまにふっても鼻血も出ぬような困窮の状態、今日の財政運用、極端な比喩で恐縮でありますが、二つの顔が露骨過ぎる、こういうふうに思われてなりません。具体例をあげましょう。大蔵大臣も先般アメリカにおいでになった。田中総理、大平外相、大蔵大臣、三人でおでかけになって一千万ドルの寄付をされたそうでありますが、あれはどういうことですか、田中何とかというふうに新聞には書いてありましたが、たいへんなおおばんぶるまい、手みやげとしてはたいへんな手みやげでありますが、どういう予算でお出しになっておるか、議会のどこの了承を得てお出しになったのか、そういう点をひとつお聞かせを願いたい。どういう意図のものでありますか。
○国務大臣(愛知揆一君) まず第一にこの金持ちの顔と貧乏の顔ということは、その御比喩は私も同じような感じを持ったわけで、同じ日本人が公平に同じような顔ができるようにするということは、私どもの基本的な考え方でございまして、これは主として社会保障あるいは社会資本の充実、その中でも身の回りと申しますか、個人的な生活の環境をよくするというようなことを中心にした財政上の考慮を来年度予算におきましても大いに考えてまいりたいと思っております。同時に、やはり日本もこれまでのマクロ的に言えば、力がついてきました今日においては、国際協力調の面で大いにやはり尽力すべきところは尽力しなければなるまいと考えるわけでありまして、かねて国際文化交流基金というもの、あるいはその他の方面でも相当の財政的な寄与も考え、あるいは実行されつつあるわけでございますから、アメリカにおきましてもっとこの日本というものを知ってもらう必要がある。一口に言えばそういうことであると思いますけれども、たとえばアメリカの有力な大学等において、日本の研究というものをもっと盛んにし、そして両国の文化交流に大いに資したいということにも考えて、まあ千万ドル程度のものをそういった面に今後供給したい、国家としてひとつ考えたいという意図の表明をいたしたわけでございまして、おそらくこれは外務当局からさらに詳しく御説明をいただくべきであると思いますけれども、大体、十ぐらいの大学に、先方の希望も強いようでございますから、それぞれ配分されることに将来なると思います。
 で、財政上の措置といたしましては、これは意図の表明でございまして、これを政府の政策として財政計画の中に織り込みまして、その方法論としては予算に計上する、あるいは予備費を使う、いろいろな方法はございましょうが、そういう点につきましては今後の問題として具体的に処理をいたしたい、そしてこれは国会にもとくと御説明をいたしまして、それから所要の手続をとるというふうな運びにいたしたいと現在は考えておる次第でございます。
○小谷守君 いま国会開会中ですよ。国会開会中にあなた方はアメリカにおいでになって、国会に一言の相談もなく、千万ドル――きょうのドルの相場を調べますと、一ドル二百六十五円五十五銭だそうであります。円に直して二十六億五千万円、こういうたいへんなものを、国費を手づかみにしておやりになるというふうなことは、筋道としてたいへんな間違いであると申し上げざるを得ません。さて、これはいま申し上げました上半身の姿です。大金持ちのふるまい、姿の例であります。
 さあ、そこで今度は貧乏人のほうの姿を出してみましょう。あしたは敬老の日でありますが、厚生大臣、いま全国で、身寄りのないお年寄りが全国八百七十カ所の養護老人ホームにひっそりと身を寄せていらっしゃる。これらの方々の数は六万五千五百人余と承知をしておりますが、一日どのぐらいな値段の食費を差し上げておられますか。厚生大臣、御承知でございますか。――いや、けっこうです。御用意がなければけっこうです。大臣はそんな小さいところまで御承知ないかもわからぬ。私どもの調べたところ、四十八年度の予算単価を申し上げましょう。一人当たり二百八円です。二百八円。ラーメン一ぱい百五十円も取られる物価高の時代に、朝昼晩三食を二百八円です。福祉元年が泣きませんか。お隣の、自治大臣と申し上げるよりも国家公安委員長、悪いことをして警察に引っ張られたときに、俗に申しますブタ箱、留置場に入ったときにも国費で三食提供しております。この警察留置人の食費、御承知でしょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) 二百二十七円というふうに承知しております。
○小谷守君 よろしいですか、警察留置人は二百二十七円、養護老人ホームのお年寄りは二百八円です。厚生大臣、この数字をどうお考えになりますか。あしたは敬老の日です。あなたの心は痛みませんか。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 老人ホームに収容をいたしておりまする方々のそういう費用につきましては、措置費ということできめておるわけでございますが、これは前年度における生活水準等を頭に描いて決定をいたしておるわけでございますが、最近の物価の上昇等から見まして、非常に少ない感じを私も率直に持っておるわけでございまして、この問題につきましては、できるだけすみやかに本年度において改定をすべきであると、こういうふうに目下のところ考え、慎重に検討をいたしておるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、こういう積算の根拠は、毎年生活水準ということの伸び率等を頭に描いて考えておるわけでございまして、二百八円だけで生活ができるかと、こうおっしゃられれば、私もこれはたいへんなことだと、かように考えておる次第でございます。
○小谷守君 私、おととし――いや、去年です、去年の五月であったと思います。当時の佐藤総理に、おやめになる前に一つだけでもいいことをしてくださいといって、この問題を提起したことがあります。当時は百九十五円六十八銭であります。同時に、当時は警察留置人は百九十五円ちょうどであります。ことしの予算単価は、百九十五円六十八銭が二百八円になっている。警察留置人のほうはうんと高くなって二百二十七円。警察留置人の人権も尊重しなきゃなりませんよ、どうでもいいということではありません。これは人権の問題ですから尊重しなきゃなりませんけれども、しかし、国民はこの姿を見て何と思いましょうか、これを見て何と思いましょうか。あしたは敬老の日、全国のお年寄りはこれをあたたかい政治と言うでありましょうか。あまりにもひど過ぎる。
 さて、私はいま、あなた方の財政運用の姿というものは、大金持ちの顔をしたり、貧乏人の顔をしたり、二つの矛盾した様相を呈しておられるということを指摘しました。大切なお年寄りをこういう状況にしておいて、総理大臣がアメリカに行くと言ったら一千万ドル手みやげを持っていく、議会に相談もなしに持っていく。どういうことですか。これは成り上がり者の政治と申し上げざるを得ないと思います。こういう成金、成り上がり者の政治はやめてもらわなきやならぬ。
 そこで、私はまたこまかく計算してみた。これは、この二百八円の養護老人ホームの食費を、六万五千五百人いらっしゃる、これをせめて三百円にしたらどのぐらいのお金がかかるのかといいますと、二十億もかからぬのです。十九億幾らです、一年間ですよ、一年間。一千万ドルかからぬのですよ、これ。――大蔵大臣に重ねて伺います。あなたこの間行って一千万ドルおおばんぶるまいされた御当人ですから、あれは田中さんがやったということですけれども、さいふはあなたが握っていらっしゃるんですから、あなたがOKされたに違いない。こういうことをして心は痛みませんかどうか、重ねて伺います。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほども申し上げましたように、アメリカに対する寄付と申しますか、供与と申しますか、これは予算上の措置を講じまして実行するわけでございますから、国会の御意見も十分承って処理をすることに考えております。
 それからいまの、この二百八円の問題については、厚生大臣からもただいま率直な御答弁がございましたが、私といたしましても十分ひとつ考慮することにいたしておるわけでございまして、これはひとつ厚生省との間に十分、早急に検討をいたしまして、結論を出したいと考えております。
 それから全体的な取り扱いといたしましても、やはり今後の財政計画としては、福祉重点ということはしばしば申し上げておりますが、内需優先の中において特に福祉関係にできるだけの重点を置いて進めてまいりたい。厚生省におかれても、ずいぶん面の広い、多くの具体的な問題を持っておられますから、その中の案分等については御苦心の存するところであると思いますが、私どもの立場としてもそれらを十分理解を持って御協力をいたしたいと、こう考えております。
○小谷守君 大蔵大臣は何でもないようなお口ぶりがまだ直りませんが、具体的にこれ、予算はないでしょう。その措置はどうされますか。いつ議会に相談されますか。補正予算で出されるのか、予備費で出されるのか。具体的にどうされるんですか。
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申しましたように、その方法はいろいろあると思いますが、これは、先ほど来御意見もあるところでございますから、私としては来年度の予算の問題として国会の御審議を仰ぐべきものであると、こういうふうに考えております。
○小谷守君 やるだけのことをやっておいて、来年議会に相談されるわけですか。私は、予算措置の問題はともかくとして、こういう趣旨でアメリカの大学に寄付をしたいなら寄付をしたいということを、そのこと自体を議会に御相談になるべきでありませんか、まずもって。それは必要ないというお考えでございますか。
○国務大臣(愛知揆一君) まず、問題は二つあると思いますけれども、予算上の措置を講ずるということは、予算の問題として財政的には御審議を願うべきものである、そういう手続をとってまいりたいと、かように考えております。
 それから、こういったような外交上と申しますか、国際的な問題につきましても、他の面におきましても、政府としての意図の表明ということがいつでも行ない得るわけでございまして、これを予算の問題財政の問題としては別途に国内的な手続をとるべきものである、こういうふうに考えてしかるべきものじゃないかと考えます。いますぐここで具体的に申し上げる適例がちょっと頭に出てまいりませんけれども、他にも私はあり得ると思います、国際関係の問題で。そうして、これは、それを実行することが財政上よろしいかどうかということは次の予算の機会におきまして御審議をいただく、こういうことにいたす考えでございます。
○小谷守君 幾ら押し問答しても同じような御答弁ですね。これはまた機会を改めて伺いますが、私どもが申し上げたいのは、いま、大災害が起こった、緊急に対応しなきゃならぬという場合は、政府が判断をされて適切な措置をとられるのはけっこうですよ。しかし、アメリカに行くということは前からきまっておることでしょう。そういうときに、大学にこれだけのものを寄付したいというふうなことは、そのために常任委員会もあるではありませんか。関係の常任委員会というものがあるわけです。なぜ一言相談がない……。そういうことをしなくてもいいという考えなら、これは独裁に通ずる考え方ですよ。
○鈴木力君 関連。
 いまの意図の表明ということなんですけれども、これは、私はきわめて重要な問題だと思いますから関連して伺っておきたい。
 確かに、内閣なり政府なりが意図の表明をするということはあり得る。また、あってもいいと思います。一般的には。ただ、事態によると思うんですね。少なくとも総理大臣が外国に行って、何かの意図を表明したという場合には、これは、やっぱり国民は――国民はというか、議会も含めて――それに拘束をされるべきものと思うんですよ、私はやっぱり。これは与党とか野党とかは別にして。一国の代表者が外国へ行って、ものを言って約束をしてきた。これが、もしかりに、議会へあとで予算を計上するからいいんだということでは、かりにそれが国会で否決になったらどうなるか。これは、総理大臣のメンツとか、そんな問題じゃなくて、国の信義にかかわるのですね、国際的に。そういうことをお考えの上にやったのか。総理大臣が行って、言ってしまえば、どうせ議会はこれを承認するんだから差しつかえないといってやったのか。この辺のことを私は軽々に見のがしておくわけにいかないと思う。少なくとも外国に行ってものを言うという場合には、それなりの手続なり、それなりの状況をつくるなり、そういうことが必要だと思う。確かに私どもも新聞を見ていて、全く思いつきみたいに見えた。あっと思ったですよ。だから、事柄の金額が大きい小さいということよりも、意図の表明をする権利があるとは言うけれども、外交上の問題、国際的な問題ですから、国の信義にかかわるものです。それを軽率に、そちらでもこちらでも、あとで国会にはかればいいということでやられたのでは、これはもう今後の日本の行き方なり国会審議なりというものはもたないと思うんです。その辺の所感といいますか、大蔵大臣の所見を伺っておきたいと思う。
○国務大臣(愛知揆一君) これは政府の外交上の措置といたしまして、相手国との間にいろいろの話し合い、あるいは政府として意図の表明をするということは、先ほど申しましたようにしばしばあり得ることであると思います。しかし、これが資金上の問題であれば、それをどうやって捻出するかということについては国内手続があるわけでございますから、わが国の場合では、先ほど申しましたように、予算上の措置を講じまして、国会の御審議を願う、その際に十分ひとつ御討議をいただく、こういうことであって、これはお互い、特にアメリカとの間でございますれば、民主主義、議会主義の国でございますから、政府としてはこういう意図である、これは国内の手続としては、予算上の措置がとられればという場合に実現ができるわけでございます。したがいまして、私の立場といたしましては、先ほどは来年度予算ということで申し上げましたが、予算上の措置を講じまして、予算として御審議を願って、それが議決されれば実行ができる、こういうふうにすることが筋の立ったやり方である、こういうふうに考えております。
○鈴木力君 委員長、もう一点だけ。
 私の質問申し上げた意図をすりかえてもらっちゃ困るんですよ、大臣。私は手続的に違法か合法かという議論をしていないんです。総理大臣が外国へ行ってものを言ったということは、これはもう総理大臣とか政府とかという問題じゃなくって、国全体の権威の問題だということを私は言っておるんです。だから、大蔵大臣がいま、国会にあとで予算を計上して、そこで審議をしてもらって決定をされれば実行する――手続的にはそうでしょう。しかし、私がいま言いたいのは、すでにもうこの種の問題は、私は、審議権というものが、形の上ではあるけれども事実上なくなってしまうのじゃないかということなんです。少なくとも、総理大臣が外国へ行ってものを約束をしてきた、国会で審議して否決されるなんということを想定しておられるんですか。手続上はそういうこともあり得る。しかし、かりに一千万ドルであろうが、あるいはこの金額がもう少しふえようがふえまいが、国のそれほどの運命を左右することでもなければ、また何とかがまんすればでき得ることであれば、国際上の信義の問題としてこれは当然ついていかなきゃいけないものでしょう。それを想定してやっておるんでしょう。だから、私は、かりに総理大臣でなしに、たとえば総理府のどなたかがアメリカに行って、総理大臣はこういう意図があるようだと言ってきたということとものが違う。だから、そういう点では、私は、軽率でなかったのか。あとで手続上その道があるから、これが合法だから差しつかえないんだというのは、手続論ですよ。私は、国家を代表する総理大臣が外国へ出たら、もっとこの辺は慎重な言動をするべきである。少なくともこの点は、田中総理大臣が、あるいは大蔵大臣が相談に乗ったかもしらないけれども、やや少し独裁的だといいますか、軽率的といいますか、独断的だ、私に言わせれば軽率に過ぎた、こう申し上げたいということなんです。まあ軽率であったと大臣は言わないでがんばるつもりでありましょうから、そう言わないうちはどうこうということは申し上げませんけれども、少なくともそういう考え方はもっと政府は謙虚に持っていいのじゃないか、こういうことを申し上げておきます。
○国務大臣(愛知揆一君) お話のとおり、総理大臣として意図表明をいたしましたのでありますから、政府としては予算上の措置につきましても十分ひとつ国会の御審議の対象として御審議をいただいて、その実現をはかるべく最善の努力をいたさなければならない、こう考えております。いずれ、したがいまして予算として上程といいますか、御審議を願います場合にまた十分ひとつ御論議をいただきたいと思いますが、政府といたしましては先ほども一たん申し上げましたように、これが現在の日本としては国益上必要な適切なことであるという考え方のもとに意図を表明いたしましたのでありますから、これの実現については国会を通じて国民の御理解をいただくように最大の努力をいたしたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○鈴木力君 不満ですけれども、関連だからこれで終わります。
○小谷守君 大蔵大臣もお忙しいようですから、次に進みます。
 最近の国税の年度内の自然増収の状況を見ますというと、たとえば昭和四十七年度の増収は補正予算に充当した分を除いても財政剰余金は四千五百五十四億と相なっておるように承知しております。また四十八年度、ことしの税収は史上最高の自然増収だと、こういうふうにいわれて、大蔵省の試算によりますというと四千五百七十億、五千億近いものが、補正財源を除いてもその程度は浮いてくると、こういう試算のように承るのであります。そこで、これは申し上げるまでもなく、公経済の原則はどんどん入ればいいというものではない、税金がふえればいいというものではないわけでありますから、出ずるをはかって入るを制しなきゃいかぬのですから、この税の取り過ぎということ、これについて私は三つの点を申し上げたいと思うんであります。これは国民に還元をしなきゃいかぬ、その還元のしかたは、第一に、減税だと思います。第二には、貧困な地方財政の援助に振り向けるべきではないかと思います。第三には、先ほども引例をいたしました劣悪な社会保障、これをこの水準を高めていくために振り向けるべきではないか、こういう気持ちがしてなりません。まず、その大きな方向性について大臣の御見解をただしておきたいと思います。
○国務大臣(愛知揆一君) 自然増収につきましては、現在私の手元に正確に出てきておりますのは六月末の税収の実績でございます。これは大体三・二%ぐらいの増収ということになっておりますが、それからあとの見込みというものはまだ立っておりませんので、いろいろ想像、推計をいたしますと何千億とかいうような計数も出てまいりますけれども、いままだしかと年度内の自然増収の額がおおよそどのくらいになるかと申し上げるだけのまだ私も勇気がちょっとないわけでございますので、もうしばらくこの実績のほうが的確につかめましてから、やや正確に近いと思います推計を申し上げるということにいたしたいと思います。もう少し時間的に余裕をお与えいただきたいと思います。
 それからその次に、実質的な問題として自然増収が相当あるということが前提とされた場合の一般論でございますが、これは減税によって国民に還元する、あるいはこれを次のたとえば福祉関係の予算等について適当な配慮を加味する、あるいはまた予定されております公債の発行をどういうふうにあんばいするかというような点が検討の対象になると思います。
 ところで、もう一つはこのタイミングの問題でございます。一部にはそれから年度内減税ということも、声もあることも承知いたしておりますけれども、現在のこの経済情勢が物価高を中心といたしましてまあいわば相当の、例年にないような状況である。理論的にいえばむしろこういうときには増税をすべきではないかという意見も一部には有力にあるような状態でございます。それらをいろいろ勘考いたしまして、年度内に減税あるいは増税ということは考えておりません。同時に、増収が相当あります場合には、さらに基本的には財政法の規定するところに従いましてその処理の方向がきめられてあるわけでございますので、それらのワクの中で次年度あるいは次々年度の関係等も見通しながら、ようやく八月三十一日に各省の概算要求がまとまりました今日でございますから、来年度の財政計画をどういうふうにあんばいしていくかということにいま勉強を始めているところでございますが、その間に、冒頭に申しましたような自然増収のおよその見込みということもその間においてお話し申し上げる機会はそう速くはないと、かように考えております。
○小谷守君 四十六年度の地方財政の決算額を調べますというと、四十六年度地方公共団体決算額は大体十二兆前後、こういうことに相なっておるようでありますが、この中で赤字団体は、これは府県だけで調べてみましても三十八団体が赤字です。四十八都道府県のうち三十八団体ですから、たいへんな数です。私は、その赤字の原因はいろいろあろうと思いますけれども、その大きな理由の一つは、超過負担額、政府が負担すべきものを負担せずに地方に財政上の重荷を負わしておる、ここからきておると思うんであります。大蔵大臣、ガットの閣僚会議があるそうでありますから、超過負担の解消について四十八年度はかなりな施策をとられたと思いますけれども、私は、この税の自然増収、これを超過負担に大胆に振り向けるべきではないかということを提起したいと思いますが、そのことだけ御答弁願って御退出になってけっこうでございます。
○国務大臣(愛知揆一君) 超過負担について四十八年度にとりました措置についてはお述べいただきましたので御了解いただいていることと思いますが、来年度と合わせて各省庁で共同研究をして出ました結論を二年度にわたって解消するということで、四十八年度予算を編成いたしました。ところが御指摘のとおり物価の上昇あるいは物資の需給の逼迫というようなことで、やはり地方公共団体には非常な御心配かけていることは私もよく承知いたしておりますが、これは現在の予算の範囲内で、たとえば単価のある程度の是正を含めまして、現にいまのワクの中でやれるだけの努力を傾倒しておりまして、先ほど申し上げましたように、現在この自然増収というもののまだ見込みもさだかではありませんし、同時にまた申し上げるまでもございませんが、もし、国の自然増収というものが相当あるという場合におきましては、地方のほうも税収入の増加は相当見込まれるはずでございます。それらを見合いまして自治省とも十分御相談をいたしまして、対処いたしたいと思いますが、さらに四十九年度におきましては、せっかくこれまでやってまいりましたことで、足りなかったということがよくわかったわけでございますから、さらに前向きに、超過負担の解消について前進できるように心組んでまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
○小谷守君 大蔵大臣、もうけっこうですからどうぞ。
 超過負担の問題で自治大臣にこれから伺います。大阪の摂津市長が保育所の設置に要する経費、これをめぐる超過負担、これについて国に対して訴訟を起こしておるわけでありますが、私はこれは非常に不幸なことだと思います。そこでこれに対する大臣のお考え、これからどう対処されるのか、自治体が国を相手取って訴訟を起こさなければならぬということは、非常に不幸なことだと思うが、将来こういうことのないようにするためにはどうしたらいいのか。こういう点を中心に自治大臣のお考えをお尋ねをするわけであります。
 保育所などの児童福祉施設の設置に要する経費につきましては、御案内のように地方財政法第十条で国が全部または一部を負担することと相なっておる。続いて同法十一条ではその負担割合は法律または政令で定めなければならないとされておる。さらにその負担割合については児童福祉法第五十二条、第五十一条二号、同施行令十四条、十五条、十六条で市町村が支弁した費用、すなわち精算額の二分の一を負担するとはっきり定められておるわけであります。したがって摂津市においては、昭和四十四年から四十六年まで四カ所保育所を建設したわけでありますが、その費用九千百九十六万八千六百円の二分の一、すなわち四千五百九十八万四千三百円から、すでに国が負担した二百五十万円を差し引いた四千三百四十八万四千三百円を国に向かって請求をした、訴訟に訴えた。こういう経緯でありますが、これを大臣はどのように受けとめておられるか、どう対処されるのか、これをひとつお聞かせを願いたいと思うのです。
○国務大臣(江崎真澄君) 超過負担の問題は、これは大蔵大臣も申し上げましたように、地方公共団体の財政運営に非常に大きな影響を与えるものであります。そればかりか、そのことによって行政水準の低下を来たすという大問題でございまして、まあ六事業について関係省庁と協力をして実質的な調査をし、四十八年度、四十九年度、二年度でこれを解消するということに対策をしたわけでありまするが、まあ不幸にして今度この保育所問題をめぐりまして摂津市から訴訟が提起されました。これはまことにどうもわれわれとしては遺憾なことに思っております。で、もともとこの問題につきましては厚生省が直接所管をされるところでありまするが、自治省といたしましてもできるだけ超過負担の及ばないように十分努力をしてきたところでありまするが、何といっても補助単価また補助基準、こういったものが低いことによって、きめられましたものよりも実勢単価が相当高いということによって、中央、地方に大きな開きができた、いかにも残念に思っております。もともとこれは裁判にゆだねられたわけでありまするから、裁判そのものについては今後の推移を見守るということでありまするが、この保育所問題にかかわらず今後の政府の態度としては超過負担というものを生じないように十分ひとつ努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○小谷守君 訴訟が出たのだからあとは裁判の推移を見守る、こういうお答えでは困ると思うのです。
 じゃ率直に伺いましょう。この摂津市長、訴訟を起こすまで、私はずいぶん悩んだと思いますよ、悩んだと思う。何しろ異例なことですから。訴訟ざたというのは、これは摂津市もずいぶん悩んだと思う。しかし何としてもあの小さい町でこれだけの超過負担をかかえては財政がパンクしてしまう。何としても法律どおりのことをしてもらいたいということで、再三お願いしたけれども聞き入れられないのであえてこういう挙に出た、こういうことだと思います。そこで大臣は、この摂津市の要求しておる趣旨は不当であるとお考えになりますか、正当であるとお考えになりますか、伺いたいというのはそこです。
○国務大臣(齋藤邦吉君) 厚生省のほうから、私のほうからお答えを申し上げますが、実はこの摂津市が問題にしておりまする保育所は、たしか昭和四十四、五年ごろの保育所の設置の問題でございます。私、弁解するわけじゃございません、その当時の事情をちょっと申し上げますと、実はその当時のこの保育所設置の施設費の予算が非常に少なかったのですね、国全体としても。そこで四十五年で申しますと、たった七億、四十六年度に十五億きり、施設費の補助金の総額がなかったわけでございます。ところがその保育所ということになりますと、その市町村の方々が設置をしたいという希望が非常に多かった。こういうふうな事情等もございましたので、昭和四十四年、五年、二カ年間は定数の規模に応じて定額をきめたわけでございます。大体設置希望の個所数とその予算の総ワクとをにらみ合わせながら、定数規模に応じて定額補助をしましょう、こういうことにしておるわけでございまして、一つの例を引いて申しますと、昭和四十五年でございますと定数百二十人以下の木造建築の場合には百五十万円の補助をいたしましょう、百二十一人以上の場合は二百万円の補助をいたしましょう、こういう定額をきめまして――それは御承知のように、児童福祉法によりますと保育所の予算については二分の一補助すると、こうあるわけです。それじゃ保育所の予算のうちのどの部分について二分の一かということになりますとはっきりしておりませんので、補助金適正化法に基づきまして一定の補助基準というものをきめたわけでございます。一定の補助基準をきめましてその基準に合致するような保育所をつくっていただきたい方はこのとおりの申請をしてください。たとえばいま申し上げますと、百二十人以下の場合には百五十万円の補助申請をしてください、以上の場合には二百万円補助申請をしてください、こういうことで補助の基準をきめて、市町村にそれを通達し、市町村がそれぞれの金額の補助申請をする、そしてそれによって補助金を交付する、こういうやり方をいたしておったわけであります。
 ところがなるほどこれは御指摘を待つまでもなく、あの当時でも百五十万あるいは二百万程度で十分な保育所ができなかったと思うのです、残念ながら、私も率直に認めます。そこでその後、こういうことでは、いまお話しのような超過負担ばかり市町村にかぶせるじゃないか、それはよろしくない、こういうことになりまして、四十七年度、自治省、大蔵省、厚生省三省で、実態を調べましょう、こういうことになりまして、超過負担解消ということになってまいったわけでございます。そこで四十八年度、四十九年度、二年間で超過負担を解消しようというふうな方針になりましたために、四十七年度、四十八年度と、いま申し上げました施設費の予算もふえてまいったわけでございます。四十七年度は二十四億、さらに四十八年度には五十六億となりまして、いま申し上げましたような、四十四、五年度においては、たとえば定数九十人以下は百万、百五十万でございましたが、それを四十七年度においては木造の場合四百三十万、それから昭和四十八年度においてはさらに六百八十六万と、急激に単価基準を上げるようになってきたわけでございます。
 したがって私あの当時のことを弁解、言いのがれをするわけでも何でもありませんが、あの当時はやはり国全体の保育所施設費の総予算が少なく、しかも希望が非常に多かった。それを何とかまかなうために――私も実情に合わなかったと思うのです、率直に言いまして、やむを得ずこういうことをやった次第でございまして、そうしたことを数年たちました今日、こういう訴訟が出ましたことにつきましては、私は非常に遺憾なことだと考えておるわけでございます。しかし私どもはこれで満足しておるわけじゃございませんで、ただ遺憾だということを言うだけではございませんで、今後はやはり超過負担のないように補助基準というものをはっきりさせる。しかし現地において市町村が支出した金額の全部をそれを計算して、その二分の一を出せといわれても、これはなかなかそれはできませんが、実情に合うような補助基準をつくっていく。そして超過負担のないようにする、こういうふうに今後はしていかなければならぬだろう、こういうふうに考えておる次第でございます。しかし過ぎ去ったことでございますが、以前のこうした、少なかった補助金を中心に訴訟の出ましたことは、私どももほんとうに遺憾なことであったと、かように考えておる次第でございます。
○小谷守君 大臣、たいへん遺憾でありましたという御感想だけでは困ると思うのです。私がお尋ねしておるのは、あえてこういう手段をとったわけでありますが、その趣旨が間違っておるのかどうか、妥当と思われるのかどうか、そこについてのお考えを承りたいと思うのであります。私はこの法律を読んでみて、これは二分の一を国が負担する。このくらいはっきりした法律はないのです。精算額の二分の一を負担する。法律によっては二分の一以内とかなんとかぼかしてある法律もありますね、そういう立法例もありますが、これだけはきちっと精算額の二分の一を負担すると書いてあるわけですから、これは摂津市長が何度お願いしても国のほうでお支払いがないから訴訟をあえて起こしたということだと思うんでありますが、はっきりしておると思うんであります。それで、将来はこうする、このことは承りました。この訴訟そのものについての趣旨はこれはどう受けとめられるかということをひとつ承りたいんです。
○国務大臣(齋藤邦吉君) この訴訟について私とやかくのことをいま申し上げるつもりはございませんが、法律的には児童福祉法によって市町村が、まあこれは任意のものでございますが、市町村が設置する保育所に対して二分の一を補助する。――それじゃ保育所のどの部分について補助するか。土地代は見ておりません、現実問題として。建物についてどの程度見るか、それについては補助金適正化法に基づきまして一定の規模と基準というものをきめて、この基準に従って要請があれば補助をいたします、こういう仕組みにしておるわけでございまして、私どもは法律的には従来のやり方で適法であると思います。思いますが、訴訟になっておる段階でございますからそれ以上のこととやかくは申しませんが、すなわち、保育所に対して二分の一の補助をいたします。それじゃ保育所のどの部分に対して二分の一か。それについては適正化法に基づいて基準をきめ、毎年国の予算がきまりますと厚生事務次官通達をもって、本年度はこういう基準の場合に補助をいたしますと、こういうふうなやり方でずっといたしておるようなわけでございます。しかし、はたしてこういう金額が実情に合ってるかどうかということになりますと、いろいろ問題が私はあると思います。そこで私どもは、今後はいわゆる超過負担をかけないようなやり方でしていかなけりゃならぬ、実情に合った基準をつくっていかなけりゃならぬ、こういうことで、さしあたり四十八年度、九年度二年間で超過負担を解消しようということで努力してるわけでございますが、今後とも実情に合った基準をつくる、こういうやり方で進んでいきたいと考えておるわけでございます。
○小谷守君 私は厚生大臣を尊敬しとるんですがね。あなたの御答弁をいま聞いておると、漢文で申しますとそういうのは牽強付会の論ということになるわけです。(笑声)厚生大臣はそういうお人柄でないと私は尊敬しとったんですが、失望しました。
 最近政府は公害裁判、特に四大公害裁判と言われる大きな裁判がありました。四日市、水俣、……ありましたが、それらの公害訴訟についてはいずれも、もう裁判はええかげんにせいよと、原告の言うことを企業のほうも無理であろうが聞いてこの問題をおさめろ、控訴もすな、こういうことで指導をされてきた。私はこの姿勢は正しいと思ってる。しかし、自分に火の粉のかかるようなことになると一向そういう柔軟な態度をとらぬ、こういうわかりきった問題についてもですよ。あとで私は堀木訴訟の問題も提起しますがね。私はさっき、田中内閣の政治の姿勢は貧乏人と成金、二つの顔を持っていらっしゃる、このことを嘆いて二、三の例をあげましたが、こういう訴訟の問題についてもあなた方は二つの顔を持っていらっしゃる。こういうわかり切った、法律に根拠のある市町村の訴えについても、判決があるまで何もせぬということですか。裁判で争うということですか。私はもっとやはり国は市町村に対して思いやりのある姿勢でなくてはならぬと思います。一番根源的にはやはりこういうことの起こる基本的な原因は、第一線自治体がやっておりますシビルミニマムと、国の行なおうとするナショナルミニマム、これがかみ合ってないところにこういう不幸が起きておると思うのでありますが、もう法廷でこれは解決するということ以外に知恵はありませんか。もう一度伺います。
○国務大臣(齋藤邦吉君) この問題は、いまお述べになりましたように、ナショナルミニマムとシビルミニマムとの関係からこういう私は一つの問題が出てくる問題だとは思っております。地元においてはりっぱなものをつくりたい、何とも住民の希望によってはできるだけ多くのものをつくりたい。国のほうは総ワクがあり、希望が非常に多い、そこで一定の基準をつくって補助をする、こういうわけでございますから、そこで、シビルミニマムで市町村長がつくりたいという保育所、かかっただけ全部と、こう計算されてもなかなか国は容易でない。そこで補助金等適正化法に基づいて一定の基準をきめてやっておるわけでございまして、四十五年度、四十六年度とだいぶ前のことについて、それだけかかった金を支払えと、出すべきであると、こう言われましても、いまのところ私どももどうにもならない。
 実はこの問題訴訟が起こります前に私の省にも参りまして事務次官とこの市長の方といろいろ懇談をされたようでございます。何とかならぬだろうかという話がありましたが、やはりいろいろな立場上訴訟を起こさざるを得ないのだと、こういう話になってお帰りになったようでございます。何らか具体的に解決する方法があれば私けっこうでございますが、すでに予算的にもう済んだことでございますので、いまこれを持ち出されてもなかなか容易ではないんではないか、こういうふうに考えております。しかし、私としては、今後ともこの問題解決のために何かいい方法が、話し合いによって解決する方法があれば、私は一向その点については苦にいたしませんで話し合いをいたしたいと思いますが、もうすでに四十五年度、六年度というので予算で済んだ事項でございますし、しかも私どものほうは適法だと思ってその基準に従って予算を配分しておるわけでございますから、訴訟になりました以上はいまの段階ではいかんともしがたいのではないだろうか、こんなふうに考えております。しかし、話し合いの余地があるのか、ないのか。また相手方との話し合いも、またこれして見なければわかりませんが、訴訟になった以上はいまのところなかなかこれは容易なものではない、こういうふうに考えておるような次第でございます。
○小谷守君 これで最高裁までいかないとしかたありませんか、住民はたいへん不幸だと思いますよ、そういう頑迷固陋と申し上げてはたいへん失礼でありますが、かたいですな。私は社労の委員ですから、引き続いて社労の委員会でこれはまたお尋ねを続けることにします。
 自治大臣、たいへん御苦労さんです、超過負担の問題ですね、一番大きな問題はやはりこれは国と地方との財政秩序の問題だと思います。これをひとつあなたの代にすっきりしたものに改革をしてもらわなければならぬと思いますが、まず単価差です。公営住宅にひとつ例をとってみましょう。私が住んでおる神戸の町、ここではすでに超過負担が単年度で四十億もあるというふうにいっておりますが、公営住宅、天井や壁、これを外気から遮断する断熱材を使ってはならぬ、これはだめなんだというわけです。あるいはコンクリートの外の壁、外壁塗装は、これはしちゃいかぬ、対象にならぬというわけです。そういうことではこれは欠陥住宅ではありませんか。建設大臣おいでになりますが、どうお考えでしょうか、そういうことでまともでございましょうか。
○国務大臣(金丸信君) 私も神戸の公営住宅の問題についてはつまびらかにしていないわけでありますが、ただいま先生の御指摘のようなお話を承りますと、まともであるかないかということになりますと、なかなかいろいろ種類もあろうと思うんでありますが、常識的にはまともでないなという感じがいたします。
○小谷守君 自治大臣いかがですか。
○国務大臣(江崎真澄君) まあ率直に言いまして、私ども長いこと議員をしておりますと、公営住宅ばかりでなくて、たとえば道路の拡幅にしましても、河川の改修で敷地を買収する問題にいたしましても、何だか地主に地方公共団体の責任者が手を合わせて協力してくれないかと、これも村がよくなることだから、町がよくなることだからというんで私情に訴えて頼んでおる。それをお互い議員が仲介に入って口添えをして、ともに懇請をすると、こういう繰り返しが続く政治というものは全くないと思う。そういうことで昨年関係省庁語らいまして六事業について実情調査をしたわけでありまするが、これは御指摘のように十分実情に合うようにやはり補助単価を引き上げていくとか、あるいは補助基準面積等をもっと改革して十分みれるようにするとかいうことは絶えず努力していかなければならぬと思います。まあできるだけのことをしておるつもりでありまするが至らぬところもまだ多いわけでありまして、特にだんだん予算を積算する時期に入っておりまするから、ひとつこういう弊害が繰り返されませんように時代の推移に合うように、特に最近の異常な資材の値上がりという点なども考慮に入れまして、十分関係省庁と連絡をとって配慮してまいりたいと思っております。
○小谷守君 たとえば学校です。小中学校、この大切な義務教育の学校の建築というものを一つとってみますと、運動場の整地費はこれは対象になっていない。門――校門、これも対象になっていない。さくやへいも対象になっていない。ですからこれはすべて私費で、私費を継ぎ足して施工しておるわけでありますが、これは欠くことのできぬものだと思うのです。こういうものを欠いたならば施設としてのていをなさぬと思うのであります。そういうものは対象の中に拾い上げていくべきじゃありませんか。具体例をあげましたが、あげればまだたくさんありますけれども、補助対象の範囲というものをいまのような状態では困る。これについてのお考えはどうですか。
○政府委員(安嶋彌君) 御指摘のように門、さくへい等が学校の施設として必要なものであるということは、これは御指摘のとおりだと思いますが、私どもが義務教育諸学校施設費国庫負担法で負担対象といたしておりますのは、御承知のとおり普通教室、特別教室それから各種の準備室、廊下、管理室それに屋内体操場といった基幹的な建物を補助負担対象にするということでございまして、年来これに対して負担金を支出しておるわけでございますが、それ以外の門でございますとかさくでございますとかあるいは校内の舗装でございますとか植樹でございますとか各種の経費が現実に要ることは事実でございます。それは小中学校の第一次的な設置主体が町村でございまして、その経費の第一次的な負担者はこれまた市町村ということでございます。そうした部分については市町村が本来負担すべきものであるというふうに考えております。現に交付税の基準財政需要額におきましてもそうした補助対象になっていない経費の種目につきましては標準経費としての積算があるわけでございます。そうした形で措置がなされておるわけでございます。国といたしましては基幹的な部分について負担をする、こういう制度でございまして、それで私どもは一応足りておるというふうに考えております。
○小谷守君 それで足りておらぬからお尋ねしておるのです。それで悩んでおるからお尋ねしておるのです。あなた方そんな認識じゃ困る。基準財政需要額の中に織り込んであって、これは交付税の中に織り込んであるからだいじょうぶだ、実情はそんなものじゃないのですよ。もっと文部省もそこの実情を見なければいかぬと思う。まあいま二、三の例をあげましたが、大臣にまとめて伺うのでありますけれども、確かに四十八年度から超過負担の解消について第一歩を踏み出された、これは敬意を表します。これはもともと四十五年度の全国知事会の調査結果等をしんしゃくされて捨て置けぬということで踏み出されたと思うのでありますが、私はあの時点でおやりになったことがまだまだ不十分な点がたくさんあると思うのです。どうですか、新しい年度の予算の策定時期を迎えようとしているわけでありますが、新年度には思い切った、財源も豊かな時期でありますから超過負担解消のためのひとつ大きな改革を断行してもらいたいと思う。大臣の決意を伺っておきたい。
○国務大臣(江崎真澄君) これはもう先ほどから申し上げておりまするように、超過負担ということはやはり国及び地方財政の均衡を失して非常に地方財政にマイナス面を招来いたします。したがってこの解消に私どもは一生懸命なわけでございます。幸いきょうは関係の建設大臣、厚生大臣、また文部大臣は来ておられませんが、文部省当局も来ておりますが、すべていつも事務当局が寄りまするとこの問題について頭を悩ましておるわけでございまして、十分事務的に折衝もし、政治的には私どもが責任をもちましてこういったことが繰り返しになりませんように、よくよくひとつ大蔵省当局と折衝をして超過負担解消に向かって努力をいたします。これはお約束いたします。
○小谷守君 厚生大臣、社労の委員会が三時から始まるようでありますから大事な健保のあれですから、一つだけあなたに最後に質問したいと思いますが、例の堀木訴訟、これは児童扶養手当と障害福祉年金の併給禁止をめぐる問題でありますが、昨年九月原告の堀木さんが勝訴したと、いま控訴審でこの問題が口頭弁論中でありますが、まあ目の見えない老婦人がかよわい手で子供を育ててきた、こういう人の涙の出るような問題です。もうすでにこの問題は何回か衆参の社労委員会で取り上げられておる。そこで私は少しアングルを変えてきょうはお尋ねしたいんです。
 衆参でこれを質問された速記録を見ると、控訴するか、控訴します、まるであなたがその訴訟の当事者みたいな答弁をしていらっしゃる。しかしこれの正面の訴訟の当事者は兵庫県知事ですね。ところが速記録を読むと自分がいかにも訴訟の当事者のようなことを、あなただけでなしに、前任者の塩見大臣もそういう答弁をしていらっしゃる。ここに一つ大きな錯覚がある。その錯覚のもとをきょうはひとつお尋ねしたいんですが、ここに兵庫県の知事坂井時忠さんの書いた随筆集がある、この中に――もう時間がありませんから一々朗読は省略します。この一審判決に対して控訴するかどうかということでずいぶん悩んだと、国はたいへんな勢いで控訴をせい控訴をせいということで迫られた、とうとうそれに屈して控訴をやったけれども心が痛んだと、それでその併給分だけは県が独自に出しておる、こういうことであります。いろいろ書いておりますが、それ朗読はやめます。伺いたいのは、これは府県に対する国の機関委任事務です。ですからある程度の指導をなさることはよろしいが、そこまで、自治体の長を追い込むまで圧力をかけていいものかどうか。さっきも申し上げました、公害裁判ではもう控訴をするなと言ってあなた方は指導しておられる。多少でも自分に火の粉のかかる問題になるといやがる自治体を圧力を加えてまでこういうことをやらしておる。こういうことはいいとお考えになりますか、どうですか、厚生大臣に伺いたい。自治大臣は自治体に対してこういう圧力をかける厚生省のやり方に対してあなたは地方自治を守る立場でどういう御感想でありますか伺いたい。
○国務大臣(齋藤邦吉君) この問題は私が申し上げるまでもなく、すでに御承知のとおり、いわゆる児童扶養手当と障害福祉年金の併給の問題でございまして、この事件が起こりまして、御承知のように前大臣のときこういう併給禁止はやめようじゃないかということで今度の国会にも併給を認めるようにいたしましょうという法案を提案いたしておるわけでございます。そこでこの問題についてはしたがってその併給を認めるという法律の改正を御提案申し上げておるわけですから、この法律が成立いたしますれば実際的にはこの問題は解消するわけでございます。ところがこの判決においては憲法違反だという判決が出ているわけでございます。併給を禁止しておる現行法は憲法違反である、こういうところが実は訴訟の問題であるわけでございます。国会を適法に通過し成立いたしました法律が憲法違反であると、第一審においてそういう判決が出る、そこが実は問題だということで兵庫県知事と打ち合わせをいたしまして控訴をしておると、こういうふうになっておると私は理解をいたしておるわけでございます。したがって今度の提案いたしておりまする法律が成立いたしますれば実態的には問題はない、けれども国会を適法に通過し成立した法律が第一審においてすぐ憲法違反だと、この理屈はいただけないではないかと、その理屈だけについての訴訟であると私は理解をいたしておる次第でございます。
○国務大臣(江崎真澄君) いま厚生大臣から御答弁がありましたように厚生省としては決して圧力をかけていない、これは機関委任事務ですから国が指導できる立場にあるわけでございまして、圧力をかけておる、指導をしておる、これはたいへんな違いなわけでございます。そういう意味で指導はできるというふうに理解いたしております。
○小谷守君 建設大臣に伺いたいと思うんですが、四十六年度の会計検査院の報告を拝見しましてもずいぶん各所で公共事業におきまする不当行為ないしは不正工事が多いように思います。少しは減ったかなと思うんですけれども一向に減らぬ、一つはどんどん公共事業は伸びていく、量的にどんどんふえていく、こういうことの関係もあろうと思いますけれども、こういう時期でございますから特に工事の不当なもの、不正なもののないように御戒心を願わなきゃならぬと思うんでありますが、そこで伺いたいと思いますことは、一つの業者がどっかで不正なことをやったという場合のどういう制裁をこの業者に対して科しておられますか、その根拠はどういうことでおやりになっておりますか、そういう基本からまず伺いたいと思います。
○国務大臣(金丸信君) 公共事業がふえておるという御指摘もあったわけでございますが、ふえてもふえなくてもいろいろの批判があるということについては戒めなくちゃならぬことでありますし、またわれわれも二十五、六年代の当時の状況を見ましても非常にふえておるということは認めざるを得ないわけでありまして、これにつきましては厳に戒めなければならぬと思うわけでございますが、建設業者はその業務に関し他の法令に違反する等建設業法の監督処分の事由に該当するときは必要な指示あるいは営業の停止または許可の取り消し処分を行なっているところでありまして、なおこのような行政処分のほかに必要に応じては指導、助言、勧告等を行なってきめこまやかに厳重な、厳正な態度で臨まなきゃならない、こういう考え方でおるわけであります。
○小谷守君 大臣、私が申し上げたいのは、たとえば沖繩で一つの不正工事があっても私は北海道まで含めて指名停止をさせなきゃいかぬと思う。そういう機敏な措置がとられておるかどうか、これは特に最近の建設業の業態というものをまともに見ますときに、私は、そういうことがぜひ必要だ、そういう機敏な措置が望まれる、こういうふうに思うのでありますが、いかがですか。
○国務大臣(金丸信君) 御指摘のとおりでありまして、たとえばいまの御指摘の沖繩で違反を起こした、北海道で、こういうような問題につきましては、各地方建設局に連絡をとりまして、これに対するいろいろの基準もあることでございますから、その基準に従って、入札指名停止その他いろいろの方法を講じておるわけでございます。
○小谷守君 いま指名停止その他の制裁を加え得る根拠法というものは私は予決令だと思う。予決令の七十一条、これがその根拠になっておると思うのです。ところが、この予決令で十分かどうか、こういう疑義を感じます。予決令七十一条は、国との契約に関して不正行為のあった業者に対して国による制裁を定めた唯一の基本規定でありますが、この制裁については、契約担当官等は本条に該当する業者を「競争に参加させないことができる。」となっておる。「できる。」、参加させてもいいのですよ、ひっくり返せば。こういうなまぬるい法律が根拠法になっておりますから、おやりになっておる制裁が徹底していないのです。大臣におことばを返すようでありますが、徹底していない。東京で不正が起きたら、北は北海道から南は沖繩まで全部とめてしまう。こういう機敏な措置ができない。こう思いますが、大臣の御見解はいかがですか。
○政府委員(高橋弘篤君) 指名停止、指名に参加させないという根拠は、先生御指摘のとおり予決令の七十条、七十一条でございます。これ以外に、御承知のように、各省各庁の長は、それぞれ一定期間、一定の理由に該当した場合におきましては指名停止を行なう、そういう基準をきめておる次第でございます。そういう基準に基づきまして、不正行為をした業者というものの競争参加資格を一時停止をするというような措置を講じておる次第でございます。
 それから建設省の所管の直轄、それから公団、そういうものにつきましては、大臣からも御答弁を申し上げましたとおり、それぞれこういう事故がございましたら、通報制度がございまして、通報してまいりますと、その事故の内容、また起こりました地域その他、そういうものを勘案いたしまして、それぞれ各発注者に私ども内部で通報いたしまして、指名停止の措置をとるようにいたしておる次第でございます。
○小谷守君 抽象論ばっかしやりとりしておってもあれですから、具体例を申し上げましょう。
 これは日本道路公団の名古屋支社で汚職が起こった。そこで公団は四つの業者に対して制裁をした。それは三藤開発、鴻池組、山崎建設、三井建設、この四者に対してそれぞれ制裁をした。官房長、これをひとつまないたにのせて考えてみましょう。このときに、建設省は、いまあなたがおっしゃったように、いち早く北海道から沖繩までこの業者に対する全国的な制裁を行ないましたか。予決令を根拠としてそういう措置をとられましたかどうか、具体問題として伺いましょう。
○政府委員(高橋弘篤君) 御指摘の道路公団の事故でございます。これにつきましては、四者を道路公団でも処分いたしておりますけれども、これを道路公団から建設本省へ通報がそれぞれ四十七年の三月及び四月にありました。直ちに本省から関係の機関に私ども通報いたしたわけでございます。四つのうち三藤開発と山崎建設という会社がございますが、この二つは私どもの直轄の地方建設局の有資格業者ではないわけでございまして、地方建設局が、あとの二者につきましては全部通報を直ちにいたし、また道路公団以外の各公団にも通報いたしたわけでございます。そういうことによりまして、いまの三藤開発及び山崎建設――さっき申し上げましたこの二者につきましては、地建の有資格業者でございませんから、入札参加資格審査申請書の提出がございません。それ以外の会社につきましては、それぞれ地方建設局におきまして一時指名を停止するという処分をいたしております。
○小谷守君 それは予決令によっておやりになりましたかどうか。
○政府委員(高橋弘篤君) 先ほど申し上げましたように、この指名停止につきましては、予決令の七十条、七十一条という規定がございますけれども、それ以外に各省各庁の長がそういう指名停止の基準を定めておるわけでございまして、そのことで建設省もそういう基準を定めております。したがいまして、その基準に従いまして行なった次第でございます。
○小谷守君 私が申し上げておるのは、公共事業は決して建設省だけではないわけであります。建設省が非常に大きな部分を分担していらっしゃることはよくわかりますけれども、農林省もあるし、運輸省もありますですね。そうすれば、そういう機関に対してこれが全部行き渡るのは予決令以外にない。あなた方は、建設省の一つの内輪の内規としてそういうものを持っておるということでございますが、この間も、それはどういうものかひとつお示しを願いたい、こういうふうに要求しますと、おかしいですね、それがもし業者に知られると手のうちがわかるので出しにくいなんということを言われる。手のうちが知れていいじゃないですか。私は、およそ人に制裁を課するペナルティの原則というものは、やはりこれは文明国におけるペナルティの原則というものは、罪刑法定の原則というものが立てられなければいかぬ。自分の省だけで内規として人に知らさずに持っておって、胸三寸で、これはどうしよう、ああしようなんていうふうなことは、いやしくも人の権利を制限しなければならぬ問題ですから、これはやっぱり天下に公表して、こういうことをやったものにはこういう制裁を課すぞということを周知させて堂々とやるべきじゃありませんか。
 と同時に、いまの応答ではっきりしたことは、道路公団で起きた名古屋の支社の汚職事件、これについては予決令は適用をされてない、したがって大蔵大臣を通じてほかの省庁には及んでないということがはっきりしたわけです。こういうことでは不徹底だと思うんです。同時に、建設大臣いかがですか、内規だけで制裁をするなんというこそくなことをやめて、私ははっきりとした――この予決令でも不十分だと思うんです。最近の建設業界の状況というものを直視すると予決令でもだめだ、私は新しい立法がこの際必要だと、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○国務大臣(金丸信君) いろいろこの点については問題点があることを御指摘されたわけでございますが、私もあると思います。また、内規の問題等につきましても御指摘があったわけでございますが、まあ建築業法が改正になりまして相当厳重になってきておるわけでございますが、この問題につきましては各官庁と連携をとりながら前向きで検討してみたいと思います。
○小谷守君 これは農林なり運輸、ここらとひとつ御相談になって、業界を甘やかさぬように、もう予決令も古いです、背たけが伸びておるのにいまだに四つ身の着物を着ているようなことでだめだと思うんです。お考えを願いたいと思います。
 これに関連をしまして建設大臣にもお伺いしたいし、自治省にも伺いたいと思いますが、先般自治省から公表されました政治資金の届け出、これを見ますというと土建業者が圧倒的に多いですね。私はいま建設業界の現状ということを何回も申し上げましたが、入札には談合がある、これは公然の秘密になってしまった。その媒介をする者はだれか、そして一切のことを暗くしておる大きな原因はこの政治献金だと思います。何回もここで毎年毎年、黒柳先生からも私からも、建設省の幹部が土建会社に天下ることはよくないじゃないか、こういうことの癒着、こういうことも指摘をしてまいりました。建設大臣、頭が痛いと思いますけれども、粛正をしてもらわなければならぬと思います。それで、一番苦々しいのはこの政治献金です。それで、建設大臣にも自治省にも伺いたいのでありますが、りっぱな法律があるんです。公職選挙法の百九十九条、これによりますと、国の公共事業なんかを請負うところの業者は国会議員の選挙について寄付をしてはいかぬということが百九十九条にきちっと書いてある。ところが、この「選挙に関して」ということがざる法のざるでありまして、どの金が選挙に使われたかわからぬ。「選挙に関して」というところが解釈の分かれ目でありまして、この法律はまともに運用されていない。この政治資金の届け出だけを見ましても驚きますよ。政党に対し、個人に対し、個人の後援会に対したくさんのあれが届けられている。また、この届けられておるのは氷山の一角といわれておる。もっともっと大きいものが隠されておる、こういうふうにも推定されておりますが、まず建設大臣いかがですか、公共事業をほんとうに清らかなものにするために、国民の信をつなぐためにも、この際この種の政治献金は受け取らぬ、政治献金をするなという指導を大胆にされる御意思ありませんか。
○国務大臣(金丸信君) 政治資金の問題につきましては、いろいろ論議を尽くすところでありますが、この政治資金と公共事業推進という問題についてそこにいかがわしい問題があるとするならばこれは厳に戒めなければならないと私は思っておりますし、また今後公共事業を推進する上において建設業者と政治資金とのあり方についてはえりを正して指導してまいりたい、こう考えております。
○小谷守君 建設大臣のは出ておりません、あなたのは出ておりませんが、とにかく何とかしなければいけませんね。
 自治省選挙部長いらっしゃいますか。百九十九条の解釈は伸びたり縮んだり、融通無碍の法律だ、これでよろしいとお考えになるのか。私はあなたにこの解釈論を伺うと同時に自治大臣に立法論として、政治資金一般論はともかくこれは大きな問題ですが、こういう国の事業を請負ったりするようなものは政治献金をしてはいかぬということだけでも新しい立法をする意思はないか、こういう点をひとつ伺いたいと思います。解釈論は部長から、立法論は大臣からお願いしたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) ただいまお示しの公職選挙法の百九十九条一項でございますけれども、国または地方公共団体と請け負いその他の特別の利益を伴う契約の契約期間中にありますものが国またはその地方団体の選挙に関して寄付をいたしますことはその選挙の公正を害するし、またその後の政治等にもいろいろ好ましくない影響を及ぼす、そういったおそれもございますから、これを防止するという見地から禁止をされておるわけでございまして、いまお話がございますように、公共事業等の請け負い業者が契約期間中にその特定の選挙に関して寄付をした場合は百九十九条一項の規定に触れるということになるわけでございますが、現に契約関係のない場合とか、あるいはまた選挙と関係がなく政治資金として寄付したといったような場合には公職選挙法百九十九条一項に違反するとは言えないわけでございまして、実態に応じそれぞれの具体例に即してそういった当否を判断しなければならないということになろうかと思います。
 そこで、一体そういう形はどうであろうかというような御質問でございますが、現在御承知のように政党等に対します政治献金につきましては、一方では政治資金規正法におきましてその内容を公開するといった措置をとっておりますと同時に、他方、公職選挙法においてただいま申し上げましたように国または地方団体と特定の関係のあるものが選挙に関して寄付をすることを禁止するというたてまえをとっておるわけでございまして、先ほどおっしゃいましたように、「選挙に関し」というところに問題があるという御指摘でございましたが、そういった意味で、選挙の公正をはかっていくという立場からは、そういった見地からいたしますと、公職選挙法百九十九条の規定はそれなりに十分意義があるというふうに考えておるわけでございます。ただ、おっしゃいました趣旨は、選挙との関連も含めて広く政治資金全体のあり方といったような立場からはどうであろうかというようなお尋ねであろうかと思いますけれども、そういった観点からはいろいろの考えもございますし、従来からそれぞれ議論もされておるところでございます。ただ、民主政治におきます中での政党の役割りとか、あるいはまた国民各層が政治資金を拠出するということ、そういったことの意義といったようなこと、そういった全体を広く考えまして検討する必要があるのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
○国務大臣(江崎真澄君) 選挙との関連も含めまして、政治資金全体のあり方として公共事業請負の業者の献金をどう考えるか、それを思い切って禁止する考えはないかと、こういう端的なお尋ねでありまするが、献金即悪であるという考え方は私はとりません。これはやはり国の政治に、特に民主主義の時代に本人の個人の自由意思によってその政党をよくしようというので政治献金をするというのであるならば、その意義は十分私は取り上げられていいものだというふうに思います。それからまた、国の公共事業を請け負っておる人が立候補する場合だってあります。これはもう当然認められてしかるべきだ、憲法を引き合いに出さなくてもこれは当然のことだと思います。やはり、民主政治における政党の役割り、それから国民各界各層を通じまして政治に対して自分の応援の意思を表明することを含むいわゆる献金、こういったことはやはり私は一面意義あることだというふうにも思います。
 そこで、疑惑を招くような献金はけしからぬ、こういう意味をおっしゃっておると思うのでありまするが、そういうことであるから私どもはいわゆる金のかからない選挙制度の制定、それから一歩でも二歩でも政党本位の選挙、これができるように法改正をしていきたいということを念願として今日に至っておるわけであります。幸い選挙制度審議会から、答申ではありませんが、長年の成果としての報告書を受け取りました。そこで、この報告書に基づいて何らかの選挙制度の改正を含む新しい措置がとられるべきである。そういった制度全般の問題とあわせて、現在どういうところからどれだけの政治献金があったかということを公開しておるではないか。公開制をとっておるといいまするが、それだけでは不備だといういまの御指摘のような問題を含めて議論が爼上にのぼっておりまするので、私どもとしては政治資金規正もあわせてこの選挙制度改正とともに行なおうとしたわけでありまするが、御承知のような経緯で志を得なかったわけであります。したがいまして、今後も、いま御指摘の問題を含めまして十分ひとつ検討をし、選挙制度全般とあわせてこれが改正、改良というような形に持ってまいりたいというふうに思います。
○黒柳明君 私、きょうは長沼の公民館の問題、これは施設庁の関係ですけれども、いまの長沼ナイキの問題で、時の問題なものですから、私は長官に、お忙しいところをお聞きいただきましてまた御見解を賜わりたいと思いまして御出席いただいたわけですが、施設庁が防衛施設周辺整備法によって補助金を出しているわけです。この補助金の目的ですね、これはいろいろ使途があると思うのですけれども、一般に言ってどういう目的でこの補助金が出されるか、ここらあたりからお教えいただけますか。
○国務大臣(山中貞則君) これはいろいろと内容が分けてありますが、まず趣旨としては、防衛施設が運用されることによって周辺地域の方々に対し、その関連度があるという範囲の中においてそれぞれ基本的に定めたものに従って、それらの運用に対して与えている悪影響を少しでも除去しようという趣旨のもとに行なわれておりますが、私としては、この程度では今後基地問題はやっていけないということで、いま抜本的な改正を考えておるところであります。
○黒柳明君 民生安定を主体にしましていろんな多目的な補助金の出され方があると思うんですけれども、そこで、この長沼ナイキ、要するに自衛隊の基地建設に伴ってのいわゆる長沼公民館、この補助金、これは総事業費とそれから補助金の額、それから、それがおのおの二通り分かれておると、こういうことですが、どういう目的で出されたか、これをお知らせいただけますか。
○政府委員(高松敬治君) 長沼町の公民館とそれから農民研修施設の問題でございますが、これは四十七年度の民生安定施設整備事業といたしまして、公民館設置補助事業についての総事業費は六千八百八十九万四千円、それから農民研修施設については六千百六十七万二千円が総事業量でございます。それに対しまして国が出しました補助金は、公民館のほうが三千八百万、それから農民研修施設が三千四百八十万、合計七千二百八十万でございます。
○黒柳明君 これは完成はいつですか。
○政府委員(高松敬治君) 四十七年十二月でございます。
○黒柳明君 七千二百八十万の補助金が出ているわけです。当然、施設周辺整備費によって出される国庫補助の目的というものには制限があることはこれは間違いない。私、いろんな問題がありますけれども、こういう公民館ないし研修所として建てられたものが不特定多数のいわゆるまあ端的なことばで言うと旅館業みたいなことをやることは、これは当然補助金支出の目的に合わないとこう思うんですが――まあ抽象的な質問で申しわけありません。これはもう合わないと思うんですが、どうでしょう。
○政府委員(高松敬治君) ただいまの問題につきましては、実は会計検査院のほうからも御指摘がございました。それで私どももそういう本来の目的以外の、特に宿泊についてそういう本来の目的以外のことに使用されているという節が見られましたので、これについては町当局に対しても厳重に通達をし、注意を喚起しているところでございます。
○黒柳明君 検査院の方もこの事実は認識し、ある意味では運営法を改めろと、こう言ったやに聞いておりますが、こういう不特定多数の者が泊まっていたという事実は確認し、もしこういうことがあると補助金の適正化法には違反すると、こういうふうに思うんですが、いかがですか。
○説明員(柴崎敏郎君) 私どものほうでは、ことしの六月の十五日に、札幌防衛施設局の検査の一環といたしまして、この施設の検査をいたしました。で、先ほども御説明がありましたとおり、四十七年の十二月に完成した施設でございますが、この建設関係につきましては別段異常ございませんでしたけれども、その利用状況を公民館及び農民施設で持っております利用の申し込み書によりまして当たりましたところ、目的外の一般の宿泊者の利用という回数が非常に多いという事実が確認されました。これはただいま長官のほうからも御説明がありましたとおり、この補助事業の趣旨から言いまして適正な運営ではないと、このように判断いたしまして、施設庁あてに御注意の照会を差し上げて、その後町当局のほうと折衝されまして、その措置を是正されたという報告を受けております。
○黒柳明君 まあそういう事実があったことは間違いありません。じゃ現在どうなっているかということが問題なんです。町当局に、ある程度の運営法の改善を申し入れた。現在一泊二食つき千四百五十円、私は九月の二十六日から二十七日まで申し込んだんです。もうすなおに受けつけます、いま現在。私の知っている北海道の人が申し込んであります。栗山町の人です。申し込んであります。現在も改まっていないんです。ビールが二百五十円、一級酒が二百円。まあ若干改まってます。というのは、六月の幾日か検査院の方が行かれたときには遊技施設が多量にあったと、いまその遊技施設は少なくなっています。かわって本だなが一つ、本が百二、三十冊、その本の内容はマンガが半分。これじゃね、私は公民館であり、研修所……、いやマンガが読むんだったって研修になる。これはもう大学生だってマンガ読む時代ですよ。私は何もマンガ読むからいけないということは言いません。それから研修所、まあどんなとこでも研修すりゃいいんでしょう。野っぱらでもできるんです。だけれども、いやしくもやっぱりこういう問題――そう言っちゃ長官に失礼ですが、問題がある基地です。いま問題がある。これから尾を引くんです。そこに、たとえそういう運営のし方は知らなかったにせよ、あるいは若干それを認知した、今日まで百日たってんですよ。その間というものが実情は、精神的には若干うまくないなという感じがあるんです。
 ところが、これはね。あるいは皆さん方もう知っているでしょう。町議会の議事録をごらんになったことありますか、まあこれはあると思うんです。断片的にはマスコミには出てますからね。あるいはいま言ったように、その後の様子というものも当然検査院のほうではやがて報告してもらうようなときがきてるんではないかと思うんですけれども、まだ報告受けてないと、こういうことです。しかしながらまあ全然改まってない。改まっていると一つ認める事実は、スロットマシンとかあるいはパチンコとか遊技施設が確かになくなって、本だなが一つ、百数十冊の本があるというだけです。この点だけですね。あとは何にも改まってないどころか旅館業を営んでいる。これは旅館業法に違反じゃないですか。届け出もしてたい。当然ですね「基地周辺の整備法、国庫補助令で旅館業を営めるわけはありません。旅館業は営めないから届けなんか出せません。届け出せないからどういう旅館名簿になっているか、名前だけしきゃない。ここがちょっとミソなんですよ、こまかい芸当をやったり。住所書かないんですよ。住所氏名を書くとやっぱり旅館業法の中の一環でしょうね、書かせるというものがある。だから、氏名だけ書かせるんですよ。だけれども、それはどこのだれべえであるかなんということは受け付けるほうはわかります、わかろうと思えば。現に不特定多数の人が相当利用しているんです。
 また、さらに言うとね、長沼町の人が宿泊する必要ないじゃないですか、長沼に住んでいる人が。宿泊しちゃいけないと言うんじゃないですよ、したってけっこうですよ、だけど宿泊する本来の施設じゃない。そう言っちゃ失礼だけれども、非常に所得レベルも低いところです。一泊二食千四百五十円なんて出せる階層じゃないんです。道楽で泊まるという階層じゃ、失礼ですけれども町民の収入レベルじゃありません。ですから、宿泊なんということばまず考えられないんですね。宿泊は全部外部です。ビール二百五十円というとこれどうなんでしょう。そこらの旅館と同じぐらいなんじゃないですか、ホテルと。私はアルコール飲みませんもんでわかりません。相当高いんじゃないですか、二百五十円なんというのは。しかも食堂は、もし旅館を営むとしたら食堂あるのかといったらないんです。どこでめしを食わせるか。研修するというためにつくった座敷でめしを食わせているんですよ。ありませんよ、食堂なんか、旅館をやるんじゃないんですから。研修のためにつくった、しいて言うならば。しかしながら、旅館営んでいますから、現実に。千四百五十円とっているんですから。そんな、安いと言や安い。高いと言や高いですよ、長沼あたりの旅館ですからね。部屋だって二十室強しかないんですからね。おふろだって十人入れば一ぱいのおふろですからね。そういうところで食堂もない、研修用のためにつくった座敷を食堂にしている。当然こういう無理も生まれてくるんじゃないでしょうかね。
 ともかくこの百日間、精神的には確かに何とかと思っているみたいです、事務員は。町のほうじゃないですよ、事務員は、そこの。それから、いま言いました娯楽道具ぐらいは若干片づけたあとがあります。しかしながら、現状は全然改まってない。こういうとこですよ。私はしいて言うとね、これがまた長沼基地の直撃弾から今度はこれはもう至近弾になる可能性もあるんじゃないか。いたずらに自衛隊がさらに側面から攻撃される材料をここに提供している。だから、だめだと言ってるんじゃないかと、こういう材料をここにまた……まだまだ二、三ありますけれども、まず根本的にはこういう運営のしかたをして、改まってない。入館料百円なんかとれないでしょう、公民館、本来。百円つ入館料とるんですよ。百円つ。まあ皆さん方ある程度、私、もうお話ししました、現状はおわかりかと思います。まずこういうことも長官――施設庁長官はお聞きになっていると思うが、防衛庁長官はまあ初めてだと思うんですけれどもね。ひとつこういう現状であるということ、これを踏まえて、もう長官のほうがいいですよ、思い切ったことをぱっとおっしゃっていただけますから、どうですか。まあ施設庁長官でもけっこうですよ、施設庁長官でもけっこうですけれどもね。
○政府委員(高松敬治君) 御指摘のような点につきまして私どももいろいろ調査をいたしてみました。まあ全般的な運営としては、たとえば利用人員が一月から五月までの分を見ますと、本来の目的に従っている利用が大体八〇%、そうではないものが二〇%という数字が出ております。しかし、その二〇%の中にいまおっしゃったようないわば旅館まがいの行為ということがあることは事実でございます。それで、私どもとしましても、先ほども申し上げましたように、長沼に対して七月二十七日に補助目的に沿って適正に運営をしてもらいたいという通知を出し、八月九日には町からこの目的に従って運営をするという回答をもらっております。そしてまた四半期ごとに当分の間、その利用状況を札幌防衛施設局長に対して報告をしてもらいたい。こういうことになっております。それでこの点については、実は私どもはかなり運営が直ったんではないかというふうに思っておったわけでございますが、いま御指摘のような事実がなお現在もあるんだと、続いている、こういうことでございますが、この点につきましては、私どもとしてはもう一回よく調べまして、そしてもしそういう事実があればそれに対してさらに厳重に注意をし、監督していくということにつとめてまいりたい、かように思っている次第でございます。
○黒柳明君 だから私はいつも、やはりこの場でぼっとぶつけると皆さん方も困るだろうと思うからあらかじめいろいろなことを教えているんですよ、善意で。そういう事実があればって、あるじゃないですか。私が言ったから調べたんでしょう。そんな変なことを言うと防衛庁長官のゴルフだってまた出さざるを得ない。私が言ったから木更津の九ホールをすぐやめると言ったんじゃないですか。言わなければおれは知らなかった。自衛隊がいまの段階でゴルフなんかしていて何だと、こうなるんですよ。私が言ったからその事実を調べて、事実だということを確認させるために私は事前に接触するんですよ。これは私のやり方なんです。それで私の発言の至らない点、不備な点はドロップするんです。それでかみ合うところというか、ほんとうにうまくないところだけきちっと指摘するように私は努力しているんですよ。そうでしょう。それを、もし事実があったとすればなんて、事実にきまっているじゃないですか。調べたら二〇%いるということじゃないですか。その配分というのはともかくですよ、事実とすればというのはちょっとこれおかしい。答弁してもらわなくても、事実は間違いないんですからかまわないと思います。
 ただ、ここにもつと問題があるんです、これは。ということは、これもお調べになった段階でおわかりでしょう。町議会の議事録。防衛施設庁の部長さんがいらっしゃった。そうして会計検査院の課長さんがいらっしゃった。これに対してのやりとりがあるわけですよ、町議会の議員と理事者当局と。コミュニティーセンターというこれは二間半のでっかい看板が横にある。いまはどうなっているか。一時、公民館となったんです。公民館となった時期というのは、要するに防衛施設庁の札幌の部長が来て、会計検査院が来たその間ですよ。現在はまたコミュニティーセンターというでっかい看板ができているんですよ。そのわきにちっぽけな公民館という札がかかっていること間違いありません。いいですか、町議会の議員と町の理事者当局との議事録。なぜいままでコミュニティーセンターという看板を掲げて、娯楽施設もあった、旅館もやっていた。なのに公民館という看板に変えるのかと。施設庁が来てから、会計検査院が来てから。としたら、町の助役が、いや、こんなの一時だ、検査院の検査が終わったらすぐ変えます、内容はまた変えるんですから。こういう議事録があるんです、ちゃんと。これはお読みになった、あるいはお調べになっていると思いますけれどもね。町のほうはそんなことは全然関心ないんですよ。確かに検査院の課長さんがじかに行かれて指摘されたんですから耳にはしているでしょう。あるいは札幌の施設部に勧告した。それから認識はしているかもわかりません。いま言ったように、だから若干の遊戯施設は確かになくなっています。しかしながら、町当局の運営のしかた、根本的な考えなんというのはせせら笑っているんです。
 そこの原因はどこにあるかというと、ここがまた問題なんですよ。施設庁の役人がなぜいらっしゃったか、部長さんが。新任の部長さんが公民館。補助金を出したところの施設が適正に運営されているかどうか、すっ飛んで歩くなんということはないというんです。検査院が来るから行こうじゃないか、うまくないとあわ食って、こんなことじゃだめだから看板も変えろ、そういう遊戯施設も変えろと、こう言っておる。検査院が来た、合格だ、また元に戻す、こういう操作を施設庁の方がみずからやったという原因。これは私がそうだと言ったって、皆さんがそうであるとは言わない、これはいいです、こんなことは。私は現状認識だけはっきりしておけばいい、こういう裏があるのです。じゃなければ、一回はずした看板ですよ。なぜまた掲げるのですか。現に議事録ではそういう議事録があるのですよ。そんなこそくなことをやって、それで町当局には改善を云々と言ったって、これは根本にやっぱり補助金を出す姿勢、そこにやっぱり問題を持っていかないと、町当局にはと言ったってだめなんじゃないですか。公の場でそういう議論をしている、御存じでしょう、そういうこと。御存じでなかったらば、私……町議会でやっています、はっきり、もう御存じでしょう、そんなことは。要するにおれたちは長沼基地のためにこれをもらったのだから、何に使おうとこんなことはかってじゃないかと、適正化法なんか何だと、こういうかまえがあるのですよ。これで補助金の運用をされたのじゃ、何のための適正化法があるのか、あるいは補助金に対しての目的づけがあるのかわからないじゃないですか。長官、どうでしょう。旅館やっていれば旅館業法離反、これは罰則規定があります、ちゃんと。罰則規定があります。旅館業法違反です。公民館が酒を売ったり、ビールを売ったりしている、あるいは宿泊施設、これも公民館の利用のしかたに、あなた、もう違法でしょうね。まあ施設庁長官ひとつ。
○政府委員(高松敬治君) 名称の問題につきましては、実は長沼町では馬追コミュニティーセンター管理規則というものをつくっている。これがその施設ができた当時、昨年十二月ですか、十二月にこういう条例をつくっておる。そういうことでコミュニティーセンターという名前を使っております。それでこれにつきまして、いま御指摘のような経緯も若干あったわけですけれども、私はその際に、会計検査院の直前にそういう妙な小細工をやったということは、非常にけしからぬと思っております。そういうことをやるよりも、実態をしっかりそういう補助金を出した目的に沿って運営していくのが本来である。ただ現在もコミュニティーセンターという名前にいたしておりますが、これにつきましては、実は長沼の町長のほうから書類が出ておりまして、このコミュニティーセンターは約十八ヘクタールの敷地を持っております。その中に公民館なり研修施設があるのだけれども、それにさらに長沼の屯田兵時代のあれだと思いますけれども、古い明治時代の土蔵を移築して郷土資料みたいなものをそこに集めて展示もいたしております。あるいは体育、レクリェーションの施設あるいは野鳥、家禽その他の小動物あるいは淡水魚の飼育、それから植物の展示、それから盆栽だと思いますけれども、そういう植木類の展示というふうなこともいろいろやっているので、これらの施設を総称して馬追コミュニティーセンターということで、ひとつこの名称はすでに町の条例でも、そうやっていることでもあるし、お認め願いたい、こういうのが私どものほうにまいっておりまして、コミュニティーセンターということばが、そもそもこれまあたいへんむずかしい画然とした定義のない、わかりにくいことばでございますけれども、私どもそういう点からいって、そういうコミュニティーセンターの中心として公民館なり農民研修施設がある、こういうことであれば名称はまあそれでも差しつかえなかろうということで、現在その名称を使用することを認めております。それですからおことばを返すようですけれども、初めにとっちゃったので、会計検査が終わったらすぐにまた元へ戻した、こういうことではなしに、そこへ一つの筋道を立てて、その理屈が合ってそれをわれわれも承認した、こういうことでございます。いずれにいたしましてもその御指摘のような点は、私よくわかるのでございますけれども、そういういきさつでございます。
○国務大臣(山中貞則君) 会計検査院が検査に参ることに伴ってコミュニティーセンターとしてありました看板が検査期間中かけかえられていたという新聞報道を私知りまして、直ちに関係者を私の部屋に招致いたしまして、そうしてなぜそのようなことをしなければならないのか、しかもそのようなことをしなければならない理由がどうして存在するのか、そんな理由が存在するならば、まさに補助金の適正化法の議論をする前に、補助すべきでない対象に補助したのではないか等々の問題について私なりのきびしい疑問と行政の姿勢のあり方についての問題点を指摘したわけであります。私が考えますところ、この問題には明らかに、ただいま長官は責任者で少しことばをにごしたようでありますが、私の承知した範囲では、これは明確に申し上げていいと思うんですが、確かに北海道の防衛施設局の者が、その操作されたことに関与している。その事実は否定できない。こういうことを考えますと、やはりわれわれは地域住民の御希望に沿ってそういうものをつくったはずなんである。しかし、それは反面、国民の税金を支出するんでありますから、それに対していやしくも目的に合致しないような名称なり、あるいは名称をわざわざ検査のときだけ置きかえなければならないような運営をするというようなあり方については、これはきびしく戒めなければなりませんし、どうしてもそれが直らないというならば、補助金のその部分に対する返納等についてきびしい措置をとる必要がある。私はそのように判断をしております。
○黒柳明君 もう明快なお答えですけどね、施設庁の長官がおっしゃったことはちょっと納得できないんです。確かにこそくな、札幌の施設局の事業部長がこそくなことをやった、これはお認めになる、これはそうなんです。だから、私はコミュニティーセンターが悪いと言っているんではないんです。日本語でいえば共同、あるいはそういう共用ということばになるんですから。なぜそれじゃコミュニティーセンターできたものを急に公民館に直して、またコミュニティーにしちゃったかというその操作、これが事業部長が来たときに公民館で補助金出たんだからコミュニティーじゃだめだぞと、看板変えたほうがいいぞ、検査院が来るから、ということにも一つの原因があるわけですよ。それじゃ検査院の来たときだけ、あとは変えておきましょうと、こういうことなんです。そこに筋書きが、施設庁が中心になっている、いわゆるこそくなことをやったと、責められるべき大きな原因もあると、こういうことなんです。
 それからもう一つ、町当局に言わせると、公民館じゃビール飲めませんと言うんです。公民館じゃお客さん泊まりに来ませんというわけです。そこで考えたのがコミュニティーというハイカラ語だと、こういうわけですよ。やっぱり、失礼ですけれどもいなかの人が言うようなことばです。そのハイカラ語をつければお客さんを泊めとったって、まさか公民館で、泊めてください、お酒飲めますかなんてこんなわけにはいかないと、こういうことなんです。どこの公民館見たって何か薄よごれたきたない、事務員だっているかいないかのところ。それは小ざっぱりして、ふろもあって、酒も飲めます、ビールも飲めます、ごはんも食べられます、宿泊もできます、ゲームも、スロットマシンもできますなんというようなことは、公民館の名前じゃだめだと、そこで知恵者がいたんでしょうな、長沼には。コミュニティーをつけようじゃないかと、こういうことなんですよ。ですから、いまおっしゃった、この適正化法云々という前に、こういうところにいわゆるナイキ基地をつくるからひとつ頼む。だけどこういうものがあるんだからという、非常にやっぱり、そうならざるを得ない一つの理由が、苦しい立場もあるかと思いますけれども、また冒頭に長官がおっしゃった、今後は全面的に考えなきゃならぬと、そういう運営のしかた。だけど、法律がきちっとある限りにはそれはまああくまでも違反は違反、違法は違法、今度の考えは考えだと、こう思います。
 現法律下においては、こういう考えで、それでつくったものに対してギブ・アンド・テーク。ナイキの基地つくるからおれたちのかってなものつくるのはあたりまえなんだと、運営するのはあたりまえなんだというところにね、補助金を出したところにそもそもの問題があるわけですよ。頭をなでなで、やったところに。だから、ここらあたりから抜本的にやっぱり直しませんとね。まあこれをどう直す。もしこのままの運営をするんだったらこれはもう補助金を返さそう、いまおっしゃった。あるいは町当局に言わせれば、こういうことも言っていますよ、いや、それでも赤字で町民の負担を願っている、こういう言い方をしていますよ。どうなりますか、そうなると。いまですらも目的外のことをやったったって赤字が出ている。さらにそれをきびしく運営なんかしていったらもう運営が成り立たなくなる。補助金はもらった、基地つくるから、こっちはつくらして何とかこうプラスアルファの要素を獲得した、だけど運営していくこともできないなんてなったら、それこそこの本来の目的にもはずれ、町当局もこれが重荷になるという可能性が町当局に言わせると出てきている。こういうことですよ。
 ですからまあこれ長く議論をしたところで、ともかく相当な不備がある。これはもう間違いありません。今後のもうまだこれ各地ですね、まだこう農業用施設で出した補助金等いろいろなことを調べる過程にあるわけですけどね、当面このいま問題になっている長沼の公民館なもんで、コミュニティーセンターなもんでこの一つを取り上げただけなんです。そういう基地をつくるについて何か将来尾を引き、法律に違反したことで補助金が出される可能性がこれからもある。いままであった。ここにもある、ということは非常にうまくない。まあいま長官がくしくも将来はこんなことじゃだめなんだとおっしゃった、この将来どうするかということを含めてね、いまもしこのままで継続するのだったら、補助金を返還させなきやならない。まあここのところにもちょっと私はね、そうさせろと言いたいんですけれども、町当局の話聞くと、非常にやっぱり問題があります、これは。基地をつくったということにそもそもの問題が発生しているんですから。ですからそこらあたりをどう解決するか。それとともにまあいまこれを、将来はこんなことじゃだめなんだ、それじゃどういうふうにこれからしていくのか、ひとつ長官どうでしょう。
○国務大臣(山中貞則君) まず、いまの施設については、当初の補助金の支出目的に合致するような運営をさせるようにいたしますし、したがって、それができないというならば、現時点においては現在の法律において支出された補助金の当該不適正なる支出部分については返納を命ずる以外ありません。ただ私は、来年度の国会においてお願いしたいと考えております法律は、いまからつくりますから、柱だけ申しますと、施設の運営によってあるいは損害を生じたいわゆるデメリットをプラスマイナスにいたしましょうという程度のものでは、これは長沼判決があった、なしにかかわらず自衛隊の今後のあり方から見て基地の維持というものは非常にむずかしくなる。いまいる基地もだんだんいづらくなり、どこかに移ろうと思っても日本じゅう移り先はなくなるであろう。そういう心配もいたしております。したがって、私としては新しく基地周辺の生活環境整備に関する法律というようなものを念頭に置きまして、新しく現在のような区分の補助金の交付と、さらに地域において、沖繩においてはたとえば嘉手納、茶谷、読谷等に示されますように、自分の行政区画の八〇%、九〇%というようなものが基地に取られておる。そういうところの人たちは、単に基地交付金だけではどうにもなりません。あるいはまた三沢等に例をとりますれば、賛否は別として、国はむつ小川原湖開発という非常に大きな構想を抱いておりますが、その周辺地域の人々は、大体公害問題の議論は別にして、自分たちの郷土の未来像というものを一生懸命描いているわけですが、三沢市においては基地があるために完全にその計画の中に三沢市自体を書き入れてはいけない、青写真が書けないという実情があります。あるいはまたそれらのものと性格を異にして、横田に象徴されるように、関東集約といわれ、集約されて、引き揚げていったところは、国有地をただで払い下げてくれとか、あるいは安くしてくれとか、横田関係の市町村長さんに言わせればぜいたくなるお悩みがある。しかし私たちはいわゆる日米安保の基地提供義務の重さをだんだんだんだん加重されてくる。まあ私がたとえて言いますならば、女性のハイヒールのかかとのように、小さいところにその負担の重みが集約されてくる。そういうところの人々にはやはりそれだけの国家的な立場において御協力を、御しんぼう願う人々について何らかの配慮があるべきではなかろうか、こういうような点を考えておりまして、これらのものに対してつかみ金と言われないような積算の方法をいろいろデータを駆使しながらいたしまして、特別調整交付金というものが出せるようにしたい。
 現在は自治省と話もいま交渉中のところでありますが、自治省において交付金と、基地交付金を持っておりまして、そのことしの予算でいうならば、二割五分を特別調整の目的に使用するワクとして防衛施設庁と自治省とで相談をして若干のニュアンスをつけながら配分するワクとしていわゆる固定資産税相当額の算定の、一本のものさし以外のものとして二割五分のワクがありますが、こういうようなことは、今後基地交付金は一本で自治省でおやりになって、そのかわり国有財産でない米ドル資産といわれておるものについては自治省と同じ固定資産税交付要領でやりますから、当方にそれをおまかせいただけませんか、要するに、私のほうは二割五分の相談権を放棄し、自治省のほうには、本年度予算で二十二億ついております特別調整交付金のほうを私どもにお渡し願えませんかという話し合いをいたしまして、それができるならば交付金の性格が二つ、すなわち米ドル資産の固定資産税に相当すべきものとしての機械的な計算をいたしまする交付金が一本と、地域その他各種の条件によって異なる基地に対して格段の、いわゆるいままでは運用によって影響を受け、あるいは障害を受けたことのデメリットをプラスマイナスにしたいとする努力にとどまったのでありますが、たいへん迷惑をかけて申しわけありませんという意味の交付金が出せるようなものにしたい。それについてさらに、国庫補助等の事業が現在の法律でも行なわれておりますが、地元負担というものがあります。これはやはり起債の対象に今回の法律でしてあげる必要があるだろう、そしてその元利の償還について交付税でめんどう見てあげる必要があるであろう、このようなことを柱にしながら新しい基地周辺の整備法にかわるものとして現在の法律を廃止して立法いたしたい、このように考えておりますが、これは今後予算、それに自治省あるいは法制局等の相談の結果変わるかもしれませんけれども、私の構想は以上のようなものでございます。
○黒柳明君 来年度の新しい立法についての大綱、私はつかみ金じゃない、あるいは特別調整交付金、こういうものを出すことによって米軍基地の拡大ないしは自衛隊の存在というものを容認するような方向になることを非常におそれるし、いままでも補助金については現にいまそうなんですから、そういう問題が起きてきているわけです。ですからむしろ自衛隊の基地を縮小し、あるいは米軍基地をぐんぐん縮小できる可能性があるわけですから、そういう方向でいったほうが望ましいと、当然私は考えるのです。これはいまの議論じゃありませんからここで議論をする必要はないと思います。
 最後に申したいのは、町の事情もよく考えてもらいたいということです。ということは、この施設があるために町のほうでは非常に困っている、現状においては。初めはよかれと思ってつくった、運営した。ところが、やっぱりいまの現状でこういうことを指摘される必然性があります。必然性があるとともに、もしいま長官がおっしゃったように、法律に違反しているから返せといった場合には相当大問題になりますよ。そうするとまた町をあげて、だからナイキ基地をつくれ、つくらないと言ったんだということからまたもとに返るわけです。町民の賛否――賛否というのは反対です、もちろん。ほんとの理事者の数人だけですよ、こういうものを運営している人、数人だけですよ。この点何もきびしく法律にのっとってやるべきはきちっと手を打てとこう言いながらも、そもそもナイキ基地をつくったところに原因は発しているのですから、それをいま言った紋切り型でやったときには長沼は大騒動が起こりますよ、このために。七千二百八十万の補助金をもらっていると、これどれだけ返せと、そろばんはじいて結果が出るかわかりません。現にこれだけのことをやったって赤字なんです。これをもっと適正化して、八〇%も入るようになったら――入館料百円ですよ、百円で幾人来ていると思います、事務員の給料だって払えませんよ。そういう現状です。そういうところから根本的に考えなきゃこの問題は解決できない、それがほかにも可能性がある。ですからいま長官がおっしゃったようなことだけでは解決できないし、むしろそういうような便法を講ずる新しい立法を考えるよりも、根源である基地がなければこんなことはないわけですよ。そこにも議論はあるかと思いますけれども、そこらあたりも最後にひとつ要望ないしは意見を付け加えて質問を終わりたいと思います。
○野末和彦君 きょうの私のテーマは、天皇、皇后、あるいは皇室を肖像にした切手が世界――世界各国というのはオーバーですが、いろいろな国からいろんな種類が発行されておりまりまして(切手を示す)、こんなようにいろいろありますけれども、こういう問題についてやりたいと思うんですが、前回のこの委員会のおさらいのようなことで、まず切手あるいは絵画、あるいはコイン、そういうような一種の投機商品、一時異常にブームになった投機商品について、私はこの委員会でもって、デパートがそういうものを扱うことについては非常に疑問があるから、ということを指摘したんですが、その後どういうふうになりましたか、通産省当局からちょっと結果をお話しいただきたい。
○政府委員(森口八郎君) 六月一日当決算委員会において、野末委員から、百貨店の商法についての御指摘をいただいたわけでございます。私どもとしては、基本的には、百貨店は広告宣伝力も大きく、またお客のほうでは百貨店の社会的信用に期待をして買物行動をするというようなことが当然考えられますので、百貨店のほうでいたずらに投機心をあおるような広告、販売活動をするということは好ましくないというように考えております。こういうような趣旨に沿いまして、私のほうからも百貨店協会を通じて強い指導をいたしました結果、百貨店協会のほうでは、六月の八日、会員各社に対しまして、消費者心理に乗じて投機蓄財の目的に沿う旨の表示を行なうなど行き過ぎた表示はやらないというようなことを指示をいたしております。当省といたしましても、この百貨店協会の指示が十分に実効があがりますよう、今後とも指導してまいりたいというように考えております。
○野末和彦君 その自粛の通達、私もその後見ておりますと、やっていないということもわかりますが、さてやっていないがいままでやったことに対する責任というものもこれはもちろんあるわけです。その後の百貨店の態度が釈然としないと思いますので、一、二実例をあげますが、これは沖繩の切手なんですね。沖繩の守礼門という切手がはっきり言って目玉商品になったわけですよ。これは東京では三越と西武がおもにこの商品を扱いまして、この五月がピークで、一シート四万五千円から四万八千円の値段がついておりまして、そして同時に、デパートは売ることもやったが、買い取りもやっていたというデパートとしてはちょっと考えられないような売り買いの両建ての商法をやっていたわけですが、もちろんこの陰に業者がおりまして、ちょっと催し物をやると一億数千万円売ったという、めちゃくちゃな商売だったようです。さて、それを売る売り場の人間が何を言ったか。広告にはもちろんあおっておりますけれども、売り場は要するに値上がり必至、投資向きといったようなことを言っております。これはお調べでわかると思いますが、四万五千円で一シート買って、さていまブームが去りました、値段が下がりましたね。まあ投機だとか投資とおだてられて買った連中はこれはばかを見たわけで、泣いていますけれども、たまたまこの一シートを三越に持っていく、あるいは西武に持っていった。どうだと言いますと、うちではもうこの種のものは扱ってないのだ――自粛したということですけれども、とにかく売っていたんですけれども、とにかくもう扱ってないと、もしこれを売りたいならば業者を紹介するからそっちへ行けと、こういうことになっているようです。これも御存じだと思います。いろいろな業者の電話番号だけ教えて勝手にそっちへ行ってくれというのですね、デパートで。行きますと、四万五千円で買ったものが八千円、八千円でも引き取らない、現実には。紙くず同然とも言えるわけです。まあおだてられて買ったからばかを見て、ああもう二度と買わないという人はいいんですけれどもね。人によってはそれだけの値段で買って八千円でも買ってくれない、これじゃデパート幾らなんでもひどいじゃないかと、こう思うのがあたりまえですよ。何しろ数カ月で五分の一以下、紙くず同然みたいなものですから。株やなんかだったら投機ですから下がってもしようがないと思いますが、これは切手ですからね、ちょっと性格が違う。
 そこで私考えるのですが、デパートというのはやはりいまお答えにあったように社会的に責任がありますから、売った以上はその商品に対して、もう関係がないんだから業者のほうへいってくれとか、あるいは事情が変わって値が下がっちゃったのでしようがないというようなお客に対する突っ放し方というのがはたしていいかどうか、引き取る、引き取らないは別ですよ、少なくも何か最後までめんどう見るというか、客を納得させるだけのアフターケアですか、そういうものをするのが当然じゃないか、こう思うんですがね。これについてはどうでしょうか。
○政府委員(森口八郎君) 確かにデパートは流通業界を代表する小売り商であります。そういうような限りにおいて、自分が販売した商品について価格、品質等に責任を持てとおっしゃるのは、その意味においては当然だろうと思います。そういうような意味で、私どもも百貨店へ行きますと、やはり百貨店が売った品物について品質と全然違うというような品物の場合には、当然百貨店側は責任を持ってそういう商品を交換する、消費者の満足するような商品に交換するというようなことをやっておるわけでございます。いろいろ商品にクレームがあれば、アフターサービスをやっておる、しかるがゆえに一般の百貨店は今日の信用をかち得たのであろうというように私どもは考えております。
 ただ御説の切手の場合は若干一般商品とは性格が異なる点があろうかと存じます。こういう意味において百貨店ではたして扱うに適する品目であるかどうかということについては、私個人は若干疑問に感じるわけでございます。ただ百貨店側からいたしますと、やはり百貨店という名を冠しておりますがために、万般の商品を扱わなければいかぬ、そのために消費者がやはり切手がほしいと言う人があれば、それを供給する体制をとらなければいかぬということで、実は切手に対する商品知識が十分ないにもかかわりませず、切手業者と連絡をして自分の売り場の一部を提供している。その切手業者に百貨店の店の名前で売らしておるということが実態だろうと思います。そういう意味で、百貨店の名前で売らしておるわけですから、当然百貨店側にも責任があろうかと存ずるわけですが、切手の場合には、とにかく市況商品でもございますし、前に先生から御指摘がございました絵画等につきましては、これは当該百貨店で売ったということがきわめて分明でございますので、某百貨店のごときは顧客からクレームがありましたときには、そのクレームに応じてある程度絵画を引き取る、代金を返しておるというようなこともやっておるわけでございますが、切手はその当該百貨店で買ったものかどうかというようなことは非常に判然としにくい。しかも価格は、先生御指摘になりましたように、そのときどきの市況によって大きく変わるというような品物でございますので、顧客が一体どういうふうにすればいいかということについては当然百貨店は十分なアフターサービスをすべきであろうというように存ずるわけでございますが、やはり切手の処分について百貨店側が責任を持ってやるというのは商品の性格上きわめてむずかしい問題ではなかろうかというように思うわけでございます。
 ただ、いずれにしましても先ほど冒頭に申し上げましたように、百貨店がこの種の商品を扱います場合には、やはり百貨店の信用を考え、十分商品の性質とかあるいは販売を頼む人の内容とかそういうものを十分精査をしてやるべきでありまして、そういう意味で先生が御指摘になりましたように、百貨店の道義的責任は私は十分あろうかというように考えますが、現実問題としてアフターサービスをするという点が限界ではなかろうかというように感ずるわけでございます。
○野末和彦君 まあこの問題をずうっとやるわけにもいきませんので、そのアフターサービスの具体的な面を当局のほうからデパート側とひとつ詰めて、苦情がないから全然私のほうは打つ手も考えてないなんということを言うのはとんでもない話だろうと思うんです。売ってマージン取って、業者を入れているんですからね、あれ場所貸しで。売ったものについてマージンを取っている。買い取りをやって、またそれにマージン乗せて業者に売っている。売り買い二重のマージンを取った実にえげつないというか、デパートとしては考えられない商法をやりましたからね。それで今度はお客が泣いている。うちは知らない、苦情がないから手も考えない、そういうばかなことを許してはとてもおけない。道義的責任があります、ありますと言うだけではやはり済まないと、しかもこれからやらないというのじゃ済まない。いままでやって一体人をだましてどうなんだということを考えますので、この点についてアフターサービスというか、アフターケアの点をもうひとつきびしく百貨店側に言っていただきたいと、こう思うわけです。
 まあこれはデパートのいろんな問題ありますけれども、さっそく、問題の天皇の切手に移りますがね。実はまたデパートが出るんですが、デパートへ行きましたら、切手売り場が縮小はされました。しかし、こういう天皇の切手を売っていたわけですよ。昔、新聞でちょっと読んだんですよ、ぼくもね。天皇切手を某国が発行したってんでね。(資料を示す)これですよね、某国が天皇切手を発行したのでどうだこうだという新聞記事を見ましたがね、いままでどうでしょう。もう値段は別ですよ、幾らで売っているなんということは別ですがね、いままでの調査でまあ郵政当局あるいは宮内庁でもけっこうですが、いままでの調査で天皇あるいは皇室の御一家の肖像を切手にして発行している国がどれくらいあって、およそ何種類ぐらい出ているか、どの程度実態を御存じですか。
○政府委員(瓜生順良君) 当方の了承を得て正当に出たものといたしましては、昭和四十二年の五月に、皇太子同妃両殿下がブラジル国を御訪問になりました、その記念としてブラジル国でこの両殿下の御肖像の入った切手を発行したいということで、これはこちらも了承して発行されたものはございます。そういうのが一つ。了承したものはそれ一つでございます。
 これから申しますのは、事前の了承なく無断で出た不当発行のものでありますが、その一つは、昭和四十五年の夏に万国博覧会の記念といたしまして、アラブの土侯国でありますが、ウム・アル・カイワインという国から天皇・皇后両陛下の御肖像の入った郵便切手が出されました。それから四十六年の九月、天皇・皇后両陛下が御渡欧になりました、その御渡欧記念として、これもやっぱりアラブの国でありますが、アジマンという国と、マナマという小さな土侯国でありますが、ここから天皇・皇后両陛下のこれは御肖像の分と、それから皇太子同妃両殿下の御肖像の分と、これが発行されたことがございます。それから四十六年の十一月に、これは札幌オリンピックの記念ということでアフリカのリベリア国で天皇・皇后両陛下、皇太子同両殿下の御肖像の入った切手を発行したということがございました。
 以上でございます。
○野末和彦君 私のほうで調べますとまだあるわけなんで、もちろん幾らあってもこれは同じようなものですけれども、六カ国、種類は実に二十種余り出ているわけです。で、いまお答えいただきました、正式に承認をしたと、いわゆる政府同士で、ブラジル政府から連絡があって宮内庁で承認したというのは(資料を示す)このブラジルのこれだと思いますね。これは、ですから切手であると、また宮内庁も日本政府も知っておるということなんですがね。さて、じゃあその次に出ました――このブラジルのときのは、皇太子御夫妻がブラジルを御訪問なされたときの記念です。次は万国博覧会記念という名目で出ました天皇・皇后の切手ですね。これはウム・アル・カイワイン、アラブ土侯国というんで調べましたら、例のドバイせんハイジャック事件で一躍有名になりましたドバイに隣接した国で、地図にはもちろん載ってないような国なんですがね。さて、このウム・アル・カイワインという国が人口どれくらいで日本とどういう関係にあるのか、ちょっと外務省の方に教えていただきたいんですが。
○説明員(中村輝彦君) ウム・アル・カイワイン、これは面積が三百平方キロメートルでございまして、人口は七千名程度でございます。もちろんこれは非常に正確とは言いがたいのですけれども、大体そんなものでございます。
 それから日本との関係は、ウム・アル・カイワインのほかに六つの同じように小さい国がございまして、合わせて七つのこういった国が集まりましてアラブ首長国連邦という国を形成しておりまして、そのアラブ首長国連邦との間に外交関係を結んでおります。日本の大使は現地にはまだおりませんが、クウェートにおります日本の大使が兼轄いたしております。向こうの大使はまだ日本に来ておりません。そういう関係でございます。
○野末和彦君 そうしますと、万博当時の七〇年というと、まだアラブ首長国連邦が形成されてないときは、これはただウム・アル・カイワインという一つの土侯国にすぎなかったということになりますね。そうですね。――そこで、この国がこの切手を発行したときに宮内庁としてはどういう経路でこれを承知して、自後、抗議なりあるいは異議の申し立てなり、何かおやりになったかどうか、ウム・アル・カイワインに関してちょっとその経過を簡単に説明していただきたい。
○政府委員(瓜生順良君) この切手が出ているということを知りましたのは、実は朝日新聞のほうの取材の関係でわれわれのほうは承知したわけでございます。それで外務省のほうへお願いいたしまして、外務省のほうはこのクウェートにあります日本の大使館から、このウム・アル・カイワインのほうへ、あなたの国で発行したのであれば非常に遺憾であるが中止されたいということを申し入れてもらったのであります。それに対してウム・アル・カイワインのアハマド首長から、切手のこの発注は取りやめましたというような回答が大使館のほうにあったわけであります。なお、この切手は実は東京で英国のクラウンエージェント社東京支店というところで何か販売しているというようなこともわかりましたので、そこへ中止するように申し入れをいたしました。これに対しましては、このクラウンエージェント社のロンドンの本社のほうへ照会いたしまして、その結果この切手について宮内庁の異議が明らかになったので、配布を中止いたしました。今後日本皇室の方々の肖像等を図案とした切手発行の要請があった場合は宮内庁に異存の有無を確認いたします、本件については御迷惑をおかけしたことをはなはだ遺憾といたします。そういう回答がエージェントのほうからございました。そういうような経緯でございます。
○野末和彦君 そうしますと、そのエージェントの正体ですがね。郵政省にお聞きしますがね、私どもで調べましたら、公的な機関ではもちろんないし、土侯国の切手を発行するとか、あるいはその国と交渉するとかいうような権限もなければ、二、三人の人間がやっているだけの単なる業者にしかすぎないというふうにも思えるわけです。その辺、郵政省ではいまの代理部ですが、宮内庁がいわゆる連絡をとってその返事をもらったという代理部がどういうものか御存じだと思うので教えていただきたいのです。なぜならば、そこに問い合わせしましたら、全然宮内庁に答えたのとは違う説明をするわけですよ。要するに現実に発売されているわけですから、その後もどんどんどんどん。しかも宮内庁の要請で中止したといいながら、もうそれ以前に市場に出回っているし、その後も手回っている。まるでこれは宮内庁が正式ルートと錯覚して何か代理部に適当にあやつられたとしか思えないわけですね。で、いまお聞きしますそのクラウンエージェントというものの性格をちょっと説明していただきたいのです。
○政府委員(石井多加三君) お答えいたします。
 ただいま御質問のございました英国クラウンエージェント社、それから英国の海外郵趣代理部という会社の実態につきましては、実は私たち郵政省といたしましても詳細なことを承知いたしておりませんが、ただいままでにわかっておりますところによりますと、英国クラウンエージェントという会社は、鉄道とか船舶とか医薬とか石油事業等を広く営んでおる会社である。そのほかにただいまのお話に出ておりますような英国の郵便切手の販売を委託されておるという模様でございます。なお特定の国から郵便切手の製造販売を請け負っておるということも聞いておるわけでございます。もう一つの、英国海外郵趣代理部というものは、これはいまのクラウンエージェント社から英国の郵便切手を購入して、これを日本の切手商に卸しておる、こういうふうに聞いております。
○野末和彦君 相手の正体がとにかくいろいろつかみがたいもので、これをあまり言う気はないのですがね。いずれにしても土侯国切手、たとえばざっと言っただけでこんなにあるわけですよ。この中に天皇・皇后のいわゆる皇室関係のお写真が何種類もこうやって使われているのですね。これはそのあとですよ、中止した云々の。それでこの写真、どこから一体手に入れているのか、もちろん宮内庁は御存じないと思いますがね。それからふざけた――ふざけたというか、御肖像にしたって、まるでこういう絵を書いて、天皇――私は特に天皇を崇拝しているわけではありませんが、天皇制にはいろいろ批判も持っていますが、少なくも日本人がこれを見ればやはり腹が立つというか、ばかにしているという気がするわけですよ。相手国の正体がわからないから、かりに話を進める場合に、こういう国が、土侯国が、その国の意思で切手を発行したのだということにかりにしましょう。切手業者に言わせますと、外貨獲得のためにやっているのだと、こう言っているのですよ。しかも日本の記念行事があるたびにまたやってるわけですよ、何種類も出して。つまり日本向け商品なんですな。これは間違いないですよ。相手国がかりにかんでいようがかんでいまいが、その商品に天皇・皇后の御肖像を使っているということになるわけで、しかもそれがデパートで売られて値がついているというのが実態なわけですね。
 それで私がこれからお聞きしたいのは、そこまではプロセスなんですね。郵政大臣にお聞きするのですがね、切手というのは、これはどういうものが切手なんですか。切手の定義。
○政府委員(石井多加三君) 郵便切手の性格につきましては、郵便法の第三十三条に規定がございまして、郵便切手というものは、郵便料金の納付の証として、郵政大臣が発行した証票であります。これを郵便物に貼付して差し出した場合に郵便料金を前納したことになる、そういう性格のものであります。
○野末和彦君 そうしますと、いまの問題になっていますこの切手ですね、ブラジルはちゃんとした切手ですね、これはブラジルで通用しますし、正確な消し印もありますが、ウム・アル・カイワイン、アジマン、マナマ、リベリヤ、それから宮内庁では御存じなかったけれども、フジエーラという国がありまして、その国が出している切手、全部ここに持っていますが、これはじゃ、切手と言えるかどうか。つまり相手国のはっきりした郵政当局がありまして、責任者がはっきりして、その国で通用している切手かどうかという判断については郵政省はどの程度御存じですか。
○政府委員(石井多加三君) ちょっとその前に、外国の場合も、ただいまの郵便切手の性格につきましては同様でございまして、これは万国郵便連合の規約の中に、郵便切手はそれぞれの国の郵政省のみが発行できるという根拠規定があるわけでございます。ただいま先生から御指摘になりました各国から出しております問題の切手につきましては、私たちもその各国に、それぞれの郵政省がこれを正式にこれは発行したものであるということの確証を実は現在持っておりません。万国郵便連合の規約によりまして、加盟の各国が世界で百四十九カ国あるわけでございますけれども、各国が郵便切手を発行いたしますと、これは万国郵便連合にそれを届けまして、加盟の各国にそれと同じ切手を万国郵便連合からまた配布するということで、若干時間的な経過が、あとになれば正式に発行されたものであればわれわれのほうにもその切手が参りますので、確認ができるわけでございますが、現在のところ、ただいま仰せの各切手につきましては、そういったものをわれわれとしては入手しておりませんのではっきりしたことを断定いたしかねます。
○野末和彦君 ということは、じゃ一九七〇年万博記念、七一年天皇・皇后訪欧記念、七二年札幌オリンピック記念、この行事を記念して出た各土侯国の切手が郵政省には入ってないということですよね。そこでですね、ではこれらの土侯国はいわゆる国内の通常切手があるかどうか。国外向けの商品としての記念切手はかりにあったとして、一体通常切手があるかどうか、これについてはいかがですか。
○政府委員(石井多加三君) いま話題になりました各国も現在は、いまその切手を発行いたしました時点――一九七〇年でございましたか、その時点では私が申し上げました万国郵便連合に加盟いたしておりませんでしたけれども、現在はすでに加盟いたしておりまするので、もしそれぞれの郵便省でそれが正式のものとして発行しておれば、当然各国では使用されておる切手であるというふうに考えておるわけでございます。
○野末和彦君 切手マニアのカタログというのが、世界的なカタログがありまして、それを見ると実はないんですよね。こんなものは日本向け切手になるわけで、もしほんとうに希少価値をねらってマニアが集めるなら、そういう土侯国の切手、通常の切手のほうがよっぽど価値があるわけですが、実はそれがない。いまのお話でもわかりますが、どうも郵便制度というものがまだこの七〇年、七一年ごろははっきり確立していなかったというふうにぼくは解釈しているわけなんですがね。ところがだ、業者が消し印のある切手を持っているんだ、これね。ということは、この切手は天皇切手だけではありませんが、土侯国発行の切手はどうも切手じゃないんだと、マッチのレッテルじゃないかと、マッチのレッテルにしかすぎないんじゃないかということを言うマニアがおりましてね。そうしたら、そうじゃないと、現実に通用している切手であると言って、業者が消し印入りのものをこうやって世に示したんですよ。そこでね、私はこの消し印を調べてみたんですがね。これがまた全部にせものなんです、私の調べでは。こういう消し印がほんものかにせものか調べる方法というのはありますか。いや大臣を前にして全然ほかの質問ばかりするようになって申しわけないんですがね、どうなんでしょう。これ郵便制度がわからない。相手国とのどうもはっきりしたあれがない。ましてや昔は単独の土侯国であったが、いまはもう首長国連邦になった、そんな事情を考えますと、なにか確かめるすべもないようですが、科学的にこれが、スタンプが郵便として押されたスタンプか偽造か、これわかりますか、方法何か。
○国務大臣(久野忠治君) ただいま御指摘の点は、まことに私は遺憾なことだと思うんでございます。外国の切手を非常に高い値段で売ったり、あるいは天皇陛下の御肖像をかってに使用して金もうけ主義の外国切手がはんらんをしたり、ただいまお示しのようなこのスタンプが、一体偽造なのかあるいは実在したものをそのまま使ったものなのか、よくわからないというような、非常に郵便切手趣味の世界に混乱が起きておるということは、たいへん私は遺憾に思うような次第でございます。何ぶん外国のことでございますので、非常に調査をいたしますのに困難な問題であると思いますが、郵政省といたしましては、国民の皆さまに御迷惑をかけないような適切な対処のしかたがあるかどうか、十分今後検討してみたいと思っております。
○野末和彦君 それでは私の調べていることを結論だけどんどん言いますので、後ほどきちっとした調査のもとに、私のほうが間違っているか、あるいはまた新事実が出るかどうかをあらためて報告いただきたいと思うんですがね。スタンプがにせものであると言ったのは、私のほうのいろいろな調べからで、現に琉球政府――いまありません。琉球政府の切手に関して、切手業者がにせもののスタンプをつくった例がもうあるわけです、前例が。ごらんになりますと、これはどれがにせもので、どれが本物かわからないぐらいに巧妙にできております。しかし、これはもう解決した問題で、昭和四十六年九月十日の読売新聞に、スタンプを偽造したと、切手業者が悪乗りしてスタンプを偽造してこれを売ったと、で、琉球の郵政庁もはっきりこれがわかったと、しかしながら、琉球政府というものはなくなってしまいましたんで、この責任問題があいまいになっているという実例があるわけです。ですから、スタンプの偽造なんというのは、業者にとっては朝めし前のことなんで、こうやって切手に押してあるこのスタンプの位置、あるいはインク、中には日付も入ってない、こういうものを、どうだ、このとおり通用していると言って子供たちに売っているのが実情だと、私はそういうふうに判断しておりますから、これがかりに土侯国で、あるいは土侯国の意思が加わって日本向けに記念切手として発行されたものにしても、非常にこれは切手と言うには性格の悪い、まあインチキ商品と言っちゃ語弊があるでしょうが、まあマッチのレッテル程度のものだと、こう判断をしているわけですよ。
 さて、そこからが問題なんですがね。大臣も、いまこういうマニアは特に子供たちが多いですから、わりと切手というのは投機化しておりませんからね。投機化してないが、こういうにせものがはびこっているのも事実だ。そこで、この切手が、いいですか、日本のマニアを対象の商品であるというのは、これはわかっているわけです。現実に外貨獲得のためにやっているんだと業者も説明しているんですからね、仲介業者が。責任者もはっきりしないし、相手国の正式な回答もありませんからね、何とも言えませんがね、私が調べたところ、これは日本の業者が、先ほど出てきた外人、ほかにもいるんですが、それと組みまして、日本向けの商売のアイデアとしてこれはいいってんで、まず皇室を利用する、そうして、いろいろな行事にかこつけて、土侯国にはっきりした郵便制度がないことをいいことにその国を無視して、あるいはその国と何らかのコネをつけて、スタンプまでまあ偽造して、子供たちにはこれが珍しい切手だと、手に入らない切手だというふうに売ってたんです。デパートでも売った。通信販売でも売った。まして悪いことは、宮内庁の抗議があとから来た、これを利用して、営内庁の抗議でもう中止になって、二度とこういう天皇切手は出ない、まぼろしの名切手だということにして値段をつり上げまして、すごいもうけたわけですよ、はっきり言って。で、ここで私は、こういうマッチのレッテルのようなものを切手として扱って、切手の資格のないものを切手として扱って売りつけたこの商取引ですな。童心を食いものにしておるといいますか、マニアをだましたといいますか、こういうことはどうなんですか。一種の詐欺的商法だと思えるんですがね。郵政大臣、これはどうでしょう、よその国の名前が入っているからと言って、これやっぱりしかたがないという問題でしょうか。
○国務大臣(久野忠治君) ただいま御指摘の点は、まことに私は遺憾なことだと思うのでございます。しかし、外国のことでもございますし、十分調査もいたさなければなりませんが、しかし、UPU――万国郵便連合の会議を通じまして、もちろんこれは外務省を通じて行なうわけでございますが、十分そのような事態が起きないように、この外国の関係者の皆さんに反省を求めるというのは少し言い過ぎかもしれませんが、とにかく注意をしていただくように、私たちといたしましては努力をいたしたい、かように思う次第でございます。とにかくこのただいま御指摘のような沖繩の切手並びに土侯国の発行いたしたと称せられておりまする各種の記念切手、こういうものが趣味の対象となっているものが投機の対象となっていることにつきましては、たいへん遺憾なことであると私は感ずる次第でございます。
○野末和彦君 それでは、じゃあ私はどうしても調べていただきたいことをこれから指摘しますので、お願いしたいんです。
 いままで言ったことは、まあ切手でないと、商品、日本向けの商品であると。しかし相手国がどの程度責任をとれるか、相手国の意思で発行されてるかどうか、その辺が非常にあいまいだったわけです、郵便制度の関係、あるいはその国との日本の交渉がありませんので。しかし、考えてみたら郵便のやりとりがないというんですね、その国とはいままで。ですから、その国から郵便が来たこともなければ、こっちから出してもはたして届くかどうかわからないと。宮内庁でも、ガーナの大使館を通じて土侯国のある国に郵便を出したが、全然返事もないというようなことも聞きましたが、いずれにしてもその国のことはとにかくおきましょう。そして国内だけで考えますとね、私の調べては――あくまで私の調べです、土侯国というのは郵便制度もないし、それから文句を言ってくるような気づかいもないし、責任の所在もはっきりしていなかったんです。この首長国連邦ができるまで。それをいいことに業者が――確実と言っていいぐらいに業者がこしらえた、これを全部、こしらえた。それを裏づける事実を簡単に言いますよ、これをあらためて調べていただきたいんですよ。
 まず、このマナマという国のこういう写真は、背景を変えて、――あとでゆっくりごらんください、背景を変えて、御肖像だけをいろんなところでスナップしたものを、あらためて何かつくり直してる。ほかにも種類がある。こんなものどこで手に入れられるかわからない。この土侯国が、手紙のやりとりもできない、日本の政府と何の関係もないところが、こんなものが手に入るわけがない。だから、この写真はおそらく日本なり、さっき出てきたイギリスの何とかという代理部が、民間の単なる業者が手に入れて使ったんじゃないかということが一つ。
 次、これはもう確実ですから、お調べください。ある切手業者が、札幌オリンピックのときにある大手の企業に持ち込んでるんです。某土侯国の名前でおたく切手をつくらないかと、非常にPRになるぞと。これははっきりしてる。あるいはできたあとで、おたくPR用にこれを何十万シート買い取らないかと、業者がまた別の企業に直接アプローチしてる。これもはっきりしておりますから、会社の名前をここではあえて言いませんけれども。
 それと、これらの土侯国切手、――このほかにありますよ、私はきょうは天皇関係だけを持ってきましたが。土侯国関係は日本の建物あるいは浮世絵、あるいはお祭り、万博の建物、いろんなデザインでもって何十種類、もう百種類以上出てるでしょう。これらの一部が日本で印刷されてます。日本で印刷されてるんですからね。なぜわかるか、紙質、裏ののりづけ、これでもって日本で印刷されてるのがわかるし、また、大手の印刷会社が――口では言いません、大手の印刷会社で印刷してるという、一部ですがね、これもはっきり事実としてわかります。そんなことから私の調査が全部正しいかどうかを調べていただきたいわけで、私はあえて断定しませんが、これはもともと日本の業者が天皇を利用して、民間業者がですよ、利用して切手マニアをだまして商売をしたんだというふうにはっきり考える。これは商売としては許せない、詐欺的商法であると、こう思うんで、どうですか、警察の関係の方どなたかいらっしゃったら、これを調べる価値があるか、あるいは捜査に踏み切っていただけるのかどうか、その辺のちょっと御意見を伺いたいんですが。
○説明員(中平和水君) ただいま警察では先生からお話の内容についてはまあ実態を承知してない次第でございます。したがいまして、関係の省庁、特に郵政当局とよく連絡をとりましてその実態を十分に把握した上で、それが詐欺なり、あるいはその他の刑罰法令に触れるような行為であるとすれば、私どもとしてはそれを取り上げることにはやぶさかではございません。
○野末和彦君 あと五分ありますからお願いなども含めましてまとめますけれども、そのおもにこの土侯国切手の九〇%を扱っている業者は日本郵趣協会と言いまして、会長が中島健蔵という有名人で、しかし日本郵趣協会はこれはアマチュアの趣味の団体として登録されております。久野郵政大臣もここの主宰者とお会いになった写真が出ておりますから御存じだと思います。日本郵趣協会、これは趣味の団体、しかしこの主宰者が四つも五つも会社を持って、この会社は全部切手発行、切手販売に関する会社であります。これも確かで、私のほうではこの会社の性格などもいろいろ調べたんですが、やはりどうもこの切手に関しては疑惑がなくならないということで、あえてこの名前を出しまして調べていただきたいと思うわけですね。相手国がかりに関係していたとしても、土侯国ですからどうにでも切手発行の操作ができるという話も聞いたりしておりますが、しかし販売するという、あるいはアイデアを提供してつくらせると、業者に持ちかけたりすると、こういうことを聞くにつけても、これを切手と称して全国の子供たちに売る、デパートで売る、これはやはりやめさせなければいけないと、海洋博を前にしてもう動きがあります。ですから私はここで言ったわけです。海洋博を前にして、皇室一家の御肖像が使われるかどうかは知りませんが、少なくもこれに似た切手でない切手が出ることは確かです。宮内庁に伺いますが、海洋博を記念して、もしこれらの土侯国とは言いませんが、いろいろな国から天皇の肖像を使いたいというような、あるいは使ってしまったというようなケースが起きましたらどういうふうになさいますか、今度は。
○政府委員(瓜生順良君) 現在のわれわれの考えといたしましては、そういう海洋博の記念切手のために外国で発行する切手に天皇・皇后両陛下とか、皇太子・同妃両殿下なんかの肖像を使われることは感心しないと、こう思っております。もしもそういうことがわかりました場合にはそれを中止してもらうように申し入れをするつもりであります。
○国務大臣(久野忠治君) ただいま野末委員から私の名前がはしなくも出ましたので、私釈明をさしていただきたいと思います。日本郵趣協会の関係者の方が私と会ったという写真が載っておるということでございますが、この方は愛知県の出身でございます、名古屋市の出身の方でございまして、同郷の政治家が今回郵政大臣に御就任になったのでお祝いに参りました、と言って私のところへ参りました。この切手のことについては何も話もいたしませんでした。そのときに別にこの郵趣切手の事柄について私は話を伺ったわけではないのでございます。お祝いに来ましたと言って、私はお会いしただけでございまして、それ以外に何の関係もないのでございます。それが一回あるだけでございます。二度と私のところへは来ないのでございます。
 そこで、ただいま御指摘のような、この日本郵趣協会が関係しておるのではないかと疑惑が持たれるというような御発言がございましたが、これが事実であるとするならばたいへんこれは問題だと思うのでございます。
 野末委員御承知だと思いますが、郵便切手類模造等取締法という法律が昭和四十七年に制定をせられましたが、その第一条に、「郵政大臣又は外国政府の発行する郵便切手その他郵便に関する料金を表わす証票に紛らわしい外観を有する物は、製造し、輸入し、販売し、若しくは頒布し、又は郵便切手その他郵便に関する料金を表わす証票の用途に使用してはならない。」というこの法律上の規定があるのでございます。その規定に反するわけでございますから重大なこれは問題であろうと私は思うのでございまして、でありますから、内容につきまして御指摘のような点は、十分これは調査をいたしまして処置をいたしたい、かように考えておるような次第でございます。
○野末和彦君 まあ切手業界というのは非常にいいかげんなところで、私調べたところでも、幾つかの業者が、しのぎを削るのではなくて、相手を中傷して、おとしいれて、お互いに切手マニアをだます、子供をだまして金もうけしているという、めちゃくちゃなところです。
 ですから、郵政大臣にお願いしたいことは、これをきっかけに、百万人とか三百万人とかいろいろいわれておりますが、幸い投機化までしていないだけいいのですが、この切手のいわゆる流通とか、それから知識の普及とか、そういう問題に関して、マニアが業者に踊らされないような、まあ行政指導というのはオーバーかもしれませんが、政府が介入することじゃないかもしれませんが、その程度の配慮をこの際していただきたい。国内切手の発行についてはいろいろあるのですが、こういうものになるとまるでだめだというのではちょっとまずいと思うのですね。それを大臣にお願いしたい。
 それから、いま個人の名前が出ましたが、大臣のお説のとおりで、全部これは大臣が御就任になる以前の話だし、それから大臣の写真がたまたま利用されたというだけで、私は他意があるわけではございません。名前も知っているという意味で申したわけです。
 それで最後に、まあ警察というのですか、どういうふうに言っていいのかわかりませんが、調べていただきたいのは、業者が天皇、皇后を利用して国内でつくっているのかどうかという点と、それから、切手でないものを切手と称してめちゃくちゃな値段で売っている。私が調べたら、印刷代が一円、二円ですよ、一枚。最初の日売ったのは幾らだと思いますか。千円ですよ。いまはもっとしている。いまはもう希少価値になったから値が上がっているけれども、最初の通信販売あるいはデパートへ出したのは千円――八百円のもありますよ、いろいろ柄によって違いますから。めちゃくちゃなんです。切手でないものを切手だと言って売っている。マニアは珍しい土侯国の切手だと、ドバイで有名になってその隣の国の切手がこれよなんてやっているわけですね。こういうインチキなことをやっぱり徹底的に取り締まるべく、私が調べたこと、いま言ったことがはたして裏づけができるかどうか、事実であるかどうかということをあらためて調べていただきたい。私のほうも間違いがあるかもしれません。調べ不足があるかもしれません。その辺を十分に調べていただいて、今後ともこういうことがないように、少なくとも皇室の写真を、宮内庁があとから抗議したがナシのつぶてだったとか、もうやめましたと言って実際はやっているとか、こんなことは国の恥じゃないかと思うし、もし相手国と何の関係もなくやっていれば、今度は相手国の主権侵害みたいなものですからね。いずれにしても不健全な切手業界をいろいろな角度から正していただきたいということをお願いしておきます。
 時間を超過しましたので、以上で質問を終わります。
○委員長(田中寿美子君) それでは、本日の質疑は一応この程度にとどめます。
    ―――――――――――――
○委員長(田中寿美子君) 次に、継続審査及び継続調査要求についておはかりいたします。
 昭和四十六年度一般会計歳入歳出決算、同特別会計歳入歳出決算、同国税収納金整理資金受払計算書、同政府関係機関決算書、昭和四十六年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和四十六年度国有財産無償貸付状況総計算書並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査につきましては、閉会中もなお、審査及び調査を継続することとし、継続審査要求書及び継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田中寿美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田中寿美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(田中寿美子君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。
 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する実情を調査し、もって昭和四十六年度決算外二件の審査に資するため、閉会中に委員派遣を行なうこととし、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田中寿美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(田中寿美子君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 昭和四十六年度決算外二件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査に資するため、閉会中必要に応じ政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることにしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田中寿美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、日時および人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田中寿美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十五分散会