第072回国会 決算委員会 第8号
昭和四十九年四月三日(水曜日)
   午前十時七分開会
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   委員の異動
 四月一日
    辞任         補欠選任
     野末 和彦君     喜屋武眞榮君
 四月二日
    辞任         補欠選任
     鍋島 直紹君     小林 国司君
     平泉  渉君     佐田 一郎君
     柳田桃太郎君     佐藤 一郎君
     田渕 哲也君     栗林 卓司君
     春日 正一君     岩間 正男君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         田中寿美子君
    理 事
                温水 三郎君
                橋本 繁蔵君
                小谷  守君
                中尾 辰義君
                加藤  進君
    委 員
                河本嘉久蔵君
                寺下 岩蔵君
                中村 登美君
                長屋  茂君
                工藤 良平君
                佐々木静子君
                須原 昭二君
                鈴木  力君
                岩間 正男君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  徳永 正利君
   政府委員
       文部政務次官   藤波 孝生君
       運輸大臣官房長  内村 信行君
       運輸大臣官房観
       光部長      高橋 寿夫君
       運輸省鉄道監督
       局長       秋富 公正君
       運輸省航空局次
       長        後藤 茂也君
       労働省労働基準
       局安全衛生部長  中西 正雄君
       建設政務次官   内海 英男君
       建設省道路局長  菊池 三男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤 忠雄君
   説明員
       環境庁大気保全
       局特殊公害課長  鈴木 善晴君
       文部省初等中等
       教育局財務課長  松浦泰次郎君
       会計検査院事務
       総局第三局長   桜木 拳一君
       会計検査院事務
       総局第五局長   中村 祐三君
       日本国有鉄道総
       裁        藤井松太郎君
       日本国有鉄道常
       務理事      内田 隆滋君
       日本国有鉄道常
       務理事      加賀谷徳治君
       日本国有鉄道常
       務理事      伊江 朝雄君
       日本国有鉄道施
       設局長      篠原 良男君
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  本日の会議に付した案件
○昭和四十六年度一般会計歳入歳出決算、昭和四
 十六年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十六年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十六
 年度政府関係機関決算書(第七十一回国会内閣
 提出)(継続案件)
○昭和四十六年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第七十一回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和四十六年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第七十一回国会内閣提出)(継続案件)
    ―――――――――――――
○委員長(田中寿美子君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る四月一日、野末和彦君が委員を辞任され、その補欠として喜屋武眞榮君が、また昨二日、田渕哲也君、鍋島直紹君、平泉渉君、柳田桃太郎君及び春日正一君が委員を辞任され、その補欠として栗林卓司君、小林国司君、佐田一郎君、佐藤一郎君及び岩間正男君がそれぞれ選任されました。
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○委員長(田中寿美子君) 次に昭和四十六年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、運輸省及び日本国有鉄道の決算について審査を行ないます。
 この際おはかりいたします。
 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも口頭報告を省略して本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか、
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(田中寿美子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(田中寿美子君) それでは、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
○佐々木静子君 それでは、私は運輸省並びに国鉄に対しまして新幹線で働いている労働者を中心に労働災害の問題をお尋ね申し上げたいと思いますが、まず大臣の御都合もあるようでございますので、最初に先月三十日に訴えを提起されました新幹線公害訴訟のことについて若干お伺いしてみたいと思います。
 この三十日に、事業の公共性か住民の健康、福祉とかいう大きな問題をとらえて東海道新幹線の騒音、振動公害に非常に苦しんでいるところの名古屋の住民五百七十五人が国鉄総裁を相手取って、国を相手取ってこの差しとめ請求と損害賠償訴訟を起こしたわけでございます。この事柄に対しまして、その日の新聞に運輸大臣の談話が発表されているわけでございます、この新聞によりますと、大臣はこの騒音問題について沿線住民にたいへん御迷惑をおかけしていることはまことに遺憾である。その社会的責任を痛感して十分な対策を講じていきたいという談話が発表されているわけでございますが、この問題に対しまして、まず運輸大臣の、新幹線公害について運輸省としてどのように行政を進めていくかということについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(徳永正利君) 御指摘のように残念でございますけれども訴訟事件が発生したわけでございます、国鉄は新幹線ができてからもう十年間あそこを走ってんでございますが、確かにこの公害問題に対しまして、騒音公害あるいはまた振動公害等に対して手おくれであったことは、これはもういなめない事実でございます。これは深く反省しなければならぬと思います。その反省の上に立って、いろいろな公害に対する投資のおくれておったということを、もう現実をとっつかまえて、そうして四十七年の十二月に環境庁長官から騒音に対する勧告が出ています。これは正式な勧告は今年出るという話でございますが、まずその勧告に従って、たとえば民家の防音工事でございますとか、移転補償、あと地の買い上げ、それからいわゆる障害防止対策に早急に実施に入らなければならぬとあります、そういう意味で、この訴訟とか何とかというのは別にいたしまして、行政の面ではこれは鋭意進めていくと、国鉄に細目を検討してそれに入れというように指示しておるわけでございます。音源対策等につきましてはいろいろやっておりますけれども、なかなか目にもの見せるような効果が出てきておりませんが、これはもちろん進めてまいらなければならぬと思います。したがいまして、訴訟ができたからやるというのではなくて、この問題は私どものこれから先いわゆる運輸行政というのは、国民のためにどういうふうに生活を守るかというのが運輸行政の基本であろうと思います。したがいましてこの点につきましては力一ぱい鋭意この対策を進めていきたいと、かように考えておる次第でございます。
○佐々木静子君 これは先日の大阪国際空港の騒音訴訟におきましても、大臣は訴訟の判決以上に積極的に住民の命と暮らしを守るために運輸行政を進めていきたいという明解な談話を発表されているわけでございますが、ぜひともこれは口だけではなしに実行していただきたい。そういうことについて具体的に運輸省とすると、国鉄にどのような指示といいますか、どういうふうな対策を御提示なさるおつもりなのか、もう少し具体的な線で御答弁いただきたいと思うわけです。
○国務大臣(徳永正利君) 実際現場を受け持っているのが国鉄でございますから、国鉄に対しましてはこの音源対策を進めると同時に、それと並行して民家の防音工事でございますとか、あるいはことによれば移転補償、あと地の買い上げまでもひとつやってくれということで指示をいたしておるわけでございまして、そういう私の指示に従って、国鉄で金は一体どのくらいかかるか、どのくらいの範囲をどうするかという具体的な問題は国鉄がいま実施細目を検討しつつそれに着手するわけでございまして、その点につきましては、国鉄から答弁をいたします。
○説明員(藤井松太郎君) お答え申します。
 ただいま大筋につきましては運輸大臣がお話になったとおりでございますが、新幹線開業いたしまして十年で、当初は列車の回数が少なかったというようなゆえもあって、暫時公害というものがわれわれが考えた以上顕在化してきたと。正直に白状いたしまして、われわれ公害の騒音問題なんというのはあまり、つくるときは配慮が足らなかったことはこれ率直に認めますけれども、だんだんにその列車の回数がふえてきたので顕在化して、沿線の方には御迷惑をかけるし、皆さまに御心配をかけると申しわけなく存じておる次第でありますが、先ほど運輸大臣のお話がございましたように、環境庁の長官から御勧告があり、それに基づいて運輸大臣の御指示がございまして、もう私どもとしては、これは八十ホンでいいということではないのだけれども、音源はあらゆる努力を払って八十以下に押えなさいということが第一、それからもうあらゆる努力を払ってみても事の性質上八十まで減らないようなところはまず防音対策、つまり民家の窓を何とかするとか、そういうようなことをやり、なおかつその騒音が八十五以上も残るようなところは賠償する、補償することによって移転をお願いするというようなことをやりなさいということで、まあこれいろいろな関係する面がございますので、大体の大筋はできておりますが、運輸省とか環境庁に御相談申し上げて具体化すると同時に、その線に基づいて沿線の方々と御了解を得てそういう処置をいたしたい、かように考えるのでございまして、まず第一の具体的にどうするのだとおっしゃるその第一は、そういう騒音を出さぬように――全然出ないわけではございませんけれども、これを低くするということが第一。それからなおかつ押えられるものに対しては、家とか学校とか病院とか、その音を遮断する装置をやり、なおかつ御移転を願うというようなことで極力進めておる次第でございます。
○佐々木静子君 これも訴訟がいきなり起こされたのではなくて、何度もこのことについて新聞にも発表されておりますが、国鉄当局が誠意のある、住民が納得する線を示してもらえればわれわれはあえて訴訟をやるつもりはないということを原告代表団の団長も毎度それを言っておるわけでございますが、だから遺憾ながら訴訟になったというのじゃなくして、これは全く起こさざるを得ないような状態を国鉄当局がおつくりになったんじゃないか。そういう点でまあ私ども非常に残念に思っているわけなんでございます。
 いま音源対策のことがございましたし、また大臣のお話にも、四十七年における環境庁の、これは何でございますか、基準が示されたということがお話にございましたが、これは環境庁もきょうお越しになっていらっしゃると思いますが、環境庁の基準というのは、これは永久的なものですか、暫定的な基準だったんじゃないですか、どうなんですか。
○説明員(鈴木善晴君) お答え申し上げます。
 環境庁が一昨年の十二月に運輸省に対して出しました勧告は、通称暫定基準とかあるいは緊急対策の指針とかいうふうに呼ばれておりますように、先生ただいまおっしゃいましたように、暫定的あるいは緊急的な対策のための指針でございます。つまり既設の東海道新幹線及び山陽新幹線のうち、岡山までについてその沿線の住民の方々がたいへん新幹線騒音で御迷惑を受けておられる、その状況が見るに忍びないので、緊急に対策を講ずる必要があるということで勧告したわけでございまして、この八十ホンとか八十五ホンとかいうのは、あくまでも緊急的な対策を講ずるための指針でありまして、恒久的な環境基準というものは現在中央公害対策審議会で審議中でございます。既設の東海道、山陽を含めて、また新設の新幹線に対しましても適用になるような恒久的な環境基準につきましては、現在中央公害対策審議会で審議中でございまして、年内に御答申がいただける見通しでございますので、その御答申をいただきましたら直ちに正式の環境基準として徹底したいというふうに考えております。
○佐々木静子君 いまお話ございましたように、これは日弁連の暫定基準に対する意見書をごらんになっていただきまして、これはいろいろ調査の結果六十五ホンぐらいじゃないと、これはそれ以上だと生活権を脅かすということを表示して、かねて主張しているわけでございまして、この暫定的な八十ホンというあるいは八十五ホン、場合によると。ということを基準にしての国鉄総裁のいまの御答弁でございましたけれども、それではすでにこれは暫定的なものを対象にして基準をきめておったのではとても追っつかないんじゃないか。先ほどの御答弁にもありましたが、わずか十年前にこの新幹線を設置するときには、こういう騒音のことはほとんど考えておらなかった、公害のことも考えておらなかった。わずか十年の間でこれだけの問題が起こるというのは、全く行き当たりばったりな鉄道なり道路の施設ということがいまの運輸行政において行なわれているんじゃないか。特に国鉄においては、これだけの大きな国費を投じてやるのに、全く公害のことを考えておらなかったということは非常に無責任なお話ではないかと。私これから進めてまいります新幹線で働く労働者の災害の問題についても全く同じことが言えるんじゃないかと思うのですけれども、これは率直に反省しているとおっしゃいましたが、その点について公害、特に騒音とか振動のことについてどういう調査を東海道新幹線を施設するときになさったのか、全然なさらなかったのか、そのあたりをもう少し具体的にお述べいただきたいと思います。
○説明員(藤井松太郎君) お答え申し上げます。
 先ほど環境庁の御勧告があってあるいは八十ホンに押え、あるいは八十五ホン以上のところはというような表現をいたしましたけれども、これは、八十ホンより七十ホンがいいことはさまっているし、低いことがいいことはきまっておりますが、騒音に対する防止技術というのは、これははなはだ、先ほどの御指摘のように勉強が足らぬじゃないかというおしかりはございますけれども、比較的新しい技術でございまして、いきなりこれを、八十ホンを七十ホンにすぐに何とかというような道はございませんので、極力そいつを八十ホンでいいという意味じゃなくて、これを下げるような懸命な技術的な研究を進めておるという状態でございます。
 それから、国鉄が何千億かの巨費を投じて新幹線をつくるときに、騒音の研究もやらずにやったのはけしからぬじゃないかということは、お説のとおりでございますけれども、当時は、先ほど申しましたように列車回数の議論もこれあり、まあこのぐらいのあれならばそうおしかりを受けないのじゃないかというような甘い考え方もあったことは事実でございますが、過去においては手落ちがあったということを率直に認めます。
○佐々木静子君 それでは、本論の新幹線の従業員、特に保線関係の作業員についての問題に移りたいと思うわけでございます。――国鉄総裁に対しましては、またあとでまとめて質問さしていただきます。
 昭和四十八年の十一月に、大阪労働基準局で新幹線大阪保線所の職員の三百五十人について臨時に健康診断をしたわけでございますが、このとき十五人にじん肺の疑いがあるという結果が出たということが大阪労基局で発表されていますが、これは事実でございますか。労働基準局のほうに伺います。
○政府委員(中西正雄君) いま先生からお話がありましたように、大阪労働基準局からの指示によりまして国鉄で健康診断をしました結果、国鉄職員の中からじん肺の疑いのある者が十五名出たということは事実でございます。
○佐々木静子君 わずか三百五十人、それだけの職員の中ですでに昨年十五人の患者が出ている。これは非常にゆゆしい問題ではないかと思うわけなんでございます。といいますのは、いままでじん肺といいますと、主として炭鉱労働者が頭にすぐ浮かぶわけでございまして、国鉄の労働者という、特に新幹線といいますと全く近代産業の花形として登場してきたものでございまして、この近代的な産業、この最も前進的な企業のもとに働いている従業員が、江戸時代の遺物であるところのじん肺におかされている、肺疾患の患者がたくさん出ているということは、これはまことにゆゆしい問題だと思うわけですが、これがそのとおり十五人の患者が出ている。この内訳を私は拝見いたしますと、技術助役が四人、検査長が二人というふうな、重要な上位職に罹患している人が多い。ということは、結局この罹患者が粉じん作業に長い間従事したという職歴の長い人に、つまり保線関係の勤続年数が長かった人に患者が出ているというふうに見ることができると思うのでございますが、これは京大あるいは阪大の医学部の先生方の御発表によりますと、じん肺というのは、これは一たんかかるといまの医学では直す方法がない、予防医学でかからないようにする以外に方法はないという、たいへんにおそろしい、現代医学では手のつけようのない病気であるというふうに聞いているわけでございますが、このように長期従事者にこういう罹患者が次々出ているというようなことに対しまして国鉄当局はどのような見解を持っておられますか、基準局と両方から伺いたいと思います。
○説明員(加賀谷徳治君) ただいま、前の質問にも関連いたしますが、この六甲トンネルの問題につきまして、組合から基準局への提訴がありまして、大阪の労働基準局と一緒に調査を進め、それから先生のおっしゃいましたように全員三百数十名でございますが、全員につきまして身体検査も行なったと、その結果十五名ぐらいどうかなという人が出たということも事実でございます。しかしこれは、非常に精密な調べをもう一歩進めてやらなければならぬというのが十五名だということでございまして、その後そういった者を精密に検査しました結果、これはじん肺ということではないという判定でございまして、ただ一名だけ過去において炭鉱関係から配転になってきておりました者が一名だけ、そういった症状があると見られるという者もあったわけでございますが、ほとんどそういった疑いはないということでやってきております。
 これまで国鉄としましては、トンネル作業というのはいろいろあるわけでございますが、作業の方法その他も新しい方法、機械化されまして最近変わってきているということの違いもございますけれども、いままではそういった問題がまずないということでおりまして、また実績から見ましても、そういったような国鉄におきましては、特に運転関係従事員につきまして特別ないろいろな身体検査をし、健康管理をやっているわけですが、そういった者の中からも特にそういった者がいままでに出ていない、ほとんど出ていないというようなことでございますので、国鉄としましては、特にじん肺法の問題をこれまでは考えてなかったわけでございますが、ただ新しい六甲トンネルとか、あるいは音羽トンネルでございますが、そういった所の長大トンネル、それから新しい作業をやるというような実態に即しまして、これは組合ともいろいろ話し合いいたしまして、そういった所についてはこれからもいろいろな調査資料が要るわけでございますけれども、じん肺法と同じような処置をとれるように申請しようということで検討しておるわけでございます。したがって、そういったこと、新しい問題が出てまいっておるような状況にありますので、そういったことを決して軽んじているわけではございませんで、今後はそういう意味においてのそういう特殊な場所についての健康管理に努力をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○政府委員(中西正雄君) 保線作業につきましては、いままでじん肺罹患の医学的な報告がございませんので、じん肺法の適用対象としてはいなかったのでございますが、新幹線の六甲、音羽トンネル内における保線作業につきましては、マルタイ作業あるいはバラストの散布作業等につきましては、従前の保線作業に比べまして非常に発じん量が多いという事実に着目をいたしまして、国鉄当局に健康診断をするように指導したわけでございます。その結果、ただいま御指摘のような、一部じん肺の疑いのある者が出たわけでございますが、精密検診の結果は、幸いにじん肺には至っていないということがわかったわけでございます。しかしながら発じん量が相当ございますので、この作業をじん肺法の適用にするかどうかにつきましては、今後の健康診断の結果等を見て十分検討いたしたいと考えております。
 なお、今後特にこの長大トンネル内の保線作業等につきましては、作業前に散水をするとかあるいは保護具を使用する等によりましてじん肺の予防に万全を期したいと考えておる次第でございます。
○佐々木静子君 国鉄当局はじん肺の患者が一人だけだとかいうような、あるいは該当者がないというような御答弁でございますけれども、これはどうもおかしいんじゃないですか。京大の医学部の研究報告によっても、国鉄の保線労働者の中からじん肺患者が相当数出ているということであり、また阪大の労働災害研究会においても、このことが関西の労働安全問題の研究グループにおいても発表されておる。どういうところの医者が鑑定した結果、これがさほど憂慮すべき状態でないという結果が出たのかどうかは知りませんが、専門のこれは阪大の医学部、あるいは京大の医学部、あるいは岡山大学の医学部などの資料によっても、そのような憂慮すべき状態に立ち至っていると。ここら辺でだいぶ国鉄当局とお考えが違うように、私どもが把握している実態というものとに開きがあるように思うんですが、その点はどういう方法でそういう認定をされているわけですか。
○政府委員(中西正雄君) 実は労働省がじん肺といいますのは、じん肺法に実は、一つはエックス写真撮影の型で区分しておりまして、一型から四型まで程度に応じまして区分がございます。この区分に該当しないものはじん肺ではないと法律上されているわけでございまして、どこからじん肺というかにつきましては、やはり国際的には差があるようでございます。ですから、わが国ではじん肺法によって一型に達していないと、要するにじん肺でないとされているものについても、国によってはすでにじん肺であるというふうに判断しているところもあるようでございますが、そういうような差がやはり学者先生の間でも、わが国では法律上じん肺としてないものについてもじん肺であるという診断をされることもあり得るかと存じます。
○説明員(加賀谷徳治君) ただいま先生のおっしゃる大学関係のデータとかその論文の内容につきましては私ども実は存じておりませんが、この件につきましては、先ほども申しましたように、精密検査その他の結果も、レントゲン写真まで労働基準局に届けまして、そこではっきりこれは心配ないという認定をいただいております。
○佐々木静子君 これはあなたのおっしゃることおかしいんじゃないですか。たとえば国鉄とそれから国労との間のこれはつい最近の申し合わせ――昨年の十二月中旬ですね、十二月十四日の申し合わせにおいても、十五人の被疑者発生という最悪の事態となったので大阪保線所の六甲及び音羽山に従事する労働者の勤務の改善について、これは国鉄当局としても緊急に対応策を協議するというようなことが、これ議事録に書かれているわけですね。いまのあなたの御答弁だと、何も心配ないと、何も心配ないというのとこの緊急にこういうふうな最悪の事態になったので対応策を考えるというようなことを議事録で確認されているんですけれども、非常に組合側とのお話とここで国会で答弁されることとは食い違っている。全然、百八十度の違いがあるじゃないですか。
○説明員(加賀谷徳治君) 食い違いは私はないと思っているんですが、こういう問題、別に私どもも拒否するというような問題でありませんので、労働者のそういう職場における健康管理上の問題を常に組合ともざっくばらんに話し合いをしましてやっておるわけで、何月時点において、だからしたがって、一ぺん全般の検査をした結果、先ほどから申しておりますようになおちょっと精密検査してみないとどうかなというのが十五名出たと、その時点ではその時点でそのままざっくばらんにお話ししているということでございまして、その後精密検査といったようなことをやりまして、基準局なんかにも、基準局の指示どおり、まあその診断の結果特にレントゲン写真まで全部届けまして、御認定をいただいたという最終結果のことをいま申し上げているわけでございまして、途中いろいろこれは組合と話し合いをしておりまして、その後まあこういう新しい作業をする場合についての作業方法なんかも打ち合わせてみたり、それからこういった条件のものについてはじん肺法適用と同じような処置を考えてもいいわけでございますから、そういったものについては申請もしようかというような話し合いなり何なりいろいろやって、協定を結んでやっておるということでございますから、決して食い違いは私はないと思っております。
○佐々木静子君 これは、じん肺法の適用について労働省に申請しようかというようなことじゃなくて、あなた方のほうは国労に対して、次の保線作業についてはじん肺法の適用を労働省に申請するということを確約されているんですよ、十二月十四日。私はその文書も見せていただいているわけです。それだと、あなたのおっしゃることがまた違うじゃないですか。組合のほうには文書までかわして確約しておきながら、いま申請しようかどうしようかというような問題じゃないでしょう。私はこのいま次の事項についてはというのは、これはホッパ車によるバラストの取りおろし作業と、それから新幹線六甲及び音羽山隧道内におけるマルタイ及び浮遊粉じん内の作業というふうに二つに限られて、実はこの限られているということについて、国労にしてみると非常に残念である、もっと広い範囲においてじん肺の適用を労働省に申請してもらわないと困るということなんですが、まあ話をきめるために最大限に譲歩して、この二つをとりあえずこの保線作業についてはじん肺法の適用を早急にやってもらうということで、私もこのことを何回も国労から聞いているんですけれども、最終的には三月末日までに申請するというお話であったわけで、実は私もう出ておりますかとこの質問をするにあたって昨日労働省と国鉄に伺うと、何だかはっきりしない話で、どうなっているのかと思っていたんですが、あなたは十二月十四日に確約された内容と、あなたがなさったのか総裁がなさったのか、この名前は総裁になっておりますけれども、国労と書面をかわされたこの内容と、いまおっしゃることは全く違うじゃないですか。これは国労に対してうそを言っているわけですか。
○説明員(加賀谷徳治君) 最後にいろいろ整理しまして協定をかわしたのは確かに先生のおっしゃるように十二月の時点でございます。別にうそを言っているわけじゃございませんので、その後いろいろな調査資料その他データを整えて申請するということでやっておりますが、現在ちょっと少し申請がおくれている点については非常に恐縮なんでございますが、そのつもりで進めております。
○佐々木静子君 それではいまの作業ですね、おそくて三月末、順番におくれて三月末というふうになっていたそうなんですが、いまいろんなことで御努力いただいているけれども、心ならずもおくれておるという御答弁でございますが、めどとすると何月何日ごろに申請なさいますか。
○説明員(内田隆滋君) 現在立案中でございまして、できるだけ早く申請をいたしたいと存じております。
○佐々木静子君 御趣旨はよくわかるんですけれども、できるだけ早くというのが、われわれが考えているできるだけ早くと、国鉄当局が考えているできるだけ早くということばの中に食い違いができるといけませんので、大体日時的に何月何日ごろにお出しになる御予定かということを伺っているわけです。
○説明員(内田隆滋君) これはもう事務の問題でございますので、事務的に整いさえすれば出したいと思っております。
○佐々木静子君 じゃ事務当局の責任者の方お答えいただいたらどうですか。
○説明員(内田隆滋君) 現在立案しております。四月一ぱいくらいには申請できると思っております。
○佐々木静子君 いや、おたくのほうは努力していないとはちっとも言うておらぬわけですが、おくれているので、いつかと伺っておる。じゃ、いま立案中で、四月末日までには申請が出せるということでございますね。御答弁いただきたいと思います。
○説明員(内田隆滋君) そういうように努力いたしております。
○佐々木静子君 いや、努力していられることはわかっているのです。お出しになっていただけますねということをお尋ねしているのです。努力なすっていることはもうお伺いするまでもなくわかっておりますが、四月末までにお出しいただけますね。
○説明員(内田隆滋君) 四月末日までに出すようにいたします。
○佐々木静子君 四月末日までに、いま申し上げた保線作業について、じん肺法の適用を労働省に出していただけるという国鉄当局からの御答弁を伺いまして、私も、まあ国労が一生懸命に取り組んできた問題が、時期がおくれたとはいえ、四月末日までに当局から申請が出していただけるということを聞いて、まずたいへんに安心したわけなんでございます。
 いま六甲トンネル――今度四月末日に出していただける、じん肺法の適用の申請をしていただくこの六甲トンネルですね、この六甲トンネルの中の粉じんの状態は、これは京大の医学部の労働研究所の研究調査によりますと、一立方メートル当たりの発じん量が三ないし四ミリグラムもあるというようなことで、トンネル内で年間二百日働くとすれば、五年で四〇%、十年で九〇%の人がじん肺にかかるおそれがあるというのがこれは医学上の見解として発表されているわけでございますが、この大阪保線所の実態として、六甲トンネル内におけるバラスト散布やマルタイ作業の稼働日数は現在では年間何日ぐらいになっているのか。これはかりに年間二百日に満たなくても罹病がおくれるだけのことで、二百日の場合は十年で九〇%になるが、二百日に満たない場合は十五年ぐらい働けばやはりじん肺におかされるというのが、これは京大医学部の見解なんですが、そのあたり、いま大阪保線所では一年間でどのくらいの稼動日数になっているかということを御答弁いただきたいと思います。
○説明員(内田隆滋君) 大体隧道内の作業は月に二、三回、年間で四十回ぐらいでございます。
○佐々木静子君 年間にかりに四十回とすると、これではじん肺には絶対にかからないというお考えでございますか。
○説明員(内田隆滋君) これは医学的なことで、われわれよくわかりませんが、大阪労働基準局の改善勧告の中には、この程度の回数ならばじん肺職場として指定するには至らないという御見解のようでございます。ただ、われわれといたしましては、そういうことがわかりましたので、基準局の勧告もこれあり、ホッパ車の砂利散布作業あるいはマルタイ作業につきましては道床に散水をする、あるいはバラストに散水をするということでほこりを出すのを極力避ける、また作業員には防じんマスクを保護具として使わせるように貸与いたしまして、そういうようなことでじん肺にならないような措置を続けて、今後措置をしてまいりたいというふうに考えております。現にそういう設備についてもできるように措置をいたしたわけでございます。
○佐々木静子君 いま、じん肺予防マスクの話が出ましたが、これもいろいろ見解があるようでございまして、この京大の医学部あるいは阪大の医学部の労働研究所の見解では、マスクは使用しても全然効果がないんだ、このじん肺の粉じんというものは非常にこまかいものであってガーゼの網の目などは問題にならないようなこまかい粉じんなので、これは全く出まかせな対策であるというふうなこともいわれているわけでございます。その問題は医学者の見解の相違というふうに一応譲歩いたしましても、いまお話しのあった六甲トンネルあるいは音羽山トンネル内の実態というものが、労働者の見解では、まだそのような粉じんの状態がじん肺法を適用するに至っておらないというようなお話であったというふうにいま承ったのでございますが、たとえば兵庫の労働基準局が調査なさったトンネル内の粉じんはどういうふうな方法で測定され、かつどのような分析方法を行なわれたのか、お述べいただきたいと思うわけです。
○政府委員(中西正雄君) 兵庫の労働基準局で行ないました粉じん測定のやり方は、ディジタル粉じん計によりまして分析したものでございます。
○佐々木静子君 私のほうでいただいているデータによりますと、これは「粉じん量の測定結果」、これは(ハイボリュームサンプラー式による。)というふうに、これは兵庫の労基局の調査結果ですけれども。これはバラストの散布についてはホッパ車内では一立方メートルについて四・二ミリグラム、レギュレータ車内では一立方メートルについて二・五九ミリグラム、それからマルタイ作業時は一立方メートルについて二・七五ミリグラムというふうに、これは労基局のほうで結果を発表しておられるわけですし、バラスト中の遊離珪酸濃度は四六%というふうになっておりまして、この結果をやはり京大の医学部で鑑定したところ、これは非常に――たとえばバラスト内の遊離珪酸濃度の四六%というのは珪酸濃度としては非常に高くてじん肺の危険がはなはだ大であるというふうな見解も出ておるわけですし、先ほど申し上げたバラスト散布とか、マルタイ作業時の一立方メートル当たりのミリグラムの数字というものもかなり高い数字であるというふうに出ているわけなんですが、もう少し、これ、労基局の発表ですね、こちらで調べるとまた違う、実際はもっとひどい結果ではないかというふうに国労のほうは見ているわけですけれども、これ、労基局の調査結果でそのように、その結果が信用できるものとして医学者に鑑定さしたときでもそういう結論が出ているわけなんですが、あなたの御答弁はあまりにも簡単過ぎて、もう少し責任ある答弁をしていただきたい。
○政府委員(中西正雄君) 先ほど申し上げましたように、ディジタル粉じん計、そのほかにハイボリュームサンプラー等によりましても分析をやっておりまして、その結果が二ないし三ミリグラム−立方メーター程度の濃度になっているということを報告を受けております。
 なお、許容濃度でございますが、権威ある許容濃度といたしましては、遊離珪酸が三〇%以上ある場合に一立方メートル当たりの遊離珪酸の量は二ミリグラム、すなわち二ミリグラムまでは一日八時間常時作業をやっても、おそらくじん肺にかからないであろうという数字でございます。
○佐々木静子君 これ、あなたのおっしゃった一立方当たり二ミリグラムというのは、これは一昨年の日本産業衛生学会で政府に勧告した粉じん作業場での発じん抑制目標数価がこの一立方あたり二ミリグラム以内というのであるわけですけれども、私が申し上げたように、おたくの調査によっても、バラスト散布については、ホッパー車内でその倍以上の四・二ミリグラム出ているわけなんですね。これはあなた、二ミリ以内の結果しか出ていないのならこれは、衛生学上も心配要らないのだという御答弁で私もさようでございますかと引き下がるわけですけれども、二倍以上の四・二というのは、これは労基局の調査の結果出ているわけなんですね。その点についてどうなんですか。あなたの御答弁から見ても、これは明らかにおそろしい結果じゃないですか。
○政府委員(中西正雄君) 先生の言われるとおりでございまして、二ミリグラム以下であれば心配ないということでございまして、労基局の結果も二ミリ以上になっておりますので、やはりこれは問題であるといたしまして、健康診断をするように国鉄に指導したわけでございます。それからそういうことで、じん肺にかかるおそれがあると思いまして、これをじん肺法の対象にするかどうかを検討しようとしている段階でございます。
○佐々木静子君 これは、ただ二ミリグラムが二・一とか二・二とかになったというなら、ちょっとこえているから心配だということですが、二倍以上の四・二ですね。こういう状態で、むろん国鉄に健康診断を申請されたのはけっこうですけれども、やはり労働省とすると、もっと強い対策を打っていただかないと困る。先ほども何か、レントゲンで見たところではどうのこうのというような、非常に消極的なお話でございましたけれども、このじん肺法のそもそもできたのが、これ古いものですから、昭和三十四年でございますか、この当時にはこの新幹線もなかったから、こういう新幹線労働者のことは出ておらぬわけですけれども、このじん肺法の立法の趣旨から考えて、これは、自分のほうは非常に限定的に狭く解釈しているからといって自慢できることじゃない。これは、広く、粉じんによって労働者が健康を害されるようなことがないようにするという意味でこの法律がつくられたのだということがこの立法の趣旨としてもはっきり述べられておりますし、また第一条などをごらんになっても、このじん肺法の目的というものがはっきりうたわれている。しかもこれは、この法案の審議において参議院においてじん肺法案に対する附帯決議までこれは全党一致でつけられておって、これは単に狭い範囲でなくて、広く労働者の救済のために使うべきだというようなこともはっきりとうたわれているわけですね。あなた先ほどから、これはじん肺法は適用しない、レントゲン写真を見てもそれに当てはまらないように思うというようなことを、これは、国鉄の御当局だったか労働省だったか、両方が言われたと思うのですが、狭く解釈したからといって何ら自慢になることじゃない。むしろこれは、じん肺法の精神を全くじゅうりんした御答弁であって、あなた、じん肺法の立法の趣旨ということを、御専門だからよく勉強していらっしゃると思いますけれども、どのように解釈されているのですか。四・二ミリグラムもの粉じんの中で作業して、現に、そのレントゲンをどのように判断されたのか知らないけれども、京大や阪大の医学者が、これは当然じん肺法の適用を早く与えなければならないという案件に対して、そんなに消極的に解釈しておって、労働省としてのお仕事のつとめが守れると思っていらっしゃるのかどうか、その点についてあなたの御見解を聞きたいと思います。
○政府委員(中西正雄君) 実はその点は私ども積極的に考えているわけでございまして、ただ、新幹線のこの問題になっているような作業が始まりましてまだ年数がたっておりませんので、そういう点ではいますぐにじん肺患者が出るということは、一般的には考えられないわけですけれども、私どもは今後の問題として考えますと、非常に重大な問題だと考えまして、積極的にやはりじん肺法の適用をはかるべきじゃないかと考えております。ただ、現在のじん肺法のたてまえとしては、作業列挙方式になっておりまして、個々に具体的に作業の種類を施行規則できめておりまして、これに該当しないものは法律の適用はないわけでございます。これを適用させるためには、やはり健康診断の結果、それから作業環境の実態、並びに作業の方法等を調査いたしまして、そうしてこれをじん肺審議会の審議を経まして、規則を改正するということになるわけでございます。それで初めてじん肺法の適用がなされるわけでございます。といいましても問題が問題でございますので、私どもこれをほうっておくわけにまいりませんので、当面の措置としては、じん肺法に準じた健康診断を実施するように国鉄に指導いたしますとともに、特に予防面については、強力に各種の対策を行なうように、具体的に、散水をするとかあるいは防じんマスクを使用させるとかというようなことにつきまして、強力に行政指導し、これは文書で指示してございますが、国鉄当局に対しまして、特にじん肺の予防について、当面強力に進めるようにお願いしておるところでございます。
○佐々木静子君 まだまだこの問題は続けて質問したいのですが、運輸大臣のお時間もあると思いますので、こういうふうなことで非常に多くの国鉄労働者が健康をそこなっている、これはあとの質問で申し上げようと思っているのですが、そのほか保線労働者がもう近時超過密の国鉄の運行によって、しかも合理化の波に押し寄せられて、触車事故ですね、列車に触れてなくなる事故がたいへんに多くなっている。この数字を見ると、おそろしいばかりに多くの人命が失なわれておる、そのような国鉄の労務対策というようなことに対しまして、運輸大臣のお時間がございますから、大臣としてのこれからの御所信というようなことをお述べいただきたいと思うわけです。
○国務大臣(徳永正利君) 私は就任いたしましてから、一番大切なことは安全だと、安全問題はこれは万全を期さなければならぬということを常々言っているわけでございますが、これはもうお客さんの安全はもちろんのことでございますが、従業員の安全ということも、これはお客さんの安全と同様に私は配慮していかなければならぬと思います。そういう意味からも、御指摘のございましたような安全問題については、いままでいろいろな点でやってきているとは思いますけれども、現場が現場だけにいろいろな問題が起こりやすいと思います。そういうようなものについては、一段とこの防止のために、まずお客さまを運ぶことですから、お客さまの安全とともに、そういう、保線でございますとか、あるいは保安のために、あるいは運転その他営業のために従事している従業員が、安全に仕事ができるように、なお一そうの私は細心の注意を払っていかなければならぬと思います。これはもう、安全という問題は、労とか使とかというような問題じゃなくて、労使一体となって私はこれに挑戦していかなければならぬというふうに考えておりますし、今後もそういう意味合いを持って、国鉄に対しましてきびしいお願いをし、指導をしてまいりたいと、かように考えております。
○佐々木静子君 ぜひ人命尊重と、これはいまもおっしゃったように、乗客ばかりではなく、労働者の人命尊重という立場に立っての国鉄の労働対策、労働問題の取り組み方、また運輸行政のあり方という点について強い姿勢で人命尊重の線に沿って臨んでいただきたいということを特にお願いして、私の大臣に対する質問は終わらしていただきたいと思います。
 それで、さらに国鉄当局に質問を続けてまいりたいと思いますが、先ほども最初の答弁よりもだいぶ変わってきたわけではありますけれども、どうもじん肺法というものを狭義に解釈するのが何か国鉄当局あるいは労働省の何か手柄であるかのようなお話のように私ひがんでいるせいか、この問題についてはそういうふうに考えざるを得ないような当局の態度のように思うわけなんですけれども、この六甲トンネル――新幹線が営業されて間もないからというような御答弁、いま労働省から伺ったんで、もちろん東海道新幹線始まって十年ですから、この六甲トンネルができたのがいつかは私、つまびらかにいたしませんが、それよりぐっとおくれて、つい最近のことでございますので、この大阪・岡山間が開通したわずかの間にこの六甲トンネルでこれだけの被害が起こっている。これ、私、開業して間がないのにこれだけのことが起こっているということこそゆゆしい問題だと思うわけなんです。この六甲トンネルの中で、もうわずかな期間にこれだけの患者が出た、あるいは被疑者が出たということですね。この六甲トンネルの状態は当局はよく御存じのとおり、十六・二キロメートルというトンネル内にあってそしてこの新幹線の場合は保線作業は深夜に限られている。ですから、この六甲トンネルの保線を担当する者は年がら年じゅうみんなが寝ている真夜中に六甲トンネルの中で粉じんにもまれて仕事をする。いま言ったバラスト作業にしてみても、これは一立方メートル当たり四・何ミリグラムというふうなたくさんの粉じんがたちこめるわけですが、これが戸外でこの粉じん作業をやる場合だと、これがある程度の時間が経過すればその粉じんが発散してなくなるわけですけれども、六甲トンネルのような長いトンネルの中で粉じんが立ち込めた場合には、これはもう全然空気の流通がないために粉じんが減らない。だからそこで稼働している間じゅうこの粉じんをいやというほど吸い込まなければならない。いわば非常に特殊な職場ということになるわけですけれども、このような六甲トンネルを建設し、かつここで新幹線が一日にこれは非常に多くの頻度走るわけですが、その設計といいますか、最初にこの六甲トンネルを施設する段階において、いまの国鉄の保線技術とすれば、粉じん作業というものはどうしても避けられないとすれば、このバラスト作業というもの、この労務対策というようなことをまずどういうふうに考えておられたのか、一立方メートル当たり何ミリグラムのところでこのバラスト作業が行ない得るものだというふうに考えてこのようなものをおつくりになったのか、まずそのことを当局に、国鉄に伺いたいと思います。
○説明員(加賀谷徳治君) ただいまのお話でございますが、機械化してまいりますと、やはりこういう、月に一回とか二回とか、そういう粉じんの起こるような作業が出てくるということでございますので、まあ先ほどからも申しておりますように、散水とか、そういったことをやる、あるいは防じんマスクをやるといったような効果も、いろいろこれからさらにそういったことをやった上の効果も調査によって確かめながら私どもとしては臨んでいかなければならぬと、また基本的にいま御質問にありましたわけでございますが、こういったトンネルにつきましては、そういうバラストという形じゃなくて、まあスラブ軌道といいますか、そういったようなものを用いていくというようなこともこれからは留意していかなきゃならぬというふうに私どもも考えるわけでございますが、またこういったところの仕事も非常にまあ年がら年じゅうそういう作業になっているわけでも、先ほどの説明でも、ないわけでございまして、また人間の使い方といった点につきましても片寄らないというようなやり方も多少はあるということにもなりますし、まあそう大きな心配はないんじゃないかというふうに私ども考えております。ただ、それだけではいけませんので、私どもとしましては職員についてのさまざまな健康管理、健康管理上の健康診断、そういったものを定期的に行なっております。まあなるほどいままでは結核とかあるいは循環器関係とかそういったものに対して特に注目してやっていたというようなことになるわけでございますが、こういった新しい状態もありますので、こういった作業に従事する者につきましては、特に全員について臨時検査もやりますし、将来は特に何というか、じん肺法に準ずるような管理もできるように、そういった定期健康診断にもつけ加えまして、年々の健康管理は怠らないようにやっていきたいというふうに思っております。これはまあ先生の御質問にもあったんですが、私どもとしましては、この職員の健康管理は非常に大事なことで、先ほど大臣のお話にもありましたように、組合だ、当局だという立場を離れて、ざっくばらんにいろいろ話してやっておると、十二月の時点でも半年ぐらいかかっておりますが、非常にざっくばらんな話をして、一応のいまの段階においての協約をまとめていると、あれでよしとするわけでございませんので、今後も従事員の声は聞いて、いろいろざっくばらんに話してやっていきたいというふうに考えている次第でございます。
○佐々木静子君 いまこれだけ技術の進んだ、世界に誇る新幹線の運行について、その陰で、ほんとうに陰にあってこの新幹線の運行をささえているところの保線労働者に対する衛生管理の一つの方法として水を散布するというふうな、きわめて原始的な、もう少しここまで進んだ日本のこの新幹線の技術というものの百分の一か千分の一を、その科学技術を労働者に対する労働災害の対策に振り当てたならば、幾ら何でも水をまくことによってこれを何とかして防いでいこうというような原始的な考え方よりもう少しましな着想が出てくるんじゃないかと、私聞いていても非常に大きな矛盾を感ずるわけですけれども、まあそれも水をまかないよりまくほうがいいでしょう、そのことで多少ともでもその粉じんを防ぐことができるというならば。さしあたりそれもやっていただいたらいいんですが、もうすでにやっていただいているのですか、たとえばこの六甲トンネルの中で。
○説明員(内田隆滋君) 六甲トンネルはやっております。
○佐々木静子君 音羽トンネルのほうはどうですか。
○説明員(内田隆滋君) いわゆる六甲トンネルのほうは、中心にセンタードレインがございまして水を道床にまく設備がございますが、音羽につきましては、ホッパー車に水をまくことはやっておりますけれども、道床内のバラストに水をまく設備はございませんので、いわゆる貯水槽をつくる工事を現在設計をやっております。夏ごろまでに完成するつもりでございます。
○佐々木静子君 いまの御答弁のように、水源のない音羽山についてはその設備をすみやかにやると、これも労使の間の、先ほど申し上げた、昨年の十二月十四日の協議事項では、四十九年三月竣工という約束で工事費用五千三百万円をもって改善することを確約したというふうな覚え書きがかわされているのですが、これはもう、いま四月になっているのですが、その点の工事はどうなっているのですか。
○説明員(内田隆滋君) 現在設計をやっておりまして、いま夏と申し上げましたが、正確には十月完成の予定で準備を進めております。
○佐々木静子君 完成しないよりもしたほうがいいですけれども、これも覚え書きでちゃんと三月末というふうに約束してられるんですよ。これは普通の契約でいえば明らかな契約違反ですよ、履行遅滞ですよ。これは、やはり約束したことはきちっと守っていただかないと、このこと自体がいまも申し上げたようにこれだけの近代産業の花形の新幹線で、水をまくというような最も原始的な方法しかとれないというようなことに対して、これも私大きな怒りを持っているわけですけれども、そのことにしても、これができないからといって保線作業をやめるわけにいかないわけで、新幹線は毎日何十本も通るんですから。そうすると、もうもうと粉じんの立ち込める中で働いている労働者にすれば命がけですよ。労働者は労働力を売っているけれども命まで国鉄に売ったわけじゃないんですからね。ですから国鉄としたら当然にこれ約束したことはやってもらわないと、労働者にばかり働くことを強要して、そしてこれは命と引きかえにやらなくちゃいけないことですよ。その六ヵ月のおくれの間にまたじん肺にかかる人だって何人か出るわけですね。そこら辺を、もっと人の命を、しかも新幹線で働いている人の、国鉄のために働いている人の命をですね、これは国鉄は当然に守らなくっちゃならないんじゃないですか。その点についてこれ十月にしかできないんですか、もうちょっと積極的にいい御答弁は出ませんですか。
○説明員(内田隆滋君) お約束が相当おくれたことに対しましては深くおわびいたしますけれども、土木工事でございますので、できるだけ工期を急がせますけれども、やなり順序がございまして、十月をできるだけ工期を上げるようには努力いたしますけれども、いまのところは十月でございます。
  〔委員長退席、理事小谷守君着席〕
○佐々木静子君 それから保線作業の問題で先ほどからマルタイ作業ということを言っておりますけれども、これは私調べてみますと正式にはマルチプルタイタンパーという保線の機械をわざわざ舶来品の高価なものを国鉄は四十五年度から四十七年度の三年にわたって外国から二百十一台購入しているわけなんでございますね。これお金にすると九十四億円もかけて購入している。ところがこの高価なものを外国から購入しながら、これが現実に使えないようでほとんど稼働しておらない。というのは、これはオペレーターの養成などが十分にできないということもあるんでしょうが、一番の問題はこれが非常にいま言ったように騒音が激しい。そういうことで実際にこれを用いる労働者がこれで保線作業することができない。そういうようなことで保線の現場職員、現場で働いている人の意見を聞かずに、現実に合わない高価な機械を九十四億円もかけて購入している。そこら辺にも相当問題があるんじゃないですか、国鉄は赤字だとか何とか言っていますけれども。これは雇う側がかってにこういうものを購入して、ほんとうのこれを使う人の立場に立って、労働者の立場に立って購入しておらないからそういう無理が出てくるんじゃないかと思いますが、その点についてはいかがですか。
○説明員(内田隆滋君) 先生も御承知のように、あの保線作業というのは非常に原始的なしかも労働を要する仕事でございます。これらの仕事を機械化して近代的なものにするということは国鉄にとりましても大きな使命でございます。したがって、その導入の過程におきましては、いろいろとこれは問題があろうかと思いますけれども、機械の改善なりあるいはオペレーターの養成というようなことを着実にやってまいりまして機械化を進めてまいりたいというのが国鉄の基本的な精神でございます。で、その過程におきまして、なるほど先生のおっしゃいましたようないろいろの不備の点がございますことは事実でございます。しかしこれは逐次改善をしてまいりたい。たとえば音の問題にしても、音をなるべくたたないような防音設備を、消音設備をするというようなことを今後逐次やってまいりたいと思います。ちなみに、外国ではもうほとんど保線作業というものは機械化が済んでおりまして、労働力の軽減に非常に役立ち、またそれによって同じような効果があがるということでございますので、この点につきましてはわれわれも十分努力してまいりたいと思っておりますけれども、いましばらくいろいろの不備の点につきましてはごしんぼう願いたいというふうに考える次第でございます。
○佐々木静子君 このいまのマルタイの作業の場合ですね。百十ホン以下ではいま稼働ができない。百二十ホンあるいはひどいときは百四十ホンというふうな音を発する。しかも特にトンネル内ではそれが反響してたいへんな騒音であって、これはたいていの者が耳をやられてしまう。これも京大の労働医学研究所のほうで何しますと、人間の許容限度は百十五ホンまでが限度だそうでございまして、だからそれをひどいときには百四十ホン、しかも御承知のとおり、トンネルの中は幾らでも反響しますから、それが何倍にもなってはね返ってくるというような全く殺人的な作業であります。しかもいま当局の御答弁では、一年間に四十日とか何とかというような御答弁でしたが、現場で働いている人、マルタイ作業に従事している人に聞きますと、このトンネル内で二日に一回はこの作業をしなければならないということを言っているわけでございまして、この人たちが作業を終えてうちに帰っても、テレビを一番強い音響にしておいても聞こえないというふうに、結局耳をやられているわけですね。このような状態で、あなたのほうは機械化してこれから何とかとおっしゃっているけれども、これも日々の問題で自分はもう耳が痛くて耳が聞こえなくなったからとかいうようなことででも、これはやっぱりやらないことには新幹線動かせないんだからやらないとしかたがない。早急に何かこの騒音対策についても、あまり人ごとのようなのんきなことを言わないで、自分がマルタイ作業をしなくっちゃならない身になってもう少し当局は考えていただきたい。具体的にどのような対策を考えておられますか。もう少し具体的に、どのくらいの期間でどのようにしていこうというふうな御計画なのかお聞かせいただきたい。
○説明員(内田隆滋君) まあマルタイの作業というものは、いま申しましたように、大体一回約二時間半ぐらいでございます。作業時間もそう長くはない。ただし先生がおっしゃいますように、確かに相当大きな音はいたします。これに対しましてはさしあたりは運転室を防音設備をするとか、あるいは作業者に耳せんをしてもらうとかいうようなことでさしあたりは対処してまいりたいというふうに考えております。で、究極的にはやはり音そのものを低くするということを今後検討してまいりたいというふうに考えております。
  〔理事小谷守君退席、委員長着席〕
○佐々木静子君 これはさっきの水をまくといい、また耳せんをするといい、もうちょっとこの新幹線のような超近代的な企業で労働者に対する対策を――これはもうほんとうの原始的といっても何十世紀前の人間でも思いつくようなことですね。しかも耳せんは非常にあぶないと現場にいる人たちは言いますね。その騒音で聞こえないけれども、また耳せんをするとそのことによってまた事故が起こるというようなこともありますのでね、その音源を断つというような意味でももう少しましな、もう少し科学的な対策ないんですか。
○説明員(内田隆滋君) 御承知のように、新幹線につきましては、今後のトンネルは先ほども申しましたように、バラストは使わないでいわゆるスラブ軌道と申しますか、コンクリート道床に全部するということで山陽新幹線等は全部設備をしております。したがって、この六甲トンネルはちょうど道床からいわゆるコンクリート道床にかわるかわり目のところに当たったわけでございまして、そういう意味では従来の作業をしていただかねばならないということでございまして、今度の長大隧道につきましてはこういうような作業はなくなるというふうに私は信じております。できればこういうところも改善してまいりたいのでございますが、これはいま列車回数の関係その他でなかなかいま直ちにバラストの道床をスラブ軌道にかえるというふうにはまいりませんけれども、今後技術が発達すればそういうようなことも当然考えていかなければいけないというふうに考えております。
○佐々木静子君 これはひとつ早急に考えていただきたい。この間にも健全な健康な人間が耳が聞こえなくなり、あるいはまた命を失うというようなおそろしい状態に立ち至っているわけですから、特に六甲トンネルについてはつい最近の施設ですから、公害のことなど思いもよらなかったとか、あるいは災害対策というようなことも十分に考えられなかったというような段階でできたものじゃない。東海道新幹線ならまだそういうふうな問題も、十分に考えられなかったということも、それもけしからぬというわけですけれども、さらに六甲トンネルは新しいのですから、もっと少しは先をとった労務対策も考えた上での、労働者の安全ということを十分に考えた上での鉄道建設をしていただかないと困る。これはいますでにもう相当進んでおるところの山陽新幹線、いまお話にもありましたけれども、またこれ山陽新幹線ができた段階において、いやそのときには公害のことはあまり思いつかなかったとか、いやああ言っておけば労働者は心配ないと思ったところが、できてみたらやっぱり労働対策、労働者の安全保障というふうなことが欠けていたけれども、また次、鉄道しくときにはそこではちゃんとやるから、ここのところはやり直しすることができないからごかんべんくださいというような繰り返しでは全く何にもならないわけで、そこで働いている労働者にすれば命は一つしかないので、自分はそこで働くということしかないわけなんですから、その人の身になってやはり考えてあげないといけないのではないか。特にこの保線の労働者に対するところの対策がおくれているというのは、私もこれちょっと調べてみたのですけれども、ほとんどが国鉄内の人間を使わないで外注している、下請さしておる。そういうふうなところで、国鉄当局は非常に私から言わせればこうかつな、責任のがれの保線作業を行なっていらっしゃるのじゃないかと思うわけなんです。で、これは大体において、いまパーセンテージ――ちょっといま私パーセンテージ用意してきたんですが、急に出てきませんが、非常に多くの数が下請業者。どういう人がその保線作業に、深夜の、人が寝ているときに黙々とトンネルの中で粉じんを浴びながら騒音の中で保線作業に従事しているかというと、たとえば地方からの出かせぎの人である、あるいは未解放部落の人であって、きまった官庁なり会社などにつとめにくい人、そういうふうなまあ非常に弱い立場の方々をこのような保線作業に従事さして、そしてその労働力を搾取し、労働力ばかりじゃない、場合によるともう現地にそういう問題が一ぱい起こっておるわけですが、命まで搾取して、その上においてこの花形産業である新幹線というものが繁栄していると。これはまさにいまの田中内閣の超経済政策の成長路線であって、弱い者は切り捨て、弱い者は泣き寝入りせよという行政にほかならないと思うわけなんですけれども、これは組合側と当局との交渉においても、組合員じゃないからというようなお話が当局側から出されたということに対して、組合側から、このような労働者の中で差別つけるというようなことはけしからぬ、これは受注業者に対しても国鉄当局はやはり十分な指導をし、そこで働いている人たちの労働対策についても、労働安全についても、これは組合員と同じように、国鉄の人間と同じように責任を持たねばならぬということで、覚え書きがやはり十二月十四日にできておりますが、そのとおりでございますね。そのことについて国鉄当局とするとどのようにお考えですか。
○説明員(内田隆滋君) 新幹線の保線作業は御指摘のとおり、これはもう運行中はできませんので、夜間約六時間の間合いをとりまして、その中で作業をするということで、在来線の保線作業とは非常に形態を異にしております。したがって、列車をとめませんので、開業当初から保線の相当部分を請負でやるという方針で先生のおっしゃるとおりやっております。それで、その待遇につきましてはこれはいわゆる請負工事ということでございまして、会社側が一義的に健康管理、あるいは何かあった場合の補償その他も会社側が一義的に責任をとるということでございますが、まあ国鉄も国鉄の本質的な作業の一部をしていただいてるという意味で、環境の問題につきましては職員と同様に考えてまいりたいと思っております。で、今回の件につきましても、大阪の基準監督局からのお話もございまして、その改善の趣旨を同じように会社側に御説明いたしまして、同様の措置をとってもらうという措置をいたしました。したがって、今後もそういうことで同一の環境の中で健康管理に注意して働いていただくということでまいりたいというふうに考えております。
○佐々木静子君 まあぜひそのように下請業者に対しても下請で働いている労働者に対しても同じように、命は同じようにかけがえのないものなんですから、十分に国鉄当局としてはその安全対策を考えていただき、かつ労働者に対する責任をとっていただきたい、これ特に要望するわけです。
 それから、いま保線作業は新幹線は夜間だけというお話でございましたが、このほかに新幹線で検査作業がございますね。これはどういう時間に検査作業をしてられるわけですか。
○説明員(内田隆滋君) 検査作業は、本格的な検査ですとやはり夜間でございますが、昼間いわゆる見回り検査というものをやっております。
○佐々木静子君 これまあ新幹線に限っていいますとその常時検査作業に従事している人は何人ぐらいいるわけですか、延べ。
○説明員(内田隆滋君) 全体で約五百人ぐらいだと思います。
○佐々木静子君 これは大体国鉄の職員ですね。安全を確保する意味においてこれは下請を頼むわけにはいかないと思うんですけど、そのあたりはどうです。
○説明員(内田隆滋君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
○佐々木静子君 このじん肺の問題とは少し離れますが、これがまたたいへんに危険なおそろしい作業であるということを、これは保線、検査作業に従事している人たちからいろいろと聞くわけなんでございます。これはやはり列車がうまく通過できるかどうかということを検査するわけでございますから、線路の中にあるいは線路のすぐそばを歩いて見回りをしなければならない、ところが過密ダイヤとなって次から次へと列車が運行される、ちょっとした油断もできない、二分に一回ぐらい列車が来る、それからスピードが非常に早くなっているので、気づいたときにはもうそこまで来るというふうな状態で、全く命がけの仕事である。まあこういうふうなことも、これはしかしそういうふうな、もう少し機械化された――このような命を投げ出してのこの検査掛の犠牲の上にいまの新幹線というものが運行されているという現実を考えますと、何とかほかに方法はないのかと思うわけですけれども、この労働者の方々のお話によると、自分たちはいつも死と隣合わせの状態で働かなければならない、そうして特にトンネル内における検査作業というものはたいへんに危険を伴うもので、たとえば六甲トンネルの中においては六十センチあるいは七十センチぐらいのみぞが上り下りの線路の間に掘られてあって、列車が来るとなるとそこへうつぶせになって地面に、穴の中に飛び込んで伏さなければならない、それが二分に一回ぐらいの状態で列車がやってくる、二百十キロというスピードは全くジェット機がすぐそばを通り抜けたようなスピードであって、ちょっとでもそのときに一分の秒差があっても新幹線に触れて触死してしまう、もうただぶつかって死ぬというだけでなくって、それだけのスピードのある物体に当たった場合はあっという間に人間はミンチになってしまう、あと、その死体の取り片づけば、それこそ水を流すだけで死体は取り片づけられるような状態にまでも場合によればならなければならない、そういうふうな危険の中に自分たちは四六時中さらけ出されて、新幹線が間違いなく運行できるように働いてきているわけです。そのことに対して、あまりにも国鉄当局はもう自分たちの労働者の犠牲の上にあぐらをかき過ぎているんじゃないか、そういう事柄に対するいろんな訴えが出てきているわけなんです。
 私も実はこれほどまで原始的な、あぶない方法がこの検査作業にとられているということは十分に知っておらなかったわけでございまして、いろいろと詳しい事情を聞いたり、図解もしていただいたり、あるいはできるだけ注意を払って観察しているわけなんでございますが、まことにこれはたいへんな問題、人権上の問題じゃないか。特にトンネル内で上り下りがすれ違ったようなときは、それこそこれで命が終わるのではないかと思うような状態が毎度あって、一日に何回かそれに遭遇しなければならない。また、雨でそのみぞがぬれているとき、あるいはこれはトンネル内ではそういうことないと思いますが、雪でひどいときなどは、列車がくるのでみぞの中に飛び込んで下に伏せたりしたような場合は、もうどろどろになってしまって衣類もねれて、からだもぬれる、こういうふうな状態の中で検査従業員が働いている。こういうふうな事柄に対してあまりにも危険じゃないか、あまりにも原始的じゃないか、人命軽視じゃないかと思うんですけれども、国鉄当局とすると、この検査の実情、このままで放任しておいていいとお考えですか、どうですか。
○説明員(内田隆滋君) 確かに六甲隧道はそういう構造になっておりまして、センタードレインの上にそういうことがあるという形でございますので、退避のときにはかがむというようなことが必要――理論的にはかがまなくてもいいんですけれども、やはりかがまなきゃいかぬというような設計になっております。それらにつきましては、今後退避用の防護網をつくるとか、そういうことをやってまいりたいと思います。この点につきましては、保線作業というのは宿命的に列車の走っているところを検査して線路の悪いところを見るという作業がどうしても残りますので、大なり小なりそういう意味では確かに保線従事員というのはたいへんな仕事をしているということでございまして、安全の面につきましてできるだけのことを今後もしてまいりたいというふうに考えております。なお、その職員の安全の面につきましては総裁の御命令もありまして、環境改善も含めて四十九年度以降十分な予算をもってこれをやっていくということにしておりますので、その点については御了承いただきたいと思います。
○佐々木静子君 この六甲トンネルが、そういう点で検査の従業員が非常に苦労している。おそらくいままだ死亡事故が幸いに起こっておらないけれども、このまま放置しておいたのではこれは近々に死亡事故も起こるんじゃないかというふうに私思うわけですけれども、この六甲トンネルのこの保線作業に従事する人たちのために具体的に早急に何か対策をお考えでございますか。具体的にお述べいただきたい。
○説明員(内田隆滋君) いま退避用の防護網を設置するということで考えています。
○佐々木静子君 これは何メートル間隔ぐらいですか。かりにそんなのをつくっていただいても距離があいていたら、新幹線はもう非常に早いわけで、あっと気のついたときには、もうそこに行く時間はとてもないというのが現実ですから、どのくらいの間隔でおつくりの予定ですか、距離的に。
○説明員(内田隆滋君) 新幹線がトンネルの中に入ってまいりますと警報が出まして、従事員に知らせるという設備がございますので、大体五十メートル間隔ぐらいにそういうものを設置していくわけです。
○佐々木静子君 これは、六甲トンネルは十六・四キロとすると入って出るまで何分くらいかかるわけですか。それから労働者が五十メートルの距離を走って壕へ飛び込むその時間は普通普通の運動神経の持ち主の場合にどのぐらい時間がかかるのか、具体的に述べていただきたい。
○説明員(内田隆滋君) ちょっと計算ができませんけれども、五、六分か七、八分で通過できると思います。それでまあ五十メートルですから半分の二十五メートルとしますと、かければ十五秒か二十秒ぐらいで退避できるんじゃないかというふうに考えております。
○佐々木静子君 これはやはりそのトンネルの一番出口に人がいる場合は入ったときから五分も四分もあるからいいですけれどもね。もう入ってすぐのところで作業をしていることもあるんですから十分に対策を考えていただかないと困る。
 それから、これから先の山陽新幹線ですね。岡山から博多間は五三%がトンネルだというようなことで、これは六甲トンネルよりもっとひどい事態が起こるのではないかということでたいへんに心配しているわけなんですけれども、山陽新幹線においてはどういうふうな退避の設備をとっていられるんですか。
○説明員(内田隆滋君) 退避設備につきましては、大体トンネルの構造は六甲トンネルと同じでございます。しかしそれらの点については六甲の経験にかんがみまして十分な退避設備を設置してまいりたいというふうに考えます。
○佐々木静子君 これは国鉄総裁もせっかくいらっしていただいているんですから、いまはまあこの検査の従業員についての――もうほんとうの文字どおりの命がけのお仕事の連続、いまもこの六甲トンネル内の検査の職員のことを言いましたが、この人は六甲の中ばかりをやっているそうで、年がら年じゅう六甲トンネルを受け持っているので、年じゅうモグラのようなところで検査という重大な仕事をしている、万が一にも事故が起こればこれはたいへんなことだということでやっているわけですけれども、それにまあ一秒のおくれ、二秒の気のゆるみがあればもう即座にそのままあの世行きというようなおそろしいところで働いているわけですが、そういう労働者に対して安全を確保するために総裁として何か積極的な御意見はありませんですか。
○説明員(藤井松太郎君) 働く者の安全に対しまして非常な御心配をいただいてありがとうございますが、要するに六甲トンネルのようなものの検査掛と申しましても、この作業時間をきわめて短くするというようなことによって注意力並びにその肉体的の力を消耗しないようにするというようなことが第一であり、第二は防護棚とかなんとかいう議論がございましたが、そういうことを進めていくと、さらには、先ほど説明がなかったようですが、山陽などはコンクリート道床をつくっておりますので、したがってその保線の工手はあまりトンネルの中へ入らなくてもよろしい、したがって検査もきわめて回数は少なくてもよろしいというようなことにだんだん進めていますが、まあこれは御指摘のとおり人命の問題で、何ものにもかえ得ないことでございますので、働く者の意見も聞いてできるだけこちらとしてはできる処置をとりたい、かように思います。
○佐々木静子君 働く者の意見も聞いてじゃなしに、意見を大いに聞いていただいて、あなたがりっぱな部屋の大きないすにすわって保線作業をどうすればいいか考えたってこれは全く机上の話なんですよ。現実に保線作業をやっている人の意見こそ優先して聞いてもらわないと困るわけなんです。(「総裁も一ぺんぐらいトンネルの中へ入ってみろ」と呼ぶ者あり)総裁、いまトンネルの中へ入ってみろという御発言がありましたが、六甲トンネルは何回中へお入りになりましたですか。
○説明員(藤井松太郎君) 私はトンネル屋でございましてね、でき上がったものじゃなくて、自分の命が、まさに命がけのような――掘さく中にも入っておりますし、六甲もでき上がってからは列車では通っておりますけれども、掘さく中は七、八回は入っております。
○佐々木静子君 これは、ただ総裁だということで皆さんにかしずかれて入っていられるんじゃ何にもならないんであって、まるで、何というのか、お大名行列で入られてもしかたないんで、幸い総裁は技術畑のベテランの方と伺っているわけですから、一ぺんこの保線の仕事、マルタイ作業も総裁みずから、百四十ホンの騒音の中で二時間いればどうなるかと、また粉じんを一立方メートル当たり四・二ミリグラムというものを浴びた場合にどうなるかと、そういう作業を総裁みずからなさるかあるいはすぐそばにあって御指導なり何なりされたことはあるんですか。
○説明員(藤井松太郎君) まあその保線の作業を百何ホンかで見ておったという経験は実はないんで、こう、言われないんだが、御忠言に従いまして、そういう経験もできるだけ早く得たいと、かように考えます。
○佐々木静子君 これは天皇のマツタケ狩りのようなことにならないように、ひとつほんとうのなまのその現場で働いている人の身に立って労働行政を行なっていただきたいと特にお願いするわけです。
 それから、なぜこの保線の触死事故ということを特にやかましく言うかといいますと、これは、いま御承知のとおりふえているわけですね。去年の十一月の十八日にも大阪府の高槻−摂津富田間で保線の従業員三人があっという間に即死したという事件、これなども、こういうことがだんだんと波及しつつある状態にある。というのは、これがダイヤの過密化、それから列車がスピードアップしていく、それと、当局が人員を減らしているために見張りの人員を十分に置いておらない。そういうふうな状態で、多くの人命がそれと引きかえられているということに対して、これは、こういうことをなおざりにしておくということは、国鉄当局が人殺しをやっているということに私は間接的につながると思うのですよ。ですから、せっかく現場のことにお詳しい総裁なんですから、ひとつその点十分に考えていただきたいと思うわけです。
○説明員(藤井松太郎君) その触車その他の事故で従業員が犠牲になられている、これは耐えがたい悲しみでございまして、実は私は国鉄にずいぶん長いんでございますけれども、十四、五年前国鉄にいたころは、これは決して、だからよくなったとかいう意味じゃないんだけれども、二百名近くの犠牲者まであったんですね、年間。ところが、半ば働く者も注意をしてくれたし、当局もそういったあらゆる安全装置を入れたというゆえをもって、最近まで年間二百人あったものが二十人ぐらいになりましてね、国鉄を私は離れておったんで国鉄をあまりほめることないが、それだけはえらいもんだというんで半ば感心しておったら、去年の暮れあたりからぼそぼそっと黒星がつきまして、ことしはたしか二十七名ぐらいになっているんでございますかね。まことに申しわけないんで、ひとつこれもだんだん減らすように努力いたします。
○佐々木静子君 ぜひそのようにお願いしたいと思います。
 それから、ちょうどこれはいま人命尊重の話が出ましたので、ついでというと何でございますが、やはり踏切事故ですね、これもたいへんに増加している。そしていま、やはりいままでの踏切じゃなしに自動化に切りかえられているために、点制御方式と軌道回路方式というふうなものがとられているようでございますが、点制御方式の踏切にいま非常に欠陥踏切が多い。そうしたことで先般来もあちこちで事故が起こっているわけで、これも国労の調査によりますと七千ヵ所欠陥踏切があるというふうなことが言われているわけなんですけれども、この欠陥踏切で事故が起こると、これは通行人も人命を失う。むろん乗客の人命も失われる。また、一たびこういう事故が起こればこの運転に従事している動労の人たちも人命をもっと、ほとんどの列車事故の場合に運転手その他がなくなることが多いし、なくなった場合に当局からは、運転している者が悪かったのだと、北陸トンネル事故のように、たまたまその場、その運転に従事していた者がみんな悪いことになってしまうケースもいままではよくあるわけでございまして、これ動労からですね、特にこの踏切事故について防止するために、七千ヵ所の欠陥踏切ということについて大いにお考えいただきたい。人命尊重をうたわれた国鉄御当局とすると、この七千ヵ所――まあこれ七千ヵ所が全部欠陥かどうかは私つまびらかにいたしませんけれども、少なくとも非常に数多くの欠陥踏切があることは事実だと思いますので、その対策について総裁の御意見を伺いたいわけです。
○説明員(藤井松太郎君) 踏切事故の問題は実は一番大切な問題でございまして、その大切だという意味は、国鉄当局がいかに力を入れましても、今度は道路を交通する方々がこれに無関心だと事故は減らすわけにはいかぬと。したがいまして、国鉄の事故でほかの事故はみな、まあおしかりもございますけれども、極端にこう下がっておるんでございますが、踏切事故だけは上がっておると。なぜ上がるかといえば、道路交通がこんな勢いで上がっているから上がっているということでございまして、これは一番困った問題なんで、第一はこういう踏切をなくすることがいいんで、これは相当の金がかかりますけれども、立体交差、上へ線路を上げるとか道路を上げるとか、こういう方法をとると。それから第二番目は、できるだけ踏切の数を少なくして、これは地元の御協力が要るんでございますけれども、数を少なくして、自動車の通る踏切にはそいつを防護する装置をつけるというようなことをやる必要があるというんで、踏切はいろいろ分かれておりましてですね、番人がついている踏切とかあるいは機械装置だけでやっている踏切とかまあいろんなものがありまして、先生が御指摘になった欠陥踏切なんというのは、遮断機だけがついてそいつが点制御でというような御議論だろうと思いますけれども、そういうことをあらゆる、まあお金も相当かかるんでございますけれども、人命に関する問題でございますので、今後も相当の金をかけてこの安全は促進しなくちゃいかぬと。同時に、これは国鉄だけじゃなくって、その踏切を御利用になる一般の方々にも、警察庁その他を通じて、ひとつしかるべきルールを守っていただいて事故を起こさぬように御協力を願いたいというようなことのお願いをいたしておる最中でございます。
○佐々木静子君 御発言の御趣旨はわかりますけれども、いまの点制御踏切などで見ましても、終わりのところに列車が並行して走っているような場合、初めの列車が通ってしまうともう踏切が自動的にあいてしまって、そして踏切があいだからもうだいじょうぶだというので通ったところ、並行して来た列車にやられるというようなケースが、これは特に通行人といっても、踏切があけば信用して通るのが普通の人間の感覚ですからね。ですから、それで二十人もの人が、もう終わったんだと思って渡りかけたらまた次のが来たというようなケース、この間もございましたが、そういうのが非常に多い。これは合理化ということだけじゃなしに、やはり人命尊重ということをまず重点に置いてぜひとも踏切対策も考えていただきたい。
 それから、これも保線に関連いたしまして、やはり黄害対策ですね。いまだに非常に原始的な、全く、いまそういうことがまだ国鉄で行なわれているということですが、たれ流しのトイレですね、それを保線の人たちがそのあと始末をしなければならない。これはもう全く人権以前の問題じゃないか。これは私は外国の詳しいデータを持ち合わしておりませんけれども、おそらくこういう野蛮的なことをやっている企業はあまりほかにないんじゃないか。いま国鉄とすると、新幹線などはちゃんと対策が講ぜられておりますけれども、全体から見ると、トイレがたれ流しになって線路の上に汚物が落ちるというふうな車は、全体の何割を占めているのか。また、路線からいうと、国鉄の鉄道路線のうちの何%を占めているのか、ちょっとお述べいただきたいと思います。
○説明員(内田隆滋君) 御承知のように、車両は二万幾らございますけれども、便所がついているのは約七千ぐらいです。そのうち大体千、現在線は千はいわゆるタンクがついておる。であと、車両基地の関係で、車両基地へ持っていって処理しなきゃいけない関係がございますので、たれ流しできぬように準備工事を設備しておりますのが約二千ぐらいが完了しております。今後、これは車両基地が完成するのを待って逐次そういうようなものを溜枡式に変えてまいりたい。方針といたしましては、長距離列車それから夜行列車、こういうようなものが使用頻度が多うございますので、幹線のそういう優等列車から設備をしてまいりたいと思っております。車両基地も現在十ヵ所重要なところを設備をしつつあるところでございます。ただ、車両基地の汚物処理の問題は、非常に下水等が発達しておりませんと、なかなか流末処理の問題で非常に難航しているということもございまして、今後われわれとしては誠意をもってこれらのものを解決してまいりたいと、こういうふうに考えております。
○佐々木静子君 これはこの間、私も大阪におることが多いのでちょいちょい乗るんですが、南紀州のほうから、和歌山のほうから大阪へ来ますと、大阪の郊外に差しかかってくると、住宅がたてこんでおるような地域に入ってきたのでトイレを御使用なさらないでくださいというようなアナウンスが入って、ああこの線路もたれ流しなのだなあということで思い直したんでございますけれども、これも列車から出るものが非常におそるべき広範囲にまき散らされているというのは、これはほかの列車事故でも、何か部品が欠けて下へ落ちる、すると下にぶつかってまた上へはね返って列車に突き当たって、それがたいへんな加速度になって、びっくりするような遠方に飛んでるケースが多いんですね。積雪なんかの、雪の場合なんかでも、雪がかたまって氷になって、それが上と下とではね返されている間に、たいへんな加速度になって、もう思いもかけない遠いところに飛んでいる。これ、汚物をたれ流しにしているということは、これはいまあまり住民運動としてやかましくいわれてないというのは、結局、まさか汚物と思われてないものが飛んできているから、皆さんも汚物と気がつかないので、国鉄にそれほどまで文句を言っておられないんだと思うんですけれども、これは実際、いまのこれだけ進んだ世の中で、沿線の人たちがたれ流しの汚物を常時ふりかけられているという状態、これは私はたいへんなことだと思いますね。しかも、この保線の人たちが、また、線路を歩いて一々汚物を処理して歩かなければならない。これは労働者として、全く人権以前の問題だというのが現場の皆さま方のお声なわけです。この問題は、早急に対策を講じていただきたいと思います。具体的に、いつごろ七千のうち千が対策が講ぜられたけれども、あとの六千について、国では大体いつごろにそういう問題は解消できるのかどうか、そのことについての御計画を伺いたい。
○説明員(内田隆滋君) いわゆる主要幹線につきましては、大体五十三年ぐらいまでに完成するつもりで計画を進めております。それから近郊電車でトンネルに入るようなものにつきましては、すでに東京−千葉間の電車については全部完成しております。東海道の横須賀線につきましてもそういうものをやってまいりたいと思います。
○佐々木静子君 ぜひともこれはもう国民の、一人一人が外でたれ流しをすれば軽犯罪法に触れるとかなんとかいいながら、国鉄が汚物をまき散らして歩くというんじゃ、これはもう話にも何にもならないわけで、ひとつこれは非常な国の恥になると思うんですよ。あの流線型のすばらしいかっこうをした花形の、まあ新幹線はまき散らしてないにしても、いまのきれいな車両が一たび一皮むけばそういう状態というんじゃ、全く文化国家も何も言えないと思うんです。早急に対策を考えていただきたいと思います。
 それで時間もありませんので、最後に、本論のじん肺法ですね、もう一度繰り返して申し上げますと、これは先ほどの質問にも言わなかったですけれども、工事に関することですが、山陽新幹線のトンネル工事でも、すでに、これは山口労働基準局の調査によって、じん肺の症状が見受けられるという人が、全体のこれ、調査対象が六百人のうちから五〇%の三百人の労働者がじん肺に侵されているという、こういうふうなことも、これは山口労働基準局の調査によって発表されている。軽度の者が二百十名、管理二の者が八十人、管理三の者が三人、管理四の入院加療を要する者が六人という数字が出ているわけなんですね。これは四十八年一月二十日の一流紙にも報ぜられているような問題なんですが、これは工事中のじん肺の問題ですけれども、工事中のみならず、いまの六甲トンネルその他でも申し上げたようなじん肺法の適用ですね、これは国鉄当局も早急にこれをお出しになるということ、四月末日までに限られた職種だけではあるけれども、とりあえず、これを労働省に申請するというお話でございますので、鋭意、御努力をいただきたいと思いますとともに、労働省のほうが、私、これ、非公式に聞いているところでは、じん肺法というのは、じん肺法の施行規則の別表の、六甲トンネルとか、音羽トンネルの場合、あるいはバラスト作業の場合、ホッパー車によるバラスト取りおろしの作業の場合は、二の「土石、岩石又は鉱物を積載した車をくつがえす場所における作業」とか、あるいは八の「土石、岩石又は鉱物を動力により破砕し、又は粉砕する場所における作業」に該当するんじゃないかという見解に対して、これは坑内、炭鉱内のことであって、これは入り口が一つの場合に適用するので、トンネルのように入り口が二つある場合には適用しないというふうな詭弁を弄していらっしゃるとかいうようなことを聞いているわけですけれども、こういう、鉄道の中に入り口一つしかなければみんなあの世行きであって、そんなものは二つあるのがあたりまえのことなわけなんですが、そんなばかばかしいことを言って、何のかんのと労働者の健康管理の足を引っ張るようなことはなさらずに、ひとつ真剣な問題として人命尊重の立場で取り組んでいただきたいと思うわけです。このことについて国鉄総裁と労働省の御所信を伺いたいと思います。
○説明員(藤井松太郎君) 人命に関することでございますので、御趣旨を体してあらゆる手を講ずるつもりであります。
○政府委員(中西正雄君) トンネル内の保線作業につきましては、これを前向きにじん肺法の適用をはかるように至急検討いたしたいと思います。
○委員長(田中寿美子君) それでは午後一時より再開することとし、暫時休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三分開会
○委員長(田中寿美子君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、昭和四十六年度決算外二件を議題とし、運輸省及び日本国有鉄道決算について審査を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
○中尾辰義君 日本航空と東亜航空との合併問題に関係をいたしまして、その後いろいろな問題がいまなお尾を引いておりますので、その点に関しましてお伺いをします。
 この四十一年五月ごろから航空企業再編成の一環といたしまして、日航と国内航空が将来合併すると、そういうような問題が起こってきたわけでありまして、当時合併を前提といたしまして、適正な条件で運営の一体化をはかるべきである、こういうことが閣議で了解をされたわけですね。ところがその後四十五年十一月になりまして、今度は航空情勢の変化といいますか、情勢が変わってきたというようなことで日航と国内航空の合併問題が取りやめになった。これが新しく閣議で了解された。それからまあ国内航空と東亜航空と合併をいたしまして新しい会社を設立すると、こういうことになったわけですね。これはあとで説明してもらいますけれども、そういうことで、その間に国内航空から飛行機三台B727をチャーターしております。その借り賃等のことでまだ清算がされていない。すでにもう三、四年の経過をしておりますが、いまだにこの問題は解決していない。こういうように私は聞いているので、これはあらためてひとつ当局者のほうから経過の概要をまず最初お聞きしたいと思います。
○政府委員(後藤茂也君) お答えいたします。
 日本航空と旧国内航空との関係の清算の問題がいまだに解決いたしておりませんことは私どもとしてもきわめて遺憾かつ申しわけないと思っております。
 まず、概要を簡単に御説明申し上げさしていただきます。ただいま先生御指摘のように、航空企業の経営基盤の強化あるいは運営体制に関する政府の御方針は四十一年と四十五年と二回にわたってそれぞれ別々の内容のものが閣議で御了解をいただいております。古いほうの昭和四十一年の五月二十日に閣議で御了解をいただきました航空企業の経営基盤強化に関する方針という政府の方策におきましては、日本航空と国内航空とは将来合併、統合するという考え方がとられておりました。しかしながら、そのあとの四十五年十一月に行なわれました航空企業の運営体制に関する方針という閣議の御了解におきましては、あとで御説明申し上げます事情の変化を考慮いたしまして、当時ローカル線の運営会社でございました日本国内航空ともう一つの会社――東亜航空、この二つの会社が合併をし、日本航空と国内航空は合併しないという方針がとられております。この新しいほうの昭和四十五年の新方針は、昭和四十二年以降日本におきます国内航空需要が急激に増加いたしまして、ローカル航空路線の運営を担当しておりました国内航空あるいは東亜航空の経営の基調が従来と全く変わって好転をいたしまして、安定化の方向を見せてまいりましたと同時に、需要の増加に比して輸送力増強の総体的な立ちおくれが目立つようになりましたと、四十一年度当時に比べて著しく状況が変化したことに対応いたします新しい国内航空体制の御方針でございまして、運輸政策審議会の御審議、答申をいただいてかように決定したものでございます。古い方針に基づきまして、日本航空と国内航空とは将来両社が合併することを前提といたしまして、日本航空の国内航空に対する援助あるいは協力関係を維持してまいる。で、新しい四十五年の方針に至りまして、この二つの会社が合併しなくなるとすれば、日本航空は政府出資会社であることにもかんがみまして、この数年にわたって続きました日本航空の援助協力関係というものを何らかの形で清算をしなくてはならないという考え方がございました。四十五年の閣議了解におきましてもこの問題に触れまして、両社が合併しなくなることに伴う問題の処理は両社が協議し、政府の承認を受けて決定する、このように政府の方針が決定されたものでございます。
 この両社が合併しなくなることに伴う問題の処理、これがいわゆる清算問題でございます。この清算問題の処理につきましては、日本航空と国内航空との間で、また後に、新方針に基づきまして国内航空と東亜航空が合併した後は、合併した東亜国内航空と日本航空との間でずっと話し合いが行なわれてまいりました。双方の間には非常に意見の隔たりがありましたこともまた事実でございまして、また東亜国内航空が両社を合併して新たに発足したあとで、いわゆるばんだい号の事故があったりいたしまして、この清算問題についての二つの会社の話し合いは思うように成果をあげてまいりませんでした。で、運輸省といたしましては、この両社になるたけ早く円満に話し合いをつけるように慫慂もいたしました。また、そのときそのときに応じていろいろと両社を歩み寄りをするべく努力もいたしましたけれども、今日までのところまだ双方の間に円満な話し合い、結論を得ておりません。
 ただ、現状を、一番最近におきます状態を御説明申し上げますと、従来この両社はお互いに代理人、弁護士を立てましてその間の相談、協議を進めてまいったようでございます。昨年の秋以来は、そのようないわば事務的な折衝というよりも、大所高所に立った会社と会社の間の話し合いをするように私どものほうからも強くすすめました。ただいまは会社の責任者自身が相手方の会社責任者と対々で話し合いをするという方向に移っておりました。私どもが伺いますところでは、従来のような非常にぎしぎしした平行線の論議を積み重ねていくのではなく、何がしかの有効的な結論を出すべく、つい最近の状態でございますが、話し合いが進んでいるというふうに聞いております。
○中尾辰義君 それではお伺いしますけれども、日本航空と元国内航空との合併の取りやめに伴って発生いたしましたこの事後処理として、日航は東亜国内航空に対しまして約二十二億八千万円の請求をしておるわけですが、日本航空は元国内航空の承継会社である東亜国内航空に対しまして金銭的な請求権はあるのか、またあるとすればその法的根拠はどうなのか、その辺をまずお伺いしましょう。
○政府委員(後藤茂也君) お答えいたします。
 先ほども申し上げましたように、政府が四十五年の新しい方針をきめました場合に、合併しなくなることに伴う問題の処理というものを特に取り上げまして、これを両社の協議にゆだねるということを政府としてきめましたにつきましては、ここに放置することのできない問題があるということを私どもとして意識しておったわけでございます。具体的に申せばそれは金銭的な清算問題であるということでございます。御質問の一つに、日本航空が承継をいたしました東亜国内航空に請求をしている法的根拠はどうかという御質問でございまするけれども、それはただいま両者が具体的に専門家に依頼して話も進めていた次第でもあり、現在もなお両者の間でいろいろと話し合いを進めていることでございまするから、こまかい法律問題について私がここでとやかく申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思いまするけれども、きわめてしろうと的に申せば、四十一年から四十五年あるいはもう少しそのあとまでかかりまするけれども、その期間におきまして、日本航空が当時の国内航空に三機のジェット機のチャーター料金として支払った金額、あるいは日本航空の人を国内航空に出向させて、日本航空の月給を払いながら国内航空に出向させて、いろいろと技術協力をしてやった費用、あるいは国内航空の人を日本航空に引き取っていろいろと訓練をしてやった費用、これらすべては日本航空の考え方によれば、将来国内航空が日本航空と合併するということを前提にいたしまして、その前駆的段階としてそのような協力が行なわれたものであり、単なる商取引として飛行機の賃貸借が行なわれたのであるならば、その料金はおのずから別の相場というものであるべきであったのだ、こういう考え方で話は進んでおるものと了解しております。
○中尾辰義君 ところが東亜国内航空のほうは、この事後処理問題、つまり二十二億八千万円の日航から東亜航空に対する請求権等を含めて、この問題はこの合併を前提として、その後閣議了解をして、それから四十五年には急に合併が取りやめになった。これは私どもとしては政府の方針に従っておるだけでありまして、当然これは政府が責任を負うべきである。東亜国内には責任はないと、こういったようなことも言っているのですがその点、いかがですか。
○政府委員(後藤茂也君) この金をめぐります現在の東亜国内航空と日本航空との間の協議、相談、これはただいままでるる御説明申し上げましたように、長い時間をかけておりまして、そのある段階におきましてはお互いに弁護士を立てて、いわば理詰めで話し合いをしたという段階もあり、さらにただいま御説明申し上げましたように、一番新しい段階では、いわば両者が責任者、会社の役員を出し合って、いわば大乗的見地に立って政治的に解決しようという雰囲気もあり、その時期その時期においていろいろとその折衝の過程で他方の当事者に向かって言うせりふはいろいろあったかと思います。その中にただいま先生御指摘のようなそのようなせりふがあったかもしれません。ただこの問題につきましては、先ほどから御説明申し上げておりますように、明らかに政府の方針が、四十五年に至って、日本航空と国内航空を合併するかしないかについて、全く百八十度転換した政策を決定したということが動機、契機になっていることは明らかでございます。ただそのような新しい政策というものが決定されたにつきましては、この一項目だけでなく、新しくここで設立が慫慂されました東亜国内航空の将来のあり方、あるいはこの場に登場いたしません全日空あるいは日本航空とそれらにおける国内航空路線の運営のあり方、すべてのものにつきまして包括的に新しい御政策が四十五年にきめられたものでございまして、そのような政策が取りきめられるにつきましては、一〇〇%満足であったかどうかは別といたしまして、関係者一同が前もってその討議にいろいろと関係をし、事実上それら関係者のいわば理解と了解のもとにこの四十五年の新政策が閣議で御了解いただいたというのもまた事実でございます。したがいまして、ただいまお互いに金額をめぐって政治的に一つの大乗的見地に立って話し合いをつけようと両社の関係者が努力をしておりますいまの段階で、こまかい議論を私どもの口から申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○中尾辰義君 それでは大臣にお伺いしますが、大臣は、この事件は当時私は大臣でなかったということで知らぬというわけにはいかないと思います。当然大臣として引き継ぎ事項としてあったはずですからお伺いをするわけでありますが、いま御答弁がありましたように、四十五年十一月の合併の取りやめに関しての事後処理、つまりそういった金銭的な請求権のことについては閣議の承認が必要となっていると、こうなっているわけですがね。それで運輸大臣は、いま問題になっている二十二億八千万の請求に対しまして、これは妥当なものなのかどうなのか、どうお考えでありますか。
○国務大臣(徳永正利君) まあ前のできごとだからというわけにはまいりません。この責任は当然私にあるわけでございます。
 日本航空が日本国内航空に請求したという清算金額は、計算上は、いま二十二億八千万円というお話でございますけれども、最初は二十八億あったと日本航空は請求をしているわけです。いろいろな未払い等を差し引きまして二十二億八千万円というふうに報告を受けておるわけです。この金額の妥当性について政府が承認を与えるという性質のものかどうかということは、ちょっと私どもいま――当時の閣議了解の中にもありますように、両社でひとつ協議してやってくれと、その上で政府の、内閣の了承を、承認を得るようにしてくれということを言っておりますから、まあ鋭意いまやっている最中でございますから、政府がいま金額の是非について論評をするということはちょっとその時期が適当でないかと思うわけでございます。
○中尾辰義君 それではお伺いしますが、四十六年の三、四月ころ、この二十二億八千万円――まあ最初は二十八億ぐらいあったんだけれども、その中からいろんな清算分等を控除して二十二億八千万、こういうことですがね、この請求決定につきまして大蔵省、運輸省の了解を得ていると、このように聞いておりますが、この点いかがですか。
○政府委員(後藤茂也君) 日本航空株式会社は御承知のとおり、半分近くの資本を政府が出資した特殊な会社でございまして、この経緯につきましては運輸省のみならず、大蔵省、会計検査院で当然に年々にその経理について国の立場から見ておるわけでございます。で、この日本航空株式会社がいま問題になっております話を国内航空あるいは東亜国内航空と話を進めるにあたりまして、自分のところはこういう計算でこういう金額を相手方に要求しようと思いますということにつきまして、運輸省、大蔵省、関係官庁がその説明を聞いたということは事実でございます。ただ、事柄の性質上、これはあらかじめ了承を与えたかということになりますと、私は、了承を与えたということについて、そうでございますというふうには御説明すべきではないのではないかと思います。そういった金額についての話し合いがこれから始まる、始まった結果どのような結論が出るかということは、これは相手のあることでもございますし、いまのところまだわかっていない段階で関係官庁は説明を聞いたということだと承知しております。
○中尾辰義君 まあ説明はあった、ここまでは事実あなたはお認めになったのですが、ところが、この二十二億八千万、計算上はこういうふうになりました、このことにつきまして、じゃ、運輸省や大蔵省の了解を得ないで、監督官庁の運輸省等の了解を得ないで日航がかってにやれるのかどうか、その辺いかがでしょう。
○政府委員(後藤茂也君) 御説明いたします。
 将来、日本航空の経理にきわめて関係のある事態でございますから、話を始める前に関係官庁に説明をするというのは、これは当然であろうかと思います。しかしながらお話が、かりの話、将来の問題といたしまして相手方との間に話がついたといたしますと、そのようなかっこうで日本航空の会社の経理を処理するにつきまして、これは、黙ってしようと、相談をしてしようと、あとで国家のいわば会計検査の対象になるべきことでございますから、事柄の次第として、この次の段階といたしましてもう一回日本航空としては政府にこのような形で最終的に話を詰めてよろしいでしょうかという話を持ってくるのが順序であろうかと思っております。
○中尾辰義君 そうすると、運輸省は話は聞いたと、この程度ですか。もう一ぺん……。
○政府委員(後藤茂也君) 説明を受けたということでございます。
○中尾辰義君 ですから、私が言うように、まあ話は聞いた、と。何とおっしゃったのか。うんうんああそうかと、それでおしまいですか。何かそこで、何かものを言っていらっしゃると私は思うんだけれども、いかがですか。
○政府委員(後藤茂也君) ただいま問題になりました、古い古い事実でございまして、当時の担当者がどのような顔をし、何を言ったかについては具体的には承知いたしておりませんけれども、事柄の性質上、これは日本航空株式会社といえども一つの会社でございまして、また相手方も会社でございます。これから金の相談を始めるということについての、もらうほうの側がその受け取るほうの側に提示する金額についての説明を私どもは役所としては聞いたわけでございます。
○中尾辰義君 そこのところをもうちょっと明快に言ってください。
○政府委員(後藤茂也君) 日本航空株式会社としてそのときに関係の官庁に説明をいたしました。これは実際にどのような形で行なわれたかにつきましては、ただいま私がお答えする知識がございませんが、事柄の性質上、この問題についてはかくかくの計算をするとかくかくの金額になります、これを国内航空に請求すべくこれから話を進めたいと思います、こういう説明であったろうかと思います。それに対して関係官庁は、その話を聞いたということでございます。
○中尾辰義君 まあいいでしょう。それじゃ会計検査院にお伺いしますが、検査院のほうも、この話は説明を受けていらっしゃるんですと私は聞いておりますが、説明を受けて、まあ説明を受けただけなのか。あるいは大体妥当であると、この程度のお話があったのか、その辺いかがですか。
○説明員(中村祐三君) ただいまのお話でございますが、二十二億の金額につきまして、その以前に、私どものほうで、従来国内航空に支払っている賃借料につきまして、その計算方法が少しおかしい、高額過ぎんじゃないかというような御注意を申し上げたことがございます。この二十二億の計算をするにあたりまして、まあ一部分ではございますが、そういう私どもの注意をした点が考慮されて計算しておるというような経緯もございまして、その説明を受けました際に、特に積極的に異を唱えるということはしなかったと。それからもう一つ、先ほどもお話にございましたように、こういう線で、相手方に支払いの請求をするということでございますので、支払いを早く受けるというような観点からも、私のほうでこういう態度をとったということでございます。
○中尾辰義君 どうも、もやもやもやもや言ってはっきり聞こえないんだけども、もう一ぺん答えて……。
○説明員(中村祐三君) 説明を受けました内容につきましては、特に積極的に異を唱えるということはしなかったということでございます。
○中尾辰義君 そうしたら、会計検査院のほうも、説明は聞いたが、それは検査院のほうから計算方法等においてチェックした点もあるので、その後話は聞いたと、けれどもそれが、何ですか、明確に妥当であるとかでないとか、そういう確答は与えてないと、こういうことですか。この辺はっきり言ってもらわなければ困る。
○説明員(中村祐三君) ちょっと申し落としましたけれども、私どもの立場としては、御承知のように、事後検査ということで、検査対象である日本航空株式会社が、実際の会計行為を起こしたあとの段階でなければ検査ということが実際に発動できないわけでございます。この段階ではまだそこまでいっていないので、あくまでも事前の相談ということなんでありますんで、その段階においてはわれわれの立場としては、検査上の意見を申し述べるという段階には至っていないということは申し上げられると思います。
○中尾辰義君 とにかくこの問題は、もう四十一年から、当時は中村運輸大臣ですね。この航空再編成のころから、次は四十五年十一月、まあ航空再々編成、当時は橋本運輸大臣ですね、まあそのごろこれ政府施策によって惹起された事件でありますけれども、まあ丹羽大臣のときも、全くこれは手がつかない。佐々木大臣に至ってもだめだと、いまだに不明確なんですね。あとからまた申し上げますけれども、こういうことは徳永大臣は、どうお考えになるのか。まあ決断と実行だとか何とかかんとかおっしゃっていらっしゃいますがね、これは弁護士にまかしたり、第三者委員会にまかしたり、いろいろ過去にありましたけど、まあ一番最初の次長さんのお話聞くと、どうもはっきりしてないですね。この問題をどうおやりになるのか。あなたの在任中に、きちっと結論をお出しになるのか、その辺いかがですか。大臣のお考えをひとつ聞かしてください。
○国務大臣(徳永正利君) さっきから聞いておりますと、説明を聞いたとか、何とかいろんなことを言っておりますが、法律的にはどういうことになるかしらぬけれども、説明にきてべらぼうなそれが話が違うんなら、これはおかしいじゃないかというはずですし、暗黙のやっぱり了解を与えていると思うんです。
 それから会計検査院のほうも歯切れの悪い答弁ですが、これは選挙違反を事前に警察にかけ込んで、これはどうじゃというようなもんで、なかなか言いにくい面もあったろうと思いますけれども、それはそれとしましてもう合併、四十六年の五月十三日に合併しているんですから、もう三年たっているわけです。いま先ほどの航空局の次長の説明のように、今度は弁護士さんももちろん法律的なことはやるでしょうけれども、両社の会社の幹部が誠意をもってこの解決しようということに乗り出しておるわけでございますから、私がいつまで在任するかは別としまして、近いうちに目鼻つけにゃいかぬと思っております。またつけたいと思っております。
○中尾辰義君 それはつけなければいけませんよ。
 で、ひとつまた逆戻りしてお伺いしますが、四十六年の五月十二日にこれは国内航空社長の川渕氏より、当時の橋本運輸大臣に対しまして、この両社の清算問題の処理については、第三者の委員会をつくってそこで処理をしたいと、こういうことだったんですがね、それざいつのまにか消えてなくなった、そういう経過がございますね。その点私もふしぎに思って、そこまできめてなぜこれができなかったのか。さらに丹羽大臣のときは、これもまあ佐藤政務次官に本件の処理を一任して、佐藤氏はいわゆる佐藤試案というものをつくって努力をしたけれども、これも実らなかった。こういうことになっているんですがね、この第三者委員会というのは、どうしてこれ消えたんですか。
○政府委員(後藤茂也君) 両社の話し合いを円満に早く進めます意味で、ただいま先生が御指摘になりましたような第三者にお願いいたしまして、話を詰めていただくという構想があったのは事実でございます。しかしながら、その適当な第三者をお願いしていろいろとやっております間に、両当事者が直接に話し合ってみたいという空気がだんだん生まれまして、一方で適当な第三者も得られませんうちに、しからば、実際上両当事者で話し合って話がつくものならば、それでやってみてもらおうということになって、第三者委員会にお願いするという構想は立ち消えと申しますか、やめになったと、このように聞いております。
○中尾辰義君 どうもその辺が私もふに落ちないんですよ。せっかく第三者委員会にゆだねて、これからはっきりめどつけようと、こういうふうにきまった以上は、それはやるべきですわね。それもやらないでうやむやになってしまった。この辺もこれはほんとうに運輸省がやる気あるのかないのか、やる気があるんでしょうけれども、外部から見れば、さっぱり成り行きまかせみたいな感じがするんですね。これはもうあんた行政長官としての責任回避みたいですよ。大体日航と運輸省、民間航空、この辺はどうもいろんな関係であんまり密接になり過ぎているんですよ、この辺は。悪く言えば癒着というのか、そこに国会議員と顔を出したりして――あんまりこの辺は私もほじくりませんけれども、勘ぐればこういうことにもなると思う。
 それから国内航空――元国内航空、東亜国内航空の株主の構成を見てみますと、東急電鉄が非常に多いとこれは聞いておりますが、この辺はいかがなんですか。この筆頭株主はどこで、どの程度これは持っていらっしゃるのか、それはわかっていらっしゃるはずですから。
○政府委員(後藤茂也君) 私どもの手元に昭和四十六年四月におきます合併前の国内航空と東亜航空の持ち株の資料がございますが、これによりますと、国内航空の筆頭株主は東京急行電鉄、その比率が三八・三%、東亜航空の筆頭株主は不二サッシ工業、その持ち株比率は三〇・六%でございます。現在、合併後の、ただいまの東亜国内航空の持ち株、これは筆頭は東京急行電鉄、その比率は二六・三%でございます。
○中尾辰義君 まあこれは、私のいろんな話を――聞いた話ということにしておきますが、最初から東亜航空には合併する意思はなかったんだと、そういうような一部の重役もあったように聞いておる。その背後には、やはりこういったような大株主もあるわけですよね。その辺、何かしらこの問題、もやもや、もやもやしているんですよ。これに関係して、政治資金の問題等も、これはほじくっていけばまた何か出てくるかわかりませんから、きょうはそれ以上は言いませんけれども、とにかくすっきりしない。
 それでもう一ぺん、このチャーター料につきましてちょてお伺いしますけれども、四十一年六月の日航と国内航空との覚え書きの締結によりまして、運輸省は四十一年五月に閣議了解をしたわけです。そうして両社の合併促進をはかったと。それとまた、日本航空の、監督の立場から、覚え書きの第五条等の立場から、形式的にも実質的にも運輸省にとってはこれは責任があるわけですね、それはもう当然あるわけです。そこで国内航空からのジェット機三機のチャーター料の条件について、いわゆる賃借り料ですね、これが妥当であったのかどうか、その点はこれはどうお考えになりますか。
○政府委員(後藤茂也君) 日本航空が当時の国内航空から受け取りましたチャーター料、これは時々また契約が変わって金額が変わっておりまするけれども、先ほども申し上げましたように、その両社は将来合併するという前提で、そして合併の前駆的段階といたしまして、日本航空がいろんな形で当時の団内航空に対して金銭的、技術的、人的な援助をするという段階における賃借料でございまして、そういう前提で、運輸省といたしましても、その時点においてはその賃借料は妥当なものだと考えていたのは事実でございます。もちろん、それは当時の通常の同じ機種についてのなまの商取引における賃貸料よりは高いということでございます。
○中尾辰義君 ですから、最初に、いわゆるチャーター料という料金の計算のしかたというものを、あなたのほうで説明してください。――それじゃ私のほうから概略を――時間も迫ってきますから……。
 この賃借り料は当初は、器材の減価償却費等を基礎とした基本賃借り料に、日航の国内幹線運営の業績に応じて損益を配分するいわゆる調整金を加えたものであったと、こういうふうに承っているんですよね、いわゆるこれは賃料調整方式と言っていますが。ところが、その後この料金が変わったと、その後収入リンク方式というやり方に変わったと、これは日本航空の一機当たり国内線収益に三〇%を乗じた額、これを一機当たりのチャーター料とすると、こういうふうに変わったわけでしょう。なぜ変わったのか、この辺のところをひとつ説明をお願いしたいんですかね――そんなことは、あんた、頭に入っておらなああかぬぞ、やっぱり、一々そんなものを見とっては。その程度だから問題ですよ、これは。
○政府委員(後藤茂也君) その賃貸料がどのような形でまず算定され、それがあとどのように変わったかについては、むしろ、ただいま先生が御指摘になったとおりでございます。
 一回目に、この賃貸料が変わりましたのは、これは日本航空が、自分のところの飛行機の償却の年限を十年から七年に変えたことに伴うものでございます。二回目の改定でございますが、コストの積み上げからやります、基本賃借料を基準として当該年度における日航国内線の経常損益を保有ジェット機により配分して金額を調整することといままでしておりましたわけで、この方式については、その後税務上の疑義を生じて、賃料算出方式の改定を行なったものでございます。で、実質的にはその支払い額の大幅な変更を避けることを原則としたと、このように聞いております。
○中尾辰義君 どうもその辺が明確でない。あんた、それはそれを棒読みでなしに、自分で理解した上で、私にわかりやすいように答弁してください。あなたでなくてもいいですよ、うしろの人だっていいから。
○政府委員(後藤茂也君) 私の御説明が十分に理解の上で完全な御説明ができませんでまことに申しわけございません。勉強させていただきまして、あらためてその点については御説明さしていただきます。
○中尾辰義君 だめだよ、そんなことじゃ、あなたがその程度だからこの問題が解決しないんですよ。これ、大臣はちょこちょこかわっているんですから、もう少しね……、私も質問の通告もしてあるんだから、そんなむずかしいことじゃないじゃないですか。私もようわからぬのだけどね、大体の荒筋はわかる。(笑声)この最初のいわゆる賃料調整方式というものは、これは器材の減価償却費等を基礎とした基本賃借り料でしょう。これにプラスアルファがつくわけじゃないですか。それは日本国内幹線運営の業績に応じて損益を両者に配分をしていくと、その配分のほうが幾らになっているのか、それはわかりませんがね。要するに、この基本賃借料、これは器材の減価償却費等を基礎としたものであると。それにプラス国内幹線の運営の業績に応じてその損益を日航と国内航空とに利益配分をすると、こういうふうなやり方であろうと私は思いますけどね。わかりましたか。こっちが教えてやっているんだ、あなたに。だからこれをなぜ新しい収入リンク方式というやり方に変えられたのか、その辺をまず伺いたい。収入リンク方式というものは、これは日航の国内線の一機当たりの収益に三〇%を乗じた額、これを賃貸料としたんでしょう、こういうふうに変わっておるわけですから。
○政府委員(内村信行君) 私も詳細は必ずしも正確に覚えておりませんけれども、ただいま先生のおっしゃっいましたように、初めはまず原価を出しまして、それに対して利益をつける、利益を案分しておるという形が、そうしますと税法上の関係でもって利益に対して税金がつくというふうなことで、これに対しまして形を変えて、総水揚げについて案分をするというふうに形を変えたというふうに承知をいたしております。
○中尾辰義君 それじゃあこの賃料調整方式というのは、元国内航空に利益配分を幾らかすると、これをみなし配当とみなして税法上の問題が生ずると、こういうことですか。それと、それは国税庁の指摘を受けたのか、それとも両者の経理担当者間で話ができてそういうふうになったのか、その辺はいかがですか。
○政府委員(後藤茂也君) ただいまの賃借料の計算の方式を変えましたにつきましては、先ほど私が税務上の疑義があるということを御説明し、官房長のほうからさらに詳細な御説明をいたしましたけれども、ただいまの御質問の点につきましては、その点について具体的に国税庁から指摘を受けて、そこで変えたんだというふうには聞いておりません。会社として研究の結果そのように変えたと、そのように承知しております。
○中尾辰義君 それでは自発的にちょっと会社同士で話し合って変えたということですね。そのときの、この契約を改定したときの運輸大臣はどなたでしたか。
○政府委員(後藤茂也君) 契約改定の時点における運輸大臣は、当時の中曾根運輸大臣でいらっしゃいます。
○中尾辰義君 契約改定というのはただ税法上だけの問題なのか、それともそのほかに何かあるのか、その辺は私どもももうちょっと納得しがたい点もあるわけですが、そういうことで、これは私の間違いかしれません、勘ぐりかしれませんが、ちょっとお伺いしますけれども、もう時間もないですからね。この改定の目的がまあ閣議了解による両者の合併の促進のため国内航空の再建にあったとすれば、この賃貸借契約は最初のままでも、日航の利益の中から将来の日航の資本再建を明確にする方法、たとえば出資増額とか特別低利の融資をするとか、そういう再建促進の援助の方法ではできなかったのか、その辺ちょっとややこしいんですがね。あなたは税法上の問題があるからぐあいが悪いと、こうおっしゃったんですが、これはまあちょっと参考に私は聞くだけです。
○政府委員(後藤茂也君) いろんな御質問がございました。お答えできるだけお答え申し上げますが、賃借料の改定が四十三年に行なわれました。その改定の理由は御説明申し上げました税法上の疑問点、疑義点があるということが唯一の理由であったと、このように承知いたしております。さらに日本航空あるいはその当時合併を前提にいたしておりました国内航空、それに対して何がしかの、この形で行ないました援助以外の方法に適当なものがあったというふうには当時は考えられていなかったように承知しております。
○中尾辰義君 それでは、前の最初の調整方式と改定後の収入リンク方式とを比べてみて、日本航空が元国内航空に払うチャーター料は、どっちのほうが多いんですか、これ。まあ改定になった収入リンク方式というものも、これは国内機が一機のかせぎ高の三〇%と、こういうことですから、そのころは国内機のほうもどんどんお客さんがふえて収入がこう上がってきたと、こういうときですからね。三〇%というものが、これは三〇%そのものは変わらぬけれども、実際の金額にするとこれがだんだんだんだんと大きくなっていくと、その大きくなったやつを元国内航空に支払ったと、そういうようなことで今度の二十二億八千万のこれは払い過ぎだというような問題も一応出ているわけですからね。その辺の説明をひとつお願いしたいと思います。
○政府委員(内村信行君) またたびたび昔の知識で恐縮でございますけれども、ただいまの契約の改定の問題、これはもうもっぱら私は税法上の問題というふうに理解しております。そこで実態においてはほとんど差異はない。だが、先生御指摘のように、たまたまその後乗客が増加したとか、全体の収入が上がったとか下がったとか、こういうふうなことから比べますと、実際の数字はどちらが多いか少ないか、差はあると思いますけれども、基本的には変わっていないと思います。それよりむしろ根本的な問題は、当時国内航空というものが非常な何十億、数十億という赤字を出しておって、とてもこれでは再建不能であると。一方において航空事業におきましてはやはりその経営基盤が強化されませんと、安全につながってまいるというふうなことから、これを何とかして健全化しなければいかぬというふうなことから、日航と国内航空との合併を前提といたしまして、それで強力な援助を与えていかなければいけないということが基本でございまして、そのために賃貸料というふうなことでもって、普通の商業ベースよりもより多い賃貸料というものを合併を前提として支払ったと、これが本質的な問題だろうと思います。
○中尾辰義君 それは合併ができればこういう問題が起こらなかったわけですけれども、合併中止になりましたからいまこれややこしいこういった問題を繰り返してなっているわけですからね。時間もありませんので、しかしこの問題はどうもすっきりしないですよ。現段階では第三者委員会も取りやめになって、弁護士同士、両社の弁護士同士で話し合った。それも何だかもの別かれになっていると、このように聞いていますが、そうするとあなた、いまは放置してあると、そういうようなかっこうになっているんですか。
○政府委員(後藤茂也君) 先ほど御説明申し上げましたように、現在はお互いの会社の弁護士同士の話し合いというのは、いまから御説明申し上げます新しい話に引き継がれております。新しい現在行なわれております話は、それぞれの会社の経理担当の専務の人たちがじきじきに会って相談をするという形で、まあ先のことでございますからわかりませんが、いろいろと実質的な話が進んでおるように聞いております。
○中尾辰義君 運輸大臣ね、いまあなたお聞きのとおりですわ。そういったような経過のもとにいまは弁護士もだめだと、もの別れになった。両会社の経理担当者で話し合いをしているということですがね、これはもういがみ合った両方の会計の責任者が利害反目しておるような会社の立場で話をさしているというんではとてもじゃないですよ、私はそう思いますよ。ですから、日本航空にやっぱり四〇%やっぱり国民の資本も入っているわけですから、その点もよく考慮されまして、何らかの方針をきめて決着をつけなきゃいけないと、私はこう思うんですがね、それも大臣、最後にひとつ要望し、所見をお伺いしまして、一応この問題はこれで切りましょう。
○国務大臣(徳永正利君) お説のように、もう長い間いろいろなことをやってきているんでございますから、まあ二者間で十分話し合えという閣議の了解事項もございますし、私がすぐここで行って頭押えつけるというわけにもちろんいかぬ問題でございます。したがいまして、いま鋭意両者間のそういう詰めに入っているということでございますから、これを十分監視、見つめつつ、こういう問題の早期解決のために私もひとつ知恵をしぼってみます。それでもしやることがあればやっていきたいと思っております。
○中尾辰義君 監視だけじゃなしに、積極的にひとつ乗り出して解決を要望しておきます。
 それから次の問題、すみませんが少し質問をいたします。これはまた話題が違いますが、運輸省といたしましてホテル業界に対する指導及びその措置はどのようになっているのか、まず最初お伺いしましょう。
○政府委員(高橋寿夫君) お答え申し上げます。
 運輸省でホテル行政を所管しておりますこの趣旨と申しますのは、わが国に訪れますところの外国人観光客、いわゆる旅行客、こういった人たちの受け入れ体制をつくらなければいけない、これがひいては国際親善にもつながり、さらに外貨の獲得にもつながるということでございまして、そのために日本には旧来の旅館はたくさんありますけれども、なかなか外国人が泊まれるような施設がない、洋式の施設がないということでございます。これはまあ戦争前からそういった意味で洋式ホテルの整備ということを考えてまいりました。特に戦後におきましては国際収支の改善という旗じるしがございましたものですから、国際観光ホテル整備法という議員立法で法律もできました。そういったものに基づきまして、外客宿泊設備を増強するという考え方でホテルの増強をやってきております。なおホテルはいわゆる旅館業法というものの対象になっておりますところの施設の一つでございます。旅館業法は主として環境衛生面からホテル、旅館、その他を含めまして、およそ人が泊まるところは全部対象になっておりますが、このほうは厚生省の所管でございます。以上でございます。
○中尾辰義君 それでは開発銀行融資の国際観光ホテルにどの程度融資の実績があるのか、一番目は昭和四十四年度以降の各年度別の件数及び金額、それから二番目はその中で東急ホテルチェーンに対する件数及び実績、三番目が赤坂東急ホテルに対する実績、これをひとつ具体的にお答えを願いたいと思います。
○政府委員(高橋寿夫君) 開発銀行によりますところのホテルヘの融資につきましては、毎年、年度の初めに閣議決定がございまして、日本開発銀行の資金運用に関する基本方針というのがございまして、これにのっとってやっておるわけでございます。そして昭和四十七年までにおきましては国際観光施設という項目が掲げられておりまして、こういったものに該当するということでやってまいりました。四十八年度からは宿泊施設という名前に変わりました。この変わった意味は四十七年まではいわゆる国際観光ホテル整備法の基準にのっとったホテルということでございましたけれども、四十八年からは国際観光ホテルの基準にのっとらなくても、まあもう少しいわば一般的な大衆的なホテルでありましても一定の基準に該当すれば対象にしよう、いわゆるビジネスホテルでございますが、そういったものに対処しようということで対象が広がりました。宿泊施設ということでやっております。これが私どもが政府の中の一部局といたしまして開発銀行に融資のあっせんをしております理由でございます。
 次に融資実績でございますが、たいへん恐縮でございますが、この件数がいま出ていないのでございますが、実績をまず申し上げます。四十四年には六十八億円、四十五年には七十五億円、四十六年には六十五億三千万円、四十七年には百一億一千万円、なおこのうち四十六年と四十七年の中には実質的に開発銀行と似たような仕事を地域的に分担しておりますところの北海道東北開発公庫の金額が入っております。これは四十六年で五億五千万、四十七年で十二億六千万でございます。したがいまして、先ほど申し上げました金額の大半は開発銀行から融資されたものでございます。それから、四十八年度につきましてはまだ融資実績が全部まとまっておりませんけれども、おおむね四十七年度の横ばいないしは若干減る程度というふうに私どもは推測しております。
 その次に、東急系のホテルに対する日本開発銀行からの融資状況でございます。銀座東急ホテルにつきまして三億五千万、横浜東急ホテルに一億、下田東急ホテルに一億一千万、羽田東急ホテルに一億七千万、横浜東急ホテルに二億、博多東急ホテルに三億五千万、奄美東急ホテルに二億、それからこれはまだ予定でありますけれども、長崎東急ホテルに三億、このほかに赤坂東急ホテル七億円が加わりまして、合計二十四億八千万になります。なお、赤坂東急ホテルにつきましては、四十三年に三億円、四十四年に四億円、合計七億でございます。
○中尾辰義君 これは予算委員会でも運輸大臣の答弁もあったようですが、総需要抑制の今日、この開発銀行の融資、これはどうお答えになっていますか。
○国務大臣(徳永正利君) これは総需要抑制の立場から、民間の投資の抑制をやっている最中に、政府の金をそういうようなところにどんどんつぎ込むというのは適当じゃないじゃないかという考えで、このホテル等に対する開発銀行の融資というものはますます抑制してまいらなければならぬ、かように考えております。
○中尾辰義君 それでは質問の焦点であるこの赤坂東急ホテルの前に横断歩道橋ができておりますね。あの歩道橋のでき上がるまでの経過につきましてちょっとお伺いしたいのです。というのは話を聞きますと、あれは東急でつくったんだと、あとから国のほうに寄贈したとかそういうようなことを聞いておりますので経過を少し報告してください。
○政府委員(菊池三男君) 赤坂の東急ホテルの前にあります人造橋は、これは国道二百四十六号線の区域に入っております。これはホテル東急のほうからつくりたいという請願の要望がございました。これは請願工事と申しておりまして、道路法の二十四条で――普通道路は全部道路管理者がやるのがたてまえでありますけれども、二十四条によってて道路管理者以外の者がその承認を得てものをつくるということができることになっております。それによりましてつくったものでございますので、初めからでき上がったものは道路そのものになる、国に帰属するということが前提でつくったものでございます。
○中尾辰義君 赤坂東急は、どうして橋を私のほうでつくらしてもらう、こういう申請があったのですか。
○政府委員(菊池三男君) ホテルのほうからあったというよりは、あそこは交差点でございます。そこで、もと横断歩道がございました。平面の横断歩道があったわけでございます。そこでおそらくホテルの側としてはそこに便利なようにつくってほしいという要望があっただろうと思うのですが、私どものほうもそういう要望があったから必ずしも二十四条工事で何でも許可できるというものではありませんけれども、交差点のところで横断歩道橋ができますればそれだけ事故も減少いたしますし、非常に前向きな形でもございますので、私どもはそれを了承して承認したわけでございます。
○中尾辰義君 もう時間がありませんのでね、いまおっしゃったように、赤坂東急があの橋を自分の費用でかけて、あとで国に寄贈した。かけること自体はこれはまあ必要でしょう。どうのこうの言うわけじゃありませんが、要はかけ方の問題ですな。ああいうふうに赤坂東急の二階のコンコースのところに橋を向い側からかけて、そこを歩道者が歩いてくるわけですね。歩き終わっておりたところは東急の玄関口で、さあお買い物にどうぞいらっしゃいと、こういうふうに非常にぐあいよくなっているのですね。この辺に、はたしてこれは公正なかけ方をやっているのかどうか。考え方によりますと、まあどうも企業べったりじゃないかと、まあ周辺の商店街等からも多少の批判も聞いておりますよ。また、一括して申し上げますと、ですからまあこれは私らの立場から言えば、あそこに何も横づけに橋をつけなくてもちゃんと道路の幅もあるし、そしておりるところを両方につくればいいじゃないか。どうも建設省は東急とべったりの感じがするな、こういうことも非常に勘ぐられているわけです。いろんな批判の声も聞きますと。ですから、こういうように考えればけしからぬじゃないか、そういう意見も出てくるわけです。ところがこういうことが全国でもちらほらあるように思います。ですからこれはいま反省とかどうのこうの私はここで議論をしませんが、やはりこういうものは公平な立場で考えていかないと、非常にあとでまたいろんな問題が出てくる場合もあります。これは時間もありませんから一応私の警告として受けとって、まあ今後に対処してもらいたい。
 もう一つは、あそこの前に庭木を植えてあります。その庭木は普通の東京都あたりが植えるブッシュみたいに背の低いやつじゃなしにごついやつを植えて、そうして東急の前庭みたいにしてある。それも話を聞きますと、これは東京都があそこは買収して、その後建設省の所管になっている。ですから東急のものじゃないのですよ、あれは。ところがあそこに東急が自費で木を植えているわけですね。木そのものはどうなっているのですか。東急が植えてそれを国に寄贈してあるのか、その辺はどうなっているのですか。
○政府委員(菊池三男君) 先ほどの橋と同じように、請願工事でございますので、初めから植えたものは国のものになるという前提で植えたものでございます。
 それから先ほど、これをプラザのコンコースにつけずに手前に空地があるからおろせばいいじゃないかというお話もございました。そういう考え方もございますけれども、ここは実は都市計画の決定がその先が四十メートルになっておりまして、いずれこれはまたそういう道路を拡幅して、そうしてこれが全部また道路敷になる場所でございます。そういうような過程もございましたことと、東急べったりというお話がございましたが、これはもう全部向こうの費用で出しておりますので、これがもし国の費用でつくったものがこういう形でしたら、あるいはそういうお話が起こるかもわかりませんけれども、そういうことで、これは東急がつくらなくても時期がたてばあるいはもう国のほうでみずからつくったかもわからない場所でございます。そういうことでございますので、ここについては手前に、これからその道路敷を利用しまして、空地を利用しまして階段をつけることも考えられるわけでございますけれども、わざわざここに階段をつけなくても、もうそこにコンコースには入りますけれども、入ってすぐ階段がございますし、それからまた議長公邸のほうへ参りますほうが坂道になっておりますので、コンコースで行くと、橋梁を渡りましてからそのまま平らに歩いていけばちょうど道路に出るようになっておるわけです。これを下におろしますと、わざわざ下まで歩いて坂をおりてきて階段を上がるということになりますと、なかなか使い方もないと思いますので、これはこのままやらせていただいてよろしいんじゃないかと思います。
○中尾辰義君 まあそれは、あなたの話を聞くと、そういう意見もあるのですよ。だけども、やっぱり行政官は町の声に耳を傾けないと。ただ一方的にそういう考え――それはあなたの考えは私はよくわかりますよ。しかし、一面考えるとやっぱりそういうような弊害も出てくるのですね、いま民主政治ですから。これはひとつ私の警告の意見として受け取ってもらってけっこうです。
 それで、もう一つ問題がある。これ写真とってきましたがね。これはポスターなんですよ、地下鉄あたりにぶら下げてある。ほんとうはこの現物がほしかったんですが、現物を手に入れる時間がなかった。これは、「赤坂東急プラザ・緑の広場で、春の足おとを。」と、これを見ますと、こういう森林の中に美人が立って、そしてこれはまあ赤坂東急の宣伝ポスターですよ。こういうところありますか、赤坂東急に。(資料を手渡す)どうです、これは。これがいまあなたがおっしゃった、国有地の前に木を植えたところをいかにも森林らしく見せて、それでここに美人を一人置いて、全くあなた国有地を利用しているのですよ。あなたは簡単に、いやあれは東急が植えて国のほうに寄贈しましたんですからと、そういうように簡単にはいかないですね。やっぱり商売人はこういうようにあくどい利用をしていますから。これはほんとうに誇大宣伝ですよ、こういうことはね。いろんな影響が出てくるのですからね。私はあまりこういったような問題、重箱のすみをつつくよりは、私も、こういう堂々たる決算委員会でこれやらなくてもほかにも大きい問題があるじゃないかと言ったんだけれども、一応警告の意味でやっておいてくれということもありましたから私はまあこれやっているんだけれどもね。ですから、そのポスターなんかどうです。これはちょっと誇大広告にはならぬですか。しかも東京都が買収したあそこの東急広場の前は、二億五千万円かかっておるそうですよ。二億五千万円の東急の前の道路のあそこの広場は、木を植えたということだけで自分のところの宣伝材料に使っているじゃないですか。それはどうです。一つは、そのポスターそれ自体が誇大宣伝にならぬのかどうか。それと、最後に総括的にひとつ御意見を聞かしていただいて、それで終わります。
○政府委員(内海英男君) ただいま御指摘のようなポスターの件につきましては、現実に赤坂東急ホテルの前にはああいう竹林はないわけでございまして、誇大広告と申せばそれに類するものだと思います。特にそういった公共の緑地帯等を営業活動に利用するというような面があるとすれば、厳重に注意を与えて、今後もそういうことのないように指導いたしたいと思っております。
○中尾辰義君 それじゃ時間ですから終わります。
○岩間正男君 私は、まず第一に、国鉄の間引き運転の問題と、それから学習権の保障の問題についてお伺いをしたい。
 具体的に例をあげますが、青森県五所川原から秋田県能代に通ずる五能線は、ここ十年の間に合理化が非常に強化されて、十ヵ所近い駅が無人化されているなど、営業部門から施設、保線など、あらゆる面で縮小や操短が行なわれ、住民の生活を極度に不便におとしいれている事実があります。ことに一昨年十二月に発生した列車脱線事故以来、国鉄秋田管理局は安全対策と称して、瞬間風速二十五メートルで列車の運行を完全にストップさせるという規則強化を行ない、これとともに必要最小限の職員をさえ配置せず、列車の運行を確保していないのであります。この結果、小学校、中学校、高等学校生徒の通学に大きな支障を与え、学習権は大きく阻害されています。この実情を、国鉄当局は一体どのようにつかんでおられるのか、また文部当局はどのように把握されているのか、両者から説明をお聞きしたいと思います。
○説明員(伊江朝雄君) お答え申し上げます。
 ただいまの五能線でございますが、これは先生御承知のとおり、津軽海峡の非常に冬場は季節風の強いところでございまして、大体例年十一月から翌年の二月ごろまでの間、特に鰺ヶ沢という所と深浦という所の間でございますが、これは御指摘のとおり風速二十五メートルになりますと、沿岸地帯を通っておりますためにあぶのうございますので、列車を運休さしております。昨年の実績を見ますと、大体その運休いたしました日にちが延べ三十四日というように非常に影響度の大きい所でございます。これにつきましては、確かに通勤通学の問題がございますので、私どもといたしましては運休手配をいたしましたときには事前にバスの手配をいたしました。風が吹いてバスが通るというのもおかしい話でございますけれども、道路は大体海岸の線路の内側を通ったり外側を通ったりいたしますので、ほぼ二十五メートルの風速で列車をとめましても、バスの運行には差しつかえない。もちろんバスの運行もとまるときもございますが、いままでのところは大体運休いたしました間においての代替輸送はバスで行なっておりますというかっこうであります。一部手配がおくれましたために学校の始業時間に間に合わない。授業時間の欠数が出たり、欠時間が出たり、あるいは一日休校をしていただくということもあったようでございますけれども、原則としてはそういう手配を講じておるわけでございます。御指摘のように地元の御要望あるいは学校当局の御要望もございまして、逐次その辺につきましては御了解を得ながら列車の確保ということにつとめておりますが、また町当局にいたしましても大体学校の統廃合で大きな町での小学校、中学校の統合ということがございますので、私どもといたしましては輸送についてはやや御希望に沿えるような輸送の体制をとっておるという実情でございます。しかしながら、やはり基本的な輸送力というものにつきましては絶えず見直しをいたしております。一部列車を区間別に拾ってみますと、列車を増発したところもございますが、何しろ単線区間でございまして、非常な隘路の区間でございますので、急に列車回数をふやすというわけにもいかないということでございますが、なお地元の御要望なども聞きながら、改善は今後ともつとめてまいりたい、かように考えております。
○委員長(田中寿美子君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
○委員長(田中寿美子君) 速記を起こして。
○岩間正男君 文部関係を早く呼んでもらいたい。約束違反ですからね。ちゃんと約束守って、――タイムテーブルがこんなことじゃだめだ。
 いま国鉄当局の御答弁がありましたけれども、私が特にお聞きしたいのは、この中で実際学習権が保障されているかどうか、こういうことについて調査をしたかどうかということです。この点が、ただいまの御答弁というのは一般的な答弁で、だれでも五能線の間引き運転の問題だったらいまのような答弁になるでしょう。しかし、具体的にそれならこの学校の教育がどのような影響を受けているかというところが非常にこれは重大なんです。その点については調査をされたり、あるいは現地のいろんな実情についてお聞きになる、そして実際は具体的にどのような被害を受けているかという、これつかんでおるんですか、おらないんですか。この点いかがですか。
○説明員(伊江朝雄君) 私どもは、そういったようなことについては、やはり神経をとんがらかしておりまして具体的に調査してございます。去年の十二月四日からことしの二月十四日までの間、高等学校、中学校、三校ございますが、それの調査をいたしました。具体的に申し上げます。深浦高校というのがございますが、臨時休校四日間、それから授業時間のカット、これは三十五時間、それから深浦中学、これが臨時休校六日間、授業カット三十九時間、それから大戸瀬中学というのがございますが、臨時休校六日間、授業カット四十二時間ということでございまして、先ほども申し上げましたように、この間大体三十四日間延べて運休いたしておりまして、その間バス輸送の手配をいたしておりますが、そのバス輸送の手配が若干おくれたりなどいたしまして授業時間のカットということになったかと思います。また、国鉄が動かない場合にはバスも動かなかったというふうなことの休校日数が先ほど申し上げましたような日にちじゃないかと、かように思います。
○岩間正男君 これは文部次官、いま入ってこられてさきの質問わからないと思うから簡単に繰り返しますけれども、五能線で間引き運転をやったり、それから時間表が非常に実情に合っていない、そのために子供の教育に支障がきておる、そして実際の正規の授業ができない、いま報告があったとおりなんですが、文部省としてこれつかんでおられるかどうか、調査をされたかどうか。これは非常に重大な問題なんですから、事は小さいようだが小さくはない。性格としては一国の文部行政がどうか、このあり方に対する国鉄の態度の問題でありますから非常に重大な問題だと思って私は質問しているんです。これはおつかみになっていらっしゃるんですか。
○政府委員(藤波孝生君) 県の教育委員会からは具体的に上がってきておりませんでしたので、正直に申し上げて、文部省はこの事実を知りませんでした。ただ、きょう先生から御質問があるやにも承りましたので、さっそくに調査をいたしましたところ、先ほど来説明員から御答弁がありましたように、いろいろ授業に支障をきたしているという事実があり、また県の教育委員会から国鉄に対していろいろな要望、陳情も従来行なってきたというようなことも、調査の結果わかったわけでございます。
○岩間正男君 これは、教育を守る文部省の態度としては非常に不熱心じゃないですか。これで教育権守れますか。そういう事態が起こっている。これは非常に大きな問題になっているんですね。いまのような御答弁では非常に心細いんですよ。たよりない。これは当地では非常に大きな問題になって、現地の諸新聞はみなこれを取り上げていますよ。それから朝日新聞は全国版でこれは一回大きく取り上げています。それから地方版でさらにこれは「忘れられた過疎地」、「豪雪の五能線をゆく」、こういうような見出しで、これは二回にわたって報道されている。それから読売新聞は、「走らない列車」として三回にわたってこれは報道されている。われわれはこういう資料を全部見ておる。検討しているわけですね。こういう事実があるんですが、こんなもの、情報機関があるんですかないんですか、文部省に。こんなものをさがさないでおいて、どうして教育権を守るということになるんですか。教育権を守るんなら、こういう教育権が侵害されている、そういう問題が出ている、これを少なくとも文部省の立場は、教育擁護の立場から言えば、当然この実態を調べて、そうしてはっきりこれに対して私は国鉄当局に申し出をするのが当然だと思う。あんたたち教育を守ろうとしているのかしていないのか。非常に、この態度で大体現在の文部省の教育に対する熱度というのはわかると思う。どういうことですか。
○政府委員(藤波孝生君) 全国でいろいろなことがございますので、できる限りあらゆる情報をつかんで、十分教育を守るために対処いたしたいと考えておりますが、教育委員会の段階でいろいろ折衝をして、文部省へ報告ないし相談がある場合とない場合とございますので、うかつにいたしまして、知らないで参りましたことはまことに申しわけないと思っております。従来も、県の段階でいろいろ国鉄にもお願いをしてきておるところでございますけれども、さらに先生御指摘の教育を守るという立場で、強く国鉄当局にも要望してまいりたいと、こんなふうに考えております。
○岩間正男君 情報機関があるんですか、ないんですか。
○政府委員(藤波孝生君) あらゆる情報をつかむように努力をいたしております。
○岩間正男君 さっぱり努力は効果をあげてないという何よりの証拠だ。そうでしょう。あらゆる努力をしてしかりと、いまの答弁です。話になんないじゃないですか。しかも教育を守る立場でしょう。あなたのほうは被害者の立場なんだ。少なくとも教育に対してそういう関心を持たなきゃならぬと思うんですよ。国鉄は、これは加害者のほうの立場になっておるわけだ。これに対してあんたは、当然教育を守る、しかも、これは言うまでもなく、学校教育法あるいは同施行法、それにはっきりきめられたそういう単位時間というのが守られないというところに大きな問題があるわけですよ。それで、実際はここの地帯は非常に短縮をやらざるを得ない、あるいは臨時休校をやらざるを得ない。先ほど国鉄から報告がありましたけれども、これは、これでも私は十分だとは思っていません。もっと現地の調査を客観的にやるべきだ。そして人を派遣しても真剣にこれはつかんだらいいと思うんです。だれよりもこれは当地の教員の皆さんが知っているわけだ。現場の先生が一番知っているわけなんだ。こういうものをはっきり調査して、しかも、この大きな問題にしているのは現地の教員組合なんだ。教員組合は教育を守る立場からそういうことをやっているんだ。ところがこの教員組合に対するいろいろな、当然これは教育基本法でやるべきでないようなことだけは文部省は盛んにやってくれている。まさにやらなきゃならない当然の文部省の任務というものはこういうふうにいま怠られている、この現実を暴露している、この問題は。こういうことじゃ話にならぬと私は思うんですね。この点いかがですか。
○政府委員(藤波孝生君) 実情をさらによく調査いたしまして、さっそくに対処することにいたします。
○岩間正男君 いまの国鉄の報告によりましても、とにかく時間が正常に行なわれない部分があるわけですね。これは教育の機会均等からいって、はなはだけしからぬことだと思うわけですね。教育権は侵害されている。明らかに侵害されている。そういう事態があれば、文部省としては、いままでやらなかったのはかりに怠慢にせよ、今度はこれに対して当然申し入れをすべきだと思いますが、次官、いかがですか。
○政府委員(藤波孝生君) 従来も青森県の企画部であるとか、県の教育委員会から、秋田の鉄道管理局を中心にいたしまして再三要望を繰り返してきておるように聞いておりますが、文部省といたしましても、さっそくに国鉄当局にこの旨をお願いいたしたいと考えております。
○岩間正男君 これは要望、お願いなどということじゃないですよ。あなたたちは教育法規というのをどう考えていますか。これは国の意思として決定されてるんですよ。それでちゃんと保障されているわけだ。一時間の時間というのはどれだけやるのか、学校教育法、同施行法でちゃんとあなたたち明記してるじゃないですか。これが守られていないことに対して、いま言ったお願いとか、そんなことじゃ私はいかぬと思う。当然これは、これに対してはっきり申し入れをする、そして正しい運行についてこれは努力をすべきだという、少なくともそういう意思を明らかにすべきだと思いますが、いかがですか。
○政府委員(藤波孝生君) 全国に小、中、高だけ考えてみましても、ずいぶんいろんな学校があって、いろんな立地条件の中で教育を行なっておるわけでございます。したがいまして、先生御指摘のように、教育を守ってまいりますために、当然通学上のいろんな問題が出てくるわけでありまして、できる限りそれらを連絡を密にいたしまして、適切に教育が行なわれてまいりますように、従来も国鉄当局にはずいぶん無理も言い、また、それが私鉄であります場合には、私鉄などにもよく教育を守る立場に立って協力をしてもらいたい、こういう申し入れなり、要望なりをしてきておるわけでございます。しかし、なかなか完全に、思うようにならない場合もございまして、それは長い路線の中でのやはりごく小部分の駅と駅との間のことであったりいたしますので、ラッシュ時、朝、夕方などに、どこまでダイヤが集中的に組めるかというような問題等もございまして、その辺を十分、教育を守る立場に立って考えてもらいたいということはたびたびお願いもしてきておるところでございます。今回の五能線の問題につきましても、さらに実情をよく調査をいたしまして、文部省として教育が守られていくように申し入れをいたしたい、このように存じております。
○岩間正男君 ついでに聞いておきますが、申し入れをやるということはそれは確認しておいて、ついでに聞いておきますが、これは何も五能線だけじゃないだろうと思う。これはいま非常に過疎化が進んでおります。そして国鉄の合理化もここのところ非常にこれは目に余るものがあります。そういう体制の中で至るところで起こっておる。だから、五能線だけじゃなく、全国的にこういうものを調査する必要があると思いますが、いかがですか。
○政府委員(藤波孝生君) 教育がどのように進められておるかということを常にあらゆる情報といいますか、資料をキャッチしておるのが文部省の責任であろうと思いますので、さらによく現地の各――全国まあ広うございますけれども、そのいろいろ通学事情などにつきましては、調査を進めるようにいたしたいと存じております。
○岩間正男君 調査をとにかくやってください。これは確かに僻地では非常にこういう事態が起こって苦しんでいるんです。
 私は、もう少し具体的にこの内容に入っていきたいと思いますが、先ほど国鉄側から話がありましたように、青森県の西津軽郡の深浦中学、それから大戸瀬中学、それから岩崎村の中学、こういうところは、ことにその被害を受けているわけですね。たとえば、大戸瀬中学の場合を見ますというと、全校生徒三百十二名中、五能線を利用している生徒は百五十名、四八・〇七%になっているわけです。ところが、合理化の間引き運転のために生徒たちの利用できる列車、これを調べてみますというと、登校時では、上り七時三十三分、下りは八時二十八分、それから下校の場合には、上りは十六時四十三分、下りは十五時三十五分、これしかないわけです。ダイヤを調べてみましても、もうそのほかはもうとにかく二時間も三時間もの間引きになっていますから、そのあとを利用したっていうことになれば、それはもう朝、早暁来なくちゃならない。あるいは帰るのは、もうほんとうに星をいただいて帰るということになりますから、これは利用できるのはいまのに限定されるわけですね。そのために、授業時間はこれは勢い五十分授業というものを確保することができない。それで五分短縮をやっている。そうして、そのためにまあ中学校で三年間に、これは三年間計算をしてみたんでありますが、何と五十六日十九時間授業が保障されない、そういうことになっています。そのほかに、強風、豪雪などのための授業カットが、これは臨時休校、先ほど話ありましたように、この臨時休校がずいぶんされておる。これは深浦中学とか岩崎中学の場合もほとんど大同小異です。こういう実態というものを、もっとやはり明確につかむかどうかで、私は文部省の申し入れる態度っていうものは、これは当然変わってこざるを得ないと思うんですね。こういう現実がほんとうにつかまれていなければ、どうしても切実なこれは申し入れにならないわけです。これは明らかに学校教育法と同施行法の違反だと思いますけれども、どうですか、施行法の五十四条による別表、中学の場合ですと二ですか、これありますね。この際、これを明らかにしておいてください、事務当局。
○説明員(松浦泰次郎君) 先生の御指摘の条文は、学校教育法施行規則の五十四条の二でございますか。
○岩間正男君 いやいや、よく聞いていて、五十四条。常にあなたたちは生き字引きじゃないのか、おれたちがたまに見るのと違って。
○説明員(松浦泰次郎君) 御指摘の五十四条につきましては、授業時数は別表第二に定めるということになっておりまして、週大体三十三時間から四時間授業を行なうことになっております。
○岩間正男君 それで、その別表の二は、どう出ていますか。――時間かきめられているので、それを待っていたら、日が暮れる。そういう、あなた、不勉強じゃしょうがない。これは通告も聞いているでしょう。はっきりそれは別表第二、中学校の場合、「この表の授業時数の一単位時間は、五十分とする。」、はっきりそう別表に書いてあるでしょう。これ守られていないんですよ。あなたたち必要なときに、法律は必要だ、必要だと盛んにこれでもってやりながら、一方ではどうですか。一方では全然、これは最も基本的な、教育の最も基本的な問題じゃないですか。一単位時間をどう守るかというのは、少なくともこれは教育体制をほんとうに推進するためには絶対に必要な条件です。これについては、課長さんですか、初中局の課長ですか。課長がこんなのそらんじていなくちゃならぬじゃないか。これを知らないで、しどろもどろで、そこで法規を引っくり返しているような、そういうことで一体どうなるんです、文部行政は。だからこういう侵犯が起こって平気でいるんじゃないですか。私は何も声を荒げてあなたたちを叱咤するのが任務じゃないんです。しかしこういう足もとを見ると、ここが大切な部分というものがだめになっている。次官、どうですか、こういう形であなた文部行政を進めたらたいへんなことだと思うが、どうですか。
○政府委員(藤波孝生君) 先生御指摘のように一つ一つ足もとを固めることが大事だと思っております。
○岩間正男君 ちゃんと固まっていない。もっとにがりでも足して固めなさい。そこに専心するように、ほんとうによけいなほうばっかりやっていて、そして足もとや、教育基本法で必要とされている当然の任務はもうほんとうに放棄されているんです。それで日教組日教組と日教組の問題などばっかりやっているからこういうばかげたことが起こるんです。はっきりしているんです。ちゃんとそういうところにあなたたちの、もう教育行政の中に出ている、態度が。私はこれを指摘せざるを得ないのです。そしてそれについて次官は申し入れるというのでありますが、同時に申し入れはこれは文書でやりましょうな、どうですか。電話や口頭ではだめだ。申し入れたらちゃんとその申し入れた書類を私のところに、少なくとも決算委員会にこれは報告してもらいたい。委員長、これを確認してほしい。
○政府委員(藤波孝生君) よく県教育委員会と連絡をとりまして実情をさらに調査をいたしまして、その上に立って先生御指摘のようないろいろな教育を守られないような事情がありますれば、さっそくに申し入れをいたしまして、先生のところにまたごらんもいただきたいと、このように考えております。
○岩間正男君 さっきのから後退をしている。申し入れますとさっき言った。今度はもう県教育委員会と相談をして、――相談しなくていいんですよ。相談しなくてあなたたちの、文部省としての教育を守る、そういう見識に立てば、何で県教育委員会、そういうところに相談する必要がありますか。現地に人でも派遣して実態をつかみなさい。そしたら全国にこういうケースは無数にあるはずだ。そういうものに今度はもっと広げて調査をする。そしてはっきり的確にこれをつかむ。そしてほんとうに教育が正しく行なわれているかどうか、こういう事態を明らかにしないでおいてはこれはほんとうに教育行政の根幹は成り立たないですよ。そういう点をこれははっきり要望しておきますが、それはいいですか。
○政府委員(藤波孝生君) さっそくによく調査をいたしまして、先生御指摘のように申し入れをするように運びたいと存じております。
○岩間正男君 とにかく教育の機会均等ということが叫ばれているわけですよ。僻地だから教育に欠落があっていいということはないわけだ。少なくともそれは民主教育の原則なはずでしょう。憲法にはっきりこれは規定されているもんだよ。したがって僻地の子供がこのような教育の欠落にまざまざと落とされている。そういう事態に対してこれだまっていることはできないわけですから、当然これを十分に充足して、少なくとも規則を守る。私はむずかしいことを言っているんじゃないんだ。あなたたちのきめたこういう規則を守りなさいと言っているだけだ。そうでしょう、当然でしょう。
 それじゃ、国鉄総裁にお聞きします。これは当然いまのような申し入れに対して応じなきゃならぬと思う。国法は厳としてある。教育擁護のちゃんともう規則はあるわけです。その規則をあなたたちのダイヤは無惨にも破壊しているというのが現状であります。できやしない、何ぼやったってこれはできません。私も計算してみたけれども、出ない時間帯がある。そこでもう上り下り列車がほんとうにこれは不十分なんです。そうすれば当然これはこれに対していまを保障するような、少なくとも最小限のそういう保障のための列車時刻改正をやるとか、何とかしなきゃならぬ。そうして教育優先のその原則というものをこれは貫かなけりゃならぬ。田中総理はこのごろ盛んに教育を大切にする、すると言っておる。教育を大切にするというのはこういうことなんだ。よけいなことじゃないんです。基本法に違反して、そして何か妙な精神主義みたいなもの、これを奨励することじゃないのだ。とにかくこの規則をはっきり守っていくというようなことは当然なんだ。したがいましてそういう制度の、一国の文部行政、教育行政の面から言えば国鉄はこれに従わざるを得ないと思うんですが、いかがですか。
○説明員(伊江朝雄君) ちょっとその御質問にお答え申し上げる前に、五能線が運休が続いたために授業日数あるいは授業時間のカットがあると申し上げましたのは、これは列車ダイヤが通学の生徒たちに全然時間的に提供ができてないということじゃございませんで、やはり豪雪、季節風という特殊な地域的な気象条件によるところの安全確保上のやむを得ざる運休手配の結果が残念ながらそういう欠時間あるいは休校日数に出たということでございまして、私どもの通勤通学、特に先生御指摘の通学列車の確保につきましては御承知のとおり通学定期も売っておるわけでございますので、通学の列車はちゃんと確保すると、ただし時間的に多少ダイヤの関係で上下の列車あるいは学校始業時間と到着の時間との差という多少のばらつきはございますけれども、全国的に見ましても通学列車というものの確保、これは私どもは十分に地元の皆さまともお話をしながら確保してまいっておる。これは今後もこの方針については変わりない、かように存ずるわけでございます。
○岩間正男君 答弁になってません、そんなこと。そんなことであなた、私が了承すると思っていますか。通学の時間だの、そういうものをはっきり計算してますか。それは冬季はことにひどいことは事実であります。しかし実際はこのダイヤじゃ物理的にこれ不能でしょうが。どう一体確保するんですか。時間を計算してください。ちゃんといま原典があるのだ。あなたたちのダイヤがちゃんと拘束しているのだ、時間をね。その中からこういうひずみが起こってくる。冬季はさらにこれによっていろいろな事故が起こる。それからもう運休も起こる。そういうことによって絶えずこれは不正常なところに落とされる。したがいまして冬季なら冬季の場合についてもこれに対してこれを保障するという、そういう基本的な立場に立たなければならぬと私は思う。少なくともその基本的な方針を確立する必要がある。それでなければ法違反じゃないですか。法違反を平気でやるようなそういうダイヤを組んでおいて、そしてそのままで、あなたたちいまのような答弁をしたってこれはだれも了承できない、どうなんですか。
○説明員(伊江朝雄君) この保障という問題でございますけれども、列車が運休を、ああいう季節的な条件の悪いところでございますので、毎年同じような時期に同じような現象が起こるわけでございますので、それに対しましては運休をいたしました場合にはバスの手配ということで現実に実はこの期間バス四台を常時チャーターをいたしまして、鰺ヶ沢でございますが、そこの営業所に待機さしてございます。それでいざ運休という場合にはこのバスの運行によるところの通学を確保する、こういう措置を具体的には五能線ではとっておるわけでございます。
 それから御指摘の授業日数、授業時間との関係のダイヤが確保されてないという御指摘でございますが、五能線につきまして見ます限りにおいては、授業時間についての確保は私どもは十分できていると、かように考えますが、ただ現地県知事からの秋田管理局に対する御要望は、登校時における上下列車の到着時分の接近をはかってくれと、つまり上りの連中が早く来て下りの連中がおそくなるというふうなことであってもいけないし、同じような時間に学校に、始業時間に間に合うように到着できるように上下列車の時間を接近さしてくれとか、あるいは下校時に学校が済みましてから帰りの上下列車に乗る時間がなるべく短かいようにしてくれというふうな御要望は承っておりますが、いま先生御指摘の国鉄はそういうダイヤの確保については授業時間に支障を与えるようなダイヤをそもそも組んでおるという御指摘は実は私どもはそうは思っていないということでございます。
○岩間正男君 あなたたちは何か都合が悪いときはすぐに県知事とか、県教育委員会とか、こうやるわけですね。しかしもっと実態を調べなさいと言っておる。一体地元の住民はどういう要求をしているのか、ことに教育担当者はどういう要求をしているのか、こういうことは少しも触れないでおいて、まるで上のほうだけ相手にして都合のいい答弁したって、こんなものは実態に迫らないことになること明らかです。こういう事実というのは、こういう実態は現地の住民やあるいは教育従事者が、先生たちが痛切に感じ取っているからこういう問題が出てきているんですよ。こういう問題についてあなたたちいままで何も受けたことないんですか。全然受けたことないんですか。国鉄当局に対してこういう要請というものがなされていることだと思うんですよ。県知事から聞いたとか――都合のいいところたけそんなのやるのはいつもの国鉄の常套手段です。こんなやり方だめです。ほんとうに教育を守るという立場に立っていないですよ。
 総裁にお聞きします。総裁はもう少し責任者としてはっきり答弁してください。
○説明員(藤井松太郎君) こういう教育の基本的なものを守るということはまさに同感でございまして、われわれの実情の認識が足らぬというおしかりでございますが、現状はいまも申し上げましたように、県知事とか何とか、そういった方々のまとまった御要望によって動いていくというのが実情でございますが、なおかつ足らぬところがあればよく調べまして前進をさしたい、かように思います。
○岩間正男君 少なくとも現地を調べるということ、これは現地の実際担当者ですね、そういうところへお聞きになる、そのために努力されますか。
○説明員(藤井松太郎君) 現地には管理局長その他がおりますので、十分調べさせます。
○岩間正男君 これはもうはっきりいまの御答弁をわれわれ期待していますから。それで、その結果どうなるのか。事実われわれがいま申しましたこういうような現地の実情から言ってることばはそのとおりになるだろうと思うんです。
 運輸大臣にお聞きします。運輸大臣は当然閣僚のお一人として、また国務大臣として義務教育の保障、こういう立場から、また教育の機会均等、これは当然戦後の民主教育の基本的な理念の一つであります。そういう立場から、当然私はこの問題に対してはっきりした対処のしかたがあると思う。この問題、どういうふうに対処をされるか、運輸大臣のこれに対する御見解を承っておきたいと思います。
○国務大臣(徳永正利君) いま国鉄総裁も御答弁申し上げましたように、いろいろな地元の御要望があればその御要望を十分反映さして、できる限りのそういう教育の基本権というものは守っていかなきゃならぬ、このように考えております。
○岩間正男君 もう一度お聞きしたいんですが、教育を守る立場に立つべきだと、そしてそこからやっぱり国鉄のこういう現状を、そういう守れないでいるものについては是正すべきだと、こうお考えになりますか。
○国務大臣(徳永正利君) 私、ダイヤのことはよくわかりませんけれども、そういう基本的な立場に立って協力すべきだと、かように考えます。
 なお、豪雪とかいろんな問題につきましては、私は安全第一、どんなことがあろうとも安全でない、心配のある乗りものは動かしちゃいかぬ、こういうふうに考えております。でございますから、豪雪であるとか、そういうような、不可抗力と申しますか、そういう問題については、天変等については、これはもう十分安全に配慮していかなきゃならぬだろう、かように考える次第でございます。
○岩間正男君 基本的な態度として表明されましたので、やはり国民の教育権、これは当然守られるべきであり、国鉄といえどもこれに対して従うべきだと、こういう点は確認されたと思いますので、そのように進めていただきたい。
 また、私はつけ加えたいんですが、ことに無人駅が多いんですね。朝六時ごろ起きて、駅に着いてもそこには駅員もいない。暖房の設備はむろんない。ふるえながら列車の到着を待っている、そういう子供が多いわけです。しかも、とかくおくれがちの列車運行についても、放送設備というのはこれは何もない。この子供の心理に立ち入ってもらいたいんです。ふるえながら、凍えながら、そして列車が非常におくれる、もう入ってこない、時刻はきたんだ、時間はもう迫っている、授業にもおくれる、そう思いながら待っている子供のこの気持ちというのは、これははっきりここで私たちはつかまなけりゃならぬと思うんですね。これで教育がほんとうに守られるかどうか。この子供の立場に立って考えるのが一番この問題を解決するかぎだというふうに私は考えるわけです。これでは、国家の教育から見放されたそういう孤立感、寒々としたものを子供は感ぜざるを得ないですよ。これは教育的でない。反教育的だ。国の愛情だって全く疑われることになるでありましょう。こういう点から考えれば、こういう事態に対してどう対処するとお考えになりますか。この点をお聞きしておきたい。
○説明員(伊江朝雄君) まず、無人化と申しますか、私どもはバスの停留所化ということばをそのまま使っておりますが、駅の停留所化、つまりバスの停留所と同じようなことで、駅の職員がいないこういう駅についての先生の無人駅というおことばがあったと思います。
 これにつきましては、まず第一に、なぜそういうところを選んで無人化するかと申しますと、やはり乗降が少ないということと、それから、列車が参りましても列車回数の少ないところでございますので、安全上あまり心配がない、こういったことを条件にしてそういうふうな措置をいたしておるわけでございますが、具体的にいま御指摘の放送設備、これは確かに停留所といたしました際にはその五能線についてはございませんでしたが、地元の御要望などが非常に多うございまして、停留所化いたしました、つまり、無人化いたしました駅は全部放送設備をつけまして、二、三駅離れました職員のいる駅から列車のおくれその他を放送するということにいたしまして、明日からその放送が開始される、こういうことになりますので、地元の御要望にはその一端はおこたえできたんではなかろうか、こういうふうに考えております。
 それから冬季の暖房の問題もございますが、これは実は職員がいないわけで暖房設備などないわけでございますけれども、従来から地元にお話ししておりますことは、無人化いたしました場合に、その駅にそれぞれ地元で御活用になるような設備その他をおつくりになったらいかがでございましょうか、たとえば町役場の出張所なり、あるいは農協の販売店なり、そういったものにその無人駅の駅舎をお貸しいたします、そうして駅の乗降についての、あるいは簡易な切符の発売、あるいは冬季におけるところの暖房などをやっていただいたらどうだろうといって地元にいろいろとお話をした経緯がございます。そういったようなことで結局お引き受けいただけなかったということでございますけれども、言うならば、バスの停留所と同じような扱いというところからそういった暖房設備が現在ない、こんなような状況でございます。この冬季に向かって、子供たちの乗降の多い無人駅についての御相談はまた地元とやってみたい、かように考えております。
○岩間正男君 冷たい答弁ですね。もうほんとうに国民の国鉄というようなことじゃないですよ。営業係数だけが問題になって、そうして合理化、それで採算、これが優先しているんです。だからいまのような答弁ができるわけです。地元でつくりなさい、暖房の設備はやめなさい――だれが一体この国鉄を持っているんです。国鉄を持っているのは国鉄でしょう。その責任というのは全然放棄して地元でやりなさい、地元の負担においてこれをやらせようという合理化、これがはっきりこういう形になっている。いまのような答弁をしているところに今日の国鉄の問題があるんです、実際。これが愛情のあるやり方ですか。しかも子供たちは、ことに合併が起こっているので合併の中で通学距離が非常に長くなったでしょう。冬季はやはり早く帰らなければもう四時半ごろに日が暮れる。たいへんなんですよ、ふぶきの日なんということを考えると。それで、日本海だから突然ふぶきがくるかもしれぬ。そういう事態から安全を守るということはたいへんだ。親の心配というものを考えてみなさい。子供が朝六時に行って待っている。列車がなかなか来ない。そこでふるえている。ところが人がいない。無人化なんです。ですからいっその列車が来るのか当てがない。おとなだってたいへんです。一体この子供の心理にどういう影響を与えるかということについて考えたことありますか。そういうことのない国鉄の最近のやり方ですか、これはまさに合理化の結果出てきたあれじゃないですか。私は教育的じゃないと思う。こういう問題に対するもっと配慮――何ほどのことですか。これは国鉄の全経営の中で何ほどのことなんですか。全国至るところにあるわけじゃないですよ。しかも教育の機会均等からいえば、なぜ一体このような過疎の子供たちだけがこういうような冷遇をされるのか。ここにおとなのいまの政治というものを感じているわけです。どうですか。こういう条件をつくっておいて、そして子供が不良化するとか何とか、そういうようなことだけ問題にしている。これは文部次官としても努力をすべきだし、運輸大臣もこういう基本的な立場に立ってもう少し愛情のある運営を国鉄をしてこれはさせるべきだと思いますが、どうですか。
○国務大臣(徳永正利君) まあいろんな国鉄の財政面等からいろんな集約化、合理化というものは、ひとり五能線だけじゃなくて全面的に進めてきておるわけですが、そういう特殊な事情等についてはやはりあたたかみのあるひとつ手を差しのべてやらなきゃならぬだろうと思います。
 先ほどのまあものの言い方でございまして、貸してやるからという、まあこいつをひとつ提供するから使ってくれぬかと、両方ともこんないいこともあるがというような話だろうと思うんですけれども、まあできるだけの手を尽くして、愛情のある政策というものをやってやらにゃいかぬと思います。雪に東北の人を見るとほんとうに私はたくましいと思って感心するんでございますが、やはりそういうような子供の雪の中に育ったというこのたくましさというものはほんとうにもう見上げたもんだと思いますが、それはまあそれとしまして、国鉄なりそういうようなものの施設としては、これは申し上げるまでもなく、あたたかみのある、愛情のある手を差しのべてやるべきだと、しかしこれにもいろいろ複雑な問題がございましょう。これはやっぱり地元の皆さん方と十分相談もし、力を合わせて対策を進めてやるべきだと、かように考える次第でございます。
○政府委員(藤波孝生君) 先生御指摘のように、教育の機会均等をはかりますためにいろいろな努力をいたしております。通学の条件もそうでありますし、学校の施設もそうでございますし、またりっぱな教員の配置などもそうでございます。できる限り教育の機会均等をはかるようにあらゆる努力が進められなければならぬ、このように存じております。ただ広い日本のことでございますので、ところによって暑い寒いだけ考えましてもずいぶんいろいろな土地土地によります事情があるわけでございまして、そういった中で特に安全を旨といたしまして通学路の問題等につきましては建設省と十分打ち合わせをしながら進めておりますし、また通学の列車、バス等につきましては国鉄、私鉄を通じましていろいろ地域地域の事情に応じてできる限り御協力願うように従来もお願いをしてきておるところでございます。今後もできる限りひとつ子供たちの教育が守られますように、運輸省、国鉄御当局の御理解のあるいろいろな御善処をお願いをしたい、このように考えておるところでございます。
○岩間正男君 具体的に国鉄に伺います。
 地元の要求として、この対策としては保安・監視要員をふやして運休を少なくする、それから運休の決定、代替バスの配置を敏速にする、しかもさらに第二は、緊急対策としては代替バスの配置回数を当然必要人数分を必ず確保する、そういう立場に立たなきゃまずいと思うんですが、これはできましょうな。
○説明員(伊江朝雄君) 先ほども御答弁申し上げましたが、常時バス四台確保するということにいたしておりまして、具体的には鯵ヶ沢に弘南バスの営業所がございますので、ここに四台チャーターしてこの期間は常時いつでも運休の際には代替輸送ができるという手配をとっております。
 それから監視体制でございますが、これはやはり風速二十五メートルという風速計によってこの決定をいたすわけでございますので、とにかくそれ以上になりましたら列車を安全の確保の立場からとめる、こういう手配でございます。ただそれをどういうふうに各駅に連絡するかということにつきまして、先ほど先生の御指摘のございました無人駅などには今回新しく放送設備をつくりまして、事前にあるいはその当日早く放送をする、こういうことにいたしてございます。したがいまして、その放送の設備の設置はおくれましたが、明日から全部放送ができると、こういう体制が整っております。
○岩間正男君 鰺ヶ沢に四台というんですが、これ全部やれますか。三つの中学を考えましても必要台数がこれでやれますか。だからほんとうに代替バスは配置台数を必要人数分確保するんだという原則をはっきり確認するかどうかということです。これはあんた、間に合わないんです。いま間に合わないからこういう要望を出しているんです。原則をはっきりして……。
○説明員(伊江朝雄君) ちょっとことばが足りませんでしたが、従来は運休手配いたします際に応急的にバスの手配をいたしたというのを常時固定的に四台を確保いたしまして、それ以上になりました場合にはまた前と同じように逐次増車していく、こういうことです。
○岩間正男君 原則は確認されていいですね、必要な台数はこれは確保すると。いいですね。
○説明員(伊江朝雄君) そのとおりでございます。
○岩間正男君 それ確認しておきます。
 それから、この解決には国鉄があくまでも義務教育を尊重して五十分間授業を保障する、こういう運行ダイヤそのものを私は組む必要があるんじゃないか。これについて教育の実務を担当しております先生たち、これはたとえば西津軽教員組合あるいは大戸瀬中学校、こういうところがこれに対して要求を出してます。これは検討する必要があると思う。これは何よりも教育を担当している実務者ですからね。現地の一番の声です。これを検討しないで、あんた、県知事に聞いたってわかるもんですか。青森にいるんだ、あの県知事はね。この鯵ヶ沢だとかこの辺のことはわかんないですよ、行ってみなければ。冬季の実情なんかとてもわかるものじゃないですよ。
 だから、たとえばこういう提案をしてますがね。大戸瀬中学校、これは北金ヶ沢行きの場合、上り東能代駅は北金ヶ沢七時三十三分で八時授業に間に合うが、下り弘前行きは北金ヶ沢八時二十八分で八時授業に間に合わないので、急行深浦、これは青森行きですが、深浦が北金ヶ沢七時三十四分なので一駅手前の大戸瀬駅に臨時停車する、そしてそれをちゃんと一駅の通学の問題ですけれども、そういうものをちゃんといままでの定期券で乗れるようにこれはする、そうすると八時授業ができる、現在はこれができないので九時になっている。こういう問題が具体的にこうやって提案されているわけですがね。
 それから深浦中学校、深浦駅でありますが、夏は深浦発が下り十七時五十分、上り十七時四十五分の時間に帰れるが、冬は帰宅時間がおそくなると危険であり繰り上げざるを得ない。そうすると冬は深浦発が下り十四時五十一分、上りが十四時五十四分という時間になる。その解決には上り、下りとも深浦発十五時三十分から十六時の間にダイヤを一本加える必要があるんじゃないか、こういう提案をしておるわけです。
 それから岩崎中学校の場合、これは岩崎駅です。夏は自転車通学で問題はないが、冬は岩崎発下り八時五十二分、上り八時五十四分となり、九時授業となるため、八時始業に間に合わせるためには上り下りとも岩崎発七時三十分ごろのダイヤを加える、こういうことを要望をしている。こういう提案をしているんです。
 これはまあ私はいまここでそのような提案を伝えるわけですけれども、これについてどうですか。検討し、また話し合いをして、現地で具体的に解決するという教育的愛情が必要だと思いますが、いかがでしょうか。これぐらいのことはこれは考えてやるのが当然だと思うんですが、どうでしょう。
○説明員(伊江朝雄君) いま先生の御指摘になった通学の利用駅が御指摘でも三駅ございます。やはりダイヤと申しますのは、その駅に到着する時間が一番その地元ではいい時間を御要望になるわけでございますが、遠方から参ります場合にはその時間が非常に繰り上がるとか、あるいは繰り下がるとかいうふうな問題がございまして影響するところが非常に大でございます、これはまあよけいなことでございますけれども。したがいまして、この各駅の学校の先生方の御希望もなるほど首肯される点多々ございますけれども、やはり県の教育委員会、そういったところで少し調整をしていただかなきゃならぬと、要望につきましてはそう考えますので、私どもいままで県知事、あるいは教育委員会、こういうところの御要望をまとめてお聞きしていくと、こういうことでございます。今後もそういうふうにやりたいと思います。
○岩間正男君 少なくともいまの、検討はできるでしょう、話し合ってみるとか。何で県知事、県知事と、みな県知事に持っていくんですか。何でも県知事。県知事はわからぬですよ、教育の実態というものは。だれよりも尊重されなくちゃならないのは教育を受ける子供、教育する先生、ここからの教育に対する見解というのが最大に尊重されるべきなんだ。あとは全部付属物だ。文部大臣でも何でもみんな付属物だ。そうですよ。これは教育の大原則じゃないか。少なくとも終戦後における教育の大原則だ。時間だってはっきりすればいいし、ちゃんとわきまえてくださいよ。思い上がっちゃいけない。だから当然国鉄だってそうやるべきだよ。そういう一つの意思、そういうもので決定されているちゃんとここに教育基本法がある。そういう精神というものは尊重さるべきだ。少なくともいまの問題は、話を聞いて、そうしてほんとうに話し合ってみて、最もいい方法をやりなさい。私は何も教組の提案をそのままのめとかなんとか、そんなこと言っているわけじゃない。そんなこと言ってないが、切実な要求なんだよ。教育を担当している責任者としての、当然これは教育を、学習権を守る立場からきているところの声なんだ。国鉄といえども当然これに応じて話し合いを進めるということが何でそんなめんどくさいのですか。そんなに偉いんですか、国鉄というのは。冗談言っちゃいけない。どうですか、国鉄総裁、一言、はい、と言いなさい。
○説明員(藤井松太郎君) おっしゃることは大体精神は賛成でございますけれども、先ほど申し上げたのは三駅なんかあって、おのおのおれのほうは早過ぎるとか、おそ過ぎるとかというような意見の一致が容易に得られぬような場合は県知事とかなんとかの裁断というか、調整というか、それをお願いするという意味合いであって、御地元の要望に沿ってサービスの改善ができるということならばそいつは決して改善するにやぶさかではございません。
○岩間正男君 いまのおことばは、とにかく話し合ってみてそこのところを具体的に進めていくと、こういうふうに了解してようございますね。当然、そうお答えになるのは当然でしょう。それ以外にないはずですよ。あたりから変な何しなくてもいいですよ。わきから変な知恵を授ける必要はない。
○説明員(伊江朝雄君) 総裁が御答弁申し上げたとおりでございますが、なお具体的に御希望はどなたからでもわれわれはお聞きできるようにしております。したがいまして、それを決定する際にはやはり先ほど申し上げましたように、影響するところはほかの駅にもたくさん出てまいりますので、まとめて教育委員会とかそういったところでやっていただくと、こういう意味でございます。
○岩間正男君 これは先生たちを泣かしているんですよ。教育のために戦っているのだから、みな知っているんだ、地元の人は。先生たちのそういう要求というものを全くこれは必要だと思っているんです。そういう立場から言えばそういうことを話し合って、とにかくこれは確認しておきます。大体この問題はこれで一応時間の関係から切り上げます。
 次は雪害対策と輸送問題、これでお聞きします。時間がどんどん過ぎておりますので端的にお答え願います。五十年ぶりという記録的な豪雪に対して国鉄の対策は十分だったとは言えなかったと、至るところで問題を引き起こしていますが、これに対してどんな反省をお持ちか、まあ簡単にお伺いしたいと思います。
○説明員(篠原良男君) 先生御指摘のとおりに、今冬の豪雪は私どもの過去の記録の三十年確率をこしております。場所によっては五十年に一回ぐらいの大雪でございまして、謙虚に設備その他を反省しております。したがいまして、今後は流雪溝、あるいは市街地では消雪装置、あるいはポイントの融雪というようなものを含めまして機械化、あるいは設備のほうで除雪の体制を強化していきたいと、かように考えております。技術開発室に新しく今回の雪を、雪害を見直しまして近く新しい対策を立てるというような計画を考えております。
○岩間正男君 技術的なこれは御答弁だったんですがね。私は全般的に実はお聞きしたいと思ったんです。できれば資料でお出し願ってもいいわけです。単に、いまの国鉄の雪を消すにはどうするかとか、それだけの対策じゃない。実際は全体の対策についてもう少し検討を加えられるべきだと。ことに雪が消えた、そうすると対策はいつでもあと回し、これでは困るんです。私は八年前の大豪雪のときに五日ほど新潟に国会から派遣されて、機関車にまで乗ってあのとき問題を提示したわけです。ところが雪が消えるというと対策も消えちゃう。これが特徴的なんだ、この雪害対策に対しては。こんな繰り返しが今日の被害を大きくしているんですから、したがって持続的なこの対策を、科学的に恒常的に立てておくということが私は必要だと思います。総裁、いかがですか。
○説明員(藤井松太郎君) 除雪の問題は実は頭のきわめて痛い問題でございますが、これを完全にやるのにはやはり従来とも機械を使って除雪をやるということを研究して進めてきたんでございますが、現在のような情勢になりますと一そう、機械化では除雪の機械化、これに力こぶを入れてがんばっていかなくちゃいかぬと、かように考えております。と同時に、ことしのような豪雪が来年度起こらぬという保障はございませんので、この教訓を体して着実に対処していきたいと、かように考えております。
○岩間正男君 機械化は重要な面もあると思いますが、しかし機械化、合理化で今度の被害が大きくなっているそういう面もあるわけですね。ポイントの問題なんか、全くそういうかっこうで出てきたんじゃないですか。そういうふうに考えますというと、この近代化、合理化、これが豪雪の被害を大きくしている、そういう面も出てきていると思います。ポイントの故障が非常に多かったんですが、この原因はどういうことですか。
○説明員(篠原良男君) 北海道のほうではふぶきで雪がポイントに詰まって氷るということでございますが、今回は非常に豪雪で、列車が持ってきてポイントのところで雪を落しましたのは、技術的に申し上げますとトングレールとストックレールの間に詰まりましてポイントが転換がなかなかできなかったというのが実情でございまして、これに対しましては、先ほど御説明しましたように消雪装置、雪をとかすというようなものを現在開発しておりますが、これを普及させるというように考えております。従来は電気融雪器をつけておりますが、本線あるいは重要側線にはほとんどつけておりますが、これの機能が今冬の豪雪では弱かったということを謙虚に反省いたしまして温度の高い水をかけて消すというような装置の普及を今後はかりたいと、こう考えております。
○岩間正男君 このポイントの問題につきまして、また現場に要員がいないというような問題もあって遠隔操作で、そのために間に合わない。昔だったら、そこのところにポイントを守るそういう人員があったんだけれども、これがもう汽車が動かないんですからそこにいることができない、そういうことでみすみすこれはおくれるという事態もずいぶん耳にしておるんですね。こういうことを繰り返さないように、こういう点についての配慮というものが必要だと思う。
 もう一つは、私もこれはちょっとひどい目にあったんですが、実際体験者なんだ、二十一時間寝台の中に閉じ込められた。二十一日だったか、とにかく東京から秋田に行こうと「あけぼの」に乗った。その「あけぼの」がどこか途中まで相当――これは山形あたりまて来ていると思って、ひょっと見たら大宮でした。朝のこれは何時ごろかな、三時ごろか、それから朝の七時に着く寝台が夜の六時に着いた。非常にたんねんにこれは私は閉じ込められてきゅうきゅうしたわけですが、そういう中でどうなんです、この雪害対策というのは一体常に訓練されているんですか。何かセクト主義があるように聞きました。やっぱりいろいろな保線区あるいは車掌区などいろいろ区別がありますけれども、こういうところがほんとうに統一された総合的なこれは指導になっていますか。
○説明員(篠原良男君) 冬季に雪が降りますと、先生御承知のとおりラッセルとかロータリーを走らせますが、これの回数によりまして列車を間引かなきゃいけません。これは一次規制から五次規制というのまでございまして、冬季はラッセルの回数、あるいは雪捨ての列車の回数によりまして、これはふぶきあるいは雪の量によりますが、それによって二次規制まではほぼ現場長が判断をしてラッセルを要請し、列車を間引いております。で、三次規制以上になりますとその豪雪の地点に対策本部長を送る。五次規制になりますと本局の局長が、管理局長が対策本部長として前線を指揮するという体制がほぼ常時からできあがっておりますし、冬季、雪が降らない前に雪害対策訓練というのを各局においてやっておると、こう考えております。
○岩間正男君 ところがそれがうまくいってなかったというのが実情ですね。だから実際たいへんですよ、やっぱり統一がとれないんだね。この問題はいまに始まったことではありません。六年前に私は石田総裁のときに、これは二回ぶつかった。仙台に行って帰るときに二回ぶつかって、たいへん問題になった。現場から私は総裁に電話をした。出てこなかった。次の日やっと来ました、総裁ね。朝の早い委員会だというのにやっと来た。熱意があったと思うんですよ、そういう点はね。これはやっぱりそういう点では学ぶべきものがあると思うんですよね。しかし、問題はどうかというと問題は解決しないで、やはり豪雪は非常にこれは歴史的な豪雪という点もありますけれども、単にそれだけじゃ、天災というようなかっこうではだめなんです。やはり人災の面が非常にあるんですから、常にはっきりこれに対する対策を恒常的に立てる。科学的検討を加え、そうしてできるだけこれに対処できる。しかし、この基本方針はあくまで国民の側に立って、国民の利益を優先するという立場に立たなきならぬと思うんですが、どうですか。
○説明員(藤井松太郎君) おっしゃるとおりでございまして、一応の体制とか何とか、セクト主義とか何とかじゃなくてできておりますけれども、どうせ人間の運用することでございますので、御指摘のようなすきもあることかと心得ますが、できるだけそのすきをつぶして安全な組織に持っていきたいと、かように考えております。
○岩間正男君 この指揮系統、先ほど話がありましたな、二次規制、三次規制、五次規制。これは資料にして出してください。検討さしていただきたい。私しろうとだけれどもね、これはしろうとなりの考えがあるわけだから。そして、この規制のしかたがほんとうにこれは生きているかどうかと、常にそういう訓練がされているのかどうかと、そしてその目の向けどころがほんとうに国民優先の立場に立っているのかどうか、そこのところが問題なんだ。だからこれは出してもらいたい。いいですね。
○説明員(篠原良男君) ただいまの、規制の状況については資料として提出いたします。
○岩間正男君 それじゃ物資輸送ですね、この問題についてお聞きしますが、非常に円滑さを欠いた。ことに北のほうはたいへんでしたな、豪雪地帯というのはね。とにかく東北、北陸、それから北海道、こういうところはたいへんだ。そのために輸送費が非常に超過した。それから物資が腐敗する、欠損するなどという、そういう損失が起こりました。そのために物価の高騰に拍車をかけた面も出てきた。こういうものに対してどういうふうに対処されたのか。それからこれに対する――非常に不十分だったと思いますが、それからどんな教訓を引き出しておるのか、お聞きしたいと思います。
○説明員(伊江朝雄君) おっしゃるように、確かに豪雪地帯の特に秋田、青森、北海道、これは打撃を実は受けたわけでございますが、この回復には相当やはり輸送力の制限もございまして、なかなか送り不足という状態が続いてまいっておりますが、三月時点の実績を見ますと、北海道につきましては、北海道から本土に向けての輸送実績はほぼ満足すべき状態に達したと思います。それから秋田方面から、また青森方面から東京へのいわゆる季節ものとしてのリンゴ輸送、そういったものにつきましては、しばらくの間、豪雪の間は御迷惑をかけましたが、その後挽回輸送の手を打みまして、除雪の完了にあわせましてピッチが上がってまいりました。目下のところは計画のほぼ満足すべき状態になりつつあると、こういう状況でございます。
○岩間正男君 もう目下のところは雪がだんだん消えつつあるんですからね、まあそういうことになりますよ。豪雪の中でほんとうに三メートルも五メートルも、もうひどいところはもっと十メートルぐらい積もったですかな。そして電線をまたいで歩くところもあったんですよ。電線に赤いきれをつけてまたいで、そして屋根から道路に落ちるというのは普通だけれども、道路から屋根に落ちるという事態もこれは起こったんです。そういうような実態の中で実際この物資輸送の問題どうだったかということを聞いているので、それに対する対策は常にこれはできているかどうか。この中で空車ですね、そして回送車が非常に不十分だったという問題がありましたが、この原因はどこにあったんですか。
○説明員(伊江朝雄君) 貨物列車が動きますためには、ヤードの機能と申しますか、ヤードの機能というものが満足でなければ貨物列車は動かないわけでございます。ところがたいへん異常な豪雪でございましてヤードの機能がほとんどストップしてしまったと、こういうことで、全部ヤードに貨車が寝てしまって荷おろしもできない、また通運のトラックも動かない、こういう状態が続きましたために、御指摘のような空車の回送ということもできないような状態が豪雪期間中しばらく続いた、こういうことでございます。
○岩間正男君 これは調査される必要がありますよね、科学的に。過ぎ去ってしまってもう現在は大体充足しておりますなどと言わないで、どういう事態がどう起こったのか、これをつかんでおかなきゃ――この資料なしに対策は立つものではないと思う。これやりますか。この努力するでしょうね。当然しなきゃならぬと思うが、どうですか。
○説明員(伊江朝雄君) それはもちろん調査をいたしますし、またそれがどういう状況であったかということにつきましても、ある程度把握いたしております。と同時に輸送経路、つまり豪雪で線路が通れなくなった場合に、迂回輸送の方式というものについても、もちろんわれわれ反省点として持っておりますし、また現実にそういった迂回経路をどの程度活用したかという資料もちゃんとそれはできておるわけでございます。
○岩間正男君 特に私の要求しておきたいのは、青森のリンゴの場合ですね、それから秋田の木材輸送、北海道のジャガイモ、タマネギ、こういうものの輸送状況は一体どうだったか、この豪雪の段階でどうだったか、まあ一週間分ぐらいずつの区分でいいですけれども、これを調べる。そのときの回送車の状態はどうだったか、そうしてそれが満たされなかったという実情がはっきりしているんですから、そういうものがはっきり出されて、これを今度はどうするのか。平時にこれに対する対策というのが立てられなけりゃ、来年またこの豪雪がないとは保証ができないんです。これは雪国の被害というものはもうたいへんなところなんですよ。もう何百年間これでひどい目にあっているんです。だからものすごいこれは経済の格差が起こっているんです。表日本と裏日本のこの問題というのは、まさにこれは一つの大きな社会問題になっているんですよ。こういう問題に対して国鉄はどう対処するかという具体的なそういう政策を確立すべきだと思う。運輸大臣、どうですか。
○国務大臣(徳永正利君) 豪雪地帯に住んでいらっしゃる住民の皆さん方に必要生活物資を的確にお届けするというのは、これはもう運輸行政を預かっておる私どものつとめでございます。運輸行政というのは国民の生活をどういうふうに守るかという基本原則をおいて他にないと思います。したがいまして、いろいろな努力はいたしてきておりますし、また今日までの例にかんがみて対策を立てていくわけでございますが、何ぶんにも電線をまたいで歩くとか、あるいはまたいまお説がございましたように、道路から屋根に落ちるというような豪雪に対しまして弱いこともまた事実でございます。こういう問題は、今後、さきの教訓を生かしまして、そういうような面については前もってそういう生活必需物資の確保をはかるとか、いろいろなやり方があるだろうと思いますし、とにかくそういうところにいらっしゃる皆さん方の生活を守るという立場で今後も事前に生活必需物資の増強をやって、そこに保管するとか、あるいはまた豪雪の中を迂回路を通ってどういうふうな運び方があるかというような点については十分検討いたしまして努力したいと思っております。
○岩間正男君 まあほんとうはいろいろ詳しい実例をあげてお聞きしたいんですが、時間もございませんので第三の問題に入りたいと思います。
 これはトンネルですね。ことに新幹線のトンネルを掘ったために水が出なくなって困っている、その現地の住民の問題なんです。こういうふうに新幹線トンネル掘さくのために水が枯渇しているというようなところが現在進めている新幹線の中で幾つございますか。
○説明員(内田隆滋君) 現在国鉄では東北新幹線、山陽新幹線を担当しておりますが、東北新幹線では現在六十六本のトンネルを掘っておりますが、そのうちおおむね四分の一において水源の渇水現象が認められております。それから山陽新幹線は百十二ヵ所のうち約半分、五十五ヵ所においてやはり同様の現象が起こっております。
○岩間正男君 これはたいへんなことですね。東北の場合で、まあ私は実際現場を見たのですが、蔵王トンネルの場合とか、福島の安達トンネルですか、こういうような場合。ところが、実際はたくさんあるわけですね。そうすると、この問題をどういうふうに対策を立てておられるのですか。新幹線は掘った。その結果住民の生活は奪われる。こうなると、騒音やそれから振動でたいへん公害問題はいま社会問題化している。大きくこれはいまクローズアップされておる問題です。そこに新たに水不足の問題が加わるというと、たいへんなやはり公害と言わざるを得ない。これに対する基本的な対策を明確にするということが必要だと思いますけれども、いかがでございますか。
○説明員(内田隆滋君) トンネルを掘りますとどうしてもある程度の水が抜ける。これはやむを得ないことでございまして、これは、国鉄は従来からそうでございますが、水が抜けることによって飲料水の問題と、それから主としてたんぼに対するかんがい用水の問題と、この二つが起こるわけでございますが、これにつきましては従来からも誠意をもって応急対策並びに恒久対策をやっております。したがって、飲料水につきましては応急に給水タンク等で、まず十分な、とは言いませんけれども、生活を確保するということでやっておりますし、かんがい用水につきましてはトンネルから抜けた水をまたポンプアップいたしまして、これをもとの水源地に返すとか、そういう対策を講じておるわけでございます。で、ただこれは応急的なものでございまして、最後にトンネルが完成いたしまして、トンネルの復興が終わりますと自然にそれらの水がもとに復するという場合もございますし、不幸にしてそうでない場合もございます。そういうような場合につきましては、誠意をもって原状復帰ということをあらゆる手段をもってやっておりますので、そういう問題について最後まで問題になるというようなことは従来もございませんし、今後もそういうつもりで誠意をもってこの問題を解決してまいりたいと思います。
○岩間正男君 どうも何だかあいまいでわからないのですが、開通すると原状に復帰すると、そういう例もあるのだろうけれども、たまにあるような問題でしょう。実際はこれは現地では水不足になって困っている。何せ命に関する問題ですからね。振動やそれから騒音もこれはたいへんですけれども、じりじりくるからたいへんですけれども、しかし水は直接なんです、命に。これが保障されないで枯渇して非常に困っているところが現実に出てきているんだ。それに対しては、原則としてはこのような公害については当然国鉄が責任をもって全部解決するんだ。これを、ちゃんと飲料水を従来のように保障する、あるいはかんがいの用水、こういうものを保障するんだというふうな原則に立たなければならぬと思うんですが、当然だと思いますけれども、いまのようなあいまいな御答弁じゃだめだ。総裁、どうですか。
○説明員(藤井松太郎君) もうおっしゃるとおりでございまして、国鉄がトンネルを掘って、そういう飲料水その他の用水にそういうことが生じたといえば、国鉄の責めにおいて保障するのは当然でございまして、ただいま申し上げたのは、その工事中の飲料水の問題であるとか、あるいはかんがい用水の問題は、一時的な処置を打っておいて、後に復水する場合もございますので、見定めて永久の保障対策を講ずると、そういうことでございます。
○岩間正男君 時間もございませんから、私はいろいろまとめてお聞きしますけれども、どうですか。たとえば宮城県の越河五賀の場合ですね、蔵王トンネルの場合、枯渇水域から市内の上水道管まで管を敷いて、そしてそこから水を引きたいと。この経費は全額国鉄が当然補償してもらいたい、こういう要望が具体的に出ているんですね。それからトンネル内の水だけをたよりにせずに、他の水源についても検討してほしい。こういうような要求が、これは越河五賀から出ております。これが一つ。
 それから、これはまた安達の仲木田の場合、これは私は現地に行ってみました、これは二月でありましたが。現地の住民から非常に実情を訴えられまして、直ちに二本松の工事区長さんに電話をした。早急にこれは配管工事などを行なって、住民のこういう不便を解消するように。そのときは、掘さくをしてみて、その結果によってやると、こういう答弁であったようですけれども、なかなか水が出ていない。こういうことで、いろいろな要望がこれは出されているようですね。結局、仮ボーリングをやったが水が出ない。しかも対策ははかどっていない。自分たちの工事は一生懸命やっているけれども、水道はそっちのけじゃないか、こういう不満が出ているんですね。これはどういうふうにするのか、こういう問題。それから応急策として、各戸ごとにじゃ口をつけて、台所とふろ場にこれはつけているようですけれども、しかし、どろなんかでよごれたものを洗うことができないとか、もっとこのじゃ口をふやしてもらいたいとか、非常にこまかなそういう要求が出ておりますね。それから水道管の布設のために約一千メートルにわたって山林を伐採したが、その補償金がいまだに払われていない。四ヵ月未払いになっている。こういうものはどうするかとか、あるいは新幹線工事によって町内の道路が破壊されている。砂利を敷いてほしい。こういうような要望も出ている。で、さらに今度は非常に農作業がもういよいよ春になって活発化するわけですが、そうすれば、これは苗しろづくりだとか野菜づくりのためにどうしてもこれはかんがいの問題が出てくるわけです。これは節水だけ呼びかけたのでは話にならぬ。
 まあ数々のそういう要望が具体的に出されているんです。これに対して具体的にどういうふうに答えられるのか。とにかく新幹線は進める。――これについてはいろいろ問題のあるところです。いまこれには触れないにしても、その結果、明らかに現地の住民が命に関するところの水の不足で困っているという問題があるんですよ。この問題を基本的にははっきり国鉄は責任をもってこれを解決するんだという立場に立たなければならぬと思うんですが、いまのような具体的な要望に対してどう対処されますか。
○説明員(内田隆滋君) 大原則は先生のおっしゃるとおりだと思います。国鉄は、実害補償を完全に責任をもって行なう。ただ、やり方につきましてはいろいろの方法を地元の方々とよく相談いたしまして、地元の方々の御納得のいく方向でやってまいりたいと思います。それで、いま先生がおっしゃられたような個々の問題につきましては、現地によく指示をいたしまして、住民の皆さんの御納得のいくような線で、かんがい用水の問題、あるいは道路の問題等を解決してまいりたいと思います。ただ、水全体が工事が終わるまで非常に少ない。したがってそのために農作物に影響があるというような場合につきましては、それらのものについても実損補償をいたしてまいりたいと思います。しかしそういうことのないようにできるだけのことをしてまいりたいと思います。
 なお、いま安達トンネルにおきまして試験のボーリングをやっております。で、その結果の分析をやりまして水脈がありそうなところに本格的なボーリングを今後さらに続けるということでやっておるわけでございます。しかしそういうようなことでもうまくいかなければ、さらに最終的には水道を引くということになろうかと思います。
○岩間正男君 委員長一問だけ。
 いまの御答弁ありましたけれども、原則は認めましょう、はっきりこれは総裁も認めたのですから。とにかくこの工事によって起こる水不足の問題については、国鉄が全責任を持ってこれをとにかく補償するのだと、その立場に立つというこの大原則ははっきりさしておきたいと思います。それが現地ではたして行なわれておるかというと、そういうふうになっていないことが、これは私もぶつかって見ますとよくあるわけです。現地の住民の不安というものは非常にこれで深刻なものなんです。したがってこの問題を一つ一つ検討される必要がある。で、いまお聞きしますというと、東北の場合が六十六でその四分の一、それからこれは上越ですか、上越新幹線ですか、この場合はこれも相当にある。これについてちょっと資料をほしいのですが、資料出していただいて。現在どういうふうに進めていくか、その簡単なやり方ですね、国鉄の方針だけでもいいですから、これは当委員会に報告してほしい。これでやっぱり具体的に検討しなきゃならぬと思います。最後にこういうこといいですね、これはね、よござんすな。いまのいいか悪いか言ってください、時間がないですから。
○説明員(内田隆滋君) 資料を提出いたします。
○岩間正男君 これはいただいて……。――それでは、最後にお聞きしましょう。トンネル工事などでいままで永久補償ですね、こういう要求に応じた例があると思うんです、永久補償。これは総裁御存じですか。私具体的に指摘します。この新幹線、丹那トンネルの場合、函南町役場で国鉄との間に契約をしているわけですね。そして補償工事をはっきりした。口径が十二・五センチの鋼管で送水をする。取り水口から山頂に向けて約九キロ押し上げ式のポンプで輸送している。山頂には巨大な遊水タンクを設けてここから配管給水をして、各戸ごとに水道メーターを取りつけてある計器類をつけている。そうしてポンプ、それから除鉄、減菌器――こればい菌を滅するやつですね。そうしてその部品は全部スペアまで用意している。これらの工事費というものは全部国鉄が補償した。昭和三十七年度におきまして一億五千万円――現在にしたらこれは何十億かの金になると思うのでありますけれども、こういう永久補償がされ、さらにまた維持管理費につきましてもこれはホフマン方式によってはっきりこういうものは確認されている、こういう事実ございますね。
○説明員(内田隆滋君) はい。
○岩間正男君 こういう事実があるとすれば、今度の新幹線というものについてやはり同じような方針をこれは私はとる、そういうことをやはり前提としなければ人の住宅のとにかく下のほうを掘っていくのですから、こういうような作業というものはやはりそのような補償の上に立たなければならぬと思うのですが、どういうことでしょうか。
○説明員(藤井松太郎君) ひとり新幹線の工事に限らず国鉄の工事のゆえをもってそのお住まいになっている方々に及ぼした被害、これは原則的に国鉄が全責任を持って補償するというたてまえであることはもちろんでございます。
○岩間正男君 永久補償の場合はございますね、例は。どうですか。さっきの私が読み上げたような。
○説明員(藤井松太郎君) さらにその事実は数字的には私はチェックしておりませんけれども、それに先立ちましてね……。
○岩間正男君 函南町の場合、どうです。
○説明員(藤井松太郎君) 丹那トンネル――新幹線じゃない、あのときに丹那盆地が渇水しまして当時の金でたしか七、八百万円だったと思いますが、そういう補償をやった例もございます。補償をやったらあとで水が上がってきたというような例もありまして、そこらは別問題としまして、ひとつ実際の補償はいたすつもりでござちます。
○説明員(内田隆滋君) 維持管理費の問題につきましては当然補償いたすわけでございますが、これは前例もございますし、いわゆる打ち切り補償と申しますか、そういうようなことでやっておりますので、今後も前例に従いまして十分な補償をしてまいりたいと思います。
○岩間正男君 大臣ね、当然だと思うのですね、いまの問題。そうでないと、公害がこんなにやかましい中で新たな水公害という問題が起こっている。これに対してやはり明確にむしろ国鉄の基本的態度を明らかにする、総裁からすでにそういう態度は表明された。これについて大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(徳永正利君) 地元の方々と正確に支障のないように処置して今日までも来ましたけれども、今後におきましてもその対策には万全を期してまいるように国鉄、公団を指導してまいるつもりでございます。
○委員長(田中寿美子君) ほかに御発言もないようですから、運輸省及び日本国有鉄道の決算につきましてはこの程度といたします。
 次回の委員会は来たる四月十二日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十七分散会
     ―――――・―――――