第073回国会 法務委員会 第4号
昭和四十九年十一月二十八日(木曜日)
   午前十時二十一分開会
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   委員の異動
 十一月十五日
    辞任         補欠選任
     棚辺 四郎君     鹿島 俊雄君
 十一月二十五日
    辞任         補欠選任
     山内 一郎君     棚辺 四郎君
 十一月二十七日
    辞任         補欠選任
     鹿島 俊雄君     岡本  悟君
 十一月二十八日
    辞任         補欠選任
     中村 英男君     村田 秀三君
     藤田  進君     粕谷 照美君
     橋本  敦君     内藤  功君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         多田 省吾君
    理 事
                岡本  悟君
                永野 嚴雄君
                佐々木静子君
                白木義一郎君
    委 員
                棚辺 四郎君
                中村 禎二君
                山本茂一郎君
                粕谷 照美君
                藤田  進君
                松永 忠二君
                村田 秀三君
                矢田部 理君
                内藤  功君
                下村  泰君
   国務大臣
       法 務 大 臣  濱野 清吾君
   事務局側
       常任委員会専門  
       員        二見 次夫君
   説明員
       警察庁刑事局保
       安部保安課長   四方  修君
       警察庁警備局参
       事官       半田  博君
       法務省刑事局長  安原 美穂君
       法務省人権擁護
       局長       萩原 直三君
       大蔵大臣官房審
       議官       後藤 達太君
       国税庁次長    磯辺 律男君
       文部省初等中等
       教育局高等学校
       教育課長     柴沼  晉君
       労働省労政局労
       働法規課長    松井 達郎君
       労働省労働基準
       局補償課長    山口  全君
       会計検査院事務
       総長       石川 達郎君
       会計検査院事務
       総局第一局長   高橋 保司君
   参考人
       日本住宅公団理
       事        播磨 雅雄君
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  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○検察及び裁判の運営等に関する調査
 (会社法の運用に関する件)
 (片岡運輸株式会社の労組幹部殺害事件に関す
 る件)
 (兵庫県立八鹿高等学校における暴力事件に関
 する件)
    ―――――――――――――
○委員長(多田省吾君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 鹿島俊雄君及び橋本敦君が委員を辞任され、その補欠として岡本悟君及び内藤功君が選任されました。
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○委員長(多田省吾君) 次に、理事の補欠選任についておはかりいたします。
 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(多田省吾君) 御異議ないと認めます。
 それでは理事に岡本悟君を指名いたします。
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○委員長(多田省吾君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 検察及び裁判の運営等に関する調査のため、本日、日本住宅公団理事播磨雅雄君の出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(多田省吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(多田省吾君) 検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○矢田部理君 私は、きょう田中総理もしくはその関係者の山中湖別荘地取得問題についてお尋ねをいたしたいと考えております。
 埼玉県に埼栄開発という株式会社があります。これは昭和四十六年に設立をされ、資本金は五百万円で発足をいたしました。現在四千五百万円でありますが、その代表取締役は島田和子という御婦人であります。これだけでは何のへんてつもない町の不動産業者と思われるわけでありますが、この埼栄開発の借り入れ金が何と四十八年三月末で六十七億円、ことしの三月末の状況を見ますと五十三億八千九百十一万四千円となっております。流動負債の合計は、この借り入れ金も含めて約六十億という膨大な金額にのぼっています。この状況を見ますとこれは何かあると考えるのは、おそらく私一人ではないのではないかと思われます。
 そこで、代表取締役の島田和子という御婦人がどんな御婦人であるのか、戸籍謄本などをとって調べてみますとその戸籍の中に谷古宇甚三郎という人物が登場をしてまいります。谷古宇氏が二人の子供を認知をしていたからであります。この谷古宇甚三郎という男についてはあらためて説明をする必要はないと思われますけれども、これまた埼玉県にある谷古宇産業の代表取締役である。少なくとも二十社をこえる関連企業を持ち、埼玉を中心にして不動産、土木建築、さらにはホテル、航空などに至るまで手を伸ばしております谷古宇グループのオーナーであります。また、かつては自民党田中派で衆議院選挙に打って出て、落選はいたしましたが、その後も田中総理とはツーカーの間柄であるといわれております。冒頭に申し上げました埼栄開発も、この谷古宇グループの一員であることは、先ほど説明をしたとおりであります。
 問題は、この埼栄開発が、その名義で山中湖畔に五千百十一・二八坪の土地を求めたことであります。登記簿上は埼栄開発の名前が出ておりますけれども、これは単なる名目でありまして、この土地売買の一方の当事者が佐藤昭であったことは、すでにマスコミ等でも知られているとおりでありますし、事実、売り主である側から何度かにわたって佐藤昭女史と交渉をし、その私宅も訪れ、佐藤昭自身も現地に足を運んで最終的にまとめたものであります。
 それだけではなくて、この埼栄開発は、人脈的にも田中総理とつながりがあると思われるのであります。と申しますのは、山中湖の別荘地を買い求める際、代金の支払いがあったわけでありますが、日本信託銀行の行員と一緒に同道をした内田恭夫という男がいます。この内田氏は、あとで調べてわかったのでありますが、埼栄開発の経理部長を担当しております。資本金五百万円で出発をし、表向きは現在でも従業員はわずか七名のちっぽけな不動産会社でありますが、その経理部長を担当している内田恭夫という男は、かつて昭和電工に在職をしていたようです。その後、田中総理が筆頭株主をしているといわれる理研ビニル、その姉妹会社である理研グラステックスを経て谷古宇グループに参画し、現在は埼栄開発の経理部長をやっているというのが現在の状況であります。
 そうしてまた、私どもが非常に問題だと思われますのは、この谷古宇グループの動きについて絶えず金融的な立場で参加をしている、あるいはしばしば顔を出す銀行が、埼玉銀行と日本信託銀行であります。きょうは山中湖の別荘地購入にからむ問題を取り上げたいのでありますので、その融資をした日本信託銀行を中心に取り上げていきたいと考えておりますけれども、この日本信託銀行は、かねてから三菱銀行との関係を第百銀行などを通じて持っていた経緯がありますけれども、本格的に日本信託に三菱銀行が入ってきましたのは、昭和四十一年、三菱銀行の筆頭常務であった下村氏が日本信託の社長に就任してからであります。もっとも、この直前に三菱銀行は日本信託の株を相当程度、銀行としては持ち得る最大限の株を持っていることも広く知られているとおりでありますけれども、いずれにいたしましても、昭和四十一年ごろから三菱銀行が本格的に日本信託に入ってまいりました。
 この日本信託銀行に三菱銀行が人事の面でもその他の面でも本格的に入ってきた裏側には、これは時期的に見ますと、田中総理が大蔵大臣時代であるし、引き続き自民党幹事長時代でありまして、田中総理がその仲介の労をとったともいわれております。もっとも、三菱が本格的に入る前にも、たとえば日本信託銀行の元社長であった大川又三郎氏は、かねてより虎の門事件で有名になっておりましたニューエンパイヤモーターの監査役というものを創立当初からやっていた経緯もありますから、それ以前にも小佐野賢治氏などを通じて知り合っていたことが十分に推察をされるわけであります。
 そこで問題になりますのは、日本信託銀行が、埼玉県内では羽ぶりがいいといっても言ってみれば中小企業、その谷古宇グループに対して、一時期は二百億をこえる融資をしておったという状況であります。とりわけ、これから問題にしていきます山中湖の別荘地の購入にあたっても、実に三億の融資をしている。あとで問題にいたしますけれども、取引価格が二億八千万、その二億八千万の土地を共同担保にとって、三億六千万の根抵当をつくって、実際上の貸し出し額が三億にものぼっている。非常に異常な状況が見受けられるわけでありますけれども、金額の面からだけ見ても、単なる商業べースとは考えられないような状況がうかがい知れるのであります。
 そこで、大蔵省にお尋ねをしたいと思うのでありますが、百億単位の融資をするというのはかなりめずらしいケースなのではなかろうか。とりわけ中小企業や不動産業者等に対して百億単位の融資をするというのは、異常とも思えるような状況が感ぜられるわけでありますが、この点、まずどうお考えになっているか、お伺いしたいと思います。
○説明員(後藤達太君) お答え申し上げます。
 いま先生御指摘の具体的な個別取引の内容につきましては詳細を申し上げることを差し控えさせていただきたいと存じますが、いま日本信託銀行が百億円程度の融資をするというのは希有なことではなかろうか、こういうお尋ねと理解をいたしましてお答えを申し上げますと、これは貸し出しの額だけをもちまして異例とかあるいは問題があるとかいうことは 一がいには断定できないことと存じます。ただ、その銀行の規模あるいは融資先のその資金の使い道のプロジェクトの内容等等を判断をしなければいけないかと存じますが、いま御指摘のケースにつきましては、やや大きな額の貸し出しである。これは事実だと思います。ただ、それをもちまして直ちに異例というほどのことではなかろうかと存じます。
○矢田部理君 それではこう伺いましょう。日本信託銀行で、この谷古宇グループ以外に百億以上の貸し出しをしている企業がありますか。あるとすれば何社ぐらい、どのくらいの金額か、述べていただきたい。
○説明員(後藤達太君) 銀行の融資先、どこにどの程度、幾らぐらい貸しているかということにつきましては、銀行の資産内容あるいは業務の融資の内容に立ち入ることでございますので、答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
○矢田部理君 一般に大口融資といわれるものについては、たしか日銀か大蔵省に報告をすることになっているかと思うのでありますが、どこに幾らとまでは言わないまでも、百億をこえる融資をしているような事例が日本信託銀行の中では相当程度あるのかどうか、その点を伺いたい。
○説明員(後藤達太君) 私ども、定期的に大口の融資についての報告をとることにはいたしておりません。ただ大口融資につきましては、銀行の内部におきまして監査書の中に記載されることはございますが、これは金額幾らということではございませんで、自己資本のたしか一割だったと思いますが、一割以上のものを監査書に記載をする。ただ、この監査書は銀行の内部の資料でございまして、私ども報告を徴してはおりません。
○矢田部理君 じゃ、こうお尋ねいたしましょう。昨年の十一月に銀行局が日本信託銀行の業務状況等について検査をしたはずでありますが、その検査をした中で百億以上の融資をしている取引先があったかどうか、この点いかがですか。
○説明員(後藤達太君) 再々のお尋ねにたいへん同じようなことを申し上げて恐縮でございます。確かに先生御指摘のように、昨年の十月に日本信託銀行を大蔵本省の検査官が主任検査官になりまして検査をいたしました。そのときに検査をするにあたりましては、大口の融資につきましては個別に具体的に検査をいたしております。それは事実でございます。ただ、その際に百億円以上の貸し出しがあったかどうかということを公の席で申し上げることは、先ほど申し上げましたような趣旨で差し控えさせていただきたいと存じます。
○矢田部理君 だれに幾らとまでは聞いているのではないんですよ。全体のお金の流れの中で、とりわけ百億をこえるような大口というのは、私の感じではないと思っているわけですが、少くとも数十億単位でも大口だというふうに一般にいわれでいるわけですね。そういうものがあったかなかったかぐらいは答えることができるのじゃありませんか。
○説明員(後藤達太君) どうもたいへん恐縮でございますけれども、それにつきましても、たとえば何件、どのくらいと申し上げますことは、やはり検査の内容で私ども知り得たことでございます。したがいまして、これは申しあげることを差し控えさせていただきたいとお答え申している次第でございます。
○矢田部理君 どうも少しおかしいのじゃありませんか。検査の内容を事こまかく、まあこれから聞きますけれども、まず概括的に、谷古宇グループには少なくとも百億単位で貸している。ほかにもそういう事例があるのかないのかぐらいは答えられるでしょう。どこの幾らとまでは聞きませんよ。何が秘密なんですか。
○説明員(後藤達太君) たいへん恐縮でございますけれども、これは何件ぐらい、幾らと申し上げますことは、たいへん具体的な話になることでございますので、もしこれを申し上げますれば、これは業界その他直ちにわかることでございます。したがいまして、答弁を差し控えさせていただきたいというお願いを申し上げる次第でございます。
○矢田部理君 この点はまたあとでいろいろ問題にしたいと思いますが、そうしますと、こういう答えはできますか。とにかく百億単位の融資をするというのは、銀行の全体の融資の中からは、かなり珍しい、そう数のないことであるということは一般的に言えますか。
○説明員(後藤達太君) これは銀行の規模等によって違いますので、一がいに銀行が百億円以上の融資をすることは珍しいかどうかとおっしゃられますと、そう珍しいことではないと思いますが。
○矢田部理君 いや、日本信託銀行程度の規模について言って。
○説明員(後藤達太君) 日本信託銀行程度の規模の銀行におきましては、比較的少ないほうでございます。
○矢田部理君 そういうことをはっきり最初から言ってもらえば、あまり同じ質問を繰り返さなくて済むのですから。
 そこで引き続き大蔵省に伺いたいと思いますが、検査は昨年の十一月だと思われますが、十月ですか。
○説明員(後藤達太君) 十一月でございます。
○矢田部理君 昨年の十一月に大蔵省は日本信託銀行の状況について検査をしておりますね。同行の十一月七日現在の状況について検査をするということで、八日の日から検査に入っていると思うわけでありますが、そのとおりでしょうか。
○説明員(後藤達太君) 失礼しました。先生の結びのところ、私ちょっと聞いておりませんでしたので、おそれ入りますけれども……。
○矢田部理君 日本信託銀行の昨年の十一月七日現在の状況を検査するということで、翌八日から同行に検査に入っているのではありませんか。
○説明員(後藤達太君) 先生おっしゃるとおりでございます。
○矢田部理君 一般に検査をする場合に、本店、本社というのはまずたいていやりますね。そのほかに支店が幾つかあると思われるわけですけれども、支店は全部やるのでしょうか。それとも一部しかやらないのでしょうか。支店をやる割合は、一部だとすればどのぐらいなのか、まずその点を。
○説明員(後藤達太君) 先生御指摘のように本店には必ず検査に参ります。それから支店の検査につきましては、ただいまの人員あるいは日程の関係では全部の検査はできませんので、一部の検査をいたしております。一部がどの程度かということでございますが、銀行の店舗数によりまして数の違いがございますが、少なくとも数ヵ店、多いところでは二十数ヵ店というような店について実際に臨みまして検査をいたしております。
○矢田部理君 この十一月の日本信託銀行に対する検査は、支店が幾つあって、そのうち何店舗やったのか。
○説明員(後藤達太君) 支店の総数は三十二でございます。そのうち、臨店をいたしまして検査をいたしました支店の数が十ヵ店でございます。
○矢田部理君 その中に、埼栄開発に対する融資の窓口店舗になっております日本信託銀行の川越支店が入っておりますね。通常、支店の検査は一日程度の検査じゃありませんか。
○説明員(後藤達太君) これは臨店いたします支店の規模等によりまして、日数は必ずしもリジッドにきめておるわけじゃございません。非常に簡単なことをやりますにつきましては一日程度もございますし、そこで貸し出し内容の査定まで具体的にやるような場合は数日かかることもございます。
○矢田部理君 十ヵ所を検査をしたということでありますが、本店は別として、支店レベルで九ヵ所あるわけですね。その検査日数を九店舗について説明いただきたい。
○説明員(後藤達太君) たいへん恐縮でございますが、全体の検査日数がほぼ四十日検査をいたしておりますが、その中で本店を除きまして支店に参りました日数がそれぞれどれくらいかということの、いま詳細なものを持ち合わせておりません。
○矢田部理君 この取り調べというか、検査の日数が私たちは非常に大切だと思っているのですが、私が調べたところでは、他の支店は一日程度、ところが川越の支店に限って三日間、検査のために入ったのじゃありませんか。
○説明員(後藤達太君) 私、一日と記憶しておりますが、もう一度検査部のほうへ確認をいたしまして、すぐ御答弁を申し上げます。
○矢田部理君 相当の店舗数があるうち、川越支店が検査の対象になった、十ヵ店のうちに入ったのは何かわけがございますか。
○説明員(後藤達太君) 私ども検査のときに、実際に臨店をいたします店舗をどう選ぶかということにつきましては検査の主任検査官に一任をいたしておりますが、その検査官はどういう選び方をするかということを申し上げますと、やはり業績、つまり店ごとの預金、信託の伸び方でございますとか、あるいは融資量の増加の模様でございますとか、こういうような数字等をもとにいたしまして、非常に伸びのいい店とかあるいは悪い店とか、こういうようなことに着目する場合が多うございます。そういうことで選ばれたものの一つと理解をいたしております。
○矢田部理君 そうしますと、この川越支店というのは新設間もない店舗ですね。にもかかわらず非常にお金の動きが大きいということも少なくとも一つの理由になって、川越支店を検査することになったというふうに伺ってよろしゅうございますか。
○説明員(後藤達太君) そこは主任検査官がどう判断したか、私詳細聞いておりませんけれども、おそらくそういう観点も一つのあれであったかと思います。ただ、いま先生御指摘のように、比較的新しい店でございます。新しい支店の場合には、間々臨店の度合いが多くなることがいままでの通例でございます。
○矢田部理君 その問題は、川越支店を通じて相当のお金が谷古宇グループに貸し出されているという事実があるわけでありますが、とりわけ谷古宇グループの中でも、先ほどから問題にしております埼栄開発。埼栄開発の借り入れ金が、昭和四十七年四月一日から翌四十八年三月三十一日の間は流動負債の借り入れ金として六十七億あるわけですね。四十八年四月以降になっても五十二億八千九百十一万四千円の金額があるわけですけれども、私どもの調べでは、これが日本信託銀行からの借り入れだというふうにも考えられるわけですが、その点いかがでしょうか。
○説明員(後藤達太君) ただいまの埼栄の借り入れ額が日本信託のものかと、こういうお尋ねだと存じますが、これも、日本信託がここに幾ら貸しておるかということを、私の口から公の席で申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○矢田部理君 少なくとも資本金が五百万ぐらいで出発をし、従業員が七名しかいない不動産会社、そういうところに数十億のお金が貸し出されているとすれば、必ず検査の目にはとまるわけですね。どういう理由で貸し出しをしたのか、担保は十分なのかどうか、返済状況はどうなっているかというようなことが少なくとも検査の内容になるだろうと思われますので、その点は調べておりますか。
○説明員(後藤達太君) これは先生御指摘のように、一件ごとにその内容を検査をいたしております。
 それから、先ほど御答弁をできなくて恐縮でございましたが、川越支店に臨店をいたしましたのは一日だけでございます。ただいま確認しましたところ、そのようでございます。
○矢田部理君 こう伺いましょうか。埼栄開発程度の会社に五十億から六、七十億の融資をしているとすれば、信託銀行程度の規模では異例のことだというふうには考えませんか。
○説明員(後藤達太君) どう申し上げたらよろしいかわかりませんが、確かにおっしゃるように大きい貸し出しであるという見方は、私率直に申し上げまして、いたします。
○矢田部理君 単に大きいだけではなくて、融資金の問題というのは、相手の規模とか信用度合、経済活動の状況等によっても違ってくるでしょうが、言ってみれば、規模内容から考えますと零細企業でしょう。少なくとも小企業ですね。そこに金融機関が数十億も貸し出しをしているというようなことは、単に金額が大きいということだけではなくて、異常、異例じゃありませんか。
○説明員(後藤達太君) 異例ではないかということでございますが、一般的に不動産業のほうは、資本金の割りに融資額が大きくなるのが一般でございます。この場合に比較的大きいほうだと申し上げましたのは、確かにこの銀行の貸し出しの中では大きいほうに属すると存じますが、これが異例というべきかどうかは、やはりそのプロジェクトの内容、資金の使途等あるいは返済の計画がどの程度にかたまっておるかというようなこと等々を総合的に勘案しませんと、一がいに異例と私から申し上げることはできないかと存じております。
○矢田部理君 あなたは、この埼栄開発の資金運用状況などについて知っておりますか。検査をした際に、そういうところについての報告もあったのではないかと思われるわけですが、御存じですか。そしてそれをふまえていまの答弁をなさっているのでしょうか。
○説明員(後藤達太君) 率直に申しまして、埼栄開発の資金繰りその他詳しい内容については私存じておりません。これは検査のときに、検査官は銀行の説明その他から承知をした上で検査をしておると存じます。私、詳細は承知をいたしておりません。
○矢田部理君 いずれにしても非常に多額の融資をしている。不動産関係の融資は金額がかさむといっても、数十億という融資は、そのあなたのことばだけでは説明できないのじゃありませんか。しかも、相手の企業の規模内容を見れば、これはきわめて異常、異例と言わざるを得ないわけでありますけれども、もう一つ、関連して伺いたいと思いますのは、先ほどちょっと触れました問題の山中湖の別荘地五千百坪を買い取るにあたって、日本信託銀行が融資をしておりますね。これは御存じでしょう。
○説明員(後藤達太君) 存じております。
○矢田部理君 これは一般論としてお聞きをします。通常、不動産を担保にして融資をする場合、不動産価格の何割程度を基準にしているか、御存じでしょうか。
○説明員(後藤達太君) 不動産を担保に取ります場合に、私ども承知しております限りでは、大ざっぱに申しまして二つの取り方があろうかと存じます。
 一つは、不動産を担保に取りまして具体的な個々の貸し出しを担保とするような場合でございまして、きょう幾ら貸すから、それの担保に不動産を取っておく、こういうものでございまして、この場合には、大体不動産につきまして時価の七掛け程度を掛け値にするというのが普通のようでございます。ただ、その掛け値等は、銀行によりましていろいろ扱いが多少違っておるわけであります。
 それからもう一つは、非常に長い取引を期待をいたしまして、これから先に出てくるような取引についての銀行が債権を担保いたしますために、根抵当権を設定する場合でございます。この根抵当権を設定いたします場合には、先ほど申し上げましたケースとはやや違いまして、いわば目一ぱいに担保を評価をして根抵当を設定するということが一般に行なわれておるようでございます。
○矢田部理君 日本信託銀行は不動産のあっせん取り扱い等もやっておる。もやっているということではなくて、それが中心の銀行。とりわけ列島改造論以降の状況はその点が顕著になってくるわけでありますけれども、私は銀行の、担保を取って貸し出しの状況をそれなりにデータをとってみますと、通常は不動産価格、取引価格の五割じゃありませんか。相手の信用状態その他のファクターを考慮して六割、多くて七割というのが実情じゃありませんか。その点、いかがでしょうか。
○説明員(後藤達太君) 先ほど申し上げましたように、個々の取引につきましての担保を取ります場合には、先生の御指摘のようなことであろうかと思います。ただ、御指摘のように五割という掛け値をとることもあるかと思いますが、私が承知しておりますのでは七割程度が一般的ではないかということで、先ほど七割程度ということを申し上げた次第でございます。
○矢田部理君 大蔵省の立場を伺います。大蔵省は銀行その他金融機関について検査をしたり監督をしたり、指導をしたりする官庁の一つですね。その場合に、銀行経営をできるだけ手がたくということで、実際上はかなりシビアな担保の取らせ方をしているのじゃないかというふうにも思われるわけですが、大蔵省自身として、不動産価格に対しての割合、金融の率等について指導はしていないのでしょうか。それは七割取ろうと十割取ろうと、それ以上取ろうと自由だという考え方に立っておるわけですか。
○説明員(後藤達太君) その点につきましては具体的な指導はいたしておりません。これは基本的には銀行が良識を持って評価をし、担保を取るべきことである、こういうふうに考えております。
○矢田部理君 先ほどから検査の話も出ているわけですが、検査にあたっていろいろかなり大きなお金が動いている場合には、それに対してどの程度の裏づけがとれているのか、担保等が提供されているのかということも一つの検査の対象になりますね。その状況を見て、これはこの不動産担保だけでは融資金が多過ぎはしないか、うまく返済がいっているのかどうか、どうして多くなったのかということも現場では聞かれているようでありますけれども、そういうことはするのでしょうか。
○説明員(後藤達太君) 先生の御指摘のように、検査にあたりまして私ども一番重要なことの一つといたしまして、資産内容の検査をいたしております。特に資産の中で重要なものは貸し出しでございますから、その貸し出しの個々につきまして、これは全部はなかなか手が回りませんけれども、貸し出しの大部分につきまして、いまおっしゃいましたようにその裏づけがどうなっておるか、返済の見込みはどうであるかというようなことを検査をいたしております。
○矢田部理君 その検査をするにあたって、言ってみれば担保価値よりもよけい融資をされているというようなことを検討するわけでしょうけれども、その際に、少なくともこの担保のどのぐらいの割合で貸し付けをしているから多いとか少ないとか、担保が確かだとか不確かだとかいうことを目安にするのじゃありませんか。その目安としては、少なくとも不動産の取引価格の半分、六、七割というのが限度じゃありませんか。
○説明員(後藤達太君) いま先生御指摘の点も貸し出し金の査定にあたりましては重要なる一つの点でございますが、私ども結論を出すと申しますか、その最終的な判断をいたします場合には、そればかりではなくて、その検査の時点におきまする時価がどうなっておるか、あるいはその企業のそのほかの収益力等の償還能力がどうなっておるかというようなことも総合的に検査をいたしまして、最終的な判断をすることにいたしております。
○矢田部理君 この埼栄開発は、その総合的な力に問題があるから私は聞いているのですよ。この資産、資金運用の状況等を、これは私どもしろうとが検討したって、ある銀行の人に見てもらったら、よくこれでお金が貸せたなと言われるぐらいの資金運用の状況なんですよ。したがってまた、ただ一つの手がかりになるのはその不動産の価値しかないと思われるから、くどくどと同じような質問をしているわけであります。いずれにしても目一ぱいとるということはあまりありませんね、不動産だけが担保の場合に。
○説明員(後藤達太君) 先ほど申し上げましたように、根抵当にとります場合にはそういうことは間々あることと承知いたしております。これはどうも釈迦に説法みたいなことを申し上げてたいへん恐縮でございますけれども、非常に長い取引を期待をいたしております場合に、先になって銀行の預金がどの程度になるかというようなことをあわせていまの時点でカバーをしておきたい、こういうようなときに目一ぱい、あるいは先の値上がりまでを期待をいたしまして根抵当の限度を設定することはあろうかと存じます。ただ、あまりこれを過大にしますことは企業の担保、つまりほかからの資金調達の道を閉ざすことになりますから、やはりあまり過大なことをすることは不適当ではございます。しかし、貸し手としましては、根抵当の場合にはやや多目にしておきますほうが債権保全上は有利である、確実性が高いというふうに考えることは間々あることでございます。
○矢田部理君 一般の抵当よりも根抵当のほうが極度額が大きくなるということはわかります。しかし、その極度額も、将来の土地の値上がりを見込んでやるということよりも、現在の価格が限度じゃありませんか。
○説明員(後藤達太君) それは一がいに私は先生の御指摘でございますけれども、そうは言えないのではないかと存じます。やはり、ある程度の値上がりなどを見込むことは間々あるように承知いたしております。
○矢田部理君 手がたい大蔵省が、担保価値以上に貸すことが間々あり得ると言う。こんな不安定な銀行経営をやっているところはありませんよ。私ども仕事の関係でしばしば担保とか何かをとった事件を扱いますけれども、これはもう極度額だってかなり押えているのが現状です。一がいには言えないということばの中で全体の実態をすりかえているのじゃありませんか。極度額だって、その土地の価格の一〇〇%とるというのはなかなか珍しいケースなんです。ずっと低目低目に押えておくのが銀行経営の実態ですよ。また、それぐらいの手がたさがなければやれないですよ、大蔵省みたいなことを言っておったら。どうですか。
○説明員(後藤達太君) 先生のほうが御専門家なのでたいへん恐縮でございますけれども、これは私どものほうでそういうことをやれと申しておる次第ではもちろんございません。銀行のほうで根抵当権を設定いたします場合に、そういうようなとり方をしているところが間々あるということを申し上げました次第でございます。
○矢田部理君 間々はないですよ。そういうことをやっているとすれば、もう異例のことなんです、実際は低目低目に押えている。非常に渋い貸し出ししかしないというのが現状ですよ。
 そこで本件、山中湖問題にまた戻りたいと思うわけでありますが、登記簿謄本によりますと、五千百坪からの山中湖の土地、これは坂本英俊さんという元山中湖村の村長さんが持っていた土地が大部分でありますが、そのほかにも富山開発興業という会社が持っていた土地を合わせて五千百十二・八坪を買い求めた。この実際の買い主は、田中総理またはそのごく親しい佐藤昭さんなどという名前が直接交渉の当事者としては出てくるわけでありますが、その土地を買い求めた日が四十八年一月十日だと登記簿上は記載をされておる。そのお金は何回かに分けて払われましたので、最終的に登記ができたのは、坂本さんの土地が四十八年の十月一日です。それからもう一方の富士開発興業の土地が十月の十九日になっている。そう土地の変動がある地区ではありません。その坂本さんらが最終的に、あれは名目的には埼栄開発ということで登記がされるわけでありますが、埼栄開発に土地名義を移すと同時に日本信託銀行の根抵当がつけられた。取引価格は二億八千万、根抵当の極度額は三億六千万、たいへんな開きですね。しかも取引価格が二億八千万であるのに、直ちに三億の貸し出しを日本信託銀行がやっている、驚くべき事実があるわけであります、異常だとは考えませんか。通常の取引だというふうに、それでもなおかつ大蔵省は見るのかどうか、その点伺いたい。
○説明員(後藤達太君) 土地の取得価格と貸し出し額とを比べまして、貸し出し額のほうが若干多いということは、これは土地の移転に伴いますいろいろな経費等を必要とするということもあるかと存じますので、それを上回る貸し出しをすることはあろうかと思います。
 それから、その貸し出し額と根抵当額との開きがまたたいへん大きいのではないかということでございますが、その点につきましては、私どもは先ほど申し上げましたように、根抵当の場合には、特にまたその土地が商品土地として将来売りに出されることを予定しておるというような場合には、その値上がり分なども見込みまして担保の限度をつけることはあり得ることではないか、こういうふうに考えております。
○矢田部理君 私は、あり得るかどうかを聞いているのじゃない。土地の動きはそんなにない地区ですよ。何回も交渉した結果、二億八千万という数字が出たのです。売るほうも決して安く売ったとは言っておりません。手数料がかかるかどうかは買い主側の問題であります。銀行が実際の担保価値以上に、十割貸すなんというのも異常ですよ。いいですか、根抵当の極度額が十割じゃないですよ。実際の貸し出しが十割というのも異常なのに、それを越えて二億八千万のものを三億貸し出す。元本極度額が三億六千万にも及ぶなんということが、銀行取引の実態でそんなのありますか。まずないというのが常識じゃありませんか。どっちが常識か、はっきりしてください。
○説明員(後藤達太君) 先生の御指摘ではございますけれども、詳しい内容に立ち入るのは差し控えさせていただきたいとは存じますけれども、二億八千万の土地を買うにつきまして、これを上回る三億の貸し出しを行なうというようなことは、私はほかの債権保全のための担保をとっておくとかいうようなこともあわせまして、あり得ることだと思います。そう非常識なこととは私は考えておりません。
○矢田部理君 例外的にあり得るかどうかを聞いているのじゃないですよ。埼栄開発はほかに資産はあまり考えられません。商品としての不動産はありますが、それはそれぞれにみんな担保がかみ合っているわけです。むしろ先ほどから、不動産価格以下が担保をつける場合の基本だ。それを一〇〇%どころではなしに、たいへん上積みした金額を現に貸し出しておるし、根抵当の極度額はさらにそれを越えているというのは、少なくとも一般的な状態でないということは認めるでしょう。
○説明員(後藤達太君) 通例であるということではないと思います。
○矢田部理君 通例ではないですね。
 ところで、川越支店を検査されたということでありますが、当然この土地の動き、あるいはそれに関する融資の問題も検査の対象になったと思われるわけですが、この融資をするにあたって、かなりの金額でありますから、たとえば不動産鑑定評価などは添付をされておったでしょうか。正式な不動産鑑定士の評価でないまでも、鑑定意見程度のものはついておったのでしょうか。その点いかがですか。
○説明員(後藤達太君) 具体的にこの点につきまして、いまおっしゃいました資料を検査官が確認をいたしましたかどうか、私は承知をいたしておりませんので、これは調べてお答えを申し上げます。
○矢田部理君 支店長権限で決裁できる貸し出しの金額のワクと、本店に審査ないし決裁を求めなければならぬ基準が一般的にあろうかと思いますが、少なくとも億単位のものは本店決裁になりますね。これは銀行によっても、あるいは支店の規模の大きさによっても違うかと思いますけれども。
○説明員(後藤達太君) 先生いま御指摘のように、店舗の大きさ等によりまして、あるいは銀行によりまして非常にばらばらでございますので、私いま詳細は存じませんけれども、いま御指摘のように億円を上回るような貸し出しの場合には、おそらくは本店に稟議する内規になっておるであろうと存じます。
○矢田部理君 もちろんこれは本店も無縁ではないわけでありますけれども、一連の調査を川越支店を含めてやったようですが、その調査をした検査官から銀行局長あてですか、報告書が出ておると思います。その報告書の内容についてお話をいただきたいと思うのでありますが、とりわけ、日本信託銀行の検査にあたってこういう点が問題であるという報告がなされた問題点だけでけっこうですから、それを述べてください。
○説明員(後藤達太君) 先生の御指摘ではございますけれども、検査の内容につきましては銀行経営の機微に触れるところ等もございますので、申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
 ただ、あえて申し上げますれば、検査の感触といたしましては、このちょうど四十八年に検査をいたしましたときの検査の対象期間というのが、その前の二年程度の間の業務のしぶりが主として対象の期間に相なっておりますが、その間におきます銀行のしぶりと申しますか、検査のやり方といたしまして、やはりややその経営拡大のほうにウエートがかかり過ぎておるのではないかという感じがいたしました。こういうところは、そういう金融緩和期ではあったことでもございますけれども、今後もう少し落ち着いた経営を志向するようにという指導をいたしておるところでございます。
○矢田部理君 銀行の経営のあり方としては拡大の方向に向き過ぎている。とりわけこの時期、あるいはこれから何年か前の間は日本信託銀行は不動産に全力投球しましたね。その中で衆議院の大蔵委員会などでも、土地ころがしなどをやり、しばしば手数料を取っているのじゃないかという追及を受けているわけですけれども、また、その日本信託銀行の経営実態を見てみましても、不動産関係の収入が割合から見ると圧倒的に多い。非常にわずかな人数で全体の収益の五割近くを占めるという異常な状態が続いてきた経緯もあったかと思うのでありますが、いずれにいたしましても、検査をした結果報告を受けた。その報告書などをもとにして銀行あてに示達というのを出しますね。この示達では、その銀行の経営問題について注意あるいは改善すべき事項などを必ず書くことになっている。問題があれば少なくとも書くことになっているようですが、どういう注意なり改善についての求め方をされたか、その点を述べてください。
○説明員(後藤達太君) 示達の内容につきましては、先ほど来繰り返して申し上げておりますように、銀行の経営の機微に触れるところでございますので、公に申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。ただ、検査の感触として先ほどのような感じを申し述べさせていただいた次第でございます。
 なお、日本信託の土地関係の手数料収入が……。
○矢田部理君 それはあとで聞きます。
 私の一連の質問に対して答えをされない部分が非常に多いのですけれども、検査の内容あるいは示達事項等については秘密なのですか。
○説明員(後藤達太君) 御指摘のとおりでございまして、私ども検査、行政を通じて知り得ました重要な事項でございますので、私どもは秘密と考えております。
○矢田部理君 どういう点がどういう理由で秘密なんですか。
○説明員(後藤達太君) 先生の御指摘の点をずれておりましたら恐縮でございますが、私ども個々の金融機関の内容あるいは具体的な取引というものは、それぞれの方にとりまして秘密事項であると思います。それを私どもが知りますのは、職務上の検査とか、あるいは行政指導とか、報告の徴求とか、そういうことを通じて知り得るわけでございます。したがいまして、私どもは職務上の秘密と考えておる次第でございます。
○矢田部理君 いまの答弁に全く納得できませんけれども、たとえば幾ら融資しているか、どういう担保をとっているかなどは、これはもう登記簿を見れば一目りょう然でしょう。抵当を幾らつけたか、返済金がどうなっているか、利率がどうかということは、特に不動産取引についてはほとんど担保をとっていることが多いわけですからね、これは秘密でも何でもないじゃありませんか。
○説明員(後藤達太君) 登記簿等で明らかにされておりますこと、あるいは有価証券報告書等で明らかにされておりますこと、これは先生御指摘のように秘密ではないかと存じます。しかし、いま後段で御指摘のような銀行の検査の内容、それが集約的にあらわれております示達書というようなものは、私どもは秘密だと存じます。
○矢田部理君 銀行のほうはちょっと質問を留保しておきまして、それでは警察庁のほうから次にお伺いをしたいと思いますが、警察は、日本信託銀行川越支店の貸付等をめぐって、昨年の秋ごろと思われますけれども、捜査をしたことがあるでしょうか。とりわけ支店長や支店次長が警察に呼ばれて、数日間調べられた。その後、この問題は検察庁にも送られているわけでありますけれども、その捜査の内容等について、まず説明をいただきたい。
○説明員(四方修君) ただいま御質問ございましたとおりに、昨年の十月下旬に、日本信託銀行川越支店の支店長、支店次長等から事情を聴取いたしております。
 どういうことで事情を聴取したのかということでございますけれども、当時、日本信託銀行の川越支店において導入預金を受け入れておるという風評がございましたので、警視庁におきまして事情を聴取いたしたわけでございますが、その風評は、いわゆる導入屋というのがおりますけれども、一、二の導入屋と呼ばれるものがこの日本信託銀行の川越支店を舞台にして導入預金を行なっているという程度の風評でございまして、それに基づいて事情聴取等に着手いたしたわけでございます。
○矢田部理君 もう少し具体的にお尋ねをしたいと思うのですが、一応川越支店の支店長、支店次長などが呼ばれたようですが、被疑事実というか、罪名というか、それはどういうことなんですか。
○説明員(四方修君) 預金等に係る不当契約の取締に関する法律という法律がございます。ここにいわゆる導入預金に関する、してはならない行為が規定されておるわけでございますが、もしもあとで御質問がございましたら詳しく申し上げてもよかろうと思いますけれども、この預金等に係る不当契約の取締に関する法律の規定に反する容疑で事情を聴取いたしたわけでございます。
○矢田部理君 被疑事実の内容をもう少し詳しく、私も大体は承知しておりますけれども、そちらから話をしてください。
○説明員(四方修君) 日本信託銀行川越支店の支店長が、金融業者、これは数名おるという風評でございましたけれども、そういうものから定期預金を昨年の夏ごろに相当額受け入れまして、それを、その預金を担保を取ることなく、先ほど申しましたいわゆる導入屋と呼ばれております金融ブローカーが媒介をいたしておりまして、そのブローカーの指定をいたしました不動産業者に対して融資をするという、先ほど申しました法律に反する行為が行なわれた、こういう被疑事実でございます。
○矢田部理君 導入預金が問題になり、その導入預金をさせて、担保をとることなく埼玉県内の不動産業者に対して総額九億円の融資をしたというのが疑いだったようですね。
 そこで問題なのは、埼玉県内の不動産業者というのは谷古宇グループじゃありませんか。
○説明員(四方修君) この事件は、あとでまた御質問があればお答えするつもりでおったわけでございますけれども、ただいま御説明いたしましたような容疑で警視庁のほうは捜査に着手いたしたわけでございますが、何ぶんこの導入預金の立証といいますのは、いわば特定の人たちが三角関係のような形でお互いが意思を通じてやっておるという、この立証が必要でございます。非常にむずかしいわけでございますが、この事件につきましてもその点の立証が非常にむずかしくて、この容疑事実が存在したということを最終的に確信を持って確認するに至らなかったわけでございます。
 そういう関係で、われわれとしましてはこの事件については非常に残念に思っておるわけでございますが、ただいま御質問の、埼玉県内の不動産業者二者に対しという点でございますけれども、警察におきます捜査におきましては、この点についての、導入預金とのかかわりのある融資対象の不動産業者というものが明確に証明することができなかったわけでございます。これができておれば、はっきり導入預金ということでわれわれも自信を持って送致することができたわけでございますけれども、その点が確認することができなかったわけでございますので、この席上で、どこに対して融資をしたものであるということは、残念ながら御説明できない状態でございます。
○矢田部理君 日本信託銀行の川越支店が導入預金として預かったお金は、実に総額九億五千万円といわれていますね。しかも、その預けたほうは金融業者だという。金融業者というのは自分でお金を貸してもうけるので、銀行に預金をするほどの余裕なり、あるいはそういうやり方で金を回すということは一般的には考えられない。これは捜査当局としては御承知のとおりだと思います。大体それに見合った金額九億円を少なくともその不動産業者等に融資をした疑いで調べられたわけでしょう。小さいお金じゃないんですね。その点で、疑いとしては埼玉県内の不動産業者だというところまではきたのでしょう。
○説明員(四方修君) 導入預金の容疑で捜査に着手いたしたわけでございますので、御指摘のように、融資を受ける第三者というものの存在を一応想像して捜査をいたしたわけでございまして、その捜査の過程で、その融資を受けた不動産業者が先ほど先生御指摘の業者であるらしいという風評は当時、聞いておりました。その点を念頭に置いて十分捜査をいたしたわけでございます。
○矢田部理君 谷古宇グループは百億単位でお金を借りているのだから、九億というのは必ずしも大きい金額じゃないかもしれませんけれども、しかし、一般の町の不動産業者では、やはり十億近い金を銀行から借りるということはまずないですね。特に地元業者等では少なくともAクラスでなければ銀行から十億からのお金は引き出せないということになれば、いまもちょっとお話が出ましたが、少なくとも谷古宇グループ等がその対象になるということは一般的にも想定されるでしょう。また、それだけのお金が銀行、特に日本信託銀行からそれ以外の不動産業者に貸し出されているという例は、おそらくないだろうと思います、十億単位で。ということになれば、これは私のいままで出てきた事実関係や状況からの見方でありますけれども、この導入預金は、とりもなおさず谷古宇グループに渡されたと断ぜざるを得ないような状況である。
 いずれにしても、そういう疑いで取り調べをしたわけですね。その取り調べの対象は、九億から十億のお金の動きということになりますと当然支店レベルだけではないと思うのですが、本店等にも取り調べの範囲を広げたのでしょうか。広げたとすれば、本店などからはどういう事情聴取をだれからやったのか。その点も伺います。
○説明員(四方修君) 警視庁のほうで事情聴取をいたしましたのは、日本信託銀行の川越支店の支店長と支店次長でございまして、本店からは事情聴取いたしておりません。
○矢田部理君 捜査として、先ほど大蔵省からも話がありましたように、支店長権限というものは貸し出し権限はそう大きくないのですね。三百万くらいだなんという話もあるくらいです。やはり億単位を動かすというのは、本店の審査なり決裁を得るというのが常識なんですが、どうして本店を調べられなかったのでしょうか。少なくとも九億五千万のお金を預かり、九億くらいのお金が貸し出された。貸し出された相手もおそらくわかっていると思うのです、谷古宇グループであるということは。ただそれが、導入預金との関係が必ずしも詰まらなかったというのが事の真相だろうと思うのですけれどもね。どうして本店は調べられなかったのですか。
○説明員(四方修君) 通常、銀行の支店を舞台に導入預金が行なわれているというような情報を得ました場合の捜査のやり方といたしましては、先ほど詳しくは申し上げませんでしたけれども、先生御案内だと思いますが、導入預金といいますのは、金主がおりまして、これにいわゆる導入屋と呼ばれるようなブローカーが媒介をいたしまして銀行に預金をする。それで、一方で第三者が融資を受ける、こういう構成になるわけでございます。したがって、しかもほとんどの証拠固めが、書類の押収をうまくできればいいですけれども、そうでない場合には関係者の供述が中心になるわけでございますので、いま申しましたようなこの構成の中で関係者の供述を慎重にとっていくわけでございまして、銀行関係につきましては、本店にまで事情聴取をするというのはうんとあとのほうでございます。最初のほうは支店から固めていくというのがわれわれの捜査の常道でございます。
 その段階で関係者をいろいろと調べたけれども、十分導入預金という点についての確証を得るに至らなかったので、これは確証を得る見込みであれば本店の関係者の事情聴取にまで及んだと想像されるわけでございますけれども、以上申しましたような事情で本店からの事情聴取は行なっていないわけでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○矢田部理君 この段階で大臣にひとつ見解を伺っておきたいと思うのです。
 非常に私どもから見ると担保価値以上に過剰な融資が行なわれている。あるいはその背景に、いま警察庁からお話がありましたように導入預金などという手法も用いている。これは私どもが調査をした中でも、しばしば金融機関筋に出てくるわけですね。農協などが資金がだぶついている。農民以外には貸し出せないたてまえになっているのですが、そのだぶついている資金を銀行に預ける形をとって、銀行がまたあっせん料や手数料を取って、形式上は銀行に預金した形をとりながら、あるいはその銀行から第三者が借りた形をとりながら、実質上はその農協のお金である。その間にいろんな含みが持たせられている。大量な資金がそういう経路で流れている、お金が動いている、手数料がとられているという状況が銀行筋の中にはあり得るわけですし、とりわけ不動産金融などでは、こういうケースをわれわれもときおり耳にするわけであります。
 どうもいまの警察庁の調べ、あとで警察庁からもお尋ねをしますけれども、本店の決裁がなしに九億から十億のお金は動かせないと思うのです。さっき言われたような疑いが非常に濃いわけであるし、刑事犯罪としてきびしく追及しなければならぬ事例だと思うのでありますが、法務大臣としてその点どうお考えになりますか。
○国務大臣(濱野清吾君) お答えいたします。
 先ほどから質疑応答を拝聴しておったのでありますが、通常の商業ベースから見ますと、きわめて不自然な点があろう。それが過剰融資さらにまた預金導入の関係においてこれまた好ましいことではない。しかし、いま捜査当局が、警察庁が入って、そうしてその三者関係の証明、共同意思というものが証拠としてあがらなかったということの答えのようでありますが、私のほうといたしましては、私自体が検察業務を抱いておりますから、それらの具体的な問題について積極的な発言をすることは差し控えたいと、こう考えております。
○矢田部理君 大臣から非常に不自然だというお話があったわけでありますけれども、私も不自然であるし、それ以上に異常だという一連の経過を一つ一つ申し上げてきているわけでありますが、いずれにしましても、警察のほうではこれを調べた結果、送検をいたしましたね。送検を受けた検察庁としてはどういう調べをしたのか、捜査の内容、状況等について刑事局長からお話をいただきたいと思います。
○説明員(安原美穂君) 先ほど警察当局から御説明がございましたように、本件につきましては、いわゆる導入預金に関する取り締まり法律の違反ということの疑いで警視庁から東京地検に事件が送致されまして、東京地検におきましても、先ほど警察当局御説明のように、いわゆる預金者と金融機関と、それから融資を受ける者とのいわゆる三角関係と申しますか、関連性につきまして鋭意捜査をしたわけでございますが、先ほど御説明のように、その三角関係、関連性というものを立証するだけの十分な証拠が得られなかったということで、嫌疑不十分で昭和四十八年十二月二十四日に不起訴にしておるわけでございます。
○矢田部理君 警察のほうからも伺ったわけでありますが、まずその導入預金をしたほうの金融業者というのは中山という人がありますが、そのほかに数名から総額九億五千万だといわれておるようですが、金融業者中山のほかにはどんな会社なり個人なりがいたのでしょうか。概括的でけっこうですので、その点まずお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(安原美穂君) 結局、先ほど申し上げましたように、本件は容疑があって警察当局が捜査に着手されたわけでございますが、結果におきましてその容疑の立証に至らなかったという意味で証拠はなかったという事件でございますので、そう詳細に申し上げるということは、御案内のとおり捜査については他人の「名誉を害しないように注意し」というようなこともございますし、捜査上得た他人の秘密にも属しますので詳細を申し上げることは差し控えたいと思いまするが、要するに、容疑者として取り調べの対象になったのは日本信託銀行の川越支店の支店長と金融業者中山某、それから金融ブローカー小島某というような者が、合計で四名が容疑者として取り調べの対象になっております。
○矢田部理君 それはいずれも金融ブローカーだということになりましょうか、名前はともかくとして。
○説明員(安原美穂君) 金融ブローカーあるいは金融業者ということになります。
○矢田部理君 つながりの関係で証拠が十分でなかったということのようでありますけれども、その導入預金の融資を受けた相手方として考えたのは、とりわけ金額も総額九億円の融資をしたという疑いでありますから、したと思われる対象は先ほどから問題になっております埼玉県内の不動産業者、疑いをかけたのは谷古宇グループというふうにお聞きしてよろしゅうございましょうか。
○説明員(安原美穂君) 先ほど、容疑者の被疑事実、三角関係の導入預金の融資先ということでその人間を特定はできなかったという警察当局の御説明でございましたが、いま矢田部先生御指摘のとおり、埼玉県内の不動産業者に対して、疑いとしては融資があったという疑いでございますが、先ほど申しますように、結局本件は犯罪の嫌疑が十分でなかった案件でもございますので、それ以上申し上げることは、いわばある銀行とある業者との融資の関係を明らかにする、他人の秘密を明らかにすることでございますので、銀行業務のことは別といたしまして、捜査上知り得た他人の秘密ということで、私の口からここで申し上げることだけはごかんべん願いたいとかように思います。
○矢田部理君 時間もありませんので、はしょっていきたいと思いますが、検察庁は本店の審査部、審査関係の人たちの取り調べはしたのでしょうか。これもさっきから申しておりますように、支店長権限で動かせる金額じゃありませんよね。それからまた十億近い預金というのも、本店には当然に耳に入っている性質のものですが、その点はいかがでしょうか。
○説明員(安原美穂君) 先ほどこれも警察当局から御説明がございましたように、要するに導入預金といういわば基本的な犯罪の構成に当たる行為があるという事実を前提といたしまして、その被疑者にいまだれがあるか、その場合に通謀関係として本店に関係者があるのじゃないかというふうに捜査の論理としては進むわけでございますが、残念ながら、前提であります構成要件に該当する事実についての証拠をつかめなかったわけでございますので、結果といたしまして、本店の関係者に対しての取り調べは検察庁においても行なっていないのが実情でございます。
○矢田部理君 刑事局長のお話ですけれども、十億前後の預金なり融資なりということになれば、当然のことながら本店の決裁権限、これは御理解いただけると思うのです。とりわけ不動産ブローカーが、あるいは金融業者がからんでいたとすれば、相当トップレベルでの話が詰まって預金をし、かつ融資をするという関係になってきたかと思うのでありますが、末端の支店長や支店次長だけではなかなかそれだけの芝居は打てない。そういう点で本店等を追及しなかったのはいささか姿勢として弱いのではないか、捜査の詰めとして甘いのではないかという感じがしてならないのであります。あるいはこれは一説によれば、何かこの事件をつぶすための動きがあったのではないかというような憶測もあるわけでありますが、これはまあ憶測でありますから、そこまできょうは言うつもりはありませんけれども、その点いかがなんでしょうか。
○説明員(安原美穂君) 御指摘の点につきまして、私特別に東京地検から報告を求めたりしておりませんけれども、そこは私の推察でございますけれども、やはり捜査権の発動ということになりますれば、先ほど申し上げましたように導入預金に関連する不法事犯の嫌疑がなかったということになりますと、十億を融資したということは、融資したことそのことが犯罪になるかどうかという問題でございますので、言うなれば背任罪というようなものが構成されるのかどうかというような問題に相なるのかと思いまするが、警察当局といたしましては、そういう意味において、トップレベルを含めまして十億近い融資をするということについての背任の嫌疑を抱かなかったから捜査しなかったのではないかというふうに推察をいたしております。
○矢田部理君 時間がありませんので、それは推察での答弁では私も満足しませんけれども、あとの問題に譲るといたしまして、もう一度大蔵省に聞いておきたいのです。
 外側にいる警察庁ですら、導入預金の疑いで少なくとも相当程度調べた。しかもそれは単なる事情聴取ということではなくて、検察庁に送検もしているわけでしょう。その後のあと始末、結論の出し方については私はまだ納得しませんけれども、検査の段階でそういう疑いで検査をし、何らかの内部的な指導などは、先ほど示達の問題がありましたけれども、されなかったのでしょうか。
○説明員(後藤達太君) 捜査当局が捜査をしておられるという事実は、検査の段階で検査官は銀行からの説明で知ったようでございます。しかし、そのことを直接どうこうするという指導その他はいたしておりません。
○矢田部理君 導入融資等に対してはきびしく指導していることはあるわけでしょう。それを外側の捜査機関がキャッチをした。万々そういう導入預金などはないように監督し指導するのは大蔵省じゃありませんか。しかも融資先も、先ほどから問題になっているように谷古宇産業あるいはその系列会社と思われる。あるいは埼栄開発も入っているかもしらぬ。というときに、もう少し検査としては詰めた内容の検査をしてしかるべきなのじゃありませんか。あるいは、したとすればそれに対して何らかの指導なり示達なりをしているだろうと思うのですが、そのほうの関係について、概括的でけっこうですから話してください。
○説明員(後藤達太君) 御指摘のように導入預金その他の不当なる、不正なることをやるべきでないということは、もう申し上げるまでもございません。したがいまして、常日ごろ私どもは銀行に対しまして、そういうことを注意するようにという指導はいろいろな機会を通じましていたしております。ただ本件は、捜査当局が捜査をしていらっしゃる時期でございます。私どもとしましては、その件につきましては捜査当局の結論をお待ちするべきではないかと、こう考えております。また検査にあたりまして、これは先ほど来申し上げましておりますように、常に私ども厳正なる検査をいたしておるつもりでございます。したがいまして、それに基づきまして所要の行政指導はいたしております。ただ内容の詳細を、先ほど申し上げましたように、申し上げられないのが残念でございますけれども、そういう指導はもちろんいたしております。
○矢田部理君 こういう一連の融資をめぐる問題あるいは捜査当局等の調べが原因になったといわれておるのですが、御承知のように、貸し付けの審査担当重役である田中広一専務がことしの二月に任期半ばにして辞任をし、日本信託のダミーである星栄という不動産会社に転職をしました。専務クラスが、重役クラスではありますけれども子会社に行くということは異例のことなんです。
 さらには、警察にも呼ばれたといわれる川越支店の川辺という男、これはかつて日本信託で第二組合をつくって、その書記長として組合分裂の中心になった男でありますけれども、その出世をもくろんで川越支店の開設以来非常にいろんな面で動いたりした。それだけに非常な無理もあったというふうに聞いております。表向きは四期連続総合成績一位で社長から表彰を受けるようなことをやってきた。その男が突如として横浜支店にその後行ったわけでありますが、最近では本店の不動産部考査役という、部下は一人もいません、閑職に左遷をさせられたのもこれは周知の事実です。
 そしてまた最近この問題が出てきましたところ、川越支店の山田次長が、この十一月の二十二日です、これまた他の人と同じように、定期異動でも何でもないのに急におろされて、本店の住宅ローンという何の役職もつかない場所、部下も一人ぐらいしかいない場所におろされてきているという点で、この問題をめぐる動きは非常に激しく動いているわけです。とりわけ、川辺という川越支店の元支店長は、その閑職に置かされた中で実はこの谷古宇産業関係の融資のあと始末に動いているとも伝えられるわけなんです。そういう点、大蔵省としてどういうふうに理解をしておるのか、どうつかんでおるのか、所見を承りたいと思う。
○説明員(後藤達太君) 銀行の内部の人事のことにつきましては、私どもは口を出す立場ではございません。ただおそらく、いま先生の御指摘の事実があったといたしますれば、銀行の内部のいろいろな人事上の観点から実行されたものであろう、こういうふうに存じます。
○矢田部理君 単なる人事の動きを私は聞いているのじゃなくて、やはり警察、官憲の動き、大蔵省の検査の状況、あるいは過剰融資ではないかというようないろいろな世論の高まり、そういう中で動いておるし、そのことを大蔵省自身も、特に検査をしなければならぬ立場だし、検査の内容等から詰めてきた経過はないですかと、こういうことです。
○説明員(後藤達太君) 検査の内容のほうから詰めたかというお話でございますが、先ほど申し上げましたように、人事等につきましては私ども全く関与いたしておりません。その点を詰めるということは、もちろんいたしていない次第であります。
○矢田部理君 いや私の伺っているのは、先ほど、検査の結果示達を出した。示達の内容の詳細は言えないけれども、少し広げ過ぎるのじゃないかと。その広げ過ぎてきた筆頭が実は川越支店だったわけですね、全体の傾向を見ますと。とりわけ不動産を中心に川越支店ではたいへんな金の動かしをやったわけです。そういう具体的な事例をあげて、広げ過ぎているというふうに言われているのだと私は推察をするわけです。そこでそういう立場から一定の示達を出したことも背景になって、こういうふうな状況が出てきているのではないか。少しここでは銀行をかばい過ぎている感じがあるのですけれども、その点はいかがですか。
○説明員(後藤達太君) 私ども銀行をかばうという気持ちはもちろん全然持っておりません。ただ、いろいろ先生御指摘の点につきまして申し上げられませんのは、銀行の内容、銀行の取引というものが個人なり企業なりの秘密にわたる部分を集中的に取り扱っておるということでございますから、つまりそういう秘密が漏れないという前提の上に信用秩序が成り立っておる、こういう制度に相成っておるわけでございますから、これが漏れるということになりますと、信用秩序自体に影響があるということで申し上げていない次第でございます。もし銀行のやり方に不当なことがありますれば、もちろん私どもといたしましては所要の行政指導はいたしてまいっておるつもりでございます。そうして今後ももちろんそういう姿勢でまいりたいと存じております。
○矢田部理君 それでは時間もありませんので、きょうはこの程度で質問を終わらせていただきたいと思いますが、どうもやっぱり一連の事件を追っていきますと、非常に何ものかの手が動いている。少なくともその背景がある中で土地が動き、土地に伴ってお金が動く。そのお金の動かし方も、尋常では考えられないような多額なものが、商業ベースでは理解できないような過剰なものが動いているという感じが、この山中湖の別荘の取得に関しても非常にするわけです。
 その点で田中総理の金脈問題の一つとして私はこれは位置づけたいし、少なくとも冒頭に申しましたように、佐藤昭女史であるとか非常に親しいといわれる谷古宇甚三部がこの土地の買収に当たっている。その買収に際して佐藤昭女史は、うちの田中が、うちの田中がということを再三言っていることも雑誌等で知られているおとりであります。これは現に売り主側の村長さんのほうからも、東京の政府の高官が買うのだからぜひ売ってくれと。もともと土地なんかを売る立場の人じゃないわけであります。それが田中総理だということがわかって、それならばということで売るような経緯になったようですし、東京に一度いずれにしても行ってみようということで来て、当然田中総理と会うつもりで行ったところ、案内されたのが佐藤昭女史の自宅だったということもあるわけです。その後、御承知のように佐藤昭女史が谷古宇甚三郎と連れだって現地を何度も見に来ているし、その別荘地の対岸には佐藤昭女史の別荘があることも、これはすでに明らかにされているところであります。
 そういう土地の買収をめぐっても、そしてまたお金の融資のしかたをめぐっても、いろんなつながりと背景があるとわれわれは見ざるを得ないわけです。ここに政治に対する疑惑というか、不信というものが強まっている一つの大きな理由があるだろうというふうに私たちは理解をいたします。その点で警察、検察庁も調べに入ったのはけっこうですけれども、どうもその詰め方、捜査の進展のさせ方についてゆるさがあったのではないかという感じがしないわけではありません。いずれにいたしましても、こういう一連の疑惑の一つとして山中湖別荘地買収事件が浮かび上がってきているわけでありますので、最後に、大臣がこれら一連の事件の議論と問題点についてどんなふうに感じておられるか伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(濱野清吾君) 田中さんであろうと田中さんでない場合だろうと、総理大臣あるいは政治家がそういうようなムードをつくる原因をまいたというようなこと、それが真実にしても真実でないにしてもまことに遺憾なことだと思います。しかし問題は、田中さん個人のことについてとかくの議論が起きているのでありますから、私といたしましては、政治論としてはまことに残念だけれども、個人の問題につきましてはいまだ真実が明らかでないのでありますから、この場合とかく積極的な私の意見は差し控えたいと思います。
○佐々木静子君 それでは私は引き続きまして、先ほど来矢田部委員からの御質問のありました金脈問題に関連しまして、若干質問させていただきたいと思います。
 まず、先日来国民の大きな世論、そして国会における野党の追及などによりまして田中総理がいよいよ退陣の表明をするに至った。しかし、その後いろいろとりざたされているところによりますと、すでに後継の首班をめぐっていろんな問題が裏で取引され、そしていろんな動きがあるというふうに私ども聞いておるわけでございまして、田中金脈を私どもいま追っているわけでございますが、それと同じようなものがまた現出したのでは、これでは一向に日本の政治はよくならない。そういう意味におきまして、私は近く行なわれるであろうかと思われる総裁選について若干質問させていただきたいと思います。
 この田中総理を生むに至った自民党の総裁選において非常なお金が飛び乱れたということは、もうすでにあらゆるマスコミにおいて報道され、私どもがいろんな人から聞いているところでございます。この自民党の総裁選、この総裁選でそれだけ巨額のお金が動いた。いま矢田部議員の御質問で、いろいろと不正なお金が動かされつつある、また動いているというようなことも、その多くが、あるいは田中派閥とはっきり申し上げていいと思いますが、衆議院選あるいは参議院選、あるいは自民党の総裁選、あるいはこの参議院選後の派閥の問題の解消などのあと始末にいろいろと費消されたということなどがいろんな新聞やら雑誌に載せられているわけでございまして、結局このように保守の政治にお金がたくさんかかるということが、卵が先か、鶏が先かというような、このきたない政治との結びつきというものを現出していると思うのでございます。
 法務大臣に伺いたいのですが、この次に行なわれる可能性のきわめて多い自民党の総裁選というものを目の前に控えているわけでございますが、そこでかりにたくさんのお金が動く、議員に対してだれを首班にするかということでお金が動くというようなことが、もうすでに私どもの耳に取りざたされているわけでございますが、そういうことに対して、法務大臣とするとどういうふうにお考えでございますか。
○国務大臣(濱野清吾君) そういううわさだけで感懐を述べることはできませんが、およそそういうようなことはなかろうと私は信じております。しかし、総裁選について金が飛ぶとか飛ばないとかいうようなことは、法律上微妙なむずかしい問題でありましょうから、政府委員から説明をして御了解を求めたいと思います。
○佐々木静子君 私どももそういうことがあってはいけないと、いまおっしゃるとおり、ないことをこいねがっているわけでございますけれども、もしそのようなことが起これば、これは大臣も好ましいことだとはむろんお考えになっていらっしゃらないわけですね。非常にいいことだとお思いになりますか、どうですか。
○国務大臣(濱野清吾君) そういうことは国家のために困るものだと思います。よいとは決して思っておりません。
○佐々木静子君 これに関連してお伺いしたいのですけれども、実は私も仕事の関係で、数年前に和歌山県の市会議長の選挙で、これも大臣の所属していらっしゃる政党のことで申しわけございませんが、自民党の市会議員の方々が党として推す市会議長候補をきめるために、その市会議員のうちの自民党の方々ばかりが集まって、そして候補者になろうとしている某氏から一席、席を設けられて食事をともにした。私はそのときに出席した保守党の市会議員から、自分は同僚の議員でありいろんな意味で非常に親しいから、つき合いのつもりで行ったのだけれども、警察では収賄罪ということで取り調べを受け、何とかこれは無罪にならぬものだろうかということで弁護を頼まれて、実はいろいろと検察庁のほうへもその事情をお話ししたのですが、いや、これはやっぱりどうあっても収賄罪だということで起訴されて、そしていろいろ私はその人の言い分も聞いて実は弁護活動もしたのですけれども、党派とかいうようなことを越えてですね、しかしやはり検察庁のほうは、これは議長候補者をきめるために、かりに自派の者ばかり集まって一席設けたのであっても、供応を受けたということだから収賄罪だということで、それは判決も収賄として、しかも一席設けた市議会議長希望者は贈賄罪として有罪判決が確定したわけです。
 これは別に和歌山のその某市における事件ばかりじゃなくて、いろいろ判例もございます。これは「判例タイムス」にも載っておる有名な判例ですけれども、東京都の都議会の議長選、これはもう大臣は東京でいらっしゃいますからよく御存じでございますけれども、このときの自派の候補者をきめる、この場合も自民党だったのですが、自民党がばらばらの候補者を議場において投票したのならば、せっかく多数の議員数を持っているけれども他の政党に負けるかわからないということで、自民党として統一してだれか候補者をきめようということで会合を持った。そしてそこに金銭が動いた。これが贈収賄事件となって有罪が確定しているわけですね。こういう事件は私がるる申し上げるまでもなく、大ぜいの方がよく知っていらっしゃるわけでございます。全国各地にそういう問題があるわけです。
 私はこの問題を考えてみますときに、この市会議長も、何もその議長選にいくに際して金銭の授受があったわけじゃない。自民党なら自民党の党の中で、だれを市会議長に選ぼうかということをきめるためにいろんなお金が動いた。これはほかのケースもほとんど全部そうです。ところが、これは東京都でもそうだし、福井でもあるし、いま私の申し上げた和歌山、もう全国各地でこういう事件があるわけですが、やはり検察庁は、大体そういう場合にこれは贈収賄になるということで起訴していらっしゃるし、最高裁の判例も贈収賄としてこれが大体固まっているように私思うのでございますけれども、この一番の権力の座に結びつくところの総裁選だけは、前回非常に、まあこんな市会議長をだれにするかとか町会議長にだれを推すかというようなそういうちゃちなお金の動きじゃない、天文学的なお金が動いているのに、そういうものに対して、これは法務大臣あるいは法務省と伺ってもいいですけれども、こまかいものには司直の手が動くけれども、大きなものに対しては全然手をつけていらっしゃらないように私は思うのですけれども、そこら辺非常に不合理だというふうにお考えになりませんか。
○国務大臣(濱野清吾君) 佐々木先生の発言のうちで、東京都のかつての事件だけは私もよく承知しております。たぶん私どもの記憶に間違いなければ、あの場合は直接議長選挙に投票してくれという意思で、そうして金が動いたという事件であろうと思います。まことに遺憾なことでございます。ただ、私ども専門家ではありませんからよくわかりませんが、党が同志とともにだれを候補者にするかというようなことが犯罪になるかどうか。それが直接議員としての権限を行なうというそういう選挙に直接関係したとするならば、これは言うまでもなく東京都の事例がございますから。私どもはやはり、かりに党の候補者について同志諸君が相談するにしても、昔から李下に冠を正さずということもございますから、これは大いに自重しなければいけない。法律関係は非常にむずかしい微妙なものでありますから、刑事局長にこまかいことはお尋ねくださるようお願いいたします。
○説明員(安原美穂君) 大体の趣旨はただいま大臣の仰せられたとおりでございまして、地方議会の議長候補を選ぶことに金銭が動いたことが、判例等におきましては、結局、実際の議員の職務の執行であります議長選挙における投票の依頼の趣旨を含むのだというのが、地方議会における議長候補を選ぶときの金銭の授受が結局は本来の地方議員の職務の執行でございます議長選挙の投票の依頼を含むから、職務に関する金銭の授受であるから贈賄、収賄罪が成立するというのが一般の判例の趣旨であろうとかように思います。
 それに比べまして、いわゆる御指摘の総裁選に関する金銭の授受でございますが、問題が非常に現実的で具体的でございますが、一般論として申し上げます場合に、まず地方議員の場合は議長そのものでございますが、御指摘のような場合においては、総理と総裁というのは一応別だ、総裁の選挙に関する金銭の授受であるという点が、国会議員の職務は総理の指名に参画することが職務でございまして、総裁を選出することは国会議員の職務ではなくて、いわば保守党の党員としての活動であるということが言えるのじゃないか。
 特に、自民党の場合を例にとって考えてみますと国会議員であられる党員もいらっしゃいますし、いわゆる私の乏しい知識でございますが、代議員といわれる方も、国会議員じゃなくてやはり総裁選挙には参加されるということになりますと、総裁候補を選ぶについての金銭の授受ということは、議員の職務に関する活動に対する金銭という報酬ではなくて、国会議員である何がしさんの、自民党員としての活動としての総裁選挙というものに対する金銭の授受であるということに一応はなるわけでございまして、それが直ちに総理の指名におきますところの国会議員の職務の執行に関する金銭授受を含む趣旨であるというふうに一がいに言い切ることには、法律的に問題があるのじゃないかと思われますが、問題は事実認定の問題でございますから、要するに総理の指名にあたりまして、国会議員に対して総理指名の投票についてよろしくという趣旨で金銭が渡されたものであるというふうに認定されますならば、釈迦に説法でございますが、贈収賄というものは成立するのじゃないかということに結局はなる、かように思います。
 なお、そういう次第でございまして、検察当局といたしましては、地方議員にはきびしく、国会議員にはやさしく寛大にということは毛頭ございませんので、御理解いただきたいと、かように思います。
○佐々木静子君 いまの御説明で、私もこれは前回、前に刑事局長がどのような考えを持っていらっしゃるかということもあらかじめ読ませていただいたのですけれども、この自民党の――自民党のというと非常に話が具体的になるので、かりにどこかの一番の大きな政党の総裁をきめるためにお金が動く、そういう場合ですね、これは総裁選挙に投票してくれということでお金が動いたというふうに、刑事局長は率直に言ってお考えになりますか。総裁選挙のときはおれに入れてくれ、しかし国会で首班指名のときは、これはもう別のやつに入れてくれてけっこうだぞと、そういうふうに言うてお金が動いたと、そういうふうに思う人はまず普通ないんじゃないですか。総裁選挙のときにおれに入れてくれということは、とりもなおさず国会で首班指名の投票のときには、これはまた別のやつに入れてくれてけっこうだという話じゃない、当然それも含んでいると解釈するのが常識で、あたりまえじゃないですか。
 先ほど出しました都議会議員の選挙の場合は、まさにその判例ですね。自民党の都議会議長候補者を選ぶためにお金が動いた。しかし、その都議会議長を選ぶ選挙というものでお金が動いたことは、とりもなおさず都議会で投票するときにも同じ人間に投票してくれという趣旨であった、これは議員活動そのものではないけれども、都議会議長を選ぶという議員の職務権限ときわめて密接に関係のある行為に伴ってお金が動いたのだからということで贈収賄になっているわけで、いま刑事局長が言われたのはこの事件において主として弁護人が主張しているところですよ、無罪を。その主張しているところを、いつの間にか検察庁のほうは全然反対のことを言われて、弁護士が主張されたことがいつの間にか法務省の刑事局長の主張になっているような感じがして、私は非常に残念に思うのですけれどもね。いつの間に刑事局長が検事をおやめになって弁護士におなりになったのかと、何だか私が弁護士しておりますので、非常に話が逆なような感じするのですけれどもね。これは国会における総理を選ぶのと全く同じことじゃないかと思うのです。そのあたり、どうなんです。
 それからもう一点、国会議員のほかに代議員がいるというお話で、現実にそうです。いまも調べてみますと前回の総裁選では衆議院議員二百七十九名、参議院議員が百二十六名、そのほかに地方代議員という国会議員以外の人が四十七名入っております。しかし、これは全体から見ると一割余りのことであって、大勢をきめるについては、国会議員のほうが八割以上を占めているわけですから、そこの話さえまとまれば、地方議員が四十七名がどっちへ投票しようと、これはあまり大勢に影響ないわけですね。全然ないわけでもないけれども、ほとんどもうこれできまるわけですね。しかも地方議員は国会の首班の指名には参加しないわけですから、ましてや、もうこれでほとんどきまっちゃうわけですね。
 そういうふうに考えると、どうも刑事局長の言われるのは理屈であって、これは日本の国民だれが見ても、総裁選でお金が動いたということは、総裁になりたくてお金が動いているばかりじゃなくて、これはとりもなおさず内閣の首班になりたくて、首班の指名を受けたい、内閣総理大臣になりたくてお金が動いているというふうに考えるのが当然じゃないかと思うのですけれども、そのように刑事局長はお考えになりませんか。大臣はどのようにお考えになりますか、いまの話。
○国務大臣(濱野清吾君) 法解釈でございますから、うちのほうの刑事局長が弁護人にいつなったかというお説でございますが、これはやはり専門家の専門の意見をお聞きくださるようお願いいたします。
○説明員(安原美穂君) 先ほど来申し上げておりますように非常に具体的な問題がございますので、佐々木先生御指摘のように、理屈じゃないかとおっしゃいますが理屈を申し上げただけでございまして、あとは事実認定の問題でございますから、おっしゃるように、これは国会議員の職務としての総理指名のための金だというふうに認定されれば収賄罪が成立すると申し上げておりますのですから、その辺で御了解願いたい、かように思います。
○佐々木静子君 この例の田中金脈の問題はほとんど時効のきている問題です。しかし、前回の総裁選はまだ二年あまりしかたっておらないわけで、これは時効は全然きておらないわけです。むろん、微妙な事実認定だと言われました。国会議員は合計で四百人ほどいるわけです。そのうち買収されなかった人もそれはいるでしょう、全部が全部どうだということは、私も国会議員の一人として、かりに党派が違ってもそう批判めいたことを言うことは差し控えたいと思いますけれども、しかし世上、いろんなお金が大ぜいの人に動いたといわれておる。その大ぜいの人が全部総裁に指名してくれということでお金を受け取った、あるいはお金を渡すほうはそのつもりで渡したとは必ずしも限ったものじゃない。私は常識的に考えて、総裁に自分を選んでくれということは当然内閣の首班に指名してくれということであり、また事実、内閣の首班の投票はそのとおり出てきているわけなんですね。
 そういうことに対して、これは何か具体的な捜査の結果、いろいろ調べてみたけれども、みんなが内閣の首班のつもりでお金を受け取ったわけではない、総裁を選ぶためにお金を受け取ったので、自分は議員活動としてお金を受け取ったのじゃなくて全く政党活動としてお金を受け取ったのだという結果、捜査権は発動しなかったのか。あるいは全然調べないで、いま刑事局長の言われるような見解のもとで、そういう考え方もできるということで捜査権を発動しないのか。そこのところはどちらだったのですか。いまちょっとそれをおっしゃっていただきたい。
○説明員(安原美穂君) その点につきましては、具体的に検察当局がどう考えたかについては報告を受けておりませんので、どうであったかということは申し上げかねます。
○佐々木静子君 それでは、これは話し合いとかいろいろ言われておりますが、総裁選というものが行なわれる可能性が非常に強い。こういう場合、またこのようないいかげんなことで司直は傍観しているのかどうか。国民がいまの金脈政治、金権政治というものに非常な不満を持っているけれども、これがいよいよというときには司直の手が国民の気持ちを代弁して動いてくれる、そして日本の正義というものが守られるんだという一縷の希望を持っているからこそ、こうして国民はがまんしているわけです。それが、また前の総裁選のように傍観しているのであれば、何だかんだというような理屈をこねまわして犯罪に何とかならないようにしようというような解釈を厳正でなければならない法務当局がもしおとりになるとすれば、これはもう国民の不満は爆発することは火を見るよりも明らかです。
 大臣、今度の総裁選に対しまして、これは大臣御自身も自民党に所属していらっしゃる関係で非常に御答弁なさりにくいのじゃないかと思いますけれども、法務大臣としてはどういう態度でお臨みになる御所信か、御表明いただきたいと思います。
○国務大臣(濱野清吾君) 先生のお説のごとく、また世論がきびしい批判のある時期でございますから、先ほど申し上げましたとおり、われわれ自民党員は李下に冠を正さず、こういう行動で行くべきであろう、こう考えております。
 それから検察当局が、金が飛んだとかというような事件に対してどうとるべきか、なるほど私は検察権の最終の責任者でございますが、しかし、御案内のとおり検察庁法というものは検事総長がそういう具体的な問題につきましては指揮することになっておりますから、この場合、私が先生の御質問についてとやかく言うことは差し控えたいと存じます。ひとり私が自民党員であるからというばかりでなしに一検察権の行使は慎重であって、しかも不偏不党である、こういうような検察庁の考えを持っておるのでありますから、検察庁を信頼して、そうして世の中にこたえてもらいたい、こういうふうに考えております。
○佐々木静子君 もう時間もありませんのでこれ以上申し上げるわけにはいきませんが、濱野さんが何故に法務大臣になられたかということを、週刊紙でも取りざたされている。私は濱野さんは非常にりっぱな方だから、このような取りざたは杞憂に過ぎないと。それを事実でしっかりと示していただきたい。そうして国民の信託にこたえていただきたいということを強く要望したいと思います。
 それからきょうは田中金脈について続いてお尋ねしたいと思って、住宅公団あるいは建設省にもお越しいただいたのですけれども、ちょっとほかの質問との時間の関係で時間がなくなりましたので、また別の機会にお尋ねさせていただくことにいたしまして、ただ一言、これは国税庁にお伺いしたいのでございます。
 この総裁選にこれだけお金が動いて、しかもこれは実は田中総理御自身で言われる刎頸の友である小佐野賢治さんが、田中内閣が実現したその直後に「財界」という雑誌の一昨年の八月十五日号で、自分と田中総理との関係を書いておられるけれども、ここにこういう文章があるわけです。
 「さきの電建にしても、戦争中からの田中土建にしても、越後交通の株にしても、彼はすべて売り払って政治に叩き込んできた。こんどの総裁選にしても、こうした蓄積がモノをいったはずで、彼が頭を下げて財界から資金を集めたわけではない」、そうして「『選挙資金その他、政治にかかる金はどうしている』と大臣に聞いたら『もちろん応援してくれる人はあるが、大部分は自分がかつて買った安い土地を処分したものだ。これは平均して二千倍には値上りしている』と答えた」ということが載っているし、そのあとに、二千倍どころではないであろう、もっと値上がりしたであろうということが載っているわけですね。小佐野さんはいまも言ったとおり非常に親しい、家族以上の親しい間柄です。こういうふうな話が、これはここだけではない、いろいろなところに載っている。
 そうすると、これは総理の所得とは全く合わないわけです。不動産を売ったところで、不動産を売ればまた所得税がかかる。そういうことについて、国税庁は全然この時期においてほったらかしにしておった。総裁選で動いたお金をどのように国税庁が追及していたのか、時間ないですが、お答えください。
○説明員(磯辺律男君) 総裁選にからんで動いたといわれるお金の追及は、正直申しましてお金の問題についての追及はいたしておりません。と申しますのは、こういったいわゆる政治資金というのは、先生御承知のように私どもは雑所得として計算するわけでございますけれども、その収入と支出につきましては、ほとんどそれは政治資金、政治活動のために支出された資金であるということになりまして、それが結局雑所得としてはゼロになるというケースが非常に多うございますので、そういった政治活動の資金についての追及というのはほとんど、正直申しましてやっていないというのが実情でございます。
○佐々木静子君 私は支出のことを聞いているのではないですよ。その元を聞いているのです。支出するには元のお金がなければだめなわけで、それが財界などから集めたのはわずかであって、自分の財産が二千倍以上にふえたから、そういうようなものをどんどん処分して総裁選に当てたのだと、一番親しいといわれる小佐野さんが書いているわけですよ。それだったら当然に――支出がどうだというのじゃないですよ。私らなど一般庶民は微々たる五坪十坪の土地を売っても、それはいままでの勤労所得に対してさらに不動産所得として重なってくるわけです。だから、うっかり売ろうにも売れないわけですよ。そんな微々たる庶民のものにはそういうふうにかかってくる。これはたくさんの不動産なりたくさんの株を二千倍、三千倍に上がって売って、それで総裁選に臨んだと書いているのです。この人ばかりじゃない、一ぱい書いてある。何にも手をつけないのですか。こんなものがほかの庶民でちょっとでも出れば、税務署はわあっと来ますよ。どうですか、そのことについて。支出を聞いているのじゃないですよ。支出の元になるお金、しかもこれは個人の財産を処分したということをはっきり小佐野が言っているのです。そのことについて国税庁はどう考えているのですか。
○説明員(磯辺律男君) 小佐野さんがそういうふうに言われたというのは私初めて聞きましたけれども、確かに田中さんは、かつて過去の財産を運用されたというふうな話はよく聞いております。したがいまして、必ずしもここで、どういうふうにそれを調査してどういうふうに追及したかということを、はっきり申しまして自信を持ってお答えする自信は私はございませんが、しかし、そういったことは現在の調査の過程でまた洗い直しておるというのが実情でございます。
○佐々木静子君 いま洗い直しておられるということはけっこうで、どんどん洗い直していただきたい。と同時に、これは田中総理に限った問題じゃない。もういま次期総裁選を目ざしていろんな動きが内部にあるということは、われわれ一年生議員である野党議員の耳にまで入っているわけです。そういうことに対して、もうほんとうの零細企業の何だとばっと税務署は飛びかかってくる。いまこそこういうところに税務署はもっともっと大きく目をつけてもらわないと困りますよ。ちゃんと今度の総裁選、あるいはこれは話し合いでなるにしても、その裏で動いたお金についての調査はいま現にやっておられるかどうか。どうですか、いまやりつつあるかどうか。
○説明員(磯辺律男君) 今度の総裁選にからんでの調査ということはやっておりませんけれども、いまいろいろと国会で問題として取り上げられ、また世上いろいろ言われておりますその問題については、いま鋭意調査をやっております。
○佐々木静子君 そうすると、これからお金が動くのではないだろうか。私どもは希望してないけれども万が一にも動いたときには、責任を持って国税庁はやりますか。もしやらなければあなたも共犯だと私は言いますよ。ちゃんとやれますか、どうですか。そういうことが次の国会で問題になるような事態をもし起こしたならば、国税庁、あなたの責任だと思いますよ、あなたは国税庁を代表して出てきておられるのだから。責任を持って追及できるというお答えができますか、どうですか。ここで約束してください。
○説明員(磯辺律男君) 政治資金の収入とそれから支出につきましては、私たちはできるだけの努力をしてその実態を解明いたしまして、まず出したほう、それから受け取った方、そういったことについて、どういうふうな経路でそれが支出され、そして受け取った方はそれをどういうふうなかっこうで受け取られて、そして政治活動のために使われたかどうか、それから同時に政治活動に使われずに私的費消に使われてないかというふうなことを調査するというのが、私たちの政治資金に関する税務調査であります。
 これは実は先生御承知のように、四十一年に政治資金に関する課税所得というものは雑所得というふうにはっきりいたしまして、その計算方法も各国税局、税務署のほうに通知をいたしまして統一したわけでありますが、その後四十三年ごろまでは国税庁のほうで直接管理しておりました。しかし、これはだんだんまた現場の処理もなれてまいりましたので、現在はそれぞれの第一線の税務署のほうにまかしておるという状態であります。しかし、最近またそういったいわゆる政治資金というものに対する問題が世論を騒がしておりますので、私どもといたしましては、再びこの問題についてまたもとに戻りまして取り組んでまいりたいとかように考えております。
○佐々木静子君 それではこういうことが国会で再び論議されることがないように、ひとつしっかりやってもらわないと困るということを強く要望して、時間がないので次の質問に移ります。
 これは大阪で起こりました運輸労働者の殺害事件、片岡運輸の労働組合の幹部が殺害された事件に関しまして、私は若干お尋ねをいたしたいと思います。
 昭和四十九年の十一月十六日、大阪府で片岡運輸株式会社の労働組合の幹部であるところの植月一則さんという方が、これは九月の二十七日に会社へ出勤して、その途中で行くえ不明になっていろいろと心配されておったところ、この殺害の事実が明らかになって非常に大きなショックが与えられたわけでございます。しかもその殺害の方法が、同じ勤務先につとめている者が出勤途上でこれを拉致し、しかも擬装工作の退職届けを書かせ、そして惨殺して造成地の中に埋め込んで死体を隠した。そしてその間にあらゆる擬装工作をやったという、まるで新しい犯罪のパターンのようなものでございますけれども、これは私ども非常にその犯罪の残忍性あるいは計画性というものを考えるについて、全くはだ寒い思いがするわけでございます。これは同じく大阪で、その直前にようやく解決したばかりの、またこれ残忍な事件である大阪電解連続殺人事件というのがございまして、むしろそれがやはり単なる失踪事件じゃなくて、非常に計画的な殺人事件であって、その死体が発見されたから捜査がようやくにして軌道に乗った、そしてこの事実がつかめたというふうな状態でございます。
 この事件で一番問題となるのは、この片岡運輸という会社に新しくできた労働組合と激しく会社側が対立してきた。そして会社側の、この犯罪、被害者の植月さんが失踪してからこの事件が発覚するまで、また発覚後においても非常に不審な点がたくさんある。これは単に労働組合の側がそう言うばかりじゃなくて、有力紙すべてがこのように報じている。じゃま者は殺せという、完全な人間喪失とか極端な人権無視、そして会社の利益追求、あるいは組合をつぶそうという野望のもとには何をやってもかまわないという、おそるべき黒いものがうしろに隠されているのではないか。そういうことで、非常に私ども不安におとしいれられた事件でございます。
 この事件について、私も死体が発見されたという現地、これは堺・泉北の七区でございまして、いま造成中でブルドーザーが大きな響きを立てております。この同じ泉北で、私先日質問させていただいた光明池団地、これもやはりもう少し奥地へ入ったこの泉北で、大きく土地が掘り返されて、この田中ダミーが何億何十億ともうけたという土地の、そこでブルドーザーがやはり大きな響きを立てている。坪二百円やそこらで農地をだまし取られた農民の嘆きや怒りや泣き声が、そのブルドーザーの土の底からわき返ってくるような感じがするわけでございますが、この両方を見ましても、その一方では、労働者の権利を守るために一生懸命にやってきたまじめな労働幹部が、会社の一つの目的のために、じゃま者は殺せということで殺されて、そしてブルドーザーで掘り返される土の中にほうり込まれる。一方では、権力の座を握るために、何億という金を集めるために、多くの農民が、ただ同様で土地を奪い取られた人間が、そこで殺されこそしなかったけれども、泣いている。これがいまの日本の荒廃した真の姿じゃないか。
 このような一刻も許せないおそろしい姿というものを、私はこのブルドーザーの響きを聞きながら感じたわけでございますが、さりとてこの不安な、一日も放置しておけないようなこうした状態、こういうことに対しまして、大阪ばかりじゃない、全国の労働者、特に中小企業、零細企業における労働組合のあり方というようなことが、労働組合というものに対する認識、企業者側がともかく組合運動をしようと思う者はもう殺してしまえというような非常に極端なやり方というものに対して、これは黙視することができないわけですが、まずこれは労働省に伺ってみたいと思うわけです。
 労働省はこの事件をいつお知りになり、そしていまこのような事件について、これはこの片岡運輸ばかりじゃない、私は大阪選出なので、大阪でも平岩運輸その他同じような運輸労働者がこういうような問題に取り組んでいる、またそれは運輸労働者ばかりじゃなくて、さまざまな中小零細企業の労働運動をやっている人たちがたいへんな危険な状態に置かれておる。そういうことに対して労働省はどのような行政指導をしてこられたか、いままたしなければならないと思っているのか、時間がないので要約してお答えいただきたいと思います。
○説明員(松井達郎君) お答え申し上げます。
 この事件につきましては、これは本年春の初めごろからこの片岡運輸に二つの組合ができまして、それで全自運の組合との関係では、交渉におきましては、組合事務所を貸与する、こういうような協定ができましたところ、間もなくその協定につきまして、これについては会社側は変更ということばを使い、組合のほうは破棄ということばを使っておられますが、この協定の履行をめぐりまして問題ができまして、それから交渉がこじれ、労使関係も緊迫化してまいったのではなかろうかと思います。それで、この全自運のほうの組合では、大阪の地方労働委員会に団体交渉拒否について不当労働行為の申し立てをする、続いてまたことしの秋になりまして、交渉の過程で起こりました問題について再び大阪地労委へ申し立て言をする、こういうような事件が重なりまして、この会社における労使関係は非常に緊迫してまいったわけでございますが、その間に、いま先生御指摘の副委員長さんでございますかの失跡事件、続いてこれが殺害事件として判明されてきたわけでございますけれども、これが新聞紙上に大きく報道され、クローズアップされてまいったわけでございます。
 私どもとしましては、このような報道がありましたので、きわめて事態を重視しまして、大阪府のほうへは事態の把握につとめるように要請してまいったわけでございますが、これにつきましては先般、全自運のほうからも労働省においでになりまして、この事件について申し入れを行なわれるとともに、さらに事態の究明、片岡運輸に対する指導の強化というようなことを申し入れられたわけでございます。私どもとしましては、このような暴力事件というものが直接労使関係の紛争にどのような関連があったかという点につきましては、目下警察当局の手にゆだねられておりますので、その解明を待つことといたしたいと思いますが、何にしましてもこのような労使関係におきまして暴力事件が起こるということはきわめて遺憾なことだ、こういうふうに思っております。
 先生全般的な傾向ということでお話しになりましたが、私どもといたしましては、全般的に見ますと大部分の企業では労使関係というものはうまくいっておるとは思いますが、一部ではこういう傾向が見られますことは非常に残念なことだと思っております。それで、これは私どもとして見ますと、大体昨年ぐらいからこういう傾向が出てきておるのじゃないかと思いますので、何にしましても暴力事件ということは、いかなる背景があろうと、いかなる動機があろうと、これはぜひとも避けてもらわなければならぬということで労政機関、労使関係者に対して呼びかけと申しますか、指導を強化してまいっておるところでございますが、本件につきましても、このような事件が起こったことでございますので、大阪府の労政当局に対しましては、このような点を念頭に置いてさらに一そうの不法な事件あるいは暴力事件の防止のために関係者にPRを徹底してくださいというようなことを申し入れているところでございます。
○佐々木静子君 じゃ捜査に当たっている警察庁に伺いたいのですが、この事件が起こった九月の二十七日、午前三時四十五分に被害者となった植月さんは元気に奥さんに送られて家を出て出社した。そして永遠に帰ってこられなかった。そして奥さんのほうでは、その日の夜の八時までには帰ると思っておったが帰ってこないので、翌朝会社に電話をして初めて植月さんがその日に会社に出社しておらないということがわかった。そしていまの御説明にもあったような全自運その他組合にもすぐ連絡して、これはたいへんなことだ、当時は誘拐されている、監禁されているというふうなことから組合側としても大騒ぎになった。そして捜査を依頼したけれども、なかなか思うように警察が動いていただけなかった。そういうことに対して非常に被害者の方あるいは全自運の組合の方々にしてみると、この事件の捜査についてはたいへんに多くの不満を持っているわけでございますが、その捜査に関して捜査の経過を、時間がありませんので簡単に警察のほうからお話しをいただきたいわけです。
○説明員(半田博君) 本件につきましては、九月の二十九日に植月一則さんの妻の幸代さんと第一組合分会長の高瀬晃さんの両人が河内署に来られまして、植月さんが九月二十七日午前四時十五分ごろライトバンで自宅を出て、勤務先に向かったまま所在不明であるという旨の家出人保護願いが提出をされたわけでありまして、同署ではこれを受理いたしまして、大阪府下全署に対しまして非公開で捜索の手配をして捜索につとめておったということでございます。その後会社側のほうからも、十月の十二日に至りまして茨木署のほうに植月さんの保護願いを提出したということでありますが、労使双方及び植月さんの奥さまのほうも、家出の動機等についてはよくわからないというふうな申し立てであったというふうに聞いております。
 その後十月の二十六日に、植月一則さんの奥さまその他労組の方が河内署に来られまして、これは単なる蒸発事件とは思われない、行くえ不明後の経過が不自然であるというふうなことを申し立てられて、被告発人不詳として植月さんに対する逮捕監禁及び強要罪で告発があったということで直ちに、捜索をいままでやっておったわけですけれども、これを捜査体制に切りかえまして捜査を遂げました結果、これは会社側、組合側その他いろいろ情報収集等をいたしまして、十一月の十二日に被疑者の田辺孝寛、片岡運輸の茨木営業所のトラックの運転手二十七歳、これに対する逮捕監禁事実につきましてその容疑がはっきりいたしましたので、逮捕令状の発付を得まして、十六日の午前零時三十五分に被疑者が自宅に立ち回ったところを逮捕いたしたのであります。これを取り調べてみますと、被害者の植月さんを殺害をして、堺の臨港地帯の埋め立て地に埋めたという旨を自白をいたしました。この自白に基づきましてそこを検証いたしますと、被害者の遺体が発見をされた。そこでこれを十一月十六日夜に殺人死体遺棄罪で再逮捕をいたしたわけであります。
 調べてみますると、これは本人一人じゃとてもできないことではないかということで追及をいたしますると、暴力団の矢倉組の若い衆、水野某あるいは工藤某及びその他一人のものに手伝ってもらった、こういうふうな犯行を自白いたしたのでございます。そこで裏づけ捜査の結果、暴力団矢倉組の工藤こと駒野翼三十一歳と、水野こと柏木孝夫三十三歳、この二人がまず判明をいたしましたので、この二人につきましては、十一月の十七日に逮捕状の発付を得て捜査をいたしておりましたところ、両名とも同日、堺北警察署に出頭をしてまいって、柏木を午後三時二十五分に、駒野を同三時三十分にそれぞれ逮捕いたしました。その後いろいろ幅広い捜査をいたしておりまして、いま一人の被疑者はだれかということをやっておったわけでありますが、これがようやく判明いたしまして、それは愛知県の春日井市に住所を持つ星山こと「一吉という三十一歳の男である。職業はダンプの運転手である、こういうことが判明いたしまして、十一月の十八日に逮捕状の発付を得まして、十九日の午後九時十五分に被疑者の自宅でこれを逮捕している。
 現在、背後関係についてはいま真剣に、捜査を進めておるところでございます。
○佐々木静子君 この背後関係ですけれども、いま現実に手を加えたであろう人、駒野、柏木あるいは「の逮捕のことは聞きましたけれども、これは非常に会社がからんでいるということはいろんな関係からあまりにも――会社がからまずにはこの事件は発生しなかったのではないか。非常に不審な点が多い。
 たとえば予備運転手も持っておらないような小さな運輸会社で、本人が出勤しなかった。朝の八時までに名古屋へ納入しなければどうにもならない品物があるのに、だからこそ本人は午前三時四十分に家を出ているのに、それが着いておらないというのに、ちょっとでもおくれたら電話をかけてくるのが全然電話もかけてこないで、八時ごろに別の運転手にすぐ乗らせて行っている。しかもそのトラックには、もう荷物もちゃんと積んで名古屋に行くべく準備をしている。そしてそのトラックには予備キーがないのに、一つだけのキーは被害者である植月さんが持って出勤したのに、ちゃんとそのトラックは動いておる。そこら辺にも非常に多くの疑問がある。
 それから退職願いというものを、これは犯人の自供によっても本人は殺害直前に書かされているわけですけれども、それが郵送されたと家族に言っているけれども、郵送されたなら当然封筒がなければならないのに、表書きの筆跡、あるいは消し印がどこかということ、これは家族としたら必死なことだから、たいへんに家族もそれから同僚の組合員も心配しているのに、ついにその封筒というものを会社側は提出しない。それから擬装の電報が三回入っているわけですね、二回は奥さんに、一回は組合の分会長に。ところが、奥さんのほうへ二度目に来た電報は、来たということをだれにも言っていないのに、会社のほうから電報が来ているはずだけれどもどういう内容だったかと聞いている。そのほかあげてみれば切りがないほど非常に不審な点が多い。
 しかも、この加害者で主犯であることの明らかな田辺という男は、これはやはり運転手として入社している。しかし、いつでも一万円を何十枚かというような札束をポケットに入れている。しかもほとんど出社しておらない。自供によっても、自分は東京へも行っている。北海道へも行っている。その間会社は野放しにしている。大体その男がそれだけのお金を持っているはずがない。しかも殺し屋を三人まで雇っている。そうしたお金の出どころがどこにあるのか。これは最も利害関係のあるところのこの企業側にあるということは明らかなことです。
 さらにまだ話を進めれば、この間連続殺人のあった大阪電解と非常に関係の深い親会社、私はあえていま名前を言いませんが、この親会社からも、この組合はどうあってもつぶせ、つぶさなければ取引を停止するぞというようなことまで言われている。うしろにいろいろな黒幕があったであろうということが明らかであるにもかかわらず、まだそういうふうな程度の捜査がわれわれの目から見ると思うように進んでおらない。そういう点について鋭意いま捜査を進めておるのかどうなのか。もう時間がないですから、一言簡単に言ってください。まだ進めておらないとすれば、これから先どのように取り組んでいくのが。私の持ち時間がありませんから長々答弁しないでけっこうです。やるかやらぬかを答えていただいたらけっこうです。
○説明員(半田博君) ただいま御指摘になりましたような事実はもちろん私どもも十分考慮をいたしまして、鋭意捜査をいたしております。ただ、いま捜査が非常に微妙な段階にまいっておりますので、こまかいことを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○佐々木静子君 労働基準局がお越しになっていらっしゃると思うのですけれども、まずこの被害者の植月さんですね、これは就業中になくなったという、そのものではないけれども、それとまずほとんど同じ状態である。普通だったら午前の三時四時といえば家であたたかくして寝ている時間に、会社の業務のために出勤して、そうして会社の近くでトラックのキーを持ったまま会社の同僚の田辺という人間に、これはおそらく頼まれてだろうと思うけれども、殺害された。そういうふうなことから考えると、この事件は当然に労災の適用をしていただきたい。
 まずそのことを第一点に強く要望すると同時に、このような暴力団を、この共犯者というのはもうれっきとした暴力団員で、この暴力団を会社に、職制側にあるいは二組に採用して暴力行為に及ぶというこういうやり方、こういうやり方はもう絶対にこれは労働省の責任においてもそういうことについてきびしく監督していただきたい。
 それとこのような違法な行為によって労働者を圧迫するようなこの片岡運輸に対して、これはまず基準局からぜひとも特別監査をしていただきたい。
 この三点について強く要望するわけです。時間がありませんから、その三点について簡単に答えていただきたい。
○説明員(山口全君) お答えいたします。
 ただいまの御質問でございますが、まず被災者の救済について、労災保険上何らかの措置ができるかどうかという点でございますが、一つは、先生いま御指摘のとおり、使用者の支配下にあったかどうかによりまして業務上災害か、いなかという問題が検討されると思います、さらにもう一つの立場としましては、昨年十二月から施行を見ております通勤途上災害、これに該当するかどうかという二つの問題があろうかと思います。
 ただいま、先ほどからお答えが出ておりますように警察当局においても捜査中でございますし、私ども管轄の茨木労働基準監督署におきましてもこの両面について調査中でございますので、確定的なことを私申し上げる段階にまだ至っておりませんが、一つは、先生お話しのとおり早朝に出勤を命ぜられているという事実がございますので、それが通常の労働慣行に照らしてどうなのかということを含めまして、いわゆる使用者の支配下に入ったのかどうかという点から業務遂行性ないし起因性について判断をしたい、こう思っております。それから第二の通勤途上災害に該当するかどうかにつきましては、まさしく通勤途上にあったことは事実のように存じますけれども、通勤に通常伴う危険が具体化したということに該当するかどうかという点について詳細な調査が要るかと存じております。この二点の調査を早急に行なうよう大阪労働基準局長に指示してございますので、調査結果を待ちまして別途先生に御報告申し上げたい、こう思っております。
 なお、他の二点につきましては私直接の所掌ではございませんが、先ほど法規課長からもお答えがありましたように、まさしくかかる事故についてはきわめて遺憾なことでございますので、所管の課長ないし基準局長に対しましても、先生御質問の趣旨を十分伝えまして、監督その他に遺憾のないようにしたい、かように存じます。
○佐々木静子君 時間がありませんので続けますが、これは片岡運輸ばかりじゃない、全部の労働者の問題である。またこの片岡運輸の問題は、非常に凄惨な犯罪史上まれに見るような残酷な事件である、そういうようなことで、これはほんとうにほっておけないということでいま国会で取り上げさせていただいたわけですが、やはりこれと同種の事件が、殺害にまで至っていないけれども、この間も大阪で全港湾に所属している上組、ここでやはり争議が起こって、そしてこの全港湾が九月ごろから労使関係が険悪になって、十月から労働争議に入っている。
 そして十月の二十八日の日に、この上組が下請をしているその最大の荷主であるところの三井物産大阪支店に、全港湾の大阪府の委員長である山本敬一氏、これは社会党の大阪府連の元の副委員長であり、大阪府会議員を長くつとめて国会議員の候補にも出た人ですけれども、この人が三井物産の大阪支店に関西地連の安松書記長と一緒に行った。そして話をして――それまでにもいろんなことがあって私もいろいろ聞いておりますけれども、三井物産の玄関へ出たところ、約二百人ほどの、これは上組の雇った暴力団まがいの人間に取り囲まれて、そしてなぐるけるの大事件になった、お一人はけがはしたけれども、幸い前の事件のような殺害というようなところまではいかなかった。というのは、幸いに三井物産の警備員の人たちが中へ入って、何とかそれをとめてくれたので極端な事件にまではならなかったわけですけれども、しかしそれとて、もう二百人もの暴力団まがいの人に襲いかかられてたいへんな惨事が起こるところでした。
 そういうことで、これは当然労働者として労働組合として守られている権利行使をするについて、この理不尽なことをやっている企業側が暴力団を雇って、そして暴力行為に及ぶ。そういう事柄について、これは労働省もさらに前向きの姿勢で、労働者が安心して働ける、また労働法できめられているところの権利を安心して行使できるような労働行政を行なっていただきたいと思うとともに、この上組の件も、これは警察庁のほうも非常に大阪府警その他取り組んでいただいているとは思いますけれども、こういう暴力行為に対しては、これはもう一日もみんな安心して過ごせないのですから、ともかく早く手を打って、この悪質な暴力事犯というものは摘発していただきたい、そのように特に強く要望します。
 こういう事案に対しまして、法務大臣、これは働く者が安心して働ける、市民の人権が守られる社会をつくっていくために、法務省としても鋭意前向きで取り組んでいただきたいと思うわけですけれども、最後に大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(濱野清吾君) ただいまの事件は具体的なことでございまして、まことに遺憾なことでございます。人権問題につきましては法務省でもそれぞれ努力しておるようでございますが、具体的なことは局長なりあるいは刑事局長なりにひとつ説明を願いたいと思います。
○説明員(萩原直三君) お答えいたします。
 先ほど来お話しの片岡運輸のケースにつきましては、われわれといたしましても極力情報の収集につとめておりますが、まだ実態を十分に把握いたしておりませんので、そのことについてわれわれの意見を申し述べることができないのははなはだ残念でございますけれども、それ以外の労働組合あるいはその他労働権の侵害に関する事案につきましては、かなりの数が法務局に申告され、あるいは法務局が情報を得て調査している事案がございます。その一つ一つを御報告申し上げる時間がございませんが、私どもといたしましては一番多く扱いますのは、一つの会社の中に二つの組合ができまして、その間に抗争が生じて、その抗争の間に暴力事犯が続いておるというのが多いのでございます。私たちといたしましては、労働者に団結権、団体交渉権があることは当然でございまして、どのような立場からにせよ、その組合員に対して脱退するように強要するとか、あるいはいやがらせをするとかいうふうなことは、まさに人権擁護上看過できない問題でございまして、極力そういうことのないように、私どもの立場から調査し、排除措置、説示その他の処置をとって、少しでもそのような問題について、労働者側あるいは会社側が労働権を十分に尊重するようになることを期待して日々つとめておる次第でございます。
○委員長(多田省吾君) 午前の質疑はこの程度にとどめます。
 午後二時再開することにして、休憩いたします。
   午後一時五分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十四分開会
○委員長(多田省吾君) ただいまから法務委員会を再会いたします。
 休憩前に引き続き、検察及び裁判の運営等に関する調査を進めます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○白木義一郎君 初めに法務大臣にちょっとお尋ねしたいのですが、先ほど佐々木委員の質問の中で、法務大臣としての今後のお考えあるいは姿勢ということで御答弁があったわけですが、繰り返し李下に冠を正さずと。私は文学論をするわけじゃないのですけれども、外国にいるような気になりまして、もう少し日本的に法務大臣の、李下に冠を正さずという決意あるいは心境を御説明を願いたいと思います。というのは、御承知のとおりのような現状で、最も大事な、それこそフットライトに照らされているような法務大臣という立場にみずからおつきになったわけです。相当な御決意と、あるいは現実的な問題に対して責任ある立場で、相当な決意と長い政治家としての経歴をもとにして法務大臣という重要な立場におつきになっただろうと、こう考えるわけですので、その点、最初にもう少しわかりやすくお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(濱野清吾君) 先ほど佐々木先生からいろいろと御指摘があり、あるいは御意見の開陳がありました際、総裁選挙というものの関連において、それが贈収賄になるかならぬかというようなお話でございました。それがなるかならぬかの問題は法律上の解釈でございましょうから、私からは申し上げられません。ただ、少なくとも社会からあるいはまた国会の一部からそういうような疑いを受けるような問題につきましては、桃の木の下でたとえどうあろうと冠を直すようなことはしないがいい、すなわち疑いを受けるような問題はお互いに慎まなければならぬ、そういう意味で先ほど李下に冠を正さずと、こういうことを申し上げたわけでございます。
○白木義一郎君 濱野さん御自身の決意あるいは政治家としてのあり方については、それで当然だろうと思うのですが、いまのあなたの立場は、非常に冠の中に日本中の国民が疑惑を持っているわけです。すでにその帽子をかぶっていた田中さんは辞意を表明しているというような現況ですけれども、その帽子の中に何が入っているかということを法務大臣としてこの際積極的にその職責上明らかにして、責任を果たす御意思を持っていらっしゃるかどうか。まあ佐々木委員とも先ほど懇談したときに、法務大臣は留任されるといいなというようなことも話したのですけれども、いつまでも御健在であっていただきたいわけですが、留任中に法務大臣としての仕事をおやりになるのは当然だと思うのですが、当面の問題は、この正すか正さないかという問題をいま世界中が注目をしているわけです。
 で、大臣あなた一人そういう決意で今後政治家としての生涯を貫いていかれることは、これは当然のことだと思いますが、法務大臣として、いま国民は金脈問題を一日も早く納得いくように明らかにしてもらった上で、インフレあるいは低福祉あるいは公害、そういったような問題に政府並びに政治家が真剣に取り組んでもらわなければ困るという、そういう現況もよく御承知のことだろうと思います。そういうことも含めて、田中問題といいますか、金脈問題に対して、重要な立場にある法務大臣としての、平たく言えば仕事ですね、これに対してどういう覚悟、決意をお持ちになっているか、初めにお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(濱野清吾君) 前段の項でございますが、白木先生の質疑の中で、冠の中に何が入っているかわからぬというようなお話でございますが、そういう意味じゃございません。冠を直す、かぶり直すとかなんとかという動作に出てはいけない。真偽のほどはわかりませんけれども、田中総理がいろんな疑いを市民からも受けております。それは私真実だとは考えませんけれども、いやしくもそういう疑いを受けるようなことは今度の総裁選挙ではなってはいけないのじゃないか、断じていけない、こういうことを申し上げたわけであります。ですから、佐々木先生に申し上げたこととちっとも違いません。
 それから今後の政治の課題として、物価の問題とかというような問題が中心になることはもう言うまでもございません。堂々と政策で争うという、そういう姿勢をとるべきだという先生のお話については、全く同感でございます。
○白木義一郎君 要するに田中総理という最高責任者が、どうもスモモのなっている木の下でこうやったらしい、それであの帽子の中にスモモを隠しているのじゃないかという疑惑が、非常にいま金脈問題というときに起きているわけですよ。ですから濱野さんとしては、まあ自民党の最高の古い実力者としては当然こういう席でそうおっしゃるのはわかるわけですが、法務大臣としていま、そういう隠しているらしいぞ、スモモをと、あなたからそういう文学的な発言があったから私は申し上げているのですが、その帽子を取って、ほれごらんのとおりスモモなんか隠していませんという方向へ持っていくべき立場、それが検察当局の最高の責任者である法務大臣のあなたにあるのじゃないか。その大事な仕事、国家的な、これからの日本国民の人心を収攬するというような意味、また、政治の不信を取り返すという意味でも非常に大事なことじゃないかと私は思います。それで、その職にある法務大臣の金脈問題についての取り組み方、あるいは消極的な態度で時をかせいでいくのか、それとも大臣の権限をもって積極的にその疑惑を晴らすために指揮をとっていかれるかという点をお尋ねしているわけです。
○国務大臣(濱野清吾君) 冠のほうは、もう何も入っておりません。私ちょうど頭のこの辺のようでございまして、毛もなければスモモもございません。ですから、この点は御信頼くださるようにお願いしたい。
 ただ、法務大臣として今度のもろもろの事件についてどう臨むかと、こういうお尋ねのように拝承いたしますからお答えいたしますが、私は法務大臣としての筋を通す、法秩序はあくまでも維持していく、国民のあらゆる権利という問題につきましてはこれはどこまでも守っていく、この姿勢でまいりたいと、こう考えているわけでございます。それ以外には何も考えません。
○白木義一郎君 大臣のかぶっている帽子の中にどうもスモモが隠されていると、そう申しあげているのではないですよ。誤解されて、それこそもしほんとうになかったら私の食言ですからね、そういう意味じゃない。いまの金脈問題です。そういうわけですから……。
 そこで、筋を通して法務大臣としての責任を全うしていくかたい決意をお伺いしましたので、そのお考え、御決意をもとにしてこれから私は若干の質問をしたいと思います。
 会計検査院法の第二十四条に「会計検査院の定める計算証明の規程により」という条文がありますが、この計算証明の規程とは一体どういうものなのか、わかりやすくひとつ御説明を願いたいと思います。
○説明員(石川達郎君) 院法第二十四条で定めます計算証明についてのお尋ねでございますが、院法三十八条に「会計検査に関し必要な規則は、会計検査院がこれを定める。」このいわば規則制定権というものが権限として与えられているわけでございます。そこで会計検査を行なうにあたりまして、各省各庁の会計経理の適否、これを調べるためには、まずは書面検査によらざるを得ないわけであります。この書面検査は在庁して行なう検査でございますが、その在庁して行なう検査にあたりまして、各月の計算書、さらにそれに関する付属証拠書類、こういうものを徴する必要があるわけでございます。その定めをしているものが計算証明ということに相なろうかと存じます。
○白木義一郎君 それでは計算証明規則第十九条の五に「国税収納金整理資金徴収額計算書の証拠書類等は、会計検査院が別に指定する。」というふうに載っておりますけれども、その御説明を願いたいと思います。
○説明員(高橋保司君) 私から説明申し上げます。
 先ほど計算証明というものの一般的な説明がございましたが、計算証明規則第二条によりますと、計算書を出し、計算書に伴う証拠書類というものを添付して、歳入歳出、収入支出その他資金の動きについての証明をわがほうにすることになっております。原則はすべての証拠書類をつけて計算の内容を明らかにするということが原則でございますが、検査の実態からいたしましても、また証明側の実務上からいたしましても、すべてを取るということは必ずしも必要でないということがございまして、これは国税の場合にも同様でございまして、国税関係の国税収納金整理資金と申しますが、これにつきまして全部取るというようなことになりますと膨大な書類を提出しなければならぬということになりますが、それではお互いに実益のない結果になることも考えまして、別に会計検査院の指定するところによって、証拠書類の一部を省略して証明をするという規定でございます。
 その規定によりまして「指定」というのがございますが、ここでは何を指定しているかと言いますと、まず証明期間というのがございます。証明期間というのは、一月分であるとかあるいは四半期分であるとか、一年分であるとか半年分であるとかというものでございますが、原則としては一ヵ月分ということになっていまして、国税の場合にもこれには変わりありません。
 それから、いつまでに証明しなければならぬかということがまたございます。それは原則は、収入支出の行政上の処理が行なわれてから三十日以内にそれを行なうというのが原則でございますが、国税の場合には、三十日のものもございますが、六十日のものもあるという指定が別にございます。
 それから最も大事なのは証拠書類の一部省略の点でございますが、先ほど申し上げましたような事情によりまして、すべてを取るのではなくて、ある一定額以上のものについて証明をさせるということで、たとえば所得税におきましては、事業所得一千万円以上のものにつきまして申告書、収支計算書、決議書等をつけて証明をさせる。また、たとえば法人税につきましては四つのグループに税務署を分けまして、資本金額と基本税額とに限度を置きまして、それ以上のものについて、たとえば麹町税務署の場合には、資本金額三千万以上であるか、基本税額が二千万以上のものであるか、そういう基準をこえる場合に当該法人税に関する証拠書類を出す、こういうのが指定の内容になっております。
○白木義一郎君 そうしますと、検査に必要な書類は、限りなく膨大なときに検査するに必要な書類を指定するとか、あるいは期日を指定するとか、そういう指定を別に指定なさるという意味ですね、この十九条は。
○説明員(高橋保司君) そのとおりでございます。
○白木義一郎君 わかりました。そうしますと、今度のような問題が起きますと、大蔵省あるいは国税庁は検査院のほうに書類を報告されるわけですね。今後も毎月あるいはそれに準ずる期間を置いて検査院へ大蔵省のほうから提出をされる。そのように思うのですが、今度の金脈問題に限って、そういう報告の書類を検査をなさらなきゃならないし、また、する必要があるだろうと思いますが、現在非常に疑惑を招いているこの金脈問題に関する検査の状況をちょっと御説明を願いたいと思います。
○説明員(高橋保司君) 参議院の決算委員会におきまして事務総長から、関連企業として十五社の名前をあげました。関連企業という特別の定義があるわけではありませんが、しいて言えば田中角榮氏個人の、かなり顕著な意味におきまして個人的な経済活動の行なわれる範囲の法人とでも言ったらいいかもしれませんが、そういうことになりますともう少し広い範囲になるかもしれませんが、今回新聞雑誌、それから国会の論議を通じましていろいろな論点、資料が提供された形になっていますが、それをずっと拾ってみますと大体十五社ということで、十五社の名前をあげた次第でございます。
 それで、その十五社についてどういう検査をしているかということでございますが、先ほど御説明を申し上げました計算証明の指定の関係で、十五社の中の十三社につきましては計算証明がなされています。出されておる書類は、申告書、決議書、それから申告書に添付されておる財務諸表なり、財務諸表の中の各勘定のかなり簡単な勘定内訳というものが出されています。私たちがいま検査しているのはそれでございまして、実地検査と申しますが、現実に税金を徴収している税務署なり国税局に出向きまして、現地でその書類を見、説明を聞くということは現在の段階ではいたしておりません。
 現在調査をどの程度しているかという御質問でございますが、これは調査中のことでもありますし、事柄が微妙な段階でもありますので、詳しい事情ということは申し上げにくいから差し控えさせていただきたいと思いますが、検査の方針といたしましては、それら十五社並びに田中角榮氏の申告所得税なり――十五社の法人税自体が一体正当なものであるかどうかという点の見直しが第一点でございますし、それから十五社の活動を通じまして個人の所得なりあるいは贈与税なりにどういう影響、関連があるかということが第二点でございます。この二点をテーマにいたしまして現在進めておるわけでございますが、たとえばどういう点に着目しているかといいますと、資本金の動きであるとか、借り入れ金の動きであるとか、仮払い金の動きであるとか、未決算勘定の動きであるとか、あるいはまた顧問料の支払いがあったり仲介手数料の支払いがあったりしているものにつきましては、その勘定の内訳、つまり、いつ、だれに、幾らの支払いがあったかというような点に着目していろいろ調査をしている段階でございます。
○白木義一郎君 検査院が、いわゆる田中ファミリーといわれている関連企業の十五社のうち十三社を洗い直しをなすっていらっしゃる。その洗い直しをしなければならないと、こう受け取られた動機といいますか、検査院の皆さん方の考え方、それはあるいはマスコミ、あるいは国会の委員会における数々の質疑応答を聞かれて、そしてわれわれ仲間のことばで言うと、これはくせえぞ、徹底的にもう一度検査をしなくちゃならぬと、こういうようなお考えで十五社あるいは十三社に対して検査院の立場で洗い直し、見直しを始められたと、このように私は推察するのですが、いかがでしょうか。
○説明員(石川達郎君) 私ども検査を行なうにあたりましては、それぞれ各省各庁の予算の内容等をあらかじめ検討いたしまして、各年度におきまして何をどういった角度から、いかなる役所について調べるか、そういう計画を立てるわけでございます。そして検査を進めるわけでございますが、その間におきまして、ただいまお話のありましたように国会の御論議、あるいは新聞雑誌等による情報、あるいは投書等もこれも検査上のヒントといたしまして、検査のプランに組み入れるということは、われわれが随時一般的にとっている方法でございます。今回、田中角榮氏の所得税あるいはそれに関連いたしまして法人税等を見直すということになりましたのも、その一般の例にほかならないわけでございまして、くさいとか、くさくないとかいうようなことは、これは検査した上でないと何とも申し上げかねると考える次第であります。
○白木義一郎君 わかりました。世論とかあるいは国会の論議あるいは文春等マスコミ等に耳を傾けてヒントを得て、そして洗い直しにかかられたと、こういうことだろうと思います。
 そこで国税庁のほうにお伺いしておきますが、いま検査院のほうは、この関連企業は十五社のうち十三社と、こういうような御説明がございましたけれども、国税庁のほうは、先日の二宮議員の質問では次長が、五社調査をなすっていらっしゃると、このように伺っているのですが、そのとおりでしょうか。
○説明員(磯辺律男君) 過日参議院の決算委員会におきまして、二宮委員の御質問に対しまして私がお答えいたしましたのは、国税庁といたしましてはただいま直接調査対象としております法人が、新星企業、室町産業、パール産業、浦浜開発、これは関新開発を吸収合併しておりますが現在浦浜開発、それと東京ニューハウス、この五社でありますということをお答えいたしまして、同時に、この五社を中心にいたしまして、必要に応じ取引先調査等を行なうものとして申し上げましたのが、国際興業、日本電建、国際不動産、新潟交通、越後交通、田中土建工業等その他の数社というふうに申し上げた次第でございます。
 これは必要に応じ云々というふうに申し上げましたのは、直接調査対象といたしますこの五社を選びますのは、それを調査いたします理由は、先ほど会計検査院のほうから申し上げましたと同じような趣旨に基づくものでありますけれども、やはりこれを調査いたしますについては、どうしても取引先調査、反面調査、あるいは資金の流れ、それから各種仮払いであるとか、それから株式の持ち合い状況であるとか、そういったことについてまた裏づけ調査なり反面調査なりあるいはその関連調査をする必要があるだろうというふうなことで御答弁申し上げたわけでございます。
○白木義一郎君 そうしますと、国税庁のほうも検査院と同じように、世論からヒントを得てこれはほっておけないということで、まず調査の対象として五つの法人、その調査を待って、さらにいま述べられたそれぞれの企業の調査をあるいは取引先等の調査をなさる、こういうことです。
 そこでちょっと素朴な質問になるかと思うのですが、いま国税庁のほうは五つ、それから検査院のほうはもうすでに十三社について洗い直しの調査を始めている。これは私はこう思うのですが、国税庁のほうで調査した書類が検査院のほうへ提出される。検査院はその報告、提出書類に基づいて厳密な会計検査をなさるのじゃないかと、こう思っているのですが、そういう考え方ですから、どっちかというと検査院のほうが先行しているわけです。まことにもし事実であれば国民としてはたいへんうれしいわけです。国税庁より会計検査院のほうが積極的に疑惑に対して検査をしている。その片方は五つ、片方は十三というような開きについて、わかりやすくひとつ御説明を願いたいのです。両方ともお願いしたいと思います。
○説明員(石川達郎君) 私どもの行ないます検査は、御承知かとも存じますが、納税者に直接出向きまして一々その帳簿なり帳票なりを調べるという検査ではございません。私どもが検査いたします趣旨は、あくまでも税務官署の徴税上のミスがあるかないかという観点からの検査でございます。したがいまして、実体的な検査といたしましては国税庁かなりたいへんな仕事をやっておられると思います。別にわれわれのほうが先行しているというふうには考えているわけではございません。ただ、会社の数にいたしますと、多少そこに数えあげますと私どものほうが数の上では多いわけでございますが、今回の事件は、いわゆる関連というようなことばも言われておりまするように、田中角榮氏をめぐりまして世上いろいろ言われている会社がとりあえず十五社ということになっておりますが、それらを総合的にお互いの関係において把握しなければ、これはなかなか実態はつかめない、そういう観点から税務当局から提出されました書類を検討しているというのが実情でございます。
○白木義一郎君 事務総長のお答えは、非常に伺っていて残念です。国税庁よりも先行しているわけじゃない、何だか遠慮をなすっていらっしゃる。そこで、国税庁のほうは五つはいま洗い直し、見直しをしている。検査院のほうは十三の企業を目を通す。そうすると、いままで検査院の皆さんのところにある書類あるいは提出計算書等は、これはすでに目を通された分ですね。それで、国税庁のほうはこれから洗い直しをして、その結果は当然そちらのほうへ報告をしなければならない。また、それによって今度はそれこそ先ほどの指定、そちらで必要な書類を指定するというような順序、仕組みになっているのじゃないかと思うのです。そういうように考えますと、いま検査院の皆さんのところでやっている見直しは、すでに年数がたっていますから、それらを抽出して再検査をしている、こういう状態であると理解してよろしいでしょうか、簡単に言ってしまえば。
○説明員(高橋保司君) 先ほど事務総長から原則のようなものを申し上げましたが、私ども会計検査院は、決算の検査ということが本来の職務でございます。それ以下でも以上でもないわけでありまして、税金の問題で申し上げますと、課税当局が一つの決定をした、税金を取ったあるいは取らなかったというその決定をしたあとを、それが正当なものであるかどうか、適正なものであるかどうかということが本来の職務だと思います。そういう意味で私ども、先ほどあげました十三社についてはすでに計算証明がなされておりまして、これについては今回の話題が提供される以前に、すでに検査済みのものが大部分でございます。そういう意味では一応私どもの検査も済んでおるわけでございますが、今回いろいろな国会の論議であるとか、あるいは新聞雑誌で新たなる資料が提供されたというような形でございますので、いずれ国税当局はこれを受けまして、過去の決定を修正するというようなことが行なわれるかもしれない。その事態に備えまして私たちのほうも、すでに計算証明で出されておるすべての書類について詳しく検討をしておるというのが現状でございます。
○白木義一郎君 そうしますと、いま検査院のほうでやっているそういう作業は、もういままで一応は全部済んでいるわけだ。エキスパートがそろっていらっしゃるのですから、すでに慎重に念入りに検査をされた。終わっていた。それがこういう状態になったので、あらためてさらに慎重を期して、いずれは大蔵省あるいは国税庁のほうから報告があるであろう、そのときに備えて、すでに終わった検査であるけれども、そういう意味で見直し、洗い直しをされている、こういうように了解してよろしいわけですね。
 もう一つお尋ねしておきたいことは、検査院法第一条に「会計検査院は、内閣に対し独立の地位を有する。」と このようにありますが、この第一条の条文をどのようにとらえられているのか、詳しく御説明を願いたいと思います。
○説明員(石川達郎君) 検査院の独立性、これは具体的に申しますと、人事の独立性とか、あるいは予算の独立性、さらには先ほど申しました独自の規則制定権、具体的にはさような形になってあらわれるわけでございます。こういう独立性を担保されているわけでございますが、われわれといたしましても、その独立性、独立機関の名に恥じないように十分厳正な立場でこの責務を果たしていきたい、こういう心がまえで検査に当たっている次第でございます。
    ―――――――――――――
○委員長(多田省吾君) 質疑の途中でございますが、委員の異動について御報告いたします。中村英男君及び藤田進君が委員を辞任され、その補欠として村田秀三君及び粕谷照美君が選任されました。
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○白木義一郎君 いまの御答弁をまとめてしまいますと、この第一条のとおり、会計検査院は内閣からとやかく言われたり言わせたりしない、独自の立場でその責任を遂行していく、こう伺ってよろしいですか。
 そこで今後会計検査院のお立場で、この金脈問題の解決というのは御承知のとおり全国民がこの疑惑を晴らすべきだと、それを期待しているわけです。そういうことを踏まえて会計検査院としての今後の姿勢、すでに世論にヒントを得られて積極的に国税庁よりも幅広く洗い直しを始めたということを伺ってたいへん意を強くしているわけですが、この金脈問題について検査院当局の姿勢といいますか、決意、お考えをあらためてお伺いしたいと思います。
○説明員(石川達郎君) この問題を取り上げましたいきさつにつきましては、先ほど担当局長からあるいは私から申し上げたとおりでございます。問題は非常に微妙な点もございますけれども、われわれは独立機関として、先ほどの同じことの繰り返しになりますが、独立機関としてさらに職員を督励いたしまして、十二分にその成果をあげるようつとめたいと考えております。
○白木義一郎君 そこで、検査院法二十五条に「実地の検査」というのが載っておりますけれども、この「実地の検査」、この文章を私たち見ますと、実地に十五社のあるいは十三社の会社を直接調査をされるように思うのですが、どうもそうじゃないらしいですね。そこでこの検査院における実地の調査のあり方と、それからいまおっしゃった十五社に対してこの二十五条の実地の調査を始められたのか、どうなのか、その点をお尋ねしたいと思います。
○説明員(高橋保司君) たいへんわかりにくいことば、術語かもしれませんが、実地検査というのは書面検査に対して実地検査ということでございまして、書面検査というのは、計算証明によって出された書類を会計検査院に在庁しまして書類について検討するということでございます。実地検査というのは、間々誤解されがちなわけですが、たとえば税金の場合には納税義務者のところに直接出向きまして諸帳簿を検査をする、いわば国税当局がやるのと同じような作業をするのではないかというふうな受け取り方もあるわけですが、実はそうではなくて、私どもはどこまでも国の機関の検査をやっておるわけであります。税金の場合でいいますと、税務署に出向きましてあるいは国税局に出向きまして、そこで国税当局の関係者から説明を聞き書類を見て検査をするというのが実施検査の実態でございます。
 それから関連十五社につきまして実地検査をいつやるかということでございますが、これはどこまでも私どもの検査の仕事のたてまえから、課税当局が処理を終わった段階で実地検査に出向きたいと、こう思っております。
○白木義一郎君 実際問題として、いま伺っている範囲では検査院のほうが国税庁よりも先行している。十三ないし十五社というワクを広げて、そしてそれぞれの方が一生懸命取り組んでいらっしゃる。その実地の検査については、これから国税庁のほうの報告をもとにしておやりになることは、これは当然だろうと思うのです。しかし、いまの段階ではその実地調査、あるいは直接企業へは検査院としては行けないわけですね。ですから、国税庁へは行って調べられる、検査ができるという御説明でわかったわけですが、現在では十五社の範囲では実地の調査はおやりになってない。実際問題として、これからあるであろう国税庁の報告に基づいてやる意思があるかどうか、ひとつはっきり伺っておきたいと思います。
○説明員(高橋保司君) 先ほども御説明申し上げましたが、課税当局が終わった段階で関連する関連会社十五社の所在する税務署、国税局について実地検査を実施いたしたいと思っております。
○白木義一郎君 そうしますと、国税庁のほうはいまとりあえず五社を洗い直している。それによってはあとの十幾つかの企業の調査も起きてくるであろうというような御説明ですけれども、検査院のほうはあとの残りのほうは国税庁のあれを待っている。国税庁のほうは五つとりあえず調べているということになると、何だか非常に気の長い話であるというような気がするのですが、その点国税庁あるいは検査院が打ち合わせをされて、そしてその機能を発揮され、一日も早く国民の疑惑を明らかにするようなお考えをお持ちであるかどうか、お伺いしたいと思います。
○説明員(石川達郎君) その点は、ひとり国税局あるいは税務官署の検査の場合だけではございません。各省各庁の検査の場合におきましても、われわれが検査した結果につきまして、相手方の意見をただし、もしわれわれの意見が正しければ相手方においてこれを是正してもらうというような方針で検査を行なっているわけでございます。その例外をなすものではございません。
○白木義一郎君 十五社ということですが、そのほかに謄本を調べてみますと、田中ビルの中に、本塩町二十三番地と登記をしてある会社がたくさんあるわけです。田中開発株式会社、三和建築設計事務所、協和興業株式会社、株式会社マノ・アートセンター、オートマチック工業株式会社、東京図書株式会社、菅基礎株式会社、それから日本工営株式会社、昭和高分子株式会社、こういうように全部ほとんどが同じ番地、田中ビルの中にこれだけの会社が本店があるということが登記されているわけです。こういういま申し上げたような企業に対しても積極的に洗い直しをなさる御意思があるかどうか。あるいは国税庁のほうにもお伺いしておきたいと思います。
○説明員(磯辺律男君) いま白木先生のほうから御指摘がありました会社というのは確かに田中ビルに同居しているようでありますけれども、実際私たちがいま中心に見直し調査といいますか、再調査をやっておりますのは、いわゆる田中角榮氏個人の問題に関連いたしまして、それを中心といたしました企業というものを調査いたしておりますので、ただいま御指摘いただきましたような企業がまたやはり同じような関連を持っておるのでありましたら、その必要に応じまして調査をいたしますけれども、私たちがいま把握しておる範囲内におきましては、御指摘のありましたかなりの企業というのは、たまたま田中ビルに部屋を借りておるというだけであって、直接現在の問題には関連のない企業も入っておるようにも思います。したがいまして、たびたび申し上げますように、国税庁としましては、さしあたり五社というものを中心に考えておりますけれども、これをもって会計検査院が御念査していらっしゃる企業と対象が違うとか、あるいは国税庁のほうの対象が狭いというふうな問題でございませんで、必要に応じまして、あるいは場合によりましては検査院のほうで指摘になりました十五社をこえて、あるいは二十社になるか、あるいは三十社になるか、それは今後の調査結果のいかんによろうかと、かように考えております。
○説明員(高橋保司君) 田中ビルに同居する法人について調査の意思があるかどうかという御質問でありますが、私どもも同様、今回の件に関連のある限りにおきまして調査を進めていきたいと、こう思っております。
○白木義一郎君 そこで国税庁の次長さんにお伺いしたいのですが、今月二十六日、大蔵委員会で公明党の鈴木委員の質問に答えて、この洗い直しは今月末をめどに終了すると御答弁をされておりますが、このとおりと伺っておいてよろしいでしょうか。
○説明員(磯辺律男君) 速記録を見なければ私何とも申し上げられませんけれども、私がそのときにお答えいたしました趣旨は、私たちが仕事をするにあたりましては一応の区切りというものをつけてまいります。そういった意味で、普通その区切りというのは、作業に入りましたら月末を一つの区切り、それからまた月央を一つの区切り、あるいは一週間後とかというふうな一つの区切りをつけてまいりますので、当面の一応の区切りとして月末ということを申し上げたわけでございまして、それをもって調査が完了するということは私はとても自信が持てません。したがいまして、それはその時点をもって調査を完了するとか、めどをつけるという意味ではなくて、仕事の流れとして一応の区切りを申し上げただけでございまして、それは決して終わりではなくて、むしろそれからスタートになることもあり得るということでございます。
○白木義一郎君 そうしますと国税庁のほうはいまの答弁どおりで、一応は今月末にはある程度のめどがつく、しかし、それは全部この洗い直しが完了するという意味じゃないんだと、こういう御説明ですが、しかし今度はそうしますと検査院のほうは、いま総長のおっしゃったように積極的にという姿勢からいえば、もう来月の初めからすでに実地の検査に入られるべきであると思いますが、その点いかがでしょう。
○説明員(高橋保司君) 国税当局から先ほど一応のめどを今月つける、それからそれで完結つけるのではなくて一応のめどだというふうなニュアンスでお話になりましたが、その段階で課税処理、つまり法人税なり所得税なりあるいは贈与税なりの何らかの処理があった場合、私たちのことばで言いますと徴収決定といいますが、そういう徴収決定があった後におきましては実地検査に出向かざるを得ないのではないか、こういうふうに考えております。
○白木義一郎君 安川国税長官は今月末をめどとして一切をはっきりすると、こう明言をされているそうですから、大蔵委員会でも当委員会でも、長官はそういうふうにおっしゃっているわけです。その点お帰りになってはっきりしていただいて、そうしますと検査院のほうは、さっそく月初めから、事務総長ひとつ卵でもうんと召し上がって元気を出して、国税庁のほうも真剣におやりになるでしょうから、それを受けてがんばっていただきたいと思います。
 そこで、当然先ほどの検査院法第一条の精神にのっとれば、その会計検査院の検査の発表を検査院はなさらなければならないと思います。この金脈問題、一貫して私たちは国政調査権を振りかざしてもその前に強い強い強烈な守秘義務というものがあるわけです。そこで、この会計検査院には特別職の公務員という立場を検査官は与えられているわけですから、しかも当然検査院の職責からいってもこれを国会へ報告をなさらなければならないと思いますが、それがあり得るのかどうか。それはこれから種々非常に困難な問題を乗り越えていかなければならないと思いますが、どういう形で結末を発表なさるのか、また、しなければならないのか。あるいはそれが、これは無理なあれかもしれませんけれども、たとえば調査の終わり次第とか検査の終わり次第とか、あるいは規則上来年度にならなければ発表できないのだとか、そういったような具体的なあれをお願いしたいと思います。
 時間も過ぎましたので、さらにもう一つ、これもいま並行して行なわれておりますが、例の虎の門の事件、それから大手町公園の疑義のある問題等も検査院のほうで検査をなさるお考えがあるかどうか、お伺いしておきます。
○説明員(石川達郎君) われわれ会計検査院事務総局の職員はこれは一般公務員でございまして、国家公務員法上の守秘義務が適用されることは他の省庁の職員と変わるところはございません。その点をひとつ御理解いただきたいと存じます。
 それから検査の結果につきましてどういう形でこれを公表するかということでございますが、御承知のとおり会計検査院は一年間の検査の結果を数次の会議を経まして、さらに検査官会議の議を経た上で、不当な事項につきまして検査報告作成いたしまして、これを内閣に提出する、こういうことがたてまえでございます。今回の事案につきまして、もしかりに税務官署の徴税上のミスがあったといたしましても、やはりこういう形をとらざるを得ないと考えております。中間的に報告してもらいたいというような御意見はしばしばあるわけでございますが、従来からそういうお答えをいたしまして御理解をいただいている次第でございます。ひとつ御了承いただきたいと思います。
○白木義一郎君 重ねてお伺いしますが、会計検査院の検査官というのは、事務総長は国家公務員、それから検査官あるいは会計検査院長、互選で選ばれた検査院の院長は特別職の立場じゃないかと、こう思うのですが、特別職であれば第一章の内閣から独立するという立場、明確にされているわけですから、しかも検査院としての責任において検査した問題については、早いおそいはかりにあっても、ほんとうは性格からいうとできるだけ早く国会に発表なさるべきだと思いますが、それはそれとして、必ず調査、検査された問題については検査院長のほうから明らかにされるであろうと思いますし、また検査院として、しなければならない、そういうように思っているわけですが、この点ひとつ明確にしていただいて、時間も過ぎましたので質問を終わりたいと思います。あと虎の門と二つの問題を含めてお願いしたい。
○説明員(石川達郎君) 検査官が特別職であること、これは御指摘のとおりでございます。ただ、検査官に守秘義務が適用されないかということになりますと、これはむしろ法制局からお答えをいただくほうが適当であろうかと存じますが、だいぶ古い勅令でございますが、官吏服務紀律というものがございまして、それに守秘義務が課せられております。それが昭和二十二年の法律であったと記憶しておりますが、読みかえ規定がございまして、その官吏服務紀律にいわゆる守秘義務というものが特別職の職員にも適用される、こういうふうな解釈のように伺っております。
 それから虎の門事件とさらに大手町公園に僕する国有財産の件でございますが、これは私も事情をつまびらかにいたしませんけれども、それぞれの時点において私どもとしましては検査を行ない、疑問がないということで検査を了したものでございます。しかし、お話もございますので、この件につきましては担当調査官の手元におきましても十分関心を持ちまして見直しをしているものと信じております。
○白木義一郎君 ちょっと納得がいかないのですが、特別職の公務員には守秘義務の規定はない。けれども、古い古い官吏服務紀律でそういうわけにもまいりませんと、もうそこへくるわけです。そこで最初の大臣の、李下に冠をということが引っかかってくるわけです。そういうわけで、ひとつ大臣も今後、先ほど申し上げたとおり、決意をお伺いしたとおりに、東京都民の代表でもあるわけですから、在任中しっかりとその職責を果たしていただきたいとお願いをいたしまして、時間が参りましたので私の質問を終わります。
○内藤功君 まず、私は労働省にお伺いいたします。
 これは先ほども質疑がありました全自運の片岡運輸の事件、さらに大阪の港湾の上組の事件、このように労働組合の役員の方に対する狂暴な暴力、殺人事件が最近相次いで起きておるわけであります。これは最も現代の労働関係において徹底的に排除すべき問題であります。古くは自動車交通労働組合、いわゆる全自交の三光タクシーの丸山委員長刺殺事件、これはいまだにその犯人が見つかっておりません。さらには全港湾における神戸の組合役員の殺人事件というような不祥事件が相次いで起きています。
 そこで、事実関係はさきの御質疑でだいぶ詳しく出ましたので、私は簡単に、一体どのようにしたら労使関係におけるこの種殺人事件を防遏し、二度と再びこういう事件が起きないで済むか。起きてから、それ警察の捜査だ、労働省の指導だといった状態ですから、これを徹底的にやっていかなくくちゃいけない。私は時間の関係で、労働省当局に対して次の五点についてまとめて質問しますから、お答えを願い御所見を伺いたいと思うのです。
 やはりこれを根絶するには、この種殺人事件の原因は、組合に対する経営者側の不心得な人たちが労働者の基本権というものを十分理解しない、また組合の団結がいかに大事かということを理解しない、そしていわゆる労務屋あるいは暴力団、あるいは労務コンサルタントというような人間を高い金を使って雇い入れて、そしてその言いなりにやらせるというところに私は大きな原因があると思うのです。これがすべてのもとだと思います。こういうものが入ってくると職場の中は暗くなりますし、会社自体の業績だって暗くなれば上がりません。そして暴力に従業員はおののくことになります。
 そこで第一に、この種暴力団あるいは労務屋、あるいは労務コンサルタントというものを会社が安易に雇うということこれに対して法律で禁止することはできないとしても、十分なこれに対する警戒を特に中小企業、あるいはこういう運輸の経営者に対して徹底させる。単に啓蒙じゃない、通達その他、あとう限りの指導を労政当局がやる、そういうお考えがあるか。これが第一点。
 続けて三点目は不当労働行為制度、これは昭和二十四年までは労働組合法に刑罰があったわけです。ところが、二十四年の改正で刑罰を取り除いてしまったというところに、不当労働行為が反社会的な悪であり犯罪性があるということが忘れられているきらいはないかと思います。たとえば大正年間にできたかつての労働組合法案についても、各立案当局者、さらに内務省、農商務省からもいろんな案が出たけれども、やはり罰則を設けるべきだという案があの当時されたことは御承知のとおり。これを検討される考え方はあるかどうか。いろいろ弊害があるとは思いますけれども、しかし、なおかつこれを踏み切らないと、このような組合に対する攻撃があとを断たないのじゃないかとも思われます。
 三番目、労働委員会の審議は、いまはたしてこういう不当労働行為を救うのに迅速だろうか。いわゆる訴訟化していないか。両方弁護士がついて、どんどん弁護士の都合で日にちが延びるとか、あるいは労働委員会当局が非常に膨大な裁判のような証拠、証明まで要求していないか、こういうことさらに事務局の態勢はどうかというような、迅速化をはかる必要がある。
 四点目は、経営者に対する通達、啓蒙をあるいは労政事務所、府県の労政当局を通して徹底的にやるお考えはないかどうか。これをしないと根絶できません。
 五番目には、本件について片岡運輸の事件は大阪の地労委にかかっております。すでにこの殺人事件が会社に雇われている労務屋によってやられた場合には、こういう事件はもう不当労働行為の意図が背景にあることはきわめて明らかなんです。そういう事件については労政当局が適切なアドバイスをして、すみやかに不当労働行為の救済命令を出させるというようなことが必要ではなかろうか。
 以上五点について時間の関係でまとめましたが、労政当局のお考え方を承りたい。
○説明員(松井達郎君) お答えいたします。
 非常に広範にわたる質問をいただきましたが、まず第一に私どもの基本的な考え方といたしましては、この片岡運輸の事件におきまして、この過程におきましてはたして労使関係の問題と起こりました殺害事件とがどのような関連をいたしておるのかということにつきましては、目下警察当局の手で究明されているわけでございますが、いずれにしましても、こういう事件が起こりましたことについてはきわめて遺憾に思っておるところでございます。このような暴力事件が起こります背景と申しますか、原因というものはいろいろあるだろうと思いますが、どのような背景があろうといかなる原因があろうと、こういうような暴力行為に及ぶということは絶対に避けなければいけない。このようなことを防止するということは、民主国家あるいは法治国家としまして最低限の要請であろうかと、こういうふうに思っておるわけでございます。
 このような基本的な考え方につきましては、先般大阪府の労政課長がこの事件につきまして報告に参りましたときに、私どもからもこの基本的な考え方をあらためてお知らせしたわけでございまして、先ほど申し上げましたように、あるいはいま先生からも御指摘がありましたように、最近、労使関係において暴力的な事件が付随して起こるというような残念な傾向はなお絶っていないわけでございまして、私どもといたしましてはこのような考え方に立ちまして、昨年以来、このような不法な事件、暴力事件が起きることを防止するようぜひとも努力してください、こういうことでもって私どももそれから労政機関も一致いたしまして、関係の方々に徹底をしておるところでございます。これにつきましては、先生が御質問になりました第四問に相当するところであろうかと思います。
 なお、先生が御質問されました第一点でございますけれども、雇い入れの問題、このような問題につきましては、実はなかなか労政当局といたしましては目の届かないところでございますが、つまり個々の人たちの雇い入れにつきましてはなかなか目の届かないところでございますけれども、以上のような基本的な考え方に立って、労政機関を通じ使用者側に周知徹底を強化することによって、このような事柄の防止をはかるということを私たちとしても強く望んでいるところでございます。
 第二番目に、不当労働行為制度につきまして、昔の制度に立ち返って刑罰をもってこれに処するというような考え方はどうか、こういう御質問がありました。御存じのとおり、二十四年の労働組合法の改正以前におきましてはこういう考え方をとっておったわけでございます。このような刑罰をもってやるやり方、現在のようないわば原状回復主義的な考え方、どちらがいいかという点についてはいろいろと議論もあるところであろうかと思うわけでございますが、刑罰という点になりますと、労使関係というものはいわばお互いの信頼的な関係でございますので、私どもとしましては原状回復というような現在の規定、やり方はそれなりのメリットがあるのではなかろうかと思いますので、いまのところ、現在の原状回復主義に基づく不当労働行為制度というものを維持していきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
 三番目の不当労働行為事件の審理の迅速化という問題でございますが、先生も御存じかと思いますが、不当労働行為事件の審理につきましては、残念ながら相当長い時間を要しておるということは確実でございます。この点につきましては、不当労働行為事件が双方、申し立て人、被申し立て人のいわば争いの場となっておりますものでございますから、お互いに書面を出し合うというようなことになりますと、どうしてもこの攻撃防御に時間がかかるということは残念ながら認めざるを得ないところでございます。これをどうするかという点につきましては、労働委員会側といたしましてもいろいろとくふうをいたしまして、その審査の迅速化についてはいろいろとやっておるところでございますし、また私どもとしてもこの点につきまして 審理の迅速化につきましてお手伝いできるところがあればということでもって、労働委員会側と絶えず意見を交換しておるところでございます。
 第五番目でございますか、大阪地労委にいまかかっております片岡運輸の事件でございますけれども、聞くところによりますと、現在までのところ第六回目ぐらいまでの審問を終えて、かなり事件の審理は進んでおるようでございます。はたして間もなく出るかどうか、これは私どもも実はきのうおとといと電話で聞いておりますが、まだ結論は出ておりませんけれども、かなり審理は進んでおるというふうに承知いたしておるところでございます。
 このような事件におきまして、暴力事件が起きた場合には直ちにいま不当労働行為制度について結論を出すという点につきましては、これは本来この不当労働行為制度につきましては、不当労働行為ということが審理の中心になるものでございまして、途中過程に暴力事件が起こったからといって、このような点について早急なる結論を出すということは、制度の立て方としてなかなかむずかしいところではなかろうかと思いますが、いずれにいたしましても、第四番目の御質問でありました審理の迅速化という観点は、不当労働行為制度の運用にあたりましてぜひとも達成しなければならない重大な点だと思いますので、私どもも労働委員会等と絶えず密接に意見を交換しながら努力していきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
○内藤功君 警察庁にお伺いいたします。
 去る十一月の二十二日に兵庫県の養父郡八鹿町において、八鹿高校の教職員約六十名の方に対して白昼公道上において、また昼間から夜にかけて、高校の建物の中において殺人未遂、傷害、監禁、暴行等の事件が発生したということで告発、告訴が警察、検察当局になされていることは御存じだと思います。この事件について現在まで警察庁としてどのように事実を認定し、どういう捜査をしておられるか、まず概略のご説明を願いたい。
○説明員(半田博君) ただいま御指摘の十一月の二十二日の事件につきましては、十時間余りにわたりまして八鹿高校内で、話し合いと称しておるわけでありますが、その中で暴力事件が起こったようでありまして、その結果、現在まで負傷者四十四人、うち二十八人の方が現在入院をしておられる。二ヵ月の重傷の方三人、六週間の方四人、一ヵ月の方二人、四週間三人、この方々が重傷であるというふうに承知をいたしております。
 本件につきましては、本部から二十人の捜査員を派遣し、現在五十三人の捜査態勢をもちまして鋭意捜査につとめておるところでございます。
○内藤功君 この事件は、あとでまた御説明を願いたいけれども、約十三時間半の長時間にわたって行なわれています。またほとんど同一地帯、狭い同一場所で行なわれています。警察署からは約八百メートルぐらいの距離の高校で行なわれている。機動隊も後に出動して近くにいる、そういう中で行なわれた。それから被害状況を刻々と被害者側から、特に家族あるいは高校の生徒の側から、あるいは国会議員、県会議員、弁護士などの側から警察に報告しておったはずである。そういう中で起きた事件であります。こういう点が非常な特徴であります。またあとでお話があると思うが、校長、それから教育委員会の職員が、この学校の中ではいま話し合いをしているから、平穏だから警察は入らないでくれということを警察側に申したということも伝えられております。
 そこで、まず伺いたいのは、この事件について最初にどのような通報を受け、警察として二十二日の朝から夜にかけて、どのような手を県警本部、さらに所轄の警察でおとりになったか、その手順を伺いたい。
○説明員(半田博君) 本件につきましては、当日の午前九時五十七分に一般の方から所轄の八鹿署に、店先で多人数が道路をふさいで口論のようなことをしておるという旨の一一〇番の通報に接しました。このため、所轄署におきましてはパトカーを現場に急行させるとともに、署員を動員しまして署長以下二十人が現場に向かったわけであります。道路は四・七メートルぐらいの道路でありまして、そこに百数十人の方が蝟集をしておるというふうなことで、警察官がかけつけたわけでありますけれども、人垣にはばまれて中の実情がよくわからないという間に学校の中にその集団が入っていってしまった、こういうようなことであります。
 そこで、署長といたしましてはあとが心配であるということで、教頭、校長等に対しましても、中で何か行なわれるのじゃないか、どういう状態なんだということをしばしば聞いておるわけでありますけれども、私のほうは県の教育委員会のほうからも来ていま話し合いをしておるのであって、警察がこの場に入ってもらったのではかえって事態が混乱するから待ってもらいたいというふうなことであった。このことは、さらにまた十一時ごろも校長のほうから、教育長、教頭、校長の三者で話し合った結果、やはり事態収拾はひとつまかせていただきたいというふうな申し出があったということであります。この間署長としましては、八鹿町の町長も訪れまして、ひとつ町当局としても本件の事態が紛糾しないように、あなたのほうのできる限りにおいて努力はしてもらいたいというふうなことも申し入れておるわけであります。さらに、再びまた校長にも会いまして状況を聞きますと、やはり県教育委員会のほうからも来ておるし、いま平穏に話し合っておるのだからという、三たびそういうふうな説明であった。そこで署長といたしましては、その後、じゃ県教委の人にも会って事情を確かめたいということで、県教委の方ともお会いをいたしました。ところが、これも中でいま平穏に話し合いをしておるので特に問題は起こっておらないというふうなことであったということであります。
 午後三時二十分ごろになりまして、署長はなお心配になりまして、解放同盟側の当日現場の責任者であるというところの山本南但支部長を呼んで もう三時二十分にもなったけれども、どうしているのだということを聞いてみたところが、いま話し合いをしているので、とにかく六時半までには話し合いがつきそうだ、六時半になったら話し合いがつかなくとも話を打ち切って解散するからというふうな話であった。この間に解放同盟側はどんどんと人がふえまして、七千人くらいに一時ふくれ上がった。こういうような状況でございますが、その後も校長なり県教委のほうに事実の確認をしておるのでありまするけれども、そのような事実はないというふうなことでありました。
 九時二十三分ごろに、解放同盟の県の執行委員の山口書記長外二人の者についても、ずいぶん時間が経過しておるんだけれどもどうなんだということを聞いてみますと、十時までには終わるからというふうなことであった。その後十時十八分になりまして山口書記長を呼んで、もう警察は入るぞということで、十時四十五分に態勢をととのえまして署員三十一人が確認のために現場に入ったところ、先生三十三人が職員室におられて、中には負傷されている方もあって、病院のほうに行くようにということで病院に行っていただいた、こういうふうな状況であったということであります。
 そこで、八鹿の署長といたしましてはそういうような措置をとったわけでありますが、この間十時十分に隣接六署に対しまして応援派遣を求めまして、計百二十人、自署の態勢を含めまして百六十人の態勢を午後の二時にはとっておる。さらに十一時ごろ県本部に電話をしまして、機動隊の応援を要請をしておる。この際たまたまフォード大統領の訪日等がありまして、大阪国際空港のほうに機動隊が参っておったわけでありますけれども、これもデモの終了を待ちまして、あるいは長期戦になるかもしれないということで、毛布、ガソリンを積み込む、食事をさせる、こういうようなことをして機動隊を出発させ、これは十八時十八分に百八十人が現場に到着をしておる。さらに応援部隊といたしましてそのような各署の部隊を集めまして、これは三百三十人、二十二時に現場に着いておるということでありまして、当日出勤した警察官は総計七百十四人というような措置をとった次第であります。
○内藤功君 話し合いをやっていたというのでほっておいたら、あとで中に入ってみたらけがをしていた人がいたというわけなんです。結局話し合いでなかったということが明らかになったわけですね。あなたはいまいろいろな話をされましたけれども、もう少し正確に私どもの調べたことを申し上げて、お答えを願いたい。
 これは高等学校の門から先生方が歩いて石田書店という本屋の前に来たところが、そこへ自動車がうしろから来て前を扼して、その回りを解放同盟といわれる方々がずっと押し寄せてきた、金属のついた半長靴でけとばす。それからスクラムを組んでいる人をひっぱがす。約一時間にわたってなぐる、ける、引っぱる、髪の毛をつかむ。そうして両わきを持って道路の上を引きずる。そのために背中の皮まですり切れたという人がおります。大の字に寝ている人をゆさって、車の上にほうり投げる。そうして回りの生徒や町民からは泣きながらやめてくれということを言ったにかかわらず、学校の体育館の中に車でもって運び込み、引きずり込んだ。
 いまあなたは、そういう集団が中に移動して行ったと言われましたけれども、その移動というのは表現のしかたいかんでありまして、移動というようなものじゃない。こういうふうにして中に運び込まれた。この時点において、警察の機動隊というものはもちろん姿をあらわしていない。二十人来ているというけれども、その二十人の人たちというのは何をやりましたか。何もやってない。そうして体育館の中に連れ込まれた。
 体育館の中ではこれは何人か高等学校の生徒が、体育館は外から見えますから、見ております。まさに修羅場、阿鼻叫喚であります。四十五人ぐらいが連れ込まれた。そして女の先生も含めて着衣をぬがされております、女の先生も含めて。そうして、水をバケツで最高十八ぱいかけられた人がいると被害者が申しております。そして一人の人に二十人から三十人ぐらいの者がぐるっと囲んで、マットの上にすわらせる。牛乳びんでなぐる。それから半長靴でける。さらにたばこの火を顔につける。針で突く。指の間に割りばしやボールペンを、こういうふうに感覚を失うように突っ込む。ボールペンを握り締めさすということをやる。そして一ヵ所に集めておいてそういう暴行を加えたあと、この指導者の丸尾という人だそうですが、ばらばらにせいという号令をかけるとみんなを壁の側に一人ずつすわらせる。そうしてさらに暴行を加える。また一ヵ所に集める。また散らす。こういうことを何回か繰り返した。この情景を見た生徒は、ほんとうに泣きながら警察に訴えに来たのです。そして、そのことを次長にもちゃんと言っておるのです。
 私はここに写真を一ぱい持ってきた、たとえばこれはこの高等学校の指導者の先生であります。細面の人ですけれども、すっかりふくれ上がっております。あとでゆっくり見ていただきたい。こういうような写真が一ぱいあります。このような一方的な暴行を加えたのです。
 そして、さらにこれだけではない。残酷なのは、このようなけがをさせるために会議室へさらに連れていった。その中で、いわゆる自己批判、差別教育をやっていたという確認を迫って、その確認を迫る過程の中で二階の会議室に連れていく。そして入れかわり立ちかわり自己批判を迫る。そしてこの中で、たとえば片山先生という方は、毛布に包んでごろんと会議室におっぽり出された。動かなくなった。そうすると、あ、こいつ死んだわというようなことを言うのだそうです。まさにここに殺意があらわれている。死んだと。そしてさらに、少し体を動かすと、あ、こいつはまだ生きてる、こういうことを言っていたそうです。これはもうやられた人の証言ですから間違いない。そしてさらに驚くべきことは、保健婦の人に強心剤を用意させておるのです。そして気絶をした人には強心剤を打つ。さらに衣類の着がえを持ってきて、血やあるいは水でよごれた衣類は着がえさせる。こういう計画的なことまでやっております。これはあえて計画的と言いたい。
 そしてさらに、さいふの中身が紛失したという人もいます。このさいふだけが出てきた。中身が紛失している。相当、何万円というお金であります。さらに給料袋のなくなった人がいる。これはふしぎに学校当局を通してその先生に返ってきたそうであります、給料袋のほうは。さいふの中身のお金は返ってきておりません。強盗の疑いもここに入ってきておる。こういうようなゆゆしい事態が生じたわけなんです。
 そうして、この会議室でさらにこういう暴行を加えたあとその隣の解放研室、解放研究会の部屋があります。ここの部屋に連れ込まれた人は最も強硬と見られた人です。四角いいすをひっくり返してすわらせる。そこでたばこの火を押しつける、こういうような暴行を加えた。あなた方が入って、けが人の先生が何人かおられたというのは、まさにこういう状態が終わったときに行かれたと思うわけです。
 そこで私は伺いたい。校長やあるいは教育委員会の責任者が、中で話し合いをやっておりますと言われた場合であっても、警察官は、この非常に長い話し合い、しかもどんどん病院にけが人が運ばれている、さらに国会議員や市会議員、県会議員、生徒や先生の家族から警察に救出してくれという訴えが出ている、こういう事態の中で、警職法の第六条に基づいてなぜ機動隊の立ち入り、警察官の立ち入りを行なわなかったのか。警職法の六条は、いま私がここであなたに条文を言うまでもない。こういう犯罪がまさに行なわれている、生命身体に危険があるとうかがわれる場合には、管理者の承諾がなくたって中に立ち入ることができるわけですね。そうでしょう、そして犯罪の制止、警職法の五条でできる。そして中をちょっと見ればいい。見ればやられているわけです。子供はみんな見ているわけです。そこで現行犯の検挙もできるわけです。私は、二十二時三十分とか言われるそのおそい時間までの間に、なぜ相手の言い方、そこに疑問をはさみ、中に立ち入って検挙なり制止なりをしなかったのか、この点をひとつお伺いしたい。
○説明員(半田博君) 先ほども申し上げましたように、いやしくも管理者である校長先生あるいは県の指導主事の方々等が一致して、そういうふうな事態は起こっておらないということを、署長が何度も何度も確認をしておるにかかわらず、そういうことを言われておるわけであります。そういうような次第でありまして、署長としては一応その人たちの言うことをやはり聞くべきである、こういうふうに判断をしたというふうに聞いております。
○内藤功君 いかに教育委員会の人であり校長という肩書きがあっても、これは常識の問題です。たとえば、部屋の中で何か殺しをやっているらしい、しかしその家主が、入らないでくれ、ここは管理人だと言った場合、警察はああそうですかと引きさがりますか。そういうものじゃない。警職法の六条は十分要件を満たしている。当然その中に立ち入っていいケースだ。私は、この点の警察の職権の不行使は非常に遺憾だと思う。警職法六条の要件を満たすにかかわらず、警察権の行使をしていない典型的なものだと私は思う。
 さてそこで、いまお話が出たので文部省にお伺いしたい。この八鹿高校には珍坂という校長がおられる。それから教育委員会の方もここに、なぜか現地糾弾闘争本部の中におられたようで、こういう方々はこの八鹿町の高校において起きた事件について、いま警察はこの人たちが中は話し合いだと言っているから入らなかったと言っているのですが、どういう認識だったのか、どこに一体目がついているのか。中の状況をどのように把握していたのか。この点をとくと承りたい。
○説明員(柴沼晉君) 先生御指摘の点につきましては、実は私どもも県の教育委員会を通じましてたびたび照会をしておるところでございますが、県の教育委員会の調査によりますと、その時点では、ちょうど昼から生徒の集会が野外の川原で行なわれるということで、校長及び県の指導主事は生徒のほうの、何というか、生徒集会のほうに指導に向かっておった……
○内藤功君 質問にまともに答えてください。体育館と会議室とそれから解放研室、この三つにしぼってどういう認識かということですよ、質問は。
○説明員(柴沼晉君) それで、先ほど申し上げましたように、校長先生としては、従来いわゆる確認会ではこういう事件が起きたケースがございませんので、生徒が野外で集会を行なうということで、その生徒の指導が非常に重要であるということで県の教育委員会の指導主事と川原で行なわれた生徒集会の指導に行くとともに、また、帰ってきてこういう事件が起きていることについて、それぞれ解放同盟の代表の方々といろいろ話し合いを行なっていたということでございます。
○内藤功君 そうするといま私が非常に時間をかけて言ったように、この体育館なりあるいは会議室なりあるいは解放研室の中でこういうことが行なわれているわけですよ。一対一じゃない。何十人何百人という人が数十人の先生をやっているわけです。音が聞こえないわけはないでしょう。これを知っていて中には何にもありませんと言ったのなら、これは犯人隠避罪あるいは暴力行為の共犯ですよ。いいですか。知らないでいたというなら、どこに一体いたのか。どこかに逃げていたのか。しかし、中にちゃんといて、中で話し合いが行なわれていますと言っているのですから、これは警察にうそをついたということになりませんか。どうです。
○説明員(柴沼晉君) 校長あるいは県教委の指導主事の事実認識の問題は、私どもとしても県教委を通じての調査以外わからないわけでございますけれども、校長あるいは県教委の指導主事としては、先ほど申し上げましたように、校外の川原の生徒集会のほうに気を奪われて、そちらのほうに生徒の指導に行った、そういう報告でございます。それからまた、校内でのそういう事情につきましては、いろいろと解放同盟の代表の方々と話し合った、そういう報告でございます。
○内藤功君 これは重大な問題です。川原で行なわれておる生徒の集会に気をとられていて――教育委員会なり校長さんというものは、その高等学校の教職員の方々にとって非常に大事な責任ある地位におるわけなんですね。しかも、その先生方に身体生命に危害がある事件が起きているのに、気をとられていて全然わからなかった。これでは、それ自体ですでに監督者としての責任、刑事責任を含めた責任が今後追及される。私は時間の関係でこの追及は、あなたに対してはきょうここでやめておくけれども、重大な問題だということをひとつ指摘しておきたい。
 なお、調査が十分でない。そんな紙の上で報告を受けているからそういう答えになる。あなたはちゃんと行って、こういうような被害を受けている人にも会って、実際に現場へ行って調べてきなさい。初等中等教育局長に私は特にあなたから、現場に行って実情を調べてくる、そういう責任があるということを申し上げておきたいと思うのです。
 次に私は法務省にお聞きします。これは刑事局長にお聞きします。
 法務省の管轄する検察庁に対して告発がすでに三件なされている。一つは、この八鹿警察署の署長が当日とった処置、これはもう不作為の最も典型的なものである。これは公務員職権乱用罪、保護責任者遺棄致傷罪、犯人隠避罪、こういうような罪名にかかわるものだということで神戸地検に告訴してあります。告訴状はここにあります。さらに、参議院議員の安武洋子さんに対して、安武さんが病院に入っておられる方々に見舞いに行ったときに、いわゆる解放同盟と称する人たちがこれに対して共謀の上、腕をつかみ、背中をなぐる、腰をけるという暴行を加えた。国会議員としての調査活動を妨害した。国会議員として許すことのできない暴行を加えたという告訴状が出ております。
 私は、きのう神戸地検に参りまして次席にもお会いして、こういう捜査について不偏不党の立場で厳正に積極的に捜査をするように申し入れましたところ、次席も書類が来次第、自分のほうとして積極的にやるという答弁があった。これはもう当然だと思うのです。けれども、刑事局長としてこのような問題についての御見解を、簡単でいいから承りたい。
○説明員(安原美穂君) 御指摘のような告訴事件がもう一件、警察から、告訴ではなくして九月八日に発生しました橋本哲朗教組支部長ほか九名に対する監禁傷害事件が、すでに警察の捜査を一応了して現在検察庁に送られておりますから、現在神戸地検が受理しておりますこの種関係の受理事件は、三件でございます。これにつきましては昨日、神戸地検次席検事が内藤先生に申し上げたように、不偏不党、厳正公平の立場で、暴力否定という立場から適確な捜査を行なうということを私も信頼をいたしております。
○内藤功君 最後に警察庁にお伺いしたい。もう事件の事実関係ははっきりしてきたと思うのです。これは捜査の常道として、被害者は出ている。すみやかに強制捜査に移らなくちゃいけない、特に主謀者は名前がはっきり告発状に書いてあります。これを逮捕して強制捜査をして、そうして迅速な捜査を進める段階にきている。これは不偏不党といま刑事局長が言ったけれども、そうなんです。これはどの党の問題とか、どの団体の問題じゃなくて、暴力事犯は絶対許されない。そうでしょう。そういう中で、いまここでまじめな警察官、まともな警察官と、何かわからないが、つかまえるべきものをつかまえない、まじめでない警察官のかなえの軽重を問われている。また、この暴力を支持するような政治勢力があるとすれば、これはもう国民から見放されます。まじめな民主主義を守る勢力と、そうでない勢力のかなえの軽重を問われている。もしいろんな理屈をつけてこういう人たちあるいは暴力をふるう人たちを弁護し、支持するような勢力があれば、これは必ず見放されます。役所もそうであります。
 こういう意味で、これはもうあなたに聞くまでもないと思うのです。この強制捜査を含む厳正な捜査をやる。特に強制捜査を、いまは何もやっていないじゃないですか。私は去る十一月の八日に、地方行政委員会であなたに聞いたでしょう。そのとき、あの朝来町の事件などについて、いまここで逮捕しておかないとこの種暴力事犯は必ず増長して次の事件が起きますよ、だからやっておきなさいと言った。不幸にして私の予言どおりになったわけです。二十二日にこの事件が起きたじゃないですか。私は過去のことをいまここで責めることはない、緊急の問題だからね。だから警察庁、これについてはっきりどういう態度で臨むか。この答えいかんによっては私はさらにあなたに対して申し上げたいと思うけれども、それをよく考えて、これについてのあなたの断固たる決意をここで示しなさい。
○説明員(半田博君) この八鹿高校の事件についてもただいま鋭意捜査を進めておるところでありまするし、前にも十数件の告訴、告発事件がございます。こういうものの中で被疑者もかなり特定されてまいっております。この点につきましては可及的すみやかに強制捜査を含む捜査に踏み切りたい、こういうふうに考えております。
○内藤功君 最後に、大臣がせっかくお見えですから。
 大臣、いままでの議論、時間の関係もありますが、しかし、あなたは聞いておられておわかりになると思う、法務大臣なんだから。どうです。こういう事件が兵庫県の八鹿町、但馬地方で起きている。しかも警察が現行犯を逮捕しない。しかしいま警察庁は、すみやかに警察としては強制捜査を含む捜査に踏み切りたいと。これについて警察と検察庁は協力していくべき関係ですから、その検察庁の大元締めであるあなたがやっぱり断固たる姿勢がなければ、警察だけじゃだめですから、その点の心がまえを聞きたい。
○国務大臣(濱野清吾君) ただいま内藤先生の御説明を拝聴いたしました。法治国家におけるむしろ大きな不祥事件だと思います。たとえその目的がどうあろうと、あるいは個人であろうと団体であろうと、暴力を行使して目的を遂げようとすることは、まことにこれは残念なことでありまして、厳重にこれは排除しなければいけない、こう考えております。検察庁もその腹でございましょうから、一刻も早く捜査を運んで、きわめて適切なる処理を行なうべきである、こういうように考えております。
○委員長(多田省吾君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三分散会