第073回国会 農林水産委員会 第2号
昭和四十九年十月二十九日(火曜日)
   午前十時三十四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         初村滝一郎君
    理 事
                梶木 又三君
                工藤 良平君
                吉田忠三郎君
                原田  立君
    委 員
                大島 友治君
                小林 国司君
                佐藤  隆君
                鈴木 省吾君
                棚辺 四郎君
                平泉  渉君
                志苫  裕君
                鶴園 哲夫君
                相沢 武彦君
                小笠原貞子君
                塚田 大願君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       農 林 大 臣  倉石 忠雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        竹中  譲君
   説明員
       行政管理庁行政
       管理局長     小田村四郎君
       環境庁水質保全
       局土壌農薬課長  遠藤  茂君
       外務省欧亜局東
       欧第一課長    新井 弘一君
       厚生省環境衛生
       局乳肉衛生課長  岡部 祥治君
       農林政務次官   山本茂一郎君
       農林省構造改善
       局長       大山 一生君
       農林省農蚕園芸
       局長       松元 威雄君
       農林省畜産局長  澤邊  守君
       農林省食品流通
       局長       森  整治君
       食糧庁長官    三善 信二君
       林野庁長官    松形 祐堯君
       水産庁長官    内村 良英君
       通商産業省立地
       公害局鉱山課長  石川  丘君
       海上保安庁警備
       救難部警備第二
       課長       田中 睦穂君
   参考人
       畜産振興事業団
       理事       田中 卓也君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
 (派遣委員の報告)
 (当面の農林水産行政に関する件)
 (甘味資源作物の生産振興に関する決議の件)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 農林水産政策に関する調査を議題といたします。
 まず、先般本委員会が行ないました秋田班及び北海道班の委員派遣について、派遣委員の報告を聴取いたします。
 まず、秋田班。工藤君。
○工藤良平君 それでは私から秋田班の報告をさしていただきたいと思います。
 私たちの班は、小林委員と私工藤の二名で編成をいたしまして、去る十四日から十六日まで、秋田県の八郎潟新農村建設事業及びその周辺の市町村の農業基盤整備事業を中心に調査をしてまいりました。調査地ごとの詳細は会議録の末尾に掲載する報告に譲ることにしたいと思いますが、ここでは、概略だけを口頭で報告をさせていただきたいと存じます。
 まず、今回の調査の中心目的でありました八郎潟の新農村建設事業でありますが、昭和三十二年に始められたこの大干拓事業も、本年度までの進捗率は九四・五%に達し、ほとんど完成したといってもよい状態にきておりました。本年第五次の入植者百二十戸が決定し、すでに訓練中でありますが、これが来年度から営農に入るということでありますので、これをもって、計画されました五百八十戸の入植がすべて完了することになります。
 この第五次入植者の営農開始と同時に、すでに入植した農家にも農地の追加配分が行なわれ、一戸当たりの規模がおおむね十五ヘクタールの田畑複合経営という、わが国の農業にとりましては他に例を見ない大規模農業経営がこの干拓地で行なわれていくということになるのであります。ちなみに、昨年度における既入植者の一戸当たり平均粗収益は七百八十万円で、すでに秋田県平均の約六倍に達しております。
 しかし、この一見恵まれました八郎潟干拓地の農業も、その中に入りますと、幾つかの問題をかかえております。
 まず、近く予定されております干拓の全面竣工にあたりまして、現在事業団が国から委託されている堤防、防潮水門、ポンプ場、幹線排水路等の基幹施設の維持管理はどこが引き継ぐのか、また、その費用は、国、県、土地改良区との間でどのような割合で負担をするのか、まだ建設省と農林省の協議が整わないために、許可のおりていない水利権は一体どうなるのか、畑作は、土地条件や収益性から見てどのような作目を選択していったらよいのかなどであります。
 ようやく自立の段階に達しようとしておりますこの大規模農業を健全に伸ばしていくために、国の適切な対策が望まれるところであります。
 次に、八郎潟干拓地周辺の市町村における基盤整備事業について報告をいたします。
 秋田県は、基盤整備事業の進んでいる東北地方にあっても、先進県の一つに数えられておりまして、車窓から見ましても、至るところで、圃場整備などの事業が行なわれておりました。
 しかし、ここにもまたさまざまな問題があります。
 その一つは、国営事業の立ちおくれに伴う問題であります。総需要抑制策による国の公共投資抑制のあおりを受けて、国営事業が県営や団体営の事業よりもおくれる傾向が出てきております。それが事業全体の足を引っぱる結果になっておるのでありまして、食糧危機が叫ばれている今日、農業基盤整備事業が強力に進められなければならない状況の中で、総需要抑制策が画一的に農業に対しても行なわれるということについて、私はこのような現在の国の施策を取り続けることについて、率直に言って、一考を要するのではないかと、このような感じを深くいたしたわけであります。
 その二は、休耕補償の打ち切られる五十年度以降の圃場整備事業の通年施工の問題であります。秋田県は、もちろん積雪寒冷地帯のため、大規模な圃場整備事業は通年でないと不可能である状態であります。もっとも、この事情は、秋田県だけではなく、東北、北陸、北海道、あるいはさらに全国的にもそれらの問題が広く共通するものだと思います。これらの地域では、五十年以降休耕補償が打ち切られた場合、農家は休耕による減収と事業費負担とに耐えかねて、事業意欲を大幅に減退させることになると思われます。そうなれば、これまで比較的順調に進んでまいりました秋田県をはじめとしての圃場整備事業もとんざするおそれが強いのでありまして、休耕補償にかわる生産補償などの対策を早急に樹立する必要を強く感じたところであります。
 その三は、カドミウム等の重金属汚染対策のおくれであります。秋田県には鉱山が多いのでありますが、そこから流出したカドミウムなどの重金属による蓄積公害が大きな問題になっておりました。これまでの調査結果を見ましても、汚染田は、カドミウム一PPM以上が百九十ヘクタール、〇・四から一・〇PPMが七百四十ヘクタールにも及んでおります。今後も、調査の進展に伴って、この面積は、増大していくものと県では推測をいたしております。
 ところが、この秋田県の鉱山は、休廃止した中小鉱山が多く、原因者も不特定多数、無資力などのために、原因者負担の徴収が困難な場合が多いのであります。後ほど私はこの問題については質問いたしますけれども、国による肩がわり補償あるいは公害防除特別土地改良事業の補助率の引き上げ等強力な被害農家救済対策の確立が望まれるところであります。
 このほか、私どもは秋田県秋田市仁別の国民の森と森林博物館を視察いたしました。古い歴史をもつ秋田杉の美林が木材生産の場としてはもとより、県民のいこいの場としても、大きな効用をもっていることをまのあたりに見まして、その保護の重要性を再認識したのであります。
 最後に、今回の調査中、至るところで、農林漁業資金の貸出金利〇・五%アップを実施しないでほしい、米作に適した本県の事情を十分考慮した適地適産政策を確立してほしいなどの強い要望が出されておりましたことを申し添えまして、以上で報告を終わります。
○委員長(初村滝一郎君) 次に北海道班の吉田君。
○吉田忠三郎君 派遣委員を代表して私から北海道班について報告いたします。
 去る十月二十一日から二十四日までの四日間、青井委員、小笠原委員、喜屋武委員、それに私、吉田の四名は北海道に派遣され、二十三日までは相沢委員の現地参加も得て、札幌及び根室、釧路地区の諸施設を調査してまいりました。その結果の詳細につきましては、別途委員長に提出し、本日の会議録に掲載するようお願いしている文書にございますので、以下要約して報告いたします。
 まず北海道の酪農についてでありますが、本年の加工原料乳保証価格は前年より四割程度引き上げられましたものの、本年四月以降も石油及び石油製品、飼料、肥料その他生産諸資材や労賃の上昇、乳用雄子牛価格の暴落等によりまして、その収益性が急速に悪化しております。たとえば、経営面積百三十八ヘクタール、飼養頭数二百五頭の大規模経営でも前年度の所得率二〇・三%が本年は一一%に落ちると見込まれておりまして、先進的な経営体ほど安い飼料価格や動力費を前提に設備投資を借り入れ金によって進めておりますため、昨今のような価格条件のもとでは、自給部分や自己資本の比率の高い中小規模経営より苦しいという実態が見られるのであります。
 また、肉用牛の価格が低迷したため、乳用雄子牛はほとんど肥育に利用されておらず、この部門のウエートの大きい農家ははなはだしい苦境にあります。このような傾向は酪農に限らず北海道の農林水産業の大部分に看取されたのでありまして、農林漁業基盤の整備、施設の近代化その他の恒久措置にあわせて、急激な価格条件や需給関係の変動に対応する応急的速効的な対策が必要と思われたのであります。農業では政府支持価格の改定ないし大幅引き上げと飼料の需給及び価格の安定、林業では不況対策としての救済融資、漁業では魚価対策と金融措置などが、これに関する地元の要望でありました。
 道東の釧路、根室地方では酪農以外に適作物がなく、このため新酪農村の建設その他農業基盤整備の促進が強く要望されましたが、これとともに濃厚飼料の自給化の必要を痛感いたした次第であります。
 林業につきましては、根室、釧路地方ではサケ、マスが遡上する河川が多く、観光開発が進んだこともあって、森林に対しては木材生産等の経済的機能のほか、自然保護、水源涵養、水質保全、国土保安等の公益的機能が高く評価され、新値から保育までを助成する新しい措置等により森林を保全するとともに、林野の農業開発にあたっては水産資源の保護に逆行しないよう十分措置されたいとの要望がありました。
 水産業につきましては、安全操業の確保、拿捕漁船及び漁船員の救済、ソ連トロール漁船による日本側の漁具被害の防止などのほか、漁港及び港湾における関係施設の整備が要望されました。また、二百海里経済水域の設定は北洋漁業への影響が大きく、北海道漁業の量で四割、金額で三割が関係することとなるため、その確保が必要であります。さらに、増養殖漁業適地の一割が利用されているにすぎない北海道の沿岸漁業につきまして、漁場の整備、開発及び環境保全を積極的に推進することがきわめて重要であります。
 最後に、秋田班の御報告でも指摘されました農林漁業金融公庫資金の貸し付け金利の据え置き、さらに農業近代化資金等の系統資金を原資とする制度金融についての基準金利及び利子補給率の〇・五%引き上げ並びに末端金利据え置きは、北海道においても強く要望されたことを申し上げまして、御報告を終わります。
○委員長(初村滝一郎君) ただいま工藤君及び吉田君からそれぞれ御要望のありました会議録掲載の件につきましては、詳細にわたる報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することといたします。御了承をお願いいたします。
 この際、ただいまの報告について質疑を行ないます。喜屋武君。
○喜屋武眞榮君 簡単に御質問を申し上げます。
 ただいま第一班秋田班と第二班北海道班、両方からの御報告を受けた次第でありますが、第一班の御報告につきましては、資料をいただいておりませんので、あとで質問をいたしたいと思いますが、北海道班の報告につきましては、一緒に私参っておりますので――実はまあ北海道と沖繩は、地理的には、北の端と南の端でありますので、非常に両極端相違うようでもありますけれども、非常に似通った問題点が一ぱいあることを私は確認いたしております。いろいろあります。たとえば甘味資源の問題としてのビートとサトウキビの問題、あるいは家畜の問題あるいは果樹問題、あるいは水産業の問題、こういった点いろいろ似通った点があるのでございますが、第一にお聞きしたいことは、北海道の開発が、戦後、今日まで計画的に行なわれてきて今日に至っておるわけであります。沖繩も戦後三十年、さらに復帰三年目を迎えておるわけですが、加速度的に本土との立ちおくれを取り戻すために開発をあせっておるわけであります。その柱として十カ年開発計画があるわけでありますが、いまの報告の中でもいろいろございますが――さらに、もしこの開発がここに至るまでの過程において、あるいはこれはこうすべきじゃなかったか、これはこうすべきであったと、こういう点について、いまの報告の中でもあるわけでありますが、総括的にいまの責任者からもっと率直に補足していただけば、今後の沖繩開発の参考になる。こう思いまして、実は念を押す気持ちで――再び繰り返していただく時間はないと思いますので、特にこの点はこうすべきである、また、その沖繩の開発はこれからでありますので、沖繩にとってこういうことが大事ではないだろうか、こういった点指摘いただくことができればたいへんありがたいと思って、そういう点をお聞きしたい気持ちで申し入れてあったわけであります。よろしくお願いいたします。
 あとの具体的な問題に対しては政府に、また問題の時間の中でいたしたいと思います。
○委員長(初村滝一郎君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
○委員長(初村滝一郎君) 速記起こして。
○喜屋武眞榮君 わかりました。あらためて質問いたします。
 いまの第一班と第二班の報告に対して、基本的に政府としてどういう御見解を持っておられるか、具体的なことについては後ほどの時間でまた申し上げますが、そういう立場からこの報告に対する全体的な見解を求めたいと思います。
○説明員(山本茂一郎君) ただいまの報告の内容につきましては、農林省といたしましては、最後の付録の書類そのほかを拝見いたしまして、そうして慎重にこれを検討をして、農政上改むべき点、あるいはまた付加すべき点等について検討いたしたいと存じております。
○委員長(初村滝一郎君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
○委員長(初村滝一郎君) 速記を起こして。
 他に発言もなければ、派遣委員の報告はこれをもって終了いたします。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(初村滝一郎君) 速記起こして。
 当面の農林水産行政に関する件の質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言願います。
  〔委員長退席、理事梶木又三君着席〕
○鶴園哲夫君 私は、まず、先ほど鹿児島県と沖繩県のほうから委員会に対しまして要望のありましたサトウキビの問題について、続いて農政の基本的な考え方につきまして、もう一つは、大臣があさってからローマで開かれます世界食糧会議に出席されるわけですが、その食糧会議に対しまする考え方、また、私の意見、もう一つは、農業と水産の環境問題との点ですね、養豚にいたしましても、鶏にいたしましても、水産加工にいたしましても、でん粉にいたしましても、いろいろ環境との問題で非常に大きな問題をかかえておりますので、そういった問題について、最後に農林省の定員につきまして伺いたいと思っております。大臣の時間の都合もございますので、前の三つをぜひひとつ大臣の出席しておられる間にお伺いをいたしまして、最後の二つのほうはその以降に回したいと思います。
 まず第一番目のサトウキビの問題ですが、これはいま、てん菜糖の価格の問題でたいへんお忙しい最中で……。局長お見えのようでありますから、それでは、サトウキビの問題についてお尋ねをいたしたいのですが、昨年、御承知のように、サトウキビにつきましては二五・二%、八千七百円、そして奨励金が五割増しで一万円と、四三・九%という引き上げが行なわれたわけであります。で、いままで二、三%しか引き上がっていなかったわけですが、それが昨年に四三・九%という引き上げもありまして、たいへん鹿児島におきましても、それから沖繩におきましても、くずれるように作付面積が減少をいたしておったわけでありますのが、この値上げもありまして、一応鹿児島のほうも、沖繩のほうも、くずれるということが歯どめがかかったような状態になっております。鹿児島は一万三千ヘクタールというのが常識であったのでありますが、これがどんどん減りまして、一万ヘクタールを割っておったのですけれども、ことし若干歯どめがかかりまして一万ヘクタールをこすという形になっております。沖繩のほうは二万八千ヘクタールが二万ヘクタールを割るという状態まで落ち込んでおったのでありますけれども、これも落ち込みにつきまして、まずまず歯どめがかかったのではないかというふうに見られる状態になっております。しかし、その後、いまも委員会に対しまして要望のございましたように、生産資材の問題、あるいは労賃の問題等々の非常な値上がりがありまして、たいへん困った状態になっておるわけであります。
 そこで一つは、砂糖の自給率の問題でありますが、御存じのように、砂糖の自給率は三〇%程度まで上がったことがあるのでありますけれども、それからどんどん低下をいたしまして、いま二〇%を割るという状況になっております。その中で特にサトウキビの自給率が低下をしてまいりまして、七・五%程度という非常に低いところまで落ち込んでおるわけであります。ですから、これから五十三年の自給率を立てられておるわけですし、また五十七年の自給率も立てておられるわけであります。五十三年度は二五%程度のところへもっていくと、五十七年は二六%から二八%のところに自給率をもっていきたいという目標を立てていらっしゃるわけですけれども、先ほど申しましたように、二〇%を割るという自給率、そういう点からいいまして、サトウキビ、さらにてん菜について、さらに一そうの増産をしていく必要があるというふうに見なければならぬと思っております。
 もう一つは、輸入粗糖のたいへんな値上がりであります。御案内のように、二十三万六千円、十月の下期でいいますと、二十三万六千円というところにきておるわけでありますが、昨年と比べますと、四・五倍近く輸入粗糖の値段が上がっているという、この非常な値上がりにつきましては、投機の問題も否定できませんけれども、これがまた急に低下をし、安定していくという方向にはないというふうに思います。やはり不安定ながらこの高い値段というものを続けていくのではないだろうかと思います。そういう点から見まして、いまの政府の、てん菜糖なり、サトウキビからできる砂糖の買い入れ価格というのは、二分の一程度になっておる。
 さらに御承知のように、九月の十日に甘味資源審議会の会長から農林大臣に対しまして答申が出ておりまして、その答申のなお書きに強調いたしておりますのは、「てん菜の生産者価格につき早急にその改定を実施せられたい。」二番目に、「さとうきびについては、前年を大幅に上廻る適切な水準に定めること」。あと、生産者価格の算定、それから算定の時期等についての答申が出ておるわけであります。
 ですから、そういういまの自給率の点から言いまして、また、輸入の粗糖の非常な値上がり――四・五倍近くなっておるという点、さらにこの答申等から言いまして、いま当面いたしておりますサトウキビの価格の問題について、前年を大幅に上回る水準にきめる必要がある。もう一つ、いまてん菜糖からの砂糖の買い入れ価格をきめていらっしゃるわけですが、その中に含まれておる原料のてん菜の価格についても当然、ここにありますように、答申にありますように、すみやかに改守をすべきだと考えておるわけであります。で、てん菜糖といいますというと、御承知のように、てん菜糖の作付面積が五万八千ヘクタールから減ってまいっておったんでありますが、昨年六万一千ヘクタールと、若干持ち直しておったのでありますけれども、四十九年のことしは一挙にこれが、二割五分近く作付面積が低下いたしまして、四万七千ヘクタールという、一挙に、十年前といいますか、たいへんな低下をするというビートの作付状況になっておるわけであります。これは、御承知のように、麦に対して、あるいは飼料作物に対します奨励金等が出されておるという点等もあって、競合作物として相対的に低いてん菜の作付面積というのが、一挙にこういうふうに二割五分近くもダウンするということになったんだろうと思うんです。そういう点等考えますと、先ほど申し上げましたように、てん菜糖についてもすみやかに、この粗糖の買い入れ価格をきめられるときに、原料価格としてのビートの価格の算定が行なわれるような形で処理すべきだと思います。サトウキビについては先ほど申し上げましたように、昨年を大幅に上回る、そういう適正な水準にきめることが妥当であるというふうに考えておるところであります。いま申し上げました点について、大臣、あるいは局長の答弁をいただきたいと思います。
○説明員(森整治君) 先にてん菜糖の価格につきまして申し上げたいと思いますが、ただいま政府内部で折衝をいたしまして、事業団の買い入れ価格を十六万六千五百円、これは御承知のように、減反で操業度が非常に落ちておりますことしの特殊な事情として、相当加工経費を高く見たということでございます。それから二番目に、作付面積が非常に下がっておりますことと、御承知のように、糖価が非常に上がってきておるという先生御指摘のような事情がございます。そういう事情から、今回に限りまして、従来の市価参酌率というのを七割見ております。それを二〇%にいたしまして、残りの八〇%の相当部分――具体的に言いますと約六〇%、それを、一つは、てん菜の原料のほうでございますが、トン当たり千円相当分を報奨金として加算して支給するということに決定をいたしました。なお、本年産の作付を行なっておりました農家に対しまして、来年さらにこれを増反奨励をはかるために奨励金を交付することにいたしました。で、その基準等は今後、北海道庁が農林省と協議して定めることになっておりますが、これよりまして実質的に一万五千円、農家の方々が要求しておりました一万五千円の額が相当程度確保されるというふうに考えておるわけでございます。
 サトウキビにつきましては、大臣からあとで御答弁をいただきますが、事務的に申しますと、パリティと生産費の公表が来月の中旬までに行なわれるわけでございます。これらを、先生御承知のように、法律の根拠に従いまして資料が整い次第、本年度大幅に改植が行なわれておりますそういう意欲を、さらにわれわれといたしましては続けてやっていただくということを念頭に置きながら、適正な価格算定を行なってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○鶴園哲夫君 いま局長の答弁の中で、ビートについて結果的には一万五千円という、奨励金なり、それから報奨金等加えまして一万五千円ということになるということでありまして、これはビート作の農家にとってはたいへんな喜びだと思います。
 サトウキビについては、まあビートがこういう形になったということもありますが、先ほど私がるる申し上げたような状況でありまして、答申にありますように、昨年を大幅に上回る適正な水準にきめていただけるというふうに思っておるんですが、ここで大臣、その答申にありますように、昨年を大幅に上回る水準にきめていただけると思いますけれども、大臣のひとつ答弁をいただいておきたいと思います。もちろん、これはいま局長がお話しになりましたように、来月の十日ごろになると思いますけれども、サトウキビの生産費の調査の結論、それから九月のパリティの数値等とのからみ合いもあるわけでありますけれども、しかし、答申も出ておりますし、いまのサトウキビの状況その他から言いまして、ビートとの関係等から言いまして、私どもも答申にありますように、昨年を大幅に上回る適正な水準にきまり得るものと推定をしておるわけです。大臣のひとつ考え方を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) キビにつきましては、御存じのように、サトウキビのできる地域というのは限られておりまして、ほかのものは、あの地域では、いろいろ研究いたしましてもなかなかむずかしいという特産物でありまして、そういうことを考えますと、この地域の発展を考慮するという立場で、できるだけ生産性をあげるように基盤整備等を十分にいたすことが必要だと、こういうふうに基本的には考えております。
 価格につきましては、いま流通局長がお答え申し上げましたように、それぞれ従来どおり資料を調査いたしまして、できる限り再生産を確保し得るように定めたいと思っておりますが、とにかく、生産者各位にも御協力を得て、わが国の国内の自給率をできるだけ高めるようにいたしたいと、こういう基本的な考えでやっているわけでございます。
○鶴園哲夫君 いま、大臣のおっしゃいました生産基盤の問題なんですけれども、先ほども沖繩の農政部長のほうから、委員会に対しまして要望があったんでありますが、沖繩の基盤整備は八%しか進んでいないというお話がありました。確かに、私どもも沖繩に行ってまいりまして、二回ほどまいりましたですが、基盤整備が非常におくれている。さらに、鹿児島の奄美、あるいは熊毛等におきます畑作の基盤整備というのが非常におくれている、これはおっしゃるとおりであります。非常におくれております。それで、すみやかに基盤整備を進めていく、積極的に進めていくということはたいへん必要なことだと思っております。
 この基盤整備につきましては、いままで奄美と沖繩のキビの基盤整備につきましては、いろいろ要望もいたしてまいっておりますし、ここでは省略をさしていただきたいと思いますが、もう一つ、いま大臣のおっしゃった、再生産を確保していきたいという意味の話がありましたが、御承知のように、たばこ耕作審議会が九月ですか、四十九年度の葉たばこにつきましての価格の答申を行ないました。その答申は、もうすでに御承知のように、所得を補償するという考え方が相当強く出ております。諮問の中にも所得補償方式の考え方が出ておりましたですけれども、答申の中には一そうその考え方が強く出てまいっておりますが、米の考え方が、御承知のように、加工原料乳のほうに及んでまいっておりまして、つまり所得を補償していこうという考え方が強く出てまいっております。いま、たばこに、この問題がはっきりまた出てまいっておるわけですけれども、私は、サトウキビにいたしましても、てん菜にいたしましても、その他の農作物にいたしましても、こういう傾向が急速に拡大をしていくのではないかと考えております。生産費を補償する、また、所得もひとつ補償していこうという考え方に立たざるを得ないのではないかと、こういうふうに考えておるわけですけれども、どういうふうにお考えになっていらっしゃるか、その点だけを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 鶴園さん御存じのように、てん菜とか、サトウキビのようなものは、やり方によりましては、さらに生産性を高める可能性のある作物であります。しかも、そういうことのために、生産性を上げたメリットがやはり換算されるという有望な品物でありますので、かえって、これはパリティ方式のほうが、その効果が還元されるということでありますので、私どもといたしましては、このほうがいいんじゃないかという考えを持っておりますので、にわかに、いわゆる所得補償方式というふうに転換するという考えは持っておりません。
 さらに、しかしいまさっき私が申し上げましたように、とにかくできるだけ考えてみますと、沖繩にしても、それから北海道のてん菜にいたしましても、将来性のある奄美もそうであります。そういうところには、やはりいま申し上げました基盤整備等を十分に力を入れてやる、そして生産性を上げる。こういうことに重点を置くことがいいんじゃないかと、このように思っております。
○鶴園哲夫君 次に、農政の基本的な考え方についてお尋ねをしたいわけなんですけれども、私は、ここで畜産の問題を取り上げましてお尋ねをしたいわけなんです。
 畜産は、御承知のように、高度経済成長と歩調を合わせまして、たいへんなスピードで、また、年率一四%程度というようなたいへんな高い成長率を示してきたわけですが、しかし、四十六年を大体頂点にいたしまして破壊的な、破局的なズレ方をしているといいますか、低滞をしているといいますか、している。非常に伸びてきたものが四十六年を一つの頂点にいたしまして、破局的な状態に来ているというふうに考えておるわけです。これはもう御承知のとおりであります。乳牛が、御承知のように、四十六年を境にいたしまして飼養頭数はどんどん減ってまいっておりますし、四十八年から生産乳がまた前年を下回るという形、異常な事態になっております。あるいは鶏卵にいたしましても、四十六年ごろが頂点でありまして、それから低滞をして下がってきているという状況であります。肉牛は、これはもう申し上げるまでもございません、たいへんなズレ方をしておるわけであります。さらに、ブロイラーにいたしましても、豚にいたしましても低滞をしているといって何ら差しつかえないと思っております。
 そこで問題は、私、二つあるわけですが、一つは、どういうわけでこういう低滞をしているのか。これは、やはり一番問題は、飼料のたいへんな値上がりだと思います。異常な飼料の値上がりという点が一番大きいだろうと思います。
 それからもう一つは、環境問題で立ち往生している面が相当顕著に出てきております。豚にいたしましても、鶏にいたしましても、あるいはその他の畜産にいたしましても環境との問題に、至るところ立ち往生せざるを得ない。規模が大きくなりますと、なるにしたがって環境との問題と衝突をいたしまして、非常にいま苦悶をしている状況だと思いますね。私は、石油産業なり、鉄鋼業が立ち往生したというふうに考えておりましたら、しかし、同時に畜産関係についても同じようなやはり立ち往生をしているという、そういう見方をしておるわけであります。ここで、大臣にお尋ねをいたしたいのは、そういう中で一体畜産についてどういう考え方を持っていらっしゃるのかという点をお尋ねしたいわけです。
 それはいま、まあ昨年からでありますが、国内の農業を見直せとか、あるいはそういうような意見がだいぶ出ております。それで東京商工会議所が九月のこれは十二日でありますが、東京商工会議所が「わが国食糧問題解決への提言」という題目のパンフレットを出しました。これは相当の注目を集めたわけでありますが、また、農林省は、新聞等の報道によりますというと、「食糧問題と食糧政策について」という、これからの食糧政策の基本的な考え方について素案を農政審議会に出したというのが報道されております。ですから、国際的にいま農業が、あるいは食糧がたいへんな大きな問題になってきている。同時に、国内におきましても、農業、食糧の問題というのは非常に大きな問題になってきている。で、政府といたしましても、農林省といたしましても、こういうような食糧政策の展望についてここではっきりしょうという考え方でいろいろ御検討のようであります、新聞の報道するところによりますと。同時に、東京商工会議所もこういうような提言をいたしまして、あと経団連のほうも盛んにいま食糧政策について検討中だということでありまして、国内外とも食糧政策について大きな段階に来ているというふうに判断するわけであります。
 で、その中で、この東京商工会議所の提案なんですが、これによりますというと、欧米型の食生活を改めて、そして日本人の伝統的な食生活というものを評価する必要があるという提言をいたしております。また、農林省をやめた幹部の人たちが、いろんな評論なんかを出しておるんですが、そういうのを見ますと、どうも日本の食生活というのは、所得が上がればカロリーが上がっていく、と同時に、でん粉質から、それがたん白質、あるいは油脂関係に大きく変わってくる、という欧米型の食生活に向かってくる、と思っておったけれども、どうもそうではないのではないか。ですから、欧米型の三千カロリーをこすようなものではなくて、二千五百カロリーというようなところが適当なところではないのか。あるいはここまできて、たん白の使用量というのはなかなか上がらない、欧米と比べますと三分の一近い、二分の一近い状態のままでどうもストップしている。油脂関係で言いますと、これはもう三分の一というところに停滞をしておる、というところから見ると、十数年前、十年前に所得が上がるに従って欧米型の食生活、つまりたん白質へ、あるいは油脂へという方向に向かうと思っておったけれども、どうもここらあたりで、欧米型の食生活というものには直接向いていかないのではないかというような意見が出されているわけですね。そこへもってきまして、十月に入りましてアメリカが、御承知のように、大口の輸出については事前協議が要るというような発表をいたしまして――それで、日本は、たいへんな食糧を輸入して、穀類を輸入して、それを家畜の腹を通してたん白として吸収をしているわけですが、これは米以外の穀類というものを外国に依存して、そして畜産物を大きく積極的に拡大していくという考え方について限りが出てきている、という報道も行なわれておるわけです。ですから、一体、日本の食生活というのは、これから欧米型のほうへどんどん近づいていくのではなくて、いま申し上げましたように、東京商工会議所がいっているように、日本の伝統的な食生活というものを見直す必要がある。つまり米プラス野菜、そして大豆等を中心とした魚、それに畜産物、こういう苦い方をしている。
 そこで、大臣に私は、いま畜産が低迷をしている、破局的に低迷をしている。そして輸入する穀類というものは非常に高くなっている。しかも、その穀類の輸入が、えさになる輸入というのがなかなか不安定になり、むずかしくなることも考えなきゃならぬといった場合に、一体日本は、十年来とってきたような、積極的に畜産を拡大をしていくという従来の考え方をここでお変えになる。そういうお気持ちなのかどうか、あるのかどうかという点をお聞きしたいわけなんです。
  〔理事梶木又三君退席、委員長着席〕
 で、念のために申し上げておきますが、農林省が素案として出しました食糧問題及び食糧政策の展望について、という、これを農政審議会の素案に出しておるわけですが、その内容は新聞等報道するところであります。要旨は報道されております。その中に書いてありますことは、米中心に野菜、それに魚類を組み合わせた従来の伝統的な食生活、この食生活を再検討する必要がある。「今後の食生活のあり方について再検討を加える段階に来ている。」云々で、これは、食生活の日本型を考え出し始めているのではないか、こういうふうに受け取れるわけであります。ですから、この素案と東京商工会議所が出しました提言、それと農林省をおやめになった有力な方々の雑誌、その他に出しておられる考え方等を総合いたしますと、私はいまの段階で、これからの食糧政策として畜産について重大な検討を加えつつあるのではないかというふうに思わざるを得ないわけですけれども、その点についてのお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 政府は稲作転換を考えましたときに、第二次大戦以来の国民の食生活の動向をつぶさに観察をいたしまして、稲作を停滞させるためにそれをこのようなものに、こういう需要の増加してきているものを増産してもらおうというようなことの一つに酪農、畜産があることは御存じのとおりであります。最近まで大体順調に伸びてまいりましたが、ここのところへ来てことに牛肉は停滞ぎみである。これはどういうことであるか、いろいろな理由はあるかと思いますが、いまお話の中にありましたブロイラー、鶏卵等はこれは若干一時的にオーバープロダクションのような形が出てまいりまして、みんなで注意をいたしまして安定的生産をやるようにいたしております。豚肉の需要の堅調であることも御存じのとおりでございます。この間私は、フードウィークを農林省後援でやっておりますので、あるスーパーマーケットに行きました。そこで豚、鶏等のことを店先で聞きましたが、やはりいま申し上げましたように豚は堅調である。牛肉につきましてはいろいろ理由もあると思いますが、やはりいわゆる石油危機以来国民の皆さんが、消費について、いわばわりあいに金かさの上がるものは遠慮をして牛肉を買おうと思ったが、豚で間に合わしておこう、というふうな傾向も出てきたのではないかと思います。が、生産につきましては、やはり私どもは、御存じのように毎年いままでの傾向でまいれば十二、三万トンは輸入しなければ自給だけでは間に合わないわけであります。そういう傾向と見合って施策を講じていかなければなりませんので、価格安定することでなければ生産者は意欲が出ませんので、今度はこの次の国会に法律を出しまして御賛成をいただきたいと思っておるわけでありますが、豚肉と同じように指定物資にいたしまして価格の安定をはかる方法を講じようと、こう思っているわけであります。
 そういう現状でありますが、これはどうもわが国だけの傾向ではないようでありまして、ECなどでもやはり同じようなことを言っておるようでありますし、アメリカが現にやはり外国からの輸入について頭をいためておるというような状況であります。そういうことを考えてみますと、現在の牛肉に関する市況については大体一時的な傾向ではないだろうか。しかし、そう断言するわけにもいきませんから、慎重な態度をわれわれはとっておるわけでありますが、たてまえといたしましては、やはり自給度を高めてまいるという方向で施策を進めてまいりたい。そのために、輸入のワクを、出しておったものを押えておるというふうなことも、やはりいま申し上げました考え方の一端でございます。
 食生活の動向につきましては、いろいろな方がいろんなことをおっしゃるのを私どもも承りまして、参考にはいたしておりますが、これは各人に強制するわけにはまいりませんが、ここのところ、その傾向を見ておりますと、一人当たりの米の消費量が、だんだんだんだん減ってきておったのが、去年からことしにかけましては、その減り方がきわめてなだらかで、大体横ばいのような状況を呈しておるという次第でありますので、まあ私どもといたしましては、できる限り国産のものを使ってもらうように考えてはおりますが、これはやはり国民の食生活に関する嗜好の動向等も十分に観察して施策をきめてまいりたい、こう思っております。
○鶴園哲夫君 私は、どうも畜産関係が非常に大きな転機にきておるのではないかという心配をしておるわけなんです。畜産だけでなくてもよろしゅうございますが、食糧政策の方向といたしまして、展望といたしまして、畜産関係が大きな転換の段階にきておるというような感じがしている。これから積極的に拡大をしていくのか、あるいはここで方向を変えるのかという心配であります。その論拠といたしまして、いま私は、東京商工会議所の例、それから農林省が今後の食糧政策の展望として、素案として農政審議会に出しているところ、さらに、それぞれの人たちの意見等を考えてみますというと、どうも変わっていくのではないかという心配をするわけであります。
 御承知のように、また、先ほど申し上げましたように、所得が高まるに従って欧米型に近づいていくのだ、つまり三千カロリーという水準にいくのだ、あるいはたん白質の問題にいたしましても、油脂の問題にいたしましても、西欧の方向へどんどん近づいていくのだという考え方、それが基本になって選択的拡大というものが出たと思うのです。畜産の積極的な拡大というものが出てきた、こう思っておるわけです。ところが、その食生活そのものを再検討しなきゃならないということになりますと、これは畜産政策そのものもやはり考えなきゃならない。従来とは違った考えを持たなければならないということにならざるを得ないのではないか。それから、先ほど申し上げましたように、たいへんな、年間二千万トンにも及ぼうという穀類を輸入して、それによって畜産をささえてきた、あるいは畜産を拡大してきたわけですけれども、その問題が非常にむずかしくなるのではないか、困難になるのではないかという点等もあって、ここで畜産政策についての考え方が変わるのではないかという懸念をしておるわけです。
 展望として見た場合に、一体どういうふうに畜産をお考えなのか。いや、いままでどおりやるのだ、と言うのか。いま御承知のように、卵とブロイラーについては、若干生産の規制のような形のものをやっておられるわけですけれども、畜産政策全体について、一体どういう基本的な考え方を持っていらっしゃるのか、という点をもう一度お尋ねをして、さらにお伺いしたいのは、この間、通産省の、これは通産大臣の諮問機関であります産業構造、審議会が、昭和六十年を目標にいたしました日本の産業構造のあり方についての報告を行なっております。この産業構造の中に、農業が入っていないというのは、てんでおかしいというふうに思うのですけれども、それば別にいたします。別にいたしますが、この産業構造の、これから昭和六十年を目標とした産業構造の中に、石油たん白の積極的な開発を主張しているわけなんです。それから農林省の考え方の中に、やはり同じような食糧たん白質の、微生物による、あるいは石油による、そのたん白質の開発という問題について積極的な姿勢を示しておられるのではないか、と私には推察されるものがあるわけなんです。ですから、それは、たん白質がこれから窮迫するという情勢の中で、あるいは食糧が不足するというような情勢の中で、農業ではなくて、工業的にこういう石油たん白とか、あるいは微生物によるたん白というものを積極的に改造をする、展開をするという中で、そういう問題を解決するという考え方があるのではないか。これもまた、畜産にとっては重要な問題であります。そういう点等もからめまして、畜産政策についての展望について、従来と同じように積極的に拡大をしていくという姿勢なのか、それとも、ここでやはり再検討を加える必要があるというふうに考えておられるのか、その点をお尋ねいたします。
○国務大臣(倉石忠雄君) 鶴園さん御存じのように、われわれは長い間、先祖代々穀類、ことに米が主食でありまして、私はまあ医者ではありませんが、専門家の話によると、ヨーロッパ人と日本人は、腸の長さが違うそうでありまして、やはり先祖代々食わされておったものがほんとうに適しているのではないかと思われるわけでありますが、そういう意味で私どもは、米は、大体農作物の中核でいままでもやってまいりましたし、当分こういう傾向であろうと思います。
 そこで、無理に政府はいわゆる欧米型に食生活を変更させようなどということを毛頭考えておりません。さっき申し上げましたように、第二次大戦以来、社会環境の変化に伴って、日本人の食生活も、いろいろ嗜好の動向が変化してまいっております。それに即応するように、それらの物資の生産に力を入れてきた、こういうことでありますが、絶えずやはり国民の嗜好動向等も考えながら、農政についても検討していかなければなりませんので、将来の展望につきましては、先ほどもお話がありましたように、私ども五十七年をめどに長期計画を一応、農林省としては立てておりますけれども、さらに引き続いて、検討をいたしました資料をもって農政審議会に検討してもらっている、こういう現下の状況であります。一般の方方のお知恵も拝借してそういう点について誤りなきを期してまいりたい、こう思っておりますが、現状の畜産酪農につきましては、私どもはこれは維持してまいるために力を入れなければならないと、こう思っております。
 もう一つ、いまのえさのことに関して、石油たん白のお話がございました。これは外国では御存じのように公然と扱っておるものでございますが、わが国におきましては、疑問のあるという説をなされる専門家もおりましたので、これの生産は中止いたしているようでありますが、まあ私どもしろうと考えで、たとえば石油たん白による飼料穀物の代替品ができるといたしましても、現在のように、かつての時価の四倍近くに石油原油が高騰いたしましたときに、はたしてそういう高価なものを使ってペイするかどうかというふうな問題もあるだろうと思っております。私どもとしては、これをいま推進しようなどという気はございませんが、いずれにいたしましても、やっぱり私どもとしては、いろんなものを検討いたしまして、できるだけわが国の生産に要する物資につきましては、国内で生産し得るように人間の知識をフルに動員して、そういうことを、勉強を引き続いてしていくことは大事な問題だろうと思っております。
○鶴園哲夫君 まあ、いま大臣のおっしゃったように、五十七年を目標にした農林省の試案というのがあるわけですが、それがいま見直しをするというか、あるいは改定をするというか、そういう論議が行なわれている。これは政府全体といたしまして、昭和六十年を目標にいたしましたすべての問題についての検討が行なわれている最中であるわけですし、それと一緒に農政の問題につきましても、六十年を目標にした見直しといいますか、検討を加えつつあるということは言うまでもなく大臣のおっしゃるとおりであります。が、私はその中で、いま申し上げたように、畜産については、どうも考え方が変わるのではないか、再検討するという考え方があるんではないか、という点を幾つかの条件をあげまして、理由をあげまして申し上げたわけですけれども、いま当面している畜産の危機をどう打開していくかという点もたいへん重大な問題でありますし、これも論議しなければなりませんですが、ただ、いま六十年を目標にいたしまして畜産の政策をここでやはり再検討するのではないかというようなことになりますと、これはまたたいへん……。再検討するということは要するに、言うならば日本型の食生活というものを指向するといいますか、つくり上げていくといいますか、そういう考え方が出てまいりますと、これはどうしても畜産というものを検討しなけりゃならないということにならざるを得ないと思うんですよ。ですから、私はそうではなくて、大臣がおっしゃるように――大臣なかなか答弁かおじょうずですから、いまあるものを、国内でできるものは積極的に自給率を高めていくんだというお話なんで、けっこうな話なんですけれども、私はそういう心配をしている。それをいろんな理由をあげまして申し上げたわけです。どうも農林省の態度というのは畜産について変わるのではないかと、あるいは検討しておられるのではないか、再検討するというような考え方でいらっしゃるのではないかという点をたいへん懸念をしておる。大臣のおっしゃるように自給率を高めていくんだ、畜産についても自給率を高めていくんだということで、これは積極的にやっていた、だけるならけっこうな話なんですけれども、どうも心配があるという、懸念をしているという点を申し上げておきたいと思います。
 またあらためてこの問題については逐次明らかになっていくでありましょうから、もっと資料を整えまして論議をいたしたいと思っております。
 次は、時間の関係もありますので、この世界食糧会議について大臣はあさって行かれるわけですが、お伺いをしたいんですけれども、これは御承知のように、三回の準備委員会が持たれまして、すでにどういう議題になるかということは新聞等で報道されております。そしていよいよ三回の準備会をもちまして、この十一月の五日から十五日ごろまでですか、国連の第一回の、といってもいいのですが、世界食糧会議が持たれる。
 そこで、この内容を見てみますというと、発展途上国の食糧問題というのがどうも中心になっておるようでありまして、先進国の食糧問題というのは何かワク外になっておるような印象を受けるわけですが、項目を見ますというと、発展途上国の食糧増産のための措置、これが第一になっておりまして、次は栄養不良の人々への援助というのが第二番目になっておりまして、三番目に、世界食糧安全保障の強化。これはまあ、今度の世界食糧会議の三つの大きな柱である。あと二つは、それに対するやり方、方法等の問題になるようでありますが、そういう点からいいますと、どうも発展途上国に対する食糧問題というのが中心で、先進国の問題はどうもワク外のような感じもするのでありますが、そこで私は、日本政府といたしまして、食糧会議に臨む基本的な態度といいますか、農林大臣はこの冒頭に演説をなさるようでありますけれども、六日の日の演説をなさるようでありますが、この食糧会議に臨む政府の基本的な考え方というものについて簡単にお伺いをいたします。
○国務大臣(倉石忠雄君) 食糧問題につきましては、御存じのように、FAOという機関がございまして、これも国連傘下の有力な機関でありますが、なぜ新しく別に国連が、国際の食糧問題だけに限って国際会議をやるかということについては、これはやはりFAOは残念ながらソビエトロシアが参加しておりません。中華人民共和国というのは最近入ってまいりましたけれども、先ほども鶴園さんのお話がございましたように、ソ連という国は非常に大きな買い付けを一昨年、昨年とアメリカにいたしましたために、日本の畜産等にも大きな打撃を与えたというふうな大手でありますので、こういう大きな生産国であり、消費国である国が参加しておらないところで、世界の食糧問題を論じても意味がないということでありましょう。国連ならばソビエトロシアも入っておりますので、まあ国連の食糧会議と、それからまた、その他いろいろこれからやってまいりますためにも、国連の食糧会議でいろいろなことを将来推進してまいる、もし決議が行なわれれば、その推進をやってまいる。こういうことのために別に開いたのであろうと考えております。
 私どもとしては、いま日本の多くの方々、第一に国内の食糧の安定確保、これが第一、第二はやはり日本人だけが安定確保をいたしておりましても、世界の地球のどこかに大きな飢饉で餓死するようなものが出てきたりなどするということ、また、たくさん地球の上にあります開発途上国で非常に窮迫をいたして不穏な情勢が出てくるということになれば、幾ら日本は日本だけで自分の食糧安定確保をいたしておっても、やはり世界全体の混乱の影響は受けなければならないわけでありますので、力のある国はみんなでできるだけやはり開発途上国の生産安定のために協力することは、私はいろいろな意味において大事な問題であると思いますし、日本国のような経済的にここまでまいりました国の義務でもあろうかと、こう考えております。で、今度の会議でそういうことについて開発途上国の援助、たとえば肥料の援助をするという一つのスキームをつくろうというふうな構想もあるようでありますし、それからキッシンジャーが提案しておりますような国際的な備蓄についても、これは大事なことでありますが、どういう方法でどういうふうにしようとするのか、これから討議をしてみなければわかりませんが、全体としてそういうことに向かって、まず私は国際的な食糧の安定というものが世界平和の一つの大きな原動力ではないか、そういう考えでおりますので、日本政府は、この会議に参加をいたして応分の協力をいたすと、こういう決意でございます。
○鶴園哲夫君 世界の食糧問題がたいへん大きな、重大な問題になっている、あるいは世界の進歩、文明、平和、そういうものに対しまして食糧というのが大きな問題になってきているというふうに思うんです。
 百カ国をこえる国々が初めて集まって、イタリアで世界食糧会議が開かれる。それに対しまして、政府を代表して農林大臣が出られて演説をなさり、また、決議等行なわれれば、応分の役割りを果たしたいということだと思うんです。私は、議題等を見てみまして感じますことは、援助と備蓄という点にどうもあまりにも重点が置かれ過ぎておるんではないか、積極的な増産ということにやはりもっと関心を持つべきではないか。当面いたしてすぐ緊急に四億の人たちが飢えているという問題がある。それに対して緊急な措置をとらなければならぬということもわかります。しかし、もっともっと積極的に世界の食糧を増産をするという点に関心を集めるべきではないのかという気持ちを持っておるわけです。その場合に、日本は私は、食糧としましては発展途上国だという考え方を持っておるわけです。決して先進国ではない、中進国でもない、発展途上国。むしろ発展途上国というよりも農業ははなはだしく崩壊しつつある、くずれつつある、そういう国だというふうに考えておるわけです。これは農業白書が言っておりますように、穀類の自給率が四三%だと、先進諸国の中では例を見ない低さにある。大豆を入れますと三〇%台に落ちるわけです。ですから、日本は決して農業の先進国でも何でもない。言うならば崩壊しつつある国ではないか。そしてたいへんな食糧を、二千三百万トンという穀類を輸入している。ソビエトは昨年、一昨年と二千万トンをこすようなものを突如として買いに出るということもあって混乱をいたしましたけれども、日本はそれと同じ程度のものを毎年輸入しておるわけです、二千三百万トン。ことしあたりはおそらく二千三百万トンをこすだろうと思いますが、たいへんな食糧を輸入している。その大部分は畜産の腹を通して七分の一ぐらいになって国民の胃袋に入ってるわけです。ですから、日本は、国際的に言いまして、最大の輸入国であり、世界の貿易食糧の中の穀類の中の一割をこすような輸入をしている。徹底的に、農業的には私はたいへんな後進国だと思うんです。
 その日本が、この食糧会議にどのように貢献するかという点の第一は、大臣がいままでも言っておられましたように、国内においてどのように増産をするのかという立場を鮮明にすることが、これが世界の国々に対する私は任務だと思う。しかも、日本が輸入いたしております二千三百万トンの大部分はえさとなっていくわけです。それは後進国の、発展途上国の穀類と、食糧と競合していることは御承知のとおりです。そういう点等を考えますと、私はこの食糧会議に対して日本がまず主張しなければならぬことは、国内においてできるものは積極的に増産をするということをまず鮮明にすることが食糧会議に対します世界の国々に対して、あるいは発展途上国に対する第一の私は政府の立場ではないか。それをあいまいにしては、これは食糧会議における日本政府の役割りというものはたいへん低下をする、こういうふうに考えておるんですけれども、その点についての大臣のお考え方をお伺いしておきます。
○国務大臣(倉石忠雄君) 御同感でございまして、私どももやはり開発途上国の各国がまず自助努力をしなければならない、自分のところで不生産的なことをしておって、よそから援助を求めるというふうな考えでは、世界の食糧は安定いたしませんよ、ということを言っているわけであります。いわんや、わが国の自給度維持向上というのは、別に外国に行って演説するわけではありませんけれども、方針は全くおっしゃるとおりであります。政府の方針も従来どおりそういう方針を欠いておらないことは当然のことであります。
○鶴園哲夫君 食糧が戦略的にも使われるというような段階になっておりますし、さらにまた、開発途上国との関係等からいいまして、先ほど申し上げましたように、日本政府としてまず国内において自給率が三〇%にも下がっているというような状態では、これはどうにもならぬのじゃないか。世界の貿易市場の中に入り込んでソビエト以上に問題を起こしているわけですし、起こらざるを得ないわけですけれども。起こしたわけですから、国内における積極的な増産政策というものを提示をするということは――まず提示をするということが私は、各国が期待しておるところだと思うのです。途上国においてもそうですし、そうだと思うのですけれどもね。
 そこで、次にお尋ねをいたしたいのは、先ほどお話もありましたですが、日本政府が、世界食糧会議におきまして、途上国の生産に積極的に協力をし、援助をしていく。その場合に、まず問題になりますのは、何といいましても、世界最大の輸出力を持っていると言われます肥料問題だと思うのです。肥料基金のごときをつくって後進国に援助をしようという、そういう考え方があるというお話がありましたですが、私どもの懸念いたしますのは、いま肥料需給というのはたいへん窮迫をいたしておりまして、ですから、援助をするという場合に、まず肥料の問題が一つ大きな問題だと思っております。その点についての大臣のお考え方をひとつ伺いたいことと、もう一つ日本側が提案いたしております情報システムの強化の問題につきましてであります。
 確かに日本が世界の最大の輸入国になって世界穀類の貿易量の一割をこすものを輸入するわけでありますから、この食糧の情報システムの強化というのは当然だと思います。でありますから、その強化を進めなければならないが、どうも日本政府の真の世界食糧に対する情報網というのはあまりにも貧弱過ぎる、こう思っております。農林省は食糧庁を通じまして、食糧庁によりまして穀類を買い入れておるわけですが、国内で買い入れる食糧穀類というのは八百万トンぐらいじゃないかと思いますけれどもね、そうして二千三百万トンというそれの三倍に相当するような食糧というのを外国から輸入しておるわけですけれども、その大部分はアメリカでしょうが、あるいは豪州なりカナダということになるんですが、その場合に、政府自身、農林省自身の情報網というのがたいへん貧弱ですね。二千三百万トンというたいへんな食糧を輸入しているのだけれども、それに対する情報というのは、農林省は非常に貧弱過ぎるということを私はかねがね痛切に感じております。昨年からアメリカがああいう状態になりまして、一次、二次、三次というふうに調査団みたいのを派遣いたしましたですね。一ヵ月ぐらいにわたりまして、あるいはもっと短いのもありました。私は、これを商社にまかせるのじゃなくて、もう少し政府自身としてそういう情報網というものを持っておく必要があるのじゃないかと思う。アメリカに一人しかいない、豪州に一人しかいない、カナダにいないんじゃないですか。私は、そんな――食糧の安定供給ということをおっしゃる、それについて外国の食糧を二千三百万トン輸入して、それの大部分はアメリカなりカナダなり豪州から持ってくるのにかかわらず、それに対する農林省側の情報というのはまことに貧弱、あるかなしかの、かすかな線でささえているというのでは私は困る、こう思っておるんです。いまの、世界の食糧情報システムの強化を政府は提案をしておられるわけですけれども、政府自身の、一体農林省自身の情報網というのはあまりにも貧弱じゃないか、こういう問題についての何かの積極的なお考えはないのか、という点と二つお善ねをいたします。
○国務大臣(倉石忠雄君) 国際的に世界各国がやっぱり共同の責任をもって情報をつぶさに交換し合うということが一つの機関でまとまれば、これは、私は、いろんな意味においてたいへん有益ではないかと思いますし、日本政府が言っておりますそういう意見に対しては、多くの国が賛成しておる模様でございます。これがしかし、できるかどうか、これからの努力の問題でありますが、お説のように、国内において、世界各国の、たとえば気象通報、これがはっきりつかめるということになれば、明年の、世界の穀類等の生産その他のものがはっきりいたすわけでありますので、そういうことに関しましては、十分な情報を得られるような用意をしなければならぬ。
 そこで、私は、国際会議でそういう権威ある機関をつくって、世界人類のためにそういう情報システムをつくるべきではないかと、こういう提案をいたそうと思っているわけでありますが、わが国の農林省においても、いろいろいま御指摘がありましたけれども、私どもはいろんな手づるで、いまは各国の状況についてかなり情報をとっておりますけれども、いま申しました国連の会議の模様を見、または私どもは、御指摘のように、そういう点の充実をしてまいりたいと思っております。
○鶴園哲夫君 最後に、いま確かにおっしゃいますように、食糧の情報機構というものを設置をし、それを強化していくという点については私も賛成であります。しかし、一体、日本政府はそれをどうするのかという点について、これは急にできるものではないんでありますから、すぐ強化されるわけでもありませんし、よく言われますように、世界の食糧事情を一番握っているのは国連ではなくてアメリカだと言われております。アメリカの農業白書を見ますと、これはもう全部、国内、世界の食糧事情がわかります。日本は、これはたいへんな食糧輸入をしているわけですが、あまりにも私は政府自身の情報網というのが貧弱過ぎるという点を強調したいと思います。たいへん貧弱ですよ。商社にまかせっきりということはどういう問題を生じているのか、どういうマイナス点があるのかという点については、これはもう少し資料を整えて論議をしなければならぬと思いますけれども、それにいたしましても、あまりにも貧弱だという点を痛切に感じておりますので、政府自身の世界各国に対します食糧の情報をとる、つかまえる、そういう組織をやっぱり考える必要があると思います。アメリカは相当なものを持っていますよ。驚くべきものを持っていますね。これは輸出するためですよ。こっちは輸入するためですから同じだと思うのです。非常に貧弱だという点を重ねて申し上げまして、時間が参りましたので、私の大臣に対する問題はこれで終わりたいと思います。
○工藤良平君 私は持ち時間が十五分でありますからカドミの問題はあと一括して午後に譲りまして、大臣にごく三つの緊急の問題についてお伺いをしておきたいと思います。
 それは五十年度の予算編成の時期にも入ってまいりましたので、まず第一番は、いま鶴園委員からもお話がありました畜産の問題でありますが、飼料は高騰いたしておりますけれども、生産農家が販売をいたします家畜が非常に安いということからたいへんな問題を提起をされております。そこで、とにかくいま農林省が把握しておりますように、肉類の卸売り価格が非常に低落をしておるというこの現象はどこから出てきておるか、どのように判断をしておるか、きわめて簡単でよろしゅうございますが、御説明いただきたいと思います。
○説明員(澤邊守君) 牛肉の卸価格が低落している原因でございますが、これはいろいろございますけれども、一番大きな原因はやはり昨年の年末以降のいわゆるオイルショックによります消費節約ムードの浸透という点が一番大きな問題ではないかと思います。それに加えまして輸入が昨年後半からかなりふえてきている。もちろん二月一日現在で、一部について停止措置をとっておりますけれども、その後も全面的停止ではございませんので一部入ってきておるというのが最近までの実情でございます。それから国内生産が、昨年の高値に刺激されましてかなりふえております。これは今年度中、まだ正確に推定はできませんけれども、約二割ないし三割国内生産が牛肉についてふえるのではないかという推定をいたしております。それらの要因が重なりまして価格が低落してまいっておるというふうに見ておりますが、繰り返しでございますけれども、一番大きいのはやはり消費の節約ムードによります消費減退という点にあろうかと考えております。
○工藤良平君 そこで、この対策としては、私は長期の対策と緊急の対策があると思います。卸価格が低落をしておるにもかかわらず、飼料は非常に高騰しておる。畜産農家の生産意欲は必ずしも――旺盛と言いますとこれは問題がありますけれども、前向きになってきたという段階で、こういう事態が起こっているわけでありますから、事は深刻であります。そこで私は、これは大臣に従来からも言ってまいりましたけれども、日本の家畜の振興というものがいわゆる飼料の輸入によってまかなわれてきたということ、豚やあるいは養鶏というものについては今後もその依存度はきわめて大きいと思いますけれども、ただ、飼料の輸入がますます増大するという状況を考えてみますと、それをどのように私たちが解決をするか。その一つの方法として、やはり大家畜については粗飼料に大きく切りかえていく、日本にそのような要素はないのか。私はあると、このように断言をしてまいりましたけれども、それはやはりこの時期に思い切ってやる必要があるのではないか。先ほどの私は、報告にも申し上げましたけれども、やはりこの際、総需要抑制ということで画一的にものを処理するのではなくて、いまこそ、私は、こういう問題について、たとえば畜産の粗飼料の確保のためにどのような手だてを講ずるかということを、より積極的に五十年度予算で推進をしていく必要があるのではないか。大家畜の問題としてそのことを特に強調したいと思いますが、大臣としての見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) お説のとおりでありまして、したがって農林省は、昨年来申しておりますように、計画的に草地の造成、そういうことについて全力をあげてやっておるわけであります。しかも予算面でも助成金を出してやっております。しかし、工藤さん御存じのように、これを国内で生産する――草地は、草はけっこうですけれども、その他のものにつきましては御存じのように一定の限度があります。しかし、どこが限度であるかということについてはなおこれから検討を続けながらやっていかなきゃなりませんが、私どもといたしましてはできるだけ粗飼料の自給度も高めてまいりたい、このように考えております。
○工藤良平君 先ほどお話がありましたように、消費の節約ムードなりいろいろな要素の中からそういうものが出てきておるものでありますから、そのためにはやはりいかに生産コストを下げるかということに全力をあげなければならぬ。その方法として私は、いま特に粗飼料にたよれる家畜の飼育の方法について大きくそのことを転換をしていくという基本姿勢に立つ必要がある。このことは、農林省も今年度の予算の重点施策の中でもはっきりと指摘をしているわけでありますけれども、より積極的にそのことをやはり進めていく必要があるということを特に私は重ねて強調しておきます。
 さらに畜産対策の緊急な問題として、すでに農業団体等から要請が出ておると思いますけれども、輸入飼料の高騰によりましてたいへんな窮地に追い込まれておりますから、この緊急対策をいまどうするか。さらにいま配合飼料の値上げというものが検討されておるようでありますが、そういう事態を迎えて一体この飼料安定のための対策をどうするか。農協からも三つの要件が出されておりますから、その点に対する御見解と、さらに赤字救済のための畜産経営の再建のための特別資金制度の創設というようなことも実は出されておるようであります。これは現在せっかく上昇機運にあったものに水をぶっかけたその畜産農家に対して、ここでしっかりとこれ以上減退しないような形で歯どめをかける、その緊急対策というものが私はいま必要だ、このように思います。したがって、その点についての御見解をお伺いします。
○説明員(澤邊守君) 配合飼料の価格はことしの二月トン当たり約一万一千円ないし二千円上がったわけでございますが、その後、国際市況がやや軟化したということ、さらに円為替レートがやや持ち直したということもございまして、四月、トン当たり約八百円――四月から六月まででございます。それから七月から九月、その九月が一ヵ月延びまして、十月まではトン当たり二月水準に比べまして約四千円下がったわけでございます。ところが、その後、この夏ごろからアメリカの不作等によりまして国際価格が非常に上がりまして、それを使用いたしますのが十月ごろからということで、十月の価格改定時期に再び引き上げ問題が持ち上がりまして、その後、全農関係あるいは飼料工業会関係のメーカー等、それぞれ値上げせざるを得ないということでわれわれのところに値上げの希望が出されております。われわれといたしましては慎重に審査をいたしまして、できるだけ抑制するということで指導いたしまして、全農につきましては一カ月繰り延べまして十一月からトン当たり平均七千六百円値上げをすることにいたしました。なお、商系につきましては、メーカー系統でございますが、これは十月の半ばごろから平均約八千五百円ないし八千六百円の値上げを実施をいたしております。なお、商系につきましては、この値上げが全部現在実現しておるとまでは言えないと思いますが、一部実現しておる、こういう状況でございます。
 それで、これに対する対策としましては、先ほど申し上げましたような二月以降の価格の推移、二月の水準――高い配合飼料価格の水準で、一応三月末に、加工原料乳なり豚肉なりあるいは鶏卵につきましての価格は、政策的な価格水準を一応きめておりますが、その後下がったという、これはメリットになるわけでございますが、そういう要因も考慮しながら――畜産経営の最近の実態、特に畜産物の価格の動きがやはり畜種別にかなり違っております。端的に申しまして一番苦しいのは肉用牛だと思います、牛肉だと思います。他のものにつきましては、必ずしもそこまでの困窮度には至っていない、ものによって違いますけれども。そういう状態も勘案しながら、現在慎重に検討しておるところでございます。早急に十一月、十二月対策について決定してまいりたいということで、現在検討中でございます。
 なお、特別資金制度についての御意見でございますが、これも私どもといたしましては、肉用牛対策はやはり緊急度が一番強いということで、この春以来、何回かにわたりまして、調整保管とか、あるいは低利融資とかいろいろやってまいりましたが、六月の初めに、俗にいう負債整理というものを肉用牛経営、飼育経営についてやるということで、厳密にいいますと、債務軽減措置ということでございますが、各農家個別にあたりまして調査いたしましたのが、最近集計が大体できておりますので、五月末現在でのいわゆる焦げつき債務につきまして借りかえ措置、それに伴います低利融資ということ――借りかえのための低利長期の融資をするということにつきまして、早急に結論を出して、飼育経営につきましては、いまお尋ねのような特別資金制度に類するようなことをやりたいということで、最後の詰めをしておるところでございます。
○工藤良平君 時間がありませんから、いまの問題につきましては、非常に緊急でしかも深刻な問題でありますから、これはぜひ前向きに実現できるように、大臣の最大の努力を要請いたしたいと思いますので、大臣からちょっとその点、前向きの御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 先ほど来お話のありましたように、団体等ともたびたび面会をいたしておりまして、事情はよく承知をいたしております。ただいま畜産局長がお答え申し上げましたように、大事な問題でありますので、私どもも、来年度予算編成に際しまして十分最大の努力をいたしたい、こう考えております。
○工藤良平君 それからあと二つあるのですけれども、時間がありませんから……。さっき私第一班の調査でも報告をいたしましたように、土地基盤整備事業につきましては、これから真剣に進めなければならぬことは申し上げるまでもございません。ただ、今日までそれを進める過程の中で、あれは不本意ではありましたけれども、米の生産調整というものを最大限に利用して、土地改良事業を進めてまいりましたことも御承知のとおりであります。したがって、東北方面から出ておりますように、基盤整備についての休耕補償を今後も継続してほしい。そうしなければ、かなり大幅に基盤整備がダウンするのではないかということが深刻な問題として出てきております。これはどこを回りましても、そういうことが言われておるわけで、これは私は、五十年度の予算編成にあたって非常に大きな問題でありまして、ぜひ基盤整備を大きく推進をして、しかも単年度に仕上げていくという意味からいたしましても、これは重要な課題だと思いますので、これをどのように扱っていくか。もし農林省のほうで見解がまとまっておれば見解を伺いたいし、まとまっていなければ、どのように今後検討をなされるか、ひとつ御見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 御存じのように、基盤整備は、公共でございますが――四十九年度予算編成にあたりまして、政府は全力をあげて物価の安定、インフレムードの抑圧ということにまず重点を置いて予算の編成をいたしました結果、公共関係は御存じのように圧縮されております。そういうことの余波を受けまして、せっかく私どもが一生懸命でやりました、しかも地方の団体及び町村長さん、組合等たいへんな御協力を願っておる途中に、一方においては、予算が圧縮される。工事は途中まで進んでおる、しかも諸物価が高騰するというふうなことで、自治体などもたいへん苦しんでおるというのが率直な現状でございます。そういう中にあって、私どもは農産物自給度を向上するというたてまえから、ぜひ予定どおり完遂してまいりたい基盤整備でありますので、最大の努力をいたしており、また、それぞれ折衝いたしておるわけでありますが、これをいまお話しのようなことに切りかえるということは、これは非常に現在の段階では困難であります。しかし、来年度予算編成にあたりまして、現在の事情を勘案いたしまして、なお、私どもの目的がどうやったら達成されるかということについて努力をいたしておる最中でございます。
○工藤良平君 これは私どもも機会をあらためて、大蔵なりそういうところとも強く議論をしなきゃならぬと考えておりますので、ぜひ農林省としても、通年施工補償の問題等につきましては基盤整備を急速に進めていくという大前提に立って、ぜひ前向きに検討していただきたい、このように思います。
 時間がまいりましたから、私達後ほど残り時間を全部使いまして、重金属による土壌汚染の問題について、あと局長と各省を含めましてやりとりをいたしますが、大臣としても、この点についてはぜひ後ほど御検討いただきまして、この被害農家に対する救済について全面的なひとつ御指導を強く要望しておきまして、時間がまいりましたから、一応これで大臣への質問を打ち切ります。
○相沢武彦君 農林大臣に、ソ連船の北海道沿岸海域操業に伴う北海道漁民の漁具被害に関する御質問をしたいと思います。
 毎年シーズンになりますと、ソ連船のトロール船が北海道各沿岸海域に出漁しまして、スケソウ刺し網とか、カレイ刺し網、エビかご、あるいはツブかごなど、北海道沿岸漁民の漁具に大きな被害を及ぼしているのでありますが、ことしも九月末ごろから釧路、十勝の沿岸海域、それから広尾、日高方面の太平洋沖合いにソ連トロール船が来まして、かなりの被害を及ぼしているわけでございますけれども、この件につきまして、大臣は直接水産庁のほうからでも、その内容等について聞いているかどうか、この点まず確認をしたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) 報告を受けております。
○相沢武彦君 特にことしに入りまして、九月末から今日まで、現地のほうから被害額がどれぐらいだということで報告きているんでしょうか。
○説明員(内村良英君) 本年に入りまして、十月十九日ごろには、襟裳岬周辺に八千トン級の母船十二隻を含む総数七十一隻の船団が操業中だという報告を受けております。
 それから、被害につきましては、私どもが承知しておるところは、今年になって、秋になってからの被害は、五百五十万円ぐらいというふうに聞いております。なお、これはまだ進行中の話でございまして、十月二十日時点ではその程度のものでございます。
○相沢武彦君 いま長官からも御報告がありましたけれども、日高管内の関係で二十二日現在で四百十七万円、それから道東沖合いで約二百万円相当、こういうことなんですが、今後、相相被害がふえるんではないかと、このように関係者は憂慮しておるわけです。特に広尾から日高にかけての太平洋沖合いにはサンマ、サバ等のトロール船のソ連船が相当出漁しているわけでありまして、十月の二日から二十二日現在までで、すでに四百十隻ということですけれども、昨年はちょうどシーズンの十月、十一月にかけての二ヵ月間で三百十一隻程度だった。非常にふえてきているわけでして、新聞報道や、あるいは関係者のお話によりますと、広尾の沖合いはソ連の母船や独航船、あるいは中積み船、あるいはタンカー船など、七十隻が横一列に並んで操業していると、まるで海上封鎖やったようなもんだと。しかも、御承知のように、ここ最近は非常に漁具の資材等高騰しておりますし、油も非常に上がっている。特に沿岸漁業の場合は、とれ過ぎてさっぱり値が上がらないというようなことで、困る場合もあるわけです。相当無理して操業しているわけでございます。ところが、せっかく設置した漁具が根こそぎソ連の操業によって被害を与えられたのでは、もう泣いても泣ききれないと、こういう状況で、現地のほうからは、道やあるいは札幌のソ連領事館等にも抗議、あるいは要望等もしているわけでありますけれども、やはりこの際、農林省としても確固たるやっぱり対処をしなきゃならないと思うんです。
 そこで、大臣に各点をお尋ねしていきたいと思うんですが、まず、細々と沿岸漁業で生計を立てている漁民にとっては、今回の被害はまさに死活問題でありまして、この被害を受けた漁民に対しての損害補償、これを国として考えてやるべきではないかと思いますが、これに対する対処はどのようなお考えですか、大臣にお聞きします。
○国務大臣(倉石忠雄君) ソ連漁船団による漁具被害につきましては、従来から被害発生後その実情について外務省を通じましてソ連側に善処方を申し入れてまいったところでありますが、昨年十月以降特にこの被害件数が多くなりましたので、本年の四月、これは漁具被害等に対する損害の補償等につきまして外務省を通じてソ連側に申し入れてまいっております。今後とも、被害発生のつど損害の補償等について外交ルートを通じてソ連側に申し入れを行なうのは当然でありますが、漁具等の損害処理につきましての機構の確立につきましてソ連側と協議する考えでありますが、国の代替補償については、本問題が民事上の問題でありますので、直接、国が補償するというわけにはまいりませんが、これはソ連側とも、いま申し上げましたように、十分協議をいたしまして、こういう損害をなからしめる、また、損害のあった場合には、これを補償し得るようなやり方について協議をいたしたいと、こう思っております。
○相沢武彦君 本年四月に一応外交ルートを通じて協議を申し入れたというんですけれども、現在のところ返答はきていないわけですね。
○説明員(内村良英君) 四月にソ連側に操業協定をやろうじゃないかと――現在ソ連はアメリカ及びノルウェーと漁業の操業協定を持っているわけであります。したがいまして、日本政府といたしましても、そういったもの、それからおととしの十月から十一月にかけまして一ぺんソ連と操業協定をやっているものでございますから、そのとき出しました日本の案に基づきまして、若干手直しした案をソ連側に出したわけでございます。その
   ソ連でもそれを検討して、十一月の下旬に東京で交渉が行なわれるという内報をソ連側から得ております。
○相沢武彦君 漁業協定は、今後の問題とそれから漁具の被害と、両方含まれるわけですね。それが十一月に開かれまして、直ちに漁業協定が結ばれ、また、被害補償等、額がきまればこれはいいわけですけれども、そう簡単にいかない場合を予想するわけでございます。特にことしの一月から三月まで、日高沿岸漁民の被害はスケソウ刺し網などで約二千四百万円相当の被害を受けています。このときも申し入れを行なっているわけですけれども、ナシのつぶてだし――まあ、その後漁業協定がきまり、被害に対する補償がきちっときまって、実際に漁民の手にお金が手に渡るまでには相当の期間を要するだろう。その間操業しないで黙っていると死んでしまいます、食べられませんから。そういうわけで、国としてそういう漁業協定の交渉等、一応いま努力をされてぜひ一日も早くそれを実現していただきたいと思いますけれども、実際にその漁具補償の金額が漁業組合を通じて被害を受けた漁民に渡るまでの間、一応こちらでも被害額というのは算定できるわけですから、一時、国が肩がわりをして補償を与える。ソ連側と交渉がきまって受け取る場合に、それを国が受け取る、こういうやり方で早急にこの漁具被害についての国の被害補償一時立てかえ、肩がわり、こういうようなことはできないのでしょうか。
○説明員(内村良英君) 私どもといたしましては、ソ連と漁業の操業協定、まあ、漁業協定の場合には、すでに日ソ漁業協定があるわけでございますから、漁業操業協定を結ぶわけでございますけれども、その操業協定で、あくまで民事的な問題として、本件は損害自体は解決しなければならないし、それから操業の調整につきましては、そういった政府間の協定を基礎にして操業の調整をはかっていくということでやるのが筋ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○相沢武彦君 たてまえ、筋論としてはそうなんですが、何とか打開の便宜の方法というものを検討する余地はないんでしょうか。
○説明員(内村良英君) まあその他の類似の問題もあるわけでございますが、こういつたケースの問題は、やはり法律的な問題といたしましては、民事上の問題として、ずうっと全部ほかのケースについても処理しておりますし、日ソ間のこの問題につきましても、ソ連側が加害者だということがはっきりしているわけでございますから、ソ連に対して損害賠償を請求していくということでやるべきであって、国がかわって補償すべきというような性質の問題ではないのではないかというふうに考えられるわけでございます。
○相沢武彦君 直接、被害補償の肩がわりという名目が無理だとするならば、新たにまた着業資金といいますか、そのための、漁具資材購入のための貸し付け金、そういった点に優先ワクをとる、こういうような方法はございませんか。
○説明員(内村良英君) 漁業につきましては、いろいろな融資措置があるわけでございます。公庫の資金もございますし、漁業の近代化資金もある。非常に被害が大きいというようなことであれば、新しい網を買わなきゃならぬというような場合には、いろいろな金融上の措置が、すでにいろいろな制度がございますから、そういったものを活用して対応していくのがいいのではないかというふうに考えられます。
○相沢武彦君 活用することぐらいは皆さん方もう考えているわけです。そのときに、従前のワク内で押えられ、また、普通借りるときのいろんな諸条件の査定をされたんでは、借りられない漁民も出てくるわけですから、特に被害を受けた漁民のための金融ワク、そういうものを優先順位として与えるとか、そういった新しい便法ですね。あるいはそういう新しい通達、一時的な措置、そういうものをお考えできませんか。
○説明員(内村良英君) 被害の実態によるわけでございますが、それによって非常に操業に困る、その後の操業に困るというようなことがあれば、金融措置について何らかのワクを先取りするとか、そういうふうなことは考えなきゃならぬ場合もあり得るかと思います。そういった場合につきましては、そういったことを検討する必要はあるかと思います。
○相沢武彦君 現地の漁民の人たちから、こういった被害が発生するということも、結局わが国の領海三海里に限定していることからくるので、すでに現在領海十二海里というのが世界の大勢を占めているおりから、一日も早く領海十二海里に改めるべきではないか、こういう要望もあるわけです。一方、遠洋漁業の場合は、どうしても十二海里は避けたいし、また、経済水域二百海里ということもできるだけ避けたいということでおっしゃってる。こういった相反する利害関係におりますけれども、世界の大勢は、どうしても経済水域二百海里というものが将来設定されるであろうという情勢にもあるので、したがって、それに対応したやはり日本の今後の新しい漁業対策も考えなきゃならない。こういう立場にもあると思うんですけれども、現在のところ、政府としての方針として、この領海十二海里説の宣言という問題についてはどうお考えになるか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 現在は、わが国は御存じのように領海三海里説であります。ソビエトロシアは十二海里であります。で、この間、いまお話のございましたカラカスにおける第三次海洋法会議では、結論は出ませんけれども、大勢はお話のとおりでございます。わが国は、まあそういう傾向を見ておりまして、諸般の状況を勘案いたしまして、やっぱり一番多い十二海里説というふうなものにつきましては、十分考慮する必要があるんではないかと思っておりますが、これは漁業ばかりじゃございませんで、ほかのいろいろな関係もございますので、政府においては慎重に検討いたしまして決定をいたしてまいりたいと、こう思っております。
○相沢武彦君 時間がきましたので、もう一問だけにいたします。
 今後だんだん世界の海が狭められて、日本の遠洋沖合い漁業というものは先行き非常に細くなっていく。それに対応する方法として、沿岸の栽培漁業と養殖漁業ですね、重要視しなきゃならない。これは当然のことなんですが、もう一つ、特に毎年の日ソ漁業交渉に見られるように相当きびしい制約が加えられているんですけれども、結局これまで日本の場合はとる漁業に終始してきた。それで向こうがきびしい制約を加える大きな条件としては漁業資源の枯渇ということをあげるわけでして、そして、こちらが希望しているような、日ソの両方の科学者あるいは漁業関係者によるところの共同調査等も避けていることを考えますと、やはりこの際、日本としても新しくその水産資源をふやすために多少の金は持ち出しても、漁業資源拡大のために御奉公をするということを現実に示す必要があるんじゃないか。特に北洋のサケ・マスの資源拡大について、たとえばの話ですけれども、思い切って十ヵ年計画、三兆円ぐらいの資金で日本が優秀なふ化技術、そして放流まで行なう、そして漁業資源をふやし――それで日ソの共同の資源調査を行ない、そしてふえた量によって話し合いで毎年の漁獲量をふやしていく。こういうふうな、やはり大きな見地に立って対処しなければならないと思うのですが、この点どうですか、大臣、将来の考えとして。
○国務大臣(倉石忠雄君) あなたのお話のございましたように、全部やるかどうかは研究問題でありますが、先方との間に、いまお話のございました資源増殖については、前々からいろんなことを相談し合っておるわけであります。で、先方の責任者も日本においでになりましたときに、私との間にも、それらのことについて非常に関心を持っておられて、だんだんこれが具体化してまいっておりますので、そういういまお話しのような趣旨に沿うてわれわれは魚種の確保、資源確保について力を入れてまいる必要を痛感いたしております。また、そのように努力しております。
○原田立君 大臣はあまり時間がないようですからごく簡潔にいたします。
 私はミカンと飼料、畜産、その関係の質問をしたいと思います。
 一昨年のミカンの暴落は生産農家をはじめ関係機関に大きなショックを与えると同時に、ミカンの生産対策に深刻な問題を提起したわけでありますが、本年は四十七年と同様表年に当たるばかりではなく、インフレの高進からくる物価の高騰あるいは石油危機に伴う生産費、流通関係費等の急騰とあわせて生活諸経費の上昇等々を、まともに受ける重大な年であります。このような社会情勢の中にあって、ミカン農家の健全なる経営と安定をはかるためにも強力なる対策が必要であると考えるものであります。
 それで大臣、お伺いしたいんでありますが、まず生食用ミカン価格についてお伺いしたい。ミカン価格の場合、非常に変動が激しい。たとえば年度別農家手取り価格を見ても明確であります。特に四十七年の場合は生産費すら確認することができない。これがミカン農家の実態である。これは日本園芸農業協同組合連合会から出ている資料でありますけれども、この資料によりますと三百四十万トンのもし生産があった場合には、生産農家は十アール当たり一万四千四百四十五円の赤字であると、こういう表が出ておるんです。それでお伺いしたいのは、生産者の価格安定をはかるためにも生産者価格保障制度などを行なう考えはないかどうか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 果樹にはいろいろございますが、いまミカンのお話でございます。ミカンは、ことしは表年でありましたので、私どものほうは生産者団体と農林省の事務当局がずっと前から接触を緊密にいたしておりまして、摘果作業等かなり進行いたしております。したがって、ことしの製品はかなり品質においてもいいんではないかと思っておるわけでありますが、これは永年作物でございますし、ほかの作物と同じように、果樹にも試験時期が済みまして保険制度も実施されているものもあります。それからまた、生産過剰をおもんばかりまして先年来果汁工場を、これは政府の助成でやっております。こういう状況でございますので、やっぱり生産者団体は需給の関係を十分勘案いたしまして、われわれと協力いたしまして生産をやってていただくのでありまして、これは価格を保障するというふうなやり方、これは私どもはいま考えられない制度であると思っております。
○原田立君 大臣は考えられないということですけれども、これは積極的に検討していく方向はございませんか。
○国務大臣(倉石忠雄君) これミカンだけではないわけでありまして、他のものも同じような要望もあるかもしれません。どういう基準で決定をするかということはなかなかむずかしい問題でありまして――そういうことについては、これは研究する意思はないかというお話でございますが、研究は私どもは常にやっておるわけでありまして、その結果ただいま申し上げましたように、いま、くだものについて価格保障という制度は考えられないと申し上げておるのでありまして、私ども行政の部内ではいろんな点を研究いたしておることは当然でありますけれども、くだものについて価格保障という制度を採用するという考えはいまありませんで、保険制度は御承知のようにだんだん幅広く実施されつつあると、こういうことを御了解願いたいと思います。
○原田立君 政府の行政指導の誤りからミカン農家はたいへんな被害をこうむっている、こういう認識が私にはあるんです。それで、いまこの生産者のミカン農家がもっと安心して仕事ができるような、そういう状態にしなければいけない。昭和四十七年のような、あんな大暴落して塗炭の苦しみを受けさせるようなことがあってはならない。これは政治の本体だと思うんです。そういう意味で聞いているわけです。
 それから愛媛県――これは一部の情報でありますけれども、多額の借り入れ金をかかえ、ようやく生産体制に乗ろうとしているやさきのことでもあり、非常に困っているのが実情であります。これらのミカン農家の人たちに対する救済についての具体策をお伺いしたいんでありますが、ある新聞によりますと、愛媛県では措り入れ金の返済を五カ年凍結してほしいとの要望を議会で決議し、強く要望しておりますが、こういう問題についてはいかが取り扱いなさるおつもりですか。
○説明員(松元威雄君) ただいまいろいろ御質問ございましたが、確かに本年のミカンをめぐる情勢は非常にきびしいものがあるわけでございます。したがいまして、四十七年のああいった価格の大暴落という例もあるわけでございますから、ああいう事態を来たさないようにということで、各般の施策を講じて、先ほど大臣もお答え申し上げたわけでございますが、符に今年は表年に当たるということから摘果を推進いたしたわけでございます。一番基本的なことはやはり需給のバランスをとるということが基本であろう、先ほど価格の保障の問題が出たわけでございますが、一番基本的な問題は、やはりこれは需給のバランスをとることでございまして、それには短期的にバランスをとる問題、さらに長期的にバランスをとる問題とあるわけでございます。そこで生産面、それから出荷面、加工面、それから消費拡大の面、各般の面でいろいろな施策を総合的に講じまして、その結果、需給のバランスをとって価格の安定をはかるということでいろいろな施策をいたしたわけでございます。そこで、本年は当初の見込みでは、表年でございますし、作柄いかんによっては四百万トンになるのではないかというふうに心配されたわけでございますが、幸い農家の方々の協力を得まして、いま摘果がかなり効果をあげて、目下のところでは、当初予想よりもかなり生産が減るという事態でございまして、まあ前のような異常な需給のアンバランスはないんじゃなかろうか。さらにジュース等の果汁の需要拡大をはかってまいりたい、こう思っておるのでございます。
 それに関連いたしまして、ただいまの御質問で、制度資金の償還延期という問題も出たわけでございますが、これはもちろんことしの価格いかんによるわけでございますが、ただ制度といたしまして、一律に過去に借りた資金を償還延長することは、これはなかなか制度上もむずかしい問題でございます。ただ、それでも現在の制度下におきましても、いわば事情によりましてそういった措置を講ずることは道が開かれております。かって、四十七年にやった例がございます。したがいまして、いわばケース・バイ・ケースと申しますか、個々の事情に即応いたしまして、農家の方々のいわば営農状況、経営状況ということを見まして、金融機関に対しましても所要の要請をしながら、個々の事案につきましてそういった具体的な解決をはかってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○原田立君 個々の問題について返済を延ばすことはある、こういうことですね。――ちょっと、これは大臣にお聞きしているんです。大臣に聞きたいんですよ、大臣に。局長は大臣がお帰りになったあとで幾らでも聞きますから。
○国務大臣(倉石忠雄君) こういう実際のことは事務当局等がよくわきまえておりますが、個々のものにつきましてのお尋ねのようでありますが、これは実際にそういう道が開かれておるようでありますから、そのように私ども取り扱うつもりであります。
○原田立君 さっぱりわからない返事なんだけれども、要するに個々の――たとえばまあ制度資金でありますが、自立農家安定資金、土地改良資金等々、そういうようないろいろな制度があるわけです。それで、いまミカン農家が非常に困っている。だから個々の問題について、愛媛県などでは借り入れ金の返済を五カ年間凍結してくれとまで言っているわけなんですから、だから前向きでひとつ御検討願いたい。いまの大臣の答弁も、個々については検討する道があるのだから検討するというような御返事ですから、詳しいことはまたあとで局長にお伺いしたいと思うんです。
 それから次に飼料の問題であります。昨年より五回にわたっての飼料の値上がりによって畜産農家は塗炭の苦しみを味わっている。五十年度予算によってどのようにされるか、それも大事なことでありますが、当面のことをどうするかということが最大の重要な課題であろうと思うのであります。で、この飼料の上がった部分は国の財政の責任で値上がり分を吸収してくれと、こういう声が非常に強い。
 大臣、実は十月二十七日に、福岡市の農協の大ホールで、飼料畜産緊急対策要求農協代表者集会がありました。私、行ってきました。そのときに農協の各代表の方々が、牛肉、養豚、ブロイラー、いろいろな関係の人たちがもう非常に血の出るようなそういう叫びをあげておりました。その中で、飼料の上がった部分は国の財政の責任で何とか値上がり分を吸収してくれと、こういう強い要請がありました。これは、国会に行って、委員会があるから大臣に厳重にお伝えすると、こう約束してきた、私は。まあ突然ではありますけれども、お伺いするわけであります。飼料の値上がり部分を国の財政の責任で吸収する気はないかどうか、検討する意思はあるのかどうか、その点をお伺いしたい。
○国務大臣(倉石忠雄君) その飼料の値上げ分をじかに国が負担するというふうなことは考えておりません。ただ、飼料がなぜ値上がりをしたかということ、これは、日本の農家が被害をこうむっておるだけではありませんで、生産国から輸入をいたしておる国々はみなその影響を受けているわけであります。御存じのように、石油危機以来フレートは非常に上がった、日本の貿易関係がぐあいが悪くなって、日本の対ドル相場が安くなってきたとか、そういうようなことのファクターがある上に、今度は、先ほど来、どなたかからとのお話し合いで申し上げましたように、ソビエトロシアが、アメリカ合衆国から突如として大量の買い付けをいたしたというふうなことで、それ以来、市価の相場は三倍以上にもなりました。一時的にちょっと下がったことばありますが、現在でもきわめて堅調である。そういう情勢のもとに、やはりこちらのほうでは畜産をやり、いろいろしておるわけでございますので、そのままじかに政府負担ということではなしに、私どもといたしましては、さっきからお話申し上げておりますように、農政の中で重要な項目の一つとして畜産をいたしておるわけでありますので、それらの方々が生産意欲を阻害されることのないように、できるだけ努力をしなければならないということで、御承知のように、先般乳価の不足払いには四四%、豚肉には三三%以上の価格の引き上げをいたしまして、これをリカバーするように考えたと。こういう措置でありまして、私どもといたしましては、畜産がぜひ大事な眼目として生産されることを期待いたしておりますので、金融その他、あるいは価格に反映するような措置を講じてお手伝いはいたすわけでありますけれども、値上がりの飼料代を、その分ストレートに国が負担をするという考え方は持っておりません。
○原田立君 十月九日の朝日新聞の報道に「穀物など膨大な飼料を必要とする畜産物の積極的な供給拡大策をなお取り続けることは、深刻な穀物の需給情勢からみてもおかしいのではないか、との考えも省内上層部の一部にあり、畜産政策の方向づけが大きな課題となりそうだ。」と、こういうことが報道されているんでありますけれども、日本の畜産農政ぶっつぶしみたいなような考えのように私は受け取れるわけでありますが、こういうようなことが省内ですでに議論されておるんですか、どうですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 私には何にも相談もありませんし、報告も受けておりません。
○原田立君 報告はないということは――議論は議論ですから、何やってもいいんだろうと思うんですが、大臣、こんなような、こういう議論をされているような方向は、お考えはないでしょうな。
○国務大臣(倉石忠雄君) 原田さんは先ほどおいでになったかどうかちょっと記憶ありませんが、鶴園さんの御質疑に、鶴園さんからもたいへん詳しくこの食生活の改善といいますか、変化について農林省はどう考えているかというお話がございました。これは国民の食生活の嗜好について政府がとかくのことをあんまり干渉すべきではございませんで、やはりわれわれは、それこそ基本的人権でありますので、国民各位の嗜好についてはこれは尊重しなければなりませんが、国としてはやっぱりできるだけ米を食べていただきたいとか、あるいは今日の状況だから、先ほどお話しのように、ミカンは生産過剰になればお互いに困るのだから、やはり摘果を十分やって安定的生産ができるようにしようではないか、というふうな行政的な援助はいたすつもりであります。そういうことでありますけれども、私どもの、この日本人の食生活の嗜好がこれからどうなっていくであろうかというふうなことにつきましては、これはなかなか大きな問題でございますので、十分そういう傾向に着目しながらやってまいる必要があると思いますが、ただ、大事なことは、わが国は労働賃金が非常に高騰してきております。したがって、同じような仕事をして出てくる生産物について、もっと労働賃金の低い国、わが国を取り巻く周辺の国々の同じ業種から見ますというと、非常にコストアップになりまして、国際的には競争ができないという状況がだんだん出てきておるという傾向、これは私どもとしては十分注意しなければならないところでございます。繊維産業にいたしましても、あるいは漁業等にいたしましても、その他の比較的技術的な高度を要さないような仕事につきましては、どうしても人口が多くて労働賃金の比較的安い、しかも勤勉な国民には私どもとしてはなかなかかなわない点が出てきております。私は、日本の産業構造を考えたときに、将来日本人全体がそういう問題について十分検討する必要があるのではないかと思っております。食生活につきましても、そういうようにいろいろ変化していく世の中でありますので、私どもとしてもなおざりにしておるわけではありませんで、十分検討いたしております。したがって、政府の諮問機関であります農政審議会をわずらわして、いま飼料部会で勉強していただいている中にも、いま申し上げたような問題も当然存在いたして、勉強してもらう必要があることだと思っております。
○原田立君 最後に、もう時間がありませんから、ぼくは請願事項を読みます。これは三つあります。よし、やろうとか、これはやらないとか、それだけの返答でけっこうです。
 請願事項一、配合飼料安定基金に対する緊急特別助成措置を講ずること。二、飼料の異常事態にかんがみ、配合飼料安定基金の特別積み立て金の取りくずしを承認し、特別補てん措置を講ずること。三、赤字救済のため経営再建特別資金制度を創設し、長期無利子の資金融資融通を実施すること。以上三点の請願があったのです。いかがですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) いま三つおっしゃいました二つは、私、自分が手がけた問題でございまして、たいへんむずかしい中でもたいへん努力をいたしてまいりまして、今回はその三つのことにつきまして私どもも陳情を受けておりますが、これらは現在の状況に照らしまして慎重に検討をいたしてまいりたいと、こう思っております。
○小笠原貞子君 前回も余り米の問題についてお伺いいたしまして、そのとき大臣から御心配はないのではないか、という御答弁をいただいたわけです。しかし、その後事態が、私たちにとっては喜ばしいような状態、農民にとってはますます不安な状態という進行をしております。九月十五日現在の作況が発表されたのを見ますと、前回の発表より全国的に一ポイント、北海道も二ポイント作況指数が上昇したと、その結果多くの超過米が発生する見込みだというふうに出てきております。北海道は、特にそういう点で多量の超過米で、何としても不安が消えないというような状態なんです。もう検定も進んでいる時期にもなってまいりますし、このまんまでいきますと、よっぽど大きな台風か水害かがないと調整がきかないというようなことにもなりかねないというような中で、やっぱりこの間も私申しましたけれども、いまのまんまでいくとどうしても余り米という心配が消えません。そこで、この心配について大臣が、重ねてきょうも心配がないとおっしゃるか、もしも心配がないと言われるならば、実際に買い入れのワクを広げるというような具体的な問題を考えて心配がないとおっしゃるのか、その点をはっきりさせていただきたいということ。
 それからもう一点は、モチ米についてですけれども、これは政府、食糧庁が契約生産を積極的に進めるために、この春に、契約栽培については限度数量にとらわれず、自主流通米として扱うということを食糧庁、農協側に約束をしていました。それなのに、いまになって大蔵省が、限度数量以上は買えないという態度になってきている。農林省も、十二月にならなければわからないというあいまいな態度がいま出されている。こうしますと、ほんとうに、この間も大臣がおっしゃるからだいじょうぶかなというような気持ちと、また、こういうふうに事態が進んでまいりますと、いよいよもう心配だと。ましてこの前も、これも重ねて申し上げますけれども、政府の政策に協力をして、そしてほんとうにまじめに一生懸命にやって豊作になったという中で、農民が、また犠牲をしいられるというようなことは、私は許されないことだと思う。大臣も世界食糧会議にお出かけになるわけですけれども、いま食糧危機が叫ばれている中で、日本ではお米が余って困るんだというような問題も一つの問題だと思います。しかし、農民自身にしてみれば、この余り米がこの時点でますます心配を深めてきたというようなことなので、これ一つだけ時間がございませんからお伺いさせていただきたいと思います。はっきり農民に安心していいと、この前と同じように、心配をかけないで済むというふうにお考えになっていらっしゃるかどうか、その点伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(倉石忠雄君) この前の委員会でも小笠原さん、北海道の米につきましてお尋ねがございました。いまお答えできますのも、やっぱりあのときお答えいたしましたお答えしかできないんでありまして、あのときお答えいたしましたのも、米穀年度末になると、毎年全体の各県で調整をいたしまして、いままで実績を見ますというと、いわゆる余り米というものはなくて済むと、こういうことでございますので、いま北海道の例をお引きいただいたわけでありますが、これもやっぱり私どもといたしましては、米穀年度末に各県の間の調整をいたしまして、余り米というものは大体いまの状況では出ないんではないかという観測でやっておるわけであります。したがって、現在の段階で余り米があるからどうするかというお尋ねをいただきましても、ちょっと御返事ができないわけです。まあそういうことでありますので、その点は御理解をいただきたいと、かように思います。
○小笠原貞子君 先月の段階ならそのお答えでよかったし、同じなわけなんです。私が、また今回これ言いましたのは、いま言ったように、先回よりも十五日の調査でも全国的に一ポイント、北海道では二ポイントもふえているというような事態が進んできておるわけですわ。そうしますと、大臣がおっしゃるのは、去年も調整をしたら結果的にはなったという仮定の問題でおっしゃっているわけですね。私は、現実に今年度の収穫というのはこういうふうにふえてきているというような状態で、去年の仮定でだいじょうぶだということにはならないと思うんですよ。だから、いまの状態でいきますと、どうしても豊作になります。非常に多くなってまいります。そうすると、余り米というのは出てくるわけですよ。私もそうしたら仮定で言いますが、もしこのまま出てきたときに、それはもうワクの制限があるから農民は協力してくれたけれども泣いてくれと、自民党はそれぐらいの農政しかないんだと、農民は泣けということならそれでいいんですわ、はっきりしますから。それでいいんですか。そこなんですね。それからモチ米のことも、契約で一生懸命やってくれたら、さっきも言いましたように、限度数量にとらわれないで買い上げするとおっしゃったわけですね。そういう約束を農協側にされておきながら、いまになって何ですかと、踏んだりけったりもいいところじゃないかということになるわけですよ。だから、この時点になってもまだそういうつもりで、いや、前言ったのは知らぬと、あとはもう予算の関係でできないと。できなきゃできないでいいんです、あと考えますから、その辺どうなんです。
○国務大臣(倉石忠雄君) やっぱりあなたのおっしゃることもまだ仮定でございまして、米穀年度の終わるころには各県が調整をいたしまして、いままでそれでずっとやってきているということを私は申し上げておるわけでありますので、これはやはり年度末になりまして、各県の調整でいままで余り米という扱いは出てこなかったと、こういうことでありますので、したがって、私どもといたしましても今年もそういうふうにいけると思っております。が、集荷の問題がございますので、これは食糧庁長官から申し上げるほうがいいと思いますが、私どもといたしましては、いわゆる余り米ということは考えられない、従来どおり各県間の調整でやっていかれると、こういうふうに理解いたしております。
○小笠原貞子君 同じことの重ねになるんですけれども、いまの気持ちはそうだと思うんですよ。だけどいま仮定じゃなくて、実際に調整がつかないで、余ったらどうするんですか、ということなんです。余ったらしょうがない、農民泣けということなんですか、簡単なんですわ。そのことです。いままで、去年がどうだった、こうだったということはもういいんです、それは。だから、それは大臣のお気持ちで、食糧庁長官お聞きにならなくてもいいんです。大臣の気持ち、大臣の姿勢、これを大臣に聞いているんですよ。農民も大臣のことばを聞きたいわけですわ。だから、もういろんな仮定は抜きにして、契約は、全量買い上げるみたいな約束をしていたけれども、実際に余っちゃったと、余っちゃったら、それはでき過ぎてしょうがないんだということで、それはもう見放されるのか、そこのところなんです。その一言でいいんですよ、簡単なんです。仮定もヘチマもないんです。そうなったときにどうなさいますか。
○国務大臣(倉石忠雄君) たいへん簡単におっしゃいますけれども、なかなか簡単じゃないんです。こちらは、つまり限度数量というのをきめておりますので、それから自主流通米と自家保有米の、ことしの生産量はどういう成績であるということがわかっているんです。これからどうなるかまだわかりませんが、結局、最終的に集荷いたしたときに……。当初この生産調整というものをやりますときに、生産者団体の代表と私との間でいまのようなやり方をやってまいったときに、かりに余ったらどうするかというお話でありましたので、余るはずはないじゃありませんか、限度数量がきまっているし、自主流通はきまっているし、保有米はきまっているし、全部ちゃんとこうやっているんだから。それでも余ったらどうなるかというお話でありましたので、そのときにはひとつそのときの情勢に応じて御相談をいたしましょう。こういうことで、なるほどと、こういうので進んできたわけです。今日もその状況がちっとも変わっておりませんので、たいへんうまくいっていると、こういうふうにひとつ御理解をいただきたいと思います。
○喜屋武眞榮君 私も時間がきわめて限られておりますので、直接大臣に御答弁願いたい問題についてのみしぼってお尋ねいたしたいと思います。そうして、私がこれからお尋ねする背景には、先ほど鹿児島代表、沖繩代表の要望がありましたし、また、最近私、北海道も調査してまいっております。で、そのことを先ほど報告もなされたわけですが、そういった背景に立ってこれから大臣に質問をいたします。
 まず第一に、倉石大臣は日本における、政府における農政の権威と申しますか、そう評価されておる、私もその一人でございます。ところが、そうであるならば――これはきわめて言い古されたことばでありますが、農は国のもとということばがございますが、現在の日本の状況、特に私が調査してまいりました北海道あるいは奄美大島、沖繩を含めて農業では食っていけない、農業では食っていけないという、こういう声が一ぱいございます。私は、ここに日本の農政のあり方に根本的に間違いあるいは再検討すべき点があるのではないか、こう思っておりますが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(倉石忠雄君) 具体的にどういうことということになりますとめんどうでありますが、農業は、きわめて小さな畑しか持っておらないで、それだけで昔はやってこられたが、いま農業としてやっていかれないという、そういう立場の方はずいぶん多いと思います。したがって、私どもといたしましては、農業が産業として成り立つような営農をしてもらうように進めてまいる必要がある、こういうことでございます。ですから、できるだけ土地利用をうまくやれるように共同にするなり、規模を広げるなり、それからまた、そういう目標がお立ちになれば政府はそこで基盤整備をやって生産性を高める。いま日本は御存じのように米の生産では世界第一であります。そういう能率をあげ得る、そういう大きな、そういう経験を持っておる農業の規模を広げていって、他産業とひけをとらない所得を得せしめるというのが目的でございますので、農業では食えないというのはスケールが幾つかあると思うのです。したがって、私どもは、農業が産業として成り立っていかれるような農業経営を助長いたしてまいる、ということが必要だと、そう考えております。
○喜屋武眞榮君 それでは次に進めます。
 農業では食っていけないということについてまず沖繩に一例をとりますならば、四年前には十二万農家、四年後の今日では六万農家、さらに離農――土地は手放し、農業から足を洗う傾向がだんだんだんだんふえてまいりつつあります。私は正しい農政のあり方は、農産物に、農民が汗水流して、骨身を削って営々として働いたその生産物、農産物が過剰と不足、一方では余り、一方では不足、こういった過剰と不足が同時に並存する、こういうあり方はどうしても正常でないと思っております。おのおのの農産物が相互の間に均衡がとれている、こういったあり方の日本の産業でなければいけないと、こう思うわけなんです。
 一例を申し上げますと、この前、北海道に参りましたら、北海道では史上第二の豊作だと、こう言っておりました。しかし、史上第二の豊作だからたいへんうれしい、喜ばしいとは言っていませんでした。心配で心配でならないと。そうでしょう、古米でもない、古々米でもない、古古古古古古米さえも出てくるような日本の現状で、こういう豊作でも心配だと。そうかと思うと、一方、奄美あるいは沖繩では、つくれば、政府が力を入れれば、手を加えれば技術を、金を、知恵を与えれば、まだまだ増産の、生産意欲を持って、再生産意欲を持って増産していける余地が十分にあるにもかかわらず、自給が三〇%から二〇%、さらにそれもいまも落ち込みつつある現状ですね。このアンバランスを持っているのは、どうしてもいまの日本の農政のあり方が合点がいきません、がまんがなりません。この事実を私指摘いたすわけでありますが、大臣どうお考えですか。
○国務大臣(倉石忠雄君) お答えの前に、よくお尋ねがわかりませんでしたが、第一の北海道の、豊作ではあるが、古々米云々という、それはどういうことでございますか、ちょっとお答えしにくいんですけれども。
○喜屋武眞榮君 いや、古々米と申し上げたのは、北海道では史上第二の豊作だが、心配ですということでした。うれしいとは言っていませんでした。豊作だけれども、心配だと。さらに私が古古米と申し上げたのは、日本全体の米の生産量から、沖繩にも古々米が一ぱい参っております。一方では、そういったような状況にあるという意味なんです、私の申し上げたのは。
○国務大臣(倉石忠雄君) ちょっと私によく理解できないのでありますが、三二・四%生産者米価を引き上げたことによって、そのほかにいろんな名目で約四百億円つけておりますことしの米の取り扱いにつきましては、そういうことの結果、米づくりの農業団体等も非常に満足をしておられる。それで、北海道においても、先ほど小笠原さんのお話にもありましたように、たいへん豊作である。しかし、豊作であるが、古々米というのが出ておるという、それはないはずであります。どこに古々米があるか、それはあったら教えていただきたい。これはちょっと話が違うんじゃないかと思っております。非常に窮迫をいたしておる外国から米の援助をしてくれという申し込みがありましても、もうすでに法律によって外国に出し得る古々米というのは一つもなくなってしまっておりますので、その要求に応じかねるというような状態でありますので、ただいまの北海道の例はちょっと私ども理解ができないんであります。
 いま沖繩、奄美のお話がございました。私はサトウキビについては少し知識を持っているつもりでございますけれども、やっぱり基盤整備ということはぜひ必要である、生産性を上げるために、そういうことをやるということは、私は産地のためにたいへん大事なことだと思います。それで、日本のサトウキビ、ビート、そういうようなものの価格の決定につきましては、甘味資源の法律に基づいてやるわけですけれども、あの法律をつくりましたころの私どもの精神は、やはり外国から入ってきます原糖に、そのまま直に競争はできないわけであります。したがって、ああいうふうな法律で特段の保護を与えて、そして生産を維持してもらう。沖繩では、喜屋武さんよく御存じのように、長年島民が研究した結果、やっぱり農作物としてできるのはパイナップルとキビだと、台風常襲地帯でありますからやむを得ないでありましょうが。そこで、そのキビの生産も、私どもは行ってみまして、あれではやっぱりよそと競争するということはむずかしいんじゃないかと思う。大体、沖繩では長い間、他国に占領されておって、そのほうの基地経済で人々は現金所得を得られるということで、そのほうに多くの労働力が集中して、私ども、若干の知識を持っておる者が沖繩のサトウキビ畑を見て、実はびっくりいたしたんであります。こういうことではいけないと思いまして、私どもは、復帰後は全力をあげて、このキビの生産性をあげるようにいたしたいということを申しておったわけでありますが、その過程における一つの事例をお出しになって、農政全体を批判されるんではかなわないと思うんであります。そのキビについて、これは、含有しておる糖度も、たとえば輸入品の原糖とは非常な違いがあることは御存じのとおり。それをなおかつ特別な法律で保護をして、そして自給度をできるだけ高めていこうという思いやりで今日までやってきているわけでありまして、先ほど、こちらに沖繩の農協長さんもいらっしゃいましたけれども、私が申し上げることは農業団体の皆さんよく御理解をいただいておるところであります。われわれは現状で満足しておりませんから、できるだけ生産性をあげて、そしてやはりわが国の生産し得る量というのは、大体両方で六十万トンそこそこあるわけでありますから、これはぜひ維持するようにいたしたいというので、着々これからも協力を申し上げるという立場でありますので、その点はひとつ御理解をいただきたいと思います。
○喜屋武眞榮君 この沖繩の特殊事情の御理解の上に立って、国が力を入れてくださりつつあることは認めます。そこで、いまおっしゃるとおり、沖繩の第一次産業の基盤作目は何といいましてもサトウキビとパインである。きょうは、パインには触れませんが、そのサトウキビの質・量を高めていく立場から、あるいは基盤整備、あるいは土地改良、機械化、このいろいろの諸条件があるわけですが、このこともきょう触れませんが、それではそういった愛情を、御理解を、単なる心情的なものではなく、ほんどうに生産を高めていくということを、事実をもって裏づけてもらわなければいけない。こういう私の要求から、どうしても糖価安定法第二十一条を生産費及び所得補償方式に改めるべきだと。これはもう今日に至るまでの一貫した要求であることも、陳情もいやというほど、大臣もお感じになっておられる、陳情も受けておられる。これをどうしてもこの際、改めてもらわなければいけない、これがまず第一点。これに対する御返答を……。
 次に、いろいろ海洋博、特に沖繩の牧場、直接関係はないんだというけしからぬ答弁もありますけれども、これも海洋博の飛ばっちりを受けて第一次産業が崩壊、危機に瀕している。サトウキビの立ち枯れの動きもあるということは認めてくださると思います。農民の減少も、もう農業では食えないというこの投げやり的な気持ちも、結局、サトウキビの値が安いからだと。そういう立場から第二点として、サトウキビ最低生産価格を一万八千円以上にどうしても上げてもらわなければ立ちいかないという熾烈な願いを持っております。あした一千名の行動団が晴海埠頭から大挙して参ることになっておりますが、このことに対してはどうお考えですか。
 第三点、次に北海道のビート、沖繩県としては沖繩県だけ、部分的に奄美大島もある。鹿児島と沖繩がサトウキビの特産地であるわけですが、これまでの、つくれば可能な、力を入れれば十分増産の見通しのつく、そういった地域でありながら、国の今日までの施策の至らなさから、あえて言いたいのでありますが、私は、国内甘味資源の立場から、これは決して北海道だけの問題じゃない、沖繩だけの問題じゃない。甘味資源という立場から、これは全一億一千万の国民の生活につながる重大な問題であるはずであります。そういう立場から、砂糖の海外依存体制を改めて国内自給率を向上さしていく方向に大いに馬力をかけていくべきだと私は確信いたしておりますが、これに対してどうお考えか。
 第四点は、先ほどももう申し上げましたので、どうしても生産を上げていくためには、サトウキビの生産基盤整備を大幅に、しかも早急に実施していかなければいけないという、このことはまあ大前提であり、このことについては十分また配慮してくだされつつあることも認めます。
 この四つの点について、ひとつ明確な大臣の御答弁を求めます。
○国務大臣(倉石忠雄君) 糖安法の改正を行ないまして、生産費所得補償方式にせよというお話でございましたが、そのことは、先ほど鶴園さんにお答えいたしましたので重複いたしますから省略さしていただきますが、要は、やはりこういうビート、それからキビのようなものにつきましては、基盤整備をやりまして生産性を向上するということになりますと、かなり現在よりも生産性の上がる見込みのある生産物でありますので、こういうものはやっぱりパリティ方式のほうが現実に合うし、また、生産性の上がったメリットが生産者に還元されるわけでありますので、このことは、生産費所得補償方式というやり方よりも現在のパリティ方式のほうがいいんではないかと考えております。
 それからキビの価格であります。現在の価格を決定いたしましたときは、私自身がタッチいたしまして、党におりまして、政府と話をしていまのようになりましたが、ただいま一万八千円という御陳情が出てきておりますが、これにつきましては、担当者いろいろ状況を聞き検討をいたしておるところでありまして、私がこの席でその価格を明示いたすというわけにはまいりません。
 それから自給率でございますが、御存じのように、日本は全体の中で、まあ世界で二番目に砂糖を人口のわりによけい消費する国のようですけれども、いま年間三百万トンであります。これを自給するということが、口ではやさしいですけれども、現実にどこで、それならそれを自給し得るかということになりますと、たいへんむずかしいことでございますが、私は北海道のビートにいたしましても、沖繩、奄美のキビにいたしましても、やはりもっと生産性を上げる可能性があると思いますので、将来、この増産のためには、農林省は大いに力を入れてまいりたいから、地元の農家の皆さん方もひとつぜひそういうつもりで本気になって御協力を願うようにしていただきたいと、こう思っております。
 それから、必要な基盤整備のお話ございました。これはもうお説のとおりでありまして、私どもいま、先ほどお答えいたしましたように、総需要抑制というようなことで公共の予算を抑圧されておりますのは残念でありますが、その中でもやはり比較的おくれております奄美、沖繩等につきましては、できるだけ力を入れて基盤整備を早く増進してあげるということがたいへん必要なことではないかと思って、予算編成にあたりましても努力をいたしたいと思っております。
    ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) この際、おはかりいたします。甘味資源作物の生産振興に関する件につきまして、先刻来、理事及び各委員の間において協議がなされました結果、本委員会として決議を行なう必要があるということに意見が一致いたしましたので、便宜委員長から各派共同提案にかかわる甘味資源作物の生産振興に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   甘味資源作物の生産振興に関する決議(案)
  最近における国際的な食料需給の逼迫は、砂糖においても例外ではなく、国際糖価は前年の四倍にも達する異常な高騰を続けている。したがって、国民の消費生活の安定のためにも、砂糖の自給率向上が現下の急務となっている。しかるに、国内産糖の原料となるさとうきび及びてん菜の作付面積は急減している。
  よって、政府は、国民の消費生活の安定と、これら作物が、代替作物に乏しい地域特産物として、農家経済に大きなウエイトをしめている実情とを考慮し、その生産振興に万全を期するため、左記事項の実現に努めるべきである。
     記
 一、昭和四十九砂糖年度に収穫されるさとうきびの最低生産者価格は、労賃、生産資材及び生活物資等の高騰を参酌し、甘味資源審議会の答申にそって、前年を大巾に上まわる水準に定めること。
 二、本年四月に決定されたてん菜の最低生産者価格は、甘味資源審議会の答申にそって、早急に改定措置を講ずること。
 三、さとうきび及びてん菜の最低生産者価格の算定方式については、生産費及び生産者の所得が確保できるよう、より適切な算定方式及び時期の統一などについて速かに検討すること。
 四、労賃、資材費等の高騰に対処し、生産性を向上させるため、それぞれの作物に適した機械化体系の確立、ほ場整備事業の促進等に努め、十分な助成を行う等必要な措置を講ずること。
  右決議する。
 本決議案を委員会の決議とすることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(初村滝一郎君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたします。
 ただいまの決議に対し、農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。倉石農林大臣。
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまの決議につきましては、御趣旨を尊重いたしまして今後検討してまいりたいと存じます。
○委員長(初村滝一郎君) これにて暫時休憩いたします。
   午後一時四十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時三十七分開会
○委員長(初村滝一郎君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○工藤良平君 時間が四十五分でありますから要点だけを質問してまいりたいと思います。
 従来から問題になっておりました重金属、特にカドミウムを中心にいたしました土壌汚染につきまして、その対策を緊急にはからなければならないと思いますので、その点についてまずお聞きをいたしたいと思いますが、実際に土壌汚染ですね。環境庁から一つの基準を示されまして、特に汚染米ということから一・〇PPM以上と、それから〇・四から一までの間とそれぞれ区分をいたしておるわけでありますが、その実態につきまして現在どのように把握していらっしゃるか、その点ごく簡単でよろしゅうございますが、御説明いただきたいと思います。
○説明員(遠藤茂君) 土壌汚染の実態把握につきましては、四十六年から環境庁が補助を出しまして細密調査を実施しております。全体でカドミウムにつきましては一PPM以上出ましたところが現在まで五十九地域ございます。そのうち十六地域についてはすでに地域の指定を済ましております。残りについてはまだ地域の指定がなされていないという現状でございます。
 なお、銅につきましても同じように細密調査を四十七年から実施をいたしております。同じように、現在基準以上のところがやはり出ております。それについても対策計画の指定をいたしましたところが三地域ということでございます。
○工藤良平君 これは、私、以前に公害の特例委員会でもいろいろ議論をしてまいったところでありますけれども、現在なおこの重金属の汚染の進行する可能性のある地域がどれくらいあるか。その点これは通産省に特に休廃止鉱山について私ずいぶん追及したことがあるんですけれども、この休廃止鉱山の、台風その他によりまして被害がさらに出てくるというような可能性というのは、かなり通産省が手当てをするということになっておりましたので、減少しているとは思いますが、たとえば安中を初めとして各地でまだ進行する可能性のあるところというのはどれくらい地域がございますか。
○説明員(石川丘君) お答えいたします。
 ただいま御質問がございました進行する可能性のある鉱山はどのくらいあるかという点でございますが、稼行鉱山につきましては、国の規制に従いまして厳正に監督をいたしておりますので、今後、公害が進むという可能性は、特別な場合を除きまして――と申しますのは基準違反等がない場合は考えられないわけでございます。
 それで、もう一つの休廃止鉱山でございますがいこれにつきましては、五十二年度末を目標といたしまして公害防止工事等が完全に行なわれますよう現在努力をいたしておるところでございます。したがいまして、五十二年度末までには、義務者が不存在の休廃止鉱山につきましては公害防止対策ができ得ると考えております。
○工藤良平君 休廃止鉱山の中で、たとえば加害者の負担の割合がほぼ定められておるわけですけれども、その能力として、加害者として負担能力があるかどうかということが、やはりこれから私質問いたしますけれども、土地改良事業にいたしましても、あるいは農業の救済事業にいたしましても、きわめて困難な状態が出てくるわけで、そういうことから、一体、全体的な被害の中で、すでに加害者としての負担能力にたえかねる、あるいはすでにもう加害者がいないというような点についてはどのような把握をしていらっしゃいますか。
○説明員(石川丘君) 休廃止鉱山のうちで、義務者が存在いたします場合と、義務者はおりましても無資力あるいは義務者が全くいないという二つの場合がございます。義務者が存在いたしまして、ある程度の資力――相当の資力があるという場合は、ただいま先生御指摘の件につきましては、当然のことながら原因行為者として費用を負担する義務があるわけでございます。それから、義務者が存在しない、あるいは義務者が無資力に近いというものにつきましては、これは実際問題としまして、原因行為者はおりますけれども、費用負担にたえかねるということでございますので、これは公費等をもって――公費、公の費用をもって充てざるを得ないというふうにわれわれ考えております。
○工藤良平君 それじゃ、その点は、いま公費で考えなきゃならぬという点は、ここで一応置いておきましょう。
 そこで、農林省にちょっとお伺いしますが、私の県にもこういう問題がありまして、これはいち早く手当てをいたしまして、いまりっぱに土地改良事業をやりまして、ことしは農林省の計らいでライスセンターまでつくっていただくということで、非常に農村も生き生きとよみがえってまいりまして、たいへん喜んでいるのですけれども、全国的にながめてみますと、どうもある県によりましては、非常に広範な、その後の調査によりまして被害土壌地域が拡大をしているというようなことから、その一定の地方自治体では、とにかくもう負担ができかねるということから、この対策がおくれるという事態が発生をいたしておるように思いますが、その点、特にこの汚染米をはじめとして、そっちのほうの担当している農林省としては、現状をどのように把握をしていらっしゃるか、そしてまた、土地改良事業等について、全体的な被害面積の中でこれから計画的に進め得る面積は一体どういう程度に把握していらっしゃるか、その点をお伺いしたいと思います。
○説明員(松元威雄君) 御質問の内容は各般にわたるものかと存じますが、まず一番前提になります土壌汚染の実態でございます。これ、先ほど環境庁から答弁がございましたが、あの数字でございますが、問題は、これが今後どのように、さらに変化すると申しますか、ふえる可能性があるかという問題でございますが、現状では先ほど環境庁が答弁した数字でございまして、これに基づいて逐次指定をし契約を作成する、こういうことにいたしておるわけでございます。ただ、その場合に、これは地域的にかなり片寄りがございます。たとえば鉱山は、これは当然でございますが、鉱山の多い県は多い。たとえば秋田でございますとかいうのは非常に多いわけでございまして、そこで、その場合、いわばこれに伴う被害と申しますか、二つあるわけでございまして、一つは、いわば土地改良事業に伴う負担、これをどうするかという問題が一つ、それからもう一つは、いわゆる工事に入る前にすでに、たとえば売れない米ができてしまった。その場合のいわば損失をどうするかという問題、こう二つあるわけでございまして、しかも、その場合も、原因者がきわめて明確である場合と、それから明確でない場合と、これ両様あるわけでございます。そこで明確である場合でございますが、当然これは、土地改良事業のほうは例の費用負担のあれがございまして、負担して工事をやるということでございまして、それに対して国、県が、それぞれ比率がきまっておりまして助成もいたしておるわけでございます。それから休耕とか売れない米の処理に伴うもの、これも原因者が明確な場合はそれが負担するということで、このほうは問題がないかと思っておるわけでございます。おそらく問題になりますのは明確でない場合で、この明確でないというのが実は態様はきわめて複雑でございます。俗に不存在とか、あるいは無資力ということを言われますが、しかし何が不存在、何が無資力、これが非常に不明瞭でございまして、しかも実態は混合形態が非常に多いわけでございます。たとえば原因たる鉱山が明らかにある。ただし、それがたとえば百年前に操業しておった、あとはしていない。こういうのは不存在と言い得るかもしれませんが、実際はそういうのはむしろ少ないわけでございまして、たとえば十年前まで操業しておった、現在は休止しているにすぎない、しかし、鉱業権は依然としてある。こういう形態でそれが不存在と言えるかどうかという問題、特に鉱業法の規定の関連で。さらに、一つの場合は簡単でございますが、二以上複数である、複数であって、たとえば四つあった。その一つは現に操業している、どうもかなり負担能力もあるらしい。残りは休止している、あるいは廃止している、負担能力がないらしい、この辺をどう一体こなすか。それを、鉱業法によりますれば、これは複数以上の場合は連帯して損害賠償の義務があるわけでございますが、実際問題としてどうこなすか、この辺が実は悩みの種でございまして、ことばでは不存在とか、あるいは無資力といわれますが、具体的認定という問題、しかも、汚染給付のからみを考えますと非常に複雑なむずかしいものになっているわけでございます。
 そこで、御質問はただいまいろんな態様のどの部分をおさしになったのか、おそらく全部にわたると存ずるわけでございますが、私ども、原因者が明確な場合はそれぞれ法の規定もございますし、それに従って処理をしていく。不存在ないし無資力の場合にどういうこなし方をするか。いわば農業側からいえば被害者の側に立つわけでございまして、原則的には、これPPPの原則がございますから、極力ぎりぎりまでいわば原因を究明して、それが負担するのが筋であろう。ただし、それに時間がかかるという問題もありましょうし、そういう場合、過渡的にどういう措置を講ずるか、その辺が私たち頭を痛めた問題でございまして、それにつきまして通産省あるいは環境庁等関係省庁と一緒になりまして検討しているというのが現状でございます。
○工藤良平君 食糧庁長官おいででございますが、一つだけ聞いておきたいと思いますけれども、いま政府の買い入れの対象になっている米と対象にならない米とございますが、それの実際に対象として買い上げたお米、これが正直申し上げまして食用に供せられない、こういうようなことから、かなりそれの保管をしているわけです。もちろん、本来こういうものは食管会計の中でこれを負担をすることがいいのか悪いのか、これはまた問題がありましょうけれども、別の角度からこの米の扱いについては検討しなければならぬと思うのですが、現在食管会計の中でこれを扱っていると思いますけれども、簡単でよろしゅうございますが、その実態をお聞かせいただきたい。さらに政府の対象外で、県段階でかなり手当てをしなきゃならぬということから米を買い入れている部分もあるようですけれども、もし把握していらっしゃればその点もちょっと明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(三善信二君) カドミウム汚染米の政府の保有状況でございますけど、数字的に申し上げますと、四十八年産米まで――四十九年産米は含まれておりません。四十八年産米までで五万八千五百トン政府が、食糧庁が直接保管をしております。これは先生御承知のとおり一PPM未満――〇・四PPMから一PPM未満のものでございます。それから一PPM以上のものについては、御承知のように食糧庁としましては、これは食用に供さないということで直接買い上げておりません。それから、ただいま申し上げましたのは政府が所有している数量でございますが地方自治体がどのくらい所有しているかということは、私ども、食糧事務所長等の報告から推定を一部含んでおりますけれども、現段階で約二百四十二トン。これはっきりわかっておりますのは山形県、秋田県が一番多くて二百トンちょっとこしております。それから東京都はこれは一トンですか。トータルで二百四十二トンぐらいになろうかと思っております。それから農家が保有しているというのも実はあるわけでございまして、それは大体農協の倉庫等に持ち寄りまして、そこで保管をしているというような状況でございます。数字ははっきりしたものはまだつかんでおりませんが、約千トン未満という感じでおります。それで、一PPM以上のものは買い上げておりませんし、農家が保管している、あるいは都道府県が保管しているものは大体一PPM以上のものだというふうにお考えになっていただければ大体整理ができるかと思います。
○工藤良平君 そこで、また環境庁に戻りますが、いまお聞きのように農林省段階で保有しております米の数量のお話がございましたが、県独自でいわゆる一PPM以上、いわゆる食用に供せられないお米をやむを得ず買い上げなければならないという状態が出ております。さっきお話しのように、これは加害者が明白なものについてはその加害者にもちろん買い上げてもらえればそれは一番いいわけで、そのようにやっておるようでございますが、さっきお話しのように複数で、しかも、その加害者と思われる企業は、すでに廃休止鉱山なりあるいはすでに会社というものはなくなっているというような状態から、これが各地方自治体における負担という形になっている。こういう事態もあるようでございますけれども、これについて、このカドミウム汚染米の指定その他につきまして中心的な役割りを果たしている環境庁としては、将来どのような取り扱いをするおつもりなのか。このような状態で各それぞれの地方自治体でそれはやりなさいという指導でいくのかどうか。まず現実に起こっている米の扱いの問題についてお聞きをしておきたいと思います。
○説明員(遠藤茂君) いま御指摘のとおり、一PPM以上の米につきましては食品衛生法のたてまえもございまして食管で買い上げておらない。したがって、やむを得ず県がそれにかわりまして肩がわりをして汚染米を買い上げているという実情は私どもも十分に存じております。ただ、この問題は確かに原因者がおりますといいますか、原因者の負担でこの問題は解決すべき問題だというふうには理解しておりますが、いま申し上げましたような多くの例で原因者がおりません、それから明らかに無資力であるというようなケースがかなりございまして、それを地方自治体が肩がわりをするために、地方自治体が非常に財政的に困難を来たしておるという実態も私ども十分承知をいたしております。これにつきましては、いま申し上げましたPPPに従いながら、国が何らかの援助をしなければならないということで、現在私どもが中心になって農林省、通産省、それぞれ入りましてこの問題についてなるべく早く解決ができるようにということで検討をいたしております。
○工藤良平君 それじゃ、さらにお伺いいたしますが、農用地の土壌汚染防止等に関する法律、これに基づいて一つの基準というものが、仕事をやる場合のものさしができたわけです。そこで、農用地の土壌汚染対策計画というものが各都道府県によって出されてくる。問題は、これは具体的にたとえば土地改良事業をやる、あるいは現在水田であるけれども、これを他の作目に転換をしようという計画が出てくる。これはあくまでも私はそれぞれの分野における分担というものが明確になって、それぞれが了解をした上の中で初めて私は、この計画というものはあがってくるのではないかという気がするのですけれども、私は具体的な担当者ではありませんので、そこら辺が詳しくはわからないわけですけれども、そういうことになりますと、いま言う加害者の負担が明確にどうしてもならないという部分については、やはり出てくる対策計画というものもやはりあと回しにならざるを得ない。そうすると、なお依然として水田はつくらなければならぬ、つくったお米は食用に供せられない。生産意欲は減退する、農家は食べられない。こういう悪循環というものがますます高くなっていくと思うのですね。農林省に土地改良事業をやりなさいと言ってみたところで、やはり負担区分がはっきりしなければ、それは進められないということで、私はたいへんな問題が出てくると思いますが、そういう場合に、現在の実態として、何カ所かすでにこの土地改良事業もなさっておるようでありますけれども、一体農用地土壌汚染対策計画というもの、これは全体の汚染された土壌そのものを総合的に検討して、これだけのものは対策が必要だと、その上に基づいて計画というものが年次的に組み立てられているのか、それとも、いま負担区分が明らかになったものが計画として出てきているのか、その点を私はちょっと知りたいのですが、どのようになっているのでしょうか。
○説明員(遠藤茂君) 原則的には、いま先生がお話しになりました前者だと思います。やはり農民の意向を十分聞いて、農民が納得する形で計画が作成される。したがって何といいますか、農民が要求しているものはある程度満たしていくということでなければいけないというふうに考えております。
○工藤良平君 それは、国会の答弁としてはそれでいいのですけれども、具体的に、それじゃ個々の農家の立場になった場合、ことしとれたお米が、またこれは食用に供せられない、来年植える水稲が、またこれはいつどうなるかという、そういう状態で米をつくらなきやならぬ実態があるわけですね。県にしてみても、それがたまってくる、どうにもならないと、あまりいい顔をしてくれないということになるわけですね。ですから、私は、根本的にこれは早急に対策を講じられなければならないことだと思う。地元の人たちが、農林省に土地改良事業で要請に行く、いや、こっちのほうは、ということで、環境庁に回ってください、環境庁では、これはいま検討中でございます。まあ自治省にも行こう、通産省にも行こう、こういうことになるのですけれども、これでは一向に進まない。堂々めぐりで、結局あちこち回ってまた帰る、ということが繰り返されているのではないかと私は想像いたします。それではいつまでたっても問題の解決にならないわけで、そのために法律までつくったわけでありますから、この法律をどういうように最高度に生かして、いま早急にその生産対策を講ずるか。食糧庁だって米がたくさんだまってくる。この前、何か、のりか何かに少し売るという話が出ておりましたけれども、これは大いに研究してもらって、そっちのほうにさばいてもらわなければならぬわけですが、焼け石に水のような気が私はいたしますけれども。
 そこで、環境庁は、総合的に各省の総取りまとめとして、環境審議会等でもずいぶん論議をされておるようでありますけれども、一体どこが中心になって根本的にこれをやっていこうとするのか。検討はいたしますということですけれども、具体的にどうするのか、私はその点をもう少しお聞きをしたいと思います。
○説明員(遠藤茂君) 確かにいま御指摘のとおり、対策計画を総合的に立てる上で、欠けている部門、また、国の援助が足りない部分、そういうものがかなりまだあることは確かに御指摘のとおりだと思います。で、それを一つ一つ解決をしながら、農民がほんとうに要求しているといいますか、農民が満足するような計画をつくられるように、やはり私ども環境庁が中心になってこの問題を考えていくべきではないかというふうに考えております。
○工藤良平君 そこまではわかるのです、抽象的にはそこまではわかる。しかし、それから先を言っているわけです。いつまでたっても、それから先が進まないわけです。私どもの地域では、すでに四十三年――四十二年ですかね、この問題が出たのは、大干害のときですから。直ちに問題に取り組んで、すでにさっき申し上げましたように、二百町歩完全によくなりました。もちろんそれは、カドミウムというものが稲を通じて、土壌に蓄積されたものが稲を通じてわれわれの体内に入ってくる。その影響というものが、ああいうイタイイタイ病という形になったというようなことで、この問題が提起をされたわけであります。ただ、土地改良事業だけで、はたしてそれがよくなるかどうかという点についてはまだ疑念があるようであります。しかし、やはりいまこの時点で最大限にどういう形で努力しなきゃならぬかということは、これまた徹底的に追及されなければならぬ事項だと私は思うんですね。そういう意味から、さっきこの部分については、公費負担で何とかしましようと。何とかしましようでは片づかない。具体的にこうしましょうと、こうならなきゃいかぬわけですね。いま現実に、この法律に基づいて土地改良事業を行なう場合に、一体、それでは具体的に聞きますが、それぞれの負担区分というものはどのようになさっていらっしゃいますか。
○説明員(遠藤茂君) 一般的な場合の土地改良の場合でございますが、原因者がそれのそれぞれの寄与度に応じてまず支払いをいたします。それの残りの、これは事業種目によって違いますけれども、五五%ないし三分の二というような負担率で行なっています。残りを県と市町村で分担をするということが現在の一般的な土地改良の場合の例だと思います。
○工藤良平君 それと国の負担分というのはないわけですか。
○説明員(遠藤茂君) いまの原因者が出しました残りの五五%ないし事業種目によっては三分の二という状況でございます。
○工藤良平君 ところが、さっき私も指摘をいたしましたように、負担能力のない、休廃止鉱山で全く企業がなくなったという部分がかなりある。しかも、何百年も前からの蓄積だというようなことから、これは通産省にも以前から私ずいぶんこの点は聞いてきたわけですけれども、通産省も、ほおかぶりをして逃げをきめ込んでもこれは困るわけですね。いまは、もちろん皆さん方に責任があるわけじゃないんです、これはもう何百年も前からの蓄積という部分もたくさんありますから。しかし、総力を結集して何とか対策を立てなければならぬと私は思っているんです。そういうことから、休廃止鉱山から、もうこれ以上は、風水害があっても出ないようにいたしましたよと、現在、新しくまだカドミウムやそういうものを扱っているところにつきましても、きびしい排水規制に基づいて、これ以上絶対になりませんという万全の手だてはいま終わったとしても、従来からの蓄積の部分については、これは責任をどこがとるかということになると、これはやっぱり通産省も一枚加わっていただかないと、環境庁は、各省の中心だ、農林省は実施の省だと、こう言ってみても、なかなかこれは私は進まないような気がいたしますので、そういう点から、具体的に今日まで長い間に蓄積され、しかも負担能力のない、あるいは負担をする企業がなくなったという、この部分については通産省としては具体的にどのようなお考えを持っているか。汚染された地域の土地改良をやるのに、その部分というのは一体どの程度財政的な負担をやればいいのか、御検討なさっていることがあれば、ひとつこの際明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(石川丘君) 通産省といたしましては、休廃止鉱山を含めまして先ほども申し上げましたが、鉱山に対する公害の防止の監督、それから公害防止工事等を強化しておるわけでございますけれども、金属鉱業の稼行によります、いわゆる蓄積公害につきましては、抜本的解決策が要るということで、通産省にございます鉱業審議会に蓄積公害の対策のあり方というものを諮問いたしまして、公害の発生源対策、それから農用地の土壌汚染防除対策、それから被害者救済などが審議されまして、本年の七月末に答申をいただいたわけでございます。
 で、いま申し上げましたように、審議会の審議が非常に幅が広かったものでございますので、単に通産省の所掌に属さない部分、たとえば農用地の土壌汚染に関する問題というようなものまで審議されました関係上、審議会の運営にあたりましては環境庁、それから農林省あるいは地方自治体との関連もございますので、自治省等の関係各省の協力を得まして審議の円滑化をはかったわけでございます。で、通産省といたしましては、この答申の線に沿いまして、私どもの所掌いたします休廃止鉱山等の公害防止につきまして万全を期すと同時に、汚染されております農用地の改良等につきましては、答申の線に沿いまして環境庁あるいは農林省にその実現方について強く要望をいたしておるわけでございます。
○工藤良平君 通産省はこっちのほうに要望する、こっちのほうはこっちに要望する。それがやはりさっき私が申し上げましたように、必死になって、自分の生活の問題であるし、生命にかかわる問題ですから、やっぱり一生懸命になっているわけですね。あっちに行けばこっちという、こっちに行けばあっちということで、振り回されているという苦情がたいへん強いわけなんです。一日も早くこれは解決してやらなきゃならぬことなんですね。いいですか。しかもそれが、地方自治体によりましては非常に広範囲にわたっているために、地方自治体としての能力以上の問題が出てきているから、たいへん困っているということを、私たちは各地で聞くわけなんですね。そういう意味からいたしまして、この問題を、環境庁なら環境庁が中心でもいいですが、具体的にこの法律ができて仕事を進める上において、何か対策室か何かを、はっきりとしたものをつくっているわけですか。何か担当の課だけが集まって、担当だけが集まってやっているということなのか、きちんとしたものをつくってやっていらっしゃるか、具体的にお聞きをしたいと思います。
○説明員(遠藤茂君) 恒久的なそういった、先生が御指摘いただいたような組織はつくってございませんけれども、対策会議を、局長クラスでございますけれども、対策会議を設けまして、そこで鉱業審議会から提起をされたもの、また、地方自治団体から提起をされた問題を、それぞれの各省庁に具体的な予算の形ですべきものはする、また、いろいろ手続の上で改善をすべきものは改善をするというようなことを審議をいたしておる状況でございます。
○工藤良平君 この法律の中にも、「審議会は、その定めるところにより、部会を置くことができる。」ということで、部会をつくることになったわけですね。その部会長はだれで、この担当する部会は何人でもって構成していらっしゃるか、お聞きします。
○説明員(遠藤茂君) いま先生がお話しいただいたのは、どうも中央公害対策審議会の土壌部会のことではないかと思うのですけれども、そういうことではございませんで、役所の組織としてこの問題に直接関係をいたしております関係局長をもって充てるというような対策会議を設けて、そこで審議をいろいろいたしておるという状況でございます。
○工藤良平君 それでは具体的に進まないわけでしょう。何か対策部会を持つ、部会で集まって会議だけしたけれども、一体どこが中心になってその全体的な問題を総合的に判断をし、具体的に進めるのかということが次の段階で出てこなければ、何か集まってああでもないこうでもないということだけじゃだめなんでしょう。それをやるので、いわゆる中央公害対策審議会の中に部会を設けて、土壌部会なら土壌部会を設けて、具体的に進めるということになっているわけでしょう。それをやらなければだめなんでしょう。そういう過程を経て、この部分がどうしても被害者に負担をさせるわけにいかないし、加害者の負担もこれは不可能だというふうになったとき、初めてその部分を、じゃ、国なら国というものがやるのか、あるいは地方自治体がやるのか、地方自治体についてもそれは能力の限界がありますから、その部分を一体どうするのかということで、その公の負担をする部分をさらに上積みをしていくということの具体的な論議が進んでいかなければ、いつまでたっても、この土壌汚染の問題については解決をしないじゃないですか。困るのはだれですか、農民なんですよ、被害を受けている。何もこの人には責任がないわけなんですね。もちろんあなた方にも責任があると私は言いませんよ。何百年間の累積の中でこそ、そういうものが出てきたわけだから、これは国家的な見地からやらなきやならぬ緊急を要する事項ですから、その点を部会でさらに掘り下げていって、そのための対策室を設置をするならするという形で環境庁が中心になって、各省集めてやる。それに対しては大蔵省も積極的に予算的な措置についても考えようということにならなければいけないわけでしょう。形式的に幾らやってみても始まらないから私どもはそう言っているわけです。その点については課長を責めてもこれはしようがない、大臣を呼んできてやらなきやならぬわけですけれども、深刻に私は受けとめてその対策を講ずる必要があるんじゃないかと思うんですが、課長の見解でもけっこうですから、ひとつおっしゃっていただきたいと思います。
○説明員(遠藤茂君) 確かに御指摘のようにすべきものであるかもしれませんが、私どもの環境庁としては、予算見積り調整権というのがございましたので、それによって、対策会議で実は三つばかり問題点をあげて、それの具体化をいろいろ御相談を申し上げて、一つは、いま先生から御指摘がありました補助率、いわゆる地方団体の負担の軽減という意味で土地改良事業の補助率をこの際大幅に上げようということが一点。それからもう一点は、先ほどから申し上げました現在の現行法で確かに欠けているといいますか、部分の汚染米なり休耕補償の問題、これについては何らかの国の援助をしていかなければならない。それから三つ目は、山元の鉱山対策で、特に休廃止鉱山にかかる山元対策というものを、今後高率の負担でやっていこうということで、現在その線に沿いまして、各省庁それぞれ予算の要求をし、また、それの準備をしているという段階でございます。
○工藤良平君 基本的な問題になるんですけれども、私は公害基本法ができるときもその後救済――いろいろな公害関係の法律ができるときも、それの論議に参加をいたしましたよ。いまおっしゃるように、私のほうは一応はあれしますけれども、それぞれ関係各省で予算要求をいたしまして、どうのこうのということになると、何のために環境庁をつくったのか、環境庁をつくるときには、そういうものを総合的に扱うということで環境庁をつくったわけなんですよ。その役割りを果たしてもらいたいと私は思うんです。もちろん実施の段階においては、土地改良事業については、農林省は専門ですから、それはやらなきやならぬでしょう、当然だと思います。しかし、それがいま言うように、各省にそれぞれの責任転嫁というものをするのではなくて、この種の問題、わざわざ法律までつくったわけですから、部会までつくれということになっているわけですから、やはりそれを徹底的に総合的にあなたのところで調整をはかりながら進めるということをやらなきゃいかぬ。そうしないと進まないです。そうでしょう。
 そこで、これはもう少し具体的に、あまり時間がありませんから、通産省にお聞きをしますけれども、さっきから再三私が申し上げますように、どうしても負担能力がない、土地改良事業をやる場合に。そういうものが、これから年次計画の中でこの土地改良事業をやるために一体、年間にどの程度の予算があればまあまあかなりの措置がとれると、このように積算をしていらっしゃいますか。もし、それがわかれば、私どもは、そういうことをもとにしながら大蔵省に対しても徹底的にそれは要求していかなきゃならぬと思いますし、全力をあげたいと思うんですけれども、いかがですか。
○説明員(石川丘君) ただいま御指摘がございました農用地、原因者不存在の農用地がどの程度汚染されているかというこまかいデータは私どものほうでは持ち合わせておりません。これは、環境庁あるいは農林省で持っておられるのではないかと思います。また、休廃止鉱山の公害防止対策につきましては、私ども来年度二十億円というふうに考えております。
○工藤良平君 いまお話しのように、この二十億円という数字が具体的に出てまいりました。私どもは、これが一つの呼び水となって早急にこの全体が解決できるような最大限の努力をしなきゃならぬと思っておりますし、まあ大蔵省もきょうは担当官は見えておりませんけれども、おそらくその点については、ぜひ後ほど検討していただきたいと思いますけれども、私は先ほどから再三にわたってこの点を申し上げました。いまおっしゃるように通産そのものについては、私のほうではまあ総合的にみんな集まって検討はしてると言うんですけれども、一体どれくらいか、というのも実は把握をしていないということをいまおっしゃいましたけれども、そのような程度なんですね。ですからこれは、各省おりませんけれども、農林政務次官、いいですか、いまお話しのように各省やっぱり取り組んでることは確かなのに、一生懸命やってるということは確かなんですけれども、どうもばらばら、ばらばらで、さっぱり実があがらないというのが私は実情じゃないかと。しかも、この鉱山によって汚染をされた土地が土地改良事業を行なうことによって、他の農業開発なり、あるいは基盤整備の足を引っ張っちゃ困るわけなんですね。これは進める、さらにこれはプラスとして別の角度から進めていくということをやらなければ、さっき私は農林大臣にもお話ししましたけれども、日本農業の基盤を一日も早く完成をして、国際的なレベルに持っていかなきゃならぬということが緊急の課題ですから、そういうことを考えてみると、やはりこういう問題については別のサイドから大きく問題を取り上げていってやる必要があるのではないか。そのために、ひとつ政務次官、命をかけて、――いいですか、各省走り回って、ひとつ五十年度予算の編成にあたりましては老骨にむち打ってがんばっていただきたい。これが政務次官の政務次官たるゆえんだと私は思うんです。大いにひとつこの点については、冗談じゃありません、真剣なところなんです。やってもらわなきゃいつまでたっても私解決しないと思いますから、さっきのことばはちょっとあれですけれども、ひとつ大いに私はがんばっていただきたい、こういうことを申し上げ、もう時間が参りましたから政務次官から決意のほどをしっかりと聞かしていただきましてよろしく対策を講じていただきたいと思います。
○説明員(山本茂一郎君) ただいま激励を受けました事柄は、申すまでもなく各省関係のところがたくさん多過ぎるということと、それから一つは、学問的の問題もございましょうし、いろいろな対策にもなかなか簡単にいかぬのだろうと思っております。また、従来関係各省においても、事務当局が申しましたように、決してなおざりにしておるのではなくって、一生懸命にやっているんだろうと、こう私も感ずるわけであります。しかし、いま御意見がございましたように、その現状でこれがいいという問題ではないと思います。困難なれば困難な問題であるほどお互いに力をあわせて、そうして早急にこれを解決するように関係のところとよく話をいたしまして、これをなるべく早く何らかの形のあるものにしていきたい、こういうように考えておるわけであります。
○工藤良平君 どうもありがとうございました。
○鶴園哲夫君 私は先ほど申し上げましたように、一つは畜産、それから農業、水産の加工業と環境汚染の問題について、もう一つは農林省の定員の問題について、その二つについてお尋ねをしたいわけです。
 まず前者のほうから伺いたいんですが、先ほど申し上げましたように、畜産が環境との関係でたいへん困っておるという状況だと思います。農林省が出しております四十九年度の「農業観測」というのがありますが、あれを見ますと、養豚のところに、養豚が停滞するだろうという見通しを立てておるわけですが、その中で言ってることは、えさが――飼料がたび重なって暴騰したということと、四十六年ごろから環境汚染の問題が出てきて、ということを言っております。私はそのとおりだと思います。で、この問題は単に養豚だけに限らず、これは養鶏の場合におきましてもそうでありますし、それから酪農関係についても乳牛関係についても同じような問題が生じておるわけであります。私は、そういう意味で、えさと環境汚染の二つで畜産関係が立ち往生する状態に至るのではないかと、これをほうっておきますと、ますますこの事態は深刻になるというふうに思っております。
 そこで、若干の例をあげながら伺いたいんですが、養豚にいたしますと、御承知のように、急速に経営規模拡大をやりました。当然そうならざるを得ない。そこで百頭以上の養豚というものが、いまや養豚の全体の五〇%を占めるという状況です。養鶏で言いますと、急速にこれも拡大してきまして、いまや五千羽以上という養鶏がもう多数を占めているというような状態になっております。そうしますと、これは周辺の住民、これは農家でも同じです。農家の人たちもこの臭気とそれから汚水、この問題について非常に問題を引き起こしておるわけです。で、先住民族だと言いましても、これはやはりそうはなかなかいかない。そういう意味で、私は、この問題についてどうなさるおつもりかということを、どうしておられるかということをお伺いしたいんですが、まずこの中で、農林省がいまやっておられるのをこの間伺いました。三つの方法でやっておられるようであります。一つは、畜産基地をつくるということで積極的に進められております。まあ百三十ヘクタールぐらいを単位にいたしまして、その大部分を肉牛なり、あるいは酪農に使うと、そのごく一部を養豚に使う。そういうことで養豚場が出すところの屎尿、これを牧草地にまく。つまり土壌に還元するということで全体として畜産基地が繁栄をする、牧草が繁茂する――茂ると、同時に環境汚染を防止するという方法であります。もう一つは、簡単に言って、畜産部落というものとそれから畑作部落というものと、これを連結をして、そして屎尿の処理を畑に還元をするというやり方で進あておられます。構造改善事業という形であります。もう一つは移転をするということ、移転をさしていくということ。そういう三つの方法で進めておられるように見ております。
 その一番目の、畜産基地をつくっていくということは非常にけっこうなことだと思います。二番目の、畜産部落と畑作部落と、あるいは耕種部落とつなげて、連結をして、そして構造改善を基盤整備をはかりながら両方が栄えていくという、屎尿を土壌に還元するという、この進め方は非常にそのテンポはぬるいのではないかというふうに思っております。これはもう一年一年やかましくなります。それから、もう一つの移転、これも非常に問題がありますですね。もう千羽も五千羽も鶏を飼いますと、周囲の農家は非常に文句を言うわけですよね。これは行って見ましてもですね、くさいとか、屎尿がどうだとか、うるさいですね。あるいはたくさんの羽が散らばる、風に吹かれてそれが茶の葉っぱにくっつく、野菜にくっつく、雨降ってぴったりくっついちゃって、どうにもならぬというようなことで、たいへんな問題なんですよ。これは移転しようとしますと、その移転先が断わると言うんですね。豚もそうです。五百頭というふうになりますと――百頭でもそうですが、五百という形になりますと、もうその周囲からも農家のほうからも文句が出る。あるいは移転しょうとしますと、向こうのほうが移転されちゃ困ると、たいへんなことだということで反対をするという状況なんですね。しかし、私は、この三つの方法は非常にいい方法だと思うんです。ですから、もっと積極的に進めてもらいたいと思っております。たいへんスピードがゆるい。もっと積極的に進めてもらいたいという点を申し上げたいと思いますが、局長のひとつ考え方をお伺いしたいと思います。
○説明員(澤邊守君) 畜産が規模を拡大いたしますに伴い、また、地域が都市化してまいるということに伴いまして、ただいま御指摘がございました畜産による環境汚染問題は非常に頭の痛い問題でございます。まあ、土地が狭いわが国に最もふさわしい畜産だということで、養豚なり養鶏が急速に伸びてまいりまして、技術水準からいきましても、世界的に見ましても、相当高い水準にいっておると思っておるわけでございますけれども、他面、そういう環境問題というものが、土地が狭いがゆえに一そう急速に深刻になってきておるという点で、この問題を何とか解決をしなければ、今後わが国の畜産の発展ということに伴いまして大きな壁になるであろうということを心配しておるわけでございます。
 そこで、農林省では、いろいろ先ほど御指摘になりましたような三つの対策をやっておりますが、そのほかにもまだ、これは私の局といいますよりは、技術会議の試験研究部面におきましても、家畜のふん尿処理に関する試験研究を大型試験として四十八年から実施をしてまいっておるわけでございます。四十九年度からの事業といたしましては、畜産経営環境保全集落群育成事業といったようなものを新たに設けておりますし、さらに草地の造成という基盤整備をあわせて行なう畜産経営環境整備事業というものにつきましても、従来の団体営のほかに新たに経営というような大型の事業も実施をすることにいたしまして、今年度からやっておるわけでございますが、この問題につきましては、今後の畜産政策の重点といたしまして、来年度以降もきびしい予算事情の中でございますけれども、重点的に実施をしてまいりたいというように考えております。
 ただいま移転の問題が出ましたけれども、確かに都市周辺近郊といいますか、残飯養豚と称せられるようなものにつきましては、なかなか都市内に立地するということがいつまでも継続できないような事情もございますので、できるだけ移転をするということを進めておるわけでございますけれども、土地取得の問題、移転先での住民との利害の調整の問題等ございまして、これもなかなか容易な話ではないわけでございます。しかし、県あるいは市町村等の協力も得まして、できるだけ問題を解決して実施をしてまいりたいというふうに考えております。で、この問題につきまして、やはりわれわれといたしましては、方向といたしましては、排せつ物を捨てる、きれいにして捨てるためにいろいろな施設に投資するということもやむを得ない場合はそれも必要だと思いますけれども、それだけではなしに、これをいかに土地に還元して再利用していくかという点にむしろ重点を置いて解決していくべきではないかというように考えております。そのほうが処理するためのコスト面でも有利になりますし、さらに地力対策上も必要な望ましいことでもありますので、そのような方向で従来の施策を来年以降さらに一そうピッチを上げて実施をしてまいりたいというつもりでおります。
○鶴園哲夫君 いまの移転の問題ですけれども、まあ酪農が都市近傍から発達をしている。養豚もやはり都市の残飯、残菜を中心にいたしまして都市周辺に養豚というものも発達をしてきている。ところが、いまこれが二つともたいへん困っておるわけですね。というのは、畑作農家群というものと、それから畜産農家群というものを結びつけようと思いましても、そこら近所にはないんです。周囲にどんどん家が建て込んでくると、先住民族だと言いましても少数者になっちまっている。したがって、どうだこうだと言って、たいへんやかましい問題ですね。しかし、いま飼料がべらぼうに上がったものですから、養豚をやるには都市近傍は非常にいいんですね。これは残飯をどんどんただで持ってこれるんですから、トラックでどんどん残飯を持ってくるんですから。しかも都市としましては、残飯の整理にたいへんいいわけですね。そういう意味で、都市近辺におきます養豚業というものは非常に有利になっておるんですけれども、いま言いましたように、これは周囲からもたいへんなんですね。移転するには、移転先がこれまた反対をするしで。ですから、私は、このいま申しました都市周辺から発展をした酪農というものと、それから養豚というものが非常に苦しいところにある。また、それに対する対策が都市は都市で弱い、非常に弱い。ほうっとけば何とかなるだろう程度の考えじゃないでしょうか。そうではなくて、そういうものについても、積極的なひとつ施策を推進してもらいたいということを局長に要望しておきたいと思っております。
 それから局長もお話しのように、この公害汚染との関係は、畜産にとりましては非常に大きな問題だと思うんです。これからますます年を経るごとに、あるいは日を経るごとにやかましい問題ですよ。畜産は発展させなきゃならない、しかし、その環境汚染との関係で、これはどうしてもたいへんなうるさい問題なんです。広がれば広がるほどたいへんな大きな問題ですね。ですから、重点政策として、この問題についてはぜひとも精力的にもっとスピードを高めて積極的にひとつ推進をしてもらいたいという点を一つ要望をいたしておきたいと思っております。具体的にはもっと別の時間にいろいろ伺います。
 それからもう一つは、これはでん粉加工業であります。でん粉加工業の問題につきましては、これはどうも私は、農林省としてもはっきりした手がなくて困っておられるんじゃないかという気がしてしようがないのですけれども、まあ、でん粉とそれから魚の加工工場については、御承知のとおり、いま暫定基準でやっておりますけれども、五十一年の六月から一般基準になるわけです。ですから、でん粉の加工業で言いますと、いまの水準から二十分の一あるいは三十分の一に縮めなきゃならぬわけですね。非常な努力をしなきゃならぬわけですけれども、農林省がやっていらっしゃるのを見ますというと、北海道で言いますと、一カ所一千万円程度の実験の事業をやっていらっしゃる。それから、これはバレイショでん粉でありますが、サツマイモでん粉につきましては、鹿児島で一カ所七百二、三十万円程度のお金を出しまして、そして実験的にその方法を進めておる。農林省には何かでん粉無公害生産方法研究会という、たいへんけっこうな名前の研究会ができておって、これが中心になりまして、無公害のでん粉製造工場をどうするかということの検討も進めていらっしゃる。そして、実験もしておられる。五十年度末までには結論を出して五十一年の六月の一般基準の適用までにははっきりしなくちゃならぬと、こういう状況だと思うんですけれども。そこで、問題は、いま進めていらっしゃる、四十九年から始めていらっしゃる北海道の上川と鹿児島の末沓で進めていらっしゃるものが、五十年も進めると、そういう中でやはり結論は出るん、だろうと思うんですね。つまり五十一年六月の一般基準に合格するような技術は、つくり得るだろう、自動車の排気ガスと違ってこのでん粉については、そういう技術は確立できるだろうと、十分私ども信頼いたしております。ですが、技術はできるが、それを実際、でん粉工場に持ってくるというのには、たいへん努力が要る。非常に困難な問題があるのではないかというふうに私は思っております。たとえば、イモでん粉で言いますと、北海道で言いますと、これは三カ月しか操業しない。サツマイモで言いますと、二カ月程度しか操業しない。それに何億かの金をかけなきやならない、施政をつくらなきやならないということになりますと、これは容易ではないというふうに私は思っております。そこで、私の疑問と思いますことは、それじゃ、でん粉工場、サツマイモそれからバレイショを原料とするでん粉工場というものを一体農林省なり県というのはどう見ているのか。私はこの間のでん粉の自給事情を聞きました。四十八年度、四十九年度、こう聞いてみますというと、でん粉で言いますと、サツマイモの、カンでんで言いますというと、これは翌年は十何%下がると思うんです。それから北海道のバレイショでん粉も十何%下がると思うんです。で、五十年でぐっと下がる。いままで自給率は下がってきておりますけれども、数量そのものが下がってくる。たとえば馬でんで言いますと、二十一万トン程度のものが四十九年度には十八万トンに下がることになる、自給傾向である。それからカンでんで言いますと、九万二千トン程度のものが八万トンに下がるという自給になっております。これが四十九年、五十年、五十一年になりますと、いま言ったように一般基準できますから、どうしても二億か三億の金をかけて施設をつくらなければならぬ。それが二カ月操業する、三カ月操業するその工場につくれるかどうかというと、私はここで非常に大きな、日本の生産できるバレイショあるいはサツマイモを中心としたでん粉工業というものは、ここで最も大きな危険な状態になってくるというふうに思わざるを得ないんですけれどもね。技術はできる、しかしそれを持ってきた場合にどうなるかというのを見ますと、非常に危険な状態、たいへんな事態がくるのではないかというふうに思うのですけれども、どういうふうに考えられていらっしゃるのか。
 私は私見として申し上げますけれども、先ほど申し上げました畜産局が積極的に構造改善という形の中で畜産を発展をさせる、その一つとしてこれを組み込んでやっていらっしゃる、そういう考え方がこのでん粉の問題についても取り上げられないかという問題です。つまり畑作農家、バレイショ農家でもいいし、あるいはイモ農家でもいいが、畑作農家というものとでん粉工場というものを中心とした基盤整備をやる、構造改善事業をやるという形の中でそういう問題を導入できないのか。そうしませんというと、これは補助がとれない。一般の金融でやるということをいたしますというと、これは先ほど申し上げましたように二ヵ月か三カ月しか動かないでん粉工場に対して、二億なり三億なりという金をつぎ込んでやっていくということでは、これは採算上重大な問題である。そういう点についてどういう見通しを持っていらっしゃるかという点です。
○説明員(森整治君) 先生御指摘のように、でん粉の製造問題につきましての公害の問題につきましては、御指摘の点非常にわれわれの悩みとする点でございます。とにもかくにも現在の衆知を集めまして努力を傾けておるわけでございますけれども、御指摘のように、全般的に見ますとやはり季節的な操業であり、同時に、企業規模が非常に小さいという点が、もう一つ、大きなこの公害対策に対する投資等の関係から非常に制約的な要件があることも事実でございます。で、私ども、とりあえずとっております対策というのは、ともかく実験事業という形で御指摘のように、北海道と鹿児島につきまして施設を設置、助成をいたしまして、対応策を講じておるわけでございますが、それにも限りがあるという御指摘であろうかというふうに思います。
 そこで、先生のただいまの御提案につきましては、農蚕園芸局の関係で、特産物の生産団地の育成事業を行なっておりまして、これらにつきましていろいろな機械化施設を導入して生産性の向上をはかっておるわけでございますが、これらとの結びつきにおいて、何かいま御提案ございましたようなことができないかどうか、われわれも、たいへん貴重な御意見として今後十分検討を至急させていただきたいというふうに思っております。
○鶴園哲夫君 ぜひ局長のほうでもすみやかに御検討をいただいて、このでん粉工場がたいへんな困難にぶち当たらないように――困難にはぶち当たりますけれども、それが克服できるように御努力をひとつ積極的にお願いしたいと思います。まだ五十年がありますし、五十一年の六月でありますから、ぜひひとつ御協力願いたいと思います。後ほど水産の問題も取り上げますけれども、水産の場合におきましても、水産加工センターという形になりまして流通のセンター、流通施設、あるいは加工施設あるいはその他の施設というような中で処理できる、処理しつつあるわけですね。それで、畜産においても先ほど申し上げたとおり、何かそういうような考え方で処理しなければ、融資でやるというふうになりますと、これはもうとても可能性はないと言い切ってもいいほどだと思うんです。ですから、五十一年に、でん粉工業というのはたいへんな事態に達するというふうに私は心配しておるわけですから、ぜひとも、ひとつすみやかに検討をされて解決策を見つけていただきたい、こういうことを要望いたしておきます。
 続いて、水産の加工業の問題についてお尋ねいたしますが、これも、水産の加工業というのは御承知のとおり、たいへん発達をいたしまして、いま事実上半分近いものは加工業で処理をしておるわけですけれども、ただ、水産の加工から出てくるところの汚水とか、臭気とか、そういう問題。臭気は別にいたしまして、汚水の問題については、いまは暫定基準、五十一年の六月から一般基準となりますから、非常にきつくなってくる。そこで、五十一年の六月になって一体どうなるのかという点でありますけれども、水産庁で進めていらっしゃるのを見ますと、先ほど私が申しましたように、魚の水揚げをする港というのはさまっておりますから、大きなところ、小さなところ、それぞれきちっときまっておりますから、それに応じまして水産物の産地流通加工センターというものを積極的に推進しておられる。その中で加工施設あるいは流通施設、それから市場施設というようなものをつくられて処理されている。私が見ましたところでも、かつおぶしをつくるところは、たいへん魚が入ってくる。頭をぶった切る、血は出る、それから残りの魚も一ぱい出てくる。それを一カ所に運んできて、そして機械にかけますというと、あぶらと、あとは乾燥した骨で肥料になってくるというような施設がつくられておるわけですね。で、そういう形で私は、水産加工業の場合においては、五十一年の六月基準というものについてはまず対処できるんじゃないかというふうに思うのですけれども、ただ、全体を見ました場合に、いまのやり方の、あるいはいまのスピードで一体、五十一年六月にどうなのかという点をお尋ねをしたいわけです。なお、いまやっておられるものが五十一年の六月の一般基準に適合できるかどうかという点も含めて伺いたいわけです。
○説明員(内村良英君) ただいま先生から御指摘がございましたように、水質汚濁防止法に基づきます現行の排水基準は暫定基準でございまして、昭和五十一年六月から一般基準に変わることになってございます。この点につきましては、ただいま先生から御指摘ございましたように、私どもといたしましては、水産産地流通加工センターの形成事業の一環として、特に公害施設に重点を置いて事業を進めているわけでございます。現在のこの事業の必要資金の約三二%はこういった公害施設に使われているということになっております。その他、私どもといたしましては、漁業近代化資金、公害防止事業団、中小企業振興事業団等の各種の融資助成措置、これは非常にこまこうございますから省略いたしますが、かなり手厚い融資措置があるわけでございます。それから、税制上の優遇措置等を積極的に活用いたしまして、汚水処理の基準は引き上げるということに一生懸命努力しているほか、公害防止管理者の講習会の実施、公害防止技術の技術対策の促進、これにつきましては、各方面の研究機関で研究を行なっておるわけでございますが、そういった措置をとりまして、極力排水基準に合うようなものに持っていくように努力しているところでございます。
○鶴園哲夫君 時間の関係もありますので、さらにこの問題は、私、ぜひ水産の問題にいたしましてもそれから畜産の問題にいたしましても、それからでん粉の問題にいたしましても、ぜひともすみやかに解決をしていかなきゃならぬというふうに常日ごろ考えております。今後も機会がありますたびに具体的な事例を提示しながら論議をしていきたいと、このように考えております。
 続いて定員の問題でありますが、これは先般、ことしの三月でありましたか、倉石農林大臣が所信表明を行なわれまして、それに対しまして私質問をいたしましたときの一つの事項として農林省の定員の問題を取り扱ったわけです。その当時、ちょうど行政管理庁の管理局長が腹痛を起こしまして局長の出席がなかったわけですけれども、きょうは局長においでいただいております――おいでいただいておるはずであります。
 で、定員の問題について、全般の問題にもなりますけれども、私が定員の問題について指摘をいたしましたのは、昭和三十九年、このころから定員の問題を取り扱っておりますが、三十九年に御承知のように、三年計画の欠員不補充の政策が三年間行なわれたわけです。欠員は補充しないという方針が立てられまして、四十年、四十一年、四十二年と、三年間行なわれまして、続いて一年おきまして、第一次三年間に五%定員を削減するという施策が行なわれました。それが終わりますと、次に第二次定員の削減、三年間に五%というのが引き続いて行なわれたわけです。そして今度さらに第三次の、三年間に三%定員を削減するという施策が行なわれているわけです。私は、定員の不補充、三十九年にきまりまして、四十年、四十一年、四十二年と続けられました欠員不補充という考え方、さらに四十四年、四十五年、四十六年と三年間行なわれました、第一次三年間に五%定員削減、それと第二次、これによりまして、定員がどんどん減ったところと、それから逆にふえていくところと、省庁によって非常に差ができてきたわけです。それで、農林省は最もたくさんの定員の削減がありまして、二回とも。第一次も八%こすと、五%というけれども農林省の場合は八%こすということになりましたし、第二次の場合も、ほとんど八%という形になりまして、そして定員の構成というのが非常にいびつな形になっておる。これは私は、農林省を例にとって言っているんですけれども、これは北海道開発庁でも同じであります。建設省でも同じであります。それから行管そのものもそうであります。行管のほうはどういうふうに見ておられるか知りませんが、行管の県の出先機関に行きますとこれはもう非常なものです。たいへんな不満があります。これは行管そのものは自分がやるわけですから自分のところが模範を示さなきゃならぬという点もあるだろうと思うんです。ですから削減率もわりあいに高いです。したがって、人数の少ないところにびしびしやられるものですから非常に困っておるですね。よく人員構成がちょうちん型だということを言う。しかし、私の見ましたところでは、こういう非常な削減を受けているところは、ちょうちん型じゃないですね。そうではなくて、こま型になっている。四十歳から五十歳以上のところ、四十歳から五十歳というところはこまの上、三十から二十というのはこまの心棒みたいになっている、足みたいになっている。非常な年齢構成になっている。そのことが一体、行政を遂行する上においてどうなのかと、あるいは職場の空気としてどうなのかという点を問題にしたいわけです。
 これはまあ私は、総定員法というのはこれはまずいと思うんですね。この制度でやる限り、どうしてもこういうことにならざるを得ないですね。というのは、定員は、やめちまったところをできるだけ埋めないようにしていくわけですからね。そして新規にふやす場合は、新しい仕事をつくっておかにゃいかぬわけです。新しいところについては人間がついていく、つくんですある程度は。ですから、従来ある仕事というのはやめてはなかなか補充ができないです。古いところの仕事というものは、したがって、人間がだんだんだんだんたいへんな年齢構成のものになっちまう。人間も足りない。労働強化になるし、従来の仕事はサービスが減る。減らさないとすれば労働強化にならざるを得ない。それでこういう事態が進んできたのではないかというふうに思っております。
 ですから、私は、この第三次の削減計画についても一体やられるのかという考えを持っておったのですけれども、これは総定員法をとる限りやらざるを得ないですね、指命というよりも不可避ですね。何せ総定員法によって五十何万という数字がきめてありますから、最高限度きめてありますから。その中で新しい人間をふやそうとしてやっていくには、どうしてもこれはどっかで削らにゃいかぬです。削らにゃいかぬから、これは総定員法が四十四年にできたときから第一次の三年計画で五%減らした。次いですぐ第二次で三年間に五%減らした。今度やまるかと思ったら、考えてみたら総定員法がある限りにおいては、やっぱり第三次をやらざるを得ない。第三次、二%また減らすということになっている。これは総定員法がある限りにおいては絶対に避けられない。そのことが職場に対してどうなっているのかという問題ですね。そういう点についてどう考えていらっしゃるのか、総括的に伺いたいわけです。
 もう一つ、この総定員法でいきますと、これはそういう年次計画の削減というものは不可避だと、これは避けることができないというふうに私は思うのです。おそらくこの五十年度で、いまのようなやり方は完全にパンクするだろうと私は思うのですね。というのは、今度は三年計画で三%になりましたから、一年間に減らす数字というのは少ないです。そうすると、これは新規増に追いつかなくなる。たとえて言いますと、新規増というのは毎年――ことしはおそらく八千名近くになる、どうしても八千名は認めざるを得ない、五十年。五十一年になりますともっとふえるでしょう。それに対して減らす数というのは四千幾らしかならないです。調整定員を見込んでみても、つまりやめるものを見越して先に採用してみても、定員をふやしてみてもとてもこんなもの足らないです。五十一年になると完全にパンクせざるを得ないというふうに思うのですけれども、どういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。
 もう一つついでに伺っておきますが、この五十万何ぼというのを総定員法によって総定員数をきめている、最高をきめているが、これは来年になったら動かさざるを得ない。来年の八月ごろはこれを動かすための積極的な行動をやられるでしょう。動かさにゃいけない。そのときに、いまの五十万五千というものを一万ふやすとなさる場合に、その理由づけをどうしてなさるのか。前の総定員法ができたときには、法律によって国会が責任を持っておった。各省の定員というものは法律によってきまっておったですから、各省にこれだけおるというのは。それをそっくりそのまま総定員法の人数とされた。いまは、総定員だけわれわれ握っている、知っている。あとはどう配置になっておるかは全然わからない。国会で責任を持っている、それを一万ふやすという場合、かりに一万ふやさにゃならぬ場合――これは一万ふやすか、五千ふやすか、二万ふやすかしなければならない。その場合、その理由づけをどうなさるのか、これ説明つかぬと思うのです。いまのような総定員法ではつかないと思っているのです。そういう点について見解を聞いておきたいのです。
○説明員(小田村四郎君) いろいろお尋ねがございましたが、まず初めの総定員法と、この七月に策定になりました第三次の削減計画との関係でございます。先生御指摘のとおり、この総定員法は最高限度を法律をもってきめていただいておるわけであります。その目的は、各省庁を通じましての定員管理の弾力化をはかっていくというところにあるわけでございます。しかしながら、やはり最近の経済社会情勢の変動に基づきましてもろもろの新規の行政需要が各年起こってくるわけでございまして、この新規の行政需要を満たすためには、やはりある程度の増員を行なわなければならぬということになるわけでございます。しかし、これを無制限に認めていきますと、公務員の総数というものは毎年ふくれ上がっていく一方ということになるわけでございまして、このことは国民経済から申しましても、また、国民感情の上から申しましても決して好ましいことではない。公務員全体としてできるだけの行政運営の能率化、合理化をはかっていかなければならないわけでございます。そういうことで、ただいま御指摘になりましたように、欠員の不補充計画の、実行であるとか、あるいは四十三年度以来の第一次、第二次の削減計画の実行であるとか、ということを政府として実行してまいりまして、その削減によって得られました原資によって新規の行政需要に対応してきた次第でございます。第三次におきましても、当然五十年度以降の新規の行政需要が見込まれますために、やはりさらに合理化をしていただきたい、こういうことで第三次の削減計画の実施を各省にお願いいたしまして、政府として閣議決定になった次第でございます。ただ、御指摘のとおり、二回にわたります削減計画の実行によりまして、各省の定員管理もかなり窮屈になってきております。その他諸般の情勢を勘案いたしまして、削減率につきましては、第一次計画の五%から若干引き下げて三年間三%ということにした次第でございます。
 それでは、総定員法が続く限り削減計画が実施されるかどうか、という御質問でございますけれども、何ぶん法律に基づきまして総定員の最高限度が画されておりますので、新規の行政需要に対応していくためには、やはりそれを法律の範囲内に定員をとどめようとすれば何らかの合理化、能率化に基づきます削減を行なうことはやむを得ないというふうに考えられるわけでありまして、理論的にはそういうふうに考えられますが、ただ、たとえば、第三次の削減計画が実行されましたあとで、また、同様の計画を実行するかどうかということにつきましては、これも将来の問題でございますので、その際になりましてもう一度検討さしていただきたい、かように考えております。
 それから、職員構成との関係でございますが、職員のいわゆる中ぶくれ状態というものは、ただいま先生御指摘になりましたとおり、各省共通でございます。非常に人事管理上の大問題として各省の人事当局が、いろいろ検討、研究を加えているところでございます。特に農林省におきましては、戦後の機構の急膨張というような関係もございまして、その程度が非常に高いということは御指摘のとおりでございます。そういうような関係もございまして、第一次、第二次の定員削減の実施にあたりましても、なるべく実情に即した配慮を行ないたいということで、農林省の御当局とも御相談いたしまして、新規採用を全く行なえないというようなことにならないように、できるだけの配慮を行なってきたのが現状でございます。五十年度以降につきましても、同じように、これは今後の問題でございますけれども、農林省と御相談いたしまして、なるべく実情に即した配慮を行ないたい、かように考えております。
 それから次に、五十年度、五十一年度になると総定員法を維持できないのではないか、その場合に、一体どういう根拠で法律の改正を行なうのか、こういう御質問でございますけれども、実はただいま行政管理庁といたしましては、五十年度の定員の増員要求につきましても審査を行なっている段階でございまして、まあこれは極力総定員法の範囲内におさめたいというふうに考えております。ただいま総定員法で定められました最高限度と四十九年度末定員との差が、これは毎年漸減を行なってきました関係で約五千人ほど差がございます。できるだけその範囲におさめてまいりたい、かように考えております。
 五十一年度以降どうなるかということでございますが、これは五十年度におきます新規施策等の影響もございますし、いまのところどの程度になるかということの推計とか、あるいは検討はまだ行なっておらない状況でございますので、はたしてその総定員法の範囲内におさまるか、あるいは総定員法が維持できなくなるかということについて御答弁できる段階までまいっておりません。まあ仮定の問題としてそれではどうかと仰せられましても、全く未検討でございますので、この点につきましては五十一年度の際にあらためて提案を検討さしていただきたい、かように考えております。
○鶴園哲夫君 時間の関係もありますから、この問題はあらためまして内閣委員会でひとつやりたいと思います。
 局長は、いま御答弁になりましたが、五千名程度がいまの最高限度の定員のワクと、毎年まあ五千名程度の差ができるから、そこの中におさまるようにというふうな話をなさったようですけれども、それは局長としての答弁にならないですよ。それ以外に、いま削減するんですよ。その削減分が入るわけですよ。一万一千名ぐらいになりますよ、五十年度の定員としては。一万の中におさまるようにされるわけでしょう。五千名じゃないでしょう。まあこの間、局長になられたばかりですから御存じない点もあると思うのですよ。ぼくらは、ずっとやっておるわけですから、年々この定員のふえていき方というのは、ちゃんとわかっているのですから。六千名、七千名、八千名と、こう上がりおるわけですから、いまずっと上がってきておるわけですから、いまおっしゃるように、五千名の中におさめるなんてとんでもない話ですよ。やっぱり一万名、一万一千名のワクはありますから、その中にはめるように運用されるわけでしょう。
 で、私が言いますのは、五十年度でこれは終わりだろうと、五十一年にパンクするだろうと言っておるわけです。三%になっておりますから、三%の中の四割をこの五十年度でやられるわけですから、五十一年度はその三%の三割しかないわけですから、四千名しか削減できないですよ。で、九千名ぐらいしかならないですよ、これは。九千名切るでしょう。定員がふえていくわけですよ。だから五十年になったら、五十一年になったら、来年の夏ごろはパンクするということで、あわてられるだろうというふうに言っているわけです。もう既定の事実になっているんじゃないですか、そういうことは。もうすでに国会でも答弁なさっていらっしゃいますよ。あなたの前の局長が答弁していらっしゃる。その際に、私は定員の問題について……。これは、六年間にわたって五%の削減を二度やられたわけですよ。その前に三年間の新規採用は、欠員不補充というのが行なわれている。十年たっているわけです。そういう点、職場における年齢構成やなんか全部洗って正しい定員管理をやれ、単に削減するようなことばかり、押えることばかり一方じゃだめだ。能率があがる、将来とも希望を持って仕事ができる、そういう定員管理をすることが定員管理としての本命でしょう。削減するだけでは成り立たないですよ。それも一つですけれども、合理化も一つですけれども、それだけでは成り立たない。そういう広い意味の、正しい意味の行政管理をする必要がある、定員管理をする必要があるというのが私の見解なんです。だから、ちょうどもう来年の八月あたりは、パンクするということであわてなきゃならぬわけですから、ですからそこを目標にして定員管理をどういうふうにやったほうがいいかということをすみやかに検討してもらいたい。十年間にわたっているいまのやり方について、いろいろアクがたまっている。そういうアクの問題についても、弾力的じゃなくて正しく処理するような考え方を持つべきであるというのが私の考え方なんですよ。まあこの問題は、プロパーとしては内閣委員会でありますから内閣委員会でやりますけれども、以上申しまして、なお見解があるなら承っておきます。
○相沢武彦君 さきに農林大臣にお尋ねをしましたソ連トロール船による日本沿岸漁民の漁具被害の点についてお尋ねをいたしたいと思います。
 ソ連船による漁具被害の問題は、一体何年ぐらいから発生しまして、水産庁のほうには報告されるようになってきたのか。それから毎年のソ連トロール船の出漁の傾向あるいは回数、それから漁船の量、それから水揚げ高、こういったものが年々どれくらいのふえ方をしているか、おわかりならばお願いしたいと思います。
○説明員(内村良英君) ソ連の漁船団の操業が日本の沿岸で始まりましたのは昭和三十年ごろ、南千島にサンマ棒受け船団及びトロール船団が出漁を始めてからでございます。したがいまして、二十年近くの歳月がそこに流れているわけでございますが、その間、次第にソ連の漁業の規模が大きくなってきたんだろうと思いますが、四十年ごろからは一万トンから一万五千トン級母船数隻、それから二百トンから三百トン級の独航船二十隻から百隻というふうなものが操業が行なわれまして、操業海域もだんだんわが国の太平洋岸を南に下がるというような形態になってまいりまして、本年の春、御案内のとおり、わが国のサバの産卵場である銭州まで操業を広げて、多くの問題をわが国の沿岸漁業との間に起こしたわけでございます。
 そこで、被害が報告されるようになりましたのは、大体、昭和四十六年ごろからでございまして、数字を申しますと、報告がございましたのは、四十六年が十八件六百五十五万円、それから四十七年が十三件二千八百二万円、四十八年は、これはどういうかげんかわかりませんが、二十五件で被害額は千三百四十五万円に下がったわけでございます。それが四十九年になりますと、これはことしの春が多いわけでございますが、七十三件五千七百二十六万円ということになっております。この中には、先ほど御答弁申しましたことしの二月の被害が入っているわけですけれども、そういうような数字になります。
 そこで、それではソ連の太平洋岸における水揚げがどれぐらいになっているかということでございますが、これについては、ソ連はあまり数字を出しておりませんので、総額は不明でございます。
○相沢武彦君 水産庁に被害報告がされたのが四十六年からということですが、四十八年度は若干被害額が下がっておりますけれども、ことしになりまして件数が七十三件すでに数えられておるし、金額で五千七百二十六万、非常にはね上がっているわけです。このままの傾向でいきますと、来年にはさらに大がかりな船団の出漁等も予想され、それから先ほどの操業協定なんか延びたとしますと、さらに日本沿岸漁民に対する被害も増大すると思われるわけです。で、この沿岸漁民を守るためのいわゆる海上保安庁の監視船なんか、関係海域に出動すると思うのですけれども、水産庁のほうとしては、そういうシーズンに、被害を受けそうな海域に対して、あらかじめ海上保安庁のほうに出動を要請していっているのか、それとも海上保安庁は保安庁の立場で独自にそういった問題を未然に防ぎたいということで出ているのか、その辺の関係性について。
○説明員(内村良英君) まず漁業のいろいろな問題につきましては、水産庁と海上保安庁と両方責任を持ってやっているわけでございますので、私どもといたしましては、あらゆる問題について海上保安庁とは緊密に連絡をとってやっております。
○相沢武彦君 今回の被害について、海上保安庁の監視船が現場へ行って、ソ連漁船団のほうに申し入れ等を行なったというような記事も出ていたのですけれども、その辺の状況について、もし海上保安庁から来ておりましたら御説明いただきたいと思います。
○説明員(内村良英君) 私どもが北海道庁から聞いておりますところでは、北海道庁の監視船が行って、いろいろまあソ連船団と話したというふうに聞いております。
○説明員(田中睦穂君) 海上保安庁でございます。お答えいたします。
 海上保安庁は、例年のように水産庁と連絡を十分とりながら、道南地区に漁船が南下して参りました場合は、巡視船を派遣いたしまして、まずソ連船の動静の把握をやっております。それで沿岸近くに参りまして、沿岸等の紛争その他の懸念があります場合は、ソ連語を吹き込んだテープがございまして、これを巡視船に備えておりますので、これを放送いたしまして、巡視船からソ連船に対して日本漁船の設置しておる漁具の標識に注意しろと、なお紛争その他の事故を起こさないようにということを要請して現場では指導している次第でございます。
○相沢武彦君 これまで漁具被害にかかわる、ソ連漁船団と日本沿岸漁民との間の紛争等は起きた例がございますか。
○説明員(内村良英君) 直接その紛争というわけではございませんけれども、私どもが一番悩みなのは、とにかくソ連側の大使館にたとえば私どもがいろいろ抗議する。そうなると、いつ、どこで、どの船がやったか、ということを教えてくれと、こう言ってくるわけでございます。そうすると、数字だとか、英語の場合はいいわけでございますが、ロシアの船は変なかっこうのロシア文字で書いてあるわけでございますね。そこで、漁師の人たちは、昼間だったらこれを一生懸命写すわけでございます。しかし、何と言いましても、小さな沿岸漁民が、それを写すわけでございますから――外務省からソ連大使館にそれを持っていきます。そうすると、これはロシア語じゃないと、こう言われるわけなんでございます。そういうようなことがございまして、ソ連の漁船と沿岸漁民との間に非常にむずかしい問題がいろいろあるわけでございます。そこで、まあ先ほど申し上げましたけれども、何とか早く操業協定をやって、そこで協定に基づきまして一つの漁業調整をやるということが第一じゃないかというふうに考えておるわけでございます。
○相沢武彦君 日ソ両国民の友好親善を深める中に、捕虜の返還、安全操業等も行ないたいということで、現地漁民としても関係者の人たちもぜひともこういった問題での紛争は起こさないように細心の注意を払いながらやっているわけです。しかし、そうそう自分たちの命をかけての漁場を荒らされる、あるいは大切な資材が被害を受けて生活権を奪われるということになりますと、やはりもしちょうど自分たちが現場へ向かっているときに被害を受けたときには、感情が爆発して紛争へと発展をしかねないこともありますので、いま長官おっしゃったように、ぜひとも操業協定を早期に結ぶことが第一の解決策であろうと思うのです。
 そこで、被害が報告されたのが四十六年からというわけですけれども、ソ連に対して操業協定を結びたいと、そういう話し合いを持ちかけたのは何年からでございますか。
○説明員(内村良英君) おととしでございますから、昭和四十七年の十月末から十一月にかけて東京で会議を持ったことがございます。そのときに一番問題になりましたのは、いろんな紛争の調整の機関、機構の問題の前に、実は日本の網に灯火をつけるかどうかということが問題になったわけでございます。そこで、ソ連は、かなり広範に灯火をつけてくれ、そうしないと、夜、日本の漁具のあるところがわからない。しかも公海だということであれば、そこでどうしてもひっかけてしまうことが起こるのだ、ということであったので、それをわが国の業界に相談しましたら、ちょっと金がかかり過ぎるという話が出まして、これは国の援助を得なければとてもできぬというようなことがあって、直ちにはわがほうは受けられないというようなところで話がこわれたということになっておるわけでございます。
 そこで、水産庁といたしましては、四十八年から補助金を出しまして、現在日本の漁具に灯火をつけておるわけでございます。そうなってまいりましたので、今度の交渉では、そういった点についてはあまり問題がなくいけるのではないか。ただ、これは光の強さとかいろんな問題がございまして、その辺は技術的な話し合いをしなきゃならぬわけでございますが、そうした問題があって、紛争処理の機構まで話がいかなかったというようなことになっておるわけでございます。
○相沢武彦君 四十八年から補助金をつけて灯火をつけるようになったといいますが、今回の被害の場合は、その灯火をつけての状態になってるのですか、それともつけてないままで今回また漁具被害が起きたのか、その点は確認されておりますか。
○説明員(内村良英君) 必ずしもつまびらかに承知しているわけではございませんけれども、私どもの聞いているところでは、まだその北海道の、ことし被害を受けたところは、灯火が十分ついてないというような状況になっておるようでございます。
○相沢武彦君 いずれにしても、現在問題の起きてるところは、公海上でありますので、ソ連のトロール船に入ってきてもらっちゃ困るとは言えない立場で、結局、わが国でも、民間操業協定によって日本トロール船の操業を浅海においては認めないということで、沿岸漁民の専用漁場として分割利用をしている。こういうことで問題を避けているわけです。今後やはりソ連との操業協定を、相当明細な内容をもって、また、それが守られるようにしていかなければならないと思うのですけれども、先ほどの答弁で十一月に行なわれると聞きましたけれども、そのときの原案等はもう全部できているのでございましょうか。
○説明員(内村良英君) わが国の考え方はすでにソ連側に渡してございます。それによっていろいろ技術的な問題、それから紛争処理の機構の問題等についてわが国の原案を出してございますので、それが基礎になって論議されるということになっておるわけであります。
○相沢武彦君 その十一月のときの会談の成功の見通しについてはどのように考えられておりますか。
○説明員(内村良英君) 私どもといたしましては、年々ソ連のわが国の沿岸における漁業活動が大きくなっておりますので、何とかして今度まとめなければならぬということで、その方針で臨むつもりでございます。ただ、これも相手があることでございまして、非常に過大な要求を出されたような場合には、これはまた考え直さなきゃならぬということもございますけれども、私どもの気持ちといたしましては、早くこれをまとめまして、わが国の沿岸漁業に対する影響を緩和するようなことをやらなきゃいかぬというふうに決意しているわけでございます。
○相沢武彦君 次に、委員派遣報告について北海道班の報告のうち、水産問題についてさらにお尋ねをしていきたいと思いますが、今後、遠洋漁業や沖合い漁業のフロンティアの縮小と動物性蛋白食糧としての水産物の重要性の増大によって、沿岸漁業の再開発が全国的な課題になっている。ところが、現状を見ますと、比較的まだ近海で公害に侵されていない北海道の沿岸において、増養殖漁業適地の活用というのは一割程度にすぎない、こういうことが今回指摘されました。
 そこで、せっかく沿岸漁場整備開発事業というものがいま行なわれているわけですが、もっとこの事業を促進させる必要があると思うのですが、これについての水産庁の御見解と現状はどうなっているか、説明をお願いしたいと思います。
○説明員(内村良英君) 従来沿岸漁業の振興につきましては、先生御案内のように、第二次構造改善事業というものを中心にして進めてきたわけでございます。ところが、昨今のわが国漁業を取り巻く諸情勢にかんがみまして、さらに動物性たん白質の供給源としての漁業の重要性というような観点から沿岸漁業の振興を大いにはからなきゃならぬということでございまして、御案内のように、先般の国会で沿岸漁場整備開発法を通していただいたわけでございます。そこで、私どもといたしましては、昭和五十年を初年度にいたしまして、とりあえず六カ年計画で漁場整備を公共事業として行ないたいということで、現在大蔵省に五十年度予算で要求しているわけでございます。したがいまして、二次構も進めると同時に、新しく公共事業として漁場整備をやる。
 一体どういうことをやるかということでございますが、魚礁というものは沿岸の資源の養成上非常に効果的なものでございますから、魚礁をどんどんつくっていく。さらに、従来の魚礁というのは、自然魚礁を補強するような形で大型魚礁をつくってきたわけでございますが、今度は一つ人工礁というものをつくってみたい、大きな人工礁をつくってみたい。それから浅海増殖と申しますか、大規模な増殖場の養成、その他沿岸漁場の生産力の拡大に役立つようないろんな施設というものをつくっていくということで、沿岸漁場整備開発法に基づく沿岸漁場整備開発計画というものをつくりまして、とりあえずは六年計画で昭和五十年度を初年度として進めたいというふうに考えているわけでございます。
○相沢武彦君 根室管内の場合ですけれども、風蓮湖とか、あるいは野付湾、根室半島沿岸、それから羅臼沿岸ですね。ここの場合の大規模増殖開発事業の促進が特に要望されているわけでありますけれども、その見通し等についてお話をいただきたい。
 特に、この地域は北海シマエビとか、貝類、コンブ類の増殖を目的にしているわけですけれども、特に野付湾の場合、北海シマエビが年間七十トンから百二十トン程度の水揚げが行なわれているようでありますけれども、これを年間二百トンぐらいに増大さしたいということで、北海道庁のほうとしても大型漁場造成事業として検討中であり、また、水産庁とも折衝中であると、こういうふうに聞いているんですけれども、この点どこまで、どの段階まで話が進んでいるのか、それもあわせて御答弁いただきたい。
○説明員(内村良英君) 根室付近、特に風蓮湖、野付湾及び羅臼沿岸等の各地域から北海エビ、コンブ等を対象といたします増殖基盤の整備をはかるよう地元から要望がございまして、水産庁も北海道庁を通じまして内容を承知しております。
 そこで、これは一体どうなるかということでございますが、ただいま申し上げましたように、水産庁といたしましては、五十年度予算要求におきまして、沿岸漁場整備開発事業の一環としてただいま申し上げました大規模増殖場の開発事業を予算要求しております。そこでこの予算がどうなるかということにかかるわけでございまして、この予算が通りました場合に、事業の採択をどうやるかというときに、道庁ともよく相談しながら十分地元の要望にこたえ得るような事業運営をやりたいというふうに考えております。
○相沢武彦君 さらに釧路地方の東部沿岸ですが、ここは厚岸湾をはじめ浜中、琵琶瀬、火散布等の各湖や湾などがありまして、海藻、貝類、これの濃密栽培漁業の未開発漁場になっているわけです。また、この沿岸一帯は漁場に適した大陸棚を擁しているということで、地元関係者はこの天然漁場を補完する大型魚礁群の設置及び人工礁――先ほど長官もおっしゃっていましたけれども、この独立漁場の造成を早急にはかってほしい。そういうことで、何としてもこの沿岸漁業の生産拡大をはかって動物性たん白食糧源の増産をはかっていきたい。こういう意欲に燃えておりますので、この点の早期実施をできるように一そうまた水産庁としても御努力を願いたい、要望として申し上げておきます。
 次に、河川に関連する土地基盤整備事業に伴う水産資源の保護対策、増養殖対策についてお尋ねをしたいと思います。
 今回、視察に参りまして、根室地方では大型酪農経営を実現させるため、昨年から新酪農村建設事業が着工されております。若干の説明を受けてまいりました。この開発事業に伴う森林の伐採や河川の切りかえ工事、あるいは湿地改良工事等によって水質が変化するだろうし、また、水量も減少するというような影響が出て、水産資源に悪影響が出るんではないかということで、非常に管内の漁民は心配をしているわけでございます。
 漁民の人たちは、酪農も大事だけれども、同じく国民食糧の供給者として大事な仕事に携わっているわれわれ漁民の立場ももっと尊重してほしいし、国も積極的に取り組んでほしい、われわれはやみくもにこの酪農開発事業に反対するわけでないけれども、開発事業と並行してこの水産資源確保のための維持・増殖に手厚い施策というものを講じてほしい、こういうことを願っているわけです。
 そこで農林省は、この新酪農事業など地域開発に伴う水産資源の保護対策、維持・増殖対策ということを具体的にどう講じているのか、水産庁としてはこの酪農開発事業に対して、こういったことについて意見を申し上げたのかどうか、また、その後、現地のほうの関係漁民から訴えがあって、あらためて対策等をいま考えているかどうか、その点を明確に御答弁いただきたい。
○説明員(内村良英君) ただいま先生から御指摘がございましたように、現在、私ども行なっておりますサケ・マスの人工ふ化放流事業というものは、サケ・マスの資源の増大に非常に大きく役立っているわけでございます。そこで、この事業はますます拡大しなければならぬ重要な事業だという認識は水産庁として強く持っております。
 ところが、その地域開発によって川がよごれていくということになりますと、どうしてもサケが帰ってこなくなるという問題がございますので、その点についても非常に大きな関心を持っておりまして、現在北海道の根室地区等においてそのような問題が起こっておることは承知しております。
 そこで、私どもが承知しておりますところでは、漁業者がそういうことを非常に心配しておりまして、北海道知事と漁業者が覚え書きを締結いたしまして、工事の概要、水質汚濁防止方法等すべて事前協議をしてもらって、そこで河川が極力よごれることがないように、農村建設事業の推進をやってほしいということで――関係の漁協その他漁業者と知事さんとの間でそのような覚え書きを締結することが行なわれているというふうに聞いておりますので、そういった漁業上の配慮というものも今後の農村建設事業について十分配意されるのではないか。なお必要があれば、同じ農林省の中にいるわけでございますから、私どもといたしましては、関係の部局ともちろん話し合ってやらなければならぬというふうに思っておるわけでございます。
○相沢武彦君 現地漁民が、知事との間に協定を結んでいることは承知をしているんですが、知事との間に協定を結びながら、なおかつ不安を持っているわけでして、国としてもっと積極的に沿岸漁業、栽培漁業の振興をはかるために取り組んでほしい、まあ地元まかせにしないでおいてほしい、こういうのが漁民の人たちの願いなわけですね。
 現在程度の協定、あるいは地元での対策程度では、どう配慮しても水産資源に必ず何らかの影響が増加するだろうと覚悟はしておるようであります。
 とはいっても、新酪農事業をそれで漁民が体を張って阻止しようというような、そういう動きを示しているというわけじゃないわけでして、ともかくこの地域は北方海域の主要な基地だし、沿岸資源にも恵まれているし、今後さらに水産業の近代化や生産の増大をはかって、わが国における主要なたん白質食糧の供給基地として農業とともに発展をしていきたい、まあ共存共栄でいきたいと、こういう心情にあるわけなんですね。それをひとつ水産庁としてもくんで、もっと積極的に乗り込んでいって対処するという意欲をやっぱり水産庁も持たなければならぬだろうということを指摘したいわけなんです。
 先ほども長官おっしゃいましたように、この地域は、国際的にも主要なサケ・マスが主体になっている地域でございますし、現在でさえ蓄養魚の移動や遡上サケ・マスが不足だということから、海産卵の確保等を実施しているわけです。長官も御承知と思いますけれども、現地でいただいた資料等を見ますと、この管内のサケの遡上率というのはきわめて急激に減少しているようでありまして、三十九年までは約三〇%を落ち込みながら維持していたにもかかわらず、四十年から四十四年度には約半分の一五%台に落ち込んでいるし、四十五年以降では急激に減少して、現在五%台ということでして、特に西別川とか風蓮湖の落ち込みがひどいわけですね。遡上率が五%に落ち込んだというのじゃ、サケ・マス漁業は死滅寸前という状態ですし、緊急にこの回復をはからなきゃならない。そういう状況にかかわらず、地元でやっているんだからいいじゃないか、というような、傍観点な態度じゃ、ちょっともう心もとないというのが私たちの気持ちなんです。しかも、水産資源の保護対策というのは、総合的な見地から長期期間にわたって実施しなければ、そう簡単に効果はあがらないだろうと思いますし、原状の回復はむずかしいと思うわけです。漁民の力だけで水産資源の保護や増殖をはからせようというのはもう困難なのは十分御承知だと思いますし、したがって、農業開発事業に伴う水産資源保護対策事業費というもの、これを何らか名目をつけまして国の予算措置を講ずべきではないか、このように思いますが、この点についてはいかがですか。
○説明員(内村良英君) 私どもといたしましては、河川の環境保持というものにつきましては大きな関心を持っているわけでございますから、ただいま先生の御指摘のあった点につきましては、十分現地の実情等も調査いたしまして、同じ農林省の中にいるわけでございますから、構造改善局なり畜産局なりとも十分相談して遺憾ないように措置したいと思っております。なお、予算措置をとるかどうかということにつきましては、実態を十分把握の上検討したいというふうに思っております。
○相沢武彦君 最後に、これは林野行政の範囲になると思うんですが、この問題に関連して伺っておきたいんですが、釧路、根室両支庁管内では、この地域の自然条件から林業の収益性というものは他地方よりは劣っているけれども、サケやマスが遡上する河川も多くて自然保護、水質保全等の森林の公益的な機能というものは非常に高く評価されている。そこで、この根室管内の場合、魚族や野鳥資源保護の河川敷等の造林事業を推進すべきであるということが訴えられておりますが、特にこの新酪農事業区域内にある別海町の西別川、この流域の造林事業計画というものは早急に立てて実施しなきゃならないと思うんです。この点、林野庁と水産庁、あるいはこの新酪農開発事業のほうとの計画の中に話し合っておられるかどうか、連携がとられておるかどうか、その点について伺いたいと思います。
○説明員(大山一生君) 御指摘のありました、いわば基盤整備事業とそれから農村の環境の整備、こういうことの関連の御指摘でございますけれども、新酪農村といいますか、畜産基地の開発というかっこうを考えますときに、やはりあの地帯の特徴といたしまして防風林といいますか、防霧林といいますか、これがどうしても必要なわけでございまして、したがって、農用地開発公団によって行なわれます開発計画の中におきましても、約九百ヘクタールの防霧林をつくる、こういうふうな計画が入っているわけでございます。庇陰樹というのが畜産との関係においてきわめて必要である。こういうふうな観点からいたしまして、防霧林というようなことにおきまして、われわれのほうとしては、新農村計画の一環の中に織り込んで実施してまいるというふうに考えているわけでございます。
 なお、全体的な西別川流域の造林ということにつきましては、林野庁のほうからお答えいたします。
○説明員(松形祐堯君) お答え申し上げます。
 ただいま御答弁ございましたように、造林事業によります森林造成というものが魚族とか御指摘の野鳥の保護とか、そういう面で非常に大事であるということは当然でございまして、お答え申し上げたように、農業開発との調和をはかりながら造林していくということは当然でございます。この西別川の流域に――一番上流でございますけれども、国有林がございまして、これは六千百ヘクタールございまして、そのうち二千八百ヘクタールが現在造林地になっております。ただ、今後十カ年で約千二百ヘクタール程度を植林してまいりまして、合計四千ヘクタールの植林地をつくろうと現在進めておるところでございます。なお、この原野の中には現在国有林の防風林――防霧林と称しますが、七千四百ヘクタールのそういう大型な基幹防風林的なものがございまして、そのうちの八割が大体防風林の形態をなしております。これを整備拡充していくということを考えております。なお、この原野の中に民有林といたしまして、面積が二万八千ヘクタール程度ございます。このうち四千ヘクタールがすでに造林地になっておりますが、今後十年間で三千六百ヘクタール新しく造林したい。なお、この造林にいたしましても非常にむずかしいところでございますので、造林のための特定振興地域というようなことに指定してございまして、団地造林等を、協業等によりまして植林いたします場合は、一般的に四割が植林の補助金でございますけれども、六割八分とかというようなことで、効率的な助成をしながら積極的に植林していく、こういうことで計画いたしておるところでございます。
○原田立君 先ほど大臣にミカンの問題と畜産の関係でお伺いしたわけでありますが、ことしの生産量は何か農林省の予想ですと、三百五十六万八千トンだということが新聞紙上で言わてていますが、その点いかがですか。
○説明員(松元威雄君) ただいまの数字は十月一日現在につきまして統計情報部が調査をした数字でございます。その数字は御指摘どおり約三百五十七万トンでございます。なお、十月一日以降の天候等の状況がございますし、さらにまた一部では十月に入りましても、いわゆる摘果を進めることもございますものですから、それらを見合わせまして、最終的な量は決定されることになると思います。
○原田立君 先ほど言ったんでありますが、日本園芸農業協同組合連合会から温州ミカン対策として出ているその表の十三ページによりますと、三百四十万トン生産をかりにしたとしても、利潤どころか一万四千四百四十五円も赤字である、これは三百六十万トンまでになると三万八千八十八円も赤字である。こういうことが言われて苦慮いたしておるわけでありますが、現在出ているミカンの一級品の卸売り価格は、一体どのくらいになることを、農林省当局としては、指導として望んでいる金額ですか。
○説明員(松元威雄君) ただいまの数字は、私よく存じておりませんものですから、なんでございますが、私ども需給のバランスをとることによって、いわば市価を維持しようということで、先ほど来お話の摘果も進めたわけでございます。その結果、三百六十万トンを若干下回る数字になったわけでございます。そこでその数字――今後多少の変動はございますが、その数字を前提にいたしますれば、これは四十七年と同じではございますが、ジュース用の量が四十七年よりふえるわけでございます。したがいまして、いわゆる生食用の数字は四十七年よりかなり減るという見通しであるわけでございます。で、昨年とも見合わせますと、大体その程度の数字があれば、昨年の京浜市場の卸売り価格は約八十二円、――平均でございますが、でございましたものですから、その程度は維持し得るであろうというふうに考えているわけでございます。なお、先ほどお話の日園連等の要望からいたしますれば、その後の資材等も上がっておりますから、それ以上の価格を期待して、それで摘果の量をもう少し進めたいという意向もあったわけでございますが、少なくとも昨年並みの価格は維持できるだろうというふうに考えておるわけでございます。
○原田立君 局長ちょっと、冗談じゃないですよ、そんな話は。ミカンの一級品卸売り価格が、一キロ百円である場合には、三百四十万トンというのが大体ねらいのところなんです。それが、消費者価格にしてキロ当たり約百三十円、生産者はたったの五十五円ですよ、予想としては。そう報道されております。こんなキロ当たり五十五円ぐらいの収入だったら、完全な赤字ですよ。これは三百四十万トンでこうなんです。いまの局長の話で約三百五十六万トン。これは三百五十万トンぐらいになった場合でも赤字は。とんでもない話なんですよ。もう去年並みの値段が維持されるであろう、だなんていうのじゃなくて、もう少し積極的な取り組みをしてもらいたいと思うんです。
○説明員(松元威雄君) 私、先ほど昨年並みの価格と申し上げましたのは、京浜市場の卸売り価格で、昨年が平均八十二円でございましたから、それ以上の価格は維持できるだろうと。と申しましたのは、量的に考えまして、昨年より生産量が若干多うございますから、ジュースの加工向けの量はふえますから、したがって、生果用を見ますればほぼ同じである。そうすると、市場における卸売り価格は、昨年並みはまず維持できるだろうということを申し上げたわけです。もちろん市場卸売り価格、それから流通経費を引いたものでございます。先ほどお話の五十何円という数字は、生産段階の数字であろうと思うわけでありまして、したがいまして、市場卸売り価格が八十円ちょっと、それから流通経費、これは昨年は二十数円でございましたが、ことしは若干上がると存じます。それを引いて五十円がらみ、こういうことになるだろうということを申し上げたわけです。
○原田立君 生産者のほうの皆さんは、三百五十六万トンあたりの生産で、去年以上の収入増になりますか。
○説明員(松元威雄君) 若干説明が不十分だったかも存じませんが、私申し上げたのは、市場の取り引き価格が昨年並みは維持できると申し上げたのでございます。そこで、流通経費が若干ふえております、おっしゃるとおり。それから資材費もふえておるわけでございます。したがいまして、実質の手取りといたしますと、昨年と全く同じであれば、流通経費の増等分だけ若干実質手取りが減るということはございます。そこで、昨年並み以上の価格を実現したいということで、最小限度昨年の価格は維持したいということです。さらに今後、摘果はまだ残っておりますし、それからまた出荷調整もございますから、それらによりまして、昨年より少しでも高くいたしたいというように考えておるわけでございます。
○原田立君 需要と供給のバランスをきちっとしないといけないわけですが、その一つの問題として、学校給食の制度化というふうな問題があるわけでありますが、あるいはまた、ソ連のほうへの輸出の拡大とか、それから衆議院の農水でわが党の瀬野委員から指摘があったと思うんですけれども、そこら辺を含めて需要の増大化に一体どんなふうなぐあいに取り組んでいくか、その点を御答弁願いたい。
○説明員(松元威雄君) おっしゃるとおり、需給のバランスをとるといった場合には、一つは、供給面の対策、これは生産面の対策と出荷面の対策とございます。同時に、需要拡大ということがあるわけでございます。そこで、需要につきましては、いわゆる生果用の需要、これは大体ほぼ同じであろう、所得が増大いたしますと、多少ふえる面もございましょうが、それほど大きくはふえないであろう。そういたしますと、一つは、加工用需要が一つ。もう一つは、いわば輸出等対外的な需要がふえるかどうかという問題でございます。そこで、輸出用等を伸ばすにつきましては、消費宣伝等いろいろいたしておりますが、なかなかなじみが薄いと申しますか、いろいろやっておるわりには現在は伸びておりませんし、それほど大きな量は直ちには期待できないわけでございます。その次はジュース、カン詰め等のいわゆる加工用需要でございます。このうちミカンのカン詰めにつきましては、これもなま換算で約三十万トン程度ということで、これも量はそれほど大きくは増大が期待できない。そういたしますと、ジュースが一番伸びると思われるものでございます。現にジュースはここ二、三年来かなり伸びているわけでございます。もちろんこれはその年の天候状態によって影響される面もございますが、基本的には年々ふえております。したがって伸ばすのはジュースであろう。
 ただ、その場合に、問題はジュースが通常の消費の形態で伸びるということと、特別の財政負担を伴って伸びるということと二つあるわけでございます。これまた、ジュースはもちろん加工用につきましての価格安定対策、これは講じておりますが、ジュースの需要は非常に堅調でございまして、四十七年がなま換算にいたしまして約三十万トン、それから四十八年が三十七万トンと伸びておりまして、実は本年度――四十九年産は五十七万トン程度を予定いたしておるわけでございます。したがいまして、この程度売れることを期待しておりますが、もしも所要の時期に売れなかった場合には必要な調整保管等も今後考えなければならぬというふうに考えておるわけでありまして、これを中心にしてジュースを伸ばしていこうと考えております。
 その場合、もう一つ問題は、御指摘の学校給食の問題がございます。実は学校給食につきましては、端的に申しまして、私はいろいろ問題があろうと思っております。と申しますことは、これは既存の学校給食費のワク内でミカンを飲んでいただくというなら、これは非常にけっこうな話であります。そうでございませんで、給食費の限界がございますと、別途に、極端に申しますと、いわば無料と申しますか、そういうかっこうで消費を伸ばすということになるわけでありますが、そういういわば人為的な手段で伸ばすことがいいかどうかという点につきましては、これはもうちょっと時間をかけて検討する問題があるわけでございまして、通常の給食形態の中で消費されるならば、これはもちろん問題はございませんし、極力伸ばしてまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、さらに負担等を考え合わせますれば、負担の割合にはこなせる量がそれほど多くないという難点もございます。それからまた、摂取形態につきまして、牛乳との関係をどうするかというような、こういった技術的な問題もございます。それから、また現在におきましては、通常の需要で従来順調にさばけていたものでございますから、これらの推移をもう少し見定めまして、もうちょっと少し中期的な課題としてこの問題は検討してまいりたいということで、現在直ちに学校給食に踏み切るというところまでは考えておりませんで、今後の課題として検討してまいりたいというふうに考えております。
    ―――――――――――――
○委員長(初村滝一郎君) この際、農林水産政策に関する調査のうち、当面の農林水産行政に関する件の調査のため、本日畜産振興事業団理事田中卓也君を参考人として出席を求めたいと存じますが御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(初村滝一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○小笠原貞子君 まず最初に、還元牛乳が問題になってまいりました、それについてお伺いしたいと思います。九月から大手乳業メーカーは、三八加工乳という名前で発売を開始しております。これに対しまして酪農民のほうは日本酪農の発展を阻害すると言って強く反対しております。その三八牛乳の発売に対して政府はどういうふうに考えていらっしゃるか、まず最初にお伺いしたいと思います。
○説明員(澤邊守君) 三八牛乳につきましては、これは内容は御承知のように、バターと脱脂粉乳という乳製品をもちまして、普通の飲用乳と同じような脂肪分、たん白質成分である還元乳を一部生乳の中に混入したものでございますが、われわれは均質乳と言っております。普通牛乳と同じ質のものだということで言っておりますが、農林省といたしましては、基本的にはやはり飲用乳は、いわゆる普通牛乳、フレッシュな、自然のままの牛乳が摂取されるというのが一番望ましいという考えを持っておりますが、飲用牛乳の需要の最盛期であります――最近では九月、十月が最盛期になっておりますけれども、しかも最近酪農がだんだん減少しております都市周辺、特に近畿、東海及び関東地区におきまして、普通牛乳が供給が不足をするということのために、これらの地域におきまして、これらの期間、九月、十月という期間におきまして、いわゆる三八牛乳が発売をされておるわけでございます。われわれといたしましては、先ほど申し上げましたような基本的な考え方は、そういうものはできるだけなくしていくという考えでおりますけれども、当面、地域的、時期的に普通牛乳による供給が不足をするということは認めざるを得ませんので、現段階においては、やむを得ないものだというふうに考えておりますが、今後の施策といたしましては、普通牛乳の長距離輸送の問題、あるいは濃縮乳による輸送というようなものについて、これまでも種々援助をして、不足地帯に供給できるようにしておりますけれども、これらの対策をさらに一そう促進をいたしまして、漸次そのような事態を、そのような時期、場所において発売しなくても済むような方向に指導してまいりたいというふうに考えております。
○小笠原貞子君 好ましくはないが、いまの段階では、まあしかたないというふうなお考えだと思いますけれども、メーカー側としては、なかなかキャッチフレーズをつけまして、新鮮な牛乳に良質な北海道バターと粉乳を加えた均質牛乳と宣伝をして、普通牛乳の一五%程度を目標に売り込んでいるわけです。こういう好ましくない還元乳を乳等省令助成資金に認知させよう、認知させようと、昨年夏以来いろいろ働きかける、というような動きが出ていると伺っているわけですけれども、厚生省にお伺いいたしますが、厚生省として、そういう動きをつかんでいらっしゃるかどうか。また、それに対して厚生省としてのお考えはどうなのかお伺いしたいと思います。
○説明員(岡部祥治君) 加工乳につきましては、四十七年にいろいろ議論がありまして、四十八年の三月に乳等省令の一部を改正いたしまして、加工乳に使われております原料を限定いたしました。すなわち、微量栄養素の添加の禁止でございますとか、あるいは表示事項の改善あるいは加工乳に使われます濃縮乳の規格化等を行なったわけでございます。それで、本来牛乳というものは、そのままの状態で飲用されるということが望ましいわけでございますが、いろいろ需給上等の関係もございまして、現在乳製品を原料といたしました加工乳が出回っておることは承知いたしております。
○小笠原貞子君 厚生省のお考えも、知っていろということでわかったわけですけれども、いまおっしゃいましたように、衆議院の社労委で、四十七年六月十六日に附帯決議が、問題になって出ておりますね。その附帯決議は、時間がないから全部読みませんけれども、終わりのほうに、「三年後を目途に、生乳の混入割合を七十パーセント、原料は生乳と濃縮乳のみとすること。」ということで、期限を三年というふうに切った決議が出されているわけなんです。こういうふうに期限の切られた決議というのは、ほかにあんまり例を見ないわけでございます。三年というと、そのときから言いますと、五十年の六月、来年の六月になっているわけなんでございますね。そうすると、そのとき討議されて、そして各党一致で、なるべくなま乳ということ、濃縮は認めるというふうなことで、時間も三年と切られているわけですが、いろいろ先ほどお答えいただいたけれども、いろいろな手は使われた、なすったとおっしゃるけれども、もう三年というと来年のことでございますね。来年なのに、いままだ、しょうがないというようなことでは、非常にその三年間何していらっしゃったのかと、その決議というものは全くホゴみたいな形になったというようなことで、ちょっとその辺のところは行政の怠慢と言われてもしようがないと思うのですけれども、どうなんですか。
○説明員(澤邊守君) 社労委の決議もございまして、農林省といたしましては、その前の四十五年度から、生乳の長距離輸送調査試験事業というものを実施いたしまして、生乳の長距離輸送に伴う技術上の問題あるいは経済上の問題等試験をいたしました。決議がございました後、さらに四十七年度には、長距離輸送施設のリース事業に対しまして出資をするとか、また、四十八年度におきましては、北海道の濃縮乳の製造工場建設に出資をするとともに、運搬施設等の取得に要する経費について助成措置を講じてまいりまして、できるだけ広域に市乳化を促進するというような対策を講じてまいっておるわけでございますが、現段階では、まだ市乳化が十分、あらゆる時期に遠距離輸送できるという体制がまだ不十分でございますので、当面季節的あるいは地域的に需要に応じた供給確保をするために出回るいわゆる三八牛乳、均質牛乳というものがあることはやむを得ないのではないか。われわれとしては、できるだけそのようなものの発売をする必要がなくて、全国的に各地域とも、あらゆる時期に供給が円滑に行なわれるということになるように、ただいま申し上げましたような事業を来年以降もさらに充実をいたしまして、できるだけ早い機会に解消するように努力をしたいというふうに思います。
○小笠原貞子君 時期的、地域的に還元乳を使わなければいけないというような事態は、いま始まったことじゃなくて、そのときから問題になっていたわけですね。そのことが三年前にもうすでにわかっていた。それの決議で三年ということで御努力なすった。長距離輸送施設リース協会への出資だとか、濃縮乳工場への出資、濃縮乳利用促進などについて、いろいろといまおっしゃったように手を打たれたけれども、現実として三年間たったけれども、まだやっぱり同じ状態だと。いまの状態で、そうしたらいつになったらこれを解決できるか、三年ということで決議はきめられているけれども、いつになったらできるというめどが計画的におありでございますか。
○説明員(澤邊守君) 現段階について、あと何年でということをはっきり申し上げる段階にまでは至っておりませんが、ただいま申し上げましたような輸送の問題あるいは指定生産者団体という、各県ごとに一元集荷、一元販売をやっておりますけれども、これを単に各県ごとだけではなくして、広域的な生産者団体による一元的な需給調整、出荷調整をやるというようなことも進めまして、できるだけ早い機会に実現をしてまいりたいというふうに考えております。
○小笠原貞子君 結局、いろいろ言われたけれども、三年に具体的に決議を実践するという立場で、還元乳解決については、何ら実効はあげていないという結論になるわけですね。そして、まだ、あとどういうめどが立つということもないわけなんです。そこの点は実に行政の怠慢だと言われてもしかたがないと思うわけなんです。
 そこでお伺いしますけれども、加工乳という形で出ております加工乳が、統計を見てみますと、だんだん減っているわけですね。そういう中で、還元乳が量がどうなっているかというような、還元乳としての実態をつかまえていらっしゃいますでしょうか。政府の牛乳、乳製品に関する統計というのを見せていただいても、加工乳として一括してあって、還元乳がどれだけ生産され、販売されているとかというような点がわからないわけなんですね。そして、飲用向けなま乳処理量とそれから飲用牛乳生産量というのを比較してみましたら、これはキロリットルになっていますから、一リットルに一・〇三九キログラム重量換算して推定しますと、昭和三十五年から三十九年までは、飲用向けなま乳量が飲用牛乳生産量を上回っているわけなんです。ところが、四十年からは毎年逆に飲用牛乳生産量が上回っている。この差が還元乳になっているというふうに考えてもいいと思うのですけれども、その点いかがでしょうか。
○説明員(澤邊守君) ただいまのお示しになりました数字は大体そのとおりでございます。われわれの把握しております数字で申し上げますと、加工乳の生産は、飲用牛乳のうち五〇%以上を占めたという時代もあったわけでございますが、先ほど御指摘ございましたように、近年、消費者の嗜好が普通牛乳にだんだん傾斜をしてまいりまして、逐年加工乳の割合は低下しておりまして、四十八年で申し上げますと、飲用牛乳全体の中での加工乳の割合は約三八%ということで、そこまで減少いたしております。ただ、加工乳の中には、先ほども申しましたように、全部が全部還元乳ではございませんので、還元乳を普通牛乳の中に混入をして加工乳をつくるわけでございますので、その還元乳の部分は、四十六年の当時は約二十六万トンあったわけでございますが、それも逐年減少いたしまして、四十八年には二十一万トンという数字になっております。加工乳中の一八%程度になっているわけでございます。
○小笠原貞子君 いま私が申し上げましたのが、結論的に言えば、飲まれている牛乳、飲用乳として飲まれているのが多くて、飲用乳として生産で出されたものが少ないわけですね。だから結局、飲用乳として出されたもののほかに何かが加えられるから、飲用乳として飲まれている量が多くなるということなわけですわね。だから結局、その辺はどう考えても、まともに私の頭で考えますと、その辺が還元乳でまかなわれていると、こういうことになるわけなんですね。そうなりますと、好ましくないという状態がだんだんふえてくるというようなことになるわけなんですね。
 そこで、今度、畜産振興事業団のほうにお伺いしたいと思いますけれども、ことしの一月九日に無塩バター二千五百トン入札を行なっていらっしゃいます。入札の対象者と方法はどのように行なわれたのでしょうか。二月八日にも無塩バター二千トン、二月十三日には脱脂粉乳二千五百トン入札、さらに二月二十六日にも脱脂粉乳二千五百トン入札になっているわけです。これらは一般競争入札ではなくて、乳処理業者向けに行なっているとちょっと聞いたわけですけれども、事実なのかどうか。もし事実とすれば、それはどういう理由だったんでございましょうか、伺わせていただきたいと思います。
○参考人(田中卓也君) ただいま先生お話ございました二月十三日において入札いたしておりますもの、二千五百トンでございます。これは乳処理向けで乳業関係の団体を指定し、競争の上、落札しております。なお、補足しますと、入札数量二千五百トンでございますが、落札数量三百七十四トンという数字でございます。
○小笠原貞子君 すみません。ちょっといま聞きにくかったのですけれども、私が言った数字は間違いないわけですか。日にちと数量。一月九日に無塩バター二千五百トンと、二月八日に無塩バター二千トン、二月十三日には脱脂粉乳二千五百トン入札、さらに二月二十六日にも脱脂粉乳二千五百トン入札、これは大手の乳業会社に入札されているということ、これは発表されていたのを見たわけなんですけれども。
○参考人(田中卓也君) 脱脂粉乳について申し上げますと、二月十三日落札数量三百七十四トン、これは乳処理関係の団体に落札いたしております。なお、脱脂粉乳二月二十六日落札数量千四百三十二トン、これは二月二十六日であります。これも乳処理向けで、乳業関係の団体を指定し、競争の上落札いたしております。それからなおバターでございますが、二月二十一日落札数量千八百九十八トン、これは無塩バターでございます。これも……ちょっとただいまこれは承知いたしておりません。
○小笠原貞子君 ちょっと数字私のと違うのですけれども、その数字のこまかいことは別にいたしまして、これが一般競争入札でなくて乳処理業者、特定のところに向けて出されているということを考えますと、いま私が、問題になった三八牛乳の原料乳としての放出になっているのではないかと。そうだとすると、当然農林省の指導のもとに行なわれたと判断をしたいところなんですけれども、その点はどうなんでしょうか。
○説明員(澤邊守君) 昨年の十二月に一般市乳価格、飲用乳価格の値上げがございまして、そのときは農林省といたしましては行政指導はしたわけでございますが、できるだけ一般市乳の価格を値上げ幅を少なくするということのために、半面、三八牛乳というものを、加工乳というものを安く販売するということによって、消費者には普通牛乳の値上がり分を少しでも軽くするというような考え方から、三八加工乳を製造販売するために事業団から乳製品の売り渡しも特別にやるというような考えでおったわけでございますが、その後、種々問題がございまして、生産者の方々等からは、やはり三八加工乳が一時的なことであれ、あるいは物価対策上の観点であれ、発売するということは、長い目で見て、わが国の酪農振興上支障があるというような点から、種々御議論もございましたので、農林省といたしましては、たしか二月の末ごろだったかと思いますが、そのような当初の計画をやめまして、発売することにつきまして特に指導するという方針を訂正をいたしましてやめることにいたした経緯がございます。
○小笠原貞子君 いま伺ってわかりましたけれど、三年めどにして還元乳をなくするという行政のほうは、先ほど私が言ったようにたいへん怠慢で、そこまでめどがつかないというような怠慢のところで、私に言わせれば一つ失点をやっていらっしゃると。その怠慢を行なうために、安い牛乳だからということで、またその脱脂粉乳だとか、無塩バターというようなものが還元乳に回されるというような、放出のしかたに協力していらっしゃるというと、この決議の趣旨からいいますと、ダブる逆行というようなことになってきているわけなんですね。安ければいいんだからというようなことで、安いからというようなことで――いままでの日本の農業というものがどういうふうになってきたかというようなことも考えていただかなければならない、そう思うわけなんですね。安いからということで、消費者も好まない、まやかしの牛乳ということで飲まされる。そして、そのことで結局いろいろといまの農業も、自給ではなくて、外国に依存するというような形でいまの農業政策というものの破綻が出てきている中で、いよいよ今度はなま乳までが向こうからの問題で左右されるというようなことになっては、これは酪農を振興させるというような立場からは全く望ましくない、ほんとうにやってもらいたくないという姿だと思うんですけれどもね。その辺のところをどう考えていらっしゃいますか。
○説明員(澤邊守君) 先ほどもお答えしましたように、私どもとしては長期的にはといいますか、基本的な方向といたしましては、飲用乳につきましては、フレッシュな自然のままのいわゆる普通牛乳を供給をし、それを飲んでいただくというのが一番いいことであり、特に生産者にとって、わが国の酪農を守っていくためには必要なことであるというふうに考えております。ただ、現段階におきまして、体制がそこまで整っておりませんので、いましばらく、そのようなことの実現ができるためのいろいろな条件整備に努力をしたいということを申し上げたわけでございます。
 昨年来の経緯につきましては、先ほども申し上げましたように、短期的な問題といたしまして、昨年、諸物価高騰する中で飲用乳を上げなければいけないというような事態がございまして、少しでも消費者価格の上げ幅を少なくするというようなことも考えまして、一時、三八牛乳というようなものもやむを得ないのではないかという考えもとったわけでございます。が、しかし、政府が積極的に奨励するというのはやはり考え直すべきであるということで、思いとどまったという経緯があるわけでございます。基本的な方向は誤らないように今後やっていきたいと思っております。
○小笠原貞子君 先ほどから、需要の増大と時期的な問題というようなことを何回かおっしゃいましたけれども、中央酪農会議のほうの加工乳問題について、というような資料を見せていただきますと、そうすると、ここでは生産者自体の中で、なま乳の供給は十分であり、乳製品還元乳は必要ないということがきちっと数字で出ているんですね。特に北海道なんかをとらないで、本州――東京はさっきおっしゃったけれども、本州の中でもなま乳の供給は十分だというふうに見ているわけなんですよね。つまり足りない足りないというのは、なぜ足りないかといいますと、皆さんのお考えの中には、なま乳を生産された中の飲用向けのが足りないと、こういうわけですよね。だから、全体のなま乳の生産から考えているのじゃなくて、加工乳を取っちゃって、あとの飲用牛乳というのを固定して考えて、そして足りない足りないと。こういうことを考えておっしゃるわけですよ、実際問題ね。全体とすれば間に合うのに。
 そうすると、なぜそうしたらそういうことになるかといいますと、加工用の牛乳に回しますと手間かかりますよね。加工用の牛乳からまた脱粉だのバターだの取って、そしてそれをまた水でまぜて、ちょっと考えれば手間がかかって経費がかかるというふうに考えられるけれども、実はそこにメーカー側のうまみがあるわけですよね。つまり、加工乳で処理する場合には不足払い制度というものが出てくるわけですわ。だから、安く生産者から手に入れることができると。だから、ちょっと脱粉や何か取って、あとで水まぜてなんていうくらいの手間賃よりも、不足払いでもって安く買えるという加工乳を使ったほうがいいというような、そういう点が出てきていると思うんですよ。そうしますと、ほんとうに、なま乳そのまんまを飲ませるということにならないということになるわけですよね。だから、この辺のところはまさに乳業メーカーが、これやりたがっている点だと思うんですね。それはすなおな見方でそうだとお思いになりませんか。
○説明員(澤邊守君) そういう面もございます。おっしゃるように、そういう面もございます。ただ、これは、乳業メーカーがそうするということもございますけれども、販売する側は、生産者団体が一元的に販売することになっております。どこへ売ろうが、これはかってでございます――かってといいますか、自由に選択できるわけでございますので、やはりただいまの問題につきましては、生産者団体みずからも努力すると。しかも、それが各県ごとの地域内でそれぞれやるということではなしに、せっかく全国団体もあることでございますので、全国的な調整もやりながら、やはり消費者にはできるだけフレッシュな普通牛乳を供給するという責任も逆に生産者は持っているわけでありますから、そういう点の努力も――確かに先生のおっしゃる、指摘される点、われわれもそのように思うもので、そういうような面のあることは否定しませんけれども、それはただメーカーがそうしているというだけの話ではなくして、やはり生産者団体自身が自分たちの農民のためにはどういう点が一番有利であるかということも考え、あるいは消費者に対する供給の責任ということも考えて努力すべき面が残っておると思いますし、われわれとしてもそれに対して応援すべき点がまだ残っておるというふうに思っております。
○小笠原貞子君 いろいろおっしゃる点はそういうことだと思いますけれども、やっぱり生産者自身も、こういうような還元乳をどんどんやられたら、結局日本の酪農ますます苦しくなってくるということで、実際に自分たちの出したものでまかなえるんだという保証の上に立ってこの還元牛乳ということは反対していると。また、一方消費者にすれば、栄養学的にはどうだこうだと言われても、牛乳といえば、なま乳でフレッシュなものというのがあたりまえの考え方なのに、バターと脱粉と水をまぜて、がっとやって、これでというようなことでは、まさにまやかし牛乳だと。そうすると、生産者もいやだと、好ましくないと、消費者もいやだと言ってる中で、これやりたいやりたいと言っているところは、結果的にはやっぱりそういううまみが出てくるという点が大きな一つの問題じゃないかと。
 それからまた、大きなメーカーでなくて、中小の乳業メーカーなんかの場合には、結局一年契約で、夏の一番需要の多いところの契約でずっと続けられないというような問題があったりして、還元牛乳というものにもちょっとやってもらいたいというような意向もあるということも事実だと思うんですよ。そういうふうなことを考えますと、やっぱり先ほどからおっしゃっていたけれども、いろいろと輸送の問題だとか、濃縮牛乳をどうするかというような問題をもっと積極的に進めていただくということがどうしても必要だと思います。
 それから中小乳業メーカーへの供給体制というようなものも、中小乳業メーカーがやっていけるような供給体制をとるということを積極的にやっていただかないと、いまのままで、三年間の現実では、もう全然ほとんど手をつけられていないというような現状でございますので、だから、何としても日本の酪農を発展させるという立場から考えれば――あとでまた乳価の問題なんかについても質問しますけれども、もういままでの大豆にしたって小麦にしたって、すべて安いから買ったらいいというようなことで、結果的には自給率が少なくなっちゃって、いま高値で買わされているというようなことになってくるわけですから。やっぱりできるんだから、これをもうほんとうになま乳としてみんなに飲ませられるというというようなところで。一部の大きなメーカーが、その中に入ってもうけができるからというようなことで、生産者や消費者をいじめるというような政策では絶対困るので、しっかりとその辺のところを具体的に進めていただきたいと思うわけなんで、その辺のところもうちょっとしっかりとお答えいただきたいと思います。
○説明員(澤邊守君) 市乳化の促進、それによりましていわゆる加工乳をできるだけ減らしていく、いずれなくすると、こういう基本的な方針はわれわれもその線に沿っておるわけでございますが、この問題について先ほど来種々御質問いただきました点を整理してみますと、一つはやっぱり輸送の問題がある。これは物理的な手段の問題です。あるいは技術的な問題かと思います。そのほかにもう一つは、やはり生産者の販売のしかたの問題があります。いろいろ問題が、御指摘になったようなメーカーに売らなければ済むわけでございます。それは生産者みずからが売り方は自主性を持ってやれるはずでございます。そういう点がなかなか理想どおりにいってないと、いろいろなこれまでの長い伝統なり経緯がございますので。そういう点もございますので、生産者が加工乳反対とおっしゃるならば、その辺はやっぱりみずから努力すべき面も残っておるというところでして、といって、ただいたずらに手をこまねいて自主的努力だけ待っておるわけにもいきませんので、われわれとしましても、そういう広域需給調整といいますか、そういう点について、あるいは全国的な需給調整と、出荷調整というようなほうに漸次持っていかなければいけないのじゃないかという、その二つの技術的な問題、物理的な問題とそういう経済的な問題と両方から攻めていかないと解決できないんじゃないかという点がございます。御趣旨の点は私どもも大体同じ考えでおりますので、その方向に進めたいと思っております。
○小笠原貞子君 決議されましたときの議事録を読ましていただきますと、たいへんいい姿勢で、三年後には必ずやりますなんて、いい姿勢だったのに、三年たったら何だかもうしりつぼみになっちゃって、ちょっと不安ですけれども、そういう意味で、酪農発展と消費者にいい牛乳を、という立場で、農政の場でしっかりやっていただきたいということを重ねて要望して、次に乳価とバター値上がりの問題についてお伺いしたいと思うのです。
 最近、物価の値上がりでもほんとうに頭が痛いのに、今度また雪印、明治と家庭用バターが大幅値上げされたわけです。特に、この消費者物価の値上げといえばもう御承知だろうと思いますけれども、東京区部で十月消費者物価指数二五・八というたいへんな高値になっている。そこへまたバターも値上がりだということでますます頭の痛いことなんです。この家庭用バターについては事前了承対象品目だったというのが八月に解除されて、監視品目、引き続いて監視するという立場に立ってもらえてたと思うんですけれども、了承品目の対象からはずして二カ月たったらまあこういう明治、雪印というふうに値上げがきているわけなんですね。こういうことについて農林省は、値上げの要求というものが出て、こういう値上げが認められた、ということについて、農林省としては、認めていらっしゃるというふうに思われるんですけれども、その辺のところはどうなんですか。
○説明員(澤邊守君) 家庭用バター価格が昨年の八月以来ずっと据え置きできておったわけでございます。小売り価格二百二十五グラム当たり二百二十円、半ポンド二百二十円ということで昨年の八月以来他の加工食品はほとんどが値上りした中ではまあずいぶんがまんしてきたというふうにも見られるわけでございますが、据え置きで来ましたが、先般、乳業各社から、四十九年度の加工原料乳の基準取り引き価格が四四%上がったというような事情、あるいは製造経費なり包装材料費等諸資材の高騰を理由といたしまして、仕切り価格、メーカー出し値でございますが、これの改定を実施したい旨農林省に対して意向の打診がございましたので、われわれといたしましては、その事情について十分聴取をいたしまして、事前了承品目ではございませんけれども、伺いまして当初われわれのところへ持ってきましたのを、できるだけ圧縮するということにつとめさした上で、原価上昇の要因の相当部分については企業努力だけではなかなか吸収できないというふうに判断をいたしましたので、家庭用バターの安定供給を確保するという観点からも約三二%の値上げは、最小限度その程度ならやむを得ないのではないかというふうに判断をいたしたわけでございます。なお、雪印乳業というのは八十数%シェアを持っております。これが十月の十一日出荷分より仕切り価格の改定を実施いたしましたが、その後、明治乳業、森永乳業もほぼ同様の理由によりまして、それぞれ十月二十一日、それから森永のほうは十月二十八日の出荷分より仕切り価格の改定を行なっております。
○小笠原貞子君 そういうわけで、ずっとみんな上がっちゃうわけですけれども、値上げが妥当だと、いま審査して妥当だと思ったとおっしゃいましたけれども、その妥当だと思われたのはいまおっしゃったように、原料乳が三二%アップと、製造労賃や経費が三二・六%アップ、包装諸資材が七三・四%アップ、電力、燃料関係が七一・〇%アップと合計すると三二%のアップというのが雪印のほうから出されているわけですけれども、この資料――いま私が言ったこういうものの値上がりで、これは上げてもしようがないというふうに思って、妥当だとお認めになったわけですね、そうですね。
○説明員(澤邊守君) そのような次第です。
○小笠原貞子君 そうすると、この時点で値上がりが妥当と思われたわけだけれども、それじゃあ、いまの時点で妥当だと言うためには、その前に、前よりも何%アップになったからという、その前の比較するときの値段と、価格といろんな経費というものが正当でなければ、それから比較して何%アップだったから、と言うわけにいかないわけですよね。つまり、三二%アップになった根拠になった原料乳だとか、包装費だとかというものが正しければ、いま言ったように三二%アップになったから、これはしようがないというふうに見られるということなんです、私が言うのは。まあそういうことなんですけれども、この家庭用バターというものを考えますと、家庭用バターだけをつくるわけではないわけですね。原料用バターもあるし、脱粉その他も連産品として製造される。したがって、厳密な意味で家庭用バターの製造原価というものをどのように査定して、そして、これから今度はいろんな諸物価が上がったから妥当だというふうに見られたのか。家庭用バターの製造原価というものをどういうふうに算定していらっしゃるのか。
○説明員(澤邊守君) 原料の値上がり代が、それぞれ主原料、副原料合わせてそれぞれについてどの程度値上がりしているかということを個別に審査をいたしておりますし、それから製造経費といたしまして輸送費なりそれから電力、包装資材とか、そういうものを個別に全部値上がり要因を提出を求めまして、それを一般物価の値上がり等の資料を参考にいたしまして、まあこの辺でどうだろうかというようなやり方をいたしまして、三二%に圧縮をしておる。こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○小笠原貞子君 私の言った趣旨がよく御理解いただけなかったと思いますけれども、先ほど言いましたように、家庭用バターというものだけをつくるわけじゃなくて、いろんな連産品も一緒に出てくるわけですわね。そうすると、家庭用バターだけの原価というものがどれが妥当だというふうに査定して、そして、それに今度は包装費だとか、輸送費だとかが上がったから、それで三二%のアップが妥当だというふうに言われたのか、その辺が、もとがはっきりしていないとわからないと私が言ったわけなんです。
 それで、時間がないですから――おわかりになるはずないんです。家庭用バターだけどうやって原価出すかなんていうのは、そちらで幾ら調べても出てこないですわ。だから、そういう中で三二%アップになっているわけなんですよね。
 そこで、ちょっと別の角度からお伺いしますけれども、大口需要向けの無塩バターですね、この無塩バターがばら物で四十九年一月時点でキログラム当たり九百十四円だったのが、九月には八百九十二円と値下がりしているわけなんですよ。まあ包装用資材だとかというようなものがあったとしても、同じバターで、そして小さく包装するわけでもないのに、家庭用バターは三二%もアップ、大口用の無塩バターは二・四%下がっているというのは、一体これはどういう理由なんでしょうか。
○説明員(澤邊守君) 業務用バターは、御承知のように、安定指標価格というものが法律に基づいて定めてございます。これが、一キログラム当たり九百十四円ということできめておるわけでございます。これは、その価格は、政府としてはできるだけ、まあどんぴしゃりとはいかないにしろ、あまり大きくかけ離れない価格で安定するということを需給操作でやるというのが使命になっておりますので、輸入バターの放出等によりまして、四月以来その基準安定指標価格周辺に安定させるよう事業団の放出もやっておるわけでございます。それで、最近の価格の動きは、若干在庫が豊富であるということもございまして、価格が軟調になってきておるということで、安定指標価格を下回っておるわけでございます。そのように、原料用のバターは需給関係によってもちろんきまるわけでございますが、政府といたしましては、九百十四円を現在下回っておるということは、まあ価格安定上は望ましい事態だと思いますが、家庭用バターにつきましては、これは先ほど申し上げましたように、昨年の夏以降据え置きのままできたわけでございます。業務用バターは昨年かなり値上がりをいたしまして、今度三月に安定指標価格をきめます場合に、かなり上がり切ったというと語弊がございますけれども、かなり昨年の後半にかけて上がったところで、当時の需給実勢価格と認めまして、安定指標価格をその水準で決定をしたといういきさつがあるわけでございます。家庭用バターは一年間据え置きでまいりましたために、逆ざやのようなかっこうになっておりまして、本来ならば家庭用バターのほうが業務用バターより高いというのが筋でございますが――失礼しました。逆ざやではございませんけれども、これまでの両者の価格関係からいたしますと、非常に家庭用バターが割り安という形できたわけでございます。そこで、先ほど言いましたような最近のコスト要因の値上がりの事情等も勘案いたしまして、値上がりをやむを得ないものとして認めたわけでございますが、家庭用バターは御承知のように、メーカーの仕切り価格はまあ一種の建て値というようなことで、卸等に販売をしておりますので、それが小売り段階まで若干小売り店ごとの価格差はございますけれども、おおむね銘柄ごとに大体同じような水準での小売り価格が形成をされておるという事情にございます。
○小笠原貞子君 その辺のところ、ちょっと問題があるんですけれども、時間がないから次に移りますけれども、先ほどおっしゃったように、この家庭用バターの値上げが妥当だと認められた大きな問題としては、原料乳が上がったということですね。バターの中で占める量というのが非常に多いし、金額としても上がるということなんです。その問題について私お伺いしたいんですけれども、三月に加工原料乳の基準取引価格を算定されましたわけですね。そのときに、家庭用バターの製造業者販売価格は何円という計算ですか、それから見てね。何円という計算でされているかということなんですわ。この前の算定価格を算定されたときは百八十一円でしたよね。百八十一円で、そしてあの基準価格が五十三円四十一銭という形できめられた。計算上出たわけですね。百八十一円から、メーカーは、製造経費だとか、利潤を引いて、そして基準取引価格は五十三円四十一銭で、農民から買いなさい、買えるはずだということで――この一月の農林省の試算の、理論的な数字として出ているのは五十三円四十一銭ということになるわけでしょう。
○説明員(澤邊守君) 三月に基準取引価格を定めました場合の根拠になっております家庭用バターについての販売価格は、キログラム当たり八百四円ということにいたしております。
○小笠原貞子君 だから、一キログラムあたりが――ごめんなさい、私が言えなかったんですが、八百四円になっていますね。そうすると、今度値上がりの半ポンドというので見ると、二百二十五グラム当たりですよね。そうすると二百二十五グラム当たりだと百八十一円になるわけでしょう、百八十一円になるわけですね。そこで理論的に言うと、乳業メーカーが酪農民から現在の基準取引価格であるキログラム五十三円四十一銭でなま乳を購入していますね、五十三円四十一銭で。事実は違うけれども計算上ですよ。四十九年一月の時点の製造原価ならば家庭用バターの製造業者販売価格二百二十五グラム当たり百八十円で売っても一・二六%の利潤があるという形で算定価格というのが出ているわけでしょう。それは間違いないでしょう。わかりませんか、私の言ったこと。
○説明員(澤邊守君) ちょっと理解できないところがあるんですが。
○小笠原貞子君 算定価格をお出しになりましたね、そのときに基準価格っていうのは五十三円四十一銭というのが下に出ていますね、そうでしょう。それにマージンを入れて、利益を入れて、そして製造経費というものを入れて百八十一円というのがメーカー販売価格で出るわけでしょう。一キログラム当たり八百四円と、二百二十五グラム当たりにすると百八十一円と、こういうことになるわけでしょう。ややこしくなりますけれども、簡単に言いますと、その時点で五十三円四十一銭で基準価格をきめているわけですね。そうすると、今度上がったといっても、基準価格では五十三円四十一銭で、変わっていないわけですよ。実際には、そのときの四十円四十九銭で実際にはなっているけれども、この算定の基準で言えばそのときから五十三円四十一銭の計算で出ているのですよ。だから、今度も、いまも五十三円四十一銭なんだから、今度上がったということにはならないということなんです。
○説明員(澤邊守君) 四十九年の基準取引価格をきめます場合、各乳製品平均いたしまして、確かに五十三円四十一銭ということにしておりますけれども、これは原料用バターとか、脱脂粉乳とか、あるいは全脂加糖練乳とか、それぞれ品目ごとによって違いまして、加重平均いたしますと、五十三円四十一銭ということでございますが、われわれが当時算定いたしました家庭用バターは八百四円の製造業者の販売価格から製造経費を引きますと、大体四十五円十銭ぐらいでしか払えないということに、バターだけとってみますとなっておったわけでございます。
○小笠原貞子君 バターだけで。それもうちょっと詳しく言ってください。
○説明員(澤邊守君) 四十九年度の基準取引価格を算定いたします場合、安定指標価格をまずきめまして、それから製造経費を引きまして、製造業者が採算とれる価格としてどの程度の価格で原料乳を買い得るかということを計算するわけでございますが、そのときに原料用バターとか脱脂粉乳とか、あるいは家庭用バターとか、全脂粉乳とか、それぞれ品目ごとに製造経費が違いますので、メーカーの支払い代金、支払い可能代金というのは、それぞれ品目によって違いまして、家庭用バターの場合は製造業者販売価格、これは安定指標価格がございませんから、当時の八百四円というものをそのままに据え置きまして、それから製造経費なり、マージンなりを引きますと、メーカーが支払い得る価格は当時四十五円十銭というような想定をいたしたわけでございます。五十三円四十一銭というのは、全品目の加重平均になるわけでございます。バターだけでみますとそういうふうに安い。
○小笠原貞子君 そうすると、その辺のところは私もうちょっと調べたいので、またひとつそちらと打ち合わせたいと思いますけれども、その辺のところは、それじゃ家庭用バターだけの価格というのは出てきているわけですか。家庭用バターの場合には、そうしたらこの家庭用バターに使う原料乳は四十五円十銭という形でもいいんだということに、家庭用バターのそこのところはちゃんと出るのですか。
○説明員(澤邊守君) これはそういうふうに公にきめているというものじゃございませんが、算定上、基準取引価格というのは一本できめておりますので、各乳製品の原料価格といたしまして一本できめておりますので、五十三円四十一銭になっておりますけれども、それはそれぞれ品目別に積み上げをやります。それを最後に加重平均しておりますので、家庭用バターについてのみ申し上げれば、八百四円のメーカーの販売価格から、製造業者のコストなり、マージンを引きまして、メーカーが家庭用バターの原料乳価として支払い可能な代金は幾らかというときには、四十五円十銭という当時の計算をしております、ということを申し上げたわけです。
○小笠原貞子君 それは、また次の問題にしまして、それじゃ、乳価の問題ですけれども、いまの乳価の場合で生産者側としてはどうなのか。けさからいろいろお話ありましたけれども、飼料労働費と、それから飼料作物費の半分は製造労賃に評価がえするというわけですけれども、一月以降四−五の労賃が三〇%以上アップしているわけですね。そうすると、三〇%アップとして計算しても、乳価には、キログラム六円余り当然上げなければならないというふうな数字が出てくるわけですね。それから、副産物としての雄子牛というのが非常に暴落しているというようなことから考えてみると、乳価算定の副産物価格というものが、ずっと減ってくるわけですね。そうすると、その減った分と労賃三〇%アップという分が、四月、五月というのを見ても、キログラムについて六円上がらなければならないという勘定になってくるわけですね。つまり酪農民にしてみれば、毎月毎月買うものは上がってくる、それで、きめられた乳価でずっとくると、たいへん苦しいといういまの乳価の問題が出てくるわけですよ。そうすると、その辺について、アップした労賃の分と、それから子牛がどんどん減っているというような分を差し引けば、当然乳価を値上げするということにならざるを得ないと思うのですけれども、その辺のほうはどう考えていらっしゃるか。
○説明員(澤邊守君) 加工原料乳の保証価格につきましては、三月に四四・三%という大幅な引き上げをしたわけでございますが、その後、あの算定方式そのままで、新しい数字をいろいろ生産費の調査をして物価修正をするというようなやり方をいたしますれば、ただいま御指摘ございましたような労賃の値上がりとか、あるいは副産物の子牛価格が当時見込んだよりは下がっておるというようなことのマイナス――マイナスというか、価格の引き上げ要因も確かにあります。反面、えさ代はいままでは少なくとも下がっておったというようなこと、あるいは乳牛そのものは下がっておりますから、償却費等も下がってくるとかというようなマイナスの要因もございます。しかし、われわれといたしましては、法律の規定にもございますように、保証価格の改定は、物価その他の経済事情、まあおそらく需給事情なり、経営の事情とか、そういった経済事情に著しい変動が生じ、または生ずるおそれがある場合において特に必要がある場合改定することができるということになっておりますので、そういう物価のみならず、需給事情等も勘案するわけでございます。その場合、現在の価格によって加工原料乳の主要生産地帯――われわれは一道四県と言っておりますけれども、一道四県の牛乳の生産が再生産を著しく困難ならしめるような状態になっておるかどうかというところが一つの基準になろうかというように思います。その点につきましては、まあわれわれの調べておりますところでは、最近四月以降の一道四県の生乳の生産量の推移を見てみますと、四月は、前年に対する対比でございますが、一〇四%、六月、七月は、御承知のように、主要な加工原料乳の生産地域でございます北海道の気象条件が悪くて、草の生育状況が非常に悪いということも伴いまして、たとえば六月で申し上げれば、九九・一というように前年を割っております。七月はちょうど一〇〇%というようなことでございますが、八月は一〇二・九というふうにやや持ち直したというようなことでございまして、現在再生産が著しく阻害されておるというような判断に立つのはまだ断定できないという状況にございますので、われわれといたしましては、今後の生産の推移なり、あるいは物価その他の経済事情の推移というものを慎重に見守っておるというところでございます。
○小笠原貞子君 最後に、――これだけで済ませます。いまおっしゃいましたように、まあ何とか一〇〇%くらいになっていると。数字で見るとそうなんですよね。だけど実際見たら、その一〇〇%ないし一〇二%に上がったというけれども、なぜ、そこまで保たれているかというところを見てほしいわけなんですよ。この間も皆さんと一緒に行きましたけれども、北海道だけじゃなくて、全国的にいま酪農民がほんとうに借金をしょいながら、自分が朝から晩まで一生懸命働いている。その農民の犠牲の上に立って、やっといまこれだけ保っているわけですよ、やっとこさね。だから、これがこのまま続けば、経済的に著しい変動というのは、いつで判定なさるか知らないけれども、これで何とかいけているんだといって、このままお続けになれば、もう農民は、これ以上だめだなんて、みんなばたばた倒れちゃって、やめてしまいたいと言って、やめてしまいますよ。そして、雄牛なんか、どんどんどんどん暴落した肉で、みんな売られてしまうと、そうすると、肉なんかももうこれからもうんと問題になってきますし、一たんこれ、やめてしまったら、さあ、あしたからまたやれ、というわけにはいかないわけでしょう。だから、私たちはいまここまできているからいいんだ、と言うんじゃなくて、ここまでいまだれが保っているか、それはもうほんとうに農民の一人一人の個人の犠牲の上に、いまやっと保っているんだ、というその情勢を現実的に真剣に見ていただかないと、日本の酪農というものはもういまつぶれるという状態が現実に起きますよ。これはもう皆さんが専門的な立場で農民の実態の側から検討されれば、それは否定できないと思うんですよね。
 そういうわけで、さっきからの還元乳だの、いろいろな問題で言いましたけれども、たとえば雪印なんかというのを調べてみましたら、雪印の利益というのは四十八年度十八億七千六百万円ですよ、配当金九億円ですよね、前期に比べたら減ったとはいっても、これだけ利益を上げている。それからまた、酪農の農機具だとか、それから農薬だとかという会社をみても、決算で見たら六倍から七倍です、税引きで。井関なんかというのはそうですよね。それから久保田鉄工なんというのも、当初の計画に対して二十五億円上積みして、税引き利益三十七億というような利益を上げているんですわ。そういう中で、乳業メーカーの雪印やなんかが上がったから上げてくれというときは、これは妥当だろうなんて、さっときめちゃうわけですわ。それで、農民のほうの、必死の思いでいまささえているこの乳価に対しては、経済的変動が著しいといまは見られないなどというように、非常に冷静に言っていらっしゃるけれども、これはたいへんなことだし、農民の皆さんをこれ以上ほんとうに苦しめて、日本の酪農畜産というようなものを破壊されるというのを黙って見ておられない……。どうか、そういう立場に立って、真剣に御検討いただきたいということを心からお願いして終わらしていただきたいと思います。
○喜屋武眞榮君 最後になりましたが、時間もきわめて切り詰められておりますし、お尋ねしたい問題は一ぱいございますが、とうていきょうの時間では尽くせませんので、後日にまた回すことにいたしまして、与えられた時間だけ基本的問題点について尋ねたいと思いますので、そのおつもりでひとつお答えを願いたいと思います。
 まず、午前中、てんさい糖とサトウキビ、鹿児島、沖繩のキビ、砂糖の問題につきましては、全会一致で決議までもしていただいて沖繩選出議員としてお礼を申し上げます。ありがとうございました。ぜひあの線に沿うて政府は一日も早く実現しますように、また、要望いたします。
 お尋ねしたい第一点は、安全操業についてであります、北方ですね。私、この前、狭い沖繩、基地の多い沖繩から北海道にまいりまして、非常に大陸的な印象を受けまして、北海道の開発いかんが日本の将来を左右するということまで、実は希望を抱いた一人でございますが、まあ内容的には、酪農中心あるいは林業あるいは水産の問題にしぼられると思いますが、かつて前佐藤総理は、沖繩の復帰なくして日本の戦後は終わらないと、こう言われましたが、復帰した沖繩は三年を迎えた。県民は苦しみながらも、いろんな問題で苦しんでおりながらも今日を迎えた。今度は佐藤前総理のその言は、私は北方領土の回復なくして日本の戦後は終わらない。このように置きかえて、一日も早く北方領土を、固有の領土を取り戻さなければいけないと、こう思っておる次第でありますが、そこで、外務大臣にお聞きしたかったわけですが、不在で残念ですので、関係者に答えていただきたいが、この北方領土の返還については、いまどのように一体進められておるのであるか、その基本的な姿勢あるいはその内容をお聞かせ願いたい。
○説明員(新井弘一君) 北方領土の問題につきましては、具体的には昨年の十月、御承知のとおり、田中総理がわが国の総理大臣として十七年ぶりに訪ソいたしまして、ブレジネフ書記長との間で三日にわたり激烈な交渉を行ないました。その結果、領土問題について重要な合意が二点なされております。一つは、このブレジネフとの会談の結果、従来ソ連が領土問題は解決済みだという主張を変えまして、領土問題が平和条約によって解決されるべき未解決の問題であるということを確認いたしました。同時に、もう一つの重要なポイントは、一九七四年の適当な時期に平和条約交渉を継続するということでございます。したがいまして、この重要な二つを踏まえまして、現在日本とソ連との間に平和条約の開催の具体的な時期について現在折衝中でございます。
○喜屋武眞榮君 おっしゃるまでもなく、基本的には、北方領土問題を含む平和条約の早期締結が本筋である。その面に全面的にこれ取り組んでもらわなければいけないが、次善の策として、安全操業に関する暫定協定と申しますか、そういったものを締結すべきものだと、さらにあるいは日ソ漁業条約と申しますか、とにかくそういった安全操業に関する暫定協定でも締結すべきだと思いますが、それに対する政府の方針、取り組みはどうですか。
○説明員(新井弘一君) 御説のとおりでございます。政府の立場はまさに拿捕という不幸な事態を解決するため人道的見地に立って、平和条約締結までの暫定的な措置として、実際的に解決しよう、これが基本姿勢でございます。この基本姿勢に基づきまして、昭和三十二年以来、交渉を続けて現在に至ったということでございます。そこで、なかんずく先ほど私ちょっと触れましたけれども、田中総理訪ソの際に、この問題を最も重要な議題の一つとして取り上げまして、で、その結果、この安全操業についても大臣間で折衝を続けるということで合意を見まして、昨年の十月の末に櫻内農林大臣が訪ソいたしまして、ソ連との間に交渉したわけでございますが、遺憾ながらその時点で交渉は妥結に至らなかった。したがいまして、その際、日ソ双方はこの問題について今後とも継続交渉をするということを合意いたしました。現在まさに先生の御趣旨どおり、できるだけ早期にこの問題を解決するために現在ソ連と折衝している段階でございます。
○喜屋武眞榮君 ぜひその線で、一刻も早くこれは実現してもらわなければいけない重大な問題でありますが、そういう中で、先ほど来の御報告、また直接調査に行った資料の中からも拿捕船が千六十四隻、拿捕人員が七千七百六十一人と、こういうことになっておりますが、この傘捕船に対する補償、あるいはその家族に対する補償はどうなっておりますか。
○説明員(内村良英君) まず最初に、拿捕さた漁民の家族の生活に対する補償の問題でございますが、拿捕の発生の多い海域で操業をする漁船につきましては、漁船乗組員給与保険法に基づく「漁船乗組員給与保険」の加入の促進がはかられておりまして、漁船が拿捕された場合には、その乗り組み員に対しては保険金の支払い、これは契約によって異なるわけでございますが、拿捕船給与日額の六割から十割が乗組員の家族に対して支払われることになっております。それから漁船の問題でございますが、拿捕漁船の補償につきましては、拿捕の発生の多い海域で操業をする漁船につきましては、漁船損害補償法に基づく特殊保険の加入の促進がはかられておりまして、漁船が拿捕された場合、加入漁船に対して保険金が支払われるということになっているわけでございます。
○喜屋武眞榮君 かつて、同じ運命の状況にありました沖繩県民の立場としまして、あすこの根室のみさきの展望台に立ちまして、あの灯台あたりで漁業にいそしんでおられるあの状況をまのあたり見まして、胸締めつけられる思いがいたしたわけであります。私は、北海道の酪農の発展あるいは林業あるいは水産業の発展は、決して北海道の島の方々だけの問題ではなく、全日本国民の生活につながる重大な問題であると。一例を言えば、北と南の端の沖繩県民でありますが、北海道でとれるコンブの五〇%を沖繩県民がいただいておるのであります。消化しておるのであります。また、沖繩でできるジャガイモの種イモも北海道から全部取り寄せておるのであります。これは一、二の例でありますが、まだいろいろございますが、そういった立場からしても、私は、この北海道の将来は、いまの安全操業の問題、あるいは酪農の問題……。
 次に移りますが、林業に関係いたしまして、実は復帰後、心なき、はしたない本土の土地ブローカーが沖繩にわんさと押しかけて、沖繩の土地は基地が一二%を占めておったが、さらに土地ブローカーの買い占め土地が六%を占めて一八%にふえたわけなんですね。こういう悪どいブローカーなりの合いことばといいますか、で沖繩の土地買い占めは済んだ、次は北海道だ、こういうことばがあるくらいであります。
 そこで、お聞きしたい。北海道は国有林、国有地が最も多い。そういう立場から北海道の開発に対して、また、この自然を守る、森林を守る林業の立場から、どういう基本的な考え方を持っておられるか、それをお聞きしたい。
○説明員(松形祐堯君) お答え申し上げます。
 御承知のとおり、森林機能と申しますと経済的な面と公益的な面、両面ございます。特に経済的な面にいたしましては、昨年の数字でございますけれども、外材が六四%、そして内地材が三六%ということで外材中心のようなかっこうになってまいりました。国内の木材の生産停滞というのが目立ってまいっておりますが、そういう面におきましても、林道等の未整備あるいは労働力の問題等もございます。しかし御指摘のございましたように、森林の持っております自然保護とか、国土保全等の公益的な機能の重要性というものは当然でございます。したがって、先般の国会で御審議いただきましたように、森林法が改正されまして、特に生産重点ということからさらに一歩進めまして、そのような公益的機能に対応いたしました内容を盛り込んで、森林法を改正いたしますと同時に、従来保安林だけが一つの開発規制等の制度でございましたけれども、一般普通林につきましても開発規制ということが今度行なわれるようになってまいりまして、したがいまして、計画制度、特に基本計画あるいは全国の森林計画とか、そういう面もすべてこの新しい法改正に基づきまして現在改正をいたしたのでございます。
 国有林が御指摘のとおり、非常に多いわけでございまして、その点につきましても、国有林施業につきましては、改正されました森林法の趣旨にのっとりまして、従来の大面積皆伐とかいうようなことを改めまして、小面積あるいは区分皆伐とか、あるいは択伐――抜き切りでございますけれども、あるいは禁伐という面積を大幅にふやしております。同時に、亜高山地帯等についても施業を注意してまいるというようなことの方針をとっておりまして、今後、環境庁あるいは建設省、関係する各省庁とも十分連絡をとりながら法改正の趣旨にのっとりまして開発と自然保護に対処してまいりたい、このような基本姿勢を持っておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 先を急ぎます。
 いまの問題につきましても具体的に掘り下げてまいりたいのですが、次に移りたいと思います。
 次に、沖繩におきましても、北海道――規模は違いますけれども、第一次産業の中で畜産を非常に重視いたしております。北海道では酪農中心でありますが、ところが、北海道でのその業者の声として、私じかに聞きましたが、施設と管理。大規模――規模を大にすればするほど、施設を充実すればするほど、管理を完備すればするほど赤字が出ると、こう言っておりました。ここに矛盾がある。
 そこで、その問題の中から、私、特にこの問題をお聞きしたいのは飼料の問題であります。飼料の問題。いまの日本の家畜飼料は、国際価格の値上がりに振り回されておるような状態であることは御承知のとおりであります。そこで、自給化の推進をはかるべきである、こういう見解に立って、その地方に適合する品種、飼料の品種は何がいいのか、あるいはその品種をさらに経済性のある処理貯蔵法にまで結びつけて、自給体制を強化していく必要がある、ということを、北海道に行きましても、その業者からも言われ、また、現にその方向で検討しておる。こういう実情からもそれを知ったわけでありますが、この六月の電気代の値上がり、七月の肥料代の値上がりあるいは流通機構の問題、もうあらゆるものが拍車をかけて日本の畜産の崩壊寸前だと、沖繩もまさにそのとおりであります。そういう点から、自給化の推進をはかるべきであるということに対する御見解を……。
 さらに最後に一つだけ質問して終わります。最後に質問したいのは、また沖繩にとって最も緊急を要する、まあ沖繩も二重パンチといいますか、サトウキビ問題でパンチを受け、さらにまた基幹作目のパインでパンチを受け、さらにまた、脳震盪、失神状態といったような、こういう状態が、言い過ぎではない沖繩の現状でありますが、それについての要請の全文は申し上げません。結論だけ申し上げます。すでに要望があったと思いますので、農林省に。
 そこで、一つは、冷凍パインアップルの加工製品化を抑止することが最も必要であるということが第一点であります。第二点は、冷凍パインアップルの関税率を輸入パインアップルかん詰めの関税率と同率まで引き上げていく、というこの二つが、このいま瀕死の状態にまで追い込められておる沖繩の冷凍パインをどう守っていくかというこの結論であります。それに対する見解と、先ほど申し上げた自給飼料に対する考え方、この二つのお答えを求めまして私の質問を終わりたいと存じます。
○説明員(澤邊守君) 飼料の国際価格が非常に値上がりいたしまして、国内の飼料穀物の、いわゆる濃厚飼料の価格が非常に値上がりして、これが畜産経営の圧迫をいたしておるわけでございます。われわれといたしましては、国内の飼料の自給率を高めるということが飼料の安定確保上非常に重要であるというふうに考えておりまして、そのためには、何と申しましても、草食性の、草を食う性質の強い草食性の牛、乳牛でありましても、あるいは肉用牛でございましても、これは本来、草食動物でございますので、できるだけ濃厚飼料を過度に給与せずに、なるべく草あるいは飼料作物等によって給与をするというようなことによりまして、全体としての飼料の国内自給度を高めるということがまず必要ではないか。逆に申し上げれば、豚だとか、鶏のように、草食性ではない動物につきましては、穀類をどうしても必要といたしますので、これは現段階では、海外にかなり依存せざるを得ないと思います。
 したがいまして、国内自給度向上という観点からいたしますと、まず牛、いわゆる大家畜について粗飼料といいますか、自給飼料をできるだけふやしていく。若干の数字を申し上げますと、現在乳牛につきまして申し上げれば、四十八年度で粗飼料の給与率というのは全国平均で五七%ぐらいになっておりますが、これは家畜の健康上も、あるいは経済性からいいましても、将来は七五%ぐらいに高めていきたい。こういう目標を持っておるわけでございまして、そのようなための手段といたしましては、何と申しましても、草地の開発をやるということでございまして、先般、国会を通していただきました農用地開発公団による事業も含めまして、公共事業として草地の開発、造成を積極的に今後も進めていきたいというふうに考えます。それとあわせまして裏作を含めまして既耕地に飼料作物を植えていく、草を含めました飼料作物を増産をしていくということが粗飼料の自給率を高めるためには必要ではないかというように考えまして、今年度から水田裏作あるいは表作を含めまして特別な奨励事業を今四十九年度からやっておるわけでございますが、この秋からもさらにことしの水田の裏作を含めまして、一そう生産の増加をはかるように努力をいたしたいというふうに考えております。それとあわせまして、現在水田でできます稲わらの粗飼料としての利用ということも現在はあまり利用されておりませんし、ところによっては、これを焼却するための煙の害、公害が出ているというようなところもございますので、これを何とか経済ベースに乗せて家畜の、牛の飼料として利用していくということも、この秋から、米の収穫期から実施をしていくということで指導をいたしておりますが、来年度予算でもさらにこれを強化していきたいということで進めております。要は、大家畜につきましては、草をはじめとする粗飼料の給与率をいま以上に高めていくことが何としても必要であるという考えで、北海道、沖繩に限らず、全国的に実施をしてまいる考えでございます。
○説明員(松元威雄君) 冷凍パインから製造されるかん詰めの問題でございますが、お話のように、最近、冷凍パイナップルを原料としたかん詰めが急激に増加いたしまして、これが沖繩産パインアップルの滞貨の一つの大きな原因になっていることは事実でございます。そこで、これが沖繩産のパインを圧迫しないようにしなければならぬわけでございまして、そのための手段、方法といたしまして、先般まず原料が冷凍パインアップルであるということを表示させる、それから冷凍パイナップルかん詰めにJAS受検の励行をさせるという措置を講じていまやっているわけでございますが、さらに、それだけでは不十分だという御議論もございますので、そこで、お話の関税の問題出るわけでございますが、これ、われわれも検討をいま、している過程でございますが、一般の冷凍パインの固有用途の問題もございまして、それをどう区分するかという技術的にむずかしい問題がございますが、要は冷凍パインが急激にふえまして本来のパインを圧迫しないようにするというのが趣旨でございますから、その一つの方法といたしまして、いま言った関税の問題、これ、いろいろむずかしい問題がございます。現在検討中でございます。
 それからまた、輸入のパインの数量調整問題、これまた一つの検討課題でございまして、これらをあわせまして、すでにやりました表示の問題とあわせまして冷凍パインによって沖繩産のパインが圧迫されるとか、正常な消化が行なわれにくいということのないようにするために各般の方法をいま検討をしている過程でございます。
○委員長(初村滝一郎君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十一分散会
     ―――――・―――――