第073回国会 決算委員会 第6号
昭和四十九年九月二十日(金曜日)
   午前十一時二十六分開会
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   委員の異動
 九月十九日
    辞任         補欠選任
     野末 和彦君     喜屋武眞榮君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         前川  旦君
    理 事
                鈴木 省吾君
                橋本 繁蔵君
                松岡 克由君
                小谷  守君
                田代富士男君
                橋本  敦君
    委 員
                岩男 頴一君
                遠藤  要君
                河本嘉久蔵君
                木内 四郎君
                二木 謙吾君
                須原 昭二君
                峯山 昭範君
                加藤  進君
   国務大臣
       文部大臣     奥野 誠亮君
       国務大臣
       (総理府総務長
       官)       小坂徳三郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤 忠雄君
   国立国会図書館側
       総 務 部 長  酒井  悌君
   説明員
       青少年対策本部
       次長       吉里 邦夫君
       外務省国際連合
       局外務参事官   野田英二郎君
       大蔵省主計局主
       計官       小山 昭蔵君
       大蔵省主計局主
       計官       廣江 運弘君
       大蔵省主税局国
       際租税課長    大竹 宏繁君
       文部大臣官房人
       事課長      松浦泰次郎君
       文部省初等中等
       教育局長     安嶋  彌君
       文部省大学学術
       局長       井内慶次郎君
       文部省学術国際
       局長       木田  宏君
       文部省社会教育
       局審議官     望月哲太郎君
       文部省管理局長  今村 武俊君
       文化庁次長    内山  正君
       会計検査院事務
       総局第二局長   柴崎 敏郎君
   参考人
       社団法人日本図
       書館協会事務局
       長        叶沢 清介君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○昭和四十七年度一般会計歳入歳出決算、昭和四
 十七年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十七年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十七
 年度政府関係機関決算書(第七十二回国会内閣
 提出)
○昭和四十七年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第七十二回国会内閣提出)
○昭和四十七年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第七十二回国会内閣提出)
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○委員長(前川旦君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十九日、野末和彦君が委員を辞任され、その補欠として喜屋武眞榮君が選任されました。
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○委員長(前川旦君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 昭和四十七年度決算ほか二件の審査中、図書館法並びに図書館行政等に関する件について、本日社団法人日本図書館協会事務局長叶沢清介君の出席を求め、その意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前川旦君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
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○委員長(前川旦君) 次に、昭和四十七年度決算ほか二件を議題といたします。
 本日は、文部省の決算について審査を行ないます。
 この際、おはかりいたします。
 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前川旦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(前川旦君) それではこれより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○小谷守君 大臣、御苦労さんです。私立学校振興方策懇談会から文部大臣あてに報告書が出されたのでありまして、これを拝読したわけでありますが、きょうはこの報告書を中心に二、三の御質問をいたしたいと思います。
 それに先立って私は先般院の派遣をちょうだいして各党の同僚の皆さんと御一緒に三週間ばかりヨーロッパを回ってまいりましたが、そこで特に初等教育の現場に何カ国か参りました。関係者からもいろいろ説明を伺ったわけでありますが、各国とも教育についてはたいへんな力の入れようである。わが国も同様でありますが、たいへんな力こぶの入れようである。特にこの義務教育の年限の延長の問題とりわけ幼児教育の問題、さらにはまた初等教育における学級の刻み方、大体三十名以下二十五名ぐらいの刻み方にしておるようであります。それをどれだけ縮小していくかということについて、たいへんな努力が払われておる、こういう点を強く感じましたが、特にこの体制の違う社会主義国の状況をここで引き合いに出しましても、これは前提がいろいろ違いますから、いいところだけつまんでどうこうという議論はかみ合わぬと思いますから、それはここでは申し上げませんが、私はフランスの状況をひとつ出して、ちょうど予算時期でもありますから、大臣にひとつ特段御苦労願わなければならぬ、こういう気持ちがしてなりません。
 フランスの場合は人口は日本の半分ですが、また国民総生産の点からいっても日本よりかなり低い。しかし一九七四年度の文教予算を比較して見ますと、日本の文教予算が御承知のように一般会計で一兆九千六百三十二億、フランスの場合を、フランを円に換算しますと三兆四千二百十二億、国家予算に占める文教予算のパーセントでありますが、日本の場合は一一・五%、フランスの場合は二四・九%、これは私がかってな分析をしておるわけではありません。大使館がこういう分析をしてくれております。これを見ますと、他国のことをうらやましがるわけではありませんが、日本の文部省としては、よほどこれは力こぶを入れてもらわなくてはならぬと思う。特にこれから御質問をいたします幼児教育の問題、これについてはたいへんな力の入れようでありますから、二歳児の幼稚園の就園率は三三・四%、これは低い。三歳児で七一・九%、四歳児で九二・四%、五歳児で九八・六%、こういう就園率であります。しかもこれがすべて無料であります。また私立幼稚園に対しては日本では想像もできぬような国家の補助が行なわれておる。こういう状況のようであります。
 外国の例を引き合いに出して恐縮でありますが、私は今申し上げましたようなことについて、ちょうど新年度の予算の編成にかかられる時期でもあると思いますので、大臣のひとつ御所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 御指摘のように、国づくりのもとは人づくり、人づくりのもとは教育にあるわけでございますので、わが国も教育に特段の力を注がなければならない、そのような考え方のもとに努力をいたしておるわけでございます。同時にまた予算の上に占めます教育費の比重、これも高める努力をしていかなければならないと強く決意をいたしているわけでございます。フランスを引き合いに出されたわけでございますけれども、教育に関します制度がフランスと日本とは御承知のようにずいぶん違います。御承知のように義務教育関係にいたしましても、向こうは先生は全部国家公務員であります。したがいまして国費で給与費が計上されているわけであります。日本の場合ば地方公務員でございまして、半分は地方団体が負担をしてくれているわけでございます。したがいまして地方財政に占める教育費の比重はわが国の場合は格段に高いということにもなっているわけでございます。同時に大学を見ましても、日本の場合には私学の活動を強く期待いたしているわけでございますけれども、たしかフランスの場合には、そういう仕組みではなくて国立がもっぱらではなかったろうかと、こうも考えているわけでございます。それにいたしましても幼児教育から大学教育までにつきまして、私たちなお一そうの充実を期していくべきだと、こう思っております。
 五歳以下の幼児の問題につきましては、わが国の場合には幼稚園と保育所があるわけでございまして、いずれにいたしましても幼稚園なり保育所なりに通いたい人たち、これはもう全部収容できるようにしたいということで努力を重ねているところでございます。
 五歳児について申し上げますと、六二%の方々が幼稚園に就園されておるわけでございます、三〇%内外の方々が保育所に入っておるわけでございますので、九〇%内外の方々はわが国の場合でも幼稚園なり保育所なりに入っているということになっておるわけでございます。しかし、これで十分じゃございませんで、ぜひなお一そうそういう施設の拡充を続けていきたい、こう思っております。
 同時にまた、五歳児を義務教育とは考えていませんけれども、少なくとも若いおとうさん、おかあさんの時代でございますので、できる限り父母の負担を軽減していかなければならない。そういう意味で就園奨励費などの予算も計上さしていただいているわけでございますけれども、父母負担の軽減をもっと積極的にはかっていく必要があるだろうと、こう存じておるところでございます。
 同時にまた私学にはわが国はかなり大きなウェートを置いているわけでございますだけに、私学の助成につきましても今後一段の拡充をはかっていきたいということで今度の予算要求に際しましても一番重点を置いた一つになっておるわけでございます。ぜひそういう方向で努力をしてまいるつもりでございます。
○小谷守君 大臣がおっしゃるように、フランスと日本ではそれは教育の仕組みがだいぶ違う点がありますから、一がいにどうこうということを即断することはよろしくないと思いますが、そこで一番適確なそれでは比べ方はどうかということになると思います。一番誤りのない比べ方はどうかということになると思います。それはたとえば小学校の生徒の一人に対してどれだけの公費が注がれておるかという点だと思います。日本の場合は、先般公的教育費の分析が文部省から発表されました。これを拝見しますと、小学生一人に対しては約九万円、こういうふうに承知をしております。これは自治体の上積みの状況によって格差がだいぶあります。東京都は十一万五千円になっておる、しかし八万円程度のところもある、こういう傾斜があります。ありますが、平均すると大体九万円ぐらいじゃないか。これは国家予算、地方財政を含めて九百五十万人の全国の小学生一人当たりで割りますというとそういう形になる。イタリアの場合はどうか。これまた大使館の分析によりますと大体十五万円になっておる。小学生一人に対する公的教育費は十五万円。私はこれはのっぴきならぬ数字ではないかと思います。だからどうということではありませんよ。日本の努力が薄いということではありません。ありませんが、しかしあまりにもかけ離れておる。私は今日の日本の教育のむずかしさというものは、あるいは弱さというものはそういうところにひそんでおるのではなかろうか、こう思われてなりません。先進国の中で比較的貧しいといわれておるイタリアでさえも十一万円をこしておる、こういう分析のようであります。この辺に私は根本的な問題がひそんでおるのではなかろうか、こう思われてなりません。ですから、これを高めるような努力が絶えずひとつ大臣を中心になされなくてはならぬ、こう思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(奥野誠亮君) 御指摘のとおりだと思います。そういうつもりで努力をしているわけでございまして、何と言いましても、教育の基本はにない手である先生、りっぱな方々を迎え入れる。そういう意味で先生方の給与について抜本的な改善をはかっておりますこと、御承知いただいております。また同時に四十九年度から新しい五カ年計画で教職員定数の改善について国会の御了承もいただいたところでございまして、また施設の充実につきましても四十八年度から従来の補助基準二割引き上げさしていただきました。これからもあらゆる面につきまして御期待に沿えるような努力をしていきたいと思っております。
○小谷守君 私はフランスの教育費の分析を見まして、日本のほうが上回っておるという点を一つだけ発見しましたから申し上げます。それは私学の助成です。私学の助成は日本の場合が七百十二億円、フランスの場合は六百七十五億円。もっとも日本の私学助成は大学中心ですね。国のやる助成は大学が中心。ところが、フランスは大学はほとんど国立でございますから、国立六十五校、私立はほとんどないに等しいような数ですから、フランスの私学助成はほとんど高校以下を対象にしておる、こういう違いがありますけれども、これはひとつ私学助成に歴年力を入れてきたあらわれのようにも思います。
 そこで、私立学校の振興方策という懇談会の答申について質問をするわけでありますが、先般大学の助成については文教委員会でずいぶん議論があったようでありますから、きょうは私は幼稚園のほうについてお尋ねをしたいと思うんであります。
 大学生は四十八年度で百八十九万人のうち七八%の百四十八万人が私学で学んでおる。学校教育の最初の段階であります幼児教育では幼稚園児二百十三万人のうち百六十二万人、七六%が私立に依存しておる、報告書ではこう述べております。この資料を見ますというと、公立と私立との格差は依然として大きい。園児一人当たりの教育費は公立の場合九万六千円である。私立の場合が六万二千円で、教育費の比較をしますと、私立は公立の六四%にしかならぬ、こういう状況のようであります。ことに目につきますのは、園児一人当たりの校舎面積、これは公立が四・一平米、その七割、二・九平米、こういう比較ができるようであります。ですから校舎面積の中で私立の場合は保育室や遊戯室なんかとてもとれない、運動場の面積等も問題にならぬ、こういう状況のようでありますが、まずこういう現状について大臣はどうお考えになりましょうか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 幼稚園の場合には、私立に非常に大きな責任を果たしていただいておるわけでございます。そのことは私も別に批判すべきものではないように思っております。しかし御指摘のように、私立の幼稚園の内容が非常に劣っておるじゃないかという点につきましては、これを積極的に高める努力をわれわれもしていかなければならない、こう考えておるわけでございます。そういうつもりで新設の場合には、私立に対しましても施設設備の補助をいたしておるわけでございます。同時にまた経常費助成、この点につきましても、すでに学校法人立の幼稚園に対しましては始めておるわけでございますけれども、多数を占めております個人立、宗教法人立につきましては、衆議院段階におきまして、助成を可能ならしめる立法措置、それがいまだ成立を見ておりませんで、せっかく地方財政計画上で措置されました財源が使われないままできておるわけでございます。ぜひこの点につきましても早く立法措置を完了いたしまして、その面にも経常費助成を進められるようにしていきたい、こう存じておるところでございます。いずれにいたしましても、内容の充実につきましては積極的な努力をはらっていきたいと思います。
 なおまた私学の助成につきまして、フランスと日本の比較の御指摘がございましたが、日本の場合には大学につきましては国費で助成をする、高等学校以下の私学助成につきましては、地方財政でその責任を果たすと、こういたしておりまして、国費に相前後する金が地方財政から出ている点につきましても御理解をいただいておきたいと思います。
 なお、数字の点につきまして、事務当局から若干補足させていただきたいと思います。
○説明員(安嶋彌君) 先ほど来お話がございました教育費の国際比較の問題でございますが、概括的に申し上げますと、初等中等教育につきましては、わが国の財政の水準はほぼ先進国に近い姿になっておるというふうに理解をいたしております。もちろんこれで十分だということはないわけでございまして、大臣の御答弁のとおり、さらに今後とも努力をいたさなければならないと考えておりますが、一九七一年の資料によりますると、初等中等教育関係では日本の公私立平均でございますが、一人当たり約十五万三千円ということに相なっております。イギリスが十六万六千円でございます。フランスが十六万二千円というのが私どもが把握をいたしておりまする経費でございまして、これから考えますと、まだヨーロッパの先進国には若干及ばない点がございますが、ほぼイギリス、フランスの水準に到達をしておるように理解をいたしております。ただアメリカは、これはまあ非常に高いわけでございますが、アメリカを除きまする先進国のほぼ近い水準になっておるというふうな理解をいたしておるし、今後ともさらに努力をいたしてまいりたいと考えております。
○小谷守君 いま局長、日本は幾らとおっしゃったのか。
○説明員(安嶋彌君) 一九七一年の数字でございますが、公立が約十五万五千円、私立が約十三万五千円、平均をいたしまして約十五万三千円という数字でございます。ただこの数字は一九七一年四十六年の数字でございますか、四十七年の公立を申しますと、小学校が十五万九千円、中学校が十七万八千円という数字になっております。
○小谷守君 局長のおっしゃることですから間違いないと思いますが、あなたのほうで発表された、ことし発表された――ここにいま私、持ち合わしてきていないけれども、公的教育費の分析の資料をもとに、私は日本の初等教育の一人当たりの単価を申し上げておる。それによりますと、国費、地方財政、これを加えて、先ほど申し上げましたように、かなりの傾斜がある。東京都は十一万五千円、これが筆頭だと思う。そうして少ないところは八万円台が多い、府県別に見ますと。分厚いやつ、その緑色の表紙の。あなたのほうで発表しておられるのですよ。平均をとると九万円弱ということになると思う。私はいまそれをここに持ってきてないのですが、私はあれを十分拝見したつもりであります。どちらがほんとうですか。あなたがいまおっしゃったのと出された資料と、どっちがほんとうですか。
○説明員(安嶋彌君) 実は私いま申し上げました数字は、文部省が公に発表いたしておりまする文部統計要覧の四十九年版の一三一ページの数字を申し上げたわけでございます。あるいは数字のとり方というのがいろいろございますから、先生の御指摘のものと内容の積み上げが若干違うかもしれませんが、これも公にされた数字を根拠にして申し上げておるわけであります。そのズレにつきましては、さらに分析をして御報告を申し上げたいと思います。
○小谷守君 それでよろしい、よろしいが、文部省が公にしたものです、私が言っておるのも。四十九年に公にしたものですよ。ですから、それはあとでよろしいが、いろんな統計を持っておって、そんな便宜的なことをやってもらっちゃ困る。それは後刻でけっこうですから、よく調べて出してもらったらけっこうです。
 そこで幼稚園の問題でありますが、この懇談会の報告によりますと、特性に応じた拡充をはかるために、さしあたり経常費、施設設備費等について、私立大学等に対する国の助成に準じて公費による助成を行なうことが適当である、こう述べておりますが、もちろん奥野大臣はこれを聞きっぱなしになさるはずはないと思いますが、五十年度からしっかりした足どりでこれに沿う努力をしてもらいたいと思うのでありますが、いかがですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私も全く同感でございます。またそういう努力もしてまいりまして、私立の幼稚園学校法人立だけじゃなしに、個人立、宗教法人立にも助成をしたい。たしか四十七年度からば地方財政計画にのっけたのじゃないかと思います。四十八年度、四十九年度と今日にきておるわけでございます。憲法の、公の支配に属しない教育に公金を使ってはならないという規定との関係で、若干立法措置をしたい、そういうことで衆議院段階でその法案を御審議いただいておるわけでありますが、いまだ審議に入れないような形で成立を見ていないわけでございます。ぜひこの法案の成立も急いでいただきまして、そして御指摘のように全面的に私立の幼稚園に対しまして経常費助成が踏み出し得ることのできますように努力を続けたいと思います。
○小谷守君 そこで、四十八年度の入園者を見ますというと、四歳児が七十五万八千人、五歳児が三十八万六千人、四十七年度は四歳児が七十万人、五歳児が三十二万人、こういうことのようであります。国民の希望はやはり四歳から幼稚園に入れたい、これが圧倒的だと思います。そういう傾向だと思います。ところが公立幼稚園の入園者は、四十八年度は五歳児が二十四万四千人、四歳児は十三万五千人、四十七年度は五歳児が十八万七千人、四歳児は十二万六千人、政府は五歳児優先政策を推し進めておられるようでありますが、公立幼稚園は一年保育である、国民の要求は四歳児から幼稚園に行かせたい、それで二年保育のほうは私立にまかせる、こういうことでは困ると思うのであります。就園率が高くなることはけっこうなことでありますが、それだけに追われるということではなくて、この四歳児対策というものを真剣にお考え願わなければならぬと思いますが、いかがでございますか。
○説明員(安嶋彌君) 文部省といたしましては、四十七年度を初年度といたしまする幼稚園教育振興計画というものを策定いたしまして、予算その他の施策はこれに準拠して進めておるわけでございますが、先ほど大臣からも御答弁を申し上げましたように、この十カ年計画が完了いたしまする五十七年度の当初までに四、五歳児につきましては保育所に入所する児童あるいは特殊教育の対象児童を除きまして全員を幼稚園に就園をさせるという施策を進めておるわけでございます。現状は、これは四十九年の五月一日でございますが、同一年齢層に占める五歳児の幼稚園就園率でございますが、これが六三・五%でございます。それから四歳児が四七・五%でございます。それから保育所におきましては五歳児が二三・三%、四歳児が二一・六%ということでございますが、合わせますると、五歳児につきましては八六・八%、それから四歳児につきましては六九・一%が幼稚園及び保育所に就園をしておるということでございますが、これを先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、五十七年の当初までには四、五歳児は全員就園させるという方向で計画を進めておるわけでございます。
 なお、公立と私立との関係でございますが、いずれを公立に、いずれを私立にというような前提は持っておりません。この総数を公私立いずれかの学校に収容したい、幼稚園に収容したいということで施策を進めておるわけでございますが、ただ、一般的に申しますと、私立幼稚園は農山村等比較的人口の少ないところでは、これはなかなか育ちにくいわけでございます。そういった幼稚園の設置が困難な地域につきましてはぜひ公立の設置を進めたい。特に都市部等におきましては、これは私立幼稚園の設置希望もかなりあるわけでございますから、そうした私立幼稚園の拡充の努力に期待をいたしたい、概括的に申しますとそういうことでございますが、しかしこれは大体の方向でございまして、もちろん農村部等におきまして私立ができるということも、これはけっこうなことでございますし、都市部において公立ができるということももちろんけっこうなことでございますが、方向といたしましてはそういうような傾向になっておる次第でございます。
○小谷守君 この懇談会の答申を拝見しますと、「幼稚園に対する助成については、個人立幼稚園等に対する助成の適否の問題を十分検討のうえ対処すること。」、こういう注文をつけておりますが、そこで学校教育法第一条では、幼稚園は小学校、中学校、高校、大学などとともに学校として規定しておる。そうして第二条では、学校の設置者は国、地方公共団体及び私立学校法に規定する学校法人のみが設置することができる、こうきめておる。そうして幼稚園は特例として百二条で「当分の間、学校法人によって設置されることを要しない。」となっておる。ところが、この「当分の間」ということが二十七年間も実は続いておるわけです。学校教育法が制定されたのは二十二年でありますから、「当分の間」が二十七年間も続いておるという変則な状態であります。私立幼稚園の設置者を見ますと、学校法人は三五・四%である。それ以外の設置者による幼稚園のほうがずっと多い。特に一番多いのは個人立の幼稚園である。先ほどそれ以外に宗教法人のことも大臣お触れになりましたが、個人立の幼稚園が三八・九%、一番多い。これは政府の指導が過去十分でなかったのではないか。二十七年間もこういう変則な状態が続いておるということについてどうお考えになりましょうか。
○説明員(安嶋彌君) 御指摘のように、学校教育法の本則におきましては、幼稚園といえどもその設置主体が学校法人であることが望ましいという原則を掲げておるわけでございますが、御承知のとおり、幼稚園は沿革的にもその設置者につきまして格段の制限がなくって戦前もやっておったわけでございます。新学制に切りかえましたときに、この設置者をどうするかということがかなり大きな問題になったわけでございますが、にわかに学校法人でなければ私立幼稚園を設置できないとすることは、戦前の経過から申しましてもいろいろ困難な事情があるわけでございますし、また、幼稚園教育の普及ということを考えますと、学校法人といったきびしい条件、それに合致しなければ幼稚園が設置できないということになりますると、幼稚園の普及という面にも支障が生ずるということで、今日まで「当分の間」ということで、まあ宗教法人立、個人立等の幼稚園の設置を認めてきたわけでございますが、文部省の従来の指導方針といたしましては、新設幼稚園につきましては、これは原則として学校法人であることが望ましいという指導をいたしまして、近年は、大部分の府県におきまして新設幼稚園は学校法人に限るという方針をとっておるのでございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、学校法人というかなり厳重な基準を今後とも要請していくかどうかという点につきましては、実態上の問題もございまするので、先ほど大臣から御答弁申し上げました議員立法による学校教育法あるいは私立学校法の一部改正が通過、成立をいたしました段階におきまして、現にある幼稚園等につきましては法人化をさらに容易にする、促進をするという意味におきまして、経過的に設置基準あるいは学校法人の必要とする各種の要件等を緩和をし、弾力的に適用するような方策も検討したいということで現在いろいろ検討を進めておる次第でございます。
○小谷守君 それはそれで、ひとつ御努力を願うとして、いまの問題ですが、幼稚園の施設整備費は学校法人立の幼稚園に補助される。個人立幼稚園は対象にならないから、その分はどうしても父母の負担になっておる。先般の報告書の中でも、「最近の経済情勢の変化などのために、私立学校の経営的基盤は弱体化し、もはや設置者の努力のみによっては教育研究条件の維持改善を図ることが困難になっており、ひいては父母の負担が過重になる傾向が顕著である。」と指摘しておる。個人立の場合、現状では最終的には入園料や保育料の値上げとか園債というふうな形で父母負担にはね返っておる。もちろん政府は、幼児教育を安易に個人立幼稚園に依存することではなくて、学校法人化するために御努力を願わなきゃなりませんが、この個人立幼稚園そのもの、これがいま局長がおっしゃるようにすぐさま改まるとは思わぬのですよ。だから、これに対してもやはり補助、助成の対象にするという方針でお進めを願わなきゃならぬと思いますが、その点は、局長いかがですか。
○説明員(安嶋彌君) 先ほど大臣の御答弁にもございましたように、文部省といたしましては、そうした方向あるいは気持ちで事を進めておるわけでございますが、御承知のとおり憲法八十九条におきまして公の支配に属しない教育の事業に対しましては公金等を支出してはならないというような規定もあるわけでございます。それを受けまして私立学校法五十九条におきましては、助成の対象を学校法人に限定をする、同時に、その学校法人は助成を受けることに関連をいたしまして、さらに各種の監督――ことばをかえて申しますと、公の支配を受けておるわけでございます。したがいまして、現状で宗教法人立あるいは個人立の幼稚園に補助をするということにつきましては、つまり宗教法人につきましては、これは宗教法人法の規制しかないわけでございますし、またその宗教法人法の規制というのはきわめて簡単なものでございます。また個人立につきましては、経営の内容等につきまして現状におきましては全く公の監督は受けていない、こういう状況でございます。したがいまして、宗教法人立の幼稚園あるいは個人立の幼稚園の現状をもってしては憲法にいう公の支配という条件を必ずしも満たすものではないんではないかというのが内閣法制局等の見解でもございます。したがいまして、そういう考え方を前提にいたしまして、個人立や宗教法人立の幼稚園が助成を受けるためには、やはり現行の私立学校法に若干の改正を加える必要があろうと、こういう判断で数年来議員立法として法改正が提案をされておる次第でございます。したがいまして、その法律がすみやかに通過、成立することを私どもは期待をいたしまして、その際に必要な地方交付税上の用意等もすでにいたしておるわけでございます。そうした措置が一日も早くとられることを期待をいたしておる次第でございます。
○小谷守君 幼稚園就園奨励費補助金、これは幼稚園に入園を希望するすべての四、五歳児を就園させることを目的とした幼稚園教育振興十カ年計画の一環として四十七年度から新しくスタートした制度であると承知しております。そこで、四十七年度は十億円の予算を組まれたわけでありますが、決算を拝見しますと三億八千万円、三八%の不用額を出しておる。これは非常に奇異な感じがするんです。不満であります。どういう理由ですか。
○説明員(安嶋彌君) 御指摘のとおり、こうした多額の不用額を出したことにつきましては、私どもも遺憾に存じておりますが、この四十七年度は、御承知のとおりこの制度が発足をいたしました初年度でございます。予算の積算といたしましては、市町村民税の所得割りの非課税世帯、それから同じく市町村民税の所得割り税額が一万円以下の世帯、これを対象にするということで予算の積算をいたしたわけでございますが、町村におきまする実施率が、予算上九〇%を見込んだのでございますが、決算実施の段階におきましてこれが約七〇%というふうに、若干の町村におきましてこの事業を実施しない町村が出たわけでございます。また、実施いたしました町村におきましても、この申請の率が、予算では九〇%を見込んだのでございますが、それが七一%しか実施されなかったというような経過がございまして、ただいまのような多額の不用額が出たわけでございます。この点につきましては、その後さらにこの事業の推進を各市町村に指導いたしまして、徐々にその改善をばかりつつあるところでございます。今後ともこうした点につきましては十分注意をしてまいりたいというふうに考えております。
○小谷守君 これは発足早々ですからいろいろ準備の至らなかった点があると思いますけれども、いずれにせよ、三八%も不用額が出たということは、これはいかぬです。
 そこで、これの支給の基準をもっと緩和して、実情に合うようにして、生きた使い方ができるように特段のひとつ御配慮を願わなきゃならぬと思います。私学助成と申しますと、ややもすれば大学のほうにばかり向きがちであります。幼稚園の問題はじみ過ぎてあまり議論もされぬようでありますから、あえて私ばこの問題を取り上げて、大臣の特段の御努力を要請した次第であります。
 さて、そこでもう一つの問題は、私立大学の問題でありますが、まず、私立医科歯科大学の乱脈というものがあとを断たない。四十八年六月一日の決算委員会において私はこの問題をお尋ねしました。また本年二月二十六日の決算委員会におきましては、私どもの同僚の須原委員さんからきびしくこの問題について追及がありました。大臣はこういう乱脈の根を断つために決意を述べられたわけでありますけれども、一向に効果があがっていない。最近もこの私立医大の入学にからむスキャンダルが大きく報道されております。どういう努力をされておるのか、大臣お聞かせ願いたいのですが。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私立の医科歯科の大学の入学にあたっていろいろな批判を受けておる、これをただしていきますことは、私学自身の決意に待たなければならないと思いますが、同時にまたその決意を助けるための施策、これを国が推し進めていかなきゃならない。そういう意味で、今年度から私学に対する経常費助成も、医学、歯学につきましては初年度から始めるということで予算を計上させていただきました。従来でありますと、完成年度、完成してから後だということでございますので、設立をいたしましてから七年目から経常費助成をしたわけでございます。しかし医学、歯学に関しましては、その経理の実態のこともございますので、初年度から経常費助成をしますというふうに踏み切らせていただいたわけであります。
 もう一つは、やはり疑惑を持たれるような経理内容を避けていかなければならない。そうしますとどうしても学生から求めなきゃならないものは授業料といったようなはっきりしたもので求めていくというのが筋ではなかろうか、こう考えるわけであります。そうしますと、そうはいっても学生が負担できるかどうかというような問題にもなってくるわけでございます。そういうこともございまして、学校当局が奨学制度をつくる。医学、歯学につきましては一般の学校の場合よりも月額貸与の金額なども思い切って引き上げてくれたらいいじゃないだろうか。そういうような学校が奨学制度をつくってくれるならば、その資金を国のほうでめんどうを見ましょうと、こういう方針を打ち出したわけでございまして、まだいろいろな細部の問題もございましたし、ことし医学、歯学のほうですぐ手をつけていくというふうにはまいっていないわけでございますけれども、とりあえずそういう二面の方向で国のほうでも突っかい棒をかっておきましょう。したがってまた私学につきましても世間の批判を受けるようなあり方はぜひ改めてもらいたいということで要請を続けているということでございます。
○小谷守君 管理局長に伺いますが、週刊朝日の八月二日号に、福岡大学医学部の四十七年度入学試験受験者の成績合否一覧表というものが出ております。これは管理局長ごらんになったと思いますが、これは信憑性のあるものとお感じになりますかどうか。
○説明員(今村武俊君) 一読いたしましたが、信じていいものか信じて悪いものかわからないというのが実感でございます。
○小谷守君 まあ国会の答弁というのはそういうふうに言うのがじょうずな答弁ということかもわからぬけれども、御調査になりましたか。
○説明員(今村武俊君) 最近の週刊誌についてではございませんが、四十九年度の入学試験の結果について、三月十八日に朝日新聞に記事が出まし.た。その記事が出ました際に、文部省では、福岡大学の事務局長を文部省に呼びまして事情を聴取し、事情聴取の結果を文書にして記録してございます。そしていやしくも世間から誤解を招くことのないように十分留意されたい旨の注意はされております。
○小谷守君 そんなことを聞いておるんじゃないのです。八月二日に、これは重大なことを公表しておる。週刊朝日、四十七年度の入学試験の成績、合格した者、合格していない者、一番から五百四番まで書いておるのです、出しておるのです。そこで信憑性はというお尋ねをしたら、信じていいか信じて悪いかわからぬという。管理局長、あなた怠慢じゃないですか。私が管理局長ならこういう記事が出たら、事重大でありますから、教育行政上重大でありますから、これは事実かどうかということを学校当局に確かめますよ。それはあなたの責任です、仕事ですよ。八月二日ですから、五十日も前の話です。そうしてこれについてはうそならうそ、事実なら事実という判断を、あなた、ここに来る前に持ってなきゃいかぬでしょう。それはあなたの仕事ですよ。それをされたかどうか知らぬけれども、信じていいか信じて悪いかわからぬなんということは、あなた職務怠慢じゃありませんか。どうです。
○説明員(今村武俊君) おっしゃいますように、この事実を知らなかったことは職務怠慢だと思います。ただ、八月のそのころは来年度の予算編成の仕事に没頭しておりまして、週刊誌などについては全く目を注ぐひまもございませんでしたのが実情でございます。
○小谷守君 あなた御自身は忙しかったかもわからぬけれども、あなたの下にはたくさんのスタッフがいらっしゃる。いろんな状況についてシャープなアンテナを持っていなきゃいけません。こういう重大なことが国民の前に公表されて、その真偽を確かめぬ。こういうことでしょう。これは確かめたと、ここでは言いにくいということなのか。そのためにとぼけておるのか。これを確めなかったということならば、あなた、管理局長の資格はありませんよ。これだけ世間でかしましい問題を。
 そこで、これを見ますと、五百三番が合格しておる。五百二番も合格しておる。四百九十八番も合格しておる。ずっとビリから数えたほうが合格率が高い。しかも、二千万、三千万の成績に応じて、これ出しているんです。この入学の条件としての寄付金を強要しておる。これはほとんどが医者の子弟であるということ。文部大臣は何回も、今後こういうことがないように監督をいたします、指導いたします、改善をいたしますと、約束されておるけれども、一向に実効があがらぬ。大臣どうですか。管理局長かえたらどうですか。無能な局長では困るですよ。
 そこで、これは一体試験というものは何のためにやるかという根本問題になる。入学試験というものは文部省に対するかっこうだけのためにやっている。寄付金を強要するために試験をやっておると、こうとしか思えぬです。さらに、悪いことをするのは私立だけかと思ったら、今度は長崎医大。国立大学よ、おまえもか。試験問題を漏洩して、医学部長が試験問題を漏洩したというようなことが大きく報じられておる。時間がありませんから長々とはやりませんが、大臣に申し上げます。事ここに至っては、大学に対する国民の信をつなぐために、教育行政に対する国民の信を回復するためには、荒療治が必要だと思います。こういうとてつもない乱脈を続けておる学校に対しては、一罰百戒で思い切った行政措置をとる必要があると私は思われてなりません。
 まず、国立長崎大学の問題については、大学局長から、時間がありませんから簡単でけっこうですから、報ぜられたことがまことであったかうそであったか、これをお聞かせ願いたい。そして、まことであったとするならば、どういう対応をされたかということも明らかにしてもらいたい。
 重ねて、私学に対しては、先ほどの答弁では不満であります。大臣、あなた同じことばかり言っていらっしゃる。どういう有効な措置をおとりになるかということを明らかにしてもらいたい。
○説明員(井内慶次郎君) 長崎大学におきまして本年三月に実施いたしました入学試験の学力検査問題が事前に漏洩していたのではないかという疑惑が出てまいりまして、長崎大学におきまして、事実を明らかにいたしますために、評議会に特別調査会を設けまして、六月七日以来調査を続け、去る九月十日評議会で特別調査会の調査結果を報告いたしました。その報告によりますと、数学の学力検査問題が過去四年間にわたり事前に漏洩していた疑いが濃いとしておりますが、漏洩の根源と経路については明らかにすることができなかった。大学といたしましては、問題の重要性にかんがみ、特別調査会の報告書を各学部教授会にただいま配付いたしまして、各学部教授会でこれをさらに検討をし、近く評議会におきまして今後長崎大学としてとるべき措置を決定する方針でございます。
 大学入学者の選抜につきましては、大学が自主的に処理すべきものではございますが、御指摘のように、入試の公的な性格が非常に強いわけでございまして、厳正公正に実施されることは言うまでもないことでございますが、本件に関しまして疑惑を招き、いろいろな不安を与えておりますことはまことに遺憾でありまして、文部省といたしましては、同大学におきましてただいま各学部教授会で鋭意検討中のものが近く評議会で最終意見をとりまとめまして、文部省に正式に報告がまいることでございますが、同大学におきまする適切な措置と、入学試験の公正確保のための努力を同大学にただいま強く要請いたしておるところでございます。で、具体の内容につきましては、さような事情でございまするので、評議会で最終の大学といたしましての判断を見ながら、文部省といたしましてもこれに指導を加えてまいりたいと、かように考えております。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私立の医科大学、歯科大学につきまして、先ほど私は、本年度新しくとりました二つの方針について申し上げたわけでございます。今後もなおいろいろなよい知恵をお教えいただきながら、積極的にそういう考え方を進めていきたいと、こう思っておるところでございます。抜本的にやはりこういう性格の学校につきましては国立、公立で設置していくべきだと、こう考えて、増設をかなり急な姿で進めておるところでございます。
○小谷守君 大臣は、補助金が足らぬからこういうことをやっておるというお気持ちが先走っておるようでありますが、こういうところは幾ら補助金を出してもだめですよ。幾らでもむさほりますよ。開学当初から補助金を出すことに改めたと、これはけっこうです。けっこうですが、こういうところは補助金をもらったからそういうわがままを押えるというふうな自制心はありませんよ。ですから、私がさっき申し上げましたように、一罰百戒です。極端に悪いところに対しては、こういうところに対しては、これは募集の停止を命ずる、法人の解散を命ずる補助の停止をあえてやる、このぐらいな蛮勇を振るってもらわぬことにはだめですよ。もちろんいままで文部省がどんどんどんどん十分吟味もしないで認可をしたという責任はあります。それがこういう鬼子に育っておると思うんです。が、しかし、ひどすぎるんです、これば。私はいま三つのことを申し上げました。そういう点に触れてひとつもう一度お聞かせください。
○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほど来申し上げたことに尽きるわけでございますけれども、大学によりましては、何らそういう入学時の寄付金というようなものを受けないでりっぱにやっているところもあるわけでございますので、基本的には大学を運営しておられる人たちの心がまえに帰着するんじゃないだろうかと、こう思っております。これまで司直の手をわずらわさざるを得なかったような、長野その他で遺憾な事態もあったわけでございまして、その場合におきましても認可の取り消し、その仕事そのものは簡単なようでございますけれども、現に学生もいることでございますので、なかなかそういうことにも踏み切れない、やはり自覚を待ち、進め方を改めてもらう以外にはないということで、役員も改革し、そして方向を改めるというようなことで今日も見守っている学校もあるわけでございます。しかし、とるべき措置を怠る気持ちはさらさらございませんし、積極的にまた必要な措置もとれるような立法措置も場合によっては必要になることではなかろうかと、こうも思っておるわけでございます。今後も積極的にそういう面につきまして検討を続けていきたいと思います。
○小谷守君 時間か参りましたから――私は理事ですから時間守らなきゃなりません。
 大臣、評論家みたいなことをおっしゃっちゃいかぬですよ。あなたは文部行政の最高責任者です。先ほど申し上げました一罰百戒、少し荒々しいけれども、やらざるを得ぬと思います、こういう乱脈なところ。管理局長、これ、いつまでにうそかほんとかということをお調べになりますか。この決着がつくまで私は質問を保留しておきます。これで一応質問を打ち切ります。
○説明員(今村武俊君) 早急に事態を調査いたしまして、事態に即した措置をとりたいと思います。今年度の経常費補助の打ち切りといったような問題もございますので、十分実態を明らかにした上で措置を検討さしていただきたいと存じます。
○委員長(前川旦君) それでは午後一時より再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後零時三十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五分開会
○委員長(前川旦君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 午前中に引き続き昭和四十七年度決算外二件を議題とし、文部省の決算について審査を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
○須原昭二君 きょうは、よりわけ各種学校、学校法人、その中でも予備校の問題等々について焦点をしぼって御質問をいたしたいと思います。
 まず、概要としてお尋ねをいたしておきたいと思うのですが、現在全国で各種学校というものはどれぐらいの数字にのぼっているのか、これを御説明いただきたいと思います。さらに、現在、各種学校において学んでいる生徒数はどれだけあるのか、時間の関係がございますから、ひとつ簡明に要を得て御答弁をいただきたいと思います。
○説明員(今村武俊君) 昭和四十八年五月一日の調査でございますが、各種学校の数が八千七でございます。学んでいる生徒数が百二十四万五千人でございます。
○須原昭二君 私の資料によりますと同じ数字でありまして、符合いたしております。学校では国立が七十一校、公立が二百六十一校、私立が圧倒的に多くて七千六百七十五校、こういう数字になっております。さらにまた学んでおる学生の生徒の数は国立が四千百八名、公立が二万三千十五名、私立に至っては百二十一万八千五百四十五名、圧倒的に実は私立の学校が多いわけでありまして、これから御指摘を申し上げる問題点も、私立なるがゆえにという前提の上でひとつ御質問をいたさなければなりません。
 いま各種学校における学科別に見て和裁・洋裁あるいは自動車の操縦・整備、いろいろ各学科がございますが、生徒数の多いものから見て六つか七つひとつあげていただきたい。どんな社会の要請あるいは文化経済の変転に伴って、どのようなところへ国民が志向しておるのか、この点を明らかにするためにも、ひとつ御説明をいただきたいと思います。
○説明員(今村武俊君) 生徒数の多い課程を拾ってみますと、和裁・洋裁、簿記・珠算、自動車操縦・整備、それから予備校、それから看護婦、外国語、編物手芸、料理、家庭等となっております。
○須原昭二君 私がお尋ねいたしたかったことは、生徒数に準じて順位をつけるとどのぐらいであるか、御答弁は要りませんが、和裁・洋裁二十八万五千人、予備校が二番目にランクされまして十五万九千人、それから自動車操縦・整備が十一万七千人、簿記・珠算が十万七千人、看護婦が七万一千人、料理・家庭六万六千人というような順番になってくるわけで、後ほど予備校に入っておる生徒数がいかに大きいかということをここで認識をされるわけです。したがって、そういう前提でひとつ御質問を申し上げたいわけであります。
 全国で約八千をこえる各種学校がある。しかも、その中において内容は千差万別、いろいろのものがあって、実は、最近、昨年度における新聞の報道を見ましても、私の目に届いた中でも、昨年四月、東京の豊島区学校法人佐々木学園、実は、募集の受付の際には入学料あるいは一カ月の授業料、施設費、その他PTAの会費三万百円を納入して入学手続をとって、入学許可を与えておきながら、後ほど入学金を五倍につり上げて請求したような問題が新聞に出ておりました。昨年の六月、カナダ人の経営いたします同じく東京都の豊島区にある英会話を教える各種学校においてば、入学金を取ったところで突然廃校してどろんをきめております。あるいは昨年の九月、神戸市で当地方唯一のタレント養成の学校だといわれておりますが、授業料等を集めたところでどろんをしてしまうような、いわゆる無責任タレント学校が実はあるわけです。
 これは私の目にとどまった一例でありまして、こうした不祥な事件が各種学校の中では日常茶飯事のように起こっておるわけです。こうした事態に対して文部省は何もしていない、いわゆる放置をしておるような感じがいたしてならないと思い・ますが、その点はいかがですか。
○説明員(今村武俊君) 私立の各種学校に関しましては、所轄庁が都道府県知事となっております。したがいまして、文部省としては、そういう事態のあることは遺憾なことだと思いながらも、特別な措置はいたしておりません。
○須原昭二君 御案内のとおり、いま御指摘がありましたように、各種学校における監督権限については私も承知をいたしております。たとえば確かに公立にありましては都道府県の教育委員会、あるいは私立のものについては学校教育法三十四条の準用によって都道府県知事にこの権限があるわけでありまして、したがって、文部省は何も関係ないと、こういうことでそういう御答弁が出てくるわけでありますが、しかし、実は、各種学校については、毎年、私学振興財団より多額の融資を政府はいたしておるわけです。したがって、その点からいっても関係があるわけで、何ら無関係とは言えないわけです。四十八年度の実績は幾らになってますか。
○説明員(今村武俊君) 私学振興財団から各種学校に対する貸し付け額は四十八年度が三億四千三百四十万円になっております。
○須原昭二君 そういう政府から多額な融資をしておきながら、いや各種学校はわれわれに監督権限がないんだということでおさまりますか、いかがですか。
○説明員(今村武俊君) 各種学校の施設に対する融資は融資の問題でございますし、各種学校の運営その他に関する監督は都道府県知事の所管でございます。したがって全く無関係だというわけではございませんが、第一次的には都道府県知事の監督にまかせざるを得ないわけでございます。
 文部省としては、そういう制度が適当であるのかどうか、そういう制度がもし適当でないとしたならば、その現状について制度自体の改正を加えるべく検討するというところが文部省の仕事であろうと存じます。
○須原昭二君 いや、実は関係がないわけではない。ただしかし、それは融資である。しかし、融資をするにあたっても実態をつかんでおらなければ融資ができないはずです。
 さらに、各種学校を直接規制するものとして各種学校規程というものがあります。これはあなたたちがきめたいわゆる文部省令で定められているわけです。したがって、その規程がほんとうに守られているか守られていないか、各種学校について的確にその実態を掌握しておらなければ、行政というものがうまくいっているかいないかわからないはずです。そういう点がわからないようでは文部省の責任は私は果たせられないのではないかと思うんですが、その点は大臣からひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 各種学校につきましても、文部省が実態を 握するようにいろいろ討議資料も作成をしているわけでございます。教育全般につきまして指導助言の責任も負っておるわけでございますので、府県の監督のもとに置かれておるわけでございますけれども、これは将来とも十分留意していくべきだと、こう思っております。
○須原昭二君 実態をつかんでいかなければならないという大臣の明確な御答弁がございましたから、実態をひとつ御説明をいただきたいと思うんです。
 というのは、学校教育法第八十三条の四項及び八十八条の規定に基づいて各種学校規程が実は文部省令として定められております。管理局長、ひとつお尋ねしますが、その規程の四条には「授業時数」が書いてある。一年間に六百八十時間以上実は教えなくてはならぬと書いてあります。これ実態は守られていますか。
○説明員(今村武俊君) その実態については、調査いたしておりません。
○須原昭二君 「生徒数」においては、同時授業をする場合、生徒数は四十人以下と規定をされています。その実態はつかんでおりますか。
○説明員(今村武俊君) 実態はつかんでおりません。
○須原昭二君 三つ目、十条に「各種学校の校舎の面積」を規定をしております。すなわち生徒一人当たり二・三一平米以上でなくてはならぬと規定をされておりますが、その実態をつかんでおられますか。
○説明員(今村武俊君) 各種学校規程は、都道府県知事が各種学校を認可する際に認可の基準とする規程でございます。また、その後、認可されたあとはこの基準を守るべく各種学校は努力し、つとめなければならないわけですが、私ども、その実態については現状を把握いたしておりません。
○須原昭二君 まあこういうことで、実は実態はつかんでおらなくて各種学校規程をつくって、それが実際うまくいっているのかいっていないのか――何のために規程をつくったんですか、何のために規程をつくるんです。そんなものはつくらなくてもいいじゃないですか、そういうことになると。大臣、こんなことでいいですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) いま管理局長が申しましたように、各種学校の規程は、府県が大体同一歩調をとって各種学校に対処してもらわなきゃならない、そういう意味でつくったもののようでございます。各種学校につきましても、その内容が向上してまいりますように、文部省としても幅広く教育を指導助言していくわけでございますので、理解していかなきゃならないと思います。
 ただ、いま御指摘になりました点につきましては、文部省として府県から報告を徴するということはしていなかったようでございます。なお、いろいろとお指図をいただきました面につきましては、必要な資料を取り寄せて把握するようにいたしたいと思います。
○須原昭二君 いままでは実態をつかんでおらなかった、したがって今後ひとつその点については実態を把握するために努力をすると、この今後の問題としては私は了解をします。しかし、今日までやっておらなかった問題点については反省してもらわなきゃいけません。
 特に私が指摘をしておきたいのは、一年間に六百八十時間、私はほとんどこの適格条件にはみんなはずれておると言っても過言でありません。同時授業をする場合、生徒数は四十名以下。なるほど小さな各種学校においてはそれを守っているところは多いかもわかりません、それは人数が少ないからです。しかし、たとえば予備校に至ってはまさにマンモス学校になってしまって、四十人以下の同時教育というようなことはあり得ません。実態からいってほとんど守られていない。さらにまた校舎の面積に至っては生徒一人当たり二・三一平米、後ほど指摘をいたしますが、これらは守っておりません。したがって、この規程は昭和三十一年につくられた問題点であって、現状に合わないものになってきているわけであります。したがって、この規格が妥当なものでないと私は認定せざるを得ないんです。
 この点について、各種学校の規程が妥当であるかどうか、改正する必要があるかどうか検討するためには、当然、先ほど申し上げました、一体全体、各種学校というのはどのような教育環境に現実にあるのか、あまりにも営利的に走っているんじゃないだろうか、暴利をむさぼっておるのではないだろうか。私ばこの間週刊誌を見ますると、実は駿河台の高等予備校に至っては、この理事長が――若い四十九歳の理事長でありますか、まあ日本一の小金井カントリー倶楽部の会員権を三千三百万円出して買ったと、でかでかと有名予備校の理事長の名前が出ております。まさに暴利をむさぼるような実態になっておるのではないのか、こういう実態を十分掌握しない限り、この各種学校規程そのものが現実に合っているか合っていないかわからない。
 したがって、私は、この際、この各種学校の規程、これを現実に合わせるためにそういう改善の措置を講ずべきであると思いますが、その点はいかがですか。
○説明員(今村武俊君) 学校教育法において、第一条に定める学校に類似する教育を行なう学校を各種学校として、正規の学校に関する種々の規定を準用いたしております。そして各種学校は対象、内容、規模、形態、実に多種多様のものを一括して各種学校と称しております。
 したがって各種学校規程におきましても、ただいま御指摘されましたが、「生従数は、四十人以下とする。」と書いてございますけれども、「ただし、特別の事由があり、かつ、教育上支障のない場合は、この限りでない。」と例外規程が設けてございます。また校舎の面積も「同時に授業を行う生徒一人当り二・三一平方メートル」これも「(生徒数の増加に応じ、教育上支障のない限度において減ずることができる。)」こういったことで、それぞれに弾力条項が設けてございます。したがって俗なことばで言えばピンからキリまである多種多様の各種学校についてすべてに妥当する設置基準をきめるということは多くの例外を認めなくてはできないことでございます。
 したがって議論があるわけでございますが、だんだん各種学校の中からもいろんな種類の学校、類型が分かれていく、そういう分かれていく形のものをむしろ各種学校の中で分類して、違った制度をつくっていくことが妥当ではないかという議論もございます。そういった議論のほうが、ピンからキリまである各種学校すべてに共通する設置基準を設けるよりも、よりやりやすいんではないかというような感じがいたします。
○須原昭二君 したがって何千人も入っている予備校に、このような弾力条項でやっていってもいいというものの考え方は、私は時宜に適していない。
 なるほど小さな百人、二百人ぐらいの洋裁学校だとかあるいは料理学校だとか、そういうものだったら私はその幅を持たせる必要はあると思います。しかし大きな大学、普通の大学にも匹敵するような大きな陣容を擁する予備校がある、それを十人か二十人、三十人の小さな学校と同じようにその弾力条項の中で解決してもいいんだというものの考え方は実態にそぐわないのではないか、こういう点を指摘をしておるわけです。したがって各種学校規程というものを変えるつもりはないのかどうか、この点について。
○説明員(今村武俊君) 実に多種多様の各種学校について現行の規程の原則を設け、そして例外規程を設けながら各種学校の教育の実態に応じて認可の基準を定め、その後、各種学校を維持すべき教育水準を定めたこの各種学校規程はそれなりに意味のあることでございます。
 私ども、非常に遺憾にして、先ほど申し上げましたように各種学校の実態を十分つまびらかにしておりませんので、もう少し実態を検討さしていただきまして、それとの対比において基準の改定を行なうかどうかということは検討しなければならない課題であると存じます。
○須原昭二君 検討するというお話でございますが、後ほど、これは関連をして総括の段階で大臣から意向を承っておきたいと思うのです。
 その他、最近私は関心を持っておるんですが、学校教育におけるところの政治的中立、これは大臣が常に強調されるところであります。したがって、この各種学校――学校教育に準じておるわけでありますが、この点におけるところの政治的中立というものは普通の学校教育と同じようにみなされますか。大臣の見解を承っておきたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 教育の中立を、おそらく教育基本法に掲げております「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」ということでおっしゃっているといたしますと、この中には入っていないのじゃないだろうかと、こう考えるわけでございます。
○須原昭二君 学校法人あるいはまた各種学校の中で政治献金はしてもいいものか悪いものか、大臣の見解からひとつお尋ねをしておきたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 各種学校と学校法人の場合と若干違うんじゃないだろうかという気がいたします。
 学校法人の場合は、おそらく経常費助成を受けているんじゃないだろうかというふうに思うわけでございます。経常費助成を受けるものが特定の政党に金を出すということは私はあまり感心しないなという感じを持つわけであります。各種学校の場合には、そういう問題はございませんので、特段のことはないんじゃないだろうか、それぞれの任意にゆだねていい性格のものじゃないだろうかと、こう思います。なおよく検討していきたいと思います。
○須原昭二君 そういう政治献金を受けているところをひとつ御承知になっておりますか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私、承知いたしておりません。
○須原昭二君 じゃ私のほうから御説明をいたしますが、こういうものがいいのか悪いのかひとつ明確なる御答弁をお願いしたい。
 四十八年七月三十日官報号外に出ておりますから、これはもはや国が認めて発表しておるわけですから明らかにしておきたいと思うんですが、江酉会、これは椎名さんの何か派閥じゃないかと思うんですが、学校法人千代田学園、大阪市です、百万円。倉石大臣でしょうね、これは国政研究会、百万円、高宮学園。新政経振興会、これは田中派だそうでありますが、百万円、新潟県中央自動車学校。政経同友会、五十万、日本電子専門学校、これは東京の新宿区にあります。社会保障研究会、五十万、松本歯科大学――私かこの間問題として提起をしました、悪い学校だと指摘をいたしました松本歯科大学が五十万。さらに東新会という政治団体がありますが、四十万、東京写真専門学院、同じく四十万、東京観光専門学院、同じく四十万、東京スクールオブビジネス、それからさらに四十万、東京デザイナー学院――すべて東新会です。さらに道交会、二十四万、愛国学園。さらに十万円という少額ではございますが、新政治協議会、京都薬科大学。新風会、これば小坂さんでしょうね、と聞いておりますが、東京音楽アカデミー。等々の実ば政治献金がなされているわけです。
 この中には多くの学校法人があります。こういうものはいいのか悪いのか、大臣の見解を承ると同時に、やはり適切な行政指導を行なうべきだと私は思いますが、その点はいかがですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほど私が教育基本法の条文を申し上げたわけでございます。法律に定める学校は政治活動をしてはならない、こう書いてあるわけでございますので、特定の政党に献金をしていくということは好ましくないんじゃないだろうかなという感じはいたします。
 ただ、個人のいろいろな活動を援助する、それを全部政治活動と言い切っていけるのかどうだろうか、これは私若干検討を要するんじゃないだろうかなと、いまお話を伺いながら考えておったところでございます。なおよく検討した上でお答えをさせていただきたいと思います。
 各種学校につきましては、いまお述べになった中にもずいぶんあったんじゃないだろうかなと、こう思うわけでございまして、これはそれらを直接規制していく性格のものでもないような感じを持ったわけでございます。
○須原昭二君 非常に歯切れが悪いですね、きょうは。いつも奥野大臣は非常に歯切れがいいんですが、こういう点については。きょうは歯切れが悪いです。もっと明確にしていただきたいと思う。
 各種学校の中には、いろいろ見解は分かれますけれども、少なくとも学校法人として認めた以上、教育基本法に基づくところのやはり政治的中立、これはやはり厳然として守るべきだと思います。しかし、いまお話を聞きますと、どうも政党そして個人の政治活動、これは別なんだというお話でありますが、私は日本の政治の中で、個人であろうとそれが政党であろうと、やはり政治信条を明らかにするのが個人の政治活動でも当然なことです。そういう点についてどうも明確ではないと思います。あらためて――。
○国務大臣(奥野誠亮君) いまも私が申し上げましたように、「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」政治一般をさしているわけではございませんで、政党中心に政治活動をしてはならない、こういう規定を置いているわけでございます。そういう意味で、学校法人が何らか寄付をしたい、そういう場合に、個人斗つくっている結社に対して寄付するものまですぐこの教育基本法の規定が働いていくんだと、これは私は言い切れないんじゃないだろうか、こう思っておるものでございますから、そういう気持ちでそのままをお答えをさしていただいたわけでございます。
○須原昭二君 これは非常にいま水かけ論になっておりますが、この点はひとつ保留をさせていただいて、時間の関係がございますから、後ほどひとつその場をお与えをいただきたいと思います。
 そこで、ちょっとよそへそれましたけれども、各種学校というものはきわめて特殊な存在であることは私もわかります。しかし学校教育法上も、第一条でいうところの学校に含まれておらずに、わずかに実は八章の雑則の中に規定されているにすぎないわけです。したがって先ほどの論議でありますが、地方自治体の監督を見ましても、これは政府じゃなくて地方自治体がやっているんだ、こう言われましても、私は地方議会の経験がございますが、ただ設立の認可のときだけはいろいろと書類上あるいは現地を調べて審査をします。しかしながら許可をしてしまうと全く放任の状態にあるといっても過言でありません。ただ地方自治体から補助金を出す、助成金を出す、その助成金を出した使い道については検査をするけれども、そのほかは全部ほとんど放任の状態に置かれているわけです。したがって各種学校の実態を私たちは外から見ているときに全くわからないというのが今日の現況です。国民が各種学校を選ぶときにはどういう方途を講ずるか、すなわち大体そこから出た卒業生に評判を聞く以外に実は方法がないというのが今日の実態であります。
 したがって、そうした行政的に放任をされている各種学校でさえ、実は先ほど御答弁にありましたように、私立の各種学校には約百二十二万という膨大な生徒が実は学んでいる事実は、いわゆる正規の学校ではいろいろの条件で学ぶことのできない人々の教育要求というものが広く存在していることをここに端的にこの数が示しておると実は思います。こういうような視点から各種学校を見ると、各種学校が果たしている役割りについて、もっともっと政府自体、文部省自体が多くの私は関心を持つことが当然であると、こう思うんです。
 さらに、大学の学費の値上げ問題が実はよく社会問題で提起をされておりますが、この私立の経営の各種学校のほとんどがかなり非常に高額な学費負担を強いている現状にもっと私は配慮をすべきである、注意を払うべきである。この点はひとつわれわれも片手落ちではないかということを自省を踏まえて皆さんに訴えざるを得ないわけです。
 これらの各種学校の諸条件を改善するためにも、私は、いろいろ各種学校のケースがございますけれども、この際、やはり各種学校法ともいうべき法律を制定をして、そしてそれに対応するような必要があるのではないか、最近この問題を考えて勉強しておる間に、そういう結論に至らざるを得ないわけでありますが、この際、大臣のひとつ所見を承っておきたいと思う。
○国務大臣(奥野誠亮君) 衆議院段階におきまして、各種学校はいろいろ雑多だけれども、特に何らかの援助を強化すべきではなかろうか、そうすると、それなりにそういうものを振り分けてはどうかというようなことから、特定のものを研修学校と名づけまして、それに対する助成を強めようじゃないかという動きがございます。国会に法案が提案をされておりまして数年を経過しておるわけでございますけれども、そういう問題とからみ合いながら、いま御指摘の点につきまして検討を続けていきたいと思います。
 いずれにいたしましても、非常に各種各様にわたっておるわけでございますし、同時にまた、そういうこともございますので、府県の責任にゆだねる、したがって府県がその地方の実態から考えて助成を必要とするものについては今日も助成をしておるようでございます。しかし、国としてもものによっては助成を強化すべきではないかというような、いまの須原さんのような御意見が他にもあるわけでございまして、それができるような法的整備をしようじゃないかということで衆議院段階で議論が行なわれておるところでございます。よく検討しながら努力したいと思います。
○須原昭二君 ぜひともひとつ、各種学校法というのはまあ私のっけた名前ですけれども、やはり各種学校の実態を掌握をされて、そしてそれに対応できるような措置を講ずるためにはどうしてもそういう法的な背景が必要だと思います。これはぜひ早急にひとつ御検討していただいて結論を出していただくように希望をしておきます。
 そこで、各種学校に含まれておる予備校の問題です。実に、予備校の実態を見ますると、私の住まいの近くにも、名古屋では大きな予備校がございます。あるいは早稲田予備校あるいはまた駿河台予備校等々の実態を見てまいりますと、たいへんなやはり問題点を含んでおります。そこで、まずこれは地方自治体に監督権限があるんだ、こういうことで置き去りにされております。しかも先ほど申しましたように地方自治体は全く放任の状態にほかっておる。ここにいろいろの問題が出てくるわけですが、それに関連をしてまずお尋ねをいたしておきたいのは大学浪人についてです。
 去る九月十一日、東京都の教育庁が発表したところによりますと、都内の公立高校――全日制の普通科でありますが、この男子卒業生のうち、三人に二人は実は浪人という境遇に追い込まれておるということを新聞で私は知りました。はたして全国で大学浪人がどれだけいるのか。特に大学入学試験の最近の新卒、浪人の実数はどうなっているのか、この点をひとつ御説明願いたいと思うのです。
○説明員(井内慶次郎君) ただいまお尋ねの点でございますが、四十九年、この春の確定数値がまだまとまっておりませんので、既往四カ年の数値につきまして御説明申し上げます。
 四十五年の場合に、入学志願者として大学を受験いたしました者の大体二八%、十九万人が浪人で、入学いたしました者十四万五千、三一%が浪人でございました。四十六年、入学志願者十八万六千、二七・二%が浪人で、入学しました者十四万九千、三〇・五%が浪人でございました。四十七年、入学志願者十七万七千、二五%に当たりますが、これが浪人の数で、入学しました者十四万八千、これは入学者総数に対して二八・七%。四十八年春、入学志願者が浪人が十八万三千で入学志願者総体に占めまする割合が二四・九%、入学者は浪人十四万八千でございまして、総体の入学者に対しまする比率は二七・二%、こういうことでございますから、最近の傾向で見ますと、大体、十七万から十九万の間が入学志願者としてあらわれてまいりまする浪人の数であるということが申せるかと存じます。
○須原昭二君 いまの御報告でいかに浪人が多いかということが明らかになったわけです。大学もやや広い門になったとはいうものの、ことしもまた約十八万人の浪人があった、こういう数字が出てきたわけです。まさに深刻な問題点です。
 いまでは一浪、一回浪人をする一浪、一年浪人ですね、一浪、読んで音のごとく人並みだそうです、人並み族とこういわれているのが非常に学生の仲間で普遍化いたしております。そこでいま予備校はどこもかも実は満員です。あるところでは徹夜で行列をしなければ入校できない、来年からはテストをしなければ一このテストをするということを考えている予備校もあると実は聞いているわけです。
 予備校は、実はあったほうがいいのかないほうがいいのか、大臣、どう思われますか。現在のように押すな押すなの予備校の盛況ぶりを大臣はどうお考えになっておるのか、最初にひとつ御見解を承っておきたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 大学に入学を希望する人たちが全員そのまま大学へ入っていけるような状態が基本的には望ましいと思います。しかしながら現実には特定の有名校に集中している、どうしてもそこに入りたい、結果的には浪人にならざるを得ない、その人たちがさらに勉学を積みたい、その結果、こういう予備校が発生してきていると、こう思っておるわけでございます。
 したがいまして現在の社会の実態から考えますと、予備校が存在しておりますのもそれなりの意義を持っているだろう、こう思っているわけでございます。
○須原昭二君 あのね、予備校の経営者の話を聞きますと、こういうことを言っていますよ。高校の三〇%教育論、つまり高校ではカリキュラムの実は三〇%しか消化はできない、いや三〇%以下なんだ、こういうことを断言しております。ところが大学のほうは実は五〇%以上消化しておらないと入学を許可してくれない、二〇%の差がある。その差を実は予備校が養っているんだと、こういうことを実は経営者から聞きます。すなわち高等学校というのは実は卒業免状を受けに行くところだ、もらうところなんだ、実力ば予備校でだと、こう言っております。
 こうした予備校の経営者の考え方ですね、これを文部大臣はどういうふうに受けとめられますか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 学校は学校として人間をつくり上げていくという重要な役割りをになっているわけでございます。予備校は大学へ入学するための予備の学校、したがって入学試験突破技術を教えているというようなことが中心になっているんだろう、こう思います。そのことがいいか悪いかは別にして、現に、特定の大学へ入りたいために高等学校を卒業してもなお浪人しておる人がおるわけでございますので、そういう人たちのための存在になっている、それはそれなりに意義を認めざるを得ないのじゃないでしょうかと、こうお答えをしているわけでございます。
○須原昭二君 私は、今日の予備校がこれだけ繁盛している最大の原因は入学試験に問題があると言わなければならないわけです。
 四十六年の暮れから検討している共通テスト、これは実施時期が実は五十年が五十一年と延びているわけです。国大協におきましても五十一年実施ということで実はまた大幅に後退をしているような新聞報道がなされております。一方、年々大学の試験のあり方、先ほど同僚の小谷委員から指摘をされました福岡医科大学、これはもう試験以前の問題でありますけれども、実は入学試験のきびしさが増してきておる。試験内容は学力をためすというよりは、福岡医科大学の場合は入学裏金金をためす条件になっておりますが、一般的には学力をためすよりもむしろ何とかこれをふるい落とすためのものになっておる、こういうように私は考えざるを得ないのですが、したがって入試に一番必要とされるのは、学力ではなく、いま大臣がいみじくもおっしゃった受験技術そのものである、こういう見解が出てくるわけであります。したがって、そういう受験技術そのものを尊重するというあり方、これは私はよろしくない、好ましき状態ではないと実は判断をしておりますが、いずれにしても今日の予備校の隆盛を招いているだけにこれは文部省にも大きな私は責任があると思うのですが、その点は、大臣、どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(奥野誠亮君) お話しになりましたように、大学の入学試験がふるい落とすための試験になっている、そこに一つの弊害が生まれている、私も同様に感じておるわけでございます。そういうことから、共通学力テストによって、高等学校の教育をすなおに受けていれば何にも心配はない、そういう問題が提出される。そして高等学校の生徒に安心して高等学校教育につとめてもらおうと、こう考えて努力しているわけでございます。
 ただ遺憾ながら、大学の実態は必ずしも私たちの期待するようにはすべてなっていない。したがって自分の希望の学校に入るためにはある程度の入学試験突破技術を心得ていなければならない。どういう問題にどう対処するという技術的な教育を願っている面もあるわけでございまして、そんな役割りを予備校が果たしているんだろうと、こう思うわけでございます。先ほども申し上げましたように、そういう存在を必要としないような社会になることに私たち努力していかなければならないと思っておりますが、何にいたしましても、いま全体的にあまりにも有名校が偏重され過ぎている。子供も父母もみんなそういう気持ちになっているし、社会のあり方もそういうきらいがある。しかし、だんだんこれはもう一日一日に私は大きく変わっていっていると思うわけでございます。戦前の姿がそのまま多くの人たちにささえられている風潮が強いのじゃないだろうか、しかし実態はどんどん変わっていっているんだから、変わっていくということを頭に置いて生徒にも父母にも進路を考えてもらわなければならないのじゃないだろうかなと、こう思っておるところでございます。
○須原昭二君 その共通テストの問題ですね、初め五十年、この間また五十一年、このままでまた延びていくんじゃないかという危惧を私は持つのですが、この実施の問題について御見解はどうなんですか、実態はどうなっておりますか。
○説明員(井内慶次郎君) ただいま大臣からお答え申し上げましたように、大学入試の改善につきましては、いろいろな角度からの改善を総合的にやってまいらなければならぬと思いますが、その一つの重要な点がどういう入試問題を出すかという点かと存じます。
 それで四十八年度、四十九会計年度、文部省のほうで、まず国立大学の問題につきまして、国立大学協会に委託費を出しまして、二カ年にわたりまして共通一次学力検査の調査研究をただいま実施していただいておるところでありますが、その二カ年にわたります調査研究の非常に重要な部分を、実際に五教科十二科目にわたりまして問題をつくって、全国の七地区で、七つの大学、約三千五百人の高校生の人たちに実際に答案を書いてもらって、それのコンピューター処理をどういうふうにやるかとか、そういう実施の場合の調査研究をこの秋に、十一月の末に実施するということで、ただいま国大協ではその準備を取り進めておるところでございます。
 で、この秋に行なわれまする調査研究の内容を分析いたしまして、全国立大学にこれを資料として提供し、国大協におきまして関係方面の意見も徴しながら国大協としての意見を集約するのがどうしても五十年度ということでございますので、文部省といたしましては、国大協のこの意見集約を見守りながら、今後のことを検討してまいりたい、こういうことで何年からどうというあらかじめの確定的な予定をいま立てるわけにまいりませんので、国大協のほうの調査研究が実り豊かに浸透しますように、いま側面から助力申し上げておるところでございます。
○須原昭二君 これは早く結論を出していただくように鋭意努力をしていただきたい。これは要望しておきます。
 そこで、いま一つ、先ほど小谷議員から指摘をされました、私も二月の問題のときに指摘をいたしました福岡医科大学、ああいうことをいつまでもほかっておいたらだめなんですよ。もちろん、その免許を取り上げる、廃校にすると、そんなことを私はすぐできるとは実は思いません、大臣がおっしゃるとおり。しかし、これほど問題になった以上は、もはや入学試験を彼らにまかしておくことは問題があると思う。したがって、そういう入学試験を政府が関与してやらせるというような、そして公平に行なうということが私は必要ではないか。そういう問題学校については入学試験というものを政府がひとつ関与して国家管理にすると、このぐらいの強い態度で臨まなければ、いつまでたったって、できる者が入れなくて、できぬ金を持った者が入る、こういう現状がいつまでも続くと思うんです。その点はどうですか、大臣。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私学はそれぞれ建学の精神を持って理想とする人間の養成に当たっていこうと努力されているわけでございます。したがいまして私学が入学試験を実施するにあたりまして、現実にそう行なわれていると申し上げるわけじゃありませんけれども、どういう教科にすぐれた者であるとか、どういう人柄の人間であるとか、やっぱり好みがあってしかるべきだろう。金で左右されることはよくありませんけれども、どういう人間を養成するかということについてその方針に従った人間が育つような採用のしかたもあるんじゃないだろうかと、こう思うわけでございます。したがいまして、やはり国が直接入学試験に関与していくことは、私は適当でないんじゃないだろうかなと、こんな感じを持っているところでございます。
○須原昭二君 正常に入学試験が行なわれているというならば、私はそれでいいんです。それは実施権を侵してはなりません。しかしながら、このように週刊誌に堂々と出され、適否がはっきりした場合には、やはり試験をそのまままかしておくわけにはまいらないではないか、この点の前提の上に立ってものを言っているわけです。その点どうですかということなんです。
○国務大臣(奥野誠亮君) お話、誤解していたようで相すみませんでした。
 その場合でも、どうするかということになりました場合に、入学試験に直接関与することについては、いますぐここで、それはけっこうです、考えますと、こう言い切るだけの自信はございません。将来の問題としてよく勉強していきたいと思います。
○須原昭二君 これは問題を小谷議員が保留されておりますから、その機会にまた関連でお尋ねすることとして先へ進みます。
 そこで、私は予備校の教育環境について非常に心配をしているわけです。というのは、各種学校規程九条二項を見ますると、「教育の目的を実現するために必要な校地、校舎、校具その他の施設、設備を備えなければならない。」と規定されております。しかし文部省はその実態をつかんでおられません。どこの予備校の募集要項を見ましても、大学受験コース、国立大学理料系あるいは文科系コース、あるいは私大歯医科系、薬科系、理工コース、いろいろコースをこう実は明記をされております。その他特別のコースあるいは夜間のコースというものが設定をされておりますが、私はここにパンフレットを持っておりますが、どこを見ても、実は定員というものはほとんど書いてないんです、定員が。ほとんど定員に触れてない。どういうことなんですか。「一人当り二・三一平方メートル」というような規定をされておるにもかかわらず、来るやつは幾らでも入れるという方針なんですよ。したがってマンモス予備校、生徒数から言えば数千名に及ぶところもあるわけです。
 登校、下校の事態を見ますると、まさに民族の移動ですよ、こういう状態ですよ。休憩時を見たら、運動するところはほとんどありません。まあ屋上のささいなところであるか、もう予備校の休みの時間というものは、階段の下や通路でただ鈴なりになって、何することなく、たばこを吹かしている、あるいは雑談にふけっている。特に昼食の時間になりますと、街頭にあふれてしまって、まさに予備校の周辺というのは、私はことばが悪いけれども、競馬の場外馬券売り場の状態ですよ。一ぺん大臣見てごらんなさいよ。こういう状態で無政府状態に置かしておくということが間違っているのじゃないか。いずれにしても軽い運動でやはり気分転換をさせる、そういうことを望むことができない状態ですよ。
 このような不健康な状態に予備校をこのまま放置していくのか、これもまた都道府県の責任だ、おれは知らないというふうに政府はお逃げになるのですか、どうですか。
○説明員(今村武俊君) 基本的な教育のあり方の問題でございますが、政府がよかれかしと思って教育の基準を定め内容をきめるというのは、やっぱりそれを保障する政府のスタッフなり、人なり、資力なりを持っていなければいけないと思います。そういう意味で、教育に対する政府あるいは地方公共団体の関与を見ますと、国が学校というワクの中に入れておくもの、あるいは学校に準ずるもの、あるいは国が関与しないもの、特に社会教育諸団体等においては、国が関与しないでそれぞれの諸団体の自発性、自主性を尊重するもの、いろいろな分布のあり方があると思います。
 したがいまして各種学校あるいはそのうちの予備校などを目するにあたりましても、そのいずれの側から見るかという問題があろうかと思います。
 私どもの、ほんとうに恐縮でございますが、私学関係を担当する職員が二十四名、その関係でいまおっしゃるようなことをやろうとしますと、現実にはできないわけです。したがって、その辺は学校制度として扱うもの、あるいは学校制度に準じて扱うもの、そして準じて人々の良識に待つもの、そういう分野があってよろしいのじゃないだろうかという感じがいたします。
○須原昭二君 したがって、私は、各種学校の規程というものも時代にそぐわないものになっている。さらに総括して各種学校法というものをつくれというのは、こういうところに根拠を持ってものを言っているわけです。
 特に受験生の問題から言うならば、私も経験がございますが、今日ではまさに標語から言うならば、自民党さんの皆さんの選挙と一緒ですよ、四当五落ですよ。睡眼四時間なら合格、睡眼五時間になったら不合格というのが今日学生の中で言われていることばなんです。これほどまでに身を削って大学入試に備えている今日の予備校生の健康管理の問題は、私はほんとうに大きな問題点だと実は思います。
 しかも予備校においては運動場もない、ろくな休憩室もない、保健室もない。予備校には学校教育法八十三条によって幾つかの規定が準用されることになっておるけれども、ふしぎに十二条のいわゆる「健康診断」だけは実は除かれているわけです。このことは、予備校というところはただ勉強だけしておればいいんだ、こういうことなんですか。各種学校規程には何ら実は健康管理に触れられていないのです。これほど人間の生命、健康の問題について大きな世論が立っておるときに、こういう全く手落ちな点がここに見受けられるわけです。幾ら都道府県知事が行政指導しようとも、規程がなければどうしようもないんです。
 だから文部省は文部省令でこの規程をきめることが先決なんです。その規程をきめようと思っても実態をつかんでない、まさに勉強不足です。まず、さっそく文部省は実態を掌握する、まず象徴的なマンモス学校であるところの予備校の実態を大臣みずから一ぺん御視察いただいて掌握してごらんなさい。私はまさに学校教育法でいわゆる健康診断を準用しなかった理由というのがふしぎでならないわけです。この点はいかがですか。
 時間の関係がございますから、ついでにもう一つ申し上げておきますが、いま一つは予備校の一年間の学費ですよ。私の近くのところは入学金が二万五千円、授業料が年額十一万から十二万、その他諸経費を含めて十五万から十六万。駿河台高等予備校においても大体十三万から十四万。国立大学よりも高いんですよ。どのようなところできめられているのか。
 受験生というものは、まさに予備校というものが唯一の頼みの綱である。したがって社会的弱者です。在校中に実は不満があってもなかなか言えないという弱者の立場にあるわけです。こういう問題については、正規の大学なんかには自治会があって要求を出して学校当局にこの要求を満たしてもらうために努力をする、そういう側面がございますが、予備校ではそういうものがない。したがって、そうした弱い立場にある者をだれがかわって助けてやるのか、これは政政機関であり、法律でなくてはならぬと思うんです。
 こういう問題点、健康診断と教育環境の問題あるいは学費の問題等、この予備校生というような弱者に対する対策の配慮をいうのは全く見受けられておらない。そういう点についてどのようにお考えになり、どのように対策を立てようとされておるのか明確にひとつ御答弁をいただきたいと思う。
○国務大臣(奥野誠亮君) 予備校に限定して各種学校の問題をいろいろとお聞かせいただいたわけでございます。社会の需要に応じて各種学校が存在しているし、またその需要を満たすものでなければ社会の人はその各種学校を利用しないと思います。しかし、その間において需要者の弱みにつけ込む、これはできる限りそれが過大にわたる点については救済していかなきゃならない。同時にまた、需要者についても保護すべきものについてはできる限り保護していかなきゃならない、こう考えるわけでございます。そういう見地に立って府県がそれぞれの指導監督をやってくれておると思うわけでございますけれども、いま御指摘になりました健康の問題やはり大学入試を志している学生、将来のためにも健康の保持にはみんなで配慮してあげなきゃいけないんじゃないかと、こんな感じをお話を伺いながら私なりに考えておったところでございまして、こういう問題についてどうすることがいいのかよく研究をさしていただきたいと思います。
 同時にまた、人数の問題についていろいろ御指摘がございました。予備校に入るためにも試験を受けなければ、合格しなければ入れない予備校もございますし、笛や太鼓でさがし回らなければ集まらない予備校もあるわけでございます。おそらく、入るのには試験に合格しなきゃならないというような予備校はそれなりにりっぱな先生方を集めておられるのじゃないか、また集めるについてはそれなりに高額の給与も出しているんじゃないだろうか、こう思うわけでございまして、したがいまして予備校の授業料というんでしょうか、法外な場合にはこれは自粛を促さなきゃならぬと思うのでございますけれども、ある程度の差はあってしかるべきものじゃないんだろうかな、こんな感じも持ったわけでございまして、いずれにしても実態を正確に把握しておりませんと的確なお答えができないわけでございますので、十分私のほうでも事情を調べていきたいと思います。
○須原昭二君 実態をつかんでおられないから、まさに一方通行で、質疑にならないわけで、非常に遺憾です。
 そこで時間が来ておりますから、あと二点、実は問題点を指摘をして一そうの努力をしてもらいたいと思うのですが、国立学校の先生が予備校にアルバイトに行っているわけです。予備校の生徒の募集のパンフレットを見ると、麗々しく多くの国公立の大学の先生の名前が講師としてあげられているわけです。これは言うまでもなく国家公務員法百四条あるいは教育公務員特例法の二十一条、これでは制限規定がございますが、どういうことをやっているかということでいろいろ聞いてみましたら、昭和三十六年三月、文部省人事課長名で国立学校長あてに、職員の兼業の承認許可手続についての通牒を出している、そういう経過があります。
 一体、どのくらいの先生がアルバイトを行なっているんですか。これまた実態をつかんでいないんですか。仄聞をするとゼロだという話ですが、現実には麗々しく出ている。どれだけつかんでいますか、数字だけ。
○説明員(松浦泰次郎君) ただいま先生の御指摘のありましたとおり、私どものところで掌握しておりますのは、そちらの関係の兼業はゼロでございます。
○須原昭二君 おたくのほうの実態をつかんでいる数はゼロ、そしてわれわれがパンフレットを見るときには名前がどっと出ているというのはどういう現実なんですか。まさに職務の怠慢ですよ。
 昭和三十六年五月十九日付文部省大学学術局長名で、大学入学試験関係者は予備校などで講師になることについて自粛を求めるものを内容とした通達を出されておる。先ほども実は小谷委員から御指摘がありましたように、最近話題となった長崎医大の医学部では、そこの先生が受験生の家庭教師をしておって、実は入学試験や大学在学中の試験の内容が漏れたということが一番基本の問題点です。この通達が現実に出されたって、出しっばなしで何も掌握をしていないところに問題があるわけです。数年前、早稲田大学の政経学部のある有名な教授――もう名前を言わなくてもおわかりだと思いますが、これは予備校で教えておった、数学の入学試験の問題を漏らしたために同大学を追われております。こういう現実が実はたくさんあるわけです。ですから予備校へあまり集まらないというところはこういう先生が少ないんです。どっと集まるところはもう有名な大学の教授がみんな集まってきているんです。そういう点を無制限に放任しているから、入学試験というものはきちんと行なわれないわけです。
 このように予備校での大学の教官のアルバイトはやはり国公立あるいは私立を問わず大きな弊害に現実になっている。通達を出してもあまりきき目がないと思われているのか、ゼロという報告は現実にそぐわない、実態を掌握されていない数字です。少なくとも実態を的確に掌握するような通達を出して回答を求めて、これに対して適切な指導をして、やるならやる、やらないならやらない、きちんとさせるような措置を講ずべきだと思いますが、大臣、どうですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) いま人事課長が申し上げましたような形式的なことになっているわけでございますけれども、実態がかなり違っているという御指摘がございました。そうでありますならば、私どもでもさらに再度調査をする必要がある、かように考えております。
○須原昭二君 もちろん大学教授の給与の問題待遇の問題についてアルバイトせざるを得ないというような条件はあると思います。しかしながら、こういういやしくも公的に問題があるところには兼職をしない、これは当然なことだと思いますから、早急にひとつ措置をしていただくように要望しておきましょう。
 それからさらに、いま一つ、時間が来てしまったからもうこれで終わりますが、大学の入学者の水増し発表の現実を押えなきゃいけません。学生が集まってこられない予備校というもの、よく集まってテストをしなければ、これは制限をしなきゃならないという予備校、何かこちらがいいような感じがされておりますが、それは大学の教授の講師の問題あるいはいま一つは過大広告があるわけです。
 昭和四十七年の四月ですが、私の名古屋から公取に対して申請があって、公取が調査して、あまりにも実は事態がひどいということで、不当景品類及び不当表示防止法でいう不当表示ではないかということで、実は予備校を調査して厳重に注意を喚起した事件があります。たとえばうちの予備校の予備校生は東大何名、京大何名、名古屋大学何名、慶応何名と、実は堂々と数字が出ているわけです。この数字を私の近くのやつを見ましても、医科大学コースだと、どこどこの医科大学、どこどこの医科大学のどこどこへ何人、こう書いてある。よく調べてみますると、正規の大学受験科じゃなくて、一つの特別のコースヘちょっと入って籍があったものまで全部入れちゃって、あたかもおれんとこの、わが予備校で勉強したやつはこれほどたくさん入っているという、いわゆる過大広告をいたしておるわけです。
 これはまさしく公取が言わなくても実は同法による排除命令の処分は行なうべきだと思うんだけれども、そういうところまでは行なわぬにしても、まあ改善をするということで実はそのままにしてあるそうでございますが……
○委員長(前川旦君) 須原委員、だいぶ時間が超過しております。
○須原昭二君 はい、終わります。
 今日では、予備校の競争からこのような数字がさらにまた助長されている現況です。これは行政指導の中で、これを押えていく、こういう姿勢が当然私は文部省にあってしかるべきだと思います。その点についていかがですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 予備校も各種学校でありますから、府県当局ができる限り善導をしていかなければならないと思いますし、御指摘のような事実につきましては、府県の監督を文部省としても促すようにしなきゃならないと思います。数々予備校についての御指摘がございましたので、よく調べながら善処していきたいと思います。
○委員長(前川旦君) 時間が来ています、須原君。
○須原昭二君 もう一つ。ほんとうに実態を掌握されておらないから、実は御質問申し上げてもすれ違い答弁で全く遺憾です。ですから、こういうことのないように、特に政府当局において、文部省当局においては実態をつかむように最善の努力をひとつ払っていただいて、適切なやはり方途を講じていただくように強く要望しておきます。
○松岡克由君 参考人の方お見えになっておりますか、叶沢清介氏お見えになっておりますですか――とうもお忙しいところ御苦労さまてす。
 きょうは、図書館問題という比較的じみな問題についていろいろ伺います。
 その前に、私、つたない経験で感じるんですけれども、どうもこの委員会審議ということになりますと、政府、特に関係官庁、政府委員というのはややもすると答えが非常に流れてしまう、逃げてしまうんですね。私は何も痛いところを追及して、ざまあ見ろなんという発想でも何でもない、当然のことながら、意見を入れていただけて、いただけるものなら、そしてよくする。いただけないなら、どういうところにいただけない理由があるのかというのを聞くわけで、ざっくばらんな、いやな俗なことばで言うと、下から出りゃつけ上がりやがってというような、こういうような感じをこっちに思わせるというのはよろしくないし、私に対する言いのがれ、責任のがれというのは国民に対する責任のがれであると当然解釈しなければなりませんので、ひとつ前向きの姿勢でよろしくお願い申し上げておきます。
 私は事実確認のために伺いたいんですけれども、図書館法の設置基準、これに沿いましてわが国の図書館数はいまどのくらいになるのか、また公立の数、そして都道府県または市区町村ですか、または私立など内訳の数を簡潔にひとつ教えてください。
○参考人(叶沢清介君) いま数の問題でございますけれども、これは、一昨年、国際図書年の年にあたりまして、図書館白書を発行いたしました。そのときの編集長が浪江、私のところの常務理事で、事こまかに知悉しておりますので、代理していただいてよろしゅうございますか。
○松岡克由君 数だけ言ってくれればいいのです。
○委員長(前川旦君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
○委員長(前川旦君) 速記を起こしてください。
○説明員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。
 昭和四十六年度の指定統計の数字でございますが、公立図書館八百八十一館、私立の図書館が三十六館でございます。
 それで利用状況について申し上げますと、年間の館内閲覧者一図書館当たり三万九十三人でございます。さらにその内訳は、都道府県立の図書館が約一館当たり五万七千人、市立の図書館が一館当たり約三万六千人、町立の図書館は一館当たり約六千人、私立の図書館は約八千人でございます。
 さらに図書館は、図書館の中で本を読まれるというだけでなくて、図書を図書館の外にお持ち帰りいただくように貸し出しをやっておりますが、その貸し出しのほうでは一図書館当たり年間一万四千五百六十一人の方が貸し出しを受けていらっしゃる、このような数字になっております。
○松岡克由君 それは多いか少ないか、また後ほどにしまして、県庁所在地で市立、公立といってもいいかもしれません、市立図書館のないところがあると伺っておりますけれども、これはあるとすれば、どこですか。ないところはどこなんですか。それはすぐわかるでしょう。
○説明員(望月哲太郎君) いまちょっと手持ちの資料がございませんので、さっそく調べさしていただきます。
○松岡克由君 あるわけですね、けっこう。それくらいわかりますね。
○参考人(叶沢清介君) 北のほうから申し上げます。青森県・青森市――青森市は今度初めてできることになります。それから秋田県がありません。山形県がありません。それから福島県。それから栃木県ですね、宇都宮市です。それから福井県・福井市。それから長野市、これはあると言いましても非常に何といいますか分館みたいな小さなものでありまして、長野市ですね。それから津ですね。それから大津。
○松岡克由君 津も大津も……。
○参考人(叶沢清介君) 滋賀県ですね。京都がありません。それから鳥取。松江。愛媛の松山。それから長崎がありません。佐賀と大分、宮崎、こういうところと鹿児島がありません。
○松岡克由君 プロンプター、うまくやりなさいよ。役者じゃないからしようがないかもしれませんが。
 なぜこんなことを聞くかというと、たいへん多い、効果があるわけですね。有史以来の経済ブームに見舞われまして、たいへんにいま建物ラッシュで建築業がうけに入っている。ビルなどどんどん建っていますが、なぜか図書館が建ったという話はあまり聞かないのですね、これは非常に一般的なイメージでございますけれども。実際問題、図書館に行こうと思っても歩いていける人というのはたいへんに少ない。ほとんど電車へ乗る、バスへ乗る、そういう状態で行くということですね。
 ちょっと文部省に伺いたいのですけれども、数という点において現在どうですか、これでいいと思いますか。もし少ないと思うならば、その原因は何だとお考えになりますか。これは参考人の、ついでに、ついでと言っちゃ失礼ですが、図書館協会の両方から意見をひとつお伺いしておきます。
○説明員(望月哲太郎君) 図書館が国民の文化的な教養あるいは研究調査、その他のレクリエーション活動等につきまして、たいへん大きな役割りを果たす教育施設であることは私ども十分承知をしておりますので、まあできることならば、図書館もできるだけたくさんあるほうが、そして市民の方々に気やすく利用していただけるようになることが望ましいと、こう思っておりますので、私どもといたしましても、現在の図書館の数が満足すべき数であるとは考えておりませんので、年来、国といたしましても、図書館の建設に対しまして国庫補助金を計上いたしまして、できるだけ図書館の建設が円滑に進みますように、地方公共団体に対して援助を与えておる次第でございます。
 ただ図書館を建設いたしますには相当多額な経費も必要でございますし、その他いろいろな客観的な条件も必要でございますので、一挙にそう多数の図書館が毎年できていくということもなかなか現実には期待できない点もございます。したがいまして、私どもといたしましては、できるだけ国としても援助をしながら、関係各地方公共団体の御理解もいただきつつ、着実に図書館の数をふやしてまいりたいと、このように考えておる次第でございます。
○参考人(叶沢清介君) いろんな原因があると思いますけれども、ここでは国との関係のことだけ申し上げたいと思います。
 私も長い間地方の図書館長をやっておりまして感じますことは、やはり国が力を入れないことについては地方の都道府県もそれから市町村も全く力を入れないということは、これはもう一般的にいわれることで、このことを私自身もたいへん痛切に感じておりまして、やはり国、これだけに責任をおまかせするつもりはありませんけれども、国が十分力を入れてくださることを心からお願いしたいと思います。
○松岡克由君 いま言ったことばの中に、非常にことばでからむようですけれども、できることならば――できるんです、これは後ほど話しましょう。
 それから金がかかると言いますが、教育問題に、わりとこういう図書館なんというのに金をかけても、それほど非難は当たらないと思います。これは図書館公害というのはあまりありませんからね。新幹線公害、競馬公害ありますが、図書館公害というのは私は聞いたことがない。これはできるんです。
 それから政府がやってくれないと、地方がなかなか盛り上がらないということを言いましたが、確かにそうかもしれませんが、しかし地方には隠れた篤志家がたくさんいるんです、後ほど発表していきますけれども。やりたいけれども国がやってくれないと、しかし国がやってないから彼らがやっているという現状もあるんです。こういうすばらしい人たちがたくさんいるんですよ。こういうのに、ひとつ文部大臣、スポットを浴びせてやるぐらいの慈愛の目を持ってほしいと思います。
 それは後ほど聞くということにしまして、図書館数が少ない、したがって当然のことながら蔵書数が少ないと、こうなりますね。これはまあ人口の割りにたいへん少ない。
 数字をあげます。三千万冊なんですね、人口千人当たりが約三百冊。デンマークになりますと、これは調べたんですが、三千四百、ゼロが一つ多い、けたが違うんです。これは国民性、いろいろ国の事情、百歩譲ることにしましても、貸し出し冊数というのが非常に少ないんですね。これが年間約二千万なんです。ということは、三千万冊に対する延べ二千万ですから、利用率とすると一冊いかないんです、〇・七冊ということなんですね。アメリカでは三・三、オーストラリアが二・五、イギリスに至っては六・〇でございます。だからもうお話にならないくらい少ないわけです。
 しかし日本というのは世界有数の出版国。また地方都市へ行っても、私は日本ぐらい本屋のデラックスになっているところはないと思います。非常にそれは、まあ資本主義世界、そっちのほうの経済面という話は別にしましても、本屋が豪華になっているということはすごくうれしいし、私はいいと、すごくすなおに思えるんです。本屋がすばらしくなっているということ、本がたくさん出ている、そして文盲が全くいないというこの現状に、私は何か少ないというのは、現在あるものが上手に運用されていないということが一つ。それはやっぱり図書館法の趣旨が徹底していないということ、行政面に問題があると私はこう考えるんですが、このやりとりを聞いていて、大臣、御所感をひとつ。
○国務大臣(奥野誠亮君) 図書館の整備は非常に大切だと思いますし、また最近だんだんそういう方面への努力が実りつつあると思います。何といいましても、フローで見る限りにおいて日本の経済力は非常な発展をしているわけでございますけれども、ストックについて見る限りにおきましては先進国にかなり劣っている、そういう点が図書館などにあらわれているんじゃないかということだと思います。今後の努力すべき点だろうと、かように考えているわけでございます。
 国の助成もさることながら、地方団体が積極的にそういうものにも力を尽くしてくれる、それなりに地方財政の運営につきましても、地方債の問題あるいは地方交付税法上の基準財政需要額への図書館費の算入の問題そういうことにつきましても、文部省が自治省にお願いをして充実をはかるように進めてまいらなければならない、こう思います。
 ただ、現在、どうもテレビなどに多くの人たちの目が向いておりまして、本を読む習慣がまだ十分でない、そういう意味においては、国民のいまの欠陥として、考えない人間が多く出てきているんじゃないだろうかと、こんなこともいわれているわけでございまして、たいへん重要な御指摘点でございますので、よく私たちそれを踏まえて努力をしていきたいと思います。
○松岡克由君 確かに現実としてはテレビに目を向けられている、しかしもう都会ではテレビは飽きられてきています。現に私ども自分のテレビすら見ないぐらい見ませんですね。そしてテレビを見ないことがもう流行になりつつあるのです。あれば水みたいなもので、ただ映しているというだけ、そういう現実。ましてそれは都会に非常に著しい傾向になってきております。これはテレビ関係者として私は言えることばですので。だからかりにこれがなくても、テレビを見るのが多いから、つい本のほうにこれがいかないというのは、テレビ文化というものが全くあの低レベルで定着している現在、私は本に救いを求めるしか手がないのではないかとすら極言をしたいくらいの状態ですので、どうぞひとつ図書館の充実、本のほうに対する関心、いまのことばをひとつよろしくお願い申し上げます。
 まあ国民性にも問題がありまして、外国ではどちらかというと、公共のものであるというのですか、本をみんなで読むということですね。日本では、何か自分のうちに飾っておくとか、自分だけの非常に私的要素が強い、向こうでは非常に公共的な性格が強いわけですね。それにしても、私、年間の一人当たりの利用率が〇・七、貸し出し冊数が〇・二というのは、イギリスの九冊に比べてやっぱりお粗末過ぎる。利用者に対するサービスという点にもやっぱり――現状です、これから先でなくて、現状のサービスにも欠けている問題があるんじゃないか。
 たとえば現在――図書館の方お見えになっていますか。先ほどお会いしましたが、目的の参考資料がどこにあるかという、全国のどの図書館にあるかというのが、書誌部というのですか、電話をすると教えてくれるらしいですね。これ一般にあまり知られてないです、こういう便利な方法があるということ。私この問題を取り上げるについて初めて知ったぐらいなんですが、こういうことを含めて、サービスというのを徹底していないのではないか、どうでしょうか。
○国立国会図書館参事(酒井悌君) ただいまの御質問に対してお答えいたします。
 国立国会図書館はわが国の唯一の国立の図書館でございますので、したがいまして公共図書館のみならず大学図書館、専門図書館、すべての図書館に対しまして図書館業務をお助けするという意味でいろいろやっておるわけでございまして、その一つに、いま先生の御指摘になりました参考調査の業務もあるわけでございまして、これは年間十二万件以上実際やっておるわけでございますけれども、これは個人からの依頼もございますけれども、おもに大学図書館、公共図書館その他のもろもろの図書館から依頼がございまして、文献の所蔵調査、それから国会図書館にありますところの資料の複写だとか貸し出しだとか、そのようななにをいろいろやっておるわけでございまして、御指摘にございましたように、このように国立の中央図書館としてやっておりますところの業務につきまして、まだ一般に徹底していないという御指摘でございますけれども、この点につきましては、私たちも常に関心を持ちまして、機会あるたびごとにこのPRにはつとめております。
 たとえば公共図書館との間につきましては、公共図書館長との定期的な会合を持ちまして、PRにつとめておる次第でございます。
○松岡克由君 それはそうでしょう。やっているでしょう。やらなければしょうがないしね。問題は、効果がどれだけあがっているかということであるからね、効果があがっているでしょうと言うても、私が調べていま知ったようなのは、それは、あなたが勉強不十分だと、こうは言えないでしょう、私も一般市民として。ということは、大学だ、専門だということもさることながら、私は、個人的にももちろん利用したい方が当然いる、そういうものも対象に当然考えなければならない、むしろそういうものを主体として考えなければいけないというこの現状において、私どもはやっておりますと、これだけのことをやっておりますと言う。やっていればいいのか。やっぱり私は、やらなくても効果があがるほうがいいんですよ。やっているほど効果があがらないより、やらなくても効果があがっているほうがいいの、そういう面において私は言っているのでね。また次の機会、また文部関係のときにももう一ぺん質問しますが、そのときは、あなたの言ったとおり、ごらんなさい、あなたの質問よりもこっちのほうがうまくいっているでしょうと、どうだと、胸を張って答えられるような状態にひとつしておいてほしいと思いますが、よろしゅうございますね。
○国立国会図書館参事(酒井悌君) はい。
○松岡克由君 ですから、私、いま言うとおり、PRの方法の一つとして、書調部とかなんとか、こういうことばをいただいたのですが……。
○国立国会図書館参事(酒井悌君) おもにその方面につきましてお世話を申し上げているのは参考書誌部と申します。
○松岡克由君 参考書誌部ね。いずれにしても、たいへんにかたい名前でね、何か、往年の火つけ盗賊あらため――それほどでもないでしょうけれども、私は、どうしてやさしいことばを使わないのか。もっとむずかしいことばを使うべきところを変にやさしくしてみたり、やさしくしなければいけないところをむずかしく使ってみたり。早い話が、別に、そうですね、何といいましょうか、ごく簡単なことばでいいんじゃないですか、図書相談センターでもいいし、コーナーでもいいし、資料相談電話室でもいいじゃないかと思いますよ。そういうところから意外になごやかになるということがあるんです。あるからこそ、ことばだけでもって職業が成り立っている人もいるくらいなんでございますからね。いずれにしても、あまり国会図書館がサービスがよくないといううわさがあるということば頭に入れておいてほしいと思います。
 さて、それはともかくとして、いま図書の相談は国会図書館でなくても、どうぞひとつ全国の図書館にも――銀行だってそうですね、電話一本で、オンラインシステムといいますか、汽車の、やれ電車の注文だ、それから飛行機の予約だということができている。私は、そういった統一された一つの機関なりセンターがあったら利用者もたいへん便利だし、私、サービスということ、とにかく、親切にまさるサービスは私はないと思います。一度親切にしてやると、これは、親切にするほうもうれしいんですよ。されるより親切するほうがうれしいんですよ。どうぞひとつ、親切だけが人を説得するというだれやらのことばがありますが、サービスと、それからそのサービスが行き届くようなPRの方法をやってほしいと、こう思っております。どうぞひとつ、こういうサービスがまだまだ徹底してないという事実、文部大臣のほうからも一言くぎをさしておいてくれませんか。いかがでしょうか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 図書館をつくることが目的ではなしに、図書館を多くの人たちに活用してもらうということが目的でございますから、活用されるようにあらゆる手だてを講じていかなければならないと思います。それがおっしゃっているサービスの問題であろうと、こう存じております。
○松岡克由君 そのために、なろうことならば電話でもってそういったものができるとか、または一般に知らせるということが行き届くようなサービスを当然すると、こう解釈してよろしゅうございますね。これからどんどんしていくと、文部省もそういう方針でいくと、そう解釈してよろしゅうございますか。
○国務大臣(奥野誠亮君) それぞれの図書館、そういうことが可能なように努力していくべきものだろうと思います。
○松岡克由君 その可能なように努力ということは、その可能というのはそんなにむずかしい問題ではないと思うでしょう、どうですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 人手の問題とか、予算の問題とか、いろいろあるわけでございますので、必ずそうしなければならないのだというふうに言い切るについては、自治体にいろいろな問題がございますので、私たちば努力を期待していくという表現にさしていただきたいと思います。
○松岡克由君 それを逃げの答弁でなく、いいほうの答弁だと解釈させていただきます。ひとつ、検討するだけではなく、実現するように、実現す.る段階におけるいろいろの問題もあるけれども、実現するそのこと自体は悪いことでも何でもないことだと私は思いますし、たいへんいいことだと思いますので、どうぞその線に沿ってほしいと思います。
 先ほども言ったのですけれども、公立図書館整備費の助成金ですか、四十九年度が六億円となっているのですが、たいへん少ないように思うのです。それから助成金の申請状態、これはどうなっておりますか。たとえば四十九年度の文部省所管予算が一兆七千七百四十一億、社会教育助成費が百十億、全体の割合が〇・六二%、この中から図書館の整備費が六億円が出るわけでございますけれども、たいへん少ないと思うのですが。どうですか、すなおに、文部大臣または文部省でもけっこうです、文部省または参考人の意見を聞きたいですな。
○説明員(望月哲太郎君) 公立図書館に対します建築費の補助金につきましては、昭和四十八度は二十館分四億六千百万余りを補助いたしましたが、四十九年度は御指摘のように六億に増額をいたしました。図書館の建築も、その年々によりまして、やはり地方公共団体にもいろいろな御計画もございますので、ある年は多く、ある年は少ないということで、いろいろ出入りもございますようでございますが、本年は比較的御希望が多いように承知をしておりますので、来年度につきましてはこれを九億に増額するように予算要求をいたしておるところでございます。
○参考人(叶沢清介君) 先ほどちょっと、国の施策がどうも乏しいというようなことを申し上げましたけれども、いまの九億円になりましても、実はたいへん少ないものでございまして、これは補助率が低いということも大きな原因だと思います。ぜひその補助率を多くしていただきたいこと。そうして、いまの施設の問題は、施設をつくるというのはごくわずかなところでございまして、やっぱり全国の図書館に対して、できるだけ多く補助していただきたい。こういう意味合いにおきましては、図書館の一番大事なものは資料でございます。資料に対する補助がないということが、やはりその図書館を振興させるにはたいへん足りないものがある、こういうことを感じまして、ぜひこのことについて御関心と御推進をお願いいたしたいと思います。
○松岡克由君 質問の趣旨がたいへんに軌道に乗ってきて私自分でもうれしいと思います。どうぞ意見の対立大いにけっこうでございます。そうして、いいほうに持っていくようにひとつ話し合って、または相談し合って、よろしく進歩のほどを期待しております。
 私は思うに、図書館は、数は少ないが、もちろん建っておりますね、いま数字を二十館どうのこうのと言っておりましたけれども。建物自体はわりとりっぱになっているんです。たいへんりっぱになっています。冷暖房つきデラックス。それがはたして利用者との直接結びつけになっているのか。つまり、場所なども、駅から遠くてなかなか利用しにくいという状況があるんですね。駅に近いところというのは、なかなか、丸井じゃあるまいし、そう簡単に建てられないしね。地価が高いということもあるんですけれども、それだけではなく、何か発想に、私は。いまの国立劇場の発想がそうなんですよ。ほんとうは、ああいう劇場というものは人が集まる、われわれの世界の寄席というのがそうで、あれは寄せ場という意味からでき上がったので、人が来る、そこには食料品店もできる、色気の稼業も生まれる、そこにそういった娯楽室ができると同じように、私は一つ山の中に建てておいて、ここにあるからさあ来いよと、昔でいう職人かたぎみたいに、ほしいやつは来いというのではなくて、こっちから出向いて行く感じ、人のいるところにやっぱり持っていく。私はどんどんいっていいと思うんです。銀行だって、あんなところになんかなくたっていいんです、銀行なんていうのは、ぼくに言わせれば、質屋と同じで、路地の奥にいればいいんです、あんなものは。三時になればしまっちゃうし、町の繁盛ということにもマイナスになるし、私は、これは余談でございますけれども、どうぞひとつそういったことも私は考えてしかるべきではないかと。やはり市民生活に密着するという立場から、繁華街にあっても私は差しさわりがないのじゃないかと。
 これも余談ですが、紀伊國屋の田辺茂一という社長がおります。この茂一氏に私一度、田辺氏のつくった大きな本屋−紀伊國屋といいますが、その本屋へ大阪で行ったのです。そうしたらまるでプロムナードみたいになっているんですね。田辺先生、これじゃ立ち読みしていくでしょう、または万引しちゃうんじゃないですかと言ったときの社長の答えがいいんですね。ユーモアもあったんでしょうが、方法はともあれ、ぼくは読んでくれれば満足だと言うんですね。これは大社長の会話かもしれないが、ぼくはすごくいきなせりふを彼吐いたと思うんですけれどもね。そういったような余談をはさみながら、もっともっと身近かのほうにこっちから入っていく方法はないのか。あるのではないか。またあるような方法に持っていくような態度はどういうふうにいっているのか聞かしてください。
○説明員(望月哲太郎君) 図書館の利用の態様につきましても、ちょっと先ほども申し上げましたけれども、従来は図書館に来ていただいて、そこで本を読んでいただくというような考え方が中心でございましたけれども、今後の図書館のサービスのあり方といたしましては、単にそれだけにとどまらず、本を貸し出してお宅へ持って帰って読んでいただく。さらに先ほどちょっとお話もございましたけれども、いろんな御照会に対しまして、資料に基づいてお答えをし、御参考に供するというような、いわゆるレファレンスサービスをするというようなこと等、そういう方向にもっと力を入れていかなければならないんではないか、そういう考え方が非常に有力になってきておりまして、それぞれの図書館でも可能なところからいろいろとそういうサービス面の改善にいま力を注がれておるところでございまして、文部省といたしましても今後そういうサービス活動がもっともっと強力に進められるようにいろいろと御相談もし、御指導もしてまいりたいと思っております。同時に自動車文庫というようなものも盛んに最近は利用されるようになりまして、車へ図書を積んで方々回ってお貸しして、またある時期に回収して歩く、そういうふうな活動もだんだん活発になってまいりましたので、四十九年度の予算におきましてとりあえずそういう自動車に対する補助金を、従来分でございますが、九百六十万新たに計上することにいたしました。これもたいへん評判がよろしいので来年は三倍ぐらいにとりあえずしたい、こう思っておるところでございます。
 それから先生も御承知でございますけれども、各地域に公民館というような名前でいろんな社会教育施設がございますが、そこにも図書室というものが一般に置かれておるわけでございます。ただそれもなお今後整備をいたしまして、大いに皆さま方に利用していただくためにはなおなおくふうをしなければならないと思いますけれども、そういう施設の、設備の整備というものにつきましても、私ども今後きめこまかく意を用いていくよう皆さま方と御相談もし、御協力もしていきたい、このように考えております。
○松岡克由君 繁華街の話は……。
○説明員(望月哲太郎君) 公民館はその地域にもよりますですけれども、都市部においては繁華街に若干ございますけれども、小さな地域におきましては公民館というものがかなり大ぜいの方に御利用いただけるような状態にはなっておるわけでございます。
○参考人(叶沢清介君) 実は図書館界も非常に反省をしながら目下図書館活動に邁進しております。その反省の中から生まれましたのは、東京都下の市立の図書館がたくさんできまして、ここでは一年間に、先ほど松岡先生の御意見もありましたけれども、一年間で一千万冊の図書の貸し出しを行なうということになってまいりましたし、町田の市立図書館では一日で一万一千冊の貸し出しが行なわれている、そういう状況も生まれてまいりました。
 同時にもう一つ御意見がありました参考質問というような、そういう、ことばはちょっとかたいんですけれども、つまり、住民がものを調査したい、きわめたいというときにはまず図書館を思い出してほしいということで、図書館へ申し越していただければどんな御質問にも応じる、そのためには県内はもちろん、国との関係で、国会図書館との関係もあわせまして、どんな御質問にも必ず応ずる、そういうやり方をやっております。
 それからもつ一つ、やっぱり全国民に図書館がサービスをしなければいけないという反省を私どもは常々やっております。そういう中で、実は私は長野県で長い間PTA母親文庫というものをやりまして、そして月に四人で一冊の本を読み回しをする、昔の回覧雑誌ですね、あのやり方をやりまして、長野県で十三万人以上の母親が毎月一冊の読書運動をやるようなことになりまして――現在ちょっと減っておりますけれども、そういうことを踏んまえまして、実は昭和四十年に国民的規模の読書運動ということで、文部省にもお願いしたりしまして、国の補助というようなものをお願いをしたりしたんですが、これは実現に至りませんでした。しかし、これはたいへん大事なことで、長野県では実ばお母さん方に本を読んでいただきますと、それが即学校教育に大きな影響を与えまして、つまり長野県では、うちの母ちゃんが勉強を始めた、だからおれも勉強が好きになったと、そういう声がどんどん起こりまして、つまり家庭の中では、先ほどテレビの話をおっしゃいましたけれども、父親、母親はテレビを見ている、子供だけ勉強机に追いやるというような傾向が最近多くなっておりますので、そういう点では母親に一日のうち一時間でも三十分でもいいから本を読む姿をあらわしてほしいと、それがPTA母親文庫でありまして、それをもとにしまして実は国民的規模の読書運動というもの――これは原案もありますので、また御関心のある方には差し上げますので、そういうことで図書館としてはたいへんいま反省をしながら邁進しております。
○松岡克由君 いま言いたいことは、私は、もっともっと繁華街にやってもいいじゃないかという発想があるのかないのかということを聞きだい。
 それから委員長、国立図書館のほうはもう答弁は必要ございませんが、どうしましょう。もしやりとりを、あと三十分ですが、聞いていただくならけっこうでございますし、どうしますか。
○委員長(前川旦君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
○委員長(前川旦君) 速記を起こしてください。
○松岡克由君 それからまた、いま一般の人たちの利用する問題と、それから受験生の問題というのはなかなか深刻らしいですね。つまり、自習室じゃないんだという問題と、それからやっぱり勉強は勉強じゃないかという、いろいろある。よしあしは別として、受験生のために図書館が占領されている、一般が締め出されているという事実はあるわけでございますね。そうしてまたこの利用の傾向を調べてみますと、御承知だと思うんですが、一般の人たちというのはそんなに専門書じゃないんですね。そうですな、せいぜいまあ過去四年ぐらい。ざっくばらんに言うと、テレビで「勝海舟」があれだとすると、あれは子母澤寛さんですか、「勝海舟」へぼうっといくと。それから小松左京の「日本沈没」があれなれば、それにばっといくようなもんで、せいぜい参考書でも十年ごろまでなんですね、さかのぼっても。それ以前というのはあまりないということですね。ということは、私は、たいへん運営の方法に何か欠陥があるのではないかということが一つですね。だから、要するに、とりすましたところにどんと置いてあるよりも、やっぱりいま言うとおり、盛んに車のほうのサービスも考えてまた実施に移しているということを聞きましたけれども、もっともっと私は簡単に、やれ、手軽に新聞、雑誌、何でもいいじゃないですか、新刊書を持ってどんどんどんどん駅前だか人の集まるところへ私は出て行ってほしい。借りるほうにおいてはそれが一番便利だということなんですね。ひとつこのことを頭に入れてほしいと思います。
 それから図書館の開館日の時間ですね、勤労市民用になっていないというところもあるんですね、この辺どうでしょう。
○説明員(望月哲太郎君) ちょっと資料に基づきまして開館時間、開館日等について御説明申し上げますと、夜間開館しておりますところが総数で全体の二八・四%でございます。それから日躍日開館しておりますところが五七・九%と、そういうふうな状況になっております。
○松岡克由君 この質問をしたのは、たまたま私が行ったところが日躍が休館というので、きっとたくさんあるんではないかということを感じましたので……。五七%というと半分以上やっている。しかし、半分以上やっているからと言って、そこの、私が行ったところがやってないと、これは半分やっているからいいだろうということにもならぬのです。これは私でなくて、一般の人ともちろん言いかえていいんですが、そういう場合ですね、貸し出しもできるぐらいの業務でしたら、私はできるんではないかと思うんですね。だから、そういうところはどうでしょう、一言でいいですけどね。
○説明員(望月哲太郎君) サービス面の点におきましてはできるだけ日躍日にも開館し、夜間にも開館していることが望ましいと思いますけれども、現実にはいろいろ人間の定数の問題その他で、やはりなかなかそう考えておられてもできない向きもあるんではないかと思うわけでございまして、今後できるだけそういう面におきまして人員その他の面におきましても、それぞれの図書館で充実されますよう、私どもも関係者の方々の御理解をいただきながら、できるだけそういうサービス面がより充実されていくように努力をしてまいりたいと、このように思います。
○松岡克由君 そういう抽象的な答えはさることながら、日野市の図書館ですが、これはたいへんうまくいっているんです。大臣、御承知でございますか、日野市の図書館でうまくいっていることを。これは、どういうやり方をしたかというと、いま言うとおり、移動だとか、分館みたいなものを、たしかこの館長さんが、記憶が間違ってないなら、前川恒雄氏というんですけれども、こっちから出向いて行ってどんどんサービスしているうちに一つの本店をこしらえたという形式なんですね。この一人当たりの年間利用冊数が七冊、イギリスの九冊に次ぐ成果をあげているんです。これは一地域の成果と考えるんではなく、私は、これがやっぱり一番理想的なやり方ではないかと、こういう意味のPR、私的なことで申しわけない、私事なんですが、私と父親が埼玉県の浦和の土合という公民館につとめております、小さな公民館です。これは自分で言うと変ですが、たいへんな仏さまみたいないい人で、近所の公民館を、全く不備な状態の公民館を盛り立てて、近所から信頼を得て、ほんとうに善意の人たちが集まってやっているんです。あれを見ると、何かすごく生きているということもまんざら捨てたもんじゃないなと思えるくらい、素朴なものに、私、胸を打たれるんですが、それは、まあ何も親だからということじゃなくて、一個人として、人間として。そういうもので、私はささえていくということは、地方の、ほかにも幾らもあると思います。おそらくいま話のすみずみに、こちらの叶沢理事長ですか、叶沢さんの生活してたこともおそらくそういうことじゃないかと思うんです。非常に、そういう篤志家、善意な者にささえられてきている。これがあるからもっているんで、逆に言うと、これがないとほんとうにもたない。ところが、こういったものがだんだん期待できなくなってくるきょうこのごろ、どうぞ、ひとつPR面または予算面、それから図書館の整備費を充実させるために、大臣、ひとつ努力をこの際約束してやってください。
○国務大臣(奥野誠亮君) 図書館ないしこれに相当するものの施設を整備していく、同時にその運営につきましては、りっぱに行なわれているところをできるだけ多くの方々に周知して理解させ、いろいろな方向に向けていく、そういう面について一そうの努力を尽くしていきたいと思います。
○松岡克由君 ありがとうございます。
 ほかに、何か、この際言いたいことがありましたら、どうぞ、参考人。ありますか、手短に言いたいことがあったらばばばばっといいですよ。
○参考人(叶沢清介君) 日曜開館の問題ですけれども、これはなかなかむずかしい問題ありますけれども、そのむずかしい問題を踏みこえながら、東京では七割が日曜開館やっております。それからこれは先ほどおっしゃった日野市の図書館活動というものが大きく影響しております。で、これは、つまり、やはりみずから盛り上がる力でいままでやっていったことなんで、この点ではこれからの図書館はさらに庶民的な、国民的なものになってくるだろうと私どもは確信しております。これから開かれる図書館は、ほとんどみんな日曜開館に踏み切ることと確信しております。
○松岡克由君 さて、次に現行の図書館法の問題なんですけれども、この第一条、第二条、たいへんいかめしいことをうたっている。法律というのはいかめしいのは条件みたいな不文律があるんですけれども、利用者サービスという側面が何かこの法に欠けているような気がするんです。しかし、現行の図書館法がそれでいいならいいとしても、どうでしょう、簡易図書館法みたいなものをおつくりになると、大臣、そうするともっともっと可能になるんです。広く広く、こう浸透していくことが可能になってくるんです。ほんとうに浸透していくやり方というのは、共産党の選挙活動じゃないですけれども、ああいうのが一番効果があるんですよ、見習わなくちゃいけないですよ、図書館のほうにおいても。私は小学校、中学校、または学校の校舎の一部でもいい、場合によっちゃ団地でもいいじゃないですか、そういうところに簡易図書館法みたいなものをつくってくれますと、いまそういうことが不可能なわけです、人口何人とか、面積のところに建てるという条件になっていますから、ざっくばらん、わかりやすくいうと。そのサービス業務というものに対する人間の数が足らないと、もしそういった懸念があるならば、私は小学校の場合は生徒にやらしてもいい、本に携わるなんということ、働くということを覚えるということはたいへんにいいこと、しょせん、人間というのは働くことを覚えるために勉強していくんですから……。また、アメリカなんかを聞きますと、奥さん連中がその地域の図書館の奉仕員となっていろいろやっていると。少なくも私はテレビを見て、何とかショーなんということで、うしろでもってがあがあ政治家なんかに噛みついたり、ヒステリックに何か言っていることよりもよっぽど私はいいんじヵないかと、これはまあよけいなことかもしれませんが。どうでしなうね、私はこういう提案ですね、利用者の要求にマッチした簡易図書館法みたいなものをつくって、より多くの場所に、数多くの場所に、数多くの図書館に近いものができるということにつながる法案というのを。どうでしょうね。
○説明員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。
 いま御指摘の図書館法でございますが、図書館法の三条に「(図書館奉仕)」という項目がございまして、その中に「分館、閲覧所、配本所等を設置し、及び自動車文庫、貸出文庫の巡回を行うこと。」という項目がございまして、いま御指摘のような事柄につきまして、こういうようなサービスをそれぞれの図書館でいろいろとくふうされることによって、ある程度の趣旨は達成される点もあろうかと思いますので、私ども、今後ともこういう事柄につきまして十分関係者の御協力をいただきながら、やはりこういう活動をもっと促進をしてまいりたいと、このように考えております。
○松岡克由君 まあまあけっこうです。私の質問の、大きくいいますと問題点は二つ。
 一つは、いま言う簡易図書館法のようなものを大臣をひとつ先頭に考えていただいて、それは参考人の方々もいい意見だと思うでしょう、ね。参考人もこうやって、別にこれはなあなあじゃございませんからね、いいと言っている、こういったものをひとつ聞いてほしいと。
 それからもう一つは、全国的な図書の相談センター、それの設置、充実ということ、この二点をお願いして、参考人の方々、これでけっこうでございます。
○委員長(前川旦君) 参考人の皆さん、御苦労さんでした。お引き取りいただいてけっこうです。
○松岡克由君 それでちょっとその間まだ時間が、私の持ち時間ございますんで……。
 図書館ということばでまっ先に浮かぶものは何だと、国民にアンケートしたんですね、取ったんですね。これがたいへん文部省筋にとってはおもしろくないかとしれませんが、一番が入口前の行列、満員の閲覧室。第二に、学生や受験生の勉強部屋、以下ひまな人や本好きの人の書斎、閑静なところにあるおっとりとした建物、気楽に入れないかた苦しさ、薄よごれた魅力のない本。七番目が、カードめくりや本を借りる手続のめんどうくささ。そして八番目に、本が一ぱいの薄暗い書庫と、こうなっているんですね。それから参考に、いまだに図書館に行くと入場料を取られると思っている人もいるわけなんですね。こういうあまりうれしくないことがある。一つぐらいいいのが二位か三位に食い込んでいるかと思うと、食い込んでおらぬのですね。これを聞いていましてどうですか、局長、大臣どちらでもかまいません、こういうことがあるということをごく素朴でいいですよ、私的な意見でもかまいませんですよ、聞かしてくれませんか。
○説明員(望月哲太郎君) いま、たいへんかた苦しい印象の意見が多いということでございましたが、私どもといたしましては、図書館の利用というものを大いに促進したいという気持ちでございますので、そういうふうな印象が一般に持たれているとすれば、できるだけそれを払拭しなくちゃいけないと、このように考えておる次第でございます。これもただ口で言うだけでなくて、やはりいろいろな図書館サービスの充実でもって解決していかなければいけない、そういうようなことでございまして、私どもといたしましては、本を借りるについてもいままではたいへん手続がめんどうくさいというようなこともございますので、できるだけこのごろは開架式といいまして、気楽に本を持ってこれるような、そういう開架式の書庫を設けるように、いろいろと関係の方々に御努力をいただいたり、あるいは先ほど来申し上げましたような自動車文庫とか、そういうようなものを考えるとか、いろいろ具体的な努力の積み重ねによって、いまおっしゃったような印象があるならば、それをできるだけ早い時期に払拭していくように努力をしてまいりたいと考えます。
○松岡克由君 まあ職業上つい余談が入りますが、一口にいえば美人を置いておくだけでイメージが変わる場合もあるんですよ、世の中というものは。だから、こういう発言は不当かもしれませんけれども、そういう発想、そしてそういったものはいかぬと根本的に解決するならば、いま言うとおりPR面におけるもろもろの私の言った意見を参考にしてほしいと、こう思っております。
 さて、あと十五分ばかりありますので、今度大臣とちょっと話をしたいのです。ことしの参議院の選挙におきまして総理はじめ文部大臣、教育問題にたいへんに、異常と言ってもいいくらい熱意を燃やしていた。教師聖職論はじめいろいろな議論が戦わされて、教育のあるべき姿を非常に追求したことは私記憶に新しいところであります。それ自体たいへんけっこうなことです。ところが、選挙が終わりましたら火が消えたように発言も問題提起もない。していらっしゃるのかもしれませんけれども、そういったものは表面的に出てこなかった。そうすると、げすの勘ぐりかやじ馬根性か知りませんが、あの教育論争は選挙用のPRだったのではないか、そう思いますが、これはそう思われてもしかたがないのではないかというこの現状。私は教育は国家百年の計ですから、いたずらに政争の具にすべきものではない。これは大臣もよく承知していらっしゃると思いますが、こういう私の見方をやじ馬根性ときめつけられますか。こういう事実、この現状、ひとつ回答を願います。
○国務大臣(奥野誠亮君) お話のように選挙前に教育論争がマスコミをにぎわしておったこと、私もそう思います。選挙前ですから、与野党の考え方の食い違い、これがマスコミの主たる題材になっていたということじゃないかと思います。したがいまして、選挙が終わりますとそういう取り扱い方が変わってくる。だから逆に教育についての努力が消えていったのじゃないかという誤解を与えているのじゃないか、こう私思うわけでございまして、やはり選挙というものをはさんで選挙前と選挙後とマスコミの取り上げる題材が変わってくるのは私はあたりまえのことじゃないだろうかと思っております。しかし、教育につきましては大事なことでございますので、われわれは決して努力をないがしろにしているわけじゃございませんで、選挙前以上に今日も一生懸命いろいろな問題について努力を続けているつもりでございます。
○松岡克由君 私個人はずいぶん誤解をされて生きてきた人間ですから、何か理解なんというものは不可能なものだと、自分が理解していないのに他人がどう理解するのだと自分に言いつけて育ってきた人間です。もうなれていましたけれども、中傷、誤解は。しかし、やっぱり一国の大臣であり一つの報道機関がそうやったからそうなったのだと、はたしてそれで済むのか。私は済まないと思う。状態が変わってきたのだということもやっぱりある意味においてそうおっしゃるならば、知らせる当然これは義務と言ってもいいぐらいの責任があるのではないかと思いますので、どうぞひとつこの私の意見を、ただ状態が変わったからそうなったのだと、そう言って国民が納得するか、大臣がそう言っていましたよと、ぼくがテレビでそう言ったからといって納得しないと思います。納得するように私は努力をしてほしいと、こう思っています。
 それから、私この二月やはりこの決算委員会で学校教育、大学教育におけるいろいろな問題を取り上げて、その中に大学問題のいろいろな問題をもう治安問題で処理しすぎたのではないかという質問をしたことを私は覚えている。忘れてもけっこうです。私はそういう質問をしたのですね、治安問題だけでもって取り扱っているのではないかと。ところが、私最近の学生運動を見ていますと、これは新聞関係の報道からも私いろいろ知るのですけれども、学生運動――もう運動イコール内ゲバだと。その内ゲバも、なぐられたのじゃないのですね。なぐり合いから殺し合いに発展しているのですね。その当事者だけでなくて周囲にいる者までとばっちりを食っている、関係のない者が。関係があれば別だ、関係のない者が。あってもよくないのですが、殺し合いは。それも向こうに言わせると、そばにいるのだから、周囲にいたから殺されるのが当然だみたいになっている。私はもう教育問題では片がつかないのではないかと思う。いいことではないです、望むことではないです。教育問題で片をつけるべきである、治安問題で介入したらいけないのじゃないかと言ってきたこのぼくの意見が、もうここまで行きつくとしょうがないのではないかという思いもするのですが、大臣の見解いかがでしょう。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私はやはり両方に問題がある、こう思っているわけでございまして、教育問題としても、教育界全体が正常な教育が行なわれますように全力を尽くしていかなければならない、そういう点についてばまだまだお互いに努力しなければならない点があると思います。
 同時にまた、大学などにおきましては内部で刑事事件に類するものが行なわれておりましても、大学の自治を守るためには警察のごやっかいになってはいけないんだ、こういうような間違った考え方が今日なお相当残っているようでございます。やはり、大学は学問の自由を守る、これはもう基本でございます。そのために大学の自治を認めておるわけでございますから、大学の中で刑事事件に相応するような問題が起こった場合には、それは当然警察当局にゆだねるべきだ、そういうことがどんどん警察の処理にゆだねられるような体制をつくっていく、そのことも私非常に大切なことではないかとこう思っておるわけでありまして、両面から努力をしていくべきだと、かように考えておるわけであります。
○松岡克由君 たとえば過日というか、きのう――いまも渦中の話ですけれども、オランダの赤軍ゲリラを見ても、まあ私、日本の教育ですね、教育に何か重大な欠陥があったのではないかと。世の中が悪いなんというのはほんとうに甘ったれた論理で、ふざけるなと言いたくなるくらい。こういうことを含めて非常に抽象的な質問でありますけれども、私は教育の根本点というのをもう一ぺん考え直さないとえらい目にあうんじゃないかという気がします。
 最後に、急いでいるので総務長官ですか、意見を一つだけ言わしていただいてやめますが、八月の日教組の大会で、日教組はスト権の奪還あるいはスト戦術などを闘争目標、または闘争手段にきめましたですね。日教組というのは御承知のとおり、小中学校の義務教育に携わる先生の組織団体ですね。まあ高校も入っていますでしょうが。わが国の憲法第二十六条では、国民の義務教育についてきめているわけですが、義務教育というのは言うまでもなく、要するに好むと好まざるとにかかわらずそうしなければいけない、義務ですから、権利じゃありませんから、おとなが税金を払わなければいけないように、子供はやっぱり学校に行かなければいかぬ、授業を受けなければいかぬ。したがって、先生もやっぱり教育をする義務があるのは当然でございます。私は日教組はスト権奪還とか、たとえば授業放棄、鬪争の戦術、または闘争の権利、これに規定していますが、私は義務の放棄だと思います、はっきり言って。なぜならば教育の義務を一方的に破棄しているわけですから、どうなんですか。とすると、やっぱり教師のストというのは憲法の違反行為にならないか、この一点だけ最後に聞きたいのです。大臣どうですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 先生方の組合にはいろいろな組合があるわけでございますけれども、その中での日教組たいへん間違った方向に進んでいると心配をしているわけでございます。組合員のすべてがそうだとは少しも思っておりませんけれども、御指摘の立川の日教組の大会、そこで示されました資料等を見ていきますと、これが先生方の集団の議題だろうかとたいへん疑問に思います。まるで政治集団じゃないだろうかというふうに考えざるを得ないわけでございます。先生方が組合をおつくりになる、これは勤務条件の維持の改善をはかることを目的とすると示されておるわけでございます。そういうことをそっちのけで、私は政治闘争に執念を向けられているのではなかろうかという疑問を持たざるを得ないわけでございます。書かれているところを見ますと、憲法を守る、教育基本法を守るとおっしゃっているのですけれども、まっこうから憲法、教育基本法に挑戦しているのではないかという感じさえ私は抱かざるを得ませんでした。
 憲法を守るということは、憲法及びこれに基づく法律を守る、憲法体制を守るということでございまして、ストライキの問題は地方公務員で明確に禁止されていることでございます。その禁止されていることをやるんだ。私は先生方というものは児童生徒のために存在しているのだと思います。児童生徒は教育を受ける権利を有しているわけであります。にもかかわらず、児童生徒の教育を放棄して、そして政治活動あるいはストライキについていくということでございますから、おっしゃっているように責任を放棄している、そういう表現も当然出ていいとこう考えておるわけでございます。ぜひ日教組の指導に当たっておられる方々に自覚を求め、そしていままでからの方向転換をぜひしてもらいたい。そして国民の信頼をかち得るような団体になってもらいたいものだと、かように念願し、私もかなり遠慮なしにずばりずばり言うておるわけでございます。お互いに言いたいことは言いながら反省もし、改革も続けていきたい、こう願っておるところでございます。
○松岡克由君 いろいろと縦から横から斜めから質問してまいりました、図書館の問題、そしてそれに最近の問題を含めて。どうぞひとつ、大臣の力というのはやはり力が強いのですから、そういったものを行政面に反映するようにお願いをして、時間を五分余したところで要望どおり時間を縮めてくれというので、この辺がやっぱりベテランといいますか、時間のプロでございます。質問を終わります。
○田代富士男君 私は最初に通称少年の村と、このように呼ばれております青少年を中心といたしました自然と親しむ施設につきましていろいろな問題を質問をしたいと思います。
 人類の歴史は自然との戦いの中に繰り広げられてきました。ところが、近代の自然科学の発達は一見自然を征服し、自然を支配することができるかのような錯覚をわれわれに与えました。しかし、人類のエゴがそのまま告発されるかのように公害の発生、また環境破壊を見まして、現在のわれわれはあらためて自然のおそろしさと偉大さというものに感づかざるを得ないのが実情じゃないかと思います。こうした中にありまして、われわれは自然に対してすなおな心で接し、むしろ自然に親しむことを心がけるべきときがきているんじゃないかと思います。こういう意味から、最初に、政府は青少年が自然に親しむために従来どのような施策をとってきたか、文部大臣あるいは総務長官に最初にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 青少年が自然に親しむということはきわめて大切なことだと、かように考えているわけでございます。国におきましても、昭和四十八年度におきまして学制百年記念事業として国立少年自然の家を施置することに決定いたしまして、現在次のとおりに建設に着手しております。第一号の国立少年自然の家につきましては高知県室戸市に建設中でございます。また四十九年度には福島、栃木両県にまたがります甲子、那須高原、それと長崎県諌早市の多良岳にそれぞれ建設工事に着手いたしております。宮城県の花山村に創設のため準備調査、さらにまた奈良県、山口県、北海道についても所要の調査を進めておるわけでございまして、今後におきまして計画的にこの設置を進めていきたいと、かように考えているわけでございます。
 なお、これより先に公立の少年自然の家を設置することといたしまして四十五年度から始めておるわけでございます。すでに五十一カ所の設置を見ておるわけでございまして、さらに四十九年度は三十二施設、一施設に対しまして六千万円の補助を行なっておるところでございます。五十年度におきましては、さらに一そうの促進をはかりまして少年を自然に親しませ、自然の中での集団、収獲生活の体験の機会を積極的に拡充するよう努力をしていきたいと思っておりまして、なお、また、こういうようなことに努力をされている社会教育団に対しまする助成も若干行なっておるわけでございますし、また公害の影響を受けている地域や教育環境の悪化している市街地域の生徒につきましては健康増進のことも考えまして、一定期間少年自然の家や野外活動施設、その他の公営施設等を利用いたしまして、恵まれた自然環境の中に児童・生徒を移動させる、そして教育課程に基づいた教育活動を行なって積極的に心身の健康の増進をはかろうとするということに対しまする助成も行なってまいってきているわけでございます。積極的にこういうものにつきましては努力を払ってまいる決意でございます。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 青少年の行政の連絡調整に当たっておりまする総理府といたしましては、ただいま文部大臣から詳細にわたっての御説明のあったことを十分了承しておるわけでございますが、このほか農林省の自然休養林の整備とか、あるいは運輸省の青少年旅行村の整備等、あるいは各種公園等の整備、要すれば少年たちが自然に親しむ機会を与えることと同時に、その施設、条件の整備に今後とも努力をいたしてまいりたいと思っております。
○田代富士男君 いま前向きに努力していると両大臣からお聞きをいたしました。そこで、「在学青少年に対する社会教育の在り方について」、四十九年四月の二十六日社会教育審議会から出されているこのパンフレットの中に、一つは、指摘されているのは、特に、青少年にとりまして自然との接触は、その心身の健全な成長発達をはかる上できわめて重要な意義がある。さらにまた、青少年が自然に接する機会は次第に少なくなっていると現状を認められております。またこの建議の十四ページのところに社会教育の条件整備の方策について種々の提案がなされているわけでありますが、こうした提案につきましてどのように取り組んでいこうとしていらっしゃるのか、簡単に両大臣から決意をお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 事務当局のほうから御説明いたさせます。
○説明員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。
 先ほど先生御指摘なさいましたように、現在の青少年が置かれておりますところの条件というものは、都市化、工業化の進展によりまして自然に接する機会がたいへん少なくなってきた、また子供の遊び場がたいへん恵まれないものになってきている、そういうふうなことから、今後青少年に自然に接する機会を与える、あるいはまた遊び場を十分提供すると、こういう観点からいろいろ考えていく必要があるということでございまして、今回の建議におきましても、一つは、社会教育の指導者の養成と確保ということを非常に強調されておるわけでございますが、いわゆる自主的な教育活動でございます社会教育を整備充実していくためにはやはり親身になって社会教育の関係の仕事に力をかしてくださるりっぱな指導者を得ることがたいへん必要であるということで、私どもといたしましては、特に青少年教育の指導者というものを今後計画的に養成していくという観点で、昭和四十九年度から十七万人の青少年の指導者を計画的に養成していくという年次計画を立てて、現在この計画を進めておるところでございます。
 それからまた、やはり社会教育を進展していくためには指導者と同時に各種の教育活動が展開されますところの施設を整備をしていくということがきわめて重要であるという観点から、先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、国立あるいは公立の少年自然の家というものをできるだけ整備していく、できるだけ建設していくと、そのほかやはり学校の校庭あるいは体育館、プールなど、学校施設というものをできるだけ青少年の一般の体育活動にも使っていくようにいろいろと関係者の御理解、御協力をいただく、その他いろいろな施設を整備をしていくというふうなことでございます。
 それからもう一つは、その建議で指摘されておりますのは、やはり青少年が自主的な目的を持って、いろいろと積極的な活動をしていらっしゃるところの各種の青年あるいは少年団体の活動に参加することによって規律あるいは訓練、そういうふうなものを十分経験する、あるいは集団生活を身をもって体験する、あるいは年齢の違った人たちと一緒に生活をする、あるいは学校を離れてもっと幅広い状況でいろんな人たちと知り合いができ、友人ができると、そういうふうなこともたいへん子供たちの健全な成長に役立つというふうな観点から青少年団体の活動を振興することが必要であるというようなことを御指摘いただいておりますので、私どもいま申し上げましたように、社会教育指導者の特に青少年教育の指導者の計画的養成あるいは青少年教育施設の計画的な整備並びに青少年団体の健全な育成のための諸般の施設を今後積極的に展開していきたいと、このように考えておる次第でございます。
○説明員(吉里邦夫君) 青少年行政の連絡調整をあずかります青少年対策本部といたしましても、四十六年に国の青少年行政の進むべき大きなポイントを、答申を受けまして、それぞれ各省庁に御相談をし、ただいまの文部省の社会教育審議会の在学青少年の問題もその一環として総合的な立場でそれぞれ分担をしながら効果をあげようという一つの証左であると思います。われわれといたしましても、毎年度の各省庁の予算要求の前にいろいろな話し合いをいたしまして、ただいま文部省の担当審議官が申し上げました青少年指導者の計画的な養成あるいは施設の計画的な整備という問題を一つの大きな重点といたしまして、総理府の立場でも推進をしたいと思っております。
○田代富士男君 いま文部省、総理府から御答弁をいただきまして、青少年に対しましては青少年の指導者を養成していきたい、四十九年度だけでも十七万人の人を養成するようにしたい、またいろいろな青少年を自然と親しませる施設の整備をはかっていきたい、そして少年の規律だとか訓練とか、団体訓練をやっていきたい、このように言っていらっしゃいますが、文部大臣あるいは総理府長官もすでに御承知のとおりに、東京の目黒区の都営団地の自治会の役員をしていらっしゃいます堤和男さんもいう人が中心となりまして、自然と親しむ少年の村「やわらぎの里」というものを栃木県の那須高原に開設されております。これは国立でも公立でもございません。堤和男さんの弟さんが那須高原の土地を持っていらっしゃる、その土地を自費でこのように青少年のために市民の力をもちまして少年の村「やわらぎの里」ということで紹介された運動がございます。これに対しましては、奥野文部大臣、それから総務長官御両人から、この堤さんに対するお手紙が行っております。これが文部大臣の手紙、私も見さしていただきました。国がこれだけの施策をやっているのを個人でやっていらっしゃる。これは奥野文部大臣の手紙でございます。私はきょうの委員会のためにこれを借りてまいりました。それからこの手紙が小坂総務長官の手紙でございます。この両大臣の手紙を私はお借りしてまいりまして、この手紙を見る限りには、また、いま文部省、総理府のいろいろな今後の対策につきましての見解を聞きましたけれども、こういう公的な援助も受けずにやっていらっしゃいますこの自然と親しむ少年の村の「やわらぎの里」、このような青少年対策に対しまして、文教政策の責任者である文部大臣、青少年対策本部の副本部長である総理府総務長官の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) 国や地方公共団体が青少年の教育に努力をしていくことは当然でございますけれども、各界各層におきましてもそれなりに自主的にいろんな努力をしていただいておりますことは非常にありがたいことでございます。むしろそういう空気が一般的になりますことによりましてより一層健全な国民性がつちかわれていくんじゃないだろうか、こう考えているわけでございます。そういう意味におきまして堤さんのような行動、私たちとしてはたいへんありがたいことだと感謝申し上げているところでございます。
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま御指摘の問題、自然と親しむ少年の村につきましては私も堤さんとは面識のあるものでございます。またその構想を私に話されたわけでございます。実際には私まだ行っておりませんからよく存じませんが、そうして同時に、私はこうしたことが民間人の手で進められておるということに非常に感激をしたわけでございまして、したがって、国の施策の中にこうした個人的な方のやられる善意のいろいろな行動に対して十分な措置が行なわれておらぬじゃないかというような御趣旨と承りますが、私はまずこうした個人的に社会的ないいことをしていただく方々にわれわれの現在の行政がなかなか及び得ない諸種の問題もありますので、私としましては自分の感情を率直に申し上げて激励を申し上げたという意味でございます。
○田代富士男君 いた両大臣から、感謝を申し上げている、自分の個人的な意見としてありがたいことだと、そういう御意思でございますが、ここに「やわらぎの里」に参加した子供たちの母親からの手紙があります。これはごく一部でございます。また子供からの手紙もここに持ってきております。参加した子供自身の作文であります、これは。今回の自然と親しむ少年たちがどのように喜んだか。死んだカブト虫を見て都会の子供が電池が切れている、このカブト虫は。このように都会の子供が言っている。そういうカブト虫やそういうもの、自然と親しんだ親の喜び、子供の喜び、そうしてそのときの日程も二泊三日で自主的にこれが運営されて子供を那須高原まで輸送しなくてはならないために商店街の青少年の代表の皆さんをお願いしたり、そうしてここに私は写真を持ってきております。この写真は喜々として自然と取り組んで、自然の中に溶け込んだ青少年の写真が写されております。この写真を見る限り、文部大臣がいまさっきお話がありましたとおりに、国の施設であるならば一施設に五千万円のそういう予算をかけて整備をしている、こういうことでありましたが、私はこういう、いま総理府総務長官も申されたとおりに、善意の立場で、個人の立場でこのような施策を講じていらっしゃる。こうした場合に個人の力には限度がある。そういう意味で国立あるいは公立の場合はそれだけの予算をつけてそういう施設を整備しているけれども、こういう場合は善意の出発です。こういう人たちに対しましても青少年の指導者を十七万人育てようと、もうそういう団体が民間でできている。こういう人たちに対しても、ただ感謝をしている、そういうことでなくして、一歩前進をして、国の施設であったら予算をつける、補助をする、それでなくして、民間の人がこういう決意を持って都会の子供を自然に親しましてあげよう、こういう篤志家の、そういう人たちに対しまして前向きの姿勢で取り組むべきであると思いますが、文部大臣あるいは総務長官のお考えはいかがでございましょうか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 青少年の心身の健全な発展をささえていく、そういう役割りを民間の社会教育団体それぞれに努力をしてくださっている。またそういう社会教育団体に対しまして、文部省としても相当の補助金を計上しているわけであります。堤さんはそれとは別個に御努力いただいているわけでございますけれども、それぞれの社会教育団体に対しましてある程度の助成もいたしているわけでございます。また、しかし、そういう助成を離れまして、積極的に私費を投じて努力をしてくださるような気持ちが社会の中に多く出てくること、それが私は一番望ましいことじゃないだろうかな、こう考えているわけでございます。助成を必要とする性格のもので、それが求められますならば、それなりにまた御相談していってしかるべきだと、こう思います。今後におきましても、私自身、やはり自主的なそういう努力の積み重ね、これが大切だと考えておりますので、そういうような活動が活発になっていきますよう、今後もいろんな努力を払っていくべきだと、こう存じております。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 堤さんの場合に、私にお話いただきましたときに、こうした施設について政府の補助その他を決して私に要求をなさったわけではなかったわけであります。しかし、ただいま御指摘のように、そうしたものに対して国としてもっと金をかけたらどうかというようなことでございますが、私、自分でこうした運動を多少やってまいりました体験から申し上げますと、やはり青少年のこうしたレクリエーションやあるいは自然に親しむというようなことが政府の指導によって官制に行なわれる、公的に行なわれていくということについて、案外その施設を利用する青少年の心にはわだかまりが出ると思うのであります。でありますから、そうしたせっかくの善意による活動をわれわれが応援する場合には、やはりそれなりの直接の支援ということでなしに、もっと蒸留水のような形の援助をその施設に行なうべきだというふうに私思っておりまして、前々からこのような青少年に対するいろいろな施策に対して、堤さんだけではなしに、多くの方々が身銭を切って活動していらっしゃることはよく存じておりますが、こうした方々の活動をほんとうに善意の中で完成さしていただいていくためには、やはり政府は何らかのこれらの問題についての財団と申しますか、あるいは資金援助をする場合にも、一つの、あまり直接的な政府の金が出ていくというようなものでないことが必要ではないかと考えております。もちろんそれは四十九年度予算の中では十分に考慮されなかったことは事実でありますが、基本的にはそのような形で、なるべく民間の方々の善意の活動がそのままの姿勢で青少年の心に映るような方法がより望ましいのではないかと思っております。
○田代富士男君 いま両大臣から、文部大臣からは、相談を受けた場合には相談に応じていきたいと、また総務長官からは、政府が直接こういうお金を出すということにはいかないけれども、何らかの財団を通じて善意の動きに対してはそういうように配慮していきたいということでございますが、総理府長官の時間もありませんから、そのように前向きで取り組んでいただきたいことを、私、要望として、この問題に対する質問を終わりたいと思います。
 総理府長官、時間が参りましたからどうぞ退席していただいてけっこうでございます。
○委員長(前川旦君) 小坂総務長官、退席していただいてけっこうです。
○田代富士男君 次に移ります。
 文部省によります優秀美術品の買い上げ問題並びに活用の問題につきまして質問をしたいと思います。
 ことしの東京と京都の近代美術館、それに西洋美術館の美術作品購入費はそれぞれ幾らぐらいになっているか、伺いたいと思います。
○説明員(内山正君) 今年度の東京国立近代美術館の買い上げ予算は四千万円、それから京都の国立近代美術館の買い上げ予算も四千万円でございます。
○田代富士男君 まあ、いま金額を言っていただきましたが、西洋美術館はどうでございますか。
○説明員(内山正君) 一億五百五十万円でございます。
○田代富士男君 いま計算しますと、ざっと三館合わせまして二億円足らずでございますね。そうしますと、先日も話題になりました日本の悪徳商社と、このように一時新聞でも騒がれましたけれども、三井物産が買い占めましたあのアンリー・ルソーの作品は一点で四億円、これは民間で買われた。国の予算がいま言ったように二億円にすぎない。これは文化国家という名前からもはずかしいことではないかと思いますが、大臣いかがでございましょうか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 買い上げ費全体ではもう少しあると思いますけれども、毎年かなり予算の伸びとしては大きく伸ばしてきているわけでございますけれども、今後もっと積極的に伸ばしていきたい、そう考えて努力しているところでございます。
○説明員(内山正君) ただいま近代美術館並びに西洋美術館の美術品購入費を申し上げましたが、このほかに本庁、文化庁で買い上げをいたします経費を本年度十億余り予算を持っております。そのほか、博物館における買い上げ品を含めますと、全体で十五億の予算がございます。特に、そのうちで、十億の本庁の買い上げ予算のうちで、たとえば西洋美術等の購入についてもこれを充てていくという配慮を考えております。
○田代富士男君 いま、こういう貴重な財源というのは国民の税金の金であります。これで美術品が購入されておりますが、こういう税金で購入されました絵画や彫刻というものが、目的は一般の国民にこれを鑑賞させると、いろいろな目的のもとにこれは購入されておるにもかかわらず、これが一部の特定な場所、特定な人に私物化されている。たとえばこれを購入している管轄は文部省にあります。その文部省の大臣の部屋、あるいは文部省のそういう幹部の部屋にこういうものが飾られている、そして大臣が交代する、あるいは局長や課長が交代されるときに、その絵が気に入らないときには取りかえをされるらしいのですが、そういうような習慣がいつごろ、どういう背景のもとに、どういう動機から行なわれるようになったのか。また、文部省の大臣の部屋にもこういうような美術品が置かれてあります。ここに一覧表があります。ここに書いてある。大臣の部屋、秘書官の部屋、政務次官の部屋、事務次官の部屋、官房長の部屋、総務課長、これはもう時間がありませんから読み切れません。この一覧表だけでもたいへんなことです。まず大臣自身の部屋に置いてあります美術品はどこからどういう経過で置かれてあるのでしょうか。こういうことが、大臣がかわられたり、局長や課長がかわられるたびごとに絵が取りかえられる、こういうように国有財産を私物化するということは、これは職権乱用ではないか。こういうことがいつごろ、どういう習慣でやられているのか、大臣から、また大臣の部屋にあるのはどういうのがあるのか、あわせてお答え願いたいと思います。
○説明員(内山正君) 先ほど申し上げました美術品買い上げ費のほかに、文部省では、昭和三十四年から新進作家を中心といたします作家の美術作品を買い上げまして、そして作家の奨励あるいは意欲の向上等をはかると同時に、そうした作品をできるだけ地方の美術館等にも貸し出しをしまして美術の振興に資するということで三十四年から美術作品の購入費を計上いたしまして、年々数点ずつのいわゆる新進作家を中心とする作家の優秀作品を買い上げてきております。その予算は先ほど申し上げました予算とは別に、大体百五十万から四十八年度は百八十六万程度の額でございます。それによりまして数点購入いたしておりますが、この購入いたしました点数は現在までに百三十五点になっております。で、これらのものにつきましては、ただいま申し上げましたように、できるだけこれを文化庁主催の展覧会あるいは地方の美術館が主催をします展覧会等に貸し出しをいたしておりまして、年々相当数、延べにいたしまして百七、八十点の貸し出しをいたしております。そういう展示によりましてこの買い上げた作品の活用をいたしておりますと同時に、買い上げ作品のうちでも地方に展示をしないものにつきまして、しない時期あるいはしない作品につきまして、これを単に倉庫にしまっておくということではなくて、できるだけ多くの人の出入りをする文部省の部屋に置いてこれをさらに展示しておくというようなことから、個室に展示をいたしているわけでございます。
 そしてこのような個室に美術作品を展示するということはいつから行なわれているかという御質問でございますが、これば相当古い、戦前もそういったことが行なわれていたようでございますが、ただ、こうした作品はできるだけ多くの人々に利用される、活用されるという観点から、まず地方等における展覧会にこれを活用するということを第一義的に考えている。そして、そうでないものについて、部分的に一部は文部省の中で展示をしておくというような形で実施いたしておるものでございます。
 これらの展示作品は、文化庁が、ただいま申し上げた百三十五点の買い上げ作品のうち現在文部省で展示をいたしておりますものは十一点でございます。そのほか、近代美術館の所有にかかっておるものが十二点という数字でございます。
○国務大臣(奥野誠亮君) 誤解のないように申し上げておきたいと思いますが、一般の美術品の買い上げ費のほかに、いま事務当局から申し上げましたように、新人作家の優秀美術作品を買い上げて、その奨励をしていく、創作意欲を高めていくということを別途行なっておるわけでございます。その作品につきまして先ほど申し上げたような措置をとっているわけでございます。
 その中で文部省の個室に展示されているものもあるということでございます。その管理については十分誤りのないようにしていかなければいけませんし、また必要においてそれを地方の美術展等に貸し出しするというような努力もしていかなきゃならないと思います。展示することがすべていけないということをおっしゃっているわけじゃないだろうと思いますけれども、そう考えなくてもいいんじゃないだろうかな、こう思っているわけでございます。しょっちゅう入れかえをするわけでございますので、かなりの部分はどの美術館におきましても倉庫に保管をしておるわけでございまして、できるだけ倉庫の中に眠らせる期間を少なくするということも大切なことじゃないかなと、かようにも考えているわけでございます。いろいろ御意見をいただきながら皆さんの期待に沿うような活用に努力を払うべきものだと、こう存じております。
○田代富士男君 大臣の部屋には何が置いてあるのか、それを聞いておるのです。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私の部屋に二点、私が文部大臣になる前から置かれておりまして、今日もそのまま二点置かれておるわけでございます。かなり古い作品のようでございますけれども、北村正信さんの「羞恥」という彫刻と、広井吉之助さんの「鳩」という彫刻、この二点でございます。
○田代富士男君 いま大臣のお話を聞いておりますと、置いてあることはあたりまえであるという、そういう感覚ですね。これはおそろしい感覚だと思う。これ、時間がありませんから読み上げることはできませんけれども、文部省関係だけでも、いま大臣室に北村正信さんの「羞恥」の彫刻と、それから広井吉之助さんの「鳩」、東京国立近代美術館から借りられている。秘書官の部屋には「池畔の秋色」、足立信太郎さんの作品です。政務次官室には高田誠さんの「花咲く海辺」、それから峯孝さんの「髪」、これは彫刻。事務次官室、島野重之さんの「うすれ日」、同じく金山平三さんの「冬の諏訪湖」。いろいろあとこういうものが――新進作家のそういう意欲をそそるため、それもわかりますが、しかしこれは購入された目的はそうでありますが、一般に公開しなさい、一般の国民の鑑賞のためにも。本来の美術品買い上げの趣旨はそこにもあるわけです。しかしまだ、そういう飾られてあると同時に倉庫に入れたままになっているものがある、買い上げたままに一回も展示されてないものがある。だからまず、総保管点数のうちすでに本館または地方の美術館に貸し出し等で公衆の前に展示されたものと、倉庫に保管されたまま一回も展示されたことのないものと、点数の比率はどのくらいになるのか、お示しを願いたい。
 文部省の机やいすと同じように、このような国民の税金で買った高いこういう美術品が倉庫の中にしまわれているのです。掲示されてあるのは特定な大臣であるとか、そういうところに掲示されておかれて私物化されている。これで職権乱用でないと言う。これはあたりまえであります、だれが聞いてもこれは通りません。これに対する反省の色なんかみじんもないと思うのですが、大臣はこういうことをやってもあたりまえと思うのか、しかし今度こういうことは反省し検討する余地があるという姿勢であるのか、そこらあたり明確にしていただきたい。
○国務大臣(奥野誠亮君) 事情を一応事務当局から先に御説明をさせたいと思います。
○説明員(内山正君) 購入いたしました作品のうち約九割のものは、これを地方の展覧会あるいは文化庁主権の展覧会あるいは近代美術館等において展示をしたことがある作品でございます。なお、あとの一割につきましては文部省で展示――個室に掲示をしておるというものがございます。
○国務大臣(奥野誠亮君) 文部大臣室にありますものは、先ほど申し上げましたように、二点でございますが、私が伺いましたところでは、その「羞恥」という彫刻は当初文部省の玄関に展示しておった。ところがそれが人によって傷をつけられた。そこで大臣室に置きかえたのだと、こう伺っておるわけでございます。また、そういうものにつきましても、美術館等に展示をする際にはどんどんそちらのほうに回すべきだと、こう考えるわけでございます。ただ、それらを各方面に展示している際に大臣室に一時展示されることがある。それは私は絶対にいけないんだというような考え方はとれないなと、こんな感じをしながらお答えを申し上げているわけでございます。展示がおっしゃるように私物化されているというように受け取られるような姿になっているとしますならば、それは私は問題だと思うんであります。しかし、倉庫にそのまま置いておくんじゃなくて、さらに地方に持ち出す前の間、それぞれの部屋に一応展示しておくということであるならば、それは許されることじゃないだろうかなと、こんな考え方を持っているわけでございます。しかし皆さんたちの御意見を伺いながら、また将来にわたって善処していきたい、かように存じております。
○田代富士男君 一つだけ聞きます。
 美術館で作者の寄贈で美術館の備品として収納するときはどんな手続が必要なのか。無料であれば何でも受け入れるということではないはずだと思います。専門家によります受け入れ委員会の審査を経て収納美術品を決定することになっているんじゃないかと思いますが、この点が一点。
 じゃ、この委員会で収納が決定されたとき、そういう美術館としてはその美術品が国民大衆に展示して鑑賞に供してしかるべきだとの意思があったと見るべきではないか。それならば、収納美術品はいずれの日か美術館に展示するという、信義誠実の原則による作者への義務を負っていると見るべきではないかと思います。それを受け入れたまま何年間も倉庫に眠らせたまま展示しようとする努力をしないということは寄贈者への信義誠実の原則に反すると言えないだろうか。展示しないようなそういう美術品であるならば、初めから委員会で受け入れを決定しないということが信義に沿った態度ではないかと思いますが、その好意でもって出してくれた人、一般国民の鑑賞に供しようとして出してくれたもの展示されない、この点に対してはどうなんですか、まず倉庫に眠っているそういう美術品に対する姿勢から。
○説明員(内山正君) 博物館、美術館等におきまして作品の寄贈を受けます場合には、ただいまお話がございましたように、博物館におきましては鑑査委員会、また美術館におきましては受け入れの委員会でこれを寄贈を受けるべきかいなということについて審議をいたしまして、寄贈を受けるべきものについてはこれを受納するという手続をとっているわけでございますが、その際にこれを展示品として受け入れるか、展示にかなうものとして受け入れるか、あるいは展示には向かないが参考資料としてその館に保有したほうがより有効であるといったようなものもあるわけでございます。まあそういったことで、寄贈を受けましても展示はいたさないというものも中にはございます。しかし列品としてこれを受贈しました場合にはこれは当然展示をしなけりゃならない、またそういうようにつとめているところでございます。
○田代富士男君 私が言ってるのはそういう事実があるから申し上げておるのです。その作者が善意で国民の皆さん方に鑑賞していただくならばと、善意のもとに提供されている。にもかかわらず掲示されない。そういういま参考資料等の場合には掲示しない場合かあります、その人にははっきり、掲示しますからと、喜んで出していらっしゃる。いまの答弁は当てはまりませんよ。これは言いのがれの答弁ですよ。そういうのが倉庫に眠っている。そういうような管理の不行き届きといいますか、善意のそういう真心を踏みにじるようなこういう実態を、文部大臣、どう考えられますか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 展示することを条件に受け入れたものが、そのまま倉庫に眠っているとすれば、不信義もはなはだしいと思います、そういう事実があるのかどうか私知りませんけれども。
○田代富士男君 あるんです。
○国務大臣(奥野誠亮君) いま田代さんからそういう問題を御指摘になったわけでございますから、私としても一ぺん調査をしてみたい、調べさせてみたい、こう思っております。そしていろいろな美術品が積極的に活用される方向で努力をしていかなければならない、かように考えます。
○田代富士男君 大臣がそこまで状況を調査して、そういうあれがあったならば、あらためてそういう作者の姿勢にこたえていくということでありますから、この問題については大臣の今後のどういうふうに対処されるか、見守っていきたいと思いますが、ちゃんとやっていただきたいと思います。
 そこで、もう一つは、そういうここに文部省関係の一覧表があります、掲示されている。これは倉庫に保管して置くよりも掲示しているほうが全部の皆さんの出入りのところでいいんだという、そういうお考えでございますが、一つお尋ねをいたしますが、文部省はことし二月から、国宝、重要文化財などの美術工芸品のデパートなどでの展示を許可しないことにした模様でございますが、このことは国民の宝を――先日熊本のデパートの火事、大阪の千日前のデパートの火事その他のデパートの火事等か起きておりますけれども――火災から守るということでいいことだと思いますが、文部省は外部に対しましてはこれだけ管理にきびしいことをいっております。しかし文部省内に掲示されたそういう美術品はどういう管理がされてありますか。四十三年のことは前年度買い上げられました小林巣居人画伯の日本画の「水辺暁」、これは暖房の温風が直接当たりまして、真ん中からひびが入ってしまった。暖風のためにですよ。美術品です。また北村正信氏の彫刻の「羞恥」は、いま大臣がおっしゃったように、心ないいたずらのためにひどい目に会った。まだ作者が生存していらっしゃるから補修をしていただいたということでございますが、片方ではデパートの展示も許さない、このように言いながら美術品がたばこのやにやほこりがたまり、こういう暖房やこういう、無防備のままである。日本画などはエアコンデションが大切です。ひび割れを起こしやすいのです。御承知のとおりに建てかえ前の東京都の美術館におきましては、日本画を守るためには真冬でも暖房を入れなかりたのです。これが美術品に対する管理の気の配り方じゃないかと思うのです。この点は倉庫に入れているよりもそのように飾ったほうがましだという、外に対してはそのようなデパートの展示は禁ずる、暖房の温風でそのようにひび入れをする、たばこのやにでほこりがかぶさってしまう、これでもあたりまえのことであるとまかり通られるのか。こういうところを私は反省しなければこれが職権乱用、私物化と私は言いたいのです。無神経というか。この点ですね、大臣、どうですか、この事実を倉庫に入っている問題に対して、いま大臣ははっきりおっしゃった、掲示されているこれに対して。東京の美術館においては暖房も入れないのです。そういう気の配りようをしているわけなのです。こういうものに対しましては、私は断じて許すわけにはいかないと思いますが、どうですか。
○説明員(内山正君) 大臣のお答えに先立ちましてお答え申し上げますが、ただいまお話ございましたように、ことしの二月からデパート等の臨時の施設におきましては、国宝あるいは重要文化財に指定をされた文化財である美術品の展示はこれを禁止いたしました。これはいわゆる指定された文化財という国の宝であるというそういう貴重なものでございますので、従来からのデパートの災害等にかんがみまして禁止をいたしたものでございますが、そのほかの美術品の展示については別に禁止をいたしているわけではございません。なお、このデパート展の禁止に伴いまして、文化庁といたしましては公立の正規の美術館、博物館等におけるこうした重要文化財、国宝等の展示を促進するような指導をしてまいりたいというように考えているわけでございます。
 それから、この文部省の個室に展示されておった美術品が、ただいま御指摘のございましたように、昭和四十三年に、日本画でございますが、小林巣居人の「水辺暁」というのがひび割れをいたしました。これはたいへんいわばうかつなことであったと反省をしておるわけでございますが、当時スチーム暖房であったということもございましたし、それからこれが非常に材質の脆弱な日本画であったという点もございまして、その後は日本画はもう文部省では展示をしない、それから油絵等でとにかく普通の暖冷房にはあまり影響のない、そういう美術品に限って絵画は掲示をするし、それからそういった環境にあまり影響されない彫刻等を展示するということで、これの管理をできるだけ完全にしてまいりたいということでその後はやっておるわけでございます。なおこの展示しました作品につきましては三カ月に一回ぐらい専門家が回りまして、その作品の状況を見て回っておるという管理のしかたをしておるわけでございますが、今後はさらにこうした管理の強化をはかりまして、また必要な手入れ等も実施するようなくふうをぜひ考えてまいりたいというように考えております。
○国務大臣(奥野誠亮君) 御指摘いただきましたように、新人作家の買い上げ作品といえども私物化をしていると見られるようなことがあったり、あるいは管理が粗略にされているというように見受けられたりするようなことがあってはたいへんなことだと、こう思います。そういうことが絶対ないような形においてわれわれこれを展示していかなければならない、そういうことを強く感じております。
○田代富士男君 私はこれはこう思うんです。いま地方の美術館がかなり建物は充実してまいりました。しかし地方の美術館へそういうものを展示しているとおっしゃいますが、まだ中は貧弱そのものです、畔方の美術館は。だから、文部省のこういうところに展示してあります絵画や彫刻等はすみやかに、私物化しているとそういう疑いを晴らすためにもそういう一掃すべきだ、そうして地方の美術館にそういうものを展示し、そして美術品購入の本来の趣旨であります美術の振興あるいは作家の奨励、本来の美術品の買い上げの趣旨に、一般国民の皆さんに鑑賞していただくようにすべきではないかと思うんです。管理が悪かったと、今回のいま私が指摘いたしました「水辺暁」の日本画は、これはうかつでありましたと、こういうことが、美術品ですよ、国民のものです、これがうかつであったというこのことばの一言、うかつであったということで済まされますか。だから、地方の美術館が建物はりっぱであるけれども中ばまだ貧弱です。そういうところへ回してやったならばどれだけ喜ばれるでしょうか。この点、大臣のお考えをお聞きしたいんです。
 それと、いまさっきいろいろ何回もかけかえ等をやっておりますということをお話をされました。それならば私は尋ねたい。東京の近代美術館を見に行ったときに、四階の物故者を中心とした会場はいつ行きましても同じ絵しきゃかかってないです。だから、倉庫にそれだけ眠っている、また文部省にそれだけあるならば、こういうものもそちらへ回してあげるべきです。こちらから今回の質問をするにつきましてこういう問題を調査に行ったときに、一枚だけかえられております。調査されたらわかります、たった一枚。調査に行ったために一枚だけかけかえる、こういうような姿勢でいいんですか。だから、文部省に展示している、こういう私物化とか職権乱用と言われるならば、地方の美術館を充実するためにも、そちらへ回すべきである、そして姿勢を改めるべきじゃないかと思いますが、その点東京の美術館の問題、展示をかえております、かわっておりません。この点はどうですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 東京の美術館等におきまして絶えず入れかえを行なっていると、こう私は承知しているわけでございますけれども、もちろん作品によりましては長期にわたってそのまま展示しているというのもあるはずだと、こう思います。いずれにいたしましてもできる限り多くの人たちに鑑賞してもらう、これは大切なことでございますから、文部省の買い上げ作品等を地方の美術展それぞれにぐるぐる回していく、できるだけ幅広く国民の皆さんたちに鑑賞してもらうということにつとめていかなければならない、こう思うわけでございます。ただ、文部省の中で展示していることがすべて悪いのだというふうには考えないのですと、こうお答えをしているわけでございますが、実態をなおよく見ながらできる限りの国民の皆さん方に鑑賞してもらう機会が多くなりますように私としても努力をしたいと思います。
○田代富士男君 大臣がそういう前向きで文部省に掲示してあるそういう美術品に対しても対処されるということでございますから、私はそれを信用いたします。そうして美術品本来の購入する目的である一般国民への鑑賞のために地方美術館を充実してもらいたい、これは要望でございます。大臣が倉庫に眠っている美術品に対する態度も、また掲示してあるそれらに対する態度も、前向きに取り組んでいきたいという、そういう姿勢でございますから、これ以上私は大臣に対しての質問はいたしません。終わります。次の質問に移ります。
 次は、国連大学の問題について若干質問をしたいと思います。
 国連大学の設立の構想は一九六九年の第二十四回国連総会におきましてウ・タント前事務総長が提案して以来、ユネスコを中心に検討されまして、一九七二年国連第二委員会であるいは四十八年十月二日はワルトハイム国連事務総長の国連大学本部日本設置の勧告がなされ、四十八年十二月第二十七回国連総会で最終的に国連大学本部の日本設置が決定したのでありますが、一方国内におきましては、文部省、外務省の両省が中心になりまして、さらには文部大臣の私的諮問機関といたしまして国連大学設立準備委員会が設置されまして、国連大学本部の日本誘致を熱心に進められたわけでございますが、日本が国連大学に何を期待しているのか、またどのような構想、理念を持っているのか、最初に文部大臣からお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(奥野誠亮君) わが国は国連大学がその研究教育活動を通じまして、国連の目的であります世界の平和と人類の福祉に貢献することを期待いたしますとともに、わが国の学界、教育界が国連大学と協力することによりまして、閉鎖的な大学、研究所を国際的に開かれたものとし、わが国の研究教育活動の振興をはかる刺激となることを期待いたしているものでございます。またわが国の国民一般もこのような国際的な研究教育機関に深い関心を持つことによりましてその国際的視野が広められ、国際理解を増進する一助ともなることを期待しているものでございます。
○田代富士男君 そこで、日本誘致が決定しました後、北海道をはじめ広島や熊本その他全国十五の都道府県その他一市から激しい誘致合戦が行なわれておりますが、首都圏に一応設置するということがきめられたようでございますが、首都圏のどこに設置されるのか、確定しているならばその場所及び設置する場合の条件、こういうものはどのようになっているのかお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(木田宏君) どこに本部を設置するかということは、現実に国連大学の責任者等がきまりまして、これからそれらの方々の検討が進められることかと考えております。国連大学の設立委員会は、大学本部が大学の活動に従事する学会が広範な知的接触を行なうための十分な可能性を持つ場所に設けるべきであるということを言いまして、設立委員会といたしましては三点ほど基準についての意見を表示をしてございます。一つは、大学の事業の発展とか相当の生活条件のための適当な施設を提供できる場所である、あるいは輸送、通信のための十分な施設があるということ、あるいは熟練した技術的要員が容易に得られやすいということ、こういうことを考えて、国連大学の本部を一応首都圏内というふうに設立の際に決定されたものでございます。首都圏のどこにどうなるかということはすべて今後の検討課題かと考えております。
○田代富士男君 三つの条件があるそうでございますが、それで私からお尋ねしたいのは、国連大学設置に伴う財政負担の問題でございますが、財政的には全額国の負担になるのか、あるいは各地方がいろいろ誘致しておりますけれども、そういう誘致した場合には地方自治体の負担になるのか、そこらあたりの問題をお尋ねしたいと思います。なぜかと言いますと、御承知のとおりに、医大誘致の際、文部省が用地、職員住宅などを地方の県に提供させる条件をつけたために、地元では医大の誘致に成功いたしましたが、受け入ればしたけれどもお金がないと県から泣き込まれまして、自治省が抗議文ともいうべきものを大蔵省とそれから文部両省に突きつけた例がございます。その書類は私のここにございます。これが大蔵主計局長あてに自治省の財政局長から出されたものです。これは文部省の官房長と大学学術局長に自治省の財政局長から出されたものでありますが、このようにこれは違反ではないかということを抗議されております。そうした場合に、国連大学の誘致の際、地方自治体に負担をしいる条件は絶体にとってはならないと思うんですが、そういう場合、どのような措置を講じられるのか、こういう医大の設置問題にからんだ問題提起された問題と、いま言った誘致の場合のこういう財政負担の問題についてお尋ねいたします。
○説明員(木田宏君) 国連大学ができます場合に、日本側としてどのような受け入れの用意をするかという点につきまして、現在の段階で政府の態度を明確にしておるわけでございまして、大学本部の土地、建物、設備等の資本的経費につきましては日本側で負担するという前提での受け入れを表明しておるわけでございます。先ほども申し上げましたように、具体的にどこにどういうものをつくるかというのはすべて今後の課題でございます。その際に、地元との関係ということでございますが、おのずから医大の場合のように、地域との関連の濃いもの、そうでないもの、いろいろあり得るわけでございます。いま今日の段階では将来の構想がどうなるのかということにつきまして私どもさだかでございませんので、具体的な経費の見積もりその他も立っておりませんので、考え方といたしましては、日本側として整備すべきものということで、私ども考えてみたいと思っております。
○田代富士男君 それと同時に、もう一つは、現在の国連が設置されまして四半世紀を過ぎまして、その国連設置の趣旨にかなった面もありますし、現在では、御承知のとおりに一方では大国間の対立のための身動きならないような課題をかかえた場所にもなっております。こういう国連大学が設置されましたならば、この大学が大国間の紛争の場と化するおそれが起きてくるんじゃないかという心配がするわけなんです。その場合、日本政府はどのようにリーダーシップをとっていかれようと思うのか。これは先の問題ですけれども、一応日本に設置がきまった以上は、こういうことに対しましても一応の考えを持っておかなくちゃならないと思いますが、どうでしょうか。
○説明員(木田宏君) 国連大学につきましては、大学憲章にも書いてございますように、これは政治の場とは離れた、やはりアカデミックフリーダムの場であるというふうに言明をいたしております。したがいまして、国連という国際社会の中でつくられるものでございまするから、その運びにつきましてすべての政治が関係ないというわけではないと思いまするけれども、大学当局者もそうしたアカデミックな場として政治的な確執からはできるだけ遠いところで運営をすると、こういう御方針になるだろうと思うのでございます。したがって、国連等におきます政治的な討議がこの国連大学に直接影響してくるということは、現在の段階では、現在の段階では私ども毛頭予想もいたしてございません。日本といたしましては、そうした国連大学を気持ちよく仕事してもらえるように御協力を申し上げていきたい、こういう気持ちで一ぱいでございます。
○田代富士男君 いま言ったようなことは予想だにもしないということでありますが、国連が設置されたときには、今日のような大国間の対立の場になる、こういうことを避けるために国連が設置されたわけなんですが、現実にはそういう場になっているわけなんです。いま予想だにもしないとおっしゃるけれども、そうなった場合にどうするかということでございますが、これ以上尋ねてもその域を出ないと思います。
 だから、これはこのままにして次に質問いたしますが、現在アメリカをはじめ各国が国際機関への負担金を減らしたいという態度であるわけなんです。その場合、新規の拠出は認められないというのが実情じゃないかと思うんです。そうした場合に、国連大学が日本に設置された場合には、同施設も建物等は負担するということでございますが、同時に、人件費であるとか事務費あるいは経常経費も五〇%以上負担する方針とか伺っておりまするけれども、それは事実であるか、どういう方針でいかれるのか、この点がまず第一点。これは大蔵省からも聞きたいと思います。
 それから第二点は、国連大学の全体的運営をはかる国連大学基金に対して一億ドルを支出されるように記憶しておりまするけれども、大蔵省は一億ドルの拠出についてどのように考えられているのか、第二点。
 それから第三番目には、大蔵省では五カ年に一億ドルだから一度に拠出しなくともよいという考えのようでありますけれども、どのような割合で支出されるのか。しかし本来、基金というものはその性質から考えますと、一度に拠出し、それをもとに利子で大学の運営を行なうというのが当然じゃないかと思いますが、この三点につきまして大蔵省からお尋ねをしたいと思いますし、それから第一番の問題につきましては文部大臣からも答弁をお願いしたいと思います。
○説明員(木田宏君) 政府といたしましては、国連大学の招致にあたりまして、先ほどもちょっと申し上げましたように、大学本部の土地、建物、設備等の資本的経費の全額を負担する、あるいは研究教育センターが設置された場合には運営費につきましても負担をすることを考えますというような見解の表明をいたしておるわけでございます。その際に、当初国連の関係者が考えておりました四億ドルの大学の基金に対しまして、日本は五カ年間に分割をいたしまして財政的寄与を行ないましょう、こういうことも政府として表明をいたしておるわけでございまして、四十九年度には外務省の予算に二千万ドルを計上さしていただいております。日本政府として見解を表明したことでございますから、関係省ともそういう方向で考えていただけるものと、このように考えております。
○説明員(廣江運弘君) お答えいたします。
 先ほど文部省のほうからお答えのありましたとおりでございますが、国連大学に対する日本政府の寄与につきましては、四十八年六月十三日に、国連代表部の斉藤大使から国連事務総長あての書簡をもって次のような趣旨の回答をいたしたと聞いておりまして、私どもはそのように承知いたしております。その中で、関係の分を申し述べますと、「企画調整センターを、東京を中心とする首都圏内に設置するための資本的経費の全額を負担する。」、日本国内に設置する研究、教育施設について、これを「日本国内の適当な場所に設置するための資本的経費の全額を負担する。」次に、「研究教育施設の経常費は、各設置国の負担と基金からの収益によってまかなわれるべきものであり、日本政府はこの施設の経常費の少なくとも二分の一を負担する。なお、日本政府は、基金からの収益が発展途上国に設置される施設の経常費により多く使用される必要を考慮して、多くの他の先進諸国の協調が得られる場合には、この施設の経常費の三分の二までを負担する用意がある。」、以上のように承知いたしております。
○説明員(小山昭蔵君) 国連大学基金への拠出金に関する分についてお答えを補足させていただきます。
 四十九年度の外務省予算に、国連開発計画と拠出金の一部といたしまして国連大学基金拠出金六十一億六千万円が計上されておりますことは、先ほど文部省からお答えいたしましたとおりでございます。この考え方は、昨年の九月二十五日、第二十八回国連総会におきまして、当時の大平外務大臣が演説いたしました中で、次のような意図表明をいたしているわけでございます。それは、この国連大学が安定した財政的基盤の上に運営される必要があり、そのためには大学基金の設置が必要である。そしてわが国はこの大学基金に対しまして、国連加盟国のできるだけたくさんの国がそれぞれ応分の寄与を行なうことによりまして、名実ともにこの大学が国際的な大学としての性格を明らかにするというような状況を期待し、かつそのような状況のもとにおきまして、かつ国会の承認あることを条件といたしまして、今後五年間に一億ドルまでの金額の拠出を行なう用意がある。こういう意図の表明をいたしております。これを受けまして、四十九年度分といたしまして二千万ドル相当、六十一億六千万円を外務省の予算に計上したわけでございます。
 なお、この二千万ドル相当額をこえる今後の拠出分と申しますか、それをいつの時点でどういうふうに予算化していくかという点につきましては、何ぶんにもまだ国連大学の組織そのほかが十分固まっておりませんし、またこの基金自体がまだでき上がっていないと申しますか、これからそういった学長そのほかの方たちもきまり、そういう方たちのもとで基金並びにその基金の運営方針等が固まっていく、そういう中でまた国連加盟の各国も次々と応分の寄与をしていただかなくてはならないというふうに考えておりますが、そういう情勢の中で適切に追加分の拠出を行なっていくということになろうかと思っております。
○田代富士男君 この問題は今後もまた私は質問をしていきたいと思いますが、きょうはお尋ねをした範囲内でとどめておきます。
 次に、国連大学のバックボーンとなります国連大学憲章でございますが、最初に、機構と組織の問題でありますが、日本に設置される大学本部の他に、世界各国に配置が予定されている研究教育センターの数と、あるいは研究テーマ――たとえば平和問題であるならば、どこどこの国とか、あるいは環境問題であるならばどこどことの国という研究教育センターのテーマと、それを研究するセンターの置かれる国がわかっていたならば教えていただきたいと思います。
○説明員(野田英二郎君) 先ほども文部省からの御答弁の中に、センターのことが出ておったわけでございますが、大学憲章の四条でも書いておりますとおりに、大学理事会が大学の全体を構成いたします研究の訓練センターあるいは事業計画を先進国または開発途上国に新たに設置をする、設立をする。あるいは既存のもので国連大学の理事会のほうで国連大学という全体の計画の中に編入していくということが適当であると認められる場合にはそういうものを決定するということができております。すなわち設立の場合におきましては、理事会自身の権限によってきめられるわけでございますし、また編入の場合は取りきめをつくりましてその運営の基準を定めるということになっておるわけでございます。
  〔委員長退席、理事小谷守君着席〕
したがいまして研究訓練センターの数を幾つぐらいつくる、それをどこにつくる、それがどういうテーマをもってするという問題につきましては、先ほどからちょっとお話が出ておりますけれども、これは国連大学の理事会というものが決定すべきものでございまして、現時点におきましてはまだきまっておらないわけでございます。研究訓練センターというものを設置したいと、あるいは自分の国にすでにあるものを加入といいますか編入してもらいたいということを希望している国は多々ございますけれども、理事会はこれらのいろいろな希望を総合的見地から調整いたしまして、何らかの決定を下すであろうというように考えておるわけでございます。
○田代富士男君 この問題もまだ煮詰まった問題ではないようでございますから、これも今後私は質問をしてまいりたいと思いますが、この程度でとどめておきたいと思います。
 次に、国連大学の職員と税金の問題についてでありますが、これは大蔵省と外務省に伺いたいのです。
 国連大学で働く日本人スタッフには税金は課税されるのか、それぞれお答えを願いたいと思います。特にその場合、わが国は昭和三十八年、国際連合の特権及び免除に関する条約で、自国民への課税権を留保しなかったのでありますが、この条約によりますれば、国連大学の職員も税金は免除されると思うのでありますが、これは大蔵省当局の考え方を聞きたいと思います大蔵省と外務省からまずお尋ねをしたいと思います。
○説明員(大竹宏繁君) 昭和三十八年の国際連合の特権及び免除に関する条約によりますれば、国際連合の職員は、「国際連合が支払った給料及び手当に対する課税を免除される。」という規定がございます。したがいましてこの条約によりまして国際連合の職員は、職員ということになりますれば課税が免除になるわけでございます。
○田代富士男君 これはいま申されるとおりに職員になるならば免除をされるということですね。そこらあたりの職員の規定というものはどういうもので規定されるのですか。
 それで私がお尋ねしたいのは、時間がありませんからあわせてお尋ねをしたいのですが、東京にある国連広報センターで約四十人の人が働いておりますが、この人は条約によりまして課税免除の恩恵を受けておりますけれども、こういう人たちと同じような形に、たとえていうならばなるわけなんですが、その点はどうでございますか。これは別個の立場になるのか。こういう人たちと、国連の東京広報ペンターに現在働いている四十人の人が免除になっているが、それと同じような形になるのか。ということは、ここで申しますとおりに、国連大学で働く日本人スタッフには税金は課税されないと、このように解してよろしいですか。
○説明員(大竹宏繁君) ただいまのこの特権及び免除に関する条約の第五条に、職員という規定がございます。その第十七項は、このように規定をしております。ちょっと読ませていただきますと、「事務総長は、この条及び第七条の規定の適用を受ける職員の種類を定める。事務総長は、この種類を総会に提出する。この種類は、その後、すべての加盟国の政府に通知される。この種類に含まれる職員の氏名は、随時加盟国の政府に通知される。」という規定がございまして、その次の第十八項というところに、国際連合の職員は、国連の払った給料及び手当に対する課税を免除されるという規定が続いております。したがいまして、免税を受ける職員は、事務総長が職員の種類を定めまして、国連の職員であるということになりますれば、その免税を受けられるということでございます。
 それから御質問の第二点にございました国連の東京広報センターでございますが、これは現在国連の職員ということで扱われておりますので、ここに働いておられる日本人の職員の方は、この規定のとおりの免税を受けております。ただ、その人数でございますけれども、ただいま四十名という仰せでございましたけれども、七名というふうに現在伺っております。
 そこで、国連大学の職員が、このような国連の特権、免除に関する条約の国連職員であるということになりますれば、この条約上、ただいまお話のございました広報センターの職員と同様の免税を受けられるということでございます。
○説明員(野田英二郎君) 先ほど、ただいま先生の御質問に対しますお答えは、ただいま大蔵省のほうからお答えがあったとおりでございます。
○田代富士男君 時間がありませんから、税金の問題については、もうちょっと聞きたいと思っておりましたが、これもまた追って何回も質問しなくちゃならないことでございますから、これで打ち切りたいと思います。
 次に、大学病院の経理の問題についてお尋ねをしたいと思います。特に、国立大学医学部におきます病理解剖にかかる経理についての処置要求につきまして、昭和四十七年度会計検査院検査報告の中にもこれが指摘されてあります。ここ数年、国立大学におきます経理のずさんさにつきまして、毎年のように会計検査院の指摘がありますが、一向に改善のあとが見られないことは遺憾であると思います。だから、時間がありませんから、簡単にまとめますれば、会計検査院が国立大学におきます受託研究費について処置要求をしたのが四十三年度検査報告においてでありましたが、翌四十四年度報告においては、これらの受託研究等の経理の改善が処置要求のとおりされたという報告がされております。今度は、四十五年度検査報告においては、ほぼこれまでの事業と同じような性格というべきずさんな経理が指摘され、そして、国立大学におきます研究用試薬の購入についてでありますが、これらのずさんな経理は、もし四十三年度の受託研究についての指摘が行き届いて、反省して、これを完全に改善されていたならば、これは起こらなかったのじゃないかと思われるわけなんです。また、四十五年度の研究用試薬についての指摘は、翌四十六年度報告において改善された旨の報告がされておりますが、ところが、もうそのように何回も繰り返しながら、今回の四十七年度検査報告においては、病理解剖についてのそういうような経理のずさんさが指摘されております。北海道大学、弘前大学、東北大学、東京医科歯科大学、金沢大学、岐阜大学、三重大学、京都大学、大阪大学、徳島大学、九州大学、鹿児島大学、いままで何回もこういうことが繰り返されてきた。大学の経理は是正できないのかと疑惑を持たざるを得ないわけなんですが、文部省当局のこれに対する考え方、改善をする強気の姿勢があるのかどうか、まずこの点についてお尋ねをしたいと思います。
 それと同時に、私は、文部省がたびたび指摘を受けながら、たび重なる大学医学部の経理の改善についてこういう努力をしたかどうか。したとおっしゃるかもわかりませんけれども、これを指摘されました会計検査院の見解をお尋ねしたいと思います。
○説明員(井内慶次郎君) ただいま国立大学の経理につきまして、いろいろと御指摘がございましたが、具体のお尋ねでございます医学部におきまする病理解剖体の経費の問題についてお答えを申し上げます。
 国立大学の医学部におきまする病理解剖は、教育研究の目的から、主として付属病院で死亡した者について行なわれておりまして、従前からこれに対しまして葬祭費及び剖検費等の所要経費を予算計上して執行してまいっておるものでございますが、大学におきましては、当該病院以外で死亡した者につきましても病理解剖を行なっており、これにつきましては大学の教育研究上役立つという見地から、従来ほとんどの大学で費用を徴収しないか、あるいは実費として病理解剖室等において予算外経理として直接受領しておったのでございますが、今回会計検査院からこの点を御指摘を受け、歳入歳出を通すようにという御指摘をいただきまして、まことに遺憾でございました。
 文部省といたしましては、検査院の御指摘を受けまして、直ちに各大学に対しまする指導を行ない、四十九年度から名大学の学内規程を整備させまして、すべて会計上の歳入歳出の明確化をはかる努力をただいまいたしておるところでございますが、現に四十九会計年度に入りまして、八月末現在、三百六件、七百四十万七千円を歳入としてただいま受け入れ済みでございまして、四十九年八月末までの実績が以上でございまするが、病理解剖の問題につきまして多年の慣行、やり方がございましたので、これを何とか一挙に検査院の御指摘の趣旨に沿いまして改善をはかりたいということで、ただいま鋭意努力をいたしておるところでございます。
○説明員(柴崎敏郎君) ただいま先生から御披露いただきました私どもの検査報告に掲記いたしました受託研究以下、今回、ただいまの病理解剖に関する意見表示、これらの内容に共通して申し上げられますことは、大学は、申すまでもなく研究、教育を主体とした場でございまして、したがいまして、直接それに携わる、教育、研究に携わる教官の方々、この方々が中心になられてやっておられるわけですが、そういう大学の特殊性などが原因となっているのではなかろうかと思いますが、どうも私どもずっと検査をしてまいりまして、教育研究ということが常に主体になり、その教育研究には当然その裏側として予算執行なり経理の執行ということがあるわけでございますが、どうもこの辺がないがしろにされるような傾向が見受けられる。そろいうところが明治以来の多年の、またただいま文部省の局長から御説明がありましたような慣例となって、非常に長い間の慣例となっている、そういう点に私ども会計検査という目で見た場合に非常に不満があったわけでございます。そこでそれらの点を四十三年あたりから特に着目いたしまして、検査を続けまして、先生御披露の受託研究以下の指摘をいたしたわけでございますが、文部当局におきましても幸いにして私どもの意のあるところを十分にくみ取っていただき、従来どちらかと申しますと弱体であったようにうかがわれます大学の事務局系統にも、まあ俗なことばで申しますと大ものの方を本庁からどんどんとつぎ込まれるというようなことで、私どもがいままで心配しておりました経理面の弱さということが、ここのところ、逐年改善をされていっていると、このようにお見受けしているわけでございます。そういうことで大学にはいままで申し上げたような多年にわたる慣習と申しますか、慣例に基づいた経理というものが多々見受けられますので、お直しいただいた点はお直しいただいた点として、さらに私どもといたしましては検査の点で意を注いで見てまいりたいと、このように考えておる次第でございます。
○理事(小谷守君) 田代君に申し上げます。割り当て時間が超過をいたしておりますので、簡潔にお願いします。
○田代富士男君 じゃ、最後の一問ですが、時間がないそうですので。そこで、私もおじいさんが医者であります。医者のむすこであります。親戚も医者が多いですから、一応の内容はわかりますけれども、これは明確にすべき点は明確にしていかなくちゃならない。そこでこのように病理解剖一件につき五千円から二万円の手数料が取られまして、施設の職員の給料や消耗品の購入にあてられているということは、もともとこれは予算が不足しているからこういうことが起きるんじゃないか、消耗品の公私混同、この点に対する対策も講じていかなくてはならないじゃないかと思いますが、これは当局の文部大臣に、もう最後でございますから、どういうように対処されるのか。それから会計検査院に対しましては、これは時間もありませんから、何回も同じことが指摘されておりますが、これは不当事項として取り扱うべきものであるにもかかわらず、不当事項として取り扱われなかった点についての理由をお述べいただきたい。これで質問は終わります。
○説明員(井内慶次郎君) 病理解剖に関しまする予算措置の関係でございますが、先ほど申し上げましたように四十九年から受託研究ということで、歳入に外部からの依頼のものも受け入れるということをただいまやっておりますが、この進行状況もあわせながら五十年度に、明年度先ほど申しました歳出予算の計上のしかたにおきましても相当の改善増額をはかるつもりでおります。計数で申し上げますと、昭和四十九年度病理体解剖の一体当たりで積算をいたしておりますが、一体当たり積算が一万三千七十円でございますが、ただいま概算要求といたしましては大体五割ないし七割ぐらいの増額要求でいま数字をつくりまして大蔵省と相談中でございます。実際に病理解剖にかかりまする経費の実態に即応いたしまして歳出予算も改善をはかってまいりたい、この努力をいたすつもりでございます。
○説明員(柴崎敏郎君) 確かにこの病理解剖の件は予算外経理をいたしておったという事態でございますので不当ということ.にあたるわけでございますが、先ほども御説明いたしましたとおり、これは非常に長い間、多年の慣習として学内において行なわれてきた取り扱いでございます。私どもはこの検査は四十七年度決算として出したわけでございますが、たまたまその時期にそこに携わっていた者、これの行為を不当としてそれだけを取り上げて批難をするというのは実情に沿わないのではないか、要するに多年にわたる慣例として前の者からずっと受け継がれてやってきた取り扱いに差がついた、こういうことでございますので、むしろ全般的に改善をしていただく、制度を直していただく、このほうが先決ではないか、こういうことで改善意見という形で意見を表示させていただいたわけでございます。
○加藤進君 教員研修の問題について質問いたします。
 わが党ば、一人一人の子供に行き届いた教育を行なうための教師の責務を重視しています。教員の行なうまじめな研修活動に対して国も自治体も積極的にこれを援助激励してこれに協力を行なうべきであるということをたびたび強調してまいりました。こういう趣旨から、去る七月の二日政府に対して、さしあたり次のような措置をとるように申し入れてあります。すなわち、都道府県、市、区にある教育研究所を教師の自主的研修、学習のために開放し、そのための図書、教材、教具、実験器具などを備えて、教師がこれを使用できるようにすること、各学校にば言うまでもなく学校用図書、教材、施設設備を整備して教師の研修に役立てるようにすること。これらの措置はやる気があればすぐにでもできることだと思います。教員の自主的な教育専門家としての研修を保障する具体的な措置であると私たちは考えています。ところがこれに対して今日まで政府は何らの回答を与.えておりません。一体文部省はわが党のこのような具体的な提案に対して適正を欠くという判断をしておられるのか、適正ではあるけれども実行不可能であると考えておられるのか、その点の見解を明確にお答えしていただきたいと思います。
○説明員(安嶋彌君) ただいま二点について御質問があったわけでございますが、第一の府県の教育研究所を教員の研修のために開放をしてはどうかという点でございますが、御承知のとおりほとんどの府県におきまして教育研究所あるいは教育センターといったものが設けられておるわけでございますが、これは主として御指摘のように教員の研修のために設けられておるわけでございますが、しかしその設置の主体でありまするところの都道府県の教育委員会はそれぞれ年間等の計画を定めまして、そこで研修を行なつ.ておるわけであります。したがいまして、自由にいつでも、だれでもそこで研修を受けるということは、やはり研究所の設置の本来の目的あるいは事業計画からして必ずしも適当でない場合があろうかと思います。設置の本来の目的でありまするところの計画的な研修計画に支障のない範囲で、かつまた研究所の認める範囲におきまして教職員がその施設を利用するということは、これは適当なことであろうかと思います。
 それから各学校に図書、設備、教材等を整備するということでございますが、これは一般的にば町村においてそうした配慮をしておるところでございます。交付税等におきましても小中学校等の一般的な運営につきましては必要な財源措置を講じておるわけでございまして、この辺のところはさらに町村当局の御努力に期待をいたしたいというふうに考えております。
○加藤進君 私の聞いておるのは町村委員会や市町村当局じゃないんです。文部省です。文部省は今日のような教員の研修活動について満足しておられるのかどうか。十分な条件が整備されておるのかどうか。教員が喜んでみずからの責務を自覚して研究できるような状態にあるかどうか。私ばないと思いますよ。ないと思うからこそ、これを県教育委員会やあるいは市町村委員会の自主性にまかせるなどということでこの責任を免れるわけにはいかないと思うのです。その点について文部大臣どうお考えになりますか。
○説明員(安嶋彌君) 先に私からお答えをさせていただきたいと思いますが、教育公務員特例法にもございますように、「教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない。」わけでございます。したがいまして、これに対応する措置というものを教育委員会なり文部省がいろいろ配慮するということは当然必要なことだと思います。文部省といたしましては、御承知のとおり公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律におきまして、研修要員に対する代替要員の定数を用意いたしております。また研修要員に対する非常勤の教員を採用する場合にも必要な予算措置を講じておるわけでございます。かっまた各府県におきまする教育研究センター等につきましても補助金を出しておるのでございますが、ほかに文部省が直接運営をする研修会等も多数ございますし、かっまた府県等に補助金を支出いたしまして各種の研修会の開催をお願いしておるわけでございます。必ずしも十分でない面もあろうかと思いますが、そうした施策を積み上げながら教員の研修というものがさらに推進されるようにせっかく努力をしておるところでございます。
○国務大臣(奥野誠亮君) 先生方がその資質を高めますために研修を積極的に推進していく、文部省なりあるいはまた都道府県教育委員会なりがそのお世話をしていく、あるいは先生方みずからがそういう努力をすることを助けていく、いずれも大切なことと、こう考えているわけでございまして、そういう方向で積極的に努力を続けているつもりでございます。
○加藤進君 わが党が宮本委員長の名前で文部省に対して具体的な提案をしているんです。私たちにとってはこれは適切な提案だからと思えばこそ、これに対していまお答えになっておると万事うまくいっているような御返事でございまして、それほどの提案をしてもらって、御注意いただく必要もなかろうなどというふうに受け取れられるわけでございますけれども、一体なぜ回答を出されなかったんですか、いままで。お聞きにならないんですか、そこの内容について。
○説明員(安嶋彌君) これは官房で扱ってきたわけでございますが、文部省の理解といたしましては必ずしもこれ御回答申し上げるという事柄でないように受け取ってまいった次第でございます。
○加藤進君 そういう不誠意な答弁じゃ困りますよ。私たちがなぜ教員研修の問題を積極的に提起しているのか理由があるのですよ。したがって、具体的な提案も必要だということで、文部省を援助しよう、助けようと思っている。ところが、あなたたちはいかにも無関心な状態で、万事うまくいっているような答弁でしょう、こんな答弁じゃ満足できませんよ。
 そこで具体的に聞きます。いま教員の研修という名前をかりて、およそ研修ということにはふさわしくないようなことが現に行なわれておるという事実を御存じだろうと思いますが、私はこの具体的な例をいまお示しします。(資料を手渡す)
 いま写しを文部大臣にお示しいたしました。その内容はどんな内容かというと、去る九月三日及び九月十日に日比谷野外音楽堂において開催され、また来たる九月二十四日、二十六日の両日も東京で開催される予定になっている狭山裁判闘争決起集会、この集会に対して同和教育研修会の名目で、埼玉県本庄市教育委員会教育長職務代理の名前で、各学校に通知が出され、教員がこの集会に動員されているという問題であります。お示ししたのは九月二日付の通知ですが、これには本庄市教育委員会の津久井教育長職務代理名であります。各学校に出されています。そしてその表題には「同和教育研修会の参加について」となっています。しかもこれには主催団体は書いてありませんから、これは教育委員会自身が主催する研修会であると読み取っても、これは読み過ぎではないと私は考えております。ところが、会場はどう書いてありますか、日比谷公園内です、研修会の会場は。日比谷公園の中ですよ。しかもこれにはちゃんと備考がついておりまして、どの会、毎回本庄発六時二十分発の電車を利用する、電車も指定してあります。部落解放同盟員と同行しないと会場に入れないことがある、一緒に行けとこういうのです。これほどまでに厳格ないわば強制的な通知なんです。研修内容の説明はどこにありますか、何を勉強するんです、これは。何もないですよ、研修内容は。何もなくて先生に行けというわけです。こんな研修を文部省は認めますか。しかも月日は九月三日、五日、十日、二十日、二十四日、二十六日、十月三日、七日間です。これ、どういう日でしょうか、この日は。これらの日はすべて解放同盟の一部が計画しておる決起集会が開かれる日なんです。日比谷公会堂、日比谷公園で決起集会が開かれるのです。先生たちの決起集会でも日教組の大会でもないんですよ。こういう教員研修という名の集会に参加する点についてこんな問題も起こっています。
 これは本庄市の上里小学校で起こっておる、本庄市上里小学校では、校長のほうから教員組合の分会に対して動員の問題について何とかできないかと言ってきたが、この件については職員会議を開いてきめようということになった。席上行ってきた人たちから、集会が美濃部知事と共産党攻撃ばっかりで不愉快だったということが報告され、そんなところへ行く必要はないということになった。そこで校長は困ったんです。校長は、二十日には私自身が行ってくる、その上であらためてこのことについて検討してもらいたい、こういうことになったというんです。こんな研修ありますか。しかも、参加者数が厳格に各学校に割り当てられておるんです。ここにちゃんとございます。参加者数全部割り当てられています。いいですか。お前の学校は四十二名だな、だからいつ幾日には一人、いつ幾日には二人ずつ出せと出ていますよ。全部まるがついているんです。義務動員ですよ、これは。その別表によりますと、小学校七、中学校三というふうに動員数までちゃんと割り当てられています。一体どれだけの先生がこれに参加するのかというと、総計は実に市の全教員の四分の一が全部これに動員されるんです。四分の一です。だれが行くかわからないけれども出せというわけです。そこで、各学校では割り当てられた日の人数を確保するやりくりに懸命、参加した先生はみんな現地に到達するまで研修会の内容は何も知らされていない。参加したある先生は、公園内に足を踏み入れたとたん中核派などのあの暴力集団がいてびっくりした――いたんですよ、事実――と言っており、集会の内容も先ほど読みましたとおり、美濃部知事の悪口、共産党の攻撃ばっかりだったと報告されているんです。学校に残った先生はどうなりますか。授業はかけ持ち、一部では子供に自習さしたところがあります。自習さしてやっているんです。
 さらにもっと大きな問題は神川村、神泉村で起こったことです。教育委員会の指示により九月四日狭山現地調査へ研修という名前で、小中学校、幼稚園を臨時休校にした。臨時休校して、病欠と日直者を除いて全員バス二台で動員されたんです。その行き帰りのバスでは何と共産党の反共攻撃、どういうこれ研修でしょうか。共産党攻撃のための研修でしょうか、これ。何も私ば共産党の攻撃を受けているからといってこの問題を指摘するわけじゃないですよ。これが研修と名のつくものであるかどうかということを言っているんですよ。
 こういうことまで起こっておりますが、それでは、これらの集会というのは一体どんな集会なのか、日比谷でやられた集会。中核派が参加していると私は申しましたけれども、五日の日の集会ではこういうことが起こっています。午前十時から裁判の経過報告を含めて夕刻まで延々と演説が続き、その中で議長団からは支援団体としてトロツキスト暴力団が次々と紹介された。彼らは登壇すると、日帝に加担する共産党、差別主義者共産党、美濃部差別行政糾弾、口々にこう言って反共、革新都政の攻撃演説ばっかり。しかも、同公園の出入り口には何がやられておるかというと、警察――警備隊の放水車や、たてを持った機動隊て固められて一般の人々は立ち入りは夕刻まで完全に禁止。こうして事実上解同の一派とトロツキスト暴力集団によってこの会場は占拠されたも同様です。ここに先生が動員されたんですよ、あんた。十日午後一時過ぎからデモ行進が始まりました。中核派などのトロツキスト暴力集団は覆面で顔をおおい、手袋をはめ、ナップザックを負い、ゲバスタイルの胸に日共、革マルせん滅などのゼッケンをつけて機動隊と小ぜり合いを繰り返してきたのです。
  〔理事小谷守君退席、委員長着席〕
公園内でも、仲間でないと見られた場合には数十人が取り囲んで、身分を明らかにせよと、異常な雰囲気になったんです。
 これが一つ一つの集会です。これに教育委員会の職務代理の名前で割り当て動員がやられた、こういうことですよ。この点について文部省は一体こういう事実を御存じなのか。この事実があるとするならば、これについてどのようにお考えになるのか。一体こういうことを研修と言うならば、いままで学校の先生たちが自主的にやろうとしておる教研集会――教員団体の研究会等々に対して文部省が喜んで積極的に応援したことありますか。出ろと言ったことありますか。そういう集会にはむしろこれを押えるような態度を今日まで取り続けてきた。その文部省の指導行政のもとで今日下部の教育委員会ではこのようなことが起こっている。どういうことですか、これ。文部省が厳然としておれはこんなことは起こらないはずですよ。これは下部の教育委員会の自主性にまかせますなどとは言えません。自主性にまかせるというなら、処分に対して内申書を待たずやれるなどということば言之れないはずですよ、自主性にまかせるなら。それほど自主性を尊重されるなら、もっともっと本気で尊重してもらいたい。これに対して行政指導を的確にやろうとするならやってもらいたい。この事実御存じですか、まず。文部大臣御存じですか、これ。
○説明員(安嶋彌君) この事実を承知しておるかということでございますが、昨日この点につきまして事前にお話を漏れ伺ったものでございますから、埼玉県教育委員会当局に照会をいたしたわけでございます。埼玉県教育委員会といたしましては、県下の若干の町村におきまして同和教育のための研究集会への出張を命じておるということは承知をしておったのでございますが、その目的でございますとか、あるいは人数等については的確に把握をしていないということでございました。さらに実情を把握するように私どもからも埼玉県教育委員会に指示をいたした次第でございます。
 大体、この公務出張ということになりますと、これは御承知のとおり公立の小中学校につきましては、市町村の教育委員会あるいはその委任を受けた校長がその権限と判断に基づいて公務出張を命ずるわけでございます。御指摘の事実につきましては、さらに埼玉県教育委員会より事情を聴取いたしたいと思いますが、事実関係をさらに確めた上で私どもとしては判断をいたしたいと思います。
○加藤進君 文部大臣ね、いまお聞きになったことは、私がつくりごとをしたなどとは受け取られないと思います、その証拠にちゃんとその書類を出しておりますから。そうして強制的に参加させられた集会というのがまさにこのような集会だった。これは日比谷の公園の中でやられたんですから、警察庁に聞いてごらんなさい。すぐわかります。こういう状態の先生のいわば行動を教育委員会が強制をしている。そんなことを文部省はなお知らぬと、一体どれだけ動員があったのか、目的はどうなのかはこれから調査する――研修というのはそういうものですか、あんた。目的もわからないで一体どういう研修をやるんですか。第一、研修をやるというなら、この集会の一体内容は何か。何をここで学ぶのか。演説を聞いて、それで研修というんですか。こんなことを研修と言って許されるなら、私たちにも言い分がありますよ。共産党は人民大学をやっています。人民大学に遠慮なく来てくださいと言っています。そういうところへ皆さん、文部省、教員が行かれるのはけっこうだ。ここへ行かれるのがけっこうだとするならそちらに来ていただいてもけっこうだということになりますが、それでいいですか。私は、この点について文部省の正確な御判断をいただきたい。こんなことが事実とするなら、これは調査されない限りわからないとおっしゃるなら、それでございますけれども、事実とするならゆゆしいことだ。こんなことはおよそ研修という名に値しない行為だと、この程度のことは文部省としても言えないんですか。言えなければ質問終わりますよ。
○国務大臣(奥野誠亮君) 同和問題をめぐりまして若干の地区でかなりな混乱が生じているということは承知しておりました。しかし、いまいろいろお話を伺いまして、たいへんひどいことになっているんだなあという感じを深めたところでございました。同時にまた、いま本庄市教育委員会の関係者から教育研修会の参加についての公文が出されている。全く私も驚きました。研修会に公文書において参加を求める。やはり、少なくとも公的な機関の行なわれる行事でないと、よほど慎重を期さなければならない性格のものではないかなあと、かように感じておったわけでございます。今日の混乱をどうしてこれをおさめていくか。たいへんむずかしい問題だと思いますけれども、やはり努力していかなければならないということを強く感じた次第でございました。基本的には、差別問題が今日なお残っているというところに根本的な原因があるわけでございましょうから、これの解消に全力をあげなければならないと考えます。同時にまた、秩序を乱すようなことにつきましては、特に教育の世界においてそういうことの根絶を期していかなければならない。いまお話を伺っておりまする限りにおいては、およそ教育委員会が公文書をもって参加を求める性格の会合とは私にも受け取れません。ぜひ教育委員会につきましても反省を求めていきたい。こんな感じを強くいたしましたし、またそういうようなことで今後に私としては対処していきたいと、こう思います。
○加藤進君 なお、続けますけれども、文部省、特に安嶋局長ね、一体研修ということについてどういう認識を持っておられますか。私はその点について若干お聞きしなくては、ちょっと話ができない、質疑が続けられない、こういう感じを持つからあえて言うわけですけれども、御承知のとおり、教育公務員特例法第十九条「教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない。」、これは義務です。こう述べて、続いて第二十条には、「教育公務員には、研修を受ける機会が与えられなければならない。」、こう出ております。だからといって、どのようなことも研修だといってこういう機会が与えられるなどということは法律では言っておりません。これは学校の教育の充実、水準の向上のため専門的な研究と人間的修養とが不可欠であるということを確認した上で定められた私は厳粛な法規だと思います。したがって、教員は自主的研修を中心としつつ、教育行政当局者の奨励、援助、計画による研修にも今日参加しておるわけであります。研修は、学校自体の教育活動の一環である、こういうふうに私は認識しなくてはならぬと思いますけれども、この点について安嶋局長、どう思いますか。
○説明員(安嶋彌君) 教員の研修というものが、教員の指導力を高め、あるいは教育上の知識、経験を深めるためのものでなければならないという点は全く私も同感でございます。
○加藤進君 だとするなら、研修は学校の重要な事業の一つだ、学校教育の重要な内容の一つだ、こう認識した上で研修を取り扱わなければならない、こういうことですね。
 では続いて聞きますけれども、学校教育、公教育活動の一環であるとするなら、憲法や教育基本法に基づいてこれが行なわれなければならないことは当然でありまして、教育基本法第八条第一、第二項にはどういうふうに述べてありますか。−これは時間の都合上私が条文を読みます。第八条の政治教育の項について、第一項は「良識ある公民たるに必要な政治的教養は、教育上これを尊重しなければならない。」、こういう政治的教養を尊重するということを前提にしながら、第二項においては、「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」、「学校は」ですよ、主語は。学校はしてはらないんです。ところが学校の行なう正規の研修にあたって、日帝に協力する共産党反対、美濃部都政反対、こういうスローガンを次々に掲げながらいわば反共運動の一環になっておる。こんなことで憲法、教育基本法に規定されておる研修ということの趣旨、本質に反しないと思いますか。どうですか、安嶋局長。
○説明員(安嶋彌君) 研修は学村活動の一部であるという考え方もあるいはできるかとも思いますが、教育公務員特例法の基本的な考え方からまいりますと、やはりこれは教育公務員の本来の職務の一部であるというふうに私は理解をいたします。
 教育基本法八条との関連でございますが、ただいま御指摘のような点につきましては私も疑問は感ずるわけでございますが、ただ法律の解釈と申しますか、八条二項の解釈ということになりますると、「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治活動をしてはならない。」、この趣旨をどう理解するかということが問題になろうかと思いますが、八条二項の趣旨は、これは児童生徒に対してということが私は主たる法意ではあるまいかと私は思います。
 以上です。
○加藤進君 安嶋局分から説明を聞くまでもなく、文部省のちゃんと通達でそのことは明確になっているんです。これは昭和二十四年六月十一日文部省通達とあります。教育基本法第八条の解釈について、疑問があるからこそ解釈が出ておるんですよ、文部省の言っている解釈が。これでは、教員が学校教育活動として、または学校を代表してなす等の行為は学校の活動と考えられるんです。学校の活動ですよ、これは。学校の活動と考えられるんです。学校の活動として特定の政党を支持したり、あるいはそれに反対することはできないんですよ。ところが研修は何かというと、学校の重要な行事の一つとしてやられている。事業の一つとしてやられている。内容としてやられている。これにある特定の政党の反対のデモンストレーションを行なうような集会に出る。これが一体研修の名に値しますか。それがどのような――わが党に反対する集会であれ、他の党に反対する集会であれ、そういうところに命令によって出席させる、そしてシュプレヒコールをやらせる、拍手させる。みなそうでしょう。これを研修と称することができるのかどうか。これこそ今回の研修の内容から言うなら、教育基本法第八条二項に違反している。これは文部省の見解においても違反している。こう見なくちゃならぬと思うんですよ。違反しないですか。やってもいいんですか。やってもよかったら、またあえて申し上げますけれども、重要な問題ですよ。
○説明員(安嶋彌君) ただいま大臣からも御答弁を申し上げましたように、御指摘のような事実があるとすれば、私もこれははなはだ遺憾なことだと思いますし、また疑問を感ずるわけでございますが、ただ八条二項に抵触するかと言われました場合に、私ももう少しこの辺のところを考えさしていただきたいと思います。御指摘のような事実につきましては、私も一応疑問を感じますけれども、ただ、それが八条二項との関連において問題になし得るかどうかという点につきましては、もう少し考えさしていただきたいと思います。
○加藤進君 文部大臣、すなおに教育基本法の条項を読みますとね、「学校は」でしょう、学校自体が行なういわば教育が特定政党を支持したり、あるいは反対するための政治教育になってはならぬと出ています。学校がきめて行なう研修です。その研修がこのような第二項に触れる内容だとするなら、研修自体がこれは認められないんじゃないですか、研修自体が。これは疑問に思う程度のことじゃ済まされないと思うのです。どうでしょうか、文部大臣。
○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほども申し上げましたように、行政機関が学校に対しまして特別に参加を呼びかける、そういうような行事は原則的に私は公的機関の行なうものであるべきだと、こう思います。いわんや御指摘になりましたような会合であるといたしますと、たいへんなことじゃないかと、そんなことは法律の条文の問題じゃなくて、もう道義の問題じゃないか、常識の問題じゃないか、たいへんなことを教育委員会が公文を出しているんだなあという感じを深く私は持ったわけでございます。法律の条文に基づく以前の問題だと、こんな感じを持って伺っているところでございます。
○加藤進君 常識的に言ってもすなおに受け取っていただけない文部省ですから、私は憲法や教育基本法の条項まで出して、これでもかと言っているわけでございまして、局長ね、もう少し頭を冷やしてしっかり考えていただかなくちゃいかぬですよ。いまごろこんな問題に疑問に思っておられるというような局長は局長そのものの資質に抵触しますよ、これは。もう少ししっかり見てやっていただかないと。文部大臣はその点は若干私の意見と一致します。その点で文部大臣、こういうことが現に起こって、そしてこういういわば憲法、教育基本法にも抵触しかねない重要な事態が起こっておるというのに、文部省はこれに対して事態を調査するとか、あるいはどうこうするとかということも当然でございますけれども、直ちにそのようなことはとりやめるようにと、こういうことだけの歯どめをきちっとかけていただかなくてはならぬと思いますけれども、その点はいかがですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) いまお話を伺いながら、私が教育長なり教育委員長なりの会合があった場合には、私からこういう問題についてひとつ善処を求めるような努力をしなければならないなあと、こんな感じを持っておったところでございます。各地区でいろんな混乱の起こっていることよく承知しておりました。しかし、これほど激しいものとは知りませんでした。どのような形において指導していくことが一番いいのか考えていかなければならない点があろうと思いますけれども、少なくともいま申し上げますような会合の機会を通じまして善処を求めていくということはきわめて大切なことだなと、こう判断をしているところでございます。
○加藤進君 ぜひその決意で明確な対処をしていただきたい、よろしゅうございますね。
 そこで、安嶋局長にもちょっと御認識をいただきたいのは、この日比谷における集会を主催した団体の中に中核派があるんですね。いいですか、中核派の名前でこの会場を借りておるんですよ。中核派というのは一体どういう組織ですか。これは赤軍派と関係ないですか。あるでしょう、中核派というのは。中核派は警視庁の調査によっても、ことしに入っただけで二件の殺人事件を起こしています。殺人団体ですよ。いいですか。先生をそんなところに寄りつかしていいという良心がありますか。そんな良心なんですか、あなたの良心は。また、警視庁の調査によると、ことしに入ってから中核派の殺人事件、これは二件ですが、これは指名手配済みです。これには横浜大学、沖繩琉球大学、死者が出ています。またわが党の調査によりますと、一九六八年以降、この六年間に死者三十数名、重軽傷者四千数百名を数え、ことしだけでも五月時点で死者五名、重軽傷者二百九名を出している。これは中核、そうして革マル、こう二つのいわゆる内ゲバの起こした事件ですよ。内ゲバですよ、これは。それが中核派なんです。
 この中核派の機関紙「革共同通信」三十号にはどう書いてあるのか。ちょっと読ましていただきますよ、これは教育上重要ですから。「わが部隊は、」――これは中核派の部隊ですよ。その集会を組織した主催者の部隊ですよ。「わが部隊は、潰走する反革命分子を徹底的に追撃して、鉄パイプの猛打をたたきこみ、せん滅した。」(笑声)笑いごとじゃないですよ。「……方余の労働者、学生、人民の眼前で、確実に血の海に沈めたのである。」と、こう言っています。誇り高く言っているのですよ。「わが部隊の攻撃の前に、さながら、日比谷一帯は、革マルの処刑場と化し、反革命分子のおびただしい血で染まったのだ。」、喜んでいるのです。「……路上に、ビルの角に、群衆のど真中に累々と横たわった光景は壮絶そのもの」であったと、こう言うのです。こういう連中ですよ。こういう連中のところへ先生が動員されて、拍手して、シュプレヒコールをやらされたのですよ。これが研修だと言うのです。いいですか、大体わかりますか。
 だから、すでにわが党林議員の質問に対して当時の後藤田警察庁長官は、これはまさに凶悪犯罪集団であると認定しているのです。このことについて研究しなくちゃならぬ、調査しなくちゃならぬ、もう少し考えさしてくれ、こんなことを文部省は言っているのですか。こういうものが参加しておる集会に、教育行政当局が研修命令として教員を参加させる、一緒になって反共演説に拍手し、共同のスローガンを叫ばせる、つまり教育行政当局、教員と中革派は凶悪な犯罪者集団と共同行動をとるまでに至っているのです、これは、客観的には。これが文部省の言い、法律に規定されておる研修の名に値するのか、こんなことを研修の名によって行なうことは絶対に許しがたい。むしろ文部大臣も、あなたも怒り心頭に発しなくちゃいかぬ問題じゃないですか、これは。冷静におれませんよ、こんな問題では。その上にこの動員のためには臨休態勢をとり、自習や授業カット、生徒を休ましています。これが教育ですか。これがほんとうに子供を愛する教育なんですか。そのための研修なんですか。こういうことは何もいま埼玉県の本庄市だけに初めて起こったことじゃありません。初めてじゃないのです、数年前に後藤田警察庁長官さえ答えておるのですから。いまなお彼らが蠢動をほしいままにしているのです。国内ではやれなくなったからといって外国へ行ってやっているでしょう。こういう連中ですよ。だから大阪、広島などの全国各地で解放同盟の一部による教育への不当な介入が至るところでやられています。これは私も質問しました。私たちの村上国対委員長も質問し、わが党の議員のほとんどがこの問題について質問しておるにかかわらず今日までそのような教育介入について文部省が厳格な適切な態度を一度分もとったんですか。そのつど文部省は事実を調査し、正すべきものは正します、何度も繰り返しました。これは奥野文部大臣以前の問題からどっと起こっています。
 一体今日までそうなら、どのような調査をやられたか、調査の結果を報告してください、ここに、委員会に。どのような行政指導を文部省はやったのか、その結果を報告してください。してくれなければ質問ができませんよ、あなた。どう思いますか、文部大臣、この点について。これはそのときそのときの質問に対してちょうど都合のいい逃げ口上を述べておるとしか言えないところでしょう。事柄は、教育を担当する教育の責任ある行政当局じゃないですか。国会無視ですよ、こういうようなことは。だから、こういうことが起こるのです。文部省はああ言っているけれども、何にもあまりきびしいことは言わぬ、やれやれ。こういうことが今日また私自身の口から国会で質問しなくてはならぬということについて、私も残念でしょうがないのです。なまやさしい質問しているのじゃないのです。こんな文部省でいいのか、国会がこんな文部省に逃げ口上言われて、言われっばなしでいいのか、私はこう思っているのですよ。埼玉県の教育委員会も、文部省の行政指導がいいもんだから、何にも知っておりませんと言いながら、実際はこのことを知っておるのです。結果としては黙認なんですよ、このことは。そこで私は、若干時間はありますけれども、この問題についてはもろともっと文部省の厳粛な態度での答弁をいただかなくては納得いきませんけれども、ただこの点について三点だけ明確な答弁をお願いしたいのです。これは文部大臣にお答えをお願いしたいと思うのです。こういう私の申し上げたような事態について、直ちに調査をいたします、本庄市教育委員会に助言、指導を行ない、およそ研修の名によってこのような公費出張、こういうことは許しがたいことである、こういう通知を出していただかなくてはいけません、直ちに。その点についてどうですか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 加藤さんからこれだけの事実が明らかにされたわけでございますから、実態を当然文部省として掌握しなければならないと思います。そのとおりであるといたしますならば、私は各党間でも考えていただかなければならない重大な事態だと、こんな感じもするわけでございます。また尋ねましても堂々と答えられないような事態にあるとすれば、脅迫されているのじゃないかということにもなるわけでございますし、ゆゆしいことだと、こう思うわけでございます。いずれにいたしましても、事態がどうであるのか、私としてはぜひ明らかにしていきたい、こう思っております。
○加藤進君 局長も一言その点について率直な見解を述べてください。
○説明員(安嶋彌君) ただいま大臣が御答弁になりましたとおりでございます。
○加藤進君 第二、このような集会に全国各地の教員を公費で参加させるようなことはこれは正しくない、教育上よろしくない、文部省としては許しがたい、こういうふうに直ちにとりやめるべきだと思いますけれども、その点についていかがでしょう。
○国務大臣(奥野誠亮君) 先ほども申し上げましたように、私としては研修だとはどうしても理解できないわけでございます。もし私の理解どおりであるとするならば、研修という名前をかりた公費出張だということになるわけでございますから、それは私は違法な、不当な支出じゃないだろうかと、その面から議論は出てくる性格のものじゃないだろうかというように伺っております。
○加藤進君 最後に。研修というのは、本来は教員が自主的に、自発的に行なうのが私は本旨だと思う。またそのように行政当局は指導もし、援助もしなくてはならぬと思います。一方ではこのような事態が、研修の名前において公然と公費を使って、しかも教育長の名前によって動員されておる。これを文部省は私が質問しなければあすも黙って知らぬでおられると思います。あさっても知らぬでおられると思うのです。事実は知らなかったということで一年でも二年でも通りますよ。いわば文部省はこのことを知るや知らずや、野放しにした。黙認したと言っているのだ、私は。当然だと思うのです。そういうことを一方でしておきながら、しかも一方ではどうかというと教員団体の行なうあの教研集会どうですか、教研集会に対して、かつては文部大臣も出席されましたけれども、このごろは文部大臣、奥野さんまだ出席されたことないですね。こういう教員の自主的に行なう研究集会あるいは大衆組織でもよろしい。事教育に関する研究集会、そういうことに対しては積極的に先生たちも出て勉強してください、そして教育者としての資質を高めて一人一人に行き届いた教育をやれるようにしてください、これが私は文部省としての一番大事な指導じゃないかと思うのです。そういう指導について、従来ややもすると自主的な研修、教員の創造的な研修活動を押える傾向が多分にありました。事例を申し上げるならば幾らでもありますけれども、こういうことをこの機会に反省して、このような自主的な研修こそ奨励し、そして支持すべきであって、不当にも研修という名前によって、まことに憲法、教育基本法にももとるような事態を引き起こすようなことを厳に押える、こういう私は措置がとられてしかるべきではないか、こういうふうに思いますけれども、その点についての御見解はいかがでございましょうか。
○国務大臣(奥野誠亮君) 教員団体の自主的な研修大会に私は数多く参加いたしております。政治的に不偏不党、これを掲げられている団体の研修会に対しましては、積極的に参加してまいっております。そうでない団体につきましては、私は研修計画そのものについても疑問を持っております。そういうような計画に対して私は参加する意思はございません。
○加藤進君 いや、そういう団体についての参加の意思はないということだけを聞いているわけじゃないんですよ。このような事態を引き起こしたことについて、文部省当局は行政指導の面について反省するなら、厳にこれは禁止して、一方においては良心的な、そして先生たちの自発的な教育研修活動についてはこれを支持すると、こういうことを文部省としては方針とすべきじゃないかということを言っておるわけでございまして、これは文部大臣におきましてもいろいろな御判断もあるかと思いますけれども、基本的にはそのような方向で文部省もいくべきであると私は考えるのですけれども、その点についての文部省の御見解をただしておきたい。
○国務大臣(奥野誠亮君) 私は先生方の団体は基本的に政治的には不偏不党であってほしい、こう思います。そういう気持ちを強く持っておりますだけに、加藤さんのあげられました事実に対しまして、私は非常な驚きを持って伺っておったわけでございますし、同時に、ひどいことが行なわれているのだなという感じを強く抱いたわけでございます。政治的には不偏不党、そういうことを基本にされておる先生方の団体が積極的に研修の機会を持たれる、けっこうなことだと、将来ともそういう面についてはむしろ助長していくべきものだと、かように考えております。
○加藤進君 以上で私は質問を終わりますけれどもね、全体を通じてある部分については納得をいたしますけれども、納得しかねるような答弁も多々ありました。これについてはもっともっと文部省の真意を問いただしていかなくてはならぬ、こういうように考えまして、その点については次回にやはりその問題についての引き続く質問を保留したい、こういうように考えます。その点について御了承をいただいて私の質疑を終わりたいと思います。
○委員長(前川旦君) ほかに御発言もないようですが、文部省の審査につきましては、質疑者から質問保留が出されておりますので、後日あらためて文部省の質疑を行なうこととし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十八分散会
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