第075回国会 決算委員会 第4号
昭和五十年二月五日(水曜日)
   午前十時三十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十四日
    辞任         補欠選任
     上條 勝久君     寺下 岩蔵君
     内藤  功君     橋本  敦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         前川  旦君
    理 事
                今泉 正二君
                鈴木 省吾君
                園田 清充君
                小谷  守君
                峯山 昭範君
                橋本  敦君
    委 員
                石本  茂君
                遠藤  要君
                河本嘉久蔵君
                木内 四郎君
                小林 国司君
                世耕 政隆君
                永野 嚴雄君
                温水 三郎君
                松岡 克由君
                望月 邦夫君
               茜ケ久保重光君
                久保  亘君
                小山 一平君
                二宮 文造君
                田渕 哲也君
                野末 陳平君
   政府委員
       宮内庁次長    富田 朝彦君
       行政管理庁行政
       監察局長     大田 宗利君
       大蔵政務次官   梶木 又三君
       国税庁次長    磯辺 律男君
       通商産業政務次
       官        嶋崎  均君
       通商産業省貿易
       局長       岸田 文武君
          ―――――
       会計検査院長   白石 正雄君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総長       寺田 治郎君
       最高裁判所事務
       総局総務局長   田宮 重男君
       最高裁判所事務
       総局人事局長   矢口 洪一君
       最高裁判所事務
       総局経理局長   大内 恒夫君
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   千葉 和郎君
   事務局側
       事 務 総 長  岸田  實君
       事 務 次 長  植木 正張君
       常任委員会専門
       員        佐藤 忠雄君
   裁判官弾劾裁判所事務局
   側
       事 務 局 長  西村 健一君
   裁判官訴追委員会事務局
   側
       事 務 局 長  大迫 藤造君
   国立国会図書館側
       館     長  宮坂 完孝君
   説明員
      会計検査院事務
      総局次長      鎌田 英夫君
      会計検査院事務
      総局第一局長    高橋 保司君
      会計検査院事務
      総局第二局長    柴崎 敏郎君
      会計検査院事務
      総局第三局長    本村 善文君
      会計検査院事務
      総局第四局長    桜木 拳一君
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  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○昭和四十七年度一般会計歳入歳出決算、昭和四
 十七年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十七年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十七
 年度政府関係機関決算書(第七十二回国会内閣
 提出)
○昭和四十七年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第七十二回国会内閣提出)
○昭和四十七年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第七十二回国会内閣提出)
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○委員長(前川旦君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十四日、上條勝久君及び内藤功君が委員を辞任され、その補欠として寺下岩蔵君及び橋本敦君がそれぞれ選任されました。
○委員長(前川旦君) ただいま御報告のとおり、橋本敦君の一時委員異動に伴い、理事が現在一名欠員となっておりますので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前川旦君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に橋本敦君を指名いたします。
○委員長(前川旦君) 議事に入るに先立ち、この際、御報告いたします。
 去る一月二十一日、自治省、警察庁及び北海道開発庁審査の際、第二院クラブ市川房枝君の質疑に対し、自治大臣福田一君の答弁に不適当な発言と認められる部分があり、福田自治大臣からも、この個所について取り消す旨の発言もありましたが、委員長といたしましては、後刻速記録を調査の上処置を考えたいと思い、そのままといたしましたが、その後理事会での協議、また速記録による調査の結果、福田自治大臣の発言中の一部分につきましてはやはり不適当な言辞と認め、委員長はこの部分を会議録から削除することといたします。
○委員長(前川旦君) 次に、昭和四十七年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、皇室費国会、最高裁判所及び会計検査院について審査を行います。
 この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前川旦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
○委員長(前川旦君) 速記を起こして。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○茜ケ久保重光君 私は最高裁判所に幾つかの点についてお尋ねしたいと思います。
 いま委員長から発言がありまして、決算についてのこともと思いましたが、それは会議録の末尾につけるそうでありますから、それは省略いたします。
 いま世相が非常に混乱をいたしておりまして、いわゆる田中金脈問題等に端を発する政治不信とか、あるいはオイルショックによる経済界の混乱等がすでに非常に人心に混乱を起こさしておる、しかもいろいろな意味で不信感が高まっております。その中で、日本の裁判所はやや公正な裁判をしているのではないかという信頼感があるやに思うのでありますが、これもしかし実を言いますと、いろいろと具体的に入ってまいりますと、裁判所ないしは裁判に対する不信も決して存在しないとは言えぬと思うのであります。
 そのことは逐次質問の中で申し上げたいと思いますが、最高裁判所はいわゆる司法権独立と申しますか、裁判不可侵と申しましょうか、一つの象牙の塔的な存在でございまして、何かこう国民と遊離したような感がある点もこれはございます。そういった意味で、最高裁判所は全国の裁判所を指導監督されるわけでありますが、いま私が指摘したように、現在の日本の裁判所制度は本当に国民から信頼をされ、国民がいわゆる裁判の結果に対して、これはもうその是非は別として、納得できるような裁判処理行政が現実に行われているのか、これに対してどういうふうな認識を持っているのか、この際、事務総長から、最高裁判所を代表して、いま申しましたことに対する御所信を承りたい。
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) ただいま茜ヶ久保委員から、最高裁判所を初めとする裁判所は国民から公正という点で信頼を得ているというお話でございまして、私どもたいへん感銘を受けて承った次第でございます。
 裁判と申しますのは、何と申しましても常に公正ということが最も大切でございます。その点において国民から十分の信頼を受けるように常々努力しておるつもりでございまして、あるいはまだ十分に至らない点があるかもしれませんけれども、今後とも一層その方向に向かって努力してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○茜ケ久保重光君 憲法第三十七条では「すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。」と規定しております。いま私は、日本の裁判は、いわゆる政治不信とか経済界に対するいろいろな不信ということが横行しておる中で、やや公正であるという国民の判断を云々と申しましたが、いま憲法第三十七条で保障するいわゆる迅速かつ公正な裁判、こういった点で今日の裁判の状態がこの三十七条に抵触するような案件があるやに伺いますが、この点に対する実態はいかがでございましょう。
○最高裁判所長官代理者(田宮重男君) 裁判が一面において遅延をしているという声は前からあるところでございます。
 実情はどうかと申しますと、最近の実情でございますが、主として第一審である地方裁判所について見ますと、一年以内で処理されるところの民事事件というのが六三%ということになっております。これに対しまして一審の地方裁判所におけるところの刑事事件でございますが、これが六ヵ月以内で処理されているというのが平均では七四・六%ということでございます。そのような数字を見ますと、大体、民事では一年以内に約六割、刑事では六ヵ月以内、半年以内に約七割ということでございますので、数字の上から見ますと、必ずしも全体的におくれているということはそうは言えないように思いますが、しかしながら戦前等に比較いたしますと、かなり最近平均的に審理期間が延びていることは間違いございません。
 審理期間の特に延びておるということが世上往々にして問題になりますのは、特に著名事件でございまして、近く判決になります大須事件といったような刑事の公安といったような事件、また民事で申しますと、種々の公害訴訟といったようなもの、こうして世間の注目を引くような事件が往々にして長期間かかりますもんでございますから、一般的には訴訟が非常におくれているという印象が強くあろうかと思うわけでございます。そういう点はかねがね私どもといたしましても十分気にいたしまして、あらゆる面からそういうふうな特殊事件の処理についても、今後、さらに訴訟の促進を図り、国民の期待に沿いたいというふうに努力してまいるつもりでございます。
○茜ケ久保重光君 いろいろ具体的な例を挙げてお聞きしたいんでありますが、時間の制約がありまして、予定した時間を二十分ほど削減されましたので、ちょっと質問に戸惑っているんですが、いま御指摘ありました、もちろん全般的にはそう、いま数字も申されたように、遅延しているとは言えません。しかし、いまあなたもおっしゃったように特殊な事件になりますと非常に長いものがあります。
 最高裁で、いわゆる長期裁判ということを表現されるのは、民事、刑事、どのくらい期間以上は長期裁判という規定をされているのか、何か尺度がありましたらお知らせいただきたい。
○最高裁判所長官代理者(田宮重男君) これはもう主として統計上の処置でございますが、私ども民事につきましては三年以上係属している事件を長期未済事件、それから刑事につきましては二年以上係属している事件をいわゆる長期未済事件というふうに統計上そういうふうな処理をしております。
○茜ケ久保重光君 刑事、民事ともに十年ないしは二十年以上係属しているものがありましたら、その件名とその年数をちょっとここでお知らせいただきたい。
○最高裁判所長官代理者(千葉和郎君) さしあたり刑事の関係で申し上げますが、刑事の関係で申しますと、地方裁判所で四十八年末現在で二十五件十年以上経過しているものがございます。それから高等裁判所、これは高裁における係属期間だけ二年以上になっているものが三十三件、それで最高裁判所につきましては三十六件、こういう数になっております。
○最高裁判所長官代理者(田宮重男君) 民事事件の関係でございますが、ただいまの刑事局長の説明に合わせますと、これはちょっと古くなりますが、昭和四十七年の十二月現在でございますが、十年以上のものが高裁と地裁を合わせまして千百二十件、このような数字になっております。
○茜ケ久保重光君 刑事事件の中で長期にわたるものの中で、身柄を現に拘束している案件がありますか、被告人をずっと身柄拘束のまま五年、十年、二十年と裁判が続行されているものがありますか。ありましたら、その件名と人数をひとつお教え願いたいと思う。
○最高裁判所長官代理者(千葉和郎君) ただいま刑事の関係では権利保釈という関係がございまして、ほとんどの事件は一審ないし二審が終わりますと、刑の軽い者については保釈になっております。現実に長く勾留しているというものにつきましては死刑事件等についてはあると思いますが、そのほかの大部分の事件はいずれも保釈中でございます。いま手元にどれが拘束中であるかという資料を持っておりませんのでございますが、大多数は保釈になっているはずでございます。
○茜ケ久保重光君 軽い事件とおっしゃったけれども、軽い事件ならいわゆる一年か二年で大体解決するはずでありますが、五年、十年、二十年たっているのは、おそらく何かそれ相当の問題点があるのだろうと思うのですが、その五年、十年、二十年という裁判がある中で、いわゆる私ども常識ではおそらく重大な事件であると申しますか、刑の軽重は別として、かなり重大な事件であろうと思うのでありますが、その点の認識はいかがなんですか。
○最高裁判所長官代理者(千葉和郎君) 審理が非常に長くなっている事件といいますのは、統計のほうで申しますと詐欺、業務上横領、税法事件、公職選挙法違反事件、贈収賄事件、こういうものが多いわけでございまして、そのほか傷害とか公務執行妨害といういわゆる学生事件のようなもの、それが実は法廷が非常に混乱したり、あるいはその前に税法事件とか詐欺事件といいますのは訴因が非常に多数であって、その証拠調べに非常に時間がかかる、またそれが犯罪を構成するかどうかという関係につきましても非常に複雑な案件が多い、そういうことで審理に時間を要するということが多いわけでございまして、むしろ端的な重罪事件といいますか、そちらのほうは比較的早いわけでございます。
○茜ケ久保重光君 私がお尋ねしているのは、もちろん拘束されれば、これは刑務所の中でありますから自由ありませんが、拘束をされておりませんでも、いわゆる被告人という立場がある以上は、保釈で出ておりましても、社会的な生活というか、あるいはいろんな意味で非常に被告という立場の人は苦しい立場に立つわけです。したがって、裁判所当局にはそれなりの理由もありましょうけれども、いわゆる憲法で言っている迅速な裁判ということは被告人という立場を早く解消して一般人としてのあらゆる権利を享受する、こういうことが要請されるわけです。
 ところが、実際はいま申しますように、長いのは二十年――二十年ということはもし二十のとき事件に当たりましたならば四十歳、青壮年時代をこれはいかにどんな案件にしましても被告人という立場は非常に社会的に大きいわけです。私もかつて戦争中に治安維持法違反の案件で被告人となったこともあるし、刑務所の生活もいたしました。そうしていわゆる裁判も受けました。戦争中の治安維持法というのはまた格別なものでありましたけれども、とにかく私どもは一つのプライドを持っていわゆる自分としては決して何かこうひがみを持ったり、後ろ暗い気持ちはなかったのでありますが、世間から見ると国賊扱いされる、非常な苦しい目に遭いました。しかし、いまの自由社会においても被告人というものは、これは大変なものであります。それをいわゆる裁判所の都合や事情でそういう長い裁判が行われることば、これは私絶対許せぬという言葉を使っても過言でないと思う。
 したがって、冒頭申しましたように、いわゆる裁判は不可侵であるし、司法権の独立ということはこれはある。それからその牙城に立てこもって、私が申しましたように、一般の国民の側から見ると非常にこれは違ってくる。もう少し裁判が国民の側に立って運営されなければいかぬと思う。その量刑なり内容については、もちろんわれわれはこれはもう触れません。しかし少なくとも裁判所が国民の側に立ったいわゆる運営をなされなければいけない。常に国民が泣くような状態ではならぬと思うのです。
 事務総長、いまお答えのようにいろいろな事件があります。これに対して先ほど総括的には促進するとおっしゃったけれども、具体的にはなかなか促進されていない。これに対してやはり私は裁判所全体がもし人員の不足とか、あるいは裁判官の不足ないしはその他の問題点があるならば、これは当然解消するように努力しなくちゃならぬ。それはわれわれ国政に当たる者の一つの責任でもある。したがって、そういう具体的な、こういうところに欠陥がある、促進しようと思うけれども、こういう点で促進できない、あるいは弁護士対裁判所関係、証人対いろいろなものがあるでしょう。ここで一々具体的にできなければ、そういうものがあることを皆さん方が御承知ならば、認めた時点でそれを解決するためにどう処置するか、こういう具体的な私は対策がなされなければ、ここで幾らあなたが解消のために努力するとおっしゃっても実際はできないと思う。いかがですか。
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 裁判は何と申しましてもまず公正でなければならないわけでございます。しかし公正であるだけでは足りないので、同時に迅速でなければならない。公正という点につきましては私ども自信を持っておるわけでございますが、迅速という点につきましては、先ほど来各局長から説明いたしましたように、必ずしも十分に満足できる状態にはなっていないわけでございます。
 ただ、その原因がどこにあるかといういまの茜ケ久保委員の御質問でございますが、これはかねてから法曹界においていろいろ論議されております原因はきわめて多岐にわたっておるわけでございます。その中には裁判所だけでは解決できない問題も多々ございます。検察庁なり弁護士会なりの御協力さらには国民の協力を得なければならない面、たとえば証人の出頭でございますとか、当事者の出頭でございますとか、そういう面も多々ございます。しかし、まず何よりも裁判所みずからが姿勢を正して迅速な裁判の実現のために努力しなければならないということは申すまでもないところでございます。
 そういう意味におきまして、私ども従来から制度面、予算面、その他司法行政全般にわたりまして努力をしてまいっておるわけでございます。さらに個々の具体的の点につきましてはあるいはお尋ねに応じまして逐次申し上げたいと存じますが、一応概括的に申し上げますれば、さような次第でございます。
○茜ケ久保重光君 いま申しますように、あなたもおっしゃるように、いろんな原因があろうと思う。その中にはいわゆる国会での法律の改正とかあるいはそれに準ずることもありましょう。これはやはり私は憲法三十七条を具体的に国民に享受させるためには何としても必要だと思うのです。
 したがって、きょうは時間の関係で全部質問できませんから質問を保留して、また後日、これは少し時間をかけて、私は最高裁の問題をあまりやっていないですから、ひとつ審議したいと思う。きょうは、したがってひとつわれわれも検討して洗い出して――たくさんあろうけれども、最も肝心な問題はここだ、これとこれが一番緊急かつ肝要だというものがありましたらぜひ提示してもらいたいと思います。これは後日でけっこうですから、それをひとつ要望しておきます。いろいろ事例を持っておるんでありますけれども、これは後日に譲りまして、問題を変えまして、いま非常に問題にされている選挙違反事件――具体的には参議院議員糸山英太郎氏に関する違反問題についてお伺いしたいと思う。
 この糸山事件というものは田中前総理の金脈問題とあわせてと申しますか、これと同じような重みを持って国民に大きな衝撃を与えた事件であります。私ども選挙をたびたびいたしておりますが、あの表に出ましただけでもまことに膨大な、われわれには想像もつかない選挙資金を使って選挙をなされている、しかも非常に膨大な関係を持って行われている。その結論はこれは裁判所におまかせするけれども、その当時、裁判所当局はそういうまことに衝撃的な案件であるから、いわゆる選挙事案に関する百日裁判をやって国民の前にその真相をひとつはっきりさせる、こういう声明をされ、また私もその声明に従って東京地方裁判所では具体的なスケジュールを整えられたと思うのであります。その点については、当時、私も裁判所のいわゆる勇気ある決断に敬意を表した。ところが、いろんな事情がありましょうが、いまの時点になりますと、何かいわゆる当初の百日裁判というものが雲散霧消しつつある感があります。百日どころか、ややもすると六年の任期中には結論が出ないような実態に追い込まれつつある、そういう感じを受けております。
 国民が、ひとしく注視をし、いわゆる政治不信の一端を私は担っていると思う、この事件は。なぜああいう莫大な金を使わなければ選挙ができないのか、また、ああいう莫大な金を使って議員になることは、何かその裏に、議員になればいわゆるすばらしい通俗的な金もうけができるんじゃなかろうかと、こういった印象を非常に国民に与えておる。そういったことは明らかに国民に対し政治不信、先ほど申しました田中金脈の問題とともに、政治不信を与えた大きな原因であると思います。したがって、このことは糸山議員のいわゆる失格とかそういうことではなくて、国民の政治に対する信頼を取り戻すためにも、迅速な裁判をされて結論を出すことが、私は、これは日本の将来にとっても大きな問題だとこう把握いたしますから、あえてこの問題を提起するわけであります。
 ひとつ、いま、きょうの時点で糸山裁判、いわゆる林総括責任者あるいは近松、関西における責任者、また、きのう裁判された、いわゆる糸山議員の養父に当たられる方々の裁判等を総括して、現段階における進行状況を、裁判運営上支障のない限りにおいて、ひとつここに明らかにしてもらいたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(千葉和郎君) 糸山派の選挙違反関係につきましては、いわゆる百日裁判の関係では東京地裁に起訴になりました林武英氏の事件、それから神戸地裁に提起されました近松誉了被告の事件、いずれも買収が主でございます。
 東京地裁の関係は四十九年の八月三十一日及び九月二十七日付で起訴になっております。それで訴因の数が五つございます。東京地裁といたしましては、直ちに百日裁判の趣旨に従いまして訴訟関係人も集合いたしまして準備作業に入りました上で、十月十二日にその打ち合わせを終了して、十月二十六日以降十二月二十七日まで十六回の期日指定を行いました。そして第一回の公判期日である十月二十六日には起訴状の朗読、罪状認否、検察官の冒頭陳述、証拠申請等の冒頭の手続が終わりまして、第二回公判からは直ちに証人尋問に入ったわけでございますが、十一月十六日の第四回公判期日を前にいたしまして、林被告から病気を理由とする不出頭届というのがありまして、その後三通ほどのそれぞれ医師の診断書が出まして、悪性腫瘍の疑いがあるということで、結局、十二月の九日に癌研究所附属病院に入院いたしました林被告が肺腫瘍のために左肺を切除した。それでそのまま入院を続けるという状態になりましたために、やむなく公判期日を取り消しまして公判停止決定を行って、いま公判は中断したかっこうになっております。これは現に左肺切除をいたしまして入院中でありますので、やむを得ない状況にあるということが言えるかと思います。東京地裁としましては、先ほど申し上げましたようなスケジュールに従いまして、百日裁判をその理想に従ってできる態勢をとったはずでございましたが、そういう遺憾な状況のために中断しているということでございます。
 それから近松誉了被告の神戸地裁の方は、四十九年八月二十六日以降、五回にわたって、十月二十五日までの間に二十一個の買収を主とする訴因による起訴がございました。神戸地裁の担当裁判所といたしましても直ちに準備に入りまして、第
 一回公判期日が十月二十八日に開かれまして、その後十二月十六日、それから一月の九日、二十三日、三十日、なお八月二十八日までに十八回の期日指定がなされまして、いずれも証人尋問に入っておるようでございます。現在のところ、検察側は五十二名の証人を申請し、弁護側は百四十五名の証人を請求をしている、こういう状態でありますが、これはいずれも請求の段階でございますので、さらに裁判所の方でその証人を必要な者に制限しながら証拠調べを進行していくという状態にあると思います。この状態でありますと、百日――すでに起訴が完了したのが百日過ぎておりますので、起訴が終わってからでも百日以内ということは困難かもしれませんが、しかし、相当早いペースで進行している、こういう状態でございます。
 そのほか、私ども糸山派の関係で知っておりますのは、東京地裁に三十名、大阪地裁に二十七名、神戸地裁に十一名、岡山地裁に二名の糸山派関係の選挙違反が係属しているということでございますが、東京地裁は昨日第一回の公判が開かれまして、四月までに六回の期日指定がなされまして、これも相当早いペースで進行しているわけでございます。
 なお、いま申し上げました東京地裁以下の分は、いずれも百日裁判の事件ではございませんが、通常の選挙違反の事件でございますが、それも相当早いペースで進んでいるということを申し上げることができると思います。
○茜ケ久保重光君 林被告が入院をされて、癌研の附属病院の院長の診断書は二カ月ということなんですね。二カ月静養が必要だと、一その二カ月が今月の九日の予定です。裁判所当局は、いわゆる当初入院させるときの主治医や病院長の診断書は二カ月ということでありますから、二カ月すれば大体正常に復するだろうという診断でありますが、その時点においては裁判長は病院を訪れて実情を聞いておりますが、もうすでに退院の時期に来ている今日のいまの段階で、最近、病院側と林被告の病状について裁判所当局が何か経過について聞いた事実がありますか、調査した事実がありますか。したとすれば、どのような実態であるのか、この点を明らかにしてください。
○最高裁判所長官代理者(千葉和郎君) 正式の報告ではございませんが、連絡を受けたところによりますと、十二月十四日に裁判長がみずから病院を訪れて、病院長と会いまして、そうして事情を詳しく尋ねた上、その後も二回にわたって連絡を受けているようでございますが、二月中旬以降の病状につきましてはなお予断を許さないということのようでございまして、中旬になりましたら、もう一度詳しい報告書をもらうということになっているようでございます。
○茜ケ久保重光君 私は、これは糸山事件だけではなくて、非常にいわゆる病気の理由において出廷を拒否する事件がかなりありますな、刊事事件、民事事件ともに。まあ一応医師の診断書は信用しないわけではありませんが、どうも私ども素人から考えると、裁判を遅延させるために故意に病状を重くして、そして出廷しないというケースがこれはもう現実的にあるということを承知しております。林被告がそうだとは決して申しませんが、しかし林被告の場合でも全然ないとは、これは断言できないと思う。
 そこでお聞きしたいのでありますが、いわゆる主治医と称する被告人の一方的な担当医の診断だけを、これを見て、そういった場合に、これはあるいは相手を疑うことはいけないのかもしらぬけれども、ややいわゆる不審のある点もないわけではないから、第三者あるいは大学病院とか、そういった立場にある医師のあわせての診断をして、そうしていわゆるだれが見てもこの診断の結果は公正であるということが判明できるような措置を私はするのがこれは至当ではないかと思うのだが、現にそういったことを裁判所当局はなされているかどうか。また、しているならば、今度の場合、林被告に対しても、いわゆる最初の二カ月という医師の診断、ところが、いまお聞きすると、なお予断を許さぬということになっている。もちろん当初の診断が一〇〇%とは言わぬけれども、少なくとも手術をしたお医者さんが二カ月すれば大体普通になるという診断のもとに行ったんですから、これは信頼すべきだと思う。ところが、いまになると予断を許さぬ――予断を許さぬというのはどういう状態かわかりませんが。こうなってまいりますと、やはりいま先ほど指摘したように、いわゆる担当主治医だけでは信頼がおけぬという一つの危惧が出てくる。そういう場合には、やはり第三者的な医療機関がこれを立ち会いのもと診察する必要があるのじゃないか、こう思います。
 その点、裁判所としては、そういったことを過去にやったことがあるかどうか、またそれはできるのかできないのか、できるとすれば、今度の場合、それを当てはめる意思があるかどうか、この点をひとつ事務総長から御答弁願いたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(千葉和郎君) 一般に被告人が不出頭の理由といたしまして病気等の診断書を提出するにつきましては、刑事訴訟規則の百八十三条に規定がございまして、単なる診断書ではだめなんでありまして、具体的にその病状を記載し、かつその病状によって出廷して防御活動ができるかどうかということについての判断資料まで記載することになっております。
 もちろん、その医師の記載した診断書が信用できないということであれば、これは決定手続でございますから、これは別のお医者さんに頼みまして鑑定するということは可能でございます。またそういうことをやる例もございます。
 ただ、本件の林被告人の場合につきましては、現に悪性肺腫瘍であって、左肺を切除して現に入院中である、癌研究所でございますか、そこに入院している、こういう状態でありますので、裁判所としては直接担当の院長に会ってその状況を聞いて、それで停止決定のこの判断に至ったものでございますから、その措置はきわめて妥当なものであったろうと思います。
 また、将来のことにつきましては、これは裁判所の権限でございますので、先ほど申し上げましたような法律上の根拠に従いまして措置されることであろうと、かように考えます。
○茜ケ久保重光君 結局、この糸山事件に対するポイントは林被告だと思う。これは林被告のいわゆる最終的な決定が――私も別に糸山議員の失格をどうするとかいうのじゃなくて、少なくともこの連座規定がある以上、しかもだれが考えても、これはもう常識的に考えても何億、表に出ただけでも何億という金が使われている。御承知のように参議院の全国区の法定選挙費はわずかなものである。これはだれが見ても、しかもそれが皆ほとんど買収となっている。だれが考えてもこれはもう重大な選挙違反行為であることが考えられる。ところが、せっかく百日裁判に期待したのに裁判がおそくなっている。そういう原因をずっと調べていくと林被告の病気だと言う。
 いまあなたもおっしゃるように、肺が肺腫瘍で片肺を取ったというのでありますから、これは一般的に見てもかなりの病人であることは事実でしょう。しかし片肺取ったといたしましても経過が良好であるならば――これは人間かなり年配でもありますけれども、まだまだそう老衰するほどの年配じゃありません。裁判の続行には支障ない状態が私は考えられると思う。もしどうしても長期にわたるような場合には、裁判所がいわゆる病人のところへ出張して臨床尋問というのですか、これも人権問題といえば人権問題にもなりかねないことでもありましょうけれども、事が重大であるだけに、私はいわゆる医師の立ち会いのもと、病人に、出廷することは無理だけれども、いわゆる病院において尋問する限りにおいては支障がないということもこれはあり得るわけだ。
 軽い、あるいは一般的な関連のない事件ならばそれほどのこともありませんが、たびたび申し上げるように、非常に重要な案件のときに、私は一日も早く結末をつけて国民の前にいわゆる政治不信を招来した根源をなくすることは、これは私は大事なことだと思う。したがって、いわゆる医者と相談をして、また裁判の運営上そういったことが可能かどうか。これはいわゆる検事なり警察関係が臨床尋問することは多々ありますが、裁判所がいわゆる臨床尋問したかどうかということは私も記憶ありません。これはもし可能ならば、もし可能であるとすれば現在の日本の裁判所法上そういったことも考慮して、いわゆる百日裁判の精神を生かすべきだと思うが、いかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(千葉和郎君) 出廷が可能であるということになれば、裁判所のほうは直ちにもとの旧来の状態に復して進行する予定で態勢を整えております。
 それから被告人が法廷に出廷が困難であるということであれば、証人尋問をほかの場所でやるという手続も可能でございます。ただ被告人を法廷に出廷させないで刑事訴訟を進めるということは、この事件は当該林被告人の被告事件でございまして、その当該の被告人のいないところで法廷を進めるということには非常に手続上困難であり、かつ許されない場合があるわけでございます。可能な限度において裁判所は百日裁判の精神に従ってできる限りの迅速処理を志していると思いますが、病院で法廷を開くということについてはいささか困難であり、かつ、およそほとんど不可能なことであろうと、かように考えております。
○茜ケ久保重光君 何か絶対できないという規定はありますか。不可能に近いとか微妙な言葉を使っていらっしゃいますが、できない、してはいかぬという規定があるのか、あるいはやろうと思えばできるのか、この点はっきりしてください。
○最高裁判所長官代理者(千葉和郎君) 原則としてできないわけでございます。ただ最高裁判所の許可を受けまして法廷を病院に移すという許可を得れば、それは可能でございますが、しかし入院して休んでいる被告のところでたいへんに長い証人尋問を行うということにつきましては、今度は被告人の人権の問題としてやはり問題になろうかと思います。それらの関係から非常に困難であるということを申し上げたわけでございます。
○茜ケ久保重光君 私も人権問題は考えています。病人を病院で尋問するということはこれはかなり問題がある。しかし、出廷するということは困難でも、病床である程度の時間尋問することはこれは可能なことがあります。これは常識でもあります。また医者の診断と医者の付き添いがあればできる。
 ということでありますから、いま刑事局長は最高裁判所の許可があればできるとおっしゃったが、最高裁判所はいまの時点で、早急にとは申しませんよ、しかし、林被告が入院したということを一つの理由にして延々と裁判所出廷を拒否するようなことがあれば、これは私はなかなか容易なことじゃないと思う。仮定な問題に対して答えることはとおっしゃるかもしれないけれども、しかし、私がたびたび指摘するように、この案件は非常に重要な意味を持っていることでありますから、早急な裁判の進行が望ましい。そうなりますとやはり医師の診断の結果においてはどうしても林被告は出廷しないという場合には、病院に法廷を移して将来尋問しなくちゃならぬようなこともあるいはあるかもしらぬ。そういう場合に、最高裁判所はいわゆる病院へ法廷を移すということに対する許可についてどのような見解をお持ちであるか。そういうことはあるいは事務総長の一存でこういう答弁ができぬかもわかりませんが、あなた個人の意見でもいいからひとつ開陳をしていただきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 先ほど来のお話の中で、尋問をするということ自体は病院へ行ってやりますことが民事でも刑事でもときどきございます。ただ、お話に出ておりますのは、その当該被告人を尋問するということだけではなしに、法廷の手続そのものを病院で進める、したがいまして当該被告人以外の証人も病院で調べる、こうせざるを得ないわけでございます。単なる証人等の場合に、第三者の証人を、その証人尋問だけを病院へ行ってやるということならば問題は比較的簡単でございますが、当該被告人でございますから、そこでその被告人のいる席で法廷を開くとなりますと、裁判所法の特別の規定の開廷場所の指定という手続がございますが、そういうことになるわけでございます。
 そういうものは、従来の例としては、きわめて特殊な、たとえばらい病患者の場合にどうしても法廷へ連れてこれないので、らい病院で、診療所と申しますか、そちらで法廷を開くという例が間々ございました。しかしもそれ以外にはそういうところで法廷を開くことを認めるということは過去に例がございませんので、おそらくそういうことはきわめて困難ではないか。
 で、お話の点は、当該被告人を調べるだけなら多少病状にさわってもというお話でございますが、そうではございませんで、それ以外の証人の尋問その他全部の手続をその病院で開くということになりますと、これは容易ならないことである、かような趣旨で先ほど来お答えしておるわけでございます。
○茜ケ久保重光君 まあ考えられる最大限の努力をして、これはやっぱり国民が一つの非常に関心を持ち、その結果を見守っている事件でありますから、ひとつ一日も一時間も早く結論が出るような努力をぜひしてもらいたいと思う。
 つきましては、神戸地裁で行われております近松の事件でありますが、先ほど刑事局長もおっしゃったんですが、非常に証人の申請が多いのです。検察側が五十二名、被告、弁護人側が百九十七名――うち三十一名かダブっておりますから百六十六名。この証人ももちろん申請でありますから裁判所で取捨されるでありましょうが、膨大な証人が出ておるのでありますが、ひとつこういうものはなるたけ重要なものだけにしぼって、ややもすると、これも私は勘ぐって申しますと、弁護人側の証人が多いということは審議引き延ばしの意図がないということは断定できないと思います。そうでないかもしれません。しかし、私どもが見るといわゆる百日裁判に対する一つの抵抗という感じもいたします。最近、テレビの報道でNHKも、きのうはフジテレビも、糸山裁判を取り上げておりました。どれもが、いまの状態ではかなり時間を要するだろうと。
 たとえば中山参議院議員の例があります。これは出納責任者が有罪になって、それで失格。ところが中山議員は、これは名前を知っているでしょう、しかし失格という話は聞きません。中山議員は六年の任期を終わって次の任期に入っていらっしゃる。ナンセンスというか、国民は唖然としている。こういう具体的な例があるわけです、生きた例が。裁判所にはいろいろな理由がありましょうが、せっかくの連座制、百日裁判、こう言いながら、六年かかってもこれはどうにもならぬ。しかももう次にまた当選をしておる、こういう事態、これは何としても国民にとっては納得できない。
 したがって、私は百日裁判を固執しませんが、百日裁判の精神をくんで、裁判所当局はひとつ、その結論が失格か失格でないかは別として、少なくとも任期の前半三年ぐらいを最大限の一つの目標にして裁判が終結されるように、百日、百日、百日ならこれは一年で済むわけです。しかし、いまの実態を見ますとそれも無理かもしれない。しかし少なくとも任期の前半の三年以内くらいにはすべてを決着させる、こういったくらいの一つの見通しと裁判の運営をぜひやってもらいたい、こう国民の立場から要望したいのでありますが、その見通しについてはいかがでございましょう。
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 冒頭にお話しのございました迅速な裁判の実現ということが裁判所の使命でございます。先ほど来いろいろお話しのございましたように、裁判所としては全力を結集して迅速な裁判を実現しようと努力しておるにもかかわらず、いろいろな事情のためにそれの実現できない例が多々あるわけでございます。しかし、その間におきましても、先ほど来刑事局長からるる御説明申し上げましたように、裁判長としてはなおかつさような事態のもとで最大の努力をしてまいっておりますし、今後とも、さような努力を続けていく決意でおるわけでございます。
 最高裁判所におきましても、その裁判長の決心が実現できますように、司法行政的に最大限のバックアップをしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○茜ケ久保重光君 まだいろいろとお尋ねしたり要望したい点もありますが、時間がありませんので、きょうのところはこのくらいにしておきます。さらにまた機会を改めてお尋ねもしたいと思いますし、それから糸山事件についても、その後の経過について、また問題がありましたならば、逐次ひとつ当委員会においで願ってお尋ねもしたいし、質問もしたい。きょうのところは以上で終わりますが、いま総長もおっしゃったように、ひとつ国民が本当に期待しているのですから、いろいろな事情もわかりますが、ぜひひとついまおっしゃったことを具体的に実行するという立場で御努力のほどを要望して、最高裁の質問を終わります。
 次に、参議院関係について少しお尋ねをしたいと思います。
 国会というところは、一般の行政機関とはいろいろ趣を異にしている点があります。一般の公務員と国会の職員へこれは衆参両院を通じてですが、国会の職員の給与上の関係は幾らか差がありますか。国会が低いとか高いとかいうことがありますか。冒頭にこのことをお聞きしたい。
○参事(植木正張君) 職員の給与につきましては、行(一)、行(二)職につきましては一般職と全く同様な給料表を使っております。それ以外に議警職、速記職という給料表がございます。これは国会独自の観点からきめるものでございます。したがいまして、一般の事務職につきましては一般公務員と適用する給料表は同じで、運用の面においていかに待遇を処してくるかという問題でございます。
○茜ケ久保重光君 幾らか運用の面で考慮している点がありますか。
○参事(植木正張君) 俸給の面で申し上げますと、いまの給料表のたてまえが職務給的な要素が入っておりますので、それは三等級、四等級の補佐あるいは五等級の係長、そういう役付を増加していく、役付の定数をふやしていくということによりまして給与面の待遇を改善していくということになろうかと思います。その点につきましては、私どもの事務局の特殊性から言いまして、特に上位等級につきましては一般職よりも比較的定数的には多いということが言えると思います。また、その他の給与におきましては国会手当というのがこれは一般職にない特別な手当でございます。もう一点、超過勤務手当がございますが、これも各省に比較いたしますと相当多額の予算をつけておるということでございます。
○茜ケ久保重光君 いま次長の答弁だと、幾らかまあ一般の公務員よりも給与の面ではいいというふうに理解しているんですが、私は、国会職員は二重の重圧を持っていると思うんですよ。一つは、もちろんこれは一般公務員もそうでありますが、直属の長の指揮監督を受けている。ところが、国会というところは、議員という非常にうるさいと言っては語弊がありますが、大変な存在があるわけであります。衆議院では五百人近い、参議院でも二百五十二名の議員さんがいらっしゃる。直接これは国会職員をどうということではありませんけれども、少なくとも国会職員は議院活動をスムーズに運営するための存在でありますから、直接指揮監督しないけれども、議員という存在は大変職員にとっては何と申しますか、気になるというか、常に気を使う存在だと思うんですね。私は大変だと思うんですよ。この二百数十人いる議員さんに対する職員の気遣いというものはこれは非常に大変だと思う。これは一般公務員諸君の全然察知できないことだと思うんですね。したがって、国会職員は二重のそういったものを持っている。
 私は、仕事の内容とか仕事の量等についてそう一般公務員と差があるとは思いません。あるいは逆に非常に楽な点もあるだろうと思うんです、休会もありますからね。しかし、年間を通じていま言ったことはこれは私は多いと思う。そういう意味で、一般公務員よりもひとつ給与の面で、それをやっぱり幾らか具体的にカバーするのは給与面だと思うんですね、給与問題。
 そこで、私の持論としては、国会職員は一般公務員よりも、技術的に何号とかいうのはあるようでありますが、何号俸か高くてしかるべきだと。まあ平たい言葉で言えば、同じ年齢、同じぐらいの仕事をしている者であっても、まあ金に換算して言うのはおかしいんでありますが、一万円ぐらいの差はあってもこれは当然だと思う。また、そうあるべきだと思っている。いま次長は幾らかいろんな意味で多いとおっしゃった。しかし、具体的にはっきりと号俸なり等級でいいということになっていない。いろんな賄雑費とか国会手当とか、あるいは超過勤務とか、そういういわゆる給料以外のものが加算されてあるいはそういうようになったのかもしらぬけれども、これはやっぱり私は、そうではなくて、具体的な給与においてそういうものがあらわれるぐらいの決断と処置があってもいいんじゃないかと思うんですが、これに対してどのようなひとつお考えをお持ちになりますか。
○参事(植木正張君) 給料表の適用の面におきまして一般的に何号上という問題は非常に困難な問題であろうと思います。その場合に、一般職と国会職員と具体的にどれだけ給与がいいかという判断の一つの資料といたしましては、現在、昇格基準年数がございます。これは人事院で、たとえば四等給に四年在級しなければ上位の三等級にいけない、最低四年は在級すべきだというような一つの基準がございます。この基準から見まして国会職員が一般の行政職の人から見てどの程度早く上位等級に上がっておるか、これが一つ一般よりいいか悪いかの判断の資料になろうかと思います。
 そういう点から申し上げますと、少なくとも基準どおりに昇格をさせるということは実際問題として無理がございまして、そこまではいっておりませんが、少なくとも各省で同一等級に相当長く在級するという目から見ますと、国会の職員の場合には比較的早く上位等級に上がっていけるということは数字的に判断可能と考えております。で理想を申し上げれば、その基準どおりに上げていくということがそれば全く理想でございますけれども、そこは定数の関係あるいは人員分布の関係でなかなか実際にはいかないという状況でございます。
○茜ケ久保重光君 特殊な職場でありますし、まあそれは参議院という限られた一つの枠の中ですから、いろんな因難な問題もあろうと思うんですね。しかしやっぱり私は、先ほども言ったように、国会職員というものは、衆参両院を通じて、いわゆる一般公務員とは非常に違った、そういう精神的の面を持っているのだから、それに対してはひとりちゃんとこたえなくちゃならぬと思うし、それから非常に一般的な国権の最高機関なんというプライドだけは持っているわけだ。プライドは持っているけれども、実際はちっともそのプライドに比例していないということもある。やっぱり国権の最高機関であり、唯一の立法機関である国会ならば、国会に勤める職員諸君がそれなりのいろんな意味でプライドを持てるだけの処遇はしたいと思う。これはここで簡単に言って、すぐできますとはこれはもっとも言えないが、これはもちろんわれわれもそういうことを実現するためには努力しなければだめだ。国会議員自体もそういうことを踏まえてやっぱり協力して、たとえば大蔵省が文句言うならば、大蔵当局に対してかなりの折衝をするということもこれはなさなければならぬと思う。ただ私がここでがたがた言うだけじゃいかぬと思う。そういう意味でひとつぜひそういった面の努力を今後してもらいたいと思う。
 それから、私は、どうも国会では、これは衆参両院を通じて、女子職員があんまり大事にされていない気がするんだな、いろんな意味で。参議院でも千三百人ぐらいの中で二百数十名余り、ところが、どうも国権の最高機関という国会の中で、女の人があんまり優遇されてない。ということは課長さんが一人もいないんだな。課長になることはいかがかとして、課長さんの一人ぐらい女の人があっても私はいいと思うんだな。またなくちゃならぬと思うんだな。労働省には局長がいる、婦人議員がいらっしゃる、ちゃんとここにもいらっしゃる。婦人の地位は今日何ら男と変わらないはずだ、法的にはすべて。ところが肝心な国会で衆参両院通じて女の課長さんが一人もいない。課長補佐とかいう人は二人か三人いるけれども。しかも、これよく調べてみたら、もう定年でやめる寸前にやっているのがある。そうじゃなくて、ひとつこの際思い切って、女子を男子と同等に扱うというこの憲法、法律の立場から、ひとつ参議院が率先してなるべく早い機会に女の課長さん一人ぐらいつくるぐらいのひとつあればあってもいいと思うんだが、これはここでつくりますという答弁は期待しないけれども、これはひとつ私は議長にも進言していいと思うんだ。何だったら議長に来てもらって議長答弁しても一まあそうもいかぬから、議長にもこれは進言してもらう。ひとつ参議院が、いろんなことを言いたいけれども、言う時間がないから、端的に言うんだが、数ある優秀な女子職員の中から一人ぐらいの課長をつくるぐらいの決断とそういう配慮があっていいと思うが、この点次長どうですか。
○参事(植木正張君) ただいま私どもは、女子職員の問題につきましては、実はこれは参議院としてほかに比べて非常に珍しいんじゃないかと思いますのは、非常に高年齢の女子職員が多いということでございます。現在二百二十人ばかりおりますが、そのうち半分以上が四十歳以上ということでございます。これは言いかえれば、参議院の事務局は案外女性には勤めやすいところであるんじゃないかという印象もいたすわけでございます。ただ、こういう高年齢、長期勤続の女性につきまして、能力によって補佐あるいは課長に登用していくという問題よりも、ただいま取っ組んでおりますのは、こういう方々を六等から五等というようなところで処遇を改善するという面に目下力を注いでおる状況でございます。残念ながら三等、二等の補佐というようなところにまだ女性がきておられませんが、将来、そういうような方が出てこられましたならば、それは課長、管理職のポストにふさわしいところをということで男女差別なく適格性、能力によって女性の課長もつくっていくということは将来十分考えられることだと思っております。
○茜ケ久保重光君 まあぜひそれはひとつやってもらうように私らも要望します。
 それから、私はずっと資料をもらいましたらね、女子職員が五等級というところの十五、十六、十七号というんですか、それにこうわんさわんさいらっしゃるんだな。ところが、あの辺は何か一年間の昇給間差というのが非常に少ないんですね、あれでいくと。四等級に上がるとまた違ってくる。ところが五等のそこにたくさんいるんで、みんなこう非常に困っている。この辺はいろんなことがあるかもしれぬが、四等にどんどん上げて、適当にやはりこれはめんどうを見るぐらいの親心がなくちゃいかぬと思うんだが、この点どうなんです。
○参事(植木正張君) 現状を申し上げますと、五等級の定数が現在百二十四ございますが、そのうち女性が七十人でございます。四等級の係長になってまいりますと、定数は五十七でございますが、現在五名の女性しかおりません。急に減っております。と申し上げますのは、私どもは、この四等、三等の辺につきましては、議会の運営面あるいは調査員とか、そういう中堅の優秀な男子ということを比較的考えておるわけでございます。その場合には、男子は当然能力によるセレクトという問題がついてくるわけでございます。女性の場合にはそういうセレクトということは考えませんで、勤続年数あるいは年齢、号俸の高さ、そういうことを考えまして、処遇改善的に比較的順調に上げていくという考え方でおるわけでございます。五等級の上位号俸に確かに最近たまりつつあるということは事実でございますが、これは男子との均衡も考えながら、将来、四等級にどういうふうに上げていくかということを考えざるを得ません。しかし、現状で申し上げますと、余り安易に上げてまいりますと、男子の四等のポストを女性がほとんど占めてしまうという危険性もあるわけでございます。この辺は、その展望を見ながら、十分慎重に考えていきたいというのが現状でございます。
○茜ケ久保重光君 やるのやらぬの、どうなの。
○参事(植木正張君) 少なくとも五等におりまして、特号俸といいますか、給料表からはみ出しまして一年ごとに昇給しないというような現象が起きてきました場合には、これは当然四等に上げるということは考えざるを得ないと思っております。
○茜ケ久保重光君 いろいろ具体的なことを言いたいんだが、どうもその余裕もないようで、これはやっぱりまたこの国会でも、きょうだけじゃなくて、油断しないでよ、また呼ぶから。これはまた常時やっておかぬといかぬから、すぐまた一年先になってもしょうがないから、これはまたここへ来てもらっていただくが、努力してもらいたい、ぜひこのことについてもね。女子職員が何か腰かけみたいなことじゃなくて、やっぱり本気で国権の最高機関である国会の仕事に携わるという意欲とプライドを持たせなければいかぬと思うのだ。そのためにはやっぱりそこにとどまれるようにしなければいかぬ。
 それからもう一つは、人事交流だ。調査室なんか見てみると、二十年も同じところにくすぶっていると言っちゃ語弊があるが、そういう方がある。二十年もいていいこともあるだろうけれども、記録部は別だな、これは。だが、委員部、調査室事務局、この人事交流はもっと頻繁に行われなければならぬと思うんだが、特に調査室なんかに聞いてみると、八、九人いる中へ一人ぽこんと行ったんじゃ、受けたほうも変だし、入ったほうも変だと言うんだ。そんなら半分ぐらい一遍ばっと変えて、人事を一新して調査活動にも活を入れると、こういうことも私は国会活動をやる上に必要だと思うんですよ。ところが、いまのところ何かこうさわらぬ神にたたりなしか、おざなりのような気がするんだ。
 もう一遍そういうことを含めて、組織なり事務局のあり方について根本的な検討を加えて、ひとつ参議院の事務局はほんとうに活気を呈する、そうして国会運営が非常にあらゆる面で能率的になる。そうでなければ、議長が参議院改革を言ってみても、あるいはフリートーキングのことになってみても、私はやはりそれじゃいかぬと思う。機構自体、参議院のすべての機能がそれにマッチして活動するんでなければならぬと思うんです。そういう意味で、事務局機構というものを、あるいは人事というものを、ひとつこの辺で思い切った配置転換なり異動なり、そういったことをやって、いま指摘したことに向かって前進することが望ましいと思うが、いかがですか。
○参事(植木正張君) 調査室の人事交流の問題につきましては、昭和三十七年に議院運営委員会で調査室の人事の刷新要綱というものが決定されました。これによりまして、調査室から事務局・法制局・国会図書館という間で人事交流を実施したわけでございます。約十年間、四十七年ごろまで実施をいたしまして、大体対象を補佐以上にいたしておりましたためにその対象の人数が非常に減ってまいりまして、現在中断いたしておりますが、これもそういう適格者が今後出てまいりましたら、またこの交流を再開するということが一つございます。
 それから、私どもの基本的考えといたしまして、同一勤務個所に長くおるという問題につきましては、大体就職いたしましてから三年目、それから七年目――これは係長昇任の時期でございます、十三年目というのは課長補佐になる時期でございます、こういうような時期をつかまえまして職場の交流をするということを現在考えて、少なくとも三年、七年というところは相当いま成果が上がっております。
 おっしゃいました調査室の問題につきましても、実際を申し上げますと、四等の補佐クラスくらいまでのところは比較的調査室間の異動あるいは事務局との異動というのも可能でございますが、問題は、長い沿革的な知識、経験等、その専門的な面においての知識がより必要な三等以上の方になりますと、これがまあ、たとえば大蔵から予算とか、関連の室はよろしゅうございますけれども、関連のない室に移っていくということが、これはなかなかむずかしいというのが現状でございます。また事務局から調査室へ参ります場合でも、若いうちは結構でございますが、二等級あたりになってまいりますと、いきなり行ってすぐ戦力にもならない、こういう問題もございまして、そこら辺はわれわれも今後もう少し勉強さしていただきたいと思っておるところでございます。
○委員長(前川旦君) それでは午後零時五十分より再開することとし、暫時休憩いたします。
   午前十一時五十分休憩
     ―――――・―――――
   午後零時五十三分開会
○委員長(前川旦君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 午前中に引き続き、昭和四十七年度決算外二件を議題とし、皇室費、国会、最高裁判所及び会計検査院の決算について審査を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○久保亘君 私は会計検査院長にお尋ねをいたします。会計検査院長並びに事務総長は、参議院の大蔵委員会において、昨年の十一月十二日、会計検査院も過去五年間の首相と関連企業に対する徴税事務の見直しを鋭意進めているということを述べられております。また、十一月の十五日の決算委員会においては、院長は、田中角榮氏について疑惑が生じておるということについては検査院としても責任を感じている、かような疑惑の生じないように検査を適切に行うべきであったと考えている、目下鋭意再検討中であると述べられております。同時に、事務総長も、会計検査院が経理の見直し等をしている関連会社が十五社であるということについても述べておられるのであります。なおこの際、検査院長は、「会計検査院は税務官署について調査をいたしております。」ということも触られております。したがって、今日までかなりの期間を経過いたしておりますので、会計検査院の田中角榮氏並びに関連企業に対する再調査の結果などについて御報告をいただきたいと思います。
○会計検査院長(白石正雄君) 検査の経過報告でございまするので、担当局長から御報告させていただきます。
○説明員(高橋保司君) ただいま先生のおっしゃいましたように、昨年の十一月でございますか、私ども院の要請を受けまして、見直しをやっておるということを申し上げましたが、あのとき、どういう調査をするかという御質問がありましたときに、その内容につきまして現在調査中であるから、その内容の詳しい点については申し上げかねるということをお答えしてまいりましたが、先生のせっかくの御質問でございますけれども、今回もまた結局同じような御説明に終わるんではないかと思います。
 その後、私どものやっておることは――その前に一つ原則的なことを申し上げなければならぬと思いますが、私どもどこまでも会計検査でございまして、決算の会計検査ということでございます。ですから、現在課税当局におきましては、国会並びに新聞、雑誌などでいろんな資料が提供された形を受けとめまして、課税当局では調査中の段階であります。ですから、私どもは過去に計算証明の関係で出てまいりました証拠書類に基づきまして、それをまあ鋭意関連調査をやっておるという段階でございます。
 調査の仕組みは、課長以下調査官五名のチームを組みまして、これはまあ特別それのみに専念しておるというわけではありませんが、五名のチームを組んでとにかく活動をやっております。やっておることば、検査の対象は、田中氏及び関係者の所得税及び贈与税、それから関連会社の法人税でございます。そうして検査しておる重要事項というのは、関連会社につきましては、資本金の動きであるとか、あるいは株式の動きであるとかその明細、その実態の把握、それから不動産の増減、異動の状況、その明細、それから資金を中心とする債権債務の異動、たとえば仮受金とか仮払金とかというものの資金の動き並びにその明細、それから報酬、給料、顧問料などの支払いの状況並びにその明細、相手方というようなものを調査をしております。まあこういう内容を調べた上で、田中氏並びに関係者の所得税並びに贈与税にどういう影響があるかということを申告所得との突き合わせで調査をしておる段階でございます。
○久保亘君 会計検査院と国税庁を初めとする税務官署との間においていわゆる守秘義務が作用するのかどうか、この点は院長、どうお考えになっておりますか。
○会計検査院長(白石正雄君) 会計検査院の職員も一般国家公務員法の適用を受けまして、職務上知り得た秘密につきましてはこれを漏らしてはならないという規定の適用を受けるわけでございます。したがいまして、国税庁当局が目下主張いたしておりまする守秘義務のその内容につきましては、会計検査院といたしましては職務上やはり知り得た秘密の範囲内に属するわけでございまして、そういう意味において拘束せられるものと考えておるわけでございます。
○久保亘君 私がお聞きしたのはそういうことじゃないです。あなた方が再調査や見直しをやられる場合に、会計検査院が国税庁や税務官署に対して資料やいろいろな実地検証をされる場合に、大蔵省側からあなた方に対して守秘義務が働くのかどうかということです。
○会計検査院長(白石正雄君) 検査院といたしましては、職務上当然国税庁当局の会計経理について検査の権限を持っておるわけでございまするので、したがいまして、そういった守秘義務が働かないものと考えております。
○久保亘君 会計検査院は必要なそのすべてのことにわたって提出を求めることが可能だと、こういうことですね。
○会計検査院長(白石正雄君) 会計経理に関する限りにつきましては、疑問の点はすべての点にわたって検査を遂行することができるものと考えております。
○久保亘君 会計検査院は、それらの資料に基づいて検査を行った結果については、これを報告する義務がありますね。
○会計検査院長(白石正雄君) 会計検査院が検査いたしまして、その検査の結果、国税当局の処理に誤りがあるということを発見いたしました場合におきましては、この事項については不当事項といたしまして、例年どおり検査報告に掲載いたしまして国会に報告いたしておる次第でございます。
○久保亘君 そういたしますと、大蔵省並び国税庁の方で調査の結果問題があるとされた点は、その大部分は検査院の方の不当事項の中にも当然含まれてまいりますね。
○会計検査院長(白石正雄君) 国税庁当局は独自の調査をいたしまして、独自の処置をいたすわけでございます。その結果につきまして、検査院はその処置が妥当であったかどうかということにつきまして検査をいたすわけでございます。そういたしまして、国税庁当局のとりました措置について誤りがあるということを発見いたしました場合におきましては、それを不当事項として指摘をいたすと、こういうことに相なろうかと思うわけでございます。
○久保亘君 会計検査院は、いま鋭意調査中とか、目下見直しをやっているとか、こういうことを昨年の十一月以来述べておられるわけでありますが、この二とについてかなり具体的な検討が進んでおるのですか。それとも五名のチームでいまようやく調査をやろうかどうか、どういうことをやるべきかということを検討しておる段階だということですか。
○説明員(高橋保司君) 先ほども申し上げましたように、ただいまの段階は書面検査という段階を出ないわけでございますが、いずれ書面検査の段階で集めました諸資料に基づきまして国税当局が何らかの税務署なりに赴きまして実地検査をやります。そこで初めてわれわれの調査の結末がつくのではないかと考えております。
○久保亘君 会計検査院もまだ具体的にかなり積極的な調査をおやりになっているということではないようでありますが、私はこの際、会計検査官並びに事務局の責任ある立場にあられる方々の前歴や、それからこれらの地位にあられた方々の退職後の就職先等が、会計検査院の職務執行上の障害となることは全くないのかどうか、この点について院長の見解を承りたいと思います。
○会計検査院長(白石正雄君) 検査院は内閣から独立した機関でございます。この点は検査官の人事につきまして、検査官の身分保障が保障せられておるという点においての独立性が保障せられておるものと考えておる次第でございます。したがいまして、出身官庁のいかんにかかわらず独立性を保っておるということは、この身分保障の点において保障せられておるわけでございまするので、そういった点におきまして、独立性につきましては十分保障せられておるものと考えておるわけでございます。
○久保亘君 制度上、独立性が保障されているということは私も別に異議を持っているわけじぁありません。しかし、現実の問題として、いろいろな過去の経歴から人脈にかかわってまいります場合に、本来内閣から独立しておるべき機関である会計検査院が、そのような点で十分な作用を果たし得ない障害となるようなことはあり得ないのかどうか。検査官については確かに両院の同意を求めることになっておりますが、内閣がこれを命ずるわけであります。そしてまた法律によれば、検査院長も検査官が互選した者を内閣が命ずることになっております。そしてその検査官が検査を受けるべき対象の責任者の地位にある者と従来深い組織的なかかわり合いにある場合には、それらの点についてむつかしい点が出てくる可能性はないのかどうかということをお聞きしたいわけです。
 私がいまそのことをお聞きしているのは、今度の田中金脈をめぐる再調査につきましても、いま会計検査院が非常に危なっかしい、あまりしゃきっとしない報告をされているわけでありますから、そういうことになってしまうんじゃないかという感じを持つわけです。そういう点で全く内閣から独立してきちんとやれるという保障があり得るのかどうか。ただ、会計検査院法の法のたてまえによってのみそのことが完全な保障ができるのだろうかということを、現実に検査院の仕事に当たっておられる方にお尋ねしたいと私は考えているわけです。
○会計検査院長(白石正雄君) あからさまに申し上げますれば、私が大蔵省出身であるということのゆえに職務上いわば若干支障があるのではないかというようなお尋ねと私拝聴するわけでございまするが、さようなことが、疑惑を招くようなことがないよう重々戒心いたして私は職務に専念しておる次第でございまして、しかも検査官の指揮命令は三検査官の合議制によって運営せられておりまするので、私一個の考えのみによって左右せられる問題ではないわけでございまするし、毫末もお尋ねのような疑惑の生じないよう全力を尽くして職務に精励いたすつもりでございます。
○久保亘君 それでは、いまのようなあなたのお立場を了といたしまして、そういうような立場で私は会計検査院に対して、国有財産の払い下げに関連をする見直しの調査をぜひ要求をしたいと思うわけです。
 それはすでに若干は国会においても触れられたことがありますが、昭和三十八年の一月二十九日、信行社と呼ばれる印刷業を業としております株式会社に対して、板橋区板橋町六丁目三千五百六十九番地にありました旧陸軍造兵廠の用地五千四百三十九・八二平方メートルが、その上にあります建物、工作物などを含めて払い下げられております。このことについては院長は御存じですか。
○会計検査院長(白石正雄君) 記憶がございません。
○久保亘君 これを払い下げをやりましたときの状況を申し上げますと、この物件の払い下げが行われました当時は第二次池田内閣のときでありまして、そのときの大蔵大臣は田中角榮氏であります。そして外務大臣に官房長官から大平正芳氏が就任をされております。この内閣では河野一郎氏が農林大臣から建設大臣を務められておりまして、この大蔵大臣田中角榮氏のもとで国有財産の払い下げの実務面の責任者であります大蔵省管財局長はあなたです。当時あなたが大蔵省の管財局長としてこの物件の払い下げを行っておられるわけであります。
 私がこの問題についてなぜお尋ねをするかと言いますと、当時この物件の払い下げを受けました信行社と称する印刷会社は、本店が練馬区仲町一丁目二千六百九十九番地にありまして、この本店は一昨年、昭和四十八年の四月までここに所在をいたしたのであります。この所在地は現在は住居表示が変更になっておりまして、練馬区錦一丁目四の十三という住所になっております。この練馬区錦一丁目四の十三という土地は大平正芳氏の所有する土地であったのでありまして、この土地の上に信行社の本店が存在をしておりまして、そして一昨年の四月にこの信行社の本店は上野に移っておるのであります。当時、これらの問題について、払い下げの責任ある立場におられた白石検査院長、当時の大蔵省管財局長は全く御記憶がありませんか。
○会計検査院長(白石正雄君) この件につきましては全く記憶がございません。私、調査いたしてみたいと思いますが、あるいは関東財務局限りにおいて処置した物件ではなかろうかというように考えますが、全然記憶にございません。
○久保亘君 あなたが大蔵省の管財局長として在任をされました期間はあまり長くありませんですね。
○会計検査院長(白石正雄君) 三十七年の夏ごろから三十八年の四月までの一年間程度でございます。
○久保亘君 ちょうどその期間にこの物件の払い下げは申請が行われ、そして払い下げが終わっているわけです。しかし、院長は当時この問題について全く御記憶がないということでありますから、あるいはこれらの国有財産の払い下げについてはかなりなものであっても、管財局長、今日では理財局長ですか、局長段階では全然この問題についてはタッチされないような大蔵省の仕組みになっておりますでしょうか。
○会計検査院長(白石正雄君) いまはっきりとした記憶がございません。この件につきまして記憶がないことは確かでございますが、あるいは私の手元で処理したものであるかどうか、その点は現在の理財局を通じてよく調査をいたしてみなければわからない次第でございます。
○久保亘君 白石さんは当時、第二次池田内閣の田中大蔵大臣の時代に管財局長を務められて、そしてこの管財局長をおやめになりましたすぐ後にも大蔵大臣はやっぱり田中さんで、たしか通産大臣が佐藤榮作さんのころに電源開発株式会社の理事に就任をされたと思います。そしてその後第二次佐藤内閣のときに会計検査官として現在の職務につかれたのではないか、こう考えております。この間、一貫して田中角榮氏は大蔵大臣あるいは与党の幹事長という立場にありまして、直接にあなたの上司であったり、あるいはあなたがいろいろ相談をしなければならない立場に立っておられたと思うのでありますけれども、そのようなことは会計検査院長の職務を遂行する上には一切かかわりはないということでございましたから、私もそれを信じて調査をお願いをいたしたいと思います。
 この信行社に関しまして少し私の方で調べておりますことを申し上げますから、この点について会計検査院としても正確な調査をなされた上御報告をいただきたいと思います。この信行社は、二十六年に板橋の国有地造兵廠跡などを借用して板橋印刷工場をつくっておりますが、先ほど申し上げましたように、四十八年の四月まで本店といいますか本社は練馬区仲町一丁目二千六百九十九、現在練馬区錦一丁目四の十三に所在をしておったのであります。この信行社の取引先といいますか、業務内容は馬券の印刷が非常に多いのでありまして、現在中央競馬会の手売り券を印刷いたしております共栄商事、納入をいたしております共栄商事、機械券を納入をいたしております日本トータリゼーター、この二つの会社の印刷の下請をやっております。なお、この日本トータリゼーターの代表者は農林省出身であります。この中央競馬会や特別区競馬会の馬券の印刷の仕事だけではなくて、農林省、法務省、東京都庁、千葉県、埼玉県などを初め関東一帯の都市、自治体ですね、それから日本鋼管、日本通運、荏原製作所、松阪屋、それらのところの印刷を引き受けている、かなり手広く仕事をやっている会社と思われます。工場も何カ所か所有をいたしております。
 しかし、こんなに大きな仕事をやっております印刷会社が、最近まで本店の所在地が練馬区の錦一丁目四の十三に所在していたということは大変不思議なことの一つであります。現在この練馬区錦一丁目四の十三という土地には大平正芳氏が学生寮をつくっておられたり、あるいは三十七、八年ごろからは真鍋という秘書の方がここに居住をされておるということは、前に委員の質問に対してお答えになったことのようであります。なおこの土地は、四十年の七月一日、この土地を大平氏が某氏から購入をしたということになっております。まだ私の方で確実な調査が行き届いておりませんが、一説によれば、この土地も板橋の払い下げられた工場用地と同じく造兵廠の用地であったという見方もあります。したがって、信行社は、大平氏の借地であって、寮があったり、秘書の真鍋賢二氏が居住している地番を本店として一昨年四月までそこにあったことになっておりまして、そしてあなたが管財局長時代に払い下げの申請をし、払い下げを受けましたときの本店の所在地も全く同じ場所であります。したがって、この払い下げに当たっては、本店の所在とか、その本店と大平正芳氏の関係などについてはどのような調査が行われておったのか、その点についてぜひ調査をいただきたいと思うんです。
 払い下げられました物件は、現在は地名表示が変更になっておりまして板橋区加賀一丁目六番地です。ここには現在信行社の印刷工場が建っております。土地は五千四百三十九・八二平方メートル、払い下げられましたときの内容は、そのほかに立木九本、建物は七百三十七・四五平方メートル、工作物一式、価格は当時八千六百六十六万三千三百十円で払い下げられております。この内容につきましては、検査院の担当官が大蔵省の国有財産審査課に照会の上私に御報告に相なったものでありますから間違いがなかろうと思うんであります。なお、審査課のほうでは、この物件については三十七年の九月十九日に国有財産関東地方審議会の議を得て三十八年一月二十九日に払い下げたということになっております。その点については私もそのとおりであろうと思うんであります。
 この造兵廠のかなり広い敷地が払い下げられます際に、当時の閣僚の借用ないしは所有する土地の上にこの会社の本店が存在をしたということになれば、通常の場合、この会社とその閣僚との関係があったものと言わなければならないのではないでしょうか。その点については、当時の担当者としては全く何もお調べになっておらないのかどうか、当時の局長が何の記憶もないということでありますから、検査院としてはその点について御調査をいただきたいと考えるわけであります。いま私が申し上げました内容についてはおわかりですか。
○会計検査院長(白石正雄君) 大体において了承いたしましたが、早速調査をいたしまして御報告申し上げたいと思います。
○久保亘君 それで今度は会計検査院にお尋ねいたしますが、最近はたとえば新聞で報道をされましたように、建設省の出先の幹部が工事を請け負う民間の企業に天下りをいたしまして、それと引きかえのように工事が発注されたり、入札で落札が行われたりしているというようなことが一つの問題点として報道をされたりいたしておりますが、私はこういうような問題に関して、やっぱり国有財産を払い下げられる場合に、この払い下げを受ける相手方がどういうような内容のものであるかということについて、その当事者である大蔵省は十分な調査を行うべきものだと考えておりますが、それらの点について疑問を生ずる場合には、会計検査院としては当然その問題について改めて調査が必要になってくるのではないかと思いますが、いかがですか。
○会計検査院長(白石正雄君) 国有財産の払い下げにつきましては、それぞれ根拠法規がございまして、その法規に照らしまして随契等の契約をして払い下げておるわけであります。その相手方につきましては、したがいまして十分検査の対象になり得るものと考えております。
○久保亘君 それでは、御調査をいただきます際に、この払い下げ物件の現状、私の方にも現在その登記などについては確認したものがございますが、払い下げ物件の現状と、それから払い下げ当時のこの信行社と称する会社の業績の内容とか、会社の役員の構成とか、そういうようなものについてもぜひお調べをいただきたいと思います。そしてその後この信行社という会社がどのようなことを内容とする営業を行いながら今日のような状態になってきているのかですね、その点についても調べていただきたいと思うのです。
 で、そういうことがなぜ必要かと言いますと、それらの内容を調査した上で、私は払い下げの時点に立ち戻って、この信行社という会社が政治的ないろいろなコネを利用するというか、そういう政治的な立場を利用しながら巧みに払い下げを受けたというような事実はないのかどうか。確実にこの国有財産の払い下げの法規に基づいて正確な処理が行われているのかどうか。それらの点についてですね、これらの背景を見ながら、また検査院並びに大蔵省に対してお尋ねをしたいと考えておりますので、それらの点についても納得のいく調査の結果をお知らせいただきたいと思うのですが、よろしゅうございますか。
○会計検査院長(白石正雄君) 何しろ十年も以上も前のことでございまするので、現在の調査におきまして正確を期し得るかどうか疑問の点もあると思いますが、鋭意努力いたしまして、できる限り詳細に御報告申し上げたいと存じます。
○久保亘君 十年も前のことだと言われますがね、そんなに時間をかけずに、いま申し上げたぐらいの内容は私のほうでも直ちに調査のできることなのであります。だから、あなた方がその専門の機構をもっておやりになれば、直ちにこれらの問題については調査の結果が取りまとめられるものだと私は思っておりますが、そんなに時間がかかりますか。
○説明員(高橋保司君) 国有財産の払い下げ、つまり価格であるとか適用法規であるとかそういう関係でしますと、私どもまあ検査としては専門部門でありますし、相手方に対してもその間の事情という事情の聴取ということは容易でございますが、いま先生のおっしゃいますその役員構成、営業状況、払い下げ物件の現状、まあ払い下げ物件の現状は見ればわかるわけでございますが、そういう事情調査内容もございますので、どの程度先生の御満足のいく調査ができますか、まあしかし、できるだけのことは調査をしてみたいと、こう思っています。
○久保亘君 あわせてですね、この練馬区錦一丁目四の十三という土地の前の所有状況ですね、それらについてもこの払い下げと関係も持ってまいりますのでお調べいただきたいと思いますが、わかりますでしょうか。
○説明員(高橋保司君) 調べてみたいと思います。
○久保亘君 これらの問題につきましては、会計検査院にいろいろお尋ねをするよりも本来は大蔵省の担当の局などに回答を求めるべき筋のものであるかもしれません。しかし、私はなぜこういうことをお尋ねするかと言いますと、一つは、先ほど院長がその前歴の関係いかんにかかわらず会計検査官としての厳正なる職務を執行しているのだということでありますから、当時、この物件の払い下げを行われた当時責任ある地位におられた検査院長としてですね、この問題についての御調査をぜひともいただきたいという考えを一つ持っておるわけであります。そしてまた同時に、現在の大蔵省に対してもその調査を求めたいと思います。
 で、そのような点を明確にしていただきませんと、私どもが前から申し上げておりますように、田中金脈と称しておりますような田中角榮氏並びに関連企業に対する再調査や見直しが、会計検査院ではほんとうに国民の納得のいくような形のものとしてやってもらえるのかどうか、こういうことについても疑問が残るわけであります。で、私はそういう点について、ぜひとも会計検査院が法律の定めるとおり内閣から独立した機関としての役割りをきちんと果たしてもらいたいものだと思っておりますので、そういう立場で御調査をお願いしておりますが、院長はその点について、私が調査をお願いをしておりますことについて十分こたえていただけるような御調査をいただけますでしょうか。
○会計検査院長(白石正雄君) 御期待に沿うよう検査を実施させたいと考えております。
○久保亘君 それでは、この問題につきましては検査院の方からの調査の報告をいただきました段階で、検査院並びに大蔵省に対してもまた機会を見て御質問を申し上げたいと考えておりますので、その際に十分私が希望いたしましたことにこたえられるような調査の結果をいただきますようお願いを申し上げておきます。
 なお、私が今日までのこの決算委員会における会計検査院との質疑の内容をいろいろと調査をいたしております中で、検査院が天下りといいますか、政府の外郭の団体に転出をされた方のその公団や公庫などの検査について従来いろいろとここで論議が行われたことがあるようであります。こういう問題について、先ほど制度やそれから決意の上ではいろいろなことを承っておりますけれども、私は会計検査院が完全に国の他の機関、特に検査を受けるべき内閣から独立をしてその機能を発揮していくために、いまの検査院の制度や構成のあり方について現状のままでいいのかどうか、その点について、現在検査院長あるいは事務総長として御意見がありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○会計検査院長(白石正雄君) 検査院の局長あるいは事務総長、次長等が検査院の検査対象機関にいわば天下っておるということにつきましては、しばしば望ましくないではないかというような御質問を承っておることは承知いたしております。私も必ずしもそれは望ましいことであるとは考えないわけでありまするけれども、しかし、検査院の人事行政上の都合もありまするし、かつまた長い間検査院において培われてきましたところの検査能力というものを買われまして、監事等においてまたその能力を発揮するということは適当な筋ではないかというようにも考えておる次第でございまして、決してそれがために検査に手心を加えるというようなことは断じていたしていないつもりでございます。現に検査院から天下っておりまするような公社、公団等につきましても検査報告事項に指摘事項が多々存在するわけでございまして、国会に御報告申し上げておるというような状況でございまするので、さような点は決してないということを御了承願いたいと考える次第でございます。
○久保亘君 事務総長。
○説明員(鎌田英夫君) 次長でございます。
 ただいま院長から御説明申し上げたわけでございますが、われわれ事務当局におります者といたしまして、検査につきましては検査官会議の指揮監督を受けまして厳正にやっているわけでございますが、われわれの先輩あるいはわれわれの仲間が公団あるいは事業団と、こういうようなところに現に監事あるいは理事として参っておりますけれども、私どもといたしましては検査の執行上、特に先輩がいるから、あるいは同僚がいるからというようなことでここに何らかの手心を加えると、こういうようなことは毛頭ないわけでございまして、むしろこういう点は積極的に意見を述べてくれと、こういうことを言われるようなことはありましても、これを勘弁してくれと、こういうようなことはないわけでございまして、現在の状況で別段困難を感ずるというようなことはございません。
 以上でございます。
○久保亘君 断じてあってはならぬと言われるのはそのとおりだと思います。あっては大変なことなんです。しかし、私が何かお考えになりませんかと聞いているのは、会計検査院というのがほんとうに国民の信頼を受けていくためには、もしできることならば、そういうようなことで問題を、疑問を起こしやすいような状態というのをなくすることがよいのじゃないかと、私はこう思っているんです。あなたの方からいただきました資料を見てまいりますと、事務総長や次長をおやめになります方々というのは、決まって公団、公庫の理事や監事になっておられるようであります。もう会計検査院の事務総長や次長になって退職するときには就職が決まっているような感じがいたします。中に一番新しい次長などは初めから理事になられまして、現在は公庫の副総裁の地位にあられるようでありますが、こういうコースが当然のことになってまいりますと、会計検査院というのが検査をする側と検査を受ける側というような関係において、事務局の責任ある立場にあられた方々がいずれは検査を受ける側にもう来られるんだということがわかっているような形になってしまうということになれば、やっぱりどうもうまくいかないことが残るんじゃないか、そういう疑問が私たちの感じとしてあるわけです。私は何もやめたから就職するなとかそんなことを言っているんじゃありません。しかし、少なくとも検査院との関係において、就職するならば、いま高級官僚の天下りについて一定の制限が加えられておりますね、そのようなことは当然必要なのではなかろうか、こういうような気持ちを持っておりまして質問をいたしたわけです。ただあなた方の、人間的な人格を信頼をして間違いはないんだということでいかなければ、それよりほかに方法はないんですか。
○会計検査院長(白石正雄君) 御趣旨の点はよく了解いたします。ただ、検査院の人事行政上の都合もありまするし、また有能な人の第二の人生として働いていただくというような道として監事等の職は適当ではないかということも考えまして従来お願いをしておるような次第でございまして、御質問のような趣旨に沿うように努力を重ねたいというように考えておる次第でございます。
○久保亘君 私の質問の最後に、国税庁見えておりますかな、国税庁にお尋ねいたしますが、会計検査院の方で国税庁や出先の税務官署に対しても書類の提出を求めたり再調査をやっているということでありますが、あなたの方は、会計検査院のそういった調査を受けられ、その調査に対していろいろな資料を提出されてきておりますか。そしてまた会計検査院から問題点を指摘をされたりした事実がありますか。
○政府委員(磯辺律男君) ただいままでのところ、今度の問題が生じまして、国税庁の方で見直し調査をやっているわけでございますけれども、会計検査院の方といたしましても、私どもに対して、いままで出した資料等について不備な点、あるいは足らなかった点、あるいはまた会計検査院の方で疑問と思っていらっしゃると思われる諸問題についての御質問がございます。それにつきましては、私どもできるだけの御協力をいたしまして、会計検査院の検査を容易にするように努力しておるところでございますけれども、ただ基本的には、検査院のほうでいろいろと要求されます資料あるいは提示されます問題点、そういったことがまさに現在私たちの立場としてもまた問題とし、またいろいろの資料を集めているといったようなふうにダブる面もございますので、それはこちらの方で一応整理いたしましてからお答えさしていただきますというふうなことで、若干御返事を延ばさしていただいておる問題もございます。しかしながら、基本的には、検査院の方のいろいろな御要求を受けまして、私どもも絶えず連絡を密にしながらこの問題に取り組んでおるというのが現状でございます。
○久保亘君 そうすると、国税庁は、会計検査院に対しては守秘義務を発動することは一切ありませんね。
○政府委員(磯辺律男君) もちろん、会計検査院法のたてまえによりまして会計検査の職分として私どもに質問されました場合には、当然私どもはそれに対してお答えをするという義務がございますので、その限りにおきましては守秘義務を盾に――盾にと言っては変でございますけれども、守秘義務があるからということでお答えを拒否するということはございません。
○久保亘君 そうすれば今度は、国税庁側が、あなたの方が守秘義務に該当するかどうかを決めるんだということを繰り返し検査院の方では述べられているわけですが、検査院は必要なものを全部あなたの方から求めることができる。そうすると、検査院がそれを検討したその検討の過程と結果については、それが守秘義務に該当するかどうかは会計検査院の判断するところとなりますね、それは国税庁の次長、そうですか。
○政府委員(磯辺律男君) 私どもが会計検査院に対しまして提示いたしました書類、それからまたお答えいたしましたお答えの内容、そういったことば会計検査院の方にすべていわば内容が移ってしまうといってもいいんじゃないかと思うんでございます。ですから、それは会計検査院の責任において開示されるなり、あるいはそれを開示されないという御判断がされるものと思っております。
○久保亘君 そうすると、従来検査院が言われてまいりました、検査院からは一切出せない、それでそれは国税庁の方に要求してくれということは、少し当たらなくなりますね。それで検査院としては、国税庁側が提出した資料をそのままあなた方が発表されるということは問題でしょう、もし守秘義務ということを主張されるんならばそういうことになってくるかもしれません。しかし、会計検査院の中でそれを一応検査院の検査対象としてしまった後は、それを、その審議の中身をどうするかということは、今度は検査院の判断にかかってくる、こういうことでよろしゅうございますか。
○会計検査院長(白石正雄君) 会計検査院の職員といたしましては、職務上知り得た秘密はこれを漏らしてはならないという規定の適用を受けるわけでございます。したがいまして、その秘密が一体何が秘密であるかということでございますが、これは国税庁当局が持っておるところの秘密の内容でございます。これは国税庁当局の秘密の内容を検査院は職務上知り得ておるわけでございまするから、したがいまして、何が秘密であるかということは、国税庁当局の、行政当局の判断に任されるべきものだというように考えるわけでございます。
 つまり、国税庁当局が秘密としておることを検査院が職務上知り得て、そしてそれを公表するということになりますれば、国税庁当局が秘密として守ろうとしておることを検査院が職務上知り得てそれを外に漏らすことになるわけでございます。そういうことはやはり職務上知り得た秘密を漏らすということになって公務員法の規定に違反することになるわけでございまするから、したがいまして、職務上知り得たその秘密の内容は、これは国税庁当局が秘密としておることを秘密とせざるを得ないというように検査院としては考えるわけでございます。
○久保亘君 あなた方が独自に必要な調査をされたものについては、あなた方がそれを秘密とすることはあり得ないわけですね。
○会計検査院長(白石正雄君) 独自に調査しました内容につきましても、これはやはり本来国税庁当局の有しておるところの資料の範囲内のものでございます。したがいまして、その資料の範囲内においてどこまでを国税庁当局が秘密とするかということは、国税庁当局が決定することであろうと思うわけでございます。したがいまして、その国税庁当局の意見を尊重して、国税庁当局が秘密としておることば、やはりこれを外に漏らすということは守秘義務に違反するということに相なろうかと思うわけでございます。
○久保亘君 そうすると、やっぱり会計検査院は内閣から独立した機関としての機能を持ち得ないということになりませんか。独立していないじゃありませんか。会計検査院は、検査院が調査をした結果については、検査院自体がその問題の扱いについては決すべきものじゃありませんか。
○会計検査院長(白石正雄君) 会計経理につきまして検査をするのが検査院の職務でございまして、会計経理の検査につきましては独立して職務を執行するわけでございます。しかしながら、あらゆる行政機関につきましては、その行政当局が尊重すべきいろいろの利益と申しますか、国益と申しますか、そういったものを持っておるわけでございまして、そういったものを検査院が害するということはこれは適当ではなかろうと考える次第でございます。したがいまして、行政当局の立場そのものはこれを尊重しなければならない。しかし、会計経理について非違があればこれは摘発をいたしまして国会に御報告を申し上げるということに相なろうかと思うわけでございますが、そのほかの点につきましては、各行政当局の立場を尊重するということが国家公務員法上の立場上守らねばならない義務であろうと考える次第でございます。
○久保亘君 あなたの方でそういうふうに言われますとね、私は今度はその秘密は何かというような問題をも一応また改めて議論せにやなりませんから、会計検査院としては現在チームを編成してやっておられる調査結果を大体いつごろまでにおまとめになりますか。
○会計検査院長(白石正雄君) 会計検査院といたしましては、国税当局が処置いたしました事項につきまして、これを検査をして、そして決定するわけでございまするので、それで国税当局の処置が終わらなければ検査は完了しないわけでございます。したがいまして、一にかかって国税当局の処置の完了いかんにかかる次第でございます。
○久保亘君 そうすると、もう会計検査院としては、独立した機関としての機能というのはこの問題に関してはほとんど持ち得ないと、こういうことになるようですね。結局、国税庁がやった結果を見て、ああよくやったと、そういうことで終わりになる、こういうような感じがしてなりませんがね。会計検査院も、あなたが言っておられるように、今度のような問題が起きたことについてははなはだ遺憾なことであって、従来の検査のこういう疑惑が起こらないような検査をやるべきであったということをあなたはこの委員会で述べられておるでしょう。やっぱり私はそれに相応する検査院の職務を遂行してもらいたいと思うんです。これ以上あなたの御回答を求めても意味がないと思うんで、私の希望を申し上げておきます。
 先ほど申し上げました信行社の国有財産払い下げをめぐる問題につきましては、資料が提出されました後、改めてまた質問をいたしたいと思いますので、保留をさせていただきます。
 これで終わります。
○松岡克由君 国会の傍聴の問題、一般の傍聴の問題でございます。これについて若干時間内に質問をいたします。
 私は、国会議員になる前は、正直言うと余り政治と直接関係というものを持ってなかった。しかし、世の中の出来事に対する政治、経済、文化いろんな面においては、大衆を目の前にいろいろと笑いのうちに分析し、意見をし、共感を得て芸能生活を送ってきた人間なんでございましてね。ですから、それなりに考えていたけれども、やっぱりこういった議会へ入てくることにおける新鮮な驚きとか、やはり、現実と考えていたことの食い違い、素朴に受けとめるわけですね。ということは、やっぱり一般の人というのは同じような考えを持っているんではないか。また、持ってないと大衆芸能というのはもちませんで、その観点から質問しますんで、そのあなた方の答えをテレビでもちろん流し、私も本にする予定ができておりますんで、どうぞひとつわかりやすく回答を求める次第です。
 考えてみると、主権在民の世の中と言ってもなかなか直接に国会とか政治にかかわり合うことはない。せいぜい選挙で選ぶ、演説を聞く程度で一段階、その次に入った段階のものを、中のものを見るという機会がなかなか少ないんですがね。ひとついろんな質問または提案がありますんで、できることはどんどんひとつ入れていただきたいと前置きを申し上げておきますけれどもね。
 素朴に伺いますがね、本会議の傍聴ですね、一般国民の。これはできるようになっていますが、事務当局はどう考えているか。ということは、早く言えばどんどん傍聴に来てほしいのか、余り来てほしくないのか。来てほしくないにはいろいろ理由があると思うんですがね、もしあるとすれば、いまの状態では受け入れ体制が十分でないからとか、いろいろ想像できますが、率直にこの意見では答えにくいかもしれませんが、答えて結構ですからね。
○参事(植木正張君) 参議院の本会議の傍聴の過去の実態を私でも見ておりますと、たとえば施政方針演説に対する質疑とかあるいは重要議案の審議という場合には傍聴席は非常にいっぱいになります。その他普通の場合の議事におきます本会議は比較的傍聴者が少ないというのが私どもの見る実態でございます。そういう意味から申し上げれば、事務当局といたしましてもぜひ本会議のときにはなるべくたくさんの傍聴の方が来ていただけるのが望ましいと、そういうふうに考えております。
○松岡克由君 当然それに対する努力はしているわけですね。
○参事(植木正張君) 率直に申し上げまして、私どもでは、一般の方で傍聴される方は議員面会所のところへ来ていただきまして、そこで傍聴券を差し上げるという非常に消極的な形になっておるわけでございます。大部分は議員の方の御紹介の方が来られるという形になっておりまして、その傍聴に関してのそういう積極的な御努力というのはむしろ議員の方に大部分お願いしておるというような形になっておる、これが実態でございます。
○松岡克由君 その実態に別に満足しているわけじゃないでしょうね。
○参事(植木正張君) 率直に申し上げまして、それが満足であったかどうかということをいままで厳密に反省したということが余り少のうございます。それで、いまそういうお話がございまして、われわれとしましても、それは一般の方々にどういうふうにすればたくさん来ていただけるかということは今後十分考えていかなきゃいかぬことであろうと思っております。
○松岡克由君 大変素朴な答えで結構でございます。ということは、いみじくも質問したことが実になるんではないかというこの質問の可能性も大分出てきたわけでございますんでね、質問のその成果の。まあ理屈から言いますと、国会というのは国政の審議機関ですからね。議会運営がスムーズにやはり運ぶのが第一義的なものだと思うし、まあ事務当局の苦心もそこに私はあるんだろうと、こう考えております。で、まあ本会議とか委員会というのは見せ物じゃござんせんからね。さあどうぞどうぞというべきものでもないと思う。確かに国会のあり方から見ると第二義的なものになると、傍聴は。ところが、やっぱり私は国会を傍聴するということはたいへんな意義があるということは、こちらの方では二義的ではあるけれども、一般の人にとっては政治に関心ある方にとっては、またはこれから関心を持つようになる人、非常に一義的なんですね、いま言うとおり。やはりおのれたちが選んだ政治家がどのようなことをしているのかということを見るというのは、彼らにとっては一義的なものであるということですね。で、私の体験からいきますと、私の友人、知人というのは、わりと、いま言うとおりざっくばらんに言えば八つあん熊さん的な性格を持っている庶民が大勢いる。これが傍聴に来て帰ると、非常にある種の感慨を持って帰るんですね。ということは、もう違ってくるんです、政治の見方が。新聞などの見方が、堂々と。いままではやれ芸能欄だ、それこそ三面記事だ、もっと言うとスポーツ欄しか読まなかった、芸能案内しか読まなかった人間が一面、二面を読むようになってくるんです。これはもう事実なんです。それだけやっぱり意味があるんで、私はどんどんどんどんやっぱり来てほしい、また来るために事務当局は運営を図るべきだという私は見方なんでございますけどもね。だけど、いまいみじくもそこまで頭が働かなかった、そこまで考えてみなかったと言ってますが、私は考えてみなかったというのは、これはちょっと皮肉な言い方なんですがね。考えてみなかったんでなくて、あなたほど頭のいい方が考えてみないわけはないんでね。私は考えてらっしゃったんだと思うんでございますけどね。そういった、そのもし見に来る……、はっきり言えば考えてなかったということはよくないことなんでございますからね、素朴な意見は認めるとしても。一般が見に来ることに対する見られるための予備知識というんですか、手続というんですか、その方法は私あんまり知られてないような気がしますんですがね。このあたりどうでしょう、いまの意見を聞いてて。
○参事(植木正張君) 私が申し上げましたのは、一つは、国会特に本会議というものが裁判所と同様に広く公開されているということは、基本的に国民の方が知識としてお持ちになっているのは当然であろうと思ったわけでございます。
 それからもう一点は、関心のある方は議員の紹介なりあるいは事務局の方に時折電話の問い合わせなどございますが、よくそういう手続なんか御存じなわけでございます。問題は、そういう関心のない方々に国会の傍聴ということについてどうすればできるかということを積極的にPRするという問題であろうと思います。で、いままでそういう問題につきましては、新たに当選されました議員の方々に「参議院議員のしおり」というのを差し上げております。これには詳細にその傍聴の、こういうふうに御紹介いただきますという手続が書いてございます。まあ今後の問題としましては、いま参観者に「国会案内」とか、あるいは「わたしたちの国会」というパンフレットをつくっておりますが、そういうものに傍聴の手続方法等を今後入れていきまして、少しでもPRするということを考えたいというのがいまの状態で申し上げられることでございます。
○松岡克由君 どんどんそれだけでなく押し進めた方がよろしいのではないかというのが私の質問の総論なんでございますけどね。そのためにこういう方法がある、ああいう方法もあるというのをこれから逐次述べていきたいと思うんですけども、いま熱心な方はどんどん来ていると言うけども、その熱心な方というのは非常な一部であって、一般的に政治のことを知っていても、それが熱心というのはその傍聴に対する熱心な方であって、一般的にはその政治に熱心であっても、わりと政治に深くかかわり合い、また関心を持っている人でも知らないというのが現状であるということを私は知ってほしいと思うんでございますね。まあ一般的には本会議というのは議員の紹介がないとだめであるというのはわかっているんですね。じゃ、どうすりゃいいんだと、そのほかは、その議員を知らなければどうしようもないんだとあきらめているケースがほとんど多いわけなんですね。参議院傍聴規則の第一条第一項には、「傍聴人は、議員の紹介による傍聴券、又は先着順により交付される傍聴券を、所持すること。」とあるんですね。だから、考えてみれば、傍聴を希望すればだれでもできる。しかし、だれでもできるんだけど、いま言うとおり、その方法しか、知られていないということは、あまり周知させてない、または周知させる必要がないんではないかと、げすのかんぐりみたいですけど、そういう発想が生まれてしまうことを私は逆にこわがるわけなんですがね。どうでしょう、その辺は。
○参事(植木正張君) 一般の方が傍聴をされるという問題は、これは私は先ほど、一般の方は本会議は公開になっておって、傍聴は自由にできるんだというお考えはほとんどお持ちじゃないかという気がするんでございます。
 ただ問題は、それをそれじゃ具体的にどうすればそういう傍聴ができるかという問題ではなかろうかと思うんです。ただいまのところは、先ほど申し上げましたように、受付にその傍聴券を置きまして、おいでになった方がそれをもらって傍聴されるという非常に消極的な形でおると、問題は、これをいかなる方法で一般によく承知していただくかという問題だろうと思います。
○松岡克由君 繰り返しておることなんですがね、その方法をどんどんどんどんやるということはやぶさかでないわけですわね。
 河野議員も参議院をずいぶん改革しようというので、いろいろとエレベーターをつけてみたり、やれいろんなことを努力しているということを聞いて、それは大変いいことだと、私は河野さんのその行為、そのことというのは大変すばらしいと思っているんでございますけどね、それが院内だけの評価であって一般的に伝わってないというところに、非常にもったいない、残念だというような気持ちが私にはある。どうでしょうね、ここにたとえばいまあなたがいみじくもおっしゃいました「国会案内」というのを配ったり、または参議院というパンフレットを配っているというんですが、これ、どういう人に差し上げているわけですか、この「国会案内」というのは。
○参事(植木正張君) 「国会案内」は参議院に参観においでになった方にお一人一部ずつ差し上げております。
○松岡克由君 ははあ。で、これは私の秘書が別館にもらいに行きましたら、普通は上げられないが特別に上げるといってもらってきたということは、普通は上げないというのが前提になっているんですね。
○参事(植木正張君) これは参観される方に対するサービスとしてつくっておりますので、一般に参観もされないで、ただ来て何か欲しいとおっしゃる方には差し上げるという前提ではございません。
○松岡克由君 それはあまりよろしくないんですわね。これはまあ国会と方々と違うかもしれませんがね、どんなところに行ってもガイドブックくれとか、パンフレットくれと言うと、もう喜んで送ってくる、これがいまの現代であると。その現代においてPRのためにこしらえた雑誌を非常に義務的に配っているというんではPRに全くならないんではないかと、この辺、逆に言うと、それを出さないところ、少ないからこそ価値がある、親切にしないからそこに威厳があるというようなもし根底に考えが流れていると、これは大変よろしくない事柄でありますので、私はどんどんどんどん思い切ってこういうのを出した方がいいような気がいたしますですよ。だから、一般の人に上げないということは、いかにも一般とは違うんだというイメージを当然持つでしょう。ねえ、これくださいと、普通の人には上げませんと、どれだけのものかと思ったら、ダイヤモンドでも何でもない、これだけのものでね、これはお金がかかったら印刷代もらえばいいじゃないですか、二十円でも三十円でも。そういう辺、どうです、改めませんか。
○参事(植木正張君) 先ほどちょっと言葉が足りませんでしたが、たとえば小学生の方とか、国会について勉強にいろいろ聞きに来られる方と、そういうような方にはもちろん差し上げておるわけでございます。
 ただ、申し上げますのは、適当なところに積んでおいて、自由にどうぞお持ちくださいという形にはしておらないわけでございます。いま先生おっしゃいましたように、もし来られて、こういう国会の内部がわかるようなパンフレットがぜひ欲しいんだがというようなお話がございましたら、今後はひとつ積極的に差し上げたいと、そう思います。
○松岡克由君 結構だと思います。
 それから受付のところあたりで、こういうものを御希望の方に差し上げますと、中身は国会の事柄なぞをわかりやすく大変によくできておりますので、差し上げるべく掲示があっていいと思いますね。
 それから、この中に傍聴方法は書いてないんですね、私はあると思ったんですが。こういったものはちょっとうかつではないかと思いますので、ぜひこれはひとつわかりやすく私は入れるべきだと思いますが、どうでしょう。
○参事(植木正張君) その点は御指摘のとおりと私ども考えておりますので、率直に申し上げまして、いま相当刷ったものがございますが、その中に、とりあえず傍聴参観の手続等を書き込んだ紙を入れまして、将来刷り直しますときにはそういう問題も入れていきたいと思っております。
○松岡克由君 それじゃ、委員会の傍聴なんですが、これは戦後の新憲法のもとで国会が大変な重大なウエートを占めている。その国会の中でも、ほとんど委員会の役割りというのが大きいと言っても差し支えないくらい、実質的な審議というのはもう委員会にありと言えるのではないかと、国会法第五十二条によると、委員会傍聴について「委員会は、議員の外傍聴を許さない。但し、報道の任務にあたる者その他の者で委員長の許可を得たものについては、この限りでない。」というんですね。まあ本論に入る前なんですけけども、私、この「許さない。」とか「その他の者」――これは国民を指しておるわけですが、こういう非常に前近代的な表現をすることに、これはささいなことかもしれませんが、遊離してしまう原因があるような気がするので、こういった文章のとらえ方一つ見ても、どんどんどんどんもっともっと民衆にアピールする取っつきやすい方法にしたいという私の意見があるのでございますけどね、これは事務当局の責任ではもちろんない。それはないんでございますけども、実際には傍聴に来たいというのは、委員長の許可があればどんどん来られるんですね。ですから、もっともっと自由に来られるということを、いま言うとおり委員会についてもオープンにするというような気はありませんでしょうか。
○参事(植木正張君) いま先生がおっしゃいました、委員会をオープンにしろということは、委員会も議員の紹介とか委員長の許可がなしに自由に傍聴できるようにしろと、こういう御趣旨と承ったのでございますが、それは委員会をそもそも公開制にするか非公開にするかという基本的な問題に関係する問題だろうと思います。
 それで、現実は俗に委員会は制限公開制と、委員長の許可にかかわらしめている形でやっております。私どもの知りますところでは、現在委員長がそういう許可をされる場合に、場所的な制約とかいろいろございますけれども、なるべくたくさんの方に傍聴していただく、ときには時間を区切って半分ずつ交代してもらうというような措置をおとりになって、傍聴をなるべくたくさんにしていただくというようなことをやられておると聞いております。
 なお、委員会につきましては、報道陣につきましては、これは先例上、一々委員長の許可でなくて、議長が二その国会に発行する傍聴記章でフリーに傍聴できるというたてまえになっております。
 要は、委員会を完全に公開制にしてフリーに傍聴できるようにするか、現状のようにするかという問題でございます。これは委員会の基本的な問題であろうと思います。
○松岡克由君 いや、そこまでは言っておらぬです。それはまあいま言ってないけれども、意見として聞いておきましたんですけどね、そちらの。
 要するに、一言に言えば、委員会に来るという方法を知らないわけですよ。委員会に来たいというものもずいぶんあるし、ふらっと来て、ふりの客という言葉があるけど、ここまで来たんだからちょっとひとつ見てこようではないかというような、簡単な状態で見られる――もちろん人数の制限もあるでしょうけども、そういったときに見られるような、まあ何もそんなに非常に気やすくするということも、物事は考え物かもしれませんが、それがないんじゃないかと、委員会においても。本会議においてはまあまあそういったものがある。けども、委員会においては全く、よほど個人的な議員とのつき合いとか、または団体として選んだ議員とのあれがない限りの、まして私みたいに全く団体を持たない、要するに一般の人から選ばれた人間においては、会うたんびに、何やってんだか見せてくれよというようなものですね。また、私なんか全然これ伝わりませんですからね。おまえ何やってんだと、これはまあ一私個人の問題ばかりではないと思うんでございますが、何やってるんだということなんですね。これは見せてやれば一番簡単なんですけどね。まあいい悪い判断するのは向こうであって、まあやってることはやってるんだという、そういったことを見られない、選びっ放しになってしまって、報告もできないというこの状態、これはそれぞれの人が感じていることじゃないがと思うので、だからこそ、テレビになると、もうやたらとテレビに出てわがことみたいにテレビを通じて訴える、あさましいくらいにテレビ出演に対してがたがた言っているような感じを受けるときがあるんですがね。どうなんでしょうね、そういう感じをわれわれが持つということは。ということは、一般の人がこういうところへ来にくい、委員会なんかの場合。それに対するもっともっとサービスの仕方があるんではないか、これは当然の仕事の範疇に入るのではないかということなんです。
○参事(植木正張君) 先ほども申し上げましたように、委員会が実際的には制限公開制のような形をとっておりますので、われわれがどなたでも自由に傍聴においでくださいというわけにはまいらぬわけでございます。ただ、実際問題といたしましては、仮に議員の方を御存じない方、そういうような方が御相談においでになりました場合には、あるいは議員の方を御紹介するとか、あるいは委員長に申し上げて許可をしていただくとか、そういう実際的な便宜な方法は現在でもとっております。
○松岡克由君 せいぜい、われわれもテレビに出る人間ですから、テレビを通じてみんなに呼びかけることにはやぶさかでないんで、われわれはいたします。われわれがする、もちろんわれわれができるような状態に事務当局がしてくれないと、その効果が上がりませんですけれども。
 具体的なことを聞きますと、たとえば、院内では何々委員会、何々委員会がやっているなんという掲示が出たり、またはランプがついていますが、ああいうのを参観に来る人たちにわかるように、参観という言葉もちょっとひっかかるんですけれども、見学に来る人たちにわからせるような方法というのは私はあっていいと思うんですけれどもね。それから本会議とか委員会をやっているのを、何といいますか、テレビで流すこともできるんじゃないかと私はこう思うんでございますけれども、どうでしょう、そのぐらいのサービスは。
○参事(植木正張君) 本会議あるいは委員会がその当日どのくらい、どういう状態で開かれるか、あるいは現在どうなっているかということにつきましては、院内にモニターテレビが方々に設置してあるわけでございます。お話のような御要望をよく考えまして、外部の方がそういうことを知り得るところと申し上げますと、議員面会所のところしかないわけでございますが、そこらにそういうものをつけるということは、これは私ども十分考えたいと思います。
○松岡克由君 それから傍聴規則なんかも掲示されているんですが、みんな緊張して読まないです、読めないんですね、やっぱり。だから、別館の玄関前でもいいし、それから非常にわかりやすい字句で、だれでもわかりやすいことで、私はどんどんやってほしいし、またその状態を――一時ありましたね、街頭テレビというので、プロレス全盛時分、ああいう方法も考えられないことはないでしょう。考えられますわね。
○参事(植木正張君) 実は、傍聴の方のいろいろ待遇改善ということを議長の方から御指示もございまして、御存じのように、議場の裏の控え室には、本日の議事はどういうことをするかと、あるいは議案というものはどういう流れでどうなるかというようなものを掲示いたしております。それらの中から必要なものを、皆さんの目に触れやすい面会所の場所等を考えまして、早速検討して設置したいと思っております。
○松岡克由君 何か希望がどんどんどんどんかなえられそうな意見なんで、うれしいやら何かすかされているみたいな、過去のあれからいくとちょっぴりまゆつばじゃないかと思うくらいな気がします。ぜひひとつ皆さんのためになることで、実行してほしいと思っております。
 案内が衛視――案内、警備の方ですから衛視という言葉を使っているそうですが、案内してくれていますんですけれども、私は本来から警備対策でないんではないか、もちろんいろんなことがありますからね、チェックしたりなんかしなきゃいけないけれども、案内係というものは私は完全にサービスではないかというような感じがするんです。あれで連れていかれると、これは全然私と関係ない人に聞いたんですが、何か刑務所へ案内されたような気がすると言うんだね。はあ、そうかな、そんなものかなと、ふと思ったんですけれども、イギリスなんかは大変若く美しい女性が案内しているらしいですね。それも非常にユーモアを持って、客観的な目で、つまり御用掛でなく、おのれの目で判断し、ウイットを飛ばしながら見ていく。非常になごやかになる。なごやかということは非常に吸収しやすいということにつながるんですけれども、これ、ガイド業者やなんかにやらせるというのはとっぴな意見かもしれませんが、とっぴな意見が十年、二十年後には実行されるんですけれども、どうなんでしょうね。私なんか案内してもらうなら、やっぱり衛視よりも、国会見ないでそっちの美人の顔ばかり見ているということもあるかもしれませんですがね、そのぐらいのひとつ、こういった飛躍的な考えなんというのは頭にはちょっと無理ですかな。
○参事(植木正張君) 実は、私が二、三年前警務部長をしておりましたときに、議員の方と一緒に国連へ参りました。国連の中は各国語のできる女性がそれぞれのお国ぶりをしてその言葉のわかる方を御案内するというようなことを目撃いたしまして、帰りまして早速女性を案内人にする方法ということを検討いたしたことがございます。残念ながら、いまの事務局の人員の状態を申し上げますと、緊急にその充員をしなければならない要素というのが、調査の面だとか会議の面、そういうところの要員にとられておりまして、もし将来そういう人員的な余裕ができればそういう女性の方に案内を頼むということは好ましいことではないかと私は考えております。
○松岡克由君 そうなんですね。国会内のほうでだめならば、ちゃんとしたガイド業者に私は請け負わせたっていいんではないかと、その方法がうまくいく、つまり変なトラブルがなく、ちゃんとうまくいくためにならばね。そして場合によっては、イギリスなんか案内嬢にチップなんかを切っているらしいですけれども、そういったことなんかは出てくるものなら私は出てきてかまわないのではないかと、いろいろな感じを持つわけです。そういったひとつ、これは私ばかりでなく一般の人たちも見て来た感じを、おそらくそれぞれのちまたではしゃべっているだろうけれども、直接感じない、たまたま私が今回この決算が上がってくるので調べたらこういう結果が出てくるので、どうぞひとつさりげないときに一般のところへ入って行って、意見を聞きながら楽しいアイデア、またはしなければならない事項をどんどん実行に移してほしいのです。
 最後に聞きますが、私は国会の様子というものがいろいろ紹介されているのはテレビであり、いまもじーっと鳴っていますが、結局新聞であり、要するに週刊誌であり、マスコミが流しているというのが主である。ところが、マスコミはマスコミの思惑で、新聞は新聞でいま言うとおり、テレビはテレビの思惑で流してくるんですね。だから、それに私は全部ゆだねていいのかというと、これはいいんではないと、いけないと思っています。やはり国会は国会なりのそこに広報活動といいますか、これが私はあってしかるべしだと、こう思うのでございます。ですから、いままであまりにもそういったマスコミ、向こうから来るものに頼っていたのを――ですから、見ていますと、われわれ自民党サイドだからそう感じるのかもしれませんが、予算委員会一つ中継を見ていましても、いかにも悪いものを正義が、鬼を桃太郎さんが退治しているというようなイメージが見える、そういう部分があるのかもしれませんですがね。やっぱり現実に来てみるとそれなりの違ったものもあるわけなんでございまして、やっぱり国をよくしていこうという一点からお互いに与野党が争うわけでございますから、そういったものを含めて国会サイドからもどんどんどんどんこっち側の広報活動というのが私は必要ではないか、また場合によっては電話サービスしてもいいし、テレビにテロップ流してもいいでしょう、どんどん見学したい方はどうぞと、こういう方法がありますよということを言い、いまサービス電話というのはあり余るほどありますね、あんなものは別に金はちょっとかけてしまえば、あと人間はかかりませんから、いろいろな方法をやってみるとか、それで来ないものならこれはしようがない。しかし、国会に行ってみたいけれども、どうしたらいいのかという初歩的な手続がわからない人というのが意外に多いというのですね。私は初歩的な段階から政治と離れていってしまうというのは非常に残念だと思いますので、どうぞひとつ初歩的なことで一般国民が遊離しないように、しっかりと、その間を取り持つ一つの仕事をしていらっしゃるのですから、いま言う私の意見を、あるときは笑いのうちでもけっこうですが、根底だけはしっかりとつかんで、でき得るものは一つでも二つでもやっていただくと大変に質問の意義があるというわけでございます。
 最後に返答をいただいて質問を終わります。
○参事(植木正張君) いまおっしゃいましたように、国会の生なと申しますか、そういういろいろな情報の伝達というのは、新聞、テレビというのにこれはわれわれかなわないと、時間的な問題も入れまして、そう考えておるわけでございます。したがって、そういう面で何らか文書的にそういうPRをするということの一環といたしまして、本会議の議事録はもちろん官報で一般に売っております。先般来分科会でいろいろ御議論がございまして、委員会の全部の会議録を各都道府県及び指定市の議会図書館に一そろいずつ全部寄贈するということを、去年おととしあたりから実施しております。
 それから先ほど申し上げました「わたしたちの国会」という。パンフレット、これはうちの外郭団体的な参友会でつくっておりますが、これを全国の高等学校にそれぞれ無料で差し上げております。これは来年あたりで一とおり全国の高等学校に終わる予定にしております。まあいま申し上げられるPR活動と申しますと、そんな程度のところでございます。
 それから先ほどテレホンサービスのお話がございましたが、これは、私どもは、むしろそういうサービスで紋切り型にやるよりも、現にやっておりますように、お問い合わせがあればその所属の課に交換手が連絡いたしまして、その課で丁寧にお知らせするという方法をとっておりますが、これで十分まかなえるんじゃないかと思います。
 テレビのテロップの問題につきましては、これは相手のあることでもございますが、一応少し考えさしていただきたいと、そういうふうに思います。
○委員長(前川旦君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
○委員長(前川旦君) 速記を起こして。
○峯山昭範君 それでは、初めに会計検査院の方にお伺いをいたします。
 先ほどから当委員会で問題になりました田中前総理の金脈の問題でございますけれども、まず検査院長にお伺いしますが、先般、昨年のこれは十一月の十五日でございますが、十五日の当委員会における事務総長の答弁でございますが、事務総長はこうお述べになっていらっしゃいます。私どもは検査を行うに当たりましては自主的にプランを立てて検査を行うと、こう答弁していらっしゃいます。具体的に今回の田中金脈の――もちろんいまの答弁の後に具体的な十五社が出てきたわけでございますが、検査院独自の自主的なプランを立てて今回の調査を行うと、こういうふうに答弁があったわけでございますが、
  〔委員長退席、理事小谷守君着席〕その自主的なプランというのは一体どういうぐあいになっているのか、その具体的な内容についてお伺いをしたい。
○会計検査院長(白石正雄君) 担当局長から答弁させます。
○説明員(高橋保司君) 自主的な調査がどうかという御質問でございますが、私どもの検査は独立機関でございますからすべて自主的にやっておるわけでございます。その内容は、先ほども久保議員の御質問によりまして答えたことに尽きるかと思いますが、課長以下五人の調査官のチームを組んでやっておるということ。計算証明の関係で出ています証拠書類の書面検査をやっておるということ。それから書面検査をやっておる、その提出されておる証拠書類というものはかなり簡単なものでございますから、それを突き合わせる関係でいろんな疑問が出てまいります。その疑問の点につきまして、さらに当局に対して要求すべき資料があれば要求しておるということでございます。そうしまして、いま課税当局におきましては調査の段階でございますから、その調査が終わったところで、国税当局が何らかの課税処理を済ませましたら、関係の税務署なり、あるいは国税局なりに出向きまして、いわゆる実地検査というものを施行したい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○峯山昭範君 私はあなたがおっしゃっておるのとちょっと違うわけです。会計検査院が自主的に、いわゆる国税庁とかそんなところと独立して検査をし調査をする、それは当然のことで、そんなことを言っているのではない。今回のこの問題について、要するに会計検査院は自主的にプランを立てて、いわゆる今回の調査を行っていく。しかもその中身については、それらの会社の課税状況につきまして見直しをやっていく。そのときはそれだけの答弁なんですけれども、その後もちろん十五社の名前が並ぶわけですけれども、今回の要するにこの問題についての詳細なプランですね、いまあなたがおっしゃったこういうふうな簡単な問題じゃなくて、もう少し詳細に、たとえば具体的に申し上げますと、プランですから、全体の、たとえば先ほど答弁を聞いておりますと、国税当局の調査が終わって、それから云々するというのじゃなくて、少なくともこれはもう過去にさかのぼってやろうと思えば幾らでも資料はあるわけです。
 そういうふうないろんな観点から考えて、少なくとも調査体制の問題にしましても、それから具体的な資料の収集の方法にしましても、またその中身の問題にしましても、これはもっと体制を強化してやらないといけないんじゃないか、その中身のプランは一体どうなっているかということを私は聞いているわけです。どうですか。
○説明員(高橋保司君) 先ほどお答えいたしました以上に出ないと思いますが、租税関係を担当する職員が約八十名でございまして、全国五百ヵ所・余りの税務署その他があるわけでございますが、その中から割き得る人間としてまあ六人ぐらいを選びましてやっておる次第でございますが、原則論を申し上げて申しわけないと思いますけれども、私どもの立場というのは、どこまでも決算検査という立場でございまして、現在課税当局が調査中でございますので、私どもの方からその中に割って入りまして、いろんな活動をするということは、この際は差し控えておきたいということで、税務当局の課税が終わったところで活動を現実に開始したいということでございますが、まあしかし、それまでに相当の期間がありますし、私どもの間でも集め得る資料などもあるわけでございますから、そういうものを極力収集、検討をいたしまして、それをもって実地検査に臨み、適当なる検査を施行したいということでございます。
○峯山昭範君 きょうはそのほかの問題もたくさんありますので、この問題だけで長くやりたくはないんですけれども、これは私たちが今回の田中金脈の問題について、あなた方が自主的にいわゆるプランを立ててやると事務総長がおっしゃった。われわれが計画立ててやれと言ったんじゃない。あなた方の方が今回の田中金脈について、いわゆる十五社を中心にしてその検査の体制、プランをつくって行うと、こうおっしゃっておるわけです。ですから、そのプランはあるのかと私は聞いたわけです。
 どうなんですか、実際問題。先ほど答弁を聞いておりますと、具体的な答弁、要するに具体的な計画はどうもなさそうですね、私の感じですよ、先ほどから答弁を聞いておりましても。要するに国税当局もまだ調査が終わっていない、しかも調査するには膨大な人数がかかる、そういうふうないろんな観点から検査院当局がやっぱり全体的に計画を立てて、プランを立てて――ほくが言っているのじゃない、あなた方がおっしゃっているわけだ、その計画すらまだできていないんじゃないか。もしできているとすれば検査院長の前に置いてあるはずですね、その計画が。だから、検査院長が当然答弁できるはずです。当然検査院としてこの問題にどう対処していくかということになるわけですから、そのくらいの真剣な私は取り組みが必要じゃないか、これはどうですか。
○説明員(高橋保司君) もう少し詳細に申し上げますが、検査の対象、調査の対象は田中氏及び関係者の所得税、贈与税でございます。それから関連会社の法人税に関してでございます。どういう項目について重点事項として選んでやっておるかと言いますと、関連会社につきましては、資本金の動き、株式の異動、その内訳、不動産の増減状況、それから第三番目に資金を中心として債権債務関係の異動、その内訳、特に仮受金、仮払金、未収金、未払金というような内容、それから第四番目としまして報酬、給料、顧問料、支払い手数料などの内訳、その支払い先、大きさ、それから寄付金、交際費などの支払い状況というものを集めております。これは何のために集めるかと言いますと、関連会社の課税状況、関連会社の法人税自体がどうなっているかというためにも集めますが、そういう内訳をとりまして、田中氏並びに関係者の所得税なり、あるいは贈与税にどういう影響があるかということをねらいにしてやっておる次第でございます。
○峯山昭範君 重ねてお伺いをいたしますが、この問題について計画はできているのかどうか、実際問題として検査院当局がこの問題に対してどういうぐあいに取り組んでいるかということは、やっぱりきちっとしたプランができていないと私は取り組めないと思うんです。いまここでどういうふうに答弁をしてごまかしても、それはどうしようもない問題です。先ほどから答弁を私もお伺いしておりましたけれども、やっぱりそこの体制をきちっとしてもらいたいと思います。
 それから今回の検査院としてのこの問題についての責任者は一体だれなのか、この点を明らかにしてもらいたい。
○説明員(高橋保司君) 私たちは事務総局の職員でございますから、検査官会議の指揮を受けて活動を行うわけでございますが、租税に関する限りでは当面の責任者として私、第一局長でございます。そしてこれを直接担当している課は、租税第一課というのがございます。
○峯山昭範君 いずれにしましても、私たちいま答弁を聞いている限りでは、まだまだこれからどういうふうな調査が実際なされて、どういうふうになっていくのかということが明確でございません。いずれにしても、この問題については当委員会で事務総長も何回か答弁されていらっしゃいますように、その体制も明確にし、そしてその結論についてもできるだけ公表できるような体制にしてもらいたいと私は思います。そういうような観点から、この問題について院長の答弁をお伺いしたい。
○会計検査院長(白石正雄君) 検査官会議と事務総局というのが検査院にはございまして、検査官会議はいわば判定機関でございます。それから指揮監督はいたしますけれども、実際の検査及び審査の事務は事務総局が担当するということに相なっておりまするので、この点につきまして検査官会議といたしましては十分に調査するように一応の指揮はいたしておるわけでございますが、具体的な検査計画につきましては事務総局において行っておる次第でございます。ただ、ただいま御答弁申し上げましたように、まだ委員の御納得を得ないような不十分の点もあるかと思いますので、さらにその点は十分指揮監督をいたしまして、御希望、御期待に沿うように検査を実施するようにいたしたいと存ずる次第でございます。
○峯山昭範君 それでは次に、四十八年度決算検査報告というのが検査院から提出されています。この中の問題の一点についてきょうは質問したいと思います。
 この検査報告の六十三ページに、「輸出保険特別会計の保険料の徴収等の経理について処置を要求したもの」ということで詳細説明がございますが、この経過それからこれは一体どういうことなのか、できるだけわかりやすく説明をしていただきたい。
○説明員(桜木拳一君) 御説明いたします。
 本件は、輸出保険特別会計で経理しております輸出保険のうち、輸出代金保険及び普通輸出保険設備等包括保険、この二つの保険の保険料につきましては、保険契約時に保険料を徴収することになっておりまして、輸出代金保険につきましては初めの引き受けのときに保険料の二〇%、それから輸出貸物船積み時に残りの八〇%を徴収することになっておりますし、それから普通輸出保険設備等包括保険につきましては、初めの引き受けのときに一〇〇%保険料を取るということになっておるわけでございますが、四十八年度中に引き受けましたこの二つの保険を合わせまして七千九百四十四件につきまして見ますと、そのうち保険料の徴収決定をいたしましたのは千三百三十七件、三億三千二百万余円だけでございまして、残りの六千六百七件につきましては徴収決定の処理をいたしておりません。しかも徴収決定する場合に当然必要となります保険料が幾らかという額の算定さえもやっていないという状況であったわけでございます。
 また、このために四十八年度の財務諸表を作成するに当たりまして正確な保険料の額は幾らかということがわからないものですから、この分につきましては推定によりまして計算いたしておるわけでございます。そしてその結果、ひいては未収保険料あるいは未経過保険料等、これらのものすべてこの推定値が計算の要素になってきて作成されておるという状況であったわけでございます。このように保険金の徴収等の経理が妥当と認められないという事態でございましたので、(「いつの時点ですか」と呼ぶ者あり)四十八年度決算でございます。それで推計額で計上しているものについてはそれぞれの内容を把握して徴収決定を速やかに行うなど、経理処理を促進するとともに、これらの経理に関して関係職員に対する指導、監督、研修等を徹底しまして、会計経理の適正を期する要があると認められたものでございます。
 ただいまいつの時点かという御質問がございましたですけれども、私の方は、これ四十九年の六月に実地検査いたしました。その時点において、どうも四十八年度の決算関係の数字がおかしいということにやっと気がつきました。それからさかのぼりましてこのような事態を見つけた次第でございます。
○峯山昭範君 非常に説明がわかりにくいようですね。実際数字が出てくる問題でございますから、局長一人わかっていて、ほかの人はわからないというのでは困るので、もう少しわかりやすく説明をしてもらいたいと思います。
 そこで、まず会計検査院のいわゆる決算のやり方ですね。四十八年度決算は私たちの手元にもらっているこの決算書の参照書類によりますと、これは昭和四十八年四月一日から四十九年三月三十一日までと、これは当然のことですね、そういう一会計年度の決算額になっております。そして三月三十一日で締め切られたものがその後どういうふうな経過をたどって、そして会計検査院に書類が行くのか。これ、まずひとつ詳しく教えてもらいたい。そして、それをまずお伺いして、その上で、どこでどういうぐあいに、いわゆる途中で保険金額の修正やら、あるいはこれから取り上げますいろいろな問題が出てきたのか。その点をちょっと詰めてお伺いしたいと思いますので、とりあえず前半に、こういうふうな会計の書類がどういうふうな動きをするのかというのをまずひとつこれは前提としてお伺いしたい。
○説明員(桜木拳一君) 四十八年度分につきましては、四十九年の三月末の決算をいたしまして、決算を作成しまして、付属書類などを添えまして四十九年の七月末までに大蔵省に出すようになっております。で、大蔵省はそれを内閣の方に提出いたしまして、私の方は、内閣から四十九年十月十五日、その決算を受領いたしまして、これに基づいて検査したわけでございます。
○峯山昭範君 そうしますと、こういうふうないわゆる会計の決算書類は、たとえば私がきょう問題にするのは昭和四十八年度決算でございますから、四十八年度決算は四十九年の三月の三十一日で締め切って、そしてそれから帳票をそろえて、そして七月三十一日に各省庁は大蔵省に出す。そして大蔵省はそれをまとめまして、そして十月の十五日に会計検査院に本書類を提出したと、こういうわけですな。
 それではもう一回ちょっとお伺いしますが、会計検査院はいわゆる内閣から送付されたその書類によってこれは検査をするわけですか。それ以前に、あるいは前もって事前の審査みたいなのがあるのかどうか。これはどうです。
○説明員(桜木拳一君) 正式に申し上げますと、もちろんそれを受領してからということになりますが、実際の検査は四十八年度分で申しますと、すでに四十九年の二月ごろから、実際向こうには、帳簿その他が検査の相手方にあるものですから、二月ごろから実際の検査は始めまして、それからもちろんずっと検査していきまして、まあ大体夏の終わり、あるいは秋の初めごろまでに実際の検査をやりまして、それと同時に、それが終わるころになりまして、内閣の方から決算が回ってまいりますものですから、そういう処理でやっているわけでございます。
○峯山昭範君 大体の流れはわかりました。それじゃ結局は、会計検査院は、正式に言うと、いわゆる内閣の方から書類が送付されてから正式に検査を行うと。ただし、いま御答弁ございましたように、たとえば四十八年度決算は三月三十一日に締め切りますけれども、締め切りの前から、二月の初めごろから四十八年度決算のいろんな調査に入ると、そういうことですな。
 そこで、もう一点お伺いしておきますが、会計検査院としては、要するに正式に受領後の書類ですな、これを正式のいわゆる内閣の報告として処理をするのか、あるいは事前に提出した分は一体これはどういうふうに処理をしていらっしゃるのか、これはどうですか。――もうちょっとわかりやすく言いますと、事前に出した書類は間違っておったと、後から出したやつがきちっと合っておったと、こうします。そうしますと、実際正式に出したのが後から出したのだから合っているわけですから、後の方が正確で、前の方は間違っておったと、こうなりますね。こういう場合はこれは間違いじゃないですね。そういう点から考えて、その事前に前もって調査している分。――一〇〇%そういうことはございませんよ、ございませんが、事前に調査した分は、これは指摘事項とか、そんなのにはあまりならないんじゃないかという気がするわけだ、私はね。正式に出されてからのがほんとうに取り上げられるものなのか。あるいはそうではなくて、前から出ている分もその調査の対象になるのか、これはどうですか。
○説明員(桜木拳一君) 正式に言いますと、もちろん最後に出ました決算が検査の対象になるわけでございます。
○峯山昭範君 それだけを前提にいたしまして、これから質問を進めてまいります。
 先ほど説明ございました輸出保険でございますが、まず検査院が一番初めに、いま局長はトータルでおっしゃいましたが、これをもうちょっとわかりやすくするために、いわゆるあなた方が省略しておっしゃっている代金保険と、それから設備保険と、こう二つの種類があるわけでございますね。それで、まず代金保険の方が何件で、実際に処理した分は何件。そして設備保険の方が実際には何件で、処理した分は何件、そういうふうに一遍説明してください。
○説明員(桜木拳一君) 代金保険の方は引き受け件数が三千九百九十二件、それから設備保険の方は三千九百五十二件でございます。このうち徴収決定の処理をしたものが代金保険で三百九十六件、五千七百八十六万六千六百六十八円、それから設備保険の方で九百四十一件、二億七千四百四十四万九千二百九十六円でございます。
○峯山昭範君 よくわかりました。そうしますと、この検査院の報告によりますと、四十八年度のいわゆる損益計算書に四十八年度発生の保険料を計上してございますが、これは当初の分は幾らでございますか。
○説明員(桜木拳一君) 当初の分は、保険料は百一億七千四十三万六千百七十九円でございます。
○峯山昭範君 当初、保険料を一いわゆる当初と言いますのは、三月三十一日に締め切って七月三十一日に会計検査院に一応出した分でございますね。その分についてはいまおっしゃったとおりであろうと思いますが、そのうち実際にいわゆる保険料として確定したもの、正確に確定した金額は幾らで、それから推定で出したもの、これは幾らですか。
○説明員(桜木拳一君) この点につきまして実情をちょっと御説明申し上げたいと思うのでございますけれども、通産省当局は保険料につきましては先ほど御説明申し上げましたように、推定値でやっておるわけでございます。ですから、会計検査院といたしましては、正確の保険料の額は幾らであるかということは、通産省はもちろん私のほうも全然わからないわけです。その推定値で百一億という計数を計上しておったんですけれども、これじゃいかぬということで、私の方もいろいろ注意しまして、その後通産省がだんだん整理していきまして、十月末現在におきましては、保険料が百一億のうち、その中から二十八億四千八百六十万八千三百七十九円は減額しなくちゃいかぬということがわかりました。ですけれども、私の方といたしましては、この二十八億だけではなくて、十月末でもまだ整理の終わらない分があるわけでございます。これは、ですから推定の……
○峯山昭範君 私が言うたことに対してきちっと答弁してもらいたい。私は会計検査院の検査報告に基づいて質問している。ですから、きちっと答弁をしてもらいたい。先ほどおっしゃったように百一億七千万という保険料をいわゆる計上しているとあなた方はおっしゃっているわけです。ところが実際問題、このうちいわゆる推定で計算したものが四十二億六千九百万とあります。とすると、その差し引きの金額は幾ら、これもすぐ出てくるはずですね。さらには推定による計算というのがどのくらいなのか、そこら辺のところもきちっと、とりあえず七月三十一日の時点の話をまず教えてもらいたい。そして、そのあと十月末現在のがあなた方の指摘であります。そして、さらには十一月末の時点のがございます。この三点を別々に質問するつもりでおりますから、その時点時点に応じて答弁を願いたい。
○説明員(桜木拳一君) 先ほど申し上げました保険料百一億七千四十三万六千百七十九円のうち、推定によって計算しておりますものが四十二億六千九百六十五万二千九百十九円、これは代金保険の保険料が二十五億六千六百七十万五千五百七十七円、設備保険の被保険料が十七億二百九十四万七千三百四十二円でございます。
○峯山昭範君 さらに確認をいたしておきますが、この対照表にございます未収保険料並びに未経過保険料、異常危険準備金、本年度利益、これは私の感ずるところ、すべて推定の額を根拠にして計算していらっしゃいますから、こういうふうな一つ一つの項目のものはすべて推定であると思うのですが、これはいかがですか。
○説明員(桜木拳一君) そのとおりでございます。
○峯山昭範君 さて、非常に委員長重要な問題でございまして、私たちの手元に出しておる、また後で申し上げますが、この決算報告が、いま推定とかそういうふうな話で進めておりますけれども、これは要するに推定ということは全然わからないということです。これからそれはきちっと数字が合うかもわからないし、あるいはまた変わるかもわからない。実際問題としては、決算委員会としてはこういうふうな、非常に確定しない資料に基づいて決算を審議するというのは非常に問題だと私は考えております。そういうような観点からさらに話を進めてまいりますが、まず十月末、この第二段階として、十月末の段階でさらに報告が出ております。これによりますと、先ほど局長が答弁を始めましたが、財務諸表に出ておる保険料及び未収保険料はどこくらい減額するということになったんですか。
○説明員(桜木拳一君) 十月末におきましては保険料及び未収保険料それぞれ二十八億四千八百六十万八千三百七十九円、それから未経過保険料二十七億六千九百九万三千円、異常危険準備金二十八億四千八百六十万八千三百七十九円、それぞれ減額することが判明いたしました。そうして本年度利益が二十七億六千九百九万三千円増てななるということでございます。
  〔理事小谷守君退席、委員長着席〕
○峯山昭範君 これは非常に私たちが決算を審議する上におきまして、いわゆる非常に分厚い決算書というものが提出されております。この決算書並びに決算の参照の書類、こういうふうなものがいわゆる推定とかそんなもので記載されているなんていうことになると、非常に重要な問題であります。私たちが決算を審査する場合に、決算というのは予算と違いましてこれからやるんじゃない、もうすでに済んだ分である、確定した分を私たちのもとに出さなくちゃいけない。その金額もいま第一時点と第二時点、いわゆる七月三十一日から十月末の時点ですでに二十八億もの違いが出てきた。
 さらにもう一回お伺いしますが、十一月末の時点ではどういうぐあいに変わりましたか。
○説明員(桜木拳一君) 十一月末におきましては保険料百一億七千四十三万六千百七十九円が七十六億九千五万五百二円。それから未収保険料九十三億七千六百六十六万二千五百九円が六十八億九千六百二十七万六千八百三十二円。未経過保険料百六十八億七千八百九十九万一千円が百四十四億二千五百四十一万六千円、それから異常危険準備金百一億七千四十三万六千百七十九円が七十六億三千四百五十九万八千八百二十三円。それから本年度利益三十八億三千六百四十八万一千五百三十五円が六十三億四千五百五十万八千二百十四円、こういうふうに変わっております。
○峯山昭範君 これは非常に私は大問題だと思うんですね。たとえば、ただいま数字をすっと読み上げて聞いていると、何となく正確にわかりにくい感じでございますけれども、たとえば本年度の利益の問題一つにいたしましても、初め三十八億というのが六十三億というんです。これはこういうふうなたいへんな数字の食い違いというのが出てきている。しかもこれが最終でございますか、これはどうですか。
○説明員(桜木拳一君) 十一月末で整理したものがただいま申し上げました数字でございますけれども、この中には十一月末でまだ整理の終わらない分も入っております。ですから、それは一番初めにやりました整理の終わらない分が入っておりまして、この分についてはやはり推計値でやっておりますので、正確に申しますと、十一月末の数宝はいわゆる正確なものではないということになるわけでございます。
○峯山昭範君 しかも最終段階で、いま局長から答弁ございましたこの数字もまだ正確ではない。
 こうなってまいりますと、これは非常に重要な問題であります。これは後ほど申し上げますが、一体何でこういうことになってきたのか、これは通産省当局の説明を受けたい。
○政府委員(岸田文武君) わが国の輸出保険制度は、昭和二十五年に発足をいたしました。輸出に伴って生ずる各種の危険に対しまして政府みずからが保険をするという制度でございます。二十五年発足以来、逐次制度が増強されてまいりまして、現在では八種類の保険が用意をされております。その中に御指摘のございました代金保険あるいは普通保険がそれぞれ含まれておるわけでございます。保険の事業量も逐年増大をしてまいりまして、ごく最近では、年間の処理件数が大体五十万件、責任残高で申しまして約十一兆円という状況になっておるわけでございます。
 これらの事務処理のために、当初は小規模な段階でございましたから手作業で処理をいたしておりましたが、次第に事務量が膨大になるにつれまして、この処理について電子計算機を導入するという形で処理をしてまいりました。ただ、いま御指摘のございました代金保険及び普通保険の設備関係の包括保険、この二種類は実は機械等、かなり輸出してから代金決済までに時間のかかるタイプの保険でございます。したがいまして、タイプも非常にさまざまでございますし、また内容も非常に複雑であるということから電算機化が最後までおくれておった。しかし、やはりどうしてもやらなければいけないということで、私ども事務処理体制をこの際思い切って変えようということで、新しい電算機処理体制を研究をしたわけでございます。
 そこで、私どもはこれでようやく事務処理が軌道に乗ると喜んでおりましたところが、その用意しました電算機の処理システム、実際に新しいケースが次々入ってきて、適用してみますとなおいろいろ問題があると、もっと改善しなけりゃならないということになったわけでございます。したがいまして、その間、私ども、保険契約を結びましても、実際にそれに対応する保険料をどう確定するかということが不可能でございまして、これが先ほど申しましたような事務処理のおくれという問題になってまいったわけでございます。
 ただ、昭和四十八年度の決算をまとめます際に、そこで必要な財務諸表はいわば四十八年度の事業の損益状況を示すものでございますから、先ほどの事務処理のおくれに伴いまして、ごく小部分、確定したものだけをこれに計上いたしますと、かえってその事業収支の見方について適正を欠くことにもなりかねない、何とかして一番真実に近い形で財務諸表をまとめるにはどうしたらいいのかと、私どもなりにいろいろ頭をひねりまして、従来のいろいろの経験値を用いて推計という方法をとったわけでございます。その間、先ほど申しました電子計算機の処理システムについても研究を加えまして、ようやく自信の持てるものができてまいりまして、これに従っていままでおくれておりましたものを逐次取り戻してまいったわけでございます。その結果、三月段階では普通保険、包括保険及び代金保険につきましては、ほとんどのものが推計によらざるを得なかったものを、十月時点に至りますと、かなり全体の姿がつかめるという段階になりまして、したがいまして、数字の補正ということを行った次第でございます。
○峯山昭範君 これは非常に重要な問題が何点かあります。まず、いまの答弁の中に、従来の例を用いていわゆる推計値を算定したと、こういう意味の答弁があった。会計検査院は、従来からこのわれわれの決算委員会に提出している決算関係の書類がこういう内容と、端的に言うとどんぶり勘定ですね、そういうようなもので提出されているということが会計検査院はわかっておったのか、これは従来の慣例ですか。
○政府委員(岸田文武君) いま私申し上げましたのは、従来私どもが引き受けました保険の各種の経験を生かしまして推計を行ったということを申し上げたわけでございます。
○峯山昭範君 これは重ねて会計検査院に言いますけれども、いま局長は答弁をやりかえた。が、少なくともこういうふうな実情というのは、昭和四十八年度だけですか。
○説明員(桜木拳一君) この保険料の徴収関係につきましては、四十七年の四月に、従来の電子計算機のバッジ・システムをオンライン・システムにかえたと、それからこういうふうなおくれが出始めたわけでございまして、四十七年度も同様の事態があったわけでございます。
○峯山昭範君 これはまた問題が出てきた。四十七年にすでに会計検査院はわかっておった、これが一つ。もう一つは電子計算機を導入してこういうことになったと、これは両方とも問題ですね、これ。これは一体、通産省当局はこれだけの仕事がたまって、そして決算が十分できないという事態、それ自体も問題であります。さらには電子計算機を導入して、そしてかえって作業が停滞してしまったと、そういうような意味の発言、会計検査院からもございましたが、この二点はどうなんですか。
○政府委員(岸田文武君) 私どもは、先ほど申し上げましたような経緯で、非常に事務量が膨大である、これを何とか能率化しようということで、部内で研究会などをつくりまして、諸般の準備を進めた上、電子計算機をこの問題の代金保険及び普通保険、包括保険に適用するということに踏み切ったわけでございます。当時といたしましては、私どもはこれだけ勉強すればこれで事務処理が軌道に乗ると思っておりましたところが、先ほど申しましたように、非常に異質のタイプがさまざまであると、内容も複雑であるということから、実際に使ってみたところ、それが思わしい結果が出ないということになったわけでございます。そこで、私どもはそれではここを手直しをすればというようなことで研究会をし、また試行錯誤を試みると、これでうまくいったかと思っておりますと、また新しいケースを適用したときに問題ができてくるというようなことを繰り返しておったわけでございます。私どもとしても大変申しわけないことをしたと思っておるところでございますが、気持ちとしては何とか事務を合理化しようという気持ちであったということは御理解いただきたいと思います。
○峯山昭範君 そうすると、もう一点お伺いしますが、四十七年にもやっぱり推定で出したのですか。
○政府委員(岸田文武君) 一部手作業を実施した部分もございますし、また簡単なケースでは、私どもの用意しました電子計算機のソフトウェアで答えの出せたものもございます。しかしながら、大部分につきましてはやはり推定が入っておったわけでございます。
○二宮文造君 関連してちょっとお伺いしますが、いまは計算上のいわゆる集計事務が電算機によってうまく出てこなかったということですね。ですが、輸出保険の保険料を徴収するとか、あるいはまた保険金額を支払うとか、そういう場合には一件一件伝票を置きますね。国の歳入歳出は全部付属書類が起きて決算ができるわけですね。だから、電算機による集計はこういうふうに推定が出たかもしれぬけれども、一件別のそういう金が入った、出た。で、毎月のいわゆる現金支払い、そういうものはもう必ず出しているはずですから、そういうものを積み上げていけば実態の上から来る金額は出てきますね、推定ではない。付属書類の方からは私は出てくると思うのです。
 そこで、私は検査院にお伺いしたいのは、検査院の検査すべき仕事の一番大きなのが二十二条です、「検査の範囲」、「会計検査院の検査を必要とするものは、左の通りである。一国の毎月の収入支出」、こういうものが毎月三十日か四十日後には出てくるはずだと思うのですね、特別会計ごとに。そうすると、この輸出保険特別会計がその時点で検査院はわからなかったのか。もう一つは、通産省のほうは予決令のしまいの方にいろいろな必要とする帳簿がありますね。その帳簿を、この輸出保険特別会計において要求されている帳簿をつけていらっしゃるのか、いらっしゃらないのか。私は集計の方は別として、帳簿さえ毎月しっかりしていれば推計などという問題は出てこない。たとえばどんなものでしたかね、ちょっといま急に出てきませんが、予決令の最後の方にいろいろ出ていたと思うのですがね、毎月こういう歳入の報告をやるでしょう、それからわからなかったのかどうか、通産省にはそれを聞きたい。会計検査院はこの毎月の分をどう見たかということを聞きたい。
○政府委員(岸田文武君) 輸出保険を引き受けますと、いま問題になっておりますようなタイプでございますと、契約ができてから船積みをされ、代金が逐次入ってくるというような性質のものでございまして、いわばかなり長期にわたって債権を完了し、また長期にわたって保険料が計算をされるという形になっておるわけでございます。もう少し具体的に申し上げますと、船積みの際に二〇%徴収をし、自後の八〇%は船積み後に逐次保険料が徴収されるという形になるわけでございますが、船積みの時期いかんによって保険期間が変わってまいり、またそれに従って保険料が変わってくるという性格でございます。また、契約が全部完了して決済が終わりましたときに、もう一度さかのぼって全体の調整をするというような形が必要になってくるわけでございます。
 したがいまして、電子計算機に入れますときにも非常に性質が複雑になるわけでございますが、事務処理、人手で仮にそれをやるということになりますと、それこそ大変な事務量になってしまいまして、遅々としてはかどらないことが予想されるばかりでなく、私どもとしては電子計算機のソフトウエアはすぐ手直しをすれば何とかなるということを考え続けておりましたので、もう一度手間をかけるよりは早くこのシステムを完成したものにするということのほうが先決問題であると考えたことからいたしまして、いま御指摘のような事務処理をいたさなかったわけでございます。いま申し上げましたように、個々の人手でやるには余りにも膨大な事務量であるという点がこの問題の一つのきっかけになったかと思っておるわけでございます。
 なお、お話ございました予決令に基づく各種の経理処理でございますが、現金の出納なり、あるいは債権の管理なりということにつきましては、それぞれ法令の定めるところに従って処理をいたしまして、その点については特に問題はないのではないかと考えております。
○説明員(桜木拳一君) 毎月の徴収決定済み額、それから毎月入ってくる金、これは検査院の方でわかるのではないかという御質問でございますけれども、毎月の徴収決定済み額、それから毎月入ってくる金、これは検査院のほうでもちゃんとわかります。ただ、ここで指摘しておりますのは、徴収決定まで至らないその前の段階でございまして、徴収決定もしてないと、それから徴収決定するのに保険料が幾らかということをはじき出さなくちゃいけないわけですけれども、その保険料の計算もやってないと、そういう状態のもんですから徴収決定できないと、正式に。ですから、この分はわれわれのほうに出してまいります書類ではわからないわけでございまして、実地検査のときにまあいろいろ検討したわけでございます。
○二宮文造君 もう一つ。それじゃお伺いしますが、当然徴収しなければならなかった保険料がその日からずっとおくれて、計算のおくれのためにずっとおくれて入ってきたというケースが間々あるということですか。
○政府委員(岸田文武君) 徴収決定がおくれたわけでございます。したがって、御指摘のようなケースが起こり得たわけでございます。
○峯山昭範君 これは、私はまず何点かもう一回やりたいと思うのですけれども、まず昭和四十七年度においてもこういうようなことがあったということであります。会計検査院は何か指摘か処理かされたんですか。
○説明員(桜木拳一君) 四十七年度にも同様な事態があったわけでございますが、私の方、四十七年度分を検査いたしますときには、この点には気がつきませんでした、検査が不十分でございまして。この点はまことに申しわけないと存じます。四十八年度の決算につきまして、四十九年の六月に検査いたしましたときにこういう事態が判明いたしまして、それじゃ四十七年もあるんじゃなかろうかということでいろいろ検討したわけでございます。しかし、何さま先ほど申し上げましたような処理状況でございますので、四十七年度分は通産省にいろいろ尋ねましても、件数もはっきり出ない、ましてや金額は出ないというふうな状態でございましたので、私の方はまあこれではいけないということで、せめて四十八年度分だけの件数でもということで、それをもとにしまして改善意見をつくったという事情のものでございます。
○峯山昭範君 これは委員長、非常に重要な問題でございましてね。これはただいまの答弁聞いておりましても、昭和四十七年度にもこれは検査院としては発見することはできなかった。しかしながら、四十七年度の分を明らかにしようと思って件数を聞いてもわからない、通産省の方にですよ。そこで金額もわからないというようなぐあいです。しかもわれわれのところへ出された、いわゆる決算委員会に出されている書類がございますね。このいわゆる決算の参照書の中に出てまいりますいわゆる損益計算書並びに貸借対照表ですね。こういうふうなものがすべて推計で出されている。
 こういうふうなのが本当にわれわれ決算を審査する場合にいいのかどうか、これは非常に問題だと私は思います。いずれにしましても、この問題については、これはこれを推計とか――そういうふうな推計というから、何となくいいみたいな感じですけれども、これはとてもじゃないけれども、推計ということは全然わからないということです。その推計したんですから、その数字が合うかもわからないし、一円ぐらいか二円ちょっと違うかもわからないし、先ほどから話がございましたように何十億違うかもわからない。こういうようなものは決算書じゃないと私は思うんです。
 こういうようなものについて審議をすること自体が非常に大きな問題である。これは少なくとも大蔵省当局はこういうようなものを黙って出してきたということ自体も問題です。大蔵省当局は二年間にわたってこれは出ているわけですよ。四十七年も推計、四十八年はいま金額は出ましたように膨大な推計によってこの計算が出されている。
 たとえば先ほども話ございましたように、私たちがもらっているこの保険金の損益計算書の中の数字でも、本年度の利益というのがいわゆる三十八億と初め記載されておったわけです。それが六十三億と訂正されている。これは大変なものですよね。こういうふうな大変な金額が、こういうふうなどんぶり勘定でやられたのじゃ本当にわれわれ国民の立場からすれば困るんです。これじゃ国の決算じゃないと私は思います。やはりもっときちっとした資料を提出してもらいたいと思うし、また検査院ももう少し親切であってもらいたい。これは後で、私はなぜ親切でなくちゃいけないかということを後でもう一つ言うことございますから、まとめて言いますけれども、非常に問題がございます。そういうふうな点から、まず一つは大蔵省の見解ちょっとお伺いしておきたい、きょうは政務次官お見えになっておりますからね。
 それから委員長に申し上げますが、この問題はできましたら後ほど理事会等で取り上げていただいて御検討をお願いしたい。
○政府委員(梶木又三君) 先ほど来お話しになっております輸出保険の特別会計でございますが、検査院から指摘を受けたとおりでございます。そしてまた経理の処理の促進をいたしまして、会計経理の適正を期せいと、こういう御要求をいただいておるわけでございますが、われわれ大蔵省としましても、先ほど通産省の方からお話ございましたように、いろいろ事務的に問題があったと思うわけでございますが、非常なおくれによりましてこういう結果を見たことは、非常に遺憾に存じておるような次第でございます。
○委員長(前川旦君) 御意見どおり、後ほど理事会で協議をしたいと思います。
○峯山昭範君 この問題について検査院長の御意見をお伺いしたい。
○会計検査院長(白石正雄君) いま御論議のありましたような状況でございまして、徴収決定すべきものを放置しておったという事態は容易ならざるものであると考える次第であります。私どもといたしましては、これは不当事項として取り上ぐべき問題だろうと思ったわけでございますが、しかしながら、その不当事項として従来取り上げるにつきましては、金額を正当に、幾らが不当であるという点を指摘するというのが従来の慣例になっておりまするので、そういったこともあわせまして、さしあたり早急に改善措置を講ずるということが必要であろうかと判じまして、とりあえず改善措置を要求したという次第でございます。
○峯山昭範君 この点はちょっと置きまして、検査院に先ほど私は非常に不親切だという話をしました。ここに「昭和48年度国有財産検査報告」というのがあります。これは会計検査院から出たやつです。この中に「国有財産の管理について不当と認めた事項は、昭和48年度決算検査報告に記載した。」こう二行書いてある。それだけですよ。これ、あと表だけです。実は私はこの不当事項がどれか。「48年度決算検査報告」、これは会計検査院から出たものですね。私は、実は先般から内閣に対して質問主意書も出したりしてずいぶんこの問題について取り組んできました。最近は会計検査院は非常に検査報告を簡略化しつつある。
 しかも、そういうふうな中で、私がいま指摘しました国有財産の検査報告、これは出ています。けれども、これはこの中に書いてあると言うのです。これは院長、わかりますか、すぐわかりますか、これ見て。あなた専門官ですからわかるでしょう。けれども、私は朝から晩まで一生懸命見たけれどもわからないですよ。どれが国有財産のあなた方が言う不当事項と認めたか、どれが不当事項か、もうとてもじゃないけれどぼくは一生懸命全部見ましたよ、けれどもわからないですね。こういうふうなわかりにくい、もうほんとうに私たちは決算で審査をする上において、後で私は担当の人に聞いたら、この四十八年度の決算報告の中の二十八ページにある分と六十八ページにあるこの二つが国有財産の不当事項だと言うのです。それで私あけてみた。本当に二十八ページに、これは防衛庁の不当事項、とにかくこれは国有財産の不当事項ということにはなかなかわれわれわかりにくい。国有財産なんという名前は全然ありませんし、どういうことを書いてあるかというと、「不当事項」の(1)――これは防衛庁の段です。「照明設備工事の施行に当たり、電力ケーブルの設計が適切でなかったため、工事費が不経済になったもの」。これだけあるだけです。これがいわゆる国有財産の不当事項だと言うのです。もし違ったら後で指摘してください。それであと六十八ページの分。この二つだって言うんです。こういうふうないわゆる皆さん方の検査報告のあり方、われわれ決算委員会にこんな薄っぺらい、たった中身の二枚、正味の印刷なんというのはもう一枚ですわ。こんなものでわれわれ決算審査できません。本当にもう少しわれわれ決算委員会で審査できるような資料を出してもらいたい。少なくとも国有財産についてはもういろいろな問題が現実にあるわけです。にもかかわらず、こんな薄っぺらい一枚の決算の審査をやれなんてとんでもないことです。そういうような意味からも、これは検査院自身がもっとわれわれがいわゆる決算の審査ができるような資料を提出してもらいたいと思うのですが、これはどうですか。
○会計検査院長(白石正雄君) おっしゃるとおりでございます。まことにおっしゃるとおりでございまして、以後十分気をつけて改善の処置を講じたいと考えております。
○峯山昭範君 何となくあれですが……。
 それから私は実はこの検査報告の問題につきまして、院長も御存じだと思いますが、検査報告がだんだん毎年薄くなってきた。国の予算は少なくとも十年前からもう十倍以上に広がっていますね。大きくなっています。毎年国の予算の規模はだんだんだんだん拡大されています。そういうふうな中で決算報告がだんだん薄くなっていく。何も私は、この厚さ、薄さだけの中身を言っているのじゃない。実際問題としてわれわれが審査する上において、いままで従来から記載されておって記載されなくなったものというのが余りにも多過ぎる。実はこの問題について、先般私は内閣に対して質問主意書を出しました。きょうは時間がございませんから一々ここで申し上げませんが、私の質問主意書というのはどういうものであったかということは、院長は、御存じのはずであります。したがって、きょう時間がございませんから詳細申し上げませんが、要するに従来から記載されておったものを、もう一回これに記載してもらいたいというのが私のいわゆる質問主意書の趣旨であります。そういう点から考えまして、私の質問主意書に対する基本的な考えを、院長の考えをお伺いしておきたい。
○会計検査院長(白石正雄君) いわゆる確認、未確認の問題だと承知いたしておりますが、確認事項ということは、これは検査院法の二十一条に「会計検査院は、検査の結果により、国の収入支出の決算を確認する。」ということがうたわれておりまして、さらに検査報告の第一号に「国の収入支出の決算の確認」ということが掲げられておりまして、決算の確認ということは検査院の重要なる職務であります。したがいまして、未確認というようなことは本来あってはならないものであると私どもは考えておる次第でございます。
 しかしながら、御指摘のように昭和四十二年ごろまで防衛庁関係の概算払い、前金払い等の精算未了の分につきまして、未確認ということで計上した経緯は御指摘のとおりでございます。しかしながら、つらつら考えてみますというと、これは未確認という言葉に該当するのかどうかということがまず問題としたわけでございます。というのは、いま申しますように、確認ということは検査院の権限であるとともに義務でありまするので、未確認というようなことは本来あってならないものであると、それなのになぜ未確認として計上しておるのかということを検討してみましたところ、実は概算払いのものにつきまして、精算未了のものについてこれを計上しておったということでございまするので、これは概算払いは概算払いとしまして会計法の命ずるところによって概算払い行為が行なわれるわけでございますので、それ自体の支出行為といたしまして、確認の対象になり得るわけでございます。したがいまして、実際は概算払いとしては確認をしておったわけでございます。
 ただ、いわばこれが一連の経理行為といたしまして精算が完了いたしまして、物件が納入しなければ事態は完了いたしないわけでございまするので、それまでいわば検査を保留するというような意味におきまして未確認としておったわけでございまするけれども、しかしながら、つくづく考えてみますというと、概算払いとしては確認をいたしておるわけではございまするので、これを未確認として掲げるというのは言葉の表現上穏当ではないではなかろうかと。概算払いは概算払いとして確認をし、また精算払いは精算払いとしてこれを確認をするという行為がそれぞれ別個に会計法上許されておるわけでございまするので、そういった意味におきまして未確認として計上しておったのは、どうも言葉も適当でないということでこの未確認というものを削ったわけでございます。
 したがいまして、御趣旨のように概算払いで物件の未納入のようなものにつきましては、審査の必要があるという御趣旨は十分了承するわけでございまするが、これは資料として提出して、御参考に供するなり何なりいたしますれば事足りるわけでございまして、決算検査報告に掲記するということはいかがかというように考えまして、これは四十三年以降取りやめたという経緯でございます。
○峯山昭範君 まず私は、とてもじゃないけども、いまの院長の答弁では納得はできないわけです。なぜかと言いますと、まず一つは、これは従来から概算払いだけじゃ、なくて、前金払いの精算も未了の分とか、そのほかいろいろ調査中のものとか、そういうような名前でこの検査報告に記載されていました。それでこれも当然私は法律に載ってないからというよりも、本来あってはならないことを、それじゃ逆に言えば検査院していたわけですよ、いままでね。すでに前やっていたわけですよ。それをこれは、私は逆な面から言いますと、これは皆さん御存じのとおり、私たちは憲法第九十条に基づいて、いわゆる国会に提出されるこの検査報告ですね。これは私たちが国会で審議をする、その審議に必要なものということで私たちが改善の要求をした場合、これはやっぱりその改善の要求に対して検査院は当然私たちの決算委員会なり、私たち決算委員の要望を尊重するというのは、これはやっぱり検査院としても私は当然じゃなかろうかと思うのですよ。
 そういう点から考えても、この検査報告の記述方法についても、私は当然要求があればあとで出すというのじゃなくて、やっぱり私は従来の方法が一番いいんじゃないか、こういうように考えているわけです。それがやっぱり、従来もそういうようなものをきちっと、たとえば未確認という言葉が悪ければそこのところは多少変えてもいいわけですよ。未精算でもいいし何でもいいわけです。要するに、そういうようなものが年度をまたがってきちっとしてないものが掲記されるということが、私たちがこの決算を審査する上において大変なことなんです、そう思っている、私たちは。ですから、私たちはそういう要求をしているわけです。これに対して検査院はどうお考えであるか、その点まずお伺いしておきたい。
○会計検査院長(白石正雄君) 検査報告にどういう事項を掲記するかということに関連いたすわけでございますが、やはり検査院として検査しまして、何らかの意見を表明するような事項につきまして掲記をするということが適当であろうかと考えるわけでございます。
 いま御指摘のような点につきましては、概算払いが行われ、精算未了のものがあるというのは経理の当然の問題でございまして、そういったのはいわば実情そのものでございまするので、そういった実情についてまで掲記するのはいかがかと、何らかの欠陥があるというようなものにつきまして掲記することが本来の筋ではなかろうかというような見地に立ってその掲記を見合わせたということでございます。しかし、御審議の必要がありますれば、資料といたしまして御提出するに決してやぶさかではないわけでございます。
○峯山昭範君 まあこれ以上私は押し問答しても仕方ありませんから申し上げませんが、いずれにしても、こういうふうな資料というものは私はきちっと出してもらいたいと考えております。それで、その点は今後も私たち資料要求をいたしますから、その都度善処をお願いしたいと思います。
 次に、大蔵省にお伺いしておきますが、いま検査院の資料の問題が問題になっておりますが、こういうような中で、特に年度を経過してもいわゆる処理が完結しない分というのがございますね。こういうふうな問題については、当然私は何らかの資料がないと処理もできないし、あるいはどうなったかということかわからないわけですね。結論だけここでぽっと出てくるというのじゃなくて、やっぱり途中の経過というのも実際は知りたいわけです。
 そこで、まずこの問題について大蔵省は、私の手元に、これは具体的に私は余り名前申し上げませんが、要するにそういうふうないわゆる決算のできない、年度をまたがる分ですね、こういうふうなものについては、むしろ内閣が提出するこの決算書というのがございますね。決算のいわゆるいろんな書類、こういうふうなものと一緒にいわゆる添付書類として提出をする、そのほうが望ましいんじゃないかと言う人もいるわけです。これは正式の文書として私の手元に来ているわけです。これは、この点については大蔵省はどうお考えですか。
○政府委員(梶木又三君) 国庫債務負担行為とかあるいは継続費に基づきまして各年度の支払い方法、いまお話しのように前金払いとかあるいは概算払いでございますが、これが未確認のために先ほど来のようなことが起こると思うわけでございます。
 そこで、いまお話しのとおり、御指摘いただきましたが、政府から出します決算書類にこれを添付するということでございますが、もう峯山委員御承知のとおり、財政法とかいろいろ現行法規がございまして、それで添付関係のやつがいろいろ定められておりますので、決算書類に添付するということにつきましてはひとつ慎重にこれは検討さしていただきたいと、かように思うわけでございます。ただ、先生方の御審議でどうしても参考資料として必要だと、こういうこともあろうかと思うわけでございますが、そういう参考書類といたしまして提出するということにつきましては、いろいろ関係機関がございますので、そういうところとも十分協議さしていただきまして返事さしていただきたい、かように存ずるわけでございます。
○橋本敦君 まず最初に会計検査院の方にお尋ねをして、後で裁判所との関連でもお尋ねをさしていただきますが、先ほどから田中金脈の調査について会計検査院に対する質問がございました。あの田中金脈の問題については、政府から独立をした会計検査院がいかに厳正な調査を行うであろうかということは、今日の国民の期待するところである。会計検査院自体もまた独自のスタッフをもって調査をするということを言明されてきた。ところで、御存じのように、ことしの一月二十三日の当決算委員会において、大蔵省は、大蔵大臣の発言によっても中間報告をされたわけですが、この中間報告の中でも、田中総理並びに関連会社については、所得税の申告について計算の誤りあるいは処理について税務当局との解釈の食い違いなどがあったということを中間的に報告されておられる。
 そこで、まず最初に会計検査院に伺いたいのですが、会計検査院独自の調査としてもこのような誤りが税務行政上あったということは把握しておられましたか、いかがですか。
  〔委員長退席、理事小谷守君着席〕
○説明員(高橋保司君) お答え申し上げます。
 先ほどからいろいろ先生方の御質問によりましてお答え申し上げておるわけですが、現在まあ資料を収集し調査検討している段階でございまして、何らかの結論めいたような事態は申し上げられない段階でございます。いずれ課税当局が決定いたしました段階で、そういう資料をもって検査を完結させたいと、こういうふうに考えております。
○橋本敦君 いまの答弁は、私の聞いていることと少し違うので納得できないんです。調査を完結したかどうかを伺っているんじゃなくて、いままでの調査で、大蔵当局が中間発表された程度の所得税の申告について、あるいは税務署側の徴税体制について若干の間違いなり誤りがあったという事実はすでに把握されておられますかどうかということを聞いているのです。内容を詳しく聞きません。大蔵当局の発表に関連する事実です。
○説明員(高橋保司君) お答え申し上げます……
○橋本敦君 結果だけでけっこうです。
○説明員(高橋保司君) そのような種類の事実を現在の段階で確認しておりません。
○橋本敦君 つまり、確認していないということは、まさに会計検査院が大蔵当局の田中全脈に関する徴税事務と、その適正か否かについて積極的に真剣な調査を行っていないということに私は通ずるように思います。
 ところで、先ほどからの答弁では、会計検査院としては、大蔵当局の調査が終わった段階で徴税事務処理の適否について積極的に調査をする、それまではいわば積極的調査待ちだというように伺うわけですが、ところで、この中間発表が大蔵当局によって決算委員会になされて以後ですね、会計検査院長及び担当主管の方も当然新聞をお読みになって御存じと思いますけれども、新聞は田中総理並びに関連会社の過少申告について一千万円以上の修正申告による新たな課税を行うということが報道されている。ところで、この報道は御存じと思いますけれども、その内容として、なぜそうなったかについては、一つは広大な田中邸の中にある東京ニューハウスの無償使用について当然利益を計上すべきだという問題あるいは関連会社の新株引き受けについて評価益などを計算し直さねばならないという問題等々いろいろあるわけです。ところが、新聞で報道されているところによりますと、この問題は納税者と税務署の解釈の違いやミスによるものであるということが報道されているし、大蔵大臣の当委員会に対する発言でも、税務当局の解釈との食い違いという報告をなされている。そこで、申告漏れもしくは過少申告だとすれば、当然法律に基づいて五%の徴税がなされることになるわけですが、これがこのようないわば税務署側の解釈の違い、相手方との解釈の違いや、あるいは単に漏れたということではなくて、ここにまさに所得を隠したというような不正があったとすれば、徴税事務としては当然それに従って処理すべきということになる。その場合に、過少申告だということで修正申告をさすのと、不正があったということで徴税事務を行なうのとでは、当然結果に相違が出てくると思いますが、その点はいかがお考えですか。
○説明員(高橋保司君) 加算税の取り方が違うわけでございまして不正申告のような場合には重加算税、それからその他の場合には過少申告加算税と、加算税はいろいろ種類がございますが、納税者の所得申告の態度いかんによりまして加算税の取り方が違うということがございますから、もし不正なり隠蔽をしようという意図がはっきりすれば重い加算税で取られるということがあり得ると思います。
○橋本敦君 つまり過少申告の場合の加算税は五%、ところが国税通則法六十八条に基づきまして、いまあなたが御答弁なさった重加算税を課するとすれば三〇%の重加算税を課すことができる、つまり徴収税額において、国庫収入において大きな開きが出てくるわけです。したがって、新聞で報道されているような田中総理並びに関連企業のいわゆる税の申告漏れか過少申告かという問題は、ここに不正があったのかどうかを追及することは、非常に重要な問題になってくることはだれの目にも明らかです。
 そこで、私は会計検査院に伺うのですが、こういう事務処理が済んでしまった後で調査をする、こういうことです。会計検査院は国民の信頼にこたえて独自に厳正に調査をするとこう言っておられるのですから、いまこの手続がどのようになされるかは、これは国の徴税行為とその結果について、国庫収入について大きな違いができる問題ですから、拱手傍観するのではなくて、大蔵当局に事情を調査し、かりに税務署の解釈の違いなどということであれば何であるのか、この点を明らかにする必要がある。さらに田中邸の問題について言うならば、大蔵大臣まで務めた田中総理が、東京ニューハウスの無償使用について、当然得べき利益として所得税上これを総合課税として申告する手続が必要である、こんなことは当然田中総理としても御存じのはずだと考えねばならぬ。なぜそれが漏れたのか。これはまさに国税通則法六十八条に書いているように、「税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠ぺいし、又は仮装し、」という問題に関連がある疑いが出てくるわけです。この問題についての大蔵当局、税務当局の処理が果たして適正かどうかは、いま直ちに会計検査院としては厳重な関心を持って、まさにこの田中金脈の調査ということに関連しては大蔵省とよく調査をした上で適正な意見を述べ、後になってから、あれは間違いだ、不当だ、違法だ、よくなかったということではなしに、直ちに処理するのが国民の信頼にこたえる道だと私は思います。その点の御見解はいかがですか。
○説明員(高橋保司君) 過少申告加算税にするか重加算税にするかというのは、先生お挙げになりましたように五%にするか三〇%にするかということで、徴税上も、それから相手に対する意味合いからも、たいへん重要な違いを持っておると思います。ですから、私どもの検査におきましても、そういう点は十分留意をいたしまして検査を執行していきたいと思いますが、何しろいま課税当局はその問題につきまして何ら決議をしていないという段階でありますから、これにつきましては新聞の報道によりますと、東京ニューハウスの土地一千平米ですか、これの使用状況にからむというようなことでございますが、果たして新聞報道の内容がそのままのものであるかどうか、これは実地検査に出向いた段階で私たちの目で確かめ、関係当局の説明を聞いた上で十分調査をしなければならぬ問題だと承知しています。
○橋本敦君 答弁はきわめて不明確だと私は思います。あなたがお答えになったように、この問題の処理の仕方が当然会計検査院としても審査の対象になるという問題であることは、これはあなたもお答えになっているとおりなんですよ。そうであるならば、まさにいま田中金脈問題で大蔵省が中間報告をし、その事実はまだ把握してないという状況である。これは私は独自の調査をするとおっしゃった会計検査院の責任としてはきわめて不満足な答弁ですが、そうであればなおさら、いまこの問題が新聞でも報道され、大蔵当局が中間発表を公式に決算委員会にしている段階において、大蔵当局の徴税事務に誤りがないように期するために、独自の調査及び会計検査院として大蔵当局に対する注意の喚起といったようなことをすることが国民の信頼にこたえる道ではないか、それをなぜやれないのか、やるべきだと私は思いますが、やるのかやらないのか。いまおやりになる意思がないとすれば、なぜそれが会計検査院としてやらないのか、後になってから調査の対象になるということで見直すという程度ではこれは困るのではないか、もう一度その点御見解をお述べいただきたいと思います。
○理事(小谷守君) 院長に申し上げます。
 重要なことですから、局長の答弁でなしに、重要な節については会計検査院長なり事務総長からお答えがあってしかるべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
○説明員(鎌田英夫君) 先ほど来御質問の趣でございますが、ちょっと先生のおっしゃることと一局長が答弁していることが食い違っているように思われました。と申しますのは、われわれ検査院の立場といたしまして、たとえば、ただいま問題になっております租税の問題でございますが、租税の徴収に当たり徴収額に過不足があるものというようなものを毎年検査報告に掲記しておるわけでございますが、こういうものの一つ一つは税務当局において何らかの決定をなした後われわれが検査に参りまして、縦横に資料を突き合わせ、説明を伺って、その結果長い時間をかけまして結論を出しまして、税務当局の決定が誤っている、こういうものを集合したものが毎年の検査報告に出ているものでございます。したがいまして、私たちのこの田中問題に関します検査と申しますのも、やはり国税局なり税務署なりそういうところを通じまして、そこの資料をもとといたしまして検査すると、こういう段階でございます。しかしながら、私ども先年来ここでお約束いたしておりますように、独自の立場で検査をすると、こういうことば、つまり申し上げますと、いろいろな資料を集めまして、あるいは検査院の中に保管してあります証拠書類というものをもう一度引き出しまして、それを照合、縦横に照らし合わせまして検査をやっておる、そしてその間、その資料の中から……
○橋本敦君 時間がないから……
○説明員(鎌田英夫君) その資料を突き合わせまして、その中から不明な点がありました点につきましては、昨年来もう税務当局にいろいろ照会して質問しておるわけでございまして、そういうものを回答を得まして、そして税務当局がこの田中問題につきまして結論を出したというところで、検査院としては実地検査に参りまして、従来やっておりますように徹底的にこれを検査するわけでございまして、決定されたから、税務当局で決定したものであるから、もうそれでそのままだという立場では全然ないわけでございます。
○橋本敦君 いまの答弁は、結局私が言う厳正な調査をいまからやるということを、やらないということになっておるわけでしょう。独自の調査を現にやっているということをおっしゃったのですよ。ところが、調査の結果として、大蔵省が中間発表した程度のこともつかんでいないという事実がはっきりしているのですよ。そしてしかも大蔵省が中間発表した後の処理について疑惑と問題が含まれる可能性があるから、会計検査院としては大蔵省の処理に対して、すでに独自に調査している問題なんですから、これから起こる問題だけに限りませんよ、その調査の一環として、この田中総理及び関連会社の所得税申告の不足の扱いについては厳重な処理をするように注意を喚起し、大蔵当局に申し入れあるいは共同で検討する。これはもうすでになされた事実の後の見直しですから、いますぐやっておかしいことは一つもありませんよ。やるべき性質のものだと思いますよ。この問題ばかり議論できませんが、私の言っている趣旨は、なぜできないのか、検査院長の答弁を伺います。
○会計検査院長(白石正雄君) 会計検査院は、税務官署について調査をする、そうして税務官署の収入、支出が適正になされておるかどうかということを検討をするということを職務といたしております。したがいまして、税務官署が決定した処置につきまして検査をいたしまして、それに誤りがないかどうかということを決定いたすわけでございまするので、したがいまして、いま調査中のものにつきましては、その調査の済んだ段階におきまして検査の爼上に上るわけでございまして、さような点を御了承願いたいと思うわけでございます。
○橋本敦君 納得できませんね。それじゃなぜ会計検査院は、独自に田中金脈関連会社の調査をやると言ったんですか。
○会計検査院長(白石正雄君) 検査院といたしましては、計算証明規則の定めるところによりまして一定の書類を徴しておりまして、そういう書類によって検討をいたしておるわけでございますが、それにつきましては、われわれの見たところに間違いがなかったかどうか、さらに世上にうわさされるような情報に基づいて、調査漏れがないかどうかということを独自に調査をするということでございまして、この独自の調査ということは、何も国税庁と別個に、納税者個人につきまして別個の調査をするということではないわけでございますので、税務官署について調査をするということでございます。
○橋本敦君 わかっておりますよ。もう一度重ねて言いますが、大蔵当局が調査した中でも、すでに大蔵大臣が中間報告されているように、不備があったという事実を報告されているんですよ。いいですか、これはすでに処理された税務処理上の問題ですよ。これはいろいろな資料を取り寄せて会計検査院が、税務行政が適正に処理されたかどうか調査の対象になる、そして大蔵当局が調査の結果不備があったとする後の処理についても、会計検査院としては当然調査の対象にしなければならない。これは先ほど御答弁のとおりですよ。そして事実、田中金脈の調査を独自にやっているという検査院が、この問題が、いま大蔵当局がどう最終的に処理するかについて、私が言ったような重大な問題がある場合に、厳正にこれをどのように大蔵当局にやらせるか。やった後で審査するんじゃなくて、すでにもうなされて確定申告として納税までされた後の事件の調査の一環ですよ、これは。なぜこれができませんか。そういう態度だから全く政治的に処理され、国民の疑惑が解消されないままにうやむやに処理されるのではないかという国民の疑惑が解消しないんじゃないですか。
 重ねて伺いますが、これだけ言っても、大蔵当局が処理した後でないと会計検査院は調査をしませんか。それならそれで私はまた考えがあります。院長、最後に一言お答えください。
○会計検査院長(白石正雄君) 検査院の職務は、やはり国税庁当局の資料に基づきまして、その決定したことが誤りがないかどうかということを検査いたすわけでございますので……
○橋本敦君 誤りがあると言っているんですよ、大蔵当局はね。
○会計検査院長(白石正雄君) したがいまして、税務――国税庁当局の処理が終わった段階におきまして検査をして、その適正をただすということをいたしたいと考えておる次第でございます。
○橋本敦君 会計検査院の田中金脈に対する姿勢としてはきわめて私は不満足な答弁です。今後会計検査院の調査及びその独自の任務、役割りについては、引き続きいろいろなところで私は問題にしていくつもりです。
 ところで、四十七年度決算に関連をして、裁判所の決算審査については、会計検査院から「昭和四十七年度決算裁判所についての検査の概要に関する主管局長の説明」が出されておりまして、検査の結果は「特に違法又は不当と認めた事項はございません。」というように報告がされております。そこで、私はまず裁判所にお伺いしたいのですが、裁判所の裁判官あるいは書記官、速記官、その他職員の皆さんがいらっしゃいますが、この定員はどのように定められることに法律上なっておりますか。まずそこから明確にしていきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(田宮重男君) 裁判所職員定員法というのがございまして、その内訳といたしましては、判事、判事補、簡裁判事。それから書記官以下の職員につきましては、その他裁判官以外の職員ということで、それぞれ予算定員と合わしたところの法律定員がきまっております。
○橋本敦君 ところで、現在裁判所では裁判官や速記官の深刻な不足が司法関係部内でもしばしば問題になっておりまして、裁判官の増員、速記官の増員等、裁判の円滑なまた迅速な進行のために強く要望するところですが、まず裁判官について伺いますと、現在裁判官の定員は、四十七年度で結構ですが、現在と申しましたが四十七年度で結構ですが、定員は何名で、実配置裁判官、実員は何名になっておりますか。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) お答えを申し上げます。
 昭和四十七年の十二月一日現在におきまして、裁判官の定員は合計二千六百八十一名、現在員が二千五百八十三名でございます。
○橋本敦君 いまのは簡裁判事も含めてお答えになられた数でございますね。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) さようでございます。
○橋本敦君 そこで、判事、判事補の定員については、四十七年度で一千二百八十八名と承知しておりますが、間違いございませんか。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) そのとおりでございます。
○橋本敦君 実人員は幾らでございますか。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) その十二月一日現在におきまして、判事の現在員は千二百三十五名でございます。
○橋本敦君 ところで、日弁連が昭和四十九年度の司法白書として発表しているところによりますと、裁判官の定員が、いまのお答えによってもほぼ近い数になりますが、百名余り定員に充足していないということに加えまして、たとえば速記官については実人員は予算定員より約三百不足している。書記官については予算定員よりも実人員が約五百不足しているという白書が出されておりますが、この数はほぼ実情に沿っておると思いますが、いかがですか。
○最高裁判所長官代理者(矢口洪一君) 相当数の欠員のあることは事実でございますが、速記官等につきましては、当時といたしましては百名余りの欠員であったというふうに考えております。
○橋本敦君 弁護士会の調査とかなりの食い違いがありますが、いずれにしても書記官、速記官が予算定員より実人員が不足していることは明らかである。数字の食い違いがありますから、いずれこれは資料としてまた法務委員会等でお願いすることにいたしたいと思いますが、私はここで正確な数を問題にしているんじゃございません。ところが、予算定員よりもオーバーしている職種の皆さんがいらっしゃる。それはいわゆる行政職(二)の表を適用される職員の皆さん、これが日弁連の調査では予算定員よりも四百七十一多くなっていますし、いわゆる事務官となっていらっしゃる皆さんが、実人員は予算定員よりこれも五百名ほど多くなっている。こういう状況があることは間違いございませんか。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) 昭和四十七年の十二月現在で申し上げますと、ただいまお話の行(二)職員につきまして過員であることは事実でございます。事務官については欠員でございました。
○橋本敦君 私は事務官については置いておきましょう。実際に裁判に携わって国民との関係で日々の裁判を遂行しておられる裁判官、これも予算定員に不足する、書記官、これも予算定員に不足する、速記官、これも予算定員に不足する。ところが一方、行(二)適用職員は予算定員よりもオーバーしている、こういう実態は、私は国民に奉仕する裁判所としては改めなければならない問題であると考えていますが、ここで問題にするのは人件費の支出の問題であります。伺いますが、決算書を拝見いたしましても、膨大な人件費は総枠で予算額にほぼ見合う額が執行されていますが、裁判官、判事補、速記官あるいは書記官と、予算定員に満たない実人員、つまりそれのみの項目で支出をしますと不用額が出るんですが、これは不用額として挙げられていない、どこに使われていることになっているのですか。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) 不用額として計上しました金額は、昭和四十七年度の場合は合計七億八千五百四十四万円余でございますが、そのうち大部分がただいまお話しの人件費でございまして約七億二千万円でございます。これを不用額として計上いたしております。
○橋本敦君 それだけでは人件費の支出は私は説明がつかないと思うんです。予算定員の枠いっぱいの人件費予算を、裁判官、書記官、速記官等実定員よりも多い枠の予算を取って、その予算で支出をされる人件費は予算定員をオーバーしている職種の人件費の支払い、これに流用されているという事情は、いま私が指摘した問題から当然推測がつくのです。そういう実情に実はなっているということは間違いないんじゃないですか。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) 先ほど申し上げましたように、四十七年十二月現在におきまして行。職員に若干の過員がございました。その他の職員につきまして欠員がございまして、全体を通じますと相当数の欠員があったわけでございます。
  〔理事小谷守君退席、委員長着席〕
で、その欠員による不用額というものが、先ほど申しました七億の一部にその不用額が計上されておると、したがいまして、ただいまお尋ねの問題でございますが、全体を通じますとそういう結果になりますが、過員でございます事務官につきましては全体の計算の中でそういう結果に相なると、こういうことでございます。
○橋本敦君 つまり私が問題にするのはその全体の計算なんですね。裁判所は、私は裁判官も速記官も書記官も増員してほしいと、こう思っておりますし、裁判所も御尽力を願っていると思うし御尽力願いたいのですが、いやしくも国会で予算が審議される場合に、予算定員というものはこれは重要です。また定員法という問題もある。ところが、その定員に満たない実情が依然として数年の間続いて、そのうちに予算定員をオーバーする部門が増大している。そうして実不足人員部分の人件費が予算定員を超えた部分に流用されていくということは、これは事実上とめがたい状況になっている。このような予算の支出の仕方、執行は、これは私はいわば厳密な国会審議における予算定員、総予算というものを審議する上で、実際は裁判所がこのようなやり方をなされ続けている限りは意味を持たない。簡単に言えば国会の予算定員と審議をその事実どおりにやらないということで、裁判所としてやるべきことではないと考えているんですね。
 ところで、会計検査院長に伺いますが、このように法律にまって定員及び予算人員が定められているにかかわらず、それぞれの職種で定められた定員を問題にせずに、人件費が全体として官公署の中で流用されるという問題は会計検査院として特に問題として御指摘になる必要はございませんか。
○説明員(柴崎敏郎君) ただいまの件でございますが、確かに裁判官、書記官、速記官、そういう職種の方々についての実員の方が定員に対してずっと下回っておる、こういう事態は先ほども最高裁の大内局長から御説明のあったとおり、私どもの方でもそのように確認をいたしております。
 ただ、その場合の予算の残りでございますが、これにつきましては、たとえば退職手当とか、あるいは休職者の給与とか、そういうところに流用をなさっておる、中にはまあ常勤職員の給与に流用なさった面もございます。ということで、この流用の問題は予算執行手続として正規に認められた措置でございますので、その限りにおきましては持段の違法性も不当性もない、このように考えます。しかしながら、先ほどから先生もおっしゃっておられますように、この定数というもの、またそれに見合っての裏づけとしての予算というものが国会において審議され、決められておるわけでございますので、このようにみだりに流用ということが行われるというような事態は決して好ましいことではない、このように考えております。
○橋本敦君 ましてや予算定員を超えた過剰な人員を最高裁が行。適用職員、あるいは日弁連の調査では事務官にもあるんですが、そういうものでふやして、それは予算の出ようがありませんから、審議もされていませんよ、国会で。その費用が不足定員の部分から流用されるということは、私はこれは国会審議を誤らせる問題になると思う。そこで会計検査院がいま私が言いましたように、違法、不当はなかった、こうおっしゃっているけれども、違法はないとしても、あるいはいわゆる不当事項はないとしても、改善を要する問題として御意見を付されてしかるべきだと思うんですが、今後そういう観点から特に人件費の執行については、ごらんいただくという方向で最高裁ともよく協議をしていただきたいと私は希望しますが、検査院長いかがでしょうか。
○会計検査院長(白石正雄君) ただいま局長が御答弁したような実情で、事態を見守っておるわけでございますが、御意見の趣旨は十分了承いたしまして、善処いたしたいと思います。
○橋本敦君 会計検査院関係はこの程度でけっこうでございますので、お帰りいただいてけっこうでございます。ありがとうございました。
○委員長(前川旦君) 会計検査院の皆さん、退席していただいてけっこうです。
○橋本敦君 私は寺田事務総長にお伺いをさせていただきたいのですが、裁判所の四十七年度予算を見て、あるいは決算を見てもそうなんですが、実際に裁判費として使われている、また使う予定の予算は三十二億九千六百九十二万円、裁判所全体予算のわずか四・四%にしかすぎない実情になっている。で、この問題は、実際に国民が裁判を受ける権利があるというたてまえで、裁判を国民の立場に立って行っていく上ではいささか少な過ぎる予算ではないかと思うのですが、これの増額の必要という点については、最高裁としてはどのようにお考えでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 技術的な問題になってまいりますれば、あるいは局長から答弁させた方がよいかと存じますが、御承知のとおり、二の予算、決算で裁判費という項目で上がっておりますものは無論裁判に直接の経費でございますけれども、しかしながら、裁判所の予算はある意味ではすべて裁判に関係あるとも言えるわけでございまして、たとえば裁判官の給与というようなものは人件費の方に上がっておるわけでございますが、これが最も裁判にとって本質的な経費であることは申すまでもないわけでございまして、したがいまして、そういう意味での裁判費という項目に上げられます内容につきましてそういう金額になっておる、こういうふうに私は理解しておるわけでございます。そういたしまして、この金額は事件の趨勢というものとかなり密接に関係がございますので、事件がふえますれば当然増額をすべきものであり、事件が減りますれば若干減ってもやむを得ない、かような関係になっておる経費であると、かように私は理解しておるわけでございます。
○橋本敦君 裁判所の、わが国の国家予算――特別会計予算を除きまして、司法予算が国家予算に占める割合を日弁連の調査によってみますと、昭和三十七年から昭和四十一年まで大体〇・七%を超えていました。ところが、昭和四十二年以降が〇・七%台を割りまして〇・六%台に落ちた。そして昭和四十八年、昨年度予算の割合を見ますと、国家予算の中に占める割合が〇・五九%というように減少している。このように裁判所の総予算の国家予算に占める割合が年々累次減少しつつあるという傾向があることは間違いございませんか。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) ただいま御指摘の数字に誤りはございません。
○橋本敦君 私はこの問題を質問する趣旨は、たとえば諸外国の例をとりましても、西欧諸国では裁判所の予算の国家予算に占める割合はわが国より高い国が多いという事実があります。現在の最高裁判所を中心とするわが国の司法の全体として、裁判官の不足を補い、書記官の積極的養成を行い、あるいは研修を、あるいは研究を、あるいは裁判費の増大を、そしてまた老朽した庁舎の改善をといったような、まさに司法を国民的立場で改善していくといういろいろ急務の問題がありますが、こういうことに対して裁判所はなぜ年々予算が国家予算割合で減少していくのか、積極的に国民の立場で予算の増額を含めて国民の信頼にこたえられる裁判所としての方向を目指すことを、なさらないとは言いませんが、なぜそれが困難なのか、その点はいかがなものでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) ただいま仰せのとおり、裁判の機能を充実し、裁判並びに司法行政の運営に必要な経費を十分裁判所の予算に計上することの非常に大事であることは、まことにそのとおりでございます。私どもももちろんその気持ちで年々予算の折衝に当たっておる次第でございます。
 ただ、御参考までに申しますと、裁判所の予算の国家予算に占める割合、これも一つの非常に重要な指標であると存じますが、御承知のように最近における国家予算、財政規模の増大は、社会保障関係の経費でございますとか、あるいは本年度の場合は教育、科学振興関係の経費でございますとか、そういった関係の経費が非常に著しく増大しておる。そういった点との相対的な関係におきまして、主として人件費を中心にした事務的経費から成っております裁判所の場合に相対的にその割合が低下する、かようなことに相なっておるものと理解しておるのでございます。しかし、ただいま申しましたように、裁判所の機能を充足するために必要な経費、これは十分予算に計上しなければならないところでございまして、今後ともそのための努力を継続いたしたいと、かように考えております。
○橋本敦君 たとえば昭和四十八年度予算で、裁判官の増員を最高裁としては六十一名要求をされたということを聞いておりますが、結果は何名にとどまりましたか。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) 七名でございます。
○橋本敦君 裁判所としては六十一名もの裁判官の増員を要求されているわけですね。で、裁判官の増員が、これは非常に必要だということは、今日の裁判所第一線の現状を見れば明らかですから、これは必要ですよ。たった七名しか認められない。これは大蔵省との折衝で七名ということで引き下がられたということにならざるを得ないわけですか。
○最高裁判所長官代理者(大内恒夫君) 予算の要求をいたしました時期は、ちょうどその前年の八月の末でございます。その当時におきます事件数でございますとか、そうした見込みに基づきまして一応の要求数値をはじいたわけでございます。ところがその後、折衝の段階に至りますまでに、事件の推移、あるいは裁判官の欠員状況でございますとか、その他諸般の状況を考えまして七名ということになったわけでございます。別に大蔵省との折衝で引き下がったということではございません。
○橋本敦君 削られたんじゃなくて自主的に判断してそうなったという御答弁のように聞こえますが、幾ら八月段階とはいえども、六十一名要求なさって、七名でよろしゅうございますというのは、これはおかしいですよ、いまの裁判官をふやさねばならぬという現状から言えば。むしろ私は、財政法の十九条に基づいて裁判所が国民司法を確立するために必要な財政見積もりを出して、大蔵省がそれを削るならば、これは、まさにその詳細を付記しなければならないというような独立予算、二重予算の原則がある。これは憲法で三権分立の立場で、当然の規定ですね。私は今後、最高裁がこういう見地に立っても国民的司法の確立のために御尽力をくださることを念願をして、いままでの質問を一応終わります。
 最後に寺田事務総長にお伺いしたいのですが、国民的立場で司法の改善なり運用を行っていくという課題をやるために、私は最高裁、法務省並びに日本弁護士連合会、こういう在野法曹の立場にある日本弁護士連合会、これを含めまして三者の協議という問題はきわめて重要な手続、重要な方式ではないかと、こう思っておりますが、その点の総長の御見解はいかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) ただいまの橋本委員のお話の点はまことにそのとおりでございまして、私ども全く同感でございます。
○橋本敦君 総長もすでに御存じのとおりですが、この点については、近くは昭和四十六年三月二十六日の衆議院法務委員会におきまして、民事訴訟法の一部の改正法律案が出されましたときに附帯決議がなされまして、「政府及び裁判所は、司法制度の改正にあたり、在野法曹と密接な連絡をとり、意見の調整を図るように努めるべきである。」と附帯決議がなされておりますね。さらに、当参議院におきましても、四十五年五月十三日の法務委員会において、裁判所法の一部を改正する法律案について、いずれも全会一致の決議で、「今後、司法制度の改正にあたっては、法曹三者」「の意見を一致させて実施するように努めなければならない。」、こう明記されております。
 だから、裁判所としても、今後の司法の改革や改善については、この三者協議を中心に三者の意見を一致させて国民的司法の改善や改革のために努力していただくということは、私は国会の、立法府の趣旨にも沿うし、まさに国民的課題に沿うものだと思いますが、この三者協議を行う上におきまして、つい最近民事訴訟法、簡易裁判所の事物管轄の増大という問題が三者協議の議題にのせられないまま耳に聞こえてくるんですが、これは三者協議を当然すべき事項だと思いますが、いかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 橋本委員も御承知と存じますが、私、前に総務局長をいたしておりますときに、日本弁護士連合会との間で連絡協議というものをいたしておりました。そうして、そこでいろいろお話し合いをいたしまして前回の事物管轄の問題を出したわけでございます。当時から私どもとしては、単に弁護士会との間の協議だけではなしに、法務省も含めた三者の協議ということを私、強く希望しておったわけでございます。当時におきましては、むしろ日弁連が、その点について消極的なお考えであったように記憶しておるわけでございます。その後いろいろな経緯があったようでございまして、私十分には承知いたしておりませんが、たまたま今回この職を拝命いたしました前後に、その問題が具体化してまいって、お話のとおり三者協議の道が開けることになったわけでございます。司法に関する重要問題につきましては、十分ここでお話し合いを申し上げたいと考えておりますが、議題等につきましては議題委員会というものができて、そこで打ち合わせることになっておりまして、私どもとして、いまの段階でどういう議題ということについて申し上げることはいささか早まっておるのではないか、かように考えておるわけでございます。
○橋本敦君 いま総長がおっしゃった慎重な御発言は理解はできないわけじゃありませんが、基本的に、わが国司法の改善をスムーズに国民的立場で行うために、国会としてはいま読みましたように、法務省、弁護士会、裁判所、この意見を一致させて法案を国会に提出することが望ましいということを明確に附帯決議している、そういう趣旨を受けて、三者協議の重要なことを総長も御見解を表明になり、これから三者協議が行われようとする。議題はなるほど問題であるにしても、この議題で三者協議にのせる問題をしぼってしまったら、三者協議の基本精神もこの附帯決議の趣旨も失われかねないおそれがございますね、基本的には。だから、したがって三者協議を基本的に尊重するという立場に立つならば、議題は手続的には議題委員会で決められるであろうけれども、重要な司法の根本問題については、裁判所としては三者協議を通じて十分協議を尽くすという、そういう方向と方針に変わりはないと伺ってよろしゅうございますか。
○最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) 基本的には橋本委員の仰せになっておるとおりであると存じますが、ただ、法案という問題になりますと、御承知のとおり、内閣、まあ直接には法務省に提案権があるわけでございます。私どもはそれに対して意見を述べるという立場にあるわけでございますので、さような趣旨もひとつお含み取りいただきたいわけでございます。で、重要な問題については最終的に意見が一致するかどうかはともかくといたしまして、十分にお話し合いをするということが必要であるということは、私ども痛感しておる次第でございます。
○橋本敦君 結構です。質問終わります。ありがとうございました。
○野末陳平君 まず、院長に伺いますが、この税金のいわゆるむだ遣いですが、これは最近減る傾向にあるのか、それともふえているのか、まあ金額とか件数の問題ではなくて、最近のいわゆる総括的な傾向を、ちょっと分析を簡単にお聞かせ願いたいと思います。
○会計検査院長(白石正雄君) 計検査院が新院法によって実施せられましてから、二十二年ごろから実施されたわけでございますが、二十年代におきましては相当不当経理があって多額の不当行為を報告いたした経緯がございます。三十年代になりまして漸次事態は改まりまして、二十数億円台の金額を計上いたしておったわけでございます。それが四十年代に至りましては十数億円台というように減少いたしてきております。私ども鋭意努力いたしておるつもりではございまするが、結果はこのような状態を示しておるわけでございまして、やはり私どもの努力もさることながら、各行政官庁の努力とも相まちまして漸次経理は改善せられておるものと考えておる次第でございます。
○野末陳平君 まあかなりの成果が上がっているというような分析だと思うんですけれども、事実、もしこの検査がなくなったとしたらいまよりもずっとむだ遣いもふえるだろうし、特にいわゆる業者との癒着とか談合とかそういうような悪い面が非常に多く出るだろうと、そういうふうに想像しますので、検査院の仕事というものは評価はしているんです、その労を多としてはいるんですが、しかし、毎年年中行事のように税金のむだ遣い、不当事項というものが発表されます。それを読んでいるたびにうんざりしまして、何か、せっかく検査をしたその結果が行政のあり方にまで十分生かされていないんじゃないかというふうに考えるわけです。ですから、このままの検査院のあり方ではやはり十分な成果は上げ得ない。まあ、むだ遣いの金額そのものは減っていると言っても、これだって氷山の一角だからというように言ってしまえば――やはりもっと根本的なものが変わってこなければ意味がないんじゃないか。別に検査院の仕事がむだだとか、だめだというわけじゃありませんが、いまの存在をよりよくするためには、やはり根本的にこの辺で検討すべき問題も幾つかあるんじゃないかと、そういうふうにいつも報告を読みながら感じるわけです。そこで、そういう感じを二、三ここでお話して、そちらの意見をお聞きしたいと思うんです。
 まず、私の感じるところ、行政責任の面で非常に処分が軽いんじゃないかということを痛感するんです。もちろん、何でも構わず厳しくやれという意味で言っているんじゃありませんが、具体的にお聞きしますと、まずこれは四十七年度の決算検査報告、この四十七年度分の七十ページに運輸省のところがありますね、これは特別意味があってこれを引き合いに出したわけじゃありませんが、わかりやすいと思うのでお聞きするんです。このしゅんせつ工事の予定価格の積算について、工事費が約九十億、この九十億について検査したところ、予定価格の積算が適切でなかった。だから、いろんな点を考慮して積算すれば相当程度その積算額を低減できたと認められるというような報告が一つあります。これ、もう少し具体的にお聞きしたいんですが、「積算額を相当程度低減できた」と、この「相当程度」というのはどのくらいの金額に当たるのか。
 それから、この運輸省が使った積算基準は、大体いつごろにつくられたものをそのまま使っていたのか、この点をちょっとお答えください。
○説明員(本村善文君) お答え申し上げます。
 四十八年十一月に運輸大臣あて出しました処置要求の内容でございますが、この検査報告の七十ページから七十二ページまでの間に記載してございますが、この内容は実は三項目に分かれておるわけでございます。
○野末陳平君 ちょっと、それ言っていると日がなくなっちゃうから、結論だけでいいです。
○説明員(本村善文君) 三項目合計いたしまして、開差額が約一億五千五百万円ほどになります。
 それから第二点のお尋ねでございますが、積算基準というのは運輸省で昭和四十二年の二月に作成されております。その後部分的な手直しはこれは逐次向こうでもやっているわけですが、本件で指摘しておりますしゅんせつ工事に関しましてはその手直しがされていない、こういう状態でございます。
○野末陳平君 わかりました。
 そうしますと、その後で、積算基準については、この四十八年度の報告を見ますと、運輸省が改善したということになっております。しかし、この金額にして約一億円のむだ遣いというものに対して今度は行政の面でどんな処置が行われているか、どんな責任が問われているかという点についてはどうなってるんでしょうか。
○説明員(本村善文君) 本案に関連いたしまして、主務省である運輸省は関係者の行政処分はいたしておりません。
○野末陳平君 そうしますと、四十二年につくられた積算基準のままで四十六年までそれをやって使っていると。そうすると、技術革新のいろんな時代に、何かその古い基準をそのまま便っているのはどうも怠慢で不勉強じゃないかと考えます。そうしますと、その結果、一億円以上のむだ遣いが出た、これはやはり何の処分もしないというのはおかしいんで、何かここで責任を問うのが当然じゃないかと、まあ素人考えですから、そう思うんですが、運輸省はしなかったわけですね。そこで検査院としてはこの程度の処置に対して十分だと、こんなもんで、改善したんだから税金のむだ遣いは仕方がないんだということなんでしょうか。それとも何の処分もしてないことに不満なんでしょうか、どんなもんでしょう、院長。
○会計検査院長(白石正雄君) 検査院といたしましては、重大なる過失によって国損を及ぼしたという場合におきましては懲戒処分の要求をすることができるという規定があるわけでございます。ただ、これにつきましては要件が定まっておるわけでございまして、重大なる過失というような条件に当てはまるかどうかというような点の検討をいたしました結果、懲戒処分を要求するまでには至らなかったという事態でございます。
○野末陳平君 そこまでの処分というんじゃありませんが、税金を納める方から言って、一億円、怠慢によってむだ遣いしたと、何一つ注意もされてないというような処分が何かおかしいという意味で申し上げているわけです。
 というのは、私の方でこの各不当事項に関してどういう処分が各省庁でとられているかというのをずうっと表につくってみましたら、九千万の不当事項から、三千万から、下の方は五十万とか三十万もあるんですがね、全部、結局、口頭注意とか厳重注意とか文書による注意喚起とか、全部これなんですね。口頭厳重注意、文書厳重注意、ただ厳重注意、いずれにしてもこれだけですね。この行政罰、これはこれなりにかなり公務員にとっては厳しいのかもしれませんが、しかし、少なくも何か税金をむだ遣いされちゃった、それもやむを得ない場合もあるでしょうが、単なる怠慢によってとか、あるいは中には故意に、何というか不注意、そういうものでこの税金をむだ遣いされちゃって、それでみんな注意で終わっちゃう。そうすると、全体でたとえば十五億むだ遣いがあったと、それを全体ならしてみると注意で終わっているんですね。だからこんな軽い処分だけでは一向に役人のたるみというのは直らない、お金を扱う、税金を扱う姿勢というものに厳しさを一向に感じないというふうに解釈するわけなんですがね、どうなんでしょうか、院長。
 懲戒免職を要求することもできるが、重大でないと認めたものばっかりだから、各省庁のこの程度の処分で検査院としてはいいという結論のようですが、もう少し厳しくする必要があるんじゃないか。それが国民に対する、納税者に対する責任じゃないかと、こう思いまして、検査院としてこれで適正だと思っているのがぼくはちょっとわからないんですが、いかがでしょうか。
○会計検査院長(白石正雄君) 不当事項につきましては、その不当事項の発生原因等につきまして検査院内部におきまして会議を開催いたしまして、懲戒処分の要求を行うべきかどうかということにつきましては慎重に検討しておる次第でございまするが、まあ事態の行為者のその過失その他の諸条件を勘案いたしまして懲戒処分の要求をするまでには至っていないという事例が多いことは御承知のとおりでございます。ただ、国会にこのように報告をいたしまして関係各省につきましては注意を喚起をいたしておるわけでございますから、その点につきましても事態はやはり改善をせられて、経理の改善には資しておるものと考えておる次第でございます。
○野末陳平君 何かぼくは懲戒処分を要求しているみたいに思われるんですが、まあそれほどのことではありませんがね。いずれにしても、少し税金を扱う姿勢が、この程度の処分で終わるんじゃ一向に前進はないんじゃないかと、こういうふうに思うんです。
 それは今度は使う団体の方にも、当事者の方にも言えると思うんですね。私学振興財団を通して補助金をもらっている学校がありますが、この間の新聞を読みますと、文部省では、そういう悪いところには翌年は交付しないという措置をとっているようですが、それにしてもここで疑問があるんです。いわゆる翌年交付しないというのも罰の一つかもしれませんけれども、少なくも法令違反のようなことをやって、そういう不正手段で税金、補助金を分捕った学校もありますね、それがそのお金は返したと、で翌年はもらえないんだからしょうがないんだと、これだけで終わっているというのはやっぱりおかしいと思うんですね。処分がこれはなまぬるいと思うんです。やっぱり不正手段、法令違反で補助金を分捕ったことに対して罰が加えられるのがあたりまえじゃないか、そのくらい税金というものを厳しく考えなければいけないんじゃないかと、こういうふうに思うんです。具体的に言いますと、この新聞で、学校の名前はいいんですけれども、補助金の適正化法というのがありましたね、あの罰則、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律ですか、あの罰則規定を発動するぐらいのことば当然あっていいんじゃないか、そういうふうに思うが、いかがでしょうか。
 というのは、われわれ一般の納税者が自分の税金を納めるときに、まあ不正なり、あるいはその他のミスなどがあった場合には罰金を取られるような罪があるわけですよ。自分のかせいだ金に対してもそれがあるのに、逆に今度、税金を不正手段で、法令違反で分捕って、それに対しては罪がないんだと、返せばいいんで、翌年はちょっともらえないよと、こんなもので果たしていいのかというふうに考えます。ですから、こういう法令違反による不正手段で補助金を取った団体に対しては、当然、適正化法の罰則を適用すべきだと思うんですが、検査院長はそんなふうに思いませんか。
○会計検査院長(白石正雄君) 御承知のとおり、偽りその他不正の行為によって補助金をもらったというような場合におきましては罰則の規定があるわけでございまして、したがいまして、そのような事例につきましては検察庁に告発するというような方法も考えられるわけでございます。
 ただ、私どもの検査はいわば任意検査でございまするので、証拠書類その他につきまして必ずしも十分でないというような点も考慮いたしまして、現在まで、まだそういった告発の手段をとった事例は余りないわけでございます。
○野末陳平君 ということは、そこまで踏み切らなくても、まあこの程度で構わぬだろうということになりますね。それがどうも、せっかくいろいろ検査をされてこういう報告が毎年出ながら、そちらの解釈では、まあむだ遣いも減っているし、かなり経理もよくなっているんだということなんでしょうが、これを受け取ってその報告を読むわれわれの方としては、何かいつも同じじゃないかと、毎年同じような事例が繰り返されると、件数とか金額の増減というのはこの際大したことじゃないと思うんですね。もっとそういうものが、いわゆるむだ遣いというものが一向に減らない、一体どうしてなんだろうと、ここには行政上のいろいろな欠陥がきっと必ず不当な経理につながって根深いものがあるんだろうと、その指摘の方が本当は大事であって、何か経理だけ表面的に是正された、あるいは積算基準が改善された、これだけでは検査院の仕事というものが成果が十分だとは言えないと、こう思っているわけなんです。
 ですから、厳罰にしたほうがいいというのも、これはたまたま一つの見方であって、こうすべきだと言っているわけじゃないし、検査院がそれができるとも思っていないんです。院法を見ても、確かに通告――告発ですか、検察庁に報告することもできるし、それから三十四条を見ても「適宜の処置を要求し」てとか書いてありますが、そこまで検査院権限を伸ばしていいかどうか、それはわかりません。しかし、いずれにしても、もっと税金のむだ遣いが毎年繰り返されている背景、その根源みたいなものを指摘して、それを直す方向に検査院の役割りを持っていくのが一番望ましいんじゃないかと。そうしないと国民としてはやりきれないと思うんですね。毎年税金のむだ遣いが年中行事みたいに発表される。これ一向に減っているんだかふえているんだかわからないけれども、少なくもわれわれの血税はいつも同じように不当に使われている。やはりこの繰り返しはまた何年先もやるというのはぼくはもうよくないと、こう考えています。ですから、まず最初は、処分が少し軽いんではないかということを例にして、検査院が自己の役割りに対してどの程度の評価を持っていらっしゃるかお聞きしたんです。
 もう一つ今度は、いま言いましたけれども、経理の不当を指摘するということで終わらずに、今度はそのよって来るゆえん、発生原因までさかのぼって行政のあり方そのものに対する指摘ですね、これは検査院の仕事から少しはみ出るのかもしれませんが、あえてこれをお聞きしたいんです。
 なぜと言うと、毎年そちらからくる資料を見ますと、一番多いのは工事と補助金の不当事項なんですね。それで不経済な結果になったと認められるという工事の事例を毎年度指摘しておりますけれども、やっぱり少なくなりませんと、それから補助金の場合も、その経理が不当と認められる事例を毎年度多数指摘して注意を促してきたところだけれども、やっぱり少なくなりませんと、そういう表現で毎年繰り返されている。そうすると、こんなことわかり切っているんだと、なぜそうなんだ、なぜ税金のむだ遣い、つまり工事と補助金に関しては不当事項がなくならないんだと、これをもう少し積極的に検査院が指摘して、根本的なものにメスを入れてほしいんだと、こう思うんですが、これについてはどんなものなんでしょうか、検査院の立場としては。
○説明員(鎌田英夫君) 先生いろいろ御指摘の点でございますが、われわれ検査の立場といたしましては、個々の会計経理の検査、これをやっておりまして、これが予算執行が法令、予算に適合しているかどうかという面で検査するわけでございますが、それだけで事足りるというわけではございません。先生御指摘のように、その発生原因の探求とこれをいかにして防ぐかということが重大なわれわれの使命であるということはわれわれよく認識しているわけでございます。したがいまして、従来からも個々の不当というものの追及だけではなくて、そのよって来る原因を考えまして、あるいは予算の総体的な分析あるいは国の各機関における経理体制の全般についての検討と、こういうことも常に念頭に置いてやっているわけでございます。
 したがいまして、会計検査院法に従いまして、院法三十四条あるいは三十六条の要求をするわけでございますが、いま先生御指摘の工事に件数が多いという点でございます。工事につきまして、たとえば補助金の経理について工事の指摘、これは最近非常に減っております。ある県に参りまして農林関係を見ると県全体で二件三件と、こういうような状態でございますけれども、これを過去にさかのぼって考えてみますと、われわれ若い時代には非常に工事の不当事項が多くありまして、そのときにはやはり根源を探求いたしまして、三十六条による是正改善の処置要求を関係当局にした、こういうようなことがございまして、そういう意味では、現在非常によくなっているというような観点もあるかと思います。
 そういうわけでございますが、なお、現況においても工事の不当が多い、こういう御指摘について申し上げますと、たとえば国鉄あるいは農林省というようなところに直轄の工事で不当事項がある、こういうような状態でございます。しかしながら、農林省の直轄の工事の不当というものも、現在のわれわれの検査の結果から見ますと、やはり偶発的なと申しますか、たまたまそこに監督がよくなかったとか、業者もよくなかったと、そういうようなことでございまして、これを個々の経理として取り上げて指摘すればいいんじゃないかと、こういうような観点で載せているわけでございまして、これを全体的にそういう不当工事が起こったということを分析してまでは載せてない、こういう状況でございます。
 なお、全般的に工事の件数が多いということでございますけれども、やはり現在の趨勢といたしましては徐々に減っていっている、こういう傾向であるかと考える次第でございます。
○野末陳平君 そちらのお調べになっている範囲で減っているんですから、全体的には減っていると思いますけど、しかし、ちょっと疑問なんですが、不当経理を発生原因にさかのぼって突きとめて、それを防ぐのが使命だということで、何か院法の三十六条の「検査の結果法令、制度又は行政に関し改善を必要とする事項があると認めるときは、主務官庁その他の責任者に意見を表示し又は改善の処置を要求する」というこの三十六条ですけど、そんなにおやりになっていますか。いまの話聞くと、何かぼくの知っているのは農林関係で昔一つあったんじゃないかと思いますが、最近でもこれはどんどん発動して、積極的に行政にメスを入れることをおやりになっているんですか。ぼくはなっていないと思ったものでお聞きしたんですが、具体的に簡単に、もう時間がないから。
○説明員(鎌田英夫君) 三十六条を発動いたしまして要求したものは、最近では、これは先生御指摘のとおり、三十六条といたしましては、昭和四十五年度の検査報告に載せました鉄道新線の建設について、これが三十六条で運輸大臣あてに総花的な予算をつけているから、こういう不経済な遊休施設ができていると、こういうような表示をしたことがございます。
 なお、さかのぼって見ますと、三十八年にも農林大臣あてに国営土地改良事業に対する予算等の措置についてと、こういうもの、あるいは三十七年に消費者米価の値上げに伴う販売業者の差益に関するもの、あるいは三十六年に土地改良事業によって造成した埋立地等を転用する場合における造成費の回収、こういうことについて三十六条で是正改善の処置を要求しているものがございます。
 しかし、最近では、三十四条で全般的に不当経理の集積と申しますか、そういったものを根本的に分析いたしまして、そのよって来るところを直してもらう、是正改善の処置をお願いする、こういうものが毎年十数件掲記されているわけでございます。
○野末陳平君 聞いてみたら何となく十何年前の話で、四十年代になってからたった一件ですからね。だから、三十六条をどんどん生かしてというほどではないように聞いたんですが、まあしかし、検査院の仕事にも限界がありますから、そればかり私は期待するわけじゃないんで、行管の方にもお聞きしたいんですがね。
 検査報告が出ますね、そうすると当然これを行政管理庁としても行政のあり方に関する有力なアドバイスというように受け取っておられるとは思うのですよ。それが行管の勧告にどの程度生かされているか、あるいはそれを積極的に盛り込んでいくという姿勢でもって検査院の報告を扱っているのかどうか、その辺のことも具体的にお聞きしたいのですが、何を盛り込んだことがあるか、最近で。
○政府委員(大田宗利君) 先生御案内のように、会計検査院と行政監察とは、その目的あるいは機能において違っておるわけでございます。特に、行政監察は行政の実施状況ということで非常に範囲が広いわけでございます。
 毎年、全国的に調査をいたしますのは十五、六本ぐらいございますけれども、その中で国費の効率的な使用というテーマで実施するものが大体一、二本ございます。その内容は、主として補助金的なものが中心になろうかと思いますけれども、どういう補助金を整理すべきか、どういう補助金を統合すべきかという選択の場合に、検査院の方からお出しになっている報告書を常に参考にして、その補助金を対象として実施するというやり方をやっております。過去二回ぐらいそういう監察を実施しております。
 五十年度につきましても、いろいろ行財政の硬直化というものが言われておりますので、目下、そういう点のテーマについて検討しておりますが、この場合も過去の検査報告書というものを非常に参考にして、そういうものを研究しておるわけでございます。したがいまして、常に補助金関係につきましては参考としてわれわれは研究しておるわけでございます。
○野末陳平君 それは当然だと思いますが、そこでもう一止踏み込んで検査院に提案してみたいのですが、単なる報告だけでなくて、この報告は恐らくまあここに盛り込まれてない部分がずいぶんあると思うのです、またそっちのほうが意外と重要かもしれませんけれども、いずれにしても検査院がいま一番日本の行政の実態を把握しているのではないか、現場でいろんな面を知って一番的確に把握しているのではないか、こう思うわけです。
 そこで、この報告のほかに、まあ別に公でなくてもいいのでしょうが、行管に特別のレポートか何かを出して、検査院の仕事というものは不当経理の追及だけで終わらないように、それを行管がもっと実施面で生かせるように、もう役所が違うからと言われても、それは国民の立場で見れば同じことなんですよ。ですから、もうちょっとこの検査報告というものが有効に機能するように提案してみたいんですよ。ですから、この検査報告だけでなくて――どうなんでしょうか、これ以上のもう少し突っ込んだレポートのようなものをたとえば行管に検査院から出して、で、それを両方連係プレーをとりながら、税金のむだ遣いをなくして、それから行政のあり方そのものを是正していくという方向ではできないものでしょうか、そういう検討は全然無理なもんでしょうか、院長。
○会計検査院長(白石正雄君) 検査院といたしましては、会計経理の是正ということを至上命題といたしまして微力ながら努力をいたしておる次第でございますが、その結果の集積といたしまして、国会に報告書を提出いたしておる次第でございます。したがいまして、これ以外に何かないかという御指摘でございますが、これ以外には、いわば検査院といたしましては取り上ぐるに足らないものとして没にしたものがあるわけでございまして、これ以上のものは持ち合わせばないわけでございます。しかしながら、ただいま御指摘のような点もございまするので、なお会後とも努力いたしまして、三十六条の適用等につきまして、全力をふるって努力いたしたいと考える次第でございます。
○野末陳平君 事実、その三十六条の適用などももっと積極的にやってほしいというのが希望なんですけれども、ちょっとところどころ大分食い違っていて、納得できないというか、ちょっと物足りない点あるんですけれども、いずれにしても会計検査院ばかなりの税金を使って税金のむだ遣いを調べるわけですから、やはりそれが有効に、その金が有効に生かされるように、不当な経理の指摘だけで終わると何となく表面上のあら探しだけで終始しているような印象を受けるんですよ。だから、それを通して行政のあり方に関するもっとこう全般的な問題提起というところまで踏み込んでほしいというのがこちらの、ぼくの希望なんです。また、それを国民もそう思っていると思うんです。やはり税金をむだ遣いされていると思うと、これはものすごく腹が立つと思うんですね。それを調べているところはあるけれども、しかし、毎年毎年とにかく調べて、それがどういうふうに生かされているか、どうも経理だけで終わっているというようなことだと何かやりきれないような気もするんです。そこで、行管とも、かなり立場が違うんでしょうけれども、まあ連携しながら、もう少し全体的な行政のあり方に対してメスを入れる方向に少しでも進んでほしいと、こういうことを希望しておくわけです。ですから検討してほしいと思います。
○説明員(鎌田英夫君) 先生御指摘の点は、これは会計検査院の問題でございますが、なお事務総局の責任でもございます。いろいろ御指摘をいただきまして、われわれといたしましても努力をいたしているわけではございますけれども、なお足らざる点は多々あると思います。十分その点は反省いたしまして、先生の御指摘の点、あるいはいろいろな発想、着想、そういったものも取りまぜまして、今後一層努力していきたい、こういうふうに考えます。
○委員長(前川旦君) ほかに御発言もなければ、皇室費、国会、最高裁判所及び会計検査院の決算につきましては、この程度といたします。
○委員長(前川旦君) 次に、事理の辞任及び補欠選任の件についてお諮りいたします。
 田代富士男君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前川旦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前川旦君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に峯山昭範君を指名いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時八分散会
     ―――――・―――――