第077回国会 内閣委員会 第2号
昭和五十一年八月十二日(木曜日)
   午前十時三十九分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中山 太郎君
    理 事
                加藤 武徳君
                野田  哲君
                秦   豊君
    委 員
                岡田  広君
                源田  実君
                寺本 広作君
                八木 一郎君
                山本茂一郎君
                上田  哲君
                片岡 勝治君
                太田 淳夫君
                峯山 昭範君
                岩間 正男君
                河田 賢治君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (内閣官房長
       官)       井出一太郎君
       国 務 大 臣
       (総理府総務長
       官)       植木 光教君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  坂田 道太君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        首藤 俊彦君
   説明員
       人事院総裁    藤井 貞夫君
       人事院事務総局
       給与局長     茨木  廣君
       人事院事務総局
       職員局長     中村  博君
       内閣総理大臣官
       房人事課長    角田 達郎君
       総理府統計局長  川村 皓章君
       行政管理庁行政
       管理局長     辻  敬一君
       防衛庁長官官房
       長        亘理  彰君
       防衛庁防衛局長  伊藤 圭一君
       防衛庁装備局長  江口 裕通君
       防衛施設庁長官  斎藤 一郎君
       外務省アメリカ
       局長       山崎 敏夫君
       大蔵省理財局特
       別財産課長    松岡  宏君
       厚生省援護局庶
       務課長      柴  義康君
       労働省労働基準
       局補償課長    溝辺 秀郎君
   参考人
       総理府統計局職
       員組合中央執行
       委員長      矢嶋 俊良君
       総理府事務官   松田 光子君
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  本日の会議に付した案件
○国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調
 査
 (一般職の職員の給与についての報告並びにそ
 の改定についての勧告に関する件)
 (国家公務員の給与に関する件)
 (全国戦没者追悼式に関する件)
 (天皇在位五十年式典に関する件)
 (国家公務員のいわゆる天下りに関する件)
 (国家公務員の定員削減に関する件)
 (国家公務員の災害補償に関する件)
○国の防衛に関する調査
 (国の防衛問題に関する件)
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○委員長(中山太郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題といたします。
 まず、一般職の職員の給与についての報告並びにその改定についての勧告に関し、人事院から説明を聴取いたします。藤井人事院総裁。
○説明員(藤井貞夫君) 一昨日、一般の夏の勧告を国会及び内閣に対して行ったのでございますが、本日当委員会において、早速趣旨の内容について御説明さしていただく機会をお与えいただきましたことは深く感謝を申し上げる次第でございます。十五分間ということでございますので、ごく簡略にその概要を御説明を申し上げたいと存じます。
 本年の官民給与の較差は、金額にいたしまして平均一万一千十四円、パーセントにいたしまして六・九四ということに相なりました。その内訳は、四月支払い済みの本較差の分が五・六四、これが八千九百四十六円、それから、いわゆる遡及改定分、四月にさかのぼって遡及して改定をするその分が一・三%、金額にいたしまして二千六十八円ということでございます。
 この較差の問題につきましては、当初春闘の結果について、労働省あたりの発表は八・八ということでございましたし、また三公五現の関係も大体それに右へならえのパーセンテージになっておりました。この点をにらみますと、若干、率の点で上向きというような形が出ておりますが、これは御承知のように、労働省発表の春闘は大企業中心で、特に製造業というものが八〇%を占めているというような状況でございます。製造業の場合は端的に景気の状況というようなことに左右されやすいことでございますが、本院の調査は、御承知のように、要するに規模に該当するものについては悉皆調査と同じような結果が出るような調査方法をとっておりまして、製造業のみならずその他の万般の企業、特に第三次産業その他についても調査をいたしますので、それら第三次産業等は若干高目に出ております。九・二%程度ということに相なっておりまして、そういう関係もございまして、全部調べました結果は六・九四%ということに出てまいった次第でございます。しかし、全般的に申しますと、これは民間の景況等も反映いたしまして、非常に人事院の勧告制度の中でも低い勧告ということに相なっておる次第でございます。したがいまして、この配分をいたしまするにつきましても、民間の動向等を調査をいたしました結果、俸給表に重点を置いて、また特に生活関連の諸手当についても配慮するということにいたしまして改定を加えました。
 俸給表の改善につきましては、率が全体として低率のこともございます。また、初任給というものも、いままでと違いまして非常に低く抑えられてきておるというようなことでございまして、上下同率配分的な考え方に立って俸給表の作成を行いました。ただし、中位等級等については従来から問題がございます。従来、初任給が例年高かったために、そのあおりを受けてどうも不利な状況に差しおかれざるを得なかったという世帯持ちの中位等級程度というものについては、生活の実態もよく当方でも調査をいたしておりますので、この向きには相当の配慮を加える、全体の幅の中で相当の配慮を加えるということにいたしたのでありますが、通じて申しますと、全俸給表の全等級にわたってほぼ同率的な改善ということに相なる次第でございます。
 初任給につきましてはことしは低くございまして、大学の関係では六・七%、高校卒の関係では六・五%という率にとどまっております。
 職種別に見た改善といたしましては、大学、高等専門学校の先生につきまして、いわゆる人材確保法に基づく数次の改定で義務教育諸学校の教員、いわゆる小中学校の先生と、それとの見合いで高等学校の先生の給与が大変よくなってまいりました。それはそれで意味のあることでございますけれども、これとの関連で余りにも明確な逆転を生ずる、あるいは不均衡が生ずるという向きについては放置できない向きもございますので、この際、最小限度の手直しをするという配慮を加えましたほか、税務職員、それから公安職員、それと看護婦さん等につきましても特に配慮を加えることにいたしております。
 それから、指定職の俸給表でございますが、これは昨年、御承知のようなことで本省の課長さん級について支給いたしておりまするいわゆる特別調整額、管理職手当と言われるものについてカットを一年間行ったわけでございます。指定職の適用者についてはそういう管理職手当がございませんので、これは俸給表自体を改定してその措置を講ぜざるを得ないということで、昨年はその分の見合いで大変抑えぎみに俸給表自体の改正を行ったのであります。ことしの場合は、同率的なものに昨年の引き上げ幅を抑制いたしました分の回復というものは最小限やらざるを得ないということで措置をいたしましたが、この点の裏づけといたしましては、二年ぶりに民間の重役級の給与の調査もいたしましたが、それは予想以上にかなりの上昇を見せております。しかし、その上昇分をそのままこちらに反映させるということはとてもできません。そういうことで、今度の場合は去年の上げ幅の抑制分を回復させることと、同率配分的な配慮というものを加味いたしまして措置することにいたしております。
 以上が俸給表でございますが、諸手当につきましては、生活関連関係の諸手当について配慮をいたしました。
 まず、扶養手当でございますが、扶養手当につきましては、配偶者について現行六千円でありますものを一千円アップいたしまして七千円にいたします。それから配偶者以外の扶養親族のうち二人については二千円を二千二百円といたしたいということでございます。なお、三人目以降につきましては、従来いろいろな観点から見まして大変低額で、委員会でも御論議をいただいたことがございますけれども、現行四百円ということになっております。これを民間のやはり実態等を見ますとこの点は大分上がっておりますので、この点は一千円にいたしたいという措置を講ずることにしております。
 通勤手当につきましては、昨年、私鉄運賃が改定をせられましたこともございまして、公務員についてやっております通勤手当の支給のカバー率が低下をいたしておりますので、その点を配慮いたしまして、カバー率を引き上げるという措置を講じております。その結果、運賃相当額の全額支給の限度額を、現行一万円でありますものを二千五百円引き上げて一万二千五百円ということにいたしたい。二分の一の加算額を加えた最高支給限度額でありますが、これも二千五百円上げまして、現行が一万一千五百円でありますものを一万四千円まで支給するということにいたしたいと考えております。
 それから、住居手当でございますが、これについても措置をいたしまして、差額支給の六千円を千円アップの七千円ということを中心に改善を加えることにいたしておる次第でございます。
 それから、医療職の俸給表につきましては、要するにお医者さんの給与でございますが、これは民間との差が非常にはなはだしいということで、本俸で措置をする限度がございますので、初任給調整手当でもってかなりの部分をカバーいたしておりますが、この部分については、一種から五種ございますが、最高の現行十四万円の調整手当を一万円アップいたしまして十五万円とするということを中心といたしまして、以下それぞれ改善を加えることにいたしましたし、また、これとの均衡上問題になっておりますいわゆる医系教官に対する手当の支給額についても考慮をいたしました。
 また、本年は宿日直手当についても調査をいたしましたが、一般の宿日直手当の例で申しますと、一回につき現在千三百円になっておりますのを千六百円にすることにいたしたいということでございます。
 それから、その次の問題点は、いわゆる特別給、すなわち期末、勤勉手当の問題でございます。これにつきましては当委員会でもいろいろ御論議をいただき、当方の考え方も申し上げてまいった次第でございますが、本年の調査の結果は、やはり非常にわれわれ心配をいたしておりましたような結果が出てまいりまして、下がってまいっております。ただ、これにつきましては、従来の経緯、諸事情というものがございますので、それらの点を総合的に判断をしつつ措置をすることにいたさしていただきました。まことに心情としては忍びない点が多々ございますけれども、いろいろの諸情勢を勘案をいたしまして措置をすることにいたしたいのでありますが、その場合いろいろの事情を十分勘案をすることにいたしたつもりでございます。
 すなわち、まず引き下げの額でございますが、調査では四・九五カ月分というのが出ております。これにつきましては九五というのを切り上げまして五カ月ということにいたしまして、差額〇・二カ月については、これはひとつごしんぼういただくということにいたしたいということでございます。すなわち、〇・二の配分でございますが、十二月については期末手当から〇・一を差し引く、それから勤勉手当については六月の分から〇・一を差し引くということにいたします。なお、本年六月の勤勉手当につきましてはすでに支給済みでございます。したがいまして、その支給済みのものから計算の結果出てまいりますものを幾分でも返していただくということは、これは余りにも忍びないという点があると考えられますので、この点を考慮いたしまして、すでに支給された同手当の額を下回らないような経過措置を講ずることにいたしたのでございます。その他、若干勤勉手当の勤務期間に応ずる支給割合について、制度運用上の実態にかんがみまして合理化を図ることといたしました。
 以上が給与問題でございます。
 なお、最後に申し上げておきますが、民間における勤務時間、それから年間の休日数、週休制度の実態については引き続き調査をいたしましたが、週休二日制を何らかの形で実施いたしておりまする事業所の割合は、こういう景況ではございましたけれども、昨年に対しまして、微量ではありますが一・五%増になりまして六八・九%という数字が出ております。なお、年間休日数につきましては、これに従ってだんだん上がってまいりまして八十六日というふうな結果が出ておるわけでございます。
 週休二日制の問題については、ことしから試行に踏み切るということで関係方面にお願いをいたしておりました。種々の困難な事情がございましたが、政府でもお考えをいただきまして、この十月から試行に踏み切るということに相なった次第でございます。したがいまして、人事院といたしましても、このテストの実施の状況と問題点の把握に努めまするとともに、民間における普及状況等をさらに勘案しつつ、各方面と緊密な連絡のもとに、さらにいろいろな面から検討を加えることにいたしたいと思っておりまして、本実施をいつからするか、どういう形でやるかということは、まだ今後のテストの結果――一年間ということに相なっております。その間にいろいろ実態を調査をいたしました上で所要の検討を加え、結論を出したいということに今回の勧告の場合の報告ではとどめることにいたした次第でございます。
 以上、ごく簡略に内容の御説明を申し上げましたが、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
○委員長(中山太郎君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○野田哲君 総務長官に伺いますが、ただいま説明のありました人事院の公務員給与に関する勧告、これを政府の方としては今後どういう手順で、どういう方針で取り扱っていく所存であるのか、この点をまず伺いたいと思います。
○国務大臣(植木光教君) 一昨日、ただいま御説明がありましたような人事院勧告がなされたわけでございまして、その直後に、直ちに給与関係閣僚会議を開催をいたしまして、いろいろ論議をいたしたわけでございますが、現段階では、本年度の予算と一体不可欠な特例公債法が未成立であるという財政上困難な点があるという意見が出まして、いずれにしても、財源がなければこの人事院の勧告を実施することができないわけでございますので、財政当局においてその裏打ちとなります財源について検討をいたしたいと、こういうことで結論を見るに至らなかったのでございます。
 しかしながら、私どもといたしましては、従来とも、この人事院勧告を尊重いたしますことが公務員制度を適正に運営していてための基本的たてまえであるという考えを持っております。したがいまして、できるだけ早い機会に裏づけとなります財源というものについての見通しを立て、取り扱い方針を決定をいたしまして法案作成に入り、まだいつ国会が開かれ、会期がどれぐらいであるかということがわかりませんが、次国会におきまして御審議をいただくように私どもとしては誠意を持って対処していく考えでございます。
○野田哲君 別の問題で総務長官に伺いたいと思います。
 政府は八月十日の閣議で、十一月十日に天皇在位五十年の記念式典を実施をする、こういうふうな決定を行われたと、こういうふうに伺っておりますが、この実施内容等について、私どもは新聞による以外に承知をする手段はないわけでありますけれども、大体新聞に報道されておるような要領で十一月十日に実施をする、こういうことで決定されておるというふうに理解をしていいわけですか。
○国務大臣(植木光教君) 天皇陛下御在位満五十年の祝典を十一月十日に挙行するという決定をいたしましたことは御指摘のとおりでございます。早速八月十日当日、準備連絡協議会を開きまして、この十一月十日の祝典、いわゆる式典でございますが、これをどのような内容、どのような方法、運営で行うかということについて協議を始めました。これは今月中に決定をし、閣議の決定に持ち込みたいというふうに考えているのでございます。残余の記念事業、行事等につきましては、ただいまのところ、閣議ですでに了承を得ておりますのは、百円硬貨の発行、記念切手の発行、記念たばこの発売、さらに国鉄の急行券、入場券の切符の発行、また公文書館における公文書展の開催でございます。他の計画等につきましては各省庁においてただいま検討中でございます。これは八月中に全部決まるというふうには考えられません。しばらく時間かかかるのではないかと思います。
○野田哲君 私の関心を持っておるのは、十一月十日ということに非常に関心を持っている。この十日というのはもう動かさないわけですね。決まりということでいいですね。
○国務大臣(植木光教君) 十一月十日は御承知のとおり天皇の即位の大礼が行われた日でございますので、この日は最も適切な日であると考えまして決定をいたしましたので、これを動かす考えはございません。
○野田哲君 新聞等で承知をした内容によりますと、実施内容としては、式典の順序等あるいは出席者等を見ると、もちろん天皇、それから皇后、さらに皇太子御夫妻や皇族方、それから国内各界代表、外国の大使、公使、こういう外交官等が出席をする。そこで、三権の長である総理大臣、衆議院議長、参議院議長、最高裁長官がそれぞれ国民を代表して祝辞を述べる、こういうふうになっておるわけです。大体そういう内容であることは間違いありませんか。
○国務大臣(植木光教君) 式典の内容につきましては、いま協議を始めておるところでございますが、いま御指摘になりましたように、国民各階層の御出席を求めますとともに、三権の長の出席は当然お願いをしたいと存じております。
○野田哲君 そういたしますと、総理大臣、それから最高裁の長官というのは、これは制度上日本に不在という期間はないわけです。ところが衆議院議長というのは、これは不在の期間というものがあるわけです。しかも、ことしじゅうには必ず選挙期間、それから、解散以降告示に至るまでの準備期間、選挙が終わった後の院の構成が終了するまで、幾ら少なく見積もっても四十日あるいは五十日ぐらいは衆議院議長というのはいない、存在しない期間が必ず来るわけです、ことしじゅうには。そうすると、いま総務長官が述べられたところによると、この天皇在位五十年の式典をやる十一月十日という日、この日は衆議院議長というものは不在であってはならない、式典としては当然国民を代表する国の最高機関の代表である衆議院議長というものが不在であってはならないという形になっているわけです。そうすると、私ども考えてみますと、この十一月十日というのは、現在のこの衆議院の議長、現在の衆議院の構成による前尾さんということでありますけれども、この前尾議長の在任中ということが一つ考えられる。それからもう一つは、それまでに解散、総選挙等の政治日程を終了して新しい院の構成の中で選ばれた議長が十一月十日にはすでに就任をしているか、このどっちかということになるわけですね。つまり、この十一月十日というのは、選挙がすでに終わって新しい議長が決まっておるか、あるいはそこまでは解散なしでずるずるいっているか、このどっちかと、こういうことになるわけです。そういうふうに考えると、端的に伺います。後で官房長官、お見えになったときに政治日程等伺いたいと思っておる、このことに関連して。だが、この十一月十日の式典で祝辞を述べるのは前尾議長を想定をされておるのか、あるいはX議長を想定をされておるのか、この点はいかがなものですか。
○国務大臣(植木光教君) この祝典の挙行日は、もっぱら祝典の意義を考慮して定められたものでございまして、政治日程との関連については特別な配慮をしておりませんで、この十一月十日は最も適切な日と決めたことは先ほど申し上げたとおりでございます。
 ただいま御質問がございました点、十一月十日が選挙中であるかどうかということを意味せられるのであろうかと思います。その場合はどうするのかということであろうかと存じますが、目下のところ全くその点については予想がせられない状況でございますので、仮定の問題につきましてはお答えを申し上げることを差し控えさしていただきたいと思います。
○野田哲君 閣議で決定するまでには、総務長官も南平台の私邸でこのことについては三木総理と十分打ち合わせをしたと、こういうふうに新聞に報道されているわけです。今日政治に携わる者が、一つの大きな、総理大臣、衆議院議長、参議院議長がどうしても参列をしなければならないこういう日程を決める場合に、解散、総選挙、この日程と無関係に協議されたということはどうしても考えられないんです。しかも議長だけではない。これだけのことをやられようとする場合には、国民を代表する国会の中の、第一院と言われておる衆議院議員がいないときをねらうということは、私は常識として考えられないと思うんです。後で官房長官に政治日程、このことに関連して伺いたいと思うんですが、総務長官としてはその辺のことは全然担当大臣としてお考えにならなかったわけですか。ただ単に十一月十日というのは、即位の礼を行われたこの日にちなんだことと、何か、一応気候等の関係等考えてと、こういうことだけなんですか。
○国務大臣(植木光教君) 先ほど申し上げましたように、政治日程とは切り離しまして、純粋にこの祝典の意義にふさわしい日を選んだのでございます。
○野田哲君 よろしいです。
 厚生省、八月十五日が迫っているわけですが、毎年武道館で式典が行われている。昨年突如として、あの式典の正面に、どう言うのですか、掲げられているあれですね、いままではずっと長年「戦没者之標」という表示で行われていた。これが昨年突如として「戦没者之霊」というふうに変わった。この理由は何ですか。
○説明員(柴義康君) 八月十五日の全国戦没者追悼式は政府主催でございまして、厚生省といたしましては、政府の御指示により実施を担当いたしておるわけでございますが、昨年標柱の表示を「全国戦没者追悼之標」から「全国戦没者之霊」に改めるようにと御指示がございまして改めたわけでございますが、私ども伺っているところによりますと、三十八年から過去十二回実施してまいったわけでございますが、会場におきまして戦没者に黙祷をささげ、あるいは献花をいたします場合に「追悼之標」という表示では何かしっくりしないという戦没者の遺族の方々の意見がございまして、「霊」に改めたというふうに聞いております。
○野田哲君 厚生省のあなた方の方へ「標」というのを「霊」に改めるように指示があったのはどこから指示があったのですか。
○説明員(柴義康君) 厚生省は実施の方を担当いたしておるわけでございますので、内閣の方から指示があったというふうに伺っております。
○野田哲君 この式典の出発のときに、どういうあそこに表示をするかということでいろいろ国会の中でも議論が行われた。「霊」という表示の仕方、この「霊」というのは、これはある思想、宗教団体が使うものであって、宗教団体によっては「霊」というのは使わない、こういう団体もある。したがって、政府主催の場合には宗教色抜きで、憲法のたてまえによって無宗教という立場で国民の合意を得てやらなければならないということであの表示は「標」という形で行うと、こういうことで出発をした。そういう経過、あなた御存じですか。
○説明員(柴義康君) 追悼式をどのような形で実施するかということは、当初から慎重に検討されまして、宗教色を全く抜きにして実施しなければならないということであのような形で行われ始めたというふうに伺っております。
○野田哲君 ことしはどういう内容になっておりますか、その点は。
○説明員(柴義康君) 昨年と同様に実施することになっております。
○野田哲君 昨年ああいう形で実施をした、恐らくことしもああいう形になるんだろうということで、厚生省の方へ宗教団体等からいろいろあのことに対する抗議あるいは変更を求められるような要請等が行っていると思うんですが、いかがですか。
○説明員(柴義康君) 宗教団体の方々から、そのような要望があったことは存じております。
○野田哲君 いままで「標」という表示でやっておられた期間はその問題については特に問題は起こらなかった。それがああいう形に去年変更されたことによって、国民の間にあれでは困るということの声が上がり、変更を求める要請なり抗議が行っているということは、つまり、ああいう形に変更したことによって、これは国民の間にコンセンサスが得られなくなってきておる、宗教的な色彩を持ってきておる、こういうことでいろいろ宗教団体の方からそのことに対する抗議や要請が行っていると思うんです。だから、ことしあえてそれを去年どおりやるということになれば、政府のやり方は特定の宗教の色彩を帯びたやり方、こういうことになって、つまり、これは憲法に反するやり方ということになっているんじゃないかと思うんですが、この点は官房長官に後でやりたいと思っておるんですが、厚生省としてはその点はどういうふうに考えておられますか。
○説明員(柴義康君) 日本人の中で、「霊」という言葉はいろいろな意味合いで使われておると思うのでございますが、一般的に霊枢車とか、あるいは霊安所といったように死者にかわる言葉、死者を尊称する言葉として一般的に国民の中で用いられているわけでございまして、きわめて素朴な意味で死亡者を「霊」というふうに表現していると思うわけでございます。したがいまして、「霊」という表現そのものが宗教的な言葉であるというふうにはわれわれは考えていないわけでございます。
○峯山昭範君 それでは初めに総務長官にお伺いします。
 現在の日本の政治の情勢、政情を三木内閣の閣僚としましてどういうふうにお考えになっていらっしゃるかという問題であります。
 この問題は、非常に私は三木内閣の閣僚としての現在の政情をどう認識するかというのは非常に重要な問題であると思います。私たちが、ただいまロッキードの問題をいろんな角度から解明しようとして努力をしているわけでありますけれども、昨今の新聞紙上で見ておりますと、三木内閣自体の中にも閣僚同士の対立もあるみたいですし、あるいは自民党同士の三木支持あるいは反三木というような対立も激化しているようであります。こういうふうな中で、国民は非常に政情に対して不安を持っていることは事実であります。そういうような観点から考えてみまして、大臣は現状をどのように判断をしていらっしゃるか、まず初めにお伺いしたい。
○国務大臣(植木光教君) ただいま御指摘のように、国民か現在の政情及び政局に対していろいろ不安や不満やあるいは不信と申しますか、そういう心情を持っておられることは私も十分認識をいたしております。したがいまして、一日も早く政治家及び政治に対する国民の信頼を回復して、真に国民の望む清潔で公正で愛情のある政治が展開されるために、最大の努力をしなければならないときであるという確信を持っているのでございまして、私はその確信のもとで努力をしている次第でございます。
○峯山昭範君 いま大臣がおっしゃった政治の信頼の回復ということは、非常に私は重要なことであろうと思います。今後われわれが何をやるにしましても、政治の信頼の回復というものがなければ、実際何をやってもどうしようもないわけです。しかも、大臣はいま清潔、公平、そして愛情ということをおっしゃいました。こういうふうな政治を取り戻すためには具体的に一体どうしたらいいのかというのが、やっぱり具体的な問題としてわれわれ議論しなきゃならないと考えております。
 現実の問題として一昨日のロッキードの委員会でも――きのうは福田副総理と三木総理の会談もあったそうですけれども、一昨日の福田副総理のロッキード委員会での発言を聞いておりますと、要するに、私は人心一新なんていうことを言ったことはないけれども、党の出直し的改革、これは当然やるべきだと、そういうふうに発言をしていらっしゃいますし、しかも、それも期限つきで副総理はおっしゃっているわけです。要するに、今度やってくるであろう総選挙ですね、総選挙までにいわゆるこの党の出直し的改革をやらないといけない、そういうような感じの発言をしていらっしゃるわけです。したがって総務長官、これは三木内閣で総選挙を行うべきであるのか、あるいは新しい体制でこの総選挙を行うべきであるのか、これはやっぱりこれからの政治の信頼を回復するためにも、いまの政治不信を払拭するためにも、これは重要な一つのポイントだと私は思うんです。こういう点については大臣はどのように考えていらっしゃるのか、大臣としての立場での所信をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(植木光教君) ただいまお話しのように、政治に対する信頼の回復なくしては国民の理解と協力は得られないわけでございますから、先ほど申し上げましたように、私どもとしてはえりを正して努力をしなければならないのでございます。特に与党でございます自由民主党という政党が、いろいろな悩みを持ちながら、いま懸命にどうすれば信頼を回復することができるかという論議を行い、また努力をしている状況でございます。
 いま端的に、解散をだれの手によってやるべきかというお話がございましたが、これは私が公の席上で、公の立場にあります者が申し上げるべき筋合いのものではないというふうに存じますので、ひとつお答えをすることは差し控えさしていただきたいと存じます。
○峯山昭範君 これはやっぱり大臣、こういうふうな現状になってまいりますと、やはり大臣がおっしゃる信頼の回復、あるいは清潔で公正で愛情のあるという、これは非常に優等生の論文みたいなあれですが、これだけじゃなくて、たとえば大臣の立場で、現在どういう点に問題があるのかという点はやっぱり大臣の立場で解明できる問題が私は多々あると思うんです。そういう点をもう少し明らかにしないといけないんじゃないか、こう思うわけです。たとえば、今回のロッキード事件の一つの大きな問題になっております、たとえば全日空や、あるいは丸紅もそうですが、今回のロッキード事件の中で出てくるそれぞれの企業のいわゆる高級公務員の天下りともいう問題があります。この問題一つとらえてみても、これは非常に大きな問題だろうと思います。まともにこの問題に対する所轄は人事院であろうと思いますけれども、しかし、公務員を管理するという立場からいえば総務長官の立場になるわけです。そういうような意味では、こういう点にもやはり私は厳密にメスを入れないと解決しない問題であると思うんですが、総務長官はどうお考えですか。
○国務大臣(植木光教君) 自由民主党が、いま非常な苦しみの中で政治信頼回復のために努力をしているわけでございますが、私はいわゆる派閥的な意識をもってこの問題に対処する、あるいは感情をもってこれに対処するということは戒めなければならないと思うのでございまして、派利派略と申しますか、そういう面でこの事態が解決せられるとは私は考えておりません。さらに、いまお話がございました企業との関係でございますが、確かに前の委員会におきましても御指摘がございましたように、いやしくも国家公務員のみならず地方公務員もそうでございますけれども、公務員はその在職中、厳正な規律を持って行政に当たらなければなりませんし、また企業内にありましても、いやしくもその企業との癒着と申しますか、かつてあった地位を利用していろいろ世間から批判を受けるような行動があってはならないということは私も強く考えておるところでありまして、その点について峯山委員と私は同じ見解でございます。
○峯山昭範君 大臣がおっしゃるように、派利派略で処理されてはならないとは言いながらも、現実には全くそのとおり派閥で問題が処理されようとしておりますし、この問題はさておくとしましても、いまの高級公務員の天下りの問題一つにしましても、これはたとえば高級公務員在職中に、すでにあの人はあの人の流れをくむ人であるということが高級公務員をやめてある企業へ行っても、そこでまたあの人は官僚時代あの人の子分であったからあの人のところへ行った。こういうふうな関連で今回のロッキードの事件も現実に出てきているわけです。そういうような意味では、私は国家公務員法の厳密な見直しという問題が重要な問題になってくると思うんです。
 そこで、この問題の直接の担当であります人事院総裁にお伺いをいたしますが、国家公務員法百三条で、高級公務員のいわゆる「私企業からの隔離」ということで規定をされていらしゃいますけれども、現実は今回のロッキードの事件に見られるように、これはロッキードの問題が今回表に出ているだけで、実際はこれだけではないと私は思うんです。もっと大きな広がりを持った、またもっと大きな深みを持った大きな問題としてこの問題を処理しなければならないと考えております。そういうふうな意味で、これは人事院総裁、抜本的にというわけにはいかないかもわかりませんが、国家公務員法の百三条、特に第二項の改正を含めまして、非常に私は問題があるんじゃないか、たとえば現実の問題として、全日空なら全日空という会社は現実にもう運輸省出身者でずっと占められている。しかも、社長とあの人とはもう高級官僚の時代からこうだったというようなことが現実にはなされているわけですね。しかも、そういう人たちはそういう会社へ行ってからも、やはり今回のいろんな贈賄とか収賄とか、その対象のすべてがそういうような関係で成り立っている。こういうふうに見てくると、私はやはり何らかの検討をしなければならないというふうに考えるわけですけれども、すでに人事院としては、この問題が起きて相当な期間がたちます。相当私はこういう問題についても、当然私はこの問題についてはただ単にこれを厳しくするというだけではなくて、当時この問題を制定するときには、憲法上の職業選択の自由という問題も含めて議論があったことも承知の上で私は言っているわけですけれども、特に高級公務員については、やはりこういうふうな点を配慮しながらこの規定の見直しということも考えなくちゃいけないと考えているわけですが、人事院総裁の所信をお伺いしておきたい。
○説明員(藤井貞夫君) 今度の事件、直接の問題といたしましては現在いろんな形で事態が進行中でございます。そういうことで、この段階で結果を見越したとやかくのことを申し上げることは適切ではないというふうに考えますけれども、いま峯山さんからも適切な御指摘がございましたように、やはりこれらの問題がどういう結果になってはっきりとした形が出てくるかということは別問題といたしまして、やはりこういうことが問題となること自体にわれわれといたしましてはやはり深い反省を加えていかなければならぬというふうに、これは虚心に考えております。恐らく、問題は御承知のように、要するに公務員側と申しますか、官側と申しますか、あるいは行政の姿勢と申しますか、そういうことだけで解決をするものではない、全部それだけで事柄が決着を見るものではないという感じもいたします。それぞれ政治なりあるいは企業活動なり行政なりというものの絡み合いというようなことで、それぞれやはりしかるべき私は反省がなされてよいのではないかというふうに考えておりますし、とりわけ公の行政を執行していく公務員の立場といたしましては、深刻な反省をし、これに対する謙虚な取り扱いというものを考えていかなければならぬのではないかというふうに思っておる次第でございます。その間におきまして、いま百三条の御指摘がございました。これをめぐる問題はいままで当委員会でもいろいろ御論議をいただいております。また、法律制定に至る経緯等につきましても先刻御承知のとおりでございます。この問題は憲法の職業選択の自由なりその他と非常に密接に入り組む大変むずかしい問題でございますけれども、現実にこれの運用をめぐって問題が生じておるといたしまするならば、これらの点については虚心に反省を加えてまいらなければなりませんし、また、第一に運営の問題、運用の問題については、やはりさらに厳しい態度をとっていかなければならないということがまず第一点としてございます。
 それから第二点といたしましては、人事院だけの立場で申すことではございませんけれども、やはり百三条の規定について、その運用だけでなくて、その規定自体において検討を加えるべき点があるのではないか、その点はどこにあるのだというようなことについても、検討は加えてまいらなければならぬという考え方は私自身も持っておるのでございます。基本的には峯山委員が御指摘になりましたようなそういう姿勢、全般的な問題の所在に対して、これを判断をして問題の解決点を求めていくというような点を中心にいたしましても、人事院は人事院といたしましての守備範囲のもとで今後も深刻な検討を加えてまいる、そういう態度で臨んでまいりたいという考えでございます。
○峯山昭範君 いずれにしましても、この問題は重要な問題ですし、今後も検討を重ねてできるだけいい方向に改正をしていただきたいと思います。
 もう一点だけお伺いをしておきます。行政管理庁お見えになっておりますか。お伺いいたしますが、特に今回の給与勧告に当たりまして、定員管理につきまして一昨日閣議決定をいたしております。私はこの問題について、非常に重要な問題でございますので、総務長官にもちょっとお伺いしておきたいんですが、毎年給与勧告と同時に、閣議におきまして定員管理のような内容の閣議決定がなされます。特に私は、五十一年度末定員総数の三・二%をめどに削減をする、今後四カ年計画で三・二%の削減ということでございますけれども、私は定員を削減するということについては賛成なんです。ぜひともそういうふうに定員は合理化し、削減して、そうして国民の期待にこたえる、そういうような意味では非常に私は大事なことであろうと思います。しかし、こういうことと絡んでいつも問題になりますのが、一律に削減をするということです。しかも、一律に削減するものですから、どうしても行政需要の多い福祉行政とか、そういう一部のところにしわ寄せがされる。非常にしわ寄せをされて難儀をしているというふうなことが現実にあるわけです、いままでも。過去にもありました。ですから、そういうふうな意味では、行政管理庁としては、特にこれから各省庁の配分をやられるそうですけれども、そこら辺のいわゆる配分といいますか、監査といいますか査定といいますか、そういう問題については、相当厳密に私は取り組んでいただいて、本当に国民の福祉行政とか、どうしても必要なところは削減を見合わせるとか、そうして削減できるという判断ができるところは思い切って削減をする、そういうふうな、いわゆる本当に必要なところに人をふやす。そこら辺の見きわめが、それぞれ行政官庁の強弱によって決まってくる、そういうふうなのでは困る。やはり私は、それぞれの行政官庁の必要性に応じてきちっと査定をする、そういう姿勢でなくちゃいけないと思うんです。そこら辺の問題について行政管理庁の答弁と、それから政府の姿勢としてこの問題についてきちっと取り組んでいただきたい、この二つを要望しておきたいと思います。
○説明員(辻敬一君) 一昨日の閣議におきまして、五十二年度以降の新しい定員管理計画を決定をいたしたわけでございますが、その率は、ただいまお話のございましたように、四年間で三・二%、各年〇・八%でございます。しかし、これは何も一律に削減をいたすわけではございません。従来の計画の場合と同様に、各省庁と十分協議をいたしまして、各省庁の定員事情等も考えまして、省庁別に削減目標を立てるわけでございます。従来から、一部の特殊な職員につきましては削減を課していない、除外をいたしておりますし、その他の職員につきましても職種の特殊性に応じて工夫を加えております。したがいまして、一律に削減をするということではございません。
○国務大臣(植木光教君) 今回の定員削減計画は、行政管理庁が中心となって閣議決定に至ったものでございますけれども、これは私どもは、いまも説明ございましたように一律削減ではございませんで、各省庁との詰めを行って、改めてそれぞれの省庁についての細目が決まりました段階でもう一度閣議に出されるということになっております。ただいま御指摘になりましたように、特に福祉関係、医療関係等につきましては十分に配慮せられるべきであると思うのでございまして、私も直接、すでに行政管理庁に対しまして、ただいま峯山委員が御指摘になりましたと同じ趣旨のことを人事管理担当者といたしまして申し入れをしているところでございます。
○河田賢治君 今度の人事院勧告を概括して言いますと、引き上げ率が六・九四%、若干の定昇分が加えられるとしても、ことし四月の消費者物価上昇率、対前年同月比の、おたくの方で出されております資料によりましての九・三%を下回ると、こういう状態ですね。だから、物価よりも下回るということはそれだけ実質賃金が減るということなんです。これは去年からことしまでのことです。しかし、この給与の問題はこれからの問題になるわけです。御承知のように現在でも消費者物価は逐次上がっております。さらに卸売物価、これがやがてまた消費者物価にはね返るわけです。一昨日ですか、経済企画庁がもう赤信号を出しているのです。卸売物価がどんどん上がり出したと、これは大変だという赤信号をこの景気動向について企画庁は出しているのです。そうするとこれがやはりまたはね返ってまいります。それからまた公共料金も上がります。こういうことを加えますと、今度引き上げられた率というものは、なるほど官民との差をなくすということではありますけれども、実質上働く人にとっては生活を抑制しなくちゃならない、こういうことになるわけですね。だから賃金が引き下げられる、そういう生活水準の低下を来す。さらにこれまでの過去の蓄積にしましても、おとといでしたか、総理府の方で出された、たとえば民間労働者あるいは公務員労働者、これらの貯蓄率が出ておりました。二百四十万円でしたか、ちょっと数字は忘れましたが、これなども、物価がまた上がる、金利は非常にまた下がってきています。これでも、さらに労働者にしても職員にしてもそれだけまた実質賃金が切り下げられることなんです。そういう情勢なんですよ。だから、私たちは一般的に官民との比率だけでなく、もっと全体的に物を見て、やはり給与を決める場合にはそういう点を私は考慮すべきだと思うんです。まずこのことを申し上げて、これは全般的ですが、特に今度は歴史上初めて特別給与を〇・二カ月切り下げるという問題がございます。この問題について第一に質問したいと思うんです。
 関係団体の強い要望であるにもかかわらず、これにこたえられずに人事院は一時金の〇・二カ分の削減を強行されたわけです。これは月平均に換算すると約一・七%の賃金の切り下げに相当する措置で、実際の増額率は五%強ということになるわけです。そこで、先月十五日のこの委員会で御承知のように指摘された問題なんですが、この一時金について従来からの切り捨てが約一カ月分も、十年間に達しておるということが言われて、そこで、月額給与比較において民間の九五%にしかならないなど大きな問題を含んでいる。これについて人事院は検討しているということで説明されておったわけですが、今回、民間の支給状況四・九五カ月ですか、に対して五・〇カ月ということに人事院ではされたわけですが、このことの検討による配慮というものがどういうふうになされたのか。私たちは非常にこの点は不十分だと思うんですが、切り捨て分をどう配慮されたのか。第二に、これまでの切り捨て分の全面補償に向けて今後どういうふうなおつもりなのか、この点を総裁に聞きたいと思います。
○説明員(茨木廣君) 最初に私の方からお答え申し上げまして、後ほどまた総裁の方から。
 まず、第一点の物価その他との関係で今回のアップ率がというお話でございますが、この点は、物価の問題もそうでございますし、給与の問題もやはり大きな意味では全体の需給関係、そういうものを反映いたしまして、経済の実勢と申しますか、そういうものを反映して決まってくるものというように私どもは考えております。で、私どもの勧告を申し上げました率も、民調の結果と公務員の実態調査との関係から四月の段階で相互を比較いたしまして、較差として出てまいりましたものをそのものずばり勧告を申し上げたと、こういう経緯でございます。
 それで、いま御指摘の物価との関係については、私どもも手放しで見ておるわけではございませんで、できるだけ早く安定をしていただきたいものというようには考えております。で、定昇との関係で考えますと、八等級から入りまして七等級、六等級と上がっていくわけでございますけれども、人員分布の多いところの制度的に上がっていきます辺のところの定昇率は、俸給表上はやはり相当高い定昇率を持っております。平均で申し上げますと俸給表上二・八程度、二・八ないし九程度でございますけれども、そういう入り口の辺のところは四%台とか、場所によっては五%台とかというような、大体三%を上回るような定昇率になっております。ですから、一号俸年間で上がりますから、現在の勧告にそれを加えていただきますと大体物価かつかつのところにいくものと私どもは考えております。さらに、多少上の方になりまして定昇率の低まるところの問題かございますが、この辺のところを配慮いたしましたために扶養手当の方で相当の改善をやはり加えていくという考え方を併用いたしておるわけでございます。配偶者について千円、それから、その次の順位者について二百円、その次がまた二百円、そういうようなことで両方あわせてお考えおきいただきたいと思っております。
 それから、期末の点でございますが、期末の点につきましては、過去の切り捨てました部分についての対応という関係で、今回の措置では、結論的になれば四・九五が出ましたところを五カ月ということで丸くいたしまして、要するに切り下げ分の第二段階のところをやはり削っていくというような見合いの措置をとったわけでございます。過去の累積をどうするのかという考え方でございますが、これは長い間のそういうような意味のものが観念的に見ればあるではないかという議論でございますが、その年その年の勧告で一応けりをつけてまいったわけでございまして、今後やはり長い目で――今度はいま言ったような措置をとってございますので、仮にこのままで推移いたしますとすれば長い期間にやはりそれは回収され得るものだというふうな観念的な考え方もできると思います。それからもう一つの点についても、この六月の措置につきましては、やはりすでに旧べースで渡しましたものについてはそのままということで相当な配慮をいたしておるつもりでございます。
○河田賢治君 俸給の問題について、高級官僚の優遇の問題ですね、今回の勧告は依然として上に厚く下に薄いということが相対的には言えるわけです。たとえば、本省の局長、事務次官クラスなど指定職は八・八%、大きな引き上げになっておるわけです。本省局長が四万五千円引き上げで五十五万五千円、事務次官は五万八千円の引き上げで七十一万八千円ということになっておる。まあこれも先ほど民間の重役クラスはかなり上がっておるということで今度上げたという一つの御説明、この前は上げ率は少なかった。しかし、一般の民間の労働者あるいは職員が余り上がらぬ。ところが重役クラスはどんどん上がっているということになるわけですね。こういうところはやはり私たちは非常に、所得を何も平均にしろと言うんじゃありませんけれども、できるだけ下の方を厚くして上の方を少しは薄くしていく、こういうことが必要だと思うわけです。で、この関係で見ましても、今度、行政職(一)の五等級の十号俸ですか、これを一〇〇としてもずいぶん上がり方が違うわけです。事務次官クラスが現行では四五一、高卒者が四五と、こういう比較が、勧告では事務次官クラスが四五九、高卒が四五と、この格差がだんだんまた開いてくる、こういう点から見ましても、私たちは高級の官僚の諸君の給与はやはりもっと考えて、ある程度上げる率を減らすべきだと。今度は八・八%も上がっておる。こういう高級官僚の優遇の現在の制度をある程度見直しをされて改善する必要があるとお考えかどうか、この点をごく簡単にお聞きしておきたいと思います。
○説明員(茨木廣君) 先ほど総裁から御説明がございましたように、昨年のカット分との関係でその分を現行の指定職俸給表に復元をいたしまして、行政(一)の一番上のアップ率の六・七%をそのまま大体平均的に適用していくという姿でやりました結果がいま御指摘のようなことに相なるわけでございます。昨年のカットの状況は、民間でいたしますれば、残業手当のようなものも、皆残業をやめた結果相当切り詰めてございますけれども、公務員の場合には、特別調整額か出ております以上の方にだけしわ寄せをするというかっこうで昨年処理をいたしましたわけでございます。で、その関係でことし残っておりますこの部分について復元措置をやはり講ぜざるを得ないという点がございますので、その点はひとつ御理解を得たいと思います。
 それからもう一つ、民間との関係でございますが、何年に一遍か調査をいたしておるわけですが、今度は二年に一遍調査をしてみました結果は、私どもがいまお示ししましたものよりももっと高い数字が実は出るわけでございますが、そこはいろんな点、いま御意見のような点もございますので、やはりほどほどのところでことしは復元に行(一)の一番上のところからの率を乗じました程度ということでいろいろ勘案いたしまして抑えぎみにお願いを申し上げておる次第でございます。
○河田賢治君 これから、これに基づく法案の作成あるいは実施に関係する問題ですが、まずその前に、人事院総裁の談話で、昨年は「勧告が完全、かつ、速やかに実現されるよう、」「特段の配慮を強く要請する」というふうに書かれておって、非常にこれは自分たちの勧告が政府によってうんと配慮のもとに速やかに実現されるということを望んでおられます。ことしの勧告は「一日も早く実現されるよう、速やかに所要の措置を」というような月並みな言葉に変わっているわけです。私はこれをどうこうというわけじゃありませんけれども、しかし、こういう片言隻語の中に、やはり人事院が官公労働者に対する人事院勧告に基づく問題をどういうふうに処理しようとするかという一つのあらわれがあると思うんです。この点を私は、別に御返事は要りません、指摘しておきたいと思うんです。つまり熱意のいかんですね、これが問題だと思うんです。
 そこで総務長官にお尋ねしますが、これは先ほど同僚の委員からも話がありました。なるほど大蔵省の談話なんかでは、御承知のように財特法と絡めてやはり人事院勧告の実施をやるわけにいかぬというような、ああいうふうなことを引きかえにやろうというようなことを言ってはおります。先ほど長官は、そうではなくて、人事院の勧告を総務長官としてはやっていきたいと、閣議でそれを決めたいということをおっしゃいました。さらに、御承知のとおり一昨年でしたか、国会が開かれて、これが流れて大分実施がおくれたわけですね、実際の。やはり支払われる貨幣というものは、物価が騰貴しているときは早くもらえばもらうほどその値打ちがあるわけなんです。後になればなるほど下がっていく。物価が上がった、決められたものしかもらっていない、これじゃ幾らも買えないということで実質上もやはり低下するんです。だから、何カ月もおくれるということは一般の職員にとっても大きな生活の問題である、こういうことになるわけです。
 そこで、今度臨時国会との問題になりますが、少なくとも、従来は給与問題で関係閣僚会議までに一カ月、法案作成作業でさらに一カ月費やすということが言われておりますけれども、今度の臨時国会がいつ開かれるにしましても、いま未定でございますけれども、やはり早期実施の精神に立って法案の作成を、やはり一定の基本的なものはあるわけですから、こういうものを早く準備をされて、そして国会が開かれると同時にあなた方のこれに対する法案を関係閣僚会議の決定としてすぐ出される、そういう準備を早くちゃんと用意しておかれたい、このことを私どもは長官に申すわけです。実務的な問題になりますから、決定ということになれば。この点をひとつ伺って私の質問を終わります。
○国務大臣(植木光教君) 現在財政事情か非常に厳しいことは御承知のとおりでございまして、特例公債法が未成立ということも非常に困難な財政状況の大きな要因であるということは御承知のとおりでございます。ただ、私といたしましては、総務長官談話でも申し上げておりますように、できるだけ早い機会に給与改定が実施せられるように誠意を持って取り組んでいるのでございまして、早期に支給をせられることを公務員の皆さん方は強く望んでおられるということはもう十分認識をしているわけでございます。したがいまして、昨年も取り扱い方針が決まりますとともに作業を急がせまして、大いに督励をいたしまして、従来よりも法案作成に費やしました日数は少し縮まったというような状況でございまして、私といたしましては昨年同様の努力をいたしてまいりたいと存じます。
○岩間正男君 ちょっと長官に要望しておきたいのだが、長官、先ほど愛情のある政治ということを言われましたね。内閣委員会がきょう行われるということは、これは御存じだったですね。ところが四時過ぎにはもう出席されないというのですが、これはどういうことなんですか。しかも、きょう行われるのはあなたの足元の統計局の公務員労働者の人権に関する問題です。この問題が、参考人としてもう出てくるという、こういう問題なんですから、何とか差し繰ってこれは出席をお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(植木光教君) 参考人の意見の聴取がありますことは承っておったんでございますが、いろいろな日程がございまして、四時以降につきましては私が欠席をさしていただき、担当者でありますもちろん統計局長を初めとする者は出席をいたしますので、何とか、お願いをいたしておりますように、参考人の意見聴取の場合には欠席することをお許しをいただきたいとお願いをする次第です。
○委員長(中山太郎君) ちょっと速記とめてください。
  〔速記中止〕
○委員長(中山太郎君) 速記を起こしてください。
 本件に関する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ―――――・―――――
   午後零時三十五分開会
  〔理事加藤武徳君委員長席に着く〕
○理事(加藤武徳君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。
 国の防衛に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○秦豊君 防衛庁長官にちょっと最初に伺っておきたいんですが、この程度の与党の出席状況では委員会が成立しているのかどうかもはなはだもって疑わしいけれども、質問を始めます。これはロッキードに関連して、よもやとは思いますけれども、念のためにちょっと伺っておきたいことがあります。
 今度のこの事件に関連をしまして、特に一部の三佐クラス、それも水戸出身の三佐クラスの特定グループにやはり鋭い反応があって、たとえば田中、児玉、小佐野等々のあり方に対する反応があって、かなり激発寸前の状態があり得たのではないか。それを元防衛庁の特にユニホームの最高幹部クラスがかなり慰留をし、抑えたというふうな伝聞も伝えられている。まさかとは思うけれども、警務隊の活動、機能等々を含めて、ロッキード事件について自衛隊がよも動揺はしているとは思われないし、警務隊その他を含めて措置は万全でしょうな。念のために伺っておきます。
○国務大臣(坂田道太君) ただいま秦さんの御質問、そういううわさもないわけではございませんけれども、いろいろ調査をいたしました結果は、何らそういうようなことはなかったというふうに報告を受けております。ロッキード問題が、かなりな深刻な影響を与えておるということはあろうかと思いますけれども、しかし、それによって、部隊の一部ではあっても何らかの行動に出るというようなことはないというふうに確信しております。
○秦豊君 これについては私もなお調べます。また、あなた方もすでにうわさはあったようだがそのようなことはなかったと、これは完全否定、答弁のパターンですからね、あなたはそういう答弁しかできないと思います。われわれはわれわれなりに調べます。少なくとも、たとえば防大について限定して言った場合でも、一期、二期はともかく、三期以降の若者のあり方、対応というふうな問題については、今後とも、単にロッキードに限らず、やはり隊内的な把握が十全になされるであろうということを要望しておきたい。
 きょうはFXを中心に、短い時間ですからちょっと伺っておきたいと思うんですが、その前に、防衛協力小委員会ですね、日米間でその後どのような作業が行われ、またどの点が煮詰まったか。たとえば、部会についても通信とか、補給、輸送についてはこれを設置の方針がすでに私に対する答弁で明らかにされていますが、その後どの辺まで煮詰まったか。これも参考のために伺っておきたい。
○国務大臣(坂田道太君) 日米防衛協力小委員会をどのような日程で開催していくか、あるいはどのような具体的な事項等について研究協議の対象とするかということは、今後日米間で検討していくということになるかと思います。したがいまして、確定的なことは申し上げる段階ではございませんけれども、要は、この委員会は安保条約及びその関連取り決めの目的を効果的に達成するために、軍事面等を含めまして日米間の協力のあり方について研究協議するということを目的として設置されておりますので、緊急時における自衛隊と米軍との整合のとれた共同対処行動を確保するために、とるべき措置に関する諸問題や、施設・区域の安定的使用にかかわる問題等が研究協議の対象となろうと思います。
 なお、今後の日程につきましては、現時点でその見通しを立てることは困難でございますけれども、できるだけ早い機会に開催をしたいというふうに考えておるわけでございます。
○秦豊君 いまのは長官、概論でしてね、余りぴんとこないのです。部会その他どういうに煮詰まったかを伺っているんであって、あとは開会であればいつごろがめどである、それぐらいの答弁がないと、とてもとても。
○説明員(伊藤圭一君) ただいま大臣から御答弁いたしましたが、私が先月防衛局長になりましてから数回にわたって外務省とこの小委員会の進め方について相談をいたしました。ただ、御承知のようにアメリカ側がいろいろ休暇などをとっておりますものでございますから、アメリカとの折衝というものはまだ進んでいない状況でございます。しかし、アメリカ側も早くやりたいということを言っておりますので、できましたら今月中にも開きたいという考えを持ってアメリカ側と折衝しようということを考えております。ただ、その中でどういうことを協議し研究するかという題目につきましては、まだ完全に煮詰まったわけでございません。そこで、アメリカ側もいろいろ休暇なんかをとっている関係がございまして、とりあえず一回目を開いて、今後の会議の運営の仕方、それから、どういうものを議題として研究していくかということを詰めようではないかということを相談している段階でございます。
○秦豊君 もう一つ、国防会議のことを本論の前に伺っておきたい。
 私は大変奇異に感じますのは、十日から第一回だと、八月中に数回、できれば三、四回開いてポスト四次防の粗筋の粗筋を決めたいと。でき得べくんば今後十年間を拘束するいわゆるあなた方の新しいセオリーである基盤的防衛力の方向をもコンクリートにしたいと。ところが、実際の開かれようを見ると、定例閣議の火、金の閣議の前にちょこちょこっと開くとか、あるいは全国遊説で忙しそうにしている閣僚をどうフィックスするかと、まことに事務に追われていて、この日本の防衛施策の今後十年を律するというふうな重要な審議をする国防会議が、全く事務的に、しかも空き時間があったらぱっと開くというふうな、きわめて人を愚弄するような方法でしか開き得ていない。しかも、言うまでもなくこの政情不安である。三木だ反三木だと、こういう不安定な状態で、日本の今後十年を律する防衛政策を果たしてじっくり腰を据えて審議ができる、今月中に大綱が打ち出せる、そんなあなた安心した気持ちが持てますか。本来これは国防会議の議長たる三木総理に聞くべきことであるが、本日は出席を要請していなかったからよんどころなく防衛庁長官にその辺を聞いておきたい。一体自信はあなたあるのですか。
○国務大臣(坂田道太君) 実は私どもも、じっくりひとつ国防会議が開かれまして実質審議が行われるということを希望をいたしておるわけでございます。
 それから、御承知のとおりに基盤的防衛力の構想というのは、昨年から長官指示で出しましてかなり議論もなされておりますし、それからまた、最近公刊いたしました防衛白書の中にもその概要は載っておるわけでございます。この前第一回、開きまして、国際情勢あるいは軍事情勢について、外務省また防衛庁からそれぞれ情勢を説明し、またそれに対する意見の交換がありましたが、それが終わりましたときに、まさに秦さんおっしゃるようなことを三木総理からおっしゃいまして、一時間ぐらいじゃだめじゃないかと、二時間ぐらいじっくりやろうということで、次の回は二時間ぐらいじっくりやろうということになっておるわけでございます。大体そういう方向へ進んでおりますから御安心のほどをお願いいたします。
○秦豊君 防衛庁長官ね、とんでもないですよ、あなた。いま日本にはなるほど総合的な安全保障政策を十分に練るべき機関はない。だから、ともすればあなた方防衛庁のみが突き出すのだけれども、ただ、一時間ぐらいじゃどうしようもないから二時間やることにしました、安心してくれと、こんなあなた、答弁にはなっていませんよ、あなた。いやしくも、ある機関銃の購入を決定するのじゃないのだ、これから十年という、北東アジアを見ただけでも激変する十年を貫く基本的な方向を練ろうというのに、あの閣僚はあいていますか、あの閣僚はあいていますか、その辺のランプをながめるような気持ちで事務的に寄せ集めて、本来防衛問題、安全保障では素人のメンバー、飾り物のメンバーが何となく事務的に顔を合わせる、そんなものを何回積み重ねたところで、とてもとても安心できるような防衛構想が煮詰まるとは思えない。長官のせっかくのお答えではあるが、安心はおろか危惧のみが増大する、こう言わざるを得ない。第一、国防会議と言ったって、防衛庁設置法の六十二条、これで一応なすっているようだが、今後いかにメンバーをふやそうが、それに対してユニホームがたまに出席をして説明をしようが、いまのような国防会議のあり方では、しょせんは凡百の政府の諮問機関と同じ、いわば非常に装飾的な機能しか果たし得ないだろうということを私は言っておきたいし、井出官房長官は、何かどこかの委員会でちらっと答弁をして、全面的に国防会議を改組すると言っておるようだが、そのような事務的な感覚で改革のできるはずがないということをあなた方に言っておきたいですよ。そんな安直なものじゃないんです。それについて、いま私か言った部分についてのみ長官の答弁を求めて次に行きたい。
○国務大臣(坂田道太君) いま秦先生のおっしゃいましたことは非常に含蓄のあることでございまして、私自身も同様に実は考えておるわけです。しかし、実際この政治といいますか、あるいは行政といいましても、現実を離れて実はできないわけで、現実の段階でどれだけ最大限にその機能を果たしてもらうかということに実は腐心をしておるということでございまして、私は、であるがゆえに国防の問題というものが大事である、大事であるがゆえに国会におきましてもひとつ防衛委員会をも設置していただいて、常任委員会を設置していただいて、大いに議論をしていただきたいというふうにお願いをし続けておるわけでございます。一方、内閣におきましても、やはり総理大臣を中心として、各省庁の大臣がじっくりとこの国民一人一人の生存と自由にかかわる問題について常時検討をしておかなければならない。特にポスト四次防という、こういう大事なときにおいては、ひとつ緻密な議論をしてもらいたいというふうに思っておるわけです。
○秦豊君 これは念のためだけですが、簡潔な答弁で結構です。井出官房長官が一応取りまとめの窓口でしょうか、防衛庁としまして、国防会議の改組に当たってはぜひともこのポイントだけは逃してほしくはないというふうな、具体的な案はすでに提議されましたか、あるいは提議される心組みがありますか。
○国務大臣(坂田道太君) かつて私は国防会議を充実するという意味におきまして、いろいろ意見を申し上げたことはございます。しかしながら、当分はとにかく現在の法律のもとに設置されました国防会議を実質的に充実をするということでこれにこたえたいというふうに思っておるわけであります。何と申しましても、この問題は総理御自身がやはりイニシアチブをとって国防会議の充実ということをお考えにならなければ、私どもだけで解決のする問題ではございませんので、しかしながら、やはり現実といたしましては、現在ございます国防会議が本当に国民のために充実した審議が行われるように、広い安全保障の立場から実質的に審議が行われるように、実はささやかではございますけれどもこの一年努めてまいった次第でございます。
○秦豊君 きょうは私自身の用意した本題ではありませんから、答弁ことごとく不本意だが、一応私は本題によんどころなく行きます。長官、FX問題なんですが、この点をまずあなたから答弁をいただいておいて具体論に入りたいと思います。
 いまの日本の防衛庁のこれは流れというのか、癖、傾向としまして、全体的な防衛構想というのが粗漏、ずさん、あいまい、アンバランスそのままで、いたずらに、たとえばFXが突き出す、PXLが突出をするというありようなんです。これは私の認識。空に限定をしますと、たとえばレーダーサイトとか、現在の航空自衛隊の第一線基地、これの耐久性あるいは後方支援体制、そういうバランスをとる配慮をしないで、もうとにかく目先の次から次と、たとえばFXだと、それから、ミサイルとの作戦分担とか、あるいは比重とか、あるいは費用効果とかいうふうな問題はまことに粗略で、ひたすら真一文字にFXだ、FXXだという路線をあなた方は突っ走っていると思う。本来防空というのは巨大なシステムでしょう。ところが、あなた方はFXというワンポイントだけをクローズアップし、これにのみ狂奔をする、血道を上げる。だから、あなた方が幾ら太鼓をたたいても国民の皆さんが共感をしない。なぜこんな高価な買い物がという素朴な疑念がつきまとって離れない。その責任は挙げてあなた方にある。私はそう思うんだけれども、たとえば空中警戒指揮システムと言われているAWACS、あるいは早期警戒のAEW、これがあるのかないのかだけでも日本の防空構想は変わってくるはず。ところがそのような配慮は、たまにAEWはちらつくが、あとは全然ネグられてF15だなんて言っている。こういうあり方について、あなたは基本的にどうとらえていらっしゃいますか。
○国務大臣(坂田道太君) 大まかに申し上げまして、実は秦先生のおっしゃるとおりに私は考えておるわけでございまして、であるがゆえに今回のポスト四次防、あるいは基盤的防衛力という構想の中に、前面だけじゃなくて、後方支援体制、あるいは抗たん性能力、これをあわせてバランスのとれた防衛力でなければ実は力になり得ないんだという考え方なんです。従来、ともいたしますると物だけが先に出てきて、それがどういう意味を持つのか、日本の防衛にとってどういう意味を持つのかというようなことが十分考えられなかった、あるいは説得するだけの力を持ち得なかった、それが防衛の問題がなかなか国民にわかりにくかった点であろうという反省の上に立ちまして実は基盤的防衛力構想というものを打ち出しておるわけでございます。したがいまして、私から申し上げますならば、この基盤的防衛力の構想、大綱というものがまず決まり、そしてポスト四次防の整備計画が決まり、その中においてどのような、防空について申しまするならば、兵器が必要であるかということが出てこなければならない、逆さまではいけないというのが私の実は考え方なんです。しかしながら、現実は働いておりますから、それがどういう意味を持つかということで、このFXの作業につきましてもその考え方を今回の防衛構想の大綱というものの中にうたい、かつ整備計画の中にどういう機種が必要かというような形になってあらわれてくるというふうに御理解を賜りたいと思います。
○秦豊君 伊藤さん、防衛局長にこれは伺うべきだと思いますが、小松さんたち帰ってみえましたね。FX選定の今後のスケジュールという点に局限して、具体的にこれはお答えをいただきたい。ここから向こうは情報見積もり、ソビエト刺激、こんなありふれた答弁は委員会では通らない。質問主意書を出してのんびり回答をもらうわけではないから、これは答弁なんだから、質問なんだから、その点を含めて伺いたい。
 小松リポート等々をコンピューターにかけますね、これから。そうすると、たとえば具体的に、あなた方のいやな言葉を使えば仮想敵機というのがありまして、仮想敵機との模擬戦闘を行いますね、これはもう常識中の常識だと思います。それから、費用対効果比についても当然オペレーションズリサーチを行われる、運用分析、これも当然中の当然である。それで総合的な判断をし、ずっと国防会議へという一連の日程に結びつくのだと思いますが、その場合に、コンピューターといえばインプットをしなければいけません、データを。その場合に、仮想敵の機種というのは、まさかヨーロッパの戦闘機というわけにはいかないだろうから、特定の国の特定の機種、北東アジアというふうにだんだんしぼっていくと、そう無限にあるわけじゃないでしょう。三つとか四つとか、せいぜい戦闘爆撃機、爆撃機を含めても五つぐらいになるんじゃなかろうかというふうなことは、私のような素人でもそう思うわけで、いわんやあなたは専門家なんだから粗漏はないと思うが、一体その仮想敵という機種はどんな性能のどんな飛行機、それをどういうふうに打ち込んだから、たとえばF何とかではいけなくてF15だという結論になるんでしょう。その辺が、防衛庁から国防会議まではなるほど情報は流れるが、国会はつんぼさじき、さっと決まっちゃう、既成事実だけが具体化する。これはいままでのパターンです。これはぼくは納得できない。だから具体的に聞くんだが、あなた方の言うインプットされる仮想敵機というのはどんな飛行機なんですか。
○説明員(伊藤圭一君) いま先生のお話ございましたように、私どもがFXを考える場合には、一九八〇年代半ばの飛行機の能力でございます。したがいまして、現在ある飛行機の中から、将来こういう性能になる、現在あるものから推定しました御承知のようなスピードの面、あるいは低空性能の面、あるいは電子戦の面、そういうもので想定いたしました飛行機の能力、これに対応する飛行機が必要だという前提に立つものでございますから、そういう観点から推定した飛行機の能力というものをインプットすることになろうかと思います。
○秦豊君 それは答弁ではないんです。なろうかと思いますと言ったって全然私わかりませんね。だから、ここは国会のいやしくも内閣委員会なんですから、社会主義国の中の人民会議ではありませんから、その点はあなた信頼して答弁をなさらないと先に進みません。たとえば、八〇年代後半の、あるいはF4の減耗、F104のリタイア、さまざまなことはあるでしょう、あなたの言ったようなことは。具体的にどういう機種を想定されるかについてはなぜ答弁ができないんですか。
○説明員(伊藤圭一君) 前々から御答弁していると思うんでございますが、防衛庁は仮想敵というものを考えておりません。したがいまして、どこの国のどの機種に対するものというような形で御答弁申し上げたことはないと思います。したがいまして、いま申し上げましたように、一九八〇年代の半ばごろの飛行機の性能、非常に高高度で能力を出す飛行機、それから低高度の能力を持った飛行機、そういうものを類推したデータをインプットするということになろうかと思います。
○秦豊君 ユニホーム、空幕は作業をしています、内局はそれを知り得ます、そうですね。もっとも空幕長の情報量と防衛局長の情報量はいずれが多いか、多分問題があると思う。じゃ防衛庁長官は何を知り得るか、これも問題があると思う。しかし、作業はしています、国会では答弁できません。一体国会をそのように扱ってよろしいんですか。国の防衛に関する施策、方向を練る当該委員会、当委員会において、なぜわれわれがつんぼさじきに甘んじなければならないか、その理由がわからない。その答弁ではとても満足できません。なぜですか。仮想敵、それはあなたに言われなくても百も承知です。仮想敵国論をやっているのではない。FX論議をやっている。なぜそういう答弁ができないのですか。
○説明員(伊藤圭一君) 具体的な飛行機の名前、この飛行機の能力、これに対応するということになりますと、それならばその航空機を持っている国を仮想敵国としているのかという議論が当然出てくると思います。したがいまして、私どもといたしましては、現在の軍事技術、そういうものから推定して、その時期にはこういう飛行機の能力になっているだろうという推定のもとにそのデータをインプットするということを申し上げているわけでございます。
○秦豊君 次の質問に行きたいんですけれども、官房長官が出席をされました。うちの野田議員が長官に対する質問をちょうど用意しているので、私の質問またがりますから譲ります。
    ―――――――――――――
○理事(加藤武徳君) この際、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題とし、午前に保留いたしました野田君の質疑を行います。
○野田哲君 井出官房長官に大急ぎで、時間が限られておりますから、二つの点、伺いたいと思うんです。
 まず一つは、午前中に植木総務長官にも伺ったわけですけれども、天皇在位五十周年記念式典、このことと、政治日程の問題について政府の考え方を伺いたいと思うんです。
 この問題は、ロッキード委員会でも副総理の方からもお答えになっておりますが、植木総務長官も答えられたわけですが、十一月十日を選んだということについては、政治日程とはかかわりなく天皇即位の礼、これを行われた日を選んだということと、もう一つは式典をやるにふさわしい気候条件等も選んでこの日を定めた、こういうふうに言われておるわけでありますが、この十一月十日を設定されたということは、どう否定されようとも政治日程と無関係ではあり得ないと思うんです。具体的に言えば、まず式典の要領からいって、総務長官のお答えにもあったわけでありますけれども、国民を代表する衆議院議員が不在の状態のときではないようにする、特に式典の要領の中では衆議院議長の祝辞というものが予定をされております。これは国民の常識からいっても当然だろうと思うんです。そういたしますと、この十一月十日というのは、ことしの秋、年末までに必ずこの衆議院議長は不在という時期が到来するわけであります、いつか必ず。ところが、この十一月十日というのは衆議院議長は不在のときではない、こういうふうになるわけでありますが、そうなると、当然政治日程というものを予測をしてこの十一月十日の記念式典の問題を協議されたと思うんですが、この点いかがですか。
○国務大臣(井出一太郎君) 総理府が主管をしておる事項でございまして、恐らく植木長官からいま野田さんのおっしゃるようなお答えかあったと思います。そのとおりでありまして、十一月十日という日を選びましたのは御即位のその日にちなんだ、あるいはまあ気候のいいときということでありまして、政治日程とは全く無関係でそういう日取りを選定をいたし、これがまあ閣議に報告になって了承されておるわけでございます。
 そこで、まあ政治絡みという御指摘でありますが、これは私も衆参両院でそれに触れてお答えをしておりますが、文字どおり政治を離れた決定の仕方であったということを申し上げたいのであります。そういう時期にそれでは衆議院の議長が在職されないような事態がというような御指摘でございますか、これは先の問題でございまして、いまから選挙をどういうふうに予想するかというわけにもまいりませんので、いまここで私がお答えを申し上げることは差し控えさせていただきたい、かように存じます。
○野田哲君 福田副総理はロッキード委員会でこのことに関連して質問があったときに、この式典というものは政治日程とかかわりなく決められたんだけれども、静かな状態が望ましい、こういうことをおっしゃっておられます。それで政治日程とはかかわりなくこの十一月十日というのは別の要素で決めたんだと官房長官は言われますけれども、いま何といいましても国政に携わっている者、最大の政治日程として関心の集中をしているのは、いつ解散が行われるか、このことだと思うんです。そうして、しかもこの式典の要領の中では、衆議院議長、これは国民を代表して国権の最高機関の長として祝辞を述べる、こういう内容が組まれておる、そうしてこの十日はどういう事情があろうとも外すことはできない、こう総務長官は言っておるわけです。そうして、十一月十日にぜひとも衆議院議長は存在をしなければならないということになると、もう答えははっきりしておりますね。この十二月末までに、解散から選挙の告示、そうして投票、それから院の構成が終わるまで大体少なくとも四十日ないしは五十日の空白期間、衆議院議長は存在しないという期間があるわけです。それを外すということになると、これはもうその前に解散、総選挙を行って、新たな衆議院の構成をやり衆議院議長を選んで静かな状態でやる、こういうことが最も常識的な日程として考えられるわけです。もしそれを、後に解散、十一月十日を過ぎて解散、総選挙ということになれば、日程的に追っていけば院の構成あるいは首班指名等が行われる日程というのは十二月の末ぎりぎり、これがもう目いっぱいということになるわけです、日程を追っていけば。そうすると、常識的に考えていくと、これはもうこの日には選挙は終わり院の構成は終わって新たな体制の中で行われる、こう考えざるを得ない。そうすると、十一月十日に衆議院議長が新たな体制の中で、院の構成の中で選ばれているということになると、逆算をしていくと、これはもう十月の二十四日、従来の慣例で日曜に投票が行われるとすれば、十月二十四日の日曜日、これがもうぎりぎり、あるいはその前の十月十七日、これしか考えられない。そうすると、これは九月の中旬解散、こういう日程が読めてくるんですが、いかがですか。
○国務大臣(井出一太郎君) まあ野田さん、大変詳細にカレンダーをくってお話しになっておるように伺いましたが、政府は、副総理があるいはそういうふうに申し上げたということはここで初めて伺うんですが、その時期が静かな状態であることが望ましい、私もそういう感じはいたします。しかし、これは先ほど来申し上げておるように、そういう政治日程というものを離れて決めたような次第でございまして、いま解散とか総選挙とか、そいうことに触れて私がかれこれ申し上げ得る立場でございませんし、静かな時期であることを願っておるという程度にひとつ御了承願いとうございます。
○野田哲君 それではわかりました。
 もう一つ、八月十五日に行われる式典ですね、あの正面に表示される、従来は「戦没者之標」という表示をされておった、あれが去年突如として「戦没者之霊」、こういう表示に変わりました。これはいかなる理由によるものなのですか。
○国務大臣(井出一太郎君) これは厚生省の関係者がおりますれば一番明確にお答えできると思いますが、従来八月十五日、この記念をいたすべき日を卜してずっと行事をやってまいりましたことは御指摘のとおりで、これはまあひとつ定着をしておるわけだと思います。で、そういう場合に、「標」という字でございますね、この従来使ってまいったものを「霊」という字に置きかえた。あるいは宗教的にこれに対して議論がないわけではないと思いますが、これは国民一般の常識からいたしますれば、「戦没者之霊」ということは、むしろこの方が常識にかなうと申しましょうか、「標」というのは何か無理があるのではないか。大方の世論も、むしろその方がふさわしいというふうな声もございまして昨年そういうふうに変更をして儀式を行ったと、こういうふうに私は承知をしておるわけでございます。
○野田哲君 官房長官、これはね、大方がそうだからそうしたということでは困るんです。困る。憲法の規定からいっても、これは宗教信仰の自由という侵すべからざる規定があるわけですからね。少数の人が信仰している宗教、思想であってもこれを否定してはならないんです。そうでしょう。多数の者がいるからそれによるんだということであれば、少数の信仰、これを否定することになるわけです。そうでしょう。この「標」というのを最初に使ったときは、「霊」というのも出たけれども、「霊」というのは、大方の者がこれでいいんじゃないかと言われても、これはやはり特定の宗教的な用語、使い方になっているんです。だから現に日本宗教連盟理事長の方から八月一日に厚生大臣あてにも、こういうやり方は困ると、こういう要請書が出ておるわけです。もともとスタートのときに、これは日本国民全体が合意し、国民全体の、どんな宗教の人も合意されるべきものとして政府が主催をしていくということで、「霊」という案もあったのを「標」という形でずっと今日まで続いてきた。三木内閣になって、去年初めてこれをいきなり「霊」という字に変えられた。これに対しては、去年もことしも宗教団体から政府に対して抗議や要請が行っておるわけです。ということは、つまり抗議や要請をする団体、あるいは別の宗教を信ずる人、こういう人の立場というものをないがしろにしているということになるんです。変更する意思はありませんか。もとへ返す意思はありませんか。
○国務大臣(井出一太郎君) 慰霊という、霊をなぐさめるということは……
○野田哲君 その「霊」というのを使わない宗教もあるんです。
○国務大臣(井出一太郎君) まあ宗教を離れて慰霊という言葉は全体に共通する一つのコンセンサスがあるのではないかと、こういうふうに考えるのでございまして、これが宗教的な式典というふうにわれわれは理解をしておらないわけでございます。あの場所において、無宗教といいますか、そういう形でやっておりまするので、まあ今日これは国民的コンセンサスが得られておるのではないか、こう考えておりますので、十五日に迫ってはおりますが、ここで変更するという考え方はございません。
○野田哲君 官房長官、言葉じりじゃないけれども、宗教的でない行事としてやっているからいままで「標」という字を使われていたんですよ。「霊」というものは使わない宗教もあるんです。だから「霊」という字を使ったということは宗教的になったということなんですよ。そのことを指摘をして、これはやはり検討されることを強く要請をして、私時間も参りましたので終わります。
    ―――――――――――――
○理事(加藤武徳君) それでは、国の防衛に関する調査を再び議題といたします。
 秦君の質問を続けていただきます。
○秦豊君 防衛局長、あなたは模擬戦闘、運用分析において仮想敵機という言葉に強烈な拒否反応をお示しのようであり、今後ともお示しになるであろうからちょっと表現を変えますが、ロッキード特別委員会で安原さん、刑事局長、あのガードのかたい局長の一人ですよ、あの人なりに言えば、いまから私が申し上げる機種には重大な関心がおありかどうかを聞いておきたい。防衛局長として関心がゼロだなんて言ったら勤まりませんよ。たとえば八〇年代前半の空の様相を考えて、たとえばソビエトのミグ23フロッガー、スホーイー7フィッターC、スホーイ19フェンサー、この場合は戦闘機である。爆撃機の場合の機種は、TU22ブラインダー、TU26バックファイアの海軍型等々の五機種については、あなた方がFX選定作業を進められる上で関心が全くおありでないのか、それとも重大な関心がおありになるのか、多少は参考になるのか、そういう答弁もこの委員会でできませんか。
○説明員(伊藤圭一君) 先生御承知のように、現在世界の軍事力としましては、アメリカとソ連が超軍事力でございます。そしてまた、それらの国々の軍事技術というものはそれぞれの国に影響を与えております。したがいまして、いまお示しになりましたような高性能の飛行機、そういうものについては、一九八〇年代のわが国の防衛体制を考える上での関心を持つべき機種だと思っております。
○秦豊君 それから、これは一部日本のマスメディアで報道されておりますが、防衛庁の把握として、極東を正面にミグ25が実戦配備されているというふうな情報がちらちら散見されます。あなた方は極東への配備は確認していらっしゃるのですか。
○説明員(伊藤圭一君) 確認というところまでいったということは聞いておりませんけれども、配備されているということは十分考えられるというふうに認識しております。
○秦豊君 それはあれですか、たとえば、主としてモスクワ周辺に配備されているソビエト空軍の防空部隊ですね、PVO、ストラヌイと略称しておるようですが、これに配備されているミグ25PフォックスバットA型、この戦闘機じゃなくて、あなた方のおっしゃるのは偵察型のミグ25R、つまりフォックスバットB型じゃないんですか、誤認されているんじゃありませんか。
○説明員(伊藤圭一君) どうも私まだそこまで詳しくは記憶いたしておりませんけれども、この間担当者から聞きました話では、いま先生がおっしゃいましたその偵察型というようなことを聞いた記憶かございます。
○秦豊君 それでいいんです、それを確認したかった。たとえば最近のある日刊新聞の場合も、ミグ23と25の航続距離を試算されて地図の上にそれを表現していらっしゃる。脅威増大する北東アジアの空域というふうな感じで、23の場合には千二百、25は千三百というふうな半円を描いていらっしゃる。ところがあなた方は、いまやFX選定作業の真っただ中に、脅威の増大という方があなた方がより精強な戦闘機を導入するにはよい伏線であるでしょう。しかし私が確認したかったのは、いま極東に配備されているのはR型、つまり偵察型であって、わが国には何ら直接の脅威ではないということを私は言いたかったから確認した。正直な御答弁でその点については納得しました。
 それでは、あなた方は具体的なところはなかなかお明かしにならぬようだが、要するにFXだと、F4EJファントムでは対応できないからFXだとおっしゃっていますね。ところが、こちら側はあなた方の手のうちがわからないからやみ夜に鉄砲のようなむなしい議論だ、これは。まさに不毛だ、ある意味で。だけれども、なぜFXが必要なのか、では。開き直って基本的に素朴なところをお教えいただきたい。なぜ現有のF4Eファントムでは対処できないのか。あなた方は機種を明らかにしない。私の申し上げた五つの機種には重大な関心かおありだそうだが、まあ非常にいびつな議論ですけれども、改めて性能の比較、装備の比較を含めてなぜ予見される北東アジアの空の脅威に対してファントムでは対処ができないのかを教えてもらいたい。
○説明員(伊藤圭一君) いま御質問ございましたが、まず私が御説明申し上げる前に、先ほど来何度も申しておりますが、一九八〇年代の中ごろという前提がございます。そのころ、先ほど来申し上げておりますように、現在の軍事技術、それから飛行機の性能、そういうものから判断いたしまして、その時点になりますと、もちろん現在使われているような性能のものも多数使われていると思いますけれども、航空機の性能としましては、非常に高高度、六万とか七万、そういう高高度において非常に高速を出す飛行機になるだろう。現在の飛行機よりも高速を出すような飛行機になるだろう。それから低空性能が非常によくなりまして、高速で低空から侵入してくる能力を持つようになるだろう。そしてその低空で入ってくる飛行機に対しまして現在のファントムでは攻撃能力が劣っている。そしてまた、非常に高速で入ってまいりますから、早くレーダーでこれを捕捉し、そして攻撃をしなければなりませんけれども、現在のファントムの能力をもってしてはそういった高速度の飛行機を早くとらえて、そして攻撃をしかけるというような、いわゆる射撃指揮装置と申しますか、レーダー、それからミサイル、それを計算する指揮装置、そういった面において一九八〇年代の中ごろになると高性能の飛行機には対処できなくなるだろうということが一つございます。それから同時に、先生御承知のように104というのは昭和三十三年につくり始めたわけでございますか、この飛行機が第一線機としてポスト四次防の時点からリタイアしてまいります。で、私どもは日本の防空上要撃戦闘機としては十個飛行隊ぐらいの実力を持っておれば全体的に日本の防空をカバーできるという考えを持っております。したがいまして、この104がリタイアするときに、一九八〇年代の中ごろを見通した航空機に対応できるような飛行機を装備していきたいというのがFXを装備する理由でございます。
○秦豊君 非常にアバウトで概論中の概論だと思います。非常にデッサンがラフだと思います。私はFX選定作業については昨年の十一月十四日、さらに納得できないから十一月二十九日、国会法によって質問主意書というのを再度提出をした。そのときにも、ファントムを選定されたときの情報見積もりと、いまやF15にまっしぐらというふうな現状とを比べて、一体北東アジアの空にはどういう脅威が具体的に顕在しつつあるのか、あるいは潜在しているのか、あるいはOR作業に不可欠な能力目標についても明らかにされたいというふうなことを再度執拗に求めたけれども、あなた方の態度はまことに木で鼻をくくるような答弁書、あるいは某審議官が一応ゼスチュアとして丁重そうに説明に見えたというだけでこれは終わっている。きょうの質問に対してもそうだ。つまりユニホームは一〇〇%知り得ている。内局はせいぜい八〇%、防衛庁長官は六〇%、国会は三〇%も知らされていないのではないか。しかも、あなた方がオクターブを上げて声高に論ずる脅威の増大、新鋭戦闘機、こういう路線があなた方のみの持っている情報によって、まさにユニホームの独走態勢のように、後は国防会議の追認、これはセレモニーだ。今後あなた方がいかに国防会議を改組されてもその実態は変わることはないと思う。じゃ国会とは一体何か、何をチェックできる、何がシビリアンコントロールだ、私は重大な疑問を持っている。アメリカの議会には、なるほど軍事委員会があって秘密会がある。ステニス委員長などは秘密会をしばしば主宰をする。そこで非常に突っ込んだ議論が行われている。日本はなるほど、与野党の対決がこんな川を隔ててどなり合いしているような現状かもしれない。それにしても、この内閣委員会は一体何を知り得るのか。国の防衛に関するいま質問をしている。ところが肝心なところになると、いえ仮想敵がどうのこうの、こういうきわめて雑駁な、きわめて概念的な、きわめて形式的な答弁にあなた方は逃げ込もうとする。この状態は私は決していい状態ではないと思う。これについて防衛庁長官、あなたの考え方を聞かしておいてください。
○国務大臣(坂田道太君) やはり私どもとしては十分御審議をしていただきたいわけでございますが、それにはお互いの間にある程度の、何といいますか、常識的な合意といいますか、そういうものがないとなかなかできないわけでございまして、私は脅威につきましても、潜在的な脅威というものについてははっきり説明ができるのではないか。ただし、それは意図を持つか持たぬかということは問題があるというふうに考えるわけでございまして、もし国会の方で、そういうことをやらなければ実際の審議ができないということで、もしそちらの方のお許しが出るとするならば、そしてまたそれがわれわれの何というか、秘密というようなことに解れないということであるならば、それはある程度お話し合いができるんじゃないか。そしてそれはたとえば公開の席ではまずいということであれば、やはりアメリカでやっておるようなやり方で国会でもお考えをいただく、秘密会にするというようなこともこれからは考えていかなければならないことではないだろうかということなんで、私どもとしては、気持ちは持っておりますけれども、従来の慣行もございますし、それからまた、秦先生自身はそうおっしゃいましても、ほかの先生方が一体そういうことを言っていいのかどうなのかということに対するコンセンサスが果たして得られておるかどうかということもわれわれは心配をするわけでございまして、まあ伊藤君がいま御説明申し上げましたことは、従来からの実はしきたりに従ってやっておる。それがどうしてもいかぬということならば、ひとつ委員会等で御協議を願いまして、われわれももしお聞かせいただければ、それにかなうことでできるだけひとつ明らかにすべきことは明らかにするということが必要じゃなかろうかと実は思っておるわけでございます。
○秦豊君 あなたのおっしゃったある部分はそのとおりです。むしろわれわれの側の現状はそのとおりかもしれない。もちろんこの国会における防衛論議のあり方という本質にかかわりますから、われわれももとより煮詰めます。現状では何ら、シビリアンコントロールという観点に立った場合に国会は生き生きと機能していない。大蔵省の主計官だけがあなた方にとってこわい存在だと私は思う。この現状はいけない。だから改めねばならぬと思う。そのために努力をしたいと思います。また必要があればこれは委員長に計らってもらって、各党の理事の先生方と相談をして、なぜファントムではいけないのか。これ以上伊藤さんを突いても堂々めぐりの答弁しか返ってこない。時間が余りにも貴重である、もったいない。だからきょうはやめる。同じ答弁しか返ってこないと思う。そういう非常にきわどい、非常にシリアスな問題向こうの能力、それから意図、それを含めた状態をもっとわれわれは知り得なければならないと私は思うから、別にこれは問題を提起したいと思う。理事会のあり方、委員会のあり方を含めて提起したいと思います。
 これは装備局長だと思うんですけれども、防衛庁がいまFXの導入に当たっても、いわゆる日米政府間の有償武器援助方式、俗にFMS方式と言われているものを検討をしているとされています。これをFXに当てはめようとしている理由は一体何なのか、また購入手続からしまして、いわゆる輸入商社ですね、これを排除することによって値段が安くなるというふうにお考えになっているんですか。
○説明員(江口裕通君) まず最初に結論から申し上げますけれども、現在まだ検討中でございまして、いろいろな現在問題になっております点を検討いたしておる段階でございます。まだ確たる方向を出しておるという段階ではございません。
 ただ、その際なぜそのFMSということを頭に入れなければならないかという理由でございますけれども、これは大別いたしますと二つになるのではないかと思います。一つは国内サイドの理由でございまして、これは最近いろいろな、いま御指摘の商社問題等の問題がございます。したがいまして、その商社の介入というような問題がございますので、これを極力、まあ何と申しますか、回避すると申しますか、そういうような点から、政府調達というものは、これは一つ、そういう意味では方式として考えられるわけでございます。それから現に実績も持っておるわけでございます。
 それからもう一点は、国外的な理由でございまして、これは御承知のアメリカの対外軍事販売法と申しますのが最近変わっております。そういうことから、いわゆる二千五百万ドル以上の主要装備品につきましては政府間取引ということに相なっておりますので、そういう意味から、好むと好まざるとにかかわらず、やはりその一部は適用を受けるわけでございます。そのような点を考えまして、いま現在そういう形態も頭に入れて検討しておる、こういうことでございます。
○秦豊君 江口さん、F104のときも初め二機入りましたね、あとライセンス。実際問題としまして、具体的に伺いたいんですが、日本の場合、仮にFXをライセンス生産した場合、これはあくまで仮定ですが、FMSが一体適用できるんだろうか。従来、そのFMSでライセンス生産を行った国というのは具体的にあるんですか、その辺聞きたいんです。
○説明員(江口裕通君) 今度の新法の中身でございますが――新法というのはアメリカの新法でございます。中身でございますが、まだ私どもの方も完全に中身をつかんでおるわけではございません。しかしながら、その中身を見ますと、やはりこのライセンス生産というのは一つの特別の項目を挙げておりますので、したがいまして、ライセンス生産というものはやはりライセンス生産、逆に申しますと、いわゆるFMSということではない意味でライセンス生産という形はあり得ると思っております。
○秦豊君 簡単にあなた方はFMSとおっしゃるんですけれども、具体的に実態を考えてみたいと思うんです。その場合に、たとえば航空機――戦闘機という場合に、何万点という部品があるし、数多くのノーハウがある。それをアメリカ政府がメーカーから買い上げて、それを今度またあなた方が買うと、日本政府が。こういうクッション方式になるわけでしょう。そうですね。そうなると、事実上そんなことが一体できるんですか。それをやるために、いま数人しか駐在していないワシントンの駐在武官、あのスタッフで現実にできますか、スタッフを考えてもぼくも非現実だと思われますが、その点はどうですか。
○説明員(江口裕通君) これはまさに、先生の御指摘の点は重々ございます。確かに、非常にそういう形にいたしますと繁雑になってくることは御指摘のとおりでございます。したがいまして、そういう意味から実行性ということを考えなければいけないわけで、ちなみに、現在FMSでやっておりますものは完製機輸入でございまして、いわゆる部品をそういう複雑なルートで上げてくるということはいままでは余りやっておらないと思います。日本もやっておりませんし、よその国もやっておらないと思います。したがいまして、確かに御指摘のような点は重々あろうかと考えます。
○秦豊君 重々あるから、これを現実に行うことはむずかしいということですね。そうですね。それがネックになるわけでしょう。
○説明員(江口裕通君) 実はそこらあたりが一番むずかしいところでございます。それでいま検討中でございまして、しかしながら従来のわが国のやり方は、あくまでライセンス生産というものに乗っております。これは先ほど申しました商社排除という理由のほかに、やはり維持、補給の安定と申しますか、あるいは技術の波及と申しますか、そういう別途メリットがあるわけでございます。そのライセンス生産のメリットというものも十分そういう意味で考えられておりますし、従来はそこに着目してやっておったわけでございます。ですから、その辺のところを彼此勘案いたしまして目下検討中ということでございます。
○秦豊君 その程度の準備ではとてもこれは前へ進みませんよ。そのことは後で申し上げますが、江口さんがおっしゃいましたように、なるほどぼくたちも調べてみるとFMS方式で対象になるのは主要装備品です。七十五億円、つまり二千五百万ドル以上のものであると、これが対象のものですね。そうすると、FXで当てはめてみると、最初の二機を輸入すると仮にします、F104に学んで。そうすると、F14かF15であればなるほどそれにはまり込むんです、該当するのですが、F16では値段的にはみ出すと、こうなると思うんです。その他の装備品等についても、部品輸入をする場合というのは、これは対象外になるのではありませんか、念のために聞いておきたいのですが。
○説明員(江口裕通君) この二千五百万ドルと申しますのは、私どもの解釈では一つのプロジェクトとしての考え方でございまして、一機一機ということではない、コントラクトのユニットというふうにお考えいただいたらよろしいと思います。したがいまして、たとえわずかな金額でありましても集まればすぐ二千五百万ドルになり得る可能性はあるわけでございます。
 それから、部品の関係でございますが、これはいわゆる部品、単体というような考え方ではなしに、たとえば何らかのシステム、あるいはサブシステムというような形のもので識別でき得るものであれば、それが主要装備品の項目に該当し、かつ二千五百万ドル以上であればこの対象になるということであろうと思います。
○秦豊君 ではこういうことですか、FMSで可能だというのは、江口さんの手元の資料では、飛行機、ミサイル、エンジン、レーダーなどの戦闘用装備品であり、五千万ドル以上――百五十億円以上の、開発費が二億ドル以上、つまり六百億円ですね、これを投じたものであるし、かつ現実に取引のベースに乗った場合には取引対象が二千五百万ドル、つまり七十五億円以上のものでなければアメリカ側とはネゴはできない、話かまとまらないというふうにこちらの調査ではなっているが、間違っていますか。
○説明員(江口裕通君) おおむね先生のおっしゃったとおりでございます。おおむねと申しますのはこういうことであると思います。向こうで言っております主要装備品と申しますのは、これはメージャー・デフェンス・イクイップメントと言っておりますが、これは向こうの重要な戦闘用装備品、これはシグニフィカント・コンバット・イクイップメントという言葉でやっておりまして、それに恐らく表があるのであろうと思います。いま御指摘のあったようなものはその中に恐らく入っておるであろうと思います。そこでいまおっしゃいました金額に該当するものということであって、それ以上の金額のものについてはおよそ政府取引にならねばならないということでございます。
○秦豊君 そうしますと、たとえばFMS方式を適用した場合としますよ、商社には成功報酬というのが入ると思うんです。これは業界の常識ですから成功報酬として一定の手数料が入るという契約に必ずなっていると思うのです。その意味で、現にこの丸紅のP3Cの場合にも、手数料の裏契約が現実にあったでしょう。そうですね。今度の場合、FXについて、あなた方は何かまるでこれで疑惑一掃の万能薬みたいにFMSというて声高に言っておられますけれども、具体的に詰めてみるとしかく簡単なものじゃありませんよ。あなた方の研究もはなはだ失礼だが不備なように現状では思われます。
 そこで、FXについて関連をする商社、F15に限れば日商岩井であって、14の方の安宅産業は何か記者会見をしてさっと引いた。潔いわけだけれども、そうするとこの日商岩井の場合も、やはり裏契約があるのかどうかは、疑惑一掃という大前提に立つならば当然装備局長の重要な仕事の一つになるんじゃありませんか。現実にもうお調べになっているんですか、まだですか。
○説明員(江口裕通君) まず最初に、ちょっと先生のおっしゃいましたところで、私どもの方の説明が不十分だったところがございますので申し上げますが、私どもは、全部についてFMSを考えておるということでは必ずしもございません。先ほど申しましたように、ライセンス生産というので従来はやっておりましたし、104もF4もやはりそういうことでやってまいりまして、それはそれなりのメリットを持っております。したがいまして、このメリットというものは十分尊重して考えなければならない。したがって、全部をFMSにするか、あるいはFMSに一部をするか、あるいはライセンス生産にするか、いろいろの組み合わせがございます。少なくともいま申し上げられることは、ライセンス生産をとった場合においても一部はFMSにならざるを得ない、これは相手方の事情によってならざるを得ない、ここだけは最小限度申し上げられるわけでございます。そういう意味で申し上げた次第でございます。
 それから、その次の日商岩井の問題でございますが、これは先般ロッキード委員会等においてもいろいろ御質疑をいただきましたが、一般的に申しましては、防衛庁の取り扱い商社につきまして代理店契約の中身を出すように要求しておりますが、遺憾ながらまだ相当数のものが残っております。日商岩井についてもまだ契約の中身が未提出の状態でございます。したがいまして、われわれの方はこのFXを進めてまいります場合には、やはりここをはっきりクリアにする必要がございますので厳に提出を求めております。いま目下日商は先方のマグダネル・ダグラスとの間にそういうふうに前向きに進めたいということで念を押しておるように聞いております。
○秦豊君 そうすると、まんざら壁が厚いんじゃなくて、企業間機密の一つだろうけれども、日商とマグダネルの方がこうやってネゴをして、かなりそれは実現の見通しは強くなりつつあるというふうに理解していいんですね。もし実現の見通しかなければ、さらにあなた方はプッシュをする、それだけの義務も権利もあなた方にはあると思うんですが、その点はどうですか。
○説明員(江口裕通君) その方向にいま極力努力をいたしております。それからその見通しもかなりあると思います。それから、ただその際の提出状況でございます。どういう形で、全部を見せてくれるか、あるいは必要な範囲に限られるか、これはわかりません。しかしながらそういう方向で進めてまいりたいと思っております。
○秦豊君 FMS方式でいろいろ伺ったんですけれども、江口さん自身もまだスタッフの方と相談をしなければ分明でない点もあるし、これは装備局というより防衛庁全体で新しいものに取り組むんだから、その点についてはぼくは理解できると思うんですが、この程度の情報量では、あなた方がロッキード的疑惑一掃の妙案とも言うべく飛びつこうとしたFMS方式ではあるが、いざ現実に当てはめてみるとかなり問題が多いという認識はどうやらおありなようであります。ならば、このFMS方式をもっと煮詰めるために、防衛庁サイドで装備局その他を中心にしてそのための専門的な調査研究チームを、アメリカならアメリカ、しかるべきところに派遣をして、もっと的確なデータを入手して今後のFX選定作業の一助にするというふうなお考えはおありですか。
○説明員(江口裕通君) 私どもも、こういう先方の新法が施行になりまして、これは向こうの方も実は非常にいまわからなくて困っておるだろうと思うんです。と申しますのは、新しい法律でございまして、向こうの方もいろいろなレギュレーション等を出しますこともございますし、どういうふうな今後運用をするかということにつきまして、非常に向こうの方自体にも混乱があると思うんです。ということは、私ども現に先般装備局の航空機課長を中心といたしまして二、三名派遣をしておりますが、その際得た話においてもそうでございます。そういう状況で両者とも戸惑っておる。特に日本サイドにおいてはいろいろわからぬ情報がございますが、そこで、そういう意味でお互いに情報交換と申しますか、もしそういうことになれば円滑に運用できますように十分の連絡はしてまいりたいと考えております。
○秦豊君 それは調査チーム、研究チームの派米を含めてというふうに理解をしていいですか。
○説明員(江口裕通君) 必要な場合にはやはりそういうこともあり得ると思います。
○秦豊君 現実にしかし必要になっているのじゃありませんか。
○説明員(江口裕通君) まあタイミングの問題もいろいろございますし、こちらが出す都合、時期の問題もございますので、いろいろ問題はあろうと思いますし、いわゆる調査団という形で仰々しく出すのがいいかどうか、これも検討する必要があると思います。したがって、何らかの意味で密接な連絡はやはり運営について考えなければならないと考えております。
○秦豊君 私もあなたに伺うまでは実は誤解をしていましてね、もう何かFMS一本というような感じであったら、必ずしもそうではなくて、幾つかのコンビネーションを考えていらっしゃるということは一つ理解が深まったわけですが、しかし大局的に言いますと、やっぱりあなた方は、トライスターだ――トライスター関係ないけれども、P3C、ロッキード的スキャンダル、疑惑一掃というので、何かFMSにさえ飛びつけば万事すぱっと割り切れるというふうな過大な期待を持たれた時期が最近まであったのではなかろうか。ところが、実際に調べてみると必ずしも容易ではないというあたりにようやく目が覚めてきたのだろうと思うのです。だから、多様な選択の一つと、これは当然だと思うのですが、やっぱりこれはあんまりFMSばかり声高に言いますと、国防会議を通しやすくするための新手の作戦というふうにぼくたちは言いたくなるし、国民の皆さん、納税者の皆さんに清潔な取引という印象を与えることのみを強調するというだけのきわめて政治的なポーズだけに終わるのじゃないかということを私は恐れていますが、坂田長官からこの点について答弁を伺っておきたい。
○国務大臣(坂田道太君) これはPXL問題それ自身につきましてもいろいろの疑惑があったわけでございまして、FX選定につきましては一点の疑惑も残さないような形で決めたいというふうに思っております。また、こういうような時期でございますから、むしろ今後二度とこういう疑惑を招かないような形にすっきりさせるべきじゃないかと思います。そのためには、やはり十分こちら側もそれに対し準備をし、用意をし、それから先方の事情もよく承知をいたした上で決めなきゃいけないということでございますので、秦先生のいま御指摘等も非常にいい参考になったというふうに考えております。しかしながら、私どもの方でもそのような慎重な取り扱いをいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○秦豊君 時間がない、あと少しみたいですが、ちょっと伺っておきますが、当初海幕の方からは、P3Cの問題PXLの問題ですけれども、たしか十二、三個飛行隊の必要性を説いておられましたね。ところが、最近ではやはりそれは十個飛行隊ということで大体落ちつきかかっているのではないかと思われますが、それはどういう理由なんですか、もし仮にそうであるとすれば。
○説明員(伊藤圭一君) これはポスト四次防の内容につきまして防衛局と海幕と議論しておりますときに、哨戒機能として議論をしまして、日本の周辺海域を哨戒する一応の機能を持つということであれば十個飛行隊ぐらいを持てば哨戒ができるのではないかというような議論が交わされております。
○秦豊君 なぜ百機必要かなんて議論をし出すとまた一時間かかりますからね、きょうは与えられていませんが、海幕はいまでもP3Cの導入には信念的なんでしょう、あなた方がもてあますぐらい。どうなんですか。
○説明員(伊藤圭一君) P3Cといいますか、C級の能力を持ったものということでございまして……
○秦豊君 ほかにありますか。
○説明員(伊藤圭一君) これは現在のP2Jよりも能力が高いということでございます。
○秦豊君 あとまだ少しありますから。
 海幕の皆さんは専門的な見地からP3C、級ではなくてずばりユニホームの人は率直だからP3C、これをまず数機導入すると、数機。四機か五機かは内局との相談だと、以後はライセンス生産五カ年間で四十一機ぐらいをそろえたい。その後いわゆる六十機から百機に高めていくというふうな方向を模索しつつあり、しかもそれはかなりコンクリートな案になりつつあるのではないか、防衛局長はどう把握していらっしゃいますか。
○説明員(伊藤圭一君) 私まだそういうところを詰めて海幕と議論したことはございませんけれども、海幕の考え方として、いわゆるP3C級の能力を持ったものをなるべく早い時期に持ちたいということで、まあ機数につきましてはいま持っておりますP2J、S2F、そういうものにかわるものとして持ちたいということを聞いております。
○秦豊君 それでは、アメリカ海軍がやっているように、一番対潜哨戒に有効なシステムは海底設置の水中聴音固定システムである。これはハロウェー作戦部長のリポートにもある。対潜機なんというのは随伴的な補助的な役割りをしか果たさない。これは私の意見ではありませんよ、ハロウェー作戦部長のリポートです。したがって、対潜機などというものは、敵の原子力潜水艦がこの位置にいると特定された以後初めてその機能を発揮するものである。こういう認識は恐らく軍人の常識であろうと思いますが、そういう見地を踏まえながら、防衛庁としては、にもかかわらず、仮にカナダ海軍の例等からすると百五十八億、一機というふうなP3CまたはP3C級の対潜哨戒機を、非常にタイトになる基盤的防衛力路線の中で、なおかつ強引にその路線を推し進めねばならないと、これまたあなた方の信念だろうと思うが、その辺が私たちには伝わらない。あなた方の合理性が私たちには感じ取れない。むしろ私は暴論だと思う。大変これはラフだと思う。そういう認識を持っています。それについて、総合的な対潜能力とはという検討の中に正しく対潜哨戒機を位置づけるような作業は当然なすっているんでしょうね。
○説明員(伊藤圭一君) いま先生のお話で、ハロウェー大将のお話ございましたが、グローバルな意味の対潜作戦というものと日本の防衛の作戦というものはまた違ってきていると思います。したがいまして、たとえば必要なものを緊急に日本に運ぶために船団を護衛するような場合には、対潜哨戒機というものは非常にその限られた範囲の中におきましては能力を発揮するわけでございます。それからまた日本の場合には、海峡を通過する潜水艦等につきましては固定翼機を使ってこれを探し、そして艦艇によって攻撃するとか、そういったいろんなことを組み合わせてやっているわけでございますが、日本の場合には日本の置かれました地理的な情勢、環境そういうものを踏まえまして検討を進めてまいりたいと思っております。
○秦豊君 これで終わります。
 坂田長官も言われましたように、FXについてわれわれの情報量のみならず審議する根拠を豊かにするために、この委員会のあり方、理事会を含めたあり方、秘密会等々については、もちろん党にも持ち帰りますけれども、もうこのような、まことにこのようなあり方では私は論議は深まらないという認識を今後さらに追及したい、これが一つ。
 それから、FXとはしたがって何であり、あるいは対潜哨戒機とは総合的な日本の安全保障構想の中ではどうあるべきか、なぜP3Cでなければならないのかというふうな本質論についても、当該委員会の所管事項だと思いますので、あらゆる機会をとらえたいと、こう思います。
 終わります。
○片岡勝治君 私は基地問題に関しまして、具体的に若干、問題がいろいろ発生しておりますので、この点について質問をしていきたいと思います。
 まず第一番目に、基地の縮小あるいは解除等に関する問題でありますけれども、御承知のように関東地区の基地の集約化計画に基づいて相当数の、あるいは相当地域の基地が返還をされ、いまその利用方法についていろいろ論議をしている段階でありますが、その問題は後にして、このほかにも私たちが基地――まあ私は神奈川でありますので多数の基地を抱えております。これらの基地を散見しましても、相当遊休施設があるわけであります。したがって、政府関係当局においてはこれらの遊休施設についての返還、解除、そういうものについて、まあ恐らく地域の希望、要求等が繰り返し行われておりますので、それらについてのアメリカ当局に対する交渉も行っておると思います。それらの経緯、あるいはいまどういう状態にあるのか、あるいは具体的にどの地域が解除あるいは返還の見通しがあるのか、こういう点についてお答えを願いたいと思います。
○説明員(斎藤一郎君) ただいま基地の返還問題について一般的な様子をお尋ねでございますが、お話がございましたように、基地周辺がだんだん人口密度が高くなってまいりまして、そのことが基地周辺に対していろいろ、いわゆる基地から生ずる基地公害ということで住民の方々に御迷惑をかけている、あるいはまた基地があることによってその辺の発展を妨げておると、いろいろ問題が出てまいりまして、われわれといたしましては基地のあり方について再度見直しをやって、そうしてお話もございましたように、遊休であるもの等については整理して返還をするということを基本といたしまして、過去において一番よくまとまってそういう話が進展しましたのは、日米安保協議委員会の第十四回の協議委員会で、基本的な話し合い、方向ができております。それから、第十五回でも話が追加して出ておりますし、先般行われました第十六回の日米安保協議委員会においても、本土、沖繩を含めて今後の方向というものが話し合われておるところでございます。
 先生お尋ねの神奈川について具体的にもう少し詳しく申し述べますと、まず横浜海浜住宅地区等ということで、私ども横浜市内に所在する五施設について、これは米側から移設があれば返還してもいいという提案がございましたので、目下その移設を条件とする返還に向かって努力しておるわけでございます。すでに横浜海浜住宅地区の一部、いわゆるわれわれ本牧一号地区と言っておるところについては昭和四十九年度から所要の工事をやっておりまして、これが一番進んでおります。あと二号地区その他の施設については、移設の規模など米側と調整してこれを進めたいというふうに考えております。
 それから米陸軍医療センターと称するものがございますが、これは先ほど申し述べた第十四回安保協議委員会において、やはり移設を条件として返還されるということになっております。これについては本年度から移設工事に着手しようということで日米間で協議をして調整をしておるところでございます。
 それから次に、相模の総合補給廠、これはこの施設全体ではございませんで、施設の、先生御承知だと思うんですが、一部のいわゆる野積み場と称するところの返還について、当面少なくともそれを早急に返還してほしいという御要望がございまして、その具体的な計画が相模原市の方から御提出があれば、この地元の意向を踏まえて米側と折衝したいというふうに考えております。
 それから、横須賀の近くにございます池子弾薬庫、これについては米側から横浜市域の部分を南横浜バイパス用地として返還をしてもいい。それから、逗子に接着して逗子市域の中にございますが、久木中学校という学校用地として、われわれ久木地区と称しておるところを返還してもよいと、これには若干のフェンスをするとか、いまあるものの必要なものを移すとかという条件がついておりますので、その実現に私ども努力をしておる。
 ごくかいつまんで申し上げると以上のような状況でございます。
○片岡勝治君 相手がアメリカであり、一つの軍事的な要求として基地を使っておるわけですから、そうなかなか簡単に日本が希望する地域、仮に遊休地域でもそう簡単に解除、返還ということはでき得ないということは想像できるわけでありますけれども、いま具体的に説明のあった地域、これらについて、一日も早く解除されることをぜひ御努力願いたいと思うわけであります。
 このほかに、われわれ考えてみても、ベトナム戦争が終結をしたという関係もあり、相模補給廠がいまお話のあったようにほとんどその機能を停止しているというような状態も関連して、横浜の米軍専用のノースドック、埠頭でありますけれども、これらもほとんど使用されていない。あるいはまた、厚木飛行場のピクニックエリアという地域、相当広い地域でありますけれども、これもほとんど使用されていない。相模補給廠のいま問題が出ました、池子弾薬庫等の問題が出ましたけれども、これは神奈川県だけ考えても、これだけの地域がほとんど使用されてないまま場所によっては草ぼうぼうになって五年、十年あるわけであります。全国的に基地を、いま長官の方からもお答えがあったように、この際基地の総点検といいますか、そういうものを徹底して、特に住民の要求しているような地域については早急に解除するようにすべきではないか、このように私は考えるわけであります。いま長官の方もそういうお答えがありましたので、この点はひとつぜひ精力的に点検をして、解除の交渉を積極的に進めていただきたいと、このことを要望しておきます。
 それから第二番目に、基地に関係する公害問題でありますけれども、これも基地を多数抱えておる地域においては、これまた深刻な問題であります。最近政府でも、あるいは法令等が施行されて相当公害問題について厳しいわれわれ日本国民は規制を受けているわけですね。ところが、この基地に関してはこれらの法律が必ずしも守られていない。守られていないどころか、再三再四自治体が基地に対しあるいは施設庁を通して、アメリカ基地内における排水あるいは大気汚染、騒音、こういった問題について日本の法令に基づく基準を守るような申し入れを再三繰り返しておるわけでありますけれども、これが余り実行されていない。実行されていないどころか全く無視をされている事例がたくさんあるわけです。こういった問題について、われわれ日本国民として、あるいは特にその基地の周辺の住民として、住民感情として大変遺憾に思っているわけであります。この基地に関係するいわゆる公害問題について、政府、窓口としては施設庁になるかもしれませんけれども、どういう態度で具体的にどう進めているのか、これをお答え願いたいと思います。
○説明員(斎藤一郎君) 先ほどお答えしましたように、基地の返還によって抜本的に周辺に対するいろんな御迷惑をなくするということができれば一番望ましいのでございますが、いま御指摘がございましたように、必ずしも米軍の必要があってこれを返すわけにいかないという場合には、御質問のございました公害の問題、いわゆる公害の問題が生じてまいるわけでございますが、私どもとしては、必要で存続をしていかなきゃならぬ基地はぜひ存続をさしてまいりたいと思いますが、それに関連して、周辺の住民の方々のいろんな生活環境上の問題が生じていいいというものではございませんので、その調和といいますか、その間の調整を何とかできるだけやってまいりたい。ついては、基地以外のところで日本国法令でもっていろいろと規制をされておるような事柄については、やはり基地内にあってもなるたけその実質が守られていくようにという努力を私どもやってまいりたいというのが、まず基本的な考え方でございます。
 そこで、まず航空機の騒音でございますが、これはいろいろ地元からの騒音軽減についての強い要望がありますので、私どもとしましては、まず米側に対して航空機の騒音をどうして騒音源を減ずるか、そもそも音が余りでかく出ないように飛行のパターンなり、あるいはそのエンジンを調整するときの場所なり、その時間なり、そういったものについて騒音軽減のためのいろんな努力をしてもらうということを、具体的に申しますと日米合同委員会の下部機構として航空機騒音対策分科委員会というようなものを設けまして、その場においていろいろ協力を要請しておるという状況でございます。特に夜間飛行の制限だとか、それから飛行パターンによってかなり騒音の程度が軽減されるということを考え、付近住民に与える影響の大きくないようにという努力をやってまいっておるつもりでございますが、まだまだ不十分なところがございますので、今後大いに努力してまいりたい。
 それから、横浜の鶴見の貯油施設というのがございまして、ここでは、御承知のように米軍の使っておるタンク地区がございまして、その貯油に絡んでパイプラインが引かれており、非常に付近住民に不安を与えておるという問題がございます。これについても、私どもそのパイプラインの実態をよく把握しまして、一部これはもうパイプラインとして現に使わないようにということに努力しており、使っておるものについても、日本の法令に照らして正しくなるように是正していくという努力をやってまいりたい。また、貯油施設を横浜の市では立ち入り調査をやりたいという強い御要望がございまして、先般は市長さんか御自身でうちの大臣のところにもお話し合いにおいでになっておられますので、今後こうした問題についても、実際上の目的が十分に達成されるように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
 それから、御質問の中でお話がございましたが、必ずしも私どもずばりの所管役所ではございませんが、大気の汚染あるいは水質の汚染、そういった問題についても、いろいろ施設が原因となって生ずる問題が多々ございますので、これは私どもが窓口となって、そうして、たとえば大気汚染、水質汚染については環境庁から米軍にその改善方の申し入れをやっておりますが、私どもとしても基地の関連において大いに関心を持っており、今後ともこういう対策が円滑に推進するように鋭意努力してまいりたい。この点については、従前比較的私どもの力が及んでいなかったかという気がいたしますので、今後大いに努力してまいりたいという気持ちでおります。
○片岡勝治君 時間の関係で、詳細な資料を申し上げて基地内の公害の実態をお話しする余裕がございません。したがって一般論として申し上げますけれども、たとえば大気汚染について、横浜にしても横須賀にしても、あるいは恐らく全国的な基地、田舎の場合には――いずれにしても大都市あるいは都市内における基地、みんな同じだろうと思うんですが、日本の法律による大気汚染、たとえば硫黄酸化物等についての基準、法律の基準ですよ。しかし、自治体によっては、横浜にしても東京にしても、法律よりも厳しい条件をつけていますね。まあその自治体か独自につくっておる基準はさておいて、法律で決まっておるこの大気汚染基準、それをも堂々とオーバーしている。これは横浜の例でありますけれども、去年の十一月に申し入れをした。しかし何ら改まらない。またこの三月十一日にも同じようなことを申し入れた。しかしそれでも米軍は改めない。しかし、われわれ一般国民は、法律に基づく大気汚染というものは相当厳しく規制をされる。これはもちろん当然であります。日本の企業にしても当然でありますけれども、しかし米軍はそんなことは構わないんだということでは、われわれ国民感情としてこれは許し得ないと思う。一般の中小企業だって、この硫黄酸化物、そうした大気汚染について規制を受けているわけですからね。アメリカの基地がこれを全く無視をするということはわれわれとして許すわけにはまいらぬと思うんです。これについて、やっぱり日本の政府は率直に言って弱腰だと思うんですよ、いままでのこの経緯をずっと見ていてね。これはもう本当に断固やらせるぐらいの私は強い政府の方針で対処していかなければわれわれは納得できないと思う。もう一度この点についての政府の基本的な態度をしっかりお答えいただきたい。
○説明員(斎藤一郎君) いまお話がございましたとおりでございまして、米軍基地については、当該自治体で定めておる基準じゃなくて、法律の基準に照らしてもぐあいの悪いというものがあるようでございますし、先般、横須賀地域についての調査の結果でも、水質等について汚濁されておるものがあるということでございます。これについてはお話がございましたように、一般企業の場合は非常に厳密な、厳重な規制を設けておるのでございますから、米軍の基地についても、日本国の立場から言えば、これはぜひ強力な規制をしてまいりたいという考えでございますので、私ども関係省庁と十分連携をとって、その方向に向って最大の努力をしたいと思っております。
○片岡勝治君 私はいまの言葉を信用しまして、具体的にどういう措置をおとりになったか、とった後をひとつぜひ御報告をいただきたい。次はまあいつ開かれるかわかりませんけれども、内閣委員会に、これこれこういう措置をとったということをはっきりお聞かせいただきたいと思います。
 で、これも先ほどすでに答弁がありましたけれども、鶴見の基地内の石油タンクの問題でありますけれども、これとても再三再四要求をして、御承知のように、これは国の施策として全国一斉に石油タンクの状態を調べる、その老朽度とか、あるいは不等沈下、そういうものを調べて未然に大きな事故を防止しようという国の政策に基づいて全国一斉に行われたわけですね。日本のこれは民間だけではないすべてのものを調べたわけでありますけれども、ひとりアメリカのタンクだけは調べることができない。しかし、見るところ相当老朽化しているので、とりあえずその鶴見の石油タンクを調べようとしたところが拒否された。これも再三再四市長なり県知事なりが要求をする、アメリカ軍当局に。また施設庁を通じてぜひ点検さしてくれと言っても一切拒否をされる。これも先ほど公害と同じように、アメリカの態度、あるいは施設庁の大変弱腰の態度にわれわれは納得ができないんですよ。一体これはどういうことになるのか。点検をさせる気持ちなのか、それはもう日本としては無理なのか。施設庁としては基本的にどうお考えになるのか、この点ちょっとお伺いをしたい。
○説明員(斎藤一郎君) ただいまお尋ねの鶴見の貯油所については、実はことしの初め以来長いいきさつがございまして、いま先生がお話しになったようにいろいろやりとりがございまして、六月の八日の日には、先ほどお答えしたように市長がうちの大臣にも直接お話しになっております。その後私も、現地にも六月の十四日でございましたか参りまして、現地を見た上でいろいろ対策を練って、ずっと個々にお答えすると大変長くなるのでございますが、基本的には、ああいう日米地位協定に基づいて米軍に提供した施設については全面的な管理権を持っておるというのかたてまえでございまして、これをほかの施設外の地域と同じように立ち入り調査をするということは、いまの日米の話し合い、協定の内容としてはできないという一点がございます。ところが一方においては、やはり内容的な実質的な安全というものをどうしても保ってまいりたい。したがって、老朽しておる施設があればこれに対して十分な改善策を講ずるという安全の措置を実質的に保っていきたい。ついては、何とかしてこの施設のそういった改善を要すべきものについての実質的な措置が講じられるようにやっていけないかというのが私どもの考え方でございまして、これについては、いま申し上げたように地位協定の問題でもございますので、外務省の関係官においても努力をしていただく、あるいはアメリカの軍側だけではなくて、アメリカの大使館筋なども相当考慮していただいておる。大変解決が遅くなっておりますが、そういうたてまえで、実質的に何とかこの安全の策を講ずるという方向に持っていきたいというのか私どもの考え方でございます。
○片岡勝治君 特にこういう問題については、基地の中だけで、問題が仮に発生しても解決する、災害を防除できるという問題じゃないわけです。つまり、一たんそこでもし不幸にして何かの事故が起きた場合には、あの地域はもうすぐそばまで住宅地が接近をしておる、あるいは海側の方は非常に広い石油コンビナート地域、貯蔵地域で占められておるわけですから、いわゆる広域地域の防災という角度からすれば、そこだけ陥没地帯を許しておるということでは意味ないわけです、よその地域をやったとしても。つまり、広域的な防災というのはそういう谷間をつくってはいけないということかそもそも広域防災の計画でありますから、これを米軍か拒否をするということはどうも理解できない。これは軍艦の中を調べるとか、あるいは軍の倉庫の中を調べるということじゃなくて、石油タンクの状態がどうなのか、不等沈下はしていないのか、あるいは腐朽して腐っているところはないのか、そういうことを調べるということは、米軍にとったって大きな利益じゃないですか。何ら軍の機密に関することではないと思うのです。それをも拒否するということになりますと、これは安保条約だ何だという問題じゃないと思うのです。もっと根源的な、道義的な、そういう問題だろうと思う。ですから、それを安保条約を盾にして米軍が拒否することもおかしいし、また安保条約があるから日本も強制的にこれが検査できないというようなことではない、そういう問題じゃなかろうと思うのです。やっぱりそこに施設があるということになれば、横浜市全体の防災、そういう角度で、むしろ積極的に米軍の方が協力してしかるべきだろう。私はそう思うのです。あなたにこれは幾ら言ってもしょうがないのだけれども、そういう角度で、私は政府あるいは防衛施設庁がもっと強力な態度を示して、もしどうしても応じないならば、私は強制的な制裁というものがあると思うのですよ。横浜でも考えていることです。これはもう横浜市道の下はパイプライン通さない、これは市長の権限だ、こういうことになると思うのですね。問題は、そこまでいくのはこれは政治ではありません。もっと強力な、強い態度でこういった問題に対処していただきたい。この点についてもう一度お答えを願いたいと思います。
○説明員(斎藤一郎君) いまお話しのとおりでございまして、広域な防災体制を国としてとりつつあるのに、米軍の施設だけが穴になっておる、谷間になっておる、そのためにせっかくの全体の成果か上がらないということになってはまことに残念である、そういうことがあってはならないという観点から私どもも大いに努力してまいりたいと。それから、いまお話しのように横浜の市長さんもよく話し合ってやりたいというお考えでいらっしゃいますので、私どももそう考えておいでになることに対して、大変御理解をいただいておるのですから、最大の努力をしたいという覚悟でおります。
○片岡勝治君 次に、いまほんの二、三の基地問題を取り上げて当面する問題点の解決をお願いしたわけでありますが、関係者の努力によって、今度、先ほど申し上げました関東地区のいわゆる集約化計画によって幾つかの基地が解除されました。その跡地利用について、いろいろ政府あるいは自治体との間で意見の一致が見られないわけでありますけれども、その根源は、御承知のように三分割方針、こういうことになったんですね。つまり、十万平米以上の基地については、三分の一は国が使う、三分の一は自治体で使ってよい、残る三分の一は今後どういう行政需要が出てくるかわからぬのでこれはとっておくんだ、こういう三分割方針が出されたわけであります。私は、きょう内閣委員会てこの問題を取り上げたのは――どちらかと言えばこれは大蔵委員会の所管かもしれません。すでに解除された基地は大蔵省の所管になっているわけです。しかし、私ども基地を持つ都道府県あるいは自治体の住民としてみると、やっぱり長い間、戦後三十年にわたって基地として使われた、それが解除されたという場合には、これは単なる大蔵省のいわゆる国有地という感覚ではなくて、基地が解除されたんだ、言うなれば戦後処理だ、あるいは基地問題の処理としてこの跡地利用というものを考えるべきだ、そういう認識が特に大蔵省にはない、ほとんどないと言っていい、だからこういう三分割方針などが出てくると思うんです。これはもちろん大蔵省が、あるいは施設庁なり政府当局もそれなりに私は努力をしたことは認めましょう。しかし、基地の解除については、もう戦後三十年間本当に苦しんできた、そして基地の解除の運動も自治体や関係住民が積極的に展開をしてきた、ときには大変激しい闘争も展開したわけであります。そういう運動の結果、解除されたら三分の一は国が持っていく、三分の一は何にも使っちゃいけない、当面はとっておくんだ、自治体は三分の一だということでは、これはなかなか理解がいかないと思うんです。この跡地利用について、いわゆる基地問題の処理としての利用、戦後処理という、そういう認識、そういうもので跡地利用というものを計画すべきだろうと思うんです。この点について見解を、これは大蔵省の関係の方にお聞きしたいんですが、私の考えているそういう認識は間違いではないでしょうということなんです。
○説明員(松岡宏君) 大蔵省の国有財産行政の立場からこの問題を考えまして、基地の存在によりまして、地元の住民の皆さん方が長年にわたり犠牲を強いられてきたという歴史的な経緯につきましては、これは十分認識しているわけでございます。ただ、この問題についての国の政策としての配慮ということになりますと、これは国有財産行政とは別の次元においてなされておるわけでございまして、たおえば防衛施設周辺整備法等の運用を通じまして国はできる限りの配慮を行ってきている、そういうふうに認識いたしております。
○片岡勝治君 つまり基地交付金があるとか、整備法があって基地の存在によるマイナス面はカバーしてきたとあなたおっしゃるけれども、それなら戦後三十年間具体的に数字を挙げて金額をずっと計算してごらんなさい。決してそれは基地の存在するがゆえに起こったさまざまなマイナスをカバーするものではとうていないんですよ。さらに、お金だけの問題ではない。そういう戦後三十年間の大きな損害というものを全部国がめんどう見てきたと言うならばそれはでそれでいいですよ。しかし、全然それは大きな隔たりがあるということはもうみんな知っているわけですよ。単なる金の問題だけではない。都市計画をつくる上においても、あるいは交通政策を樹立する上においても、あるいは終戦直後の混乱期におけるさまざまな事件、これらによってはかり知れない被害というものを受けてきた。そういうものをすべて国がめんどう見てきたと言うんならば、それはわれわれとしても三分割はなるほどなと思うけれども、それは全くすべてカバーするものには遠く及ばない。だから、解除されたこの時期において、そうした問題についての過去の損害をある程度カバーするという配慮があってしかるべきだ。大蔵省の所管になった、これは事務的にやむを得ないとしても、そうしたいわゆる基地の処理なんだ、あるいは戦後処理なんだという感覚が政府の方にないから、こういう算術的な分割ということになったと思う。この辺は基本的に私は間違いだと思うんですね。これは私どもも、いままでも自治体を通じてずいぶん運動しておったわけでありますけれども、この点はひとつそうした認識の誤りが三分割方針ということになったわけですから、まずその認識を改めていただきたいということです。
 それから、保留地三分の一ということがありますけれども、これは何年くらい保留しておくんですか。
○説明員(松岡宏君) 跡地の三分の二の地域につきましての利用計画が決定した段階から起算いたしまして、五年ないし十年の期間留保する、こういう考えでございます。
○片岡勝治君 行政も政治も、五年、十年先を展望して行われなければならないのは当然であります。しかし、いま自治体が計画しておる各基地の、これは神奈川だけじゃない、東京でも埼玉でもそうでありますけれども、跡地利用の計画については五年、十年先を考えて計画をしているんですよ。そういうことは当然頭に入れてやっておる。しかも、そういう長期展望に立っても、一方では五年、十年先のことなんか考えていない、まさに緊急事態を処理するために、いま地方で高等学校をつくるんだ、小学校をつくるんだと。解除された基地周辺は人口急増地帯が多いわけですね、関東地区に。そういう長期展望に立ちながら、なおかつ、しかし当面緊急に公共施設をつくらなければ、つまり小学校を建てなければ、中学校を建てなければ生徒を収容し切れない。高等学校を建てなければいけない。そういう緊急事態に対応するためにそれぞれの自治体が計画を立てているわけであります。端的に言えば、長期展望を考えているけれども、冗談じゃない、そんな余裕なんかないんですよ、自治体には。五年、十年それだけの広大な地域を遊ばしておいて地域住民や国民か納得しますか。こういう感覚もあなた方は中央の机の上でやっているからです。しかし、自治体は住民の福祉をどうやって守っていくかというところにきゅうきゅうとしている。朝から晩まで土地探しですよ。五年、十年先まで土地を遊ばしておくなんということはとうてい考えられない。もっと緊急な事態に追いまくられているというのがいまの自治体でしょう。これもわれわれとして全くもう感覚が大きなずれがあるんですね。これらについては考え直すお気持ちはありませんか。
○説明員(松岡宏君) ただいま御指摘の三分の一の留保地を留保しておくような余裕はないはずだ、こういう点でございますが、今回対象になっております大口返還財産、現実に存在いたしますものは非常に大口でございまして、その三分の二の面積ということを当面活用いたしましても、これは非常に広大な地域にわたるわけでございます。当面、地方自治体で御計画になっておられる緊急のプロジェクト等ほとんど三分の一の面積の中でこなされまして、現実には妥当な解決がつくものと思われますが、同時に、昨今のように経済情勢、社会情勢の変動が変転きわまりない時期におきまして、遠い将来を予測するということがまたきわめて困難でございます。で、今回取り上げられておりますような首都圏の大きな広大な土地というものは、そうそう将来また再び取得できるような性質のものではございません。いわば最後に残された貴重な国有地でございますので、この利用に当たりましては、いわば百年の計といったふうな慎重な立場から、その十全の活用を図ってまいらなければならないと存じますので、そういう意味では、当面三分の一の留保地を残しまして、五年ないし十年の後に新たにその時点に立ってより適切な利用計画を追加的に行うということによって、長期的に見ますれば、むしろ全体としての跡地の利用がより効率的なものになると、こういう考えで企画立案した考え方でございます。
○片岡勝治君 いまの自治体の、特に人口急増地帯の自治体の苦悩というものを、あなた方御存じないからそういうのんびりしたことが言えると思うんですけれども、五年先あるいは十年先に立って、いまの自治体が計画している、そういったいわゆる跡地利用の計画そのものが全くほごになるというようなことに私はならぬと思うんです。五年先でも同じことを要求してくると思うんですね。まあ時間がありませんから。
 この保留地の部分についてはどういうふうにお考えなんですか、これも国と自治体が半分こにするんですか。
○説明員(松岡宏君) 保留地の利用計画を策定する段階におきまして、地元地方公共団体も含めた関係者全員が、いわば平等の立場から十分な協議を重ねて最も適切な利用計画を策定すると、こういう腹づもりでございます。
○片岡勝治君 国の三分の一の分についてどういうことを考えているのか、これもいままで衆議院等で質問をされておりますけれども、ほとんどお答えがありません。計画がないということなんです。国の方では計画がない、しかし地方の方では計画がある、話し合いをしましょうしましょうと言ったって、現実に話し合いができないじゃないですか。しかも、私が申し上げましたように、各地方自治体はもう本当に緊急事態に対応するためにこの跡地を利用したいということなんです。しかし一方、国では具体的なこの跡地利用というものを持っていないということですね、そうしたらどうやってこれは話を詰めるのか。
 それからもう一つ、国の施策としてこの三分の一を利用するには、住宅公団ですか、あるいは公務員住宅とか、あるいは研究施設とか、まあいろいろあると思うんですけれども、しかし、こうした今度解除された地域においては、もう人口急増地帯ですからね、どうやって人口急増を抑制していくかということがもう自治体の本当に頭が痛いところです。国の方としても、過密地帯を、より人口急増が激しくなるということは抑えろという方針でもあるわけですから、住宅を建てるわけにはいかない。あるいは研究施設や大学とか、そういうものもこんな急増地域に建てられるはずのものでもない。一体国として何をつくろうというんですか、ここに。
○説明員(松岡宏君) それぞれの跡地に対します、国、政府関係機関その他全国的規模での特殊法人等の需要でございますが、これはそれぞれ大蔵省に提出されておりまして、それぞれの跡地の面積をはるかに上回る需要が国のサイドからも出てきているわけでございます。で、一方地元の御要望ということで言えば、県あるいは市の要望を合わせますとやはり当該跡地の面積全体を覆うと、こういうことになりますので、需要か大幅に超過しているというところから出てまいりましたのがこの三分割方式でございますけれども、いままでのところ、地方団体側は三分割方式の原則論そのものに反対だということで、具体的な話し合いのテーブルになかなか着いていただけないわけでございます。大蔵省といたしましては、早い段階にそれぞれの跡地ごとの利用計画策定の話し合いを地方団体側と開始いたしまして、そのプロセスのある段階において国の側の利用要望も具体的に地元にお示しいたしまして、いろいろとこの御要望なり御意見をお聞きしながら円満な調整を進めてまいりたいと、こういうことで一刻も早い話し合いということを望んでいる次第でございます。
○片岡勝治君 私どもが想像する国の施設というものを考えたときに、この過密地帯に一体何を持ってくるかということ、そういうものは考えられないじゃないか。そうでしょう。各省から出てくる、大体想像できますよ。私も聞きました。しかし、こんなものをこの急増地帯に置けますか、国の施設か。だから、これはおれの分だという、そういう国の考え方自体がおかしいんであって、国はもっと高い立場に立って、その人口急増地帯に仮に自治体が住宅を建てるなんということになったら、それはまあやめた方がいいじゃないか、広場にして残しておけとか、緑地をつくりなさいとか、そういう指導をすべきでしょう。国かそのど真ん中へそういう研究施設なり、あるいは住宅公団のを持っていくこと自体あなた考えられないでしょう。そういう現実の政策からしても私はおかしいというふうに考えるわけであります。
 いずれにしても大変重大な問題で、今度中央審議会の答申が出たという段階ですから、私はこの問題について、ぜひそれぞれの地域の特殊性――人口急増地帯でなければそれはいいですよ。こういう地域の特殊性というものを十分配慮して、画一的な三分の一ずつだ、五年先、十年先、後のことを考えて三分の一は保留していくんだという画一的な方式、そういうものはぜひ是正をするように再検討していただきたい。これはもう関係自治体の強い要求ですから、そういう点は自治体の実態というものを十分認識の上、さらに基地問題の処理という感覚で私はもう一度検討していただきたい、このことを申し上げておきたい。
 最後に、時間がなくなりましたけれども、基地交付金あるいは調整交付金等について、来年度予算ということになると思いますけれども、これもいままでのような数字ではとても基地を持つ自治体としては理解ができないところであります。この点についての基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(斎藤一郎君) いまお尋ねの基地関係のいわゆる九条の交付金でございますが、これは最初五億円というのができまして、それから三十億になり、本年度は五十億という金額になっております。その金額のふえ方は、この種のものとしては飛躍的に伸びておるのでございますが、一方、先ほど来お話がございましたように、基地周辺の方々に対するいろんな対策としては、まだまだ金額としては足りないということを私ども考えておりまして、基地周辺の対策の有力な政策として、この点については今後もなお一層増額できるように努力をしてまいりたい。同時に、金額が伸びると同時にこれの実施に当たっても、本当に地元の御要望に応じて、画一的な形式的なかっこうでなくて、実態に応じた本当に効果的な実施の仕方をやっていきたいということを考えておるところでございます。
○太田淳夫君 それでは、防衛庁に質問しますが、九日国防会議にポスト四次防の大綱が提示されたようでございますが、一点だけお聞きしますが、このポスト四次防におきましては、いままでの四次防のように三年ないし五年間の固定計画としないで、一年ごとに整備状況を見直していくローリング方式というのを採用する方針だと報道されておりますけれども、このポスト四次防における基盤防衛力構想、これらをもとに量から質へと転換をしていこうと、こういう防衛庁長官の構想もあるんですが、この防衛力を整備するためには、従来と異なった弾力的な運用が必要であろうという、ある程度そういう判断からこれがされたと思いますけれども、新聞の報道によりますと、大蔵省においてはこのポスト四次防の財政措置につきましては、一つには、ポスト四次防計画の五十二年度発足は見合わせ、四次防計画の補正にとどめるとか、第二点は、人件費などの経常支出増大を避けるため定員削減などの措置を検討するとか、三番目には、PXL、FXの導入問題はロッキード事件などの関連から来年度はたな上げするなど、そういう考えを固めたと、このように報道されておりましたけれども、それから見ますと防衛庁と大蔵省のポスト四次防計画についてはかなりの差があるように私思います。今後国防会議等でそれらのことが検討されると思いますけれども、従来のように三年ないし五年間の固定計画ですと、目標が努力目標とみなされる傾向にありました。そのために石油ショックなどの異常事態の場合には整備計画に狂いが生じたと、そういうこともございましたが、このポスト四次防では弾力的運用が可能なローリング方式を取り入れようと、こういうふうなことが報道されておりますけれども、結果的には、この防衛費というものは従来のように五年間で幾らというような、そういう歯どめがなくなって、これはむしろ増大する可能性があるんじゃないかと、こういうような心配をするわけですが、その点についてのお考えをひとつ。
○説明員(伊藤圭一君) ただいま先生から御質問がございましたが、防衛計画の大綱を国防会議に出したというお話でございましたが、実はそうではございませんで、防衛計画の大綱について国防会議に諮問があったわけでございます。で、私どもの方といたしましては、昨年の十月に長官の方から指示がございまして、ポスト四次防を検討するために当たって基盤的な防衛力というものを検討しなさいという指示をいただいておりまして、これは現在のような平和な状態が続いている中でわが国が持つべき防衛力としてはどういうものがよいのかということを検討してまいっております。そして、この基盤的防衛力に即したような、いわゆるその整備計画といいますか、いろいろ欠落しているような点をどうやって補っていくか、そういうものを具体的に考えて検討しておりまして、従来のように五年でこれを完成するとか、そういうものではなくして、この基盤的防衛力というもの、すなわちわが国が現在保持すべき防衛力というものをどういう形で整えていくかということを具体的に検討している段階でございます。
○太田淳夫君 そこで、いま質問しましたのは、予算がかえって増大をするんじゃないかと、そういう心配をいま質問したわけです。
○説明員(伊藤圭一君) 予算がふえるということでございますけれども、私どもは、先ほど来申し上げておりますように、いろんな国内の経済事情などを踏まえまして、防衛力整備に充て得る今後の予算といたしましてはGNPの一%程度というふうに考えておりますから、その中で、現在の防衛力の中で必要な点を整備していくという考え方をとっているわけでございます。
○太田淳夫君 それでは次の質問に入りますが、せんだってもこの委員会でいろいろ討議されましたが、去る七月八日に日米防衛協力小委員会か発足しました。この小委員会では、安保条約第五条に基づく有事の防衛協力問題、つまり有事における日米共同作戦のあり方というのを協議をすると、こういうように言われておりますが、最初にちょっとお聞きしたいことは、この有事という言葉は一体どういう場合を指すのか、具体的に説明をしていただきたいと思います。
○説明員(伊藤圭一君) 有事という概念が法律的な概念として存在しているとは私ども思っておりません。しかし、一般的にわが国にとりましてどういう状態が有事かと言いますれば、自衛隊法第七十六条の規定によりまして防衛出動がされるような事態だと思います。また、安保条約に即して申し上げますならば、第五条の規定によって、日米両国が共通の危険に対処するよう行動する事態を含むものと考えております。
○太田淳夫君 それでは、私一つ一つちょっとお聞きしたいと思いますけれども、まず日本に対する攻撃本土に対する直接の攻撃があった場合、こういう場合はこの有事になるかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○説明員(伊藤圭一君) わが国の本土に直接武力攻撃があったときはまさに有事だと考えております。
○太田淳夫君 それでは、日本にあります米軍基地に対して攻撃が加えられた、こういう場合はどうでしょうか。
○説明員(伊藤圭一君) その場合も「日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、」云々ということが条約に書いてございます。これも有事だというふうに私どもは考えております。
○太田淳夫君 第三点は、日本の領空、領海内における米軍機あるいは米艦船に対する攻撃、この場合はどうでしょうか。
○説明員(伊藤圭一君) それがわが国に対します平和及び安全を危うくするということが認められる限り有事だというふうに考えております。
○太田淳夫君 次は、公海あるいは公空上における米艦船あるいは米軍機に対する攻撃は、この点はどうでしょうか。
○説明員(伊藤圭一君) これはそのまま直ちに有事ということではないと思います。ただ、そういうことが非常に日本の防衛上問題があるという場合には、その事態において判断すべきことだと思いますが、直ちに有事だとは考えておりません。
○太田淳夫君 次は、朝鮮半島で緊急事が発生した場合は、この場合はどうなりましょうか。
○説明員(伊藤圭一君) 先ほどお答えしたとおり、直ちに有事だというふうには考えておりません。
○太田淳夫君 直ちに有事じゃないということは、いろいろの判断の結果、有事である場合もあるということですか。
○説明員(伊藤圭一君) それが日本に対する侵略、あるいは日本の安全上非常に危険があるというようなときには有事になる可能性はあると思います。
○太田淳夫君 可能性はあるわけですね。
 これは昨年の八月ですか、三木首相とフォード大統領の共同声明の中にありますが、「両者は、韓国の安全が朝鮮半島における平和の維持にとり緊要であり、また、朝鮮半島における平和の維持は日本を含む東アジアにおける平和と安全にとり必要であることに意見の一致を見た。」と、こういう共同声明の発表がございますが、これには宮澤外相とキッシンジャー国務長官も参加しているわけですが、いまのお話のとおり、韓国で有事が発生した場合には、そのときの日本の平和と安全に危険であると判断された場合には有事であると、こういうお答えがありましたけれども、この共同声明にありますように、韓国の平和というのがやはり日本の平和の維持にとってもこれは必要であるわけですから、韓国で有事が発生した場合には、日本はそこでやはりいろいろと協力し合うということ、そういうことも含めてこの小委員会で協議を行うんじゃないか、こういうふうに私は思うわけですが、その点はどうでしょうか。
○説明員(山崎敏夫君) 韓国において何らかの非常事態が発生いたしました場合には、もちろん日米の間でこれは相談すべきことだと思います。この点につにましては、安保条約の第四条に随時協議の条項がございますが、その中に書いてございますように、「日本国の安全又は極東における国際の平和及び安全に対する脅威が生じたときはいつでも、いずれか一方の締約国の要請により協議する。」、したがいまして、韓国に何らかの非常の事態が生じましたときには、両国がこの問題に関して協議するということは当然あり得ることだと思います。
○太田淳夫君 次に、日本が現実に武力攻撃をされた、こういうことは、ない方が望ましいわけですけれども、仮に武力攻撃された場合には、具体的に米軍はどのような軍事行動に出てこの日本の安全を守ってくれるのか、その場合に自衛隊はどのように協力していくのか、その点をちょっとお聞きしたいと思います。
○説明員(伊藤圭一君) その点をまさに協力小委員会において勉強しようとしておるわけでございます。いままではそういうことが非常に概念的に考えられておるわけでございますけれども、具体的なものということで議論されたことはないわけでございます。
○太田淳夫君 これから勉強するというお話でしたけれども、こういう小委員会ができますまでに、やはり何らかの具体的な事態というものの詰めが行われてきているんじゃないかと、このように思うわけですけれども、そういった原案になるような事務当局の詰めというのはいままでされていないんですか。
○説明員(伊藤圭一君) それは、いわゆる幕僚間の連絡その他で、制服同士でいわゆる部分部分としてはあったかと思います。しかし、それはいわゆるシビリアンコントロールのもとに行われたものではございませんので、何の権威もないわけでございます。したがいまして、今後はそういうものを取り上げて、日米安保協議委員会に報告して、その方向を示していただくということになろうかと思います。
○太田淳夫君 そこでお尋ねいたしますけれども、いま防衛庁では、日本が武力攻撃を受けた場合は米軍は日本の米軍基地だけじゃなくて、自衛隊基地をも使用するようになると、そういうことも協議の対象になるということを十二月、報道されておりますが、その点は間違いないですか。
○説明員(伊藤圭一君) この点は、実はまだ具体的にはわからないわけでございます。したがいまして、私どもとしては、そういう問題、必要があるのかないのか、あるいはそういう場合にはどういうことができるのか、自衛隊側として。そういうようなことも今後研究の対象にしていく必要があろうかというふうに考えております。
○太田淳夫君 小委員会における協議の対象になるということですね。そうしますと、小委員会におきましては、坂田長官は第五条を中心にというお話でしたけれども、当然これは第六条についても協議の対象になるということですね。
○説明員(山崎敏夫君) 仰せのとおり、この防衛協力小委員会は、当然第五条の事態と申しますか、わが国に対する武力功撃があった場合に対する両国の共同対処行動が中心になっていくべきであろうと思います。しかしながら、その日本を守るためにも米軍は第六条に書かれてありますような在日米軍基地を使う必要があるわけでございます。さらに、先ほどから申し上げておりますように、極東の平和と安全という問題は、日米両国の共通の関心事でございます。この点は安保条約の前文にも明記されております。したがいまして、そういう観点から第六条に書かれておりますように、米軍がその基地を安定的に使用することができるようにするための措置についても両国は協議することはあり得ると思います。
○太田淳夫君 そうしますと、もう一遍お尋ねしますけれども、それでは緊急時の基地の後方の補給支援体制、これについても安保条約第六条の中にある施設について防衛協力小委員会で協議されるのかどうか、その点ちょっとお聞きします。
○説明員(山崎敏夫君) 日本が第六条において負っております義務は、米軍に対する基地の提供、安保条約の用語で言いますれば施設及び区域の提供でございます。その施設及び区域の提供に関連する限りにおいてそういう後方支援的な問題も出てまいるかと思います。
○太田淳夫君 そうしますと、極東の平和と安全維持のためにということで米軍の基地の安定使用も協議されるということですけれども、韓国は当然極東に含まれるわけですから、韓国で有事が起きた場合は、当然これは米軍の基地使用は認められるわけですね。
○説明員(山崎敏夫君) たびたび申し上げるようでございますけれども、第六条において、米軍は日本の安全及び極東の平和と安全の維持のために日本にあります基地を使用することができるわけでございますから、韓国に何かの事態がありました場合に日本の基地を使用することができることは言うまでもございません。ただ、その問題に関しましては、御承知のとおり、この第六条の実施に関する交換公文というのがございまして、ある一定の事項に関しては日本側と事前協議をすることになっておるわけでございます。
○太田淳夫君 その一定の事項とはどういうことですか。
○説明員(山崎敏夫君) この点に関しましては、第六条の実施に関する交換公文に記述されておりますが、米軍の軍隊の日本国への配置における重要な変更、あるいは米軍軍隊の装備における重要な変更、さらに、日本国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設及び区域の使用というものは、事前協議の対象となっておるわけでございます。
○太田淳夫君 アメリカの下院外交委員会の将来の外交政策に関する研究開発小委を中心とするアジア諸国視察団の報告書というこの報告書の中では、宮澤外相は、韓国が侵略を受けた場合米軍に在日米軍基地の使用を認める、こういうふうに言っておりますが、この宮澤外相が認めた基地の使用ということは、在日基地を戦闘作戦の発進基地として使用する場合もこれは認めたのかどうか、その点ちょっとお聞きしたいと思います。
○説明員(山崎敏夫君) その報告につきましては私も承知しておりますけれども、これは宮澤大臣の発言を正確に伝えているものではないと思います。宮澤大臣の御発言は、この安保条約の第六条及びその交換公文に即して行われたものでございまして、私もその発言されました場所に同席しておりましたが、その報告書の表現は少し不正確であるというふうに考えております。
○太田淳夫君 そうすると、宮澤外相の真意はどういうところですか。
○説明員(山崎敏夫君) いま申し上げましたように、この安保条約の第六条及びその実施に関する交換公文の趣旨に即してお話しになったわけであります。
○太田淳夫君 次にまた小委員会の問題に戻りますけれども、小委員会で補給などの後方支援のあり方も研究すると、ここに言われておりますけれども、ここで韓国に有事かあった場合には当然米軍は支援物資を補給することになります。在日米軍基地を使用させる以上、日本もやはりその支援物資の補給活動に当然これは加わっていかなければならないんじゃないかと思うんですか、その点はいかかでしょうか。
○説明員(山崎敏夫君) そういう問題については、まだこれからの研究協議の対象であろうと存じます。
○太田淳夫君 しかし、この後方ですね、兵たん部門というのは非常にこれは重要ですから、韓国で有事があった場合には、韓国には物資というものはありませんから日本から支援するのは当然ですね。これはこれから検討をすると。いままでそういったことも検討されてきたんじゃないですか。
○説明員(伊藤圭一君) いままではそういうことは検討したことはございません。また、その韓国における問題が発生しましたとしましても、これはいろんな事態があるわけでございますから、そういうものはこれから検討しようということでございます。
○太田淳夫君 先ほど秦委員からもいろいろと話がありましたけれども、そういった検討を含めて小委員会の次期の開催というのはいつごろになるんですか。
○説明員(伊藤圭一君) 先ほどもお答えしましたように、外務省と私どもの方でどういう運営の仕方をするかというようなことは数回話し合っております。しかし、先ほども申し上げましたように、まだアメリカと話し合うという段階には至っておりませんが、アメリカの方も先月の八日にこれが決まりましたから、早くやりたいという希望はあると思います。したがいまして、少なくとも早い時期に、できましたら今月中にも第一回を開いて、今後の運営の仕方、まあその後にどういうことを研究し合うかというようなことを話し合えればというふうに考えております。
○太田淳夫君 当然この補給という問題も議題になると思いますけれども、防衛庁としてはそういうような事態が起きた場合にはどのように対処するか、その方向をちょっと教えてもらいたいと思います、検討されていると思いますから。
○説明員(伊藤圭一君) どういうものを補給してほしいのか、そういうことも実は私どもまだ知っておりません。したがいまして、自衛隊がどういう点で協力できるか、そういうことはこれからの研究の問題だというふうに考えております。
○太田淳夫君 もしも、米軍との間でその検討がされて、その補給作戦行動に自衛隊の出動を要請された場合はどうでしょう。
○説明員(伊藤圭一君) 補給については自衛隊ができるようなものはないと思います。
○太田淳夫君 しかし、いろんな物資の調達については、米軍というよりむしろ自衛隊側でいろいろ協力しないとできない場合が非常にあるんじゃないですか。
○説明員(伊藤圭一君) 在日米軍司令部もございますし、ずっと日本にいるわけでございますから、必要なものの物資の調達その他は在日米軍の力でできますでしょうし、またアメリカというのはそういう補給体制というものは非常に進んでおりますから、そういう点においては大きな力を持っているというふうに私どもは思っております。
○岩間正男君 最初にお願いしておきますが、時間が非常に少ない。特に端的な御答弁をお願いしておきます。
 私は先月の十五日の当委員会で、主として自衛隊と米軍の対潜共同作戦に問題をしぼって質問しました。その際、現次官、当時の丸山防衛局長は、海上自衛隊第三一航空群、これは岩国でありますが、その門松司令がソ連原潜に対するソノブイ投下をしておる、こういう発言をした。このことについて事実関係の調査を約束したはずです。その後一カ月近くになるわけですが、いまだにその回答がなされていません。これは非常に怠慢だと思うのでありますが、本日はまずこの点について責任ある回答をお願いしたいと思います。
○説明員(伊藤圭一君) 丸山前局長から、調査の結果について御報告するように言われましたが、去る六月二十八日衆議院の内閣委員会の委員の方四名が岩国においでになりました。海上自衛隊の第三一航空群を御視察くださいました。その際、中路委員から、ソノブイを外国の潜水艦を見つけたら落とすのかという御質問があったようでございます。これに対しまして、群司令は、保安上問題がなければ落とします、これは訓練にもなります、しかし当隊では見つけたことがありませんという回答をしたということでございます。そこでまず群司令は、ソ連の原子力潜水艦に対してソノブイを落としたということは申していないようでございます。で、群司令の発言をいたしましたその趣旨について調査をいたしました結果は、部隊が対潜訓練を実施しております途中で、訓練部隊の中に属さないと思われる目標、わからない目標が探知されることがございます。そういう場合に、訓練を続行しても支障がない状況であるならば、すなわち保安上問題がなければ、ソノブイを落として、そのわからない目標というものが訓練部隊のものでないということを、彼我識別と申しますか、そういうために落として聞くというようなことがあるというような意味でございます。
○岩間正男君 これは外国の原潜と言ったね。外国の原潜といったらアメリカ以外にこれはソビエトしかないわけですよね。これは外国と言ったかどうかということは、われわれはソ連の原潜だ、こういうふうに言ったと聞いているんです。だから、そこのところは後で訂正されてはまずいと思うんです。
 それから、いつあなた聞かれたのか。いまになって、もうこっちで聞かないうちは答弁しないというんじゃまずいと思うんですね。これはいつ確かめたんですか、いつわかったのか。
○説明員(伊藤圭一君) これは、この前に先生から御質問があった後、現地の司令等に問い合わせたというふうに聞いております。
○岩間正男君 それじゃすぐ、少なくとも四、五日、長くとも一週間のうちにわかっていたんですね、それはすぐにやっぱり返答するという態度をとってくださいよ。こっちが言わないうちは黙っている、こういうやり方、姿勢に問題がある。いまは時間の関係から全部詳しくやり合うということはできませんけれども、とにかくこれは認めているんです、実際。それから、保安上問題がなければこれはやっぱり落とす、こういうことを言っているんです。だから、これはもう確認できると思う。
 さらに、この問題につきましては六月下旬にわが党の内藤議員がこれはレクチュアを受けたんです。そのときもやっぱり海上自衛隊のP2Jが哨戒監視行動の際、ソ連の原潜にソノブイを打ち込んでいる、こういうことをはっきり言っているんですよ、あなたの方の係官が。だから、そういう点がありますから、ここで委員会で公然と問題になるとそいつを隠してしまうということでなくて、ありのままの姿を話をするという態度でなければ、当委員会の権威にも関する問題ですからね。先ほども話がありましたけれども、ほかで言われていることがここでは全然つんぼさじきになって隠されてしまっている。ここに防衛の大きな問題があります。そして、ソノブイを落として、さらにそれの分析結果については米軍側へ提供しておる。これは認めているわけです。日米間の情報交換が行われている。これはこの前の丸山答弁によっても明らかであります。で、とにかくこういう問題についてこの前論議されたときに、さらに丸山当時の局長は、ソノブイを投下する場合は、普通の場合はまず日本の潜水艦以外のものに対して行わないというのが私どもの立場だということを明言しながら、しかし、これは必ずしも相手に対して、つまりソ連に対して友好的な行為とは言えないと、こういうふうに言っているわけですからね、だから望ましい問題ではないと思うんです。ソビエトの潜水艦、原潜を対象にして、それでソノブイを落としてやるというような行動というものは望ましくない、そういうふうにこれは言っているわけです。
  〔理事加藤武徳君退席、委員長着席〕
 そこで、私は防衛庁長官にここではっきり確認しておきたいんですが、今後このような敵対的な行為を含んだソノブイをソビエトの原潜に投げかけるというようなこと、これは今後とらないんだ、はっきりこれは確約できますか。
○国務大臣(坂田道太君) われわれ自衛隊は、訓練対象としての了解を得ていない第三国の潜水艦に対しましては、これを直接目標としてのソノブイ投下等の対潜訓練は行っておりませんし、今後も行いません。
○岩間正男君 その前の方の行っていないというのは、非常にさっきから論争のあるところですが、それは保留しておきます。それはおかしい。ただ、今後しないと、こういうふうにはっきり確認されましたから、これは私は確認しておきます。もしこれに違反する事態というものが起これば、これは防衛庁長官の食言ということになりますから、非常に重大ですよ、それは確認しておきます。
 さて、この問題はそれとしまして、次に防衛庁の広報活動についてお聞きしたいと思う。まず広報誌、ここにありますか「防衛アンテナ」、この発行目的、それからこの発行者はだれなのか、それから発行部数は何部出されているか、どのような範囲にこれは配られているのか、お聞きしたいと思う。
○説明員(亘理彰君) 「防衛アンテナ」は、私どもの官房の広報課におきまして、防衛問題、それから自衛隊の現況につきまして、部内外の方々の認識と理解を得るということを目的として編集しているわけでございます。広報課で編集いたしまして、発行は財団法人防衛弘済会ということでございます。
○岩間正男君 はっきりして、もう少し。もっとはっきり語尾を明確にしてやってください。
○説明員(亘理彰君) 発行元は財団法人防衛弘済会、それから編集は防衛庁の官房の広報課、発行部数は現在約一万九千部ぐらいでございます。
○岩間正男君 それから配付先。
○説明員(亘理彰君) これは部内の幹部等に約一万二千部配付しております。それから部外の有識者等に約六千五百部配付しております。そのほかに有料の購読が五百部ぐらい、合わせて一万九千部ぐらいでございます。
○岩間正男君 わかりました。そうすると相当なこれは部数なんですね。そしてしかもこれは予算を使ってやっている。しかも防衛庁が官房で編集をしている。そして弘済会にこれは発行さしている。こういうものですから、非常にこれは重要な広報誌になるわけです。この点は認められますな。
○説明員(亘理彰君) 防衛問題については広報が非常に重要であると認識しておりますので、いろいろな手段を使っておりますが、この「防衛アンテナ」も、おっしゃるように大きな一つの柱というふうに考えております。
○岩間正男君 そこでお聞きしますが、この「防衛アンテナ」の一月号ですね、ナンバー一八六号、これを見ますというと、この中に、堀江正夫という、これは元西部方面総監をやっていた方らしいが、「身辺雑感」というのを書いているわけです。その中で「韓国視察」というのがあります。これは坂田長官読んでおられますか。
○国務大臣(坂田道太君) 読んでおりません。
○岩間正男君 これはまあ非常に重要な広報誌だというので、やっぱり目を通される必要があると思うのですが、後でお見せしましょう。この中に「身辺雑感」、そうして韓国の視察記ですね、この中にこういうところがある。「韓国経済は、今正に長い苦難の道程の中におかれている。しかし、耳目にふれる国内の状況は、五年前の訪問時と比較しても、経済活動、社会施設、国民生活等あらゆる分野において、画期的な発展の道を進み続けて来たあとの歴然たるものがあり、目を見張らされるところ頗る大であった。」、さあその後、これは大変だ。「加えて、北鮮の厳しい軍事的脅威の前に、「総和維新と自衛安保」を旗印として、活気に溢れ、明るい雰囲気と自信に充ちて、国民打って一丸となって挺身している姿には、全く頭の下る思いさえした。朴大統領の指導力、これに応える国民の、民族的、国家的見地に立つ団結協力と、強烈なエネルギーの韓国に引きかえ、個人及び集団エゴがますます風靡し、三十八度線の火の手が国内に至るところで燃え上り、偏向マスコミの煽動の下に、大勢の流れるままに押し流されつつあるやに感ぜられる。日本の政治と社会の現情を顧みて、転た慄然たる思いに駆られたのである。」、こういう一文があるわけです。これは特にこの後段の部分ですね、わが国内に三十八度線を描き出し、民主勢力の生活と権利を守る要求や運動も、これをまるで敵視をするような言い方をし、さらにマスコミをも偏向マスコミだとして敵視するという、これは許しがたい内容になっているというふうに思うわけです。一体防衛庁は、このような偏見に満ちた反国民的な情勢認識、見解を容認されておるのか。これはとにかく広報課の責任において編集した雑誌で、しかも二万近くも配られている広報誌であります。しかも、非常に重要なものだということは先ほどの答弁でも明らかだ。そういう中で、このような一体見解というものが載せられていることについてどういうふうにお考えになっていられますか、これは防衛庁長官にただしたい。つまり防衛庁の姿勢の問題ですからね。
○国務大臣(坂田道太君) 私はその原文をいま岩間さんからお聞きして聞いておったんですけれども、一人の人間が、やはり視察をしましていろいろ感じたということ、それは率直に認めなけりゃいけないんじゃないかと思うのです。まあその人が公務員であり、あるいは自衛隊員であった場合多少ニュアンスはあるいは違うかもしれませんけれども、この方はおやめになった方でございます。その方がいろいろの感想を述べられること、これは自由社会においては許されることだと思います。で、岩間さんは岩間さんのお考がありましょうけれども、私はそういうふうに思います。それは体制が違うし、あるいは考え方の違うところへ行って、そしてその点についていろいろの考えを持つ。たとえば、ソ連に行ってソ連を見てきた人はいろいろ言われるだろうし、中国に行っても、やはりわれわれと考え方は違うけれども、一丸となって毛主席のもとに一致団結してやっておる姿は非常に結構であるというふうに、われわれ自民党の人たちも行って感心してきたことはあるわけです。しかしそのことは、毛主席の率いる政治体制に同調しているということではないと私は思うんです。
○岩間正男君 ある人がいろいろな感想を持つ、それは言論の自由であります。そんなことを私たちは拘束しようとか、そんなことは言っておりません。問題は、自衛隊が金を出して出している、そうして官房が編集をしている、そういう広報誌なんです。その中にこのような一体意見を載せるということは、同時にこれは自衛隊、防衛庁は非常に責任を持たなければならない。少なくともこれを容認するという立場に立たなければこういうものは載せられないわけです。ということは、当委員会は山中長官がこの前総理府の広報誌、あの問題で実は平身低頭して、私の質問に謝って二時間、何が中断したことがあります、これは憲法問題についてでありますが。これは韓国に対する偏見と言わざるを得ない。
 私は、さらに問題なのは韓国に対する見方です。韓国という国はいまさら指摘するまでもないことです、金芝河問題、あるいは金大中事件に見られるとおりの非常にファッショ的な国だ。たとえばこういう問題について、ニューヨークにある海外僑胞団体が発行している海外韓民報というのがありますが、この七六年一月十五日付を見ますと、韓国の朴政権についてこう言っている。「反独裁・民主化運動への提言」と題する社説を掲げて、その中で、「われわれに切実な問題はどうすれば一日も早く民主社会を建設でき、そうして国と民族を救うことができるかという現実的な問題にすべての知恵と力を注ぐことにある」と訴えている。そこで、先ほど長官の言葉の端にもありましたけれども、韓国は非常に国民が団結してやっておる国だ、そういうふうな見方がありましたが、果たしてあなたはそう思っておられますか。韓国や朴政権に対して、現在の国民の置かれている状態、これはアメリカでさえ問題になっている。国際的には大変な大きな問題になっている、こういうものについて、一体どのように認識し、またこれを評価しておられるか、これは簡単でいいですからあなたの長官の見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(坂田道太君) これは私が、いまの堀江君が視察をしたその印象、あるいはその印象のよって来るところの彼の考え方、思想、それに私が同調しているというわけじゃございません。私は私の考え方があるわけでございまして、しかしながら韓国は韓国の国づくりの行き方があるだろう。つまり、社会主義国でない民主主義下におきまして、まだ民主主義的なものを十分持っていない面は多々あるというふうに私は思っております。しかし、これはやはり時間をかけていかなきゃならない問題だというふうに私は思います。だけれども、人の意見をあれはいかぬ、これはいかぬ、自分の思うとおりにいかなきゃ変えてもらわなければ困るというような、そういう岩間さんの考え方というのはわれわれはどうも賛成しかねるわけでございまして、わが自由社会の私たちの考え方を岩間さんは全く極端な偏見だとおっしゃるし、われわれから言うならばまた岩間さんの考えだって偏見だと思うことも実はあるわけです。しかし、そういうものも自由社会においては許すというところに民主主義の発展があるということをわれわれは確信してこの自由社会というものを守っていこう、こう考えておるわけなんでございます。
○岩間正男君 これは私の問題じゃないんです。世界の世論がはっきりしていることでしょう。そのことについて、一体防衛庁はどうするのか、それから防衛庁の責任で出しているこの雑誌の中に、どんな見解でも何でも載せていいのか、これが問われている。この政治姿勢が問われている。しかもこれは国民の税金なんです。しかも、自衛隊が民主的にやるのだとか何とか言っているけれども、全く反民主的なやり方、そういうような問題がこの中に含まれているから問題になっているのです。しかもこの堀江氏はこういうことを言っている。この文の中で「請われるままに、最近何処にでも出かけて、韓国の状況を講演している所以である。」と言っている。つまり、ペンだけでなく国内各地でぶち回っている、こういうわけなんです。堀江氏の私見だと言って責任を回避することができないんじゃないか、なぜかと言ったら、これは国費を使って出している「防衛アンテナ」、こういうものに載っていること、政府の責任で、防衛庁の官房の責任で編集されている、防衛弘済会が発行していること。しかも弘済会の目的の第一というのは、防衛思想の普及にある、こういうことが明確なんです。このようなやり方ですね、この視察記を掲載するということは今後構わないということで引き続いておやりになるのかどうか、この問題についてあなたのはっきりとした判断が示されないわけです。このような偏見を、見解を今後とも載せていく、そういう考えなんですか、この点はっきりお聞きをしたい。
○国務大臣(坂田道太君) これは一遍じっくり読んでみないと何とも申し上げられませんけれども、いま岩間さんがおっしゃった程度のことならぼくは載せてもいいと思います。それを取り消す必要はないというふうに思うんです。しかし、十分私も読みまして検討を――全部読まないと何とも申し上げようがございませんので。ただしかし、いまお話しになったようなことは、たとえば、憲法違反とか何とかというようなかつてここで問題になって、そうして山中長官か取り消したとか何とかという問題とはちょっと違うというふうに私はいまは考えておるわけでございます。いずれ調査をいたしましてまたお答えをいたしたいと思います。
○岩間正男君 それじゃ時間ですからもうやめます。やめますが……
○委員長(中山太郎君) ちょっと先生お待ちください。先生の総務長官に対する質疑時間が十五分予定されていますから、ここでお聞きいただかないと質疑ができなくなってしまいます。ひとつお願いをいたします。
○岩間正男君 いまの問題は、国内に三十八度線をつくっているとか、それからマスコミが非常に偏向しているとか、そういうようなことが現実に合っていますか。そういう認識を、本当に防衛庁内で、自衛隊内でこれを読めば影響を受けるのです。そういうことは構わない、こういうことになったらどうなんですか。だからその点が大きな問題になっているからわれわれは了承できぬ。だから、実はこういうようなものについては十分な批判が行われるだろうし、さらに、当然私はこんな偏見に満ちたものが堂々とまかり通ることは許されない。こういうものは回収されたらいいと思うんですがね、これに対して答弁なければないで結構です。時間の関係がありますからこれで私は終わります。
○国務大臣(坂田道太君) その内容、私全部読んでおりませんので、ただ、さっきおっしゃいました前段の話なんかはどうでもということでございます。
○委員長(中山太郎君) 本件に関する本日の調査はこの程度にとどめます。
○委員長(中山太郎君) 次に、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を再び議題とし、国家公務員の災害補償に関する件について調査を行います。
 本件調査のため、ただいま参考人としてお手元に配付してあります方々の御出席を願っております。
 この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は御多忙中のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございました。忌憚のない御意見を拝聴し、国家公務員の災害補償に関する件の調査の参考にいたしたいと存じます。
 初めに十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑を行うことといたしますので御了承願います。
 それではよろしくお願いいたします。
 ただいまから参考人の意見を聴取いたします。矢嶋俊良君。
○参考人(矢嶋俊良君) 私は総理府統計局職員組合中央執行委員長を十五年在籍してきました。そういう立場で、総理府統計局がいま七年間もの年月を費やし、手続作業をサボつた結果として、八月六日頸肩腕障害に対して公務外認定を出したことに激しい怒りを込めて、ずさんで不当な、今日まで、あるいは現在の健康管理、労務管理を含めて陳述したいと思います。
 統計局職員組合は、百七十名の組合員、そのほとんどが製表部一課から四課――電子計算課に所属し、主に組合員はマークシートあるいは符号づけ、あるいは換算の一般集計事務に従事をしています。
 一九六〇年、第十回国政調査の集計からIBM大型電子計算機が導入され、調査の集計は一挙に二年に短縮され、現在はさらに短縮の方向にあります。反対に職員の数は当時二千四百名から、現在は二千名そこそこの人員に減らされてしまいました。
 電子計算機の導入によって、キーパンチャーからまず頸肩腕症候群という病気が発生、長い闘いを経てようやく一九六八年四月、国家公務員に初めてといわれる二名の公務災害認定が行われました。現在はその数は十一名に達しています。一九六五年国政調査には、さらに電子計算機に光学的読み取り装置というのが取りつけられて、作業はいままでの符号による集計からマークシートに一変しました。この一九六五年、四十年国調の中で、その集計が終わる一九六九年には当局の発表でも十五名という一般事務の罹病者か発病しています。以後、急速に罹病者の数が増大をし、一九七三年、当局の明らかにしたものだけでも七十二名、ほかに退職者十一名を含めれば八十三名というたくさんの罹病者か続けて発生をしました。すでに現在、私たちがおよそ知り得る数でも百名を超えています。この年十一月に、松田さんほか十八名の罹病者がみずから申請手続をとりました。
 同時に、統計局職組も委員長の名前をもって、こういう実態に即して職場の実態、業務との関係を含めて意見書を総務長官に提出し、直ちに公務災害として認定することを要求をしました。同時に、頸肩腕症候群の発生を予防するために、電子計算機によるコンピューターシステムヘの変化、その中でいままでと同じような労務管理のあり方を抜本的に改善をすること、二番目には、年次休暇あるいは生理休暇等の休暇を保障すること、さらに、業務の進行が職員に合うように適正な計画を立て直すこと、人員の増員等適正な配置がなされること、予防対策を含めた健康管理の抜本的な改善が必要であるということ、それらを通じて働きやすい職場の施設も改善をすることなどを強く申し入れました。
 しかしながら、統計当局は、罹病者の申請さえあったにかかわらず、みずから法と規則が規定をする速やかな報告義務を怠り、申請者、職員組合の追及の中で、認定権者、総理府官房へ手続をとったのは二年半を過ぎた一九七二年三月でありました。さらに、これを受けた総理府官房も、みずから認定権者としての認定ではなく、受けた一週間後、三月二十八日、松田、渡辺、木村の三申請者のみを人事院の協議に移し、以後人事院が協議を中止する一九七三年末まで全く何も行わないまま、一九七四年二月みずから認定を行うことを決め、ようやく実質的な認定作業が始まるというありさまでした。そして七年目に入った八月の六日、全く抜き打ち的に、理由さえ明確にしないままに全員公務外という不当な認定を行ったのであります。
 このように長期間を経ながら、統計局は長くなった理由を、職員組合及び申請者の協力が得られなかったとその責任を押しつけているのは、国家公務員災害補償法や人事院規則から、その目的、手続からいっても許せるものではありません。事実を捏造し、みずから職員の健康管理の責任を含むみずからやるべきことを放棄してると言わざるを得ません。
 以下、事実に基づき、怒りを込めて次の問題を告発をします。
 一九七〇年十月、統計局は、災害防止協会サービスセンター北山医師ほか、三名の医師によるプロジェクトチームをつくって罹病者全員を対象とする特別検診を行うということを申請者、罹病者に通告をしてきました。職員組合に対しては、申請者、罹病者が話に応じるように当局から組合に申し入れがありました。職員組合では、罹病者及び申請者等がつくっている罹病者懇談会を通じてその意見を聞きました。当局か課長補佐、係長を通じて、一人一人に説明をするのではなく、圧力をかけることだけに終始していることを知りました。当局に対し、その不当行為をやめ、検診の必要性やその目的を具体的に納得するように説明することを求めました。同時に、センターの北山医師を執行委員三名と二名の罹病者代表とで訪れて、検診内容も聞きました。さらに、私たちはそのことを通じて、当局が受診者、いわゆる罹病者に説明することが必要であるということを痛感をしました。ところが、当局は何ら説明のないままに全医療器具を大会議室に持ち込み、当日に至って全罹病者の集まった中で、当時の麓課長は、説明をするのではなくして、受けるのか受けないのか、受けなければそれでよい、受けないのならば何も手続をしないと激高をして全罹病者の怒りを巻き起こし、みずから三十万もするというこの計画を不可能にしてしまいました。
 人事院協議に入って、人事院は資料として全職員の特別検診を行うことを示唆し、当局もこれを受けましたが、それを無理として百五十名の抽出検診を行うということを提起をしてきました。職員組合ではその必要性と目的を人事院に聞きただし明確にすることを要請をしました。同時に職員組合では、一九七三年、当局が定期診断の項目をふやし、握力あるいは背筋その他問診を含めて診断項目をふやしたことについて、人事院が必要としているのはそれでは足りぬのではないかということを申し入れました。しかし、以後人事院はその資料が得られないとして協議を中断した模様です。
 一九七四年二月、認定作業が総理府に戻り、当局は慶応病院にプロジェクトチームをつくり申請者の再診断をする、そして総合診査意見を求めることを申し入れてきました。
 職員組合は慶応病院にゆだねる理由、認定をするためにどういう資料にするのか、すでに罹病者の一人一人が主治医を持ち診断をされている、その資料をとることが先ではないか、また、その医師の診断を再び医師がするということについてはおかしいのではないか、四番目に、すでに罹病者は発病の当時と全く状態が違っているなどということを明らかにすることを要求をしましたし、同時に主治医の意見書をとることを要求をしました。当局はこれに対して、慶応病院は有名な医師だから信用できる、それをとらなければ医学的資料が全くない、病院側にすべて任せてあるのだから内容は明らかにできないと全く誠意は見られませんでした。しかし、当局は一九七五年、組合が要求をした主治医の意見書をとることに同意をしています。
 このように、私たちは、当局が私たちに出してきた資料の収集について当局が言うように協力をしないのではなく、私たちは自分たちが要請、要求をしている、一日も早く認定をしてほしいということに沿ってきたことの事実は間違いありません。
 次に時間がないようですから当局の健康管理について触れたいと思います。
 統計局の健康管理について川村局長は、最近行っている職員の短期研修の中で、私が知り得た範囲で言っていることは、統計局はいま全国的に注目されており、集計の発表の迅速が要求されている、少ない人員でいかに大きな仕事かできるのかを考えなければいけない、このことを前提として、病気になったらみずから自分で管理をして一人一人が健康を守ることが大事である、毎月生理休暇をとるというのは異常であって病気であり、医者に相談をすべきだ、局長などに会ったら必ずあいさつをすべきだし、初めて給料もらったら必ず親に渡すことが必要だ、いま統計局は半病人が非常に多い、疲れているのは仕事をやるからではなく、女性の職場からくる人間関係にあるのだというような話をしているようです。この事実は、統計局の現在の健康管理そのものの方向がはっきり打ち出されているのだというふうに私は思います。
 この長かった七年間の中で、当局は、統計職組が明らかにし、主張している以上に職員が健康を害されていることを、頸肩腕障害が多く発生していることを、それが仕事からきていることを知っています。それはこの期間の中でさえ十一名に及ぶキーパンチャーの認定を行いました。さらにそれをもとにして勤務時間の変更、職場施設の改善を行っています。二番目に、全職員の定期検診の中に、先ほど言いました握力、背筋力、その他問診などを入れて病気の発見の項目を入れています。四十年の国勢調査の中から多数の罹病者が発生していることも認めています。一般事務の職場に一時間末満に仕事の継続をやめて休息時間、休憩時間を入れています。厳しい条件をつけながらも頸肩腕罹病者の時間内通院を認めています。医務室にはマッサージ師を入れることも予算上要求をしていますし、マッサージ器を入れたりあるいは肩たたきを一般事務の職場に入れています。
 当局は職場に職制を通じて一貫してみずから電子計算機の導入による労務管理、勤務条件を含めて頸肩腕障害を公務上と認めないために、組合の役員をやっていた、夜学に通っている、家事のやり過ぎだということを宣伝を行ってきました。職場の一部課長の中には、罹病者を監視をし、罹病者自身の日常の会話をメモをとらせる、あるいは頸肩腕障害の診断書が出ると、それを紹介者を通じて取り消させる……
○委員長(中山太郎君) ちょっと参考人の方にお聞き願いたいのですが、本委員会の理事会の申し合わせによりまして、参考人の意見の発表はお一人十分ということですでに事前に御了解を得ておりますが、すでに時間が相当超過をいたしておりますので、ひとつ委員会の運営に御協力を願いたいと思います。
○参考人(矢嶋俊良君) はい、終わります。
 こういう事実は、私たち組合に対する偏見を十分持っているのだというふうに思います。現在出している申請者の中にも組合員でない人はたくさんいます。あるいは罹病してから職員組合に入った人もたくさんいます。今度出された判断については、きわめて政治的な判断だというふうに言わざるを得ません。いまこの公務外の認定が出、さらにいままで懸案であった統計局健康管理細則なるものが出されました。いま私は一部の職場でそれを含めて職場の声の出たのを持っています。その中では、大きな不安を職場の人たちに呼んでいます。病気になったらやめさせられるのではないか、私はもっと勤めたいのにこういうものが出たら大変だ、そういう幾つかの声も上がっています。職場には、いまこの公務外認定と符節を合わせて出されました健康管理細則なるものの不安が増大をしています。私は川村統計局長が常に言っていますように、明るい統計局の職場をつくるためには健康でなければならないと思います。統計の職場にいま流されている健康管理細則と、公務外認定の弁明をした異常である職場への回覧の最後に、それぞれ職員は自己管理をもっと強くせよと言っています。そのことは二千人の職員の健康管理をする人たちの言うべきことではないと思います。そういう意味を含めて、私はぜひ本委員会の中で、事実の究明と公務外認定の不当性を明らかにしてくださることをお願いをし、陳述を終わります。
○委員長(中山太郎君) 参考人に重ねてお願いを
 いたします。
 後、総務長官に対する岩間委員の質疑時間がすでに総務長官との間で予約がされておりまして、後の参考人の松田光子さんの発言時間が長くなりますと、委員の質疑の時間に障害が起こりますので、お約束を申し上げた時間内がすでに超過しましたので、さらに五分間だけ延長して参考人の意見の聴取をいたしたいと思います。御協力を願います。松田参考人。
○参考人(松田光子君) 私は昭和四十四年十一月公務災害申請をしたにもかかわらず、七年の余りその結果が延ばされて、この八月六日公務外だという認定通知書を、全く考えもしない結果を受け取ることになったんですけれども、この通知書には公務外という結論だけが書かれていて、一片の理由も述べられていないために、私たちは直ちに局長と職員管理室長のところに説明を求めに行きました。そうすると、部屋のドアのかぎを締めて、一切拒否されて、会うことすらできなかったんです。そのために、私たちは病気の苦しみの中で耐えに耐えてきたこの七年間を、なぜ公務外になったかということを、仕方なく所属の課長なり係長にも説明を求めました。しかし、きょう現在まだ一片の説明も受けていません。それと、最近、ことしの六月、七月ごろになって、私たちがかかってきたあらゆる医者のところに、統計当局が判断に必要だという書類を各医者に要求してきて、それが昨日判明したのですけれども、やっとその書類ができたということをお医者さんから私たちは聞かされたわけです。その書類もまだ統計当局に届いていない前に公務外という判断を出されたということは、私たちは何をもって八月六日に急いでこういうことを出されたかという理由がわからないし、なぜ統計当局が自分たちが必要と認めた書類すらもまとめない段階で判断を下したかということに大きな疑問と怒りを持っています。
 そういう中で、私は昭和三十一年に入局して、そのときは健康であるという証拠のもとに入局し、統計局の中心的な業務である国勢調査の仕事に携わってきました。三十五年度の国勢調査までは、調査票に数字で符号化し、それをパンチに写し、そして機械に集計をするという段階でしたけれども、昭和四十年度の国勢調査からはそのシステムが大きく変わって、光学式読み取り装置という電子計算機が入れられて、二ミリから六ミリの細かい枠の中を鉛筆で塗りつぶすという仕事に変わったわけです。こういう新しいシステムに変わる段階で、私たちはこういう仕事をすることによってどういう健康破壊が起き、どういうことに注意をして仕事をしなければいけないかという、そういう健康と予防についての指導は一切受けず、ただどうやって仕事を早く終わらせるかという指導だけを受けて仕事に携わりました。そのために、私たちはこの仕事によってこんなに恐ろしい病気にかかるということは全く予想しなかったわけです。そういう中で、すでに職場ではその仕事に入ると同時ぐらいに、目の痛みとか、肩、腕、腰の痛みを訴える人が出てきました。
 そういう中で、私も昭和四十二年の秋ごろから全く鉛筆を握ることすらできなくなって、いろいろ内科から始めてすべての医療機関に精密検査を依頼しましたけれども、原因がつかめないままとうとう仕事をすることも、そして自分の体のこと、それから家事、育児一切の仕事ができなくなって、全く半病人というか、半廃人的なことになってしまって、やむを得ず働くことができず休養に入ったわけです。
 そういう中で、私が四十二年の九月に診断されて診断書を出すと同時に、私たちの国勢調査票の仕事をしている人と同時に、全国消費物価指数の仕事をしている人たちからも集団的に病人が発生し、私たちはいろいろと当局のいやがらせの中で、頸腕だということを口に出してて言うと、当局は私たちに対しては、これは怠け病だとか、第一組合員病だとか、結婚をすれば治るとか、子供を産めば治るとか、お嬢さん病だとか、あらゆる形でこれははっきり病気ではなくて気分の持ちようだということを言われてきました。しかし……
○委員長(中山太郎君) 松田参考人に申し上げます。
 予定の時間がすでに相当超過をいたしております。これで御意見の陳述を終わっていただきます。
○参考人(松田光子君) じゃ最後に……
○委員長(中山太郎君) 総務長官かここにお越しになっておられますので、お約束を守っていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
 以上で参考人の御意見の陳述を終わります。
 それでは、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発、言を願います。
○岩間正男君 長官にまず伺いたいのです。
 今度出されたこの公務外認定通知書ですね、これはいまも参考人からいろいろ意見が述べられましたか、この申請者当人はもちろん、他の多くの申請者、さらには公務員労働者、この人たちの人権に関する問題、また生存権を脅かす実にゆゆしい問題であると思うんです。先ほど午前中の質問の中で、あなたは政治には愛情が必要だということを言われた。しかもあなたの足元で、この統計局でこういうような事態が起こっている。そういう中でこの認定外通知というのが出されたわけです。この問題については時間の関係からこの書式の問題とか内容の問題を詳細にやることはできないと思うんです、あと五分しかないわけですからね。
 そこで、私はまず第一に長官にお聞きしたいのは、この認定通知書の出された時期の問題です。統計局職員の頸肩腕症候群の問題は、当委員会においてもここ数年来しばしば問題になった。その職業病認定に対して、当局の怠慢についてはその責任が追及されてきたところです。しかも、本日参考人の出席を求めてその意見を聴することは、この前の十五日の本委員会の委員会決定として決まっているわけであります。問題解決のためにこの参考人の意見を聞いて、そうしてこの努力か当委員会としてなされる、一歩いままでの従来の審議よりも具体的にこれは進んだ、そういう段階です。ところが、そのやさきに突如としてこの認定書か六日に出された。一体これはどのようなことなのか。審議に入るに先立って当局の決定を押しつけ、審議を拘束するためのものという結果になったんではないか。これは国会審議に対して考慮があったのかどうか、この点が非常に私は重大な問題だと思いますので、あえて、この点について長官の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(植木光教君) 私が一昨年の十二月に総理府総務長官になりました直後に、この統計局の一般事務職員の頸肩腕障害の公務障害認定の問題について報告を受けました。非常に長年月にわたって認定がなされていないという事実にかんがみまして、私は人事管理の責任者でもあり、また総理府に直属する職員の問題でございますので、迅速かつ公正にこの問題を処理すべきであるという指示をしたのでございます。
 その後、衆参両院の委員会におきまして、この問題についてのいろいろな御質疑がございました。したがいまして、私はそのたびごとにいまその結論を得べく努力をさせているということを申し上げてきたわけでございますが、いろいろ経過がございました。この事実問題につきましては、それぞれ当該者あるいは当局が、いろいろな立場で、あるいは主張し、あるいは説明をすることと存じますので、その点については省かしていただきますが、いずれにしても早くこの問題を公正な判断のもとに処理すべきであるという趣旨のもとで、私が皆様方からも督励を受け、私自身も督励をしてまいったのでございます。したがいまして、災害補償法の趣旨に合致する行為であると存じておりますし、また、去る五月十八日には当委員会におきまして災害補償法一部改正法案審議の際になされた附帯決議もございますので、したがって、これに沿うものとして、結論が出ました段階でそれぞれの当事者にその判断の結論を通知をさせたのでございまして、したがいまして、当委員会において、本日参考人招致が行われるということはもちろん知っておりましたけれども、しかし速やかに公正に処理すべきであるという趣旨のもとにとった措置でございますので、特別に他意があるわけではないということを申し上げておきたいと存じます。
○岩間正男君 まあ、そういうことを答弁されておるんですが、一体申請が出されたのはいつですか。これは七年前じゃなくですか、四十四年の十一月ですよ。延ばしに延ばして七年間も延ばしておいて、いわばこれは当局の怠慢ですよ。そうして、国会での追及がまさに厳しくなった、そういう段階でここに突如として認定を出してくる、決定を出してくる。こういうことは、とてもこれはもう公正に迅速になどということとはおよそ縁遠い御答弁じゃないか。
 私はお聞きしたいのです。時間ありませんから端的にお答えを願いたいのですけれども、これは公務外に認定されたことについて、ただいま松田参考人から切実な体験談がございました。この理由を聞かしてほしいと、こういうふうにこれは係に申し入れた。ところがこれに対して応じない。ドアを閉ざして、ドアにかぎをかけて、そうしてそれに応じないというような行為は、これは正しいかどうかという問題。もう一つは、書類を見せてほしい。ところが書類はなかった。しかるに決定はすでになされた。それでその後に書類はきのう来た。こういうことはただいま切々と述べられたわけです。こういう形でこの問題が処理できるとお思いですか、愛情の政治などと言ったって、全然これは違うことになるんじゃないですか。この二つについて長官の判断を仰ぎたい。つまり、かぎをかけたような行為というものでこの問題、解決つくと思うか、これは正しいと思うか。もう一つは、書類がないのに決定されておって、後で書類か来たという、これがこの問題すべてを象徴的に語っておるように思うのですが、これに対する長官の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(植木光教君) 七年近い歳月を要したということは事実でございます。私が就任いたしましてから一年八カ月余りになるわけでございますが、私は就任いたしまして以来、この問題について精力的に解決を急ぐべきであるという指示をいたしました。それまでの経過はいろいろあったのでございますが、一つには申請者の御協力を得ることができなかったということが最大の原因であるというふうに私は承知をいたしております。さらに、ただいまかぎをかけて云々というお話がございましたけれども、私はそれぞれの個々人についての公務外とする認定の理由を拝見をいたしました。これは個々人の業務内容、身体的条件、あるいは疾病に関する資料、そういうものを総合的に見ました上での判断が下されているのでございますから、したがって、個々人によってそれぞれ理由も違う点があるわけでございます。したがって、私はこの点について十分に個々人に説明をするようにと、よく説明をするように、また非常に専門的な学術用語などを使っているのでは十分に理解が得られないという点もございますから、その点についてはよく配慮するようにということを申してまいったのでございます。したがって私としましては、やるべきことは迅速かつ公正にやってきたというふうに考えております。
○委員長(中山太郎君) ちょっと速記とめてください。
  〔速記中止〕
○委員長(中山太郎君) 速記をつけてください。
○国務大臣(植木光教君) かぎをかけて云々というような事実関係の問題につきましては、ここに統計局長もおることでございますから。したがって、私はその点について現在まで報告を受けておりません。本当にそういうことをしたのかどうかという点については、事実問題として私は明らかにしていないところでございます。
 いずれにいたしましても、それぞれの申請者に対して親切にその認定の理由を明らかにするようにということを指示しているところであります。
○委員長(中山太郎君) 岩間先生、総務長官退出いたしますがよろしゅうございますか。
○岩間正男君 退去されるという形でこの審議が進められておるところに……
○委員長(中山太郎君) 傍聴人の私語を禁じます。
○岩間正男君 残念なところがあるわけです。しかも、お聞きしていることにお答えいただけない。これは長官の判断、具体的にあなたは労働者を本当に信用し――そしてしかも、この公然たる席上で責任を持って、これは松田参考人は述べられた。まさかよもや、うそをついて何のかんばせありますか。これについて長官がどう判断されるかということが実は問題を決定するかぎだと私は考えているから、この点についてお伺いしている。ところが判断が述べられない。かぎをかけたというのはいいとお思いになるのですか、悪いとお思いになるのか。それから文書が後から来て、それで決定がなされたというようなやり方は正しいとお考えになるのかどうか。この判断が非常に私は重要なんです。あなたの立場ではこれは局長から聞かないからどうだということはあるでしょう。しかし、長官は政治的な判断をされなきゃならない。ことに愛の政治ということを先ほど言われた。そういう立場から、果たして一体これはやられるのかどうか。この点もう一回、何なら退去前に一言お願いします。
○国務大臣(植木光教君) かぎをかけた云々の問題につきましては事実関係にかかわることでございまして、統計局長がここにおりますので、その点は統計局長に対して事実問題をお聞きいただきたいと思います。
 なお、後ほど私は報告を受けます。その段階において判断をさしていただきます。
○岩間正男君 これは私は、だからこの判断があるかないかということが、政治的な立場をとっているのかどうか、局長の事務的なそういう答弁を聞かなきゃ判断できないと、こういうことだから問題がここまでくるんであります。歴代の総務長官、こういう態度だ、いつでも。私はもう四年前の速記読んだが、やっぱり同じようなことをやっているわけです。
 私はお聞きしますが、これは松田参考人どうですか。ただいまおっしゃったこと、かぎをかけた問題と、それから書類は後から持ってきたという問題について、もう一度これはお伺いをしたいと思うんであります。
○参考人(松田光子君) 私たちは八月六日午後、こういう業務外だという判断を受け取ったわけです。で、その中で説明が一切――所属の課長からそれを受け取ったものですから、当然私たちはどういう理由で公務外になったのかという理由を説明してほしいと聞きました。そうしたらば課長は、私はただ渡すだけで一切理由はわからないから上に行って聞いてほしいと言われたので、私たちはすぐ統計局の総責任者である局長、そして局長でなければいつも私たちと話し合うときに出てきてくれる管理室長に会いたいと申し入れたんです。しかし、そのときはもうすでに会議室かどこかに入ってしまったらしくて、局長室にもノックをしましたし、いろんなところを捜しましたけれども、何しろ、夜の八時まで待ちましたけれども会ってもらえなかったということです。
 それからもう一つ、書類の問題ですけれども、これはことしの六月の末から七月にかけてだと思いますけれども、私たち申請者がかかっている病院なり、それから最初の七年前ぐらいにかかってきた病院、いろいろなところに統計局の方から医者の意見を聞きたいという形で要請があったわけです。そのことに対して、昨日これはわかったんですけれども、東京女子医大病院の方からその先生の書類ができたということを、そこにかかっていた申請者に知らせがあったわけです。そして駆けつけて日にちを見ますと、その書類ができたのは五十一年八月十日付なわけです。しかし、私たちが受けたのは八月六日付で公務外という通知をもらっているわけです。これは統計当局の方が必要な書類だとして要求した医者の意見書なわけなんです。
  以上です。
○岩間正男君 いまの問題について、局長の話だけ、もし何かあるなら聞いておきたい。
○説明員(川村皓章君) ただいまの岩間先生の御質問にお答え申し上げますが、基本的にこの公務上の認定の問題は、むしろ政治的な問題というよりも、きわめて客観的な公正な立場でやることが私どもに必要な務めと思っておりまして、その意味で、まず公務外の認定をいたしました立場は、あくまでその意味で客観的に運んだつもりでございます。
 そこで、まず書類の点でございますけれども、私どもは「公務と相当因果関係をもつて発生したものとは認められない」ということを文書に記載して当人にお渡しをいたしました。それで、この点につきましては、本来個別にはそれぞれ個人の秘密に属するような問題がありますので、いわば公表はできないけれども、他に原因となるような疾病を有しているような場合がございますので、それぞれ公務外とする理由については別途本人と個別に話をするということで現在進んでおります。
 そこで、先ほどの資料の問題でございますが、これは現在の時点で、もう過去の経過は先生には何回もこの席で申し上げてございますので省略をいたしますが、私どもは、現在の時点で取り得る限りの資料を集めたつもりでございます。そこで、たまたま女子医大の例が出ましたが……
○岩間正男君 時間ないんですよ、途中ですけれども。だから後で来た書類の問題、日付が違っているというのと、ドアにかぎかけたのは事実かどうかということを言ってください。それだけでいいんです、後でやりますから。
○説明員(川村皓章君) ですから、その資料につきましては八月十日という例がたまたまあったと思いますけれども、これは、私どものほとんど認定に使いました資料は全部事前に集めたものでございます。たまたま一つの例で資料が全部後から来ているんだというふうにはなりません。
 それから、八月六日当日は、実際に認定書を各人にお渡しをしたのはたしか午後三時ごろであったかと思いますが、私の方は、たまたま予算の会議が非常に急ぐやつがございまして夜八時まで私は残っておりました。その途中で私の部屋の前でいろいろ騒ぎがありまして、私はその部屋を出ておりませんが、私の入り口には女の職員がおりますので、たしかそのドアをたたくというのでかぎをかけたということは後になって聞きました。したがって、新聞等には局長室にかぎをかけたという事実はございました。それは私は後になって知ったわけでございまして、その点は事実でございます。
○岩間正男君 結構です、時間ですから。
○野田哲君 まずこの問題につきましては、問題を整理して私も対処しなければいけないと思うんです。いままでいろいろ前の委員会でもこの問題が取り上げられたわけでありますが、私もかつて公務員で公務災害補償問題について参画をしたことがあるわけでありますけれども、まず、公務災害補償というのは、補償制度というか、認定の問題これはあくまでも客観的に基準をきちっとし、あるいは科学的な診断を待ってやられるべきものであって、認定そのものは団体交渉でこれは左右されるものではない、この点をはっきりしておかなければいけないと思うんですね。それはなぜかと言えば、認定そのものが団体交渉で左右されるということになると、これは交渉能力の強いところ、あるいは交渉能力のないところ、弱いところ、そういうことで、同じ公務員の中に不公正な扱いができる結果になってはいけない。そこで、そういうことであるがゆえに認定に至る道筋、それから認定基準が妥当かどうか、これはやはり別の角度から日本の公務災害制度全体、労働基準法、民間労働者の問題も含めて検討されなければならないと思うんです。
 それから事後措置、これもやはりそういう点では適正にやらなければいけないと思うんです。
 そういう意味からすれば、本件については、やはりそこに認定に至る経過あるいは事後処理について、私はやはり適切を欠いていると、こういうふうな感じがしますので、その点で松田さんにまず伺いますが、あなたはいま公務外という認定を八月六日に受けられたということをおっしゃったわけですが、通知をいまお持ちですか。お持ちでしたらちょっと読んでいただきたいんです。
○参考人(松田光子君) 私自身のは持っていないんですけれども、ほかの人のなら持っていて、その中の内容はすべて三十名同じです。ですから、もしほかの人のでよければ読みます。
○野田哲君 読んでください。
○参考人(松田光子君) 山岸由喜子さんの問題です。
          内閣総理大臣 三木武夫
     公務外認定通知書
  あなたの申出に係る 下記の災害は、公務と
 相当因果関係をもって発生したものとは認めら
 れないので、公務上の災害ではないと認定した
 ので通知します。
  なお、この認定に不服がある場合には、人事
 院規則一三−三(災害補償の実施に関する審査
 の申立て等)に定める手続に従って、人事院に
 対して審査を申し立てることができます。
      記
 被災職員の氏名  山岸由喜子
 傷 病 名    頸腕症候群
 災害発生年月日  昭和四六年一〇月一四日
です。
○野田哲君 「公務と相当因果関係をもって発生したものとは認められない」、その理由書が別に添付されていたんですか、あるいはそれとも理由書にかわるものが口頭で説明があったんですか。
○参考人(松田光子君) これだけを課長から渡されて、あと一切は口頭の理由説明も、それから文書の説明もありません。
○野田哲君 これは統計局長、私どもの経験から言えば、職員にそういう措置をするとき、たとえば処分等をやる場合でもそれなりの理由書はつけておりますね。これ、どうしてこの理由書を、理由書がなければ口頭で、なぜこの認定外になったのか、これをなぜつけられなかったんですか、これは。
○説明員(川村皓章君) 先生の御質問の点でお答え申し上げますと、いま三十名の方々につきまして共通的に言える理由と申しますのは、いわば公務と相当因果関係を持って発生したものとは認められないということで、これがいわば理由の最低限でございます。そこで、まずこれを文書で出しまして、本来理由というのはそれぞれ各人別に違います。それはむしろ、この中身としましては相当実は各個人にわたりデリケートな問題が正直に言ってございます。そこで私どもは、この理由はそれぞれ個別の内容について別途本人と個別に話をし、説明をするという予定でございまして、すでにこの三十名の中で、本日すでに二人の方にはその理由をお話を申し上げてございます。順次その方々に理由をお話を申し上げる手続はとりたいと考えております。
○野田哲君 これは局長、やはりあれですよ、文書を課長から渡しておいて、そしてその中では、因果関係を持って発生したものとは認められないという一言だけで、いろいろごたごた職員との間にその問題をめぐってトラブルがあって、後で各人それぞれ条件が異なるのだから各人別に説明をする用意があったんだということでは、私はやはり適切を欠いているんではないかと思うんですよ。これはむしろ役所の職場には、転勤の場合でも、処分の場合でも、いろいろ取り扱いを本人に通告をする場合には内示というような制度も慣行としてはあるわけです。少なくとも、これはこの文書を渡すときに、本人に理由とか、あるいは医師の診断等については後でよく説明をしますよと、そのぐらいのことは言ってなければ、私は認定ということは、これは厳密に一つの基準によって処理されるものですから、それだけにやはり該当者に対するそこに至る道筋とか、あるいは事後措置、こういうものについては親切でなければいけないと、こういうふうに思うんですよ。
 それからもう一つ伺いますが、これは矢嶋さんに伺いますが、あなたの先ほどの事情説明では、何か職場へ文書が配られたというのがあるわけですね。頸肩腕症候群の公務災害認定申請者に対する云々というようなことで文書を配られた。これはいつ配られたんですか。
○参考人(矢嶋俊良君) 文書は、頸肩腕症候群の公務災害認定申請者に対する今回の認定結果の出るまでの経過のあらましということで、職員厚生管理室から出されまして、統計局には組というのがあるんです、六人ぐらいですね、六人か七人。そこのところへこの辞令が本人に出ると一緒に、同時ですね、ほぼ職場に出されましたし、なお、すでに退職している人についてはこの辞令と一緒に、いまの文書が入れられてそれと同時に届いております。要するに、やめた人についても同時に届いて、職場でも同時で、いま言った文書は同時に職場に全部出されました。
○野田哲君 いまの説明のあった文書というのは、統計局長、これはどういう目的で配られたんですか。
○説明員(川村皓章君) ただいまの文書を配った日にち、それから内容等はただいま矢嶋委員長の申したとおりでございますが、この目的は、長い年月をかけて一つの結果を出したわけでございまして、その途中、私どもはこの道行きにつきまして、当局としては一つの結論が出るまでは一切言明をしないで、職員に途中にもこういうことだという報告もしてないわけです。この長い間にわたりまして、組合はその性格上いろいろな広報宣伝を御必要となさるかもしれませんが、大変多くの宣伝ビラ等が、少なくとも私が統計局に参りまして三年になりますが、その間だけでも約百に近いくらいのビラが出されております。その間当局はこれに対して一切見解を申してなかったわけでございまして、結論が出たこの際、いままでの経過はこうでしたということを職員に報告するためにこの文書を作成し、配付をいたしました。
○野田哲君 ちょっとそこのところがね、私、統計局の労使間のことを余り詳しくは知りませんが、感じるところはね、該当者に対しては、何か三木武夫総理大臣の名前でごく簡単なものが出されて、そして一般職員に向けてはかなり長文のものが、できれば私ここで読んでもらえればいいんだけれども、かなり長いものらしいんで、これはいいんですが、一般職員に対してはそういう形の経過を何かちょうちょうとして長い文書を出される。これはどうも私は、私の公務員の生活からすれば全く合点がいかないんです。これは使用者側のとるべき措置としては、まず該当者に懇切丁寧に、こうなんですよと、こういう文書を出し、説明をした上で、必要があれば一般へ向けて出す。あるいは、職員団体があるんだったら、その職員団体へ経過を説明する、こういうのが通常のルールじゃないかなと、こういうふうに思うんです。
 そこで伺うんです。矢嶋さん、あなたの説明では、統計局の職員二千四百人、これが機械導入等によって減員して現在二千名、あなたの組合は百七十名というふうにおっしゃった。これは組織構成員からするとかなり異常な状態ですがね。二千名のうちには管理職がいるんだろうと思うんですが、管理職を除いた残余の職員は一体どういう状態になっているんですか。
○参考人(矢嶋俊良君) 私たちの職場では、昭和三十六年に委員長の免職等の処分がありまして、そのときは二千百五十人の組合員で組織されていました。その処分を受けたそのすぐ後、次ぐ年に統計労組という組合をつくりまして、一斉に分裂が起こりまして、それ以降ぐんと減らされまして現在百七十名で、統計労組にほぼ、私実数はよくわからないんですけれども、労組は千三百名と言っておりますが、相当激減をしているようです。未組合員、どちらにも入っていない未組合員が約千人近く存在しています。
○野田哲君 そうすると、約二千名、そのうちであなたのところが百七十人で、それからもう一つ組合があると、処分問題があったときに分裂をした。そして約千名はどちらにも属していない、こういう状態だというふうに理解すればいいわけですか。
○参考人(矢嶋俊良君) そうです。
○野田哲君 そうすると、平素職員の労働条件、職場環境等の問題で、団体交渉等はあなたの方ともう一つの組合とそれぞれ別個に思い思いにやっているわけですか。
○参考人(矢嶋俊良君) そうです。
○野田哲君 いままでこの公務災害の問題について、あなたのところではどういう交渉になっておったかわかりませんが、私は認定そのものは交渉で幾らやってもこれはけりがつく問題ではないと思っておるので、問題はこの手続とか、それから認定のための手段方法、こういう問題等があると思うんです。それからもう一つ一番大事なことは、認定をどうするかということよりも、そういう職場で災害が起きないためにはどうすればいいか、これが一番大事なことですね。そういう問題で要求を出したり交渉を要求したりしたことは何回かあると思うのですが、ありますか。
○参考人(矢嶋俊良君) はい。先ほど陳述したのですけれども、私たちの職場では、三十五年に電子計算機が入った後、キーパンチャーにすでに出ていましたから、その認定について組合の非常に大きな関心事というのですか、中心議題でした。だから、認定の中身という問題よりも、これ以上職場から出さないということで、先ほど十八名ですか、最初十八名、それ以後二人ふえまして二十名の認定をすぐに行ってくれということと一緒に、全部予防処置をしてほしいと。言うなれば、電子計算機が入ってから非常に職場体制は変わっていますから、それに伴う体制というものを重点的に考えて、特に健康管理の面で医務室の改善やあるいは休憩時間の問題、それから仕事のやり方の問題ですね、そういうことを特に重点的に交渉の中にやってきました。さっき陳述で言いましたように、その中で幾つか当局は認めているのです。また、一部でも認めています。そういうふうに、私たちから見れば事実関係としてそうではないかというこれは、明らかにされたと私は思っていますし、重点はそこにやってきました。認定については早く正しい認定を行うようにということを終始言ってきました。以上です。
○野田哲君 もう一つ矢嶋さんに伺いますが、二千人の構成員で百七十人で、もう一つ組合がある。それから千人ぐらい組合に入っていない。こういう状態があるといろいろやりにくい面があると思うんですね、組合の活動としては。もう一つの労働組合とは、この種の問題については一切一緒にやると、こういうような状態、あるんですかないんですか。
○参考人(矢嶋俊良君) 一度統計労組という組合の機関紙に意見をずっと書いたのを読んでみましたけれども、一貫して仕事からくるものではないという議論が入っていまして、そういう点では一緒にやれる状態ではありませんでした。
○野田哲君 統計局長ね、いま組合の組織関係の説明があったわけですが、何か聞きますと、もう一つの組合は、どういうのですか、障害を訴えられた問題についてこれは仕事のことではないという立場をとっておるのだ、こういうふうな発言があったのですが、あなたの方では、矢嶋さんが委員長をやっておる統計職組ですか、それともう一つの統計労組というのですか、これ故意に差別をして扱っている、そんなことはあってはならないことでございますけれども、どんなものですか。
○説明員(川村皓章君) ただいま最初に人数の点をお答え申し上げておきますが……
○野田哲君 いいよ、それはいい。
○説明員(川村皓章君) よろしゅうございますか。いま私ども全く差別はいたしておりませんで、これは決して人数の問題ではなくて均等に機会を設けてございます。
○野田哲君 終わります。
○加藤武徳君 先ほど来の陳述や、それから質疑応答を通じまして、素朴にわかりにくいといいますか、心配でもあり、かつまた不安でもあります点は、説明のありましたように、統計局の職員が約二千名、そしてその中には、今日頸肩腕症で非常に苦しんでおるといわれる方、認定申請をなさった方が三十八名。ですけれども、そのほかにさらに多数の方々がおられるのではないか、かような気がしてならぬわけでありますけれども、キーパンチャーなどを含めてこの種の症状が生ずる危険のある方がおおむねどの程度か、このざっとの数字を統計局長から説明願いたいと思います。
○説明員(川村皓章君) ただいまの御質問でございますが、私ども把握いたしておりますのは、もちろん申請された方はわかっておりますし、さらに平素診断書で病休の場合にその理由を付して出てくるわけでございまして、これは一週間以上休む者でございます。そういうものの例から、これが何回も続けて出てくる方もおりますし、たまに一回しか出ない方もおりますので、それを延べで押さえますと大体百名というのが現状でございます。
○加藤武徳君 百名というのは、この種の頸肩腕症の生ずるおそれのある職員の数なのですか、それとも、申請が出されておるとそうでないとにかかわらずこういう症状が起きておると考えられる方の数なんですか。
○説明員(川村皓章君) いま御答弁申し上げましたように、申請者を含め、だからその方は一応頸肩腕症候群という診断書やなんか持っておりますし、それから、申請を出しておらない方であっても、たまたま病休の際に頸肩腕症候群という名前の診断書が出てきたものを延べ数えたということでございます。
○加藤武徳君 いや私の聞いているのは、先ほど松田さんが塗りつぶし作業というような表現をされましたけれども、この種の作業から心配される症状が起きがちな職員の数ですね、二千名の職員のうち主として製表部と言うんですか、製表部を中心にして相当の職員がおられましょうけれども、この種の症状の起きる危険性のある業務に携わっている人、この数です。
○説明員(川村皓章君) 失礼いたしました。そういう意味でございますと、まず五十一年度の統計局の定員は二千百三十名でございまして、そのうち係長以上は二百十九名おります。ですから、これをまず除きまして、係長以下のいわば一般職員の中で、主として製表部と言いまして集計事務に携わっている者の数は千五百九十一名ということになります。
○加藤武徳君 それでは千五百九十一名、約一千六百人という人が場合によってはこういう症状が起きる可能性を持っておる業務に携わっておる、こう理解していいわけですね。
 そこで、先ほど統計局には二つの労働組合があり、そして矢嶋委員長の組合が約百七十名と、かようなことであり、いま一つの組合は千三百名と言っておりますがという表現がありましたが、私の手元にある資料で申しますと、人事院に登録していらっしゃる数が、矢嶋さんが委員長の統計局職員組合が百六十一名、その後増減があったんでございましょう。それから、統計局労働組合の登録人員が千百八十名、かような数字です。そこで先ほど矢嶋さんの陳述の中に私の理解と若干違う点があったのでありますけれども、矢嶋さんは申請者の中にも組合員外の人がたくさんおります、かような表現でありましたけれども、私の承知しておりますのは、三十八名のうち三十七名までが矢嶋さんの組合の組合員であると理解をしておりましたが、その理解は間違いでしょうか。
○参考人(矢嶋俊良君) 組合員でない人が、いま数はきっちり言えませんけれども、五、六人以上はいます。組合員でない人ですね、職員組合員でない人はいます。
○加藤武徳君 そうしますと、数名いらしても少なくも三十名前後の方は矢嶋さんの組合の組合員が申請をなすっていらした。ところが、数名の方はいま一つの組合に入っていらっしゃるのか、あるいは組合員ではないのか、その辺はわかりませんけれども、余りにもそのバランスが崩れ過ぎておる、こういう感じを持つのでありますけれども、この点に関して統計局は何かこのことについての見方といいますか、そういうものがありますか。もし答えにくいならお答えいただかなくて結構です。
○説明員(川村皓章君) 私ども個人別に、この方かどこの組合でどこの組合でというところまで正確に把握しておりません。したがって、私ども何となくアンバランスは感じておりますが、この理由については特に論評しないつもりでございます。
○加藤武徳君 そこで、先ほど野田委員も公務員の災害補償に携わってきた、かように申しておられましたが、私もまた長い間この問題と取り組んできておる一人でございますけれども、先ほどもお話ありましたように、公務上の疾病であるかどうか、この認定をするに当たりましては厳格な基準が必要であることは申すまでもありません。そして、これは政治的な配慮等をなさるべきではなくて、厳格に医学的に検討された結果でなければならぬ、こう私は思います。そこで、その基準なるものが人事院から示されておるのでありますけれども、人事院がかような結論を出しますには、それなりの政府内部においての検討などがなされておらなければならぬと思います。労働省も職業病的な観点から研究してきておるでありましようし、また厚生省も同様であろうことが想像できるだけでありませんで、私の手元には、厚生省が過去何回か助成金を出し、委託をいたしまして研究している結果があるのでありますけれども、人事院はさような結果を基本にしていわゆる基準なるものを明確にされたのか、その辺職員局長から伺いたいと思います。
○説明員(中村博君) ただいま先生のおっしゃいますとおり、いろいろな、いま御指摘の研究のみならず、労働省の方でもおやりになりました諸研究、その成果がまとまって、このいわゆる認定通達、こういうことに相なっておるわけでございます。またこの通達自体もその後の医学の変化、医学の進歩によりまして、つい先般も改正したばかりでございます。したがいまして、現代の医学水準の許す最高のものをこの通達に盛っておる、かように考えております。
○加藤武徳君 そこで、先ほど松田さんは、八月六日の結論が考えもしない結果であった、かように、まことに青天のへきれきのような感を受けられました表現をなすったのでありますけれども、松田さんは、政府内部で検討し、そして人事院もかような物差しを示しておる、そのことを御承知であられましたかどうか、この辺を伺えればありがたいと存じます。
○参考人(松田光子君) 私は余りよくわからないのですけれども、ただ同じ統計局の中で同じような仕事、内容は違いますけれども、キーパンチャーの中で十一名が認定申請して公務上にされているし、また一般事務として同じような仕事の中で、国家公務員の中でも数名認定されているし、民間の中でも認定されている、そういうことは知っていますけれども、詳しい人事院の何かの見解とか、そういうことは知りません。
○加藤武徳君 はい、わかりました。
 そこで、厳格な物差しが設けられ、そして認定をするか否かの結論を出します際には、その症状が公務上の、要するに仕事の上から生じたものであるかどうか、これが一つの物差しであり、いま一つは基準に合致する症状であるかどうか、この二つが物差しで結論を出す、これが当然なことであろうと思います。そこで、公務上に起因するかどうか、また基準に合致する症状であるかどうか、この二つを物差しに検討した結果が八月六日の結論だ、こう私は理解をいたします。そうしますと、公務上に起因したかどうかのことも、かつまた基準に合致しておるかどうか、このことも厳格に審査を進めなきゃならぬことも当然でありますけれども、結論を出すにはそれなりの資料か必要であると思います。先ほど来のやりとりを聞いておりまして、どうも申請をなすった方と統計局――当局と申しますと、当局との間の十分なコミュニケーションがなかったような印象を受けてならないんでありますが、私が承知しておりますことや、先ほど矢嶋委員長が陳述をされました中に、過去何回か、かような検診を受けたらいかかでございますかとか、あるいはこういう病院でどうぞ検診を受けていただいて客観的な資料をもとに進めてまいりましょうよとか、かような話があったように理解をするのでありますけれども、矢嶋委員長はそれを拒否してまいりましたと、かような先ほどのお話でございました。特別検診を行う旨の申し入れがあったけれども、圧力をかけるような感じを受けたのでこの検診も断った。それから慶応病院で検診を受けるようにという勧めもあったけれども、これまた断った。かようなことでありましたけれども、どうもその辺のことか、どういう理由で断られたのか明確ではないんでありますから、矢嶋さんからこの辺が伺えればありがたいんです。
○参考人(矢嶋俊良君) 私は先ほど、当局の方がこの前協力を職員団体や申請者がしてくれなかったということから、先ほど陳述したんですけれども、私たちが断ったと、拒否したということは言っていないつもりなんですけれども。一つ一つの問題について、たとえば一回目の特別検診のときに私たちはこういう要請をした、しかし、結果その終わるときにはこういう形で終わったということを述べたつもりでして、三回ともありましたが、一番最後の場合でいけば、最終的には主治医の意見書を両方で合意して出すということまで決めてあるんです。だから、私は合意できるものについてはやってきましたし、ぜひこういうふうにやってくれという要望を出しましたけれども、一つ一つの問題すべて最終的に私たちは拒否していません。
○加藤武徳君 そうしますと、申請が出されてから延々七年間を経過しておるんでありますけれども、その間に申請をなされた方は、私はこのお医者にかかってこういうぐあいに診察をしてもらっており、こういうぐあいにお医者にも治療を受けておりますよと、だから明らかに私は基準に合致しておることだし、かつまた公務に起因しておりますと、かような疎明資料といいますか、そういうものを当局に出して早期の認定を要望されたかどうか、その辺のことを申請者代表の松田さんから伺えればありがたいです。
○参考人(松田光子君) はい。私たちは、一番最初申請をするときは口頭で所属の係長に言いますけれども、それだけではなくて、自分たちの仕事がどういう内容の仕事であって、いつごろから症状が起きて、そしてどういう医者に診断されたかということを文書でもって報告してあります。そして、私たちはそれを提出したときを一応認定申請をしたということで、全員そういう手続をとっています。
○加藤武徳君 文書による申し出はわかりますけれども、それに、たとえば医師の了解を得てカルテの写しでありますとか、そういうものをも添付して積極的に認定をなさい、かような活動をなすったかどうか、その辺をもうちょっと細かく伺えればありがたいです。
○参考人(松田光子君) 私たちは、自分の病気が業務とどういう関係があるかということを述べることであって、医者がどういう診断をしたかというのは医者が診断書を書いて提出してあります。医者の意見について聞くということは私たちが述べるのではなくて、それは判断をする側が必要として調べるのではないかと思うんです。
○加藤武徳君 判断をする側も積極的に努力をしまして、そして診察を行った医師と連携を保つ必要もありましょうけれども、いま松田さんのおっしゃいました前段はよくわかります。公務上に起因するものかどうか、この理由をるる述べて文書を出されるのが当然でありましょうし、私はですから先ほど、公務上に起因するものかどうかはこれは一つの物差しであり、いま一つは人事院の示しておる基準なるものを御承知かどうか、こう伺いました。自分の症状が果たしてその基準に合致しておるかどうか、このことをお知りになったかどうか、こう聞きましたのは、私の症状はこういうぐあいだから基準に合致しており、まさに認定すべきだ、かように主張なさるのが当然だと思ったのでありますけれども、後段の方がちょっとぼけておりますが、もう一遍ちょっと詳しく伺えるとありがたいです。
○参考人(松田光子君) はい、そういう形で主張しています。
○加藤武徳君 そうすると、それは医師のカルテなどをつけて申請なすったんですか。
○参考人(松田光子君) カルテじゃなくて、医者の診断書であり、その後のいろいろの経過の中で私たちは主治医の意見書を求めてほしいという要求も出してきています。
○加藤武徳君 それでは統計局長に伺いますけれども、いま主治医の意見も聴取してほしいという要望もしてきたということでありましたが、主治医の意見を聴取したり、なおかつ認定するに当たっては十分な調査をしておられるに間違いないと思うのでありますが、その辺のことをお話し願えませんか。
○説明員(川村皓章君) これは本日はくどくど申し上げませんが、過去七年間実は延びました理由が、実はここに問題がございます。先ほど組合の委員長もお話がありましたように、四十五年とか、あるいは四十七年とか四十九年とか、それぞれこちらが提案をいたしましたのは、せめて詳細な資料を得たいというためにやったわけでございまして、その間主治医の意見を聴せということは最後のころ私ども伺いまして、どうしても手が詰まったものですから、本人のかかったお医者さんの意見書をとるということにいたしましたけれども、それまでは、当局がこういう手でいかがですか、こういう手でいかがですかと言うことに対しては、少なくとも協力的であったという事実はございません。
○加藤武徳君 それでは次に進みたいと思いますけれども、私は勉強したいので、矢嶋さんが委員長をなさっている職員組合が出していらっしゃいます「もう我慢できない」、この去年十月一日付の機関誌を拝見いたしました。その中で、きょう御足労願った松田さんが詳細に申請意見書なるものをお書きになったものが登載されておるのでありますけれども、この中で、先ほど松田さんもおっしゃったように鉛筆さえ握れないような状況であったというお話もございましたのと、そのことも書いてありますけれども、気にかかるのは、鍼灸治療を受けたくても健康保険がきかないので治療は続けることができないんだ、かように述べておられますのと、それから八月の六日に結果が公にされました際の新聞記事の切り抜きを私はここに持っておりますけれども、その中で吉田ユキ子さんとおっしゃる方がコメントしておられますが、その中で健康保険がきかないんで治療費に週に四千円もかかるんだ、かような表現があります。そこで気にかかると言いますのは、おっしゃるように公務上の疾病であり、いわゆる職業病として認定せよとおっしゃっていらっしゃる方々の症状は、人事院の基準からしましても相当重いと見なければならぬわけでございます。そこで健康保険がききますのは、なるほどストレートにマッサージとかその他へ行きましては健康保険はききませんけれども、お医者にかかってお医者の指図でマッサージ等を受けます場合には当然健康保険の適用があるんでありますから、そういう取り運びをなすっていらっしゃれば、週四千円も負担なさるようなことはないと私は思うのでありますけれども、この辺のことがわからないのでありますが、松田さん、お医者にかかり、お医者の指図のもとに首が痛かったり、肩がこったり、腕が痛いような場合、マッサージとかその他受けていらっしゃるのではないんですか、それを聞かしてください。
○参考人(松田光子君) はい、私は医者の指示どおりマッサージを受けて、その意見書を書いている当時はそういう治療を続けていました。そのほかに、やはり私たちは一日も早く健康な体を取り戻したいということは一番の望みですから、たとえば漢方薬がいいといえば漢方薬を飲んでみたいと思うのは当然だし、おきゅうがいいといえばおきゅうをすることも当然だと思うんです。そういう中で、やはりいろいろな病院、通いましたし、私が意見書を書いた時点ではそこの病院ではまだ鍼灸治療はなかったわけです。マッサージをずっと続けて、そういう中では回復の方向には向かっていました。
 それで吉田さんの件ですけれども、私は本人じゃないのでちょっと詳しいことはわかりません。
○加藤武徳君 いま、あなたのかかられたお医者さんは鍼灸の治療をやっておらなかったと言われるのでありますけれども、私が最初に、人事院で定めておる基準なるものは相当厳格なものであり、そしてそういう症状でありますならば、仮にその診療所なりお医者がマッサージ、鍼灸等やっておらなくても、そのお医者の指図によってしかるべきところで治療を受けますと健康保険の対象になるのでありますから、どうしてそれを積極的にお受けにならなかったか、かような疑問を率直に持つわけでありますけれども、時間でありますのでこの問題はこの程度にいたしまして、最後に、矢嶋さんが先ほど統計局の健康管理なり労務管理の問題にお触れになられまして、そして非常に厳格であり、見方によっては過酷であるような印象を受ける表現がありましたが、統計局は本当にそうなんですか。局長から伺いましょう。
○説明員(川村皓章君) 私どもは、それほど過酷なことをしているというふうに私は思っておりませんし、これはまあ人事院規則なりすべての決めがございますし、それから、先ほど組合の委員長の御発言の中にも、たとえば時間内通院を認めているとか、そういう点は私どもやるべきことはすべてやっていると思っております。ただ、先ほど私が短期研修の中で、毎晩あいさつをせよとか、あるいは生理休暇はみずから医者に相談せよとか、病気はみずから守れとかということを盛んに例を挙げておりますが、この真意は、むしろ一般の入局者が来るときに、入りました際に、同じ職場に入った者はあいさつをしようとか、あるいは初めて月給をもらったら百円でもいいから親に何か送れというようなことを、非常に誇大に、むしろ労務管理の問題に結びつけられたということで非常に遺憾に思っております。
○加藤武徳君 統計局としてはそうであろうと思うんでありますけれども、しかし、先ほどの矢嶋さんの表現によりますと、なかなかそうではないような感じを受けたのでありますが、しかし矢嶋さんのおっしゃったようなことでありますならば、もう私は統計局はいやだということでよす人だって相当あるでありましょうし、また、あんまりひどければ人事院に持ち込む方法だってあろうと思うのでありますけれども、あるいは、場合によっては人権擁護委員会に持ち出す手だってありましょうが、そういうことをしていらっしゃるのですか、全くまだそれはやっていらっしゃられないのですか、矢嶋さん。
○参考人(矢嶋俊良君) 私の陳述でも言いましたし、いろいろな面で、ここに資料はありますけれども、アンケートを含めてですね、それは出しませんが、そういうことを一つ一つ私は事実を挙げて組合でも交渉しています。局長が言いましたようにある部門ではできていますけれども、現実に私がさっき言った、たとえば生理休暇、千六百人ぐらいの女子職員で生理休暇をとっているのは全く少ない数ですし、私たちがアンケートをとると、年次休暇を相当の数の人がとるための理由として、生理があるためとか、あるいは病気のためとかという年次休暇の使い方の理由が出てくるわけです。そういうわけで、いかに職場の中では――特に女の人たちですから、さっき局長が入局者に対して言ったというけれども、やっぱり女子であり一個の人格ですから、そのためにそういうふうに扱うのは当然だと思うんですね、あいさつを指導するとか。私はそういうことにならないと思いますし、そういうことを組合では一つ一つ挙げて直す方向に努力しています。
 さらに、いまおっしゃられましたように、じゃすぐに裁判所へ持っていってなぜやらないのかということについては、私たちももっとひどいものが出てくればそれをやりたいと思っていますが、できる限り組合の中で当局とのお話し合いで直していきたいというふうに考えています。
○加藤武徳君 終わります。
○太田淳夫君 それでは、最初に労働省にちょっとお聞きしますけれども、最近の新聞報道等によりますと、ただいま問題になっております頸肩腕症候群、このような病気あるいは症状を訴える人が多くなっていると、このように報道されていますけれども、中でも少年少女が非常に多くなってきておりますけれども、その現状をどのように掌握されているか、あるいは対策について政府としてどう取り組んでいくつもりなのか、その点ちょっとお聞きしたいと思います。
○説明員(溝辺秀郎君) 労働省の方で、昨年度、昭和五十年度に頸肩腕症候群で認定した者の数は合計五百四十人でございます。この中を職種で見ますと、キーパンチャーが一番多うございまして百一人、あとタイピスト、オペレーター、チェッカー、筆耕、ベルトコンベヤーの作業場、あるいは電話交換、保母などという職種が挙がっております。ただ、先生御指摘の少年少女ということで私ども分折あるいは統計をとっておりませんので詳細にはわかりませんけれども、この職種から判断をいたしますれば、女子が従事している職種が多いことは事実でございます。
○太田淳夫君 この公務上の疾病の認定につきましては、人事院より四十八年の十二月一日に通達が出ておりますけれども、その認定については、ちょっと読みますと、第四項に「認定に当たっては、前三項に掲げる各症状に対する診断名は多種多様にわたることが考えられるので、単に診断名のみをもって認定することなく、専門医によって詳細には握された症状及び所見に従って行うよう、特に留意するものとする。」、こういうように通達を出されておりますけれども、ちょっとお伺いしたい点は、このような特殊な職業病につきましては、日本では現在どのくらいの専門医がいるのか、あるいは具体的にはどういう病院、どういう専門の医者がこれに該当するのか、その点ちょっとお聞きしたいと思います。
○説明員(中村博君) 私どもお医者さんを勤務評定するわけにはまいりませんので、どなたが専門医だということは軽々には申し上げられませんが、十分この点に御関心をお持ちでその方面の研究をなさっておられる先生方は相当いらっしゃると思います。数ははっきり存じておりません。
○太田淳夫君 専門の病院というのはないんですか。
○説明員(中村博君) 不敏にして聞いてございません。
○太田淳夫君 それではちょっと参考人の方にもお聞きしたいと思いますけれども、松田さん、先ほどの御意見の中に、四十年の国勢調査のときに方式が変わってマークシートの作業が始まった、それから頸肩腕症候群の症状が出始めたということでございまして、四十四年にこの申請をされたということでございましたが、先ほども同僚の議員からもいろいろいろと質問がされておりましたが、いわゆるこの八年目にようやく世上に出されたわけですけれども、この審査が長引いた大きな原因はどこにあるのか、あるいは認定の結果に不満だとすれば、どこにその欠陥があるのか、その点ちょっとお聞きしたいと思います。
○参考人(松田光子君) 七年余りもかかったということは、やはり四十四年の十一月に私たちは認定申請を行いましたけれども、その間二年半、組合と私たち申請者は、早く任命権者である総理府本府の方へ手続をとってほしいということをたびたび言ってきました。しかし、実際には四十七年の三月までの長い間そのまま統計局の中に置かれていたわけです。そうしてその間には、私たちは統計局からいろいろのことをされてまいりましたけれども、具体的に言うと、私の場合も、こういうふうにぐあいが悪いと言うと、それはあくまでも気分的な問題だとか、それから頸腕になるのは毎月生理休暇をとっているような人がなるんだろうとか、それから、これは組合員病だとか、そのほか、こういう形で私たちは公務災害の認定をしてほしいと手続をとりましらば、たとえばある人は、係長から、公務災害の認定申請をすると、あなたは課長なり部長なり局長なりに呼び出されていろいろと質問されるけれども、それでもあなたは申請をするんですねと。私たちにとってみれば、課長のところへ呼ばれるということは非常にどきどきすることですし、まして局長に呼ばれるということは、一度もいままでにないので、そういうことは私たちにとっては非常に病気そのものを否定するし、脅迫にしかとれなかったわけです。そういう中で二年半という間、統計局にあったということがまず大きな原因じゃないかと思うし、その間に申請者がふえているし、病人もふえているわけなんです。
○太田淳夫君 それでは統計局にちょっとお聞きしますけれども、いま参考人が審査の長引いた原因について話がありましたが、統計局側としてのこの理由についてお聞きしたいと思います。
○説明員(川村皓章君) いま松田参考人がお話しございましたように、四十四年の十一月に松田さんがお出しになったことは事実でございます。それで、私ども一般事務の頸肩腕障害というのは新しい事例なものですから、その意味で資料を全部整えるのに若干時間がかかったことは、これは事実でございます。しかしながら、課長から、いま局長というような例がございまして、当時は私は局長じゃございませんが、少なくとも局長のところに呼んで、出すといかぬというような事実は、これは絶対になかったと思いますし、そのような事実はございません。
○太田淳夫君 そうしますと、審査が長引いた原因についての参考人の側と当局とはずいぶん食い違うわけでございますけれども、このような食い違いがずっと続いてきた。先ほど加藤委員の方からも、両者のコミュニケーションが不足しているのじゃないかというお話もありましたけれども、そうなりますと、やはり正常な労使関係というのは保たれないのじゃないかと私ども考えます。この問題について、総理府としましてはどのように受けとめて、今後どのように打開策を講じられるのか、その点ちょっとお聞きしたいと思います。
○説明員(川村皓章君) この問題は、実は大変いま簡単に申し上げましたが、これはやはり自分のところの職員の問題でございますので、当初からこれは問題としては非常に真剣に取り上げたことは事実でございます。ただ、前後三回にわたって具体的な資料を得たいということでいろいろ御提案を申し上げたけれども、結果的には御協力をいただけなかったという事実は、これはございます。この内容は一々申し上げません、当委員会で何回も私は申し上げてございますから。そこで最終的に、これは私の代になってからでございますが、もうこれ以上の方法がないというので、その患者さんがそれぞれおかかりになったお医者さんから意見書をとります。それから同時に、これは人事院に四十七年から指摘をされておりますが、労働衛生学的な資料が不足である、これをどうやってそれではとるかという問題がございまして、むしろ申請者以外の人を煩わしてわざわざ当時の事情を再現する条件をつくりまして職場診断というものを行いました。これで、通常統計局の業務でどの程度労働負荷か起こるかという問題も、きわめて客観的に条件を調べまして、各個人のそれぞれのかかっておるお医者さんの意見書なり、あるいは個人の業務の状態なり――これはいろいろ人事記録等でもございます。――それから労働衛生学的な資料、それらすべてを勘案をいたしまして、このたび最大限の努力をして最も急いで結論を出したというのが今回の措置でございます。今後ともこの問題は捨ておけない問題でございますから、仮に公務外といたしましてもいわば診断書が出てくる問題は今後ございます。これはやはり健康管理の指導というのは当局の一つの責務でございます。したがいまして、診療体制をより強化をし整備をするとか、あるいは時間の割り振りであるとか、あるいは職場の環境であるとかという点は、私どもが適時適切にそのときの最大限の条件、最良の条件をもってこれに臨んでいくということは必要なことと思っております。
○太田淳夫君 人事院総裁お見えになりましたのでちょっとお聞きしますけれども、人事院としましては、このように認定が長期化して、現在一応認定は下されましたけれども、長期化したことについて何か指導なり指示をされてきたのか、あるいは今回の結論というのは、これからも各省庁間相当影響が大きいと思いますけれども、人事院総裁としてどのようにお考えになりますか。
○説明員(中村博君) 太田先生も十分御承知のように、本来新しい病気でございますので、それが公務上であるか否かにつきましては十分な医学的な検証を得べきものでございます。その場合に最も必要であることは、やはり被災されたと言っておられる方々の積極的な協力を得て十分な医学的な検証を行うことであろう、かように存じます。その点についていろいろな考え方の相違があったことが私はこの遅延の最大原因であると思っています。先般の国会でも申し上げましたとおり、公正迅速ということは、両方が相互に排他的であるわけじゃなくて、公正を確保しますためにはある産みの苦しみを経るということが実は迅速につながる、こういう形のものであろうと思いますので、仮に違った形になっておりましたならば、上外の結論はともあれ、医学的にも十分な検証の機会が与えられることによってこの問題は相当円滑に結論づけられておったであろう、かような感懐を持っております。
○太田淳夫君 先ほど参考人の方の意見の中に、他の公務員の一般事務でも数名、あるいは民間でも数名認定を受けている方が見えるというお話がありましたが、人事院では掌握されていますか。
○説明員(中村博君) 確かにほかの省におきまして頸肩腕症候群と認定された者はございますけれども、その点は存じておりますが、業務の内容が違います。したがいまして、直ちにこの場合に当てはまる例ではない、かように考えております。
○太田淳夫君 次に労働省へちょっと回りますが、労働省は、先月の十二日に行管が労災事業の運営に関して勧告を行っておりますが、その中で「業務上の疾病、特に職業性疾病について」、新しいというか「新機器の導入等による新しい型の疾病の増加及びいわゆる遅発性疾病等疾病発生形態の変化がみられ」云々で、「今後一層きめ細かい対応が要請されるに至っている。」、このように行管の勧告の中にございますけれども、これに対応して、認定を公正迅速なためには認定基準の整備等がこれは必要な要件じゃないかと思いますが、労働省はこの点についてどのように対応していかれますか。
○説明員(溝辺秀郎君) 職業性疾病の認定に当たりましては、高度の医学的な判断を要する事案が多いことから、認定事務担当職員に医学的な専門知識を与えまして公正迅速な処理を図るために、労働省では斯界の専門家に検討を依頼してかねてから認定基準の整備に努めてまいりました。今回の行管の勧告の内容につきましても、十分その趣旨を尊重いたしまして、認定基準の一層の充実を図りますとともに、労働基準法施行規則三十五条、これは職業性疾病の範囲を書いたものでございますが、の業務上の範囲につきましても、新しい情勢に対処し得るように抜本的な検討を行っていく所存でございます。
○太田淳夫君 最後になりますけれども、人事院にちょっとお聞きしますけれども、人事院規則の一六−〇の第二条に公務上の災害の範囲としては一応の基準が列挙されていますけれども、今回こういった行政管理庁の勧告も出されましたし、いまは統計局の問題になっております頸肩腕障害、これも人事院としてはこの基準の中に入れる考えはないか、あるいはこの頸肩腕障害については、その困果関係の判定というのは非常にむずかしくていろんな説があると思いますけれども、この行管の勧告にのっとりまして、職業性疾病の多様化に伴いその的確迅速な把握を必要としている、こういう勧告もありますし、統計局の業務は頸肩腕障害の一つの要因になっている、こういう立場をとる方も見えるわけでございますが、その点に関して人事院の考えを最後にお聞きして終わりたいと思います。
○説明員(中村博君) いま先生も御指摘のように、新しい疾病につきましては、医学的見解が一致する段階に至りますまでに、先ほど来御説明の経過でも御承知のとおり、医学的にもいろんな議論があるわけでございます。したがいまして、十分な医学的検証を経て、そしていわば他に特に反証がない限り公務起因性が認められるという形の疾病をいわゆる職業病と通称されておるわけでございますが、私どもとしましても、このような経過を前提として、できるだけマーク作業等による頸肩腕症候群か公務に起因するか否かということが、医学的な十分な検証を経た上で確立された見解となるという日の来ることを願っておりますが、現段階では遺憾ながらそのような状態にはございません。
○岩間正男君 最初に、聞くことが非常にございますから、簡単に要領よく御答弁を願いたいと思います。
 まず第一にお聞きしたいのは、認定がおくれたのは申請者の協力が得られなかったということをたびたび局長さんもこれは繰り返している。それはさっき言ったわけです。ところがこれはどうですか。実際は私たち聞いておるんでありますが、四十四年の十一月に十八人の認定申請があった直後の十二月に、統計局はキーパンチャーの顧問医師である東急病院から医者を呼んで、頸肩腕障害の自覚症状を訴えている約三十人に検証を行った。そういうことはございますね。いかがですか、あるかないか、事実関係ちょっと調べて……。
  〔委員長退席、理事加藤武徳君着席〕
○説明員(川村皓章君) ただいま先生三十人とおっしゃったのは、正確に言うと三十七名、これは四十五年の話と思いますけれども。
○岩間正男君 人数に食い違いがあるようですが、これは後でただすにしましても、やったことは事実ですね。そしてその結果、これはキーも打てないようなキーパンチャー、あるいはペンを握れないほど首や肩の非常に痛みを訴えている事務官、こういう人たちに対して、すべてこれは異常がないという診断が下った、こういうことなんですね。そうしたら、これは実際、障害者の信頼を得ることができるだろうか、キーも打てない、ペンも握れないような、そういう人たちがこれは受けた。ところが全部これは異常なし、こういうことなんだ。全くそうなればこの医者のやり方について信用しますか。そう思いますか。――これは時間がかかりそうだから、それじゃ参考人にお伺いします。どうです、これについてどういうふうに職場の反応が起こったんですか、お聞きしたい。
  〔理事加藤武徳君退席、委員長着席〕
○参考人(松田光子君) この四十四年に行われた検査というのは、通常の定期検診のときに頸腕症候群と同じような自覚症状を訴えた人に対して、特に人口製表課の人たちを対象に、山本医師によって検診が行われたわけなんです。その中で問診とか、レントゲンとか、血液検査をして、その診断結果を直接本人には聞かされておりませんけれども、組合の話し合いの中で異常なしという判断をされております。
 それともう一つ、その山本医師というのは、キーパンチャーの職員に対しての定期検診をやっているわけなんですけれども、そういう中でも、山本医師の診断で異常なしという判断をされて、数週間後にもうほとんど勤務することができなくなって休むような状態になった入が出てきて、その人が現実に十一名の業務上認定をとっている人たちの中に含まれているわけです。
○岩間正男君 これはまあ当局はどういうふうにつかんでいるか、職場の声なんですね、実際に直面した。局長さんは雲の上だからちょっとわからないかもしらぬけれども、こういう実態をつかまなきゃ話になりませんよ。これじゃ信用できないんだ。これは御用医者じゃないかと思う。だから、さらに今度は四十五年十月に、今度は北山医師ほか三名による特別検診を行おうとした。ところが、これを一方的に通告してきて、検診を受けなければ認定審査手続はできない。そこで職制が総がかりになって、朝から晩まで圧力や強引な説得を加えて、そういうような体制の中で、ますますそういうような説得をされたり、強引にやられれば、これはなかなかそれを素直に受けられないというような気持ちがある。山本医師のときのこれは経験か物を言うわけですからね。そこで、結局検診は認定のためにやるんじゃなくて、認定しないための資料採集だというふうにこれは考えても無理がないところにいくんじゃないかと思うんですが、どうなんです。こういう点から、歯を食いしばっても、これはもう受けたってしょうがない、逆に合理化されるだけだ。こういう形の、少なくとも労働者の職場においてそのような声が起こったということを局長知っておりましたか、どうでしたか。
○説明員(川村皓章君) ただいま具体的に山本医師の名前が出、それから、かつ北山医師という名前が出ましたので、当時私はおりませんが、当局側の認識を正確に申し上げておきますが、山本医師は現在東急病院の整形外科部長をなさっておる方でございまして、これは私どもはりっぱなお医者さんと思っております。それで、四十四年当時のお話か何かをいまお話を申されておるのですが、確かに当時のキーパンチャーの中で、個人的に、これは異常がないよ、これは相当問題だよと、それは個々に皆さん違ったかっこうでありまして、全部異常ないから全部だめだよというようなことはございません。いささかその点は山本医師に対するやや被害妄想的な私はお考えと思います。それから北山医師は、私は四十五年のときにその現場にはおりませんが、その後北山先生に別にお目にかかる機会がございました。当時の話を伺いますと、むしろ組合の代表の方なり、あるいは患者の代表の方に自分だけ呼び出されて、ずいぶん中を詰問されて、私はこの問題はこりましたという表現の話を聞いております。
○岩間正男君 とにかく、このような恐怖に落として、それで強引にやれやれと言われても素直に受けられるかどうかという労働者の心理の動きが、愛情の政治だったら一体つかめなければならないのです。ところがまるで逆だ。りっぱな医者だ、りっぱな医者だと言っていますけれども、このりっぱな医者がどうですか、労働者の何を受けましたか、信頼を。こういう形でもって、協力しなかったんだと、あなたが何回もここでやった。四年前、この前の時代からそうです。同じことを何回も繰り返している。これがただ一つのあなたたちの口実だ。それで三回も計画したがだめだった。そういうことで今度あなたの代になってからこれはやったわけでしょう。そこで今度は二つの資料をとると、認定のための。それをやったわけでしょう、昨年。二つの資料というのは、これは私から申しましょう、時間の関係から。一つは主治医の意見書、もう一つは職場検診、この二つの収集を始めたんでしょう。これは昨年のことですね。これが今度の認定の判断の一切の基礎になっているのでしょう、どうですか。ようございますか、それで。
○説明員(川村皓章君) 昨年度からやったことは事実でございまして、前者は患者さんのかかったお医者さんから意見書をとったというのが正確なところでございますし、職場診断というのが正確な意味でございますが、これは認定の資料であったことは間違いございませんが、これが全部ではございません。
○岩間正男君 全部でなくても有力な資料である。これはあなたたちの職場などに流したという宣伝文書にもそう書いてあるからそうとるよりほかない、だれが見たって。そうでしょう。これは説明でもない、宣伝の中に書いてあるのだから、まさにそのとおりです。これは時間の関係から読みません。
 そこでお聞きします。第一に主治医というのは尊重されなければならないだろうと思う。主治医はやっぱり一番その人の人権を守る、健康を守る上においては最大の人だと思う。現に児玉の場合はどうだ、児玉の場合。殷鑑遠からず、児玉の場合を挙げればはっきりしてるじゃないですか。主治医が一切の何を握っているじゃないですか。これさえ認めているのに、この主治医の何というのは全然この認定書には反映していない。そうでしょう。これは頸肩腕症候群だと、これは大変だと、休業病だと、認定すべきだという認定書出しているんです。これを集めてそうしてそれは資料だと言っている。ところがこれは全然反映しないで、これは職務外という認定を下した。つまり主治医は全然無視されている。児玉の場合は最大限に尊重された。しかし、労働者の場合は全然主治医は無視された。これが非常に重大なやっぱり一つの私は問題だと思いますが、これは認めざるを得ないと思います。これはあなたに聞いても、これはもうここにいられる皆さんが判断してくださるであろうから、この何は求めません。
 それじゃ職場検診を受けるとしましょう。職場検診というのは職場でやったのでしょうな。そうでしょうな。それから、職場検診だからこれは申請者を集めてやったのでしょうな。それから、そういう場合にも、これは医師をどういう医師なのか、その了解を得るような、そういう人を連れてきてやるのが当然だと思うが、この職場検診はどういうふうにやられました。どこでやりました、どこで。まずどこだか場所を聞きましょう。どこですか。
○説明員(川村皓章君) 職場診断の目的は、昨年衆議院の内閣委員会でも申し上げてございますが、現在認定申請をしている職員の認定のための資料を得るという目的と、職員の健康管理及び作業管理の今後の指針を得るという二つの目的で行いましたが、一回と二回と二回行っております。
 一回は私どもの庁舎の外のビルを借りました。それから二回目は私どもの庁舎の中で行いました。なお先生の御指摘は、多分庁舎の中で行っていないということをおっしゃるのだと思いますが、これは実際、庁舎外の場所を借りました理由は、わざわざ四十年当時の作業等を再現しなきゃならないという条件を、現在の仕事か進行するままでそういう特別な状況をつくれませんので、わざわざ当時の事情を再現するために外の場所を借りたと。かつ、いろいろ測定器を入れなきゃならぬ問題がございまして、そのためにわざわざその状況を外に設定したわけでございます。
○岩間正男君 お聞きします。その場所を言ってくれと言うのにあなたは別なことまで言って、時間が足りない。新宿西大久保の太陽ビルでしょう。五十年五月二十六日−五月二十八日、この間にやった。そうして職場から当局の必要な人をピックアップした。しかし秘密のうちにピックアップしたわけであります、秘密のうちに。そうでしょう。そうしてその人には箝口令をしいている。漏らせば大変なことになるという、そういう職場恐怖を起こさせているのが現実だ。われわれは聞いた。この現実をつかんだ。そういう形でやって、しかも別なところに行って、職場外へ行ってそれを再現すると言ったって再現できますか。四十年代の国勢調査時代の、そうして新しいシステムになった、その時代のものを再現すると言ったってどうして再現できますか。それから健康体です。病弱の人その人を、被害者をもとにしない。健康体を連れていって、それで実験したって一体そんなものが資料になるか。科学的だと言っている。科学的だと、こう書いてある。何が科学的だ。こんな非科学的なことは私はないと思う。これがあなたたちの認定の唯一の資料なんです。こういうことか許されると思うか、日本の科学政治の中で。第一に申請人や職員組合に事前に何らの意見も求めず、当局の意図だけで行っている。これははっきりしている。そうでしょう。これはどうです。そうなのかそうでないか言ってください。
○説明員(川村皓章君) その点はいささか違うと思います。
○岩間正男君 第二には、当の本人たる申請人を全く除外し、健康体の職員だけを当局の意思でピックアップし、それを対象として実施した、これは間違いございませんな。
○説明員(川村皓章君) これは普通の職員を使いました。
○岩間正男君 率直に言いなさいよ。本当に素直にやりましょう、お互いにね。真実は一つしかない。言葉のあやではごまかせない、事実は。
 第三、統計局以外の建物で行った。これはいいですな、認めますな。場所まではっきり私は指摘した。
 第四には、昭和四十年度の国勢調査の作業実態を当時と同じように再現したと言っていますが、これは物理的に不可能でしょう。これは認めますか。
○説明員(川村皓章君) その物理的とおっしゃる中身でございますが、たとえば四十年当時は確かに庁舎は木造でございましたから、当時と同じバラック建ての庁舎をそこへつくれと言ってもこれは物理的に不可能でございます。それから、当時の人を全部当時の年齢でそろえろというのもこれは無理な話でございます。そこで、私どもはもちろんその意味では当時と同じ調査票のフォームをわざわざつくり、当時の作業のスピードも同じような条件にし、それで再現をしたということで、絶対的という意味で当時の全く再現ではございませんが、いま可能な限りの再現に努めたつもりでございます。
○岩間正男君 科学的厳密というのはそういうような言葉でやったってわかりません。天井の何から通風、採光、これほどまでに現実にこれはやらなければならない問題だ。ところがどんなに言ったって、しかもそれは秘密だ。当事者には何ら通告もないのです。そういうものででっち上げられた資料、こういうもので一体労働者の健康か診断されるのですか。これで認定書が出ていいのですか。だからその点が問題です。
 さらにまた、数年または十数年にわたる疲労の蓄積を短時日での再現は不可能だ。
 以上挙げた点から考えて全く非科学的と言わざるを得ません。これらの不当、不合理なデータを認定の有力な根拠にした、これが官庁の行政の中で許されていいのか。私ははっきり要求する。
 第一、職場検診について、いつ、どこで、何回、検診の内容はどんな一体検診をしたか、参加人員は何人か、その結果はどう出たか。これらは公表すべきであります。これは国会の権威において要求すべきだと思いますか、委員長、この資料提出をぜひ私はお願いしたい。これをやれなければわが内閣委員会の権威は地に落ちるのだ。まさに人権をいま守れるかどうかということなんだ。愛情ある政治が本当に行われるかどうか、これを検査するためにいまこのような委員会が開かれている。国会の権威がもしあるとしたら、当然出されなくちゃならない。局長どうですか、出すか出さないか。
○説明員(川村皓章君) いままでの科学的という御見解については、いささか私と見解を違えております。
○岩間正男君 いや出すか出さないか、いまのことを。いいですよ、弁解は要らぬです。
○説明員(川村皓章君) それから、職場診断の資料は、これが認定の資料であることは間違いございませんが、やはり七年間こういうふうな協力を得られないで今日まで来ました御理解の点で、岩間委員と私どもはいささか見解を異にするものでございます。それで、そのためにわざわざ職場診断を行わざるを得なかったというのが私どもの正直な感じでございまして、そのデータはこの認定の資料であったことは間違いございませんので、個々人の理由は終わった適当な時期に私どもはその関係者にこれをお見せするつもりでおります。
○岩間正男君 理事会で検討してください、国会の権威において。すでに決定がなされて出されているんだ。公表されているんです。その基礎材料が明らかにされないなどというのは許されると思いますか。官庁のそれは一体秘密主義なんだ。ぼろが出るからじゃないか。
○説明員(川村皓章君) いま公表公表とおっしゃいますが、少なくとも申請者の方々なり、それから、この問題にわりあい御関係の深かった方を私は関係者と申し上げたのでございまして、まあ一般に公表して第三者の使用に供するというような性格では私はないと思います。したがって、認定に使ったことは事実でございますし、先ほども申し上げたように、個々人の理由等は各人の多少プライバシーにかかる問題もございますので、この辺の説明が終わった後に私どもは関係者にこの職場診断の結果は知らせるつもりでおります。
○岩間正男君 松田参考人にお尋ねしますが、これは単に一統計局の問題じゃない。全労働者の実際のこれは生命あるいは生存権に関する問題だと私は考えます。したがいまして、いまのようなプライバシーにかかるから出さないということを口実にされておるのですが、当人にお聞きしたいんですが、そういうことを出されて公表されても、いままでもう言ってこられたことなんだから差し支えないというふうに私は判断しますが、いかがでございますか。
○参考人(松田光子君) まず、私たちの業務上外の判断に使われた職場診断の結果というのは、局長が言われたように科学的な判断で出された資料ならば、それはプライバシーの問題ではないと思うので、私はぜひ公表してもらいたいと思います。
○岩間正男君 参考人の希望を含めて委員長に後で理事会でお諮りを願いたい。これは重大な問題で、こういう形で、いつかつくられた資料でもって認定が出され、それでたくさんの現場の労働者が泣くんでは日本の労働行政も地に落ちたりと言わざるを得ない。
 次に、人事院総裁が見えていますからお聞きしましょう。
 事実の経過、四十四年十一月に出された公務災害認定申請書が、実施権者である総理本府に報告されたのは、これは四十七年三月十七日でなかったかと思いますが、これは間違いございませんか。これは先に統計局、間違いあるかないか言ってください。
○説明員(角田達郎君) 大体そのころだと思います。
○岩間正男君 資料持ってきませんでしたか。大体などと言わないで、科学的厳密さが必要なんだ、だめですよ。答弁が少しなまくらだ。
 そこでお聞きします。人事院総裁。
 四十五年十二月に人事院の規則が改正されたわけですね。それで人事院規則一六−〇というのが出た。これによるというと、「補償事務主任者は、その所管に属する職員について公務上の災害又は通勤による災害と認められる死傷病が発生した場合は、人事院が定める事項を記載した書面により、速やかに実施機関に報告しなければならない。」云々となっているはずですが、これはそのとおりでございますか、人事院総裁。
○説明員(中村博君) 人事院規則一六−〇、二十条にはほぼその趣旨が書いてございます。
○岩間正男君 そのとおりかどうか言えばいいんですよ。そのとおりですか、違いますか。
○説明員(中村博君) そのとおりだと思います。
○岩間正男君 官僚的な答弁要りません。もっと素直に言ってください。
 それじゃこれは何ですか、当然改革されて通告されたはずですから、四十五年十二月でしょう。この規則が徹底するにしたってそんなに時間かかるわけじゃない。ところが何やってたんです。二年五カ月何してたんです。申請されてから本府に送られるまでには二年五カ月ある、これは何やってた。しかも、この間に申請者が追及したわけでしょう。当局に対してどうしたんですか、なぜ本府に送らないんですか、総理府に早く送ってください。そうしたら当局はどう言ったかというと、本府には通告してある。明らかにこれはうそだと、そのうそがばれた。そこでやむを得ず本府に通告したんじゃないですか。経過はかくのごときと思いますが矢嶋参考人いかがでございますか。
○参考人(矢嶋俊良君) そのとおりです。
○岩間正男君 被害者はだれよりも知っているわけです。
 それから、本府から人事院に送られたのが四十七年。さらに人事院から今度は本府に送り返されてきた、二年おくれて。二年人事院は何やってたんだ。本府からこれを受けて、それから二年たなざらしなんですね。これは何やってるんですか。
○説明員(中村博君) 先ほど来申し上げておりますように、新しい事例でございます。したがいまして、私どもそれぞれ専門の先生を健康委員として御委嘱申し上げておりますので、早速この協議を受けて先生の御意見を聞きましたところ、先ほどもお話がありましたように、労働衛生学的所見が必要であると、検査が必要であると、こういうことになったので、総理府に折り返しお願いしましたところ、職員団体の協力が得られないということで時日が経過したわけでございます。
○岩間正男君 口実というものはいかようにもつくもんです。毎日苦しんでペンさえ握れない人がいるんだということは、本当に職場の実態について、胸に痛みを持って感じるという政治でないからそういうことが言える。二年間放置した。そうしてこれが戻されて四十九年からこの認定が始まる。で、私はこれはここでお聞きしたいんです。国家公務員が公務上の災害と認められる死傷病になった場合、民間のように本人の請求を待つまでもなく、報告義務を当局に課している。早く報告しなさい、すぐにも報告しなさいということを課している。これはこのような報告義務を課しているのは労働基本権を剥奪した代償措置、厳格にその代償措置としてこれは規定されたものだと思います、これはね。その権利保護のためにはこれを徹底させる、そういう目的をもってつくられたのか四十五年十二月十七日のこの人事院規則改正ではなかったんですか、どうですか。簡単にやってくださいよ。
○説明員(中村博君) まず簡単に申しますと、労働基本権と本件とはかかわりございません。
 それから先ほど先生がお読み上げになり、私がそのとおりだと申し上げました二十条につきましては、公務上の災害と認められる死傷病、かように相なってございます。
○岩間正男君 関係がないと言うけれども、労働者は自分の権利をこれは行使できない、そうしていま言ったように職場におけるいろいろな圧迫、それから、そういうものでなかなか本当に自分の権利を守り切れない、そういう事態がある。これを保護する、そういう点では、これは代償規定とか何とか議論のあるところかもしれませんが、そういう権利擁護のためのものであるということはこれは明らかでしょう。そうでなければ、こんなに急いでやれと、そういう何にはならないと私は思うんです。そういう点から考えますと、この問題は統計局、本府、人事院、この間をぐるぐる回っておる、そういうような事態の中で七年間放置された、そうしてようやく本委員会が開かれるその五日前に、御承知のように今度のこの公務外認定通知書が出された。こういう経緯というものは、これは疑うすべもなく一連の系列ではっきりしているというふうに思う。私は、しかも通知書そのものが非常に問題だと思う。先ほどもこれは野田委員から触れられましたように、理由が書いてない。通知書には理由を明確に記せということが書いてあるわけでしょう。どうなんです。この理由が全然これは書いてない。あなたたちこれが理由と言えますか。これは理由にはならぬでしょう。あなたたちが挙げているのは理由とは言えない。木で鼻をくくったようなこれは理由ですよ。こういうものが理由というのではこれは通らない。「公務と相当因果関係をもって発生したものとは認められないので、」、これが理由だと。理由じゃないでしょう、これは。これが理由だったら全く子供だましと言わなけりゃならない。こういうものを三木武夫の名前で出したこの文書そのものというのは、全く違法性を持った認めることのできない欠陥文書なんです、通知なんです。明らかだ。だめですよ。こんなものを理由だというふうに言っても、こういうことにはこれは成り立たない。理由をつけないで、そうして全くもう高飛車に、一方的にこの問題をやった。こういうことで、私はこの通知書は撤回すべきだと、違法性を。私はそういう点でこの問題ははっきりさせなければならぬと思う。しかも三木総理大臣の名前で出されておるのですよ。どうなんです、一体。
○説明員(中村博君) これはもう先生十分御承知のように、国家公務員災害補償法というものは、法適合事実があった場合に公務上になるわけでございます。したがいまして、公務外の場合には、そのような理論に基づいて、四十五年までは公務外の通知というものは制度としてございませんでした。しかし、その四十五年から、とにかく災害を受けられた方が公務上か公務外かということは大変御関心をお持ちでありますから、事務的にもはっきりさせる必要があるということでこのような公務外の通知の制度を設けたわけでございます。いわばデターメントを追求したわけでございます。その際にも理由を書くということは要件になってございません。しかし四十八年から通勤災害保護制度が創設されまして、まあこれは御承知のように目に見えないところで起こるわけでございますので、したがいまして、一部申請主義をとったわけでございます。そういう場合に、やはり公務外という場合にはそのような事情もあわせ考えて理由を付するということが適切であるということで、理由を付加したと、かような経緯に相なってございます。したがいまして、この理由につきましては、確かにいろいろ御批判はあると思いますけれども、私どもが所期しておるものは、いま申し上げましたとおりの経緯であり、また、そのような精神に基づくものでありますから、いま御指摘のような文言が入っておるということはこの要件の最低限を満たしておる、かように考えております。
○岩間正男君 そんなものが理由になりますか、理由にならぬ理由です。それで形だけ整えば何でもいい、血も何も通っていない。ここにあります。これは理由書だ。理由書は、これは長野家庭裁判所上田支部、裁判所事務官柳沢貴代子の疾病に関する業務外認定理由書、実に詳しく書いてある。これでこそ人権を尊重するということになるだろうと思う。これは一行にも足らぬ。三くだり半ということもあるが、一くだり、半行にも足らないようなこんな理由、しかも理由にならない理由、子どもだましの理由、理由と言えない理由、こんなものを理由だと言って合理化しているこの官僚の頭を私は疑う。こんなものは理由ではありません。とにかくこれに対して当然の理由をつけて出す。これたったならば――これはとにかく地方の場合ですけれども、ところが本府の方ではこういうことをやるのですか。科学的を誇る統計局がこういうことをやるのですか。私はそういう点からいって、このようなやり方というものは、これは撤回すべきである。
 さらに時間の関係から次のことを委員長にお願い申し上げたいと思う。
 それは資料要求です。認定経過の全資料を本委員会に提出すること、第二には、第二次参考人審査の実施、主治医及び職場診断担当医、名前を出すとそこに抗議が行ってうるさいからだめだというようなことを、この前私たち七日に総理府の副長官に会ったときそのような答弁をもらいました。しかし、それほど責任のないものなんだろうか、この医者というものは。官庁お抱えの医者というのはかくのごとき一体責任のないものなんだろうか。事実が正しいなら、胸を張って堂々と白日のもとに、おれのやったことは正しいんだ、この確信のもとに、少なくとも人一人の人権を裁く問題だ、その人の運命を決定するような重大な問題なんだ、そうしてこれについてははっきり災害補償法が保障しておるところの問題なんです。これに対してどうですか。これを実施する総理府本府の中でこのような声が出てくるということは私は非常に意外だと思うのであります。したがいまして、当然これらの医師は責任を持って国家機構が委任したその仕事に対する責任を明らかにする。したがって、医師の名前、そういうようなものを明らかにされないで、こそこそとどこかのビルディングを借りて、そしてこのビルディングの借り賃も何ぼ一体払ったのか、こういうふうな本当におかしい運営の仕方でありますから、絶対これは認めることはできないのでありますから、この資料要求の面につきまして、ぜひこれは委員長の高配を煩わしたいと思うのであります。
 時間ですから、これでやめましょう。
○説明員(川村皓章君) 簡単に申し上げます。
 理由の点につきましては、確かに一つの要件は私ども備えた形で出しておりますが、やはり理由、個々人異なりますので、お一人お一人に今後口頭で説明を申し上げるということの予定は持っておりますし、すでに本日現在二人進捗いたしておることを御報告を申し上げておきます。
 なお、精いっぱいこれは努力して出した結論でございますので、この結論は変える考え方は持っておりません。
 それからお医者さんの点でございますが、これは現にいろいろ御相談申し上げたお医者さんは六名おります。その方々は、専門は整形外科、あるいは労働衛生学、あるいは精神神経科等のお医者さんでございますが、その方々は過去に大変個人的に御迷惑をこうむったということもございますし、さらに三年前に私がそれぞれ御依頼する際にも、その点はないようにということの約束のもとに今日までいろいろ医学的な御意見を出していただいた方でございますので、私どもは名前を申し上げることは遠慮さしていただきたいと思っております。
○委員長(中山太郎君) ただいま岩間委員から委員長に対して要求のありました資料請求に関しましては、理事会において御協議の上取り扱いを決めたいと思います。
 他に御発言もないようですから、質疑はこれで終了いたしたいと思います。
 参考人の方々には、貴重な御意見をお述べいただきまことにありがとうございました。
 本件に関する本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十四分散会