第077回国会 決算委員会 第2号
昭和五十一年一月十六日(金曜日)
   午前十一時二十七分開会
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   委員の異動
 一月十二日
    辞任         補欠選任
     田代富士男君     黒柳  明君
 一月十六日
    辞任         補欠選任
     喜屋武眞榮君     野末 陳平君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         瀬谷 英行君
    理 事
                今泉 正二君
                遠藤  要君
                小谷  守君
                峯山 昭範君
                橋本  敦君
    委 員
                青井 政美君
                石本  茂君
                木内 四郎君
                寺下 岩蔵君
                永野 嚴雄君
                松岡 克由君
                案納  勝君
                久保  亘君
                矢田部 理君
                矢原 秀男君
                加藤  進君
                田渕 哲也君
                野末 陳平君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       福田 赳夫君
       大 蔵 大 臣  大平 正芳君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    福田  一君
   政府委員
       人事院事務総局
       職員局長     中村  博君
       警察庁刑事局長  土金 賢三君
       行政管理庁行政
       監察局長     鈴木  博君
       経済企画庁調整
       局長       青木 慎三君
       経済企画庁物価
       局長       喜多村治雄君
       経済企画庁総合
       計画局長     小島 英敏君
       大蔵省主計局次
       長        田中  敬君
       大蔵省理財局長  松川 道哉君
       大蔵省銀行局長  田辺 博通君
       国税庁次長    横井 正美君
       建設省計画局長  大塩洋一郎君
       建設省河川局長  増岡 康治君
        ―――――
       会計検査院長   佐藤 三郎君
       検 査 官    大村 筆雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤 忠雄君
   説明員
       大蔵大臣官房日
       本専売公社副監
       理官       首藤 泰雄君
       大蔵大臣官房審
       議官       山内  宏君
       大蔵省主税局総
       務課長      福田 幸弘君
       大蔵省理財局次
       長        吉岡 孝行君
       建設省河川局次
       長        堺  徳吾君
       会計検査院事務
       総局第一局長   田代 忠博君
       会計検査院事務
       総局第三局長   小沼 敬八君
       会計検査院事務
       総局第五局長   柴崎 敏郎君
       日本専売公社総
       裁        泉 美之松君
       日本専売公社管
       理調整本部長   原  秀三君
       日本専売公社管
       理調整副本部長  立川 武雄君
   参考人
       日本住宅公団理
       事        川口 京村君
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  本日の会議に付した案件
○昭和四十八年度一般会計歳入歳出決算、昭和四
 十八年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十八年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十八
 年度政府関係機関決算書(第七十五回国会内閣
 提出)
○昭和四十八年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第七十五回国会内閣提出)
○昭和四十八年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第七十五回国会内閣提出)
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○委員長(瀬谷英行君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る一月十二日、田代富士男君が委員を辞任され、その補欠として黒柳明君が、また本日、喜屋武眞榮君が委員を辞任され、その補欠として野末陳平君がそれぞれ選任されました。
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○委員長(瀬谷英行君) 次に、本日の委員会に出席を予定いたしておりました仮谷建設大臣が、昨十五日午後五時過ぎ急性心不全のため逝去されました。まことに突然のことでございますが、本委員会といたしまして、仮谷建設大臣の死を悼み、ここに深く哀悼の意を表します。
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○委員長(瀬谷英行君) 次に、会計検査院長佐藤三郎君及び検査官大村筆雄君からそれぞれ発言を求められておりますので、この際、順次発言を許します。会計検査院長佐藤三郎君。
○会計検査院長(佐藤三郎君) 私、先般会計検査院長に任ぜられました佐藤でございます。
 まことに浅学非才の身でございますけれども、誠心誠意努力いたしたいと思いますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
○委員長(瀬谷英行君) 検査官大村筆雄君。
○検査官(大村筆雄君) このたび検査官を拝命いたしました大村でございます。
 現下の財政事情等にかんがみまして会計検査の重要性はますます増大してくるものと存じておりますが、今後全力を挙げ最善を尽くしまして責務を全うしてまいる所存でございます。何とぞよろしく御指導、御鞭撻くださいますようお願い申し上げる次第でございます。
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○委員長(瀬谷英行君) 次に、昭和四十八年度決算外二件を議題とし、本日は総括質疑第一回を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○小谷守君 四十八年度の決算について概括的にお伺いをしたいと思います。失業者はもはや百万を超え、三月末には百三十万と伝えられておる。中小企業関係の倒産は月千件を超しておる。非常に深刻な経済情勢であります。もはや単なる労働政策、雇用政策では手がつけられないのではなかろうか。不況の中の物価高、この深刻なスタグフレーションに対してどう対処されるのか。政府は過去の財政経済政策について謙虚にやはり反省をして、その反省を生かして政策運営のかじ取りに当たっていただきたいものだと、このように思います。
 そこで、大蔵大臣にお伺いしますことは、四十八年の財政運営、この会計年度は大変な年だったと思うのです。予算の編成に当たられたのは亡くなられた愛知大蔵大臣でありましたが、愛知さんはトリレンマの解消ということを提唱されました。国際収支、物価、福祉、この三つの困難な問題を同時解決するんだということで超積極予算を組まれたわけであります。そして後半には大変なインフレをもたらし、経済の混乱をもたらしたことは御承知のとおりであります。今日ただいまの経済的な難渋の原因は、多くこの四十八会計年度中に原因がひそんでおると、こう申し上げても言い過ぎでないように思いますが、大蔵大臣はこの四十八年度の会計年度というものを振り返って、どういう感想、御反省をお持ちでございますか、謙虚にひとつ御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 四十八年度における財政経済政策についての評価と反省についてのお尋ねでございました。もとよりこの年は故愛知蔵相の手で予算が編成され、執行された年でございましたが、私は外務省の方の担当でございましたけれども、閣員の一人といたしまして、それなりの責任を感じておるものでございます。
 当時を回顧いたしますと、ようやくわが国の経済の力量から申しまして、国の経済政策を生活中心、福祉中心に力点を置きかえるべきときが来た。また、そういうことをやり得る力量がわが国の経済には備わってきたのではないかという自負が政府にありましたことは事実でございます。したがって、その当時幸いにして外貨事情が好転してまいりまして、巨大な外貨準備を手元に保有するに至っておりましたので、大胆に輸入をふやして、対外的なバランスも維持しながら、国内においての経済政策の重点を福祉中心、生活中心に置きかえていくことはできない相談でなかろうということで、内外にわたる経済財政政策を立案いたしましたことは御指摘のとおりでございます。正直のところ私ども、それがいま申しましたように、できるだけの力を日本の経済は持ってきたと自負いたしておったわけでございます。
 ところが、はしなくも四十八年の秋深くなりましてから、いわゆる資源危機なるものが出てまいったのでございます。その夏、大豆の輸入が不如意になるのではないかという懸念が一部あったことは御案内のとおりでございますけれども、それがどうにかアメリカの理解でもって解決できたわけでございますけれども、はしなくも秋深くなりまして石油の危機が顕在化してまいりまして、一挙に十月下旬には二倍に輸入価格が上がると、十二月の下旬にはさらにそれが二倍になるというようなことになってまいりまして、私どもがせっかく考えておりましたもくろみが、そういう外的な大きな激浪に洗われましてもくろみが狂ってしまったわけでございます。したがって、従来の計画を変更いたしまして、いち早く総需要抑制政策という政策に政策の基調を切りかえざるを得なかったわけでございます。それからの経過は小谷委員も御承知のとおりの経過をたどってまいったわけでございまして、今日総需要抑制策は一応その役割りを果たしまして、物価は鎮静に向かってまいったわけでございます。けれども、同時にこれは非常に高価な代償を払わなければならなかったわけでございまして、生産、出荷は落ち込んでまいりましたし、雇用は悪化してまいりましたし、輸出はふるわないということで、予想以上の長い期間にわたる、そして非常に彫りの深い不況を経験しなければならなくなったわけでございます。で、いまようやくその不況からの脱出の道を模索いたしておるのが今日の姿であろうと思うのであります。
 したがって、四十八年の財政経済政策に対する反省はどうかというお尋ねでございますけれども、本委員会におきましてもかつてお答えを申し上げたかと思いますけれども、私は当時の政府の考えておりました考えは間違っていなかったと思います。しかも善意でもあったと思うのであります。しかし、それを遂行する途次におきまして異常な世界経済の異変が起こったわけでございまして、それを十分見通すことができなかった、また、それに対する対応がいち早くできなかったという点につきましては、政府の責任は免れることはできないのじゃないかと考えておるわけでございます。国際収支と物価と福祉と、この三者をバランスのとれた姿において実現してまいるということは、とりもなおさず財政政策の一番大事な根幹でございますが、いずれの事態もこの要請にこたえなければならぬわけでございます。そのことが、外的な予想せざる異変が起こったことと、国内にそれに対応する用意が十分でなかったために、このトリレンマの渦の中で大変国民に御迷惑をかけることになったということにつきましては深甚な反省をいたしておるわけでございます。
○小谷守君 大臣の御答弁を拝聴しておりますと、何か四十八年の失敗の原因は外的な要因が主だというふうな、そういうところにアクセントを置いた御答弁のようでありましたが、私はそういうことではまだ御反省が足りないのじゃないか、こう思われてなりません。
 忘れもいたしません。この四十八年度の予算を編成されたときに政府は福祉元年ということを提唱されました。福祉を高めるということで大きな旗印を上げられたわけでありますけれども、結果は福祉ゼロ年ないしはマイナス年、この物価の高騰の中で大変な迷惑を国民はこうむったわけであります。いま大臣の御答弁を拝聴しておって、私はまだまだ御反省が足りないのではないかという気持ちがいたします。
 そこで、私は四十八年度のこの会計年度を見詰めながら、この時期にいろいろ私どもがこの委員会で指摘をしたこと、そしてそれについて十分考えるとお約束のあった事柄の主なものを拾い上げて、そうして今日その問題をどう生かされておるか、こういう事柄について具体的に伺ってみたいと思いますが、まず第一は予算編成のあり方。予算編成のあり方について御忠言を申し上げました。予算編成のあり方はあれでよろしいか。これについては反省しよう、改めようという御答弁でありましたが、五十一年度の予算編成の状況を見ますというと相も変わらず、ことしなんかはこういう厳しい財源の枯渇しておるときでありますから、こういうときにこそ予算編成の姿というものを改めるべきではなかったかと思われてならぬのでありますが、ことしの状況も大臣御承知のとおり、十二月下旬に大蔵原案が発表されて、そうして最終編成が終わる三十一日まで相も変わらずでございますね。わずか千八百億ほどの保留財源を見せびらかして、復活折衝と称するサル芝居が演じられた。このわずかな期間に全国から集まった陳情団、その数はどのぐらいだとお考えになっておりますか。私はすべてが圧力団体だなんていう汚い言葉は使いたくはありませんけれども、予算編成のあり方をこれでいいとお思いになっておりますか。御反省の点はございませんか。
○国務大臣(大平正芳君) 申すまでもなく予算案は国のいわば総合的な事業のもくろみでございます。したがって、非常に複雑多岐な内容を持ったものでございます。一週間や十日の編成作業でこれができるものでないことは小谷先生も御承知のとおりだと思います。私ども予算編成についての責任を持った者といたしましては、通常国会が終わり夏を迎えますと早速次の年度の編成の準備にかかるわけでございまして、それぞれの担当官は自分の守備範囲につきまして国会内外の御論議の行方、世論の動向というような点も精細に吟味いたしまして、来年度われわれはどういう骨組みの予算をお願いすべきであるかという点につきましては、夏からすでに検討に入っておったわけでございます。八月の末に各省庁から概算要求が出されるわけでございまして、十月早々からそのヒヤリングが始まったわけでございますが、各省庁の多数の御担当の方々との対話を通じまして事案に対するこなれが不十分でないように十分いたして、来年度どの程度、どういう予算を組むべきかというわれわれの腹案に対しましての見直しをやってきたわけでございます。したがいまして、二十数億の予算の実態というのは大体大蔵原案を御提示申し上げる段階におきましては財政当局としては一応持っておったわけでございます。千八百億円というのは、最終的に閣僚あるいは党首脳部との折衝におきまして、私どもの見落としのところ、あるいは十分でないもの、そういったところの御指摘がございますならば、それを埋めるために用意をいたしたものでございまして、千八百億円という留保財源をめぐっての攻防に狂奔したつもりはないわけなんでございます。
 ただ、いよいよ編成作業が最終の段階になりまして、大蔵原案が出されまして政府案が固まるまでの間、御案内のように地方から多数の方々の御上京が見られまするし、また各省庁との間のいろんな折衝が熱意を帯びてまいることは事実でございます。しかしこれは、私もたびたび予算に関係した者でございますけれども、ことしはその点は以前よりよほど改善されたように思うのでございまして、できるだけむだのないようにしなければならぬと心がけておりましたけれども、例年よりは秩序正しく行われたのではないかというように私は考えております。なおしかし、これ十分とは申しませんで、今後一層改善に努力しなければならぬことは仰せのとおりでございますけれども、例年に比べまして改善の跡はごらんいただけるのではないかというように考えております。しかし、予算編成は仰せのように非常に大事な国務でございますので、私どもこの編成のやり方につきまして、これで大変、これで万事満足すべき状態とは考えていないわけでございまして、なお検討に検討を重ねまして、よりよい方法の案出には一層の努力をしなければならぬと心得ております。
○小谷守君 この予算編成のパターンというものを、毎年毎年同じことを繰り返しておりますが、前にも何回もこれをもっと合理的なものに改めていただくように御忠言を申し上げておるわけでありますけれども、一つも改まっていない。ぜひひとつ次の年からは、この大蔵原案を出す、陳情団いらっしゃい、わずかな保留財源の取り合いをしなさいと、こういう形は改めていただかなきゃならぬと思います。特にことし、だれが見てもわかることは、ことしの予算は輸出や投資、これをふやして、これを重点に置いて福祉が後に追いやられておる。そこで、大蔵原案は福祉に対してかなり渋くしておいて、復活折衝で少しだけ甘みをつけて、政府は福祉は忘れておりませんというふうなポーズをとろうとした。この意図がだれの目にもわかるわけであります。こういうことは愚民政治ではないかと申し上げざるを得ないのであります。いかがでございますか。
○国務大臣(大平正芳君) 私ども予算で一番大事なことは、適正な資源の配分を予算を通じて行うということ、いわゆるバランスが一番大事だと思うのであります。ことしは小谷さんもいま御指摘のように公共投資が重視されまして、相当対前年比におきましての増加計上をさしていただいたわけでございます。そして後ほどまた御質疑がいただけるんだろうと思いますけれども、公共事業予備費も含めまして計算いたしますと、恩給費に次ぐ増額を公共事業に見られるということになっておることは御指摘のとおりでございます。しかし、これは問題を単年度でごらんになればそうなるわけでございますけれども、去年もおととしも総需要抑制策のために公共事業というのは御遠慮いただいておったわけでございまして、精いっぱい対前年比絶対額においても増額を見ないというような状態に抑え切っておったわけでございます。したがって、石油危機の前から比較してみますと、今日増額したと言われる公共投資は他の費目に比べまして相当な見劣りを依然としてしておるわけでございます。したがって、私ども不当に多くの資源を無理に公共投資に持っていったとは考えていないわけでございます。逆に社会福祉でございますけれども、これにつきましては去年もことしも例年好況、不況にかかわらず最重点の費目といたしまして重視してまいったつもりでございます。福祉に後退のないようにという政治の要請にこたえまして、あとう限りの資源は福祉政策に充当するように配慮してきたつもりでございます。したがって、いま私はこの編成を終わって、これからいろいろな国会でも御論議がいただけると思うのでございますけれども、後悔しておるということは私にはないのでございます。
○小谷守君 いま大臣から公共事業費のお話がありましたから、それについて伺いたいと思いますが、五十一年度の予算を拝見しますというと、前年比公共事業費は二一・二%の増でありまして、三兆五千二百七十億と大変な伸びでありますが、不況対策として公共事業で有効需要を喚起するという考え方、これがいまの不況対策として決め手になるのかどうか、これについて大きな疑問を感じますので、その解明を願いたいと思うのであります。何回もこの決算委員会でも議論をした点であります。また、古くはアメリカのニューディール政策で成功した例もあるようでありますけれども、結論から先に申し上げますというと、これは土木事業、鉄鋼、セメント、機械等の特定の大企業、あるいはまたこれらのプロジェクトのまとめ役としての商社、しかも大手の商社が潤うことはこれは目に見えてよくわかります。しかし、他の業種や中小企業全体に波及効果が上がるかどうかということはきわめて疑わしいのであります。公共事業をふやすと景気がよくなるというのは、風が吹けばおけ屋がもうかると、こういう理屈と一緒ではないかと、疑問が深いわけであります。所得税減税か公共事業かと、この論争も何回もありました。しかし、景気の回復には末端消費を刺激する以外にないのではないかと。私どもは減税を見送ってこの公共投資が不況対策の決め手になるという考え方についてはどうしても納得のいかぬ点があるわけであります。これは過去の失敗の例を見ても明らかではなかろうかと思うんでありますが、予算委員会の議論の先取りをしてもいけませんから、かいつまんで伺うわけでありますが、心配な点を二つ三つ伺います。
 公共事業の実施に当たっての壁、第一は、これを消化していく地方自治体の財源難、これが大きな壁になっておるわけであります、ことしは。これは起債で何とか見ようとかいろいろこう薬張りの対策もあるようでありますけれども、それとてすべて自治体が将来にわたって背負う借金であります。もうこの公共事業の裏打ち財源にほとほと困り果てておる。公共事業のとても満度の消化はむずかしいと、こういう状況でありますが、これに対して対策があるのかどうか。第二は、用地難や補償問題、特に住民パワーの厳しい状況の中でこの解決は容易でないと思うのであります。第三は、中小の建設業者は今日の金融情勢のもとにおいては公共事業の受注をためらう状況が非常に多い。
 私は三つの点を挙げて、これらについては大蔵大臣はどういうお考えであるのか、どう打開される対策をお持ちになっておるのか、こういう点をひとつお聞かせ願いたいと思うのであります。
○国務大臣(大平正芳君) 公共事業と不況対策。不況対策としての公共事業の適格性でございますが、公共事業をふやしさえすれば不況がいやされるというようなそういう単純なものでないと、私どもあなたの言われるように考えて、単純なものとは考えておりません。ただ、今日の場合、所得減税よりは公共投資に資源を使う方が、総体論といたしましては不況対策的効果は大きいのではないかというのが経済の常識でなかろうかと考えておるわけでございます。しかし、それはともかくといたしまして、せっかく計上いたしました公共事業の消化が、これに伴う地方の負担財源との関係で果たして可能かどうかという御指摘でございますが、その点につきましては、私どもも十分問題意識を持っておりまして、地方債計画の中におきまして、ことしの公共事業計画の所要財源の九五%は地方債で賄えるように計画を立てておるわけでございます。御心配のようなことのないように周到な配慮をいたすつもりでございます。
 用地の件につきましても同様に、公共投資が進まない限りにおきましては絵にかいたもちになりますことは御指摘のとおりでございますので、実行に当たりまして御注意の点は十分配慮してまいるつもりでございます。
 中小建設業者に対する受注につきましては、政府として特に配慮をいたしておるつもりでございます。今日、これはひとり中央の公共投資ばかりでなく、地方の単独投資もいろいろ影響があると思うのでございますけれども、この受注に当たりましては中小建設業者に対する配慮は十分徹底してお願いしなければならぬということで、建設行政当局――中央、地方を通じまして、私どもといたしましても極力お願いをいたしておるところでございまして、万々御指摘のようなことがないように配慮してまいるつもりでおります。
○小谷守君 先ほどの大臣の御答弁の中に、公共事業の予備費というお言葉がありましたが、これは私は非常に重大だと思うんです。予算を拝見しますと、五十一年度予算におきましては公共事業等の予備費千五百億円が計上されておるようでありますが、予備費の問題につきましてもこの委員会で何回となく議論をして、予備費が憲法、財政法の趣旨を逸脱することがないようにという角度から何回か御忠言を申し上げてきたことは御承知になっておると思うのであります。ところが、予備費と申し上げますと、財政法二十四条、「予見し難い予算の不足に充てるため、」とはっきりしておるわけでありますが、初めから公共事業にひもつきで予備費をつけるというふうなことは、これは明らかに財政法違反である、国会の審議権を無視するものだと、財政民主主義に反するものだと、こう申し上げざるを得ませんが、そんなひもつきの予備費なんというものを頭から予算に組むことについて非常識きわまると思うのでありますが、どうですか。また、何回かここで御忠言を申し上げたことについても、全く背を向けた不誠実な態度であると申し上げざるを得ませんが、いかがですか。
○政府委員(田中敬君) 財政法の関係でございますので、最初に事務的な御答弁を申し上げたいと思います。
 五十一年度予算の編成に当たりましては、いわゆるこの財源難の折から、私どもといたしましては、総合予算主義というたてまえで一応補正を前提としないという形の予算を組みたいという気持ちがございました。それが第一点でございます。そういたしますと、五十一年度の今後の経済情勢の推移を考えてみますと、ある程度今後の経済動向が不安定であるだけに、相当の予備費を増額する必要があるのではなかろうかという点が第二の点でございます。これらの事情を踏まえまして予備費の増額を図ったわけでございますが、その増額いたしました予備費の一部を御指摘のように公共事業等に係る経費に特定をいたしたわけでございます。
 このように使途を特定する予備費を設けますということは、小谷委員ただいま御指摘のように、国会の審議権との関係でいかがであろうかという点でございますが、この点につきましては、一般的に予備費を単に前年度三千億であったものを四千五百億とするよりも、増額した予備費の使途を特定するということで国会の御審議を仰ぐということは、むしろ国会の審議権を尊重するたてまえという形のものになろうかと存じます。
 御承知のように、予備費につきましては憲法の八十七条におきまして、「予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。」という規定がございますし、これを受けまして財政法二十四条におきましても、「予見し難い予算の不足に充てるため、内閣は、予備費として相当と認める金額を、歳入歳出予算に計上することができる。」という規定がございます。この規定の解釈上は、予算の不足が予見しがたいものである限りにおいては、その不足がどのような経費に生じましても、その不足に充てるために予備費を使用するということは可能と解されておりまして、この点におきましては、公共事業等予備費の設置ということは、法律上は政府に授権されている予備費の使用について、五十一年度予算において増額したものを一部公共事業費に限定する、むしろ制約をするというものでございますので、憲法、財政法上の疑義はないものと、法律的には疑義はないものと存じております。
○小谷守君 主計局次長の御説明は、漢文で言いますと、これは牽強付会ということです。いやしくも予備費に、ひもつきの予備費をのっけから予算に出すなんということは、私どもは憲法、財政法違反だ、こう思います。国会の審議権との関係について大臣のひとつお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) いま主計局からも御説明申し上げましたように、例年この予算は大きな補正予算を伴うことになっておりまして、年度を通じましての展望がつきにくいことになっておりました。したがって、ことしはできることなれば総合予算として年度を通じてこの予算で賄いがつくようにいたしたいと存じたわけでございます。したがって、そういたしますならば、不測の事態に処するために予備費を若干増額を考えさしていただく必要があるんじゃなかろうかといろいろ考えたわけでございます。その場合に、あなたの御指摘のように、ひもつきでない予備費を単純に増額してまいることがよろしいか、それともいま御提案申し上げているような、御提案しようといたしているような特定いたしました予備費が適当かという点は確かに議論になると考えたし、私どもの間でもずいぶん論議を重ねたつもりでございます。
 しかし、公共事業というものをことしは特に不況対策の一助といたしまして重視してまいる立場で、社会保障予算に次ぐ増額を考えたのでございますが、さらにそれ以上に当初の段階で公共事業費をふやしておくべきであるという議論もないわけではなかったわけでございます。しかし、私どもといたしましては、これはことしの経済情勢の推移にまつべきでなかろうかと判断いたしたわけでございます。したがって、今後の経済事情の推移に応じまして、もしさらに増額する必要があるのでございますならばこの予備費を使わしていただくと、それでなければこの予備費を不用に立てるべきではないかと、そういう態度をとらしていただいたわけでございます。したがって、漫然ひもつきでない予備費を増額計上いたしますよりは、この方が国会の審議権を尊重申し上げる上から申しまして忠実なゆえんではなかろうかと、いろんな議論をした末こういう選択をいたしたわけでございます。いろいろ御議論があろうかと思いますけれども、私ども牽強付会なことで国会に臨んでおるわけでは決してないことは御理解をいただきたいと思います。
○小谷守君 このことは予算委員会等においても十分議論されると思います。思いますが、どう考えてもひもつきの予備費を構えるというふうなことば、これは予備費の性格からいって大変なことだと思う。法的にもこれは疑義の深いところだと思います。予算委員会で議論をされることと思いますが、予備費のあり方についてはこの委員会でも何回か御忠言をしておるところであります。それが一顧も与えられていないという点をきょうは指摘をしておくにとどめたいと思います。
 さて、この委員会で何回か議論しました問題で、なお顧みられない点の大きな問題は税の問題であります。租税特別措置法の改廃については本年度も顧みられるところがなかった。いま国民は納税者の共通の心理として、重税感もさることながら、不公平感が非常に強いのではないか、これに深い憤りがあることは御承知のとおりだと思います。
 事務当局にまず伺いますが、ことしの予算提出時期、一体企業優遇の租税特別措置法を廃止したとするならば、どれだけの増収があると見込んでおられるか。逆に言えば、租税特別措置法によるところの減収はどのぐらいかという点をまず伺いたいと思います。
○説明員(福田幸弘君) 租税特別措置の全体の減収額は、御案内のように五十年度は五千六百十億でございます。この中には所得税、法人税が分かれます。御指摘の点は企業関係だと思いますが、五十年度につきましては三千四十億というのが法人税関係でございます。また反対に、交際費の経費否認が二千三百五十億ございますので、法人税全体では差し引き六百九十億でございますけれども、特別措置の改廃という趣旨での対象になりますのは、五十年度ベースで申しますと、法人税の三千四十億でございます。ただし、この三千四十億と申しましても大企業関係及び中小企業関係というふうに内容が分かれるわけでございまして、全部が全部大企業中心というふうには申し上げられないと思います。あとこれが五十一年度幾らになるかと申しますと、この三千四十億が三千二百億程度になるかと思いますけれども、対象になります法人税関係、三千億程度のものの中で優遇と言われるものは、これは全部じゃございませんので、この中でさらに準備金、特別償却というものが対象になってくると思います。
 以上でございます。
○小谷守君 大臣に伺いますが、この決算委員会の審査の中でもたびたび税の不公正の是正のために、租税特別措置法の改廃について御検討を願わなければならぬということをしばしば申し上げてきておる。その都度、考慮する、前向きに検討するというふうなお話ばかりありましたが、一つも実行されぬ。これについてのお考えを伺いたいのであります。
○国務大臣(大平正芳君) 租税特別措置の見直し、整理ということは、本委員会におかれましても常にわれわれに対して御注文をされておるところでございますばかりでなく、衆参両院を通じまして関係委員会から同様な御要請を強く受けておるわけでございます。また、私どもといたしましても、租税の公正を期するという上から申しまして、この特別措置を年々見直しておかないと、税制のあらゆる改正を考えるにおきましても、世論の批判から自由であり得ないこともよく承知いたしておるわけでございます。したがって、ことしの税制改正におきましては特にここに力点を置いたつもりでございます。特にいまあなたが御指摘の企業関係の税制を中心として相当彫りの深い見直し、整理縮減を行ったつもりでございまして、詳しくは事務当局から数字的に説明いたさせますけれども、概略五十一年度の改正増収額は平年度ベースで千百五十億円程度になるわけでございまするので、いま小谷さんは、少しも進んでいないじゃないかという御指摘でございましたけれども、私はむしろ既存の租税特別措置の三分の一をことしは整理に成功いたしたと考えておるわけでございまして、むしろきょうあたりはおほめいただけるのじゃないかと思って出てまいったわけでございますが、詳しい数字は事務当局の方からひとつ説明させます。
○小谷守君 いや、時間がありませんから結構です。時間がありませんので……。
 今度のあれで特に奇怪に思うことは、四十九年度に創設された会社臨時特別税が期限到来ということで廃止されることになった点であります。これは企業に対して臨時的に課税されたものでありますから、これを廃止することは税創設の経緯からいっても当然とする論者もありますけれども、租税特別措置法の措置の大企業に対する優遇措置を手控えて、そうしてこれをさらにこの税収が大幅に減っておるこの時期に、大企業にだけこういう減税をするというふうなことは国民としては納得のしがたい点だと思うんであります。こういうことをやられるならば、国民に対して所得減税をぜひやるべきではなかったか、片手落ちもはなはだしいと思うんであります。
 ですから、大臣に端的に伺いますが、年度内に時期を見て物価調整減税ぐらいはやるという、年度内に思い切って所得減税も行うという、そういうお気持ちがあるのかどうか、ひとつ端的にこの点を伺いたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 会社臨時特別税でございますが、これは最近における物価の高騰その他わが国経済の異常な事態にかんがみ、臨時の措置として二年間に限り設けられたものでございまして、この立法の趣旨に従いまして、期限の到来とともに廃止さるべきは当然のことと私ども考えたわけでございます。廃止される特別税の負担を法人税の負担と同列に論ずることは私は必ずしも適当であるとは考えておりません。
 第二の御質問でございますが、年度の途中におきまして物価調整減税というようなものを考えるつもりはあるかということでございますが、いまの税制全体を見直して、今日の経済事情、それから今日の財政状況等をいろいろ練りに練りまして今度の歳入計画を立てさしていただいたわけでございます。したがって、私どもといたしましては、今度提案するであろう五十一年度の総予算案というものが、いまの段階におきましてベストと考えておるわけでございますので、年度途中におきましてこれを改廃するということ、部分的であれこれを改廃するというような意図は現在のところ持っておりません。
○小谷守君 最後の方ちょっと聞き取れませんでしたが……。
 不公平、不公正のシンボルと言われるものは医師の優遇課税だと思います。社会保険診療報酬の所得計算の特例という事項で、いわゆる七二%控除。これについては医療費との関係で問題があるわけでありますが、すでに五十年度の税制改正の際、税制調査会はこれの是正方を要望しておる。しかし、これは見送られた。さらに今回は、五十年度答申の趣旨が実現されるよう具体的な措置を早急に講ぜよと、こういう厳しい注文をつけられておる。にもかかわらず、大蔵省の税制大綱ではこれを全く無視しておる。大蔵大臣は昨年十二月二十四日の記者会見で、「国民の納得がゆくような措置を講ずる。その方法、具体策は厚生大臣と相談するが政府は逃げかくれしない」と大みえを切っておられるわけであります。しかし、これは五十一年度に実施するのかしないのか、端的にひとつ伺いたい。
○国務大臣(大平正芳君) 社会保険診療報酬課税の特例につきましては、次回の診療報酬の改定と同時に改正作業を進めるというのが政府の基本方針でございますが、この問題は長い経緯がございますので、いずれにせよ国民全体の御納得がいくような対処をしなければならぬと考えております。まだ診療報酬の改定についての関係委員会の御審議も進んでいないような状況でございますので、いまの段階で、いついかなる形でというようなことを申し上げることはできませんけれども、いろんな経緯がございまする問題でありまするし、税制の中での問題性をよく私どもも承知いたしておりますので、国民全体が御納得がいくような措置は、政府の責任においてしなければならない問題であることはよく承知しておるつもりでございます。
○小谷守君 まだ公債の問題、金融の問題についてお伺いしたい点がありましたが、時間が参りましたので、私の質問はこれで終わります。
○委員長(瀬谷英行君) それでは午後一時に再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後零時三十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五分開会
○委員長(瀬谷英行君) ただいまから決算委員会を再開いたします。午前に引き続き、昭和四十八年度決算外二件を議題とし、総括質疑を続けます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○久保亘君 私は最初に、過ぐる四十七年度の決算の総括に当たって本委員会が決議いたしました警告の趣旨に基づいて、三木内閣の政治姿勢の問題と、それから田中金脈のその後についてお尋ねをしたいと思います。
 最初に、三木内閣の政治姿勢を示す最大の国民に対する公約とまで言われてまいりました政治資金規正法の改正施行を前にして、昨年末に行われたと言われる自民党の百億の借金肩がわりのための駆け込み献金について、報道されているようなことが事実であるとすれば三木内閣はみずから国民を裏切ることになると思うのですが、この法律改正の直接の責任者でもありました自治大臣の見解を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(福田一君) 自民党の借金の肩がわりの問題について私はまだ何ら正式な報告は受けておりませんが、御案内のように政治資金規正法というのは一月一日から施行することになっておるわけでございます。その前においてどういうような献金が行われ、また行われたものをどのように報告するかということについては、これからの問題としてわれわれは見守っていかなければならないと考えておるのでございまして、そういう事実の道義的な問題を云々されればこれはまたいろいろの御意見もあると思うのでありますけれども、法律に照らしてということになりますというと、政治資金規正法の問題には相ならぬと思うのであります。
 なお、いままでもそういう献金ということは行われておりまして、そういうことが今後ないようにするためには法律をつくらなければいけないということで政治資金規正法をつくりまして、そしてその施行期日が一月一日ということに相なっておるわけでございますので、三木内閣といたしましても、この法律が適用される一月一日からは厳正にこれを取り締まる義務があり、またその必要があるわけでございますけれども、昨年末に行われた件につきましては、法の問題としては新法を適用する範囲でなく、またそういうことを行われたからといって、われわれが直接どういう内容で、どういう形でやったかということもつまびらかにしないでとやかく言うことはできないかと思っております。
○久保亘君 いま大臣が、道義的に言えばということでありましたけれども、私どもは政治姿勢という立場に立てば、これが法律に触れるか触れないかという問題よりも、わざわざ法律を改正して天下に自分の政治姿勢を示そうとした内閣が、あえて法律施行前に法の改正の精神に逆行するようなことをやるということが問題だと思うのです。特にこの膨大な政党の借金は一昨年の参議院選挙にかかわるものと伝えられております。金権政治の根源となったこの借金の始末が法の施行前に駆け込み的にやられるというところに私は今日国民の政治不信を生む原因があると思うんです。特に三木総理大臣が、自民党の主張に賛成して党の荷を軽くしてやろうとの好意は受けたいと思う、しかし、献金によって政治を曲げることは絶対にないと言われておるんでありますが、しかし、今回この百億のうちの半分、五十億を肩がわりするために割り当てられたと言われるその献金の内容は、自工会や銀行、鉄鋼、私鉄、電力、造船等にずっと及んでおりまして、そのそれぞれの団体を対象にして考えてまいりますと、自動車の場合には排ガス規制や重量税の問題などと深く関係をしてまいっております。銀行は貸し倒れ引当金の非課税充当率と深くかかわっていると国民は思っているのであります。また、鉄鋼の値上げ、私鉄の運賃値上げなど、すべてこれらの献金と関係があると思われても仕方のない状況が生まれております。それだけではなくて、不況対策という名前のもとに行われました公定歩合の引き下げによって年間百億以上の利益を得た企業は数多くあります。そういうようなものと結びつかないで政治の姿勢を曲げることはないと言うことができるのであろうかと。
 私は、もし三木さんが政治を曲げることはない、献金によって曲げることはないと強弁されるならば、初めからその政治は曲がっているからあえて曲げる必要がないのだと言わざるを得ないと思う。だから、このようなやり方でこの借金の帳消しが行われるということは、少なくとも私は自治大臣が中心になって改正されました政治資金規正法の――不十分な法でありますが、その立法の精神に照らしてはなはだ好ましくないことであると思っておりますが、大臣は、法律に触れるか触れないかとかそういうことではなくて、政治的な道義の問題として、やはりこのことは好ましいことではないとお考えになりますか。
○国務大臣(福田一君) お答えを申し上げます。
 まず第一に、百億の借金が前回の参議院選挙の結果生じたものであるというお話でございますが、私の仄聞しておるところでは、参議院の選挙が始まるずっと前からやはり自民党は四、五十億円は借金をいたしておりまして、なかなかそれが返せなかったというのが事実でございます。
 それから、ただいまこの三木内閣がこういうことをしておるのは遺憾じゃないかということでございますが、三木総理がおっしゃった意味は、自民党の総裁の立場で言われたのではないかと私は考えておるわけでございますが、総裁、総理は一体でございますから、これは問題はあるかもしれませんが、いずれにいたしましても、もし献金をすることによって政策が曲げられるということであれば、私はこれは一切の献金は、たとえ一円でもこれはしてはいけないと、こういうことにしないというと、額の問題ではなくて性格の問題になってくると思うんです。
 そこで今度は、こういういまのような政治形態におきまして、そうして政党がこの政治活動をいたします場合には、どうしても資金が必要になるわけでございます。で、その資金を一ヵ所から多額に得ておるというと国民から疑惑を受けるおそれがあると。われわれとしてはそういうような意図を持って政策を決定したり変更したりしたつもりは毛頭ございませんけれども、そういうおそれがあるから、これは法律をもって取り締まるべきであるということで最高限を決めたわけでございます。そしてそういう最高限を決め、どういうように届け出をするかというような詳しい内容の法律をつくらしていただいたわけでございまして、過去の借金につきましては、確かに百億あるのを昨年末に五十億献金をしてもらったということは承っておりますけれども、まだ私はその内容は存じておりません。
 しかし、いまあなたが御指摘になりましたこの鉄鋼の値上げの問題であるとか、自動車のこの排気ガスの問題に関することとか、あるいはまた公定歩合の引き下げとか、こういうようなこと等々が果たしてその直接関連あるとお考えに――そういう疑惑を生ずるおそれがあるという御質問だと思うんでありますけれども、われわれとしては、こんなことでこのことを曲げようなどと思ったことは全然ございません。まず閣僚の一人といたしまして、また自治大臣として、私たちはそのようなことで政策を曲げる、そうして国民の疑惑を生ずるというようなことば絶対に避けなければならないことであり、また政策は曲げておらない。金は党が受け取っておるか知りませんけれども、われわれは断じて政策をそのようなことで曲げたことはございません。私も閣僚の一人でありますから、それは大蔵大臣がお決めになる金利の問題、これは大蔵大臣だけではありませんが、日銀等々もありますけれども、あるいはまた環境庁の関係した自動車の排気ガスの問題と、いろいろのことがそんなことで曲げられた、そんな、そのような事実によってゆがめられたということは断じてないと私は確信をいたしております。
○久保亘君 いま大臣が最後にお答えになりましたような立場は、主張をされなければみずからの立場がなくなるわけでありますから、それはそうお答えになるのが当然だろうと私は思っております。
 しかし、それならば大蔵大臣にお尋ねいたしますが、五十一年度の銀行の――失礼しました。銀行の貸し倒れ引当金については、昨年の夏に政府としては千分の五にしよう、こういうことを検討されたはずでありますが、その後銀行協会等の強い要請もありまして、これは千分の八、しかも二ヵ年計画で千分の八にするという方向を出されたと私どもは聞いております。このようなことについて、もしも政策が献金によって曲げられることがないと言うならば、私はそのような措置をとられた直後においては断固として銀行協会からの献金は拒否されなければそのあかしは立たないと考えておるのであります。だから、そういうようなことをいかに観念的に強弁をされましても、国民は具体的に起こってまいります政府の政策の一連の動きの中で疑惑を断つことはできないと思うんです。これは大蔵大臣、もし御意見がありましたらお聞かせいただきたいと思いますが、この際大蔵大臣にあわせてお尋ねいたしますが、国有地に借地いたしております場合に、借地権があるのかどうかは私よくわかりませんが、国有地の上に建物を建てております場合に、その借地権か地上権か知りませんが、これを抵当に供するということが可能であるかどうかですね。この点について大臣の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) いま自治大臣からもお話がございましたように、政府の政策は政党に対する財界の献金との相関関係において考えられるようなものではあってはならないと仰せになりましたが、私も全く同様に思います。特定の政党に対する献金の有無、程度、時期等を勘案しながら政府の政策を考えるなどということを考えておったんでは政府の国民に対する責任は果たせられないからでございます。政府はこの状況のもとにおいて何をなすべきであるか、何をなすべきでないか、全くそういうことと関係なく自主的に判断して厳正に処置すべきものと私は考えておりまするし、現に私はそのようにいたしておるわけでございます。
 それから第二の国有地の借地権が抵当になるかどうかということでございますが、これはただいま伺ったばかりでございますので、調べましてすぐ御返事いたします。
○久保亘君 すぐわかりますか。
○国務大臣(大平正芳君) 取り急いで調べまして、すぐお返事いたします。
○久保亘君 たとえ抵当権の設定が可能であるとしましても、国有地の借地権等を抵当に入れます場合は、当然所有者の、管理をいたしております大蔵省との協議、その了解なしに抵当が設定されるということはあり得ない、このように思いますが、それは間違いありませんか。
○国務大臣(大平正芳君) いま久保委員の仰せになること、多分そういう趣旨だろうと思いますけれども、なお調べさしていただきたいと思います。
○久保亘君 それではその問題は後ほどまたお尋ねいたしますが、次に、先般問題となりました金丸国務大臣の後援会による似顔絵入りのネクタイの大量配布について、公選法との関係で自治省並びに警察庁はいろいろと御調査になったと聞いております。その調査結果を御報告いただきたいと思います。
○政府委員(土金賢三君) ただいま御質問のありました金丸国土庁長官のネクタイの頒布事案につきまして、山梨県警察におきまして調査をいたしたのでありますが、その結果について御報告申し上げます。
 頒布されたとされておりますネクタイは、金丸国土庁長官の後援団体であります久親会というのがございますが、このマークの入ったネクタイと、それからいま一つ、同長官の似顔絵入りのネクタイの二種類がございます。
 まず、そのマーク入りのネクタイでございますが、昨年の五月ごろ久親会が後援会発足十八周年を記念しまして作製、配布することを決定しまして、以後後援会の役員が三越の銀座店に対して注文をしたものでございます。その銀座の三越デパートにおいてはネクタイメーカーにこれの製作を注文いたしまして、十一月中ごろまでに逐次三越に納品いたしたわけでございますが、その納品したネクタイの本数は現在までの調査の結果、二万九千本であるということが判明いたしております。なお、納品の際のこのネクタイを運搬したのは神田運送株式会社でございます。納品を受けた久親会では、役員がこれを各支部長宅に届けて、久親会結成十八周年記念品として支部長から後援会の下部会員に配布されたものでありまして、その期間は昨年十月中ごろから十二月初めにかけてであると、こういうふうに認められます。
 それからいま一つ、その似顔絵入りのネクタイでございますが、これは健和久親会というのがございますが、この健和久親会が同会員に久親会と同様にネクタイを配ることを計画しまして、県内の企業者に似顔絵入りのネクタイ、これは本数は六百本でございますけれども注文しまして、その県内の企業者が製作したものを昨年の九月下旬ごろ健和久親会事務所に届けたものでございます。で、健和久親会では、その役員が同会の事務員に、これをやはり久親会の十八周年でネクタイを配ることになったので、健和久親会でもひとつ会員に配布するように指示しまして、健和久親会の組織に従ってこれを配布いたしたものであると。本数は三百本弱でございます。全部は配っておりません。残りについては健和久親会の事務所に保管されていることが判明いたしております。
 大体以上でござますが、なお、配布その他につきましての詳細につきましてはなお調査中でございます。
 以上でございます。
○委員長(瀬谷英行君) いまの質問者の趣旨は、三越に頼んだか、だれが運んだかということよりも、公選法違反という問題について質問をしているようなんですが、その点については。
○政府委員(土金賢三君) ただいまの報告申し上げました事案につきまして、技術判断ということについてのお尋ねであると存じますが、これにつきましては現在なお配布状況について詳細を調査中でございます。この技術判断をするに当たりましては、いろいろその配布状況とかあるいはその本数――本数は大体そういうことでわかりましたけれども、具体的にどういうふうに何本ぐらい配布しているかというふうな点についてまだなお調査中でございまして、そういった点をもう少し調査いたした上で公選法の厳正なる施行という見地から的確な措置を講ずるよう判断いたしたい。なお、それにつきましては自治省の選挙当局とも打ち合わせをしてそういうふうな判断をいたしたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○久保亘君 どういう疑いによって調査をされているわけですか。ただ、えらい配ったそうだ、何本ぐらい配ったろうかという興味でお調べになっておるんじゃないでしょう。警察としては何らかの容疑に基づいて調査をされていると思うんですが、どういう疑いによって調査をされているんですか。
○政府委員(土金賢三君) 調査をする以上は、公選法に触れる容疑というふうな点を考慮に入れながらもちろん調査をするわけでございますが、しかし、また逆に言いますと、その具体的な内容がわからなければそういった容疑というふうなことも明らかにならない、こういうふうな点も事実でございます。しかし一応、これはまあ具体的に調査した結果でなければわからないわけですけれども、一応の考えられる点というふうな点、これはまああるわけでございます。たとえば事前運動というふうなものに触れるかどうか、こういうふうなことも一応のそういうふうな点としては考えられるわけでございますけれども、しかし、そういうふうな、その事案のわからない前から予断というふうなことでなく、やはり冷静、公正に現実をまず把握して、そしてそれによって判断いたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○久保亘君 いまのような立場でお調べになっているとすれば、私どもは大変不可解な気持ちがするんでありますが、もしもこのような、いま報告されましたような事実――価格について御報告ありませんでしたけれども、恐らくこれは千万単位の費用をかけたものではないかと思うんでありますが、こういうようなものが全く被疑事実なしということで単なる調査、こういうことになりますならば、私は新しい公選法に基づく公職選挙のあり方に一つの新しい分野を開くものになってしまいはしないかと思うんです。だから、こういう点について、公選法の改正の責任者でありました自治大臣は、このような行為が法案を提出いたしました内閣の閣僚によって行われているということについてどのような御見解をお持ちか、また責任を感じておられるのか、その点をお聞かせいただきたいと思うんです。
○国務大臣(福田一君) 事案の内容についてはただいま刑事局長が御報告をしたとおりで、調査をいたしておる段階でございます。しかし、法の問題になりますというと、法適用の場合には、だれが何をしたかということになるのでありますが、私は仄聞するというか金丸長官にも承ったんでありますけれども、まあ後援会がやったことであって自分としては実は何ら関係がないということを言っておられます。
 それでは、後援会がやったといたしましても、選挙違反になるかならないかという問題は当然出てくるわけでございます、これは。そこで、いま警察庁をして事実の内容を取り調べさしているわけでございまして、まあ、とは言っても、相当数が配られたというような段階になれば、これはやはりある程度後援会の責任者、あるいはこれをやった、いかなる人がやったのか、これは主体を――だれが何をしたかということで決まるわけでありますから、これも明らかにしていかなければならないと考えておるのでございまして、私はそういう意味では公選法の規定を、あるいは従来の公選法、また新しく改めましたこの公選法、両者をにらみながら、古いもので条文でたくさん残っておるものがあります。また今度新しくしたものもあります。その両者を踏まえながらという意味でございますが、公選法の精神に照らしてやはり必要があれば処断はいたすべきものであるというのが自治大臣としての考えでございます。
○久保亘君 この問題は、私は、後援会がやったことであるから自分には関係がないことだということで政治家がこれらの問題をほおかぶりをしていくということになれば大変重大なことだと考えております。しかも、特にこの公選法があれだけ論議になりましたその改正案を提案をいたしました内閣のその閣僚の一員が、白昼公然とこのような行為を行うということになって、それは私の関知するところではない、後援会のことであるということで問題にならないということになれば、私は公職選挙法のこの金のかからない選挙、そして公正な選挙をという趣旨は根本から崩れ去ってしまうことになるだろう、こう考えております。で、警察庁でもまだ現在調査の段階ということでありますから、いずれその結論をお持ちになるだろうと思いますので、その段階でまた私どもの見解も申し上げたいと思いますが、また自治大臣としては、この法に照らして、もしこれが法に触れる問題であれば厳正に処断をしたいということでありますから、その際にはやっぱり内閣としても、また当然その当該閣僚としてはしかるべき責任をおとりになるべきものだ、こう考えております。この問題につきましてはまた改めてお尋ねをいたしたいと思います。
 先ほどの問題、わかりましたでしょうか。
○国務大臣(大平正芳君) 間もなく担当者が参ります。
○久保亘君 それでは引き続いて、四十七年度の決算の総括において異例の警告決議を行いました田中金脈の問題についてお尋ねをしたいと思います。
 最初に、税金の見直しを通じてこの田中金脈の問題点を明らかにしようというのが当委員会が究明をしてまいりました一つの視点でありました。この問題については三月十九日、予算委員会において会計検査院長に私がお尋ねいたしました際に、会計検査院としても課税漏れと認められるべき問題として数項目を発見をしておる。最近税務署に対して修正申告が出されたということを聞いているので、国税庁当局に向かってその申告書の提出を求めていますと。で、その申告書の提出は本日行われる予定だと三月十九日の日に言われております。そしてその結果について会計検査院がいままで検査をした結果と照らし合わせて本格的な検査を行いたい、こういうことを当時検査院長がお答えになっておるのでありますが、最初に、会計検査院長は、国税庁に提出された田中氏並びに関係者、関連企業の修正申告書と検査院の検査結果とは一致したのか、あるいは食い違いがあり、検査院自体がさらに指摘した点があったのかどうかお答えいただきたいと思います。
○会計検査院長(佐藤三郎君) 一昨年の十月、この問題が本委員会で取り上げられまして以来、私どもといたしましては書面検査を実施してきまして、さらに国税当局における課税処理が終わりました直後の昨年の四月、それから五月に、延べ十日にわたりまして東京国税局それから関東信越国税局に職員を派遣いたしまして実地検査を施行いたしました。で、今回の場合、昨年三月に国税当局に提出された申告所得税の修正申告についての処理、それから同年五月に国税当局が行った法人税についての更正の処理、これが適切であるかどうかということを実地検査では主として見てまいったわけでございます。それでその結果、当初、さっき委員がおっしゃったように、私の方でも疑問点として指摘しておりました事項についてはすべて、所得税、法人税とも当局において是正しておりました。
 なお、実地検査の際に、いままで私たちが問題にしていた以外の事項が二、三点発見されまして、これも直してもらうと、直してもらわにゃならぬということで直してもらった結果が昭和四十九年度の決算検査報告、先般提出いたしました四十九年度の決算検査報告に租税の徴収に当たって徴収額に不足があったという事態として一部、その中の一部として掲載してございます。そういう結果でございます。
○久保亘君 それでは、この会計検査院の四十九年度決算検査報告の中に出てまいります、いわゆる税務署段階において修正申告で追徴されたもの以外に、新たに会計検査院が指摘をして追徴を行わせた分というのは何件、どれぐらいになりますか。
○会計検査院長(佐藤三郎君) 担当局長に具体的に説明させます。
○説明員(田代忠博君) 御指摘のいまの件でございますが、三件、金額にいたしまして五百二十一万円ございます。
○久保亘君 この三件は、個人と企業と合わせて三件だと思いますが、その内訳を個人と企業で示してください。
○説明員(田代忠博君) お答え申し上げます。
 個人の関係はございません。全部法人税の関係でございます。
○久保亘君 それでは、会計検査院が最終的にこの指摘をして追徴を行わせた分が、法人で三件、五百二十一万円ということであります。それはここに税務署別、税目別集計表というのを私いたがいておりまして、この中にあらわされていると思うのでありますが、同様に今度は国税庁自身が行いましたこの申告所得税の増差税額というのがありまして、この四十九年度の増差税額の中に問題となりました田中氏及び関係者並びにその関連企業の追徴税額は全部含まれておる、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(横井正美君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおりでございます。なお、詳しく申しますと、法人につきましてもお手元に差し上げました四十九事務年度の増差税額に含まれております。個人につきましては同様四十九事務年度の増差税額欄に含まれておるわけでございます。
○久保亘君 その件数と金額をお示しいただきたい。
○政府委員(横井正美君) 一昨年の暮れから何度も申し上げまして大変恐縮でございますが、私どもの調査によりまして知り得たことでございまして、申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。
○久保亘君 会計検査院の方は、件数、金額を明らかにされたのに、国税庁の方はどうしてできないのですか。
○政府委員(横井正美君) 御質問が、検査院の御指摘によりまして、先ほど検査院から御説明ございましたように三件、五百二十一万円というお話がございましたが、この金額につきましては検査院から御説明したとおりでございます。
○久保亘君 なぜ国税庁の方だけに追徴件数や金額について守秘義務があって、会計検査院の方にはないのかということをお聞きしているのです。
○政府委員(横井正美君) 御承知のとおり、所得税法、法人税法におきまして、調査の関連で知り得ました秘密につきましては、私どもは漏らしてはならないことになっておるわけでございます。
○久保亘君 検査院の方にはそういう守秘義務は存在しないわけですね。
○会計検査院長(佐藤三郎君) 会計検査院の方ももちろん公務員でございますので守秘義務がございますし、国税当局はまた税法上の特殊な守秘義務というのがございまして、われわれとしてはもちろん法律で決められました守秘義務については尊重しなくちゃならぬと考えておりますが、本件、ただいま申し上げました三件、五百数十万円のものにつきましては、これは検査報告として国会に検査院が報告せぬならぬ義務があるわけですね、不当事項として。その不当事項として申し上げなければならぬ義務の内訳でございますので私どもの方は御説明申し上げたのでございます。
○久保亘君 そうすると国税庁、私は大蔵省から資料としてもらいましたこの一覧表の中に全部その追徴金額は含まれているということなんでありますが、それぞれ田中角榮さんの場合は小石川税務署、それから山田泰司さんの場合は淀橋税務署、佐藤昭さんは麻布税務署というので全部わかるわけなんです。ただ、件数が非常に多くなりまして、この中に含まれておるというのではどうも明瞭になってこない。それでお尋ねをしたわけでありますが、それぞれその所轄の税務署に個人、企業、払い込まれた。そうすると、この増差税額というのは一切どの一件といえどもあなた方の方では過去から現在にわたってこれを件数や金額に至るまで公表されたことはございませんね。
○政府委員(横井正美君) 調査の件数につきましては、総体的に納税者が何人いられまして、何件調査をしたと、その結果こういう増差税額になりましたという式のことで申すことがございます。しかしながら、個別の案件につきましては先ほど申し上げましたような次第で御容赦願っておるわけでございます。
○久保亘君 言わないというものをこれ以上口を割っていただくわけにもまいりませんでしょうから、私はまた機会を見て改めてお尋ねしたいと思うんですが、ただ、私が非常に不思議に思いますのは、会計検査院が事前に指摘をした点もあり、かつ国税庁は、たしか私の記憶に間違いがなければ二十人の調査員を百日以上にわたって配置をして特別調査を行われたはずであります。それにもかかわらず、なおかつ会計検査院がまた指摘をして五百二十一万追徴を行わなければならないということは、これは現在の国税庁のこのグループに対する調査に問題があったのではないかと思わざるを得ないんです。これだけ政治問題になったものを二十人の専任の人たちを百日以上にわたって調査をさせて、その結果修正申告を行わせた。しかもなおその修正申告で不十分といいますか、指摘を受けて新たに追徴を行わなければならないというものが出てくるということは、この調査について何か私どもは割り切れないものを感ずるわけです。
 具体的にお尋ねしたいのは、この税の追徴は何年さかのぼって行われましたか。それから時効は何年になっていますか。それからお聞きします。
○政府委員(横井正美君) 調査は権限が五年ございますので、五年にさかのぼって課税をいたしております。しかしながら、課税につきましては仮装隠蔽等の問題がございませんでしたので、三年間にさかのぼりまして課税をいたしてございます。
 二十人程度の職員を投入して、なおかつ後ほど検査院から指摘を受けるようなことではずさんではないかと、こういう御指摘がございましたが、私ども調査は厳正に行ったつもりでございます。ただ、技術的な点につきまして誤りがございまして検査院から指摘を受け、訂正をいたしたと、こういう次第でございます。
○久保亘君 時効は五年になっておって、五年間さかのぼって調査をしたけれども、追徴は三年しか行わなかったというのは私どもの常識的な理解としては大変わかりにくいことであります。一般の納税者の場合にそのような寛容な措置がとられているとは思えません。なぜこれだけ政治問題化したこの田中さんの問題について、時効の来ていない二年次にわたって打ち切られたのか、そしてその打ち切られた部分はどの程度になっているのか、その点を御説明いただきたいと思う。
○政府委員(横井正美君) 私どもいつもお答え申し上げておりますように、納税者がどなたであるかということによりまして格別な取り扱いをいたすことはできないわけでございますし、また、いたしたことはございません。今回の調査に当たりましても、一納税者といたしまして田中角榮氏、その他関係者並びに関係の法人等を調査いたしまして、一般と同様の法律のたてまえのもとで適正な処置をしたわけでございます。四年前、五年前がどういう内容のものであり、幾らであるかと、こういうお尋ねでございますが、内容、金額は申し上げるわけにまいりませんが、いずれにいたしましても仮装隠蔽等のものではございません。
○久保亘君 私にも時間が余りありませんので、重ねてお尋ねすることができないのは大変残念でありますが、私は大変不思議なことだと思うんです。過去に申告漏れといいますか脱税の行為がありながら、それが全くこの寛大な措置によって打ち切られただけではなく、私どもが資料によっていろいろ調査をしてまいりますと、五年以前の時効になった部分についてもかなり膨大な申告漏れがあると思います。そういうものを含めてこれらが全部免罪になっている。このことはどんなに国税庁が強弁をされましても、やっぱり特権的な扱いがあったのではないかという疑問は消えないわけです。それにあわせて、この問題に関する限りは国民の政治への信頼を回復するという立場に立って、この税の見直しを通じていわゆる金脈という言葉で言われております資産形成の過程を明らかにしなければならない。そのことについて田中さん自身も、私には何らやましいところはないのであるから、いずれ国民に真実を明らかにすると言われてきたのでありますが、そのことが明らかにならなければ私は問題が解決しなかったと思うのであります。それを国税庁が守秘義務を盾にとって、単なる事務上のミスや当事者間の理解の相違ということでもってこの脱税行為を免罪にすろというような行為に出られたことは大変私どもとしては遺憾に思う点であります。
 最後に、この税金の問題について大臣にお聞きしておきたいんですが、昭和四十九年度、東京国税局の管内だけで個人の所得税で増差税額として徴収されました分が三百二十六億余り、それから法人税の増差税額として徴収されました分が七百七十七億余りあります。これは申告後税務署がさらにいろいろ調査の結果、改めて過不足を修正された分が三百二十六億と七百七十七億という膨大な額に上っているわけであります。その額は申告税額に比べましてもかなり高い比率になるように思うのでありますが――何か不思議な顔をされておりますが、もし私が言っておる数字に間違いがありましたら訂正してください。これは何か今日の税の徴税の行政上問題があるのではないか、こういう感じがいたしますが、これぐらいの増差税額が出るのはこれは当然のことであるとお考えになっておりますか。
○政府委員(横井正美君) ただいま御指摘がございましたような金額、つまり所得税につきましては三百二十六億円、法人税につきましては七百七十七億円、これが東京国税局管内七十一税務署におきまして、最近の事務年度におきまして調査によりまして増額になった税額でございます。このような増額が出るのは税務行政の運営上、何か問題があるのではないかと、こういう御指摘でございますが、私どもといたしましては、申告納税制度の本旨からいたしまして、納税者の方々が間違いなく申告をしていただく、私どもはこの調査の必要がない、あるいは申告のお手伝いをするというふうなことでまいるのがいわゆる申告納税制度の理想であろうと、かように考えております。
 そういうふうな気持ちからいたしまして、常々国税局、税務署それぞれが真剣に納税者の指導という面に努力をいたしておるわけでございますが、しかしながら何分納税者の申告納税に対する意識と申しますか、年々向上はいたしておりますものの、まだまだと、こういう点もございまして、御指摘のような数字になっておるわけでございます。これにつきましては、今後ともただいま申しましたような気持ちを持ちまして、税務行政を改善し、納税者を指導してまいるということに努力をいたしたいと考えております。
○久保亘君 次に、信濃川の河川敷をめぐる問題についてお尋ねをしたいと思うのですが、大変残念でありますが、建設大臣がお亡くなりになりました関係で、私はきょうこの問題について少し結論的なことをお聞きすることは大変むずかしくなりましたので、また別の機会にお尋ねしたいと思っておりますが、ただ信濃川をめぐる問題につきましては、行政監察の結果等も踏まえてという警告になっておるにもかかわらず、行政監察が大変形式的に流れて、文書管理の問題に終始をしてしまったことは残念な点であります。
 なお、この信濃川の河川敷をめぐる問題について、私は工事事務所の関係の文書がなくなっているという問題、あるいは存在しなかったという意見もありますが、そういう問題とあわせながら、ぜひ本日お尋ねしておきたい点が一つあります。それは、まず人事院の職員局長にお尋ねいたしますが、建設省の工事事務所の所長が民間の建設会社等に役員として迎えられるという場合には、当然国家公務員法百三条の定めるところに従って人事院の了解を求めるものではなかろうかと思っておりますし、またその場合でも関連する企業に天下る場合においては、一定の年限が制限されている、こう考えておりますが、その点は昭和三十七年度の段階においてもそういう適用になっておったと理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(中村博君) いま久保先生のお尋ねでございますが、三十七年当時と現在とでは法制的にも、それから人事院の取り扱い方針としても変わってございません。それからなお、役員の場合には人事院の承認を要します。かように相なっております。
○久保亘君 それならば私は具体的な事実についてお尋ねをして、これは人事院としてどういう扱いをされたのか、それから行政管理庁としては、この信濃川の問題について行政監察を行われるに当たって監察の必要はないのかお尋ねいたしますが、私がいろいろ調べましたところでは、三十六年の四月、自由民主党の政調会長であり、かつ日本電建の社長でもありました田中角榮氏によって当時の建設省長岡工事事務所長松野氏は、四十八歳で所長を辞任の上、日本電建に迎えられて五月には取締役に就任をされたようであります。
 その後、間もなく田中氏は大蔵大臣となって日本電建の社長のいすを離れるのでありますが、その年の暮れ、十二月には佐藤昭さんを代表者とする室町産業を設立して、信濃川河川敷の買収準備を始めるのであります。その後松野氏は日本電建の専務に昇格し、入内島社長とともに日本電建の経営に当たっておりますが、三十九年秋に入内島氏が河川敷買収の山場に当たって室町産業の社長に就任をいたしますと、松野氏は田中氏の自宅を本社といたしております当時の長岡ビルディング、現在の東京ニューハウスの取締役にも就任をいたしております。で、四十年の秋、河川敷買収作業がほぼ終了すると、松野氏は日本電建を辞職し、長岡市にあります土建会社大豊建設に移るのでありますが、不思議なことにこの大豊建設は、四十五年から四十八年にかけて田中さんの政治団体に対して自治省に報告された分だけで、越山会に一千一百万、財政調査会に三百万、政治経済調査会に三百万、特に四十六年から四十七年にかけて一千二百万の政治献金を行っております。で、建設省の長岡工事事務所長であった松野氏が若くしてその所長を退任をされまして、田中氏が社長をしております日本電建の取締役となっただけではなくて、その後東京ニューハウスの取締役にも就任するとともに、この買収の作業がほぼ終了する段階で長岡の建設会社に帰ってまいりまして、そうしてここでいろいろと仕事をされておるようでありますが、しかもその大豊建設が田中さんと非常に密接な関連の企業であることは、そんなに大きな会社でもないと思うんでありますけれども、ごく短期間の間に自治省届け出分だけでもかなり膨大な献金を行われておる、こういうことから見てまいりますと、建設省長岡工事事務所は、まさしく政治家であり企業家であった田中氏の配下にあって思うように動かされてきたのではないかという疑惑が残るのであります。
 そういうことから考えてまいりますならば、行政管理庁長官がこの委員会で、断固たる監察を実施するんだ、私が副幹事長の時代と言われたようでありますが、そのころ、どうもこの問題をめぐっていろいろ密談のようなことが行われて、余り愉快ではなかったというようなことも言われたと聞いておりますが、そういうような長官の言葉から推察をいたしましても、いま私が申し上げましたような長岡工事事務所所長のいろいろな動きを見ましても、この信濃川の河川敷の問題については完全に政治的な支配下に置かれていろいろ事が進められたのではないかという疑惑をどうしてもぬぐい去ることができないのであります。で、人事院にお尋ねしたいのは、いま私が申し上げましたような長岡工事事務所長の民間企業への転出などについては、当然人事院としては、これは協議を受け、これに了解を与えるべき立場のものであったとお考えになっておるかどうか。
 それから、この一連の動きと、この信濃川河川敷をめぐる問題について、人事院がもしこの人事を認めたとすれば、きわめて法律の本分に反する特例的な扱いとなっているわけでありますから、この点について行政管理庁としては適切な人事の異動であったのかどうかについて監察を行われる必要があるのではないかと思うんですが、その点についてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(中村博君) まず前段でございますが、私ども法も記してございますように、密接な関係の有無を見、いろいろな判断をいたして承認行為を行っておる、この点は御承知のとおりでございます。いまお名前を挙げられました方につきましては、突然のことでございましたので十分調査いたしてございませんが、三等級以下の職員の方々は当該主務大臣に委任をいたしておるわけでございます。まあそのときに諸般の情勢を考慮なすって承認あるいはそのしかるべき処理をなすった、かように考えております。
 それから、その後のおつきになりましてからのいろいろな情勢、いま御説明のとおりの情勢という点につきましては、おつきになりまして承認を大臣限りであれ人事院であれ、得られた場合におきましても、なおこの行動につきましては十分慎重に行うべきこと、これは御承知のように二年間はきつい制限があるわけでございますので、その趣旨に沿うて行われておるべきものである、かように考えております。
○政府委員(鈴木博君) お答え申し上げます。
 松澤行政管理庁長官の特別の御指示によりまして、行政監察局といたしまして昨年の七月から九月の半ばまでかけて信濃川の河川敷をめぐります行政監察を行ったわけでございますが、何分十余年前のことでもございまして、私ども最初意図いたしましたかすみ堤がどのような理由で、どのような経過で締め切られたかというような問題につきましては、非常に記録等も十分今日はございませんし、またその記録のないところは建設省の方で当時の関係者等からいろいろ事情を聞いていただいて、それをもとに監察いたしたわけでございます。結果的には、ただいま御指摘のございましたように、全体にわたりましてこの経過、理由等を明らかにすることができません点はそのとおりであったと存じます。ただし、その過程におきまして、永久に保存さるべき文書等と思われます文書管理につきまして所見を表示いたした次第でございます。
 なお御指摘のございました、当時のいわゆる長岡の工事事務所長の人事をめぐりましての問題、あるいはいわゆる人事上の法律の規定の問題等につきましては、私どもの行政管理庁の権限、機能といたしましては、行政の運営の適否を行政監察するということになってございます関係上、これを監察いたすことはできないかと存じておる次第でございます。
○久保亘君 行政の運営の適否ということでありますから、国家公務員法に基づいて適切な民間への転出が行われたのかどうか、その点について疑問が残れば、行政管理庁としてはそのことに対して監察を行うということはできないんですか。
○政府委員(鈴木博君) これは人事行政に限りませず、それぞれの省で担当いたしておりますいわゆる行政全般につきましてその運営の適否というようなものは問題になると存じますけれども、特定の人事あるいは特定の綱紀の問題等につきましては、権限的にも裏づけが取れる権限があるわけでもございませんし、元来の仕組みそのものが行政全般ということに相なっておる関係上、個々の人事をめぐります監察ということはいままでやったこともございませんし、いわゆる法制的にも問題があろうかと存じます。
○久保亘君 私は何もその正規の手続を踏んで許可を受けて転出された個人が問題だとは思っておりません。しかし、その手続並びに許可の段階でいろいろの政治的な配慮が入ったり、法律の本旨に照らして好ましくない許可が行われているとすれば、これは当然監察の対象となるべきものだと思う。もしそういうことができないのなら行政管理庁なんか解散した方がいいですよ。そういう点について、私は疑義が提起された場合には、その間の事情について調査をしてみる必要が行政管理庁は当然に任務としてあるんじゃないかと思うんですが、だめですか。
○政府委員(鈴木博君) 御指摘いただいております事柄につきましてはよく理解できるわけでございますが、現在、司法権に準ずるようなものも持ってございませんし、それからまた、そういった規定の運用上の疑惑、ことに個人の綱紀の問題等につきましてやるということにつきましては、従来ともできないという解釈で実際行われておらなかったわけでございます。
○久保亘君 きょうは大臣が御出席でありませんから、その問題については次の機会に長官出席の際に私はもう少し明確にしてもらいたいと考えております。きょうは非常に遺憾なことに、先ほど申し上げましたように、建設大臣がいらっしゃらないし、河川局長も病気のために欠席をされたようでありまして、私が信濃川河川敷の問題の本題としてきちっとお聞きしておきたいと思っておりますこの廃川処分の見通しとか、廃川処分の前提になるものとか、そういうものについては、きょうそのことをお聞きすることができないのは大変残念であります。河川局は次長がおいでですか。――現在、事務的にはこの河川敷の廃川処分についてどういう段階にあるか、お聞かせいただいておきたいと思います。
○説明員(堺徳吾君) 廃川処分につきましては、御承知のように河川管理上、河川法上、河川区域として存置する必要があるかないかということによって判断するわけでございまして、その意味におきまして官民境界の調査とか、国有地の面積の調査とかというようなことはほぼ完了しておるわけでございまして、廃川処分に必要な事務的な処理はおおむね整っておるというように考えております。
 ただし過般の衆参予算委員会で、行政監察結果についていろいろ論議されました。さらにそれに続きまして衆議院の予算委員会において、小委員会において引き続いて検討するということになっておりますので、事務的にはその小委員会の検討を経た後において処理したいというふうに考えております。
○久保亘君 いずれまた大臣御出席の際に申し上げたいと思いますが、いまもうあなた方の段階では事務的にこれを決する問題ではなくなっていると思う。首相がみずから、国民の納得を得られるかどうかを判断した上で私が決断したいと、こう言っておられるんでありますから、事務的にあなた方の方でその廃川処分の手続がほぼ終了に近づいておっても、その判断は首相が国民の納得を得たという判断に立たれるか――国民の納得を得たということは、この問題について深く審議をしてまいりました国会、特に当決算委員会においてこの問題について了解が得られるのかどうかというような問題が重要なその判断の基礎になると思うんでありますから、そういう点を十分念頭に置かれて、事務当局においてはこの問題と対処されるよう私の方から強く要請をいたしておきます。
 それから金脈の問題の最後に、新星企業等の問題があるんでありますが、田中さんの関連企業が無免許で宅建業法に基づく営業を行ったということももちろん問題でありますが、この新星企業の裁判に寄せました国民の期待は、なぜ法律違反を犯してまであえて土地ころがしを行っていったのかというそのわけと、さらにそれによって得られた利益が一体どこへ行ったのか、そういうことについて国民はその内容を知りたいと考えておったのであります。残念ながら裁判の技術をきわめて巧みに使って、異例のスピード裁判によって、無免許営業の責任者ということで、田中さんとそれから国際興業の社長の側近の人たち二人だけがその責任を負わされたという形で結審となったことを国民は非常に不愉快に考えているのであります。
 特に検察側の冒頭陳述が膨大なものに及んで、もしこの調書を公開するならば金脈の全貌がかなり明らかになるだろうと報ぜられるにおいて、国民はなおその感を深くするわけです。特にこの無免許営業として行われた十数件のものをずっと見てまいりましても、この中にはずいぶんひどいものがあります。たとえば千葉県の旧陸軍の金谷要塞と呼ばれておりました、地元の人たちが砲台山と呼んでおります八万坪の土地は、田中さんが大蔵大臣のときに東産業に七千万で払い下げられ、四十七年になって、それを地元のやはり政治家と関係があると言われている方が社長をしている富洋物産が九億八千万で買い取り、その年、三ヵ月後にはこれまた某代議士の私設秘書であったと言われる方が社長をしております興産会社が十二億でこれを買い取り、そしてそれが買い取った同じ日に新星企業が十五億七千万でさらにこれを買い取っておるのであります。
 そして翌年、最初に富洋物産が買い取りましてからちょうど半年後に、新星企業は輝伸興産に十五億七千万円支払い、同じ日に輝伸興産は富洋物産に十二億支払い、富洋物産は最初の所有者でありました東産業に九億八千万を支払って、それぞれの段階で億単位の利益を上げていくのであります。新星企業は、十五億七千万で買い取ったこの土地を、同年八月二十七日、有名な日本電建をして宅地開発事業事前協議申し入れ書として千葉県とその所在市に対して書類を提出させ、ここに住宅団地をつくり、完成すれば数十億で売り払おうという計画のものとなっておったと聞くのであります。こういうようなことがこの新星企業を舞台にして数々行われておりまして、この新星企業にはなお千葉県にかなりな資産があります。
 それで建設省にお尋ねいたしたいのは、新星企業に対して改めて宅建業法上の営業免許が与えられることはあり得ないと考えてよいのかどうか、もし営業免許が与えられることが再びないとするならば、新星企業の所有する営業目的のこの千葉県に持つ資産は一体どうなるのか、これは新星企業が処分することは不可能となってくるのでありますが、これらの問題について建設省はどのようにお考えになっておりますか。
○政府委員(大塩洋一郎君) 新星企業から免許の申請の手続がありました場合には、これを免許するつもりがあるかどうかという点につきましては、昨年末の判決におきまして、すでに宅建業法違反ということで罰金刑が課せられておりますので、宅建業法第五条一項三号という規定に基づきまして、その欠格要件に該当すると考えられます。したがいまして、その要件に該当する限りこれを認めることはできません。
 それから次に、それではその法人が所有しておる物件を処分することが、宅建業法とのかかわり合いにおいてどのような関係に立つかということでございますが、宅建業として一般消費者にこれを売買いたすというような行為は、免許を必要といたしますのでできないと解しますが、これが清算その他の方法によって処分されるという場合であれば、これは宅建業法の問題ではございませんが、いま言いましたように、宅建業法上のいわゆる業として行う、売買行為として行うことはできないというふうに解しております。
○久保亘君 時間がありませんので最後に少し取りまとめて。きょうは閣僚として大平大蔵大臣しか御出席でありませんので、内閣の中で大物であります大平さんに、ひとつ内閣を代表してお答えいただきたい。
 私は今度の田中金脈の問題をずっと通して見てまいりますと、税金の問題は守秘義務によって財産や所得の実態を完全に隠蔽をすることによって金脈の本質をえぐられることを避けていこう、そして国民の目をそらすために、若干の修正申告に伴う追徴ですべてを終わらせようとしているという点について問題があると思います。また関連企業の問題については、田中角榮氏自身が、新星企業が裁判になります際に、すべて潔白と言い切っていたにもかかわらず、裁判で争うことが不利と見ると、無免許営業十数件を異例のスピード裁判で結審に導いて、二名の人たちに罪をかぶせて、田中金脈の本質に迫ることを防いだと思うのであります。また信濃川の河川敷問題については、その一部を地元に公共利用させることによって世論の批判をかわしながら、なお金脈としての価値と機能を維持しようとしていると思われるのでありまして、私は室町産業によるこの河川敷買収と、河川改修計画をめぐる地位利用等の政治的な問題を覆い隠すことを絶対に許すわけにはいかないと思うのであります。
 そういう意味では、行政監察もきわめて不徹底であり、これを文書管理問題にすりかえたことは国民の疑惑を一層深めるものであったと思います。こういうことを通じて見ますと、この金脈問題の本質をえぐられることを徹底的に避けながら、すべての解決を時の経過にゆだねようとしているし、特に許しがたいのは、政府がこの問題について政治的社会的犯罪とさえ考えられる金脈問題の解明を妨げるために協力しているということだと思います。
 私は、この問題で一昨年疑惑が深まったときに、田中さん自身が国民の前で、私は違法行為はやっていない、地位利用とか、そういうことはない、明快にしておきたい、地位利用をしているなら首相の地位より代議士の地位を去る、違法性や地位利用は全くない、伝えられるように政治と経済を混淆したり、指弾を受ける行為をやった覚えはない、堂々と生きてきたつもりだということを豪語されております。また自分のスタッフに誤解されている点を個条的に調査させている、調査を早めて私は必ず国民の皆さんに理解していただけるために努力もしたい、とにかく国民に真実を知っていただくことが大切である。これは田中さんの言われた言葉を私は述べたものであります。そしてまた、国有財産の払い下げ、利益隠しのためのトンネル会社なら指弾されても仕方がないが、そういうものはないと言っておられるのであります。
 しかし今日まで私どもがずうっと究明をしてまいりました中では、遺憾ながら田中さんのこの国民に向かっての言葉は全く空々しいものとしか聞こえないのであります。だから田中氏自身も問題が深刻になってくると、総理の座をおりて、緊急避難することによって、この強大な派閥の力を背景にして三権にわたってこの守秘義務を盾に防戦に努めて、その資産形成の経過と手段が明るみに出ることを拒み続けてきたというのが現状ではなかろうかと思います。
 しかしながら、三木総理も福田副総理も国会の正式の答弁の中で、日本の政治の信頼のために事実が明らかにされるべきだし、そのための国政調査にはできる限り協力する、また田中氏自身の解明が必要だし期待すると、いうたてまえを繰り返し述べてこられたんでありますが、そのために必要な具体的努力は遺憾ながら全く払われなかったと思うんであります。この段階に及んで私が大平さんにお聞きしたいと思うのは、三木内閣として、田中角榮氏に対して速やかに事実の解明を約束に基づいて行うよう求めるべきではなかろうかと思うんであります。その点について大平さんのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 また金脈問題について、特に田中氏とその関係者、関連企業の税の見直しと追徴結果については、内閣の責任でこれを明らかにしなければならないと考えております。
 新星企業にかかわる裁判の調書を公開すべきであります。
 最後に、信濃川の河川敷については、室町産業にいかなる金脈的機能も残されていないということを確認できるまでは廃川処分を行うべきではない、それが三木内閣の責任であり、首相の国民に対する公約を実行するただ一つの道だと考えております。したがって当決算委員会の了承を得た上で廃川処分は行われるべきものだと考えております。特に金脈問題が日本の政治の腐敗と国民の不信を増幅をしているという政治責任だけでなく、このようなやり方での資産形成や利殖の拡大が結局土地価格の高騰とか公共負担の増加による税負担の増大となっているのであって、国民を被害者とする加害者、すなわち犯罪性をもって行われているのではないかという疑惑が国民の間に消えないということを政府は銘記してこれらの問題に対処すべきだと思うんであります。
 私が先ほど大平大蔵大臣にお尋ねいたしました、田中角榮氏が事実の解明を行うよう求めるべきだという問題、それから税の見直しと追徴結果について内閣の責任で明らかにすべきだということ、また新星企業の裁判に伴うこの検察側調書を公開をすべきだという問題等について、大平さんの御意見がありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) たびたび政府が申し上げておりますように、政府の行政は、税務であれ国有財産関係の仕事であれ何であれ、人によって処置を異にしてはならぬと思うのでありまして、田中さんであれどなたであれ、事案に即して公正に処置してまいらなければならぬものでございすして、そういうことで行ってきておるわけでございます。
 守秘義務を盾にというお話でございますが、立法府がおつくりになりました法律は、われわれに守秘義務を命じておるわけでございまして、私どもがこれを勝手に使ったり使わなかったりすることはできない相談でございます。したがって人によって行政の運用を異にしない以上、特に田中さんに特別の要請を内閣としてなすべきものではないと私は考えております。
○委員長(瀬谷英行君) 先ほどの久保委員の質問中、答弁が保留されておりました大蔵省関係の答弁、吉岡理財局次長から。
○説明員(吉岡孝行君) 先ほどお尋ねの、国有地を借りてその上に建物等を建てている場合、抵当権の対象になし得るかという御質問かと思いますが、その貸付契約上、そういう場合、その建物について抵当権を設定することを禁止はしておりません。
 その理由といたしましては、抵当権の設定そのものがそういった賃借権の譲渡を直ちに伴うものではなし、それから実際に抵当権が実行されるという段階になりますとその建物等の譲渡が行われるわけですが、その段階においては国の承諾を必要とするという仕組みになっております。
○久保亘君 借地権は。
○説明員(吉岡孝行君) ですから、その借地権といいますか、いわゆる賃借権、それは物権ではありませんので、その建物と切り離したその借地権ということは考えられないわけであります。
○久保亘君 ちょっといまの問題、結局、国有地を借りておって、その借地権を担保にできるかどうかということです。
○説明員(吉岡孝行君) ですから国有地を借りて、その借地権といいますか賃借権でありますが、その場合、それは建物等と一体になって、そこでいろいろ担保とかなんとかが問題になるんだろうと思います。
○久保亘君 そうすると、抵当設定の場合には、別に大蔵省と協議の必要なく、借りている方が勝手にやっていいと、こういうことでありますか。
○説明員(吉岡孝行君) ただいま申し上げましたように、そういった賃借契約に基づきましていろいろそこにあります物を抵当に供する場合、その段階においては特に国の承諾は必要といたしません。先ほど申し上げましたように、その段階において、それ自身を禁止することは、不当に私権を制限することになりますし、実際に実行される段階におきましては、その段階で国の承諾を必要とするという手段をとっておるわけであります。
○委員長(瀬谷英行君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(瀬谷英行君) 速記をつけて。
 質疑を続けます。
○峯山昭範君 私はきょうは特に専売公社の問題について質問したいと思っております。特に専売公社の財産の処分の問題について質問したいと思っております。
 そこで初めに大臣にお伺いをいたします。ただいまも出てまいりましたように、田中金脈の問題の中でもいろんな角度から問題になりましたが、国有財産というものですが、この国有財産の処分あるいは交換、こういう問題についてまず大臣の基本的な考えをお伺いしたい。大臣、いろいろ法律とかそういうような問題も後ほど出てまいりますが、大臣の基本的な考えで結構です。やはり国有財産を処分したり交換したりする場合にはそれ相応の慎重さとそして法律に基づいた処理というものが私は非常に大事になってくると思いますが、大臣、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのとおり、私も心得ております。
○峯山昭範君 それでは大臣、話をもうちょっと進めまして、国の財産の場合には、当然私は国有財産の処分、交換等についてはそれぞれ法律もあり、それぞれ規定がございます。そこで大臣、きょう問題になります専売公社、この公社というものの財産というものについては、私は少なくともこの三公社五現業というのがございますが、特に専売公社も含めまして、大臣の直接の管轄でございますし、専売公社は大臣の一〇〇%出資の公社でございます。そういう点から考えてみましても、私は少なくとも公社の財産の処理というものについては国有財産並みに考えなきゃいけないと私は思うんですが、大臣どうでしょう。
○国務大臣(大平正芳君) これもまた仰せのとおりだと思います。公社の財産は国のものでございまするし、強い公共性を持っておるわけでございますので、国の財産と同様に厳正に管理しなければならぬことでございます。ただ公社形態をとっておりますので、公社の財産の管理、処分につきまして、その公社の経営目的にふさわしく、国の場合より弾力性を許して差し支えのない場合がな
 いとは言えないと思いますけれども、これとても大きく申しまして公共性の立場からの判断によって行うべきことに変わりはないと思っております。
○峯山昭範君 実は大臣、私も大臣と全く同じ考えを持ってきょうは質問をするわけであります。私は当然、いま大臣から話ございましたように、三公社ですから、公社という体制上いろんな問題はありましょうけれども、いま大臣おっしゃったように、確かに国のものであり、また公共性の非常に強いものであると。したがって当然そういうふうな体制で処分をし処理をすべきであると、しかし国の場合よりはある程度弾力性を許してもいいんじゃないかと、しかしこれも処分する場合には公共性の強い立場から判断をすべきであろうと。私もそういう立場で、大臣、実はきょうの質問をしようとしておりますし、またこれからどうしてもあれこれしなければならない問題は具体的に処理をしていただきたい、こういうような立場から質問をするということをまずわかっていただきたいと思います。
 それで、この国有財産の処分につきましては、これは一般的に申しまして財産を取得しようと、そういうふうな場合には一般的には国会において承認された予算に基づいて購入、取得するというのが本来の姿でございます。しかし、この国有財産法に基づいて財産を取得する、こういうような場合にはいわゆる交換取得というのがございます。きょうの特に問題としようとしておりますのは交換という問題でございますので、この点に主要な質問の要旨を注いでいきたいと思っておりますのですが、交換取得、いわゆる交換という方法が許されている場合、この国有財産法の第二十七条、これに交換というものが許されているのがあるんですけれども、これも行政財産は許されず普通財産ですね、普通財産が交換することを許される。かつその交換の相手の不動産、これは一応この二十七条からいたしますと、大体同一のもの、たとえば土地と土地、それから堅固な建物と堅固な建物を交換をする、これは二十七条だけから読みますとこういうぐあいになっております。
 しかし交換する場合、何もそれとそれとをという限らない場合が後で出てまいりまして、現実に昭和三十年の国有財産法の一部改正で、これは建築交換という方法がこの国有財産特別措置法第九条の三及び九条の四に特別措置として認められております。それでこの建築交換という問題については、これは後ほど触れますが、大蔵省からも文書で、建築交換の場合はこういうふうな点に注意をし、かっこういうふうにしてすべきであるという通達のようなものも出ております。
 私はそこで、こういうふうな要領からいたしますと、たとえば公社の財産とは言え、先ほど大臣から答弁ございましたように、国の財産に準ずる扱いをするのが当然なことである。そういうような点からいきますと、この公社における財産の管理規定といいますか、財産の処分というのは、私に言わせますと不十分というのはものすごくいい言い方で、極端に言いますと、もうずさんこの上ないような処理の仕方をやっている。これは私は国有財産と公社の財産というのは全く異質なものであるから勝手にやっていいというわけじゃないと私は思うんです。少なくともこの公社の財産の処理というのはやはりこの国有財産の処理の精神に、この法律そのものは直接適用しないとしてもその精神に基づいて処理をすべきであると思うんですが、大臣どうお考えですか。
○国務大臣(大平正芳君) 管理、処分は国有財産法の精神を体してやらなければならぬのじゃないかという仰せでございますが、趣旨といたしまして仰せのとおりと私も思います。
○峯山昭範君 私も大臣にそういうふうな御答弁をしていただこうと思って苦心をいたしまして質問しているわけでございまして、確かに私は大臣おっしゃるように、そのとおり私は国有財産の処分あるいは交換、こういうふうな法令そのものは違うといたしましても、その精神にのっとってやるべきであろうと、こういうぐあいに私、考えております。
 そこで専売公社に具体的にお伺いをいたします。
 まず昭和四十五年以降、昭和四十五年からで結構でございますが、非常に膨大な資料になるということでございましたので、わかりやすくするために端的に申し上げます。
 まず処分金額一億円以上で結構でございます。まず一億円以上で昭和四十五年からで結構です。年度ごとにお願いをいたします。昭和四十五年から年度ごとに専売公社が処分した土地の面積、処分の金額、そしてそれによって得た物件、どういうふうなものを得たのか。それでその得た物件はどこからもらったのか、その点を年度ごとに一遍報告をしてみていただきたいと思います。
○説明員(立川武雄君) 四十五年度以降各年度におきまして、処分金額一億円以上の実績を申し上げます。
 四十五年におきましては一件でございます。葉たばこ倉庫、土佐山田市にございますものでございます。金額は一億八千二百万円、土地は三万四千三百二十三平米でございます。
 それから四十六年度におきましては五件ございます。葉たばこ倉庫が三件でございます。下松市にございますもの、これは土地が二万一千三百八十九平米、処分金額は一億五千二百万円でございます。それから諌早市にございます、これも葉たばこ倉庫でございますが、土地が二万二千六百七十六平米、処分金額は三億八百十七万五千円でございます。それから久留米市にございました、これも葉たばこ倉庫でございます。土地が三万四千二百二十五平米、処分金額は一億八千六百万円でございます。それから旧地方局の庁舎跡地でございますが、札幌市にございました庁舎跡でございます。これは千二百九十平米、処分金額は四億二千五百七十三万円でございます。同じく庁舎跡地でございますが、熊本市にございました庁舎跡地、土地が五千二十七平米、処分金額は十億四千九百十八万円でございます。
 それから四十七年度でございますが、大分市にございました葉たばこ倉庫、土地が一万八千九百二十四平米、処分金額は二億七千八百六十万円。同じく下松市にございました葉たばこ倉庫でございますが、土地が二万三千二百九十五平米、処分金額は二億五十万円でございます。それから東京都にございました宿舎の跡地でございます。土地が千八十五平米、処分金額は二億一千百八十万二千円でございます。もう一件東京都にございました宿舎跡地、これは土地が千百八十六平米、金額は一億二千九百二十四万円でございます。それから同じく三原市にございました出張所の跡地でございます。土地が一万一千二百三十八平米、処分金額は十三億一千九百七十万円でございます。それから郡山市にございました地方局の庁舎跡の一部でございますが、土地が二万八千九百三十平米、処分金額は七億四千三百八十七万四千円でご、ざいます。それから小松島市にございました葉たばこ倉庫の跡でございます。土地が一万八千九百四十八平米、金額は一億二千三十二万五千円でございます。これが四十七年度の実績でございまして、七件でございます。
 それから四十八年度でございますが、高崎にございました葉たばこ倉庫の跡地七千四百八十七平米、金額四億六千九百九十二万五千円。小松島にございました葉たばこ倉庫の跡地です。土地は一万六千四百七平米、金額は一億四百十七万五千円でございます。同じく土浦市にございました葉たばこ倉庫の跡地でございますが、土地が千三百九十八平米、金額は二億八千五百五十二万五千円でございます。それから亀岡市にございました旧出張所の跡地でございます。土地が三千二百六十五平米、金額は一億八百六十六万四千円でございます。それから東京都にございました出張所の跡地でございます。土地が千九百七平米、処分金額は二億八千万円でございます。四十八年度は以上で五件でございます。
 四十九年度でございますが、高崎市にございました地方局庁舎跡地の一部でございます。土地が四千七百八十二平米、金額は三億五千六百七十一万六千円でございます。同じく高崎市の庁舎跡地の一部でございますが、土地が八千九百五十四平米、金額は六億六千八百二十四万一千円。それから栃木県にございました葉たばこ取扱所の跡地でございますが、土地が一万一千八百五十二平米、金額は一億五百六十一万五千円。四十九年度は以上の三件でございます。以上でございます。
○峯山昭範君 京都の分抜けていませんか。
○説明員(立川武雄君) 京都工場の跡地につきましては、交換が成立いたしましたのは、一件が四十八年の十一月でございます。一件が四十九年の三月。最後は四十九年の四月でございます。全体としまして、面積が九千五百十六平米、処分金額は七億九千万円でございます。
○峯山昭範君 ただいま一億以上の金額の交換について報告をしていただきましたが、それでは、もう少し内容をわかりやすくするために、ただいまの一億以上の問題については後ほど取り上げます。
 それでは一億以下の分については、一つ一つおっしゃっていただくのは非常に件数も多くて大変ですから、四十五年からで結構です、件数と金額と処分した土地の面積だけで結構です。一遍おっしゃっていただけますか。
○説明員(立川武雄君) 四十五年度以降につきまして、件数、金額はわかっておりますが、土地面積は集計してございませんので、後ほど……。
○峯山昭範君 わかっている分だけで結構です。
○説明員(立川武雄君) 四十五年におきまして十件、五億五千九百万円。
 四十六年度、――この数字は先ほど申し上げました一億円以上のものも含んだ三千万以上の実績数字でございます。四十六年度におきましては十三件。
○峯山昭範君 一億以上のはいまおっしゃっていただいたわけですから、一億以上の分はもう要らないわけなんです。ですから、これは後ほど御報告していただくことにしましょう。一億以下の分については、件数と処分の土地の面積と処分の金額を後で教えていただく、年度ごとで結構です、合計でね、件数と。
 そこで私は、いまの相当な件数についてのこういうふうな処分をしていらっしゃるわけです。これはまず、専売公社総裁きょうお見えですか、これは大蔵省には全く御相談ないわけですか。これは専売公社独自で全部やっていらっしゃるわけですか、どうですか。
○説明員(泉美之松君) もちろん大蔵省に御相談申し上げながらやっております。最近公社の場合こういう不動産処分が相当多いという点についてまず申し上げておきたいのは、私ども専売公社としましては事業を能率的に運営するという見地から事業の合理化を昭和三十六年以来進めてまいっております。その成果があらわれまして、特に四十年以降そういう工場を新しくし、その整理統合した事業所の跡地を処分する、こういうことでその処分の件数が特に四十年以降ふえてまいっておるのが実情でございまして、これは一に専売事業を能率的に運営するために不要な財産は処分する、しかし能率的に運営するに必要な新しい財産を取得する、こういうことでやってまいっておる整理でございます。非常に細かいものにつきましては大蔵省に御相談申し上げない事例もありますけれども、相当金額のものにつきましては相談申し上げております。
○峯山昭範君 総裁、勘違いをしないで聞いてもらいたいのですがね。私は件数が多いからいかぬと言っているわけではない。これは件数が多いからいかぬのじゃなくて、国もやっぱり交換処分等はやっているわけです。ですけれども、これは国民の財産である、あるいは国有財産に準ずるものであるという趣旨から、やるからにはやはり公平にきちっとした法律に基づいて、あるいは不備九法律があるならばその不備を整備してそしてみんなが安心してきちっとやれるようにすべきであるという基本的な姿勢に立ってきょうは質問しているということをよく念頭に置いて答弁をしていただきたい。大蔵大臣、いま総裁から話ございましたように、大部分は大蔵省の方に皆御相談の上でやっているわけです。小さなものはというふうな話ございましたから、小さなものというお考えがどの程度の金額からかは、私ちょっと総裁のおっしゃっているのはわかりませんが、いずれにしてもこれは相当な処分の金額であります。
 そこで私は一つ問題にしておきたいのは、これから後で問題出てまいりますが、大臣まず一つ申し上げておきたいのは、いま話ございましたように、昭和四十五年には一億八千万です。それで土地の面積で三万四千平米、ところが昭和四十六年には八万四千平米で二十一億二千万という金額になります。そして四十七年には十万平米になり金額も三十億となる、これは一億円以上だけですよ、という金額になりますね。そして四十八年には三万平米で十二億、そして四十九年には二万五千平米で十一億というような、これはいま私は京都の分を抜いてもこれだけです。京都の分が七億九千万円、約一万平米でございますから、これにそれだけ足さないといけません。そうしますと大変な金額の、大変な土地を処分しているということになります。
 しかも、これは専売公社さんに一遍お伺いいたしますが、この一億円以上の分で申し上げますと、いわゆる建築交換ですね、建物を建てて交換するという、先ほどの大蔵省のこの特例で設けられているところの、いわゆる建築交換でございますね、これは大体全体のどの程度を占めていらっしゃるのか。建築交換でないのは何件あるのか。四十五年以降の分で結構ですが、私が申し上げても結構なんですが、一遍おっしゃってみてください。
○説明員(立川武雄君) 数字的にここに資料持って参っておりませんけれども、大部分が建築交換でございます。宿舎等につきましてごく一部用地と建物を受け入れたものはございます。
○峯山昭範君 これいま話ございましたように、いわゆる国有財産ではめったにあり得ないいわゆる建築交換というのが大部分になっております。たとえて申し上げますと、昭和四十六年には葉たばこの倉庫、これは下松市の二万一千平米の土地を提供して、東京の三田の業務用の宿舎を建設いたしておりますね。それから、同じく諌早の土地二万二千平米を提供して、熊本の地方局の土地建物を提供している。それから久留米市の土地三万四千平米を提供して、北九州市の片上葉たばこの倉庫、それから福島県の郡山市で同じく葉たばこの倉庫、こういうふうにこの一つ一つ全部申し上げていけば切りがないほど、ほんの二つ三つがこれは土地との交換で、そのほとんどがいわゆる建築交換なんですね。しかも建築交換の相手というのは、これは地方公共団体だけではなくて、一般の民間の会社も大部分が入っている。こういたしますと、私は建築交換のあり方ということについて少なくとも大蔵省と同じような歯どめが実際に専売公社の方にかかっているのか。要するに専売公社がこういう建築交換をするに当たって、専売公社が損をしないようにということは、逆に言えば国民が損をしないようにぴちっとなっているのかどうか。これは総裁どうなんですか、きちっとした法律なり何なりあるんですか。
○説明員(泉美之松君) 建築交換につきましては、峯山委員御承知のとおり国有財産の場合におきましては国有財産臨時措置法で規定されておるわけでございますが、専売公社の場合には建築交換につきましてはそういった法律の規定はございませんで、会計規程及びそれに基づく取り扱い規程で処理をいたしております。ただ先ほど申し上げましたように四十年度以降、公社の場合、財産の処分に際して建築交換の事例が相当多いということはお話のとおりでありますが、それの理由は先ほど申し上げましたように、事業所を整理総合いたします関係で、地元の地方団体からその事業所をやめないでほしいというお話があり、いや専売公社の事業の性質上そういう事業所を存置するわけにまいらないから、これを廃止するんだということで御協力を願うわけですが、そういたしますと、その事業所の跡地をそれでは地方団体に欲しいとか、あるいは地方団体の出資している開発公社に欲しいとか、そういうふうなお話がございまして、その際に、それならば建築交換の方法によってということで建築交換の事例がふえてまいっておるわけでございまして、精神といたしましては公社の財産を処分しても、そのかわりにそういう建築交換によって財産を取得することによって専売公社の財産そのものとしては維持、継続できるというような方針を貫いてまいっておるつもりであります。ただ国有財産のように法律の規定がきちんとしておらないという点は確かにおっしゃるとおりでございます。
○峯山昭範君 そうすると総裁ね、法律の整備がきちっとしていない。会計法に基づいて会計規程ですね、その会計規程の中身というのは、これはもう非常に簡単なものでございますね。これはその会計規程の中身ちょっと一遍教えていただけますか。
○説明員(原秀三君) ただいま峯山先生から御質問ございましたとおり、公社の会計につきましての基本法規は日本専売公社法がございまして、これに「公社は、」「会計規程を定めなければならない。」という規定が四十三条の二十にございます。この「会計規程は、公共企業体としての公社の公共性にかんがみ、その事業の能率的な運営と予算の適正な実施に役立つように定められなければならない。」こういう規定がございます。これに基づきまして会計規程を定めるわけでございますが、この会計規程の基本事項は、大蔵大臣の承認を得ることになっております。したがいまして、日本専売公社法に基づきます会計規程は、この基本的な大臣の承認を得ました基本事項と会計規程と、この二つの部分に分かれております。この基本事項におきましては、基本事項の第五条におきまして固定資産は常に良好な状態において管理し、その用途に応じ最も効率的な運用をすることと、こういう規定がございまして、第二項に適正な対価をもってしなければ固定資産はこれを貸し付け使用させ、譲渡し、または交換することはできない、こういう規定がございますので、大臣の御承認を得ましたこの基本事項におきまして適正な対価をもって固定資産等の交換をする、こういう規定がございます。会計規程におきましても同様の趣旨の規定がございます。
○峯山昭範君 そうすると、私の手元にこれはあるわけですけれども、総裁も実際問題こんなものでは運用はできないということですよ。これから私が具体的に指摘をいたします問題に実際に答えにならないんです。これから具体的に私申し上げますが、私はこういうふうな日本専売公社法の四十三条の二十ですね、これに基づいてその会計規程があるわけですね。いまおっしゃったこの問題一つ一つを取り上げてみましても、余りにもずさんな規定である、しかもこれは大蔵大臣及び会計検査院に通知せなければいかぬことになっているわけですから、これは当然大蔵大臣が管轄していることになるわけです。
 少なくとも大蔵大臣、私は大蔵省当局に一遍お伺いしておきますが、建築交換という問題が昭和三十年にこういう特例法でできまして、こうなりましたときに大蔵省は昭和三十二年になりまして、管財局長の通達を各省庁に出しておりますね。要するにもっと具体的に申し上げますと、「相手方に新たに建物等を建築させて国有財産と交換しようとする場合等の取扱いについて」という通達が現実に出ておりますが、この通達は、これは専売公社にはこういうのは渡してはいないわけですか、これはどうですか。
○説明員(吉岡孝行君) ただいま先生のおっしゃいました通達は、その後新しい通達になっておるわけでありますが、これは御承知のように国有財産法、その特別措置法、その体系の実施要領を決めておるものでございまして、専売公社の財産の管理処分等を対象にしておるわけでありませんので、特に専売公社の方にこれを大蔵省から正式に渡すというようなことは行っておりません。
○峯山昭範君 渡してはいないが、これはやっぱり実際問題として建築交換が現実に八割方、九割方を占めておる専売公社の財産処分というその実態はあなた方も聞いておるわけでしょう。そうすると、あなた方の立場では管理する立場にございますね。少なくとも小さいものは報告してないけれども、大きなものは専売公社は大蔵省に報告をして相談をしてやっておるということですね。そうすると、少なくともこういうふうなこの規定に基づいた処分、処理をしなきゃいけないと私は思うんですが、これはどうですか。
○説明員(首藤泰雄君) お答え申し上げます。
 専売公社の実際の業務の監督につきましては、大蔵省の中の理財局の国有財産を扱っている部局ではなくして、専売公社監理官というのがおりまして、それが管理監督をやっておるというたてまえになりますので、本件につきましては、専売監理官がこれを監督していくという関係にございます。本件につきましては専売公社の監督のあり方そのものについて一体どう考えていくか、一つ一つの財産の処分のあり方についてあらかじめ事前に一つ一つをチェックしていくというような監督のやり方もあろうかと思いますが、一つ一つをそういうことで事前にチェックしていくという考え方をとるということは、一つの独立機関を公社という形態で持っておるわけでございますので、むしろ会計規程なら会計規程の基本事項だけを大蔵大臣が認可をして、それの実際の細目なり運営については専売公社の組織において自主的に運営をしていくというたてまえが正しいのではないかというふうに考えてふだん指導をいたしておるわけでございます。
○峯山昭範君 あなたは専売公社の方でしたかな。
○説明員(首藤泰雄君) 大蔵省の専売副監理官でございます。
○峯山昭範君 総裁の方にくっついて座っているから、どうも。
 あなたが大蔵省と専売公社の窓口であるとするならば、私は専売公社という一つの独立した機関である、ですから一つ一つを、一件一件チェックするというそういう形式ではなくて、要するに細目は専売公社に任せる、当然私はそうあっていいと思うのですよ。ところが実際問題として、私もいろいろ調べました。実際問題として専売公社法に基づいた会計規程に規定されたこれがやっぱり基本になっているわけですね。そうしますと、これだけでは中身は何もないですよ。ですから私は、中身が何もないから、一つ一つチェックの網はかぶせることはできにくいから、少なくとも先ほど理財局次長がおっしゃったように、こういうふうないわゆる建築交換という一つの処理方式ですね、をするときには、こういうふうな網も私は当然専売公社にも適用すべきじゃないかと言うておるわけです。当然私はそうあるべきだと思うのですよ、どうなんです。
○説明員(首藤泰雄君) 先ほど大臣も申し上げましたように、国有財産と専売公社の所有財産、基本的には国民の負託を受けておる公共性の強い財産であるという点においては全く同じ性格を持っておるということは事実でございますが、専売公社といたしましては財政専売事業を、企業体として企業性を発揮していく、そういう点では能率性をもって運営をしていくという面がございます。したがいまして、公社事業を能率的に運営していくための物的手段として専売公社の財産があるわけでございますので、その財産の管理処分については、そういう観点から公社総裁が定めて運用していくということが筋ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○峯山昭範君 全くあなたの言うていることは答弁になりませんな。どうもあなた専売公社総裁みたいな顔をしていますのでね……。要するに専売公社自体が企業体である、当然能率的な運営をし、能率的な処理をしなくちゃいけない。賛成なんです、私も。そのとおり。能率的な処理をし、企業体としての体制を発揮するためにはきちっとしたそういう処理要領なり、きちっとしたものがないといけないではないかとぼくは言っているわけです。それがないから現実に問題が起きているわけです。向こうの大蔵省側の方の皆さんも、あなた方が大蔵省の監理官の皆さんに報告したものを大臣なり担当のそちらに報告するんでしょう。あなた方で全部とまっているの、そんなに偉いの、監理官というのは。
 私はこの問題は非常に重要な問題ですし、今後また一つ一つ具体的な問題としては、非常に大臣、大事な重要な問題を含んでいるんです。まだ具体的に全部資料が集まりませんから、私はきょうは第一段階で終わるんですけれども、非常に重要な問題を含んでいるんです。払い下げそのものにも非常にいろんな不審があるんです。だから私は、この問題は具体的な問題を出す前に少し詰めておきたいと思って言っているわけです。あなた方が何て言おうと国の物であり、かつ公共性の強いいわゆる国民の財産であるということはわかるけれども、要するにこれは国の場合より弾力性を持たにゃいかぬ、大臣も言うておるわけです。私も賛成なんです。そのためにも私は一体処分するに当たってどういうふうな要領があるんだ。少なくとも大蔵省が国有財産を処分する場合にはこういうふうな一つの具体的な中身がありますよね。具体的な中身のあるこういうふうな通達なり何なりが、これは昭和三十二年からまた何か変更になったそうでございますが、これに類するものが現実に出ておるわけです。総裁、専売公社はこれは一体どうなっているんですか、ここら辺のところは。
○説明員(原秀三君) ただいまの峯山委員の御質問に対します首藤副監理官の説明並びに先ほどの私の先生に対する御説明を補足させていただきますと、会計に関します規程及び基本事項につきましては、先ほど申しましたとおり日本専売公社法に基づきます日本専売公社会計規程基本事項及び会計規程がございます。そのほかに不動産関係の管理につきましては、これは私どもの内規でございますが、一つには総裁の通達によりまして日本専売公社土地等管理規則というものを、並びに取り扱いの実際の要領につきましては、管理調整本部長名の取り扱い要領というものを内規として定めておりまして、この中身は先ほど先生から御指摘いただきました国有財産の管理に準じますものをほぼここに置いていると思っております。ただ、先ほど大臣から御説明ございましたように、公社の企業の特殊性にかんがみまして若干の弾力性をいただいていると私どもは考えております部分、たとえば金額制限等につきましては、国有財産の場合と違いまして金額制限等は置いておりませんが、たとえば評価額が、交換の場合に評価額の差額が四分の一以上になります場合、この場合には交換による処理を行わないとか、処分物件と取得物件が事業用一般宿舎その他の厚生施設の別に分けまして、同一の用途でなければならないとか、あるいは公社の役員もしくは職員、または退職者に対しまして土地、建物等を処分いたします場合にはこの規定を適用しないとか、そういう意味の内輪の内規としての規定は国有財産の管理に準じたものを設けている、こういうことでございますので補足させていただきたいと思います。
○峯山昭範君 そこら辺のところは国有財産の場合とほとんど同じじゃないですか、四分の一なんというのはね。それじゃそこら辺の内規の問題についてはですね、これは後ほど資料としてきちっと出してください。そしてこの次の機会に検討したいと思います。
 それで、少なくともいまあなたがおっしゃった話を聞いておりますと、国有財産の処理の場合とほとんど同じような、多少の弾力性はあるにしても、大体同じようなあれがあるということですな、大体内規で。
○説明員(原秀三君) 基本的な精神には国有財産に準じて、ただ、大臣の御説明のございましたように、弾力性をいただいている部分もあるということでございます。
○峯山昭範君 そうしますと、それでは具体的な問題に入りますが、まず具体的に京都の問題をきょうは一つ問題にしたいと思います。それで、まずこの京都の工場の交換処分という問題でございますが、これは私は皆さん方に資料を要求いたしましたら、非常に遺憾であるのは、中身はみんな金額のところを全部消して私のところへ出してまいりました。非常にこれは遺憾と私は思います。ところが、京都市の方へ要求をいたしましたら、全部金額の入ったきちっとしたやつが出てまいりまして――これは非常に遺憾ですな。こういうふうなことじゃ非常に私は遺憾だと思う。
 まずお伺いしたい。不動産の交換予約書、これはいつ締結されまして、その金額、あるいはその第二条等に出てまいります工事の完成の日付はどうなっているのか、具体的にお伺いしたい。
○説明員(立川武雄君) 京都工場の隣接地の処分につきまして交換予約を締結いたしましたのは四十八年の三月五日でございます。これは処分対象面積、先ほど申し上げましたように九千五百十六平米でございます。そのほかに古い建物が六百八十一平米ぐらいございました。見込み金額は七億九千万円でございます。取得物件のそれぞれの工事をいたしまして、取得物件が三つに分かれておりまして、その時期が違います。完成に伴いましてそれぞれ三回に分けて交換契約を締結し、処理したものでございます。第一回は四十八年の十一月五日でございます。これは宇都宮研修所のものが完成いたしまして、交換契約を締結し、処理いたしました。第二回は四十九年の三月六日でございます。これは明石原料倉庫が完成いたしまして、交換契約書を締結し、処理いたしました。第三回は四十九年の四月十一日でございます。越谷倉庫が完成いたしまして、正式な交換契約を締結し、処理しております。この合計が先ほど申しました土地九千五百十六平米、金額七億九千万円でございます。そのほかに若干の謝金の支払いがございます。
 以上でございます。
○峯山昭範君 どうもあなた方はいかぬ。私の質問をちゃんと聞いてないですね。私は不動産の交換予約書と言いました。あなたがいまおっしゃったのは交換契約書の、日にちもみんなそうじゃないですか。どうして、その予約書なら予約書ということをちゃんと言っているわけですから、私の質問にちゃんと基づいて答弁をしてもらいたい。
○説明員(立川武雄君) 先ほど申し上げました交換予約を締結いたしましたのは四十八年三月五日でございます。
○峯山昭範君 それで。
○説明員(立川武雄君) その予約書の中身といたしまして、処分面積が九千五百十六平米、金額が七億九千万円、取得物件としまして三つ、明石の原料工場の倉庫、越谷倉庫、宇都宮研修所の物件を取得するということで交換予約をしたものでございます。
○峯山昭範君 それでは、その交換予約のときの私の手元に入っております京都からの資料によりますと、それぞれ工事の完成月日等の、私はそのことを言っていたわけです。まず、いまおっしゃった宇都宮が十月十九日でしょう、明石が二月二十八日、越谷が三月三十日、京都からの報告はこうなっていますがね。あなたのおっしゃったのとはちょっと違うでしょう。ですから、正確に答弁をしてもらいたいということです。
 そこで、まず四十八年の三月五日に専売公社が土地を提供し、そして今度は、これからできるであろう建物のいわゆるあれを予約をして、契約をしたわけです。四十八年の三月五日、そして実際に交換契約が結ばれたのは、いま話がございましたように、四十八年の暮れ、四十九年の三月、それで四十九年の四月と三回に分かれているわけですね。そうしますと、まずお伺いをしたい。建設業者の選定は、これはどういうぐあいにされたんですか。それぞれの建設会社の選定、これはどうです。
○説明員(立川武雄君) それぞれの工事につきまして相手方である京都住宅公社と協議いたしまして、私どもがやっておりますような指名競争入札の方法により決定いたしました。
○峯山昭範君 それじゃ私が具体的に申し上げます。それに違ったら違うとおっしゃってもらって結構です。建設業者の選定については公社の同意が条件でございますな。そのとおりですか。
○説明員(立川武雄君) そうでございます。
○峯山昭範君 それから入札請負額の決定、これは公社が委任を受ける、これはどうです。
○説明員(立川武雄君) それぞれの建物につきまして公社の望ましいものを取得するという考え方に立ちまして設計等は委任を受けまして公社がやっております。したがいまして工事金額等につきましても、事実上相手方と相談をしております。
○峯山昭範君 そうすると、設計もいま公社が作成とおっしゃいましたね。そうしますと、工事の管理ですな、これは実際は京都の公社が民間に委託をしてやる、公社はときどきチェックポイントだけをチェックすると、こういうことですか。
○説明員(立川武雄君) 工事の管理につきましては、物件の大きいものにつきましては第三者に建設いたします受け入れ方が委託する例が多うございます。
○峯山昭範君 そうしますと、それぞれ建物ができて交換契約をするわけです。そうしますと、私の言うていることに違いがあったら言ってくださいね。実際に四十八年の十一月と四十九年三月、四十九年四月、この三回にわたる交換契約は、要するに四十八年当時の、いわゆるその土地の価格と、それから公社の方がもらう建物の価格は請負工事額プラス公社が認めた必要経費、そうでございますか、これは間違いないですね。
○説明員(立川武雄君) そのとおりでございます。必要経費と申しますのは先ほど申しました管理費でございます。
○峯山昭範君 いま私が話をいたしておりますのは、あなた方の説明を聞いたのをそのまま言うているわけです。確認しているだけです。そうしますと、しかも今度は、請負工事そのものの工事金額というのは、いわゆる交換予約当時、当時の当初の決定よりも、四十八年当時狂乱物価というのがございました、建設省なんかでも特別に認めた内容がございましたですね。あれがあって、実際問題騰貴された分については増額が認められた、こういうふうに説明ございましたが、これは間違いございませんか。
○説明員(立川武雄君) 京都工場の隣接地の処分に際しましては、狂乱物価の時期でございましたのでそういう事例がございました。
○峯山昭範君 いわゆるスライド条項というのか、あれを認められたということですね。そうしますと、そこでこれは大臣聞いてもらいたいんですが、こういうぐあいになってまいりますと、いわゆるその建物を後で建てて等価交換をしたとは言いましても、実際問題、京都市は何にもしてないわけですね、結局は。お金を出しただけなんです。いわゆる専売公社が業者の選定から入札、いわゆる請負額の決定から設計から管理から――管理は公社がちょっと民間を雇ってやってますけれどもね、ほとんど専売公社で全部やったと言っても過言ではない、これは異議ございますか。このとおりでしょう。
○説明員(立川武雄君) 幾つかの例がございますが、京都工場につきましては、先ほど業者の選定につきまして協議をしたということがございました。これは公社がやったというよりは協議をしたということかと思いますが、工事の管理は第三者にお願いをした。それ以外は先ほどの説明のように公社がほとんどやったということかと思います。交換の全部についてそうということではございませんけれども、京都の例につきましてはそういうことだと存じます。
○峯山昭範君 いや、私は全部なんて一言も言ってませんで、いま京都のやつを例にして言っているだけの話で、そのほかについてはそのほかのまた具体的な問題が出てくるわけです。こういうふうな方式で考えますと、まず第一点は、専売公社が受けるメリットは何にもないでしょう。専売公社がその土地を、等価交換でなくても、その土地を処分して新しく倉庫を建てる、こういう方式でもいいはずでしょう、等価交換でなくても。これはどうなんです、実際問題。
○説明員(立川武雄君) 現在の公社の取り扱いによりますと、京都工場の合理化によりまして隣接地が遊休となりました。一方ここにございますような諸施設の整備統合の必要が絶えずございます。したがいまして、京都工場の隣接地を処分いたします際に、それぞれこの三ヵ所につきましてかねて整備の必要があったものを交換したわけでございます。
○説明員(泉美之松君) ちょっと補足して申し上げますと、峯山委員のおっしゃる御趣旨は、そういった場合に必ずしも建築交換の方法によらずに、京都工場の隣接地の処分は処分として七億九千万円処分して、同時に欲しいそういった宇都宮研修所であるとか越谷の倉庫であるとか、あるいは明石原料工場の倉庫であるとか、そういったものは別途予算で要求して、予算でつくればいいじゃないかと、こういう御趣旨かと思います。まことにおっしゃるとおり、そういうふうにしてやっていくやり方もあるわけでありまして、公社の場合そういうふうなことでやっている事例もございます。ただ公社予算につきましては、製造工場であるとか原料工場であるとかいうような大きな場合には、予算につきまして一々大蔵省で細かく査定されるわけでございますが、倉庫とかいうふうになりますと、それは事業の必要上適時適切なところに設けなきゃならぬというようなことで、どちらかというと予算上もうほとんど一括処理されておりますが、そういう関係から、私どもとしてはそういったものを取得する場合には建築交換による方がより能率的に処理できると、こういう見地から利用しておる場合があるのでございまして、京都工場の場合にはまさにその事例に該当いたしております。したがって別途予算で要求して、予算で処理するというやり方が当然あることはあるわけであります。
○峯山昭範君 あのね総裁、たまたま私は京都の例を具体的に挙げているから倉庫でありまして、総裁ね、実際は倉庫というのは半分ぐらいしかないんですよ。そのほかの分については、中央研究所もありますし、熊本の庁舎だってありますしね、いろいろあるわけですよ。たまたま私が挙げている例が倉庫でありまして、倉庫だから――倉庫っていうのはそんな大した金額でもないし、実際は大蔵の査定や何やかんやがややこしいし、いつもしぼられてどうしようがないからとにかく等価交換の方がいいというのが、これは内々の話なんで、実際は。内々の話を言うちゃいかぬのですが、実際はそうだということも私は聞いておるわけです。
 そこで総裁、私が言うようなそういう方法もある、しかしそういう方法もあるし建築交換という方法もあると総裁は言いたいわけですね。そうしますと、建築交換という方法があると言うからには、少なくとも交換の方がメリットがあると、そうでないと私はいかぬと思うんですよ。メリットも何にもないのにその等価交換という方法をとるというのは、これは国民の財産の処分という点から考えると非常に私はまずいと思います。実際問題これは京都の問題を具体的に取り上げているから私は京都、京都言うんですが、実際これはメリットがあるんですか。メリットがあると考えていますか、総裁どうです。
○説明員(泉美之松君) 私どもとしましては、そういう建築交換によって、先ほども申し上げましたように公社の事業運営上は一応不要になった財産を処分して、そのかわりに公社の運営上必要な財産を取得することができるという点におきましてメリットがあると思っておりますし、それからそういうかわりの物件を取得するにつきまして、公社だけでそれを探すのではなくて、交換の相手方にも探してもらえるということになりますと、そうするとより適当な物件を取得することができる。こういうふうな点もメリットであろうと思っております。現実の問題としましては、先ほどちょっと申し上げましたけれども、公社が事業所を統合整理する場合におきましては、それぞれの地元の地方団体が何とかして長い間あった事業所だからそれを存続してくれと、こういう御希望が非常に強いわけですが、公社の能率的な運営を図る上におきましては、昔と交通事情も変わってきておりますので、その事業所を置いておくわけにまいりませんということで整理統合するわけでありますが、その際にはどうしてもやはり地元の地方団体及び住民の方の御理解を得ないとうまくその整理統合ができないわけであります。その御理解を得る手段としては、それはおっしゃるように払い下げをすればいいじゃないかということだと思いますが、国有財産の場合には、御存じのように減額払い下げの規定がございますけれども、公社財産の場合には減額払い下げはできないことになっております。そういう意味で、地元の御了解を得るには、やはり建築交換の方法によった方が地元の御満足を得やすい、こういう事情がございますので、これを利用いたしておるような次第でございます。
○峯山昭範君 そうしますと、総裁のおっしゃることをよく吟味してみますと、これは大変な問題に私はなると思うんですよ。地元の同意を得るためには、いわゆる実際は等価でなくても、いわゆる等価交換という方法で地元に有利な処理をすると、端的に言うとそういうふうに聞こえますよ。
○説明員(泉美之松君) 私が申し上げているのは、そういう話ではないわけであります。ただ公社の跡地を取得するについては地元の方が自分らもその取得するについていろいろ骨を折ってこの財産を取得した、それを地元として大いに役立てようと、こういう意識が強くなるという意味でありまして、値段をどうこうという問題ではございません。
○峯山昭範君 ということは同じことじゃないですか。それば等価交換じゃなくったってできるわけですよ。それじゃ具体的にもう一つ申し上げます。先ほどのスライド条項で要するにどの程度加算されたんですか。
○説明員(立川武雄君) 京都工場の受け物件の明石、越谷倉庫、宇都宮研修所三件につきまして、スライドによりまして千八百七十七万五千円加算されました。
○峯山昭範君 千八百七十七万五千円というのは初めの契約よりこれだけふやしたということですね。
○説明員(立川武雄君) そのとおりでございます。
○峯山昭範君 そうすると、それじゃその土地の価格はどの程度ふやしたんですか。あなた昭和四十八年から四十九年にかけて、この土地はどのくらい上がったかわかりますか。
○説明員(立川武雄君) いろんな取り方がございますが、不動産研究所その他の資料等によりますと、その期間に土地の方は約二割程度と見込まれます。
○峯山昭範君 それはふやしたんですか。
○説明員(立川武雄君) 渡し物件の土地につきましては評価増をいたしておりません。このときにおきましては、御承知のように石油ショックによりまして物価が高騰いたしましたが、私どもで調べましたところ、土地の値上がりにつきましては約二〇%程度でございます。一方建築費につきましては約四七%ぐらい値上がりをしておったと考えられます。交換の原則といたしまして、受け渡し時に同時評価という原則を貫きますと、その後土地の値段も評価し、工事金額も評価するということになります。公社が現在やっておりますのは、予約をいたしまして、予約時の直後の工事落札金額で通常の場合には交換受け物件の価格が決まるわけでございますが、この時にはそういう事情がございましたので、先ほど申しました千八百七十七万五千円というスライドによる増額は工事費の二、三%に相当いたしますが、これを払って取得した方が有利であろうという判断のもとに、土地につきましては予約時の価格をそのままにしておいたものでございます。
○峯山昭範君 あなた方の全くずさんなやり方ね、それはどこから――これは実は当時の評価額、京都市不動産評価委員会、これは当時の京都市がとってた分ですよ。京都市がとった不動産評価価格でも、これは要するに合計で八億五千万円になりますね。実は現実に私の手元の京都市の住宅局がとった評価証明から見てもこうなります。あなた方は、しかも片方の方は予約契約の当時から千八百七十七万五千円という金額をお払いしている。ところが実際土地の方は一銭も評価しないどころかそのままです。しかも昭和四十九年の地価公示価格の前年比上昇率という、こういうふうな資料を見てみましても、京都市の場合ですよ、あれ住宅地ですよね、向こうはね。私もよく知っていますけれども、住宅地でも三二・八%の値上がりです。これは商業地域の方が値上がりが少なくて二六・三%になってますね。当時は東京とか大阪なんかは相当な値上がりで、高いところは四〇%以上の値上がりを示しているところがあります。
 こういうふうな、実際問題として、たとえばいまの問題、この問題一つにいたしましても、大蔵省の通達からいたしますと、これはいまあなたがおっしゃったように、交換物件については「建物等が完成した場合には、あらためて交換財産の評価を行い、交換価額を決定するものとする。」というような、あなた方のところにどういう内規があるか、私に内規を見せておりませんからわかりませんが、どっちにしてもこういうふうなまずい契約なんてないんじゃないですか。
○説明員(立川武雄君) 交換の際におきまして、いろんな考え方があると思いますが、私どもがいまやっております交換の考え方は、土地等を処分する場合に、相手方が決まりますと、その土地の処分価格並びに受け物件双方をなるべく早く特定しようという考えでございまして、そのために実際は工事期間がございますものですから、交換予約をいたします。通常の場合には、交換予約をいたしますと、私どもが提供する土地の渡し物件の価格が決まるわけでございます。
 一方、工事を必要といたしますものにつきましては、先ほど説明申し上げましたように、その近時点におきまして相談しながら競争入札等によりまして工事価格が決まるわけでございます。したがいまして、通常の場合は交換予約後一月足らずの間に受け物件の価格も決まるということでやってまいっておるわけでございます。京都工場の例の場合におきましては、たまたま石油ショックで非常に物価が上がったということもございますし、先ほど申しましたような判断のもとに受け物件の価格にはスライド条項を適用し、渡し物件の価格は評価替えをしなかったということでございますけれども、通常の場合には予約方式直後、受け物件の価格も渡し物件の価格も決まるということで、予約方式でやっておる次第でございます。
○峯山昭範君 会計検査院来てますか。まず検査院に一遍お伺いしておきたいのですが、こういうふうな交換予約方式というような方式ですね。これは私は、こういうふうな方式というのは非常に認めがたい。要するに交換する相手の物件がないわけですよ。これからできるであろうことを予想して交換するという、こういう方式が実際問題具体的にもうあるわけですけれども、こういう方式を本当に認めていいのかどうか。これはやっぱり何らかの方法で研究する必要があるんじゃないかというふうに私は思うんですが、この点検査院はどういうふうにお考えですか。
○説明員(柴崎敏郎君) ただいまの件でございますが、確かに特に最近のように物価の変動の激しい場合には、いま公社でおやりになっているような予約の段階で渡し財産については金額を確定する。受け財産については本契約の段階までおろしましてそこで確定すると、こういうような取り扱いをいたしますと、いま先生からいろいろと御指摘がありますような問題が出てまいります。こういうところから、やはりいずれにいたしましてもその評価時点というものにつきましては同一の時点で評価することが望ましいのではないか、このような考えを持ちまして、これについては公社に質問書を発し、意見を徴して御検討を願っているところでございます。
○峯山昭範君 会計検査院の方もそういうふうに非常に……、私望ましいとは思いません、こういう方法はね。検査院の方からも検討をしてもらいたいということで専売公社の方へ出しておるそうでございますが、いずれにしてもこういうふうな方式というのは不合理です、これは。これは総裁、京都の場合はどう考えたって、これは要するにあなた方がどういうふうに強弁しようとも、この交換時点が一年食い違っておるわけです。現実に片方の方は千八百七十七万という金額をカバーして上げているわけですね。少なくとも一その時点で同時評価すべきです。こういうふうな不合理な点も現実に――総裁は先ほどメリットがあるみたいな話をしましたけれども、現実にこういうデメリットが出てきているわけです。こういうデメリットを押してまで、いわゆる建築交換をしなくちゃならないということ自体にも私は問題があると思います。ここら辺のところ、どうお考えですか。
○説明員(泉美之松君) 京都工場隣接地の交換の場合におきましては、いまお話しのような考え方もあろうかと存じますけれども、当時の公社といたしましては土地の値上がりはもちろんありますけれども、建築費の値上がりも相当大きかったわけであります。先ほど立川副本部長から申し上げましたように、建築費の値上がり率の方が率が多いということからいたしますと、そこで渡し財産の方の土地の方を再評価するんなら、受け財産の方も単に石油ショック後の建築費に基づくあれは一定時点からその後交換するまでの間だけの期間の割り増しだけじゃなしに、もとから全部洗い直せという議論が出てくる心配があるということを考慮いたしまして、双方ともに再評価はしないで、単純にスライド条項の分だけ増すことによって解決する方が公社としては持ち出しが少なくて済むという考え方のもとに処理したものでございますが、しかし御指摘のような考え方もあり得るわけでございまして、これらの点につきましては、今後十分注意しなければならないと思っております。
○峯山昭範君 これはいずれにしても、総裁、持ち出しが多かろうと少なかろうと実際はやっぱりその時点できちっと評価をして、ちゃんと処理すべきがこれは筋なんです。そうでなくて、やっぱり片方だけ処理してというその感じは、これはたとえそういうふうなやり方をしていると、結局はどんぶり勘定になるんです。この建築交換のやり方自体もそうです。
 私はもう一回申し上げますが、少なくともこういうふうなのを機会に、総裁ね、専売公社の内規がどういうふうになっているのか、私、見せてもらっていないからわかりませんがね。少なくとも国有財産並みにやっぱり同時評価とか、そういうようなものについては少なくとも厳格にこれが対処していくと、そういうふうな姿勢でなければ私はいかぬと思うんですよ。これからそういうふうな法律に基づいてきちっと処理していくと、そういう方向でなければ、われわれがここの決算委員会でこういうような問題をいろいろな角度から審議いたしましても何の効果もない。そのためにはやはりきちっとした原則をつくって、その原則に基づいてきちっと処理をしていくと、こういうような方法でなくちゃいけないし、ただ単に大蔵省の顔だけ見て、要するに能率的な運営とか――企業体であるんだから能率的な倉庫を一日も早く欲しいとか、宿舎が一日も早く欲しいとか、これはどこの省庁でもみんな同じだと思うんですよ。それを財産を処分してから、大蔵省に査定してもらっていろいろやっていると遅くなると、これじゃあ私は本来の姿じゃないと思います。そういうような点からも、やっぱりもうちょっと専売公社自身もこの問題については対処してもらいたいと思うんですが、どうです。
  〔委員長退席、理事小谷守君着席〕
○説明員(泉美之松君) 峯山委員の御指摘の点はまことにごもっともだと私は思うのでありますが、それにつきましては、やはり公社の財産取得についての主計局の査定の問題にも関連してまいるわけでございまして、そういった点をあわせまして私どもとしましては、従来からも国有財産の場合に準じた処理規定にしておるつもりでありますけれども、なお御指摘のような点がございますので、これらの点につきましては今後検討してまいりたいと存じます。
○峯山昭範君 その主計局の査定というのは、これは何でありますか。
○説明員(泉美之松君) 主計局は公社の固定資産取得につきまして、先ほど申し上げましたように、製造工場であるとか原料工場であるとかいうものにつきましては一々査定があるのでありますが、あとは倉庫、宿舎というようなことになりますと、一括査定でございまして特定いたしておらないのでございます。そういったところにいろいろ問題があるわけでございます。したがって私どもは、できますならば公社が整理統合の過程で不要になった財産の範囲内でこれこれの資産は取得していいといったような予算の査定にしていただきますと、いまお話しのようなことを交換処分でやらずに予算の形でできる、こういうことになろうかと思うのであります。
○峯山昭範君 大蔵省、どうですか。
○政府委員(田中敬君) 固定資産の取得につきましては、一たん収入が別途に上がりまして、歳出予算、支出予算ということになりますと、やはり予算査定権でもちまして、いかなる財産を取得するかということを私どもは見るわけでございます。
 先ほどからお話がありましたように、公社の能率的運営に最も適したような固定資産の取得ということであれば、歳入歳出外といたしまして、従来の建築交換方式であれ、あるいはこれが歳入に入り、あるいは支出予算として新たに計上されるものといたしましても、その必要の限度におきましては十分これを見てまいりたい。また従来もそういうふうにしてきたつもりでございます。
○峯山昭範君 いずれにしても総裁、あない言うていますがな、やはり専売公社は大蔵省の顔ばかり見て実際はいろんなことをやっている感じですね。それではやはり困るのでね、実際問題。この問題については財産の処分という大きな問題と絡んでおりますし、今後この問題については私、何回か取り上げようとは思っておりますが、いずれにしても真剣に取り組んでもらいたいと思います。
 そこでもう一点、時間が余りありませんので、もう一点だけ詰めておきたい問題がございます。公社法の四十二条の十九に、「公社が製造工場及びこれに準ずる重要な財産を譲渡し、又は交換しようとするときは、国会の議決を経なければならない。」と、こうあります。この問題、私は公社の財産を処分する場合、国会の議決を経るというのは非常に大事な問題であります。総裁の答弁をかねがね研究をいたしてみますと、非常にここら辺のところが明確になっておりません。
 私は重要な財産の処分というのは、総裁が一遍答弁の中で千分の五なんていう数字を一応のめどとしたいという答弁を衆議院でやったことがございますが、これは私は総裁、ちょっと千分の五というのはひどいのじゃないか、これは私どう考えたって、昭和五十年の専売公社の資産は、昭和五十年三月三十一日現在で約九千二百五十二億円ですね。そうしますと、九千二百五十二億円なんていう金額から千分の五ということになりますと四十六億円になります。そうしますと、四十六億円以上にならないと専売公社の財産処分については国会の審議を経ない、これでは専売公社の財産処分についてこの法律にうたわれた中身が国会で議論されることは全くないと言っても過言ではないと私は思いますよ。
 少なくともこの千分の五というのは一体どこから出してきたのか、私は少なくともこの金額はうんと引き下げてもらいたいと思うし、この千分の五の根拠も伺いたいと思うし、少なくとも専売公社の財産処分については現在の物価のいろんな問題からいろいろ問題ありましょうけれども、少なくとももっと少ない金額で国会の審議を経る、そういうふうなあれでないと私たちとても納得できない。現在の状況で言うと、法律そのものが「公社が製造工場及びこれに準ずる重要な財産を」ということになりますから、これはたとえば製造工場であったにしても、中の機械を取り払ってしまえば土地と建物になっちゃうわけですよ。製造工場というような、中に機械が入っているときには相当な金額、財産であったにしても、中の機械をぱっと取り払ってしまって土地建物だけになってしまうととても四十何億なんという金額になりません、めったなことに。そういう点から考えてみても、ここら辺のところは私はもう少し千分の五という根拠もお伺いしたいと思うし、ここら辺のことについてはどうお考えなのか、一遍お伺いしたい。
○説明員(泉美之松君) お話しのように、公社法四十三条の十九におきまして、「公社が製造工場及びこれに準ずる重要な財産を譲渡し、又は交換しようとするときは、国会の議決を経なければならない。」ということになっております。製造工場というのは、いまお話しのように、中に機械が入っておって、たばこ工場なり、あるいは製塩工場としてそのまま使えるものを言うわけでありまして、過去におきましては小名浜製塩所を処分するとき、これを製造工場のまま処分いたしましたので、金額は小さかったのでありますが、これは国会の御承認をいただきました。で、それ以外は公社は製塩工場は持たないで、製塩工場は民営になっておりますので、公社の持っておる製造工場ということになりますと、小名浜を処分いたしました後はたばこ製造工場だけになったわけでありますが、たばこ製造工場はもう公社の専売事業でありますので、製造工場のまま処分することはないわけでありまして、いまお話しのように、中の機械設備を全部取り外して、土地と建物という形でしか処分しないということになるわけであります。
 そこで、「製造工場及びこれに準ずる重要な財産」という場合、「これに準ずる重要な財産」をどういう基準で考えたらいいかということでありますが、この点につきましては先般大蔵委員会でお答えいたしたのでありますが、昭和四十二年におきまして公社の財産の千分の五というのを一応の目安にして運営していきたいということで、千分の五というのを決めたわけでありますが、これは当時高崎の工場跡地を処分するということで、その場合に国会の御承認をいただくかどうかということで、検討いたしましたときに、公社の製造工場の平均の価格がこの千分の五に近い数字になっておりましたので、そういう製造工場の平均の価格ぐらいを目安にしたらどうかということにいたしたのであります。正確に申し上げますと、公社のたばこ製造工場の固定資産の平均額の公社総資産額に対する割合が約千分の四ぐらいであります。それからいたしまして千分の五というのを基準にいたしたのであります。
 しかし、いまお話しのように、その後資産の価格がふえてまいっておりまして、四十九年度末ではお話しのように九千二百五十二億といったようなことになりますので、その千分の五は四十六億二千六百万円に相なります。もちろん製造工場の中にはこの四十六億を超えるものは相当たくさんありますし、しかも、いまは処分を予定いたしておりませんけれども、この承認を受ける場合には処分予定価格になりますので、帳簿価格でなしに処分予定価格になりますと、帳簿価格から相当多くなる関係上、そういった製造工場の跡地は相当これにかかることになろうかと思います。しかし何分にも昭和四十二年に決めまして、それ以来十年近くに相なっておりますので、これらの基準につきましてはなお検討をいたさなければならないと、このように考えております。
○峯山昭範君 時間がたってまいりましたので、まず大蔵大臣に最後にお伺いしておきたい。
 こういう公社の財産処分という問題は、大臣もずっと先ほどから聞いておられたと思います。そこで私は、少なくとも大臣として今後管理をしていくわけですね。それで報告もその都度あると思いますけれども、少なくとも先ほども専売公社の総裁からも答弁がございましたけれども、当然同時評価すべきであったという考えもあるわけです、実際問題ね。そういうようなことはもうこういう通達でもちゃんとうたわれているわけです。そういうような観点から、この財産の処分については、大蔵省としてもきちっとやってもらいたいと思うし、また、今後こういうふうな行政指導なり、そういうようなところも強化して、こういうふうな不信を持たれたり、あるいはそういうようなことが二度と起きないようにしていただきたい。この点について後で答弁をいただきたいと思います。
 それから専売公社の方には、先ほど私は申し上げました。一億以下の金額、件数、どの程度になっているのか、これも後で御答弁をいただきたい。
 それから、ただいまのこの問題でございますが、大臣、財産処分の問題、このときにこの千分の五という目安があるわけです、実際問題ね。あると言うよりも、総裁が何にも根拠もなしに目安でおっしゃっているわけです。これは国会の審議を経るという立場から、今後やっぱり研究しなくちゃいけない課題だと私は思いますよ。そういうふうな意味から、ここら辺の問題についても、大蔵省当局もこういうふうな問題について研究をしていただきたい。これは要望しておきたいと思います。
 特に先ほど総裁から答弁ございましたが、私はこの小名浜の工場を処分したときの金額、これはパーセントで言うと何%になるか、これもちょっとお伺いしておきたい。いずれにしてもこの千分の五という基準は、専売公社の基本財産からいたしましても、とてもじゃないけれども納得できないような問題であります。したがいまして、そういうような点も改善をしていただきたい。以上、御答弁いただきたい。
○国務大臣(大平正芳君) 公社財産の管理処分でございますが、冒頭にもお話がございましたように、一般の国有財産の管理処分と同じ精神をもちまして厳正に対処する必要がありますことは仰せのとおりだと考えております。したがって管理処分の仕組み、制度をどのようにとるかの選択を論ずる前に、公社におきまして、この処分に当たるものといたしまして、そういう緊張した厳正な態度を終始とってまいらなければならないものと思います。
 それから第二に、しかしながら建築交換のような制度をとるべきか、歳出予算で取得すべきものは、取得するというようなことでやるべきか、そういったことにつきましては、公社の運営との関連それから会計、財産処理の公正を期する立場からの要請等も踏まえた上で、現行のやり方につきましてなお検討を進めまして、改善すべき点がございますならば鋭意改善してまいらなければならぬと心得ております。
○説明員(泉美之松君) 小名浜の製塩工場を処分いたしましたのは昭和三十八年でございまして、そのときの処分価格は一億二千九再万円でございます。これは金額から言えば小さいのでありますけれども、やはりこの製塩工場は塩業整備の行われた直後のことでありますので、塩の生産量が減少するという関係からいたしまして、その処分につきましては特に慎重を期するという意味で国会の御承認をいただいたものでございます。製造工場という規定からいたしますと、これはもう金額のいかんにかかわらず、処分につきましては国会の御承認をいただくのが当然であろうかと思います。したがって、これはその他の重要な財産の処分の方の事例には該当いたしません。したがって、その他の重要な財産の目安として、先ほど申し上げました千分の五がいいのか、あるいはもっと小さい金額にすべきか、これにつきましてはなお検討いたしたいと存じます。
○説明員(立川武雄君) 先ほど御質問ございました四十五年度以降三千万円以上一億円未満の交換の件数、土地、金額を申し上げます。
 四十五年におきましては九件、四万六百平米、金額三億七千七百二十五万円。四十六年度、八件、一万四千三百九十六平米、四億五千八百四十八万五千円。四十七年度、十三件、四万五千四百二十七平米、七億一千十五万一千円。四十八年、九件、一万九千八百九十六平米、五億五千六百七十一万四千円。四十九年度、十六件、三万一千二百四十三平米、九億三百六十八万二千円。以上でございます。
○峯山昭範君 時間が来ましたのでこれで終わりますが、総裁、先ほどの財産の処分の問題ですね、千分の五というのは、先ほど小名浜の問題で一億二千万という数字が出てまいりましたけれども、確かに私は公社が製造工場及びこれに準ずる重要な財産――製造工場という非常に重要な問題ですから、金額は少なくても出したと言われておりますが、私は専売公社が持っている土地というのは、これは重要な財産だと思うんですよ、土地というのは、少なくとも。ですから私たちはそういうような面から考えてみましても、土地という問題について、専売公社が持っているいろんな財産の中でも土地は重要な財産であるという考えに立ってもらいたいと私は思うんです。このことだけ申し上げておきたいと思います。
○理事(小谷守君) 速記をやめて。
  〔速記中止〕
○理事(小谷守君) 速記を起こして。
○橋本敦君 まず最初に大蔵大臣にお伺いしたいと思うのですが、私はきょうは主として財政問題で二、三質問を重点的にするつもりでしたが、言うまでもなく田中金脈問題は当決算委員会として、これを解明する重要な問題として追及をしてまいりました。この問題は二十二日の当委員会で私どもの加藤委員が質問をさしていただく予定でありますが、それに先立って私も一、二点だけ大平大蔵大臣に当面の御見解をお伺いしておきたいと思うのです。
 御存じのように新星企業に対する裁判はまことに形式的な形で、何ら本質的な解明なさずして終わりました。これについて私が法務委員会で法務大臣に質問をしてどう思われるかと、こう聞いたときに、法務大臣は、一国の総理が辞任をするというようなあの大問題で新昂企業の裁判があのような形で終わったことについては割り切れないものを感じました。率直に法務大臣もそう答弁されておられるわけです。当委員会その他の委員会で疑惑解明の審議がいろいろ続けられてきましたが、果たして国民的な立場で田中金脈の疑惑が解明されたのかどうか、これが当面大事な問題ですが、大平大蔵大臣もその衝に当たられた一人として、田中金脈の疑惑はすべて解明されたといまお考えなのか、そうではないのか、この点について大平大臣、どうお考えか、まず所信をお述べいかだきたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 先ほど久保委員の御質問に対してもお答え申し上げましたように、政府として税制の運用にいたしましても、国有財産の処分の問題にいたしましても、相手によって処置を異にするというようなことはしてはならないという原則を守ってきておるわけでございます。また守らなければならぬと私は考えております。したがって田中角榮氏が総理大臣であるかないかということによってこの問題の処理が左右されてはならぬと思うのでありまして、税の場合におきましては、田中氏も一納税者という立場におきまして私どもは処理をいたしたつもりでございます。われわれの役所におきまする専門家が相当の人数、相当の期間をかけまして周密な調査を行いまして、またそれに対して会計検査院もまた十分な検討を遂げられたよしでございまして、私どもといたしましては、いまの行政機構の能力の許す範囲におきましては最善を尽くして処理し得たものと考えておるわけでございます。
○橋本敦君 私が質問したのは、大蔵省国税局の税の見直し、それだけを聞いているのではありません。田中金脈をめぐる数々の疑惑というものが、そういう問題についてあなたは全力を尽くして見直しをしたとおっしゃるが、その中身は依然として守秘義務ということで、それすら解明されていないのです。田中金脈全体として数多くの問題があることは大臣も御承知のとおりなんで、それらを総体的に含めて国会の審議、これまでの状況、そしてまた、田中前総理がみずから解明すると言いながら、まだ何らそういう解明処置をとっておられない事情、そして信濃川河川敷問題は裁判にまで発展している問題、そういうことも含めて、まさに日本の政治を揺るがしたこの金脈問題は解明がこれで終わったとお考えなのか、疑惑がすべて明らかになったとお考えなのかどうか、そういう点を質問しているわけです。そういう観点に立って、もう一度御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 私は税の問題ばかりでなく、ほかの行政分野の問題につきましても、人によって措置を左右してはならぬという立場を政府は貫いておると存じております。したがって、その他の問題につきましても、それぞれのお役所におきまして、それぞれの権限に従いまして厳正に処理をいたしておるものと確信をいたしておるわけでございます。果たして解明がすべて間然するところなく終わったかどうかという判断は、それぞれの方がそれぞれにお持ちでございましょうし、国会は開かれておるわけでございまするし、政府は毎日それぞれの行政を運営いたしておるわけでございます。もし新たな事実が出てまいりますならば、それはまた政府の手によって解明せなけりゃならぬことは当然のことでございまして、私どもといたしましては、この問題につきまして、政府の立場におきまして、それぞれの分野でなすべきことはなしておると確信をいたしております。
○橋本敦君 歯切れの悪い答弁だと私は思うのですが、端的に大平大蔵大臣に伺いますが、田中前総理がみずから疑惑の解明をするとおっしゃったその問題で、三木総理もそれを期待すると述べられた、あなたは現時点でどうなんですか。
○国務大臣(大平正芳君) 私は冒頭に申しましたように、行政は人によって左右してはならぬということでございまして、われわれの行政の一つ一つにつきまして、その相手方について、政府のやった措置に関連して、それの関係者に一々解明を求めるというようなことはすべきでないと考えております。
○橋本敦君 それは重大な答弁だと私は思いますよ。三木総理もしばしば田中前総理みずから解明することを期待するとおっしゃった、それは幾度も速記録に載っている。ところがあなたは、田中前総理が解明するとみずから言ったことについても、そのようなことをいま期待しないと、こうおっしゃった、こういう大臣の姿勢というものは、まさに守秘義務を盾に、田中金脈をかばうものではないかと多くの野党議員が追及をしたその問題とも関連をすれば、あなたの姿勢それ自体が田中金脈の解明を期待しないし、妨げるということになる不当な問題が私はここで明らかになったというように一つは受け取るし、一つは総理がおっしゃることとあなたがおっしゃることとのこの金脈に対する姿勢の大きな食い違い、これはまさに三木内閣として重大な食い違いではありませんか。この三木内閣としての重大な食い違いという問題について言うならば、三木総理の言明についてあなたはどう考えておられますか。
○国務大臣(大平正芳君) 私は日本の民主主義の名誉にかけて、そういうことをすべきでないと思っておるのです。田中さんなるがゆえにこうする、田中さんでないからそういうことはしないのだと……
○橋本敦君 そんなことを言っていません。
○国務大臣(大平正芳君) というようなことを、日本の民主主義はしてはいけないと考えておるわけでございます。三木さんが、田中さんが何か自分の立場を明らかにされるということを言われたと、それを期待しておられるということは私も聞きました。
○橋本敦君 そうでしょう。
○国務大臣(大平正芳君) 田中さんは政治家としてそれをなされるかなされないか、田中さんのお立場で田中さん御自身が御判断されることであると思うのであります。私からとやかく言うべき性質のものとは考えておりません。
○橋本敦君 この問題はこれ以上追及をしませんが、要するに三木内閣として金脈問題に対する姿勢が総理と主要な閣僚であるあなたとで重大な食い違いがある、こんなことでは三木内閣それ自体が国民の疑惑を解明するということに、閣内一致して立っているとはとても思えませんし、国民の政治不信を招くそういう問題が重大な問題としてあるということを指摘して、大平大蔵大臣にかかわる次の質問に移りますが、問題になっておる信濃川河川敷、あの九条地の廃川敷処分が問題になっておりますが、これについても総理以下、多くの答弁があった。ところであの河川敷の中には、大臣も御存じと思いますが、九条地、民有地、これ以外に純粋の国有地が約九・一ヘクタール、三万坪あります、廃川敷処分ということに伴ってこの純粋の国有地はどのようにされるおつもりなのか、数々の河川敷問題が問題になってすでに久しい今日、大平大蔵大臣はどういう方針なのか、それを伺わしていただきたいと思います。
○政府委員(松川道哉君) あの中にございます国有地につきましては、国有地の処分の一般的な考え方に即しまして、公共的な目的に使用するよう措置してまいりたいと考えております。
○橋本敦君 いまの答弁を私は正確ではないので念を押して伺います。公共的用地に使用するということについて一般的基準に従って処分するということですが、具体的にお伺いしますが、廃川敷処分によって九条地が、とれが室町産業に例の契約どおり移ってしまうとするならば、純粋の国有地を除く大部分が室町産業の手に入る。そこで残された国有地は、いまの答弁からすれば、室町産業が払い受け申請を出しても室町産業には払い下げる意思は大蔵省としてはないと、こう受け取ってよろしいわけですか。これは大平大蔵大臣の責任ある答弁を求めます。
○政府委員(松川道哉君) ただいま御指摘のとおりでございます。
○橋本敦君 大臣、答えてください、大臣の答弁として。
○国務大臣(大平正芳君) 理財局長のお答えしたとおりでございます。
○橋本敦君 わかりました。それでは約三万坪の河川敷内の国有地については室町産業に払い下げる方針はないということが明確になりました。
 そこで、その他いろいろの問題がありますが、その他の問題は加藤委員の質問でまた質問されることとして、財政問題についてお伺いさしていただくことにいたします。
 〔理事小谷守君退席、委員長着席〕
まず最初に大蔵大臣に伺いたいんですが、四十八年度の決算を見て、私は大きな特徴を感じます。その第一の特徴は、四十八年度予算がいわゆる田中内閣の本格的な予算、私どもの言葉で言えば列島改造型予算として組まれたんですが、さて決算の段階で見ますと、この四十八年度決算では草大な剰余繰越金、そして予算の執行率がきわめて低いという特徴です。莫大な剰余金を生み出している。一兆一千四百四十六億円の剰余金ということになっている。こういう莫大な剰余金が国債々発行しながら決算の段階で出ておるということと、それからもう一つは、いま指摘をしましたように、当初予算の執行率がこれが私どもの計算によりますというと、たとえば公共事業をとってみましても八五%の執行率に押えられた。こういう特徴を持っていると思うんですが、これは予算の執行率がこのように押えられたということで莫大な剰余金を生み出したという決算は、例年に比べてこの四十八年度決算の一つの特徴ではないかと私は見るんですが、大臣はいかがでしょうか。
○政府委員(田中敬君) 事務的に御答弁さしていただきます。
 剰余金が膨大に出ましたのは御指摘のとおりでございますが、これは譲渡所得課税の特例の関係がございまして、三月に申告の行われました譲渡所得課税というものが予想外に多額に上ったということが一つの理由でございまして、これが剰余金発生の理由でございます。
 それから執行率が異常に悪かったというお話でございますが、四十八年度予算編成後の経済情勢の推移にかんがみまして、物価抑制その他の関連から総需要抑制策を年度途中から展開いたしたわけでございまして、公共事業費その他の予算の執行の繰り延べ措置を政府としてとったために相当の執行率が落ちたというのが実情でございます。
○橋本敦君 つまり、そのように当初予算を成立さした以後、たちまち総需要抑制への転化という方向をとらざるを得なかった、主として物価問題に起因をして。そういうことで、まさに当初考えた予算というものが、そのとおり執行すれば大変なことになるという情勢に実は直面をしたということだと思うんです。小谷委員も指摘されたように、福祉元年というような、元年どころかマイナス年にさえなった。
 そこで、この問題に関して、四十八年度決算について、昨年の六月の本会議で、私どもの加藤議員初め各議員から質問があって、総理はこの問題についてどう答弁されているかといいますと、いわゆる過剰流動性対策が結果的に見て適切でなかったという経済運営については、必ずしも妥当でなかった点はこれは率直に反省をいたします、この問題がインフレ促進傾向の一因として関係を持ったということを総理は認められているわけです。このように反省点として総理がおっしゃる過剰流動性対策を誤ったという点の反省は、大平大蔵大臣も同じようにお持ちなのかどうか、この点はいかがですか。
○国務大臣(大平正芳君) 正直に申しまして、四十八年度の財政、経済の運営を回顧いたしまして、確かに過剰流動性を生み出す要因を数々持っておりましたし、それを事前にチェックすることを怠っておったという点につきましては反省をいたしております。
○橋本敦君 そこで福田経企庁長官にお伺いをいたしたいのですが、四十八年度予算の執行がいわゆる大型積極予算であったにかかわらず、いま言った現状に終わり、かつ流動対策も誤ったという反省があるんですが、四十八年二月には経済社会基本計画に関する件が閣議で決定をされまして、これが昭和四十二年から始まりまして五十二年まで一応の見通しをもって立てられている。当然五十二年ということまでこのままでいくべきはずのものであった。これがもうすでにやれなくなって、経済審議会は昭和五十年代前期経済計画概案を最近決めた、こういうように大きな変化が政府自身の手によって手直し的に行われているわけですが、このような計画の変更、これは主としてどのような理由によってどのように変更しようとするものであるのか、長官の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十八年まではいわゆる高度成長が続けられてきたわけであります。ところが四十八年の十一月に石油ショックが起こってきております。そこで様相を一変いたしまして、高度成長を支えてきた条件、これが喪失をすると、こういうことになった。一番大きな原因は石油でございます。石油ばかりでなくて、あらゆる資源にそういう同様の影響があるんですが、端的にあらわれたのは石油である。そこでこの石油、いままでは金さえ出せば豊富低廉に石油の――原油と言った方が正しいですね、原油の入手ができたわけです。石油ショックを境といたしまして、石油の供給を受けることがこれはそう安定していない、また供給を受けるにいたしましても、価格の面で相当産油国から要望を聞かなきゃならぬと、こういうような事態になり、豊富低廉な石油が支えてきた高度成長というものを反省しなきゃならぬ、そういう時期に来たわけであります。
 しかし四十八年十一月の石油ショックは余りに深刻でありまして、これの傷跡をいやすそれがなかなか容易じゃない。大体、当時私は三カ年の日子を要するであろうと言っておったわけですが、ちょうど本年が三年目、そして第三年度を迎えるわけです。そこで三年たった。そこで、この傷跡も大体いえそうだ、そういう時期に来ましたので、昭和五十一年度を初年度として、これから先の経済の長期展望をしてみたい。そうなりますと、新しいこの展望というものはもう根本的に経済社会基本計画と違ってくるんです。
 それは、一つは成長の高さの問題です。経済社会基本計画におきましては実質九・四%という成長を考えておった。ところが、それはとても実現できない。またそれを実現していくということは適当でもない。まあ資源の問題もありますが、同時に国内的に九・四%成長なんて言えば、十カ年で日本の経済規模が二倍半にもなる。それを許す立地条件が整い得られるかという立地条件上の制約があります。それから今日すでに公害という問題でこれほど国民が心配し出しておる、その公害問題の制約というものもあるわけであります。まあその他物価から見ましてもあるいは国際収支というような観点から見ましてもかなり低目の成長ということを考えなければいかぬと思うんです。
 そこで新しい概案におきましては六%強、こういう成長を考えることにいたしたんです。まず第一にその速度の点が違ってくる。それからもう一つは、そういう減速経済ですね、減速経済を運営していく政策の中身を変えていかなければならぬ。いままでは高度成長でありまするから毎年毎年成長するその成長の成果、果実ですね、それを次の成長、大きな部分を産業投資に充当したわけです。しかし、これからは低い成長でもある、そういう時代になりますので、成長の成果ですね、これの大きな部分を国民の生活関連諸施設の整備に振り向けていく、こういう考え方をとるわけです。したがって社会保障、いわゆる振替所得ですね、これの比率が向上をするということになり、また国家諸投資の中で生活関連への充当、これがふえてくる。それから石油ショックの影響等もあり、多額の公債をこの石油ショックの治療期間中、また予後対策といたしまして発行しなきゃならぬ。これはしかし、そういう多額の公債発行という状態を続けていくということも妥当ではない。そこで国民の租税負担率、これについて、若干これを増加していく必要があるんじゃないか、そういうようなことも出てくるわけです。
 それから物価につきましては消費者物価ですね、これはいままでの基本計画におきましてはかなり低目の、四%程度の上昇ということを考えておりましたが、この新計画におきましては、これは国際社会が非常に不安定なんです。つまり資源有限時代という、資源保有国がいついかなる出方をしてくるかもしらぬし、そういう資源保有国の立場が強くなるということになりますると、資源保有国がわれわれに供給する資源の値上げをしてくる、こういうことも心配になる。
 そういうことを考えまするときに、物価はいままでのような低い水準ではいくまい。そこで消費者物価につきましては旧計画、基本計画では四%強ということを考えておりましたが、まあ六%以内という程度に見ておかなけりゃならぬかな、こういうふうに思うのでありますが、これを要するに一言で言いますと、成長中心から生活中心へと、こういう動き方になると思うのです。そしてインフレのない成長政策ということで、そう高い低いという波のない経済運営をやってまいる、争ういう経済運営を考えますと、いままでのよう九景気調整手段だけでは足るまい。そこで景気を調整するための財政また税制、そういう上において相当工夫を要することになるんではあるまいか、そんなふうに考えております。
○橋本敦君 私が心配をするのは、いま長官が述べられたような方向で五十年代前期経済計画案がそのとおりいくかどうかということについて、これは幾つかの重要な問題を含んでいるだろう。現に四十八年二月の基本計画が挫折をしたわけですからね。
 そこで、これからの財政運営の責任がいまおっしゃったような方向で重要になってくるわけですが、その前提として一つお伺いをしたいのは、大蔵大臣にお伺いをするわけですが、先ほどおっしゃった過剰流動性対策がおくれたとはいっても、当時、会社臨時特別税あるいは大口金融の規制、こういったことがとられてきた。ところがこの会社臨時特別税、この法律がことしの三月で廃止をされるということになっていると思いますが、まず第一点、この点はそのとおりか。第二点として、大商社、大企業に対する大口融資の規制は大蔵省としては当面の景気対策上この規制も取り払うという方向が出ているというように新聞報道等で聞いておりますが、そのとおり間違いないのか、この二点について大蔵大臣の御答弁を得たいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 会社臨時特別税でございますが、これは時限立法でございまして、特別な措置をとらぬ限り期限が参りますならばエキスパイアすることになると思います。政府として特別の措置をとるつもりはございません。
 それから第二でございますが、大口規制の枠組みを取りやめるつもりはないわけでございます。ただ、この実行に当たりまして特に問題のあるケースが出てまいりました場合、ケース・バイ・ケース、われわれとしては具体的に融資を受ける側の立場を考えて差し上げなければならぬ場合がないとは言えないと思うわけでございまして、その運用についてそういう弾力的な配慮を忘れないようにいたさなければならぬと考えております。
○橋本敦君 ですから明確ではありませんが、弾力的運用という名によって大口規制が緩められるという方向は出てくる。そしてまた先ほどの特別税法ば廃止をされて、特別の処置をとる政府の意向もない、こうなりますと、四十八年度状況に照らしてとられたいわゆる歯どめの枠組みというのがなくなっていくということが一つ考えられる。それからもう一つは、四十八年度当時と違って、すでに酒、たばこや郵便料金の値上げ、国鉄特別運賃の値上げといったように、政府自身が新価格体系への移行という名で公共料金の見直しを始めている。実際今度新しく出された計画概案によりましても、公共料金の抑制は前の基本計画ではできるだけ抑制するとなっていたのが、今度の計画案ではできるだけ抑制するという方向ではなくて、利用者負担という原則をやっぱり明確に打ち出してきておるし、現に報ぜられるところでも、今年度国鉄運賃、そしてまた授業料あるいは私鉄運賃その他もろもろの値上げラッシュが続いていく、こういう条件を考えますと、いま経企庁長官がおっしゃった物価を六%台にということですね、これは国民生活の安定上から物価問題は大変なことですから、本当にこれは確信を持って長官おやりになる見通しが果たしてあるかどうか私は心配をするわけです。現に基本計画で物価を四%台としたその計画はたちまち崩れて、あなた自身がおっしゃった物価狂乱という問題、四十七、八年度を平均すれば消費者物価は一〇%以上の上昇ですね。
 そこで経企庁長官にお伺いしたいのですが、あなたは国会においてしばしば一けた台に物価は本年度末までに抑えるとおっしゃった。それじゃそれを過ぎた後、物価を六%台に抑えるという具体的な年度目標、こういうものはあるのかどうか。物価についての長官のもう少し具体的な見通しを聞かしていただきたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま物価は非常に鎮静してまいっておりまして、十二月の時点では大体八%年間上昇率というところまできているんです。さて、その後その数字が出てから公共料金問題というのがあるわけです。酒、たばこ、郵便料金、これがまた若干物価を押し上げる。しかし、そういうことを考慮いたしましても、三月末は大体一けた台にとどまるであろう、こういう見通しでございます。
 それから、その後の物価は一体どういうふうな状態かというと、先ほど申し上げましたが、基本計画を策定いたしました豊富、低廉な資源がわが国に金さえ出せば供給される、そういう時期と違いまして、資源有限時代というか、資源保有国が資源有限の意識に立っての行動をとる、そういうようなことから、かなり資源の量あるいは価格の面で不安の多い時期になってくるわけです。そういう国際的要因を考えておかなけりゃならぬという問題が一つあるんです。
 それからもう一つは公共料金、この問題があります。公共料金につきましては、これは御承知のとおり、あの狂乱の後、諸物価はみんな暴騰した、ほとんど暴騰したわけです。それは原油の価格は四倍になった、それに調子を合わせるための調整が行われたわけなんです。ところが民間物資にもそういう傾向のあるものも若干ありますが、特に公共料金につきましては、物価対策上の見地から政府がその改定、値上げを抑制してきたものが多いんです。これを抑制しっ放しでおくということになりますると、企業の運営上あるいは国家の財政上大変なひずみが出てくる。そこでこれを抑えきりにしておくわけにいかないんです。これをどうしてもある時点になりますると調整をしなけりゃならぬ。その調整の時期にもういまや当面をいたしておるという認識でございます。しかし公共料金を一挙に調整する、値上げを行って経理の内容の改善をするといっても、それは無理でありますので、私は大体三カ年ぐらいの見当でこの調整をやりたいというふうに考えておるんです。つまり物価対策上の配慮であります。
 そこで五十年度では酒、たばこ、郵便料金、これを引き上げをする、それから五十一年度、五十二年度、両年度にわたって国鉄料金あるいは電信電話料金の改定を行う、こういうふうにし、物価への影響をなだらかなものにする。五十年度にはこれは酒、たばこ、郵便料金、その他いろいろ公共料金の引き上げがありまして、そして二・七%ぐらい公共料金が物価上昇の圧力になっているんです。それにもかかわらず、とにかく消費者物価は一けた台におさめ得ると、こういう見通しになっておるわけですが、五十一年度は公共料金の物価へのはね返り、これを二%程度に抑える、そういうことを見当といたしまして、国鉄の料金、それから電信電話料金、こういうものを決めるということになるわけでございます。
 そういうことで、この一、二年は公共料金のそういう改定時期に当たりますので、物価政策はなかなかやりにくい。やりにくうございまするけれども、しかし努力をいたしまして、そういう公共料金のなだらかな改定という形をとる。その他者物資の需給でありますとか、価格、そういうものにつきましてきめ細かな配慮を、指導をする。そういうことで五十一年度という年、この年の年間の上昇率は八%程度にこれをとどめたい、こういうふうに考えておるわけなんです。その後はだんだんだんだんと増加率を逓減いたしまして、計画期間中に六%以下にこれを持っていく、そういうことで政策をいろいろやろうと、こういう考えでございますが、これは必ずしも欲張った見通しじゃございません。これは必ず私は実現できると、そういうふうに考えております。
○橋本敦君 いまの長官のお話によっても、当面今日程度あるいはそれ以上かもしれませんが、五十一年、五十二年は物価上昇が続くということが、一応長官の見通しによっても立てられておる。私が指摘したのは、今度の計画案ということの内容を見ますと、前の基本計画よりも歯どめがなくなっているということが多いということに加えまして、五十一年度のこの予算の執行段階から膨大な赤字国債の発行、それからさらに景気てこ入れが大幅に公共事業を中心にやられるという五十一年度予算の性格からして、物価安定ということよりも、景気のてこ入れを主として政府が主体的に行おうとしていることから、またまた大企業中心の過剰流動性が生じるという問題が起こる、そういうことも心配をしながらお話をお伺いしているわけです。
 いずれにしましても、私はこの基本計画が前の失敗のわだちを踏まないで実施できるように政府の厳重な責任を要求しておきたいと思うんですが、これに関連して初年度である五十一年度予算、これについて若干の質問に入っていきたいと思うわけです。ここで長官の方は結構でございますので、御退席いただいても結構でございます。ありがとうございました。
 そこで大蔵大臣に五十一年度予算に関連をしてお伺いをしたいと思うんですが、物価は依然として八%より下らないといういまの長官の見通しもあって、大変不安な状況が続くわけですが、五十一年度予算の編成に関して私は一つ問題にしたいのは、これほど予算の編成について公然と財界が政府並びに自民党首脳部、閣僚に対して要求を出したという年度は珍しいのではないかと思うぐらいに多いわけです。たとえば予算編成が始まろうとする十一月下旬には、東西の財界が集まって景気対策についての意見をまとめる。そしてまた十二月に入りますと、今度は土光会長を初めとして経団連が政府自民党に対して第五次不況対策、これを強力に要請をする。そして河本通産相あるいは三木総理、いろいろな形で接触があるわけですが、大平大蔵大臣自身も、十二月五日には土光会長と会って、予算編成について議論をしておられる。こういう中で、十二月十二日に経団連ほか全国の経済団体が集まりまして、経済政策運営に関する緊急意見というものをまとめて出してくるわけですが、この財界の緊急意見、これが五十一年度予算に大幅に盛り込まれたという印象を私は受けておりますが、そういう点について、この緊急意見を取り入れたということは私は事実だと思うんですが、この財界の要望と五十一年度予算編成との関係、大平大蔵大臣いかがですか。財界の要望がほとんど取り入れられたと見てよろしいのじゃありませんか。
○国務大臣(大平正芳君) 仰せのように、いわゆる財界方面におきまして、長期化いたしました不況から早く脱出の道を考えてもらいたい。そのために財政政策、金融政策両面にわたりまして積極策が望ましいということは、すでにつとに主張されておりましたし、私も承知いたしておったわけでございます。
 今度の予算は確かに不況克服、経済回復のために、そういう目標も一つに、その編成の目標に掲げた予算でございますので、経済界の要望とわれわれの予算編成の方針がそういう点で合致いたしておりましたことは事実でございますし、それは決して私は悪いことではないと思うのであります。
○橋本敦君 いま大臣も認められましたように、財界の要求というのは基本的に入れられて、一致しておる。たとえば一般会計の規模にしても、財界は一五%増を要求している。大蔵原案よりも決まった予算で見ますと、これが一四・一%前年比で伸びている、大体近づいている。特に公共事業関係費についての財界の要望というのは、これは当初予算比三七%ぐらいふやせという要求が緊急意見で出されていますが、これが後で問題にします公共事業予備費等、これを含めて予算では二六・四%という大幅な伸びになっておる。さらに緊急意見では、この不況対策とも言うべき公共事業費等を含めまして、経済情勢によって予算の機動的、弾力的運用、これを処置せよというような要求がありますが、これがまさにいわゆる公共事業等予備費という形で出ている。さらにそれだけではありませんが、貿易の拡大ということで輸銀の枠の拡大等、こういう問題になりますと、なんとこの伸び率は五千八百六十億円、輸出金融八〇・九%の大幅増という、こういうことになってくる。そしてまた、この財界の緊急意見の中で、この際、赤字国際の発行をちゅうちょせずにやれということが書いているわけです。御存じのとおり、これも大幅に赤字国債発行に踏み切っている。
 こう考えてみますと、国民要求、国民要望、つまり国民本意の不況打開や物価対策というよりも、まさに財界主導型の予算が今度、五十一年度編成された特徴だというように私どもは見ざるを得ない、こういうことになってくるわけです。しかも公共事業費の内容を見ますと、新幹線網あるいは本州−四国の架橋あるいは道路整備、ここへ大きく集中をしている、こういうかっこうになっております。
 一方、国民生活基盤という点で、一つは住宅問題を取り上げてみましょう。住宅問題を取り上げてみますと、公団住宅の住宅建設は約六万戸ということで、戸数において前年度と伸びないと、こういう現象になっている。これは私は五十一年度予算そのものが財界の第五次不況対策、財界と政府とのこのしばしば行われた関係を通じて生み出されてきたものと言わざるを得ないと思うのです。そこで住宅問題について一言、住宅公団からお越しいただいておりますので伺いたいのですが、最近公団住宅の競争率がどんどん低下している、その原因が高い家賃にあるというように伺っておりますが、公団の理事としてはその点どう把握しておられますか。
○参考人(川口京村君) 確かに最近の新しい団地につきましては応募率が少し下がっております。その主たる原因は両方ございまして、一つは、わりあいと交通不便なところが特に団地の方は多いわけでございます。それから家賃が従来から比べて相当高額になっておると、この二つの原因であろうと、そういうふうに判断しております。
○橋本敦君 場所が不便だということだけでカバーできない家賃の高騰があるというふうにごらんになりませんか。たとえば公団から私がいただいた王子五丁目団地の応募状況、これは交通が大変便利ですね。それからさらに池袋から二十分ほどの朝霞浜崎、これも便利です。ここのところで見ますと、二DKの競争率、倍率はわずか二・九倍、そして王子五丁目は二・一倍ですね。私は倍率が減ってたくさんの方がお入りになれるならよろしいが、三百万戸ぐらい足らないだろうと言われる国民の住宅要求、その中でこれだけ便利なところでも倍率が減るのは、やっぱり高家賃という問題が、今日の物価高騰、国民生活危機の中で国民にはこたえている象徴ではないか。だから最大の主たる原因は公団家賃の大幅な高騰、これが原因だというように私は見るんですが、そうではありませんでしょうか。
○参考人(川口京村君) これは評価の問題でございますけれども、たとえばいま話題になりました朝霞浜崎団地あるいは王子五丁目については、ちょっと現在、過去の同じような団地の資料ございませんが、もちろん家賃が安ければもっと倍率が多くなると、これは言えると思うんです。ただ現在の募集しました家賃におきまして、従来と比べてどれだけ落ちたか、これはなかなか言明できないんじゃないかと思います。ただほかの遠い団地、これより家賃は安いわけですけれども、これは遠いがゆえに現在若干空き家があるわけです。それでこういう二十三区内、東京で言えば二十三区内ですが、便利のいいところはこれはもうすぐ埋まってしまいます。ですから家賃がどの程度ということはなかなか数字ではあらわせないと思います。
○橋本敦君 その問題できょうは余り議論している時間がないんですが、要するに公団家賃が高いというのはこれはもう国民の声ですよ。いまも理事がこれが原因であることはおっしゃったとおり。ところでいままでの公団住宅建設を見てみますと、昭和四十年以後は御存じのとおり政府出資金が打ち切られている。そしてそれに比べて、民間借入資金がどんどんふえざるを得ない状況に公団は置かれている。私が資料で調べてみますと、昭和四十年、打ち切られた年に民間借入資金が七百六十五億円であったものが、四十九年には三倍の二千百八億円になっておる。これほどふえますと利子負担ということが大変な問題になってきて、家賃にも当然はね返っていくという関係になる。
 そこで、いま政府はこのような公団家賃の問題に関連するものですから、民間利子負担を五%以上の利子については、これは政府の方で利子補給をするという制度をとっておりますが、仮にこの五%以上の利子補給を四%以上に政府が利子補給を見てくれたら、家賃はどのくらい下がると推定されますか。
○参考人(川口京村君) 五十一年度に管理を予定されております賃貸住宅については約九千円と、そういうふうに計算されております。
○橋本敦君 大蔵大臣、お聞きのように、政府が利子補給を一%切り下げただけで約一万円から家賃が低くなってくるんですよね。大変ですよ、一万円って。しかもこれに引き充てるべき金はどれくらいかかるかと言えば、数億から十億程度だろうと私は見るんです。ところが、こういうことが実際に五十一年度予算で、公団は概算要求として利子補給金の率の問題で要求をしておりますが、大蔵省としては五十一年度莫大な公共事業費を組む中で、この公団の家賃を下げるためにいま私が言った四%ぐらいに下げるという、こういう方針は大蔵省としてとれますか、とれませんか。大臣いかがですか。簡単に結論だけで結構です。
○政府委員(田中敬君) 五十一年度予算でとりました措置は、一般高層あるいは中層の団地家賃につきましては従来どおり五%の利子率で計算いたすことにいたしておりますけれども、いわゆる面開発と申しまして、非常に都心部に近い、かつ高層な高額の家賃高になる住宅につきましては、これを新たに四・五%ということに引き下げることにいたしております。
○橋本敦君 ということで、大蔵省がとる措置はごくわずかでしかない。ところが予算を見ますと一千五百億もの公共事業等予備費というものが計上されている。こういうことで、住宅建設を一つ私は例にとりましたが、国民生活基盤ということから考えて、この公共事業費のあり方ということは私は大問題だと思っている。
 そこで大蔵大臣にお伺いしたいのですが、この公共事業等予備費というのは一体どういうことに使うということで今度組んだということなのか。そしてこれがいわゆる追加予算という形を通常ならとるべきであるのに、これをとらないで、このような形でとるということについては、憲法やあるいは財政法の規定からして問題がある。あるいは国会の審議をないがしろにして、国費の支出を政府に白紙委任するものだというさまざまな問題がある。これについて大蔵大臣のお考えはどうなんですか。
○国務大臣(大平正芳君) これはけさほどの御議論にもございましたけれども、政府といたしましては、せっかくの予算でございまして、年間を通じましてこの予算で切り盛りをしていきたいと考えておるわけでございます。すなわち総合予算主義を貫きたいと考えております。したがってそのためには、今後この年度中の経済状態の推移に対し弾力的に対応できるだけの構えを持った予算でなければならぬわけでございます。そこで、そのためには相当巨額の予備費を計上さしていただくということも一つの方法かと思いますけれども、それは確かに財政民主主義から言って問題が多かろうと思いまして、使途を特定いたしました予備費の計上ということにいたしたわけでございます。そしてこれは今後の経済状況の推移に応じて、必要あれば出動できるような体制をとらしていただくということでございまして、まだ執行いたすかいたさないか、今後の経済情勢の推移に待ちたいと考えておるわけでございます。
○橋本敦君 この問題は法的な立場からも十分議論しなきゃならない重要な問題ですが、たとえば大蔵省が「昭和財政史」ということでこういう分厚い本を出しております。大蔵省自身の本です。この中で戦前の予備費については大蔵省自身が非常に深く反省をしておる。どういう点を反省をしているかといいますと、これを読めばわかりますけれども、要するに戦前においては戦争体制に即応する軍事費の拡大ということに向けて能率的な行政運営ということを目指してこの予備費という問題がどんどん活用されていった。そういう点は、いわゆる予備費ということについて、戦前のこのような経験から見て十分反省をする必要があるということが、戦前の軍事国家体制移行に伴う財政措置としてとられた問題の反省が出ているわけですね。いまは軍事体制ということに直結はいたしませんという言い方があるかもしれませんが、要するに国家の政策的な目的、今日の時点で言うならば、大企業中心の公共事業を起こして財界要求の不況対策をやっていくということの中でこのような予備費が政府のいわゆる白紙委任状況で運用されていくということについては、すでに大蔵省が戦前の問題で反省をしていったそのことをもっと反省しなければならぬのじゃないか。
 とりわけ予備費ということの要件は、御存じのように、憲法から言えば予測しがたい支出を必要とした場合です、災害等。もう一つは追加予算というような形でこれを国会の審議を求めるいとまがない場合。憲法の規定から言うならば私は法律的にはこの二つの要件によって厳しく制約されている、こう考えるべきだと思うのです。いま大臣が財政民主主義の点からして問題がないわけじゃないとおっしゃったのは、法律的に言えばこういう問題だろうと思う。だからしたがって、このような形でこのような予備費を組むということについては、もっともっと憲法と財政法並びに戦前の反省、こういった点から見て慎重な配慮が要求されると思うのですが、この点について慎重に見直す、検討し直すというお考えは大臣にはありませんか。
○国務大臣(大平正芳君) 端的にお答えいたしますと、公共事業費の中に端的に計上してしまうという考え方もあり得ると思うのでございます。しかし、それは財源の、資源の配分から申しまして、そこまで踏み切るのもいかがかと考えたわけでございます。
 また一方、予備費を端的にふやしておくということにつきましては、財政民主主義の上から問題があるということでございますので、今後御審議いただくような形で使途を特定した予備費で御審議をいただこうということにいたしたわけでございます。いま橋本さんが御指摘になりましたような点、十分政府としても考え抜いたあげくこういう提案をいたそうといたしておるわけでございますので、政府の苦心のあるところも御理解をいただきたいと思います。
○橋本敦君 いかに御苦心をなさっても、私は憲法、財政法の観点から見て正しくないものは正しくないということでやらなきゃならぬと思うのですが、まあこの問題については、きょうこの場だけの議論で終わるわけでなく、予算委員会でも当然大きな問題になると思いますので、政府の慎重な配慮を望んでおきたいと思うのです。
 そこで、もう時間があと二、三分しかなくなって、私はきょうは会計検査院、建設省にお越しいただいて多目的ダムの問題について伺う予定で一たが、ちょっと伺えない時間状況になりました。で、最後に、したがって二、三点だけ大臣に伺ってやめざるを得ませんが、会計検査院が四十九年の十二月十一日に検査報告を出しまして、この中で、多くの新聞も報道しましたように、いわゆる国費のむだ遣いという問題を指摘をしました。この国費のむだ遣いの問題は、会計検査院の指摘を総合してみますと、不当事項等含めてやっと十五億円、そしてまた予算の浪費、これが指摘をされました分を含めまして百三十億円、要するに、百億円という莫大な国費のむだ遣いもしくはそれに類するものが会計検査院報告として出されているわけです。
 私は会計検査院が少ない人員体制で御検討なさった労を多とするものですが、いまこれだけ財政落ち込み、財政危機、これがこれだけ問題になっているときに、これだけの会計検査院の指摘がけでも百億円前後のいわゆる国家財政のむだ遣いが指摘されているという問題はきわめて重大だと思うのですが、この指摘を大蔵大臣はどう受けとめておられるか、まずこれを伺いたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 国費の、予算の執行面で会計検査院から御指摘のような指摘を受けておりますこと、大変不名誉なことでございます。私どもといたしましては、厳正な執行を通じましてこのようなことの改善に一層努力しなければならぬと考えております。
○橋本敦君 それでは、この点について時間がありませんので、さらに機会を得まして会計検査院並びに建設省等を含めて多目的ダム問題を中心に国費のむだ遣い問題をいずれ質問さしていただきます。さらに田中金脈の問題については三木総理と大平大蔵大臣の重要な意見の食い違いという問題、私はこの点の質問も留保して、総理の出席を要求した上でさらに質問をするということを留保いたしまして、きょうの質問は終わります。
○田渕哲也君 前に質問された委員の方と若干ダブる面もございますが、できるだけ簡潔に質問をさしていただきたいと思います。
 まず第一に、この田中金脈の問題でありますけれども、これは当決算委員会におきまして、四十七年度の決算の審議の中でも提起された問題でございます。しかしながら、いまだにこの問題が完全に解明されておりませんので、この四十八年度の決算の審議に当たりましても引き続いて当委員会でこの審議を行うと、これは理事会で決定しておるわけでございます。この田中金脈についてすでに各委員からも質問がありましたけれども、このたび、この会計検査院の検査の結果、田中氏に対する追徴の税金が取られた、なお五百二十一万円の徴収不足があったと、こういうことがわかったわけであります。もともと田中さんの税金というのはきわめて過少であった、それが国税当局の調査によりまして何千万か何億円かわかりませんけれども追徴された、さらにその調査というものにミスがあったということが指摘されておるわけであります。私はこれはきわめて重大な問題だと思うんです。五百二十一万円と言えば田中さんにとってはわずかな金額かもしれませんけれども、一般の人間にとっては大金であります。一財産に相当する金額である。これだけの税金がなおかつ取り損なっておる、ちょっとわれわれは理解に苦しむわけでありますけれども、これについて大蔵大臣はどう考えておられるのか、また税務当局はどういう意見を持っておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府委員(横井正美君) お答え申し上げます。
 田中角榮氏の資産問題に関します見直し調査につきましては、昨年五月七日当委員会で大臣並びに国税庁より御説明申し上げたとおりでございます。それにつきまして、その後会計検査院から四月下旬及び五月中旬におきまして検査がございまして、三件、約五百万円の指摘を受けまして、私ども処理をいたしたわけでございます。しかしながら、これはいわゆる田中角榮氏の資産問題に関連を有するというものではございませんで、それ以外のところで技術的な計算の誤りがあったわけでございまして、この指摘に従いまして所要の是正措置を講じたと、こういうものでございます。
○田渕哲也君 そうすると、この三件、五百二十一万円という金額はこれぐらいのミスは当然起こり得るものであって仕方がない、そういうものなんですか。
○政府委員(横井正美君) 当然起こり得るものというふうに申しますのは若干問題でございますが、非常に多数の職員で処理いたしました関係でそのような計算の誤りがあったということで、遺憾に存じておるわけでございます。
○田渕哲也君 私はきわめて多数の職員、しかもこれは専門家であります。専門家が全部調べてなおかつ会計検査院から指摘されるようなものがある、しかも五百万円にも上るものがある、このこと自体きわめて私は不可解に思うわけですね。これはぼくは税務当局ができる限りやはり解釈のでき得る範囲において税金を少なくしようとされたのではないか、こう勘ぐらざるを得ないのであります。税金というものはこんないいかげんなものなのでしょうか。技術的に五百万ぐらいのミスは出てくるものなのか。しかもその専門家が二十数名もかかられてなおかつそれだけ幅があるものか。そうすると国民は税務当局に対する公正さというものが信じられなくなると思うんです。この点はいかがでしょうか。
○政府委員(横井正美君) 調査はきわめて厳正に行ったと確信を持っておるわけでございます。で、指摘を受けましたのは田中角榮氏の資産問題に関連する分野ではございません。関係の取引先、法人等につきまして少額の技術的な計算が誤りがあったということでございます。遺憾ではございますけれども、やむを得なかったというふうに存じております。
○田渕哲也君 私は特にこの田中さんの問題については、国民の疑惑の目が向けられておるだけに、やはり念には念を入れて厳正を期すべきだったと思います。そういう点、今回のようなことがあったのはきわめて遺憾に思うわけであります。
 私は大臣にお伺いしたいと思いますけれども、これで一応この税務上の問題は田中さんに関する限りはけりがついた、このように判断していいわけですか。
○国務大臣(大平正芳君) さよう心得ています。
○田渕哲也君 私はやはり田中さんの問題は、この税務上の問題もあります。それから法律に触れる刑事上の問題というものもあろうかと思います。これも先日の新星企業の裁判で判決が出た。一応一段落したような感じでありますけれども、しかし田中さんに対するこの金脈問題が問題提起されたのは国会であります。国会のこの決算委員会の席上で問題が提起された。私は国会が田中さんの問題をなぜ取り上げたかというと、これは一私人であるならばこれほど国会で取り上げるべき問題ではなかったかもわかりません。国会というのは、私は単にこの税務上の問題が解決されたからそれでいい、法律上の問題が解決されたからそれでいいというものではないと思うんです。しかもこの税務上の問題にしても、あるいはこの検察上の問題にしても、私は行政府のとられた措置を信用するわけにまいりません。なぜならこれは守秘義務で何にもわからないわけですから。秘密にしておいて信用しろと言われてもそれは無理であります。それでもこれは仕方がないのだと言われればそれまでですけれども、少なくとも国会、民主主義のこの三権分立の中で立法府の国会、行政府の政府、さらに裁判の司法、この三権分立があるわけですけれども、その中でも国権の最高機関と言われる国会の場でこの問題は提起された。これに対して大蔵大臣は行政上公正な措置をとっておるからいいんだと言われるかもしれませんけれども、しかしそれが国会に対して内容が明らかにされない以上は、私はこの三権分立の中の一つの機関である国会における問題は何ら解決していない、このように解釈をしておるわけですけれども、これに対する大臣のお考えはいかがですか。
○国務大臣(大平正芳君) 私は田渕さんと少し見解を異にするんです。私どもたびたび申し上げておりますように、この問題の取り上げ方は、税金の問題にいたしましても国有財産の問題にいたしましても、田中さんが総理大臣でございますから取り上げておるんではないんです。田中さん、田中角榮という日本人、一人の日本人の問題として取り上げておるわけでございまして、同じことが別な名前を持った人が行われたとしても同じような扱いをするであろうというようにするのが民主国家として、民主政府として当然の責任じゃないかと思うのであります。またそうしないと私は世間は国税庁ないし政府を信頼してくれないと思うのです。総理大臣だから厳しくやる、甘くやる、そうでないからどうするというようなことが政府のやり口であれば、それは私は世間は承知しないだろうと思うんです。その点は私ども非常に厳正に考えておるつもりでございます。しかしながら、あなたがおっしゃるように、田中さんはたまたま総理大臣であられたわけでございます。またこの問題が国会で取り上げられたことも私承知いたしております。したがって、この問題は国会がそういう政治姿勢の問題としてお取り上げになって御検討になることは、これは当然私は国会がおやりになってしかるべきことであろうと存念いたしまして、国会の御要請に応じましては、行政府が許された範囲内においてできるだけ御協力はしなければならぬと考えておるわけでございます。その点は誤解のないようにひとつ御理解をいただいておきたいと思います。
○田渕哲也君 私は行政府として、総理大臣であろうが一国民であろうが平等に取り扱われるというのは、これ当然だと思うのです。だから税務上の問題とか、あるいは検察関係の問題とか、これは総理大臣だからというので差別をすることは許されない。ところが国会での取り上げる問題というのは私は若干違うと思うのですね。ここは単にこの税金の問題や刑事上の問題だけでなくて政治責任というものが追及できると思うんです。いままで大臣の言動によって大臣が辞職された例も非常に多いわけですけれども、これは別に税金をごまかされたわけでもない、あるいは法律に触れる行動をされたわけではない。政治責任をとられて大臣を辞職された例がきわめて多いわけです。
 そういう意味で、私は田中さんは前に総理大臣であった、現在も自民党の最大の派閥の長である。したがって総理大臣を決める場合に、総裁を決める場合にきわめて大きな力を行使し得る人である、まかり間違えばみずから総理大臣に復帰し得る可能性と能力を持った人である。だから私は国会でわざわざこの問題を取り上げておると思うのですね。ところがこの税務上の問題はおれたちで解決したんだと、法律関係の問題も裁判所でけりがついたから、田中金脈問題はこれで解明されたという解釈は私はとれないのではないか。これは行政の一部門の長としての大臣ではなくて、政治家であり国会議員としての大平さんにお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(大平正芳君) それは田渕さんが問題にしてはならぬなんて私言っているんじゃないんですよ。あなたはそれを問題にされておるわけでございますから、それは田渕さんのお立場でやられることでございまして、私がとやかく言うべき性質のものではございません。ただ行政府といたしまして、これ以上やりようがないわけなんでございます。またこれ以上、これ以外のやり方をやっちゃいかぬと私は考えておるだけのことを申し上げておるわけでございます。政治倫理の問題、政治姿勢の問題は、これは田中さんという政治家個人の問題でございまして、私がとやかく言うべき問題じゃございません。
○田渕哲也君 先ほどの共産党の橋本さんに対する答弁の中で、田中さん個人がここに出て解明することは賛成しないと、それは民主主義の原則からして好ましくないということを言われましたけれども、ぼくはそれはちょっとおかしいのではないかという気がするわけです。その問題に関連しておりますからこういう質問をしておるわけで……
○国務大臣(大平正芳君) いや、そういうことを言ったんじゃないんですよ。そういうことは言うてません。田中さんの問題です。
○田渕哲也君 大蔵大臣としてでなくて、たとえば自民党の一幹部として田中さんにここに出て解明しろと言われることは私は決して民主主義にもとらないと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(大平正芳君) 田中さんは政府の首班にもなられるような偉い方でございますから、私がとやかく言わなくても、自分の政治的な姿勢についてどうやられるかということについては御自身で判断されると思うのでございまして、私ごとき者が慫慂するのを待たれるような方ではないと思います。
○田渕哲也君 金脈の問題はこれはいつまでたってもなかなかけりがつかないと思いますので、一応打ち切ります。
 この昭和四十九年度予算の決算報告が昨年の十二月に会計検査院から発表されました。不当事項金額だけでも十六億五千九百万円、処置要求事項金額では約百三十億円に達しておると言われております。この点は先ほども質問があったとおりでありますけれども、毎年の決算検査報告を見ますと、昭和四十五年は十二億七千万、四十六年は十五億五千万、四十七年は十四億四千万、四十八年は十三億九千万、そして四十九年度は十六億六千万と、このように毎年多額の不当事項を発生させております。さらに処置要求事項というものが、これは非常に多額の百三十億円、これは推定であります。
 その一つとして例を申しますと、国鉄のむだ遣いの場合は、車両改良部品など特殊資材が五十一億円近くも使用されないまま放置されている、こういう指摘があります。さらに防衛庁についても、オシロスコープの修理をするより新品を買った方が価格も安い、性能もすぐれている。それにかかわらず古い型のオシロスコープを修理させておる、こういう事実も指摘されておるわけであります。もちろん、こういう場合はこの予算の執行に問題があるという場合も非常に多いわけですけれども、私はその中にこの予算の査定の段階で問題が生じておることがあるのではなかろうか、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(田中敬君) 会計検査院から指摘されました事項は、先生御説のとおり、確かに執行の問題でございます。執行に当たりましては予算の編成段階と同時に、私どもも適法にかつ効率的に予算の執行をすべく、予算執行総括大臣としての大蔵省として関係各省庁に常に注意を促しておるところでございますが、御説の予算の査定が甘かったのではないか、あるいは査定に問題があるのではないかという点につきましては、たとえば防衛庁の修理費というようなものにつきましてはこのような考えで査定をいたしております。何十万点に及ぶたとえば通信機材でございますとか、あるいは航空機、艦船等がございますが、これらの耐用命数あるいは定期修理あるいは日常の修理費がどれくらいかかるかという経験律がございます。あるいはまた修理費の算定に当たりましては、当年度におきます修理費の原価要素を占めます資材費の値上がり、あるいは加工賃、人件費の値上がり等を算出いたしまして、おおむねマクロでこれを計算いたして予算を計上しているわけでございまして、御指摘のようなオシロスコープ一つについて幾らの修理費というようなものは、特殊の機材でない限りはいたしておりません。そういう意味では、オシロスコープの問題につきましては、確かに新品の購入の方が安かったという御指摘でございますけれども、これが直ちに予算の査定が甘かったということには私どもは通じない。査定につきましては十分厳正にいたしておるつもりでございます。
○田渕哲也君 私は一つ提案をしたいのでありますけれども、会計検査院はこの毎年の決算検査を通じて、この予算の効率的使用に関する膨大な情報と資料を持っておると思います。したがってこの事後的な検査だけではなくて、予算編成の段階で、会計検査院も各省庁の要求に対して意見を具申できるようにする必要があるのではないか。こうすれば会計検査院の事後のいろいろなチェックの結果がやはり予算編成の場合に生かされるのではないか。ただいま予算編成査定のときには問題がないというふうな御答弁でしたけれども、私は必ずしもすべてそうではないのではないかと思うんです。
 したがって、このような制度はとれないだろうか。もともとこの日本の会計検査院の制度はドイツの制度にならったものだというふうに言われておるわけですけれども、この西ドイツでは個別予算の所轄官庁は予算の見積もりを連邦会計検査院に対して送付する義務がある、それから会計検査院はそれについて見解を表明することができるようになっておるようであります。日本の場合もこういう制度を取り入れたらどうか。会計検査院でも千名を超える職員がいていろいろやっておるわけでありますから、もう少し予算編成にこれを有効に生かす方法はないか。この点について御意貝をお伺いしたいと思います。
○政府委員(田中敬君) 田渕委員御指摘のように、ドイツの国家基本法におきましては、会計検査のあり方あるいは会計検査院の勧告等の規定がございます。わが国の予算編成に当たりまして会計検査院との関係ということにつきましては、従来からもしばしば当院、あるいは決算委員会におきまして御指摘をいただいておりますところでございまして、大蔵省と会計検査院との間におきましては、現在のところ検査院、大蔵省主計局との連絡会議運営要綱というものをもちまして、検査院と大蔵主計局の連絡会議というものを開いております。その大要は、毎年二月ないし三月、予算の執行の段階に入ります前に、大蔵省側から検査院に対しまして本年度の予算というものの大綱、編成方針、あるいは中身はこういうふうになっておりますという事前の連絡を申し上げまして検査の際の御参考に供する、それから検査院におかれましては、大体年の上期、四月から七、八月まで実地検査をなさるわけでございますが、この実地検査が終わりました段階、かつ大蔵省が各省からの概算要求をいただいて予算の査定をいたします前段階の八月ないし九月初旬におきまして、検査院の方から実地検査の結果こういう問題があったという御指摘をいただきまして、その御意見を参考に予算の査定をいたしているわけでございます。そういうふうな形で法制的には整備されておりませんが、検査院と主計当局との間の連絡というものは私なりに十分密にやらしていただいていると考えております。
○田渕哲也君 次に、ことしの予算の問題で若干お尋ねをしたい問題があるわけですけれども、一つは国債発行の問題で、大蔵省が中期国債の発行という構想を出されましたけれども、金融界の反対でこれが日の目を見そうにない、こういう報道もされておるわけですが、この見通しはいかがですか。
○政府委員(松川道哉君) ただいまの御質問でございますが、ごく簡単にこの思想が出てきた背景を御説明さしていただかないと十分な御理解をいただけないのではないかと思いますので、お時間の関係もございましょうからはしょって申し上げます。
 これは国債が大量に出るようになりますと、これが経済に与える影響、すなわちインフレが起こるか起こらぬかとか、そういうことが非常に重要な問題になってまいります。そういたしますと、これをどのようにして消化するか、すなわち結論的に言えば円滑な市中消化がどうすればよけいできるかということが問題になるわけでございます。その場合に、わが国の金融市場、債券市場、そういったものは諸外国と若干異なった面がございまして、中間省略いたしますが、結論的に言えば、直接個人に売るというのはどうしても外国のようにはまいらない。たとえば郵便貯金の制度があるとか、あるいは間接的な金融資産の持ち方が多いとか、いろんな事情がありますが、結論的に申せばそういうことでなかなか個人がふえないという事情がございます。
 しかし、その中におきましても、大量に国債を出す時代だからというので、具体的に申しますれば、本年度の四月、五月においては月間百五十億円を証券会社が消化したにすぎませんが、その後大いにその努力をいたしまして、十二月には三百四十億、一月にはまだ計数が固まっておりませんが、三百二十億ぐらいだろうと思います。このように、十ヵ月ぐらいの間に約倍のものを個人消化するようにやってきた。しかしながら、その全体に占める比率は、国債の発行総額のふえ方が早いもんですから、どうしても割合が落ちてくる。そういうことであれば、何とかここで新しいアイデアを出して個人消化ないしシ団外の消化、こういったものがふやせないかということで検討いたしておりまして、私どもがシ団に御相談申し上げた思想が、ただいま御指摘のございました中期の国債で、しかも割引の方法で発行するというものでございます。
 ただ御案内のとおり、十一月から十二月にかけまして、私ども例の財政特例法の御審議をいただいておりましたり、また五十一年度予算の編成に取り組んでおったというような事情がございまして、その一段落した大みそかの日に、実はシ団の方々にお集まりいただいて、私どもはこういう考えを持っておるのだが御検討いただきたいということを正式に提示したわけでございます。そこで、これは予算書の参考資料の方でございますが、この印刷原稿をつくる関係がございまして、早く御返事をいただきたいということを申し上げておったのでございますが、なかなかこの問題につきましては、すぐ結論が出るようでない問題が若干含まれております。
 そこで本日、実は私がここへ参りました後でございますが、シ団を編成しております各種の金融機関、たとえば都市銀行であるとか相互銀行であるとか生命保険であるとか、そういったグループの一番の上の方であるまとめ役の、金融機関の一番の上の方である頭取の方々にお集まりいただきまして、現在の段階でどうかということをお尋ねしたのでございますが、シ団といたしましては引き継ぎ大蔵省から話のあった中期割引国債の構想をも含めまして個人消化の促進策について検討を行いたい、もう少し時間をかしてもらいたい、こういうことでございます。したがいまして、新聞に報道がございますように、あるいは断念したかとか、そういう表現が使われておりますが、これは予算に間に合うように進めたいということは私ども無理かなと、その意味で断念はいたしました。しかしながら、五十一年度のなるべく早い機会に、あるいはこの構想でなくてまたほかの構想になるかもしれませんが、個人消化を進めるような何かの構想、こういったものをぜひ取り入れたいという意欲は決して断念いたしておりません。したがいまして、検討の結果、途中から私どもが当初考えたようなものになるかもしれませんし、また別な形で何らかの方法が取り入れられるかもしれませんが、現在の段階はそういう状況でございます。
○田渕哲也君 金融界の反対の理由は、特にこの割引債券の売れ行きに影響する、競合するというようなことで反対が強いというふうに聞いているわけですけれども、国債の市中消化、特に個人消化の場合に私はきわめてこれは有効な手段ではないかと思うのです。そういう場合、金融界の利益だけを考えて大蔵省の方が引っ込むというのはちょっとこれ本末転倒のような気がしますが、いかがですか。
○政府委員(松川道哉君) 御案内のとおり、最近は個人もお金を持っておりますと、昔のようにたんす預金にしてしまっておくわけではございませんで、何らかの形で運用いたしております。あるいは銀行に行くものもあり、あるいは郵便局に行くものあり、保険あり云々ということで、何らかの形でこれを運用しておる。そこで新しい制度を取り入れますときにそのショックがある意味で金融機関全体に平等にいくようなものであれば、これはまた私どもとしてもぜひやってもらいたいと言って強行できるのでございますが、その影響がある程度限られた金融機関に特に強くいくと、その面で問題がございまして、金融秩序と申しますか、全体の金融市場の成り立ち、また金の流れ、そういったものに対する影響ももう少し全体が全体として受けとめ得るような方法がないかという御議論もございまして、これが時間的な余裕が欲しい理由の一つになっております。
○田渕哲也君 時間がなくなりましたので、最後に一点だけお伺いをしたいと思いますが、国債発行に当たって中期的な財政見通しを早く出せということをわれわれも要求してきましたけれども、最近の新聞を見ると、政府はこれを明らかにする意向だということが出ておりましたけれども、大体いつごろこれが明らかにされますか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(田中敬君) 大蔵大臣からも先ほどの国会におきまして特例法の御審議をいただきます段階で中期財政展望というようなものについて十分検討してみたいという御発言がございました。これを受けまして、ただいま財政当局、主計局あるいは主税局等を中心といたしまして目下作業を進めている段階でございまして、予算を国会に御提出いたし、予算の審議が本格的に御審議がいただける段階までには何らかのものを提示したいと考えております。
○田渕哲也君 終わります。
○野末陳平君 大蔵大臣、われわれが銀行に預ける普通預金の金利ですが、これは去年の十一月にそれまで年三%だったのが二・五%に引き下げられました。ところが銀行に勤めている人が自分の銀行に預ける、これは普通預金として預けますと、この利息は七・五%ということですね。いまのところ引き下げもないし、去年もことしも同じである、これは事実ですね、銀行局長。
○政府委員(田辺博通君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
○野末陳平君 そこでこの預金、一体これはどの程度の制限額があるのか、あるいはこれは各銀行が自主的にこういう措置をとっているのか、それとも全銀協のようなところの決定に基づいてやっているのか、その辺の補足的な、この従業員に対する預金の性格をもう少し説明してください。
○政府委員(田辺博通君) この銀行の従業員からの預かり金も一般的には労働基準法に基づく勤務先預かり金の一種でございますが、そういう意味では大きな網が、労働省の施行規則及び労働省の通達がございますが、いまお尋ねの全銀協というようなもので、ある一定の基準があるのかという問題につきましては、実際には労働省の通達の範囲内におきまして、基準の範囲内におきまして、普通預金金利については、普通預金に相当する行員預かり金につきましては年七・五%を超えないようにするというような基準がつくられております。
○野末陳平君 それで上限は。
○政府委員(田辺博通君) 普通預金に相当する従業員預かり金につきましての上限が七・五%と……。
○野末陳平君 いや預金額。
○政府委員(田辺博通君) 預金額でございますか、預金額は一人頭たしか二百万ということになっております。
○野末陳平君 これは労働基準法に基づいてということの説明ですけれども、民間の銀行だけでしょうか、それとも日銀を初め政府系の金融機関、すべての銀行と名のつくような金融機関にこれが行われているのかどうか、その点。
○政府委員(田辺博通君) 日本銀行もいわゆる都市銀行にならって同様のことをやっております。それからその他の政府関係機関は原則としてやっておりません。例外的に、政府関係機関といいますかどうか、広い意味では政府関係機関に当たります農林中央金庫及び商工組合中央金庫の従業員については同様の制度がございます。
○野末陳平君 そこで大臣、いまの局長の言葉で、従業員の預かり金、これがまず、性格はともかくとしまして利率の点で、われわれは年利二・五%である、ところが従業員の預かり金は七・五%である。金利が、後で見ていただきますが、こういうふうに――大臣ちょっと見てくださいね、数字ばかり並びますので――高金利だと、銀行の従業員は。それから一般の預金者は非常に低金利である。何しろ五%も違うんですから。そこでなぜこんな五%もの大きな差ができるんだろう、なぜ銀行員のみがこんな恩典を受けていいんだろうか。労働基準法で決まっていると言われてもちょっと釈然としないと思うんです、普通の預金者がですよ。その点どうでしょう。なぜ銀行員がこんな恩典を受けるんでしょうか、わかりやすく説明してください。
○政府委員(田辺博通君) これは先ほども御説明いたしましたように、労働基準法に基づきまして、一般的にわが国の企業におきまして、その従業員がいわゆる社内預け金といいますか、勤務先預け金といいますか、そういう制度はございますが、その金利と大体パラレルといいますか、その範囲内でやっておることでございますので、一般の預金金利とは性格が違うというぐあいに理解をしております。
○野末陳平君 いまの説明では、要するにどこの企業にもこういうものがあると、社内預金であると。社内預金と比較するからこれでいいんだということですね。ところが社内預金という場合に、一般の民間企業と銀行という仕事を、じゃ同列に考えられるかと言いますと、一般の民間の企業は金を預かる商売ではありませんよね。ところが銀行というのは金そのものを商品にしているわけですね。本業ですね、つまり金を預かって運用して、利息を生んで、それで利子を払うという。この本業の中で、今度は一般の預金者と差がついていると、この面をひとつ考えてほしいんです。民間企業はどこもやっている、銀行もいわば民間の事業所とこれが同じだという観点でいけば労働基準法で説明がつく。しかし今度は、銀行は金を預かるという、金そのものを商品にしているという仕事ですね。
 しかも一般預金者の、いいですか、お金でもって成り立っているという、この辺で、金が本業だから果たしてこの銀行に民間企業と同じ社内預金をそのまま当てはめることがいいかどうか若干問題があると思うんです。現に同じお金を預かる商売――商売といいますか郵便局でもやはりこれをやっていますか。
○政府委員(田辺博通君) これは郵政省の問題だと思いますが、私の存じ上げるところでは、郵便局ではそういう制度がない、これは郵便局のみならずわれわれを含めまして政府の公務員には、そういう勤務先預け金というような制度はございません。
○野末陳平君 郵便局の場合は公務員ということでわかりますが、さて銀行は公務員ではありません。確かに民間企業に働く人たちですけれども、銀行の仕事というのが郵便局に劣らぬくらい公共性の強いものであることは、これは言えると思うんですね。現に法律によって政府の指導監督下にありといいますが、ある点ではまた保護も受けているわけですね。特殊の免許事業と言ったらいいんでしょうか、民間の企業とは違いますね。この特殊性を考えた場合に、やはり局長おっしゃるけれども、民間の社内預金とこれはおんなじだと、銀行の従業員の預かり金もこれは労基法で同列に考えれば説明がつくじゃないかと。ぼくはどうも納得できないんですが、大臣はいかがでしょうか、それでよろしいという感想ですか。
○国務大臣(大平正芳君) 社内預金制度、これは一つの労働福祉政策として行われておるように私は理解いたしておるわけでございます。その限りにおきまして、銀行はそれを必要としないと言い切れないと思うのでありまして、銀行にそういう制度がありましても別に不思議はないのではないかと考えております。
○野末陳平君 そこがぼくと違うんですがね。ぼくは銀行という仕事は一般預金者のお金によって成り立っているところですから、ですから預金をするという人間の立場、利子をもらう人間の立場と比較すべきで、社内預金と比較するのはおかしいと、まあそういうふうに思うんですね。ですから結論を先に言いますと、銀行の従業員預かり金も一般並みの金利二・五%に同じくするのが当然で、従業員に対する福祉面のサービスは他の面で、いいですか、余分の金利を払うということでない、違う福祉厚生設備とか、そのような面で行うのが当然だと思うんですよ。大臣五%の差だと簡単に言いますけれども、仮に二百万円ぐらいをさっきの限度額の二百万円を、片や普通預金で預けますね。そうすると二・五%ということですから、一年そのままにしておいたと仮に仮定しますと五万円の利子になるんですよ。これを銀行の従業員が預けると、同じ金が年七・五%ですから十五万円になるんですね。金額は十万円の差がつくんです。大臣、あなたのたとえば奥さんがこの話聞いて、別に損したというわけじゃないでしょうが、ちょっとおかしいじゃないかなと、民間の社内預金もあるんだから銀行があっても同じだというふうにとるでしょうか。それとも私のお金には二・五%しかこない、銀行員の名前で、あるいは銀行の従業員の方が預けると七・五%でくる、ちょっと釈然としないというふうに一般の人なら感じると思うんで、大臣いかがでしょうか、あなたは全然これはあたりまえだと思う。あなたの奥さんにこの話をなさったらどうでしょうか。
○国務大臣(大平正芳君) 銀行というのは与信業務、授信業務を行っておる営業でございますが、たまたまあなたが言うようにお金を商品としておるということでございまして、ほかのものを商品としていないというだけの話でございまして、銀行の従業員に社内預金制度がございましても私は別に不思議はないと思うのであります。普通の授信業務として行うとかいう性質のものでなくて、これは一つの労働政策の一貫でございますので、あなたのようにそう深くお考えにならなくてもよろしいのではないかと考えます。
○野末陳平君 はい、わかりました。じゃ労働政策であるということで、この点は後からまた触れたいと思いますが、どうも銀行局長もそれから大蔵大臣も、銀行の公共性というものに対する認識がちょっと甘いんじゃないか。もう少し厳しく考えるべきではないかと思います。
 そこでこの問題に関していろんな点を二、三あげて、そしていまの労働政策と見られるかどうか、もう一度お聞きしたいんですが、これ二百万円まで年に七・五%の金利がつくというお答えですが、マル優の適用はどうなっていますか。
○説明員(山内宏君) いわゆるマル優、少額貯蓄の非課税制度の対象になっております。
○野末陳平君 そうしますと、これも単純計算でいきますと、銀行の従業員がマル優ですから、二百万円までとにかく限度一ぱい預けていて一年間そのままにしておいた、十五万円利息がつく。そうするとこの十五万円が非課税の対象額ですね、当然なりますね、単純な算術計算しますが。そうすると一般の人はどうかというと、マル優の限度額は三百万円ですから、枠が。これもまた単純にそのまま年利二・五%で普通預金に預けていたとすれば、これは七万五千円の利子が非課税の対象になっている、こういうことですね、これでいいですね。
○説明員(山内宏君) 利率の大小については制限を設けておりませんので、そういう意味では御説のとおりでございます。
○野末陳平君 そうなりますと、このマル優という制度がちょっと不公平になっているんじゃないか。非課税の対象額が、つまり銀行の人は十五万円までは利子に税金がかからないし、片方一般の人は三百万円積んでおいて、そしてもらえる七万五千円の利子、ここまでが非課税の対象になっている。これ同じマル優の適用で実質的には銀行員の方がはるかに有利になっているということになりますね。現実にこういうやり方で利息に税金かかっているかどうか、これ別ですよ。少なくもマル優という制度を適用するに当たって、、実質的に銀行の従業員の預かり金の方がはるかに有利であるというふうになりますからね、これ果たして税の公平負担の原則というものに合っているのかどうか、これ反するんではないか、マル優の適用が少なくとも間違っているのじゃないか。この点においても銀行の従業員に過分の優遇を認めていいのかどうか、非常に疑問なんですが、大蔵大臣いかがでしょうか。
○説明員(山内宏君) 銀行の社内預金のみに限りませずに、社内預金につきましては、これはこの制度が始まります前、これは戦争前からございます国民貯蓄組合法という制度がこのマル優の制度に移り変わったわけでございますが、そういう沿革的な面もございまして、ずうっと引き続き、およそ銀行に限らず一般的に社内預金がそういった利子課税の特例制度の対象になっておるわけでございまして、そういう意味で、特定の人に特定のメリットを与えるというものではございませんので、税の公平の原則にその面に関する限り問題があるというふうには考えておりません。
○野末陳平君 しかし預金者から見ればどう考えても釈然としないだろうと思いますよ、その説明を聞いてもね。で、いまこの問題いろいろ、今後の銀行行政の将来に対してもいろいろな問題があるんではないかとぼくは思っているわけで、もう少し詳しくお聞きしていきますがね。都市銀行だけでいいですから、都銀の十三行で一体従業員の預かり金というのは残高どのくらいになっていて、一般の普通預金の方ですが、一般の人の普通預金の残高はどのくらいになっていますか、それぞれ数字でお願いします。
○政府委員(田辺博通君) 都市銀行の数字で言いますと、五十年の九月末で、いわゆる行員預金が千八百六十五億でございます。それから一般の銀行預金としての普通預金、これのうち個人の預けているもの、個人の普通頭金の総額は同じく五十年九月末現在で四兆一千八百六十七億円となっております。
○野末陳平君 そうしますと、この千八百六十五億という従業員預かり金に対する支払いの利息は銀行の経理上はどういう項目で処理されているんですか。
○政府委員(田辺博通君) これは一般の孤金利忠とは区分いたしまして、勘定名は支払い雑利息の中に入っております。
○野末陳平君 ということは、一般の利息とは別にしておるということは、従業員から預かったお金は独自の運用をして、独自の利益を上げて、その中からこれだけの高利の利息が払えると、こういうふうな意味なんですか。別なんですか、これは。
○政府委員(田辺博通君) これはまず預かった場合の勘定の整理から違っておりまして、つまり普通の預金はいわゆる預金勘定に入るわけでございます。この行員預かり金につきましては、いわゆる預金勘定の外の従業員預かり金勘定というもので受け入れておるわけです。それで支払い利息につきましては、一般の預金については預金利息という勘定で整理をいたします。ただいま申し上げましたように、この行員預金の分につきましては支払い雑利息の中で計上しておる。ただ、それは何といいますか、資金の区分経理を独立運用しているというようなものではございませんので、これは経理の便宜といいますか、明瞭性といいますか、そういう意味から一般の預金利息とは区分してその支払い利息の勘定を別に計上している、こういうことでございます。
○野末陳平君 そういうふうになっているのは昔からそういうやり方で行われていたのですか。
○政府委員(田辺博通君) 私の記憶では、たしか以前は一般預金勘定の中の一項目にこの行員預金があったのを、いろいろ議論がございまして、やはりそれでは性格が違うものを預金という通称名で呼んではおるけれども、性格が違うのだからということで、預かるときの勘定及び支払うときの支払い利息の勘定を別にした、こういう経緯がございます。最初からではございません。
○野末陳平君 いままでの説明で要するに預かるときも別であると、一般の人とこの従業員は。それから利息を払う段階でも項目別になっていると、こういうことですね。いわば入り口と出口はこれは完全に別になっている。前はこれがごっちゃだったからいまのようにすっきりさせたということですね。と、この中はどうなんでしょう。預かって中に入ったらやっぱり銀行の運用するお金となって中は一緒なわけですね。さっきぼくが言ったのは独自の運用をして独自の利益を上げてというようなこと、そういう意味の別ではなくて、入り口、出口が別で中は一緒の扱いを受けているということに解釈していいですね。
○政府委員(田辺博通君) これはお金のあれには糸目がございませんので、その他にもいろいろ銀行のお金が入ってくるのは外部負債もございましようし、いろいろあると思いますが、それは結局おっしゃるとおりごっちゃになっていると言って差し支えないと思います。
○野末陳平君 そこで大蔵大臣、この表をちょっともう一度見てほしいんですが、こうなんですよ。ぼくも労働政策ということである程度そういう面もあるなと思うものの、いまの話しなんですよ。一般の預金ですね、それから従業員の預かり金ですね、これを中へ入って運用はもうごっちゃになるわけですよ。つまり入り口は別々、二つの入り口からお金が集まってくるわけです。で、今度は中は一緒に運用して、ある意味で利益が上がるわけです。と、この利益を分けると言っちゃ変ですけれども、いま二つの性格のお金について見るのですが、利益を分ける段階になって、突如同じ運用されたお金が、片方には七・五%というおまけをつけてといいますかね、分配されていく、一般の人には二・五%という、分配する段階でどうしてこんなに差を勝手につけるかと。社内預金はどこもあると言いますが、一般の社内預金はこういう経路によっては利子を払ってはいませんよね。大蔵大臣、労働政策だ、民間の社内預金と同じだとおっしゃるけれども、少なくもこの利息を払っていくプロセスが局間とは違う。民間の企業と銀行とは違うと。両方から集めた金をごっちゃにして、分けるときだけこれだけ差をつけていると、これがぼくはどうにも釈然としないんですよ。これ労働政策で説明できるでしょうか、大蔵大臣。
○政府委員(田辺博通君) それは私は一般の社内預金と同じだと思うんですが、一般の企業も外部から資金を調達しており、あるいはまた内部留保、自己資産もあって、それが一緒になって投資を行い、あるいは事業を行っておる、人を採用してお金を払っていると、こういう状態でございますが、銀行の場合も全く預金を受け入れるのが大宗をなしておりますけれども、自己資金もございます。もちろん社員――行内からの預り金もある。そういう状態で、それは一緒に運用されておって、そうしてそれに対する、従業員に対する支払い金利は一般の企業と同様な金利を払っていると、こういうことでございますから、別に銀行だけ特別のことをしているのではないと思います。
○野末陳平君 一緒に運用されているんですよ。株という形になったりその他の形で民間の場合は。しかし、これは利益分配の段階で、いいですか、内部よりも低い配当だったり、あるいは低金利だったら、いやだと言って文句も言えるし、やめることもできる。ところが銀行の場合はこれを知らされてないから、民間企業の場合はもうお金を預ける人がわかっているわけです。株を買う人でも――株はちょっと性格違いますけれども、この場合は一方的にこういう差をつけられて、一般の預金者はこういうことを納得しているわけじゃありませんからね、ちょっとやはり違うんじゃないですか。その点がやはりいまの説明だと、非常に、理屈で言っても、感情的に、預金者あっての銀行というこの特殊性、公共性を考えた場合に、ぼくは説得力ないと思うのですよ。
 ちょっと時間なくなりましたから、念のためもう一つついでに銀行の従業員に対する労働政策の一つである住宅ローンについても聞いておきますが、この住宅ローンも、これもちょっと特殊なんですな。われわれが銀行で借りる住宅ローンですね、これは大体年九%の利率になってますね。銀行の従業員は四%の低利、非常に有利な条件で住宅ローンを借りることができますね。そうですね。
○政府委員(田辺博通君) これはある程度銀行によってまちまちだと思いますが、おっしゃるとおり銀行の場合は住宅資金を借り入れる先が、これは銀行からダイレクトではなくて行内の共済組合から借りるシステムになっておりますが、そのときの借りる金利は大体四%台から五%台だと思います。これも一言つけ加えさしていただきますと、一般の企業におきまして、従業員の持ち家対策ということを勧めておるものですから、やはり企業がその従業員に住宅資金を貸し付ける際もかなり低利の貸し付けになっておる、それと同様のことである、こう理解しております。
○野末陳平君 預金金利に比べりゃ、これはまだ筋道がわかるんですね。つまり間に共済組合が入っていて、恐らく銀行が組合に対し利子補給のような形で、多分福利厚生費というか、そのような名目でカバーしているんだろうと、そう思うんです。ですからそこに組合が入っていてという点では、ほかの民間企業もやっているからと言われれば確かに筋が通りますから、これについては私はいま言っている金利の問題と同列に扱うつもりはないんです。
 問題はこの住宅ローンは共済組合というものが入っている。ところがいま問題にしている七・五%の高金利による従業員預かり金は、これは共済組合とかそういうものは全然なく、銀行が直接に、ストレートに利益というか利子として支払っているわけでしょう。これが労働条件とは言いながらどう考えてもさっきから私は納得できないと言ったのです。ということは、いいですか、労働政策として説明できるとおっしゃいますけれども、一般の普通預金の方がはるかに多いわけですね。で、それを逆用しているわけですね。さっき言った例もかなり違いますね、一般の普通預金の方が四兆もあって、銀行員の預かり金は千八百六十五億ですから、これをごっちゃにして運用していると、結局一般の人に利益を、普通預金者に利益還元すべきその部分を、上前はねるわけじゃありませんけれども、本来還元すべき部分がもっとあるのにそれをやらずに内輪で分けているということが言えると思うのです。なぜなら入り口と出口は別だけれども、中の運用が全然はっきりしていない。お金に顔がない、名前がないとごっちゃにしているのですから、やはりそこでごっちゃにしているというところに、一般の民間企業と違うあいまいな釈然としない部分があるとぼくは思うんですよ。だからこの点を労働政策だと言って済むかどうか。民間企業と銀行が全く性格の同じもので、だから従業員に対する福祉も全く同じものだという、甘い方が通るかどうか。僕はさっき言ったように、従業員に対する福祉のサービスはほかの面でやって、一般預金者との金利の差をつけることによってこれが労働政策だ、福祉サービスだという言い方を果たしてしていいかどうかという点をもう一度お聞きしたいです。
○政府委員(田辺博通君) ちょっとそのお考えが大分違うようでございますが、一般の企業と私は同じだと思うんですが、それを預金の利息だというぐあいに考えられるので何か混乱が起こってくるのじゃないかと思います。社内預かり金について利息をこれは支払うんですが、その利息は結局、何といいますか、従業員に対する福利厚生費の一種だろうと思います。そういう性格を持っている。ただ、それは預かり金に対する利息に違いないから利息という名前になっておるわけですけれども、性格は福利厚生費の一種でございますから、それは一般の預金者については二・五%だけれども、従業員に対してだけ七・五という何か特別のことをやっていると、これは結局一般の会社も従業員に対していろんな福利厚生費を出しておる。もちろん社内預金に対して金利を払っていると、それと全く同じでございまして、それはただ一般並みを超えてやたらとこう出すというのはいかがかと、こういう気もいたします。
 これはしかし一般的な労働政策の分野でもございますので、その辺は世間並みにやるのが必要なのじゃなかろうかと。先生のお話ですと、どうもたまたま銀行に勤めている従業員はほかの製造会社なんかに勤めている従業員よりは何か割りが悪くなければいかぬ、こういうことになっても変ではないかと思います。
○野末陳平君 最後に、いまの福利厚生のような性格を持っているということでしたね、高金利を払っているのは。だけれども、それなら福利厚生という名目で経理上も処理しているのがあたりまえだと思うんですね。何で支払い雑利息なんていう項目がついているのか。あるいは、先ほどの説明を聞けば、昔は一般領金着に払う利息と同じ項目で処理されていたと、ここら辺に従業員預かり金に対する扱いを一般の民間企業と同じ社内預金だというふうに言い切れないおかしな点がぼくはあると思うんですよ。ですから、これはもう時間がなくなりましたから、これなぜこういう項目で処理されているかという点などについて、後日別の委員会で聞きますけれども、いずれにしても大蔵大臣、労働政策でこれはかまわないとおっしゃるけれども、そしてなぜ銀行員が――局長に言わせりゃ、銀行員だけが何か損するような立場にならなければいけないような言い方をぼくはしているとおっしゃいますが、金を扱う仕事と、あるいは公共性のある、いまいろいろな点で問題になっている銀行としては、やはり姿勢をいろんな点で普通以上にきっちりするのがあたりまえだと思っているのですよ。
 だから本来の福祉サービスの設備とかその他の厚生面でやるのはいいが、金利で一般の人と差をつけるということをこのまま続けることは、いたずらに銀行を大蔵省は甘やかすこと、過保護につながっていくと、そういうふうに判断しているんです。ですから、このままでいいとは思いません。大蔵大臣もこれについては、私はほかのところで質問しますが、どうなんですか。もうこのままでいいんだと、おまえの質問に対して今後は意見を言うほどの価値を認めぬと、こういう結論ですか。最後に一言だけお伺いして、別の機会にまたやりたいと思います。
○国務大臣(大平正芳君) 行内預金問題を取り上げて注意を喚起していただいたことは多といたしますが、これは私ども労働福祉政策として理解すべきものであると、銀行を特に区別する必要はないんじゃないかという見解を依然持っておりますが、ただ野末さんおっしゃるように、経理の仕方といたしまして、福利厚生費なら福利厚生費として処理しておけばそういう誤解が生じないのではないかという御指摘は傾聴に値する御指摘であると存じます。その点につきましてはなお検討をしてみたいと思います。
○委員長(瀬谷英行君) それでは、本日の質疑は一応この程度にとどめます。
 次回の委員会は、来る二十二日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二十四分散会
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