第077回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第3号
昭和五十一年六月八日(火曜日)
   午後零時三十九分開会
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   委員の異動
 六月二日
    辞任         補欠選任
     栗原 俊夫君     野々山一三君
     野田  哲君     小谷  守君
 六月七日
    辞任         補欠選任
     上田  哲君     野田  哲君
     内藤  功君     神谷信之助君
 六月八日
    辞任         補欠選任
     峯山 昭範君     塩出 啓典君
     神谷信之助君     小巻 敏雄君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         剱木 亨弘君
    理 事
                岡本  悟君
                瀬谷 英行君
                黒柳  明君
                橋本  敦君
                田渕 哲也君
    委 員
                石破 二朗君
                大島 友治君
                秦野  章君
               久次米健太郎君
                町村 金五君
                宮崎 正雄君
                久保  亘君
                小谷  守君
                野田  哲君
                野々山一三君
                矢田部 理君
                塩出 啓典君
                神谷信之助君
                野末 陳平君
   国務大臣
       法 務 大 臣  稻葉  修君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長
       官)       井出一太郎君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  坂田 道太君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池部 幸雄君
   説明員
       国防会議事務局
       長        内海  倫君
       防衛庁参事官   岡太  直君
       防衛庁防衛局長  丸山  昂君
       防衛庁装備局長  江口 裕通君
       法務省刑事局刑
       事課長      吉田 淳一君
       大蔵省主計局主
       計官       古橋源六郎君
       会計検査院事務
       総局第一局長   田代 忠博君
       会計検査院事務
       総局第二局長   高橋 保司君
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  本日の会議に付した案件
○ロッキード問題に関する調査
 (ロッキード問題に関する件)
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○委員長(剱木亨弘君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る六月二日、野田哲君が委員を辞任され、その補欠として小谷守君が選任されました。
 また、昨七日、内藤功君及び上田哲君が委員を辞任され、その補欠として神谷信之助君及び野田哲君がそれぞれ選任されました。
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○委員長(剱木亨弘君) ロッキード問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○矢田部理君 きょうは防衛庁を中心にして大蔵省などからいろいろ答弁を求めたいと思っていたわけでありますが、その前に、いま非常に国民の関心を集めております司法共助と嘱託尋問の関係について稻葉法務大臣にお尋ねをしたいと思います。
 この八日からアメリカでコーチャンら三名の嘱託尋問が行われると報道をされておりますが、この嘱託尋問をめぐる状況と見通し等について概略御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(稻葉修君) 向こうの裁判所がやることでございますから、こちらで見通しはどうかと聞かれても、見通しは非常に困難でございます。非常に困難です。
○矢田部理君 大変あっさりした答弁なんでありますが、過日の当委員会で同僚の議員が質問をしたときには、嘱託尋問を求めているかどうかも言えないというお話でありましたが、もう新聞等がかなりの関心を示し、かつ報道等もしているわけでありますので、その概略程度はまず、中身はともかくとして、概要程度はお話しいただいてもいいのではないかと思われますが……。
○説明員(吉田淳一君) 事柄がやや事務的なことでございますので、私の方から説明させていただきます。
 この証人尋問嘱託の件につきましては、東京地方検察庁におきまして、去る五月二十二日、東京地方裁判所の裁判官に対しまして、米国に所在する重要な関係人について刑事訴訟法二百二十六条の規定による証人尋問を請求いたしました。同証人尋問は、日米の司法共助に基づきまして、東京地方裁判所裁判官から米国中部カリフォルニア連邦地方裁判所に嘱託されまして、同連邦地方裁判所におきましては、米国時間の八日から証人尋問を開始する、こういう段取りになっているわけでございます。
○矢田部理君 その中で非常に問題になっておるのがコーチャンらから証言を求めるに際して、証言の拒否等の事態が考えられる。そういう事態に対応するために起訴便宜主義等について現場にその活用の仕方を任せているというような報道もあるわけでありますが、具体的にどうなっているかは別といたしまして、一般的に起訴便宜主義というのが、犯罪の捜査もしないうちに、あるいは完了を見ないうちに不起訴にしてやるとか、刑事責任の追及をしないとかという運用をした例が日本の捜査段階で、あるいは検察段階でこれまであったでしょうか。
○国務大臣(稻葉修君) そういう前例はありません。初めてです、今度。
○矢田部理君 起訴便宜主義を活用して証言拒否に対する対抗手段と申しますか、刑事責任は追及しないから安心して真実を述べてほしい、そういうことをやってよろしいというのを検察庁自身は派米している日本の検察官等に内諾を与えているのでしょうか。
○国務大臣(稻葉修君) 検察庁としては派遣の検事に対して、それは適法なものとして内諾を与えておるということであります。そういうことであります。
○矢田部理君 刑事訴訟法の二百四十八条で起訴便宜主義の規定があるわけでありますが、それには幾つかの条件が書かれております。つまり、犯人の性格、年齢及び境遇、さらには犯罪の軽重及び情状等々訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができるという御承知の規定でありますが、この幾つかの要件のどれに当たるという判断だったのでしょうか。
○国務大臣(稻葉修君) 間違っておったら刑事課長に訂正してもらいますが、私としては被疑者の境遇ということじゃないかと、境遇――向こうに国籍があるという、そういうことではないかと思いますが、これは私間違っておったら刑事課長に詳しく。
○説明員(吉田淳一君) 御指摘の刑事訴訟法二百四十八条は「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。」とございます。今度の場合におきましては、まず、現在の段階におきましても関係一証人として尋問を請求している関係人の年齢、境遇等はもちろん大体承知しておるところでございますし、犯罪の軽重、情状等についても従来の捜査結果に基づきまして十分見通しができる段階にあるわけでございます。そこで一方、この段階においてそういう方法をとるということは、その方法をとらない限り、日本国内においていろいろ行った行為についての証言を得ることができない。それは本件の真相の解明に非常に重大な支障を生ずる。かつ、本人たちは米国に所在しておりまして、米国に所在する限りにおいては裁判権を行使するということは不可能な状況であります。しかも、逃亡犯罪人引渡法等によってそれを引き渡すということはできない、条約によって引き渡すこともできないものの犯罪の種類でございます。それらこれらすべてを勘案いたしまして、この起訴便宜主義の運用の一端として、そのような措置をも含めて証人尋問を効果的に実行するように、現在検察庁ではその配慮を行っているということでございます。
○矢田部理君 嘱託尋問を求める前提として、御承知のように刑訴法二百二十六条に基づいて、日本の裁判所に第一回公判前の証人尋問の手続を求めたと思うのでありますが、その際に被疑事実を特定して出さなければならぬたてまえになっておりますが、そこで特定をした被疑事実というのは、いつだれがどうしたということまで聞くつもりは余りありませんが、罪名的にはどういうものとして特定をしたのでしょうか。
○説明員(吉田淳一君) 御指摘のように、刑事訴訟法二百二十六条の証人尋問を請求するに当たりましては、刑事訴訟規則にもありますように、被疑事実を特定して、ある程度特定して請求する必要があるわけでございます。その被疑事実はどういう罪名にかかる被疑事実なのかという点については、現在捜査に関連するこれは証拠保全手続でございますし、捜査の一環として行われておるのでございまして、その点は御容赦願いたいと思います。
 なお、証人尋問請求の手続については、先ほど御説明いたしましたとおりでございますが、東京地方検察庁で、だれを、何人、証人尋問を請求しているかということについては、新聞報道上はいろいろ取材によって明らかにされておるようでございますけれども、法務当局としてはまだこの段階でお答えすべき段階ではないんではないか、そういうふうに考えております。
○矢田部理君 三木総理も言っておりますように、本件の核心は贈収賄事件であるということは、これはもうあたりまえのことでありますが、贈収賄事件、あるいはそういう被疑事実で嘱託尋問なり、二百二十六条に基づく請求をしたのか。
○説明員(吉田淳一君) 再度のお尋ねでございますけれども、現在、罪名、被疑事実がどういうものにかかっているかということにつきましては、現在、行われている手続、それから今後の手続、今後行わなきゃいけない捜査の手続にいろいろ関連してくることでございますので、何とぞ御容赦願いたいと思います。
○矢田部理君 若干前後いたしますが、コーチャンら予定証人に対しては起訴便宜主義の規定を適用して刑事責任を追及しないという約束をする権限を派米検察官に与えたということでありますが、当然のことながら、その前提としてコーチャンらにはどんな犯罪が考えられるか、どんな被疑事実があり得るかということをまず検討した上で、その被疑事実が起訴便宜主義の観点から見てどうなのかが検討されなければならないというふうに思うわけでありますが、起訴便宜主義を適用するに当たって、その前提となる被疑事実についてはどんな検討をされたのでしょうか。言いかえれば、コーチャンなどにどんな犯罪があるという想定の上に立ってこの便宜主義の適用を考えたのでしょうか。
○説明員(吉田淳一君) 今度のそういう措置を考慮しているということは、御承知のように、米国法制でいわゆるイミュニティーという制度がございまして、それと同じ効果を期待しようとしておるのでございます。回りくどいような説明で申しわけないんですけれども、そのイミュニティーを米国法制で与える場合には、必ずしも何を特定してということがわからない段階でも、その証言を得ることが非常に公益に合致し、必要であるという場合などの要件がございますると、そういうイミュニティーの制度は活用されているということでございます。特に供述を証拠とする犯罪、選挙とか贈収賄とか、そういうような犯罪について、しばしば活発にそういうイミュニティーの制度が逆用されていると聞いております。
 そこで、わが国の方で現在検察庁がとっている措置についてでございますけれども、先ほど申しましたように、従来までの捜査結果に基づきまして一応の見通しを立てておるわけでございますし、その見通しの中に入るいろいろな証言、予想される証言があればこういう罪名にかかるだろうということは、もちろん十分検討しておるのでございますが、そういう罪名がどういう罪名にかかるかということは、先ほど申しましたように、今回行われる証言の、証人尋問の内容にも関連いたしますし、それがさらに今後の捜査に非常に密接に関係しておることなのでございまして、いましばらく御猶予をいただきたいと思います。
○矢田部理君 起訴便宜主義を適用して刑事責任を問わない、あるいは不起訴の約束をするということは、より大きな犯罪の真相を明らかにすることが非常に大事だというために、小さな犯罪については、その責任を追及しないという約束をしても真実を語ってもらうというようなことから制度はアメリカの中で出発をしてきたと思うわけでありますね。そうしますと、公益であるとか、より大きな真相を明らかにするためということと、それから証人などに刑事免責を与えてまでも語らせなきゃならぬ犯罪といいますか、証人らの予定されている犯罪との比較考量がなされなけりゃならぬと思うのであります。また、そこに起訴便宜主義の適用の余地も、運用上はなかなか困難な問題もないとは言えないと思うのでありますけれども、考えたと思うわけなんですが、それはたとえばどんなことか。常識的に言ったって、コーチャンは六億円程度の金を丸紅を通して政府高官に送ったというような話もあるわけでありますから、当然のことながら、贈収賄とかいうことが考えられるわけでありますが、そこら辺は少なくとも検討はしたんでしょうね。
○説明員(吉田淳一君) 先ほども申し上げましたが、今度のような措置を検討しておりますのは、米国のロサンゼルスの裁判所で証人尋問が行われた場合において、その当該証人が、自分は証言をすると、その証言によって刑事訴追を日本側で受けるおそれがある、だからそれは言えないと、それはアメリカの憲法の規定によって自己負罪拒否の特権があるので、そういう権利があるのであるということを言われた場合に、その証言を求めるすべがないわけでございます。
 で、先ほど申しましたように、この証言を得ることによって本件の真相の解明に非常に役に立つ、それを得ないということは非常に重大な支障がある。さらに、当該証人につきまして、再三申し上げておりますように、米国に在住して、日本側では将来も事実上裁判権を行使できないであろうという見通しが非常に強い、そういうような諸般の事情を検討いたしまして、さらに先ほどの手持ちのいろいろな資料に基づいて見通され得る犯罪の軽重等も勘案しまして、そして決めたのでございまして、その内容の個々の具体的なことを、どういう点を検討したかというのを一つ一つ申し上げますのは、まことに恐縮でございますが、いまの段階では捜査の内容に関連いたしますので、御容赦願いたいと先ほどから申し上げているとおりでございます。
○矢田部理君 必ずしも納得できないわけでありますが、つまりコーチャンらについては捜査をしない、あるいは捜査に基づく起訴をしないという約束をするわけでありますから、その前提として、どんな被疑事実が考えられるかということを検討するのは当然のことだし、そこまで約束する以上、いまここで明らかにしても、そう全体の捜査に影響を及ぼすとは思えませんけれども……。
 それじゃ、次の質問に入りたいと思いますが、その不起訴の約束をするというのは、言ってみれば従来起訴便宜主義ということもないわけではありませんが、犯罪の捜査も終わらないうちにそういう約束をして証言を引き出すということは率直に言って異例のことだろうと思うのです。日本の捜査権の発動の手を縛る、言いかえれば主権の発動の手を縛るということにもなるわけでありますから、それだけにきわめて重大なことであります。しかし、このロッキード事件の真相解明のためにあえてそれまでやっても真相を引き出したいということであるとするならば、そういう処置をとった場合に、コーチャンらが真実を語ってくれる見通しは十分立っているのでしょうか。その点はどう考えておられるのでしょうか。
○説明員(吉田淳一君) その見通しにつきましては十分検討いたした結果でございます。先ほど申しましたような自己負罪拒否の特権に基づく証言拒絶を行った場合にどういう措置があるか、そういう可能性が果たしてあるのかどうか、そういうことは米国に派遣されております東京地方検察庁の検事が米国司法省筆の法曹関係者、検察官等の向こうの法曹実務を十分聴取しまして、その可能性について十分あると、それについてただいま申しておりますような措置を講ずることはきわめて有効な対策であると、その効果は十分あると、こういう確信をしてただいまのような措置を検討しているわけでございます。
○矢田部理君 そこで伺いますけれども、コーチャンらの一連の行為、説明をすれば時間がかかりますので、そういうふうに申し上げますけれども、これはアメリカの法律で犯罪捜査の対象となる可能性はございますか。
○説明員(吉田淳一君) アメリカの刑罰法令に証人らの行為が触れるのかどうか、触れるとすればどういう罰条に触れるのかどうかという点については必ずしも詳細に承知しておりません。ただし、SECがすでに調査を続行しておるのでございまして、これはそれの違法行為、不法行為があるから調査を行っておるわけでございます。で、新聞報道等によりますと、米国司法省においても何らかの調査を行っているというふうに承っております。ただ、それが当該証人らに対してそういう不法行為として問えるのか、そういう点は必ずしもつまびらかではありませんが、いずれにしても、ロッキード社の日本における販売活動の不法行為等を含めた、それに関連した活動について米国の法規に触れる点があり、それについてSECや米国司法省等において調査中であるということを承知しております。
○矢田部理君 これは新聞報道によりますと、コーチャンらの弁護士でありますマレイという人が次のように述べているわけですね。「日本側の嘱託によるとはいえ、米国内法に基づく以上、証言内容によっては、証人の米国内における法的、社会的地位を脅かされるおそれがある」ということで、この嘱託尋問の内容によっては米国側からも法的責任、場合によっては刑事責任を追及されるおそれをコーチャン側は感じているように受け取られるわけですが、そうだとすれば、日本の検察庁が起訴便宜主義を適用して、真実を語ってくれるならば刑事責任は追及しなくてもいいよと言っても、コーチャンの証言内容がもう一つアメリカで犯罪捜査の対象になる可能性がある。そのアメリカが、言ってみれば刑事責任を追及しないという約束をしなければ、全体的な意味においてコーチャンに真実を語らせることを求めるのは問題が残りはしないかというふうにも考えられるわけですが、その辺はどういうふうに検討をされているのでしょうか。
○説明員(吉田淳一君) まことにごもっともなお尋ねでございます。この点につきましては、御承知のように、過般の実務取り決めの第八項で、いろいろな援助を相互に行うわけでございますが、この相互の援助としては、訴追を免除する結果となるような措置まで及ぶ必要はないというふうにはっきり明確にしているわけでございます。まあこれは事柄の性質上そこまで取り決めとして要求できるということは、これはむずかしいことだと思いますし、これはこれなりに当然のことだと思いますが、そこで問題は、米国の仮に刑罰法令に触れるおそれのあるという証言事項につきまして、米側の証人がそれを理由にして証言拒絶をするということは十分あり得ることだと思います。しかし、私どもが現在東京地方検察庁が証人尋問を請求してその証言を求めようとしていることは、日本の国内において米側のそういう――主としてロッキード社の不正経理に絡む事犯で米側では調査をしているようでございますが、そういうことではなくて、むしろそれを原因なり、それを縁由として現在その資金がどういう形で使われているかということについての証言でございますので、そういうことになりますれば、それは日本国内においていろいろもっぱら行われている行為に関連することでございます。それは間接的には向こうの刑罰法令に触れることに無関係だとは私は申しませんけれども、きわめて間接的なことでありまして、当該検察官がいろいろ尋問の請求をしているということは、もっぱら日本国内で行われていることについて、そのことについての証言を求めようということでございますので、先ほど申しましたような東京地検の現在とっておる措置を実施すれば、十分に効果が期待できるというふうに考えておるわけでございます。
○矢田部理君 この一連の行為は、たとえば日本に渡ってきたとされるお金の一部がアメリカに還流をして政治工作資金ないしは賄賂に使われたという疑いもあるわけですね。ロッキード社との関係においては背任の問題が生ずるかもしれません。等々の意味合いを考えてみますと、コーチャンに本当に真実を語らせるためには、日本側が刑事責任を追及しないというだけではなしに、アメリカ側もその保証を与えることが非常に大事な条件じゃなかろうかというふうに私は理解をするのです。そのアメリカはそういう不起訴の合意といいますか、刑事責任を追及しないという約束はしていないでしょう。その点はいかがですか。
○説明員(吉田淳一君) その点については、そういうことがあったという報告は聞いておりません。で、今後あるかどうかについても承知しておりません。ただ、ただいまお尋ねの還流資金その他のお話がございましたが、そのような状況が果たして従来捜査の過程であらわれているかどうかは承知しておりませんので、そういう事実があるかどうかはわかりません。しかし、先ほど申しましたように、もっぱら証言を求める事項は日本国内における行動等についてでございますので、先ほどと同じことを繰り返して恐縮でございますが、十分今度のような措置は効果が期待できるものというふうに考えて、検察当局がやっているわけでございます。
○矢田部理君 日本側は刑事責任を追及しないという保証を与える。アメリカでもコーチャンらが証言内容によっては犯罪捜査の対象になる可能性がある。そのアメリカはコーチャンらに対して責任を追及しないという約束をしていないという条件のもとでコーチャンに真実を語らしめるというのは、率直に言っていろんな困難が伴う可能性、危険性があり得ると思うわけですね。だから、私が指摘をしたいのは、真相解明、日本の重大な捜査権の行使に対して事前に手を縛るというやり方をやる。そこまでやる以上、本当にやっぱりコーチャンをして語らしめるといういろんな保証や裏打ちをしていくことが非常に大切じゃないか。その点で法務省等々のやり方は、アメリカと少なくともその点についても交渉すべきではなかったのか。何度も行ったり来たり日米間でしているようでありますから、どうしてそういう交渉をしなかったのか。真相解明のポーズだけでは困るというのが私どもの考え方なんですよ。その点でそういうことが障害になるおそれは感じなかったのか、あるいはこれからそういう場合についてはアメリカと交渉をする用意はないか。その点稻葉法務大臣に見解を求めてこの質問を終わります。
○国務大臣(稻葉修君) あなたのおっしゃることは大変筋が通っているんですが、ただこういうところでのやりとりになりますと、実務協定八項に衝突する面が出てくるわけですね。私どもの方の検察庁が、異例の事前に二百四十八条を適用することを現地の検察官に任してある、一任しておるということをやる以上は、いままでずっと長い間やっておって、今度出かけていくときにそういうところまで検察庁が踏み切ったというんですから、八項に触れない状態で、つまり向こうにはイミュニティーという制度があるんですから、しかし向こうの制度をこちらが強制する権能は封じられておりますから、ですから、そういう向こうがイミュニティーを採用しなければコーチャンの証言は得られるわけはないじゃないかとあなたがおっしゃるのはそのとおりでございますけれども、その辺のところはこちらがあれだけのことをやるについては、そうして証言を引き出してわが国の訴追、追及に便ならしめるという一般的な共助関係は非常にうまくいっておりますから、おのずから、私が申し上げなくても、賢明な矢田部理さんのことでございますから、その辺のところでおさめていただきたいと思います。
○矢田部理君 私は、真相解明をすべしというための努力は理解できないわけじゃないんですよ。しかし、それがポーズだけで終わっちゃいかぬし、一方は解放されても他方が縛られているということではなかなかうまくいかぬのじゃないかという心配の立場から問題を出しているのでありまして、特に日本の場合に起訴便宜主義の運用の中では、率直に言うと困難な感じもしないわけじゃないのです。しかし、それを乗り越えて適用して、刑事責任を追及しないという約束をコーチャンに与える以上、少なくともその効果が大きいことを期待して問題を提起しているわけでありますので、誤解のないようにお願いをしたいと思います。
○国務大臣(稻葉修君) だから私も、わが検察庁もただポーズだけではなくて、あれだけの踏み切りをやったのでございます。そうして日本とアメリカとの間においては、法務省と向こうの司法省との間に非常に司法共助の関係においては、捜査共助の関係においては大分呼吸が合っていることはお感じになっておられるわけですから、日本だけにそういうことをやらして――やらしたわけじゃないけれども、日本だけがやって、向こうは何もしないで、制度があるのに、しかし、これからどうなるかわかりませんよ。制度があるのに制度は活用しないで、効果はさっぱりなかったというのでは話になりませんからね。その辺のところは御賢察願ってしかるべきじゃないでしょうか。ただポーズでやっているのだったらあんなことをいたしません。かっこういいことは余り私好きじゃないのですから。かっこう悪くても実質を獲得してやろう、こういうのが私の姿勢ですから。そういう点についてもただポーズだけでというふうに言われるのは、私、心外なんです。どうぞひとつ御理解願いたい。
○矢田部理君 もう終わりにしようと思ったのですが、一連の答弁を聞いておりますと、冒頭、稻葉法務大臣は、この嘱託証人尋問の見通しはどうかと言ったら、かなり困難だというような趣旨の発言を一言でされたように思われる。それに対して刑事課長の方は見通しはあるというような向きの話をるる述べられたように思うのですが、それはどっちが本当なんですか。
○国務大臣(稻葉修君) 一般に見通しはどうかと言われれば、いつ幾日ごろまでにはこうなります、こうなりますという答えをするのがあなたに対する正確な答弁になるが、そこまではちょっと言えませんから、見通しと言ってもそれはわかりませんな、こう答えたので、ただ真相究明に非常にわが検察庁当局は努力をしているという経過につきましては、御理解願えるものと思いますね。
○矢田部理君 法務省結構です。
 それじゃ法務省の方は終わりにしまして、防衛庁に伺いたいと思いますが、昭和四十五年度以降のPXL等に関する予算の状況についてまず伺いたいと思います。
 昭和四十五年度は防衛庁として技術調査研究費、つまり、基礎研究を目的とする予算の要求をしてそれが認められた。それから昭和四十六年度以降になりますと、技術調査研究費ではなくて、設計研究委託費、つまり、基本設計ですね、国内開発着手のための基本設計費用ということで、予算要求は設計研究委託費ということで要求をされた。その次の年度も同じだと思いますが、その四十六年度以降の予算要求の根拠は、もう技術調査研究はよろしい、基礎研究ではなくて、基本設計費用を要求して、開発に着手してもよろしいという判断があったのでしょうか。
○説明員(江口裕通君) 防衛庁といたしましては、四十五年度基礎調査をいたしまして、その成果に基づきまして、当時入手し得る資料あるいはそういうものを判断いたしまして、基本設計に入り得るものというふうに考えて四十六年度以降は要求したわけでございます。
○矢田部理君 そこで大蔵省に伺いたいんでありますが、防衛庁は基礎研究はもう一年でよろしいと、二年目からは開発着手のための基本設計費用を要求された。にもかかわらず、大蔵省としては、防衛庁がもう基礎研究は一年でよいと言っているのに四十六年度もなおかつ基礎研究のための予算にしてしまったのはなぜなのでしょうか。
○説明員(古橋源六郎君) お答えいたします。
 大蔵省がPXLの防衛庁の予算に対しまして、その次期対潜機の設計委託費を認めなかったと、その理由は前からお答えいたしておりますように、開発費が非常に多額にかかったということ、それから第二番目に量産単価が非常に高いということでございます。
 そして、それならばなぜ防衛庁が調査委託、四十五年度においてある程度いいというものをなぜ先に延ばしたのかと、こういう点でございますけれども、この点につきましては、もっとそういう基礎的な面についての研究を私どもとしてはしてほしいということを特に希望したと、こういうことでございます。
○矢田部理君 一番専門の防衛庁がもう基礎研究は一年でよろしいんだと、二年目からは基本設計費を頼むという話を大蔵省に持ち込んだわけですね。しかし、それを認めてしまうことは国産化を認めてしまうことになる、あるいはお金がかかることになるからだめだと言って断った。もういいという基礎研究をもう一回やりなさいという言い方はないんじゃありませんか。それなら予算全体をだめならだめで切るべきなんであって、基礎研究は防衛庁は一年でいいと言っているものをもう一年やりなさい、その翌年も基礎研究をやりなさい、こういうやり方は予算の考え方としては矛盾していると思いませんか。
○説明員(古橋源六郎君) お答えいたします。
 四十六年度におきまして認めました調査委託研究費、これも防衛庁は将来輸入をするという場合においても役立つ、こういう考え方でございまして、その内容は前に御説明いたしましたとおり、たとえば高速あるいは低速の場合におきます失速しないようにするというようなためのいろんな設計であるとか、あるいは高揚力を維持すると、こういうようなものでございます。あるいは電子計算機部門、こういうものは輸入をした場合においても役に立つし、あるいは国産の場合においても当然役に立つ、そしてそれはそういう研究をすることによって、国内開発を前提とする研究開発をするかしないかという判断をさらにリファインすると申しますか、さらに確信を持つと、その判断をするための研究でございますので、特に私どもといたしまして、それがむだになるというふうには考えておりません。
○矢田部理君 四十六年度以降は防衛庁の要求と大蔵省の査定が内容においてまるっきり違うわけですよね。防衛庁の要求が認めがたいということであるならば、後で輸入した場合にも役立つなどという理屈は後でつけた理屈でありまして、大体予算要求そのものをゼロにすべきなんで、その辺大変矛盾があると思うわけでありますが、四十七年度に予算をつけながら不執行にした理由、これは先般の説明では、白紙還元になって専門家会議ができた。したがってその結論を見ることのために不執行にしたというように承ったのですが、それでよろしいでしょうか。どちらでも結構です。
○説明員(江口裕通君) これは先般の決算委員会で申し上げましたように、四十五、四十六と引き続き基礎調査研究をやってまいったわけでございます。四十七年度の予算も一応予算の性格といたしましては、そういう性格を持っておるものでございますが、四十七年の十月の国防会議の議員懇談会の了解事項が出されました。次期対潜機の国産化問題については輸入も含めて専門家会議で検討されるということになりましたので、予算の効率的使用の執行の見地ということから当該予算を執行いたさなかった、かような経過でございます。
○矢田部理君 そういう経過で四十七年度の予算は不執行にしたようでありますが、四十八年度にまた予算がついているわけですね。四十八年度は試験研究費という名前に変わるわけでありますが、この意味と内容はどういうふうになっておりますでしょうか。
○説明員(江口裕通君) ちょっと失礼でございますが、いま御質問いただきましたのは予算の性格でございますか。
○矢田部理君 試験研究費の意味、内容。
○説明員(江口裕通君) 一応四十八年度の経緯を申し上げますと、当初要求といたしましては、やはり四十七年度に引き続きまして、と同じような次期対潜機の設計研究委託費というのを要求しております。おりますが、先ほども申し上げましたように、十月に了解事項が出まして、で、専門家会議の検討に付されるということに相なりました。そこで第二次の復活要求をいたしまして、防衛庁といたしましては、試験研究費として五千百万円の要求をいたしております。厳密に申しますと、五千百八十万円でございます。この中身は、航空機の改造方式等につきまして、現用機への適合性等を検討するため、あるいはその他諸般の問題等を検討するために試験研究費を要求する、こういう趣旨で要求をいたしております。現実につきました予算は、一応試験研究費といたしまして四千五百五十四万円ということが予算として決定されております。これは主として専門家会議等でいろいろ検討をされます際のいろいろな資料と申しますか、調査研究ということに充てるという了解のもとにそういう費目は認められておる、こういうことでございます。
○矢田部理君 四十七年度に予算がついておりながら、白紙還元等で不執行にした。そしてまた四十八年度になると、にもかかわらず次期対潜機設計研究委託費及び技術調査研究委託費なる名目で予算要求をする。前年度ついた予算も不執行にしているのに、ここでまた予算を取る、あるいは試験研究費の名目で大蔵省も認めると、これはおかしくありませんか。
○説明員(江口裕通君) 要求いたしましたときも、大体そういう趣旨でございますが、予算として認められた予算は、一応専門家会議においていろんな諸案の検討をいたしますので、その資料を得るための調査研究費と申しますか、そういうことで認められておるということでございます。
○矢田部理君 この点、後でまた問題にしていきたいと思います。
 その次の問題として、四十七年の十月二日と十月五日に、大蔵省はFST2改の国産化方針に対して、ノースロップのF5Eという飛行機を輸入したらどうかという提案をされたそうでありますが、そういう提案をした根拠をまず大蔵省に伺いたいと思います。
○説明員(古橋源六郎君) お答えいたします。
 大蔵省が四十七年のそのときに特定機種を特に指定いたしまして、これを検討しろというふうに言ったわけではございません。特に輸入について検討しろということでございます。しかし、それ以前四十二年のころあるいは四十七年度予算編成の際にも輸入機種としてはどういうものがあるかというようなことについては防衛庁からいろいろ資料を承っております。
 そこで、輸入について検討しろということを特にお願いいたしました理由は、第一に、輸入機の方が非常に安いということでございます。それは大量生産によってやっておるということ。それから、当時四十六年、ドルショックがございまして、十二月以降スミソニアンレートによりまして三百六十円レートが三百八円になった。そういう四十七年度予算の段階におきましては、まだ三百六十円レートで換算をしておりましたけれども、予算要求は三百六十円レートで換算してございました。それが三百八円レートになりますと、一機さらに七千七百万円も安くなる。全体といたしましては非常に一機当たり何億というように輸入機の方が安くなるわけでございます。こういうものについてわれわれが輸入を検討してはどうだと言わない方が逆に私どもとしてはおかしいのではないかと、こういうふうに考えております。
○矢田部理君 国産化方針に対して輸入案を持ち出すためには、少なくとも輸入としてこんな飛行機がある、こんな機種が考えられるということは検討したんでしょうね。
○説明員(古橋源六郎君) 輸入機種につきましては、四十二年度のときに防衛庁から聞いております。さらにまた、ロールスロイス社が倒産いたしまして、T2のエンジンができないのではないかという国会の御指摘が国会におきまして一回ございました。その際に、輸入機につきましていろいろ防衛庁から検討いたしております。その際の資料もいただいております。さらに四十七年度予算編成の際におきましても、輸入する場合においては練習機であればF5B、もし支援戦闘機であるならばF5Eというものがある、これが考えられるということを防衛庁から聞いております。それにつきましてのいろいろな計器等につきまして防衛庁から資料をいただいております。
○矢田部理君 そこで、たまたまF5Eという名前が出たわけでありますが、F5EとFST2改の場合の性能上の比較、価格上の比較はしたんでしょうか。したとすればどういう理解に立ってそういう提案をしたんでしょうか。
○説明員(古橋源六郎君) お答えいたします。
 当時の関係者に聞きましたところが、それにつきまして特に問題になりましたのは、性能上の問題につきまして防衛庁がFST2改の方がF5Eよりも非常に性能がいい、この点だけはどうしても譲れないということで防衛庁はFST2改を主張なすったわけでございます。それらの性能、内容等につきましては防衛庁の方から……
○矢田部理君 いや、話の途中でありますが、大蔵省として輸入案を提出する以上、特に性能比較なり、価格比較、これはやらなきゃならぬでしょう。
○説明員(古橋源六郎君) お答えいたします。
 その当時、大蔵省といたしましてはある程度性能というものがそんなに違わないというものであるならば、その価格面の非常に低いというものの方が重要ではないかということで輸入を主張したわけでございます。
○矢田部理君 ちょっと中途半端な答弁ですね。具体的にF5EとFST2改の性能上の比較を厳密にやったのでしょうか、大蔵省としてはこう考えるという。それが一つ。
 それからもう一つの質問は、輸入の方が価格が安いというんだから、F5Eを輸入すれば幾らになる、T2改の場合は幾らだと、それを具体的に示してほしいと言うんです。
○説明員(古橋源六郎君) お答えいたします。
 まず価格面、単価比較の価格面でございますが、四十七年度予算編成当時、それにT2練習機は……
○矢田部理君 練習機は聞いてない。
○説明員(古橋源六郎君) 十四億一千四百万円でございます。これと比較いたしまするF5Bは三百六十円レートで換算いたしまして九億七千百万円、したがいまして、その差額は五億程度違うわけでございます。それが四十六年の十二月の二十日、スミソニアンレートによりまして三百八円レートになりますと、F5Bは八億九千四百万円になる。国産でいたしますと十四億一千四百万円が八億九千四百万円になると、こういう理解でございます。性能面につきましては、その当時防衛庁と大蔵省との間で議論をいたしたというふうに聞いております。
○矢田部理君 その価格でありますが、それは製造価格といいますか、購入時の価格でしょうか。それ以後ずっと十年ぐらい使うことになるだろうと思いますが、整備とか部品とか等々全体の寿命を通じての価格の比較はやっておるでしょうか。
○説明員(古橋源六郎君) 当時見込まれる価格でございまして、物価上昇は見込んでおりません。それは比較いたしまするT2の価格も十四億一千四百万円というものも同じようなディメンションにおいて比較対照いたしておるので、そういう検討はいたしておりません。
○矢田部理君 物価上昇の問題じゃないんですよ。飛行機を買えば当然その期間、整備とか部品とかいう問題が出てくるわけですね。そういうものを含めて全体の比較はやったことがあるかと、こう言っている。
○説明員(古橋源六郎君) 維持補修費を含めましての検討はやっておりません。
○矢田部理君 購入時の価格だけの比較では全体の関係は出ないわけですよ。われわれは国産であればいいとか、輸入がけしからぬとかということではなしに、基本問題がある。こういうものが必要かどうかということは本格的に問われなきゃならぬと思うんでありますが、それにしても大蔵省の出している価格比較というのがどうも購入時価格だけを問題にしているような気がしてならないわけです。いずれにしてもやっていないということでありますから、そこに一つ問題点があるだろうと思います。
 それから次の質問に入りますが、PXLの国産化に反対した理由をかいつまんで述べてください。
    ―――――――――――――
○委員長(剱木亨弘君) この際、委員の異動につきまして御報告いたします。
 本日、峯山昭範君が委員を辞任され、その補欠として塩出啓典君が選任されました。
    ―――――――――――――
○説明員(古橋源六郎君) PXLの国産化に反対いたしました理由は、先ほども申し上げましたが、二つございます。一つは開発費が非常に高くつくということでございます。その当時予想されておりました開発費は四百億、外国でやっております場合は非常に量産でございますので、その開発費の一機当たりに振り分けます単価は非常に安くなると思います。それからもう一つは、わが国で国産をいたしますると、量産をいたしませんので、量産単価が非常に高くなる。当時防衛庁から聞いておりました数字は、PXLはその後ずっと高くなっておると思いますけれども、その当時聞いておりましたのは大体三十五億程度、それに対しまして外国から輸入いたします場合においては二十五億ないし三十億、こういう数字を聞いております。
○矢田部理君 大蔵省として反対したわけでありますから、大蔵省として購入価格だけでなしに、これも十年間なら十年間使用するに当たって全体との費用対効果の問題が検討されてしかるべきだと思いますが、そういう検討は大蔵省自身としてはなされたでしょうか。
○説明員(古橋源六郎君) 当時維持修理費等につきまして防衛庁からもいろいろ検討をいたしておりますけれども、現在資料を持ち合わせておりません。
○矢田部理君 検討したけれども、結論、数字は出ているんですか。
○説明員(古橋源六郎君) 維持修理費等につきまして検討したというふうに聞いております。
○矢田部理君 私が聞いているのは練習機じゃなくて、T2改の方です。
○説明員(古橋源六郎君) お答えいたします。
 PXLについてはいま申し上げましたとおりやっておるというふうに申し上げましたけれども、FST2改につきましては存じておりません。
○矢田部理君 失礼。ちょっといまの質問撤回します。
 PXLについて大蔵省として国産化をやめた場合に、当時、輸入の見通しはあったんですか。
○説明員(古橋源六郎君) 当時私どもといたしましてはまだリリースとかそういうような話は聞いておりません。私どもといたしまして輸入を検討しろというふうにPXLについて申しましたのは、大分、五十七年度以降の話でございます。それまでの間にそういうようなことも含めて輸入について検討してほしいということを防衛庁に言ったわけでございます。
○矢田部理君 四十七年の十月段階のことで伺いたいんですが、その時期、国産化を前提とする研究開発は認められないという態度をとりましたね。とすれば、輸入論等に傾くのではないかと思われますが、大蔵省自身として輸入の見通しは当時あったのかどうか。
○説明員(古橋源六郎君) 四十七年の十月九日当時はまだ米国からのリリースの可能性ということはございませんでした。しかしながら、実際に輸入するといたしましても、それは五十七年以降の話でございますので、それまでに十分時間的な余裕がございますので、特にそういう点につきまして検討いたしておりません。
○矢田部理君 国産化に反対をして、輸入にすべしということになっているのに、大分先のことだからということだけで、見通しなしにこういう提案をしたわけですか。
 時間がないからあと二、三点伺いたいと思いますが、四十七年十月八日の晩に、宮下主計官からFST2改の国産化は異論がないが、PXLについては国産化を前提とした研究開発は認めがたいという連絡をしたということですが、これは庁議というか、省議を開いたのでしょうか。
○説明員(古橋源六郎君) 省議を開いたというふうには聞いておりません。しかし、大蔵省の方針と申しますのは、その事前に内示方針等につきましては大臣までいろいろと御説明申し上げてございます。
○矢田部理君 その数日前から大蔵、防衛との間でいろんな議論が交わされたとされているわけですが、翌日、四次防を決める前の晩に、最後通告とも言うべき大蔵省の態度を出すに当たって特別省議とか相談はなかったんですか。
○説明員(古橋源六郎君) お答えいたします。
 その前から国防会議幹事会とか、それとか次官あるいはいろいろなところで各省と折衝が行われております。そういう段階におきまして、当然部内においては連絡をとっておるというふうに通常であればあったと思います。しかし、特にこのために省議を開いたという事実は私は聞いておりません。
○矢田部理君 そうすると、従来の大蔵省の態度を主計官を通してただ述べただけというふうに受け取ってよろしゅうございますね。
○説明員(古橋源六郎君) お答えいたします。
 従来の態度と申されましたが、予算折衝といいますのは、相手方の要求に対してこちらが査定すると、また相手方の態度によってこちら側も態度を変えていくと、そういうふうに千変万化するものでございます。したがいまして、その当時の防衛庁の意向に応じましてそれを常に、絶えずその当事者は上司に報告し、連絡をとりながら防衛庁に大蔵省の意向を示したと、こういうふうに考えられます。
○矢田部理君 特別な省議等は開いていないということがわかりましたが、ところでそれを受けた防衛庁側としてはやむを得ないと、PXL問題についてはやむを得ないという対応をしたということなんですが、その返事はだれからだれに対してあったでしょうか。――防衛庁に聞かなくていいから、大蔵省の方だけで言ってください。
○説明員(古橋源六郎君) 防衛庁がやむを得ないと判断されたわけでございまして、その空気は私どもの方で聞いておりません。
○矢田部理君 じゃあ坂田長官に伺いますが、宮下主計官から八日の晩に電話があったというんですね。日曜日だけれども幹部が集まっておった。そこでFST2改等についての国産は認められたんだから、PXLについてはもう国産化を前提とする予算がつかないということもやむを得ないんじゃないかという立場をとられたと、もう大詰めの段階で、きわめてこれまで議論の経過が大きかっただけにですね、その態度は大蔵省には伝えなかったんですか。
○国務大臣(坂田道太君) この問題につきまして私が調べました結果は、八日の夜、増原長官以下幹部が集まりまして協議をしておるところに、大蔵省からいま先生御指摘のとおりの申し出があったわけでございまして、われわれ首脳といたしましては、とにかく支援戦闘機を国産にするということはどうしても貫かなければならないことだというふうに考えておったわけでございまして、もしこれが輸入ということになるならば、これは大変なことになるということで、大蔵の方がそれを輸入にしてもらいたいということを二日の段階から内示をしてきて、実は弱り抜いておったわけでございまして、その意味においてはわれわれの考え方が貫けたということでほっといたしますと同時に、一方PXLの方はこれはだめだと、しかしまあこれはどちらを優先するかというならば、それは支援戦闘機の国産ということが認められれば防衛庁としてはこの段階としてはやむを得ないかなあという空気に包まれたということであります。しかし、それだからと言って、それじゃ翌日の国防会議あるいは閣議等においてはっきりそれが決まったわけではございませんので、まだまだがんばらなけりゃならないなあということで、翌日、増原長官も田中総理のところまで再度――再度というか、出ていかれて、そうしてお願いをしておられるという事実があるようでございます。
○矢田部理君 それまで大変な論争をしてきたわけでしょう、認めるか認めないか、何年かにわたって。その幕切れが、主計官が何の相談もなしに従来の大蔵省の態度を防衛庁に伝えただけ。防衛庁は、聞いてやむを得ないかなあと思っただけ。問題の幕切れとしてはいささかあっけなさ過ぎませんか。
○国務大臣(坂田道太君) これはまあ予算折衝とは違いますけれども、まあわが防衛庁にとりましては、予算折衝と同じような重大なものであります。と申しますのは、四次防を決めるか決めないかということでございますから。その意味においてずうっと毎日、連日大蔵省と折衝しており、その間をとって副長官も間に入り、調整に当たっておる。しかし、その調整工作もうまくいかないという段階で、一方の大蔵側が、そういうようにわが方の国産化を認めたということでございます。しかし、それが果たして翌日決まるかどうかということについては若干のまだ不安を持っておった、というのがその八日の段階の防衛庁の気持ちだと思います。
○矢田部理君 そのやりとりはいずれにしましても、そうするとどうも八日の晩に大蔵省は従来の方針を再度伝えた。防衛庁はやむを得ないと思ったと。言ってみれば話がついちゃっているわけでしょう、連携がどうであったかはちょっと残りますけれども。にもかかわらず田中総理は、翌日、このような技術的な問題を一々自分のところまで上げてもらっちゃ困るという話をされたということなんです。一々上げていったのは一体だれなんですか。防衛庁でも大蔵省でも結構です。
○説明員(丸山昂君) お答え申し上げます。
 一々上げるということで、これはその二回以上にわたって総理の方へこういう問題が提起されたというふうには私ども受け取っておりません。私どもが長官の命によりまして、この十月二日以降九日までの経緯について当時の関係者の方々の御意見を伺いましたところ、十月の九日の国防会議が開かれる前、その前に幹事会が開かれておるわけでございますが、その幹事会の結果を後藤田官房副長官から総理にお話があり、後藤田副長官は支援戦闘機、それから高等練習機については防衛庁の要求どおり国産にするのが可であるという意見具申をされておるようでございます。次いで当時の相澤主計局長が呼ばれまして、大蔵省の意見はどうであるかということを総理から問われまして、相澤主計局長は、支援戦闘機と高等練習機については、それで大蔵省としては大臣の御了承も得てあり、異存はないということで、そこで早期警戒機と対潜哨戒機については防衛庁は国産化を前提とした研究開発を要求しておるけれども、これは大蔵省としては認められないという意向の、趣旨の発言をしておりますが、それに対して総理からは、そういう細かいことについて総理の判断を求めるということは適当でないという趣旨のことをおっしゃったように私どもは承っておるわけでございます。
○矢田部理君 いまの話はもう文書その他ではっきり出ているんですよ。そんなことを聞いているんじゃなくて、前の日に大蔵省から申し入れがあって、こっちもやむを得ないという態度をとったのならば、その問題は言ってみれば、客観的に見れば決着がついたことじゃありませんかと、仮にそれが事実だとすればですよ。もはや白紙還元も専門家会議も要らないはずなんですよ。防衛庁もやむを得ないなと考えた。しかしこのT2改だけは欲しいなと、国産化にしてもらいたいなと思っておったのが中心だったということであるならば、どうして話がついたものが、その前提に立つとするならば、今度は白紙還元だの、まして専門家会議などに発展をしたのか、また逆に専門家会議や、白紙還元まで問題がもつれ込んだとするならば、事前の話はついていない、いわば寝耳に水論が生き返ってくるという、きわめてこの間の事情は矛盾と言いますか、疑惑の対象にならざるを得ないわけですよ。
 最後に一点だけ伺いますが、時間が来てしまいましたので。専門家会議の発案はだれがしたのですか。
○説明員(内海倫君) お答え申し上げます。
 先ほど丸山防衛局長が申しましたように、対潜哨戒機と早期警戒機につきましては、国産化を前提とする……
○矢田部理君 簡単でいい。だれが発案したかということです。
○説明員(内海倫君) はい。研究開発という問題が、四次防の主要項目の決定に際しまして電子機器等の開発という問題についてどう決めるかということに問題があるわけでございますから、それで総理が専門家等の意見を聞いたらどうだというふうな御意見があったと、私どもは防衛庁の調査によって承っております。で、それに基づいて事務の者が集まりまして案文をつくった上で、さらにその問いろいろ論議はあったと思いますが、そういう論議に基づいて案文をつくって、それを各議員が了承されたと、こういうことでございますので、専門家の会議を設けるということをだれが決めたかということになりますれば、それは御出席になっておりました国防会議のメンバーの方々の合意に基づくものと、こういうふうに御答弁を申し上げたいと思います。
○矢田部理君 聞かなくてもいいことをしゃべらなくていいんですよ、時間がないんだから。
 白紙還元のイニシアチブは総理がとったという話はこの間した。専門家会議については事務局レベルから総理に進言したことはないんですね。総理が専門家に任せたらどうかという発議をしたんですね。イエスかノーかだけで結構です。
○説明員(内海倫君) 防衛庁のお調べになったところによりますと、総理が専門家等の意見を聞いたらどうだと、こういう御発言はあったと聞いております。
○矢田部理君 終わります。
○久保亘君 私は最初に、余り時間がありませんので簡単にお答えいただきたいと思うんですが、官房長官にお尋ねいたします。
 五月二十六日の三木総理の記者会見で、人心一新と言っても、実際からいえばロッキード事件の究明が大前提になると思っている、人心一新と言っても、ロッキードが究明されない段階では人心
 一新にならないと、御発言になっております。なお、五月二十九日は民放の「総理と語る」のテレビ番組の録画撮りの中で「「人心一新」も結構だが、ロッキード事件の真相が究明される前の「人心一新」では、解明後もう一度「一新」しなければならないかもしれない。事件解明が先決で、その結果をみないと「一新」のあり方がわからないではないか。」このような御発言があります。このことは、ロッキード事件の真相解明によって、与党並びに内閣の中に、いわゆる法的または政治的、道義的な責任を問われる者が明らかにされる可能性があるということを三木総理がすでにお考えになった上での御発言であるのかどうか。この記者会見並びに「総理と語る」における首相の発言の真意を官房長官にお尋ねしたいと思うんであります。すでにこのことについては、総理の意向をお聞きの上御答弁くださるようにお願い申し上げておりますので、お含みの上御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(井出一太郎君) あらかじめただいまのような御意向を伺っておりましたので、その意味で答弁を申し上げます。
 五月の二十六及び二十九日の発言でございますが、これはたしか質問者の方では内閣改造というふうなことを頭の中に置きながら質問を発しておったように思います。それに対する総理の答弁は、ロッキード事件の真相の解明が何と申しましても最優先すべきものであると、こういうことで、私、ほかには他意はないものだと、いま久保さん後の方でおつけになりましたような、そういうところまで踏まえて答えておるというのではないと、こう思っております。
○久保亘君 いま総理が今日のような政局の中でこのような御発言を、他意なく、ただ一般的にお述べになるということは大変不見識だと私は考えております。そうではなくて、やはり総理は、一定の考え方や自分の予測の上に立って今日の政局をリードしていく目的意識的な御発言だと私は思わざるを得ないんであります。このようなことが、もしも単なる何ら根拠のない発言でもって、与党内における政権争奪のための目的を持った発言として行われるとするならば、大変問題が多いことだと私は思っております。したがって、このような御発言になっております背景については、もう一度機会を見て私は明確な御答弁をいただきたいと考えております。
 次に、法務大臣にお尋ねいたしますが、灰色高官名の公表について三木総理は、刑事上、政治道義上の問題と人権擁護上の問題を考慮しなければならないということを繰り返し述べられておりますが、私が承知をいたしておりますところでは、昭和四十一年六月二十三日、最高裁第一小法廷の判決で確定をいたしました「公共の利害に関する事実の摘示と名誉棄損の成否」というこの判決事項に関して、その理由の中できわめて明確にこれらの問題について最高裁の見解が示されております。それは大臣も御存じだと思うんでありますが、この示しております内容は、公務員の選定、罷免は、国民固有の権利であるから、国民は、公務員の適否を判断するため、彼らについて知る必要があり、また知る権利を有する。従ってその判断に関係がある限り、たとえ過去の私事、プライベートなことにわたったとしても、事実の公表は許されなければならない。特に国会議員ないしその候補者については、他の一般公務員と異なり、その適否の判断には殆んど全人格的な判断を必要とする、という趣旨の判決が行われております。この判決に従えば、今日、灰色高官名の公表について、国民の知る権利と基本的人権の両立という立場で首相が説明されております問題については、ロッキード問題に関する限りは最も明確に国民の知る権利の方が一〇〇%優先をするという最高裁の判決ではなかろうか、私はこのように読むのでありますが、このことも法務大臣に前もって事務局を通じてお知らせをしてありますので、この最高裁の判決に関連をして、この灰色高官名の公表に関する法務大臣の見解をお伺いしたいと思うんであります。
○国務大臣(稻葉修君) いまのお示しになった判決の趣旨は、その事実が名誉棄損になるか否かということを問わず、ずばり民法上の損害賠償請求の原因となる不法行為、名誉棄損という不法行為が成立すると否とにかかわらず、刑事訴訟法四十七条本文の公益よりただし書きの公益の方が優先するという判断のもとになされた判決でありますね。
 それで、そういうことなら、このロッキード事件に関する――私はよくわからぬけれども――いわゆる灰色高官名というのは、官に限るんだろうか、議員は含まないんだろうかどうか、その辺のところも、言葉の意味は不正確ですけれども、官という字は。それはまあそれとして、それを知る国民の権利の方を公益上の優先と考えてただし書きでやるべきものだというふうに一概に言えるかどうかは、なお慎重に検討を要すると思いますよ。それは、この事件についてはそうですけれども――かもしれませんが、犯罪捜査の機能というものは、四十七条本文の規定を守ることによって、将来長きにわたってたくさんの犯罪捜査の問題の犯罪捜査機能を、そういうことによって低下せしめるおそれがあるということになると、非常な広範囲な公益上の不利を来すかもしれない、おそれが十分にある。そういう大きな公益の比較になりますから、具体的にその捜査が終わって、さてという段階になりませんと、いまここで空に、抽象的に、一般論として議論をしておっても始まらないと言っちゃ失礼ですけれども、決め手にはならないというふうに思いますものですから、私は、犯罪捜査の終結をお待ちになっていただいて、そのときに、刑事責任を免れたけれども政治責任がありそうだなという者をどうするかについて、国会の調査権にどこまで協力するか。最善の協力をするというお約束はしてあります、総理大臣も。そういうふうにお考え願いたいと思います。
○久保亘君 いま大臣は、私が例示いたしました最高裁の判決は刑事訴訟法四十七条のただし書きを優先させたものである、これはそのようにお答えになりましたので、少なくとも四十一年に最高裁が下しましたこの判決においては、国会議員並びにその候補者、それから公務員もその中に示されております。そういう者については国民の知る権利の方が優先するということを判決していることについてはお認めになりますね。
○国務大臣(稻葉修君) 判決のその判示については事実ですから、認めますね。認めます。
○久保亘君 そうすれば、判決の問題になっておりますこの事件そのものよりも、ロッキードの問題の方が――より国家の利益、国民の利益という立場に立つならば、この判決を求めた人の事件の場合よりも、はるかにロッキード問題の方が公共の度合いにおいては重要である、このことについてはお認めになりますか。
○国務大臣(稻葉修君) ですから、そのことにつきましては、先ほど言いましたように、将来の、これより以上の贈収賄事件というふうな事件が起きた場合の犯罪捜査機能を低下するおそれもないわけではないという点も考慮して、そのロッキード事件の犯罪捜査が終結したときに考えるべきことだと、政府は判断すべきことであり、あるいは第一次的には検察庁が判断すべきことである。そうして、非常に政治的判断を要することでありますから、検察庁も恐らくは上の方に相談し、検事総長を通じて法務大臣に相談したり、いろいろするでしょう。そういうときに、国会の調査権にどこまで御協力を申し上げるか。最善の御協力を申し上げると言うているんですから、その辺のところでいまは御判断を、あなたの御判断でひとつ大体わかったなと、こういうふうに御判断願いたいと思います。
○久保亘君 きょうは時間がありませんから、ただ、私は最終的に灰色高官名の公表等に関してこの問題で四十七条のただし書きを判断される場合には、すでに十年前に最高裁が明確に判決していること、そしてそのことについては法務大臣もただし書きを優先させる判決であるということを先ほどお答えになっておりますから、その点については十分ひとつ御判断をいただきたいと思うのであります。
○国務大臣(稻葉修君) ちょっと……
○久保亘君 もうよろしいです、時間がありませんから、次へいきます。
○国務大臣(稻葉修君) ちょっと待ってください。
○久保亘君 いや、結構。
○国務大臣(稻葉修君) これはちょっと答弁させてもらおう。
 あのね、先ほどの示された判決は、四十七条本文とかただし書きとかいうことに関係ない名誉棄損の判断について申しているんでありますからね。四十七条の公益衡量でもって、そうして四十七条ただし書きを適用する適例な事件であると。この場合はその事件として四十七条ただし書きを適用する方が公益に合するんだという判断をその判決はしているのではないと思いますな。
○久保亘君 先ほどの答弁とは少し表現が変わっておりますから、それは結構です。また議論しましょう。しかし、この判決が厳然として最高裁の意思として存在するということは認めておいていただきたいと思います。
 次に、私が本日防衛庁にお尋ねしたいと思っておりますのは、去る三月一日防衛庁調達実施本部長菅沼照夫名をもって出されました「輸入品販売代理店契約書等の提出について」の依頼文書であります。この文書によりますと、「国内商社と海外メーカー等との間の契約等の実態を掌握したく、かねてから貴社と海外メーカー等との間に存する代理店契約その他海外メーカー製品の販売に係る相互の権利義務関係を約定した契約書又は協定書類の提出をお願いしてきたところでありますが、御協力を得られず今日に至りました。」と書かれてあります。この点について防衛庁は一体いつごろからこの提出を求めていたのか。この事件が起きてからのことであるのか。それから、契約書の提出を求めることができずに商社との間に購入契約を結ぶということは防衛庁の輸入品購入価格の決定等に防衛庁側にとって著しく不利な条件を生み出したことにはなっていないのか。それからこの公文に対して、今日防衛庁から示されましたところでは、この七十社のうち代理店契約書等を提出してきた会社はわずかに十六社であり、しかもその十六社のうち契約書の全文を正しく提出したところはほとんどないと聞いております。したがって、七十社の輸入商社から防衛庁は完全にその契約書の提出を拒否されているというのが現状であります。このような状態に対して防衛庁は一体どのように考えているのか。しかも、この書類の末尾の方にまいりますと、「今般御承知のように、米国ロッキード社と日本商社との間のこの種契約の存在と性格が公知の事実となったため、当本部としては契約相手方と海外メーカー等との間の契約の内容を明確に承知する必要にせまられております」、いままでは提出を求めたけれども、協力願えませんでした。今度はロッキード問題が起きましたので、どうしても出してもらわぬと困るようになりました。「事情御勘案のうえ」この書類を速やかに提出してくださいませんかという、きわめて低姿勢な防衛庁からの依頼文が出されております。これに対して商社側はノーと答えてきているんであります。私はこのような状態について、事務局は先ほど私が申し上げましたことにお答えいただきたいと思いますし、長官のお考えをお聞きしておきたいと思うんであります。防衛庁が契約内容を明確に承知する必要に迫られているというのは一体どういう意味なのであるか。契約の存在と性格が公知の事実となったためとすれば、いままでは商社側が提出を拒否すればやむを得ないことと考えてきたのか。これらの点を明確にしていただきたい。
 あわせて会計検査院は、この商社とメーカーの代理店契約等について提出を求めたことがあるのか。防衛庁の検査に当たって求めたことがあるのか。防衛庁と商社の契約の適否を判断するために契約内容、メーカーとの契約内容等の提示を得られなかったことは一体問題があるのかないのか。この点について会計検査院の御見解も承りたいと思うんであります。
 また、もし今後このような文書が提出されました場合、この契約書等に基づくコミッションがメーカーから商社に支払われております場合、そのコミッションが商社の会社経理の中に正しく繰り入れられていない場合には、当然にこれらの問題は税法上の問題を生じてくると思うんでありますが、今後これらの契約書と協定書等の提出を求められた上、必要があれば会計検査院はこれらの商社に対して今日まで秘密契約として支払われてきたコミッションについてお調べになる意思があるのかどうかお尋ねいたします。
 これらの問題が今日大変重要であると思いますので、できますならば、防衛庁は提出を求めた七十社の社名とその回答状況を詳細に資料として御提出になりますようお願いをいたします。御回答を求めます。
○説明員(江口裕通君) ただいま先生から数点につきましての御質問がございました。若干質問の点を落とすところがあるかもしれませんが、その場合にはまた後で補足をさせていただきます。
 まず第一点でございますが、防衛庁は三月の手紙を出す前から商社に対してそういうことの提出を求めておったんではないかという御趣旨でございますが、防衛庁が輸入関係でいろいろな機材あるいは装備品等を輸入いたします場合に商社と契約をするわけでございますが、その際には一応その商社が海外から輸入いたします相手方から要すれば取り扱い証明というような、資格があると言いますか、そういった取り扱い証明のようなものを徴収しておるのが実態でございます。これは現実に取っております。その際、要すれば実態をもう少しよく詳しくつかむという意味で、従来からもこういうことを要望しておったことは事実でございます。ただしかしながら、これは後からも申し上げますが、防衛庁といたしましては、いわゆるそういったわが国の商社と、あるいは相手方のメーカー、つまりアメリカならアメリカのメーカーというその当事者間の契約に関する限りは、防衛庁は一応第三者の立場に立つわけでございます。顧客といえども第三者でございます。したがいまして、そういった契約の中身にまで立ち入って、法的な権限をもってこれを徴収するという立場には遺憾ながらございません。そういう意味で、商社の方からは、その提出につきましては言うなれば企業秘密に属することであるので猶予してもらいたいと、こういうことであったわけでございます。
 その後三月にこういった問題もいろいろ起きてまいりまして、特に従来の主張をさらに強めまして、商社に対していま御指摘のような手紙を出しておるわけでございますが、非常に概略申し上げますと、現在のところ三割が提出を拒否してきておると、提出は勘弁してもらいたいと言っております。この理由は先ほど申しましたようなことでございますが、要するに防衛庁というものは第三者であって、そういうどうしても徴収することはなかなかできないと。さらに、蛇足ではございますが、これは必ずしも防衛庁に納める品物についてだけやっておるわけではございませんので、そのほかの日本のいろいろな顧客がございます。そういうものについても全部適用になるものでございます。それから、あるいは一つの特定の商品についてだけこれが結ばれているというわけでもございません。これは丸紅等の契約をごらんいただきますとよくおわかりいただけると思いますが、そういうことでございまして、第三者であることのほかに他の人の関係も明らかになるということでございまして、特にこれはひとつ勘弁してもらいたいという話でございました。それで防衛庁といたしましては、しかしながらこれはやはり実態をつかまえたいということで鋭意努力をいたしておりまして、現在も引き続き努力をいたしております。
 それからその次に、こういうことは結局コミッションというものが品代に加味をされて、それで値段を高くしておるのではないかという御指摘かと思いますけれども、これははなはだ遺憾ながら、たとえば二%あるいは三%というコミッションがございました場合に、その分が直ちにその品代に加味されておったかどうかということは、これは一義的にはつかみ得ない、あるいは実態もそうであるかどうかはわからぬということでございます。何となれば、こういったものはやはり通常ならば直接販売費でございますとかあるいは一般管理費あるいは広告宣伝費というような全社的な費目として扱われるわけでございますので、その品物にだけそれがすぱりとかかってくるかどうかということはなかなかつかみ得ません。そこで、結果といたしましては、要するに私どもは、物の値段が、非常に適正な値段で買い入れればよろしいんではないかということで、輸入の場合は、物品等につきましては相手方のオファーがございましたときにはその中身をよくチェックいたしまして、あるいは過去の価格のトレンドあるいは類似品の価格、そういったものを厳重にチェックいたしまして、それから要すれば海外に人の調査を出すというようなことをいたしておりまして、現在までのところそういうことについて適正を期しておる所存でございます。
 それから第三点の、最後に、こういったものについて社名とか回答状況ということでございますが、回答状況の全体のナンバー等につきましては御報告申し上げることは可能でございますが、個個の社名につきましては実はいま話をしておる最中でございまして、特定の社が出てまいりまして、これが話をしてないと、拒否していると、あるいはこれが協力しているというようなことになりますと、それに右へならえされるということになりかねませんので、ひとつ現段階では御猶予いただきたいと、かように考える次第でございます。
 以上でございます。
○説明員(高橋保司君) 防衛庁の決算を検査する担当者といたしまして、御質問のうちのその点を回答申し上げます。
 輸入商社と外国のメーカーあるいは商社との取引関係につきまして、代理店契約というようなものがあるということは前から私ども承知しておりました。その取引関係を通じまして何らかの利益の授受というものがあるんではないかということについて、従来から重要は関心を持ってきたわけでございますが、何しろ、先ほども防衛庁当局からお話がございましたけれども、防衛庁にとりましては第三者的な取引関係であるということ、あるいは企業上の秘密というようなこともございまして、防衛庁当局に以前からその種の資料の要求をずっとしてまいってきたわけでありますが、そのような事情で実は最近までその間の事態を解明できずにきたわけでございます。しかし、最近に至りまして、丸紅関係につきましては代理店契約書なるものを防衛庁の御努力によりまして取得することができております。そういう点で、従来そういう契約があって金銭の授受があったにもかかわらず、明確な解明ができずにきていたことをわれわれ検査を担当する者といたしましてはなはだ遺憾に思っておる次第でございますが、何しろこの契約内容並びに金銭授受の経理関係というものがまだはっきりしていないのでありまして、私たちも大いに努力いたしまして、資料を収集するとともに経理関係の解明に努力を重ねていきたいと、こういうふうに考えております。
○久保亘君 簡単に一局長の方。
○説明員(田代忠博君) お答え申し上げます。
 コミッション収入があって、それがもし会社経理上収入に計上されていないということであれば、先生御指摘のとおり当然に課税上の問題になろうかと思います。
 なお、今後検査をどうするかというお尋ねでございましたが、現在、国税当局におきまして、丸紅関係につきましては、ただいま御指摘のコミッションを含めまして過去数カ年にわたりまして鋭意見直し検討中と承知いたしております。したがいまして、それらが一段落した段階におきまして、私どもの検査も十分留意して遺憾なきを期したい、かように考えております。
○久保亘君 時間がまいりましたのでこれで終わりますが、すでにP3Cオライオンについても児玉譽士夫との間にはコンサルタント契約が行われておりますし、多分丸紅との間にもこの種の代理店契約がオライオンを含めて行われているものと予想されます。これらの契約内容が提出拒否され、しかもそのことが防衛庁が知らないままに商社との間に購入契約を結ばなければならないというようなことは、国民にとっては大変不明朗であり、疑惑を生むものだと考えますので、防衛庁長官はこれらの問題の取り扱いについて御見解を述べていただきたいと思いますし、それから先ほど申し上げました資料の提出、七十社の社名と回答状況、あわせて、今日防衛庁が輸入装備品について取っております手数料率の一覧表の提出について、委員長の方で善処していただきますようお願いを申し上げます。
○国務大臣(坂田道太君) 先ほど装備局長からお答え申し上げましたとおりに、防衛庁といたしましては、海外メーカーと国内商社との関係とそれからわが防衛庁との関係は第三者的な関係にございます。したがいまして、われわれといたしましては、できるだけひとつ契約書の提出につきましてもその提出を求めまして、そして黒白を明らかにするということが必要だと思っておりますが、何分にも法的な強制力がございませんのでございますけれども、今後なお一層努力をいたしまして事実の解明に努めたいというふうに考えております。
○説明員(江口裕通君) 先生のただいまの御指摘の手数料率でございますが……
○久保亘君 それは答弁せぬでもいいんだ。提出してほしいということを委員長に言っているんだから、いいですよ。
○委員長(剱木亨弘君) 久保君御要求の資料につきましては、理事会で相談の上、善処いたします。
○久保亘君 じゃ終わります。
○岡本悟君 法務大臣、二つだけ御質問申し上げたいと思います。
 その一つは、アメリカにおける嘱託尋問の問題でございます。先ほど矢田部委員がお尋ねされたことと重複いたしますが、この起訴免除の決定をされたということを新聞紙上で見ておるんですが、この根拠法規について、法務大臣は先ほど刑事訴訟法二百四十八条起訴便宜主義のあの条項の援用をしたんだと、こういうふうにおっしゃっていますね。私はこれは非常に疑問がある。これは矢田部委員がおっしゃった根拠と同じなんです。まだ捜査が終わりもしないのにおまえさんはもう起訴免除すると、そういう援用の仕方はこれは相当問題です。これは超法規だとかなんとかという批判もありますが、それは論争は別とします。ただ、私が心配しておりますのは、これも矢田部委員が指摘されましたが、アメリカ側は御承知のように、これははっきりした起訴免除制度がございますね。しかしながら、私どもが先般派米議員団で行きました、そして司法省のソンバーグ刑事局長と問答を交わしたときに、私の方の田中団長が、特別委員会が私どもが帰国すると間もなく発足するのだが、そこへ、コーチャンだとかクラッター氏だとかそういった人を証人として喚問したい、これに協力してくれということを希望したんです。そのときにソンバーグ刑事局長いわく、それは本人がオーケーしさえすれば私の方としても協力すると、十分協力申し上げます。しかし、起訴免除のことはないでしょうな、ということを念を押しておりました。つまり、恐らく私の推察するところでは、おまえさん起訴免除するから何でも言いなさいというようなことを言われたんじゃ困りますよ、ということを念を押したんだろうと思うんです。
  〔委員長退席、理事瀬谷英行君着席〕
いわゆる捜査取り決めの第八項を意識してアメリカの起訴免除のことまで言われちゃ困りますよと、日本のことはもちろんですけれども。そういうことであろうと思うんです。ですから、私はもうすでに新聞紙上でアメリカ側は起訴免除しないということに決したというふうに読んだ記憶があるんです。刑事課長はまだそれは承知しておりませんということを言いますけれども。それで私ども行きましたときに、ソンバーグに私はこういうことを念を押しました。私は日本の新聞紙上で、アメリカの司法省が、いわゆるロッキード事件に関する還流資金問題について捜査を開始しておるということを見たんだが、それは事実であるか、あるいは捜査の経過はどうかということを聞いたんです。そのときソンバーグ刑事局長いわく、申し立てにより私どもはこのロッキード問題につきましての捜査を開始しております。しかし捜査の経過についてはもちろん秘密でありますからここで言うわけにはいかぬ。ただ私はこの捜査につきましては完全にやりたい。完全にやりたいということを言っておりました。すでに捜査は始まっているんです。だから、恐らく対象となるであろうコーチャンだとかクラッター氏、こういった人が起訴免除がない限り、適用がない限り、幾ら日本側が起訴免除を言ったところで言うわけがないじゃないですかと実は私は思うんです。ところが、矢田部委員の御質問に対して刑事課長は、いやそうじゃないと、われわれがやっているのは米国の国内法にひっかからぬ、いわゆる贈賄についての限定した嘱託尋問の仕方だから恐らくそれは協力してくれるであろう、こういうことを言っているんですね。贈賄というのは私の推測です。そういうふうに限定してやるから、それはアメリカの国内法にひっかからぬと言っていますけれども、これはデリケートな問題でありますから、私は非常に国民に過大な期待を法務省あるいは検察庁が与えておるとは申しませんけれども、マスコミが非常に大きく取り上げておる。つまり嘱託尋問の成果によって、それが終わればすぐ日本国内において強制捜査が始まる、こういうふうな決め手になるような報道の仕方をしている。しかし私はそう評価していない。というのは、先ほどの私どもが参りましたときのアメリカの法務省とのやりとり、そういうことから考えますと、起訴免除しないんです。捜査がもう進行しておるんですから。そのことだけを申し上げたい。これは質問というよりか、まあ余り過大な期待を持たせぬ方がいいなという感じはしますね。
 それから第二の質問。これは先般私ども同僚の秦野委員が質問された案件についてですが、つまり秦野委員は、いわゆる灰色高官名の公表についていろいろ御質問なすった。それは刑事訴訟法第四十七条、あるいは検察庁法十四条に関連してです。きょう刑事局長、何か出張中でお見えになっていないようですが、そのときの刑事局長の答弁は、私の記憶するところでは、四十七条はこれは検察官が判断して運営する条文である、それから検察庁法十四条の指揮権発動、これは検察の伝統から言って、法務大臣と検察当局が食い違いがあるようなことはないというのが検察の伝統であるから、まずこれが発動されることはないというふうに勇敢に言っておりました。ところが刑事局長が言ったのは、法務大臣は、しかしながら、検察陣営に対する一般の指揮監督権をお持ちであるから、捜査経過について報告を聴取する権利はある。その報告の内容を法務大臣自体の判断で、あるいは総理に御相談なさる場合もあるかもしれぬが、法務大臣御自体の判断であるいは国会に報告するというようなかっこうで明らかになることもあり得る、刑事局長はこういうふうにおっしゃった。そこで、また法務大臣がこれを受けて、しかし、これは法務大臣と言えども刑事訴訟法四十七条あるいは刑事訴訟法全体の趣旨、立法の趣旨あるいは検察庁法十四条、こういった法律を守るべき立場にあるのだから、それはそういうものを無視して、部下には法律を守れと言っておいて、私は法律のことは知らぬ顔してただ報告するのはおれの勝手だというようなことはいたしませんというふうにおっしゃったのですが、これは非常に重要な問題なんです。なぜかと言いますと、こういう新聞報道があるのですね、これは権威者の意見交換のかっこうでの新聞の報道なんですがね。こういうことを言っている。その問答を踏まえて、「いわゆる灰色高官の氏名公表について、これからのすじ道がはっきりしたことは重要だ。これまで灰色高官の氏名公表については「逆指揮権」の発動や刑訴法四七条のただし書きの援用などがいわれて来たが、一番自然なやり方は、法相が捜査当局から報告をうけ、首相の判断で公表に踏み切るということであることが、はっきりした。」こうなる。こういうふうにとっている。これは「朝日」ですよ。しかも相当専門家がやっている。編集委員が。その人たちも四十七条のただし書きの適用で、灰色高官名の公表には無理がある、こう言っておる。要するにあのときのとり方というものは、この秦野委員、いまおりませんけれども、これは本人自身また改めて確めたいと言っておられましたがね。このテレビなんかの解説が、あるテレビはこういうふうに解説する、あるいはあるテレビは逆な解説報道をしている。非常に誤解を招いているのですよ。私は念のために私自身の理解の上に立って御質問申し上げる。ちょっとその点をはっきりお示しいただきたいと思うのです。
○国務大臣(稻葉修君) いま読み上げられたその新聞の記事がいつ載ったか私見ておりませんがね、それは私の真意と別なことを、私の真意であるがごとく書いてありますな。
○宮崎正雄君 ちょっと関連。
 先ほど岡本委員からこの刑事訴訟法の二百四十八条の起訴便宜主義、これについて質問がありましたから一点だけちょっとお伺いしておきたいと思います。それは、この二百四十八条を読んでみますと、「犯人の性格、年齢及び境遇」云々、こう書いてあるわけですね。そうしますと、これを援用するということは、すでにアメリカのコーチャンほか二名は犯人、こういう立場でこの条項を御適用になるのかどうか。百四十六条には「何人も」と、こういうような表現がしてありますが、二百四十八条には「犯人」云々とこうはっきりと主語が限定してあるわけですね。そうするとこれが適用されるということは、すでに三名は犯人であると、こういう前提にお立ちになることになるわけですね、それはどういうふうに――そこでこれは警察当局の解釈で、犯人ではないけれどもこの条文が適用できる、こういうような立場でこれを適用なさるということになると、法律解釈は一検察官が勝手に拡大解釈して運用していいということになりますと、これは大変なことになるんじゃないか。そこでこの条文を全部読んでみますと、これは一応の捜査が進んで犯人としての相当の容疑が濃厚である、だからこれを起訴するかしないかという段階においてこの条文が適用されるのであって、まだこれから尋問も証言も求めるという段階で、この条文をあらかじめ適用されるということについては、われわれ素人にはどうしても理解できない。どういうような御見解であるか、この点一点だけ質問しておきたい。
○国務大臣(稻葉修君) 二百四十八条に犯人云々と書いてあるのであるが、連中を犯人と認めているのかと、そんなことはないんですね。たとえ犯人であった場合でも、もうとても日本へ連れてきてつかまえるという可能性も少ないし、逃亡犯罪人引渡条約は、外為法違反だとか賄賂罪とかには適用がないんですから、そういう要求もできないし、彼らがのこのこと日本へ来るということも考えられないし、これはなかなか困難でないか。
  〔理事瀬谷英行君退席、委員長着席〕
それじゃ、刑事訴追の免除をしない限り、犯人らは証言を拒否して、ロッキード問題の真相解明が非常に困難になるでないか。したがって、仮に犯人であったとしても、二百四十八条によってあらかじめ起訴猶予の権限を行使しておく方がはるかに公益上、そっちの方が大きいじゃないかという判断で適法だ、こう判断したわけでございますから、刑訴法二百四十八条に基づく起訴猶予は元来捜査終了時における処分ではありますけれども、現在の手続、手持ち資料や予想される証言事項に照らし見込まれる犯罪事実、その軽重等を勘案してあらかじめ決定しておくことは可能である。そして、それはロッキード事件の究明ということはだれでも反対がないんですから、真相解明しなければいかぬということについては。その反対のないことについて、証言ということは非常に解明に役立ちますから、そういう解明に役立たせるためにこういう措置をとっておるほど日本国民全体がこの真相究明に熱意があるんだということも、アメリカ側としては捜査協力をする上において非常に有力な判断材料になるのではないか。向こうが、ああいう制度があって、これを適用するかしないかということは向こうの決定、判断ですが、その判断をする場合に、この日本とアメリカとの関係において、日本がそれだけこの真相解明に熱心であるとすれば考えようじゃないかということにもなりやすいという捜査当局の判断だと。しかも、何回も往復して交渉した上での判断だという報告を私受けましたから、そうかと、こういうことで、私が指揮したりそういうことをしたわけではありません。
 もう一つの四十七条ただし書きを適用するかしないかの判断は検察官にある。その検察官の判断と法務当局あるいは政府の判断と理論上は違う場合もあるが、そのとき、たとえ報告の、検察庁から法務大臣が受けた報告を国会に報告するということになりゃ、指揮権を発動して、逆指揮権というか積極指揮権というか、そういうことを発動したのと同じ結果になるではないかという御趣旨のようでございますが、そうなることはよろしくない、そうなることは。あくまでも検察当局の判断が正しく行われる。しかし、連中も神様じゃありませんからね、本文の公益が大事か、ただし書きの公益が大事かということについて、こういう事件になりますとね、当該事件を取り調べた一検察官の判断ではようできない場面が多いんじゃないか。そういう場合には上司から、最高においては検事総長からいろいろな判断を求めてくるであろう。そのときに、合意の上に、発表すべきかすべからざるかを最終的に決定して、国会の調査権に対する政府の最善の協力の限度はこの程度でございますという結論が出てくるものと、こういうふうに御理解願いたいと思います。
○宮崎正雄君 関連ですから、これ以上私は申し上げませんけれども、いまの大臣の御説明については、素人のわれわれは理解できない。ですから、これはまた別に機会を改めて御見解を承りたいと思います。
 そこで、先ほど矢田部委員の質問にも、また同僚の岡本委員の質問にも、なかなかこの条文を発動したからといって必ずしも求める証言が得られるという自信もない、こういうような御発言もございました。そこで、これをせっかく発動されましても、いわゆる最終目的であるこちらの望む証言が得られない。しかも、一方において相当無理な条文の解釈をして、そうして将来に、何といいますか、これが先ほどの答弁を聞いてみまするというと、今回が最初だというんですね、これを適用するのは。そういう重大な問題を軽々しく私はやるべきじゃないと。そこで矢田部委員も御質問がありましたように、これだけしか真相を究明する方法はないのか、ほかにまだあるのじゃないのかと、こういう御意見もあるわけですから、しかし、きょうは関連でございますから、それだけ申し上げまして、また別な機会に御意見を承りたいと思います。
 終わります。
○岡本悟君 法務大臣、大変失礼ですけれども、先ほど私に対する御答弁が禅問答のようなことで、ちょうど宮崎委員がこっちにお見えになりまして、関連質問のことを言われておったもんですから、よく聞こえなかったんですが、もう一回御答弁いただけませんか、例の氏名公表の問題について。先ほど簡単に何か禅問答のような何か御答弁なすったようですけれども。
○国務大臣(稻葉修君) そんなわし、禅をやっているようなつもりでやっているんじゃないんです。国会の質問と答弁でございますから、そんなわけのわからぬことを言って済ませるものじゃありません。私のは、この刑訴法四十七条の本文を公益と考えてこれを固執するか、ただし書きを活用するかという判断は、法律上は検察当局の判断できまるんだと。それがいけないと、国民の要望や何かにこたえて公表したらいいじゃないかという議論がありますから、指揮権を持っているじゃないかと、積極的な指揮権というか逆指揮権を行使してやったらいいじゃないかという議論がありますから、そうはまいりませんと。やっぱり法律があるんですから、法律に従って法務大臣はやるんですと。それならば四十七条ただし書きの公益については全然考えておらぬのかと、こういうと、そうではありません。もしかして食い違ったらどうするかと、こういうことをおっしゃるから、食い違いのないようによく、向こうも独断の判断はできないはずである、こんな大きな事件については。だから上司を通じて相談があるでしょうから、よく意見を一致した上でこの限度まではやるとか、やらぬとかいうことは、そのときになって、国会の調査権が現に発動されたときになって判断をいたします、それまでお待ちくださいと。禅問答じゃありませんね。
○岡本悟君 法務大臣、これはまた同僚の秦野委員がもっと詰めて御質問したいと言っておりますから、そのときに譲ります。
 まだ私も質問したいんですが、もう時間がありませんので、どうぞもう私に関する限りはよろしゅうございます。
 次に防衛庁長官にお尋ね申し上げますが、そのお尋ねする前に、私はいわゆるロッキード事件に関する国政調査のあり方について私の考え方を申し上げておきたいと思うんですが、これは私個人の見解であります。
 私は当初から、この問題を国会が取り上げた際に考えたんですが、一体この犯罪捜査と国政調査のかかわり合いといいますか、それぞれのあり方、これはどういうものだろうかというのは非常に疑問に思っておりました。私自身は、犯罪捜査、犯人捜しは、これはあくまで検察当局に任すべきなんだ。われわれは遺憾ながら国政調査権は持っておりましても強制捜査権は持っておりません。そういうことからいって、これは、犯罪捜査はあくまで捜査当局に任すべきである。いわんや、この捜査がここまで進んできた段階でありますから、なおさらのことそうであろうというふうに私自身は思っております。そこで、国政調査のあり方としては、たとえばいま取り上げておりますPXLの選定、これについての政策の決定の誤りはなかったのかどうか、そういう判断が重要であろう。あるいは、アメリカでやっておりますように、私どもがアメリカへ連邦議会を訪ねましたときにも、上院外交委員会のそうそうたるメンバ一は、私どもがロッキード調査をやっているのは犯罪捜査のためではない、いわゆる多国籍企業に対する、不正不当なビヘイビアに対する規制をどうするかという立法資料を得るためにやっているんだということをはっきり言っておりました。やはりその姿勢がわが国のこのロッキード問題に対する国政調査のあり方の基本になるべきであろうと私は考えております。でありますから、たとえばPXLの選定、政策決定、選定に当たっての経過に誤りがなかったのか、あるいは不当な圧力が加わったんではないか、そういうふうなことの究明であるとか、あるいはいま多少論議に上っておりますけれども、商社を通さないで直接の調達方法はないのかとか、そういうような問題。あるいは、防衛庁とは直接関係ありませんが、わが国におけるやはり多国籍企業の不正不当なビヘイビアに対する規制のあり方、こういったようなものを国会でいろいろ究明する、こういうことは私は国会の本問題に関する国政調査の基本的なあり方であるべきだというふうに確信をしておりますが、そのことについては時間がありませんので詳しくは申し上げません。
 そこで、そういう観点からお尋ねいたしますが、要するに、このPXLの問題に関する疑惑は、防衛庁なりあるいはその調査研究の委託を受けました川崎重工にいたしましても、すでに四十六年度においては予算要求の段階において国産化が決定的になっておったじゃないかと、それが突如として四十七年に至って、十月の九日、いわゆるわけのわからぬ国防会議議員懇談会というようなところでいわゆる白紙還元になったというのはおかしいと、やはりこれは不当な圧力が上の方からかかったんではないかと、そういうことについての解明が中心としてなされてきたわけであります。
 そこで私は、その基本的な前提として、わが国を防衛するさまざまな装備、兵器、武器、そういったものをでき得ればわが国の力によって、いわゆる国産によって充足したいという願望は、日本民族である限りだれ一人として持たない者はないと思うんです。防衛庁だけじゃありません、これは。私だって、自分の国を守るその武器、兵器をよその国から調達するというのは、何としてもこれは忍びませんよ。しかもわが国は高度工業国である、相当の技術を持っている。何とかして自分で開発したいということは、自分で持ちたいということは当然だと思うんです。このことを前提にしておかぬと、だれやらはみな国産に賛成した、あれも国産に賛成した、にもかかわらずそれを無理やりにひっくり返したというふうに印象づけるような質問ばっかりなすっているように私は思う、野党の方々は。そうじゃない。これは野党、与党を問わず、日本民族だれしも国産化ということは熱望していますよ。熱望しなかったらそれは日本人じゃないと思う、私は。でありますから、このことを大前提に置いて考えぬといかぬと思うんですね。
 そこできょうはもう時間がありませんから私は質問を保留して、ごく大ざっぱな、前提になるべきことだけを聞いておきたいのですが、このマスコミあたりのPXLの問題に関連する質疑応答に対する批判を見てみますと、肝心のPXLのわが国の防衛に占める基本的な役割りについての論議がちっとも交されていない。「ちっとも」と言うと語弊がありますけれども、なぜPXLが必要なんだと、これはきわめて重要なウエートを持っておるものだということを私もほぼ認識しておりますけれども、この理解が足りないと思うんですが、その最初のところですな、お話しいただきたいと思うんです。このPXLの重要性、重要な役割り、私どもは日本が資源を持たない、いわゆる海外から資源を仰いで、それを製品にして売り出す、そういった貿易立国の構造、あるいはそうでなくても、生きていく上にさしあたり外国の資源に頼らなければならぬというわが国の地理的な条件、そういったものからいって、この対潜哨戒機の持つ役割りというものは非常に重要だということを漠然とながら認識しておりますが、それをもっと専門的な見地から、一般国民にわかるように防衛局長ひとつやってください。
○説明員(丸山昂君) 私からうまい説明ができるかどうかあれでございますが、まずわが国の、予想されますわが国に対する脅威と申しますか、これは空からの脅威、あるいは海を渡ってまいります脅威、それから海上における脅威、こういういろいろな形が予想されるわけでございますけれども、特にここで問題になっておりますのは、海上からいたします脅威ということが問題になるというふうに考えられるわけでございます。私から申し上げるまでもなく、わが国の現在の必要物資は九〇%以上が海外に仰がなければならないという実情から考えまして、わが国の安全保障を考えます場合に、海上における脅威ということは非常に、安全保障全体を考えました場合に非常に大きなウエートが置かれるというふうにまあ考えるわけでございます。これはもちろん水上艦艇によるものもございますが、むしろ最近の様相からいたしますと、また過去の戦争その他の体験からいたしまして、潜水艦による脅威ということが非常にその中でもまた大きなウエートを占めているというふうに考えざるを得ないと思うわけでございます。この潜水艦に対処する方法としてどのような方法が現在考えられておるのかと申しますと、これに対しましては、いろいろなそれぞれの装備の特徴を生かしまして総合的にこれに対処するということになっておりまして、この主なものはもちろん水上艦艇、護衛艦、あるいはその他のものがあるわけでございますが、航空機によるものは、機動力がありカバーする地域が広範にわたるということからして、この対潜機に依存する部分が相当あるのでございます。この対潜機は固定翼の対潜機、固定翼も大型、中型といろいろございます。それから回転翼――ヘリコプターでございますが、ヘリコプターの特性を生かしました使い方というのもあるわけでございます。で、問題になっておりますPXLと申しますのは、このうちの主として大型の固定翼の対潜機というものを考えておるわけでございまして、この対潜機の性能は、現在私どもが保有をいたしております主力でございますP2Jはかなり優秀な性能を持っております。現在も持っておりますが、これは最近の対象といたします潜水艦の技術的な進歩に対応いたしますと、逐次相対的にその性能が低下しつつあるという現状でございます。また、あわせまして航空機の耐用年数の関係がございますので、現在まで整備をいたしましたものはいずれこれが逐次姿を消していくということになるわけでございまして、一応現在のわれわれの試算によりますと昭和五十六年がピークでございまして、五十七年以降逐次減衰をしていくという状態にあるわけでございます。
 で、どういう点が次期の世代のPXLに性能上望まれるのかと、こういう点でございますが、現在P2JはもともとP2V7という、これも若干現在自衛隊において保有をいたしておりますが、これを改良いたしました航空機でございまして、まず一番大きな点は与圧装置がございません。したがって、高度がある高度に限定をされましてそれ以上飛ぶということが不可能でございます。現在パイロット並びにクルーはある一定高度以上になりました場合には酸素吸入器をつけて飛ぶというようなことをやっておるわけでございますが、それにいたしましても非常に限界があるわけでございます。この高度がどういう意味を持っておるかと申しますと、潜水艦を探知するためにブイをまくわけでございます。ソノブイと申しておりますが、これはパッシブソーナーとアクチブソーナーというのがございますが、通常相手方から入ってくる――こちらから音を発せず先方からの音力吸収してそれを航空機に通信連絡をすると、こういうタイプのソノブイを使用しておりますが、このソノブイからまいります信号をキャッチするためには、低い高度でございますとソノブイの数が限定されてまいります。少ない数のソノブイしかコントロールできないということになるわけでございまして、これが高い高度になりますと相当数のソノブイをコントロールできる、つまり広域の捜索能力というものがついてまいるわけでございます。
 それから、通常の使用はある区域を捜索をして回ってその間に探知をするということをいたしますけれども、有事の場合の使用としては、わが方の船舶が潜水艦に襲われて沈没をされるという不幸な事態が起きまして、それがもとになって発動をされるわけでございますが、その場合にできるだけ早く現場に到達する能力が必要でございます。そういう意味で……。
○委員長(剱木亨弘君) ちょっと簡単に。時間がないですから。
○説明員(丸山昂君) 大変まずい説明で恐縮でございますが、そういうことで、要するに一九八〇年代の固定翼の対潜機としては現在のP2Jは、特に原子力潜水艦がだんだん多くなっておると、水中速力の速い潜水艦を対象とすることを考えますと、大変これに対する対応能力が貧弱になりつつある、したがって、こういうもので代替してまいらなければならないと、こういう考え方でございます。
○岡本悟君 時間がありませんので大変失礼しましたけれども、またこの次に機会がありますので詳しくやってもらいたいと思うんです。
 そこで、PXL選定に関するさまざまの疑問がありますけれども、国産化を決定的にしておるものをある力によってひっくり返したというところに疑惑の焦点があるようなことなんでありますけれども、私はもちろん先ほど申し上げましたように、日本人、特に防衛庁、そういうようなところが国産化を希望することは、これは自然の情です。ですから、一向、それで当然だと思うんですが、大蔵省は大蔵省の立場があって、やはりその費用対効果であるとか、あるいは性能であるとか、あるいはそれを入手し得る時期であるとか、もちろんこれは防衛庁もお考えになりますよ。だけれども、もっとそういう点についてはお考えになるであろうし、あるいはその時の国際の経済情勢による影響も考慮に入れなければいけますま
 い。そういうようなことがあって、いろいろ防衛庁との間にやりとりがあったことは、当然これまた想像できるわけであります。当然のことであります。
 そこで、大蔵省が四十五年度の調査研究の委託費を認めた。これは国産化を前提ではない。あるいは防衛庁の方でも一体どういうPXLは性能を持つべきかという諸元についていろいろ研究しなければいかぬ、何もデータがなかったんですから。まあそういうことでありますが、先ほどちょっと私気になりましたのは、社会党の矢田部先生が、四十六年度からは国産を前提にしての設計研究費を要求したというふうに言われたんです。大蔵省はそれを認めないでやはり調査研究と、こういうふうに査定されたというんですが、一年の準備期間で諸元がどういうものであるかという研究をして、一年ですぐそれ国産化への見通しがついた、それで国産化のための要求をされたんだと、これはちょっと早過ぎるんじゃないか。防衛庁の四十六年度予算要求の概算要求の決定内容を、国産化を決定的に前提にした要求であるというのは、これはそういう決め方はおかしいんじゃないですか。私はやっぱり相変わらず調査研究の段階だと思いますがね。それはただモックアップとかなんとかということに進行さしていいと判断されて、そのぐらいの調査はやはり進めたいということであったのか。それはちょっと、要するに四十五年度、四十六年度、四十七年度の予算の性格づけが問題なんですよね、第一には。だからちょっと一年では余り早過ぎると私は思うんです。
○説明員(江口裕通君) 防衛庁といたしましては、ただいま防衛局長から話がありましたように、対潜機の必要というのはもうつとに考えておりました。具体的には四十三年ぐらいからいわゆる海幕あるいは技本等でいわゆるORという形の一種の研究を若干非公式でありますがやっておるわけでございます。そういうような資料をもとにいたしまして、四十六年度ごろになれば、開発段階でも若干時間がまだ予定されることでもございますので、一応開発段階に入り得るものではないかという考え方をしておりまして、それで四十五年度の基礎調査研究を踏まえまして一応基本設計という段階の要求をした次第でございます。しかしながら、結果におきましては、いま御指摘のような点もございまして、また大蔵省の方の御意向もそういう御意向でございまして、もう少し基礎調査をやれということで、一応予算といたしましては、四十六年度も基礎調査費ということになったと、こういう過程でございます。
○岡本悟君 もう時間がありませんから、大蔵省の方にも残っていただいたんですけれども、私は、PXLの選定の経過については、いままでもう少し大蔵省サイドからいろいろきわめてみる必要があるということを痛感しているんですね。たとえば四十七年の十月二日ですか、T2練習機、それからFST2改、こういったものは輸入にしたらどうかということを急に言い出してみたり、それで九日にはT2とFST2改は国産は認めるが、PXLは輸入にせいとか、そういうのが非常に突如としたような印象を与えるんです。それが本委員会でもいろいろ論議されておりますが、私は私独自の見方があるんで、それをずっと質問してみたいと思っておったんです。大蔵省が突如としてそんなことを言い出すわけはないと思っておるんですが、その背景をもっと聞きたいと思ったんですが、いろいろありますけれども、委員長時間がありませんので次回に保留しまして、これをもちまして終わります。
○黒柳明君 法務大臣にお伺いしますけれども、一昨日総理が記者会見しましたですね、那覇で。そのときロッキード問題に触れて七カ国首脳会議でフォード大統領に会うと、ロッキード問題について謝意をあらわしたいと、決して再交渉、資料等の交渉はやらないと、こういう話ありました。これはあれですか、総理の御自身のお考えを吐露されたのか、あるいは捜査の責任である法務大臣とも話し合って、法務大臣の御意図も含めて総理こういうことをおっしゃったんでしょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(稻葉修君) 総理のそういう御発言は別に打ち合わせたのでもなけりゃ何でもありませんが、間違ってはいないというふうに思います。
○黒柳明君 間違っているかどうか聞いているんじゃなくて、総理の御自身の御意思であると、こういうことですね。
○国務大臣(稻葉修君) ええ。
○黒柳明君 いいです、いいです、いいですそういうことで。総理の御意思ですからどう言おうと勝手ですけれどもね。先ほども若干話ありました。この事件によって人心を一新したいとか、非常にやっぱり聞く人にとりますと、もうすでに完璧な資料があって、捜査も相当順調に進捗しているでしょうし、間もなく出るべきものが出るんではなかろうかと、こういう判断もあるかと思います。また一部にはこういう意見もあるんですよ。いま日本に来ている資料はSECにある資料は余り来てないと。いわゆる私もアメリカのいろんな方に聞きますと、日本に来ている資料、ファイル・ツー・リレーテッド・エヤバスと――、エヤバスに関しての資料という固有名詞みたいのが使われているんです。まあ私はその意味を突っ込んで関係者に、最高責任者に聞ける立場じゃありませんけれども、まだまだSECにはあると。いわゆる来ているのはチャーチ委員会で出た証言をある程度裏づける資料しきゃ来ていないんだと、こういう相当の情報も得ているんですけれども、私はこの際、法務大臣と総理ですからこれは立場が違うにせよ、法務大臣、間違ってないと、先行して御意見をおっしゃいましたけれども、あるべきものならば、出せる資料があるならば、あるいは追加資料だって一回出てきましたですなあ、ついせんだって。そういうものについて再交渉、出すのか出さないのかと、これが再交渉と言うのか、あるいは要請と、こういう形も交渉と言うのか、ここらあたり記者会見では詳しく述べてなかったですね。再交渉、資料についてはやらないんだと、これだけなんですけれども、私は現場の責任者である法務大臣、あるいは、ある意味では総理以上に重要な権力を持った立場、そういう法務大臣が可能性をやっぱり模索することは、当然いまの段階においても必要じゃなかろうか、こう思うんですが、先ほど、総理のおっしゃっていることは間違いないのか。私間違いだと言っているんじゃないんですよ。可能性についてやっぱりこの際模索する立場が、総理と別の立場である法務大臣の当然立場ではなかろうかと、こういう意味から、法務大臣としてはどうお考えですか。まず総理が再交渉しない、資料についてはもう関知しないという、これはぴたっとおいて、まずアメリカに、この際フォード大統領と会うときについて、法務大臣としてはどういうお考えですか、もしそういう立場に立たされた場合には。
○国務大臣(稻葉修君) 三木総理はすでに親書をやって、それに対しては最大限の協力をするというアメリカ大統領の文書による返事が来て、そうしてその後司法共助が行われて実務協定もでき、そうしていま嘱託尋問もやっておると、そうして、いままで前例はないけれども、この際証言はどうしてもほしいというので異例な措置をもやっておると。したがって、資料が数回追加してもらってきました。なお一層追加の資料があれば、どんどんよこすでしょうし、よこすに決まっているんですから。これ以上、総理が今度会うについて、資料がもっとあったらよこしてくれみたいなそんな小さいことを、こっちが、事務当局がすでにやっていることを、再交渉というほどの大げさな表現にはならないでしょう、そんなことは。再交渉じゃないでしょうね。かすみたいなことをまたやってくれなんていうことを言えるものじゃないんじゃないですかね。そういう意味で再交渉はなさらぬということは私そのとおりでいいと思います。それから、そういう再交渉みたいなことをしなければ捜査が進まないというものでもなし、したからというて進むものでもなしと。もう流れに従って着実に進行はしておるということでございますから、法務大臣としては何をか言わんやです。
○黒柳明君 法務大臣も前科――と言っちゃ失礼ですけれども、ありますから、お言葉にはやっぱり気をつけながら――非常にいいムードです。先回もいいムードだったですな、今回もいいムードですから。だけれども、一つ一つお言葉に注意しないと。かすみたいなことですか、ロッキードの追加資料が。これはおかしいよ。かすみたいなことだって、これだけの。だから私は――ってなさい、座ってなさい。ぼくは気が長い方なんです。そんな短気な方じゃないんだ。片一方じゃ、これだけの重大事件だ、政治生命をかける。片一方じゃ、かすみたいなものだ。とんでもない話じゃないですか。かすどころじゃないですよ。追加資料に対してスムーズに来ているかどうか。それだったって一〇〇%SECでやっていること、まだ公開される条件にないんじゃないですか。捜査は続行中じゃないですか。追加資料だって来るかどうかわかんないでしょう。来るはずになっているだけのもんでしょう。私たちの情報と政府の情報と食い違いがあるかわかんないでしょう。それについて全面的に、そうなっているんだ、あるいは、絶対にないんだと、こんなことは言えないわけですよ。ましてね、これだけの重大問題をかすみたいなことだ。ときがときだったら私は黙っちゃいられないんですけれどもね、いまは非常に前向きに、お互いにもう一歩でも前進しての質疑ですからそれはお見逃ししますけれどもね。見逃しますよ。本当だったらこれは大変なことだ。委員長から一言注意してもらうどころの騒ぎじゃない。いまこんなことやったって暑いですからな、お互いに。どうですか。そういう立場からもう一回しっかり答弁しなさい。法務大臣は、何をか言わんやなんて。それだから、さっき禅問答だと。禅問答だと。だめよ。この前もそんな意見でぼくはごまかされた人がいた。今回はだめよ、そんな答弁は。もっとはっきりしなさい。
○国務大臣(稻葉修君) あなたもわしのことをごまかすなと言うけれども、私は人にごまかされたことはあるけれども、人をごまかしたことはないですね。それから、かすみたいだというのは軽微なことだというんです。私は、総理大臣が大統領と会って再交渉という名でやるについては、追加資料をよこせなどという交渉は、再交渉という名に値しないかすみたいなことだと、こういう意味でございますから、ひとつ、言葉が悪うございましたら改めますが、お見逃しいただいたんですから、言う必要もないかもしらぬけれども、そういう意味でございます。
○黒柳明君 それと、法務大臣ね、結構ですよ。法務大臣ね、やっぱり再交渉。私、だから言ったでしょう。再交渉というのは、出せ出さないということもあるだろうし、あるいは、これから出る可能性について速やかにひとつお願いするという謝意も含めてのリクエストということもあるし、あるいは、もしあるものならば、私たちの情報――総理はそんな情報をつかんでないと思いますよ、ひとつ、と要請することは私、再交渉じゃないと思います。交渉というのは文字どおり交渉じゃないですか。どうなんだ、こうなんだ、だめなんだ、いいんだ、もうこれだけ出してんだからと、こういうことじゃなくて、だから私、最高責任者の立場として可能性はあらゆる機会で追及しなければなんないという責任の立場じゃないですか。総理は総理の立場、法務大臣は法務大臣の立場。その可能性に一番、大統領と会う機会があるんじゃないですか。そのときに全くしないんだと。これは総理はいい。法務大臣、だから御意見承っているんですかと言うから、承ってない、総理は間違いない、総理の立場はある。結構。可能性をちょっとでも見出さなきゃなんないと私は思うんです、心情的に。法務大臣はどう思いますかと。それに対して、そういう機会が総理はあった。そのときに再交渉――私いいと思いますよ、再交渉。要するに、何らかのリクエストなり、何らかの話なりをそこでしてね、さらに促進する。それだったってやるべき立場に、あるいはやらなければ、いまの資料で全部解決できるという自信があれば別ですよ。完璧なんだと、一〇〇%政府高官名出てくる、こういう前提ありますか。どうですか、いまの資料で。
○国務大臣(稻葉修君) まあ、そういう意味ですとごもっともな御意見だと思いますよ。それは再交渉と言われましたから、ちょっと私、余り大げさな再交渉にはならないんだなあと、もうすでに交渉済みですからね、総理と大統領の間は。ただ謝意を表し、今後の協力を求めて、その際に、どういう言葉でされるかわからぬが、だんだん資料が新しいのが出てきたらまた下さいよねと、こういうのは非常にその真実を求め可能性を追求するというあなたの意思に合致しまして、私の意思にも合致しますからね、そういうことは大いにやってほしいなあというふうに思いますね。ごもっともです。
○黒柳明君 お互い合致して結構なことでございますけれどもね。
 そこで、総理が間もなく十日ぐらいたつと行くわけですからね。そこで法務大臣の意見、また閣議で発言もする機会もあるでしょうし、まあ当然法務大臣ですから、そういうことはもう一昨日那覇でやってきのうの朝刊に出ましたからね。ああ法務大臣の意見聞いてないと、この次の閣議で発言しようと、こう思っていることは間違いないと思いますけれども、ひとつ機会を通じましてね、再交渉の真意というのは、総理の立場もあるでしょう。ですから、やりとりと、出せよこせと、こういうことじゃなくして、まだまだ――こちらが資料が不足であるのかどうか別ですよ――まだまだほしいものがあるかわかんないし、向こうだって持ってるかわかんないし、SECだって調査中だから、そういう意味でひとつ強くやっぱり要望はすべきであると、こういうやっぱり法務大臣の意思を固めて、あるいは具体的に捜査当局に聞きゃあなおいいですけれどもね、それでやっぱり言うべきところは大統領に言うと。どうですか。要望なり意見なりはきちっと言うと。それには総理が再交渉という意味に含んでの話はしないんだから、法務大臣からやっぱりね、言うべきことは昔えと、こう進言しなきゃなんないんじゃないですか、いかがですか。
○国務大臣(稻葉修君) それはもう当然なことですからね、せっかく行って個別に会うっていうんですからね。真相究明のためにいろいろやってくれたことに対する謝意を表すると同時にだ、将来もいままでと変わらず、それ以上になお一層御協力願いますよ、新しい資料があったらどんどん下さいよねというくらいのことは私は言ってもらいたいと思っている。そう思っていますよ。ですから、あなた、わし言わぬかと思って御注意になったとすれば、御注意どおりいたしますよ。いたします。
○黒柳明君 そのとき法務大臣、やっぱり捜査は相当進捗しているわけですから、嘱託尋問のことは当然そのときはもう解決しているわけですね、どうなるかですね。そういうことも全部含んで、――これは答弁する必要はありませんわ。いまのことでもうお気づきになってたこと、私も意見を申し上げようと、こう思ってたこと私言ったんで、当然であると、こういうことですから、せっかく総理大臣と大統領と会うのに、この重大なときに、しかも両方とも真剣にこれを前向きで解明しようという姿勢は少なくとも見られるんですから、客観的にですよ、私たちはそう思えないんですけどね、そういうときに、両首脳が会うときに、再交渉しません、ぽんとこう何かけられたんじゃ、さっきの全くくだらないという話と同じような受けとめ方するんです。いいですか、その点ひとつ、できれば捜査出局にもいろんな条件聞いて、それは何も総理大臣が大統領に会うことに、細かいこと聞いて、そのときまたいろんなお供がつくんですから、そういう人たちにも意思は通ずるでしょう、最高の場でやることがやっぱり東洋の哲学の一つの方法ですから。これお願いしますね。
 それから先ほどのコーチャン等の刑事追訴の免責の問題ですけれども、これはあれですか、たしか金曜日にそういう報道がありまして、一回否定されまして、日曜日刑事局長が総理にお伺いして、それで了承したと、日曜の夜――月曜報道されたと。こういうことで、もう二日ぐらいたちましてね、くるっと、一応ですよ、報道の上では。私たち事実関係どうなっているかわかりません。やっぱり活字で、ブラウン管で見るよりわからないんですけれども、二日で否定して、すぐそれ了承したと、このいきさつどういうことだったんですか、このいきさつは。これ説明してください。
○国務大臣(稻葉修君) それはこういうことです。あの金曜日の閣議に国家公安委員長福田国務大臣から、朝日新聞の記事を手にして、こういうことを「政府決定」と小見出しになっているが、これはおかしいじゃないかと、こういうことですから、政府決定などはした覚えもなし、またすべきことでもない。そういうことを政府決定して検察庁にやれなんて言うことは、それは指揮権ですからね、それはないと言うて否定し、そういうことが今後行われる可能性があるのかどうかについては、そのときは捜査の機微に触れる問題だからノーコメントだと、こうなって閣議は終わってんです。その後、これは刑事局長から言うてきたのは、検察庁としても、この際事態を明確にしておきましょうと。検察庁としてはそういうふうに地検から出先の検事に了承を与えているんだから、そういうことを一層警察庁にもそれから警視庁にも、検察庁からそれじゃ報告しますと、こう言うんだ。それで、きのう文書で書いたものでもって、最高検の次長検事が警察庁長官に、地検の検事正が土田警視総監のところへ、私が国家公安委員長のところへそういう報告をして、なるほどそれならわかったと、こういうことできようの閣議に特に発言を求めてそういう報告を私がいたしておきました。しかし、これは閣議決定とか閣議了解とか言うべき筋合いのものでありませんから、検察庁独自の判断でやったことでございますから、そういうふうに御理解願いたいと思います。
○黒柳明君 そうすると、あれですか、悪い言い回しかわかりませんけれども、朝日新聞にあぶり出されてそういう二百四十八条の出先の検事に内諾を与えたと、こういうことで、あるいは前からもうそのことを考えて時期が一致したのか、あるいはこういうことがあったからひとつ速やかにやっちまおうと、こういうことなのか。
○国務大臣(稻葉修君) それは二人の検事が行くときにすでにそういう了解を与えられて行っておりますんですね。しかし、それは捜査のことでもありますし、私は、報告を受けて承知はしております、知ってはおりますけれども、別に発表すべきことでもありませんからね、だからそのままにしておったんです。だから、向こうのチャントリーとかいう人がそういうことをおっしゃったと言うから、それならいいじゃないかと。大分網張って、そうしてあの人フランクな人ですから、そういうこともあり得るかなと、こう思いますね。
○黒柳明君 フランクはいいけどさ、堀田検事、東条検事――堀田参事官でしょう。一回初め行ったときば隠密行動だ。出先のワシントンもロスの総領事館もどこへ行ったかわかんない。そうでしょう。それからさらに二回行きました。それである時点において検事に変わったわけでしょう。参事官ですからな、大臣の指揮下でしょう。当然そのときだっていろんなやっぱり隠密行動とは言いながら、大臣は当然そのことを知らなきゃなんない立場にあったと思いますわ。いま検事で行ってますから、情報を聞かないのか、あるいは聞きたくないのか。だけども、向こうの判事の方からそんなものが漏れた、いや、おれは行くときに内諾を与えて知ってたんだとなれば、結局さっきも岡本先生「朝日」という記事出した。だからそういう媒体があってやっぱり政府の本音が出るんじゃないですか。この国会で残念ながら私たち一生懸命やっているけれども、力の及ぶ範囲が限界があるかわかんない。それを当然いい意味での取材をされて――自民党政権下の言論の自由というのはただ一つのいい点で、ほかはいい点なんかありはしません。物価が高い、公害まき散らしちゃう。そういうマスコミがいろんな面を腹の底まで、あるいはもうそれこそ真意の腹の底の底まで引きずりおろして国民世論をリードする、国民世論をそれでまとめていく、そういうものがやっぱりさっきの岡本先生の発言とちょっと違うんで申しわけないけれども、いまいい面が一つ出てきたということになる。と同時に、向こうでそんなことが漏れたこの責任は、二人の検事ですよ、これは。ということは、先ほどからも与党の人からも話ありましたよ。私も聞きたいと思ってたんです。向こうだって嘱託尋問できるかどうか、あと十数時間でこれはわかるんですけれども、まず常識的にはストップかけられるだろう。ストップかけると言ってるんですからね、弁護士がね。いろんな方法がある。もうきのうも夜中ワシントンと、いろいろ友達と電話しました、専門家と。非常にむずかしい、見通しは。そうでしょう。こちらが、しかもさっきも矢田部先生おっしゃったように、私は間違いなくこの前の予算委員会で聞いたんです。マスコミの方が、七十二億とも八十億とも、マニ・トラ銀行を捜査したときに捜査当局から漏れてんですよ。全紙書いた。捜査だから言えないなんて国税庁は言ってましたけどね、向こうに還流しているんですよ。七、八億はこっちで、あとはどこにどう行ったかわかんない。向こうの専門家に、ある専門家に聞くと、いやこちらのことよりもこちらの事件が大変なんだと、こうも言われている。刑事免責、追訴免責なんかとんでもない話であると。だから向こうも尋問に立つ。嘱託尋問に立つ、こちらに来るどころじゃない。向こうで呼ばれることに対しても大変なことだ。日本ならそれについて相当の、失礼な言葉ですけれども、自民党の厚い壁が立ちはだかるわけですよ。ですけれども、向こうはさすがに厳しい国です。民主主義の国ですよ。尋問、出頭、だけど嘱託ということについて向こうでストップをかけよう。まだ全く向こうのロッキードも――まああした衆参やります。日本国内においては全くリベートの金使わないなんて言ったらとんでもない話なんですよ。全くインチキなんですけれどもね、ましてアメリカ国内のことは何にもわかんない時点ですよ。それを、いま異例なこと、二日前に某紙が、朝日新聞が出したから、閣議で自治大臣が発言したから、いやおれはもう行くときに言った、だけど向こうからチャントリー判事官から漏れた。こんなばかなことが、いまのロッキードのこれだけ捜査出局の、日本の国会では何言ったって捜査中、捜査中と言っているのに、おれの言ったことを発表すべきことじゃないけれども、向こうから漏れちゃったんでしょう。責任とりなさい。まず大臣、そこからいきましょう。まず責任とりなさい。
○国務大臣(稻葉修君) おれが漏らしたんじゃないもんね。わしが漏らしいんではないんですよ。それからまた、それ漏れても責任をとるべき悪いことじゃないんですね。どうでしょう。犯罪捜査に熱心だからこそそういう異例の措置をとったんだ。しかし、そんなことを、こうもやってる、ああもやってるとかっこよく宣伝すべきことでもない。自然に漏れて、それはやむを得ぬな、こういう心境ですな。
○黒柳明君 そうすると、国内でも捜査の担当検事が、捜査員が漏らしちゃったと。限られてますよ、二人に。名前もわかってんですよ。東条、堀田の二人に。国外でも漏れちゃったと。ああそれはもう捜査一生懸命だからしようがないですなと。では何のための秘密で、捜査で、国会でも答弁が出てこないんですか。
○国務大臣(稻葉修君) いや、ちょっと黒柳さん、あなた誤解しているんじゃないですか。束条検事と堀田検事が漏らしたんじゃないんですよね。堀田検事と東条検事は、そういうことでございますからひとつ御協力を願いたい、証言がとれるようにしてもらいたいという意味でこっちの方針をチャントリーさんに話した。そしたら、向こうで網張っている日本のマスコミはチャントリーさんから聞いたと、こういうことですから、二人の検事に責任をとらせる、私が責任をとるという問題ではこれないですね。
○黒柳明君 これは大問題ですよ。いいですか。大問題よ。こんな簡単なもんで片づけられませんよ、いまのこの私と法務大臣との質疑は。いい。じゃ、一つずつ積み重ねましょう。これ時間が限られていますから。
 それじゃね、二人の検事が向こうに、それは話し合いでしょうから、交渉するんですから、こういう法務大臣の内定を受けてきましたと、内諾を受けてきましたと、向こうの判事にしゃべってくれちゃ困りますよと言ったのをしゃべっちゃった。マスコミの網に引っかかった。もうこれで結果はしょうがないじゃないですかと、私の責任じゃないですよと、捜査熱心だからですよ。であるならば、もう一歩譲りましょう、私、立場を。責任はと言わなくても、こういうことは遺憾であると、こう私は思うんですが、いかがです。
○国務大臣(稻葉修君) 捜査は機密を要しますから、漏れないにこしたことはありません。はなはだ遺憾であります。
○黒柳明君 遺憾であるということは、法務大臣、これだけの厳重秘密裏に行われている捜査、いいですか、国内外、日本の立場変わりありませんよ。アメリカの場合にはいろいろあるでしょう、国内法が。日本の立場はどこへ行ったって終始変わりないんです。いいですね。そういう非常に厳重な捜査網を、国会じゃ何も答弁出てこないじゃないですか。国政調査権どこ吹く風じゃないですか。まだいま、与党の皆さん方が二百四十八条の発動おかしいと、そこまで行かれないんですからね、その入り口あたりへ行ってんですからね。そういう捜査の中で、法務大臣が遺憾でございますと言うことは、私責任とりませんよ、二人の検事責任ないですよ。遺憾であるって法務大臣が一言国会で発言したことは、それに対して責任が伴わない発言なんかありませんよ。遺憾であるということは、これは……
○国務大臣(稻葉修君) 委員長、委員長。
○黒柳明君 遺憾であるという言葉は――いやいや、何言ってんだ。何だ、これは。なめるな。
○国務大臣(稻葉修君) いや、言葉を切られたから……
○黒柳明君 何だ、これは。なめるな。注意しなさい、委員長。
○国務大臣(稻葉修君) いや、言葉をお切りになったから……
○黒柳明君 なめるな。いままでは静かに聞いてやった、大先輩だから。一生懸命やってお疲れなんだろうと、まあここへ来てリラックスしてもらいたいと思ってた。なめるな。何だ、これは。注意しなさい、委員長一言。注意しなさい、委員長。なめるな。
○国務大臣(稻葉修君) 御注意を受けます。
○黒柳明君 まだまだ、言ってない。注意しなさい。まじめな態度でやりなさいと言いなさい。あたりまえだ、こんなこと。
○委員長(剱木亨弘君) 稻葉法務大臣、発言に気をつけてください。
○黒柳明君 発言と態度――言動に気をつけなさいと言うんですよ。
○国務大臣(稻葉修君) 委員長に申し上げますが、自後言動に気をつけます。
 黒柳先生にも、お許しください。
○黒柳明君 いや、先生なんて言われて恐縮ですね、どうぞ、どうぞ。
○国務大臣(稻葉修君) ちょっと私間違えて、言葉をお切りになったから、それじゃ答えますという意味でした、これは。
○黒柳明君 はいはい。
○国務大臣(稻葉修君) 遺憾でございますという意味は、残念だと、これは。捜査というものは隠密にしていって真相を究明、そのときに真相を明らかにして、なるほどよくやったなあと、こういう結果になるべきものだと私は思うんですからね。そういう意味ではまことに残念であると。しかし、申しわけないという意味で遺憾であるというのではこの事案は当たらないのではないかと私は思いますが、どうでしょうか。申しわけがないという意味では、そういうふうに申しわけないと思わぬもの、私。
○黒柳明君 日本語のやりとりなんかやる場合じゃありませんけどね。遺憾という意味は申しわけないということ含んでんじゃないですか。遺憾ということは、残念というよりも申しわけないの類似語ですよ。言葉のやりとりなんかやったら怒られちゃう、皆さん方に、それこそね。ぼくが法務大臣の意見に巻き込まれることになって、ぼくの権威を失墜しちゃいますから、もう言葉のやりとりなんかやりたくありませんよ。だけども、遺憾ということは、残念だということよりも申しわけない方に近い類似語じゃないですか。そんなばかなこと、ここで、子供のあれですよ、国語の解釈の揚げ足取りなんかやってたら、何のためにロッキードの大きな問題の真相究明かわかりゃしない。これに対して非常に残念だった、結構。非常に遺憾だった、結構。だけど、私も二人の捜査熱心のあまり言ったことが漏れちゃったんだから、マスコミの網にひっかかっちゃったんだからしょうがない、申し訳ないなんということは言えない。これは全く承服できませんね、私は、これは。申し訳ないじゃないですか。申し訳ないということも、だからああしろこうしろなんということ、いろいろ申し訳ないも範囲がありますね。申し訳ないことは間違いないじゃないですか。自分でいま言っているんじゃないですか。これだけの捜査、厳重な捜査体制が整っている、それで漏れちゃっている。国内ならどうしますか、これ国内なら。国内でも同じケースで許しますか。漏れちゃった。あの二人に言ったけれども漏れちゃった。国内だってこれはまあしょうがないよ、残念だった、遺憾だった。あらゆるところで、そんなものは、これね、この委員会聞いて待っている人がいっぱいいますよ、きっと。そうじゃなくったって、もうそろそろ出るころだろうなんて待ち構えているんですから。漏らしてもよかろうなんて、非常にいま言ったお言葉は軽率ですよ、これは。これは厳に反省して、国内外であろうと、このロッキードの解明についての捜査当局の熱意、またそれに対しての厳に秘密を守る体制、これについてはもう非常に遺憾であると。これは国会の審議だったってそうじゃないですか、何にも出てこないじゃないですか。刑事局長何にも言わないじゃないですか。国税庁長官何にも言わないじゃないですか。議事録もう一回見せましょうか。何にも言わない。わかり切っていることを何にも言わないじゃないですか。マスコミ全社が一斉に出していること、それについて何にも言わないじゃないですか。いまの還元の問題にしましても、アメリカに対しても、わからないですからアメリカの問題に対して触れることできないです、そこらあたりわからなければ。そういう捜査の中において向こうから秘密漏れた。これを詭弁を弄してごまかそうなんという姿勢、根性、これがありますと、法務大臣もひっくるめて――まあだれかさんとですよ、その問題についてあまり意欲的じゃない。何か隠蔽する方向にあるんじゃないかなんて、そういう気が起こらざるを得ないですよ。いまの問題については、もう一回やっぱり厳重な法務大臣の意図を吐露して、今後の捜査に対する態度、これを表明していただかないと、ちょっと捜査当局の姿勢というものを疑わざるを得なくなるんで、ひとつ反省とともに今後のやっぱり決意を吐露してください。
○国務大臣(稻葉修君) この問題は、刑事局長を通じそういう措置をとらしておりますという報告を受けたときに、これ途中で漏れる場合もあるかもしらぬけれども、しかも、二百四十八条なんかについての議論なんか起こるかもしらぬけれども、どうなんだと言ったら、漏れた場合は漏れた場合でしょうがありませんと、これは別に犯罪捜査の一つの証言を得るあれになればこそ、証言を妨げる問題ではありませんから、漏れた場合は漏れた場合でしょうがありませんということでありますから、何といいますかな、申し訳ないという意味での遺憾には当たらないのであります。そういう性質のものです、これは。だれかを調べてこういうことがわかりましたとかいうことを犯罪捜査の途中で漏らしたというならこれははなはだ遺憾であり、それこそ申し訳ありません、責任も考えますと、こういうことになりましょうけれども、これは犯罪捜査をやる方向に進む事柄を決めてやった。そのことが漏れたというのでありますから、何といいますかな、先ほど言ったような例とは全然性質が違います。
○黒柳明君 先ほど法務大臣ね、両検事に指示したということをおっしゃったですな……
○国務大臣(稻葉修君) 指示はしない。
○黒柳明君 どういうことです。さっき言葉はそういう言葉をお使いになった……
○国務大臣(稻葉修君) いやいや……
○黒柳明君 どういうことですか。さっき指示したとおっしゃったですよ。
○国務大臣(稻葉修君) そういうことを指示すべきものじゃない。指示した事実もございませんし、指示したと申し上げたことも私ないと思います、これ。もしそういうことが速記録に載っていれば……
○黒柳明君 行く前に二人にどういうふうに……。
○国務大臣(稻葉修君) 二人が行くについて、そういうことに了解を与えておりますと、あそこが、検察、検事正――捜査本部長がそういうことで行っておりますということを刑事局長から私、法務大臣に報告がありましたから、ああそうかいと、しかし漏れないようにできるかねと、こう言ったら、いやそれは場合によって漏れてもしようがない問題じゃありませんかと、こういうことでございました。
○黒柳明君 それでね、日米司法当局と当然事務次官も、鹽野さんも行って話したし、あれだけの案文をつくって司法共助、いわゆるその中において最大の協力をすると、こういうことです。ただ、今回の問題については、これはまあ日本の問題であるとはいえ、この問題はアメリカとの相談をしたんですか、日本側としてはこういう態度をとると、こういうことは相談をしたんですか。その点どうでしょう。
○国務大臣(稻葉修君) 刑事局長から私への報告では、そのことは派遣した二検事を通じて向こうへ伝えてあるというふうにいま記憶しております。そういう報告を受けた記憶を申し上げます。
○黒柳明君 そうすると検察当局が二人の検事に内諾を与えたと、こういうことについて二人が向こうと話し合ったか、向こうと相談をして、日本側はこういう態度に出ますよと、それはいつごろですか。
○国務大臣(稻葉修君) あれはちょっと――正確には吉田課長からですが、私の記憶では一週間ばかり前のように思いますが。
○説明員(吉田淳一君) 東京地検から派米されている検事は何回かにわたって米国へ行っておるわけでございます。その都度、米国司法省の関係者と十分協議をして司法共助の準備などもしてきたことは国会で申し上げているとおりでございます。その過程でこういうような措置をとらないと非常にむずかしいということも米国司法省関係者から聞きまして、それについて検察当局としてはかねてから検討を加えてきたと私は聞いております。
○黒柳明君 そうすると、アメリカ側からそういう意見が出たという発言ですな、いまのお答えはね。アメリカ側から嘱託尋問という手続をとるには日本側としても刑事訴追の免責という態度に出なかったらうまくいかないぞと、そうですな。
○説明員(吉田淳一君) 別に米側がこう言っているからというだけでこういうような措置を考えているわけではございません。しかし、米国側で証人尋問の手続が行われるわけでありまして、それは米国の法制のもとで行われるわけであります。米国の法制ではどういうことになっているか、実務と慣行はどうなっているかと、見通しはどうかと、そういう点は十分米側の司法省関係者から意見を聴取して、あとは検察当局で独自の責任を持って判断したと、こういうことだと承知しております。
○黒柳明君 まあ、さっきは明らかにアメリカ側と、こういうふうに言いましたが、まあいわゆる、その向こうの意見も聞いて、向こうの国内法をいろいろ検討してこちらでそうせざるを得ないと判断したということは、向こうの意見の中にも嘱託尋問ということについてはアメリカ側の国内法ではそういう免責ということも加味しないとだめなんだという当然参考意見なりあるいは何らかの示唆があったか、こういうことですな。それを加味してこちらはやったと、こういうことですね、法務大臣。そういうふうに報告受けていますか。
○国務大臣(稻葉修君) 大体あなたのおっしゃるようなぐあいで……
○黒柳明君 あなたじゃない、刑事課長がおっしゃった。
○国務大臣(稻葉修君) 刑事課長の言うとおりです。
○黒柳明君 それで、また先ほどの社会、自民の先生方おっしゃったですな、要するに、この問題早くなかったのかと、もうちょっとやっぱり時期が熟してからということではどうなのかと。私もこんな感じがするんですけれどもね、これは率直に、私素人ですからね、全く。司法共助の話し合いは全くわかりませんよ。何かこう一つの動機にぱっぱっぱっと一日か二日でひやっとこういうふうにやっちゃった気もしないではないですけれどもね。その点法務大臣の感触どうですか。
○国務大臣(稻葉修君) この嘱託尋問をアメリカに手続をとる最初からその点は問題にされておったと聞いております。そうして、二人の検事のうちの一人はしょっちゅう行ったり来たり、行ったり来たりずいぶん早くから行ってますからね、四月のころから行っているんですから。その向こうとの可能性、検事が直接会いたい、会って聞きたい人に会えるかどうかというようなことも初めはずっとやっていたわけです。それがだめだと言うんで今度嘱託尋問になったんですから、そのころからずっと研究してきて、そこまでいかざるを得ぬかなあという検察庁の判断全体が固まって、そして今度その意を体して彼らは本部も内諾していることだからというので行っておるわけです。いままでもそういう話はずっと二人の検事のうちの一人とはしょっちゅうあったというふうに聞いております。
○黒柳明君 最後の質問ですけれどもね。さっきも若干触れましたけれども、非常にやっぱり見通し暗いという私たち判断するんですが、いまのこの客観情勢で嘱託尋問に対する見通しをどう踏んでますか。
○国務大臣(稻葉修君) 暗いというか、私は非常に厳しいものがあると。したがって、大いに努力を要するというふうに考えます。
○黒柳明君 防衛庁長官済みませんな。また、けさもワシントンの方から、一週間ぐらい前になりますかな。国防総省のラムズフェルドは知らない、サインはしてないけれども、中堅から、在日大使館の担当者に政府レベルでのP3Cの日本に対する導入、こういうことをラムズフェルドは私は日本政府にはまだ接触してないと、こんなのがまたけさも出てました。一週間で二回出てたんですけれども、どうですか。いままでの防衛庁長官の国会答弁ですと、十二月までにはPXLの問題決定しなきゃならないと。さらには、せんだってはロッキードの事件の推移を見て調査団も派遣というような示唆もされた。その段階において、まだちょっとあるいは早いかもわかりませんけれども、もしかすると正式に政府対政府と、こういう話、ロッキードは日本国民に対していろいろな疑惑を招いたから、ひとつ政府対政府でこの問題をと、こういう話が私はくるんじゃないか、こう思うんですけれども、またP3Cぐらいの性能を持ちたいと、こうも言ってますな、防衛庁長官。そういうものをすべてやっぱり総合しますと、政府対政府のこの話ならば、いまのロッキードの黒い霧の中にまつわる導入問題じゃなくなりまして、アメリカ政府というものと交渉するのだと、こういう考え――私はいいとか悪いとか言っているんじゃないですよ。こういう考えが非常にアメリカ側では各方面では強いんですけれども、その一つのあらわれがああいう中堅クラスでの書簡みたいに出ているのですけれども、長官どうですか。こういう政府対政府での導入の話し合いということになった場合ですね、乗る可能性があるのか。いまのロッキードの黒い霧にまつわるP3C、これについては慎重を要する、これとちょっとまた次元変わってくると、こうお考えになりますか。
○国務大臣(坂田道太君) いままでも向こうから、政府から私のところには何とも言ってまいっておりません。また私の方でもまだそういうことを考えておりません。白紙でございます。そしてまた私たちの基盤的防衛力と申しますか、それを中核とするポスト四次防の計画が作業中でございまして、それがまだ固まっておりません。したがいまして、いろいろの選択があろうかと思います。しかし、何を申しましても、もう少しこのロッキード問題が明らかにならないと、ちょっと手をつけかねる問題だと私は考えるわけでございまして、しかし最終的には国民にやはり疑惑を持たれないような形で次の対潜哨戒機は決めなきゃならない、こういうふうに決心をいたしている次第でございます。
○黒柳明君 そうすると、このロッキードと十二月というリミットと、時期的に相矛盾することも起こり得るんですな。その場合にはどうしますか。
○国務大臣(坂田道太君) これはやはり疑惑を持ったままでは決められないというふうに私思っております。
○黒柳明君 そうすると、私も二回ぐらい聞いたことがあるんです、十二月、十二月と。P2Jが五十七年、せいぜいそれからもって五十九年、国産に踏み切ったときだって七年はかかると。そうなると、どうしても十二月までといういままでのやっぱり国会での発言、一つのリミットですね。これはロッキードの解明の推移によっては十二月というリミットがずれる可能性は十二分にあると、こういう発言になるわけですか。
○国務大臣(坂田道太君) 将来のことでございますから、まだせっかくロッキード問題の解明を続けておられるわけでございますし、われわれの方も何とか黒白が明らかになることを期待しているわけです。それからまた私たちの方でも、ポスト四次防の原案そのものがまだできかねておるわけでございまして、これはその対潜哨戒機を離れても、まだ具体的な案が固まっておりません。しかし、それは早急に詰めなきゃならない問題で、いまやっておるわけでございまして、まだそう心配はしておりません。
○黒柳明君 私も十二月、十二月といってたしか二、三回聞いているわけですよ。それに対してのロングランに立って、五十九年までたっての推移も聞いているわけですよ。それを踏まえてロッキードも、さっき長官がロッキードのやっぱり捜査経緯をということでしょう。そうすると捜査が十月に、十一月にずれた場合には派遣もできないわけですわな。さらに十二月までに決めたいということもずれざるを得ないんじゃないですか。これはもうあっちがこっちがという問題とは別の問題じゃないですか。いままで国会で答弁していた十二月までには決めたい決めたいとおっしゃっていたことがロッキードの解明ということ、総理じゃありませんけど最優先、それを前提にしての捜査団の派遣であり、それを前提にしての十二月といまもおっしゃったですね。そうなると十二月が解明いかんによっては、ずれる可能性もある、これはもう間違いないですね、これは論理的に。
○国務大臣(坂田道太君) 次の調査団を派遣するかどうか、これはまだ決めてないわけでございますから、いま少しお待ちをいただきたいと思います。しかし、たとえば起こり得べきあらゆる場合をやはり私たち事務的にはいろいろ考えておかないといけませんので、そういうようなことはいろいろいま検討はいたさせております。
○黒柳明君 もう一回くどいようで申しわけないですな。ぼくは二回か三回、十二月までには決める決めるとさんざんもう聞いたんです、答弁。五十九年までの一年ごとの推移も聞いたんです、事情も聞いたんです。だけどロッキードの推移を見なければ――調査団派遣決定していない、それはそうでしょう。する意思があるような発言はしたですからね、前回、自民党の先生に答えて。その一派遣云々を別にしまして、ロッキードの解明の推移を見てということでしょう。そうなると、これは、ずれればやっぱり十二月ということは絶対なものじゃなくなるんじゃないですかと、こういうことですよ、これはもう非常に明快だと思うんですけどね。
○国務大臣(坂田道太君) それは先生おっしゃるとおりの推移になるわけですから可能性がないとは言えないですね、ないとは言えない。しかし、何とかひとつ十二月までに決めたいという気持ちもまた十分にあるわけですから。しかし、先生のおっしゃることを私否定しているわけじゃございません。
○黒柳明君 防衛局長PXLの――余り時間がないので、簡単でいいですよ。敵味方の判別法というのは、どういうことでやるんですか。
○説明員(丸山昂君) まず、私どもはジュジベルのローファーグラフのプログラミングという長い名前で言っておりますけれども、普通言われます音紋でございますが、これはそれぞれの艦に固有のものがございまして、それによって識別をいたしますし、また通信方法がございます。これによって敵味方の識別をいたします。
○黒柳明君 まあ、電子的信号だと思いますな、その電子機器。これがやっぱりP3C、日米共通。そうすると前回も国会で問題になったんですけれども、日米間の特にPXLがこれからのポスト四次防の大きな問題になることは間違いありません。
 それから対潜用の情報、これもきのう、おとといあたり久保次官がいろいろなところでしゃべってますな、あの国防白書に関して。そうすると、この日米間の暗号、これも当然P3C、PXLについて共通だと思うんですけれども、この暗号文書の日米の授与というか、アメリカからもらっているというのはいつごろから始まったんですか、こういう暗号文書。
○説明員(丸山昂君) 衆議院で矢野先生から御質問ございまして、あそこで問題になりましたのは、敵味方識別のいわば略号……
○黒柳明君 それから離れて……
○説明員(丸山昂君) それと離れてですか。
○黒柳明君 そんな暗号文書いつごろからもらっておるのか。
○説明員(丸山昂君) 日米間ではいまのところ暗号はございません。何といいますか、略号といいますか、長い文章を短くして表現すると、こういうものはございますが、この導入されました時期は、かなり古いようでございまして、いつどういう形で入ってきたかということは、実は私ども調査をいたしましたが、明確な時点というものはまだ把握をしておりません。
○黒柳明君 私は暗号、そっちは略号、同じようなものですな。要するに日米間の符号、これはいつ時期から来たかわからない。――どのぐらいの数量があるんですか。あの衆議院の矢野の問題とは別でいいですよ。あのときは現物で回りましたから別で。どのぐらいの分量のものがアメリカから来ているんですか。それは何かの取り決めによって来ているんですか。
○説明員(丸山昂君) いま正確な数を私は覚えておりませんが、これは調査をいたしましたので後で御報告申し上げます。
 それから、これの根拠でございますが、これは日米間の安保条約に基づきましてこの共同作戦行動、これはもちろん有事でございますが、有事において行うということを前提に行っておりますので、安保条約に根拠を置くものというふうに私どもは判断をいたしております。
○黒柳明君 これは安保以前からずっとあるわけですよ。安保、安保以前からある。いつのころかわかんないころからあるんですよ。で、これは取り決めはないわけですわ。数量、種類、どういうふうに出るか、これは報告していただく。
 それで、これはあれですか。物品として略号本――本と言うか、また私が本と言うと、いや、パンフレットと、こう言うのか、いわゆる略号のものですね。これは物品として保管されているんじゃないですか。これは有償ですか、無償ですか、野付ですか。
○説明員(丸山昂君) 敵味方識別、その他について、私の知っている限りにおいては無償であるというふうに承知をいたしております。
○黒柳明君 無償。どういう保管。物品として、やっぱりブックとして保管されているんじゃないんですか。こういうふうに厳重に保管されてますよ。
○説明員(丸山昂君) 保管は当方のやはり物品としてやっておると思います。
○黒柳明君 長官、もうこれは私言うまでもないんです。これは占領体制のやっぱり一つの穴なんですよ。全く何の取り決めもないんです。途中で安保ができたから、その体制のもとというだけであって、いつの時点からそういう略号、暗号が日本に無償――寄付ですよ。寄付行為ですよ、これは。もう国会図書館、あるいはどこの、委員部にも行ってごらんなさい、どこでも。全部物品はナンバーをあれしてちゃんと保管されているんですよ、リストもつくって。そうでしょう。それがアメリカからの略号、暗号、これは全く物品として最厳重に保管される。アメリカだって機密でしょう。日本に来ると、これがナンバーを振られるでしょう。まあ矢野のあれだってその一つですな。ぽっと出されたと。あんなもの国会に出される性質のものじゃないですね。機密ですね。それが占領下のそのままの延長で、いま日本にあることはあたりまえ、そういうことなんですよ、これ。これについて、なぜ私はいまさらそんなこと、PXLの問題があるからさ。特に私は、いろんな久保次官のあっちこっちにこう出てますんでね、四次防に関してのいろんな疑問がある。ここまで触れる時間がないものですから触れませんけれどもね。水中の電波情報、これ最重要だと。当然対潜飛行艇のことでしょうな。そういうPXL、当然P3C、アメリカの機器ですから、アメリカの略号と一緒にやっぱり日本にくっついてくるわけよ、横の連係プレー。いまは安保ですから、いいですよ。ロッキードはアメリカの委託企業ですよ、委託。そこから日本が購入するか、しないにしても、頭脳はあそこでなかったらできません。どこだってできないわけでしょう、P3Cの性能を持とうというような。ボデーはいざ知らず、電子機器は、P3Cでなければだめなわけですよ、内部は。ほかにはないですよ、ああいう性能をつくっているところは。そうなりますと、機材、向こうのですから横の略号、暗号、これが全く占領体制下そのままにきている。それが途中で安保があったから、いま安保のもとの取り決め、こんな形になっているけれども、そんなのもないのですよ、いいですか。しかも無償である、物品として厳重に保管される、こういうことですよ。こんなばかなことは国家財産の中で一つもないですよ、そんなものは。長官、これからPXLの空の海のこういう守り、しかもこの前衆議院でやりました日韓米の一つの共同作戦暗号書、私はあの問題とは違うのですけれども、これからの問題について、こういう点をはっきりしませんと、占領体制下のものは体制下でやめる。新しく安保なら安保の体制のもとにきちっととる。何となくいつから始まったかわかんない。ずるずるきて、いまは安保だから安保でしょうということではまかりならぬ、長官が本当に海の空の守りをと、こういう本当にその意思ならば、こういう体制は速やかにやめて、私はこの略号、暗号をもらうのやめろと、これは私、権限ありません、こんなことについて。だけれども、いまのこの体制というのは、全く占領そのままの体制だからうまくないと、私はこう指摘し、長官、どうですか。それに対して、まだちょっとありますから、まず御回答。
○国務大臣(坂田道太君) いまの問題は非常に日本の安全にとって大事なことだと私は思っております。したがいまして、この安保条約は、有事の際におけるこの取り決めを昨年の八月の二十九日にアメリカのシュレジンジャー長官と年一回会うということと、安保協議委員会の中に新しい防衛協力の機関を設けるという二つのことについて合意を見たわけです。いろいろ話し合いをいたしますが、同時にまた、いま御指摘のような問題等もまだいろいろなさなければならぬことが残されておると思うので、その点よく整理をいたしまして、皆様方に納得のいくような形のものにしていかなければならないというふうに思っております。
○黒柳明君 私指摘するまでもなく、あるいは長官、こういうこまかいこと知らないかもわかりません、失礼ですけれども。こういう占領体制下のずるずるとなっているもの、こういうものについては速やかにやはりきちっとすべきである。いい悪いは別、善悪は別、私はそれに対して責任者でありませんから。だけど、サイドから見て、やっぱりこういう体制をやめなさい、もうそれについての意見なんですよ。だから、これから整備するなんというんじゃなくて。
○国務大臣(坂田道太君) だから、そういうことにつきましてけじめをつけてきちんとしたいということ……
○黒柳明君 いまの体制よくないですよ。よくないですよ、いま。
○国務大臣(坂田道太君) ということですよ。それが私がよく――先生も御指摘のように、あなたも知らないだろうとおっしゃるように、細かくは知りませんから、あるいは先生が知っておられて私が知らないことだってあるかもしれませんから、もう少しよく調査をいたしまして、きちんと整備すべきものがあるとするなら、それはきちんとしなきゃならぬと、こういうふうに思います。
○黒柳明君 ありますか、局長。
○説明員(丸山昂君) ただいまの件につきましては、衆議院で矢野先生からも御質問ありまして、私ども内部の調査をいたしまして、その結果、ただいま黒柳先生の御指摘のように、前から惰性で受けておったというものがございました。で、これは本当に必要なもの、また部数につきましても最小限度にするということで整理をいたしたわけでございます。そこで、先ほど申し上げましたように、その時点においてどういうものがどれだけ来ておるかということを私ども把握をいたしましたので、数字については御報告ができるということを申し上げたわけでございます。
○黒柳明君 それじゃ、それいつごろまでに教えていただけるか、出していただけるか。
 それと、もう一つは、私が言っているのは、占領体制下のだらだらじゃうまくないということを言ってるんですよ。それは整理すべきものは整理してると、私がうまくないというならば、それを含めて整理しているんだとなれば、やっぱりうまくないということなんですから、私は安保のもとで取り決めるなら――取り決めると言っちゃおかしいですけれども、きしっと法的な裏づけを持たなきゃうまくないじゃないですか、物品として無償供与なんて。外国の国から日本政府がそんな無償で供与されてるもの何かありますか。何だったってみんな買うじゃないですか。軍艦だって何だって、みんなただでもらったことが――軍艦ありますか、戦車ありますか。みんな有償でしょう。物品はだめなんですよ、無償供与なんて。しかも、防衛庁長官、先ほど、一言言わせていただきますと、私も知らない面があるなんと言ったって、これはもう最高機密の問題、しかもこれの運用によっては大変なことになるんですよ。だから、長官、知らない点もあるけれども、これはPXLが問題になって、電子機器、電子通信機の、これからの――これに対していま真剣に論議されているときですから、こういうことはひとつやっぱり御勉強なされて、私が、もう素人が質問するんだから、もう明快にぱっぱっぱっとお答えになるようなやっぱり長官になってほしい。それは余談。ひとついまの……。
○説明員(丸山昂君) 確かにおっしゃるような問題、私どももその問題点を感じております。また一方、対米信義上の問題もございますので、こういった問題については根拠をはっきりするということが必要だと思いますし、もう一回その問題については再検討さして善処さしていただきたいと思います。
○神谷信之助君 まず、防衛庁にお伺いしますが、十月九日の国防会議の議員懇談会、その前に幹事会が開かれておりますね。この幹事会の結論ですが、この幹事会の結論というのは、支援戦闘機の国産問題について結局意見がまとまらなかった、そしてこれについてはひとつ総理の裁断を求めるということになったというのが一つの結論。PXLの問題については特に決まらなかったというのがこの幹事会の結論ではなかったかと思うんですが、この点まず確認をしていただきたいと思うんです。
○説明員(内海倫君) お答え申し上げます。
 いまお話にありましたとおり、T2及びT2改について論議をいたしました。これに結論はもちろん出し得ません。国防会議の方でこれを決めていただく、こういうことでございます。PXLの問題については、十月九日には論議はいたしておりません。
○神谷信之助君 いたしてない。
○説明員(内海倫君) はい。
○神谷信之助君 そうしますと、長官、この長官が調査をされて「次期対潜機問題の経緯について」というのを統一見解として発表されておる。これとの関係で非常に話がおかしいんじゃないかと思うんですが、これによると、八日の日、たびたび問題になっていますように、大蔵の方からは「支援戦闘機の国産については異論がない」と、こう出ているわけですね。これが事実ですと、翌日の朝八時半から開かれた幹事会では、T2及びT2改、これは国産でよろしいと、大蔵もそういう態度になりましたと、しかも、これはその後の相澤主計局長の部分を読みますと、「大蔵省も検討をし、大臣の了解を得ている」というんですから、九日の朝八時半には大蔵は大臣を含めて国産ということが決まっているということになるんですよ。それじゃ幹事会で意見がまとまらないんじゃなしに、支援戦闘機の問題は、T2、T2改を含めまして国産だという結論にまとまる、こうならなきゃおかしいんじゃないですか。この点いかがですか。
○国務大臣(坂田道太君) 八日の段階で大蔵側から次期対潜機及び早期警戒機についての国産化を前提とした研究開発は従来のとおり認めがたいというふうに伝えられたわけでございます。それに対しまして、増原長官以下首脳、そうするとそれはまあやむを得ないかなあと、しかし、それの前提としては支援戦闘機が国産として認められるならばまあこの段階としてはやむを得ないかなあと、こういうふうに思ったわけです。しかし、大蔵がそう言っているからといって、数日来、大蔵と、それから防衛庁の間に激しく対立をし、それに後藤田副長官も調整に入り等々のことがございまして、果たして翌日会議でそのように決まるかどうかということについて多少のやはり不安といいますか、懸念もあったわけで、懸念があったればこそ、増原長官は翌日朝総理のところにまで出かけて陳情をするという一幕も実はあったわけでございます。そういうわけでございますから、そういうところで私の調べました結果では、国防会議に先立って後藤田官房副長官は、総理に懸案となっていた支援戦闘機の問題は国産機でいきたいというふうに進言をしたと、総理は相澤主計局長に……
○神谷信之助君 いや、そこはまだ聞いてないです。
○国務大臣(坂田道太君) そういう雰囲気でございますから。
○神谷信之助君 いまの長官の答弁でもまだ納得がいかないんですよ。大蔵から八日の日に電話が入った。そして支援戦闘機の方は国産でやることについて異存がないと、大蔵はそういうことでやりましたと、PXLの方は、これは従来からの大蔵の主張ですから、これはいままでと変わりませんと、こういうことでありますね。これは事態は変わってないと、そういうことでしたね。しかし、これ事は国防会議が決定するのだから、総理のところに一言念を押しておこうということで増原さんが行ったというのはわかります。それはそれで一つはそれなりに意味が通る。それで国防会議の方はこういうぐあいにいきました。しかし、問題は幹事会ですよね。事務当局。ここでどうしてまとまらないか。大蔵の代表も来ているんでしょう。大蔵の代表、その幹事会にはだれが出ているんですか。
○説明員(内海倫君) お答えを申しますが、当日の幹事会で――幹事会というものは決定するものでも何でもございませんので、結局当日までのいろいろなそういうことの折衝経過、経緯というものを幹事会で出席した幹事の諸君が聞きまして、そして最終の決定というものは国防会議で行ってもらおうと、こういうふうに話し合いをしたわけでございますから、それ以上私詳細に幹事会の模様は承知いたしませんが、それが幹事会の模様でございます。
○神谷信之助君 じゃ、大蔵の代表だれが出ていましたか。
○説明員(内海倫君) 吉國次官でございます。
○神谷信之助君 相澤さんもオブザーバーで出てたでしょう。
○説明員(内海倫君) 主計局長は陪席をしておったそうでございます。
○神谷信之助君 そうするとますますおかしいでしょう。前日に相澤さんの、主計局長の言づてで宮下主計官が電話をしているんですよ。そして主計局長は、大蔵大臣を含めてこのことはもう了承しているんです。次官も、その本人もおって、それでまだ幹事会としては大蔵は国産に反対ですと、そういうことを報告をしますと。おかしいじゃないですか、つじつま合わぬじゃないか。これは私どうにも合点がいかぬとこですね。そして大蔵からそういう事実電話が防衛庁に八日の夜に入
 ったとすれば、防衛庁の側にすればT2、T2改はずっと国産で来ておったのが、十月の二日段階から急に輸入になって揺さぶられたと、やれやれまた国産に戻ったと。PXLの方は従来から大蔵省は国産認めがたいと言っているんですから、これはもう別に事態の変化はない。あきらめるとかどうとかいう問題ではなしに、これはまだ進められるという問題があるという状況じゃないかと思うんですよ。その点どう、違うんですか。
○国務大臣(坂田道太君) 前日の八日にわれわれの方も、支援戦闘機が国産に認められればまあそれはPXLの方は従来の大蔵の言い分を聞くかなあということでございまして、またそれは決定しているとも思っていないし、恐らく防衛庁としてはまたあした行ってがんばろうと思ったに違いないし、それから恐らく幹事会でもがんばったろうと思うんですよ。そして結果としては、御承知のように輸入を含めての例の了解事項ができましたですね。その前の日はもうあれでPXLの方はあきらめなきゃならぬかなと思ったわけでしょう。ところが、もう一遍勝負ができるというふうに感じたんですね、わが防衛庁では。そこで幹事会の席上でそれを聞いたもんですぐ久保さんは、当時防衛局長ですけれども、それをいち早く、防衛――だれに報告したのか知らぬが、仲間にでしょう、
○神谷信之助君 それは後で……。
○国務大臣(坂田道太君) 報告したという一幕もあるぐらいで、ですから了解事項ができたことは意外であったかもしれないけれども、きのうの八日の段階ではもうPXLはあきらめたのがもう一回浮かび上がってきた感じは若干残っておったということは言えると思うんです、そのときの状況から言えば。
○神谷信之助君 どうも長官、ちょっと私の質問の先を行っちゃってるんです。私の言っているのは、八時半から九時まで、議員懇談会が始まるまでの幹事会の模様ですよ。その場合は、本来ならこの支援戦闘機の国産問題、もし八日の晩に電話があったとすれば、これはそこで幹事会としてまとまっているはずじゃないかと、大蔵オーケー言っているんだからまとまっている。こういうことになってあたりまえだし、逆に、実際そういう電話があれば、防衛庁の側からすれば、PXLの問題は従来からの大蔵との問題ですから、そしてこの会議の議題になっているわけじゃない、ここで決めなければならぬことじゃないというのは先ほど内海さんもおっしゃっているように、幹事会ではこのPXLは問題になっていない。だから大蔵が仮にそう言っても、四十八年度の概算要求をめぐってまだ折衝ができるし、あるいは次の国防会議ででも議論になると、まだやれると、従来のところは続いているわけですからね。本当にそういう電話が八日の晩にあったら防衛庁の側は万歳を叫んでいなければいかぬだろう。危なく輸入になりそうやったが国産に戻ったんだから、これでやれやれということで万歳ということになる。ところがいろんな関係者の人の意見をずっと私も調査をしました。お会いして聞きましたら、確かに夜遅くまで重苦しい空気にその日は包まれていると。そう考えますと、この八日の晩の電話というのは本当にあったのかどうかという疑惑が一つ出てくるですよ、疑惑が。あったのなら、もう九日の幹事会ですかっといっておって、そしてその晩は議員懇談会にすかっとそのままいって、PXLの方なんか問題にならないはずだ。これが一つです、問題。この経緯を通じての一つのわれわれが考える疑惑は、実際はどうなのかということ。その次に、幹事会は議員懇談会あるいは国防会議の事前に事務当局が議題を整理をして煮詰めていくわけでしょう。そして大体この問題は一致しましたと、この点は議論が残っていますということについて詰めるわけですね。それでそういう詰めた結論というのは、総理に報告するのは、この場合当時の後藤田副長官であったということで間違いないですか。さっきそう言ってましたね、長官はね。
○国務大臣(坂田道太君) これは私が調べました結果は、国防会議に先立って後藤田官房副長官は総理に、懸案となっていた……
○神谷信之助君 はい、わかりました。報告したのはそうですね。
○国務大臣(坂田道太君) そうです。
○神谷信之助君 はい。そしてその次……
○国務大臣(坂田道太君) そして……
○神谷信之助君 それはこれから聞きます。
○国務大臣(坂田道太君) あとはもう御存じだ、大体。
○神谷信之助君 それを聞きます。
 ところで、そこで後藤田氏は総理に幹事会の状況の報告をすべきなのに、進言をしているんですね。「支援戦闘機の問題は、国産機でいきたい旨進言した。」と言っているんですよ。これは一体どういうことなんだろうということですね。幹事会のまとめ、これを後藤田副長官の方は報告する義務を持っておるし、それが仕事になっておるんだ。ところがそういう報告、結論とは違うわけでしょう。支援戦闘機の国産問題というのは、国産にするかどうかというのは議論が分かれているのが幹事会の結論だ。さっき言った。議論が分かれているのを分かれているという返事をせぬと、後藤田氏は進言をしたと。この進言をする内容、ついでに聞きますが、それは一体どういう会議でこれは決めたのか。後藤田氏個人の意見を言ったのか。そんな権限が実際あるのかどうか。この辺を含めて、ひとつ経過をはっきりしてもらいたいと思います。
○説明員(内海倫君) いま御質問にすべてお答えするというわけではございませんで、もう一度九日の朝の幹事会のことを申し上げますと、前々日の十月の七日に幹事会をやはりやっておりますけれども、まだ未決定となっておりました支援戦闘機の機種についてのその後の折衝の状況というふうなものについて関係者から説明がございました。それで、国防会議において最終的な決定を得ようということになったわけでございますので、幹事会の中で賛成、反対というふうな論議が闘わされたわけではございません。その点は幹事会の模様としてお伝えしておきます。
 それから後藤田副長官が報告する云々の問題でございますが、通例の場合は、幹事会における審議の概要というのは事務局長が報告の形で説明をいたしております。
○神谷信之助君 いや、事務局長が報告の形でやるのは議員懇談会が始まった席上でしょう。その議員懇談会が始まる前に、事前にですね、幹事会の概要を言うのは副長官の仕事になっておるわけだ。これは私はこの会議に出ている何人かの人に聞いたんですよ。だからあなたのいまのは違いますよ、そういう意味では。それが通例です。そうして確かに七日の日、幹事会やっています。七日の日、午前中は後藤田さんの部屋でやった、副長官の部屋でね。それで決まらないで、今度は五時から八時までホテルニュージャパンでやっていますわね。それでそこでも結論は出なかった。そこでは当時の事務局長の海原さんが折衷案を出したりしていろいろやりました。それから七日から九日まで来る間に、八日の大蔵省の電話が入っているのですからね。そうしたら、変化というのが、大蔵省は国産オーケーですと、こういう変化が出ているのですよ。そうしたら九日の朝の幹事会はまとまると、こうなるのです。海原さんの方の反対というのは、大蔵がどうしても言うから折衷案を出しただけなんで、だから大蔵もオーケーということになれば、これはまとまるわけです。そうなるのがまとまらなかった。そして報告するのだけれども、ところが、後藤田さんはまとまらなかったという報告をしたのじゃなしに、国産機でいきたいという進言をした、自分の意見を言ったということが出ている。幹事会の報告をやっていない。そういうことになっているわけですね、この経緯は、長官の調査の結果では。どうもつじつまが合わぬわけですよ。
 さらに、これによりますと、そしてそういう進言を聞いて総理は、相澤主計局長を呼んで、そして大蔵の意見を聞いた。そうしたらそこで、大蔵の意見としては、国産化賛成でよろしゅうございますと、こういう返事をしたわけですね、初めて。そして初めてここで支援戦闘機丁2、T2改を含めまして国産だということが一致したわけです。こういうことになりますね、これによりますと。そう書いてあるでしょう。
 ただ問題は、次期対潜機、早期警戒機等の国産化を前提とする研究開発は困ると、大蔵は。そういう意見を述べたと、こうなる。そこで、そういうことでここで相澤さんが呼ばれました。そしてここで初めて、田中前総理と相澤さんと、それから当時の二階堂官房長官、後藤田副長官、いわゆる役者四人そろったわけですよ。そしてそこで、いま言ったように、T2、T2改の国産は大蔵が折れたのでこれでまとまりました。しかしPXLは大蔵はだめですとこう言った、国産は困りますと。そうしたら総理は、このような技術的な問題を一々わしのところへ持ってくるな、これはひとつ専門家に検討をさして決めたらどうかという、こういう趣旨を言われて、わかりましたと、ここで四人の会議になった。そして四人の原案ができて、その原案を持って、国防会議の議員懇談会の席上においても同様の当時の田中総理からの発言があったと、こういう趣旨ですね、これは。
 そうしますと、このPXLを専門家に検討させるという方針が決まったというのは、当時の田中総理の裁断で、そして二階堂官房長官、後藤田副長官、そして相澤主計局長、これらのところでまず原案ができて、懇談会で了承される。それが了解事項になっていく。こういうことになっているわけですね。これは間違いございませんか。
○国務大臣(坂田道太君) 私が調べましたことは、この前経緯として申し上げましたようになっております。
○神谷信之助君 だから、長官、いま私が言ったとおりでいいんですね。そういうことですね、ずっと文面を読めば。
○国務大臣(坂田道太君) やはり正確に申し上げますと、「総理は、相沢主計局長を呼び、大蔵省に異存があるかどうかを確認した。相沢主計局長は、大蔵省も検討をし、大臣の了解を得ているとして、支援戦闘機の国産には異存がないが、次期対潜機、早期警戒機等の国産化を前提とする研究開発は、従来からの大蔵省の主張どおり認め難い旨の大蔵省の意見を述べた。総理は、このような技術的な問題を一々自分の所まで上げられては困る。そういうことは、専門家に検討させて決めてはどうかという趣旨のことを言われ、国防会議議員懇談会の席上においても同様の発言があった。」そうしてこの発言の趣旨を受けて了解事項ができたと、こういうことです。
○神谷信之助君 そこで長官、ここで支援戦闘機の国産の問題について、輸入だという主張を大蔵がやっていたのだから、それについて異論がないかどうか、相澤さんを呼ぶ、そして確かめる、これはわかりますね。ところがこのPXLについては、先ほども内海さんが言ったように、幹事会では全然議題になっていない。そしてそのところでわざわざ相澤氏がこの次期対潜機、早期警戒機等の問題を言う。これは大蔵省の主張ですわな。片一方だけ聞いて、片一方の方、何で防衛庁の方、それじゃどうなんだということにならなかったのか。そうして、もうそこで、そんなら専門家会議に任してしまえ、こういう結論になってしまった。これは防衛庁側としては、したがって、こういう経過を見ますと、この問題、PXLの問題について事前に防衛庁の意見を総理自身が聞くとかどうとかいう、そういうことがなかった、あるいは白紙に還元をして、そして専門家会議で検討するというようなことも事前には知らなかったというように、これでは理解できますが、それは間違いないですね。いままでもそういう点は確認されておると思いますが。
○国務大臣(坂田道太君) それが八日の日に、まあ大蔵側からそういう意向が伝えられて、しかし、そのかわりやはり国産機はわれわれの防衛庁の主張どおりに決まるということであるならば、まあやむを得ないかなあと思っておったところでございますから、むしろこのような意見はもう一遍、一遍死んだものがまた生き返ってくるということで、またほっとして、もう一遍これ勝負するかという気持ちでございますから、そこは了承をしたということだと思います。
○神谷信之助君 そこで、大体話はわかってきたんです。大体八日の電話という問題がなければつじつまが合わぬわけですよ。八日の晩に事前にそういう話があったと。しかし、これも大蔵省としては認められないよ、国産は、と言っているだけで、白紙にするとか、専門家会議で検討するとか、そんなことは言っていない。あるいはもう絶対に一いまはそうだけれども、これからまた話をすれば変わるかもわからぬ、そういう趣旨のものでしょう。だから、これは従来から毎年この数年間言われているわけで、論争しているわけですから、改めてえらいこっちゃと言うて頭を抱えなければならぬような事態ではない。しかし、これを入れなければ、白紙還元へいくのにひとつ余りにも飛び過ぎて大変だということで、私はどうしても、この八日の電話というのは実際はなかった、つくられたのじゃないかという疑惑を持つのですね。そうしなければどうにも、いまも長官が言うように、いやもう八日の晩の電話で頭を抱えてもう、だめだと――しかし、だめだというほどひどいものではない、いままでから言われていることだ、毎年毎年やってきているわけでしょう、予算折衝で。
 だから、この会議でPXLの問題が結論が出る、議題になって結論が出ますよ、国産か輸入かどうするかは決着をつけますというような、そういう時期でもない、まだ折衝が続くという事態。だから、八日の晩にそういう電話が入ったって、頭を抱えるほどのことはない。問題は逆に、九日にこういう了解事項ができて、そして専門家会議にゆだねられるということになって先へずっと延びてしまう。四十八年度の予算どころか、四十九年度もどうなるかわからぬ、決まるか決まらぬかもわからぬというような事態に追いやられたこの九日の方の了解事項の決定の方が、これは犬変なことじゃないかというように素直に考えれば思うのですがね。この辺、私はどうも疑惑をはらすことができない、いろいろ説明を聞いているのだけれども。
○国務大臣(坂田道太君) 先生は、その八日の日に大蔵から電話がかかってこなかったということを――事実でないとして、推量されておられると、素直でないわけですよ。しかし、われわれの調査の結果、これは……
○神谷信之助君 電話があったとしても、どうしても考えられぬ。
○国務大臣(坂田道太君) しかし、それを疑ってかかれば、また疑うことは、それは自由でございますけれども、私たちがせっかく努力をしまして調査しました結果は、その電話はかかっております、これは。ですから、それをちゃんと踏まえて考えますと、私どもの言うのが非常に自然なんで、だから、久保さんが当時防衛局長であって、途中でまた生き返ったかなあということで喜んで、普通ならあそこで席を立っちゃいかぬのを席を出ておるということ、それ自身も、そのことを裏書きしているのじゃないかというふうに思うのです。いまでこそPXL問題はこんなになっていますけれども、その問題はまだ先生おっしゃるように先の問題だから、しかもまた勝負はできるんだからということだったんだろうと思います。しかし支援戦闘機の方はすでに四十七年度の予算に例の二十機も練習機が決まっていましょう。そうすると、その練習機から今度支援戦闘機の方へ行くわけですから、これはどう考えても大蔵の言うのは筋が立たぬと、しかも性能から言ってもこれよりかなりいいんだという自信を防衛庁としては、ユーザーとして持っておりますから、だからそれがもし覆されることならばもう大変なことだということなんで、PXLはその次の問題だぐらいに当時は考えておった、しかもそれは前の、前日もう死んだものがまたよみがえってきたと、こういうことでございますので、そういうふうに受け取っていただくのが正確だと思います。
○神谷信之助君 長官、いろいろ弁解をされていますが、釈明をされていますがね。いずれにしても私は、一つは八日の晩にそういう電話が入っておれば、長官が九日朝行くのは一つはおかしい、しかし仮にこれは国防会議の決定事項だから議長である田中総理にもう一遍念を押そうという意味ならそれはそれなりにわかるだろうと。しかし、それにしても八時半からの幹事会でやっぱりまとまらなかったという結論はおかしい。それは内海さんさっき言いましたように、七日の会議は午前もやり夜もやっても決まらなかった。七日から九日の間に変化があったのは何かと言ったら大蔵省がオーケーになったということ。そうしたらまとまらなきゃ――まとまれば別に問題なしにすっと国防会議に行ってPXLなんか出どころもなくなった。ところがまとまらなくて、しかもまとまらなかったという報告を普通ならするはずが、その点は全然ここには記述されないで、幹事会の模様、最後の結着、幹事会の。まとめがまとまったのかまとまってないのか、それはこの記述がありません。そうしておいて、後藤田さんが幹事会の決定とは、内容とは違う――個人的意見かどうか知りませんが、そんな権限があるのかどうか知らぬけれども、国産機でいきたいという進言をしたというのをわざわざ出して、そうして今度は相澤さんを登場さしてこうやっていくと。この辺のところのつじつまがどう考えても非常にでき過ぎていると言えばでき過ぎているし、この大体八日の晩の電話自身がいままでの防衛庁と大蔵との論議から言うなら、PXL問題について頭抱えるようなしろものではなかったんじゃないかという疑惑を吹っ切ることはできません。私は、これはひとつしたがって、さらに追及をしていかなきゃいかぬ。当時の関係者をそういう意味では至急呼んで、そしてうそを言わない、ちゃんと証言を求めるために証人として喚問をしてこういった経緯については明らかにしないと私は疑惑を解明することができないと思います。
 もう一つこの問題でお聞きしておきますが、PXLの輸入を含めてという了解事項になりましたね。この輸入という問題が公式に出てきたのはこれが初めてじゃないでしょうか。それまでは大蔵の主張というのは、先ほどもありましたが、開発に金がかかると、量産化に金がかかると、だから国産は困るということはあっても、だから輸入、イコールすぐ輸入という主張はなかった。ところが、ここでこの了解事項で初めて「輸入を含め、」というように出てきたように、経緯から考えますと出るんですが、その点はいかがですか。
○説明員(内海倫君) この了解事項で「輸入」ということが初めて出たと、あるいは輸入をするというふうな考え方が初めて出たというのではなく、国産――いままでも防衛庁はよく説明いたしておりますように、国産化を前提とする開発というものを考える段階におきましても輸入との対比をいろいろ考えて検討もいたしておるわけでございますから、したがって輸入という問題がこの了解事項で初めて観念として現われたというものではないと私どもは理解しておりますし、またこの理解は国産開発という、国産化を前提とする研究開発を行うに当たって輸入機との対比の上で検討をしたらどうだという了解事項であって、ここで輸入を政策として考えるというふうな意味合いでこの言葉がここに出ておるというふうには理解をいたしておりませんし、またそういうものであろうと思っております。
 それから大変恐縮でございますが、先ほど相澤主計局長が陪席しておった旨、私お答えを申しましたが、さらに大蔵の方で調査いたしましたところ、相澤主計局長はそのときには出ておったかどうかのところがまだはっきりしてないようでございます。はっきりいたしておりますのは、幹事以外では防衛局長と防衛庁の会計課長と主計官とそれから事務局の参事官、はっきりいたしておりませんので、その点、申し上げておきます。
○神谷信之助君 公式の方の文書として「輸入」という問題が出てきたというのは今度初めてですか。
○説明員(内海倫君) それまでの論議が防衛庁側は国産開発をしたいと、大蔵側はそれには反対というものでございまして、まだこの段階ではいわゆる研究開発をするかしないかという段階でございまして、新しい対潜機を装備するかどうかという時点ではないわけでございます。したがって、当面そういうふうな開発に着手するかどうかということであって、その限りにおきましては特定のどういうものを輸入するかというふうなことについて論議されておるということはなかったわけでございます。その点では仰せのとおりでございます。もし仮に国産の開発を見送るということになれば、あるいは現在使用しておるP2Jをさらに使うか、あるいは外国機を導入するかというふうなことを考えていかなければならないということでございまして、この了解事項で初めて輸入の可能性がつくり出されたというふうには理解はいたしておりません。しかし文書ではそういう意味では初めてでございます。
○神谷信之助君 もう一つなにしておきますが、こういう、白紙にして今後輸入を含めて専門家会議で十分検討しようという結論が出たということは、これにも書いてありますように、こういう技術的な問題は田中前総理の言葉ですから、おれのところでわからぬから、判断できぬからひとつ専門家会議でやれという、そういう趣旨から生まれたという意図だというように、この了解事項というのはなぜ生まれたかという根拠ですね、意図というのはそういうようにお考えだというように理解していいですか。
○説明員(内海倫君) 先ほども防衛庁長官から御答弁ございましたように、こういうふうな技術的、専門的な問題は専門的、技術的な立場で検討したらどうだというふうな意味合いのことは総理もおっしゃっておるようでございますが、具体的に専門家会議――専門家の会議を設けるとか、あるいはあの了解事項に盛り込まれておりますようなことはそこに出席されておりました国防会議のメンバーの方々の論議の中で生まれ、そしてそういう論議をまとめて事務的な立場におる者が文章をつくって、それを海原事務局長が読み上げて了解事項とされたと、こういうふうに私どもは聞いております。
○神谷信之助君 これは先ほどもちょっと議論になっておりましたが、要するに決定をしたのは議員懇談会で了解事項が決まったんですからね、皆さん方の、一応形式ではそうでしょう。しかし、そういう発議をしたのは、総理がそう言い、しかも、それは議員懇談会の席上においても同様の発言があったということで、議論が始まり、こういうものが生まれたと、こういうことですね、これはそうだと思います。そこで、先ほどこれでこの輸入を含めて検討するという点で、長官はやっとこれで首がつながったと、勝負はこれからだというようにお考えになったと言うし、そういうように防衛庁側は受け取ったと、こうおっしゃっているし、それから、内海局長はこれは輸入とも対比をして比較しながら検討する。だから言うたら、国産と輸入がスタートラインにもう一遍戻って、それで専門家会議でゆっくり検討しようと、こういうことになったという意味だと思うんです。それでいいですか。
○説明員(内海倫君) 要するに問題は、そこで論ぜられたのは国産開発を前提とする研究開発というものに着手するかどうかということでございますから、その問題を検討するについては外国機とも比較対照して検討をするようにと、こういう理解でございます。
○神谷信之助君 そうすると、いまの内海さんの話ですと、輸入か国産かということの検討ではなしに、研究開発を外国の、そういう外国機と比較をして研究開発の方向を決めようと、こういう意味ですか。
○説明員(内海倫君) 研究開発の方向を決めると言いますか、それの是非を考えていきたい。
○神谷信之助君 それ、何の是非。
○説明員(内海倫君) 国産化を前提とする研究開発の是非を検討していきたい、こういうことです。したがいまして、装備の問題にはまだ触れておるわけではございません。
○神谷信之助君 これが九日の日の国防会議の議員懇談会の席上確認をされた了解事項なんですね、いま内海さんおっしゃった意味は。ですから、装備までは入ってないんで、だからどこの飛行機を買うかとか、あるいは国産でつくるかとか、そんな問題の前段階のことを決めたと、こういうことでしょう。ところが、こういう決定をした二日後に、田中前総理は外人記者クラブで重要な発言をしておるわけです。これは、私どもでそのときのテープを聞いてその部分のテープを起こしました。これ、ちょっと委員長配付してもらいたいと思います。
  これはいま言いましたように、四十七年の十月十一日です。そういう了解事項が決定をした二日後の、日本外国特派員協主催の昼食会席上における当時の田中総理の発言で、録音テープを起こしたものであります。ニューヨークタイムズのハロラン記者がこういう質問をしたわけです。「四次防との関係において、日本においてT2とFST2改の国産を総理みずからが決裁したと聞いているが、なぜそう決定したか、その背景はなにか」、
 こういう質問に対して、当時の田中総理は、四次防のなかで、戦闘機と練習機があるわけでありますが、練習機はT2の国産をおこなうということで、すでに四十七年度の予算のなかで二十機分だけ計上していたわけであります。そういう意味で、国会との関係で練習機は国産でおこなうということが既定の事実でございます。戦闘機については、アメリカから輸入したいという考え方を強くもっておったわけでありますが、練習機を国産にする場合は、同じシステム、同じ方向で戦闘機も国産であることが望ましいということに結論的にはなりました。しかし、いま研究中の新しい対潜しょう戒機とかいろんなものがあります。そういうものにたいしては、まだまったく手をつけておらないものでありますから、手をつけておらないものにたいしては輸入をするか、国産にするかということを白紙で検討しようと、まあ、輸入にウエートをおいてということでございますので……」こう言っております。だから国産機か輸入機を導入するかというまだそれ以前の研究開発を、国産の方向での研究開発をやるかやらぬかというのを、これから専門家会議を開く、また専門家会議もまだもちろんできていないそういう時点でその決定をした総理であり、国防会議の議長である田中さんが二日後にこういう発言を言っているんです、輸入にウエートを置くと。これは一体明らかに二日前の九日の了解事項、これとは違うと私は思うんですけれども、長官いかがですか。
○国務大臣(坂田道太君) これは、やっぱり私どもの受け取り方といたしますと、その前に輸入にするか国産にするかということを白紙で検討しようとそういうことが前提でございますね。それで、まあ輸入にウエートを置いてということでございますので、ということでございます。これはどっちにでもとられると思いますけれども、しかし総理が主宰された国防会議懇談会の了解事項としてあの決定があるわけでございますから、それを踏みはずしておるというわけじゃないと思います。
○神谷信之助君 踏みはずしていない、すなわちイコールだと言うんですか、もう一度確認します。同じだという意味ですか。
○国務大臣(坂田道太君) いや、総理の言っておられるのは、もう了解事項というものはちゃんときちんとした形で発表しているわけですから、そういうことを前提としてお話をしておられるわけでございますから、でございますから、しかもその中にも前提はあくまでもいま研究中の新しい対潜哨戒機とかいろんなものがあります。そういうものに対してはまだ全く手をつけておらないものでありますから、手をつけておらないものに対しては輸入をするか国産にするかということを白紙で検討しようと、ここが原則だと思うんです。
○神谷信之助君 その後に……。
○国務大臣(坂田道太君) その後に輸出にウエートを置いてと、だからそれは総理はそういう気持ちもあったかもしれません。輸入にウエートを置いてという気持ちもあったかもしれませんが、それも含めて国産にするのか輸入をするのかということが専門家会議で検討される、こういうことだと思います。まあこれは……
○神谷信之助君 長官、長官、それは田中さんに会って直接聞きましたか。
○国務大臣(坂田道太君) この点は聞いておりませんけれども、私の調査いたしましたことは、もとの総理にはお渡しをしております。
○神谷信之助君 白紙で検討しようと言っているんですよ。そこまでは確かに白紙で検討しようということです。そこから、しかしその白紙だけれども単なる白紙と違うんだと、輸入にウエートを置いているんだと。だから田中さんはそんなつもりで言ったはずはないとかどうとか何ぼおっしゃたって田中さんの意見は聞いたことがないんだから、あなた。わからないんです。これは私はきわめて重要な問題だというように思うんですよ、この発言は。これは同一趣旨のなにが十一月十日の国会の答弁にも出ていますね、しかしいずれにしても、とにかくすぐ二日後にこういう重大な発言をしている。白紙で一応検討しようということにしたけれども、あなたおっしゃるように、それは原則で本心は輸入にウエートを置くんですよということなんですよ。ですから私は、これ幾つかの問題点があると思うんです。まず一つは、了解事項でそんなむずかしい技術的な問題はわしのところに持ってくるのは困る、だから自分は判断できない、素人だから判断はできない、したがってそれをひとつ専門家会議をつくって十分検討してもらおうじゃないか、こう言って自分の判断はそこで避けたわけですよ。そうしておきながら、二日後にはどうなんだ。専門家会議、判断をするという専門家会議ももちろんまだ発足もしてない。それで自分はもうむずかしいことはわからぬと自分の判断を放棄をしておきながら、二日後には輸入にウエートを置くんです、これがわしの本心です、ねらいです、私の念頭を離れないものはそれなんだ、形式的には白紙で検討になっているけれども、私の頭の中には輸入にウエートを置くんですよ、こう言っているんですよ。こうなると何ですか、これ。専門家会議というのは一体何になるのか。とにかくずっと防衛庁の方はおっしゃるように国産化を準備をしてきて、そして四十七年度の研究費の予算もついて、そして四十七年の八月二十何日かの庁議では四十八年度にいよいよ国産化へ向けてやろうということで約二十七億からの概算要求をするという決定までする、こういう事態をとにかく時期を延ばして、引き延しをせにゃいかぬという道具として専門家会議がやられた、時間かせぎをやった、こういう点が第一の疑惑である。まさにこれは欺瞞的行為であります。ペテン的行為だと言わなきゃならない。
 第二は、先ほど長官も言ったように、T2とT2改の輸入の問題というのは突如奥から出てきたと、これはもう筋が通らぬと。T2の二十機は四十七年度に予算化しておるのに、それとの関連でT2改は国産でいくのがあたりまえなのに、そういう無理難題を大蔵が持ってきてそれで防衛庁はもう引きずり回されている。それであげくの果ては、それじゃこれは国産にしてやるからPXLは白紙だぞとこう言って、だからもし八日の電話が本当だとすればそういう気配を感じたから頭を抱えたわけです。それで九日まあ生き延びたとこうなるんでしょう。だから言うならば、これもT2、T2改の輸入問題というのはそういう意味では一つのトリックではないか。こっちがあかんからそれならこっちだと。まさにこれはちょうど外人の記者から、アメリカの記者から質問されたからそういう意味もあったろうし、つい田中総理の本音が私はここで出ているんだというように思わざるを得ぬわけです。しかも重大なのは、二日前の九日の日は自分が総理であり、議長である国防会議で決定したんですよ。この決定したのを根本からひっくり返す発言ですよ。先ほどから内海局長が答弁しているように、国産か輸入かという問題ではなしに、国産の路線で研究開発をするのかどうかというやつを輸入の問題、外国機の問題含め対比をして研究、これからしょうというそういう意味だとおっしゃるのに、決めた本人はもう二日後には原則は白紙還元、白紙で検討だけれども、私は、本心は輸入にウエートを置いているんですよ。まさにこれ、いままでの決定を根本からひっくり返すものです。これは重大な私は内容を持っている。そういう意味では実はこの九日の了解事項を突如として持ち出し、つくった。先ほどのように、発議したのは田中総理だという、当時の。そしてその人は、そういう形でとりあえず時間をかせいでおいて、そして本心は輸入ですよ、こういうことを二日後には正直に告白をしている。だから、そういう意味では、あの了解事項がどういう意図をもってつくられたのかという重要な私は証拠だと思うのですね。
 そこで、これは委員長に要求し、検討してもらいたいと思いますがね、要求したいと思いますが、この外人記者クラブのテープですね、そういう意味では非常に重要な証拠です。だから、外人記者クラブの方に当委員会として協力を要請し、提供を求める、こういうひとつ取り計らいをしてもらいたいと思います。いかがでしょう。
○委員長(剱木亨弘君) その点は理事会で諮りまして、できるだけ御趣旨に沿うようにいたします。
○神谷信之助君 さらに、この了解事項の内容自身にかかわる問題も少し触れておきたいと思います。
 ここで、「今後輸入を含め、」という問題が、先ほど申し上げましたように、公式の文書としては初めて出てきました。この「輸入」というのは、輸入先はどこかという点ですね。この点で言うと、当時この問題が起こってきた火のもとは例のドル対策ですから、そういう点からいうと、この輸入する先というのはアメリカだというのが通常常識的に考えられるわけですが、そういうように理解をしていいでしょうか。
○説明員(内海倫君) 先ほども申しましたように、まだ装備の段階を論じておるわけではございませんので、したがって輸入という言葉はきわめて抽象的に表現されておるもので、具体的な内容あるいは具体的などこそこからとか、そういうふうなものではないというふうに私どもは理解いたしております。
○神谷信之助君 局長の話が――どうもこれは文章が悪いのかどうかしりませんがね。局長のさっきの話、今後外国機との対比を含め、ということだったら問題ははっきりしますよ。しかし、現実の文章は「輸入を含め、」ですからね。「輸入を含め、」ですから、そうすると実際にこの問題で、特に次期対潜機について考えるとすれば、ドル対策問題から出てきている輸入問題ですからね。イギリスやフランスから購入するという問題じゃなしに、アメリカからの輸入をどうやってふやすかということが当時重大問題になっていたわけですから、これはもうアメリカからの輸入だということを念頭に置いているということを、私はこれを考えざるを得ない。常識的じゃないかと思いますね。
 それからもう一つは、これもいままでの国会の答弁で明らかになってきていますが、それじゃその次に、次期対潜機として一体どれが考えられるのかという点で、いままでの議論を振り返ってみますと、防衛庁側の答弁ですと、アトランティック及びニムロッドですね、これは現在まだ開発中であり、あるいは八二年以降でないとリリースになりそうもないというような状況になってきていると。したがって可能性の一番ありそうなのはそうなるとP3C、だということになってくるのはいままでの議論、討論を通じて大体明らかになってきています。
 それからもう一つは、こういう、これも前回の六月一日のわが党の橋本議員の質問の中で明らかになってきましたが、それじゃP3Cのリリースの可能性は一体どうなんだということですね。これは八月八日に玉川一佐からの私信が海幕に入った。しかし、これは海幕の防衛部長、副部長、それから課長、班長の四人しか見ていないと。それから防衛庁の上層部は全然知りませんでしたと。だからリリースの可能性というのは当時は一応知らなかったわけです。それじゃ、だれも、国防会議に参加をする、あるいは幹事会に参加をしているメンバーでこのリリースの可能性について知ることができなかったのかどうか、こういうと、私はそうじゃない、これを知り得た地位にある人々がいるという疑惑を、また同時に持たなきゃならぬと思うのですね。とりわけ田中前総理それから相澤主計局長、少なくともこの二人はリリースの可能性、これを知り得た立場にあるんじゃないか、こう思うんですよ、この点はいかがですか。長官、お調べになっていますか。
○説明員(丸山昂君) ただいまの御質問については私ども全然判断をする材料を持っておりません。
○神谷信之助君 まあ、私はこのロッキード問題の真相を解明するためには、特にPXLをめぐる問題についての解明のためには、防衛庁あたりは当時のそれこそ田中総理なり、しかるべき人に事実当たって調査をするということだって事態の真相の解明のために私はもっと努力すべきだと、こう思うんですよ。四十七年の七月二十五日に日米通商箱根会談が行われていますね、御承知だと思います。七月二十五日の夜に、そのアメリカ側の副団長が記者会見をした。マルム・グレーンという人。この人は軍事用の飛行機など、兵器を買ってくれということをこの会議では言ったんだ、主張するんだと、こう言っております。それで、軍事用兵器、軍事用の飛行機です。ですから、P3Cの可能性、リリースの可能性、これに触れていろんな話がされたであろうことは容易に推測されると思います。あるいは八月三十一日から九月一日、これはハワイ会談。ここでも同様だと思いますよね、十億ドルの対米緊急輸入の議論が行われた。エアバスを含む民航機の三億二千万関係、これはいままで公表されています。そのほか軍用飛行機、戦車含めまして、いろいろ議論になっている。だから、ここでもP3Cのリリースの可能性、これが知り得る状況にあったことは事実だと思う。日本の大使館付駐在武官の玉川一佐が、非公式で八月八日の段階で私信を出してきているんですから、そういう状況なんですから、知り得ないことではありません。また、相澤主計局長は八月二十二日から二十六日の間、訪米しています。それで、ここでも知り得る条件があります。そうして、帰ってきてから二十八日には私邸に田中前総理を訪問しています。田中内閣は、それで成立をしてからこの十月九日までの間に、調べてみたら、田中・相澤会談というのは、何と七回もやられていますね。もちろん、予算の折衝の報告なんかもあるでしょう。しかし、こういったいろんな問題も当然議論をされているんじゃないかと。あるいはアメリカのタッド・シュルツ論文です。これによりますと、連邦捜査官によると、ニクソン大統領は田中首相に対して、他のアメリカの航空機メーカーの製品を買わないで、ロッキードを買うように圧力をかけた証拠があるという、そういうことが明らかにされています。こうやって考えてみますと、実に、この問題をめぐって田中前総理あるいは二階堂官房長官、後藤田副長官、相澤主計局長、こういう方々に事実を聞かなければ、この間の疑惑は解明されない、こういうことがはっきりしているんじゃないかと思うんですよ。逆に言うと、十月九日の決定は、言いかえたら、P3Cの売り込みゴーのサイン一とも言えるわけです。これはこの間、六月一日に橋本議員の方からも質問をいたしましたが、あのMDAOのスタフ・ダード所長が十月九日の直前に防衛庁の黒部装備局長のところにカタログなどを持ってきて見せている。それを見たということはこの間証明されました。日にちは調査をするということになっているんでありますが、まだ報告がありませんが。それだけで、その後には、今度は向こうのヘイドン中佐ですか、これが早くP3Cの説明会を開いてくれと。だから、国産化の方はストップですね、四十七年度の予算も未執行にするし、四十八年度もなし。国産化の方は一切ストップをして、そうして十月九日以降新しいことが起こったのは、P3Cの売り込みがMDAO及びロッキード社を中心にして猛然とやられている、この道を開いたのが、十月九日の決定であります。だから国民はこの決定に参加をした田中前総理を初め、先ほど言いました関係者、二階堂、後藤田、あるいは相澤あるいは当時の国防会議の事務局長の海原氏、こういった諸氏ですね、もううそを言わない、それを前提にして、すなわち証人としてここで喚問――来てもらって、国民の前に明らかにするというのが、いま、国民が国会に対して期待をしているところじゃないかと私は思うんですよ。ところが委員長、いまだにこの問題が解決していないでしょう。何だかんだと言って、かぎを握っている重要な人たち――疑惑があるだけで、私どもは犯人やとかどうとか言っていませんよ。しかし、その人たちが、まず、ここで真実を国民の前に明らかにすることなしにこの疑惑は解決されない。長官もそうでしょう。十二月までには何とかやって、このP3Cの問題は解決をしたいとおっしゃるんだけれども、そういうことをやらない限りは、捜査当局の手だけではこの事件、事態自身の全貌、真相が明らかにならない。国民が要求していることはそのことなんだから、したがって、改めて委員長に、先ほどテープの問題を言いましたが、これらの関係者を証人として喚問をし、それもしかも急いて委員会として喚問をして、国民の要求にこたえて、この委員会の審議を通じて真相を明らかにすること、これがいまわれわれの任務じゃないかということを委員長に要求しますが、この点いかがですか。
○委員長(剱木亨弘君) 証人の喚問につきましては、委員長としましては、各会派で話がまとまったものについて考慮するつもりでございます。この理事会において、十分打ち合わせを願いたいと思います。
○神谷信之助君 各会派でまとまったものを喚問していきたいという委員長の趣旨は、それはそれなりにわかります。しかし、自民党がいままでずっと妨害をしている、反対をしてきているんでしょう。これがはっきりしなければあかぬ。そうすれば、証人喚問を何だかんだと理由をつけて引き延ばしをする、あるいは少なくとも断わるということ、事、実上断わって拒否をしているという事態を続けている限り、私はこれは国民に対する重大な挑戦になるだろうし、大きな批判を受けるであろう、こういうことを最後に申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
○田渕哲也君 私は前回に引き続きまして、まず、この専門家会議の問題について質問をしたいと思います。
 この専門家会議の構成を見ますと、非常に疑問があるわけであります。といいますのは、いわゆる空力とか、あるいは経済とか、そういう専門家はおられるわけでありますけれども、一番重要な対潜水艦作戦、こういう点についての専門家が入っていない。特に軍用機の場合に必要な作戦運用、補給あるいは整備などの専門家がいないというのは、非常に片手落ちではないかと思いますけれども、この点はいかがですか。
○説明員(内海倫君) いままでも御答弁申し上げておりますように、専門家会議は、機種を選定するという会議ではございませんで、国産開発、国産を前提とする研究開発に着手するかどうかということについての技術的あるいは専門的な意見を徴するというところにその目的があったわけでございます。もとより防衛庁の使用することを前提とする航空機でございますから、運用面での諸要件というものに関しましては、当然十分に検討されなければなりませんが、これはむしろ当事者である防衛庁、しかもその道の専門家が一番たくさんおります防衛庁から屡次説明を聞くということによって満たされるものでございますので、その点は、特に運用面の専門家というものの意見を徴するということはいたさなかったわけでございますし、その点は御了解を願えようかと思います。
○田渕哲也君 ただいまの御答弁で、機種の選定をしないという趣旨だということでしたけれども、私はやっぱり機種の選定ということと国産化、輸入の決定ということはきわめて重要な関連を持つと思うのです。それで、現にこの審議概要を見ましても、中ではやっぱり具体的な機種についてこれがどうあれがどうという検討をしておられるわけですね。したがって、私はこの専門家会議のメンバー、このメンバーを選定されるときに非常に御苦労されたというお話も聞いておりますけれども、私はやっぱりこれは一つのカムフラージュと言えば語弊がありますけれども、いわゆる形式的な審議会と同じように、政府の一つの決定をもっともらしく見せるためのカムフラージュにすぎない。だから、本当言えばこのメンバーなんていうのはだれでもいいということではなかったかと思うのですね。この点はどうですか。
○説明員(内海倫君) 私どもはそのようなことは決して考えておりませんで、むしろ私どもはこれに対する利害関係のある人は意見を徴する対象としては適当ではないという、まあいわば基本原則を立てまして、いろいろ人選を考えたわけでございます。したがいまして、先ほども申しましたように、防衛面から、運用面からの専門家ということになりますと、どういたしましても防衛庁をおいてほかにございません。最も利害関係のある立場でございますので、この点はやはり厳正な立場で意見をいただくという意味で配慮をしたわけでございますが、決してカムフラージュするとか、あるいはいいかげんなものをつくったとかいうことでは決してございません。
○田渕哲也君 それから、私はこの専門家会議の会議の日程並びに議事の持ち方、これに非常に疑惑を覚えるわけです。なぜかと言いますと、この対潜機の国産か、輸入かの決定というものは早急を要する、この事情は当時御承知だったと思います。これまあP2V7あるいはP2Jの老巧化は五十四年度から始まる、遅くとも五十七年度には新しいPXLの実現、配備が必要である、こういう状況があったわけですけれども、ところが、専門家会議の発足に一年近くかかったということはこの前質問しましたけれども、この議事の持ち方ですね。四十八年の八月に第一回が持たれまして、それから四十九年の五月十三日までが大体対潜機、それからYX計画もこれは対潜機との関連で論議されたと思うのですけれども、これが六月十日であります。したがって、六月十日のときまでに一応対潜機の審議が一通り終わっておると、それから早期警戒機の問題に入りまして、これ六月から八月の十二日までは早期警戒機の作業に入っておるわけです。私はこの対潜機の決定が一刻も早いということを海幕では待ちわびておるわけですね。それにこの審議を途中で今度は早期警戒機に変えて中断しておる。そして早期警戒機の作業が一通り終わってから今度は対潜機の総合検討に入っておる。こういう持ち方は全く時期が急いでおるというような気配が見られないわけです。この点はどうなんですか。
○説明員(内海倫君) お答え申し上げます。
 いま仰せのように、この専門家の会議で検討いたしましたものは二つのプロジェクトでございまして、したがって、対潜機と早期警戒機と両方をやったわけでございますが、技術的ないろいろな面からの検討を持つと同時に、財政的、経済的あるいは産業構造的な検討もやらなければならないということで、結局先ほど仰せのありましたような順序で最後の十月にそういうふうな面の一切の検討を終えて最終的な総合検討に入ったわけでございまして、その点はいま仰せのような御意見をいただきますれば、それなりに考えられる問題でございますが、しさいに検討をしていただいた専門家の先生方としましては、そういうふうな順序で事を運ばれたわけでございます。
○田渕哲也君 私は、これはそもそもこの専門家会議そのものの性格、意図、こういうものが会議の持ち方にやっぱりあらわれておると思うのですね。先ほども同僚の委員から指摘がありましたけれども、白紙還元のときにもうすでに輸入というものを想定しておる。P3Cを輸入するなら別に焦って結論を出す必要はない。国産化を決定する場合には早く出さなくてはならない。海幕からは特に四十八年中には結論を出してほしいという要請が来ておったはずであります。こういう点から見ましても、私はこの専門家会議の議事の持ち方についてきわめて強い疑惑を持たざるを得ないわけであります。
 それから、続いてお伺いをしますけれども、いわゆる対潜水艦作戦とこのPXLの関係であります。武器というものは日進月歩でありますから、これから十年ぐらいたてばいまの潜水艦というものも大きく進歩していくと考えられます。ところが、P3Cというのは現在の使われておる対潜機ですね。したがって、P3Cを導入してもこれが役に立つ期間というものはやっぱり限られておるわけでありまして、しかもP3Cの場合にはターボプロップ、P56ターボプロップエンジンでありますから、高速展開あるいは機動性の面で難がある。これは専門家会議の審議の中でも指摘されておりますけれども、こういう点、私はP3C導入ということにも一つ問題があると思いますけれども、いかがですか。
○説明員(丸山昂君) お答えいたします。
 P3Cの関係の搭載電子機器については、これをデジタル方式にかえて、そしてコンピューターに入れて情報処理を早くするという、まあ基本的にはそういう考え方のもとに開発が進みまして、ただいま現実にP3Cでアメリカが第一線に配備しておりますものは、この中のアップデートーというタイプのものでございます。現在アップデート2の開発をやっておるところでございまして、もし日本側にリリースするとすればこのアップデート2という話が出ております。この計画はアップデート3までの計画がございまして、したがいまして、中身は逐次更新をされていくものであると思います。大体一つのタイプの対潜哨戒機が大体の寿命が十五年から非常に長く考えまして二十年ということでございますので、相当長期にわたって使えるものであるということが言えると思いますし、また航空機の方の面では、御指摘のようにターボプロップを使っておるわけでございますが、この点については進出速度に若干の問題点がございますが、低速の、低空の空力特性、安定という面においては非常に安定感があるということでございます。まあターボファンで大体六十ないし七十トンクラスの機体を運べるものが開発をされればなおベターでございますが、現在のところ一概に将来の整備の時期において時代おくれのものになるというふうには私どもは考えておらないわけでございます。
○田渕哲也君 次に、川崎重工のやっておった研究の内容について具体的にお伺いをしたいと思いますけれども、私はこの川崎市工の研究内容いろいろ状況を聞いてみますと、やはり国産化のためのものだったという感じを強く受けるわけです。この点はいかがですか。
○説明員(江口裕通君) この点につきましては、先般も決算委員会等で御説明を申し上げましたように、四十五年度、四十六年度に川崎重工に委託をいたしました技術調査研究委託の内容は、国産化を前提とする国内開発、つまり国内開発を行うか否かの決定に必要とされます基礎資料を得るためのものでございまして、いわゆる国産化というところに入っておった、あるいは開発に入っておったというものではないわけでございます。
○田渕哲也君 四十六年の九月九日に契約書を、いわゆる四十六年度分の契約書を交わされたと思いますけれども、これは写しは私の方にももらったわけですが、契約書というのはこれだけですか。まだほかに細かなこれの部分的なものというものはあるのかないのか、お伺いしたいと思います。
○説明員(江口裕通君) 大変恐縮でございますが、六月七日付に概要をもう少し詳しいのをお出しをしておりますので、あるいはそれをごらんいただきますと、かなり資料ができておると思います。
○田渕哲也君 契約書というのは、たとえば一年度分のやつは一遍契約書を交わして、それで終わりですか。あるいは逐次細かなことは追加して出していくのか、これはいかがですか。
○説明員(江口裕通君) 研究調査案件一件につきまして一件でございます。つまり契約は一つでございます。
○田渕哲也君 そうすると、四十六年度の川重との契約は一つ、契約書は一つ。
○説明員(江口裕通君) さようでございます。一つでございます。
○田渕哲也君 そうすると、その一つの契約書の中に今度は部分的な細かな細目というものはあるわけですね。
○説明員(江口裕通君) その中に細目は指示してございます。
○田渕哲也君 川崎重工がモックアップをつくっておった。これは聞いてみたら防衛庁の注文じゃなくて、自主的に研究のためにつくっておったということでありますけれども、これをつくっておったのはいつですか。
○説明員(江口裕通君) 私どもで調査したところによりますと、四十五年の六月というふうに聞いております。
○田渕哲也君 これは防衛庁としてはその事実は知っておったわけですね。
○説明員(江口裕通君) その四十五年の六月当時は防衛庁としては知りませんで、自後になって知ったと、こういうことでございます。
○田渕哲也君 モックアップというのは、大体実機と同寸法のものをつくって、実際に乗員が乗って、計器の配置とか、装備の配置とか、そういうものを研究するためにつくるということですけれども、私はその検討をするためには当然防衛庁からだれか立ち会わなければ川重としてもできないと思うのですけれども、防衛庁からはだれか立ち会われましたか。
○説明員(江口裕通君) これは全く川重独自の試作で、モックアップでございまして、防衛庁は立ち会っておりません。ちなみにこれは開発が始まってまいりますと、防衛庁が指示をいたしまして、そのときは立ち会ってつくるということになりますが、この件はそういうことではございません。
○田渕哲也君 それから今度装備関係についてお伺いをしたいと思いますけれども、ソノブイ、インディケーター、それから逆探装置、サーチレーダー、いずれもこの対潜機に備えつける装備でありますけれども、これはどの程度研究開発が済んでおったか、お伺いをしたいと思います。
○説明員(岡太直君) ただいま御指摘がありました対潜機用レーダーとそれから対潜機用逆探装置、それから対潜機用ソノブイ直上指示装置でございますけれども、これは四十七年度から四十八年度にかけまして第一次試作というのを行っております。この第一次試作と申しますのは、従来ありました対潜機に使うレーダーなり、こういうふうなアイテムにつきまして、ひとつ技術的にいいアイデアをもちまして性能向上をしようということでございます。そうしてこの第一次試作によりまして、たとえば対潜機用レーダーにつきましては、ちょっと技術的にむずかしいんですけれども、偏波面ダイバシティー方式というのをつくりまして、こういう技術を将来のレーダーに適用すれば対潜機に装備しまして、ペリスコープなどを発見するのに非常に容易であるというふうな技術的な可能性を確認しておるというのが現在の状況でございます。他の二アイテムにつきましても同様な状況でございます。
○田渕哲也君 そうすると、これは四十七年には第一次試作に入っておったわけですね。
 それからこの予算というのはどこに含まれているわけですか。PXL関係予算に含まれておるものですか。どうですか。
○説明員(岡太直君) 技術研究本部に計上されました試作品費でございまして、おのおの独立しました試作の項目でございます。独立いたしております。
○田渕哲也君 そうすると、この予算の件については、いわゆるPXL関連予算には含まれていないということですね。ところが事実上はこれらの装置というものはPXLに使われるものだ、このように解釈していいわけですね。
○説明員(岡太直君) これらのレーダーあるいは逆探装置、こういうものは今度もし次の第二次試作をいたしまして装備品として完成しますと、一般の対潜機に使用できるものでございます。ですから、P2JであるとかPS1であるとか、それから、あるいは導入した場合も輸入機に向こうのレーダーに・取りかえてつけるというようなこともできるのでありまして、言うなれば、一般に将来対潜機の機器が進歩するにつれてそれにかわってついていくものと、こういうものでございます。
○田渕哲也君 一般にという説明でありますけれども、そうしますと、このPXLにも使用できるものだと考えていいわけですね。
○説明員(岡太直君) これはPXLにも利用できるものでございます。
○田渕哲也君 もっとはっきり言ってください。
○説明員(岡太直君) これが第二次試作をいたしまして、りっぱな成果をおさめましたならば、PXLにも、それからたとえば輸入した場合、向こうのレーダーよりかこちらの方がよければ使えるということで、何にでも対潜機に使えるものと、こういうことでございます。
○田渕哲也君 最近の軍用機の開発の方法というのは、聞くところによりますと、ウエポンシステムというものがとられて、機体も、装備品も、搭載兵器も、地上機材も全部一つのシステムとして開発されるということを聞いておるわけです。私はPXLが、いわゆるいまのお話によりましても、PXL関連の予算だけではやっぱり説明し切れない面がある、やっぱり非常に広範な技術開発が必要でありますから。だから、事実上私はこのPXLのための研究開発というものが行われておったと思うんです。いまの話も私はその一部である、このように見ていいと思いますけれども、これはいかがですか。
○説明員(岡太直君) 最初の、前段の航空機の開発はウエポンシステムとしてやっていかなきゃいかぬとおっしゃったのはまことにおっしゃるとおりでございます。ただ、開発の場合にはできるだけ技術的な危険を避けたい、こういうのがございます。したがって、飛行機をシステムとしてまとめる場合には、でき上がった技術のものを使うのが常道かと思います。特に日本なんかにおきましては、技術レベルが低いんですから、たとえばエンジンなんかを同時に開発しますと飛行機としてはまとまらないというようなこともありますから、絶えず重要な装備品は技術レベルを上げるために研究しておいて、それらのできた成果をピックアップして飛行機にまとめるというのがウエポンシステムとしての考え方と思います。そういう意味におきまして、こういう三アイテムはやはり一般に技術レベルを上げておく、そして、たとえばP2JなりPS1あるいは何にでも使えるというようなかっこうにしておくという意味でございます。
○田渕哲也君 四十七年度の予算がいわゆる閣僚懇談会の了解事項によって白紙還元されたことによって不執行になったわけです。この四十七年度の予算が執行されなくなったことによって川崎重工は損害を受けたか、受けたとすればどれぐらいかお答えいただきたいと思いますが。
○説明員(江口裕通君) これは事実として申し上げますれば、四十七年度は川重との委託契約というのはいたしておらないわけでございます。したがいまして、損害という場合の解釈でございますけれども、私どもの方としては、そういう意味の契約を行わないことによる損害あるいは契約をキャンセルすることによる損害ということはないというふうに考えております。ただ、それを会社側がどうとらえるかということはこれは別問題でございまして、少なくとも防衛庁の立場から見ます限りはそういう損害はなかったというふうに考えております。
○田渕哲也君 川重の方からこの件に関して防衛庁に対して要請とか陳情とかありましたか。
○説明員(江口裕通君) そういうことに至ります、つまり予算を不執行にするということに至ります段階までにおいては、あるいは川重の方から予定のとおりやってくれというようなことはあったかと思います。ただしかし、実際の不執行に決まりました後の段階におきましては、そういうことはございません。
○田渕哲也君 この四十七年度の予算の執行停止というのは、これはどこで決められたものですか。
○説明員(江口裕通君) 国防会議の例の議員懇談会によりましていわゆる了解事項、まあ白紙還元の事項ができたわけでございます。それで御存じのようにその専門家会議というところの場に検討を移すということに相なりました。そういう意味から、予算の、先般申し上げましたように、まり効率的な執行を図るという意味で不執行にいたしたわけでございまして、具体的にはその予算の執行に当たりまして大蔵省の方にいろいろ合い議をしてまいりますが、その段階において決めるわけでございます。それが実質的でございまして、形式的には四十八年度の予算を決定いたします際にこの四十七年度は国際契約がございますので、それを計上いたさないということで形式的には決定されたと、こういうふうに考えております。
○田渕哲也君 そうすると、閣僚懇談会の了解事項でPXL問題が白紙還元されたときに、防衛庁とすれば四十七年度予算の執行停止はやむを得ない、こういう判断を持っておられたわけですか。
○説明員(江口裕通君) 当時は四十七年度予算はいわゆる調査研究費ということになっておりまして、これは性格としてはやはり使える性格であろうと防衛庁は考えております。ただ、その話し合いの過程におきまして、やはり効率的な観点から基本的なアイデア等も変わる可能性がございますので、これは少し見合わしたらどうか、こういう話があったわけでございます。
○田渕哲也君 そのお話はスムーズにいったんですか。かなりぎくしゃくして抵抗したわけですか。
○説明員(江口裕通君) 若干の曲折はあったように聞いております。
○田渕哲也君 私はこの川崎重工の実際にやっておった仕事と防衛庁との間の正式の契約を交わしてやらした面というのにかなりやっぱり差があると思うんですね。これはああいう仕事はかなり先行して進むものだというものかもわかりませんけれども、したがって、この川崎重工が実際やっておった内容、まあ私も専門家ではありませんから詳しくはわかりませんけれども、聞くところによると、やはり国産化を前提とした研究開発が行われておる。ところが、そういう部分は契約してなかったんだと言われればこれ防衛庁は関係ないということになるわけですけれども、私はその境界線がなかなかはっきりわからないわけです。したがって、これをはっきりさせるためには、やはり防衛庁と川重の間のこの詳細な契約項目というものを出していただきたいと思うんです。六月七日に出されたというのはさっきいただいた資料のことでしょうか。これのことですね。これもその資料を見ましたけれども、非常に抽象的でよくわかりにくいわけです。私は実際の契約書というのはもっと細かいと思いますけれども、私はどういう仕事をやらしたということは、別にこれは防衛の機密事項じゃなかろうと思うんですね。技術的な内容詳しく教えろと言っているわけじゃありませんから、したがって、それを当委員会に提出していただきたいと思いますけれども、いかがですか。
○説明員(江口裕通君) これは防衛一般的にまだこの段階ではマル秘の事項というのはかなり多くないと思いますが、しかし皆無ではございません。ですから、やはりそういう点についてはひとつ御容赦をいただきたいと思うわけでございます。
 それから、委託契約等をこういうふうにやります場合にも、やはり各社の、まあこの場合は大体川重ということに限られるわけでございますが、一般的には各社それぞれ競い合うわけでございますので、大体そういう内容についてはいわゆる私契約にわたるものということで公表は差し控えさしていただいております。しかし、よく中身を検討いたしまして出せるものは極力御協力をさしていただきたいと考えております。
○田渕哲也君 私は、やっぱりそれが実際いままで四十五年、四十六年進めておったものが、防衛庁側は国産を前提としないということを言い張っておられますけれども、実際川重のやっておった内容と比べると、国産を前提としておったとしか考えられない。それを証明するのはやはりその契約書ではないかと思うんですね。したがって、これは、それを出していただかないと、防衛庁側の説得が根拠がなかなかはっきりしないのではないか。そういう点からぜひ善処をお願いしたいと思います。
 それから引き続きまして、いわゆる防衛庁長官の談話それから統一見解が五月の十二日ですか、出されておりますけれども、やはりこの談話とこの統一見解、両方あわせて考えましても、事実に即していないような気がするわけです。この防衛庁長官の談話では、国産化を前提とするものではなかったと、これは統一見解で出ておりますね。四十五年、四十六年度の技術調査研究は「国産化を前提とするものではなかった」。ところが、同日のこの参議院の決算委員会に防衛庁長官の答弁として、しかし国産化にウエートを置いていたという答弁をされたわけです。この「国産化を前提」ということと「国産化にウエート」ということとどう違うのか、これをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂田道太君) これはまあ先生の御質問がございまして、そしてその御質問を聞きましてお答えをした点だったと記憶をいたしております。したがいまして、ちょっとまとめてまいりましたので……。
 五十一年二月二十一日の長官談話及び五十一年五月十二日の統一見解で示しましたとおり、四十五年、四十六年、四十七年度にわたる次期対潜機に関する調査研究費は、いずれも国産化を前提とするものではございませんでした。次期対潜機に関するこれらの調査研究は、国産化を前提とする国内開発を行うか否かの決定に必要とされる技術上の判断資料――つまりよりどころでありますが一それを得ることを目的としたものでございます。その内容といたしましては、そのような技術上の判断資料を得るために必要な範囲内で、主として国内開発を行う場合における技術的事項を取り上げたものでございました。したがいまして、これを他の面から見れば、試験研究の重点は、どちらかと言えば国産の方にあったとも言えるので、そのような趣旨で申し上げた次第でございます。
○田渕哲也君 つまり、わかりやすく言いますと、国産化を前提としていなかったというのは、国産化ということを正式機関では決めていなかったと、それまで。だから国産化を前提としていたということは言えないということだと思うんです。しかし、実際の研究は、国産化のために必要な研究をやっておったと、それにかなり重点が置かれておったと、このように解釈していいと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(坂田道太君) 大体先生おっしゃるように思いますが、ただ、私たちとしては前提が前提でございますし、そして国産も、もしやったとするならば、そのイメージはどうなのかということで、それに主として力を入れてやっておったと、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○田渕哲也君 大蔵省にお伺いをしますけれども、大蔵省は、四十五年、四十六年並びに四十七年に予算をつけた調査研究というものが、そういう国産化にウエートを置いたものだということを知っていたのかどうか、お伺いしたいと思います。
○説明員(古橋源六郎君) お答えいたします。
 いま防衛庁長官からお答えがありましたように、次期対潜機に関しますこの調査研究は、国産化を前提とする研究開発を行うか否かということを判断する場合に必要なる技術的事項を調査するものでございます。しかし、その内容は、いろいろとわが国の場合においてはそういうものはございませんから、国内開発を行う場合におきます技術的事項を取り扱っておると、こういうことでございます。したがいまして、大蔵省といたしましては、予算をつけまして、これは支出負担行為の実施計画がございますから、そういう内容につきましては十分承知いたしております。しかし、これが国内開発を重点としていたかどうかというのは、これは見方でございますから、これにつきまして、私どもとしては特にそういう、いま防衛庁長官がおっしゃったような意味において防衛庁長官はおっしゃったのではないかと、こういうふうに理解いたしております。
○田渕哲也君 四十五年、四十六年、四十七年、これは一連のものであって、同種類、同性格のものだという御答弁が前にありましたけれども、そうするとやっぱりおかしくなるわけですけれども、まあこの問題ばかり論議しても仕方がないと思うんですが、私は四十七年の内容というのは若干違うんじゃないかと思うんですけれども、これはいかがですか。
○説明員(江口裕通君) 端的に申し上げますと、やや部分研究に入っておったというふうに――部分でございますね、そういう方に入って、重点が入っていったというふうに……
○田渕哲也君 どの方にですか。
○説明員(江口裕通君) 部分研究ということでございます。と申しますのは、四十五、四十六年というのは、大体イメージ――先般来申し上げておりますように、全般的なイメージをつくると、たとえば重量が五十三トンでありますとか、滞空時間がどれだけであるとかというようなイメージを形づくっていっております。これは全体のイメージでございます。その中でさらに重要なものにつきまして逐次研究を進めていくという段階でございます。それで、くどいようでございますが、開発に入りました場合にはそれを全部システム化いたしまして、もう一度全部組み直すわけでございます。ですから、そういう意味では性質は同じでございます。けれども、徐々に部分化していったと、こういうことは申し上げられると思います。
○田渕哲也君 四十七年の予算が執行停止されたということは、私は何を示しておるかというと、やはりこの一連の調査研究というものはやはり国産化にウエートが置かれてきた。しかし、国産化は正式の機関で決まっていなかったと。したがって、大蔵省と防衛庁との間には常に予算のときにやりとりがあったと。やりとりがあったけれども、あくまで国産化を前提としないということである程度国産のための調査研究にどんどん入っていっておったということは否定できない。したがって、この四十七年の白紙還元が決定された途端に予算の執行が停止された。こう考えれば大体理解がいくわけですけれどもね。そういう理解でよろしいですか。
○国務大臣(坂田道太君) 少し、ちょっと違うように思います、先生の御理解。どう説明したらいいのか。この四十七年の予算執行の場合は、いま装備局長が申しますように、全体のイメージというよりも、むしろ部分的なものに入る余地があるということで、むしろ効率的運用ということを考えるならばその方が、もう少し専門家会議の動向を見た上で考えた方がいいと。したがって、これは予算の執行を停止した方がよろしいという判断をいたしたということでございまして、あくまでもやはりわれわれといたしましては国産化を前提とするものではなかったということははっきりいたしておる事柄であるというふうに御理解賜りたいと思います。
○田渕哲也君 時間がなくなりましたのでこれで終わりますけれども、私は、四十五年は全般のそのPXLの概定だったと思いますね。それから、四十六年は搭載する電子機器とかあるいは風洞実験等が行われておる。それで、先ほどもお話に出ましたけれども、四十六年の予算で防衛庁は基本設計を要求している。だから、本当は四十五年の次に基本設計に入ろうと思えばはいれた。それから、四十六年にはさらにその調査研究が済んだから四十七年から基本設計に入るとしても、これは十分過ぎるぐらい十分である。したがって、この四十七年の調査研究というのは実際的には、私が調べたところでは、製造技術も含めていままでの研究のまとめをやると、そういうふうに聞いているわけです。そうすると、これはもう実際にも国産化を前提としたものになるわけですね。だから閣僚懇談会の白紙還元でこの執行は当然やめなければならないものの性格であったと、このように私の調べた範囲では理解できるわけですけれども、この点はどうですか。
○説明員(江口裕通君) プロセスをたどってまいりますと、大体概略を決め、そうして部分研究に入っていくと。おっしゃるように、見方によりましては、そういう若干濃度が高まるという感じがいたします。ただ、しかしながら、経緯を申しますと、これは、この従来の基礎研究というものはあくまで開発をするかどうかということでございまして、これは、先ほど事務局長からもお話がありましたように、輸入はチェック材料という程度でございます。ところが、専門家会議で輸入を含めて研究されるというようなことに相なりまして、まあその輸入のウエートがずっと高まったというようなこともございます。それから、先ほど申しましたように、一応、四十五、四十六年で概念をつくりまして、その基本的なイメージというもので、つまり、ある一定の幅で物事を考えておりました。これは、一応国産ということを、国産するならばと、開発をするならばという考え方でございます。ところが、輸入を含めて専門家会議で改めて幅広い観点から検討されるということでございますので、そこで出てまいりますことは、民間機のYXとの共用でございますとか、あるいは既存機種の改造でございますとか、もう一遍全部御破算に立ち返るということでございます。それで、従来考えておりましたことの前提、その前の前提でございますが、そういうことが一応崩れる可能性もあるというふうに考えられまして、それで一応効率的な観点から見合わしたと、こういうことでございます。
○田渕哲也君 まだ疑問がありますけれども、次回に譲りたいと思います。
○野末陳平君 私は、先ほど社会党の久保委員が指摘されました防衛庁が輸入業者に対しまして今度出したあの文書につきまして、さらに具体的にもう少し細かいところをお聞きしたいと思います。
 コピーをもらいましてこの「輸入品販売代理店契約書等の提出について」という防衛庁の調達実施本部長からのこの文書を見ますと、要するに、いままでもこういう契約書があるはずだから見せてくれと防衛庁が業者に言っていたけれども、結局そういうものはないんだと、業者の方がですね、ないんだと言って全然提出しなかったんだということでいいでしょうか、この文書を出す以前の経過ですが。
○説明員(江口裕通君) 防衛庁が輸入品を商社を通じて輸入いたします場合、特にその商社がソールエージェントというような場合には、相手方の、つまり輸入先の、たとえばこの場合でございますとアメリカの会社でございますが、そういうところの代理店証明書というものを要求して取っております。これは様式は必ずしも一定いたしておりませんけれども、そういうものをもらいまして、それでこれは代理店であると確認を取ってやっておりますが、その際、その内部関係を明確にいたしますために資料の要求をしたと、こういう契約書の写しがあれば出してくれということを言ったわけでございます。しかしながら、これはわれわれが先ほど申しましたように、法律的な権限に基づいて当然できるという筋合いのものではございませんものですから、なかなか御協力が得られなかったと、こういう次第でございます。
○野末陳平君 そこで、協力が得られなくて今度の文書になったという経過だと思います。
 改めてお伺いしますが、では海外メーカーと輸入業者の間のこの契約書、防衛庁がそれを見せてもらって、その内容の中で一番知りたいと思った部分はどういうことだったんでしょうか。
○説明員(江口裕通君) 端的に申しますと、どういう動き、つまりどういう関係にあるかということが一つでございます。つまりソールエージェントであるかどうか。あるいは完全に本人の一まあ本人と申しますか、つまり製造元でございますが、それの代行を完全にやっておるかどうか、そういうようなこと。それからさらには、代理店の手数料率でございます。つまり、コミッションの率、これは端的に申し上げますと、そういうことになろうかと思います。そういうことがわかっておればこれは非常に事務遂行上役に立つというふうに考えた次第でございます。
○野末陳平君 手数料率ですけれども、事実防衛庁がたとえば部品を輸入業者を通して買うという場合に、直接防衛庁から業者に口銭――コミッションを払う、これはもうあたりまえだと思うんですね。しかし、今度は輸入業者は防衛庁からもコミッションは取るが、相手の海外メーカーの方からもまたコミッションを取ると。そのコミッションと言うか、それは何と言うか別ですが、とにかく二カ所から手数料が入る仕組みだということが今度わかったわけですね。で、この辺の事情がわかれば当然今後防衛庁がいろんな買い物をする場合にも非常に有利になるからと。ですから、この手数料率を、端的に言えば、一番知りたいんだというお答えだろうと思うんですよね。それは当然だと思うんです。しかしながら、いままで全然そういうことを予想もしないで、あるいは全く知らないままに輸入業者と防衛庁がいろいろ取引をしていたのかどうか、その辺が大分――ずいぶんのんびりしているなという気持ちもしないでないんで、本当に何も知らないでやったんですかね。
○説明員(江口裕通君) 輸入を依頼いたします場合は、先ほども申し上げましたように代理店契約つまり代理店証明というものを取ります。その場合には、通常でございますれば、やはりたとえばアメリカの企業からの代理店のコミッションというものが通常は多かれ少なかれあるということは当然考えられるわけでございます。ですから、そういう意味から言いましても、いろいろな執務の参考上必要である、こういうふうに考えておったわけでございまして、全然そういうことを予測しておらなかったというわけではもちろんございません。ただ、問題は、それがすぐじゃどういうふうに価格に反映するか――これは先走るお答えでございますが――ということにつきましては、これはちょっと推測の方法がいまのところございません。しかしながら、いずれにしてもそういう関係を知りたいと、こういう趣旨でございます。
○野末陳平君 第三者から言いますと、そういう内容、契約の内容、手数料率のことなどを業者に聞いて、あるいは聞かなければ全然わからないというのも商売としてはずいぶん変な話だとは思うんです。でも、そんなことを言っても始まりませんので、この文書を出して、三月の一日付で出されていますね。もう三カ月になりまして、大体さっきの回答状況をちょっとお答えになりましたけれども、どうも芳しくないように聞きましたけれども、三月たって回答してきていないということもずいぶん――そちらは困る。それから、業者の方はどういうふうに考えているのか、その辺がわかりません。まず具体的に、七十社にこの文書を出したということでしたけれども、七十社のうちの、きちっと答えたのは、契約書があると、それを提出したという、ちゃんと答えたのは一体何社ぐらいなんでしょうか。
○説明員(江口裕通君) 全体の七十社に対しまして、代理店契約書等を具体的に提出してまいりましたのは十九社でございます。これはごく最近でございます。それからさらに、代理店契約が存在しないということを言ってきたのも、これは一種の中身を言ったわけでございますので、これが二十一社ございます。
○野末陳平君 「存在しない」が二十一社ですか。
○説明員(江口裕通君) はい、そうです。
○野末陳平君 いまの提出してきた十九社の中に、当然これは丸紅は入っていますね。
○説明員(江口裕通君) 丸紅は入っております。
○野末陳平君 当然予想されるんですが、丸紅はもうロッキードと契約破棄もしていますから、いわば死んだ契約書を出してきているわけですから、もちろん参考にならないわけじゃないでしょうけれども、それほど意味があるとも思えないですね、この提出してきたことに対して。丸紅以外にきちっと契約書を提出してきたのは大体どの程度の業者でしょうか。
○説明員(江口裕通君) これは種々雑多でございまして、中にはライセンス契約のようなものも出してきたところもございます。技術援助契約みたいなものでございます。これはちょっと一概に、どんなところかということはいままだはっきり申し上げられるまでの特徴が出ておらないわけでございます。
○野末陳平君 それならば、提出してきた会社の中で、いわゆる代理店報酬のようなものを取るという契約をしていた会社はどのくらいあるんですか。丸紅は当然ロッキードとそういう契約を結んでいたことはわかりましたね。そのほかにいまの提出してきた十九社の中で手数料が存在するという契約書を見せたのはどこですか。どこというか、何社ぐらいありましたか。
○説明員(江口裕通君) 一応代理店契約の存在あるいは代理権の中身等の概要は示しておるわけでございますが、具体的に何%、何月から、何日からというようなそういう形でもってまだわれわれの方としては報告を受けておらないわけでございます。
○野末陳平君 じゃ後で丸紅の内容その他はまた聞いていこうと思うんですが、問題は、先ほど、久保委員の質問のときのお答えにありました、いわば拒否――代理店契約書などは提出できないという回答を防衛庁の方にしてきているところがあるということでしたが、これは大体七十社のうちの何社ぐらいでしょうか。
○説明員(江口裕通君) 二十六社でございます。
○野末陳平君 その理由をついでに言ってくださいよ、理由まで。
○説明員(江口裕通君) この理由はいろいろございますが、一つはやや細かくなりますけれども、先ほど申しましたように、代理店、こういった代理店契約は、その内容が代理店たる商社とその契約相手方の営業上の秘密に属するということで、商慣習上も公開できない性質のものであるから猶予していただきたい、こういうようなことを言っているのもございます。それから、さらに特別のクローズがございまして、これを何かに使う場合には、今度は相手方と申しますか、つまりアメリカの企業とやっておる場合は、アメリカの企業との、つまりその代理店契約のお互いの当事者間の了解が要る、同意が要るということで、なかなか同意がとれないから勘弁してもらいたいというようなこともございます。それから、さらに、基本的にはこれは防衛庁だけのものではないと、要するに、ほかの社に販売される場合にも、防衛庁以外のところへ販売される場合にもこの契約が適用になる。あるいはこの中の品目でも、非常にこう広い範囲になっておりますので、必ずしも防衛庁だけのものを扱っておるわけでもないというようなことでございまして、第三者の利益の保護と、そういう意味の第三者でございますが、そういうようなことを理由にしておるところもございます。若干その点はいろいろニュアンスがございます。
○野末陳平君 まあそれぞれ理由を挙げて提出を拒否しているわけでしょうが、問題はこの二十六社――提出できないと、拒否回答の二十六社の中に、丸紅を除いた大手商社はほとんど入っているんではないかと思われるんですが、それはいかがでしょうか、そう思って間違いないですか。
○説明員(江口裕通君) 相当程度のものが入っておるということで御理解いただいて結構でございます。
○野末陳平君 それは、私の知り合いと言うと変なんですが、関係のあるところから実はこのコピーをもらったわけですよ。それで、防衛庁からこんなのが来たと、商売の秘密だからこんなのは教えられるわけはないんだと言うんですね、その商社が、大手ですけどね。向こうには向こうの理由があるとは思ったんですが、そもそも、全くこういう文書、ぱあっと郵便か何かでこれ送ったんですか。そうでしたか。郵便でぱあっと送ってきただけだって。これじゃね、何といいますかね、出さなければならぬなんという気持ちにもなれないし、出す気は全くないと、こういうことをまた言うんですね。ぼくはそれを聞いていましてね、かなり防衛庁はばかにされているなと思ったんですよ。それで、この文章読むと非常に、お願いします、お願いしますというような、低姿勢過ぎるんですね。法的強制力がないからという一これはいかにももっともなんですが、だからといって、こういう事件が起きて、あわててこうやって郵便でぽっと出す防衛庁もちょっとどうかと思いますがね、それにしても今度のが起きたんで、改めてその文書を出したというこのスローなやり方では、どうもそちらが言う御協力は得られないんじゃないかと、こういうふうにそのとき感じたんですよ、その商社の連中と話しましてね。そこで私が言いたいのは、余りにも低姿勢過ぎてなめられているんだと、防衛庁がね、ばかにされているんだという印象を受けましたから、このまままたまたお願いの文書などを出したところで、これはとうてい無理じゃないかと。第一防衛庁自身が法的強制力がないんでどうもということじゃ、これ結局意味がない結果になるというふうに考えるんですが、きちっと契約書の内容などを確認できるような期待が持てるんですか。
○説明員(江口裕通君) 先ほども申し上げましたように、営業上の秘密である、あるいはさらにはほかの防衛庁以外の第三者のこともあらわにすることになるというような話でございまして、顧客といたしましては、なかなか言いにくいところがございます。もちろん法的な強制権もございません。しかしながら、やはり取引の信頼関係ということは、やはりこういうことを通じて出てくるというふうに私どもは考えております。それからまた、現実に話をしておる段階におきましても、当初は御指摘のように手紙を出したわけでございますが、その後も何回も私どもからは督促をいたしております。そして現に数字等もだんだん、徐々にではございますが、出してくるところもございます。そういうことで、私どもの方はやはりこれはどうしてもあった方がよろしいと思いますし、たびたびの御指摘もいただいておりますので、そういうことで今後も極力努力をしてまいりたいと思っております。
○野末陳平君 長官、私は別に防衛庁がロッキード事件が起きてからこういうことをしたからタイミングがずれているとか、こんなことをしても意味がないとかいうことを言っているわけじゃありませんで、税金でもって買い物をする立場ですから、いわゆる海外メーカーと輸入商社の契約の実態を知った上で有利な買い物、よりよい買い物をするのは当然だと、これからの問題はまあPXLに関することでもすべてありますので、これはいいと思うんですよ。ただ、初めからこれ、実態を知らなければいけない、知った方が有利なんだと言いながら、法的強制力がないし信頼関係があるからという弱気でいたら、業者だってそれは教えませんよ。ですから、長官、どうでしょうか、法的強制力がないから、協力をあくまでももらえるまで待って、気長に待つというようなんじゃなくて、こういう問題に関しては、事が事ですから、この際はたとえば道義的な意味の強制力――言葉は悪いですが、強制力というのは。しかし、道義的な意味でも、もっと率直に業者と防衛庁だけで秘密を保持すれば営業上の問題は、必ずしもあるかどうかそこんところはわかりませんけれども、少なくも、道義的にある程度の積極的な協力を求めるべきだと、そういうふうに考えるんですよ。ですから、調達実施本部長の名前で文書が出ていますが、ひとつ、たとえば長官の名前で出すなり、何かもうちょっと積極さがないと、これはこのまま文書だけで終わって、肝心のいわゆる丸紅は一種の代理店報酬というか、代理店としての手数料を別に取っていた、ロッキードから。それと同じようなことの考えられる大手の商社は絶対協力しないと思うんです。ですから、法的強制力の問題はありますが、ひとつ道義的な意味も含めて、商社、これは協力してくれということを長官が少し積極的に言われたらいかがでしょうか、どうお考えになります。
○国務大臣(坂田道太君) この点は先ほどから装備局長がお答え申し上げておるとおりでございまして、言葉は丁寧でございますけれども、かなり意欲的に積極的に協力を求めておるつもりでございます。しかし、こちらが幾らそうでございましても、相手に通じなければ成果を得られませんので、いろいろの方法を考えまして、できるだけひとつ協力を求めるような方策を見出したいと思っております。いろいろ知恵がありましたら、ひとつ教えていただきたいと思いますが、その知恵の方法の一つとして長官が出したらというようなことでございますが、その点も含めまして今後検討いたしてみたいと思います。
○野末陳平君 まあ、この問題については今後のことも含めて、どうやって物を買うかということも含めて、いろいろと課題はあるとは思うんですけれども、とりあえず、もう三月ですからね、三月一日に出して何回も防衛庁が努力して協力を求めてもまだ出さないってのはやっぱり誠意がない証拠だし、また出して都合が悪いものなんだと思いますよ、丸紅の例でいろいろわかりましたからね。まあしかし、防衛庁がせっかく御協力なさっているわけですから、早くその実態をそちらがつかむということを期待して、さらに具体的に丸紅を例にとりながら、ほかの商社が海外メーカーとどういう契約をしているかというところまでお聞きしていこうかと思います。
 丸紅が防衛庁に出しましたすでにもう破棄されたロッキードとの契約内容ですけれども、問題になっております手数料の料率ですね、これについては、全日空のトライスターのところでも少し数字が出てますが、防衛庁に出した数字はどういうふうになってましょうか。
○説明員(江口裕通君) これはいまちょっと手元に契約書を持ってまいりませんでしたので、私の記憶で申し上げさしていただきます。若干間違いがあればまた訂正をさせていただきたいと思います。
 一応、丸紅とロッキードとの間の契約は、まあ主として日本の市場における市場開拓と申しますか、そういうことをやる。それからロッキード製品の売り込みについての協力、あるいは技術援助契約等、ライセンス契約等を締結いたします場合の指示と申しますか、そういったようなことを中身とするものでございます。
 それで料率でございますが、PXLの料率を決めた部分がございまして、これはたしか一機当たり十五万ドル程度のものであったかと記憶しております。大体時価に直しまして、たとえば二千万ドルといたしますと〇・七%くらいでございますか、あるいはもうちょっと多くなるかもわかりませんが、少なくとも一%未満の額だったと思います。おそらくトライスターも大体それに近い額ではなかったかと考えております。それからそのほかに、単に完成機のみならず、補修部品でございますとか、あるいは製造部品とかいうようなものを扱います場合にも料率がございます。これが時期により、また物によって違いますけれども、大体平均いたしましてまあ一%から数%ぐらいのところまででございます。それで丸紅の先般の大久保専務あたりのお話で大体平均して手取りが一%と、これは昭和三十三年以降でございますけれども、大体一%というようなことを言っておられたように記憶しておりますが、昔から通算いたしますと、大体そんな料率になろうかと思います。ただ最近は徐々に料率が上がってきておるということでございます。
○野末陳平君 表向きの契約と、それからまた裏で流れている部分とあるようで、その辺については私もわかりませんので、いまのお答えになりました料率についてもう少しお聞きしますが、いわゆるPXLの場合は、P3Cオライオンですか、これロッキードと防衛庁が契約した時点の成功報酬ですね、この成功報酬が一機十五万ドルとお答えになりましたが、これ、しかし一機から何機までは、あるいは十機から二十機まではという段階の料率になっていると、全日空のトライスターの場合はそういうことだったですね、それはどうでしょうか。
○説明員(江口裕通君) いま記憶でございますが、児玉とロッキードの間のコンサルタント契約の中にはおっしゃるようなことがあったと思います。ただ、それからトライスターもそうであったかもしれませんが、PXLについてはそういうことはなかったと思います。一機当たりだけであったというふうに記憶しております。
 それから、念のために申し上げますが、防衛庁の場合は、これはライセンス生産ということでございますので、完成機というのは現実には恐らく将来まあ当たる可能性が少ないのではないかというふうに思われます。
○野末陳平君 ライセンス生産ですから、トライスターとは直接違う形かもしれませんけれども、トライスターの輸入に関しまして、丸紅がロッキードから支払いを受けていたいわゆる代理店手数料というのは、一号機から四号機まで、あるいは五号機から十八号機までというふうに段階的になっているんですね、通産省の為替金融課で調べてもらったんです。あくまでこれは正規の為替管理のルートに乗って経理の帳簿に載った数字ですから、間違いなく、このほかにもまだあるという疑惑があったわけです。そこであえてお聞きしてんのは、このP3Cが売り込み成功した場合に、丸紅とロッキードが、そんな一機十五万ドルという単純な契約だとは思えないんです、機数も多いですから。ですから、一%――数字は一%わずかかもしれませんが、額にすればかなりになる。少なくとも児玉に関しては相当な額なわけですね。そこでお聞きしているわけなんです。ですから、いま言ったように一機当たりということはとうてい考えられない、ロッキード社のやり方、丸紅とのいままでの契約から見て。どうでしょう、改めてお伺いします。もし資料がなくてということでしたらば次の委員会でお願いしますが。
○説明員(江口裕通君) あるいは私の記憶違いかもわかりません。したがいまして、調査をいたしまして次の委員会にでも御報告さしていただきたいと思います。
○野末陳平君 もう時間来ましたから、その数字を見てもう少し代理店契約というものの存在、性格などについても質問をしたいと思います。
 いずれにしてもこういう実態を防衛庁が知らされていなかったという面もあるでしょうし、それからあるいは積極的に知ろうとしなかったというか、殿様商売やっていたという面もなきにしもあらずだと思うんです。いずれ実態を把握した上で、やはり税金による買い物というものはもう少し厳しい姿勢でやっていただきたいということを長官にお願いしてきょうは終わりにします。
○委員長(剱木亨弘君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめます。
 明日は、午前十時三十分開会することにいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二十八分散会