第077回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第16号
昭和五十一年七月二十一日(水曜日)
   午後一時五分開会
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   委員の異動
 七月十九日
    辞任         補欠選任
     小巻 敏雄君     神谷信之助君
 七月二十日
    辞任         補欠選任
     対馬 孝且君     瀬谷 英行君
     野田  哲君     久保  亘君
     柄谷 道一君     木島 則夫君
 七月二十一日
    辞任         補欠選任
     小谷  守君     野田  哲君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         剱木 亨弘君
    理 事
                岡本  悟君
                林田悠紀夫君
                瀬谷 英行君
                黒柳  明君
                橋本  敦君
                木島 則夫君
    委 員
                石破 二朗君
                大島 友治君
                岡田  広君
               久次米健太郎君
                戸塚 進也君
                秦野  章君
                上田  哲君
                久保  亘君
                小谷  守君
                野田  哲君
                矢田部 理君
                峯山 昭範君
                神谷信之助君
                青島 幸男君
   国務大臣
       内閣総理大臣   三木 武夫君
       法 務 大 臣  稻葉  修君
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    福田  一君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  坂田 道太君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   岡垣  勲君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        池部 幸雄君
   説明員
       内閣法制局長官  真田 秀夫君
       警察庁刑事局長  土金 賢三君
       防衛庁装備局長  江口 裕通君
       法務省刑事局長  安原 美穂君
       国税庁次長    山橋敬一郎君
       自治省行政局選
       挙部政治資金課
       長        前田 正恒君
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  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○ロッキード問題に関する調査
 (ロッキード問題に関する件)
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○委員長(剱木亨弘君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 一昨十九日、小巻敏雄君が委員を辞任され、その補欠として神谷信之助君が、また昨二十日、対馬孝且君、野田哲君及び柄谷道一君が委員を辞任され、その補欠として瀬谷英行君、久保亘君及び木島則夫君がそれぞれ選任されました。
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○委員長(剱木亨弘君) 矢田部理君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 ただいまの理事の辞任及び委員の異動に伴い、理事が二名欠けておりますので、この際、理事の補欠選任を行います。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(剱木亨弘君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に瀬谷英行君及び木島則夫君を指名いたします。
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○委員長(剱木亨弘君) ロッキード問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○瀬谷英行君 まず総理にお伺いいたしますが、総理はその立場上、このロッキード問題についても、法務大臣から詳細、逐一報告を受けている立場にあると思います。したがって証人喚問についても、先ごろは待ってほしいということだったんでありますけれども、しかし、臨時国会を目前に控えて――これいつになるかわかりませんが、ロッキード問題の始末をつけるということは必要なことであろうというふうに考えられます。したがって、臨時国会の前にロッキード問題の事実解明を行うと、もうこういう決意でいらっしゃるのかどうか、その点をお伺いしたいと思いますが。
○国務大臣(三木武夫君) 臨時国会はまあできるだけ早く開きたいと、これは前の国会で積み残した重要予算関連法案もございますし、考えておりますが、いま御指摘のように、ロッキード事件がいよいよ捜査の核心に入ってきておる時期でございますので、この捜査の推移を見て臨時国会の召集の日時を決定をいたしたいと考えておりますので、ある程度のロッキード事件の解明のめどが、臨時国会の召集の時期決定には重要な関連性があるものだと考えております。
○瀬谷英行君 捜査の推移を見てということでございますが、捜査の推移を見て――今度は問題をしぼってまいりますが、参議院では主として今日までPXLの問題にしぼってやってまいったつもりであります。ところが、衆議院の方はトライスターを中心にして、これは全日空、丸紅、多くの逮捕者が出ておりますが、PXLについては証人を呼んでも差し支えはないんじゃないかという気がするんでありますけれども、その点、前回もその点質問いたしましたが、重ねてお伺いしたいと思うのであります。私どもは、もう証人を呼んで事実の解明をするということは差し支えないというふうに信じておりますが、総理としてはどうですか。
○国務大臣(三木武夫君) 国政調査権に基づいて証人を喚問して政治、道義的な責任を追及をしようということは当然のことでございますが、いまごらんになってもわかりますように、ロッキード事件というものが問題の核心に入ってきたことは事実でございますので、そういう時期を少し避けてもらえないかということを申しておるわけでございます。それはあくまでも決定は国会自身の御決定によるわけでございます。そういう希望を述べておるんですが、いま、PXLにしましても、それは私は、この問題はよくてこの問題はいかぬと申しておるのではなくして、ロッキード問題に関連する問題について一般的に申し上げておるわけですが、まだ私どもの時期としてはいよいよ山場にかかったといいますか、こういうときですから、いまこそどんどん証人を呼んで、検察は検察、国会は国会で証人を呼んで、そして検察は取り調べ、国会は証人、両々相まってという時期としては――国会の場合は、証言を求めますならば、こういう公開の席上でもございますし、それがいろいろ検察の取り調べにも影響を与えるおそれもございますし、取り調べの。まあいろいろ取り調べは密行的に行われておるわけでございますが、国会の証言はそういうわけでございませんので、いろんな点で支障があるのではないかという懸念をいたすわけでございまして、いまの時期がもう証人をどんどん呼んでもいい時期だというふうに検察当局の捜査の段階がきたんだというふうには、われわれは考えないのでございます。もう少し時期をずらず必要があるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○瀬谷英行君 私は一般論じゃなくて、PXLにしぼって質問したわけなんです。PXLについては疑惑はないんだというふうに総理はお考えになっていらっしゃるのかどうか、その点を端的にお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(三木武夫君) 私はロッキード事件の中にはこの問題は入らないのだ、この問題は入るのだというふうには申し上げていないわけであります。またPXLがいろいろ調査の対象にする疑惑があるとかないとかいうことを申し上げておるわけではないのであります。しかしPXLもロッキード事件に関連の事件であることは事実でございますから、そういうことを申し上げておるわけで、一般論として申し上げておるわけで、この問題を内容にわたって、これがどうだからこうだからといって申し上げておるわけではないわけでございます。
○瀬谷英行君 疑惑はないんだということになれば、これはシロであると。そうなればいままでわれわれがこの委員会でもって多くの証人にいろんなこと聞きました。いよいよ最後に残ったところは田中前総理であり、後藤田当時の副長官であり、相澤主計局長であると、こういうところまで来たわけです。ところがこのお三方について、出てもらってしゃべってもらおうじゃないかということになりましたら、自民党側の主張としてはもう疑惑はないんだと、こういうことなんですよ。疑惑がないならしゃべってもらったって構わないのじゃないかというのがこれは私どもの主張なんですよ。もし疑惑がないんだとおっしゃるんならば、いろいろ取りざたされていて、はっきりしないという状態では、名前を挙げられた方自身が迷惑だろうと思うんですよ。だからむしろこれらの人たちにははっきりと事態の解明をしてもらうということの方がいいんじゃないかと、こういう気がするんですね。それが、じゃ捜査の支障になるんだとすれば、シロとは言い切れない――灰色だかクロだかわからないけれども、シロとは言い切れないということになってしまう。シロかクロかどっちだというふうに詰めるつもりはございませんけれども、しかしシロであるというふうに確信を持って言われるならば、この証人の喚問についても、政府としても自民党としてもOKと言って差し支えないはずなんです。理論的にそうなるんじゃないですか。どうでしょう。
○国務大臣(三木武夫君) 調査が進行しておる段階で、私の口からこの問題はシロである、この問題はクロであるということを私がいまの段階で申し上げることは適当でないことは瀬谷君もおわかりいただけると思うのです。私が、この証人喚問というのはしばらく時期をずらしてもらいたい、ずらしていただけないだろうかというふうに申しておるのは、これがシロだからクロだからといって事件をより分けていろいろ選択的に申し上げておるのではないので、一般的に申し上げておるわけでございまして、それ以上は国会の御判断にまつよりほかにはないと、こういう考えでございます。
○瀬谷英行君 国会の判断と言いますけれども、国会の判断で、じゃ、われわれが証人に呼ぶべき時期であると、こういうふうに判断をすれば、じゃ、こちらの方で採決をして決めてもよろしいんだ、こういうふうに聞き取れるわけなんですよ。しかし総理自身は、PXLの国産化白紙還元、この当時閣僚であられたわけです。したがって閣僚の一員として疑惑があるんだかないんだか、この問題について証人に呼んでもらっても差し支えがあるんだかないんだかの判断はおつきになるんじゃないかと思うんですよ。だからその点をお聞きしておるのです。あくまでも何とも言えないということになれば、われわれとしてはこれはシロとは言い切れないのだというふうに解釈せざるを得ないのですが、その点はどうですか。
○国務大臣(三木武夫君) 瀬谷君にお願いしたいのは、私がそう言っているのは一般論でございますから、これがクロの疑いがあるから証人として困るのだ、そういうふうなことは一切ないのです。ですから瀬谷君の言われることはよくわかります。ある時期が来たならば、やはり証人として個人の名誉を守るためにもそういう場合があってしかるべきだと私は思うのです。ただ一般論として、いまの時期はちょうど捜査の核心に入りつつあるときとダブるものですから、そういうことで時期をずらしていただけないかということでございまして、瀬谷君の言われるやはり公人としての、あるいはまた公職についていたものとして、国会の国政調査権に基づいて、証人としていろいろな疑問に答えることは当然だと思うので、それを私は否定する考えはないのです。いまの時期がちょうど捜査の核心に入っておるときだからということを申しておるわけでございます。それがクロだから言うとかシロだから言うという意図は、そういうふうな内容にわたっての評価は全然ないということを御理解を願いたいのでございます。
○瀬谷英行君 話がどうもすれ違っちまうおそれがあるのですが、すれ違いの論議を幾らやっていても始まりませんから、なお具体的に聞きますけれども、当時の四十七年十月、何回もここで論議が行われました。国産化白紙還元については、いままでの証言その他によると寝耳に水であった、非常に驚いたというふうな証言もたくさんあるわけですよ。だからそれはごく自然だったということになれば疑問は起きない。われわれも何年も前の話をいまごろになってこれはおかしいじゃないかと言うのは、まあ考えようによれば不明のいたすところということになってしまうかもしらぬけれども、事態がこうなってまいりますと、この点を明らかにしなけりゃならぬと思うんですよ。で、先般、上田議員からも質問がございました。このP3Cについては、これは既定の事実というふうになっておったんじゃないのかと、こういう疑問が提示されているのです。このP3Cについては、それじゃ日本政府としてはどうするのか、これをロッキード社から買い込むということをやるのかやらないのか、こういう問題にもちょっと触れて聞きたいと思うのですが、その点どうですか。
○国務大臣(三木武夫君) 自衛隊としても対潜機というものをこれはやっぱり充実しなけりゃならぬという、そういう防衛計画を持っているわけですが、この問題については各省間の間でいろんな角度からまあ検討を加えておるわけで、政府がこのP3Cを対潜機として購入するんだというような決定には至ってないわけなんです。あらゆる角度から、こういうロッキード事件が起こったという事態もこれはやはりいろいろ検討する場合の一つの考慮の中に入ることは当然でございますが、いろいろ関係各省の間でいま検討を加えておるというのが正直な段階でございまして、いまこういうふうにしろという、そういうまあ方向が決められたということではございません。
○瀬谷英行君 これも追っかけて聞くようでありますが、このP3C、これは、白紙還元ということと、国産化の白紙還元ということとP3Cの購入という問題とは別々の問題じゃないわけです。そこで、この白紙還元という疑惑を解くために、じゃP3Cについてはもう論外である、これは購入するという意思は日本政府にはないと、防衛庁にないと、このように今日断定できるのかどうか、その点をお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(三木武夫君) いま検討しておるのですから、検討中でございますから、この検討しておる最中に私から物事に対して断定的に申し上げることはまだ適当な段階でないと思うんです。したがって、十分いろんな角度からこの問題は、国民が納得を得るような決定をしなきゃならぬことは明らかですから、そういうことで検討をいたしたいと思っておりますが、いまこの問題に対して断定的な結論と結びつくような発言は私はすることは適当でないと考えております。
○瀬谷英行君 国民が納得すると言ったって、P3Cなんというのはほかの道具とわけが違うんですよね。専門も専門、きわめて専門的な問題だ。こういうものを必要とするかどうかということは、本委員会の論議よりもむしろ予算委員会なり内閣委員会の論議になるでしょう。それをここで繰り返して、時間を使いたくないと思いますから、そのことについては、私、きょうは触れません。触れませんけれども、このロッキード疑獄とP3Cの問題とは、これは切り離し得ないと思うんですよ。だから、それらの疑惑に対して、疑惑はないんだと、PXLについては疑惑はないんだということであれば、まずP3Cについてもここで断ち切ってしまう、当分考えないということになれば、それはそれなりに納得のしようがある。ところが、いま検討中であるということになると、検討中ということはP3Cを、ほとぼりがさめたならばこれを採用するという考えもあるんだというふうにも受け取れるんですが、そういうことなんですか。
○国務大臣(三木武夫君) これは、いま各省庁と申しましたのは、主として防衛庁なども、これは一番専門的な知識を持ってるんですから検討の中心になるわけですが、まあそういうところでいろいろな角度から検討しておるので、この機会に私から結論と結びつくようなことを申し上げることは適当でないと思うんですよ。しかし、これはただ隠して決定できるわけじゃないんですから、これが決定になれば、十分国民の納得を得なければならぬことは明らかでございますから、そういう意味で、きわめて慎重な検討を加えるという程度しかこの際お答えはできないわけでございます。
○瀬谷英行君 そうすると、結局PXLの白紙還元という問題とP3Cを採用する可能性というのは、そのまま残っているわけですよ。そうすると、疑惑は必ずしも解明できませんわね。
 そこで、なお疑惑を解明しようと思えば、この白紙還元の経緯等について当時の関係者に証言をしてもらわなきゃならぬということになる。それをわれわれは今日まで要求をしてきたけれども、入れられなかった。しかし、総理は国会の判断だと、こういうふうに言われる。国会の判断と政府の判断というものがぶつかる、こういうことはちょっとうまくないと思うんですよね。国会の判断として全く国会に任せるということであれば、政府としてとやかくそれにブレーキをかけるようなことはしないようにしてもらわなきゃいかぬと思うのです。これは、これからの証人喚問の再開という問題と関連があるんですがね。私は、証人に呼ばれた人がクロだから証人に呼ぶと、こう言っているんじゃないんですよ、これは。シロであるということを証言しようとするならば、むしろ積極的にやってもらった方がよろしいという意味で言っているんです。政府の方にそういう考え方はないのか。いままでの自民党の主張は、ここに証人として呼ばれるということはクロのように思われる、選挙を前にしてまことに気の毒である、だからそういうことはしたくないというのが理由の大きなものだったわけです。私はそうじゃないと思うんです。シロならシロだとはっきりとここで証言をしてもらったらいいじゃないか、チャンスを与えるんだから結構なことじゃないかと、そう思うんですが、どうですか。
○国務大臣(三木武夫君) 私は、証人として呼ばれることが気の毒だからいかぬというふうには申してないわけで、つまり、事件の捜査が非常に重要な段階に差しかかっておるので、少し適当な時期までずらしてもらえないかということを言っておるんですから、したがって、それは国会の持っておる国政調査権を、これを否定したり軽視したりする考え方は毛頭ない、政府としてそういう希望を申し上げて御理解を得たいと、国会の。それ以上は国会の御判断に任すよりほかにないということでございますから、これはもう絶対にいかぬというようなことは言えるわけではないわけです。ただ希望を申し述べて国会の御理解を得たいということにとどまるわけでございます。それ以上は国会の御決定に従うことは当然でございます。
○瀬谷英行君 捜査当局、捜査の秘密ということでもってその内容が明らかにされないままで事態が推移をしていく。そうすると、一方マスコミではいろんなことが活字となったりニュースとなって報道されたりしているわけですよ。一つの例を挙げますと、週刊文春、朝日ジャーナル等に記事が出ました。それによると、「自白で浮かんだ「全日空献金リスト」の自民9、社会1、公明1」と、こういうのが出ております。自白で浮かんだということになると、自白をした、逮捕された人の自白から得た情報ということになるわけなんです。そういうことが、国会でも発表にならない段階で、あり得ることなのかどうかですよ。これは非常に問題だと思うんです。これは自民党の人だけじゃないんですからね、社会党も入っておるわけですから、これはきわめて遺憾ですよ。で、社会党の、これはもう顔写真まで出ておりますんで、私は久保三郎議員に直接聞きました。絶対にそういう事実はないと、こういうふうに言っておるんです。断言しておるんです。にもかかわらず出される。きわめて迷惑だ。受け取った覚えのない人が金を受け取ったかのように書かれるということは、これは各党派の別なく、きわめて遺憾なことなんです。したがって、これらの問題は検察、警察側にも問題があるわけなんですが、その点はどうなんでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) 私は、日本の検察というものを信頼をしておるわけでございまして、これが捜査の途中から検察からそういうことが漏れるということは私にはとても信じられないことでございます。そういうことは、漏らすということはあり得べからざることである、またないと信じております。まあ各新聞、雑誌いろいろ取材活動が熱心でございますから、どういう経路でそういう記事になったのか存じませんが、その内容が検察から漏れるということは絶対にあり得ないことだと信じておるわけでございます。
○瀬谷英行君 これは法務大臣にもお伺いしたいんでありますが、この記事は推測によればというんじゃないんですよ。その逮捕者の「供述中には、複数の〃高官〃名が出てくる。その中には、特捜部の押収した全日空献金メモにも登場する名前もある。三者の供述が一致し、献金メモにも記入されているのは以下の通り。」と、こういうことで自民党では佐藤孝行、佐藤文生、江藤隆美と、こういう人の名前が出てきております。そして社会党久保三郎議員の名前も出てきているわけです。これは社会党だからいいとか自民党だからいけないとか、こういうわけじゃないんです。何党であれ、ここに書いてあることは、逮捕された「三者の供述が一致し、」と、こうなっている。そういうことになると、これは逮捕者の供述を拾ってこなきゃ書けないことなんですよ。そうすると検察、警察当局のだれかがこれを知らせたということになっちまうんですが、その点はどうですか、これは。
○国務大臣(稻葉修君) 取り調べをした検察官にしろ警察官にしろ、捜査の途中において供述内容を漏らすなどということは絶対にございません。
○瀬谷英行君 これは芸能人のゴシップとはわけが違うんです。政治家にとってはこういうことは政治生命にかかわることです。自民党の議員といえどももし事実でなかったならばこれは事実を明らかにするという気持ちになられるのじゃないかと思うのですよ。これはほったらかしておく問題じゃないと思う。したがって、いま法務大臣が絶対にそんなことはないと言われたんですがね、漏らしたなんてことは絶対にない――漏らしたことのないのが何で活字になるか、これは。これは週刊誌に載っただけじゃなくて、御丁寧に電車の中の広告にまで載っかっているんですよ。日本国じゅうにこれは「自民9、社会1、公明1」というのが広まっちゃっているのですね。一だからいいとか二だからいけないとか、こういう問題じゃない。きわめて遺憾なことなんです。だから漏らした覚えがないというなら、この記事については一体法務当局としてどうするのか、これは私はぜひとも承っておきたいと思うのですが。
○説明員(安原美穂君) いま法務大臣が申されましたように、検察、警察当局を通じまして、捜査当局が供述の内容を漏らすなどということは絶対にあり得ないことでございまするから、どうするのかと申されましても、捜査当局の関知するところではないと言わざるを得ないわけではございますが、一方いま御指摘の久保三郎議員からは昨日東京地方検察庁に週刊文春の編集者を相手取って名誉棄損の告訴がございましたので、この告訴事件につきまして厳正な態度から処理をしていくということが現在検察当局としてこれに臨む一つの態度でございます。
○矢田部理君 関連して。法務省とそれから国家公安委員長にお伺いしたいと思うんでありますが、名前を出された当人にとってきわめて重大な内容を含んでいると同時に、その根拠づけに逮捕された三者の一致した供述ということで、それが漏れたことを前提に記事が書かれている。いまおっしゃったように、漏らしていないとすれば、少なくとも週刊誌がこの記事の信憑性を高めるために捜査当局の名前が利用されたということになるわけですね。あなた方にも問題が降りかかっているはずなんです。したがって、関知しないという態度だけでは説明がつかぬのじゃないかと私は思うんですが、法務省、それから警察当局はどうお考えになっているでしょうか。
○国務大臣(稻葉修君) その記事は「一致した供述によれば」となっているのですか。――「一致した供述によれば」というと、どっかで盗んで見たとか、そういうことであるのか、あるいは漏らして、検察官が漏らしたのを聞いてきたか、そういうことを読者をして思わせますな。これに対する、こっちも被害者みたいなもんだから、黙ってはいられないかなあと、こういうことですね。
○国務大臣(福田一君) ただいま法務大臣がお答えしたのと同様ではありますが、私はかつて報道関係にも従事しておった立場でございますので、そういう点から申しますとその種の記事、記事の信憑性の問題について一々われわれが関与していろいろの措置をとるということはなかなかむずかしい問題でございます。ただ、これは人の名誉に関して最も深刻な表現になっておりますので、ただいまのような御質問が出ることはごもっともだと私は思っておるんでありますけれども、そういう問題は私は事態といいますか、事件が明らかになれば、おのずとそこで明瞭になることであり、事件の内容が明瞭にならないうちに、いまここでその問題をいろいろ右からか左からかと、いろいろ解明しようとしても、なかなかこれは、またかえってそれを聞いても捜査当局は言うものではありません。これは言いっこないんです。また言ったら大変なんです。そういう場合にわれわれに言ったらば、それは内容を漏らしたということになる。だから、そういうことについて全然事実でないということであれば、御当人が名誉棄損なり何なりの措置をおとりになっておかれれば、私はそれで、十分ではありませんけれども、ある程度事実と相違しておるということが一般に理解をしてもらえるのではないか、私はこういうふうに考えておりますので、このことによって政府が直ちに措置をするということがいいか悪いかということについては十分検討を加える必要があるかと思っております。
○瀬谷英行君 さっき総理はP3Cについても検討するというふうに言ったんですけどね。P3Cの検討とこの検討じゃちょっと違うんですよね。これは、総理はこれをお読みになりましたか。――お読みにならなかったならば、ここんところ読んでもらいたいと思うんですがね。法務大臣は何とかしなきゃいかぬと、黙っちゃいられないと言ったんですがね。黙っちゃいられなかったらどうするのか、その点をお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(稻葉修君) こういう権威ある席上で、漏らすことは絶対ないと、こういうことを言ってるんですからね。国民も法務大臣の答弁をお聞きいただいて、あれはうそであると、あんなものはでたらめなことを書いているんだと、こういうふうに受け取っていただけるものと思いますがね。しかし、はなはだ迷惑なことです、検察としても警察としてもね、誤解を与えますから。久保さんのみならず江藤隆美さんも、警察へこれは名誉棄損で告訴したというふうに聞いております。ですから、御本人が一番迷惑で、検察、警察も迷惑には違いないけれども、御本人たちが告訴の手続をおとりになれば厳正公平にこれに対処して名誉棄損の捜査をする、こういうことでございます。
○瀬谷英行君 公安委員長の方は、それは各個人が名誉棄損等で告訴をするという手だてを講ずる以外にないだろうというふうに言われましたけれども、これ、ずうっと名前を並べられているのですよ。一人じゃなくて自民党、社会党、公明党に至るまで名前が並べられているんでね。そうすると告訴しなかった人は、じゃ、あれは本当かということになっちまうんですね。そういうようなことでよろしいのかどうかです。いま法務大臣は、これはもう絶対漏らすことはないんだ、したがって記事そのものがでたらめだ、こういうふうに断定してもよろしいんじゃないかというふうに言われたんですけれども、あなたは、福田大臣はそのようにお考えになっているのですか、どうですか。
○国務大臣(福田一君) いま法務大臣が答えたことが、私もそのようには考えておりますが、やはり記事を報道するという、この報道の自由という点もまた考慮をする必要があると私は考えましたので、先ほどのような答弁をいたしたわけでございます。事実相違の記事があり、それがまた政府に非常に困る場合があり、あるいはまた個人の名誉に関係するような場合があり得る。度合いが違っても、どの程度のものまでは政府として措置をするか、どの程度のものならばやらないでいいかというようなことはなかなか判断がむずかしい問題になります。そこで、私はそういう点から見て、いまここで政府として直ちにこれに乗り出すというようなことをいたしますと、これが悪例になることはないと思いますけれども、そういうような措置をとることがいいか悪いか。また、それが報道の自由というものとどういう関係を持つかということについて慎重に考える必要がある、こういうことを申し上げたわけであります。
○矢田部理君 ちょっと関連質問したいと思いますが、私どもも報道の自由や知る権利や表現の自由について制肘を加えるべきだ、などということを言っていることでないことだけ、はっきりさしておきたいと思うのです。
 それから久保議員は、私もいろいろ事情を聞きましたけれども、いかなる名目でも金を受け取っていない、このことも非常にはっきりしているのですが、同時に、私はいまここで問題にしたいのは、そういう記事の根拠づけを――警察か検察かは知りませんよ、そこで調べた被疑者たちの一致した供述によればということで、その内容が漏れたことを前提として記事が書かれている。とすれば、久保議員だけの問題ではなくて、あなた方が権威づけや記事の信憑性を高めるために利用されている、さっき、漏らしたことがないということならばそうなるはずであります。その問題についてどう考えるのか、こう質問しているので、少し国家公安委員長の答えは質問にかみ合っていないと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(福田一君) どうもそれは私よく、政府というか、大臣あるいは局長その他、このことと直接関係を持って申し上げておるんではありませんけれども、大臣がこのようなことを言ったということが書かれて、それが事実でない場合もないとは言えません。いままでの新聞記事その他でそういうことも間々ないとは言えないと思っておるのですが、それを一々そういうことがあったからといって取り上げてやることが、報道の自由というものとどのような関係を持つかということについては、これが一つの何か例にでもなってはいけないのではないかという感じがするものですから、先ほどのようなお答えをしたわけで、このこと自体が非常にあなたが御心配になるような面がある、また個人にとっては生死の問題である、政治家にとってはこれは生死の問題であるという、このお気持ちはよくわかる。また、われわれが一切そんなことについて、われわれの関係者、いわゆる警察官、私の場合は警察関係でありますが、警察官はそのようなものは絶対に漏らしておらないという私は確信を持っております。もしそういうことがあったとすればわれわれの責任だと思っておる。われわれはそういうことは絶対ない、こう思っておりますけれども、(「ないことをあるように書いてある」と呼ぶ者あり)そういう意味で(「漏らしたことを前提の話じゃおかしいと思う」と呼ぶ者あり)いや、いまそういう不規則な発言にお答えしてはどうかと思いますが、お許しを得るならば、私が申し上げたいことは、そういうようなことが、この場合においては、いまおっしゃるような意味はよくわかるんでありますけれども、一々そういうことを上げてやるようなことがいいか悪いか。将来の問題も考え、報道の自由という問題とも関連さして考えた場合に、私としては、政府としては絶対否定はいたします。そのことについてはありませんと、そういうことを漏らした事実はありませんということについて否定する面では責任を負いますけれども、そこを、そういうことを書いたことはけしからぬというところまで余り追及することがいいのか悪いのか。また、これは近い将来に私は明らかになることだと思うのでありますから、ひとつこの機会に、すぐそのような措置をとることがいいかどうかということは検討をさしていただきたい、こう申し上げておるわけであります。
○瀬谷英行君 そうすると、ただ、ここに「三者の供述が一致し、」と書いてあるんですよね。つまり供述内容を聞いて書いたんだと、こういうふうになっているんですよ。あるいは読んで書いたんだということになっているんですよ。だからね、憶測記事じゃない。推定記事でもないんです。これは明らかに逮捕された人たちの供述の内容を聞いてきたんだということになっているから問題だと言うんですよ。私も久保議員からいろいろ話を聞きました。金を受け取った事実はない。ただ全日空のパスはもらった。パスはもらったけれども、久保さんは水戸なんですよ。飛行機に乗ったって水戸の上空を、パスもらってもみんな飛行機がパスしてしまう。(笑声)使いようがないわけですよ、これはね。そうすると、それだけでもって、ないことを書かれたんじゃ迷惑なんというもんじゃない。大臣、あなた自身が、仮に五十万であろうと三十万であろうと十万であろうと、もらったことのない金をもらったと書かれたら、これは穏やかじゃないと思うんですよ。特にこの全日空、いまロッキード疑獄というのが問題になっているんですからね、こういう点、法務大臣からも先ほどお話がありましたけれども、ほかのことと違うんだと言っているんですよ。芸能人のゴシップとはわけが違うんだ。したがって、政治生命に関係する問題については何党を問わず、事実でないということならば事実でないように証明をする手だてを講ずる必要があるんじゃないかということを私は言っているんですが、その点、総理からもう一度お答えをいただきたいと思うんです。総理も読んでいただきました。したがって、この問題について、一体総理としてはどのようにお考えになっているのか。
 それから、あえて申し上げますけれども、久保議員は、もし国会でもって呼ばれるならば証人として出て潔白を証言をしても構わないということを言っております。したがって、そこまで言われておるこういう事実に対して、このまま時がたてばわかるだろうじゃ済まないと思うんですが、その点はどうですか。
○国務大臣(三木武夫君) いま瀬谷さんからの雑誌、初めて私、拝見をしたわけです。やはり御指摘のように、議員は社会的名誉を持っておるものでございますし、それが信用とも結びつくわけでございますから、したがって、報道機関がそういう人権尊重という立場でこの記事を扱われることを特に望みたいわけでございます。いまこういうことに対して政府がどうこうする、どうするかというようなことについては、これは福田自治大臣も申しておるように、この問題については、いまここでちょっと記事を瀬谷さんから見せられて、すぐに反応してどうというふうなことを申し上げることも適当でない。この問題は研究をしなければ、いまここで反射的にこうする、ああするということを申し上げることは少し軽率なような感じもいたします。
○瀬谷英行君 じゃ、反射的に言ってもらわなくても結構ですから、熟慮の上この問題に対して事態の解明をする方法を政府としても考えてもらいたいと思うんです。
 それからもう一つ。私もあえていま言いましたが、久保議員は証人として出てもよろしいと、こう言っているのですよ。そして事実無根であることを証言したいと、こう言っているのです。野党の議員がそういうふうに言っているのですから、与党の議員といえども、事実無根であるならば証人として出てしゃべってもらうということにちゅうちょする理由はないと思うのですよ。また、それを抑える理由もないと思うのです。いままで議員が証人としてここに出るということはありませんでしたけれども、あえて私は、現職の議員も何かぬれぎぬを着せられているような問題があるならば、あるいは身の潔白を証明したいというならば、ここへ出てきて証人として証言をしてもらうということをやってもいいんじゃないかという気がいたします、与野党問わず。その点はどうでしょう。
○国務大臣(三木武夫君) いろいろ新聞とか週刊誌に名前が出たということで、国会の場で皆その人たちが一々立って証言をするという方式はどうでしょうかね。やっぱり国会の場は政治、道義的な責任の追及、こういう不祥事件を、やはりこういうものを将来起こさないというための立法的措置の検討、いわゆる国会の場は国会の場としての国政調査権の一つの使命というものがあるわけでございますから、一々新聞や週刊誌に出た者が皆国会へ出て証言をするという、そういう形式で特別委員会の運営というのも、これはよく御研究を願いたいと思うわけでございます。自民党の議員が何ら、これはシロとかクロとかいう刑事責任のけじめをつけることがいやだとか、いいとかいうことではないわけで、申しておるのは、捜査の段階からして少し時期をずらしてもらえないかということで、証人として喚問されることを拒否するという考え方は全然含んでいない。時間的に少しずらしてもらえないかということ以外に、これは出るのはいやだからというようなことではないわけでございます。
○矢田部理君 すでに瀬谷議員の方からも問題にしておりますけれども、国会における証人喚問問題について私からもお聞きをしたいと思っています。
 御承知のように、政府・自民党は、一致した見解として、証人喚問は当面差し控えるという態度を出され、この十九日にもそれを再確認したというふうに伝えられておりますが、それは事実でしょうか。三木総理に……。
○国務大臣(三木武夫君) 日にちは忘れましたけれども、やはり自民党としても党の三役の会議などでそういうふうな自民党としての意向が表明されたことは事実だと思います。
○矢田部理君 私が伺っているのは、自民党から出されたことはわかったけれども、政府・自民党で一致した見解として方針を再確認されたかと、こう聞いております。イエスかノーかだけでいいです。
○国務大臣(三木武夫君) 政府は、いま私が申したような理由で国会の証人の喚問を少し時期をずらしてもらいたい、もらえないかという、そういうことを御理解を得たいという考え方を政府は持っておるわけですから、その政府の意向も反映しながら、党としてそういうことを打ち出して、それから政府・与党の連絡会議にもこういう問題は話が出るわけでございまして、政府と与党でございますからいろいろ連絡があるわけで、政府・与党の一致した考え方であると、こういうふうに御理解を願って結構でございます。
○矢田部理君 三木総理も御承知だと思いますけれども、衆議院でも参議院でも、いよいよこの証人喚問も山場に差しかかったわけですね。参議院では、御承知のように、田中前総理、後藤田、相澤両氏、いわば三役を残したわけですよ。その山場に差しかかったときに、捜査が山場に来たからという口実で差しとめる、大変私はけしからぬと思うんですよ。同時に、問題なのは、当初自民党は二十日間ぐらい待ってほしいという申し出をしてこられた。つまり、ロッキード捜査が強制捜査に入った段階で二十日程度待ってほしいと言われた。その次には当分の間差し控えてほしいという言葉に変わった。そして、その後は捜査のめどがつくまでとか、次々に引き延ばしを図っているという経過が自民党の態度の中にもあらわれているわけなんですよ。そこ、大変にもう一つの問題でありますが、一体あなた方はいつまで、どの段階までと考えておられるのか、そこを明確にしてほしいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) それは、そういうふうに変わったと、こう言われますが、初めからやっぱり日にちを切ることに無理があるんじゃないでしょうかね。やはりこれはおのずから常識としても、一応のロッキード事件の捜査がめどがつくという時期は――どういう時期かということを的確に、将来起こるべき場合を考えてこういうふうにああいうふうにということを申し上げることは困難でございますが、一応捜査のめどというものは、こんな事件がいつまでも続いていくわけではないわけです。まあある時期が来たらあらましめどがついたという時期はあるわけですから、そういう段階までと、こう言っておるんだと思いますが、それを何日までと日を切ることに、最初もしそういうことを申した者があるとしたならば、それには多少無理が私はあるのじゃないかと思う。それは国会はこれから臨時国会もお願いをするわけですからね、国会というのは相当な期間はあるわけですから、したがって、証人喚問の時期も来るわけでございますし、これはずっともう永久にそれは困ると、そんなことは反対であると言っておるのではないんですから、少し捜査の重要な段階と時期をずらしてもらえないかと言っておるだけでございまして、これでもう永久に証人喚問の機会が失われたと、そういうふうにはどうかお考えにならないようにお願いをしたいわけでございます。しかもその上に、これは政府の希望でもあるし、またその意を体して自民党の考え方でもあるわけですが、それ以上は御理解に訴えておるわけですから、国会の、委員会の、国会としての御決定に従うということは当然のことです。
○矢田部理君 もう少し端的に伺いましょう。
 前回この委員会に総理が出席された際、捜査のめどがつくまでというきわめてあいまいな表現をされた。理由についても大変問題がありますけれども。そこで私は後ろの席にいる海部官房副長官に尋ねた。結局いつまでなんだと言ったら、最終的に、いろんな議論がありましたけれども、ロッキード事件の核心である贈収賄事件の起訴、不起訴が決定するまでだと、しかし、そうは言えないからああいうぼやっとした表現で答えているんだと、こういうふうに言われるわけですよ。つまり、捜査のめどがつくまでというのはそういうことなんでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) この一つの検察などの配慮は、証人の場合は公開されるわけですから、そういうことが取り調べのときにいろんな微妙な影響を与えるのではないかという懸念も、いろいろほかにもあるでしょうが、理由の一つだと思いますので、起訴、不起訴という、そういうような起訴、不起訴が決まるまでという、そういうきちっとした断定的なものでもなくて、捜査していく上について証人の喚問というものが、非常にこれから本格的なロッキード問題の解明が続いていくわけですが、そういうときに捜査に悪い影響が懸念されることのないような場合というのでありまして、必ずしも起訴、不起訴が全部決まってしまうまでめどがついたとは言えぬのだというふうにも私は考えていないわけです。
○矢田部理君 きわめてあいまいな物の言い方しかしない。だから、このずっと引き延ばし、いよいよ三木内閣は高官隠しに入ったのじゃないかというような非難も受けるような状況にいまなっているわけですよ。
 そこで私は次の質問に入りたいと思うんですが、差し控えられたいと言われる証人は、いかなる証人も全面一律に困ると、こういう趣旨でしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) 私の申しておるのは一般的ですから、この人はいいけれどもこの人はいかぬと、こういうふうには申してないわけで、議員だからよくて議員でないからいかぬとも申しておるわけでないわけで、だから一般的として、一般的に申しておるわけでございます。
○矢田部理君 だから、全面的にどんな人でもいま呼ばれちゃ困るという趣旨なのか、内容によっては違うのか、その意味、内容を確定したい、明らかにしてほしいと、こう言っているわけですよ。
○国務大臣(三木武夫君) 私が申したのは証人一般ということでございましたが、それ以上のことはやはりこの委員会においていろいろ御検討を願いたい。私が申したのは一般のことでございます。
○矢田部理君 どうもあんまり問題の意味がよくわからないで答えているんじゃありませんか。全面一律ではないと言っているのですよ。だから、まだ証人調べの余地は残っているというのが、この間の議論の一つだったわけですよ。
 もう一つ伺っておきたいのは、私どもは賛成じゃありませんけれども、いまこういう人を証人として決定する、そのこと自体が困るということではないでしょう。日にちの問題、日程の問題については別途協議するとしても、証人として決めること自体、それに自民党は反対ではないんでしょうね。その点はいかがですか。
○国務大臣(三木武夫君) 私は、やはり捜査当局の取り調べに対して悪い影響を懸念するのであって、決めることに対してそれが捜査の影響になるとは思いません。
○矢田部理君 そうしますと、私どもは、田中前総理、相澤英之当時の大蔵省主計局長、後藤田官房副長官などについて自民党として決めるべきだと、その回答を求めているわけでありますが、その回答はきょうにも、あるいは近々出せるということになりますね、日程の問題はまた別途協議するとしても。
○国務大臣(三木武夫君) それは委員会において御決定を願いたいと思います。
○矢田部理君 あなたは総理であると同時に総裁でありますから、さっき言った議論を前提として考えるならば、その答えはすぐにも出るはずだというふうに思いますが、明確な答えをしていただきたい。
○国務大臣(三木武夫君) そうではありませんか。具体的にいろいろな、理事会などにおいてそういう問題について御決定をなさることが、これはやっぱりこれからの運営として当然のことでございますから、委員会で……。私がすべて国会を支配するわけにはいきません。やはり政党内閣制であっても、国会は国会としていろいろお決め願わなければ、私が全部国会を支配するというわけではございません。原則的な考え方はこうであるということを、私の見解を述べておる。その以上の具体的な問題についてはここの委員会で決定してもらうよりほかにはない。
○矢田部理君 総理ね、私どもは、ロッキード委員会が発足した冒頭にこれら三者を含む多数の証人を要求してきたわけです。自民党はそれについて細切れ的に一部認めてきた。もちろん三者だけで十分だとは考えませんけれども、そういう細切れ的に認めてきた証人を積み重ねた上で、いよいよこの三者を調べなければ問題の解明はできないというところに状況は煮詰まってきているわけです。それについて非常に抵抗されておる、そこへたまたま捜査に、強制捜査に入ってきた。今度はそれを口実にして、言うならば、捜査のめどがつくまでは困ると言ってずっと今日まで来たわけでしょう。ところが、三木総理も確認をされたように、日程の問題は別途協議するとしても、決めること自体には別に捜査には関係ないと言われた以上は、次の理事会ぐらいまでには自民党としてその証人決定に応諾の意思表示をすべきだと、こういうふうに思うんです。その点、総裁として責任があるわけですよ、自民党が反対してきたわけですから。基本姿勢を伺いたい、もう一度。
○国務大臣(三木武夫君) 捜査には決めることがすぐに影響するとは思いませんが、だれを呼ぶか、何人呼ぶか、いよいよこの呼ぶ場合ですね、そういうことはやっぱり委員会でいろいろ御審議を願うべきであって、野党側の呼ぶ人間、人数、要求もございましょうし、与党は与党としての考えもございましょうから、これは委員会で御検討を願ってしかるべきである、原則的に言えば私の言ったようなことでございます。
○矢田部理君 総裁としては決めること自体に反対をしないのみならず、決めて結構だと、こういうことですね。
○国務大臣(三木武夫君) 結構であるとかなんとかいう私の価値判断は別として、国会でお決めになることを、何をお決めになっても、それはいかぬと言って私が否認することはできません、国会調査権に基づくものですから。ですから、ただ私は政府としての希望を申し述べておるわけでございます。また今度呼ぶ人をどういう人を――呼ぶということをあらかじめ決定しておこうという場合、だれを呼ぶか、何人呼ぶのか、そういうふうなこともこれはもう委員会でやっていただかないと、一々私がこうやってそのことまでも指揮することが適当だとは思わない。
○矢田部理君 非常に問題をすりかえているわけですよ。国会で決めるのはあたりまえのことです、総理から言われるまでもなく。その国会で決めるに当たって、自民党が反対している。あなたが総裁である自民党が反対していて決まらなかった経緯があるわけですよ。今度は自民党の総裁としてそういうことはいたしませんねと、しかも捜査を口実に決めることまで反対することはできませんねと、その自民党の総裁としての態度を聞いている。決めるのは国会ですよ。それを妨げてきたのが自民党だから問題になっている。そこをすりかえないようにひとつお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 私が特にその問題に対して自民党に指示するようなことはいたしません。したがって、委員会で与野党が相談して決められたことに対して私は何らの御異存も申し上げることはいたしません。
○矢田部理君 何か自民党が人ごとのようなものの言い方をされておるが、あなた総裁ですよ。そして、ロッキードの真相究明を徹底的にやると言っている総裁でしょう。委員会でお決めになるのは御自由ですということのような答弁では少し人ごと過ぎやしませんか。はっきりやっぱり自民党の総裁として責任を持つことがきわめて重要な時期だと私は思うんです。
 次の質問に入りますが、時間もありませんので端的に伺いますが、四十七年の十月九日、PXLの国産化問題について白紙還元をすると、輸入を含めて検討する、その検討は専門家会議にゆだねるという了解事項が成立したようですが、あなたはそのときに副総理として国防会議議員懇に出席をされておられる。その時点における総理としての認識――まあ、当時は副総理でありますが、PXL問題等についてどの程度の理解なり知識がおありだったでしょうか。それから二番目は、急に白紙還元だという話が田中総理から出されたときに、あなたとしてはそれはどういう感じで受けとめられたでしょうか。
 その二点、まず伺いたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 第一番の、PXLに対して私は専門的な知識は持っておりませんでした。
 二番目の、この場合は十月の九日でしたかね、四十七年の。国防会議で田中総理から、こういう機種の非常に高度な技術的な問題についてはやはり専門的な知識も要るんだから、この問題については専門家会議で、専門家でもっと検討したらどうかという発言が確かにあったと記憶しています。そこで国防会議の中に専門家委員会を置くことになったわけですが、それまでの間に、いま突如として白紙還元と、こう言われますが、大蔵省と防衛庁との間にやはり国産化か輸入かということで議論があって、はっきりともう国産化なら国産化と決まっておったというふうには私は承知をしていないわけです。なかなか大蔵省と防衛庁との輸入か国産かというものに対してのけりがつかないで、ずっと問題は予算編成のたびごとに問題として提起されておった。そういうときに田中総理からそういうことの発言がありまして、もっともな話だと私も聞いたわけです。それは余りそういう機種について皆専門的な知識を、国防会議のメンバーといっても私自身も専門的な知識は持っているわけではないわけですから、したがって、こういう高度な技術的な問題については専門家の意見を聞かないと、ここだけではなかなか決められぬではないかというお話はもっともな話だと思って聞いたんですよ。で、私も賛成した。そのときの会議で、私は何も発言はその会議にはしませんでした。ただ、その提案に対して賛成をしたことは事実でございます。
○矢田部理君 海原事務局長、当時の国防会議の事務局長ですら、非常に専門的知識を持ち、大蔵と防衛との関係についていろいろ経過を一番知っている海原事務局長ですら、おやおやと思ったと、意外な感じがしたと、こういう受けとめ方をしているんですよ。ほとんど知識もない、恐らく経過も十分に踏まえていない副総理が、当時もっともだと思われたんですか。決め方もきわめて異常だという事態がここでは国会証人喚問等で明らかになってきている。きわめて当然なことだという理解に立ったんですか、そのとき。
○国務大臣(三木武夫君) もし私がPXLについていろんなかかわり合いを持っておったら、いろんな感想はあったのかもしれません。かかわりないですからね。だから、その場合の国防会議の場面に出てみて、こういう専門技術的な、高度な技術的な専門的知識を要する問題は――まあ素人もおるわけですね。国防会議は。私は副総理ということで当時環境庁長官であったわけです。そういう立場によって皆出るわけですから、専門的な知識というものは……。説明を聞いてそれでそれに対して判断をするというメンバーもおるわけですね。むろん専門的な知識もある人もある。そういう場面に、こういう高度な技術的な、どの機種がやはり適当かというような問題は、やっぱり専門家の意見も聞いてみる必要があるんじゃないかという提案は――いろんないきさつは別ですよ。その場面に国防会議で聞いたら、もっともな提案だというふうに私は考えたから賛成をしたわけですよ。その経緯やいろいろなことについては私は何にも存じておりません。したがって、その経緯からしてどうも急じゃないかというような、そういうふうには思わなかった。そのときのその場の話としてはもっともな話だなと思って賛成をしたわけでございます。
○矢田部理君 当時副総理で責任ある立場に立っておられた。田中総理から事前の相談でもありましたか。その白紙還元、輸入を含めて、専門家会議と、こういう話はどこでだれが決めたか御存じですか。
○国務大臣(三木武夫君) そういう経過は私は全然聞いておりませんし、存じておりませんでした。
○矢田部理君 とすればなおさらのこと、その経過がまさに疑惑の対象になっているし、副総理にも相談されないまま事が運ばれてしまって、当時関係者として中枢にいた海原氏なども非常に驚いたと言っているわけですよ。防衛庁にも相談がない。そこで、その提案に先立って密室で決めたと言われている田中前総理や後藤田、相澤両氏を呼んで、事のいきさつはどうだったのか、どういう経過だったのか聞くのは当然のことじゃありませんか。これに自民党として反対する理由はないじゃありませんか。その点は総理どうですか。
○国務大臣(三木武夫君) いろいろ国政調査権に基づいて証人として証言を求めたいという方があることと思いますが、そういうものに対して、真相を明らかにするために、国会がいろいろと真相解明のために証人を喚問したいという、そういう場合には、何人といえどもその必要がある人は当然に証言をして、そして問題の解明に役立たせることが当然であろうと考えます。
○矢田部理君 法務大臣に伺いますが、ロッキード疑獄の捜査状況について、丸紅、全日空などに比べて児玉関係の捜査が進展していないように思われる。中でも昨日は水谷などについて処分保留のまま釈放すると、こういうような経過があったようでありますが、何といってもやっぱり児玉グループというのは、戦犯右翼がこういう問題にかかわっておったということだけでも、きわめて重要な事実関係なんでありますが、この捜査状況は一体どうなっているでしょうか。
○説明員(安原美穂君) 児玉譽士夫につきましての捜査の進行状況が全日空あるいは丸紅関係に比べておくれているのではないかという御印象は、それが逮捕者の氏名が丸紅関係、全日空の関係に比べて少ないということからそう御判断なさるとすれば、それは一応そういう御印象を持たれることはやむを得ないことかと思いまするが、捜査当局といたしましては、少なくとも公表されておることからも明らかなように、一番巨額の金が児玉譽士夫に入手されておるわけでございますので、それの金の処分につきましては非常に重大な関心を抱いて鋭意捜査を続行中でございますので、いまの段階で進んでおる、おくれておるということはともかくといたしまして、その点について鋭意捜査を進めておるということで御理解をいただきたいと思います。
○矢田部理君 最近、福島県で東亜相互企業の支店長らが逮捕されました。社長の町井氏は児玉など右翼黒幕たちとともに韓国ロビーの一つといわれておるわけでありますが、当局はこの逮捕を口火に日韓ルート等にもメスを入れるつもりがあるかどうか。それにかかわる捜査状況についてはどうなっているか。
○説明員(安原美穂君) これからの捜査計画については申し上げるわけにはまいりませんが、現在のところ、そういうことについて調べておるという報告には接しておりません。
○矢田部理君 いま申し上げた東亜相互企業に関しては、別にある有名なデパートの系列不動産会社との間に白河の広大な土地の売買がなされているようでありますけれども、この件について捜査当局は関心を持っているでしょうか。
○説明員(安原美穂君) いままで承知いたしておりますところでは、福島県警においてこの点についての捜査が進められておるというふうに聞いております。
○矢田部理君 私どもの調査によりますと、四十九年十二月に、デパートの三越系列の不動産業者である三越不動産というのがありますが、この三越不動産は白河の西郷村の土地一万三千坪を四億八千万で東亜相互企業から買っています。坪単価が三万五千円以上になり、この取引によって東亜相互企業は莫大な利益を得たといわれておりますが、問題はこの土地のうち一万坪が、一万三千坪のうち一万坪が農地であって転用ができない。その意味で非常に高い土地だと地元では言われておるわけでありますが、この取引には、三越の社長の私行、個人的な行為や社内の内紛をあげつらう怪文書がかなり出されました。その怪文書事件と軌を一にして取引がなされている。つまり、東亜相互企業から三越不動産に、地元の相場から言えばかなり高い価格で土地が移っている。その結果東亜相互企業は莫大な利益を得たと言われておりますが、このようなケースについて捜査機関は関知しているかどうか。
○説明員(安原美穂君) 少なくとも本省といたしましてはさような報告は受けておりません。
○矢田部理君 これは警視庁筋が相当知っていると思われる節があるわけでありますが、なぜか捜査が進まない。手をつけない。この裏方には児玉系の動きがあったとされていることは、たとえばこれとほぼ同じ時期に、三越の広告は年間百億ぐらい投入していると言われておりますが、これまでは電通がすべてこの引き受け代理店になっておった、広告代理店になっておった。ところが、これらの事件と軌を一にして、一部が博報堂、児玉氏とも関係があると言われておる博報堂に切りかえられているというような事実関係もあるわけでありまして、いわば児玉がらみのケースとしてかなり重視をしなきゃならぬ事件だというふうに私は疑惑を持っているわけでありますが、恐らく警視庁も知らないはずはないわけであります。なぜかこれに手がつかない。警察庁、この点についてどのように受けとめていますか。
○説明員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 現在、福島県警におきまして東亜相互企業の福島県の県の幹部に対する贈収賄事件について捜査中でございますが、これを機会に、さらにその余罪等についても徹底的に追及すべく現在鋭意捜査中でございます。
○矢田部理君 三越がらみの事件についても捜査中だということでしょうか。
○説明員(土金賢三君) 現在、捜査の見通し等について内容を申し上げるわけにはいきませんが、鋭意現在捜査中でございます。
○矢田部理君 これも含めて。
○説明員(土金賢三君) そういう問題があれば、もちろんそういう問題も含めて捜査いたす所存でございます。
○矢田部理君 もう一つ、そろそろ時間でありますが、申し上げておかなければならないことは、最近、このロッキード事件に関していろんな報道がなされております。その報道のうち児玉がらみの報道をした新聞社や雑誌社、週刊誌などに対して児玉系の人たちからかなりの圧力や抗議、場合によってはそれを超えるような内容のプッシュがかかっているという事実が数多くあるわけです。その一部にはお金まで取られたというような――私は、またそれを指摘をすると、さらにこの次のあれこれの圧力がかかっちゃいかぬから、具体的には挙げませんけれども、数百万のお金まで取られた雑誌社があるということすら私どもの調査の中では上がってきているわけですよ。等々を考えてみますと、児玉及びその関連、関係者に対して当局はきちっとした態度をとっているのかいないのか。
 もう一点問題にしたいのは、たとえば児玉邸のある玉川署であります。あそこの署長、署の次長などに赴任をすると、従前必ず児玉の家にあいさつに行った。転勤のときにもあいさつに行って、しかるべきせんべつをもらっているし、署内にも相当なつけ届けがあったと言われている。その事実も私は幾つかつかんでいます。小佐野の関係についても申し上げたいわけでありますけれども、児玉邸にあの飛行機が飛び込んだ翌日、あそこの署の次長はやめて、即座に国際興業に入社しているんですよ。その他国際興業系列に警察をやめて入っている人も相当数いる。一つ一つ挙げることもできますけれども、こういう癒着やつながりや姿勢が、やはりこのロッキード追及については非常に問題なのではないか。最後に、法務大臣あるいは国家公安委員長の答弁を求めて私の質問を終わりたいと思いますが、それらの点についてどうお考えでしょうか。
○国務大臣(稻葉修君) 初めて承ることでございますが、もしそれが事実とすれば、はなはだけしからぬと思っておりますね。何しろ初めていま承ったことでございます。
○矢田部理君 公安委員長。
○国務大臣(福田一君) 十分調査をさせたいと存じております。
○黒柳明君 総理、丸紅の秘書課長さんが逮捕されたと、こういうことであります。丸紅もトップが逮捕されまして、もうこれで内部的には一段落か、いよいよ収賄の方かと、こう思っておったわけですが、捜査当局の進捗によって、会社ぐるみと、こういうきのうきょうあたりの報道がなされているわけでありますが、これは非常に、当然、悪質きわまりないということを前提にしまして、私、会社ぐるみの段階に発展する可能性もあるんじゃないかと、こういう気がするんです。法務大臣にもお尋ねしたいと思うんですが、総理大臣いかがでしょう。この丸紅の、会社ぐるみと言われるような証拠の隠滅までもしていたと、こういう事実に報道で接して、どう所感を持ちますか。
○国務大臣(三木武夫君) 企業というものが持っておる社会的責任というものは非常に私は重いと思うわけです。今日の社会では、企業というものは、単に社会から切り離されたものでなくして、企業がある意味において、雇用問題を考えてみても、国民生活を支えていく面、したがって企業が自社の利益の追求のために反社会的な行為をしていいという理由はもういささかもないわけです。したがって、いままで新聞などに報道されておる事態から見たら、きわめて遺憾なことであると。しかし、いま検察当局によって真相が解明をされつつあるわけですから、この真相の解明を待って結論的なことは申し上げるべきだと思いますが、いままでにあらわれておる事態に対しても、きわめて企業のあり方としては遺憾なことだと考えております。これ以上はやっぱり真相の解明を待ちたいと思います。
○黒柳明君 法務大臣――すいませんね、お話し中。法務大臣、当然これは報告を受けていると思うんですけれども、あるいは刑事局長になるんでしょうか。車の運行表、これについて隠滅ないし改ざんの跡があったと、こういうことであります。これが捜査の重要な部分を占めるという報道に接しておりますが、このことについて御報告いただける分野があったらひとつ御報告いただけますか。
○説明員(安原美穂君) 一昨日逮捕されました丸紅の総務課長と、いま逮捕勾留中の伊藤宏の専用車の運転手であります松岡につきましては、両者は共謀の上で、伊藤、大久保らの外為法違反の証拠となるということを察知しながら伊藤の自動車の行動表を改ざんした疑いであるということでございますし、昨日逮捕されました秘書課長中居篤也につきましては、同じく大久保、伊藤らの外為法違反の証拠を隠滅するために役員の行動予定表を隠匿または破棄して証憑を隠滅したという疑いで逮捕されたものでございまして、要するに、いま問題になっております金の入金、使用というような関係という重大な嫌疑につきましての裏づけとなる証拠の隠滅を図ったものという疑いを当局としては持った次第でございます。
○黒柳明君 P3Cについて昭和四十七年十一月、当委員会でもつい最近防衛庁長官に質疑したわけでありますが、コンペンセーションの契約、いわゆるやみ契約、これがあったことは御存じだと思います。その第八条の中に、丸紅のスタッフがP3C売り込みについてはロッキードに、ロ社に対して報告をしろと、こういう契約条項があるわけであります。もうこれは当然御存じだと思うんですが、こういう契約条項、当然国会でもこれは質疑が相当繰り返されました。リポートを出せと。檜山前会長は、そういうリポートはないと。これが虚偽であるか、あるいは真実であるかわかりません。しかしながら、一般的に言って、こういう契約がある――これは一般的じゃない、これは事実であります。これを踏まえて、一般的に言いまして、当然、あれだけの莫大な売り込み工作資金をロッキードが丸紅に出すわけですから、そのスタッフの売り込み状況というものを逐次報告するリポートがあることは私もあたりまえだと思うんです。また、こういう契約があれば当然それが契約として実行されてなきゃおかしいと、私はこう思うんです。まあ檜山さんは、それはないと、こういう証言をしたわけですが。そこで、捜査当局として、この問題に――要するに第八条です、コンペンセーションの契約の第八条、ロッキードの幹部の売り込みに対しての個々の報告をせよと。これについて関心は当然持ってきたんでしょうね、いまも持ってるんでしょうね。いかがでしょう。
○説明員(安原美穂君) 私の推測ではございまするけれども、ロッキード社の製品、有力な製品でありますP3Cの売り込みに関する不正行為の存否ということは当然捜査の対象でございまするから、それにまつわる契約とあれば当然関心を持っているものと思います。
○黒柳明君 ところが、私たちの調べによると、この丸紅レポート、これは捜査当局の強制捜査では入手されてないと。これは丸紅の言い分ですけどね。押収物件番号の四十三、その中にリポートが二冊あると。そこの中には入ってない。これがリポートの一部ですけどね、ここにあるのが。この中にはそういう報告は入ってないんです。だから、入ってないということは、檜山前会長が国会で証言したそういうリポートはないということにも一応なるわけですね、捜査当局が押収したものに入ってないんですから。押収物件の四十三の二冊の中にあるはずだと。――これがそうなんです。これに入ってないわけです。ところが、いまの丸紅の運行表の改ざんないしはこの証拠隠滅、こういうことから見ますと、私は、捜査当局が――あるいは失礼な言葉と思いますよ――押収できなかったんじゃなかろうか。ということは、これは過去の話になります、国会の審議におきましても、いわゆる予告捜査なんということをこれはある部分でやりまして、こんな捜査をしていいのかと。予告捜査すればどろぼうだって逃げて、ふんづかまりゃしないじゃないかと、私もやったことがあるんですよ。まあ、これがそうだと、こういうふうには言いませんよ。ですけれども、私はあったんだと。これだけの重要な契約がありましてね、これだけの莫大な工作資金が流れて――後から段階を追ってやりますけど。時期的にも、明らかにユニット、ピーシズはP3Cに対する売り込み工作金ではなかろうかと、こういう非常にマスコミでも一応定着した意見があるわけです、時期的に見まして。それが、これがない、これが押収できなかったということは、私は、捜査当局がいまの丸紅の会社ぐるみの証拠隠滅の中にやっぱり一歩立ちおくれたんじゃなかろうかと、こういう印象を否めない。
 ということは、丸紅についせんだって行きまして、この押収物件の四十三の二冊の中と、こういう向こうから確証も得てるんです。そこに、いま言ったように入ってない。さらに、踏み込まれる前の日は、中堅幹部に、おのおのの部署でのもう書類はみんなおのおの破棄しろと、こういう文章も口頭でも流れたということも一部では言われてるんです。まあ文章がないんで、私はそういううわさがあったと断定はいたしかねますけれどもね。そして翌日の強制捜査あるいは証拠書類の押収になった、こういうような段階であると、こういう内部の証言もあるくらいなんです。私は、ですから、まあこれは捜査当局を信頼するし、私は寸分の疑いを持っていません。しかしながら、何回も言いますように、コーチャン証言にもありますように、明らかにこういう契約に準じて丸紅が行動をしてきて、コーチャン証言の裏づけというものの信憑性が強くなって、その中心の二十五億ですよ、このコンペンセーションの金というのは。その行動表というものがないということは、これは私は、捜査当局がこの点に関しては一歩、やっぱり丸紅の大きな隠滅の枠の中で、後退ないしは手抜かりがあったんじゃなかろうかという感触を持っているんですけれども、いま、当然重要な関心を持たざるを得ないと、こういう中において、その物件が押収されてないと、こういうことについて、これは私たちの調査ですけれど、ひとつ刑事局長、どういう見解をお持ちでしょうか。
○説明員(安原美穂君) まず、黒柳委員は、そういう証拠物が押収されていないということを前提にしてのお話でございますが、およそ捜査当局がいかなる証拠物を押収しているかどうかということは申し上げるわけにはいきませんので、それを前提として意見を述べろと申されましても、遺憾ながら申し上げる立場にないと言わざるを得ないわけでありまするが、いまるる御批判をいただき、御意見をいただきましたので、貴重な御考察として拝聴し、かつ捜査当局に伝えることといたしたいと思います。
○黒柳明君 これは当然、押収書類の内容を言えったって無理なことでありますので、ひとついまのことを踏まえまして――ということは、総理、冒頭、社会党の委員の質問に対して、当然ロッキード、PXL、トライスター、分けるものじゃないと、これは一環のものであるし、証人喚問もそうですな、一環として、参議院の主張というものも自民党がこれを拒否されて、証人喚問できない。ところが総理、先回の総理の、わずか二十数分の質問だったので、あわただしかったので、私この点詰めなかったんですけど、総理大臣は、PXLの疑惑ということについて私質問したら、「疑惑も何もないですよ。そんなもので疑惑を持つ、疑惑と言うことは間違い」だ、こういうようにおっしゃっているんですよ。こんなことはまさか、これはわずかの機会で、あのときはお互いにかっかしておりましたので、失言だと思いますけど、これはもう訂正されることはあたりまえだと思いますが、PXLの疑惑がないと。いまも、いまの段階でシロ、クロなんか言えませんと、はっきり言っています。PXLの疑惑がないなんて総理がおっしゃる。私は重大関心を持ったんですけど、あのときはまだ時間も短かったので、これを詰めるとまた時間がなくなるので、私はこの問題は詰めなかった。まあ議事録もありますし、お読みいただくまでのこともない。PXLに疑惑を持つなんということは間違いなんということはないでしょうね。念のためです、これは。
○国務大臣(三木武夫君) 黒柳君の前回の質問は、国防会議などを中心にして質問があったわけです。そういう予告も、前に質問の予告がなかったもので、私もいろいろ調べてはいなかったわけですが、速記録をよく読んでみまして、どういう前後の関係でそういうふうに答えたのか、よく読んでみて、そしてお答えをいたします。
○黒柳明君 これは、P3Cが、大きく言えばまたロッキードの一部をなすことは当然でありますので……。
 それから刑事局長、丸紅工作資金等は大久保等の要請があったと。これは一部の報道ですけれども、これは当然、その大久保等の取り調べからそういうことが出てきたと、こう判断をせざるを得ないんですが、そういうふうに見てよろしいんでしょうか。
○説明員(安原美穂君) そういうことをいまの段階で申し上げること自体が、先ほども御批判のあった、捜査の内容を、供述の内容を申し上げることになるので、平に御容赦を願いたいと思います。
○黒柳明君 ということは、もうこれは総理大臣も法務大臣も、私言うまでもなく、四十八年九月のピーナツ、四十八年八月九日のピーナツ、これは時効云々ということもありますけれども、ユニット、四十七年、いまのこのコンペンセーションの裏契約が結ばれたのが十一月です。その前にユニット、それからピーシズ、当然これはもう締結されているトライスターよりも、四十七年十一月のこのP3Cに対して秘密契約が結ばれたことに対しての前渡し金だと、これはもう明らかじゃないかと、私こう思うんです。なれば、結局その売り込み工作に対しての資金がどんどん流れた、それがユニットであり、ピーシズであると、これも私はもう常識だろうと思う。そういう常識なことがやっぱり活字になって出ているわけであります。ですから、私はこの問題について、まあトライスター売り込みの決定後であるし、それからP3Cの秘密契約がなされた十一月、これ前後、全く時期が一致している。このことについて、刑事局長、当然これは重大関心を持たざるを得ないと思うんですが、いかがでしょう。何か重大関心という言葉がはやっちゃったんですけどね、捜査内容あるいはいろいろ具体的な発言が聞けませんものですから、これはもう当然重大関心を持っている事実だと思いますが、いかがでしょう。
○説明員(安原美穂君) ユニットとかピーナツ、ピーシズという名のもとの受領名下に数億の金が授受されたことは、事実として、被疑事実としていまその点についての取り調べ、それからその金の使用、処分についての究明を行っている段階でございまして、その金の趣旨が黒柳委員の御指摘のような趣旨であるかどうかということを含めて、目下捜査中であるということでございます。
○黒柳明君 一般論として刑事局長に聞きますけれどもね、国防会議議員懇談会あるいは議員会議、これは当然その後閣議においての決定というものがあって正式な政府の政策になるわけですけれども、あすこにおいての職務権限、これは当然、ここにロッキードの、あるいは丸紅ルートなり、児玉ルートなり、あるいは全日空ルートなりの――まあ全日空はトライスターですから可能性は薄いとしても、ルートなりの接点が出てくれば、あの国防会議で決めたこと、これは当然職務権限を行使したと、こういうことになるでしょうね。
○説明員(安原美穂君) それぞれのケースに当てはめて、その当該会議構成をされる方々のいろんな意味での職務権限を十分に考察したわけではございませんけれども、国防会議というのは防衛庁設置法に基づく会議ということになれば、それに関連する方々はそれなりに職務というものがあるということになるのであろうと思いまするが、一般論のようで、具体的な問題でもございますので、この程度でひとつ御勘弁を願いたいと思います。
○黒柳明君 いや、まあ一般論としてでありまして、まあ具体的にはね、実際にそういうルートから何らかの接触があったということになれば、それはどういうふうにと、こういうことになりますが、どうですか法制局長官、一般論としては、あれは防衛庁のあの法的な裏づけがあるわけですから、国防議員会議はですね。そこにおいて政策決定したことについて、それに何らかの金銭の授受とか何かの接点があれば、これはやっぱり職務行使をしたということがもう前提でしょうね。まあトライスターの場合には、与党にしましてもやっぱり決定権はない。まあ言うまでもありません、あればやっぱり全日空が決めるわけですから、機種選定というのは。それがどこかの航空部会とかいろんなところでなされたであろうと、実際に事実関係が起こった場合に、その職務権限について捜査当局が詰めると、こういうことになるんでしょうな。ところが、P3Cの場合には最終的には国防会議で決まるわけですからね。これは完全に政府機関ですから、これはもう職務権限の行使の場以外の何物でもないと、これはもう常識だと思うんですが、いかがでしょう。
○説明員(真田秀夫君) 黒柳委員は、収賄罪の構成要件の一部である職務になるかどうかということをお聞きになっているんだろうと思いますので、その線に沿ってお答えいたしますと、国防会議は、ただいま御指摘のように、防衛庁設置法によって設けられている国の機関でございます。したがいまして、そこの国防会議議員あるいは幹事その他の人が刑法の収賄罪の規定にいう「公務員」に当たることは明瞭でございます。それから国防会議の議に付されている事務について、そこでいろいろ意見を交換し、事柄を議される、これはやはりその方々の職務に当たります。
○黒柳明君 これはもう常識だ、総理大臣ね。
 そこで総理大臣、四十七年十月九日のことは副総理として知識なかったと。これは前回、私、お尋ねして、急な質問で申しわけなかったのですけれども、いまもそういう答弁が出てきたわけですけれども、あそこで重要な国の政策決定をするわけです、言うまでもなく。一兆円の買い物になるわけです。その間に児玉譽士夫が一機で五千万、また五十機で二十五億円のリベートをもらうという契約も出てきている。これも御存じのとおりですね。一兆の買い物をする、国民の税金を使う、その国防会議のあり方が急に密室で三者で行われている。これは解明できません、証人喚問できませんから。さきは田中前総理が議長、いまは三木総理が議長なわけですよ。少なくとも七人の、まあこれは一人、二人またプラスになる可能性あったりそのときあるんでしょうけれどもね、七人の大臣がメンバーとしているわけです。幹事も各省の次官がいるわけですけれども、最終的には大臣の構成があるわけです。これがいかに知識がないで出たと、説明があった、だけどもわからない、わからないから専門家に任せればいいんだ、その結果が白紙還元という疑惑で、この参議院では特別に問題化されている。しかも、金の流れだって全くトライスターみたいに逮捕されて、表面に浮かび上がった疑惑は一応私たちしろうとが関知するところではないようだけれども、動きとしては明らかにこの四十七年十一月の秘密の契約、コンペンセーション、これをめぐってユニット、ピーシズというものが流れ、売り込み工作の資金ではなかろうかという非常に大きな私たち常識的な疑惑を持っている。そういう場をいま現在では総理大臣が議長としているんです。これを四十七年みたいに、あのときおれ知らなかったんだ、いまとなってはそんなことは――これから将来そういうことが起こり得るわけです。そういう国防会議のあり方というものはいいのかというと、私非常に疑問に思いますよ。
 さらにこれが大きな疑惑として、もし金銭の流れか何か出てきたら、これはいま刑事局長が一般論あるいは法制局長官がそれを受けて当然、刑事局長の方はもう慎重ですから、具体的になったらばと、こういうことですけれども、知識がないとおっしゃっても、急にだからとおっしゃっても、もろにユニットでもピーシズの売り込み工作の問題、金というものが何らか接点があれば、全く関知しないつもりであった人も幹事会、議員懇談会議員含めてその当事者にならざるを得ないということは総理は認識はしているんでしょうね。私、そうだなんて言っていませんよ。これは重要なことですから、将来もあり得ることですから、当然、おれは知らなかったんだという大臣がいたら知識を積み重ねるべきですよ、知識を事前に。そして積み重ねてその賛否というものをそこで問うべきじゃないでしょうか。これはいまの問題に当然関連した将来のことを含めての問題になりますけれども、いま総理はその議長であるから、ひとつ反省も含めて、非常に疑惑の持たれていることも含めて、将来のこのあり方、これも考えなきゃならないんじゃないでしょうか。いかがでしょう。
○国務大臣(三木武夫君) これからの国防会議のあり方というものに対して、私はやはり国防会議のメンバーが十分なそれまでの経緯などについて知識を持って、そして国防会議というものに対して重大な決定がなされるように、これからの国防会議の運営というものはもっと質的に充実するような運営をやりたいと、こう考えております。
○黒柳明君 時間がありませんでね。嘱託尋問のことですけれども、せんだってやったときには、あしたかあさって正式文書が届くということで質疑したわけですが、もう当然正式文書が届いたわけですが、それは正式に届いたと思うのですが、発表していただけますか、ファーガソン裁定の内容。前回のときにはあした届くという前の日に審議したもので、届いたら検討する検討するがきょうになったもので、正式の内容はどんなものでしょうか。
○説明員(安原美穂君) 一九七六年七月の裁定でございますが、これは全文を読みますと相当時間がかかりますので、要約だけ……。
 これは要するに、この証人が本件尋問嘱託書の請求する証言をした結果、日本において起訴されるということについては、日本の検察当局がそれは起訴便宜主義に基づく刑事訴訟法の二百四十八条の適用によって起訴をしないという約束をしたが、それがなおその保証を明確にするために、日本国の最高裁判所が決定または規則をもって、起訴されることがないということを明確にした規則または決定をアメリカのファーがソン判事のもとに提出するまでは、たとえ証言が得られてもそれを日本国の裁判所に伝達してはならない、ということをしたのがファーガソン裁定の趣旨でございます。
○黒柳明君 大体先回質疑したときと内容は変わっていませんですね、大臣。最高裁の岡田課長がファーガソンに会って話をしたと伺っておりますが、その報告は聞いているのですか、内容はどうなんでしょう。
○最高裁判所長官代理者(岡垣勲君) 最高裁からは、岡田課長とそれから局付一名と、二名の裁判官を派遣いたしまして、ファーガソン判事とは会談をいたしました。おそらくきょうの五時過ぎの飛行機で帰ってくる予定になっております。
○黒柳明君 その前にもう内容は聞いているんじゃないですか、ある程度の内容は。会談した内容は。まだ内容は全然聞いていないんですか。
○最高裁判所長官代理者(岡垣勲君) その会談の内容につきましては、これは帰ってから詳細に、きょうあすにかけて聞くことにしております。
○黒柳明君 法務大臣も全然その内容を聞いていないわけですね、帰ってきてからということで。どうですか、コーチャン証言の調書の引き渡しの見通しについて、法務大臣。
○国務大臣(稻葉修君) ファーガソン決定についての意味、内容を確かめるために行って、きょうその人が帰ってきて、それを聞いた上でないとコーチャン証言を引き渡してもらってそれを捜査に使えるかどうかの見通しはここで申し上げ兼ねますね。
○黒柳明君 クラッター、エリオット両氏の尋問が二十六日までですか、一時凍結になっていますが、クラッターさんが持ち出したのは、これは言うまでもなく重要人物でありまして、コーチャンさんよりもある意味では重要であるかと、こう思います、この証言が引き出せれば。この持ち出した条件なんていうのはわかるのですか。
○説明員(安原美穂君) この証人尋問の手続そのものがいわゆる非公開――向こうの言葉でイン・カメラと言っておるようでございますが――ということでございますので、その中身は、いかなる異議を申し立てたかを具体的に申し上げることが非公開の原則に反することになりますので、差し控えさしていただきたいと思いますが、要するに手続上の重大な異議がなされたものであるというふうに理解しております。
○黒柳明君 また観点変わります。
 先ほどから証人の問題が出ておりますが、衆議院では、きょうは児玉譽士夫の臨床尋問を、条件つきとありますけれども、やるということを委員会で採決した、こういうことであります。この採決は、当然先ほど総理が、これは委員会のことは委員会当事者間でと、こうおっしゃった、これはわかっております。これがわかった上においてこの証人喚問については自民党としての拒否反応が前提になっておる、先行しておるわけです。あれですか、この児玉譽士夫の臨床尋問については自民党としてオーケーを出したのですか。あるいは政府としても、できるならばひとつ国会の了承をいただきたいと、これは発言しているわけですが、これは政府としては臨床尋問オーケーと、こういう了解を出したのですか。どうですか、総裁として、あるいは政府として。
○国務大臣(三木武夫君) 児玉の臨床尋問は、もうずっと前からやっぱり衆議院で決定をしておって、医者との間に時期を打ち合わせしておったので、それが実行されたということだと思います。何も事前に相談があるとかないとかという問題ではございません。
○黒柳明君 そうすると、自民党として山場に差しかかって捜査に問題があるから、証人喚問を一時停止と、これとは児玉譽士夫の臨床尋問は関係ないと、こういう便宜主義もあり得るわけですな、そうなると。自民党の方針として、どうですか。政府として再三再四、でき得るならば捜査も山場に差しかかったので差し支えがあるからと、こうおっしゃってきたんですが、そうなると、児玉譽士夫の臨床尋問は捜査に差し支えないと、こう踏まれたわけですね、法務大臣。
○説明員(安原美穂君) 総理からも、また法務大臣からもしばしば申し上げておりますように、捜査に差し支えがあるかどうかということを、捜査の側の利益を一〇〇%実現するとすれば、として一般論として申し上げたわけでございまして、最終的には国会で御判断なさることであるという意味におきまして、今回の児玉証人尋問も国会の御判断によってなされたものでありまして、それが捜査に関係があるかないかということについて、政府の意見を聞いた上でお決めになったものではないということを御理解いただきたいと思います。
○黒柳明君 法務大臣、そうするとこの児玉譽士夫の捜査については、国会独自の判断が先行して、総理言われたような、前から決まっていたからやむを得ないと、さらにこれが捜査に関連があるかどうかも、いま刑事局長、差し支えあるかどうかも若干言えないと、そうなりますと、やっぱりケース・バイ・ケースでそういうことが考えられるんじゃないんでしょうか。全部証人はだめだという自民党の決定ですね。政府も、できるならば捜査に差し支えがあるんでと、こういう前提ですね、御了承いただきたい、そうするとケース・バイ・ケースで差し支えないものもあるんじゃないでしょうか、政府から見ても、国会の判断だけじゃなくて。そういうものについてやっぱり自民党としても、総理大臣、そういう指示をされるべきじゃないでしょうか。何でも証人喚問はだめなんだと、こういう前提じゃなくて、ケース・バイ・ケースで証人喚問当然考えなさいと、党としても、政府でもやっぱり最終的には国会にお任せするよりほかないと、捜査に差し支えるか差し支えないかと、こういう判断はと、こういうことなんですか、どうですか、法務大臣。それから、総裁として。
○国務大臣(稻葉修君) 法務大臣といたしましては、最初からあらゆる証人喚問がことごとく捜査に差し支えるなどという答弁をしたことはないんですね。その時期と方法いかんによっては捜査に支障を来すおそれもありますと、いま時期が非常に危ないところでございますということを申し上げたわけで、それについていろいろ国会の方で御判断になって、やるといえばおやりになればいいし、やらないといえばおやりにならなければいいし、決して私どもは干渉がましいことを申し上げていない。
○国務大臣(三木武夫君) 法務大臣と私同じように、一般的な私の感じとして申し上げたわけでございまして、それ以上は国会の御判断に任すよりほかにはないと。
○黒柳明君 いやいや、党として、全部証人だめだということはどうなのかなということなんです。ケース・バイ・ケースであるべきだろうということなんですけれどもね。
○国務大臣(三木武夫君) 一般的に、いまこういう捜査の段階からして時期をずらしていただければ捜査に支障を来すおそれはないから、非常に捜査が効果的に進むということを申し上げたもので、いろいろ個々のケースについて国会の御判断に任すよりほかにはない。
○黒柳明君 法務大臣、最終的には国会の判断だと、こういうことで、まあ失礼ですけれど逃げておられますけれども、ですけれどもやっぱり捜査に差し支えがあるということは大前提じゃないですか、捜査当局から見れば。差し支えがあるから、ひとつできるならば御勘弁をと、できるならば国会の方でもお考え願いたい、これは間違いないんじゃないですか。そうすると、先ほど児玉ルートの解明が遅れていると、こう私もそう思うんですよ。その一番の中心である児玉譽士夫の臨床尋問すら、ケース・バイ・ケースではできるんですから、これが常識的に言いまして――捜査の内容を言えというのじゃないのですよ。捜査の内容に私立ち入るつもりはないのですよ。これが捜査の核心に来ているときの捜査の中心であるということはこれは否めない。そこに国会の尋問が行われることか、もし――もしですよ、全く何にも捜査に影響なければ、その他はもう全く捜査に影響があるなんていうことは言えないのじゃないですか。反対にいうと、捜査に影響があるからという言葉は、児玉譽士夫だって、国会がお決めになったのだけれども捜査に影響があると、こういう御判断をお持ちじゃないのですか。
○国務大臣(稻葉修君) 児玉譽士夫につきましては、検察当局が二十数回臨床尋問しておりますし、いま委員長が行っていろいろなことをお聞きになること、別に差し支えはないのじゃないかというふうに感じております。
○黒柳明君 そうすると、児玉譽士夫については捜査に差し支えがないと、臨床尋問。済みませんね、重ね重ね。
○国務大臣(稻葉修君) それはやってみないとわからないですけれどもね。やってみた上で、いろいろあなた捜査に差し支えあるような聞き方をされると困るなとは思いますな。しかし、そんなことはなさるまいという信頼を置いておるわけです。
○黒柳明君 総理、大蔵大臣とせんだってもお会いになって、先週の金曜日に福田副総理が財界とお会いになって、臨時国会の問題を話しておりますけれども、臨時国会よりロッキードの解明と、これも非常にいろんな微妙な点は事実あると思います、国民生活の上において。ですけれども、福田副総理が、これは総理と話し合って、財界と、八月中旬に臨時国会と、一致したと、打ち出したのじゃないと思いますよ。いろいろな立場から、いろいろな発言をしていますけれども、来週は、このロッキードの閣僚協議会をやると、そこで中間報告をするというようなことですけれども、私はやっぱりこういうことも臨時国会とロッキードのこと、人心一新で注目発言と、総理大臣の発言というものはやっぱり大きく国民に影響も与えるわけです。私は要するに、こういう閣僚間の意思の統一、ロッキードを先にやるのだとか、臨時国会が後だとか、こういうことば微妙だと思うのですけれども、そこらの一言一言の発言というのは、非常にやっぱり大きないまの政局、重大な政局を迎えて、微妙な影響を与えること、これは当然であります。そこで総理として、やっぱりこのロッキードの事件というものは、もうこれはたびたび聞いていますけれども、この段階で来週は中間報告を法務大臣から聞くと、法務大臣は当然捜査当局から聞くわけです。何か今週でも、二十日でも大安を期して、政府高官の逮捕があるのじゃなかろうか、一歩後退したのか、あるいはまだ捜査がそこまでいっていないのか、来週の中間報告を聞いて、それから各閣僚が納得してから捜査に踏み切るのか、非常にやっぱり一つ一つの報道というものに私たちは大きくやっぱり関心持たざるを得ない。そういう点につきまして、法務大臣、来週の閣僚協における中間報告、これにはもう相当やっぱり中間報告というものは、いまの捜査の全貌というものを検察当局から聞くと、こういう構えですか、そうして閣僚協議会で中間報告をすると、こういうつもりですか。
○国務大臣(稻葉修君) ロッキード問題閣僚連絡協議会を開いて、中間報告をするかどうか、中間報告できるような段階であるかどうか、私、知らないのですね、知らない。ですから検察当局と打ち合わせて中間報告ができるような状態であれば、不問報告をした方がせっかくロッキード問題閣僚連絡協議会というものがあるのですから、あんまりごぶさたをしておってもいかぬじゃないか、こういう考えです。
○黒柳明君 まだ来週やるということは未定であると、こういうことですか。
○国務大臣(稻葉修君) 捜査当局との打ち合わせいかんによります。別に新しいものでないのに、時間つぶしにたくさんの人に集まってもらって、報告して、何だそれは、新聞を見れば出てるみたいなことでは困りますからな。
○黒柳明君 だけれども、前回の協議会、これから相当やっぱり時期がたってるんじゃないですか。それから相当の進展、発展、政府高官もと、こういうような一般の感触も強くなったときであることは間違いないんじゃないですか。ですから、捜査当局の意見を聞いて中間報告できるかどうか、これはおやりになるつもりなんですね。中間報告できるかどうかということについての捜査当局の意見を聞く、これは早急におやりになるつもりですか。その判断によって、いつやるかということが決まるのですか。
○国務大臣(稻葉修君) きのう総理とのお話、総理から閣議後お呼びだったわけですから、そしてそういうことをやってみてはどうかと。それはよく捜査当局と打ち合わせした上で、時期につきましても、内容につきましても、あらかじめ私としてはまあ総理に、こういうことでございますが、これならば閣僚協議会を開いて私が中間報告としてやる価値があるかどうかということについてまず総理に相談して、そうして総理の御判断によって閣僚協議会を開くと、こういうつもりでおります。
○黒柳明君 総理大臣としても、やっぱりこの時期に法務大臣にどうかというふうに意思を表示したことは、もうそろそろ時期が来てるんではなかろうかと、こういう感触があって当然言葉をかけたと、こういうふうに私理解するわけでありますが、いかがでしょう、その点。
○国務大臣(三木武夫君) 黒柳君も御承知のように、ロッキード問題の閣僚懇談会があるわけですから、しばらく閣僚懇談会は開いてないわけで、ロッキード問題に関係閣僚は重大な関心を持っておることは事実でございますから、したがって、まあ中間的な報告は――捜査当局の捜査の内容については、それは報告できない段階だと思いますよ。しかし、まあいろいろファーガソン裁定もございまして、それを法務省の方で連絡をしておるし、また最高裁からも地方裁判所へ参ってファーガソン氏とも会っておるようでございますから、それまでにできる報告は、するために一遍開たらいいのではないかという考え方を持っておるんですが、最終的にはやはり法務大臣等のいまの報告も聞いて決めたいと思っております。
○黒柳明君 時間が参りまして、最後に法務大臣、要望だけですけれども、先ほど社会党の委員から某週刊誌の問題について取り上げられました。あそこにはわが党の衆議院の議員も一人名前を指摘されておるわけであります。全く先ほどの法務大臣の――まあ国家公安委員長の方は若干私すっきりしないんですけれども、法務大臣のお言葉、全くあんなものはでたらめだろう、国民の皆さん方がこう公開の場での大臣の発言を聞けば、捜査当局あんなもの漏らすわけないと、これで了といたしますが、私どもただ、福田自治大臣がおっしゃった、国家公安委員長がおっしゃったように、言論報道の自由というものを私たちはやっぱり守る立場、その意味で、向こうに反省と、果たしてその事実が間違っているかわからないので、余裕を与えて告訴ということで私たちは向こうに抗議を文書をもってその意思表示をしたわけであります。まだ告訴に踏み切ってませんけれども、向こうが事実無根であったと、こういうことで訂正を申し入れるならば、この問題は私たち、全くけしからぬ報道でありますけれども、これは向こうの反省いかんによってはという余地は残している。これは福田大臣と同じように私たち若干の余地も残そうと。だけど、根本的には、全くわが党の議員もこんなことは何もないと、ただ単に七年間運輸委員会の理事をやっていたと、これだけでいまのこの問題と結びつけられたんじゃ全く議員として立場を理解しないもいいところ、こういうことで、非常に、一〇〇%じゃない、一〇〇〇%事実無根という事実を私たちもつかんでいるわけでありますが、法務大臣の決意の披瀝がありました。それについてどうこうという処置はないですが、ひとつ今後も検察当局を厳重に指揮するとともに、ああいう無謀な報道については、ひとつ私たちも善意をもって報道あるいは自由というものを守りながらも、やっぱり一方においては事実無根に対しては断固闘うと、こういう決意もあるということもひとつ頭にお入れいただいて、今後事件あるいは報道の推移を見守っていただきたい、これを最後に要望して終わります。
 以上です。
    ―――――――――――――
○委員長(剱木亨弘君) この際、委員の異動について御報告いたします。本日、小谷守君が委員を辞任され、その補欠として野田哲君が選任されました。
    ―――――――――――――
○橋本敦君 総理にお願いしておきますが、私は初めに法務大臣その他にいろいろお伺いをいたします。その後で総理にお伺いいたしますが、すべてお尋ねをすることに関連がございますので、お疲れと思いますけれども、よくお聞きを願っておくことを希望いたします。
 すでに伝えられて明らかなように、コーチャンは何度も来日をいたしまして、小佐野氏、児玉氏、この二人を初め、何度もロッキード航空機の売り込みの戦略を協議をした、明白なこういった証言をしているわけであります。しかも、コーチャンの来日日程といえば、たとえばトライスター、DC10のデモフライトのときに来ている。重要な箱根会談が行われたときにも来日をしている。加えて、四十七年、ニクソン・田中会談から始まるあの一連の重要な十月に至る時期、ずっと滞在をして十一週間も滞日をしている。まさに一企業の首脳部としては異常な力の入れ方であります。これについてコーチャンはどう言っているか。ある新聞記事でのインタビューでこう言っております。日本はぜひとも攻略しなければならない巨大な戦略的マーケットである。これがまさに日本をねらった彼の売り込み戦略の大きな的であります。さらに、このときに彼は――これは彼が四十七年八月一日のインタビューで語った言葉ですが、彼は全日空が日本航空より先にL一〇一一を発注してくれるものと期待していると、こう語った、そのことは事実になりました。そしてさらにまた、若狭全日空社長もデモフライトに乗られたし、向こう数カ月以内の機種決定ではL一〇一一を選定してくれることを望んでいるし、その可能性も大きいと思うと、八月一日にこう語りましたが、これもそのとおり客観的な事実になりました。続いてコーチャンは、九月初めの田中・ニクソン巨頭会談は本格的な両国の経済的緊張緩和策が討議されると思うと述べて、その成果を期待したいと、こう語りました。なるほどロッキードにとって、ニクソン・田中会談以後の事態は期待どおりに進んでいると見て間違いはない、こういう事態が招来されているのであります。このように日本がロッキードにとって、攻略しなければならない巨大な戦略マーケットであると彼が認識をして、長期間日本に滞在をし、あれこれの売り込み工作を行ったという事実、これはコーチャン証言から明らかですが、さるがゆえに、このコーチャンが日本において、この売り込み工作のためにいかなる政治家に会ったか、いつどこでどういう話をしたか、こういう問題はこのロッキード疑獄を解明する上で重要なかぎとなる事実であると私は考えるし、だれしもそう考えるでありましょう。
 そこで、まず安原刑事局長に伺いたいのですが、このようなコーチャンの来日と、コーチャンが日本で会った政治家が何人どれくらいいるのかという問題は捜査当局として当然重大な関心を払っている事実であると思いますが、その点はいかがですか。
○説明員(安原美穂君) 御指摘のとおり、ロッキード社のわが国における同社製造の航空機の売り込みに関する不正行為の存否というのがロッキード事件の本質的な究明の対象でございますので、したがって、その副会長であったコーチャン氏が日本に来ておることも事実でございまするから、その間どういう行動をとったかということは当然関心の対象たらざるを得ないと思います。
○橋本敦君 そのとおりです。したがって、特に焦点を合わせて言うならば、航空関係者に会った、これもあるでしょう。そしてまた同時に、まさに贈収賄罪という的に向かって捜査を進めるならば、どのような政治家に会ったかということもそれとの関係では全く核心に触れる事実、これを明らかにする重要な事実になる。
 そこで、端的に安原刑事局長に伺いますが、田中氏とは公式に一回会った。これは公にされている事実としてあなたも答弁されました。田中氏以外の政治家にもコーチャンは会っている事実がある。この点はどうですか。名前は結構です。人数も結構です。
○説明員(安原美穂君) 現在のところ、そういう詳しいことについては報告を受けておりません。
○橋本敦君 いまだにそのような報告を受けてないということは、私は実際本気で捜査をやっているかどうか疑いたくなるような答弁ですよ。コーチャンは私に二月十八日に会ったときに、はっきり言いました。田中氏以外にも私は日本で何人かの政治家に会っているんですと、はっきり言っていますよ。この点について捜査が行われているはずだと思うが、報告を受けてないと言われればしょうがありませんが、報告を聴取をして、政治家に何人か会った事実があるかどうか、次回で結構ですが、答えていただけますか。
○説明員(安原美穂君) 報告を受けていないというのは、私のいまの認識内容の真実でございますが、将来それを報告を受けて申し上げることができるかと言えば、これは捜査の秘密ということで恐らくは申し上げかねることだと思います。
○橋本敦君 安原刑事局長がおっしゃった問題について伺います。
 コーチャンが田中氏と正式に会ったのは通産大臣時代、時は四十七年一月二十五日、こう言われています。これは間違いありませんね。そのときに田中氏がコーチャンと会うようにセットをした紹介者はだれですか。
○説明員(安原美穂君) その点も遺憾ながら承知いたしておりません。
○橋本敦君 もっとよく調べて、可能な限りの国会答弁をしてほしい。コーチャンは私に、それは丸紅が紹介をしたのだとはっきり言っているんです。また、あり得ることなんです。この間私はあなたに聞きました。正確に速記録によると、「最後に伺いますが、田中氏とコーチャンが何回会ったか、一回だけか一回以上か、どのように聞いておられますか。」、こう聞いた後で、「これも公表された事実があるんですね。」と念を押しました。あなたは定かな記憶ではないが三回ぐらいと、こうおっしゃった。しかし、その翌日衆議院でこれを訂正され、公表されたのは何回かと聞かれた、それに対して記憶違いだった、こう答えられました。私はその訂正には納得できません、とうてい。私は公表されたのは何回かとは聞いていないんですから。しかし、それはここでおきましょう。公表された四十七年一月二十五日以外に田中氏がコーチャンに会ったと見られるような幾つかの情報があります。順番に申しましょう。
 一つは、四十七年から四十八年にかけて赤坂の料亭「千代新」で児玉、小佐野、この同席の上で会合した会合が三回あるという情報です。もう一つは、四十八年の八月ごろ、小佐野氏所有の富士屋ホテルで小佐野氏とコーチャン、そのほか檜山氏、また趙重勲大韓航空社長、この四氏が会談をしたという情報です。また、もう一つの情報は、ハワイ会談後の昭和四十七年の九月のある日、田中氏はコーチャン、クラッター氏、それに児玉氏、これらが料亭「C」で会合した。これは亡くなった福田太郎氏がそう言っているという情報です。もう一つは、中央公論で角間氏が書いておりますが、アメリカ側の情報によればとして、箱根会談の前後にコーチャン副会長はひそかに田中首相と会った、こういう情報があります。こういう情報がいろいろと乱れ飛んでいる。
 ところで、私が質問をして、あなたが三回程度とお答えになったときに、田中前総理は激怒をされたそうでありますが、秘書官を通じて発表されたことによりますと、談話では、通産大臣在任中に一回会ったと、こう言っております。そして、この点については通産大臣及び内閣総理大臣在任中の秘書官にただしたと、ただしたけれども通産大臣当時会った以外にはないと、こういう談話を発表しています。私は秘書官の皆さんに尋ねました。まず第一に、現在外務省欧亜局参事官をやっておられる木内昭胤さん、この方に聞きました。あの三回というあなたの答弁があった、それについては何の問い合わせもないということです。さらに田中氏の秘書官をしておられた、現在横浜税関長吉本宏氏にも田中氏から問い合わせがあったかどうか聞きました。田中氏側から何の問い合わせもないと彼も述べています。もう一人私は、金沢昭雄氏、現在警察庁会計課長、この方にも尋ねました。同じく田中氏から問い合わせはない、こういう返事です。
 これを総合しますと、田中氏が秘書官に問い合わした結果一回しか会ってないという談話それ自体も疑わしいと私は言わざるを得ない。
 さらにそれだけではありません。これらの秘書官の方は、田中氏の大臣としての公式日程はもちろんつかんでいる。私的な日程も大体つかむこともあるけれども、しかし、二十四時間全部、幾ら秘書官といえども、日程をつかんでいるわけではないから、私的な行為にまではこれはわからないと答えている。そのとおりだと思います。問題は、公式に会ったのではない。非公式に、秘書官も日程がつかまれない状況の中で、いま私が挙げた数々の情報のように、田中氏がコーチャンあるいは小佐野、クラッターあるいは児玉氏、こういった人たちと会ったという、こういう可能性、これがあるという問題を私は提起をしているのです。
 そこで、具体的な問題として私は一つ提起をしますが、赤坂に千代新という料亭がある。この千代新という料亭は、会社の登記謄本によれば、昭和二十五年の四月十三日に設立され、それ以来営業を営んでいますが、この千代新という料亭に田中氏がしばしば行っていた。特に総理大臣になる前は週に二、三回は行っていたということを、私はこの千代新に近い確かな筋から聞きました。また、先ほど言った木内元秘書官は、田中総理は千代新にはときどき行っていますと。「吉兆」――これは築地にある料理屋ですが、ここにも行っていると述べています。この千代新に田中氏がこのようにしばしば行っていたという事実は、安原刑事局長つかんでいますか。
○説明員(安原美穂君) 事実そこまでは承知いたしておりません。
○橋本敦君 千代新に出入りしていたと言われるのは、この田中氏だけではありません。小佐野氏しかりです。また児玉氏しかりです。
 たとえば一つの事実をお話ししますが、児玉氏の腹心であると言われる太刀川が逮捕された殖産住宅事件、あの殖産住宅事件で児玉氏が殖産住宅の前会長東郷氏を呼び出して話をした場所がこの千代新である。時は四十八年三月二十日、これは多くの記事にも出ている。この事実は太刀川の逮捕との関連で当然つかんでいると思いますが、局長いかがですか。
○説明員(安原美穂君) 太刀川の強要罪の関係で捜査をしている関連で、あるいはそういうことについても調べているかと思いまするけれども、私は現実には報告を受けておりません。
○橋本敦君 さらに私が近い筋からつかんだ事実では、この千代新において外人もときどき来るという情報を得ている。そしてまた、それだけではありません。この千代新において田中氏が行けば必ず使うという、いわば常用の間といわれるような、二階には「菊」あるいは「らん」という間もある。そこでしばしば会合が持たれたということも間違いない情報として私どもはつかんでいる。
 ところで、この千代新を児玉が使ったという事実があるんですが、刑事局長御存じですか。いまの太刀川問題以外に、殖産住宅以外に。
○説明員(安原美穂君) そのことも承知いたしておりません。
○橋本敦君 自治省に伺います。
 四十七年、児玉の政治団体であり、会計責任者は例の太刀川である交風倶楽部、この交風倶楽部が四十七年九月、千代新を使って支出をしている、その報告が行っているはずですが、間違いありませんか。
○説明員(前田正恒君) お答えいたします。
 おっしゃるとおりでございます。
○橋本敦君 数字を言ってください。日にちと数字。
○説明員(前田正恒君) 九月の十三日、三万一千五百十六円でございます。
○橋本敦君 児玉の政治団体交風倶楽部は、自治省の届け出に四十七年九月十三日、千代新支払いとして三万一千五百十六円を報告しています。これはまさに児玉系関係者がこの千代新を使ったという事実を、政府に提出された資料から十分に推則させる事実である。そこで、先ほどの四十七年九月のある日料亭Cにおいて田中氏がコーチャンあるいは児玉らと会合したという情報の信憑性はますます高くなってくる。これは調べなければならぬ。当然いま私が指摘をして、ここで明らかにした事実からいっても、これは調べるのはあたりまえだ、こう思いますが、局長いかがですか。これだけの事実を指摘してもお調べにならないというわけにいかないんじゃありませんか。
○説明員(安原美穂君) 先ほども冒頭に申し上げましたように、田中氏というサイドからではなくて、コーチャンというロッキード社の人の日本国内における行動というものはロッキード事件の本質の究明に欠くべからざるものであるから、コーチャン氏の行動というものについては捜査当局は重大な関心を有しておるということは間違いないと思いますので、そういう意味でその行動の真相について調べておると思います。したがいまして、調べていないということを前提にして調べるべきだという御議論は、私はそういうことを調べておるかいないかを含めて申し上げるわけにはまいりませんので、調べていないことを前提として調べろと言われましてもお答えする立場にはないということになると思います。
○橋本敦君 よくわかりませんが、要するにコーチャンという者の日本における工作の事実をこれは当然調べる、あたりまえだ、これは前提としておっしゃっていることと理解できますよね。だから、それとの関係においてコーチャンがどのような政治家に会ったか。いま私は千代新をめぐる田中、小佐野、コーチャンあるいは児玉の会合の疑惑を指摘をしている。これについても当然調べるべきではないかと、こう言っているのですよ。コーチャンをのけて言っているんじゃありません。もう一遍答弁していただけますか。
○説明員(安原美穂君) いわゆるロッキード事件の真相の究明ということの捜査の方法論としてお話しであるといたしますれば、コーチャンの日本における行動についてはできる限りその全貌を明らかにすべきであるということは私も同感でございます。
○橋本敦君 そうなれば当然千代新にコーチャンが訪れたかどうかについて調べる必要性があるのではないか。いま私はいろんな事実を指摘しました。現に私が聞いたところでは、この千代新に捜査官が赴いて帳簿等の任意提出を求め、調べたという事実も私は聞いておる。そういうことは間違いないかどうかということも確認したいし、当然この千代新についても関心を払って調べる必要があると局長はお考えではありませんか。
○説明員(安原美穂君) 現実に調べたかどうかは真実私は知りませんので、申し上げかねますが、先ほど申しましたように、コーチャンの全行動について把握すべきであるというのは捜査としては常道であろうと思います。
○橋本敦君 明確なお答えが出ませんが、それではこう伺います。私は千代新に舞台を置いて聞きました。一方、秘書官である木内氏は、田中前総理は小佐野氏所有の富士屋ホテル、箱根にありますが、夏にはここにも行きますということも言っている。先ほどの情報ではコーチャンと富士屋ホテルで会ったという情報も伝えられている。コーチャンの足取りを追うならば、そこに田中氏と会談をしたという情報が次々出てくるわけです。そこで、私は局長に聞きますけれども、コーチャンと田中氏が会ったのは、あなたがおっしゃる公式には一回――なるほど公式には一回だということでいいです。問題は非公式にやったことなんで、非公式に会ったということは全然ないと言い切れますか。これだけ私は事実を指摘している。回数はともかくとして。
○説明員(安原美穂君) コーチャン氏の行動を把握するという観点からいきまして、その全貌を明らかにすべきであるということは一般論として言えるし、現にそういうことを検察庁としてもやっているのであろうと思いまするが、それ以上につきましてその中身を言えと申されますならば、私は現に承知しておりませんし、また申し上げる立場にもないわけでございます。
○橋本敦君 コーチャン氏が田中氏と公式以外に会った事実はないということは明確に言えないはずですね。あなたもそうはおっしゃっていないと私は思いますよ。こういう点を徹底的にやっぱり追及するということが、一つは重大なやっぱりこのPXL問題についての疑惑解明の重要なかぎになるということは、これは重ねて聞きますが、お認めになりますね。
○説明員(安原美穂君) コーチャンの行動の真相を究明するという観点からはそうであろうと思います。
○橋本敦君 そうすれば、この千代新問題も、私が指摘したそういった事実関係について調査をすべきだということを強く私は言っておきたいと思うんです。
 ところで、次の問題に移ってまいりますけれども、総理もすでに御存じと思いますけれども、防衛庁は可能である限り次期PXLは国産化をしたいという方針で進んでまいっておりました。で、それは川重との研究という、川重自体の莫大な八億に及ぶ投資ということにもあらわれておりました。それが四十七年十月九日、突如国産化論議の白紙、輸入を含めて、そして専門家会議で検討ということになる。これは室井証言の言葉をかりれば予想し得ないことであった、夢にも思わなかったと、こう言っております。で、この問題について、私は総理に伺う前に装備局長に伺っておきたいんですが、四十七年十一月一日に、例の問題となったロッキードとそれから丸紅とのP3Cを含む売り込み手数料契約がありますね。なぜこの時期にロッキードと丸紅がこの契約を結んだのであろうか、この契約が一体どういう経緯で締結されたかは、PXLの捜査をする上で論理上当然その問題は調べねばならぬということは安原刑事局長が前回言われたので、装備局長に伺いますが、なぜこの時期に丸紅、ロッキードがこのような契約を結び得たか、どう考えておられますか。
○説明員(江口裕通君) 丸紅とロッキードの契約と申しますのはいわゆる私契約でございまして、言うなれば、防衛庁はその第三者の地位にあるわけでございます。これはいままで申し上げておるとおりでございますが、そういう意味で、われわれの方としてはいわゆる権能を持ってその実態をつかむという地位には実はないわけでございます。そういう意味で、本当のところはわからないというのが実態でございます。ただ、強いて申しますならば、推測をいたしますならば、丸紅とロッキードとの間は十数年にわたりまして続いておりまして、その間丸紅が自己の地位を強化いたしますために種々ネゴをいたして、契約の交渉をいたしております。それで、契約内容も御存じのように徐々に変わってきております。まあ、強いて申し上げますと、その一環としてこれが行われておるのではないかというふうに私どもは推測しておったわけでございます。
○橋本敦君 装備局長、もう少し真剣に問題の解明のために考えてもらいたい。
 黒部装備局長はこの場でどう証言をしたか。つまり、MDAOが、スタッダード大佐、彼が四十七年の春に防衛庁にP3Cの写真を持ってきて、はっきりとは言わないが、買ってくれというようなことを言ったのは、四十七年度の防衛庁の国産化予算が認められなかったことを知って、そしてその情報をいち早く知って、それにつけ込んで、国産化はだめになった、これはいかがですか、と売り込みに来た。はっきり黒部さん証言していますね。このように、売り込む側は、MDAOにしろロッキードにしろ、日本の政策問題や情勢については実に敏感な情報と考え方を持っているということはこれでわかりますね。
 そこで、十一月一日に丸紅とロッキードが早々とP3Cの売り込み契約に関連をして、一機日本に輸入をすれば一万五千ドルの報酬を丸紅に支払うという契約を締結し得たのは、四十七年十月九日、例の国産化論議の白紙還元、これがあったからこそこの契約が締結できたと、だれしもこう考えられるところではないか。局長はどう思われますか、問題はここなんですよ。
○説明員(江口裕通君) いま先生一万五千ドルとおっしゃいましたが、十五万ドルのことでございますね。
○橋本敦君 ええ、十五万ドル。
○説明員(江口裕通君) まあ、確かにそういうこともあろうかと思いますが、要するに、私どもが見ておる限りにおいては、やはり御指摘のように、ロッキード社というものはわれわれの状態を相当よく知っておるというふうな印象は持っております。ですから、そういうこともないとは申し上げられないと思います。
○橋本敦君 まさにそうなんです。十月九日の白紙還元、専門家会議決定ということは、総理お聞きのように、まさにロッキードに売り込みの道を開いたんです。日本への売り込みの道を開いたんです。総理は先ほどの答弁で、専門家会議で検討するのはいいではないかとおっしゃって賛成をされた――結構だと思います。しかし、問題は、このロッキードの事件としてはそんな単純なものじゃなかったんですね。売り込みに道を開いたんです。そして、これが行われる直前に、十一月一日契約直前に、田中総理と、いま逮捕されている檜山氏とは十月十四日目白邸で会談をしていますよ。一連の重要な動きがここにあるわけですね。
 そこで、総理に伺いますけれども、いま私が指摘をしたこの十月九日の白紙還元ですね、これがいま言ったように売り込みに青信号、ゴーを出したという、こういう事実を考えるならば、やっぱりあの白紙還元、専門家会議検討という問題をめぐっては、実際にそれがいまロッキードに売り込みの道を開いたという、そういう役割りを果たした問題を考え合わせて、徹底的に、これはなぜあのときに田中総理が一体これを発議したかという問題は解明せねばならぬと私は思いますが、総理はどうお考えでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) 橋本君も経過は御存じだと思いますが、これは防衛庁と大蔵省と、らちが明かぬのですね。輸入をした場合が財政的な負担が非常に少ないと、半分というわけでもないが、相当な開きがあるわけですね。したがって、もう長い間国産か輸入かということで大蔵省と防衛庁との話がかみ合わずに、まあ予算の計上の場合でも話がついて計上しておるとも言えないんですね、川崎重工の場合でも。ちゃんと国産なら国産を決めて、そして開発研究を委嘱したというわけでもないわけです。そういうふうな、いつまでたっても結論が出ないときに、こういう一つの財政的見地ばかりでもいかないですよね、防衛庁の機種の選定というものは。非常に高等な技術的な問題だから専門家の意見も徴そうじゃないかということは、私は実際その場合の経過を知らぬですからね、いままでのいきさつを。もっともと響いたのですね。
○橋本敦君 いいです。あなたが賛成されたのならいいです。
○国務大臣(三木武夫君) それはもっともと響いたので、したがって、いまそのときの一つの私の感じはどういうふうに感じたかということを橋本君はお聞きになっている……
○橋本敦君 いや違う。いまになって田中総理がなぜそれを発議されたかは調べる必要がありませんかと、こう言っている。
○国務大臣(三木武夫君) その田中総理の言われるのももっともだと思って私は聞きました。
○橋本敦君 その当時はね。
○国務大臣(三木武夫君) したがって、そういうことに対していろいろ疑問があるということならば解明をされてしかるべきだと思いますが、どうもやっぱりあの時期の一つの田中総理の考え方というものは、国防会議に出ておって無理があると思わなかったです。
○橋本敦君 わかりました。
 総理は、いま疑問があるということであれば田中総理がどういう趣旨で発議したか解明すべきだと、しかしあの当時は無理と思わなかったと、こういう答弁です。
 そこで重ねて総理に伺いますが、田中総理は、この十月九日直後、二日後の十月十一日に、何度も当委員会で議論をしましたが、外人記者クラブでインタビューに答えて、輸入にウエートを置いて今後検討するんだと、こう言っているんですね。輸入にウエートを置いて専門家会議で検討するんだと、全く白紙で公平でというよりも、輸入にウエートを置いてと、はっきりこう明言されている。これが問題になりましたときに、坂田防衛庁長官も、わが党の神谷議員の質問に関連をして、その後に輸入にウエートを置いてと、だからそれは総理はそういう気持ちもあったかもしれませんと、輸入にウエートを置いてという気持ちもあったかもしれませんが、それを含めて国産にするか輸入にするか専門家会議で検討される、こういうことだったと思いますと答弁されました。輸入にウェートを置いてと田中前総理が二日後に言われたことは重大ですね。さらに、それだけではありません。その後一カ月たった十一月十日の参議院予算委員会で、田中総理はこのときの経緯に触れて、はっきりと「国産にするかアメリカから買うか、私は、アメリカから買いたかったわけであります」と国会で答弁されている。まさに輸入にウエートを置いてという田中総理の気持ちがあらわれてくるわけです。そうだとしますと、これはそう単純に、あなたがおっしゃるように、そのときに無理もないと思ったという問題ではなくて、田中総理はどういうつもりで発議をしたか、なぜ輸入にウエートを置いてということを公式に表現をしたか、これは田中総理にたださなければわからないではないかと私は思いますが、総理いかが思われますか。
○国務大臣(三木武夫君) 国防会議の議長というものは重大な職責であるわけですから、機種の選定について長い将来も考えて国産か輸入、どちらを選定をするかということは絶えず頭の中にあったことだと思います。したがって、その発言は、どういう発言があったかということは私はよく知りませんけれども、いろいろと頭の中で、これは長い間の懸案ですから、どうしようかということは頭の中にあって、そのときどきにいろいろ――田中前総理は率直な人ですから、話したのかもしれませんが、その場面には私は居合わせたものでもございませんので、どういう発言をされたかは詳細に承知しておりません。
○橋本敦君 そういう発言はテープに基づいて速記録で当委員会で私どもは明らかにしておるのです。
 そこで、総理に伺いますけれども、たとえば田中氏が重要な売り込み工作にやってきたコーチャンと、公式は一回だけれども、それ以外に会った可能性があるではないかという疑惑――はっきり何月何日会ったと私は言いませんよ。疑惑があると、これを指摘したのです。二つ目には、児玉氏と田中氏は十数年来会っていないと、こう言っていますけれども、いまの疑惑からいっても、児玉氏と、十数年来どころではない、会っているという疑惑が出てきておる。さらに、逮捕された檜山氏、この檜山氏と十月十四日あるいは八月の二十六日、重要な会談をやっているという状況もあり、そして、いま言ったように、十一月一日の契約の締結ということに道を開いた十月九日ということで、田中総理の真意が何であったか、輸入にウエートを置いて検討するというのは、まさに言葉の上では専門家会議だけれども、腹の中は、いま総理が率直な人だとおっしゃったように、率直に輸入を目指しておられた可能性もないとは言えない。こういう関係で、PXL問題について、あなたのおっしゃる真相の徹底的な解明ですね。そしてまた、政治的道義的責任の解明ということを本当にやろうとするならば、田中前総理から事情を聞くことなくしてはこれはなし得ないんだと国民は思うし、私どもそう思っております。いま私が指摘した疑惑の上に立って田中総理から事情を聞くことなしには疑惑の解明はなし得ないという問題について総理はどうお考えですか。
○国務大臣(三木武夫君) ロッキード事件の政治、道義的な責任というものは国会の場でされることが適当だと思いますから、まあ田中氏を証人として呼ぶ必要があるかどうかは別として、国会の中で事情を聞く必要があるとするならば、国会の意思に従って証人は喚問をするべきだと思います。
○橋本敦君 はっきりおっしゃられないが、国会がその必要があると認めれば田中氏の喚問も当然だと、こういう意味でおっしゃったわけですか。国会が必要とするならば、田中氏の喚問もそれは国会として当然だと……。
○国務大臣(三木武夫君) ここで田中氏という個人は――田中氏が適当だ、だれが適当だというのではなくして、一般的に言って、解明の必要があるということで国会が証人として喚問を必要とするというならば、それはやはり喚問をしてしかるべきだと思います。
○橋本敦君 総理、大事な問題ですから私の質問に答えてください。私は、田中氏の疑惑を合理的な疑惑だと思って指摘してきたのですよ。こういう疑惑の上に立って田中氏から事情を聞く必要を総理はお認めになりませんかと、具体的に田中氏から事情を聞かなければ解明はできないというところへ来ているではありませんかと、これを聞いているのです。一般的なことを聞いておりません。重ねて総理の、本当に真相解明をやるという初心の上に立って率直な御意見を聞きたい。
○国務大臣(三木武夫君) 田中氏も恐らく、いろんな揣摩憶測されておるわけですが、御本人は不本意だと思っておられるかもしれません。したがって、やはりいろいろ事情を聞くような機会が――時期ということもごさいましょうが、そういうことは委員会で当然に問題にされる問題だと私も思います。
○橋本敦君 歯切れの悪い答弁なんですがね、総理。本当に田中氏にたださなければ疑惑は解明できないと国民は思ってるんですよ。私どももそう思ってやってきてるんですよ。いいですか、総理、だから田中氏を国会が決めて証人に喚問をする、そのこと自体は総理としては反対する何らの理由もないと、これははっきり言えますね。こうこれははっきり言えますね。
○国務大臣(三木武夫君) 何らの理由もございません。国会が決めてそうしてやることに対して私が異議を差しはさむことは、それはできることではございません。
○橋本敦君 時間がなくなりましたが、小佐野氏の関係について一言国税庁に聞きたいと思います。
 わが党の東中議員が提起をいたしまして、いわゆる国民相互銀行、この株式を小佐野、児玉氏との関係において問題にしたんですが、これは児玉氏が小佐野氏に名義を貸したんだということをけさの新聞では調査の結果発表されたというように聞いておりますが、間違いありませんか。
○説明員(山橋敬一郎君) お答えいたします。
 先生御承知のとおり、東京国税局におきましては、現在児玉の所得税法違反につきまして調査中でございます。児玉をめぐる資金の流れと、それから資産形成の全貌とを明らかにすべく、目下鋭意調査を行っているところでございます。お尋ねの国民相互の件につきましても、その取引が有償か無償か、あるいは名義貸しかどうか、いずれの場合に当たるかというふうな点を含め調査を行ってきているわけでございますが、ただいま御質問の株の取引につきまして名義貸しがあったかどうかというふうな点につきまして名義貸しの疑いも十分考えられますので、その点を含めまして現在調査を行っているところでございます。
○橋本敦君 もう一度はっきり聞きますが、その名義貸しの対象となった株は十八万三千六百株、大体金額にして五、六億円と推定されますが、この点は間違いありませんか。
○説明員(山橋敬一郎君) お答えいたします。
 数字の点につきまして、細かい点についてはいま手元にデータがございませんが、大体おっしゃるような線ではなかろうかと思います。
○橋本敦君 四十八年十二月四日に児玉氏の株式は全部小佐野氏名義に変えられた。その直後の十二月八日に新たに児玉氏は一万株を取得している。この一万株の児玉氏の取得は、これは名義貸しではなくて、名義貸しの謝礼として小佐野氏から児玉氏が受け取った一万株と見られますが、この点はいかがですか。
○説明員(山橋敬一郎君) お答えいたします。
 そのような情報もございますので、目下鋭意調査中でございます。
○橋本敦君 数億円にも上る名義貸しをお互いの間でやり合う、これはまさに児玉、小佐野の関係が全くのありきたりの知り合いの関係ということではとうてい考えられない深い仲だと言わなけりゃなりません。
 法務大臣に伺いますが、こういう深い関係にあるということが国税庁の調査で疑いとしていま調査中である。事実もほぼ間違いない。ところが、小佐野氏は予算委員会において児玉氏との関係を聞かれて、「まあふらふらっと先ほど申し上げたとおり遊びに来て、これという用事はなくて、お茶でも飲んで帰る」という、こういう仲だと、こう証言を小佐野氏はしています。しかし、一方、国税庁が調査していますように、数億円に上る株を、まさに信用ですよ、名義貸しをする、こういう仲だ。しかも、この名義貸しが行われたのは、この国民相互銀行の合併問題に絡む工作だと言われているんですが、それはさておきます。数億円の名義貸しをする仲だということ、この事実は、茶飲み友達で、これという用事もなくてぶらぶら話し合う仲だという証言、これとは客観的に矛盾をすると私は思いますが、法務大臣いかがですか。茶飲み友達という程度の関係と思われますか。
○国務大臣(稻葉修君) 茶飲み友達という程度ではなさそうでございます。
○橋本敦君 そうなりますと、この小佐野氏の証言については、この点でも偽証の疑いが濃くなってくるということは言わなければならぬと私は思いますが、安原刑事局長の御見解いかがですか。徹底的に調べる必要があると私は思います。
○説明員(安原美穂君) 具体的な犯罪の容疑を挙げて意見を申せと申されますことにつきまして、私はお答えする立場にはございません。
○橋本敦君 それではこう聞きます、局長。いまお聞きになったとおり、数億円の株の名義貸しをする仲だという事実と、それから小佐野氏が言っておる茶飲み友だち程度の仲だという事実、この事実は食い違いがあることは明らかではありませんか、客観的に意見として言っていただきたい。偽証に当たるかどうかは聞きません。
○説明員(安原美穂君) 非常にむずかしいお尋ねでございまして、茶飲み友だちの定義がはっきりいたしません。茶飲み友だちだからこそ株の売買のことをやるかもしれませんし、ちょっとそれとそれとで違うとおっしゃっても、茶飲み友だちとはいかなるインチメイトの程度かがわかりませんので、明確に答えることは私この場ではちょっと御勘弁願います。
○橋本敦君 何の用事もない仲だと、こう言っているんですよ。
○国務大臣(稻葉修君) さっきちょっと失礼しました。
 茶飲み友だちというのは相当深いのかもしれませんね。それから、あなたと私は知り合いだけれども、茶飲み友だちとまではいっていないですからね。(笑声)
○橋本敦君 大事な話を茶飲み話にされたら困りますよ。このことで小佐野氏の偽証の疑いが濃くなったという面において、捜査を厳重にやることを私は要求しておきます。
 さて、最後ですけれども、一般の報道によれば、いよいよ収賄側の政府高官逮捕かというようなことが報ぜられるということになりました。三木総理も法務大臣も、捜査はいよいよ山場にかかってきたというようにおっしゃっています。
 そこで、私はまず法務大臣に聞きたいんですが、憲法七十五条によりますと、閣僚を訴追する場合はあなたの同意が要ります。この訴追というのは、起訴だけではなくて、逮捕、勾留等の身柄の処分も含めて同意が要るという説もあります。総理はこの点について、逮捕、勾留、これはあなたの同意が要らないというお考えなのか、そしてまた、同意が要るとすれば、あなたは真相解明という立場でどのような所見を現在持っておられるか、明らかにしてください。
○国務大臣(三木武夫君) 憲法七十五条による訴追の中には逮捕、勾留は含まれないと、こういうふうに解釈をいたします。起訴だけであると。そして、真相解明という見地に立って対処するということでございます。
○橋本敦君 法務大臣に最後に伺いますが、造船疑獄のような指揮権発動は絶対にやらないということはあなたの所信として間違いございませんか。
○国務大臣(稻葉修君) 間違いございません。
○橋本敦君 重ねて聞きますが、具体的に処分請訓を検事総長があなたに申し上げるということではなくて、庁内には報告規程というのがある。国会議員の逮捕は処分請訓に該当するのではなくて、報告規程に該当すると聞いております。そして、事実上検事総長から国会議員の逮捕ということを報告という形であなたに申し上げた場合に、事実上、その逮捕はしばらく待てとか、それはどうだとかいう御意見をあなたが述べられれば事実上の指揮権発動になる。そのようなことも一切しないという意味において、指揮権発動は絶対しないというように所信を表明されたものと承ってよろしゅうございますか。
○国務大臣(稻葉修君) 処分請訓規程は、法務大臣が昭和二十三年四月一日に定めた訓令で、その後数次の改正を経ておりますが、その内容とするところは、国の存立を危うくするような犯罪、外国の元首に対する犯罪等きわめて重大な罪にかかわる犯罪について検察が起訴または不起訴の処分を行う前に、検事総長より法務大臣の指揮を受けるべきことを定めております。したがって、国会議員の逮捕については、一般にはこの処分請訓規程により法務大臣に請訓して指揮を受けることとはされておりません。
○橋本敦君 それは私が言ったとおり。
○国務大臣(稻葉修君) もっとも、事柄の重大性にかんがみ、検察の行うべき措置について、検察の方からその発意により法務大臣に請訓をして指揮を受けることはあり得ます。
○橋本敦君 その場合にも……
○国務大臣(稻葉修君) ええ、そういう場合にも、一般的にお答えするとすれば、法務大臣がその指揮に対し、かれこれ指図をするようなことはいたさない所存でございます。
○橋本敦君 わかりました。
 終わります。
○木島則夫君 先ほどからの当委員会でのやりとりを聞いておりますと、三木総理は、証人喚問は国会の判断に任せるべきであるということですね。しかし、現段階では事件が核心に入っているので適当な時期まで待ってほしいというふうなお答えを繰り返されておりますけれど、その核心というのはどういうことを言うんでしょうか。核心に入っている、非常に無造作に言われておりますよ。山場とか核心とかという言葉が非常に無造作に使われているけれど、三木総理、あなた御自身では、核心に入っているというその核心はどういう確信を持っていらっしゃるんですか。
○国務大臣(三木武夫君) このロッキード事件というものは、資金の流れを解明するということ、そういうことで、収賄といいますかね、金を受け取った側――いや、まあ収賄じゃなく、金を受け取った側、受け取った、金を受け取った側の人たちが主に検挙されておる……
○木島則夫君 もっとそこをはっきり。
○国務大臣(三木武夫君) これがどういうふうに流れたかということがこれから解明をされていくことになると思いますから、そういうことでいろんな取り調べ、そういう面に対する取り調べというものが相当なやっぱり重要な段階に入ってきておる、金の流れの解明がね。それでそのことを私は言っておるわけですよ。
○木島則夫君 金の流れが相当重要な段階に入ってきたことを意味するんだといまおっしゃったわけでありますけれど、もう少し具体的に伺うと、そうすると収賄容疑者の取り調べが終わって起訴事実が確定する段階まで来ているんだというふうに受け取ってよろしいんでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) そういう意味でなしに、金の流れというものが、いろんな、そのことが収賄になる場合もありましょうし、そうでない場合もありましょうが、いずれにしても金を受け取った側の人の主だったと見られる、主だった人たちが検挙されておるわけですから、この金がどういうふうに流れていったかと、受け取った側というものがいろいろ捜査の対象になることは明らかですが、そういうので、まあ普通われわれが常識的に考えましても、捜査が相当重要な段階に入ってきておるということはだれの目にも明らかだと思うので、それを言っておるわけでございます。
○木島則夫君 このPXLの白紙還元の問題については、もう当委員会でそれこそ論理的な詰めというものは出尽くした感じがあるんですね。ですから、こういう状況を踏まえた上で考えますと、私どもが盛んに要求をしている田中、後藤田、相澤のこの三氏について、当然事情聴取を受けていると見ていいんではないでしょうか。そういう状況にいまもう来ているんではないかというのが、さっき総理の言われている核心段階に入ったという言葉の裏づけと受け取ってよろしいでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) そういう捜査の内容については私は承知しておりません。
○木島則夫君 まあ、おっしゃらないとは思いますけれど、法務大臣、いま三木総理が核心という言葉について、金の流れがそろそろ重大な段階にかかっている、そのことを言うんだと、こういまおっしゃったわけでありますけれど、もうちょっと法務大臣から具体的に追加をしていただけますか。核心について。
○国務大臣(稻葉修君) よく核心に迫りつつあると、段階だと、こう言いますのは、まあこの事件の関係者の主役のところへ捜査が及びつつあると、こういうことじゃないでしょうか。
○木島則夫君 主役というのは、巷間伝えられている方々を想像してよろしいですか。
○国務大臣(稻葉修君) 私は、だれが主役だとかだれが横綱だとかいうイメージを持っているわけじゃありませんから、知らないんですから、それは全部捜査当局がその主役であるとか何であるとかいうことを知っているわけですね。その主役のところへ近づきつつあるような雰囲気であるように感ずると、こういうことです。
○木島則夫君 何か禅問答みたいですけれど、とにかくこの問題に時間を割いてはいけませんけれど、次に総理に国防会議のあり方自体についてただしておきたいことがあるんです。というのは、四十七年の十月九日のPXLの白紙還元が突然行われたというような、こういう性質のものは、やっぱり私は国防会議がフルに機能していないところに起こった一つの問題点だというふうに思うわけですね。その開催にしましても、まあやっとこせっとこ年に一回かそこらしか開かれない。あるいは事務局体制というものも必ずしも十分じゃありませんね、現在。そして一番問題なのは、いわゆる総合的な見地から日本の安全保障体制というものに断を下すんじゃなくって、防衛庁長官もここにおいでになるけれども、防衛庁などでお決めになったものを後からオーソライズをするというような形でいままで私は推移してきたんではないかと思います。というような国防会議のあり方は、形骸化という言葉でもしばしば指摘をされておりますけれど、こういう行き方に、こういうあり方の中に一つすきを与えたそのことが、いまのロッキード問題につながっていると私は思うんですけれど、総理、どういうふうにお考えですか。いまの国防会議のあり方が非常に不十分であるという、こういうことです。
○国務大臣(三木武夫君) 国防会議のあり方というものについては、私自身も、これはやっぱり国防会議の運営の質的な改善を必要とすると思っているんですよ。そういう点で国防会議にも研究を命じておりますが、私自身も内閣においていろいろと各方面の意見を聞いておるわけですが、国防会議といういまの体制が一つの形としての体制が悪いとは思いませんが、もっと運営というものが改善されないと、いま木島君御指摘のように、あんまりこう、再々開かれていませんし、まあ三木内閣になってきて国防会議をわりあい頻繁に開く方ですね。しかし、やはり国防会議というものが持っておる重要な意味からして、もう少し機能というものが十分に動くような形に持っていく必要があると私も考えております。そういうことで検討をしていきたいと思っておるわけでございます。
○木島則夫君 改めて防衛庁側に御質問するときに伺いたいんでありますけれど、やはり最高の責任者としての総理に伺えば、国防会議を充実強化するためには、たとえば国防会議を内閣のシビリアンコントロールと相互安全保障政策確立の最高機関とするために、これを単独立法で位置づけるとか、あるいはその構成メンバーにいたしましても、民間有識者を登用するとか、その事務局をもっと強化をするというようなことが盛んに言われているわけですね。これについて具体的にどういうふうにこれから検討をされるのか、もし御用意があったらお聞かせをいただきたい。
○国務大臣(三木武夫君) 私は、民社党のこういう国防会議に対する改革案というものも承知いたしておるわけですが、その中で最も私がもっともだと思うことは、国会の内部に防衛委員会のようなものを置いて、そしてシビリアンコントロールの最高の一つの機関として国会に防衛委員会を置くべきだということは、私はもっともだと思うのですね。これは各党の同意が得られなくて――委員会の設置には各党の同意も要りますからね。実現をしないことは残念なことだと思う。予算委員会などで、内閣委員会などにおいて防衛問題を論じられておりますが、安全保障というものの重大性からすれば、国会の中に委員会を置いてしかるべきであるという感じです。これはやはり今後ともわれわれも努力をし、各党の同意を得てそういうところへ持っていくべきだと。防衛問題に対していろいろ違いはあっても、共通の議論のできる場を持たないということは、これは私はこれに反対される野党の諸君も少し狭量ではないかと思うのですよ。自分が安保条約に対していろいろな反対の立場であっても、やはりこれだけの大きな安全保障という問題をもう少しきめ細かく委員会で論ずる場を持つべきでないかと。民社党の年来言われていることに私は賛成ですから。いまの国防会議を国家安全保障会議というものにして、民間の者も入れてということは、まあどこの国の国防、こういう安全保障に関係する政府の機関を見ましても、やはり政府の責任性というものを明らかにする意味から民間は入っていないのですね。
 そういうことで、そういう民社党の幾つかの案について、にわかに賛成のできぬものもあるわけですけれども、防衛委員会などを設けてやるべきだということは全くそうだという感じがいたします。いまここで、いま検討を加えておるのだと申しましたけれども、こういう結論が出ておるんだということを申し上げる段階にはまだ達しておりませんので、ここでは申し上げられませんけれども、確かに将来の国防会議というものに対しては、運営を改善していこうと思っていますよ。そのために先般もポスト四次防に対しての日本の防衛政策の基本方針はどういうものだということで、どうあるべきかということで――これは各委員に勉強してもらおうと思うのですよ。そのときに寄ってですね、そうしてそのときに説明して判断を求めるというだけでは足りないと思うのですね。日ごろやはり各委員が国防問題というものに対して相当皆予備知識を持って、そして議員懇談会にしても国防会議にしてもやりませんと、全然前もって知識なしに集まって、そのときの判断でということでは十分だと思えない。そういう点で運営の点においては改善を加えたいと考えております。
○木島則夫君 私が申し上げたのも実はそこです。要するに、十分にその国防会議というものが運営機能されていないと、そこにこういった問題のつけ込む余地、すきというものがあったのだから、この辺は十分に抜かりなくという、それを具体的に御検討をいただきたいということを申し上げているわけです。何せ持ち時間が少ないので、簡潔にひとつお答えをいただきたいと思います。
 灰色高官について、総理はこれについては捜査終了の段階で検討をしたいとおっしゃっておりますけれど、いまもお変わりございませんか。
○国務大臣(三木武夫君) まあ灰色という――木島議員定義をお持ちになっておるのかもしれませんが、これ、きわめて漠然とした表現でして、灰色議員、灰色高官とは何ぞやということは明確な一つの定義はないわけですが、まあしかし、言わんとする意味はわからぬでもないわけですが、しかし明確ではない。しかし、まあいわゆる灰色高官というものはどうするのかということは、これは国民的な関心の的であることは私もよく承知しておりますが、この処置については捜査が終了した段階でなければ、途中でどうこうと言うことは、これはやっぱりできませんから、捜査が終了した段階においてその事情に応じないと、抽象的にこれをどうこうと言うべきものではない。その事情に応じて最も適切な方法、この公表というものはどういう方法が一番適切であろうかということを十分検討をしたい。そして個人の権利を守りながら、国民が真相を知りたいという国民の要望にこたえたいと考えておりますが、それは捜査終了の段階においてどうするかということは具体的に決めたいと思っております。
○木島則夫君 私が申し上げていることは、灰色高官の定義、いまこれが漠然としていてはっきりしてないということをおっしゃっていた、これも含めて、その公表の手続についてはいまからやっぱり与野党間できちっとそれを詰め、そして政府と与党との間でもこれをきちっと詰めておかなければ、捜査は終了したわ、さて灰色の高官とは何であるのか、公表の手続はどうするのかというようなことで時間がたってしまっては、これはもう大変なことになるわけですね。そういう意味で、いまからきちっとそれを用意しておかなければならないのではないかと、その上に立ってきちっと灰色、あるいはその手続を手続どおりにのっとって速やかに国民の前にはっきりした政治姿勢をお示しになるべきではないかということを伺ったわけであります。どうですか。
○国務大臣(三木武夫君) 国会でもこの灰色高官という問題は問題になり、しばしば御質問も受けるわけでありまして、国会としていろいろ御検討願うことはわれわれとしても参考にもなってありがたいわけでございますが、やはり政府としては、この事件が終了いたしました段階においてこの真相を国民にできるだけ明らかにする責任を持っておると思っておりますから、政府の方としては、これは当然に、どういう形でそういう高官、灰色、いわゆる灰色高官と言われる者の公表をするかということはわれわれも検討しなければならぬ課題であると、政府自体として。国会の方でいろいろ御研究くださることはわれわれの参考にもなって、それは有益だと考えております。
○木島則夫君 灰色の定義につき、あるいはその公表の手続については国会で決めるべきものだと思いますけれど、法務大臣に伺います。証拠不十分であるとか、あるいは時効などで不起訴になった者の公表の方法、手段については、せんだって、検事総長の報告を受けて法務大臣がこれを行うということと、それから法務大臣の報告を受けて首相が行うというふうに発言をされているんですけれど、総理はこれをどう見るか、また政府の方針としてこれを承っていいものか。いま法務大臣というふうに伺ったけれど、これはやっぱり総理に伺うべきでしょうね。これは政府の方針として承っていいものかどうか。
○国務大臣(三木武夫君) まだ決まっておるものではない。私は、しかし真相を知りたいという国民の強い願望があることは十分に承知しております。したがって、個人の権利も守り、しかも国民の真相が知りたいという要望に最大限度にこたえたいという考えでございますが、どういう形でと、いま木島議員いろいろの場合を考えて言われましたけれども、どういう方法でそういう公表というものをするかということは、政府の方としていま方針が決まった段階ではないということでございます。
○木島則夫君 せんだっての衆議院の確かやりとりだったと思いますけれど、その捜査の報告については、当然臨時国会でこれが行われるものだというふうに確か総理はお答えになったらば、稻葉法相が後ろから背中をちょっと突つかれて、きっとアドバイスという形でおっしゃったんでしょう、それだけではなくて、休会中もあり得るんだということをおっしゃいましたね。これはどういうことでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) 臨時国会というものは、ちょうどやっぱりそういう捜査が終了の段階ですから、時間的にそういうことになれば臨時国会が一番好ましい場面だとは思いますが、必ずしも国会がその場合に開かれてない場合もありましょうから、稻葉法務大臣の言われる方が用心深い答弁でしょうね、その方が。国会が開かれておる場合と開かれてない場合がありますから。臨時国会でなければそういう政府としての真相を明らかにするということができない場面だと固定して考えない方がいいという法務大臣の意見、もっともだと思います。
○木島則夫君 財特法の成立あるいは財特法の行方ということと関連づけますと、遅くとも八月中旬には開かれるであろうというその日限と、いま私が申し上げてきたこととはどういうふうに関連づけてお考えでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) 木島議員は八月中旬と、こう断定的に言われましたけれども、まだ政府は召集の時期というものは決めていないわけです。これはいろんな捜査の推移なども見きわめなければなりませんし、また、これは国会でございますから与野党間のいろんな意見も聞く必要がございますし、いろんな……。ただ単純に財特法、運賃・料金からいったらもう一日も早い方がいいことは間違いないわけです。一日も猶予できないというような感じすらするわけでございますが、全般の判断で召集の時期というものは決定をすべきで、いまはいつごろというふうに、たとえば八月中旬とか、そういうふうには、まあ政府は腹を決めてないわけでございます。それにはいろんな推移、手続等も要ると考えております。したがって、そのこととこの真相を国民の前に明らかにするということは、これは捜査が終了しないとそういうことになりませんから、八月中旬というようなことになれば、これはなかなかやはり捜査が終了してから臨時国会というと、どうも少し時間的に無理があるような感じがいたしますので……
○木島則夫君 財特法は大丈夫ですか。財特法の問題、その場合。
○国務大臣(三木武夫君) いや、財特法とか運賃・料金は一日も早く国会で議了したいという一方において要請もあるし、しかし一方において、臨時国会の召集というものはロッキード事件の捜査の推移あるいはまた与野党間の話し合いというものもございましょうし、したがって、これをどのようにしてこの二つの要請というものを調和さしていくかということが一番判断するのにむずかしいところでございます。いまはまだ時期的には決めていないと……。
○木島則夫君 時間でございますから、最後に一つ伺います。
 今度の事件で不起訴になった者という場合の事件にはどこからどこまでが含まれるか、つまり範囲の問題について伺いたい。第一次FX問題とか第二次FX問題、あるいは国内航空企業の路線の許認可問題をめぐる問題までも含めて考えられるのかどうか。つまり、はっきり言うと、トライスターとP3Cだけにしぼられるのかという、捜査の範囲でありますけれど、法務大臣、これはいかがですか。
○説明員(安原美穂君) 木島委員のお尋ねは、不起訴になった者の範囲いかんということをロッキード事件に絡めてお尋ねだと思いますが、不起訴になるという意味においては、やはり捜査権の対象になった者でなければならない。捜査権というのはいかなる場合に発動するかといいますと、刑罰請求権、刑罰権が存在する者について捜査権を発動するわけでございまするから、時効が明らかに完成している者については、それがその当時からわかっておれば捜査権を発動しないということになりますので、おのずからその限界があるわけでございます。したがって、いま御指摘のFXとか、そういう問題等につきましても、捜査当局としては刑罰権の存在する範囲において捜査権を発動するわけでございまするから、おのずからその限度がある。そういう点が政治的道義的責任の範囲と対象になるものの範囲自体が違ってくる可能性を持っておるということも御理解いただきたいと思います。
○木島則夫君 終わります。
○青島幸男君 まず、お考えをお尋ねしたいと思いますけれども、総理にお願いいたします。
 「ロッキード事件の解明は、日韓関係を洗った方が近道だ」と閣僚経験豊かな人物が語ったとか、あるいは「これが知れたら大変なことになる」と宰相の地位にあった人が日韓関係について語ったというようなことを、現職の自民党の議員さんがある雑誌に書いておられるわけです。これは私は大変大きな意味合いを持ったことで、軽々しく扱うことができない問題だと思うんですけれども、日韓関係の解明もロッキード真相究明の一環として追及をするという御決意があるんでしょうか。その辺をまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) そういう論文に対して私は事実関係を承知しておりませんので論評はいたしかねますけれども、私は、いま解明に専念しておりますのは、ロッキード事件の解明ということに専念をいたしておるわけでございます。
○青島幸男君 ロッキード問題の解明について私もお尋ねいたしますけれども、田中金脈の追及はこれ以上やらないという密約が自民党有力者との間で交わされていたから田中さんは引退をしたんだとか、退陣をされたんだと、だからロッキード問題の追及にしても、そういう話し合いがある以上、田中元総理にまでは及ばないんではなかろうかというような情報が私のところにも伝わっておりますけれども、こういう情報についてはどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(三木武夫君) 全くのデマ情報である、デマである、デマ情報であると。何らの根拠はございません。
○青島幸男君 重ねてぶしつけな情報について申し上げて大変恐縮ですけれども、ロッキードに関連しては日韓関係は追及しないというような問題が椎名副総裁との間に交わされておるから内閣は延命を図ることができたんだ、というようなことも私は聞かされておりますけれども、それについてはどう考えられますか。
○国務大臣(三木武夫君) それもデマでございまして、何人も、このロッキード事件の追及に対してそういう約束をして、この追及を、ロッキードの真相解明にふたをしようという考えは、青島君、ないんですよ、私には。何らの、もうこれで取引する考え方というのは全然ないと、そういう点では、どうか、そういういろんないまデマが流れ飛んでおりますが、そういうことに惑わされることなく、お互いにこれは一つの日本の議会政治の将来にも関連をすることでございますから、真相解明に御協力を願いたいと思うんです。
○青島幸男君 私もこの耳ざわりな情報について、ここで一々総理にお尋ねするのは余り名誉なことではないと思っておりますし、私自身についてもですよ。しかし、こういう疑念が巷間伝わったり、情報がこそこそ交わされたりしているということの一番大きな意味は、疑惑を持たれている方が当委員会においでにならないということですし、私の前にも何人も質問に立たれた方々が皆さん御質問なすってらっしゃいますけれども、その質問に対して大変明快なお答えがいただけておりませんし、私を含めまして野党の委員の皆さんだれ一人として政府のおっしゃっている見解について納得している人はいないと思います。あのお三方を証人として本席へ呼ぶ呼ばないの問題ですけれどもね。どなたに対しても総理並びに法務大臣お答えになりましたけれども、大変説得力のある回答だというふうに認識していらっしゃる方一人もおりませんし、この委員会の情報を新聞、雑誌などで知って、どうしてなんだろうなという疑念を持たない国民というのは――知っている以上――なかなか少ないと思いますよ。そういう事実があるからこそ、こういう皆さん方にとってははなはだ腹立たしいような憶測が流れるんだと私は思います。ですから、こういうことが政府に対する信頼を失わしむるんだと。何を言っても人々が信頼しないようになってしまったら、これはもう取り返しのつかない事態になるから、そういうことのないように御努力あってしかるべきです。ですから、私ども口を酸っぱくして申し上げているように、そこのところの白黒ははっきりつけられた方が政治不信をなくす上からも重大なことなんだということで、わざわざ耳ざわりな御質問を申し上げたわけですけれども、その辺御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(三木武夫君) 先ほどから申しておりますように、証人喚問について一々個々のケースで、これはいい、これはいかぬと、そんなことを言っているんではないんですよ。物事にはやっぱり責任追及の段階があって、いま捜査当局の刑事責任の追及というのが相当なやっぱり核心に入りつつあることは、青島君ごらんになってもおわかりのとおりと思うんですね。やはり政治、道義上の責任追及と刑事的な責任追及が常に一緒になっていくとも限らないんですね、多少ずれる場合もあるから。これはやはり、一方が重要な段階に差しかかっておる、少しずらしてもらえないかということを言っておるので、大いにロッキード事件解明のために証人喚問として必要なという人物があれば、少しこういう重要な段階をずらしていただければ、十分に国会で証人として喚問されて国政調査権に基づいて調査をされることは当然のことだと思うんです。いつまでもそれを抑えようという意図ではないんですから。いまこういうちょうど重要な段階だから、こういう事件の追及ということは、重要な段階だから少しずらしてもらえないだろうかということを申し上げておるわけでございます。こういうことで、いつまでもそれで証人喚問というものをうやむやなうちに葬り去ろうという考え方はないわけでございます。
○青島幸男君 もうこれ以上私もこの席で繰り返し申し上げません。ただ一つ僣越ながら警告さしていただきますと、こういう答弁を繰り返されておられますと、先ほど申しましたような疑念がますます重なって、政府自体への信頼もかなり大きく損なわれるんではないかということだけです。
 それから、前回のこの委員会で法務大臣にもお尋ねしたんですけれども、構造汚職と、こうロッキード問題が言われておるわけですけれども、この究明の終了の時点はどの辺だと総理はお考えになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(三木武夫君) 捜査が終了しまして刑事責任を追及する者が追及される、政治、道義上の責任も大筋が明確になったというときが終了というわけだと思います。
○青島幸男君 そうすると、だれだれにそういう収賄の事実があったと、あるいは政治上の道義的責任があったということが明快になった時点だというふうに考えてよろしいと思うんですけれども、決してそういうことではなくて、構造汚職であるということの意味合いは、そういうことがまた起こり得ると、で、受け取られた金がどこをどういうふうにして流れたかと、この金の流れの全貌が明らかになりませんとこの構造が明らかになりませんから、同じ構造を残しておいたら何回でも起こるだろうという国民は疑念を持ちますから、ですから、金の流れの行方の全貌を明らかにして、どういうところに構造上欠陥があるんだろうということで、この汚職構造をなくするための方途を国民が判断するための材料として、その金の流れの全貌までを追及して明らかにすることがこの構造汚職を根底からなくすことだと私は思いますけれども。ですから、くどいようですけど、金の流れの全貌を明らかにするまでが解決だというふうに私は言いたくないというふうに思うんですけれども、総理、どういう御見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(三木武夫君) まあ、金の流れというものはできるだけ明らかにされるべきだと私は思いますよ。しかし、構造汚職と、こう言われますけれども、たとえば官界にしましても、これはもうある人はこういうふうな事件の容疑者が将来の問題として出るかもしれぬが、ほかの公務員は一生懸命いま――優秀な公務員ですからね、世界の中でも、日本の。優秀な公務員でやはり国家のために一生懸命にやっておるし、議員なんかでも将来そういう責任を追及される者が出るかもしれませんけれども、しかし大部分の議員が私はそうだとは思わない。だからもう構造的に日本の行政も政治も腐ってしまったんだというふうには考えないわけでございます。それはやはり、そういうふうには考えませんけれども、しかしいろんな点で、そういうものが起こりやすいというような仕組みというものは、これは変えていく必要がある。国会などについても、やはり政治責任、道義上の責任追及と同時に、こういう不祥事件が再び起こらないような立法的処置というものも国会における国政調査権の大きな私は問題点だと思うんですよ。こういう論議も大いにやっぱり国会で取り上げていただいて、これをやっぱり、立法府ですからね、立法府の立場から、どうしてこういう事件が起こるようなことを防ぐかという問題点のやはり論議というものはあってしかるべきだと思いますね、国会に。そういうふうなことで、いま言ったような点で大いにこれは改革をしなければなりませんが、日本の国会も官界も、もう構造的に腐ってしまったというふうには、腐ってしまっているんだというふうには、私はそれは少しやはり偏見ではないかと、そうでない人たちも一生懸命おるんだから。しかし、そういうものが起こりやすい仕組みがあるとするならば、これはやはり変えなければならぬ。全部悪いというふうに断定は少しやっぱり正鵠な物の見方ではないと思います。
○青島幸男君 私ももう全部腐り切っておって信頼に足る部分は全くないということを申し上げておるわけじゃありませんで、そういう間違いを犯しやすい部分の構造を直すためにつまびらかにし、必要な部分は明かりを当てていかなければいけないということで、総理と見解は同じなんですよ。ですからね、それにしては、たとえば国防会議の持ち方の問題とか、総裁選の問題もあるでしょう、それから派閥構造などというものも、とかくそういうものと結びつきやすいということなんかも逐次改善していかなければ、当然そういう、うんできやすい部分ができるだろうと思うんです。
 で、前回以来、法務大臣とも前回のこの委員会でも御討議申し上げたんですけれども、個々の政治家の政治資金の問題についても総理にも予算委員会などではお尋ねしましたけれども、政治家の必要経費の部分について総理も誤解があったようですし、大蔵大臣も誤解があられたようです。せんだってその件でお尋ねしたときには、大蔵大臣も率直に速やかにお答えになれずに、ついに担当の委員を呼ぶような、待つまで、十数分間私待たされました。そういう事実もありますしね、総理あれはもう一回お考えいただきたいと思いますけれども、政治家の必要経費というのはこれは税法上言う必要経費とは違うわけです。税法上言う必要経費というのは、その年度に得た収入を得るために必要な費用ですね、それを言うわけです。そういう考え方を推し進めててまいりますと、政治献金を受けたり歳費を受けたりするという営業目的のために政治活動が行われているのだという解釈をしませんと、必要経費という税法上の言葉は当たらなくなっちゃうわけですよ。ですから、そういう考え方が長年の自民党政権の中に実は生きていて、実際政治活動というのは自民党政権の中におられる方々は営利目的とした企業活動と考えているんではなかろうかというような疑点がふっと私浮いたんですよ。そういう考え方が実はいままで政治家の必要経費というものを、一般税法上の解釈を曲げてなされてきたというふうに私考えています。どう考えてもあの必要経費というのはおかしいですわ。自分の政治信念を一般の人々に知ってもらうために必要な経費ではありますよ。しかし、それがすなわちその年のその政治家の必要経費ではないはずですね、営業活動ではないわけですから。ですから、これはそこのまやかしがごちゃごちゃになっていて、いままでないがしろにされてきた部分です。
 だから、政治家が政治目的のために使った金というのは一切税法上空白でいいんだよという考え方は、あれは基本的に間違いです。ですから、ここのところを大蔵大臣との間でも宿題の約束になっているんですけれども、いまこの場でどう答えろとは申し上げませんけれども、あえて、このことをもう一度お考えになりまして、その辺から逐次直していかなければ、私先ほど申し上げました構造汚職というようなものを改善することは不可能だということをまず申し上げたいと思います。もし御所見がおありでしたら、いま伺っても結構でございますけれども。
○国務大臣(三木武夫君) どうもやはり金にまつわる不信というものが一番やっぱり政治不信の中で非常に表面に出てきておる不信の大きな原因だと思います。したがって、政治資金のあり方というものは、青島君の提起された問題点も一つの問題だと思います。何も営業と政治家の活動を一緒にしてみんな考えておる人はないと思いますが、やはり政治資金をもっと国民に疑惑を受けられないように、政治資金の明確化ということは確かに問題点だと思います。いまここで答えなくてもいいということでございますが、これは確かに検討さるべき問題だと考えております。
○青島幸男君 その問題を御検討いただきまして、次回には明確なお答えがいただけるように私も希望いたします。
 終わります。
○委員長(剱木亨弘君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十八分散会