第078回国会 決算委員会 第2号
昭和五十一年十月二十日(水曜日)
   午前十時十三分開会
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  委員の異動
 十月十九日
    辞任         補欠選任
     久保  亘君     和田 静夫君
     市川 房枝君     下村  泰君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         鈴木  力君
    理 事
                遠藤  要君
                望月 邦夫君
                大塚  喬君
                峯山 昭範君
                塚田 大願君
    委 員
                青井 政美君
                石本  茂君
                今泉 正二君
                岩上 妙子君
                鈴木 省吾君
                永野 嚴雄君
                温水 三郎君
                堀内 俊夫君
                案納  勝君
                小山 一平君
                志苫  裕君
                和田 静夫君
                矢原 秀男君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       福田 赳夫君
       自 治 大 臣  天野 公義君
   政府委員
       経済企画庁長官
       官房長      田中  敬君
       経済企画庁長官
       官房参事官    柳井 昭司君
       経済企画庁調整
       局長       青木 慎三君
       経済企画庁国民
       生活局長     藤井 直樹君
       経済企画庁物価
       局長       喜多村治雄君
       経済企画庁調査
       局長       岩田 幸基君
       大蔵省銀行局長  後藤 達太君
       自治省行政局長  山本  悟君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        道正  友君
   説明員
       法務省刑事局刑
       事課長      吉田 淳一君
       通商産業省立地
       公害局保安課長  広海 正光君
       通商産業省生活
       産業局繊維検査
       管理官      小沢 紀一君
       運輸省航空局飛
       行場部長     梶原  清君
       会計検査院事務
       総局第一局長   田代 忠博君
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  本日の会議に付した案件
○昭和四十八年度一般会計歳入歳出決算、昭和四
 十八年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十八年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十八
 年度政府関係機関決算書(第七十五回国会内閣
 提出)(継続案件)
○昭和四十八年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第七十五回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和四十八年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第七十五回国会内閣提出)(継続案件)
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○委員長(鈴木力君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨十九日、市川房枝君及び久保亘君が委員を辞任され、その補欠として下村泰君及び和田静夫君が委員に選任されました。
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○委員長(鈴木力君) 昭和四十八年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、総理府のうち、経済企画庁の決算について審査を行います。
 この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木力君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○委員長(鈴木力君) それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大塚喬君 きょうは経済企画庁長官福田副総理に主としてお尋ねをいたしたいと思いますが、質問に入ります前に、大変最近の報道をにぎわわしておる問題で、どうしても質問に入ります前に副総理の所信をお尋ねをしておきたいことがございますので、その問題について質問をさしていただきます。
 三十一日に自民党の臨時党大会、人事大会にする、人事大会にはしないと、三木首相、あるいは挙党協の代表世話人であります保利さん、報道がそれぞれなされておるところでございます。そのこと自体は、私がよその方からくちばしを入れる問題ではございませんので、そのことではなくて、それに関連をして福田さんが閣僚を辞任される、その閣僚辞任も二十一日の挙党協総会の後で閣僚を辞任されるというような報道もなされておるところでございます。二十一日というと、きょうが二十日ですからきょうのあしたということで、いまから私が質問申し上げますことは日本の経済運営についてお尋ねをするわけですので、あす閣僚を辞任されるのか、そこらのところが私にとってはやっぱり気がかりなところでございます。これらの問題について率直に副総理の所信を承れれば幸せと存じますので、ひとつお願いをいたします。
○国務大臣(福田赳夫君) 確かに自由民主党の中で、三十一日の党大会をどういう性格のものにするかなど重大な論争があることは、これはもう事実でございます。これは人事大会とするかしないか、こういうようにも言われておりますけれども、実はそうじゃないんです。ロッキード事件、この事件はただ単なる事件として解決すべきじゃない。さらに大事なことは、この事件を契機として、自由民主党、これは積年のいろんなちりやあかがたまっているんです。それらを吹き払い洗い落として本当に新生自由民主党としての生まれ変わりの大会にするかしないか、こういう非常に本質的な議論が展開されておるわけであります。そういう中でいろいろ人事の問題なんかも派生的に出てくる問題でございます。そういう状態でございますが、ただいま私が閣僚を辞任をするんだということは、ただいまのこの時点においては考えておりませんです。
○大塚喬君 ある新聞の報道によれば、情勢の推移次第と、こういうような報道もなされておるのを見かけたわけであります。本日の段階ではといういまお言葉がございましたが、もう少し突っ込んでお尋ねをいたしたいわけですが、情勢の推移というのは、一体世論の問題が一つあるのかどうか。それから、挙党協という方の問題にあるのか。そしてもう一つは、挙党協とその人事問題をめぐって対立関係にあると見られる、いわゆる三木首相のそういう側の方にあるのか。何せ、きょう私が経済企画庁長官福田副総理という立場で質問することが、あしたそこらのところがどうなっちゃうんだかわからないということになると、私の質問も大変しにくいわけでございます。ですから、そこらのところはもう少しひとつ、福田さんは昔から歯切れのいいことで大変評判のよかった方でございます。いまのお言葉だけでは福田さんの真意がどうもつかみかねる、こういう率直な感じでございます。そこらのところをひとつもう一歩突っ込んで、福田さんの真意を明らかにしていただきたいと存じます。
○国務大臣(福田赳夫君) 閣僚を辞任する、これは重要な問題でありますから慎重に考えなければならぬ問題だと思います。これは何をおいても、総理大臣である三木さんと自由民主党のあり方の問題について十分意見を交換しなければならぬと思います。そういう過程を経まして私の辞任問題というものは決定せらるべき問題だと、こういうふうに考えておりますが、ただいまのところは辞任するという決定はいたしておりませんです。
○大塚喬君 ただいまのところということなんですが、きょうとあしたのことなものですから、私も、おやめになる方に日本の経済運営を質問するということもどうかという気がして、お聞きの皆さん方が、いま福田さんの御答弁をいただいて、ははあということでわかった、こういうことに一体受けとめをいただいたかどうか。私は、福田さんとしてはもう少し大変物わかりのいい態度明快という、そういうお答えをいただけるものかと思っておったわけですが、どうも大変残念なことでございます。
 一応私の質問を関連の方に……。
○和田静夫君 いまの関連ですが、前提になるものが一つあると思うのですが、大会に向かって総裁選には立候補されるわけですね。
○国務大臣(福田赳夫君) 立候補すべしという周辺の意見が多いんですが、私自身としてはまだ決めておりませんです。
○和田静夫君 どうも決めていらっしゃらないと言われたところで、報道などによれば、辞任は情勢次第だということを含みとしながら、大体あなた自身にお任せになるということになるようでありますが、そうすれば、三十一日には総裁選挙に立候補する、次期総裁に立候補される、そう決意された段階では、いま大塚委員が質問をいたしましたように辞意は当然である、こういうことになりますか。
○国務大臣(福田赳夫君) それは当然つながってこないと思うんです。私のいま辞任問題というのは閣内における立場であり、総裁選挙立候補という問題は党の中の問題でありまして、これは必ずしもつながってはくる問題、直接的にはつながってくる問題と、そういうふうには考えておりませんです。
○和田静夫君 総裁立候補の意思をお持ちである、そうなってくると、現在三木内閣の副総理である。三木内閣の施策に対しては違いが当然あるがゆえにみずから総裁選挙に立候補されて、そして総理の座をうかがう、こういう形に私は当然なろうと思うんですが、後ほど具体的に政策の面でお聞きをする機会を持っておりますから、そこにいま触れませんが、三木内閣総理大臣と福田副総理が、総裁選挙を通じて福田内閣を組織されようとする意欲をお持ちの今日の段階で、政策的にはどんな相違点があるんですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 政策的に私は別に、非常に根本的な違いがあるとは考えておりませんです。問題は、政策を推進する力、つまり自由民主党の体制、これをどういうふうに整えるか。政党政治でございまするから、やっぱり政党の支持がなけりゃ強力な政治、政策の推進は困難でございます。そこで強力に、また、このロッキード事件なんかの経緯にかんがみまして、生まれ変わったというような姿において国民の支持を得ながら政策を遂行する、こういう方策いかんという問題について党内問題として意見の違いがある、こういうことでありまして、内閣の姿勢また内閣の施策として基本的な意見の違いがあると、こういうことではございませんです。
○大塚喬君 どうも明快なお答えをいただかなくて物足りない、残念な、そういう気持ちがするわけですが、時間も限られておるものですから、質問を次に移させていただきます。
 初めに経済白書の問題、これで少し初めに緒論的なことでお尋ねをさせていただきます。
 去る八月の十日に五十一年度の経済白書が発表になりました。三十回目を迎えたということで、いままでの積み重ねがずっとこうなされてきたわけでございますが、一般的に言われることは、この白書の内容が年を追うごとに難解になってきて大変わかりにくい。統計分析が先行するもとに描かれておるわけでありますが、図などを見ると必ずしも十分な説明がなされておらないのではないか。ベストセラーというような言葉も出ておるわけですが、本当にそれがベストセラーという名に値するものだろうか、こういうような素朴な声を聞くわけでございますが、経済企画庁長官として、これらの批判に対して、世論に対してどういうお考え、お答えをいただけますか、ひとつ御答弁をお願いしたいと思いますが。
○国務大臣(福田赳夫君) 経済白書は、他の白書と同様にいま大塚さんのおっしゃるような批判があるんです。経済白書につきましてもずいぶんそういう批判にこたえまして、国民の皆さんにもおわかり願えるようにという努力はしてきております。
 私どもとしても、とにかくあの大部の経済白書をすみからすみまで目を通すということも非常に困難です。そこで要約というか、そういうものをつくって、これも必要な方面には配付をするということもいたしておるわけでありまして、最近は、難解だ難解だという評価がだんだん薄れてまいりまして、むしろ大変わかりよくなったというような評価も出てきておるような状態でございます。経済のことでございますので、専門的な用語、これを全然無視するというわけにもいかない。そういうことから、一般の国民に理解しにくいという点は、これはよほど努力してもぬぐい去るということはなかなかむずかしい問題でありますが、これは国民向けのものでありますから、今後ともできる限り国民におわかり願うようなものにするための努力はいたしていきたい、こういうふうに考えております。
○大塚喬君 ぜひひとつわかりやすいものに、この白書の内容等についても御検討をいただければありがたいと思います。
 さて、いままで副総理の国会等での御答弁をお聞きいたしますと、政府は景気と物価に対する方針、これは景気と物価を両立させる、こういうことを目指して奮闘しておるんだという、そういう答弁がいままで福田副総理から衆参両院のそれぞれの席でいただいておるところでございます。最近の新聞報道等によりますと、景気の警戒感強まる、生産が予想外の低落、こういうふうなこともあり、設備投資の出おくれ、こういうような報道もなされておるところでございます。
 そこで福田副総理として、先ほどお尋ねしましたことは、経済のかじ取りとして、従来どおりこの景気と物価、こういうことの両面作戦でいくのか、こういう事態に推移をして大変輸出の方も鈍化を来しておる、こういうことで、これらの両面作戦というのは、これから先もこのままでいくのかどうか、あるいはまた、景気という問題に重点を移すのかどうか、そこらの問題について副総理のお考えをお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 経済政策は、これは固定化するというか、弾力性を失ってはならぬと思うんです。そのときそのときの状況に応じて機動的に臨機応変の手を打っていかなきゃならぬ、こういうふうに思いますが、しかし基調ですね、基本の姿勢、これはもう物価の安定、それから景気の回復、この二つを同時に達成する、こういうことでなければならぬとかたくそういうふうにいま考えております。
 当面、いま景気停滞期にきておりまするけれども、この景気も物価も相ともどもに重視するという基本姿勢は、これはいささかも変える必要はない、こういうふうに考えております。
○大塚喬君 両面作戦ということを繰り返しお答えをいただいたように理解をしたわけですが、最近の通産省あるいはその他の発言等からいろいろ考えさせられるところがございます。景気、物価――景気よりも物価に重点を置いて経済運営をやっていく、こういうような感じにも受け取れるわけでございますが、ここらのところはそういう平板的な両面作戦ということだけで現在の状態、いろいろそれぞれの反対の立場からの御意見もあるようでございますが、副総理としてはそこのところは、いまこのような事態の中で物価と景気ということについてどちらにひとつウエートを置かれるのか、どうもはっきりしませんので……。
○国務大臣(福田赳夫君) ことしに入りましてからの経済活動の状況は、これは一−三月に輸出が非常に伸びたんです。これは年率にいたしますと輸出が前の年に比べて倍になる、こういうような勢いです。それを受けまして経済諸活動が大変に活発になりまして、実質でいっても一三%の成長だと、これは高度成長期にも見られないような急成長をしたわけなんです。しかし、景気というものはこれは循環現象がありまして、三十周年周期でありますとか、あるいは十周年周期でありますとか、あるいは一、二年の周期でありますとか、そういう周期で景気が不況から好景気へ、好景気から不況へと、こういうふうに循環するわけですが、この一年という短期を見ましても、もうずっと経済は上昇しっ放しということは、これはないんです。やっぱり私どもは二進一停と、こういうふうに言ってきましたが、二歩前進すれば一歩足踏みをする、こういうような状態がこの年度の十二カ月の間にも起こる。
 いまちょうど一−三月、その影響を受けましての上半期、これは伸び切ったと、その伸び切った経済活動、それがちょっと足踏みをしておるという状態ですが、しかし、個人消費を見ましても、個人の住宅投資を見ましても、これはかなり着実に伸びてます。それから設備投資につきましても、去年は惨たんたるものでありましたが、ことしは幾らか上調子になってき、それから財界人のアンケート、そういうようなものを見ましても、設備投資意欲というものがすでにもう出てきておるんです。それから財政の方はどうだというと、これがちょっと私は景気の足を引っぱったと思います。財政特例法の成立がおくれた、これなんかは特に心理的に影響がある。地方財政なんかにも予定よりもかなりの立ちおくれが見られておる。
 こういうような状況であり、電信電話それから国鉄両法案、この法案の成立もおくれておるということで、これは局部的でございまするが、かなり深刻な影響もある。こういうような状態ですが、皆さんの御協力によりまして財政特例法案は成立をする、また、電信電話、国鉄の料金、運賃法につきましても成立するであろう、こういうふうにいま考えておりますので、この辺の障害も排除されてくる。
 それから、輸出でございますが、これも一−三月のようなああいう特殊な事情があったんです。特にここでは申し上げませんけれども、特殊事情、そういうものがあってもう昨年に比べて倍も伸びる。こういうような状態でございましたが、それは異常であり、また弊害があることなんです。逐次これは平常化してきておる。しかし、一―三月に伸びたその高水準、これはその勢いを続けておるわけでありますので、今後とも輸出による景気への影響、こういうものを期待される。そういうようなことでいまちょっと停滞の状態でありまするけれども、ここ年度全体とすると、これは着実な経済成長を期待できる。経済見通しでも五%ないし六%成長ということを言っておりまするが、この辺はこれは着実に実現できる、こういうふうに思っております。それは年末になっての中小企業の金融対策でありますとか、その他特にばらつきがまだ多い段階でございますので、いわゆる好景気の均てんしない産業等に対する諸対策だとか、そういうことはいろいろやりますし、また、冷害対策あるいは風水害対策、こういうものもちゃんときめ細かにいたしまするが、全体として景気対策基調を変えるという必要はない、こういうふうに考えております。
○大塚喬君 そうすると、それから進んで一つ質問をいたしますが、一つの問題は、卸売物価の政府見通しの達成ができるかどうかという問題についてお尋ねをいたします。
 政府は、卸売物価の五十一年度中の上昇率を四・八%に抑える、こういう目標を掲げてきて、私どもも期待いたしておったところでございます。現状は昨年七月からことしの九月まで十五ヵ月続騰を続けて、九月全体を見てもこれは先ほど発表になりましたとおり上昇をいたしておるわけであります。これによれば、先月前年比が六・八%、こういうことでございます。
 福田副総理は、いままで卸売物価はやや早いテンポで上昇しているが、これは景気回復過程での一時的な摩擦現象である、衆議院の商工委員会でそういう御答弁がありましたね。そういう大変軽い見方で四・八%という政府見通しが達成できるのかどうか大変疑問に思う。こういう現在の情勢でございます。ここらについて、一体達成ができるのかできないのか、そこらのところの見通しを、ひとつこの席でも改めて副総理から御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 確かに大塚さん御指摘のように、いままで本年度に入ってからの推移を見ておりますと、四・八%という卸売物価の目標、この目標の達成が困難なような状況で推移してきておるんです。それはただいま申し上げましたように、一番大きな問題は、景気がことしの初めから回復過程に入ってきたその摩擦的、臨時的現象とこういうこと、つまり、景気がよくなってきておりまするものですから、企業の方で商品の価格のつけかえをいたすそういう傾向、それからさらに、そのつけかえを容易ならしめるように不況対策という角度から諸種のカルテルでありますとか、通産省による行政指導、そういうようなことで需給調整までしたわけです。しかし、そういう行政指導も六月で大方撤廃をいたしましたし、ごくわずかカルテルも残っておる、こういうような状態でありまするし、そういう景気回復過程の諸現象というものは大方一回りした、こういうふうに見ておるわけであります。
 そこへもっていって、いままでは輸入商品の価格の値上がり、これは国際的にそういう状態になったわけです。これがまたわが国の物価に影響をする、こういう状態もありまして、ただいま御心配のような数字になってきておるんですが、この海外要因、これも昨今大変鎮静化してまいりまして、これが物価を押し上げるという要素、これも解消いたしておるわけです。そういうことで、九月などはかなり様相が変わってまいりまして、〇・四%、これは年率にするとちょうど四・八%になる数字ですが、そういう落ちつきを示してきておるわけです。
 今後を展望いたしますと、ただいま申し上げましたように、景気回復過程の特殊要因というもの、これも大体一回り、それからさらに、海外関係もこれも落ちついてきた。そこへさらに非常にいい要素が出てきておりますのは、円の価値、これが大変上がってきておるわけです。これもかなり物価にいい影響をもたらす、そういうようなことで、とにかく上半期にちょっと上昇し過ぎましたから、これを下半期に取り返す、これは容易なことじゃございませんけれども、とにかくできる限りの努力をして、四・八%なんといってコンマづきのそういう細かい数字にぴしゃっといくかどうか、これはなかなかむずかしいことでございまするけれども、大方それに近いところで落ちつくようにいたしたい、またいたすことができる、こういうふうに見通しております。
○大塚喬君 ずばりお聞きいたしますが、四・八%というのは達成が困難だ、こういうことですか。一部には四・八%というものがすでに不可能だ、絶望だとあきらめて六%台というような声も、政府では持っておるのではないかということを聞くわけでありますが、ずばりひとつ四.八%が達成できるんだ、こういうことを私はお聞きしたいわけであります。
○国務大臣(福田赳夫君) 卸売物価のことでありますので、何・何%とそれぴしゃりいくというようなこと、これはもう神様でもなかなかむずかしいんだろう、こういうふうに思いますが、大体その辺にいくように最善の努力をしてみたい、こういうふうに考えますし、あえて不可能とは考えておりません。
○大塚喬君 そこのところを当初政府が掲げた四・八%、こういうことで何というんですか、経済のことで、卸売物価のことでそこらが細かいところまではむずかしいのだ、こういうことでなくて、ひとつぜひ掲げた目標の達成に御尽力、特段の検討をお願いしたい、こう考えるわけでございます。
 次に、消費者物価の問題についてお尋ねをいたします。
 率直に言って、消費者物価については指数と実態というものの違和感、政府の消費者物価というものが私どもの生活実態、実感とはどうもかけ離れておる、こういう感じがいたすわけでございますが、これらの問題について副総理の見解を初めにお聞きをいたしておきたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 消費者物価指数は平均的な指数でありますので、さて、その平均的なものが各御家庭なんかの家計に比べ合わせました場合に、いろいろな感想があると思うんです。特に季節商品なんかそのときどきで非常に上がったりするようなことがありますが、そうしますとエンゲル係数の高い第一分位、第二分位なんというような低所得の人、そういう人には非常に強く生活苦というものが押し迫ってくる、こういうふうに思います。しかし、平均的な数字である消費者物価指数ではさほどまで出てこない、こういうようなことで、これはどうもなかなかやむを得ないことだろうと思いますが、なるべく消費者物価指数というものを各所得に応じまして種類別をいたし、それについて消費者物価がどういうふうに変わっていくであろうか、変わってきておるかというようなことがわかるような努力ですね、これはいたしてみたい、こういうふうに考えておるのです。
 それから、平均的な指数でありまするけれども、指数は、五年ごとに指数の取り方の内容を改定するわけなんです。ですから、五年前に決めた指数の取り方でずっとやってきて、五年目になったというと、その五年の間に、今日でありますから生活態様の変化、そういうものもありまして、それもただいま御指摘のような感触を与える、そういうようなことにも若干の影響はあるんじゃないかと思います。幸いにことしは、四十五年度基準の消費者物価指数の改定期になるわけでありまして、当時から五年経過した生活状況の変化、そういうものを十分考慮いたしまして新しい指数の算定方式をつくった、こういうようなことになっております。
○大塚喬君 物価政策という問題ですが、国民が物価についてどのような感じを持っておるのかということが、政府の物価政策上きわめて大切な問題であろうと思います。五年目に調査の品目等についても改正があったことは承知をいたしておるところでございますが、どうも実感とは違う、こういう感じの問題について具体的にひとつ私は提案をして、五年ごとに改正になったということで、大変これから先時期があるので残念でございますが、今回の対象品目の拡大にとって取り残された問題、一つは住宅ローンの問題、それから税金、社会保険などこれらの負担が増大しておる。指数にはこういう問題が加えられなかったわけでありますが、これらの問題を取り上げないと、政府の指数というものがやっぱり依然として国民生活にとっては違和感のあるうんと離れた、そういう問題の不満というのは払拭し切れない、こういうものがあるだろうと思うわけでありますが、これらについて副総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(喜多村治雄君) ただいま先生のお話ございました住宅ローンでありますとか、社会保険負担というものは、分類上消費支出として扱っておりません。これはどちらかと申しますと、住宅ローンの場合は財産取得でございますし、それから社会保険の負担は、これはどちらかといいますと税金的なものであるということから、消費支出から外しておるわけでございます。
 そもそも物価指数というのは、消費支出の中に含まれております価格の変化を追うものでございますので、分類の違うものにつきまして排除しなければならぬということのようでございます。これは統計審議会の方でもいろいろ今回の改定に当たって御議論をなさったようでございますが、この点につきましては、消費支出で見ることが国際的な比較をする場合でありますとか、国内的な消費支出の関連等を見る場合には必要であるというようなことでございます。ただ、国民の実感から見れば、確かに住宅ローンでありますとか社会保険の負担が生計費に、指数に及ぼすことは当然でございますので、それは指数とは別個に考えるべきものであると私どもは考えております。
○大塚喬君 そういう問題がこれはどういうふうにこう加味されたらよいものやら、私どもも具体的なことで消費者物価指数というものが、ともかく物価政策上、国民生活に信頼を受けるような形のものにひとつ将来とも発展ができますように、十分この点については御研究をいただきたいと思います。
 次に、五十年代前期経済計画についてお尋ねをいたしますが、このうちで二、三初めに公共投資のあり方について。
 五十年代前期経済計画の中で、この期間中に累積額百兆円に及ぶ公共投資の出資が示されておるわけでございます。これを事業別公共投資の構成比で見ますと、道路が一九・五%、鉄道が八・〇%、電気通信が七・三%、こうなっておるわけであります。これに対して環境衛生が一三・六%、公共賃貸住宅が六・五%、厚生福祉が二・二%、いわゆる福祉向上を掲げております政府の政策、この内容は率直に言って公共投資が低水準になっておると見られる、こういうものと思うわけであります。今後予想される財源不足のもとで、福祉事業への要請は国民的なコンセンサスとなっておりますし、次第にこれが強まってきておる。こういう中で、財源配分についても従来と異なったそういうやり方を国民が強く期待をしておると思うのであります。民生向けの社会資本、ここへの重点的な配分ということはどうしても不可欠な問題であろうと考えるわけでございますが、計画の公共投資の項を見ますと、道路、鉄道等産業資本的な色彩の強いものが中心となっておるわけであります。
 このような財政の危機的状態の中で、国民的要請の強い福祉施設の整備を優先し、その整備が達成された後に新幹線とか道路などの整備を図るべきだと思うわけでありますが、先ほども初めにお尋ねいたしましたように、ごく近い将来に、福田さんがあるいは日本の政権を担当されるようになるかもしれません。そういう現在の段階で、ひとつこれらの問題について、国民が聞きたがっておることでございますので、明快な御答弁をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) まあ石油ショック後の傷をいやすということ、大体三年間がかりで粗ごなしをしよう、こういうので、ことし五十一年度ですね、その最終の年と考えておるわけですが、同時に、この五十一年度を起点といたしまして新しい経済社会の運営思想を打ち出したい、こういうことで、十年間を展望し、その上に立ってその前期五カ年につきまして五十年代前期五カ年計画というものを策定した。これは非常に大きな意味があるんです。
 と申しますのは、高度成長期、これは何といっても国力、国の経済力の重点を産業に振り向けるという考え方でございましたが、今度は生活中心だと、そういうふうになるわけです。その国力全体の中での財政でありますが、財政の中においても同じ考え方を貫き通す。いま御指摘の公共投資につきましても、はっきりとそういう考え方を打ち出しておるわけであります。
 いままでまあ、つまり佐藤内閣当時、経済社会基本計画というものができました。それによりますると、公共投資、その配分の環境衛生、これが全投資の八・七%であったものを、これは大幅に引き上げるんです、一三・六%、そういう高い構成比まで持っていく。それから福祉厚生、それから学校、こういうものに対する配分を引き上げる。それからまた、これは生活直接ではございませんけれども、農林漁業、これはもう一般産業に比べまして立ちおくれしてきた、そういうことで、それに対する配分も引き上げる。その反面におきまして道路費への充当、これを引き下げるというようなことにいたしておりますので、いま御所見ございましたけれども、大体大塚さんの考え方と同じような考え方でこの前期計画もできており、また、その中での財政の内容もそういうふうになっておりまするし、特にその中で公共投資の配分につきましても、御所見のとおりにいたしておる次第でございます。
○大塚喬君 この計画の内容は、いま副総理にお答えいただいたことと事実がこう、逆じゃないですか。率直に言って、高負担を強いておるわりあいには福祉がまんの計画だ。具体的に数字で申し上げますと、この計画によりますと、財政収支を調べてみると、この五十年度と目標年次の五十五年度との間で比較いたしますと、税及び税外負担と社会保険負担の合計額は三十二兆八千億円、これから七十六兆七千億円と二・三四倍にふえております。これに対して広義の社会保障費とも見られる政府から個人への移転支出は、十兆六千億円から二十三兆二千億円とこうなっておるわけであります。これは二・一九倍であります。この計画は明らかに国民負担を大幅に増大させながら、福祉の財源配分は余りにも配慮しておらない、こういう結果が数字的にはこの案の中に出ておるわけであります。高負担中福祉あるいは低福祉と、こう言われる計画ではないでしょうか。この問題について、ひとつ改めて副総理から御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) ちょっと数字にわたる御質問でありますので、政府委員の方からお答えいたしまして、私の所見を申し上げます。
○政府委員(岩田幸基君) いま御指摘の点は財政収支でございますけれども、税及び税外負担の伸びが御指摘のように五十年度二十五兆三千億円、これが昭和五十五年度に六十兆円、まあ年平均にいたしますと一八・八%伸びるということでございます。一方、政府から個人への移転は十兆六千億円から二十三兆二千億円、年平均にいたしまして一七%の伸びということでございますが、御承知のように個人に対する福祉的なサービスと申しますのは、政府から個人への移転所得だけではございませんで、住宅建設でございますとか、先ほど副総理がお答えいたしました生活環境あるいは福祉関連の社会と公共投資であるとか、そういうもの全部ひっくるめたものでございますので、税及び税外負担と政府から個人への移転とだけを単純に比較するというわけにはいかないのではないかと思っております。
○国務大臣(福田赳夫君) 先ほど申し上げましたように、これからの国全体の経済、またその中での財政につきましても、産業中心から生活中心へということで一貫した考え方を持つわけです。その個々のものだけをとってみると、あるいは伸び縮み、これは区々でございまするけれども、全体として見ると、まさにただいま申し上げたような体系になっておるわけでございます。でありますので、先ほど申し上げましたように生活関連、これは非常に公共投資としては重視するんです。そういうこと等もありますので、国財政の規模も拡大をせざるを得ない。財政規模が拡大すると、国民負担もそれにつれて多少の増加をする、こういうこと。つまり換言いたしますと、個人個人の所得の中からよりよけいなものを政府、地方公共団体に集中いたしまして、そして共同の、各個人から見ますと共同の施設をやっていく。つまり国家的施設、これがだんだんふえていくというのは、近代社会、近代国家の傾向だろう、こういうふうに思うわけであります。
 私どもは、何も何とか主義にとらわれているわけじゃございませんけれども、まあ言葉をかえて言えば一つの社会化の傾向と。これは近代国家で共通のことであろう、こういうふうに思うわけであります。そういうことで、わが国におきましても五カ年の間に国民の租税負担率、そういうものが大体三%ぐらいは伸びていかざるを得ないんです。そうしませんと、社会保障、それから生活関連、そういうような整備が十分にできない。こういうことで、そういうことにならざるを得ないと考えておりますが、そういう趣旨で、よけいに集まる国家、地方公共団体の支出、その重点は生活関連、社会保障、そういう方向に向けていきたい、こういうふうに考えております。
○大塚喬君 お答えですが、その計画を見ますと、基準年度の五十年、それから目標年次の五十五年、税金及び税外負担は国民の皆さん方から二・三四倍いただきますよ、そして政府から個人への移転支出は二二九倍になりますよと、この計画はこう公表しておるわけですね。
 そうすると、いまお答えいただいたことで、この計画によれば税金はたくさんちょうだいするが、福祉の方へは、この割合は五十年度から五十五年度の目標年次には引き下がりますよ、こういうことを国民に知らせたわけでしょう。その他のいろいろのことを言っているけれども、この五十五年−五十七年という毎年毎年積み重ねた五年後の経過の中でこういう結果が出るということは、いまの答弁で、福祉はお粗末にしません、低福祉ではやりません、こういうことをおっしゃっていただいても、どうもはいそうですかという納得は、これはだれが聞いてもできない問題だろうと思うんです。いまの問題はひとつもう一度わかるように、この数字の上で二・一九倍になるんだけれども、こういうことでこうなって、この税金ちょうだいする二・三四倍よりは五十五年度には多くなりますよと、こういうことをひとつ数字を具体的に挙げて説明をしてください。
○政府委員(岩田幸基君) 財政収支は、国民所得統計と同じような書き方をしてございますんですが、税及び税外負担と申しますのは、国民の方から税金とかで財政に入ってくる収入でございます。これは御指摘のように、五十年から五十五年までに二・三四倍ですか、年率にして一八・八%ずつふえるわけでございます。
 その税金を今度は政府の支出としてどう使うかと申しますと、政府はそれを一方では個人への移転という形で――政府から個人への移転所得と申しますのは、たとえば生活保護でございますとか社会保障でございますとか、そういう直接所得の形で個人に返るお金でございます。そのほかに、福祉関係といたしましては政府の資本形成というものがございます。
 この政府の資本形成と申しますのは、道路をつくりましたりあるいは住宅をつくりましたり、あるいは環境衛生にお金を使いましたり、あるいは学校をつくりましたりというような、政府が直接いろいろの資本のために支出するお金でございます。その政府の資本支出の中に住宅とか学校とか、あるいは病院とかというようなものが含まれるわけでございますので、政府から国民に返っていくお金としては、そういうものを全部ひっくるめませんと計算はできないということでございます。したがって移転所得と申しますのは、単に生活保護とか社会保障という形で、お金の形で個人に返っていくものだけを移転所得と申しているわけでございます。したがいまして、先生御指導のような、政府が税金で取ったものを国民にどういう形で還元するかというのは、一方ではそういう生活保障とかいう形で還元すると同時に、学校をつくったり病院をつくったりという形でも還元をされているわけでございます。ですから、この二つだけではちょっと説明、比較ができないのではないかと思います。
○大塚喬君 どうも納得できませんが、別な機会に譲ることにして、最後に食糧自給率と農政の問題についてお尋ねをいたします。
 最近、世界的に人口の増加、食糧危機が叫ばれておる中で、この計画では四十九年度の食用農産物総合自給率を七二%、六十年度には七五%まで高めようという指標を掲げてございます。
 一方、就業構造の中で第一次産業就業者の割合は、五十年度一二・七%、これに対して五十五年度は一〇・一%になっておるわけであります。低下をいたしております。これについて、食糧自給率の向上、農業人口の減少、そしてわが国の農業の置かれておる狭隘な耕地面積、こういう問題からしまする二律背反的なジレンマ、こういうものが存在すると思うわけでありますが、これをどのようにして一体解決をしようとするのか、そこのところをひとつお聞かせをいただきたいと思います。
 それからまた、計画の中では第一次産業就業者の低下を既定の事実のように容認をしておられる。国民の農業離れをこれは容認をしておる、こういうことの証拠ではないかと思うわけでありますが、この点についてどうお考えになっておるのか。食糧問題は国民の生存権を守る、こういうものであり、これについてこの計画をお立てになった経済企画庁としては、どういうそのための計画をまとめておられるのか、そこのところを一括してお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(福田赳夫君) 食糧問題は、これは長期展望してみると、わが国としては非常に重大な問題としてとらえておるわけであります。
 主要の穀物をとってみましても、たとえば小麦なんというのは、この十五カ年の間に大変な自給率の低下を来しておる。また、大豆なんかも同様の状態でありますが、やはり長期展望を踏まえますと、いままでのようなそういう主要穀物、また食用農作物の自給率低下の傾向、これをほうっておきますとさらに低下するおそれがある。これをどうしても食いとめなければいかぬ。同時に、自給率を引き上げるという考え方をいまにして取り入れなければならない、そういうふうに考えておりまして、食用農作物の自給率は、いま現時点では七二%ぐらいになっているんです。この十カ年間では何とかして七五%までは持っていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
 そういう中で矛盾がありますのは、一つは米なんです。米だけは、これはもう一〇〇%以上の自給率。そこで生産調整をしなきゃならぬ、こういう問題があるわけなんですが、やはり米の消費、需要の増大、これは農業政策の非常に大きなかなめとして推し進めていかなきゃならぬだろう、こういうふうに思いまして、何とかしてそういう方向に思い切った施策をとりたい、こういうふうに考えておりますが、何としてもそういう前提としては、農業が引き合う農業だというふうにする必要があると思うんです。
 それにはやっぱり個々の農家の生産性の向上、これが基本にならなきゃならぬ。そうなりますれば多少いままでと違いまして、農業従事人口、これは急速に高度成長期には減ったわけでございまするけれども、さらに生産性の向上諸施策を講じますれば、多少の減少がありましても七五%自給率の達成ということは可能である、こういうふうに考えまして、とにかく生産性の向上、この諸施策を充実していきたい、こういうので、先ほど大塚さんからお話のありました公共投資につきましても、一般のものは抑えぎみ、特に道路費、これは抑えるわけです。しかし、そういう中におきましても、直接いわゆる生活関連ではございませんけれども、農業基盤の増強、そういうことにつきましては、いままでよりは財政上の支出配分をふやしていく、そしてその目的を達成いたしたい、こういうふうに考えております。
○大塚喬君 私の質問でまだ答弁が残っておるところがある。
○国務大臣(福田赳夫君) 何でしたかな。
○大塚喬君 私の申し上げたのは、いま福田副総理からの答弁をいただいたこともその質問の中に入っておりましたが、第一次産業の就業者の低下を既定のごとく容認をしておって、国民の農業離れ、これも是認するという、こういうことでこの計画がなされておるわけですが、そこのところは一体食糧自給ということと、いま福田さんからもお答えがございましたが、具体的にどうするのか。そこのところをひとつお聞かせいただきたい。
○政府委員(柳井昭司君) 先生からお話のありました第一次産業の就業人口につきましては、五十年から五十五年につきまして六十五万八千から五十五万人に減少するということで、大体農業の就業人口につきまして三%程度の減少を見込んでおるわけでございます。従来はやはりこれが五%なり六%という形でかなり高いものが来たわけでございますが、われわれが今後の計画をする際におきましては、農業におきまして農業の生産の中心を担うところのいわゆる専業的な農家、こういうものを育成していく必要があるというふうに考えまして、これに対するところのいろんな措置を講ずる、こういうようなこと等も考えまして、今後は大体全体といたしまして三%程度の減少にとどめて、生産性の向上を図って、自給率を七二%から七五%へ高めてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございまして、従来どおりの趨勢よりはやはり低目の数字というものをこの計画では考えておるわけでございます。
○大塚喬君 結構です。
○和田静夫君 何か与党の関係で時間が制限をされたましたので、ちょっと他から答弁者が見えているところを先にやらしてもらいますから。
 それは、七月二十一日の本委員会における大蔵大臣と私のやりとりの後始末の問題で少しまず質問をいたしたいのであります。
 きょう、各紙が二億円の不正融資という形で、大阪、預金高全国一の弘容信用組合の事件が大きく報道されています。そこで、時間もありませんが、この二億円という金額を中心として簡単にちょっと報告を、まず検察から求めたいと思います。
○説明員(吉田淳一君) 御指摘の点は、昨十九日、大阪地検におきまして、信用組合弘容の不正融資事件に関連いたしまして、弘容本店等五カ所を押収捜索した件でありますが、その被疑事実の要点は、永大建設という会社の社長らが共謀の上、昭和五十一年の一月下旬ごろから六月末日ごろまでの間に、この弘容から永大建設の会社に対して当座貸し越しの方法で無担保で融資をいたしまして、二億三千九百万円余を焦げつかせて回収不能に至らしめた、そのためにこの弘容につきまして同額の損害を与えたという背任容疑によりまして、関係個所の押収捜索を行っておるわけでございます。何せ、昨日大阪地検におきまして本格的にそのような捜査が始まった段階でございますので、その金額の使途等につきましては、これから鋭意捜査を行うということでございますので、御了解いただきたいと思います。
○和田静夫君 私は七月二十一日の本委員会で、自由民主党の衆議院議員前田治一郎さんが経営される実業信用組合の経理のずさんさを指摘をいたしました。私は、この実業信用組合の問題というのは、いま御報告があった弘容信用組合の問題どころでは、実はけさ新聞を読みながら、ないと思うんです。私の決算委員会での質問について、大蔵省は非常に努力をされていますから、その推移を見守るつもりでいましたが、当の前田衆議院議員が八月二十二日付の「日本金融通信」という新聞で、国会で問題になったのは云々と述べながら、質問の内容は事実とは違っている、しかもかなり違っていた、こう述べたのであります。こうなってきますと私は、決算委員会で述べっぱなしということになりませんので、きょう改めてこの問題を追及をせざるを得ません。
 果たしてこの前の私の質問の内容は事実とかなり違っていたのでしょうか。違っていたとするならば、どういう点が違っていたのでしょうか。何か私が事実に反することを公のこの場所で述べて、取りつけ騒ぎでも起こそうとしたかのような感覚を与える、こういう組合長のあり方、理事長のあり方、これは、実業信用組合の経理内容についてはすでに十分御承知のはずの大蔵省が、この前田氏の言い方についていささかでもこれ了とされるところがありますか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(後藤達太君) 最初に、金融機関の内容等に関します私どもの御説明につきまして、一般的に御了解を得たいことがございます。
 金融機関の内容がどうであるか、経営内容あるいは資産内容がどういう状態にあるかということを私ども公式に申し上げますことは、預金者あるいは融資先に、いろいろな場面に不安を与えるというおそれもございますので、大変恐縮でございますが、差し控えさせていただいておるところでございます。
 つきましては、この実業信用組合問題につきまして、先般先生から大変重要な点にわたりまして具体的な御指摘をちょうだいいたしました。いまそれが誤っておったかどうかというお尋ねでございますが、この点につきましては、私からそれがここが事実でないとか、ここが事実でございましたとか申し上げますことは、やはり信用組合の内容につきまして公表することになりまして、なかなか取引先、預金者の不安という懸念も予想されますので、ここのところは、大変恐縮でございますけれども、具体的な御答弁を御容赦をお願い申し上げたいと存ずる次第でございます。
 ただ、つけ加えさせていただきますが、先生がこの前いろいろ御指摘になりました点につきましては、その後さらに大阪府の方から具体的にいろいろ報告を私ども徴しております。特にこういう本委員会の席におきまして、非常にいま先生が言われましたような御意図で指摘されるとは、もちろん私ども思っておりません。大変信用組合の内容を向上させるためにという角度からの御指摘であったというふうに私ども銘記をいたしております。その点を十分頭に置きまして大阪府に対しまして連絡をとりまして、是正すべきところの改善指導、これには今後遺憾のないように対処をして努力をいたしておるつもりでございます。
 それから、もう一つ念のためにつけ加えさせていただきますが、前田先生がどこでどういうふうにおっしゃいましたか私直接伺っておりませんので、具体的な論評を申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じますけれども、一般的に申しまして、金融機関の責任者である立場の人が、その金融機関の内容その他具体的な取引等に関しまして発言される場合には、よほど慎重でなければならないと考えております。したがいまして、そういう意向も大阪府の方へは連絡を申し上げまして、今後の経営改善を大阪府が指導されるにつきまして頭に置いていただきますように、お願いを申しておる次第でございます。
○和田静夫君 私の指摘が事実とかなり違っていたと言われた以上、私が指摘した項の一つ一つについて事実確認を実はしていきたいところです。しかし、いま銀行局長が述べられるような立場、大蔵省としてこうした問題についてこの場で明快な答弁がしにくいことでありましょう。したがって、個々の細かなことについて再度質問をしていくことはやめますが、しかし、朝日工業関係の焦げつき十七件、二十五億五千四百五十八万円、理事会の承認を得ていない理事に対する貸し出し、中小企業等協同組合法三十九条違反の問題、四十九年末に期日到来の手形で交換未呈示のものがあった、無稟議の貸出金があった、基本取引約定書のないものがあった、分割貸出金があった、不祥事件による貸出金があった、過当な両建て貸出金があった、担保差し入れ証のないもの、不備なもの、担保預金証書の裏印漏れのものがあった、仮払いの分類もあった、この事実関係については、すでに私は大蔵省から心証を得ているところでありますから、ここでさらに追及をしようとは思いません。
 私は、少なくとも四十九年末の時点の数字として指摘をした基本的な事実、貸出金のうち分類貸出金が三十八億八千三百五十二万五千円、三カ月以上の延滞貸出金が二十六億二千六百九十二万六千円、総貸出金の五四・七%が不良貸し出しであるという事実、現在なお約百億円ある貸出金のうち約五十億円が不良貸し出しであって、三十八億円を超える焦げつきがあるという事実、この基本的な事実に私は誤りがないと思うし、ここでこの誤りがないということだけは答えられますね。そういう答えはできませんか。
○政府委員(後藤達太君) 大変同じようなことを申し上げて恐縮でございますが、ただいま先生御指摘のいろいろな事実、特に資産内容、分類、延滞の貸し出し、貸付金の額等は、私ども検査によりまして初めて実態を掌握する事実でございます。したがいまして、これがそうであったかないかを申し上げますことは、検査内容で申し上げるということに端的に申せばなるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、先生の御指摘の点について私ども大変重視をいたしまして、いろいろ所要の改善措置については大阪府と相談をしておるところでございますけれども、この事実がそうであったかなかったかということについての答弁は、まことに恐縮でございますけれども、お許しをいただきたいと存じます。
○和田静夫君 大蔵省として一つ一つの事実関係について明快な御答弁ができない。なぜできないかというのは、この事実を大蔵省の口で認めるならば、わが国金融史上でもそう例を見ない一金融機関の焦げつき額が表に出ることになる。きわめて重大な事態が現出しかねないという配慮だろう。私はその立場を了解します。しかし、私が述べたことについて積極的な否定がない以上は、私の指摘がまさしく正しいということは暗に肯定をされたし、いまの御説明の中にも大変重視をして改善策を相談をされるという立場でありますから、私が指摘をしている事実関係は存在をする。
 そこで、私の手元には二十五億五千四百五十八万六千円という数字があるが、前田治一郎氏自身当初の貸し出しが十七、八億円であることを認められています。延滞利子をプラスして、現時点では二十五億円を超える額になっていることは当然考えられるところでありますが、前田さんは、いま言いました十月四日付の「日本金融通信」紙上でこう言っているんです。「朝日工業に対する貸付け(十七〜八億円)は私が決裁した。これにはトーメン、大林組がからんでかなり有望視されたため、大阪空港の泉州沖への移転問題で、海を埋め立てるための土砂が必要であり、これに朝日工業が関係していたことから融資したものだ。現在は土砂採掘権だけで担保にならないが、新空港工事が始まれば延滞利息までつけて返済できる。五年以内には解決すると思う。」。
 そこで運輸省にお尋ねいたしますが、大阪の新国際空港建設に絡む埋め立てのための土砂、この採掘権が担保になって朝日工業という会社に二十数億円に上る融資がなされておりますが、大阪空港の建設問題というのは、海を埋め立てるための土砂をどこからどういう権利で持ってくるかといった点まですでに決まって、そういう進展を見せている、こういうことなんですか。
○説明員(梶原清君) 一昨年の八月に、航空審議会から関西国際空港を泉州沖に建設することが望ましいという答申をいただいておるわけでございますが、私ども環境影響評価等を鋭意実行すべく努力をいたしておるところでございます。
 この関西国際空港をどのような工法でやるか、埋め立て工法をとるか桟橋工法をとるか等につきましては、これからの調査の対象でございまして、環境アセスメントの一環としてこれから実施するものでございます。埋め立て工法をとるかどうか、また、埋め立て工法をとる場合にどこから埋め立て土砂を採取するか等につきましては、現在のところこれからの問題でございますので、まだ決まってはおりません。
○和田静夫君 したがって、前田前理事長が述べていることは、そこでも大変なうそがある、ごまかしがあるということが明らかであります。
 法務省にお尋ねをいたしますが、法務省は去る七月二十一日のこの委員会で、大阪地検がこの朝日工業関係で、実業信用組合に不正貸し出しが行われたのではないかということで内偵の捜査を行ったことをお認めになりましたが、私の調査によりますと、実業信用組合には確かに不正貸し出しがあった、大阪地検は家宅捜査の令状まで用意をされた、部課長クラスはいつでも逮捕できるところまでいっていたとまあ伝えられるんですが、そうではありませんか。
○説明員(吉田淳一君) お尋ねの点につきましては、私、ここの委員会に出席する前に検察庁の方へ十分照会するいとまがございませんでしたので、その後どういう扱いになっているか、いま全く承知してはおりませんので、必要であれば後日また御連絡申し上げたいと思いますが、本日は私は事情を知りませんのでお答えできません。
○和田静夫君 それで実業信用についても、冒頭御報告がありました弘容信用同様捜査をお進めになるつもりがございますか、この間からの論議をお聞きになっていて。
○説明員(吉田淳一君) 当委員会の御質問の趣旨、状況につきまして、大阪地検にその旨を連絡したいと思います。
○和田静夫君 大阪府が実業信用組合の経理立て直しを図るために、約三億円の融資を内定した。一方、親機関である全国信用組合連合会に約六億円、大阪府の指定金融機関である大和銀行に約三億円の融資を要請したと言われていますが、これは本当ですか。
○政府委員(後藤達太君) ことしの九月に大阪府の方から全信組連等に対しまして、実業信用組合の経営基盤を強化するため必要であるというところから、そのような御要請が参っているというふうに伺っております。
○和田静夫君 私は、大阪府がみずからあるいは他の金融機関に要請して、そういう救済措置に出ること自体にとやかく言うつもりはもちろんありません。預金者保護という立場からそれは当然なことでもまたありましょう。しかし問題は、これだけ穴をあけた金融機関の責任者に十分なる責任をとらせた上でなすべきことをなすことが必要だろうと思うんですね。そういうことを十分行わないで、ただやみくもに救済するというのでは、これは言葉は悪いがまさにどろぼうに追い銭であります。
 昨年十月、私の郷里石川県商工信用組合が、放漫経営に起因した分類債権増大が原因となって行き詰まりました。やはり石川県全国信用組合連合会金沢信用金庫が協力して救済しておりますが、その際条件となったことは何であったかということを考えてみますと、信用組合の常勤役員は私財処分の上焦げつき融資を弁済すること、二番目は、非常勤役員は全員で一億円を限度に資産を処分して、焦げつき融資の弁済に充てること、三番目は、現役員は理事長を非常勤理事として、残る八名全員は総辞職する、こういう厳しい措置がとられているのであります。実業信用組合の場合、石川県商工信用組合の場合より状態がもっと悪いわけなんです。一体実業信用組合の役員たちはどういう責任をとろうとしているのか。府は救済措置に出るに当たって、どういう責任のとらせ方をしようとしているのか。これは大蔵省、どうなんですか。
○政府委員(後藤達太君) 金融機関の経営陣が、特にこういう金融機関に対する社会的な責任が重い、こういう情勢の中では、非常にその責任を厳粛に考えられるべきものであるということは御指摘のとおりであろうと思うんです。具体的に本件につきまして、経営当事者がどういうふうに考えておられるかということは、詳細私伺っておりませんのでございますが、大阪府におかれましては、いま内容に是正すべきところがあればそれを是正するということが、やり一番当面の重要な事項であるということで、鋭意努力をしておられるわけでございまして、その推移に応じまして責任の所在を将来明らかにされるということは当然考えておられるところであろうかと存じますが、事はそういう人事ということに相なりますると、どういうふうに具体的に考えておられますか、私十分承知はいたしておりません。しかし、基本的にはやはり金融機関の経営者の責任というのは大変重いものであるという前提で、今後、具体的にどう対処されるかということをお考えになっているものと理解をいたしております。
○和田静夫君 その理解とずいぶん違う事実関係が、いろいろ文書が出たりしています。もう時間がありませんからそれは深追いしませんが、前田治一郎さんが代表理事たることを辞任したと言われる。だが依然として組合長理事であります。前田氏には、代表理事並びに全国団体の役を辞任するに当たってということで、これは大蔵省にも当然あいさつ状が行ったと思うんですが、代表理事の資格は無用の長物と私自身考えておりましたと書いているんです。そして、衆議院選挙が近くなってきたから云々、こうなっているわけです。みずから無用の長物と考えていた役をおりただけで、それが十分な責任のとり方と言えるでありましょうか。大阪府が実業信用組合の救済に乗り出すというのであれば、役員の資産処分による弁済、前田治一郎組合長の組合長辞任というこの二つは最低の私は条件だと思う、さっきの石川県の例から言っても。これは大蔵省、そういう行政指導をするおつもりはございませんか。
○政府委員(後藤達太君) 問題が起こりました場合の金融機関の経営陣の責任のあり方につきましては、一般的に私先ほど申し上げましたように考えておるところでございますが、具体的ケースに即しまして具体的にどういう措置をとられるかということにつきましては、その事情事情に応じ、経営の当事者なりあるいは直接監督をしておられます大阪府なりが、ケース・バイ・ケースに金融機関のあり方としてどれが適当であるかという角度から御判断になるものと存じます。したがいまして、私どもの方からそういう具体的な点について行政指導をするとか、こういう立場ではない、かと考えております。
○和田静夫君 そこで自治大臣に伺いますが、この前田治一郎氏を初めとする実業信用組合の役員の責任のとり方がきわめて不十分なものである。――以上です。大阪府が救済措置にいま直ちに、実態調査もやらずに乗り出すということはやめるべきだと実は考えています。ただやみくもに救済しようという態度というのは、かえって将来に禍根を残すことになるのではないだろうか。しかもこの救済の内容の中には、府民の血税の一部を、直接であれ間接であれ融資しようということも入っているわけです。どうですか、こういう態度はやっぱり当面改めさせる必要があると思いますが、大臣、いかがです。
○政府委員(山本悟君) ただいまの大阪の信用組合の関係の問題でございますが、御案内のとおり、自治省といたしましては直接的な指揮監督権を持っている事項ではないわけでございまして、それぞれ主務省の方におかれましてこれらの問題につきましては御判断をいただき、御指導を賜る、かように存じている次第でございます。
 そういう内容でございますので、ただいま御質問のように、府がとれに対しましていかなる措置をとるか、また、それが財政的にどういうような問題をとるのか、まだつまびらかにいたしてないところでございます。そういう立場でございますので、直ちに御返事を申し上げるということはいささか困難なところでございますので、御了承を賜りたいと存じます。
○和田静夫君 自治省にとってはこの問題というのはこの委員会初めてです。大蔵省とのやりとり、法務省その他とのやりとりというのはもう二回目のわけですね。ここの事実関係というのはやっぱり自治省の側としても、自治体の諸問題について広く知り指導をする立場に一面ではある以上、よくここのところを調査をしてもらいたいと思うんです。
 私はもう一つ実は、どこから聞いたということは言いませんが、権威あるところから私のところへこの前の委員会以降いろいろ報告あるものの中で、実はこれ以上前田治一郎氏の責任をとらせようとすると、前田氏が自民党の代議士というところから地域の政治問題に巻き込まれるということになる、そこで府はそこに巻き込まれたくない、そのことが理由で云々と、こうあるんです。まさに中立的に行われるべき行政指導に地域の政治状況を考慮逡巡するそういう態度というのは、これはもう一般論でいいですが、自治大臣、見解を一遍求めておきたいんです。
○国務大臣(天野公義君) ただいまお話のありましたように、政治的に偏向するということは好ましいことではないわけでございまして、都道府県の行政が公正に行われるように今後とも指導をしてまいりたいと思う次第でございます。
 なお、金融の問題につきましては、直接所管事項ではございませんけれども、都道府県が監督するというような協同組合のたてまえもありますので、今後関心を持ちながら研究してまいりたいと思っております。
○和田静夫君 自治大臣、どうもありがとうございました、もう結構です。
 ともあれ大蔵省、前田さんはやはり「日本金融通信」で、いまさしあたって資金の必要はないと言っているのですよ。ないと言い切っているのです。そうして、いいですか、ここで、専務らに大阪府や全信組連から資金預託の話を持ち込んでくれているが、コマーシャルベースで考えれば、預託金の受け入れの方が借り入れよりもいいなどとうそぶいているのです。言ってみれば、自分の方は資金は要らないのだが、大阪府などが資金預託の話を持ち込んでくれているので話に乗ってやっているだけなんだと。こんななめられた話が一体あるんでしょうか。
 したがって私は、当面とめるべきだとこう言ったのは、この発言があるからなのでありまして、求めていないんですよ。そうして、事実関係として不正融資その他のものは私が指摘したとおり厳然としてある。大変な経営の状態にある。金融機関の経営者の姿勢としては、もうとことん間違っていることはこの事実でも明らかですね、この一言で。経営者が大きな焦げつきをつくった責任をとるどころか、たてまえ上も経営者の非が認められないまま救済の資金が投入されようとしている。これは問題ですよ。もう一度関係のところと話し合って、十分な調整を試みるなどの措置が必要だと思うんですが、いかがです。
○政府委員(後藤達太君) 先ほど御指摘のございました全信組連その他から、まだ最終的には細部確定していないようではございますけれども、資金等の援助と申しますか、経営基盤強化のための金が出ると、こういうようなことを府が要請されましたのは、一に預金者とか、あるいは融資先に対する万全の措置という御配慮であったと伺っております。これは経営者がどういうことであれ、やはり監督の第一次責任者である府とされましては、預金者なり融資先のことを第一に考えられた所要の措置であったと私どもも存じております。したがいまして、今後のいろいろ御指摘のございました諸点につきましては私どももよく十分頭に入れまして、今後ともこの信用組合自体あるいは信用組合を通ずる会員、預金者、そういう方々がやはり一番いい方向に向かうように最善の努力をいたすということかと存じます。そういう諸点につきまして、大阪府とも今後とも十分連絡をとりまして、今後の基盤強化等々につきましては遺憾のないように最善を尽くしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○和田静夫君 法務省と大蔵省、もう……。どうもありがとうございました。
 そこで、経企庁長官、副総理に戻るのですが、先ほど冒頭に総裁、総理への道という論議がありましたが、私は福田総理が実現をした場合に、いろいろのことを考えてみたんですが、一番気にかかるのは、福田総理のもとで日韓関係がどうなるんだろうかという点であります。いま韓国は高度成長に入ろうとしていると言われておりますが、一方わが国は低成長期に入っておる。しかも、あなたはかねてから安定成長論者である。こういう時期での日韓経済協力をどうあるべきと考え、どう進めていくおつもりなのか、まずひとつお聞きしたいんです。
○国務大臣(福田赳夫君) さしあたって私は、日韓関係にこれといって態度を変えるというようなことを考えておりません。日韓関係は特に経済協力問題なんかありますが、これはやはり隣邦といたしまして必要があるというそのケース、ケースに応じまして日韓両国相談いたしまして、日本側から御協力申し上げるという必要があるなあという案件については、その都度判断していったらよかろうじゃないか。とにかく一衣帯水の隣国でありますから、友好親善の基本基調は、これは堅持していかなきゃならぬ、さように考えております。
○和田静夫君 総選挙が近づいてきたせいかどうかわかりませんが、最近急に物価調整減税について三木総理周辺で議論されるようになりました。単に体裁のよい議論というばかりではなくて、もう時間が非常に制約されたから、前段いろいろ述べたかったんでありますが、実質賃金が低下をして個人消費支出が伸びないということを考えてみましても、物価調整減税は私は必要だと思います。その方法というのは、仮に期限を限ったスポット的なものであってもぜひ必要だというふうにわれわれは考えていますけれども、これは自由民主党の総選挙政策の中には入れろと三木総裁は言う。大蔵省は困るという。何かまだ最終決定がなされぬような状態でありますが、副総裁はどうお考えになっておりますか。
○国務大臣(福田赳夫君) 減税というお話ですが、これは所得税減税のお話ですね。これは二つの観点からいまそういう議論があって、一つは景気ですね。景気対策の見地から減税をしたらどうだ、こういう問題。それからもう一つは、物価が上がった、それに対して調整をしたらどうだろう、それを減税によってやるんだ、こういうような二つの見地から言われておりますが、景気対策の見地から所得税減税をする必要は私は認めません。これは減税をすると財源が要る。その同じ財源があって景気対策といえば、減税じゃなくてこれは全国にわたって公共投資をする、こういう方がかなり有効である。こういうふうに考えておりますが、いまとにかく景気対策を特にとるというような状態では日本経済はない、こういうふうに考えますので、景気減税という問題は私はいま問題外だ、こういうふうに思います。
 それから、一般の所得税減税につきましては、私は二つに事を分けてみたいと思うんですが、一つは一般の所得税減税、こういう問題です。それからもう一つは、一般の減税じゃないけれども、特殊の事情に基づいて部分的に所得税減税をしたらどうか、こういう問題、この二つに分けて考えたいんです。
 一般的な減税、これは先ほど大塚さんにもお答えをしたんですが、これから先を展望してみますと、国家財政の需要がどんどん要るんです。しかも御承知のように、いま七兆円の公債を出しているという状態でありますので、とても一般減税というようなことはちょっと考えられない、こういうふうに思います。
 ただ、たとえば福祉のための部分的な減税でありますとか、あるいは教育のための部分的減税でありますとか、あるいは物価が上がった、先ほど申し上げた物価調整、そういう意味での減税、こういう個々の部分的な特別な意味を持った減税、こういうことになりますと、私は財源の状況等によりましては考え得る問題である、こういうふうに考えておるんです。
 五十二年度の問題といたしますと、これは財政が依然として多額の赤字公債を出さなければならぬというような状態で、なかなか一般減税も特別減税も困難な状態であろう、こういうふうに一応考えておりますが、しかし、財政の都合がこれを許せばというような考え方も頭の中を去来しておるわけでありまして、これから財政の事情等十分にらみ合わせて最終的な結論を得べきものだ、かように考えております。
○和田静夫君 社会党の持ち時間が来てしまって十分な論議ができなくて残念なんですが、もう一問聞きたいのは、中期見通しについてちょっとお聞きしたいんですが、先ほどからもずっと言われておるように、物価を中心に考えてこられた経済運営、これを今後何を指標にしていくのか、どうも明確でないように思うんです。何を基本に経済運営をされていくのであろうか、物価はいまのところ、言われるようにやや小康状態にあるとしても、低成長時代においては物価上昇要因はどういうふうに働くのでしょうか。ことし、来年あたりは大丈夫だとたとえば言われるとしても、その先物価の動きというのは構造的にどうなんですか、大丈夫なんですか、どういう見通しなんですか。次の政権を担当されようという決意がある以上は……。
○国務大臣(福田赳夫君) 物価を動かす要因、これは二つあるのです。一つはコスト要因ですね。一つは需給の要因でございます。コストの中で大きな要素は、これはやっぱり原材料、それから人件費、そういうことになりましょうが、原材料費なんかにつきましては国際経済の情勢に非常に左右されるわけでございますが、人件費、これはいわゆるベースアップなんかがどうなるか、そういうようなことに影響されるわけです。
 それから需給の要素は、これは政府の施策にかなり影響されます。つまり、政府が国全体の経済がバランスとれるような状態に置くか置かないか、それからさらに、その中で個別の物資につきまして需給の調整をよくやっていくかいかないか、この政府の施策に負うところがかなり多いだろうというふうに思いますが、コストの要因につきましても、あるいは需給の要因につきましても、とにかく物価、これはかなりこれからの経済、社会を安定させる基本でございますので、働く皆さんなどの御協力も得まして、ぜひ安定した基調、そういうものが確立されるようにということを念願して政府の施策を進めていきたい、こういうふうに考えております。
○和田静夫君 最後に、五十年代前期経済計画を、ずっとあれしてみまして、一つだけちょっと聞いておきたいのは、高度成長路線を離れて新たな目標を模索する過渡期の苦しみということができる、こういうことになっている。過渡期の苦しみというのは、これは具体的に何ですか。
○国務大臣(福田赳夫君) まあ一番基本的には、これは国民全体が高度成長から安定成長に移行する、また移行させなければならないという理解の理解、理解の浸透だ、こういうふうに思います。これは特に経済に関係のある財界なんかの動向を見ておりますと、やはり夢よもう一度というような考え方があるのです。かなり安定成長でなければならぬという考え方は徹底はしてきておるものの、まだやっぱり甘い夢を夢見ておるというような状態もある。そういう国民的な、まだ移り変わりの過程において、しかし、急いで転換していかなければならぬのは国の姿勢です。その国の姿勢、やはり国民的背景というものを持たなければ、これは十分にその効果を発揮いたしませんから、その辺に一番大きな悩みがあると思うのです。しかしまた、経済界がそういう姿勢転換ができますれば、企業におきましてはいままでのような、つくりましょう、使いましょう、いわゆる生産増強第一主義、そういうような考え方から合理的経営に徹しなければならぬ、こういうようなことになっていくわけでございますが、それもまだ移り変わりの過程にある。
 それから、財界ばかりじゃありません。政府、地方団体におきましても、これはいままでのような状態じゃとてもやっていけないのです。それをかなり変わった状態で運営しなきゃならぬということになりますので、その移り変わりの悩み、また過程もそうだろうと思うんですが、そういう移り変わり、非常に根本的な基本的な移り変わりでありますので、それにどうやって対処していくかということが国民各界各層にある、そういうことじゃないか、かように考えております。
○峯山昭範君 きょうはいろいろな角度からお伺いしたいと思います。
 初めに、副総理にお伺いしたいと思います。
 このロッキード事件ですけれども、この問題非常にいま大詰めになっているわけです。ロッキード事件について副総理はいろんなところで何回か発言しておりますが、私は、きょうはこの問題について二、三、将来のこともありますのでお伺いしておきたいと思います。
 ロッキード事件のこの問題は大詰めに来ているわけですが、従来から何回か確認をされていることなんですけれども、われわれ国会は、政治的、道義的責任というのをやっぱり国会の場で明らかにしていかなきゃいけない、これが要するに国会の私たちの大きな使命である、こういうふうに考えております。
 そこで、政治的、道義的責任を明らかにする一つの要因として選挙というのがあるわけです。われわれ国会議員の場合は、どうしても選挙によって政治的、道義的責任を結局問われるわけです。選挙がなくなってしまうとその政治的、道義的責任というものの意味が半減してしまうというのは確かだと私は思うんです。そういうふうな意味で、今回のこのロッキード事件というのは政治的、道義的責任を徹底的に追及されなきやならないと私は思うんですけれども、副総理はこの点についてはどうお考えですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 政治的、道義的責任はもとより徹底追及、これは必要があると思いますが、これは政府というか検察当局の職務のらち外の問題だと思うんです。やはり国会が解明に当たらなきゃならぬ、政府はそれに対してできる限りの御協力を申し上げる、こういう立場だと思います。
 しかし、一般に政治的、道義的責任問題ということは言われていますが、そういう事件的な意味における政治的、道義的責任という問題のほかに、やっぱりこういう事件を引き起こした背景というか、根源といいますか、そういう角度の政治的責任、道義的責任問題、これも私はこの機会に深く反省され、また、その反省の上に立って改革というものが行われてしかるべきだ、こういうふうに考えてます。
○峯山昭範君 私も大臣の御意見に賛成なんです。私もそう考えているわけです。
 そこで大臣、きょうは総理も、衆参のロッキードの委員会では特に灰色高官の公表という問題について議論が行われるということになっているわけですけれども、この灰色高官の公表という問題については副総理、どうお考えですか。
○国務大臣(福田赳夫君) これは国政調査権の発動としてこの問題をお考えになるべきだ、こういうふうに思うんです。その国政調査権の発動として政府に資料の要求をする、政府はこれに対してお答えをする、また、できる限りの御協力を申し上げる、そういう基本的な考えの枠組みの中でこの問題は処理されるべきである、こういうふうに考えております。
○峯山昭範君 当然それは副総理、理論的にはそうでしょうね。しかし灰色高官という問題は、今回の事件を通じまして副総理がおっしゃるように、今回の事件の背景あるいはその根源を深く探って、その上に立って今回の事件を深く反省をして、そしてわれわれは政治的、道義的責任を追及し明らかにしていかなくちゃいけないという点から言いますと、やはり灰色高官の公表という問題は、これは副総理自身の個人的な見解で結構です。これは当然私は、もちろん国政調査権の要求もありましょうけれども、やはり灰色高官という問題は、結局は今回は少なくとも公表されるべきじゃないか、された方が将来のためにもいいんじゃないか、こう考えますけど、どうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 私はいま、基本的な私の考え方を申し述べましたが、具体的な問題になりますと、一体灰色高官というのは何だ、これはまあ問題があると思うのです。その灰色高官を国会においてどういうふうに範囲を規定するか、決定するか、そういう問題もあろうと思いますが、その御決定があり、政府にその資料を要求するということになりますれば、私は、政府はできる限りの御協力を申し上げるべきである、こういうふうに考えています。
 そのケース・バイ・ケースになりますと、私この内容は、この間法務大臣が国会において報告をいたした、それ以上のことは全然知らないんです。これは総理大臣は恐らく知っているだろうと思うのです。法務大臣はもとより知っているだろうと思いますがね。私ども全然あれ以上の内容については材料を持ちませんので、そのケース・バイ・ケースについてこの案件をどうするかということについては、なかなかいまこの場でお答えをすることは困難である、かように御了承を願います。
○峯山昭範君 これは確かにケース・バイ・ケースということもありましょうけれども、現実の問題として、われわれは灰色高官の範囲という問題についてはまだ国会の中で与野党の間で合意してないわけですね。合意はしておりませんが、最小限この間法務省から人数が公表になりましたですね。これは少なくともわれわれは本当はもっと広い範囲を考えているわけです。もっと広い範囲を考えているわけですが、最低限この間法務省が数を発表した分については、これは当然灰色高官の範疇に入る、こう考えます。灰色高官がどの範囲になるかという議論は別にしまして、これはやっぱり当然私は公表されるべきじゃないかと考えているわけですけれども、これはどうです。
○国務大臣(福田赳夫君) 国会が国政調査権の発動として政府に資料の要求をする、そういう際には、これは政府はできる限りの御協力をすべきである、こういうふうに考えます。ただ、ケース・バイ・ケースになりますと、私どもどんなケースの内容になっているのか、それは承知しないんです。ですから私の判断は申し上げかねる、こういうふうに申し上げているわけであります。
○峯山昭範君 この問題についてはそれじゃもう少しあれしますが、名前はもう全然知らないわけですか、この三名、全部五名、十三名ね、この名前については全く報告を聞いてないのか。それから、法務大臣からの報告はどういう報告を受けていらっしゃるのか、副総理は全く受けていらっしゃらないのか、総理だけは受けていらっしゃって、副総理としては受けていらっしゃらないのか、この点はどうか。それから私は、個々の問題とかそういう問題じゃなくて、やはりこの問題については国会から要求があれば政府は資料を提供する、これはもうそのとおりなんですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 第一に、私は名前は全然承知しておりませんです。それから国会から御要請があれば、政府は刑事訴訟法の関係とかありますよ、ありますが、できる限りの御協力をすべきである、こういうふうに考えます。
○峯山昭範君 それでは、副総理という立場よりも、これから先の立場で副総理にお伺いしますが、灰色高官の政治的、道義的責任という問題とあわせまして、自由民主党の次の選挙に対して、灰色高官という人たちが公認をされているという問題ですね、これはやっぱり重大な問題だ。片っ方で政治的、道義的責任を追及しながら、その片っ方で灰色高官と言われる人たちが結局党の公認として立候補するということは、非常に遺憾だと私は思うんです。これが第一点。
 それで、いやそうじゃないんだ、あれは灰色高官と言っているけれども、そういう人たちが灰色であるかどうかわからないんだ、こうおっしゃるかもしれませんけれども、それじゃ現実に灰色高官の人たちが公表された場合は、そういう人たちは公認を取り消すのかどうかという問題がありますね。こういう問題については基本的にどうお考えなのか、この点ちょっと一遍福田さんの御見解をお伺いしたい。
○国務大臣(福田赳夫君) いわゆる灰色高官ですね、この名前が全然まだわかっていないんです。そういう状態の中で、自由民主党としても公認のこの問題をどうするかなんと言っても、名前がわかっていないんだから取りつく島もないというような状態じゃなかろうか、こういうふうに思います。
 それじゃ、仮にそれが発表になった、こういうような場合におきましてどういう措置をするか、これは自由民主党としていろいろな対処の仕方は検討するであろう、こういうふうに考えますが、私はいま一議員でありまして、自由民主党のとるべき方策がどうであるかということを申し上げることはちょっと出過ぎたことでありますので、御遠慮させていただきます。
○峯山昭範君 いや、何も出過ぎたまねをどうこうと言っているわけじゃございませんでして、これは現実の問題として名前がわかっていない、こうおっしゃっておりますが、それは結構です。わかってなくて結構です。しかしわかった場合は、こういう人たちの公認についてはやっぱり検討する必要があるのかどうか。
 何で私はこんなことを言うかといいますと、福田さんはこれから、これからの問題は別にしましても、国会というところは、政治的、道義的責任の追及を徹底的にやっていくところなんだ、こういうような立場で、われわれと同じ一議員という立場であるならば、その政治的、道義的責任の徹底的追及をするが、この同僚が灰色高官ということで公認をされるということは、逆に言えば政府自民党、自由民主党は政治的、道義的責任は追及しないのかということにもなりかねないわけですね。そういうような意味では私は、当然この灰色高官の名前がわからない時点で公認するというのはやむを得ない、一歩下がって言いますと。しかし、わかった時点ではそれじゃ検討する用意があるのかどうか、そうすべきだと、その一議員である福田さんはそうお考えになりますか、ここら辺のところどうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は中身を全然承知しないんですが、法務大臣の国会に対する中間報告、あれを見ると、いろんなカテゴリーがあるようです。ですから、ケースによって考え方がいろいろ違ってくるんじゃないかと思うんです。
 何かあれは全日空ルートの問題ですね。あれはこの事件には関係ないんだ、関係ないんだが、盆暮れの何かをいただいた、こういうような人がどういう処遇を受けるかというようなことになると、これはかなり非常にデリケートな問題になってくるんじゃないんでしょうか。ですから問題は、ケース・バイ・ケースで判断するべき問題じゃないかというふうに考えておるんです。しかし、名前も私どもは承知しておりませんので、いわんやケースのその内容というものに知識がありませんので、どうもいまこの段階でお答えすることは非常にむずかしい、こういうふうに思います。
○峯山昭範君 私はどうも副総理のお考えがなかなかまだわからないんですが、まあしかし副総理ですけれども、現実の問題としまして、先ほど同僚議員の方からも質問がございましたように、当委員会が始まる前に、本日のこの委員会はあなたの御都合で時間を短縮してもらいたいということで、われわれ皆時間を短縮したわけです。それで政務次官の方は、よんどころない理由でとおっしゃいました。われわれもそれ以上そのよんどころない理由の中身をあれこれしょうとは思いませんけれども、現実の問題として先ほどからの答弁を聞いておりますと、何となくこれは愛想のない答弁なんですね。これではどうも納得できません。
 たとえば、十月三十一日に党大会が開かれる。党大会の問題については連日マスコミ機関で報道され、われわれの耳にも入ってきております。そうしますと、そういうような中であなたが党大会に総裁候補として立候補を考えているかどうか、こういう質問が先ほどもございました。ところが、現実の問題としていまの現時点では立候補は考えていない、こういう答弁でございました。しかし、現実の問題として日にちがもう迫っているわけですね。何か新聞の報道によりますと、大会の十日前には党則にのっとって総裁立候補届け出を出さなくちゃいけないということになっているらしいですね。そうしますと、やっぱりここら辺のところはきょうあしたで大体の決意はもうされるわけでしょう、御自身として。
○国務大臣(福田赳夫君) まあ十月三十一日のことですから、もう差し迫って問題を逐一決めていかなければならぬ、こういう段階に来ておるんでありますが、自由民主党の党則は、総裁選挙がある場合におきましては、十日前に立候補の届け出をするということになっておりますから、今度は非常に異例な事態なんです。まだ現総裁が、私はやめるんだと、こういうふうな意思表示をしておりません。そういう事態における異常なもろもろの案件をどういうふうに考えておるか、その辺非常にいろいろむずかしいことがあるんです。そういうようなことで私、歯切れの悪い答弁を申し上げておるわけでありますが、ただいまのところ、あした立候補届けをするのかしないのかということはまだ、そうなるかもしれませんよ、あるいはならないかもしれません。決めてはおらぬ、こういうことでございます。
○峯山昭範君 そうすると、それはそれで結構です。そうなるかもわからないというあれもあるわけですから、それはそれで結構ですが、現実の問題として、きょう午後開かれる会合には御出席をして、大体そこら辺で今後の見通しを決める、大体こういうふうにわれわれは受け取っているわけです。そういうことなんでしょう。
○国務大臣(福田赳夫君) きょう、午後二時から党の首脳の方々が集まるんです。そこでいろいろ論議をしますが、その論議の結果をあした、挙党協というのがあるのは御承知と思いますが、そこの総会に報告をする、こういうことになるんで、きょうの長老の方々の会談でどういうふうなことが決まるか、まだこれは流動的でございます。しかし、きょう午後二時からそういう会談が持たれる、こういうことは決まっておるわけでございます。
○峯山昭範君 それじゃこの問題については、もう一点だけお伺いしてこの問題切り上げたいと思います。
 結局、であるならば、これは多少仮定の問題が入りますが、もしそこで福田大臣が総裁候補として決定をして、ここで一応届けを出すということに決定した場合には、三木内閣の閣僚としての地位については、これは従来から言われておりますように、筋を通す意味からもやはり辞表提出ということになるんでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) いま申し上げた諸問題、お尋ねの諸問題は、これは自由民主党の党内問題なんです。閣内の問題じゃないんです。ですからこの党内問題が直ちに閣内の問題に直結してくる、こういうふうには私は考えておらぬわけでありますが、しかしそれにいたしましても、微妙な関係はあるということだけはもう申し上げるまでもないことでありまして、その微妙な関係があるが、しかし直接的な関係はない、こういう私の辞任問題ですね、これにつきましてはまだ慎重に考えていきたいというふうに考えておりまして、ただいまのところそういう考えは決めておらぬ、こういうふうに御理解願います。
○峯山昭範君 まあこの問題はこのくらいでおきます。確かにそうでないと、そうするんだなんということになってくると、これから質問しようと思っている質問がどうも納得のできない質問になってしまいますので。
 それでは本題に入ります。
 初めに、きょうは公共料金の問題についていろいろお伺いしたいと思います。特に公共料金ですね、私は非常に重大な問題であると考えているわけですけれども、特に初めに、ことしになってから公共料金が非常に上がりが激しいですね、ことしは。非常に国民も苦慮いたしておりますし、いろんな調査でも生活の苦しさがあらわれております。
 そこでお伺いしますが、特にことしは余りにも公共料金の値上がりがひどい。経済企画庁の資料によりましても、医療費がことしの四月には九・一%、それから後NHKの受信料が六月に上がりました。それから電気料金が九電力平均で二三・一%、暫定料金として二二・六%の値上がりです。それから消費者米価が一〇・二%、ことしの九月から。それから東京瓦斯が二一・三%、この十月からですが。こういうふうにメジロ押しに上がっておりますし、またこれだけじゃございませんでして、これから上がろうとしている国鉄の運賃、電報電話料金、こういうふうな公共料金の値上がりというものが非常に激しいわけです。国民生活を守るという立場から考えてみますと、これは非常に問題が多いと私は思っているわけですけれども、この問題について副総理、どうお考えですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 公共料金問題は非常に頭の痛い問題なんですが、わが国は石油ショックによりまして、世界どこの国にも見られないような深刻な影響を受けたわけです。ですから、その打撃というものはきわめて深刻、重大だったわけですが、特に問題は、あのショックから日本が本格的なインフレ化の状態に移ろうかという状態だったわけです。そうさしてはならぬというので、公共料金につきましては原則として抑制政策をとったわけです。そこでそのしわ寄せというか、それが今日各方面に出てきておる。しかし、この状態をほっておくわけにはいかぬ、ほっておくと国鉄や電電に見られるような事態にその他の企業においても陥ってしまう、こういうことになりまするので、そこでインフレの基調もやや落ちついてきておりますので、この際これを改定をするということを考えたわけです。しかし、これを一挙大幅にやるということにしたら、またそれが物価問題に衝撃となる。そこで大体五十年、五十一年、五十二年、この三カ年に主要な公共料金について改定をしたい、こういうことを考えたわけであります。
 ことしそういう考え方のもとに、ただいま峯山さんの御指摘のような各種の公共料金の改定が行われるのですが、去年もたくさんあったわけです。去年は酒、たばこ、郵便料金、それから私鉄でありますとかいろいろなものがありまして、これをパーセントで言いますと消費者物価に実に二・八%影響した、こういうふうに考えられるわけです。ことしは引き続いて電電の料金、それから国鉄の運賃、いろいろな公共料金の引き上げがありますが、しかし、去年よりは私は全体としてはなだらかにしたい、こういうふうに考えておるのであります。その全体を積み上げましても大体二%強と言っているのですが、切り上げて二・二%になる程度のものにしたい、こういうふうにいま考えておるのです。来年も多少苦しい年になりますが、その三カ年を経過するとかなり物価情勢は楽になる。しかし、公共料金改定問題はわが国全体としての経済、社会を安定させるために避けて通ることのできないことでありますので、まあ他の諸物価政策等気をつけながら、公共料金問題についてこの際そういう三カ年という考え方で処理していきたい、こういう考えであります。
○峯山昭範君 大臣そうおっしゃいますけど、どうも値上げの状況が非常に大幅なんですね。もう少し一考すべき余地があるんじゃないか、私はそう考えているわけです。実は私はきょうは、この質問する前にいろいろ勉強もさしていただいたわけですが、経済企画庁とは一体何をするところだと、実際。そういうふうな考えがどうしても浮かんでくるわけです。値上げの問題についても、これは値上げを促進するようなそういうことは全く私はないと思います。ないと思いますけれども、やはり値上げの指導――中身をずっと見ていますと、何となく値上げの問題について経済企画庁はどういうふうに取り組んでいるのかという問題について疑問を感じたわけです。
 これは大臣どうお考えですか、これだけ五十年、五十一年、五十二年と三年間ある特定の公共料金を上げなくちゃいけないと、大臣そうおっしゃっていますけれども、その幅にしたって何にしたって余りにも大幅過ぎやしないか。やはり経済企画庁として将来の見通しをがっちり立てて、そして国民生活を守るという立場からもう少し公共料金の値上げを、いま何といいましても、特に中小零細企業の皆さん方や庶民は生活が非常に苦しいわけです。たとえば賃上げの問題にしましても、これは後で具体的にやりますから具体的にいまは言いませんが、とにかく給料が上がっても、そのほかの公共料金の値上げや何やかんやで、要するに生活が実質マイナスになっている、そういう実情が現実にあるわけですね。そういうような観点から考えてみると経済企画庁、もうちょっと違う意味で考えなくちゃいけない面があるのじゃないか、そういうように思うのですが、これはどうなんですかね。
○国務大臣(福田赳夫君) その辺はずいぶん苦心をしておるのです。経済企画庁の最大の任務は長期、中期、また短期にわたって経済秩序の安定というところにあるわけなんです。一方において経済活動は活発にしなければならぬ、一方においては物価の安定を図らなければならぬ、そういう相矛盾するような二つの問題を同時に解決する。なかなか容易なことじゃないんですが、公共料金につきましては電電や国鉄につきましては料金、運賃、これは二倍に引き上げてくれと、大蔵省もそれに同調するわけです。
 まあしかし、企画庁といたしましてはそれはちょっと衝撃が強過ぎる、そこでとにかくことしと来年二年間にわたってその改定をいたしましょう、こういうことにしたわけでございますが、公共料金を上げないで済ませればそれに越したことはありませんよ。ありませんが、しかし公共料金を上げないで、一方において賃金は上がってくる。そういうようなことをしたら一体その企業の状態はどうなるんだろうか、今日の国鉄のような状態になっちゃ困るんですから。そこで、公共料金を改定いたしましても、それが国の中期、長期にわたる運営の秩序を乱さないようにということを本当に真剣に考えながら、この問題には取り組んでおるわけなんです。企画庁といたしまして、決して物価引き上げ政策を推進している、こういうようなことでありませんで、全く逆の立場であれやこれやと苦悩しておる、このように御了承願います。
○峯山昭範君 具体的にお伺いしていきますが、たとえば電気料金の値上げの問題については、経済企画庁はどういうふうに関与していらっしゃるわけですか。
○政府委員(喜多村治雄君) 電気料金につきましては、申請がございました直後通産省は公聴会等を持ちまして、あるいは特別監査によりまして調査するわけでございますが、そうされております過程におきまして、私どもは物価の事情あるいはそれが家計に及ぼす影響等を申し上げまして、そして大体この程度でなければ困るというようなことも申し上げました。向こうもいろいろなことを、こちらの要求も聞いてくださるというようなことをまずいたします。
 そこで、大体公聴会が終わりました段階で通産省から協議という形で持ってまいります。それまでの間にも私どもはずいぶん勉強もいたしますけれども、今回の電力料金につきましては、一体その原燃料費がどの程度であるかということでありますとか、あるいは設備投資をどの程度なさなければならぬかとか、あるいは金利負担等々についての資本費用がどの程度であるかというようなことにつきましても、非常に細かく通産省からお伺いいたしまして、私どもの方の考え方もこの中でこなしていただきまして、そして政府としての料金値上げ幅を決めました上で、これを改めまして閣僚協議会の方に上げる手続きを私どもの方でとるわけでございます。
○峯山昭範君 たとえば電気料金の値上げの場合、公共料金の中でも非常に影響力の大きい料金ですから、電気事業法の第十九条の原価主義ですか、こういう条項というのは当然現在の今回の値上げの場合にも適用され、運用されているわけですね。これはそのとおりでしょう。
○政府委員(喜多村治雄君) そのとおりでございます。原価主義を崩す必要はありません。
○峯山昭範君 そうしますと、十九条でいきますと、「料金が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものであること。」、これは私はこのとおり読みましたから、このとおりですね。そうしますと、いまあなたは協議の問題とそれから公聴会の問題と両方おっしゃいましたが、現実の問題として、北海道電力、東北電力、北陸電力、九州電力というのは、たとえば北海道電力について申しますと、申請三〇・三三%の値上げですね。この三〇・三三%というのは逆に言いますと、原価が幾らで利潤が幾らとあなた方は判定をしていらっしゃるわけですか。
○政府委員(喜多村治雄君) ただいま細かい資料を持ち合わせておりませんが、三三%を持ってまいりました段階におきまして、原価項目はそれぞれそれなりの理由を持って説明されます。しかし、それが原価年度というのを設定いたします関係上、この場合五十二年度でございますけれども、その場合におきます賃金の上がり方の関係でありますとか、あるいは油の上がり方等々につきましては、これは予測にかかわる問題でございます。あるいは設備投資につきましては、もっと長期にわたる関係でございます。したがいまして、それが単年度にどのような形になるかというようなことになりますと、これは一つのいろんな判断がございますわけでございます。事実とは違った判断をするわけでございます。したがいまして多少そこに、原価といいながらも大分申請者との食い違いが出てまいります。あるいは適正利潤と申しましたときにも、この前はフェアリターンをどういうふうに決めるかということでございますが、申請者の方は恐らく私企業ベースでの配当というような観点でくるかと思います。しかし、私どもはそういう観点ではなくて、むしろ現有資産が有効に活用されたときのフェアリターンは幾らであるかというような計算をするわけであります。この場合通産省と打ち合わせの上、すべての企業について八%というようなことを置いておりますので、そのあたりが違ってくる、こういうことでございます。
 したがいまして、もう一つは、先生先ほど一番最初にお読み上げになりました経営の合理的な問題でございますけれども、経営がきわめて合理化されているかどうか、あるいは合理化する余地がないかということにつきましても判断の余地がございます。これは恐らく通産省がやるべきことでございますから、私どもが先に申し上げるわけでもございませんけれども、私の意見を申し述べました。そういうようなことが総合されました上で、三三%が、大体幾らが適当であるかというようなことを私はいま申し述べておるわけでございます。
○峯山昭範君 ですから、あなたがいまおっしゃったことは、九電力全部に通用することをいまおっしゃったわけでしょう、そのとおりですね。
○政府委員(喜多村治雄君) そのとおりでございます。
○峯山昭範君 だからそうすると、私が先ほど申し上げた四電力につきましては、これは特に一般的に言いましても、経営状態が非常に悪いと言われている四電力ですよ。この四電力は申請料金よりも少なくとも三%ないし四%近く低い暫定料金を強いられておるわけですね、そうでしょう。ということは、それだけの暫定料金そのものも、少なくとも私は原価を切って、割って暫定料金とするわけないでしょう、この法律のたてまえからいきましても。そうすると、それだけの余裕を見てこういう四電力は料金を申請しておる、逆に言えばそういうことが言えますね。また逆に言えば、関西電力以下中国電力、四国電力、東京電力、中部電力は申請どおり認可していますね。これはやっぱり、これも暫定料金なり何なりもう少ししぼって、一般的に同じような考えであなたがいま説明したとおりであるならば、そのほかの関西電力以下中国電力、四国電力、東京電力、中部電力も、少なくとも暫定料金なり何なりの努力が払われてしかるべきではないか。いま私が申し上げているのは、あなたの方から出た資料の表に基づいて申し上げているわけですが、少なくともそういうことに当然努力を払われ、そういうような点について配慮していかないといけないんじゃないか。そこら辺の問題を、もう少し申請料金の中身、これについてもわれわれのもとに資料もいただきたいと思うが、そういうような面が全くないから私はいまこういうふうに申し上げているわけですが、こういうところは一体どうなっていますか。
○政府委員(喜多村治雄君) 暫定料金の話かと思いますが、先行四社の場合ですと、暫定料金というのは原価を切ってやっているわけではございませんで、今年度内に当然必要な経費を次の期に回すということでございます。次の期に回すことによって収支を償わせるということでございます。
 それがどういうことからできたかとこう申しますと、申請時期とそれから認可時期が後発五社に比べて早かったということがございますためにそのことができたわけでございますけれども、後発五社につきましては暫定料金がついておりませんのは、この五社も当初から早く上げてほしいということを申し述べられておったわけでございますけれども、物価その他の諸情勢から二つに分けまして、後の方に回してほしいというようなことがございましたために暫定料金制をとる余地がなかった。したがって、期間的に余地がなかったということから暫定料金をそこには設定しなかったということでございます。しかしいずれにいたしましても、原価主義を崩してまで押えつけているというわけではございません。
○峯山昭範君 これは私は、いまそういう説明をしていますけど、少なくともこれだけの余裕があったということですよ、逆に言えば。今期の経費を来期に繰り越してなんて言ってますけど、私はそういうことよりも、やはりこういうふうな値上げのパーセントを一つ一つ、中身は私たちわかりませんけども、これはそれだけ余裕があったんじゃないか、また、それだけの利益を見込んでいたんじゃないか、あるいはまた現実の問題として、そういうようないろんなところにだぶつきがいっぱいあったんじゃないか、そういうように結局考えられるわけです。それだけの余裕があったわけでしょう、暫定料金との差がいっぱいあるわけですから、現実の問題として。当然私は、後発とのそういう期間的な余裕がなかったとはいえ、これは現実の問題として、これからもう少し詳しい問題もありますけども、こういうことはわれわれの手元に入った資料からは現実に言えますね。そういう点、やっぱりもう少し電気料金の問題については、相当配慮すべき点があるんじゃないか、そういうふうに考えます。
 それから、先ほどあなたは公聴会のことをおっしゃいましたが、非常にもう最近の公聴会というのは私は遺憾だと思うんです。最近の公聴会というのはどういうようになっているかといいますと、現実に、たとえば今回の公聴会の状況を調べてみますと、九電力会社について申し上げますと、公聴会に出席した人たちの集計が出ておりますが、賛成が五百二十四人、反対が九百四十七人、まあ大体同じぐらいですがね。それに対して欠席というのは――実際出席する予定で出席しなかった人、欠席というのは三百二十九人というわけです。これは非常に多いわけです。しかも欠席した人たちの賛否の状況というのが、賛成五十八人に対して反対が二百七十一人というふうな集計が現実に出ているわけです。これはなぜこういうことになってしまうのか。私は公聴会そのものが非常に官製で、ありきたりで、何というか隠れみの的に使われているんじゃないか、そういうふうな非常に批判があるから反対の人たちが出席できない、出席しても意味がない、こういうふうになってしまってるんじゃないかと私は考えるわけです。先ほどあなたは公聴会のことを。ばんとおっしゃいました。公聴会を開いてなんておっしゃってますけども、公聴会そのものについてもやはりもう少し考えるべきところがあるんじゃないか、こういうぐあいに私考えますけど、こういう点についてはどうお考えです。
○政府委員(喜多村治雄君) 私、公聴会を申し上げましたのは、通産省の御所管であります電気事業法の手続の過程として申し上げただけでございまして、その内容について私から申し上げるのはいかがかと思いますが、いずれにいたしましても、公聴会が開かれた後私たちが協議に応じているという過程を申し上げたまででございます。
 ただ、言い忘れましたことが一つございますのは、経済企画庁では物価安定政策会議というのがございまして、その中に特別部会というものを設けまして、公共料金に関します重立ったものはここにかけていろいろ御意見を聞いておるわけでございます。協議に応じます場合の一つの判断をします材料をそこでいただくことにいたしております。これは忘れましたので、もう一つつけ加えさしていただきます。
○峯山昭範君 これは大臣、電気、ガスなんというものは公共料金の中でも非常に何といいますか、大事な公共料金ですね。特に国民生活にとって非常に重要なファクターを占めておりますし、これがなくて済むなんていうものじゃございません。私はそういうふうな意味で、これはいまの現在の政府のただ認可だけではなくて、中身を詳細に検討するためにも国会の承認を得るということも考えていいんじゃないか。そんなことは考えるべきでないと大臣おっしゃるかもしれませんけども、私は私たちの立場から言いますと、国民生活を守るという立場からいきますと、こういうふうな電気料金の値上げの今回のやり方なんか見ておりますと、その中身をやっぱり詳細に知る必要がある。しかも、電気事業法なんていう事業法で原価主義もきちっと明記されておりますしね。そういうふうな意味ではやっぱり国会の承認事項にすべきだと考えるんですけど、これについては大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(福田赳夫君) まあこれは衆参両院の物価特別委員会、また商工委員会等でずいぶん御論議を願い、そういう御論議の結果等も踏まえて処理しておりますので、これをまた承認事項にまでするかどうか、ちょっと余りぎすぎすしたものになるんじゃないかと思いますが、いま承認事項じゃございませんが、かなり皆さんから御意見を承った上、最終的な判断を決める、こういうふうにいたしておるわけでございます。
○峯山昭範君 これとあわせてもう一点お伺いしておきたいことがあるんです。これは、今回の国鉄、電電の料金の問題で、いまの全く逆に国鉄、電電の料金を認可制にしてほしい、そういうふうな発言がときどき出てくるわけです。まあこれは当然財政法第三条で決められた立法の趣旨というのもあるわけですが、そういうふうなことがたびたび出てくるということは、それなりに意味は私はあると思うんです。意味はあると思うんですけれども、これはやっぱり趣旨が違うと私は思うんです。そういうふうな意味から考えてみても、少なくとも経済企画庁は国鉄、電電の料金の認可制という問題なんかについては、これはそうじゃなくて、国会の承認という現行の制度の範囲の中で取り組んでいくべきである。経済企画庁は国民の生活を守るという原則があるわけですから、そういうふうな原則からいっても当然現行の制度がベターであると、そういう考えに立たなくちゃいけないと私は考えてるわけですけど、経済企画庁の立場をですね、これは大臣、どうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、国会の議決事項ということになっておる今日の制度ですね、これはこの前の国鉄の運賃改正を見ましても、実に三年がかりで行われた、その間に国鉄の財政が非常に悪化しちゃって、それでどうにもならぬような今日の状態まで来ておるわけなんですが、まあ基準をお示しくださって、政府の方に御委任願うというようなことにできたらなあというふうな感じを持っておるんです。これはもとより国会でお決め願うことでありまして、私どもがとやかく言う問題でないかもしれませんけど、私の感じといたしましては、最近の国鉄運賃の改定の実際作業の状態なんか見まして、どうももう少しゆとりのある方法はできないものかなあという感じを持っておるわけであります。
○峯山昭範君 次に、ちょっと時間がなくなってまいりましたので、余り問題が多過ぎて困ってるわけですが、先般経済企画庁は、公共料金の値上げの問題についてさみだれ方式と言うんですか、新聞の見出しによるとそうなってますが、公共料金の取り扱いについて大臣先ほどちょっとおっしゃいましたが、各種の公共料金の引き上げを一時期に集中させるということは非常に問題がある、したがって、集中させないでさみだれ方式を採用する、こういうふうな報道がなされてるわけです。現実の問題としてこれは非常に私は重要な問題だと思うんですが、さみだれ方式というのはこれはどういう意図なんですかね。
○国務大臣(福田赳夫君) 先ほども申し上げましたが、昨年あたりの段階でもろもろの公共料金を一挙に改定しなけりゃならぬような状態になってきたわけなんですが、それを一挙にやります、そうなると結局大幅になるわけです。そこで、一挙大幅というようなことを避けるというので、まあ五十年度、五十一年度、五十二年度、三カ年に大方分けて主要公共料金の改定をいたしたい、こういうようなことを考えてきたわけでございますが、そのことをあるいはさみだれというようなことにどなたかが表現されておるんじゃないか、そんな感じがいたします。
○峯山昭範君 これは大臣、公共料金の値上げというのをただばらつかせるというだけで、公共料金の、簡単に言いますと消費者物価の上昇を抑えることはできるかと、私はやっぱりこういうようなことをやるというのは、何というか、国民の目をごまかすもんじゃないか、そういうふうに考えるわけですけど、ここら辺のところはやっぱり物価政策の上からそういうようなことが本当にベターであるのかどうか。実際問題一カ月に二種の公共料金の値上げをやるということになりますと、五ヵ月では十種類の公共料金を値上げするということになってくるわけですね。これはもうそういうような一カ月に二種以内の公共料金を値上げすると、これはそういうふうに決めたのかどうか知りません。しかし、報道ではそういうふうになっています。そうしますと、たとえば二つだけならいいんだと、そういうような根拠なんていうのは実際問題あるんですか。これは実際はそういうような根拠なんてものはないんだろうと私は思うんです。やっぱりその中身の問題になってくると私は思うんですけどね。こういうふうな公共料金の値上げという問題については、ただ単にさみだれにすりゃいいというもんじゃないと私は思うんですが、これはどうです。
○国務大臣(福田赳夫君) 先ほど申し上げましたように、三カ年に分けて主要公共料金の改定を行おう、こういう考えですが、その三カ年の中でおのおのの一年をとってみると、その中でもやっぱりこれは一挙に、そこへ一年間に行うべき公共料金の引き上げが集中的に行われる、こういうことになることは私は妥当じゃないと思うんです。ですから、一年間における公共料金の改定、これはそのときどきの物価情勢等も見ながら、やはり余り集中的にならないように考えていくのが妥当であろう、こういうふうに考えております。ただ、物価が落ちついておるというようなときに、多少ダブるというか、一月の間に二つ三つの公共料金の改定がある、こういうことにいたしましても支障がないというようなことでありますれば、これはまあそうしてもいいんじゃないかというような感じでございます。
○峯山昭範君 それでは、減税の問題ちょっと最後にお伺いしておきたいと思います。
 これは減税の問題の前に、きょうの新聞の報道によりますと、個人消費に関する政府の統計が、これは総理府の統計とそれから経済企画庁の統計が逆の結果が出ておる、こういう報道が現実になされております。総理府の統計によりますと、この十月一日に発表した家計調査報告によりますと、この勤労者世帯の家計というのは実質マイナスであると、そういうふうになっておるわけですね。私はもうきょうは時間的な関係がありますので、中身を詳しくは申し上げませんけども、この総理府の調査結果というのは非常に重要でありますし、この中にはいろんな問題が全部加味されておりますので、当然こういう問題についても検討を重ねていらっしゃると私は思うんです。
 そこで、この総理府の調査結果についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるかという問題が一つ。それからもう一点は、今回経済企画庁が発表したこの調査との食い違いは一体どこに原因があるのか、この問題をまずお答え願いたい。
○政府委員(青木慎三君) 総理府の家計調査は一番基礎になる統計でございますので、私どもが経済情勢を判定する上に一番重要な資料として使っておるものでございます。それと昨日発表いたしました、企画庁が消費者動向調査というのをやりまして、それで出てきた結果と若干違っておりますので、この原因につきましては庁内でいろいろ検討いたしておりますが、どうもはっきりした原因が確実にはつかめないということでございます。ただ、ある程度分析いたしてみますと、収入のボーナスの見方が非常に違っている。これは両方ともサンプルをしまして、たくさんの人から資料をとりまして集計するもんでございますから、必ずしもこれが一致するわけにはいかないと思いますが、余り違うのもおかしいということで検討しておりますが、ただいま申し上げましたように、どうもボーナスのところの収入の額が総理府の統計と私どもの調査との間に食い違いがあるというふうに分析されております。それ以上の詳しい原因はどうもいまのところつかめておらないというのが現状でございます。
○峯山昭範君 これは実感としましては、私は総理府の統計の方が正しいように感じるわけです。実際問題、先般の衆議院の予算委員でも具体的に数字を挙げて質問をいたしましたけれども、きょうはこの問題はちょっと省きますが、いずれにしても国民の生活実感というのは非常に苦しい、そういうのが実際実態じゃないかと私考えております。これは非常に問題が多々ありますので……。
 そこで、時間がございません、税金の問題にいきますが、減税の問題ですね。これは先ほども質問ございましたが、副総理は一般的減税として福祉のため、あるいは教育のため、物価のため、部分的な減税という問題については一考する余地がある、こういうような話ございましたけれども、実際問題、総理府の勤労者世帯の家計調査というものを見た範囲内でも、実質収入というのがマイナス二・二%落ち込んでいるわけです。結局一般的に給与が上がっても所得税は累進課税になっておりますし、一般のサラリーマンが給料が一五%上がると所得税は二〇%ふえる、あるいは健康保険料、厚生年金の掛金が上昇しますね。そのほか賃金の上昇分というのがこれだけでも帳消しになってしまう。しかもその上に物価上昇が加味されてくる、そうするとますます庶民の生活感情、生活実感というのは苦しくなってくる。しかし、いろいろ事情もありましょうけども、私はこういう特に低所得者あるいはそういうふうな階層のサラリーマンの減税ですね、これは私は特に考えるべきじゃないか。特に、たとえば物価上昇分ぐらいの減税というのは考えてもいいんじゃないか。これが私は庶民の切実な願いだと思うんです、実際問題として。
 そういうような意味で、経済企画庁としても、消費者物価の大幅な上昇ということを抑えることは現実の問題として無理なんですからね。そういうような意味で、せめてそういうようなものをカバーする意味の減税は私はやった方がいいんじゃないか、その方が庶民の生活を守るということにもなると思いますし、先般の三木首相も、所得税の減税について意欲的な発言をしていらっしゃるようですし、たとえば、財界では松下幸之助さんが先般の新聞報道でも、重い税金は国民の心をむしばむ、それでもっと減税を行うべきである、それで消費を向上さして景気を回復させるべきである、こういうような意味の発言をしておりますし、これはやっぱり政府としても減税という問題について、私は積極的に取り組むときに来ていると思いますし、当然その中心にいるのが副総理である福田さんなんですから、この問題特に私は取り組んでいただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(福田赳夫君) いまわが国が当面する大きな問題、物価の安定、それから不況の克服、これはある程度、あれだけの打撃を受けた後始末としては順調に進んでいると見ておるのですが、石油ショックの後遺症というものはまだ残っていると思うんです。その中の最大の問題はこれは財政です。とにかく七兆円を超える借金財政、それから財政の公債への依存度が三〇%になる。これはもう世界の先進国でもこのくらい財政が窮屈になっている国はないくらいな状態でございます。この状態を続けますと、これは一番国で大事なインフレ阻止、この問題に非常に重大な影響があるわけであります。これは何としても、特に赤字公債だけはもうこの三、四年の間にはなくするという固い決心をしませんと、もう前途に対して非常に不安を与える、こういうことになりかねない。そこで、赤字公債を来年からは何とかして少しづつ減らす、こういう努力をすべきである。これは長期的に見ると非常に大事な問題です。
 そのときに一般的に国民の負担を軽減せい、一般減税、これはもうとうてい私は考えられないことだ、こういうふうに思いますが、しかし、経済事情の変動に応じまして、あるいは社会福祉というような見地からだとか、あるいは子供を持つ父兄の立場だとか、教育上のことを考慮して何とかならないかというような問題ですね。あるいは物価が上昇した、そこで低所得者のこの物価の問題についての調整の問題をどうするかとか、そういう個別の問題はあると思うんです。これなんかは私は検討すべき問題だとは思うんです。思うんですが、何せ財政が非常に窮屈なものですから、さあこれをやるべきだというところまですっきりした御回答はできませんけれども、検討はすべきだと思います。しかし、なかなか見通しとすると非常に窮屈な状態であるということもまた御了知願いたいのであります。
○峯山昭範君 現実の問題として、政府は、先般三木総理がここに指示したという報道がなされておりますが、減税という問題についてこれはいろいろあれはありましょうけれども、現実の問題として検討はもう開始しているのですか、実際問題。これはどうなんです。
○国務大臣(福田赳夫君) これは結局、ことしの暮れごろになりませんと最終的な結論は出ないんです。しかし、大蔵省は来年度の予算の編成の作業に移っておるわけであります。それからまた、この間、税制をどうするかということにつきましては税制調査会に精力的に御検討を願っておるということで、減税が一体できるのかできないのかという最終判断は、これは年末になるわけでございまするけれども、できるかできないか、その判断する資料の積み上げにつきましては鋭意やっておる、こういうふうに御了知願います。
○峯山昭範君 もうこれで終わりますが、結局低所得層のサラリーマンが名目賃金が実際上がった、その名目賃金が上がったということで実質負担がふえてしまっている、現実にそういうような具体的な例が先般の予算委員会等でも提起になりましたし、現実にありましたので、そういうような意味で、そういう人たちの生活というのは、物価上昇やこういうような少し名目賃金が上がったために負担がふえてしまった、かえって生活が苦しくなったという実情があるわけですね。そういう点は十分配慮していただいて、年末になるかもわかりませんが、そういう点も配慮して減税という問題に取り組んでいただきたいということを最後の私の要望にして、私の質問を終わります。
○塚田大願君 私も、まず福田さんにまつわる一連の政治問題についてお聞きしておきたいと思うんです。しかし、先ほどからいろいろそういう質問もございまして、次期総裁立候補の問題と絡んだ閣僚辞任の問題、こういう問題については、もう福田さんもただいまの時点では考えていらっしゃらない、こうおっしゃるんですから、私はこの問題についてはこれ以上聞きません。
 そこで私はお聞きしたいのは、実はけさの朝刊が一斉に報道して、一面トップで報道している問題でありますけれども、あの田中角榮がロッキードの容疑を全面的に否定する声明を出しておる、これが次期、次回の総選挙の立候補宣言であるとも新聞では報道しておりますけれども、こういう声明を見ますと、私ども国民の立場から考えてみまして、大変遺憾に思うんです。まあ言うならば、盗人たけだけしいという言葉がありますけれども、そういう感じを受けざるを得ないわけであります。じゃ、なぜ田中がこういう開き直った姿勢をとるのか、一体その理由はどこにあるのか。いま国会では議員の政治的、道義的責任というものがやかましく言われておるこの時点で、こういう態度というものは許されていていいのかどうかということです。そういう点で、福田さんがこういう田中の態度についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、その所見をお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は新聞は見ておりませんけれども、テレビで見ますと、まことにお騒がせして申しわけない、しかし私は潔白である、こういう趣旨のことが報道されておったわけでありますが、これはやっぱり立候補のことには触れておりません、私が聞いた限りでは。おりませんが、立候補されるかどうか、これはもう田中さん個人の良識の問題である。また、立候補したことをどういうふうに評価するか。仮に立候補した場合にそれをどういうふうに評価するかということになりますれば、これは選挙民の、これはどういうことを考えるか、こういうことだろうと、こういうふうに思いますが、私も詳しくまだ田中さんの談話の要旨を伺っておりませんので、その程度にひとつお願い申し上げたいと思います。
○塚田大願君 私は、田中角榮がこういう開き直った態度、それは確かに福田さんおっしゃるように、立候補するという言葉は使ってないし、また、反省しなければならないところもあるということを言っていることは事実でありますけれども、とにかくこの容疑については全面的に否定していますね。十項目か何かにわたりまして、全く関係はないんだ、全く潔白なんだというここに重点があるわけです。ですからこれはうも国民の立場から見ると、まことに異常と言わざるを得ないですね、非常識とも言っていいだろうと思うんですけれども、そういう感じです。
 私は、それをなぜ聞きますかというと、やはりこういう態度が田中をしてとらせるというそもそもの原因は、自民党の中にロッキード隠しがあるからだと思うんです。そういうものに乗っかって田中があのような開き直りをする、こういうことではないか。たとえば三木総理があの中間報告の中での問題では、田中角榮の受領した五億円の行方が全くわからないとか、あるいは稲葉法務大臣が、一体どこへ行ったんでしょうというような人を食った答弁をする、こういう自民党の考え方、態度というものがやはり田中角榮をしてあのような声明をさせるゆえんではないかと思うんですが、その辺はとうですか。
○国務大臣(福田赳夫君) まあ私は、自民党の長い政権担当、この期間にとにかく緩みが出てきておる、そういうことにつきましては非常に痛感をいたしておるものなんです。そうしてもこの緩みを締め直さなきゃいかぬ、こういうふうに考えておるわけでございますが、いわゆるいま御指摘のロッキード隠し、こういうようなことにつきましては、私はもう全然そういうことを自民党の中におきまして感じておりませんが、ロッキード問題は、これは厳に解明すべきである。それどころじゃない、なおこの際にその緩みを締め直さなきゃならぬ、こういうところまで考えておるわけでありまして、ロッキード隠しということはよく言われますが、そういうことは全然ありませんから、この点はひとつ誤解ないように御理解願います。
○塚田大願君 まあ福田さんはいまそういうふうに大変明快な答弁をされるわけでありますけれども、それだったら、現在の焦点というものが灰色高官の公表の問題です。先ほどからこれは質疑の中でありました、これは国会でお決めになったらよろしいではないかということを福田さんもおっしゃる。しかし、国会で決めるとおっしゃるんだけれども、その真意を追求すれば結局国会では自民党が多数である、だったらこれは自民党が公表しない、こういう結果になって、結果から見れば大変明確なんですよ、いわばロッキード隠しというのは。言葉では確かに国会でお決めなさい、国政調査権でございますと、こうおっしゃるんだけれども、しかし事実関係から言うならば、これは明らかに公表に反対ということにならざるを得ないと思うんですね、論理的には。この論議をまた私ここで繰り返しません、余り大した意味はないと思うので。
 そこで、具体的にお聞きしますけれども、元運輸政務次官加藤六月氏がおられます。これは福田派のメンバーであることは先刻御承知だと。この方が灰色高官であるということは今日の常識なんですね。なるほど名前はまだ発表されていない、この間の五人、三人、二名というあの法務大臣の中間報告では発表されておりませんけれども、加藤六月氏がこの灰色高官であるというのはもう新聞ではとっくに報道されておりますし、国民はみんなその点では確信を持っておる。ところが、福田さんはその一派の領袖として、そういう人が自分の派閥におるということは承知の上で、これに対して積極的な姿勢を示そうとしておられないじゃないですか。
 それどころじゃなくて、この間福田さんは、十八日の夜ですか、加藤六月氏を励ます会という、あるホテルで行われた励ます会に出席されて、福田さんは大いに激励されましたね。加藤君は大変沈んでいる、みんなで励ましてやってほしい、こういうことを言っておられるんですよ。だからこれはこうなりますと、国民感情から言ってまことにおかしい、こういう印象を受けます。その点から言いますと、福田さんも大体知っていらっしゃりながら、名前は知らないとおっしゃる。しかもそういう励ますことをやっていらっしゃるということになりますと、やっぱり公表について反対だ、ロッキードを隠すと、言葉は余りよくないのだけれども、ロッキード隠しというのは、これはそういう事実から考えましてやはりそうなんじゃないかということになるのじゃないかと思うのですが、どうでしょう。
○国務大臣(福田赳夫君) お話のように、加藤六月代議士は私と特に親しい関係にあるんです、いわゆる八日会の会員でもありますしね。そこで、新聞に加藤六月君の名前が出る、そこで加藤君を呼びまして、一体何か不正なことをしているのかと、こういう話を私自身も問い詰めてみているのですが、そういう私は不正なことをしておるような心証を得ません。それにもかかわらず加藤君が新聞にも出る、こういうことで沈んでおる。そういうようなことで、寄り寄り皆さんが相談しまして、加藤君を激励しようじゃないか、こういうことがありましてこの間の会合になったわけであります。私も加藤君は非常に優秀な人材、これからも大いに伸び育てていきたい、こういうふうに考えておりますので、これの激励のあいさつまでしたわけですが、私は決して政治家としてこれは曲ったことをしておるとは考えません。親しい友人が沈んでおる、これを激励するのは当然のことだ、そういう考えであります。
○塚田大願君 加藤六月氏のほかに福永一臣氏もおたくの福田さんの派閥の一員でありますが、これもこの間の中間報告では、いわば職務権限がない二名のうちの一人であるということは、これまあ今日の一般の常識になっておる。こういうことから考えてみましても、加藤氏の問題、あるいは福永氏についてもやはり私は、それほど福田さんが潔白を確信していらっしゃるというならば、国会の証人喚問に応じて、堂々とそこで自分の潔白を披瀝させるようになすったらどうかと思うのですけれども、その点はどうでしょうか。そうすれば大変明快になります、国民としても非常にはっきりするわけでありますから。そういうふうにひとつアドバイスされるなり忠告されるなりなすったらどうかと思うのですが、どうでしょう。
○国務大臣(福田赳夫君) 潔白と信ずる人が何かそれにもかかわらず疑惑を持たれる、そういう人が国会において身の潔白を証明する機会を持つ、私は非常にそれはいいことだと思います。相談があれば、君行って大いにやってこいと、こうお勧めを申し上げます。
○塚田大願君 まあそういう積極的な立場だということがわかれば、それはそれとして結構だと思うのですが、いずれにしましてもこの問題は今日の大きな政治課題でありますから、副総理が総裁選挙に立候補されるかしないかは別といたしましても、これはやっぱり少なくとも今日大臣でありますし、また、一派の領袖でもある福田さんでありますから、そういう点では積極的にひとつやっていただきたいと、このことを要望しまして次の質問に私入ります。
 まず第一にお聞きしたいのは、今度のロッキード問題が起きまして、そうして最近政府としてもこういう忌まわしい疑獄を再発しないための防止策というものについていろいろ考えておられると思います。昨日もこのロッキード関係の閣僚連絡協議会でいろいろ案が出たそうでありますが、これは非常に大事なことでありまして、私どももすでに具体的な防止策というものも発表しておりますし、この間この席で井出官房長官にもこの点をただしました。しかし、再発防止という問題はいわば小手先でやってもこれはだめなんであって、やはりこの疑獄の発生源についてメスを入れるということがます第一条件だろうと思うんです。
 そこで私どもは、その一つとして企業と政界、官界の癒着、これをまず断ち切ることから始めるべきではないか、こういうふうに考えているわけですが、その癒着の一つのあらわれ方として、従来天下りということがずいぶん論議されましたが、同時に天上がりという問題があると思うんです。大企業の社員が各省庁に出向して普通の公務員と同じような仕事をしておる。これがあの狂乱物価のときに大変やかましく論議されました。四十八年の六月には衆議院の決算委員会で問題になり、また四十八年の七月には同委員会の議決がされる。さらにそれに次いで四十八年の七月でありますけれども、衆議院の本会議で議決がなされる。その衆議院本会議の議決を受けて、四十九年三月十五日にこの問題について閣議で決定されました。閣議決定がされたことは大臣も御承知だと思うのでありますが、その閣議決定の閣議の中で、四十九年三月十五日の閣議で決定されました内容というのは二点あると思うんです。
 それは一つは、特定企業との癒着をやめる、それから二番目は、身分上で非常にいままであいまいな身分であったんだけれども、これを国家公務員法に基づいて非常勤の国家公務員として任用する、こういう二点が主として決定されたと思うんです。その場合に、経済企画庁が一番当時の企業からの出向社員が多いということで問題になりまして論議されたんですが、この閣議決定を受けまして経済企画庁としてはどういう措置をその後講じられたのか、それをお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(田中敬君) 御承知のように、四十九年三月十五日の閣議決定を受けまして、経済企画庁といたしましては同年四月一日をもちまして企画庁の内部におきまして、経済企画庁委嘱調査員取扱要領というものを次官決裁をもちまして決定をいたしまして、それに基づいて従来のいわゆる部員と称せられた委嘱調査員につきまして、ただいま委員から御説明のございましたように給与上の問題、あるいは公務員法上の身分上の問題というような点につきまして、閣議決定の線に沿った改善措置を講じたところでございます。
○塚田大願君 そうしますと、改善措置が講ぜられたというのですが、現在一体どうなっているのか。どこから、どこの会社から何人ぐらい来ているのか。形の上が変わったかもしれないが、その点はどういうふうになっておりますか。
○政府委員(田中敬君) 閣議決定を行いました以前、すなわち昭和四十五年当時から御指摘のとおり国会――衆参両院においてこの問題が取り扱われましたが、その時点におきましては御説明のとおり企画庁といたしましては、四十名ないし五十名の民間からの部員という者を採用して一緒に仕事をさせておったわけでございますけれども、四十九年四月一日の要領の策定に、あるいは閣議決定に伴いましてこの部員を漸減する、必要最小限度のものにとどめるという方針で、まず人員の縮減を図ったわけでございます。
 ちなみに、閣議決定以前の四十八年におきましては、一般からの、民間からの職員が五十六名おりましたものを、四十九年にはこれを二十八名に減じ、ただいま現在では、十月一日をもちましてこれを二十二名に減ずるというような減員措置を講じております。
 それと、民間企業の数でございますけれども、そのように人員が減少するに従いまして出向をしていただく企業数も減少してまいりまして、現在では企業数といたしまして二十一企業からの出向社員を受けております。
○塚田大願君 確かに人員も減ったようであります。数字が少しずつ違うようでありますけれども、私がもらった資料といまの報告とでは一名か二名ぐらいずつでありますからこれは別といたしまして、ともかく、かつて六十名近くいた、四十八年でありますか、これが二十三名というふうに、私がいただいた資料にはそうなっております。確かに半分以下になった、これはそうでしょう。
 それから、形の上でもいわゆるあいまいな非常勤部員というふうに言われた人たちがいまや非常勤公務員、国家公務員という形に変わった、非常に明確になったという点も確かに一つの変わり方でありましょう。
 それから、仕事もかつては政策立案部門に非常に多くを配置されておったようでありますけれども、それもいわば調査局へほとんど仕事は変わったということで、かなり形式の上では確かに変わったという感じがするんであります。しかしやはり企業から、しかも、大企業から出向してきているというこの本質は一つも変わっていないのですね。私も特に大企業との関係をいろいろ調べてみましたけれども、過去四年間の状態を分析してみますと、この四年間毎年継続して出向社員を出している企業というのは富士銀行、埼玉銀行、三井銀行、住友銀行、関西電力と、この五社であります。これは御承知のとおり五社のうち銀行が四社であります。これは毎年この四年間出しておる。あるいは過去三年間のあれはどうかと見ますと、いまのこの四年間とは別に三年間の分を見ますと、新日鉄、三菱電機、協和銀行、北海道拓殖銀行、この四企業から毎年出ておる。こういうふうになるわけでありますが、そういう点でやはり特定大企業との癒着というものが変わってない、こういうふうに見るんですけれども、この辺はどういうふうに判断をされておるのか、お聞きしたいと思うんです。
○政府委員(田中敬君) 委員の御指摘になりました企業名あるいはそれの継続という御指摘はそのとおりでございます。しかしながらこれらが特定の、たとえば御指摘のございました富士銀行につきまして私どもが非常動国家公務員として採用いたします際、年次といたしましては確かに四年間継続をいたしておりますが、これをどういう仕事をさせたかとか、あるいはどういう人を連れてきたかという観点からこれを見ますと、富士銀行の場合でございますと、四十九年に参りました職員というものは内国調査課の方で仕事をすることになったけれども、それ以前四十七年から四十九年、本人が来る前にいた段階では別の課で仕事をしておる。そういうふうなことで特定部局、特定プロジェクト、そういうものに一つの企業が継続的に関係をしているということはございませんし、また私どもの採用方針といたしましても、そういうことはぜひ避けようという方針で細かい配慮を加えております。
 それともう一つ特定企業、大企業に集中しているんではないかという御指摘でございますけれども、委嘱調査員というものを私どもが採用いたしますにつきましては、御承知のように経済企画庁という役所の特殊性から、各種の経済分析あるいはモデルの作成とかいろいろの高度の知識を要する仕事がございますし、あるいはまた特に専門分野の知識を要する仕事がございます。そういう意味から、調査あるいは研究所の方からたとえばフランス語ができ、かつフランス経済に詳しい人、あるいは国際金融に詳しい人でございますとか、あるいは産業動向を分析するにつきましては、日本の生産動向の分析について科学的な手法をすでに知識として持っておる職員はないか、こういうような各局、原局のニーズに基づきまして採用部局にその要請がございます。
 そこで、その要請を受けました採用部局であります官房といたしましては、そのニーズに合う職員を探すわけでございますけれども、探す際にやはり探す基準といたしましては、大学卒五年ぐらいで専門知識を持って、かつ活力があるというのが第一でございますけれども、そういう人がどこにいるかというその探し方につきましては、任用の担当者でございますとか、あるいはその仕事に従事している企画庁の現在の職員の研究官が持っておりますアンテナとか、あるいは従来いた職員から得るアンテナというようなもので採用してまいりますし、また、そういう特定の調査事務というものに習熟しているのが、いま御指摘になりましたような銀行等に特に多いものでございますから、ついそこに行ってしまうということでございまして、意識的にそれを行っているということでない実情だけは御理解いただきたいと存じます。
○塚田大願君 確かに、いろいろ専門分野の高い知識を持っておられる方が民間におられることは当然だと思うんです。役所よりもそういう点ではすぐれた人たちが野にたくさんおられる、これは当然でありますが、しかし、だからといってそういう人たちが銀行だとか生命保険会社とかいう金融機関に多いと。それもあるいはある程度そうかもしれませんけれども、閣議決定の精神はもう御存じのように、とにかくまあこの文章読んで見ますと、「経済企画庁等において受入れている民間企業職員について各省庁において受入れている民間企業職員の問題については、今後は、派遣企業と関係のない職務に従事させている者で、」これが一つの条件。「業務遂行上必要不可欠と認められるものに限り、」と、こういう条件がついているんですね。その上で非常勤の国家公務員として任用すると、こういうことになっておるわけですが、この二つの条件ですね。派遣企業と関係のない職務に従事させているということが一つですよ。業務上必要不可欠と認められる者に限ると、これが二つですから、いまおっしゃったような銀行などの業務をやって、しかも、内国調査なんかにあるいは海外調査なんかにいろいろなあれを持っておられる人をと、こうおっしゃるんですが、私はそれは何も銀行に限らず、野に遺賢はたくさんおられるはずでありますから、あえて銀行や大企業からだけ何でとらなきゃいかぬのかという感じですね。ですから、少なくとも第一の派遣企業と関係のない職務を前提としているということは、いま調査局であるとか経済研究所なんかの形で派遣企業とは関係ないとおっしゃるんだけれども、やっぱり仕事の一覧表いただきました。見ると抽象的なことが書いてあるんで、本当の柱ですからよくわかりませんけれども、決して企業とは無関係だとも思えないし、また、政策立案とは全く無関係な調査活動であるとも見られない、そういう感じがするんですけれども、その辺はどうですか。
○政府委員(田中敬君) 派遣企業と関係のないと申しますことにつきましての私どもの解釈は、経済企画庁の設置法上監督権限その他も及んでおらない、あるいは職務にも関係のない、こういうことでございます。たとえば、大蔵省の銀行局が銀行から職員を非常勤国家公務員として採用するということになりますと、これは派遣企業関係職員、仕事の関係で非常に関係がございますけれども、企画庁につきましてはそういう意味の職務権限の及ぶ企業というものはまず調査局、研究所等につきましては特に皆無に近いわけでございますので、私どもはその点につきましてはそういう観点から、銀行というものが、あるいは先ほど御指摘の新日鉄あるいは電力会社というものが入ってくることにつきましては、余り問題はないものと存じております。
 それから、ではそこから来た職員が中でどういう仕事をやっておるかということでございますけれども、たとえば、新日鉄なり何なりから来ていただいた職員という方の専門知識というものは、やはり生産動向の分析なり何なりということについてすぐれておるということでございますので、同じ調査課あるいは研究所の中の仕事におきましても、その方に国際金融の分析なり何なりをやっていただかなければならない非常に専門的な知識を活用するという意味におきましては、派遣企業の中において習熟された知識というものを逆にこちらが吸収してこれを活用する、こういう観点で部署を与え、あるいはそういう人を採用するものでございますから、銀行から来た方に国際収支問題であるとか、あるいは金融情勢問題というようなものについて分析をしていただくという仕事を与えることはやむを得ないのではないかと存じます。
○塚田大願君 この論議やっていますと、もっともっと納得するまでやりたいんですけども、ちょっと時間の関係もありますから、これ大臣にお聞きしたいんですけれども、この問題がうるさく言われたのはあの狂乱物価のときですよ。大変うるさく論ぜられて、企業の悪徳商法との関連で官庁の、省庁の方針や機密がどんどん漏れていったんじゃないかというようなことから、こういうことは戒むべきだということになったと思うんです。
 しかしその後、いままたロッキード問題のようなものが起きて、企業との癒着の問題が大変やかましく論ぜられているわけでありますが、いまの説明を聞きましても、国民の立場から見ますと、なるほど官庁は手が足りないかもしれない、だから優秀な民間人を非常勤で使うということもあり得るかもしれないけれども、なぜ大企業からだけ依然としてこういう形が続くんだという点で非常に疑問を持つと思うんですね。ですからもし人手が足りなければ、総定員法でも何でも変えて定員の枠をふやして、優秀な人材をどんどん民間からばちっと試験をして正式の国家公務員として採用すればいいんであって、何もこそこそやる必要はないと思うんです。それは予算の関係で安く使えるということなのかどうかよく知りませんけれども、そんなけちなことを考えて国家が政策立案、企画をするなんというのはおかしいんであって、やるならばやっぱり堂々と、オープンにそういう優秀な人材を国家公務員として正式に採用するという方法をおとりになるのが本当じゃないか。したがって、いまのようないわゆる天上がりと言われるようなこの制度ですね、出向社員を使っていくとか、しかも大企業の出向社員をずっと続けていくという、規模だけは小さくして形だけはきれいにしたけれども、中身は変わっていないというのでは、やっぱりこれは国民は納得できないと思うんです。私ども何回説明を聞いてもわからない。だから、こういう疑わしきことはやめた方がいいと思うんです。李下に冠、瓜田にくつのたとえがありますけれども、こういうことはもう一切きれいさっぱり全廃するというふうにおやりになったらいいと思うんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) この民間からの出向というか、まあ官庁への勤務の問題ですが、これはいろいろ御議論があったことは承知しておるんです。しかし、民間の知識を国の方でも吸い上げるということは、これはもう大変私はその面においていいんじゃないかというふうに思います。ただ、それに伴って御指摘のような弊害があっちゃ困る、弊害が出ないような歯どめをしなけりゃならぬ、こういうことかと思うんです。どうも少し弊害があるから制度自体をやめちゃえ、こういう議論はちょっと飛躍し過ぎるんじゃないかというような感じがするんですが、その弊害面については厳重にそれが起こらないような歯どめをいたします。しかし、民間の知識を政府が吸収する、こういうようなことはこれは考えてしかるべきことであり、決してそれ自体を排撃すべきことではない、こんな感じがいたします。
○塚田大願君 いや、われわれも民間のそういう優秀な頭脳を国家が大いに活用するということには反対はしません。ただ、そのやり方ですね。いま制度とおっしゃったけれども、別にこんなのは法律で決まったわけでも何でもないでしょう。ですから、そういう民間の優秀な頭脳を国家が活用するのには、やはり正々堂々と法規に基づいた形できちっと採用する、抜てきをする、それが正しいんじゃないかと私は思うんです。そうしないで、何となく知識だけちょっと借りるんだ、後は使い捨てだみたいなこういう知識の活用の仕方というのは私はないと思うんですね。
 そういう意味で私は申し上げるのですが、このことはひとつ大臣もいまおっしゃったように、大いにこれからもいろいろ功罪を研究していただきまして、もっと改善していただく必要があると、こう思います。私どもは少なくともこれは全廃という立場ですけれども、あした、あさってすぐ全廃しろと言ったってそうもいかないでしょうから、それはやはり今後これをひとつ一歩一歩改善しながらその方向に進んでいただきたい、私はそう思います。
 大変時間もないし、大臣も恐らく二時までという約束ですから、なるべく私も二時までに大臣はお帰しした方がいいと思いますから、それは別に委員のというよりも大臣の個人のいろいろ御都合でしょうけれども、それはわかっていますから、なるべくそういうふうにするために少し進めます。
 次に、もう一つ大臣にお聞きしたのは、いま欠陥商品というものがずいぶん方々に出ておるわけです。この問題と消費者保護行政との関係、これを少しはっきりさしておきたいと思うのですが、通産省の調べを見ますと、過去通産局管内の消費者相談室などで昨年度中に持ち込まれた苦情相談件数は一昨年度の約倍だということで、やはり年年この欠陥商品に対する問題が非常に大きくなってきていると思うのです。それで、きょうはそういう欠陥商品の具体的な事例を幾つか取り上げながら、その消費者保護行政についてお尋ねするわけでありますが、まず大臣にお聞きしたいのはその総論であります。
 消費者保護基本法というものがあります。これは経済企画庁の所管でありますのでお聞きするわけでありますけれども、この消費生活が現在のように非常に多様化し、複雑化しているような場合、欠陥商品による消費者の被告の救済についてどういう基準、どういう視点でこれを見るかという問題であります。
 私どもの考えを先に申し辺べれば、要するに欠陥商品を買った消費者が運が悪かったとか、あるいは消費者の商品知識が貧しいからそういう事故が起きたんだというこういう立場ではなくて、この欠陥商品を製造し、あるいは売った企業の側にまず責任がある、企業がまず責任を負わなければならない、こういう見方ですね。これがやはり原則ではないか、基準ではないかと思うのですけれども、この点大臣、どういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) まず、局長から説明させます。
○政府委員(藤井直樹君) 現在の消費者行政におきまして一番重点を置いておりますのは、やはり商品が人体や生命に対して危害を及ぼすということがないように配慮するということが最も重要なところでございます。現在食品とか医薬品とか化学物質とか、それから非常に危険な製品等につきまして、それぞれの法律に基づいて規制を行っております。この規制については年々強化をされておりますし、その内容としては法律が非常に整備されてきていると同時に、対象の品目もふやすというようなことが主たる内容でございます。
 それから、現実に起こっている被害についてその情報を集めて、それを分析して評価をして、そしてそれの原因を追及いたしまして、企業側にそれを遵守させるとか、それから消費者に対して誤った使い方をしないようにというような、いわばフィードバックを考えた危害情報システムというものをただいま開発中でございまして、国民生活センターでも五十年から始めておりますが、これを早急に整備をしていきたい。そういうような体制で危害防止に対する対策を進めてまいりたいと思っております。
○塚田大願君 どうもその辺が、私、哲学論争をしようと思っているわけじゃないんですけれども、やはり今月のようなこういう欠陥商品による被害というものがたくさん出るような時点におきましては、どのような角度でこの問題を見るかというその視点がやはり非常に私は大事なことじゃないか、こう思ったからお聞きしているわけですけれども、その点どうですかね、やはり企業サイドで見るか、消費者サイドで物を見るか、これは全く大変な大きな違いになってくるのです、被害の救済という場合になりますと。そこをお聞きしているのですけれども、その点どうですか、大臣、これは大臣にお尋ねした方がいいんじゃないかと思うのですけれども。
○国務大臣(福田赳夫君) その問題は、消費者側かあるいは製造業者側か、こういう選択の問題でなくて、両方から考えるべき問題じゃないかと思うのです。消費者に対しては、そういう生活態度というか、やはり商品の弁別等に気を使ってもらう。同時に、気を使ってもらうその判断のための情報提供、そういうことを役所としては気をつける。同時に、これは通産省が主になってやっておるわけでありますが、欠陥商品というものの製造等につきましては、厳重にこれは行政上の指導をするとかそういう努力をする。この両々からこの問題は処理しなければならぬ問題と、そんなような感じがいたします。
○塚田大願君 大臣のお話聞いても、局長のお話を聞いても、やっぱり少し時代おくれだという感じがしますね。最近の新聞の報道でありますけれども、御承知のように欧州共同体、ヨーロッパ共同体にEC委員会という機関がございますけれども、このEC委員会で最近まとめられた方針が近く発表されるそうであります。このECの方針によりますと、欠陥商品の製造業者に対しては無過失でも賠償責任に当たらせる、こういう方針が決定されておるのです。要するに、消費者というものを本当に保護するという非常に積極的な提案です。これが近く域内各国政府に提示されるそうでありますけれども、私は、わが日本におきましても、欠陥商品の製造業者に対しては、やはりこういう欠陥が起き被害が起きた場合には、無過失でも賠償責任をとらせるというぐらいの姿勢があっていいのではないかと思うのですが、これはどうでしょう。
○政府委員(藤井直樹君) ただいま御指摘の問題につきましては、消費者被害の救済という問題としてとらえまして、現在国民生活審議会の消費者保護部会で事業者責任の問題とか、それから救済の手続の問題、また、そういう救済制度をつくった場合の経済的効果がどうかというようなことを中心に考えて御審議をいただいているところでございます。その検討の結果を待ちまして、また事務当局といたしましても十分勉強していきたいと思っております。
○塚田大願君 もう一つ紹介しますけれども、アメリカには消費者製品安全委員会、略称CPSCという機関がありまして、この機関は欠陥商品の回収とか、製造中止を命ずる権限を持った非常に強力な機関らしいですね。もしそういう指示に違反すれば、罰金や懲役刑も要求する権限があると言われるぐらい、非常に強力な消費者安全体制というものがありまして、これは企業から言わせると、ベリー・パワフル・オーガニゼーション、大変に恐ろしい力のある機関だと言われているそうでありますけれども、たとえば全米の百十九の救急病院をコンピューターで結んでおりまして、商品によるけが人が出ました場合に、その人が病院に来ますと、その商品などがその日のうちに全部本部に送られるようなシステムがあるんだそうです。これは数年前からできているそうでありますけれども、一年間に消費者から四十万件の被害情報が集まるというシステムだそうであります。これは日本でも私は国民生活センターなんかで実施しようと思えばできると思うのですけれども、その辺はどうか。
 それから、このシステムだけでなくて、もう一つ非常に教訓的なのは、このCPSCに消費者からの直接的な報告があった場合、電話料金であるとか通信料金であるとかというものは、みんなこの機関が払うのだそうです。つまり、消費者にすれば無料で報告ができる、こういう報告システムだそうでありますけれども、これなんかも通産省の消費者相談室であるとか、都道府県の消費生活センターなどでこういうものを採用していけば、そういう点から見てもっと消費者を守っていくことができるのじゃないか、すぐでもできるのじゃないか、こういうふうに思うのですが、この二点について御意見をお伺いしたいと思うのです。
○政府委員(藤井直樹君) 先ほど御答弁いたしました中で、危険情報システムのお話を申し上げたわけですけれども、確かにアメリカでそういう非常に完備した制度がございます。日本では企画庁の関係といたしまして、国民生活センターが五十年からその仕事に取りかかったわけでございます。当面は情報の収集をいたしまして、そしてそれがある程度蓄積された段階におきましては、個別の案件についての分析評価をいたしまして、それを企業、消費者等に提供するようなところまでいきたいと思っているわけでございますが、何分まだ始めた段階でございますので、少し時間をかけてやっていきたいと思います。
 それから、後で御質問になったアメリカの制度の中で、無料の問題でございますが、私どもといたしましても、今後拡充の過程で情報の収集上どうしてもそれが必要であるということであれば、またそういうことも考えなければいけませんし、その辺のところにつきましては、これから実行の過程で検討いたしたいと思っています。
○塚田大願君 大臣、もう二時になりましたから、大臣にあと若干質問ありますけれども、政府委員に質問いたしますから、どうぞ御退席ください。
 これは通産省への質問になるかと思うのですが、具体的なケースであと二、三お聞きしたいと思うのです。
 一つは、最近流行といいますか、大変普及されてきました携帯ガスコンロ、これの事故であります。ブタンガスのボンベを内蔵している携帯ガスコンロ、これがゴムホースも要らない、携帯に便利だというようなことで、テレビその他でも大変宣伝がされておりますし、相当普及されて、昭和五十年度の生産台数は約百五十万台であると、こう聞いております。国民生活センターへは過去二年間で苦情が二十五件集まっているとも聞いております。これは火元と燃料のガスボンベが非常に接近しているために事故が起きているのだと思うのですが、ことしも三月に、福岡県の清原さんという先生が結婚祝いのパーティーをやっているときに事故に遭って、両眼失明寸前の負傷を負われた。このことをいま清原さんは訴訟もしておられるようでありますけれども、清原さんは、この携帯ガスコンロの使用上の注意事項を厳重に守ったけれども突然爆発した、こういう事故だと思うんですね。これについて通産省の監督はどういうふうにやっておられたのか、それをお聞きしたいと思うんです。
○説明員(広海正光君) いまおっしゃいました簡易ガスコンロでございますが、従来から液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律に基づきまして検定を実施し、その安全性のチェックを行ってきたわけでございます。しかしながら、大きな鉄板やなべの底が、組み込まれておりますボンベのカバーの上にかぶさったような形で使いますと、ボンベが異常に過熱されまして事故に至るというケースもございまして、従来から各メーカーに対しまして、普通に使っていればこれは四十度以上にはならないようになっているわけでございますが、そういうような使い方をすれば爆発をする危険性があるということで、使用上の注意事項を消費者に周知徹底するよう指導してきておりますが、同時にまた、過熱された場合、自動的にガスの供給が遮断されて火が消えるというような、安全装置の装着の義務づけが可能であるかどうかという検討もずっと前から実はしてきていたわけでございます。
 しかしながら、いま申し上げました安全装置につきましては、異常過熱時に確実にそういうものが作動してガスの供給が遮断するためにどうしたらいいか、あるいはそういう機構の長もち性、耐久性を十分にするためにどうしたらいいか、さらには、そういうものをつけることによって余りにも価格が高くなるのも問題だし、そこら辺の点についてもどうするかといったような技術的な問題が、いざ検討しますといろいろ出てきまして相当な時間がかかったわけでございます。しかし、ことしの六月に省令を改正いたしまして、いま申し上げましたような安全装置の装着の義務づけということを行ったわけでございます。したがいまして、今後の製品につきましては、使用中に誤って器具を、容器を過熱した場合でも事故に至らないというふうになるものと確信しております。
 ただ、いままでにすでに売ってすでに使っているような簡易ガスコンロについてはどうするかという問題があるわけでございますが、これにつきましては、このガスボンベは二時間半程度で使い切るわけでございますので、あとまた使うということになりますと、必ずこういうものを売っている店先に消費者がガスボンベを買いに来ますので、そのときにいま先生がおっしゃったような諸点も十分に注意書に明示し、消費者に正しい使用方法、あるいは注意事項を徹底するように十分これからも指導していきたい、かように考えております。
○塚田大願君 この問題、いろいろまだお聞きしたいところありますけれども、大体いまの答弁で、通産省としても積極的な指導をなさろうとしているわけでありますから、ぜひこういうことが起きないように最善のやっぱり努力をしていただかなければいけないんじゃないかと思うんです。特にいまのガスコンロの場合には、過熱したら自動的にガスがとまるというふうな装置、こういうことは当然当初から常識として考えらるべきだったと思うんです。しかし、とにかく事故が起きてからでも、やはりそれはもういいことはいいことですから、大いにそういうことで積極的に指導していただかなければならいと思うんです。
 ただ一つ、いまもお話ありましたけれども、いままで売られているようなものに対するPRですね、いろんな注意の周知徹底ということもございますが、メーカーに言わせますと、いままでも流通過程にあるもの、あるいは工場にストックされているものは相当あるというのですね。これはやはり従来の基準は、この製品は売り続けていく、こういうふうに大変開き直ったようなことをメーカー側が言っておるようでありますけれども、こういうものに対しても、こういう危険な製品は回収させるなり何なりやはり厳重な措置が必要だと思うのですが、その辺はどうでしょう。
○説明員(広海正光君) 先ほども申し上げましたように、特殊な使われ方をしない限り、温度が過熱されて爆発に至るということはまずないわけでございますので、いかにして消費者にそういう使い方をしないようにということを徹底させるかという問題だと思うわけでございます。この点につきましては、店頭で消費者にマン・ツー・マンで周知徹底させるということが一番確実な方法だと思いますが、それ以外にも、たとえばこういうものにつきまして広告を出すときには、必ず使用上の注意事項というものもあわせてPRするように指導したいと思います。
○塚田大願君 最後に、じゃもう時間がなくなりましたから、一点だけ、同じような関係でありますけれども聞いておきたいのは、最近クリーニングの事故が非常に起きているのですね。たとえば木綿プリントのワイシャツをクリーニング屋に出したら、白地の部分は何ともないのだけれども、染料の部分がぼろぼろになって見る影もないというふうな事故が私の知人からも訴えられましたけれども、これはやっぱりクリーニング屋さんのミスではなくて染料に問題があると私は聞いておるのです。その染料というのは含金反応性染料という染料だそうでありますけれども、これがやはり洗剤等の関係で事故といいますか、いまのようなことになるということを専門家から聞いているのですけれども、この含金反応性染料を使用しているのかどうかというのは一般の人にはわからないわけです。あるいはクリーニング屋さんでもわからないというのですよ、見ただけでは。ところがクリーニング、洗剤かけてやるとそういう結果になる。大変クリーニング屋さんも困っておる、こういうわけです。そこでこういう染料を使用する場合、やっぱり表示するような義務づけというものは絶対に必要だと思うのですけれども、これはどういうふうに通産省お考えですか。
○説明員(小沢紀一君) 御指摘のように一部の特殊な染料――金属を含みました染料でもって染めた製品が酸素系の漂白剤にあいますと、非常に強い酸化反応を起こしまして生地を低下させる事故が続いております。この染料は非常な新製品でございまして、私ども当初はその原因がわからなかったわけでございますけれども、原因がわかったということで現在対策を講ずべく調査中でございます。
 と申しますのは、すべての金庫を含む反応性染料が事故を起こすということではなくて、ごく一部の限られた染料が限られた条件において事故を起こすわけでございます。そこら辺のところを、どういう場合にそういった注意表示をなすべきかという範囲限定につきまして調査中でございまして、たまたまこれは反応性染料に限りませんで、すべての染料につきまして色の強さの表示というものを技術点検いたしておりますので、その一部のテーマといたしまして、それから市販の製品を買い上げてテストする、あるいは化学組成のわかっている染料で試し染めをしましてテストしまして、大至急その範囲を限定し、そういった事故の起こるものについては表示をさせるという方向で検討してまいりたいと思います。
○塚田大願君 委員長、いいです。
○委員長(鈴木力君) 他に御発言もないようですから、総理府のうち、経済企画庁の決算につきましてはこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十分散会
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