第078回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第5号
昭和五十一年十月二十六日(火曜日)
   午前十時三十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大谷藤之助君
    理 事
                大島 友治君
                林田悠紀夫君
                矢田部 理君
                黒柳  明君
                橋本  敦君
                三治 重信君
    委 員
                石破 二朗君
                岡田  広君
               久次米健太郎君
                秦野  章君
                宮崎 正雄君
                上田  哲君
                久保  亘君
                栗原 俊夫君
                対馬 孝且君
                野田  哲君
                桑名 義治君
                峯山 昭範君
                神谷信之助君
   国務大臣
       国 務 大 臣  福田 赳夫君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  坂田 道太君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員長      澤田  悌君
       警察庁刑事局長  土金 賢三君
       防衛庁参事官   岡太  直君
       防衛庁長官官房
       長        亘理  彰君
       防衛庁防衛局長  伊藤 圭一君
       防衛庁人事教育
       局長       竹岡 勝美君
       防衛庁装備局長  江口 裕通君
       法務省刑事局長  安原 美穂君
       法務省矯正局長  石原 一彦君
       国税庁次長    山橋敬一郎君
   説明員
       法務省入国管理
       局登録課長    山下 善興君
       公安調査庁調査
       第二部長     谷  藤助君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○証人の出頭要求に関する件
○ロッキード問題に関する調査
 (ロッキード問題に関する件)
    ―――――――――――――
○委員長(大谷藤之助君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を開会いたします。
 この際、証人の出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 ロッキード問題に関する件について鬼頭史郎君を証人として来る十月二十八日午前十時に出頭を求め、その証言を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(大谷藤之助君) ロッキード問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○野田哲君 防衛庁にまず伺いたいと思いますが、ロッキード事件を調査をしていく中で、私どもは防衛庁の体質を再検討をする必要を通感をしているわけであります。たとえば防衛庁を退役をした制服の高官が多数兵器を製作をし、納入している企業に幹部として迎えられている、あるいは先般も当委員会で問題になりましたけれども、退職自衛官がロッキード社とP3C売り込みのための契約をしている、こういう例があるわけであります。
 そこで、防衛庁の退役幹部の問題について、あり方について最初に伺いたいと思うのです。具体的に伺いますが、杉山茂――杉山茂という人が防衛庁の制服でかなりの高い地位にいたと思うんですが、この杉山茂という人は防衛庁で退官前にどのような地位にあった人か、まずその点をお答えいただきたいと思います。
○政府委員(亘理彰君) お答えいたします。
 ただいまお尋ねの杉山茂氏は、明治三十五年のお生まれでございまして、戦前に陸士、陸大を卒業されまして、戦後二十九年に警察予備隊へ入隊されまして、その後陸上自衛隊に勤務されていろいろな職歴を経ておりますが、最後は陸上幕僚長を三十二年の八月から三十五年の三月まで勤めております。で、退官いたしております。
○野田哲君 この杉山茂氏、現在はどのような役職に、あるいは団体についておられますか。
○政府委員(亘理彰君) ただいまは日本兵器工業会の常任理事というふうに伺っております。そのほか社団法人日本郷友連盟の顧問でありますとか、同じく社団法人隊友会の相談役でありますとか、同じく社団法人安全保障懇話会の会員であるというふうに承知しております。
○野田哲君 法務省、入管の方、おられますか。
 いま、防衛庁から説明のありました杉山茂氏は十月十九日にノースウエストあるいはキャセイ航空で出国をしているというふうに私は調査をしているわけでありますが、その事実がどうなっているか。行先はたしか台湾であったと思うんですが、この点いかがですか。
○説明員(山下善興君) お答えいたします。
 杉山茂氏は十月十九日午前十時発のキャセイ航空五五一便によりまして台北向けに出国しております。
○野田哲君 防衛庁長官、あるいは官房長、この杉山茂氏、これは随行者が七、八名いるはずなんですけれども、いま入管の方から説明がありましたが、十月十九日に台湾へ行った、この背景について知っておられますか。
○政府委員(亘理彰君) お答えいたします。
 私ども事前に承知しておったわけではございませんが、調べましたところでは、先ほど申し上げました社団法人安全保障懇話会の主催の台湾、韓国への見学旅行の旅行団のメンバーといたしまして、杉山氏が団長になりまして、一行九名が今月十九日から三十一日までの予定で台湾、韓国へ現在旅行中である。これは毎年、会の主催でやっております海外旅行の計画の一環でございまして、会員から希望者を募って、費用も個人負担でやっておる、希望者が参加しておるというふうに承知しております。
○野田哲君 この説明は事実とかなり違うんじゃないかと思うんですよ。私が得た情報では、杉山茂氏を団長とする一行九名、この九名というのは、杉山茂氏を含めて元防衛庁の制服の最高幹部の地位におった人たちで編成をされております。官房長はいま、毎年行われておる見学旅行というふうに言われておりますけれども、これは違うと思うんです。これは台湾の軍部の招待を受けて行った。で、招待状は安全保障懇話会、ここへ台湾軍部の最高責任者から来ているはずです。そして一行の行程というのは、金門島へ行っています。金門島で台湾の軍部と軍事上の意見交換を行う、これが主目的で台湾の軍部に招かれている。そして引き続いて韓国を訪問して、韓国軍部とともに板門店や三十八度線を軍事専門的な立場に立って調査をしている。これが私の得た情報でありますけれども、そういう情報を官房長は承知をしておりませんか。
○政府委員(亘理彰君) 旅行団の九名のメンバーが自衛隊の退職者――これは文官一名も含んでおりますが、そのほかは自衛官の幹部の退職者であることはお話のとおりだと思います。ただ、私ども安全保障懇話会に確かめたところでは、軍の招待によるものではないという報告を受けておりますが、なおよく調査いたしてみたいと思います。
○野田哲君 場所は。
○政府委員(亘理彰君) 場所は台湾、韓国ということでございますが、旅行計画の細部については報告を受けておりません。
○野田哲君 これは相手が安全保障懇話会という法人でありますから、防衛庁との直接的なつながりはないわけでありますけれども、いまの官房長の説明では私は納得できません。
 そこで、この防衛庁の退官幹部が多数構成員となっているこの安全保障懇話会に対して、杉山茂氏一行の全体の構成員の氏名、それから元防衛庁における退官時の地位、それから出国から帰国までの経路、それから台湾の軍部から招待状が文書で来ておるはずですから、この写しを調査をして提出をしてもらいたい。このことを委員長にお願いをしておきたいと思います。
○政府委員(亘理彰君) ただいまのお尋ねの幾つかの点の中で、メンバーにつきましては承知しておりますので申し上げます。
 団長は杉山茂元陸将でございまして、これは先ほど申し上げたとおり退職時陸上幕僚長でございます。それから花見侃元陸将、これは退職時第一空挺団長でございます。小林幹夫、これは文官でございまして、退職時は調達実施本部の副本部長でございます。桜井忠成元空将、これは幹部候補生学校長でございます。伊藤公雄元空将、これは退職時、術科教育本部長でございます。近藤清秀元陸将、退職時武器補給処長でございます。和田盛也元陸将、これは退職時西部方面総監でございます。口野昌三元陸将、退職時第三師団長でございます。工藤勇介元陸将、退職時関西地区補給処長でございます。
 お尋ねの旅行日程の細部並びに台湾軍部の招待状があったかどうかということについては、さらに調べまして御報告申し上げます。
○野田哲君 いま一行の名前が読み上げられたわけでありますけれども、この背景となっている安全保障懇話会、これは新宿区若松町一〇二に事務所があって、五十一年四月十五日に設立をされている。そして理事長は元陸幕長杉田一次氏、そして理事については一人を除いて六人自衛隊の将官クラス、個人会員約二百七十名ほとんど全員自衛隊の制服の幹部、こういうような構成になっていると思うんですが、間違いありませんか。
○政府委員(亘理彰君) 安全保障懇話会の成り立ち、性格あるいは構成につきましては、大体先生のおっしゃるとおりであると思います。
○野田哲君 特別会員という制度があって、特別会員に二十一社法人が加盟している。この二十一社の名前がわかりますか、いまここで。
○政府委員(亘理彰君) 特別会員は、会の趣旨に賛同して入会した法人または団体ということでございますが、お話しのとおり、二十一社だと思います。
 会社名は、旭化成工業株式会社、石川島播磨重工業株式会社、伊藤忠商事株式会社、沖電気工業株式会社、川崎重工業株式会社、株式会社小松製作所、新明和工業株式会社、住友電気工業株式会社、ダイキン工業株式会社、東京芝浦電気株式会社、日本鋼管株式会社、株式会社日本製鋼所、日本電気株式会社、株式会社日立製作所、富士通株式会社、富士重工業株式会社、日立造船株式会社、三菱重工業株式会社、三菱電機株式会社、三菱商事株式会社、資生堂株式会社、以上のように承知しております。
○野田哲君 大体防衛庁との大手業者であるということだと思うんです。このことについては改めて審議をしたいと思うんですが、この自衛隊の元幹部二百数十名集まり、そして防衛庁へ兵器等納入をしている業者が二十一社特別会員として参画をして、財政的なこれは援助をやっているんだろうと思うんですが、そういう性格を持った安全保障懇話会、この沿革について私はきょうは問題にしたいと思うんです。
 この新宿区若松町一〇二にある安全保障懇話会の前身というのは、大陸問題研究所という法人があった、これが安全保障懇話会に引き継がれていると、こういうことだと思うんですが、間違いありませんか。
○政府委員(亘理彰君) 安全保障懇話会は、私どもの承知しておりまするところでは、昭和三十七年に任意団体として発足いたしまして、自衛隊の元将官クラスの者を会員としまして、わが国の安全保障問題について研究してきたわけでございます。一方、外務省所管の財団法人として、お話の大陸問題研究所がございまして、これが解散するに当たりまして、目的の類似性によりまして、その財産を譲り受けまして、本年の四月の十五日にこの任意団体から安全保障懇話会が社団法人になったというふうに承知しております。
○野田哲君 この安全保障懇談会、これが目的の類似性によって大陸問題研究所を引き継いだと、こういうことでありますが、後でまたこの問題出てきますけれども、質問を次に移していきたいと思うんです。
 公安調査庁見えておりますか。――それでは、公安調査庁見えていないですが、法務省あるいは警察庁でわかっていたら説明してもらいたいと思うんですが、日本民主同志会中央執行委員長、こういう職、それから、世界救世教――世の中、世界を救うという世界救世教外事対策委員長、日本郷友連盟本部理事、こういう役職にある松本明重という人知っておりますか。
○政府委員(土金賢三君) お答えいたします。
 全然心当たりありません。
○野田哲君 公安調査庁が後で見えたら重ねてこの問題を伺いますが、この松本明重という人が編集をしているここに本があります。「赤い故郷を捨てた人々」、こういう本があります。最近は例の「日共リンチ殺人事件」、こういう本を編集して発行しております。この先ほど私が質問をした、防衛庁を退役をした最高幹部の人々が二百数十人会員となって安全保障懇話会という団体を構成をしている。そして、この安全保障懇話会というのは、先ほど説明があったように、目的の類似性によって以前あった大陸問題研究所という団体を引き継いでいる。事務所は、先ほど申し上げた新宿区若松町。この安全保障懇話会の前身である大陸問題研究所、この大陸問題研究所が先ほど言った松本明重氏、この人が主宰をする、端的に言えば右翼団体でありますけれども、日本民主同志会あるいは世界救世教、こういう右翼団体と非常に密接な関係にある、こういうことを防衛庁長官は御存じですか。
○国務大臣(坂田道太君) 私は、承知しておりません。
○野田哲君 官房長御存じですか。
○政府委員(亘理彰君) ただいまお話しの事実は全く承知しておりません。
 なお、大陸問題研究所が安全保障懇話会の前身というふうにおっしゃっておりますが、財団法人の財産のみを引き継いだというふうに承知しておりますので、必ずしも前身というのはどうかと思います。
○野田哲君 先ほど大陸問題研究所がその財産を安全保障懇話会に引き継ぐに当たって、官房長自身も目的の類似性によって引き継がれたんだと、こういう説明があったわけですね。で、この大陸問題研究所というのは、この松本明重が編集発行した「赤い故郷を捨てた人々」、この本の一編を大陸問題研究所が担当しております。そのぐらい密接な関係を持っているわけです。
 そこで法務省関係に対して問題になっている三木総理に対するにせ電話事件について、鬼頭判事補をめぐる背景について伺いたいと思うんです。まず先ほど大陸問題研究所という団体、これが目的の類似性によって自衛隊の制服幹部が主たる構成員となっている安全保障懇話会、これに引き継がれたわけでありますけれども、この大陸問題研究所と非常に強い関係にある彼が編集をして発行した本の一編をこの研究所が担当している。このぐらい強い関係にある松本明重氏の略歴について私の調査した事実を明らかにしておきたいと思うんです。
 この松本羽重という人は、広島の鉄道学校の高等科を卒業した後、旧満鉄に勤務し、その後現在の中国、かつての支那といわれていた、そこに所在をした興亜院の、この総裁官房、ここに勤務し、引き続いて戦争中、中支派遣軍の特務機関要員となって上海、中支方面で特務機関の業務に従事をしております。で、現在は京都市の東山区山科に居住をしております。この松本明重氏が、彼が最近編集出版した書籍として、ここにある「赤い故郷を捨てた人々」、こういう本があります。この中の一編は先ほど言いました大陸問題研究所が担当しております。それから、その後最近の本としては「日共リンチ殺人事件」、こういう本を出しております。この「日共リンチ殺人事件」には、新聞で報道されている鬼頭判事補が網走刑務所でみずから赴いて書き写した、これが提供された以外にはもう考えられない、あり得ない資料が掲載をされております。宮本顕治氏にかかわる資料が詳細に掲載をされております。こういう関係で、きわめて私どもとしては鬼頭判事補とこの松本明重、この関係が密接なつながりを持っている、こういう疑惑を持っているわけでありますが、いまこの鬼頭判事補の背景について検察庁等で調査をしているというふうに聞いておるわけでありますが、そういう背景について調査をされているかどうか、この点を法務省の方で説明願いたいと思うんです。
○政府委員(安原美穂君) 検察庁は私の所管の機構でございますから、その点から申し上げますと、現在検察庁におきましては、御指摘のような事柄につきまして最高裁判所あるいは法務省の矯正局を中心に事情を調査中でございますので、その調査を待って捜査をすべきかどうかということを検討したいという方針でございまして、いま御指摘のような事柄はむしろ最高裁あるいは矯正局で調査中でございまして、ちょっと私の所管でございませんので、調査中であるということは承知しておりますが、それ以上は存じません。
○野田哲君 もう一つ、この鬼頭判事補をめぐる背景について伺いたいと思うんですが、京都に京都産業大学という大学があります。この京都産業大学を舞台とした背景、人脈、こういうものについて私は非常に注目をする必要があると思うんです。この京都産業大学というのは、先ほどの松本明重氏のいた、勤務をしていた興亜院――戦争中の中国大陸に所在していた興亜院の関係者、それから元のシナ派遣軍、この特務機関の関係者が集まって設立をした。そして政治的な背景としては、自民党の素心会、岸信介氏、賀屋興宣氏、この素心会には福田副総理も関係していたと、こういうふうに聞いておりますが、この素心会グループが後援をして、そういう背景で設立をされたのが京都産業大学、これであります。この京都産業大学には、かつて鬼頭判事補が鹿児島勤務時代に、鹿児島で上司であった元飯守裁判官――例の公開質問状事件で問題になって退官をした飯守裁判官が、教授として京都産業大学に勤務をしております。このような鬼頭判事補をめぐる京都における人脈、背景、こういうものについて、これは法務省、検察庁としては、この背景について調査をしておりますか。
○政府委員(安原美穂君) 先ほどもお答えいたしましたように、この点については、まだ検察庁は調査に着手するという段階ではございません。ただ、御指摘のような今回のいわゆるにせ電話事件というものに関連があるといたしますれば、現在主として調査を担当しております最高裁判所において、そのような事情、背景も調査の対象にするのではないかと思いまするが、私ども具体的には承知いたしておりません。
○野田哲君 これは先日のロッキード委員会において、安原刑事局長は、鬼頭判事補が行った行為について、まず軽犯罪法違反という容疑が考えられる。官名詐称。まあ、本人のいろいろ新聞に報道しているところによると、あれは自分ではないんだと、こういうこともありますので、直ちに刑法といいますか、軽犯罪法を適用して捜査、こういうのがあるいはむずかしいのかもわかりませんけれども、しかし、この総理大臣に官名を詐称して、しかもある特定の意図を持ったと思われる電話をかけている。しかも、これはロッキード問題に重要なかかわりを持っている。ロッキード隠し、あるいは場合によっては現政府を失脚をさせる、こういう内容を含んでおる性質のものでありますから、もう少しこの調査については迅速に、かつ問題の核心に触れた調査というものが行われなければならないんではないかと思うんですが、検察庁としては、一切これにはまだ手を触れていないと、こういうことなんですか。
○政府委員(安原美穂君) 先日も申し上げましたように、この問題が公然化いたしました段階におきまして、検察庁としては、もしにせ電話というものがあったとすればどういう犯罪になるかということを検討する過程におきまして、先ほど御指摘のように、少なくとも軽犯罪法違反というものの犯行があったという容疑はきわめて濃いと、あとどういう犯罪が成立するかということの検討として、たとえば偽計によって総理大臣の業務を妨害したというような、偽計業務妨害罪というようなものも考えられるということで、法律的な検討は直ちに始めておるわけでございますが、何分現職の判事補の問題であり、かつ最高裁判所がいち早く調査に乗り出しておられる段階でございますので、捜査をするといたしましても、その資料を収集するという意味におきまして、最高裁の迅速な調査が期待されている現状におきましては、最高裁の調査による資料を得て、厳正な態度でこれに臨みたいという方針でございます。
○野田哲君 公安調査庁見えましたか。十一時にはということであったんですが、見えていますか。――入管はまだいらっしゃいますか。入管の方にぜひ伺いたいし、これは委員長としても取り計らってもらいたいと思うのですが、鬼頭判事補が、現職の裁判官の身でありますけれども、ちょいちょいアメリカに行っていると、こういう情報が入っております。これは恐らく京都における裁判官でありますから、職務でもってアメリカへ行くということは、これはまず考えられないと思うのです。このアメリカへ行っている日時、あるいは渡航目的等について調査をして、資料として当委員会に提出をしていただきたい。こういうふうにお願いしたいと思います。
○説明員(山下善興君) 調査して報告さしていただきます。
○野田哲君 まだ来ないですか、公安調査庁。
○委員長(大谷藤之助君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記起こして。
○野田哲君 公安調査庁に伺いますけれども、公安調査庁では、日本民主同志会、こういう団体、それから世界救世教、こういう団体についての実情について調査をしておりますか。わかっておれば性格等について説明してもらいたいと思う。
○説明員(谷藤助君) お答えいたします。
 日本民主同志会及び世界救世教というものについての直接の調査は私どもの方ではいたしておりません。
○野田哲君 情報全然持ってないですか。
○説明員(谷藤助君) 日本民主同志会についてはわずかな情報はございます。
○野田哲君 それをちょっと……。
○説明員(谷藤助君) 日本民主同志会というのは、昭和三十六年の一月の十五日に京都市において、松本明重、これらが結成した団体でございまして、現在松本明重が中央執行委員長をしており、主に日本精神の高揚によって祖国と民族の繁栄を目指すというようなことをスローガンにいたしまして、現在の構成員はおよそ五十名と言われております。その程度です。
○野田哲君 安原刑事局長に伺いますが、いま説明のあった日本民主同志会中央執行委員長なる松本羽重という人が発行している「日共リンチ殺人事件」――宮本顕治委員長の問題を取り上げているわけでありますけれども、これ調査されたことがありますか。
○政府委員(安原美穂君) 私は、結論から申しますと調査はいたしておりませんが、御指摘の宮本委員長問題に関連いたしましてさような著書があるということは承知しております。
○野田哲君 この「日共リンチ殺人事件」に掲載をされている宮本共産党委員長の例の今国会でも前国会でも問題になったこのいきさつ、これは門外不出という扱いになっているはずなんですけれども、これが詳細に登載をされているんです。で、これは門外に出たとすれば、鬼頭判事補が網走に行ってこれを書き写した、これを提供した物以外には考えられないと思うんですが、この点いかがですか。
○政府委員(安原美穂君) 例の鬼頭判事補が網走の刑務所に行って秘密とされている書類を閲覧したという疑いのある問題につきましては、先ほども申しましたように当省の矯正局で目下調査中でございまして、私、調査中であること以外は存じておりません。
○野田哲君 防衛庁長官に伺いますけれども、先ほど私が具体的な事実を挙げて指摘をした安全保障懇話会、この安全保障懇話会なるものは、防衛庁を退官をした制服の元幹部、説明のありましたような構成、これに防衛庁に兵器等を納入をしている業者が二十一社特別会員として加盟をしている。そういう構成の防衛懇話会でありますが、先ほど申し上げましたように、台湾の軍部の招待を受けて外国へ行っている。官房長の説明では、何をしに行ったかという点については観光目的ということでぼかされておりますけれども、私の調査では、明らかにこれは軍事上の、作戦上の援助をしに行っていると、こういう情報を持っているわけであります。そしてしかも、この安全保障懇話会というのは、目的の類似性にということで、大陸問題研究所、これを財産その他を引き継いでいるわけです。そしてこの大陸問題研究所というのは、先ほど公安調査庁から説明がありましたけれども、端的に言えば京都を本拠にしている極右団体です。この極右団体へ、大陸問題研究所――安全保障懇話会という防衛庁の退官した幹部が組織している社団法人の前身である大陸問題研究所は非常な密接な関係を持って、松本明重氏が発行した本の一編も担当するというふうな密接な関係を持っているわけであります。こういう性格のこの安全保障懇話会、ここに退官した防衛庁の制服の幹部が集まって、思想的にも一定の影響力を持っている。きわめて国際的にも疑惑の持たれるような活動をしている。こういう団体があるということについて、防衛庁長官の見解を承っておきたいと思うんです。
○国務大臣(坂田道太君) 安全保障懇話会というのは安全保障に関する諸問題の調査研究及び防衛に関する諸施策に協力をするという目的をもって設立されておるわけで、会長は前の防衛庁長官をやられた赤城宗徳先生でございますし、私もこの安全保障懇話会にはたびたび参ります。私は日本の安全についていろいろの角度から研究をするということは非常に大事なことだと、むしろそれが十分でないというところを考えておるわけでございまして、あらゆる角度から日本の安全というものを考えてもらいたい。
 それからまた元自衛官であった人たちが、自分たちの何といいますか専門的知識を生かして、そしていろいろ安全保障について提言をしたり、あるいは発表をしたり、あるいはそのために実地を見に行くとかあるいは各地を回るというようなことは、むしろ望ましいことじゃないかというふうに思うのであります。むしろ私は、日本が専守防衛ということでありますならば、やはりそういう安全保障に関する問題につきまして、いろいろの角度からいろいろの人がやはり検討さるべきものであるというふうに私は考えております。
 ただ、いま御指摘になりました大陸問題研究所がこれに財産を引き継いだということでございますが、これがどういういきさつであるかということはつまびらかではございませんし、あるいは大陸問題研究所の性格、あるいはその中のいま御指摘の松本明重氏という人がどういう人物であるか、こういうところはもう少し私調査をしてみたいというふうに思いますけれども、安全保障懇話会そのものは私が前段に申し上げましたような意味なんでございまして、そこのいきさつについては私もよく承知しておりませんから何とも申し上げられませんけれども、安全保障懇話会というものはむしろなくてはならないものだというふうに私は思っておるんです。そういうものはあってよろしいというふうに思っております。
○野田哲君 先ほど官房長の説明でも、大陸問題研究所、これは安全保障懇話会に目的の類似性によって財産を引き継いだと、こういう説明があったわけですよ。財産を引き継いで五十一年四月十五日に社団法人としての登録を行っているわけです。いま防衛庁長官は、この安全保障懇話会について、日本の安全保障問題を調査研究するのはあって当然だし結構なことだと、こう言われたわけですけれどもね、もし私が指摘をしたことが事実であったとすれば、この杉山以下一行九名、台湾の軍部によって招請を受けて訪台をした、そして目的は、金門島に行って現地で作戦上の意見交換をやった、これが事実であるとするならば、それでも防衛庁長官の見解は変わりませんか。――いいですか、日本は中華人民共和国といま国交を持っているわけですよ。台湾との国交は途絶をしているわけです。そして一触即発の危険性をもはらんでいる金門島、全島を要塞化していると言われているこの金門島の軍事上の問題で意見交換をした。これが事実であれば、それでもなおかつあなたは日本の安全保障の問題にとって必要な団体である、有意義な団体である、こうお考えになりますか。
○国務大臣(坂田道太君) そこのところは私まだ承知をしておりませんので、事実関係を調べなければ何とも言えないと思いますけれども、私が承知しております限りおいては、向こうの招待とかなんとかいうことではないというふうに思っておりますから、それで、退職自衛官が軍事的な専門的知識や経験を生かしまして海外におきまして個人の資格で活動するといたしましても、それは本人の自由な問題ではなかろうか、防衛庁が関与すべき性格のものではないというふうに考えます。もっとも、それは自衛隊法に言っております秘密保全義務とかあるいは離職後の就職の制限等、その他の法令というものに違反してはならないということはもちろんでございますけれども、そうでない限りにおきましては、私は、旅行をしたりあるいはいろいろの事情を調査、見聞するというようなこと、あるいはいろいろのお話を聞いてくるということは差し支えないというふうに思うわけでございまして、もう少しこの点は事実を調べてみなければならないというふうに思っておるわけでございます。ただし、この安全保障懇話会というのは、先ほど申しましたような目的で設立されておって、きわめて好ましい団体だというふうに私は思っておるのでございます。
○野田哲君 もし私が指摘したようなことが事実であったとしても、これは何ら問題にならない、適切な行動である、必要な行動である、こうお考えになりますか、事実であった場合。
○国務大臣(坂田道太君) 事実であるか事実でないかを見きわめない以上は何とも申し上げようがございません。
○野田哲君 じゃ事実が明らかになってもう一回やることにいたします。
 これで交代しますから。
○委員長(大谷藤之助君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
○久保亘君 福田副総理にお尋ねいたしますが、挙党協と言われる会で、自民党の新しい総裁の候補者として推薦をされ、これを受諾されたそうでありますが、福田さん自身は、三木総裁ですか、三木総理に対して不信感を持っておられるのかどうか。特に任期途中で、みずからは退陣の意思を表明されておりません総裁に対して交代を迫る新総裁の受諾をされたわけでありますから、その不信感をどのようにお持ちになっているのか、具体的に何が不信であるのか、最初にそこからお尋ねいたします。
○国務大臣(福田赳夫君) この間、挙党協の総会というのが開かれまして、それでわが党多年の宿題である派閥を解消しようと、そして大同団結しましょうと、それからその運動を推進する指導者として私を推挙しようと、こういうことになったんです。私は多年自由民主党の体質改善、そのための派閥解消ということを提唱してきておるのでね。これはしかし派閥解消と申しますとなかなかむずかしいことであります。あれは二十年前に石橋さんですか、石橋総裁、総理が、これは派閥解消は天の声だと言い、その次の岸内閣、岸さんも派閥解消は天の声だと、こう言ってきたんでありますが、なかなかそれが実現しない。ところが、ロッキード事件を契機といたしまして自由民主党の中には反省の傾向が強く打ち出されて、この際にひとつ派閥を解消しましょうと、こういうことになりまして、これは私も多年の政治家としての念願でありますので、その運動の指導者であるということを求められて、私は勇躍してその任につくというような気持ちになったわけであります。これは自由民主党の問題でありまして、国務とは直接関係ありません。ありませんが、これは間接的には、当自由民主党が政権政党であるということから微妙な関連はあるわけなんです。そこで私は、そういう私の立場が国務に支障がないようにということにつきましては最善の努力をしておると、こういうことでございます。
○久保亘君 あなたはよく日本国が私を必要とするとか日本国の問題だとかいう言葉をお使いになりますが、今度の問題についても、十月の二十日の早朝の福田派総会と言われる会合のあいさつから挙党協のあいさつ、その後のインタビュー、詳しく読ましてもらいました。その中にあらわれてまいりますのは、これは一党の問題であって国務とは別の問題だと。そういうぐあいにはいかぬのじゃないか、私はこう思うんです。で、特に今度の自民党の臨時党大会は新体制をつくるということが原則である、こういうことを福田さんは言っておられますから、ということは、しかも二十日の日に党の出直し的改革ができるかどうか、実行できるかどうかは十日間が勝負だと、こういうことも言っておられますね。そういうことからいたしますと、三木総裁に対して、この国務を担当されている、自民党総裁である三木さんに対して、これでは日本国のためにだめであるという感じをお持ちになったればこそ新しい行動に出られたものだと思うんです。そういう点で、現在の三木政権に対してどういう不信をお持ちなのか、それをひとつ具体的にお聞きしたいという気持ちがあるんです。
 それからもう一つは、三木さんは総選挙が終わって退陣することを前提にした首相が国民に信を問うことはできない、こう言われている。このことについては、三木さんと限らず総選挙で国民に信を問おうとする者が、選挙が済んだら私はやめるんですということを前提にしてやることは、これは三木さんが言っているように、国民に信を問う道にはならぬ、こういうことについては福田さんも同じような考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) 後の点ですね、総選挙が済んだら私はやめますという立場の総理大臣が国会を解散し信を問うと、こういうようなことは、これは矛盾撞着もはなはだしいと、こういうふうに思います。
 それから、三木自民党総裁に対してどういう考えかと言うからお答えしますが、三木総裁に対して自民党の中でいろいろな立場で批判があるんですね。どうも自民党の人を余りかわいがってくれない。むしろ野党の人をかわいがるなんて言うような人もあるんです。そういう人もありまするし、またどうもかっこうがいいというところばかり求めて毅然たるところがないんだと、やることに安定性がないなんていうようなことを言う人もあるし、あるいはイデオロギーが違うのだと言う人もあるし、あるいはもう三木さんは、三木内閣の成立の経過から見れば、三木さんはもうそろそろこの辺でなんて言うような人もあるし、いろいろあるんですよ。しかし、私はその一つ一つを問題にしているわけじゃないんで、私が問題にしているのは、とにかくいろいろな理由はありまするけれども、七割近い人は三木さんの姿勢に対して問題意識を持っておると、そこに私は問題があると、こういうふうに考えておるわけなんです。やっぱり政党政治でありますから、強力な政党の支援がなければね、本当にたくましい政治は実現できないはずです。そういう体制で一体いいのかどうかということを私は問題にしておると、こういうふうに御理解願います。
○久保亘君 いや、福田副総理だけが超然とした第三者で、自民党内の党内の全体を見て、自分はその全体の動きの中で判断するという立場でおられるというわけにはまいらぬだろうと思うので、あなたもそれじゃその七割の一人ですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 私も三木体制について心配をいたしておる一人でございます。
○久保亘君 いまのずっとお答えになりましたことを通して考えてまいりますと、やっぱりそうするとあなたとしては総選挙前に新体制をつくるべきだということで、当然その場合には挙党協の首領になられたあなたが政権を求められるのでありましょうから、やめることのわかっている者が国会を解散して国民に信を問うことは矛盾撞着もはなはだしいとこう言われるのならば、もし、それじゃ三木さんが解散されて信を問われる場合には、総選挙後三木さんはおやめにならないということになるわけですね。もし総選挙後におやめになるということなら矛盾撞着もはなはだしいことを、自民党のナンバーツーの地位にあられるあなたがそれをおやりになるわけにはまいらぬでしまうから、そうなれば当然新体制、福田政権を要求されるということになりますか、総選挙前に。
○国務大臣(福田赳夫君) 総選挙が済みまして内閣は総辞職をする、そうして首班指名が行われるわけでありますが、そのときだれが首班に選挙されますか、これはその選挙の結果を見なければわかりません。しかし、三木さんがもしこの国会で解散、総選挙を行うということをあえてされるということでありますれば、三木さんの主観としては引き続いて政権を担当するんだと、私は首班として再び選ばれるんだと、そういう前提でなければこれはおかしなことになるのじゃないか、そういうふうに思います。
○久保亘君 それでは私、ロッキードの特別委員会でありますから、現在のこの政局に非常に重要な関連を持つ動きをされております福田さんに、特に挙党協から次期総裁と目されておられるあなたに対して、ロッキード事件の問題について少しお尋ねしたいことがあります。
 あなたは幾つかの談話の中で、ロッキード事件は自民党の連帯の責任である、自民党は国民に深くおわびし、そのしるしを示さなければならぬ、こう言われておりますが、この国民に深くおわびをし、そのしるしを示さなければならないというのは、ただ言葉で、清新にして解党するぐらいの決意で出直した自民党だというその言葉では、国民は別に自民党から責任をとっておわびをしてもらったとは思えないのです。一体ロッキード事件を国民に深くおわびし、自民党の連帯責任としてそのしるしをあらわすということならば、具体的にどういうことをやればよいと考えておられるのか。特にですよ、ロッキード事件のこの真相解明ということについては、徹底解明を言うておるのは三木さんよりもおれの方が元祖だとあなた言われている。それならば、このロッキード事件の徹底解明で国民に深くおわびし、そのしるしを示すということならば、あなたがもし党の最高の責任者であるならば、少なくともこのロッキード事件の全貌を、具体的に氏名も含めて明らかにするというぐらいの決意をお持ちにならないと言葉が生きてこない、こう思うんですがいかがですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、ロッキード事件については徹底解明論者なんです。しかし私は、このロッキード事件というのは、これは事件として徹底解明した、それだけでは私は十分ではないと、こういうふうに思うんですよ。つまり私のとらえ方は、このロッキード事件というものは背景があって、根があって、その根から吹き出した一つの芽である、こういうふうな考え方なんです。ですからその根をえぐり出す、これをやりませんと、これは私は第二、第三、第四のロッキード事件というような――ロッキート事件じゃありませんでしょうが、類似の問題が起きてくると、この際こそ私はその根をえぐり出す非常にいい機会である、こういうふうなとらえ方をしているわけです。そういう立場に立ちますと、私はこういうロッキード事件というような不祥な芽を吹き出さした自由民主党の体質、これをここで本当に反省してみる必要があるだろうと、こういうふうに思うんですよ。その体質の根源は何だと、一番大きな問題は私は派閥の問題である、これはまあ長い間言われてできなかったんですが、この際にこそこの困難な、私はこれは明治維新の版籍奉還にも似ているむずかしい問題である、こういうふうに思いますけれども、維新の先輩はあれをやってのけて、そして維新の大業をなし遂げておる。昭和のわれわれにそれができないはずはないじゃないかと、それくらいの踏ん切りをつけて、そして自由民主党の体質を浄化する。派閥解消ばかりじゃありません、これはもう反省のしるしとして幾多の改革がありまするけれども、派閥解消を中心とした大改革をこの際やってのくべきである、こういうふうに思っているんです。そうすれば私は国民は非常にこれは評価してくれると、こういうふうに思います。
 それから、事件としてのロッキード問題については私は徹底解明でありまするけれども、その徹底解明がどういう形で行われるのかということになりますると、これは私は具体的に法務当局から何ら事件の推移というものを知らされておらないんです。国会における中間報告、あの程度の知識しか持っておりませんものですから、これは私から申し上げる、具体的にどういうふうにすべきだというようなことを申し上げる立場にはありませんけれども、徹底解明論であるということだけははっきり申し上げます。
○久保亘君 徹底解明ということは、容赦なく、そしてこの事件の全貌を残すところなく国民に知らせると、こういうことでなければ、副総理も御存じない状態で終わり、そして特定の人たちだけが、もうほんの一部の人たちだけがこの内容を知っておって、悪く言えば――悪く言えばですね、あの宇都宮代議士が辞任の弁で言われているように、このロッキード事件を派閥間の取引に使ったのではないかというような言い方が出てくるような状態でこの問題が済まされるということは許されない、私はこう思うんです。だから、少なくとも挙党協を率いて、そして新たな党のリーダーになろうという決意をされている人は、いま最大の政治課題であるロッキード事件の解明について方針を明確に持つ必要があるのではないか。それは三木さんの仕事だと、それは三木さんの仕事であなたはその解明だけやりなさいと、やったら自民党の連帯責任で最高の責任者をおやめなさい。その連帯の責任だけど、ナンバーツーの地位にある者には責任はないんですから後は私がやります。そういうわけにはいかぬだろうと思うんです。だから、あなたが、それじゃこの自民党の連帯の責任として受けとめるロッキード事件というのを徹底解明と言うならどうやられるのか。それはただ決意としての抽象的な表現ではなくて具体的に示されなければならぬと思う。たとえばこの疑惑の高官は、これは当然政治的道義的責任を追及せらるべきである。そのためには国会がその政治的道義的責任を明確にするために必要なものはすべて公表をするという、そういう立場を明確にされる必要があるんじゃないですか。そのことがはっきりしないと、福田さんが言われるロッキード事件こそが自民党再生の、不幸を転じて幸いとするその一つの契機になるんだというような表現も非常にむなしい言葉でしか残らない、こう思うんですがね。だからその点については、あなたがもう一つこっちへ座られたときに私ならこうやるということを、やっぱりここで明確にされることが大事じゃないでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) 久保さんも御理解願っておると思いますが、これは事件の解明と言いまするけれども、政府のできることはこれは刑事責任ですよ。刑事問題としてのこの問題の解明、これいささかもひるむところがあってはならぬ、こういう立場にあるわけです。しかし、同時にこの問題はいわゆる政治責任問題というものがつきまとっておるわけであります。この政治責任問題については、考え方としては国会調査権の発動として御論議、また決着を進めるべきである、こういうふうに思います。その調査権発動の国会側の御要請、これに対しましては政府は最大限の協力をすべきである、こういう考え方を持っておるわけであります。
 ただ、具体的にそれじゃこういうケースはどうするのだああするのだと、こういうことになりますと、私どもはこれは何らのそれを判断をするいま材料を持っておりませんのです。全然その事件の内容というのは聞かされておらないわけであります。でありますので、こういうケースについて発表するのだ、こういうケースについて国会にこうお答えするのだというようなことにつきましては、それを具体的にお答えは申しかねます。
○久保亘君 政府の中間報告などは、ロッキード問題の閣僚協議会などで御議論にはならなかったわけでしょうか。全くあの文書を読む以外何にもわれわれは知らされていないのだということですが、私どもが聞きますところでは、ロッキード問題の閣僚協議会などというのが再三開かれているようでありまして、そこには副総理も御出席になっているのじゃないかと思うのですが、全く三木さんと稻葉さんとあの二人の間でいろいろ話し合われて、副総理などはらち外、こういうことで政府のこの問題解明は進んできておるのですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 基本的な考え方につきましてはこれはまあ意見統一をしておりますがね。国会へ報告すると、そういう中間報告の文書等につきましては協議は受けておりません。あの際は法務大臣から閣議に対しましてね、大体紙にすると一枚半か二枚ぐらいですよ、その程度のお話がありまして、そしてきょう中間報告をいたしたい、その考え方の概要はこうですと言って報告されたわけですが、国会で報告されました中間報告は相当長いもので、それを何十分の一ぐらいにつづめて閣議には報告をし了承をされたと、そういういきさつでございます。
○久保亘君 大変私は気になることを聞くのですが、政府が今日最大の政治課題であるロッキード事件について中間報告を内閣の責任で行うときに、その中間報告の全文を閣僚に示すことなく、用紙一、二枚に要約されたものを出してこれでよろしいかということで閣議が了解されて、そして国会に提出された中間報告は口述四十分にわたる膨大なものでありました。いまの閣議というのは、ロッキード問題の中間報告などについてはその程度で扱われているものなんでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) まあ基本的な問題につきましては相当過去において論議はされてきましたが、いまお話しの中間報告につきましてはその程度の閣議報告でその報告が了承されたと、こういうことでございます。
○久保亘君 それでは時間もありませんから先へ行きますが、このロッキード事件の解明や政治的道義的責任を明らかにするという点では、三木さんの姿勢は私どもが感じますところでは次第次第に後退し、特に五月国会の通常国会の会期末の段階で後退し、そして田中角榮釈放の段階からまた少し怪しくなり――これは私が言っているんじゃなくて稻葉さんがそう言っているんです。八月の十七日ごろからどうもおかしくなった、こういうことを言われておりますから、そういうことがあり、そして八月末の三木おろし騒動で、このロッキード問題がかなり取引されたのではないか。これは宇都宮代議士が、私はもう自民党に失望したと言って、その中に言われていることなんで、三木さんに近い経験豊かな国会議員がそう言われるのでありますから、私どもも大変心配になるわけであります。そういうようなことで三木さんの姿勢が次第に後退してきているとすれば、これはあなたが言われるように、ロッキード事件の徹底解明はむしろ福田が一番主張していることである。そして、このロッキード事件の徹底解明なしには自民党の再生はあり得ない。このロッキード事件については、自民党は党として連帯責任を感じ、そして解党するぐらいの決意で出直しをするんだ、これだけのことを言われておるのでありますから、少なくとも反三木、いまの挙党協に結集される人の側では、この五月以来のずっと一連の動きを見てきますと、そうではなくて三木に徹底解明をさせない圧力を加えるというような動きが働いてきたのではないかと、こう受け取られる点が非常に多いわけであります。だから、もしもあなたが新しい自民党のリーダーになられる決意だとするならば、少なくとも三木さんが当初国民に約束され、国会で公言をされた、その姿勢よりも、元祖はもっと厳しいところでこの解明に当たるという決意はお持ちだろうと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) 自由民主党の中の政権論争、この過程でロッキード問題の処理が取引されたのじゃないかと、こういうような御所見でございますが、そんなことはもう絶対にありませんから、私どもは徹底解明論だと、こういうことをくどく申し上げておるわけであります。これが、党内のいろんな論争の中で取引を受けたと、これはもうはなはだ心外な御所見と承ったわけであります。そのようなことは全然ありませんから、これは御安心願いたいと思います。
 それから、私のロッキード問題に対する立場、これはもう基本的な考え方ですね、これはもう三木首相と大体同じでやってきておるわけでありまして、今後ともこの問題の処理につきまして、非常に熱心な立場をとっておる三木首相と私の考えがまあ違うということは、私はいまは展望できませんけれども、今後とも私はそういう姿勢は堅持してまいりたいと、かように考えてます。
○久保亘君 それでは、三木さんが先般上田委員の質問の中で、ロッキード事件に関する第二次中間報告といいますか、その政治報告を出しますということを答えられております。そして、それは総選挙で国民が判断できるそういう時点で出すと、つまり国会の会期中に出し、そしてその中間報告に対してわれわれの疑問を受けて、さらにその説明ができる時期に出さなければ意味がないわけでありますが、その政治報告の提出について三木さんがここで答えられていることについて、あなたも副総理として積極的に協力をして、その点について国民が納得できるような政治報告を提出できるように御努力いただけますでしょうか。
○国務大臣(福田赳夫君) ロッキード事件の解明につきましては、もし三木総理がそういう中間報告をさらにすると、こういう踏ん切りをつけられるという際におきましては、これを支持してまいりたいとこういうふうに考えます。具体的のことを私余り相談を受けておらぬものですから、具体的な問題になりますとお答えにくいんだけども、そういう姿勢を、非常に内容をよく知っておられる総理大臣が報告されるという決断をされる、私はそれを支持する考えです。
○久保亘君 政治報告については支持するというお答えでありますから、それはそれでよろしいとして、その副総理というのは一体どういう地位なんでしょうか。その最も重要な政治課題について私はちっとも相談を受けていないと、これは中間報告は一枚か二枚の紙切れ見してもらっただけだ、そうしたらあなたに配られたものよりもわれわれのもらった方がはるかに詳しい内容のものでございました。そしていまやあなたは、三木さんではもう選挙は惨敗だ、だからこの際新体制でなければいかぬという立場に立って挙党協の代表に就任をされた。そういう関係の人が、一方は全くあなたに相談もしない、報告もしない、詳しい内容について何ら副総理に説明を加えることもない。副総理は副総理でこの人が総理、総裁では日本国のためにならぬ、自民党の問題だけではないと、いま私が考えているのは日本国の問題である、こういう大上段に振りかぶった立場を表明をされているわけでありますが、そういう御関係の方が並んでお座りになっておるということは、これは日本国のためにならぬのじゃないですか。むしろ、そういう点についてはいまやそこまであなたが閣内における自分の立場というものを自覚しておられて、しかも、三木さんに対してあなたがそこまでもう党の指導者としてはよろしくないとお考えになっているのならば、この際はっきり閣外にあって自分の立場を貫かれるということでないと、国民は一体何をやっているのかわからぬと思うんですがね、いかがなもんですか。
○国務大臣(福田赳夫君) 先ほど申し上げましたように、私どものいまとっておる行動は、これはあくまでも自民党の党内の問題なんです。私が副総理大臣としての地位にあると、これは国務の問題なんです。そこにはっきりした境界線というものがあるわけでございまするけれども、しかし、自由民主党は政権政党でございまするから、私は微妙な関連というものがあると思うんです。でありますので、私の進退に、閣僚としての進退、こういうことにつきましても私は私なりに真剣に考えておるんですよ。もし私の党内における立場が国務遂行の閣僚としての立場、これと相矛盾するというようなことになれば、これはもう私は一刻もこの地位にとどまるという考えはありません、これは。しかし、いま当面どういう問題があるかといえば、やっぱり国会を乗り切る、それからいわゆる値上げ二法案、これが審議の最後の段階を迎えつつある。そういう際に、その大事な両法案の成立に私も協力しなきゃならぬ、努力をしなきゃならぬ、そういう立場もありますので、ちゃんとけじめ、けじめは私も考えておるんですよ。これはまあどうも党内の立場ですね、このゆえに国務に支障があるなというような段階があれば、これは私はちゃんと職を退きまして、そうして一党員として国会の収拾に努力する、こういうことだろうと思いますが、まだそこまでの段階とは考えておりません。
○久保亘君 いま言われることで私どもどうしても理解できないのは、何回も言いますように、あなたがおっしゃっているのは、自民党の再生ということで国民の信頼にこたえたいという言い方をされるんですが、その場合にいつも問題は一三木、一福田の問題ではない、日本国の問題だ。日本国の問題だということは、いまあなたがおやりになろうとしていることは国民の全体に深くかかわる問題だ、日本の政治にかかわる問題だということだと思うんです。その場合に、結局現在の総理である人を総裁としては信頼できない、この人のもとでは七割の者が不信感を持っているんだから、私もこの人を支持するわけにはまいらぬ、こういう立場をおとりになっておって、しかもその人の政権のもとで副総理の地位にあるということは、これは私はそれこそあなたのお言葉をもってすれば矛盾撞着もはなはだしい、こういう感じがするんですが、そのことはあなたがお決めになることでしょうから、いまお話しになりましたことで、その意のあるところをお聞きしておきます。
 それからもう一つね、なかなかおいでいただくことができませんので、今度のにせ電話事件ですね、についてお聞きしておきたいと思うんですが、このにせ電話の事件について総理のおとりになった立場をあなたはどうお感じになっているかということと、それから三木さんがですね、ここで大変高ぶった表情で、ほかにも自分を陥れようとするいろいろな謀略があった、いろんな機会に自分を陥れようとする、そういう陰湿な謀略があったということを、いかにもこのロッキード事件をめぐっての謀略が政権抗争の中に介在したかのような印象を与えるようにここで言われております。だから、そういう問題を通じてですね、今度のにせ電話事件に対して一時間にわたって三木総理がこれに応ぜられた、そのことと、それからその他いろいろな謀略が渦巻いておったということを総理がここで言われていることと、そういうことを含めてその内閣の主要な地位にあられるあなたとして、この事件をどのようにお考えになっておりますか。
○国務大臣(福田赳夫君) まあ、この事件は正確にまだ解明されておりませんので、所感をこの段階で申し上げるというようなことはむずかしいですがね、まあ、世の中には変な人がおるなと、こういうような感じもしますし、また、よく一時間も忍耐強く聞かれたなと、こういうような感じもしますしね。(笑声)いまその程度でございます。
○久保亘君 じゃ、時間が参りましたので、今度は自民党の挙党協の総裁として一言お聞きしたいのは、あなたの党のかつて総裁であった人、幹事長であった人、そういう人たちが今度の選挙に逮捕、起訴されている身分でありながら、堂々と立候補されようとしており、それぞれの地域においてはあなたの党に所属する地方議員の人たちがその支援に立ち上がり、支部で推薦を決めたり、こういうようなことが行われているように報道されております。
 で、まず党の問題としてそういうことをどう思われるかということ。それから、これらの人たちが立候補されることは、それは自由だと言ってしまえばそれまでですが、政治家の、今度の問題について政治的道義的責任を明らかにし、自民党の連帯責任としてこの問題をとらえるという立場にお立ちになるならば、自民党としてこれらの人たちの立候補は問題であるという立場を明確にされなければ首尾一貫しないと私は思う。その点についてひとつ御見解を承っておきたい。
○国務大臣(福田赳夫君) まあ何ですね、自民党としますと、もう離党された方でございますので、その人にどうすべしという権力的な働きかけはこれは私はできないと思うのです。これはもうわが党を離党されたそういう人、一人一人のこれは自覚というか、反省というか、そういう上に立っての行動ということになるべき性格のものじゃないか、そういうふうに思います。いろいろそうは言うものの、その当該個人に対する接触、そういうことにつきましては、自由民主党ですからいろいろな人が接触されると思いますけれども、事の考え方としてはそういうことではなかろうかと、こういうふうに思います。
○久保亘君 私は、非常に不思議に思いますのは、こういう問題が起きますと、あなたの党は離党すれば、それで自民党として政治的道義的責任は終わり、こういうようなことにおなりになっているようで、それではあなたが言われるように、党の連帯責任としてロッキード事件を受けとめ、そして解党をするぐらいの決意で、国民の信頼を受けるような、清新にして生まれ変わった党をつくるというようなことにはなってこぬのじゃないか。逮捕されていま容疑者の身である人が、起訴されている人が離党してしまえばそれはもう個人の問題だからそれはぐあい悪いと、こういうことでは済まぬと思う。自民党の党員であり、自民党の国会議員であり、幹部である時代に、最高の幹部である時代に起こった事件であるならば、党としてそのことに対する責任追及と、それから道義的な立場を明確にするようにというぐらいの勧告は当然行われなければ国民に対して責任をとることにならない、私はこう思うのです。
 もう御答弁をいただく時間がありませんが、最後に、先ほど三木さんの政治報告、いわゆるその政治報告を当然総選挙前に、総選挙前にということは会期中に出すと、こういうことを約束されておることについては私もそれを支持すると、こういうふうにお答えになりましたので、その点についてひとつ副総理の立場で、あなたがロッキード事件の徹底解明論者であるという立場を貫いて、積極的にひとつ三木さんのそういう立場を支持されるように強く要請をいたしまして、副総理に対する質問を終わります。
○委員長(大谷藤之助君) 答弁は……。
○久保亘君 もしお答えになるならば……。
○国務大臣(福田赳夫君) いや、いいです。
○委員長(大谷藤之助君) 午後一時再開することとし、休憩いたします。
   午後零時八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十分開会
○委員長(大谷藤之助君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を再開いたします。
 ロッキード問題に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○野田哲君 法務省の安原刑事局長に伺いますが、十月二十五日付の朝日新聞、この一面トップにワシントン村上特派員発のコーチャンの未公開資料、写真入りで載っておる、これは御承知だろうと思うんですが、この村上特派員、かつて八月にコーチャン回想録、この取材を担当しておる記者でありますが、この朝日新聞に掲載をされている二つの写真入りの資料、一つはコーチャン氏による売り込みルート図、それからもう一つはホテルオークラの用せんを使ったメモ、こういう資料が掲載をされているわけですが、この朝日新聞十月二十五日付の一ページにこれらのコーチャン千の未公開資料というのが掲載されている、これけ御承知でしょうね。
○政府委員(安原美穂君) 朝日新聞にそのようなものが報道されたことはよく承知しております。
○野田哲君 ここに掲載をされているルート図あるいはホテルオークラの用せんを使ったメモ、これは検察当局の方ヘアメリカ側からの提供資料、この中に含まれていると考えていいわけですか。
  〔委員長退席、理事林田悠紀夫君着席〕
○政府委員(安原美穂君) それはたびたび申し上げておりますように、アメリカ側から来た資料にどういうものがあるかということに関連する事柄につきましてのお尋ねで――資料の中にあるかというお尋ねでございますが、あるともないともお答えいたしかねます。
○野田哲君 あるともないともお答えにならないわけでありますけれども、この朝日新聞に掲載をされているルート図、このルート図の中で私どもがいろいろ想定をし、あるいはいままでロッキード委員会で調査をした中で、およそ想定をされるところなんでありますけれども、一つは、コーチャンから小佐野へ至る線の中で四本、中南、この線がありますが、この線はこれは法務省検察当局としても注目をされているんだろうと思うんですけれども、これについてお聞きをしたいと思うんですが、これ、新聞でも明らかになっておりますが、私どもの今日までの調査でも、この四本さん、中南さん、これは川崎重工業の元社長あるいは専務、特に中南さんは川崎重工業のPXLの研究開発の責任者を務めていた方なんですが、この線、これはあるともないとも、この資料があるともないとも答えられないということでありますけれども、朝日新聞の表で聞きますよ。このコーチャンから四本さん、中南さんを通じて小佐野に至る線、これについて何か感想をお持ちですか。
○政府委員(安原美穂君) いま御指摘のように、あの図面を解釈いたしますと、四本とか中南という氏名は川崎重工の社長、重役であられる方だと思いますが、PXLの関係につきましては、たびたび中間報告で申しましたように、現在までのところ犯罪の容疑が認められないということでございますが、PXLの導入に関連する問題につきましての背景事情を調査するという意味において、川崎重工の関係者からも検察庁としては事情聴取しておりますので、そういうことで、これが川重ということであればそういうことがここに書いてあるということにはなるなという感想は持っております。
○野田哲君 小佐野賢治氏について事情聴取、何回かやられているというふうに報道もされております。これは何回ぐらい行われましたか。
○政府委員(安原美穂君) 捜査の過程でだれを取り調べたかということは、御理解いただいておりますように、捜査密行というたてまえから申しまして、特に逮捕していない人などは全くの任意の協力でございますので、できるだけその名前を秘匿するというのがたてまえでございまして、したがいまして、小佐野氏につきましても秘匿すべき筋でございまして、こちらから小佐野氏を調べたということを申し上げないたてまえでおりましたところ、たまたま取材活動の、熱心な取材活動の網にひっかかりまして露見したというのが実情でございますので、この回数につきましても何回ということは申し上げかねますが、少なくとも明らかになっているだけで三回でございます。
○野田哲君 この小佐野氏からの事情聴取の過程において、この四本、中南、こういう名前の入ったラインがあることについて事情をお聞きになりましたかどうか、お答えになれれば答えていただきたいと思います。
○政府委員(安原美穂君) まあ先ほど申し上げましたような次第で、小佐野氏につきましてもロッキード事件の真相解明のために鋭意真相を語ってもらうべく努力はいたしておりまするが、どのようなことを聞いているかということについてはお答え申し上げることを差し控えることを御理解いただきたいと思います。
○野田哲君 これは今日までの調査の過程――まあ私どもの推測ですけれども、法務省当局の発表では、PXLについての疑惑は認められなかった、こういう発表が何回か行われておるわけでありますけれども、このラインこそはまさにこれはPXLそのものであるというふうに私どもは受けとめざるを得ないと思うんです。特に私は、このラインの示すものというのは、PXLの国産開発、これが白紙還元になって、そこで川崎重工業の受けた損害に対してどのような回復措置をとるか、このことを四本、中南両氏、小佐野、このラインで相談をした、こういうふうにしか思われないわけですけれども、この点はこれ以上言ってもお答えにならぬと思いますので、私の見解だけ述べて終わりたいと思うんです。
 そこで、続いて刑事局長に、いままでこの中間報告によっていわゆる灰色高官、この数合わせがなかなかよくのみ込めない。報道機関等でもかなりの説があるわけです。いろんな説がある、図面であらわしている、これもそれぞれまちまち、こういう状態がありますので、私も報道機関等がやっておるような例によって数を表にしてひとつ確かめたいと思いますので、これちょっと見てください。
 ピーナツ、ピーシズについては、これはもうはっきりしております、田中角榮。それから三十ユニット、これが七名、この中にクロとして橋本登美三郎、佐藤孝行、灰色が五名。それから九十ユニットが十三名。九十ユニットが十三名で三十ユニットとのダブりが五名、こういうことでいま私がお示しをした図表のようになると思うんですけれども、大体そういうことでよろしいのかどうか。
○政府委員(安原美穂君) 御指摘のことで正しいものと御理解いただいて結構でございます。
○野田哲君 警察庁の刑事局長おられますか。先般、ロッキード問題の調査の中間報告が行われたわけでありますけれども、あの中間報告については警察庁で担当した分野もすべて含まれておりますか、この点いかがですか。
○政府委員(土金賢三君) お答え申し上げます。
 このロッキード事件の捜査につきましては、私どもは検察庁と緊密な連携のもとに行ってきておりますので、その捜査状況の報告に当たっても法務省と合議の上で、警察関係の捜査状況については先般行われた中間報告の中に含まれて報告されておる、こういうことでございます。
○野田哲君 じゃ、引き続いてお聞きしますけれども、現在警察庁の方で主として担当しておる分野というのはどの分野なんですか。
○政府委員(土金賢三君) 特にどういうところを分担ということはございません。引き続き検察庁と緊密な連絡のもとにいままで捜査して送致した事件の関連において、まだ残っておる部分、まだ未解明の部分がありますので、そういうふうな点について捜査を鋭意行っておるところでございます。
○野田哲君 鬼頭問題については警察庁は全く現在の段階ではノータッチですか。
○政府委員(土金賢三君) 現在のところ関心は持っておりますが、具体的な関与はいたしておりません。
○野田哲君 鬼頭問題でもう一回戻って法務省に伺いますが、刑事局長、鬼頭判事補の問題については最高裁の方でいろいろ本人から事情を聞いていると、こういうことですね。犯罪の容疑とすれば軽犯罪法、官名詐称、こういう容疑が考えられるということですが、この鬼頭問題をいろいろ本人からも聞いているわけでありますけれども、鬼頭問題についていろいろ状況を明らかにしていこうとすれば、どういうのですか、被害者といいますか、相手にされた三木総理大臣から事情聴取を受けなければ一面的になると思うのですが、三木総理からその経過につきましては事情聴取が行われましたか。
○政府委員(安原美穂君) けさほども申し上げましたように、最高裁の調査の結果を注目しておるのが検察当局の態度でございますが、すでに法律的な検討は進めておるわけでありまして、いよいよ捜査を具体的に開始するというようなことに相なりますれば、御指摘のように軽犯罪法の被害者というよりも、にせ電話事件のいわゆる広い意味での被害者である三木総理から何らかの形で事情を聞くのは捜査の常道であろうと思います。
○野田哲君 最高裁と矯正局はまだ来ませんか。
○理事(林田悠紀夫君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○理事(林田悠紀夫君) 速記を起こして。
○野田哲君 矯正局長お見えになっておるそうですが、鬼頭問題でありますけれども、私、午前中質問の中で触れているわけでありますけれども、共産党の宮本委員長の問題に関して松本明重という人、これは一言で言えば京都在住の日本民主同志会という右翼系の団体の代表をしておる人でありますけれども、この人が編集して発行している本があるわけです。この本の中に網走刑務所において公開されていない宮本顕治氏にかかわる資料がかなり詳しく掲載をされているわけです。局長はごらんになったかどうか、このことはわかりませんけれども、掲載をされているのです。それで、今日まであの資料について部外者に提示をしたということは、鬼頭判事補以外にどなたかほかに、職務上で法務省関係の人が見る以外に、部外の人に見せたという経緯があるのですか。
○政府委員(石原一彦君) 御指摘の松本さんのお書きになりました本には診断書と題するものがございまして、私も拝見いたしました。なお、この関係につきましては目下鋭意調査中でございますが、まだ結論が出るに至っておりません。
 なお、身分帳についてでございますけれども、身分帳は、通常であれば外部には出ないものでございまして、現在までのところ私どもに関係のある職員二人につきまして鋭意調査中でございます。で、昨日来調査をいたしておりまして、本日も二人を呼んで調査の続行中でございまして、とにもかくにも二年前のことでございますので、いまだ記憶が明確にならない点もあり、きょう、あすも続けて調べたいと思っております。
 なお、鬼頭判事補につきましては、これまでの調べでは、やはり御本人が網走刑務所に行って閲覧したのが事実のようであるというふうに考えております。ただ、一般的に申し上げますと、宮本委員長が釈放になりましたのは昭和二十年の十月九日でございまして、自来三十年を経ているわけでございます。で、身分帳の取り扱いは昭和四十年に通達が出まして、人権にも関係があり、また行刑上必要であるということから、きつく正当の理由なく外部に出すことが許されないということになっておりますが、それ以前のことにつきましては、とにもかくも古いものでございますのではっきりいたしかねます。しかしながら、現在のところまでは、そう外部の人がごらんになれるものではないのではないかというふうに考えております。
○野田哲君 そうすると、いま外部の人で、鬼頭判事補は外部、法務省にとって外部の人と言うのが適切かどうかはわかりませんけれども、見るべき人でない人で見たというのは、現在までわかっておるところでは鬼頭判事補ただ一人、こういうことですか、確認できるのは。
○政府委員(石原一彦君) 現在までのところでは、御指摘のとおりでございます。
○野田哲君 あの「日共リンチ殺人事件」という、この松本明重名で発行されておる本の中に掲載をされている宮本顕治氏にかかわる網走刑務所に保管をしてあるもの、これはやはり網走刑務所において現物を見なければ掲載できない内容のものだと、こういうふうに思うんですが、その点はいかがですか。
○政府委員(石原一彦君) 野田委員も前提とされておりますように、身分帳の中にあるものはきわめて秘扱いするものが多いのでございます。したがいまして、松本さんの著書に書かれたものにつきまして真偽を明らかにするということは、とりもなおさず身分帳の内容を私がここで公表することになりますので、まことにどうも言いにくいことでございます。目下、あすこに書かれました診断書につきまして果たして原本と同じものであるかどうが、いかなる経緯で書かれたものについてては調査中でございますので、これ以上の答弁はもう少し調査を待ってからということで御勘弁願いたいと思います。
○野田哲君 鬼頭判事補が網走刑務所へ行って、部外には見せないことになっているものを見たのは、どういう手続で行われているんですか。
○政府委員(石原一彦君) すでに新聞で御承知のように、鬼頭判事補につきましては最高裁の事情聴取が行われまして、御本人が見たことを認めておられます。で、私今朝の衆議院の法務委員会でも申し上げたのですが、私どもにとりましては刑事コロンボの捜査のようなものでございまして、結論が出ているところに果たしてそうであるかどうかを十分検討しなければならないということでございます。しかのみならず、裁判所関係では鬼頭判事補一人でございますが、私どもで新聞報道に出たところによりますと二人の矯正職員が関与していると、さらに何分にも二年以上前のことでございますので、十分な供述の調査及びその内容の審査をしなければならないと思います。その意味におきまして、まだ真相がわかるに至っておりません。いずれ調査が結末がつきましたときには、国会で御報告を申し上げたいと、かように思っているところでございます。
○久保亘君 先ほど野田委員からも質問がありましたが、十月二十五日付の朝日新聞に掲載をされましたロッキード社の売り込み全容図と、ホテルオークラのメモ用紙に記載されました高官名の未公開の資料について、これがアメリカ側の資料にあるともないとも言えないということでありましたが、少なくとも今回新聞によって公表されましたこの二つの、事実であればきわめて重要なこの資料は、捜査当局としてはかなり重要な関心を持つべきものではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府委員(安原美穂君) 御指摘のとおりでございます。
○久保亘君 この資料の中に、三十ユニットに関係すると思われる名前が六名、それとその数字が出ております。ここで読み取ることのできるこのローマ字による名前は、二階堂、佐々木、加藤、福永、橋本、佐藤、この六名の方々の名字あるいは名前の頭文字、こういうものと一致いたしておるようでありますが、そのようにこの資料は関心を持たれてお読みになって見ておられますか。
  〔理事林田悠紀夫君退席、委員長着席〕
○政府委員(安原美穂君) 先ほどアメリカ側から渡された資料の中にあるかどうかについても言えないと申しましたが、さらにこの報道に引用されておりますメモというものの信憑性につきましても、この段階で申し上げるわけにはまいりません。なぜならば、それはまだ捜査の内容に関連いたしますとともに、ある意味では関連事件の公訴の維持にも影響することがございますので、いまの段階でこの内容の真否について申し上げるわけにはまいらないことを御理解いただきたいと思います。
○久保亘君 それでは、少し角度を変えてお尋ねいたしますが、三十ユニットについては中間報告によって、橋本登美三郎に三千万のうち五百万、佐藤孝行に二百万渡されたということは明らかになっております。あとの二千三百万円については五名の国会議員に渡されたということが報告されております。四十七年十月末から十一月初めにかけて五回にわたり国会議員五名に贈ったとなっております。九十ユニットの分については、一覧表にして、一号から十三号までに区分けをして、内容をさらに詳細にその後報告をされておりますが、この三十ユニットに関して、この五名の国会議員、職務権限が不確定のために刑事訴追が行われなかった二名、時効として起訴されるに至らなかった三名、この二名と三名、この五名について、ひとつ、それぞれ番号をふって金額を御説明いただきたいと思います。
○政府委員(安原美穂君) 先般中間報告の際に、この三十ユニットで公訴提起をされなかった人の受け取った二千三百万円の内訳の、たしか最高と最低だけは申し上げたと思いまするが、せっかくのお尋ねでございますので、この公訴提起にならなかった五名の者の受領した金額の内訳を、先般衆議院のロッキード特別委員会の理事会で御報告を申し上げたように、金額の順番に申し上げますと、全部で五でございますから、1、2、3、4、5と便宜振り分けいたしますと、一番多い順番から、1は一千万円、2は五百万円、3と4はいずれも三百万円、5が二百万円、以上でございます。
○久保亘君 そうすると、職務権限に関連して起訴されなかった二名というのは、この番号のうち何番と何番に当たりましょう。
○政府委員(安原美穂君) 職務関係なしというのが2番――ちょっとお待ちください。間違うといけませんから。職務関係なしと認められる者2番、3番。残りは時効でございます。1とそれから4とそれから5です。
○久保亘君 この五名のうち九十ユニットの十三名と重複するものは何番と何番が重複するのか、ひとつ教えていただきたいと思います。
○政府委員(安原美穂君) しごく当然の御疑問でございまして、答えざるを得ないわけでございますが、ダブりは2番、3番、5番でございます。くじ引きのようで恐縮でございますが……。
○久保亘君 この2番、3番、5番が、九十ユニットの1番から13番までのどの番号とつながるのか――。時間かかりますか。
○政府委員(安原美穂君) 正確を期するために、少し、この場でございますが、余裕をいただきたいと思います。
○久保亘君 はい、わかりました。
 それじゃそれ、後ほどお答えいただくことにして、次の質問に入りますが、すでに逮捕をされ、起訴されている人が十七名のうち三名あります。この三名の方々については、このロッキード事件そのものについてクロとなっているわけですから、一部分灰色とか、一部分シロとかいうようなことはこれは問題にならないと思うわけです。そこで、田中、橋本、佐藤三名について三十ユニット、九十ユニットにそれぞれかかわっている部分をつないでもらいたいと思うのです。
○政府委員(安原美穂君) 公訴提起いたしました者につきましては、まだ裁判がないわけでございますので、検察当局としては、いわゆるクロ、有罪の判決を得る自信のもとに公訴を提起したことは間違いがございません。その意味で検察の判断としては有罪の確信を持っている部分でございます。しかしながら、この同じ人につきましてすでにダブりがあることは明らかでございますが、公訴を提起しなかった部分につきましては、有罪の判決を得る確信のもとに公訴を提起した場合とはその心証の程度においても違うわけでございますし、そのことを、たとえ被告になっている方でも、その一部につきましても、まだ確定性の乏しい問題につきましてその名前を挙げて申し上げることば、やはり検察の立場といたしましてはその限界を越えるという意味において、人権尊重という立場と、検察の公訴を提起しない処分の性質ということから考えまして、御推測に任して、私の口からは申し上げることを控えさしていただきたい、かようにお願いする次第でございます。
○久保亘君 それでは全日空の簿外資金に組み入れられた二億五千三百万のうち五千七百五十万が十三名に、二十八回にわたって贈られたと報告されておりますが、残りの一億九千五百五十万円は、現在、全日空の簿外資金として全額保管されているのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(安原美穂君) 御指摘のとおり、二億六千万円の捜査をいたしまして、その出入りを調べました結果、五千七百万円余りにつきましては十三名の国会議員に贈られたということが明らかでございますが、その他はすべて簿外資金として保管されておるという認定でございます。
○久保亘君 そうすると、全日空の簿外資金の贈り方については、単位が、いかなる場合も百万を単位として配られたと、こういうことになりますか。不明というのが一つ五十万だけありますが、それを別といたしまして、使途の目的が、全日空が示した目的が明らかなものはすべて百万単位、こういうことでそれ以外のものはない、こういうことになりましょうか。
○政府委員(安原美穂君) 二億五千万円に余る――既存の簿外資金を含めまして二億五千万円というロッキードから入りました資金を含めましたこの簿外資金につきましての使途を洗ってまいりましたところ、いま御指摘のとおり、使途不明のものは五十万円というのがございますが、個人別に見ましても使途別に見ましても、その他はすべて百万円が最低であるということが明瞭になったわけでございますが、これはあくまでも全日空のロッキードから入りました金の流れを追及した結果、発見いたしました簿外資金という関係からの出入りを調べた結果でございまして、もう御理解いただいておりますと思いますが、検察当局は犯罪の容疑のない部分につきまして、その会社のたとえば会計監査をするわけでもございませんので、少なくともこの簿外資金の出入りに関する限りは、というのが最も正確な言い方でございましょう、それは百万円以上であったということに御理解いただきたいと思います。
○久保亘君 これは法務大臣にお聞きすればいいんですが、検察でいろいろこれらの問題をお調べになります場合に、今度の場合には簿外資金で百万円以下のものはないということでありますが、先般この委員会で、委員の中から、せんべつの百万とか、中元や歳暮の百万とか三百万とかいうのは、これは政治家にとっては社会慣行の常識みたいなものだというような意味の御発言がありましたんですが、検察当局は、政治家の金銭の授受に関して、せんべつとか、中元とか、歳暮とかいったようなものを大体慣行として常識的にどんな額で判断されるんでしょうか。たとえば公用でちゃんと旅費をもらって、税金を使って出張する場合に、せんべつといって民間の会社が百万も三百万も、中には五百万もせんべつとして渡した、これを常識的にせんべつであるということで割り切ることができるのかどうか。それから、お中元やお歳暮といって百万円渡した、これも政治家の場合には常識だよというようなことで、検察当局でもそういうような慣行として御判断になるものかどうか、その辺の御見解をちょっと伺いたいと思うのです。
○政府委員(安原美穂君) 検察に、政治家がせんべつとして許される、あるいはお中元として許される金額の基準とか相場というものはございません。あくまでも私どもは実質を見まして、それがせんべつという名であり政治献金であるとかいう名であっても、それが国会議員ならば国会議員の職務に対しての対価関係に立つ金であればそれは賄賂にもなるんだという解釈のもとに今回の捜査もやったはずでございまして、その結果、せんべつ、政治献金あるいはお中元という名で渡された金が、刑事責任を追及する立場から言いますと、それが当該国会議員の職務に関係がある対価であったかどうかということに一点しぼりまして、そして対価関係が認められなかった、したがって刑事責任は認められないという結論に達したわけでありまして、逆にその裏を見て、百万円は当然に許されるんだとか、その名目がせんべつであれば百万円でも許されるんだとか、せんべつは百万円でも許されるんだというような判断をしたわけではございません。あくまでも対価関係があるかという観点からのアプローチでございます。
○久保亘君 その辺は一つの御見解でしょうから、またいつか意見を申し上げたいと思っておりますが、次に、国会議員を十七名事情聴取をした、こう述べられております。そして、この事情聴取を行った者のうち金銭の授受関係が確認されない者が二名あった、したがって起訴された者三名と名前の出されない者十二名、こういうことを法務大臣もちょっと話をされているようであります。金銭の授受関係が確認されない者二名というのは何に関係して事情を聴取されたのか、御報告いただきたいと思うんです。結局十七名事情を聞きましたと書いてある。出てくるんです。名前は出てこないけれども、その十五名に関係しては記録があるんです。ところが、あとの二名についてはこの中に記録が出てこない、中間報告に。国会議員から事情聴取をしたんなら、どういうことで事情聴取の対象となったのか、そういうことの報告がなければいけないと思うんですよ。
○政府委員(安原美穂君) これはもう、単純率直に、金銭の授受に関係がなく、今回中間報告いたしました児玉ルート、それから丸紅ルート、全日空ルートの関係で事情を聴取する必要のあった国会議員が二名おられるということで、単純にそのとおりお受け取りいただきたいと思います。
○久保亘君 それは、金銭の授受は認めなれない、わからないけれども、何らかの形でこのロッキード事件にかかわりを持ったということですか。
○政府委員(安原美穂君) 私ども捜査当局といたしましては、ロッキード社から工作資金として入りました約二十五億にわたるものの使途を究明するということに捜査の重点を置いてありますので、金銭の授受に関係のあった者についてどういう判断をしたかということが当然捜査の重点であり、中間報告の重点でなければならないという意味で、十七名のうち金銭の授受に関係のあった者は被告人を含めて十五名であるということを単純に申し上げたわけでありまして、そういう意味において、金銭の授受について何らかの嫌疑があったからということでは全くなく、今度の工作資金の流れの過程を解明する上において事情を聴取する必要のあった国会議員がお二人おられると、こういうことでございます。
○久保亘君 金銭の授受の疑いは初めからなかったとしても、それは検察当局として確認できなかったとしても、この全体のロッキード事件の動きの中に何か役割りがあった人でなければ事情聴取をする意味がないでしょう。だから、ロッキード事件のどこかに、ロッキード問題のどこかにかかわりを持つ人であったから事情聴取をした、こういうことではありませんか。ただ何の関係もない人をちょっと聞きたいことがあるから来いと言って呼ばれたんじゃないと思うんですが。
○政府委員(安原美穂君) 久保委員のおっしゃるかかわり合いというのは、何か不吉な、不徳なことであるということでありますと、そのかかわり合いということの言葉をそのまま受け取って、そうでございますとは申し上げられませんが、捜査、つまり実態の究明、金銭の流れを解明するために必要であった方であるという意味においては、そういう意味での純粋な意味においてはかかわり合いのあった方でございます。
○久保亘君 次に、先ほど申し上げました朝日新聞のコーチャンのメモとも関係をしながら、先般検察当局の少し勇み足といいますか、によって四人の高官と言われる人たち、二階堂、佐々木、加藤、福永、この四氏が事情聴取を受けたという報道がなされたんでありますが、その後高瀬検事正が、事情聴取はしていない、しかし近く三十ユニットの関係者について事情を聞きたいと思っている、こういう釈明を出されて、報道をされました。そのことは間違いありませんですね。
○政府委員(安原美穂君) きわめて異例のこととしてあのような発表をなさったわけでありまするが、私の記憶あるいは同行の事務当局の者の記憶では、三十ユニットについてはではなくて、このロッキード事件について、九十ユニット、三十ユニット含めて近く参考人を調べたいというようなことは申されたと思います。
○久保亘君 あの事件がありました、事件と言っていいのか、報道がありましたね。あの前後の脈絡をたどって考えますと、二階堂、佐々木、加藤、福永という四名の国会議員を取り調べたという報道がなされて、そして、いや、そうではなかったんだという打ち消しが出されて、それについて、それに付随して近く事情を聞きたいと思っていると、こうつけ加えられたわけなんで、国民の間では、やっぱりこの四人の人たちはあのときには調べられていなかったとしても、その後近くという言葉の時期に事情聴取を受けたであろうという疑問を非常に強く持っているわけです。だから、もしそのとき、現在は調べていないという発表をされたんでありますから、今日この四人の人たちについては、その十七名の中に入っていないのであれば、私はこの四人の人たちについては、十七名の中に含まれないということを明らかにしなければ名誉を回復できないと思うんです。現に二階堂氏は鹿児島の西之表市で四百人の聴衆を前にして、私を取り調べたと言った検察官については、何という言葉でしたかね、罷免要求をするということを話されております、昨日か一昨日か。罷免要求を起こすということを言っておられるのです。二階堂氏はそれを、自分を取り調べたと言ったその検察官に対して罷免要求を起こして自分の名誉を守ると言った。そうであるとするならば、私は検察当局としても――それだけしても名誉を守らなければ自分の政治生命にかかわる、もし自分が今度の事件にいささかでも関係しておるんならば、他人の批判を受けることなく自分で政治生命を絶つと、別のところで三千人の聴衆を前に演説されたのです。だから本当に何もないのなら、十七名の中に二階堂は含まれないということならば、そのことについて、ああいう検察当局のミステークでもって世間に名前が出たんだから、この四人の人たちは十七名の中には含まれないということを明らかにすることができるかどうか、それを明らかにしなければ、この四人の名誉を回復できないと思うんですよ。検察官の罷免要求を起こすとか、みずから政治生命を絶つとか、国民に向かって堂々と胸を張って言っているんだから、私は十七名の中によもや含まれておらぬと思う。しかし、もし含まれておるならば言葉のとおり実行してもらわなければならぬ問題でもあるんです。本人がそこまで自分の政治家としての名誉をかけて国民に訴えているんだから、発表されたって人権に何らかかわる問題じゃないと私は思う。そしてましてや、十七名の中に全然関係してない人であるならば、検察当局はみずから犯した過ちだから、そのことについて明確にすべきです。どうでしょうか。
○政府委員(安原美穂君) 捜査の密行というたてまえから申しましても、その密行を守るがゆえに捜査に協力が得られるという検察運営の点から言いましても、だれを取り調べたかということは、逮捕、勾留というような特別の場合を除いては言うべきではないという原則に立ちながら、だれを取り調べたか、だれを取り調べていないかということは言うべきでないという原則に立ちながら、先般異例のこととして、いま御指摘の方々について取り調べをしたことはないと検事正が言わざるを得なかったのは、故意ではなかったにしても、検察の幹部で記者会見をした者の中に取り調べを終わったというふうに思わせるようなミスリーディングするような言辞があったということで、それで検察のたてまえを崩し、その人たちの名誉にもかかわるということで、あえて原則を破って検事正が異例の談話をしたわけであります。そのときにそういう方々は取り調べをしておらぬと、こう否定したわけでありまするから、それだけで否定はしておるわけで、取り調べたということは毫も申しておらないわけでありまするから、それを否定する方のために検察当局がそれは調べたとか調べないとか言わないという原則に立ち戻って口を滅するというのが検察のたてまえでございます。ただ、久保委員のお話を聞いておりますと、調べていないと否定したが、近く取り調べをすると言ったから、否定する人に対して、否定している人に対しては調べをすると言ったことは、その人たちを調べるということを言ったことになるから、ノーと言うなら否定しろ、こうおっしゃるのですが、近く取り調べるというのは、別に四人を取り調べるとは言っていないわけでありまするから、せっかくの御指摘でございますが、前提を欠く、かように思います。
○久保亘君 それでは、その四人は取り調べないという意味で言ったんですか、そういうことで言いますならば。近く取り調べるという言葉の中には、そのとき名前の出た四人の人たちはいまは調べていない、しかし、四人の人たちも含めて近く取り調べるということになっているんでしょう。この人たちは別ということなら、あの検察当局は四人だけは取り調べの対象にならなかったということをその時点で発表したことになりますよ。
○政府委員(安原美穂君) 取り調べていないのに取り調べたとミスリードしたことについては、あえて異例に、それをしていないと否定したことによって原状に復帰したわけでありまして、その後取り調べるという、特定の名前を言っていないわけでありまするから、何も言っていないわけでございます。
○久保亘君 それでは、せっかく取り消されておりますが、私はそれじゃ申し上げておきます。
 二十五日、選挙区の西之表市で講演した二階堂進氏は「「自分を取り調べた、と報道陣にもらした検事について、こんご罷免する措置を取りたい」などと述べ、身の潔白を訴えるとともに、検察側に対して強い行動に出る考えを明らかにした。」と、こう報道されております。じゃ、いずれ検察官の罷免要求の運動が本人から起こされれば、その段階においては当然その事実はまた明らかにならざるを得ない、こう思いますよね。だから、この点についてはまた改めてやります。
 時間がありませんので最後に、児玉の取り調べに関連をして、国税庁も警察当局も見えていただいておりますから、児玉の関連企業についてどの程度の取り調べが行われ、そして国税庁は脱税についてそれぞれ企業についてどういうような認定をされたのか、それから、現在この問題が起きてから児玉の関連企業で解散をした企業が幾つあるのか、その点について最初にそれぞれのところにお尋ねいたします。簡単にお答えください。
○政府委員(山橋敬一郎君) お答えいたします。
 児玉譽士夫の関連企業につきましての調査は、児玉譽士夫の調査と並行いたしまして、家族、関係会社などにつきましても調査を行っておるわけでございまして、その結果、所要の措置をすでに終了しておるわけでございます。なお、現在までのところ、私たちの把握している関係では、児玉の関連会社で廃業――先生、廃業とおっしゃいましたですか。
○久保亘君 解散。
○政府委員(山橋敬一郎君) 解散をした会社というのは確認をしておりません。
○久保亘君 脱税額はわかりますか。
○政府委員(山橋敬一郎君) 課税処理の中身の問題でございますので、ちょっと御答弁はひとつ御勘弁願いたいと思います。
○政府委員(土金賢三君) 警察といたしましては、児玉譽士夫の周辺人物や御指摘の関連企業につきましては、犯罪の具体的容疑を把握するため、現在も引き続き関心を持って容疑情報の収集等に当たっておるところであります。
○政府委員(安原美穂君) 国税当局及び警察当局の申したとおりでございます。
○久保亘君 児玉の関連企業のうち、等々力産業はすでに解散をしているのではありませんか。これは国税、警察、検察、どちらでもよろしいのですが、確認されているところはありませんか。
○政府委員(安原美穂君) 私どもの承知している限りでは、解散はいたしておりません。
○久保亘君 それでは、私がここに持っております九月七日に東京法務局から取りました登記によりますと、五十一年五月十八日に、恒和商事株式会社というのを東京都中央区銀座四丁目二番一五号塚本素山ビル三〇五号に設置をいたしております。で、この社長は大刀川恒夫、それから取締役の中には博栄商事などの社長をやっております児玉譽士夫の子供、児玉博隆、それから東京スポーツ新聞の社長をやっています井上博、こういう人たちが取締役に名を連ねまして、そしてこの恒和商事株式会社は等々力産業の同じ場所に五月十八日に設立されております。そしてその営業目的は、不動産業を除けば全部等々力産業の業務をそのまま引き継いでおります。この恒和商事については、それじゃ確認をされているのかどうか、調査をされているのかどうか、御報告をいただきたいと思います。
○政府委員(安原美穂君) 捜査の過程で恒和産業なる会社が設立されておることは承知しておるが、詳しい内容の報告は受けていないということでございます。
○久保亘君 児玉譽士夫の関係につきましては、彼のやってきましたロッキードのコンサルタントだけではなく、今度の事件に関連して広範にいろいろと調査をされたはずでありまして、で、恒和商事株式会社が等々力産業の身がわりの児玉関連企業として同じ場所に設置され、これがどういうような活動をしているのか、そういうようなものを当然調査されておらなければならぬと思うのですが、これは警察当局は御調査になっておりませんか。
○政府委員(土金賢三君) 私どももその点について報告は受けておりません。
○久保亘君 それは大変不思議なことだと思いますがね。大刀川恒夫がみずから社長をしておりました等々力産業の不動産業部門は、すでに廃業届を東京都に提出しておるはずです。そして、その他の残った部分は恒和商事株式会社が新しい会社としてそのまま引き継いでおるのです。だから、そういうことについて調査が行われていないということになれば、児玉関係に関する調査は大変ずさんではないか、こう思うんですが、当然、こういう問題については徹底的に調査をされないといけないんじゃありませんか。
○政府委員(土金賢三君) いままでも捜査を続けてきておるわけでございますが、今後ともそういうふうな点も含めて捜査を進めたいと、こういうふうに存じます。
○久保亘君 それでは、この恒和商事株式会社が設立された目的、この目的というのは登記に出る営業目的じゃありませんよ、児玉軍団が何をねらって、いまこの事件のさなかに新しい会社を等々力産業と同じ場所に五月十八日に設立したのか、そのことについて御調査の上ひとつ報告をしていただきたいと思う。それ、よろしゅうございますか。
○政府委員(土金賢三君) 犯罪の容疑と関連して私どもは捜査をするわけでございまして、その点につきまして犯罪の容疑と関連があるかどうか、その辺を調査した上でないと、ただ、そういう会社の設立等の問題だけの点になりますと、私どもの方から御報告するということについてはちょっとどうかというふうに考える次第でございます。
○久保亘君 いや、その犯罪の直接の容疑ということではなくても、結局、いままで脱税とか、フィクサーとして企業から金を取り立てたり、いろいろなことを等々力産業がやってきたわけでしょう。その身がわりの会社としてもし生まれて、この企業がそういうような業務を引き継いでいるのであれば、この点については私は当然に調査をせらるべきものだと思いますよ。
 それから、この関連企業の中に博栄商事というのが存在するのを御承知でしょうか。警察の方。
○政府委員(土金賢三君) 博栄商事という会社があることは承知いたしております。
○久保亘君 この博栄商事との関係において、北海道拓殖銀行が保証となった農協からのかなり膨大な額の融資の回収できなくなったものがあるのではないかということを聞くのでありますが、その中で、千葉県の富津農協から四十八年に、私どもが聞きますところでは、」億五千万程度の融資を受けて、それが回収できないでいるという話があります。またそのほかにも、都内の江戸川農協に関連をしても、そういう四十八年時代の話があります。で、特にこの千葉県の富津農協に関係する問題については、かつて警察当局でもこの融資問題について事情を御調査になったことがあるのではないかと聞いておりますが、そのような事実がありましょうかどうか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(土金賢三君) そういういま御質問のような風評があるということは承知いたしておりますが、現在までにすでに捜査しておるという報告はまだ聞いておりません。
○久保亘君 これは私どもの段階で調査のできる問題ではありませんから、もしそういう風評をお聞きになっているんでしたら、ぜひいろいろと調査をしていただきたいと思うんであります。で、富津農協で一億五千万、江戸川農協で三億、その他児玉に関連をする金融機関や農協などからの融資が全国にまたがってかなりな額に上っているのではないかという風評があります。それは私どもがわかりますものを例を挙げてもよいわけでありますけれども、これらの問題については、今回のロッキード事件に関連して、いわゆる児玉ルートのいろいろな問題となるべき団体との結びつきとか、あるいは総会屋などによる企業からの収奪とか、いろいろな形での金銭的な問題がいろいろと出てきているはずであります。そしてその中には、すでに確定をして、脱税として国税庁が認定をして税の追加徴収を指令をしたものもあるはずであります。単にロッキードの問題だけではなくて、児玉の脱税容疑、その追徴にはその他のいろいろな問題が含まれているのではないかと思います。それも国税庁、そのとおり理解してよろしゅうございますか。その内容を一々説明することはあなたの方でむずかしいのかもしれませんが、しかし、児玉に対する今回の調査から導き出した脱税の認定や税の追徴は、ロッキードのコンサルタントやロッキードの売り込みに関係するものだけではなかった、いろいろいわゆるフィクサーと呼ばれる立場での収入とか、そういうようなものが含まれている、関連企業に対する調査もそういうものに関連して行われたものである、それはそういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(山橋敬一郎君) お答えいたします。
 関連企業に対する調査も、そのフィクサー所得等に関連をいたしまして調査を行ったわけでございます。
○久保亘君 もしそのような立場から、いわゆる児玉譽士夫や児玉関連企業に対して、この際社会的な正義に基づいてこのロッキード事件に関係をして広範にいろいろと調査をされ、そしてその認定できるものについては法に基づく措置をとっておられるということであれば、ぜひいろいろ疑問のある点等については関連して御調査をいただきたいと思います。特に警察当局が富津農協の融資問題等に関しては風評があるということをお答えになっているわけでありますから、それからの点については調査の上改めてひとつ御報告を求めたいと思います。
 なお、先ほど安原刑事局長に保留をしておいていただきました答弁をいただきたいと思いますが。
○政府委員(安原美穂君) 先ほど三十ユニットの公訴提起をしなかった部分の方五人につきまして、便宜金額の順に1、2、3、4、5と言いました。今度全日空のいわゆる九十ユニット関係と申しますか、簿外資金関係につきましては、先般申し上げましたように、衆議院のロッキード特別委員会の理事会でこれを1から13に番号を付して個人別の金額合計を出したわけでありますが、そこにも1、2、3とありますのでございますが、ダブりを申しますと、三十ユニット関係の番号2番が全日空の簿外資金関係の3番とダブるわけであります。つまり八百万円簿外資金からもらっている人が三十ユニットの関係で五百万円ということになる。それからその次は三十ユニット分の番号3、三百万円の方は、今度は全日空簿外の5番とダブります。三百万円もらっている方が簿外からは五百万円ということになるわけであります。それから三十ユニット関係の番号5番の人と全日空簿外関係の番号6番とがダブる。
 以上でございます。
○委員長(大谷藤之助君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
○峯山昭範君 それでは初めに法務省当局にお伺いいたします。
 先ほどから朝日新聞のコーチャンの未公開の資料の質疑が出てまいりましたですが、こういうふうな資料から見ましても、小佐野氏が相当重要な役割りを果たしているということはもう既成の事実だろうと私は思います。そこで、小佐野さんの取り調べですね。これは現在までどの程度行われているのか、これ一遍御報告願いたいと思います。私たちが報道関係の資料で調べましたところ、現在まで三回行われていると、こういうふうに聞いておるわけですが、実際どういうふうになっているのか、詳細御報告願いたい。
○政府委員(安原美穂君) 小佐野氏につきましては、検察当局のせっかくの努力にかかわらず取り調べていることが露見をいたしましたわけで、そういう意味において三回の取り調べがされたということは申し上げるわけでございますが、その内容につきましては詳しいことは申し上げるわけにはまいりません。ただ、やはりこのロッキードの工作資金の流れの上に占める小佐野氏の役割りというものについて究明の対象であることは間違いございません。
○峯山昭範君 小佐野さんの病状ですね。これは検察当局は独自で調査を行っているんだろうと私は思うんですが、病状はどんなぐあいなんですか。
○政府委員(安原美穂君) 狭心症と高血圧ということでありまするが、取り調べに当たっては事前に医者の判断を得て大丈夫ということで取り調べをしておりまするが、目下のところ、別の医者に診断をさせたということはございません。
○峯山昭範君 この取り調べの時間は、先ほど回数は三回ということはわかりましたが、延べ何時間ぐらいになっていますか。それで、初めの取り調べの状況と現在とでは本人の病状等も変わってきていると思うんですが、これはよくなってきているんですか、あるいはまだ大分悪いんですか。また、あるいは今後取り調べに対して耐えられる状態であるのかどうか。どうです。
○政府委員(安原美穂君) いま申し上げましたように、医師の事前の診断を経でから取り調べをしておりまするが、現在の状況は大体三十分ぐらい調べてはちょっと休むというようなことで、合計にして一時間から二時間という報告を受けております。なお、そういう状況で、いわゆる入院前よりは少々良好になっておるようでございますが、なお、臨床の取り調べでなければ耐えられないという状況と聞いております。
○峯山昭範君 今後の取り調べの予定とか、あるいはまあこんなこと言えないと思うんですが、小佐野さんのお宅での取り調べの状況ですね。これは担当の検事の方が一人行って調べていらっしゃるのか、あるいは複数で行っておられるのか、あるいは立ち会いの人はどうなっておるのか。これはどうですか。
○政府委員(安原美穂君) 主任検事一名が検察事務官を伴って取り調べしておりまするが、取り調べの現場にはそれ以外の者は立ち会っておらないというふうに聞いております。
○峯山昭範君 これは先般当委員会にも中間報告がございましたですね。その中間報告が終わってからいま時分になって小佐野さんの取り調べがとんとんと進んでいるという感じなんですが、いままで小佐野さんの取り調べを余りやらなくて、中間報告の後に何回かやってますですね。これはやっぱり何らかの理由があるんですか。
○政府委員(安原美穂君) 結論から申し上げますれば、小佐野氏について取り調べの必要が生じてきたということだと思います。
○峯山昭範君 えっ、何ですって。
○政府委員(安原美穂君) 小佐野氏を取り調べる必要が生じてきたということでございます。
○峯山昭範君 ということは、新たに中間報告後に生じてきたということですか。
○政府委員(安原美穂君) 取り調べの必要が中間報告後か、前であるか後であるか申し上げるわけにはまいりませんが、取り調べるという行動を開始する必要が中間報告後に生じたということであると理解して結構だと思います。
○峯山昭範君 それから刑事局長、もう一点だけお伺いしておきたいんですが、先般の衆議院のロキードの特別委員会でも、刑事局長、先般の予算委員会での小佐野証言のいわゆる偽証の告発の問題ですね。これはいろいろ答弁していらっしゃいますが、国会に対していわば偽証告発を奨励するような意味の発言をしていらっしゃいますが、先ほどの答弁から見ましても、小佐野さんをこれは要するに取り調べる必要が生じてきたということでございますし、また先般の証言の内容から考えてみましても、この朝日新聞の報道の内容から見てみましても、これは偽証ということはある程度確実になってきたんじゃないかと私たち考えているわけですがね。これはどうです。
○政府委員(安原美穂君) 御指摘のように、小佐野氏の当国会におきます証言と、それからコーチャン氏の公開の委員会における証言との間には、小佐野氏のやったとされる役割りについての証言内容に相当大きな食い違いがあるわけで、客観的には食い違いがあることはわかるわけでございますが、検察当局がそれらの点について偽証の見解を持っているかどうかということは、いわば捜査の内容にもかかわることでございますので、特定人のことにつきまして容疑を持っているとか持っていないとかいうことは申し上げることを差し控えたいと思います。
 なお、国会の偽証を奨励するような不退な志は全然ございませんが、要するに、国会の告発が訴訟条件になっておる案件でございますので、告発を待って捜査権を開始するというのが最も好ましい形であろうということで、告発を国会当局で御判断いただくということについては、しかるべき御判断を願いますということを申し上げたのは、捜査の原則はやはり告発を待ってやるべきのが原則で、それがないのに捜査をやるのはよほど異例の場合でなければいけないのではないかというのが検察当局の考えでもございますので、申し上げた次第でございます。
○峯山昭範君 もう一点だけ、この点についてはお伺いしておきます。
 この資料に関して先ほど答弁ございましたけれども、これは当然法務省当局はこういうふうな資料というのは入手しているんであろうと私たちは推測をいたしておりますが、この資料から見ましても、いま話もございましたように、小佐野さんが重要な役割りを果たしているのは明らかである、こういうぐあいに判断せざるを得ないわけです。また、先般の起訴された皆さんのいろんな問題と、先ほど答弁ございました問題と考え合わせてみましても、食い違っている点は、実際の金の流れが多少食い違っているというところで、現在まで出てまいりました事実関係とコーチャンの資料あるいは証言の中身とはそう食い違いはないと、こういうふうに考えているわけですが、検察当局どうお考えですか。
○政府委員(安原美穂君) 今日まで検察当局が公訴提起という方法によりましてその核心を天下に明らかにした部分につきましてコーチャン証言と一致するところがあるという意味においてはその御指摘のとおりでございます。しかしながら、コーチャン氏の提供する資料というものについての信憑性についてここで申し上げるわけにはまいりませんので、ひとつ御理解いただきたいと思います。
○峯山昭範君 それではあと防衛庁長官にお伺いいたします。
 まず、先般の衆議院の内閣委員会等でもポスト四次防の大綱、これは当然私はもう具体的に検討していらっしゃると思うんですが、これはいつごろまでに出てくるわけですか。
○国務大臣(坂田道太君) 本年の七月の十二日に内閣総理大臣より国防会議議長に対しまして昭和五十二年度以降に係る防衛計画の大綱について諮問がございました。そこで国防会議はこの諮問を受けまして、八月の十日には、外務省からわが国を取り巻く国際情勢について大国間の関係及び東アジア情勢を中心に、防衛庁からはわが国周辺の軍事力の状況等について、八月二十日には防衛庁から基盤的防衛力整備の考え方を中心に説明を徴し、その後十月の十三日及び十月の二十日には基盤的防衛力構想への転換の是非等について審議、検討を重ねているところでございます。さらに、明二十七日にも国防会議の開催が予定されておるわけでございまして、防衛庁といたしましては、五十年の十月の長官指示及び五十一年六月の防衛白書で明らかにいたしました基盤的防衛力構想等を参考といたしまして、防衛計画の大綱が国防会議においてできる限り早期に決定されることを期待しておるわけでございます。そういたしますことが、防衛に関して政治のリーダーシップを発揮し、自衛隊を適切に管理運営する上で望ましいと考えております。また、防衛庁はこの決定を待ちまして業務計画を見直す等の必要な措置をとる考えであるわけでございまして、できますならば、今月中にこの国防会議の御決定を期待しておるわけでございます。
○峯山昭範君 今月中に国防会議でこのポスト四次防の大綱が決定されるであろう、それを期待しているという大臣の答弁でございますが、きょうはもう二十六日でございますね。そうしますと、あともう数日しかないわけですが、PXLはどうなるんでしょう。
○国務大臣(坂田道太君) まず、この基盤的防衛力の構想と申しますか、いま申しました防衛計画の大綱というものが決まりました上で、その上に立ちまして、五十二年度からの防衛計画と申しますか、あるいは初年度としての整備計画というものにとりかかるわけでございまして、その中にどういうふうに織り込むかという課題かと思います。いずれにいたしましても、しかし十二月末の昭和五十二年度予算編成までには何らかの決定をしなきゃならないというわけでございます。でございますから、その際にしかPXL問題は上がってこないということでございます。しかし、まあ私といたしましては、とにかくまだこのロッキード問題特別委員会でも御審議を煩わしておるわけで、まだ完全にこれが疑惑が晴れたというわけにはまいっておりませんので、その辺をよく勘案いたして、いずれかの態度を決めなきゃならないというふうに思っております。
○峯山昭範君 いま大臣の答弁、大体わかりましたけれども、あともう少し、これ、要するに今月中にこの大綱が決定されるとすれば、この大綱の中には具体的にPXLのもの、そのものについての決定はなくて、要するに年度末の予算要求の段階までにははっきりさしたい、こういうことでございますか。
○国務大臣(坂田道太君) そのとおりでございます。ただ、大綱の中には日本が保有すべき防衛上の機能というものはうたうわけでございまして、そのためには対潜哨戒機をどうするか、あるいは次期の対潜機を、いま持っておりますP2Jよりも優秀なものを持ちたいということは考えておるわけでございますが、具体的にはこの大綱には含まれておらないわけでございます。
○峯山昭範君 大臣、この防衛上の機能ということで、機能を向上さしていくということで、そのポスト四次防の中にそういうふうな意味でうたわれる。そうしますと、私、そういうふうなことで、いわゆる防衛力というか、防衛庁のこういうようなPXL等がなし崩しに、いわゆるすでに決定されたものとして、何というか、今回の、今月末に国防会議で決定されるいわゆる大綱の中に大まかに決めるということは、これはそれ自体は要するにPXLを採用するということでなく――そういうように解釈していいのですか。そうでないと、われわれいまいろいろ議論しておりましても、すでにもう向こうに、PXLそのものについてのきちっとしたあれはないけれども、実はあの中に入っていたのだ、こういうようになってしまうと、何だかわれわれ議論していることが全く無意味になってきますし、そこらのところはやっぱりもう少しはっきりしていただきたいということが一つ。
 それからもう一点は、先般のアメリカの国務次官補の演説ですね。これはもうすでに大臣も御存じだと思いますが、先般十九日の夜された演説の中にも、この演説を読んでみますと、すでに大臣がいまおっしゃった日本の防衛力の質的向上が必要である、そういうふうな発言からしまして、そしてその後ずうっと読んでみますと、結局P3Cの購入を催促しているみたいな感じの文章に――われわれ報道機関のあれしか読んでいませんので。文章になってくるわけです。ということは、基本的に向こうの方ではもう一生懸命督促をしている、そういうような感じがするわけですけれども、そういうふうなものとあわせて大臣は、この問題、やっぱりわれわれロッキード委員会でこの問題を解決しようといましているわけですけれども、まだ灰色であって全く白にならないわけですがね。そういうようなこととあわせまして大臣はこの問題をどうお考えか、お伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(坂田道太君) この防衛計画の大綱の中には対潜能力というものを質的に高めるという項目はあるわけでございます。しかしながら、そのPXLをどの機種にしぼるかというようなことは何もないわけでございまして、それは、私がずっとここで御答弁申し上げておりまするように、輸入にするのか、あるいは国産にするのか、あるいはそのコンビネーションにするのか、いろいろの選択がございます。しかし、それはまだ決めていないということでございます。
 それからアメリカの国防省だったと思いますけれども、次官補の演説でございますが、これは日本が憲法の制約のもとにおいて防衛努力をする、その中に防空とかあるいは対潜能力とかいうものを期待しているという意味かと思います。これはしばしば私お答えいたしておりますように、昨年八月の二十九日にアメリカの当時の最高責任者でありますシュレジンジャー長官と私が話し合いました際に――日本の国は島国であります。そして資源の多くを海外から輸入しておるわけでございます。四面を海に囲まれておるわけでございます。したがいまして、日本の防衛を考える上におきまして、防空、そして対潜能力というものを高めるということは、これは当然なことでありますと、こういうことを私が申しました。で、それはそのとおりにわれわれも考え、それを期待しておる、その努力を期待しておる、こういう言い方であったわけでありまして、またその際、現在進んでおる整備計画というのが十分達成されてはおらないということも私から申しました。それは努力されるつもりなのかと聞きますから、私はそれは努力するつもりである、それでなければ日本の防衛責任が果たせないと、こういうふうに申し上げておるわけで、私どもが考えておりますことにつきましてコメントしたというふうに私どもは受け取っておるわけでございます。
○峯山昭範君 大臣、この導入方針ですね。導入のいわゆるやり方、これはPXLもありますし、それからFXの問題もありますけれども、これはどちらも大体同じ問題が絡んでくると私は思うんですけれども、この導入の仕方については、防衛庁としては現在どの程度研究を進めていらっしゃるのか、お伺いしたい。
○政府委員(江口裕通君) ただいまも長官から御説明のありましたように、PXLにつきましては、まあ大まかに申し上げまして三つの案がございます。ただいま導入とおっしゃいましたのは、P3Cの導入というようなことを主として念頭に置いての御指摘かと思いますけれども、この三案は、申すまでもなく、開発案、それから導入案、あるいは折衷案と私どもがこれまで称しておったものでございます。その導入の仕方ということでございますが、これはまだP3Cを導入するということにはもちろんなっておりませんわけでございますので、いろいろ考え方がございまして検討するわけでございますけれども、いまもう一つの例として御指摘になりましたFX等につきましては、従来ライセンス生産というようなことを主要機種についてはやっておりますので、そういったものを中心として考えていくことになろうかと思っております。ただ御存じの、最近のアメリカの法律の改正等の問題がございますので、まあ一部政府輸入ということは先方の法制のたてまえからも要求されることになるのではないかと思っております。その辺の組み合わせがどういうことになるかということは、具体的にこれからもっと詰めてまいらなければならないと、かように考えております。
○峯山昭範君 局長、商社の介在という問題ですが、これは商社の介在を排除するということは可能であるかどうか、これはどうです。
○政府委員(江口裕通君) 従来、とかく商社の不当な介在ということが指摘されております。私どもも、ある意味においてはそれは一面の真理と申しますか、ある一面においては納得される点もなきにしもあらずと考えております。ただしかしながら、従来防衛庁といたしましては、たとえば機種選定をいたしますような場合には、いわゆる要求性能でございますとか、費用対効果でありますとか、そういう面から防衛庁独自の案を決定いたしまして、それを国防会議にお諮りいたしまして決定していただくということをいたしておりまして、その段階においていわゆる商社の介入があったというふうには私どもは考えておらぬわけでございますが、しかしながら、この点については今後も十分考えてまいりたいと思っております。
 それからなお、決定以後の問題でございますが、やはり補用部品等の一部のものにつきましては、いわゆる効率性と申しますか、調達事務の効率化を図ります場合においては、やはり商社機能に依存する場合が効率がいいということも否定できないと思いますので、その辺はよく考えて進めてまいりたいと思っております。
○峯山昭範君 結局、防衛庁としましても商社を全部排除するわけにいかない。そう思うんです、実際問題ですね。
 そこで、防衛庁が現在取引をいたしております防衛庁関係のいわゆる代理店ですね、いわゆる商社。これは現在私は七十社あると聞いておりますが、この七十社が、先般から丸紅等で問題になりました総代理店契約あるいは代理店契約等を提出してきた会社、あるいはまだ未提出の会社、あるいは代理店契約等が存在しない会社と分けて、現在どういうふうな実情になっておるのか、一遍おお伺いしたい。
○政府委員(江口裕通君) ただいま御指摘になりました、いわゆる輸入品等に係ります販売代理店契約毒あるいは契約状況の問題でございますが、主として防衛庁との取引におきまして従来いわゆる登録されておりましたところを中心といたしまして、約七十社に対しましていわゆる契約書の提出を依頼しております。現在までのところ、提出してまいりました社が二十九社、それから提出できないと言ってまいりました社が二十社でございます。それから代理店の契約書そのものが存在しないと申してまいりました社が二十一社でございます。
○峯山昭範君 これは、装備局長、いま局長の答弁は八月の末現在とほとんどまだ変わっていないようですけれども、要するに、提出しない会社ですね、提出できないと回答してきた会社二十社というのがございますが、こういうところに対して何か具体的に措置をとっていらっしゃいますか。
○政府委員(江口裕通君) 御指摘のように、なかなか私どもの予期のとおりには進んでおりません。これははなはだ遺憾でございますが、私どもとしては鋭意いまやっておるつもりでございます。ただ、強いて、弁解がましくなりますけれども、これはやはり契約等に入ります際に、必ずしも従来契約書の提出を条件づけておらないというような問題もございます。そういったこともございまして、私の方は協力をあくまで要求しておる段階でございますが、実績は遺憾ながら、いま申し上げたような次第でございます。
○峯山昭範君 これは局長、こういうような契約書というのは、七十社のうち少なくとも四十九社についてあるわけですから、二十九社は出してきたわけですからね。実は私も、局長からお伺いしましてから、それぞれの商社、取引先を全部調査をいたしました。それで私の手元に全部回答書が来ました。これ、見てみますと、防衛庁が非常にいいかげんであるということがはっきりしてくるんですね。と言いますのは、社外秘であり、提出をしなかった。ただし、防衛庁からさらに要望があれば、提出はできないけれども、提示することを考慮中であるとか、いっぱい書いてきておるわけですよね、これ。ですから、防衛庁が本気になってこういうふうな代理店契約書というものをきちっとチェックをすると、提出しないまでも防衛庁の係員がチェックをするということは私はできると思うんですがね。そこら辺のところの努力がやっぱりちょっと足りないのじゃないかと思うんですが、どうなんです。
○政府委員(江口裕通君) 私どもの方といたしましては、一生懸命努力をしておったと申し上げる次第でございますが、ただいまの提出してまいりました二十九社の中には、若干、いま先生の御指摘になりましたような、契約書を出すということはできないけれども、まあ提示と申しますか、見せるということはいたしますというようなものも若干は含まれてございます。そういう意味で、そういうものを総称いたしまして申し上げた次第でございますが、確かにその点につきましては、われわれの努力も精いっぱいしているつもりでございますが、まあ言いわけになりますけれども、やはり協力要請という形でやらざるを得ない。つまり、換言いたしますと、私どもの方にはそれを強制徴取できる権限と申しますか、そういったものはございませんので、遺憾ながらどうも限界に逢着するというのが実情でございます。しかしながら、これからも鋭意そういう点は努力をしてまいるつもりでございます。
○峯山昭範君 この問題について、最後にもう一回、防衛庁長官、これからも商社に対する防衛庁としての姿勢という問題がございます。先般それぞれの航空機のメーカーに対して非常に厳しい措置を防衛庁としてはとられております。そういうような観点から見ましても、防衛庁が取引をする商社は当然公正な取引が行わなければならないわけですね。そういうような意味からも、ある程度はやっぱり適切な措置というのが必要じゃないかと、この際、商社に対しても。そういうふうに考えますけれども、大臣どうです。
○国務大臣(坂田道太君) 今回のロッキード問題を通じて感じますことは、やはりこういうようなことにつきまして公正な商取引が行われる慣行が確立するということが第一だと私は思うわけでございます。したがいまして、先般のFX購入につきましても、あのような厳しい姿勢を実はとっておるわけでございます。
 ただいまの輸入品販売代理店契約書の提出問題につきましては、残念ながら法的な根拠がございません。しかし、いまわれわれといたしましては、強くこれを要請いたしまして、これを出させるべく最善の努力をいたす覚悟でございますが、これを法的規制にまで措置を考えるかどうか、あるいはそのほかに方法がないかどうか、もう少し考えさせていただきたいと思いますが、ただいまのところ、いま法的措置まで考えるというふうには思っておりません。
○峯山昭範君 きょうは、大臣いま御答弁いただきましたが、これからのやりとりを多少聞いておいていただきたいと私は思うのですが、きょうは公正取引委員長に御出席をいただきましたので、特に公正取引委員会のロッキードに関する問題をあわせてこれから質問をしたいと思います。
 公正取引委員長、今回のロッキード事件に対しまして特に公取としてはどういうふうに考えていらっしゃるのか。いままで国会等で特にロッキードの問題に関連をいたしまして公正取引委員会が発言をしたことがございませんので、かねがねから私は公取としてはこの問題についてどのようにお考えであるのか、一遍何かの機会にお伺いをしたいと考えておりました。きょうは機会がございまして御出席をいただきましたので、特にロッキードの問題に関連をいたしましてどういうふうに考えていらっしゃるのか、この事件の起きた背景、あるいは事件に関する問題、あるいは今後の対策、いろいろあると思います。御意見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(澤田悌君) 今回のロッキード事件に関係しまして、いわゆる多国籍企業の行動というものが大きく問題になったわけでございます。公正取引委員会といたしましても、これに重大な関心を払っております。外国に本拠を置く多国籍企業、そういう企業の行動は複雑ではございますけれども、日本国内におきまする事業活動、これが独占禁止法の規定上どういうふうに見られるか、それが一定の取引分野におきまする競争の実質的制限をもたらすというようなこと、あるいは不公正な取引方法に当たる場合等にはこれはわが国の独禁法を厳正に適用してその行為の排除に努めてまいる、当然のことでございます。
 それから、こういう問題が起こるというようなことに対する姿勢を含めてお尋ねかと存じますので、あわせて申し上げますが、独禁法の守備範囲というものがございますので、独禁法の面だけからこういう事件が発生することに対処し得る力には限界がございますことは申すまでもないのでありますが、先ほど申しましたように、多国籍企業の行動規制に関しましては現行独禁法を可能な限り厳正に運用してまいるのでありますが、また半面、文字どおり多国籍でございますので、一国の法制のみでは有効に規制ができないという面があるわけでございます。これは世界的にそういう観点から関心を払っておるところでございまして、御承知のように、過般OECDにおきまして――ことしの六月でございます、多国籍企業に関するガイドラインを作成して公表いたしております。その前に、OECD加盟諸国の独禁法施行官庁間での相互協力協定がございます。こういう制度なり、そのガイドラインなりを積極的に活用して、多国籍企業に対する日本国内での活動等についてそういう内容の遵守方を指導してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○峯山昭範君 委員長、多国籍企業のこの問題は、確かに委員長おっしゃるような問題が多々私はあると思います。これはやはりこれからの問題としてそれぞれ各国間で話し合わなくちゃいけないという問題があります。
 私は、きょうはその問題はさておきまして、現在国内にあるいわゆる現在の法律のもとで公正取引委員会が的確に活動を開始し、あるいは的確な活動をしておれば今回の事件は起きなかった、極端に言えばそういうことも言えるのじゃないかとも考えているわけです。現実の問題として、たとえばこのロッキード社と児玉との契約について、これは公正取引委員会はどのように掌握をしていらっしゃいますか。
○政府委員(澤田悌君) 児玉とロッキードとの間の契約の存在が報道されまして、公正取引委員会といたしましても、本年三月五日でございましたが、児玉に対して事情の説明を求めたのでございます。元来独禁法第六条第二項の規定によりまして、国際的な協定あるいは契約をいたした場合には公取委員会に届け出をすべき定めがございますが、届け出は全くなかったわけでございますので説明を求めたのでありますが、それに対しましては、同月二十二日であったと思いますが、大刀川秘書から、本人以外に事情を知る者がおらないと、それから本人は御承知のように病気でございますので事情説明はできないという意味の書面による回答があったわけでございます。その後、再度督促をいたしたのでありますが、同秘書から、本人は病気がまだ回復しない、と同時に、事情説明に出頭はできないが、児玉はロッキードとの間での契約書のようなものは持っていないというようなことを申し立てまして、その契約についての届け出は実行されないままで現在に至っておるわけでございます。
 その契約の写し等を点検いたしますると、その契約内容そのものが独禁法の立場から問題があるというのではないように考えられますが、届け出がないという点は、法のたてまえ上まことに遺憾に思っている次第でございます。
○峯山昭範君 これ、委員長ですね、私はまず児玉の契約の問題について、この第六条第二項で、国際契約については三十日以内に届け出をすることになっておるわけですから、公正取引委員会が児玉についての掌握は当然私すべきだと思うんですよね。またしかも、今回のこの事件が起きまして公正取引委員会は何回か問い合わせをして――何回かて、そんな何回じゃないですね、これ。数も知れております。それで、結局最終的には契約書のようなものはないと、こういうふうに言われておったということです。それで、いま最後の方で委員長は、この契約の写しによると何のかんのという話がありましたけれども、これは写しはどうして手に入れたんですか。
○政府委員(澤田悌君) これは米国側から公表されたものでございます。
○峯山昭範君 それもね、委員長、これは要するに、公正取引委員会はその米国からの写しというのはいつ手に入れたんですか。
○政府委員(澤田悌君) 九月だったと存じております。
○峯山昭範君 これね、大体私が指摘をいたしまして、私が指摘するまで、この児玉とロッキード社との契約はないと、本人もないと言うとると、こう言って平然と公正取引委員会は構えておった。そんなばかなことがあるかと、児玉とロッキード社の契約なんというのはいま委員長がおっしゃったようにアメリカから公表されたもので、どこの機関も現在手に入れておると、手に入っていないのは公正取引委員会だけじゃないかということを私が言いましたら、すぐその明くる日にやっと手に入りましたと、そういうような実情なんですよ。
  〔委員長退席、理事林田悠紀夫君着席〕
公正取引委員会が、その後ですよ、その手に入った後、それじゃ児玉に対して――契約書のようなものは持ってないという正式の答弁が公正取引委員会にあって、その後こういう契約があるということはわかったわけでしょう。その後児玉に対してはどういう措置をとりました。
○政府委員(澤田悌君) 前に、ただいま申し上げましたような秘書の返答でございますので、これ以上契約書が児玉の手元にあるかどうか追及しても効果がないと考えておった次第でございます。
○峯山昭範君 ですから、そこのところの判断ですね。効果がないとか、そんなことじゃなくて、やはり法律に基づいてやっぱりきちっと措置をしないといけないんじゃないの。この契約そのものは最終的には児玉はないと言っておるということになっているわけでしょう。現実に契約書はあるということはわかったわけでしょう。あなたの方はないと言っているけれども現実にはこういうふうにあったじゃないですかと、現実にこういうように公表されているじゃないですかと、これは契約書なんですか、何なんですかと、やっぱりそれは職務上きちっとやっていただかないと、法律に基づいてきちっと措置をしていただかないと、これは職務ですよ、あなた方の。それをきちっとやっていただかないと困ると私は言っているんですよ。どうなんです。
○政府委員(澤田悌君) おくれて申しわけないのでありますが、おっしゃるとおりの手続を踏みたいと存じております。
○峯山昭範君 委員長、これはこれだけじゃない。まだこれからいっぱいある。これからいっぱいあるのをこれからやりますが、これは非常に私は問題だと思うんです。こういうような手続をきちっとやっていただかないから。これは委員長、罰則規定もあるんですね、罰則規定もね。どうです。
○政府委員(澤田悌君) 先ほどのお答えに関連しますが、全然何もしなかったわけでは実はないのであります。
○峯山昭範君 そんなことは言っていない。
○政府委員(澤田悌君) 児玉の代理人に対して督促いたしていることは、これは事実でございます。
○峯山昭範君 そこで、これは児玉の問題について、いま時分になって新たな措置をとると、そして提出をさせると、そういうふうなんじゃ、もうロッキード事件も大詰めに近づいてきて、これはしかも私は公正取引委員会は非常に反省が足りないと思いますのは、先般の六月の十六日、委員長、このロッキードの委員会で丸紅とロッキード社間の契約の問題について同僚議員から質問が出ているわけです。そして丸紅の契約書については一体どうなったんだと、違反の事実については、三十日以内に届け出ないといけないという違反の事実についてはどうしたんだと、罰則は適用したのかどうかという質問があって、やっと公正取引委員会はその違反の事実を認めるとともに、丸紅から始末書を取ったということで、なぜ罰則を適用しないで始末書だけで済ましたんだということをこの席上で追及されているわけです。この問題を深刻に考えておれば、この丸紅と児玉との契約の問題については当然私は取り上げていてしかるべきだと、こう思うんですよ、どうなんです委員長。
○政府委員(澤田悌君) この契約届け出の問題について決して軽く考えておるわけではございません。重大な問題として考えておりまして、一般問題といたしましても、こういう六条二項という規定があり、それに該当する契約を結んだものは届け出る必要があるということを周知するような手続をたびたびとっておるような次第でございまして、一般問題としてもその届け出は非常な数にふえて、上ってきておるのでございます。それで、特定のこういう問題につきましても決してゆるがせにいたしておるわけではございませんが、何せ従来、こういう手続規定でございまして、これに直ちに具体的な罰則を適用するといったような例もございませんし、また、この問題自体がいろいろな角度から取り上げられ、検討されておりまする段階でもございますので、もう少しその模様を見てから罰則の適用というようなものを考えてもどうかというふうに思っておった次第でございます。
○峯山昭範君 そこで、先ほどの防衛庁関係の話に戻ります。
 防衛庁長官、先ほど話がございました七十社のうち、契約を出さない、防衛庁に提出をしないという二十社があります。特に防衛庁の製品を購入し、かつは輸入をし、その代理店を務めていながら、いろいろな事情からでしょうけれども、契約書を提出しない二十社をほぼ割り出すことに成功したんですけれども、なかなか二十社を防衛庁は言わない。非常に私はけしからぬと考えております。そこできょうは、これからなかなかむずかしいんですけれども、まず、七十社のうち二十一社、契約のない会社はこれは判明をいたしました。お伺いいたしましたから。これは内々でお伺いをいたしました。したがって、契約がある会社四十九社について私は文書をもってそれぞれ発送をいたしました。そこで私は公正取引委員会に対しまして調査を依頼いたしました。それはどういう調査かといいますと、防衛庁並びに防衛庁調達実施本部から輸入品等を納入をし、かつ契約をしている会社は、当然、外国品を輸入しているわけですから、総代理店契約書あるいは代理店契約書等があるはずであります。あるはずであろうということを考えまして、しかもその中で代理店契約書があるということを防衛庁が答弁をした会社四十九社について調査をいたしました。その中で、私は個人的に調べまして判明いたしました六社を除きまして四十三社について公正取引委員会に調査を依頼いたしました。四十三社の中で総代理店契約を独占禁止法第六条第二項に基づいて公正取引委員会に届け出をしている会社を公正取引委員会に調査を依頼いたしました。この内容については公正取引委員会の方としては発表していただけますか。
○政府委員(澤田悌君) 契約の内容等につきましては問題がありますが、名前は差し支えないのじゃないかと思います。
○峯山昭範君 名前で結構です。
○政府委員(澤田悌君) 四十三社ございまして、そのうち、この届け出のないのが十三社ございます。それと一緒になっておりますので、ここから届けのない十三社をはずしますのでちょっと……
○峯山昭範君 その届け出のない十三社をまず発表してください。
○政府委員(澤田悌君) それでよろしいですか。
○峯山昭範君 結構です。
○政府委員(澤田悌君) 届け出のない十三社は、明石製作所、安藤電気、ウェストレックス、コロンビア貿易、コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド、信健産業、東京エレクトロン研究所、東陽通商、日辰貿易、日本デニソン・ハイドロリクス、リーダー電子、ユー・エヌ・テシマテック・カンパニー、和興産業の十三社でございます。もっとも、これに対して早速届け出るように督促をいたしました結果、安藤電気、信健産業、東陽通商の三社は届けが出てまいっております。
○峯山昭範君 私は、こういうふうな商社は、これはまず公正取引委員会としましても、この六条二項をちゃんと適用して、そうしてこういうふうに契約がありながら出していないというところはやっぱり適宜指導をし、そして独禁法の適用というものを考えるべきであると、こういうぐあいに思うんですけれども、これはどうです。
○政府委員(澤田悌君) ごもっともでございまして、これは善意で届け出ないものもありますし、契約の内容が、たとえば六条三項に該当して届け出なくてもいいというようにわかっていて届けないのもおりましょうし、いろいろございますけれども、いずれにしても、この六条の規定を十分認識して、国際契約については必ず届けると、こういうふうに指導徹底いたしたいと考えております。
○峯山昭範君 防衛庁の方にお伺いいたしますが、いま発表していただいたこういう商社なりメーカーは、それぞれ、この意味が、何といいますか、こういう商社はまじめに商売をやっていると、しかしそういうふうな届けるということを知らなかった会社もやっぱりあるだろうと私は思いますよね。いろいろ事情はあると思います。しかし案外、見てみますと、ここに表面に出てこなかった、公正取引委員会には届け出をしていると、しかし防衛庁には届け出ていないという商社があるんですね。これはやっぱり一番問題だろうと私は思うんです。私はきょうはここでは具体的に名前は申し上げません。大体だんだんしぼりまして、私の手元へ参りました返事等と合わせまして、防衛庁に提出したというところはほとんど全部返事が来たわけです。それで、出していないところが返事が来ないわけです、私の問い合わせに対しましてもですね。したがって、どことどこが防衛庁に出していないというのは、もう私の手元ではこの一覧表で大体明らかになったんです、これ、大臣ね。
  〔理事林田悠紀夫君退席、委員長着席〕
やっぱりこういうようなのは日本の大手の商社ばかりになってしまいます。ですから、そういうような意味からも、それでは困るので、やはり防衛庁としてもがっちりこういう点は指導し、かつ、今後こういうような問題が起きないように措置をしていただきたい。これは今後のやっぱり導入方式や防衛庁の備品を調達するというふうな意味からも、私はそういうようなことをきちっとやっていくということが非常に大事なことだと思うんですがね、大臣どうでしょう。
○国務大臣(坂田道太君) いま峯山先生おっしゃいますように私も考えますので、あらゆる努力をいたしまして公正な取引関係が行われるように努めなければいけないというふうに思います。今後も全力を挙げて指導いたしたいと考えております。
○峯山昭範君 最後に、公正取引委員長にお伺いしておきますが、こういうふうな問題は、委員長、委員長は大きな問題ではないと――公正取引委員会としてはそれぞれ大きな役目もありますからね。私はその担当の方に何ぼお伺いしても、この問題は大きな問題ではないとお考えかもわかりませんけれども、そういうふうな考えではなくて、この独禁法できちっと決まった、法律で決められた問題なんですから、こういうふうな問題はそれぞれやっぱり、国会で指摘があり、あるいはこの委員会等で取り上げられましたら、直ちに公正取引委員会としてもその問題に対処して、今後こういうふうな問題について手落ちがないように、仕事が忙しいでしょうから、もし手落ちがあったらすぐその手を打つ、たとえばこういう契約書があるということがわかったらすぐ手配をする、そしてその内容等についても法律に基づいてチェックをする、そういうふうな万全の機能を果たしていくというのが私はそれぞれの役目だと思うんですよ。たとえば、丸紅の契約の問題にいたしましても、この児玉の契約の問題にいたしましても、公取がこれをチェックしていたからといって、それがこの問題を防ぎ得たということにはならないかもしれません。しかしながら、そういうふうにチェックをするということ自体が、やっぱり不公正な契約をし、あるいはこういう事件を起こさないことになったかもしれないわけです。ですから、そういうようなあらゆる観点からやっぱり協力して、こういうふうな事件の再発を防止していく、そういうような意味での対策も公正取引委員会は委員会として考えていくべきじゃないか、こういうぐあいに考えているわけですけれども、いかがでしょう。
○政府委員(澤田悌君) ごもっともなお考えと存じますし、公正取引委員会といたしましても、こういう問題は決して小さい問題と考えておるわけではございません。非常に重要な問題、また将来に向かってますます重要度の増す問題と考えておりますから、御趣旨のように万全の措置をとってまいりたいと考えております。
○神谷信之助君 国会に報告されました中間報告でのPXL問題については、いままでの捜査の範囲内では犯罪容疑が認められない、こういうことになっておりますが、最近行われました朝日新聞の世論調査、十月二十三日に報道されております内容を見ますと、PXLの採用問題にも「不正がありそうだ」という方が六七%もあります。すなわち、国民の圧倒的多数はこのPXL問題についての捜査の現在の到達点について納得をしていないということを物語っていると思います。
 そこで、法務当局にお伺いしますが、PXLの白紙還元をめぐる疑惑、これらを中心にして当然捜査をなさっていると思いますが、今日まで事情聴取をされた四百六十人のうち、PXL関係は何名の方について事情聴取をなさいましたか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(安原美穂君) 今回、中間報告で申し上げておりますように、官庁関係につきまして五十人程度の職員の方から事情を聴取しておりまするが、PXLは何人というふうに分けておりませんで、オーバーラップしておりますので、PXLだけの関係の数字ということはちょっとこの中で申し上げかねます。
○神谷信之助君 関庁関係は五十人ぐらいということですが、オーバーラップしているのは当然だと思うんですが、それでその以外に、民間人の方は一体どれぐらいか、特に丸紅、川重関係、これはそれぞれ何名ずつ調査をなさいましたか。
○政府委員(安原美穂君) 民間の関係で取り調べを受けた方の数字が、丸紅と全日空関係で百二十人ぐらい、それからその他で百名ぐらいということに報告を受けております。
○神谷信之助君 ちょっと、もう一遍初めから言ってください。
○政府委員(安原美穂君) 全日空と丸紅の関係で、民間の方百名、その他の関係で百二十人ぐらいということでございます。
○神谷信之助君 具体的にそれじゃ、川重関係は何名ぐらいになりますか。
○政府委員(安原美穂君) PXLの導入の関係の背景事情を調べるために、先ほどもお答え申し上げましたように、川重の関係者からも取り調べはしておりまするが、何人ということは現在報告を受けておりません。
○神谷信之助君 川重関係も、当然これはお調べになったということであります。
 そこで、PXLの疑惑解明について、今後の児玉・小佐野ルート、この関係の捜査の進展が非常に密接な関連を持っているということは当然だと思いますが、すでに東京地検は、先ほどからも質問がありましたように、小佐野の事情聴取を始めております。すでに三回は事情聴取をなさったということを局長も答弁をされていますが、先般の十九日の参議院の法務委員会で、わが党の橋本委員の質問について安原局長が、小佐野について捜査の機が熟してきたと答弁をされています。このことは、いよいよ捜査が事件の核心に迫ってきたということを意味すると考えますが、そのとおり理解をしてよろしいですか。
○政府委員(安原美穂君) 小佐野氏につきましては、少なくとも最近まで取り調べていなかったということでございますので、この段階で取り調べするに至ったのはどういうわけかというお尋ねに対しまして、捜査をする必要が出てきた、そういう意味で機が熟したということを申し上げたわけでございまして、それ以上に捜査の内容を申し上げたつもりではございません。
○神谷信之助君 当然小佐野については、トライスター関係のみならず、PXL、この問題についてもお調べになっていると思いますが、そのように理解をしてよろしいでしょうか。
○政府委員(安原美穂君) ロッキード事件の、ロッキード社からの工作資金として二十五億の金が日本に流れ込んだ。その流れ込んだ使途の究明において小佐野氏がどのようなかかわり合いを持っているかということを調べておるということで、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
○神谷信之助君 そこで、先ほどからもしばしば取り上げておられましたが、十月二十五日付の朝日新聞で、コーチャン氏による売り込みルート図が報道されました。その第五の矢印が川崎重工の四本社長、それから中南前専務らを通じて、そうして小佐野賢治氏のところに矢印が伸びております。この問題について、朝日新聞の報道によれは、コーチャン氏は四本氏らには実際には日本の一般情勢を聞いた程度で、直接の関係はないという点を強調しているというように報道しています。しかし、これは果たしてそうだろうかという疑念を持たざるを得ないわけであります。あの売り込みルート図に対する第一の矢印から第四の矢印までの朝日新聞の報道は、それはそれなりの説得力があるわけですが、この第五の矢印について、仮にコーチャン氏が強調するように四本氏らから一般情勢を聞いた程度だとしても、それからなぜ小佐野氏に伸びているのか。この点は非常に私ども疑問に思うんですが、坂田長官、PXLの解明なしには次期対潜哨戒機の導入は決めることはできないわけですから、したがって、重大な関心をお持ちになると思いますからお伺いしますが、この点について、長官、どのようにお考えですか。
○政府委員(江口裕通君) 事実関係のことになりますので、政府委員の方から一言申し上げたいと思いますが、
  〔委員長退席、理事大島友治君着席〕
実は、昨日朝日新聞にそのような報道がございました。時間的な関係もございますので……。まあ私どもから直接四本社長にもその点を照会さしていただいております。一応お答えといたしましていま御披露いたします点は、御存じのように、川崎重工はロッキード社との間に、従来の対潜哨戒機、たとえばP2V7でございますとか、あるいはP2J等におきまして、いわゆるライセンス契約を締結しておる会社でございます。その意味において、その関係が当然あるわけでございまして、まあ御本人の言われるところによりますと、先方からこちらへ来られる、あるいはこちらが向こうへ行くというときには、適宜と申しますか、表敬訪問等は当然しておられるということでございます。まあ中身等につきましては、しかしながら、まあ関係があると申しましても、いわゆるそういう関係でございまして、その範囲を出ておらないと。新聞等には一般的な情報交換というふうに書かれておりますが、やはりその域は出ておらないと、こういうことでございました。
 それから、補足になりますが、四本氏が小佐野氏をロッキードのコーチャン氏に紹介したということはないと、これははっきりそういうお答えでございました。
 以上御報告をいたします。
○神谷信之助君 いや、私の聞いているのはそういうことじゃないんです。私が疑問に思ったのは、ロッキード社と川崎重工あるいは四本氏との関係、これは取引がありますから関係がある。そこへ矢印がいくのはわかります。問題は、四本氏から小佐野氏のところにその矢印が伸びている。この疑問は一体どうかという点をお尋ねしたわけです。この点はいかがですか。
○政府委員(江口裕通君) まあ、これはあくまで新聞のことでございまして、私どもきのう伺いました際にも、そこの点については、特にこれという事実は承知いたしておりません。
○神谷信之助君 ですから、四本氏のところから小佐野への矢印が伸びているというところについては、なぜそこに矢印が向いているのかという点についてはわからぬということでしょう。だから、きわめて疑問があるわけです。
 もう一つお尋ねをしておきますが、四本氏あるいは川崎重工とトライスターとの関係、これは関係がありますか。私はないと思うんですが、どうです。
○政府委員(江口裕通君) トライスターは、御存じのように、輸入いたしました場合に、完成機輸入でございまして、いわゆるライセンス生産というような形はとっておりません。したがいまして、そういう点から推測いたしますと、関係はないと考えます。
○神谷信之助君 そうすると、川崎重工はトライスターとは関係はない。御承知のように、川崎重工はPXLの国産化を目指して防衛庁と協力をして、一体となって研究開発を進めてきた企業であります。したがって、そことロッキード社との、あるいはコーチャン氏との矢印の関係、これは十分理解ができる。すなわち、P3Q、これの国産か輸入かをめぐる問題で一定の関係があるだろう、問題はそれが小佐野氏のところに続いていっている。私はここにP3Cをめぐる疑惑が隠されているのではないかというように思うんであります。
 コーチャン氏は盛んに、朝日新聞の報道によれば、四本氏らには実際には日本の一般情勢を聞いた程度で直接の関係はないということで、非常に意識的に関係のないことを強調されている。また、先般公表されましたコーチャン回想記、これを見ますと、P3Cの売込みをめぐるコーチャン氏の活動、これは何ら触れられていません。先般の委員会で、この点について稻葉法務大臣におかしいと思わないかという質問をいたしますと、法務大臣も、奇妙なことだ、私もそう思うという答弁をなさっています。坂田長官は、こういうロッキード社がトライスターとP3Cの売り込みを日本に対してやってきている。トライスターについてはいろいろとコーチャンも回想記などで明らかにしています。しかし、P3Cには触れてない。そしてP3Cをめぐっての関係がありそうなコーチャン氏と四本氏との間については盛んにその関係をコーチャン氏は否定をしている。こういう関係についてどのようにお考えですか。長官の見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(坂田道太君) ただいま江口装備局長が申し上げましたとおりに、あれ以上のことをわれわれ承知しておりませんので、何とも申し上げようがないわけであります。
○神谷信之助君 おかしいという点はどうですか。何とも申し上げられないというよりも、この問題は解明しなきゃならぬわけですからね。だから、普道常識的に考えてみますと、いま私が申し上げたように、どうも奇妙な感じがする、コーチャン氏のそういう特に強調する点。これは以前に稻葉法務大臣自身も、コーチャン回想記をめぐって、私も奇妙なことだと思ってるというようにお答えになっている。防衛庁長官は、そういう点についてはそう奇妙なことだというようにはお感じにならない、あたりまえのことだというお考えなんですか。
○国務大臣(坂田道太君) 私の方では、とにかくPXLをめぐるいろいろの疑惑といいますか、そういうものもあるわけでございますから、あんまり口幅つたいことは申し上げられないわけでございますけれども、いままでの私の調査からすると、ないと。それから、いまお話を聞きましても、本人に確かめたところ、あのようなことでございますので、それ以上何とも申し上げようがございません。
○神谷信之助君 しかし、長官、私はそうは思わないんです。特に当委員会で、川崎重工と小佐野氏との関係については、七月十三日の委員会でわが党の内藤議員がこの問題を追及をしております。そのときには、小佐野氏がいかに不正なやり方で金を手に入れ、そして裏金として使っていたか、こういったことを具体的な資料に基づいて当日の委員会では追及しました。すなわち、川重からのリベート取得問題として明らかにしたわけであります。そのときには、国税庁の方も法務省の方も、内藤議員の追及に対して調査を約束をされています。国税庁の方は、所管の国税局に知らせまして今後の適正な処理をしていく上で活用させていただくというふうに考えておりますということで、同時に、これらの問題についての調査も約束をされている。それから安原局長の方も、特別背任という問題、あるいは国税当局からお話しの脱税の問題、これは、御指摘のようなことが事実であるとすれば、疑いを生ずるという意味において端緒になるわけでありますということで、ただ、問題はいまから十六年ほど前のことで、そういう問題もあるということをひとつお含みおき願いたいとおっしゃっています。これらの問題についてそれぞれその後どのような調査をなさって、その結果はどうかという点について、まずお伺いしたいと思います。
○政府委員(山橋敬一郎君) お答えいたします。
 先般の当委員会でお示しいただきましたお尋ねの取引の問題につきましては、その内容を関係法人の所轄の国税局に連絡済みでございます。ただ、いま先生のお話しのように、この取引が十数年も前のものでございますので、課税処分の除斥期間を過ぎているというふうな問題もございまして、それ自体を調査することは非常にむずかしいわけでございますけれども、これをヒントといたしまして調査上活用することができるということも考えられますので、ヒントとして活用できるものにつきましては、関係法人が調査中でございますればその際に活用する、そうでなければ今後調査する際にそういうヒントを活用さしていただく、こういう形でまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○政府委員(安原美穂君) いま御指摘のように、内藤委員の御質問に対しましてお答えいたしましたとおり、あの当時、翌日でございましたか、当局の係官をして内藤委員からお示しの資料を東京地検特捜部に手渡してございます。いまのところ、その結果についての報告は受けておりませんが、その御指摘の疑いというものについて、資料を添えて連絡はしてございます。
○神谷信之助君 それでは続いて国税庁の方にお伺いしますがね。国税庁の方では、ことしに入って川重に調査に入られたことがあるかどうか。入られたとすれば、いつ、何名で、調査目的は何であったか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(山橋敬一郎君) お答えいたします。
 川崎重工業は資本金の非常に大きい大法人でございますので、こういうふうな大法人につきましては、毎年のように実地に臨んで調査をしているのが通例でございます。したがいまして、川崎重工業について調査をしたかどうかという、個々の企業の実は調査をしたかどうかという点については、お答えを差し控えさしていただきたいわけでございますし、また、この調査の具体的な状況とか、その結果というふうな問題につきましては、内容にわたることでございますので、この点についても御容赦をひとつお願いを申し上げたいと思うわけでございます。
○神谷信之助君 内藤議員の方から具体的な事例を出して調査を要求したわけであります。特に小佐野へのリベート、あるいはその他のリベート商法ですね、こういった問題についても、先ほど活用しておるということですから、そういう角度からも当然調査をなさったと思いますが、その点はいかがですか。
○政府委員(山橋敬一郎君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、お示しいただきましたデータが非常に古いデータでございますので、それをそのままというふうな形ではなかなか活用はむずかしいわけでございますが、それを一つのヒントとして活用いたしたいというふうにわれわれ考えているわけでございまして、もし、このお示しの企業につきまして調査をするというふうなことがございますれば、当然そのデータというものをヒントとして活用しているものと思います。
○神谷信之助君 私、ここにことしの、五十一年の六月の三十日、川崎重工の取締役会、これの報告メモを、これをわが党の調査で入手をいたしました。これは某重役のメモでありますが、それによりますと、国税庁は五十一年の三月の四日から六月の三十日にかけて、課長以下五名が、四十九年九月期、五十年三月期、五十年九月期の経理調査を行っておられる。その結果、国税庁の方から経理が乱脈であるという指摘をされたと。たとえば重加算税対象に悪質なやり方をやっているということで、ばり雑言を言われたということも書かれています。さらに、リベートのところでは、取引先の要求により不当に代価を上げ、差額をリベート千二百万円として、七百五十万円プラス千二百万円イコール千九百五十万円返している。こういうメモもあります。すなわち、内藤議員が前回明らかにしましたように、取引先の要求によって不当にリベートを代価に加えて、そしてその分を相手に提供する、そういう形で裏金をつくるというやり方、これは今年の三月四日から六月三十日の間に国税庁が調査をなさった、その中からも指摘をされています。同じようなやり方がいまなお川崎重工では続けられている。この取引先というのがこのメモだけでは明らかではありません。しかし、内藤議員が指摘をしましたように、小佐野の国際興業との間に、長期にわたってリベートが代価の中に含まれるということがやられ、そして小佐野のもとに現金で返される。これは前回報告したとおりであります。したがって、こういう点について、これは当然小佐野との関連でも厳重に調査をする必要があると思うんですが、この点について法務当局いかがですか。両方とも言ってもらったらいいですよ、両方とも。国税庁が先に言ってもらってもですね。
○政府委員(山橋敬一郎君) お答えいたします。
 まあ個別の企業につきまして、いつ、どのような調査をしたかというふうな内容についてはお答えいたしかねるわけでございますけれども、調査の結果、いろいろな不正があるいは発見される、あるいは非違が発見されるということになりますれば、その関連先につきまして調査をするのは一般として当然でございますけれども、具体的にどうこうというふうな問題については、ちょっといまお答えしかねるわけでございます。
○政府委員(安原美穂君) いまのようなリベートの方法が、川崎重工と取引の関係のある会社の裏金をつくるという目的でなされたとすれば、それはまあ恐らくは脱税の手段方法ということに連なる疑いを持つべきことであろうと思いますし、会社と別の、特定の個人の利益を図るために――利益を図るためにと申しますか、その人のための裏金をつくるために会社が、川崎重工の取引先がそういうことをやったとすれば、場合によって――この前も申し上げましたように、商法の特別背任というような問題を生ずるおそれがあると思います。
○神谷信之助君 したがって、当然犯罪捜査を起こすべき端緒としての状況が生まれていると思いますが、この点は捜査当局に連絡をし、捜査をされると、あるいは少なくとも調査をされるということはよろしいですか。
○政府委員(安原美穂君) この前、昭和三十年、三十五年ごろの資料をいただいて、東京地検に連絡いたしましたが、いまなおさようなことがあるということであるといたしますれば、さような御指摘が神谷委員からあったということを重ねて東京地検に連絡することといたしたいと思います。
○神谷信之助君 さらに、この四本社長ら川重の幹部とそれから小佐野との関係は、当時、内藤議員がすでに指摘をしたところであります。すなわち、川重に対して小佐野賢治氏が長年にわたって非常なる影響力を持っておりました。そのときにも指摘をしておりますが、端的な事実を言いますと、「御前様」というふうに、川重の人たちは小佐野賢治のことを呼んでおります。そして正月には社長を先頭に、すなわち四本さんを先頭にして川重の重役が小佐野賢治のところへわざわざ出向いている、こういう関係が生まれています。それで川重というような超一流の大企業の社長以下重役がお正月に小佐野賢治のところへそろっていくという、異例な関係というのが川重と小佐野賢治氏との間には生まれているわけであります。こうなりますと、この矢印の関係、四本、中南、それから小佐野賢治、ここへ結んでいる状態というのは、全く不自然なことではなしに、きわめて密接な関係を持つ姿が推測できるわけであります。この関係について、捜査当局も当然、前回の委員会でも内藤議員が指摘をしているわけですから、今日までに調査をなさっていると思いますが、この点はいかがですか。
○政府委員(安原美穂君) いま御指摘のようなことについて、調査をしたかどうかということは、きわめて具体的でございますので申し上げるわけにはまいりませんが、一般的な問題として、PXLの導入の問題に関連する背景事情として、川重関係者から事情聴取したことはあるということは申し上げたわけでございます。
○神谷信之助君 すでに当委員会の審議を通じても、川崎重工が四十七年の十月九日の国産化の白紙還元で、少なくとも数億円以上の損害をこうむったと、このことは明らかであります。したがって、本来ならおとなしく引き下がるというはずがない。したがって、この川崎重工の損害についてこれをおさめるフィクサーとしての役割り、これを果たすべき人物が必要になる。こういうので小佐野氏の役割りというのが一つは考えられます。あるいはその見返りとしてライセンス生産を川重に行うという、そういう了解をさせる、そういうことで納得をさせる、そういう意味でも小佐野賢治という人が川重に対してフィクサーとしての、あるいは利益調整をするそういう役割りを果たすにふさわしい人物である、こういうことが明らかではないだろうか。この第五の矢印が、四本、中南、そして小佐野賢治へ結びついている隠された事実ではないかというように私どもも考えるわけであります。
 すでに御承知の、小佐野氏に対して、コーチャンは児玉に五億円を渡してくれと言って金を渡したと、回想記でも、またチャーチ委員会における証言でも行っています。この五億円は、トライスターの売り込みについて小佐野賢治に役割りを果たしてもらうという分の報酬だけじゃなしに、このP3Cの採用について川重に対する周旋料といいますか、説得料といいますか、こういう分も入っていると見るべきじゃないか。コーチャン証言では、われわれは小佐野氏にも売り込み戦略について相談をしたと言っております。
 さらに、これもこの当委員会で明らかにいたしましたが、わが党の近藤議員がアメリカで入手をした資料があります。それは嘱託尋問に当たったアメリカ側の検事のメモであります。これによりますと、コーチャンの日記ではP3Cに関し七三年に、すなわち昭和四十八年に小佐野氏と四回会ったと、そういうメモ書きがあります。コーチャンが日記に、P3Cに関して四十八年のときに小佐野氏と四回会ったと、これが書かれています。
 したがって、このP3Cの疑惑解消には、小佐野に関する取り調べが児玉に対する取り調べと同時にきわめて重要である、こういうように考えます。小佐野の取り調べはすでに始まっているわけですが、こういう状況を考えるならば、捜査当局としては早く必要な調査を完了して強制捜査に踏み切らないと、この問題の解明は進まないのではないかと。児玉は病気を理由にいまだに強制捜査になっていない。そうして重要なかぎを握る小佐野賢治氏も、臨床尋問で、三十分を限るようなそういう尋問を続けているにすぎない。これでは国民の圧倒的多数がP3Cの疑惑、この疑惑は解明されていないという世論調査の結果を見ましても、これにこたえるということはできないんじゃないかと、こういうように思うんですが、この点についての捜査当局、法務当局の見解をお聞きをしたいと思います。
○政府委員(安原美穂君) 捜査のこれからの方針等につきましては、もとより申し上げるわけにはまいりませんが、神谷委員の御批判は御批判として十分に拝聴いたしました。
○理事(大島友治君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○理事(大島友治君) 速記を始めて。
○神谷信之助君 それじゃ次に法務大臣と最高裁が来ましてから、鬼頭判事補の問題、これについて質問をしたいと思います。あと、だから時間留保しておきます。
○理事(大島友治君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○理事(大島友治君) 速記を始めて。
○三治重信君 他委員会との審議の関係で、要求いたしました最高裁の関係の方が出席できないということでございますので、
  〔理事大島友治君退席、委員長着席〕
その分を保留いたしまして、法務省関係だけに簡単に御質問して終わりたいと思いますが、くどいようでございますけれども、中間報告のときの、何と申しますか、ロッキード資金を受領した国会議員についての質疑を衆参両院で相当やったにもかかわらず、なかなか、法務の事務当局においても、大臣にしても、その質問の趣旨が大体においてはっきりわかっていながら、その中身と申しますか、故意にとも思えるぐらい必要最小限しか答弁されていないわけなんですが、逐次、答弁の結果で、具体的な名前は秘密会でしか言えないというたてまえで答弁を求めるとしても、余りにも、何と申しますか、質問者の趣旨に対して不誠実な答弁だと思うんですが、もうあと最終的にもう一遍お尋ねしたいと思うんですが、この前お尋ねした趣旨は、中間報告で十七人ということなんだが、しかしこの起訴された人、それから丸紅、全日空ルートから資金をもらった人ということで五人、十三人という――三人、五人、十三人が出て、片方を調査した人が十七人だと、こういうふうになって、そのつじつま合わせで衆参とも質問をしているわけなんですが、それについて、いや、重複があるなんとか言って、実際その十七人のうちで本当に丸紅、全日空ルートから資金をもらった者がやっと最近になって十五人だと、こういうふうなことを言われているわけです。しかも、その中でこの五人については一、二、三、四、五で資金の受領した金額がわかってきた。この全日空の関係でも十三人の、番号で金額の中身がわかった。問題は重複なんですが、重複もきょう、先ほどの久保さんの御質問で、この三人の重複の番号合わせができたわけなんですが、それでもう一つ残っているのは、あるいは解明されておるかもしれませんが、起訴された三人が、丸紅ルートの番号と全日空のルートの番号にかかわり合いがある人が私はまだあると思うんですが、この前は、人数が合わぬのは、一番最初のときには、人数が合わぬのはそれは起訴された人もこちらの全日空、丸紅の方に重複しているからだと、こういう答弁であったわけなんですが、いま、先ほどの全日空と丸紅との重複の番号合わせができたわけなんですが、この両方の番号のうちで、起訴された人が、このうちの丸紅ルートで何番、それから全日空ルートで何番に該当しているかということを教えていただくと、これで重複したのが全部やっとわかることになるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(安原美穂君) 私ども法務事務当局としては、起訴された人であろうとなかろうと、公訴を提起しなかった関係部分について、それがだれであるかということがわかるということにつながるようなお答えは一切お断りするというたてまえでまいりました。そういう意味におきまして、最大限申し上げられますことは、起訴された三人の方が、不起訴の対象になった全日空の裏金関係及び三十ユニット関係に三人入っておられるということを申し上げることで御勘弁を願いたいと思います。
 なお、なぜそういう立場に立つかということにつきましては、やはり刑訴四十七条の趣旨からいいまして、公訴を提起しなかった事実関係については、たとえ他のことで被告人になっておられましても、その公訴を提起しなかった部分については人の名誉にかかわると。特に、先般は秦野委員からも御指摘がございましたが、検察官の公訴を提起しない処分における事実の認定というものは、裁判とは違いまして確定性の乏しいものでございますので、検察官はいいかげんな判断はいたしておりませんけれども、その性質上、それを公にすることは公開の場ではいけないという考え方でございまして、それに基づきますならば、氏名を特定するようなお答えを公開の委員会で申し上げることは、ぜひひとつ御理解をいただきたいと思います。
○三治重信君 その三人の起訴された方は、三人名前がはっきりわかっているわけですが、その三人の名前の具体的な、どの人が全日空ルートの何番に当たり、丸紅ルートの何番に当たるということはいいわけですね。わかりますか。その三人のうちで、全日空ルートの三人のうちのどなたが全日空ルート、丸紅ルートの何番に当たり、それからどなたとどなたが全日空ルートの何番と何番に当たるか、その重複度合い。その三人が丸紅ルート、この三つに全部該当――一から五番までの何番と何番と何番と――三人全部、全日空ルートの三人が三人とも全部重なるなら重なるで、具体的な名前と合わしていただかなくても結構なんですが、その重複度合いが何人か、何番に重複しているかということは、この前の、先ほどのいわゆる全日空と丸紅とのルートの重複のことが言えてこちらが言えぬことはないわけでしょう。
○政府委員(安原美穂君) ごもっともな御推論でございますが、お金を差し上げた趣旨が、外国旅行のせんべつというようなことに相なりますると、外国旅行者はおのずから特定してまいりますので、やはりこれは特定につながるということで、そこはひとつ御三人の方が十三か五かどちらかのグループに入っておるんだということでひとつ御理解をいただきたいと思います。
○三治重信君 そこまで言われればしょうがないんですが。
 それからもう一つ、にせ電話事件なんですが、先日のにせ電話の場合に、軽犯罪法程度しかないということなんですが、そのテープをとって、そのテープを方々へ売り込みに歩いてでも、もうこれは軽犯罪法と同じこと――軽犯罪法にも当たらぬわけですか。また、こういうふうなテープを何か特別の目的をもって一般に知らして、そして相手を謀略で陥れると、先ほどの首相のやつも何か謀略的な陰謀を持って行われたことは確実だ。これがただ電話ということでこの間は多分答弁されたと思うのですが、その中、そのにせ電話がテープレコーダーにとってある。そのテープレコーダーも、またしかも、それを新聞社に売り込むとか、あるいは一般の公衆の前で聞かして、こういうふうに首相はけしからぬことを言っているんだというようなことを言った場合にでも軽犯罪法程度なんですか、それでも。それは刑罰関係というのは何も関係のない問題になりますか。
○政府委員(安原美穂君) まあさしあたりすぐ考えられるのは、テープレコーダーを売り歩くと否とにかかわらず、やっぱり軽犯罪法の官名詐称ということであろうと思いますが、問題はまたその売り歩くに当たって、虚偽の事実でも含まれた誇張のもとにそれを公にさせるというような意図でもありました場合に、それが公になったということであれば、まあ名誉棄損ということも考えられると思いますが、しかし、仮定の問題でございますが、一応そういうふうに思います。
○三治重信君 それから新聞によれば、検察も東京地検の方で捜査をやるという決定をされたみたいな報道も一部あるわけなんですが、こういう軽犯罪法みたいなというふうな判断であるのをやはり特捜なんかで取り上げるというのはちょっと、捜査関係からいくと、素人でございますが、少し変わったことになりゃせぬかと。まあこれが検察庁の最高検の最高責任者の問題だからということか、あるいは相手が裁判官だからということか、本来ならば、普通は警察が取り調べるのが普通じゃないんでしょうか。
○政府委員(安原美穂君) まず、警察か検察かということにつきましては、検察はいかなる犯罪も取り調べることができるわけでございますから、決して権限外のことをするわけではございませんで、それを着手するかどうかにつきまして、警察と検察の間に、これは警察これは検察という区分もございませんので、同時にそれが始まるということもあり得るわけでありまするが、私はもっぱら検察の所管の局長でございますので、検察のことを申し上げているわけでありまして、決して警察が捜査することを妨げるものではないわけでございます。
 なお、確かにいまさしあたり考えられることは、軽犯罪法違反ということでありまするが、場合によっては業務妨害というようなこともあり得るというように、法律的にも非常にむつかしい問題があるようでございますとともに、仮に、これが事実というよりも、今日これが世間で問題になりまして、その与えておる政治的、社会的影響はきわめて深刻なものがあるやにうかがわれるわけでございますし、ロッキード事件に関連するということもやや顕著なことでもございますといたしますれば、これを東京地検特捜部で扱うということもそれなりに理由があるものと考えております。
○三治重信君 いや別に、何と申しますかね、特捜で扱うのがいかぬとかいいとかいう判断を持ってこれは問い合わせているわけじゃなくて、こういう普通の常識からいくと軽犯罪法的なことしか該当しないような事件だったらば警察じゃないですかと。それが常識かどうかということと、それからこういうふうに特捜でやるからには、理屈からいけばどちらでも捜査ができるということについてはどちらでも、また両方がやるにしてもいいということについては同意しますが、そういう特捜でやられるというふうに間髪を入れずこの処置について判断をされたには、それ相当の特別な、何と申しますか、価値判断といいますか、事の重大性というものを考えての上であるんではないかと。そこが一つ聞きたいというのと、どうもこれだけ特捜として捜査に乗り出すということを決定される、あるいは新聞の方でいろいろ検討事項が書いてありますけれども、それにしても特捜というものの任務からいくと、何と申しますか、もう少し、軽犯罪法という形だけでこれだけの大きな構えをするのも少し大人げない。事が重大だということならば、もう少しそれに対して、前からこのロッキード事件でわれわれいろいろ言っているが、政治的道義的な問題はわれわれは何も追及してないんだと、犯罪か犯罪でないかということをやっているんであって、ロッキード事件でも、従来国会やなんかがいろいろ政治的道義的の問題を追及されるのは結構だけれども、それに検察側はとらわれていることはできぬということを再三に言っておられるもんですから、その点に関してはっきり世間に与える認識を区別して対処されぬと、何か新聞で大きく出た、さあ大変だと、あらゆるものが重要だとか、政治的な謀略だ、重要だということをやると、それが全部、何と申しますか、政府のあちこちの関係する機関が大げさに何でも取り扱っていくというようなことになると、私はやはり政府の態度としても、各機関としても、ことに捜査機関が――警察が一般的になるんだけれども、特別な機関が――最高裁にも質問するというのも、そういう最高裁という特殊なところがどういうふうな構えで新聞に報道されるようなことを考えておられるのか聞こうと思ったんですけれども、それがきょう一緒に聞けると非常にいいと思うんですけれども。そういうことなんで、決して私は権限があるなしとか、いいとか悪いとかいうことじゃなくして、そういう非常にセンセーショナルな問題に対する取り扱いというものをやはりもう少し、理屈で各政府機関が最後は立法機関に対していろいろ説き伏せららるからには、実際の報道にあらわれているいまの形からいくと、少し報道に乗せられているような、少し甘いような処置の仕方が両機関ともあるんじゃないかと、こういう心配から、どうなんですかと、こう聞いているわけでございます。
○政府委員(安原美穂君) 検察は稻葉大臣も常におっしゃいますように、厳正、公平であり、かつ世論に惑わされない冷静と沈着さが必要でございまして、決して、今回の問題につきましても、世論にあおられてそれに便乗するというような態度であってはならないことはもう三治委員のおっしゃるとおりでございまして、これは検察の鉄則として冷静、沈着、公正に、厳正になされるべきものと思います。ただ問題は、先ほど申しましたように、世間に与えた影響というのは必ずしも新聞報道があおっているということではなくて、深刻であったと検察では受けとめておるものと思いますので、特捜部で厳正、公平、沈着に真相の究明に当たるということであろうと思います。
 なお、御指摘のとおり検察は刑事責任を追及するところでございますので、本件につきまして犯罪の容疑がないということになれば、もとより検察は手を出すべきでないことは申すまでもないと存じます。
○三治重信君 いまの話で大体理解できるわけなんですけれども、ひとつ検察当局も、犯罪の、軽犯罪法ぐらいでということを司法当局が言っていながら、それが検察まで動くというのがぱあっと新聞に出るということは、その間にどうもいままでロッキード事件で言われていたことと矛盾を感ずるという気持ちをまだぬぐい去るわけにはいきません。
 それで、あと最高裁の問題、調査についても、その態度について少しお聞きしたいと思ったんですが、その分を残しまして、きょうは終わりたいと思います。
○委員長(大谷藤之助君) 以上をもちまして本日の質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後四時五十五分散会
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