第082回国会 決算委員会 第3号
昭和五十二年十一月二日(水曜日)
   午後一時十五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月一日
    辞任         補欠選任
     安武 洋子君     上田耕一郎君
     喜屋武眞榮君     下村  泰君
 十一月二日
    辞任         補欠選任
     沓脱タケ子君     安武 洋子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長        茜ケ久保重光君
    理 事
                遠藤  要君
                坂元 親男君
                寺下 岩蔵君
                大塚  喬君
                和泉 照雄君
                田代富士男君
    委 員
                伊江 朝雄君
                石本  茂君
                岩崎 純三君
                河本嘉久蔵君
                世耕 政隆君
                長谷川 信君
                藤井 丙午君
                降矢 敬義君
                増岡 康治君
                案納  勝君
                坂倉 藤吾君
                瀬谷 英行君
                丸谷 金保君
                宮之原貞光君
                黒柳  明君
                上田耕一郎君
                安武 洋子君
                下村  泰君
                野末 陳平君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  坊  秀男君
       建 設 大 臣  長谷川四郎君
       国 務 大 臣
       (内閣官房長
       官)       園田  直君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  田澤 吉郎君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員長      橋口  收君
       公正取引委員会
       事務局取引部長  長谷川 古君
       公正取引委員会
       事務局審査部長  野上 正人君
       行政管理庁行政
       監察局長     川島 鉄男君
       国土庁大都市圏
       整備局長     国塚 武平君
       外務省経済協力
       局長       菊地 清明君
       外務省国際連合
       局長       大川 美雄君
       大蔵省主計局次
       長        山口 光秀君
       大蔵省関税局長  戸塚 岩夫君
       大蔵省理財局長  田中  敬君
       大蔵省理財局次
       長        川崎 昭典君
       大蔵省国際金融
       局長       旦  弘昌君
       食糧庁長官   大河原太一郎君
       水産庁長官    岡安  誠君
       通商産業省通商
       政策局長     矢野俊比古君
       通商産業省通商
       政策局次長    花岡 宗助君
       建設省河川局長  栂野 康行君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        道正  友君
   説明員
       大蔵省造幣局東
       京支局長     藤沢  正君
       会計検査院事務
       総局第五局長   東島 駿治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十九年度一般会計歳入歳出決算、昭和四
 十九年度特別会計歳入歳出決算、昭和四十九年
 度国税収納金整理資金受払計算書、昭和四十九
 年度政府関係機関決算書(第七十七回国会内閣
 提出)(継続案件)
○昭和四十九年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第七十七回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和四十九年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第七十七回国会内閣提出)(継続案件)
    ―――――――――――――
○委員長(茜ケ久保重光君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告をいたします。
 昨十一月一日、喜屋武眞榮君及び安武洋子君が委員を辞任され、その補欠として下村泰君及び上田耕一郎君が、また本日、沓脱タケ子君が委員を辞任され、その補欠として安武洋子君がそれぞれ、選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(茜ケ久保重光君) 次に、昭和四十九年度決算外二件を議題とし、本日は総括質疑第二回を行います。
 質疑のある方は順次御発言をお願いします。
○瀬谷英行君 信濃川の河川敷問題について、ごく限られた時間でありますので、端的にお伺いいたしたいと思います。
 この信濃川の廃川処分の問題でありますけれども、これについては、本決算委員会で何回か審議が行われております。その審議の中には内閣に対する警告というものもありました。それから鈴木決算委員長の当時は政府に対する申し入れというのもありました。これらの内容はいずれも慎重にやれと、一言で言えば。そして特に衆議院の予算小委員会、参議院の決算委員会にはその内容を報告をして審議ができるようにせよと、こういう意味の注文がつけられているわけであります。その中の具体的な点を一つ取り上げてみますと、昨年一月二十二日の竹下建設大臣の答弁、これは久保亘君が質問をしておりますが、「廃川処分に関する決定をなされる場合には、当決算委員会のいろいろな意向というものについて十分尊重できるような慎重な配慮を行われるものだと私は理解をいたしますが、そのようなふうに考えておいてよろしゅうございますか。」と、こういう質問に対して、竹下国務大臣から、「久保委員のおっしゃるとおりに理解しております。」と、こういう答弁が行われております。これは私が決算委員長をやっておりましたときの議事録でございまして、私の記憶にもそのとおりに残っております。
 それから、小谷議員から三木当時の総理大臣に対する質問も行われておりまして、三木総理大臣からは、廃川処分については慎重にいたさなければならぬということを建設省に指示しておるわけでございますから、この問題の処置に対しては原則ばかりではなくて、国民にいろんな疑問を持たれている地域であるので、慎重に対処していく所存でございますと、こういう意味の答弁が行われております。
 そのほかに、本院におきましては数々の質疑が行われ、きょうここにいらっしゃる坊大蔵大臣も、ことしの五月二十日の決算委員会で同趣旨の答弁をされております。したがって、これらの答弁を忠実に履行されるならば、当決算委員会に対して廃川処分に先立って報告を行い、了承を求められるという手続がとられてしかるべきではないかと思うのでありますが、その点は建設大臣としてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(長谷川四郎君) 御議論がございましたことは十分承知をしております。したがいまして、今回の廃川処理にいたしましても、本当に慎重に考え、そしてあらゆる角度から是なりということを信じましてこのようにいたしたわけであります。
○瀬谷英行君 本委員会において何回か論議をされた結果、廃川処分が行われる場合には、それに先立って本委員会の意向というものが聴取できるようにするんだという意味の答弁が、長谷川建設大臣の前の建設大臣あるいは坊大蔵大臣あるいは三木総理大臣等から行われているわけなんです。ところが、この今回の廃川処分については、そのような報告というものはあらかじめ行われているというふうには聞いておりません。今回たまたま委員会が開会をされましたので、質問をするという機会が持たれたのでありますが、なぜそのような事前の処置が行われなかったのか、その点をお伺いしたいと思うんです。
○国務大臣(長谷川四郎君) いろいろの皆様方の御意見は十分尊重しなければならないことは当然でありまして、それに対して三木総理がお答えになった点も慎重に考え、そして今回の処分に踏み切ったというわけでございます。
○瀬谷英行君 慎重に考えて決めたんだという経緯について、われわれはまだ聞いておらぬわけだ。したがって、じゃきょう改めてそのことを報告をするから了解をしてくれというふうにおっしゃっているのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(長谷川四郎君) 当委員会に報告をせよというお話は承っておりませんけれども、慎重にこれを取り扱えというお話は承っております。
○瀬谷英行君 もう一度昨年一月二十二日の決算委員会の議事録を取り上げてみますと、「廃川処分に関する決定をなされる場合には、当決算委員会のいろいろな意向というものについて十分尊重できるような慎重な配慮を行われるものだと私は理解をいたしますが、そのようなふうに考えておいてよろしゅうございますか。」という久保委員の質問に対して、竹下建設大臣から、「久保委員のおっしゃるとおりに理解しております。」と、こういうふうに答弁しているんですね。これは私が申し上げたように、あらかじめこの廃川処分に先立って、当委員会で、いままでの審議というものを踏まえて当然建設大臣から、このように処置をすることになったからどうかという程度のことがあるものとわれわれは理解しておるのでありますが、私どもの理解が間違っているんですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) そのような、お話しのような慎重に配慮しなければならぬというようなお話がございまして、私たちは慎重に今回の問題は考えてこの挙に出た、こういうような処置をとったというわけでございまして、委員会の御意思に私は適するものだと、合致するものだというふうに考えて行った次第であります。
○瀬谷英行君 その辺のところがどうもよくわからぬのですがね。決算委員会では何回もこのことでやりとりをしているんですよ、参議院の決算委員会では。そのたびに三木総理大臣が答え、あるいは竹下建設大臣が答え、坊大蔵大臣が答えといったようなことがあったわけです。そして、それは慎重にやりますと、特にその中でも私が指摘いたしましたことは、当委員会の意向というものについて十分な配慮が行われるというような措置を講じた上でやるのかという意味の質問に対して、そのとおりという答えが出ているんですよ。それを額面どおりに解釈をすれば、すべてのことが終わってしまってから質問があったらしてくださいという態度じゃちょっとおかしいんじゃないかということを私は申し上げているんですよ。
○国務大臣(長谷川四郎君) この点につきましては、まあ過日でございますけれども、委員長と途中で会ったときも、いよいよあの問題は解決がついて全く国民の納得のいける方途が開けたから、私の方はこの問題を処理していきたいと思うからよろしくお願いしますと申し上げてはおきました。
○瀬谷英行君 当委員会にそういうふうにお願い申し上げられた覚えはないわけなんですよね。
○国務大臣(長谷川四郎君) 当委員会全体の皆さんには申し上げませんけれども、委員長にはこの間そういう旨を申し伝えておいたわけであります。
○瀬谷英行君 委員長に対してそういう儀礼的なことをおっしゃったということは、当委員会の審議の経過から見て、当委員会に対して、当委員会の全員に対して納得を得るような方法を講じたということにはならぬわけですよね、それは。そうじゃないですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 当委員会全体の方々には申し上げたわけじゃございませんけれども、当委員会をつかさどる委員長にはそう申し上げておいたわけであります。
○瀬谷英行君 手続的なことをやって時間をとりたくありませんけれども、しかし、このいままでの決算委員会あるいは衆議院の建設委員会等のやりとりを見れば、当然これらの処置を講ずるに先立ってこの委員会における審議というものか再度行われるような手配がとられて当然ではないか、こう思われるわけです。抜き打ち的に決定をしておいて、そして事後承諾を求めるという形はちょっとおかしいんじゃないかと疑問をだれしも持つんじゃないかというふうに思われるわけです。そのことを私は指摘しております。
○国務大臣(長谷川四郎君) 衆議院の予算委員長にもこの旨をお伝え申し上げまして、衆議院は御了承を得ておりました。
○瀬谷英行君 そういうことで了承を得たというふうな解釈はきわめて一方的だというふうに思われます。したがって、そのことについてのやりとりはこれ以上してもしようがありませんから、内容に入って質問をいたしますけれども、端的に言って、なぜ今回室町産業と長岡市と折半をしてこの廃川処分か行われるということになったのか、その理由をお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(栂野康行君) なぜ半分が長岡市に実費で譲られると、そして残りの半分が室町産業が使うと、ただし事前に長岡市長の了解のもとに使うという協定が結ばれたかということでございますけれども、それにつきまして市長から聞きますところによりますと、長岡市としましては、長岡市か必要とする面積、いま計画しております市民プールあるいは老人福祉センターあるいは学校、そして将来考えております赤十字の移転とか、そういうものに必要な面積につきましては二分の一でいいというふうに聞いております。
○瀬谷英行君 この信濃川の河川敷問題についての疑惑というのは、室町産業という会社か、これは田中元総理の資金形成に大きな役割りを果たしている会社であると、こういうこと。これはいままでのやりとりをここで繰り返している時間がございませんか、これを総合しますとそういう結論が出てくるわけですね。その室町産業に、俗な言葉で言えばたっぷりもうけさせる結果になっているんじゃないのか、それが疑惑の一番大きなポイントになるんではないかと思う。その疑惑を晴らすために果たしてこういう方法でいいのかどうかということなんですよ。その点を建設大臣、お伺いしたいと思んです。
○国務大臣(長谷川四郎君) ただいまお話しのように、室町産業から市が買ったときの、三十何年ですか、昭和三十何年とか二十何年とか言いましたけれども、その時代に買ったその価格で市に譲渡する、こういうことと、あわせて金利もその分にあるからその金利は見ましょうということと、もう一つは公租公課があるからそれも見ましょうと、全部もうけないでそのままの原価でお渡しをいたしますと、こういう話が現地でついておりまして、したがって、あとの残された半分の方は、これは室町産業が勝手に利用するということはできないと、必ず一部でもこれを利用する場合は市長と協議をし、市長がよろしいと言った場合にのみこれは利用することができるということと、もう一つは、室町産業から市長にこれを申し込まれたときは、市長は速やかにこれを建設省に通達をする、通知を起こす、そして、建設省がこれならばやむを得ないだろう、それならばよろしいと言った結果初めてこの話が成立をする、こういうふうにしてありまして、室町産業が勝手にこの残された土地を自由にするということはでき得ないのでありまして、ここへ建設省というものが歯どめに入って、そうして、この問題を利用する場合にはそういうふうにしなければならぬと、こういうことになっておるのでございます。したがって、この問題も、口頭での約束であったのを、それではいかぬ、口頭でそういうことを約束してはいけないということで、文書をもって、文書においてその契約がそのように了承をしていただいておるのでございます。ですから、私たちは、これだけ市民が要望し、そうして、たとえば長岡市議会からも、九月の三十日には長岡市の議会、そうして各派の代表が集まって、各党の代表が集まって、そうして全員の会議をいたしまして、その結果、それは結構な話だ、ぜひそういうふうに早目にこれを解決つけてくれるようにやれということが一点。もう一つは、十月の二十二日に、五十二年の第二回の長岡の会議において、四百人の人間が、町会長さん等々が集まりまして、その会議においてもそれを了承をいたしまして、ぜひ早日に建設大臣にこれを陳情をして、そうして早くその措置に取りかかれ、現在の長岡という市は、いまは足らなくてニュータウンまでつくってやらなければならない、土地が必要なときであるからぜひそれをやれ、ニュータウンはでき上がるのには十年後になるではないか、それよりも早く現在あるところを大いに活用しなければならない、こういうような御意見等がありまして、そうして長岡市がこれを原価で、つまり室町産業と称するものの今日までの、譲渡についてはその原価で室町産業から長岡市が引き受けると、こういうことでございますから、室町産業の利益という点になると、この分はそう利益には私はならないんじゃないかなというような考えもあります。したがって、先ほどからの御論議がありまするように、市民こぞってぜひこれを早目にやっていただきたいという地元民の声でございまして、その地元民の声はやはり私は国民の声として尊重しなければならない、こういうような考え方に立って今回の廃川処理をいたした次第でございます。
○瀬谷英行君 それは今日の時点で堤防が完成をして、あるいは道路ができ上がって、一等地として利用できる状態にあるという前提に立っての話なんですね。ここはかつてはどうだったかというんですよね。公共投資が行われる以前の信濃川河川敷というものはそういう価値のある土地じゃなかったでしょう、これはね。石ころと枯れススキだけの河原だったわけですよ。値打ちがなかった。その値打ちのなかった土地がどうして値打ちが出てきたかといえば、堤防が完成をする、道路が完成をする、公共投資が行われて一等地になったから値打ちが出てきたわけです。その場合室町産業というのはどういう役割りを果たしてきたか。田中さんの政商的な手腕というものは、この信濃川河川敷の今日までの経過を、特に委員会における質疑を一読しただけで舌を巻くようなものがあるわけです。値打ちのなかったところが一遍に公共投資で、お上の金を使って一気に何百倍になってしまった。何百倍になってしまった後で、今度は長岡市に対して、おれの方でこういうふうに協力をしようじゃないか、市の方が今度はあべこべに頭を下げてお願いをするというような形をとっちゃっている。しかし、室町産業か今日に至るまで、こうやって土地を入手をして、そしてその土地の価格が何百倍になったという、その辺にすでに問題があるわけです。ところが、残念なことには、今日までの行政管理庁のいろいろな監査とか、あるいは疑惑に対する質疑とか、何回も行われてまいりましたけれども、これは決め手になるものがなかった。訴訟が行われておるけれども、その訴訟というのもこれは個人間の契約であって、これはどうにもならぬわけですよね。そういう点だけでは刑事責任を追及のしょうがなかったわけです。しかし、状況証拠から見て、この会社が田中元総理の資金形成にきわめて大きな役割りを果たしているということははっきりしているわけなんです。したがって、その室町産業に対して半分の土地を保証するということは、室町産業に金づるを保証するということにもなるんじゃないのか。土地所有権というのは半分残っているわけです。仮に半分長岡市の方に適正価格で譲渡したとしても、室町産業のもうけというものは、これは具体的に計算をしてみたわけじゃないからわかりませんけれども、素人考えに考えてみたってかなり膨大なものになるであろうということは想像にかたくないんですよ。そこが国民の納得のいくところかどうかというんです。そこのところは国民がなかなか納得できないところじゃないかと思うんですよ。その点は、いま建設大臣は国民の納得のいくということを、地元の人たちの要望ということをまあ引き合いに出してお答えになっておりますけれども、国民が納得するという点はちょっと違うんです、ここは。その納得かいきがたい室町産業自体の膨大な利益というものを一体どのように理解をするかということです。
○国務大臣(長谷川四郎君) その膨大な利益を与えないようにしなければならない。そこで、市長に相談をしなければその土地を使うということはでき得ないということが第一点と、その使う、利用する申し出があった場合には、これを建設省に通達をする、建設省の方でそれならばやむを得ないじゃないか、それでよろしいと言った場合にのみそれが利用できるということでありまして、でありますから、価格というような点についても、さらに皆さん方の御意見もございますから、価格の方も当然これにはチェックしなければならないと思います。ですから、こういうような公共施設、公共用に供するということがあるわけでございますので、あとに残された部分におきましても十分この点にはその約束が実行できるような方法に持っていかなければならぬと、こういうことでそういうような契約をしてあるわけでございます。
○瀬谷英行君 歯どめがあるというふうに言っても、事実上半分室町産業に残っておれば、これはたとえばターミナルを売り払うということによって、これはちょっとうがち過ぎかもしれませんけれども、もうけることだってこれは可能なわけなんですよね。だから、そういうふうにおっしゃるならば、いっそのこと半分残さないで全部を市に提供するか、あるいはまた県に提供するか、国有地として利用を考えるかということになれば、これは国民の納得がいくということになると思うんですよ。そうじゃないでしょう。県に、あるいは国に、あるいは市にというふうに全部が渡されるわけじゃない。半分市に渡るというだけで、大臣がいまおっしゃることは、「信濃川河川敷用地の利用計画及び譲渡に関する覚書」、つまり市と室町産業との間の覚書、これを高く評価をしておられるというふうに私は理解するんですよ。それが今回の廃川処分についての踏み切った動機でもあろうかと思うんですよ。しかし、これはあくまでも室町産業というものを半分残してある。室町産業用の土地を半分残してあるということは間違いない。どんなに歯どめをかけようとも、所有権は残っておるわけなんですからね。そこにはやはり相当の利益というものが保証されているというふうに理解されてもしょうがないんじゃないですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 私もその点について、市長が二、三回参りましたときにも、全部市で取っておいたらいいじゃないか、こんなもの、昔の金で幾らでもないんじゃないかという話も申し上げたんだけれども、いま利用計画というものはこの程度で十分なんでございまして、あとは決して向こうに利益を与えるようにはいたしませんし、私の方で市街化区域に指定もしますし、これについては十分にそういうことのないようにやりますから、どうかひとつ御了承賜りたいというのが市長さんのお言葉でございました。私はいま御指摘のような点について、まさに市が全体を取っておいたらどうなんだという話を申し上げたけれども、御答弁はそのような御答弁でございました。
○瀬谷英行君 それならそれは市だけの言い分なんです。市長さんとすれば、おれの方はこれだけあれば十分だと言うかもしれません。しかし問題は、室町産業がこの河川敷を入手をするに至った経緯というものがこれは問題なんですよね。それはもうここで繰り返すと長くなりますから一々申し上げませんけれども、今日までの議事録を通読しただけでいかに疑惑が深いか、疑惑を持たれているかということははっきりしているんですよ、これは。これは長岡市の幹部であるとかあるいは建設省の出先の幹部であるとか、こういう人たちがその計画を決めて、決めた後でもって田中さんの関係する会社に迎えられているといったようなこと、これはもうはっきりしているんですね。そうすると、この田中ファミリーと言われるこの会社はどうやって、つまり土地ころがしでもって膨大な利益を得ているというやり方まではっきりしているわけなんです。そういうたぐいの会社に対してなぜ利益を半分といえども保証しなければならないのか。こういう疑問はどうしたって残るんですよ。その疑問を解消するためには、市でもって間に合っているんならこれは県に引き取ってもらうとか、あるいは国有地として考えるとか、こういう使い方をしないと疑惑はどうしても残るわけでしょう。問題は、今日まで三木総理を初めいろいろな大臣が言っておることは、疑惑を残さないように、国民の納得を得るようにということを何回も繰り返して言っておるんです。したがって、この河川敷の問題も、幾ら建設省の方で歯どめがあるとか、あるいは市の方で歯どめがあるとか言ったって、明らかに半分は室町産業のものになるんですから、その疑惑というものはどうしたって簡単には解消しないわけですよ。だから、筋から言えばやはり室町産業に半分残すべきではなかったんじゃないかというふうに思うんです。それはできない相談だったのですか。できるけれどもやらなかったのか、できない相談なのか、その点をお伺いしたいと思うのです。
○国務大臣(長谷川四郎君) 先ほども申し上げましたように、私が行ってからそういう話がございましたから、全部市でお取りになっておいたらいかがなんですかと、ぜひ取ってもらいたいというふうなお話も私から申し上げたんでございます。しかし、市はいまこれだけの利用をするということは困難だ、とりあえず半分にしてくれませんかと、こういうような話でございまして、それなら半分だけ廃川敷にやるというわけにはまいりませんから、一応そういう話をしましたけれども、それではあとはどうなるのかという話になりますと、先ほど申し上げたように、必ず室町産業が市長というものにこの公共性のあるものにのみ必ず使います、そうして市長に相談をいたしますということでございました。市長に相談ばかりじゃそれはだめなんだということで、市長に相談があったら同時に建設省の方へこの話のあらかじめどういう話があったということを通告しなければなりません、それで建設省がよろしいと言った場合にのみ今度はこの利用をさせていく、そういうふうにやらなければいけないのだよという話になりましたものですから、そこで私の方はそういう歯どめもできましたから、まずこれで何とか解決をいま――とにかく初めから六年間もかかっている問題でございますから、解決をつけてもよろしいんではないかと、こういうふうに考えた次第でございます。
○瀬谷英行君 問題は、室町産業がこの買収を考えたそのいきさつ、経緯ということを考えてみると、室町産業に多少でも残しておくというところに問題が出てくるわけなんですよ。だから、市の方で私の方は半分でいいと、こう言ったかもしれない。しかし、それならば建設省だって、歯どめをかけるのだとおっしゃるならば、じゃ建設省で買い取って、あとの半分は国有地として使うとか、あるいは県の方に分けてもらうとか、そういうような形でもって、ともかくいろいろな疑惑に包まれたこの土地というものは、公有地として、私企業の財産ではなくて、公有地として使うという原則を確立をすることができれば国民の疑惑というのは残らないんじゃないですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 残念ながら現在の法律ではそれはできないんです。一応河川敷というものを、これは昭和二十何年か、昔の話でございますけれども、全部それを、河川敷というものは国が買い上げたものではないんでございまして、そのかわり、買い上げないけれども、不必要になったときにはその住民にお返しをする、その持ち主にお返しをするというのが現在の法律のたてまえでございまして、これを公有地にして建設省で買うとかというようなことはでき得ないのでございます。
○瀬谷英行君 もとの住民に返すと言っても、もとの住民は室町産業に売っちまったわけでしょう、これは。ここに訴訟が残っているということなんでありますけれども、そうすると、もとの住民にかわるべきものが室町産業になっちゃっているわけでしょう。その室町産業のこの入手の方法に多くの疑惑があったんですよね。そうすると、その疑惑を晴らすためにはどうしたらいいかということは、それは室町産業に残さないようにすれば疑惑は晴れるわけです。国民も納得するわけなんです。そのために、法律上できるとか、できないとか言っておられるけれども、法律上可能な方法を工夫することがどうしてできないんですか。
○政府委員(栂野康行君) 当該土地におきましては、大部分が民有地でございます。それで廃川処分をする場合に当たりましては、先ほども大臣がおっしゃいましたように、河川区域として残す必要があるかないかということで、判断に基づいて行うものでございます。しかしながら、先ほど先生もおっしゃいましたように、国会でたびたびの論議もありましたので、この締め切りが終わって六年間この処分を控えておったわけでございます。それで、先ほど大臣から御説明ありましたように、室町産業と長岡市の間で、いわゆるあの土地を市民の全体のために使う、公益のために使うという精神に基づいて、半分につきましては、いわゆる原価といいますか、実費で室町産業から長岡市が譲り受ける、残りの半分につきましては、その利用計画については、公益性を主体にするけれども、事前に長岡市長の了解が必要である、またその場合に、さらに長岡市長は事前に建設省と十分協議するというふうになっておるわけでございます。そして、先ほどそれを公有地に使ったらどうかという御質問がありましたけれども、すでに私人間で、私の人との間で契約された問題でございますので、行政府といたしましては、これを先ほど申し上げましたように、国民の納得するような姿で処分するというのがベストじゃなかろうかと思います。また、先ほど大臣からも御説明ありましたように、これは単に市長さん独自の考えじゃなくて、各派代表者会議においても了解され、また町内会長会議、これは十月の二十二日に開かれたと思いますけれども、四百人に近い町内会長会議――長岡市のでございます――におきまして、圧倒的な賛意を得ているということで、建設省としましても、こういうふうに国民の納得するような処分だということで廃川処分をいたした次第でございます。
○瀬谷英行君 長岡市の市民がこう言った、ああ言った、市議会でこういう意向が表明されたということは、長岡市だけの必要な土地利用計画でもって言われていることではないかと思うのですよ。この疑惑というのは、この長岡市で入手をするに至った半分だけでもって、あとの半分を室町産業に譲渡するということで晴れるわけじゃないんですよ、これは。室町産業が入手するに至った、あるいはどんな策略があったかわかりませんけれども、ともかく、さっきも申し上げたように、利用価値のなかったその河川敷が一等地に変貌しちゃったと、こういう事実があるわけでしょう。その一等地に変貌してしまった土地の半分を室町産業に持たせるというところにまだ問題があるわけだ。もし、納得のいくようにしたいということであれば、じゃ市はこれだけ必要ですと言うならば、長岡市にその半分なら半分を譲渡させて、あとの半分は保留をしておってもいいんじゃないのかと、こういう気がするんですよ。これは、長岡市の市民は納得したとしても、この決算委員会なりあるいは衆議院の予算委員会小委員会あるいは建設委員会等において必ずしもすっきりと納得をされているものではないというふうに理解をするんです。そうすると、納得されてない部分については当然保留をして、その処置をどうするかということを委員会に報告をするというぐらいのことはやるべきではないかと思うのです。それは、いままでのこの委員会におけるあらゆる質問者の質問の内容と答弁でもってそれが裏づけられているわけなんですから、その質問者の要望にこたえられるようにするためには、そのぐらいの処置を講ずるのが私は本当じゃないかと思うんですが、どうですか。
○政府委員(栂野康行君) いろいろな疑惑の問題につきましては、行政府としましてはどうしようもないといいますか、タッチできない問題でございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、保留を処分して慎重に今回対処したという次第でございます。
 それで、先ほど半分保留にしたらいいんじゃないかという御提案がありましたけれども、これにつきましては、河川法上そういう処置はできないわけでございます。
○丸谷金保君 関連。
 いま公用廃止の申請が出て六年もたったからという河川局長の話がありました。しかし実際には、川の締め切りをし、堤防ができ、公用廃止の申請を行って、町長以下地域住民がこぞって早く公用廃止をしてくれと言っても、十年も公用廃止できてないところがあるんですよ。そういうのを一体どうするんです。六年だからということで、六年たったからいいということになりますか。
○政府委員(栂野康行君) まず河川敷を公用廃止する場合には、それを果たして河川区域から除いていいかどうかという治水上の判断に基づいてやるわけでございまして、その地元の申請がいわゆる正しければ、われわれはほかの場合におきましても公用を廃止する次第でございます。
○丸谷金保君 先ほどあなたは、地元の四百人の住民が早くしてくれと言ったということも早くした理由に挙げていたでしょう。地域の住民が何千人も町長を中心にして早くしてくれと。実際はもう堤防ができ、川を締め切って、検討する、検討する、検討するで十年もなってないところがあるんです。調べてごらんなさい。時間がないからこれできようは終わります。
○政府委員(栂野康行君) 十分調べてみます。
○黒柳明君 いままでの委員会の過程ないし政府は、総理を中心にしての発言、これはいま話がありました。それを踏まえまして、話をさらに展開したいと思うんですが、大臣、もうこの問題について国民の疑惑は一切晴れる、不明朗な点はないとみずからそう判断したからこの昨日の公示に踏み切ったとこう解釈してよろしゅうございますね。大臣はすべて疑惑は一点も残らないと、不明朗な点は残らないとそう御自分で確認して、そういう自信を持っているから昨日の処分に踏み切ったと、こう理解してよろしゅうございますね。
○国務大臣(長谷川四郎君) そのとおりでございます。
○黒柳明君 総理大臣も同じですね。
○国務大臣(長谷川四郎君) 私の専管事項でございまして、総理大臣にはお話し申し上げておりません。
○黒柳明君 若干それに対して問題が残る可能性があります。これは河川局長が御存じのように、前三木総理はこの問題おれの許可なしには処分させないと、こういう発言があります。内閣は行政は当然一貫したものですからね。そうすると、福田総理のところへ行って、まさか、いやおれは知らなかったんだと。これからこの委員会、きょうだけじゃないです、時間が短いから。この委員会の審議が、あるいはほかの委員会の審議が発展して、うまくない点が出たとき、おれは知らなかったと、こんなことを福田総理に絶対言わせないだけ自信ありますね。
○国務大臣(長谷川四郎君) 私はお話し申し上げてありませんから、お話し申し上げてありませんと申し上げたのであります。
○黒柳明君 そうじゃなくて、御自分の自信があるねと、一番初めの答弁を踏まえてですよ。ありますね。
○国務大臣(長谷川四郎君) ですから、私は申し上げておりませんから、申し上げてありませんと申し上げたんです。
○黒柳明君 それはわかった。一番初め自信があると言ったから、だから、もしこれからいろんな問題が起こったときに、要するに福田総理から何か言われたって大丈夫だと、こういう自信がありますねと、こういうことを言っている。申し上げてないのはこれはわかりました。
○国務大臣(長谷川四郎君) 私は申し上げてありませんから、別に何度でも申し上げますよ。
○黒柳明君 委員長、これじゃ審議できない。ね、自民党の先生方。いいんです、申し上げてないことはわかった。ところが行政は終始一貫しているんだから、三木前総理がおれの許可なしに処分させないと公言しているんです。福田総理でしょう、その立場は。もしこれから何か発展した場合に、まあ悪い話だけれども、問題が起こったときに、うまくない事態に発展したときに当然福田総理に報告するんでしょう。福田総理が呼ばれて審議されるでしょう。おれは知らなかったと、こういうことを言わせないぐらい自信がありますねと、こう念を押しているんです。自信あると胸を張って言いなさいよ。
○国務大臣(長谷川四郎君) それは私は言ってないから、向こうは知らなかったと言うでしょうが。
○黒柳明君 これね、公平に判断して、あの答弁を三回、五回繰り返したって同じですよ。そこから始まりゃしない。重大問題だ。前総理が、私の許可なしに処分させないと言ったんですから、それを踏まえないとだめなんです。行政は終始一貫しているんじゃないですか。これは建設大臣、私の所管だ――わかりますよ、私も一二年間国会で飯食っていますから。総理がこの問題は責任を持つと言ったんです。そうじゃないと、建設大臣と総理と答弁が、今度は、いやおれは知らなかったと、こうなった場合に、どうするんですか。まあどなたかが首をかけるんだが、私そこまで強腰じゃありませんですけれども、それだけの自信があるかということを聞いているんです。自信があるかどうか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 知らないもんだから、それは恐らく向こうは知らなかったと言うでしょう。それは自信があります。私が申し上げたとおりでございます。
○黒柳明君 その自信、何が根拠になりますでしょうか。何を根拠に疑惑はない、不明瞭な点はないと。
○国務大臣(長谷川四郎君) これだけの手当てをして、あれだけの問題があったということでございますから、万遺憾なきを期さなければいかぬという、こういうような観点に立ってこれだけの処理をいたしましたので、私の方はこれで万全を期したというふうに考えております。
○黒柳明君 それだけの処理をしたというのは何を根拠。河川局長でいいですよ。覚書でしょう。
○政府委員(栂野康行君) まず建設省としましては、あの霞堤を締め切ったことに対しまして、その経過過程につきましてはもう明確であるということ、それから先ほど大臣から申し上げましたように、いわゆるこういう覚書、市民全体の発展のためにこれを使うんだと。それから繰り返すようでございますけれども、その二分の一については実費で長岡市が譲り受ける、その残りの二分の一につきましても公益性を主体にして利用する、しかしながら、その利用計画を立てる場合には事前に市長の了解がなければいけないというふうになっているわけでございます。しかも、この覚書がいわゆる四百人に近い町内会長会議において大いに賛同を得た、また市議会の各派代表者会議においてもその了解を得たということでございますので、われわれとしましては国民の納得のいく措置であるというふうにも考えておる次第でございます。
○黒柳明君 長岡市民を今度は国民に転嫁し、国民の全体の利益に転嫁しているという、これは私たちなりの意見だ。大臣ね、大臣はそう思って、河川局長もそう思っていらっしゃるんですけど、私たちはちょっと見解が違う。そこでいわゆるその覚書というものについて、室町と長岡市を信頼している、これはしようかないでしょう、両方とも大人なんですから。地方公共団体であり、一つは大会社なんですからね。だけど、もう片方の方に疑惑がさんざんあったから私たちはやっぱりその点がクエスチョンマークにならざるを得ない、こういう考えで論議を始めているわけです。論議をしなければならないんです。
 そこで、それじゃその覚書で長岡は原価で買うと、こう書いてあるんですね、長岡市は。半分の方、室町産業から、まあうわさによると越後交通がこれを半分とるとかとらないとか、こうありますわ。これも原価でと、こう覚書には書いてあるんですか、もう半分。
○政府委員(栂野康行君) それにつきましては聞いておりません。
○黒柳明君 要するに長岡と室町と原価で売買されるなら、もう半分の方ももうけないで売買されるんであろう、こう覚書に書いてあるからと、こういうことですわな、大臣。
○政府委員(栂野康行君) 前段の問題につきましては先生のおっしゃるとおり……。
○黒柳明君 後段は触れていない……。
○政府委員(栂野康行君) ええ、後段につきましては触れておりません。
○黒柳明君 歯どめが何にもないじゃないですか、それじゃ。もし長岡と室町がこれから協議を進めていって、大臣、いま仮登記ですよ、これから本登記になる。しかも、訴訟しているグループも若干あるわけでしょう、全部が全部じゃないですけれども。本登記に移れるかどうかわかりませんな、問題は。これはいいですね、どうですか。いま仮登記ですな、これから本登記ですな、訴訟グループがありますな。仮登記から本登記に長岡と室町だけだって完全に移れるという自信は、これはやってみなきゃわからないと、これはいいですね、将来にかかっている問題で。
○政府委員(栂野康行君) それにつきましては、こちらは関知しておりません。
○黒柳明君 さらにそうなりますと、あと半分、何にもメモランダムに歯どめかない、そうなるでしょう。まあ越後交通といったって室町といったって、御存じのように同じ体質ですから、うわさによると五十億もうけるなんて、そんなことマスコミの方は書いていらっしゃいます。私は余りそのうわさということは信じたくないんです、こういう場では。歯どめが何にもないということは、何を信頼してもうけないんだと、室町産業は。何を根拠にして、将来ともにこの河川敷の処分を公示して室町に不明瞭な国民の疑惑が残らないんだと。何にも根拠ないじゃないですか。ただ覚書をといういうことだけじゃないですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 市長は、これの覚書にあるように、公共性のものという限定があります。でありますから、公共性のものに対しては、そう利益を目的としたものばかり行うことはできないんじゃないだろうか、そういうふうに私たちは考えております。
○黒柳明君 そんなことをいま言っているんじゃないんですよね。公共性結構。長岡市長を信頼しますよ。それに対しての室町産業、私、信頼してもいいと思うんです。だけど、それですらも将来トラブルが起こる可能性あるじゃないですかと、いま局長さんおっしゃったように、わからないんですから。そうでしょう。いま大臣のおっしゃっていることは、ちょっと失礼ですけれども、全然答えが違う、観点が違う。
 局長さん、それじゃ室町が取得した価格。もうけないということなんですから、長岡と室町と半分。もうけないというんだから、それじゃその取得した価格は幾らなのか、金利はどうなっているのか、六分か、八分か、九分か。あるいは七三・一ヘクタールのうちの半分と、こう言われてますが、それはどのぐらいなのか。その中に室町の土地がどのぐらに入っているのか、そういうことはもうつかんであるんですか。
○政府委員(栂野康行君) 室町が農民の皆さんから買い上げた値段でございますけれども、これは新聞などで聞いておる次第でございますけれども、坪当たり五百円で買い上げたと、それから離作補償といいますか、そういうものにつきましては坪当たり二千円とか、そういうふうな範囲というふうに聞いてございます。
○黒柳明君 私も十二年国会で末席を占めておりますか、政府当局が新聞でこう聞いておりますって聞いたのはきょう初めて。ごりっぱ、大臣、ごりっぱ、その答弁。野党が、失礼ですけれども、週刊誌で、新聞で政府を追及する、質問するケースは往々にしてある。だけど、政府の責任ある立場にある人が、新聞によりますと五百円と聞いておりますなんて、そんな答弁しなければならないほどこれに対して深入りしたくないんですか。もっとしっかりした材料を握って、不明瞭な点は晴れた、疑惑は晴れたと。大臣、私、何もこれから先悪があると断定して言っているんじゃないんですよ。いままでの六年の過程、三年の過程があるから、せめてここで私も国民の皆さん方に、あるいは長岡の皆さん方に一点の疑惑もないようにしたい一人なんです。同じ立場ですよ、皆さん方と同じ立場。それには、原価で売買するというんですよ、まず長岡の方だけでも。それがどれだけ土地を取得したのか。どれだけの元金を出して、金利はついているのか、こういうものを皆さん方が知っていらっしゃらなければ、あるいは知っているのだけれども、ここで出すとまた論議が発展するからやめておこうと、こう思っているのかわかりません、そこは。それかなければ、実際にいつの日か長岡と室町と売買やったときに妥当かどうかわからない。あるいはそのときにはそれを知るつもりなんですか、それともその時点で。
○政府委員(栂野康行君) さっき舌足らずな答弁で失礼いたしました。
 それで問題は、いわゆる……
○黒柳明君 いまの点だけ答えてください、時間がないから。そのときに調べるつもりですか、教えてもらうつもりですか。
○政府委員(栂野康行君) 長岡市としましては、これを取得する場合に、いわゆる現在行われております停止条件つき売買契約書とか、そういうものではっきりとその取得価格というものを算定するということでございます。
○黒柳明君 だからいまの問題は、聞いている、聞いているでもう済まされない時点なんです、いまは。六年前、三年前はいざ知らず、問題が発生したんだから。政府は関係ない、第三者だからと言えないこともない。だけど河川敷の処分問題ですから、そんなことは言えませんよ。しかも、これはもう野党ですから新聞あたりによりますと、これについては建設省がタッチすると、市と室町との間にタッチして、それでしかるべく話を聞いてからゴーのサインを出すと、こういうふうに談話も出ているでしょう。あれは真実だと思いますよ。そうなりますと、もう何だか第三者みたいな立場じゃいられないんじゃないですか、いまの政府は。それをどのぐらい取得したんだか、元金がどのぐらいだか、金利がどのぐらいだか、半分ったって、室町のはどのぐらいそっちにいくのか、何にもわかりませんよと、それじゃ――いまはいいや。いまはいいや、何か事情があるんでしょう。その売買契約して結んだとき、長岡が妥当だと――妥当の根拠を出してもらって、皆さん方が積算したものを、室町と長岡とオーケーになったものを見て、その時点でこれはいいなと、そうしようやなんて約束しているんじゃないですか。そんなこと遅いんだ、いまは。そうするんですかということ。
○政府委員(栂野康行君) われわれはそういたします。
○黒柳明君 そんなことを約束してそうしようだなんて、いま聞こえました、マイクがあるんだから、そこに。だめですよ、建設大臣、そんなとぼけてることは。
 もう一回言いますよ。長岡と室町の関係だけ見たって、覚書には原価で譲渡しますと、結構。公共のため使いましょうよ。長岡市の市民に喜んでもらえばいいじゃないですか。そのために国会があるんですから、与野党対決なんてもう古い時代じゃありません。ところが、長岡の市民だってつんぼさじきでわからない面があるから訴訟グループがあるんでしょう。問題なしとしないわけでしょう。それに対して、ここの場で明瞭な答えを出してやらなければならない責任があるんでしょう。その責任は、もういまの時点においては建設省としてはしかるべくデータなりしかるべく数字なりを持って、そして長岡と室町の成り行きをにらまなきゃならないときに来ているの。それを、いや、売買契約を結ばれたときは原価で売るって覚書に書いてあるんだから、そのときになったらそれ調べましょうと、そんなばかなことはない。公明党か調べた――建設大臣、お聞きください、調べたのがありますんで、お教えしますからね。ここに売買契約書があるんです、土地売買契約、私有地と国有地のね。この売買契約、まあ名前を伏せますわ。一つは坪当たり五百円、これは民有地の方ですな。国有地の停止条件つきの方、これは坪当たり百二十八円、それを皆さん方から提示された面積、それに合計しますと、いわゆる五百円の方の単価が二十八ヘクタールで四千二百万、百二十八円の方が三十五ヘクタールで一千三百四十四万、計六十三ヘクタールで五千五百四十四万円ですよ、これが原価。これは金利がつきますな。あるいは農地やなんかの二千円ぐらい。ただ、それね、この中には単価に含まれていると書いてありますよ。きのう電話でお聞きしましたけれども、含まれている、この単価に。だから二千円というのは問題になりません。大臣、公明党だってこのぐらい一生懸命やるじゃないですか、公明党だって。それがこれだけ問題になる。総理が、おれの許可なしには処分させない――これはもう大臣だって、竹下大臣は言うまでもなく、長谷川大臣だって真剣に取り組んでいる。公明党だって、単価これだけだよ、総合計はこれだけだよ。それを近傍類地と計算すると大体百億ぐらいになる、半分で五十億がもうけだろうと、こう書かれておりますけれども、私はそこまでもう論議を発展するつもりはありませんよ。正確に把握しているわけじゃありません。だけど、近い数字にはなるでしょう。元金がこれだけですよ。金利はどうなんですか、金利は。会計検査院に聞いた。全くこういう例はないんで金利ははじき出せませんと、こういう会計検査院の答えが出てきているんです。まあ会計検査院呼びませんでした、一言ですから。ない、こんな例が。要するに河川敷で、第三者の民間会社が買ったものがもうけないで地方公共団体に譲るなんて、そのときの金利なんてものはやったことがないんで、どれが金利の水準なのか。市中銀行だったら六分、八分、九分とあるけれども、全くこんなの初めての例だと。検査院じゃね、一般的な金利がどうなのかと言ったってわかりません。わからなければこちらは元金しか出せないですよ、金利は。どうです大臣。ここまで私たちは何とかこれ、言えというなら、政府の立場に立ってでも不明瞭な点は残しちゃいけないんだ、こういう熱意があるんで。取得価額はわかりません、金利わかりません、何にもわかりません、いまの答えだと。長岡、室町と売買したときに、これが原価であるかどうか聞いてわかりましょうと、こんな姿勢で大臣、いいんでしょうか。そこだけ答弁、まずその点だけ。
○国務大臣(長谷川四郎君) その点につきましては、私の方も厳重にその点についてはチェックいたします。
○黒柳明君 私、大臣の答弁、一生懸命やっていらっしゃることを前提にして、厳重にやりますと、結構だと思います。だけれどもね、繰り返すようですが、私たち野党が何か言うと、行政は一貫していますから前といまと変わりありませんと、ロッキードはさんざんそれでやられたんですよ。いまも変更ありませんと、こう言われたんです。余りにもそれじゃ私はいまの大臣の立場、申しわけないけれども、行政は一貫しているわけですから、余りにも怠慢じゃないですか。いまのことは私たち厳重にやりますと――すでにもう六年前ですよ、三年前ですよ。それがいま聞いたからそれじゃそれも厳重にやりますと。それもじゃないよ。これから始まるんですよ、これから。原価で譲渡されているかどうかということは、室町かどれだけの面積を買ったのか、どれだけの価格なのか、元金は。利息はどうなのか。さらにその半分長岡にやる場合に、室町が取得したところがどのぐらいあるのか、そういうものは基本的なものじゃないですか。これを持たずして、これを知らずして、あるいは何にも――いま事件か始まったならいいけれども、これだけ問題になってきて一国の総理が発言しているのに、いまごろになってですよ、三年前の時点じゃない、いまごろになってそれについても厳重にやりますということは、まあ大臣失礼ですけれどもね、
  〔委員長退席、理事大塚喬君着席〕
私はもうちょっとこれについて疑惑を残さないように、不明瞭な点を残さないように、もう厳重にというどころか、もう――済みませんな、局長さんなんかも一生懸命やっていますでしょうけれども、もっともっとネジを巻いて、早急にこれか終わったら徹夜で会議をやって、長岡と室町を、どういうふうにできるかわかりません、こういう不明瞭な点を野党に指摘されて、その点いまから厳重にやりますなんて言わないように、ひとつ、どうです、大臣。
○国務大臣(長谷川四郎君) 御指摘の点につきましては、本当に厳重に調査をいたしまして遺漏ないように行います。
○黒柳明君 厳重に調査自体が遅いということ、大臣反省してくれますね。いいですよ、答弁しなくたって。うなずいてくださいよ。反省していますね。いまからやらなければならないということについて反省していますね。こうすりゃいいと言ったじゃないですか。反省していますね。――ああ結構、反省している。もう委員のみんなの先生方に見せてもらわなければ困るんですよ。
 それで問題はその次、残りの半分、河川局長、これどうなりますか。何にも歯どめないじゃないですか。長岡の方は私百歩譲っても変なふうにいかないだろう、それを願いたい、私も個人として、一国民として。こんな問題いつまでもべらべらべらべらかかるんじゃうまくないですよ。すっきりしてもらいたい。長岡の市長はりっぱな方だからやってくれるんじゃなかろうか、こういうふうに願っているだけ。だけれども、わかりませんよ。いま言ったように仮登記から本登記まで、これだってむずかしい。この問題が爆発したら全体の七十三・一ヘクタールがまた室町のものになっちゃう。その可能性あるんですよ、大臣。だけれどもそれはまずさておきましょう。そして第二番目の、半分と言われている越後交通にいくかいかないかというものは、覚書に歯どめが何にもないというじゃないですか。私も国有地の問題、河川敷の問題、何回も取り扱ってまいりました。必ず歯どめがありますね。十年間譲渡しちゃいけないとか、いろいろなものがありますわな。何にもないわけでしょう、それについてね。そうすると、あくまでも半分も、まあもしも越後交通にそれを譲る――これは同じクループですけれどもね、それへ五十億ぐらい。これは実際的にはもうかるもうからないという問題じゃないでしょうけれども、同じグループですから。確かに公共用地には違いない、施設には違いない。だけれども原理的に言えば、室町だろうが越後交通だろうがもうけたことは間違いないわけでありまして、やがて橋もできる、さらに発展して地価が高くなる。三年前私たちがやったときだったって大体八十五億、そろばんはじいたんですからね、建設当局。百億を超えているんじゃないですか、いま。百億を優に超えているんじゃないですか。やがて二年、三年たったらべらぼうに高くなるんじゃないですか。それがたとえ半分が越後交通の方にいったとしたって、これは物すごいもうけ。それに対して全く覚書には何の条件も歯どめもないと、それもただ皆さん方は信頼するのみですと、こうおっしゃるの。
○政府委員(栂野康行君) 残りの半分につきましていわゆる室町産業が利用する場合に、先ほども何回も申し上げておりますけれども、事前に長岡市の了解を得ると、いわゆる公益性の強いものを主体にして利用するけれども、それにしても事前に長岡市の同意を得ると、しかもその同意を得る前に、協議があった場合に長岡市は建設省に協議をするというふうになっておりまして、この利用計画につきましては長岡市民全体も見守っておる土地でございますので、私たちはこれは適正な利用が行われるというふうに確信しております。
○黒柳明君 だから、それは私も――大臣わかりますな、大臣物わかりいいから。それは私わかるといま言ったじゃないですか。長岡の市長はりっぱな方だから、万が一にも長岡市民を裏切ったり、国会での審議、これを裏切ることはないと私確信すると、こう言っているじゃないですか。ところが、長岡市長と室町産業だけじゃ解決できない幾多の問題があるんですよ。いいですか。その一つがやっぱり仮登記から本登記、農民の訴訟グループ、こういう問題があるじゃないですか。長岡だって変な形でもらったら大変なことですよ。常識的にそう思えるでしょう、大臣ね。すっきりしてもう不明瞭なものがなくなってやっぱり長岡ももらわないと、市民から突き上げられちゃって大変なことになっちゃうじゃないですか、今度は市議会でね。いま一応超党派でと、こうなっていますけれども、今度は長岡市がもろに変な問題を譲り受けちゃって、もう火種がくすぶっていたら大変です。だから、いま現在はそういう覚書があって、恐らく私は、善意の両者がこれから善意の結論を出すという、こういうふうに期待したいんですけれども、だけど、全く建設省としては、政府としては、同じように私たちも期待するという立場じゃ済まされないんじゃないですか。私たちはしようがないですよ、野党ですから行政にタッチしていませんからね。皆さん方は行政にタッチしてるんですから、見守るだけじゃなくて、その保証までなければ廃川処分ということまで踏み切っちゃいけないんじゃないですか。だから、冒頭に大臣に、国民に対して疑惑はない、不明瞭はないと確信しますね、と言ったらあると。二、三やりとりして済みません。私の発言がまずかったので大臣を怒らして申しわけなかったんですけれども、あると確認したんでしょう。信頼あると。そうでしょう。ところがそんなところじゃないじゃないですか。あくまでも成り行き任せで出たとこ勝負で、長岡との売買にしたったって、決まったときにひとつ原価で適正に取引されたかそのとき知るんだなんて、そんなばかな発言したんでしょう。そうしますなんと言ったんでしょう。さらに、半分の方だったって全く歯どめはない。いや、長岡が公共用地に使うであろう、そのときは建設省と相談することになっている、そこまではいいです、そこまではいい。長岡と室町と合意しなかったらどうするんだと私は言ったじゃないですか、半分の方で。合意できる条件がいま一〇〇%そろってないじゃないですか、そうでしょう。大臣はおわかりになっていただけますな。
○国務大臣(長谷川四郎君) その点につきましては、長岡市長にも十分私の方から伝えてあります。ただ、そういう後でいざこざがあったり、間違いがあったりすると、原価でもってお渡しをしますという点に間違いがあると困りますぞと、この点だけは私は、あなたはごりっぱな、いずれにしても市長さんだから間違いはないだろうけれども、その点に遺漏のないようにやってもらわなければ困りますと。必ずそれはもう御迷惑はかけませんと、市長はそう私に答えてまいりました。
○黒柳明君 もうその答弁はこれで四回か五回聞くんです。結構です、私も信頼したい。だけれども、もう私もこれはこれで四回目に言うんです。もう総理が、この問題は私の許可なく処分させないと発言して、参議院の本会議で超党派で決議して、一点の疑惑も残さないで処分させなければならないという決議もした。わかりますね、それは。もうこれで四回も五回も繰り返している。そういう現時点においては、長岡市長が言ったんだから大丈夫なんだ、大丈夫なんだとは言えないじゃないですかと、私たちだったってこれだけのことを調査しているんですから、できるんですから、もっと基本的なデータでも調査しまして、それでこれからの推移を見るというならば、私も性急にどうだどうだなんと言う立場でもないかと思いますよ。何も知らない、何もそろってない、そうでしょう。それで、長岡市長が言っているから、言っているからと、いまの時点じゃそれは済まされないじゃないですか、立場上。これはわかってもらえなきゃ、これはむずかしい理屈でも何でもない、三年前、六年前と違うんだから。長岡市長を信用しますと言うの、私も。大臣と同じ立場。信用した上で長岡市長、室町産業だけじゃ解決できない問題があるじゃないですかと言うの。それがもし暗礁に乗り上げたときには、もう長岡市長の責任にしますか、それじゃ大臣は。結果的に室町に行っちゃった、長岡はそんなのは御免こうむるよと、こういう万が一結果が出たときには、長岡市長がそう言ったんだから長岡市長のやつとんでもないと、こう責任転嫁しますか。あるいは、いや長岡市長を信頼したおれが悪かったんだと、こうみずから反省しますか。その要素は多分にあるんですよ。これはわかってもらわなければ大臣よ。大臣。
○国務大臣(長谷川四郎君) 私はそのようなことは想像もしたことはございませんけれども、あれだけの問題が起きたところでございますので、私としては、先ほど申し上げたとおりに十分に遺漏のないようにやってもらわなければ困るということは、それから原価計算の点についても間違いなくやってもらわなければ困るという点、この点については十分に私はお話し申し上げ、そうして長岡の市長は必ず間違いのないようにやりますし、御迷惑は絶対にかけませんという私は確約をいただいておるものですから、それではあなたの方へ第二の点についても、市長と室町産業が次の土地を利用する場合も必ずあなたのところへそう言ってくる、それをあなたは事前にあらかじめ建設省に話をし、建設省が協議をした上でよろしいと言ったときのみに限りますよ、それでよろしゅうございますかと言ったら、それで結構でございます、必ずそうやります、責任を持ってやります、そういうふうに市長は私に確約をしてまいりました。
○黒柳明君 大臣もそれだけの信念に立っていればそれなりにりっぱだと思いますよ。全面的に長岡市長を頼っているのだ、おれは、こういう発言が再三再四あったわけです。だけれども、この国会の場じゃ長岡市長に責任転嫁できませんな。これは明らかですね。万が一の場合があったと、しかも、この万が一というのは、私が勝手につくっているんじゃない。訴訟団があることを知っていますね。仮登記から本登記、まだやらなければならぬことは知っていますね。室町産業がいろいろな疑惑があって指摘されたことも知っていますね。大臣、いま四つ挙げたことを知っていますね。あたりまえのことですよ。
○国務大臣(長谷川四郎君) 承知しております。
○黒柳明君 そういうものがありながら一〇〇%長岡市長をおれは信頼するだけだと、こういう大臣の信念というものはりっぱですけれども、建設大臣として国会に臨んで、この問題を国民の前に疑惑はこれで晴れているのだ、不明瞭な点は晴れているのだという、そういう観点から全くほど遠いですな。これは幾ら審議したったって、長岡市長が長岡市長がということになるのでどうしようもありません。建設省何かある――いやいいよ、まだ時間がある。
○政府委員(栂野康行君) 私たちは、長岡市長というのは市を代表した市長さんでありまして、先ほどちょっと言葉足らずでございましたけれども、いわゆる実費で買うという問題につきまして、われわれとしましては、第一点は、いわゆる停止条件つきの売買契約書があるから、それに基づいて明らかになる、買収価格が。しかも、それは長岡市議会の予算措置を伴うものでございますので、長岡市議会の議決を経る、その間におきましてこれも明らかになるわけでございます。したがいまして、私たちとしましては、長岡市長というのじゃありませんで、この利用計画そのものも、市議会、また、町内会長会議の了解を得ているということでございまして、長岡市全体の見守っておるということで、市議会、地方自治体を私たちとしましては信用する、信頼いたすということでございます。
○黒柳明君 それじゃ長岡市長から今度は市全体、市議会ということになったんです。市議会でどれだけこれについて実態を調べているか、知っておりますか。
○政府委員(栂野康行君) 市議会でどれだけこの実態を調べておるかは承知しておりませんけれども、市議会におきましてこういう土地利用計画について賛意を表しておるということは存じ上げております。
○黒柳明君 それとは別だ、冒頭言ったとおり。そのことは結構だと言うの。長岡市民のためになることは悪いと言うわけないじゃないですか、市議会が。それじゃ、市議会だってすべてこの問題の発生から結末まで全部一〇〇%知っていて、結末はこうなんだと想定して賛意を表しているんじゃないんです、さっき言ったように。何か不明瞭な点が残るならばこれはもらっちゃ困る、圧倒的にそういう意見も強いんですよ。一応公共用地になるならばこれは結構だろう、こういう賛意の示し方です。これから市議会でも、いろいろな予算を伴うものですから、当然それについてのいろいろなものがはっきりする過程にはあるでしょう。そんなことを言っているんじゃない。そんなことを私ここで論議したって、国会の場ですから、ここは。市議会の場じゃありませんから、それは市議会に任せればいい。余りにも市長、市議会だなんて言っていちゃおかしいんじゃないですか、いままでの過程から見て。私はこう最後に書って、また建設委員会もありますから、当委員会でも、そのときまた大臣ごゆっくりおいでいただきましてごゆっくりまた論議する、こういうふうに約束しましよう。
 それから委員長、やはり一回注意してくださいよ。この段階に来て、そういう基礎データ持って出てきなさいって、それはひとつ注意してくれませんか。
○理事(大塚喬君) いまの発言の趣旨につきましては、委員長としても当然そのように考えておるものですから、政府、説明員の関係の皆さん方に今後善処をいただきますように強く要望いたします。
○上田耕一郎君 私も信濃川河川敷の問題につきまして、ただいまの審議で長岡市長を全面的に信頼されるという話がありました。
 建設省は十月三十一日付の長岡市長あての文書でも、「九月二十九日及び十月二十七日付文書でお申出のあった標記については、」この「十一月一日に公示することといたしました」、そう述べています。ところで、長岡市長の大臣に対する話並びに文書を見ますと、きょうも大分何回も言いましたけれども、一つは、「九月三十日、長岡市議会の各派代表者会議に陳情の趣旨を報告し、了承を得」たということを述べてある。もう一つは、十月二十二日の長岡市町内会長会議にこれを報告して了承を得たと書いてある。この長岡市長の話並びに文書に書いてあった事実にもし間違いがあった場合、どうしますか。
○国務大臣(長谷川四郎君) これは長岡の市議会、長岡の市長がこのようになりましたと言って、これだけの印刷物をもって提出する以上は、これを信頼をいたします。
○上田耕一郎君 だから、もし事実と違った場合、どうしますかと。
○国務大臣(長谷川四郎君) 私は事実と違うことがないというふうに考えております。
○上田耕一郎君 だから、万一事実と違った場合どうするかと。
○国務大臣(長谷川四郎君) 万一のことは考えておりませんけれども……。
○上田耕一郎君 全く万全の信頼を託してということだと思います。
 この九月三十日の各派代表者会議、共産党も出席しています。このときの事実は、大体こういう報告をして、たとえば共産党は、報告は聞いたと、非常に重大な問題なので検討すると言って持ち帰ったんです。他党は知りませんけれども、きょうの質問見てごらんなさい。社会党も公明党も、半分室町に渡すことについては非常に大きな疑問を持って言っているじゃありませんか。少なくともこの各派代表者会議で各派政党が賛成したという事実は全くないんです。持ち帰ったんです。この事実と違うのをどうしますか。
○国務大臣(長谷川四郎君) お手元にあるように、その「陳情の趣旨を報告し、了承を得ました。」と、こう書いてあります。
○上田耕一郎君 共産党の市議団は、この文書に対して正式に小林市長に対し文書で抗議し、口頭で抗議しています。全く事案と違う、少なくともわが党に関する限り。
 もう一つ、この町内会長会議、ここで圧倒的多数の支持をいただきましたと長岡市長は言っておりますけれども、この町内会長会議に出席しました代表委員石橋一男氏を初め六名の連名で、「町内会長有志一同」といって長岡市長に抗議が出ております。これ全くこの会議はひどかったというんです。河川敷問題についての取り扱い、まことに遺憾だと、このような重大問題が案内通知書にも明記されていなかったと、唐突に行われたと、しかも時間的余裕がまだ十分あったにもかかわらず、発言者二名をもって打ち切り、異論ありという発言要求まで無視したと、こういう運営が行われたんですよ。圧倒的多数の賛同を得たとして締めくくられたと、こうしたやり方で市民全体の意思が反映されたと市長考えておられるのかというのです。で、裁判が係争中だと、こういう事実があるのに、なぜ市長は一体こういうことをやっているのかと、二人の市民の権利の擁護についてはどう言うのかという文書が正式に十月二十八日付で小林市長に対して出されております。そうして、しかもこの石橋一男氏初め六名は非常に重大だというので、十月三十一日付で、内閣総理大臣、建設大臣、衆参両院議長、各政党あてにこの文書を同封して、「長岡市には同封の書のような動きがありますので、河川敷問題の取り扱いについては十分斟酌され、いやしくも国政の権威を落とすことのないよう配慮していただきたいと存じます。」という文書を送っているんです。建設省にはもう着きましたか。
○国務大臣(長谷川四郎君) まだ見ておりません。
○上田耕一郎君 十月三十一日に郵送したそうですから、まだ着いていないかもしれない。しかし事実です。われわれはこれを手に入れました。そうしますと、各派代表者会議で了承されたと、圧倒的多数の支持を受けたというのも、もうこういう重大な事実と違うという異論が出ているんですよ。ですから私は、まあ私どもは半分三十五ヘクタールを公共用地にするというのは次善の策として賛成です。賛成だけれども、半分室町に渡すということには絶対反対です。そういう点で、こういう異論が出ている以上、この問題万一こういう事実はない、ないと言って論争してもしょうがありませんので、私は委員長に、小林長岡市長と、この町内会長有志一同の代表委員、長岡市にお住まいの石橋一男さん、このお二人を証人申請をしたいと思います。
○理事(大塚喬君) ただいま上田君の提案につきましては、後刻理事会を開き協議をいたしたいと思います。御了承願います。
○上田耕一郎君 ですから、少なくとも長岡市長の申し出、これが事実だからというので十一月一日の告示並びに公示を行ったとい、うんだけれども、その事実については大きな疑義があるという問題は一つ出ました。
 次に、この間十月二十七日の建設委員会で私これ質問し、そのとき大臣はすべての疑惑が晴れた、こう述べておる。またきょうも、先ほどの黒柳委員の質問に対して、まあ満々たる自信を持ってすべての疑惑か晴れたと、そうおっしゃいました。この河川敷問題は、私も四十九年の十一月に現地に行って調査し、余りに事態が大き過ぎるので、何としてもこれか田中ファミリーの手に移ることは日本の政治の名誉にかけて阻止しなきゃならぬと決意した一人であります。参議院の決算委員会で四十九年十一月八日にこの問題を私取り上げました。それ以来国会でも何回も取り上げられましたか、田中金脈事件の中でも最大の疑惑を持たれる、規模においても、金額においても、手口においても、有名な事件であることは皆さん御承知のとおりであります。
 で、大きな疑惑というのは三つあります。一つは、三十九年から四十年にかけての農民に対する詐欺同然のやり方での買い占めであります。七十三ヘクタールのうち、十ヘクタールの国有地を除いて六十三ヘクタール、全部買い占めたんですから。民有地五百円、九条地約百円で全部買い占めた。このとき全く詐欺同然の手口で買い占めた。これがいま裁判になっている。御存じですね。これが第一の疑惑です。
 二番目の疑惑は、それを買い占めた後で堤防送り出し――古い堤防か前に送り出されて、霞堤と言われて建設か始まって、四十三年七月に本堤ということに急遽変わって、全部完全堤防かでき上がってしまって、河川敷でなくなったわけですね。この堤防送り出しに絡む建設省からみの疑惑が第二番目の疑惑であります。この疑惑の一部は衆議院の予算委員会の小委員会で取り上げられましたが、五十一年六月三日、たった一回の審議だけで結論は出ておりません。
 三番目の疑惑は、田中角榮元首相に絡まる非常に大きな地位利用の疑惑であります。買い占め時代に大蔵大臣だった。本堤建設時代には自民党幹事長であった。バイパス問題から長岡大橋から、さまざまな問題について河川法の改正について、これが河川敷でなくなることについて、すべて情報を自分のところに集中して知っていて、農民には教えずに、詐欺をもって買い占めて莫大な大もうけをしようとしたという田中角榮氏にまつわる疑惑であります。この田中角榮氏にまつわる疑惑はいまだ晴らされておりません。本人は首相をやめるときに、いつの日か真実を明らかにすることができるでしょうと言いましたけれども、いまだに真実は解明されていない。
 私、いま三つ大きな疑惑を提起しましたけれども、建設大臣、このすべてがどうして晴れたと言えるんですか。明確にお答え願います。
○国務大臣(長谷川四郎君) その経過は、いずれにいたしましても、私の方は河川敷というものの廃川であります。その廃川をする場合に対するすべての手続が済み、そしてその利用方法がこうなってきたと、先ほど御説明申し上げたとおりでございまして、そうなってきたら、これに対する廃川ということについては何ら私は疑惑は持たない、こういうことでございます。
○上田耕一郎君 いやもうこれはとんでもない答弁でね。廃川敷という手続問題についてまあ疑惑がなかったというのがすべての疑惑が晴れたと、それで首相にも報告しないで満々たる自信を持ってやったという内容なんですか。私が挙げた三つの問題、農民をだまして買い上げた、買い占めたんじゃないかという問題。それから橋本建設大臣が霞堤で本堤にしないと言ったのに、仮締め切りが実際に締め切られた問題。三つ目に、田中角榮氏の地位利用の疑惑、これについてすべて疑惑か晴れたというんですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) それは現在の私に何ら関係がありません。
○政府委員(栂野康行君) 第一点、第三点につきましては、これは行政府としてまあ関知しないところでございますけれども、第二点の堤防を締め切って建設省側の疑惑とおっしゃられたこと、やっぱりわれわれ非常に残念でございます。これはもう全然疑惑がないというふうに確信しております。
○上田耕一郎君 大臣もいまの局長の答弁でいいんですか。すべての疑惑がないというのは、つまり、建設省にかかった霞堤を本堤にしたことに絡まる疑惑、この疑惑が晴れたということだけを意味しますか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 私はその点については十分にこれをお聞きいたしまして、ですから、私の考えるところでは少しも疑惑を持つ必要はないと、こういうふうに考えております。
○上田耕一郎君 まことにこれだけ国政の大問題で、連日新聞が社説を掲げて論じているこの大問題について、建設大臣が首相にも報告しないでやったという認識の程度がこれでわかりました。私、直接ここで明らかにしますが、建設省のそういう態度を示す重大な一つの事実として、そこにいらっしゃる丸山次長ですね、私が十月三十一日に建設省に申し入れ書を持って抗議に行った、なぜこういうことをやるのかと。そうすると、丸山次長は、九条地というのは、農民からただで取り上げた土地だと、だから一日も早く農民に返したいからこの公示をやるんだと、そう言ったんです。私は、余りの三百代言ぶりに非常に怒って、私、そこで黒柳さんばりの大音声を張り上げて怒りましたけれども、建設省がこういう程度の認識でこういうことをやろうとしているというのは、これは許せないですよ。これだけの大問題になっておるのに、一体どういう認識なんですか。廃川敷関係の手続上の問題だというような認識をしているところに大問題がある。建設大臣、三木首相がこれは何回も国会での答弁で、たとえば参議院の議運委員会で塚田質問に対し、「河川敷のいまの御指摘の問題は国会でもしばしば問題になりまして、私自身か、建設大臣として私に報告して最終的に了承を得なければ処置はしてはいけないということになって」いる、こういう指示をしているということを明確に三木首相は言っているんですよ。建設大臣、こういうことを三木首相が言ったと、これが内閣の方針だということを御存じですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) その問題につきましては、遺漏のないようにその計画を行いますというようなことでございますので、私は現在も、先ほど申し上げたように、私のとった行動のことについては何ら遺漏のないというふうに考えております。
○上田耕一郎君 いや、三木首相が、これは建設大臣の専決処分ではだめで、首相の了承なしにはやらせないということを参議院の議運委員会でも、参議院の予算委員会でも、あるいはこの当決算委員会では釜山委員の質問に対しても、これは建設大臣限りでなしに、私との協議を建設大臣にも指示すると、こういうことを言っている。こういう事実を知っているかということです。
○国務大臣(長谷川四郎君) 三木総理か国民の納得のいくような解決をするということでございますから、私は今回の解決は、国民に納得してもらうことかでき得ると確信を持ってやっております。
  〔大塚喬理事退席、委員長着席〕
○上田耕一郎君 答弁になっていないんですよ。首相は、建設大臣だけでやってはだめだと、三木首相に報告をし、協議し、首相自身がちゃんと協議に参加して決めると。だから、首相に報告なしにやっちゃいかぬということを指示していると。そういう事実を知っていたかと。あなたは知っていたはずですよ。あなたは九月三十日の記者会見で、こう述べた。長谷川建設相は、これは読売新聞その他に出ておりますけれども、早急に福田首相を初め、衆参両院予算委員長と協議を進め、正式処分についての結論を急ぎたいと、あなたはそうやって記者会見で述べているんですから、福田首相と協議すると。なぜしなかったんですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) その三木さんのお話もよくわかります。私は知っております。ですから、国民の納得いくような方法で解決せよということでございますから、国民の納得のいくような方法が、これが最善なりと考えたからであります。
○上田耕一郎君 建設省のその程度の考えで国民納得いくと思えば、首相に報告なしで勝手にやっていいと。いままでの方針はあなた自身の判断で、内閣の一貫性ということは無視して、あなた自身の判断でやっていいとなぜ考えたんですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 国民の納得いくような解決をなさなければならないと考えるということは、私は国民の納得のいくような方法を考えたから、で、できたから、これで私はよろしいというふうに考えました。
○上田耕一郎君 もう首相が、国権の最高機関である国会で三木首相が国民に、国会に約束したことをあなたは踏みにじって、首相に報告なしに、あなた自身の頭の中での判断で、疑惑が明らかに解明できたと言って国民の納得いく処理ということでしたわけですね。しかし、疑惑というのは、第一の問題、農民をだましてやった問題、田中元首相の地位利用の問題、これについては一切知らぬというのでしょう。それから二番目の問題についても、予算小委員会で問題になった、あれは一部分ですよ。それだけじゃないですか。そのことで、これまでの国会における首相の約束を踏みにじってやっていいと、この責任、あなたはおとりになりますか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 河川敷の問題につきましては、先ほど局長から答弁したように、国民のものを取り上げて、そして河川敷としたのですから、その河川敷はもう完全な堤防ができて必要がなくなったから、それに対して私の方は廃川処分をした、こういうことでございます。
○上田耕一郎君 これは非常に重大問題ですね。まず第一に、長岡市長の言い分を全面的に信用すると言ったけれども、これは重大な事実と違う問題があるという問題が出てきました。
 第二番目に、国会において、内閣の責任者か国会で約束したこと、国民に約束したこと、これを建設省一存で踏みにじってやったという重大な責任問題があるということが二番目の問題であります。
 さて三番目に、勝手に建設省がそういう判断をしたと言うけれども、建設省は最もそういうことを勝手にやってはならない省なんですよ。それは信濃川というのは建設省管理の一級河川で、しかもこの信濃川河川敷問題については、建設省そのものに重大な疑惑が提起されてきたから、それはひとつ例の四十三年の霞堤を本堤に切りかえたときの文書ですね、工事計画書、これが行政管理庁の監察によっていろいろ問題になったという事実があります。行政管理庁来ておられますか。あの問題、行政管理庁はどういう問題を提起されましたか。
○政府委員(川島鉄男君) お答えいたします。
 信濃川の蓮潟地区の河川管理に関する行政監察というものを実施いたしました。ここにおきまして、監察の結果としましては、その概要は、この蓮潟地区における築堤計画、昭和二十八年度以降信濃川改修総体計画というものがございます。さらには三十八年度以降に信濃川上流総体計画というものがございますが、それぞれにはあの築堤計画は霞堤として掲上されているという事実があります。ただ、これらの計画におきましては、この霞堤を締め切るか締め切らないかということについては、懸案事項として判断を……
○上田耕一郎君 簡潔にお願いします。
○政府委員(川島鉄男君) 残しておるということがありました。
 そこで、この霞堤を締め切るかどうかということにつきましての経緯を行政監察の立場から調査いたしたのでありますが、古い時点の話でございますので、現存する文書によって正確に判断したいということで、あらゆる資料を集めたのでございますが、残っております文書というのが限られているということの結果、その締め切りの経緯というものを明らかにするに至らなかった。特に問題を指摘するようなところまでまいらなかったということでございまして、そこで、われわれといたしましては、そのような判断の資になるような重要な文書、そういったものの文書管理に遺漏があったのではないか、以後そういったものについて十分な配慮をしてもらいたいという意味での指摘をいたしたわけでございます。
○上田耕一郎君 この問題非常に重大で、建設省にかかわる疑惑の文書の、つまり最初の紙の決済文書ですね、かがみが紛失していると、昭和四十一年、二年、三年ですか、三つの文書のかがみがないということで大問題になって、予算委員会の小委員会にかかったわけですね。三木首相もこの予算委員会小委員会で徹底的に検討が行われるまで処分はしないということを国会で約束された。ところが、なぜ今度処理をされたのですか。予算小委員会は五十一年六月三日、たった一回行われただけで、何らの報告書も結論も出ていないのに、なぜこの問題で結論が出たと、もういいと、予算委員長にまで話したと。坪川さんに話したそうですけれども、なぜそういう結論を勝手に建設省が下したのですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 御承知のとおり、国会というところの小委員会というものは、その国会が終わりますと自動的に解消されます。でありますから、現在小委員会というのはないのでございます。ですから、私は委員長に対して、こういう問題がありまして、いろいろやりましたけれども、この問題はこういうふうに解決をいたすことになりましたから御了承くださいということでお話を申し上げました。
○上田耕一郎君 あの予算小委員会は一回開かれた。それでその次の国会ではつくられませんでした。われわれはつくることを提起した。自民党が反対したのでなくなっているんです。しかし、問題を徹底的に検討するまで処分はしないという三木首相の言明に照らしてみれば、一回しかやらないでまだまだ残っているんですから、ただその後続いていないということで、この問題が解明できたという結論は絶対出ないじゃないですか。
○政府委員(栂野康行君) 小委員会におきまして、先ほど上田先生がおっしゃいました工事実施計画書が真正であるかどうか、表紙がないために真正かどうかという問題でございますけれども、これにつきましては十分審議は尽くされたというふうに解釈しておる次第でございます。と申しますのは、そもそも表紙というのは……
○上田耕一郎君 いや、ちょっと待って。いいです。だから解釈しているんでしょう。だから、そういうことはしかし建設省の解釈できることじゃないんですよ。国会の予算委員会がつくった小委員会なんだから、そこの小委員長がみんなと協議してこういう結論が出たと。で、予算委員会に報告しなきゃならぬでしょう。あなたか横から見ていて、議事録読んでこれで大体解釈できると。解釈できないですよ。あの楢崎小委員もわが党の増本小委員も沖本小委員も、みんなが、この問題まだまだ全然解明できない、まだ入り口だということを言っているんですから。それを国会にかわって建設省の局長さんがそう解釈できると。国会無視じゃないですか。そういうことをやる気ですか。取り消してください。
○政府委員(栂野康行君) 十分論議は尽くされたというふうに解釈しております。
○上田耕一郎君 論議は尽くされてないですよ。たとえば沖本小委員は、まだ出発点から中へ入ったばっかりで、入り口でぐるぐるしていると。増本小委員は、二つの質問のうち、第一の問題が終わっただけだ、今後さらに引き続いてやると。そうすると小山小委員長は、運営について以後相談しますと。何も終わってないですよ。議事録全部読んでごらんなさい。そういうことを勝手に建設省の局長や大臣が国会にかわって、大体終わった、疑問は解けたと。全く国会無視ですよ。三権分立の原則から言っても許すことできません。この問題ひとつ確認しておきますが、大臣どうですか。
○国務大臣(長谷川四郎君) 重要であることは私もよくわかりました。けれども、それほど重要だとするならば、なぜ委員会をつくっていただかなかったんでしょう、二国会続いている……
○上田耕一郎君 自民党が反対だから。ひとつじゃ建設大臣、自民党に小委員会ぜひつくれと言ってください。われわれもずっと主張していますし、この小委員会をこれだけ大問題になったんだから早くつくって、徹底的にこの問題解明したい。
 解明されていないわけですよ。これは、四十三年七月に霞堤を本堤にすることを勝手に――私はあえて勝手にと言いますけれども、決めたんですね。その文書、つまり箇所別変更調書というのを見ますと、連続堤にした方が四千六百八十万円金がかからない、それから流量も余り変わらない、流量調整に大きな影響ないという二つの理由であの霞堤を連続堤にしたんですね。
 しかし、最大の問題が検討されてない。最大の問題は何かというと、つまり本堤にしてしまうと室町産業が何百億円もうけるという問題ですよ。つまり、治水上の理由だけで霞堤を本堤にしちゃならぬ大問題なんです。ここにこの問題の最大の問題がある。だからこそ予算小委員会まで設けられたんでしょう。このとき建設省はそういう大問題があることを知らなかったとは言えない。なぜなら、昭和四十一年にわが党の加藤進委員が予算委員会でこの問題を質問して、橋本建設大臣がちゃんと霞堤のままやるんだという答弁して、国会ですでに問題になっているんですから。建設省も長岡の工事事務所も北陸地建も、これを霞堤にするか本堤にするかで、室町産業、田中ファミリーが何十億あるいは百億を超える大もうけを得られるんだと。田中角榮氏がすぐ記者会見までして疑惑を打ち消した態度をとったということはみんな知っているんですよ。だからこそ勝手にできない。ところが四千六百万円幾らが安くなる、それから流量調整は影響かないという理由でやっちゃった。ここに建設省の最大の疑惑があるんですよ。この問題まだまだ解明されてない。
 それで、私はここでもう一つ質問したいんですけれども、ここで私は京坂元宇――当時のかつて長岡工事事務所長、これは三十九年から四十年、買い占めたときの長岡工事事務所長です。それから四十三年七月に締め切ったときの、恐らくそのときだと思いますけれども、日にちははっきりわかりませんが、北陸地建の河川部長です。それから昭和四十九年から五十年まで北陸地建局長をやった人です、京坂元宇さん。ことしの四月二十八日に田中ファミリー関係の小熊工業という建設会社から百数十万円の収賄容疑で逮捕されまして、五月十九日に起訴されて、七月、九月もうすでに二回公判が行われております。朝日新聞は特に田中系の強い局長だということをはっきり書きました。この京坂氏は四十九年から五十年まで北陸地建の局長だったのです。この京坂氏が局長だった時代に、田中金脈問題が大問題になって国会でも取り上げられ始めた。この決算委員会で取り上げたのが四十九年十一月の八日ですからね。そうするとかれは局長時代に田中金脈問題が大問題になり、信濃川河川敷が大問題になった。最も田中色の強い局長の一人と朝日が書くような人でいま逮捕され起訴されている。私はこの人がこの文書のかがみを何とかしたのではないか、証拠隠滅のおそれがきわめて強いと思う。ところが、この小委員会の記録を読みますと、建設省はこの期間の経過について現職の人しか調べてないと答えている。恐らくこの文書紛失が大問題になった時期に局長であった京坂氏に、この文書問題について詳しく事情聴取しましたか。
○政府委員(栂野康行君) していません。
○上田耕一郎君 こういうことですよ。最も疑惑のある人に対しては何らの事情聴取しないで、予算小委員会には何の疑惑もありませんでしたという報告をしゃあしゃあとして、国会にかわってもう疑惑はありませんと言って建設省の局長さんが判断して大臣に言わして、勝手に室町産業に――いま時価百億円と言われているんです。いまあの付近は十万円から十五万円、宅地ですると言われているわけですから、十一万坪、約百十億円から百六十億円に達する。百数十倍のもうけですよ。そういう土地か室町産業の手に入る、そういう処理を平気であなた方はおやりになろうとしている。そうしますと、建設省が疑惑は全部明らかになったと。全然明らかになっていないじゃないですか。第一の農民に対する疑惑の土地買い占め、これは知らぬという。二番目の建設省の露堤を本提にした疑惑については経過明らかというけれども、京坂局長にさえ何の事情も聴取しないで、また予算小委員会に対してそういうことをしないで、どうしてそういうことか言えますか。
○政府委員(栂野康行君) ちょっと訂正いたします。
 先ほど京坂さんに対しまして事情聴取していないと言いましたけれども、これは間違いでございまして、事情聴取してございます。
○上田耕一郎君 本人が言うはずありませんから、事情聴取しても私は再度この問題を大きな疑惑として調べる必要があると思う。
 三番目の大きな疑惑の田中角榮氏の地位利用についてもあなた方は何ら知らないと言われているわけですね。そうしますと、国会でこれだけ問題になり、国民が最大の疑惑を持っている問題点のほとんどが解明されていないのですよ。それでいて、室町産業に約時価百億円を超える土地の所有権があなた方の告示、公示によって移ろうとしている。ここには日本の国の政治に対する国民の信頼、日本の国の政治の清潔さの根本問題がかかっているのですね。だからこそあなたは首相に相談しなきゃいけないのです。首相はまた国会に相談しなきゃいけないのです。国権の最高機関としての国会と、それに首相が問題を明らかにして、そして国民が納得いく形でこの問題を処理する必要があるのです。この不当な告示、公示を、これを建設大臣の一存で取り消せるのですけれども、取り消して、もう一度疑惑解明のための措置をする決意はありませんか。
○国務大臣(長谷川四郎君) ございません。
○上田耕一郎君 あなたは先ほど長岡市長か、半分長岡市のものに、公共用地にする、それはいいと言いました。私どもも本来は全部農民に返すべきだと思うのです。しかし、いま裁判をしているのはたった二人、勇気ある農民だけです。だから、私は次善の策としてこの裁判をしている農民の権利を守る措置をとった上で、あとの土地は公共の用地に供することがこの問題の解決策として積極的な意義があると私も考えます。その点で三木首相は、昭和五十年十月三十日――ちょっと委員長、あと少しで終わりますから。宮之原委員の質問に対して、私の頭にあるのは国民の納得のいくような、この土地によって室町産業が暴利を得るというようなことは国民が納得しないから、やはりそれを原価で売り渡す、いいですか、原価で売り渡す。その土地で非常に暴利を得たというようなことのない措置であるべきだと、しかもその土地利用は公共優先という立場での措置をすることが適当だということを三木首相は参議院の予算委員会で答えているんです。いいですか。私はこれは次善の策としていいことだと思う。半分は長岡市が公共利用する、これはいいですよ。しかし、あと半分は、三十五ヘクタール室町産業の所有になるんです。それでバスターミナルをつくると言うんですけれども、バスターミナルを私運輸省で調べてもらった。日本で一番大きいバスターミナルを三つ調べてもらいましたが、一ヘクタールちょっとですよ、みんな。三十五ヘクタールもバスターミナルは絶対要らないです。それから越後交通の本社が建つそうですけれども、三十五ヘクタールにバスターミナルと本社だけが建つわけはない。しかも、バスターミナルも本社が建っても、これは私企業ですよ。田中ファミリーの営業なんです。決して公共用地ではない。それで、建設大臣は先ほど長岡の市長に申し入れたと、しかし長岡は半分でいいと言ったと。そしたらあとの半分をやはり県とかあるいは国でこれは買い上げると。つまり、一度農民に戻して、それがすっと室町へいって、その後室町にいって疑惑が残らないように、国あるいは自治体、県あるいは市ですね、そういうところのものにして公共利用するということになれば、私は三木首相が国会で約束したことと合うと思うんです。で、かってわが党の松本議員が田中首相にこの問題を聞いたとき、田中首相は全部寄付することもできると当時言ったんですよ。そうだとすれば、こういうふうにすることが私はこの問題を解決する上で最も望ましいことで、世論のすべてがこれを望んでいると思うんです。建設大臣と大蔵大臣にこの問題について見解をお伺いいたします。
○国務大臣(長谷川四郎君) あとの半分につきましても、先ほど申し上げたとおり、室町産業が自由にそれを使うことが、利用することができないんですから、必ずや建設省の方へ合い議が来るわけですから、その合い議によって私の方はお答え申し上げてその利用方法をやるのであって、まだ何をやるというような、いまお話しのようにターミナルのお話がありましたけれども、そのターミナルをつくるとかなんとかということはだれかのお言葉だったろうけれども、そんなものはまだ考えていないんです、向こうで。これから公共性のものについてそれを利用をいたします、こういうことなんでございまして、ですから、その公共性というものにもいろいろありますから、その公共性が本当に真に公共性のものになってどうかという点についてのこれからもし合い議があって利用する場合には、十分にこれに対してチェックするつもりでおります。私の方はこれだけの大きな問題を起こしたところですから、そう簡単に処理をさせようなんという考え方は毛頭持っておりません。しかし、先ほど申し上げたとおり、長岡市長からの切なる願いと、市民がかくのごとき考え方を持っているんだからぜひ早急にやってくれということでありまして、その早急にやってくれというのを、私たちはいずれにしてもそういう問題があった土地でありますから、なるべく議論も聞かなければならないだろう、お話もあるだろう、こういうような考えで、国会が終えてからこの処理をしても間に合うんですけれども、国会の会期中にこの廃川処理をして、そしてまた十分御意見も承らなければならないだろう、そういうふうに私は考えまして、あえて国会開会中にこの処置をとった理由はそこにもあるわけでございまして、決してこれが一営利会社の利益になるためにやった処置でも何でもないというふうに私は自信を持ってお答えを申し上げられます。
○国務大臣(坊秀男君) この土地の半分につきましては、政府のどこかがこれを購入するといったようなことについてはまだ聞いておりません。長岡市と建設省とでどういう話し合いになるかということにつきまして、その結果によって、大蔵省といたしましては、何と申しますか、最も公共性の方向にこれを使っていくということにしたいと、かように考えております。
○上田耕一郎君 先ほど建設大臣は買えないと言ったけれども、買うことは可能なんですね、もし提起があれば。
○政府委員(田中敬君) 国が買うかという御質問でございますが、国庫大臣としての大蔵大臣がかかる財産を買うということは考えられません。ただ、行政目的があって特定の省庁においてその土地の利用計画を立てられ、予算要求としてその土地の購入費というものが出てきた場合に国庫大臣としての大蔵大臣が判断する問題でございますが、国庫大臣として、普通財産として行政目的なしにこの土地を買うということは考えておりません。
○委員長(茜ケ久保重光君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
○委員長(茜ケ久保重光君) 速記を起こして。
○瀬谷英行君 飛び飛びの質問になってしまったのでありますが、行政管理庁が見えておりますので、とりあえず行政管理庁に対する質問を改めて行いたいと思います。
 信濃川の河川敷の問題について本委員会で何回もいろんな質疑が行われております。問題の内容はすでに御承知のことだと思うのですけれども、大蔵大臣も三木前総理大臣もそれから竹下前建設大臣も、いずれも共通して言っていることは、国民の納得のいくように適正に措置をしてまいるということを言っておるわけです。その中で、行政管理庁の行政監察が本件についてどこまで徹底することができたのかという問題が一つあるわけです。何といっても建設省の仕事として河川改修を行ったというだけであれば問題はないかもしれない。ところが、その河川改修かたまたま、いままでの論議にもありましたように、堤防を締め切ってそしてあるいはバイパス道路をつくって、いままで余り価値のなかった、いわば地主ももてあましておったような土地が一変して何百倍の土地になる。こういうことになりますと、そこに介在をした室町産業あるいはその室町産業の役員構成、その背景となっている田中元総理との関係ということを全然無視してかかるわけにはいかないだろうと思うのですよ、これは。そうなれば、その当時の河川改修に参画をしたところの北陸地建とかあるいは長岡工事事務所とか、こういうところの仕事に対して、行政監察としては通り一遍ではなくてかなり突っ込んだ監察が行われなきゃならないというふうに思うのでありますが、どうも今日までのところ、文書の管理問題というようなことで簡単に片づけられたきらいがある。しかし、これでは疑惑が一掃されないし、行政管理庁の仕事に対して疑惑が残るということでは、役所のどこを信頼していいかわからぬということになる。したがって、行政管理庁として本件に対する監察に遺漏がなかったのかどうか、その点をひとつお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(川島鉄男君) お答えいたします。先生御案内のとおり、行政管理庁の実施いたします行政監察というのは、行政機関の所管としております行政事務の執行、その状況を監察いたしまして、適正な運営を図る上での改善事項などにつきまして勧告するというようなことでございます。したがいまして、いまのような意味からいきますと、その背景に、論ぜられておりますような民事的な関係が背後にあるかないかということにつきまして直接私どもの行政監察の機能からは調査する権能を持っておりません。あくまでも行政機関の行政の実施状況についての監察でございます。
 そういうような制約がございまして、したがって、今回のこの件に関連しての監察では、あくまでも河川管理の行政として、締め切り堤が実施されたについての経緯はどうであったのかというようなことにつきましては調査する権能もございますし、また、その辺につきましては国民の疑念があるとすれば明らかにする必要があろうということで実施されたものと解しますが、それより先の問題は取り扱うことができないというわれわれの権能の限界がございます。
 以上でございます。
○瀬谷英行君 河川の改修については監査をするけれども、その結果が、土地が二百倍になろうと三百倍になろうと、その背後に田中ファミリーが介在しようとしまいと、それは行政管理庁の知ったこっちゃないと、一言でいえばね。そういうふうに聞き取れるわけですが。
○政府委員(川島鉄男君) 文学的修辞としてはそういうような厳しい表現があろうかと存じますが、私どもで申し上げられますのは、行政の実施状況については監察いたします、背後にどういう民事的な利害関係があるかないかということは直接われわれの監察活動の対象になりませんと申し上げるしかないわけでございまして、いろいろ公共事業が行われますと、当然開発利益か一般の国民の方に反映することは多々ありましょうけれども、残念ながら、行政監察の機能といたしましては、その当否についてあげつらうべく活動するということは行われておりません。
○瀬谷英行君 こういう答弁で逃げられてしまうと、あとはもう何回聞いてみてもむだだということになっちゃうんです、こっちはね。したがって、もうこれ以上はあなたには質問いたしません。結構です。
 今度は国土庁長官にお伺いしたいと思うんですが、今回のこの信濃川河川敷の問題ですね、これが問題になりましたのは、個々の問題について言うならば、長岡市はこの室町産業と折半をして手に入れることのできた河川敷というものは市のためにたくさん利用価値がある、だからこれを早く利用さしてもらいたいと、こういう長岡市の立場だけで物を言っているわけです。それから行政管理庁について言えば、河川の改修計画については自分のなわ張りだけれども、そのためにだれが幾らもうけようと、土地が何百倍になろうと、おれの知ったこっちゃないというのが行政管理庁の見解なんですよ。
 そうなると、この問題を政治的に判断をするにはやはり大臣の見識というものが必要になってくるんです。この問題は田中さんの土地転がし政策、これがやはりその背景にあると思うんですね。土地転がし政策ということは、土地を投機の対象にして、そしてその土地の価格の値上がりによる差額をもうけようとする、こういうことが、こういう土地転がしといいますか、安易な資産形成に一番役立っているわけです。したがって、この土地政策というものが確立をしていないと、このような問題はこれからも派生するおそれがあると思うんです。国土庁長官の範囲になるのか、あるいは建設大臣の領分になるのか、その点はっきりいたしませんが、国土庁長官に、まずこの土地政策についてのお考え方、それからこの信濃川河川敷問題について土地政策がいかにあるべきかといったようなことについて、一つの見解がございましたならお示しをいただきたいと思うんです。
○国務大臣(田澤吉郎君) お答えいたします。
 土地政策の面から考えますというと、先生御案内のように、土地の投機的取引を抑制いたしまして地価の安定を図るということが一つでございます。もう一つは、土地の有効な利用を図るということも土地政策の大きい課題なのでございます。この二つを中心にして、昭和四十七、八年に地価が非常に高騰いたしました、三〇%以上に高騰いたしたわけでございまして、その当時土地税制と国土利用計画法と併用いたしまして、そうして地価の安定を図ってまいったわけでございまして、私たちは今後もいわゆる土地転がしというようないわゆるペナルティーに対してはやはり厳然たる態度で進んでいかなければならない、かように考えております。ですから、あくまでも私たちは土地は投機的取引の対象にしてはならないという原則を貫かなければならない、かように考えているような次第でございます。具体的な例については、私直接担当でございませんのでお答え申し上げるわけにまいりませんが、原則としては土地は投機的取引の対象にしないという原則を貫いてまいりたい、かように考えております。
○瀬谷英行君 それでは、今度はまた国土庁長官の所管問題になると思いますが、この首都東京の問題についてお伺いしたいと思うんです。
 つまり、現在の東京というのは非常に過密化して人口が一千万を超えておる、こういう状態になっております。そのために、過密過疎といったような現象は東京もしくは東京周辺、首都圏を中心として、どうにもならないような様相を呈しているわけなんです。これ、超肥満体になってしまったわけですね、東京が。もしここで大地震でもあったならば一体どんなことになるだろうということをわれわれ考えますと、ちょっと想像がつかないわけです。一刻も早くこういう不自然な姿を改めなければならないと思うんでありますが、これは経済政策の問題ではなくて、明らかに政治の問題だと思うんです。したがって、東京を分散をさせるか、あるいは新しい首都を東京以外の地域に求めて、あるいは東北なり北海道なり、人口密度の希薄なところに新しい首都を移転をするといったようなことを考えるべき段階に来ているのではないかという気がいたします。国土庁の三全総でもいろいろな試案がありまして、首都移転問題懇談会等で私も資料を見せていただきましたけれども、一体今日のこの東京の問題をどう見るのか、どうしたらいいのか、いかにすべきかといったような点について長官の見解を承りたいと思います。
○国務大臣(田澤吉郎君) 先生御案内のように、国土の一〇%に当たるいわゆる三大都市圏に人口の四五%が生活をいたしております。このことが、いわゆる水資源だとかあるいは食糧、エネルギー、住宅問題等をさらに深刻なものにしているわけでございます。ことに、昭和七十五年には東京圏は三千五百万人にふくれ上がるだろう、増加するだろうということが推定されておりますので、こういう点から考えますというと、この問題は過疎過密の問題をあくまでも解消していかなければならないということは御指摘のとおりでございますから、三全総においてもこの点は特に強く指摘をいたしまして、大都市圏の人口あるいは産業の集中化を抑制する、一方では地方都市の振興を図ると、このことによって均衡ある国土の発展を図ろうじゃないかということを目標にいたしておりますけれども、しからば具体的に首都圏のやはり人口あるいは産業を抑制するにはどうしたらよろしいかということになりますというと、なかなかむずかしい問題でございます。現に首都圏が膨張するのは、先生御案内のように、ベビーブームの時代の人口がほとんど首都圏に流れてまいりまして、それが自然増加をすることに大きな要因があるわけでございますから、地方都市の振興だけを図っても、やはり首都圏の人口はマイナスになりません。やはり、首都圏の人口のUターンを考えなければならないということになりますというと、やはり首都の遷都あるいはまた首都の機能の分散というこのいずれかの方法をとらなければならないのじゃなかろうかと思うのでございまして、そういう点から三全総では、二十一世紀の宿題としてやはり首都圏は今後十分検討課題として進まなければなりませんよということを明示してございます。
 そこで、どういう種目をしからばこの東京圏から移したらよろしいのかというための参考として、東京圏の中枢管理機能集積対全国比で見ますというと、会社数は三七・一なんです。卸売販売額は三七・七、金融機関貸出残高は四五・八、新聞業就業者数というのは三七・五、大学生数というのは四五・六、国家公務員数というのは三九・七でございますから、私はこういう統計から判断いたしまして、やはり大学の移転ということが大きく考えられる。もう一つは、国会も含めてやはり行政機構の移転というものも考えていく必要があるのじゃなかろうかと私は考えているような次第でございます。
○瀬谷英行君 東京がこのままの状態でふくれ上がっていくということになりますと、たとえば水の問題にしてもスモッグの問題にしても、あるいは住宅の問題、道路の問題、交通の問題、すべての点でますます行き詰まっていくということは火を見るよりも明らかだろうと思う。したがって、これらの問題を一挙に解決しようと思えば、思い切って政府機関が引っ越しをしてしまう、国会も政府機関も裁判所もあるいは大学もすべて東京を後にすると、こういうことになると東京の地価は今度は下がるんじゃないかという気がいたします。そういった思い切った政策がとり得るかどうかということは、これはもう明らかに政治の問題、それから政府としての決断の問題になってくると思う。しかし、この東京にしても、東京の前は京都だとかあるいは鎌倉だとか、政権の所在地が移動するということはかなり重大な問題であって、相当度胸のある人でもなかなかそれは決断しにくいことなんだ。しかし、いまの東京の状態はそんなことを言っていられる状態ではないじゃないかという気がいたします。国土庁長官の、この時代にのろしを上げることができるのかどうか、まず長官の決意をお伺いしたいと同時に、仮に東京から政府機関が移転をすると、こういうことが考えられるとしても、その行き先が今度はいままで過疎地帯だった、たとえば信濃川の河川敷みたいな場所だった、そこへ東京が移るということになったとたんに地価が暴騰するということになると、これはやっぱり大変問題なんですよね。同じことを繰り返すということになると思う。したがって、そういうためには地価をあくまでも抑制をすると、地価の暴騰を許さない、そのための根本策ということがあわせて必要になってくるんじゃないかと思うんです。したがって、この遷都の問題とそれから土地をどうするかという問題、これは両々相まって考えなきゃならぬことではないかと思いますので、その点の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(田澤吉郎君) 首都移転というのは、非常にむずかしいのは、やはり政治、経済、文化の中心でございまして、国民のやはり世論というものをよく把握した上でこれを進めてまいらなければならない。ですから慎重に扱わなきゃなりませんけれども、先ほど来先生御指摘のように、首都の過密というものは、やはり環境の面からいっても、あるいは資源の面からいっても、あるいは災害対策の面からいっても非常に限界に来ておりますから、そういう意味では今後やはり首都機能の移転というものは当然考えていかなければならないということから、あえて三全総の中に宿題として明記いたしたような次第でございまして、今後具体的にやはりこの首都移転の問題は考うべきであるということを特に強調をいたしているわけでございます。
 それから土地の問題でございますけれども、これはやはりこの新全総当時大規模プロジェクト開発方式をとりますというと、当然その地域の地価が上がった例もございますので、私たちは、国土利用計画法あるいは税制の面で、一層その地価が高騰しないような対策を常に考えながらこの問題は進めてまいらなければならないと、かように考えております。
○瀬谷英行君 対外経済協力の問題と日本の中小企業の最近の動向等について質問をしたいと思うんです。
 円高とドル安といったような問題は、そうでなくともかなり日本の中小企業に影響を与えていると思います。こういうときに、まず中小企業のことを考えて、どうしたらいいかということをこれは真剣に政府としても考慮すべきじゃないかと思う。その場合に、近隣諸国、たとえば具体的に言うと韓国とか台湾とか東南アジア、こういった諸国の経済的な進出が日本の中小企業を脅かすと、こういう問題に対して一体どのような手を打つべきなのか、これは放置していていいものじゃないという気がいたします。たとえば日本の輸出市場とか日本の国内市場すらこれらの国々か食いつぶそうとしているわけです。ところが、逆にこういう国々に対して日本が経済援助をするというようなことになりますと、日本の経済援助が日本の企業を脅かすというおかしな結果になるわけですね。で、こういう事態を一体どう解決をするのか、その点をまずお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(矢野俊比古君) いま先生の御指摘は、私ども常に頭を痛めている問題でございます。現実論としましては、たとえば繊維製品につきまして、韓国、あるいは中国もございますけれども、こういった製品に対しては秩序ある輸入ということを求めまして、いろいろと政府ベースで毎年の繊維関係輸入というふうなものについては調整をし、国内産業か、構造改善を進めておりますが、これに影響されないような輸入対策というものを進めているわけでございます。そういう意味から申しますと、今後の経済協力という点につきましては、私どもの考え方、きょうは外務省経済協力局長もおいででございますが、考え方とすれば、できるだけそういう影響のないような配慮を進めなきゃいけない。それで、たとえば現在韓国におきましては、この数年間におきましては、いわば産業における経済協力と申しますより、農業開発とか、あるいはいろんな社会基盤の安定でございますインフラストラクチュアの整備というところに経済協力の目標が向いておると、こういういま現状にあるというふうなことをまずお答えをさしていただきたいと思います。
○瀬谷英行君 繊維とか雑貨、塩化ビニール、テレビ等の重化学工業の一部にまで対日追い上げというものが最近は深刻になってきている。わが国への輸入の伸びの高い品目は、絹糸がたとえば三十九倍、テレビが九十八倍、抵抗器が七十倍、ラジオが十三倍、綿織物が七倍、合成繊維が六倍、こういう状態になっているとか、あるいは米国市場における日本とそれから近隣諸国の商品別のシェアの変化が、繊維製品で二四・一%、近隣諸国で二四・五%だったのか、その比率が日本一一・三%、近隣諸国四九・二%というような変化をしておることですね。これらの変化か勢日本の国内産業に大なり小なり大きな影響を与えているという事実は否定できないんじゃないでしょうか。これらの事実を肯定をするのかどうか、それに対して行政当局としてはどのような対応策をいま準備をしているのかという点をお伺いしたいと思う。
○政府委員(矢野俊比古君) 先生のいまの御指摘でございますが、現状、非常に特に安定成長下において厳しい業種があることは、特に中小企業性業種に著しいと私どもも認識しております。基本的に申し上げますと、やはり私どもとしましては、わが国の産業の高度化と申しますか、いわば付加価値の高いベースに持っていく。かつて、一つの例で申し上げますと、たとえば日本の製麻産業は過去においていわば低級品麻袋といった物をつくっておったわけでございますが、こういうものも、最近は日本はカーペットの方へ向く、低品位の麻袋といったものをフィリピンとかパキスタンといったところに任せるというような態勢が一つあるわけでございますが、こういうような、一つの例を申し上げましたが、そういう方向にいま産業構造を変えていき、知識集約型と一般的に言われておりますが、そういうような産業構造をつくっていくことが根本にあろうかと考えております。そういうことを基本に置くわけでございますけれども、当面の措置としましては、最近の円高問題も含めまして、いわば構造的な改善を必要とするもの、そういったことで、繊維を初めとしまして構造改善、いま申し上げた高度化、産業あるいは貿易構造の高度化に伴う産業の進め方というものに私どもとしてはいろいろな財政あるいは税制措置を通じて変革を求めていくと、こういうようなことで対応しているつもりでございます。
○瀬谷英行君 対外経済援助をやった場合、それの見返りというものが逆に日本の企業を圧迫をするというかっこうで来たのでは、これは何にもならぬわけですよ。外国に援助したために日本の国内産業を圧迫するということでは、これは何のための経済援助かということになる。特に最近のような構造的不況をどう打開するかというせっぱ詰まった状態にあるときには、対外経済援助については見直しをするという必要があるんじゃないかと。特に韓国を初めとする近隣諸国に対して、それらの国々に追い上げられている理由は一体何であるのか、賃金なのかあるいは関税なのか、それらの問題を分析をして、そして日本のそれらの国々に対する経済援助についても厳しく見直しをするという姿勢がなければいかぬのじゃないかという気がいたしますが、その点はどうですか。
○政府委員(菊地清明君) ただいまの御質問でございますが、矢野通商政策局長からお答えになったところでほとんど尽きていると思いますが、外務省の方の立場からちょっと申し上げますと、先生御指摘のとおり、対外援助をやりまして、それが被援助国の輸出競争力をつけてそれが日本に逆流してくる、で、日本の中小企業その他を圧迫するという問題、これは厳然として存在するわけでございます。特に、われわれが経済援助をしております発展途上国を大きく二つに分けますと、非常におくれている後発の途上国と、それから中進国、韓国が一番いい例でございますが、韓国とかそれからブラジル、メキシコ――台湾はほとんど最近援助しておりませんから、台湾は中進国ですけれどもこれは除くといたしまして、そういった二つのグループに分かれると思いますが、先生御指摘の問題は、中進国、いわゆるテークオフをせんとしている発展途上国の場合に非常に問題が起こるわけでございます。
 実は韓国が一番いい例でございますが、第四次の五ヵ年計画というのが韓国にございまして、これがことしから始まっているわけですが、これに対して日本政府がどういう援助をするかという姿勢を決める場合に、政府の援助よりもいわゆる経済協力は民間の方に移行していく、民間ベースの経済協力が主になると。で、政府の経済協力をやる場面といいますのは、むしろ韓国のような場合には、農業部門とかそれからいわゆるインフラストラクチュア、一番典型的な例が電力の開発とか道路その他そういった社会のインフラ部門、ことにおくれている部門にいわゆる政府援助というものを集中するという大体の方針を立てておるわけでございます。それはもちろん、この社会インフラを強化いたしますとこれがまた製品の輸出競争力にいずれはね返ってくることは経済原則が示すとおりでございますけれども、われわれといたしましては、そういうふうにこの政府の援助と民間の経済協力というのが分けておのおの別な役割りを果たし得るんではないかと。それによって御指摘のような困難というものを、これは完全に回避するわけにはいきませんけれども、軽減するというような方向にやっていきたいと。したがいまして、そういう意味ではその問題が非常に大きく前面に出てまいっておるということは御指摘のとおりでございます。
○瀬谷英行君 前面に出てきているという事実を認めるならば、それに対応する対応策ということも考えにゃいかぬだろうと思うんですよ。たとえば、これは市場を荒らされるということだけじゃなくて――たとえば市場を荒らされるという具体例を挙げると、大島つむぎが韓国でつくられて日本に入ってきて、本場の大島つむぎがおどかされるということだけじゃないんですね。たとえば船の乗組員でも、最近は、日本の国籍の船だけれども、乗組員は韓国人が大部分と、あるいは台湾、フィリピンの人たちが大部分といったような船が出てきているわけです。そして日本の船員は仕事がなくなっちまう。これはなぜかというと、賃金の問題ですね。これはしかしゆゆしい問題なんです。低賃金だからといって、日本の労働者の職場が脅威を受けるといったようなことはこれはやっぱりほうっちゃおかれないだろうと思う。それらの低賃金あるいは関税政策等によっていろいろと現象が出てきておるんですから、それらの問題に対応するためには、やはり対外経済援助の問題も、あるいはまた日本の国内市場確保のための政策も、両々相まって考えなきゃならぬだろうと思うんでありますが、それらの対応策がなくてこのまま日を過ごすということになると、ますます日本の国内のあらゆる産業か深刻な事態になるんじゃないかというふうに考えられるので、それらの対応策というものがはっきりしているのかどうかという点をお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(矢野俊比古君) 政府ベースの援助問題、ただいま外務省の方からお答えがございました。まあ民間ベースの援助と申しますか、これは商取引でございますから一応自由という体制でございます。しかしながら、私どもとしては、いま先生指摘のような過去の繊維を中心とした追い上げ、そういう例もございますので、私どもとしましては、そういう点で民間企業が進出する、投資その他を行うという場合には、できるだけ国内の需給の将来あるいはいわゆる海外におきます輸出市場における日本のシェアが将来どう変化するかというふうなことを見定めまして、その上でやはり海外進出、特に最近いろいろございます基礎産業でございます石油化学といったものについては、そういうような国内、国外を通ずる一つの需給状況を長期的に見定めて、その上でこれが適切かどうかということでいわば指導を進めているわけでございます。
 ただ、私どもが非常にいま悩みでございますのは、そういうことをしてある程度の調整を行った場合でございますが、逆に相手国の非常な期待が多い、日本が協力しないという場合になりますと、今度は他国の方への協力を求めてしまう。こうなりますと、むしろこれは私ども手がかりがなくなるわけでございまして、その辺はむしろ日本の進出があることの方が、たとえば合弁企業をつくるというようなところでは、そういった日本の企業を通じまして日本へ入っているはね返りその他というものも調整が可能でございます。そういう点はどちらがどういうふうな形でやるかというところの見定め方というのが大変むずかしいところがあるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、基本的には長期的な国内外の需給を見定めてそういう指導を進めていくと、こういう考え方を持っております。
○瀬谷英行君 それでは、対外経済協力の問題とやっぱり関連をするんですけれども、今度はハイジャックの問題についてちょっと質問したいと思うんです。
 先般、運輸委員会でも、官房長官の出席を求めましてハイジャック問題について質問をいたしました。先般行われました日本赤軍のハイジャック、ダッカからアルジェリアまで飛んでいってアルジェリアに着陸をしたということははっきりしておりますけれども、その際持っていかれた身のしろ金十六億何がし、それから連れていかれた拘置所内にいた犯人、これらの連中がどうなったのか。そのままどこかへ逃がされてしまったのか。しかもその身のしろ金をくっつけて逃がしてしまったのか。その点どうもはっきりしないわけです。この間の質問ではまだその報告を受けていないということだったんですが、今日ただいまの状況でそういう状況がわかったのかどうか、お伺いしたいと思うんです。
○政府委員(大川美雄君) その後の状況、私の知っておる限りでは新しい情報は入っておらないということでございます。
○瀬谷英行君 アルジェリアまで行ったことはわかっている、しかし身のしろ金の行方も犯人の行方も全然わからぬということですか。
○政府委員(大川美雄君) まことに申しわけございません。私の直接の担当ではありませんので、責任を持ってお答えする立場にございませんが、私が知る限りでは、その後新しい情報はないということでございます。
○瀬谷英行君 このハイジャック問題について、私は一体どうなったのか、現状を報告してもらいたいと思っているんですよ。それはハイジャックの結果が――たとえばこの十六億というのは大変な金ですわね。この金も犯人も両方ともうやむやだと、こういう状態では、これは国民に対してそれこそ申しわけない話なんです、取られっ放しということは。
 じゃ、大蔵大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、先般官房長官にお聞きした際にはまだわからないというだけだったのです。政府の方としてまだ、まあ身のしろ金を出したことははっきりしておりますけれども、それらの行方というものは依然として何ら報告かないということなのかどうか。
○国務大臣(坊秀男君) 仰せのとおり、非常にこれは残念なことでございまして、国民のためのお金を、それだけ高額なものを出したということは残念なことでございますが、その後の行方等につきましてはまだ私どもの耳には入っておりません。
○瀬谷英行君 決算委員会というのは、使われた金の行方を明らかにするという一つの使命があるわけですが、最も最近になってその使われた大金の行方がいまもって杳として行方知れずであるということはきわめて遺憾だと思うんですよ。しかし、これは持っていかれちゃったことなんだから大蔵大臣を責めてみたところでしょうがないのでありますけれども、それではこのハイジャック防止のためにどういう手だてが講ぜられておるかということなんです。ハイジャックを防止をするためのモントリオール条約であるとか、ハーグ条約であるとか、いろいろな条約があるわけでありますけれども、これらの国際条約に対する未加盟国というのは非常に多いわけですよ。で、加盟していない国、加盟しようとしない国がいまだに多いわけですね。しかもハイジャックというのは、日本の飛行機に続いてドイツの飛行機もやられる、ベトナムの飛行機もやられる。一種の流行、よくない流行でありますけれども、流行が続いているわけなんです。これは大変ゆゆしい問題じゃないかという気かいたします。そうすると、これらの条約に加盟しない国々に対してどういう対抗措置というか、対応策を持っているのか、この点はっきりしないといかぬと思うんでありますが、それはどうでしょうか。
○政府委員(大川美雄君) 仰せのとおり、いわゆるハイジャック関係三条約に対する加盟は東京条約か八十八ヵ国、それからハーグ条約が八十ヵ国、それからモントリオール条約が七十四ヵ国ということで、国連加盟国の総数が現在百四十九でございますから、国連加盟国の半分ないしちょっとそれより多いという程度でございます。こういう条約はすべての国が加盟しないと本当に効果を発揮しないという点で、できるだけほかの国がこれに加盟するよう、私どもは国連総会の場におきましても、それから国際民間航空機関の場におきましても、強く呼びかけております。実はけさ、日本時間のきょう払暁に、国連総会の特別政治委員会におきまして、コンセンサスで、要しまするにすべての国が賛同した上で国際民間航空の安全についての新しい決議が採択されたばかりでございます。その決議の中にも、この三条約に加盟していない国々に対してはできるだけ速やかに加盟することを検討するよう呼びかけた項目がございます。
 なお、いま一つつけ加えさせていただきますと、日本時間の明後日の払暁になろうかと思いますが、モントリオールの国際民間航空機関の緊急理事会というのが招集される予定でございます。そこにおきまして、理事会議長が国連におけるハイジャック防止の審議について報告を行うと同時に、わが国といたしましても、先般の日本航空の事件の概略及びそれに対する国内措置を報告しました上で、今後各国ができるだけ三条約に加盟するようにということを強く呼びかける所存でございます。
○瀬谷英行君 このハイジャック対策、いろいろあると思うんです。いろいろあると思うんですけれども、しかし、条約に加盟をしてもらえないような国々、それからハイジャックに対してきわめてルーズな国々、いまだにあるわけですよ。この間もちょっとお聞きしましたら、場所によってはそでの下をちょっとつかませると、ピストルはおろか機関銃だって持ち込めると、こういうところすらあるという話をちょっと聞きました。そういうことになると、ボデーチェックを形式的にやっているだけではこれは何らの効果はないということになると思うんです。そうなると、ハイジャックの防止のための根本的な対策を講じようとしない国々に対しては、やはり日本政府としても何らかの対策を持たなきゃならぬのじゃないか。たとえばそれらの国々に対しては飛行機が寄港しないと、飛ばないといったような思い切った措置もこれは必要ではないかという気がするんでありますが、航空政策上あるいは営業政策上そこまでは踏み切れないのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(大川美雄君) 実はいまから四年ほど前に、同じく国際民間航空機関の場におきまして、そういったハイジャック関係の条約に入っていない国々に対して何らかの制裁措置がとれないかどうかということを検討するための会議が開かれたのでございますけれども、いろいろ議論か百出いたしまして、いわゆる制裁条約を採択するための努力は一とんざを来したという経緯がございます。国際的な場での経緯はその例が一番最近の例でございます。
○瀬谷英行君 ハイジャックに対してはすきだらけというのが日本の飛行機の実態ではないかと思うんですよ。すきだらけであるにもかかわらず、この国際条約の点もどうも遅々としてはかどらない。そういうことになると、これはやはり何らかの対応策を講ずる必要があるんじゃないか。そこでハイジャック防止条約未加盟国に対する経済協力をこれまた考えてみる必要があるんじゃないかという気がするわけです。先ほど、輸出が日本の中小企業を脅かすような国々に対する経済協力を見直すべきではないかということを私言いましたけれども、それはハイジャック防止条約に対する未加盟国に対しても考えていいんじゃないかという気がするんです。特に、まあその経済援助の金額を総合計いたしますとこれは大変な額になると思うのでありますか、時間の関係で一々国の名前やらあるいはその経済協力の内容やらということは申し上げませんけれども、たとえばアルジェリア、日本の飛行機が飛んでいったアルジェリアにいたしましても、かなりの経済援助が行われているわけですね。このアルジェリアに対して日本政府は身のしろ金を返してくれという要求をしないまま今日まで日を過ごしているのかどうか、その点は一体どうなっているんでしょうか。大蔵大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、身のしろ金を持ってアルジェリアまで飛んでいった、うんともすんとも返事もないというのは、ちょっとこれは国際信義上おかしいような気もするんですよ。しかもこの国に対してはかなりの経済協力が行われているわけです。円の借款にいたしましても延べ払いの輸出信用等にいたしましても、相当なものなんですよ。日本としてはかなり手厚いもてなしを――と言うと俗な言葉になりますけれども、している国なんですけれども、それがハイジャックの問題について一言の返事もないということは、これはきわめて遺憾だと思うんですが、その点、大蔵大臣としてはどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(坊秀男君) 身のしろ金につきましては、アルジェリアに対しまして、確かにテロリストども、赤軍派というような者の手に渡らないようにしてもらいたいという要請は確かにしたと思いますが、それについてどういうことに相なりましたか、これは私はその間の事情をつまびらかにいたしておりません。しかるべきところからまたよく調べるなり、あるいはしかるべきところの、そういう専門のところへお聞きいただければ、これはその後のことにつきましては大蔵省直接はタッチいたしておりませんので、私はそこのところをつまびらかにいたしておりません。
○瀬谷英行君 要請はしたけれども、返事がないということは、音もさたもないということなんですよね。大蔵大臣が知らないことはほかの大臣だって知らないと思うんですよ、この間官房長官に聞きましたけれども、その後のことはわからぬというのですから。何日か、運輸委員会から日がたちましたから、返事かあったならば恐らく大蔵大臣も知っているんじゃないかと思ってお聞きしたわけです。しかし、わからぬということであればそのままになっているんでしょう。そのままにしておいていい問題じゃないという気がするんですよ、私はこういう問題は。だから、いろいろ支出の面で考えなきゃならぬ問題があるけれども、特に対外経済協力といったようなことについては、ハイジャックの問題もそれから日本の中小企業の競争相手の問題も、両々相まって政府として検討をする必要があるんじゃないかと、結論的に私はそういうことを申し上げたいと思うんでありますけれども、一挙にこうしろということは申し上げません。しかし、それらの点について政府として考えていいことではないか。そのくらいのことをやらないと、ハイジャック対策も軌道に乗らなきゃ中小企業対策も何ともならぬということになるんじゃないかという気がするんです。だからその点についての大蔵大臣の考え方をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(坊秀男君) 御意見は確かに私はそのとおりだと思います。その多額の金につきましては、その行方というものを突きとめまして、そうして何とかしてこれを日本に取り返すといいますか、そういったようなことに持っていくべきものだと私はさように考えております。
○丸谷金保君 最初に大蔵大臣に一つ御質問申し上げます。
 実は、先般決算委員会で北海道の調査活動を行いました。財務局長はその際に、国有財産の売り払いをできるだけ進めるように努力していると、こういうことを説明をいたしております。しかし、私は北海道で町長を二十年やっておりました。なかなか局長の言うようにはなっていないと思いましたので、そのときにもお聞きいたしました。実態はそんなに簡単に国有財産の不用地の売り払いというものは進んでおりません。そうして特にその中でいま問題になっておりましたような河川敷の問題、これは公有の河川敷でありますと、公用廃止後、大蔵省のいわゆる一般財産に移ってからでなければ払い下げになりません。したがって、その場合に地方公共団体から要望いたしましても、払い下げについての基準としては、それの利用計画、しかも長期の利用計画の場合には年次年次に売り払いをするから、実際にその用に利用するのかどうかというような予算書をつけて持ってこいというような行政指導が行われております。一括三年なり五年という払い下げがなかなかならない。これは私は二十年町長をやっていたんですから、よくそういう実態を味わってきております。にもかかわらず、信濃川の河川敷公用廃止だけが、市長の要望だということできわめて簡単に、わずか六年しかたってないのに、これは国有財産でもお調べいただければわかると思います。六年も七年もずっと前ので実際になかなか解決しない問題がたくさんあると思います。市長の要望だということで河川敷か行われております。これはもっとも一般財産になっていない私有地でございますから、大蔵大臣の所管事項ではないと思いますが、大蔵省か公用廃止によって河川敷を一般財産に転用した場合における払い下げでもきわめて慎重なんですから、建設省も当然公用廃止については慎重でなければならないはずだと思いますので、大蔵大臣、ひとつ国務大臣としてこの点については十分御留意をいただきたいと思います。この点についての大蔵大臣の御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(坊秀男君) 国有財産は、申すまでもなく国民の貴重なる財産でございまして、これを払い下げるに際しましては、大蔵省といたしましてはできるだけ公益につながる、公共性に富むといったこと、ここに重点を置きまして、そしてこの払い下げを実際やっておるということでございますか、その個々具体的なことにつきましては、私はここでそういうようなことにつきましてはこれつまびらかにいたしておりませんから、すぐ大蔵省の係官をこちらへお呼びいたしましてお答えをさせることにいたします。
○丸谷金保君 水産庁の長官にお伺いいたします。
 ソ連に対するわが国漁船の罰金支払い状況、これは水産庁の報告によりますと、十月十五日現在で百八件、九千九百十九万一千円であるということを昨日の農林水産委員会で発表になっております。そうして、各委員の質問に対して農林大臣は、実は基準かどうもあいまいだということについてソ連当局の方にいろいろ申し入れをすると、罰金を払っている漁民とソ連側との話に食い違いも多いので、漏れなく罰金調書を渡してほしいというふうに申し入れをしておると、こういうことでございます。そして、昨日私の質問に答えて長官は、一部調書は入手して調べているという答弁かございました。そこで入手して調べた限りの罰金調書、この罰金あるいは担保金の支払いは円で行われているのか、ドルで行われているのか、あるいはルーブルで行われているのか、お尋ね申したいと思います。
○委員長(茜ケ久保重光君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
○委員長(茜ケ久保重光君) 速記を起こして。
○丸谷金保君 外為法によりますと、第六条の定義の中で、「「本邦」とは、本州、北海道、四国、九州及び命令で定めるその附属の島をいう。」とありますが、この「附属の島」の中に北方四島は入っておりますか。これは大蔵省でも外務省でもどちらでも結構でございます。
○政府委員(戸塚岩夫君) お答えいたします。
 歯舞、色丹、国後、択捉の北方四島につきましては、私ども所管しております関税法上、外国とみなす規定がございます。
○丸谷金保君 関税法の百八条のみなし規定、これは私も覚えております。いま私が申し上げているのは、外為法六条の中で「附属の島」ということかありますから、これは命令の中でどういう形になっているかと聞いているので、関税法をいま聞いているのでないんで、ひとつ……。
○政府委員(旦弘昌君) この点に関しましては、「外国為替及び外国為替管理法における附属の島に関する命令」というのがございまして、その中で、「本州、北海道、四国及び九州に附属する島のうち、当分の間、歯舞群島、色丹島、国後島及び択捉島を除いたものをいう。」という規定がございます。
○丸谷金保君 そうしますと、北方四島については、歯舞群島、色丹、択捉、国後、これを便宜上北方四島ということで御質問申し上げますので御理解いただきたいと思います。
 外為法でもみなし規定で外国扱いになっているというふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(旦弘昌君) この命令によりまして、本邦の中にはその北方四島は当分の間入らないということでございます。
○丸谷金保君 それから同じく外為法の二十二条で、居住者の対外支払い手段、この中で、外国で課せられた罰金はこの中に入りますか、支払い手段の中に。外為法の二十二条では、居住者の対外支払いの手段についての規定かございます。ですから、外国でもって罰金を課せられた場合も外国に対する支払いというふうな定義の中に入るかということです。
○政府委員(旦弘昌君) ただいま問題になっております漁民がソ連に対しまして支払います――円貨で支払っておるというふうに私どもは聞いておりますが……
○丸谷金保君 それを聞いているのでないの、いま。質問に答えていただきたい。
○政府委員(旦弘昌君) この二十二条の「対外支払手段」は、この場合には外貨でございます。
○丸谷金保君 そうすると、外国で課せられた罰金についても、原則としては外貨で支払わなきゃならないというふうに理解してよろしゅうございますね。
○政府委員(旦弘昌君) その罰金が外貨で支払いを要求されています場合には、この二十二条の「対外支払手段」ということになるわけでございます。
○丸谷金保君 そうしますと、ハイジャックのときの要求は十六億円という円建てで要求されたのに、何でドルで支払ったんですか。それは罰金でないからですか。持ちやすいからですか、ドルの方か。
○政府委員(旦弘昌君) あの場合の支払いは、相手側からドルで要求があったと聞いております。
○丸谷金保君 そうしますと、ドルで要求があった場合はドルで、ルーブルで要求があった場合はルーブルで、円で要求があった場合は円で支払うというふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(旦弘昌君) 外貨で支払います場合にはこの「対外支払手段」ということでございますけれども、キャッシュの円で支払うという場合には、四十五条の「支払手段等の輸出入」というのがございまして、そこの支払い手段の輸出ということになろうかと存じます。
○丸谷金保君 そうしますと、漁船の場合の円で支払うのは、ソビエト政府の方が円で持ってこいというから円で支払うと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(旦弘昌君) 私どもといたしましては、ソ連側がルーブルで請求しておるのか、円建てで請求しておるのか、その辺のところをつまびらかにいたしておりません。
○丸谷金保君 私、ここに罰金の証書を持っているんですがね。原文では一応罰金はルーブル建てになっております。しかし、これは水産庁の長官が来ないんで……(「参りました」と呼ぶ者あり)それじゃ外為の方はちょっと、水産庁の方を先にお聞きしなきゃならないので……。
 ソ連に対するわが国の漁船の罰金支払い状況、これは昨日水産庁の方からお聞きいたしました。そして、そのとき私の質問に対して長官から、罰金の証書、一部は入手していると、こういう御説明かございました。それで入手している限りにおいて、支払いは円で払っているのか、あるいはドルかルーブルかということについて、いま大蔵省の方から円で払っているようだという説明かございましたし、そしてそれはソビエト政府か円で要求しているのか、ドルで要求しているのか、ルーブルで要求しているのかということはわからないと、こういうことでございます。水産庁の方ではそれについてはどういうふうに考えますか。
○政府委員(岡安誠君) 私どもの調べによりますと、いままで操業の規則に違反したということで罰金を課せられた場合、洋上で罰金を支払っているのが大部分でございますけれども、洋上で支払った罰金はすべて円で支払っているという、ふうに報告を受けております。これも向こうがルーブルで一応罰金額を決めまして、それを円に換算をいたしまして、それで円で支払うということでこちらでやっておるというふうに聞いております。
○丸谷金保君 日本の取り締まり官がソ連船を拿捕した場合、この場合も昨日の質問に対してそれはルーブルからドル、そうして大使館を通じて日本円で支払われているというふうに長官から答弁ございましたか、間違いございませんか。
○政府委員(岡安誠君) そのとおりでございます。
○丸谷金保君 それであるならば、どうしてソ連の取り締まり官によって拿捕された日本漁船の罰金あるいは担保金か円で払われなきゃならないのか、この点についてひとつお伺いいたしたいと思います。こういうことになります、いいですか。日本には円で払ってきます、国内でですね。ところが、日本から円がそのままで持ち出される。現在の為替のレート一つとってみても、それでドルを買ってドルで日本に持ち込んで正規の為替レートで支払いをした場合には、はなはだしく日本の国益を損害させておるんじゃないですか。そういうことになりませんか。
○政府委員(岡安誠君) まずソ連船か日本の取り締まり船によって拿捕をされまして担保金を課され、その担保金の額は現在大使館の保証を付した書面の提出か保安庁等にありましてそれで釈放する。後ほどその保証書に基づきまして円で支払われるというわけでございますか、ソ連邦の場合に、ルーブルはこれは国外へ持ち出し禁止ということになっておりますので、こちらももちろんルーブルで要求するということはいかがかと思いますけれども、向こうではルーブルではそのままでは支払えないということになります。あとはドルで支払いを受けるか円で支払いを受けるかということになるわけでございますが、私どもは円で換算をいたしまして、円で支払いを受け取るということになります。日本の場合には日本船、はなはだこれは異例なことでございますので、あらかじめ罰金を用意してということはなかなか本当は変態ではございますけれども、万やむを得ない緊急の自己防衛措置といたしまして円を持っておりまして、それで洋上で万一の場合には支払いをするということで、これは円以外に支払いの方法かないわけであります。あらかじめほかにかえるというわけに、もちろんルーブルにかえるわけには全くまいりませんし、ドルにかえるのかせいぜいでございますが、これは円が最も簡単であるということで、向こうも円でよろしいということでございますので、円で支払っているということか現状であるわけでございます。
○丸谷金保君 そこで洋上の支払いの場合はいろいろ疑義があろうと思いますけれど、これはまあ緊急の場合でやむを得ないということにもなるかと思いますが、いま大蔵省、外務省にお聞きいたしますと、外為法でも関税法でも北方四島はみなし規定で当分の間外国とみなしておる。そうすると、外国に日本の円を多量に持ち出すことは外為法に違反にはなりませんか、どうですか。今度は大蔵省。
○政府委員(旦弘昌君) 現在の貿易外取引の管理に関する省令によりますと、居住者が十万円を超えない額の本邦通貨を携帯輸出する場合には許可か要らない。逆に言いますと、十万を超えますときには許可が要るというたてまえになっております。
○丸谷金保君 法務大臣はおいでになってますか。
○委員長(茜ケ久保重光君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(茜ケ久保重光君) 速記を起こして。
○丸谷金保君 それじゃやむを得ませんので、国務大臣としての大蔵大臣にひとつお伺いいたします。
 いま説明のありましたように、十万円以上の持ち出しは許可が要ると、こういう場合に、百万、二百万、三百万というものを罰金で持ち出すということ、あるいは罰金を想定して船の中に持ち込んでおると。まあ緊急避難でやむを得ないかもしれませんが、当然取られるだろうということを想定して何百万というお金を用意して漁に出るということは、何と言いましたかな、未必の故意ですか、ちょっと違いますか、そういうふうないろいろな問題点が出てくると思うんです、外為法の関係から言って。しかし、どちらにしても、初めから支払うことを目的として持ち出して、北方四島に上陸して支払いをした場合には、外為法には抵触いたしませんか。
○政府委員(旦弘昌君) ただいま引用しました規定によりまして、海外に円札を持ち出しますのは現行では十万円までということになっておりますので、それを超えますときには許可が要るわけでございます。その許可を受けまして持ち出される場合には、法令に違反をしないわけでございます。ただ、この規定を設けましたときには、これはただいま問題になってますような異常な、特殊異例な案件を頭に置いていない時代でございまして、これは海外に旅行される方が日本に帰って来られて自分の家まで帰られる際に、あるいはホテルに泊まられるとか、汽車賃が要るとか、そういうことのために十万円ぐらいならばいいであろうということで規定したものでございます。したがいまして、ただいま御質問のありますようなケースは現在の規定では想定していなかった事案でございます。一方、洋上なりあるいはおっしゃいましたような島々で罰金を取られる、もしそれを払わなければ入漁許可証を取り上げられるというような事態は、漁民の方々にとりましては大変お気の毒な事態でございます。したかいまして、その想定してていなかった事態がいま起こりましたものでございますから、起こっておりますので、私どもといたしましては、法令の解釈なりあるいはその扱いを変えるように前向きに検討をいたしておるところでございます。
○丸谷金保君 実はこの関係について、私は、北方四島での、みなし規定のある、本来日本固有の領土ですが、出かけて行ってとってきた魚の処置はどうなっているかと関税法上の問題を調べてみたんです。そうしますと、これにつきましては、明らかに関税法では外国貨物ということを百八条のみなし規定でいたしておりますけれど、今度は関税定率法の十四条の三項で免税措置をやっておるんです。ですから、輸入申告はさせているけれども、税はかけてないと。さすがに私は大蔵省だなと思って感心したんです。なるほどよく考えて法律の立て方をしていると。ところが、漁業法の方ではそういう仕組みがまだできていないような気がするんです。それで、水産庁の長倉は、いまも御説明ありましたように、この種の問題が四月以降たくさん起きているということをすでに御存じなはずなのに、どうしてそういう検討中というふうなことで、明らかに外為法違反に属する事項を放置してあったか、このことについてひとつ御説明願います。
○政府委員(岡安誠君) 確かに、ソ連の二百海里体制に入りまして、それ以来多くの漁船か拿捕され罰金を支払うという事例が起きております。これはたてまえといたしまして、ソ連の場合には罰金を支払わなければ釈放等がなされない、また許可証等を還付されないということでございまして、罰金の支払いまでは操業ができなくなる形になります。それで、多額の金を持ち出すということが、いま大蔵省の方からお話がございましたとおり疑義があるということは承知いたしておりまして、ほかに適当な方法かないかということで実は検討をいたしておりますし、またソ連側とも交渉はいたしております。ただ、私ども心配いたしますのは、たとえばソ連の漁船をつかまえましてわが国の官憲が担保金を徴収する場合、現在、先ほども申し上げましたとおり、無線で基地に連絡をいたしまして、基地から担保金額は支払うということを東京在住のソ連大使館に連絡をし、大使館の方でこれを保証いたしまして、その保証書を保安庁の方へ届ける、その結果を現地の取り締まり官に連絡をして釈放されるという手続をソ連の漁船に対してはとっておりますが、それと全く同じことを相互主義ということでやりますると、もちろん外為法等との関係では疑義がなくなるわけでございますけれども、その事務処理の間に今度はソ連の官憲を入れざるを得ない。そうしますと、従来の経験からいたしまして、そう簡単に事務を処理してくれるかどうか、それが非常に心配でございます。拿捕をされましてから釈放されるまでの期間が長ければ長いほど重大な損害を漁船が受けるわけでございます。できるだけ早く釈放がされるということが私どものねらいでございますので、何とかそういう便法、方法はないかということで検討をし、交渉をしているというのか実情でございますか、はなはだ問題があるとは思いますけれども、なかなか現在の方法にかわるべきものがないというのが現状でございます。これにつきましては先ほど大蔵省の御当局からも御答弁がございましたけれども、よく御相談をいたしまして、できるだけいい方法がないものかということを至急これは検討し、結論を出したいと思っております。
○丸谷金保君 水産庁長官すでに御存じだと思いますが、十月の五日一日だけでも、羅臼から国後のルルイ岬という方に向かっておる十二海里領海を越えた地域で、第二十一進幸丸というのか四百九十七万八千五百四十五円、第二十一孝丸というのは三百九十四万九千七十七円、第八拓進丸というのか五百四十八万九千二百八十六円という罰金を支払っております。そして、その罰金の調書、これはもらった漁民は全然わからないというんです。全然わからないですから、ロシア語ですから。ただ、ここへサインをせいというからサインだけしたと。それを翻訳してみますと、きちっとスケソウを何匹、何を何匹とったということまで事細かに計算をして、ソ連の国内法によるところの罰金を本人が承認したんだと。ただ、私この場合問題なのは、それが洋上で万やむを得なかったというふうな場合ならとにかく、とてもこんな大金は持っていませんから、一遍港に帰ってきているんです。そうしてかき集めたお金を持ってもう一回出かけて行っているんですよ。そして国後に渡って外為法上外国と見なしている地域で支払いをして、船をもらって帰ってきている。そうしますと、この間にはやっぱり相当の期間があるんです。漁組もやむを得ないから貸し出しをしているんです。この間、たとえば釧路には日本銀行の支店もございます。それから、外為を扱っている市中銀行もたくさんあります。どうして明らかな外国為替管理法違反――田中元総理大臣というような、大きな政界をひっくり返すようなことにも関係するような外為法違反、再三行っているのに、いままでの間に適宜な処置かどうしてとれなかったんですか。河川敷はきわめて早くさっと公用廃止をする、そういう行政能力のあるいまの政府が、この程度のことをどうしていつまでもかかっておったのか、私には理解できないんです。どういうわけですか、これ。
○政府委員(岡安誠君) はなはだ申しわけないということでございますが、多少理由を言わしていただきますと、弁解のようになりますけれども、大部分の漁船が、先ほど申し上げましたように、洋上の場合には円で向こうの取り締まり官に罰金を支払うということになっておりますので、別の方法をとる場合には、その方法についての了解を別途また取りつけなければならないということがございます。そこで、別の方法を取りつけるためには、外交ルートを通じまして、私どもか罰金の支払いについてはこういう方法でやるという約束をいたしませんと、向こうの末端の係官まで徹底をしないから受け付けてもらえないということになるわけでございます。そこで、別の方法について、先ほど申し上げましたように、操業を早期に再開できるようないい方法があるかということについて、なお検討中で結論を得ていないということを申し上げたわけでございまして、できるだけ早期に結論を得たいということでございます。
○丸谷金保君 きょうは法務大臣かいないので、外為の方は切り上げまして、水産庁長官にひとつ。
 いろいろそれについての方途を考えていると――実はこの春の農林水産委員会で鈴木農林大臣は、これはもう明らかにソ連側の違法なので、できるだけそういうことの起きないように努力すると言ったけれども、全然これはなされていないわけて、全然なされていない――なしたか知らぬけれども、実効は上がっていないわけです。そして、四島周辺の北海道の漁民に言わすと、日本政府は、これは領海だと言っているんだと、漁業法でも領海だということは主張しているんだから、われわれが入って行ってとることは、少なくとも日本人として法律の違反はしていないというところに、つかまった者が御不幸だという考え方はあるんですけれども、罪の意識というのは非常にないんです。その背景は何だろうかと。実はこのことについてひとつ長官にお願いしたいのは、一つは昨日も長官から話がありましたが、政府がそれらに対して何らかの補償をするということはできないと。これは違法行為に対してだからできないということだと思うんです。それで、相互保険の中で何がしかの運営予算を五十三年度に見ておると、こういう説明がございました。しかし、日本の国内法から言えば、国後、択捉の近海まで行って漁することは、日本の国内法から言えば違法でないわけですよね、そうでしょう。そうすると、いわゆる漁業の暫定水域の協定によってソ連と取り交わしている二百海里水域とは全く違った角度で、違反じゃないんだから国かこれを見てやるということがどうしてできないんでしょうか。
  〔委員長退席、理事大塚喬君着席〕
このことについては積極的に行政的に介入して、外為法の違反もないように、大急ぎでそういう便法も講ずる、あるいはこれらの相互保険の問題についてももっと国がめんどう見ると。むしろそのことが国後、択捉は日本固有の領土なんだよということを主張する実績をつくることになるんじゃないですか。
○政府委員(岡安誠君) この点につきましては非常にちょっと複雑な関係がございますので、少し丁寧に御説明いたしたいと思いますが、まず、北方四島につきましては、私どもこれは……
○丸谷金保君 余り丁寧にやっていただくと時間がなくなるので……
○政府委員(岡安誠君) いや、少しむずかしいのですけれども、わが国本来の固有の領土であるということで、その周辺にも領海か設定をされているわけでございます。そこで、これは推奨する意味ではございませんが、北方四島の周辺におきます領海をめぐるトラブルにつきましては、これは拿捕保険という制度が国の制度としてございまして、この拿捕保険の対象といたしまして措置はいたしております。ただ、先ほど先生か御指摘になりました漁業水域につきましては、これは四島周辺の漁業水域をも含めまして、これは四島周辺につきましてはわが国の領土権があるという主張を妨げないという規定が入っておりますけれども、そういう留保状況のもとにおきまして二百海里水域をこれは認めまして日ソ協定を結んだと。したがって、漁業水域内におきます違反につきましては、これは国の定めた協定、約束した協定に違反するものでありますから、これは拿捕保険は適用できない。そこで、これは共済制度ということで措置したらどうかというふうに考えているということを申し上げたわけであります。
○丸谷金保君 これはしかし、日本は玉虫色でも領海として認めているんだから、日本の国内法では違反にならぬでしょう。違法じゃないでしょう。まあいいです、それは。
 それで、どうしてそんな危険を冒してまで出漁するのかという背景をひとつ御理解いただきたいのです。
 たとえば、羅臼の漁組をとってみますと、組合員は七百八十二名です。そして例年八十億の水揚げがあります。そうすると、一人約一千万円ですから、これは生活できるじゃないかと。ところか中身は、六十二名の組合員が定置で上げる水揚げが五十億、残り七百二十名で三十億の雑魚、コンブその他をやっているんです。そうすると、これを一人に割りますと現況でも食えないんですよ。現況でもいっぱいいっぱいです。だから、国後、択捉から締め出されるとこの三十億が減るので、定置の五十億は減らないのです、定置の方は。そういうことになりますわね。そうすると、これは食えないから仕方がない、拿捕されても出て行かなきゃならないという実態なんです。そうして、そのために定置の再配分について多くの羅臼の漁民は要求をしております。定置はほとんどが鮭鱒ですから、そうすると、これは国が大きな国費を出してふ化事業をやって、戻ってくる回遊魚を定置でもってとっているのです。これについては農林大臣が、組合が基本的な案を示せば前向きに善処するということを前々から言っておると、こう言うんです、羅臼の組合員は。しかし、実際には基本的な案をつくるためには町あるいは道の行政指導を受けなければならないけれど、そこまでいくとなかなか定置の政治力が強くて、水産庁の言うような、そういう案を水産庁まで上げることができないから、仕方がない、罰金取られても取られても国後、択捉へ行かなきゃならないんだと、こう言っているんですよ。実態もそうだと思うんです。この点について、しかもサケにつきましては、日本の国内法でも十二海里から向こうまで行ってとることは禁止されているんです、雑魚の許可だけですから、その沖合い漁業の小さい船の連中は。ですけれども、漁組では、持ってきたやつはこれは仕方がないと。ほうっておくと暴力団の資金源とかいろんなことにもなるので、一応市場に揚げさせて市場を通して売るというふうな方法をとっていると。違法だということは知っているけれども、組合としてはそういう指導をしていると、こういう苦労までしているんです。ですから、たとえば知事の通達の、十二海里から出ていってサケとってはいけないとかなんとかといういろんな行政指導なんていうのは全く空文になっているんだと、食えないんだと、こういうことですから、できるだけ早くそういう実態を踏まえて、羅臼から根室へかけてのあの地域というのは、いわゆる現在の二百海里の問題とは別な領海問題を中心にしたトラブルの起こっている地域ですから、食えるような定置の再配分が水産庁の方からのひとつ行政指導で道を督励して早くできるように。そうでないと、この次は五十四年ですか、漁区調整は。もう待てないというのです。緊急避難で外為違反やっているのさえも仕方がないというのですから、これらも大急ぎでそういうことについて配慮をお願いしたいと。長官のひとつ明確なこれらに対する御答弁を、簡単でよろしゅうございますからお聞きしたいと思います。
○政府委員(岡安誠君) 羅臼近辺の漁民が、おっしゃるように特殊な事情によりまして非常に困っているということは十分承知いたしております。
 それからお話ございました、農林大臣が、羅臼町それから羅臼の漁協に対しまして、町、道ともよく相談をして関係漁民の再建方策を至急立ててほしい、そうすれば農林省としてできるだけの援助はいたしましょうというふうにお約束をいたしております。これはもちろん御指摘の定置だけの問題ではございません。それらも含めまして全体の再建策をやはりつくっていただくということになろうかと思いますので、それを私ども拝見をいたしまして、これはお約束どおりできるだけの御援助はいたしたいというふうに思っております。
○丸谷金保君 それで、実はこのことについては六月の九日の外務委員会で政府委員の中島敏次郎氏がこういう答弁をしております。「ソ連側が彼らみずからの領海だと考えて規制を行っておりますところの四島周辺の領海において、わが方の漁船がいわゆる領海侵犯というようなかどで逮捕されるというようなことがあれば、それは認められないという従来のわが方の立場は」「変わっていない」と言っているんですよ。それから暫定協定を見ましたけれども、明らかにこれは玉虫色で、あの地域の領海問題については触れないで通っておりますわね。それで政府委員かこう言っているんです。そうすると、漁民たちかおらの領海じゃないかと。そしてまた、あそこは悪いことに、択捉、国後の方に魚がよく集まるんです、あれ、たなが向こうにありましてね。そういう状況を政府もみずからこういうことを言っているんですから、こういう責任も十分考えてひとつ早急な手配をお願いしたいと。いつからやってくれますか、あしたでもやっていただけますか。
○政府委員(岡安誠君) いまの前の中島条約局長がお答えしたのも私どものお答えと同じでございまして、たてまえといたしまして北方四島周辺につきましては、領海をソ連側はソ連側の領海としておりますか、私どもは認められないということで拿捕保険等の扱いは先ほど申し上げたとおりいたしております。ただ現実問題といたしまして、あの十二海里、北方四島の周辺十二海里に入りますと従来は拿捕されてしまったわけでございますので、これは現実としてそういう事実があるということを認めざるを得ない。そこで私ども先ほど申し上げましたとおり、非常に厳しい監視体制になりましたので、再建策につきまして、漁協の方から町と道とよく相談をした上で再建計画案が提出されるならば、私ども真剣にこれは対処するということをお約束いたします。
○丸谷金保君 先ほども申し上げましたが、私、町長を二十年やっているのです。いまのようなおっしゃり方で下から上がってくると思いますか、本気で。
○政府委員(岡安誠君) これはお言葉ではございますけれども、先生十分漁業の実態は御承知と思っております。やはり再建計画をつくるためには、すでに漁協が手配いたしておると思いますけれども、従来四島周辺の十二海里近くに出漁した漁船につきましては、これをわが国の沿岸の近くで操業するようにということもいたしておりますし、それに伴います今後の操業の問題等たくさん問題があるわけでございます。それはやはり話し合いで御解決いただかなければ、一片の通達でもって事が処理できるというものではないわけでございます。そこで、よくお話し合いをして案を持ってきていただきたいということを申し上げておるわけでございます。
○丸谷金保君 話し合いは何遍やってもこれはつかないのです、現地で。だから、その話し合いがつかない場合に、政府は、こういうふうな領海というふうなことでソ連が拿捕するのはけしからぬというようなことを国会の場で政府委員が発言しているんでしょう。そうすると、これらの責任はやはり国にもあると思うのですよ。そういうところに行って拿捕される、食えないから拿捕される。そうすれば、積極的に出ていって、そうした再建計画案についての指導を積極的におやりになっていただかないと、特に漁民というのは非常にそういう点で上からの話には弱いので、なかなか自分たちだけでやれないのですよ。なかなかどうも先ほど申し上げましたような定置の政治力が強くて、そういう話し合いで積極的な指導はできないような状態にあるので、水産庁の長官としてひとつそれらに積極的に、暮らしの立っていくような、いろいろなほかの北方水域二百海里問題の例の拿捕されたり何かとここの場所の問題は違うのですから、そのことをひとつもう一遍、もう少し何と言いますか、よし、おれが行って解決してやるとまでいかなくても、せめて課長ぐらいやって、実情を聞いた上でどうなるかというふうなことくらいはやっていただくお考えはございませんか。
○政府委員(岡安誠君) 私どもも別に積極性に欠けているわけではないと思っておりますが、この問題につきましては組合長も町長も道庁もよく承知をいたしておるはずでございます。私どもできるだけ早く成案が得られるように、もちろん求められればアドバイスはいたしますが、ともかくも早く成案が得られるように全力を尽くしていきたいと思います。
○丸谷金保君 その組合長がとってもできないから頼むと言って私は話を聞いたのですよ。ですから、いま長官の言うようなことでは解決しないんです。われわれ決算委員が釧路の水産加工場を見に行くだけでも水産庁は課長さんをよこすんでしょう。七百二十名の漁民が生きるか死ぬか、そういう大事な問題、しかも、それは国の責任もあるのですから、もっとひとつ具体的に情のある最後のお言葉をお願いいたします。
○政府委員(岡安誠君) いや、私、別に課長をやらないとか言うわけではございませんで、課長が行ってまとまるものならば、それはあすにでも派遣いたします。
 問題はそう簡単ではないと思っていますから、それはやはり地元の御要望をお聞きして、地元の方から、この際やはり課長なりだれかが来なければまとまらないというお話ならば、喜んでそれを派遣をいたします。できるだけ早く計画できるように、私どもはできるだけの御援助はしたいというふうに思っております。
○丸谷金保君 鈴木農林大臣が地元で案を持ってこいと言ってからもう何ヵ月たっていると思いますか。よくお考えいただいて、もっと積極的にひとつお願いします。
 時間ですので、これで……。
○黒柳明君 もう時間がおそいものですから、簡単に御質問したいと思います。
 大蔵大臣ね、私きょう取り上げるのは、物価が高いし、円高で、いろいろ困る企業が出てきておりますけれども、せめて庶民の気持ちは、政府が発行するお金、汗水流して一生懸命働けばそれに見合ったお金は当然もう収入として得られるし、まあそれをおのおのの取り分によって最大限の効果あらしめるためにお金を活用しよう、これはもう当然であります、いつの時代でも。
 ところが、どうもその政府が発行する貨幣、これに何かこう問題がありそうだ、こういうことを私、取り上げたいと思いますので、会計検査院の方いらっしゃっているかと思いますけれども、貨幣の中のコインですな、銅を使っているわけでありまして、造幣局が銅を、七社ですか、業者から購入していると。これ、何か昭和二十年代から三十年近くなるんでしょうか。この購入につきまして、何かこう公平な価格の競争が行われているのではないんじゃなかろうか、何かたらい回しに購入――まあ造幣局から言えば購入ですね、これか行われているんじゃなかろうかと。これは会計法から言いましてもちょっと問題があるんじゃなかろうか、こういうふうに私たちは調査して感触を得ているわけでありますが、検査院としましてはこの問題どのように把握していらっしゃるか、まずその点からひとつお聞かせいただきたい。
○説明員(東島駿治君) お答えいたします。
 電気銅の購入につきましては、ただいま先生御指摘のとおり、結果的には輪番制というような事態になっておりまして、公正な競争の原理が働かないという面も、そういう事実はございました。これに対しまして、私どもとしまして、検査上十分配慮をしなかったということに対しては深く反省しております。
○黒柳明君 いろいろ聞くところによりますと、長い問題なんで、検査院としては非常に苦労をしていると、こんなことも私たち伺っております。しかしながら、苦労は苦労としましても、やっぱり法治国家でありますので、法に違反したかしないか、これはこれからの論議でありますけれども、少なくとも検査法上で問題がある、いわゆる価格の公正な競争が行われてない、これに対して御反省なされていると。まあいろんな手も打っていることも私知っておりますけれども、そこで、造幣局。これ要するに昭和二十年代――まあ戦前からやっているかもわかりませんが、そこまでさかのぼってもしょうがありませんからね。戦後、いわゆる二十年代からこう申してもいいんでしょうか。どういうようなことでこれ価格の競争が行われてこなかったのか、この点ひとつ経過を述べていただきたい。
 その前に、時間もおそくなりましたので、いま私、簡潔にと言ったのもまとめてお答え願いたいんですが、ひとつ最近三年間ぐらいの銅の使用量はどのぐらいか、あるいは金額。総計で結構です。毎月毎月じゃなくても結構です。五十年、四十九年、四十八年、どのぐらいか、ここらあたりをお答えいただきまして、それで、どのようにして三十年間もこのようなものが放置されてきたのか、ここらあたりの経緯もかいつまんで御説明いただけますか。
○説明員(藤沢正君) お答え申し上げます。
 造幣局の電気銅の購入量でございますが、過去三年間でまいりますと、昭和四十九年度が数量で二千三百三十六トン、支払った金額は十三億三百六十八万一千円でございます。五十年度は、二千六百三十トン買っておりまして、支払った金額は十億二千五百三十二万円でございます。これから昨年度、五十一年度は二千四百四十一トンでございまして、十一億八百五十二万九千円ということになっております。
 そこで、ただいま先生から御指摘のございました、どうしてこういうふうになったのかといういきさつでございますけれども、まあ話せば長いことなんでございまして、私ども造幣局におきます電気銅の購入方式は、本来指名競争入札というものをたてまえといたしてきたわけでございます。で、毎月産銅七社を指名いたしまして入札を実施するということできたわけでございますけれども、過去におきまして各社が辞退をするということがございまして、入札が不調になった経緯がございます。そこで、私どもといたしましてもやむを得ず随意契約によらざるを得なかったという事情が一つあるわけでございます。
  〔理事大塚喬君退席、委員長着席〕
 そこで私どもといたしましては、過去におきますこのような経緯を踏まえまして、それからまた、先生よく御存じとは思いますが、電気銅そのものが、建て値によります売買が一般的な商慣行となっているという事情がございまして、そういうところから、当局におきまして指名競争入札を行いましても、どうも競争の実を期待することができないというふうに思われましたものですので、私どもといたしましては、昭和五十一年度から随意契約ということにいたしたわけでございます。
 しかしながら、この随意契約方式につきましては、誤解を招くおそれもないわけではございませんので、慎重に検討いたしました結果、私どもとしましては、本年の七月契約分からは指名競争入札ということで競争入札を行いまして現在に至っているという経緯にあるわけでございます。
○黒柳明君 一つ間違っている。それから一つ指摘しなきゃならない点がある。
 一つ間違っているということは、本来要するに指名じゃなくして、二十年随契から四十二年まで、始まって二十二年間随契であったということ。そうでしょう。それから指名に変えたけれども、競争相手がないから随契だと、実質的には。ですから、ずっと実質的には随契ですね。ですから、昭和二十年代から四十二年までは、指名から始まったんじゃなくて随契から始まっているんです。それで、四十二年から五十一年まで、これじゃうまくないというんで指名をやったけれどもだれも応じてこないと、こういう過程。ですから、結果的には、冒頭に申し上げましたようにずうっと随契と、こういう結果になっている。これは間違いないでしょうな。――間違いないですね。
 それからもう一つ、六月の一日、こちらは検査院を通してそちらに御注意申し上げた。こういうやり方はうまくないですよと、そういう御注意申し上げたことを踏まえて、やり方、いま変わっていますね。その二つ、それはもう間違いないでしょうね。――まあちょっと細かい問題になりますからな、余り時間かけてもしょうがない。
○説明員(藤沢正君) ただいま先生の御指摘のございました第一点でございますけれども、私ども指名競争入札をたてまえとしておったわけでございますけれども、結果的には御指摘のとおり随契で今年の七月まで来たわけでございまして、その後、今年の七月から指名競争入札を行ったと、こういう事情でございます。
○黒柳明君 もうあとの一点もそうよ。こちらが六月一日指摘してからそちらが改まったのよ。
○説明員(藤沢正君) 検査院からの正式な御指摘という形じゃございませんで、そのようなことがありますよということは薄々聞いておりましたんでございます。
○黒柳明君 それで改まったんだよ。まあいいや。これ六月一日にとった書類がありますから、その後改まったの。まあいいや、これは細かい問題ですから。結局、いずれにせよこれは商慣習ですな、いまおっしゃったように。いま局長さんおっしゃったように、銅業界の商慣習ですよ。それで、どういうことになるかというと、大蔵大臣。指名にしまして七、八、九とやったわけですよ。それで結果としまして、もうこれは七月の二十九日、一番これ最近で八月もやって九月。七月二十九日に七社が――これはちょっと七社どこでしたっけ。言っていただけますか、七社どこだっけ。
○説明員(藤沢正君) 七社と申しますのは、日本鉱業、三菱金属、住友金属、三井金属、同和鉱業、古河鉱業、日鉄鉱業、以上の七社でございます。
○黒柳明君 その七社が七月二十九日入札したところ、二百五十八トンで七社とも九千四百五十八万二千八百円、七社とも同一価格、こういうことなんですね。それじゃこのときの国内建て値がどうかというと、もうここに建て値、これは出ておりますけれども、これは公正取引委員会からもらってきたんです。もう建て値は日々変動しているんです。一日一日の建て値も変動しています。これはロンドン建て値もあるでしょう。国内の建て値だってこれだけ変動しているんです。にもかかわらず、七社が八百円の数字までばちっと一緒に出てきた。これはもう、いまおっしゃったように、これは商慣習ですからこうせざるを得ないんです。要するにこういう体質なんですね。随契じゃうまくないからと指名にした、指名にしたらもう入札するところがなくなった。そこなんです、問題は。それで、なおかつまた頭下げて、それじゃ随契にしましようと。だけどもやっぱり検査法上問題があるから、また指名に変えたと。もうこの三十年間二転、三転して、苦労みたいなことはしているんです。ですけど、結果的には改まったのは、六月一日こちらが指摘して七月から改まったんです。七、八、九。ですけれども、七月二十九日の入札にしましても、その日の国内建て値よりべらぼうに高いんです、高い。要するに、これは造幣局だけの問題じゃありませんですね。商慣習ですから、銅業界全体のこういうやり方なんです。これはもう明らかにこういうやり方に対して、幾ら指名に応じてこないとはいうものの、仕方がないからまた随契にしたと、またこれじゃうまくないからといってまた指名にしたと、こういう苦労らしいものはしていますけれども、結果的には競争の原理が働いてない、うまくない。現状です、これが。その結果どうなっているかというと、べらぼうに高い買い物をさせられちゃっている。まだ、いまは銅は下がっていますからね。つい二、三年前ならCIPECなんといって銅が八百円にもなったでしょう、一トン。毎月清算ですから、月のある時点で入札しますと、その一ヵ月を平均して銅の価格、入札より高くなっていますから、また払い戻しを受けると、こういうべらぼうないわゆる銅購入のやり方で五円、十円、五十円、百円ですか、つくって今日まで至ってきているんです。こういうことですね。ですから、これは問題はもう独禁法の問題になるわけでありまして、これは商慣習ということですから、公取の方、来ていらっしゃいますか。公取、いまここで初めてお知りになったのか、いままでこういう問題察知していたのか。問題提起いたしますけれども、これに対していまのやりとりの中でどのようにお感じになるか。私はやっぱりこれは独禁法に大いに問題があると、こういうふうに思わざるを得ない。願わくは問題提起した今日からでも、この問題についてやっぱり調べをしていただかなければならない問題じゃなかろうかと、独禁法上の問題、違反の疑いが私は強くあるんじゃなかろうかと、こう思います。いかがでしょう。
○政府委員(橋口收君) 具体的なケースについてのお尋ねでございまして、これは調査をいたしてみませんと何とも正確には申し上げにくいのでございますし、また事実関係あるいは法令の適用につきまして、この席で意見を申し上げることは法律の規定によって申し上げにくいということになっております。ただ、仮にある特定の官庁が物資を購入いたします場合にいまおっしゃいますような状態があるとすれば果たして独禁法上問題があるかと、こういうお尋ねとしてお答えをいたしたいと思います。
 独禁法の問題ということになりますと、業者が相談をいたしまして価格を協定するとか、あるいは数量を協定するとか、そういう事実があって、それによって一定の取引分野の競争が実質的に制限されるという場合には独禁法上の問題になり得るわけでございます。したかいまして、いま仮に造幣局という具体的な官庁の名前が出ておりますが、そこに納めます銅地金が全体の取引の量に占める割合とか、あるいはそこで決定された価格の他への影響とか、もろもろの条件を総合して勘案する必要があるわけでございまして、ただ特定の官庁に対しまして数名以上の、複数の業者が談合して物資を納入をしたというだけで直ちに独禁洋上の問題になり得るかどうかは問題があると思います。ただ、いま先生からお話がございましたが、調査もいたしておりませんし、十分な資料を持ち合わせておりませんから、いまここで正確なことは申し上げにくいと思いますが、せっかくのお示しでございますから造幣局とも打ち合わせをいたしまして、何らかの方法で多少の調査はいたしてみたいと思います。
○黒柳明君 造幣局だけじゃないということ、これはもう御存じだと思うんですが、銅業界の商慣習になっています、これは。だから、一定地域、要するに、造幣局だけの問題じゃなくして、どこへ行ってもこれは商慣習としてこういう問題が行われていて、これによってやっぱり銅の価格というものが調整されていると、これはもう間違いないんです。だから、造幣局のいまの答弁の中に、これは銅業界の商慣習ですからと、こういうことです。ですから、むしろ百歩譲って言っても、われわれ造幣局だけ、お前たちが悪いんだと。いまここはやっぱり政府機関ですからね、これは造幣局相手にやらざるを得ませんですな。民間七社がいるわけじゃありませんから、対象が造幣局ですから。それで私そういうやりとりをしておりますけれど、これはもう造幣局の方としても答弁の方に出ておりますように、これはもう商慣習であると、こういうふうにやむを得ないんだと、ある面ではだからこれはもうどうしようかなと。だから、随契、指名、随契、指名とやっているわけでしょう。そういう苦労もしていることはわかるわけです。ですから、少なくともいまのこの指摘したもの、これは造幣局だけじゃないということは、造幣局の方の答弁に出ているということ、この事実をひとつ踏まえてください。
 それからもう一つ。これは公取の立場がありますからですけれども、問題提起したことについて、非常に多少とか、せっかくのとか、何かこう非常に奥歯に物のはさまったようなものでありますけれども、会計検査院の方も明瞭ですし、造幣局の方もむしろ明瞭ですし、公取の方もひとつ明瞭に御答弁いただけますか。むしろ私は公取の方こそ、こんな問題提起するよりも、三十年の聞こういうものがまかり通っていたことについて、査察部なり、あるいはそれぞれの部局でいろんな調査しているんですから、調査しなきゃならない問題でもあったんじゃないんでしょうか、むしろいままで。そういう苦労してやっているんですからね、検査院の方でも、造幣局の方でも。むしろ公取の方が先行して、この問題について最終的結論を出すなんという問題じゃなくしても、資料収集ぐらいはやっておくのがいままでの公取のしかるべき姿勢ではなかったんじゃないですか。そんなことも含めまして、どうです。
○政府委員(橋口收君) 造幣局に対する納入行為を中心にしてのお尋ねでございましたので、そういうお答えをしたわけでございますが、一般的に産銅業界の慣習等につきまして十分承知をいたしておりませんから、お話でもございますから、基礎的な調査なり、あるいは予備調査をいたしてみたいと思いますが、ただ、先ほども申し上げましたように、銅全体についての問題ということになりますと、一定の取引分野の競争が実質的に制限されるということであればこれは当然独禁法の違反の問題として取り上げる必要があるわけでございますが、特定の官庁につきまして一時的にある程度の話し合いが行われましたとしましても、それは直ちに独禁法上の問題にはなりにくいということを申し上げておるわけでございまして、いま重ねてのお尋ねがございましたように、産銅業界全般についての問題ということであれば、これは基礎的な、あるいは予備的な調査をしなければならない、こういうふうに考えております。
○黒柳明君 もう一回、それじゃ。もう同じこと、三回目になりますから、もう答弁は必要ないです。
 商慣習として、造幣局の方でももういたし方がないと認知しちゃっている事実なんです。だからいまの答弁、議事録それじゃとってもらいましょうか、すぐ。商慣習である、造幣局の方で言っていますね。ただ、ここでは造幣局、政府機関だからやっているだけのものであって、造幣局自体がもう銅業界の商慣習なんだと、こういま答弁の中にあった。それはお聞きいただいていると思いますよ。お聞きにならなかったですか。もう商慣習なんです、これが。よろしゅうございますか。
○政府委員(橋口收君) その、いま造幣局のお答えの商慣習というのは私はよく把握できなかったのでございますが、つまり、価格について常にカルテルを結成して、価格なりあるいは入札の順番というものを協定していると、それが商慣習ということであれば、これは法律の規定から申しまして当然独禁法上問題になるということであると思いますが、しかし、造幣局の御答弁でその商慣習と言われましたのは、まあ最初に随契やって、それから指名競争入札になってまた随契になるというような、そういうことが一種の商慣習として造幣局とその銅の業界との間に行われているということであれば、それは直ちに独禁法上の問題にはなりにくいと、こういうことでございます。
○黒柳明君 だからそれは造幣局の、あるいは検査院の方としてもうまくないということで、知恵をしぼってぎりぎりの線なんです、これは。知恵を使ってのぎりぎりの線。もうやりようがないんです、事実は。事実は法を曲げるわけにもいかない、そうかといって、これを打開するすべもない、いたし方ないという、最後の緊急避難の手段がいまの手段なんですよ。だからむしろそう言うと私は公取、怠慢だと思うんです、公取の姿勢が。なぜ、こういう三十年間もかかっての問題について何にも調べられないのかと。ほかの問題はどんどんどんどん調べて、それはもう全然わからないで、指摘されて調べる問題もあるでしょう。だけども検査院としても二転三転してるんですよ、その間。だけれども、どうしようもない、いま言ったように。そうすると、公取の方はこの問題、なぜそういうものについてつかんでそれを調べるという行動がいままでなかったのかと、こういうことになるんじゃないですか。どうですか、そういう怠慢な姿勢は、委員長。
○政府委員(橋口收君) 検査院の方からの御注意というものを、私の方は実は伺っておらなかったわけでございまして、まあ一般的に申しまして、産銅業界の商慣習等についての勉強が不十分であると、こういうおしかりでございますが、そういう点につきましてはさらによく勉強いたしてみたいと思いますが、ただ同じことを申し上げて恐縮なんでございますが、仮にまあ産銅業界にそういう協定があるとすれば、それは調査をしなければならないということを申し上げておるわけでございます。
○黒柳明君 検査院の指摘、聞いてなかったってそれ自体怠慢じゃないか。何も一々検査院が公取に、こういう問題がありますなんてことを言うなんて必要ないじゃない、こんなのは。公取はそれに先行して、公平な価格の競争が行われるか調べる義務があるじゃない、こんなのは。あるでしょう。調べないって怠慢じゃないか、三十年間。しかも、表面にあらわれてるのだって、造幣局だって二転三転して知恵を使ってるじゃないか、そうでしょう。怠慢じゃないか、公取は。何言ってるんだ。あんたの方が一番怠慢なんだよ、言うならば。検査院の方は、これはうまくない、反省しますと。造幣局の方って、これはどうしようもないんですと、もう聞いてるんです、話を。どうしようもないんですよ、これはもう。そうでしょう、銅を講入しなきゃならないもの。七社が、がんとして聞かないんだから。公取の方がそういう問題を三十年間、表面にもあらわれてるんじゃないですか。公取の方がなぜそうなんだ。検査院から聞いてないから、われわれも知らなかって怠慢だった、それ自体が政府の、本当に競争の価格を維持する公取として、委員長として怠慢じゃないか。どう、そういう反省してますか。どうですか。
○政府委員(橋口收君) まあ同じことを申し上げて恐縮なんでございますか、問題は二つあるわけでございまして、つまり、造幣局の関係につきまして果たして競争の制限的な行為があったかどうかということにつきましてはいまお答えをしにくいということを申し上げておるわけでございまして、仮に産銅業界全般につきまして先生のおっしゃるようなことが、仮に産銅業界の業者が集まって価格とかあるいは生産数量等について協定をして、で、そういうような行為をやっておれば、これは当然独禁法上の問題になるということで、あるいは調査が不十分であるというおしかりにつきましては、これはおしかりを受けるわけでございますか、しかし、それにつきましてはこれから基礎的な、予備的な調査をしたいということを申し上げておるわけでありまして、問題は二つあるわけであります。その点は御理解いただきたいと思います。
○黒柳明君 そんなことはもう理解してますよ。理解する前にさんざんもう話し合って詰めてあるんですから、ここであなたに理解しろなんて言われる必要ないぐらい理解してるんです。こちらから問題提起してるんじゃないですか。こちらから問題提起して、いろんな問題詰めてここまで来てるんですから、いまここで私はやぶから棒に問題提起してるんじゃないんですから。この問題やるからには、もうさんざん公取とも会計――造幣局とも詰めてるんですから。春から詰めてるんですよ、六月から。だから、何もここであなたに理解していただくような私はどぼけてません。もう十二分に理解して、こちらからむしろそちらの方に対してこういう問題があるよと提起してるんじゃないか。それについて謙虚にありがとうございましたと――聞いてなさい。おい、聞いてなさい。人の話してるときは聞くもの、礼儀、それが。わかる。――こういう指摘をされたらね、そらもう謙虚に、要するにありがとうございましたと、調べますと、これでいいじゃないの、そんな。後のことはもうつけ足しで、局長だって会計検査院だってちゃんと認めてるんじゃないですか、そんなことは。ひとつ問題がありますんでね。じゃ、ひとつお調べいただくということでありまして、これは非常にむずかしいです、問題は。むずかしいです。私も簡単ではないと思います。だから三十年間もその筋では苦労してきたんですから。公取だけがむしろ苦労してない。ここでえばっちゃって、おれたちは関係ないなんてことやってるんでしょう。まあそんなことないと思いますけどね。これから公取、苦労してくださいよ、いままで造幣局と会計検査院は苦労してきたんだから。それでこういう結果っきゃ出ないんだ、しょうがないんですから。これはしようがないというわけにいかないでしょう、やっぱり。今度は公取はひとつ調べて、それでその背景というもの、どういう仕組みになってるかということをはっきりしてもらって、それに対して、やっぱり違反なら違反としまして、きちっと手を打っていただくと、こういう努力もしていただきたい。まあこれはいいです。
 大蔵大臣、こういうことなんです。ひとつまあ、公取怠慢だなんて失礼なこと申しましたけど、公取も一生懸命やってきたんじゃないかと思いますけれどもね。三者あわせて一生懸命やってきたのがこういう結果なんですよ。どうしようもないですよ。幾ら検査法違反だ、競争の価格、正常な競争が行われてないったって、七社がそろって、指名はいやだ、こう言うんでしょう。順番じゃなきゃいやだ、こう言うんでしょう。どこかから買わなかったらコインはできないわけでしょう。どうするかと、こういうところ。だけどやっぱり法治国家ですから、独禁法上違反なら違反と、こうしてもらうよりほかないんですけれどもね。そういう問題を三十年近くも抱えてきちゃってるわけですよ、大蔵大臣。まさか庶民がこんなこと知りませんわな。いま言いましたように、これ、早い例、簡単な例ですよ、最近。最近銅の価格が下がってますから。だけどこれ、三年、四年までね、こういう建て値とそのときの入札の、しかも一ヵ月間こう平均して、一ヵ月後どれだけまたリベートが来たかっていったら、これ、莫大な金額になるはずです、もうけになるはずですよ。そういうものが、貨幣の一部であるコインにこういう不明瞭なことが行われてきたと、公平な価格の競争が行われてきてなかったと、これが庶民の手元に来て、それが汗水流して働いた者に使われると、こうなるとやっぱりうまくないんじゃないでしょうかな、大蔵大臣。ひとつ、大蔵大臣まで、ここまでお耳に達していたかどうかわかりませんですけれどもね。いまの公取の方も、まあいやいやながらみたいに、調べましょうと、こうおっしゃってましたんで、これはやっぱりその所管の一番の責任者である大臣が、この事実をやっぱり厳しく見ていただいて、早急にやっぱり対処していただかなきゃならないと、こういうふうに思います。いかがですか。
○国務大臣(坊秀男君) 御指摘の点は非常に重大なる問題だということを考えます。いやしくも造幣局に課せられた仕事を達成していくためにどうしても必要な原材料を国民のために購入するということは、公正に、安定的に、継続的に行っていかなければならないということでございますが、その中にもやっぱり公正でなければならぬということは私も痛感いたします。で、御指摘の点、非常にむずかしい問題であってどうにもしようがないとまでおっしゃる問題でございますので、十分これから勉強をしてまいりたいと、かように考えます。
○黒柳明君 勉強も結構ですけれども、三十年間もこういうものが、要するに当事者だけの苦労だけで放置されていたということもやっぱりうまくないと思いますよ。しかも、非常にやっぱり法的に疑義がある問題がそのままに放置されてきたということもうまくないんで、これから勉強ということもこれはちょっと私としては納得できないわけです。最終的にはやっぱり、独禁法上これがどういうことかということが最終的な問題だとは思います。それに対して公取委員長が調べると、こういうことですから、これは了とせざるを得ないわけでありますけれども、これから勉強という立場でもなかろうと、こう思いますから、ひとつ、繰り返して失礼でございますけれども、みずから発行する。しかも、これはあれでしょう、銅がどのぐらい入っているか、アルミがどのぐらいか、厳重な何とか式なんというのをやるわけでしょう、大蔵大臣か出席して。これが銅のこの取引価格が不明瞭なものがもしあったとすれば、しかもはっきりしているのは、競争が公平に行われていないということになると、これはやっぱり分量がどうなっているかなんという儀式をやってそれで済ませる問題じゃないと、こう思いますですね。ひとつ、庶民が使う、冒頭申しましたように、汗水流して働いて得たお金ですから、そのお金をつくるに当たって、何か不明瞭なものがある、七社が順番に要するに納入すると、これはうまくない。あくまでも法に照らして厳重にやっぱり違反なものは違反と。それじゃその次はどうするか、これはやっぱり知恵を行政府としてしぼっていただくほかないんじゃないですか。それを、やりようがないからまあまあ、まあまあと、これじゃうまくないんじゃないですか、その点です、問題。済みませんね、最後に。
○国務大臣(坊秀男君) 勉強すると申し上げましたのは、大変むずかしい問題ではあるけれども片をつけなければならないと、こういうことで私はこの問題については真剣に勉強をしてまいりたいと、こういう趣旨でございます。
○黒柳明君 それなら結構です。
○委員長(茜ケ久保重光君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
○委員長(茜ケ久保重光君) 速記始めて。
○上田耕一郎君 局長にお伺いします。
 朝日新聞十月三十日の記事によりますと、室町産業からどういうふうに使うかという青写真が建設省に提出されているという記事がありますが、提出されておりますか。
○政府委員(栂野康行君) 提出されておりません。
○上田耕一郎君 今後提出される場合、この利用計画というのは非常に重大な問題なので、本委員会に提出するということをお約束いただけますか。
○政府委員(栂野康行君) 長岡市長からも提出されると思います。したがいまして、その場合に提出いたしたいと思います。
○上田耕一郎君 官房長官にお伺いいたします。
 この問題、もう御存じと思いますけれども、非常に大きな問題になっておりますし、たとえば新聞の社説でも、朝日は、政治史の一つの汚点として記録されると、今回の廃川敷処分ですね。そう書き、「「不明朗」の一語に尽きる」と、そう指摘しています。また読売新聞の夕刊の論評は、この問題非常に建設省を批判して、「忘れっぽい国民大衆も、全身に糞(ふん)尿を浴びせられたら怒る。」という言葉で結んでいます。今度の建設省の廃川敷処分というのは、国民大衆にふん尿を浴びせたものという非常に厳しい指摘まで行われているわけです。
 それで、私は今度の問題というのは、先ほども強調しましたが、日本の国の政治のやっぱり清潔さの基本が問われているという問題だと思いますし、それから国民の政治に対する信頼ですね、これの一番基本にかかわる重大問題だと思いますので、そういう点よく御認識いただいていると思いますが、厳正な答弁をお願いしたいと思います。
 まず、政府の信濃川河川敷問題に対する基本態度は、三木内閣以来変化がないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(園田直君) 変化はございません。
○上田耕一郎君 そうすると、官房長官よく御存じのように、たとえば、昭和五十年六月六日、当参議院決算委員会で三木首相は、建設大臣限りでなしに、私との協議を建設大臣に指示すると、そう述べられました。また、五十年十月十七日、参議院の議運委員会で、私自身が、建設大臣として私に報告して最終的に了承を得なければ処置してはいけないということになっていると、そう述べておりますが、この方針にも変わりありませんか。
○国務大臣(園田直君) 前の総理大臣が建設省にそういう指示をされたかどうかはわかりませんけれども、方針は変わりませんが、環境が変わってきたというので報告を受けております。
○上田耕一郎君 方針は変わりはないが環境が変わってきたと。環境の変化にもかかわらず貫くところに変わりない方針としての意義があると、そう思います。ところが、先ほどのこの審議の中で、建設大臣は、福田首相に報告もしてない、協議もしてない、建設大臣として専決処分したと、そう言います。そうしますと、官房長官のいまのお話とまるっきり矛盾していると思いますが、この点どう処置されますか。
○国務大臣(園田直君) 総理、官房長官が建設大臣から報告を受けたのは、昨日の閣議終了後報告を受けました。そこで、その報告によると、地元、市の決議並びに地元の町会の要望等で、なるべく早く廃川処分をしてくれと、これを公共に利用するようにしてくれということであるし、なお、建設省内のこれに対する態度は、その後いろいろ調査した結果そういう不正なことはなかったと、こういうことであるから専決処分をしたと、こういう報告でありました。
○上田耕一郎君 しかし、告示並びに公示は十一月一日付の官報です。そうすると、建設大臣は首相との協議、了承なしに専決処分として告示、公示を行ったということになります。そうすると、これまでの三木内閣の国会での約束、これは国民に対する約束でもある。それを引き継いだという福田内閣の方針と明らかに違いがあるじゃありませんか。
○国務大臣(園田直君) 建設大臣から報告を受けたところによりますと、すでに一日のあれで処分をしたと、この土地は長岡市民全体の利益のために利用するものであり、そのうち半分は長岡市が公共用地として取得し、残りの半分は、長岡市の同意のもとに公益性の強いものに利用すると、こうなっていると。なお、長岡市が同意する際には事前に建設省に協議することとなっていると、したがって、今回建設省のとった措置はこれを了承してもらいたいと、こういう話でございました。
○上田耕一郎君 いや、私の質問にはっきり答えてください。三木首相は、首相の了承なしには処分しないと、自分との協議で決めると言った。福田内閣も、あなたの先ほどの答弁によるとその方針を引き継いでいると言ったと。そうすると、首相の指示なしに、協議なしに、了解なしに建設大臣がやってしまったわけですから、これは違反しているじゃありませんか。その点どうですか。
○国務大臣(園田直君) 建設大臣は、総理に報告すれば環境の変化によって総理は了承すると判断をして専行を行ったものでありますから、これを総理も私も専決処分後の報告をそのまま受け取ったわけであります。
○上田耕一郎君 そこがまるっきり違うんですよ。建設大臣がやった今度のことは、やった後で事後報告をして事実を首相に押しつけたわけですよ。いままでの国会での約束は、首相との了承なしには行わないという指示をしたということなんですから、この点明らかに矛盾があるじゃないですか、違うんじゃありませんか。国会における厳正な首相の約束を破られたと、そういう結果がここに起きているようなことに対して、どういう責任をりますか。
○国務大臣(園田直君) 国会で前総理が発言されたことは、申し送りにはございませんが、当然これは内閣の継承権によってその保証が出てくるわけでありますけれども、状況の変化によって建設大臣がこれを処置し、その後報告して、地元の環境が変わり、長岡市の要望ということであればそれでよろしいと、こういうふうに判断したわけであります。
○上田耕一郎君 それでは、福田首相は、この問題は環境が変わったら、国会との約束と違って建設大臣が専決処分をして事後報告すればよいと、
 そういう指示をしたんですか。
○国務大臣(園田直君) それはございません。
○上田耕一郎君 そうしますと、これ非常に重大問題ですよね。そういう指示もしていないと、していないんだが、建設大臣は勝手に首相との協議も了承もなしに専決処分を行ってしまったと。この専決処分は、国会の意思とも違うし、国会における首相の公的な約束とも違うわけですから、そういうことを事後の報告でとどめるというのは、これまでの三木首相の国会に対する約束と明らかに反していると、そういうことになると思います。
 この点で、私はこういう経過か起きた政治責任の問題について、並びにその経過、国会における約束に反したことの責任問題について、やっぱり福田首相の出席をここに求めて、参議院決算委員会として審議する必要があると思います。私は、この問題について福田首相出席のもとに、改めて、かつてこの決算委員会で取り上げ、建設大臣にも申し入れた委員会として、この問題の集中審議をぜひ行いたいと思います。委員長にその点の理事会での協議をお願いしたいと思いますが。
○委員長(茜ケ久保重光君) ただいまの件、理事会で相談します。
○上田耕一郎君 それからさらに、事後了承したと官房長官申されますが、先ほどのこの委員会での審議、私の質問などで明らかになったことは、建設大臣の環境の変化、長岡市における市民並びに市議会での同意等々の報告は事実に反しているということが明らかになってきました。すべての論拠は私は崩れたと、そう思います。
 まず第一に、長岡市長は各派協議会で了承を得たというふうに言っておりますが、共産党は了承しておりません。恐らく社会党も、公明党も、長岡の市議会は了承していない。報告を聞いて、重大問題だから持ち帰って検討するというのであります。共産党の市議団長はこの問題で抗議をしております。
 二番目に、すべての疑惑は晴れたと、そういうことを言いましたけれども、疑惑は晴れておりません。田中内閣、田中元首相の地位利用の問題についても、あるいは詐欺に等しい農民からの六十三ヘクタールの土地の買い占めの問題についても、建設大臣はそういう問題は知らないと。わずかに疑惑が晴れたと称するのは、建設省としての霞堤の連続堤への切りかえ問題、これについて重大な疑惑が提起されていたのに対して疑惑が晴れたと考えますと、非常にごく一部の問題でしかありません。ですから、疑惑は全く晴れていないということが二番目の問題であります。
 三番目に、この問題を取り上げた予算小委員会、これはもうけりがついたと考えると、すでに予算小委員会は解散しているからと言うんですけれども、予算小委員会は何らの報告も結論も出しておりませんし、予算委員会に対して報告も出ておりません。この点では坪川予算委員長に了承を得たと言いますけれども、現田中正巳委員長は何ら報告を受けてないと。それで予算委員会の理事会で調査と検討を約束しております。その意味では、予算小委員会のけりがついたし、了承を求めたということも、これも全く崩れております。
 それから、国民の納得のいく措置だと考えると申しましたけれども、きょうの審議でも明らかになったように、各党から大きな疑問が出されましたが、七十三ヘクタールのうち三十五ヘクタール、田中ファミリーの室町産業に渡されると、これでは疑惑が晴れるどころか、疑惑はますます深まっており、各新聞の社説も世論もこの問題で大きく怒っているのであります。ですから、論拠は全く崩れているわけで、そうすると、勝手にそういうことをやっておいて、報告をしてそれで了承するという点で内閣の責任が果たせるとあなたはお思いですか。建設省の報告と事態が全く違ったことの事実が明らかになった際、内閣はどういう措置をおとりになるつもりですか。
○国務大臣(園田直君) 地元の長岡市長からは、五十二年九月二十九日に信濃川河川敷の廃川敷処分について陳情があり、これについては「信濃川河川敷用地の利用計画及び譲渡に関する覚書」を添えてきておりますので、建設省としては、地元が多数の支持によって出てきたものと判断をしておったわけで、これは調査をいたします。
○上田耕一郎君 ですから、私、その問題をいまも指摘したわけです。もう繰り返しませんけれども、各派協議会で了承したというのも事実に反しますし、どの党も了承してないんです、自民党は知りませんけれども。それから町内会長の会議でも、町内会長有志六名が、圧倒的多数で了承したというその市のやり方に対して抗議文を出し、総理大臣並びに衆参両院議長、建設大臣、各政党にその問題で意見書を送ってきているという事実があるんです。ですから、私は先ほど二人の証人の申請をいたしましたけれども、ここでもう一人、その町内会の席上みずから発言して、取り上げてほしいと言ったのに発言を抑えられた加藤栄二氏、この人の証人喚問をも要望したいと思います。
○委員長(茜ケ久保重光君) その件は追加ですね。
○上田耕一郎君 要望したいと思います。もう一人追加です。
○委員長(茜ケ久保重光君) 同時に相談します。
○政府委員(栂野康行君) 先ほど上田先生が、各派協議会で了承してないということでございます。私、長岡市長にまあ確かめた次第でございますけれども、共産党の先生は発言がなかったということでございます。それから、各派協議会の後に、三十九人の市会議員の先生方にこの覚書、陳情書を送付しましたところ、どなたもいまのところ異議といいますか、反対の申し入れがなかったということでございます。それから、先ほどの町内会長会議におきます圧倒的と申し上げたのは、いわゆる市長さんから聞いてみますと、三百九十人出席したと。そのうち、いま初めて知ったわけでございますけれども、上田先生は六人の反対というふうに……
○上田耕一郎君 いや、そうじゃない。六人から意見が出ていると。
○政府委員(栂野康行君) ということでございます。
○上田耕一郎君 ですから、ここでやっぱり証人を呼んで審議する必要があるんです。共産党の市議団は、文書で市長に対してこれ抗議文出しているんですから。ですから、もう一人追加したいと思います、結城熊太郎共産党長岡市議団長。結城熊太郎、先ほどの加藤栄二氏、この二人の証人の追加申請をしたいと思います。
○委員長(茜ケ久保重光君) はい。検討いたします。
○上田耕一郎君 次に問題は、もう時間がありませんので最後の問題を取り上げたいんですが、この処理の問題ですね、官房長官。
 やはり、三木首相がこれは国民の納得のいく措置をとる必要があるということを述べておりまして、たとえば、昭和五十年十月三十日の参議院予算委員会の答弁では、国民の納得というのは、つまり、室町産業に暴利を得させないということ。土地を原価プラス費用ぐらいで売り渡させるということ、二番目ね。それから三番目に、土地利用は公共優先という立場でやると、この三つのことを述べておられます。で、この原則に照らして今度の処理は非常に問題があると。つまり三十五ヘクタール室町産業に渡ってしまうわけですね、廃川敷処分によって、農民にいったものが停止条件つきの契約書で渡ってしまうと。ところが、この三十五ヘクタールというのは、時価で計算いたしましても、先ほど申し述べましたけれども、ほぼ百億円以上になるのではないかと。宅地の造成費をもし込めますと、百十億円から百六十億円ぐらいになりそうで、造成費を引きますともう少し減るかもしれませんけれども、使った金は半分ですから、われわれ一億四千万円使ったと田中さんの話があり、半分として七千万円でしょう。七千万円で買い占めた土地か百億円前後の価値にはね上がったわけですから、これは非常な暴利だと思うんですね。この暴利が田中ファミリーの室町産業に渡るというところに、この最大の問題点を国民も世論も国会も考えているわけです。その点、政府としてこの三木首相の答弁どおりどういう措置をとるつもりか、新しい検討を行う用意がないのか、この点お伺いしたいと思います。
○国務大臣(園田直君) 御承知のとおり、半分は原価で市に渡し、後の半分は市と協議し、建設省もこれに意見を加えて公共用に使うということで、室町産業が暴利をむさぼるようなことはさせないと、こういう建設省の意見でありますから、その報告を了承しておるわけであります。しかし、いまあなたが言われたように、私も新聞の社説に取り上げられたことも聞いております。今後、私の方でもよく建設省にも現地へも調査をして、これに対する対応の処置を講じなきゃならぬと考えております。
○委員長(茜ケ久保重光君) 時間ですが……。
○上田耕一郎君 もう一つ、なかなか積極的に検討――いいですか、あと一、二問です。検討されようとされているので、いま社説のことを言われました。朝日は、土地のすべてを第三者の公正な判断に任せる道を選べ。読売は、一切を長岡市に譲渡することを真剣に検討しろ。もう一つ一紙は、半分でなく、全部損にならない価格で市か県に譲渡してはどうか。やはりほとんど世論は一致していますよ。問題の室町産業に渡させて百億円前後の土地財産が彼らのものになるのではなくて、私は次善の策だと思いますが、農民に戻すのが一番いいんですから。しかし、裁判の結果、これに従って農民に戻すという措置をとることを前提にした上で、次善の策として、全部やっぱり公共用地にすると。国あるいは自治体、県、市ですね、こういう方向を本気でやっぱり検討していただきたいと思う。いまの官房長官の答弁はその方向への積極的姿勢を、その問題を本気で検討してみようというお考えと受け取ってよろしいでしょうか。
○国務大臣(園田直君) いまの御意見も参考にして検討いたします。
○野末陳平君 お米が豊作だそうで、またお米の消費を伸ばそうとか、いろいろ話題が、引き続きお米の話題か出ておりますけれども、まず、食糧庁に伺いますが、日本人はいま自主流通米とそれから管理米の方、どちらを多く食べるようになっておりますか。その辺からまずお答えをお願いいたします。
○政府委員(大河原太一郎君) 消費者の購入いたします精米、これの構成といたしましては、約三〇%は自主流通米、残りの分が政府の売却玄米を原料といたします上米であり、あるいは標準価格米ということに相なっております。
○野末陳平君 そうしますと、複雑にならないように、自主流通米の方にしぼってこれからお伺いしていこうと思うんです。
 で、お米屋さんというか米を売っているところは、最近スーパーなどもずいぶんふえましたから、みんな登録だと思うんですけれども、かなり数もありますんで、どうなんでしょうか。たとえば人口か急増している地域は、お米屋さんかないんで多分スーパーが扱っている。そういう場合のスーパーもみんなきちっと届けを出して米を売っているということになりますか。
○政府委員(大河原太一郎君) 御案内のとおり、現在登録の小売業者は六万二千でございます。これは食管法に基づきます配給業者の登録制度ということに相なっておるわけでございます。
○野末陳平君 そこで、私がお米の値段とそれから袋の表示と中身の関係などについていろいろ調べた、その対象にしたお店が十軒ぐらいあるわけで、そのうちの一部を、つまり看板を、登録店の目印を表に出していないところをそちらに照会しましたけれども、それらの店は登録業者なんですか、それともまだ未登録の、どちらでしたか。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。
 私ども食糧庁の方に先生の方から御提出がありましたのは、たしか神奈川県の現に米を販売しているという業者であると思いますが、そのうち、なお確認できないものもございますが、三店――四店たしか御指摘を受けたようですが、三店か無登録の業者であったというふうに承知しております。
○野末陳平君 そうすると、その無登録は、いわば悪い言葉で言えばもぐりの業者で、そういう場合にはそちらではすぐにいろんな手を打つんですか。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。
 米の需給が非常に窮屈な時代におきましては、これは公正な消費者への配給ということから、かなりのきつい取り締まりをしておったことは事実でございますが、最近におきましては需給が大幅に緩和しておりますので、大量かつ継続的な悪質な業者というものを中心にしてわれわれとしてはこれを取り締まり指導しておるわけでございます。その場合におきましては、口頭による警告とか、これは都道府県知事にお願いをしておるわけでございますが、それで食糧事務所かこれを応援するというような、よけいなことでございますが体制をとっておりますが、その場合には文書の警告とか、口頭警告とか、あるいはさらに一段と強い取り締まりをするというようなことで行っておるのがたてまえでございます。
○野末陳平君 さて、別にもぐり業者を取り締まれとか、そういうことでいま質問しているわけじゃありませんで、いわゆる未登録の業者、それから登録をしてある業者も含めまして、現在どういう米の売り方をされているかという点なんです。ぼくが対象にしたのは主にスーパーとデパートですから、ごく一部です。
 そこで、大体九月ごろから十月にかけて、新米とかあるいは新米入りというレッテルとか、あるいはデパートなどでは新米コーナーとか、そういう売り方をしておりまして、これはもう見なれた風景ですから別に診しくもないんですけれども、この時期にまた米が値上がりをするわけですね。そんなことで、まずこの新米というキャッチフレーズで米を売るというのはこれは当然いいわけですね。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。
 現在のわれわれの配給米についての表示等の指導につきましては、一言で申し上げますと、小袋詰めの精米を基準といたしまして、これについての品質表示の指導を定めております。これについては、必要的な記載事項――容量とか価格とかあるいは搗精工場とか搗精年月日というような必要的な記載事項なり、あるいは任意的な記載事項、その条件か担保されるということが確実な場合においては、あらかじめ届けさせまして、その県とか産地とかあるいは品種とかあるいはその生産を表示することを認めておるというわけでございますが、単なる新米というようなものは、消費者の品質選択を誤認させるということで、これはできるだけ避けるような指導を行っております。
○野末陳平君 そうすると、新米という売り方は指導はしてないわけですね、つまり消費者の誤認を導くから。
 そこで、じゃ聞きますが、いまこの持っているのはたとえば一つの袋ですけれども、「新米五〇%入り」と書いてあるわけね、ここに。で、この「新米五〇%入り」というんで、果たして新米かどうかと、なぜこれを調べる気になったかというと、新米がまだ出荷されてないのにもうこういうのが店頭に並んでいるんですね、まあ例年。で、ことしも並んでいたんで、この「新米五〇%入り」を買いまして、それで農林省で紹介してもらった日本穀物検定協会というところですか、そこへ持っていって調べてもらったわけですね。もちろんこれだけじゃありませんよ。そうして調べてもらったら、新米じゃないんですよね。つまり、新米じゃないという答えか出てきたんですね。それが新米でなかった例が半分ぐらいあるんですが、こういう売り方というのはどうなんでしょう。まず表示はそういう指導はしてないと。しかし、今度は表示してある、で、中身を調べてもらったら新米じゃないと、これはどういうことなんですか。
○政府委員(大河原太一郎君) 先生御指摘の点はいろいろあるかと思います。と申しますのは、われわれといたしましては、登録小売店の表示につきましては、先ほども申し上げましたように、産地の県名なりあるいは品種なりあるいは年産を明確に表示をするということで、あいまいな新米等の表示等は行っておらないわけでございます。したがいまして、その先生が御購入なすった米屋が登録店なのかあるいは無登録店なのかあるいはいかなるかを、実情等をまたお伺いしなければならないわけでございますが、われわれとしてはその表示につきましては、その原料玄米の受け払いがはっきり台帳等に明確になっているとか、あるいは第三者の、先生いまお話しの検定協会等の検定を受けておるとかというようなことで、品質と表示が的確に一致するような条件でその表示を行わしめておるわけでございます。
○野末陳平君 ですから、食糧庁はそういう方針でしょうけれども、買う消費者の方から言うと、新米とかあるいは「新米五〇%入り」とかって麗々しく売っているにもかかわらず、中身がそうじゃないというのはわかりませんからね。ぼくらも全然わからなかったわけで、検定協会に調べてもらってわかったということで、こういう売り方はどうも不愉快だなと、こう思うんですね。
○政府委員(大河原太一郎君) おっしゃるとおりでございまして、この点で、繰り返すようでございますが、登録小売店については品質と表示とが一致するような指導はもちろんございますが、それを担保するような措置によって行わしておるわけでございまして、その点で品質と表示の一致しないような点についてのわれわれの業務指導その他については、なお的確に行うべきものというふうに考えております。
○野末陳平君 そこで、新米ばかりにこだわるんじゃないんですね。普通どこでもササニシキがあるとかコシヒカリがあると、こうなっているわけですよ。いわばこれが一番いい米の代表のようになっているわけですね。で、買いに行ったわけですよ。いま見せたのは、これは宮城産ササニシキですよ、明らかにね。「宮城産ササニシキ」と書いてある。それから今度は、ササニシキと言ったら「ニシキ米」と書いてあるこの袋をくれて、これをササニシキって売っているわけですが、これをまた調べてもらったわけですよ。というのは、この間NHKのテレビを見ていましたら、宮城県の出荷の状況ですね。そうしたら生産者の方が、東京で食べるササニシキは違うというわけですよ。テレビでやっているんですよ。うまくないと、こうやっているのを見ましたんで、ぼくらは素人でわからないから、ササニシキと、あるいはコシヒカリと業者に言われれば、そのとおりだと思って食べているわけで、うまいまずいは全然わからないわけですね。それでテレビを見て、じゃあというんで、このまた検定協会に中身を持っていって調べてもらった。そしたら今度は、さっきのように断定はしてくれなかったんですよ。ササニシキじゃないと、じゃどういう銘柄の米かというと、これについてははっきりは言えない、多分こんなところじゃないかという言い方だったんで、ぼくもそのままにここで質問しているわけですが、要するにササニシキより格が下の銘柄だというんですね。そこまではっきりわかったんですよ。そうすると、たとえばこういうふうにササニシキだと言って麗々しく銘柄を袋に刷り込んで中身が違うというのは、これはまあいわばうそつき商品みたいなものですね。で、これはどうなのかなと、こういうふうに考えるんで、聞くとどうもこういうのがずいぶんあるらしいんですが、どんなものでしょうか。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げます。
 自主流通米の一つでございます、優良銘柄としてのササニシキは。したがいましてこれは、ササニシキは宮城県のものでございますから、宮城県の生産者団体が全農を通じてこれを卸売団体に渡して、その卸から小売に行くということで、数量その他は明確でございます。したがって原料玄米の受け払いが明確でございますれば、その小売店にササニシキがいかなる数量入荷し、小袋販売されたかということは明らかかと思うわけでございます。そういうような関係で、正規の自主流通米ルートに乗りましたものにつきましてはそれによって担保いたすということでございまして、まあいろいろササニシキでも、岩手産のササニシキもございますし、福島もございます。いろいろササニシキ等についても、それから庄内のササニシキもございますように、いろいろ産地によってもそれぞれ違うわけでございますけれども、その指導の大きなねらいといたしましては、正規の流通に乗りました自主流通米について、その原料の流れからその表示とあれば具体的に小売店等で行われているかどうかということを指導監督いたしておるというわけでございます。
○野末陳平君 だから、指導監督しているんでしょうけれどもね、現実にスーパーで売っているのはそうだと。それでデパートはこうですよ。紙を張るんだよ、紙を張っているのね。これもちょっとわからないんだな。これは「新潟米コシヒカリ」と書いてある、「最高級新潟米コシヒカリ」という紙。これは「最高級宮城米ササニシキ」、こういうレッテル、これがあるということ自体がぼくはおかしいと思うんですけれども、とにかくこうやって売っているわけですね。だから別に未登録のもぐり業者だけじゃなくて、登録してあるところも似たり寄ったりなんで、そちらでは指導監督している、だけれども手が回らないんだろうと思うんですが、買う消費者の立場で言うと、必ずしもフェアな表示に基づいたお米が売られてないというのがこれは事実だと思うんですが、そういうこと絶対ないということですか、じゃ。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げますが、先ほども申し上げましたように、たとえばササニシキを例にとりますと、宮城県ササニシキ何年産米という表示は、この表示についてはあらかじめ都道府県知事に届け出をさしておりまして、原料玄米の受け払いが明確になり、第三者の検定を受けるという条件でその表示を認めております。したがいまして、デパートその他が小売の登録免許を持っておりますれば、それによって行っておるということかと思います。ただ、いろいろわれわれもそのササニシキを売り物にして、実はほかの自主流通米を原料玄米にしているのも例があるじゃないかというようなことをしばしば耳にいたすわけでございますが、それがどの程度の普遍的なものか、あるいはケースがどの程度かという点については残念ながら数字をもってお示しすることはできないわけでございますが、またそれが絶無であるというほど私どもも徹底的な調査とかそういうものを持っているわけではございません。
○野末陳平君 じゃちょっと角度を変えまして、公取委の方にお伺いするんですけれどもね。まあ袋には、事実いまの食糧庁が言うように書いてあるんですよ、何年米とか、「内地米」とか何年ってそれは書いてあるんです。だけれども中身が違うんで、そこが消費者にとって問題だと、こういうふうにお聞きしているんで、たとえばこれもデパートですがね。「ササニシキ」という看板が出ていて、そこに袋がいっぱいある。そうすると、これはやっぱりササニシキと錯覚させる売り方ですよね。だから今度は袋の中身にまたこういうレッテルを張るというやり方をすると。これもどう考えても消費者を誤認させるどころじゃない、初めからだましているようなものでね。こういう売り方は不当表示というような面から見たらどういうことになるんですか。
○政府委員(長谷川古君) お答えいたします。
 一般消費者に対しまして、その品物の内容が実際の物よりも著しく優良であるというふうに誤認させるような場合は、不当表示として景表法違反になります。ただ、先生の御指摘になりましたいまの具体的な場合でございますけれども、一体どのように展示されておるのか、表示されておるのか、その辺がしかとつかめませんので、その具体的な場合については意見を申し上げかねますけれども、一般的には、そういう場合には不当表示になるおそれがあると考えます。
○野末陳平君 そこで、改めて公取の方にも実態に関心を持ってほしいと思うんですよ。素人はわからないわけですね、もう言われているままがそのとおりだと信じているわけですが、食糧庁は指導監督をやっていると、だけれども絶無じゃないと言われると、その絶無じゃないのはじゃどの程度実際があるかと言われても、これも全く見当つかない。しかし、少なくもスーパーやデパートで買う消費者も多いわけですから、その辺にこんな例があれば、やっぱりこれはほうっておくわけにいきませんね。そういう意味で、調べてほしいなとこういうことなんですよ。なぜくどくそういうことについてお願いするかというと、結果的にこれは値段なんですね。だからササニシキであろうが、コシヒカリであろうが、ほかの格が下の銘柄でもいいんですが、要するにササニシキと称すると値段が高いわけですよ。それを言いたいわけですね。いまのも明らかに宮城産ササニシキというのを袋にレシートつけていますけれども、十キロで四千九百二十円取っているわけですよ。だけど中身は違うわけです。これは検定協会が、多分これは日本晴という銘柄じゃないかと言うんですよ。だから、これは断定しないから、ぼくの方も仮にそうであればということですが、その日本晴というのだと値段がずっと下がって四千三、四百円なんですね。
 そうすると、ここで絶対こういうことをなくしてほしいとお願いするのは、中身が違う、しかし看板はいい看板つけて高い値段を取っている、こうなると何てことはない、表示をごまかして値段をつり上げて消費者にうそ言って高い米を売っているということになるでしょう。そこで、やはりこの問題は、表示と中身が違うといって簡単に済まされないんじゃないかと、まあそういうふうに思ったのです。それでいまの公取の方の意見も、売り方が問題だと言って、そのとおりだと思いますが、現実に東京のあるデパートですよ、東京のあるデパートにお米が積んである。そこにササニシキ入荷と書いて立て札が立っている。そうしたらそれは素人は、米の何年産米とかいろいろのものがありますけれども、表示は出ていますよ。だからこの袋そのものは正しいのでしょうけれども、買う方はこれはコシヒカリ、ササニシキと、ああ値段が高いのはあたりまえと、こういう買い方をするでしょう。だから、それがずっとどうも毎年そうらしいんですけれども、ぼくはやっぱり気がつかない消費者が悪いのか、それともそういう売らせ方を野放しにしているのがどっちが悪いのだと。もぐりの業者がそれをやっているのだというわけじゃなくて、ぼくはもうはっきり登録している業者もそれをやっているからあえてお聞きしているわけなんですよ。そういう点にまではとても手が回らないのですか、食糧庁は。
○政府委員(大河原太一郎君) お答え申し上げますが、確かに一般的に私どもがやっておりますのは、先ほども繰り返し申し上げたような、表示と品質の一致と、消費者の選択を誤認させないような指導と申しますか、この規制をやっておるわけでございますが、ただいまお話がございましたように、新米入りとか、ササニシキ入荷とかというような、消費者の誤認を招くような行為ということはわれわれの指導でも一切避けろということを言っておるわけでございますが、これはまさに指導の徹底の問題かと思いますので、その点については、最近の事情についてはもう一度十分実態を調査をいたしまして、その改善という方向に進めてまいりたいというふうに思っております。
○野末陳平君 それはもう徹底的にやってほしいですね。要するに中身と表示が一致するということがまず第一でしょう。それから中身が安いものであれば安い値段で売るのがあたりまえのことで、それをどうしてつり上げた値段をつけているかということで、絶対に不明朗だと、フェアじゃないと思いますからね。それはやっていただくということをお願いしておきますよ。
 で、公取の方にも、いわゆる訴えといいますか、そういう例は、文句は来ないとは思うんですよ、わからないんですから。だけれども、どうでしょうかね、この問題はわりと重要だと思うんですよ。お米の消費を伸ばすとか、米の問題がいろいろ議論になっていて、現実に消費者といわゆる米を売るこの接点において、こういういいかげんなことが一部でも通用しているんだったらね。これはやはり公取としてももうちょっと関心を持って実態を調査するというようなことをやってほしいと思いますがね。
○政府委員(長谷川古君) お答えいたします。
 米の取引は先ほど長官からお話ございましたけれども、大変たくさんのお店で取引されておる非常に大きな商品でございますので、どれだけの調査かできるかすぐお答えしかねますけれど、食糧庁とよく御相談いたしまして検討していきたいと思っております。
○野末陳平君 まあ恐らくぼくの調べたのは一部だと食糧庁では思われるでしょうけども、米の卸業者ね、精米の方とか、問屋さんというんですか、何かその辺に聞いてみると、これがあたりまえだということも言ってますから、わかりませんからあえて食糧庁にこの問題をお願いしたということですから、ひとつもうちょっと消費者をだます――だますと言っちゃ悪いけと、誤認か少しはなはだし過ぎるんじゃないかと、こう思いますから、指導、監督を強化してほしいと思います。
 ちょっと残り時間でお米の通帳についてお聞きしておきますけどね。米穀通帳というのは、ぼくのところはあるけども、これまだ新規に、昭和四十七年以降は何か新規に発行されてないという話も聞くんですが、現実にこれほとんど用がないんですが、これは持っておくべきものなんでしょうか、それともなくしちゃってもいいんですかね。この米穀通帳、どうなんですか。
○政府委員(大河原太一郎君) 米穀購入通帳についてはしばしばお話がございます。これにつきましては、食糧、米の管理につきましては、配給の面では一つの制度を持っておりまして、消費者の購入なり、あるいは卸から小売りする場合にも、購入通帳というようなことで、その米の、何と申しますか、消費者に対する保証ということをやっておるわけでございます。ただ、現実には大幅に米の需給が緩和いたしまして、われわれ現在では消費者一人当たり十五キロの割り当て枠を予定しておりますけれども、実際の購入ははるかにそれを下回ると。したがって、米穀購入通帳を利用しなくても――実際、消費者と小売屋さんの段階では動いてないというのが実態であるわけでございます。ただこれにつきましては、われわれとしては、厳しいときのことを例に引くわけではございませんけれども、過ぎた四十八年等において、狂乱物価の際の生活物資の異常な問題という場合におきましても、万々一の場合においても、この購入通帳というものの制度を末端の消費者までつなげておきますことによって、基本的主食としての米の配給も確保できるというようなケースもございまして、需給その他の関係でこれの用いられ方その他についてはいろいろ御意見もございましょうが、私どもとしては、この制度というもののたてまえは維持していきたいというふうに考えております。
○野末陳平君 じゃ、万々一のときのために持っていた方がいいと、こういうことですな。すると、今度は発行されてなくて全然持ってない人はどうするんですか。
○政府委員(大河原太一郎君) お言葉でございますが、私ども毎年発行をしております。新世帯と申しますか、新しい世帯を持つ方々に対しては、六十万部程度は毎年配給通帳を刷りまして、都道府県及び市町村のそれぞれの要請に応じまして配付をしております。
○野末陳平君 そうなると、ますます何かお金がむだみたいな気もしたりするんですが、まあちょっとこの辺、時間もなくなりまして、これは恐らく食管法の問題その他と絡んで非常に大事なことだろうと思うんで、きょうはできませんが、何か全然役にも立たないのを持っていて、大事にする人もいないでしょう、いま。それなのに何か幽霊みたいにお米の通帳だけが生きているというような気もしてしようがないんで、万々一のときに十五キロ確保すると言ってはいるけれども、何かこれもひとつ根本的に検討が要るんじゃないかなと思いますよ。まあ、そちらでは維持するということですから、結論は、米の通帳は大事に持っていろとこういうことですか。それならそれでもうきょうはこれで終わりますが、そういうことなんですね。
○政府委員(大河原太一郎君) 配給制度をいかにするかということは食管の直接統制の基幹でございまして、実は配給通帳制度等も食管法の法律自体に明定しておるところでございまして、これらの措置について基本的な検討をするということは制度全般の検討にも通じますので、われわれとしては慎重にならざるを得ないということを申し上げておきます。
○委員長(茜ケ久保重光君) 本日の質疑は一応この程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十一分散会