第084回国会 本会議 第10号
昭和五十三年三月二十四日(金曜日)
   午前十時三分開議
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○議事日程 第十号
  昭和五十三年三月二十四日
   午前十時開議
 第一 許諾を得ないレコードの複製からのレ
  コード製作者の保護に関する条約の締結につ
  いて承認を求めるの件
 第二 労働組合法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
 第三 北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時
  措置法及び南九州畑作営農改善資金融通臨時
  措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
 一、国務大臣の報告に関する件(昭和五十三年
  度地方財政計画について)並びに地方税法の
  一部を改正する法律案及び地方交付税法等の
  一部を改正する法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
○議長(安井謙君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 昭和五十三年度地方財政計画についての国務大臣の報告並びに地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案についての趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。加藤自治大臣。
   〔国務大臣加藤武徳君登壇、拍手〕
○国務大臣(加藤武徳君) 昭和五十三年度の地方財政計画の概要並びに地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 昭和五十三年度の地方財政は、昭和五十二年度に引き続いて厳しい状況にありますが、国と同一の基調により、歳入面におきましては地方税及び受益者負担の適正化等による増収措置を講ずるほか、昭和五十二年度に引き続き予想される財源不足に対しましては、これを完全に補てんする等、地方財源の確保を図るものとし、一方、歳出面におきましては、一般行政経費の節減合理化に努めるとともに、生活関連社会資本の整備と景気の着実な回復に資するため、投資的経費の充実を図る等、財源の重点的配分と節度ある財政運営を行う必要があります。
 昭和五十三年度の地方財政計画は、このような考え方を基本とし、次の方針に基づいて策定することといたしました。
 第一に、現下の厳しい地方財政の状況にかんがみ、法人住民税均等割りの税率及び都市計画税の制限税率の引き上げ、非課税等の特別措置の整理合理化等、地方税源の充実強化と地方税負担の適正化に努める一方、料理飲食等消費税の基礎控除の引き上げ、ガス税の免税点の引き上げ等を行うとともに、特別土地保有税の合理化のための措置を講ずることといたしております。
 第二に、最近の地方財源の不足等に対処し、地方財政の運営に支障が生ずることのないようにいたしますため、昭和五十三年度以降、当分の間、毎年度の交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金については、当該年度以前の借入金償還金のうち地方負担とされた額を控除した額の二分の一に相当する額を国の負担とする旨を法定するとともに、昭和五十年度及び五十一年度における同特別会計の借入金についても、毎年度の償還額の二分の一に相当する額を国が負担することとしたほか、昭和五十三年度の地方財源不足見込み額三兆五百億円については、地方財政の重要性にかんがみ、これを完全に補てんすることとし、地方交付税の増額で一兆七千億円、建設地方債の増発で一兆三千五百億円の財源措置を講ずることとしております。
 また、地方債資金対策として政府資金の大幅増額を図るとともに、公営企業金融公庫の融資対象を拡大することにより、同公庫の機能の拡充を図ることといたしております。
 第三に、最近の経済情勢にかんがみ、景気の着実な回復を図ることに配意しながら、地域住民の福祉の充実、住みよい生活環境の整備及び住民生活の安全の確保等を図るための諸施策を実施することとしております。このため、公共事業及び地方単独事業を大幅に増額するとともに、社会福祉施策、教育振興対策等の一層の充実を図ることとし、また、人口急増地域及び過疎地域に対する所要の財政措置を講ずることといたしております。
 第四に、地方行財政運営の合理化を図るとともに、国庫補助負担基準の改善等財政秩序の確立を図り、あわせて、年度途中における事情の変化に弾力的に対応するよう配意するほか、地方財政計画を実態に即して策定するため、その算定内容について所要の是正措置を講ずることといたしております。
 以上の方針のもとに昭和五十三年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は三十四兆三千三百九十六億円となり、前年度に対し五兆五千三十一億円、一九・一%の増加となっております。
    ―――――――――――――
 次に、地方税法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 明年度の地方税制の改正に当たりましては、地方税負担の現状と地方財政の実情にかんがみ、その負担の適正化と地方税源の充実強化を図ることといたしております。
 以下、その概要について御説明申し上げます。
 まず、法人の住民税の均等割りのうち、資本の金額等が十億円を超える法人に係るものにつきまして、税率の区分を新たに設け、その税率を引き上げるとともに、都市計画税の制限税率を百分の〇・三に引き上げることといたし、地方税源の充実を図ることといたしております。
 また、不動産取得税、固定資産税等における非課税等の特別措置のうち十二項目にわたって整理縮減を行うほか、産業用電気に対する非課税品目について、四品目を廃止することといたしております。
 次に、税負担の軽減合理化を図るため、料理飲食等消費税の旅館における宿泊及びこれに伴う飲食に係る基礎控除の額を二千円に引き上げるとともに、ガス税の免税点を六千円に引き上げることといたしております。
 このほか、特別土地保有税の課税の合理化を図るため、恒久的な利用に供する建物、構築物等の用地でその地域の土地利用に関する計画に適合することについて、市町村長が一定の手続を経て認定したものにつきまして納税義務を免除いたしますとともに、所要の規定の整備等を行うことといたしております。
 以上の改正により、明年度におきましては、五百四十五億円、平年度におきましては七百七十七億円の増収が見込まれることとなっております。
    ―――――――――――――
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 第一に、昭和五十三年度の地方財政計画の概要で御説明申し上げましたとおり、地方財政の状況にかんがみ、地方交付税の総額の確保に資するため、当分の間、交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金に係る借入純増加額の二分の一に相当する額を、後年度臨時地方特例交付金として、一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れることを法定することといたしております。
 また、昭和五十三年度分の地方交付税の総額は、現行法定額に、一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れる臨時地方特例交付金二千二百五十一億円及び同会計における借入金一兆五千五百億円を加算することといたしました結果、七兆四百億円となり、前年度に対し一兆三千三百四十五億円、二三・四%の増加となっております。
 さらに、昭和五十三年度の普通交付税の算定に当たっては、地方財政計画の策定方針に即応し、社会福祉施策の充実、教育水準の向上、住民生活に直結する公共施設の計画的な整備及び維持管理等に要する経費を算入いたしますほか、特別とん譲与税に係る基準税額の算定につき、精算制度を導入する等の改正を行うことといたしております。
 第二に、建設事業の円滑な実施を図るために特に必要があるものとして許可された臨時地方道整備事業等に係る地方債に対し、公営企業金融公庫の資金を融通することができるよう所要の規定の整備を行うことといたしておるものであります。
 第三に、風俗営業等取締法外十一法律に定める地方公共団体の手数料の額またはその上限について改定を行い、受益者負担の適正化を図ることといたしております。
 以上が昭和五十三年度の地方財政計画の概要並びに地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
○議長(安井謙君) ただいまの報告及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。志苫裕君。
   〔志苫裕君登壇、拍手〕
○志苫裕君 ただいま議題となりました地方財政計画及び税財政の問題について、日本社会党を代表して、二、三質問いたします。
 総理、経済の見通しがさっぱりつかないために、国民は、果たして福田さんでやれるのかどうか、疑問を持っております。あなたが怠けておるというのではありません。経済の専門家をもって任ずる総理の知識や、やっておられることが今日の状況に合わないのではないかという疑問、その検証がないままに、これでもかこれでもかと予算をつぎ込むことへの不安が頭をもたげておるのであります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 はた目には失政だと見えるのに、その基本認識を欠いたまま、国難のように人々の気持ちをそろえようとすることに抵抗を感じておるのであります。景気浮揚だ、公共事業だと言えば、大名行列のように借金財政がまかり通り、一方では、防衛力のとめ金を外し、不況脱出には武器の輸出をという物騒な意見まで出回っておる今日の情勢が、一九三〇年代のあの不幸な経験につながらないかどうか、心配しておるのであります。こうした国民の疑問や不満に対してどうお答えになるか。政府の行為によって国民が災いを受けないために、歴史の証言としても、総理の時局認識を伺っておきたいのであります。
 さて、地方財政は来年度もまた三兆円を超える財源不足が見込まれておりまして、五十年度以降毎年、これで十兆円を重ねることになります。そのうちに経済もよくなるだろうということで、借金に頼って当座をしのいではきたものの、全治三カ年どころか、四年目は重症、そういう状況のもとでは、改めて国と地方の財政関係を見直す必要があります。経済状態が正常で、短期の変動であれば、当座しのぎもやむを得ず、地方団体も自分で努力すべきでありますが、異常で、長期で、見通しもつかぬ事態となりますと、国のように広い範囲の景気対策をとれない地方団体には、全く対応能力がありません。今日はまさにその事態で、かかる場合の地方財政は、原則として国が責任を持って措置すべきであります。総理、自治大臣及び大蔵大臣の見解をお伺いいたします。
 ところで、政府は、かねてからやかましい論議のあった地方交付税率の問題について、財源不足が生じ交付税会計で借り入れをした場合にはその半額を国が負担する、いわゆる将来の臨時地方特例交付金の算定方法のルール化をもって対処することにしております。従来から、当面の便宜としてこの種の措置がとられてはおりましたが、改めてこれを制度化するとなりますと、税率を法定して地方財源を保障する交付税制度が、総額の確保に重点を置く交付金制度に変質し、昔の名前で出てきたようにも思えるのでありますが、どうでしょう。その当否は別に問うとしても、もしそれを交付税制度だと言うのであれば、毎年の財源不足額の算定方法や、そのうちの借入金額の決め方を明らかにしておくべきであります。財源不足額が合理的に計測をされ、交付税率の引き上げによってそれが充当されるべきところを地方債に振りかえ、公共事業の裏負担のほとんどを起債で賄っておる状況のもとで、借入額の裁量を国が握ったまま、その二分の一だけをルール化してみても、地方財源を約束する制度としては片手落ちであります。将来、借入額が大きくなるに従って、総額の確保もむずかしくなることは目に見えております。自治大臣、そして大蔵大臣のはっきりした見解をお聞きしたい。
 わが党は、原則的には交付税率の引き上げによる財源保障を主張いたしておりますが、とりあえずは、公共事業の地方負担分のうち地方債に振りかえられた分を暫定税率で措置すること、及び、建設国債の発行額の一定割合をもって臨時地方財政調整交付金制度を設けることを提案いたしております。これに対する見解もあわせて承りたいと存じます。
 自治大臣、地方財政計画とはいかなるものでありますか。私は、合理的に財政の収支を見積もり、地方財源を保障する仕組みとしてこれを否定しているのではありませんが、国の方針を地方団体に規制する装置としてこれを認めることはできません。国の政策について、地方にも同一の基調が要請されることは理解できても、それはあくまで地方の自主性、自治体の機能と調和のとれたものでなければなりますまい。
 自治省は、地方団体の予算編成に当たり、「国は異例の予算を組んでいるのだから、地方もこれにならい、相当な無理をしてでも公共事業を組んでくれ。金は残すな。国の事業と合わせた地方財政計画を組むが、この計画に合わせて各県がどれだけの公共事業を組んだかは、やがて一覧表にして公表する。そのときになって知事が恥をかかないように」、こう指示をいたしております。悪乗りもいいところでありまして、事実そのような財政計画が組まれ、地方予算の一覧表はすでに公表されました。自治大臣、地方財政計画とは、かくも法律を越えた力を持つものでありますか。しかと御返答願います。
 ところで、地方の財源保障の仕組みとして出発した地方財政計画は、最近、総額の確保に追いまくられる余り、しばしば地方団体の自主性を拘束する弊害に陥っております。財政計画や交付税の制度は、ある意味では抽象的な指標で計測し、ナショナルミニマムを超える財源調達は自治体の財政自主権によって確保できるように取り計らうべきと考えますが、一般論として自治大臣の所見をただしておきます。
 それにしても、地方財政に占める地方債のウエートがどんどんと高まり、やがて返済と新規発行の自転車操業となるでありましょう。また、財源対策債の交付税への算入は財源不足を先に延ばすだけのことでありますが、将来の財政展望はどうなっておりますか。
 先般、政府は地方財政の収支試算を発表いたしましたが、毎年つくって毎年廃棄する試算なるものがいかほどの効能を持つものでありましょうか。具体的な中身でもありましたらお聞かせください。特に、租税負担率を国二に対して地方を一とし、交付税率を現行の三二%に固定をしておることは、国と地方の財源割合が現状でほぼ妥当なものとの認識を示したものかどうか、あわせてお尋ねいたします。
 とまれ、来年度の予算は、国も地方も公共事業のオンパレードであります。問題は、それが直接雇用に結びつくとは期待できないことから、地場の産業や公的分野において雇用をつくり出すプランの必要性が指摘されております。そこで、この際、地方公共団体に財政上特別の措置を講ずることによってこの要請にこたえるべく、わが党は地方公共団体による臨時雇用創出事業を提起したところでありますが、これに対する労働大臣及び自治大臣の意見を承りたいと存じます。
 このたびの税制改正には目ぼしいものがありませんが、地方財政の本格的な再建のために、長期展望を持った税制改正に手をつける必要があります。租税特別措置による優遇税との遮断、地方税非課税規定の整理、大都市税制の創設、外形課税の導入など、自治体の機能にふさわしく財源を確保し、かつ、景気変動の影響をやわらげる税制を確立すべきだと考えますが、この点についての自治大臣の意見をお伺いいたします。
 最後に、私は、雪に対する税制について、強い要望を含めてお尋ねいたします。
 春の彼岸はもう過ぎたというのに、まだ二メートルを超す雪の中で暮らす国民がおります。新潟県の六日町というところの例をとりますと、根雪の期間が百三十五日、積雪量は一万六千センチ・デー、まあわかりにくいから簡単に言いますと、二メートル以上の積雪期間だけでも三カ月以上に及ぶわけであります。こうした地域は全国土の一四%、そこに二百万人を超す人が住むのでありまして、背丈よりも多い雪に三カ月以上も取り囲まれる生活の厳しさ、これは東京で想像することはむずかしいことであります。雪はロマンチックでもなければ愛きょうのあるしろものでもありません。なだれの猛威は想像を絶します。三メートルの融雪は二十ミリの雨が四十五日間も毎日降り続く脅威を発揮します。雪に覆われた土地は、一切の生産を停止し、農民は半年にわたる失業を強制されます。雪囲い、雪のけ、衣服、暖房、食糧の損耗等、多大の出費を要求します。
 かつて宿命感と祖先からの伝承だけで対処した雪に、最近ようやく政治の努力が払われるようにはなりましたが、自然の威力は、それにも増して、なお強大であります。商品経済の支配が、雪国だけに通用する暮らし方を奪い、相対的に出費の増加を強いておるのであります。自治大臣、雪国には半年近くも土地が存在しないのであります。そこから一年分の税金を取るとは何事でありますか。雪の重みに耐える家屋のがんじょうさゆえに固定資産の評価が高いのも矛盾であります。少なくとも、固定資産税の評価基準における積寒補正率の打ち切り制度をやめるべきであります。
 ついでながら、大蔵大臣、予算委員会でも私は要望いたしましたが、豪雪地帯で余儀なくされる生活費の増加は、単に除雪、排雪だけではないのでありまして、雪囲い修繕、防雪設備器具、食糧の損耗、衣服、暖房、照明、果ては部落の共同負担まで実に広範でありまして、雑損控除による救済だけではとうてい不十分なのであります。生活費には課税せずの原則にのっとり、この際、豪雪控除制度を設けるべきであります。両大臣の前向きの答弁を求めるとともに、総理からも豪雪地帯の国民への思いやりのある所見をお伺いしたい。
 天保の昔、越後の鈴木牧之は、雪を宿命とし雪におののく者の姿を有名な「北越雪譜」にあらわしましたが、権利に目覚め二十一世紀の居住環境を整える現代の「北越雪譜」を福田総理によってあらわす意思がおありかどうか、所見をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(福田赳夫君) お答えを申し上げます。
 まず、今日のわが国の経済情勢についての基本認識はどうか、こういうお尋ねでございますが、しばしば申し上げておるように、いま世界的な非常に変化の時代であります。いわば地球が揺れ動いておる。そういう揺れ動く地球の上での日本経済の運営でありまするから、これはなかなか容易なことじゃございませんけれども、まあ大きくながめて見ますると、世界じゅうがみんな揺れ動いておる。その中では、わが国の経済は、あの五年前の石油ショック、あれによるところの国際収支の大赤字、これを克服して、あり余るというような黒字を実現をする、物価はどうかと言うと、ショック前の水準、そこへとにかく行きつつあると、こういうような状態でありまするし、経済成長につきましても何やかやといろいろ議論はあります。ありまするけれども、とにかく先進諸国の中では最も高い水準である五・三%成長を五十二年度においては実現しようとしておる。そういう状態で、大局的に見ますと、私は、決して日本の経済の流れ、歩みというものは悪くはない、そういうふうには思います。しかし、深刻な問題をわが日本も抱えておるということは、率直に私は重大な問題であるというふうにいま考えておるのであります。その最大の問題は、何といたしましても、高度成長時代に設備の拡大が行われた、ところが、にわかに低成長時代になってきた、そこで、設備過剰、雇用過剰という状態がとにかく大概の企業に出てきておる、これがわが日本経済に重くのしかかっておると、こういう状態と思うのであります。
 ですから、私は、いまこの日本の経済に対してどういう処置をするかということになりますと、やはり、需要を拡大する、そしてデフレギャップと申されます現象、つまり設備過剰の状態を早く克服しなければならぬと、このように考える。それには一体どうするかと、こういうことでございまするが、皆さんは減税したらいいと、こういうふうに言いまするけれども、減税してすぐ物の需要が起こってくるか、また、人の需要、つまり雇用が活発化するかというと、私はそう思わないのです。やっぱり、住宅建設が進みます、下水工事が進みます、あるいは道路建設が進みます、あるいは農山村の基盤整備の事業が進みます、そういう中で物の需要が起こってまいり、人の雇用の状態も改善されるのだと、そういうふうに存じまして、そこで、いま御審議を願っておりまする五十三年度予算、つまり公共事業を中軸とするところの景気対策を推し進めるための予算を編成しておるわけでございますが、私は、この政策を強力に進める、こういうことによりまして、大体五十三年度におきましては、大方、過剰雇用問題、また過剰設備問題、これを解決し、五年にわたる長い長いトンネル、低成長のトンネル、これの出口が見えるというところまで持っていけるのじゃあるまいか、そのように考えまして鋭意努力をいたしておるということでございます。
 そういう中で、志苫さんは、地方財政が非常に困難だ、この困難な地方財政に対しましては、もう地方財政自体だけの力ではこれはとても乗り切れない、国が責任をとるべきではないか、こういう御所見でございます。私はかねて皆さんに申し上げているのです。日本社会のために、国と地方公共団体とはこれは車の両輪だ、その片方の輪が故障があったというようなことでは日本社会が健全には動いていかぬ。そういうようなたてまえをもちまして、国という車輪もなかなか容易なことじゃございませんけれども、地方財政、これは国に比べれば、一つ一つに分けると小さな立場であります。その小さな弱い立場にある地方公共団体に対しまして国が積極的な援助、協力をする、こういう態勢を進めておるわけでありまして、きょう御説明をいたし御審議をお願いする諸法案等も、そのような考え方に立っておるものでございまして、今後とも地方財政は非常にむずかしい状態です。国もむずかしいのです。これ一体どうするかというと、やっぱり、景気を回復し、収入が確保される、国も地方もそういう状態になるということを考えるほかありませんけれども、それを基盤といたしまして、国においても地方においても、歳出面においてやっぱり合理的な支出という体制をさらにさらに固めていかなければならぬ。財源面におきましてもいろいろ工夫をしなければならぬ。そういうふうにいたしまして、国も地方も、一刻も早く健全化の姿勢を取り戻すようにいたしたい。さように考えております。
 次に、豪雪問題につきましていろいろ御所見が述べられましたが、豪雪地帯の困窮の状態というものをよく私も認識をいたしております。私は、かつて四月ごろ新潟等の豪雪地帯を視察したことがありますが、四月でもなお鳥居をまたがなけりゃ社の参拝ができないというような積雪の状態であり、また、そんなに雪が積もっておるという状態の中で信濃川がはんらんしようとしている、こういうような雪解けの問題等もある。つぶさに私もそういう状態はよく承知しておりますが、いま豪雪地帯対策特別措置法、これを中軸とし、さらにこれにいろんな施策を付加いたしまして、豪雪の対策、これを進めてまいりたい。同時に、豪雪地帯の問題は、そういう局所をながめただけの問題ではないと思うのです。局所的、局部的手法ではこの問題は解決されない。やっぱりこれは国全体をながめて、過密過疎を一体どういうふうに解消していくかという、そういう大きな国づくりの一環として初めて私は豪雪地帯問題というものが解決されるんだと、このように考えるわけでありまして、そういうような展望の中の一環といたしまして豪雪問題を解決していく、こういう考え方も私はは進めていきたいと、そういうふうに存じます。(拍手)
    〔国務大臣加藤武徳君登壇、拍手〕
○国務大臣(加藤武徳君) 五十三年度におきましても、残念ながら、地方財源の不足額は三兆円を超えると、かようなことでございました。そこで、三兆五百億円の不足額のうち一兆五千五百億円の借入金、かような処置をとらざるを得なかったのでございます。
 志苫議員の御質問の第一点は、財源不足は国が責任を持つべきだと、かような御指摘でございました。この一兆五千五百億円の借入金は、実質上その半分を国が負担をすると、かような制度にいたしておるのでございまして、まさに国と地方は車の両輪と、かような形で処置をいたしてまいるところでございます。
 それから第二番目の御質問は、さような借入金を大量にするような地方財政は、変質をしてしまっておって、かつての平衡交付金のような形になってしまっておるではないかと、かような御質問でございました。なるほど昭和二十八年度までは平衡交付金の制度がございまして、歳入を見積もり、歳出と対比いたしまして不足をいたしますものを平衡交付金で埋めていくと、かような制度でございましたが、現行制度は、御承知のように、国税三税を基本にいたしましてその何十%をと、かような基幹的な体制ができておるのでございますから、かつてのような制度ではなく、また、ことしのように、あるいはまた来年度のように、不足財源がございまして、そうして借入金をいたさなければならぬようなことをいたしておるとは申せ、このことが交付税制度の変質を来しておると、かようには考えておらないのでございます。
 それから、いま一兆五千五百億円の借入金が必要だと、かように申したのでございますけれども、この借り入れのルールを明確化したらどうかと、かような御指摘でございました。今回の法案の御審議を願っておるいわゆるルール化なるものは、この借入金の半ばを国が負担をすると、かようなルール化を御審議いただいておるのでございまして、そこで、借入金それ自体のルール化は毎年度年度によりまして差がございますので、なかなかむずかしいことではないであろうかと、かように考えておるところでございます。
 それから、大量の公共事業を実施しなければなりませんので、地方ではその裏負担が必要であることは申すまでもないことでございまして、これは一兆三千五百億円のいわゆる裏負担に相当いたします建設起債を予定をいたしておるのでございますけれども、むしろ交付税の暫定税率をもってこれに充てたらどうかと、かような御提案でございます。交付税率に手をつけることがなかなか困難であり、また、暫定的にもそのことが困難であったのでございまして、ただいまやろうといたしましておる処置はやむを得ないものとの御理解をいただきたいと思うのでございます。
 それから地方財政計画のことにお触れになりました。御承知のように、毎年度地方財政計画を策定いたしておりますけれども、これは三千二百を超えます地方団体の歳入並びに歳出の総額を見込むものでございまして、その中身はもとより、各地方団体個々のものが個々の特性をもって編成されるのがその公共団体の予算であることは申すまでもないことでございます。したがって、国の地方財政計画は、決して各地方団体の財政計画なり予算を拘束するような性格は持っておらないと御理解をいただければありがたいと思うのでございます。
 それから、地方財政におきます収支試算のことについての御質問でございました。御承知のように、国の場合は五つのケースを想定いたしましての試算でございましたが、地方財政におきましては、国のケースAに相当いたしますものをケースIといたしまして、またケースC並びにDに対応いたしますものをケースII及びケースIIIとして試算をいたしたことは御承知のとおりでございます。そこで、この試算の中で交付税率は国税三税の三二%のままと、かような算定をいたしておるのでございますけれども、しかし、このことがいまの三二%を肯定しておると、かようなことにはつながらないのでございまして、私どもはできるだけ早い機会に行財政全般にわたる制度の改革を希望いたしておるのでございますが、さような改革の一環といたしまして、三税のほかに新たに対象税目を設けるかどうか、同時にまた、交付税率の問題もあわせて論議をいたして進めてまいるべきだと、かように考えておるところでございます。
 それから、社会党が御提案の地方団体に対する臨時雇用創出交付金制度をつくることにつきましての見解はどうかと、かような御指摘でございました。景気をよくいたしますために大量の公共事業をやってまいりますことが同時にまた雇用不安を解消することにつながってることは申すまでもないことでございまして、地方団体といたしましては、公共事業の張りつけにいたしましても、できるだけ労働不安の情勢の濃厚なところ、端的に申しますと失業者の多いところへ重点的に配分してもらいますような配意をいたしておるのでございますのと、同時にまた、大量の地方単独事業をももくろんでおるのでございまして、かようなことをきめ細かくやることによりまして雇用問題解決のためにも資していかなければならぬと、かように考えておるのでございます。
 それから税制の問題にお触れになりました。長期的な展望を持って税制を検討せよと。特に、租税特別措置法の整理でありますとか、大都市税制の確立でありますとか、また、外形標準課税等を通ずる安定的な税のあり方について検討を加えるべきだと、かような御指摘でございました。私どもも、まさにそのとおりであると思うのでありまして、租税特別措置につきましては、国でも漸次整理をいたしておりますけれども、いま御審議いただこうとしておりまする中でもまた十二品目に関しまして整理並びに縮減をいたしておるところでございますし、また、今日の大都市は税源不足に悩んでることもよく承知をいたしているのでございますから、これが対応策も検討してまいらなければなりませんし、また、法人事業税におきます外形標準課税の導入は、長い懸案でございましたけれども、なかなかうまくまいっておりませんが、なるべく早い機会に外形標準課税導入に踏み切ってまいりたいと、かように考えてるところでございます。
 それから最後の御質問は、豪雪地帯に対します、特に固定資産税の対応策についてのことでございました。
 御承知のように、積雪寒冷補正が行われておりまして、木造家屋につきましては損耗の度合いを考慮いたしまして最高二五%と、かようなことになっておるのでございまして、単に固定資産税だけではございませんで、私も積雪寒冷地帯に勤務した経験も持っておるのでございますから、そのことが大変であることはよく承知をいたしておりますので、各面にわたりまして努力をいたしてまいりたいと、かように存じているところであります。(拍手)
   〔国務大臣村山達雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(村山達雄君) 五十三年度におきます地方の財源不足並びにその手当てにつきましては、車の両輪であります国と地方が密接に連絡いたしまして対処いたしたところでございます。すなわち、三兆五百億のうちの一兆三千五百億は財源対策債として、少なくとも市町村分は全部政府資金をもって充てる、残りの一兆七千億のうち千五百億は臨時特例交付金で埋め、残りの一兆五千五百億のうち二分の一は、国が今後二分の一を持ちますということでルール化いたしたわけでございまして、これは五十一年度までさかのぼり、また、今後もこの方針を踏襲しようということで車の両輪間で意見の一致を見たところでございます。そういう意味でひとつ御理解願いたいと思うのでございます。
 雪の問題でございますが、私も志苫さんと同じように、特に豪雪地帯に育った者でございまして、雪の苦労はよく知っているのでございます。私は、やはり原則としては歳出の方で何らか措置するのが一番適当だと思っているのでございます。しかし、仰せのごとく、国税におきましても、五十三年分の所得税から、雪おろし、雪かきの費用が雑損控除の対象に加えられることになりまして、一歩前進を見たわけでございます。いま志苫さんは、それ以外の生計費の上昇分について何らか特別控除ができないかというお話なのでございます。非常にむずかしいわけでございまして、生計費は、物価によって生計費の高いところもございます。また、災害の通路と言われるために生計費の高いところもあるのでございます。これらの点はすべて課税最低限の中で大体賄うということでございまして、世界の所得税制におきましても、そういう個別のものをやるという例はございません。また、わが国の税制調査会におきましても、この問題を諮りましたけれども、やはり税制にはなじまないんじゃないかという答申が出ている次第でございます。雑損控除を今度対象にいたしまして一歩前進をいたしたということを御了承願いたいと思うのでございます。(拍手)
   〔国務大臣藤井勝志君登壇、拍手〕
○国務大臣(藤井勝志君) 志苫議員の御質問にお答えをいたします。
 社会党の提案されておられます雇用創出の案につきましては、私も承知いたしております。政府といたしましては、先ほども総理からお話がございましたように、現在の厳しい雇用情勢を踏まえまして、公共事業を軸といたしまして思い切った財政運営によりまして景気の回復を図り、そして、この雇用の維持、拡大を求めると、こういう考え方に立っておるわけでございますが、特に、今度新しい雇用政策といたしましては、中高年齢者を雇い入れる事業主に対して、中小企業の場合には三分の一の賃金を助成すると、こういった制度を新しくつくりまして、民間の活力をも活用をして雇用の創出を図っていくという、こういう工夫をいたしておるわけでございます。もちろん、法律に定められた失業者吸収率制度もこれを大いに活用していくことは当然でありまして、私は、雇用創出のために地方自治体が特別の事業を起こして、そして一時的に雇用を吸収するという方式は、これはやはり再就職の促進につながらないという、こういう点からして、必ずしも適当ではないと、このように考えておるわけでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(加瀬完君) 阿部憲一君。
   〔阿部憲一君登壇、拍手〕
○阿部憲一君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま御説明のありました昭和五十三年度地方財政計画並びに地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、地方行財政の基本的問題及び当面の施策を含めて、総理並びに関係各大臣に質問をいたします。
 今日の地方財政は、たび重なる政府の経済政策の失敗と長期不況により一層深刻の度を増し、五十一年度決算を見ましても、地方債や交付税特別会計の借り入れなど、将来地方自治体の負担となる実質債務額は実に二十兆円を超え、また、市町村の地方債依存度は戦後最高の二二%にもなるなど、ますます借金依存の財政体質を強め、いまやまさに地方財政は暗く長いトンネルの中で一歩も身動きができなくなっていると言っても過言ではありません。
 そこで、まず総理にお伺いしたいことは、このような地方財政の現状をどのように認識しておられるか。また、総理はかねてより地方行財政制度の抜本改正を行うと言明されておりますが、具体的にどういう対策を講じておられるのか、お伺いしたいのであります。
 さらに、五十四年度以降も相当の財源不足が見込まれておりまするが、地方財政の健全化を一体どのように図ろうとなされるのか、基本的な考え方と方策を明確にお示しいただきたいと思います。
 今回政府は、みずからの経済政策の失敗による不況からの脱出のため、膨大な公共事業一辺倒の拡大政策を掲げ、その結果、五十三年度の地方財政規模は実に三十四兆円を上回る大型のものとなっております。これは、なりふりに構わず公共事業を地方に押しつけ、景気浮揚最優先という経済運営のために、国と地方の財政運営を一体化しようとしたものであり、厳しい経済情勢を背景に、いやおうなく地方財政を国の施策に密着させ、地方財政の自主性と独立性を損なおうとするものであります。五十三年度地方財政計画は、こうした地方分権に逆行する傾向を強めていると言わざるを得ませんが、このことを憂慮する識者の声に対し、どのように御説明をなされるのか、御答弁をいただきたい。
 しかも、この大型地方財政計画たるや、三兆五百億円もの膨大な財源不足を生じておりますが、これに対し政府がとった対策は、交付税特別会計の借り入れと、地方債の増発という借金による補てんというもので、借金政策を地方に押しつけるだけの、まことに無責任かつ安易なものと言わざるを得ません。
 今回政府は、この交付税特別会計借入金の償還について、当分の間、実質二分の一を国が負担することとし、その旨を法律に明記することとしておりますが、このような応急的、変則的とも言える措置は、交付税法第六条の三の第二項の規定にいう制度改正を単に装ったものにすぎず、法律の趣旨と全くかけ離れたものと言わざるを得ません。地方交付税は、国税として徴収される地方の独立財源であり、その配分を通じて地方の計画的な行政運営を保障し、自治の本旨の実現と地方の独立性を強化しようとするものである以上、借入金で財源不足を穴埋めし、その半分を国で見ることを法制化して事足れりとする今回の措置は、交付税制度の根幹を脅かすものであると考えますが、これについて納得のいく御説明をいただきたい。
 さらに、「当分の間」とは具体的に何年間なのか、こうした措置を続ける場合、その間地方交付税率の引き上げは断念したということなのか、あわせて政府の御見解をお伺いします。
 次に、地方税についてお伺いいたします。
 まず第一に、地方の安定的な税収の確保についてであります。
 かつて地方自治体は、老人、乳幼児の医療無料化や児童手当など、住民の要求をくみ取ったきめ細かい福祉政策を先取りし、社会福祉の先兵の役割りを果たしてきたことは周知の事実であります。こうした住民福祉推進の見地からも、地方自治体にとって、景気の好不況に左右されない安定的な税収を確保することが可能な税制を確立することが緊急課題であると考えますが、政府の見解を伺いたいのであります。
 第二に、住民税の負担軽減でありますが、今回、国民の期待もむなしく、課税最低限の引き上げは物価調整分さえも見送られております。なぜ見送られたのか、重税感にあえぐ国民に対し納得のいく説明をすべきであると思いますが、いかがですか。
 第三には、地方税の減免措置と国の租税特別措置による地方税への減収遮断についてであります。これについては何ら改善の跡が見られません。不公平税制の放置が国民の政治への不信を増大する原因であることを考えれば、政府の怠慢は重大であると言わざるを得ません。地方税の減免措置及び租税特別措置の地方税への減収遮断の改廃に対する政府の見解を伺いたいのであります。
 次に、地方債の著しい増大についてお伺いいたします。
 本来、交付税率の引き上げや地方税源の拡充によって措置されるべきである地方財源の不足を、安易に地方債に振りかえてきた政府のびほう策の結果、五十三年度の地方債残高は普通会計債で二十兆円を超え、これに公営企業債を加えると三十五兆円以上にも達することが見込まれ、この増大した地方債の元利償還が今後地方財政の重圧となることは避けられないところとなっております。一体政府は、このような公債費の増大をどう認識し、この軽減を今後どのように措置するのか、計画を明示すべきであると考えますが、お答えをいただきたい。
 また、増大した地方債の内訳を見ますと、政府資金の比率が低下し、かわって民間資金が増加しておりますが、良質な地方債資金の安定確保のためには、わが党が法律案を提出して主張しておりますように、公営企業金融公庫を完全に改組し、融資対象をすべての普通会計債に拡大するとともに、政府資金の一層の拡充を図るべきであると思いますが、政府の見解をお伺いいたします。
 さらに、公定歩合引き下げと連動して縁故地方債の利子の引き下げをどのようにしていくのか、また、地方債発行の許可手続について、地方自治体が強く要望しておりまする審査方式の改善、枠配分方式の拡大等、これらの簡素合理化などについて具体的にどう改善するおつもりか、関係大臣の御見解を伺います。
 次に、国庫補助負担金の問題についてであります。
 国庫補助負担金の整理合理化につきましては、その必要性が指摘されてから久しいものがあります。政府は、今年度予算の編成方針においても、これを洗い直し、整理合理化を進めることをうたわれておりますが、具体的にどのように措置されたのか、さらに今後どのような措置を講じるのか、あわせて御答弁願いたいと思います。
 次に、補助金事務手続の簡素化についてでありますが、これが複雑煩瑣であることにより、地方自治体の事務量の増大、職員増などの経費負担の一因となっております。地方が押しつけられた膨大な公共事業の消化のためにも、政府は事務手続の簡素合理化に真剣に取り組むべきであると思いまするが、この点についてどう改革されるのか、お伺いいたします。
 さらに、国庫補助負担金に関連して、地方財政を圧迫する要因の一つである超過負担についてであります。
 政府は、五十三年度予算の事業費ベースで九百三十三億円の解消を図ったとしておりますが、地方が強く要望していた保健所職員などの改善はごく一部にとどまっております。今後さらに実態調査の対象範囲を拡大するとともに、超過負担の大きい数量差、対象差などの補助負担基準について、経済社会情勢の推移に即して定期的に見直しを行うべきであると考えまするが、総理の御決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 現在の地方財政の危機についてどういう認識を持っておるかと、こういうお話でありますが、いま地方財政は大変な危機状態だと思うのです。昭和二十九年にも非常にむずかしい時期がありました。また、昭和四十年にもありました。私は第三回目の戦後の地方財政のむずかしい時期と思いますが、しかし、いままでの二十九年、四十年と大変違う深刻な状態だと、こういうふうに見ております。その背景は、何といっても、経済が非常に停滞期に入った、高度成長期から一転して低成長期に入っておる、そこに問題があると、こういうふうに思いますが、こういう認識の上に立ちますと、やはり地方財政は、その前提として景気の回復、これをぜひやっていかなけりゃもうどうしようもない。同時に、それだけで事足りるかというと、そうでないのであって、やっぱり歳入歳出両面にわたりまして、この地方財政は相当大きな工夫をこらさなければならぬだろうと、このように考えています。
 そういうことで、いま阿部さんから、昭和五十四年度以降の地方財政の財源不足に対しどういう考えを持って臨むかというお尋ねでございますが、五十三年度につきましては今回御提案申しておるところの諸施策によって対処するほかありませんけれども、その後におきましても、国と同様です。相当長期にわたって地方財政の困難な時期が続くと思うのです。歳出面におきまして、やっぱり高度成長期、その高度成長期の惰性の中での行政運営、これを本当に根本から変えなけりゃならぬと思います。同時に、歳入面におきましてもよほど工夫をこらしまして、財源増強のための施策、これが必要になってくるであろう、このように思いますが、まあとにかく税制調査会、また地方制度調査会、これらの各機関におきましていろいろ検討しておりますが、この検討の成果というもの、これは非常な重要性を持ってくると、このように存じますので、その答申がどうなるか、それらも踏まえまして今後の地方財政のあり方につきましては対処してまいりたい、このように存じます。(拍手)
   〔国務大臣加藤武徳君登壇、拍手〕
○国務大臣(加藤武徳君) 地方財政がきわめて厳しいことは申し上げるまでもないことでございますし、また、ただいま総理から率直な答弁もございました。
 そこで、私への質問は、景気をよくするために大量に公共事業を行おうとしておるが、そのことが地方財政計画に盛り込まれており、そして地方分権に逆行するのではないかと、かような御指摘がございましたが、私はそうは思っておらないのでございまして、地方団体といたしましても、大量に公共事業を消化いたしますことが社会資本の充実につながってまいることはもとよりでありますけれども、地域住民福祉のためにもぜひやりたい、かような強い願望を持っておるのでありますから、地方もまたこのことを強く要望いたしておると、かように判断をいたしているところでございます。ただ、財政的な措置等につきまして十分なことをいたしませんことには、なかなか消化が困難でございますから、さような処置もいたしておるところでございますし、特にまた、地方の自主性を尊重する意味におきまして、五兆六千億円という大量の単独事業を予定いたしておるのでございまして、これは地域の住民の皆さん方の要望に従いますきめ細かい処置を地方独自の発想でやってくれるものと期待をいたしているところでございます。
 それから、御審議をいただきます中身の中のいわゆる交付税制度に関しますルール化の問題でございます。ルール化と申しますのは、先ほど大蔵大臣は、昭和五十年度にさかのぼって適用いたすと、かような表現もされたのでございますけれども、五十三年度の場合で申しますと一兆五千五百億円の交付税特会の借入金、この半分を国が見てくれる、かようなことをルール化と称しておるのでございまして、このことが地方財政を損なうのではないかと、かような御指摘でございましたけれども、理想的には交付税率の引き上げでございますが、諸般の事情でそれが困難になってまいりました。そこで、交付税法第六条の三第二項は、財源不足が生じた場合には二つの場合を予定いたしているのでありまして、その一つは交付税率の引き上げであり、いま一つは行財政制度の改正でございますけれども、今回のルール化は、まさにこの改正に相当いたすと、かように考えておるところでございます。そして、この制度は恒久的なものではなくて「当分の間」でございますが、「当分の間」とはそもいかなる期間かと、かような御指摘でございましたが、地方財政が好転いたしますか、または行財政の基本的な改正ができるまでの間と、かように承知をいたしておるのでございます。
 それから、地方財政において、景気の好不況に左右されない安定的な地方税制を創設すべきではないかと、かような御指摘でございましたけれども、まさに私も同様に考えておるのでございまして、ことに事業税に外形標準課税を導入いたします措置は、まさに安定的な税制の尤なるものであろうと思うのでございますから、今後推進に努力をいたしてまいりたいと、かように考えております。
 それから、住民税減税を行わなかった理由はどうか、納得いくように説明しろと、かようなことでございました。御承知のような地方財政の状況でございますから、減税をいたし得ますような環境ではなかったことが一つの大きな理由でございますのと、それはそれとして物価調整減税等はやるべきだと、かような御意見もあるのでありますけれども、住民税の最低課税標準のラインは、すでに大幅にこれを引き上げてもおりますのでございますから、さような処置も今回はようなし得なかったところでございます。
 それから、国並びに地方とも税制上の特別処置を行っておるのでありまして、国がさような処置をいたしました場合に、これが地方税に影響が出ないような遮断処置をとれと、かような御指摘でございます。今日までも遮断処置を極力とってまいっておるところでございますけれども、ただ、国と地方との目的が同一でありますような場合もございますし、また、たとえば減価償却の場合のように、遮断が技術上困難なようなもの等もあることは御理解をいただきたいと、かように思うのでございます。
 それから、地方が大量の地方債を発行いたしておりまして、この元利償還が大変になってまいりますことは、阿部議員が御指摘のとおりでございます。そこで、公債費の償還に当たりましては、これを地方財政計画に算入いたしまして処置をとってまいるのでございますけれども、ただ、トータルは変わらないものといたしましても、できるだけ償還期限を延長いたしますとか、あるいは借りかえをいたしますとか、さような処置をとることによって先に延伸いたします等の処置も今後積極的に指導してまいりたいと、かように考えておるのでございます。
 それから、公営企業金融公庫の改組についてでございますが、もとより抜本的な改正ではございませんでしたけれども、臨時三事業につきまして、普通会計債から公営企業金融公庫が融資し得まする道が開けたのでございまして、そのいわゆる改組案も御審議をいただいておると、かようなことでございます。将来、公営企業金融公庫の機能強化のために努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
 それから、地方債の起債手続等の簡素化につきましては、長い間の問題でございましたが、大蔵省と鋭意話を煮詰めてまいっておるのでございまして、十分な体制とは言いがたいかもしれませんけれども、私どもといたしましては、長い間の懸案がこの機会に、それもごく早い機会に相当前進を遂げる、かような確信のもとに、最終的な話し合いの段階に入っておるところでございます。
 そこで、枠を地方団体に一括して与えればいいではないかと、かような御提案でございました。私どもも、まさにさように思うのでございまして、都道府県に対しましては、一般単独事業の一般事業分につきましては五十三年度から枠の配分を行うと、かような処置をとってまいりたいと思っておるところであります。
 それから、公定歩合の引き下げが行われたことに対応して、地方債もまたそれに相応する体制をとらなければならぬではないか、かような御指摘でございますが、まさに私どももそういう考え方で金融機関に対処してまいりたいと、こういうぐあいに思っておるところでございます。
 それから超過負担の解消問題でございますが、超過負担は地方税制を乱るものでございますから、ぜひ解消しなければならぬのでありまして、毎年相当金額の解消を図ってきておりますが、五十三年度におきましても、警察でありますとか、保育所でありますとか、あるいは農業会議でありますとか、外人登録の事務でありますとか、あるいは学校でありますとか、各面にわたりまして超過負担の解消に努めておりますが、今後もまた努力をいたし、さらに実態調査の把握を十分にしなければならぬと、かような御指摘でございました。私どもも関係省庁と連絡をとりまして、実態調査を取り進めながら解消を図ってまいると、かようなつもりでございます。(拍手)
   〔国務大臣村山達雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(村山達雄君) お答え申し上げます。
 総理、自治大臣からほとんどお答えいただきましたので、残されました補助金の整理合理化の問題と、地方団体に対する補助金の交付手続の簡略化、この二つの問題について申し上げたいと思います。
 五十三年度予算におきましては、行政改革の一環といたしまして、補助金の整理合理化には格段の力を入れたのでございます。整理合理化した件数は全体で千六百八十九件に及んでおります。そのうち統合、メニュー化しましたのが三百十五件、それから終期を設定しましたのが百三十一件でございます。これによりまして浮きました金額が千四百二十二億円でございまして、昨年もずいぶんやったのでございますが、昨年が約七百億でございますから、二倍以上に及んでおるのでございます。このことによりまして、財政資金の効率的な使用を図っているところでございます。
 また、地方団体に対する交付事務の手続の簡素化、これは、今後公共事業を早く執行いたしまして、そして景気を浮揚するには欠くべからざる問題でございます。そこで、いま考えておりますことは、継続事業につきましては原則としてもう書類は省略しようと、このようなことを考えております。また、新規事業につきましても、部数はうんと、必要最小限度にするとか、それから地図等につきましても、もう必要最小限度のものでよろしいじゃないかと、こういうようなことで、この迅速化をいま鋭意関係各省と打ち合わせ中であります。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣櫻内義雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(櫻内義雄君) 補助金事務の簡素合理化等について、建設省関係についてお答え申し上げます。
 まず、各種申請書、添付書類の簡略化あるいは省略を行い、次に補助事業者限りで行い得る設計変更の範囲の拡大等、できる限りの努力を行ってきたところでございます。
 しかし、五十三年度予算において大幅な拡充を見た所管事業の円滑な消化を促進するためには、その一層の徹底を図る必要がございますので、省内の公共事業施行対策本部におきまして、すでに地方公共団体からのヒヤリングの回数の削減、一部事業についての補助金交付申請書類の簡素化を図ることを決定したところでありますが、また最近、大臣の承認を要しない設計変更等の範囲を拡大いたしまして、これに係る事務量のおおむね五〇%を軽減いたしました。工法協議の際提出した資料と同一の資料については、認可申請の際添付することを要しないことなどの改善策を追加いたしておるところでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(加瀬完君) 下田京子君。
   〔下田京子君登壇、拍手〕
○下田京子君 私は、日本共産党を代表して、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 質問に先立ちまして、一言申し上げておきます。ただいま議題となっております諸案件は、昨日の衆議院地方行政委員会で否決になったものであります。それにもかかわらず本院で審議を始めたことは、議会制民主主義の点から大きな問題であることを、まず指摘しておきます。
 さて、今回の地方財政計画は、七%経済成長を至上命令とした大企業本位の大型公共投資中心の景気対策に地方財政を全面的に組み込むきわめて不当なものと言わなければなりません。
 その理由は、この計画が公共事業などの投資的経費を二六・三%も拡大させる反面、経常経費、特に住民福祉にかかわる一般行政費の伸び率を一九・四%に抑えていることです。また、住民税の減税見送りによる実質増税で特に低所得者に重い負担をかけ、さらに地方債など七兆円を超える借金で、地域住民の利益からますますかけ離れたものとなっております。しかも、政府は、電源立地交付金を四三・八%にふやし、石油備蓄タンク設置の交付金を新たに設けるなどして、大企業奉仕の地方財政をさらに強めてきております。しかも、許せないことは、交付税交付を通じて、高校授業料や幼稚園、保育料の大幅な引き上げを事実上強制していることであります。政府は、このような憲法、地方自治法に定める地方自治の本旨に反する地方財政計画を改めて、いまこそ、地方財政の自主性を確立するために、総合補助金制度の導入を図り、起債に対する政府許可権を廃止すべきだと思います。この点についての総理の見解を求めます。
 今日、地方財政の実態を見ると、四年連続して二兆円から三兆円もの巨額な財政不足を生じております。その結果、地方債残高は五十三年度末で三十五兆円にも達し、地方財政規模をはるかに上回っております。この事態に対しまして、自治大臣は所信表明の中で、長期的展望に立って行財政両面にわたる地方自治の基盤の一層の充実を図ると言っております。
 しかし、その地方債残高解消の道は、昭和五十四年度から今後四年間に、地方税だけでも実に十兆二千億円もの大増税計画を織り込んだものであります。しかも、国税分の増税計画と合わせますと、何と三十六兆八千億円にもなります。こうした反面、社会保障などの振りかえ支出の伸び率が、従来の二四・六%から一四・七%に、著しく落ち込んでおります。このことは、地方自治と地域住民の利益を全く損なうものではありませんか。自治大臣の明快な答弁を求めます。
 次に、今回の地方交付税法改正案についてお尋ねいたします。
 政府は、五十三年度三兆五百億円に上る地方財源の不足について、昨年に引き続き、約半分を地方債で賄い、さらにその残額についても、約半分を地方に負担させ、しかも、今回はこの措置を当分の間の措置として固定化しようとしています。政府はこれをもって交付税法第六条の三の二に定められた制度改正であるなどと述べています。
 しかし、六条の三の二項の真の趣旨は、引き続く著しい財源不足を根本的に改める措置として、交付税率の引き上げもしくは行財政制度の改正を定めるものではありませんか。政府がもし本当に地方自治の基盤の一層の充実を図るとおっしゃるなら、もともと交付税で補てんすべき不足財源を、使い道が特定されている地方債に振りかえるなどの二重、三重の交付税法違反の道ではなく、交付税率の大幅引き上げを含む、国と地方を通ずる行財政の抜本的な改革を行うべきだと思いますが、総理の見解を求めます。
 さて、地方税法改正案ですが、政府は物価調整程度の減税すら見送ろうとしております。このため、たとえば四人家族の課税最低限は、給与所得控除を受けられない自営業者七十八万円、給与所得者百四十二万円で据え置かれ、生活保護費並み、あるいはそれ以下の低所得者にまで課税するきわめて不当なものとなっております。この反面、大企業に対する減免措置は、法人住民税均等割を若干引き上げたにとどまり、地方税における大企業優遇措置は依然として温存されております。政府が真に国民的立場から地方税法の改正をお考えでしたら、住民の犠牲ではなく、少なくとも一千億円程度の住民税減税を行うべきではありませんか。
 また、都市計画税の制限税率の引き上げ、土地保有税の軽減措置をやめるとともに、地方税における大企業優遇措置を廃止し、租税特別措置など国の特権的減免税の地方税へのはね返りを遮断し、さらに揮発油税、石油ガス税は一般財源に振りかえ、地方へ一部移譲を行うなど、地方税の充実を図るべきと思うが、いかがでしょうか。
 最後に、今日の地方財政危機の克服とその再建は、日本経済再建の上でもきわめて緊急な問題であります。わが党は、当面の緊急措置として、地方交付税率の四〇%への引き上げ、超過負担の計画的解消、総合補助金制度の導入などを内容とした地方財政緊急措置法の制定を提案しております。
 また、政府、地方団体の代表、学識経験者の三者同数とする地方財政委員会を設置し、その中で、国と地方との事務再配分、税源の地方移譲を含めた抜本的な改革を行うべきであることを提案しております。この多くは地方自治体の一致した要求ともなっております。政府は、わが党のこのような提案も考慮し、地方財政再建を真剣に検討する御用意がおありかどうか、総理の答弁を求めまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 今度の地方財政計画は、国が公共事業を中心として景気対策をやっておる、それに地方財政を巻き込んじゃう、それはゆゆしいことじゃあるまいか、また、地方自治の本旨に反しゃしないかというお話でございますが、先ほどからるる申し上げておるわけでありますが、今日、日本の社会経済の情勢は非常に深刻なんです。この地方財政が大変困窮しておる、国の財政もそうだという、その背景は何だと言えば、経済がまだ好ましい状態まで石油ショック後回復しておらぬ、この一点にあるわけなんです。それを考えますと、それはやっぱり、国の財政も地方の財政もちょうど景気調整機能というものを持っているんですから、この財政が、中央、地方を問わず景気回復という、その一つの任務に当たるということは非常に大事なことなんでありまして、その問題を抜きにいたしまして地方財政を論ずるということは私はできないと、このように思いますので、せっかくの御所見でございまするが、賛成できません。
 また、今回の財源不足対策につきまして政府のとった措置は、これは交付税法に違反しておるんじゃないかという御所見でございますが、これは、先ほど阿部さんの御質問にそのようなことがあり、そして自治大臣がるる御回答を申し上げておりますが、私は繰り返しては申し上げませんけれども、まあとにかく、いまこういう激動期に地方交付税率を変えろと言ったって、それはなかなかそういうわけにはいかないし、地方交付税法第六条の三第二項、これにおきましては、財源不足が生じた場合、それが長続きをした場合、その場合におきましては、「地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又は」地方交付税の「率の変更を行うものとする。」と、こう書いてあるんでありまして、地方交付税の率の変更だけがしなけりゃならぬこととは書いてないわけでありまして、したがいまして、地方交付税法違反ということはいわれのない批判であると、このように考える次第でございます。
 それから、まあ共産党におきまして、地方財政緊急措置法、つまり、交付税率を四〇%に変えるとか、そういう内容の法制定、地方行財政委員会の設置を主張しておるということでございまするけれども、地方行財政のあらゆる面におきまして改革しなけりゃならぬ問題は多々あるわけであります。しかしながら、いま一挙にこの交付税率を四〇%に変えろ、これは中央の財政の状態、そういうこと、それからいま経済がこれだけ激動しておるというときに、地方交付税の税率だけを四〇%にする、これはまあどういう御見解からそうなってきているのかよくわかりませんけれども、賛成いたしがたいのであります。政府といたしましては、現在審議中の地方制度調査会における地方行財政制度のあり方について答申を期待しておるわけでありまして、この答申を踏まえ、各方面の意見を承りまして善処いたしたいと、かように考えております。(拍手)
   〔国務大臣加藤武徳君登壇、拍手〕
○国務大臣(加藤武徳君) 地方財政を取り巻きます環境はきわめて厳しゅうはございますけれども、各地方団体といたしましては、地域に密着をいたしました仕事を日々やっていかなければならぬのでありますし、また、地域住民の要望は無限であると、かようにも言えようかと思うのでありますが、そういう中におきまして、各団体におきましてはいろいろ工夫をこらしながら努力をいたしているのが現状でございます。そして、その中には起債によって充当せざるを得ない部門も相当あるのでございまして、もとより私は、公営企業等を含めましての三十五兆円という大変な額は、これは異常なものだとは思っておるのでありますけれども、しかし、これもまた、地域の皆さん方の幸せを増進いたし、社会資本を蓄積してまいります上にはやむを得なかった処置であると、かように考えておるのでございますから、このことが地方自治を破壊すると、かようには考えられないのでありまして、これが償還につきましても今後鋭意努力をいたしてまいらなければならぬと、かように考えております。
 それから、住民税の減税をせめて一千億程度はやるべきであったと、かような御指摘でございますけれども、住民税の課税最低ラインの百四十一、二万円というところは、世界各国と比較をいたしまして相当高いのでございますし、かつまた、今日地方財政の状況は減税をなし得るような客観情勢でもないのでございまして、地方税の減税は見送らざるを得なかったのでございます。
 また、都市計画税の課税制限を千分の二から千分の三に引き上げるのでありますけれども、これは、今日の都市計画推進の状況なり、あるいは都市施設の整備の状況から見まして、これは目的税でございますから、この機会に制限税率を引き上げることによりまして、あとは個々の地方団体におきまして条例をもって、どの程度の率にするか、これを決定し得ますようなゆとりを持たせると、かような考え方の改正案でございます。
 また、特別土地保有税につきましては、御承知のように、昭和四十四年以降取得をいたしました土地は、その土地が有効に利用されておるか否かを問わず、一律に課税いたしてきておるのでございますから、現況からいたしますと、いわば若干の無理があったと、かようにも思えるのでありますから、最終的にもう利用されておると、また社会通念上この程度の利用ならまず利用と言えると、かような判断を市町村長がいたしまして、そして免税処置を取り得ますようなゆとりを持たせた合理化なのでございますから、このことが大企業優先でありますとか、さような性質のものでは絶対にないのでございます。
 また、税制上の特別処置につきまして、大企業優遇処置だという御指摘でございますけれども、私どもはさように考えておらないのでありまして、ある政策目的のために処置をしなければならぬものに対して処置をいたしておるのでございますけれども、しかし、これがマンネリに陥ってはならぬのでありますから、絶えざる見直しをいたしており、今回もまたその見直しをいたしておるのであります。
 なお、国の処置に対しまする地方への影響を遮断しなければならぬことは御指摘のとおりでございまして、今後努力をしてまいる、かようなつもりでございます。(拍手)
   〔国務大臣村山達雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(村山達雄君) 私に対する質問は、揮発油税、石油ガス税等を一般財源にして、そしてそれを一部地方に譲与税として出したらどうかと、こういうお話でございます。
 おっしゃるように、いま実は揮発油に対しましては、国の方は揮発油税として、これは特定財源で使っております。実際は道路財源に使っているわけでありますが、足りないものでございますから、ことしは一般財源三千九百億ぐらい追加している状況であることを御理解いただきたいと思います。したがって、揮発油税の中から譲与税として出す余地はないのでございます。しかし、揮発油に対しましては、御承知のように、別に地方道路税がかかっておりまして、これは全額地方譲与税として行っているのでございます。それから、石油ガス税の方は、二分の一が地方譲与税として地方の方に行っておるということでございます。その財源の使い方につきましてはある程度制限されると思いますが、それは、それぞれ地方の団体でそれに必要な財源だと、こういうことで決めているものであろうと理解しておるところでございます。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(加瀬完君) 三治重信君。
   〔三治重信君登壇、拍手〕
○三治重信君 私は、ただいま議題となりました昭和五十三年度の地方財政計画並びに地方税法及び地方交付税法等の一部を改正する法律案に対しまして、民社党を代表して、福田首相並びに関係大臣に御質問をいたします。
 政府は、昭和五十三年度の地方財政計画においては、予想される財源不足に対して、これを完全に補てんする財源を確保したと主張されております。しかし、昭和五十三年度の地方財源不足見込み額の半分は財投からの借り入れであります。この財投からの借入措置は、財政とは言いがたいものではないでしょうか。すなわち、交付税及び譲与税配付金特別会計は地方財政の一般会計財源であります。かかる一般財源を財投からの借り入れで処理するということは、財政の原則から逸脱するものと思います。不足財源が確保されさえすれば一般財源、財投のいずれでもよいではないかという議論は承服いたしかねるのであります。一般財源は、税か公債によって求められるべきものと思います。公債が多過ぎて目立つから、多い分は借り入れにしようという目隠し的な措置ではないでしょうか。地方公共団体の交付税率の引き上げの要望が特に強いことは、政府においても十分御承知のところであります。政府は、地方財政計画の不足財源につきましては、法律に定める地方交付税率の引き上げ、または地方行財政の制度の改正で行うことになっておるということで、暫定措置的に考えられておりますが、私は、地方交付税率の引き上げかまたは特例公債かのどちらかの財源で対処すべきであると思いますが、いかがなものですか。
 国が増加財源を国債に求めたと同様に、地方財政計画においても、ごく一部の地方税の増収を除きましては、主として地方債に増加財源を求めております。国債の消化は、企業の資金需要の減退と貯蓄率の異常な増加に支えられまして順調のようでありますが、国債の消化に重点が置かれ、地方債の消化に支障を来さないか。地方債の完全消化対策はどのようにとられておりますか。
 また、地方債資金の円滑な調達と、増大する縁故地方債を効率的に消化するため、現在の公営企業金融公庫を地方団体金融公庫に改組することが強く求められております。公営企業の金融のための公庫が発足したのでありますが、弱小地方公共団体の信用補足のため事業を拡大することは現在の公営企業金融を圧迫することにはならないと考えるが、どのようなものですか。弱小地方公共団体の建設資金を地方団体金融公庫において一流金融債として市場価値を高める対策は当を得ている策であると考えますが、いかがなものですか。
 次に、地方財政計画の歳出面においては、生活関連社会資本の整備と投資的経費に重点的配分を図ったとのことであります。しかし、最近、年を経るに従いまして地方財政計画と決算との間に著しく乖離が生じてきております。その原因はどこにありますか。また、いかなる項目についてその乖離が免じているか、お伺いをいたします。たとえば、給与関係費は一兆数千億円の超過になっております。地方公共団体の中でも、特に東京都を初め、政令都市及び当該府県の給与関係費がその大部分を占めておりませんか。最近、地方公務員の退職金支給額が加算、加算の大優遇で、大企業の退職金の二倍ほどにもなった例もあります。給与関係は、本来国家公務員の給与に準じて、条例に定めなければ支給できない制度になっております。しかし、特例や加算、プラスアルファ、給与権声と職員団体との交渉等、実行上の問題点が多々あるところであります。したがって、民間の給与実態と均衡をとるように新しく措置をとるべきだと考えますが、いかがなものですか。
 さらに、公務員の定年制の法制化はいかがお考えですか。いまや合理的人事管理のために、国家公務員を含めまして、公務員の共済年金と連動する定年制を設けるべきときではないでしょうか。
 次に、地方税についてお伺い申し上げます。
 五十年度における国税と比較して、所得課税の配分は国が七〇・七%、府県が一七・六%、市町村が一一・七%となっております.また、四十八年度の決算においての流通課税での配分は、国が七六・七%、府県が一六・五%、市町村は六・八%となっております。市町村の税収は全体として一割程度であります。今後地方税の検討に際し、市町村税の強化対策が必要と思うが、いかがなものですか。歴代の自治大臣は、地方自主税源の充実強化を図ることを表明されております。現在地方自主税源としてどのような税を検討されているか、具体的にお示し願いたいのであります。私は、一例として、利子配当課税の税率を引き上げるような場合には、その分を地方付加税として国庫にプールし、地方交付税に準じて配分したらどうか、また、競馬、競輪、競艇等の公営競技の収入が特定の市町村に偏っておるのを是正する対策、あるいはこれを目的税に昇格をしたらどうか、こういうふうに考えます。
 地方超過負担は、地方財政窮迫の最大要因であります。小中学校建設費、下水道建設費、公園、福祉対策費等はその最たるものであります。国庫補助に対する超過負担の解消策をどのようにとろうとしておるか。行政が公共事業や福祉施設等広範多岐にわたるに従いまして、だんだん零細な補助金の山積となって今日に及んでおります。政府は、行政改革、整理に当たって、補助や負担を定めた法令の整理を行うことが行政の効率化に資すると思います。どのようにお考えですか。
 福田首相の行政改革については、さらに勇を鼓して、地方の要望しております零細補助金の整理や国、地方を通ずる行政の効率化対策を行う意図はないか。
 また、人口急増地における宅地開発や都市再開発事業において、本来公共団体が負担すべき公共用地や福祉施設の提供等を開発業者に求められ、その負担は増大の一途をたどっております。業者に負担させたその費用は、その実、新しく住民となる勤労者のマイホームのべらぼうな高価な負担となって返っておるのであります。政府は景気回復のために住宅大量建設に持ち家政策を推進しておりますが、地方財政のしわ寄せが宅地価格の高騰となって住宅建設を妨げている現状を認識し、想を新たにして都市計画の推進に大胆に取り組むべき時期だと思うが、どうか。
 次に、地方公営企業――交通、水道、病院の財政悪化は、地方公共団体の一般会計の繰り入れ等大きな負担となっております。独立採算制の公営企業に対する赤字補てんの規制、不健全経営体に対しては民間払い下げ等、切開手術をさすべきではないでしょうか。この不況の中で、民間企業は血のにじむ合理化対策に追われているのに、親方日の丸ののんびりした赤字経営は許さるべきではないと思います。
○副議長(加瀬完君) 三治君、時間が超過しております。簡単に願います。
○三治重信君(続) また、公営企業は、水道事業に見られるごとく、単独の市町村経営から広域市町村の合同経営体に拡大強化する等、効果的な経営ができるように改組を進める意図はないか。
 以上、要するに、地方財政は、国の大幅な赤字財政と同様な赤字を抱えることになりました。五十三年度の景気回復の予算を実効あらしめるためには、地方財政がスムーズに実行できるか否かにかかっていると申しても過言でございません。総理並びに自治大臣の決意をお伺いして、私の質問を終わります。(拍手)
  〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 地方財政計画と決算との差が大きい、これをどういうふうに改善するかというお尋ねでございますが、地方財政計画は、その性格上といいますか、これは地方団体の標準的な歳入歳出、それの見積もりでございますので、これは現実の行政活動の結果としての決算、これと違いが出てくるということは、これはやむを得ないことかと思うのです。しかし、地方財政計画が実態と余り違うというのもどうか。できる限りこの乖離が少なくなる、こういうことは好ましいことでありますので、従来から、過去の決算などを参考に、適宜その算定内容につきまして是正措置を講じてきたところでございまするけれども、五十三年度の地方財政計画におきましても所要の改正、是正をいたしております。
 次に、九政令都市は、財政上道府県と同格扱いにし、地方財政の合理化を図るべきじゃないかというお話でございますが、これは、余りこれを徹底してしまいますと、九つの府県がまたできたと、こういうようなことになりますので、これは相当大きな問題でございます。でありますので、この九政令都市、ここで府県と性格を全く同じにするということにつきまして私は同意するわけにはまいりませんけれども、まあ、政令都市を設けたその趣旨を十分生かしながら、府県や、また政令都市との間の行政運営が円滑にいくようにということを心がくべきだと、かように考えます。
 それからさらに、国家公務員も含めまして、公務員の共済年金制度などと連動するように配慮しながら定年制の改正を行ったらどうだと、こういう御指摘でございますが、これは私は同感でございます。最近の諸情勢から、公務員に定年制を導入すべきである、そのように考えまして、昨年十二月二十三日の行政改革の閣議決定におきましても、この一項を取り入れまして、目下人事院を中心といたしまして、どういうふうに改革するかということにつきまして具体案を検討いたしておるというところでございます。
 なお、これに関連いたしまして、行政機構の改革をさらに推進せよというお話でございますが、ただいま申し上げましたこの閣議決定で相当の問題を提起しておりまするけれども、行政機構の改革はこれで終わりというふうには考えておりません。なお今後とも精力的に推し進めてまいる所存でございます。(拍手)
   〔国務大臣加藤武徳君登壇、拍手〕
○国務大臣(加藤武徳君) 財源不足を補ってまいりますために借入金をせざるを得なかったのでございますけれども、その借入金が財投からのものではよろしくないのではないかと、かような御指摘でございましたし、また、交付税率を引き上げるか、あるいは特例公債で処置をすべきだと、かようなことでございましたけれども、私は、特例公債、国が公債を発行いたしまして財源を確保し、それを交付税特会に貸すという方式と、財投から借り入れまする方式は、方式において若干違いはいたしますものの、その内容におきましてはそう大きくは変わりがないと判断をいたしておるのでございまして、今回の一兆五千五百億円の借り入れは、五年据え置き・十年償還、かような、従来のものよりも飛躍的に条件のいいものでございますから、私は、このことによって完全に補てん処置ができたと、かように判断をいたしているところでございます。
 それから、公務員の給与や退職金のことについてお触れになられたのでございますけれども、三千数百の団体は、まさにてんでんばらばらでありまして、国家公務員と対比をいたしてみましても、町村におきましては、ラスパイレスが国家公務員よりも低いという数字でございますけれども、ある団体におきましては非常に高いもの等があるのでありまして、それは、わたりでありますとか昇短等を行っておりまするところが大きな原因になっておろうかと思うのでございますから、今後は、国家公務員と権衡を失してはならぬ、このことが法に明定されておるのでありますから、その趣旨を徹底さしてまいりますように努力をいたしてまいらなければならぬと、かように考えております。
 それから、地方公務員にも定年制を導入すべきではないか、かような御指摘でございました。過去数回にわたりまして法案を上程いたし、地方公務員法を改正いたしまして各地方団体が条例によって定年制を設け得ますような、さような道を開く努力をいたしたのでありますけれども、いずれの場合も審議未了に終わってしまい、ことに昭和四十三年でございましたか――六十一国会でございます。廃案になりまして、以後は提出をいたしておらぬ、かようなことでございます。しかし、国家公務員におきましても定年制が検討されておる最近の情勢にもかんがみまして、早い機会に成案を得て、また御審議をいただく機会もあるであろうかと、かように考えておるところでございます。
 それから、地方税につきまして抜本的な検討を行います場合に、市町村税の検討がぜひ必要だと、かような御指摘に対しましては、私もまさにそのとおりに考えております。なお、自主財源の確保につきましての御提案でございましたが、参考にいたしながら勉強いたしてまいりたい、かように思っております。
 それから超過負担の解消は、ぜひやっていかなければならぬことは先ほど来申したとおりでございまして、今後も努力をいたします。
 それから、宅地開発を行ってまいります場合に、公共公益費を開発者に負担せしめておるのでございますけれども、これは大量の資本投下が必要になってまいりますので、それをデベロッパーに負担していただきますのはやむを得ない処置ではないであろうかと、かように考えておるところでございます。
 それから、公営企業金融公庫の赤字経営は許されないということでございます。御承知のように、交通につきましても病院につきましても、二回にわたり不良債務をたな上げいたしまして再建処置をとっておるのでございますが、これが処置を強力に推進いたしてまいりまして、再建の一日も早いことを期して努力をいたしてまいりたい。
 最後に、景気をよくするためには公共事業をしっかりやらなければならぬ、がんばれと、かような御激励でございましたけれども、まさにそのように心得て努力をいたしてまいりたい、かように思う次第であります。(拍手)
   〔国務大臣村山達雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(村山達雄君) 大部分もう自治大臣からお答えいただきましたので、私からは、公営金融公庫の改組問題、それから超過負担の問題についてお答え申し上げたいと思います。
 公営企業金融公庫は、言うまでもなく、公営企業に対する金融をやるのでございますが、去年、ことしとその事業範囲を拡張いたしまして、普通会計に属するものをもいま組み込んだところでございます。大体、いま、八千億くらいの資金量のうち三千億くらいが普通会計の分になりましたから、私はある程度目的を達したのではないであろうかと思っておるのでございます。これを全然改組して、そして地方の縁故債等、これを一挙にここで引き受けてやるという金融システムには非常に疑問を持っているわけでございまして、縁故債等は、御案内のように、地域金融を基本といたしましてうまく回っている制度であるわけでございます。それを断ち切るということになりますと、いまのような状況ならいざ知らず、一たび民間の資金需要が出てきたときには非常に問題が多くなる、金利は非常に高くなるのではないか、こういう考えを持っておるのでございます。
 それから超過負担の問題でございますが、これはあくまでも解消していかなければならぬのでございまして、実態調査の結果、ことしも小中学校の施設、社会施設と、単に単価基準ではございませんで、面積基準、あるいは仕様基準、こういった方面で大幅な改正をいたしまして、ことしは約九百三十三億円の改善を見ておるところでございます。今後も、引き続き、超過負担は解消していかなければならぬと、かように思っておるところでございます。(拍手)
   〔国務大臣櫻内義雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(櫻内義雄君) 超過負担の問題は、すでに自治、大蔵両大臣のお答えがございましたので、省略をさせていただきます。
 それから、住宅建設及び宅地開発に伴って必要となる公共公益施設費の負担を問題とされましたが、根幹的施設については極力国庫補助事業として採択するよう努めるほか、立てかえ施行制度の改善強化、人口急増市町村等における国庫補助率の引き上げ、また、地方債のかさ上げと利子補給等の措置を講じてまいったところでございます。さらに、五十三年度におきましては、新たに関連公共施設促進費として別枠で補助を行うため三百億円を計上し、地方財政負担の軽減に努めておるところでございまして、勤労者の住宅取得に際しまして、公共公益施設整備費により負担がかぶさることのないよう、できるだけ努力をいたしておるところでございます。(拍手)
○副議長(加瀬完君) これにて質疑は終了をいたしました。
     ―――――・―――――
○副議長(加瀬完君) 日程第一 許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外務委員会理事稲嶺一郎君。
   〔稲嶺一郎君登壇、拍手〕
○稲嶺一郎君 ただいま議題となりました許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約につきまして、外務委員会における審議の経過と結果を御報告いたします。
 この条約は、各国においてレコードの無断複製が横行している実情にかんがみ、このような無断複製からレコード製作者を保護することを目的として一九七一年十月に作成されたものでありまして、各締約国が著作権その他特定の権利を付与すること等によって、他の締約国の国民であるレコード製作者を、その者の許諾を得ないで行われる複製物の作成、輸入及び公衆への頒布から保護することを主たる内容としております。
 委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知を願います。
 昨二十三日、質疑を終え、別に討論もなく、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
○副議長(加瀬完君) これより採決をいたします。
 本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(加瀬完君) 総員起立と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。
     ―――――・―――――
○副議長(加瀬完君) 日程第二 労働組合法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます、社会労働委員長和田静夫君。
   〔和田静夫君登壇、拍手〕
○和田静夫君 ただいま議題となりました労働組合法の一部を改正する法律案につきまして、社会労働委員会の審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法律案の主な内容は、第一に、中央労働委員会の公労使それぞれの委員を一人ずつ増加し、現行の各八人から各九人とすること、第二に、東京都及び大阪府の地方労働委員会の公労使それぞれの委員を二人ずつ増加し、東京都地方労働委員会については現行の各十一人から各十三人と、大阪府地方労働委員会については現行の各九人から各十一人とすることなどであります。
 委員会の質疑の詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、討論はなく、採決の結果、本法律案は全会一致で原案どおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し、労働委員会の審査手続のあり方、円満な労使慣行をつくり上げるための配慮と委員の処遇改善及び事務局の拡充強化などを内容とする附帯決議を全会一致でつけることに決しました。
 以上報告いたします。(拍手)
○副議長(加瀬完君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(加瀬完君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
○副議長(加瀬完君) 日程第三 北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法及び南九州畑作営農改善資金融通臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長鈴木省吾君。
   〔鈴木省吾君登壇、拍手〕
○鈴木省吾君 ただいま議題となりました法律案について、委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 本法律案は、最近における北海道及び南九州における畑作農業の実情等にかんがみ、両畑作振興地域における農業経営の安定を図るため、農林漁業金融公庫が貸し付ける営農改善資金の使途の範囲を拡大することとするとともに、その貸し付けを受ける資格の認定申請期限をさらに五年延長しようとするものであります。
 委員会におきましては、期限延長の理由、これまでの貸付実績と今後の計画、両畑作振興地域における土地改良事業等の進捗状況、今後の畑作振興対策等について質疑が行われました。
 質疑を終了し、別に討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 続いて、青井理事から、各会派共同提案に係る、農業基盤整備の促進等四項目にわたる附帯決議案が提出され、採決の結果、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
○副議長(加瀬完君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○副議長(加瀬完君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後零時十分散会