第084回国会 本会議 第14号
昭和五十三年四月十日(月曜日)
   午前十時八分開議
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○議事日程 第十四号
  昭和五十三年四月十日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(昭和五十年
  度決算及び昭和五十一年度決算の概要につい
  て)
 第二 活動火山周辺地域における避難施設等の
  整備等に関する法律等の一部を改正する法律
  案(衆議院提出)
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○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 一、日程第一
 一、新東京国際空港問題に関する決議案(木村
  睦男君外八名発議)(委員会審査省略要求事
  件)
 一、日程第二
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○議長(安井謙君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 亀長友義君から、海外旅行のため明十一日から十日間請暇の申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。よって、許可することに決しました。
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○議長(安井謙君) 日程第一 国務大臣の報告に関する件(昭和五十年度決算及び昭和五十一年度決算の概要について)
 大蔵大臣から発言を求められております。発言を許します。村山大蔵大臣。
   〔国務大臣村山達雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(村山達雄君) まず、昭和五十年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その大要を御説明申し上げます。
 昭和五十年度予算は、昭和五十年四月二日に成立いたしました。
 この予算は、引き続き抑制的な基調を堅持する方針のもとに、国民生活の安定と福祉の充実に配意するとともに、経済情勢の推移に対応して機動的、弾力的な運営を図ることを基本として編成されたものであります。
 さらに、その後における経済の停滞等により租税収入等が大幅に減少する見込みとなったことに伴う措置を講ずるほか、経済情勢の変化等に伴い特に緊要となった経費について所要の措置を講ずるため、補正予算が編成され、昭和五十年十一月七日、その成立を見ました。
 この補正によりまして、昭和五十年度一般会計予算は、歳入歳出とも二十兆八千三百七十一億円余となりました。
 以下、昭和五十年度決算についてその内容を数字を挙げて御説明申し上げます。
 まず、一般会計におきまして、歳入の決算額は二十一兆四千七百三十四億円余、歳出の決算額は二十兆八千六百八億円余でありまして、差し引き六千百二十五億円余の剰余を生じました。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の昭和五十一年度の歳入に繰り入れ済みであります。
 なお、昭和五十年度における財政法第六条の純剰余金は二千百六十八億円余であります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額二十兆八千三百七十一億円余に比べて六千三百六十二億円余の増加となるのでありますが、この増加額には、前年度剰余金受け入れが予算額に比べて増加した額五千七十八億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、昭和五十年度の歳入の純増加額は千二百八十四億円余となるのであります。その内訳は、租税及び印紙収入、雑収入等における増加額三千四百六億円余、公債金等における減少額二千百二十二億円余となっております。
 一方、歳出につきましては、予算額二十兆八千三百七十一億円余に昭和四十九年度からの繰越額四千七百八十七億円余を加えました歳出予算現額二十一兆三千百五十八億円余に対しまして、支出済み歳出額は二十兆八千六百八億円余でありまして、その差額四千五百四十九億円余のうち、昭和五十一年度に繰り越しました額は二千五百九十三億円余となっており、不用となりました額は千九百五十六億円余となっております。
 次に、予備費でありますが、昭和五十年度一般会計における予備費の予算額は二千億円でありまして、その使用額は千七百八十三億円余であります。
 次に、昭和五十年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は四十一でありまして、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。
 次に、昭和五十年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は十四兆四千八百十一億円余でありまして、この資金からの一般会計等の歳入への組み入れ額等は十四兆四千四百三十八億円余でありますので、差し引き三百七十三億円余が昭和五十年度末の資金残額となります。これは、主として国税に係る還付金として支払い決定済みのもので、年度内に支払いを終わらなかったものであります。
 次に、昭和五十年度政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書を御参照願いたいと存じます。
 以上、昭和五十年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その大要を御説明申し上げた次第であります。
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 次に、昭和五十一年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その大要を御説明申し上げます。
 昭和五十一年度予算は、昭和五十一年五月八日に成立いたしました。
 この予算は、国民生活と経済の安定及び国民福祉の充実に配意しつつ、財政の改善合理化を図るとともに、景気の着実な回復に資するための施策を実施することとして編成されたものであります。
 さらに、その後における経済情勢等にかんがみ、公共事業関係費の追加を行うほか、農業保険費等について所要の措置を講ずるため、補正予算が編成され、昭和五十二年二月二十二日その成立を見ました。
 この補正によりまして、昭和五十一年度一般会計予算は、歳入歳出とも二十四兆六千五百二億円余となりました。
 以下、昭和五十一年度決算についてその内容を数字を挙げて御説明申し上げます。
 まず、一般会計におきまして、歳入の決算額は二十五兆七百六十億円余、歳出の決算額は二十四兆四千六百七十六億円余でありまして、差し引き六千八十四億円余の剰余を生じました。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の昭和五十二年度の歳入に繰り入れ済みであります。
 なお、昭和五十一年度における財政法第六条の純剰余金は三千四十四億円余であります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額二十四兆六千五百二億円余に比べて四千二百五十七億円余の増加となるのでありますが、この増加額には、前年度剰余金受け入れが予算額に比べて増加した額三千二百九十二億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、昭和五十一年度の歳入の純増加額は九百六十五億円余となるのであります。その内訳は、租税及び印紙収入、雑収入等における増加額二千七百三十四億円余、公債金における減少額千七百六十八億円余となっております。
 一方、歳出につきましては、予算額二十四兆六千五百二億円余に昭和五十年度からの繰越額二千五百九十三億円余を加えました歳出予算現額二十四兆九千九十五億円余に対しまして、支出済み歳出額は二十四兆四千六百七十六億円余でありまして、その差額四千四百十九億円余のうち、昭和五十二年度に繰り越しました額は二千二百十三億円余となっており、不用となりました額は二千二百五億円余となっております。
 次に、公共事業等予備費でありますが、昭和五十一年度一般会計における公共事業等予備費の予算額は千三百五十億円であり、その使用額は千二百六十八億円余であります。また、予備費の予算額は千五百五十億円であり、その使用額は八百三十六億円余であります。
 次に、昭和五十一年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は四十一でありまして、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。
 次に、昭和五十一年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は十六兆二千八百七十五億円余でありまして、この資金から一般会計等の歳入への組み入れ額等は十六兆二千四百十三億円余でありますので、差し引き四百六十一億円余が昭和五十一年度末の資金残額になります。これは、主として国税に係る還付金として支払い決定済みのもので、年度内に支払いを終わらなかったものであります。
 次に、昭和五十一年度政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書を御参照願いたいと存じます。
 以上、昭和五十一年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書について、その大要を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
○議長(安井謙君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。案納勝君。
   〔案納勝君登壇、拍手〕
○案納勝君 私は、日本社会党を代表して、ただいま報告のありました昭和五十年、五十一年度の決算について、福田総理初め関係大臣に幾つかの質問をいたしたいと思います。
 今日、福田内閣が行き詰まっている課題の主なものは三つあると思います。それは、第一に雇用不安の解消、第二に円高不況対策、第三に成田開港についてであります。そのどれ一つとっても、それは福田内閣の政策の失敗が原因であり、その無能無策はまさにそのもの自体を暴露したものと言わざるを得ません。
 これらの三つの問題は、そもそも四十九年から五十年、五十一年にかけて、その危険が予知されていた問題であります。特に五十年には、福田総理は、副総理、経済企画庁長官という、当時の三木内閣の財政経済運営のかなめであり、五十一年十二月二十四日には総理の座につかれたわけでありますが、総理の座につくまでは巧みに責任を回避してこられました。ところが、あなたが政権を獲得されたときから一挙に問題は深刻化したのであります。
 まず、五十年、五十一年の副総理当時、景気は三年で回復すると言われていたのに、さっぱり、回復するどころか、ますます雇用不安は深みにはまり、黒字対策はいずれも後手後手で、円高は福田内閣が右往左往している間に高騰の一途をたどっています。あなたは、常々、「国の基本は経済にあり」「五十三年トンネルを抜け出たその先は明るい社会に」と繰り返してこられました。しかし、その国の基本は混乱し、ますます深刻化しているではありませんか。あなたのトンネルには出口がないのではありませんか。
 成田についても、地元農民との積極的な話し合いもせず、ただ強者の論理で莫大な資金をつぎ込み、権力によって押し込むのみで、農民の心情を理解しようとしないところに先日の暴発事件が起き、開港がおくれ、内外の批判を受ける始末になったのではありませんか。今後もまた、このような強権力だけで安全が確保されるとお思いですか。このように、国民生活に深刻な不安と動揺を与え、国の信用を傷つけたその責任は免れることはできません。
 総理、あなたは、みずからいままでのその不明と無策無能を国民に謝り、総理の座をおりることが責任ある政治家のとるべき道と思いますが、総理のお考えをお聞きしたいと思います。
 第二に、大蔵大臣にお尋ねをいたします。
 あなたの主税局長時代は高度成長時期であり、ほうっておいても自然増収で潤ったときでもありましたから、やすやすと減税もでき、現在のような歳入不足も生じなかったわけであります。それだけに、五十年、五十一年度、そして五十三年度まで、借金財政下の財政運営については適応できないのではないでしょうか。それだからこそ、財源問題になると、すぐに大衆課税の増税で賄うという発想しか生まれてこないのではないでしょうか。
 税負担は公平でなければならないということは言うまでもありません。それが、一部の特定者に恩典を与えて、税の公平を欠き、富の格差を一層拡大させ、国民の不信を助長しているのであります。その端的な例が、医師の優遇税制であります。五十一年度の会計検査院の特記事項では、年間所得一千万円以上の開業医は一人平均七百三万円をも所得税を軽減されているのであります。このような不公平税制の是正は、五十年度、五十一年度も問題になりながら、本年度も見送られ、五十三年度のこれによる税の減収の総額は二千二百六十億円にも上るのであります。このような不当な措置をこれ以上放置することは許されません一すぐに廃止すべきでありますが、少なくとも来年度には必ず廃止するということを確約をしていただきたいのであります。大臣の御回答を求める次第です。
 また、五十三年度予算が成立したばかりの今日、早くも補正予算がうわさされています。これはまさに福田経済政策の決定的破産を意味するものではありませんか。当面の問題としてどのようにお考えになっているか、あわせて、大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。
 次いで、円高不況対策について通産大臣にお伺いいたします。
 五十年、五十一年度には、政府の輸出第一主義の政策に歯を食いしばって輸出に活路を見出してきた中小企業は、昨今のとどまるところを知らない円高に、いずれも倒産の危機にさらされています。また一方では、石油、電力、ガスのように、眠っていても膨大な為替差益が転がり込んでくる企業もあります。いまこそ、このような不労所得とも言うべき為替差益は当然国民に還元すべきであります。しかるに、今日、政府にはこれらの企業の料金や価格を向こう何年かは値上げさせないといった消極的な姿勢しかとられていません。このような事態を放置しているのは、通産行政が大企業優先で、力の弱い中小企業に円高のしわ寄せをする姿勢のあらわれではないでしょうか。大臣、円高差益の還元を料金や価格の引き下げなど即座に実行すべきであると思いますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
 また、この円高に悩む中小企業対策については、現行の措置より一層手厚い援助措置を講じなければならないと思いますが、どのような対策を用意しておられるか、お伺いしたいと思います。
 次いで、雇用対策と春闘について労働大臣にお伺いいたします。
 雇用情勢は、五十年、五十一年とますます深刻化し、本年二月の完全失業者は百三十六万人で、この二十年来最悪の状態になっています。したがって、雇用対策は緊急に、不況業種の多発している地帯については特に地域の特殊性や産業配置に即応した、きめの細かい対策が必要でありましょう。労働省が五十年、五十一年に行った対策はなまぬるく、やっと最近失業多発地帯の調査を行い、一部地域では公共事業に失業者を吸収しようとはしていますが、問題の解決にはほど遠く、看板倒れに終わるのではないかと憂慮されているのであります。これらを実効あらしめるためには、全産業の週休二日制の法制化を含め、抜本的な対策が必要だと思いますが、どのように努力なされるおつもりか、お伺いをいたしたいと思います。
 さらに、春闘に関してお尋ねいたしますが、福田総理は、去る四月一日の予算委員会で、過剰雇用のもとで大幅賃上げは雇用整理にもなりがちだ、また、賃金が大幅に上がれば物価上昇にもつながるとの趣旨の発言をなされました。それは、政府が労使に対して賃上げ幅を牽制し、場合によってはガイドラインを設けようとする意図のあらわれではないでしょうか。これはまさに筋違いと言わざるを得ません。総理の明確な御答弁を求めたいと思います。
 今日こそ、雇用拡大とあわせ、大幅賃上げと減税によって勤労国民の所得の安定を図り、購買力を高め、最終需要を喚起することがいま緊急ではありませんか。労働大臣は今後春闘についてどういう態度で臨まれるか、そのお考えをお伺いいたしたいと思います。
 次いで、医療行政について厚生大臣にお尋ねいたします。
 まず、医療保険についてであります。本年二月一日から医療費が九・六%引き上げられ、そのため、政府管掌保険については一月にボーナスからの特別保険料を新設されたばかりのところに、さらに保険料を〇・二%引き上げ、政令改正でアップできる限度いっぱいの八%にしたのであります。加えて、医療保険の抜本改正については、十割給付にするかわり、薬剤費などの償還制度を導入するなどの構想が示されています。差額ベッドや付添看護料などの保険外負担の解消を図ることも、ろくにできないくせに、政府が医師会などの圧力に屈して国民に負担増を強いることは認めることができません。五十三年度には十兆円を超えると見込まれる医療費で一部の製薬業者や開業医が潤うというのでは、国民の医療行政への不信はますます深まるばかりではありませんか。大臣の御見解をお伺いいたします。
 また、医療行政不信は、大腿四頭筋短縮症問題についても言えます。現在、四頭筋短縮症の患者が厚生省調べで八千八百人、三角筋、臀筋短縮症を含めると約一万人の筋短縮症の患者があります。親の会自主検診グループに言わせると、三万人を超えると言われます。これは、国民不在の医療行政によって、五体健全に生まれた子供が、医師の乱診・乱療・乱注射により子供の体を破壊し、その一生を身体障害者として生きなくてはならない苦しみを味わわしている医原病であります。私は、五十年、五十一年を通じ、たびたび国会でもこの問題を取り上げ、まず必要なことは、速やかに新しい患者発生を防止し、患者の治療体制を国が責任を持って緊急に措置するよう政府に強く要求してきたところであります。しかるに、筋短縮症が社会問題となった四十八年以降に生まれた子供の中にも、三百人に近い重軽症患者が発見されています。早く予防措置をとればこうした新しい患者の発生や家族の悲劇は未然に防ぐことができたのであります。この責任を厚生大臣はどうお考えになっておられますか。今後はどのように対処されようとされるのか、明確に承りたいと思います。
 次いで、ロッキード事件のいわゆる灰色高官について総理にお尋ねをいたします。
 昭和五十一年二月に事件が発覚し、二年余りが経過いたしました。そして最近、被告である丸紅の大久保、伊藤の口から灰色高官の氏名が法廷で明らかになりました。これらの人々は、国民ひとしく疑惑を持っていた人物であります。去る五十一年十一月、衆議院において参考人として招致し、その弁明を聴取したところ、口をそろえて潔白だと言い張られました。それがいかに虚偽であったか明らかになったことは言うまでもありません。総理は、これら灰色高官への疑惑はすでに国会の場で本人が弁明したのだからと、一事不再議の原則を盾にとって、疑惑は払拭されたと解釈して、その政治的道義的責任を解除しようとされているのではありませんか。いまや総理のたび重なるロッキード隠しに対し、国民世論は新たな怒りを感じています。あなたは総理として、国民に対して、もはやほおかぶりすることは許されません。あなたは総理・総裁として、国会におけるこれらの人々の証人喚問に応ずべき措置を速やかにとり、その政治責任を明確にして、国民の政治への信頼を回復しなくてはならない責任があります。一体総理はどうお考えになり、どう始末されるつもりなのか、明らかにしていただきたいと思います。
 最後に、私は、日中平和友好条約の締結についてお尋ねをいたします。
 日中平和友好条約の締結は、いまや日中両国にとって障害となる条件はなく、国民の世論が早期締結へ盛り上がる中で、情勢は成熟をしています。しかるに、その条約の交渉が遅々として進まない原因は一体何なのですか。それは、与党内の雑音に妨げられて、中国側の意向を受け入れられないわが国の政府の体制の問題ではないでしょうか。総理自身の指導性の欠如にあるのではありませんか。総理は今国会会期中に条約の締結と批准の手続を行う決意がありますか。総理の決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 今日の状態を、雇用不安、また円高が非常に深刻な状態である、そういう御指摘のもとに、それはすべて私の失政のいたすところじゃないかというような御所見でございますが、確かに、御指摘がありましたように、私は田中内閣の末期は大蔵大臣、次いで三木内閣の副総理、経済企画庁長官と、約五年近く歴任をして今日に至っております。その五年間を回顧してみると、まあ案納さんはそういうふうにおっしゃいまするけれども、国際社会ではそう言っておらないんです、これは。事実、四十八年の秋に石油ショックが発生した。そして四十九年、五十年、五十一年、これはまあわが国においても大変な困難な時期であったわけであります。しかし、その三年間にとにかくあの狂乱物価という状態はもう影をひそめるという状態になる。また、経済成長はどうだと言うと、先進諸国の中で第一の高さである五・七%を実現する。そして国際収支はどうかと言いますれば、経常黒字が四十七億ドルに達するという状態であったじゃありませんか。これはもう世界が、日本はまあとにかくすばらしいことをやった、戦後日本の第二の奇跡である、こう言っているんですよ。その後の状態もその傾向がずっと進んでおる。物価はどうかと言いますれば、三月の東京の消費者物価四・八%、もう石油ショック前においてもまれに見る落ちつきぶりでございます。成長はどうかと言うと、とにかく五・三%成長、まだ締めはできておりませんけれども、大体できそうだ。それから何でしょうね、国際収支黒字、これはとにかくもう百三十億ドルを超えるという黒字になるんですよ。これはよ過ぎて困る、そういうような状態である。
 私は、まあ政府のすることでありまするから、十が十まで全部間違っていないと、こういうふうには申し上げません。それは間違いもあったかもしらぬ。ことに昨年の九月末のあの急激なドル安円高、これを予見できなかった、これなんかは、いま顧みて大いにじくじたるものを感じまするけれども、しかし、大筋においてわが日本の五年間の経済経営が失態であったと、そのようには断じて私は考えませんということをはっきり申し上げるのであります。
 また、成田の問題につきまして、案納さんは、農民の理解を取りつけることに失敗したと、その辺がこの問題のさばきの反省さるべき点であると、こういうふうに言っておられますが、私はそのとおりに考えます。まあ農民の理解、これは得なきやならぬ。しかし、今度のあの事件、あの事件を醸し出したのは、純粋なる農民の反対運動じゃないんです、これは。あれはもう極左の過激派の破壊活動である、そのような認識を持たなけりゃ、この問題の抜本的解決はできません。私は、一方においては、これからまあいろいろ、成田の第二滑走路の問題なんかいろいろあります、農民との話し合いは、これはもうさらにさらにこれを強化していきます。しかし、極左暴力集団、あの所業が、再びあのような白昼堂々と行われるということにつきましては、あのようなことが再び起こらないというために、全責任をもって対処しなけりゃならぬと、このように考えておるのであります。
 さらに、案納さんから、先般の参議院予算委員会で私が春闘について考えを述べたというようなお話でございますが、あれはまあそういう理解でない方がいいと思います。私は、との予算委員会で、賃上げをしないと景気がよくならないんじゃないかと思うがどうかと言うから、理論的な私でありまするから理論を申し上げたんです。つまり、いま経済不況と言うけれども、その不況の実態、中心は何だと言いますれば、企業が採算がとれないという状態なんです。そういうとき、ここで大幅な賃上げが行われるというようなことになったら、また倒産、破産、企業は一つ一つ深刻な状態になる、そういうことを指摘して、賃上げをすることが景気回復につながると、そのようには私は考えませんということを明快に申し上げたわけであります。私はいつも言っているわけでありまするけれども、具体的な賃金決定、これは労使双方の話し合いで決定さるべきである、私は賃金決定に介入しない、こういうふうに申してきておりまするけれども、その考え方にはいささかの変わりもございません。
 それから、ロッキードの灰色高官の政治的道義的責任を究明する、この問題をどういうふうに進めていくかという御質問でございますが、これは前から申し上げておりまするように、これはまあ裁判というわけにはならぬ、やっぱり国会の調査権によってこの問題を解決するほかはない、そのように考えておるのでありまして、政府といたしましては、その調査権の発動に対しましてはできる限りの御協力をするという考え方でございますが、特にいま証人喚問に対してどういうふうに考えるかというお話でございますが、これはいま国会各党が御相談中である、その相談の結果を踏まえて政府といたしましては対処したいと、このように考えております。
 また、日中平和友好条約の早期締結への御意見を交えての質問でございますが、私はもうしょっちゅう言っているんです。日中平和友好条約、これは双方が満足し得る状態において速やかに締結しなけりゃならぬと、このようなことでございます。案納さんは、もう条約の中身について両方何の障害もないと、こうおっしゃいまするけれども、わが方においても、この条約については、これは満足し得る状態でなけりゃ締結するわけにいきません。わが国もわが国の国益があるんですから、その国益を踏まえて締結しなければならぬ問題である。ただ、ずっと見ておりますと、また私がこの問題にタッチしておりますと、条約交渉が何回か中断されて今日に至っておるわけでございまするけれども、もうこういう条約交渉を再開する時期は熟したと、こういうふうに存じまして、さような認識に立ちまして、ただいま自由民主党の意見調整をいたしております。なお、近く野党の皆さんとの間にも意見調整をしてみたい、このように考えておるわけでありまするが、私の基本的な考え方は、国民の理解を得まして、わが国の国益を守りながらですよ、国益を守りながら、なるべく速やかにこれを締結すると、これが私の不動の方針であるということを明快に申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣村山達雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(村山達雄君) 財政の健全化のために、一般的負担の増加を図る前に、いわゆる不公平税制、特に医師優遇税制の改正をすべきではないか、こういうお話でございます。私も一般論としてはもう全く賛成でございます。特に医師優遇税制につきましては、わが党が、現行の制度は五十三年度限りにして、それで、それに関連するいろんな施策をあわせ講ずるということを党議でもって決定しております。したがいまして、政府も自由民主党と相呼応いたしまして、同時並行的に検討し、この問題に決着をつける決意でございます。
 それから次に、五十三年度の補正予算を早期に組んだらどうかと、こういうお話でございますが、この間四日の日に本予算が通ったばかりでございます。私たちは、しばしば申し上げておりますように、今度の予算を着実に実行することによりまして内外の均衡達成ができると考えておるわけでございますので、これからは予算編成に力を入れた以上にこの執行に全力を挙げまして、そして国民の期待におこたえ申し上げたいと、したがいまして、ただいま補正予算というものを考えておりません。(拍手)
   〔国務大臣河本敏夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(河本敏夫君) 私に対する御質問は二つございますが、その第一は中小企業に対する円高対策でございます。ことしの二月十四日から中小企業に対する緊急の円高対策を実施をいたしております。ただしかし、最近の急激な円高という新しい事態が発生をいたしましたので、三月中旬に、輸出を中心とする中小企業の産地産業七十九地区について再調査をいたしました。さらにまた、ごく最近二百二十円という水準に達しましたので、中小企業庁の三部長を長といたします三チームを編成いたしまして、やはり全国の緊急調査をいたしました。相当なやはり影響が出ております。そこで、この際何らかの中小企業に対する円高緊急対策を強化するということが必要だと判断をされます。どういうような対策をとるか、いま具体的に種々の案を考えまして政府部内で調整中でございます。近くその対策を決定する予定でございます。
 第二は、円高に伴う差益が、電力あるいはガス、こういう公共事業で発生をしておるが、これを消費者に還元するために料金を引き下げよと、こういうお話でございますが、現在の料金体系はどうなっておるかといいますと、五十一年度の初めに五十一年度と五十二年度二カ年にわたる料金の原価計算をいたしまして、一昨年、現行水準の料金を決定をしたわけでございます。そしてことし、五十三年度以降は、さらに原価計算をいたしまして、値上がりの要素、コストは一体どうなっているのか、値上がりの要素はないか、あるいはまた値下がりの要素はないかということをすべて原価計算をして、五十三年度以降の新しい体系、料金体系を決定する年になっておりますけれども、御指摘のように、円高の差益が相当ございます。そこで、コストアップの要因ももちろんありますけれども、この際は五十三年度の値上げというようなことは一切認めないで、当分の間現行料金を据え置く方針でいま指導しておるところでございます。とりあえず、少なくとも一年間、できれば二年間を現行料金を据え置きたいと、こういうことで、いま業界と話し合いをしておるところでございまして、その方向で指導してまいりたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣藤井勝志君登壇、拍手〕
○国務大臣(藤井勝志君) 私に対する質問は、一つは厳しい現在の雇用情勢に対する雇用対策と、すでに始まっております春闘に対する労働大臣の考え方、二つについてお答えをいたします。
 御指摘のごとく、現在大変厳しい情勢が雇用の面においても続いておるわけでございまして、これに対しては、やはり何といっても公共事業を主軸にいたしまして積極的な財政運営によって一刻も早く景気の回復を図る、そして、雇用の安定に前進をするという、これが基本でございますが、去る三月二十五日、経済対策閣僚会議と同時に雇用問題閣僚懇談会を開きまして、そこでもいろいろ話しました中に、やはり需要の拡大、仕事量をできるだけひとつふやしていくという、特に造船地帯あたりがいわゆる失業多発地帯でございますから、たとえば官公庁船の早期発注、造船関係の技術者が生かせるような道をひとつ拡大をしてもらいたいと、具体的にその方向に向かって前進をいたしております。同時に、私は、この雇用機会を拡大をするいろんな面について現在検討をいたしておるわけでございまして、そういう点において、これからひとつ前進をしたい。特に、産業構造が質的に変化しておるときでありますから、そういう方向に向かっては、雇用対策はやはり職業訓練との結びつきにおいて解決をするという、こういったこともあわせ考慮しなきゃならぬというふうに思います。また、五十三年度から新しく制度として発足を見るのが、中高年齢者を雇い入れる事業主に対しては別途助成をしていくという制度でありまして、これは中小企業者の場合には賃金の三分の二を助成をする、こういったことで、民間の活力を生かして大いに雇用の拡大を図っていくという考えであります。また、いよいよ予算が通過いたしましたから、拡大をする公共事業に対して、特に失業の多発地帯にはこれが配分をふやしてもらう、こういったことを踏まえまして、そして失業者吸収率制度を地区の指定によってこれを結びつけていく、このようなことで対応したいというふうに考えておるわけでございます。
 それから、春闘に対する姿勢でございますけれども、御案内のごとき厳しい経済環境でございますから、この環境の認識を労使がともに持ってもらいまして、そしてやはり雇用の安定と実質生活の確保という、こういった調和点を見つけてもらって、合理的な解決の結論を労使が自主的に判断をしていただきたい。政府といたしましては、物価の安定、景気の回復というものを積極的に推進をする環境整備に努めるということでございまして、あくまでも、いわゆる賃金交渉、団体交渉による賃金交渉は労使の自主的な交渉にまつべきものであって、政府はこれに介入すべきではない、また介入してはならないと、このように考えておるわけでございます。(拍手)
   〔国務大臣小沢辰男君登壇、拍手〕
○国務大臣(小沢辰男君) まず、医療保険の改正についてお答えいたします。
 今回の改正は、連帯の精神で裏づけられました相扶共済をたてまえとする健康保険制度の原点に返りまして、まず第一に給付の平等、それから負担の公平、それから物と技術の分離、家計負担の軽減、医療費審査の改善の五つの原則を柱にいたしておるものでございます。
 私は、まず御承知いただきたいのは、患者の家計負担に及ぼす影響を考えまして、御承知のとおり、従来は三万九千円を超えたものは社会保険で見ますけれども、三万九千円以内は、一応、高額の医療の場合でも全部負担をしなければならぬ制度でございます。今度はそれを約半分の、家計世帯単位に考えまして、二万円ということに打ち切るものでございますから、したがって家計負担は二万円以上になりますと全部保険で見る、こういうことになりますので、この点では家計に与える不安というものは本当に軽くなると思うのでございまして、この点はぜひ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 また、ボーナスから取るから負担が多くなるじゃないかと。その面から言うとそうでございますが、毎月の標準報酬、すなわち月給から保険料を取りますのは、料率を今度大分下げますので、毎月の負担はずうっと減るわけでございます。しかし、ボーナス時はボーナスから負担を取られるわけでございますから、その面はあるいは負担増ということを言われるかもしれませんけれども、私どもが負担の公平の見地から考えますと、ボーナスというのは高い俸給の人ほど高いわけでございますので、こういう点をひとつよく御勘案をくださいまして、負担の公平、すなわち所得の再配分機能というものも、やはりある程度納得していただかなければいかぬと思うわけでございます。
 なお、保険外の負担につきましては、私は、新しい考え方を何とか見つけまして、差額ベッドなり、あるいは付き添いの保険外負担について過重な負担を何とか軽減したいと、いま一生懸命に検討中でございます。今後ともこの解消に向かっては一層努力をいたします。
 次に、大腿四頭筋の拘縮症患者についてでございますが、案納議員がおっしゃいますように、一万人にもなんなんとする患者の発生を見たことは、御指摘のとおり、まことに私としても遺憾に存じております。しかし、四十八年十二月に山梨で患者が多発いたしましたので、直ちに翌年厚生省が専門の学者による研究班を設けまして、原因の究明や治療方法の研究に努めたことも御了承のとおりでございます。また、医師会や学会等とも連絡をとりまして、そして関係の医師に十分注意を喚起をしてまいったわけでございます。政府といたしましては、治療等の研究やあるいは診断基準の策定等に努めるほか、患者の早期発見にさらに努力をいたしまして、治療に関しては育成医療を行いまして万全を期してまいりたい。さらに、今後ともこれらの施策の充実に一層努めてまいります。
 以上、お答え申し上げます。(拍手)
○議長(安井謙君) 答弁の補足があります。村山大蔵大臣。
   〔国務大臣村山達雄君登壇〕
○国務大臣(村山達雄君) 案納議員の補正予算の問題に関連しまして、趣旨を取り違えまして、まことに申しわけございません。補正予算というと、もうすぐ組めという人ばっかりのものでございますから、ついそのように受け取りまして申しわけございません。
 案納議員の御趣旨のとおり、私たちは本予算を着実に実行していくつもりでございまして、一部いろんな方が言っておるような補正予算を早期に組むというような考えがないことをはっきり申し述べておきます。どうも本当に激励ありがとうございました。厚く御礼申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(安井謙君) 田代富士男君。
   〔田代富士男君登壇、拍手〕
○田代富士男君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました昭和五十年度決算並びに昭和五十一年度決算の大要説明について、福田総理を初め関係大臣に質問をいたします。
 まず初めに、昭和五十年度並びに五十一年度における政府の財政金融政策について伺いたい。
 政府は、昭和四十八年末のオイルショック後、わが国を襲った狂乱物価を鎮静しようと、公明党の批判をよそに、徹底的な財政金融の引き締めを行ったのであります。ところが、政府は、わが国の経済構造を低成長時代に対応したものに転換することなく、総需要抑制を推し進めた結果、いわゆるオーバーキルを招いてしまったのであります。そのため、わが国経済はかつてない長期不況に落ち込み、五年後の今日においてもいまだ回復の兆しすら見出せず、この二月にはついに完全失業者数は百三十六万人となり、昭和五十二年十二月における企業倒産件数は千六百六十二件を記録するなど、不況はいよいよ深刻の度を増しており、政府の失政は明らかであります。昭和五十年度並びに五十一年度の財政金融政策についていかなる反省をしておられるのか、まず総理並びに大蔵大臣にお伺いしたい。
 以下、具体的な問題についてお尋ねしてまいりたい。
 第一には、赤字財政下における効果のない、むだな投資についてであります。
 この不況により、昭和五十年度以降、法人税、所得税を中心に税収が大幅に落ち込み、特に五十年度半ばにおいては、当初予算では四兆円もの歳入欠陥を生ずることが明らかになり、五十年十月、政府は戦後初めての減額の補正予算を提出したのであります。
 それでもとうてい財源の手当てがつかず、ついに二兆二千九百億円のいわゆる赤字公債を発行せざるを得なくなってしまったのであります。
 その後、五十一年度、五十二年度と赤字公債を発行するところとなり、五十三年度予算においては公債の依存率は実に三〇%の大台を超えるに至ったのであります。
 しかも、財政当局には、赤字公債の発行当初から確固たる償還計画もなく、その無責任きわまりなき姿勢は厳しく糾弾されてきたところであります。
 特に、本年二月、大蔵省が発表した財政収支試算は、まことにずさんで、経済理論を無視したしろものであり、しかも、一方的な将来の増税を含みとするなど、典型的な国民無視の姿勢があらわれたものであり、ついに政府は再提出を約束したことは記憶に新しいところであります。
 さて、このような償還計画もさることながら、厳しい借金財政下にもかかわらず、政府の投資にその効果が十分あらわれない面が見受けられ、まことに遺憾と言わなければなりません。
 その最も端的な例として、国鉄について伺いたい。
 昭和五十年度、国鉄は特急、急行などの料金を値上げし、続いて五十一年度においては、繰越欠損金のうち二兆五千四百四億円を特定債権整理特別勘定に移すとともに、十一月には運賃の大幅改定を実施、国民にその負担を押しつけたのであります。
 また、政府も、一般会計から二千六百七十九億円ないし三千五百九十億円を投入しましたが、それはまるでざるに水のごとくであり、国鉄の赤字は、いよいよ増大するばかりであり、政府はついに運賃の法定制緩和を強行したのであります。思うに、交通政策上の諸条件を整えるとともに、政府による抜本的な助成策を推進しない限り、政府の巨額の投資や国民の多大な負担も十分に生きてこないことは余りにも明白であります。総理、大蔵並びに運輸大臣の御所見を承りたい。
 第二には、後を断たないいわゆる税金のむだ遣いについてであります。
 先ほども申し上げましたような借金財政下にありながら、相も変わらず税金等のむだ遣いが断えません。五十年度決算検査報告によれば、不当事項は実に八十二件で、その批難金額は十八億七千万円、五十一年度決算検査報告によれば、七十四件で、その批難金額は何と四十三億二千万円となっており、昭和四十二年度から五十一年度までの十年間における不当事項件数は千五百件を超え、その批難金額は百八十億という莫大な金額に達しているのであります。
 会計検査院の実地検査率が七%から八・三%にしかすぎないことから、五十年度において二百億円、五十一年度においては二百八十億円以上、この十年間ではおよそ二千億円もの国費のむだ遣いがあるのではないかと推定されるのであります。このむだ遣いをどう改善するつもりか、総理並びに大蔵大臣の御所見を承りたい。
 第三には、税金の徴収過不足及び滞納と脱税などについてであります。
 不公正税制の是正問題については、かねてより厳しく指摘しているところでありますが、その運用においてもまた適切、公平が実現されなければならないことは多言を要しません。
 同じく五十年度の決算検査報告によれば、所得税、法人税等の直接税関係において、徴収不足は十億四千万円、税金の取り過ぎは一億一千三百万円あり、五十一年度においては、徴収不足は十三億一千六百万円、取り過ぎが一億二千百万円となっているのであります。これらは、一部の税務署に対する検査で判明したものであり、まさに氷山の一角にすぎないのであります。しかも、国税当局の発表によれば、滞納額は、五十年度末三千二百九十六億円、五十一年度末には三千六百八十四億円となり、脱税については、五十年度において、製造業三十件、不動産建設業二十三件、娯楽業、特殊浴場業十四件、医療業十三件、その他六十七件、百四十億九千五百万円、五十一年度においては、製造業三十七件、卸売業二十四件、医療業十六件、建設業十四件、不動産業並びに特殊浴場業がともに十件、その他四十六件、百七十億二千九百万円となり、その傾向は一向に改まる気配がありません。このように常態となっている税金の徴収過不足と滞納、並びに特定業者が脱税をしている事態に対する国民の批判をどのように受けとめているのか、総理並びに大蔵大臣の御所見を承りたい。
 第四には、今回の行政監理委員会の答申についてであります。
 この答申によれば、地方公共団体から補助金執行事務の各段階について一万件に及ぶ苦情や改善要求を集めた結果、補助金申請から交付決定までの期間や、事業計画の軽微な変更の範囲が省庁によってまちまちであることなど、数々の不合理が浮かんできたということであります。また答申では、提出書類の簡素化、合理化、ヒヤリングの際の都道府県関係者の立ち会いの廃止などとともに、補助金事務に関する行政機関の不断の運営努力をも求めております。政府は、この答申の実施についていかなる決意でおられるのか、またあわせて、補助金における不当事項一件当たりの批難金額が近年とみに多額化しつつある傾向をどのように改善するつもりか、総理及び大蔵大臣並びに行政管理庁長官の御所見を伺いたい。
 最後に、地方財政問題についてであります。
 景気浮揚をねらって打ち出されている政府の公共事業拡大政策は、その施行面で約六〇から七〇%を分担すると言われている地方自治体の財政にも大きな負担がかかるところとなります。政府が先ごろ国会に提出した「地方財政の状況」によれば、財源不足対策として地方債の発行を五十二年度に比べて五十三年度は三二・九%増の四兆百億円と見込んでおりますが、政府の施策によって、ますます借金が拡大するおそれのある地方自治体の財政状況に対し、総理並びに自治大臣はどのように対処しようとするのかお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(福田赳夫君) お答えを申し上げます。
 まず第一に、五十年度、五十一年度、その時期における政府のとった経済政策は、これは日本の経済全体をオーバーキルという状態に追い込んで、それが今日そのような困難を醸し出しておるんじゃないか、それについての意見を求められましたが、そういう意見をなす人が一部にあります。ありますが、私は、五十年、五十一年のあの時点において日本政府がとったあの総需要抑制政策、これはすばらしい政策だったというふうに思うのです。あれでとにかくあの狂乱と言われた物価状態、これが本当に鎮静化いたしてきておるわけであります。しかし、世界は大変混乱している。その中で、わが国もそう思うような状態ではございませんけれども、それに対しまして、とにかく公債の発行もその依存度が三七%というような状態の大量の公債発行ができる。また、戦後初めての三・五%公定歩合、これが実現される。こういうように、とにかく困難な状態に対しましてこれを乗り切るための手が打てる。その手が打てるという状態になって、一体どういうことかというと、私はやはり、五十年、五十一年ころのとられた政策、それが響いてきておる、そして物価問題につきましてそう心配がない状態になってきた、それを踏まえて初めて私はそのような積極的な諸施策ができるんだと、こういうふうに考えておりますので、田代さんのお考えはお考えといたしまして、私の考えはそうであるということを申し上げさしていただきたいのであります。
 なお、田代さんは、会計検査院の指摘するむだ遣い、これをどういうふうに改善するかというお尋ねでございますが、予算の執行に当たりまして、その衝に当たる関係職員が法令及び予算の定めるところに従い適正かつ効率的に対処するように十分留意しなけりゃならぬことは当然であります。しかしながら、それにもかかわらず、検査院から毎年度相当件数、また相当金額の指摘を受けておることは、まことに遺憾であります。しかし、政府におきましては、これに対しまして、職員の資質の向上、綱紀の厳正な維持を図る、そして経理の適正化に万全を期すと、こういう構えで、むだ遣い排除、これを強く推し進めていきたいのであります。
 それから、会計検査院の検査結果に対しましては、もちろんこれを重要視する、そういう態度でございますが、まあそういう態度の上に立ちまして、検査院との連絡会議の開催、指摘事項等についての詳細検討など、毎年度の予算編成、執行の改善を図っておるところでございます。
 支出に関する指摘事項のうち、補助金等につきましては、毎年度補助金等適正化連絡会議を通じまして、その適正な執行を要請するとともに、予算編成に当たりましても、検査院との連絡会議等を通じまして、合理化、改善に努力をいたしておるところでございます。
 なお、行政監理委員会が補助金事務手続の簡素合理化方策について答申を行っておるが、これに対しまして政府はどういうふうに対処をするかというお尋ねでございまするけれども、行政監理委員会からの答申が提出されておるということは私も承知しておりますが、補助金事務手続は、国・地方を通じ簡素合理化が強く要請されておる分野でございまして、昨年末の行政改革に関する閣議決定におきましても、その全面的な見直しを行うことを決めておる次第でございます。政府といたしましては、答申の趣旨を尊重し、補助金事務手続の改善を推進いたしてまいりたいと、かように考えております。(拍手)
   〔国務大臣村山達雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(村山達雄君) 総理から大体お答えいただきましたので、残された問題につきお答え申し上げます。
 まず、税の徴収不足がずいぶん出ているじゃないか――確かに、五十年十億、それから五十一年十三億と、巨額のものが出ておって、本当に申しわけないと思っておるわけでございます。私たちは、いま申告納税制度でございますので、一方におきまして、納税者に対していわば啓蒙宣伝を一生懸命いたしております。もう一つは、内部事務といたしまして、各種の資料を取りまして、それを全面的に配付をいたしております。また、内部的にいろんな考課状を中心にいたしまして内部検討をいたしているところでございます。そして、問題が起きましたときの調査のやり方でございますが、普通の方に対しましては大体重点的に高額所得者に力を入れております。そのうちに、ちょっとおかしいなと、こう思われるものにつきましては特別調査班を実施しているところでございます。さらに、悪質と認められる場合には査察立件をいたしております。五十年分の所得で見ますと、これらによりまして、調査によりまして所得で約一兆円ぐらい増差所得が出ているのでございます。しかし、何と申しましても、この税の徴収不足があったという点は心しなければならぬところでございまして、今後ともさらに研さんを重ねてまいりたいと存じます。
 それから、補助金一件当たりの批難金額が大きくなっておるという御指摘でございます。確かに批難件数は少なくなっておりますが、一件当たりの批難金額がだんだん多くなりつつあるわけでございます。補助金は整理しておるのでございますけれども、やはり全体としての社会保障あるいは農業、文教、その他ふえておりますので、どうしても一件当たりが大きくなりがちでございまして、恐縮に存じております。これにつきましては、私たちは補助金等適正化連絡会議がございまして、会計検査院から指摘のありましたところを十分消化いたしまして、そして予算の編成、執行の参考にいたしているのでございます。また、会計検査院から批難を受けましたときには、会計検査院との連絡会議を開きまして、そして再びそのことがないようにいろいろ配意しているところでございます。しかし、残念なことでございますので、この上とも、このようなことがないように鋭意努力してまいるつもりでございます。(拍手)
   〔国務大臣福永健司君登壇、拍手〕
○国務大臣(福永健司君) 国鉄再建につきましては、昨年末に閣議了解された「日本国有鉄道の再建の基本方針」に沿って各種施策を積極的に推進していくことといたしております。この場合、運賃改定や助成については、直接国民の負担につながるものであり、これらについて国民の理解を得るためには、まず国鉄自身が徹底した経営改善努力を行う必要があることは論をまたないところでありますが、同時に、政府としても、総合交通政策の推進等、所要の行財政上の措置を講じ、御指摘のごとく抜本的諸施策を推進してまいりたいと存じます。(拍手)
   〔国務大臣荒舩清十郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(荒舩清十郎君) 補助金手続の簡素化を図れ、これについてどう考えておるかと、こういう御質問でございます。
 去る四月七日、行政監理委員会から、補助金事務手続の簡素合理化の方策について答申がございました。補助金事務手続は、従来から国及び地方を通じて簡素合理化を図れと強い要請があることは御質問のとおりでございます。そういう観点からいたしまして、昨年の十二月二十三日の行政改革に関する閣議決定によりましても、補助金の申請、交付、精算等の手続の見直しを定めたところであります。したがいまして、行政監理委員会の答申のとおり、すべての点をひとつ総点検いたしまして、簡素合理化を速やかに図りたいと考えておる次第でございます。(拍手)
   〔国務大臣加藤武徳君登壇、拍手〕
○国務大臣(加藤武徳君) 御指摘がございましたように、ここ二、三年、地方財政の好ましからざる状況が続きまして、起債の発行額も相当の額に相なっており、ことに五十三年度におきましては四兆円を超える、かようなことでございますが、しかし、御承知の当面します大きな課題は、早期に景気を回復して雇用の安定確保を図っていかなければならぬ、そのためには、地方といたしましても公共事業の積極的な拡大を図っていくべきだと、かような考え方に立っておるのでございます。しかし、この姿が好ましくないことはただいま御指摘のとおりでございまして、あくまで臨時的な、応急的な措置でございますが、恒久対策といたしましては、一般財源を確保いたしますためのやはり行財政の基本的な改正を早期にやっていかなければならぬと、かように考えておるところでございます。
 なお、償還額の元利償還につきましては、毎年の地方財政計画に算定をいたしまして、地方財政の運営に支障がないように努めてまいりたいと、かように考えておるところであります。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(安井謙君) 安武洋子君。
   〔安武洋子君登壇、拍手〕
○安武洋子君 私は、日本共産党を代表して、昭和五十年度、五十一年度決算について、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 これら両年度の予算は、昭和四十八、九年の物価狂乱と戦後最大の不況のもとで編成されたものであります。三木内閣は、歴代自民党政府の高度成長政策がもたらした当時の日本経済と国民生活の危機を前にして、「静かで控え目な成長」とか「弱者救済」とかを唱えたものでした。しかし、両年度の予算は、結局日本列島改造型の大型公共事業を復活させ、一方では、福祉の切り詰め、酒、たばこ、国鉄運賃など、公共料金と国民の税負担を大幅に引き上げる在来型の予算にほかなりませんでした。総理、あなたは当時の副総理として、予算の執行の結果がもたらした今日の経済情勢についての責任を明らかにしなければなりません。このような予算によって国民の所得が大幅に圧縮されたために、不況は長引き、全治三年どころか、いまもなお中小企業の倒産や失業はふえる一方ではありませんか。その上、国民の低賃金、低福祉の上に立った大企業の集中豪雨的輸出などによって円相場は急騰し、病状は悪化の一途をたどっております。古きをたずねて新しきを知ると言いますが、福田総理、あなたは、両年度の予算執行の結果がもたらした深刻な事態から、一体何を学ばれたのでしょうか。まず最初にお伺いいたします。
 わが党は、当時、従来の高度成長型の税・財政・金融の仕組みを改め、物価の安定、福祉の充実と大幅減税などによって国民の所得をふやすこと、また、公共投資の流れを産業基盤優先から生活基盤優先に切りかえることを主張しました。これこそ、インフレと不況を同時に解決し、国民生活の安定と経済の危機の打開を統一的に進める道だからであります。今日の事態は、わが党の主張が正しかったことを事実によって明白に示しております。総理がわが国の経済と国民生活にいささかでも責任を持とうとされるなら、わが党の政策を勘案して、これまでの税・財政・金融の仕組みを根本的に転換すべきであると考えますが、総理の見解をお伺いいたします。
 特に、両年度の予算は、国民の一致して要求した租税特別措置の改廃など、不公正税制の是正を見せかけだけにとどめ、かえって財政法第四条が禁止している赤字公債の発行に再び踏み切り、公債依存度を三〇%すれすれのところまで引き上げるという放慢財政の口火を切りました。当時、わが党は、このような財政運営は一層重大な財政破綻をもたらすものであると厳しく警告しました。わが党のこの主張が正しかったことは、今年度実質三七・八%にも及ぶ公債依存度がはっきりと示しております。総理、あなたは昭和四十年度戦後初めて赤字公債の発行に踏み切り、さらには五十年度以降公債の大増発を強行して、今日の深刻な財政危機をその手で生み出した方ではありませんか。その責任は重大と言わなければなりません。総理、どのように反省されておられるのでしょうか。
 また、総理は、この財政破綻を一般消費税など大衆負担の大増税と福祉の一層の切り詰めによって解決しようとされておられますが、このような道ではなく、租税特別措置など不公正税制の根本的な是正と、軍事費など不要不急の経費の徹底的な切り詰めこそ実行すべきではないでしょうか。総理の答弁を求めます。
 次に、五十年、五十一年度の予算の執行についてお伺いします。
 両年度予算の執行の内容を見れば、たとえば住宅関連予算は、もともと少ない建設戸数と予算のうち、五十年度は八百二十八億円、総額の一八%、また五十一年度は八百二億円、二一%というように多額を使い残しております。この結果、この二年で公営・公団住宅が四万五千二百戸も当初の建設数を下回っているというありさまであります。生活に役立つ予算の執行がこのように軽視されたことを許すことはできません。この原因はどこにあったのでしょうか。また、どのように改善をされるのでしょうか。大蔵大臣の答弁を求めます。
 一方、防衛費関係予算では、自衛隊の戦闘機や潜水艦などの購入のためには、当該年度予算をほぼ完全に使い切った上に、数年先までの財政支出を一括して契約する国の債務負担行為まで行っており、その金額は、五十年度三千二百億円、五十一年度三千六百億円にも上っております。このような不要不急の経費にまで将来の財源を先取りする予算執行のあり方を厳に戒めるべきだと考えていますが、総理、いかがお考えでございましょう。
 次に、会計検査院の決算検査報告、これによると、不当事項は依然として後を絶たないばかりか、その金額は年々増加しており、昭和五十一年度は四十三億円と、前年の二・四倍にもなっております。しかも、この検査は、全検査対象のうちわずか八%強の個所で実施されたものにすぎず、文字どおり氷山の一角だと言わなければなりません。政府は、予算執行の厳正を期すためにも、また、いわゆる接待問題など不正常な事態をなくすためにも、会計検査院の大幅な定員増を初め、その機能と体制を強化し、検査内容の充実と検査対象の拡大を図るべきだと考えますが、総理の見解をお伺いいたします。
 特に強調しなければならないことは、昭和五十年六月、決算委員会の決議に基づき、本院において田中金脈の問題解明への努力と、信濃川河川敷をめぐる疑惑に対する妥当な行政措置を求める内閣への警告決議が行われたことであります。
 ところが今日、建設省は独断専行で廃川敷処分を行い、半分に当たる三十五ヘクタール、時価百億円と言われる土地が、田中ファミリーの一員である室町産業の手に渡る結果を招こうとしております。総理、あなたは、このようなことが本院決議の言う「妥当な行政措置」であるとお考えでしょうか。
 さらに、昭和五十一年の二月に発覚したロッキード事件についても、当時両院の決議が厳しく求めた真相解明どころか、疑惑はいまもなお山積し、事件の公判を通じて拡大さえしております。総理、金権腐敗政治の一掃を真剣に考えておられるのなら、両院決議や五党合意の原点に立ち返り、灰色高官の政治責任を明らかにし、また、たとえば当時の運輸行政やPXL国産化白紙還元をめぐる政府の政治責任をこの際明確にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
 最後に、大臣を含め、行政の綱紀を正し、国民に奉仕するためどのように対処されるのか、総理の明確な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 先ほどお答えしたわけでありますが、五十年前後の経済政策、これについて責任をどういうふうに考えておるかということでございますが、あのころの私どものかじのとり方がどうもぐあい悪かったんじゃないかというような御意見でございまするけれども、これは、今日ずっと私は振り返ってみましても、決して間違っておらぬ、このように考えておるわけであります。国内におりますとそれがはっきりしませんけれども海外では、日本のあの当時のことを絶賛をしておるわけであります。よくそういうところの声もお聞き取り願いたい、このように考えておるわけであります。
 それから、それに関連いたしまして、経済のかじのとり方について、共産党の考え方でやっていけばこれは間違いはなかったはずだと、このような御主張でございますが、非常に共産党の考え方で特徴的なのは、もう大企業敵視、そういう考えでございますが、この小さい島ですね、そこに一億一千万人の人がうごめいておる、その世帯を安全に持っていくというようなことを考えますれば、やっぱり条件のすばらしい国のような、そういういき方は私はできないと思うのです。やはり国民の力を効率よく結集をして、そして海外競争、これに打ち勝つ、その中でわが国の国民生活、これを整えていかなけりゃならぬ。そういうことを無視いたしまして、国内で幾ら幸せを求めましても、それは力に限りがあることであろうと、こういうふうに思いますので、共産党的な考え方、これでは今後といえどもやっていけない、このように考えております。
 それから、赤字公債の発行。あの当時――昭和四十年ですね、あの当時の大蔵大臣は福田だったじゃないか、その責任をどうするかというようなお話でございますが、確かに、私は昭和四十年に大蔵大臣として、赤字公債、この発行に踏み切ったわけでございますが、しかし、赤字公債は一年度でとどめ、後は建設公債というふうにいたしたわけであります。公債政策というものは、節度を正しくやってまいりますれば、これはもう非常に有効な国家経営、景気調整の手段でございます。その節度を外すということになると、これは大変なんです。いま非常に国の経済がむずかしいときだ、どうしても国家財政が経済の運営に責任を持たなければならぬ、持たなければならぬというのに、公債を発行をしないで責任が持てますか。公債を発行するということ、これによって日本の経済をひとつ建て直していこうと、こういうことでございますが、公債発行ということに、もし日本国民がなれていないで、突如として大量の国債を発行するというようなことになったら、これは私は大変な時代だったと思うのです。それが、幸いに四十年に公債を発行した。そして自来ずうっと公債に国民がなれてきた。そういうようなことで、経済救済というか、難関突破のために公債を多量に発行するということになりましたけれども、まあ国民にもそう不安を与えないということで私は行き得るのではあるまいか、そのように考えておるのでありまして、公債発行性悪説、これには私は反対でございます。ただし、私は、公債政策の運営につきましては最大の注意を払いまして、節度ある運営をしてまいりたいと、このように考えております。
 それから、予算執行の適正化のために、会計検査院の定員の増加、会計検査体制の強化を図れというお話でございますが、それは全くそのような認識でございます。従来ともそのような考え方でやっておりまするけれども、今後もそのようにいたします。
 それから、ロッキード事件当時の運輸行政、これをめぐる責任問題をどういうふうに考えるかというお話でございますが、この問題についての運輸省としての考え方につきましては、すでにたびたび国会に運輸当局から説明をいたしておるわけでありますが、まあ私どもといたしましても、運輸省がこの問題について行政責任を問われるというようなことはなかったというふうに確信をいたしております。
 また、信濃川河川敷問題の処理についての御言及でございましたが、これは建設大臣からお答えを申し上げまするけれども、これはもう適正、厳正に処理いたしまするから、そのように御理解を願います。
 それから、ロッキード事件を踏まえまして、大臣を含む行政の綱紀粛正にどういうふうに対処するかということでございますが、これは、御指摘をまつまでもなく、非常に大事な問題であります。私は、組閣、その初閣議におきまして、このことを閣僚諸公にお願いをし、また、関係省庁に対しまして、それぞれの大臣から訓示もし、ずうっとそれ以来この問題には気をつけてまいっておるわけでありまするけれども、私は、公務従事者の綱紀粛正、これはわが福田内閣の重大使命であると、このように考えまして、対処してまいるつもりでございます。(拍手)
   〔国務大臣村山達雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(村山達雄君) 議員から御質問ありましたのは、住宅関係予算が使い切れないで不用が残っておるにもかかわらず、防衛庁予算の方は完全消化で、しかも国庫債務負担行為までやっておる、どういうわけかと、こういうことでございます。
 住宅関係予算は、御案内のとおりに、主として人口の急増地域で関連の足の関係とかその他が伴わないために、どうしても不消化になりがちになっております。この点は深く反省いたしまして、そういうところにはつくらないように、そしてつくるときには関連公共施設あるいは立てかえ施行の制度等、こういうものを伴うようにいま苦心をいたしておるわけでございまして、今度の五十三年度予算にもその点を十分盛り込ましていただいたところでございます。
 防衛庁予算の方につきまして、国庫債務負担行為というのは、実は資金の効率化を図っているわけでございまして、要らない金をすぐ出す必要はございません。こういう大型な注文でございますから、契約はやらしていただきますが、金は要るときに出す。資金の効率化を図っているわけでございまして、住宅とは直接関係ございません。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣櫻内義雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(櫻内義雄君) 信濃川の廃川処分は、御指摘のように、当院において五十年六月警告決議までなされた問題でありまして、建設省としても、その後二年半にわたり、きわめて慎重な態度でこれに対処してまいったものであります。昨年九月に至り、地元長岡市と室町産業との間に覚書が締結され、廃川となる土地が長岡市民全体の利益のため適正に利用される見通しが得られるに至りました等の状況を踏まえ、建設省としては、昨年十一月一日、河川法の規定に従い廃川処分を行ったものでありまして、行政措置として妥当なものであったと考えております。(拍手)
○議長(安井謙君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
○議長(安井謙君) この際、お諮りいたします。
 木村睦男君外八名発議に係る新東京国際空港問題に関する決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加して、これを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。木村睦男君。
   〔木村睦男君登壇、拍手〕
○木村睦男君 ただいま議題となりました自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党及び民社党の共同提案に係る新東京国際空港問題に関する決議案につきまして、発議者を代表して、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
   新東京国際空港問題に関する決議案
  去る三月二十六日の成田新東京国際空港における過激派集団の空港諸施設に対する破壊行動は、明らかに法治国家への挑戦であり、平和と民主主義の名において許し得ざる暴挙である。
  よつて、政府は毅然たる態度をもつて事態の収拾に当たり、再びかかる不祥事をひき起こさざるよう暴力排除に断固たる処置をとるとともに、地元住民の理解と協力を得るよう一段の努力を傾注すべきである。
  なお、政府は、新空港の平穏と安全を確保し、我が国内外の信用回復のため万全の諸施策を強力に推進すべきである。
  右決議する。
 次に、決議案の趣旨について申し上げます。
 御承知のように、去る三月二十六日、開港を間近に控えた新東京国際空港において、過激派暴力集団が空港構内に乱入し、空港の中枢的施設である管理棟十六階の管制室を不法にも占拠し、あまつさえ機器類を損壊するという一大不祥事態を起こし、その結果、新空港の開港を延期せざるを得ないという深刻な事態となりましたことは、まことに遺憾にたえません。
 このことは、わが国に対する世界各国の信用を著しく傷つけ、また、空港における安全確保に対し国民の信頼を失わせ、ために国の内外に与えた影響はきわめて重大であり、法と秩序を無視したかかる暴挙は、いかなる理由があろうとも断じてこれを容認することはできないのであります。
 本院では、すでに事件発生直後、三月二十九日の本会議において、政府から事件の経緯等について報告を聴取し、各党の代表が緊急質問を行い、それぞれの立場から政府の見解をただすとともに、各関係委員会においても、事件の背後関係、今後の対策等について究明が行われているところでありますが、事の重大性にかんがみ、政府に対し、この際、特に院の決議をもって、過激派暴力集団に対して厳しい態度で臨み、断固たる処置をとり、その根絶を図るとともに、地元住民の十分な理解と協力が得られるよう、さらに一段の努力を傾注し、新空港の安全確保に万全を期し、失われた国内外の信頼回復のため、必要な諸施策を強力に推進すべきことを強く要請するものであります。
 何とぞ議員各位の御賛同をお願い申し上げる次第であります。(拍手)
○議長(安井謙君) これより本案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
 ただいまの決議に対し、運輸大臣から発言を求められました。福永運輸大臣。
   〔国務大臣福永健司君登壇〕
○国務大臣(福永健司君) ただいまの新東京国際空港問題に関する決議に対しまして、政府の所信を申し述べます。
 政府といたしましては、ただいま採択されました御決議の趣旨を体して、毅然たる態度をもって事態の収拾に当たるとともに、地元住民を初め、広く国民の理解と協力を得て、もって新東京国際空港の平穏と安全を確保し、わが国内外の信用回復のため万全の諸施策を強力に推進する所存であります。(拍手)
     ―――――・―――――
○議長(安井謙君) 日程第二 活動火山周辺地域における避難施設等の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。災害対策特別委員長村田秀三君。
   〔村田秀三君登壇、拍手〕
○村田秀三君 ただいま議題となりました活動火山周辺地域における避難施設等の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案について、災害対策特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近における火山の爆発、これに伴う多量の降灰その他の火山現象による被害の実情にかんがみ、火山の周辺の地域における住民等の生命及び身体の安全と住民生活及び農林漁業等の経営の安定を図るため、新たに、防災林業経営施設等の整備、降灰除去事業の実施、教育施設等に係る降灰防除のための施設の整備、中小企業者等に対する降灰防除のための資金の融通等を促進するほか、火山現象に関する調査研究の推進及び研究観測体制の整備、火山の周辺の地域における警戒避難体制の整備、火山現象に関する情報の伝達機構の明確化等特別の措置を講じようとするもので、このため、法律の題名を活動火山対策特別措置法に改めるほか、目的につきましてもこれに適合するように改め、あわせて、噴火による被害を、災害対策上災害として明確化するとともに、噴火を森林国営保険の保険事故とする等、所要の規定の整備を行うものであります。
 本委員会におきましては、提出者衆議院災害対策特別委員長から提案理由の説明を聴取し、別に質疑、討論もなく、直ちに採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
 本日は、これにて散会いたします。
   午前十一時五十分散会
     ―――――・―――――
  出席者は左のとおり。
       議     長  安井  謙君
       副  議  長  加瀬  完君
    議 員
      太田 淳夫君    馬場  富君
      和泉 照雄君    矢原 秀男君
      渡部 通子君    藤原 房雄君
      桑名 義治君    相沢 武彦君
      塩出 啓典君    柳澤 錬造君
      柄谷 道一君    三木 忠雄君
      峯山 昭範君    上林繁次郎君
      阿部 憲一君    和田 春生君
      遠藤 政夫君    衛藤征士郎君
      原田  立君    田代富士男君
      黒柳  明君    栗林 卓司君
      木島 則夫君    桧垣徳太郎君
      吉田  実君    鈴木 一弘君
      渋谷 邦彦君    柏原 ヤス君
      藤井 恒男君    中村 利次君
      原 文兵衛君    二宮 文造君
      白木義一郎君    小平 芳平君
      多田 省吾君    中尾 辰義君
      田渕 哲也君    向井 長年君
      新谷寅三郎君    上原 正吉君
      大石 武一君    下村  泰君
      山田  勇君    江田 五月君
      前島英三郎君    市川 房枝君
      青島 幸男君    秦   豊君
      田  英夫君    前田 勲男君
      亀長 友義君    北  修二君
      下条進一郎君    鈴木 正一君
      岩崎 純三君    後藤 正夫君
      戸塚 進也君    糸山英太郎君
      中西 一郎君    坂元 親男君
      安孫子藤吉君    小林 国司君
      中山 太郎君    志村 愛子君
      古賀雷四郎君    河本嘉久蔵君
      金井 元彦君    片山 正英君
      土屋 義彦君    長田 裕二君
      木村 睦男君    八木 一郎君
      源田  実君    郡  祐一君
      小澤 太郎君    岩動 道行君
      園田 清充君    丸茂 重貞君
      平井 卓志君    井上 吉夫君
      上條 勝久君    初村滝一郎君
      田代由紀男君    山本 富雄君
      真鍋 賢二君    増岡 康治君
      高橋 圭三君    高平 公友君
      竹内  潔君    成相 善十君
      野呂田芳成君    遠藤  要君
      亀井 久興君    坂野 重信君
      堀内 俊夫君    最上  進君
      細川 護煕君    斎藤 十朗君
      青井 政美君    大島 友治君
      岡田  広君    斎藤栄三郎君
      山東 昭子君    安田 隆明君
      嶋崎  均君    山崎 竜男君
      増田  盛君    徳永 正利君
      江藤  智君    大谷藤之助君
      町村 金五君    西村 尚治君
      藤田 正明君    玉置 和郎君
      佐藤 信二君    藤川 一秋君
      柿沢 弘治君    円山 雅也君
      降矢 敬雄君    森田 重郎君
      野末 陳平君    林  寛子君
      福島 茂夫君    藤井 裕久君
      村沢  牧君    勝又 武一君
      宮田  輝君    福岡日出麿君
      鳩山威一郎君    広田 幸一君
      矢田部 理君    案納  勝君
      高橋 誉冨君    永野 嚴雄君
      片山 甚市君   目黒今朝次郎君
      赤桐  操君    小山 一平君
      石本  茂君    鈴木 省吾君
      安永 英雄君    村田 秀三君
      大塚  喬君    熊谷太三郎君
      加藤 武徳君    山内 一郎君
     茜ケ久保重光君    山崎  昇君
      浜本 万三君    瀬谷 英行君
      坂倉 藤吾君    佐藤 三吾君
      下田 京子君    大森  昭君
      松前 達郎君    穐山  篤君
      山中 郁子君    安武 洋子君
      安恒 良一君    大木 正吾君
      沓脱タケ子君    小巻 敏雄君
      福間 知之君    森下 昭司君
      青木 薪次君    野田  哲君
      対馬 孝且君    粕谷 照美君
      小笠原貞子君    寺田 熊雄君
      片岡 勝治君    和田 静夫君
      立木  洋君    橋本  敦君
      久保  亘君    小野  明君
      田中寿美子君    野口 忠夫君
      栗原 俊夫君    渡辺  武君
      秋山 長造君    小谷  守君
      戸叶  武君    小柳  勇君
      阿具根 登君    藤田  進君
      宮本 顕治君    上田耕一郎君
   国務大臣
       内閣総理大臣   福田 赳夫君
       大 蔵 大 臣  村山 達雄君
       厚 生 大 臣  小沢 辰男君
       通商産業大臣   河本 敏夫君
       運 輸 大 臣  福永 健司君
       労 働 大 臣  藤井 勝志君
       建 設 大 臣
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  櫻内 義雄君
       自 治 大 臣
       国 務 大 臣
       (国家公安委員
       会委員長)    加藤 武徳君
       国 務 大 臣
       (行政管理庁長
       官)       荒舩清十郎君
   政府委員
       内閣法制局第三
       部長       前田 正道君
     ―――――・―――――