第084回国会 大蔵委員会 第16号
昭和五十三年四月二十一日(金曜日)
   午後三時二十九分開会
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   委員の異動
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     衛藤征士郎君     岩動 道行君
     藤井 裕久君     降矢 敬義君
     宮本 顕治君     佐藤 昭夫君
     渡辺  武君     小巻 敏雄君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         嶋崎  均君
    理 事
                細川 護煕君
                福間 知之君
                塩出 啓典君
                中村 利次君
    委 員
                浅野  拡君
                岩動 道行君
                糸山英太郎君
                中西 一郎君
                桧垣徳太郎君
                降矢 敬義君
                宮田  輝君
                穐山  篤君
                竹田 四郎君
                鈴木 一弘君
                小巻 敏雄君
                野末 陳平君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  村山 達雄君
   政府委員
       大蔵政務次官   井上 吉夫君
       大蔵省理財局次
       長        副島 有年君
       大蔵省銀行局長  徳田 博美君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉本 金馬君
   説明員
       労働省労働基準
       局賃金福祉部長  森  英良君
       労働省労働基準
       局賃金福祉部企
       画課長      宮川 知雄君
       労働省職業安定
       局業務指導課長  田淵 孝輔君
   参考人
       全国銀行協会連
       合会会長     村本 周三君
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  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○租税及び金融等に関する調査
 (金融機関の週休二日制に関する件)
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○委員長(嶋崎均君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、宮本顕治君、衛藤征士郎君、渡辺武君、及び藤井裕久君が委員を辞任され、その補欠として佐藤昭夫君、岩動道行君、小巻敏雄君及び降谷敬義君が選任されました。
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○委員長(嶋崎均君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和五十三年度における財政処理のための公債の発行及び専売納付金の納付の特例に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(嶋崎均君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(嶋崎均君) 御異議ないと認めさよう決定いたします。
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○委員長(嶋崎均君) 次に租税及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に全国銀行協会連合会会長村本岡三君に参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(嶋崎均君) 御異議ないと認めさよう決定いたします。
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○委員長(嶋崎均君) 租税及び金融等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○福間知之君 きょうは時間が大変限られておりますので、金融財政の一般審査といってもはなはだ困難であります。したがって、私は公務員並びに金融機関における週休二日制問題につきまして、当局並びに参考人から意見を聴取したいと思います。
 まず大蔵省にお聞きをしたいわけですが、わが国で高度成長の過程から一般民間企業ではかなり広範囲に土曜休日制がいろいろな形で拡大を見てまいりました。したがいまして、国会におきましても、四十年の後半から、公務員あるいは金融機関等の週休二日制問題がかねて話題になってきたところであります。世界の趨勢から見ましても、特にILOだとかOECD、広くはその他の国連の機関におきましても、その国の勤労者の労働時間をめぐる議論なりあるいは統計調査などの中心になるのはどうしても公務員でありあるいは銀行関係ということが常識のようでありまして、すでに公務員、銀行関係で週休二日制を採用している国は国連加盟国でも百カ国以上に達しておるという実情でもございます。したがって、まず大蔵大臣にこの件についての所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 週休二日制の問題は、世界各国だんだんこのように動いていることはよく承知しているわけでございます。わが国でも、最近週休二日制を民間において採用しているところがございまして、そういった意味で、政府におきましても公務員の週休二日制について先年一遍試行したわけでございますが、ことしはさらにその深度を深めまして施行することはすでに決定いたしているわけでございまして、さらにもう一遍テストをしてみよう、その結果一体どういうところに隘路があるかということをいま試行しようとしているのでございます。
 なお、銀行につきましてもすでに早くから問題になりまして、衆議院大蔵委員会におきまして週休二日制の小委員会が設けられまして、これの検討を進めるようにという小委員会の決議があったわけでございます。その意味で、銀行行政を預かる大蔵省といたしましても、その件について現在金融制度調査会を中心にいたしまして鋭意勉強いたしているところでございます。
○福間知之君 労働省にお聞きしたいと思いますが、おいでになっていますか――先ほど申した、まず民間全体が現在わが国の週休二日制実施水準としてどうなっているかということ、特にこれはごく最近の二、三年はそれ以前よりは拡大のテンポが鈍っているのじゃないか、こういうふうに思われるのですけれども、特徴的な経過と現状を少し説明をしてもらいたいと思います。
○説明員(森英良君) お答えを申し上げます。
 週休二日制の普及につきましては、四十年代後半に入りまして労働省としましてはこれを集中的に取り上げまして、特にそのためのキャンペーンあるいは行政指導というものを展開したわけでございますが、その効果もございましてかなり急速な普及を見てまいりました。ただ、御指摘のとおりこの二、三年は景気動向の影響もございまして若干停滞ぎみであるということになっておりますが、五十二年の九月末現在におきまして、規模三十人以上の企業におきまして週休二日制を実施しております企業が全体の四三・六%、その適用を受けます労働者が七二%というところまで参っておるわけでございます。
○福間知之君 労働省としては、ことしの三月でしたか、労働時間の対策を推進するという通達を流されているようですけれども、どういう内容ですか。
○説明員(森英良君) 昨年のたしか十二月と思いましたが、中央労働基準審議会というところにおきまして公労使三者一致の建議が労働大臣に提出されまして、これは労働時間短縮及び週休二日制の普及につきまして行政指導の手法で今後とも強力に推進すべきであるという内容の建議でございます。
 これを受けまして労働省におきましては、実際に行政指事を進めますために新しく労働時間短縮のための通達を出したいということで現在検討中でございまして、三月時点で通達したという事実はございません。五月中に次官名で出したいということで現在検討中でございます。
○福間知之君 金融関係の労組から出ている資料によりますと、三月に、日付は定かじゃないですが、労働省の、労働j時間対策の推進についてという、これは内部での一つの文書が何かだとしからば思うわけですけれども、現下の経済社会の情勢を踏まえ当面下記のとおり労働時間の短縮、週休二日制の推進のための対策を進めることとするという前書きで、一つは労使を初めとする国民的なコンセンサスの形成、その中に、たとえば産業ごとの労使会議等の開催によって時間短縮、二日制推進のコンセンサスの形成を期するというふうな中身が含まれているのですが、これは通達でなければ何なんですか。
○説明員(森英良君) ちょっと先生のお手元の資料確実にわかりませんのでございますが、推測いたしますと、これは、参議院の予算委員会におきまして大木委員から労働大臣に御質問がございまして、行政指導、行政指導と言うけれども具体的にどうするのだというような御質問がございました。それにつきまして、後ほどそれじゃ御報告しますということになりまして、私大木先生のところに伺いまして、五月時点で出そうとしております通達の内容につきましてはおおむねそういう内容でございますということを大木先生に御報告をしたことがあるわけでございます。恐らくその文書が、そのペ−パーが載っておるのじゃないかと思うのでございますが、私どもが考えております通達の内容としましては、いま先生お沈み上げになったようなことが中心でございます。
○福間知之君 そうですか。それはそれで結構です。
 問題は、この中身についてどのように具体的に対応されているか、こういうことが関心事でありまして、たとえばいま申し上げたように産業ごとの労使会議等で話し合いを詰めていくべきだということはまさに結構だと思うのですけれども、その前に金融機関、平たく言えば銀行関係等についても労働省としてはその範疇に含んでいられるわけですか。
○説明員(森英良君) 現在検討しておりますのは、産業別にやります場合の具体的な手続でございますとか進め方につきましてどういう手法をとるかということを現在きわめ中でございまして、具体的にどの産業を選んでまず始めるかという点につきましては、実はまだ結論を出しておりません。これは、産業といいましても、いろいろ現在特に経済状況も悪うございまして条件の違う産業がございますので、比較的順調な産業を選ばなければならぬであろう、そういうことを考えておりますけれども、まだ具体的に、最初に取り上げる産業をどこにすべきかということにつきましては検討中でございまして、結論を出しておりません。
○福間知之君 時間がありませんからちょっと先へ進めますが、しからば公務員の関係、これは労働省にお聞きするよりは総理府の方がようございましたですけれども、総理府はきょう私お呼びしておりません。大体いままでの経過でわかっていることでございますけれども、総理府が新しい第一期の、第二段階の試行を行うべく一定の基準も決めたり、あるいはまた第一回目の試行についての結果調査というふうなものをやっているのも御承知だと思うんですけれども、労働省としては、新しい公務員に対する人事院からの提案による週休二日制の第二段階試行というものについてどういうふうに考えておられますか。
○説明員(森英良君) 労働省の受け持ち範囲は民間の労使関係が中心でございまして、その中でやはりいろいろな状況から見まして、なお労働時間の短編、週休二日制の普及を図るべきであるということでこれまで努力してまいりましたし、また今後も努力してまいりたいと考えておるわけでございますが、その場合に公務員が週休二日制に踏み切る、あるいは金融機関もでございますけれども、そういうところが週休二日制に踏み切れば、これは全体の民間における週休二日制、労働時間短縮の普及にとって非常に大きな何といいますかインパクトを与えるものであるというふうに考えまして、そういう意味で非常に関心は持っているところでございます。しかしながら、週休二日制の普及のために公務員がまず踏み切るということは、一種の戦略論、と申しますことはある意味で便宜論でございまして、やはり公務員としての社会的使命を果たすためにどうあるべきかということは、それは独自の問題としてやはり検討を要する点であろうと思うわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、幸いまた人事院の方の勧告によりまして新しく二回目の試行が始められることになっておりますので、この試行がとにかく円滑に進んでいくであろうことを期待しておるというのが私どもの現在の状況でございます。
○福間知之君 大蔵省の方にじゃお伺いしますが、かねがね銀行法の十八条の改正をしなければ金融機関における土曜休日制というものは完全な意味で実施が困難だと、こういうふうなお話を聞いております。さらにはまた、単に銀行法だけではない、むしろそれは技葉の法律であって、母法であるところの民法とか商法、手形法などの改正を関係省庁を通じて国会で行うことが必要である旨の態度をとってこられておりまするけれども、そういうことで理解してよろしいですか。
○政府委員(徳田博美君) 先生御指摘のとおり、銀行の営業日につきましては銀行法十八条の新制があるわけでございますので、金融機関が土曜日に休むということになりますと銀行法十八条の改正が必要でございます。それから、やはり銀行が土曜日に休むということになりますと一般の民間の金融取引に大きな関連があるわけでございますので、したがって金融取引に関連のある法律、たとえば小切手法であるとかあるいは租税関係、国税関係の法律その他の改正も必要になるわけでございます。
○福間知之君 そういうことがいままでの本院における当委員会における議論でも、また衆議院段階でも長年にわたって議論として行われてきておるわけです。しかし、一向にそれに着手する気配がなかなか見えないわけでありまして、一方において当事者である金融関係の経営側あるいはまた労働組合は、すでに大方の労使間の合意を形成するにもう至っているわけでありまして、むしろおくれているのは当局側でありまして、このことが私はやはり今時点ではもはや多くの理屈、議論を別にして問題じゃないのかと。言葉をかえれば、もはや決断の時期に来ているのではないのか、こんな感じさえするわけであります。
 先ほども冒頭申したように、ここ数年国会の場でも議論が行われてきたと申しましたが、現実に昭和五十年の四月の時点で、これは衆議院の大蔵委員会でも例の赤字国債の特例法をめぐって議論をしなきゃならぬというせっぱ詰まった時期であったんですが、時短問題があわせまして取り上げられた経過があります。その当時、大蔵大臣であった大平さんが、ここ一両年ちょっと待ってほしい、もう理屈じゃなくて実施する必要があるし、その時期にもう到達しかけていると言わぬばかりの御答弁をされた。その結果、衆議院大蔵委員会では直ちに小委員会を設置して、大臣の答弁というものを監視しあるいはまた推進していくためにひとつ対処しようじゃないかといういきさつがあるわけであります。
 それからもうすでにかれこれ三年たつわけでございまして、余りにもそういう点では悠長に過ぎるのじゃないかなと言わざるを得ないわけであります。もう言葉を多く申すまでもなく、単に労働時間の短縮、週休二日制の問題などは世界の趨勢と言えばそれまでですが、もっと身近な問題として考えれば、いま日本の国際競争力あるいは輸出が多過ぎてドルがたまり過ぎる云々等で、日本の経済のあり方について厳しい国際的な非難も続いているわけでありますけれども、その根底には、そういう週休二日制などが国を代表する機関であり部門である公務員とか金融機関において依然として実施されていないというところに問題があると思うわけでありまして、かつて愛知外務大臣が国際会議に行って、やはりそういう面を指摘され非難をされたといういきさつも残っているわけでありまして、そんなことをいろいろ考えますと、決断がどうもできないということについてやや不審を抱くわけですが、これはしたがって、先ほど労働省にもちょっとお聞きしたわけですけれども、むしろ労働省よりもこの部門については特に大蔵省の決断が要請されると思うわけでありますが、銀行局長あるいは大蔵大臣はその点どういうふうにこの時期においてお考えになっていますか。
○政府委員(徳田博美君) 先生御指摘のとおり、金融機関の週休二日制の問題はすでにもう世界の八十カ国以上が実施しておりまして、特にOECD二十四カ国のうち実施していないのは日本とスペインだけというような状況でございまして、この方向で検討を進めていくことが必要であると大蔵省も考えているわけでございます。
 ただしかしながら、金融機関の週休二日制の問題につきましては、一般経済取引その他社会経済全般に与える影響が非常に大きいわけでございまして、ある意味ではそういう国民の全体の生活にかかわるものであり、まあ見方によっては大蔵省のキャパシティーを超えたような大きな問題でもあるわけでございます。先住御指摘のとおり、かつて大平大蔵大臣が一両年ということを申し上げたわけでございまして、その申し上げたことを契機に、関係省庁連絡会議に部会が設けられまして、各省との間にいま論議を進めているところでございまして、すでに十五回にわたりもう会議が開催されているわけでございます。また金融制度調査会におきましても、先ほど先生が御指摘になりました銀行法十八条の改正をめぐりまして何回か議論が行われまして、いろいろ検討が進められているところでございます。また大蔵省といたしましても、金融機関の週休二日制に関してのアンケート調査を行いまして、国民の意識というものの把握に努めているわけでございますし、また全国銀行協会に対しましてもいろいろ指導をいたしまして、現在実は土曜日にかえってほかの企業の週休二日制が進んでいるために客が集中するというような結果になっているわけでございますが、こういう実態に対して極力土曜日の業務を分散するというようなことでいろいろ指導しているわけでございまして、こういう努力を重ねているわけでございますが、いずれにいたしましても、金融機関の週休二日制の問題は国民的なコンセンサスが必要でございますので、その情勢に向かってこれからもいろいろの手を打ってまいりたいと、このように考えております。
○福間知之君 大蔵省が金融機関利用者に対する調査をやられた、一万人調査と称してやられたわけですけれども、その調査結果のポイントを御説明いただきたいと思います。
○政府委員(徳田博美君) これは一般にアンケート調査を行ったわけでございますが、その中で、一般の国民の金融機関の週休二日制に関する意識を調べたわけでございます。
 その中で、「週休二日制は時代の大勢であるから、金融機関もいまの営業のやり方のままで、週休二日制にしてもよい。」という設問をいたしましたが、これに対しまして賛成が二二%でございまして、反対が五〇%でございます。それから、「金融機関は、他の産業や企業で週休二日制が一般的になるまでは週休二日制にすべきではない。」という質問に対しては、賛成が五六%、反対が一四%でございまして、国民のコンセンサスはまだなかなか醸成されるに至ってないのではないか、こういう感じがいたします。
○福間知之君 まあ、設問の仕方ももちろん吟味されなきゃならぬとは思いますが、その調査の中で、しかし特に中小零細の企業関係者の方々は、たとえば自動引き出し機とか、いわばキャッシュレジスターですね、そういうものが増設されるなり、より身近に配置され利用の便宜が図られるならば、あながち反対だということではないというふうに私伺っているんですが、もちろんそのことをすることによって一気にすべてが解決するというものじゃないことは言うまでもありませんが、大方の意向というものは、やはりそれに対応する振りかえ措置というものが事前に十分配慮されれば私はしのげる問題であるし、そういうことを合わせれば私はそういうアンケートの結果などはまた変わってくるんじゃないか、そういうふうに思うわけですがね。
○政府委員(徳田博美君) ただいま申し上げましたアンケートの中では、先生御指摘のとおり、現金自動支払い機や現金自動預金機が土曜日にも設置されて、土曜日に金の出し入れができるようにすれば、週休ニ日制にしてもよいという質問をいたしましたところが、これに賛成は五二%、反対が一八%ということでございます。ただ、先ほどの基本的に週休二日制に対して賛成するか反対するかということの質問との間の、いろいろクロス関係などを調査してみる必要があるわけでございますが、やはり週休二日制を実施する場合の一つの手段として、このようなことは必要ではなかろうかという感じがいたします。
○福間知之君 大蔵大臣、ことしのアメリカのカーター大統領の予算教書の中でも、日本の円高、為替レート問題に触れたくだりに続きまして、やはり日本の国際的な公正競争というものを進めていく上で、労働者の週休二日制がまだ行われていないというようなことが大統領の数書で指摘されているやに伺ったわけですけれども、だとすれば、もはや何をか言わんやでございまして、世界の一級のリーダーがそういう問題にまで目を向けているということに、私たち日本はやっぱり十二分な留意をしなきゃならぬと思うのであります。いま銀行局長もいろいろおっしゃいましたけれども、要するに金融機関の場合には、単に都市銀行、地方銀行のみならず、郵便貯金の窓口とかあるいはまた農協、さらにはまた零細な地方の信用金庫などなど、いわゆる広義の意味で金融機関というものをとらえれば、単に都市銀行、地方銀行だけを対象にしてそれを実施に移すというわけにもいかないことはよくわかっているわけです。
 しからば、それらの郵便貯金、農協等々に対する指導なり対策というようなものはどうあるべきか、これは当局としてはいままでどのように対処されてきましたか。
○政府委員(徳田博美君) 先生御指摘のとおり、金融取引は民間のいわゆる銀行、信用金庫だけではなく、農協あるいは郵便局との相互の取引もございますし、また競争のイコールフッティングという点でも同時に実施されることがぜひ必要でございますけれども、その点につきましては、先ほど申し上げました関係省庁連絡会議の第五分科会には、郵政省あるいは農林省もその中のメンバーとして加わっておりまして、同じ場で金融機関の週休二日制について議論しているわけでございまして、その点でお互いに情報を交換しながら、いろいろ前向きの検討を重ねている次第でございます。
○福間知之君 ところで銀行局長、昨年の暮れに金融制度調査会が、銀行の週休二日制問題についての一定の見解を出しているようでありますが、御存じですか。
○政府委員(徳田博美君) 金融制度調査会におきましては、先ほど申し上げましたように、銀行法改正の一環として銀行法十八条の問題をめぐる審議を行っているわけでございます。昨年九月以来何回か審議を重ねまして、また参考人の意見も、労働界の代表の方を含めましていろいろ伺いまして、中間的な報告を集約したわけでございます。
 その内容の要点だけを申し上げますと、これはもう先生御指摘のとおり、十二月十三日の総会において中間的な整理が行われたわけでございますけれども、その内容といたしましては、いま直ちに土曜日閉店制による週休二日制を実施することについては、最近の経済環境、一般産業、特に中小企業における週休二日制の実施状況、土曜の銀行店舗利用状況から見て十分な国民的コンセンサスができているとは言えないのではないかというのが第一でございます。第二は、しかしながら長期的な方向としては、遊休二日制の導入は社会の大勢と考えられるので、銀行の営業日を規制している銀行法第十八条の弾力化が必要となろう。また、銀行法第十八条の改正については、情勢によってはこれを切り離して検討する必要が生ずることもあり得よう。しかし、原則としては銀行法全体の改正の一環として行うことが適当である。このような中間的集約が行われたわけでございます。
○福間知之君 確かにそのとおりであります。いま銀行局長おっしゃったようなことが骨子として含まれております。とあわせまして、こういうことも触れられておると思うわけであります。週休二日制を実施するあるいは週休二日制に移行する場合にはタイミングというものが重要である。いま実施が一般産業において五〇%に達しない時点で銀行がいち早く土曜を休日にすることは困難だが、さりとて世間よりおくれ過ぎると逆に土曜日の利用が人々の生活様式、行動様式に組み込まれてしまう。この指摘が私は非常にすぐれた指摘だと思うわけであります。現に大蔵大臣も銀行局長も海外にお行きになって、日曜日に商店がほとんど閉まっている、土曜日もそういうところが多い。あるいはまた、銀行は言うに及ばずもちろんのこと、民間の企業はもうほとんど休みになっているということを目の当たり見て感じられたことがあろうと思うわけであります。結局私は、日本におきましても民間のかなりの部分が休みになっておるとはいうものの、まだ中小零細の企業においてはそれが実現できないままに取り残されているということとあわせて、確かに大蔵省当局も金融機関について割り切るということがむずかしい面が私は全くわからぬじゃないわけです。しかし、これは鶏が先か卵が先かという議論にもなるわけでありまして、この不況という中で、あるいは雇用を創出していかなきゃならぬというふうな経済状況の中で、むしろ意図的に政策的に、金融なり公務員の部門でいままでよりはピッチを速めて実現に向かっていくという努力は私は決して間違いじゃないと思うわけであります。そして、将来における社会生活の一つの新しいパターンというものを誘導的につくり出していく。そこに大きな一つの意味があるんじゃないかなあと、こんなことを最近しみじみ感じるわけでありまして、予算委員会でも、雇用創出問題ではわが党の竹田理事もかなり時間を割いてやりましたし、私も取り上げました。現実に不況産業以外で新しい雇用を創出するといっても、これはもう労働省当局も大変な御苦労がそこには介在していると思います。そのわりになかなか目に見えた効果が上がってこないわけであります。したがって、私はいまやこの週休二日制問題というのは、本日この場では金融機関を中心に取り上げてはおりますけれども、政府の重要な施策として位置づけをされてしかるべき課題であるし、そのことは一つの国際的なよい効果をもたらすんじゃないかと、そんなことを感じておるわけでありまして、銀行局長、いま申したように、金融制度調査会の十二月十三日の結論、まとめの中では、先ほど指摘したような部分があるわけであります。
 問題は、こういう一つの思想を、こういう一つの認識をしからば具体的にどう詰めていくのかということは、だからもう私は金融制度調査会でもそのような認識を待つに至っているんだと、要は行政面で大蔵当局として、どのようなタイミングにどのような手法で現状を一歩前へ進めるかという決断ですね、これが私は求められているんじゃないか。もう理屈じゃない。金融関係の方々に聞きましても大体そういう決断を私は要望しているんじゃないかと思います。
 ちょうど仲間にも太陽神戸銀行にいっている幹部の方おりますけれども、この間ちょっと聞いてみましたら、もう労使関係では話ついている、決断できると、こういうふうにおっしゃっているんですがね。だからこれは大臣、この間金融関係の組合の代表ともお会いになっているようですね。そのときに大臣もしかるべきことをおっしゃっているわけですけれども、具体的にこれから先どういうふうにこれ当局としての実施するための段取りを考えておられるか、これをぜひお伺いしたいですね。
○国務大臣(村山達雄君) この問題は、私は見通しといたしましては週休二日制というのはまさに世界の趨勢であろうと思っておるのでございます。しかし、これはもう実際の経済界の人たちがどういうふうにやっているのか、そこを見きわめながらいかないとなかなかむずかしい問題があるなと思っておるのでございます。
 先ほど労働省の方から、現在週休二日制をやっているのは大体企業数で四十何%と、こういうお話でございました。しかし、まあいまちょっと確かめたのですが、私も衆議院の大蔵委員会におりましたときに週休二日制のメンバーであったわけでございますが、実際の意味で完全に休む企業数は一体どれくらいか。つまり交代要員をやらない――いまの四十何%というのは必ずしも全部やっているのじゃなくて、何らかの意味で、まあ隔週やるとかあるいはまた一月に一回やるとか、いろんなものを含めまして、そしてそれが全部休むという意味ではなくて、交代交代に休むというものを入れまして大体四十何%。たしか私の記憶によりますと完全に休むという企業者数は五%ぐらいだろうと思うのでございます。そこが一番むずかしい問題であろうと思うのでございまして、この前の金融制度調査会がアンケートをとったものを私も非常に興味を持ちまして、いま福間さんおっしゃったように私も克明に読んだわけでございます。まああそこによりますと、やはりいま中小企業の人たちは土曜日に金を借りにいくのが非常に多い。それからこのごろサラリーマンが住宅金融の関係でいろんな条件変更等の関係がありますとやはり土曜日を利用して銀行でやっていくと、こういう答えが出ているわけであります。銀行自身も、恐らく広い意味の週休二日制というものはほとんどいま実施しているだろうと思うのでございます。ただ、土曜日交代要員を置かないで完全に休めるかというと、それは経済界の必要があるものでございますからそういう意味ではない、こういうことなのでございます。
 いま福間委員が言っておられますのは、世界がやっておりますように、たとえば土曜日全部休む、こういう意味の完全な週休二日制のお話をされているんだろうと受け取っているわけでございまして、それはなかなかそういう意味で、銀行がそれぞれ金融機関として奉仕しておりますと、まあ鶏が先か卵が先かといって直ちに踏み切ってやれるかどうか。それには先ほど申しましたように実態的な経済取引の利用者の利便というものも考えなければなりませんし、それから民法の休日の問題も考えにゃならぬ、銀行法の問題も考えねばならぬ、こういう問題はあるわけでございます。
 したがいまして、私は個人といたしましてそれは大勢であろうと思うのでございますけれども、実際にこれを移していく場合にはかなりむずかしい問題でございます。そういう意味で、なお、いま金融制度調査会ではどのようにしていったら迷惑をかけずにやれるか、とりあえずやれるところからまずやっていこうという姿勢でいま臨んでいるわけでございます。
 それからもう一つの問題でございますが、カーター民が言ったということでございます。それに関連してちょっと思いつきますのは、先ほども労働省の方から、不況になって少し週休二日制のテンポが鈍っている、こういう御指摘ございました。実は私たちもそれを心配しているわけでございまして、一つは、週休二日制という問題は、これだけ低成長時代になりまして雇用がどうしても過剰になってくる、そういうことになりますと、賃金と雇用との関係からいたしまして将来の方向としては一つの問題、確かにそっちの方向に向かうべきであろうし、また向かうであろうと思うのでございますけれども、ここのところ企業の収益が非常に悪くなっているのでございまして、それが輸出競争力があるために経常収支は黒字という面もありますが、他方においてやはり収益が悪いから延びていることも事実なのでございます。だから週休二日制をいまこの時期に実行するということになりますと、当然収益関係に影響を及ぼすということも考えまして、まああれやこれやと考えて実効のある方法をいまわれわれは探求しておる、こういうことでございます。
○福間知之君 大蔵大臣、金融制度調査会のやつをひとつ十分読んでいただくのは結構なんですけれども、それを具体化するためにやっぱり決断をしていただかなきゃ余り意味がないと思うわけです。現に、この東京駅周辺なり有楽町あるいは新橋周辺等、銀行が数多くある地域でも、土曜日に銀行を利用しなきゃならぬという要素は年々私は薄まっていると思うんですね。むしろ当事者の話を聞きましても、これは公団の住宅建てる場所が悪いとは言いませんが、住宅が周辺にたくさんできてくるとそちらの方の土曜日休む勤労者というものが銀行を利用するという要素が強くなっていると、そういうところにむしろ自動機あたりの設置が非常に望まれるというようなことを耳にしたこともあるわけであります。
 それからもう一つは、別の問題ですが、不況の時期にこそむしろ積極的にやるべきじゃないか、やっているところも、国もあるのでございまして、私は、これはけさほどの竹田委員の総理大臣に対する、貯蓄率が高いのがいいのか悪いのかの議論と似通っている問題でございまして、これはせんじ詰めていけばそう具体的な面で大きな開きはないと思うんですけれども、議論をすればそういうように開いてしまうんでございますが、私はやっぱり不況だからできないというんじゃなくて、むしろそれはやりやすい面もあるわけです。
 私が実は所属しているところで昭和四十年でしたかに実行したんですが、それは実行するためにはどうしても二、三年の試行錯誤の期間要ります。たとえば現業の企業であれば、その当時は中卒者が大分おりますし、定時制の高校に行かなきゃならぬ、その場合には国鉄の電車を二、三本早く乗せなきゃいかぬわけですね。そのために暫定期間として二、三十分、人によっては早く職場から帰らすとか、そういう暫定措置というものはその事情事情によってこれは必要です。だけれども、やろうと思えばそれはできるわけなんですね。要は、ここまできた金融機関の問題につきましては、金融機関自体で法律事情なり社会的な条件からどうにもなりませんものですから、国会でこの議論をしなきゃならぬということに私なっていると思います。
 実は、私持ち時間がもう数分しかないんで、銀行協会長が五時においでになってから少し御質問しなければなりませんので、残念ですがこれで一応質問を閉じますけれども、最後に委員長にお願いしたいのは、大体いまお聞きいただいて、大蔵当局も全く私が申し上げていることと認識を異にしているようでもございませんし、当委員会としてこの問題について本国会で一定の見解というものを持っていただきたい、理事会で一遍御相談を願いたいということを御提案して、一応質問を終わりたいと思います。
○委員長(嶋崎均君) ただいまの件については、後刻理事会で協議をいたします。
○鈴木一弘君 理事会で協議ということになりましたんですけれども、私も若干銀行の週休二日制について最初お伺いしたいと思います。
 多少いまの御質問と重複するところがあるかもしれませんが、市中銀行従業員組合連合会がやった調査で、世界の銀行における完全週休二日制をとっているところが調査対象百六十五カ国中百カ国に及んでいる、もはや先進国の中では日本だけが取り残されている状況であると、こういうように言われております。問題は、これが事実かどうかということと、それからこういうような調査にあらわれた各国が週休二日制に踏み切っていった経緯と経過をひとつ説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(徳田博美君) 世界諸国のうち、現在把握しているところでは、少なくとも八十カ国以上が金融機関の週休二日制に踏み切っているわけでございまして、特に先進国であるOECD諸国につきましては実施してないのは日本とスペインだけでございます。
 これらの諸国におきまして週休二日制がどのように踏み切られてきたかでございますが、大体週休二日制につきましては、民間の一般企業と役人、官庁と、それから金融機関と、この三つに分けて考えられるわけでございますが、たとえばアメリカの場合にはもう戦前から民間が、たとえば一九二〇年から三〇年ごろ次第に普及してまいりまして、次に官庁が一九三一年ごろから普及が始まりまして、それで次に金融機関の週休二日制が普及したと、このような状態でございます。
 イギリスも同様、やっぱり民、官、銀行の順序でございますが、これは先ほど福間先生の御指摘にもありましたように、民間が先に移行いたしまして、かえって土曜日に非常に金融機関が繁忙になりましたために、なかなか金融機関が週休二日制に踏み切れなくて非常におくれてしまったという事実がございます。民間と官が大体一九六五年前後に移行しましたけれども、金融機関が移行したのは一九六九年であるということで大分おくれて移行をしております。
 それから西ドイツの場合には、民間がまず移行いたしましてから次に金融機関が移行いたしまして、一年か三年のほぼ同町に官庁が移行すると、このような形になっているわけでございまして、大体において民間にそういうものの実態が行われてから次に金融機関に移るというのが実態のようでございます。
○鈴木一弘君 まあこういうのを聞いていまして、いま若干の経済的あるいは社会的な障害が起きた例の報告もありましたけれども、何のかんの言いながらも時間をかけていくうちに全部が週休二日制に移ってきたということは、これは経済的にも社会的にも問題がないということを、余り問題が出ないということを意味しているんだろうと思うんですね。そういうことになりますと、もういま言われたようにスペインと日本だけが残っちゃったというような、非常に何か後進国扱いみたいな感じで話にならないということでございますが、どうしてこれは大臣、週休二日制にわが国は踏み込めないんですか。
○国務大臣(村山達雄君) これは私も想像でございますが、まあやはり日本は世界の中でも中小企業がたくさん、九十何%までは中小企業である。それから元来が非常に働く国民だという国民性、あるいは生活態度と申しますか、そういったところからやはり、またある意味では長年の習慣というものからきてるんじゃなかろうか、そういったもろもろの要素がかたまりましてそれで実体経済の方がなかなかおくれておる。さればといって法律でそいつをぴしゃっとやるほどのことができるかどうか、なかなか踏み切りがきかない、何しろ企業の関係でございますので、そういったところが全部波及いたしまして銀行も官庁も民間より先に休むというようなことはなかなか踏み切れなかったんじゃなかろうかと、私はそのように考えているわけでございます。
○鈴木一弘君 先ほどの大臣の答弁を伺っていまして、完全に休んでしまうというところのパーセンテージは非常に低いという答弁がございましたね。確かにそのとおりであるとは思うんですけれども、それでは、私はそこのところでちょっと疑問があったんですが、銀行の場合に仮に週休二日制完全実施ということになった場合に、いま言うように、土曜日にいろいろ事情があるとすればほかを考えなきゃならない。週休二日制をもし仮にここで実施をするとなったらば可能な曜日は何曜日ということになりますかね。
○政府委員(徳田博美君) 大体これは、世界の先進諸国で週休二日制を実施している場合にはほとんど土曜日が多いわけでございます。日本の場合にも、すでに先ほど労働省からお話がございましたような週休二日制を実施している企業はほとんどが土曜日でございますので、やはり日本の場合にも土曜日が一番適当ではなかろうか、こう考えております。
○鈴木一弘君 商社等も土曜日になっておりますし、そういう大きな扱い、土曜日が多いだろうと思うのですね、大企業等。それから、そうなりましてもう一つ伺いたいのは、金融機関の職員の交代休日制、この実施状況、この二、三年どういうふうに動いてきているのか。
○政府委員(徳田博美君) 現在、都市銀行の場合には月二回の交代休日制を実施しておりまして、そのうち一回は土曜日、他の一回は平日に実施しているわけでございます。この実施状況は銀行によりまちまちでございますけれども、三十八年ごろ、月一回、土曜日、交代休日制を実施いたしまして、それからだんだん広がりまして、四十七年ごろから現行の刀二一の交代休日制になっております。なお、地方銀行の場合には月一回、土曜日を中心にした交代制で実施している銀行が多いようでございます。
○鈴木一弘君 こういう交代休日制まできているということは、いわば目の前に週休二日制をとっていいという私は具体的なあらわれではないかと思うんですね。そういう点では早く実現をということを思うわけです。
 それから、先ほどの答弁の中に、土曜日の扱いとか、そういうものもあるんだということで、なかなか踏み切れないような人情を話されていたんですけれども、中小企業相手だから土曜日の資金需要もあるみたいな、そんな話がありました。しかし考えてみると、一番要求されているのは、福間委員も若干触れておりましたけれども、新興住宅地帯の多いところ、あるいはいままでの銀行の支店そのほかが全然待てないでいたところ、こういうところにいわゆる金融の窓口をつくることの方が本当はサービスとしては最良だと思うんですね。その辺がやはり制限をこれは緩和をしていくなりしていかなければいけない。銀行と郵便局との問題が絶えず問題になりますけれども、窓口の数でもって比較にならないからだろうと私は思うんです。今回の進学ローンを見ていても、あのように農協から漁協の窓口まで借りなければこちらはやり切れぬというような、話にならないような感じがするわけです。そういう点から考えるとむしろ支店、分店をふやすという方法がいいので、労働時間を延ばしておくことが得策よりも、週休二日制でもいいからそういう方をふやすという方が、私は本当のいわゆる中小企業対策といいますか、そういうものに対しての手厚い金融の道を開く上でも、地域金融を進める上でも、すごくいいんじゃないかという感じがしてならないんですが、この辺はどうですか、大臣のお考えは。
○政府委員(徳田博美君) 先生の御指摘のとおり、住民の利便から申しますと、都心とかターミナルに金融機関の店舗が集中していることは決して好ましくないわけでございまして、遠隔地と申しますか、団地とかそのようなところに金融機関が店舗を出して、余りコスト的に引き合わない面があっても公共的な見地から金融サービスを行うことが望ましいわけでございます。それで大蔵省といたしましても、店舗行政の面で最近その面に重点を置いた配慮を行っておりまして、一般の市街地に設置する店舗については非常に制限的に数を規制しておりますけれども、団地等のそのような住民利便を中心とした店舗につきましては、数についてはすっと緩やかにこれを認めることにいたしておりまして、先生御指摘のような住民利便中心の店舗展開をこれからも推進してまいりたい、このように考えております。
○鈴木一弘君 団地だけじゃなくて、実際、新しい新興都市ということになれば、どうしても資金需要が多いわけですから、そういう点は本気になってもう少し考えてほしい。私は自分で住んでいるところを言うわけじゃありませんけれども、大宮市ですと駅の真ん前ばかりですよ、あるのは。ちょっと離れてくると遠くてしようがないです。しかし、銀行の方が使いやすいなという感じを受ける。証券会社にしても銀行の支店にしても、全部同じようなところ、一カ所にごしゃごしゃと集まってしまっている。これはそういうような点みたいな状況になっているのを面に変えていく必要があるんだろうと思うんです、同じ配置でも。そうでなければ、小さい分店をさせるか、そういう点の配慮はできないんですか。
○政府委員(徳田博美君) 先生の御指摘のとおり、ターミナル駅前に店舗が集中することは、住民利便から言えば、大してプラスにならないわけでございまして、むしろ、そのような綱の目の漏れているところに店舗をつくることが必要でございます。その点につきましては、いま銀行局といたしましてもアイデア店舗というような枠の店舗を打ち出しておりまして、住民の利便になる店舗であって、たとえば行員の数が五人とか三人とか、非常に限られたところで、たばこ屋というのは行き過ぎでしょうけれども、非常に簡易な店舗で店をつくりたいというような要望があれば、これに対しましては前向きに対処するという考えでございまして、先生御指摘のような方向で指導してまいりたい、このように考えております。
○鈴木一弘君 銀行法による休日の制限あるいは最低限の営時間の制限について、その理由として挙げられているのは銀行の営業が安定的かつ継続的に行われることを目的とするということですね。そういうことなんですけれども、これは経済活動に対して銀行が担っている役割りをあらわしている、それを意識している、こういうことだと思うんです。そういうことになると、もう国民的な合意といいますか、そういうものが得られれば、週のうち、現行の休日以外にさらに一日休むということを設けても、もう経済的活動に大きな障害になるとは思われないような応じがするんです。もはや、この条文に一日休日をふやしたからといって安定的かつ継続的でなくなるなんという理由はないんじゃないかという感じがするのですが、どうですか、その点。
○政府委員(徳田博美君) 銀行法十八条の目的は、先生の御指摘のような趣旨もございますし、また、それから金融機関が一般経済取引の媒介を行っている観点から申しまして、やはり経済活動が行われている日には金融機関が店を開いていることが公共性から見て必要である。したがって、金融機関がいつ営業するかということについては個々の金融機関の恣意にゆだねることは適当でないので、法律でこれを公共的な見地から定めるべきだ、こういうような見地から十八条ができているわけでございます。
 したがいまして、先ほど国民的なコンセンサスということを申し上げましたけれども、中小企業であるとか、あるいは住宅ローンの借り入れであるとか、そのような経済社会における、土曜日において経済社会的な面から金融活動が必要であるというニーズがある場合には、やはり金融機関の公共性の面からこれに応ずるように店を開かなければならないという面もあるわけでございまして、ただ、もちろん、これはそう申しておりますといつまでたっても金融機関の週休二日制は実施ができなくなるわけでございますけれども、そういうニーズと、国民の、それでもやはり金融機関は土曜日に休んでもおかしくないよというような国民的なコンセンサスで、不便でも若干がまんしようというようなことに国民的な合意ができ上がるということが必要ではないかと考えているわけでございまして、やはり国民的なコンセンサスを得られるということが一番大下ではなかろうか、このように考えております。
○鈴木一弘君 ニーズといっても、たまたま非常に利用者が減っている、通常のときよりもそう多くはないと。大体いま、先にどの答弁で土曜日に金を借りるというけれども、そんなことは、日曜日がはさまるのに、わざわざ金利の負担がかかるのに借りるのかなという感じを私ども持ちましたけれどもね。だから、そういう点から見ると、やはりこれは休みをつくっていいんじゃないかという感じがするんです。
 それからもう一つ、これは昭和二年につくったわけですよね。昭和三十七年に最終改正されているけれども、そのときから見てもすでにもう十六年、三十七年から見ても。当初から見れば五十一年というのを経過している。もうその三十七年のときや昭和二年のときに比べると、経済情勢、社会的情勢というものは大幅に変更されてきているわけでしょう。そうなれば、その社会的背景も違ってきている、国民の声も違っている、休みに対する感覚も違いますですね。生活態度についてもまたうんと変わってきている。そういう現実の社会情勢から見ると、ちょっとそのことを盾にしての制限ということは、これはちょっともうできないところに来ているんじゃないか。そうなりますと、この辺で銀行法の改正というようなことまで検討せざるを得ないんじゃないかという感じがするんですけれども、その点いかがですか。
○政府委員(徳田博美君) 銀行法の改正の必要については、まさに先生御指摘のとおりでございまして、五十年前にこれはできた法律でございますが、非常にそれから期間がたっているということのほかに、まさにその背景となる経済社会情勢が大きく異なっているわけでございます。特に昭和の初期におきましては、金融恐慌に象徴されますように群小の金融機関がたくさんありまして、むしろ預金者保護、経営の健全性の確保ということが非常に重要な項目として挙げられておりまして、そういう見地から、金融機関のいわば、そういう表現が適当かどうかわかりませんが、静態的に規制するような法律でございまして、機能の面については余りうたってないわけでございます。しかしながら、現在におきましてはむしろ金融機関の社会的公共的な機能をいかに適切に発揮させるかといういわば機能発揮の点が非常に大事なことになっているわけでございまして、そういう意味での動態的と申しますか、機能に関する規定についても前向きに検討する必要があると考えられるわけでございます。これはその一例でございますけれども、そのほか、いまの時点から見るといろいろと実態的に見て問題のある条項があるわけでございまして、そういう点を含めてやはりこの銀行法の改正が必要と考えられるわけでございます。
 それで、現在金融制度調査会に大蔵大臣から諮問が行われまして、現在銀行法の改正を含めまして、一般銀行のあり方について全面的にいま検討を行っていただいているところでございます。これにつきましては、いま金融制度調査会で非常に精力的な審議が行われておりまして、全般的な答申が出ることを期待しているわけでございます。もちろん、その中には銀行法十八条の改正も含めて御検討が行われているわけでございます。
○鈴木一弘君 大臣、この金融制度調査会の答申を受けて法改正の国会提出ということになると思うんですけれども、いつごろに大体めどをお持ちなんでしょうか。
○政府委員(徳田博美君) いま金融制度調査会では、金融機関の機能を中心に審議を行っているわけでございますが、その全般的な項目の見直しが間もなく終了いたしまして、それを全部今度は振り返りましていろいろな論点を整理いたしまして答申を出していただくわけでございますが、いまの見通しでございますと恐らく来年の春ごろになるのではないかと予測されているわけでございます。したがいまして、その答申を踏まえまして銀行法の改正の作業に入るわけでございまして、何分にも一国の金融制度の基本になる法律でございますから、法律の制定にもかなり時間がかかると思われますので、まあ、場合によっては再来年あたりに案がまとまるんではないかと、このように考えております。
○鈴木一弘君 次は、雇用問題としてどう解決するかということでの焦点から週休二日制を見なき
 ゃならないと思うんです。労働時間の短縮ということが必要になってきますけれども、銀行の週休二日制について、そういう点から見てみると、労働条件として見た場合に時間外労働時間がほかの産業よりもかなり長い、ほかの廃業が平均十一・六時間、それに対して十八・九時間。非常に長い時間外労働時間です。それから年次有給休暇の利用状況は、他残業が十一・六日というふうにとっている。それに対して市銀連の調布では八・七日とちょっと短い。それからまた、土曜日の単位時間当たりの来店客数は平日に比べて著しく高く、また交代制による実働人員の減少によって労働実態がかえって厳しくなる、こういうようなことで、どうもこれは早く二日制をとらないと、労働条件としてははなはだ好ましくない状況にあると思うんです。これはもう一日も早くそういう諸悪と、言うとおかしいんですが、諸点について改正をしていくということが非常に大きな問題だと思うんですけれどもね。それで、最終的には政治的判断をもってこれは解決する以外にないと思うんですけれども、その点いかがですか。
○政府委員(徳田博美君) 金融機関の職員の労働条件につきましては、むしろあるいは労働省からお答えすべきことかもしれませんけれども、ただ、先ほど御指摘の常用労働者の労働時間表は、これはいろんな統計によってあるいは違うのかもしれませんけれども、五十三年の一月現在では調査産業の計が一一・一でございまして、金融保険業は、かつてはかなり、一一・九ということもございましたが、五十三年の一月は九・九に下がっておりまして、必ずしも一般産業より現状においては所定外労働時間が多いとは言えないと思いますけれども、ただ、たとえば年末であるとか季節的な時期においては金融機関の職員はかなり繁忙であることは否定できないわけでございます。ただ、しかしながら、最近機械化が非常に進んでおりまして、その面で以前に比べると全般的な所定外労働時間の水準も非常に低くなっているわけでございます。
 また土曜日につきましては、確かに、郊外の住宅地を主体とした店舗につきましては、一時間当たりの来客数は平日の来客数の倍以上であるというような店もあるようでございますけれども、これにつきましては極力その来客の分散を図るようにいろいろ顧客に対するお願いもしておりますし、また、土曜日におきましては所定時間以外の外務活動についてはこれを自粛するというような措置も行われておりまして、漸次改善の方向に向かっているのではないかと、このように考えております。
○鈴木一弘君 総理府の国民生活に対する世論調査そのほかによりますというと、先ほど私が申し上げましたように仕事忠実型というのから、いわゆる仕事中心型というのから余暇中心型の生活に変わってきている。これが、いわゆる年齢層はそうじゃないというんじゃなくて、若い者も年齢層もというふうにいま全年齢に及んできている。つまり、大きな社会的変革がここでばかっと起こったと考えざるを得なくなってきたですね。そういう点で、週休二日制が一企業だけの問題とか、いま行われているのは非常に少ないじゃないかということを言われたんですが、それ以上に週休二日制を全面的に切望してきているということはもう間違いないことだと思うんです。そういうところで一般企業への完全週休二日制の導入状況、これは大手の方から始まってきています。確かに大手の方は導入しやすいですから。自動車工場へ行ってもどこへ行ってももう土曜日休んでおります。そういう姿を見ることができるんですけれども、しかし、先ほどの答弁のように、確かに中小企業とか第三次産業というのはなかなか進んでない。こういった状況をいつまでも置いておいて、中小企業がいかないから金融機関はできない。また第二次産業がそう簡単にいかないからということになると、これは日曜だってやらなきゃならなくなっちゃうですね。そういうことで理由にできないような感じがあるんです。ですから、銀行法との関係でこれは銀行法を直さなきゃいかぬなあと、こう思ったんですけれども。
 いま一つは、そういうことで国民の休日をふやして余暇志向がふえてくるというのも、そういう時代に入っているんだという中で、私は、少なくとも大蔵省としては、銀行が週休二日制の時代の先取りをやって牽引車的に持っていくということは非常に悪い意味じゃない。そういう意味で先ほどヨーロッパの例を聞いたわけです、外国の例を。一般企業の次に銀行がなったところもございます、西独でしたかね。そういう例から考えると、私はこの辺で本当に牽引車的な役割と言うと極端でありますけれども、一歩先んじて週休二日制をとらしていいんじゃないかと思うんです。その点の決断を一つ聞きたいんですが、これは大臣ひとつ……。この辺でこの問題は終わりですから。
○国務大臣(村山達雄君) 実は、いま鈴木さんがおっしゃっているところが一番むつかしいのでございまして、果たして銀行が率先してやっていいのか、あるいは実体経済にある程度浸透したときに銀行の公共性の点から追随すべきなのか、非常にむつかしい点で、いま悩んでいるのでございます。私は将来の方向としては、おっしゃるようにこれから週休二日制の方に大きく働いていくだろうと思うのでございますけれども、どういうプロセスでやっていくのか。できればわれわれの望むのは、経済取引に実際携わっている人は、銀行はもう土曜日店を閉めても、全部閉めても大丈夫やっていけると、これが何よりも大事なことであろうと思うのでございます。
 鈴木さんがおっしゃるように、率先してやれというのもわからぬことはございませんけれども、何分にもやはり経済の必要に基づいて奉仕する立場にある金融機関なものでございますから、その辺が一番悩みの種であるわけでございまして、いまとりあえずはやれるものからやっていこうと。一挙に、先ほどの話で答申が出るのが来年の春かあるいは再来年かと、こういうことでございますけれども、そういうことを完全にやれるときまで待つのではなくて、だんだんやはりそういう情勢にいくような方向ででもやはり努力すべきではなかろうか、こんなふうにいま考えているところでございます。
○鈴木一弘君 ちょっと論点は違ってきますけれども、サラ金問題について伺いたいんです。
 大蔵省が三月八日に全国銀行協会、全国地方銀行協会、生命保険協会など金融機関の六団体の代表に対して、金融機関の貸金業者に対する融資の自粛を求めたようでありますけれども、こういうような行政指導を行うに至った銀行等のサラ金業者への融資の実態、これはいかなるものなんですか。
○政府委員(徳田博美君) 本来民間金融機関の貸し出しは、金融機関が社会的公共性の自覚のもとに良識をもって行われることが望ましいわけでございますけれども、しかしながら、最近一部の金融機関で一部のサラ金業者に対しかなり高額の貸し出しを行っているということについて、いろいろそれが社会的な批判の対象になっておりますし、また、サラ金業者自体につきましてもいろいろな問題が提起されておりますので、この際そのようなことを背景にいたしまして、サラ金業者に対する金融機関の融資の適正化につきまして指導を行ったということです。
○鈴木一弘君 国民の多くは、まさか銀行がサラ金業者に資金を融資して、その資金でサラ金の業者が高い利息の金を貸し付けているということなどは考えてもいなかったと思うのですね。そういうところに大きな問題が出てきたと思うのですけれども、そういう銀行を初めとして金融機関がいま言うような貸金業者に対して、サラ金業者に対して貸し出したその実態というものは調査する必要がないのですか。
○政府委員(徳田博美君) これは、サラ金業者につきましての貸し出しの統計というものは一般的にまだつくられておりませんので、そういう意味で全般的なケースを把握することは困難でございますけれども、検査等の折には貸し出しの内容につきまして、特にそれは預金者保護の観点から見て資産内容が健全であるかどうかという見地から審査を行っておりまして、そのような際にサラ金業者に対する貸し出しの把握をしているという次第でございます。
○鈴木一弘君 朝日新聞が二月二十二日でしたか、大手の信託銀行が一サラ金業者に八十億円もの金を貸しているということが報道された。これからこのことは大きくなってきたのですけれども、これは大蔵省はそれをいつごろ知ったのかということと、そのほかのサラ金業者に対してもかなり出ております。会社の名前を言うとあれですから言いませんけれども、十五行の金融機関から百億とか、二十行で百四十億円とか、あるところには二十行で七十億円。また二十億、三十億というふうに相当の金額が出ていますね。幾つもの銀行が集まって出しておりますけれども、百億、百四十億というふうなお金が流れておる、こういう事実は大蔵省としてはいつごろ知り得たんですか。
○政府委員(徳田博美君) 個別の金融機関の取引の問題につきましては、具体的には申し上げるのを差し控えさしていただきたいと思いますが、検査をした時点において一応そのようなものの把握はできるわけでございまして、適当でないものは極力これを抑制するように個々に指導は行っております。
○鈴木一弘君 サラ金の業者の中に貸出金利をできるだけ低くしようと努力しているところもあるのです。そういう良心的ところもあることは私もよくわかっております。したがって、サラ金業者に銀行が融資をしてはいけないとか、そういうことをここで言っているわけではないのですけれども、そういうふうに一概に言えないけれども、いまのようにサラ金業者のために被害者が多数出ているという、とにかく五つ、六つとか十とか借りてしまって、一千万、二千万、三千万なんてすぐふくれ上がってしまっているのもあるわけです。
 そういうのが、最近私どもなんかも実際にどうしたらいいでしょうと、泣きつかれてくることがたびたびです。やりようがないです、実際問題。そうなるというと、そんなところへなぜ金を貸したんだということで、銀行に対する憤りまでこういってしまうわけなんですけれども、そういう点で銀行がサラ金業者に対して、高い収益があると思うから相当金額の、驚くべき金額の融資をしたんだと思うのです。しかし、その高い収益が大蔵省の言う適正金利、いわゆる利息制限法によるものによってやればそれをはるかに超えた高金利の収益ですから、これがきちっとした場合にはどうなるのだろう、裁判に持ち込まれて違法な金利であるとされる、そうなってきてしまうというとその収益というのはかなり消滅してくるわけですね。そういう点で非常にリスクのある貸し方だと思います。担保のあるようなないようなと言うと悪いですけれども、感じになるわけですね。こういうものも、やはりやるなとは言いませんけれども、何らかのルールづくりが必要なような感じがするのですけれども、この点を伺って、もう大体時間が来たようですから終わりたいと思うのですけれども、いかがお考えですか。
○政府委員(徳田博美君) その点は非常に判断のむずかしい問題でございますけれども、この前、全部の金融機関に対しまして行いました指導の内容を申し上げますと、
  最近、一部貸金業者の経営姿勢について社会的批判が高まっているが、金融機関の貸金業者に対する融資については、金融機関の公共性格にかんがみ、社会的信頼を損なうことがないよう慎重な配慮が必要である。
  特に、貸金業者の高金利による融資、過当な収益の追求その他利用者の利益を不当に害するとして社会的批判を受けている行為を助長するおそれのある融資については厳に自粛を図られたい。
 ということを指導したわけでございまして、この「高金利による融資」あるいは「過当な収益の追求」という言葉を使ったわけでございますが、ただどの程度が高金利であるか、どの程度が過当な収益であるかということについては、これは一定の基準を設けることは非常にむずかしいわけでございますので、この点は金融機機の個々の良識による判断に任せたいと思いますけれども、たとえば九%ぐらいで借りた金を七〇%で貸すとか、あるいは資金の大部分を銀行借り入れで賄うとか、このようなことは好ましくないわけでございまして、そういうことのないように指導してまいりたいと考えております。
○鈴木一弘君 これは予算委員会等でさんざん出たことだと思うけれども、現行の利息制限法によれば年利二〇%とか一五%、またそれに対して出資法で利子の上限が日歩三十銭、年利で一〇九%になるわけでございますね。こういうことになって、利息制限法と出資法の不統一がサラ金の法外なものを生んでいく温床になっている感じがするのです。これは何か手を打たなければどうしようもないだろうという感じがするのですけれども、これは大臣の所見を伺って終わりたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 鈴木委員の御指摘のとおりでございまして、現在は利息制限法は民法の系統でできているわけでございます。片や出資法の方は、これはあれを超えますと圭司罰になるというわけでございます。利息制限法から出資法の金利までの間はいわゆるグレーゾーンというわけでございまして、裁判上それは援用ができないというだけの話でございます。しかも、実際のところを見ておりますと、その出資法による金利を越えてみたりいたしているわけでございます。
 私は、基本的には何と言っても借りる人がよくそういうことを理解してもらうようにやらざるを得ない。それからまた、銀行自身がこれから消費者金融というものに、やはり普通の消費者金融というものを開発してもらいたい。これが一方においてぜひ必要であるわけでございます。他方におきまして、しかしいまのサラ金業者でも比較的まじめなのもあるそうでございまして、そういう話も聞くわけでございまして、いわば必要悪というのですか、やはり需要があるから出るわけでございます。特にまた、その回収の仕方について暴力団が出てるとか、いろんな話があるわけでございますんで、単純なる金融行政ではこれはとてもできないわけでございます。したがって、閣内におきまして連絡協議会を精力的にいまやりまして、これは実態調査をまず進めようと、そしてどういう角度からこの問題を切り込んでいくかと、ここが一番大事なポイントだろうと思っておるのでございますが、どういう角度からこれを突っ込むのか。いずれにいたしましても、何らかの対策を打たなくちゃならぬのでございますけれども、とりあえずはやはり借りる方の消費者の方々に、われわれ聞くところによりますと、やはり不注意で借りている方がずいぶん多いようでございます。だから、そういうことをよく啓蒙宣伝するとともに、できるまでの間でも消費者金融というものを各金融機関がどんどん開発してもらうということをとりあえずの措置としては並行的に進めてまいりたい、こんなことを考えているわけでございます。
○委員長(嶋崎均君) ただいま全国銀行協会連合会会長村木参考人が出席されました。
 この際、村本参考人に一言ごあいさつを申し上げます。
 村本参考人には、御多忙中のところを大変御無理を申し上げまして、本委員会に御出席をいただきましたことをまことにありがとうございました。
○福間知之君 村木参考人には大変御多忙なところを、やや時間的に切迫した要請をしまして、恐縮に存じております。
 おいでになるのを実はお持ちしておったわけですが、先ほど来大蔵省当局に、例の金融機関における週休二日制問題についてお尋ねをしておったわけでありますが、私の承知しますところによりますと、銀行協会を初めとして、金融機関としてはすでに関係労働組合などともつとに週休二日制実施に向けてのお話し合いなり、また御努力が積み重ねられてまいったと思います。そして、いまや金融機関全体としてのコンセンサスはほぼ私は整いつつある。ただ、農協あるいはまた郵便局等、関係する一部の金融機関との調整ということが実は問題ではないのかと、こういうふうに思います。社会的にそういうのが問題ではないのかと、こういうように思ってます。
 また、銀行それ自体としては例の銀行法との関係、あるいは民法だとか商法だとか手形法だとかいうふうな関係が存在をするということも知悉をいたしております。しかし、昨年の暮れ、十二月十三日の金融制度調査会等におきましては、かなり積極的な立場でいま申したような現状、法律上での障害になるような部分についても基本的にはそれを改正することが望ましいが、実態的な運用として弾力性をもって運用したらいいじゃないかと、こういうふうな御趣旨の確認もなされたようでありまして、銀行当局といたしましては、この問題についていまの時点で監督官庁である大蔵省の意向ももちろん十分これはそんたくせなきゃならぬのでしょうけれども、どのような御希望を持っておられますか。
○参考人(村本周三君) ただいま福間先生から御指摘がございましたとおり、全国銀行協会連合会といたしましては、従来たびたび会長が参議院並びに衆議院の大蔵委員会にお伺いいたしまして申し上げておりますとおり、いわば銀行の方のコンセンサスと申しますか、銀行協会といたしましては、週休二日制ということは世界の大勢であり、わが国もいずれこれに追っかけていかなくては国際的な孤児となるおそれがあるからぜひ週休二日制をしたいと、こういうコンセンサスを持っておりますことは、ただいま先生御指摘のとおりでございます。
 ただ、それではそれを阻んでおるものは何かというふうに申しますと、ただいま先生が御指摘になりました農協あるいは便郵局というような一種の金融機関、われわれ民間金融機関――われわれ民間金融機関と申しますか、全銀協の加盟しておる金融機関と競合的ないろんな金融機関において同時に週休二日制が行われるだろうかということが一つの問題点になっておることはまさに御指摘のとおりでございますが、そのほかに、銀行協会として一番気を使っておりますことは、われわれ金融機関は非常に社会的な公共性の高いものでございますから、われわれをお使いくださる国民の皆様方に、金融機関が週休二日制になってもそれは世界の大勢だからやむを得ないんだな、日本の中でも週休二日制が次第に普及してきたから、ああ金融機関もそういうことになったか、こういうふうに言われるように、国民の皆様方、とりわけ中小企業の皆様方や個人取引をしていただいております皆様方にいわばそういうコンセンサスを持っていただくということをもってわれわれは一番の努力目標とし、そういうコンセンサスが得られるならばそこで踏み切りたい、かように考えておるわけでございます。
 これは、従来からそういう考えでおりましたが、ただそのテンポにつきましては、昭和五十年の二月には五十一年の上期にはやりたいものだというふうに銀行側で考え、それぞれの銀行とそれぞれの組合がそう話し合って、組合はむろん初めからそういうふうな要請をしておるわけでございますから、そういう意味では意見の一致を見ておったのでございますが、残念ながら五十年から五十一年にかけて日本の中で週休二日制、それも特に完全週休二日制の普及ということが、大企業でとりますと四三・三%ぐらいでございますが、これを全企業ということにいたしますと二三・六%というように、まだまだ進行が足踏みをいたしております。したがいまして、銀行協会といたしましては五十一年上期は少し無理だと、しかしぜひそのうち実現したいということについての努力は続けよう、それがただいまのコンセンサスを皆さん方に持っていただく、そういう努力をしようと、こういう気持ちでおるというわけでございます。
 さらに、先般衆議院の大蔵委員会でも議決をいただいておりますので、そういった御決議に沿いまして、政府の御指導も得ながら、われわれとしてはわれわれの週休二日制を実施するためのいろんな機関について改めて検討し、これを新設あるいは強化いたしまして、そういう準備を進めてまいりたい、同時にそういったPRを進めていきたいと、かように考えておるわけでございます。
 ただ、先生御指摘になりました金融制度調査会の方でございますが、金融制度調査会で先般御審議がありまして、またいろいろな参考人の御出席をお求めになり、いろいろ意見を伺ったわけでございますが、その中には、やはり中小企業の方々やあるいは消費者としての立場の方々からは、まだ時期尚早ではないかという御意見があったことも残念ながら事実でございます。しかし、労働界の方々からは大変われわれを御激励いただくお言葉があったこともまた事実でございます。ただ、先生御指摘になりましたような、現在の十八条の改正をしないで弾力的運用でいきたいと、こういうふうなお話はなかったやに私は記憶をいたしております。
○福間知之君 イギリスなどにおきましては、国民の祝日のことをバンクホリデーと別名言っているようであります。つまり銀行が休むということに通ずるといいますか、国全体が休むということの象徴のような社会的な受け取り方というものが古くから定着をしているわけでありまして、実は村本会長さんおいでになる前に、大臣あるいは銀行局長とやり合っておったわけでございますけれども、日本の場合に確かに週休二日制が四十年代、主に後半から社会的にクローズアップいたしました。
 けれども、先ほど参考人も触れられましたし、また労働省も答弁をしておったんですけれども、確かにわが国の場合には完全な意味での週休二日制、実働週四十時間労働制というのはまさに五%弱の実行率でしかない。考えてみると、私もこれはいわゆる高度成長という時代に大手企業中心にやりやすいところが、国際的な関係もいち早く考慮して踏み切ったというふうな見方もできないわけではないわけでありまして、したがって、一たび経済全体がオイルショック以降の不況に入ると、いまのお話しのように、五十年階段で五十一年からの実施をめどにしようと思ったものが、経済背景が変わったために一とんざを来たした、これはもういい悪いは別にしてそうだと思うんでございます。
 しかし、いま私たちが考えなきゃならないのは、さりとて、一つの世界の趨勢でもあるし、またわが国社会が本当の趣味での近代化社会、あるいは先進工業国並みに社会的諸条件の整備を、経済的な基盤整備をやっていくとなればこれは避けて通れない道であります。遅かれ早かれ、これは再び四十年代後半のようにかなりの規模でかなりのピッチで実現をしていかなきゃならない課題だと思うわけであります。
 その場合に、私いまここで一番大事なことは金融関係と公務員だと思うんであります。これはやはりILOなどにおきましても、週休二日制というものを実施しているかどうかということは、特定の国に対して調査したり統計をとったりする場合のメルクマールは金融機関と公務員なんですよ。まあ鉄鋼も自動車も造船もやってます。だけれども、一番重要な部分で欠落しているのが金融機関と公務員であります。しかもその中でも、わが国の現状に照らして見れば私はやっぱり金融機関が公務員よりは条件が成熟している、こういうふうに考えておるわけでございます。たとえば金融機関でいま局におけるいろんな御配慮を得なきゃならぬということ、その意味はわかりますが、それは一応たな上げしますと、金融機関独自で何か障害というものがあるのかどうか、打開ができない、克服できない障害というものがあるのかどうか、ちょっとお伺いしたいわけです。
○参考人(村本周三君) 確かに、先生御指摘のとおりイギリスではバンクホリデーという名前の休日があること、おっしゃるとおりでございます。わが国におきましても、先生ただいま御指摘になりましたように、やりやすい大企業と申しますか、やれるだけの力のある大企業と申しますか、それが一方では国際的な協調関係も考慮しながらやってきたということではないかと思います。銀行はそういう点では先ほど申し上げておりますようにきわめて公共性が広いものでございますから、われわれは、銀行が率先して週休二日制をやるということはなかなか国民の皆様の御同意を得がたいであろう、しかし、国の中で完全週休二日制に移行していく――先ほど私が申し上げました数字の方が先生御指摘の数字より多いのは、私は労働者数で申しておりますし、先生は会社数でお話があったように思いますが、いずれにせよ、われわれとしては大変不満な数字で現在おるわけでございますが、銀行がそういった進行の中で大変おくれるということは、われわれが一番の宝としております銀行の従業員に対してモラールの低下を招きますし、また健康な生活を再生産していくという意味からも非常に考えなければならないことだと思います。したがってわれわれは、銀行が週休二日制に参加するいい線は、まあ国の真ん中辺かなと、かように考えておるのであります。
 先生いま、たとえば銀行法第十八条というような問題は抜きにしてというふうにおっしゃいましたけれども、これはわれわれなかなか抜きにして考えられないのでございますが、非常に無理に抜きにして考えまして、われわれの考えておるところは、そういう意味で国民の御納得、国民のコンセンサスがなければやれないんだというふうに銀行としては考えておるというふうにお答えしたいと思います。
○福間知之君 時間が参りましたのでこれ一問でとどめますが、国民のコンセンサスというものは、もちろん銀行当局だけで努力をしてもそれは得られる筋のものではないと言えばないわけでありますけれども、しかしそれは、私は、銀行当局もいままでの経過からさらに実施に向かっての意欲的姿勢というものを示すことが、直接金融機関利用者とか国民全般に対しても、ああいよいよそういう時期が来たかという認識を始めてもらう契機になるし、また大蔵省当局が、これは先ほど盛んにやってたんですが、もう議論の段階を過ぎている、決断だと、こういうことを申し上げておったわけですけれども、そういう立場に竿頭一歩を進めてもらって当局もしかるべき決断をしてもらう、あるいはまた国民に対するPRといいますか、理解を得る活動をしていただく、これは両々相まってできることでありまして、私がお願いしたいのは、銀行協会に対しては、ぜひ現状に押し流されないように、従来の一つの方向、路線というようなものをさらに積極的に進めていくということで、あらゆる場でこれからも対応願いたい。
 参考までに申しますと、昨年の十一月二十九日に中央労働基準審議会におきましても、これは労使公益の三者で構成された労働大臣の諮問機関でございますけれども、ここでも幾つかの問題を言っているわけですが、中でまた少し留意をしたいと思うことは、特に銀行や売サービス業などの週休二日制によって社会生活上生じる可能性のある不便を国民ががまんし合う雰囲気づくりが必要である、こういうふうな趣旨の言があるわけです。これは私、文章としてはあんまり感心しないと思うんですけれども、不便をしのげと、がまんせいというのはどうかと思うんですが、そうじゃなくって、私はむしろ主要な産業部門、業界がそういうものに向かって実現をしていくことによって新しいパターンの社会生活、これは家庭の生活、個人の生活あるいは仕事上における生活、企業の活動態様、金融機関の利用のあり方、そういうものが新しいものに生まれ変わり新しいものがつくり出されていく、こういうことに私なると思うんですね。まさにそういう点では、もう時間が来ましたので、大蔵大臣、たとえばいま銀行の問題も出ました、あるいは手形法の問題も民法も商法も改正の必要性が話題として出ているわけですけれども、それらを含めて一歩進めるための具体的な法律上での、あるいは行政上での時期、めどというものをどのようにお考えになっていますか、お伺いをして終わりたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 先ほど基本的な考え方について申し上げました。いまの銀行協会長の言っていることと大体同じなんでございますが、われわれは金融制度調査会でその問題を具体的に取り上げているわけでございます。金融制度調査会の答申をできるだけ精力的に進めまして、来春ぐらいには何とかうまくいくんじゃないだろうかと、こう思っておるわけでございますので、その上で検討してまいりたいと思いますが、しかしそれまでの間に、完全に店を閉めるのでなくっても、一歩でも二歩でもやはり前進していくことが大事ではないかと私は思っているのでございます。そういうふうにいたしまして、だんだんやはり銀行の方もお客の方と相呼応してといいますか、ある程度多少の影響力を持ちながら、やはり一歩でも二歩でも、完全に週休二日制になっても急に不便にならないように何とか工夫をこらしてやってみたい、こういうふうに考えておるものでございます。最終的に全部店を閉めるかどうかというような問題、こういった問題につきましては、先ほど申しましたように答申が出まして、そのときの時点で篤と考慮いたしたいと思いますが、重ねて申し上げますが、それまでの間でもそうなっても差し支えないような方向に具体的にいろんな知恵を出して進めてまいりたいと、かように思っておるわけでございます。
○鈴木一弘君 村本参考人に、大変お忙しいところ申しわけないんですが、御意見を伺いたいと思います。
 一つは、いまの御答弁何って、御意見伺っていまして、御意見の中に銀行法第十八条にこだわらずにやれと言われてもこだわらざるを得ないという御答弁があったんです。しかし、これができた当座のことをお考えになればわかりますように、金融恐慌の真っ盛りといいますか、そういうことで銀行に対する信用の回復であるとか、経済的安定であるとかということが最大の眼目としてできてきたわけです。現実にいま、じゃ週休二日になったからその銀行の国民に対する経済的安定の貢献度が急に落っこってしまうとか不安定になるとか社会不安を巻き散らすというような時代じゃないだろうと思います。そういう点ではそういう十八条に拘泥せざるを得ないというものの、私はその点はそこまでいかなくてもいいんじゃないか。先ほど大臣の答弁では銀行法の改正までは来年も再来年もかかるだろうけれども、その前に何とかというような話がございました。それは私もごもっともじゃないかと思うんですけれども、何か方法があればという、その点のことが一つでございます。
 それから二番目は、郵便貯金との競争条件の問題、これが一つのネックになっているようなお話でございました。大成省の資料をいただいてずっと見てみますというと、アメリカ、イギリス、西独、フランスなど出ておりますけれども、郵便局、国民貯蓄銀行とか貯蓄金庫とかそういうところが実施をしていないと、しかし銀行、金融機関の方は実施をしているというのがほとんどです。もちろん銀行に比べると郵便貯金といいますか、そういうもののシェアが非常に低いんですね、日本に比べて低いということがある。ですからこれは心配なくやったんだろう。また、フランスの場合には農業信用金庫及び普通貯蓄金庫については実施状況はまちまちということで、やっているところもあればやってないところもあるというわけですよね。そういうことになりますと、私は郵貯や農協、漁協との競争の問題はまた別の問題で競争条件を整えられたらいいんじゃないか。週休二日制は二日制としておやりになられて、社会的な牽引力といいますか、リーダーシップを発揮されてくださって、労働条件のことや世の中の先取りになると思いますが、そうしておいて一方では、先ほども銀行局長に伺って店舗の問題等があったのですけれども、郵便局の場合は数が多くて特定郵便局もずいぶんあるわけでございます。そういうような特定な――特定銀行というのはおかしゅうございますけれども、そういうような窓口の増加ということですね、そういうことで競争条件を付与することを本気になって考えるというのが筋道のように思うんです。だから郵便貯金が競争相手だからということで週休二日制を延ばすというのも余り好ましくないというか、賛成しがたいような御意見にならない方がいいんじゃないかというふうに思うんですけれども、その点は私もよくわかりませんものですから、その点が二つ目です。
 それから三つ目は、銀行としてはとにかく始まったら、週休二日制になったら大変経営に響いてくるんではないか、大変になるんじゃないか。確かに最近は手数料等も引き上げなきゃならないようないろんなことになっておることわかっておりますけれども、そういう声がちょっといろんな答弁の中から伺ったのですけれども、その辺の実態はどうなのかですね、この三つを参考意見としてひとつ伺わしていただきたいんですが。
○参考人(村本周三君) 最初の、私どもが銀行法十八条をたな上げして考えろとおっしゃっても、私どもにはちょっとそれはできませんと申し上げたことと、ただいま鈴木先史御指摘のように、こういういろんな立法趣旨などを考えたらどうだということとは、確かにおっしゃるとおり少し違うのでございますが、先生方はそういう立法論をいろいろお考えになる、そしてまた先生方がどういうふうに法律を変えていったらいいかお考えになっていただくんだと思うんですが、銀行というものは大変遵法精神の高いものでございますから、法律が変わらないうちはとてもその法律やたな上げして考えるということはなかなかわれわれとしては無理なのでございますと申し上げたわけでございます。しかし、法律がそういうふうな法律の中でその解釈として弾力的にどこまでやれるかということは、やはり一つのわれわれが研究すべき問題でございますから、先ほど大臣の御答弁にもあげましたように、漸進的にするためには現行法上どういうことが可能であるかということは、ひとつわれわれも現在お約束申し上げております週休二日制に関する新しい機関で大いに勉強していきたいと考えております。
 それから第二点の郵便局との問題でございますが、これは私、先ほど、郵便局と一緒でなければどうしてもやれないと申し上げたわけではないのでございます。ただ、郵便局というものが競合関係にあるから両方が一緒にやるのが理想的である、こういうふうに申し上げたわけでございます。そうなると、先生、その点はその点としてほかの点でもっとリーダーシップを発揮したらどうだという御意見でございますが、これは、外国の郵便局が経済の中に占めておりますシェアは小さいが日本では非常に大きな存在になっておるということは、先生御指摘のとおりでございますので、その営業時間が余り違いますとなかなかほかのリーダーシップで補えるかということは問題だと思いますが、これもそういう意味でできるだけ研究をしてみたいと思います。
 最後に、週休二日制になったら銀行の経営にひびが入るのではないか、屋台骨にひびが入るのではないかという御質問でございますが、確かに、銀行の経営という面から見れば、週休二日というものは金銭的には、たとえばもう少し人間をよけい雇わねばならないかもしれない、あるいは土曜日休むためには金曜日少し、長くやらなければならないかもしれない、そういうことを入れて金銭的な支出は少し増すかと思います。しかし反面におきまして、銀行の従業員がそのためにモラールアップをし、また健康な生活を営んでそれによって勇気をふるい起こして新しい職務につくということを考えますと、このそろばん勘定はなかなかわれわれのコンピューターでもむずかしいところではなかろうかと思います。そういう意味で、私どもは、ただ金銭的にマイナスだから――わら一本でも最後に乗せたのでロバの背が折れるというお話も伺いましたけれども、そうとばかり言えない金銭的なプラス・マイナスと、そういった従業員の意識高揚上のプラス・マイナス、そういうものをうまくあわせ考えていきたい、かように考えております。
○鈴木一弘君 どうもありがとうございました。
○野末陳平君 いま、国民のコンセンサスを得ればということでしたけれども、個人の場合よりもむしろ中小企業関係といいますか商売といいますか、その辺が一審むずかしいところだろうと思うのですね。そこで、そういう中小企業あるいは商人といいますか、商売の人たちに対して、どうやったら理解が深められるということをお考えなのか、あるいは、どんなことをやってほしいと願っておられるのか、その点をひとつ週休二日に関してはお伺いしたいのです。
 それからもう一つは、ちょっとこれは外れますけれども、例の国債の窓販の問題が関心持たれているようですが、全銀協としてはどういうふうにお考えなのか。つまり、この実現を希望されているとは思いますが、新発物も既発物も同時に扱おうとなさっているのでしょうが、これの流通市場への影響なども考えまして、プラス両はどういうところにあるのか、銀行が国債の窓販することで。そして同時に、マイナス面も考えられるとしたならばどういうマイナス面もあるか、その辺の見方、この二問をひとつお願いします。
○参考人(村本周三君) ただいま野末先生御指摘になりました、中小企業あるいは国民の皆様に対してどういうPRをしているか、どういう理解の求め方をしているかという御質問でございますが、第一に、私ども並びに銀行従業員組合、両方で、そういうふうな団体の方々にいろいろ御説明を申し上げるということをいたしております。
 それからまた、うまく完全週休二日制ができるようになるためのPRと申しますか、準備と申しますか、そういうことのために、たとえば、土曜日はなるべく手形期日に御指定を願わないようにできないだろうか、――願わないと申しましたのは、指定しないようにお願いをしてはということでお願いをしております。また、だんだん皆さん方が完全週休二日になると土曜日が便利だといってお見えになるのですが、なるべく土曜日にお見えにならないようにしていただけないだろうかというお願いもいたしておるわけであります。ただいまのお願いは、銀行の中にいろいろそういう説明をいたして皆様方にお願いしております。
 また、銀行の方からの仕事といたしましては、たとえば、土曜日は営業時間外の集金は極力自粛をする、あるいは時間外の外訪活動は、まことにやむを得ない場合、たとえばお客様からぜひこれを持ってきてくれと言われたようなときは別として、やむを得ない場合のほかは自粛をさせていただく。そういうことでだんだん土曜日の仕事が少なくなって、ああ土曜日が休みになってもどうもこれならうまくいけそうだなというふうに思っていただくという方法でいたしております。
 しかしもう一つは、先ほどの御議論にもございましたように、新しい生活のパターンというものに国民の皆様になっていただくということも大事でございまして、私ども今度広報企画室というのも設けまして、そういうふうな皆様への新しい生活のパターンの御理解を願うようにする所存でございますが、これに対して政府の方も、それがこれからの生活の行方だというふうに応援をしてくださり、また、本日あるいは先般来のように両院のこうした大蔵委員会でこういう方向が新しいパターンとしていいのではないかと、こういうふうにわれわれを御激励いただくこともやはりそういった皆さん方に聞こえて、そういうのが新しい生活のパターンだなというふうになっていくのを大変われわれは希望しておる次第でございます。
 それから、第二に窓販の問題でございますが、これは、銀行協会としては昨年の秋に窓販についての要望を提出をいたしたわけでございます。その考え方といたしましては、第一に、国の方から申しまして、五十三年度の予算におきましては約十一兆円、公共債全部含めると二十兆円のものが発行されます。それをうまく消化していく、特に個人層にうまく消化していただくためにはそれを取り扱う場所が多い方がよいのではなかろうか、こういうふうに考えた次第でございます。銀行側といたしましても、そういうふうに販売することによりまして銀行の手持ちの国債が減りますれば、将来いろいろな価格変動の際銀行に降りかかってくる非常な危険性が逃れられるということも無論ございます。
 それからもう一つは、国民の側からこれを見ましても、国民の側に金融資産が次第に蓄積されてきた場合に、金融資産の多様化を求める声が国民の側からもあるのではないか、そういうニーズにこたえるためにも国債の多様化、そしてまた国債の販売窓口の多様化ということが必要なのではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
○小巻敏雄君 共産党を代表して質問をいたします。
 参考人、大変御苦労さんでございます。お急ぎのようですので、簡潔にひとつ御質問をまず最初に申し上げておきたいと思います。
 銀行という経営企業は、ほかの多くの経営企業に比べましても、今日段階で、いま問題になっておる週休二日制等については主体的な条件は最も成熟をしているだろう、また、こういった一つの社会進歩の問題についてこの中で役割りを大きく果たしていかれるような社会的責任も担った経営であろう、こういう点については、参考人としてもそのとおりというふうに把握をされまして、一段と努力を継続するというふうに言われておるのでありますから、一層の努力、これを御期待申し上げるわけでありますが、私は、さきの質問者でかなりその点出ておりますから、関連をいたしまして若干関連事項としてお伺いをしておきたいわけです。
 労働時間短縮と週休二日制、これも今日の雇用問題なり労働問題の一つの側面であります。これはやっぱり全体としてふわっと前進しない中で、一つだけの問題を外国との関係などで無理やりやろうとするとそこにコンセンサスの問題、ぎくしゃくした問題が出てくる。
 こういったふうな角度からお伺いをするわけですけれども、御承知のように、幾つかの労働関係での法律がございます。身体障害者の雇用促進法というようなのもこれはまあ一つの法律でありますし、また同時に、中高年齢者の雇用促進法というような法律もございます。これらの問題をどのようにりっぱに実現していく力を国民が持っておるか、こういったふうなことと、進歩に見合うこういう週休二日制等の問題、これもあわせて進むんだろうと思うのです。この点につきまして、ひとつ参考人の銀行界における取り組みの状況、現状、そうして将来展望等についてお伺いをしておきたいわけであります。
 特に、銀行さんは現実には五十五歳定年をおおむね採用しておられるわけでありますし、中高年齢者の雇用促進法と言えばこの五十五歳以上の者を六%程度は召し抱えることを一つの社会的責任として定めておるわけであります。こういったふうな関係の問題についての展望をお伺いしたいと思いますし、またかなりの女子職員を召し抱えておられるわけであります。男女平等と待遇上のこ
 ういった進歩というようなものも銀行に課せられ
 た義務であろうと思うわけであります。
  また、今日のこの時閥短縮、このことは残業の
 問題の始末と雇用拡大というようなのも大きく社
 会問題になっておるところであります。これらの
 問題を含めながら、労働基準法等一層にりっぱに
 実現をしていく、先ほど銀行屋というものは法律
 を大事にするものだというような御意見の陳述も
 ございましたけれども、あわせてここのところで
 お伺いをしておきたいと思うわけであります。
○参考人(村本周三君) 小巻先生御指摘のとおり、身体障害者雇用問題と中高年齢者雇用促進の問題は、銀行が確かに立ちおくれている部面を御指摘いただいたことと考えております。
 銀行は、一つは長年にわたってつくり上げてきました一つの労働体系の中で、どういうふうに身体障害者をその中に働いていただけばいいのかという点についての研究がひとつできていなかったことと、それからまた、法律が強化されまして、最少人数以上の事業所だけが初めは対象になっておりましたのが、非常に広くなりましたために、急激にそういう問題がクローズアップしてまいったわけでございます。私ども確かに御指摘の短所を自覚しておりまして、また口幅ったいような申し上げ方で、先生に早速御指摘を受けましたけれども、私どもの遵法精神の示すところによりまして、五十二年の十一月に、身体障害者対策特別専門委員会を全銀協の中に発足させまして、法の趣旨の徹底を図っております。そうして現在数多くの銀行で身体障害者対策委員会を設置しておりまして、雇用促進のための行内体制の整備検討を行っております。そして五十三年の入行者からは、少しずつながらその具体的な成果があらわれつつあるところだと思います。
 第二に、中高年齢層の問題でございます。これも確かに努力義務六%ということになりますと、いままで銀行は五十五歳定年ということを大体しいておるのが普通でございますので、なかなかそういったいままでのことといわば新しい要求とがなじまなかった面がございます。しかし、現実にはそれでは銀行は五十五歳で定年になった人を見放していたのかと申しますと、それは決してそうではないのでございまして、私どもは五十五歳定年という制度があるから、銀行の付随業務その他を切り離して別の会社にしてそこで働いていただく、そういう形で実はまあ実態的に中高年齢者の雇用の促進についても行っていたつもりでございます。しかし、今般の法改正によりまして中高年齢者雇用の努力義務が強化されたのでございますから、これについてはさらにどういうふうにすればいいか、一層研究してまいりたいと思います。
 二番目に時間短縮の問題でございます。これは確かに先生御指摘のとおり、いろいろ外国と制度の違います中で、たとえば週休二日制だけを取り上げたり、あるいは時間外だけを取り上げたり、あるいは一週間の実働時間数だけを取り上げたりしていろいろ議論することは問題があるかとも思います。しかし私どもは、やはりだんだんこうして国際化していく社会の中におきましては、多少の違いはございましても、やはり外国から見て日本も同じようによくやっているなあと言われるように週休二日制の問題も取り上げていきたいし、また時間外の問題あるいは一週の労働時間の問題、それも諸外国から見ていろんなことを言われないという、そればかりが目的ではなくて、本来はわれわれ自身の従業員に対する健康体策あるいはモラールアップの対策ということから出ておることでございますが、そういったことも考慮しながら、いまの時間の点につきましては時間管理としてうまく努力をしていきたいと思います。
 最後に、かなり女子労働者もいるのだから、男女平等にやれよという御注意がございました。おっしゃるまでもなく、私どもは男女ということで差別はしない、同一労働、同一賃金という原町のもとにやっていきたいと考えて、今後も一層努力をしてまいりたいと存じております。
○小巻敏雄君 参考人どうも御苦労さんでございます。
  一層ひとつ努力をしていただきまして、それらの面が前進をすれば、国民のコンセンサスの前進にも大きく裨益することは間違いないところであります。どうもありがとうございました。
○委員長(嶋崎均君) 村木参考人には、本日は本当に御苦労さんでございました。心からお礼を申し上げます。どうぞ御退席願いたいと思います。どうもありがとうございました。
○小巻敏雄君 まず、労働省にお伺いをするわけであります。
 昨年の十一月三十九日に、中央労働基準審議会において「労働時間対策の進め方について」という建議が出されておるわけでありますが、この中で、今日ちょうど当委員会で審議をしておる週休二日制とずばりかかわる問題を取り扱っておると思うわけですね。週休二日制といえば、これはやっぱり労働時間短縮の問題である。この建議の前文の中あるいは労働時間の現状分析の中で、まあだれも知るところでありますけれども、今日現状としては不況になって全体として産業活動が沈滞しているように言われる中でも、企業単位では残業時間は増加の傾向にあると、こういうことを指摘した上で三つの柱を挙げまして、労働時間短縮の必要性というのを述べておるわけですけれども、それらの労働時間の必要性という建議の内容について、労働省の方にまず御説明を願いたいと思います。
○説明員(宮川知雄君) 御指摘の、昨年十一月の中央労働基準審議会の建議の内容につきましては、骨子といたしましては労働時間の短縮、週休二日制の推進を行政指導という形で進めるようにと、これが骨子でございます。
 さらに詳しく申し上げますと、これらの事態を進める理由として三つ挙げてございます。一つは労働福祉の向上ということでございます。二審目は国際協調ということでございます。三番目は雇用の問題でございます。この二と三につきましては、特に二の関係につきましては、あながち外国と比べてわが国が長いというわけではないけれど、現に外国から働き過ぎという批評がある以上は、国際協調という面で、貿易立国であるわが国の現状を考えるならばもう少し考えた方がよかろう、それから三番目の雇用の問題につきましては、短期的、ミクロ的には雇用に結びつくかどうかは必ずしもはっきりしない、いろんな意見があると、そういうことでございますが、ただ、これを長期にマクロに展開した場合には好ましい影響があるであろう、つまり働き口をより多くの人に分けるという意味で意味がある、そういうことだと思います。
 この三点を理由といたしまして行政指導を進めるように、その行政指導の進め方といたしましては、わが国の現状がなおいわゆる安定経済成長路線にまだまだなじんでいないという状況を踏まえて、残業、企業の実態に応じて進めるように、特に労働時間は賃金と並びまして大事な労働条件の一つでございますので、当然労使の自主的な話し合いの中で進められるのが一帯好ましいわけでございますので、この労使の自主的な試し合いが進められるような雰囲気の醸成に政府としても力を尽くすように、そういう趣旨の建議でございます。
○小巻敏雄君 挙げられた三つの柱、やっぱり読む者によってまとめ方も違うんでしょうか。第一の柱は、従来から言われておった労働福祉という面、これは年齢にかかわらず、どの産業にかかわらず、本来的に時間短縮というのは長時間労働、昔で言えば奴隷労働をさせないで、これは労働福祉向上というのに加えて、今日的な問題として高年齢社会になる、当然労働人口の中での高年齢の構成員も多いんだから、これの労働力を産業界に組み込み活用するということが今日課題だというのを挙げておるのが私は第一の柱だと思うわけです。むしろここで改めて取り上げておる第一の問題は、高年齢者の労働力を組み込み得るような行政指導をやっていけということなんじゃないですか、その点どうですか。
○説明員(宮川知雄君) 建議の趣旨ということで申し上げましたが、多少長いものでございますのではしょった面がございまして、先生御指摘のとおり、第一番のところは本来的な意味での労働福祉の向上、特に中小企業のおくれを取り返すことが必要であるということとあわせて、今後はわが国の社会というものが急激に高齢化社会を迎える以上は、そういう意味からも福祉の向上が大事であると、そういう趣旨でございます。
○小巻敏雄君 特に海外よりの批判という問題も、この問題の、今日ここで検討しておる週休二日制の黒船来たるじゃありませんけれども、むしろこの発火点と、問題提起になったと思うんですが、今日では海外の批判というのが単なる批判にとどまらず、現実に高問題という具体的な一種の日本経済に対する攻撃姿勢を伴って行われており、これがまた日本の不況に対してさまざまな問題をもたらしておるところでありますから、やっぱり文字に記述されている以上の今日の深刻な解決を迫る問題としての提起である。こういう状況を受けて雇用確保問題が挙げられておるわけであります。
 この点で、私は労働省に特にひとつ意見を言わしてもらいたいわけですけれども、この時間短縮によって雇用の拡大をやっていくと、このことが大きく進む中に位置づけられて初めて今日的な意味における週休二日制の持つ社会的な意義があるだろうと思うんですね。そうでないと、四年前、三年前は調子もよかったので大平さんもいろいろいい返事をしたし、愛知揆一さんもあれこれ言ったと、しかし、いまやりにくいやというようなことになってしまったのでは、これは根本的な解決策にならぬ。この点をしっかり労働省が特に踏まえてやっていただくことがこの問題の前進の基礎ではなかろうか。
 そこでお尋ねするわけですが、わが党でもこの問題に意を用いまして経済論文を発表したり、あるいは雇用、失業の問題等二法案を提起をしたりやってきているわけですが、七五年以降の趨勢を見ますと、あのときにひとつ不況の結果底になって、その後若干とも労働の総時間数は伸びているわけです、数年間。ところが雇用数が伸びておらぬ。こういう状況がもし解決をされていくなら、若干ぼくがいま挙げる数字の資料は古いわけですけれども、七五年の一月−三月からの労働時間トータルを一〇〇として、二年半ぐらい後のところまで追跡してみますというと、五%近い時間数の伸びがある。もしこれがそれに見合うだけ雇用されておったら、それだけで三十五万人というような数が出てくるわけです。労働省の掌握されているところで、今日の計数としての国民の労働時間数と、それから残業と申しましょうか、そういうものとの関係は一体どうなってどこに問題があるのか。雇用創出のためには一体何が必要なのか、この点をお伺いしておきたいと思うんです。
○説明員(宮川知雄君) 労働時間の短縮が雇用にどういうような形で影響を及ぼすかということに限ってお答えさせていただきたいと思います。
 この建議の中でもお話が出ておりますが、労働時間を短縮すれば雇用がふえろかどうかについては各様の意見があるというのが現在の判断でございます。と申しますのは、私どもその内容考えてみますと、労働生産性の動向ということもございましょう、それから新しい労働需要に見合う技能的な労働力が得られるかという問題もございましょうし、特に最近のように、経済の先ゆきについていわゆる企業マインドというものが非常に冷えていると、最近少し明るさが見えてきているというお話も出ているようでございますが、そういうような状況をいろいろかみ合わせますと、雇用のふえる面もございましょうし、また逆に減る面もありましょう。そういうことを合わせまして、労働時間を短縮してすぐにそれが雇用に結びつくかは何とも言えないというのがいまの段階だと思います。
 したがいまして、私どもといたしましては、この建議も主張されておりますように、これを長期にマクロに展開した場合には、新しい雇用の機会の創出ということもございましょうし、これは比較的時間的に短く働く社会と、それから比較的長い時間働く社会とでは、それはおのずから雇用のあり方、みんなで、より多くの人で仕事を分けるというような意味でかなり違いがあるだろうと。そういうことで、長い目で見て労働時間の短縮を進めていきたいと、そういうことでございます。
○小巻敏雄君 企業は利潤を中心に考えていきますから、さまざまな企業マインドで、現実にあらわれておるとおり、生産性が高まっても必ずしも雇用は伸びていないわけです。労働省はどうするのかと、政府はどう行政指導をするのかということが問題。完全週休二日制を実施したら、具体的には労働時間が短縮されるわけですから、もしこのことを日本を挙げて行うということになれば、その分をもし雇用拡大で埋めたらどのぐらいの人数の雇用が進むのかというようなことは試算されておるわけですか。
○説明員(宮川知雄君) 労働投入量、大変恐縮な申し上げようでございますが、労働投入量というのは、労働時間と労働行の頭数を掛け合わせたものでございます。したがいまして、労働投入量に変化がないという前提に立ちますと、時間を減らせば労働打の数がふえる、労働行の数をふやせば時間が減ると、そういう関係にはなっておりますが、単純に、たとえば三十分全体の労働時間を減らしたとして、どういうような形で雇用がふえるかということにつきましては、私ども、先ほど来申し上げておりますように、いまの段階では何とも言えない、そういう考え方でいるわけでございます。
○小巻敏雄君 企業任せにしておけば何とも言えないばかりでなくてかえって減ったりなんかするわけでありますから、この建議にも明確に指摘をしておるように、これからは時間短縮というものを行政指導によってはっきり雇用の拡大と結びつけて、そしてマクロの立場で指導していけということを書いておるわけですから、その点についてやっていかれる意思があるのかというような点をお伺いして次に移りたいと思うんです。
○説明員(宮川知雄君) 御指摘のとおり、この建議でも、短期的には何とも言えないけれども、長期的に見た場合には確かに意義があるという判断をされております。私どももその御意見には全く賛成でございます。したがいまして、行政指導という形で全体の労働時間短縮、週休二日制の推進のために極力努力していきたいと、かように考えております。
○小巻敏雄君 ここで大蔵省にお伺いをするわけであります。
 雇用の拡大というのは、まさに今日の労働者の要請ばかりでなくて、日本の国の将来を描く大きな社会的要請と言わなければならぬ。こういう中で銀行がどういう役割りを果たすのか。先ほども言われておりましたけれども、法を守るというような銀行でも身体障害者の雇用率、中高年齢者の雇用率等になると、やっぱり参考人の意見も威勢が悪くなったというふうに、私は十八条を守るときよりははるかに威勢が悪くなったというふうに見受けたわけでありますけれども、この点は大蔵省の格段の指導が必要ではなかろうか。今日、銀行におけ身障者の雇用率なり中高年齢者の雇用率というのは目標に対してどういう状況になっておるのか、銀行局長の方にお伺いしましょうか、あるいは労働省ひとつ。
○説明員(田淵孝輔君) 労働省の方では、毎年六月一日現在の状況を名事業所から報告を求めておりまして、昨年六月一日現在の数字で申し上げますと、銀行のみの数字はございません、金融保険業という産業大分類でとっておりますが、銀行がかなり大きいウエートを占めております。その数字によりますと、身体障害者の実雇用率は、実際雇っておる率は〇・四八%ということで、法定雇用率一・五%よりかなり下回っております。雇用率を達成している企業の割合は二八・七%という状況でございます。
 それから、高齢者につきましては実雇用率が四・六、%、法定雇用率の達成率が二一・二%ということで、一昨年十月の法改正でございまして、時間的な問題もございますが、かなり低うございます。
○小巻敏雄君 いま言われたように、社会的責任も大きいし、やる気になればかなりできる力を持っている銀行としては、立ちおくれた状態であると言わなければならぬと思います。
 監督の立場にある大蔵省にお伺いするわけですが、この点について急速に改善をされるような指導をやっておられるわけですか、その点をお伺いします。
○政府委員(徳田博美君) 金融機関の労働問題につきましては、第一義的には労働省の指導に持つべきところと思いますけれども、金融機関の社会的公共性から申しまして、やはり全銀協会長が申しましたように、各方面の法規を遵守するということが非常に大事だと考えております。したがいまして、身体障害者の雇用問題、あるいは中高年者の雇用問題につきましても、大蔵省としても関心を持っておるところでございまして、将に身体障害者の雇用率は先ほど労働省からお話もございましたように、かなりまだ低い率でございますので、昨年の十月二十二日に、特に各金融機関の体の代表者を大蔵省に呼びまして、この点につきまして今後その水準の向上を図るように、また、各金融機関に周知徹底するように厳しく指導したわけでございまして、その指導を受けまして、各金融機関の団体におきましては、先ほどの全銀協でもそのようでございますけれども、身体障害者の雇用促進についての委員会ができまして、鋭意各金融機関の団体において雇用促進についていまどのような問題があるか、その問題を打開するにはどのようにすればよいかということについて検討を進めているところでございます。またこれを受けまして、各個別の金融機関につきましても、身体障害者の雇用促進のための機構ができておりまして、主要な金融機関については全部そのような設置を終わっておりまして、促進に努めているところでございます。
○小巻敏雄君 強い関心を持って指導をしておると、それぞれの個別の企業についても目を離さずにながめてやっておると言っておられるわけですが、なかなか現地というのは大変なものだと私は思うわけであります。
 最近、私どもの方に訴えがございまして、これは宮城県仙台市の一つの銀行であります。先ほど参考人に聞くのも余り気の毒と思ってこの点言いませんでしたけれども、七十七銀行と言うんですか、私は行ったことはありませんけれども、こういう状況の中で、指導を受けても身体障害者の雇用を改めて行わない。改めて行わなければ目標を達するはずはないわけですけれども、現在の従業員の中から身体障害者というのを名簿でこしらえ上げて報告書を書いておるというふうな訴えも聞いておるわけであります。こういったふうな点にも目をやって、承知をして指導を進めていかれるわけでしょうか。
○政府委員(徳田博美君) いま御指摘の個別の金融機関の問題につきましてはさらに調査してみたいと思いますが、いずれにしても、大蔵省として銀行局としてこのような指導をしたわけでございまして、この指導の線に各金融機関も沿って努力をするように、今後とも個別問題を含めて指導を強化してまいりたいと思います。
○小巻敏雄君 労働省の方でも、それじゃ。
○説明員(田淵孝輔君) 労働省の方でも、昨年十月に労働大臣が全銀協の幹部の方々にお会いしました席上、身体障害者あるいは高齢者の雇用についてお願いを申し上げましたし、また、事務レベルでも絶えず接触を保ちまして非常に熱心にやっていただいております。また、個別の企業でも個々の安定所とか、あるいは私ども労働省の方もいろんなお尋ねがございましたり相談がございまして、私どもとしては個別にはかなり活発に努力をしておられるというふうに承知しております。ただ、いまお話しの個別事例でございますが、すでに身体障害者を雇っておられても手帳を持っていないとか、そういう証明方法を持たない方々は一応報告するときに数に入っていなかったわけでございます。しかし現実に私どもとしましては、身体障害者の方々がそれを意識せずに職場に入っていただいていれば、それがもちろん一番いいわけでございます。問題はうそを言っちゃいけない、証明方法がない場合に問題があるわけでございますので、私どもとしては現に雇っておられれば、それはあくまでも本人のプライバシーの問題もございますし、内部障害の方々等に問題はございますが、現に雇っておられればそれはカウントしていい、ただし、きちんと証明はしていただきたいと、こういうことでございまして、雇っていないのに雇っているということではないと思いますので、それは私ども違反にはならぬと思います。
○小巻敏雄君 私もつまびらかにそのケース現地に当たったわけじゃありませんから、ひとつせっかく聞いた話ですから、このケースについて後ほどでも御報告を私の方にいただきたいと思うんです。
○説明員(田淵孝輔君) 労働省の方で調べます。
○小巻敏雄君 あわせて、いい話にならぬわけですけれども、金融業界では現在のところ人員の抑制が全体として強められておると私は見ておるわけであります。店舗当たりの人口で見ても都市銀行、地方銀行、相互銀行、信用金庫、いずれにおいても雇用数は伸びないで一人当たりの預金の口数というのは、関係者の意見を聞いてみると、ずっと一人当たり預金口数がふえてきておる。その点で労働密度も高まっておりますし、時間外労働も大きな要素になってきて広がってきておるというふうに思うわけです。大蔵省はそこに向けてどういう行政指導をやられるかというんですが、これは大蔵省が出された一つのアンケート調査だと思うんですね。一月十四日に回答を求めるという「大蔵省の経営方針調査の通達」という標題のついたものが各銀行に回されておるわけでありますが、この内容を見ますというと、一つは「経営のあり方について」というようなところでは、「合理化、効率的について」アンケートで答えよというふうになっており、次には「経費について」というような項目を見ますと、その中で「人件費削減方策」についてアンケート調査をやる。こういうのをずっと集めて御指導になるのかと思うわけですけれども、全体としてまあ不愉快な感じを免れないですね、こういう調査をやって。最後のところには、これは外部に公表せずに秘密にしておきますから、忌憚なく意見を書けというようなことが大蔵省通達として出されておるわけでありますが、これはどういうものなんでしょうね。御存じですか、大臣。
○政府委員(徳田博美君) いま御指摘のような調査は、大蔵省本省自体で行ったことはございませんけれども、御指摘を受けて調査しましたところが、一部の財務局におきまして、財務局長会議に対して、現在のような、御承知のとおり金融機関の利ざやが非常に縮小しておるわけでございますので、その縮小下において今後の経営のあり方についてどのように考えるかということについて報告するために、名金融機関あてに御指摘のような書類を出しまして調査をしたと聞いております。
 ただ、その調査の内容を見ますと、項目がたくさんございまして、全部で九項目ほどあるわけでございまして、「基本的経営方針」、あるいは「預金について」、「融資について」、「金利について、」「合理化、効率化について」、「経費について」、「収益について」、「業務提携、合併について、」「その他」となっております。そのうちの「経費について」のうちの一項目として人件費の問題を取り上げているわけでございまして、これは御指摘のような人員の削減であるとか労働問題とか、そういうことを意図したものではございませんで、現在のような厳しい金融環境、経済環境のもとで、今後金融機関がどのような方向で健全な経営を続けていくべきかというその方策を問うためにとった調査でございます。
○委員長(嶋崎均君) 小巻君、時間でございますから簡単に。
○小巻敏雄君 はい。もう終わりますが、いま言われておりましたように、地方財務局が出したも
 のだと言われるわけですが、同じものが九州の方でも出ておれば、東北の方でも出ておるというのですから、まあこぞって同様項目のものを出して全国調査をやったのじゃないかというふうにも見えるわけであります。
 一点は、これに対してどういうふうな回答が寄せられ、どういう動向が示されたのかということをひとつお知らせを願いたいというのが一つ。
 やっぱりこういったふうな状況ではなく、姿勢を明確にして、社会進歩の方向で、ただ外国からの批判の風よけというようなことではなくて、この問題を雇用拡大、時間短縮、そして週休二日制と、積極的に進めていくというような指導が必要だと思いますので、その点についてひとつ大臣の所見を最後にお伺いをしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 御承知のように、いま銀行は最も利ざやが少ないときでございまして、逆転しているところもたくさんあるわけでございます。したがいまして、公共性を持っております金融機関が、その経営の健全化、効率を上げるということはむしろ当然なことだと私は思っておるのでございます。いま小巻さんは人減らしのようにとっておられるかもしれませんが、そうでなくて、それは一人当たりの生産性がどれだけ上がっているのかということをとっておるのでございまして、決して銀行と言わず、どの企業であろうとも、生産性の向上はどこでも期待しているところでございますので、さように御承知願いたいと思います。
○委員長(嶋崎均君) 速記をとめて。
   〔速記中止〕
○委員長(嶋崎均君) 速記を起こして。
 本日の委員会におきまして各質疑者が触れられました金融機関の週休二日制に関する件につきまして、理事会において協議いたしました結果、次のとおり合意を見ましたので、委員長から御報告いたします。
 参議院大蔵委員会においては、金融機関の週休二日制の早期実現に関し、審議を進めてきたが、これが世界の趨勢であることにかんがみ、本日理事会において、全会派一致して次の合意に達した。政府は、その趣旨に沿い、所要の措置を講じられたい。
 一 金融機関の週休二日制を早期に実施するためには、中小企業、消費者等金融機関利用者の理解を得ること、及び郵便局、農協等関連する諸機関の週休二日制もあわせて実況されること等が必要であるので、政府は、このための努力を積極的に行うこと
 二 政府は、全銀協等に対し、金融機関利用者の理解を一層深めるため、PR活動を強化するとともに、週休二日制を円滑に実施するための具体的諸問題につき、対応策を早急に作成するよう指導すること
 三 金融制度調査会の銀行法改正についての審議に関して、公務員等他の分野における週休二日制の進展に応じ必要と認められる場合には、同調査会に対し、銀行法第十八条の改正について他の審議と切り離し、中間的に報告を求めること
 以上でございます。
 この際、村山大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許します。村山大蔵大臣。
○国務大臣(村山達雄君) ただいま委員長から報告のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配慮いたしてまいりたいと存じます。
○委員長(嶋崎均君) 本日の調査はこの程度とします。
 次回は四月二十五日、午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時七分散会
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