第084回国会 科学技術振興対策特別委員会、商工委員会連合審査会 第1号
昭和五十三年六月五日(月曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   科学技術振興対策特別委員会
    委員長         藤原 房雄君
    理 事
                源田  実君
                望月 邦夫君
                松前 達郎君
                塩出 啓典君
                佐藤 昭夫君
    委 員
                岩上 二郎君
                亀井 久興君
                後藤 正夫君
                玉置 和郎君
                永野 嚴雄君
                安田 隆明君
                小柳  勇君
                吉田 正雄君
                中村 利次君
                柿沢 弘治君
   商工委員会
    委員長         楠  正俊君
    理 事
                大谷藤之助君
                福岡日出麿君
                対馬 孝且君
                安武 洋子君
    委 員
                岩崎 純三君
                下条進一郎君
                中村 啓一君
                長谷川 信君
                真鍋 賢二君
                前田 勲男君
                増岡 康治君
                穐山  篤君
                小柳  勇君
                森下 昭司君
                馬場  富君
                峯山 昭範君
                市川 正一君
                藤井 恒男君
                柿沢 弘治君
   国務大臣
       通商産業大臣   河本 敏夫君
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       熊谷太三郎君
   政府委員
       内閣官房副長官  森  喜朗君
       科学技術庁長官
       官房長      半澤 治雄君
       科学技術庁原子
       力局長      山野 正澄君
       科学技術庁原子
       力安全局長    牧村 信之君
       科学技術庁原子
       力安全局次長   佐藤 兼二君
       資源エネルギー
       庁長官      橋本 利一君
       資源エネルギー
       庁長官官房審議
       官        武田  康君
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  服部 典徳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        町田 正利君
   説明員
       行政管理庁行政
       管理局審議官   關  言行君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○原子力基本法等の一部を改正する法律案(第八
 十回国会内閣提出、第八十四回国会衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
   〔科学技術振興対策特別委員長藤原房雄君委員長席に着く〕
○委員長(藤原房雄君) これより科学技術振興対策特別委員会、商工委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。
 原子力基本法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○森下昭司君 私は、この機会に原子力基本法一部改正につきまして若干の質疑を行いたいと存ずる次第であります。
 まず最初に、私は通産大臣に、この改正案に対しまして、仮に改正案が成立をいたしましたといたしますならば、その運営についてどのような所信をお持ちになっているのか、その所信をこの機会に最初にお尋ねをいたしたいと存じます。
○国務大臣(河本敏夫君) 原子力の平和利用を進めます場合に、行政の責任にある立場から申しますと、やはり一番大事な問題は、安全の確保とそれから環境の保全と、このように理解をしておりますが、特に安全の確保ということにつきましては、これまで以上に十分な配慮を払っていきたいと考えております。
○森下昭司君 いま基本的には、私はそういうような所信について強力にひとつ推進をしてもらいたいという考え方を持つものでありますが、ただ問題は、私は、この答申が出されておりますが、「原子力行政体制の改革、強化に関する意見」、昭和五十一年七月三十日の原子力行政懇談会から答申がなされております。その中では、いまお話がありましたような安全性の確保でありますとか、環境の保全の問題でありますとかいうようなことが書いてございますが、一番そういった問題の前提といたしまして、基本といたしましては、やはり国民との不断の対話を続け、国民から原子力行政に対する理解と信頼を得るということが私は一つの大きな柱になっているのではないかと思うのであります。
 たとえば、答申の中に、「可能な限り民主的な手続を機能させて原子力開発の必要性、安全性について国民に十分に説明を行い、あるいは国民と粘り強い対話を続けて国民の意見を原子力行政に反映させていくことが必要である。」と述べられているわけでありますが、私は、この数行の答申は今後の原子力行政の中におきまして最も尊重されるべき問題であろうかと思うのでありますが、重ねて大臣の所信を伺いたいと存じます。
○国務大臣(河本敏夫君) 原子力の平和利用の中心をなすものは原子力発電でございますが、この原子力発電の開発目標を、わずかここ三年ばかりの間に二回にわたって修正をいたしまして、当初の昭和六十年六千万キロを四千九百万キロに修正し、さらにまた、三千三百万キロに修正をいたしまして、現在はそれを目標に最大限の努力を払っておるわけでございますが、このように何回か計画を修正して目標を引き下げましたゆえんのものも、原子力発電についての立地問題が思うように進まないということにあったと思います。その立地問題が思うように進まなかったということはやはり住民の理解が得られなかったということでございまして、いろいろ考えてみますと、住民との対話、そしてその理解を十分得るということ、この点がやはり一番のキーポイントじゃないかと、いま私どもは考えておるところでございまして、したがって、住民との間の対話を通じまして理解を得るということに対しては、これまで以上のやっぱり努力を払っていかなきゃならぬと考えております。
○森下昭司君 次に、私は科学技術庁にお尋ねをいたしておきますが、従来の原子炉の安全審査というものはどのような手続きで行われてきたのか、その具体的な実例をひとつ述べていただきたいと思います。
○政府委員(牧村信之君) お答えいたします。
 いままでの安全審査の具体的な手続につきまし御答弁いたしますが、現在の法律体系では、設置者は内閣総理大臣に設置の許可の申請を出すことになっております。内閣総理大臣は、その設置の許可の申請を受けた場合に現在の原子力委員会に諮問をいたします。諮問を受けた原子力委員会は、下部機構として持っております原子炉安全専門審査会に安全につきまして諮問をいたします。その安全審査会の結論が出たところで、原子力委員会として、その他の設置の許可に当たりましての基準――平和利用の問題、技術的な能力の問題、経済的な問題、これらをあわせて審査をいたしました上で内閣総理大臣に答申をいたしまして、その上で、通産相の同意を得た上で内閣総理大臣が設置の許可を出すということになってございます。
○森下昭司君 そこで、重ねてお尋ねいたしますが、今回のこの改正案が成立をいたしますと、いまお話のありました安全審査の手続はどう変わっていくのか、それをお答え願いたい。
○政府委員(牧村信之君) 今回の御審議をいただいております法改正によりまして、その成立を見た後の審査の体制でございますが、御存じのように、安全委員会の設置とそれから規制行政の一貫化ということが盛り込まれた法律でございますので、炉の区分によりまして、それぞれの主務大臣のところへ申請者は設置の許可の申請をいたします。で、現在、そのような申請が出た場合に、それぞれの主務大臣である所管官庁におきまして行政庁の審査をいたしました上で安全委員会並びに原子力委員会に意見を求めるという形になりまして、意見を求められた際に、原子炉の安全につきましては、同じく安全委員会の下にございます原子炉安全専門審査会に安全につきましては諮問をいたしまして、その諮問を待って安全であるという評価をいただいた上で、原子力委員会並びに安全委員会におきましてその他の基準につきまして審査をした上で、それぞれの省庁の大臣に意見を送付いたします。その際、それぞれの省庁は、設置の許可をいたします場合に、今度は内閣総理大臣の同意を得た上で設置の許可をするということに相なっております。
○森下昭司君 従来は、内閣総理大臣に原子炉を設置しようとする者は申請を出すのでありますが、今回の改正によりますと、原子炉の使用目的、内容等によって、これが各省庁大臣に申請を出すというような改正で、最終的には総理大臣の同意を得るというようないまお話がございますが、これは、いわゆる現体制から申し上げますと、制度的には内閣総理大臣の言うならば許認可事務でありましたものを各省庁大臣に移すということは、体制的、行政的に見て後退ではないかと思うのでありますが、その点についての見解を伺いたい。
○政府委員(牧村信之君) 確かに先生御指摘のように、従来内閣総理大臣の所管になっておりましたものを各省庁の大臣に権限を移すわけでございますので、その点につきましては、見方によりますと先生の御指摘のとおりではございますけれども、かねていろいろな方面で御議論されておりました「むつ」問題等の経緯を踏まえてみますと、現在の法体系では行政庁の一貫した責任がないということが今回非常に批判を受けたわけでございます。その辺につきましての今回の改正につきましては、行政庁の責任を一貫化させることと、それから安全委員会をおつくりいただきまして、安全委員会が各行政庁の行いました安全審査につきまして十分なダブルチェックをして安全の確保をより一層十分なものにするという趣旨でございますので、各行政庁の長にこの権限が移譲されましても、それぞれもとといたします法律は一つでございますので、権限が弱まり、その行政庁の審査が不十分になるということは絶対にないというふうに考えておりますし、十分安全委員会におきましてダブルチェックをすることによって安全の確保は保ち得ると私ども考えておる次第でございます。
○森下昭司君 まあ、もとの法律が一緒でありまするから後退ではないという御趣旨に私思うんでありますが、これは原子炉等規制法が制定をされましたときには、明確に内閣総理大臣の許可を得るというふうに規定されているわけであります。いま牧村原子力安全局長の御答弁を逆に私どもから推測をいたしますと、一貫的行政を行うために、各省庁大臣に申請を出させ、そして許可を与えることがいいのではないかということでありますが、そうだといたしますならば、原子炉等規制法が制定をいたしました当時に、私は内閣総理大臣の許可ではなく科学技術庁長官の許可であっても妥当性があったのではないだろうか。法律の、もとの法律が変わってないとするならば、私は原子力基本法なり原子力委員会設置法など、そういった趣旨を考えてまいりましたときに、その論法を逆にとれば、私は科学技術庁長官でよかったんではないかというふうにも思うわけでありまして、私は、各省庁大臣にその許認可、たとえば総理大臣の同意が必要だということを条件に許認可を与えることは後退ではないだろうかというふうに理解をいたしておるんでありますが、その点について重ねてお尋ねをいたします。
○政府委員(牧村信之君) 先ほども、今回の法改正によりまして安全委員会の設置をお願いしておりまして、ここで十分なダブルチェックをする、しかも、先生の御指摘ではございませんけれども、各省庁が認可を与えますときには、安全委員会は内閣総理大臣に対する諮問機関でございますので、その意見を十分踏まえて内閣総理大臣が同意をするという、関係省庁との間で何か決定をいたしますときに非常に強い条項でございますので、先生の御指摘ではございますけれども、十分な安全に対する確保ができる担保になっておると私どもは信じておる次第でございます。
○森下昭司君 いや、私は安全審査が不十分になるとは言っていないんであります。ダブルチェックの精神からまいりますれば、私は安全審査は強化される方向にあるというふうには理解をいたしております。しかし、私は権限の問題といたしまして、原子力の行政と体制の問題については、これは昭和三十年に原子力基本法が制定された当時からいろいろ議論を呼んだところであります。また、いま申し上げたような原子炉等規制法の中に内閣総理大臣の許可ということが明確にうたってあるものを、内閣総理大臣が同意というようないわゆる形になったのは、原子炉行政の体制の問題から物を見れば後退という印象を強く持たざるを得ない。私は、安全審査が一貫的に行われるに当たりまして、いわゆる原子炉等の設置許可については、私は従前のとおり総理大臣の許可事務であってしかるべきではなかっただろうか。そうでなければ原子力基本法なり原子力委員会等の設置された趣旨からいきまして、問題が将来残されるのではないだろうかと思うわけでありまして、もう一度お答えを願いたいと思います。
○政府委員(牧村信之君) 今回の法改正が「むつ」の問題等にかんがみまして、責任の所在、行政庁の責任の所在をはっきりさせると。現在の形におきますと、設置の許可の段階が内閣総理大臣でございまして、その他の詳細設計以降の審査、設工認、検査等を含めてでございますが、これは各省庁の権限にゆだねられておるわけでございます。ここで「むつ」問題の反省から、行政庁に一貫してその責任を持たせるということが、大きな世間の批判を受けとめた法律の改正でございますので、その辺の事情をぜひ御理解賜りたいと思う次第でございます。
○森下昭司君 その問題は後ほど別の角度からもう一度お尋ねをいたしたいと思いますが、第一次審査はそれぞれ所管省庁で行われるということに実は相なるわけであります。そういたしますと、従来は、先ほど御説明がありましたように、原子力委員会におきまして、言うならば総理大臣の諮問に応じまして原子炉の設置を認めるかどうか、特に安全性の問題につきましては原子炉安全専門審査会というもので調査審議をしておった。これは少なくとも原子力委員会設置法の第十四条の二と、十四条の三に基づきまして設置をされておりまして、いわば法定の審査会であるというふうに、非常に権威を私は持たされていると思うのであります。そうだといたしますと、このいわゆる第一次の審査を行いまする各省庁もまた、安全審査を行うに当たっては、このいわゆる原子力委員会設置法に基づくような法制定のもとにおける審査会を設けるのが私は妥当ではないかと思うのでありますが、そういう点についてはどういう御見解をお持ちですか。
○政府委員(牧村信之君) 先生御指摘のように、今回の法改正によりまして、各省庁が、省庁の責任におきまして一次の審査をいたすわけでございますので、役所のみによりまして、高度の技術の審査が必要でございます安全審査を行うに当たりまして、役所の役人だけでできるかどうか、これはいろいろ問題があるところであろうかと思います。
 そこで、今回の改正によりましては、それぞれの省庁におきますそういう審査機構につきましては、法定化されておりませんけれども、通産省におきましては従来からお持ちの顧問会、この顧問会を持っておりまして、ここで学識経験者の意見を取り入れつつ安全審査を進めていくというふうに聞いておりますし、また科学技術庁におきましても行政庁の審査があるわけでございますが、私どもの方におきましても調査委員という制度を活用いたしまして、学識経験者の御意見を聞きつつ科学技術庁の安全審査を進めていきたいというふうに考えております。なお、運輸省につきましては、現在現実に実用の原子力船の開発の計画が予定されておりませんけれども、法律改正後直ちにそういう関係につきまして検討を進める準備組織を設けるというふうに伺っております。
 したがいまして、それぞれの役所におきまして、従来行っておりました設置許可以後の審査に加えまして、安全審査につきましてもそれぞれ強化をいたして今回の法改正に臨むことを考えておる次第でございます。
○森下昭司君 いやいや、私の聞いておるのは、そういう内部的説明よりも、従来の安全審査というものが法定の審査会で行われてきた以上は、第一次審査を行う審査もまた所管省庁において法定の審査会等を設けるのがいいのではないか、その方が妥当性があるのではないだろうか、そういうことを尋ねているのですよ。だからいまお話がありましたように、まあ後ほど顧問会のことお尋ねいたしますが、運輸省の方はまだ検討だといいますが、将来の問題として、一次審査を行いまする省庁の審査は、法定審査会でなくても、私的なものでもいいのかどうか、はっきりお答え願いたい。
○政府委員(牧村信之君) 第一次の審査は各行政庁の責任におきまして審査をいたしまして、その結果を今回安全委員会に意見を聞くことになりますので、必ずしも法律的にはそういうものはなくていいというふうに私どもは考えております。
○森下昭司君 いや、私は、たとえば答申の十一ページにこういうことが書いてございます。「行政庁が開発促進という責任も有していることから、安全性確保についての不信感が生ずるおそれがある。また、それぞれの行政庁の安全規制について統一的な評価がなされる必要がある。」と書いてある。とするならば、私は、原子力安全委員会が行う規制の評価とそれから各省庁が行いまする規制の評価というものは、この答申の趣旨を尊重するならば、統一的な評価というものがなされるような基準がなければいけませんと理解をいたしておりますが、どうですか。
○政府委員(牧村信之君) 先生御指摘のとおりであろうかと思いますが、この点につきましては、彩訳される安全委員会におきまして、安全審査に当たりましての基準、指針等を――現在の原子力委員会でも整備されておりますが、なおその整備、充実に努力いたしまして、行政庁の行う審査に当たりましてもその審査基準等が十分活用されるような体制に持っていきたいというふうに考えております。
○森下昭司君 いやいや、そういうような趣旨を踏まえるならば、そういうことを踏まえて問題を考えていくならば、私は各省庁が行いまする審査会もまた法的性格というものを備えていく必要が将来あるのではないだろうか。
 たとえば、私はいわゆる私的諮問機関だからどうかということは余り問題にいたしたくございませんが、私はやはり、どうして国民が原子力行政に対して不信を抱いていたのか、それは各省庁が、この答申にも書いてございまするように、開発促進という一面を持っておるというような立場で、開発促進という面だけが大きく出たということにも一つの原因があったのではないかと思うんであります。そういうような観点からまいりますと、このいわゆる開発の言うならば全面的な形を、より安全審査を重点にして、国民と不断の対話を続けていくという姿勢が必要である。そうだとするならば、私はやはり安全審査を行う機関というものが国民の側から見てなるほどと言われるような形にしていかなければならぬのではないだろうか。そのためにこそ原子力委員会設置法に基づきまして従来は原子炉安全専門審査会が法定のもとに置かれておったというふうに私は理解しているわけなんです。
 私は、こう言って役所のことを申し上げるわけではございませんが、よく法律にないからどうとか、法律ではこう書いてあるからというのが一つの回答の基準になる場合がございます。そういうような、いわゆる役所の慣習というものとの実態からまいりましても、私は、国民に一つの役所が責任を明らかにし、国民の側から見れば不信を解消してもらいたいという気持ちからすれば、私は安全審査の機関というものは法定の機関であるべきが当然ではないだろうかというふうに思うんでありますが、重ねてお尋ねします。
○政府委員(牧村信之君) 重ねての御指摘ではございますけれども、行政庁の責任におきまして審査をする、その審査に当たりまして、いろいろ学識経験者の御意見を承って、その万全を期することは当然であろうかと思いまするが、今回の法改正によりましては、その行政庁の行いました安全審査につきまして安全委員会が十分にダブルチェックするという形にさせていただいておるわけでございますので、私ども、いま先生の御指摘ではございますけれども、各省庁における審査体制におきまして学識経験者の御審査をいただくような機関の、法律に基づくそういう機関を設ける必要はない、むしろ行政庁の行いました審査を中立的な立場で安全委員会が十分ダブルチェックすることによって先生の御懸念は晴らせ得るんじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
○森下昭司君 いやいや、私はそういう話を聞いておりますと、ダブルチェックの趣旨すら疑いたくなるような実は感じがいたします。私は、第一次審査を所管省庁に行わせまするのは、やはり第一次審査を非常に重要なものだというふうに考えての結果ではないかと思うんであります。そういう点からまいりますと、私はやはり第一次安全審査を行いまする場というものが非常に大切ではないかというふうに思いますが、私自身は法定の専門の審査会、つまり原子炉安全専門審査会のような形のものを設けるべきであるということを主張いたしておきたいと思うんであります。
 また、なぜそういったことを私は主張するかというと、先ほどから御説明がありましたように、原子炉設置等を申請する場合につきましての安全審査のやり方は、第三者が入っていろんな意見を述べて、そしてチェックをするという、第三者規制という言葉が使われておりますが、そういう方式ではないわけですね。自己規制ですね。たとえば原子炉を設置しようとする者がボーリング等々を行って、そしてその試料をいわゆる原子炉の安全専門審査会に提出をする。その試料を前提とい
 たしまして安全かどうかということをこの審査会が御審議になるという形態がとられているわけであります。
 したがって、先般の科学技術振興対策特別委員会におきましても、九州・川内の原発問題を通じまして、九州電力自身がコアの差しかえをしたのではないかということが一つ問題になったことが記憶にございます。そういういわゆる安全審査の対象になりまする試料が、主要な部分については原子炉を設置しようとする者、つまりこの場合は電力会社がみずからの手で集めた試料を提出をするという形になっているところにも大きな問題がある、そういうことをやはり私は是正をしていく意味から申し上げても、いまのような法定化というものは欠くべからざるものではないだろうかという考え方を持っているということをこの際強調をいたしておきたいと思うわけであります。
 そこで、通産省にお尋ねをしておきますが、先ほどお話がございました原子力発電技術顧問会、この顧問会が、電気事業法第四十一条の規定による工事計画認可の段階で工学的検討を行って従来は安全規制面についてのいろいろな面を補強しておったというふうに聞いておるわけでありますが、この原子力発電技術顧問会なるものは、通産省の中ではどういう位置づけをされているのか、最初にお尋ねいたします。
○政府委員(武田康君) お答え申し上げます。
 私どもは従前から原子力発電の安全の一部を分担して、その規制を行っているわけでございますが、私ども事務局のみ、あるいは政府役人のみではなかなかむずかしい問題がございます。そういうことで、原子力発電に関する問題、技術的な問題を扱っていただくために、省議決定で顧問の先生、これは専門家の方々でございますが、にお願いいたしまして、私どもが審査をし行政処分をするに当たりまして、必要な部分につきましてその先生方の御意見を承り、それを千分取り入れながら行政処分をしてきたところでてございます。
○森下昭司君 そこで、まずこの原子力発電技術顧問会は通産大臣の諮問機関だというふうに言われておりますが、これは私的諮問機関であるかどうか。
○政府委員(武田康君) お答え申し上げます。
 通商産業大臣の私的諮問機関でございます。
○森下昭司君 いま学識経験者等ということでございましたが、その構成ですね、顧問会の構成。それから学識経験者の中から選ばれる基準と申しますか、どういう専門分野の人を中心に選んでいるのか。それから、この顧問会は、運営というものはどういうふうに行われてきているのか。問題ごとに開催をしておるのか、あるいは常時、あるいは必要に応じて、定期的にと、いろいろ区分がございますが、どう開催をしてきておるのか。その点についてお尋ねをいたします。
○政府委員(武田康君) きょう現在、顧問の先生方を二十七名お願いいたしております。その構成は、専門分野別に申し上げますと、たとえば機械工学あるいは原子炉工学、放射線安全、あるいは耐震の問題、地盤の問題等々、そういう専門分野別に、それぞれ分野によりますけれども、三、四人、四、五人の方々をお願いし、全体で二十七名となっているわけでございます。
 なお、大分、過半数――半分ちょっとだったかと思いますが、正確な数字を記憶しておりませんけれども、大学の先生方でございますし、残りの方々は研究機関でそういう専門分野の勉強をされている方々等々でございます。
 それから運営でございますけれども、毎月一回見当で大部分の方に集まっていただく、いわば総会とでもいうようなものをいたしております。テーマがたくさんございますので、私どもが審査すべきものは非常に細かいものからかなり大きなものまでいろいろございます。そういうことで、専門分野も分かれておりますし、また各専門分野で境界領域的なことがございます。そういったような意味で、部会、分科会とでも言ったらいいようなものをそれぞれそのテーマに応じまして必要に応じて開催しておりまして、それが運営のやり方でございます。
○森下昭司君 顧問会二十七名というお話でありましたが、これには役所の方々は顧問会に入っていないのですか。
○政府委員(武田康君) お答え申し上げます。
 私どもみたいな一般行政職員は入っておりません。ただ、官庁関係でも研究機関がございまして、そういう方々で専門的な方を何人かお願いしております。
○森下昭司君 まあ、このいわゆる顧問会は衆議院の可決の際に附帯決議案が出されておりまして、「第一次安全審査を行う行政庁の安全審査に係る顧問等の選任にあたっては、原子力安全委員会によるダブルチェックの本旨を損うことのないよう十分配慮して人選すること。」と、こういうふうに指摘されておりますが、この指摘事項について、通産省としてはどういうところが指摘を受けるような部面があったのか、また、それをどう対応して改正していこうとしているのか、その点をお尋ねいたします。
○政府委員(武田康君) お答え申し上げます。
 先ほど顧問の先生二十七名と申し上げましたが、その過半数が実はきょう現在では原子力委員会の安全審査委員の先生方と重複しているわけでございます。これは従来から原子力の安全規制問題を私どもの方は詳細以降というようなことで分担しておりましたけれども、そういう意味で重複していたことが必ずしも悪かったと思っているわけではございませんが、現実がそうでございます。ただ、今回の法改正が行われますと、行政責任の一貫化ということで原子炉の種類別に各省庁、三省庁でそれぞれの原子炉の規制一次審査をいたします。
 一方、原子力安全委員会が設置されまして、その安全委員会並びにそのもとの安全審査会、ここが個別の許可等に当たりましてダブルチェックをするということになるわけでございます。ダブルチェックをするメンバーとダブルチェックをされるメンバー、もっとも一次審査の方は行政庁の責任でやるわけでございますので一義的に直接そうなるわけではございませんが、そのときに相談に乗ってもらう先生方と重複しているというのが適切でないというのが御指摘であろうかと思います。私どもも同じように考えておりまして、現在この法律が改正されれば直ちにそういう具体的作業に入りますけれども、現在いかにして重複を避けるかというようなことをいろいろ科学技術庁とも御相談しながら詰めているところでございまして、私どももその方向で努力いたしたいと、こう思っております。
○森下昭司君 いまのお話でちょっと原子力安全局長にお尋ねいたしますが、いま原子力安全審査会というお話ですが、正確には原子炉安全専門審査会ですね。
○政府委員(牧村信之君) 原子炉安全専門審査会でございます。
○森下昭司君 そこで、原子炉安全専門審査会は三十名以内で、そして学識経験者と関係行政機関の職員のうちから内閣総理大臣が任命をするということでありますが、顧問会の二分の一以上の方が安全専門審査会の委員としてダブっているというのでありますが、そのダブっているのはすべて学識経験者なのか、あるいは関係行政機関の職員、総理大臣が任命した関係機関の職員が入っているのか、その内訳を明らかにしていただきたい。
○政府委員(牧村信之君) 現在の段階におきましてダブっておりますのは、学識経験者並びに行政機関にございましてもいわゆる学識経験者としての研究機関等の職員がダブっておるわけでございます。
○森下昭司君 その人数はわかりませんか、人数。たとえば行政機関の職員が何名、学識経験者として選任された者は何名かわかりませんか。
○政府委員(牧村信之君) 正確なところの数字はちょっと手持ちございませんが、約二十名がダブっておると思います。
○森下昭司君 じゃ後ほどひとつ正確なのはお示しをいただきたいと思います。
 そこで私、重ねて通産省にお尋ねをいたしておきますが、通産省の設置法の第三十六条の十二で規定いたしておりますが、「その他の附属機関」というのが多数ございます。その中で電気事業審議会というものが実は存在をいたしているわけであります。私は前段で法定化の審査会で行うべきだということを強調いたしたのでありますが、幸いにして電気事業法との関連の中で通産省の設置法にもこういった電気事業審議会というものが設けられている以上は、このいわゆる法律の説明欄にありますように、「電気事業に関する重要事項を調査審議する」と、こう書いてありまするから、私はこの電気事業審議会が安全審査の役割りをすれば、非常に有効的ではないかという考え方を持っているんですが、この点についての通産省の考え方をお尋ねいたします。
○政府委員(武田康君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、当省には電気事業審議会というものが設置されております。ただ、電気事業審議会は電気事業に関します一般的な重要事項を調査審議するものでございます。先生御指摘の安全審査、これは第一次だけに限ってもダブルチェックを含めても同じでございますけれども、きわめて個別問題、きわめて技術的な問題、きわめて専門的な問題を議論していただくために顧問をお願いするわけでございます。そういったような意味で、電気事業審議会のもとに組み込むというのはなかなかむずかしいんではないかと思っております。
 なお、法定化のお話でございますけれども、ごもっともな御意見ではございますが、今回の有澤答申、有澤意見、行政懇答申でございますけれども、二つあろうかと思いまして、第一点は、行政責任が不明確であったと、この区分の点でかと思います。その意味で当通産省に実用原子炉の第一次審査をしなさいと、こういうことでございますし、また一方、開発と規制の分離とも絡みますけれども、安全委員会、通産省だけじゃなくて安全委員会でダブルチェックをしなさいと、こういうことでございまして、ダブルチェックをなさる安全委員会の方の安全審査会は、国会での御議論もあり、そして法定化しようということでございますので、そのダブルチェック段階も含めて考えますと、先生のおっしゃる法定化という御趣旨は、両方含めて全体としてごらんいただければ十分含まれているんじゃないかと思うわけでございます。それも含めまして、私どもといたしましては、技術顧問会を法定化すると、行政責任とその法定化された技術顧問会との間の関連もやや問題になりますし、あいまいになりますし、その意味でも従来顧問会は法制化せずに、通産大臣の私的諮問機関ということで、今後とも続けさせていただいていいんじゃないのかなと、こう思っておる次第でございます。
○森下昭司君 そういう全体を見て法定化の趣旨が生かされているという答弁を聞いておりますと、先ほどお話がありましたように、原子炉安全専門審査会の委員とそれから顧問会のいわゆる会員とが二分の一以上はダブっている。科学技術庁の安全局長のお答えによりますと二十名程度だというお話でありました。顧問会、先ほど武田審議官のお答えによりますれば二十七名というお話がございましたから、科学技術庁の言う二十名程度だということになりますと、大げさな言葉ではございませんが、大多数の方が顧問会と原子炉安全専門審査会の委員とを兼任しておみえになる。全体として同じ人が同じことをやるわけであります。いま武田審議官が強調なすったように、第一次安全審査は行政庁の責任だから法定化の必要はないんだ、全体として趣旨である法定化ということは生かされているんだということでまいりますれば、私は少なくとも専門審査会の委員と顧問会の委員は、これは全然ダブらない形態のものが望ましいのではないかと思うのであります。そこで、その点について科学技術庁としてはどういうお考え方を持っているのか、ちょっと最初にお尋ねします。
○政府委員(牧村信之君) 現在の法体系のもとにございます場合を考えてみますと、内閣総理大臣が設置の許可を与えるときに、安全審査会が審議をして意見を申し述べ、それを受けて設置許可しておって、設置の許可が与えられますと、その後通産省が詳細設計以降の審査をするわけでございますが、したがいまして、通産省の行っておりますいろいろな審査、検査等は、原子力委員会が行います基本設計の審査の引き続きの問題に対処するという観点で、原子力委員会が行った審査の内容を通産省の方におきましても十分技術的な中身を知っておくという意味で必要であったわけでございますが、今回の法改正によりますと、各行政庁が責任を持って審査したものを安全委員会がダブルチェックするわけでございますので、事情が全く変わってくる問題だと思っております。したがいまして、今後は安全専門審査会の委員と顧問会の委員はダブるべきではないというふうに考えておる次第でございます。
○森下昭司君 ちょっと細かい質問で申しわけないんですが、これは通産当局からもひとつお答えをいただきたいのでありますが、こういった安全専門審査会の委員だとか顧問会の委員というのは、なぜダブるかといえば、一面におきましては、そういう専門分野の方が非常に少ないという点も一つの原因ではないかと私は思うのであります。今後、いまお話がありましたように、ダブらない方が好ましいんだということになりますと、どちらかの省庁はその委員を顧問会なりあるいは安全専門審査会から外さざるを得なくなると思うのであります。私の私見は、先ほど申し上げたんですが、原子力委員会設置法からまいりますれば、総理大臣の任命人事であります、安全専門審査会の委員については。したがって、私は率直に言って、安全専門審査委員で通産省の顧問になってお見えになりまする方は、通産省の顧問会の方を御辞退なさるのが妥当ではないかというふうに思っておるのでありますが、率直に忌憚のない意見をひとつ両省庁からお尋ねしたいと思います。
○政府委員(牧村信之君) 大変重要なことではございますが、私ども、原子力委員会の現在の安全専門審査会の審査のやり方といたしまして、実は調査委員の制度をしかしていただきまして、不足する人材につきましては、現在約三十名程度の調査委員を科学技術庁が任命いたしまして、審査会の審査に当たりましてお手伝いをさしておる次第でございます。そういうような観点から、逐次人材もふえてきておりますので、今回それぞれのところで専門の学識経験者を必要とする人数につきましての配慮は逐次できておるということであると考えております。したがいまして、私、科学技術庁の方の立場として、かたくなに現在の安全専門審査会の先生を安全委員会に確保するということではなくて、それぞれの立場を今回ははっきりさせる意味でも、通産省当局とその辺につきまして十分お話し合いいたしまして人選を進めていく方が、今後の安全審査体制をつくる上からもよろしいのではないかと考えておる次第でございます。
○政府委員(武田康君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、ダブらないという方向は、私どもまさにそのとおりだと考えております。そこで、先ほどその方向でいま努力していると申し上げたところでございます。
 それから、具体的な、顧問審査会委員の任命でございますけれども、現在の審査会委員をそのまま新しい安全審査会に引き継ぎ、通産省の顧問会、そのうちダブっておられる方々は、それをそのままやめていただいたらどうかと、これは一つの御提言として承りたいと思いますけれども、一つは、現在の体制における安全審査会と新体制における安全審査会のファンクションというのは違うわけでございまして、そういうような断層もございます。私どもの顧問会の仕事も少し変わってまいります。そういったようなものも含め、先ほど牧村局長からもお話ございましたようなことも含めまして、両省庁で相談し、また何分、顧問の先生方のお考えもおありのことだと思いますので、この法改正が成立しました後、具体的に詰めてまいりたいと、こう思っておるわけでございます。
○森下昭司君 まことに制度的には残念な答弁であります。実務的にはそういうようなことになるのではないかと思うのでありますが、私が強調いたしましたように、原子力委員会設置法で内閣総理大臣が任命する審査委員を、この答申に基づく法改正に基づきまして、今後両省庁が相談し、いわば悪い言葉で言えば委員の配分のようなことをやる。制度的には総理大臣の任命人事はやはり優先すべきだ、法律的にはそういう解釈をするのが私は妥当ではないかと思うのでありまして、まことに実は制度的には不満な回答であります。
 そこで、時間等の関係がありますから、答申に盛られました公開ヒヤリング等を中心にいたしまして、若干の質疑を行いたいと思うわけであります。
 まず私は、今回、勧告のございました、通産省が主宰いたしまする公開ヒヤリングというものは、従来科学技術庁で、原子力委員会が必要に応じて開催をいたしておりました公聴会とどう具体的に違うのか、その点をひとつ通産省側から御説明いただきたいと思うのです。
○政府委員(武田康君) 原子力行政懇の答申によりますと、新体制のもとで一次、二次、二回の公開ヒヤリングを行うべきであると、こうなっておりまして、私どもその方向でいま詳細を詰めておりますが、当通産省は、そのうちの第一次を担当いたします。第一次の公開ヒヤリングは、電源開発調整審議会で計画に組み入れるよりも前の時点で公開ヒヤリングをいたすわけでございます。そうして第二次の方は安全委員会が主宰されるわけでございます。従来原子力委員会が開催されました公聴会は、いわば安全審査の過程で、ちょっと段階は私は正確には覚えておりませんけれども、安全審査の過程で安全問題を中心にされて、しかしほかの問題も一部出たと聞いておりますけれども、特に地元の多数の方々の御意見を伺う会であったと伺っておりますが、今回の私どもが担当いたします第一次公開ヒヤリングは、安全審査の進行、あるいは電源開発調整審議会の時点よりも前でございますので、もう少し広い意味の、一般的な原子力発電所の設置に伴う問題が議論されることになろうかと思います。主宰者とその点と両方で大分違ったものになるんじゃなかろうかと思っております。
○森下昭司君 そういたしますと、従来は、昭和四十八年の五月二十二日につくられました原子炉の設置に係る公聴会開催要領、あるいは同年七月二十四日に制定されたその実施細則、こういうものが科学技術庁につくられまして公聴会等が開催をされておりましたが、通産省は、いわゆる公開ヒヤリングを行うに当たっては、こういった実施細則なり開催要領というものをおつくりになるのではないかと思うのでありますが、その内容についてはどういうことをお考えになっておりますか。
○政府委員(武田康君) 現在、内容的に細目を検討中でございますので、まだ最終的、断定的なことは申し上げかねるわけでございますが、私どもが担当いたします第一次公開ヒヤリングは、原則としてすべての原子力発電所について行いたいと思っております。また、従来公聴会等々につきまして御批判のあったのは、言いっ放し、聞きっ放しというようなことでございますけれども、私ども現在の段階では、公開ヒヤリングにつきましては言いっ放し、聞きっ放しではなくて対話方式というようなことを考えたいと思っておるわけでございます。対話につきましては、その原子力発電所を設置しようとする事業者、電力会社でございますが、電力会社が一方の当事者であり、一方はその地域住民の方になろうかと思いますけれども、その方々が他方の当事者であり、ただ、その議論の過程であるいは対話の過程で、たとえば通産省または関係の官庁が対話に参加すべきような話題、テーマになりますと、そういう関係官庁のコメントがあるというような対話形式を考えているわけでございます。そういったような意味で、従来原子力委員会がかってなさった公開ヒヤリング、公聴会とはちょっと違ったようなことになりますが、そういったようなことを含めまして現在細目を検討しているところでございます。
○森下昭司君 ここで私ちょっと通産大臣に確認を求めておきたいと思うのでありますが、いま申し上げました、この従来の公聴会の開催の要領や実施細則をながめてまいりますと、たとえば「公聴会の開催または円滑な運営が困難となった場合で、主宰者が必要と認めるときは、書面による意見提出のみで公聴会を終了したものとすることができる。」というのが実施細則の十七項にございます。あるいはまた、意見陳述者の発言時間というものは十五分以内に限定をする、終了しない部分は文書によると実施細則十一項にも書かれております。そして、発言者は原子炉設置者と指定された意見陳述人に限定をされておるとかいうような、非常に事細かい実施要領が定められているわけであります。従来とかく問題になりましたのは実施細則の十七項でありまして、こういうようなことが書かれておりますると、いま審議官の方からは、必ず開く、しかも従来のような意見の言いっ放しにはしません、対話方式で行いますと。まことに私りっぱな答申の趣旨を踏まえられた御答弁だと理解するわけでありますが、今後の実施の問題等についてはこれからさらに検討したいということで、いま一応基本的な考え方のみ述べられたわけでありますが、私は過去の科学技術庁のこの公聴会開催の実施要領等によりますと、いま申し上げたように穏当さを欠くと申しますか、妥当性を欠くいまの答弁の内容を含むものがあるわけであります。したがって、行政庁の行いまする公開ヒヤリングというのは、どのような状況下においても必ず開くということを前提として、いま私が最初に強調いたしました、ふだんの対話による国民の理解を得る、こういう基本姿勢を持ち続けて行かれるのかどうか、この機会にはっきりとお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほども申し上げましたように、原子力政策を進めていきます上において一番大事なことば、住民の皆さんとの対話を十分行うということでございまして、その観点に立ちまして、先ほど審議官も、従来のような言いっ放しではだめであって対話を中心に進めていきたいと、こういうことを言ったわけでございます。したがいまして、いま細目は調整中でございまして、近く決まると思いますが、いまお述べになりました御趣旨等につきましても十分生かされるように検討してまいりたいと存じます。
○森下昭司君 大臣からも細目は近く決まるであろうというお話がございましたが、私は現在の電力需給の状況、それから予想されまする原子炉設置等々考えてまいりますと、この開催要領なり実施細則というものは相当早急な間につくる必要があるのではないかと思うのでありますが、通産省といたしましては、およそいつをめどにこの要領なり実施細則と称するものをおつくりになるお考えがあるのかお聞きしたいと思います。
○政府委員(武田康君) 先ほどお答え申し上げましたように、現在検討中でございますけれども、いまここで御審議いただいております原子力基本法等の一部改正というのができ、そして新しい原子力行政体制が確立いたしました後速やかに実施に移せるように、細目あるいは運営要領等々を検討していきたいということでいま進めておるところでございます。なお、過去の事例等も参考に考えていま詰めているところでございます。新体制に移行して速やかに公開ヒヤリングが実施できるようにと、こういうことでございます。
○森下昭司君 そこで、科学技術庁長官に一つお尋ねをしておきますが、この答申に基づきまして、安全審査面についてのみ言及すれば、相当今後は厳重な審査過程を経るということに実はなるわけであります。答申の十一ページにも書いてありますが、私はちょと気になるのでありますが、「原子炉等の設置許可等の行政処分についても安全の確保は必要条件ではあっても十分条件ではなく、」したがって、「原子力全体の政策との関連において計画的遂行性等の諸条件を勘案して総合的に判断」するということが書いてあるわけです。「必要条件」と「十分条件」、これは非常にむずかしい行政用語でございますが、こういったものを見た場合に、必要条件ではあるが十分条件ではないということになりますると、若干安全性というものが総合的判断の前には後退をするような場合があるのではないだろうかという危惧を持つのであります。
 二番目の問題は、原子力委員会と原子力安全委員会、これはそれぞれ意見を述べるわけでありますが、この原子力委員会と原子力安全委員会の意見が食い違った場合、簡単に言えば、この「十分条件」と「必要条件」との関連でありますが、安全審査面においては若干問題がある、しかし、電力の需給という総合的見地から判断をすれば、その原子炉は設置する必要があるというふうに原子力委員会では判断するというような、具体的なことばそういったことが想定されるわけであります。したがって、具体的には原子力安全委員会なり原子力委員会との意見が相違した場合には、どういような御処置をなさるのが妥当とお考えになっているのか、この点について最後にお尋ねしておきます。
○国務大臣(熊谷太三郎君) 二つとも、安全の確保についてどういう考えを持ちどう処理するかということに結論的にはなるかと考えますが、行政懇の意見について、安全の確保はもちろん大前提であるが、安全さえ確保されればほかのことはどうでもいいというものではなく、やはり原子力の平和利用のためには、この平和利用そのものを担保し、また、これを計画的に遂行しなければならぬというような趣旨からこういう意見が盛られたものではないかと思いますが、そういう筋はありましても、安全の確保とういことは第一の問題でありますから、そういうことによっていやしくも安全の確保が軽視されたり無視されたりすることがあってはならぬというふうに思っております。
 それから、安全規制の問題について、仮に原子力委員会と原子力安全委員会との間に多少でも意見の違いがあった場合にはどう考えるかという御発言の趣旨かと考えますが、原子力平和利用にとりまして安全の確保ということは何よりも優先しなければならない重大な問題でありまして、たとえ全面的に平和利用を促進するという立場にありましても、安全を軽視してそういう立場を進めるべきでないということはこれは言うまでもありませんので、具体的にもそういう意見が矛盾するということはあり得ないと考えてはおりますが、万々一にそういうことがありました場合には、言うまでもなく原子力安全委員会の意見を尊重して安全の確保を期してまいらねばならぬ、このように考えるわけでございます。
○政府委員(牧村信之君) 先ほどの、安全専門審査会の委員の通産省の顧問会とダブっておる明細を補足さしていただきます。
 ダブっている人は二十名でございまして、そのうち国立試験研究機関の職員が二名、それから大学が十一名、それから原子力研究所等の公益法人が七名でございます。
○峯山昭範君 今回の原子力基本法の改正につきましては、科学技術振興対策特別委員会の方で具体的な問題については相当議論もしてこられたであろうと思います。
 そこで私は、技術的ないろんな問題に入る前に、まず科学技術庁長官にお伺いをいたします。
 今回のこの改正に当たっての基本的な考え方はどういうことなのか、どこからその話が出てきたのか、その点もあわせて初めにちっと御答弁をいただきたい。
○政府委員(牧村信之君) お答えいたします。
 今回の法改正に当たりまして、いろいろ原子力の行政につきまして、原子力船「むつ」の問題等が起こりまして、従来の原子力委員会におきます原子力行政の進め方におきまして、原子力委員会が推進と規制の両面の基本的な事項を所掌しておるということに対する批判が出てきたわけでございます。ややもすれば推進が先に立って規制面をおろそかにしているんではないかという批判もあったわけでございます。このようなことにつきましては、「むつ」の問題でいろいろな学識経験者で議論しました大山先生を中心とする懇談会があったわけでございますが、そこでもそのような意見が出てきたわけでございます。その後、内閣に行政問題懇談会というものが開催されましていろいろな意見をお出しいただきまして、その意見を聞きつつ今回の法改正におきまして安全委員会を設置する、それから行政庁の規制体制を一貫化して推進するという二つの法改正を盛り込みましてお願いした次第でございます。
○峯山昭範君 大臣、決してむずかしい質問はそんなにするつもりはないんで、大臣がおわかりのところでポイントになることだけお答えいただければ結構なんです。局長と議論するときは局長に言いますし、よろしく……。
○国務大臣(熊谷太三郎君) ただいまのお尋ねにつきましては、大体政府委員からお答えしたとおりのことでございます。
○峯山昭範君 それは、「むつ」の問題もいろいろありましょうけれども、基本的には総理大臣の諮問機関として置かれております原子力行政懇談会の意見が中心になっていることば確かですね。
○国務大臣(熊谷太三郎君) 中心という言葉が適当かどうかわかりませんが、大体非常に重きをなしておるということは事実でございます。
○峯山昭範君 それではまず、行政管理庁、お見えになっていますね。行政管理庁にお伺いします。原子力行政懇談会というのはどういう委員会ですか。どういう法律に基づいたいわゆる懇談会ですか。
○説明員(關言行君) 内閣総理大臣が原子力関係の学識経験をお持ちの方から御意見を伺うために開催をされております懇談会でございまして、私どもの所管しております国家行政組織法の分類の上から申しますというと、第八条に基づく法律上設置された審議会とは異なるものでございます。
○峯山昭範君 それではこれはいわゆる総理の私的諮問機関ということでございますね。
○説明員(關言行君) 俗にそのように呼ばれておるものでございます。
○峯山昭範君 いわゆる私的な諮問機関の行政に意見を反映させる場合のあり方、基本的な考え方を一遍お伺いしたい。
○説明員(關言行君) 学識経験をお持ちの方とかあるいは多数の国民の方の御意見を行政に反映させていくというやり方にはいろんなものがあろうかと思います。その一つは、一つの合議体の意見として伺う場合と、それから個々の個人の御意見を伺う場合とがあろうかと思いますが、俗に私的諮問機関と言われておりますものは、考え方としては個々の御意見を伺うという性格のものでございます。
○峯山昭範君 要するにいわゆる行政的な決定をし、あるいは行政に意見を反映させるような場合には、基本的にはやっぱり八条機関でなければいけない、基本的にはね。そうなんでしょう。
○説明員(關言行君) まあお尋ねの御趣旨に真っすぐ答えることになるかどうかちょっと懸念いたしますけれども、私どもとしましては、民主的な行政運営ということで御意見を伺うのは必ずしもその国家行政組織法八条に基づくいわゆる審議会等でなければならないというふうには見ておらないわけでございまして、私どもの所管を離れますけれども、たとえば公聴会の開催であるとか、あるいは出かけていって御意見を伺うというような場合もありましょうし、いろいろな形態があり得るものと考えております。
○峯山昭範君 私の言っていることとちょっと食い違っておりますけれども、昭和三十六年の四月十二日行政管理庁行政管理局長のいわゆる各省庁の「懇談会等行政運営上の会合の開催について」というところの第一項のところをちょっと一遍説明してみてください。
○説明員(關言行君) 第一項を読み上げさしていただきます。「国家行政組織法第八条の審議会、協議会は合議制の行政機関として委員個々の意見とは別個独立な機関意思を決定することが所掌事項として定められているものであるのに対して、いわゆる懇談会等は個々の個人の意見を聞くのみで行政機関(行政組織内の単位)としての意思の決定を行わないものであるというのが国会における政府答弁の要旨である。」ということでございます。
○峯山昭範君 そのとおりなんですよ。それを言っているわけです。そうしますと、原子力行政懇談会の「この原子力行政体制の改革、強化に関する意見」、これは要するに原子力行政懇談会の意見としてまとめておるわけです。しかもそれが今回の法案の基本になっているわけです。きょう官房長官か副長官来てますか。――この問題については先ほど要求はしてますけれども、実は先日の内閣委員会において原子力行政懇談会についての政府の統一見解を求めました。そうしたら、その政府の統一見解によりますと、要するに、審議会答申のような機関意思として決定したものをいただくことは予定していないと言うから、私は、ああそうか、それならそれで結構だということで引き下がったわけですけれども、要するに、実際にこういうふうなことをやる場合には、国家行政組織法に基づいた審議会なりそういうようなものをきちっとつくって、そしてこういうような行政をやらなければ、いわゆる立法府の意見というものは全く無視されて、結局行政府が勝手にこういうことをやって、法的な何にもないままにこういうようなことをやっていくことはよくないということで、私は当時の官房長官にもずいぶん話をして、そのときにこの政府の統一見解というのが、原子力行政懇談会についてという統一見解が出たわけです。ところが、そのときはこういうふうな具体的なものがまだ出てなかったから私はそれで引き下がったわけですけれども、いまの科学技術庁長官の答弁にしましても原子力安全局長の答弁にしましても、今回のこの二つの改正というものはすべて――すべてとは言いません、それはそのほかの意見もあったんでしょう。けれども、この改正の中身というのは、なるほど名前は多少変わっておるにしましても、その意見はほぼいわゆる私的な諮問機関の行政懇談会の意見がそのまま反映されていると、こういうふうに言ってもいいんじゃないですか。そういう点からいきますと、ちょっとやっぱり政府の言い方もおかしいし、当時私に弁明した政府の弁明もおかしい。この点について、これは行政管理庁とそれから官房長官の方からぼくはちゃんときちっと回答いただきたい。
○説明員(關言行君) 先ほども申し上げましたように、懇談会の場合には個々の個人の御意見を承るという基本的な性格がございますけれども、実際にはお一人お一人から別の機会に伺うというのではなくて、懇談会を開催いたしまして、その場でいろいろと個々の御意見を承っておるわけでございまして、その中にはやはり非常に多数意見と申しますか、共通して皆さんがお考えになっているような御意見もあるわけでございまして、そういったものを一応集大成をいたしまして、委員の連名でもって御意見をお出しいただいたというのがこの五十一年七月三十日の「原子力行政体制の改革、強化に関する意見」であるというふうに理解をいたしておるわけでございます。
○峯山昭範君 そんなことを言っていると、あなた方……これは要するに、一人一人の意見を聞くというんであれば、こういうふうな――これは原子力行政懇談会で、この中身は一人一人の意見というんではないんです。これは原子力行政懇談会の意見としてまとめているわけですよ。あなた方がそういう変な答弁すると私はこれはとても納得できませんよ、こんなことでは。これはたとえば中身、やるとすれば、この意見はどの人とどの人が賛成でどの人とどの人が反対、これはどの人とどの人が賛成でどの人とどの人が反対、賛成というように、事務局が勝手にまとめたとすればそうしなくてはいけない。ところがそういうことも何にもない。当時のいろいろな問題からすると、「関する意見」というところだけが、答申というのが意見という名前に変わっただけで、この問題についてはあなた方総理の答弁がどうなっているかわかっているでしょう。当時の林法制局長官の答弁によりましても、仮に懇談会という名前をつけようと実態がどうか、実態がどうかというのが中心だというのが当時の法制局長官――これはずいぶん前の話ですが、そういう解釈になっているわけですよ。実態はこれは答申じゃないですか、本当に。そういうふうなごまかしでこういう法律の改正をやるなんというのはとんでもない。これはちゃんときちっと納得できるような御答弁をいただきたい。それから政府の方もこの問題についてきちっとした――前の統一見解の示し方と全く違う。こんないいかげんなやり方じゃ困る。ですからこの点きちっとしてもらいたい。
○説明員(關言行君) ちょっと先ほど私個々の懇談会の話に入りましたけれども、実はこれの懇談会の運営等につきましては内閣の方の御所管になっております。私どもはただ国家行政組織法を担当いたします役所といたしまして、いわゆる私的諮問機関の点につきましてはかねがね先生から御指摘をいただいておる問題でもございまして、誤解を招くような運用のないように十分御留意をいただくよう各省にもお願いをしておるわけでございます。
 ちなみに、五十一年の九月にはいわゆる私的懇談会、私的諮問機関が約五十ございました。その後各省に実情を伺って見直しを行いまして、現在ではその数を三十八に減らしておるわけでございます。御参考までに。
○峯山昭範君 これはこういうふうな答弁では困りますね、やっぼり。要するに私は当時の総理の答弁によりましても、この私的な諮問機関についての問題について総理の答弁、こうなっています。「これが一つの行政機関として」――「これが」というのは私的諮問機関のことです。「行政機関としての意思決定をするというふうなことこれはいけません。……最少限度において専門家の経験その他意見を述べてもらう機会を作り、そうしてそれを民主的に意見の交換ということであれば、意思決定というのでなしに、私はある程度大目にみていただく場合もあると考えます。」ということで、「その意見が行政機関としての意見になるようなことは厳に慎まなければならないと思っております。」これはもう総理の言っていることと――原子力懇談会はこれは行政的な反映をしていますし、いわゆる「意見」となっていますよ、「意見」ということは行政に反映させるための意見なんです。そういうような意味から言えば、少なくともここに書いていることは、この原子力行政懇談会の委員全部がこの問題についてはほぼ賛成をしてこれがつくられた。これ、どれがどの点について反対なんという意見はありませんからね。したがって、こういうふうないわゆる政府がかねがね言っていることとこれがきちっと合致してない。こういう基本的な問題は科学技術庁でいままで議論があったかどうか私知りませんが、いずれにしましても、こういうようなことに基づいてこういう法律が出されるなんということは私はとても納得できない。しかも、この点について政府はそういうことはしませんという統一見解を出しながら――きょう連合審査ですから余り時間がありませんね。しかし、この問題をきちっとしていただかなければとても納得できません。官房長官どうなんですか、出席状況は。
○委員長(藤原房雄君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
○委員長(藤原房雄君) 速記を起こしてください。
 峯山君の質疑については後刻に譲ることにし、次に、市川君の質疑に入ります。
○市川正一君 今回の原子力基本法一部改正案は、原子力行政における最初にしてかつ根本的な変更を内容とするきわめて重要なものであると考えます。私は、この機会に、日本の原子力行政の基本にかかわる若干の問題についてお伺いしたいと思います。
 まず、科学技術庁長官にお伺いしますが、日本の原子力利用は自主・民主・公開の三原則に基づく平和利用が義務づけられ、原子力委員会はそのかなめになっているというふうに考えますが、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(熊谷太三郎君) 仰せのとおりに考えます。
○市川正一君 したがって、原子力の研究あるいは開発に携わる者は、民間とか政府関係者あるいは研究開発機関を問わず、この原子力の平和利用の基本に立って、これを逸脱するような行為があった場合、政府はどういう措置をとるのか、あるいはその歯どめはどうなっているのか、この点についてお伺いいたしたい。
○政府委員(牧村信之君) 原子力の開発に当たりましては、先生御指摘のとおり、平和の目的に限り、自主・民主・公開の原則で進める基本理念があるわけでございます。そこで、法律体系的には、その規制の面におきましては原子力基本法の精神を受けまして、原子炉等規制法あるいは各試験研究機関の特殊法人等におきましては特殊法人の設置法におきまして、基本法の精神を引きまして平和利用を旨とする旨を明記して原子力の開発推進をやっておるところでございます。
○市川正一君 私がお伺いしたのは、その歯どめと同時に、仮にそれを逸脱した場合にはどういう措置がとられることになっているかという側面をひとつ。
○政府委員(牧村信之君) たとえば、原子炉の設置の許可の場合にもこの基本的な理念が設置の許可の基準になっております、平和の利用につきましては基準になっておりますので、これらの違反があった場合は直ちに許可が取り消されるということでございます。
 なお特に平和利用の担保につきましては、国際的な原子力国際機関の査察制度等も国内的にそれを受け入れる体制が整備されておりまして、平和の担保は十分に行われ得るように体制が整われておる次第でございます。
○市川正一君 要するに、厳しい親御、そしてこれに対する逸脱には厳しい措置がとられるというふうに承知いたしましたが、ところで熊谷長官、核武装せよとか、あるいは日本は一刻も早く核武装に踏み切るべきだとか、あるいは第三次世界大戦は必ずなければならないと、こういうような主張があるとすればどうお考えでしょうか。
○国務大臣(熊谷太三郎君) そういう考えに対しましては、日本は核武装すべきではないと考えております。
○市川正一君 ただいまの長官の御答弁がまた同時に長官の御見解でもあるというふうに理解いたします。
 さて、いまから三年半ほど前、七四年の十一月に科学の統一に関する国際会議というのがロンドンで開かれたことを御承知でしょうか、長官。
○政府委員(山野正澄君) そのようなものが開かれたということは承知いたしております。
○市川正一君 この会議にわが国からだれが出席したかも御承知でしょうな。
○政府委員(山野正澄君) 原子力委員である宮島委員が大学の教授という私人の資格で出席いたしております。
○市川正一君 原子力委員の宮島龍興氏が参加しておりますが、これは原子力委員としてその肩書きで出張し、参加しておるのであります。ここに原子力委員会発行の月報七四年十一号がございますが、この中に筑波大学の学長であり、かつまた原力子委員である宮島龍興氏がロンドンで行われた科学の統一に関する国際会議なるものに出席しておる。ところが、この科学の統一に関する国際会議なるものはどういうものか。これは韓国生まれのインチキ宗教であり、KCIAがつくった謀略団体としてアメリカ議会でも問題になっている統一協会、その教祖である文鮮明の提唱によって開かれたものであります。現に、思想新聞、同年の十二月一日付では、この科学の統一に関する国際会議の冒頭に、この国際会議の主催者である国際文化財団の創立者文鮮明氏のあいさつが行われたと、かように転じております。この国際会議は、国際文化財団なるものが招請し、そして、ここに科学技術庁からいただいた「海外出張について」という書類がございますが、この中にも、原子力委員会委員宮島龍興氏がただいまのロンドンにおいてのこの会議に出席するということが、ちゃんと書類として明記されております。国際文化財団、聞こえはいいが、これは全くの任意団体であります。そして、いま申しましたように、文鮮明がその主体であります。日本においてもこの点は久保木修己、この人物が日本の統一協会の会長であり、勝共連合の会長であり、かつまた日本における国際文化財団の会長でもあります。この文鮮明なる人物、どういう人物か、――風紀紊乱、婦女暴行で三度も逮捕された破廉恥漢であります。また、旅行ビザで献金運動とか商売とかはできない。しかし、これは法的にひっかかっても、アメリカのために、アメリカの国民以上に先頭に立ったとするならば神の法にはひっかかりませんと、行為を公然と奨励するような人物であります。これを教祖とする統一協会は、先ほど熊谷長官も否定なすった、第三次世界大戦は必ずなければならないという主張、あるいは核武装をせよという主張、こういう主張に対して、この統一協会と一心同体の勝共連合、こういうものが中心になって主宰する会議に、少なくとも原子力の平和利用の番人であるべき日本の原子力委員が参加すること、しかも、海外出張の扱いを受けて参加すること、こういうことが好ましいとお考えでしょうかどうか。長官の責任ある御答弁を願いたいと思う。
○国務大臣(熊谷太三郎君) まことに申しわけありませんが、その会の性格を十分責任を持ってお答えする、まだ知識がございませんので、責任を持ったお答えはいたしかねる次第でございます。
○政府委員(山野正澄君) 当時、宮島委員は原子力委員会の常勤委員でございまして、常勤委員が海外に出張いたします際には、先生御指摘のような出張手続をとったわけでございますが、この出張には目的が二つございまして、ただいま御指摘の国際文化財団の招待による科学の統一に関する国際会議に出席するということ、いま一つは、イギリスの原子力公社並びにOECDのNEAとの会談というものが予定されておったわけでございます。
 まず第一の、この科学の統一に関する国際会議につきましては、国際文化財団が、招待状におきまして宮島教授あて、プロフェッサー宮島という招請状を出しておりまして、これはあくまでも原子力委員会委員としての出張ではないという割り切りで、私どもも往復の航空運賃並びにこの科学の統一に関する国際会議に出席しますための滞在費というものは国際文化財団の負担にいたしまして、それ以外の、イギリス原子力公社並びにOECD・NEAへの出席につきましては、科学技術庁がその滞在費を負担するというふうに、峻別して処理しておるわけでございます。この国際文化財団なるもの、あるいは科学の統一に関する国際会議の内容といったふうなものは詳細には存じませんが、そのようにして宮島委員の立場というものははっきり区分けをして処理したつもりでございます。
○市川正一君 まず、いまの御答弁でありますが、主体は国際文化財団による国際会議、これに出かけるということが主体なんですね。そして、あわせてというか、ついでに英国原子力公社あるいはパリの経済協力開発機構へ行くというのであって、私がお伺いしてるのは、原子力委員である宮島氏が少なくともその種の会議に出かけるということに関しては、あなた方の「海外出張について」というこの書類手続、ここでも出張者の職名及び氏名というのは「原子力委員会委員宮島龍興」となってるじゃありませんか。余りいいかげんなこと言うもんじゃないですよ。
 長官、あなたは全然そういう団体の性格知らぬと言うけれども、ちゃんとこれはもう公表されてるものじゃないですか、いろいろ。そうして、あなた御自身が否定なすった、そういうことは許せないという、核武装の問題とか、そういう問題について、たとえば、朝鮮半島を突破口に第三次世界大戦は必ずなければならない、日本は生活水準を三分の一に減らし、税金は四倍、五倍にしても軍事力を増強していかねばならないと、こういうことを彼ら言ってるんです。そういうものが主体になっている会議。あるいは、この統一協会の教典である「原理講論」というのがありますが、そこでは、韓国は神の国、日本はサタン――悪魔の国だと、世界の言語――言葉は韓国語で統一されなければならない、こういうことを主張しているその教祖が主宰している会議に出かける、日本の原子力問題のいわば番人とも言うべき、そういう公職にある者が参加するということは、あなたはいいと思いますか。
○国務大臣(熊谷太三郎君) 私が余りそのことについて知りませんので、責任のあるお答えができずに大変恐縮でございますが、やはりまあ一般論といたしまして、なるべくそういう誤解を、あるいは疑惑を持たれるようなところにはどの場合にも関係しないといいますか、出ない方がいいのではないかと、このように考えております。
○市川正一君 では、長官、率直に言ってまだ詳しく御存じないという御答弁もありましたので、ぜひこれはお調べ願って、そして、その実態に即して、いまおっしゃった疑惑を持たれぬようにということならば、その疑惑というものは一体果たして正当な疑惑であるのかどうか、お調べ願って、しかるべき措置を責任を持っておとり願いたいというふうに考えますが、よろしゅうございますか。
○国務大臣(熊谷太三郎君) しかるべき処置と申し上げましたが、そのしかるべき処置はもちろんとりますが、まあ事の内容によりましては御寛大なお気持ちでひとつお取り計らいを願いたいと考えます。
○市川正一君 それは結果によるのであって、しかるべき調査としかるべき御報告を待っております。
 続いてお伺いしますけれども、原子力研究所の設置目的、これは原子力基本法及び原子力研究所設置法で明らかなように、原子力の平和利用の研究のためのものだと思いますが、念のために確認さしていただきます。
○政府委員(山野正澄君) 先生仰せのとおりでございます。
○市川正一君 ありがとうございます。
 ところで、その日本原子力研究所理事長、現在宗像英二氏が務められておりますが、この宗像英二氏が、最近発刊されました「季刊アカデミー」なる雑誌がございますが、これであります。この「季刊アカデミー」第十号であります。ここに寄稿をしておられますが、このことについて御存じでしょうか。また、この雑誌がどういう団体から発刊されているのか御承知でしょうか。
○政府委員(山野正澄君) まことに残念ながら、その雑誌並びに寄稿の内容につきましては存じ上げておりません。
○市川正一君 この「季刊アカデミー」なる雑誌、これを発刊しております団体は世界平和教授アカデミーという団体であります。この世界平和教授アカデミーなる団体も、これは先ほど申し上げた文鮮明、この人物が提唱し設立したものであります。このことは彼らみずからがこれを確認しております。また表明しております。
 そこで、お伺いしますが、先ほど来繰り返し申しましたように、第三次世界大戦が必要だ、あるいは核武装、核戦争を待望する、こういう主張を行っている統一協会、またそれと一体のものである国際勝共連合、これによってつくられた、また同じ主張を行っておるこの世界平和教授アカデミーの事実上の機関誌である「季刊アカデミー」に、原子力の平和利用の研究を義務づけられた、いま私御質問し、そしてそのとおりだとおっしゃった、そういう現職の原子力研究所の理事長、これがここに寄稿するということは、核武装、核戦争を事実上肯定しているというふうに見られても仕方がないんじゃないか、こういうふうに考えますが、きわめて重大な日本の原子力行政の一翼の責任者でもありますので、この点、長官これを黙認されるかどうか、御見解を承りたい。
○国務大臣(熊谷太三郎君) 大変いろいろ、その雑誌も十分拝見しておりませんような――十分どころじゃありません、少しも拝見していないようなことでございますので、適切なお答えはできかねるかと思いますが、そういう明らかに核武装を肯定するとしますれば、そういう核武装を肯定するようなものであるならば、そういうものに寄稿するということはおもしろくない、好ましいことではないと考えておりますが、具体的にそういう事実であるかどうかという点については検討させていただきたいと存じます。
○市川正一君 わかりました。
 ぜひ具体的に検討、研究をお願いしたいと思うんですが、宗像氏にしろ、先ほど申しました宮島氏にしろ、わが国の原子力の研究開発にきわめて重大な責任を持つ人物であります。こういう人物が、今日世界的にも大きな問題になっておる文鮮明、この組織した団体とこうしたかかわり合いを持つということは、わが国の原子力の平和利用、今後の将来にとってきわめて重大であります。私は、政府が、先ほど来長官がお約束なすったように、徹底的に調査をして事態を明らかにし必要な措置をとるよう重ねて確認をいたします。
 しかも、ここで長官、看過できないのは、原子力の平和利用の最高責任者であり、かつまた科学技術庁長官の要職にある熊谷さん、あなた御自身が、核武装を主張している統一協会、勝共連合の機関紙「世界日報」の七七年一月四日付でありますが、ここに、私の提言欄に寄稿をなすっているんです。私は商工委員の一員として、短期日でありましたが、長官とのおつき合いの中で長官の人となりは存じ上げているつもりであります。あなたが第三次世界大戦を否定し、また核武装、核戦争を否定され、そういう立場を明白にされた以上、こういう文鮮明を教祖とする統一協会、勝共連合の機関紙に寄稿するようなことは厳に慎まれるべきだと、こう思いますが、この点お伺いします。いかがですか。
○国務大臣(熊谷太三郎君) これは率直に申し上げますが、いろいろ雑誌等に寄稿を依頼されますと、正直に言いまして、私が十分そういう意識を持って寄稿する場合だけとも限りませんので、そういう点は非常に申しわけないと思いますが、先ほどから申しておりますように、第三次世界戦争を考えたり、あるいは日本の核武装というようなことを考えたりするようなことはもちろんないことは言うまでもありませんが、そういうムードを強めるようなものには関与はしたくないと、このように考えております。
○市川正一君 では、時間も迫ってまいりましたので前へ進みます。わかりました。
 私は原子力の安全性の問題について、残された時間若干お尋ねいたします。
 動燃事業団の東海村再処理工場が現在操業に入っておりますが、最近トラブルはありませんか。
○政府委員(牧村信之君) 東海村におきます動燃の再処理工場は現在ホット試験を実施しておりまして、その試験がこの夏ごろ終了して、その成果につきまして原子力委員会の安全専門審査会にかけられて最終的な合格証を出す段階に来ておるわけでございますが、先生御指摘の事故、トラブルにつきましては、ホット試験を始めました昨年の秋以降数回のトラブルがございました。しかし、最近におきましてはそのようなトラブルも非常に減ってきております。またトラブルにつきましても、若干の管理的な不十分あるいは職員のなお教育の不十分等によりますふなれなための事故が大部分でございまして、設計の大きなミスであるとか機器の非常に大きな不十分さによるトラブルというのが、当初のいろいろなホット試験に至るまでの段階で相当程度発見されまして、改善が加えられて、現在では非常にスムーズに動いておるというふうに認識しております。
○市川正一君 言うまでもないことでありますが、危険な核物質を扱っているために、安全管理は、一つ一つのトラブル、故障事故に関してこれをよく研究し、また公表し、原因を明らかにすることは非常に重要であると考えますが、この点での処理は十分にやられておりましょうか。
 あわせてお伺いしますが、衆議院段階でもわが党の瀬崎委員が何回も、そういう点では従来科学技術庁への連絡、通報などがおくれておるということについて指摘し、熊谷長官も、そういう点では改善を図ると、口頭あるいは文書によるは別として、厳重な注意を行う、必要によれば工場も視察するということを承知されたんでありますが、それらについてその後の状況をちょっとお伺いしたいと思います。
○政府委員(牧村信之君) 御指摘のように、過去の例でございますけれども、当初動燃事業団の内規的な規定によりまして、この程度のものであれば関係官庁あるいは外部に発表しなくてもいいではないか、内部的に明らかにするだけでいいではないかというようなケースもございましたけれども、再処理工場の運転という非常に重要な事項をやっております動燃の地位を考えましたときに、そういうことではいけないんではないか、いまの段階におきましては、ごく微細なトラブルであっても積極的に外部に公表すべきであるということを常々いろいろな御指摘を踏まえて動燃事業団とも話し合っております。したがいまして、最近におきましては、動燃事業団におきましても、そういうトラブルが起きましたときには直ちに地方自治体並びに役所に通報が来るような体制になっております。また、私どももその通報を受けたときには直ちに外部に公表するということを考えて、実際に実施しております。
 なお、事故のございました点につきまして、その事故がどういうような評価を受けるべきかというようなことにつきましては、これは動燃の再処理工場に限りませず、発電所の事故等につきましても、安全委員会の発足を待ちまして、十分そういう評価をいたした上で今後とも公表していくという体制の整備に努めたい、かように考えております。
○市川正一君 それでは伺いますが、五月二十六日、ミキサセトラのサンプリングベンチで人身被曝を含む汚染事故があったやに聞いておりますが、事実かどうですか。
○政府委員(牧村信之君) ことしの五月にそのようなトラブルあるいはは人身被曝の事故があったとは聞いておりません。
○市川正一君 私は、その汚染事故を含む重大ないろいろの事故があったような話を聞いておりますので、ぜひこれは至急調べていただきたい、そして報告をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(牧村信之君) 御指摘の線に沿いまして至急調査いたしまして、先生のお手元に御報告いたしたいと思います。
○市川正一君 時間が参りましたので、以上限られた時間ではありますが、質問を通じて明らかにいたしましたように、私は日本の原子力問題は、まさに安全性一つをとっても重大な局面を迎えていると思います。そのときに行われようとする今回の原子力基本法の一部改正案は、国民が持っている原子力行政に対する素朴であるが、しかし同時に、本然的なあるいは根源的な不安と不信、すなわちこれは科学技術庁の発刊されているこのパンフレット、ここにも安全規制面に比べて開発面にウエートをかけ過ぎているというような、いみじくもあなた方自身が指摘されているようなそういう不安ですね、これはやはり国民は注目して見守っていると思うのです。私は、本改正案が原子力の安全規制の強化どころか、従来からも開発を促進してきたその当事者通産省に、いわば一気通貫体制を行わしめるという点では、国民にとってきわめて危険なものであるということを通産行政にかかわってきた商工委員の立場からも厳しく指摘して、私の質問を終わるものであります。
○委員長(藤原房雄君) 先刻、峯山君の質疑が保留になっていましたが、森内閣官房副長官が出席されましたので質疑を行います。
○峯山昭範君 原子力行政なんていうものは、私はやっぱり拙速にはやらず、国家百年の大計というものを考えて原子力行政を進めるべきだと私は思うのです、森さんどうですか。
○政府委員(森喜朗君) 峯山委員の御指摘どおりだと思います。しかし、国家百年の長い大計と同時に、その都度その都度種々いろいろ問題がございますから、その都度いろいろな広範囲な方々から御意見を求めるということもまた大事なことだというように考えております。
○峯山昭範君 したがって、今回の原子力行政懇談会の、いわゆる当時海部さんが私たちに約束したこととは大分内容的にも違うんですよね。これはどうなんですか、この点についてはもう大体勉強してこられましたですか。――
 それでは言います。当時原子力行政懇談会というのができまして、先ほど科学技術庁やそれぞれ答弁ございましたのですけれども、今回の基本法の改正に当たっては、原子力行政懇談会の意見という、こういうふうなのがある程度基本になっているわけですね。ところが実際問題として原子力行政懇談会というのは私的な諮問機関である。私的な諮問機関はこういうふうなきちっとした意見をまとめるというわけにはいかないということで、当時海部さんのときに政府の統一見解としてそれが出されているわけです。それで、懇談会というものがどうあるべきかということについての法制局長官の見解もはっきりしておりますので、ちょっと一遍読み上げてみますと、「かりに懇談会という名前をつけようと、実態がここでいう八条の機関に当るものであれば、」八条というのは国家行政組織法の八条です。「八条の機関に当るものであれば、これはもちろん法律によることば当然でわれわれも従来そう考えております。しかし要するに問題はその実態なんでございます。……何人かの人をある問題についてずっと呼んで委員各自の意見を聞く、もちろんその委員個人々々の意見をきくわけです。これは今の八条に抵触しない。」一人一人の意見を聞く場合は抵触しない。「しかし一つの組織体を作って、その組織体としての意見をそこで出させるということはこの八条の方でございます。」したがって、私はこの原子力懇談会の意見というものは国家行政組織法の第八条に違反をしておると、こう言っておるわけです。したがって、それは確かに森さんがおっしゃいますように、原子力行政なんていうものは非常に長期的な計画を要する。そのためにはきちっとした計画なり何なりが必要である。それは前段はそうなんですが、副長官がおっしゃるように、確かにその現場、現場で必要な場合もあります。だからといって、行政府が決められた法律を破ってやっていいということにはならないわけですよ。したがって、この問題は、政府がいわゆるそういうふうなことはしないと、こういうことはやらないということであったから、当時私はそれはそれで納得をしたわけです。ところが実際今回の場合を見てみますと、そうではなくて、現実にこういうふうな「強化に関する意見」ということで、またきちっとしたもうプリントにもなっておりますし、しかも当時のいきさつから何から見てみますと、これは「取扱注意」にはなっておりますけれども、原子力委員会のあり方ということについて有澤私案というものが出て、その最後の方にはどうなっているかというと、いわゆる原子力行政懇談会として最終的な五十一年の三月をめどになるべく早い機会に結論を出すということで、いわゆる第八条機関としての役目を果たそうとしてのあれが見られるわけです。ということは、この原子力行政懇談会自体が完全にいわゆる国家行政組織法第八条に違反をしておる、こういうわけです。これについてどういうふうにお考えか、これはやっぱりきちっとしていただかないと困る、こういうことです。
○政府委員(森喜朗君) 有澤先生のおまとめになりました「原子力行政体制の改革、強化に関する意見」は、これはあくまでも、すでに法制局長官も申し上げておりますように、自主的な先生方の意見のとりまとめでございまして、政府の方から意見を求めたものではございません。したがって委員会の答申というような形とは全く違うというふうに私どもも考えております。あくまでもメンバーの皆さんの自主的な御意見のとりまとめであるということであります。したがって今回御審議をいただいております法律に関しましての参考にさしていただいたところはあるかもしれませんが、この懇談会の意見をもとに法律の取りまとめをしたということでありません。法律はあくまでも政府の責任において改正の取りまとめをいたしましたということでございます。
○峯山昭範君 私先ほどわざと言わなかったんですけれども、先ほど有澤さんの話の中で、最後に一年をめどに結論が出るもの云々というのをここで読み上げたのは、実は有澤私案のいわゆる政府の資料がありますね、この資料の最後についたものを私読み上げたわけです。これは有澤私案じゃなくて内閣官房内閣審議室が出しているものです。内閣官房内閣審議室が、要するに一年以内に、いわゆる早い機会に結論が出てこの答申が出るということを期待しておると、こう言って要するに督促しておるわけです。ということは、逆に言えば有澤さんのは確かに私案です。それはそれでいいわけです。それは違反も何もない。しかしながら、いわゆる私的な諮問機関に対して内閣としては八条機関としての役目を果たせとこう言っているわけです。これはやっぱり法律に違反していますよ。違反しているしおかしい。しかも当時海部さんが私たちに言った話とは全く違う。これは海部さんの統一見解ですが、審議会の答申のような機関意思として決定したものをいただくことは予定していない、各委員の意見を聞くのは聞くけれども、まとめるなんていうことは期待してないと。もっとも法制局長官の話をもうちょっと詳しくやりますと、たとえばこういうふうなことをまとめる場合でも、実態としてたとえばこの意見は有澤さんの意見ですよと、この意見はだれだれさんの意見ですよと、こういうふうに書いているのであれば、これはもうあれじゃないと。しかしながら審議会としてきちっとこう出している以上は、これはもう結論がきちっと出ていると。しかも、先ほど科学技術庁長官や安全局長からの答弁によりましても、やっぱりこれが今回の法案を出すに当たっての一つの――このとおりなんですからね、ちょっと名前が違うだけなんですから。こういうことはやっぱりはっきりしていただかないといけませんし、前に私たちに説明をしてくださったこととは違う。これはやっぱり行政府の立法府に対する基本的な姿勢、これは私的諮問機関を整理統合せよという意見とあわせてこの問題はやっぱりきちっとしていただかないと困る。いま森さんがおっしゃったような答弁ではとても納得できる問題ではない、こういうことなんです。
○政府委員(森喜朗君) 政府から有澤懇談会の意見を取りまとめをぜひ早くやってくれというようなことは申し上げたことはございません。ただ、先生御指摘のように大変大事な問題でございますし、特に八条に基づく審議会と誤解があってもいけないと思いますし、このような誤解がないように、やはりこれから政府も先生の御指摘どおりやっていかなきゃならぬと、このように考えております。しかし、この問題につきましては、あくまでも政府は政府の責任において法律を成案をいたしましたということでございます。
○峯山昭範君 もう私時間ありませんから、この問題とても私の疑問に対する答弁にはなっていないように思います。政府としては早く取りまとめてくれなんて言ったことはないなんて言っていますけれども、これは文書がちゃんとあるんですからね。しかもこの有澤私案というのが、要するにそれまで原子力懇談会がずっと続けてこられて、その過去十九回の会合をやってきて、しかもこの八条機関以外で意見を聞くという場合は、これは法制局長官の答弁にもありますけれども、同じ人が何回も同じ会合に出るというのは八条機関に基づく審議会でなければいかぬわけですね。というのは、これは原子力行政懇談会というのは、もう優秀な同じ人がずっとまとまって熱心にやったと書いてあるのですね。その書いていること自体が国家行政組織法に違反するんです、森さんね。要するに、少なくともこういうような国の将来を左右するような重要な問題については、やっぱり国家行政組織法に基づいてきちっとしてやっていただかないといけないというんです。立法府からすればやっぱり法律を守るというのが中心なんですから。そういうふうな法律をきちっと守らないでこの法律が出てくるなんていうことは、これはわれわれとしてはとても納得できる問題ではない。これはやっぱりきちっと処理をしていただかなければいけない。もう一回この法案は出し直してもらうと、こうなるわけですよ。あるいはまた前の政府の統一見解は、これは間違いでございましてというふうにするか、あるいはこの原子力行政懇談会というものをどういうふうにするかですね。やっぱりそこのところは政府が――まだ私は言ってないことがいっぱいあるんですよ。私の手元には、法制局長官の答弁もありますし、政府の見解もありますし、そういうふうなものを全部合わせて、また行政管理庁、先ほど審議官も答弁しましたけれども、行政管理局長の通達も全部あるわけです。そういうふうなものを全部、一つ一つというのはすべてその問題についての答弁であり、きちっとした要求がなされているわけです。これはやっぱりきちっとした考え方、なるほどそうかというふうなものでなければいけないと私は思うんですけれどもね。
○政府委員(森喜朗君) 懇談会はあくまでも自主的に運営をされておると聞いておりますし、また今日までそういうことで何度も会議をなさっておられると思います。政府の方から意見書を取りまとめを早くやってくれというようなそういうことはございませんが、誤解を受けるような形があったとするならば、これは改めなければならぬと考えております。原子力懇談会の先生方も非常に自主的に、しかも熱心に御意見を取りまとめたものだと私ども聞いておりますし、政府としても参考にされた面は担当者にあるだろうと思いますが、いま御審議をいただいている法律につきましては、あくまでも政府の責任におきまして政府で取りまとめたものでございますので、どうぞひとつそのように御理解をいただきたいと思います。
 なお、峯山先生の御指摘の点は十分私どももよく理解もできますし、よくわかります。その点につきましては、政府は今後こうした形のものを八条審議会等とごっちゃにならないように、あるいはまた誤解を受けないように十分政府として官房として注意を今後さしていきたいと、このように考えております。
○峯山昭範君 きょうは連合審査でございまして、私の持ち時間ももう来ましたからこれ以上私は言いませんけれども、これは後で科学技術振興対策特別委員会の方で、問題は指摘いたしておきますので、後で取り扱いを決めてほしいと私は思っております。
 いずれにしましても、いま森副長官がおっしゃいますように、原子力委員の皆さん方が非常に熱心にこの問題について議論をしたと、そういうふうにおっしゃればおっしゃるほどそのことが第八条に違反しておるわけです。要するに、法制局長官の答弁によりましてもわかりますように、意見を聞くという場合は、要するに、原子力の専門家を何回か、何か違う人を、たびたびいろんな人をいろんな角度から呼ぶと、これはこれでそれぞれ意見を聞くんだからいいわけです。それは八条に違反しないわけです。ところが、同じ人を委嘱して同じ人から熱心にずっと続けて意見を聞いて、そしてしかもこういうような意見をまとめるという、それが第八条に違反をしておるわけです。だから、そういうふうなことがあってはならないということがありますから、前もってこの問題が出てきたときに私は当時の官房長官に指摘をしたことがあるわけです。まさに、答弁をすればするほどこの問題はそういうことで深みに入っていく。それでは私としては――きょうは連合審査ですからもう持ち時間来ましたんでこれで終わりますけれども、この問題についてはとても私は納得できない状態にあります。政府は政府の責任でと言いましても、政府の責任でこの原子力行政懇談会をつくっているわけですから、しかもその片っ方でこういうふうな法律に反するようなこと、国家行政組織法という国家の基本にかかわる法律に違反をしているわけです。しかもそのでき上がった中身につきましては、安全委員会にしましても何にしましても、われわれとしては八条機関ではなくて三条機関にしろという主張をいたしているわけでありますから、また、問題はそういうような点から、ますます盤石の体制で原子力行政を進めていかなければならない。それこそ国家百年の大計に立ってきちっとした法律措置をし、そしてそれぞれのきちっとした、いわゆる学識経験者の意見を聞いて原子力行政をぴしっと進めていかないと、現実の問題として、「むつ」にしましても何にしましてもうまくいかないというのは、やっぱり拙速にはやっている点がある。その点がやっぱりきちっとしなければいけないということを指摘をいたしまして、とりあえず私の質問は、きょう連合審査でございますから、あと取り扱いにつきましては科学技術振興対策特別委員会の方で取り扱っていただくということを委員長にお願いをしまして、私の質問はこれで終わりたいと思います。
○委員長(藤原房雄君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤原房雄君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。
  これにて散会いたします。
   午後零時十二分散会