第085回国会 大蔵委員会 第2号
昭和五十三年十月十七日(火曜日)
   午前十時九分開会
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  出席者は左のとおり。
    委員長         坂野 重信君
    理 事
                戸塚 進也君
                藤田 正明君
                福間 知之君
                塩出 啓典君
                中村 利次君
    委 員
                岩動 道行君
                糸山英太郎君
                河本嘉久蔵君
                嶋崎  均君
                中西 一郎君
                藤井 裕久君
                細川 護熙君
                宮田  輝君
                穐山  篤君
                和田 静夫君
                鈴木 一弘君
                佐藤 昭夫君
                渡辺  武君
                市川 房枝君
                野末 陳平君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  村山 達雄君
   政府委員
       大蔵政務次官   井上 吉夫君
       大蔵大臣官房審
       議官       米里  恕君
       大蔵省主計局次
       長        加藤 隆司君
       大蔵省主計局次
       長        吉野 良彦君
       大蔵省主税局長  高橋  元君
       大蔵省関税局長  副島 有年君
       大蔵省理財局長  田中  敬君
       大蔵省銀行局長  徳田 博美君
       大蔵省国際金融
       局長       宮崎 知雄君
       国税庁次長    米山 武政君
       国税庁間税部長  矢島錦一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉本 金馬君
   説明員
       公正取引委員会
       事務局取引部取
       引課長      川井 克倭君
       警察庁刑事局捜
       査第二課長    宮脇 磊介君
       農林水産省食品
       流通局物価対策
       室長       入澤  肇君
       運輸省航空局監
       理部監督課長   早川  章君
       労働省労働基準
       局賃金福祉部長  寺園 成章君
   参考人
       住友銀行副頭取  岩澤 正二君
       日本銀行総裁   森永貞一郎君
       全国銀行協会連
       合会会長     松沢 卓二君
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  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○租税及び金融等に関する調査
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○委員長(坂野重信君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 理事の辞任の件についてお諮りいたします。
 細川君から文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存しますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者造り〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に戸塚進也君を指名いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 租税及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁森永貞一郎君、住友銀行副頭取岩澤正二君及び全国銀行協会連合会会長松沢卓二君に参考人として出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) 岩澤参考人には、御多忙中のところ本委員会に御出席いだだきましてまことにありがとうございます。
 それでは、これより租税及び金融等に関する調査について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○和田静夫君 昭和四十九年十月二十五日及び十一月二十七日の決算委員会におきまして、私は田中金脈問題について質問をいたしましたが、田中金脈問題の一つに、新潟県に本社を置く大光相互銀行の不良融資を指摘いたしました。そのときの銀行局長の答弁は、「いま先生御指摘のように、二番抵当のものが多いが一番抵当もあり、回収には自信があるという報告を受けております。」。
 そこで伺いますが、大光相互銀行はその後この不良融資をどのように処理したか、いかがですか。
○政府委員(徳田博美君) 先生御指摘の点は三協物産に関する件かと思われますが、御指摘のように、大光相互銀行が三協物産への融資に対しましては、銀座ソシアルビルに抵当権を設定いたしまして、五十年七月に競売が実行され、中央興発という会社が九億八千万円でこれを落札したわけでございます。このような過程で融資の回収が行われたと、このように聞いております。
○和田静夫君 その三協物産でありますが、大光相互銀行が多額の融資をしておりました。四十九年十月に倒産をした。そこで大光相互銀行としては債権の回収が問題であるわけでありますが、大光の融資はほとんどいまも言ったように二番以下の抵当権設定によるもので、政治献金との関係からする不良融資ではないかと過去に指摘をいたしました。その後、大光の回収方法を見ますと、ただいまの大蔵省の答弁にもかかわらず、不良融資であったことは否定すべくもありません。
 その一つについてちょっと質問いたしますが、いま言われたソシアル東京ビル、これは地下三階地上九階というものですが、三協物産が倒産時まで所有していた。これに第一順位平和相互銀行、第二順位から第四順位が大光相互銀行、合計十六億円という抵当権を設定しておった。この債権を回収いたしましたか。
○政府委員(徳田博美君) 大光相互銀行と中央興発との間には融資関係があったようでございますから、銀行の個別取引でございますので、その詳細について申し上げることはお許し願いたいと思います。
○和田静夫君 そこを問題にしたいところなんですが、きのう具体的に質問通告をしておいたように。
 いわゆるソシアル東京ビルは平和相互銀行が競売を申し立てた。五十年七月三日、最低競売価格が四億七百十五万円で投票方式による入札が行われた。豊島区雑司が谷に本社を置く中央興発、いま局長が言われた会社が九億八千方円で先ほど言りたように落札をした。この落札価格は最低競売価格の二倍以上に当たっている。たった一回の投票方式による入札としては異常に高いわけであります。しかし、さらに異常であるのは、落札した中央興発という会社でありますが、中央興発株式会社は昭和四十五年九月、資本金二百万円で設立された。役員は大光相互銀行元監査役田上義夫氏を代表取締役として、以下全員が大光相互銀行出身者で、言ってみれば大光相銀の子会社であります。ところが中央興発は、いま問題にしている入札の直前の五十年五月までは事務所さえ存在しない完全な休眠会社でありました。ペーパーカンパニーであります。不動産業の都知事免許も、落札した後半月してからようやく取得をしておる。この会社が、入札日に九千八百万円の保証金を積んで、四日後に残金八億八千二百万円を支払っておる。しかも、入手したソシアル東京ビルには、現在も中央興発を債務名義者とする抵当権は設定されていないのであります。このソシアル東原ビル入手のための中央興発への融資は、大光相互銀行が、いま局長言われましたように直接出資している。大蔵省はこの事実関係、昨日調査を求めたのでありますから、いつ幾ら出資したのか、その辺の明細をやっぱり明らかにしてもらいたいと思うんです、これは。
○政府委員(徳田博美君) ただいま申し上げましたのは、大光相互銀行と中央興発との間に融資関係があるということを申し上げたわけでございます。この中央興発は大光相互銀行の関連会社ではございませんので、大蔵省としては明細は把握していないわけでございます。
○和田静夫君 これは、私が指摘しましたように、大光相互銀行が直接出資をしていることは間違いありません。これは調査を求めます。よろしいですか。
○政府委員(徳田博美君) 出資関係の有無あるいは関連会社であるかどうかということについては調査をいたしたいと思います。
○和田静夫君 これは、三協物産の倒産に伴う債権の回収を図るために大光相互銀行が仕組んだ芝居であります。だれが見ても、中央興発という資本金二百万円のペーパーカンパニーに十億円近い資金力がないことは明らかであります。一例ですが、落札後の十月に大光相互銀行が保証して、ある銀行――これもわかっていますが、仮にA銀行としておきますが、五億円の融資をしております。大光相銀の代理貸しですが。これはA銀行の事情を知った上での不正融資であると私は考えていますが、大蔵省はこの辺の事実関係御存じですか。
○政府委員(徳田博美君) その点については、さらに調査をしてみたいと思います。
○和田静夫君 大光相互銀行はこのみずからの不良融資の処理を粉飾するために、ペーパーカンパニーを利用してみずからの債権を落札して買い取ったと見てよいと思う。これは背任行為に当たると思いますが、警察庁いかがですか。
○説明員(宮脇磊介君) 具体的な事実関係を承知しておりませんので直ちにお答えを申し上げるわけにはまいりませんけれども、一般的には、金融機関の役職員が自己もしくは第三者の利益を図りまたはその金融機関に損害を加える目的で不良担保を受け入れるなど、その任務に背いた取り扱いをして融資しその回収を不能にするなどにより当該金融機関に損害を与えた場合は、背任罪が成立することがございます。
○和田静夫君 一般論としての警察庁の見解のとおりだと思いますが、大蔵省、やっぱりこの一連の件については、先ほどから調査を約束されていますが、どうも経理上粉飾の疑いがあると私は思われます。したがって調査をして報告を求めます。よろしいですか。
○政府委員(徳田博美君) 金融機関の貸し出しの内容を把握するための調査を行いたいと思います。
○和田静夫君 きょうはちょっと抜本的に金融再編成の問題の基本的論議をしたいと思いますから前段は少し早口でしゃべりますが、本年七月六日の決算委員会において、私は新宿区に本社を置く貸金業者である株式会社アイチをめぐる問題についてお尋ねをいたしました。
 第一は、永代信用組合などの不正融資についてであります。第二は、株式会社アイチ及びこれへの出資者の脱税容疑であります。それから第三は、暴力団の資金源となっていないかという点であります。
 それぞれ、大蔵省、警察庁、その後の調査結果を報告してください。
○政府委員(徳田博美君) 先生が去る七月六日に御指摘されました点につきましては、当該信用組合の直接担当機関である関係都県を通じましてその是正方を指導しております。
○政府委員(米山武政君) お尋ねのアイチにつきましては、五十三年の九月から、五十一年二月期、五十二年二月期、五十三年二月期、この三期を対象に現在調査中でございます。
○説明員(宮脇磊介君) 暴力団の資金源という点につきましては、明確ではございません。
○和田静夫君 先般太陽神戸銀行で貸し金庫の中の物を行員が、お嬢さんが宝石の魅力に抗し切れずについ手を出して騒がれて家に帰ってお母さんに相談して自首する、そういう事件、まあそういうかわいらしい犯罪があったわけですが、実は数年前に住友銀行、あなたの銀行の支店長が自分のミスを隠すために貸し金庫の中の小切手帳に手をつけるという悪質な事件がありました。私はこれ黙って見過ごしていたのでありますが、一方で女子行員の事件が騒がれて他方銀行幹部の事件は不問に付されるのは不公平な気がいたしますので、ちょっとこの機会に触れますが、高木大蔵省事務次官当時の話でありますけれども、住友銀行横浜支店で支店長が取引者の貸し金庫の中の小切手帳に手をつけるという事件、これはございましたね。
○参考人(岩澤正二君) ただいまの御質問、横浜支店でございますか――いまよくわからない、よく記憶しておりません。
○和田静夫君 ちょうど副頭取がお見えになったから、私はこの質問をきょうすることにしたんですが、担当でしょう、あなたはね。したがって、住友銀行の大幹部が知らないはずはない。当時の堀田頭取初め幹部連が挙げてもみ消しに当たられました。大蔵省の大幹部ももみ消しに一役買っています。本当にあなた御存じないですか、これ。
○参考人(岩澤正二君) 横浜支店の何という人の事件でございますか。
○和田静夫君 貸し金庫の中にあった小切手帳に手をつけるという事件。
○参考人(岩澤正二君) 覚えておりませんので、取り調べて御報告さしていただきたいと思います。
○和田静夫君 私の方で少し詳細に申し上げますが、日本大学の用地買収資金十億円が住友銀行の支店に預けられて、そして地主に支払われた。その後、日大の用地買収が理事会で白紙に戻ってしまった。結果として空買いになった。後に住友銀行はこの土地を処理するなり、いろいろなことをされたんでしょうが、少なくともそのときは完全に空の買いの状態であった。十億円というお金の穴があいてしまった。当時、このつじつまを合わすために支店長が町田市の不動産屋さん、これはわかっていますが、日大の用地買収を手がけた方ですが、その方の小切手帳を使ってしまった。大蔵省、詳細にこの報告受けていますか。
○政府委員(徳田博美君) いま現在、手元には資料を持っておりませんので、ちょっとお答えいたしかねます。
○参考人(岩澤正二君) ただいま先生のお話で、横浜のその事件でしたら、事件のあったということは覚えております。ちょっとはっきりしませんものでしたから……。ただ、この金庫から通帳を出して使用したとか、そこまでの詳細のことは存じておりません。
○和田静夫君 事件があったことはお認めになりました。
 私は、この話は女子行員の事件と比較をしてみて、実は非常に悪質だからあえてお聞きをしたのであります。あるいはここで住友銀行と大蔵省との措置が誤りがなかったならば、この前の女子行員の事件は起こらなかったかもしれない。あなた方が、もう悪い癖でありますが、何でも内部で隠蔽をしてしまうということが一つの事件を生んだ、こういうふうに言って差し支えがないほどであると私は思います。日ごろ取り澄ました銀行幹部のこういうときのビヘービアは、かつて私がここで指摘をした富士銀行の事件の場合もそうでありましたが、莫大な現金をもってもみ消しに歩く。こういうお金は経理上どう操作されているのか、非常に疑問に思うぐらいでありますが、ともあれ調査を約束されたのでありますから、後ほどまたその調査結果に基づいて論議をやってみたいと、こういうふうに思います。
 そこで、この機会に週休二日制の問題にちょっと入っておきたいのであります。
 これ、一、二問でありますが、金融機関の週休二日制実施については、衆議院大蔵委員会週休二日制に関する小委員会決議、参議院大蔵委員会合意が本年の通常国会において行われております。衆参ほぼ同趣旨で三項目掲げられているわけでありますが、これを受けて大蔵省として具体的にどういう措置をされたか、あるいは検討をされているのか、お尋ねをいたします。
○政府委員(徳田博美君) 参議院の大蔵委員会の理事会での合意の委員長報告が昭和五十三年四月二十一日に行われたわけでございますが、これは先生御指摘のとおり三つの項目があるわけでございまして、
 一 金融機関の週休二日制を早期に実施するためには、中小企業、消費者等金融機関利用者の理解を得ること、及び郵便局、農協等関連する諸機関の週休二日制もあわせて実現されること等が必要であるので、政府は、このための努力を積極的に行うこと
 二 政府は、全銀協等に対し、金融機関利用者の理解を一層深めるため、PR活動を強化するとともに、週休二日制を円滑に実施するための具体的諸問題につき、対応策を早急に作成するよう指導すること
 三 金融制度調査会の銀行法改正についての審議に関して、公務員等他の分野における週休二日制の進展に応じ必要と認められる場合には、同調査会に対し、銀行法第十八条の改正について他の審議と切り離し、中間的に報告を求めること
 この三点でございます。
 この三点につきまして政府のとった措置でございますが、まず関係省庁への周知と協力依頼を行いまして、週休二日制関係省庁連絡会議第五部会を開催いたしまして、これはすでに衆議院におきましては小委員会での同様趣旨の決議が行われていたわけでございまして、この決議の趣旨を関係省庁に対して説明するとともに協力を求めたわけでございます。
 それから、金融機関に対しましては全国銀行連合会、相互銀行、信用金庫、信用組合のそれぞれの中央機関に対しましてこの趣旨を説明いたしますとともに、この趣旨を傘下の金融機関に周知させること、それからPR活動及び具体的対応策について検討することを指示したわけでございます。
 それから、五月二十八日付で労働省は労働事務次官通達を出しまして、これは労働時間対策の推進についてという表題でございますが、この中におきまして週休二日制の推進について指導を行っております。これに基づきまして労働省が中心になりまして広報活動を行っておりまして、テレビ、新聞等を媒体として活動を行ったわけでございます。
 それから、この第二に関連するわけでございますが、全銀協に対して、先ほど申し上げましたように、全銀協を含め各金融機関の中央団体に対していろいろ指示をしたわけでございますが、その結果全銀協のとった措置といたしましては、金融団体協議会の席上におきまして、週休二日制の促進につきまして今後一層の努力を続けていくことを表明したわけでございます。
 それから、この問題を検討するために週休二日制特別委員会を全銀協に設けまして、相銀協、全信協等もそれぞれこれに準じた委員会を設けて検討を行っているわけでございます。
 さらに、全銀協ではこの週休二日制等を主体といたしまして、国民的コンセンサスを得るためのPR活動を行うために特別に広報企画室を設置いたしまして、新聞等を通じ広報活動を行っているわけでございます。
 それから、三番目の金融制度調査会の関連でございますが、これはその委員長報告にもございますように、「公務員等他の分野における週休二日制の進展に応じ必要と認められる場合には、」というような御報告でございまして、この御報告に従って公務員あるいは郵便局、農協等の週休二日制あるいは中小企業への週休二日制等の進展する等がございますれば、必要に応じて中間的に報告を求めることを考えております。
○和田静夫君 いろいろ問題があることは私も知っておりますが、しかし、金融機関が土曜休日を実施しなければ業務支障があるということでこの土曜の休日に踏み切れないという企業も多いわけですね。労働省としては、この金融機関が土曜休日に踏み切った場合どういう影響がある、つまり、波及効果がどういう形で出るとお考えですか。
○説明員(寺園成章君) 労働省といたしましては、昨年中央労働基準審議会から公労使一致の御建議をちょうだいいたしまして、労働時間の短縮、週休二日制の推進を行政指導という形で進めておるわけでございますけれども、その中にありまして、金融機関の週休二日制が実施をされるということは他産業への波及というものが非常に大きいだろうというふうに思っております。そういう観点から金融機関におきます週休二日制、しかもそれは閉店方式による週休二日制というものが好ましいであろうというふうに考えておりますが、数量的にどのような波及効果があるかということはなかなか一概に申しかねるわけでございますけれども、現実問題としては波及効果は大きいだろうというふうに思っております。
○和田静夫君 したがって、現在のような不況のときの方が就業時間の短縮や休日の増大をやりやすいのではないか、これはまあ素人考えですが。で、労働省はどういう行政指導をしていらっしゃいますか。特にこの金融機関の週休二日制実施のチャンスであると私は思うんですがね。
○説明員(寺園成章君) 先ほども申し上げましたように、現在週休二日制につきまして行政指導をやっておるわけでございますけれども、不況下にありまして週休二日制を初めとした時間短縮を行うことはコストアップにつながるという批判もあることは事実でございます。ただ私どもといたしましては労働者の福祉、なかんずく高齢化社会への移行の準備という問題もございますし、また長期的に見た雇用水準の確保という観点もございますし、また国際協調という問題もございますので、この時期であってもなお着実に週休二日制、時間短縮というものを進めてまいりたいというふうに考えております。
 具体的な指導の形でございますけれども、やはり業界ぐるみ、下請を含めまして業界ぐるみでこの問題と取り組むということがこの問題を進めていく一つの方法であろうというふうに考えておりますので、中央段階におきましては産業別の労働時間会議、これは下請がすそ野が広く、かつ輸出産業であります電機でありますとか鉄鋼、自動車等について考えておりますが、そのような産業別労使会議を持つことによってコンセンサスを形成していくということでありますとか、パンフレット、リーフレットの配布、あるいは報道機関に御協力いただきましてテレビ、ラジオあるいは新聞等によります広報活動などをやっていくということでございます。
○和田静夫君 大臣、いま他産業が週休二日制が増大してきている結果、金融機関では来店の客数の増大と実働人員の減少で平日よりも土曜日の方が労働過重になっているよりであります。こういう傾向は強まると考えられるわけで、思い切って土曜休日に、いま労働省も言われるように踏み切らなければいよいよ実施しにくくなると思うんです。銀行ではすでに労使が合意しておりますし、条件は整いつつあるわけです。したがって、銀行法上の制度問題が残っているわけですから、これは銀行法の改正作業の中でもこの問題だけは先に取り上げるべきではないかというふうに考えるんですが、いかがですか。
○国務大臣(村山達雄君) いま和田さんがおっしゃった最初の問題でございますが、これは金融制度調査会の中でアンケート調査をやりました。金融機関の方もかなり前向きでやっているわけでございますが、やりましたところが、中小企業者、それからサラリーマン金融を受けている人たちは土曜日にやはり相談に行く機会が多いということで急にやめてもらっては困るというような意見がございまして、それに対しましては当委員会におきましてもほかの委員会においても、これはやはり一つはPRをして、だんだんそういうふうに、土曜日はほかの産業も休んでいることであるからできるだけ休むんだという習慣をつけていくようにPRすべきではないか、こういうことで、そのようにいま対処をし、現にいろいろ全銀協等がテレビその他でPRをし、機会を見てやっておるところでございます。
 一方、この問題はもう一つございまして、郵便局、農協との競合関係がございます。特に郵便局との関係になりますと、これは国家公務員でございまして、国家公務員の週休二日制という問題がいま関係省庁間で討議されておりますし、特に人事院からことし第二回目のいわば週休二日制の強力な推進をやってくれということでいま進めているところでございます。いずれにいたしましても、この問題がやはり一方において決まってまいりませんと、競合関係があるのでそこに一つ問題があると、こう考えております。
 それから他方におきまして、銀行法そのものの改正というのが、週休二日制の問題も含めましてそれ以外の全般的な検討が行われているわけでございまして、来年の恐らく春以降に最終答申が出るんじゃないかと思っております。そういたしますと、私たちといたしましては、長年の懸案でもございましたので、銀行法の改正を来年末の通常国会に出したいと思っております。そのとき問題になりますのは、公務員の週休二日制が決まらないままにこれを出すということになりますと、場合によりましたら、これはまあそのとき検討しなくちゃなりませんけれども、週休二日制はいつでもやり得るような形で法案を出すことも一つの方法かと思っておるわけでございます。具体的に申しますれば、たとえば日曜日その他政令で指定する日というような形でいつでもやり得る形で銀行法そのものはほかの改正と一緒に通してしまう、そしてその政令の指定日は公務員の週休二日制が実現し――それはいま盛んに推進しているわけでございますが、それができたときに指定してそして完全実施に移していくというようなことがスケジュールとしては考えられておるわけでございまして、大体そういった方向でいったらいかがなものであろうかと、こう思っておるわけでございます。
○福間知之君 関連。
 大臣、予算委員会で私時間がなかったので大蔵委員会に持ち越すという気持ちで話をはしょったんですが、ただいまのお話は、いままでのこの問題に関する大臣の御発言の中では一歩進んだお話だと思うんです。
 そこでお伺いしたいんですが、確かに公務員との関係というのが一つの大きな問題点であったわけですね。公務員はいまおっしゃったように第二次試行が行われて、その期限が来年三月末で切れるわけなんです。第三次試行は行わないというのが一応前提でありますので、そうすると本格的に公務員も週休二日に入っていくというふうに考えられるんですが、まあ多少の猶予期間その他準備期間も要るでしょうからそれはまあともかくとしまして、ただいまのお話であると、一応そういう方向に向かっているという前提で、大蔵省当局としては金融機関に関する限りは先ほど申されたような、日にちを決めないまでも政令で指定する日などでもって来年末には一応決断をすると。私はかねがねもうこれは決断だということを前回の通常国会の当委員会でも申し上げていたんですけれども、決断をするというふうに受け取ってよろしいですか、いかがですか。
○国務大臣(村山達雄君) 銀行法に関する限りは、全面的の改正をし、そうして週休二日制の問題も公務員の関係が決まってまいりましたら同時に施行し得るような、法制的にそのような法制にしておく、つまり言いかえますならば銀行法の改正は週休二日制を含んで法制的には完結しておくと、こういう方向がどうであろうかというのでいま部内で検討しているところでございます。
○福間知之君 ぜひそれは、私は少なくともいま大臣がおっしゃられたような措置は、来年末と言わず、昨年の十二月十三日に金融制度調査会がこの種の問題について一定の決断をしているわけですね。だから来年の年末といいますとこれ二年たつわけですよ。私はまあ今年内ぐらいにはぜひこれはしていただきたい、こういうふうにかねがね要望してきたわけであります。
 金融制度調査会の方は、その後、これは銀行局長にお伺いしますが、週休二日制問題について金融制度の審議とは切り離して別に検討する必要もあるんだと、そのための特別委員会をつくるということが望ましいということで前総会でも確認をされているんですけれども、特別委員会つくられましたですか。これは局長にお伺いしたい。
○政府委員(徳田博美君) 前回の委員長報告におきましては、先ほども申し上げましたが、金融制度調査会の銀行法改正についての審議に関し、公務員と他の分野における週休二日制の進展に応じ、必要と認められる場合には同調査会に対し銀行法第十八条の改正について他の審議と切り離し中間的に報告を求めると、こういうことになっているわけでございまして、この方向に従っていまいろいろ検討をしているわけでございます。ただ、別途の委員会を設けるということにつきましては、金融制度調査会ではございません、全国銀行協会にそのような特別委員会が設けられたわけでございます。
○和田静夫君 大臣のいわゆる銀行法改正の措置の中で含まれる週休二日制問題のやり方については期待をしています。福間理事も言いましたように、その速度を速めることを私たちとしては要望しておきます。
 そこで、お待たせしました。岩澤さんに若干質問をいたしますが、住友銀行は関西相互銀行との合併はこれははっきり断念されたわけですね。
○参考人(岩澤正二君) はい、今回の合併問題ははっきり断念いたしました。
○和田静夫君 この住友銀行と関西相銀の合併問題、いろいろ取りざたされておるのでありますが、もともとこの問題はどういうところから発生をして、どういう経過を経て今日に至ったのですか。その過程を通じて住友銀行首脳部としてはどういう感想なり反省をまず持っておられるか、簡単にちょっとお聞かせください。
○参考人(岩澤正二君) 住友銀行と関西相互銀行との今度の合併問題につきまして、住友銀行がどう考え、どういう経過を経て今日に至ったかということを簡単に御説明申し上げます。
 関西相互銀行の社長である河田社長から当行に対してこういう話があったわけです。関西相互銀行を取り巻く経営環境はきわめて厳しくなってきておる、またそれが長期にわたって継続する見通しにあること。それから、関西相互銀行の経営者として株主、従業員さらには取引先の皆さんの将来にわたっての安定と繁栄を図るためには現時点で合併することが最善の道である。三番目、合併相手としては過去三十数年にわたって資本的にも人的にもまた業務面、事務面、経営全般にわたって親密な協調関係にある住友銀行が最適であるということ。四番目に、住友銀行であれば取引先や従業員の合併に伴う不安を責任を持って解消できるであろうと、こういったようなことを考えまして当行との合併を決意されたわけです。そして、私どもの方へ話がありましたので、その意見を十分尊重して前向きに検討しようということから、その合併の話が起きたわけでございます。
 ところが、この合併構想が途中におきまして表に出てしまいましで、それで内部の非常な反対運動が起き上がりました。これは従業員組合のみならず管理者層を含めた反対運動になり、それからやがては取引先のお客さんを巻き込んでの反対運動が非常にエスカレートしましたものですから、社会的にも非常な御迷惑をおかけするようなことになり、これ以上この騒ぎを大きくしたのでは、公共的な機関である銀行としてはここらで収束させなければ大変なことになるということでこの合併を見送ることにしたと、こういう経緯でございます。
○和田静夫君 いわゆるこの関西相互銀行の株主構成とかあるいは役員構成とかの面で、住友銀行にとってこれほどよい条件はないという状態にありながら、従業員の反対とかあるいは取引先の反対とかあるいは中小金融機関の反対だとか、そういうことによってこの合併が流れてしまったことについて、それは私を含めて大方の関心が集まっているわけでありますが、そもそもこの合併の真のねらいは何だったのだろうか、いま言われたことだけだろうか。磯田頭取初め住友銀行の首脳は関西相銀の救済ということを公式発表では言ってこられましたが、関西相銀というのは本当に救済されなければならない状態にあるんですか、銀行局長。
○政府委員(徳田博美君) 関西相互銀行の問題につきましては、個別の問題でございますので詳細に申し上げることは差し控えたいと思いますが、いま先生御指摘のように直ちに救済を要すると、そのような経営状態ではないと、このように考えております。
○和田静夫君 時間の関係もありますから少ししゃべりますが、関西相銀が救済されなければならない事情として挙げられた、世間的に公になっていることの中に、低成長経済の常態化とかあるいは銀行間競争の激化とか、ということは、これは言ってみれば経営環境の問題で、これはどの中小金融機関にも共通することであります。きょう特に私は後段でこのことを取り上げたいのでありますが、こういうことを合併の理由にするのであれば、どの中小金融機関も合併しなければならないことになる。だからこそ、この合併理由は相互銀行協会なりあるいは信用金庫協会なりの反発を招いたんだと私は思う。今回の合併の本当のねらいは、関西相銀側の問題というよりはどうもむしろ住友銀行側であったと見るべきではないだろうか。関西相銀の一店舗当たりの預金量は約六十億円、店舗数四十八だそうでありますが、これを住友の力でもってすれば三、四年で百億円ぐらいにはできるだろうと見られておる。合併効果による預金量は見かけよりははるかに大きい。これによってあなた方は、安宅産業での損失の穴埋めは十分できると住銀側は判断したのではないだろうか。これをもくろんで住友側がしかけた合併劇であったという見方も、これは評論その他を読んでおれば専門家の目からたくさん出ておるわけでありますが、事実はそういうことではなかったかと思うんですが、ここのところは、端的に言って、もう一言でいいんですが、どうですか、参考人。
○参考人(岩澤正二君) ただいま先生から御指摘の点については、そういうことがいろいろな論評とかにも出ておることも知っております。しかし、今回の合併につきましては、これはあくまでも関西相互銀行の経営判断に基いて合併の要請があったことでございまして、安宅産業の穴埋めのための合併ではなかったことははっきりいたしております。
○和田静夫君 いろいろのものを読みましたが、磯田頭取初め住友銀行の首脳は、関西相銀の経営が危機的な状況にあるといろいろなところで繰り返し述べられています。あなた自身もこういう中の談話でも述べられています。これは御存じのとおりであります。そして、この過程で関西相銀のお得意先が相当他の銀行に流れたようであります。住友銀行は関西相銀が危機だ危機だといってその危機を深めてしまったのであります。銀行の公共性、社会性ということを言う以上、私は住友銀行の首脳はこの責任をとるべきであろうと思うんです。どういう形でこの責任をおとりになろうとお考えになっていますか。
○参考人(岩澤正二君) いま先生御指摘のような記事が雑誌に出ておりまして、私どもの話した真意が正しく伝わっていなかったことを非常に残念に思っておりますが、その記事の中にあります河田社長の決断の裏には、五年後、十年後のことだけではなく、現状の判断もあったのではなかったかというような言葉がございます。私ども申し上げているのは、関西相互銀行がいますぐにでもどうかなってしまうといった意味のことを申し上げておったのではなくて、現在の関西相互の経営が必ずしもすべての面でうまくい、ているわけではないということが河田社長の認識の裏にはあったのではないだろうか、そう感じたのでああいう発言をしているわけであります。
 現在の銀行を取り巻く環境というのは、これは関西相互銀行のみならず、われわれの銀行でもそうですけれども、私どもの銀行を含めて、これはいろいろ程度の差はありますけれども、決して手放しで楽観できると考えるべきではないと思うわけです。それでこの点につきましては、たとえば関西相互銀行の従業員組合の委員長でも再編成の必要は否定しないということを社長と話しておりますが、このことは関西相互銀行の労使の共通した認識と言えるのではないかとも思いますし、そういう趣旨で申し上げていることが正しく伝えられていなくて非常に残念だと思っておるわけでございます。
○和田静夫君 責任はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○参考人(岩澤正二君) そうでございますから、こういう発言について私どもが責任をとらなければならないということではないと考えております。
○和田静夫君 私は、従業員組合の皆さんの態度はもうわかっているつもりです。問題は、もっと重要なのは、関西相銀の実務について一番よく知っている、組合員じゃない、労働組合員じゃない、非組合員のクラスが一番反対をしたということなんです、ここはね。話をこうひん曲げちゃ困るんで、労働組合の立場といのは非常に微妙でありますから、いろいろのことを将来にわたって考えますから、必ずしも金融そのもの、あるいは今日の状態そのものだけの判断じゃありません。長い将来の自分の家計までを含んだことをいろいろ構想をしながら考えるわけであります。問題は実務を一番知っている、実情を一番知っている諸君が猛烈に反対をしたというここのところが非常にこの問題では重要なんですが、時間がありません。そこは余りしぼりません。
 この合併の失敗は徳田銀行行政の失敗だという向きがあるんですが、銀行局長、端的にどうですか。
○政府委員(徳田博美君) この合併の問題と、現在行われている銀行行政と申しますのは、恐らく新しい金融効率化行政のことではないかと思われますが、そのこととは直接の関連はないのではないかと考えております。
 私たちがいま考えておりますのは、経済全体が高度成長から安定成長への移行の過程において、当然金融は実体経済の反映でございますから、金融構造も大きく変化しているわけでございます。特に金融機関の資金運用面において、かつて七割を占めた企業部門が四割程度に下がっておりますし、逆に公共部門が四割程度に上がり、また個人部門も二割程度に上がっているわけでございまして、このことが金融機関の経理構造に大きく反映し、金融環境を厳しくしているわけでございます。これと同時に、いわゆるオイルショックを契機として金融機関に対する社会的批判が非常に高まってきたわけでございますが、これからの金融機関は、経済社会が金融機関に期待している機能を十分に果たしているかどうかについて国民の信任を得ることが必要ではないかと考えられます。
 したがいまして、これからの金融機関は、金融機関自体の立場からのいわば効率性と経済社会全体の立場からの効率性、公共性と、この二つを同時に実現していくことが必要でございまして、二重の厳しさに直面しているわけでございます。こういうものに対しまして、今後金融機関としてはいままでより厳しい経営努力が必要であるということを申しているわけでございまして、これは一般の企業が安定成長への軟着陸のために非常な企業努力をしているのに金融機関だけが例外ではないわけでございます。
 その場合に、この新しい意味での効率性の実現には、行政が手とり足とりするのではなくて、適正な競争原理を導入して、金融機関の自主的な努力によってこれを実現しようということが大切ではないかと考えております。このためには、大蔵省としても従来の過保護と言われるような体制あるいは護送船団と言われるような行政をいつまでも続けることは国民経済的に許されないわけでございますから、各金融機関に厳しい経営努力を求めてまいるわけでございまして、その間に当然経営効率の格差が生じてくるわけでございます。その場合に、もちろん経営効率の劣った金融機関に合わせて行政をすることは護送船団行政になってしまいますので、そのような金融機関にはいま以上に大いに経営努力をしてもらいたい。その場合に、経営基盤その他の点で問題のある金融機関については、提携であるとか合併であるとか、幅広い対応をする必要があるのじゃないか。長期的に見て戦略的に見てそのようなことをする必要があると、こういうことをいわば警告しているわけでございまして、先ほどの岩澤副頭取の御発言にもございましたように、この関西相互の場合にも、労働者側自体もそういう方向の必然性ということについては認めているわけでございまして、その全体の姿と今度の問題とは必ずしも関連がないのではないかと、このように考えております。
 特に、関西相互と住友銀行の場合には、先ほどの岩澤副頭取の御説明にもありましたように、資本関係その他で非常に密接な関係にあったものでございまして、そのようないろいろ特殊事情もございますので、必ずしも一般的な事例にはならないのではないかと、このように考えております。
○和田静夫君 一般論については私も反対しないんですよ。もちろん金融効率化行政の中にこの銀行間の合併という問題が当然出てくるであろうし、大蔵省が一般的にそれを推進することは必ずしも間違いであるなんと思ってませんよ。しかし、個々の合併には当然ながら当事者たる、いまもあなたが強調されたように、当事者たる金融機関の私企業としての論理が働いているわけでありますから、大蔵省は個々の合併にまではタッチすべきではない、これは大蔵大臣、そうですね。
○政府委員(徳田博美君) 御指摘のとおりでございます。
○和田静夫君 そうですね。私が問題にしようとしたのは、あなたはたくさんのことを述べられましたが、きょう問題にしようというのは実はそこなんですよ。
 住友銀行にちょっとお尋ねしますがね、私は関西へ行ってきました、予算委員会の調査団として。そして、大蔵関係の地元の皆さんともお会いをする機会があったから、一つの質問だけをちゃんとやってきました。答弁ももらってきました。それに基づいてきょう私は発言をしてますからね。
 関西相銀との合併の件で、住友銀行は大蔵省に対してどういう相談をされましたか、簡単に。
○参考人(岩澤正二君) 大蔵省に対しましては、関西相互銀行から私の方に打診を含めて話がありましたのは大分さきでございましたが、大蔵省に関西相互からのそういう申し入れがあったとか、その後の経過などを六月ごろになってから非公式に報告いたしてまいっております。
○和田静夫君 関西相銀の取引先の中小企業を中心に「関西相互銀行と住友銀行の合併に反対し、関西相互銀行を守る会」、そういう市民団体が結成をされた。その会長である青木一三さんに磯田頭取がお会いになろうとしましたね。
○参考人(岩澤正二君) 青木さんに頭取が会おうと思ったということですね。
○和田静夫君 そうです。
○参考人(岩澤正二君) そのとおりでございます。
○和田静夫君 住友銀行はこの会見のあっせんを大蔵省にお頼みになった。
 で、大蔵大臣、先ほどもはっきり言われているんですが、このあっせんを大蔵省の近畿財務局長がやられた。九月二日近畿財務局長の水野繁さんは、関西相銀を守る会会長青木氏に対して、副頭取でいいと言ったのに頭取みずからが会いたいと言っている、せっかく頭取がそう言っているのだから会ってやってくれないかと言っているわけですね。それどころではない、そのときに水野近畿財務局長は、住友が手を引いたら関西相銀はやっていけないのではないか、住友もあなた方取引先を惜しがっている、信じてやってくれないかとも言っているんですね。住友銀行による反対運動のリーダーへの懐柔工作に大蔵省が一役買った。これは先ほどタッチすべきではないと明確に局長が答弁されたこととずいぶん違っていませんか、大蔵大臣。
○政府委員(徳田博美君) いま御指摘の点につきましては、関西相互を守る会の青木会長その他の人が財務局長に会いたいということで面会を求めてこられたわけでございまして、そこでいろいろな事情聴取あるいは陳情等が行われたわけでございます。その過程においていろいろな発言あるいは会話のやりとりがあったわけでございまして、財務局長として介入の意図で特に発言したということはございません。
○和田静夫君 この間は銀行局長、近畿財務局長というのは、何といいますか、相談し合っている、あるいはあなたが近畿財務局長に指示をする、そういう関係でこの一連は動いていましたか。
○政府委員(徳田博美君) この関西相互問題は個別問題でございますので、銀行局としては、先ほど申しましたように直接これにはタッチしておりませんで、現地の財務局が、それも陳情その他で面会の要求があったという形でこれは話し合いが行われているわけでございます。そのような話し合いがあったことにつきましては、事後的にこちらは報告を受けております。
○和田静夫君 近畿財務局長は、先ほど言ったように、住友銀行が手を引いたら関西相銀はやっていけないとまで言っているんですね。ここまで言った以上は、この合併失敗の行政責任を大蔵省はとるべきでしょう。住友が手を引いたら関西相銀はやっていけなくなるという認識、そのことが表に出ることによって顧客が減っていくという状態、こういう形のことがあった以上においては、当然これは大蔵当局としては責任をとられるのがあたりまえじゃありませんか。
 私は、どんなに答弁されても、住友が手を引いたら関西相銀はやっていけなくなるという認識で臨まれた以上、大蔵省はみずからの意思でこの合併に取り組んだ、そうすれば、出てきた結果についても行政責任を負うべきである、この私の論理は大蔵大臣間違っていないでしょう。
○政府委員(徳田博美君) ただいま先生が御指摘されたような発言を財務局長が行ったかどうかについてはこちらでは確認しておりません。その辺は調査してみたいと思います。
○和田静夫君 調査結果についてまた後ほど承りましょう。
 そこで、近畿財務局長は私に、近畿では他にもたくさん合併の話が出ている、こういうことを――私だけじゃありません、同僚議員がいる前で御返事になったんですがね、それはどことどことどこ、幾つぐらいあるんですか、いま。
○政府委員(徳田博美君) これは個別の問題でございますし、また企業秘密にもかかわることでございますので、お答えをお許し願いたいと思います。
○和田静夫君 平場で困難なら、後ほど私はあなたと二人で一遍聞かせてもらいましょう。これはもう明確に言われたことでありますから、私の方は予算委員会として調査に行ったときのことでありますから、それをずっと追っていくのが当然の私の義務であります。
 私は、今回の住友と関西相互銀行の合併を見ていて思うのでありますが、個々のこうした合併に相銀協が物を言ったり、あるいは全信協の会長が物を言ったりということは、これはいまだかつてなかったことだと思うんです。こういう現象はやはり中小金融機関の危機感のあらわれだと思う。徳田銀行局長はエコノミストの「銀行戦国時代」という総特集、この百六十六ページでたくさんのことを言っていらっしゃいますね。「バンク・オブ・アメリカは、サンフランシスコの大火後、文字通り机一つの状態から立ち上がって今では世界一の銀行になっているが、これは、ジァニーニという初代の頭取が、カリフォルニア州の地域経済と一緒に歩み、地元住民の生活を中心に考えていくという基本的な経営方針のもとでコツコツと努力をしたからこそ、いまのような大銀行に発展出来た。この精神は、日本のすべての地域金融機関が基本にもってもらう必要があると思います。いま、大銀行の中小企業に対する進出が問題になっているが、相互銀行にしても信用金庫にしても、店舗配置や行員構成からみて、大銀行のなしえないいろんな長所をもっています。」
 そこで私は、銀行局長に申し上げたいのでありますが、この中小企業金融という機能分担の問題、それから地域金融としての特化の問題だと思うのでありますが、この問題は言うほどに簡単なことではないでしょう。特にわが国においてこの地域金融が成立し得るかということは、これは学問的な一つのテーマでさえありますね。それはわが国に地方自治があるのかないのかといった政治風土にかかわった大問題が絡んでいると私は思うんです。
 政治的に行政的に、そして人々の意識の上ですべてが中央集権的に流れがちなこの国において、あなたが言われるように、中小金融機関の経営者の心構えの問題だけでこの問題は足りるのかどうかという点、私は本当に大蔵省がこの中小企業金融なりあるいは地域金融なりを育てたいとお考えになるのならば、格別の保護政策がある意味で必要なのではないかと実は考えてます。単なる保護政策ではない、何といいますか、非常に腹のすわったとでもいいましょうか、ねばり強いそういう行政が必要であると思うんですが、銀行局長は同じ雑誌の対談の別のところで、「各専門金融機関がお互いに垣根を高くして手をしばり合い、足をしばり合っての競争であっては困る。ある程度は垣根を低くして、お互いの創意工夫を認め合って、お互いのよさを発揮しながら有効な適正競争をする。」と、こういう必要を述べておられるわけです。一般論としてはともあれ、現状を前提とする限りで競争を通じての効率化ということは、都銀の力による中小金融機関の淘汰という結果にしかならないのではないだろうか。中小金融機関の経営者はそのことを本能的に感じているからこそあなたに反発しているわけです。中小金融機関の、銀行局長、大変な紳士であるあなたに対する反発はこれはもう大変なものなんですよ。それはもう聞くにたえないような反発ですよ。あなたは超然としていらっしゃればそれで済むかもしれませんがね。私は特に信用金庫については、地域金融というかきねをがっちり固めておいて、その中でその特質を発揮する方向に誘導する政策をとるべきだという、そういう観点から考えてみまして、その地域共同組織的な性格を強調し続けてまいりました。最近も「財政危機」というような形で私は一冊世に問いましたが、そういう立場に立った物の問い方というのをしているわけです。私は銀行局長に一遍、貧弱ですが、お読み願って批判をもらったら非常に幸いだと思っているぐらいですが、こういう点に対する徳田銀行局長の論理的な見解をひとつ伺いたいんです。
○政府委員(徳田博美君) 中小企業金融機関の経営環境が非常に厳しくなっているということは御指摘のとおりでございます。ただ、その点で金融機関行政を行う場合において問題なのは、中小企業あるいは国民一般大衆にとってどのような金融機関のあり方が一番望ましいかという観点が一番大事ではないかというふうに考えられるわけでございます。
 御指摘のとおり、現在一般の銀行が中小企業にかなり進出しております。現在でも中小企業金融全体を一〇〇といたしますと、そのうち五七%は普通銀行が行っているわけでございまして、半分以上は普通銀行が中小企業金融の分野を占めてしまっておるわけでございます。その一般の普通の銀行が低利の良質の金を中小企業に供給し得るということであれば、しかもそれが金融の繁閑にかかわらず安定的に供給するということであれば、これは中小企業にとっては非常に結構なことと言わざるを得ないわけでございまして、中小企業の立場から言えばこれをとめるわけにはまいらないわけでございます。
 その場合に、中小金融機関がどうなるかということが非常に問題になるわけでございますが、この点につきましては、先ほど先生が御指摘になりましたように、中小金融機関は一般の銀行の持ってないよさ、特に店舗面であるとか人員配置の面であるとか、あるいは同じ職員が、普通ならば大銀行ですと支店長は二年かそこらでかわってしまうのが三年も四年もいるとかということで、大銀行の持ち得ないよさを持っているわけでございます。また金融と申しますのは、単に金利だけではございませんで、やはり必要なときにすぐに借してくれるとか、あるいは心の通い合った経営指導をしてくれるとか、そのような純粋な表面的にあらわれたもの以外に大きな要素があるわけでございますので、これからの中小金融機関はそういうものを追求していく必要があるのではないか、それが中小金融機関の専門性をより深めることになるし、中小企業にとっては、いままで以上により良質の金融サービスを受けることになるわけでございますので、そういう意味で、まあいままでよりもはるかに厳しい経営努力が中小金融機関は必要になりますけれども、それを行えば地元の企業なり中小企業から十分に評価され、健全な経営を続けていくことができるわけですし、また、そのことが中小企業にとっても非常にプラスになることではないかと、このように考えておるわけでございます。
○和田静夫君 岩澤さん、いま同じような問題認識についてですが、特に銀行局長述べられましたように、中小金融機関が持っておる、そういう大銀行が持っておるものよりもよい地域性、専門性、そういうものについてはあなた方も当然お認めになっているわけでしょうね。
○参考人(岩澤正二君) 先生御指摘のとおりでございます。われわれ大きな銀行の場合は、何といいますか、組織で動いているものですから、お客さんとの本当に密着した血の通いのようなものがどうしても欠けがちです。中小金融機関の場合は、その点ではわれわれの銀行よりもはるかにまさる一つの機能を持っておると、こういうふうな認識は持っております。
○和田静夫君 以上の私の問題意識に立って、以下具体的に少し質問いたしますが、金融制度調査会の審議状況はどうなっていますか。
○政府委員(徳田博美君) 金融制度調査会につきましては、銀行法の改正を目途といたしまして五十年から審議を行っているわけでございまして、そのために七つのテーマを取り上げて審議してまいったわけでございますが、現在はその七番目の銀行に対する監督の問題について審議をいただいているところでございまして、本年中にこの項目につきましての審議を終えまして、来年に入りましてから全体をさらに総合的に審議をし、先ほど大臣から申し上げましたように、まあ来春過ぎにでも答申をいただける運びになるのではないかと、このように考えております。
○和田静夫君 そして、先ほど大臣が言われましたように、来年の通常国会には改正案をお出しになると、こういうことでよろしいわけですか。
○政府委員(徳田博美君) 来年の前半に答申をいただけました場合には、それを踏まえまして銀行法の改正作業に入りまして、来年の末に召集されると予想されます通常国会に提出の運びになることが考えられると思います。
○和田静夫君 そういう中で、相互銀行法なり信用金庫法なりの取り扱いというのはどういうふうになりますか。
○政府委員(徳田博美君) 相互銀行並びに信用金庫の中小金融機関につきましては、現在でも銀行法について金融制度調査会で御審議いただく過程において、銀行法の審議に必要な限りにおいていろいろな検討が行われていたわけでございますが、特に相互銀行につきましては、先般の金融制度調査会の総会におきまして委員からの御意見がございまして、来年の前半に普通銀行に関する審議を終えて答申が行われたその後にでも、場合によっては相互銀行について数カ月程度、今後のあり方等を含めまして審議を行い、必要があれば法律改正についてもこれを答申するというようなことも考えられるのではないかと思っております。
○和田静夫君 いま現在はまだその必要性を認めてはいないわけですか、お考えになってないわけですか。
○政府委員(徳田博美君) 先ほどから先生御指摘のとおり、中小金融機関、特に相互銀行のあり方については、現在いろいろな角度から問題になっているわけでございまして、現在事務当局といたしましても検討を進めているところでございます。そういうことを踏まえまして、先ほど申し上げました金融制度調査会の総会で質疑があり、それに対しまして先ほど申し上げたような形を含めた応答があったわけでございます。
○和田静夫君 さきのこの金融制度調査会は、CD、いわゆる譲渡可能定期預金証書の導入問題の扱いをめぐってかなり荒れたというふうに伝えられますが、どういう議論がありましたか。
○政府委員(徳田博美君) 先般の金融制度調査会総会におきましては、銀行の業務のあり方についての小委員会の報告の取りまとめについて報告があったわけでございまして、それをめぐりまして、特にCDの問題について議論があったわけでございます。
 結局その席上におきまして、CDにつきましては抽象的な議論はもうこれで全部尽きているので、今後具体的な案についてもっと詰める必要があるのではないか。特に、たとえば懇談会のようなものを設けてそこでいろいろ検討してもらうことが必要ではないか、このような議論が出ましたわけでございまして、それを受けまして小委員会にCDの具体案を検討するための懇談会を設けることになりました。この懇談会は十月十一日に発足いたしまして、これから具体案についていろいろ御検討願うことになっております。
○和田静夫君 そこで、私は金融問題研究会の報告書を持っているんですが、この報告書の提出先は銀行局長ということにいまなっていますね。銀行局長に対して、どなたがどういう必要性に基づいてどういう資格で、金融制度調査会とは別にこういう研究会をつぐってこういう諮問をしなければならないと考え、発議をしたんですか。
○政府委員(徳田博美君) 金融制度調査会のほかに金融問題研究会があるわけでございますが、金融制度調査会は法律に基づいて大蔵大臣の諮問機関として金融制度に関する重要事項を調査審議するために設置されているわけでございまして、先ほど申し上げましたように、大蔵大臣の諮問を受けて五十年五月以降、銀行を中心とした金融制度の見直しについて審議を進めているわけでございまして、近く銀行法改正のための答申をいただくことを期待しているわけでございます。
 これに対しまして金融問題研究会は、わが国金融機関のあり方を中心に銀行行政に係る問題について、学者の方を中心としたメンバー構成によりまして、自由な立場から意見交換を行う場として機能しているわけでございまして、ここで出された意見を今後の銀行行政の参考にしていきたいと、このように考えておるわけでございます。
○和田静夫君 いや、そこで、そもそもどなたがこの研究会をつくろうと言い出されたんですか。
○政府委員(徳田博美君) この研究会は、銀行局におきまして、今後銀行行政の参考として重要な御意見を有識者の方からいただきたいということで検討したものでございます。
○和田静夫君 その費用というのはどなたが負担したんですか。
○政府委員(徳田博美君) これは予算措置に基づく懇談会でございます。
○和田静夫君 この報告書を取りまとめるに当たって、東大の館龍一郎教授を初め当初いた何人かの委員が委員を辞任されましたね、これは何かいきさつがありましたか。
○政府委員(徳田博美君) 委員を辞任されたという事実はございません。
○和田静夫君 いまでも委員ですか。
○政府委員(徳田博美君) 館先生は当初から委員には入っておられません。
○和田静夫君 誘いもされませんでしたか。
○政府委員(徳田博美君) 館先生にお願いすることは全然ございませんでした。
○和田静夫君 来るべき銀行法の改正は、日本の金融制度の将来に決定的に重要な意味を持つものであります。
 そこで、私はこの金融制度調査会の答申の取りまとめ方に重大な関心を寄せるものでありますが、当然にその答申は金融制度調査会の審議を十二分に踏まえるべきものであるというふうに考えますが、大蔵大臣これいかがです。
○国務大臣(村山達雄君) 金融制度調査会は、各界の人が入って五年の長き歳月にわたっておるわけでございますし、広範な分野から検討しておるのでございますので、その取りまとめに当たりましても、それが実りあるものになることを期待しておるわけでございます。
○和田静夫君 この銀行法の改正には本委員会も主体的に審議にかかわらなきゃならぬと思います。当然予定されている。
 そこで、その準備としてお願いをしておきたいのでございますが、金融制度調査会の審議録、詳細なものをおつくりいただいて、われわれ大蔵委員には配付してくれますか。
○政府委員(徳田博美君) 調査会のいままでの審議の概要につきまして、内容をサマライズしたものを作成して御説明に上がりたいと思います。
○和田静夫君 CD問題ですが、大蔵省はどう処理されるおつもりですか、これは。
 金融制度調査会におけるCD懇談会の発足をもって、都銀筋ではCD導入の単なる手続といっているようですね。CD発行は既定事実と見ているようですが、本当にそうなんですか。
○政府委員(徳田博美君) CDにつきましては、金融制度調査会の小委員会におきまして取りまとめが行われたわけでございまして、企業の余裕資金の現状であるとか、あるいは短期金融市場の育成であるとか、金利の自由化であるとか、あるいは金融機関の効率的な資金調達手段であるとか、そういう面からこれの導入については前向きな御意見が多かったわけでございますけれども、これに対しまして先ほど申し上げましたように、具体案についてもっと慎重に検討すべきではないかと、こういう総会での御指摘がございましてCD懇談会が設置されたわけでございます。今後は、さらに各方面の意見を慎重に取り上げながらこのCD懇談会において具体案を固めてまいりたいと、このように考えておるわけでございます。
○和田静夫君 そうすると、いま都銀筋などで言われているようなCD導入の単なる手続ということではないと、いまの御発言はそういうふうに受けとめておいていいわけですか。
○政府委員(徳田博美君) CD発行のための手続ということではございませんで、このCD懇談会で具体案についてさらに御検討いただき、それをさらに金融制度調査会の小委員会に御報告すると、こういうようなことになっております。
○和田静夫君 大蔵大臣は、このCDについてはどういうふうにお考えになっているんですか。
○国務大臣(村山達雄君) まあ現下の金融情勢から見まして一つの大きな問題点であろうと思いまして、これはやはり専門家の間で具体的にその利害得失、そういうものを十分研究してもらいたいと思っておるところでございます。
○和田静夫君 いえ大臣の、いわゆるまあ大臣も専門家でありますからね、大臣の個人的な御見解というのはどういうふうにお持ちになっているんですか。
○国務大臣(村山達雄君) まあ私が、いませっかく専門家がやっておりますので、大蔵大臣がどう思っているかということは言わない方がいいだろうと思います。
○和田静夫君 いや、ぜひ述べておいてもらった方が討論の参考になるんだと思うんですがね。
 このCDに対する中小金融機関の反発が非常に強いようでありますが、CDが都銀上位行への資金の偏在を助長する、中小金融機関、ひいては中小企業を圧迫するものであるとするならば、さきに私がるる述べてきた観点から、この発行はやはり問題だと実は思います。
 で、大蔵省は、CD発行の金融市場への影響ですね、特に中小金融機関への影響についてはどういうふうに判断されますか。
○政府委員(徳田博美君) CDにつきましては、先ほど申し上げたとおりCDの懇談会で具体案が検討されるわけでございますが、その場合には当然各方面の意見を十二分に組み入れて具体案がつくられるわけでございまして、当然中小金融機関の意見もいろいろ踏まえて案がつくられるわけでございます。
 また、仮に発行する具体案が固まるといたしました場合にも、たとえば中小金融機関に影響することがないように、発行量について規制を置くとか、あるいはごく短期のものに限るとか、そのようないろいろな措置がとられるんではないかと、このように考えております。
○和田静夫君 大変恐縮ですが、参考人はこの点についてはどういうふうにお考えになっています、あなた方の立場から。
○参考人(岩澤正二君) 私のまあ個人的な考え方もございますが、こういう席で申し述べるべきではないと思いますので、差し控えさしていただきます。
○和田静夫君 CDにまつわる法律問題がありますね。私はここに、元銀行局長高橋俊英さんが編さんをされました金融関係法のコンメンタールを持っていますがね。この第二巻十ページに、「預金の法律的性質については、金銭の消費寄託とする説が支配的である。したがって、その法律関係は、民法第六六六条に基づき、消費貸借に関する民法第五八七条ないし第五九二条の規定によって解釈すべきであろう。」と。この見解は現在もなお大蔵省の考え方と考えてよろしいですか。
○政府委員(徳田博美君) 預金の法律的な性格についての解釈は、前と大蔵省は変えておりません。
○和田静夫君 変えていない……。
 最後ですがね。私はつけ焼き刃ではありますが、二、三の民法の解説書をひもといてみました。預金の法律的な性格についていまのような考え方に立つ以上、どうも現行法上はCD発行は無理なような気がいたしますね。無記名定期預金は無担保債権ではなくては、なお一種の指名債権であるという最高裁の判決もありますから、そういうふうに考えるんですがね、この辺大蔵大臣どうです。
○政府委員(徳田博美君) CDの法律的性格につきましては、実はCD懇のメンバーに法律の専門家の先生にも入っていただいておりますので、そういう面も十分にそういう角度から検討していただいて、法律改正が必要な場合とあるいは現行法でできる場合と、いろいろな角度から御検討願いたいと、このように考えております。
○和田静夫君 いや、私は現行法上無理ではないかと、こう言っているんですが、現行法上はやっぱり無理だとお考えなわけですか。結局何か法律改正出さなきゃ非常に無理だと、おやりになる場合は。そういうふうにお考えになってはいるわけですか。
○政府委員(徳田博美君) CDの具体的な案がどのようになるかによって決まるわけでございますが、現行法で可能な範囲の案もできるのではないかと、このように考えております。
○和田静夫君 私も金融制度調査会CD懇の審議の方向をにらみながら、時期を見てもっと突っ込んだ深刻な法律論を大蔵省と闘わしてみたいと思います。もちろんその際は法制局長官に同席してもらっての論議をしなければ真実実りあるものにならぬでしょうから、論議はそこに譲りますが、最後に私は一言申し上げておきます。
 私は、わが国において言葉の厳密な意味での地域金融が成立し得るのかどうかというのは、先ほども申しましたように、一つのテーマだと考えています。で、そうも申し上げました。
 私は長く地方行政委員会――院に所属してからずっと地方行政委員会で仕事をしてまいりましたが、わが国地方自治の発展に微力ながら腐心をしてまいったつもりです。最近地方銀行や信用金庫などの経営が、あるいは経営者が、みずからの経営理念として地方分権ということを唱え始めているのであります。私は非常な成長だと思っているのであります。日本の民主主義の定着という意味から言っても大変貴重なことだと思っています。
 こういう論議が始まったことを見るにつけても、地方自治問題というのが抽象理論の域をもう出た、実務家の課題にその意味ではようやくなり始めてきたのではないかなあというようなそういう考えをひとしお持っているんでありますが、まあ来るべき金融再編もこの点を軸に展開するはずのものだと考えていますけれども、ここのところは大蔵大臣、そういうふうに理解しておいてよろしいですか。
○政府委員(徳田博美君) 先生御指摘の地域金融の問題は、実は金融制度調査会の審議の過程でもいろいろ議論になっておりまして、幾つかの資料について御勉強を願っておるわけでございますので、今後の答申にはそれが反映されるものと、このように考えております。
○和田静夫君 そうですか。
 大臣、それは銀行局長の答弁も答弁ですが、この辺は政治家の答弁をひとつ求めておかなきゃ。
○国務大臣(村山達雄君) この問題は非常に広範の問題でございまして、私もいろんな銀行で、地場金融あるいは地場産業の育成というものに非常に力を入れておる銀行をよく知っているわけでございまして、それはそれで非常に結構な話ではないかと思うのでございます。あえて地方自治というような言葉にとらわれずに、日本の今後の産業なり、実体経済なり、それに即してどういうふうな展開を示していくであろうか、これときわめて密接の関係があるように思うのでございます。従来で申しますれば、やはり従来はとかく資金の流れは大体中央から地方に流れていく、しかし資金需要は中央に多いということで、資金が逆流してまいりました。これは事実であろうと思うのでございます。
 しかし、その潮流がやはり時代とともに変わってまいりまして、むしろ三全総で示されておるような形、代表されているような形、こういったものが今後の日本経済のあるいは実体経済の社会的なニーズであるとすれば、そういう意味で地方金融と申しますか、地場金融というものはそういうものと整合性を持って高めていくでありましょうし、それはまた、いわゆる行財政の自治の問題とも関連してくる問題であろう、そういう点を注意深く見ながら、将来の日本の、またそれぞれの地域の発展に即応して、やはり大きく考えていく必要があるであろうというのが私の認識でございます。
○和田静夫君 以上申し上げました観点から、私は信用金庫という地域を単位とした制度というのは大いに注目をしているのであります。これを大いに育成をすべきであります。大蔵省はこれを人事のはけ口といった、そういう意味で矮小化されているとは思いませんが、矮小化したとらえ方をされるのではなくて、この成長を軸に、地域金融の可能性をやっぱり金融再編成の展望を切り開くという意味でそこに見出してもらう、そういうつもりになっていただきたい。私はそのためとあれば外為業務も結構でしょう、あるいは会員資格の引き上げも必要とあらば結構でしょう、あるいは日銀資金の導入も大いにやるべきです。あるいは公的資金預託への道も開くべきでしょう。
 私は自分の著述の中では、市立銀行、市民銀行の提唱をしているのですが、そこまでいかなくても、地方自治法上の県金庫の制度、そういうものさえこの観点から検討し直す必要があるとさえ今日思っています。
 最後に、そういう意味でもう一遍大蔵大臣、地域金融育成、信用金庫、そういう育成についての御意見ですね。前段ちょっと銀行局長から私の見解について何か御意見があれば求めまして。
○政府委員(徳田博美君) 先生御指摘のとおり、信用金庫は一般に地元と非常に心の通い合った経営をしているわけでございまして、地域金融、中小企業金融の消費者金融に徹しているわけでございますので、私はこれは金融機関の一つの原点と考えてもよろしいのではないかと思います。こういう意味で、今後とも信用金庫の育成につきましては行政面では十分配慮してまいりたい、このように考えております。
○国務大臣(村山達雄君) いま銀行局長の申しましたその基本的な問題もさることでございますが、やはり時代の流れというものをよく見ながら、今後は恐らく地方における地場金融、地域金融というものが重要性を帯びてくるであろう、このような認識に立っております。
○和田静夫君 どうも参考人ありがとうございました。
○糸山英太郎君 まず大蔵大臣に伺いますが、IMF総会からたしか九月二十七日帰国されました。そのとき記者会見で、五十四年度の経済成長は、具体的な数字はまだ決まっていないが、実質七%近い高目の成長を目指す必要がある、問題はそれを支える財政で、国債の消化難が表面化している折から、財政支出の適正化を進めなければならないと、大臣は記者会見でそういうふうにおっしゃっているのですが、そのお考えはいまでも変わりはございませんか。
○国務大臣(村山達雄君) これは、予算委員会で総理もしばしば述べておりますように、前期経済計画の基本線でもありますけれども、やはりいま低成長への軟着陸という中で、政策課題として少し先に高目にしなければならないというところは私も大体同じような考えを持つわけでございます。
 ただ、私がいまその問題で問題整理として考えていかねばならぬということは、IMFのシナリオでもそうでございますが、日本が飛び抜けて高い七%というようなシナリオを書いているわけでございます。IMFの専務理事によりますと、あれは目標でもなければ見通しでもない、一つの可能性をやや強調してその姿を描いてみたと、こういうことでございます。
 しかし私は、そのときに高目の成長とも関連いたしまして、日本だけがなぜこう高く出ているのであろうか、それには私は個人的には疑問を持っておるわけでございまして、高目の成長というのとは違いますけれども、IMFのシナリオでどうして日本だけが高く出ているのであろうか。いわゆる構造不況業種の設備、まあ事実上働いていない設備、そういったものがやはり整理されないままに潜在成長力あるいは需給ギャップが計算されておるとすれば、それはやはりよほど問題を考える上で整理して考えていかにゃいかぬ。つまり、構造不況業種は構造不況業種としてどのように今後整理していくのか、それはそういう対策でやらねばならぬでしょうし、それを除いた将来の本当の意味の潜在成長力と申しますか、それをやはり一般的な景気対策でやっていく必要があるであろう。もしそういうものを整理した場合には一体どれぐらいの需給ギャップが出てき、それからどの程度の成長が望まれるのか、日本にとって私はやはりその点を検討していく必要があるんじゃなかろうかということを考えているわけでございます。しかし、一般的には高目の成長ということが望まれておることは同感でございます。
○糸山英太郎君 実は、その財政の点で少し伺いたいんですけれども、高目の成長も結構ですが、財政の、つまり国債ですね。けさの新聞にもいろいろと出ていましたけれども、特に国債の消化難、非常に売れ行きが悪い、あるいはどうして国債が売れないのか、その説明もいただきたいし、そして私、けさの日経ですけれども、市況がこの十日間ほどでかなり急ピッチで立ち直り、大蔵省は三年国債を公募で二千億円十一月初めに発行すると伝えています。そうすると市況は回復してきているのか、国債が売れるようになったのか、それともまだきょうの新聞のニュースはちょっと早過ぎたとか、その点をちょっとはっきり答えていただきたいと思います。
○政府委員(田中敬君) 国債消化難の現状、実情と原因という点について御説明を申し上げたいと思います。
 いろいろ国債消化難という問題が言われておりますが、これはどういうことかと申しますと、一つは国債の市況が軟化をした。すなわち、長期債等につきまして発行利回りと流通利回りの乖離が大きくなって長期債に対するニーズが非常に減っていったという現実。それともう一つ、国債の消化難ということで象徴的に言われておりますのは、証券会社が毎月発行いたします国債の金額の一定額を自分で引き受けまして、これを個人あるいは事業法人等に販売しておりますが、その販売実績が伸び悩んでおる、あるいは売れ残りが生じたというようなことが国債消化難という言葉で言われております。事実、証券会社は本年度に入りまして毎月二千億円程度、ピーク時におきましては、この六月には二千七百八十億円というものを証券会社自身が引き受けてまいりまして市中に販売をいたしたわけでございますが、その後売れ残りが出るというような状況から、だんだん漸減いたしまして、十月には証券会社が引き受けたものは七百億円という形になっております。
 これらの現象を一般的に国債の消化難と言われておるというふうに理解すべきだろうと思いますが、この消化難という問題につきまして、総体的にながめてみました場合には、そういう状況ではございますけれども、本年十月までに年間発行予定額約十一兆円の国債をどれくらい発行消化したかという側面から見てまいりますと、すでに十月までに七兆二千五百七十億円余を消化いたしておりまして、年間予定額に対します進捗率は六五・四%になっております。これが昨年の実績は十月現在で五兆二千億ということで進捗率は六七%でございましたから、進捗率は若干落ちておりますけれども、実額におきましては昨年と比べて二兆円以上のものをすでに十月までに消化したわけでございます。
 そういうことでございまして、この六五・四%の進捗率と申しますのは、国債を本格的に発行しました四十二年度からの平均をとってみましても、一十月の進捗率が六六・五%でございますので、まあ中身についてはいま申し上げましたような問題がいろいろぎくしゃくいたしておりますけれども、総体としてはまずまずの消化をいたしておるというのが現状だろうと思います。
 それからもう一つ、言われております国債の消化難の原因でございますけれども、分析をいたしますと二つに分けられると思います。一つは一時的あるいは一過性の原因、一つは構造的な原因。
 一過性の原因と申しますのは、この六月、七月、八月という時期に円建て外債が相当出て消化先が競合したこと、あるいは九月の各法人の決算期に向かいまして法人等が決算資金手当てということから債券を売却したということ、あるいはまた、銀行につきまして国債の評価損に対応しますための引当金制度を設けてこれのための国債売却が都銀筋からあったことというような一過性の原一因、それからもう一つ大きな一過性の原因といたしましては、やはり証券会社が非常に多額のものを引き受け過ぎたということが考えられるだろうと思います。証券会社が引き受けました実績と申しますのは、過去の年をとってみますと、五十年では月平均二百五十億円台、五十一年で七百九十億円台、五十二年で千七百二十億円台と、毎年毎年月平均の証券会社の消化額がふえてまいりまして、本年度は現在までの実績が月平均二千億円を二千十一億円と超えておりますけれども、こういうふうに本年に入りまして二千億円を超えるような証券会社の引き受けというものは、一つは円高の問題が関連し、あるいは事業法人等に余資が多くあったということで、事業法人や外人への消化というものが相当あったわけでございますが、これが証券会社が余りにもそれを当て込み過ぎて多くを持っていって、それによって売れ残りが生じたということがございます。
 そこで、この証券会社の引き受け過ぎということが市場に売れ残りを生じて投げ売り物が出てまいりまして市況を軟化さした。これも一過性の原因でございまして、そこでこの十月は、先ほど申し上げましたように、証券会社が引受額を七百億に圧縮することによって市況を引き締めるという措置をとってまいりました。その結果、市況はただいま委員が仰せのとおりに回復基調にございます。
 これが一過性の原因でございますが、構造的内容といたしましては、やはりいまの日本の公社債市場あるいは引受市場の金融力、大きさに比べて余りにも国債の量が多過ぎるという、いわゆる国債大量発行の荷もたれ、重荷というものが一つの心理的要因でございますと同時に、やはりこの五月、公定歩合が引き下げられました後に金利の底打ち感が出てきて、資金を持っている方がこれ以上金利が下がるということはない、あとはもう上がる一方であろうということから長期に対する資金需要が減ってまいりまして、短いものへそれが移っていった、これが構造的要因だろうと思います。
 そういう意味におきましては、金利の底打ち感があります以上は、いまなかなかその構造的要因というものは一挙には回復いたさないと思いますけれども、けさほどの新聞に出ております、市況が急ピッチで回復いたしたと申しますのも、そのように長期資金が長いものをいやがって短いものに行った。そういたしますと現先市場にそれが出てまいりますけれども、現先レートはそれによって急速に最近低下をいたしております。そういたしますと、現先レートが余りにも低下すると、現先の方へ資金を向けた投資家がまた長期債へ戻ってくるということで、総体としての資金需要が発生しておりませんで、資金は一定の資金がある。それが長いものと短いものとの間をシフトしておるという状況と判断すべきだろうというふうに思います。それがだんだんいままた長いものにシフトしてきたということで、現実国債の市況は毎日価格で五銭、十銭というような形で回復をいたしております。
 そういう状況でございますので、いまの市況はそういう総合的に見て資金需要がほかから出ておらない以上は、長短いずれかへのシフトは絶えずあるかもしれないけれども、このような市況が今後も当分続くんではなかろうかというのが見通しでございまして、その中においてどういうふうな工夫をして国債を消化していくかということが課題であろうと思います。
○糸山英太郎君 明るい見通しも出てきたというので、だからといって安心はできません。ことしの下半期には四兆八千億円程度の国債を発行したり、あるいは来年度は十四兆か十五兆ぐらいだと思いますが、発行が予想されますが、そうするとますます国債というのは私は売りにくいと思うんですが、どうなんでしょうか、簡単で結構ですが、種類の多様化というのもいま新聞に出ていますが、あるいは売るためには発行条件の改善、つまり公定歩合を含めた短期金利の引き下げなどの対応策なども、そういう点などを考えていらっしゃるのか。十三日の衆議院の大蔵委員会でも論議されましたが、多様化だけでは解決できないと思うのです。金利の面などはもしお考えがあれば……。
○政府委員(田中敬君) 簡単にお答え申し上げます。
 多様化につきましては、やはり投資家のニーズに対応した国債というものを考える必要があると思います。そういう意味におきましては、長いものから短いものの指向ということがございますし、長期十年債の安定的な発行体制を確立するためにも、補完的な措置として中短期の国債というものの必要性はますます増しております。金融側面から見ましても、中短期の金融商品というものが公社債市場に必要でございますので、多様化は今後も前向きに大いに検討してまいりたいというふうに考えております。
 それから発行条件の問題でございますけれども、国債の市況が軟化をして流通価格と発行利回りとの乖離があるということをもって、いま直ちに国債の発行条件を改定する意思はございません。国債の発行条件を改定いたしますれば、これは他の債券にも及びまして、ひいてはプライムレートにも及ぶ。そうして長期金利の高騰を招くということでございますので、いま申し上げましたように、総合的に資金の需給関係が緩和している現状におきましては、いろいろな方法によって国債の消化を図ることといたしますが、現状のところ国債の発行条件の改定は考えておりません。
 それから公定歩合のお話がございましたが、これは中央銀行の問題でございますので、公定歩合操作それ自身につきましてのコメントは避けさしていただきたいと思いますが、国債の消化を促進するために公定歩合を引き下げるということは適当でないと存じております。
○糸山英太郎君 歳出を抑え歳入をふやすことによって初めてバランスがとれると言われておりますが、財政の健全化ということと、その一方では引き続き高目の成長を目指して財政がリードする形の景気刺激策による明るい展望というものが図られるとすれば、双方お互いに矛盾するわけですが、二つの課題を両立させることは至難のことだとぼくは思います。
 それで私は、財政の健全化と高目の成長とどちらの課題を優先的に大蔵大臣はお考えなのか。五十四年度予算編成の基本に私はこれはつながると思いますので重要なポイントだと思いますので、大蔵大臣の御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) これはどちらが大事だという抽象的な論議ではないのであって、あくまでも可能な範囲で財政の健全化を図り、同時に財政の健全化を図りつつ、できるだけ高い成長をやるということが最も現実的ではないかと、簡単に答えますと、私はそういう考えでございます。
○糸山英太郎君 うまくいくといいんですけれども、時間がないから次にいきましょう。
 新聞報道によりますと、ひとつ確認をしておきましょう。大蔵省は五十四年度予算の財源確保の一つとして、国債増発のほかに市中金融機関から期限十五年から二十年の長期借り入れを行うということを検討中であると新聞に出ておりましたが、これは事実なのか。同時に、財源確保に関して大臣のお考えを具体的に伺いたいと思います。
○政府委員(田中敬君) 新聞に債務証書方式による長期借り入れという報道がなされておりますが、これはドイツで行われている方式でございまして、ドイツは財政資金を国債によって求めます場合の約四〇%強をこのような商業銀行等と個別相対の債務証書借り入れ方式によって資金調達をいたしております。これも一つのやはり財源調達手段であり、いまの日本の財政法あるいは国債に関する法律に基づきましても可能な道でございます。そういう点におきまして、わが国においてもそういう可能性があるか、その可能性について勉強いたしておるという状況でございまして、これが今後どういう形になるか、果たして実現するかどうかというようなことについては、目下全然目途を持っておりません。
○国務大臣(村山達雄君) 財政の健全化につきましては、しばしば申し上げておりますように、やはり歳出の厳しい抑制はもちろんでございますし、新規政策についても原則としてはスクラップ・アンド・ビルド方式でやっていく。また、庁費等につきましては前年同額主義ということで、歳出はできるだけ抑制してまいりたいと考えております。
 一方、歳入につきまして、いわゆる不公平税制といわれるもの、これは人によって考え方がございますけれども、私たちは、可能な限りにおいてやはり不公平税制の是正に努める。同時に、それだけではとうてい財政の健全化が図れないことは、この前の財政収支試算でもお示ししたとおりでございます。税制調査会におきまして、最後にやはり問題になるのは所得税の増税かあるいは一般消費税の導入か、それ以外には大きな財源としては考えられない。既存の税金を手直しするということも考えられるけれども、あのようなスケールのいまの財政収支では、やはり基本的にはそこに、二者択一の問題にくるであろうという認識。しかし、所得税の増税という問題にいろんな問題があるとすれば、現在の租税体系からいい、それから負担感からいい、それから全体のでき上がったときの租税の配分という点から考えてみると、一般消費税の導入の方がよりすぐれているのではないか。こういう考えで、いま税制調査会で御検討いただいているわけでございます。
 結論から申しますれば、財政健全化の立場から、やはり一般消費税が一日も早く導入されることを財政当局としては望んでいるわけでございます。
○糸山英太郎君 予算委員会の質疑の中で、福田総理は、客観情勢の変化によっては財政金融を含め機動的、弾力的にあらゆる手段を駆使するとたしか答弁されましたが、国民の間では、いまや七%程度の成長達成のために恐らく第二次補正あるいは公定歩合引き下げなどの措置がとられるのじゃないだろうかと、半ば常識的に私も考えておりますが、経済は生き物であり、少しでも変化の兆しが出てくれば財政金融政策を含めて弾力的に対処することがむしろ当然のことと思います。そして、大蔵大臣に伺いたいのは、年度内に第二次補正の必要があるとお考えなのかどうか。少なくとも頭の中にはぼくはあると思うのですが、ちょっとお聞かせ願いたい。
○国務大臣(村山達雄君) この点は総理からも経済企画庁からも、また私も時に触れて申し上げたと思うのでございますが、四――六のQEで見ますと、内需の瞬間風速は大体九%を越えておるぐらいのところでございます。したがいまして、七%の関係において心配なのは海外経済余剰の点である。経済企画庁の説明によりますと、大体今後六、七%ぐらい輸出数量が減るというようなことを見込んでおるから、よもやそれ以上は減らないであろうから、大体七%の目標の達成は大丈夫である、こういうことを答えているわけでございます。私もまたそう思っているわけでございます。ただ総理が、経済は生き物であるから今後機動的、弾力的に考えていくとおっしゃっているのは、逆の言葉で言えば、経済は生き物であるから自分はどんなことがあっても硬直的に絶対にやらないなどというがんこな立場をとっているわけではございません、財政金融については一般論として柔軟に対処する心の用意は持っております、しかし現状においては七%は大丈夫であるから、第二次補正を組む必要はないと考えておりますと、こういうことを申し上げているのでございまして、私たちも同じような考えを持っていることを御理解願いたいと思います。
○糸山英太郎君 御理解といってもぼくら予算委員ですからね、また第二次補正を組むならば、いまのような答弁だと――まあそれは言いにくいでしょうから、それはよくわかりますし、理解もしなければならないと思いますが、私としましては、ただ頭の中にそういうものがあるんだと、もしこれが七%達成しなければやるからというような考えでも少しほのめかしていただければ、いろんな政治的スケジュールも絡んできますので、私としてはちょっといま大臣のお考えを特に聞きたかったんですが、これ以上しつこく追及しません、時間もありませんから。
 大臣は財政演説の締めくくりで、「今後、一般的な税負担の引き上げを求めることを真剣に検討しなければならない」と確かに述べられました。具体的には一般消費税をいつから導入することが一番ベターとお考えなのか。あいまいな答弁じゃなくて、私の考えとしましては少なくとも五十四年度は導入は困難だ、もう時間も間に合わないし国民のコンセンサスもとれていないので、まずぼくは無理だと思いますが、困難なんでしょう、いかがですか。
○国務大臣(村山達雄君) これもしばしば申し述べたところでございますが、成長との関係で現実的にどう対処するかというのが今後の問題でございますが、導入が困難である、そのためにどうしても延ばさなきゃならぬというようなことは考えておりません。
○糸山英太郎君 大臣の答弁で、一般消費税の五十四年度導入はぼくは困難だといま評価していますが、いいですね。そうじやないと次へ進まないんです。
○国務大臣(村山達雄君) いや、そのようには考えておりません。つまり事務的に間に合わないとか、あるいは成長との関係でいま直ちにとるべきでないというような立場ではいま考えておりません。あくまでもこれから予算編成の過程で、現実的な問題として財政の健全化という問題とそれから成長の問題と、それから財政の健全化という問題の中には、単に財政の収支試算だけの計算上の話だけじゃなくて、やはり現実の問題として公債の消化がいまは何とかいっているようなものの、やはり日本の資本市場には限界があるわけでございます。これはもう現実の問題でありますから、そういうものを総合的に考えて、成長と財政の健全化の現実的な接点をどこに考えるか、そういうことを考えますと、来年度の消費税の導入は理論的にも無理であるとか、あるいは現実的にも間に合わないとか、そういうことをいま考えておりませんので、いつでもやれる体制を整えておく、こういうことでございます。
○糸山英太郎君 何かナメクジみたいにのらのらうまく体かわされちゃう。
 じゃあ、税収の伸び悩みが一段と目立ってきたと、これはもう大蔵省発表のデータでわかりますが、十三日の衆議院大蔵委員会の質疑で、五十三年度の税収見通しが見込み額を下回り、歳入欠陥のおそれがあることを明らかにされましたが、高橋主税局長の答弁によると、法人税についても若干引き上げの余地ありということをたしか言われたと思いますが、具体的にどんな増税構想なのか、あるいは歳入欠陥となった場合はどのように対応するのか、以上二点を簡単で結構ですから。
○政府委員(高橋元君) 税収でございますが、ただいま糸山委員からお話がございましたけれども、八月末の税収の収納状況は七兆二千余億円でございまして、予算額と申しますか、来年五月の税収を取り込む前の予算額でございますが、それに対しまして三七・七%の収納になっております。前年に比べますと約一・二ポイント収納の割合は落ち込んでいます。したがって、現在のところ税収の出足がいいというふうに考えておりません。しかしながら、まだ四、五、六、七、八と五カ月でございますから、九月の税収以降の経済の回復の状況、また現実の収納状況というものを見てまいりませんと、年度全体としてどうなるか、いまから予測することはかなりむずかしい要素がごいますが、私が衆議院で申し上げましたことは、補正後の予算額を上回ることはむずかしいという感じを持っておるというふうに述べたわけでございます。
 もう一つ、御質問の第二点は、法人税の引き上げの余地があるということを私が申し上げたことに関連をしておるわけでございますが、これは昨年の十月に出ました税制調査会の中期答申の中で、既存の税制の枠内で増収を図る方法をいろいろ検討なさったわけでございます。その中で、法人税につきまして、課税標準は大体西欧諸国並みである、したがって実効税負担率が四九・四七でございますから、アメリカ、イギリス、フラス、ドイツ、そういうところに比べますと若干負担の増加を求める余地があるという判断をしておられるわけでございます。
 そこで、経済動向を見きわめつつ法人課税の負担増加を考えていくことは今後の検討課題の一つであるというのが中期答申のお答えでございまして、私はそれを引いて、そういうことも考えられるが、その場合には以後一%法人税を上げて千五百億程度の歳入増にしかならないと考えられるので、やはり既存の税制の枠内で間接税を引き上げ、また法人税を引き上げるということを検討したとしても大きな歳入の増加は見込めない、そういうつながりでお答え申し上げております。したがって、現在法人課税の増強について一般的にどういうことを考えておるかという御質問に対しては、私どもは具体的な考えをいま持っておりません。
○糸山英太郎君 私は、予算委員会の賛成討論の中でも申し上げましたが、一般消費税の導入が近い将来に予想されますが、その以前に行政の体質改善、これも国会でもさんざんいろいろ野党さんから言われましたけど、簡素合理化を図らなければならないというのは、当然国民のコンセンサスをとるためにもよくわかるんですが、そのために大蔵省あるいは大蔵大臣が、体質改善や人員整理、合理化、それが無理ならば公務員の賃金カット、つまり非常に厳しい言い方をしますが、そういうのを提唱して実行する、つまり大蔵省自身が陣頭指揮に立ってまず始めなければこれは私はならない。
 私も実は会社を経営しておりますが、これだけ赤字の会社ならば、私ならば当然人員整理とか賃金カット、給料、ボーナスなど非常に厳しくなるということを私は体験上得ているわけなんですが、大蔵省はいまも増税のプランを出したり、あるいはいろんなプランが出てきますけど、そのプランを出す大蔵省自身、あるいは私たち国会議員の歳費など、あるいは賃金というんですか、それをカットしなければならない、そういうことをしなければ国民は恐らく納得しないんじゃないか。ましてほかの省庁にああしろこうしろという前に大蔵省、つまり大蔵大臣みずからここでもって少し何か反省をするなり、大蔵省の内部でもって引き締めるなり、そういう思い切った行動あるいは実行がないと国民は私はこれは納得しないと思います。
○国務大臣(村山達雄君) おっしゃる気持ちはよくわかるのでございます。すでに定員につきましては総定員法でこれは抑えておるわけでございまして、年々定員は削減と新規増員の差し引きで少しずつ減らしておるという状況でございます。非常に需要が多いのでございますが、それは定員法で抑えております。
 それから、機構につきましては行政管理庁とタイアップいたしまして、少ないという、中央官庁については見るべきものがないとこの前荒舩行政管理庁長官からも言いましたが、千ぐらい地方支分部局を廃止したというような実績、あるいは補助金につきましても、昨年は千四百億縮減いたしておるのでございます。そういう意味で、あらゆる努力をやっておるのでございます。
 いわゆる公務員の給与につきましては、部内ではいろいろな議論が行われますけれども、御案内のように、この問題は有権的な機関といたしましては人事院でございまして、人事院が公務員の給与を民間の給与とバランスをとりながら毎年勧告いたしておるのでございます。ことしはかなり厳しい線が出まして、指定職については上げないと、こういう勧告が出ておるわけでございまして、今後も人事院がそういう意味で適正な勧告を行ってくることを期待している、こういう状況でございます。
○糸山英太郎君 最後に一つだけ伺います。
 河本通産大臣が十三日、閣議後の記者会見で、輸出の落ち込みがさらに続くようならば輸出抑制の指導を中止すると意向を明らかにされました。このニュースは大蔵大臣にとってはどのように受けとめられたか、そして通産大臣発言に対して賛成なのか反対なのか、これだけで結構ですからお聞かせください。
○国務大臣(村山達雄君) もともと貿易収支の均衡という問題は、どこの国でもこれはもう認めているわけでございますが、民間経済を基本にする限り、輸出を抑制するということは、言ってみますれば臨時異例の措置でありまして、輸入を増大するというのが本格的な措置であることは日本もどこの国も認めているところでございます。しかし、現実問題として経常収支の大幅黒字それ自体がやはり国際的ないろんな問題を起こし、日本だけでなくて世界各国のバランスを崩すというところから、今度行政措置で輸出は前年以下に抑えるということをやったわけでございます。したがいまして、今後の輸出の減少、それと七%との関連において、場合によれば輸出抑制を外すということも、これは理論的にはおかしくない。ただそのときには、果たして経常収支の見込み、ある程度国際的に約束している点が保たれるかどうかと、そことの兼ね合いの問題であろうと思うのでございます。一般的に申しますれば、輸出抑制ということは本来は臨時異例で、普通はとるべき手段でないことは、これはもう当然理解できると思います。
○委員長(坂野重信君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四分開会
○委員長(坂野重信君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、租税及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○鈴木一弘君 いま大蔵省では来年度予算の本格的な編成作業を行っておられますけれども、基本的姿勢について、歳入歳出両面からお話をいただきたいと思います。その考え方をひとつ大臣から示していただきたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 先般の概算要求の骨子は大体決めてございまして、これはかなり厳しいものでございまして、歳出の要求枠というもの、結果から申しますと一四・七ぐらいでしたか九でしたか、それぐらいにおさまっております。ただそれは、概算要求の段階で各省に申し上げておりますのは、庁費等については全額同額にしてくれ、それからその他の一般経費については二二%ぐらいの増をひとつの枠にしてくれ、まあ特別の海外援助等については例外を認めておりますけれども、大体そういう厳しい線で機械的に概算要求の枠を決めた、その答えが一四・九か七になっておると思います。
 今後本格的な予算編成に当たりましては、それに肉づけをするわけでございまして、来年度の景気の動向とか、あるいは歳入の状況とか、あるいは一般的負担増を入れられるかどうか、こういった問題を見ながら、これから鋭意詰めていこうとする段階でございまして、実際の枠はどうなるかというのは今後の問題にかかっているということでございます。
○鈴木一弘君 いろいろな方針の中身によると、福祉見直し、これを切り詰めるというようなことが報道もされておりますし、そういう点でいわゆる投資部門の方は二〇%ぐらい伸びるのに対し、福祉見直しなどによって経常部門は伸び率がそう伸びないと、これは歳出の面でこういうふうに報道もされているわけでありますけれども、そういう基本的な考え方はあるんですか。
○国務大臣(村山達雄君) 御案内のように、投資部門の方は四条国債が財源になりますので、一般的に申しますればその社会水準が低いという点、それから民間資金需要との競合関係でどの程度にするかということが決められる。それに対する財源としては四条債がございます。償還財源としては御案内のように百分の一・六という償還財源があるわけでございますが、まあ、ですから比較的何と申しますか、そういう要素で決まってくるわけでございます。ただ、全体としてそのときにもう一つ考慮しなければならないのは、公債の消化がそんならできるかどうか、この観点はこれは必要かと思うのでございます。
 一方、経常部門におきましてはそうでございませんで、財源が普通歳入、それから赤字公債になるわけでございます。そういった意味で考えますと、やはり最終的には一般的な税で賄わざるを得ない性質のものでございます。特に資金需要が出てまいりましたときに、そんなに歳出を削るということができない性質の問題でございます。そういうことを考えますと、やはり経常部門につきましてはそれなりの節度を持ってやらなくちゃならないというふうに考えております。特に赤字公債の依存度をできるだけ縮めてまいることが、今日並びに将来への財政にとりまして、その健全化という意味から最も緊要な問題ではなかろうかと、そういう問題意識で取り組んでまいりたいと思っておるのでございます。
○鈴木一弘君 ひとつそこで、福祉切り詰めという、やはり見直しをして福祉関係を切り詰めていくと、そういうような考えは、編成方針の中といいますか、そういう考え方はおありなんですか。
○国務大臣(村山達雄君) いま経常経費一般について申し上げたわけでございますが、福祉につきましてはおよそのルールが決まっておりまして、御案内のように、たとえば年金で申しますと、厚生年金ですと物価スライド制が確立しているわけでございます。また、恩給等につきましては給与スライド制、それに従って共済組合の年金等もそういうふうに決まっているわけでございます。そうでなくて、たとえば老人福祉年金というようなもの、あれをもっとうんと増額せいとかいうことになりますと、この負担が大変なことになるわけでございます。また、医療費の問題についても同様な問題があるわけでございまして、その辺をやはり適正なものに持っていかなければならない。受益者の適正負担とやはり絡ませながらやっていかないと福祉部門といえども大変なことになってくる、そういう意味で申し上げているわけでございます。
 この前の財政収支試算、御記憶があると思いますが、たしかあの中で一番伸びておるのは、財政収支試算でも振替所得がケースCでも一番伸びているような形になっておる。ですから福祉部門、振替所得関係がほかよりも伸び方が少ないというようなことは恐らくないんであろうというところのものは、いま言ったような項目についてやはり適正な受益者負担を考えつつやらないと財政が持たないと、こういうことであろうと思います。
○鈴木一弘君 いわゆる財政が持たないという一つの理由から、いま言われたように老人医療についても、また年金の問題等についてもお話がありましたけれども、いろいろ所得制限が行われるのではないかとか、こういうことが何か考えられているような感じがしますし、非常にその点は残念だと思います。
 ちょっと時間の関係で先に行きますけれども、いまのお話ですと、約一五%近く歳出歳入規模が拡大をする、こう見なきゃなりませんが、そうすると一般会計で本年度が三十四兆円として、その一五%伸びということになると五兆一千億円の財源が必要ということになってくるということになります。
 問題は、明年の予算の歳入について見ても、ことしは御承知のように法律の改正もございまして、年度区分が五十三年四月から五十四年五月までという十三カ月、そういうような歳入のことが考えられる。しかし、来年はそれよりは減ってくるというふうに考えなきゃならない。つまりことしよりは一カ月減ってくるわけですから、そういういう点で本年度に税収を先取りをしておりますから、そういうことから財源対策を一体どう考えるかということになると思うんです。五兆一千億円の新しい財源、これをどういうふうに考えていかれるか、ちょっと伺いたいんです。
○国務大臣(村山達雄君) その辺が一番大きな問題になるわけでございまして、単に歳入面だけでなくて、歳出を切り詰めるとか、あるいは行政機構の改正と申しますか、補助金の整理をさらに一段と厳しくしていくとか、あらゆる歳出面について、あるいは新規施策についてスクラップ・アンド・ビルド方式を原則として取り入れるとか、そういうこと、あるいは言うところの不公平税制の問題、こういった問題をぜひ前提としてやりたいと思います。
 しかし最終的には、いろんなことを考えておりますけれども、できれば一般消費税の導入というようなことがもし可能であれば、単に来年度の財政収支に役立つだけでなくて、長きにわたりましてやはり財政健全化の方向に一歩踏み出すことができるというふうに考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、この問題は予算編成の段階で、今度新しく六十年まで見通してやります中期経済計画との整合性、それから来年度の経済の見通し、来年度における国債の消化状況、あるいは国際収支のギャップ、そういったものとの相互関連において最終段階で決めてまいりたいと、かように思っておるわけでございます。
○鈴木一弘君 先ほど一般消費税についての質問がありまして、この創設を相当大蔵省は期待しているだろうと思いますけれども、現状ではいつでもできるようにしておくということは言いましたけれども、まず来年度実施は無理だろうと、こういうふうに思うんですけれども、その点の見通しはいかがですか。
○国務大臣(村山達雄君) 無理だろうと――実は私たちも、いつでもできるように準備を進めておきまして、そしてできれば早期導入が好ましいと思っているわけでございます。結論から申しますと、いまどうしても無理だという考えは持ってはいないわけでございます。
○鈴木一弘君 どうしても無理だとは思っていないといっても、それは期待を込めての話であって、現実はできないという、非常に困難だという意味にとっていいですか、いまの言葉。
○国務大臣(村山達雄君) 非常に無理じゃないか、困難じゃないかという予算委員会等の論議を振り返ってみますと、二つの点で言われていると思うのでございます。
 一つは主として不公平税制との関係で、それをやらなければ無理であると、こういう趣旨の主張、これは不公平税制については是正する立場をとっております。それから、もう一つそれに相関連いたしまして、実務的に無理じゃないかという問題でございます。これはいつから実施するか、来年度と申しましても、暦年ベースでやるかどうかということになります。その辺は、たとえば個人でございますと、申告所得税と同時だということになりますと、起算日を少し後にずらすということも整合性のある問題でございますから、そういうことも考えていける。
 それから第二のポイントで無理じゃないかというのは、来年度も相当高目の成長をやらなくちゃならないから、赤字公債を出す場合に比べて、やはり成長を望むなら消費税というものを導入することは無理じゃないかと、こういう今度は別の観点があるわけでございます。その点については先ほど、午前中にお答えしましたように、財政の健全化という問題と成長という問題は、やはりその可能性の範囲内で両方追求さるべきものである。優先度でただアプリオリにどちらがいいからこちらでやるというような性質のものではない。もう少し現実的に考えていく必要があると、そういうふうにわれわれは見ておるわけでございます。たとえその成長が、極端に申しますれば一〇%の成長が望ましいなんといったってこれはできないわけでございます。また、高目の成長がいいといっても公債消化面で非常に困ってくる。あるいはまたすぐその後、延ばせば延ばすほどその次の要増税額はよけい要るわけでございますので、一体いつになったら、そんならことし延ばしたら来年やれるという保証があるかと、逆にまたそういう問題もあるわけでございます。経済は生き物でございますので、ことしはやれないが来年は必ずやりますという保証は私はないと思うのでございまして、そういう意味でやはり現実的にできるものから財政の健全化を、あるいは現在の需給状況、そういったものを考えながら成長という問題とそれから財政の健全化というものを、両方の面から可能な限り整合性を持ってできるものからやっていく、この方が現実的ではなかろうかと私は思っております。
○鈴木一弘君 これは一般消費税を導入するしない、まあことしは導入はできないんじゃないかと思いますけれども、するしないにかかわらず、ほかの増税のことについてどう考えているかということです。
 たとえば例を申し上げますと、揮発油税あるいは自動車重量税、それから酒税、たばこの価格の問題、有価証券取引税、こういったものについての増税はどう考えているのか。けさの新聞等によるとガソリン税について二五%上げたいという、道路財源として必要だということが検討されたというような話が伝わっておりますけれども、そういう点から見て諸税の増税についてはどう考えているか、ひとつ伺いたいんです。
○政府委員(高橋元君) 五十四年度の歳入をどういうふうに構成していくかということにつきましては、ただいま大蔵大臣が基本的な考え方をお述べになりました。いま鈴木委員のおっしゃるような諸税目につきまして、その中には各省から公式非公式に五十四年度増税を図ってはどうかという御意見があるものもございます。
 私どもは、財政の現状、それから五十四年度の歳出の内容を充実していくということからいたしましても、この際、税負担の増加をお願いする必要のあるものもあると考えておりますが、五十四年に具体的にどのような予算編成をし、どのような税制改正をするかということにつきましては、税制サイドにつきまして今後税制調査会にお諮りをしてまいる問題でございますので、来年度の経済見通しなり予算の編成の大枠なりというものの作業と絡みあわせて、今後総合的に勘案して検討してまいりたいというふうに考えております。
○鈴木一弘君 その今後総合的に勘案してということは、やる可能性があるということですね。
○政府委員(高橋元君) これは来年度の税制改正全般につきまして、これから年末にかけまして政府の税制調査会で一々御審議を願うわけでございます。その御審議を願う内容にいま先生のおっしゃったような税目を含めるかどうか、これからの進み方であろうというふうに考えておるということを申し上げておるわけでございます。
○鈴木一弘君 株式の売買について、現行の年五十回以上二十万株以上、これについては課税強化ということだそうですけれども、その内容はどういうふうになりますか。
○政府委員(高橋元君) 株式の売買益を総合課税するということが望ましいことは申すまでもないわけでございますが、ただこれを実現してまいります際に、たとえばその損失をどうするか、それからとかく架空の名儀の株式の取引が非常に多いように聞いておりますけれども、そういった真実の売買の把握というものをどうするか、この辺の工夫を加えませんと非常な混乱と不公平を引き起こす原因になる、これはたびたびお答え申し上げておるところでございます。
 そこで、有価証券のキャピタルゲインの課税につきましては、段階的に強化してまいりたいということをかねがねお答えをしております。その方針で現在関係の部局と相談をいたしておりますが、非常に影響するところが広い問題でもございますので、もう少し固まった段階まで具体的な、どういう方向を考えておるかということの答弁は容赦させていただきたいと思います。御理解をお願いいたします。
○鈴木一弘君 たとえば、年五十回以上だけの方とか、二つの条件を具備しなければというのを片方は外してしまうとか、あるいはもっと回数についても株数についても、現在のところをさらに低いところに持っていくとか、そういういろんな方法があるんだろうと思うんですけれども、どういうようなことかということです。具体的なことは避けられているようですけれども、二つの条件具備なのか一つの条件でいいのか、あるいはいま後段に言ったように下げていくのか、その辺のところをちょっと、それだけ聞かせてください。
○政府委員(高橋元君) これは現在私どもの方も考えをまとめつつあるところでございますし、また、関係の部局ともいろいろな、これからの有価証券市場に及ぼす影響等も考えまして、できるだけ段階的強化という方針で着てもらうようにお話をしておるところでございますので、先生のおっしゃった幾つかのケース、それは私どもの頭の中に幾つかのケースは全部ございますけれども、それをどういう方向にまとめていくかということは、もう少し時間をかけて粘り強くやっていきたいというふうに考えております。
○鈴木一弘君 来年度の国債発行額については約十六兆円と、安倍官房長官がそういう談話をしておりますけれども、つまり国債依存度が、予算規模が約一五%増としても四十兆程度でございますからそれの四〇%程度ということになると、こういう一五%の伸びでこれだけの国債依存度四〇%、大変なことになると思うんですけれども、来年は大蔵省としては少なくともどの程度の国債依存になるというように現状は思っているんでしょうか。
○国務大臣(村山達雄君) 安倍官房長官がどう言われたかというのは実は私は知らないのでございます。ですからその問題はのけておきてまして、直接委員に対するお答えでございますが、やはり全体の予算規模が決まり普通歳入が決まってまいりませんと、国債の発行額はやはり決めにくいということでございます。たびたび申し上げますように、われわれは公債依存度をできるだけ昨年より低くしたい、とりわけ赤字公債依存度を低くしたい、いま申し上げられることはそういうことでございます。
○鈴木一弘君 増税以外の財源対策、あるいは国債以外の財源対策ということで一つ伺いたいんですけれども、これは予算書の中にも大蔵省所管のところで出てまいります貨幣交換差増というのがございます。これ見ると、政府が対外的にドルで支払う金額、そういうことから円高差益として出てきたと、貨幣交換の差増として四十億円が補正予算に今回入っておりますが、こういうようないろんな形でのいわゆる財源調達の方法があろうかと思うんですが、それはどのように考えておりますか。
○政府委員(加藤隆司君) 最初の貨幣交換差増でございますが、補正で四十億二千三百万円計上させていただいておりますが、これは御承知のように、六カ月ごとに外国為替の交換差率を定めているわけでございますが、五十三年度予算におきましては、一月の段階で二百六十二円という、支出官レートと通称しておりますが、これで予算を組んだわけでございます。六カ月ごとに計算をやり直しますので、七月段階で二百三十四円という平均値が出ております。これを使いますと補正予算の段階で差増が出てまいりまして、四十億の雑収を計上いたしたわけでございます。これ以外にも、補正予算におきましては支出官レートによらない実勢レートでやっておる経費がございますが、この方は一般的な費用の中に約百五十億ほど計上しております。
 この系統の金でございますけれども、これは予算は何と申しましても十二カ月を想定して組むものでございますから、技術的に六カ月ごとの再計算というようなことでこのようなことをやらせていただいております。これは昭和八年ぐらいから大体そんなような制度ができているわけでございます。
 それから、次の一般的な財源対策の問題でございますが、税収、公債以外の財源対策の問題でございますが、歳入面で考えてみますと、まず受益者負担経費をどうするかという問題があろうかと思います。たとえば、保険料とか国鉄の運賃とかあるいは消費者米価とか、そういうような受益者負担的な一般会計の歳入にストレートに上がってくるものでなくても、そういう系統のものをどうするかという問題がございます。
 それから、いわゆる特別財源対策と申しますが、五十三年度予算で申しますと、御承知のように法律でお願いいたしました輸開銀の貸し倒れ準備金系統の一般会計の取り込み、専売納付金の取り込み、法律でお願いしたものがございますが、このような系統のものがございます。この系統の中で受益者負担の方の問題は、それぞれの事業会計なり経営主体なりの環境の問題、あるいは経営主体の合理化の問題、それから受益者負担の適正化の問題、三面からの検討がなされなければなりませんが、これは毎年度毎年度鋭意いろいろ関係省庁におかれましても検討をされているところでございます。来年度どのようなものがされるかというのはこれからの議論でございまして、経済情勢その他の情勢をにらみながら検討が進められるわけでございます。
 それから、特別財源対策系統でございますが、これはこの数年来、オイルショックの後、特例公債をお認め願うときからいろいろやりくり算段で検討いたしてまいりまして、まあなかなか適当なものが見当たらないというのが実情でございます。本年の補正予算におきましても、昨年の補正予算におきましてはあったわけでございますから、本年の補正予算におきましては法律をもってお願いするようなものは見当たらないというような実情にあったわけでございます。
○鈴木一弘君 増税以外の問題で、いまちょっと一つだけ例の円高差益になるいわゆる貨幣交換差増について言っていただいたわけですが、いずれにしても今年度は五月分の税収を取り込みましたから、だから二兆円の増収がありましたけれども、財源が出ましたけれども、来年もそういうような特別なことはできないと思うんです。しかし、これはどうなるかわからないんですが、この点は大臣にお伺いしたいんですが、五月までだめだったから今度は六月までというふうな、そういうようなことはお考えになるかどうか、これをひとつ伺いたいんです、五月まではもうとっちゃっていますから。
○国務大臣(村山達雄君) いまのお話は、今年度で五月税収を取り込んで今度は六月まで、こういうお話、こんなことはもうできもしませんし、やりもいたしません。
○鈴木一弘君 そこで、それはよくわかりました。
 いま円高の問題を挙げたんですが、財政上の円高差益、これをどう活用するかということが一つあると思います。一般会計だけじゃなくて、特別会計、政府関係機関、こういうことについてのかなり輸入の差益があるはずです、円高差益が。たとえば食管会計における輸入麦、輸入飼料、畜産振興事業団の輸入の牛肉、それから糖価安定事業団の輸入の砂糖、原糖です、それから石油公団による原油輸入、こういう差益を一般財源として活用しているということは、非常に私は大事だと思うんですけれども、そういう方法はないかどうか。
 それからもう一つは、農林省からもお見えになっているようですから、このおのおののところにおける輸入差益というのは、円高差益はどのぐらいあるのか、ちょっと教えていただきたいんです。
○説明員(入澤肇君) 円高差益の額を最初に御説明申し上げます。
 まず、食管小麦の円高差益ですけれども、これは五十二年度の輸入に係る利益が約八百四十億円と見込まれまして、このうちに円高によるいわゆる為替差益は約百七十億円と見込まれております。五十三年度ですけれども、その輸入麦の総益が当初予算に比べてどのように変動するかについて現時点で的確な推定をすることが非常にむずかしい。仮に今後五十三年九月以降の為替レートが二百円程度で推移するとすれば、約二百九十億円になるというわけです。
 それから牛肉ですけれども、牛肉は五十二年度の円高差益が約三百九十三億円あります。これは事業団が輸入牛肉と国内産の牛肉を売買調整やっておりますので、差益全体では三百九十三億円ありますけれども、そのうちに円高差益分は約三十億円です。五十三年度の分は現在現地の輸出価格が非常に上がっておりますので、差益額は発生しないんじゃないかと思います。
 それから粗糖ですけれども、粗糖は五十二年度で約二百五十億円あります。これは糖価安定事業団が粗糖の売買一方輸入やっておりますので、すべて安定資金として糖価安定事業団に積み込まれているわけです。
 それから配合飼料ですけれども、これは自由流通物資でありまして、試算しますと五十二年度では約四百六十億円という計算がされます。
○鈴木一弘君 こういうことですから、全体でこれは大蔵省ではつかんでいませんか、こういう件については、概算は。
○政府委員(加藤隆司君) いま数字を農林省の方が御答弁になったんですが、それぞれ一般会計に持ってこれるかというふうな問題を先ほど御質問があったわけでございますが、輸入食糧勘定の麦の問題でございますが、これ御承知のように食糧の三勘定が調整勘定で結合されておりまして、食糧管理費自体が相当の大きな一般会計繰り入れをやっておりますから、結果的には一般会計の繰り入れ減少というかっこうで国民には還元するとか、それから先ほど石油開発公団のお話がございましたが、これは差益が約二十億ぐらい想定されますが、これも当初五百万キロリッターの備蓄をやる予定でございましたが、二百五十万キロばかり積み増しをやる、その二百五十万キロリッター分というのが十二カ月やりますと百八十億かかりますが、大体一カ月か二カ月分ぐらいに当たるわけでございますが、そういう費用に向けるとか、それぞれ一般会計に持ってこれるものはわれわれとしては持ってきたいわけでございますが、それぞれの特会なり公団なり、そういうものの中で一番適した使い方というような角度で歳出の方に結びつけて、全般的な一般会計負担というふうなものを軽減させるという方途、そういうような方途も検討しなければならないことであると思います。
 そういうようなことでそれぞれの制度、それから政策目標、そういうようなものを踏まえまして総合的な立場から適切な一般会計負担の軽減というようなことを考えなければいかぬと思います。
○鈴木一弘君 答弁よくわかりましたけれども、いままでも各政府関係機関の銀行からの準備金等を取り崩して一般会計に入れておりますが、そのほか私ども調べただけではいろいろ電電等にも大きな利益がある。しかし、これはそのまま投資の方に向けられてしまっているということで余ってくる金じゃないという話でありますが、私は考えようによっては、いろいろと財源として当然財投に回すよりも一般会計の方に入れてしかるべきというような財源もあると思うんですね。そういう点で財源をどちらにとっているか、一般会計の財源として確保すべきものはこういうものということを、もう一度あらゆるそういう政府関係機関とか特別会計の関係であるとかを洗い直しをされて、そうしてきちっとした制度を立てていくということがこういうときには必要じゃないかというふうに考えられてなりません。
 郵便貯金が四十一兆円というふうに順調な伸びをしている。それならばそれで財投の方を削っても、いわゆる資金運用部資金の方を削っても一般会計に回せる、本来なら一般会計にきてもいい金が向こうにいっているのもあるわけでありますが、その点についての考え方はいかがでしょう。
○政府委員(加藤隆司君) 率直に申しまして、私どもとしては御指摘のようねことを欲しておるわけでございます。さりながら、先ほど申し上げましたように特例公債をこの三、四年来出しておりまして、毎年度当初予算あるいは補正予算の都度洗い直しをいたして検討いたしております。ただ、先ほど申しましたように、いろいろな制約なり、あるいはより使い方として適切であるというようなもの、そういうようなことで、率直に申してなかなかそういうものが見つからぬ、見つけにくいというような段階に来ております。ただ、御指摘のようなことはもう当然のことでございます。これからも鋭意そういうような御趣旨は私どもも全く賛成なんで、そういうような方向でその都度最善を尽くしてまいりたいと思います。
○鈴木一弘君 日銀総裁、お忙しいところ恐縮でございますが、まあマネーサプライの件でちょっと、あとは金融のことで伺いたいんです。
 マネーサプライのM2の方ですね、この増加に危険信号が出てきた、あるいは黄色い信号が出てきたということで、まあこれはインフレが懸念されるわけであります。いままでにないような伸びをやってきたということで、その点どういうように御観測をなさっているか、お伺いしたいと思います。
○参考人(森永貞一郎君) マネーサプライ、いわゆるM2の推移を見ますと、昨年の暮れ、ことしの初めぐらいがまあいわばボトムでございまして、前年比で一〇%あるいは一一%台でございましたが、六月ごろから一二%台の前年比ということになってまいっております。私ども、七月−九月からマネーサプライの予測を公表することにいたしまして、七月−九月は十一%台、上にふえることがあっても一二%程度じゃないかという予測を立てておったのでございますが、まあ九月の実績はまだわかりませんけれども、七−九月は大体一二%の下の方ではございますが、少し高まったような感じがいたします。しかし、現状がすでに非常に危険と申しますか、警戒すべき段階であるとは思いません。十−十二月も恐らくは一二%台の推移をたどるのではないかと思っておる次第でございまして、マネーサプライがかつてございましたように急激に増加して、物価その他の面に悪影響を及ぼすという、そういう事態ではまだないと思っております。
 ただ、注目すべき点の一つとして、マネーサプライ増加の要因の中の財政支出の寄与度が御承知のように逐次高まってきておるわけでございまして、今後もその傾向はやはり続くんじゃあるまいかということが予想されます。反面、景気が回復してまいりますれば民間の資金需要がそれに競合することになるわけでございますので、だんだんマネーサプライのコントロールがむずかしくなっていくであろうということは、いまから覚悟しておかなければならない問題ではないかと思うわけでございまして、今後のマネーサプライの推移については、従来にも増して注視を怠ってはならないというのが現状ではないかと思っておる次第でございます。
○鈴木一弘君 まあ非常に警戒すべきではないけれども、よほど注意していかなきゃならないという、そういう微妙なところにあると思いますが、今度の国会でも、総理の発言の中に、一兆円減税を行うことはインフレのおそれがあるという、そういうまあ奇妙な答弁をなさっておられます。これは私は、一兆円減税がインフレの引き金になるというんじゃなくて、いままで行ってきた財政運営の中にインフレの要因があったとしか考えられない。
 たとえば、五十年度から巨額に国債発行ということに踏み切ってきてますし、あるいは低金利という政策になっておりますし、こういうことが、一たん景気がちょっと回復すると途端にインフレを高進させやすいという、そういう一つのまあ危険性をはらんでいるんじゃないかと思うんです。
 こういう点については、これは日銀総裁と大蔵大臣と両方から、その点どういうふうに見ておられるか、インフレの問題について、いま現状からこれから先を見たときのことですね、いまのような原因が考えられるんですけれどもどうかという点について御返事をいただきたいんですが。
○参考人(森永貞一郎君) まあ現状はまだ非常に警戒しなくちゃならぬという段階ではございませんが、行く先注視を怠ってはならぬのじゃないかというのが私どもの現在の心境でございます。もし将来民間資金需要が起こってまいりまして、財政面の支出と相まってマネーサプライが非常にふえるというようなことになりますと、これは昭和四十六、七年ごろ経験いたしましたように、マネーサプライの面から物価が上がり、いろんな面が起こってくるわけでございますので、その辺が今後の一番われわれの関心事であるわけでございまして、そのようにマネーサプライが増加してまいりました場合には、いかにして公民の資金需要を調節するかということが当然最大の課題になるわけでございまして、民間の資金の問題につきましては、私ども本来の任務でございまする金融調節の面に大いに努力をしなくちゃならぬかと思いますし、同時に、公債の発行の面につきましても、まあそういう際には幾らか自然増収も起こってくるわけでございますが、少なくとも自然増収に見合った公債発行規模の縮減というようなことが行われなければならぬと思いますし、その他全般的にやはり財政面からの調整もぜひとも必要になってくるのではないかと。その辺のところは大蔵大臣にも日ごろからお願い申し上げておる次第でございまして、財政、民間両面から資金需給を調節し、マネーサプライが過度にわたらないようにということがわれわれの今後の最大の関心事になってくると思っておる次第でございます。
○国務大臣(村山達雄君) いま日銀総裁がおっしゃいましたように、先々になりますと民間資金との競合の関係で、やはりマネーサプライが、両方満足させようといたしますとそういう問題になってくる、その危険が非常に大きいわけでございます。それも、そんなに遠い先の話かというと、いまの趨勢でふえていくとやはり心配になる大きな問題点でございます。
 それから、さしあたりの問題としましては、いま日銀総裁もそう心配したことはないと申しますが、まあ私の方はいまの国債の消化状況等を考えますと、やはり実際の資本市場にはある限界がありまして、いかに多様化を進め起債市場の条件整備をいたしましても、もとのスタート点が決まっておるわけでございまして、その努力にはおのずから限界があることもわかるわけでございますので、資金の需給が全般的に緩んでから、いや公債の消化は大丈夫だと一概にはきめつけられない。そこのところを非常に注意しておるわけでございます。
 それが日銀のマネーサプライ、本来の成長通貨だけを出すという適正なマネーサプライにもし影がさして、別の意味で公債消化のためにマネーサプライをやらなくちゃならぬなんていうことになりますと、これはもうなかなか大変な問題を起こすということを実は心配しているわけでございます。
 まあもう少し詰めて考えますと、過去におけるそういう日本の経験からいたしまして、戦後財政法ができまして、そしてそういう道をふさいでおるわけでございます。にもかかわらず、特例法を出しまして、まあ毎年全く財政法が予定しないことをやってること自体がもう変調であるということを考えますときに、財政当局の責任はいよいよ重いと、こういうふうに考えておるわけでございます。
○鈴木一弘君 まあこれ、今後マネーサプライが増加したということになれば、いまのような民間についてのいろんな調整ということで、私は公定歩合の引き上げ等もあるんだろうという予測をいたしまして、それをお答えいただきたいと思いますのと、いま一つは、M2が増加したときの調整策として、いままでは日銀は手持ちの国債を市中銀行に売りオペをなさってこられたと思います。そして資金の回収をしてきた。しかし、現状は市中の方が過大に国債を抱えている、逆に売りたいだろうと私は思います。そうすると、日銀の売りオペに今後は応じにくくなるということが出てくる。また逆に、それでも売りオペをすればこれは国債のいわゆる価格の低落ということになりかねない、その上金利面でも混乱が起きてくるだろうと、こういうことで、一体どう調整するかということばこれは大きな問題だろうと思います。その点についての御答弁をいただきたいと思います。
○参考人(森永貞一郎君) 私ども日ごろから金融調整に任じておるわけでございますが、金融調整の手段といたしましては、御承知のごとく貸し出しの調整がございます。それから手形オペがございますし、さらにはただいまお話がございました債券オペと、大体三つの手段があるわけでございます。前の二つ、貸し出しと手形オペ、これはどちらかと申しますと毎日の、あるいは毎月の資金需給の調整できわめて短期的なものでございます。債券オペとなりますと、たとえば一年なら一年という比較的長い期間をにらみました上での資金の過不足を調整する、そういう手段として使われておるわけでございます。その債券オペには、ただいま仰せられましたごとく買いオペと売りオペと両方あるわけでございますが、現実には、国民経済が成長をいたしますその成長通貨がどうしても増発が必要だということになるわけでございますので、経済が成長するのに必要な成長通貨の供給のときに、いままでは買いオペレーションということでずっとまいったわけでございます。
 将来、資金がもう非常に過剰になりまして余剰資金を吸収しなくちゃならぬというようなときには、もちろん売りオペを活用するということにはなろうかと思いますが、いまおっしゃいました、そういうときに国債を売りオペをやるとますます市価を圧迫してというそういう御心配でございますが、資金が過剰になってそれを売りオペによって吸収しなくちゃならぬというような状態のもとにおいては、むしろ投資物件を供給することが必要な面もあるわけでございまして、そういう過剰な資金状態のもとにおいては、売りオペによって値崩れがさらに進みまして国債消化に困ると、そういったような事態はまず心配はないのではないかと思っております。現実にはいまはそういう状態ではございませんし、売りオペを実施することは近々には考えられないのでございますが、万一売りオペを必要とするような事態には、資金需給がもう非常に緩んだ事態でございますので、むしろ投資物件を供給することが資金需給の適合を図るゆえんじゃないかというふうに考える次第でございます。
○鈴木一弘君 確かに売りオペに転じるようなときには資金が何といいますか、市中にだぶついているからこそやって資金の回収をということだと思うんですけれども、しかし一方では、そちらも国債を持っているということで、場合によったらば、さらに旺盛な民間の資金需要には自分のところの持っている国債を売りたいぐらいだというところも出てくるだろうと、そういう点を心配しているわけです。つまりいままで、昭和五十年以前にあったような国債が大量に発行されてないときと、現在のように発行が大量にされた時代とでは、金融政策のかじ取りがいままでとは違った形にならなきゃならないんじゃないか、特に国債と金融調整ということが絡んでまいりますから。そうすると、いままでと変わった点をとらなければならないこともあるでしょう。またいままでと変わらないでやっていける点もあるだろうと思うんです。その辺のところの御検討をどうなさっていらっしゃるか、ちょっとお伺いしたいんです。
○参考人(森永貞一郎君) 確かに国債が巨額に発行されるという新しい環境のもとにおいては、必ずしも従来どおりのやり方だけでは律し切れない点があることはおっしゃるとおりでございます。いまは売りオペを必要とするような経済環境でございませんので、突き詰めた議論はいたしておりません。検討は不十分かもしれませんが、おっしゃいましたように、環境の変化に応じてどうすれば一番調節がうまくいくかという問題は、今後とも一層検討し最善の努力をしていかなければならない問題だと存じますので、御意見の点は十分承りまして今後の検討の一つの材料に供したいと、こう思います。
○鈴木一弘君 日本銀行はコール、手形市場の金利の自由化ということで進めようとなさっているようでございます。私どもも金利の自由化は原則的に賛成です。たとえば、どの銀行を見ても全部が全部資金の量が同じであり、そうしてまた資金需要が同一であると、だから同じ金利でというならわかりますけれども、銀行によってはきょうはお金がほしくないという銀行もあるでしょうし、ぜひほしいという銀行もあれば、これは当然預金金利だって銀行ごとに異なってあたりまえであります。これはいままでのところでは、西ドイツなんかを見ると全部の銀行の金利が違っております。そういう一つの例から見ても、金利の自由化というものは将来の理想だろうと、こう思いますが、わが国のような特殊な金融体制をいままでつくっている、こういう中で金利自由化を進めていく――いま日銀はもう踏み出されたようですから、これから先、債券市場の自由化であるとかいろいろなってくると思います。そういう金利の自由化の手順、方法、これは十二分な注意を払って行われていくんだと思いますけれども、その手順、方法について、いまお考えになっていることがあれば伺いたいと思います。
○参考人(森永貞一郎君) 先ほど来問題になっておりますマネーサプライもコントロールが非常に重要なわけでございますが、そのコントロールのためにも、やはり金利機能が十分に発揮されることが必要になるわけでございまして、その意味でやはり金利の弾力化、自由化の方向に今後とも進んでいかなければならないのではないかと思っております。
 ただ、いきなり完全自由化ということになりますとやはりいろいろな摩擦的な現象も起こるわけでございますので、余り無理をして一挙に理想に走るのもいかがかと存じます。したがいまして、やはりできることから逐次手をつけていくということではないかと思っておる次第でございまして、日本銀行ではコールあるいは手形レートの自由化、弾力化を進めてまいっておる次第でございます。そのほかオペレーション、これは買いオペでございますけれども、買いオペに際しまして入札主義に改めました。また、大蔵省でも資金運用部の所有国債の売却等に際してやはり入札制をとられたのでございますが、さらに進んで三年物の国債の発行に際しましては入札制をとっておられるわけでございまして、これもやはりできることから一つずっということだと思います。今後ともやはりできることからということで、無理をしないで摩擦をできるだけ回避しながら自由化の方向をたどっていくということではないかと思っておる次第でございます。
○鈴木一弘君 そのできることから一つずつで私大変結構だと思いますが、さしあたり考えられるようなことはどういうことでしょうか。
○参考人(森永貞一郎君) いま国債の消化、最近は市価が大分持ち直しまして少し環境が変わってまいりましたが、国債の発行に当たりまして、短期資金と長期資金との関係をもう少しうまく処理する必要があるのではないかと。その意味で国債発行期間、年限の多様化とかいろいろなことが考えられておるわけでございますが、私はその前提として、やはり短期金融市場をもう少し助成と申しますか、育成していく必要があるのではないか。その短期金融市場のあるべき姿としては、やはり金利の自由化ということがどうしても必要になってくるわけでございまして、短い国債等についての入札制度の採用などその方向に沿うものだと思いますが、将来はさらに短期金融市場全体として、もう少し自由化、弾力化の方向に進んだ方がいいのではないかと考えております。しかし、それにはいろいろな問題がたくさん残っております。財政面の問題もございましょうし、なかなかそう簡単にすぐにというわけにはいかない問題でございまして、じみちな努力を積み重ねていかなければならない点ではないかと考えております。
○鈴木一弘君 それから、その金利自由化を進めていく上で郵便貯金、厚生年金、共済年金、こういうのは本来財政投融資資金に回っておりまして、それが国債などを直に買っておるという金になっております。そういう点で、この金利自由化の問題で、郵便貯金などを除いての後のまさか共済年金、厚生年金なんというふうになりますと、これは金利の自由化はあり得ないということになります。これはすぐの議論ではございませんけれども、そういう点、どういうふうにお考えでございますか。
○参考人(森永貞一郎君) 自由化ができ上がりました上での金利の変動がどうなるかという問題でございますが、いまよりももっと頻繁に金利が激しく動くということは当然起こるわけでございますけれども、あらゆる金利あるいはあらゆる預金について一律に激しい変動が起こるかどうかということになりますと、たとえば欧米でも小口の長期預貯金はどちらかといえば変動が少ない、比較的安定した推移をたどっておるわけでございます。やはり長期であるとかいう期間の長短、あるいは小口であるとかいうようなこと、そういう要素が幾分反映されまして、比較的変動幅の少ない安定した預貯金というものがやはりあってもいいのではないかと、民間の制度としてそういうものがあってもいいんじゃないかと思います。郵便貯金が民間のそういう小口長期預貯金と連動して動くというような感じになるんじゃないかと、これはまあ私だけで将来をおもんぱかってひそかに想像しておるわけですが、そういう問題が一つ起こってくるのではないかと思っております。
 しかし、それにいたしましても大きな金利の波には乗っていかなくちゃならぬわけでございますので、やはり変動の幅を比較的少なくする安定したような預貯金というようなことになるわけでございまして、全然変動しない不動の金利というものはなかなか考えにくいのではないか。これは要するに相対的な問題になるのかもしれません。漠然とそういうことを考えておるわけでございまして、別にまだ具体案として考えておるわけではございません。
○鈴木一弘君 最後に一つ。
 先ほどちょっと聞き漏らして申しわけなかったんですけれども、マネーサプライのM2の増加、一二%をちょっと超えたところにきていると、一二%超えたということで先ほど注意をしているというお話でしたが、非常に危険だというふうになるのは何パーセント増というふうにお考えかということだけ聞いておきたいんです。
○参考人(森永貞一郎君) その問題は、要するにそのときどきの経済拡大のテンポでございますとか、あるいは物価の状態、安定しておるか、あるいは物価が上がる可能性をはらんでおるか、あるいは民間資金需要がどうなのか、いまは非常に鎮静しておるわけでございますけれども、それが非常に激しく起こっておるのかどうかといったような問題、さらにはまた、国際収支の動向いかん、そういういろんなファクターと関連して考えなければならないわけでございまして、いま何%になったら危検区域になるかどうかということもなかなかお答えしにくいということを率直に申し上げざるを得ないかと存じます。問題はその傾向でございまして、いまはまだ一二%程度で、名目成長とおっつかっつみたいなことでございますので、そう心配いたしませんが、それがだんだんに騰勢が激しくなってくる、そうなるとやはりかなり用心も警戒もしなくちゃならぬという、大変抽象的なことで申しわけありませんが、その程度に考えていい問題ではないかと思っております。
○鈴木一弘君 ありがとうございました。
 郵政省の方、お呼びしたのですが、きょうは質問しませんので、恐縮でした。
○委員長(坂野重信君) 森永参考人、御苦労様でございました。ありがとうございました。
 松沢参考人には、御多忙中のところ、本委員会に御出席いただきましてまことにありがとうございます。
○戸塚進也君 わずか三十分でございますので、ひとつ御答弁の方は簡潔にお願い申し上げます。
 まず、国税庁にお伺いします。
 例の酒の最近の乱売の問題でございますが、間税部長さんのところへチラシをちょっとお届けしておきましたが、大臣にもひとつごらんいただいてください。
 最近スーパーマーケットそのほかで、たとえば二級酒が卸原価が標準で八百四十七円なのにこれを七百五十円で売ると、一級酒は千百七十一円の卸なのに千七十五円で売ると。中には、どうぞ損をさせてください、お願いしますなんということを書いて――そんな損したい人はどっか福祉事業でもやったらいいのです。それをおとり商品でそういうことをやられる。これでは全国の酒の小売はつぶれます。しかも、お酒というものは売れば売るほどいいものではありません。酔っぱらえば暴力事件も起こるし交通違反も起こる。だから、お酒というものは正直言って秩序正しく売っていただかなければならぬ。いままでにどちらかというと安く売りゃ結構だと、こういうことだったが、これからはそういう社会的な問題も十分考えた上で、しかもまた、特別な酒税を確保すると、こういう面でがんばっている末端の、年間の売り上げでも本当にわずか一千万、二千万、そういうクラスのお酒屋さんたちを守っていくためにも、このような原価を割っての乱売などはとんでもない。
 そういうことでひとつ、最近は国税庁でもずいぶん適正な指導をしていただいておるように思いまして可といたしますが、この点、どんな方向で今後こうした問題を解決していこうとしていくか。
 まず公取さんに、ひとつこういうお酒というものは致酔性があると、したがって、何かほかの商品とは別の角度で考えてもいいというような最近公取さんの意向が出たようにも伺っておりますが、簡単に公取さんの意向を伺い、それから、それに伴っての国税庁の考え方を伺います。
○説明員(川井克倭君) お答えいたします。
 ただいま先生御質問をいただきました件につきましてでございますけれども、公正取引委員会といたしまして、いまの酒のいわゆる不当廉売がどの程度の現状なのかということについて、実態の把握がまだ十分行われているようなわけではございません。先日来、国税庁あるいは業界の方々からお話をお伺いし、現在勉強中ということでございます。
 その辺を前提といたしましてお答えさせていただきますけれども、確かに先生がいまおっしゃいましたように、お酒というのはいわゆる致酔飲料ということで、ほかの商品と違うじゃないかということでございますけれども、そういうふうな特殊性がこの商品にあるではないかということについては先生の御指摘のとおりではないかと思います。ただし、その致酔性ということが価格競争、いわゆる自由価格競争をしなくてもいいというところまでいくような特殊性があるのかどうかということについては、なお今後国税庁あたりと研究していきたいというふうに思っております。ただ致酔性ということを言うならば、もしかすると、たとえば広告の仕方であるとか販売方法であるとか、こういう部分につきましては、おっしゃるように特殊性があり、それについては十分その特殊性を生かした基準というものをつくらなければいけないのではないかというふうに大略は考えております。
 以上でございます。
○政府委員(矢島錦一郎君) ただいま先生御指摘のとおり、先生方の御理解を得まして、先般の酒税の増税に当たりましても参議院大蔵委員会において附帯決議がつきまして、酒類の特性に配慮して正常取引を維持するために行政上等の措置を講ずるというように努力するというような附帯決議がつきましたわけでございますが、酒類が自由価格であるとは言いながら、先生御指摘のとおり、やはり致酔性というものもございます。それから多額の酒税を負担している財政物資でございます。と同時に、やはりいろいろな面におきまして国民生活の健康の面にも非常に影響する物資であるというような点も勘案いたしまして、私どもといたしましては価格の指導を行っているわけでございます。
 ちょっとお時間を拝借して恐縮でございますが、そういうことで、一般的には運用上実質仕入れ価格に販売経費等適正な利潤を加えたものとすべきだということによりまして指導しているわけでございますが、個別には、また実質仕入れ価格に販売経費を加えたものを下回るものが出た場合には、これは地域市場全体の過当競争を誘発するおそれがあるというふうに認められる場合におきましては、採算を考慮した合理的な価格で売るべしということで全国の国税局、税務署を通じまして指導している次第でございます。附帯決議にもございましたように、私どもはお酒がいかなる方法によっても安く売られていいというようなふうには考えておりません。やはり致酔性というものがございまして、それにはおのずから限度があるというふうに考えております。現在公正取引委員会とも、どういうような方法が行政上ぎりぎりのところまでできるんだろうかということについて鋭意協議をしております。引き続きこの問題につきましては努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○戸塚進也君 いまの間税部長の答弁了解しました。ひとつ全国の小売屋のために、あるいは秩序正しい流通ということを考えていただきたい。
 監督される大臣、いまのその広告ごらんになっておわかりでございましょう。こんなむちゃくちゃなことをやっておったらみんなつぶれます。だから、いまの間税部長のお話しのとおりひとつ強力にやっていただきたい、どうですか。
○国務大臣(村山達雄君) ただでさえ日本酒の販売はいろんな生産的な要素あるいは過当、小さなものがたくさんあるというようなことから非常に経営が困難になっているわけでございます。そういう際に、ほかの迷惑をも顧みずやるというようなことは好ましくないことでございますので、いま間税部長が答弁したとおり、その点については十分そのようなことがないようにやってまいりたいと思っております。
○戸塚進也君 大臣ありがとうございました。全国の数十万の酒の零細小売屋がいまの大臣の答弁を非常に喜ぶと思います。
 そこで参考人に一言お伺いさしていただきます。
 実は数日前、参考人が全国銀行協会会長さんという立場で御講演か何かなさった中で、来年度以降銀行が国債を引き受けたりしていくということは非常に銀行の経営その他から見て大変困難な状況になってきた、こういったような見通しといいますか、御所見を発表されまして、大分新聞にも大きく取り上げられました。私どもも来年度からの国の歳入あるいは国の収支バランス、そういうことを考えていく上で会長さんの御発言は非常に関心を持って承ったわけでございます。そのときの、そのときといいますか、いまの会長さんとしての御所見ということを簡潔にお述べいただきとうございます。
○参考人(松沢卓二君) お答えを申し上げます。
 皆様御承知のように、最近の国債の発行状況は年を追いまして累増をしてまいってきております。たとえば、わが国の国債は四十年から始まったわけでございますが、四十年から四十九年までの十年間で十兆円の発行を見ております。それから五十年、五十一年、五十二年の三カ年間で二十一兆円の発行を見ております。最初の十年間が年率で一兆円であり、その次の三年間が年率で七兆円でございますし、五十三年度は十一兆円ということでございまして、非常に加速度的に国債の発行額がふえておるということが一つございます。
 それから、もう一つは国債の依存率でございまして、この依存率も、御承知のように最初の十年間では一一・二%の依存率が次の三年間では二九・六%に上昇いたしまして、ついに五十三年度は三七%を超したと、こういう状況はもうすでに御承知のとおりでございます。この国債の依存率は、西欧の諸国で一番高いと言われております西ドイツに比べましても、西ドイツが一六・九という数字、これは一九七八年の数字でございますが、それに比べましても日本の国債の依存率は少し高過ぎるということが言えようかと思います。
 それから、一方これを引き受けます金融機関の側でございますが、これは最初の十年間におきまして、十兆円の発行に対しまして市中が引き受けました傾が七兆四千億。このうち日本銀行が買いオペで吸収いたしました額が五兆五千億でございますから、約七四・六%が日本銀行に吸い上げられたと、こういうことになります。しかし次の三年間、五十年から五十二年までの三年間では、同じく二十一兆円の発行に対しまして、約十五兆円が市中引き受けに相なっておりまして、それが日銀買いオペによりまして二兆三千億が吸い上げられておりますから、これは約一五%の吸い上げ率でございます。つまりこの傾向はだんだん――成長通貨の範囲内で買いオペを実施しているわけでございますが、国債の発行額がだんだん大きくなりますにつれまして、日銀の買い上げ額が相対的に率が少なくなってまいりました。そういう状況でございます。
 そこで、市中といたしましてだんだん保有国債の高が大きくなってまいりました。先ほど申し上げました数字でおわかりのように、最初は七〇%以上のものを日銀に買い上げていただいておりましたが、その後増加の度が加わるにつれまして、日銀の吸い上げ率は減ってまいりました。ということは、市中引き受け側から見ますと、自分の保有する国債が年々累増していくと、こういう結果になったわけでございます。それでしかも、最近の状況は、御承知のように市場がだんだん巨額の国債に対しまして若干のアレルギー症状を出してきております。特に長期国債におきまして、長期債の市場でやや供給過剰の現象が出ておりますことは御承知のとおりでございます。ただ私どもといたしましては、長期債の市場でやや供給過剰の傾向が見られたのでございますが、それに対しまして発行者たる政府は、国債の多様化によりましてこれに応ずるという対策をすでに実施されておりますし、さらにそのときの状況によっては資金運用部の資金を動員して供給過剰を少しでも是正すると、そういう措置も講ぜられているわけでございまして、私どもといたしましては、だんだん国債の発行量が増加するに伴いまして、財政自体の健全化の問題と、それから市中の吸収能力がだんだん限界に達してきている、こういう両方の面から、今後国債の発行につきましては十分に慎重にやっていただきたい、財政の健全化を十分に注意して予算を組んでいただきたい、こういうことを考えておる次第でございます。
○戸塚進也君 それでは、時間がありませんので、会長にもう一つ別の角度から伺います。
 きょう午前中実はある銀行さんの合併問題の議論が出ました。それは私は個々の問題では触れません。ただ、そういういろいろ社会的に、銀行さんがいろいろ合併されるという場合には、取引先とか働いている方々とか、いろいろ条件がなかなか複雑な問題があります。ですから、ひとつおやりになることは、それはいろいろな方針であるかもしれませんけれども、もしそういう場合には、働いている方々、経営者、取引先、十分な納得の上に慎重にやはりおやりになる、こういう姿勢が銀行協会としては必要じゃないかと、こう思いますが、その点についてのコメントを一言だけ伺いたいと思います。
○参考人(松沢卓二君) お答え申し上げます。
 実は個々の銀行の合併という問題につきましては全銀協が元来関与する問題ではございませんけれども、一般論として申し上げさせていただきたいと思います。
 皆様御承知のように、日本の銀行の歴史は約百年でございまして、その銀行の歴史をひもときますと、まさに集中合併の歴史の連続でございます。私がおります富士銀行でもこの百年に近い歴史の中で何回か集中合併の波にやはり洗われております。そういう点で過去の経緯を振り返ってみますと、やはり経済の節目節目に集中合併が行われております。その目的が、やはり困難な経済情勢下にありまして金融の健全経営あるいは効率化、そういうものを達成するために集中合併という手段をとったんだと思われます。したがいまして、この傾向は今後もやはり十分あり得る問題である。仮に、いま先生がおっしゃいました特定のケースで合併が失敗に終わったといたしましても、それだからといって今後合併が困難になるということは私はあり得ないというふうに感じております、これは一般論でございます。
 そしてさらに、今後合併というものは、やはり多数の方々から反対が出ない、あるいは従業員、株主、顧客、こういうものの層を十分に考えまして、できれば祝福された合併をやっていかなきゃならぬ。もちろん一つの銀行と一つの銀行の合併でございますから、全部の人が賛成するというわけにはまいらないと思いますけれども、しかし、多数の方々がその合併の趣旨を了とされる場合には今後も集中合併はやはり起こり得ると、こういうふうに考えております。
○戸塚進也君 会長さん、どうもありがとうございました。
 そこで、今度は一般消費税等の新しい財源の問題についてお尋ねいたします。
 きょう午前中に、大臣が糸山委員の質問に対して、この一般消費税だけでなく、所得税とかそういうものを増税をすればどのくらいの率になるとか、やはりいろいろ考えてみて各方面から検討する必要があると、こういうふうに承って、私はそのとおりじゃないか。一般消費税だけでただ取る取ると言うと、国民大衆から非常に何か印象的にうまくないが、同じ歳入でも、たとえばこういう方法はどうか、ああいう方法はどうか、そしてたとえば福祉税のような――きょうは厚生省も来ておると思いますが、たとえば年金だとか、あるいはまた現在一般老齢福祉年金であっても一般財源で払っているわけですけれども、そういうものに充当するために、特別目的税というわけじゃないけれども、国民への説明の場合に、そういうことにも必要だからひとつこういう税金をと、このような姿勢が必要ではないかと私はかねがね思ったわけでございますが、大臣いかがでございましょうか。
○国務大臣(村山達雄君) この点の重要性につきましては、税制調査会の方でもやはり大きな論議を呼んでいるわけでございまして、一般消費税を導入するときに使途をどうするか、その場合の実際上の効果、それから国民の納得が得られるかどうか、その両面にわたりまして大きな問題としていま論議されているわけでございまして、私はそこのところの論議がきわめて大事な問題ではないかと、このように考えております。
○戸塚進也君 主税局長に伺いますが、仮にもし一般消費税というような問題をずうっと突き詰めて考えていく場合に、地方への財源交付といいますか、そういうこと等についても当然これはやはり考えられてしかるべきだと思いますが、そう解釈してよろしゅうございますか。
○政府委員(高橋元君) 国と地方と両方を通ずる歳入の不足というものにどう対処していくかということが、こういった国民一般に税負担の引き上げをお願いする際の基本的な要請でございます。
 そこで、税制調査会の特別部会の試案の中でもお読み取れになれますように、一般消費税の税収を譲与税の形でまたは税源の形で地方に配分するということをどういうふうに考えるかという問題す詰められております。まだ答えに達しておりませんが、いずれにいたしましても、国、地方を通ずる財政の状態に対して一般消費税によってどういうふうにこたえていくかという問題の一環として、今後とも検討を進めていきたいというふうに考えております。
○藤田正明君 関連。
 五十四年度予算の編成が大変財源的に苦しいものだということをけさほどから何回も聞きました。一般消費税にいたしましてもなかなか環境が厳しいものであることは、大蔵当局の方も十分御承知のとおりだと思う。そうしますと、いろんな面で財源を探さなきゃならぬ。これはまた増税でもありましょう。
 しかし、ここでいまから私が申し上げることは、白昼堂々と千二百億も三百億も脱税をやっている事実がある。それを主税局なり当局はどういうふうにお考えになるかということをお尋ねしたい。
 ということは、公営競技であります。公営競技の特に競馬の関係、これがいま一兆円、公営競技全体では四兆五千億ぐらいの売り上げになっているはずでありますが、中央競馬は一兆円ちょっとの売り上げになっていると思う。第一次納付金は一割であります。第二次納付金は施設投入費と見合った額を第二次納付金として納めることになる。そうしますと、大体売り上げの一二、三%が国庫に納入されるはずであります。いま、のみ屋と称せられる連中が、大体売り上げと同額程度のものをのみ行為として行っておる。いま中央競馬の売り上げが一兆円、それと大体同等の額がのみ屋の手によってのみ行為が行われておる。そうしますと、約一兆円ののみ行為が行われるとするならば、千二、三百億の当然国庫に入るべき金が白昼堂々と脱税をされておるということになるわけであります。これらに対して大蔵当局は、これは競馬は農林省の監督下にあるんだからおれは知らぬよと、こういうことで済まされようか、そういう時世ではない。もうどこでどういう財源を見つけようかと思って血眼になっている現在において、こういう問題をどういうぐあいにお考えになっているか、主税局長。
○政府委員(高橋元君) 税制の問題と申しますよりは、これは執行の問題であろうかと存じます。税制の問題といたしましては、御案内のように、公営競技の入場料金、これは入場税を課税しておりまして、現在そこそこの税収を上げておるわけでありますが、いま藤田先生から御指摘のありましたように、これは農林省の御監督でやっておられるというわけではないんでございまして、のみ行為で得た所得を課税をいたしておるかどうか、私ちょっと所掌が違いますので承知しておりまんが、そういうもので得られました所得について的確な徴税が行われますように、国税当局とも相談をしてまいりたいというふうに考えております。
○藤田正明君 税制の問題とかそういうことじゃないんですよ。こういうふうに、いま財源を大蔵当局として方々に血眼になって探しておられることは当然だと思う。そういう際に、白昼堂々と千二、三百億という国庫に納入されるべき金がのみ行為ということで消えてなくなっている。しかもその七割、八割は暴力団の資金源になっている。こういうことに関してどういうぐあいにお考えになっておるかということ。
 それからもう一つは、こういうのみ行為をやった者に対する罰則の強化、現在胴元とお客とそれぞれ罰則があります。非常に軽微なものです、これは。その上に所得税違反、脱税として追及される必要があろうかと思う。その辺は国税庁の方になりますかね。私はそういうふうなのみ行為を罰することによって、刑を大きくすることによってそういうのみ行為を少なくする、なくするということが望ましいのであって、人を罰することが望ましいわけじゃない。
 ですから、こういう二つの点、第一は姿勢の問題、農林当局がお考えになりゃいいじゃないですかと、大蔵の方は知りませんというだけではこれは済まない問題と、それから第二は、所得税違反としてこれをやれるのかやれないのか。
○政府委員(高橋元君) いまの藤田先生のお話で、胴元または何といいますか、私設馬券を売る人、いずれにいたしましても所得が発生をいたすと思います。それにつきまして課税の適正を期していきたいということは、藤田先生の御指摘のとおり私どもも同様に思っておりまして、国税庁ともよく連絡をいたしまして、執行上の税負担の公正を保てるように努力いたしてまいりたいというふうに考えます。
 それから、競馬法違反であるという問題につきまして、これは私どもの――まあこう申すとまたおしかりを受けるかもしれませんが、直接の所掌外のことでございますけれども、国の法秩序全体を保つために私どもとしてもそういうものについて厳しい目を持って向かっていかなきゃならぬ、こういうふうに考えております。
○戸塚進也君 来年度の新しい財源の中で、たばこについてはどんなふうに考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(村山達雄君) これも、来年度の予算編成の過程で本当に具体的な問題として考えてまいらねばならぬのでございますが、五十年度にたばこの小売価格を改定させていただきました。当時益金率がそれによりまして大分上がりまして六〇%ぐらいになったのでございますが、その後物価がどんどん上がっておりますし、また紙巻き原料葉たばこ、人件費等が上がっておりますので、益金率、つまり定価ではかりました小売総額に対する消費税納付金、それから社内留保、その全体の益金率がいま急激に下がっておりまして、五五%程度まで下がってきたかと思うのでございます。そういう意味で、たばこの小売価格の定価改定という問題はやはり検討課題になるであろう、かように思っております。
○戸塚進也君 円高の差益還元についてちょっと二つ伺います。
 一点は運輸省、航空運賃の場合、私の目の子ですよ、成田からニューヨークへ往復したときに、日本で切符を買うと約三十万、それからいまの実勢レートでニューヨークで往復で成田まで買うと約二十万、これはどう考えてみても納得がいかない。ですから、協定もあるとかいろいろ理由はあるだろうけれども、しかし一刻も早くこれは現実に照らして、ひとつ海外もなるべくたくさん行ける、日本人の一割がいま全部海外へ旅行すればこれで円高は解消するそうですから、ひとつやっぱりそういう実勢を照らしてやってほしい。
 二点目は、海外からおみやげを持ってくる場合に、一万円以下のものはこのごろ申告しなくてもいいと、こういうようなことで大分温情を持って円高対策やってくれていますが、しかし二万円とか三万円のものは十万円でまたやっぱり切られる、これは思い切って三十万円ぐらいに上げるべきじゃないですか、その課税の額を。宮澤大臣なんか非常に熱心なようですが、大蔵省さん少しサービスしませんか。以上二点。
○説明員(早川章君) 運輸省から国際運賃の方向別格差の是正の件でお答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、ただいまの実勢レートで換算いたしますと運賃に大きな差があることは事実でございます。そのために、これは経済対策閣僚会議等の決定によりまして、方向別格差の是正に努力するということでございまして、現在アメリカ発なりそういう外国発運賃というものにサーチャージする、それからまたこちら発、日本発の運賃を引き下げるということで、現在マイアミにおきまして国際航空運送事業者協会が開かれておりますが、その場を通じまして関係業者の了承を得られるような、しかるべき方向別格差是正が行われるように日本航空を現在指導中でございます。その後、関係国の認可、非認可というステップがございます。その点いろいろ問題があるわけでございますけれども、今後とも努力いたしたいと考えております。
○政府委員(副島有年君) 先生御指摘のように、本年の九月十五日から海外旅行者の持ち帰り品につきまして一人一品目五十ドル、約一万円以下のものにつきましては課税対象から外しまして、旅行者の時間的なあるいは事務的な負担を軽減すると同時に、実質的な免税枠の拡大を行ったわけでございます。
 十万円の枠をさらに拡大せよという先生の御意見でございますけれども、十万円の枠を引き上げますと、比較的何と申しますか高級品、たとえば毛皮とかあるいは宝石というようなものを買い得る一部の旅行者をさらに優遇するという課税上の公平の問題が出てくると思うわけでございます。
 それからもう一点は、現在のわが国の十万円の免税枠というものはアメリカの約五倍でございますし、ドイツ、カナダの十倍、あるいはイギリスやイタリーの二十五倍という非常に寛大な枠になっておりまして、これをさらに引き上げるという点につきましては、国際権衡上問題があるんではないかというふうに考えております。
 ただ先生に申し上げておきたいのは、現在の十万円の枠が設定されましたのは昭和四十七年でございますが、それ以降、円が非常に強くなりまして約六割方円が上がっております。したがいまして、海外旅行者が買ってこられる品物もかなりふえておりますので、円高メリット還元というものは、かなり現在の枠でも生きているんではないかというふうに考えております。
○戸塚進也君 大臣、もう実は時間が二分しか残りませんでしたので、済みませんが、三点まとめて伺いますから、どうぞお許し願いたい。
 一点は、例の円高問題から準固定相場制、その後、各国際会議いろいろございました。欧州でも共同通貨、こういう問題が出ております。この問題等についてその後の情勢、そしてローザ構想といいますか、こういうふうなもの、宮澤構想というようなものがその後どんなふうに検討されているか、これが一点。
 二点目はデノミ、再度承りたいが、それについてどうお考えか。
 最後の三点目は、大臣御所管外で申しわけないが、参議院予算委員会で中小企業専任大臣についてお尋ねしましたら、総理はいままでの姿勢よりちょっと積極的になってきた。大平自民党幹事長は、具体的に法律をどう改正したらいいか持ってこい、こういう御熱心だ。所管大臣ではないが、重要大臣として中小企業専任大臣についてどうお考えになっているか。
 以上三点承りたい。
○国務大臣(村山達雄君) まず、新欧州通貨のその後の動きでございますが、つい先日、マルクとクローネの間で四%方マルクが切り上げが行われた。それからベルギー・フランとオランダのギルダーとの間でやはりマルクが二%、この方は切り上げられた。それで、基準価格はそのように引き上げられまして、そして従来のいわば介入点はその基準の上下二・二五%であることは変わりございません。そういう動きがございます。
 これは一体何を意味しているか、いろんな観測があるわけでございまして、これはいまスネークの中での調整でございます。いま欧州新通貨というのはこの六カ国だけではなくて、さらに多くの国を引き入れようとしているわけでございまして、そのために別途いま作業が行われております。先般IMFに行きましたときには、年内に事務的に詰めて、それで年明けには結論を出したい、こう言っているわけでございます。したがいまして、いまのところはその仕組みなりがわかりませんとどういうことになるかということはにわかに判断できないのでございます。いずれにいたしましても非常にむずかしい問題であろうと思います。それに対して、あえて独仏が中心になりまして新しい通貨制度をつくろうというわけでございます。ただ、その新しい通貨制度というものが欧州版SDRの範囲にとどまるのか、よりもっと通貨として機能するものであるか、これはその最後の答えを見ないとわからぬと、こういうところでございます。
 それに関連いたしまして、ローザ構想という問題あるいは宮澤経企庁長官等が触れました一種の主要通貨の間で目標値をつくって、それを目標にして介入してはどうであろうか、この構想について、一般論として不賛成を唱える者はそんなにはないと思います。ただその条件が整っているかどうか、条件が整わないところでもしやれば、逆に通貨投機を誘発するということはもう明らかでございます。したがいまして、いま現実の問題として国際通貨の場で論じられているのは、そういうローザ構想ではなくて、まだ基礎条件の方を整備することがまず先決であるという点が中心的に論議されております。
 その一つは、何と申しましても各国経済の実態面のやはり整合性を合わせていく必要がある、特にアメリカの方はインフレ抑制をやる必要があるだろうし、黒字国の方はもう少し景気刺激策をとることによって、実態面でもって整合性を保っていくという問題。
 それから第二の問題は、それにもかかわらず、それは完全に整合性というのはありませんから、経常収支が完全に二国間でバランスするということはこれはあり得ないわけでございますから、当然そのときには変動為替相場の利点が働くであろう。それはやはり為替収支の状況によりまして円が高くなったりドルが安くなったり、これはむしろ変動為替相場のいいところなんで、そのことによって長期的には調整されていくんだと。問題は、その本来の変動為替相場の利点が、まあ一年とか一年半たって発揮されるまでの間に投機資金が動く、その投機資金をどうして抑えるか、これはいま世界各国いい答えが出ていないわけでございます。そういう問題としていま論議されているということでございます。
 それからデノミにつきましては、まあ大蔵省の方では基礎研究は大体あらかた済んでおるわけでございますが、ただこの問題といたしましては、やはり日本の経済がいろんな面で安定しなければやることは無理であるということが第一。第二番目には、国民がこのデノミというものは経済に対しては中立的な問題であるということをよく理解してもらうということが第二の条件である。およそデノミをすれば、デノミの話があると株を買っておきなさいとか、あるいは不動産屋が、いまのうちに不動産を買っておいた方が得ですというようなことがやはり行われる限り、これは撹乱分子になってくる。だから、二つの条件が整ったときでなければデノミというものはやるべきではない、いまはそのときではないと、こういうことでございます。
 それから第三番目の中小企業の問題、所管外の問題でございますが、やはり非常にむずかしい問題であろうと私は思うのでございます。中小企業は、恐らく各省間を通じて全部中小企業というものはあるわけでございます。それを横断的に、たとえば通産省所管、運輸省所管、大蔵省所管、まあその他でも中小企業というものは第三次産業もございましょうし、それを横断的にもっていくということが一体果たして現在のようなときにどうしたらプラスになるであろうか、非常にむずかしい問題ではなかろうか。そして、特に経済の問題は、大企業も中小企業も零細企業もすべてある意味で対立し、ある意味で協調しているわけでございますので、そういうものをつくった場合にどういう運用をするかということがまず第一に具体的に考えられなければならぬ。残念ながらいま私はその青写真を知らないわけでございますので、この問題は非常にむずかしい問題であろうと、こういう考えを持っております。
○渡辺武君 一般消費税について伺いたいと思います。
 大臣先ほど、できれば来年度に導入したいという趣旨のことをおっしゃいましたけれども、そこで伺いたいんですが、おととい、つまり十五日の毎日新聞に、大蔵省は十一月の末に再開する税制調査会に来年度導入の是非を諮問する方針を決めたということと、それから大蔵省は直ちに次の通常国会に提出する一般消費税の法案作成に着手、各省庁との折衝に入ったということと、それからいまのところ法案の規模は百五十条程度と見ている、それから税率は七、八%になる見込みだというような記事が出ております。大体こういうところですか。
○政府委員(高橋元君) 大臣からお答えのあります前に、新聞記事のことでございますから、私から事実を申し上げておきたいと思います。
 大臣から午前中もたびたび、また先ほどもお答えのありましたように、私ども当面の財政の事情というものも考えまして、できる限り早く、早期にこれが導入が可能なような準備というものを事務的には進めておるわけでございます。
 その一つとして、一つは各界と、また各方面といろいろ御意見を伺いまして、税制調査会の特別部会の試案ではまだ骨組みになっているところの肉づけをどういうふうにしていくかという準備を進めるということが一つ。もう一つは、これはいずれまた法制的なものでございますから、それについての法律上の問題点を詰めていって案というものをつくっておかなければならない、もちろん内部の問題でございます。そういう形でいま仕事を進めておるわけでございます。
 ただ、これを現実にどういうふうにもつていきますかということは、またこれは大臣から後からお答えがあると思います。その際に、法案の形がどうなっておるか、これはまだ本当の作業の段階でございますから、いまここでどのくらいの大きさの法案になりそうかということを申し上げるのは、まだ時期が早いかという感じがいたしております。
 それから、五十四年度税制改正の一環として税制調査会に十一月の下旬にでも諮るかという問題でございますけれども、これは各界各方面といろいろ意見の調整なり聞き取りなりということをやっているわけでございますから、その状況をまとめた段階で、いずれ政府の税制調査会に御報告をして、さらに御審議をいただくという段階になろうかと思いますが、それがいかなる時期にやることになるかということは、現在のところ申し上げるまで固まっておりません。
○国務大臣(村山達雄君) いま事務段階での進行状況は主税局長が申し上げたとおりでございます。
 私が一般的に早ければ早いほどいいというのは、先ほど来言っておりますように、財政の危機というものが、やはり赤字公債を出しておりますといつの間にか慢性化してしまって、そちらの方のことは余り心配はない、資金需給が緩んでいるから幾らでも出せばいいというようなこと、つまりマクロの方の成長論であるとか、あるいは経常収支がどうなるだろうか、そういったことにともすれば全部の頭が行ってしまって、ミクロの方の整合性の関係、あるいは財政収支の関係がだんだん関心が薄くなっていくんじゃないであろうか。われわれは現在の消化状況、それから財政収支の試算で示しましたような、延びれば延びるほど大変だという感じを持っておりますので、一日も早い導入を望んでいるわけでございます。
 ただ、現実問題としまして考えられるのは、中期経済計画を策定することになります。その場合は、当然のことながらその整合性を保たにゃいかぬわけでございますので、政府の間でその間の意思統一を図ることがまず必要でございます。
 仮に、それなら何年脱却ということになりまして、赤字公債は何年脱却ということが中期経済計画に織り込まれたときに、来年度からやるかやらぬかという問題は、来年度におけるいろいろの経済の見通しの関係、あるいはさらには財政の問題、国債消化の問題、こういったものが全部絡んでくるわけでございます。その段階でわれわれ政府といたしましては、税制調査会にも御意見を聞き、そしてまた、その意見を聞いた上で政府としては最終的な判断をしなきゃならぬ。いま財政当局といたしましては、早ければ早いほどいいのではないか、こういう考えを持っていると、こういうことを申し上げておきます。
○渡辺武君 税率については、衆議院の大蔵委員会で税制調査会長は、五%前後から一〇%の間というような答弁しておられますが、この新聞ですと七、八%というさらに一層具体的な数字が出ているわけですが、大体そんなところを考えておられるわけですか。
○政府委員(高橋元君) 税率につきましては、部会の試案の中ではさらに検討をするということになっておりまして、単一税率ということ以外には、税率の高さについて「物価への影響や財政事情を勘案してさらに検討を行う」ということにとどめられております。いまお示しのありました新聞の記事がどのような根拠でそうやっておるかわかりませんが、私どもは具体的な税率の高さをいま考えて申し上げるという段階にはなっておりません。
○渡辺武君 参考までに伺いたいんですが、前の国会に出された財政収支試算ですね、あれを見てみますと、ケースAの場合は現在の税制をそのままにして自然増収を含めての税収がずっと出ておりますが、ケースCになりますと、いわゆる増税依存型で、新しい増税ということも考慮した税収の額が出ているわけです。それで、そのケースCからケースAを引いた税収額ですね、これが現在の税制以外に新たに増税として計上されるべきものだというふうに考えられるわけで、その額は私計算してみますと、五十四年度が一兆九千億円、五十五年度が四兆五千五百億円、五十六年度が七兆九千億円、五十七年度が十二兆三千四百億円、合計しまして四年間に二十六兆六千九百億円と、こういう数字になります。
 この数字については、私ことしの春、三月二十七日の参議院予算委員会でその点を伺いましたら、当時の主税局長の大倉さんが、おっしゃったような前提で計算しますとそうなりますというふうに答弁しておられます。
 そこでこの数字ですね、もし仮に一般消費税でこの税収額を賄うとすれば各年度の税率はどのくらいになるのか、これを伺いたい。
○政府委員(高橋元君) まあ二十六兆六千九百億円と申しますのは、ケースCの税収とケースAの税収の差額でございますから、渡辺委員からお示しのあった計算のようになるかと思いますが、ただ一点申し上げておきたいと思いますのは、十兆三千三百億円が五十四年から五十七年に各年度新規の増税額というふうにして示されておるわけでございますから、五十四年度に制度改正で入りました税収が、五十五、六、七と三カ年間税収としてはふえてくるというそもそも前提で計算されておるわけでございます。五十五年度分は五十六、七とふえてまいり、五十六年度分も五十七年にはふえてまいり、それを全部累積して足しておるわけでありますから、それが全体が新規の税制改正による増収を図るべき額であるということであれば、若干誤解を招きやすいかという感じがいたします。
 それから、財政収支試算の数字に一般消費税の税率を当てはめたらどうなるかというようなお尋ねかと思いますけれども、財政収支試算は財政の現状を理解していただくということと、それから今後の財政運営のあり方についての御議論の素材になるということを期待してお出ししたもので、増税計画というほど熟したものではないかと思います。その節にも申し上げておりましたように、財政収支試算に沿って、その中のケースCに沿って今後の財政運営を行いますということを決めておるわけではございませんし、各年度の十兆三千三百億円に合計するとなりますようなそういう増収所要額というものは、いわば毎年一二%の名目成長があって、租税の弾性値が丁二であって、歳出の方は中期財政計画の中で入れられているような、たとえば振替支出または政府投資または政府消費というものを機械的に一般会計に翻訳しだ計算したものでございます。
 それからもう一つ、十兆三千三百億円というものを全部一般消費税で埋めるというような前提で御説明をしておるわけではございませんので、そこでそういう財政収支試算の性格から考えてみますと、いま渡辺委員のおっしゃるような意味で一般消費税を導入する場合の税率に直したら幾らになるかということをこういう席で申し上げることは、私どもとしては余り当を得ていないという感じがいたすわけでございます。御理解をいただきたいと思います。
○渡辺武君 いろいろ言いわけしておられるんだけれども、私だから当初から言っているでしょう。現在の税制の税収以外にケースCで、つまり増税依存型だからそれ以外の税収当然出ているわけですね。これは従来大蔵省は新税を創設しなきゃこの税収はできませんと何回も言っているわけですよ。ですから、その新税なるものが仮に一般消費税であった場合はどのくらいの税率になるんだということを聞いているんです。大臣、そのくらいの計算できるでしょう、どうですか。ひとつ計算して出してくださいよ、資料として。いまはいいですけれども、提出していただきたいですから。
○政府委員(高橋元君) 昨年十月に出ました中期税制の答申の中でも、既存の税制の枠内でも税収の充実を図ってまいる、それによって国民の皆様に税負担の引き上げをお願いせざるを得ない時期であるということで、たとえば既存の間接諸税または企業課税というものにつきましていろんな方策を述べておられるわけです。それからまた、歳出の節減合理化についても一層の努力をすべきであるというようなことももちろん述べられております。私どももさような形で、財政支出につきましても一層の見直しというものが必要だというふうに考えておるわけですね。
 それで、さらにそれだけではまだとても全体の巨額な財政の赤字というものを賄っていくに足りないから、そうなると所得税と一般消費税といずれの道をとるかということが国民に課せられた重要な選択ではないかという御指摘がありまして、その一環として一般消費税が登場しておるわけでございますから、したがって、現在の段階で十兆三千三百億円全体が一般消費税によって賄われるというような前提を置いているわけではございませんので、そういう計算を資料としてお出しするということは御容赦願いたいというふうに考えます。
○渡辺武君 仮に一般消費税でやった場合はどのくらいの税率になるんだと聞いているんですからね、何もそんなごてごて言う必要はないと思うんですよ、そのぐらいのこと数字簡単でしょう。ぼくら素人ですけれども、各年度の消費支出の伸び、これはもう政府の資料ではっきり出ていますから、それで勘案して計算してみますとね、五十四年度は一般消費税だけでこの増税分が賄われたとすれば税率三%です。それから五十五年度が六・五%、五十六年度が一〇%、五十七年度が一四%、こういうことになるんです。大臣、このくらいのことは、これはぼくらでも計算できるんだから、だからひとつ大蔵省としても計算して資料として出してほしいです。
 そのことと、それからもう一点ついでに申し上げたいんですが、いま私が申し上げた数字ですね。五十四年度三%からだんだん高くなって、五十七年度は一四%になっているんですが、一般消費税というものは一回導入されますと、初めは税率が低くても、財政事情によってはその税率は漸次引き上げられる可能性があるということを示していると思いますけれども、この点どうか。この二点伺いたい。
○国務大臣(村山達雄君) まあ、この前の財政収支試算は五十四年から五十七年度まで段階的に各年度に増税額をずうっと割り振ったとき、その増税額はずうっとやはり一・二で伸びていきますと、こういう前提を置いて、それで赤字国債から脱却を五十七年にしているわけでございます。私たちの考えておりますのは、そのうちの、これはまあ財政収支試算でございまして、計画ではないわけでございます。消費税の導入という問題は現実の問題としていま提起しているわけでございます。したがいまして、まあ計算とは言うものの、やはりいろんな既存の税金にも恐らく手を触れるでありましょうし、特にまた不公平税制等にも手を触れるということにもなるわけでございます。だから、そういう意味で、単なる計算と申しますけれども、とかくやっぱり計算がひとり歩きいたしまして、まあわれわれは、非常にそこのところは御理解願いたいと思うのでございますが、いや、こんなことになるという話になります。その消費税というものは、当然のことでございますけれども、物価との関係も当然考えていかねばならぬ問題でございまして、これから本当に取り扱いは慎重の上にも慎重を期しませんと、なかなかわれわれが言っているように早期導入がむずかしいということがございますので、ひとつその点は御了承いただければ非常に幸せだと思うのでございます。
 それから第二番目の、税率は一遍やったら上げるんじゃないかと、こういうことでございます。上げないというようなことはこれはお約束もちろんできないのでございますが、意識的に何年にはこんなに上げますというようなことはもちろんいたさぬつもりでございまして、それは租税体系全体というものを見ながらどういうふうに負担を考えていくのか、単なる税収だけではございませんで、全体の租税体系から見て負担がまず公平にいっているか、そういう点を十分考えて動かしていくべき性質のものであろうと、このように考えているわけでございます。
○渡辺武君 この問題はいずれまた議論しましょう。
 それで、次に伺いますけれども、大蔵省は仮に一般消費税の税率が一〇%の場合ですね、便乗値上げなどがなければ消費者物価指数の値上がりは大体五%程度だろうという趣旨の答弁を衆議院の方でもしていらしゃいますけれども、税制によって物価が上がるにしても、いずれにしても物価が上がれば労働者の実質賃金はそれだけ下がらざるを得ないということだと思います。その場合に、もし労働者が賃上げを要求した場合、これは便乗値上げとしてその賃上げを抑えることが望ましいというふうに考えていらっしゃるのか、その点を伺いたい。
○国務大臣(村山達雄君) 賃上げの問題はいろんな要素がございますけれども、物価も一つの大きな要素だろうと思います。一回限りとは言うものの、消費者物価が上がりますればそれはやはり賃上げの一つの要素になるでありましょうし、それをしも便乗だとはだれも言わぬだろうと私は思います。
○渡辺武君 それは非常におもしろい答弁ですな。
 重ねて伺いますが、この税制はつまり一般消費者が最終的には負担する、物価に織り込まれて、そういう税制ですね。その一般消費税のために物価が五%上がったと。労働者がもしその分だけ賃上げを要求すれば、これは労働者は負担しない形になりますね。ですから、税制のたてまえからいったら、私は恐らく大蔵省は賃上げを要求してもらっちゃ困るんだという立場じゃないかと思って聞いたんです。私は当然これは賃上げ要求して闘うべきだと思っていますけれども、念のために伺うんです。
○国務大臣(村山達雄君) 賃上げのありますときに、企業としては、当然のことでございますけれども、生産性の向上という努力は別途行われるわけでございます。そうでないと全体の吸収できない分はコストアップと、こういうことになると思います。消費税の関係でもしそういうことが起きれば、これは一回限り、物価についても賃上げについてもそういう要素にはなり得ると、こう思います。
○渡辺武君 そうすると、いま大臣おっしゃったように、労働者が賃上げを要求するのは当然だということでありますれば、労働者が賃上げを要求して賃上げを達成したとしますね。そうすると、企業は賃金が上がったということを口実にして製品の値上げをやりますね、いろんなほかの手段も講ずるでしょうけれども。話を単純化しますよ、製品の値上げをするとしますわな。その場合はどういうことになりますか。便乗値上げと見るんですか、見ないんですか。
○国務大臣(村山達雄君) 便乗値上げというのは、財貨サービスに対する直接的な、一般消費税の創設によりまして上がったことによる直接の影響を考えているわけでございまして、いまの問題は労使交渉の中で具体的には決まることでございましょうけれども、そういったことまでを言っているわけではございません、便乗という意味は。
○渡辺武君 そうしますと、大蔵省は税率一〇%の場合でも、便乗値上げがなければ消費者物価数は五%程度でおさまるんだというふうに言っておられるけれども、いまの大臣の答弁ですと、その五%の消費者物価の値上がわで労働者が実質賃金の低下に甘んじないで賃上げを要求した、それが実現した場合でも便乗値上げではないんだと、それからまた、企業の方はその賃上げを理由にして製品を値上げしてもこれも便乗値上げではないんだと、こういうことになると物価指数五%におさまらなくなるんじゃないですか。あなた方のおっしゃっている五%というのは、これはちょっといまの話とは合わなくなってくるんじゃないですか、どうですか。
○政府委員(高橋元君) 一般消費税の税率一%当たり物価が〇・五%ぐらい上がるんではないかと申し上げておりますのは、一般消費税の導入前の価格水準に対してCPIベースでと申し上げた方がよろしいと思いますが、導入後においてCPIベースで消費者物価の価格水準が〇・五%上がるであろう。それは消費の対象になりますところの総体の消費支出に対して、課税によって値上がりが、完全に転嫁して値上がりが予想されるその大きさをはじき出しまして、大まかに〇・五ぐらいというふうに申し上げているわけです。したがって、便乗値上げと申しますのは、この税制調査会の特別部会の試案全体を通じてそうでございますけれども、税制が導入された際に、税制が導入されて当然コストがアップになります。したがって値上がり、販売価格がアップになるわけでございますが、それを超えて値上げをしてはいけないという意味で使われておるわけです。いま渡辺委員のお話のような場合は、いわば一種のスパイラルインフレーションというようなもののきっかけのようなことになるであろう……
○渡辺武君 そういうつもりじゃないですよ、疑問があるから聞いておる。
○政府委員(高橋元君) 私ども所得税という形で国民に税負担をお願いするか、それとも一般消費税という形で税負担をお願いするか、いずれにしても大きな選択をしていただかなければならないと申し上げておりますのは、所得税の形で税負担の引き上げをやります場合には可処分所得が減っていくわけです。それから、一般消費税という形で税負担の引き上げをお願いする際には、これは名目価格水準が上がって、それだけ実質のいわば可処分所得というものが減ってまいるということを考えておるわけで、いずれにしましても、導入をやるに当たりましては物価等の事情も考えまして、極力そういう影響のないような形でやっていかなければならないと思いますが、したがって、御質問のような形でスパイラルインフレーションというものが起こらないということを私どもとしては政策の中心に置いて考えていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○渡辺武君 どうも大臣の言われたこととあなたの最後の結論とは食い違っています。しかし、これまた改めてやりたいと思うんですが、なお重ねて伺いたいのは、いま厚生年金とか国民年金、これは物価スライド制が法定されていると思いますね。それから生活保護費、失対事業の単価、これも予算措置ではありますけれども、事実上物価スライド制が行われているわけですけれども、いまのように、一般消費税が仮に一〇%の場合に、その課税によって消費者物価が五%上がる、こういう計算になっているわけですね。そうするとその場合はどうなりますか、物価スライド制は。
○政府委員(加藤隆司君) 主税局の方の一般消費税のお話がございましたように、具体的にいまの段階でどうこうという確たることが述べられていないわけでございますので、現段階でははっきりしたこと申せないと思うわけでございます。ただ仮定の問題として、仮に消費者物価が五%上がったらどうであるかという、いまの税金と切り離して考えてみますと、ただいまの渡辺委員の御指摘の法律で制度がございますが、この計算方式で五%であればあの計算方式でアップになります。
 それから失対賃金は御承知のようにいささか仕組みが違うわけでございます。
○渡辺武君 それは知っているよ。税制のことを聞いているんだ、税制のことを。
○政府委員(加藤隆司君) 税制のことは、いま申しましたようにちょっと外におきまして、消費者物価が上がったならばという制度になっておるわけです。ですから、物価が上がればあの算式で厚年なり国民年金は上がるわけでございます。
○渡辺武君 この一般消費税というのは、私申し上げるまでもなく、物価の中に織り込まれて最終の消費者が負担する、そういう税制でしょう。税調のあの試案にだって初めの方にちゃんとそういうこと書いてありますわな。
 それで、その税制によって消費者物価が五%上がったと。さっき大臣は、その五%の値上げでこれで実質賃金が下がるんだから労働者が賃上げを要求するのもこれは便乗値上げではないんだと、こう言っておる。もしその論理が正しければ、一般消費税導入によって消費者物価が値上がりして、仮に五%もしくはそれ以上になったとしますよ。その場合も年金とか生活保護費とか失対事業費とか、失対事業の単価ですね、こういうものも物価値上がりに応じて、税制による物価値上がりに応じて当然引き上がっていくというふうに理解していいですかと聞いている。税制のことですよ、聞いているのは。いいですか、それ以外のこと答弁してもらっちゃ困るよ、時間がないから。承知の上で聞いてるんだから、それ以外のものは。
○政府委員(高橋元君) これは今度の特別部会の報告の一番後ろのところに出ておるわけでございますが、いわゆる新税の逆進性に関連した部分でございますけれども、「新税の創設に当たつては、導入時点における物価上昇の影響を緩和するため、所得税負担の調整や低所得者に対する財政措置を検討することも考えられるとする意見も一部にあつた。」と。税制調査会では、いま渡辺委員からもお話がございましたように、物価という形で消費者全体に負担していただくところの一般消費税の導入について、筋道としては物価という形で、先ほど私も申し上げましたが、実質所得が下がっていく、そういう形で税負担をお願いいたす、こういうことでありますけれども、低所得者層についてどういう措置を講ずるかということについての御議論が税調ではあったわけです。それをどうするか、いまのところまだ答えが出ておりませんので、先ほど主計局から申し上げたようなお答えになっておるかというふうに考えます。
○渡辺武君 財政措置として考慮するという場合、年金の場合には年金の額を上げる、生活保護費の場合はそれを上げるという以外にはないんじゃないですか、どうですか。そうすると、税制で物価が上がってもスライド制はその物価の上昇に応じてスライドしていくということになるんじゃないですか、大臣どうです。――いや大臣に伺いましょう。
○国務大臣(村山達雄君) 現在の仕組みは、物価が上がったその原因が何であろうとも、上がった物価によりましてスライド制をとっておるということでございますから、御理解いただけるだろうと思います。
○渡辺武君 そうするとあれですか、税制によるこの物価の値上がりも、あるいはそれ以外の要因による物価の値上がりも、同じように物価の値上がりとして見るということですね。重ねて大臣に伺いたい。
○国務大臣(村山達雄君) 現行の消費者物価にスライドしているものは、それがコストプッシュであれあるいはデマンドプルであれ、そのことは別に区別していない。したがいまして、やはり……
○渡辺武君 税制の場合はどうですか。
○国務大臣(村山達雄君) だから税制の方も、現行の制度は、現行のスライド制は区別していない、こういうことだろうと思います。
○渡辺武君 いやいや、つまり、現行のとおっしゃるけれども、現行のことは私も承知の上で伺っているんです。一般消費税を導入した場合、その税制そのものによって、税率一〇%の場合には五%消費者物価が上がるわけでしょう、その値上がりもスライド制の中に含めて考えるのかということを伺っているんです。
○国務大臣(村山達雄君) そうだという、そういう仕組みになっておるということを申し上げているわけです。
○渡辺武君 それでは、次に移りましょう。
 下請業者ですね、これはまあ非課税品を扱うんでなくて、たとえば自動車の部品のような課税品目を扱う下請業者というふうに仮に考えていただきたいと思うんですが、いまのように親企業から単価の切り下げなどを厳しく要求されているというような時点で、仮に一般消費税が導入された場合、仮に一千万円以下の売り上げの企業は非課税業者だとしましても、その非課税業者は、自分の納入する商品の下請単価ですね、とれには消費税かけなくてもいいんですが、しかし仕入れの場合には消費税かかったものを仕入れなきゃならぬ、こういうことになりますね。仕入れ控除ができないから、したがって、そのコストの上がった分はこれは下請単価の中に含めなければならぬわけですね。それでないと経営が成り立たぬということになろうかと思うんです。しかし、親企業がそういうコストの上昇を受け入れるかどうか。これはまあ受け入れられない公算の方が強いと思うんです。
 それからもう一点、免税業者でなくて納税業者、少し規模が大きくてね。これは自分の納入する下請単価に消費税を上乗せして納入しなけりゃならぬわけですね。親企業がそれに応じないで従来どおりの単価で納入させるという場合があろうかと思うんですね。その場合の税制上の扱いはどうなりますか。
○政府委員(高橋元君) 御質問の前段の免税業者が下請だった場合、この場合には確かに免税業者が使用する資材なり何なり、仕入れにつきましてほとんどの場合新税が課せられることでございましょうから、免税の下請としてはコストアップがあるわけです。その分を価格に上乗せをして親企業に納めることになるわけです。
 免税でない場合、自分の親企業に納めます工賃に税率を乗じただけの新税の負担を込めた値上げをして親企業に納めるわけでございます。
 それから、親企業もまたそうやって下請から購入しましたものについて自分で加工なり何なり、製造なりいたしまして、それでまた新税を乗せた値段で売っていくわけでございますから、したがいまして、一般的に私どもは転嫁を前提として制度を仕組むという考え方からいたしますと、そのいずれの場合をも通じて、親企業に小規模零細事業者が、または中小企業の下請が、新税込みの値段で売ることができる、またそのような制度をつくってまいるべきだというふうに考えております。
 なお、一言つけ加えて申し上げさせていただきますと、免税業者から親企業が仕入れた場合には、仕入れたものは免税業者から仕入れた、非免税の方から仕入れた、課税業者から仕入れたと区分をいたしませんで、全部仕入れ額について税率を乗じたものを自分の納める税額から引くことができるわけでございますから、そこでは免税の下請業者と免税でない下請業者との間の、税が介入したことによる、介在したことによる差別というものがないようになっております。この点はECのインボイス方式とわが国のいまとっておりますアカウント方式というものの差でございます。
○渡辺武君 時間がないんで一括して伺いますけれども、いまの免税業者の場合ですね、仕入れが課税されていますからコストが上がる、だから納入単価もそのコスト分だけは引き上げてもらわなきゃならぬわけですけれども、現実には親企業はそんなことのむはずないんですよ、いままでよりも単価が高くなるということについて。だから、私が伺っているのは、そういう場合はどうなるのかということを伺っているんです。もしコストが上がった分だけ下請単価引き上げてもらわなければ、仕入れの中に含まれている税金分はこの免税業者の負担になってしまうでしょう、転嫁は行われないんですよその場合は、これが私は現実だと思う。しかも、その反面でいまのあなたの説明によりますと、そういう免税業者の納めたものも課税業者の納めたものと同じように、税率が、消費税が課せられたものとして仕入れ控除ができるというのだったら、親企業がその税金分だけもうけるじゃないですか、二重のもうけになりますね。下請単価を抑えたそのもうけと、その点をどうするんだということを一つ伺っているんです。これが第一点。
 それから課税業者、これは自分の納入する下請単価に消費税の分を上乗せして買ってもらわなきゃならぬのですよ。ところが、親企業がそんなことをのむはずないんです。いままでの下請単価でがまんしろぐらいなことで泣かされるんです。これが普通の姿ですよ。その場合は一体下請業者はどうなるのかといえば、その納入単価に上乗せすべき消費税の分、これ自分のしょい込みになるでしょう。下請単価の実質切り下げという形になりますよ。一般消費税というのは、したがって下請単価切り下げの大きな契機になる、そのくらいのことは十分に私は考えていただかなきゃならぬと思う。その点大臣どうですか、最後ですから。
○国務大臣(村山達雄君) いま主税局長が説明したことで尽きているんだろうと思うんです。つまり、親請の方ですね、それも自分のいま下請の方がいわば免税点以下である。そして仕入れたものは課税物品である、こういたしますと、転嫁しなければ実質的にそれは切り下げになりますから、その分を転嫁する仕組みをつくります、こう言っているわけです。そして、その親元の方がそれをたたかないという仕組みは、それは課税物品を転嫁されたものでもって受けるのだから、その分は仕入れに立ちます、税込めで。売るときにはまた税込めで売るわけですね。だから当然転嫁されるわけなんで、この親請はそれをたたく理由は一つもない。すべてどんどん前の方に転嫁していく、そういう仕組みをつくります。こう申し上げておるんです。
○中村利次君 五十四年度の予算について政府の基本的な姿勢を、これは同じことをどうも繰り返してお答えいただくようで恐縮ですが、改めて承っておきたいと思います。
○国務大臣(村山達雄君) 五十四年度につきましては、いま概算要求の段階ではいわば骨格でございまして、かなり厳しくやっております。これからいよいよ肉づけをやるわけでございまして、その場合には来年度の経済見通し等、これ十分考えまして、そしてどのようにやっていくのか、こういうところを十分考えていきたい。
 特に、その点では公共投資関係がやはり最大の重点になってくるんではなかろうか、あるいは新規政策というやつは経常経費の中に出てくる。これについてはスクラップ・アンド・ビルド方式でやれと、こう言っておりますけれども、現実にどこまで抑え切ることができるか、こういうところにくるであろう。
 歳入の面につきましては、先ほどるる申し上げておりますように、一刻も早く健全財政をとりたい、できれば来年度から一般消費税の導入を図りたいと、こう思っておりますが、中期経済計画の中でそれをどのように織り込むか、そこの調整問題が一つあります。こういうことを申し上げているわけでございます。
 いずれにいたしましても、われわれは現在の財政状況を考え、財政収支試算の現在並びに将来を考え、また、最近における国債消化の現状を考えて金融に及ぼす影響等を考えますと、一刻も早く健全財政の立場で予算を組んでまいりたい、こういういま考えでございます。
○中村利次君 いろいろ、一般消費税の導入等は別にしましても、いろいろな税収増を図るためのたとえば租税特別措置の見直し等、これはいろいろと報道をされていますね。正式には、質問をしますと税制調査会で御検討を願うのだということでありますけれども、とにかくいろんな見直し等税収をふやしていこうという、そういうものについては情報がかなり先行をして新聞報道等をにぎわしておるわけでありますけれども、先ほどの大臣の御答弁を伺っておりますと、大体一四、五%ぐらいの伸びになるということになりますと、これはやっぱり五兆前後ぐらい予算規模はふくれるということになるわけでありますけれども、そういういわゆる税収をふやすための法律の一部改正等は別にしまして、税収の伸びをどれくらいに見積もられるのか。これは景気の回復、経済活動がどういうぐあいになっていくかということに関連をいたしますが、あくまでも福田内閣は、総理も大蔵大臣も全閣僚が実質七%程度の成長は大丈夫だとおっしゃっているわけでありますから、そういうことを前提としてどれくらい税収が伸びるとお考えになっておるんでしょう。
○国務大臣(村山達雄君) 税収の伸びはなかなか、これは実際には積み上げ計算で来年度やるわけでございます。仮に七%成長と申しましても、これは需要項目の積み重ねでございまして、それとは直接にはなかなか関係しないのは御承知のとおりでございまして、所得税系統が最大になっているわけでございます。したがいまして、個人の所得が一体どれぐらいふえるのか、それから法人の収益が一体どれぐらいふえるのか、法人の収益がふえるにしても、経常収益がふえても特別の利益の方を引っ込ましてしまいますと、これは税収の方ではさっぱりふえてこないのでございます。そういうことでございまして、なかなかその七%の実質成長と税収とが直接結びつかないということを御理解いただけるだろうと思います。
 今度は逆の面から見ますと、いままで結果的に一体名目成長値に対して弾性値がどれぐらいかと、こう見ますと、一・二というのはなかなかむずかしいということは言えるだろうと思うのでございます、過去の経験から言いまして。試算では一・二を見ております。大体そんな状況ではないであろうか。しかも先ほど、歳出の伸びだけでなくて、実際に申しますと五月分の税収取り込みが二兆百四十億ぐらいございます。その税収の面から申しますと、その五兆歳出が仮に伸びたとした場合、それプラスいまの年度調整分というもの、その二つ考えていかないと、来年度の健全財政という問題を考えるときにはその両面からにらんでいかなくちゃならない、こう思っております。
○中村利次君 そうなりますと、確かにこれは容易でない、五十四年度の予算というのは容易でないことになりそうですね。そしてまた、大臣は赤字公債の発行はできるだけ抑えたい。これは赤字公債の発行をできるだけ抑えたいというのは、大蔵大臣あるいは福田内閣だけではなくて、国民全部がそう思っていると思うんですね。しかし、歳出の規模はふくらんでいく、またいかなきゃならない、これは下手なことをやりますと景気の足を引っ張ってしまってえらいことになりますからね。そして税収はなかなかどうもそれに見合ってふえそうにないということになりますと、やっぱりこれは歳出を抑えるか、歳出を抑えることができなければ――いわゆる歳出を抑えるということは、たとえばむだをなくするという、行政改革なんかその最たるものでしょうけれどもね。これをやるやらないというよりも、できないということになると、やっぱり増税に頼らざるを得ない、こういうことになると思うんですが、そこら辺の、何というんですかね、政治的判断はいかがでしょう。
○国務大臣(村山達雄君) 行政改革を含めまして、歳出節約の努力というのはもうできるだけやるつもりでございますし、また、やらねばならぬと思うのでございます。また、歳入面におきましていわゆる不公平税制というものの是正も極力やりたいと思うのであります。しかしその額を考えまずと、およそさっき言ったような一般的な歳出の需要の伸び、節減とかそういう問題でなくて一般的な伸びあるいは二兆数千億というものの先取り、こういった規模にはとうてい及びもつかぬこともこれまた大体目の子で見当つくわけでございます。したがって、われわれは努力はしてもなお財政健全化のためにやはり一般的な負担の増が必要である、こう考えているわけでございます。
 それから、景気との関係でございますが、赤字公債に全部頼った場合と増税との比較は別でございまして、増税、負担増といいましても、いただいた分は全部歳出に出すわけでございますので、だからそこのところはよく御理解いただきたいと思うのでございまして、いただいたやつはしまって留保にしているわけではございませんで、全部出すわけでございます。ただ危ない橋を、将来に対して非常に危ない赤字公債に安易に依存すると、この姿勢を早くやめないと将来大変だというわれわれは危機意識を持っているということを御理解願いたいと思うわけでございます。
○中村利次君 それは赤字財政をできるだけ早くやめようというのは私も賛成ですし、だれも反対する者はいないわけですね、ただ、私は違うと思いますのは、いろいろこの見直しをやって歳入歳出を、赤字財政脱却の努力をぎりぎりまでやる、やるけれども、しかしやっぱりそれでも本当にそれはわずかなものですよとおっしゃいますが、私も国民もそうは思ってないんですね。たとえば行政改革なんかこれは非常に困難だから――困難だということはわかりますよ、しかしやろうとすれば、やればそんなにわずかな財源ではないはずなんですよ、ただやらないだけ。ですから、そこにやれないんだという前提というか、先入観があるんですよね。やれないんですか、やらないんですか、それは。これはまあ大蔵大臣に対する質問としては適当でないかもしれませんが、これはやっぱり、何というんですか、全体の問題が絡んでいることですから、やれないんですか、やらないんですか。
○国務大臣(村山達雄君) 行政改革の問題もさることでございますが、われわれ財政当局といたしましては、それによって経費の節減という問題にどれだけつながるかという問題を最大に財政当局としては考えているわけでございます。その点から申しますと、機構という問題もさることながら、やはり一番大きなウエートは、定員はいま総定員法の中でどんどん人員を抑えているわけでございます。これがどれだけ成功するかということが歳出としては一番大きな項目ではないであろうか。もちろん風通しのいい、そうしてむだな、あるいはいろんな手数が複雑なそういったものもどんどん認許可をやめていくとか、そのことは結局人員削減の方につながるとは思いますけれども、最終的には総定員法でどれぐらい一体抑えることができるか、それの中で行政改革がそれにどれぐらい一体貢献するであろうか、こういう問題が最大の問題ではないであろうか。最後はやはり定員削減に絡む人件費の問題、これが一番大きな問題じゃないかと思っております。
○中村利次君 解雇を伴う行政機構の改革なんというのは、これはもう大変なことでやるべきじゃありませんけれども、やっぱり人員、人減らしの伴わない――これは解雇と人減らしは違いますからね、行政機構の改革なんていうのはあり得ないわけですから、それをどうやってやっていくかというのが行政のやっぱり手腕でなきやならないんだが、私はやれないんではなくてやらないんだと思うんですよ。それは福田内閣になってから、福田総理がかなりの決意を持って建設省、国土庁等の統合だとか、あるいはエネルギー危機の世代を迎えてエネルギー省の新設なんかを提起したら、いやまあ大変なこれはけんけんがくがくで、お役人方が大変なこれは反対、自民党までおかしくなっちゃって、ついにこれは総理が完全敗北をしなきゃならないような、そういうことでやっぱりやれないんじゃなくてやらない、そんな火中のクリを拾うのはしたくないということだと思うんですがね。
 そうなりますと、やっぱりそのしわ寄せで一般消費税の導入だとか、あるいはその他酒、たばこの値上げだとか、そういうのに走られたんではこれ国民大衆にとっては迷惑千万ということになるんですが、そういう点はどういうぐあいにお考えですか。
○国務大臣(村山達雄君) これは、今後といえどもその点につきましては最大の努力を払うであろうと私は見ているわけでございます。また歳入面につきましても、不公平税制等についてはやはり可能な限り全力を挙げてやっていくだろうと思うのです。ただ、それとこれから予想される歳出費用あるいは一般税収との見合いから申しますと、とてもそれでは追っつかないであろうということも十分わかるわけでございます。したがいまして、両々相まってやはり健全化を図っていく必要があろう、このように考えているのでございまして、行政改革と不公平税制だけで事が片づくほどのアンバランスの程度ではない、はるかに規模が大きい、こういう認識でございます。
○中村利次君 ですからそこが違うって言うんですよ。それはあなたおやりになる気がないから、行政改革なんていうのを非常に過小に、一所懸命がんばってみてもこれだけしかやらないんだという、そういう前提があるからでしょう、それは。そんな見合うものじゃありません。だから、その姿勢はよく毎々言われますように、いわゆる医師の診療報酬に対する課税問題等についても言えることでして、五十三年度の税制調査会なんかは、もうかなりこれは私どもが読んでもきつい表現でこの改善を勧告をしておるにもかかわらず、政府はついに逃げて、福田総理の御答弁によりますと、これは自民党から議員立法でやるんだと言って、まあ自民党にこれはバトンを渡したようなかっこうだけれども、自民党も全くこれはおやりになる態勢はないようでありますけれども、五十四年度あたりはどうなりますか。
○国務大臣(村山達雄君) やや少し認識が違うのかもしれませんが、私はいまの現員と定員の関係でございますけれども、ほっておきますと現員が定員を突破しそうな勢いになってくると、いろんな財政需要からいたしまして。ですから、むしろそういうことにならないように総定員法でそれは計画的に抑えていきますと、それから新規採用の方もできるだけ抑えていきますと、こういうことをやっておるのであって、そして行政改革というものは、いまともすれば現在の定員を突破しそうな現員というやつを、定員数でもって、行政改革によりまして定員を抑えることによって現員の突破しそうな圧力をいま抑え込んでおると、そのことによって結果的に人件費その他の軽減を図っておるんだろうという一般的な認識であるわけでございます。むだな人間がぞろぞろおって、それで行政改革をやったらみんないまの現員をやめてもらうんだと、そういう形での人件費の節減というような状態にはないんではないだろうか。そこのところが少し違うんじゃないかという感じがいたします。
○中村利次君 私は時間もできるだけ切り詰めようとすることもあり、短い質問時間ですから大変荒っぽい質問をしていますから答えにくいのかもしれませんけれども、その診療報酬の件はどうなんですか。五十四年度の中で何とかけりをおつけになるおつもりですか。
○国務大臣(村山達雄君) これもしばしば申し上げておりますように、わが党が本年度の予算編成の過程で、これは今年度限りにするということをはっきり約束しているわけでございます。それに対応して所要の措置を講じますということでございます。
 政府ももちろん、政府・与党一体でございますので、相協力して党が約束したことを政府も協力して実現するつもりでございます。
○中村利次君 これは水かけ論みたいになるんでしょうけれども、与党の自由民主党と政府は一体だから、それはもう自民党がやると言っているんだから大丈夫だという御答弁ですが、だったらぼくは、やっぱり政府が税制調査会からああいうきわめてきつい表現を用いた答申を得ているわけですから、政府ができないはずはないと思うんですよ。ですから私は、五十四年度も何かどうも大丈夫だとおっしゃっても本当に大丈夫かと思うんですけれども、大丈夫ですか、これは絶対大丈夫ですか。
○国務大臣(村山達雄君) 党が今年度限りでやめるとはっきり言ったのは今度初めてだろうと思います。したがいまして、党も非常な決意を持って言っているわけでございますので、政府もそれと協力してこれを実現するということをいま考えておるわけでございます。
○中村利次君 青嵐会はこれは本気になって、医師会とけんかしてでもばっちりやるんだという姿勢のようですけれども、党の大勢はどうですか。これはしかしそういう姿勢が、健全財政を政府が呼号されてもなかなかどうも国民が納得できないのは、やっぱりそういう政府の姿勢にあると思うんですよ。
 たとえば租税の特別措置の問題についても、私どもはもう長年にわたっていろんな問題提起をしておる。ところがそれに対して反応はなかったんです。いまここ二、三年見直しをおやりになっておるのは、やっぱり財源で困って困って困った結果見直しをやられておるんですね。五十四年度はさっき大臣もおっしゃったように、大変な財政事情にあるというので、いま一段と税収をふやす上での見直しをやろうとして、そして盛んに新聞等で報道をされるところによりますと、価格変動準備金だとか、有価証券取引税だとか、あるいは交際費課税だとか、その他いろんなものがもう具体的な裏づけまで添えて報道されている、大体これはどれぐらいになりますか。
○政府委員(高橋元君) 租税特別措置の用語につきましていろいろ混乱があることはたびたび申し上げておるわけでございますが、現在の租税特別措置による企業向けの租税特別措置、つまり租税特別措置法によりますところの法人税の減税額と減収見込み額というのは五十三年度で千九百二十億円でございますが、その約半分が中小企業向けでございます。それから個人向けのものが約七千億ございます。この三分の二ぐらいがたとえば生命保険料控除でございますとか、それからマル優、つまり少額貯蓄の利子の非課税でございますとか、住宅貯蓄ないし住宅取得控除でございますとか、そういうものでございます。
○中村利次君 確かにこれ、本当にいろいろのろしを上げても財源としてはそう大したことはないようですね。そうなりますとこれはますます心配になってくるんで、私どもが一般消費税の導入はいろんな意味から言って五十四年度は政府はやらないだろうと思うんですよ。しかし、先ほどから大臣の御答弁を聞きますと、いやそれはそういうことではないんだと、できるだけ早く導入をしたいという御答弁でありますし、なお、財政年度にこだわらないんだという答弁なんかもございましたけれども、これは容易でない。しかし、まあこれは実際問題として実質七%成長を国際的にも公約をし、それから強気のいろいろの御答弁を聞き、あるいはこの間の予算委員会の議論等を通じてみましても、七%は達成できるという立場をきわめて強気におとりになっておりますけれども、しかし、これはどうなんですかね。追加補正予算まで、二次補正予算まで組まなきゃならないんではないかと私どもは思っておる。そうなりますと、やっぱり一般消費税の導入が果たして景気浮揚策とどう絡み合っていくのか、そんなものを見きわめもしないで、できるだけ早く一般消費税を導入したいというようなことでは、どうもやっぱりこれは経済運営に大変な欠陥が出るんではないかという心配がありますがね、いかがでしょう。
○国務大臣(村山達雄君) これも最近しばしば申し上げておるわけですが、あらゆる条件抜きで成長だけすればいいんだという考えはどんなものであろうか。やはりすべての問題について整合性を持たないと、成長だけやったために後で国際収支の問題がめちゃめちゃになって、しかも黒字幅がさらに大きくなると、あるいは財政収支の関係が非常に悪くなるとか、さらには無理な民間投資をどんどん強制するとか、単に成長というのは結果の話でございまして、そういうものではわれわれはなかろうと、こう思うのでございます。あくまでも全体の経済の整合性の中で可能な限り高い成長、そしてまた可能な限り健全な財政と、こういうものをやはり求めていかざるを得ない。現にそういうもう時期を迎えつつあるという認識なのでございます。したがって、いま中村委員が、私が一般的に考えるとしょせんは来年は無理だというような御発言があって、これは別にお責めするわけじゃございませんけれども、相なるべくはそういうことを言わないで、やはりむずかしいんだと、一度ここは千番に一番の兼ね合いの問題だというような御認識を持ってもらうと非常にありがたいと、勝手でございますけれども思うわけでございまして、それほど目に見えないものでございますから、ついやはり赤字国債になれ切ってしまった日本のいまの財政体質、こういったものも本当に皆さんから真剣に考えていただきたい、お願い申し上げます。
○中村利次君 あえて議論のすれ違いを求めていらっしゃるようですから、これはもうかみ合わないのはやむを得ないと思います。
 きょうは何か後の時間も大分詰まっておるようですから、こういうかみ合わない議論を続けてみたって無意味ですからこれでやめますけれども、やっぱり私は予算委員会等を見ても、ずっとこの臨時国会を通じて政府の高姿勢といいますか、強気ぶりというのが非常に目立ってますね。そして補正予算も政府原案どおりといってそう誤りではないほどやっぱり成立をしました。しかし、私はきわめてむずかしいこの現在の経済事情、それから財政事情――財政事情のことを言うと大臣にまたいばられるかもしれませんけれども、こういうものに正しく対応するのはいまの政府の高姿勢によってではないと思うんです。ここで何も納得のできる御答弁をいただけるとも、あるいはいただこうとも思いませんけれども、日本の財布を預かっておる大蔵大臣ですから、まあひとつある意味では反省もしていただいて、しっかりしたかじ取りをお願いをして私の質問を終わります。
○野末陳平君 サラ金のことで大分あちこちで議論になっておりますけれども、待てど暮らせどなかなかサラ金をどういうふうに今後規制していくかということについてはっきりした結論が出てこないので、別の角度からサラ金について質問したいと思うんです。
 金融機関がサラ金業者に融資をしているというのはもういま常識になってますけれども、大体その実態がどの程度かということについて大蔵省は把握されているんですか。
○政府委員(徳田博美君) 金融機関のサラ金業者に対する融資につきましては、検査等におきまして個々の場合において把握しておりますけれども、全部の金融機関が融資総額がどうであるかということについては、そのような数字はまだ把握しておりません。
○野末陳平君 半年前ぐらいでしたか、新聞に三菱信託がサラ金の大手のマルイトですかに八十億円ばかりを融資しているというような記事が出まして、その後ぼくもあちこちで聞いてみて知り得た範囲なんですけれども、たとえばマルイトという業者にも、三菱信託だけじゃないんですね、もうかなりの金融機関が融資をしているわけなんですね。
 ざっと知った範囲なんですけれども、額の大小は別としまして、マルイトの場合は、東京相互でしょう、それから三井、三和、第一勧銀、ここらは支店がもちろん融資しているわけですが、そのほかに幸福相銀とか京都相銀、九州相銀、阪神相銀、平和相互とかあるんですね。このほかにもあるようなんですね。どうもほとんどの金融機関は何らかの形でサラ金業者に融資をしているんじゃないかと、こう思うんですが、いまぼくが言いましたマルイトですが、これについては大体こんなものなんですか。
○政府委員(徳田博美君) 金融機関の個々の取引につきましては、企業の秘密にかかわることでもございますので、詳しく申し上げることはお許し願いたいと思いますが、御指摘のような三菱信託、東京相互等につきましては、量的にも問題がありますので、これに対しては自粛を要請いたしました。
○野末陳平君 当然通達も出ておることですし、どの程度自粛の要請があったのかそれはわかりませんけれども、いまの場合、都銀がそれまでも融資しているというのは意外というか、どうも穏やかじゃないという気がするんです。このマルイトの場合は、あとほかの例も挙げたいと思うんですが、とりあえず三井と三和と第一勧銀だけがわかったんですが、信金とか信組ならいざ知らず、都銀までが支店を通じてサラ金のスポンサーになっているというようなことになりますと、これはやはりいま社会的批判を浴びているサラ金業者の営業を都銀が応援していると、そう判断せざるを得ないわけですから、どうでしょうか。これは支店単位でやった融資にしても、この事実はどう考えてもまずいというふうに思うんです。
 そこで、それについての見解と、都銀がどの程度サラ金に融資しているのが、これは個々の例はともかくとして、そちらでおわかりの範囲で少し説明してほしいんですがね。
○政府委員(徳田博美君) 都市銀行が全体としてどの程度融資しているかについては、同一時点における数字がないわけでございますので、現在ちょっと明細について申し上げることはできかねるわけでございますが、先ほど先生がお触れになりましたように、金融機関の個別の融資については本来金融機関が良識に従って判断すべき問題ではございますが、最近、御指摘のとおり一部の貸金業者の経営姿勢について社会的批判が高まっておりますので、金融機関の貸金業者に対する融資につきましては、金融機関の公共的性格にかんがみ、社会的信頼を損なうことがないよう慎重な配慮が必要であると考えられます。特に貸金業者の高金利による過当な収益の追求、その他利用者の利益を不当に害するとして社会的批判を受けている行為を助長するおそれのある融資については、厳に自粛を図る必要があるわけでございます。
 このような考えに立ちまして、先ほど先生御指摘のように、本年三月八日に主要金融団体を通じまして、各金融機関に対しまして自粛を要請したところでございまして、その後、この通達の実施状況につきましては、検査等を通じてさらに監督を行っているところでございます。
○野末陳平君 その通達でどこまで効果が今後も含めて上がっていくか、これは時間がかかると思うんですが、とりあえず念のため、初歩的なことですが、やはりサラ金に貸す金があるならば個人ローンを充実して、銀行の窓口は直接消費者といいますか、大衆に貸すのがこれは当然だと、こう思うんで、その辺の指導を当然大蔵省がなさっていると思いますが、現実にはそれを充実してない。ですから銀行で借りられないためにサラ金に回るということなんですが、銀行で個人ローン借りれば大体年利九%で融資されますね、これは条件が合えばの話ですが。いまサラ金は大体どのくらいになっていますか。競争でもって日歩いろいろ取りざたされて下がる傾向にあるようにも伺いますが、大蔵省の知り得た範囲で、いまのサラ金の年利の相場、どのぐらいが大体ラインでしょうかね。
○政府委員(徳田博美君) 貸金業者の実際に融資している金利につきましては、実は現在実態調査を実施したところでございまして、きわめて近い将来にこれが発表の運びになると思います。その資料がまとまりますれば、いま御指摘のような金利の問題についてもどの辺が中心かということがわかってくると思います。
○野末陳平君 どの辺が中心か、それはその調査を見なくても、大体われわれでも広告を見たり、それから新聞記事などを見ながら動きというものはわかっているわけですから、一時ほど年利一〇〇を超えるようなすごいのは少なくなったのかもしれませんが、大体のところでいいですよ。そうしていただかないと、何でもかんでも具体的に出ないと――わかり切った常識的なことはひとつ答えてください。
○政府委員(徳田博美君) これは個々に、全体の数字がまだ集計が発表されておりませんので、申し上げる段階ではございませんけれども、大体八〇%から一〇〇%ぐらいのところの金利のものがかなりあるのではないかというふうに考えられます。
○野末陳平君 そうなりますと、銀行で貸してくれれば九%ぐらいで借りられるものを、いろいろ条件がうるさくて銀行から融資してもらえない。やむなくサラ金の門をくぐるということになると八〇から九〇になってくる。安いところだって五〇%、六〇%の年利だと思いますね。そうなると、サラ金を経由するだけでもう十倍近い高金利ということに、これはもう常識です。ですから、どう考えても、大蔵省も当然好ましいと思っているわけじゃないでしょうが、銀行がサラ金に融資するということは、これは銀行もサラ金の共犯者で高金利に加担している、暴利をむさぼっていることに力をかしている、両方でもって結局大衆をカモにしているというようなことになるわけですよね。ですから、幾ら何でもサラ金を経由しただけで金利が十倍になると、こんなばかなことをいままで許していたということはどう考えてもおかしいわけですから、サラ金に金を貸すということ自体を、先ほどの銀行局長のような、まあ通達で効果の上がるのを待つんじゃなく、もう少しやはり強力に指導を打ち出すということは当然だと思うんですがね。どうですか、通達で十分効果ありというお考えなんでしょうかね。
○政府委員(徳田博美君) 先ほど御説明申し上げました通達は、現在の、現行の法規の範囲内ではかなりぎりぎりの踏み込んだ通達であると考えております。この通達に基づきまして、検査等によってさらにこれをフォローすることによりかなりの効果を上げられる、このように考えております。
○野末陳平君 ほかの例もちょっと聞いてもらいたいんですがね。そちらでは当然実態を御存じだと思うんですけれども、この場では具体的には答えていただけないかもしれませんがね。
 同じくサラ金の大手に、まだプロミスとかレイクとか、こうあるようなんですね。この業者にもやはり都銀も入っているわけです。たとえばレイクの場合は、第一勧銀、三菱、国民相互銀行、京都相銀、阪神相銀なんというあたりが、もちろんほかの金融機関もいっぱいあるらしいんですね。それからプロミスというところも多くて、東京相銀、三和、幸福相銀、京都相銀、阪神相銀そのほかと、こういう大手がいろいろの金融機関から金を借りているということは、結局銀行から見れば彼らの信用がある、ちゃんとした業者だということなんでしょうけれども、結果として彼らはますます銀行から、金融機関から低利の金を借りることができたことによって、店舗も拡張し資金量もふえて、これは大手に結局のし上がってきたわけですよ。ですから、やはり銀行が金を貸すということはサラ金業者をますます大きくし、その営業の拡張ということを助長するわけですね。ですから、都銀が悪くて相銀はまあやむを得なくてというような区別でなくて、ぼくは、そもそも金融機関がこれはサラ金業者への融資から手を引かなきゃだめなんだ、そういうふうに考えているわけなんですよ。
 局長にお伺いしますけれども、何か局長はちゃんとした業者ならこれは金融機関が金を貸してもやむを得ないじゃないかというようなお考えもあるやに聞いているんですがね。それはサラ金の中にも大小、あるいは業態のいかがわしいのからまともなの、いろいろあると思いますが、ちゃんとした業者ならまあやむを得ない、悪いんだったら、あるいは暴力金融のような悪いんだったらこれはとんでもないというようなことを区別をして言えるのかどうか。ちゃんとした業者というのは一体どの程度の金利なら局長が考えるちゃんとした業者なのか、その辺のこともひとつお聞きしたい。
○政府委員(徳田博美君) 金融機関が個別の融資を行うことは、先ほど申し上げましたように、本来金融機関が良識に従って判断すべき問題でございますけれども、貸金業者につきましては、御指摘のとおり社会的批判が非常に高まっておりますので、きわめて異例のものとしてこのような通達を出したわけでございまして、その場合に一定の基準を引いて、そういう業者はいい、そういう業者はよくないというような基準をこちらで示しているような事実はございません。どこまでも金融機関が良識に従って判断してもらうべきことである、このように考えております。
○野末陳平君 なかなか抽象的なんで、先ほどちょっと局長の答えに出てきましたけれども、現在金融機関がサラ金業者に融資している量ですね、これは全く把握されてない。しかし、何か実態調査をしているからその結果が出ればどうなんでしょうか。どのくらい金融機関からサラ金に融資が行っているか、その辺はわかるんですか。
○政府委員(徳田博美君) 実態調査の結果がまとまりますれば、一定の前提を置いた推計については、これは可能ではないかというふうに考えております。
○野末陳平君 その実態調査を一日も早く発表して、資金量をどのくらい金融機関からサラ金業者に行っているかと、これを知りたいと思うんですね。どう考えてもぼくはサラ金業者の資金源は、いろんな、個人もですけれども、いわゆるれっきとした金融機関が助けているとしか思えないんです。
 具体的にひとつ、先ほど大蔵省からも指導したという例の中にあった東京相互銀行などにも触れてみたいんですが、もう一つ大手で武富士というのがあるんです。さっきマルイト、レイク、プロミスですね。武富士というのもこれはかなりの大手なんです。貸付残高を見ても相当なところへいってるんですが、この武富士に融資している金融機関は一番高額が東京相銀ですけども、そのほかにやはりさっきの三菱信託もあり、それからいろいろな相互銀行があるんですね。
 で、局長に伺いますが、東京相互銀行の場合はこの武富士に二十九億円近く、あるいはそれ以上を融資しているようですが、その場合に融資の条件に、サラ金業者であるこの武富士に相互銀行の株を持たせていると聞いているんですが、大蔵省はこの事実を当然御存じだと思うんですが、これは本当なんですか。
○政府委員(徳田博美君) 武富士の場合には、東京相互銀行との関係は関連会社ではないわけでございます。一般的に金融機関と関連会社でない一般の会社との関係については、銀行局ではこれは別に把握しておりませんので、いま御指摘のような実態についてはこちらでは把握し得る体制にないわけでございます。
○野末陳平君 そうしますと、いまの場合は株の問題ですから、どのくらい持っていて、それでそれがどういう融資の条件でもって持たされたかというようなことについては全くわからないということになりますか。
○政府委員(徳田博美君) 検査の、恐らくそのような会社には融資があると思いますので、検査の際にはそのような点についてもこれは把握することができると思います。
○野末陳平君 ついでに、この東京相銀からこの武富士というサラ金業者に人も行っているんです、何人か。これも幹部として、あるいはトップクラスに派遣されている、あるいは出向ということなんでしょうか、具体的なところが、その辺がはっきりしないんですが、いずれにしても銀行から業者のところへ人間を派遣している、これはどうです、これについては御存じでしょう。かなりいろいろ調べたというか、銀行局は関心を持たれたようなんで、当然御存じだと思うんですがどうです。
○政府委員(徳田博美君) 一般に金融機関が在職のままで別の会社に出向させる場合には、その会社が関連会社となる場合が多いわけでございますので資料として銀行局は把握いたしますが、退職をして再就職をしたような場合には、特に金融機関には関連がないわけでございますので、銀行局として資料としては把握しておりません。御指摘の武富士の場合には、退職をして再就職をしたものと聞いております。
○野末陳平君 これが一応退職した形でまた戻ってくるのやら、それからどういういきさつで武富士に再就職したのか、その辺はわかりませんが、どうもぼくの聞くところでは、やはり一種の、銀行にとってサラ金が子会社的な存在になってるんじゃないかと。あるいはこれは東京相銀だけじゃなくて、ほかの銀行にとっても言えることなんですが、小さい金融機関としては子会社のような存在としてサラ金を持ちたいと、まあ副業みたいなものになりますかね。そういうことを考えているところがあると聞くんですよ。その意味で一応形式上は退職して再就職した形とっているかもしれませんが、何やらどうもうさん臭い。金融機関がサラ金を子会社にしようとしているんじゃないかと、そういう二足のわらじの金融業を営もうとしているのじゃないか。そんなふうに考えられるわけです。ですからこういう事例が現実に、これは東京相銀がそうだとは恐らく銀行局は言わないでしょうが、こういう事例というのがどうなんでしょう、今後出てくるとすれば、やはりこれは関連会社のことで関係がないんだということで全く大蔵省としては何ら手が出せないのですか。つまり融資をしているという前提があって、こういう人事あるいは持ち株という問題が起きれば、ぼくは当然何らかの関心の対象にしなきゃおかしいと思うのですけれども。
○政府委員(徳田博美君) 貸金業者であって、しかも社会的に批判を受けるような高金利の貸し出しをし、あるいは過当な利益を追求している者に対して融資すること自体について、銀行局としては先ほど申し上げましたように自粛を厳に要請しているわけでございます。したがいまして、その融資に伴って、さらに人を仮に出向というような形で派遣するとすれば、これは非常に好ましくない、このように思います。
○野末陳平君 たびたび自粛を要請ということが出るんですが、確かにぼくが知り得た範囲でも、あの通達以後新規の融資というのは非常に減っているように思います。ですから、通達が効果があったんだというふうに、それは率直にその面は評価できるんですけれども、現実は必ずしも効果があったとは評価できない面が出てきている。というのは、いわゆる隠れみのというか、ダミーを使って融資するという形の方が最近多いようなんですね。ですから表面にはその融資は出てこないけれども、あくまでもダミーを通して実質的にやはりサラ金に融資を続けているというケースが非常にふえてきている。それについてはある程度御存じですか。
○政府委員(徳田博美君) そういう話は最近ときどき耳にしております。したがいまして、いま先生もお話もあったことでございますし、今後検査に当たりましては、そのような迂回融資のケースも含めてこれを厳重に監督するようにいたしたいと思います。
○野末陳平君 ここらは具体的にはぼくの方も言えないのですけれども、大手の商社などもダミーの会社を通じてサラ金に融資しているようなんですね。これはさらに確かなところがわかったらまた質問の対象にしたいと思うんですが、いずれにせよ局長、自粛の要請がやや効果はあったというものの、これまで融資した分についてはこれはもう動かない。そしていままでの融資でもってサラ金業者がかなり強くなって、銀行がサラ金拡大の陰の援助者であったということも、これはもう動かしがたい事実です。
 そこで、いろんな方法があると思うのですが、自粛の要請ですね、これについてちょっと注文つけたいんですよ。要するにサラ金というのはただの融資対象ではないんだと。ここまで社会的批判を浴びても一向に規制の方が、あるいは政治の方がそれに追いつかないから、こちらも責められるべきでしょうけれども、こういう社会的批判を浴びているこのサラ金に対して、一片の通達でもってこの効果を待つよりも、先ほど局長が法規の範囲内でぎりぎりのかなり厳しい自粛通達であると言われましたけれども、法規の範囲を越えて、もっと公共性という立場から大蔵省が強い姿勢で融資の規制に踏み出さなければいけない。というのは、待てど暮らせどサラ金をどうするという法律的な問題は出てこないんですからね。それには、まず法改正よりも、いまできることと言ったらばもとを断つということではないか、資金源を断つべく大蔵省は立ち上がるべきではないか、こう考えるんですが、いかがですか。大蔵大臣にも御意見を聞きたい。
○政府委員(徳田博美君) このサラ金対策でございますが、いま先生御指摘がございましたけれども、立法措置につきましてもいま六省庁の連絡会議で非常に精力的に詰めておりまして、できれば次の通常国会を目指して至急に案をまとめたいと考えているわけでございます。
 それから、先ほど御指摘のように、本来は一般の民間金融機関が市民の健全な資金需要に対して簡易にこたえるということが本質でございますので、その消費者金融を進めるための基盤づくりとして個人消費者情報センターであるとか、あるいは個人の消費者に対する信用保証制度につきましても、これは各金融機関が連携して行うような組織について大蔵省としても指導をしておりまして、事実現に保証措置についてはほぼすべての金融機関に具体化されておりますし、また個人消費者情報センターにつきましても東京、名古屋、大阪等の都市を中心に着々と組織づくりが進んでいる最中でございます。
 それからまた、一般の民間金融機関に簡易に個人の日常必要な資金需要に応じさせるために応急ローンという制度につきましても、各金融機関がいま実施に取りかかっているところでございまして、このような総合的な施策によりまして、着々とサラ金問題についてのこれを打開する方策が立てられているわけでございます。
 この一環として、先ほど御指摘のような金融機関からの融資の問題もあるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、現在出ております通達は、かつては戦争中あるいは戦争直後における融資規制、融資準則にも匹敵するようなかなり思い切った内容を盛り込んだものでございますので、今後さらにこの運用の適正化を図ることによって、御指摘のような悪質な業者に対する資金源についても十分対策を立てていきたいと、このように考えております。
○国務大臣(村山達雄君) いま極力今年末の通常国会に備えて立法化を進めておりまして、必ず出したいと思っております。その間、いま野末議員が言われたような金融機関からの貸し出しについて、さらに一層の規制を加えるかどうか検討してみます。
○野末陳平君 精力的にやっておられるという話ですから、もちろんそれに期待をするんですが、それについては、法改正もどういうものになるかという中身の方がやはり気になるところがずいぶありまして、いま局長が悪質な業者というような言葉を使ったんですが、そうするとそれに対して、サラ金の中には良質な業者もあるんだというふうにも受け取れるわけですね。悪質良質というのはどこであなたが区別をつけられているか、それをお聞きしておかないと、何かサラ金業者全体を悪く言うのはおかしくて、一部だけが悪いんだというふうにも受け取れてしまうんですね、銀行局の立場は。
 そこで、まず悪質な業者というのは局長の把握する範囲でどういうものを言うのか、具体的に中身についてお願いします。
○政府委員(徳田博美君) これはまあ業者について悪質であるとかあるいは良質であるとかということについて具体的に線を画するのは非常にむずかしいわけでございますが、しかし、いずれにしても貸金業者は自由営業として現在認められているわけでございますから、この業者について、いま社会的にいろいろ批判されているような弊害をいかになくすかということについて、それを中心にいわゆるサラ金対策というのを進めていくことが必要じゃないかと、このように考えております。
○野末陳平君 銀行局長はどうも途中で答弁をはぐらかしちゃうから困るんで、悪質良質という区別がむずかしいと言いながら、現実のお答えの中じゃ悪質な業者はというようなことを言うわけですからね。その辺が大分あいまいなんですよ。
 じゃあ、もっとこちらで具体的にお聞きしますよ。金利一つをとってみます。取り立てやなんかについては、これは常識的に悪いのはこうだとわかると思うんですが、金利なんですがね、これは法律で認められていると、こういうことなんですが、この金利がどうでしょうか、先ほどのお答えでは一般には年利八〇から九〇だというようなことを、その程度だというお答えだったし、それからぼくが新聞広告あるいは電車の広告などで見ますと、中には競争が激化して日歩十五銭というようなところもある。日歩十五銭というのは大体年五〇%ちょっとだと思うんですけれども、いろいろある。
 そこで、金利がこのくらいならばまずまず貸金業者としては妥当ではないかというその線ですね。これはもちろん画然と引けるわけはないんですが、大体どの辺にめどを置いておられるか、これは今後の法改正とも重大な関係があると思いますので、一応それをお伺いいたします。
○政府委員(徳田博美君) いま法改正と関係あるということのお話がございましたが、現在考えております立法の問題点は、高金利の問題とそれから免許制取り締まりあるいは登録制等をどのように考えるかという問題、あるいは行為規制の問題があるわけでございまして、特に高金利についてどのように考えるかという問題が検討の一つの大きなテーマでございまして、現在まさにそのことについて六省庁会議で盛んに検討を行っているところでございます。したがって、いまここで一がいにどこからどこまでの線がよくて、どこからどこまでの線が悪いというようなことを申し上げることはきわめてむずかしいわけでございまして、その点はいまの段階で申し上げることはちょっとできかねると思います。
○野末陳平君 だけどね、むずかしいと言っていてはこの問題は議論進まないと思うんですよ。要するにいまは年利一〇〇ぐらいでも法の範囲でもって認められているというようなばかな議論が、確かにそのとおりなんでしょうけれども、昔決めたレベルですからね。いまそれが現実に合うか合わないかということは、これは当然考えれば、いかに何でもべらぼうだ。銀行で借りれば年利九%のものが十倍なんというのはこれはどう考えてもおかしいわけですね、暴利をむさぼっているということははっきりわかるわけです。そういう意味でお聞きしているわけで、もう少し具体的に言ってほしいわけですね。高金利、高金利と言うけれども、この辺までは業者としては妥当ではないかということで、もうちょっと具体的に聞くと、こうなりませんか、少なくもいまの法は高金利過ぎる、これはやはり下げなければならぬと、まずこの点についてはいかがですか。
○政府委員(徳田博美君) 実は現在、出資等を受ける法のうちの金利に関する条文は法務省の所管でございますし、利息制限法もまたこれ法務省の所管でございますので、金利につきまして大蔵省として確たることを申し上げる立場にはないわけでございますけれども、いずれにしてもいまの日歩三十銭というものは一般的な水準から考えても高過ぎるということは言えると思います。
○野末陳平君 そうすると、日歩三十銭は一般的水準で高過ぎる、どのくらいなら一般的水準でまずまずであろうかという点ですね、これが一番知りたいところですから、それについては。
○政府委員(徳田博美君) 大蔵省といたしましては、その日歩三十銭を何らかの形でもう少し下げるという方向にいくことが望ましいと考えておりますが、それでは日歩何銭がいいのか、何%ならいいかということにつきましては、これはどこに基準を求めるかという非常にむずかしい問題がございまして、申しわけございませんが、まだちょっと申し上げる段階にないわけでございます。
○野末陳平君 法務省の方ではこのサラ金規制の問題について、特に法務省関係のこの出資法、利息制限法――利息制限法はちょっとこの場合違いますけれども、出資法についてこの日歩三十銭、この線をどういうような考えを持っているようですかね。まあ直接法務省に聞くべきですけれども、こういったやはりはっきりした答えが得られないわけですから、直接の担当でない大蔵省からあえて聞くわけです。法務省ではどんな考えなんでしょう。
○政府委員(徳田博美君) 法務省の所管でございますので、必ずしも申し上げる立場にないわけでございますけれども、法務省がいろいろ説明しておられるところを伺っておりますと、この条文は貸金業者だけではなくて、一般の私人間の貸借をも規定する法規でございますので、したがって、まあ一定の水準を超えればこれは罰則の適用があるわけでございますから、一般の私人間で一定の基準を超えた場合に罰則がかかるというような基準を軽々に動かすのはかなりむずかしいのではないか。また、動かすとしてその基準をどこに求めたらいいのかということも、これもかなりむずかしいというような御説明があったと承っております。
○野末陳平君 大臣、どうもそういう話になりますとね、いま今後の規制の方向で三つの角度から検討中であるというお答えがあったけれども、何か非常にむずかしそうな気がしてね、来国会に提出というようなこともちらっとお聞きしますが、果たしてこれはできるのかどうか、できたとしても、まるで規制するような、期待に沿うようなものじゃないような不安な気になってくるんですね。どうなんですか、これは別に来国会だという約束をここでしていただくというんじゃないんですが、高金利という一番重大な点に関してどうも法務省がいい返事していない、消極的。ところが、大蔵省が全くこれに対してあれこれ言う立場にないとすれば、管轄外だとすれば、これは全然見込みはないような気がしてくる。大丈夫なんですか。中身は問いませんが、どの程度まで規制の方向が打ち出せる自信があるのか。それをお聞きしないと、だんだん心配になりましたね、これは。
○政府委員(徳田博美君) 高金利の是正の問題はやはりこのサラ金問題解決の非常に大きなポイントでございますので、いま申し上げたように、この出資法等の改正についてはいろいろ問題点があるわけでございますが、その問題点を踏まえながら、しかしこれから前向きに積極的に検討をして、各省庁の間で検討が行われる、このように考えております。
○野末陳平君 ではそれをしばらく待つしかないようですから、また機会がありましたらこの問題をいろいろな角度から、また新しく知り得た材料をもとにいろいろ質問していきたいと思いますけれども、先ほどの、金融機関が現在サラ金業者にどの程度融資をしているのかというその融資量についても、ひとつできるだけ早い機会に報告をしてほしいと思います。お願いします。
 これで終わります。
○政府委員(徳田博美君) これはかなり、アンケート調査結果でございますので、推定値が入ると思いますが、一定の前提を置いて作業してみたいと思います。
○委員長(坂野重信君) 本日の調査はこの程度にいたします。
 次回は十九日午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十四分散会
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