第086回国会 交通安全対策特別委員会 第2号
昭和五十三年十二月十一日(月曜日)
   午前十時四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         小柳  勇君
    理 事
                中村 太郎君
                宮田  輝君
                安恒 良一君
                阿部 憲一君
                田渕 哲也君
    委 員
                高橋 圭三君
                福岡日出麿君
                二木 謙吾君
                降矢 敬雄君
                片岡 勝治君
                佐藤 三吾君
                上林繁次郎君
                山中 郁子君
                森田 重郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   説明員
       警察庁交通局長  杉原  正君
       運輸省自動車局
       整備部長     小林 育夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○交通安全対策樹立に関する調査
 (改正道路交通法の施行状況に関する件)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
○委員長(小柳勇君) ただいまから交通安全対策特別委員会を開会いたします。
 交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、改正道路交通法の施行状況に関する件について報告を聴取いたします。杉原警察庁交通局長。
○説明員(杉原正君) 改正道路交通法の施行状況につきまして、お手元に配付いたしました「改正道路交通法の施行状況について」というのと統計資料に基づきまして御説明を申し上げたいと思います。
 去る第八十四回国会におきまして成立いたしました道路交通法の一部を改正する法律は、一部の規定を除きまして、この十二月一日に施行されたのでございます。
 今回の道路交通法の改正は、昭和四十六年以来七年ぶりの大幅な改正でございまして、その改正内容を国民各層の方々に周知徹底をするということが非常に重要でございます。この点につきまして、政府広報を初め関係機関、団体の協力によってかなり積極的な広報が行われたのでございます。
 また、施行初日の十二月一日には、警察官それから交通巡視員等八万五千人、民間の協力者約十万人の動員をいたしました。その後におきましても、今日までまだかなりの動員をいたしまして、現場指導を通じて改正内容の周知徹底を図るとともに、歩行者・自転車利用者の保護誘導、酒酔い運転、麻薬・覚せい剤等の運転など悪質、危険な違反の取り締まりに重点を置いた街頭活動を実施しております。
 施行後一週間の七日までの運用状況の主なものでございますが、お手元に資料がございますように、まず、今度の法改正で自転車横断帯等を設けることになったわけでございますが、これらの実施状況につきましては、まず自転車横断帯、これが全国で約七千本つくられました。それから、大型自動車の自転車の巻き込み防止のために考えました自転車の交差点進入禁止につきましては全国で五百カ所、これは若干少ないのは歩道と車道の高さを削り取って、自転車がスムーズに歩道に進入できなければなりませんので、そういう工事が伴いますので、これはさらに続けて増設をしたいというふうに考えております。
 それから二は、改正に係る違反の指導取締り状況でございますが、非常に悪質なものにつきましては検挙、それ以外の自転車その他については指導警告ということを中心にやっておりますが、まず酒酔い運転、これは一週間で四百八十六件、うち逮捕二百三十五件。それから、麻薬・覚せい剤等の運転につきましては十七件。無車検、これが七十四件、車検を受けてないで運行している。強制保険に入らない無保険運行、これが二百五件ございます。それから、今度過積等が――これは過積とか無資格運転でありますが、これが自動車の使用者によって下命、容認されたケース等につきましては、物によりましては車の使用禁止の対象になるということでありますが、そういうことで現在捜査中のものが使用者等義務違反となっておりますが、これが八件でございます。
 (二)にございます指導警告でございますが、十一万八千余、これはほとんどが自転車でございます。自転車のブレーキが効かない、尾灯がついてない、自転車の通行方法違反、これを現場でかなり指導をいたしておりますので、この件数が中心になっております。
 なお、次にございます暴走族の共同危険行為でございますが、これ大体週末、土曜、日曜に一番行われるわけでありますが、特に第一土、日というのが――第一と第三が非常にこう、全国的に従来暴走族が蠢動ずるときでございますが、その第一週がちょうど十二月の二日から三日にかけてでございまして、これまでにも例のない大量動員、あるいはその暴走族対策車両等をつくりまして、これを街頭に配置をして強力な取り締まりをやりましたが、すでに新聞等にも出ておりますように、この共同危険行為等の禁止規定を適用するような事案は皆無でございます。
 それから、十一月の末の最終の週末の暴走族というのは、これは最後であるということもあって、大変に動き回ったわけでありますが、そのときに比べまして、出動した、集まった車両、人員等に対して九七%減、もうほとんど動かないという状況になりました。特に、この土、日、九日、十日につきましては、前回をさらに上回って、もう全く暴走族というのは動けなくなった、動かなかったという状況になっておるわけでございます。
 なお、この改正道交法の施行ということで、もう動けない、こういうことはもうできないということで、十一月中に解散した暴走族グループは八十一グループ、五千七百三十九人が一応解散届けを出す、あるいは解散するということを声明をしております。これは形式的なものでございますが、引き続き注目してまいりたいというふうに思っております。
 それから酒酔い運転、これが従来と違いまして一発で免許の取り消しになるということになったわけでございます。これは十二月一日からこれに非常に重点を置いて街頭で見たわけでございますが、この一週間の取り扱い件数を昨年の十二月の同期に比べますと六五・二%減、いわゆる三分の二減って三分の一程度のものになったということでございます。これは、行政処分の強化に伴いまして、ドライバーの自戒、自省が見られるとともに、一般の飲酒運転追放に関する意識がかなり高まってきておるという証左であろうというふうに思いますし、これは御参考でございますが、七日間の事故の発生につきましても、酔っぱらい運転によります死亡事故等は、昨年の三分の一になっております。あわせて報告をいたしておきます。
 次の過積載についてでありますが、十二月五日に全国一斉の取り締まりを実施いたしました。千五百七十八件が過積で検挙されたのでありますが、取り締まりの対象になりました車両の中で、過積の違反率というものは、昨年もこういう形で一斉取り締まりを過積についてやっておりますが、その一日平均と比べまして違反率そのものが三分の一になった、各県警が驚くほど過積というものが少なくなったということでございます。
 また、積載超過の割合も、いわゆる十割以上、倍以上積んでいるというものの違反が著しく減少をいたしました。これも昨年の五分の一になっているという状況でございます。
 また、業界におきましても、過積追放キャンペーンを実施するなど、過積載についての自粛ムードが上がっておる一方、荷主等から過積みを求められてもこれに応じないという傾向がかなりの府県で見受けられます。
 第三は、高速自動車国道等における指導警告の状況でございますが、例の荷物の転落、飛散とか、あるいはガス欠とかオイル切れとかというふうなことであります。これは初めてのことでありますので、施行後一カ月間は指導警告期間ということでやっておりますが、七日までに、こういう燃料、オイル、冷却水切れ、積み荷の飛散等の件数は千二百五十件の指導警告を行っておりますし、非常にドライバーにもこれが徐々に浸透をしておりまして、故障等で駐停車する車両や、休憩のために路肩や路側帯に駐車するというような車はほとんど見受けられなくなりました。
 それから、次が運転者教育等の推進でございますが、この法改正あるいは教則の改正に伴いまして、試験問題を改める、あるいは自動車教習所の学科教習のカリキュラムを改めるというふうなことをいたしております。
 また、運転者教育の充実を図るためもありまして、財政的な基盤ともなる運転免許関係の手数料を改定をいたしまして、十二月一日公布、この本日から施行することになっております。
 なお、改正道交法の施行後一週間の運用状況は以上のとおりでありますけれども、施行後きのうまでの十日間の交通事故によります死者でございます。お手元に一枚紙の資料が行っておりますが、この十日間で百六十八人でございますが、これを施行前の十一月の月末の十日に比べますと、マイナス六十九人、二九・一%の減少になっております。また、十二月十日現在の交通事故死者は、ここにありますように八千二百九十一人で、前年同期と比べて百七人、一・三%の減少になりました。特にこの百七人のうちで、十二月一日から十日までに、対前年度比七十九人マイナスが立ちました。マイナス三二%という、昨年の十二月の十日間、一日から十日に比べて七十九人減っておりますから、百七人のマイナスのうちの七十九人がこの法改正が施行になってからの成績であるということで、本年の減少幅の大きな比重を示していることを物語っております。おかげさまで、このまま推移をいたしますと、さらに本年も昨年の死者数を下回ることが期待できるような状況に好転をしつつあるわけでございます。
 今後とも、国民各層の方々の理解と協力のもとに、改正道交法の適正かつ積極的な運用に努め、交通事故の減少傾向を引き続いて定着させるとともに、自動車交通と人間生活との調和のとれた新しい車社会にふさわしい道路交通秩序の確立を図ってまいる所存であります。
 諸先生方の一層の御指導と御鞭撻を賜りますようにお願い申し上げまして、報告を終わらしていただきます。
○委員長(小柳勇君) これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
○安恒良一君 まず、道交法関係について質問をいたします。
 道交法が改正をされて、いま御報告をいただいたようなりっぱな成績を上げられている点は大変喜ばしいことだと思いますが、そういうことを前提にしながら一、二お聞きをしたいのですが、まず、自転車横断帯等の新規交通規制の実施状況について、いま横断帯が約七千本設けられたとか、交差点進入禁止が五百と、これは今後ふえるんだと言うのですが、両方ともまだ施行されてすぐですから、最終的にはいっごろまでにどのぐらいの数が設けられるのかということを、まず自転車関係について。
 それから第二番目にお聞きをしたいのは、暴走族の問題については非常にいま成績を上げているということでありますが、この種の取り締まりというのは、常時これをやっておかないと、手抜きをするとまた復活するわけです。そういうこと。それからいま一つは、この種の取り締まりですから、やや全国一斉にという事前告知ということもあると思いますが、そういう場合には往々にしてこれは出てこないわけですね。そういう点で、今後のこの取り締まりのあり方についてお考えがあったら聞かしていただきたい。
 それから過積問題、これも全国一斉にやったらこんなに減っているということなんですが、これは往々にして、たとえば委員会としてある地点を考えて調査に行くなどということを決めますと、その場合、一番いままで過積の多いところをねらって行くのですが、その日に限って一台も過積がないというのは、過去の委員会の調査でもあらわれているわけなんです。ですから、もちろん防止をすることに重点があるから、そのことも悪いことじゃありません。しかし、なるほど全国一斉にやってみたら、こういうふうに千五百七十八件と非常に減ったということですが、これも私は、全国一斉もしくは随時にやっていかないと、その日だけはなるほどこのように成績を上げることができましても、成績は上がらないと思うんです。特にこれから年末になりますと、荷物の動きが多いときなんですね。ですから、ただ単に、十二月五日全国一斉にやるということがわかれば、そのときに違反するやつはよっほどのやつなんですよ、それは。ほかの人はその日だけは目を逃れるために過積をやめてやると、こういうことになりますから、こういう暴走族の問題なり過積の取り締まりのやり方について、どういうお考えをお持ちなのかということをひとつ聞いておきたいと思います。
 それから道交法施行に当たって、この委員会なり地方行政委員会なり、それから合同委員会等でいろいろ私議論をしまして、地方行政委員会においてはいろんな附帯決議がつけられています。そこで、その附帯決議に基づいてこれを施行するに当たって通達等が出されていると思います。
 これはすでに私は手元にいただいていますが、その中で一、二点お聞きをしておきたいんですが、どうもこの通達が大変不十分ではないかと思いますが、私は暴走族を徹底的に取り締まることはいいと思いますが、一番委員会で問題になりましたところの共同危険行為等の禁止規定に伴う留意事項についてでありますが、私の手元にあります文書だけで見ますと、「この規定については、衆参両議院の地方行政委員会の改正法に対する附帯決議において、その適正な運用が求められているところであり、部下職員に対し、附帯決議の趣旨の徹底を図られたい。」と、こうなっておるわけです。ところが、委員会のやりとりの中ではかなり詳細にここのところはお互いに議論をしておりまして、たとえば「共同危険行為等」ということで、その「等」の解釈から、たとえば一つの例を申し上げますと、この共同の意思というものがありますと、共同の意思というものはどういうものかということは、これは当然示さなきゃならないと思っております、と言って杉原さんは答弁をしています。それからなお、最終的に、「「危険行為」は、これはもう具体的な形態を出して、形態を第一線に示して、こういう形態以外にはやらないということで示達をしようと思っておりますが、私どもが出します基本的な取り扱いの問題につきましては、こういうもので指導しますということを当委員会に御報告をいたします。」と、こういうことにもこれはなっているわけです。でありますから、そういうものが当然御報告あるものだと思いましたし、それから念のために、九月十四日付で警察庁次長がお出しになっている通達の中身を見ますと、どうもそこらのところがはっきりしておりません。ですから、私は暴走族を徹底的に取り締まることと共同行為のところの運用の誤りがあってはいけないということは二つ重要な問題でありますから、その意味から、そこらの点についてどうもこの示達では、もらったところの第一線でははっきりしないんじゃないかというふうに思います。もちろん、これはこの示達を受けて各県警がさらに県警の中でそれぞれ細かく砕いた示達を出しているんだろうと思いますけれど、それにしましてもちょっと警察庁次長の通達としてはこの表現だけではわかりかねる。この点についてどうなっているか。
 それからその次、やはり道交法改正に当たっていろいろ議論した中で、これからも十分に交通警察の運営の適正化について民意を聞くと、こういうことでやりとりがありまして、交通警察懇談会の設置を行うということになっていますが、いわゆるこの交通警察懇談会というものがどの程度設けられたのか。今日時点において交通警察懇談会というものが都道府県単位に見てどの程度設置されているのか。以上の点について質問をします。
○説明員(杉原正君) この改正道交法のものが済んでから愛知のものをでよろしゅうございましょうか。
○安恒良一君 愛知のものは後でやります。
○説明員(杉原正君) はい。まず、御質問のうちで自転車横断帯並びに自転車の交差点進入禁止線の整備の問題でございます。
 とりあえず本会計年度の中でどの程度のものがやれるか、さらに来年にかけてどういうぐあいにするかというのは現在各県で詰めをいたしておりまして、若干その数字が出ますのに時間がかかると思います。またある程度のまとまったときに御報告をさしていただきたいと思います。
 それから、この改正に関連いたしまして、暴走族に対する対応の仕方でございます。
 御指摘がありましたように、これはもう手を抜きますと、相手方はまた蠢動ずる。しかも現在、これは非常に静かに、われわれが予想した以上に静かになっておりますが、まだやはり土曜、日曜日では警察官が配置をされている現場に徒歩でうかがいに来るというふうな状況も見られますので、年末から年頭にかけて、この土曜、日曜がとにかく大丈夫だという状況が出るまでいまの態勢を原則的に継続をしたいというふうに考えております。
 なお、過積の問題でございますが、たまたま五日は全国一斉にやりましたその結果を申し上げましたが、去年の全国一斉と比べてのこととしてお話を申し上げました。各県からいま逐次報告が来ているという状況によりますと、随時にそれぞれの県が計画を立ててやっておりますが、過積は県警がちょっといま驚くぐらい非常に自粛されておるという状況のようでございまして、御指摘のように、この十二月は非常に荷動きが激しいときでございますので、やはり街頭での指導、警告を中心にして早くこういう状況が定着することを期待しながら指導の徹底を期していきたいというふうに考えております。
 それから暴走族に関する共同危険行為でございますが、安恒議員のお手元にお渡ししましたのは次長通達でございまして、これは全くの基本通達でございます。個々の具体的なものの取り扱いにつきましては、交通局長通達等でまた細部を出しております。ただ、これはいろいろ捜査そのものに関連をいたしますがために一般的なあれをいたしておりませんが、まず暴走族の形態――これはやはり何でもかんでもやれるというんじゃなくて、国会での審議のときも七つの形態に限定をいたしますということでお話をいたしました。
 われわれが取り締まり捜査の対象にいたしますのは七つでございまして、これを申し上げますと、車道の中央線をはみ出して道路一ぱいに広がって通行するものが一つは広がり通行と言われるものでございます。
 もう一つは、車道の中央線を越えましてグループ員以外の車両をその中に巻き込んで、事実上その車両の走行の自由を拘束して走行する、いわゆる巻き込み通行と言われるものが第二でございます。
 第三は、車道の中央線を越えまして集団が一体となって蛇行しながら走行するという形でございます。この蛇行通行が第三の形態でございます。
 それから、集団が何個班かに分かれてそれらが交互に追い起しをし合い先頭集団となって走行する交互追い越しと言われる形態がその四でございます。
 その五は、いわゆる信号無視の形態でございまして、グループ員の車両であらかじめ青信号の交差道路をふさいでおきまして、赤信号を無視して集団として走行させる。こういう集団による信号無視の形態がその五でございます。
 その六は、一定区間内の道路上においてセンターラインを越えて周回し、急発進、急停止等を行って他の車両の通行を遮断するといういわゆる一定区間内の周回行為、これが第六でございます。
 第七は、渋帯等のために進行できないときに、その場においてぐるぐる道路を周回する、いわゆる渋滞時の渦巻き行為でございます。
 この七つのものに限定をし、それ以上でも以下でもないということで示達をいたしております。
 それから、共同意思の確認の問題でございますが、これは捜査上の問題等がございまして余り詳しくもできませんが、暴走族集団の中における首謀者の合図、動作等によります指示、指揮の状況等率先助勢者の行動状況、指示あるいは指揮に基づく構成員の行動等、外見上、客観的にあらわれた具体的行動の状況を記録する。写真撮影とか録音、ビデオや目撃者、参考人の供述によって採証をし、共同意思に基づく集団性を明確に実証するということを中心に考えておりまして、技術的な面については過去何回にもわたる各府県警に対する研修を終えて対応をいたしているという状況でございます。
 それから、附帯決議にございます――参議院の地行の中にもございますが、「総合的な交通安全対策の確立をはかるため、国民各階層の意思を十分反映させるよう」配意しろということでございます。これにつきましては、警察庁におきましては今回の改正につきましても交通警察懇談会を開催をいたしたわけでありますし、また政令その他を、あるいは交通警察の運用等につきましても、さらに意見を聞きながら今日措置をしておりますが、府県警察におきましても、ぜひこういう体制をとって、各界の意見を聞きながら交通警察の運用を進めていけということを示達をしておるわけでございます。次長通達にもそのことが明言をされておりますが、今日までにこういう警察庁の交通警察懇談会に準じた懇談会を設けたところが十八都道府県、目下設置すべく準備中のものが十七府県ございます。その他の十二県についても、現在この懇談会を設置する方向で人選等をいま急いでおるという状況でございまして、近い将来には各都道府県全部こういうふうな体制をとる予定でございます。
○安恒良一君 余り時間がありませんから、あれしておきたいんですが、委員会で審議をしたときに、捜査上の問題があるから出すとか出さぬとかいうやりとりは一つもないんですよね。そして、法律が通ってしまって、施行を決めるときになると今度はまた、いわゆる「捜査上」ということでは私は困ると思います。
 そこで、いま聞きましたが、少なくとも委員会の場において共同意思というものは、これは当然示さなきゃならないと思っておりますとか、それからこうこうの問題については委員会にも御報告いたしますと、こう言っている以上は、その限りにおいては、後から今度は捜査上の問題があるということでは困るわけです。ですから、それはひとつ後で結構ですから、この示達だけではわかりませんので、出せるものは出してもらわないと、それは約束違反です。そうでないと、これから法律審議するときに注意をしなければならない。杉原さんというのは二枚舌を使うということになりますから、それでは困りますから、そういうふう
 にしてもらいたいと思います。ですから、これは後で資料をください。
 それから、いわゆる御報告がありましたことは了解をいたしましたので、特にひとつ過積問題等については厳重に取り締まってもらいたい。それはなぜかというと、これはきょうの議題に直接関係しませんが、たとえばバス優先レーンとか専用
 レーンがつくられる。つくった当時は取り締まりをやられる。それが守られる。ところが、その後具体的に取り締まりをやられないものですから、バス専用レーン、優先レーンというのが実際は効果を発してない、こういう事例を私は全国を歩いて何カ所か見ました。ですから、私はせっかく決めたことはやはりきちっとやると。それは第一線の一警察官大変御苦労だと思いますけれども、現実にそれが実際に執行できるように努力をしてもらいたいと思います。
 そこで、時間がありませんから次のことにまいりたいと思いますが、前回の交通安全委員会の中で愛知県警に起こるところのいろんな問題について議論をして意見が中断をされています。
 そこで、私は時間がありませんから問題点を整理をして、そのことについての御答弁をもらいたいと思いますが、まず一つは調査に行くということを事前に連絡をしておりましたのに、二つの通達が出ておると、その通達の内容を第一線の警察官が知らない、署長以下関係者が知らないと、こういうことを答えた点について。
 それから第二点目は、その通達の扱いについて、県警の交通部長とのやりとりの間において、大変交通部長の態度が遺憾であるというような問題点。
 それから第三点目は、四月十九日付の通達の処置が不適当であると。というのはどういうことかと言うと、県警の方から各自動車学校の校長をグループ別に集めていわゆる指示をしたということについて、なぜ第一線の警察署長に通達が出ておらなかったのか、それをその後どうしたのか。
 それから第四点目は、調査に参りまして供述書の中身を説明してもらいたいということについて断られました。このことについて私も了解を当日はしたわけでありますから、そこでその後日にちがたっていますから、どうなっているのか、この事件の中身についてはどうなっているのかと、こういうことです。
 それから第五番目は、教習所コースの関係の資料の提出を県警に求めたところ、県の警察委員会ですか、等々の議がなければ出せないということで出さなかったことについて、その後どういう処置をしたのか。
 それから第六点目、これ一番重要なことでありますが、このような態度をとりましたところの県警本部長、それから県警交通部長、それから東海警察署長、こういう者に対してどのような責任追及を、処置したのか。
 以上の点をこの前いろいろやりとりしておりますが、時間の関係上、一連整理をいたしまして、調査をした結果はどうなった、またその後こういう処置をしたと、このように処分したと、こういうことについて簡潔に答えてもらいたい。
○説明員(杉原正君) 愛知県の問題に入る前に、暴走族の関係の対処あるいは私どもの基本的な方針につきましては後ほど資料で提出をいたします。
 なお、バスレーンその他の問題につきましては、往々にしてそういう御指摘のような傾向も見られますので、そういうことのないよう運用に工夫をこらしていきたいというふうに考えております。
 愛知県の問題につきまして十月十八日に開催されました本委員会の席上で安恒議員から御指摘を受けました先ほどの問題点につきましてのてんまつ、警察庁及び愛知県警がとった措置及び今後の対処方針等につきまして答弁をさしていただきます。
 まず、基本的に、今回の調査活動に対します愛知県警幹部の基本的な姿勢でございます。
 安恒議員を中心といたします十月十六日の現地調査の実施につきましては、愛知県の県会議員の方々などを通じて愛知県警に事前連絡が十分なされておりました。それにもかかわらず、国政調査に関する認識、調査目的に対する突っ込んだ理解、またこれに対応する事前準備を欠いたがために、応接、応答に不適切な面が多く、数々の御迷惑をかけたことを、まずあらかじめ申しわけなく存じております。
 個々の問題について申し上げます。
 まず、東海警察署長がすでに示達されております高速教習に関する通達を安恒議員の質問に対し知らないと答えたことについてであります。
 知多半島の自動車専用道路の教習が、これ従来からの法定速度が六十キロというふうなこともございまして、一般的な路上教習として行われておったという事情がありますので、その点からはある程度理解できるところもありますが、安恒議員の調査目的から見て、すでに示達されている高速教習が自動車専用道路の教習に関連して話題になることは当然予想されたはずでございます。高速教習に関する通達について署長が知らないという答弁はこの点の理解不足によるものでございます。弁解の余地ははいものと考えます。また、その点に関する署長の答弁について安恒議員が後刻交通部長に質問をした際に、逆に交通部長が安恒議員に反問するがごとき言動がありましたこともまことに遺憾のきわみでありまして、この点両人とも深く反省をいたしておるところでございます。
 次に、高速教習に関します通達の関係でございますが、この高速教習に関します昭和五十三年四月十九日付の警察庁運転免許課長通達の内容が警察署長段階まで示達されていなかった点についてでございます。
 高速教習に関します昭和五十二年十一月二日付の警察庁交通局長名の基本通達は、全都道府県警察においてその内容が警察署長及び指定自動車教習所に示達されておりますが、愛知県警で御指摘を受けました直後調査いたしました結果、昭和五十三年四月十九日付の運転免許課長通達の内容につきましては、愛知県警を含むかなりの県警において実施主体の指定自動車教習所のみに示達していることが判明をいたしました。このことは、運転免許課長通達が、指定自動車教習所の行う技能の高速教習があくまでも任意のものであることを内容にしたものであって、その性質上、各県警本部の運転免許課が直接指定自動車教習所を指導することで特段の支障はないと判明した結果によるものと思われます。しかしながら、御指摘がありましたように、交通局長通達と運転免許課長通達は高速教習に関する一体的な指針でございます。高速教習の適正な運用を期するためには、運転免許課長通達の内容についても警察署に対しその趣旨を徹底させておく必要があるわけでございます。この点に関しまして私ども十一月の十日付で全国を指導いたしました結果、十二月七日現在、高速教習を来年以降の課題にいたしております沖繩県を除く四十六都道府県におきまして警察署を含む末端への示達が終了した旨の報告を受けております。
 なお、愛知県警におきましては、十一月三十日付で警察庁運転免許課長名の通達の内容を盛り込んだ本部長名の高速教習の実施要領が新たに制定されました。指定自動車教習所の関係者に対してはもちろん、警察署長や高速警察隊長にも示達されておりますので、念のために申し添えておきます。
 それから、路上教習中の死亡事故に関します運転手の供述内容を聴取したい旨の申し出に対して説明をちゅうちょした点についてでございます。これが刑事事件ということで捜査中でございましたので、まだ中身が固まらないままで説明することが今後の刑事事件、行政処分、損害賠償等に影響を及ぼしてはならないという配慮から出たものと思われます。その点につきましては御賢察を願いたいと存じます。
 事故原因につきましては目下なお調査中でございますが、これまで、これにつきましてはセンターラインをオーバーした運転手の行動に第三者の行為が介在したかどうか、このことが一つあるわけでございまして、これはまだ十分な捜査を遂げておりません。少なくとも教習車両には過失は認められないという報告でございまして、その他の事項についてはなお捜査を継続をしているという状況でございます。
 それから次に、東大自動車教習所の路上教習コースの変更届等の閲覧、報告に関します県警の態度についてでございます。
 愛知県警といたしましては、今回の現地調査の申し入れが県議会の議員を通じて行われたこと、調査にも多くの県会議員が同席されていた関係等もあって、資料の提出に関しても、勢い従来の県議会との慣例によって措置すべきものと考えた結果によるものと思われます。しかしながら、現に死亡事故の発生した指定自動車教習所の路上教習コースの問題でございます。事柄の性質上、報告を求められた際に、その内容について的確な報告と説明をすべきものであったと考えます。今後、国政調査の原点を踏まえて指導の徹底を図りたい所存であります。
 なお、参考でございますが、東大自動車教習所を含めて、知多半島の自動車専用道路では、すでに指定自動車教習所の一般の路上教習コースの対象から除外する措置が講ぜられております。今後も現在のこの措置を継続をさせる方針の由、報告を受けておりますので、あわせて付言をいたしておきます。
 最後に、関係者に対する措置についてでございます。
 今回の安恒議員を中心といたします視察につきましては、警察庁が事前に、正確に、その目的、内容を承知していなかったこととはいえ、都道府県警察に対する日ごろの私どもの交通警察に関する指導の徹底を欠きましたために、愛知県警の応接態度や答弁内容に不適切な点があったことはまことに遺憾でございます。今後、国会の国政調査の重要性に思いをいたしますとともに、交通警察の運営に万全を期していきたい所存でございます。
 なお、愛知県警におきましても、今回の視察時の言動について十分に反省し、去る十一月一日付で中平愛知県警本部長から足立交通部長及び寺下東海警察署長の両名に対し厳重注意の処分に付した旨の報告がありました。さらに十二月五日、中平愛知県警本部長に対しましても、警察庁から、今後十分指導の徹底を図るよう厳重指導が行われたことを報告をいたします。
○安恒良一君 すでに二人の、署長並びに交通部長に対して厳重ないわゆる注意をしたという、厳重注意という処分をやったと、それから県警本部長に対しても警察庁からやったということで私は了解をしますが、ただ一つ、やはり今後のこともありますからきちっとしておってもらいたいと思いますのは、四月十九日付の通達が、私が問題にしたときに、杉原さんの方で調べておられたときにたった十二県しか出てなかったんですね。十二県しか。国会であれだけ議論したものがたった十二県しか通達が出てない。そして本委員会で問題にされてあわてて指導したところ三十四都道府県できたということで、今日では全部できている。ここらは杉原さん自体も、あなたと私の間であれだけのやりとりをして出した文章なんですが、それがたった十二県しか示達が出てないというところに、私はやはり――きょうは約束で、いわゆる国家公安委員長来ていませんけど、この次やっぱり国家公安委員長あたりがきちっとこうしてもらわないといけない。国会でいろいろの議論をしても、そのことが現実にたった十二県しかしてないなどということになると、これは私は非常に遺憾だと思います。しかし、それを早急に改められまして全都道府県に沖繩を除いて出たということですから結構なことだと思います。それと同時に、私が欲しいと言ったところの資料はすべてその後全部届けていただきましたから、どうか、今後この種の調査をやるときに、私は、やっぱり出せるものは出すということを指導していただかなければ、また今度のようなことになりかねませんから、私が後でいただいて見た文章等、全然出せない文章ではないわけですよね。それにもかかわらずに、県警の手続を経てなどという足立さんのやり方については、非常に私はやはり遺憾に思います。ですから、より一層こういうことのないような指導を特にひとつ注意をしていただきたい。
 それから最後に、いま一つだけお願いをしておかなきゃならぬのは、今回起こった事件は、いわゆる自動車専用道路である。そして、それは六十キロ以下というふうに一応はなっている。しかし、自動車専用道路においては六十キロ以下では走ってないこともまた現実である。そういうときに仮免のカリキュラムの中に入れてやったというところに問題が起こったわけですから、そういうことは一切ないようにしてもらわなきゃ困る。少なくとも高速道路については、この前のやりとりの中から、本免を得た後にやる、こういうことになっていますね。だから、免許証を手元に持っているか持ってないかということだけが問題になっている。ですから、私は少なくとも自動車専用道路の場合に六十キロ以下だから一般の道路と同じだということでは困るわけです。一般の道路とは、一応法律的には同じになっていますが、専用ですから実際は守られていない。そういうときに、しかも仮免でカリキュラムの中に入れて教習をするというところに問題があります。これはまあ、今回の場合は関係教習所は全部その後やめていますから、一遍全国的にそれを調べてもらいたい。恐らくそういうところがありはしないかという心配をします。いわゆる自動車専用道路で仮免のカリキュラムの中に入れてやっておると、またこの種の事故が起こります。二人の尊い命がなくなっていますから。ですから、これは一遍警察庁としてそういうことがないように、全国的に調査してもらいたい。そして、あればやめさしてもらいたい。これは私はいけないと思います。いわゆる一般道路で六十キロ以内のところ、これは問題ありませんけれども、自動車専用道路で、一応たてまえは六十キロになっているが、専用ということになると六十キロで走っている車は一台もないんですから、そういうところにしかも仮免でカリキュラムに入れておるというやり方は、私は自動車教習のあり方としては間違いだと思います。そういう点については調査をして善処してもらいたいと思います。以上です。いいですか。
○説明員(杉原正君) 先ほどの御指摘の点を十分配慮しながら運用の万全を期していきたいというふうに考えます。
○委員長(小柳勇君) 委員長からちょっと各委員にお願いをしておきます。
 これは警察庁の政府委員室から私の方に陳情がございました。今後各党、各議員が独自で交通安全対策上の調査をされることもございましょうが、なるべく政府委員室にも御連絡をいただきますと、現地の方とよく連絡し、指導いたしますので、特別の場合を除いて御連絡をしてもらいたい、こういう陳情があっています。いまの安恒委員の調査も、県会議員などが主体に連絡をしたようでありまして、政府委員室の方でも連絡不徹底であったということでありますので、問題が発生しないように各党、各議員が独自で調査される場合も、なるべく政府委員室の方にもお知らせを願いたいという陳情でありますので、各委員の皆さんにお願いをいたしておきます。以上です。
○阿部憲一君 先刻交通局長から御報告をいただきまして、改正道交法の施行以来非常に成果を上げているということは非常に同慶にたえない次第でございます。これに関連しまして、さらに私、局長に二、三お伺いしたいと思います。
 新道交法の施行を契機として、車社会の新しいルールの確立というものが望まれておりまするが、そういうことを考えますと、今回の法改正のねらいの一つである酒酔い運転、それから暴走族などの悪質なドライバーに対する罰則の強化は、今日の車社会の様相に何らかの変化をもたらすんじゃないか、こういうふうな期待をしておるところでございまするけれども、この施行後の取り締まりに当たっておられて、こうした変化と申しましょうか、こういうものが見られるかどうか、局長の御所見を伺いたいと思います。
○説明員(杉原正君) お答えをいたします。
 先ほど申し上げましたように、今度酒酔い運転でありますとか、あるいは暴走族の共同危険行為でありますとか、あるいは構造的な違反と言われておりました過積等の事案は今度の改正道交法の大きなねらいでございますが、まあこの酔っぱらい運転などが従来の三分の一ぐらいに減ってきた、また酔っぱらい運転の事故も大幅に減ってきた。ちょうどこの十二月を境にして少し様変わりをしたような感じでございます。こういう状況を片方で見、どうしてもこれだけの車社会になってまいりますと、やはりこの重大事故に直結するような違反というのは、どうしてもやっぱり排除していかなければならぬということでございますが、同時に交通警察が現場で単に取り締まっているだけでは物事は解決できないんで、例の自動車の使用主が無免許運転とか過積を下命したり容認したりするという、そういう構造的なものについてはどうしてもそのもとになっているところにメスを入れなければ、本当の安全な車社会というものをつくり上げることができないというふうな、そういう問題でございまして、そういう点につきましては現場から入って根源までさかのぼって手をつけていきたいということを考えております。
 同時に、単に悪質な人、悪質な行為というものを取り締まりをするというだけではなくて、われわれこれだけのことをやり、しかも車社会は非常にふくそうをいたしておりますが、その中で交通ルールを守ってこつこつと無事故、無違反で長いことやってきておられるドライバーが大半でございます。そういうドライバーの人たちが本当のこれからの車社会の担い手になってもらわなければならないということを考えますと、やはりそういう善良なドライバーというものが無事故、無違反運転に誇りを持って運転をしてもらえるような行政施策というものが他方にありませんと、単に違反を取り締まっていることだけで足りるとした従来のやり方に、やはりわれわれ自身も反省を加える必要があるということで、今回二年以上の無事故、無違反の方、三年以上の無事故、無違反の方に対して、それぞれ対応する行政措置を講じて、誇りを持って運転してもらうことを考えたわけでございますが、これにつきましても非常に問い合わせが多うございまして、聞きますと、いいドライバーには非常にいい施策だというおほめをいただいているケースが多いようでございます。各府県からそういう報告をいただいておりますが、同時に、こういういわゆるドライバーというのは基本的に悪い人ではなくて、皆、違反もそうでありますけれども、免許証が切れるのもうっかりして切らすというふうなこともあります。そういう点は、少し期間を延ばしながらやるというふうなことで、やはりいいドライバー、一般的なドライバーの理解と共感に支えられた形の交通警察の運営をしていく。今回の法改正というのは、そういう意味でも一つのきっかけにしたいということで取り組んだわけでございますが、いまのところはそういうふうな一つの転機になるかもしれぬという感じがいたしておるわけでございますので、引き続き一般ドライバー、住民の方々の御協力をいただきながら、こういうこれからの車社会というものをつくり上げることに微力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
○阿部憲一君 今回の改正並びにその一連の当局の措置によりまして、いま局長の御説のとおりに、ドライバーにとってもその意識の中に何らかの変化が生じておると、このように見取られるわけでございまするが、また取り締まり側においても新しい意識で取り締まりに当たっておられる、こう痛感いたします。
 いずれにしましても、今回の法改正を契機としまして、今後の交通安全運動の盛り上がりにどのように結びつけていくかということに大きな意味があると思いまするが、これらのことと関連しますと、警察当局の、ある意味においては腕の見せどころだと、このようにも思われまするけれども、この点どのようにお考えになっておられますか。
○説明員(杉原正君) 御激励をいただいて恐縮でございますが、実はことしかなり道路交通、いろいろな経済刺激策みたいなものもございまして、上半期、大変に事故がふえたんでございます。ちょうどことし一番ふえましたのは沖繩の七・三〇の前日でございまして、これが昨年対比四%近く死亡事故もふえておりまして、非常に憂慮いたしておりましたが、今度の改正道交法がちょうど五月に可決をいただきまして、その後それがかなりマスコミでいろんな形で取り上げられるようになった。異例の措置でありましたけれども、この改正道交法を受けて、非常に事故がふえているということで夏の安全運動が行われた、秋の安全運動も改正道交法を中心にして行われるような形がとられたというふうなこと等があったと思いますが、もう大変にことしどうなるかと七月の末の時点で思ったんでございますが、八月減少しまして、八、九、十、十一とずっと連続して減少、月ごとになってまいりまして、やっと十一月の上旬で対前年比マイナスが立ったということでございます。その間の私どもの経過を見ておりますと、やはりこういう従来と同じ仕事のやり方を続けておる限りは、車がふえ、ドライバーがふえる分だけ、やはり事故はふえる方に作用をいたします。したがいまして、次から次と知恵を出し合って努力をして新しい施策を傾注をしてまいりませんと、事故の減少傾向を定着することがこれから非常にむずかしくなるということを痛感をいたしておるわけでございます。
 ただ、これからのいわゆる安全対策といたしまして、従来ドライバーにつきましては免許の仕組みの中でとらえることが可能でございますが、特に自転車の問題、それから特に安全教育の手が非常に及びにくい子供さんと老人の方々、これをやはりこれからの安全対策というものの重点にしなければこれから事故が減らない、一つの壁にぶつかっているような感じがいたします。そういう意味から、改正道交法の決議の際にも御指摘を受けたんでございますが、そういう手の従来届きにくかったところについて、組織的、体系的な施策を講じていくというふうなことでございますし、今度、従来施策が及びにくかった自転車対策につきましても、改正道交法でかなりのことがやれることになりましたので、これからそういう点も並行しながら措置をしていく必要があるというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、日々の努力の積み重ねしかございません。そういう意味で、今後とも御指導を受けながら最善を尽くしてまいりたいというふうに思います。
○阿部憲一君 この新道交法の実施に当たって、今後事故の絶滅ということを期していかなければならないことは当然でございまするけれども、地域別の交通事故の件数、それから死者の数などを見ますると、たとえば東京ではこの二年間でずっと減少傾向にあるようでございまするけれども、反対に大阪では著しく増加しておるようです。東京、大阪という、非常に似たような環境にありながら、このような全く正反対の結果が出てるということに対して、私ども非常に疑問を感ずるわけでございまするが、この原因について何か当局では分析しておられますか、お伺いしたいと思いますし、さらに事故の絶滅を期する上から申しましても、地域の実情に合わせたきめの細かい施策が必要であると、このように思いまするが、この辺についてのお考えを承りたいと思います。
○説明員(杉原正君) 交通事故につきましてはかなり地域間の格差がございまして、人口当たりについて見ましても、車の保有台数当たりについて見ましても、かなり格差がございます。先ほど東京と大阪の話が出ました。まあ東京はことしもかなりマイナスでございますので、ことしもし成功いたしますと九年連続マイナスになるという、東京の場合にはそういう状況でございます。大阪もかなりの間マイナスできましたが、ことしは残念ながらふえておりまして、そういう意味でいま大変努力をしてる最中でございますが、人口当たりの事故率、あるいは車の台数当たりの事故率を見ますと、一般的に言えますことは、東京初め大府県だけ事故率が低うございまして、そうでない県ほど事故率が高いということでございます。なぜかということでございますが、やはり一つには安全の施設投資などの面がかなり格差があるということが言えます。それから、いわゆる街頭監視というのも事故防止には非常に影響するわけでございますが、警察官の一人当たり人口というのが府県によってかなり違います、大都市の方が非常に厚くなっておるわけでございますが、そういう点もあろうと思います。
 それから、特に東京、大阪を見ましても、そういう安全投資なんかにつきまして若干の格差があることと、それから街頭監視力などもやっぱり違うというふうな点があるほかに、特に、まあ私も大阪と東京、両方の交通をやってみたわけでございますが、やはりちょっとドライバーの運転の仕方というのが大阪と東京と違うように思います。まあ、これはいつか新聞にもちょっとそういうことが出ておりまして、特に、東京は減ってるのにどうして大阪はことしふえてるんだというのを、なかなか一概に――分析するのにもう少し時間かかかると思いますが、やはり気質的に、同じ信号でとまるにいたしましても、停止線がこうありまして、大体東京の場合にはその停止線のところでとまるんでありますが、大阪の場合には停止線からひょいっともう少し前に出てとまる、そうすると、その次に来たドライバーがまたそれよりもちょっとこう、五十センチでも何でもこう前へ出るという、そういう状況が、ちょっと東京で見られない、大阪ではそういうのがあるということでございまして、いま、大阪の方でもやはり事故防止のためには、どうしても一つの車の流れみたいなものがあるものでございますから、プロドライバー――ハイタクのドライバーの方たちにお願いして、何とか模範を示してもらえぬかということをお願いしてるようでございますが、やはりそういう個々のドライバーのちょっとした気持ち、また、だれか一人がやりますと、またそれを見習うというふうなところがございますが、これはなかなか一朝一夕にできない面はございますが、一つ一つの問題を解決をしながら事故防止の問題に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○阿部憲一君 先ほどもありましたけれども、暴走族の対策、これについては、私今度の法改正によりまして一応の成果を少なくとも今日までは現在上げているというふうにも考えられますが、聞くところによりますと、最近の暴走族の動きとして、この道交法の改正を機会に右翼団体に衣がえしたり、それから集団加入をしているということを聞きますけれども、具体的な何か実情をつかんでおられますか。
○説明員(杉原正君) 一部の暴走族につきまして、リーダーなど特定の暴走族の構成員の中に暴力団の構成員と交友関係にあるというふうな関係等から、暴力団の影響を受けているのではないかと思われるようなケースがございまして、この種事案につきましては十一月末までに七件の報告を受けておりますが、事件としてこれはもう検挙されておりますので、この検挙されたことと、この種グループの離合集散というのが非常に激しゅうございます。その実態把握というのは非常に困難でございます。
 それから、暴走族グループの中に「ゼロ」とか「マッドスペシャル」というふうな名前のものがありますが、これらのグループのうちで特定の者が右翼団体を結成する動きがあるというふうなことを承知をいたしておりますが、これは若干、右翼といいますか、右翼というよりも右翼かぶれみたいな感じのものでございますが、ただこれらのグループが具体的に本当に右翼活動と言われるものをやっているかどうかということにつきましては、まだ十分な把握がされていないという状況でございます。
○阿部憲一君 いまおっしゃるように、この連中が右翼団体としての行動を、要するに真剣にとろうというようなふうには――いま局長のお考えのように私自身もそう思うんでございまするけれども、しかし、じゃ彼らはどうしてそういうふうな動きを見せているかといいますと、結局政治デモとして規制から逃れようというようなことをねらっての動きじゃないかと、このように思われますけれども、これらに対してどういうふうに今度は取り締まっていかれますか、お伺いします。
○説明員(杉原正君) 暴走族というのも、実際にはトルエンを飲んで運転するとか、あるいはガソリンスタンドに入って集団で窃盗をする、あるいはタクシー等を巻き込んで乗客に殴る、けるの乱暴をするというふうな非常に粗暴な構成員が多うございます。それがすぐそのまま果たして右翼等の問題になるかどうかというのについては若干の疑問は持ちますが、ただ、もしそういうことで、政治団体に加入をすることによって共同危険行為のようなものを一つの政治活動のような形として名をかりてやろうというふうなことでもしあるといたしますと、私ども今回の附帯決議というものはあくまでも尊重をいたしたいと思いますし、正当な政治活動にこの共同危険行為を適用するなどということはさらさら考えておりませんが、もしそういうことに籍口して人様に大変な迷惑をかけるということであれば、これは放置するわけにはまいらないというふうに思うわけでございます。そういう意味では、右翼等に編入を現実にされるのかどうか、それが一体どういう動きになるのかということにつきましては、われわれ当面最大の関心を払ってこれを見ておるという状況でございます。
○阿部憲一君 三角マークと言われる故障車両標示器材、これについてですけれども、せっかく義務づけられたこの三角マークも、認定を受けた生産業者がわずか六社だけだと、したがってこれは生産が間に合わないんで普及に非常に手間取っているというふうに見られますけれども、業者を減らした、少なくしたということは何か理由があったんですか。
○説明員(杉原正君) これは現在六社六製品ということでやっておりますが、私どもこういう問題の処理というのは初仕事でございまして、かなり努力したつもりでございますが、諸般の準備がいろいろおくれておったということも事実でございます。ただ、もう今年中にさらに数社が追加認定される見込みでございます。したがって来春には大体需要を賄うことができる。もう大変な量産体制に入っておりますし、これからも入る予定でございますので、それまで、そういう一般の需要にこたえる、対応することができるまでの間は指導方針で臨むことにいたしておるわけでございます。できるだけ早く末端まで入手しやすいような体制に持っていきたいというふうに考えておりますので、業者を限定するなどということは全く考えておりません。
○阿部憲一君 せっかくの御名案なんですけれども、実施が、普及がおくれてしまったこと残念と思いますけれども、今月の一日から新しく販売されている車ですね、新車、これについてはどういうふうに装備されておりますか。
○説明員(杉原正君) 関係の業者がそれぞれの自動車メーカーと話し合いをして、大体もう新車のときにできるだけ早く備えつけて一緒に売れるような体制をとろうと、こういう話し合いをしているようでございます。
○阿部憲一君 最後に、警察庁としては、今回の法改正を機会に交通警察のあり方についても全般的な再検討を行うということでございますけれども、具体的にどのような改善をお考えになっておりまするかお伺いして、私の質問を終わります。
○説明員(杉原正君) 私ども当面考えておりますのは、ことしこの道交法の改正が行われました際に国会でいろんな御指摘を受けまして、各種の附帯決議も行われておりますが、この線に沿うた運用をやっていくということが当面の私どもの最大の努力目標でございます。格別の点につきましては個々には申し上げませんが、それを基本にしながら、あくまでもわれわれの運用というのは国民各層の方々の理解と共感に支えられたものでなければならないということの基本認識のもとに改善を図ってまいりたいというふうに考えております。
○山中郁子君 先ほど交通局長から御報告をいただいたわけですけれども、一つその報告に関して初めに質問をしたいんですが、道交法の改正以降ごく短い期間なので、私どもももう少し時間がたった上でさらに問題点が明らかになってくると思っておりますけれども、まず死亡事故を初めとして事故をかなり減少することができたという御報告がありました。これがこういう方向で定着をしていくことは大いに期待をしたいところですけれども、事故の減少の状況で何か特徴的なものがおわかりになるかどうかということなんです。つまり地域的に、たとえば都市部ではかなり減り方が大きいとか、農村地帯の方がそういう点では減り方が大きいとか、そんな特徴的なものがあればお聞かせいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(杉原正君) 十日間でございまして、死亡事故の分析だけでもかなり一ヵ月ぐらいかかるものでございますから、とりあえずは各県の統計の報告を受けただけで、まだ先ほど御指摘、御質問のありました点までの分析はできておりません。
○山中郁子君 一定の改正後のそうした事故の状況、その他の現状がある程度把握できるのは、どのくらい必要としますか。
○説明員(杉原正君) 大体一ヵ月を見ていただきますと大体の状況がとれるのではなかろうかというふうに思います。
○山中郁子君 そうした経過の後に一定の結果を御報告いただけるものと思いますが、それをお願いをしておきます。
 先ほど阿部委員からの御質問がありました暴走族の問題で、私も擬装解散みたいな形で右翼や暴力団に流れ込むという状況がかなりなところで指摘をされていって、またそういう現象もあるということがあります。
 それで、先ほど実情はなかなかまだつかめてないんだというお話がありましたけれども、この五十三年の警察白書。この中に「交通安全と警察活動」の項目で、暴走族構成員の暴力団との癒着というかつながりですね、そうした徴候も見られるし、具体的な事例もあがっているという点が報告をされているのですよね。これは五十三年ですから、いまできたばかりということではないと思うのです、この資料やなんかの整理その他のデータで。一定の期間の以前にこうした状況が把握されているわけなので、いまはやっぱりまだつかめてないとすると、私はちょっと警察としては怠慢ではないかと思うのですけれども、その点はどうですか。
○説明員(杉原正君) これは先ほども申しましたように、ある程度のものは私どももつかんでおります。つかんでおりますが、正確にこういうふうな形でこうなっていると、資金的にこうなっているというふうな、そこのところまでがまだはっきりいたさないというだけでございまして、アウトラインは大体私どもつかんでいるつもりでございます。
○山中郁子君 警察白書によりますと、五十二年で全国の暴走族は二万四千三百二十二人、三百六十五グループとなっているんですけれども、まずこれが道交法の施行直前でどの程度の数になっていたかということをちょっとお示しいただきたいんですが。
○説明員(杉原正君) これが直前時点の十一月のものがとれると非常によろしいのですが、全国の分でとれた一番直近のものが六月末でございますが、このちょっと数字を申し上げます。
 その数字でいきますと四百六十グループが確認されておりまして、そのグループに入っている数が一万九千六百七十五人、これにグループに加入していない者が六千五百十四人おりますので、これを加えますと、総人数で二万六千百八十九人というかっこうになります。ただ、改正道交法が施行になるということで、全国で解散表明をやり、あるいは解散しているものが約八十グループ、五千七百人がございます。そういうふうな状況もありまして、現在実態がどうなっておるかということを各県から集計中でございます。
○山中郁子君 そうしますと、先ほど解散をしたという数字も、いまお話もありましたけれども、暴力団や右翼に流れ込むということは、私は直接その番組は見なかったんですけれども、たしかテレビの「三時のあなた」という番組だったと思うのですが、取材をして、暴走族が警察署の前へ行って、何だか解散するということを宣言して、警察署長がそれを受け取るみたいな、そのこと自体も私ずいぶんふざけたやり方だと思っていますけれどもね。そして、そのときにインタビューに答えて、その暴走族が解散なんかしないと、どうせまたやるよということを堂々と平気で答えて、それでテレビにそれが映っているんですね。そうすると、やっぱりそういうことはちょっとゆゆしい社会問題だと思うのですよ、ある意味では警察もなめられているということなんですけれども。具体的に、今回の道交法の改正に絡んでこれだけの解散があったということで把握されて御報告があったんですけれども、そのものが右翼なり暴力団なりにどういうふうに流れ込んでいるのか、流れ込む傾向を示しているのかということは、具体的な把握はされていないですか。
○説明員(杉原正君) これはそれぞれ各県にとりまして大変な関心事でございますので、交通と防犯、少年部門と両方でこの実態調査をやっておる最中でございます。そのうちにおおよその状況が出てくるんではなかろうかというふうに思います。
○山中郁子君 これは暴力団の取り締まりなんかとの関係、あるいは右翼のいろいろな暴行ですね、そうしたものとの警察との関係はやはりいろいろ批判のあるところです。私は、そういうことも重ねて警察としてかなり責任を持って積極的な対応をしないと、暴走族は何グループ解散しました、何人解散しているはずですと言っていても、結局はそれがそのまま右翼なり暴力団に流れ込んで、そして新たに、さらにそれが凶暴化する、当然そうですよね、そういう傾向を持つわけですから。そうした事態というものは厳に警察の対応としてはっきりさせていただかなければならないと思っています。
 先ほどの御質問に対する答弁も伺ったんですけれども、私はやはり警察としてもう少し腰を入れた対策――状況を注意して見ているというようなことでない、もうひとつ積極的な対応をなさらないと手おくれになるという気がしますけれども、ある意味では一つのチャンスなわけですから、その辺のところはぜひ一歩踏み込んだ対策をとっておく必要があるのではないかと思っておりますけれども、その点はいかがでしょうか。
○説明員(杉原正君) 暴走族の問題というのは、単に交通警察の問題であるというにとどまらず、やはり基本的に少年問題でありましたり、あるいは暴力団問題でありましたり、右翼対策でありましたり、そういうこと等も大変な広範な問題にかかわるものでございまして、交通の場から姿を消したからといって、それできれいになったものというふうには認識いたしておりません。警察の方でも、他の部門とも積極的な連携をとりながら、暴走族対策の今後について措置をしてまいりたいというふうに考えております。
○山中郁子君 次に、原付自転車の問題についてちょっとお尋ねをしたいんですが、かなりいま宣伝されて売れていますよね。それで御婦人の方がこれを買われて乗るという傾向も大変強くなってきているし、比率も高まってきているということが報告されていますけれども、もう一方でこの原付自転車の事故がまたふえているんですね。その事故数、傾向それから原因、その辺の状況をちょっと聞かせていただきたいと思います。
○説明員(杉原正君) ことしの一月から十一月末までにつきまして、原付の事故の概況を御報告いたしたいと思います。
 まず、原付自転車がいわゆる第一当事者になって発生した、いわゆる原因が原付自転車側にある死亡事故は四百十四件、全体の死亡事故の五・四%を占めますが、これを前年と比較いたしますと、四十二件、一一・三%増ということでございます。
 それから、今度は原付に乗っている人の死亡事故、原付に乗車中の死亡事故でございますが、これは十一カ月で七百十一人、全体の死亡事故の八・八%でございまして、これを前年に比較いたしますと六十九人、五・二%増ということでございます。幸いにこれは十一ヵ月のトータルでございますが、かなり各県ともこの原付の事故防止に力をいま入れておりまして、十月と十一月中は幸い昨年対比で減少をいたしておるわけでございます。
 死亡事故の原因の方でございますが、これはちょっとまだ十一月のが出ませんで、ことしの上半期のものにつきまして見てみますと、まず原付が第一当事者になった死亡事故が、これは上半期だけで二百十二件になりますが、それを見ますと、酔っぱらい運転、これが三十七件、構成比が一七・五%、わき見運転が三十七件、構成比が一七・五%、それから最高速度違反、これが二十七件、一二・七%というふうなことでありまして、酒酔いとか最高速度違反というのが若干特徴として挙げられるということでございます。そういうことと、それから最近原付の普及は、家庭の主婦の方に大変な人気があるわけでございまして、そういう意味でも、これからの安全教育のやり方等についてもかなり工夫をこらさなきやならないというふうに考えております。
○山中郁子君 「人と車」という「交通安全教育推進誌」というのがありますね。これの十月号ですね、ここに木下さんという警察庁の運転免許課の方が「原付事故の現状と安全対策」ということで、データをもとにして書いていらっしゃるんですけれども、これらを読ませていただきますと、運転未熟の事故というのがやはりかなり多いんですね。初心運転者の事故率が高くて、原付事故のうち三件に一件は原付免許を取得して一年未満の者ということになっているんですね。それで、この方の出されているデータによりますと、原付の事故率というものの増加、これは一月から六月で前年度比較になっておりますけれども、先ほど杉原さんおっしゃいましたように、十月、十一月はちょっとここの中にはデータ入ってないんですが、二八・六%で最も高い事故率、死亡事故ですけれども、示しているんです。この技能講習がやはり十分に行われていないということが一つの大きな要因になっていると思うので、いまの酔っぱらい運転というのはその意味では論外ですけれども、そういう点から都道府県警でいま技能講習を行っているのはどのくらいありますか。どこでもやっていらっしゃるわけですか。
○説明員(杉原正君) 原付に対する技能講習でございますが、神奈川と福島と沖繩を除きまして他都道府県で新規免許の取得者に対する講習を実施をしておるわけでございます。
○山中郁子君 その実施の態様ですけれども、先ほど交通局長が言われたように、通学とか通勤とか主婦の方たちの買物、そういうものに利用されていて、いわゆる地域性が高いわけですよね、自動車とかなり違いまして。ですから技能講習を身近で受けられるようにするということが一つの私はかなめだと思うんです。何か遠いところまで行って、一日がかりで行かなければ技能講習を受けられないということでは、またしなくてもいいことになっているわけだから、必然的にめんどうだから行かれないし、また時間的にも行かれないと、主婦の方たちがそう留守にするわけにもいかない。こういう状況がありますから技能講習を身近で行うようにする、することが必要じゃないかと思いますけれども、その点ではそのようなことが行われているのか、あるいはそういう方向をお持ちなのか――方針をですね、計画を。その点をお伺いしたいのが一つです。
 それからもう一つ、先ほど三県では行われてないということでしたけれども、警察庁としては指導なり、そういう方向としてはどのようにお考えで、やりなさいというように当然なっているんだと思いますけれども、その辺の状況はどうですか。それから三県でそれではなぜ行われていないのかというようなことについてお尋ねをいたします。
○説明員(杉原正君) 原付の問題、免許の問題、御承知のように学科試験だけで技能試験というものがありませんということでございますので、それだけに普及をされればされるほど技能講習にはうんと力を入れていかなければならない状況になっておるわけでございます。
  〔委員長退席、理事安恒良一君着席〕
私ども運転免許制度の中で原付の免許のあり方をどう考えたらいいのかというのが当面の免許制度の検討の最大課題でございます。これは免許の制度というのは少しいじりましても大変な影響がありますことと、実施体制がそれに対応しませんとできないというふうなことで、いまの技能講習も過去いろいろな歴史を経ながらこれに対応してきておるわけでございますが、いずれにいたしましても、いま御指摘のありましたように、原付というのはそう遠くまで行くものでなくて、かなり地域性のあるものでございますし、利用者も家庭の主婦とか、あるいは学生とかいうふうな非常に限定をされた方たちでございますので、それを効果的にやるためにはどうしても地域性というものを取り入れた形でやる。そうなりますと、試験場などではなくて、やっぱり警察署とか、そのあるいは近く、せいぜいそのあたりでやるのが一番効果的でございます。そういう問題を含めて、この附帯決議にもありますように、原付の免許制度あるいは講習制度というものをどういうぐあいにやっていくのか、財政的な問題もいろいろございますけれども、そういうものを早急に詰めたい、結論を出したいというふうに考えております。
 ただ、当座の措置といたしましては、全国でできるだけ身近なところでやれるような方向で進めようということで、いまやっていないところにつきましてもできるだけ早く体制を整えてこれに移行するように指導をしているところでございます。
○山中郁子君 自転車の問題で一点だけお尋ねしたいんですけれども、先日のこれは地行と交特の連合審査のときにこの道交法の改正案の審議をいたしました。私も質問して、杉原局長からもお答えがあったんですけれども、自転車利用者の罰則が強化されているけれども、これはもちろん罰則、処罰をするのが目的ではなくて、事故を起こさないということで罰則を適用するということは実質的には考えていないと、そういうお答えがありました。
 それで、先ほどの御報告をいただきますと、やはり自転車の件数が圧倒的に多いわけですよね、自転車問題が。それで、もちろんそうであっても、やはりこの前、局長がお答えになりましたような精神で、十分なやはり周知徹底――交通教育ですね、そうしたものを第一義的に考えられて、自転車は若い人たちが多いわけですから、子供さんも多いわけで、罰則ということを第一義的に考えないで、そういうことは実質的には適用しないで、事実上の事故をなくしていく教育なり啓蒙宣伝なりするんだということは、当然そうした態度でお臨みになっていらっしゃると思いますけれども、その辺をもう一度確認もし、実情的に、そういう罰則、処罰というふうなことが起こっているのかどうかということもお聞かせいただきたい。
○説明員(杉原正君) 自転車につきましては、今度の法改正で自転車の道路交通の場での位置を明確にしたいということでああいう措置を講じたのでありますが、
  〔理事安恒良一君退席、委員長着席〕
自転車の利用者の置かれている実態を考えますと、これ、違反があったからそれを取り締まり、検挙をして物事を措置するという方向に行くべきものではなくて、これはあくまでも、自転車が通りやすくする環境をまずわれわれが整備をする。で、そういう自転車がとるべきこととされておるルールというものを、街頭の保護と誘導によって一日も早く定着をさせるということを主眼にした措置を講ずるべきものであると思いますし、われわれとしても、そういう方向を今日以上に徹底をしていきたいというふうに考えております。
○山中郁子君 最後に、大型貨物車の死角の問題について交通安全との関連でお伺いをしたいんですけれども、これはいろいろ議論もされています。
 それで、一つ、運輸省自動車局が十月四日に、「大型貨物自動車の左折事故防止のための緊急措置について」ということで、指示ですか、通達をお出しになっていらっしゃる。で、運輸省にお尋ねするわけですけれども、これは新たにつくる車両についてなんですね。それで、現在はすでに五十万台からの大型車が走っているという事実があります。
 それで、問題は二つありまして、一つは、この緊急措置の中身がこれで私どもは十分だとは思わないし、大変問題があると思っているんです。一つだけ見ましても、ミラーの問題でいえば、新たにサイドアンダーミラーを装備すると、こうなってます。これは、素人ですから、専門家の方に言わせるとまた別な見解があるのかもわかりませんけれども、私がある程度専門家の、つまりドライバーの方から事情をお伺いしましても、またミラーを一つよけいにつけるということでは、とてもドライバーが、あっちのミラーを見て、こっちのミラーを見て、またまた新しいミラーを見てなんてことじゃ、実際上、それは運転者に余分な負担をかけるだけであって、事故の防止ということに有効な手だてには十分にはなり得ないんじゃないかという疑問が私どうしてもあるんですけれども、その点の問題点はどのように把握されていらっしゃるかということが一つ。
 それから、現在五十万台から走っているものについては一体どうするのかということです。現にいま走っている自動車が事故を起こしているわけですから、新たに自動車にそういう少しでももし効果のあるような手だてをつけるならば、それはそれで一応一理あるとしても、現在五十万台から走っている大型車ですね、それについてはどういう対策を講じられるのか、ということの二点についてお尋ねいたします。
○説明員(小林育夫君) まず第一に、今回の緊急対策で新しくつけた鏡、合計三つになるわけですけれども、そういう三つの鏡を同時に見られるかという御質問でございます。
 確かに先生御指摘のように、形式上は特に新しい鏡をつけるような形になっておりますけれども、実物をごらんいただくとおわかりになりますように、実は従来ついておりましたアンダーミラーとかそういうものも、形の大きさとか曲率とか、すべて変わってきておるわけでございまして、従来の鏡が相当大きくなって視野が改善されております。そういう意味で、すべての鏡を同時に、あるいは交互に見なくてはならぬということではなくて、やはり一番大きな鏡を主力に見て、ほかの鏡を補助的に見るということでやるわけでございまして、そういう意味では、私どもは運転者の負担が特に増大したということとは考えていないわけでございます。で、従来の鏡でございますと、トラックの前方がトラックの前約一メートルのところ、それから横側ですと約一メートル、これ、前も横も一メートルの部分が見えます。ところが、今回の処置によりまして、前方が二メートル、それから横側が三メートル、この範囲が確認できるわけでございます。したがいまして、少なくとも現在の技術、現在の対策をもってすれば必要最小限の視野が確保できたと私ども考えておるわけでございますけれども、何分にも日進月歩と申しますか、技術の世界というものは進歩しておりますので、この対策が万全であるということを考えておるわけではございません。したがいまして、あの対策の中にも書いてございますように、今後低運転席の車を試作することも含めまして、視野の改善のためには私ども努力していくということでございます。
 それから二番目の、現在ある五十万台の車をどうするかという御質問でございます。それにつきましては、現在走っておりますこの五十万台の車、型式別にいたしますと三百数十型式の車がございます。それぞれメーカーによって仕様が違っておりますので、これに新しい鏡を取りつけるということになりますと、それぞれ改造をいたさねばなりません。それで、それぞれのメーカーに、どういう改造方法をすれば一番見やすくて、そして技術上問題がないかということをいま検討さしている段階でございます。で、その検討が済み次第、「道路運送車両の保安基準」という私どもの省令がございますが、その省令を改正をいたしまして、これをいまある、私ども使用過程車と言っておりますけれども、この使用過程車に義務づけていく、そういう考えでございます。
○山中郁子君 最後ですけれども、きょうは道交法の改正の問題が中心でしたので時間が限られておりますから、その抜本的な問題についてはまた引き続き次の機会にやりたいと思いますが、現在走っているものについて、いま御指導されていらっしゃるということは、当然私はメーカー側の負担で、ミラーをもし仮につける、またあるいは別な手だてを加えるというようなことがあれば、一種の欠陥ですから、当然メーカー側の負担でもってそれは行うべきだと思っておりますけれども、運輸省のお考えはいかがですか。
○説明員(小林育夫君) 欠陥車という意味は、世間では非常に広く使われておるようでございますけれども、私ども欠陥車と言っておりますのは、メーカーが設計の段階あるいは製造の段階でミスがございまして、それが先ほど申し上げました「道路運送車両の保安基準」に適合しないか、あるいは適合しなくなるおそれがあると、そういうようなものにつきまして、私どもはこれを欠陥車と、こう名づけておるわけでございまして、ただいまありますこの大型車の問題というのは、いまあります「道路運送車両の保安基準」には適合しておるわけでございまして、私どもはこれを欠陥車という取り扱いをするというわけにはまいらないわけでございます。したがいまして、私どもこれに対策をいたす場合には、現行法規の中で行います場合には道路運送車両の保安基準を改正して行うという以外に方法はございません。で、道路運送車両の保安基準を改正して行うということになりますと、保安基準に適合させるというのは使用者の義務ということにいまの法律のたてまえになっておりますので、当然使用者の方々に御負担を願うというのがいまの道路運送車両法のたてまえと、そういうことになろうかと思います。
○山中郁子君 だから運輸省はメーカーサイドだと言われるんです。まあこの問題については引き続きまた追及をいたします。
○委員長(小柳勇君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
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○委員長(小柳勇君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。交通安全対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小柳勇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小柳勇君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十四分散会