第087回国会 大蔵委員会 第5号
昭和五十四年三月一日(木曜日)
   午前十時八分開会
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   委員の異動
 二月二十七日
    辞任         補欠選任
     佐藤 昭夫君     立木  洋君
 二月二十八日
    辞任         補欠選任
     立木  洋君     佐藤 昭夫君
 三月一日
    辞任         補欠選任
     藤川 一秋君     降矢 敬義君
     渡辺  武君     小巻 敏雄君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         坂野 重信君
    理 事
                梶木 又三君
                藤田 正明君
                和田 静夫君
                矢追 秀彦君
                中村 利次君
    委 員
                浅野  拡君
                岩動 道行君
                糸山英太郎君
                河本嘉久蔵君
                嶋崎  均君
                戸塚 進也君
                藤井 裕久君
                降矢 敬義君
                細川 護煕君
                勝又 武一君
                竹田 四郎君
                鈴木 一弘君
                多田 省吾君
                小巻 敏雄君
                佐藤 昭夫君
                渡辺  武君
                野末 陳平君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  金子 一平君
   政府委員
       外務省経済局長  手島れい志君
       大蔵政務次官   中村 太郎君
       大蔵大臣官房審
       議官       米里  恕君
       大蔵大臣官房審
       議官       福田 幸弘君
       大蔵省主計局次
       長        加藤 隆司君
       大蔵省主税局長  高橋  元君
       大蔵省関税局長  副島 有年君
       大蔵省理財局長  田中  敬君
       大蔵省銀行局長  徳田 博美君
       運輸省航空局次
       長        永井  浩君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       防衛施設庁総務
       部施設調査官   大迫 公克君
       大蔵大臣官房審
       議官       大竹 宏繁君
       通商産業省基礎
       産業局非鉄金属
       課長       原木 雄介君
       日本電信電話公
       社総務理事    長田 武彦君
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  本日の会議に付した案件
○関税暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○航空機燃料税法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
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○委員長(坂野重信君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 関税暫定措置法の一部を改正する法律案及び航空機燃料税法の一部を改正する法律案を便宜一括議題といたします。
 前回の委員会における竹田委員の質疑に関し、金子国務大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。金子国務大臣。
○国務大臣(金子一平君) 電電公社の調達問題に関しましては、東京ラウンドの早期妥結にも影響するとの認識のもとに関係各省で真剣に検討を進めることとなっておりますが、現在政府部内ではこれに関する具体的な案はまだ決まっておりません。
○委員長(坂野重信君) それでは、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○竹田四郎君 この前申し上げました、新聞に報道されている、データ通信などこれから発展性のあるところから開放をしていくというような、そういう決定はないんだということでありますから、その点は私心配が一つ解消されたわけでありますけれども、政府の方針としてそういう考え方が全然ないのかと言えば、どうも私、外務省あるいは大蔵省、こういう部門の考え方ではかなりの部門を開放をしていこうと、こういうような考え方がないわけではない、こういうふうに思いますけれども、これは政府として、ひとつ電電公社の問題では、具体的にどうやっていくかは別として、細かいことは別として、アメリカのこの開放要求に対しては応ぜざるを得ない、こういう考え方にあるんですかどうですか。
○政府委員(副島有年君) この前も申し上げましたように、問題は、いわゆる電電公社の国内的な要請、それと東京ラウンドそのものがねらいといたしますいわゆる開放体制の拡大と申しますか、より貿易を一層拡大の方向に持っていく体制を、骨組みをつくるというものとの妥協点をどこに見出すかという問題ではないかというふうにわれわれは考えております。現在、先ほど大臣から御説明がありましたように、まだ具体的な方針というものは決まっておりません。
○竹田四郎君 妥協点を見出すというのは、いままで電電公社が外国に対して開放されていた三十数億円、それよりふやすという意味ですね。
○政府委員(副島有年君) そういう方向でいま検討をしております。
○竹田四郎君 この問題は、いま大木審議官を中心として電電公社の人もアメリカへ行っているようでありまして、具体的にはいま交渉中と思いますので、余り細かいことは伺えないだろうと私も思っておりますが、しかし、事は私は非常に重要だと思うし、ただこの問題が日米の経済摩擦という観点から見ると、日本が妥協をするということは日米の経済摩擦の緩和の一環にはなりますけれども、しかし、これは他方から見ておりますと、どうも大国間だけの話し合い、この非難というものはやっぱり免れないと私は思うんですけれども、その問題はまた後で伺いたいと思うわけであります。
 その後も電電公社関係の現場の人といろいろ話を聞いておりますと、電電公社のいままでの通信網の整備ということが、やり方にいい点悪い点、後での功罪はいろいろあろうかと思いますけれども、しかし電電公社という最先端をいっている産業あるいは企業として、一つのシステムとして電気通信網あるいは電気通信体系といいますか、そういうことで電電公社としては開発をされていると思うんです。そうした意味で、いままでの技術体系あるいは組織体系というようなシステムから外れたもの、こうしたものは幾らどこの国のものであろうと、これはやっぱりうまく合わないだろう。
 たとえば、こういうケーブルがございますけれども、あのケーブルの中には恐らく何百という細いリード線が入っているだろうと思うんですけれども、ときどき私ども、街頭であれをつないでいるのを見ておりますけれども、あれは、つなげるような一つのシステム的なつくり方があのケーブルの中に恐らく含まれているだろうと思うんです。もしあれを違ったものを持ってきて、電電公社の人に、さあおまえこれをつないでみろと言ったところでそう簡単に私はつなげるものではないだろうし、またそれをつなぐにはつなぐだけの、やっぱり初めからの違ったシステムと合わすための訓練教育、こうしたものは当然私は必要になってくるだろう。
 一つとってみてもそういうわけでありますけれども、電電公社の理事さんにお伺いしたいと思うんですが、具体的に、どんなものならそういうシステムを外しても一体支障がないのかどうなのか。あるいはいまのままですぐそういう他のものを入れて、通信系統、あるいはいろいろな費用の問題もこれには関連するだろうと思いますけれども、そういう面で支障のない分野というのは、たとえばポケットベルとか、いろいろ開発されているものがあると思いますが、具体的に、どんなものはシステムから外れてもすぐに、ほかのいままで開発した以外のものを持ってきてもすぐ間に合う分野というものはどんなものがありますか。私どもよくわからぬわけでありますけれども、どんなものがありますか、ひとつ若干例示をしていただきたい。そうして、そういうものは大体いままで買った電電公社の、五十二年度でも五十三年度でも結構でございますけれども、六千数百億の電電公社の分野の中で、そういうシステムを外しても買ってすぐ使えるというようなものは一体どのぐらいあるんですか。
○説明員(長田武彦君) お答えいたします。
 まず、現在の日本の電話の状況についてからお話を申し上げたいと思うわけであります。
 現在、全国に電話は約三千六百万加入ございまして、電話機の数にいたしますと約五千万個近い電話機が全国津々浦々にございまして、これらが相互に接続でき、良好な品質でサービスを提供できるという状況になっております。なお現在、電話の自動化あるいはダイヤルで即座に全国どこでもつながるという状況につきましては、今年三月の十四日でございますか、をもちまして、全国の電話が全部ダイヤル化になるというような状態にまで参ってきております。
 こういう電気通信システムと言いますものは全国に設備されました膨大な設備からできているわけでございまして、それらがすべて電気的につながっている。言いますれば、電話機からケーブル、交換器、それから搬送、マイクロと言いますような装置、こういうものが全部有機的につながって電話機から電話機の間のシステムを構成をしているわけでございます。
 したがいまして、これらの設備につきましては、先ほど先生御指摘ございましたように、ひとつ設計の上の設計思想というものが一貫した設計思想に基づいてこれらの個々の構成する機器ができておりませんことにはこれらの間を自由につなぐということが非常に不可能になってくるわけでございまして、したがいまして、単に、たとえば外国で使われている品物であるということのみをもって日本に持ってまいりましても、それをそのままでは現在の電気通信システムの中に即座にはめ込んで使うということは大体できないというのが現状でございます。これは、先ほど申し上げましたこの設計思想というものがわが国と外国とやはり非常に大きく異なっておりますのでそういう問題が起こるわけでございますし、もし国内で生産されました品物でございましても、そういう意味での設計思想が変わっておりますと、やはりこの電話のネットワークの中に即座につなぎ込むことはできないというかっこうに相なります。
 したがいまして、私どもいままで主張してまいりましたことは、そういう一貫された設計思想に基づいた設備、言いますれば標準化されました設備が入りませんことには、私どものいたしておりますこういう電気通信システムの設計、建設、あるいは保守というようなものにつきましても、各種の混在したようなものが入るというようなかっこうになりますれば、当然こういう点では能率が低下をいたしますし、ひいてはいいサービスが提供できなくなるという形になろうかと思うわけでございます。したがいまして、この電気通信のシステムの中に組み込まれておりますもの、これらのものにつきましてはやはり一つの設計思想に基づいた物品でなければならないという大前提があるわけでございます。
 現在電電公社では、大体年間二千数億円ぐらいの外国製品あるいは外資系の会社でつくられました製品を使ってはおりますが、これらのものの大半はこういう電気通信システムの中に組み込まれていないもの、たとえば研究用の設備でございますとか、あるいは測定器の一部であるとか、そういうようなものを中心にして実は買っているわけでございまして、この買い方にいたしましても、実は競争入札という形ではなく、随意契約という形で調達をしているものがほとんどでございます。したがいまして、こういう一つの設計思想に基づいた品物というものがありませんことには、私どもとしてもこのシステムの中に組み込めて使うということはきわめて困難であるというふうにお答えを申し上げたいと思います。
○竹田四郎君 これ新聞報道でございますから正確なところはわかりませんけれども、電電公社の秋草総裁ですか、この方の発言として、アメリカに対して門戸を開放していくということについては、積極的か消極的かわかりませんけれども、ある程度認めざるを得ないと、こういうように報道されていたわけでありますけれども、これはどういう意味でございますか。いまの長田さんのお話によりますと、入れる余地はないというふうに私はいま承ったわけであります。
 確かに、私も先年ブラジルへ行かせてもらった経験がございますけれども、ブラジルは大変各国の電話の系統が入っているということで、国内の系統が違う電話についてはそれをつなぐのには半日もかかるという話を実は聞いてまいりまして、電話の系統というのは技術体系が違うということになりますとなかなかむずかしいものだなあというような感じをそのときも実は持ったわけであります。
 いまのお話ですと、外国製品を買っているものは研究用のものとかあるいは測定器等だと、そしてシステムにはそういうものは入る余地がないんだと言っているんですが、あなたの発言と総裁の発言とどうもちょっと違うようなんですが、総裁はどこかに入れようというふうに考えられていると思いますし、全体としても何か私どもの受ける感じでは、どうも電電公社はいまのところ大変孤立をしているような感じを持たざるを得ないわけでありますけれども、どうもあなたの話と総裁の話と違うんですが、これどういう理解をしたらよろしゅうございますか。
○説明員(長田武彦君) お答えいたします。
 ガットの政府調達規約によりますと、原則として物品の調達はすべて競争入札で、きわめてごく例外的なものを除きましてすべて競争入札ということになっておるわけであります。
 ところが、電気通信設備といいますのは、いまごく一部のことについて御説明を申し上げましたけれども、システムとしての統一性がなければならないということは非常に大きな問題でございまして、そのほかいろいろの理由がございまして、いわゆる設備を随意契約で調達しなければ非常に都合が悪いという実情でございます。これは大体国内に電気通信産業というものを持っております先進諸国、欧米の諸国等の電気通信事業体の運営の状況を拝見をいたしましても、いずれの事業体におきましても大体電気通信資材というものを随意契約ベースで買っているということでございます。したがいまして、電電公社といたしましてもいままで随意契約ベースで資材を調達をいたしておりましたんですが、やはりその考え方に立って考えますれば、この政府調達のコードの適用を受けるということは何としても避けたいという考えを持っているわけでございます。
 しかし先ほどの、約三十数億円ぐらい海外からも資材を調達をしておりまして、それが研究用の資材であるとかあるいは測定器等の一部というふうに申し上げたわけでございますが、これらは競争契約のベースで調達をしているんではなく、あくまでも随意契約のベースで調達をしておるわけでございます。
 今後特に日米間の大きな貿易のインバランスに基づきますこういうような問題につきまして、私どもも別に無関心でおるわけではございませんで、外国から非常にすばらしい技術に基づいて、よくて安くて私どものシステムに安全に適合できるというような品物が提案ございますれば、いつでも前向きにそういうものは検討していきたい。ただしその場合も、その調達というのは競争契約ではなくて随意契約のベースで調達をしなければならないというふうに私ども考えているわけでございまして、過去大体五年ぐらいの間、電電公社にも世界各国からいろいろ商品の売り込みと申しましょうか、そういうようなものも参っておりますけれども、実際に過去五年ぐらい調べてみますと、アメリカから売り込みに来ておりますのは十数件程度でございまして、なかなか自分の国で使えているから日本でも使えるはずだというような形で売り込みに来られましても、先ほど御説明ありましたような理由から、なかなかそのままには要するに受け入れがたいという問題があるわけでございます。
 現在も、いろいろ昨年秋以来アメリカからも売り込み団が見えまして、大分公社にも訪問を受けました。その中でいろいろそういう商談の進んでいるというようなものもございますが、現在までのところは売り込みに基づいて公社が調達をしたというような品物は非常に少のうございます。むしろ先ほど申し上げました研究用の最新のいろいろの設備などといいますものは、売り込みに基づいてわれわれが調達したんではなくて、どうしてもそういうものを研究上必要だというもので、世界じゅう探しまして必要な資材を随意契約で調達をしているというような形でございます。
 そういう意味におきまして、先ほど総裁の発言と云々というお話がございましたですけれども、私ども今後ともそういう形での諸外国からの提案に対しましては前向きに検討していきたいということを申し上げているというふうに私理解をしております。
○竹田四郎君 そうすると、最近は新聞の誤報というのが大分ありまして、私どもそれを中心に話をするとどうも間違うことが多いようでございますけれども、そうすると、どうも秋草総裁の発言もこれは誤り、あなたの発言が電電公社を代表しての発言だと、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○説明員(長田武彦君) 総裁の御発言をちょっと私いま正確に書いたものとしては持っておりませんのでございますが、いま私申し上げたことをもう一遍繰り返す形になりますが……。
○竹田四郎君 いや、間違ってなければいいんです。時間の問題がありますからね、同じだというなら同じでいいです。
○説明員(長田武彦君) ガットの問題、それから今後とも内外無差別の原則に基づきまして、システムに適合できる品物というものはわれわれとしても前向きに考えていきたいという姿勢は変わりございません。
○竹田四郎君 システムに適合する品物があれば、それは入れることにやぶさかでないと、あなたこういうふうに言っているんですがね、電電公社だって国際電電を含めて世界じゅうに網を張っているわけですよね。しかも、こういうメーカーのある国というのは限られていると思うんですよ。いまのシステムに適合するというような非常に程度の高い技術のものというものは、限られた国しか恐らく生産できていないと思うんですよ。どこの国でも、世界の百五十何カ国どこでもできるというものじゃない。そうすれば電電公社としてそういう情報に私は疎いわけはないと思うんです。もうすっかり、最高機密のものはどうか知りませんけれども、向こうが日本に商品化して売り込もうとしてきている程度のものは、それはもう十分承知していると思うんですよ。承知している上で、あなたが適合するものがあればと言うことは、ないということにわれわれ考えて、それは将来五年十年たてばわかりません、現在のところはないというふうに理解してよろしゅうございますか。私はそういうふうに理解したいんですが……。
○説明員(長田武彦君) お答えいたします。
 日本の電気通信の技術のレベルというものは、やはり世界一流のグループの中に入っているというふうに私どもも考えておりますし、自他ともに一応認めていただける段階だと思います。したがいまして、現在の、先ほど申し上げましたが、国内の状況、すでにすべての自動化あるいはダイヤル化が終わるというようなことでもう設備が十分できているわけでございますが、ここまで持ってきます過程におきまして、相当な新しい技術開発というものに私ども非常に力を注いで現在のこのシステムをつくり上げたわけでございます。この過程におきまして、まず私どもが必要といたします資材につきましては、ほとんど技術開発が済んでいるというのが現状でございます。
 したがいまして、私どもがすでに技術開発を済ませてもう国内で十分仕上げまして調達できるようなもの、たとえばそういうものはまず私どもの国内で十分調達できるというのがもう現状でございまして、これにさらにこれよりも技術的にすぐれ、さらによくて安いというようなものというのは、なかなかこういうものを探し出すのに実際問題として苦労いたしておるというのが実情でございます。
○竹田四郎君 これは関税局長でも大臣でも結構ですけれども、恐らく関税局長が先ほど妥協点を見出さなけりゃならないということは、アメリカから何かをいま以上に入れなくてはならないということになるだろうと思うんですね。いま電電公社は、おっしゃるように、日本のシステムに合って、それで現在以上に優秀なものというものは探してもない。そして、先ほどから細々と御説明があったように、こうした通信系統は一つのシステムである、ほかの異物を持ってきてもそれはもう入らないというのがそうだろうと思うんです。
 もしそういうものを入れるということになれば、これは国民に恐らく大きな迷惑を与えることになるし、故障はふえるだろうし、あるいは料金等も上げざるを得ないという問題がそれに続いて出るわけであります。そういう技術的な体系の中で何か政府の方は妥協点を見出すというのは、押し込む、こういうことにならざるを得ないと思うんですが、どうも電電公社の通信というものの態度、それから大蔵省を初めとする何とか妥協点を見出すという点は、この電電公社の門戸開放に関する限りはどうも私は両者合わない。合った結果は国民の方にそれは迷惑が及んでくるということにならざるを得ないと思うんですが、どうもその辺がよくわからない。
 だから、電電公社の倉庫にアメリカの機材をたくさん買ってそこへ積んでおくならこれは話はまた別だと思うんですが、そうすればそれはコストにかかってくる問題でもありますし、どうもその辺がとても納得できない。政治の圧力によって、そうした敏速しかも正確につながらなくちゃならないという通信、そういうものが政治の圧力で曲げられるということはわれわれは耐えられないわけですが、どうもこの辺、議論が国民にわからない。これは政府としても、何も電電公社を開放しなければ日米の、貿易赤字を減らすのはこれだけだという問題には私はならぬと思う。もっといろいろなものが考えられていいと思う。少し最近は私はアメリカは日本に内政干渉的な言辞が多過ぎると思うんですよ。こういう点で御両者の話がどうも合わない。これはどういうふうに考えたらよろしゅうございますか。
○政府委員(副島有年君) この問題は、竹田委員御指摘のように、非常に技術的な問題を含んでいる問題でございます。そういう意味で、私どもも対米折衝をするに当たりまして電電公社の御意見を十分伺っていま折衝をしているところでございますし、現在アメリカに大木審議官と一緒に電電公社の技術の担当官も行って交渉をしているところでございます。
 この前、竹田委員に申し上げましたように、どこで接点を見出すかというのが、結局交渉でございますので、いまここで具体的に何とも申し上げるという段階ではございませんけれども、そもそも二つの問題点がございまして、一つは東京ラウンドと申しますのは、その名前で象徴をされますように、日本が非常に積極的にイニシアチブをとって始めた多角的交渉でごいます。そういう意味で、なるべく早くこれを妥結するということは、私どもとしてもぜひとも努力していかなければならない点ではないか。
 それから、申すまでもなく、自由貿易体制の維持強化ということで最も利益を受けるのは貿易立国であるわが国であることは申すまでもありません。
 それからもう一点は、政府調達分野だけに限りまして申し上げますと、この前に竹田委員に申し上げましたように、アメリカ側のオファーというものもかなりアメリカとしては思い切ったオファーをしてきております。非常にわれわれがいままで問題にしておりましたバイ・アメリカンも、このコードがうまく成立すれば改廃することを意図表明をしておりますし、またアメリカの政府調達の総額、これも百数十億ドルに上る非常に大きな金額をオファーしてきております。それに対しまして、日本側がいまオファーをしている金額は非常にまだ十分でないというアメリカ側の不満もわからないわけではございません。
 ただ、この電電の問題に関しましては、これは電電だけではございません、国鉄の問題もあると思いますけれども、技術的な問題が非常に大きな分野を占めておりますので、十分関係者の意見を聞いて、いま申し上げました二つの要請から、どこで接点を見出すかという点が私どもがいま非常に苦心をしているところでございます。
○竹田四郎君 局長ね、私は電電の問題に限って当初あなたに質問したわけですよね。そしたら電電の問題について妥協点を見出さなくちゃならぬと、こういう話です。だからいまの三十数億以上のものを買うということになるわけですね。それは不可能だと、こう電電は言っているわけですね。政治的にそういう点では政府の圧力でアメリカの要請を聞いて何らかのものを押し込むという意味じゃないですか。電電は要らないと言っているんでしょう。探してもないと、こう言っている。そこで妥協点を見出すというのは押し込むということでしょう。大蔵大臣、そういうのが政府の考え方じゃないですか、政治的に。電電を屈服さして何らか押し込む。後は国民にとってどうなろうと、それは先のことで余り考えない。そういうのが政府の態度じゃないですか。私はそういう問題でこの電電の問題を解決するということは非常に不満ですよ、国民としてプラスにならない。やはりプラスになるという立場でこれを交渉してもらわなければ、アメリカの言い分に屈する、あるいはそれを通じて、この前も申し上げましたように日本の技術が開放されてしまう。そういうことになったら日本は一体何で立っていくのか。将来の希望というのは私は非常に――大蔵大臣この前いらっしゃらなかったから私の議論を十分承知しているかどうかわかりませんけれども、もう技術的には日本の方が、電電公社の人に伺いますれば、この前もそうでしたけれども、はるかに日本の方がそうした分野においては技術的には高い、こういうのが通説ですよ。むしろ知らないのは政府の連中だけのような気が私はするんです。
 そういうときに、この電電の問題で何らか妥協点を見出そうというのは、私はむしろ日本の国益に大きな害があるということはこの前もここで何回か私は申し述べたところですよ。こういう政府の態度というのは、私はどうも国民に迷惑をかける、日本の技術を無料で外へ開放する、そうしたことに私は連なるということで、局長の先ほどの発言でも妥協点を見出そうというその回答に非常に不満です。大蔵大臣どう考えますか、政府の代表として。
○国務大臣(金子一平君) 考え方はいま関税局長から申し上げたとおりでございますが、何分にも電電の問題は大変技術的な専門的な問題が多うございまして、しかも、それが十分にアメリカ側にわかってもらっていないというところに行き違いの根本的な原因があると思うんです。
 それで、私どもとしましては、いままでアメリカへ余りそういう説明をしたこともないわけでございますので、大木審議官を中心として電電の専門家に行ってもらってよくこちら側の実情を聞いてもらうように、いま行ってもらっている最中でございます。政府側といたしましては全然一歩も譲りませんよというような気構えではなしに、先ほども竹田さんおっしゃるように、システムに乗っからぬものはなかなかこれむずかしいと思うんですが、しかし研究機械その他入れておるものも現実にあるわけですから、そういうことで、どこら辺までそれじゃ買えるかというような点についての電電側の心構えをつくってもらいたいということで、電電にもひとつ直接行ってくれというようなことでお願いをして、いま渡米してもらっている最中でございます。
 いずれ結論が出ましたらまた御報告いたしましけれども、私どもは無理にシステムに乗らないものを入れて日本の電気通信施設を混乱させようなんということは毛頭考えておるわけではございません。
○竹田四郎君 しかし、全体の新聞が伝える雰囲気では、もう政府は電電の問題については門戸を開放すると、これは自民党にもその点は了解を得たんだと、こういうことなんですよね。そうすると、恐らくこの問題については何らかのそういう形をとらざるを得ない。しかも日本の態度がはっきりしてない。買えるものがあったら買いましょうなどというようなあいまいな態度でいま交渉に臨んでおるとしたら、私は非常にそれ心配です。そういう政府の態度を私は改めていただきたい。拒否したらどうですか。
 それから、これは新聞報道の伝えるところですが、これは大蔵大臣に大いに関係があるんですが、最近のアメリカの態度は、一般消費税は日本は導入すべきでないというような話があったというんですけれども、これはどうなんですか。
○国務大臣(金子一平君) 消費税の問題は全く誤報と私は聞いております。これはどういうことからそういう問題が出たのかわかりませんが、内政干渉がましい話は一切ないと私は承知いたしております。
○竹田四郎君 どうも政府はぐあいが悪くなると新聞に責任を転嫁して新聞の報道が誤りだと、ここでも新聞の誤りというのは三回ぐらい私聞きましたけれども、私はそんなに新聞の報道が誤っているというふうには思いませんよ。やっぱり、この前のE2Cの話だって、何か座談に出た話が政治の本筋へ入ってきているような状態ですよ。ですから、アメリカの大使が大蔵大臣に会って、一般消費税の導入はこれは日本の景気の足を引っ張る、あるいは消費を減少させるというようなことがあったんではないと思いますよ、もちろん。しかし、大蔵省なり外務省なり、どっかにそういう話が行っているから新聞はそれをちゃんとフォローして、私は追っていると思うんですよ。こんなばかなことが――私は一般消費税の導入反対ですよ、はっきり。反対ですけど、アメリカにそういうようなことをとやかくくちばしを入れさせるということ自体が私は問題だと思うんですよ。それはアメリカのあせりもあるでしょう。あるだろうけれども、これはまさに内政干渉ですよ。そういうすきを私はアメリカに見せるということ、どっかにすきがあるからそういうことを向こうは言い出すんだろうと思うんですよ。アメリカに対しては日米安保体制があるんだから、だからアメリカの言うことは聞かなきゃいかぬぞというような気持ちが私はどっかにあるからそういう発言を許しているし、電電公社の今度の問題も私はそういうところに問題が出てきていると思うんですが、これは本当にはっきりと、そういう一般消費税に対して云々という話は絶対なかったんですか。
○国務大臣(金子一平君) アメリカが日本の景気の動向に非常に大きな関心を持っておることは事実でございますが、しかし、事消費税についてどうこうなんという話は一かけらも公的席上で出ておりません。このことははっきり申し上げておきます。
○竹田四郎君 公的席上では出ていなかったけれども私的の席上では出ていたということですな。
○国務大臣(金子一平君) 新聞がどこでそういう話を入手したのか私は知りません。しかし、わが方の大蔵省なり外務省なりの出先なり出張した者に対してそういう話が出たということは一切聞いておりません。
○竹田四郎君 こういう態度がアメリカ側にあるということは、それに似たような、言葉になったかならないかは別として、そういうような日本を主権国として対等平等で認めていないというような思想がアメリカの中にあるということは、これはこういう報道が正しくあろうが、それがあんまり正確ではないにしても、あるということは事実だと思うんです。こういう形で日本とアメリカとのいろんな話し合いが進んでいくということは私は大変遺憾だと思うんですよ。もっと毅然たる態度で――何もアメリカだけが、アメリカと日本との貿易収支だけがこれ問題じゃないと思うんですよ、いま。これは第三国を通じてのいろんな形があるんですし、ですから、常にイーブンでなくちゃならぬということには私はならぬと思う。局長、あなたは「貿易と関税」に、一月の三十一日ですから、何かお話しになりましたね、どっかの協会で。それで読みますと、大変日本の宣伝が下手だと、こういうふうにあなたはそこで強調しているんですが、確かに下手だろうと思うんですよ。そういうものについて日本の実情を理解させていく、これは関税局としても私はそれをやっていかなくちゃ東京ラウンドまとまらぬと思うんです、これから。そういうことで、どんなふうに対処しているんですか。あなたはああいう発言されているんですから、当然それに対する対処をされているんじゃないかと思うんです。
○政府委員(副島有年君) 私いろいろ対外折衝をしてみて感じたこと、思ったままを書いたわけでございますが、その一つに、意外に日本の実情が知られていないという感じを非常に強く持ったわけでございます。かなりの日本通だという人にも意外に日本の実情がおわかりいただいていない。
 たとえば、日本の市場の閉鎖性ということを盛んに言われておりますけれども、その例として挙げられるのは、かつて十年ぐらい前にまだ日本がやっていたようなことを引用されている。その後、御承知のように日本の市場は大幅に開放されているわけでございますが、これが十分知られていないということも否定し得ないと思うわけでございます。そういう意味で、私どもも機会あるごとに日本の実情のPRに努めているわけでございますが、この電電の問題がその一番いい例だと思うんで、日本の電電の実態というものが必ずしも十分わかっていないんじゃないかということで、先般来電電にお願いして、日本の電電の実態をアメリカ側によく説明をしてもらうということをいまお願いをしているわけでございます。
 それから、何がなんでもアメリカが圧力をかけてきているではないかという先ほど竹田委員の御指摘でございますが、私は、アメリカ側がたとえば電電の問題について一〇〇%門戸を開けと言っているとは実は思っておりません。これは御承知だと思いますけれども、牛肉の交渉あるいはオレンジの交渉も、最初はアメリカは自由化という線は一歩も譲らないという非常に強いことを言っておりましたけれども、御承知のような点に妥協点が見出されたという実態から見て、私は、電電の技術者、専門家が十分日本の電電の実情を説明すれば、そこにおのずから解決する道が出てくるんではないかというふうに思っております。
○竹田四郎君 電電の問題は一応ここでおきまして、最近東京ラウンド問題でECと日本との間で大筋が合意をされた。このことによって東京ラウンドは急速に終結に向かっていくだろうというのが一般的な見方でありますけれども、ECと日本との間での東京ラウンドについての問題というのは、もう最終決着というふうに見ていいんですか。それとも日米関係みたいに、大筋で合意されたって後で大問題が出てきて日米間はいつまとまるかわけがわからぬというような逆転的な状況になるのかどうか。その辺のEC、アメリカ、日本、この関係の東京ラウンドに対する終結方向というのはどういうふうに理解したらいいですか。
○政府委員(副島有年君) この前の委員会で竹田委員に御説明を申し上げました時点におきましては、ECと日本との間では二つの大きな問題が残っていたわけでございます。一つは関税及び農産物交渉でございます。それからもう一つはコードの上での問題で、いわゆるセーフガードの問題でございます。
 このうち前者につきましては、この二十四、五の土、日と行われました日・EC交渉で両者の意見が大幅に近づいてまいりまして、いまの段階では妥協のめどがついたというふうに申し上げるのが正しい表現ではないかというふうに思っております。
 ただ、コードの方の問題でございますセーフガードの問題は、依然としてかなりの距離がございます。これは日本・ECの問題と申しますよりも、日本・ECあるいは米・EC、特にECと開発途上国との問題でございまして、いま米国、日本ともECと開発途上国との交渉の経緯を見ているというところでございます。
○竹田四郎君 そうすると、コードの問題についてはまた日米関係と同じような問題が今後起きてくる可能性はないというふうには言えないですね。起こり得るかもしれないですね。
○政府委員(副島有年君) これはいま申し上げましたように、日本とECだけの問題ではなくて、ECと米国、あるいはECと日本、特にECと開発途上国との間の大きな問題であるというふうに考えております。
○竹田四郎君 私が言ったのは、そういういろいろな回り回ってやはり日本とECとの間で問題がまた今度のように、日米関係のように起きてくる、そういう可能性はあるのかないのか。あるんじゃないですか。
○政府委員(副島有年君) 日本とECだけの問題に限定をいたしますと、この関税交渉及び農産物交渉がほぼめどがついたということで、いまの段階で私どもとしては特に、たとえば日本と米国の政府調達の問題みたいな大きな問題ができるとは予想しておりません。
○竹田四郎君 新聞の報道しかよくわかりませんけれども、EC、日本、アメリカ、こういう関係で、ECの今月の外相理事会でも大体終結の方向だと、こういうふうに言われているわけでありますけれども、どうもガット、東京ラウンドというのは先進国だけの話し合いで、途上国との話し合いというのはどんなふうになっているんですか、日本として。恐らく日本と途上国、特に東南アジアの問題というのはほとんど途上国の中へ入っていると思うんですよね。この関係というのが、果たして途上国もある程度満足のいくような方向で話し合いがついているのかついていないのか。これは今後の東京サミットに向けても私は南北問題の解決というのはやっぱり東京サミットの一つの大きな論点になるだろうと思いますよ。そういうことに向けて果たして日本は途上国の要求というものはほぼ満足のできるという程度にまでこれは聞いているんですか、どうですか。
 先進国が幾ら決めても、ガットの総会でありますから大多数の国というのは途上国。そうするとこの問題は、ただ単にそこで決まらなかったという問題だけじゃ私はないと思うんですね。先進国と途上国とのこの問題というものが円満に解決をしていかなければ東京ラウンドも結局はだめになってしまう。それは恐らく国際的に保護貿易主義の台頭と、それから途上国のフラストレーションというんですか、あるいはそういう格差というものが今後うんと出てくるわけですから、その問題については一体政府はどういう態度で対処してきて、その結果は先進国で調印されようという段階に至ってきているわけでありますけれども、それはどういうふうなことになっているんですか。
○政府委員(副島有年君) 東京ラウンドの参加国は全体でほぼ百カ国に近い国が参加をしているわけでございますが、その大部分が途上国であることは委員御指摘のとおりでございます。また東京宣言におきましても、開発途上国に対して先進国が特別な、あるいは追加的な利益を与えるということがうたわれております。こういう趣旨を受けまして、これまでの交渉で先進国は、熱帯産品のオファーを初め、できるだけの開発途上国に対する配慮を払ってきております。現に昨年の七月以降、先進国の協議に随時後進国の代表が入って各コードの詰めが行われているわけでございます。しかしながら、先般アルーシャで会議がございまして、そのアルーシャの会議におきまして開発途上国側が、東京ラウンドの進展ぶりについて必ずしも満足をしてないということを宣言に盛ったことも事実でございます。私どもとしては、七月にASEAN諸国を初め開発途上国についてはかなり思い切ったオファーを行ったつもりでございますけれども、まだ一〇〇%満足するには至っておりませんので、今後とも他の先進諸国と協調しつつ、できるだけ開発途上国の要請を踏まえて合意に達するように努力していきたいというふうに考えております。
○竹田四郎君 言葉のそういう抽象的な言い方ではわかるんですが、今度のアルーシャの宣言においても、新国際経済秩序を貫き通していく、これはかなり強いことが盛られておりますね。私まだとても全文を読むまでに至っておりませんけれども、かなり強い形で文章に述べられておるわけでありますけれども、具体的に、日本はそれでは、共通基金の問題あるいは輸出所得補償の問題、こういう問題については途上国に一体どういうことをいままでしてきたんですか。
 また、いまあなたの話では、先進国と協力をしてそうした問題について途上国の要求にある程度応ずるようにしてきたというんですけれども、どうも、ECと途上国の問題、アメリカと途上国の問題、日本以上にちょっと厳しいような気がいたします。そうしてこの問題は恐らく、次のUNCTAD5がマニラで開かれるわけでありますが、ここで大きな突き上げというものが恐らく来るであろう。そうすれば、東京ラウンド――先進国では話が合っても、果たして途上国の賛成を得られるかどうか。これは恐らく東京サミットにはね返ってくることは明らかだ。その辺は具体的にどうやっていますか。具体的な話をしてください。
○政府委員(副島有年君) 共通基金と所得補償の問題については後ほど大竹審議官からお答えをすると思いますが、開発途上国問題は東京ラウンドで二つに分けまして、関税交渉とコードの問題と二つあるわけでございますが、関税交渉の分野につきましては、先ほど申しましたように、先進諸国ともかなりいま思い切った提案は出しております。熱帯産品について非常に優遇する案を出しておりますが、まだ最終的な合意には達しておりません。
 日本のことを申し上げれば、日本につきましては、一部の開発途上国とは関税面では近く合意に達する見込みでございます。それから非関税面のいわゆるコードづくりにつきましては、いまこれからいわゆるコードの最終的な詰めをやるわけでございますが、この詰めの段階でできる限り開発途上国の主張をくみ取ってコードに反映させていきたいというふうに考えております。
○説明員(大竹宏繁君) 共通基金及び輸出所得の補償方式という問題についてお答え申し上げます。
 御承知のように、共通基金は五十二年のCIECの閣僚会議におきましてその設立が合意をされております。しからばどういう形でこれを具体的につくるかという問題につきまして南北の間で交渉を重ねてきておるところでございます。
 それから、いわゆる輸出所得の補償という、STABEXというふうに通称呼ばれておりますけれども、こういう形のものもございます。
 まず、共通基金でございますけれども、これはすでに二回交渉をジュネーブで行っております。前回は昨年の秋に交渉を行いまして、ある程度の話が詰まってきつつある段階でございます。ただ、具体的な金額の話であるとかその他の条件の問題につきましては、なお南北間でかなり立場の開きもございます。日本といたしましては、ASEAN諸国が非常に共通基金に熱心である、またその産品も共通基金になじむものでもございますし、日本に関連の深いというものでもございますので、共通基金につきましては、できるだけ先進国の中で意思の統一を図りながら、南北の間でも共通の建設的な提案をするように努力をしてきておるわけでございます。
 開発途上国の方は、先ほどお話の出ましたアルーシャの会議で、この共通基金が一番重要な問題であるというような指摘もしております。私ども、当然このUNCTADに向けまして共通基金を具体化するという問題が当面の南北間の非常に重要な問題であるという認識は持っております。
 で、次回の交渉の会議がジュネーブで三月の半ばごろに行われる予定になっております。それに向けまして、現在各国間いろいろ非公式な前段階の折衝もしておるところでございますし、できるだけ日本といたしましても建設的な役割りを果たしていきたいというふうに考えております。
 それから、もう一つの輸出所得補償という問題でございますが、これはASEANの五カ国から提案が五十二年にございまして、それを受けまして福田前総理がASEANを歴訪されましたときに、ひとつ共同で検討してみようということになっております。そうしたことを受けまして、専門家のレベルで昨年の秋にも会合を行いました。これは御承知のように、特定の一次産品の輸出所得が、ある一定の基準を設けまして、その基準を下がった場合に融資をするということが基本的な仕組みになっておるわけでございますけれども、ASEANと日本との間でどういう形でそういうことをやったらいいのかということにつきまして、どういう品目、あるいは基準の免除をどうするかとか、条件をどうするかとか、一体日本との輸出の状況はどうであるかというような事実の検討から始めて、いまいろいろ検討をしておるところでございます。
 当面は、何といいましてもASEAN諸国もいわゆる共通基金の方が優先的な問題であるというような認識でございますので、ジュネーブにおきましてもASEAN諸国とは十分に連絡をとりながら交渉をしておるところでございます。
○竹田四郎君 私、ある意味で途上国に対する日本の努力というものはかねてから評価をしているわけですよ。だから、決して何にもしないというようなことを私は申し上げているわけではございませんけれどもね。問題はやっぱり、ECとアメリカの途上国に対する態度というのはかなり変わっていかなくちゃいかぬだろうというふうに私は思うんですよね。今度の関税問題にしても、必ずしも他国、そうした先進国の態度というものは日本の態度より幾らか違うと思っているんです。もっときついような気がするんですよ。だからそういう意味では、途上国と日本という立場を考えてみますと、やはり日本が先進国にかなりこの点では強く言わないと、どうも共通基金の問題も私はうまくいかないんじゃないだろうか。いまのお話を聞いていますと、話はしているようだけれども、どうもその辺が鮮明でないわけですね、鮮明じゃない。したがって、日本がいまECなりアメリカなりから盛んに攻撃を受けている、そういうものだけが大きく影響を与えて、日本が途上国との今後の関係というものをもっと緊密にしていく。途上国の問題もやがては日本の、大きく見れば共存共栄すべき地域ですよ。そういう立場から見れば、当然にECなりアメリカなりにもっと私は強力に共同基金の問題、コモンファンドの問題は働きかけていくべきだと。いまの大竹さんの話では、話はしているけれどもどうも全然力ないですな。
 そういう感じを国民に与えますよ、いまのあなたの話を聞いている限りでは。
 ですから、この辺も私はいま一番、そうした意味では途上国に対しての日本が主導権をとっていくやっぱり一つの時期だろうと。そういうことをしなければやはり東京ラウンドというものも私はまとまっていかないだろうと思うんですよ。東京ラウンドを本当にまとめさせるそういう途上国との関係というのは私は日本だろうと思う。だからその辺をやらなければ、ほかの日本に対する非難と同じようなのが、途上国も今度は一緒になって日本へ非難が向かってくるという可能性が私はあるような気がしてしようがないんですよ。しかもUNCTAD、四月か五月ですね、目の前にしてどうもその辺の努力が私は足りないと思うんですよ。これは政府の責任だろうと思う。金子さんどうですか。
○説明員(大竹宏繁君) 先ほど共通基金の交渉において、日本の努力がどうももう一つ足りないんじゃないか。具体的なところはっきりしないんじゃないかというような御指摘がございましたが、実はジュネーブでは相当精力的にやっておるわけでございます。ただ新聞の報道等におきまして、それほど具体的に日本がどういう提案をしたとか、中でどう動いたとかいうようなことはいわば交渉事の中身なものですから、まだその経過の間には必ずしも明らかにしてきておらないということはございますので、そこはひとつ御了承いただきたいんでございますが、日本が昨年秋の交渉でいろいろ動きましたその動き方につきましては、その後の各国、特にASEAN諸国からの反応をいろいろ外務省の公電等から拝見しておりますとかなり評価をしておると、日本はよくそこまでやっておるというそれなりの評価は得ておるというふうに私どもは感じておるわけでございますし、それからアメリカとかEC諸国の中で必ずしも前向きでないという御指摘もございましたけれども、そういう国につきましてももちろん働きかけはしておるというのが実情でございます。
○国務大臣(金子一平君) いま竹田さんの御指摘の点、これは大変大事なことであると思います。これからの日本の国際的な進路を決めるに当たって、後進国を外して世界の平和協調は考えられません。そういう意味において、いま大竹審議官から経過につきましては報告がありましたけれども、政府としても大変むつかしい問題ではございますが、むしろ日本が旗を振ってでもこういった問題片づけてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○竹田四郎君 この問題は日本だけで途上国全部をカバーするということは私はできないと思うんですよ。たとえばアフリカ諸国と日本の関係というのは必ずしもそう太い線で、パイプでつながっておるわけじゃないわけですからね。いま大竹審議官がおっしゃっているように、せいぜいアジアくらいはある程度話ができると思うんですけれども、そんなに広くは私は話はできないと思うんですよ。それをやはり説得をして、そして途上国の要求もある程度入れて東京ラウンドをやっぱり終結させていくというのには、他の先進国も動いてくれないとこれはしようがないんですよ。日本だけでできることじゃないんですよ。だから私は、他の先進国と日本がこの途上国に対する関係は一体どうなるのか。あなたのお話では非常に抽象的――交渉中だから話せない。私はもっと日本がそういう点では、何もその交渉でやる必要はないと思うんですね。やっぱりもう少しそういう問題に対して私は日本の国内でできると思うんですよ、ある程度。新聞等があるわけですよ。「今週の日本」という政府発行の新聞もあるわけです。そういうものを使っていけば、何もジュネーブの場だけでこの問題が私は話がつくとは思わぬですよ。もっと大きな国際的な世論というものがあると思うんですがね。その辺に対する政府の態度というのはどうも出ないんですね、余り。積極的にECやアメリカをこの問題についてひとつ説得をしていこうという話は余りないんですね。
 それはあなたはジュネーブへ行って向こうと一生懸命話ししているかもしれませんよ。そういうことは私どもわかりません。だから大蔵大臣、政府の主要な一員としてそれは非常に重要だと言われるんだけれども、重要であるならば重要であるなりに、私は世界的にそういう世論を形成していく火種がなければしようがないと思うんですが、どうも火種がないような気がするんですね。出先が幾らやったってこの問題は私は解決できるような問題じゃないと思う。これは大蔵大臣にひとつ政府のそれに対するやり方、方向というものを、大事だということは、大事だから私も聞いているんで、大事でなけりゃ聞かないんですから。そういう意味ではもう少し大事だと言うなら大事であるような方針を出してもらわなくちゃいかぬ、どうですか。
○国務大臣(金子一平君) 先ほども申し上げましたように、これ具体的な前進を図るように関係各国とも十分協議を遂げてまいりたいと考えております。
○竹田四郎君 どうも余り力の入った御答弁でありませんで残念でございますけれども、むしろあるいは外務大臣なり総理なりに御答弁願うのが適切な問題であろうと思いますけれども、大蔵委員会でありますからこの程度でやめておきますけれども、ひとつこれは政府にもその点は意見具申をしていただきたいというふうに思います。
 それから、今度の関税の問題で、アルミに対する割り当て関税制度というのが税率が低くなったりして、アルミ産業を保護するという趣旨だろうと思うんですけれども、最近アルミの海外市場というのはもう上がっておりますし、国内の市場価格もすでに問屋仲間で毎日、新聞を読んでいますと三十一万円から三十一万五千円という形になっておりますし、いろいろ国内においてもアルミの加工面ではかなり伸びてきているように思うわけですね。そういう意味で今後の市況というもの、私はかなり楽観的にいま見始めているわけです。恐らくそう簡単に海外の非鉄金属、アルミもその中に含むと思いますが、そう下がるということじゃなくてむしろ上がるんじゃないだろうか、こういうふうににらんでおります。そうした意味で、国内では一方では設備の廃棄、凍結、あるいは不況カルテル、こういうことをやっているんですが、かなり上がるんじゃないんですか、今後。どうなんですか、見通し。
○説明員(原木雄介君) 最近のアルミニウムの海外市況と申しますのは、銅等が非常に上がっておりましたこともございまして、また世界のいろいろな観点から強含みで推移してまいりまして、特に最近急激に上がってまいりました。この傾向が今後とも続くかどうかということになりますと、一応の相場でございまして、よくわからないところがございます。一応やはり需給的に今後上がるという見通しを立てますと、仮需も発生しまして非常に急激に上がるということもございますが、私どもとしてはやはり反落のおそれもないとはしませんけれども、基調としてはやはりじわじわと上がっていく方向であろうかとは思うのですが、急激にこれからまだ上がるかどうかというのはまだちょっとわかりません。
 それから海外の、アメリカ等の建て値につきましては、いまのところ六十セント程度まできておりますけれども、これが急激にまた一割、二割と上がっていくようなことにはならない、まあ年率は数%くらいのアップといったようなことで抑えられていくのではないかと思います。
○竹田四郎君 国内における不況カルテルですね、これはもうそろそろ外してもいいと思うのですけれども、どういうふうにお考えですか。
○説明員(原木雄介君) 不況カルテルは、昨年九月から始めましてことしの三月末日まで七カ月間継続、あと一カ月――きょうが三月一日でございますからあと一カ月ございますが、一月までの状況でございますと、不況要因のうちの一つでございます在庫につきましては、大分十一月ぐらいまで順調に減りましたけれども、まだ十八万トン程度ということで、目標の十四万七千トンまでまだしばらく間がありまして、そこで停滞しております。
 それからもう一つ、市況が回復したとは言いながらも、日本の製錬の販売価格自体はやはりまだ三十万程度ということでございまして、コスト的にはまだ赤字というのが続いておりますので、不況要因というかっこうにはなっております。
 ただ、今後四月以降の状況というのがはっきりいたしませんので、いまウォッチしておりますけれども、大体今後の市況が堅調ということになれば、価格的にある程度値上げといったことも可能になりますと、カルテルの延長自体というものは非常に問題も出てまいりますので、その辺は慎重に検討してまいりたいと、こう思っております。
○竹田四郎君 これはもう政府自体も認めておりますように、最近の卸売物価の上がり方というのは非常に急激ですね。すでに景気よりも物価の問題という時期になってきているわけですよね。そういう点ではアルミなどというものは、市況から言えば非常に急激に高くなっておりますね。そういう意味では、私はもう手おくれにならないうちに早く不況カルテルなどというものはやめていかなきゃいかぬし、果たして今度のこの関税割り当て制度ですね、税率を一%ですか、第一次については下げているんですけれども、こういう問題もこの一年間に情勢がもっと変わるんじゃないかということで、むしろ慎重であっていいんではないか、私はこういうふうに実は思いますけれども、まあ法案にはもう賛成しますけれども、その辺は慎重に対処を私はすべきだと思います。これでまたインフレが急激に上がってくるということになりますと、せっかくこうした動きがまたブレーキをかけられる可能性が非常にあるわけでありますから、そういう点では慎重であってほしいと思います。これは大蔵大臣に特に要望をして、そうした価格政策という面でもひとつ政府は適切な措置をとっていただきたいということを申し上げて、関税関係は一応これで終わりたいと思います。
 あと航燃関係の問題に移りたいと思います。この前時間がありませんでして、防衛施設庁の試験的というのはどうもよくわからないのですよ。時間がありませんでしたからあのときやめましたけれども、試験的に今度はやってみると。試験的というのは、もう運輸省のやった点で終わってるはずだと思うのですけれども、試験的というのはどういう意味なのか、もう一回聞かしてください。この間もその点では回答を二回聞いたのですが、回答がなかったわけですが、試験的というのはどういう意味なんですか。
○説明員(大迫公克君) お答えいたします。
 防衛施設庁といたしましては、五十四年度におきましてWECPNLの八十五以上の区域内における住宅防音工事を重点的に実施することといたしておりまして、さらに新規の施策といたしまして、住宅防音の対象区域であります第一種区域をWECPNL八十まで拡大いたしまして、それとともに全室防音の試行工事を実施するという方針でございます。
 この試行の内容についていまお尋ねになったわけでございますが、全室防音工事につきましては、今年度運輸省で実施されております調査結果を実施に十分反映さしていくという考え方をいたしておりますが、私どもの所管いたしまする飛行場等は、運輸省さんの所管する飛行場と比較いたしますと、都市型住宅よりも開放的な農村型住宅が多い、また各基地ごとの生活様式、建築様式等が異なる等のことから、厚木飛行場を含めまして、各飛行場周辺の住宅について試行的に実施する必要があるというふうに判断をいたしたわけでございます。
 なお、試行工事の内容といたしましては、これまでに実施いたしました一室ないし二室の防音工事に追加いたしまして全室の防音化を図ること等を計画しておりまして、これによりまして合理的な工事方法の決定、検討をいたしますとともに、所在周辺におられます住民の方たちの全室防音に対する具体的な御意向等も調査するものでございます。
 当庁といたしましては、この試行工事の結果を踏まえまして今後の全室防音化に適切に対処していきたい、かように考えております。
○竹田四郎君 あなたは初めてなんですが、私の質問はこの問題については初めてじゃないんですよ。初めてのような答弁をされちゃ困るのですよ。
 私がこの前申し上げたことは、運輸省管轄の空港に比べて防衛庁の管轄の空港周辺が――すでにことしから、五十四年度から運輸省は全室防音に大がかりに乗り出しているのに、なぜ防衛施設庁の方は試験的にやるのか、このことを聞いたのですよ。それに対して、防衛施設庁は、試験的にことしから全室防音をやります、試験的というわけでありますからそうたくさんやらないと。いまのお話を聞くと、すでに運輸省がやっているからそういうところの調査結果を十分に参照してというなら、もう試験的にやる必要ないじゃないですか。
 それからいまのお話の中で、どうして防衛庁のは農村的で運輸省の管轄は都市的なんですか。私はとてもそんなふうに思いませんよ。この中に書いてある浜松だって、それから小松にしても厚木にしても千歳にしても私は農村型とは思えないのですよ。だから、厚木が農村型だからあんなのはどうでもいいということですか。そういうことにはならぬと思うのですよ。それは農村型のようなところもあるでしょう。成田だってまだ農村的ですよ、運輸省管轄で。これでもやっているんじゃないですか。なぜ、どうして防衛庁関係は農村型で運輸省関係は都市型なんですか。
○説明員(大迫公克君) まず試行工事の関係でございますが、試行工事といいましても、実質的には運輸省さんが五十四年度に実施されます内容と、私どものやります内容は全く一緒でございます。ただ、私どもは従来やってまいりました一室ないし二室の、既設のでき上がりました防音工事にプラスして、まずそれから全室化を図っていこうというふうに考えております。
 それからもう一つの農村型、都市型住宅の問題でございますが、私どもの飛行場等は全国に二十二施設ございますが、運輸省さんの飛行場に比べまして、開放型のいわゆる農村型の住宅が比較的多いということを申し上げましたのでございます。運輸省さんの飛行場は大体大都市周辺が多うございまして、私どもの飛行場等は、千歳−北海道を初めといたしまして九州まで、比較的に開放型の農村型住宅が多いということが調べで大体わかっております。ということで、それらの全室化の防音をいたします工法を、それらを踏まえて検討したいということで、一応試行工事という名目で計画をいたしておりますが、内容といたしましては運輸省さんの実施されます工事内容と変わっておらないと考えております。
○竹田四郎君 どうもわからぬですね。それは確かに運輸省の空港というのは、これは人の行き来が中心でありますから、まあ都市に近いところにあることは事実なんですよね。しかし自衛隊の、あるいは米軍に貸している飛行場が純粋に農村というわけじゃないでしょう。厚木はあそこは農村ですか、浜松は農村ですか。だから厚木は、あそこを農村型にしてしまわれるということになると、私はこれはおかしいと思うんですよね。
 あなたの方からきのう、「防衛庁における航空機騒音に係る環境基準の中間改善目標の達成状況について」という書類をいただきましたが、これを見ると、要するに民間空港に比べて自衛隊の空港は、この飛行機の飛び方、騒音の軽減の仕方、こういうことが民間の航空機とは、非常の場合というものがあるだろうから、そう規制できないというようなことでおくれた原因にはしているんですよ、おくれた原因の一つにはしているんですよ。それだけ述べているだけですよ、これはね、このおたくの方の資料は。こういうことがあるから私の方は全室防音はおくらしてもいいんですと。私はそんなばかなことないと思うんですよ。基地が、自衛隊の基地であろうが民間の基地であろうが、騒音は違いないんですよ。騒音を少なくしていく飛行機の飛び方とか機械のあり方とかテストのあり方については違うでしょう。騒音は違いないんですよ。で、片っ方は農村型というふうに規定しておくらしている、こんなばかなことないと思うんですよ、私は。なぜそういうふうに規定しなくちゃいけないんですか。厚木を農村型という中へ含めなくちゃいけないのですか。浜松を農村型の中に入れなくちゃいけないのですか。自分の頭で勝手にそんなことを決められたら国民はたまらないですよ。そんなばかなことは私はないと思うのですよね。
 それになぜこんなにおくれたんですか。スタートは同じはずですよ。昭和四十八年十二月二十七日の環境庁告示第百五十四号に基づいてやっているだけですよ。ただこの告示の中で違いは、「自衛隊等が使用する飛行場の周辺」は「努めるもの」とすというところで、そこでちょっと段階が落ちていますよ。しかし受ける方にしてみれば普通の空港よりもっと危険な目を常に味わわされていますよ。騒音だけじゃない、いつ焼けた飛行機が落ちてきて家を焼かれるかわからぬというのは、もう私の近くでありますけれども、一昨年の九月のあの林さん一家のことを見たって同じですよ。まだ直らないですよ。そういう危険プラス騒音ですよ。そういうものが常におくらされているという理由はわからぬ。何でおくらせなければならないんですか。
○説明員(大迫公克君) 私どもの自衛隊等の飛行場につきましては、いま竹田先生がおっしゃいましたように、民間空港と運用形態等が異なるという特殊な事情がございまして、また、環境庁の出されました環境基準の中間目標の達成をするための対象世帯数がそういった関係で多いということから、現在四十八年に出されました環境基準の中間改善目標には、昨年の十二月末現在で大体四七%の達成率という状況でございまして、私どもといたしましては、五十四年度にまず中間目標を達成しようということが当面の目標でございまして、そのために五十四年度の計画はその趣旨で努力をいたそうというふうに考えております。
 それから、厚木飛行場周辺の住宅が農村型と申し上げたわけではございませんので、一般的に私ども自衛隊等の飛行場の住宅の形式を考えますと、運輸省さんの飛行場と異なりまして都市住宅型よりも開放型の農村住宅が多いというようなことで、それらの調査もいたした上で、全室防音化に突入いたしたいというふうに考えております。
○竹田四郎君 大臣ね、施設庁や防衛庁の方は、とにかく自衛隊の飛行場の周辺はこれは農村型だと規定してかかっているのですよね。しかも、その自衛隊の方は民間航空ほどいろいろな規制というものがなかなか加えられない実情にあると、これは私わかるんですよ。そういうものがあるならあるほど、それは農村型のところもあるでしょう、ぼくは否定するわけじゃないんです。ただ農村型で全部を自衛隊が覆ってしまう、そのことに問題があるわけですよ。だから民間空港が全室防音という形でことし乗り出すならば、それは自衛隊が全部を、ことしから全室防音に乗り出せるかどうかということは、これは予算の関係もあるからできない点もあるだろうと思うのですがね。少なくとも同じ条件のところは同じようにしたらいいじゃないですか。法のもとに平等であるはずですよ。それがなぜできないか。片っ方は航燃税を取っているからできるんだ。片っ方は取っていないからやらないんだと、そんなばかなことないと思うのですよ、私は。それならば自衛隊の飛行機についても航燃税取りゃいいんだ。それができないということなら、取っても同じだから取らないということだろうと私は思うんです。そんな法の下に不平等を置くなどということは、私はこれはどうも承知できないんですよ。何で民間空港ならちゃんと全室防音をやってくれる、自衛隊のところならやってくれない、それは先の先のことだと、こう言っている。こんな不平等なことは私はないと思うんですよ。ひとつ大蔵省もこれは直してもらわないと困る。防衛庁に聞けば予算がないと言っている。私は予算の範囲内でかなりできると思うんですよ。
 確かにおっしゃるように、あけっ広げな開放的な農家の家を防音するというのはなかなかむずかしいでしょう。しかし、これは民間空港でもそういうのに対してやっているわけなんだから、できないはずはない。しかし、まず一番騒音で困っている地域、同じような地域には同じような措置をさせておくのは私はあたりまえだと思うんですよ。国もそれに対しては同じような財政措置をしていくのがあたりまえだと思うんですよ。どうですか。
○説明員(大迫公克君) 私の発言の仕方が悪くて、先生のお考えをちょっと惑わしたところがあると思いますが、私が都市型住宅、開放型の農村型住宅というお話をいたしましたのは、運輸省さんに比較いたしまして、私どもの管理する飛行場周辺には開放型の農村型住宅も多く含まれているという意味でございます。訂正さしていただきます。
○政府委員(加藤隆司君) ことし民間の空港の方の施策を拡充いたします際に、当然のことながら、ただいま竹田委員がおっしゃいましたように、防衛施設庁の空港と民間の空港のバランスという問題が、当然私どもの予算をつけますときに大事なポイントになるわけでございます。
 そこで、私どもとしてはその点を検討いたしたわけでございますが、先ほど施設庁の方で御答弁がありましたように、運輸省の方は実態調査をやったわけです。そして、工法その他いろいろ実情に即したやり方が大体でき上がっておるという問題があったわけでございます。施設庁の方は、先ほどの御答弁にもありましたが、いままで一室、二室あったものに追加して工事をやるというような点、それから飛行機の騒音についての問題ですが、民間航空の場合には、飛行機そのものの騒音を落とすとか、飛び方を考えるとか、それから消音工事をやるとか、三つで対処しておるわけですが、防衛庁の方は、先ほども運航形態の差というような点をおっしゃったんですが、飛行機の飛び方などについてかなり差があるとか、それから工法をどういうふうにやったならば合理的にできるかとか、要するに運輸省の方はそういう点について勉強をしたと、だから自分たちの方も一回そういうことをやってみたいと、それで合理的なやり方を考えたい。目標はまさに竹田委員がおっしゃいますように、民間であれ防衛施設庁の方であれ、同じバランスをとらないかぬわけですから、施設庁の方のそういう行政執行上の効率とか、そういう調査をやってから段取りを図りたいとか、そういうような点で、五十四年度につきましては、片っ方は試行であり、片っ方は実施というようなことで差ができておるわけでございます。決して予算当局といたしましては、防衛施設庁の方は構わないんだとか、そういうようなことはないわけでございます。
 るる施設庁の方から御説明がありましたが、いろんな要素の中で、農村型とか開放型とかいうお話もございますが、実態を見ますと、特定の空港については民間と施設庁と同じものは確かにございますが、一般的にはそういうような要素もあるようでございます。要するにそういう実態を調べてみたいと、それでやり方を、戸数もかなり多いわけです、民間よりは。したがって、そういう段取りの運びを検討してからかかりたいというようなことで、御指摘のような差はありますが、政策目標は全く同一でございます。
○勝又武一君 関連。
 いまの点に関連しまして、一つお伺いしたいんですが、これは一昨年の十一月だと記憶しているんですが、私が内閣委員会で、当時、三沢から小松へとございましたね。そのときに、内閣委員会で小松の現地に行ったんです。そうしまして内閣委員会で質問いたしまして、当時亘理さんが施設庁長官ですよね。亘理さん明確に答えているんですよ、そのときに、私の質問に対して。これは議事録をごらんになっていただいて結構です。
 そのとき、ちょうど大阪で全室防音という新聞記事が出まして、それをとらえて、小松でもこうなんだと、実際現地を見たんですから、内閣委員会で。そのときに全室防音にするという点については、全く同様にやりますということを答えているのですよ。全くいまのあなたの答弁とは違っている。ですから防衛庁の方針も、民間の全室防音と同じようにやっていきますと、小松の実態を見ても。これは一昨年のたしか十一月か十二月の内閣委員会です、日は忘れましたけれども。
 もう一つ。何か農村型のところが開放的だというお話ですけれども、これは全く現地と違いますね。これは浜松のこともそのとき私は追及したのです、小松と三沢の関連で。
 いま農村のところというお話ですけれども、浜松の基地もそうですよ。確かにそれは、飛行場のすぐそばはそうかもしれませんけれども、浜松の市内と大阪の市内とどう違うのですか、住宅状況が。全く同じですよ、これは。
 それからもう一つ追加して言えば、農村とおっしゃるけれども、いまの農村の住宅御存じですか、農家の住宅がいますっかり変貌しているのを。浜松あたりの農家なんといっても、大阪の農家とどう違いますか。全く同じ状況ですよ、いま新しい家はみんな。古い昔の開放された農家なんというのはもうごくわずかしかないのじゃないですか。そういう意味では、いま防衛庁のおっしゃっている点が、まさに現地の実情を全く無視している異論にすぎない、こういうふうに私は実情から思いますから、その点全く違うと思いますけれども、いかがですか。
○説明員(大迫公克君) 全室防音につきましては、五十四年度から試行工事ということで調査をさしていただきまして、五十五年度から全室防音化を実施いたしたいというふうに考えております。
 それから、再三私の発言がまずくて誤解を招いているんではないかと思いますが、都市型の住宅と開放型の農村住宅、農村型の住宅というふうなお話の違い、いままでの大体農村型の住宅というのは開放部が非常に大きいとか、土間が一般の都市型住宅に比べてやや大きいとかいうことで、それの実際の工事をやる、防音工事をやる際に些少の差が出てくるという意味で申し上げましたので、特に浜松はないとか厚木がないとかいうことではございません。全国的な私どもの自衛隊等の飛行場の施設を全般に見ましたときに、一般の民間空港に比べましてそういった傾向があるという意味でございます。
○竹田四郎君 時間が経過して大変申しわけありませんけれども、私は、まさに防衛施設庁はそういう点では怠慢である。加藤主計局次長の話も、私はこれはわかりません。法の下に平等であるし、同じような条件のもとなら同じような全室防音に乗り出していくのがあたりまえですよ。調査とか試行とか、こういうことはすでにやってあることです。しかもこれは、政府の間の責任によって一部が犠牲を受けるということは、私はこれは承服できません。これはまた後ほどやる機会をひとつ得たいと思いますけれども、これは大蔵大臣、よくその点は銘記しておいていただきたい。
 その他のテレビの支障の問題、あるいは航燃の問題と交通全体のあり方の問題、こうした問題について質問する予定でそれぞれの方においでをいただきましたけれども、時間がありませんので、この点はお許しをいただきたいと思いますが、その点をひとつ大蔵大臣銘記して、いまの不公平な問題を銘記していただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○矢追秀彦君 初めに大蔵大臣にお伺いしますが、けさのニュースで、アメリカの対日貿易収支がまたかなり赤字がふえておる、細かい数字はちょっといま持っておりませんけれども、これは御承知ですか。
○国務大臣(金子一平君) まだその話を私聞いておりません。
○矢追秀彦君 一時アメリカとの間では少し赤字が減ったようですが、しかし、また最近対日貿易の赤字がふえてきておると。こうなりますと、東京ラウンドの調印あるいは今後の東京サミットを展望した場合、依然として日米間の摩擦というのは、特にアメリカからの日本に対する攻勢が強くなる、こういう感じがするわけですが、その点はどうお考えでありますか。
○政府委員(副島有年君) 先ほど大臣が御答弁されたように、けさのニュースを私も聞いておりませんが、矢追委員御承知のように、一月の貿易統計では対米黒字、大幅に減っているわけでございます。それが私どもの持っております最もアップ・ツー・デートの数字でございます。
○国務大臣(金子一平君) 矢追さんのおっしゃっているのは、もう少し私も詰めてみますが、私どもといたしましては経常収支のバランスにできるだけ努力をしてまいりたい。特にいま関係省の間で緊急輸入その他のことを考えておりますが、何と申しましても構造的に日本の貿易構造が黒字を生むような傾向になっておるものですから、そういう点についてはさらに今後摩擦を避けるように努力してまいりたいと考えておる次第でございます。
○矢追秀彦君 先ほどもECの動きあるいは発展途上国の動き等が議論されておりましたが、特に途上国の動きとしてさきの七十七カ国グループの閣僚会議における決議東京ラウンドは途上国の利益に配慮が払われていないので、東京ラウンド終結前に必要な処置をとると、こういうことを決議をしておりまして、今後UNCTADの理事会あたりで巻き返しは必至である、こういうことを言われておりますけれども、かなり途上国の不満というのはやっぱり強いと思います。
 先ほどいろいろ政府から御説明ございましたが、これに対して、いまの状況はどちらかというと途上国の強い要求に先進国は結束をして押し返した、こういうふうに途上国は考えていると思うわけですけれども、特にUNCTAD、これにおけるいろんな途上国が出てきた場合、これは乗り切れるのかどうか、その点はいかがですか。
○政府委員(副島有年君) 東京ラウンドにつきまして、先ほど申しましたように、開発途上国に対して追加的な利益を与えるということが東京宣言にもうたわれておりますので、すでに熱帯産品につきましては、東京ラウンドの終結に先駆けまして、昨年から関税の引き下げを行っているわけでございます。さらに昨年の七月にも、途上国に対しましてかなり思い切った関税のオファーを出しております。
 それから後も、開発途上国とバイあるいはマルチの場で交渉を行ってきておりまして、先ほども申し上げましたように、一部の開発途上国との間では間もなく合意が見られる国が出てきている状況でございます。ただ、アルーシャの決議にも見られますように、開発途上国はこの東京ラウンドの現状に必ずしも全面的に満足をしていないというのは事実でございます。したがいまして、私どもといたしましては、これから精力的に開発途上国との間で交渉を詰めまして、東京ラウンド終結に持っていきたい、そうすることがUNCTAD5に対して好ましい影響を与えるというふうに信じております。
○矢追秀彦君 次に私は、この前の委員会でも申し上げましたように、最初大臣にも少し申し上げましたが、最近の、先ほども竹田委員からもいろいろ出ておりましたが、非鉄金属の値上がり、これはいろんな原因があると思いますが、私は最近の動き、少し見ておりますと、上がる物は上がるけれども、たまにはすとんと下がるような物も出てきておりますので、一つはかなりスペキュレーションがあるのではないか、これが一つ。もう一つは、ソ連が鉛を大量に買い込んでおるということも言われております。そのほかの物もそうですが、これは最近の国際情勢、特に中越戦争あるいはまたイランのああいった動乱、そういうようなことから、これは戦略備蓄といいますか、戦略的なものが十分考えられるのではないか。それともう一つは、やはり需給関係にあると思いますが、大臣の認識としては、この三つですね、一応三つ挙げてみましたが、どれが一番その大きな要因とお考えになっておりますか。
○政府委員(米里恕君) いまお話がございましたように、非鉄金属国際市況がかなり上がってまいっておりますが、いまお話のございました三つの原因、それぞれ上昇の原因として考えられるわけでございますが、まあそのほかにもいろいろな個別の理由もあるようでございます。
 どれが一番物価上昇の原因になっているかということは、刻々価格も変わりますので、時期にもより、いろいろ変化があるように考えておりますけれども、やはり基本的には世界的な需給の関係がややタイトになっておる。これは需要の面もございますが、同時に供給の面もかなりあろうかと思います。一ころの非鉄国際市況のかなりの値下がりに伴いまして、ある程度閉山があったといったような意味での供給面の理由もありましょうが、一方需要面では、たとえばソ連、東欧諸国あるいは中共などの大量購入といったような特殊な要因もあるように思います。
 いまお挙げになりました三つ、それぞれ原因はあると思いますが、基本的にはやはり需給の基調が一ころに比べてややタイトになってまいったというのが原因ではないかと私どもは考えております。
○矢追秀彦君 その中で、供給面でかなり日本も海外でいろいろ探鉱したり努力はしておりますが、なかなかその点がうまくいってない面もあると思います。特に非鉄金属が上がってくることについてはわれわれも心配をいたしまして、五十一年度予算からだったと思いますが、備蓄の方の予算もつけられたわけですけれども、その後、備蓄関係の予算はどの程度ふやされてきておるのか、それからこれに対する処置、たしか最初つけられただけで備蓄そのものについてはそんなにたくさん予算はふえていない、むしろ利子補給の方がふえておると承知をしておりますが、その点はいかがですか。
○政府委員(加藤隆司君) 現在、金属鉱業事業団の融資額が五十一年分が二百九十六億でございまして、五十三年度分が百五十一億ございます。これは政府保証で民間から金を借りるわけでございますが、別途政府保証のない融資を直接備蓄協会が借りている分もございます。いまのは政府保証しまして、市中銀行から金属鉱業事業団が借りるわけでございますが、その金は四百四十七億ある、市中銀行から借りておる金は大体三百億以上になるかと思いますが、それに対して一般会計で利子補給をしておりますが、その推移がどうなっておるかという御質問かと思いますが、五十一年度が三億六千九百万でございます。五十二年が七億三千八百万、五十三年が八億七千六百万、五十四年に六億八千万。五十四年度は五十一年度に備蓄したものの期限が参るわけでございますが、現在の各企業の状況から見まして、五十四年度予算におきまして買い戻し期限――御承知のように買い戻し条件がついておるわけでございますが、これを期限を延長する措置を講じております。
 予算上の措置はただいま申し上げましたような状況でございます。
○矢追秀彦君 これは大臣、来年のことになってあれですけれども、この前もちょっと申し上げましたが、この備蓄はやはり今後の長期展望に立つとかなりもう少し本腰を入れて考えていただかないといけないと思うんです。ただ、いまの日本のシステムがいいのか。アメリカの場合であればまた違った法律もたくさんございますし、これは軍事関係が主になっておりますけれども、日本の場合そうとはいかないと思いますが、もう少し何とかならないか。
 一つは対象品目の拡大、それから備蓄規模の増強、いま申し上げた制度ですね。これはもう検討されていると思いますが、こういう金属事業団法、事業団にお金を出して、そこが協会をつくってやっていくというようなこういうやり方が好ましいのかどうか。私はもっと政府が積極的にやるべきではないか。特に、いま上がっているときに買うのはなかなか大変でしょうけれども、下がったときなどは――銅などは一時大変下がって企業の方も困っておる。そういったときには大量に買い込めたと思うんですね。そういう機動的なお金をかなりどこかにためておいてやるという、そういう積極的な意味での備蓄ということにならない。石油はかなり日本も備蓄は九十日まで伸びてきましたけれども、非鉄金属となりますとまだそこまでいっておりませんし、これは早急に検討していただきたいと思うんです。
 さらに税制の問題でも、こういった金属鉱業自身の持つ特殊性、資源開発、そういったことからも税制上にも必要な施策は必要ではないか。業界から、あるいはまたこういった要望も出ておりますので、その点も含めて今後の展望、どうお考えになっておりますか。
○政府委員(加藤隆司君) 技術的なことなんで、大臣の御答弁の前にちょっと申し上げますが、御指摘のように、日本の建て値で過去五、六年の推移を見ますと、御承知のように、四十九年が平均でトン当たり六十一万六千円だったわけです。それで、五十一年の先ほどの備蓄を始めましたとき四十四万三千円と、二十万円近く落ちたわけです。それで五十三年の、昨年の夏ごろは三十万円ぐらいになって、えらく落ちたわけです。半分ぐらいになった。例のドル減らしの議論との絡みで、御指摘のように、こういう銅なり亜鉛なり鉛なりそういうようなものを備蓄するべきではないかという議論を、関係省の間で議論をしたわけでございますが、石油の場合と違いますのは、石油の場合には国際的に備蓄をしようという意向が各国の間でコンセンサスがあるわけでございますが、こういうものをやります場合――アメリカの場合は軍事上の理由を言っておるわけでございますが、国を挙げて商品投機に走るのではないかというような国際的な懸念をどう考えるかと。仕組みの御質問であったわけですが、現在のような仕組みで、民間ベースでやるというようなかっこうでやっていった方がいいんではないかというような昨年、一昨年ぐらいの判断なんですが、そういうような判断をいたしたわけです。
 そこで、先ほど申しましたように、五十一年にやりましたのを五十三年に追加したわけでございますが、仕組みについては、いま申しましたように、石油の場合とこういうものと違うかもしれない、そういう問題がございます。
 それで最近、これからどういうふうにやるかということでございますが、二月末の国内建て値を見ますと四十四万円、要するに五十一年の平均まで戻っちゃっているわけです。値段もかなり上がってきておりますが、したがって、現段階でさらにそれをどうするかという実際問題として考えるということは若干問題があると思いますが、その仕組みの点については、御指摘のように今後こういう問題についてはいろんな要素が絡むわけでございますから、引き続き、通産省が中心になりますけれども、検討する必要があるかと思いますが、一応五十二、五十三年段階の検討はいま申しましたような二、三の理由から現在の仕組みの方がいいんではないかというような判断をいたしております。
○政府委員(高橋元君) 税制の面でのお尋ねでございますが、備蓄されるものに対する助成は、その持ち越し費用に対して利子の補給をしてまいるということ、これは石油の場合でもさようでございますし、木材の場合でもさようでございますが、そういう形で行っておりまして、ごくごく一般的に申せば備蓄を放出する場合には取得した場合よりは高く売れるというふうに期待してよろしいんだと思いますし、その間持ち越しをするために利子、倉敷料等が余計にかかると、その分を歳出でもって補てんをいたしておるというのが現状でございます。
 なお、石油のように特別に備蓄用の施設が必要なものにつきましては、備蓄用施設の特別償却という事例もございますけれども、金属、鉱物の場合に特別にそういう施設について税制上の配慮をすべきであるという判断にいままでのところ達しておりません。
 なお、金属鉱業の特殊性なり、それから鉱物資源の開発の必要性にかんがみまして、現在まですでに相当期間にわたりまして探鉱準備費、海外探鉱準備費、新鉱諸探鉱費の特別控除等の制度を設けて措置をいたしておるわけでございます。
○矢追秀彦君 ぜひ備蓄問題真剣に検討お願いしたいと思います。
 時間ですから最後にもう一点だけ。
 いま申し上げたようなことから、大変建築資材を中心とした物価高騰が始まっておるわけでして、新聞報道でございますが、大蔵省としては公共事業のいわゆるいままで景気刺激のために前倒し、これを繰り延べと、こういうことも含めて検討されておると、こういうふうなことが新聞等に出ておりますが、昭和四十八年の予算委員会で、ちょうどあのころセメントが大変上がりましたときに、当時田中総理でありましたが、私の質問に対して、公共事業の繰り延べということを言われまして、あのときはたしか繰り延べになる、セメントの緊急輸入等をして鎮静をさせるという方向をとられたわけですが、まだ予算も通っていない時期にすでにもうこれだけの高騰が出てきて、またそういうような議論が出てくると、そうすると予算編成時期にはこういうことは予想されなかったのかどうか、私はある程度予想ができておったのではないか。要するに五十四年度というのはかなりインフレは進むと、私も去年のたしか補正のときには指摘をしておいたはずです。にもかかわらず、まだ予算が通過していない時期にもうその後ろ倒しといいますか、繰り延べというような議論が出てくる。大変私は政府の見通しが甘いと、こう指摘せざるを得ないわけですが、それは別として、その問題もお答えいただきたいと思いますが、かなり今後の高騰によってはそういうことはお考えになっておるのかどうか、それとも自然のままにしておくと、ほかの面で物価対策をやると、この点いかがですか。
○国務大臣(金子一平君) いまの矢追さんからの御指摘の点でございますが、これは去年の段階と申しますか、ことしの初めの段階ではこんなふうな状況になるとはこれは全然考えていなかったわけでございます。
 最近、それこそ最近になりまして大分景気の回復基調も固まってまいりましたし、特に建設資材等の一部の値上がりの状況もございますので、公共事業を従来のような前倒しでやらなきゃならぬかどうか、あるいはもうその必要がないんじゃないかというふうにも考えておるんですが、もう少しこれはまだ予算通る段階じゃございませんから、様子を見ながら、物価騰貴と申しますか、建築資材等の値上げにさらに拍車をかけるようなことのないように、十分注意しながらやってまいりたいと考えている次第でございます。また、前倒しするかしないか、そこら辺はもう少し様子を見て決めたいという考え方でございます。
  〔委員長退席、理事梶木又三君着席〕
○多田省吾君 私は、まず五十三年度の税収見込みについて若干お伺いしますが、企業の首切り等の犠牲によって企業収益が若干上がってきたというようなこともありますけれども、総額の見込みはどうなのか。また主要税目別の収入見込みはどうなのか。さらに、法人税は補正後見込みで七兆二千六百二十億円を見込んでおりましたけれども、それがどういう見込みであるか。この三点をまずお伺いしておきます。
○政府委員(高橋元君) ただいままでに判明いたしております五十三年度税収入の実績は、十二月末現在でございます。それで申し上げますと、十二月末までの累計で、年度初来十三兆一千八百十八億円入っております。十一月末までは、前年の収納割合に対してそれを下回っておったわけでございますが、ただいま申し上げた十三兆一千八百十八億円という累計で予算に対する進捗割合をはじいてみますと六八・九%と相なりまして、前年同月の六八・八を〇・一ポイント上回るというところまでまいりました。したがいまして、四月以降不振をきわめておった税収でございますか、十二月末の状況ではほぼとんとんという収納状況ということでございます。
 次に、主要税目についてのお尋ねでございますが、あとまだ五カ月分残っておりますので、その先行きについてどうであるかということでございますが、源泉所得税は、先ほど申し上げた全体の税収で前年を〇・一ポイント上回ったと申し上げましたが、それに対して二・五ポイント下回っております。これは給与や雇用者数の伸びが予算の見積もりを下回ったということが主な原因でございますが、そのほかに金利低下の影響等も入っておるように観察しております。さらに二月になりますと、昨年度の税制改正で利子・配当の税率を引き上げていただきましたが、その影響が消えてしまいますので、したがいまして、源泉の税収の伸びは十二月末のマイナス二・五ポイントよりもさらに下回っていくんではないかというふうに考えております。
 申告は、中間の予定納税の結果でございますので、したがいまして確たることは申し上げられませんが、十二月末では四ポイントばかり上回っております。これは確定申告を見ないと何とも今後の税収を占うことはできないんではないかというふうに考えております。
 法人税でございますが、前半は非常に不振でございましたけれども、十月後降持ち直しておりまして、十二月末になりまして対前年を二・三ポイント上回ったということでございます。したがいまして、これから先、下半期の法人税収を受け入れます年度間の法人税の税収予算に対する収納の実績額は、予算を上回るであろうというふうに思います。
 あとはまあわりあいと小さい税目になりますが、相続税、物品税、それから株式市況の好況を反映した有価証券取引税、これらは好調でございますが、関税、石油税、印紙収入――印紙収入は登録免許税と印紙税でございますが、こういったものは不調と言ってよろしいかと思います。
 そこでこれから先、五十三年度中どういうふうに全体としての税収がなるかということでございますが、未確定の要因が幾つかございます。土地の譲渡所得が本年は三月十五日の確定申告で入ってまいりますわけで、この土地の譲渡に係る申告所得税の税収というのは、大変申しわけない話でございますけれども、税収見積もり上私どもが一番技術的に困難を感じているところでございまして、夏以来の土地の移動状況からしますとこれは不振であろうというふうに思っております。
 それから法人税でございますが、先ほど、ほぼ本年の税収予算を上回るだろうというふうに申し上げておったわけでございますが、これは五月――本年度実は五月分の税収を五十三年度に編入したわけでございますので、したがって、まだ相当不確定要因が残っております。しかしながら、税収を上回るでありましょうが、一方で先ほど申し上げましたように源泉所得税は確実に税収予算をかなり下回る、申告所得税の中で土地譲渡に係る部分も、これはまあ軽率なことは申せませんが、余り期待できないという面を持ってるんではないかということでございます。
 それらを総合して申し上げますと、好調なもの、不調なもの、いろいろ入りまじっておりますが、全体として補正後予算額の達成にかなり希望が持てるという状況ではございますが、それが具体的にどのくらいのレベルになるかということにつきましては、五月分に期待しております税収が二兆一百四十億予算に組まれておるということもございまして、いま確たることを申し上げられる段階ではないことをお許しいただきたいと思います。
○多田省吾君 まあ一月の状況、あるいは五月の未確定分がありますのでそのようなことしかおっしゃれないだろうと思いますけれども……。
  〔理事梶木又三君退席、委員長着席〕
 次に、国債の利上げについて一点だけお伺いしておきますが、長期国債の値下がりが続く中で、大蔵省では三月債発行分から〇・四%利率引き上げの方針を決めてると報道されてるようでありますけれども、これはどうするのか、ここで明確にしてほしいと思います。また、国債発行世話人会開催を延期したのはなぜか、この二点をお伺いします。
○政府委員(田中敬君) 新聞に国債の条件の引き上げの報道が行われておりますが、正直申し上げまして、私どもが現下の市場の状況にかんがみまして国債の条件の改定を目下検討中であることは事実でございますけれども、〇・四%というような幅で行う、あるいは新聞で報ぜられておりますように三月からこれを実施するというようなことはいまだ決定をいたしておりません。現在検討中でございます。
 また、世話人会を、例月前月末に行っておりましたのを、今回三月に繰り延べましたのは、市場の情勢というものをさらにもう少しつかみたいということが大きな理由でございます。三月いつ開催するかということは、そういう意味で、私どもは市場実勢というものをもう少し勉強したいと考えておりますので、まだ決めておりません。ただ、今後の問題でございますけれども、三月の国債の発行というのは、特例債の発行下におきましては摩擦的な剰余金をなるべく少なくすると、いわゆる決算見込みをある程度見きわめ得るものなら見きわめて発行額を考えなければ、余分の国債を発行するということはむだなことでございますので、ことしのように条件改定が絡んでおりますときはまた格別でございますけれども、そうでなくても今後は特例公債の出納整理期間発行が六月まで延ばされてることでございますので、三月債の世話人会というものは、本年度だけでなく来年度以降も二月末に行うことなく、三月の中旬程度に行えばいいんではないかというふうに考えております。
○多田省吾君 次に、新聞報道によりますと、大蔵省は中国との租税条約の検討を始めたということでございますけれども、この条約締結の時期はいつごろか、また、どのような内容にするつもりか、また、自由圏諸国との場合と差異はあるのかどうか、わが国以外の対中国との租税条約締結の動きはどうなのか、以上四点をお尋ねしておきます。
○政府委員(高橋元君) 国際的な二重課税の排除のために租税条約を結んでまいる、これによって経済、文化の交流の促進を図るということは、私どもの担当いたしております分野で基本的な方針でございます。
 そこで、中国との間の経済、文化関係の交流の緊密化ということが進んでまいりましたので、今後企業の進出なり人的交流も増大していくものというふうに考えておりますが、そういう段階で中国との租税条約の締結については前向きに検討いたしたいというふうに考えております。
 しかしながら、いつ結ぶかという御質問でございますけれども、中国で現在外国人または外国法人関係の税制を検討中であるようでございます。したがって、中国側の税制の整備を待ってそれから租税条約の締結交渉を進めていくということになろうかと思いまして、確たる時期についていま見通しを持っておらないわけでございます。
 それから内容につきましては、やはりこれも中国における外国人関係の税制というものがいまはっきりございませんので、それの整備を待って、その内容を見て検討をしてまいりたいと思います。
 中国と他国との間の租税条約の締結状況についての御質問でございますが、これは締結したということはないようでございます。それから締結交渉をしておるということもないようでございます。ただし、船舶と航空機の国際運輸業所得につきましては、すでに幾つかの国の間で相互免税という取り決めをいたしておるようでございまして、日本も四十九年に航空機につきまして、五十年に船舶所得につきまして中国との間で相互免税の取り決めをいたしております。
 以上でございます。
○多田省吾君 次に東京ラウンド、それから関税政策、また先ほど矢追議員も質問しましたが、サミット関係の質問をしたいと思います。
 今回の東京ラウンド調印を目の前にいたしまして多くの難問題を抱えているわけでございます。今回の最大の問題は、何といいましても自由貿易主義をいかに推進するかどうかということであろうと思いますが、しかし、ECにおいてはセーフガードの手直しに懸命でございますし、またアメリカ等におきましては日本に対して電電公社開放というものを、政府調達というものを非常に強く要求しているようでございます。このように保護貿易への傾斜を強めようとする動きが顕著になっております。それで、日本といたしましては今後どういう交渉態度で臨んでいくのか、明らかにしていただきたいと思います。
 それから、特に調印直前でECが主張している選択的セーフガードの国際規約づくり、またアメリカが日本に対して要求しております電電公社開放要求に対しましてどう対処するのか、伺っておきたいと思います。
○政府委員(副島有年君) 東京ラウンド交渉は、多田委員御案内のように、一九八〇年代を八年間にわたって国際貿易の枠組みをつくる、自由貿易体制を維持、堅持する枠組みをつくるということでもございますし、今世紀最後のあるいは大きな貿易交渉になるんではないかというふうに私どもは考えております。
 そういう観点から、貿易立国を国是といたしますわが国といたしましては、できるだけ大きなパッケージを組んでいきたいという基本方針のもとにこれまで交渉を進めてきたわけでございます。たびたび御説明を申し上げましたように、関税交渉につきましては、すでに昨年中に米国その他の国と大筋の合意を見ましたし、また、今般ECとの間におきましても交渉のめどがついたところでございます。ただ、非関税障壁につきますコードの問題につきましては、これは主要国との間で昨年の暮れにおおむね大筋の合意ができているわけでございますが、大きな問題としてセーフガードの問題が残っていることは多田委員が御指摘のとおりでございます。
 現在、セーフガードの問題につきましてはECとの間で選択的適用を認めるか否かということが非常に大きな問題となっておりますが、これはわが国のみならず米国、さらに特に開発途上国にとって非常に大きな問題でございます。わが国といたしましては、セーフガードの選択的な適用を認めることはセーフガードの安易あるいは恣意的な発動を招くというおそれが非常にあるのではないかということで、いま慎重な態度をとっておりまして、今後は米国とECとの間の交渉、あるいは特にECと開発途上国との間の交渉の推移を見守りながら、仮に選択的セーフガードが認められるということになった場合にも、そういう乱用を防止する歯どめをどういうふうにしてやっていくかということについて慎重な態度で臨んでいきたいというふうに思っております。
 それから、お尋ねの電電公社の問題でございますが、これも本日竹田委員の御質問にお答えをしたところでございますが、日米間に現在東京ラウンドで残されている最大の懸案の一つでございますが、この問題につきましては、私どもといたしましては、国内、電電公社の事情にも十分留意しつつ、しかしできるだけ市場開放を図っていくという、その接点を模索をしているところでございまして、そういう方針で今後対処していきたいというふうに考えております。
○多田省吾君 基本問題でありますので大蔵大臣にお尋ねしますけれども、サミットの問題でございます。
 一つには、一昨年の暮れにアメリカ等から強要されるような姿で福田前総理が七%の成長を公約いたしまして、ボン・サミットでも国際公約したような姿になりました。その後、福田総理から大平総理にかわった途端に七%は断念したというようなことを言いまして、またさらに、対外経済大臣のポストをなくしたり、したがって牛場大臣が対外経済相でなくなったわけでございますが、そういった姿で大変アメリカのカーター大統領から苦情が来たり、非常に対アメリカ経済問題が大変になってきております。その上にまた、ECの東京ラウンド承認が四月にずれ込むんじゃないかというようなおそれもありまして、非常に締結がおくれそうでございます。開発途上国との関係が緊張を高める結果になるでしょう。
 さらに、矢追議員が先ほど質問いたしましたように、きょうの報道によりますと、アメリカの一月の対日貿易赤字は十億ドル台に拡大したと。また、全体で三十一億ドルに貿易赤字が拡大しまして、これはもう一昨年の二月以来のことであると。またさらに新しい要因ができているわけです。これもやはり東京サミットに大きな問題を投げかけると思います。
 さらに、先ほども述べましたように、東京サミットのメーンテーマの一つに南北問題が大きなウエートを占めているわけでございますが、サミットにおきまして東京ラウンド、あるいは国連貿易開発会議マニラ総会等重要な問題を控えて、その上のサミットでございます。大平総理、あるいはその前に大蔵大臣や外務大臣が訪米するとも伝えられておりますが、それともあわせて、こういった非常に困難な状況にあるときに、大蔵大臣としてサミットに対して、また国際経済の問題に対してどういう基本姿勢で臨もうとされるのか、具体的にひとつ御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(金子一平君) 日米間で赤字問題をめぐっていろんなやりとりがございますことは御承知のとおりでございますが、いままで私の得ております報告では、アメリカの政府筋は、大体において、日本もとにかくよくやっておると、七%成長にはいかなかったけれども、これは去年の為替のああいう激しい変動のために目標達成にいかなかったけれども、国内の景気刺激策、これは相当の努力をしておるというその努力の跡はどうも買ってくれておるというふうに私どもは認識しておるのでございます。したがって、目標云々という問題は、まあ大体これは解消しておると思うんでございますが、問題は現実の問題としてアメリカの対日赤字の解消をこれからどうやってくれるかということに尽きておるわけでございまして、先ほども申し上げましたように、なかなか日本の貿易構造が簡単に黒字が減るというような構造ではございませんので、非常にむずかしい点がございまするけれども、輸出についての行政指導その他緊急輸入、もろもろの施策を講じながら、政府としてこの問題の摩擦が激化しないように極力努力をしてまいる考え方をとっておる次第でございます。
 そこで、東京で六月に行われる東京サミットでございまするけれども、これはどういう問題を取り上げるかは、準備委員会がございまして各国の代表が寄って決めるものですから、まだどういう問題をどういうかっこうで取り上げるかということにつきましては全然白紙でございまするけれども、それにいたしましても、いまお話のございました東京ラウンドの成果というものが非常に大きくこの会議に響くことは私ども承知いたしておりますので、せっかくいま関係方面と連絡しながら、一日も早い妥結に全精力をつぎ込んでおる次第でございます。
 それから南北問題につきましても、これは当然これからの大きないわば世界的課題というかっこうで取り上げられるということを私どもも考えておるのでございまして、日本としてはASEAN対策が中心になることは当然でございましょうけれども、いままでとかく手が抜けておりました、十分な行き届いたあれができていなかった面につきましてもしっかりやってまいりたい、そういう基本方針を打ち出すつもりでございます。
○多田省吾君 それでは、衆議院の予算委員会等でもいつも論じられていたことでございますが、東京サミットの前にアメリカとの交渉が一番むずかしかろうと思いますけれども、外務大臣や大蔵大臣がまず訪米すると、あるいは連休のときを選んで大平総理も訪米するだろうというような予想でございますが、大体内閣としてはそういう考えでいるわけですか。
○国務大臣(金子一平君) 私はアメリカへちょっと出かける、いろいろなスケジュールの関係がございまして、時間的な余裕はございませんけれども、総理――国会開会中でございまするから、お許しが得られれば五月の連休を利用して隔意なき懇談を遂げるために訪米しようというような意図もあるやに漏れ承っておる次第でございまして、総理が行って具体的な問題を一つずつ詰めるということじゃなしに、私どもの手でできる限りいろいろな問題をこなしてまいりたい、こういうふうにしていませっかく努力中でございます。
○多田省吾君 次に、航空機燃料税法に絡みまして国際線の航空運賃についてお伺いしておきますが、二月から日本航空は欧州線一〇%、豪州線一五%の運賃値下げが実施されておりまして、今月からカナダ線でも一五%割引が実施されると聞いておりますけれども、反面、日米間においては多くの問題を抱えているようでございます。特にパンナム、ノースウェストはIATAを脱退いたしまして低運賃、自由競争に力を入れているようでありますけれども、政府は日米航空交渉を前にいたしましてどのような対策を考えているか、まずお伺いしておきます。
○政府委員(永井浩君) お答え申し上げます。
 確かに、先生御指摘のように、現在国際的に低運賃の傾向にございます。基本的に私どもも低廉な価格でもって輸送サービスをするというのが私どもの基本方針でございますが、特に日米間につきましては、最近の米国の航空政策というのは非常に自由化という傾向にございまして、従来の規制をきわめて緩和する、あるいはほとんど自由化してしまうという政策にございます。そういった政策を背景に日本との関係が出てまいるわけでございますが、現在ございます日米の航空協定によりますと、私どもは非常に不平等であると考えておるわけであります。
 たとえば発着地点の数の問題あるいは以遠権の問題、それから航空企業の数の問題、こういった問題で私ども非常に不平等だと考えておりますし、また、アメリカがとっておりますそういった航空の自由化政策について必ずしも日本の国内において適合しない。たとえば公害の問題あるいは飛行場の問題、いろいろな問題がございます。これは米国の国情と非常に異なるところでございますので、そういった関係で日米間におけるそういったアメリカの政策と日本の政策というのは基本的に異なっている立場にあろうかと思います。そういう意味で、私どもは必ずしもいわゆる米国がとっております自由化という方向では受け入れがたいと、こういう立場でございます。
 ただ、最初に申し上げましたように、能率的な経営のもとにおける低廉なサービスを提供するという基本方針においては変わらないわけでございます。
○多田省吾君 次に、国内線の運賃についてお伺いします。
 各航空会社では、イランの石油輸出停止等でガソリンの値上げが予想されるというようなことで値上げ申請を行っているようでございますけれども、今回の航空機燃料税の値上げは航般運賃に転嫁されないという判断を政府もされているようでございます。きのうの衆議院の分科会でも森山運輸大臣が、国内線の航空運賃については安易に値上げ申請を認めることはないという答弁をなさっているようでございますが、この国内線の運賃について運輸省はどのように考えておられるのか、ここでもう一回念のため聞いておきたいと思います。
○政府委員(永井浩君) 国内の航空会社は、現在需要の非常に強い増勢にございますため、経営収支も好調でございます。したがいまして、現在御審議をいただいております燃料税の改定等含めまして現在の段階で値上げをする要素は考えられない、このように考えております。
 御指摘のように、将来たとえば燃料が大幅に上がるというふうなことがあればわかりませんが、現状においては改定の要なしと思っておりますし、また、航空会社も運賃改定の意向を示しておりません。
○多田省吾君 最後に新東京国際空港あるいは各空港の防音対策についてお伺いしたいと思います。
 新東京国際空港の場合も周辺民家の防音工事が進められていますけれども、私も実際夜の十時、十一時ころまで参りまして騒音調査もしたわけでございますけれども、この防音工事の問題は非常に大きな問題を抱えております。
 まず新東京国際空港の場合は、民家がまだたくさんありますけれども、騒音が非常にひどいわけですね。百八ホンとか、そういうのが民家でも何遍も私も聞きました。老人、子供、病人等は大変な健康障害を起こしておりますし、ノイローゼ障害等も起こしております。また、夜の十時から十一時ころの一番大変な時間に限ってたくさん発着が殺到しておりますし、この前なんかも十一時以降の離着も協定に反して行われたわけでございます。また、肝心の防音工事の方も説明が不徹底の面もありますけれども、大変評判が悪いわけですね。せっかく防音工事を進めてもいろいろな費用が今後かかり過ぎる、あるいは子供さんやお孫さんが将来増築した場合はどうなのか、それは防音工事の対象にならないのだとか、また一軒の家でも半分だけが防音工事の対象になってあとの半分は防音工事の対象にならないとか、そういう線引きもかなりいいかげんに行われておりますし、また、中には六百万円いただけるんならば防音工事しないでお金だけもらいたいなんという人さえ出てきているわけですね。こういった状態、あるいは気密化された部屋では人間の住む住居と言えないような姿になるということもあります。防音工事そのものもそういったようにいろいろな難関を抱えているわけでございますが、その前にやはり音源対策にもさらに力を入れなければならないと思います。機種によっても相当騒音が違いますし、またエンジン改良の研究予算もつけるようにしなければならないと思います。そういった全般的な防音対策に対しましてどのように考えておられるのか、本当にまた地元住民の希望をどの程度入れていこうとされているのか、まずその問題をお伺いしておきたい。
○政府委員(永井浩君) 騒音対策につきましては、御指摘のとおり、一つは音源対策があろうかと思います。それからもう一つは、民家防音を中心といたします空港の周辺対策と、二つの大きな要素に分かれるかと思います。
 先ほど御指摘がございましたように、従来はうるささ指数のWECPNL八十五までの地域につきまして、いわゆる一室ないしは二室の民家防音ということを進めてまいったわけでございますが、確かに大家族あるいは老人あるいは受験を抱えている方にとってはこれでは非常に生活の快適性を阻害するということで、成田空港につきましては本年度から、その他の空港につきましては明年度から、いわゆる五室までの防音工事を家族数に応じてやりたい。さらに騒音地域につきましても八十五から八十まで拡大し、五十八年度までには環境基準を最終目標を達成したい、このように考えておるわけでございます。
 それから音源対策の方でございますが、これは一つは飛行機の飛び方をいろいろ工夫する、急上昇方式とかあるいは市街地を低空で飛ぶときにはエンジンをしぼって飛ぶとか、いろいろな方法があるわけでございますが、そのほかに、やはり音源でございますエンジンの改良ということが必要であろうかと思います。この点について、現在、民間航空で使用しております飛行機はすべて輸入でございますので、私どもとしては直接手が届かないわけでございますけれども、外国で次々に改良されておりますし、そのエンジンを装備した飛行機というものも出ておりますので、そういった飛行機、航空機を導入するよう、私どもも強い関心を持っておるところでございます。
○多田省吾君 もう時間もありませんからあとお伺いできませんけれども、ひとつきめ細かな個別ごとのやはり防音工事対策というものを地元住民の方々の意見を十分取り入れて親切にやっていただきたい、そのことを強く要望しておきたいと思います。
○委員長(坂野重信君) 午前中の質疑はこの程度とし、午後二時三十分まで休憩いたします。
   午後零時四十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時三十分開会
○委員長(坂野重信君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、関税暫定措置法の一部を改正する法律案及び航空機燃料税法の一部を改正する法律案について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
○渡辺武君 最初に、航空機燃料税について質問いたします。
 このたび税率が二倍に引き上げられたわけですが、これを理由に航空運賃の値上げが行われないように運輸省としても指導していただきたいという要望を申し上げます。これは午前中の質疑で質問が出たそうですが、念のために運輸省の答弁いただきたいと思います。
○政府委員(永井浩君) 航空機燃料税の航空会社のコストに占める比率は約五・五%でございます。したがいまして、これ倍額に上がりましてもコスト増は五・五%でございますので、一方航空会社の収支状況を見ますと、非常に航空需要の増勢が強い結果、経営収支も順調に伸びております。したがって、この航空機燃料税の改定のみによって直ちに運賃改定が行われるというようなことは考えられないと思います。
○渡辺武君 次に、この燃料税を財源とした空港に対する諸施策、これについて幾つか伺いたいと思います。
 運輸省は、五十四年度の予算の概算要求の中に空港周辺の生活保護世帯、これが防音工事を受けて、そして夏場はルームクーラー入れないと暑くてしようがないということで、電気料金が大分かさむわけですね。それについての国の補助を欲しいという要求を出されたそうですけれども、そういう事実があるのかどうか、それからまた要求金額はどのくらいだったのか、まず伺いたいと思います。
○政府委員(永井浩君) 確かに概算要求の時点で生活保護世帯のクーラー代につきまして概算要求をいたしました。その金額は約一千万でございます。
○渡辺武君 これが非常に必要だということは、運輸省が概算要求の中に盛り込んだということでも明らかなことですし、それから、額も全国で一千万円ということであればそう大きくないと思うんですね。恐らく大蔵省へ行って査定を受けられなかったということだろうと思いますが、大蔵省としては一体なぜ査定をしなかったのか。それからまた、この補助は非常に強い要望があるんで、できるだけ早く国の補助がつけられるようにしていただきたいと思いますが、その点どうですか。
○政府委員(永井浩君) 予算の編成作業の過程で実は私どももなおいろんな問題点を抱えておりまして、たとえば、この対策が本来民生対策であるべきか公害対策であるべきかというような基本的な考え方の問題、あるいは負担の根拠、あるいは現在の生活保護体系との整合性、そういった問題、あるいは他の防衛庁の空港とか他の交通機関における同種の問題の均衡の問題といったようなものでなお準備すべき点が多々ありましたので、五十四年度予算には実現を見なかった、こういうことでございます。
○渡辺武君 これは非常に切実でして、たとえば板付空港を持っている福岡市では、生活保護世帯のいまの電気代ですね、これについて一世帯月に七千円、夏場三カ月ですね、これはまあ貸与という形ですけれども、金を出しているわけです。貸与ということになりますと結局返さなきゃいかぬわけですね。この電気代は生活保護基準の算定の中にも入ってないわけで、騒音があるということから特別の負担を強制されているというのが実態だと思うんです。
 いま、民生対策費か騒音対策費か等々いろいろ挙げられました。いろいろ厳密に考えられることは結構ですけれども、しかし実質上やっぱり騒音で困っている。それだけの負担がかかっているわけです。私は、やはり政治の要諦というのは、そういう低所得の方々にできるだけの施策を講ずるというのが要諦じゃないかと思うんですな。ですから、そういう点で、もう夏も近いし、今年度この夏に間に合うように、できたら私は予備費で一千万円くらいの金は出せるんじゃないかと思いますので、至急に検討していただきたいと思いますが、どうですか。
○政府委員(永井浩君) 先ほど申し上げましたようないろんな問題点がございます。ただ、この問題についての認識を私どもも十分しておるつもりでございますし、また地方公共団体等についても一部検討を進められておるということも聞いておりますので、関係機関と協議いたしまして検討を進めたいと思います。
○渡辺武君 重ねてお願いするんですけれども、いま申しましたように、ことしの夏に間に合うようにぜひ実を結ぶ方向で検討していただきたいと思うんです。重ねてどうですか。
○政府委員(永井浩君) いずれにいたしましても予算措置を伴う問題でございますし、なお調整を要するいろんな問題がございますので、早急に検討はいたしたいと思っておりますが、いつまでということはちょっと確答いたしかねると思いますが、早急に検討いたしたい、このように考えております。
○渡辺武君 もう一点、同じ騒音対策の問題ですけれども、学童保育所ですね、これが対策の対象から外されているという実情があります。
 それで、航空機騒音防止法のたしか第六条だったと思いますけれども、学校、精薄施設、病院、一般住民の学習、保育、休養または集会の用に供するための施設については防音工事をするようになっているわけですね。学童保育所もまさにそれに該当するんじゃないかと思うんですが、なぜこれが対象になっていないのか。これまた至急に対象に入れていただきたいと思いますが、どうですか。
○政府委員(永井浩君) 私ども理解いたしております学童保育施設でございますけれども、一つは、教育施設等の騒音対策の助成と、それからいま先生御指摘の共同利用施設に対する助成と二通りあるわけでございますが、御指摘の学童保育施設につきましては性格的にはいずれにも入らないんではないか、このように考えております。これがたとえば学校教育法とか医療法に明確に規定された施設でございますれば、当然助成の対象になるわけでございます。一方、だれでも広く一般住民が使えるという施設でございますといわゆる共同利用施設ということになろうかと思いますが、特定少数の人たちの利用ということで、この制度ではいずれにも助成の対象にならないということでございます。補助の対象の範囲を明確にしなきゃならないという要請がありますもので、現在におきましてはこういう施設について助成の対象になっていない、こういうことでございます。
○渡辺武君 それがおかしいんですよ。とにかく学童保育所――たとえば福岡市の例を申しますと、留守家庭児童会というのがありまして、そしてその要請で市の教育委員会が管理をしまして、そして市から施設やそれからそのほかの費用――運営費、建設費、これが市から金が出て、学校の中に建物が建てられていると、こういう状況なんです。幼稚園だとかそれから学校についてはこれは補助の対象になっているわけですけれども、いわば公共の施設と同じものなんですね。そういうものについてやはりこの補助がつかない、これおかしいと思うんですな。いまおっしゃったのは、恐らく、施行令の方に学童保育所というのは入ってないということが原因でそういう御答弁になったと思うんですが、やっぱり実情をよく見ていただいて、とにかく夏休みなんかになりますと朝から晩までそこを子供たちが使って、そしてこれは学習と保育と両面そこで果たしているわけです。そういう意味では、さっき私が読み上げました六条の学習保育というものにそのまま該当する施設なんですよね。そういう点で、もし施行令を改正する必要があれば、施行令の改正を含めて至急に検討していただきたいと思うが、どうでしょう。
○政府委員(永井浩君) その学童保育施設は、私どもの理解では、先ほど申し上げましたように、ちょっと現行の制度に乗りにくいということでございますが、なおその実態を見きわめまして、場合によっては多少性格を変えていただく、あるいはそのほかの何かしかるべき対策がないかどうか、地元の公共団体とも相談して検討をいたしたいと思います。
○渡辺武君 それでは次に広島空港の問題について伺いたいと思うんです。
 広島空港にはこの夏からジェット機が就航するという話を聞いているわけですが、今後の段取りですね、どういうことになっているのか、まずお聞かせをいただきたいと思うんです。
○政府委員(永井浩君) 広島空港につきましては、昭和四十七年に滑走路を千八百メートルに延長いたしまして、その面ではジェット機の就航の可能な空港となっておるわけでございます。ただ、当時、広島県及び広島市から、ジェット機就航についてしばらく待ってくれと、こういう要請もございまして、今日までジェット機の就航は見送られているわけでございますが、五十一年の暮れに至りまして、知事並びに市長の諮問機関といたしまして広島空港問題協議会というものを設けられまして、広く地元の意見を聞かれたようでございます。あるいはアンケートなども行われて、その結果、協議会の答申といたしましては、ジェット化を進める……
○渡辺武君 経過はいいから、これからのやつを……。
○政府委員(永井浩君) 今後でございますけれども、一つは周辺の騒音対策、これを行わなければならないと思います。これは、ジェット機の就航ということを前提といたしまして実は騒音の区域の拡大を行ったわけでございますが、この区域内の民家防音を逐次行っていく。それからなお、私どもの方の航空保安施設の整備あるいは滑走路の整備等の若干の工事がございます。こういったことで、これは私どもの単なる見通しでございますが、そういった環境対策が行われ、かつ所要の整備が行われる時期、一番早い時期が恐らくことしの八月前後じゃないかと、このように考えておりますが、そういった環境対策の整い次第ということで考えております。
○渡辺武君 市の要求としては、八月から一機入れて二発着、それから将来は三十発着くらいにしたいという要望が出ているようですね。その点御存じですか。
○政府委員(永井浩君) 聞いております。
○渡辺武君 この広島空港の周辺の住民を中心として、この空港では困るので新しい空港に移転してほしいという強い要望が以前から出ておりますが、それは御存じだろうと思うんです、もう数回にわたって運輸大臣にも陳情にも来ておられるので。この移転の問題について運輸大臣の方針はどうなのか、これをまず伺いたい。
○政府委員(永井浩君) 現在、特にこの空港を廃港いたしまして別の地点に新しい空港をつくるという計画は持っておりません。
○渡辺武君 そうすると、いままでは検討もしなかったし、これからも検討するつもりはないと、そういうお考えですか。
○政府委員(永井浩君) 過去に運輸省におきまして、主として図上でのほかに空港の適地はないかというような作業を行ったことはございますが、特段の結論を得ないまま中断いたしております。
 また一方、利用者から見ますと非常に利用のしやすい空港であるということでもございますので、現在移転その他の検討は行っておりません。
○渡辺武君 それはちょっとおかしいですね。ちょっとその答弁聞いて、若干私、腹が立ってきましたよ。
 と申しますのは、もともとこの広島空港については、これはなんでしょう、これは昭和四十七年だったと思いますが、県と市が日本空港コンサルタントに基本調査を依頼して、そうしてその基本調査の結果が四十八年の三月に報告となって出ている。その報告を見てみますと、こういうことなんですね。これは「要約」の(5)にはっきり出ているんですが、「将来にわたっての現空港利用は都市に近接していることにより周辺地域との調整が困難なため、新空港、近接空港の利用あるいは現空港の限定利用を考えざるを得ない。」と言って、新空港というのを一番最初に言っているんですね。つまり、いまの空港では将来性がないから新しい空港を探したらどうだというのが大体この調査報告の基本点だと見ていいと思うんです。特にその「要約」の(7)のところに「新空港候補地としては世羅台地、賀茂台地、広島湾島嶼部があげられるが気象資料等が不足しており、空港計画の上での正確な比較検討は困難である。」というふうにして、まだ材料がそろわないから明確には言えないと言いながらも、はっきりといわば候補地を挙げているということですね。そういうことがまず最初にありまして、そうして、それと同時に現地の住民が、昭和四十六年の六月でしたか、広島空港ジェット機乗入反対実行委員会というのをつくっている。これは一言で現地住民と言いますけれども、広島空港に近接した南観音町、これを挙げての組織なんです。この委員長は南観音学区連合会会長、それで副委員長は各町内会長ということですね。
 それで、大体私聞いてみましたら、四十五年の国勢調査で数えると大体六千五百世帯、二万四千四百人が加盟している。その後、日がたっているので大体三百世帯くらいふえているんじゃないかと、こう言うんです。南観音町を中心にしておりますが、観音新町及び天満町、こういうところからも参加している。一番切実な利害関係を持っているこの実行委員会、これが当初から新空港を探してほしい、そっちへ移転してほしいという強い要求を持っている。これはもう政府の方も御存じだろうと思うんですね。一体、そういう強い要求が一貫して行われて現在持っておるわけですな。ところがそれにもかかわらず、県と市の方はどうかといいますと、広島空港問題協議会の、先ほどおっしゃった協議会ですね、それの専門委員会が五十二年の九月に報告書を出している。その中で言っていることは、新空港問題はこれは別途検討するんだと、「別途検討する必要があろう。」という表現でわきに持っていっちゃっている。そうして現空港へのジェット乗り入れということ、これ一本にしぼってずっと運動を進めてきたというのが実情だと思うんですね。
 五十三年の四月に広島県と広島市が「広島空港へのジェット機就航についての基本的考え方」というのを出しております。これは運輸省の方にも来ていると思います。そこにも「新空港を新たに求めるとしても、一朝一夕にして実現し得るものではない。」というふうに片づけちゃって、全然そっぽを向いてもう現空港でやっていくんだということ一本にしぼってきているわけですよ。まさに先ほどのあなたの御答弁というのは、そのラインに沿ってのことじゃないかという感じがします。あるいは逆に、運輸省がそういう態度だから現地の県や市がいま言ったようなひどいことをやっているんじゃないかという感じもするんです。それで、これでは住民が納得しないのが当然ですよ、実際のところ。
 いままでこの国会では、運輸大臣があの成田空港事件等々のこともありまして地元の意見を尊重すると、地元の合意が必要なんだということを何回も言っておられるわけですね。ところが、そういう大臣の答弁を全く無視していまおっしゃったような態度をとられるとは一体どういうことですか。
○政府委員(永井浩君) 御指摘のような御要望あるいは御要請があることも私ども聞いております。ただ私どもとしては、地元の住民を代表いたします県あるいは市の要請によって現空港をジェット化したいと、このように考えておるわけでございます。ただ、この空港が円満に運用されるためには当然周辺の方の御理解というか、そういったものがなければ円滑な運営ができないと、このように考えておりますので、防音対策その他周辺対策を十分やって周辺の方の御理解を得ながらジェット化を進めていきたい、このように考えております。
○渡辺武君 それはむちゃな答弁ですよ。第一、県や市の要望に基づいてという趣旨のことを言われたけれども、そこに一番の問題点があると思いますね。
 と申しますのは、私も現地調査しましたけれども、私現地の方々がほかに空港を持っていってくれと、平たく言えば。そう言っていることはまことに道理があると考えざるを得ないんです。あれは人口六十五万の町ですね、たしか。その人口密集地域の上を飛行機が通るわけですね。しかもジェット機になりますと町の上ずっとこう回ると、大体半径六、七キロのところでしょう。町じゅういわば騒音の下になるという条件のもとで、騒音の問題あり、それからまたいろんな危険性の問題あり、地元の人たちが強い危惧の念を抱くというのは当然のことだと私は思うんです。この間ジェット機の試験乗り入れがあったときみんなびっくり仰天したわけですよ、もう大変なことだと。しかもあそこには、葉ネギといって、東京近郊でつくっている白い根の深いやつとは違って、地上に葉っぱで出ているネギですね、非常においしいものですけれども。あれがこの直後に、恐らくこれはジェットの燃料がかかったからじゃないかと思われるわけですが、葉っぱに斑点ができて売り物にならないというような状態まで生まれているわけですね。そういう事態があるだけでなくて、あの広島の地勢ですね、地形、これはもう私申し上げるまでもなく、山で囲んでいるわけですね。海の方には安芸の宮島がある。いわば盆地ですよ。アメリカが原爆落とすに一番適当な地として選んだすりばち型の地域ですよ。そういうところですから、だから私、飛行機の乗務員などでつくっている民航労連が航空安全推進連絡会議というのをつくっております。その人たちに意見聞いてみたんです。
 そうしますと、あの地形はすりばち状の地形だと、その中での操縦は山の斜面が迫って心理的な圧迫は想像を超えると言っております。そしてもし西風が吹いたような場合には、機体が流されて山の方にずうっと接近するというんですね。それでその危険が一層増して衝突防止の警報機が鳴りっ放しの状態で飛ばなければならない、まさに神わざ的な飛行にならざるを得ないと、こういうことを言っているんです。もちろんパイロットさんですから、だから十分に慣熟すればそういう危険なところもやっていけるとは言っておられますよ。言っているけれども、しかし飛行機のことであり、特別に気象条件が悪く、それからまた地形もいま言ったような状況ですから、いつ何が起こるかわからぬというのが、これは当然考えなきゃならぬことだと思うんですね。
 それで人口密集地の上を、すぐ近くに飛行場があって、その上を飛行機が飛ぶなんていう飛行場は、いまは何でしょう、鹿児島空港だって熊本空港だって町にすぐ接近していたのをずいぶん遠くまで移しているわけですよ。大阪空港だってそうでしょう。いま騒音問題で大きな訴訟が起こっているという状況で、これをどこへ移転させようかというのが重要な問題の一つになっているわけでしょう。そういう状態を前にして、そうしてあの人口の密集しているところで、特別な危険性があるというところに、これにあなたジェットを乗り入れようという、むちゃですよ、これは。だからすぐ近くには岩国のアメリカ軍の航空エリアがあって、ニアミスの危険だって予想されないことはないわけですね。そういう状況がありまして、それで当然に住民は新空港に行ってくれということを言っている。これは私は道理があると思うんですね。ところが、あなたのおっしゃった県や市、この態度はどうかというんですよ。
 それで、たとえば五十一年の十一月にさっきおっしゃった広島空港問題協議会というものができました。できたけれども、これには一番切実な問題を抱えている地元の住民は参加してないんです。これは長い間県、市当局との協議があったけれども、結局のところ賛成派は半分以上という構成で県と市が押し切ろうとする。それじゃぐあい悪いじゃないかと、反対派も大体同数で対等平等な立場で協議したらどうだということを主張しているのにもかかわらず、それを足げにかけて見切り発車してつくったのがこの協議会ですよ、地元住民の意見なんか反映されてないんです。
 しかも県と市、県と市と言うけれども、県知事と県会議長、それから広島市の市長さんと市会議長、これの四者で四書会談というのが行われて、大体これが地元の中心機関というふうに見なされているわけですけれども、しかし、一番おひざ元の広島市議会では、これはもう前から議決しておりまして、それで一番最初が昭和四十七年の三月市議会の議決ですね、結論だけ申しますと「現広島空港でのジェット機の新たな運航に当たっては騒音公害対策が十二分に措置され、市民の合意を得るまでは見合わすべきである。」と、これが一つですね。それから第二は、「将来の広島市にふさわしい新空港の建設実現に努力すべきである。」、こういう決議をやって、しかもこの決議は昭和四十九年の三月に重ねて再確認されている。「広島市民を代表する広島市議会の意向を無視して結論を出されるようなことがあってはならない。」ということを強く決議の中で言っている、こういう実情です。
 だから、地元住民の声も反映していなければ、地元の市議会の議決さえも足げにかけて、そうして一路現空港へジェット乗り入れ、新空港についてはまるっきり検討もしたこともないと、そんなばかなことを一体地元の住民が納得できるかというんです。
 それでしかも、一言だけ申し上げたいんですが、先ほど申しました「広島空港へのジェット機就航についての基本的考え方」、この中に――読んでびっくりしたんですけれども、こういうことを言っているんですね。「広島市民一般の意識においては、七割近くの市民がジェット機の就航に賛成」しているということが書かれている。これはインチキですよ。この協議会が専門委員会をつくって、その専門委員会の仕事として、広島工業大学の社会学研究室にアンケート調査をさしたんですね。その中で、「現空港を存続させる」という立場からのジェットの就航、これに賛成しているのは四四・七%にすぎないんです。ところが当分の間は騒音対策等を十分にやって、「ジェット機の就航はやむを得ないが、将来は他の地域へ移転させる」という二一・六%、これまで加えましてジェット機就航が七割だと。これは国に対するうその報告だと言わなきゃならない。ですからむしろ、新空港へ移転せよというこの二一・六%、それからもう一つは「ジェット機就航が諸般の事情で困難なら、他の地域への移転を考える」一四・三%、これを含め、さらに「広島地域に空港は必要でない」という一三・〇%、つまり移転せよ、もしくは必要でないという、これ合計してみますと四八・九%になるんです。そうすると、いまの空港でジェット機乗り入れせよという意見よりもそうでない意見の方が多いんです。こういううその報告をしてまでもジェット機乗り入れを強行しようとする、こういうことだと思います。
 それで、これは昭和五十二年の五月十一日の参議院の交通安全対策特別委員会の速記録ですけれども、ここで当時の田村運輸大臣、これがこういうことを言っているんですよ。「地元住民というのが一番これは関係が深いんですから、地元住民のそういう意向を聞くという形をつくることは、それにこしたことはございませんから、そういう御趣旨の御質問があったことももちろん含めて、アドバイスはできると思いますし、また場合によったらいたしてもよろしゅうございます。」と、こういう答弁をしていらっしゃる。これは広島空港のこの対策協議会、これに地元住民が参加してないし、意見反映されてないじゃないかという趣旨の質問に対してこう答えているんですよ。いまの時点に至ってどうします、この地元住民の強い意見――新空港に移転してくれと、地元住民及び県と市がつくったいわば正規の機関と言っていいでしょうが、それがアンケート調査した結果での過半数は、これはいまの空港じゃだめなんだということを言っているんだから、その要望を当然国としても取り入れる方向で指導すべきだと思うんですね。どうですか。
○政府委員(永井浩君) いろいろ安全問題その他御指摘ございましたが、私どもとしては、安全問題あるいは騒音問題については十分、最大限の配慮をしてこの空港を運営していきたいと、このように考えております。
 それで、住民の方からのいろんな御要望については私どもも伺っておりますし、あるいは県、市等も十分承知しているのかと思いますが、御指摘の点につきましては県、市にも十分再度伝えたいと、このように考えております。
○渡辺武君 地元住民の要求が強いものですから、県と市が最近、広島空港対策協議会というのをつくった。これの協議会の規約の第二条に「新空港にかかる調査内容等に関すること」ということで、一応新空港の問題も検討するという形になっているんです。ところが、そのメンバーを見てみますと、会長が広島市の企画調整局長、副会長が広島県の企画部長、委員が二人いまして、一人が県の環境局長、もう一人が広島市の衛生局長、わずか四人なんです。これで新空港の問題を検討すると、全くこれはもうおざなりのごまかし程度のものにすぎないということはおわかりでしょう。現空港にジェット機を乗り入れるためにつくった協議会、これは委員二十七名だ、学識経験者から、県と市の議会の議員と、それからそれぞれの委員ですね、それから地元住民代表、これらが参加した大規模なものをつくって、そうして賛成派ばかりかき集めて、一路ジェット乗り入れという方向でがあっと出てきた。いま、新空港問題を検討しましょうということで対策協議会ができたけれども、こんなごまかし程度では地元の人たちはとうてい納得できないと思うんですね。
 もう時間が来ましたんで、要約しますと、地元の人たちはジェット乗り入れに絶対反対だと言っているわけじゃないんです。いいですか――当面、ジェットの乗り入れをするのであれば、防音工事を優先させるのもいいだろうと、それからまた滑走路の沖出しですね、これがぜひ必要だということであれば、これは一定限度の滑走路の沖出しもいいだろうと、しかしそれを受け入れるためには新空港、これの建設の意思を明らかにして、直ちに調査を開始し、二年ないし三年のうちにその具体案を示してくれるということが前提条件なんだということを要望の中で言っているわけですね。問題はだから、新空港の問題について、こういう要求にこたえる国の態度ですね、どうなさるおつもりなのか、これが重要だと思うんです。その点について、いまおっしゃったような抽象的な答弁でなくて、もう少し具体的に答えていただきたい。
○政府委員(永井浩君) 長期的な展望といたしまして今後どうするかは、なお私ども検討さしていただきたいと思います。
 それから、当面の騒音対策あるいは安全対策にかんがみまして、県、市が滑走路の沖出しを検討しているということも承知しておりますが、これについてはその検討の結果を踏まえて私どもも処理したいと、このように考えております。
○渡辺武君 もう一回念を押しますよ、いいですか。地元の県、市の方は、いわば基本問題については論議する必要はないんだと、騒音対策とそれから滑走路の沖出し、これについては住民と協議しようと、こう言っているのよ。つまり、防音対策をすれば反対運動をやっている人たちがだんだん脱落するだろうと、そうして現空港に居座れるようになるだろう、新空港移転問題なんというのは、これはくそ食らえというのが態度なんです。その点は、現地の人たちは十分見抜いているんですよ。ですから、いまあなたおっしゃったような抽象的な答弁では、とうていこれは現地の反対運動を納得させることはできないと私は思う。
 あの成田問題見てごらんなさいよ。まさにこうした強引な国のやり方が、一つにはああいう暴力集団、これのつけ込むすきをつくって、そうしていろんな問題を惹起したでしょう。地元住民の意見を尊重すると国会でどれほど答弁しても、それを具体的に実行しなきゃ何にもならぬですよ。リップサービスにすぎない。したがって、将来のことは検討すると言うけれども、新空港の問題について直ちに国として検討を開始するのか、候補地を探すのか、具体的に答えてほしい。いつからやるのか、それも答えてほしい。
○政府委員(永井浩君) 広島空港は二種空港でございまして、これは国の管理する空港ではございますが、何といっても空港の設置あるいは運営につきましては地元公共団体等の意向というものが前提でございまして、そういった意味で、いま先生の御質問の御趣旨は十分理解するわけでございますが、そういった意味で鋭意県と市と協議したい、このように考えております。
○中村利次君 空港対策費が増大をしておるし、まあ航燃税も倍額にしようという趣旨でありますけれども、これはその空港の諸設備の整備にしても、あるいは騒音対策その他空港対策費はこれはますます増加する傾向は否定できないと思いますね。特に、先日の本委員会、あるいは午前中の議論等を聞いておりましても、何というんですか、騒音対策なんかは被害者の立場に立って徹底的にやれということに反対する者はだれもいないわけでありますから、やれば金がかかるわけでありますから。したがって、これは財源をいずれに求めるかということになると思うんですが、まあいろいろの方法はあるでしょうけれども、私はこの燃料の場合、先日の委員会でも申し上げたんですけれども、石油が安く自由に幾らでも買えるという時代はかなりこの航空燃料税に依存しても大して支障にはならなかったんではないかと思うんですけれども、まあオイルショック後四倍強に値上がりをしておるし、それから最近の動向を見てもこれは値上がり傾向にあるということはだれも否定できない。
 そうなりますと、私どもが航空運賃に影響させないように、させないようにという指摘や努力、政府が努力をされても、これは航燃税にしてもあるいは空港の利用料金にしても、離着陸用その他やっぱり上げればそれに見合って航空会社の経営が、いまは国鉄なんかが私どもが納得できないようにどんどん上がっていくもんだから、航空会社は大変に経営状態はいいようでありますけれども、いずれは航空運賃にはね返らざるを得ないと思うんですけれども、そういう点どういうぐあいにお考えですか。
○政府委員(永井浩君) 確かに御指摘のように航空の運航、あるいは航空会社の経費におきまして燃料の占める割合というものは十数%ございますので、これが高騰いたしますれば当然運賃にはね返らざるを得ないと思いますが、それはその時期、あるいはその燃料の値上がりの幅その他によるわけでございまして、当面私どもは航空運賃すぐ改定をする客観情勢にはないと、このように考えております。
○中村利次君 航空局の次長がさっきお答えになっていました五・五%であると、今度倍額になると一一%になるわけですね。一一%では確かにまあ運賃値上げするほどの、いまの航空会社の内容からしてその心配はないよということは言えると思うんですね。ところが、その空港の利用料金もこれはまだかなり私は運輸省あたりは値上げをねらってるんじゃないかと思うんですよ。というのは、また国鉄はことし上げようとしているわけですね。
 まあ話は発展するようですけれども、私は国鉄と私鉄、国鉄と飛行機、こういうものを比べてみても、よく言われますように、たとえば国鉄、私鉄を比べますと、東京から小田原までの国鉄料金と新宿から小田原までの小田急線の料金とは、私鉄が四百円、国鉄は八百円ですからまさにこれは倍だ。国鉄というのは読んで字のごとく国有鉄道、国民の足と言われるのは、営利を目的としておる民有、民営の料金の、これはキロ数もほとんど大差ない、それで倍である。これがまた値上げをしようとする。そうすれば新幹線の客が飛行機にとられ、並行して走っている線の国鉄の客は私鉄にとられる、あたりまえなんです、こんなのは。
 そうなりますと、黒字である航空会社を政策的に赤字にして、いわゆる航空機燃料費なんかをうんと上げて、油も上がるけれども税金も上げて、それから離着陸等、その他も上げて、国鉄運賃とのバランスをとって、国鉄の客を飛行機に逃がさないような、そういうやり方を考えざるを得なくなるというのを私は非常に憂えるんですよ。いかがですか、そういう点は。
○政府委員(永井浩君) 所管外のことも御質問でございましたので、ちょっとお答えをいたしにくいのでございますが、現在一般的に申し上げますと、各交通機関の運賃と申しますのは原価主義でございます。したがって、原価を超えて超過利潤の出るような運賃の設定というものは法律上できないということでございますので、何を原価に算定するかにもよりますけれども、一般的に、特定の政策的意図をもって運賃を上げたり下げたりするということは法律上無理かと思います。
 ただ原価主義におきましても、企業全体で原価と収支を見るという総合原価主義と、具体的な路線そのものについてコストと収入を見合うようにするという個別原価主義がございますし、そういった範囲内では、それぞれ交通機関の特性に応じて、たとえば長距離の場合には航空機が分担をするとか、中距離は国鉄が分担するというような、原価主義の範囲内でのある程度の調整というものはできるかと思いますが、その範囲を超えての運賃調整というのは現行の制度からいうと不可能ではないか、このように考えております。
○中村利次君 これは理想的に言えば確かにおっしゃるとおりですけれども、しかし、やっぱり陸海空の運賃体系はいかにあるべきかということを運輸省考えなければいけないと思うんですよ。その場合、国鉄は現状のままいったらまだずうっと値上げをしていかなければならない。その客を、きょうの新聞でしたかね、貨物が幾らか上向いてきたという報道ですが、これは事実かどうかは私は確かめようがまだいまのところないんだけれども、しかし私は、国鉄の再建は現状のままではきわめてむずかしいので、だんだん奈落の底に落ち込んでいくんじゃないか。値上げをしたって客離れがするだけで、かえっておかしくなるんじゃないかと思いますよ。いろんな理由があるでしょう。しかしまた、いま各新幹線が進んでいますがね、私は新幹線の開発に反対ではない。しかし東海道新幹線はドル箱だと言われるけれども、上越、信越、東北、九州の新幹線なんかは、これは営業運転やると必ず赤字になると言われておるのですね。ところがそれに対する手当てを果たして政府はした上で新幹線の営業運転をするのかどうか、そういう対策を講じないで営業運転やった場合には、また今度は赤字が累積する一方ですからね。私はそれと同じようなことが飛行機と国鉄、それから国鉄と私鉄、あるいはトラック、船、そういう陸海空の輸送体系、運賃体系にどうもかなりの影響をして、そうして将来必ずこれは憂うべき状態になるんではないかという気がするんですね。しかし、まあこの委員会でそういうことをずうっとやっていますと、どえらいことになりますのでやめます。
 そこで、いま財政的にも大変深刻な時期にあると思いますし、それから金融的にも大変深刻な状況が生まれてきつつあるんではないかと思うんですが、卸売物価がどうも最近目立って上がり始めてきておるわけでして、これに対しては金融措置で何らかの対応をなさるのかどうか、これはなさるとすれば、やっぱり経済成長率等の絡みも出てきて、国内だけではなくて国際的な関連まで起きてきはしないかというおそれもあるわけですね。財政問題を絡めてそういう非常に困難な情勢にあると思いますけれども、これはもう政治判断として、大蔵大臣どういう判断と、それからどういう対応をなさろうとしておるのか、伺いたいと思います。
○国務大臣(金子一平君) 中村さんのおっしゃるとおり、大変むずかしい経済金融情勢かと思います。まあ卸売物価、じわりじわりと上がっておることは事実でございます。しかし、まあ株式市場は相当それによって高騰しておりまするけれども、まだほかの方へ行っていろいろ荒らし回っている段階ではございませんし、それからM2の指標も前年同期に比べますると若干上がっておりまするけれども、まあ一二%程度で、いま特にこういう対応をしなきゃならぬという段階ではないと思いまするけれども、しかし、やはり私どもは景気がある程度これ上向きになってまいりまして、一時心配しておりました民間の経済活動も暫時活発になってまいろうとしておりまするから、景気と同時に、やっぱり物価の動きに相当重点を置いて考えていかなきゃいかぬと。そのために必要な対応策だけは、期を逸せず、これはまあ大蔵省だけではございません、日銀とも連携しながら必要な対策を打ってまいりたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○中村利次君 時間もありませんから、きょうは質問というよりも、私は問題提起だけをしておきたいと思うんですがね。
 まあ金融の問題も、これはいよいよ正念場になるんじゃないかと思います。いま大臣のお答えを伺っていても、やっぱり対策を誤らないような御努力を要請をしなきゃならないとひとしお思います。また財政の問題も、これは私どもが毎々言っておりますけれども、歳出をどう抑えるかという問題を、これはどうまじめに考えてみても、総論賛成各論反対というような性格のもので、なかなかむずかしかろうと思うんです。これは政府を批判するというよりも、やっぱり政府はできないんじゃないかと、歳出を締めることは。
 そうなら、やっぱり歳入を図るということになればどうするんだと言ったら、いまのところ景気が回復しても税収によって財政が健全化するとは思われませんから、試算等を見ても、政府がやっぱり一般消費税を早く導入したいと言われるゆえんはそこにあると思うんです。しかし、私どもはこれはいろんな意味から反対をしておりますけれども、仮に、これは仮定の議論は余りよくないんでしょうけれども、一般消費税を導入すると仮に仮定したら、果たしてこのままでいって、どえらいことになるんじゃないかという気がするんですよ。
 たとえば、何ですか、あれは、戦後間もなく取引高――証紙を張ってね、取引高税と言ったんですか、すぐ廃止になりましたけれどもね。果たして執行面で対応姿勢があったのか。まあ当時の経済状態と現在とはもう様変わりですから、そういう点では同一の比較はできませんがね。私はやっぱり対応態勢、それから国民の納税意識、脱税等、そういう点ではそれほど大差はないと思いますよ。これは対応いかんによってはまさにてんやわんやになっちゃって、どうもえらいひずみだけが目立つようになりはしないかというおそれがあるんですがね。まあこれは反対ですから、政府が引っ込められると、もうこういう憂いは一切なくなるんですがね。いずれの機会かに私は関係大臣おそろいのところでこういう問題は議論をしてみたいと思いますが、きょうは特にぴしっとしたお答えもいただけないでしょうが、大蔵大臣としてはどうお考えですか。
○国務大臣(金子一平君) 確かに戦後実施されました取引高税、大変な評判悪い税金でございまして、それは一つには、一々証紙を張らなきゃいかぬというような手間もございました。それから国税犯則取締法の適用の対象になっておりましたから、また税務官吏が一々立ち入り検査やるとかなんか、いろいろやっておったんですが、今後はそういう厄介な手続は全部外しまして、売り上げから仕入れを引いて、しかも法人税、所得税と時期を同じゅうして申告してもらえるような体制に持っていくと。国税犯則取締法なんというような法律も適用しないと、いろいろなことを考えておる。しかも大体事業所得者の半分ぐらいは免税点を設けて落とすわけでございますから、いろいろな点で前とは違った姿になると思っていますけれども、一番私どもやはり考えなきゃいかぬと思っておりますのは、これだけの大きな税金でございますると、納税者の皆さんのある程度の御理解、御協力がなきゃなかなかできぬと思います。そのためのPRと申しますか、それをしっかりやらなきゃなりませんので、いま五十五年度のなるべく早い時期ということで、それを目指して事務当局で中身を詰めております。
 政府税調では骨格を決めただけでございますから、実際の中身をどうやって決めるか、その詰めをやっておる段階でございますが、これがまとまりましたら、各方面の納税者団体というか業者団体、もちろん各政党の皆さんにもお示しして、いろいろお知恵を拝借しながら協力体制を得ていきたいと、こういうことでございます。
○委員長(坂野重信君) 他に御発言もなければ両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認めます。
    ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、藤川一秋君及び渡辺武君が委員を辞任され、その補欠として降矢敬義君及び小巻敏雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
○委員長(坂野重信君) それでは、これより関税暫定措置法の一部を改正する法律案について討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 関税暫定措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(坂野重信君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、航空機燃料税法の一部を改正する法律案について討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 航空機燃料税法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(坂野重信君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、和田君から発言を求められておりますので、これを許します。和田君。
○和田静夫君 私は、ただいま可決されました航空機燃料税法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党、第二院クラブ及び新自由クラブの各派共同による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   航空機燃料税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、空港周辺における住民の生活環境の改善対策事業、特に航空機による騒音防止対策の緊要性にかんがみ、必要に応じ実態に配意した施策を推進するとともに、その実施に当つては、地元住民の意向を十分尊重するように努めるべきである。
  右決議する。
 以上であります。
○委員長(坂野重信君) ただいま和田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
○委員長(坂野重信君) 全会一致と認めます。よって、和田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、金子大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。金子大蔵大臣。
○国務大臣(金子一平君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配慮いたしたいと存じます。
 以上でございます。
○委員長(坂野重信君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十三分散会
     ―――――・―――――