第087回国会 逓信委員会 第7号
昭和五十四年五月二十四日(木曜日)
   午後一時十一分開会
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   委員の異動
 四月二十七日
    選任          三浦 八水君
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     三浦 八水君     志村 愛子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         赤桐  操君
    理 事
                小澤 太郎君
                鈴木 省吾君
                成相 善十君
    委 員
                長田 裕二君
                郡  祐一君
                志村 愛子君
                新谷寅三郎君
                高橋 圭三君
                前田 勲男君
                大木 正吾君
                小谷  守君
                中野  明君
                矢原 秀男君
                沓脱タケ子君
                木島 則夫君
                青島 幸男君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  白浜 仁吉君
   政府委員
       郵政政務次官   亀井 久興君
       郵政大臣官房長  林  乙也君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   寺島 角夫君
       郵政大臣官房電
       気通信監理官   神保 健二君
       郵政省電波監理
       局長       平野 正雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        栗生澤喜典君
   参考人
       国際電信電話株
       式会社取締役社
       長        板野  學君
       国際電信電話株
       式会社取締役副
       社長       大島信太郎君
       国際電信電話株
       式会社取締役副
       社長       鶴岡  寛君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        古橋 好夫君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        木村 惇一君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        志村 静一君
       国際電信電話株
       式会社常務取締
       役        児島 光雄君
       国際電信電話株
       式会社取締役   井上 洋一君
       国際電信電話株
       式会社取締役   笹本  昇君
       国際電信電話株
       式会社取締役   福地 二郎君
       国際電信電話株
       式会社取締役   松本  洋君
       国際電信電話株
       式会社取締役   高仲  優君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
 関する調査
 (国際電信電話株式会社の事業概況に関する
 件)
○通信・放送衛星機構法案(内閣提出、衆議院送
 付)
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○委員長(赤桐操君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本委員会は、委員が欠員となっておりましたが、去る四月二十七日、新たに当選されました三浦八水君が本委員会委員に選任されましたが、同月二十八日、三浦八水君が委員を辞任され、その補欠として志村愛子君が選任されました。
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○委員長(赤桐操君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のうち、国際電気通信事業に関する件について、本日の委員会に国際電信電話株式会社の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤桐操君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
○委員長(赤桐操君) 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 まず、国際電信電話株式会社の事業概況について説明を聴取いたします。板野参考人。
○参考人(板野學君) 当委員会の委員長並びに委員の諸先生方におかれましては、平素から国際電気通信事業に対しまして格段の御理解、御支援を賜り、また、本日は当社の事業の概況につきまして御説明申し上げる機会をお与え下さいましてまことにありがたく、厚く御礼申し上げます。
 さて、当社は、昭和二十八年の創業以来、満二十六年を経過いたしました。この間、わが国の経済、社会の国際化、情報化を背景として、国際通信事業も発展を遂げ、今日、資本金百六十五億円、年間営業収益は約千二百億円、従業員約六千二百名を数えるに至りました。対外回線数につきましても、会社発足当初はわずか七十回線程度にすぎなかったものが、現在では三千六百回線を超えるところまで増加いたしております。提供しておりますサービス内容におきましても、電報を中心としたサービスから、テレックス、電話へとその中心が移り、近年は、コンピューターと電気通信の結合によるデータ通信、ファクシミリを中心とする画像通信サービスに対する利用者の皆様の御要望が強くなってまいりました。当社はこのような御要望にこたえるため、一部すでにそのサービスを開始しておりますが、さらに本格的なデータ通信の時代に備え、目下最新の技術をもって着々とその準備を進めております。ただいまのところ、まだ電報、テレックス、電話などがサービスの大宗を占めておりまするが、今後、単価の安いこれら新サービスが増加いたしますと、通信の需要構造に大きな変化をもたらし、将来の当社の経営にかなりの影響を与えてまいるかと存じます。
 当社といたしましては、将来の経営状況も十分に見通しつつ、たゆまぬ研究と真摯な努力を重ねまして、国民の皆様方に、より一層御満足いただけるサービスを提供してまいる所存でございます。
 つきましては、最初に昨年度の事業概況について御報告申し上げます。
 まず営業関係でございますが、全般的に厳しい経済環境の中で、ほぼ予定通りの業績を上げることができました。いまだ確定数ではございませんが、主要業種別に取扱数を申し上げますと、国際電報四百十四万通、国際加入電信二千七百六十一万度、国際電話千五百三十四万度で、前年度と比較しますと、電報は七・四%の減少、加入電信、電話は、それぞれ一七・八%、二六・五%の増加となっております。
 設備計画につきましても、サービスの拡充改善に資するため積極的にこれを実施してまいりました。すなわち、山口衛星通信所に海事衛星通信用の地球局設備を設置し、これまでの太平洋、大西洋地域に加え、わが国船舶にとり重要な海域であるインド洋地域においても、良質な海事衛星通信の利用を可能としたのを初め、衛星通信容量の効率的利用を図るため、山口、茨城両衛星通信所にSCPCと呼ばれる新通信方式を導入したほか、電報運用自動システムの拡充、国際公衆データ通信用設備の準備、国際ダイヤル通話、いわゆるISD通話の利用拡大、国際電気通信学園の建設等を行いました。これらを含めまして、昭和五十三年度の当社事業計画に掲上いたしました諸設備の拡充整備計画はおおむね順調に実施できましたことを御報告申し上げます。
 次に経理の状況について申し上げます。昭和五十三年度の収支状況でございますが、いまだ確定的なことを申し上げる段階にはございません。したがいまして、内定額を御報告申し上げますと、営業収益千二百三十四億円、営業費用千二十一億円、これらに営業外収益、営業外費用及び特別損益を加減した期末の利益は、九十七億円となりまして、ほぼ予定通りの決算となる見込みでございます。資産の状況につきましても内定額でございまするが、年度末現在におきまして総額千七百十九億円、そのうち流動資産は五百五十三億円、固定資産は千百六十六億円となっております。一方、負債総額は七百四十四億円で、そのうち流動負債は四百二億円、固定負債は三百三十五億円であり、差し引き純資産は九百七十五億円となっております。
 以上で昭和五十三年度における事業概況の報告を終わり、続いて昭和五十四年度事業計画の概要を御説明申し上げます。
 本年度の国際通信需要は引き続き増加の傾向を示すものと見込まれまするが、依然として不透明な景気の動向と通信需要構造の変化を考慮すれば、国際通信事業の先行きは必ずしも楽観を許さないものがございます。本年度の事業計画におきましては、このような情勢認識の上に立ちながら、サービスの一層の向上を図るため、必要な設備投資を意欲的に実施していく所存でございます。
 まず設備計画について御説明いたします。
 電話関係でございまするが、御好評をいただいております国際ダイヤル通話、すなわちISD通話の拡充を本年度も引き続き推進してまいります。これまでISD通話の御利用は、日本電信電話公社の電子交換機に収容されております加入者に限られておりまするが、本年度は、これに加えて、この電子交換機に収容されていなくても一SD通話が可能となるようプッシュホンによる利用方式を導入し、ISD通話の一層の利用促進を図ります。また、需要増に伴い電子交換機の増設も引き続き行います。
 電信関係につきましては、加入電信サービスの改善を図るため、新型電子式加入者設備を導入いたしますほか、現在まだ自動運用ができない対地との自動化を積極的に進める予定でございます。また電報業務の取り扱いの一層の効率化を推進するため、引き続き電報運用自動システムの拡充を行います。
 次に、近年急速に増大、多様化しておりまするデータ通信サービスに対する需要に総合的に対処するため、ここ数年来周倒な準備を進めてまいりました国際加入データサービス、いわゆるVENUS計画を本年度開始する予定でございます。また、これに先立ち、国際情報検索サービスといたしまして国際コンピューター・アクセス・サービスも開始いたします。画像通信サービスにつきましては、本年度は、すでに提供しております国際ファクシミリ電報サービスをさらに拡張する予定でございまするが、潜在需要が大きなこれらの画像通信サービスに対しましては長期的、総合的検討を加えるべく取り組みを強化してまいります。
 衛星通信施設関係では、山口衛星通信所におきまして、インド洋地域の将来の衛星運用計画に基づき、第2地球局施設の建設を進めてまいります。また、当社の衛星通信技術が国際的に高い評価を受けておりまするところから、先年、インテルサットから衛星の追跡、管制試験業務を受託いたしましたが、本年度、設備の完成を待ってこの業務を開始いたす予定であります。このほか、この夏に予定されておりまする国際海事衛星機構(インマルサット)の発足に向け、当社は、わが国の指定事業体として諸般の準備を進めてまいる所存でございます。
 海底ケーブル施設につきましては、わが国と韓国との間の通信需要の増大に対処するため、日本−韓国間ケーブルの建設を進める一方、インドネシア−シンガポール間ケーブル計画にも参加いたしまして、引き続き東南アジア諸方面との通信施設の充実に努めてまいります。
 これらのほか、当社が昨年、災害対策基本法に定める指定公共機関の指定を受けましたことにかんがみ、非常災害時における通信の確保に一層の努力を傾注いたし、大阪地区にも加入電信電子交換設備の設置を推進いたしますとともに、大阪国際電話局の電話交換設備を増設する等、非常障害対策関連設備の充実を図ることといたしております。
 新技術の研究開発につきましては、光通信方式、データ交換方式、デジタル通信方式、埋設海底ケーブル修理工法、各種端末、端局装置等の研究を行い、技術革新に対応するとともに国際通信サービスの向上と運用・保守業務の効率化を図ってまいる所存でございます。
 また、海外研修員の受け入れ体制の充実とあわせて職員の福祉向上を図るため、新宿分室跡地に建設を進めておりまする新宿会館(仮称)を本年度完成いたします。さらに、職員の能力開発と資質向上に資するため国際電気通信学園の拡充を計画しております。
 以上の設備投資計画に対しまして総額約三百十九億円を予定しております。
 次に、対外回線の拡充計画でございますが、本年度も、直通回線設定等、積極的に回線の拡充を図ることとし、加入電信回線百六十二回線、電話回線二百四十二回線、加入データ回線十二回線を初め、電報回線、専用回線等、総計四百七十六回線のほか、テレビジョン伝送対地五対地の新増設を計画しております。したがいまして、昭和五十四年度末の総回線数は四千四十二回線となり、テレビジョン伝送対地は五十三対地となる見込みでございます。
 昭和五十四年度の収支につきましては、主要業務の需要量を国際電報三百六十一万通、国際加入電信三千百七十五万度、国際電話千七百六十四万度と見込みまして、この見込みのもとに収入は約千三百八十三億円、支出につきましては、経費の節減と資金の効率的使用に努めることとし、約千二百八十四億円を予定いたしました。
 以上、はなはだ簡単でございまするが、事業概況の御報告といたします。
 何とぞ、今後とも一層の御指導、御鞭撻を賜わりますよう、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(赤桐操君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
○前田勲男君 それでは、ただいまの事業概況報告に基づき若干の質問をいたします。
 昭和二十八年以来二十六年間、KDD各位の御努力で今日の国際通信の発展を遂げているわけでございますが、この事業報告の中にも、社会情勢、技術の進歩によりまして提供されるサービスも、電報中心からテレックス、電話へと変わり、そしてまた今日ファクシミリ、画像通信、データ通信の時代に入ったとなっております。このような需要の構造の大幅な変革期を迎えて、本年度の事業運営に当たってどのような方針で臨まれるか、まずお伺いいたします。
○参考人(板野學君) お答え申し上げます。
 ただいま前田先生おっしゃいましたように、近年特に国際電気通信の技術革新が非常に早く、かつ非常に大幅でございまして、このような関係からいたしまして、国際通信の需要構造に大きな変革がもたらされつつあるわけでございます。このような状況につきましてひとつ御報告を申し上げたいと思います。
 まず需要構造の変革ということでございまするが、私ども国際通信を始めました初期におきまする電報、テレックス、電話等の需要と、そうしてこの現在の状況がどのような利用率になっておるか、それから、将来五十八年、これから五カ年の後にはそれがどういうぐあいになっていくであろうか、こういうことを私どもいままでの資料により、またこれからのことは私どもの推測値でございまするが、一言申し上げてみたいと思います。
 昭和二十八年、いわゆる私どもの会社の創立から三十五年までにおきましては、大体電報がこの総収益の七二%、テレックスが、これは三十一年から始まりましたけれども一一%、電話が一一%、こういうところでございましたが、これが昭和三十六年から四十五年になりますと、電報が三七%、テレックスが二六%、電話が一六%、こういうことになります。それから、昭和四十六年から五十二年度におきましては、電報がわずか一二%に減っております。テレックスが三三%に伸び、電話が三九%、非常に大きく伸びてきたわけでございます。
 これが将来どのようになりますかと申し上げますと、予測値でございまするけれども、昭和五十八年には電報が全体の収入に占める比率がわずか二%になります。それからテレックスが二九.四%、電話が五二・二%、このように電報がぐうんと減りまして、テレックスがやや伸びておりましたのがだんだんこれからは減ってくる、そういたしまして電話がさらにこれから伸びてくる、こういう状況でございまするが、こういうような状況になりまするのも、これからいわゆる新しい通信サービスでございまするデータ通信、あるいはファクシミリ通信というものがここに入ってくる、こういうことでございます。
 そこで、どういうような電気通信技術というものが今後発展してくるかというようなことをごく最近の状況を御説明をいたしたいと思いまするが、いわゆるこの電気通信の中で非常に大きな問題は、電気通信技術とコンピューターの技術が結合して新しいサービスを生んでくるということでございます。この新しいサービスというものは、これは総体的には収入減、いわゆる料金が非常にだんだん安くなってくる、こういうことでございます。
 それからまた各種の新しい端末機械、特にインテリジェント・ターミナルというような、いわゆるエレクトロニクスを利用した端末機が出てまいりますと、これらがテレックス回線、あるいは専用回線、あるいはデーテル回線、あるいはデータ回線、特に電話回線とこういうものが結びつきまするというと、これは非常に高速度の通信が行われてくる、こういうことで、テレックスなどの在来の業務がだんだこの方に移行してくる、こういう状況になることが予想されます。現に、私どもはこういうインテリジェント・ターミナルがこの専用回線、あるいはテレックス回線等に結びつきまするのはテレテキストというような名称で呼んでおりまするけれども、すでにドイツあたりでは一九八一年にはこれを一般のテレックス回線なり電話回線に連結する、つなぐ、接続する、こういうような計画を持って進めております。
 それから、二番目には、御承知のように、国際航空通信協同組合、SITAというふうに呼んでおりまするが、国際飛行機の座席予約等のそういうようなサービス、あるいはSWIFTと言っておりますような、全世界銀行金融電気通信協会、こういうような新しい態様の利用組合ができます。こういうことになりますと、私ども在来の電報なりテレックスなり、そういうものがだんだんこの辺に移ってくる、こういうことになるわけでございます。
 これらの需要構造の変革というものは、わりあい私どもが考えておるよりも、もう少し早く進展するんじゃないかというふうに私ども考えておりまするが、先ほど申し上げましたように、これらの単価というものは在来の通信より安い、こういう通信に移行していくということを私ども考えておる次第でございます。
 これらは大体どういうぐあいに今後影響があるか。これはもうほんの概数でございまするけれども、電報というものも先ほど申し上げましたように毎年一〇%ずつ減少していく。これらもテレックス、あるいはそのほかの大きな商社は専用線にどんどん移行してそれでやりますということで、五十八年度になりますともう二%のわずか収入しかない、非常な大きな赤字を持って電報――現在では六十億ぐらいの赤字でございますけれども、これをやっていかなきゃならぬ。
 それからテレックスというものも、大体在来では分数におきまして一八%、度数におきまして二一・八%もいままで伸びておりましたけれども、この新しいサービスの影響いかんによってはこれらの分数、度数におきまして従来よりも半分ぐらいな伸び方しか伸びないというようなことに私はなる、そういう要素を含んでおるというように考えておる次第でございます。
 また電話におきましても、この電話回線のいろんな利用、特にISDになりますると、やはりこの一般の課金単位等も変わっておりまするので、これはわりあい安い料金でISDがやれます。そういうことで、従来分数におきまして一八%も伸びておりましたのが一三%ぐらいになるんじゃないか、それから度数におきまして一九・六%伸びておりましたのが一八・四%、これは度数はわずかでございまするけれども、私ども収入という点から見ますると分数ということは非常に大きな要素をなしまするので、こういう面にもかなりの影響を持つんじゃないか。
 その反面に、データ通信というものは二二・六%程度、これはどんどんどんどん伸びていく、これを回線数にしますと、これも一〇%ぐらいずつこれから伸びていくんじゃないかというように予想をいたしておる次第でございます。
 それからこの電話級回線――特に専用線とか電話級回線につきましての新しい技術というものがどういうぐあいにうまく利用されていくかという状況につきまして御報告を申し上げますると、最近、ディジタル電話機というものが開発されまして、一つの電話回線に四つの電話機がぶら下がる、四つ子の電話というものがもうできまして、現在私どもが許可をいたしましてそれを利用されておりまするが、こういう利用の方法も出てまいります。
 それからディジタルファクシミリの利用によりまして、従来A四判文書一枚の送信時間が四分ないし六分かかっておりましたが、これ一分から三十秒程度に縮まってくる、こういうような開発がどんどんされております。
 それから高速モデムの利用によりまして、七、八年前までのデータ伝送速度が二千四百ボーでございましたのが、現在は九千六百ボーまでできる、これは非常な大きな速度で……、料金も後で申し上げまするけれども、非常に単位当たりの料金が低い、こういうことになるわけでございます。
 それから一つの電話級回線から、従来は五十ボーという速度の電信回線を二十四回線ほどとれておりましたけれども、いままでのFDM、いわゆる周波数分割というものが、時分割多重装置、私どもTDMとこういうぐあいに称しておりまするが、こういう技術が開発されまして二十四回線が百八十四回線、約八倍の電信回線がとれるようになる。これは一般利用者もそういう設備をすれば利用されるわけですから、非常なこれは大きな技術的な革新がある。また時分割装置の利用によりまして、一電話級回線で電話をやりながらファクシミリ文書も打てる、こういうこともなるわけでございます。
 それからまた、新型の端末機を利用することによりまして、電話回線はさらにファクシミリ等の記録通信が可能になってきますというと、これはもうテレックスに非常に影響を与える。いわゆる電話機のそばに一つのカプラ式な装置を置きまして、電話回線につないでテレックスをやっていく、こういうような端末機械のいわゆるインテリジェントのいま国際基準というものをCCITTで討議しておりまするけれども、そういうものが果たせますとやはり非常に大きな影響があるということが言えると思います。
 その他、いまISDということを申し上げましたけれども、自動コールというものによりまして、現在一般のパーソナル・コールとか、あるいはステーション・コールというものは平均の取り扱いの課金時分といいますか、料金収入になります時分が大体八分でございます。料金にいたしますと大体一万円見当になります。ところが、ISDでかけますと、いまの平均利用時分が五分そこそこでございまするので、これに一分千八十円を掛けますと大体五千数百円で利用できる。そういうことになりますと、ISDを奨励して人件費を少しずつ節約できまするけれども、収入はやはり三割以上減ってくる。こういうような状況を私どもは抱えております。
 そこで、これらの新技術がこの国際通信に採用されまするというと、利用単価というものがどのくらい安くなるかという例をちょっとここで御披露いたしたいと思います。これは百字当たりの料金について申し上げますと、現在電報では百字送りますのに千百八十円かかります。電話では大体標準的に、NHKでお調べになる標準の速度で話すということにいたしますと、これは一分間で約三百字ほど話せるということにいたしまして、電話では大体百字ほど話すのに三百六十円かかります。それからテレックスでは二百七十円でございます、百字で。ファクシミリ電報になりますとこれが二百九円になります。
 それから新しい型のデーテル、いわゆるデーテルという一つのファクシミリ電報とか、あるいはデータ通信、こういうものになりますと大体百字で十六円。それから、VENUS計画というものが入ってきまして、一般公衆回線によってこのデータ通信というものが行われるということになりますと、これはごく試算でございまするけれども、十三円で百字が済む、こういうことに相なるわけでございます。
 それから、特にいまいろんな問題になっておりまする専用回線についてちょっと申し上げますと、電信級回線の標準速度の五十ボーという速度をとってみますると、これは百字で大体五十九円かかります。これは電信級でございまするけれども、電話級回線を今度は使うようになりました。いま電話級回線のこの専用回線というものにつきましては、御承知のように四千八百ボーについては一割、九千六百ボーについては二割の加算料金をいただいておるということになっておりますが、この二千四百ボーという電話級回線をとりますと百字が四円で送れます。四千八百ボーの電話級回線では二円なんです。それから九千六百ボーで送りますると百字が一円なんです。ここでテレックスが百字で二百七十円のものが九千六百ボーで送れば一円で済むと、こういうことでございます。
 私どもは一般の公衆がお使いになる通信というものと、それから専用的にお使いになる、これは大きな企業が多いと思いますが、そういう企業との間にはすでにこういうようなやっぱり料金上のある程度のひとつそこに利点というものが与えられておるわけでございまするから、そういう点を考えまするというと、やはり電話級の回線というものはいろんなさらに技術的な革新によりまして一層単価というものが下がっていくという傾向にあるわけでございまして、私どもはこの単価の減によりまする将来のいろんな収入等を考えてみまするというと、今後五カ年間で総収支率をはじいてみますると、五十三年度は九二・四%でございましたが、五十八年度にはこれが九五・四%、大体三%程度総合の収支率は下がっていくんじゃないかということを私どもは予想をいたしておるわけでございます。
 そこで、私どもはこういう局面に対処いたしまして、しからばどういうことを考えるかということを先生お尋ねでございまするが、私どもはこれらのいわゆる新しい技術が採用され、情報の流通というものが高度化いたしてきておりまするから、さらに国際間の競争というものはこれから国際通信にこそ競争が起こってくる。これはキャリア同士の競争ばかりでなく、新規の参入というものが国際的には考え得るんじゃないか。
 それから、いままでのお客さん、カストマーといたしましても、端末機械というものが非常に発展いたしまするというと、これは電話回線に結びついて非常に利用が簡便になる、こういうことになります。したがいまして、私どもはこういう点をいろいろ勘案をいたしまして今後対策を考えていかなきゃならぬというように思いまするが、まず私どもの対策といたしましても、何としてもサービスを向上いたしまして、そして在来の電報、テレックスでも電話でも、どんどん利用をひとつ多からしめるということを私ども図っていかなけりやならぬと思います。
 また、新しいデータ通信、あるいはファクシミリ電報、こういうような画像通信等につきましても、これはお客さんの御要望でございまするので、今後こういうような施設をいたしまして、これも積極的に私どももやっていきたい、こういうぐあいに考えておりまするが、とりあえずサービスの改善施策といたしまして考えておりまするところを御披露申し上げますと、私どもはまず直通回線というものを積極的に設定していかなきゃならぬ。直通回線を今年度は、先ほども申し上げましたように四百七十六回線の増設を考えております。私どもの直通回線の中で特に直通対地というものを開きたい、こういうように考えております。
 直通対地を開きまするというと、これは料金も安くなります。それから取り扱いも非常に便利になりまするので、いままで私どもが一定の取り扱いの基準量というものがあるものについて直通回線を考えておりましたけれども、これも私どもは青天井に近い一つの取り扱いをいたしまして直通回線を設定する。たとえて申しますと、太平洋の真ん中にたくさん多くの、小さいけれども、独立国がございまして、そこに小型の衛星地球局を置いておりまするから、これは私ども直通回線を設定しようとしますればできるわけでございまするから、そういう方面に努力をいたしたい。
 また、いままでのテレックスの端末機械は機械的な端末機械でございましたから、これを電子式な端末機に置きかえていきたい。これは今年度はとりあえず千二百台導入いたしまするけれども、五カ年の間には大体これを八千百五十台ぐらい導入していく。全体の経費といたしましては約六十一億円ぐらいこれにかけていきたいと思います。こうなりますと端末機械も軽量になり、取り扱いが簡便になります。それから修理、補修も非常に簡単になりまするので、これはお客さんにとりましても、私たちにとりましても非常に便利になると思います。
 それからテレックスの自動対地をふやしていく。私どもはいまテレックスの自動化を図りまして、大体九三%から四%くらいは自動になっておりまするけれども、相手の対地、どこと自動化しておるかという対地を考えてみますと、自動化してない対地から申しますと九十八対地というものがまだ残っておるわけです。そこで、この百九十三対地のうち、いま自動化しているのは九十五対地、これから九十八対地を自動化していきたい。それで、本年度はとりあえず四十一対地を自動化していく。自動化していきますと、料金は一分一分制になりまするので料金も安くなり、取り扱いも便利になります。こういうことを考えております。
 それから国際電話の申し込み番号、これはいま東京と大阪では申し込み番号を設定いたしましてやっておりまするけれども、地方は全部普通の加入電話と同じなんですから、混信をしたり間違いをしたりして非常に不便でございますので、これを全国的に〇〇五一番で統一をいたしたい。これはNTT、電電公社の約九千局のクロスバー局を改善しなきゃなりません。この点につきましては電電公社とも話し合いがついておりまするので、今年度から五カ年かけまして、これは約十二億円の経費を必要としますけれども、これを全国的に五十六年度までには〇〇五一でKDDの交換局に直接かかる、あるいは大阪の交換局にかかる、こういうことをいたしたいと考えております。
 それから……
○委員長(赤桐操君) 板野参考人に申し上げます。
 質問者の質問に対する御答弁を一つ一つ区切ってお願いいたしたいと思います。質問者の方も、質問の予定もあると思いますので、あわせてお願いいたします。
○参考人(板野學君) はい、わかりました。
 それでは、大体そういうことで需要の拡大を私どもはどんどん図っていきたいと、こういうふうに考えております。
 それから、これからのいろんな対応策でございまするが、私どもはこういうことでだんだん利用構造が変わりまするというと、収入減につながるという部分が非常に多いのでございまするので、これからより一層の経営の合理化を図っていきたい。それから需要の喚起はただいま申し上げたとおりでございます。それから、私どもの経営基盤というものは非常に変動が激しいものですからもう少し長期的にこれをやっていきたい、考えていく。それから相手国のキャリアとか、あるいはお客さんとも十分に私どもはこの状況を話しまして対処していきます。それから国民に対しても、十分国際通信のこういう状況をPRし、説明をしていきたい、こういうぐあいに考えておる次第でございます。
 以上、簡単でございまするが……。(笑声)
○前田勲男君 大変御丁重な御答弁をいただきまして、私の質問時間の半分以上を御答弁いただいたわけで、すべてお答えいただいたようでありますが、なお追加して若干二、三分でひとつお答えをいただきたい。
 いまKDDでICASという計画がされておりまして、多くのユーザーが早いサービスを望んでおるわけでございます。ところが、新聞等の情報によりますと、アメリカ内でFCCに対してCDCあたりから否認請願が出ておって、この実施がおくれているわけでございます。これについてKDDの見解、そしてまたCDCの見解、今後の見通し等をお伺いいたします。
○参考人(鶴岡寛君) 御承知のとおり、FCCに対してCDCは否認の請願を出したわけでございますが、その主要点と申しますか、それは現在CDCに対しては、アメリカ国内のクリーブランドにおきます一つのコンピューターにしかアクセスは認めていないということでございますが、それをCDCの系統のすべてのコンピューター、五つほどございますが、それにアクセスをさしてくれというのが主要な一点でございます。これに対しましては、私どもはその件については、われわれとしてはすでにこれはCCITTの勧告で一つのコンピューターにしかアクセスはできないんだという勧告が出ておるわけでございます。そしてまた、われわれの国内の法制におきましても、法律あるいはまた政令で一つのコンピューターの間にしかアクセスはできないということになっておりますので、私どもはCDCのその否認の訴えに対しまして理由なしということでこれに対応いたしております。
 CDC側のもう一つの申し出は、われわれICASがもし認められるならば、CDCにいま貸しております特定回線をKDDは引き揚げるのではないか、取り上げてしまうのではないか、それはけしからぬということを申しております。これに対しまして私どもは、専用線、すなわち特定通信回線の貸与というものは、これはわれわれが法律で義務づけられておるから、ICASができたからといってそいつを引き揚げるとかそういうことは絶対にない、許されざることだというようなことでこれに対応をいたしております。
 以上が向こうの申し出とわれわれの対応でございます。
 それで、今後の見込みでございますけれども、何分にもアメリカ国内のマターでございますので、私どもからとかくこれに対して見込みを申し上げる立場にもございませんが、大体のところはすでにCDC側が、あるいはADAPSO側が否認の請願を書類でいたしまして、それに対しましてアメリカのレコードキャリア三社が反論を出しております。それに対しまして去る五月二十一日に、先方からそれに対する再反論が出ております。これらの書面を基礎といたしましてFCCが裁定をいたすことになっております。一応裁定のための準備資料は整っておると存じます。しかし、もし公聴会等を開くということになればある程度時間がかかるのではないか、結局は公聴会開催のあるなしにかかわって裁定の時期が決まるんではないかと、さように考えております。
○前田勲男君 せっかく大臣お見えでございますので、大臣にお伺いいたします。
 日本の情報産業というのは、先進国に比べ、特にアメリカに比べておくれぎみであります。そこで、これから先ほどのいろいろお話にもあるように、情報産業の大きな発展が予想される中で、電気通信事業の督監官庁である郵政省がそのかなめにならなければならない、あるいはわれわれなってほしいと考えておるわけでございますが、その辺の認識を大臣がいかに持っておられるか。
 それから、こういった点から郵政省、あるいは大臣として、通産大臣、その他関係省庁の大臣と、こういった情報産業の将来について郵政省がいかにあるべきかという話をされているのかどうか。
 それから三点は、郵政省の中でこの情報産業、データ通信は電監室でやっておられるわけですが、電監室の名簿を見ましても陣容が非常に少ない。こういった陣容でそれに対処できるのかどらか、この点を大臣に特にお伺いいたします。
○国務大臣(白浜仁吉君) いま御指摘の点については、私どもももとより、日本が国際的にもこれからいよいよ進出をしなければならぬ、国際関係も非常に心配になるという大事なときでありますので、KDDがますます発展されるということを私どもも非常な期待を持っておるわけでございますが、いま第二点の、ほかの役所と話をしてみたかということになりますと、私もなかなか追いまくられまして、時間もありません関係で連絡もとりにくいというふうなことで、まだその点についてはなかなかお互いに話をしてみる機会もないわけでございますが、御指摘の点についても、今後十分私連絡をとりながら進んでいきたいと考えております。
 人員の点につきましてはまさにいま御指摘のとおりで、私も就任しましてからいろいろ考えておるところでありますが、この電波関係その他のことにつきましても、非常に郵政省の方は人手不足だというふうな感を深くしておるわけでありまして、先ほど、午前中に衆議院の逓信委員会も開かれておったわけでありますが、いろいろ次から次、新しい技術の開発と一緒に仕事が多いのに、なかなかいまの時代で定員の増加はできないというようなことで、これはどういうふうにすべきかということを、ひとり私は自分ながら考えて悩んでおるところでございます。
 しかし、悩んでおってみてもこれはしようがないのでございますから、何かの方法はないだろうかということを省の幹部ともいろいろ話しておるところでありますが、こんな時代でございますので、とうていこれは定員増ということは望めないというふうなことで、これは今後諸先生方の御協力を得て何か考えていかなければならぬのではないかというふうなことを考えておるわけでございまして、今後御支援のほどを私からも特にお願い申し上げたいと思います。
○前田勲男君 大臣一人でお悩みだということでございますが、情報産業の中でもデータ通信の関係の需要というのは高まる一方でございます。
 そこで、私郵政省の取り組み方は、どうもほうっておいても子供は育つというような考え方なのか、あるいは電監室を見ましても、非常に失礼な言い方ですが、電電公社の何か下請のようなかっこうで、公社にお伺い立てて郵政省の態度をデータ通信については決めているんじゃないか、こういったことでは情報産業の健全な育成ということはとうてい考えられないと思うんです。
 それで、やはりまだ他省庁、特に通産省等の大臣とも折衝もなされていないということは、非常にわが国のデータ通信の将来を考えたときに大問題であるという私は問題意識を持っているんでございますが、その辺、ただ電監室の定員増だけのことで解決できる問題ではなくて、まさに郵政大臣その他関係大臣が集まって情報産業の将来ということを真剣にお考えいただきたいと望むものでございますが、その辺の大臣の御決意を伺いまして――なおKDDの関係でございますんで、いわゆるVENUS計画にしろ、ICASにしろ、外国のデータベースを利用するシステムでございます。こういったことをいたしますと、日本のデータベースが育たないばかりか、日本の情報がすべて外国のデータベースに入ってしまう、まさに情報が一方通行になるような心配もいたすわけでございます。
 この二点、大臣からお考え方をお伺いいたしまして質問の最後といたします。
○政府委員(寺島角夫君) 前後するかと思いますが、後段のお尋ねのICAS、あるいはVENUS計画の日本の情報産業への影響というものをどう考えるのかという御趣旨かと思いますので、私からお答えさせていただきます。
 先ほどKDDの方から御説明のございましたように、国際間のデータ通信の需要がますますふえてくる、あるいは高度化し多様化するということで、それにこたえるためにICAS、あるいはVENUSという計画をKDDが持っておるわけでございますが、実はこの順序といたしますとICASの方が先行いたすように聞いておりますけれども、ICAS自身まだ郵政省に対しまして認可申請が出されるという段階に至っておらないわけでございます。
 したがいまして、いろんな形でわれわれといたしましてはいま話を聞き、検討しておる段階でございますけれども、先生御指摘のように、このICASと呼ばれておりますアメリカのいわゆるデータベースとアクセスをいたしますこのサービスをいたしますと、日本のいわゆるデータベースの育成と申しますか、構築と申しますか、そういうことにマイナスの影響が出るのではないかというふうな議論があることは承知いたしております。また一面、そうではない、そのことによってかえってプラスに働くんだというふうな意見もあるわけでございまして、いろんな論議があることを承知しておるわけでございますが、われわれといたしましては、そういったいろんな論議も頭に置きながら、これからこの問題について検討していきたい――現に検討もいたしておるわけでございますけれども、まだ結論に至っておらない、また申請も出ておらない、そういうことで御理解いただきたいと思います。
○国務大臣(白浜仁吉君) 関係各省の責任者との連絡を緊密にするということでございますが、私どもも十分その点近々連絡を取り合って検討していきたい、そういうふうに考えております。
○前田勲男君 連絡を緊密にということもあるんですが、やはり郵政省が主導的な位置に立ってやっていただきたい。これがお願いでございますので、最後にお願いいたしまして終わりにさせていただきます。
○大木正吾君 板野さんにまず伺いますが、先ほどの前田委員に対するお答えを長々と承っておりまして、その中から二つのことをここで確認してといいますか、腹構えを確かめておきたいんですが、一つは、五カ年を展望しました収支率が三%ぐらい落ちる、こういう話がございました。こういうことがありながらも、一面ではどんどんどんどん技術が進歩するのに料金が下がらぬ、あるいはもっと下げられる、こういう話がユーザーその他、一般のマスコミ等にも出るわけでございますが、この収支率の展望について、これは五カ年ですから中期計画的な展望なんですが、その先の方についても同じような傾向でいくというふうにお考え、お見通しでしょうかということが一つなんですがね。
 それからもう一つは、国際電電はわりあいに経営状態が健全である、健全であるから一面では料金を下げろとかという意見がないわけではないですね。これはあるんですけれども、しかし、その部分は激化する八〇年代の情報通信産業の国際競争等に対しての備え、準備をしたい、この二つですね。特に後段の方については大臣にも見解を聞きたいんですがね、これはね。
 KDD料金が高い、安いという話もありますけれども、とにかく私たちも見ている限りは、アメリカにしても、さっきお話がありましたCDCの横やりにいたしましても、要するに情報通信産業の八〇年代の国際的需給関係というものを見て、そしてやろうとしているわけですから、だから当然ああいうことをして押さえにかかるわけでしょうから、やはりそれに負けない設備などが要るわけですね。ですから、これはやっぱり板野さんと大臣の腹構えとしまして、大臣は料金を下げる方に使っちまうと、こうおっしゃるのか、やっぱり五年後、十年後を考えて設備をしっかり国際競争に負けないようにするとおっしゃるのか。お二人に後段の問題について聞きたい。
 前の方の収支状況については、これは板野さんの方から聞きたい。二つのことをまず聞きます。
○参考人(板野學君) お答え申し上げます。
 私ども、非常に電気通信の技術が発展をしまして需要の構造的変化がございます。構造的変化というのは、ファクシミリとか、データ通信というものの率がどんどんふえますと、こういうことでございまして、そういうようなデータ通信というようなものの百字当たりの平均の収入というのは先ほども申し上げたとおりでございまして、だんだん安くなるわけですから、それが収益面にも響いてきます。したがいまして、この五カ年の予測では、総収支率というものは約三%程度いまからでも落ちるんじゃないか。これは過去四年間、昭和四十九年から見ますると、昭和四十九年七%程度でしたが、これが五十三年度で五・九%と落ちております。だから、そういうことを私どもは十分念頭に置きながら今後の財政の問題、あるいは私どもの収入ができるだけ落ちないようないろんな工夫も講じていかなきゃならぬ、こういうことでございます。
 一方、外国との競争もいろいろございます。争ういう面につきましても、私どもといたしまして、先ほど前田先生にもいろいろお答えいたしましたように、あらゆる方法を講じまして利用率の増加を図ると同時に、経営の健全化ということに努めてまいりたい、こういう意味におきまして、現在の私どもの経営財政基盤というものがこれからの経済のいろんな変動、電気技術の革新によるいろいろな構造変化というものがどういうような影響を与えるかということをじっくり長期的に検討いたしまして、そうしてこういう利用の料金といいますか、それから合理化といいますか、こういういろんな面を慎重に検討していきたいと、こういうぐあいに考えておる次第でございます。
○国務大臣(白浜仁吉君) いまお話しがございましたように、非常に日進月歩のこの時代に処して、どういうふうなことをして進めばいいかということになりますと、財源が必要になることは、これはもうもとよりでございます。したがいまして、私どももそうしたことに対処できるように、いろいろ料金その他の面についても御議論があるところでございますが、十分KDDの方と連絡をとり合いながら、この料金その他の問題を含めて将来に備えていきたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
○大木正吾君 お二人に対して再質問なんです。
 私は、もうちょっとはっきり伺っておきたいわけなんですよ。特に板野さん、ずいぶんとたくさん細かなことを並べられますけれども、やっぱり社長だから、社長としての抱負というか、腹構えが私知りたいわけでして、要するに一般の庶民なり利用者の立場からいたしますれば、KDDは少しもうかっているじゃないかとか、国際的にも少し料金が高いじゃないかとか、そういったことが週刊誌や新聞等に出るわけですよね。それに対して、やっぱりそういうことをさっきおっしゃったけれども、単位当たりの値段は下がっていくという形とか、そういうことを説明するためには、やっぱり五年後なり十年後を展望した国際競争の中で、そういった合理化収益というものをなるべくといいますか、全面的に投下していきたい、投資をしていきたい、そういうことについて、経営上の方針としてしっかりした腹構えを聞きたいことが一つなんですよ。
 同時に、郵政大臣に聞きたいことは、そのことと全く同じお気持ちかどうか。大臣の心のすみに、どっちかからまたあおられたら料金を下げるということなどをおっしゃるのか、社長と同じ気持ちでもって――前田君も言ったんですが、アメリカがあれほど大きな抵抗を示していることは、電電の調達物品と同じなんですけれども、やっぱり情報産業に対する未来の世界的な需要が大きいから、だからいろんなことを言ってきているわけですから、大臣、どうなんですか、実際問題として社長の考えと大臣の考えにつきましては、国際競争に伍する分に、国際電電の健全な経営資金というものにつぎ込んでいくんだと、そういったことについてもう少し明快に返事をしてもらえませんか。
○政府委員(寺島角夫君) ただいまの点でございますけれども、先生御案内のことと思いますが、料金問題につきましては昨年の秋の経済対策閣僚会議の一つの決定がございまして、そこにおきましては、その以前までいろいろと問題になっておりましたのが、御案内のとおり、いわゆる為替変動に伴います差益の問題、あるいは各方面への円価の変動によりますいわゆる方向別格差というものができておるんではないかというふうな問題が指摘をされておったわけでございますけれども、ただいま申し上げました総合経済対策の一環といたしまして、国際電信電話料金につきましては、「収支構造上為替差益は少額であり、方向別格差の是正についても料金体系上の問題等があるところであるが、利用者へのサービスの改善、安定的な国際通信の確保等を総合的に勘案しつつ、料金問題についてさらに検討する」というふうになっておりまして、これを受けまして、KDDにおいてこの問題について検討をいたさしておるという段階でございます。
 先生御指摘のとおり、将来の予想されますいろいろな需要増、あるいは構造の変化、そういったことも頭に置くことがこの安定的なサービスをこれから維持していく上において重要な一つの要素であるとは考えております。しかし、それをも含めまして、ただ一種の公共的な料金と申し上げてもいいかと思うわけでございますので、そういった料金のあり方というものを含めて検討する必要がある、常に検討しておかなければならない問題であるというふうに考えておるところでございます。
○大木正吾君 私は、ここでもって去年の為替の変動期のことをとらえて話を聞いているわけじゃございませんでしてね。ただ、ここ四、五年間の、ここにあります収支状況の推移なども拝見いたしましたし、それから同時に、大臣が去年の、これこそ為替の差益のときですか、七月の半ばの日経新聞に、四百億円のサービス改善投資をやった、こういう話もしているわけですよね。同時に、さっき御質問がありましたICASとか、あるいはVENUS問題に対するCDCのああいった問題につきましても、やっぱり国際市況といいましょうか、国際的な情報産業分野というものは大変なこれは荒波だ、こう考えておるわけですよ。
 しからば日本は、はたしてアメリカなりECなり北欧に対抗できるだけの素地ができているかどうか、そういったことを考えたときに、むしろいまお話あったような、そんな差益の話のときのことを聞いているんじゃありませんでしてね。新しい方向として、たとえばCDCがああいうことをやっているということに対してなぜやっているかを考えたり、同時に、世界的にプライバシー問題等について情報が過多ですから、どんどんどんどんプライバシーに対する法案等も出てくるわけですよ。金がないからやらないとおっしゃっているわけでしょう。そういった問題等含めたときに、まず第一に国際競争をして負けないだけの設備にし得るような経営方針をおくんだ、こういうふうにはっきり社長と大臣に答えてもらいたい、こういうふうに申し上げておるわけですから、監理官結構ですから、二人に答えてもらってください。
○参考人(板野學君) 先ほどから非常に、私も少し細かいことを申し上げたように思いまするけれども、大まかな線では、ただいま先生がおっしゃいましたように、これからの国際通信の競争というものは非常に激しくなります。技術革新も非常な大きな速度をもって発展をしてまいりますので、そのようなときに国際競争に負けない、また、国際間でも優秀な技術でもってサービスができますように、そういうことに私どもとしては十分考慮いたしまして、今後の財政への措置、あるいは今後の技術の開発、それからサービスの向上等を図っていきたい、こういうぐあいに考えておる次第でございます。
○大木正吾君 大臣、どうですか。
○国務大臣(白浜仁吉君) いまKDDの社長さんからお話しのとおりで、私どももそうした考え方に異存があるはずはございませんので、大いにできるだけの御協力はしていきたいと考えております。
○大木正吾君 御丁重な御回答いただきましてありがとうございました。私もそういう面で協力太してもらいます。
 そこで、これはちょっと、これこそ監理官に開きたい問題なんですが、最近国内ユーザーから出ている問題もありますし、同時にアメリカとの話のこじれもございますけれども、実は逆説、逆の立場での質問みたいになってしまうんですが、主として国内ユーザーとか、アメリカに対する問題としての国内法の関係なんですが、私も古臭い逓信畑の人間ではあるんですけれども、公衆法の第五十五条の十三、文言は読みませんけれども、これの、結局他人使用の回線の制限等の問題がございますが、これをつくった最初の時期と、その後の時代の推移に絡んでこの法律それ自身は、現状としてはこのままでよろしいとお考えでしょうか、どうでしょうか。
○政府委員(寺島角夫君) 公衆法五十五条の十三についてのお尋ねでございますけれども、先生御案内のとおり、これはいわゆる例のデータ通信の他人使用の問題の条項でございますけれども、これを含めまして、データ通信のこういった制度全般についてどういうふうに考えておるのかというふうなことと理解をいたしましてお答えさしていただきたいと存じますが、御案内のとおり、この公衆法が改正をされまして、データ通信の条項が入りましたのが四十六年の改正でございます。
 したがいまして、あと二年をいたしますと十年に達するわけでございまして、この法が制定をされました当時に想定をしておりましたこと以外の、その後の技術の発展等によりまして、このとき想定をしておらなかったようないろいろな利用形態が現実に出てきておることも事実でございます。こういうことに即応するために、この法というものが現状に合うのかどうかという点の見直しを必要とする時期に来ておるというふうには私考えておるところでございます。
 ただその場合に、法そのものの改正をお願いをしなければならないような点と、それから現在の法制の中での運用と申しますか、そのやり方をもう一辺洗い直してみることで対応できる部面と両方あろうかと思いますが、その両者を含めまして、実は昨年からもその検討を私ども行ってきたわけでございますけれども、本年度も何と申しますか、原点に返ったような立場でこの問題をもう一遍整理をして、各方面の御意見等もいろいろ十分お聞きしながら、できる限りのコンセンサスを得てこの問題の整備を図りまして、これからのいわゆるデータ通信と申しますか、情報化社会の進展に法の方が、制度の方がおくれをとらないように、そういうふうにしていきたいと思いまして、現在努力をしておるところでございます。
○大木正吾君 去年のたしか四月の同じ逓信委員会だと思いますが、案納委員の方からの御質問がたしか同じ趣旨であったかと思いますけれども、あの当時は服部大臣余りはっきりしたお答えがなかったように記録では拝見しているんですが、いまの監理官のお答え、承り方なんですがね、要するに、私はこの五十五条十三の趣旨というものは、個人なり企業の持っている秘密なり、あるいは利益とか、利害関係とか、そういったものを守るためにできており、もっと古く言えば、公衆法の原法律といいますか、原出発というものは、公衆電気通信法という昔の、まあいえば戦争時代の、あるいは明治時代のものもございますからね、やっぱり他人に対して通信の秘密を漏らしちゃいけないという、いえば考え方の筋が一本通っていると思うんですよね。
 ですから、この五十五条の読み方の場合には、そういったことまで延長することはないとは思うんですけれども、この五十五条の骨組みをばらばらにしてしまいますと、さっき前田委員が質問された、郵政省が中心で物を考えたらどうですかという問題とは大変違ってきますんでね、技術的な面での再検討を加えるものがあろうとは思うんですけれどもね、骨組みを変えることはないというふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(寺島角夫君) 公衆法五十五条の十三の趣旨を変えることがあるのか、ないのかという御趣旨かと存じますが、先ほどお答え申し上げましたように、このデータ通信の現在の制度全体につきまして、もう一遍いろんな角度から考え直し、そしてまた、いろんな御意見等も、その中には現実に公衆電気通信を行っております公社、KDDもございますし、まあユーザーという立場のものもございます。そういった各方面の意見等も十分に聞きながら問題点を洗い出して、それでどういうふうに対処していくかということを考えていきたいというふうに考えておるのが現在の段階でございます。
○大木正吾君 というような答えだけで黙っておりますとね、これはもう法そのものがばらんばらんになってしまうこともあり得ると、こうとれるわけなんですよね。ですから、郵政省が管轄をしますこの電気通信なり、電波のそういったものにつきましては、所管と筋が一本通ってましてね、その中で、まあ十年たってますから、やっぱりそういったものと見合わないものがあった場合には手直しが若干要る、こういうことならわかるんです。
 わかるんですけれども、いまの監理官の答えですと、この法律自身をばらんばらんにしてしまって、通産省か郵政省か、あるいはほかの省かわかりませんけども、どこかの省でもって取り合いして、そして、もう個人なり企業の秘密も、利害関係も全く守れぬ状態になってしまうという、そういうような法改正の方向まで含んでいるかどうかね。含んでいたら、後ほど聞きますプライバシー問題等が絡んで大変なことになるわけです。
 だから、そのことの私の質問の趣旨もちょっと不分明だったかもしれませんけどもね、要するにこの法律の骨組みまで含めて変えちまうかどうかね。再検討は結構ですよ。結構ですが、骨組みを変えるかどうか、そこんところだけもう一遍聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(寺島角夫君) ばらばらにする、あるいは骨組みを変えるというふうなことを一つの前提として検討する、あるいはそういうことを現に考えておると、そういうことはございません。
○大木正吾君 わかりました。
 そこで、もう一つ監理官に伺いますけれども、最近国内ユーザーから出ているいろんなキャンペーンなり資料がございますが、これに絡んで郵政省に対しまして正式に回線開放の要請とか、あるいは申し入れといいますか、そういったものはあったんでしょうか、なかったんでしょうか。これは国際電電ではないと思うんですが、国際電電にあったら筋違いだと思うんで、郵政省じゃないかと思うんですが、そういったものが――ただこれはばらまかれた、私たちのところに送られてきた資料だけだったんでしょうか。正式に郵政大臣のもとに回線の開放をしてくれということの要求か要請等があったんでございましょうか。なかったんでしょうか。
○政府委員(寺島角夫君) ユーザー等から回線開放等につきましての要望といいますか、そういう希望があるということはいろんな形で承知をいたしておりますが、その公式と申しますとちょっとその意味合いがあれでございますけれども、たとえばユーザー白書というふうな形でこういう意見があるよというものが私どもの方に届けられていることはございます。
○大木正吾君 その辺の対応の仕方なんですけどもね、やっぱり役人がやってる仕事は非常にかた苦しくてサービスが悪くてと、こういうふうにすぐ一般にとられがちですからね。ただ、KDDは、とにかくかつては逓信省内で国内の電電公社と一緒の仕事をしておったわけでございますけれども、民間会社ですからね、ですから民間会社におけるサービスに対しまして、料金もアメリカの二・五倍ぐらい高いとか、あるいは独占的なことでけしからぬとか、まあ大企業本位でもってうまくやってるやってないとか、たくさんこんな書いてございますね。あれについて監理官、監理官として何か御所見を発表されたなり、あるいは御感想等をお持ちだったらちょっと聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(寺島角夫君) ユーザー白書と呼ばれておりますものの件と存じますけれども、実はユーザー白書も私どもの手元に届いておりますが、それを作成いたしました当事者から直接にその内容につきまして十分に話を聞くということはまだ行われておりません。
 したがいまして、コメントというのは大変にきちっとした形ではしにくいわけでございますけれども、あすこにいろんな問題が述べられておるわけでございまして、法に絡む問題もございますし、あるいは現在の法制下で、NTTなり、あるいはKDD等が対応いたします対応の仕方等についての苦情といいますか、そういったものもあるように思うわけでございますが、いずれにいたしましても、この全体をそういったユーザーの立場から見ました提言、あるいは一つの意見、あるいは苦情というものとして、われわれはそれを率直に正当に受けとめて、その中で私どもが改善をしなければならない点があるならばそれをしなければいけないという点で、NTT、KDD等にもそういう話をしておるところでございます。
○大木正吾君 具体的な事例なんですけれども、ユーザー白書をちょっと拝見いたしますと、日本の国際電信電話料金、これはどの部分を言っているのかわかりませんけれども、アメリカのを一〇〇にしますと二五八ですか、二・五八倍だと、こういう話がユーザー白書の中に出てきますね。KDDが出しましたいろんなこの資料を、さっきお話がちょっとありましたところの国際通貨問題とのバランスなどを換算していきますと、KDDが出した資料、これはいつのものかちょっと日にちははっきりしませんが、一六一という、一・六一倍という指数が出てきているわけですね。
 ですから、そういったこの料金という問題はわりあいに、通信の中身のことはわからぬけれども、料金がKDDはけしからぬ、隠しているとか、機械化しても安くしないとか、あるいはアメリカとこんなに違うんだとかという、そういう数字なんかは非常に機敏にこれは、利用する私の立場、私がもしも会社の社長でもって専用回線を持っておりますれば、けしからぬと、こういう気持ちになることはあたりまえなんですよね。ですから、こういうようなところに対してもう少し監理官なり国際電電、KDDの方はもっと敏感な神経等を使われて、そして、事実は違うなら違うということを、新聞の意見広告等も最近はやりで政府も大分やってますからね、だからやったらどうかという気持ちもするんですが、その辺はどうですか。
○参考人(板野學君) ただいま先生がおっしゃいましたように、いささか私どもの対応は少しおくれたんではないかという気もいたしまして、遅まきでございまするけれども、それに対する意見を書きまして、ただいま諸先生、その他関係のところに御説明を申し上げておる次第でございます。
 料金問題につきましては、そもそも監理官からただいまちょっとお話がありましたように、去年の為替差益という問題が非常に出まして、為替差益というものは国際通信については違うものだということを内閣の閣僚会議でも認識されまして、これは問題ではない。しかし、三百六十円換算が二百円になったじゃないかというその格差論が感情的に非常にいろいろあるわけでございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、それはアメリカの物価と日本の物価が違うんです、東京の物価はニューヨークよりも一・八倍高いんですからということを最近も申し上げたんです。それからもう一つは、使用率が違うんですね。たとえば電話の利用にしましても、アメリカはメキシコとカナダという二つを除いても日本のKDDの十倍の利用を持っております。それから専用回線につきましても、電話回線につきましては約六倍ぐらいの利用率を持っておりますから、まあ薄利多売と申しますか、おのずからコストも安くなる。これはもう私どもその方から言えるんじゃないか。
 こういうことにつきましては今後私ども気をつけまして、なるべく早く、諸先生方を初め国民の皆様方にも御理解のいくように努力をいたします。こういうように考えております。
○大木正吾君 板野さんのお話ありましたからそこでとめておきますが、次に、国際通信サービス問題につきまして、前田委員の御質問にも関連いたしまして伺いますが、VENUS計画ですね、その他ICAS問題等につきましては一体どういうような見通しですか、簡潔にひとつ述べてもらいたいんですがね。
○参考人(大島信太郎君) 先生御承知のとおり、また社長、が先ほど来御説明いたしましたように、今後データ通信がいわゆる国際通信におきましても主力を占めるようになるということは当然に考えられるところでございます。それに対しまして、私どもは、まずこういうデータ通信をテレックスと同じように公衆通信網をつくってどなたでも使えるようにしたいということで現在進めておりますのが、このVENUS計画と申します国際加入データ通信というものでございます。
 先ほど他人使用の問題も出ましたが、もちろん専用線を使いましてデータ通信が行えます。これは一部非常に高度の通信を利用されます大企業が使いまして有効な手段でございますけれども、VENUS計画では、どんなに少量のデータ通信でもハイスピードで、しかも信頼度よくできる、いわゆる一般加入電話と同じようにどなたでも使えるようなものをつくらざるを得ないんじゃないかという考えのもとに進めまして、これは世界的にKDDが最初に発案いたしまして、アメリカ、ヨーロッパその他に話しかけまして、そして最初にアメリカの賛成を得ました。そういうことで進める段階になってきております。そういうわけで、一番最初にアメリカとの間に開くことになっております。
 もちろん国内ではこういうデータ通信網はいろいろな形でできておりまして、日本の国内では電電公社のDDX網とか、あるいはその他のデータ通信網ができております。それから国際的にはこの網が最初になるのではないかと思っております。そういうことで、できるだけ早く一般の方がお使いになれるようなデータ通信網をつくりたい、これが一つでございます。
 それから先ほどのICASの問題でございますが、これはVENUS計画の一部でございますけれども、とりあえず外国の文献を日本から検索できるようなシステムを早く出発させなきゃいかぬ。と申しますのは、薬害の問題とかそれから公害の問題それから新薬、特許の問題等は非常に重要な文献でございますから、これをタイミングを逸せず知って利用するということは、国際的な競争で最も重要な問題であるということでこれを最初にやりたい。
 これが国内の情報処理業者と競合するのではないかという先ほどの御質問もございましたけれども、これは現在検索というものは日本で余りやられておりませんので、今後これは構築していかなきゃいかぬということがございますし、それから日本で使いますデータベースはもちろん日本でつくったものが一番安く手に入りますので、これは競合するどころか、日本のデータは日本のデータベース処理業が一番これを使わせることができる。外国、が使うのはその一部になります。そういうことで、私はむしろ刺激を与えることはあっても日本のデータベース構築に害になるということはないと考えております。
 大体以上でございます。
○大木正吾君 アメリカのCDCの異議申請は四月の十一日と新聞で報道されておるんですね。それで、かつての香港に対するアメリカのやっぱり同じような例があったそうでございますけれども、このときに六カ月ぐらいでもって解決をした、こういう話も伺ったんですがね。お見通しとしてどうなんですか。結局そのVENUS計画とあえて申し上げますが、CDCの異議申請があったとしましても、十月ごろにはこれは大体CDCの話は却下されるといいましょうか解消して、アメリカとの関係については話が成功するんですかどうなんですか、これは。
○参考人(大島信太郎君) これはアメリカ国内マターでございますので、われわれも非常に、国家の主権の問題も関連いたしますので、異議申し立てもアメリカのIRCがFCCに異議申し立てをやっておるようであります。それで、いま出ておりますこっちの関係の書類は全部、三つのわれわれと通信をやっておりますアメリカのIRC、たとえばITT、RCA、WUIは、FCCに対してCDCの申し立てば見当違いであるという理由を挙げて反発をいたしております。それに対して今度はCDC側がもう一つそれに対するコメントを出す機会がございます。そのコメントがもうすでに二十一日に出ました。それを受けましてFCCがこれを書類上で判定をいたす段取りになるわけでございます。
 で、これが書類上で判定いたしますのにいろいろ請願が出ているようでございますので、これは夏休み以前に決着がつきますと、六、七月で決着がつくと考えられるとIRCの方では言っております。しかし、これが六月か七月過ぎになりますと夏休みに入りますので、どうしてもこれは九日以降になるのではないか。それで、これは同じようなことを香港の場合にもADAPSOとCDCは異議申し立てをやっておりますので、FCCとしては香港まで入れますと五回同じようなことを受け取っておるわけでございますので、それを優先的に扱ってくれるようですと案外早く解決するということになりますけれども、一番楽観的に見て六、七月、それでもしまずければ、夏休みを越しますと九月以降になるというのがアメリカ側の三IRCの見解のようでございます。
○大木正吾君 ということは、委員会でのこれ発言でございますから、まさか来年にずれ込むとか、そういったことはないと受けとめてよろしゅうございますね。
○参考人(大島信太郎君) これは先ほど鶴岡参考人から申しましたように、たとえば公聴会とかなんとかいう問題までもつれ込みますと、あるいは来年までかかる可能性はなきにしもあらずということは考えられると思います。
○大木正吾君 なぜこういうことを聞くかといいますと、ユーザーの中でもたとえばタイムズのバンクと提携しています日本経済新聞ですね、この前の社長で、いま会長ですが、円城寺社長だったとき、私も知っておったんですが、電話かかってきまして、あれどうなるんですかという話も実は来ているものですから、恐らく十月ごろじゃないですかという話ちょっとしたら、困ったなという話もありまして、その間に日本のこの種の困っている方々が外国のものを利用するようなことになってしまったんじゃ、これ大変なことですから、そういうことのないようにひとつ活発にFCCの動向等も調べて対策を練っておかないと大変な問題になりますからね、そのことを御忠告申し上げておきたいわけです。
○参考人(大島信太郎君) その辺も十分考慮いたしまして、われわれとしても直接には当たれませんけれども、十分そういう意向を反映するようにいたしておりますし、また、アメリカの情報処理業者でありますロッキードとか、それからSDCという大きい処理業者がございます。これ自身もCDCの申し立て及びADAPSOの申し立てというのは公共の利益に反するということで、向こうの処理業者自身がFCCに対してコメントを出しておりますし、そういうことで日本の利害関係だけでなくて、アメリカ内でもこういうものをストップさせちゃいかぬという意見もあるようでございますので、なるべく早く解決することを念願しております。
○大木正吾君 しつこく聞いておりますことは、最近の電電の物品問題等もございまして、白浜大臣大分がんばったんだけれども、なかなかこれむずかしい感じなんですよね。だから、アメリカというのは、最近はもう自分の国のためならば何でもかんでもやってきますら、少し甘い観測だけはされないで要注意していただきたいことでしつこく伺いました。
 それで、日本側のこの主張の場合ですけれども、まさしく国際的な条約とか勧告とか、そういった問題にのっとって話をされているわけですから、これはあれですか、この種の問題については、国際機関に対してKDDの立場というものをもっと広くキャンペーンするといいましょうか、あるいはこういった事情になっておるという話をアメリカと最初始めるからという形でもって、ほかのECとかあるいはアジア関係――このデータちょっと拝見しますと、KDDがつき合っているシェアの半分ぐらい大体アジア関係などが多いですからね、そういう関係の向きに対してもっと広く実情ということを訴える必要はないですか。
○参考人(大島信太郎君) これは先生御承知のとおり、CCITTという国際機関の通信関係の場がございまして、そこではすでにD1という勧告が出ておりまして、これは一つのコンピューターセンター、そのセンター中には幾つかコンピューターがあってもよろしいわけですが、センターにアクセスして処理を受けて返すと、それ以外のメッセージスイッチングをやっちゃいかぬというのははっきり勧告で出ておりまして、CDCはそれに違反しているということを言ってきておりますが、これは筋違いでございます。
 これはいまその関連の会議がジュネーブで行われておりまして、アメリカの代表の中にはADAPSOからの代表も出ておりますけれども、そういう問題でやはりそういうKDDの違反の問題なんかは全然出ておりませんで、むしろD1勧告はそのまま存続しておりますので、これはひとつも国際条約、いわゆる国際の勧告に違反していることは全然ございませんし、それから、先ほど申しましたように、専用線をKDDはやめるんではないか、やめてわれわれに不利を与えるんじゃないかという主張も間違っておりまして、やめることはありませんので、非常に間違った考え方のもとに出されているという感が深いわけでございます。
○大木正吾君 ちょっとこれ、監理官なり板野さんに伺いたいのですけれども、このVENUS計画が仮に実行に入った場合、結局料金面で今度は量的な計算方法をとりますから、そういった意味合いでもって反対しているのか、あるいは私の次の質問に絡むんですけれども、国際的な条約や勧告に対しましてヨーロッパの動向とか、あるいは北ヨーロッパその他世界の各国の状況が、この情報関係に対する国内の制限規定を緩めていくという、そういう方向などについて、アメリカなどは読んだ上でもってあえてやっているというようなとり方は、少し過大なといいましょうか、私の心配し過ぎでしょうかどうでしょうか。料金問題あるのか、先行きの方向を見て問題あえてこうやっているのか、その辺のことは御判断どうですか。
○参考人(大島信太郎君) これは推測の域を出ないわけでございますけれども、CDCとしては、アメリカ国内五カ所ぐらいコンピューターセンターを持っておるわけでございます。それで日本からある一つのコンピューターセンターに専用線を接続して、そこで処理されて返すことだけ許されたんではほかのサービスができない、だから五つのそのコンピューターセンターまでメッセージスイッチングをやらして、その各五つのコンピューターセンターのサービスも同時に日本でやりたいというところに問題があるんではないかと思います。
 ですから、そこの一つのコンピューターセンターからくし刺しにして次のところへ動いていくということは、すなわちそこでメッセージスイッチングをやるということになりますと、現在メッセージスイッチングを許されておりますのはキャリアだけでございますので、そこへ問題が起こってくるということでございます。
 これはヨーロッパでもそういうことは各主管庁で厳しくやっておりますし、CCITT勧告でも、これはメッセージスイッチングは勧告で禁止しておるわけでございますので、そうなれば、CDCは複数、五本の専用線を日本に持っていくか、あるいは逆に言えば今度のICASに加入していただけばどのコンピューターでもICASはつないであげられるわけですから、ICASに対する加入によってその面は解消していくという問題ありますけれども、CDCは一〇〇%の小会社を日本につくっておりますから、そうなると、そっちに設定した専用線が余り使われなくなる可能性も出てくるというような問題もあるんではないかということは考えられます。
○大木正吾君 大臣にこれは伺っておきたいのですが、やっぱりいまちょっとこうお話伺いましても、国際条約なり勧告なり、通信というものがお互いに、アメリカにはアメリカなりの若干日本と違ったあれがありますけれども、日本は日本なりのものを持っておるし、ヨーロッパは大体日本と似ている状態だと思いますけれども、主権の侵害という、これはささやかな問題のように見えますけれども、いま仮に六月に決着がつくか十月に決着がつくか別にしまして、アメリカのCDCのとっておる行動というものは、明らかにこれは通信というものに対する、国内主権に対する侵害ということも言えないこともないわけなんですよ。
 そこで、近くサミットが開かれるわけですね。通信関係の人も来ると思うのですよ。アメリカは幸いにしまして国内と国際が全部一緒の会社ですから、そういう関係も含めて、私はなるべく早期に、この問題については向こうの言い分にやっぱり理がないんですから、そこのところは大臣の責任でもってひとつ解決するように、大臣努力していただけませんか。
○政府委員(寺島角夫君) 大臣のお答えの前に、一言郵政省の考え方を申し上げておきたいと思いますが、ただいまKDDの方からお答えがございましたように、CDC等がFCCにいわゆる否認の請願をいたしました。これは御案内のとおりアメリカの国内法の手続を踏んだ上での処理でございますので、この扱いはFCCの方で扱うということになるわけでございまして、その限りにおきましてはアメリカの国内法の問題ということになろうかと思いますけれども、その動向等につきましては私ども非常に関心を持っておりまして、先ほど先生御指摘のとおり、四月の十一日でございましたか、そういう否認の請願が行われたという情報を入手をいたしましたので、正式にFCCに対しましてその状況等についての資料を求めております。
 その資料等、現在までに参っておりまする限りにおきましては、先ほどKDDからお答えございましたようなCDCのこの否認の趣旨というものは大体御説明になったとおりでございますが、その後の反論、さらにそれに対する再反論ということにつきましてはまだ入手をいたしておりません。それで、今後の扱い等についてのFCCの見通し等につきまして、状況を見てFCCにさらに照会をして見通しをとりたいというふうに考えておるわけでございます。
○国務大臣(白浜仁吉君) 御指摘の問題については、特に通信の問題に関係することにつきましては、私どもの主権の問題にも関することでございますから、十分注意して対処したいと思って、いま省を挙げて私どもも神経を張り詰めておるところでございますが、なおお気づきの点がありましたら私どもにも御注意していただきたいと思います。
○大木正吾君 サミットで何もアメリカの言い分なりECの袋だたきに遭うだけが能じゃないですから、たまには逆襲してやって、かみついて、向こうのやり方がひどいときには頭を下げてもらうことがあってもいいわけですから、大臣にぜひそのことをよろしくお願いしておきます。
 さて、私の質問の最後の項目ですが、前田委員の先ほどのことにも関連いたしまして、大臣にまず最初伺いたいんですが、時代の趨勢というものは、やっぱり情報化時代ということで、資源の節約なども関連いたしましょうが、いずれにいたしましても通信回線の開放の、もっと開放しろというものとか、あるいはたくさんの情報というものをもっと欲しがったり、あるいはためたり、そういうように動いていくと思うんですけれども、大臣どうですか、こういった意味合いでもって、郵政大臣を担当されまして、まさしくこれから八〇年代へ入るんですから、所管大臣としまして、要するに情報化時代に対する日本の関係産業、これ全体に対して国除レベルに負けない、あるいはむしろその国際レベルから上の方へいくような状態にすべての問題につきましてこの関係産業を育成といいましょうか、もっと充実さしていく、こういったお気持ちはお持ちでございますか。
○国務大臣(白浜仁吉君) これは一通信関係その他ばかりではございませんで、日本が資源に非常に乏しい国でございますから、私どもは頭脳、技術というものを世界に向かって売る以外に生きる道はないというのが私の日ごろの考え方でございますので、当然いま御指摘の問題などにつきましても、日進月歩のこの技術の面をどうして取り入れ、同時にこれをもっと前進させて世界の平和に貢献しながらわれわれが生きていくかということについては大いに関心を持っておるわけでございまして、一層今後も努力してまいりたいと考えております。
○大木正吾君 これはどこの資料かわかりません、私のところに入ってきたんですけれども、アメリカはやはり国内的にも国内的な規制を緩和しようという動きが一つ書いてありますが、同時にこの動きをヨーロッパ、EC、北欧等に広げていこうという動向が見えるわけですよね。ですから、日本の場合に、さっき監理官に質問いたしましたけれども、そういった要するにアメリカの動向とか、ECなり北欧の動向について、データ業を含む、データ通信を中心とする回線の開放をだんだんしていくというような国際的な雰囲気といいましょうか、そういったものに受けとめていいのか、あるいはアメリカが勝手にやっているのだと、こういうふうに考えていいのかどうか、監理官ですからその程度のことはおわかりだと思うのですけれども、その辺の感触はどうですか。
○政府委員(寺島角夫君) 御指摘のとおり、諸外国のデータの状況等につきましては、われわれといたしましても当然にいろいろな角度から把握をしなければならない問題と考えておりますわけでありますけれども現在のところ必ずしも十分にその情報が得られていないうらみもございましてまことに申しわけございませんが、先生御指摘の点に関しまして、世界の大勢としてどういう方向に動いておるというふうに断定的に申し上げるまでのもの自信がございませんのでお許しをいただきたいと思います。
○参考人(板野學君) 私からひとつ……。
 最近この問題につきまして、私の方もアメリカ、ヨーロッパ方面に調査団を派遣いたしまして、先月中ごろ帰ってまいりました。郵政省の方にまだ御報告上げておらないので、私どものこれは感触ですからまことにどうも失礼をいたしておるわけでございますけれども、私のところでいろいろ調べたところでは、この問題はアメリカにおいてでもこれはまだ、アメリカの新しい通信法の改正が八一年にならないとなかなかよくわからない、アメリカ自体はこれはもう本当の意味の開放をすべきか、あるいはどうかということで非常に大きなそこにまだ論争がある、公聴会を何回も開かなきゃいかぬ、こういう状況でございます。しかし、もともとアメリカという国はいわゆる自由競争というところに非常に大きな力点がございますので、アメリカ国内においてはそういう意向が相当強いということは言えると思います。
 それからヨーロッパ方面におきましては、これはEC諸国、特にドイツ、フランス等におきましては、こういうCCITTの規則を十分に守って、こういう通信回線の開放をキャリア以外のものにやるということは非常に大きな問題だから、これはできるだけ厳重に守っていきたいのだということで、特にドイツの主管庁あたりはそういう考え方を持っております。
 また最近、フランスの大統領に対する大蔵省関係の高官の報告書が出ておりまするけれども、それを見てみますと、やはり通信権というものは国の主権であるので、それをみだりに外から侵されるようなことはするべきではない、したがって、これは十分に国家としても、いわゆる先ほど先年がおっしゃいましたように、プライバシーの問題もあれば企業機密の問題もあるし、またその国の通信業務の保護育成という一つの問題もあるので、こういう点を十分に考えて、フランス政府としてはそういう方向にやるべきだということを大統領の報告書にも書いてあるような次第でございますので、大体ヨーロッパはアメリカ的な自由競争の考え方ではない、こういうふうに私どもは調査の結果了承しておりますけれども、さらに今後とも十分そういう点を検討いたしまして郵政省にも御報告申し上げ、いろいろな点で私ども検討を続けていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○大木正吾君 社長の御努力は敬服いたしますが、ただ私たちが心配いたしますことは、やはり産業というものは、これは人類が生きている限りは、それが高成長であれ低成長でありましても、成長をし広がっていくわけですから、その中に占める情報を握れば国を制するか、産業を制するか、地球を制するかわかりませんけれども、その意味合いでもって恐らくここ十年間ぐらいの間に、さっきも板野さんおっしゃったのですが、とにもかくにもものすごい情報産業の飛躍といいましょうか、豊富なといいましょうか、データを蓄積したり、売ったり買ったり、そういったことが始まると思うんですよ。
 そうしますと、いまおっしゃった研究なり、あるいは国際情報のキャッチは、フランスの大統領のお話わかりましたけれども、とにかくしょっちゅうやっぱり監視なり連携をしておきませんと、必ずこの問題はどこかから大きな水が漏れてくる心配がございますから、私はむしろいろいろな国際勧告、条約もございますし、同時に国内法規もございますけれども、そういった産業の相当大きなシェアを占めている問題との関係におきましてこの問題について御忠告申し上げておきたいし、御努力をお願いしておきたいんですが、二つ具体的に実は困る問題が出てくるわけでございます。
 一つは言葉の問題なんですが、これは国際電電から伺いたいんですが、日本語というのは公用語になっていないわけでありまして、情報をもし日本が売ったり買ったりする場合に、日本でもしもつくったいろんな新しい機械とか、あるいは薬にしてもそうでしょうし、いろんな医療技術などでもいいでしょうけれども、そういったもの等につきまして、国際的に公用語になっていない日本の立場は、情報化時代に立ちおくれる心配がないか、あるか。その辺について、KDDの方々は英語の専門家、外国語の専門家ですから、おまえらが少しおくれているということになるかもしれませんけれども、日本語を公用語にしない場合に、情報化時代に立ちおくれを来さないかどうか、その点どうでしょうか。
○参考人(大島信太郎君) これは非常に重要な御質問だと思います。
 現在この問題は日本のいろんな情報産業を阻害している一つの大きな問題でございまして、これは例のコンピューターのプログラムの問題でもこれが起こっておりまして、外国ではタイプライターをどんどんたたきさえして、そしてこれをあと専門家に渡しますとプログラムができてしまう。ところが、日本語で漢字のタイプライターたたくのは大変なことでございまして、ここで非常な問題が起こってくるというのが一つでございますが、データベースに情報を入れる場合に、外国に売る場合にはやっぱり英語に翻訳をしなければいかぬというハンディキャップを日本はしょうだろうということでございます。それからもう一つ、外国から取りましたデータをやはり日本語に翻訳するという一段階は必ず存在すると思います。
 ただ、そこで一番大きな進歩と申しますのは、例のアルファベットを使いました、いわゆるローマ字で書かれました文章が漢字かなまじりの文章になす技術が相当最近発達してまいりまして、これが相当役に立つし、それからある程度の情報をデータベースにアクセスするときの処理の方法は言語が相当限定されておりますので、非常に簡単な翻訳機が使える場合が相当あり得る、そういうものを早急に日本では開発する必要があるだろうと考えております。いずれにしましても多少のハンディキャップは免れないということでございます。
○大木正吾君 これは外務委員会で言うことなんですけれども、外務省の方いないからしようがないんですが、大臣、やっぱりこれ、日本語を――GNPで資本主義の国では世界第二位とか第三位とかおっしゃるわけですから、OECDとかいろんな国際機関にもずいぶんたくさん金を出しているわけです、最近は。だから、日本語を公用語にする運動ぐらいは大臣あたりひとつ音頭取りやりまして、新しい時代には日本語が公用語でないと大変まずいぞという話を少し言ってもらいたいという気持ちもするんです。
 このことはさておきまして、次の具体的なことでプライバシーの問題なんです。ここにこれ持ってきたんですが、私まだ読んでいませんけれども、日本の国内でこれはつくったものですが、行政管理庁の管理局が監修した「世界のプライバシー法」というものがあるんですが、これ恐らく青島先生とか、その他読んだ方おられると思うんですが、私まだ中身読んでいませんが、ただ、中ちょっと拝見いたしますと、アメリカとかスウェーデンとか、あるいはカナダ、フランス、デンマーク、ノルウェー等は、実効の上がっているか上がっていないか別ですけれども、一応法の制定は七四年ごろかち始まってずっとできておりまして、現在準備中という国がイギリスを初めとしましてオーストラリア、ニュージーランド等を含めて大体十一カ国ぐらいあるわけですね。
 これは何か途中でもって、各省庁は二、三年前に検討し始めたけれども、金がかかり過ぎてとてもだめだということでぶん投げたという話も聞いているんですが、この問題これは情報化時代に入っていきますと、どんどん情報はたくさん出てくるわ、売ったり、買ったり激しくなるわ、欲しいものもあるわ、しかし、信条とか、宗教とか、財産とか、あるいは技術、あるいは教育者なり発明家、その他そういった方のプライバシーというものを守るために日本で法制化の準備――これは郵政省の担当かどうかわかりませんけれども、情報化時代とプライバシーとは切っても切り離せない問題ですからね、もし検討している中身がございましたら聞かしてほしいんです。
○政府委員(林乙也君) ただいまも御指摘のございましたように、情報化の進展とともに、特に個人のプライバシーの保護につきまして重要な意味を持ちますことにつきましては、私どももっとに認識いたしておるところでございまして、現在プライバシー保護対策に関する関係省庁連絡会議というものを設けてございまして、寄り寄り検討中でございますけれども、何せこの問題につきましては、通信の領域におけるプライバシー保護の問題にとどまらず、広くその他の分野におきますところのプライバシー保護の問題にもかかわる多岐にわたる問題でもございますし、関係省庁も実は十一省庁というように、大変広い範囲にわたりますところの協議会ということになっておるわけでございます。
 現在まですでに数回以上にわたりますところの検討会議を続けておるわけでございますが、重要性とその緊急性につきましては十分認識しつつも、問題の多岐にわたることとの関連におきまして、その結論を得るまでにはいましばらくの日時を要する状況でございまして、その点今後その取りまとめに郵政省といたしましても鋭意取り組んでいく考えでございますけれども、なおしばらくの日時をおかしいただきたいというように考えるわけでございます。
○大木正吾君 主管官庁はどこになりますか、これは。
○政府委員(林乙也君) 一応現在世話役官庁といたしましては、行政管理庁がその世話役官庁となっております。
○大木正吾君 できましたら、これは速記録じゃなくても結構ですから、出席されている方々のお名前などを、差し支えなかったら後で伺わしていただきまして、私自身もこれ、単に個人の問題も非常に大事な問題ですけれども、企業間の結局情報関係の入り乱れとか、盗用といいましょうか、そういったことなどが出てきますと、裁判をしようといっても根拠法律も何もないということもございまして、大変な経済社会の混乱も起きかねないということも心配するんですよね。国際電電の方はどんどん新しい投資をして、恐らく八二年ごろになりましたら相当に世界、アメリカに負けたいぐらいのものをつくっていると思うんですよ。
 そのときになって、日本はプライバシーに関する個人、企業に両方に絡む法律が何もないということは、これはやっぱり世界の恥さらしになりますから、だからその意味合いでぜひ非公式で結構ですから、私の方からも行管庁を少しプッシュしていかなきゃいけないと思うんです。ですから、その意味合いで、もし差し支えなかったら、関係者の、行管庁の担当者だけでも結構ですから伺わしていただきたいことをお願いいたしたい。
 同時に、大臣なり監理官の方でもそのことについて、とにかく会合だけは十何回やったと言ってみましても、一体いつになったら法制化なり法安の概案的なものができるかどうか、そういった目通しはきょう聞かなければ私は下らぬつもりでいたけれども、その程度の話ならしようがないですからこの次にしますけれども、この次には、大体法案の概要なり大筋はこういうものだということの説明なり、いつの時期に法律案が国会に出せるとか、そういったことを出してもらわぬと、こっちの方は国際競争に負けちゃならぬといって一生懸命やっている。情報の方は話だけはこう重ねているけれども、全然話の中身が詰まっていかないでは、これはもうしようがないですからね。ここに例をたくさん行管庁も出しているわけです。こういったものを参考にしていただきまして、ぜひ早くこの問題については方向づけをしていただきたいことをお願いしておきたいんです。
 最後になりますが、これは大臣にお願いでございますけれども、前田君と同じなんですが、機情法問題ということが、大臣になられる前でございますけれども、昨年の国会で問題になりました。これは明らかに通産省の方で準備された法律なんですが、類似しました法律が、データ関係問題等を中心として今国会に、この委員会に出そうという準備もあったはずなんですね。
 ですから、私が考えますのに、この種のものはいまのプライバシーもそうですけれども、通産と郵政、郵政と通産でもってお互いに、何か外から見ていますと、要するに自分たちの陣取り合戦というか、自分たちの方の主権というか、とにかく仕事の分捕り合いという感じがなきにしもあらずなんですよ。
 しかし私は、やっぱりこの問題は明治初めから始まった日本の電気通信事業ですからね。これを基幹にして動いている情報産業ですから、それは江崎さんのところでもって熱心なこと結構ですけれども、やっぱり郵政省を中心とし、国内的には電電公社、国際的にはKDDを中心としまして、この種の問題については法体系なり行政機構というものを整備をしてもらいたい、そういうふうに考えていますので、何かあっちこっち引っ張り合いをしているという感じが国民の中にもございますし、私たち議員の中にもあるわけです。
 こういった仕事の形式としますれば、アメリカは大体こういった電信電話の場合には民営ですが、ECや日本は全部大体国営関係が多いわけですからね。そういうことを考えていただきまして、なるべく国民的と言いたいんですけれども、関係省庁間の合意というものを経て、そして、外国に対しまして通産省の局長の言ったことと、郵政省の監理官のおっしゃったことが違っているという感じ、私はこれはちょっと聞いたことで、実際にだれがどう言ったという話じゃありません。いまの監理官じゃないわけですが、そういったことじゃこれは困るんでして、外国の人と話し合ってきたときに、大木さん、そう言ったってあんた、通産省のこの方はこう言っていますが、前の監理官の方は別ですと、こういう話が出てきますと、まるっきり日本の国内でもってお互いになわ張り争いをしていまして、みっともなくて話にならないわけですよ。
 ですから、白浜大臣お願いしたいんですけれども、ぜひ国民的合意の象徴としまして、江崎さんの方と話を詰めていただいて、関係する法律の提案につきましては十分な調整をしていただきまして、そして、その場合には白浜大臣が中心となってこの種の問題について、要するに機械情報関係産業ですから、そういったものについて、通信機械情報産業なんですから、そういったことを十分にお考えいただきまして、政府のしっかりした合意でもって問題を出してもらいたい。このことを最後に大臣に所見を含めて伺いまして、終わらしていただきます。
○国務大臣(白浜仁吉君) 非常に国にとりましても、私どもにとりましても重大な問題を含めていま御注意もございましたから、私どもも十分それを心得て今後努力していきたいと考えます。いろいろ計画しますと、最近のように縦割り行政という関係もありまして、なかなかまとまりにくい点が非常に多いということを、私ども党におりましてもかねがねそれを考えておったわけでありますが、そういうふうなことも私ども十分心得ておりますので、一生懸命、先ほどの前田委員の御注意もありますので、注意をして努力をしていきたいと考えております。
○大木正吾君 終わります。
○沓脱タケ子君 それでは、私は実は昨年の十月の十三日に本院の決算委員会で質疑を行いましたKDDの労務対策についてお伺いをしたいと思っております。
 決算委員会の当日は、委員会運営の御都合で、KDDの皆さん方に御出席を得られないままで審議がなされました。事がきわめて重大な問題点だと思いますので、私は欠席裁判のままではこれはKDDにとってもよろしくなかろうと思いますので、きょうは事実関係について皆さん方に御確認をいただいて、そして対策をお伺いいたしたい、そう思っているわけでございます。
 で、ごく集約的にまとめて申し上げますと、私が昨年の十月にお尋ねを申し上げました内容といいますのは、KDDの労務対策の中で非常に重大だと思いますのは、憲法十四条違反、あるいは労基法三条違反の疑いのあるような具体的な事実がでてきておりましたので、これを示しまして、大臣にKDDという公共的な性格を持つ会社でこういう法違反の疑いのあるような労務対策が横行するというのは重大だと、だからこういうことはやめさせなさいということで大臣の御所見をただしたのでございます。
 で、当時の服部前郵政大臣のお答えの最終的なお答えを、これは正確に申し上げた方がよろしいので会議録によって申し上げますと、服部前大臣がこうおっしゃっておられます。「私は沓脱先生の御発言は万万万一間違ったことはないと思いますがね、そのままここでよくわかりましたと言えない立場を御理解いただきたい。したがって、十二分に資料の提出を求めるなり、いろいろな方法で入手する努力をし、万万万一手に入らなかった場合には、また御発言どおりに借用いたしまして、しさい検討し、この実態も監督官庁でありまするから十分調査し、意見も聴取し、最終的には労働省ともこれまたよく相談をし、いろんな機関と緊密な連携をとって、適当な、適切な結論を出したい、かように考えております。」という御答弁をいただいておるのでございます。
 そこで、大臣かわっておられるわけでございますけれども、当然引き継いでいただいておるということでございましょうから、このお答えについて、郵政省としての御見解はどうなのかですね、簡単にお伺いをさせていただきたい。
○政府委員(寺島角夫君) 委員長。
○沓脱タケ子君 これはちょっと大臣に。大臣のお答えの引き継ぎでございますからね。
○国務大臣(白浜仁吉君) 監理官から。
○政府委員(寺島角夫君) ただいま先生お話ございましたように、昨年十月の決算委員会で御指摘のございました問題につきまして、先ほどの、当時の服部大臣のお答えにもございましたように、われわれといたしましても早速KDDに対しましてこの問題を十分調査をするように指示をいたしたところでございます。
 そこで、KDDがすぐに調査を開始をしたわけでございますけれども、御案内のとおり何分古い事案でもございましたので、資料の入手できないもの、あるいは関係者の記憶が定かでないもの等もあったようでございますけれども、全体といたしまして、KDDといたしまして誠意をもって調査をいたしたと考えておりますので、その調査結果につきましては、直接KDDの方から御説明かさしたいと思いますので、どうか御了解いただきたいと思います。
○沓脱タケ子君 それでは、具体的にはKDDに。
 この前の御質疑のときには来ていただいておれませんでしたから、具体的にちょっとお尋ねをしたいと思いますが、私が昨年の十月に御指摘を申し上げた資料が幾つかございます。ちょっと取り上げた資料名を申し上げますから、そういうものがあったかどうかですね、御調査なさったのかどうかという点についてお聞きをしたい。
 一つは、昭和四十年一月の「労使関係健全化のための方針」、これはあったのかどうか、これは国際電信電話株式会社。時間があんまりありませんからまとめてお伺いしますが、もう一つは、昭和四十一年の十一月十九日付の「労務管理資料」ですね。「第五回東京大阪関門局労務懇談会要旨」これの発行は職員部労務課。それから私が指摘をした三つ目の資料は、昭和四十七年の一、二月期「月間労務概況」、それからもう一つは、職員の考課表というんですか、日常記録、こういうものをやっておるらしいが、ということで私指摘をしたんですが、まずその四つについて、御調査をいただきましたかどうかを最初にお伺いしたい。
○参考人(井上洋一君) お答え申し上げます。
 ただいまの御指摘の資料につきまして調査を実施いたしました。いろいろ調査いたしましたが、何分にも十年以上経過しておりますので、第一番に御指摘の「労使関係健全化のための方針」及び二番目の 「労務管理資料」、三番目の「月間労務概況」、この三つにつきましては、用済み後廃棄処分のものでございまして、会社に文書として保管したものがございませんでした。したがいまして、原文、本物という会社のそのものはありませんでした。そういう事情でございます。それから四番目に御指摘の、職員の考課関係といたしまして、現場で使っております日常記録表、これにつきましても、これも短期間しか保存しておりませんので――御指摘そのものにつきましてのものを調査したわけです。これも廃棄処分になっておりまして入手はできなかったわけであります。調査の結果はそうでございますが、これらにつきましてそれぞれ印刷物として出ておりましたものですから、それらの本物ではありませんが、その印刷物の写しを入手いたしましてしさいに調べました。
 以上、簡単にそのあったことにつきましてちょっと申し上げました。
○沓脱タケ子君 古い資料で私指摘をいたしましたのにはそれなりに意味があるんですね。というのは、労務対策の関係というのは一年や二年だけ――そのときの問題もこれは非常に重要な場合もございます。また十年以上にわたる労務対策というのもこれまた非常に重大な意義のある場合もございます。たまたま私御指摘を申し上げた昭和四十年、四十一年というあたりでございますけれども、これは昭和四十年から見ますならばもう十四年越しになるんですが、そういう十四年も前の労務政策、労務対策の方針の中に重大な問題が含まれていて、そして今日それが改善をされたということを聞いていないという場合には、これはやはり古い資料というのが非常に重大な意義を持つので、私特にこの古い資料についてお伺いをしたわけです。
 で、最初の三つはあったとおっしゃっておられますので、時間の都合がありますからあんまり詳しくは申し上げられませんけれども、実は私はこれを拝見して大変驚いて昨年の十月に質問を申し上げたわけでございます。これ拝見しますと、「労使関係健全化のための方針」などというもの、あるいは「労務管理資料」というのは、これは会社の方針として見なければならない内容になっているんですね。といいますのは、「労使関係健全化のための方針」、四十年一月のを見ますと、初めにこう書いてある。「本方針は、労務関係諸施策の推進に当たり、管理者並びに労務担当者が準拠するべき基本的方策を示したものである」、こういうふうにお書きになっているんですね。ですから、これはやはり会社の方針なんでしょうね。そういうふうに理解さしていただいてよろしいんですか。
○参考人(井上洋一君) これは十何年前のことでございますが、労使関係の問題でございまして、先生御指摘のとおり非常な重要な資料でございますが、当時といたしましての問題でございまして、労使関係年々生々発展しておりまして、そういうふうなことから、その労使問題といいますものは毎年私どもの方で検討を加え、会社としてどうすべきかということをやっておりますので、当時の問題といたしましてそうであったらしいようでございますが、これは現在は現在の方針でまた現在の労使関係、非常に相互の信頼関係、こういうものを基準に対処してきておりまして、決していままでも当時のものを使っておるというようなことは、先ほど申しましたとおり用済み後廃棄でございます事情も、そのようなことに考えておると思います。
○沓脱タケ子君 まあ当時は会社の方針だったと。私ちょっと不思議だなと思ったのは、たとえばいまの二番目に申し上げた資料を見ますと、これは「第五回東京大阪関門局労務懇談会要旨」という資料ですが、黒田常務あいさつというのが初めにやられているんですね。これを見ますと、「日共第一〇同党大会が開催されており、おそらくこの大会でもつて一九七〇年をめざす」云々ということを書かれておるんですよね。会社の労務対策で共産党の十回大会の方針まで、しかも、常務の初めのごあいさつにやられているというようなこと、これは非常に特筆に値するなと思ったんですね。
 それから、これは後でちょっと確かめますけれども、この前にちょっと御指摘を申し上げておりますので、その辺のところは確認をしておられるかどうかだけで結構なんです。たとえば、二番目に申し上げた懇談会の討論のところですね、「技術革新下の労務管理のあり方」というところで討論をやっておられるんですけれども、そこでは、これは井出安雄という東報の方らしいですね、その当時。現在は名古屋の局長さんなんですね。どういうことを言っておられるかというと、「左派対策として、防衛が叫ばれているが、攻撃は最大の防禦というところから徹底した差別待遇を主張したい。例えば、左派の主任の格下げは勿論のこと、社宅の入居、住宅資金の貸付、福利厚生、レク運動の選出等も徹底すべきと考える」云々と、こういうことが最初の報告の中で言われている。
 その同じ井出さんという方が、生理休暇に対してもずいぶん前近代的な考え方なんですね。法律でちゃんと定められているのに「生休管理の例でも、個人的肉体的条件はともかく、必ず二日をとる人と全然とらない人との間には当然、差別があるべきで、今の生休管理はあってなきが如しと考える」云々という、女子職員に対する考え方なんですね。
 それから、懇談会の中ではいろんなことを言われているんですが、その討論の中で、それぞれの方は前回私名前を申し上げましたからもう重ねて申し上げませんが、「心理的には差別してよいのではないか」とおっしゃる方があり、「厚生施設などについては、差別の方向に持っていくべきと考える」。また、石塚さんという人なんかは、「気持としては徹底的に差別でよい」。「差別といっても、一例として、年休を与えない等はできない。基本的には差別でよい」。で、「大報話」と書いてあるから大阪の電報電話局の方ですかね、東良という方が、「実際問題として、差別待遇の言葉だけ聞けば、シコリが残る。しかし、左派分子に対して、厳しく対処していこうとすれば、登用については、はっきりしている者は任用しない。これなどは明確に取り組めるが、日常の件は平素の行動をはっきりチェックしておかないと、意識的に逆宣伝される」ということで差別をするべきだということが具体的に論議をされておる。
 最も私はひどいなあ、大変なことをやっているんだなあと思ったのは、同じ二番目に私が指摘をしました文書の中で、「若年層従業員の指導について」ということについて、これはここに書いてあるとおり申し上げますと、大阪支社調査役石塚寿男という方が講演をしておられる、その中で言っていることがこれ大変なことをおっしゃっているんですね。指導員制度というのをつくってある、つくるということなんですね。「指導員の話が全国労担者会議で提起されたが、皆さんに誤解されている面もあるのではないかと思うが、これは決して旧陸軍の中野学校でもない。これが非公然組織だからということだけで、中野学校のように思われるかたがあるかも知れないが、中野学校のようにスパイをするとか、また、憲兵とかいう性質のものでは決してない。あくまでも人間的なものにつながってくる」云々ということなんですね。で、大阪では三十四人の非公然の指導員がおって非常に都合がよいということをお述べになっておられるんですね。
 で、私はこういうことをこの前具体的に言うたんですけれども、これは資料を確かめられてこういうことが現認されましたか、確認されましたか。
○参考人(井上洋一君) ただいま先生から御指摘をいただきました七つ、八つの資料でございます。これらにつきましては、会社といたしまして御指摘の関係者も呼び寄せまして調査を実施いたしました。先ほども申しましたように十四年もたっております事情でございますが、いろいろ調査をしてまいりました。本人から聞きましたところが、いずれも皆その記憶の薄れ、そういうようなものがございまして、これというはっきりしたものが得られなかったんでございます。そういうふうな事情でございますが、会社といたしまして、それではそういうようなことについて果たして会社としてどういうふうな手を打っておったかということも調査をいたしました。
 で、これらにつきまして会社といたしまして、政治関係、あるいは思想調査関係、あるいは差別扱い関係、先ほども御指摘のような社宅関係あるいは任用関係、そういうふうな問題につきまして関係のところを調べました。これらにつきまして、社宅等関係までの調査につきましては、非常に調査の結果がはっきりして、こういう事実はなかったということがはっきりいたしました。任用関係につきましては、何分会社の組織でございまして、組織が小さいものでございますし、関係する職員全部がその組織の職につくというようなこともできないのでございますし、それぞれ勤務状態、仕事の成績、あるいはその当時における実績、こういうふうな総合評価の上で公平を主義としてやっておったということがよくわかりまして、これらにつきましてその中で差別があるということにつきましては非常に結論が下し得ない、むずかしいということがわかりました。
 以上のようなことで、詳しく御指摘の点につきまして調査をいたしまして、その結果は、会社といたしまして先ほど申しましたとおり、思想の調査、あるいは差別扱いをするということのような指示を出しておったということは全くなかったんであります。また、任用関係につきまして、いま申しましたような公平、実績総合評価の上実施しておりまして、これらにつきましても問題はなかったと存じております。
 しかし、最近どこでも皆問題がございますが、中高年層の人事の停滞というのが見られます。これらにつきまして、われわれといたしまして職員の明るい、また希望の持てる、国際通信事業の中で一生を働いていくというような生きがいのために、問題であります中高年層の停滞の問題を何とか打開したい、こういうふうに苦心いたしまして、これらにつきましても今回は特にいろいろのことも考えまして、多くの職員が意欲を持って働くことができるように各種の手を打ちまして、任用につきましては実施いたしました。
 以上申しましたように、調査の結果は以上のとおりでございまして、非常に決め手のつかない問題でございましたが、以上のようなことで詳しく調査は実施いたしました。
 以上でございます。
○沓脱タケ子君 ずっと一連のお答えをいただいてしまったんですけれども、私が御指摘を申し上げたようなことが御指摘を申し上げた資料の中には確認をされたわけですね。
○参考人(井上洋一君) それぞれいま申しましたように、事項につきまして項目として調査上確認をしてまいりましたが、問題が古い問題でございまして、記憶の薄れ等がございまして、事実関係について非常に疑問の点がございました。
 以上でございます。
○沓脱タケ子君 いや、記憶をたどらなくてもちゃんと記録があるんだから、その記録で確認をいたしましたかと言うているんですよ。
○参考人(井上洋一君) 記録によって確認はいたしております。
○沓脱タケ子君 それで、任用等については、いろいろ総合評価をやったんだから文句はないんだとおっしゃっておられるんだけれども、実際にそういうふうにあなたの方の管理者の方針で、いわゆる中野学校だと言われるようなスパイ組織までつくって、そして、夜も昼もついて歩いておったということが思えるような生活記録、日常記録というのがあるんですね、この前指摘した。これは見つからなんだとおっしゃっている。この前に指摘をしましたけれども、こんなことを本当に書いておかなぁいかぬといったら、実際職員に夜も昼もついてないとやれないんですよ。だから、スパイ組織が生きてきたんだと思いますけれどもね。
 たとえばどんなことを書いてあるかといったら、五月二日、「公社市外電話局勤務M子と新宿クラブにて左派主催人前結婚式を行った」、「媒酌人はA夫妻」と書いてある。「人前結婚式」というような言葉は実は知らなかったんですね。そう書いてある。それで、ちゃんと聞いたら直属の課長らしいけれども、課長が判を押している。あるいは「六月十八日午前局舎前、午後三井生命路上で赤旗号外を配布」。七月は「特になし」、八月「特になし」。こういうことだとか、もっと細かいのは、「宿明けにSとTをときどき」――これは名前を伏せてS、Tと言っているんですよ――「SとTをときどき喫茶店に誘っている。特にSをマークしている」。四十五年の十一月には「内信のA連絡にくる」――これはある人の生活記録、日常記録ですよ。「十五時五十分帰りなのに十七時頃までいて五課Nと打ち合わせ、三課B三時間年休が一日に変更、何か会合があった様子である」。こういうのが、これはいま廃棄して、ないとおっしゃったからないんだろうと思いますが、現物なんですよ、これね。こういうことがやられていた。
 そういうことによって徹底差別をするんだという方針なんだから、昇任昇格は妥当にやられていたとおっしゃっても、これはやっぱり問題は残されていると思うんですね。現に五十歳になるような、ときには二十年、二十五年、三十年勤務をして職責について何ら問題なく仕事のできる人に対していまだに平で、同じに入った人がすでに課長、あるいは課長補佐になっているというようなことがずいぶんたくさんあるということで会社内で問題になっているわけですね。ですから、これはこういった点について、こういう問題については十年前であろうと、会社の方針としてこんなことがやられていたということは、これは社長、どうですか。
○参考人(板野學君) お答え申し上げます。
 ただいま私の方の井上参考人からお答え申し上げましたように、何分もう十四年もたっておりまして、中には書類がないというようなことも私、報告を受けております。しかし、私どもも先生がおっしゃいましたように、非常にこれは重要なことでございまするので、真剣にひとつ調査をして、少なくともこういう問題を明らかにしておく方がいいんだということでやらせましたわけでございまするけれども、書類上ではなかなかそういうような判定も、すぐこうだというような結論がつかない。また、いま先生がお挙げになりました本人等を呼びましても、記憶が余り確かでないというようなこともございまして、私どもはこれをはっきり確認するというところまでいきませんでした。
 しかしながら、先生がただいまおっしゃいましたようなことは、非常に会社にとりましても、また、一般のこの法の精神から申しましても大変重要なことでございます。少なくともここ十年ぐらい私どもいろいろ気をつけて調べておりまするけれども、そういうようないわゆる労務対策を思想、信条というようなことでもってやっていくというようなことは全然しておりません。また、すべきではないというふうに私ども考えておる次第でございます。そういうことにつきまして、私どもこれは結局従事員であり、かつ組合員の問題でございまするので、組合の幹部とも十分連絡をとりまして、こういうことのないようにいろいろの苦情があれば苦情を率直に受け入れて、これを一つずつ処理していくということをやっておるわけでございます。
 また、御指摘の人事という面につきましても、これはすでに私はこの国会の席におきましてもいままででも御答弁を申し上げておったわけでございまするけれども、やはりその人の能力、それからいままでの実績とか、あるいは本人がやっていこうという意欲というようなものを総合的に判断をいたしまして人事をやっていって、いやしくも思想とか信条とか、そういうものによってそれが左右されることがないというふうに心がけてはおりまするけれども、御承知のように、私どもの方の事業所も非常に人数も少ない、それからただいま管理者というものも、私の方では率としましては相当の率、ほかの企業よりもたくさんおりますけれども、何分にも中高年層が非常にちょうちん型に、ある意味でふくらんでおりまして、そういう処理上非常に困難を来しておるわけでございまするし、また、転勤、転任ということもなかなか意に任せないという点がございまして、いささかそういう面について、あるいは人事上の不平というような、あるいはそこにあることもあるというふうに考えますので、今後はさらにそういうことを気をつけまして、ただいま先生のおっしゃいましたように、そういうことで差別が起こらないように十分気をつけまして、公平なる人事を行うように私ども一生懸命やりたい、こういうことでございますので、ひとつ御了承いただきたいと思います。
○沓脱タケ子君 社長がおっしゃった総括的な御意見はそのまま受け取りたいと思うんですが、具体的にちょっと言うておきたいんですがね。廃棄されて、ないと言われた日常記録とか、職場の指導員組織とやら言うて、中野学校と言われるスパイ組織とか、少なくとも社長の部下の職場の職員をスパイ組織で日常を見張らせるというふうな、こういう人権じゅうりん的な労務対策というものは一切やめるべきだ、少なくともあったんだから。いまもあるんかどうか知りませんが、これはあるんだったらやめるべきだ。それから生活、日常記録というふうなものはやめるべきだ。
 本当に職場の皆さん方が明るく、意欲的に仕事のできる、職員同士が信頼し合ってやっていけるようなそういう労務管理、労務対策というものをやるのがいま国際電電が担っておられる任務を遂行していくためにも最大の課題だと思うんですね。そういう基本的な立場にお立ちになって具体問題について、いま申し上げたそういうことについてはきっぱりやめるということをおっしゃるのかどうか、その辺をはっきりしておいてください。
○参考人(板野學君) ただいま先生がおっしゃいました日常のいろいろのそういう生活記録というようなものは、過去そういうものが実際あったかどうかということを井上取締役からお話がございました。そういうことは私つまびらかでございませんけれども、私自身そういうものはあっちゃいけない。いわゆる生活行動記録というものじゃなくて、人事を評価をするような簡単なものがあっても、少なくともそういうものは私は全然この十年間ぐらい聞いたこともございませんし、やっておらないということをここで確認してもよろしゅうございます。
 私どもは健全なる、明朗なひとつ労使の関係というものを打ち立てて初めて、国際通信が国際の場に出ても十分な働きと、そうしてサービスができるというように信じておりまするので、先生のおっしゃいましたように、そういうことで私ども今後はそういう個人の行動を看視するということは絶対にないように、またはないということをひとつここで断言をいたしまして、御答弁にかえたいと思います。
○沓脱タケ子君 最後に。はっきり断言をするとまでおっしゃっておられるんで、御信頼申し上げます。日常記録表等の個々の資料がないんだから追跡できないで、だれがどのように差別をされたかということは結局わからないということだと思います。お話のぐあいを見たらね。しかし、客観的にどうも不公正を受けたんではないかと思えるような人たちが相当数おるというふうに私も思いますので、そういった点はきちんと見直して、是正すべきは是正するという立場をおとりになりますか。
○参考人(板野學君) 先ほど申し上げましたように、あくまで人事は公正に、そういう方向でいたしますので、私どもとしては、今後もしそういうようなことがありますれば、私ども十分気をつけて、そういう従来の方針によりましてやりたいというように考えております。
○沓脱タケ子君 その最後になるとややこしくなるんですが、私は個々がわからないとおっしゃるから踏み込んで言わないだけなんだ。御理解をいただいているんだろうと思いますので……。しかし、客観的には不公正な扱いではないかと思える人たちというのは相当数おる。これは一けたや二けたじゃないということで私は問題にしているんです。その点で、ひとつ明朗な職場をつくるという立場で御検討いただくということをはっきりしていただければ、もう終わりたいと思うんです。
○参考人(板野學君) 先ほど申し上げましたように、非常に職場が小さいもんですから、いろんな面でこれはもうそういう点がございます。ございます点につきましては、私どももそういうことで職場が暗くならないように、ひとつ是正すべきところは是正していく、こういう考え方でございます。
○沓脱タケ子君 じゃあ、もう時間ですので終わります。
○木島則夫君 何分時間が制約されておりますので、ひとつ簡潔に要点のみを御返事をいただきたいと思います。
 最近、電気通信ユーザー協議会というところからユーザー白書が送られてまいりました。この中には多くの問題が提起をされている。よくわからない点も実はあるわけでございます。この中には郵政省が関係をするもの、また日本電信電話公社が関係するもの、あるいはKDD、国際電信電話株式会社が関係するものもあるようでございます。私はこの種の問題について専門外でございますので、ひとつこのユーザー白書で取り上げられた問題に対して一体郵政省がどう考え、KDDがどう考えているかということをはっきりおっしゃっていただくことにより基本的な確認をまずしたい。
 そういう意味を込めて、まず第一問でございますけれど、この国際電信電話株式会社が関係しているものはどのような問題があるのか、おっしゃっていただきたい。
○参考人(木村惇一君) このユーザー白書は、これは私ども直接いただいたわけではございませんで、間接的に入手したものでございますが、それを拝見いたしますと、冒頭に「データ通信振興に関する提言」と題しまして四項目ほど挙がっております。ただいま先生から御質問がございました国際電信電話株式会社が関係するものと思われますのがその第一項の「利用態様の自由化」、それから第二項の「料金水準の引下げ」と、この二点であろうかと存じます。
○木島則夫君 そこで、少し具体的に伺ってまいります。
 通信回線の利用態様についてですね、白書では、アメリカにならってわが国でも他人使用、共同使用の制約を全面的に排除をするとともに、メッセージ交換もアメリカ並みに自由化すべきである、こういうふうに言っております。これに対するKDDのお考えというものをまず伺わさしていただきたい。
○参考人(鶴岡寛君) お答えを申し上げます。
 本件につきましては、私どもはユーザー白書につきましての諸説はいろいろと認識の不十分な点、誤解等があるように思っております。一つは、米国にならえという点でございますが、御案内のように、米国は何と申しますか、沿革的、歴史的に自由競争を旨として、単に通信のみならず、あらゆる分野において発展をした国でございます。したがいまして、そこには自由競争の原理が働いております。しかるに、欧州また日本、これはいろいろな通信需要の市場等の関係もございますし、またその本来的な風土からしまして独占をとっておるわけでございます。根本的にそのような風土の違いがあるということを無視されまして、米国にならえという点がわれわれには解せないという点が一点でございます。
 さらにもう一点につきましては、米国の実情についていささか誤解があるような気がいたしますが、それは、米国では何と申しますか、一般のデータ業者等についても回線の自由な使用が許されているように受け取れ、読みとれるわけでございます。しかし、そういうことではございませんで、恐らく誤解をされたのではないかと思いますが、自由使用が許されておりますのは本来の、従来からのキャリア、RCA、ITT、WUI等でございましたが、近年それに加えましていわゆる再販業者と申しますか、ATTから回線を借りまして、それにいわゆる端末機を付し、回線の効率的利用をしておるいわゆる付加価値――回線に価値を付加しますので付加価値業者と申しますが、そういう業者、これに対しましてそういうふうな自由使用を与えましたわけでございます。まあ略称いたしましてVAN業者、あるいは再販業者と申しますが、それの誤解ではなかろうかという気がいたします。
 しかも、その再販業者といたしましても、それは自由使用が許されておりますのは国内だけでございます。国際的には従来どおり三つのキャリア、RCA、WUI、ITT等だけがいわゆる自由使用が許されておる。そうでございます。それで、そのVAN業者、再販業者がそのように自由使用が認められましたのは、連邦通信委員会、FCCからキャリアとしての認定といいますか、それを得まして、しかし、同時にFCCの規制、監督に服するという条件でそういう地位を獲得したそのような業者が認められておると、まあそういうふうな実態でございますから、米国並みといいましても、なかなかユーザー白書の言うような意味とはいささか異なっておる、そういうことが申せるかと存じます。
○木島則夫君 非常によくわかりました。一つはアメリカのつまり風土を無視しているんだということですね、いま。それから、アメリカの実情についての誤解があるんだと。つまり、客観的事実を踏み違えた上で、こうしたらいいんではないかという提言が行われている。
 で、先ほど同僚委員からもお話がございましたように、この種の白書が――国会議員、特に逓信委員のところに参られますと、皆さんは大変勉強熱心で愛社精神に富んでおいでになるから、いろいろ御説明になる。これは私は結構だと思います。それと同時に、たとえばこういう客観的事実の誤認があるような問題については、外に向かってPRをなさるというか、この辺が少し欠けているんじゃないだろうかと、私はこれはよけいなことかもしれないけれど一言申し上げて、さてそこで、公衆通信事業者以外の者のメッセージ交換については、これは国際的にどんなふうになっているか、ちょっと御説明をいただきたい。
○参考人(木村惇一君) 公衆通信事業者以外の者のメッセージ交換についての御質問でございますが、まず、メッセージ交換ということは、一般に言われておりますのは、端末相互間で内容を変更することなく他人の情報を媒介することを指す、すなわち、現在電電公社とかKDDが行っております電信電話、こういった事業はまさしくメッセージ交換になるわけでございます。
 そこで、このメッセージ交換と、それからコンピューターを一方の端末とする専用回線、わが国ではこれを特定通信回線と呼んでおりますが、これに関して国際的にどういう取り扱いになっておるかという御質問でございますが、これに関しましては、国際電気通信連合の常設機関でございます国際電信電話諮問委員会、すなわちCCITTという組織がございまして、ここで世界各国の電気通信事業の間におきまする技術、保守、運用、料金制度といった諸問題について相互の調整を図る意味におきまして、幾つかの研究委員会を設けて研究を行っております。その一つとして第三研究委員会というのがございますが、その委員会におきまして、この国際間の専用回線の料金制度といった問題を取り扱っております。
 そして、この諮問委員会は四年ごとに総会を開きまして、その期間において合意を得られました研究の結果を勧告という形で公布いたします。そして、この勧告はITUに加盟しておりますすべての国が原則としてこれに従うということになっておるわけでございまして、ただいま御質問の専用回線の点につきましては、Dの1と名のついております勧告がございます。その勧告の表題は、「国際(大陸内および大陸間)――この「大陸」と申しますのはヨーロッパ大陸の意味でございます――私用賃貸電気通信回線の賃貸の一般原則および条件」という勧告がございます。
 これはかなり長いものでございますが、ここで現在問題になっております点と関係する点だけごく簡単に申し上げますと、その一の十項に、「主管庁は、申出のあった顧客の活動が第三者に電気通信業務を提供するという主管庁の果すべき業務の範囲を侵害するとみなされるときは、その顧客に対する国際私用賃貸回線の提供を拒否する。」と、こういう大きな原則がございます。
 それから、さらに七の三項におきまして、「私用賃貸回線が一方の端末においてデータ処理センターに終端するときは、他方の端末は、つぎの条件により公衆通信網または他の私用賃貸回線に接続することができる」、ちょっとややこしい言い方でございまするが、国際間の賃貸回線の一方が、「データ処理センター」と申しますから、コンピューターにぶら下っておるときは、もう一方の端末は、これから述べるような条件に従っているときは「公衆通信網または他の私用賃貸回線に接続することができる」ということで、そのまずa項といたしまして、「利用者をデータ処理センターに接続している賃貸回線は、直接にまたは「蓄積・交換」方式により利用者の端末間の情報を交換するために使用してはならない」、これもちょっとわかりにくい条項でございまするけれども、利用者とコンピューターをつないでおります回線というものは、直接または蓄積・交換方式――一度蓄積して交換する方式でも、そのまま直ちに交換する方式でもいいけれども、これによって利用者の端末間の情報を交換するために使ってはならないということ、これを回線の面からとらえ、次にb項といたしまして、「かかるデータ処理センターを通じて、データ処理センターに接続する利用者間のメッセージの伝送を行なうことは許されない。」、今度はデータ処理センターの面をとらえまして、ここで利用者間のメッセージの伝送を行ってはならないということをはっきり明言しておるわけでございます。
 そのほかいろいろ細かい規定もございますが、この勧告は、先ほど鶴岡参考人からの御指摘もございましたように、アメリカにおいてもある程度守られておりますし、さらに欧州諸国等においても広く守られており、またわが国の法制もこれに従ってできておるというふうに解釈しております。
○木島則夫君 きょうは私の私見をいろいろ申し上げますと時間がとてもないので、ユーザー白書に対する皆さん方の、KDDの基本的な考え方を私きょう確認をして、後日またこの問題をふくらましていきたいという意味で、ひとつ簡潔にお答えをいただきたい。
 次に、データ通信回線の共同使用についてKDDはどういった基準によってサービスを提供しているか、この点です。
○参考人(鶴岡寛君) 共同使用の基準につきましては、公衆通信法の第五十五条の十一並びにこれを受けました公衆電気通信法施行規則がございますが、その四条の十三によりまして行っております。これには二つございまして、一つは、いわゆる郵政省の定めました基準に合致した場合には一応承認が得られるという基準認可の場合が一つございます。もう一つは、お尋ねからちょっとそれますが、一つの広い意味の基準でございますが、郵政大臣が個々のケースについて個別に御審議されて承認をされるといういわゆる個別認可、この二種類がございます。
 前者の郵政省の定めます基準と申しますのは、共同使用契約申込者の間に一定の業務上の関係があって、その関係が基準に適合する場合、たとえばその共同利用者が国の機関または地方公共団体である場合とか、あるいは共同に同一の業務を行うというような場合でございます。その他これに類するものが六項目列挙してございます。それに合致した場合共同使用を認められておるというわけでございます。しかし、この場合もあくまでもメッセージ交換は禁止されております。
 なお、郵政大臣の個別認可の場合でございますが、この場合には業務上の関係は必要といたしませんが、しかし、一つのコンピューターとの間でいわゆる行って帰ってこいと、そういう形しか認められていない。大体以上のとおりでございます。
○木島則夫君 郵政省にお伺いをいたしますが、白書では、日本の「現行法は、コンピュータ化の進んだ現在ではもはや「前時代の遺物」といっても過言ではあるまい」、こういう言葉を使っております。これについて郵政省はどういうふうな見解をお持ちですか。
○政府委員(寺島角夫君) ただいま御指摘のユーザー白書の言い方というのは、いささか過大であろうかというふうに考えておりますが、先ほど大木先生にもお答えいたしましたように、この四十六年に制定をされました公衆電気通信法の改正によりまして、現在の日本のデータ通信の一つの秩序と申しますか、制度ができ上がっておるわけでございますが、これがその後の技術の発展、利用態様の変化等によりまして、その時点に法をつくりますときに想定をしておらなかったような態様が出てきておることも事実でございまして、こういった時代の変化に即応したような法の制度のあり方ということにつきましては、われわれ常々研究をしておかなければならない問題と考えておりまして、現在もその検討に取り組んでおるところでございます。
○木島則夫君 もう一言聞かしていただきたい。
 変化に対応するというのは先ほども伺いましたね。しかし、一貫してやっぱり郵便省のこれからの通信政策なり制度に対する、データ通信の秩序というんでしょうか、こういうものをどう守っていくか、情報化時代にどう備えるかという、こう首尾一貫した何かビジョンみたいなものがなきゃならない。そういうものが主体性として根本になければ、この変化の激しい情報化時代に押しまくられて、あっちへ行ってあっぷあっぷ、こっちへ行ってということになったら、これは大変ですね。基本的なそこにもう一つ考え方、ぴんと張ったものがなきゃいかぬと思うんです。これはあんまり時間がありませんけれど、ひとつ触れておいていただきたい。
○政府委員(寺島角夫君) 御指摘の趣旨は、日本の公衆電気通信と申しますか、電気通信のあり方というものがやはり国民生活の利便、そして公共の福祉というものに役立つものでなければならないというのが基本的にあろうかと思います。
 その観点からいたしまして、公衆電気通信と、それから新しくこういうふうに非常に発展をしておりまして、さらに将来の発展もいろいろと考えられますデータ通信というものをどういうふうに位置づけていくかということであろうと思いまして、それにつきましていま私ども検討いたしておりますのは、一定の予断、あるいはその前提を置いてではございませんで、現在の制度というものを頭に置きながら、その中でどこをどう改善をする必要があるのかということについて現在検討しておるわけでございまして、決してそれを何と申しますか、基本的な哲学なしにというふうには考えておりませんけれども、同時にまた、現状固定的に、それはもう動かせないものだという形で検討に臨むのもいかがかと考えまして、各方面の意見も十分に吟味しながら検討してまいりたいというふうに現在取り組んでおるわけでございます。
○木島則夫君 いまの問題を含めて、私はこれから情報化時代における郵政省の役割り、果たす役目、置かれている立場というものの重大さというのをこれまで繰り返し繰り返し申し上げてまいりました。また機会を見てこういった問題については深く突っ込んでお話を伺いたいと思いますが、社長に伺います。いまの日本の現行法は、コンピューター化の進んだ現在では「前時代の遺物」といっても過言じゃないんだということに対する郵政省のいま基本的なお話があった。あなた方はどういうふうにこれをおとりになっているか。
○参考人(板野學君) コンピューターの技術は大変発展いたしました。コンピューターの技術というものは、通信と結びついておるんだというところに何か新しいものが生まれるんじゃないか。それは結果として私は生まれると思います。しかし、通信というものは人と人との間の情報なり意思の交換、人と機械との間の意思の交換、機械と機械との間の意思の交換でございまするから、別に通信それ自体が新しくなったというものじゃなくて、その利用の仕方、やり方をひとつコンピューターとか、最近の通信情報化社会に合わせるようにこれを利用していく、こういうことが私は大切なんじゃないかと思います。
 したがって、私どもがただいまVENUS計画とか、いろいろデータ通信にやっております技術開発というものは、決してそういうような新しいコンピューターとデータの結びつきによって生ずるいろんなお客さんの利用に不便をおかけするようなことはないということを確信をしておりまするし、アメリカはいざ知らず、アメリカ内におきましても国際通信というものは非常にむずかしゅうございます。コンピューターの端末がアメリカにおるわけですから、私どもは諸外国にあるコンピューターを自由に支配するということはできません。プライバシーの問題もいろいろございます。そういう問題をしっかり私どもはこれを確かめてやる必要があるんじゃないか。
 したがいまして、少なくとも国際通信に関する限りは、これはメッセージの取り扱いとか、あるいはプライバシーの問題とか、あるいは情報センターをつくるというような事柄につきましても、十分国際の諸情勢の把握のもとにやらなきゃならぬと同時に、そういうお客さんの要望に対して答え得る技術があるかないかということが大変私は問題だと思います。KDDは少なくともそれに答え得る準備をいたしておる次第でございます。
○木島則夫君 白書でも、国際加入電信あるいは国際電話を用いて国際データ通信ができないのはおかしいんじゃないかと、こう言っておりますね。これもいままでのお話の中からもうすでにお答えが出ているとは思いますけれど、確認の意味でひとつお聞きをしておきたいと思います。
○参考人(福地二郎君) まず、国際加入電信を用いた国際データ通信につきましては、もうすでに現在当社の制度におきまして利用が可能となっておりまして、相当数の御利用をいただいておる実情でございまして、この点については白書の指摘は事実と相違するものでございます。
 もう一つ、国際電話網を利用した国際データ通信につきましては、現在欧州内の一部では取り扱っておるようでございますけれども、世界的にはまだほとんど制度的にはこれを認める、取り扱うという状況にはなっておりません。そういう実情でございまして、私どもKDDが国際電話網を利用した国際データ通信サービスを提供するためには相手国との合意が必要でございますけれども、その相手となる最も通信量の多い米国とかあるいは韓国、台湾、香港等でもまだこれを認めるという国内体制になっておりません。このような実情でございますから、この問題につきましてはもう少し国際的動向を見て措置する必要があるかと思います。
○木島則夫君 もう二問ほどよろしゅうございましょうか。
 KDDは昨年、災害対策基本法に定める指定公共機関の指定を受けて、国の防災体制の一環として従来にも増して重い責任を負うことになったわけでございますけれど、非常災害時においても通信路を確保できるようどのような対策がとられているのか。
 また事業計画書では、本年度は大阪地区に加入電信電子交換設備の設置、それに電話交換設備の増設、局所間通信体制を強化するための設備の拡充というようなことが計画をされております。これ一々具体的な内容についてここで御回答をいただくともう私の持ち時間がないもんだから、つまりこういうことをきちっとやっていくんだと、防災に対する備えは十分なんだという、むしろ決意のほどをひとつ聞かしていただきたい。
○参考人(笹本昴君) ただいま先生の御指摘のように、昨年の十二月、災害対策基本法によりまして指定公共機関にKDDが指定されました。本指定によりまして、防災あるいは災害からの復旧に関しては、便宜も与えられますけれども、また、防災業務計画の作成でありますとか、あるいは災害時の応急措置等、災害対策基本法と、これに特別法によりまして大規模の地震対策措置法の種々の責務も負うことになりました。したがいまして、私どもはいままでも非常障害時の国際通信の確保につきましては、伝送路あるいは交換機の複数化でありますとか、非常障害対策設備の拡充等を行いまして万全を期しておりますけれども、特に今回指定公共機関への指定を機にさらにこれを充実いたしまして、われわれの持っております公衆国際通信サービス提供の責務を充実して図っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○木島則夫君 もう少し具体的に細かく伺いたいのですけれど、制約がございますから、最後に、東京サミットを控えて国際通信の需要が殺到もするだろうし、これは錯綜するだろうと思いますね。こういうものにどう対処をしていかれるのか。
 それから一つ心配なのは、異常事態が起こるんじゃないだろうかと、こういうものに対してやはり万全であってほしいという、これは私どもの希望とこれに対する対策――あと三分ほどあるようですから聞かしていただきたい。
○参考人(児島光雄君) お答え申し上げます。
 来月の二十八、二十九日に予定されております東京サミット会談におきましては、その会議の重要性、それから規模の大きさにかんがみまして、弊社といたしましては特別の対策をもって臨むべく、昨年の十二月に東京サミット国際通信対策本部というものを設けまして、これによりまして全社的な体制でこれに臨むということにいたしております。郵政省、外務省、さらには警察庁の方からも適切な御指示をいただきまして、これに基づきまして進めておりますが、国内のネットワークとの関係もございまして、電電公社とも、あるいは国内報道機関とも密接な連携を保って進めております。
 また需要の把握につきましては、参加国の通信事業者あるいは在日の公館等を通じましてこれを把握いたしております。
 具体的な対策、項目だけ申し上げますと、臨時取扱所の開設でございますが、これはプレスセンターがホテルニューオータニに設けられることになっておりますので、ここに臨時取扱所を設ける。それから羽田空港、これも発着の関係がございますので臨時取扱所を設けることになっております。
 なお、このサミットの前に米国からはカーター大統領が早く到着されますので、この関係もございまして、またアメリカは一般のプレスセンター以外に、特別にホテルオークラにアメリカのプレスセンターを設けたい、こういう話がございまして、そちらの方にも所要の設備を設けることにしております。
 それから、これに伴いまして国際回線の増設でございますが、これも電話、テレックスそれぞれ電話四十三回線、テレックス十三回線を臨時に増設するという体制でございます。
 最後に、非常に重要だと思われますのは、今回の行事に臨みまして警備体制を確保するということでございまして、これにつきましては、関係方面と十分連絡をとりましてこの設備への出入り、それから設備の確保その他につきまして特に要員を配置いたしまして、巡回その他万全を期して臨みたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○木島則夫君 委員長、結構でございます。
 どうもありがとうございました。
○中野明君 大変時間も詰まってきておりますので、ずいぶん用意しましたが、要点だけ質問さしていただきたいと思います。
 まず最初に、郵政省の通信、放送に対する姿勢でございますが、これは先ほど来各委員からいろいろ厳しい御意見も出ておりますが、私も監督官庁としてこの通信、あるいは放送のこの日進月歩の動きについていっていないんじゃないかという気持ちを持っております。すべてが後手に回って、電電の門戸開放の問題にしましてもそうですし、データ通信もそうです。あるいはまたいま各党とも、特に野党側ではこの放送大学の問題につきましても、郵政省の放送というものに対する考え方が非常に私ども理解に苦しむような、そういう法案の出し方になって、いま野党各党非常に党内で議論が出ております。
 こういう状況で果たしていいんだろうかと、私ども心配をいたしておるわけですが、改めてもう一度郵政大臣から今後の――郵政省というのは郵便だけじゃございませんので、特に通信、放送関係の今後の取り組みといいますか、内容の充実拡大、監督官庁としてその組織の充実をぜひ思い切ってやっていただきたい、こういう気持ちでおるんですが、最初に郵政大臣からお答えをいただきたい。
○国務大臣(白浜仁吉君) 私もいままで、郵政省とは御承知のとおり非常になじみが浅い役所でございまして、私なりにこの約五カ月間ばかりの間にいろいろ従来の自分の経験なり知識なりで黙って見ておりまして、おっしゃるとおり非常に手薄じゃないかというふうな感じがいたしておるわけであります。それを率直に先ほど前田委員に申し上げましたら、おまえだけが悩んでおったってしょうがないじゃないかというおしかりをちょうだいいたしましたが、まさにそのとおりで非常に人手が少ない。その中で、私の部下もそれぞれの立場で非常な苦労をしているというふうに考えるわけであります。午前中にも衆議院の逓信委員会で、いま御指摘を受けました問題についてもいろいろおしかりをちょうだいするやら、あるいはもう少しこんなとところはこんなふうにした方がよくはないかというふうなお話もるるあったわけでございますけれども、私どもの方でも練りに練っていま提案をしてお願いをしているというふうなところでございますので、どうかその点御理解をいただいて御審議を進めていただきたいということを私は率直にお願いをしてまいったところであります。
 いま局長は見えておりませんけれども、官房長が御指摘の点については見えておりますので、また御説明をさせていただきたいと思います。
○政府委員(林乙也君) ただいま大臣から御答弁申し上げたとおりでございますが、郵政省の任務といたしましては郵政、郵便貯金、保険という郵政事業の経営をつかさどるだけでございませんで、通信主官庁といたしまして電気通信、放送等の規律に関します行政事務を任務といたしておる官庁でございます。この適正な規律と公共の利益の増進のために適切にこの事務を運営していかなければならないものというように考えておる次第でございます。
 ただ、これらの分野につきましては、最近とみに技術的、あるいはその利用の面につきまして発展、変化の著しい分野であると同時に、また特に放送に関しましては言論にかかわる分野でもございますので、関係の各方面の御意見を十分承りたがら対処していかなければならないというように考えておる次第でございます。
 また、今回放送大学学園法の提出に当たりまして、その附則によりまして放送法の改正につきまして御提案を申し上げておる次第でございますが、これらの点につきましても、それは放送法の改正というものを軽く見るということで附則に上りまして御提案いたしたのではございませんで、放送大学学園の設立と密接不可分の法律であるという観点から、附則によります改正の御提案を申し上げた次第でございますので、どうかひとつ御理解を賜りたいと考える次第でございます。
○中野明君 いずれにしましても、余りにも変わり過ぎる、そういう時代の流れについていけないで右往左往しているような感じを受けてなりません。その結果が全部後手後手ということに回ってきて、ですからやはり従前と違うわけですから、新しい時代に対応して組織の拡大といいますか、機構の大改革をしないとついていけないんじゃないか、監督官庁としての責任を果たせないんじゃないかという心配をいたしております。どうか今後その面について前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 きょうはKDDの方でおいでいただいておりますので、ただいま木島委員からもお話が出まして、東京サミットのことは私も心配をしておりましたが、一応御説明がありまして理解をいたしましたが、来年モスクワのオリンピックが行われます。それについてのテレビの中継回線、これが心配ないのかどうか、通信面と両面においての準備状態、時間がございませんので簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○参考人(笹本昴君) お答え申し上げます。
 来年の七月から八月にかけましてのモスクワ・オリンピックのときのテレビを中心にしました通信対策でございますが、すでに私どもの社内に本年三月、モスクワ・オリンピック通信対策本部を設置いたしまして、全社的にその準備を進めておりますが、これまでの需要調査によりますと、モスクワ・オリンピック時には電話、加入電信、音声級専用回線、音声放送等の若干の臨時増設が予測されておりますし、また先生御指摘のテレビ伝送も需要がかなりございますけれども、いずれも、十分その手当てができるつもりでおります。
 テレビ以外のサービスの増設につきましては、現在、東京−モスクワ間の伝送路として日本海を経由いたします日本海ケーブルがございますが、この中に臨時に増設することによりまして、テレビ以外の各サービスに対する回線は全部直通で東京−モスクワ間に設定することができることになっております。それから、万が一日本海ケーブルが障害を起こしましたような場合には、たとえば西独の地球局を経由いたしまして、インド洋のインテルサット通信衛星によるバックアップルートを用意しておきまして、御迷惑をかけないようにしたいと考えております。
 それから、テレビ伝送につきましては、現在はインド洋衛星は、テレビ伝送は常時一チャンネル分しかございませんので、送信あるいは受信を一伝送しかできませんけれども、来年のモスクワ・オリンピックまでには同時二伝送ができるようにインド洋インテルサット通信衛星の中に伝送路が設定されますので、御要求によりましては同時二伝送のテレビも可能性としては十分提供できるようになることになっております。
 以上、簡単でございますが御報告申し上げます。
○中野明君 了解しました。
 それで、これは私、おたくが出されたパンフを見ておりますと、五十年の十二月ですか、発行されたパンフなんですが、「沖繩・ルソン・香港ケーブル」の「第二太平洋横断ケーブルの陸揚げに伴い」まして、「沖繩と本土を結ぶ海底ケーブルの建設が大きな課題となっている。」云々というふうにこの中にもうたわれております。「できるだけ早く、昭和五十五年ごろを目途に完成するよう検討を急いでいるところであります」と、このパンフの中に書いているわけです。で、KDDとして具体的にこのケーブル施設のために海洋調査予算もつけられたやにも聞いておりますが、その後の状態はどうなっておるのですか、そこのところを御説明いただきたい。
○参考人(福地二郎君) 沖繩−本州間海底ケーブルにつきましては、できるだけ早く建設計画を確定するために郵政省の御指導を仰ぎながら、昨年に引き続きまして電電公社とも協議を進めつつあるところでございます。先生も御承知かと思いますけども、現在沖繩が第二TPCやそれからOLUHOケーブルが陸揚げ運用されており、また本年夏には沖繩−台湾ケーブルも開通が予定されている。さらにフィリピン以南のASEANケーブルにも接続が可能となりますので、今後沖繩経由によるところの対外回線は逐次増加していくことが見込まれております。
 こういう関係でKDDとしましては、本州−沖繩間に国際通信のためのケーブルの早期建設が必要でありまして、望ましいと考えているわけでございますが、また外国の通信事業者からもできる限り早期にこのケーブルを建設するよう強く要望されているようでございます。そういうわけでございますけれども、まだ電電公社との協議が最終段階まで了解を得るまでに至っておりません。
 そういう実情でございますので、いま御質問の海洋調査につきましては、これまで海図等により予備的な検討をしてまいりましたけれども、いずれ計画が確定次第本格的な海洋調査を実施したいと考えておる次第でございます。この上はさらに郵政省の御指導も受けながら、このケーブル建設計画確定のために電電公社との間の協議をさらに詰めていきたいと考えておる次第でございます。
○中野明君 おっしゃるのはわかるんですが、KDDとしてもできるだけ安い料金で利用者にサービスをしていくというのはこれはもう当然のことでございまして、電電公社との話がつかない間は、とにかく国内のいわゆる電電公社の回線を使っているわけですから、そうなりますと――外国の通信業者の要請というのは、沖繩から日本の国内回線を使う料金が一般の料金と一緒で、それをもう少し安くしてくれぬかというところから海底ケーブルの話も出ているんじゃないかと思います。
 そうなりますと、せめて、電電公社とKDDも同業者ですから、一般の人が使うような料金というよりも、同業者間として普通の、変な言い方かもしれませんけど、卸値段でしてもらうとか、そういうような話し合いができないものなんだろうか。いまの状態では、いつまでたっても、これ話がつかない間は高い料金を外国の通信業者に負担してもらわなきゃならぬ。
 こういう点、郵政大臣、やはり郵政省がもっともっとそういう点について、日本はもう諸外国からも先進国として、経済的にも非常に持てる国として認められている今日の状態ですから、やはりそういう面をもっともっとサービスをするということも私は必要じゃないだろうか。その辺、電電公社とKDDの間で話をしても、お互い同士ではなかなか利害の関係していることですからむずかしいんじゃないかと思いますが、仲介の労といいますか、あっせんといいますか、郵政省としてはどういうつもりでおられるんですか。その辺を……。
○政府委員(神保健二君) お答えいたします。
 先生の御指摘まことにごもっともだと思います。で、KDDと電電公社の関係、いまお話ございましたように同じキャリア相互ということでいろいろとその業務関係というのが多岐にわたっておるわけでございまして、もちろん国際と国内ということでそのサービスの地域は分かれておるわけでございますけれども、やはりこの公衆電気通信サービスというものを円滑に提供するためには、この両者が相互に緊密に協力する必要は肝要であろうというふうに考えておるわけでございます。
 で、本件のKDDの沖繩−本州間のケーブルの建設計画におきましても、やはり同じように両者が深くかかわり合いがあるということでございますので、これはお互いに良識のある企業でございますので、まず両者の間で十分話し合って今後の国際、国内の公衆電気通信業務が円滑に提供されるための努力をすることが必要であろうというふうに考えておるわけでございまして、いま郵政少といたしましてもこの趣旨にのっとりまして、両者に強くそういう話をいたしまして指導しておるところでございます。
○中野明君 外国の通信業者から、そういう点についてはもうすでにずいぶん長い間要望が出ておるわけですから、それにこたえていくというのがやはり日本としての役目じゃないだろうか、そういうような気がしてなりません。その辺、ただ両者が良識を持っているから話し合いをするのを待っているというんじゃなしに、郵政省の方でもこれは国際的な一つの信用の問題にもなってくるでしょうから、積極的にこの問題については処理を進めていただきたい、このように要望いたしておきます。
 それからこの後、機構法案の趣旨説明もあるやに聞いておりますので、もういろいろ用意してきましたけれども飛ばします。
 最後に、昨年来懸案になっておりますKDDの適正利潤、これKDDが非常にもうかっているということを、中身を別にして言われておるんですが、適正利潤というものをどの辺に一体置くべきか、あるいはその適正利潤を設定する方がいいのか悪いのか、その辺を御検討いただくように昨年御提案を申し上げておりました。郵政省とKDDの両方にこの問題についてはその後の経過について御答弁をいただきたいと思います。
○参考人(鶴岡寛君) それでは私よりその後の経過について簡単に申し上げさせていただきます。
 昨年来私どもは委員会等を十数回にわたりまして開きまして、鋭意検討を進めてきたわけでございます。しかし、私どもの検討した結果につきましては、外部の学識経験者のアドバイス、あるいは監督官庁の御指導などをまだいまの段階では得ていないものでございます。そういうものによりましてさらに充実したいと思っておりますので、まだ確定的なことを申し上げる段階ではございません。
 したがいまして、中間的な検討経過の概要だけを申し上げさせていただきたいと存じますが、私どもは適正利潤というものに対しましてアプローチする方法としまして二つの方法をとったわけでございます。一つは総資本利益率という考え方をとりました。これはいわゆる税引き後の利益でございますが、税引き後の利益を平均総資本で割りました率でございます。これでございますと、計算も非常に簡単で少し簡略かもしれませんが、適切な手法と考えておるわけでございます。
 それで、電電公社側が先般出しました電信電話諮問委員会の答申では、これが六ないし八%と出ていたやに聞いております。ちなみに私どものそういう考えのもとにやりました総資本利益率の実績は四十九年は七%でございましたが、それから漸次下がりまして、五十三年度は先ほど社長の御説明もございましたように五・九%に下がっておるというような実態でございます。そして、これは外国の通信事業者の総資本利益率に比べますと大分低いという実態でございます。たとえばRCAでございますと六・八、ITTは一五・六、WUIは一一・五、オーストラリアのOTCは九・九というような状況でございます。これ御参考までにちょっと申し上げさせていただきます。
 そうして第二のアプローチの方法、これが最終的には本番になるんじゃないかと存じておりますが、これはいわゆる資本報酬率という考えに立っております。これはわが国の電気事業、ガス事業、あるいはまた米国、英国の通信事業に適用されておる方式でございます。これにはレートベース、日本訳では公正資産という観念を用いますが、要するにあるがままの総資本でございませんで、あるがままの総資本から事業運営に本当に必要な、そして現在有効に使われている資産のみを対象といたします。逆にいいますと遊休資産であるとか、過剰投資であるとか、そういうものは除いてしまいまして、いわゆる公正資産、こういうものに対する報酬率を考えようということでございます。
 しかし、そういうことでございますので、KDDの場合いかなるものをもって公正資産とみなすか、これについて非常にむずかしい問題があるようでございます。これには外国の会社の同業者の例等も参考にせねばなりませんので、いままだ具体的な数字を申し上げる段階に立っておりませんが、これにつきましては監督官庁の御指導、また部外の学識経験者のアドバイスを得てなるべく早い機会に当社としての考えをひとつ固め、そして監督官庁の御指導、御了承を得たい、そういう段階でございます。
 以上でございます。
○政府委員(寺島角夫君) いわゆる適正利潤という問題につきましては、一言で申しますと大変重要な問題であるという認識を持っております。KDDのようないわゆる公益的な事業を行っておりますところの料金というものを考えます場合に、的確な公正、適正利潤的なものが設定されますならば一つの大きな目安にもなり得るわけでございまして、そういう意味で大変重要な問題と認識をいたしておりますが、同時にまた、これを具体的に設定をするといたしますと、大変にむずかしい問題であるということもまた事実でございまして、国内の他のいろいろないわゆる料金が、法律ではなくて認可料金の制度をとっておりますけれども、必ずしもそれらがそういうものを定めてやっておるわけではございませんで、その点も大変むずかしい問題があろうかと思います。
 また、KDDの場合は国内に同様の業務を行っておるものがございませんので、勢い海外のキャリアの例も参考にしなければならない点もあろうかと思います。こういう点も含めまして、郵政省におきましても問題意識は持ちまして研究は続けておるわけでございますが、ただいまKDDからお答えございましたように、KDD内部におきましても一つの検討をされておる。さらには、学識経験者等も入れてさらに研究を続けられるというふうに聞いております。
 さらに先生御案内のとおり、昨年でございましたか、電電公社が総裁の私的諮問機関で電信電話諮問委員会というものをつくりまして、この中で適正利潤とは言っておりませんが、公共的必要余剰という言葉を使っておりますが、こういったものについて一つの試論、提言と申しますか、そういうものが出されております。こういったものも、もろもろを私ども十分に参考にいたしまして、こういうものの研究を、あるいは検討をさらに進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○中野明君 非常にこれはお話、御答弁ありましたように、なかなかどこにどうするかということはむずかしい問題だと思いますが、やはり独占的な公共的な事業でございますので、ぜひそういう点は早く結論を出してやっていただくことが、やはり料金とかいろいろの問題に絡みましても、適正利潤をきちっと定めて、そしてそれに対する設備投資その他を考えていって料金というものを――いろいろ料金の問題で不満が出てくるのもそこら辺にも原因があるんじゃないかという気がいたしますので、せっかくの御努力をお願いをしておきます。
 きょうはそういうことで、私以上で終わらしていただきます。
○委員長(赤桐操君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
○委員長(赤桐操君) 次に、通信・放送衛星機構法案を議題といたします。政府から趣旨説明を聴取いたします。白浜郵政大臣。
○国務大臣(白浜仁吉君) 通信・放送衛星機構法案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
 わが国における通信衛星及び放送衛星につきましては、昭和四十八年以来国の計画として開発が進められ、すでに実験用の通信衛星及び放送衛星が打ち上げられ各種の実験が行われているところであります。
 この開発成果をできるだけ早く国民に還元するため、昭和五十七年度に実用のための通信衛星の打ち上げが予定されており、また、実用のための放送衛星につきましては、昭和五十八年度打ち上げを目途に検討が進められております。
 本法案は、実用の通信衛星及び放送衛星の利用推進に当たり、両衛星の管理等を効率的に行う法人として通信・放送衛星機構を設立すべく、その設立の根拠法を制定しようとするものであります。
 次に、法律案の概要を御説明申し上げます。
 第一に、通信・放送衛星機構の目的でありますが、機構は、通信衛星及び放送衛星の位置、姿勢等を制御し、これらの人工衛星に搭載された無線設備を、これを用いて無線局を開設する者に利用させること等を効率的に行うことにより、宇宙における無線通信の普及発達と電波の有効な利用を図ることを目的としております。
 第二に、機構の資本金でありますが、資本金は、政府及び民間の出資によって構成され、必要があるときは、郵政大臣の認可を受けてこれを増加することができるとしております。
 第三に、機構の設立及び組織でありますが、設立は、発起人からの申請に基づく郵政大臣の認可によるとするとともに、その認可の基準を定めております。また、機構の役員として、理事長、理事及び監事を置くことができるものとし、理事長及び監事は郵政大臣が任命し、理事は郵政大臣の認可を受けて理事長が任命することとしております。
 第四に、機構には、運営評議会を設けることといたしておりますが、運営評議会は、出資者及び学識経験者をその構成員とし、定款の変更等、重要事項を審議するものであります。
 第五に、機構の業務でありますが、機構は、通信衛星及び放送衛星を他に委託して打ち上げること、これらの衛星の位置、姿勢等を制御すること、搭載無線設備を宇宙局の開設者に利用させること等を行うこととしております。
 その他、機構の財務、会計及び機構に対する国の監督等について、所要の規定を設けることといたしております。
 なお、この法律の施行期日は、この法律の公布の日から起算して、三月を超えない範囲内において政令で定める日としております。
 以上が、この法律の提案理由及び概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
○委員長(赤桐操君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は次回に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十三分散会
     ―――――・―――――