第091回国会 大蔵委員会 第2号
昭和五十五年二月十四日(木曜日)
   午後一時三十分開会
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   委員の異動
 十二月二十一日
    辞任         補欠選任
     勝又 武一君     粕谷 照美君
 十二月二十二日
    辞任         補欠選任
     吉田忠三郎君     片岡 勝治君
     粕谷 照美君     丸谷 金保君
 一月二十八日
    辞任         補欠選任
     和田 静夫君     村田 秀三君
 一月二十九日
    辞任         補欠選任
     村田 秀三君     和田 静夫君
 二月十四日
    辞任         補欠選任
     藤川 一秋君     三浦 八水君
     鈴木 一弘君     和泉 照雄君
     佐藤 昭夫君     小巻 敏雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         世耕 政隆君
    理 事
                中村 太郎君
                細川 護煕君
                矢追 秀彦君
                中村 利次君
    委 員
                浅野  拡君
                岩動 道行君
                梶木 又三君
                河本嘉久蔵君
                坂野 重信君
                嶋崎  均君
                藤井 裕久君
                藤田 正明君
                三浦 八水君
                片岡 勝治君
                竹田 四郎君
                丸谷 金保君
                和泉 照雄君
                多田 省吾君
                小巻 敏雄君
                佐藤 昭夫君
                渡辺  武君
                市川 房枝君
                野末 陳平君
   衆議院議員
       大蔵委員長代理
       理事       愛知 和男君
       大蔵委員長代理
       理事       山田 耻目君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  竹下  登君
   政府委員
       大蔵政務次官   遠藤  要君
       大蔵大臣官房審
       議官       梅澤 節男君
       大蔵省主計局次
       長        吉野 良彦君
       国税庁直税部長  矢島錦一郎君
       農林水産省経済
       局長       松浦  昭君
       食糧庁次長    小野 重和君
       水産庁長官    今村 宣夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       公正取引委員会
       事務局取引部景
       品表示指導課長  矢部丈太郎君
       農林水産大臣官
       房審議官     志村  純君
       農林水産大臣官
       房参事官     蜂巣 賢一君
       農林水産省食品
       流通局野菜振興
       課長       草場緋紗夫君
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  本日の会議に付した案件
○租税及び金融等に関する調査
 (財政及び金融等の基本施策に関する件)
○昭和五十四年度の水田利用再編奨励補助金につ
 いての所得税及び法人税の臨時特例に関する法
 律案(衆議院提出)
○農業共済再保険特別会計における果樹共済に係
 る再保険金及び漁船再保険及漁業共済保険特別
 会計における漁業共済に係る保険金の支払財源
 の不足に充てるための一般会計からする繰入金
 に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(世耕政隆君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十二月二十一日、勝又武一君が委員を辞任され、その補欠として粕谷照美君が選任されました。
 また、同月二十二日、吉田忠三郎君及び粕谷照美君が委員を辞任され、その補欠として片岡勝治君及び丸谷金保君が選任されました。
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○委員長(世耕政隆君) 租税及び金融等に関する調査を議題とし、財政及び金融等の基本施策について、竹下大蔵大臣から所信を聴取いたします。竹下大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) 今後における財政金融政策につきましては、先般の財政演説において申し述べたところでありますが、本委員会において重ねて所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いする次第であります。
 わが国の最近の経済情勢を見ますと、過去数年度にわたる公共投資の大幅な拡大、国民の堅実な消費態度、企業の経営努力等を背景として、国内民間需要による自律的な景気の拡大基調を確かなものにしてきており、雇用情勢も緩やかながら改善を続けております。このように、わが国経済は、国民のたゆみない努力により、長い不況を乗り越え、先進国の中で最も高い成長と安定した消費者物価を維持しており、現在のところ総じて順調に推移していると申してよい状況にあります。
 しかしながら、世界経済をめぐる諸情勢は、八〇年代に入っても、ますます不透明さ、不確実さを増し、わが国経済も、景気の先行きには必ずしも予断を許さないものがあり、物価も警戒を要する状況にあります。
 加えて、国際収支は大幅な赤字を記録し、財政収支の不均衡もなお巨額なものとなっております。
 このような経済情勢のもとにおいて、私は、特に、次の三点を当面の緊要な課題として、政策運営に万全を期してまいりたいと存じます。
 まず第一は、物価の安定と経済の自律的拡大の維持を図っていくことであります。
 わが国経済を息の長い安定成長軌道に乗せていくためには、インフレ、不況、さらにはスタグフレーション、このいずれをも回避しなければなりません。このため、私としては、物価と景気の両面に細心の注意を払い、適時適切にきめの細かい経済運営を行ってまいる所存であります。
 最近の物価動向を見ますと、消費者物価はいまのところ比較的安定しているものの、卸売物価は原油を初めとする海外原材料価格の高騰等により相当上昇しており、物価は警戒を要する状況にあります。したがって、当面は、やや物価に重点を置いた政策運営を進めることが適切であると考えております。
 このような観点から、政府は、昨年十一月二十七日、物価対策を総合的に推進することを決定したところであります。
 また、昭和五十四年度の公共事業等の執行につきましても、現下の物価動向に配慮することとし、その一部を留保することといたしました。この措置は、物価対策の見地からとられたものではありますが、公共事業等の機動的な執行により、景気の安定的な維持にも資することが期待されるところであります。
 第二は、世界経済の発展に積極的に貢献しつつ、国際収支の健全性の保持に努めることであります。
 国際情勢はきわめて流動的で、石油情勢もさきのOPEC総会の結果に象徴されるように一段と不安定さを増しております。
 このような厳しい国際環境の中にあって、わが国の国際収支は、経常収支が大幅な赤字を記録し、長期資本収支も流出超過傾向にあります。国際収支の健全性の保持は、国際社会の一員としての責務であり、また、このような状況を放置すれば、ひいてはわが国経済の安定的な成長を阻害することになるおそれもありますので、政府としては、国際的に調和のとれた収支の改善を図るべく、着実な努力を積み重ねてまいる考えであります。
 他方、このような情勢のときこそ、わが国は、世界経済に大きな影響を及ぼす立場にある国の一つとして、世界経済の調和ある発展に積極的に貢献しなければなりません。
 世界経済の円滑な発展のためには、まず、通貨の安定が不可欠であります。このためには、各国政府が基礎的諸条件の改善に努めるとともに、相互に緊密な連絡と協調を保ち、為替相場の急激な変動を抑制していくことが重要であります。わが国としても、従来にも増して積極的に努力してまいりたいと考えております。
 また、世界貿易拡大のためには、自由貿易体制を維持強化していくことが急務であり、このような観点から先般合意に達した東京ラウンド交渉につきましては、その成果を実施に移すため、所要の国内手続を急ぐ方針であります。
 なお、わが国の対外取引を原則自由のたてまえに改める法律改正が、さきの臨時国会において成立したところであり、その早期施行に努める所存であります。
 さらに、開発途上国の国民生活の向上と経済の発展を支援し、世界経済全体の均衡のとれた成長を確保するため、経済協力の大幅な拡充強化を図ってまいることとしております。
 第三は、わが国財政の再建であります。
 国民生活の安定と景気の回復を図るため、過去数カ年にわたり政府が行ってきた積極的財政の結果、わが国財政は、特例公債を含む大量の公債に依存せざるを得ない異常な状況が続いております。今後ともこのような財政赤字を積み重ねるならば、八〇年代の新たな社会経済情勢の展開の中で、財政に各種の機能の発揮が期待されることとなっても、これに十分な対応ができません。そればかりか、経済にインフレ要因を持ち込むことにより、経済そのものの安定を阻害するおそれさえあります。
 わが国経済の安定的な発展を達成するためには、財政の再建は緊急の課題であります。
 このような考え方に立ち、昭和五十五年度予算の編成に当たりましては、強い決意のもとに、まず、公債発行額を前年度当初予算よりも一兆円圧縮することとし、財政再建の第一歩を踏み出したところであります。
 しかしながら、財政再建の道は、いまだ緒についたばかりであり、今後においても一層努力することが強く求められるところであります。昭和五十五年度においては、最近のわが国経済の順調な回復を反映して、かなりの規模の税収増加を見込むことができましたが、このようなことを引き続き期待することはとうてい困難であります。したがって、今後におきましては、歳出歳入両面を通じて、幅広い角度から財政再建の手だてを考えていく必要があります。
 次に、当面の財政金融政策について申し述べます。
 まず、昭和五十五年度予算につきましては、以上申し述べました考え方に立ち、できる限り財政の健全化に努めるとともに、国民生活の安定と経済の着実な発展のための基盤強化を図ることを基本として編成いたしました。
 このため、一般会計予算におきましては、各省庁の経常事務費を初めとする一般行政経費を極力抑制するとともに、政策的経費についても根底から見直しを行った上、各種施策の優先順位を十分考慮し、財源の重点的、効率的配分に努めたところであります。また、補助金等については、従来にも増して積極的に廃止、減額等の整理合理化を行うことといたしました。
 さらに、国家公務員の定員については、新たに策定された計画により、定員削減を着実に実施するとともに、新規行政需要に対応する増員についても厳に抑制することとし、総数の縮減を図ったところであります。
 以上の結果、一般会計予算の規模は、前年度当初予算に対し一〇・三%増の四十二兆五千八百八十八億円となっております。また、このうち国債費及び地方交付税交付金以外の一般歳出の規模は、前年度当初予算に対し五・一%増の三十兆七千三百三十二億円となっております。これらの伸び率は、いずれも最近二十年間のうちで最も低いものであります。
 また、公債につきましては、さきに申し述べましたように、財政の公債依存体質を改善するため、公債発行予定額を前年度当初予算より一兆円減額することとし、十四兆二千七百億円といたしました。この結果、公債依存度は三三・五%となり、前年度当初予算の三九・六%より六・一ポイント低下いたしております。
 次に、税制の改正につきましては、まず、税負担の公平確保の見地から、利子配当所得等について総合課税に移行するための所要の措置を講ずるとともに、企業関係租税特別措置等について大幅な整理合理化を行うこととしております。租税特別措置については、昭和五十一年度以降五年間にわたり、その整理合理化に力を注いできたところでありますが、今回の措置により、おおむねその整理は一段落したと言ってよいものと考えます。
 さらに、給与所得控除について、この際、高額な収入部分について控除率を引き下げることとし、また、退職給与引当金について、累積限度額の適正化を図ることとしております。
 以上のほか、石油代替エネルギー対策の財源に充てるため、電源開発促進税の税率の引き上げ等を行う一方、土地税制について、その基本的枠組みを維持しつつ、住宅地の供給促進等の見地から所要の措置を講ずることとしております。
 財政投融資計画につきましては、厳しい原資事情に顧み、事業規模、貸付規模を抑制しつつ、住宅、中小企業金融、エネルギー対策等緊要な施策について資金の重点的配分を行い、国民生活の安定、向上と福祉の充実に配意することとしております。この結果、財政投融資計画の規模は十八兆一千七百九十九億円となり、前年度当初計画に比べ八・〇%の増加となっております。
 なお、金融政策の面におきましては、インフレ心理の醸成を防止することにより、物価上昇速度を極力抑制するため、昨年四月以降、三次にわたる公定歩合の引き上げ等の措置が講ぜられたところでありますが、引き続き通貨供給量についても十分注視し、適切な金融調節を図ってまいる所存であります。
 以上、財政金融政策に関する私の所信の一端を申し述べました。
 本国会に提出し御審議をお願いすることを予定しております大蔵省関係の法律案は、ただいまのところ昭和五十四年度補正予算に関連するもの一件、昭和五十五年度予算に関連するもの九件、合計十件でありますが、このうち九件につきましては、本委員会において御審議をお願いすることになると存じます。なお、このほか、日本専売公社法等の一部を改正する法律案及び税理士法の一部を改正する法律案が、前国会からの継続審査案件になっております。それぞれの内容につきましては、逐次、御説明することとなりますが、何とぞよろしく御審議のほどお願いする次第であります。
○委員長(世耕政隆君) ただいまの大臣の所信に対する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
○委員長(世耕政隆君) 昭和五十四年度の水田利用再編奨励、補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案及び農業共済再保険特別会計における果樹共済に係る再保険金及び漁船再保険及漁業共済保険特別会計における漁業共済に係る保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案を便宜一括して議題といたします。
 まず、提出者から順次趣旨説明を聴取いたします。衆議院大蔵委員長代理理事愛知和男君。
○衆議院議員(愛知和男君) ただいま議題となりました昭和五十四年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案につきまして、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、二月五日、衆議院大蔵委員会において全会一致をもって起草、提出いたしたものであります。
 御承知のとおり、政府は、昭和五十四年度におきまして米の生産抑制の徹底と水田利用の再編成を図るため稲作の転換を行う者等に対し、奨励補助金を交付することといたしておりますが、本案は、この補助金に係る所得税及び法人税について、その負担の軽減を図るため、おおむね次のような特例措置を講じようとするものであります。
 すなわち、同補助金のうち個人が交付を受けるものについては、これを一時所得とみなすとともに、農業生産法人が交付を受けるものについては、交付を受けた後二年以内に固定資産の取得または改良に充てた場合には、圧縮記帳の特例を認めることといたしております。
 なお、本案による国税の減収額は、昭和五十四年度において約九億円と見積もられるのでありまして、衆議院大蔵委員会におきましては、本案の提出を決定するに際しまして、内閣の意見を求めましたところ、稲作転換の必要性に顧み、あえて反対しない旨の意見が開陳されました。
 以上が、この法律案の提案の趣旨とその概要であります。
 何とぞ速やかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(世耕政隆君) 次に、竹下大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) ただいま議題となりました農業共済再保険特別会計における果樹共済に係る再保険金及び漁船再保険及漁業共済保険特別会計における漁業共済に係る保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 まず、農業共済再保険特別会計の果樹勘定におきましては、昭和五十四年における暴風雨、低温等によるリンゴ、ナシ等の被害の異常な発生等に伴い、再保険金の支払いが著しく増大するため、支払い財源に不足が生ずる見込みであります。
 また、漁船再保険及漁業共済保険特別会計の漁業共済保険勘定におきましても、昭和五十二年以降のイカ、サケ・マス等の著しい不漁、同年及び昭和五十三年における異常な赤潮及び魚病による養殖ハマチの大量死亡等に伴い、保険金の支払いが著しく増大するため、支払い財源に不足が免ずる見込みであります。
 この法律案は、これらの支払い財源の不足に充てるため、昭和五十四年度において、一般会計から、農業共済再保険特別会計の果樹勘定に七十八億千四百五十万八千円、漁船再保険及漁業共済保険特別会計の漁業共済保険勘定に百十二億七千九十六万二千円を限り、それぞれ繰り入れることができることとしようとするものであります。
 なお、これらの一般会計からの繰入金につきましては、将来、農業共済再保険特別会計の果樹勘定におきまして、決算上の剰余が生じ、この剰余から再保険金支払基金勘定に繰り入れるべき金額を控除して、なお残余がある場合及び漁船再保険及漁業共済保険特別会計の漁業共済保険勘定におきまして、決算上の剰余が生じた場合には、それぞれこれらの繰入金に相当する金額に達するまでの金額を一般会計に繰り戻さなければならないことといたしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(世耕政隆君) これより両案の質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
○丸谷金保君 議員提案の水田再編成関係につきましては、きわめて緊急に行わなければならないものと思いますが、果樹共済及び漁業共済の点につきまして、少しく御質問申し上げたいと思います。
 出されました議案によりますと、非常に細かい数字がきちんと出されております。まことにごりっぱな積算というふうに感心いたしておったのでございますが、その後いろいろ聞きますと、いやこれはあくまで推定数字だと、こういうような説明をいただきました。推定の数字であるならば、何十何円まできちっと推定で出るということの方がおかしいので、こういう予算を編成して、特に今回のような最終的な補正予算でございます。本来、計数的にきちんとしなければならないものだと思いますが、その点の事情というのはどうなっておるのでございましょうか。
○政府委員(松浦昭君) 今回の果樹共済の再保険金の支払い見込み額を算定するに当たりましての仮定をどのようにしたかという御質問であろうと思いますが、この算定に当たりましては、農業共済組合等の段階におきまして、まず災害発生後に見回りの調査をいたしまして、その地域内の災害につきまして十分に見積もりを立てました結果、各道府県の農業共済組合連合会から共済再保険金の見込み額について農林水産省が報告を徴しまして、これをもとにいたしまして所要額を計上いたしたものでございます。この方法は従来からとられている方法でございまして、過去の経験から申しましてもこの方法で推算をいたしてまいりましたので、われわれとしては適正な方法であるというふうに考えておる次第でございます。
○丸谷金保君 その適正なものであるというのはわかるのですが、非常に細かい、切り上げて予算書では千円単位になっておりますけれど、ここまできちっと出てくるのが結果としての推定数字だということになると、どうもよくわからないのですけれど、主計官にお聞きしたいのですが、予算要求の段階で、恐らく最終補正ですから、ぎりぎりの数字が出てきていると思うんです。しかし、従来の例からいうと、これはまだ推定数字だと。ぎりぎりの数字で出てきているからこそ下のけたまできちっとした数字で計算ができるはずなんで、推定数字であればもう少しこう何といいますか、きりきりした数字でない御提案になってしかるべきだと思うんですが、どうなんですか、ここら辺は。
○政府委員(吉野良彦君) ただいま御指摘のように、今回の繰入所要額は、末端のいわゆる共済組合の連合会等の報告をもとにしてございますが、御指摘のように、一部推定も要素として入っているわけでございます。ただ、先ほど農林水産省の方からも御答弁ございましたように、現時点におきます推定としては、これが最も適正妥当な推定値であろうということと私ども理解をしているわけでございます。
 そこで、先生の御質問の御趣旨は、いずれにせよ推定値であるとするならば、千円単位まできちっと金額をはじき出さぬでも、あるいはそこをたとえば百万円単位とか、あるいは一千万円単位とかいうような、いわば最後の単位を丸めたところで必要な予算措置を講じても、それはそれなりにいいのではないかというような御趣旨の御質問のように、私理解をしたわけでございますが、なるほどそれも私ども一つの方法かと存じます。
 ただ、私どもやはり予算を組みます以上、できるだけ厳密にと申しますか、きめ細かく積算をいたしまして、その積算を素直に予算の上に反映をさせるというやり方が私どもとしては適当な予算の組み方ではないか、かように考えまして、従来からも千円単位まで積算をいたしまして、それをそのまま予算にも組ましていただいているということでございます。そういう百万円単位で丸めるか、あるいは一千万円単位で丸めるか、それはいずれが絶対に正しいというようなものでは必ずしもございません。
 おっしゃるように、推定といたしまして何千円と出ました場合に、それをたとえば上方に丸めて何百万円で切るというような予算の組み方も一つの組み方かと存じますが、私どもは、先ほど申しましたように、いまのように予算書というものが原則として千円単位でできております以上、かつまた推定そのものも千円単位まで検討して積算をいたしましたものである以上、いまのような組み方が妥当なのではないかと、かように考えておるわけでございます。
○丸谷金保君 検討して妥当なものというふうな数字というよりも、それぞれ都道府県共済組合から上げられてきた数字を単純に合計してみたらこういう数字になったので、そのまま上げたというようなくらいの基礎でないのですか、これ。それに対して、上がってきた数字を検討して、きりきりきりきりとしぼり上げて千円単位まできちっとこう出たという数字なんですか。
○政府委員(吉野良彦君) 詳しくは、あるいは農林水産省の方からお答えさせていただくのが適当かと存じますが、私どもが承知いたしております限りにおきましては、地方の方から上がってまいりました数字を、そっくりそのまままるまるうのみにして農林水産省が積算をしたというものではなくて、農林本省に上がってまいりました数字を、たとえば農林水産省で統計情報部でございますか、それなりの調査、いろんな間接的なデータを持ってございますから、そういった間接的な資料も活用しながら農林水産省は農林水産省なりにある意味での審査をいたしまして、この程度の推計が最も妥当であろうというような計算をいたしているわけでございます。
 私どもも、その農林水産省の要求を伺いまして、そういう推計の方法であれば妥当な推定の方法であろうというふうな判断をいたしましてこれを了承していると、こういうことでございます。
○丸谷金保君 それじゃ農林水産省の方に伺いますけれど、この推定数字というのは、保険経理の仮定計算とか、そういうふうなルールに基づいて行っておるのですか。
○政府委員(松浦昭君) 今回のように予算の補正をお願いをいたします場合に、その積算基礎ができるだけ正確なものになるようにということは望ましいことであることは事実でございます。しかしながら、被災農家に対しましては、完全に損害額を確定するという段階で補正予算をお願いするというわけにはなかなかまいらない。これはもう先生もよく御承知のとおりでございます。したがいまして、できるだけ早急に共済金を支払うということになりますと、補正予算の編成時及びその審議はある程度の日時を要することになりますので、どうしても損害額を最終的に確定いたします前に、ある程度まで見込みを立てまして補正予算を組むということが必要になってまいります。
 今回のように、収穫間際に大きな災害があった。これは先生も御承知のとおりでございますが、台風十六号がございまして、その後、続けて二十号が来るといったような状態になりますと、その結果、再保険金の支払い額を早急に計算いたしまして、その財源の不足が見込まれるということになりますと、直後に補正予算の作業に取りかかるという状態に相なるわけでございまして、そのような場合には、何と申しましても、共済団体の末端の職員あるいは損害評価員等のベテランに期待いたしまして、そこで災害の状況をつぶさに見回っていただきまして、その結果で、その経験に基づきまして推定をしていただいて、そこで再保険金額を積算するという必要が起こってまいります。
 今回もそのような手法に基づいてやったわけでございますが、共済組合あるいは市町村の職員あるいは損害評価員は長年損害評価に携わっておりますし、災害の発生時には必ず被災地域を全部見回って、見回り調査を行っておりますので、これらの実務者の推計値を積み上げますと、十分に再保険金額の合計を計算する基礎には相なろうかというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、先生もおっしゃいますように、従来の経緯から見ましても、これらの報告はやや安全性を見るという傾向が出てまいります。したがいまして、多少多目の数字が出てくるということはこれもまた事実でございます。
 したがいまして、農林水産省といたしましては、先ほど吉野次長からも御答弁申し上げましたように、その基礎的な連合会から上がってまいります数字を、ある程度までその被害の実態に応じまして査定をいたしまして、その結果、再保険金の額を計算して、それを補正予算に組み込んでいただくというような手続をとっております。また、このような方法は、昭和五十一年の果樹につきましても同じようにやりまして、その結果はおおむね妥当な数字として計算をされております。
 なお、もちろん都道府県ごとには、最終的な損害の評価を経ました額と、それから再保険金をこのような形でもって推定いたしました額との間には若干の違いが出てくることはこれは否めない事実でございますけれども、しかしながら、全国的な大数的な計算から申しますと、ほぼこれは当たるという状況でございまして、実際、農林水産省として補正予算案の編成後に各県の被害状況を見守ってまいりましたが、現実にまた損害評価もやってまいりまして、すでに実績の上がってきた県がございます。これらを見ましても、おおむね要求額に近い額で、最終的な損害評価の終わりました状態での支払いいたします再保険金額も決まってくると思われるような状態になっております。
○丸谷金保君 漁業の方は後でまたお伺いしますけれども、いまのお話を伺っていて、この間からどうも推定推定と言うけれど、いまの時点でコンクリートの数字がどうして出ないんだろうか。農業の場合には、全部収穫から災害からみんな終わっちゃっているんですよね。そして、しかも細かい数字まできちっと上げてきておって、なおかつこれが動くことがあるかもしらない、動くんだと、あくまで推定数字だとこの段階で言い張らないで、これでいいんですとぴたっと言えないものなんですか。
 もう全部終わっているし、災害査定も終わっているし、市町村段階ではおおむね十二月中に徹夜かけてでも作業というものは進めているんです。ですから、この二月に入ってまだ数字が固まらないということの方が、実は私おかしいと思うんです、
○政府委員(松浦昭君) 先生御指摘のように、できるだけ損害の評価を迅速にいたしまして、その結果、信頼性がより強い数字でもって最終的に確定いたしたいという気持ちはそのとおりでございますけれども、先ほども申し上げましたように、共済金をできるだけ早く支払うというためには、損害をある程度まで推定する段階におきましても、これを基礎にいたしまして再保険金の計上がけはしなきゃならぬ、そのために補正予算を組んでいただくということが必要である、その時点のギャップはどうしても逃れられないところでございまして、そのような関係から、先ほどから推定値でやっているということを申し上げている次第でございます。
 なお、損害額の確定をできるだ早くしたいという気持ちは私ども持っておりますが、同時にまた、損害が厳正かつ公平な形でやはり評価をされるということが必要でございまして、このためにはある一定の期間が必要でございます。
 その点、農作物等と比較いたしますと、果樹の場合はやや長きに失するという状態があることは私ども存じておりますけれども、この果樹の問題は、実は果樹保険に伴いますある意味ではやむを得ない期間があるわけでございまして、と申しますのは、果樹の場合には、先生も御案内のように、同じ温州ミカンでございましても、わせからおくてまで非常にたくさんの種類がございます。この期間を見まして、その最終の収穫時におきまして損害を確定し始めるということにいたしますと、どうしても期間がかかるということは、ひとつおわかりになっていただきたいというふうに考える次第でございます。
○丸谷金保君 漁業共済の方はどうなんですか。これはまた逆に、確定のできない要素がたくさんあるんでないかと思うのですが、この方も同じようにきちっとした数字が出てきているんですけれども、これもあくまで確実な計算に基づいた推計ですか。
   〔委員長退席、理事細川護熙君着席〕
○政府委員(今村宣夫君) 漁業の方の関係でございますが、まず保険金の支払いのベースになります支払い共済金をどのようにして算定をしたかということでございますが、五十二年度の契約と五十三年度の契約にかかります共済金の支払いの見込み額につきましては、全国の漁業共済組合の連合会を通じまして各都道県の漁業共済組合から共済金の支払い実績と支払い見込み額を報告させますと同時に、共済責任期間がまだ終わってない部分がございますので、そういう終わってない五十三年度契約の漁獲共済の一部につきましては、既経過期間におきます漁業種類ごとの被害率を参酌をいたしまして、十分検討して所要額を出したということでございます。
 保険金につきましては、そのような共済金の見込み額に基づきまして支払い共済金を算定をいたしまして、さらにこれを保険区分ごとに整理、集計をいたしまして、保険区分ごとに全国の共済組合連合会の責任再共済金を超える部分を算定いたしまして、保険金を推定いたしたわけでございます。したがいまして、漁業の場合におきましては、まだ未経過期間がございますから、その分の推定が入っておることは確かでございます。
○丸谷金保君 それで漁業の方なんですが、推定ということでしょうけれど、養殖共済の件について、養殖共済の中で、いただきました資料によりますと、五十三年度の共済金の支払い見込み額、鹿児島県で三億一千百九十万四千四百八十四円、こう円まで出ております。これは主にハマチの被害だと思いますが、さようですか。
○政府委員(今村宣夫君) さようでございます。
○丸谷金保君 これは共済というのは、みずからの責任によって生じた損害でないものでございますね、どうですか。
○政府委員(今村宣夫君) 先生の御質問の御趣旨は、ハマチの被害を受けたのは自分みずからが非常に過密な養殖をしておるために被害を受けたということで発生しておるのではないかという御趣旨でございましょうか。
○丸谷金保君 質問をよく聞いていただきたいと思うのです。まだそこまで質問していないので、原則として、自己の責任でないことによって生じたのに対して保険金は支払われるのですねと、こう聞いているので、そのことにだけ答えていただかないと……。
○政府委員(今村宣夫君) さようでございます。
○丸谷金保君 そうですね。そこで、私のこの次の質問に対しておたくのいまの答えでちょうどいいことになるのです。ですから、そこの質問を抜きます。先に進ませていただきますが、すでに調査をされて御承知のことと思うのですが、赤潮発生が錦江湾のハマチ被害の大きな原因だったということは明らかになっております。最初これは、都市排水とかそういうものによって赤潮が起きたんじゃないかといって、漁業協同組合等は損害の補償をせいということで県庁に行きました。それで調べたところが、実際には、自分たちが余りにも多くの養殖をやり過ぎたための過密による赤潮の発生だということが学者等の共同調査で明らかになっている。これが一体共済の対象になるんでしょうか。
○政府委員(今村宣夫君) 御指摘の、過密養殖等で不適正な養殖管理を行ったために共済事故が発生したということが明らかであります場合は、共済契約者は、漁業災害補償法の第八十五条の一項に規定してある「損害の防止又は軽減」を怠ったということで、共済組合は共済金の全部または一部を支払わないということができることに相なっております。
 私の聞いておりますのは、鹿児島県は、いろいろ学者の意見その他もございまして、必ずしもそれに該当するという状況にはなかったように理解をいたしております。
○丸谷金保君 これは特に名前は申し上げませんが、ある組合では、ハマチで二十八億の売り上げをするのに、生えさを十六億くらい使っている。そして、それは錦江湾の下の方にもう何センチも大きな層になって、食べ残ったあれがいっぱいだまっているんですね。これが発酵すると、こういう状態は御存じですね。そうして出てきたものが、やはり事故責任でないんですか。これ、どうなんです。水産庁の方では、それらについてはどういう見解を持っているんです。
○政府委員(今村宣夫君) 私たちは、そのハマチの過密養殖等が非常に行われており、かつこれは適当でないということは十分指導いたしておるところでございまして、もし、そういう過密養殖が被害の原因であったということであれば、それについて共済金を支払うのはおかしいと思いますが、その死亡事故が過密養殖に起因している場合もあることは否定できないのでございますが、養殖共済に加入した者に対しては、これまで共済事故の発生原因が明らかに過密養殖であるということを認められた事例がございませんので、過密養殖を理由として免責規定を発動したことはございませんが、今後、御指摘のような点につきましては、十分留意をして運営をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○丸谷金保君 ちょっと大蔵省の方にお尋ねしますが、いま水産庁ではそういう答弁なんですけれど、しかしこれは地元でははっきりしているんですよね、過密養殖で生えさをやり過ぎたと。こういうことについてのチェックは、大蔵省の予算段階では全く行われないんですか。農林水産省から言ってくると、ノーズロでぽんと判こを押すと、こういうことになっておりますか。
○政府委員(吉野良彦君) 一般的に申し上げますと、もしただいまのような不適正な養殖管理が原因となって事故が起こっているということでございますれば、先ほど水産庁から御答弁ございましたように、共済金の支払いについて、いわば共済組合が責めを免れるという規定がございますので、それによって対処をしていただくということになろうかと存じます。
 ただ、現実問題といたしまして、全国津々浦々にございます災害の実態につきまして、私どもが直接に調査をし実態を究明するという手段もございませんし、またそういう立場でもございません。やはりこの漁業共済につきましては、漁業災害補償制度を分担してございます水産庁におきまして、執行上の問題については責任を持って対処をいただくことがたてまえでございます。そこで、その執行、運営について一次的責任をお持ちでございます農林水産省の方から、これが適正なる共済金の支払い所要見込み額であるという説明がございますならば、その説明の過程で特段不審の点とか、あるいは私どもが特別に疑義を感ずるというような問題がなければ、やはり一次所管省であります農林水産省の立場を御信頼申し上げて予算措置をしていくというほかはないかと存じます。
 ただ、執行上は、もちろん執行官庁でございます水産庁におきまして運営上の注意は十分していただくように、私どもは当然のことながら期待はしているわけでございます。
○丸谷金保君 大臣、実はいま物価の上昇に対して非常に懸念しているというふうな御説明が大臣からあったんですが、この養殖の過密の問題、これなんかも物価値上げの引き金になっている。ということは、御承知のように生えさ、ハマチの場合を例にとってみますと、一に対して八倍のイワシとかその他のえさが要るわけです。これがどちらかというと北海道だとか東北、こちらからハマチ養殖地帯にどんどん運ばれております。これらがもう少し有効利用できますと、物価上昇というものについて、特に生活の必需品である食料、魚の値下げということにもっと有機的な作動の仕方があるんじゃないか。
 ところが、いまのところ、長官のおっしゃったように、どんどん入れてどんどんやって、たまには赤潮でもってぱっと死ねば共済の対象になるということで、歯どめがなかなかかからないのではないか。恐らくこれは、どれだけの面積にはどれだけ以上入れていけないというようなそれぞれの規制を組合がやっていると思うんですよ。それを超えた場合に起きた被害というものの調査、検査というふうなものはもっとうんとやらなければならぬ。
 それからさらに、どうもハマチやタイはこういう点で赤潮に弱いというので、最近起こってきている事例は、九州方面ではカワハギというものの養殖が始まりましたね。これはまだ共済対象にはなっていないんですか、カワハギは。
○政府委員(今村宣夫君) それは共済対象になっておりません。
○丸谷金保君 なっていないんですか。いずれ出てくると思うんですよ、もうどんどんとね。というのは、赤潮とか過密養殖によって公害が起きる。だから、公害をなくするということでなくて、公害に強い魚は何だという方向に行っている。それで突き当たったのがカワハギ、こういうことなんです。
 そこで、公取にお願いしておきますが、いまカワハギがなぜどんどん養殖しても出るような状況にあるかというと、フグのおみやげなんかの干し物がありますね、あれに化けているそうです、カワハギが。これは不正表示になりませんか。公取、どうですか。
○説明員(矢部丈太郎君) 魚の商品名が学問上の名称ですとか、あるいは分類学上の名称と違っているということをもちまして、直ちに景品表示法に違反する不当表示になるということはできないとは思っております。しかしながら、その商品名を用いまして一般消費者に実際のものより優秀であると、こういうような誤認を与える場合には不当表示になるのではないか、こういうように考えております。
○丸谷金保君 それで、具体的にカワハギをフグとして売る場合は不当表示になるかならないか。具体的なんですよ。具体的にどっちかなんだ。これを答えてください。
○説明員(矢部丈太郎君) 大きな意味でフグの中にもいろいろ種類がございますので、カワハギがどういう位置にあるのか私詳しくは存じませんので、直ちに不当表示とこの場で申し上げるわけにはいかないと思っております。
○丸谷金保君 水産庁、フグとカワハギは違いますか、同じ系統ですか、どうなんですか。
○政府委員(今村宣夫君) 違います、と思います。
○丸谷金保君 水産庁は違うと思っているんですが、違ったらどうですか、なりますか。
○説明員(矢部丈太郎君) 優良かどうかと申し上げますのは、やはり価格の点でカワハギが非常に安くてフグが非常に高いと、こういうような状況の場合に、やはり一般消費者に誤認が生ずるのじゃないかと思われるわけでございます。
○丸谷金保君 この問題だけでなくてほかの方、農業の方にも入りたいのであれですが、これは全然値段が違うんですよ。この場合どうなんですか。
○説明員(矢部丈太郎君) これに似た問題も私どもの方に何件か来ておりますので、そういう問題と一緒にあわせて考えさせていただきたいと思っております。
○丸谷金保君 まあ実は、えさの問題で、いろいろ公害にならないように大変苦労している漁協なんかも九州にもありまして、これはりっぱな方だから名前を挙げてもいいですが、牛深なんという熊本県の、これは生えさでなくて、なるたけ何といいますか、加工のえさを使って、公害が起きないようにどうするかというふうなところもありますので、一概には言えないんですが、そういう点で御検討というか、慎重にひとつ扱っていただきたいと思います。
 それから農業の方なんですが、実はこの農業共済の中に、いただいた資料で五十四年度の見込み額、北海道はブドウゼロなんです。実は余市、仁木を中心に、非常にことし台風二十号でブドウの被害があったんです。余市の町長から私のところへも電話が来て、困ったということで相談を受けているくらいですから、大変な被害があったんです。これはどうして北海道のやつは出ていないんでしょう。
○政府委員(松浦昭君) 北海道のブドウにつきましては、共済組合連合会が果樹共済を実施しておりません。ブドウについては実施しておりませんので、したがいまして被害の額には上っていない次第でございます。
○丸谷金保君 そうするとあれですか、ブドウについては全然共済保険の掛金をしていないということなんですね。
○政府委員(松浦昭君) そのとおりでございます。
○丸谷金保君 それで実際は、従来の農林水産省の行政指導の中でブドウについての共済保険というふうなもの、共済加入というふうなことについてはきわめて消極的だったんです。その理由は何かといいますと、一つは果樹振興法の関係です。果樹振興法の二条の二項の中に、適した自然条件の地域を政令で指定するというのがありますね。それを政令で指定しているんです。これ、ブドウの場合には積算温度何度ということになっていますか。何度ですか。
○説明員(志村純君) お答えいたします。
 ブドウにつきましては、年間平均気温七度以上ということになっております。
○丸谷金保君 平均温度七度ということになりますと、余市がすれすれなんです。十年間の平均気温をとってみますと、農業統計のとり方で、気象のとり方でとってみますと、余市で大体そんな程度です。ですから、それより奥の方でつくっているブドウについては、果振法に言ういわゆる適地適作というふうに言われていないわけですね。そのために構造改善事業にも乗らないとか、共済もきわめて積極的でないとか、いろんな点で差別を受けているんです、北海道のブドウが。このことにつきましては、前から私は、その積算温度七度というのはおかしいじゃないかということを再三主張してきたのですが、依然として直っていないんです。一体、積算温度七度というのはどういう根拠で決めたんです。
○説明員(志村純君) この問題につきましては、先生御承知の統計のように、これまで「果樹農業振興基本方針」をつくるに当たりまして、各種専門家を集めまして、その専門家の検討の結果、こういう自然条件の一つの基準ということでお示ししたわけでございます。
○丸谷金保君 年平均気温の七度、こういうものが一体気温の適地適作を決める場合に理由になりますか。世界のいろんな地域の気象の状況、私ここへデータを持ってきておりますが、そこまできょうはあれでないのでやめておきます。しかし、積算気温が、年平均温度が七度以上のところでも、たとえばチェコのプラハ近郊のようにブドウが余りできないところもあるんです。チューリッヒもそうです。ところが、平均気温が七度以下でも、ブドウの産地はたくさんあるんですよ。一体それなのに、どうして七度ということを日本だけそういう決め方をするんです。
 われわれはこれについては、成育期間積算温度ならわかるんです。稲だってそうですしね。要するに成育期間の温度が高ければ、逆に冬季間何ぼ低くたって果物はできるんですよ。それをどうして七度というふうなことに固執するんですか。そのために共済からなにからみんなだめなんですよ。入ればいいと言いますけれども、何だかんだ言って入れてくれないんです、結局は果振法のこれがあるからということの理由で。しかし実際には、町長さんが二十号台風で大変だといって私らのところまで電話をかけてくるくらいにたくさんあるんですよ、北海道のブドウも。どうなんです。
○説明員(志村純君) 基準のとり方につきましては、ただいまの丸谷先生の御指摘のような御意見もあるわけでございますが、現実問題といたしましては、作物がとれるということ、これとは別に、その作物の農業経営としての安定性という問題があろうかと思います。それから農業生産や品質の安定、こういった見地も入れてただいまの基準ができておると、このように考えております。
○丸谷金保君 共済には入ってないけれど、何百というブドウをつくっている農家があるんです。余市、仁木なんか安定もしていますよ。安定性に疑問があるというのはどういう意味ですか。どこに疑問あります。具体的にひとつ、北海道のブドウはこういう点で安定性に疑問あるということを挙げてください。
○説明員(志村純君) これは先生も御承知のとおり、ただいまの「果樹農業振興基本方針」、これを読みますと、自然的条件に関する基準といたしまして、ただいまの温度の問題と並びまして、後ろの方に「かつ、当該地方において植栽に係る果樹の成育又は結実に重大な支障を及ぼすおそれのある低温、降雪、降霜等が発生するおそれがないこと。」というようなことも書いておりまして、こういったようなことを考えまして現在の基準ができておると、このように理解しております。
 それからもう一つは、現在農林水産省の各種の行政を行う際の一つの判断材料になろうかと思いますが、少ない金を効果的に使っていく場合に、それぞれの作物に自然的条件として適したところ、そういうところから金を使っていきたいという考えがあって現在の方針ができておると、このように考えております。
○丸谷金保君 審議官、あっさり頭を下げた方がいいんじゃないの。そういうふうなことを言うと、あなただんだん深みにはまるよ。いいですか、余市から四十キロ北の、一番の豪雪地帯の浦臼町で構造改善事業の補助金を出してやらしているでしょう、海のものとも山のものともわからぬのに。どういう意味でついたんですか、それは。あそこは大丈夫なんですか。
 だから、そんなことを言わないで、もう時間もあれですから、実際には積算温度七度ということについて問題があることは皆さん知っているんでしょう。冬が三十度になろうが二十度になろうが、ブドウはそのときに成長しないのだから、そんなときの温度も全部足して、いいですか、ソビエトの天山山脈のふもとのアルマアタなんというところに私行ってきましたけれども、零下四十度まで下がるところなんです。そこにブドウがちゃんとたくさんあるんですよ、夏のある期間が暖かいから。学問的にだって、積算温度七度なんということは、世界的に認められてないんですよ。それでもそういうふうに安定性とかいろんなことを言われるのなら、なぜそんなところへ七十町もブドウの畑を試験的につくらせて、構造改善事業で農林中金からも何十億という借金をさせてやっているんですか。
○説明員(志村純君) ただいま丸谷先生から御指摘のありました問題、これは確かに近年は果樹の栽培品種がふえてくるとか、栽培方法が新しく開発されるとか、こういうような問題が現に事実として出てきておるわけでございます。たまたま御承知のように「果樹農業振興基本方針」、これは大体五年ごとに見直しをしておりますが、最近の計画の見直し作業を昨年、五十四年から進めております。近く改定をいたしたいと思っておりますが、ただいまの問題になっておりますこの基準につきましても、この基準をどういう示し方をするかということを、現にいろいろ専門家を集めて検討をしておる最中でございます。
○丸谷金保君 まあ時間もあれですから、大蔵省にお願いしますが、結局こういう共済の数字を見まして、北海道のブドウが何にも出てきてないんです。しかし、現実にはもう恐らく全国でも指折りの県に入るくらいブドウの生産はふえている。しかし、依然としてまだ検討なんですよ。それで、検討してもらうのは結構ですが、私たちは十五年前に出して、検討するって言ったんです、皆さん、農林水産省は。いまから学者を集めて検討して、また十五年かかるんですか。どうなんです。十五年かかっているんですよ、これの検討を始めてから。
○説明員(志村純君) 私、五年ごと、大体五年のサイクルでいまの基本方針を改定すると申し上げましたが、五十四年から作業を始めまして、ことしの春をめどにしまして新しい基本方針を決めたいと、このように考えておりますので、それまでには慎重に検討いたしまして何らかの結論を出さざるを得ないと、こう考えております。
○丸谷金保君 そうすれば、この果樹共済の方にも出てくるということになるわけですね。
○政府委員(松浦昭君) 果樹共済の面でございますが、若干先生誤解をなすっておられるかもしれませんので、われわれの方の考え方を申しますと、果樹共済の場合には、当然ある一定の面積がありまして、それで危険が分散できるという状態がありまして、事業として成り立ち得るというような果樹経営がある程度までまとまってあるという状態でございましたら、その地域につきましては果樹共済事業を実施するということは、むしろ適当であるというふうにわれわれ考えております。
 したがいまして、それは災害対策という側面を持っておりますから、果樹振興対策として基準に適合しない地域におきましても、連合会がこれをやるということで踏み切れば、私どもの方としては当然引き受けをするという考え方でそれを見ております。
○丸谷金保君 もう時間が参りましたのでこれでやめますけれど、たてまえをおっしゃっているけれど、連合会は引き受けないんですよ。だから言ったって、そんなことそういうふうにはならないわけです。振興地域に入ってないのにそんなの引き受けられないということになってしまうんです。ですから、ひとつ十五年、現実にはどんどんふえているんです。メンツもあるでしょうけれど、積算温度七度以下のところではできないできないと言ってきたけれど、たくさんできるようになっちゃったので、お困りだろうとは思うけれど、頭を下げるべきときには下げて早く直しなさいよ、いつまでも突っ張ってないでね。いいですか。
 これだけ要望して、質問を終わります。
○多田省吾君 私は最初に、昭和五十四年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案につきまして、大蔵省に若干お尋ねをいたします。
 これは議員立法でございますから内容においては異議はありませんけれども、毎年引き継がれることでございますから、政府提出として取り扱っていくことについての是非を大蔵省はどう考えているかということでございますね。特に今回は、五十三年度から開始された水田利用再編対策というものは十年間を対象として考えられているわけでございますが、当然その間、転作奨励補助金は毎年交付されることになると思われます。大蔵省も昨年の食糧管理特別会計法の一部改正のときに、その都度農林水産省と相談はするものの交付の続行を明らかにしております。
 例年のように、確定申告時期に合わせて、本法案は議員立法という形で補助金の税制上の軽減のために提出されたわけでありますが、その基本となる水田利用再編対策が十年間も続く以上は、やはり毎年度の本法質疑の際にいつも指摘されておりますように、本法を単年度の議員立法としてではなくて、政府提出として取り扱っていってよろしいのではないか、このようにわれわれは思いますけれども、大蔵省のお考えをまたお尋ねしておきたいと思います。
○政府委員(梅澤節男君) 水田利用再編奨励金の課税の特例の措置につきまして、毎年度議員提案ではなくて政府提案にしてはいかがかという御質問かと存じますけれども、この奨励金の性格から見まして、たとえばこれを所得税法の問題として考えますと、本来この奨励金は事業所得にかわる所得ということで課税所得の対象になるという性格のものでございまして、今回の御提案のようにこれを一時所得と観念いたしますことは――一時所得と申しますのは、文字どおり継続的でない一回限り発生する所得ということでございまして、この奨励金はただいま委員が御指摘になりましたように、今後かなり長い期間にわたって継続して交付されることが予定されているものでございますが、いかんせん現在の所得税法の基本的な考え方にはなじまないという基本的な問題があるわけでございます。
 したがいまして、この課税の特例につきまして政府の立場からこれを御提案申し上げるということは、税法の基本的な考え方になじまないという点も含めまして非常にむずかしい問題があるということは、ぜひ御理解を賜りたいと思うわけであります。
 ただしかし、この奨励金につきましては、水田利用再編対策と申しますか、そういう政策的要請に基づきまして、国会、立法府の御意思としてこれを一時所得として取り扱うということをお決め願いますということにつきましては、そういう異例の政策的要請ということにもかんがみまして、政府として税法上あるいは税法の理論からいたしまして、いろいろ問題があるわけでございますけれども、あえてこれに異論を差しはさまないということで、従来この問題に対する政府の態度は一貫しているわけであります。
 なお、毎年度の立法の問題でございますけれども、この奨励金につきましては、やはり毎年度国会の予算の議決を経まして交付されるものでありましょうから、それに基づきまして、毎年度立法府としての課税上の特例の扱いを鮮明にしていただくという性格のものであろうと思いますし、今回御提案になっている基本的な考え方も、そういう考え方に基づいておられるものであろうというふうに私どもは承知をいたしているわけでございます。
○多田省吾君 次に、農林水産省にお尋ねいたしますけれども、水田利用再編対策は五十三年度からおおむね十年間の対策でありますけれども、その第一期、五十三年から五十五年度におきましては転作等面積を三十九万一千ヘクタールを目標にし、また、原則として三年間は目標を変えないというのが農林水産省の立場であったはずでございます。しかし、昭和五十五年度の予算におきましては、緊急措置といたしまして五十三万五千ヘクタールに改定することになっております。当初に比べますと、三七%増の転作等をしなければならなくなっております。生産面で豊作であったとか、あるいは需要面で米の消費拡大が思わしくいかなかったとか、いろいろ理由はありましょうけれども、基本的に農政に対する見通しの甘さ、また米の消費拡大等の対策の不足といろいろあり、農林水産省にしても反省の必要があると思います。
 大幅に転作目標を変えなければならなかった理由、さらに第一期でつまずいたというこの水田利用再編対策。そうしますと、当初計画よりもこの水田利用再編対策も変わってくるのではないかと思われますけれども、この点農林水産省といたしましてどのように考えておられるか、お尋ねしたいと思います。
○説明員(志村純君) 水田利用再編対策につきましては、ただいま御質問にありましたように、第一期期間中は原則として目標を固定するという方針で臨んだのでありますが、また、お話の中にありましたように、米の需給が当初の見通しに比べまして大変狂いました。確かに生産者の皆様方は、国が示した目標数量を消化してくださったわけでありますが、計画の発足当初に予期しました以上に反収が上がりました。それから消費の減退もきわめて深刻でありまして、その結果、過剰累積ということになったわけであります。このため、五十五年度の水田利用の再編対策をいかに進めるかということにつきましては、かなり早くから関係各方面の御意見を伺いまして、目標を三年間固定ということを申し上げたわけでございますから、目標を固定する方針を維持することができるかどうか、そういった方策も含めまして、あらゆる角度から検討を進めたわけでございます。
 しかし、これ以上過剰米が累積いたしますと食管制度も崩壊しかねないと、こういう危機意識から、米の需給均衡を早急に回復させることが何よりも急務であると、このように判断いたしまして、緊急やむを得ざる措置として五十五年度についての目標を改定いたしたわけでございます。確かに三年間固定ということで、県、市町村、末端の生産者各位は減反の計画を進めてこられたと思われますので、そういった方々に御迷惑をおかけしたということは、大変に残念に思っております。
 いずれにしても、いま申しましたような事情を御理解いただいて、何とか五十五年度の目標数字を消化していただきたいと、このように考えておる次第でございます。
○多田省吾君 お米の豊作ということは私は大変結構なことであるし、反収の増加は喜ぶべきことである、このように思いますけれども、問題は米の需要の問題だと思います。御存じのように、戦前は一人一年間に百五十キロの需要があったわけでございますが、昭和三十七年ごろは百十八キロ、また昭和五十二年になりますと一人一年間の需要は八十三キロと激減しているわけでございます。この調子でいきますと、昭和五十五年あるいは昭和六十年はどの程度と農林水産省においては考えておられるのか。
 またさらに、消費拡大の方策としていろいろなことが言われておりますけれども、具体的にどのようなことを考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(小野重和君) 最近、残念ながらお米の消費が減退を続けておるわけでございますが、その基本的な一番大きな原因は、日本人の食生活の中身が変わってきているというところにあると思います。このような傾向は、お米の消費拡大計策を一層進めなければいけませんけれども、今後も残念ながら続くのではないか、こう考えております。
 いまお尋ねの昭和五十五年ないし昭和六十年の見通しについてでございますが、昭和五十五年はこれはまだどうなるかよくわかりませんけれども、総需要量で大体千百十五万トンというような数字を想定いたしておるわけでございます。六十年はどうなるか、その数字はございませんが、現在、農林水産省で昭和六十五年見通しの作業を進めておりますので、昭和六十五年をどう考えるかということについては、現在検討中でございますので、数字につきましては控えさしていただきたいと思います。
 それから、米の消費拡大対策でございますが、五つの柱で私ども進めております。
 一つは、お米についての正しい知識を啓蒙普及するということでございます。これにつきましては都道府県、市町村あるいは教育関係者、医療関係者、栄養関係者あるいは婦人団体の一層の協力を得て進めてまいっておるわけでございます。
 二番目は、学校給食におきます米飯導入の促進でございまして、学校給食用のお米の大幅値引きその他の施策を進めております。
 それから三つ目は、これは当然のことでございますが、販売業者――お米屋さんの販売活動をもっと促進するということでございます。
 それから四つ目は、おいしい米、これをもつとつくる、こういうことでございまして、生産者米価に品質格差を導入いたしましたり、自主流通に対する助成をしているというようなことはそのあらわれでございます。
 それから五番目は、お米の加工品、これをもっと開発、普及を進める、こういうことでございまして、以上の五つの柱に基づきましていままでも米の消費拡大対策を進めておりますし、これからも一層これを推進いたしたいと、かように考えております。
○多田省吾君 いま五つの柱をおっしゃいましたけれども、これは当然のことだと思いますが、そのうち一つ二つお尋ねしますけれども、学校給食での消費拡大効果は、この一、二年でどういう方向に向かっているのか。
 それから二番目は、備蓄について、加工品の開拓ということもありましたけれども、備蓄につきましても御存じのように、イギリス等では一年半分の主食の備蓄、中国等においても一年分の備蓄構想を持っているわけでございますが、わが国ではいろいろな関係で備蓄がなかなか思うようにいかない。だから、各家庭に、変質しがたい米の加工品を常備分として備蓄してもらうとか、いろいろ備蓄の考え方もあると思います。こういった二つの点で農林水産省はどういう検討をされているか、お尋ねしたい。
○政府委員(小野重和君) 御質問の順序を逆にお答えいたしますが、まず備蓄の問題でございますが、私どもは二百万トンの備蓄ということで進めております。もっとも、現在では去年の十月末で約六百五十万トンという政府古米在庫を抱えるに至っておりますが、備蓄としては二百万トンが適正な数字ではないかというふうに考えております。これは、最近の不作の年ということになりますと昭和四十六年でございますが、作況指数九三、このような不作が二年続きましても大丈夫であると、こういう数字でございまして、このような二百万トンという備蓄量が適正な数字ではないかというふうに考えております。
 それから、米飯導入の問題でございますが、五十一年度から本格的にこの推進を図っているわけでございますが、五十一年度は一万二千六百トン、初年度でございますが、五十四年度は約五万二千トン、これは見込みでございますが、そういうテンポで進めております。これは昭和五十六年に週二回の米飯導入を進める、それを目標にいたしておりまして、五十一年、五十二年、五十三年ぐらいまでは大体その計画どおり来たわけでございますが、最近ちょっと計画に比べて実績がやや少ないということがございます。そういう事情でございますので、今年度から学校給食の値引き率、これをさらに大幅に拡大して何とか目標どおり進めていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○多田省吾君 私が先ほど申した備蓄といいますのは、適正な備蓄を変質しない形で多くできないかと、こういう問題です。いまは六百五十万トンの古米というのは変質する古米でございまして、これはどうにも扱いようがないというふうな消極的な、またやむを得ざるような、そういう備蓄と言えないような状態でございます。やはり最近は食糧も、石油、原油にかわって戦略物資として今回も扱われているようなきらいもありますし、また、変質しない米の加工品、常備分としての備蓄というようなものをやはりお米においても考えていかなければならない、このように私は思いますけれども、その辺の研究とか、その辺の構想は全然ないんですか。
○政府委員(小野重和君) お米の備蓄につきまして、大きく言って二つの考え方があると思うのでございます。一つは、私どもたな上げ備蓄と、こう言っておるのでありますが、一定のお米を何らかの方法で備蓄するわけでございますが、それが一年たてば二年古米、三年古米とだんだん古くなっていく、そういう形で備蓄するという方式が一つございます。私どもは、そういう方式は実はとっておらないわけでございまして、毎年二百万トンの古米を新しい年度に持ち越しまして、それをその年の主食用に回すということで回転させていく方式をとっているわけでございます。これはやっぱりお米は、いろんな備蓄方式があるかと思いますが、どうしても時がたちますと非常に悪くなりますので、そういうことから回転備蓄方式をとっているわけでございます。
 そういうことでございまして、たな上げ備蓄といいますか、ずっと何年も持ってくる方式というのは、いろんな研究があろうかと思いますが、どうしてもやっぱりお米は質が下がる、こういうことがございますので、そういう方式はとっていないということでございます。
○多田省吾君 それから、昭和五十年作成の「農産物の需要と生産の長期見通し」というのは、見直すお考えですか。
○説明員(蜂巣賢一君) いま御指摘の六十年の長期見通しでございますが、作成しまして多少の時間も経過したこともございまして、実態との間に乖離の出ておる品目が幾つか出てまいりましたので、ただいま昭和六十五年を目途にします新しい長期見通しの作成につきまして、農政審議会にも諮りまして検討中でございます。
○多田省吾君 それはいつごろまでに見直す予定ですか。
○説明員(蜂巣賢一君) 目下、農政審議会の需給専門委員会で、細かな点につきましていろいろ検討をしていただいておりますので、まだ多少時間がかかると思いますが、ことしの中ごろまでには何とかつくりたいというふうに考えております。
○多田省吾君 それから転作に関しまして、やはり施設園芸というものが消費者にとっても、また農家の方々のこれからの仕事にとってもこれは重要だと思いますけれども、ただ、省エネ時代ということで石油の農家への供給が大丈夫なのか、あるいは石油の値上がりで農家は採算がとれるのかどうか、その辺が大変心配されるわけでございますが、その辺の施設園芸に対する考え方をお述べ願いたいと思います。
○説明員(草場緋紗夫君) 確かに施設園芸の果菜類等につきましては、国民の生活の中に定着してまいりましたし、いままで施設の設置面積等も増加してきたわけでございます。ただ、全体の施設面積のうち約四割程度は加温用に石油を使用しているわけでございまして、何と申しましても、石油価格の高騰ということもございまして、省エネルギーに努めるということが肝要であると考えているわけでございます。
○多田省吾君 ちょっと不親切な答弁ですけれども、採算がとれるか、またこれからの見通しについてお尋ねしたつもりですが、その辺はどうですか。
○説明員(草場緋紗夫君) やはり石油価格が高騰いたしまして、生産コストも上がってくるわけでございます。それで第一番目に、省エネルギー型へ改良するという意味合いで近代化資金等の貸し付け一あるいはほかのエネルギー等への転換に対しますモデル事業の設置等を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○多田省吾君 次に、果樹共済、それから漁業共済について一点ぐらいずつちょっと質問しておきたいと思いますが、農業共済再保険特会の果樹勘定というものは、四十七年度末に廃止された臨時果樹勘定の不足金を継承して発足したという経緯もありまして、相変わらず果樹共済の事業収支というものが赤字基調から抜け出せないでいるわけでございますが、今回、年度途中の一般会計からの繰り入れというものは、五十一年度に続いて二回目になるわけでございます。この保険制度の組み立て自体に問題がないのかどうか。
 それから、五十四年度は大変な被害がありまして、これは一般会計からの繰り入れば当然かと思いますが、その一つの問題といたしまして、果樹栽培農家のうち果樹共済に加入している率が相当低く、大規模果樹栽培農家の方々の加入率が特に低いという、こういう面がございまして、これが収支を悪化させているという理由にもなっていると思いますけれども、この辺はどうお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(松浦昭君) ただいま先生御指摘のとおり、今回で二回目の繰り入れでございまして、確かにこのような果樹共済につきましての赤字対策というものは、当然真剣に取り組まなければならない課題でございます。
 このような赤字が発生いたしました原因は、その最大のものは、何と申しましても昭和四十八年にこの制度が本格的な実施をされて以来、残念なことに連続して異常災害があったわけでございます。細かくは申し上げませんが、昭和四十九年からほとんど連年の異常災害でございまして、さような大変不幸な事態から、このような巨額な赤字になるという状態が生じたと思いますけれども、一方におきまして、政府の仕組みそのものという点につきましても、ただいま先生御指摘のように、専業的な果樹農家がなかなか加入してくださらない、いわゆる加入の状況につきまして制度的に問題があるのじゃないかという点は、やはりその面を認めざるを得ないというふうに感ずる次第でございます。
 御案内のように、果樹栽培農家のうちで共済に加入している率を申し上げますと、収穫共済では制度発足当初よりかなり努力をいたしましたが、いまだ二六・四%、それからまた樹体共済では七・七%といったような状態でございまして、品種によりましてはかなりの加入率を持っているものもありますけれども、まだまだ低い状態でございます。
 このような点にかんがみまして、加入をより促進する、いわば共済に加入したいという、農家が魅力あるような共済の制度にしていくということが必要であるというふうに考えておりまして、実は今通常国会に果樹共済を中心といたしました法律の改正を行うべく、目下検討を進めている次第でございます。
○多田省吾君 最後に、漁業共済について一点お尋ねしておきますけれども、わが国の漁業をめぐる環境というものが二百海里による漁場制限あるいは一部の水産物に対する消費者離れ、あるいは石油ショックによる漁業生産コストの上昇、これがいろいろ厳しさを増しているわけでございますが、今後はやはり一部の水産物――イワシとか、そういうものに対する消費者離れを防ぐ、消費拡大を図る、あるいはいま石油の値段が大変高くなっております。魚の値段は大部分石油の値段だと言われるほどになっておりますけれども、いろいろ問題はあろうと思いますが、養殖漁業に対する対策というものが今後重要だと思いますが、この二点に関して農林水産省はどのように考えておられるのか、最後にお尋ねしたい。
○政府委員(今村宣夫君) 御指摘のとおり、漁業の経営問題を考えてみますと、石油は非常に急上昇をいたしまして、水産は御指摘のとおり石油で魚をとってくるというような部面もございますのは、その点で非常に水産の経営問題というのがシビアになってきていることは御指摘のとおりでございます。私たちは石油の対策につきましてできる限りの配慮を行いますと同時に、一方では、経営体としてできる限りの合理化を図りながら安定的にお魚を消費者に供給していくということには、特段の努力を必要とする状況でございます。
 なおまた、二百海里時代の本格的な到来に伴いまして、今後とる漁業からつくり育てる漁業へということの方向を目指しまして、養殖業の振興につきましては、私たちといたしまして特段の努力を重ねておるところでございます。
    ―――――――――――――
○理事(細川護熙君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、佐藤昭夫君及び藤川一秋君が委員を辞任され、その補欠として小巻敏雄君及び三浦八水君が選任されました。
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○渡辺武君 私は、提案されている法案には賛成なんです。しかし、農林水産省の政策には非常に強い不満を持っておりますので、きょうはその立場から幾つかの点を伺いたいというふうに考えております。
 いま農家の人たちに会っていろいろ実情を聞いてみますと、一番強く主張されますのは、とにかく三年前三十九万一千ヘクタールで三年間行くんだと、いわばそういう趣旨の閣議了解事項までできているのに、去年も減反面積を引き上げられたと。ことしは五十三万五千ヘクタール、それで十年先までには八十万ヘクタールというふうな方針が打ち出されておる。その上に、政府の政策に協力して転作をしても、その価格も、それからまた市場も保証がない。とにかく、もうこれじゃやっていけないという声が非常に強いんですね。だから、その点をひとつよく見て、そして適切な対応をぜひやってほしい、この点を最初に強く要望しておきます。
   〔理事細川護熙君退席、委員長着席〕
 そこで、きょうは時間がないので大蔵大臣にまず最初に伺いますけれども、こうした農民の窮状にいわば追い打ちをかけるような方針が財政制度審議会から出されている。昨年の十二月十九日付の財政制度審議会の建議、これの十二ページを見てみますと、こういうことが書かれているんですね。いわゆる水田利用再編対策についてですけれども、「農政全般との関連にも配慮しつつ、奨励補助金単価の水準や交付期間の見直し、休耕的手法の導入等水田利用再編対策の基本に遡った検討を行う必要があろう。」と、こういうことを言っているわけです。そして、同じときに出されました審議会の報告、この七十四ページを見てみますと、こういう措置を「五十五年度予算においても極力それらの実現に努めるべきである。」ということも言っているわけです。
 そこで伺いたいんですが、五十五年度の政府予算案ですね、これはこうした財政制度審議会のいま私が読んだ点を取り入れてつくられたものなのかどうか、まず伺いたい。
○政府委員(吉野良彦君) ただいま渡辺委員御指摘の財政制度審議会の建議と、それからただいま御審議をいただいております五十五年度予算との関係でございますが、先生も御承知のように、財政制度審議会の建議は、ただいま先生がお読みになりました部分にとどまらず、かなり広範な問題につきまして高い立場からいろいろな見識のある御提言をされておられるわけでございます。
 そこで、問題の水田利用再編対策の問題でございますが、これは現実の、現在御審議いただいております五十五年度予算におきましては、従来のいわば第一期の水田利用再編対策の基本的な枠組みはそれはそのまま維持をする。したがいまして、たとえば奨励金の単価も前年度と同じ仕組みで進めていくという前提で、五十五年度予算は組んでいるわけでございます。
 いずれにいたしましても、財政制度審議会の建議は、あに五十五年度予算にとどまらず、やや長期的な観点から財政の問題にメスを入れていただいているわけでございますので、私どもはこの建議の趣旨をやはりそれなりにくみ取りまして、今後五十六年度予算以降の問題として十分に農林水産省とも相談をしながら、検討をしていく際の一つのよすがにさしていただきたいと、かように考えております。
○渡辺武君 特にここで見落とすことのできないのは、「休耕的手法の導入」ということをはっきりうたっているわけですね。この「休耕的手法の導入」というのは、これはとにかく農地を荒らし農民の心を荒らすということで、以前からももう社会的な批判が非常に強いものなんですね。こういうものについてもやはり大蔵省としては、今後いわば採用の方向で進むということですか。
○政府委員(吉野良彦君) ただいまの「休耕的手お法」の問題でございますが、渡辺委員御指摘のとり、この手法につきましては、いわば生産者の農業生産意欲を阻害するといったような問題があることは否定し得ないところだと存じます。
 しかしながら、これもまた先生よく御存じのとおりかと存じますが、現在の水田利用再編対策の仕組みのもとにおきましては、これは財政の観点から申しますと、いわば転作を進めれば進めるほど財政負担としては当面増加をしていく。極端な例を申しますと、一部の作物につきましては、いろいろな転作対策のほかに価格対策も講じられておりますために、財政負担について申しますと、お米を食管が売買する以上の財政負担、場合によりましては、いわば工業用に過剰米を処分をする場合のコスト以上のいわば財政負担になる場合もあるわけでございます。こういったような財政負担の増高という問題も、やはり私どもは看過し得ざる問題だと思います。
 そこで、「休耕的手法」の問題でございますが、これはもちろん財政的な観点からだけ決着がつけられるべき性質のものとは私ども存じておりません。おりませんが、これはやはり今後、五十六年度以降、水田利用再編対策をどうやって仕組んでいくかという場合に一つの考えるべき問題のテーマであろうと、かように考えております。
○渡辺武君 これは、いまおっしゃったように、確かに財政的な見地からだけ見るべきものじゃないと思うんですよ。これは、日本のやっぱり農業のあり方そのものについての大問題だろうと思うんですね。ですから、農林水産省の方にも、ぜひひとつこの点答えていただきたい。財政制度審議会の、先ほど私が読みましたね、あれらについて農林水産省としてはどういう考えを持っているんですか。
○説明員(志村純君) お答えいたします。
 ただいま特に休耕の問題について議論がなされておりますが、水田利用再編対策、これは、わが国の今後の農業の再編成のかぎになる重要な問題でございます。そういう意味で、私たちといたしましてはただ単に財政上の問題だけではなく、確かに財政上の問題というのは大変重要な問題ではございますが、それだけでなくて、いわゆる今後の長期にわたるわが国の農政の方向づけの問題、それからわが国の土地利用の問題、そういったことを中心に、幅広い角度から議論して結論を下さなければならないと、このように考えております。
 現在は、水田預託制度ということで農協に保全管理を頼むというような方法も開かれておりますが、現時点ではわれわれは単純休耕ということは、先ほど先生がおっしゃいましたようにいろいろ問題があろうかと思っております。
 いずれにせよ、五十六年度、第二期以降にこの問題をどうするかということは非常に重要な問題でございまして、たまたまわれわれは農政審議会にお願いしまして、これはさしあたりの目標としては昭和六十五年の農業のあり方ということではございますが、そういう角度で、いま言った休耕の問題を含めまして農政審議会にもせっかく御審議いただいておるところでございまして、そういった方面の御意見を伺いながら、これから慎重に検討して結論を出してまいりたい、このように考えております。
○渡辺武君 なお、重ねて農林水産省に伺いますが、いま大蔵省の方のお答えの中で、五十五年度予算ではこの再編奨励補助金ですね、これの単価などは変えていないのだという答弁があったんですが、私が計算したところでは、どうも去年よりもことしの方が十アール当たりの単価が安くなっている。平均単価で言いますと、五十四年度は五万七千四百八十五円、それが五十五年度は五万六千円に引き下げられているという実情があるんですね。これは一体どういうことですか。
○説明員(志村純君) お答えいたします。
 五十五年度の奨励補助金の予算編成に当たりましては、五十五年度は御承知のように、目標面積は五十三万五千ヘクタールということにふえたわけでございますから、それに伴って金額は当然ふえるわけでございますが、その予算を組むに当たりまして、これまでの動向から見まして――現在、御承知のように、補助金の単価は四万五千円と五万五千円というように二口ございますので、その補助金の単価区分ごとの従来の動向でございますね、そういったもので来年度の実施見込みを推定して計算しております。ですから、おっしゃるような計算をされますと、若干単価が低く出ておるかもしれませんが、考え方はいま申しましたようなことで計算しておりまして、いわゆる奨励補助金の単価そのものは全然変えておりません。
    ―――――――――――――
○委員長(世耕政隆君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、鈴木一弘君が委員を辞任され、その補欠として和泉照雄君が選任されました。
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○渡辺武君 単価そのものはどうも変わらないけれども、しかしその計算のいわば基礎にある単価の安い方ですね。私いただいている資料を見ますと、いわゆる特定作物及び永年性作物、これは単価が十アール当たり五万五千円、それからいわゆる一般作物、それから管理転作奨励補助金、つまり農協等への水田の預託、これについては四万円と、こういうことになっていますね。この四万円の低い方、これの面積が昨年度よりもいわば余分に大きく広がってくるということを予定しての計算、こういうことですか。
○説明員(志村純君) お答えする前に、私先ほど五万五千円と四万五千円と二つありますと申しましたが、すでに先生御訂正なされたように、四万五千円ではなくて四万円でございますので、最初に訂正さしていただきます。
 それから、低い方がなぜふえたかということでございますが、最近の動向などを見まして、私どもは現在非常に自給率の低い麦とか大豆、こういったものをふやしたいのでございますが、これは農家の方にも経営上の計算その他いろいろございます。
 実際の最近の動きを見ますと、一つは、転作を契機にいたしましてそれぞれの地域の地域特産物、こういったものをいろいろ皆さん方開発、販売に努力をされる傾向が最近かなり顕著に見えます。で、地域特産物の場合は、現在ほとんどこれは四万円口でございます。これが一つ理由がございます。それから、転作の目標面積がふえてまいりますと、農家の事情によっては労働力事情その他で農業ができない、転作ができないということで、農協に保全管理をお願いするというのが、またこれ若干ふえてまいっております。これはやはり四万円口でございます。このほかに、いわゆる土地改良の通年施行がございまして、これも四万円口でございまして、こういったような三つの理由から申しまして、五十五年度は四万円口がかなりふえるのではないだろうかと、このように見たわけでございます。
○渡辺武君 私は、そこのところをいわば端的に申し上げてみると、つまり財政制度審議会では単価を引き下げろと言っているんですね。ところが実質上、つまり計算の基準である単価は変わってないとあなた方は言うんだが、実質上はもう単価は引き下げられている。この点が第一点。
 それから第二点は、いま申しました農協等への水田の預託、これがいまふえていっているということをおっしゃった。これは実情を調べてみますと、農協へ預託して実際上これは休耕田になっている。これが実態ですよね。そうしますと、やはりこの休耕等、これを検討するというこの方向に実質上やっぱり沿った方向で、農林水産省が問題を考えているというふうにしか考えられないですね。
 一生懸命になって政府が奨励するものだから、大豆をつくり麦をつくり、農民は一生懸命になってやったけれども、実際つくってみたら買い手がないということで、農協の倉庫に山積みになっているというのが一時の実情だったじゃありませんか。そんな状態で、これであなた、奨励金が多少高くなっていたって、これはつくっていけるかどうかというそのこと自体がもう心配になってきている。そういう状態ですよ。
 ですから、私どもはやはり転作の条件をまず整えよと、転作をした作物のやっぱり売り先の保証、それからまた価格の保証、これを政府がまず十分にやって、農民が自主的に転換できるような条件を整えることが先決だということを主張しているんですが、その点について、もう時間がないからなるべく端的に答えていただきたい。どうですか。
○説明員(志村純君) 今回の予算委員会には、来年度の転作の予算として約三千億のものをお願いしておるわけでございますが、そのほかに、ただいま先生御指摘になられたような、いわゆる転作条件の整備といいますか、環境整備といいますか、これが非常に大事だということで、各種の予算をお願いしております。この金額を合計いたしますと相当の金額になりますが、そういうことで転作条件を整備いたしまして、せっかく農家がつくったものが売れないとか、値段が期待に反して非常に下がってしまったとか、そういうことがないようにできるだけの力を入れてまいりたいと、このように考えております。
○渡辺武君 それからもう一点、重要な問題ですから聞きますけれども、昭和五十三年十月十六日付で岩手県会議長から、果樹への転作についての奨励補助金の交付期間を限定しないで、この対策が実施されている期間中交付されるよう強く要望するという請願が出されて、これは満場一致で八十五国会で採択されているんです。これについて農林水産省の方ではどういう対策を講じたのか。時間がもうないので、端的に答えてください。
○説明員(志村純君) お答えいたします。
 果樹の転作について何年まで奨励金を出すかということは、これは前からいろいろ議論があったわけでございますが、これは定着をいたしますとかなり収益性も高くなるというようなこともございまして、ただいまのところ、現在の奨励金の交付期間五年間はこのままということで農家に御協力をお願いいたしたいと、このように考えております。
○渡辺武君 この請願についての処理ですね、それについて農林水産省の報告が出ています。これを見てみますと、奨励補助金の水準を高くする一方、成園となれば相当の収益が期待でき定着性も高いことから、その成育期間を勘案して奨励補助金の交付期間を定めているので期間は妥当なものだと考えている。つまりいまの五年ですね、これを延長しないのだということを言っているんです。その条件としては、成園となれば相当の収益が期待できるということが重要な問題として挙げられている。
 ところが、成園となるその期間、これが私は問題だと思うんです。私が国税庁に聞いている暇がもうないから、国税庁から確かめたことでお話ししますと、国税庁では農家への課税の際に、果樹については未成木である間は非課税となっている。そうして、この非課税の期間というのは、その果樹の出荷が始まって後、出荷による収益とその年かかった経費が収支相償う時期を、各国税局管内で標準的に定めているということになっている。もう実がなり出してそれを売って得た収益と、そしてそれにかかった費用、これを勘案してみて、収益が出た場合に初めて税金をかける。つまりここに言う、あなた方の言う、つまり成園となれば相当の収益が期待できるというそういう期間なんです。
 私、具体的に各国税局に、一体あなた方のところでは何年くらいで見ていますかと言って聞いたんです。そうしたところが、福岡の国税局管内ではハッサクですね、これは十一年、カキは八年間、それから広島国税局管内ではそれぞれ十二年間と十年間、それから高松の国税局管内ではそれぞれ八年間に六年間ですね。税金を取るのが商売の税務署の方が十一年も八年もかかるんだと、こう言っている、一番長いところでも。ところが、あなた方は五年でいいんだと、こう言っている。実情に合わないことは明らかです、農林水産省の方針が。農民の立場に立って考えるべき農林水産省が、国税庁よりも奨励金を出す期間を短くしているとは何事ですか。とんでもない話ですよ。私は、これは実情に合ったように改むべきだというふうに思います。
 それからもう一つ、ついでに伺っておきますが、この五年間の奨励金、これが打ち切られますと、そうするとこれは減反したという面積の中に計上されないことになっている。野菜なんかはこれはいつでも米に転換できるということで、たとえば三町歩持っている農家が一町歩減反すれば、これはいつでも一町歩の減反ということで計上される。ところが、同じ三町歩のたんぼで米をつくていて一町歩果樹にした、五年間たったと、そうしたらもうこれは減反には算入されないんですよ。非常な不合理です。もう地元の地方自治体はこれで困っているのが実情です。これをやはり実情に合ったように改むべきだと思う……
○委員長(世耕政隆君) 渡辺君に申し上げます。
 時間が超過しておりますので、結論にお入りください。
○渡辺武君 この二つの点、これを御答弁いただきたい。
○説明員(志村純君) 第一の五万円の点につきましては、御意見ではございますが、先ほど申し上げましたような事情で、現在の金額と期間で農家の御了解を得たいと考えております。
 それから第二の、期間を過ぎてからのカウント問題でございますが、これはいわゆる定着分としての永年性作物、これについては、われわれが都道府県に県別の目標を配分するに当たってはこれを考慮して配分しておりますので、実質的に面積をカウントしているのと同様の取り扱いをしております。
○委員長(世耕政隆君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 それでは、これより昭和五十四年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、討論はないものと認め、これより採決に入ります。
 昭和五十四年度の水田利用再編奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(世耕政隆君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、農業共済再保険特別会計における果樹共済に係る再保険金及び漁船再保険及漁業共済保険特別会計における漁業共済に係る保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、討論はないものと認め、これより採決に入ります。
 農業共済再保険特別会計における果樹共済に係る再保険金及び漁船再保険及漁業共済保険特別会計における漁業共済に係る保険金の支払財源の不足に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
○委員長(世耕政隆君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(世耕政隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時三十分散会
     ―――――・―――――